もふもふドクターともふもふオペレーターと時々◯◯ (もふもふニキ)
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プラチナ編 1
もふもふ、それは魅惑の響き
もふもふ、それは甘い誘惑
もふもふ、それはドクターの癒し
だが男性はともかく女性にもふもふするのは倫理的にヤバイと思う。理性的ではなく
理性を溶かしながら考えた
龍門稼ぎながら考えた
オペレーターとハイタッチしながら考えた
そして気づいたのである
「ただもふもふするのが悪い、正当な理由さえあればいいのだ」
そしてドクターは思い立つ
────そうだ、トリマーになろう
────────────────
「…というわけなんだが協力してほしいんだが」
「そう、じゃ。頑張って」
至極真面目な顔で唐突なことをいってくるDr.もふもふ(名前ももふもふなのである)が一人のオペレーターて──プラチナに言うと、プラチナはそっけなく席を立とうとして立ち去ろうとしている
「プラチナまだ冒頭の回想終わったばっかりだよ!?」
「急にメタいね、ドクター…」
ドクターの魂の叫びにプラチナはやれやれという風に首を振るのだった
「いや、これは実は真面目な話でな?」
「えぇ…?」
とりあえず座れと促されたプラチナは腰かけると。ドクターはどこかの司令塔のように両手を組んで話し始めた
「プラチナ、まず人の第一印象は何処で決まると思うか?」
「見た目が10割、そういう意味だとドクターの胡散臭さは10割だね」
「うぐっ…」
かっこよく決めようとしたドクターにプラチナのツッコミとも感想とも言えないセリフにドクターが話の腰を折られつつも続ける
「そうだ。見た目だ、無論俺もだがプラチナ達オペレーターもみられるというわけだ…だが、その見た目が服の裾が解れたり毛並みがボサボサだとどう思う?あそこはブラックかつ非合法な所だと思われかねん」
「ロドスは十分ブラックだと思うんだけど…」
失礼な、ちゃんと理性は自然回復オンリーで宿舎もしっかりしているというのに
「というわけだ。ドクターである俺がそういうところもカバーできるようになればいいと思ってな、無論男女問わずだ。身なりが整ってない状態で戦場に送り出したくないんだ」
「ふぅん…で、なんで私?アーミヤじゃなく」
プラチナは訝しげに問う、それはそうだ。彼女なら協力してくれるにちがいない、ちがいないのだが…
「…いや、トリマー初心者にはアーミヤは難しすぎる」
「そう?」
うむと頷きながらドクターは続ける
「トリミングというのは毛並みを整えるだけでなく衛生的にしてあげるのが目的でもある。だがアーミヤの毛は短い、初心者の俺が下手なトリミングをしてしまえば地肌を傷つけて炎症、あるいは感染症を引き起こしかねん。なのでアーミヤは──────ってなんだその顔は」
「…意外と真面目な話だったから驚いた」
「だから真面目な話だと言っている」
プラチナの意外そうな顔にツッコミを入れる、失礼な
「というわけでプラチナに頼んだと言うわけだ、もふもふしてる子で一番長く此処にいるのはお前だからな」
「ま、いいけど…その代わり終わったら買い物に付き合うのが条件、OK?」
「OKOK、頼むんだからそれぐらいは付き合わないとな」
「交渉成立」
プラチナはそこはかとなく嬉しそうにしながら受け入れてくれた。良かった良かった
「…ちなみにアーミヤは知ってるの?」
「モチのロン、アーミヤも了承してるしケルシー女医も了承してる」
ちゃんと二人には話を通してある。じゃないと黒塗りのアーツで俺がトリミングされてしまうからな、まだ俺は死にたくないのでござる
「で、いつやるの?」
「今でしょ!…と言いたいんだけどまだ準備とか済ませてないんだよなぁ」
反射的に言ってしまった。過去にそういう教師がいたらしい
「ふぅん…ならまたあとで声をかけて」
「了解」
プラチナはヒラヒラと手を振りながら事務室をあとにしていった
「よし、プラチナはOK…と、あとは俺の腕前次第だな」
とりあえずリハビリかねてちょこちょこと
プラチナかわいい
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プラチナ編 2
「準備の確認だ、まずはスリッカー」
スリッカー
もっともポピュラーなお手入れ用の道具。
弾力のある細い針金が並んだ幅広(T字型)のクシで、オーバーコートやアンダーコート用だな。ちなみにオーバーコートは太く長い上毛、アンダーコートは細く短い下毛という感じだ。
毛玉の発生を防ぎ、マッサージの効果が期待でき、血行がよくなる
「お次はコームとボブハサミ」
コーム
スリッカーで毛を整えたあと、仕上げのために使うのだな
トリミング時には、毛並みを整えたり、毛を立たせてカットする際に使われる必需品。俺達で言うところの櫛に当たるか?
ボブバサミ
トリミングに使用するハサミの中で最も小さく軽いハサミで、ヒゲや耳元、足回りの毛をカットする際に使う。髭や足回りは今回は要らないがな
「んで、カットバサミと」
カットバサミ
カット専用のハサミで、ボディラインの仕上げや、尻尾の形を整えたり、耳の毛を切りそろえたりする際に使う、さっきいったコームと併用して使う感じか
「そしてバリカンにドライヤーだな」
ドライヤー
トリミング専用のドライヤーには、スタンドにたてかけられるタイプや、アームに取り付けるタイプのものがあって乾かしやすいらしい、バリカンは刃を変えるぐらいか
「最後にカンシ、イヤーローションにパウダー。グルーミングスプレー」
カンシ
耳の毛を抜く道具。カンシを使い耳の毛を抜いた後に、イヤーローション等で耳掃除だ
イヤーローション
耳の毛を手入れした後に綿棒などに沁みこませて、耳の中の汚れをふき取る
イヤーパウダー
こっちは耳のケア専用のパウダーです。皮脂の分泌を抑え、清潔な状態を保つ
グルーミングスプレー
シャンプー後の仕上げ、毎日のブラッシング等に。絡まりを解消し、静電気を防止。あいつら毛が絡まってバリバリ言わせてるらしいんでな
「準備は万端。あとは俺次第か」
物は取り揃えれるだけ取り揃えてみた、この荒廃した世界にそんなものあるのかって少し思ったが普通にあった、というか品揃え豊富だった。種族用だったり、種族用にもいろんな種類があってよくわからなかった
ちなみに店員に聞くと小3時間程話を聞いた
…かなり恐怖を感じた。もしかしたら俺の理性が吹っ飛んだ状態はああ見えるのかもしれない。今後気を付けよう…
ちなみに道具を届けてくれたのはペンギン運送のテキサスである。あれもいいもふもふ具合
テキサスはループス。狼である、ちなみにプラチナはクランタ、馬である。フェンはわんわんおか狼だと思っていたのだがまさか馬娘だったとは思わなかったでござる。
そのテキサスだが無口なように見えて実は何も考えて居ないらしい。意外だった
そして次のトリミングの相手はテキサスにきまっている。何でもアーツを使うと尻尾の毛にビリビリ来て痛いそうだ、たまにぴょんぴょん跳ねてるのはそういう理由だったのか、知らせなかった。
『ドクター』
『ん?テキサスか、配達ご苦労様』
『これは何に使うのか』
『ああ、これはトリミングっていって尻尾とか耳とか。そういうのをケアするための道具だよ、ロドスにはそういうオペレーター多いからな』
『それは私にもできるか?』
『え?』
『私にもできるか?』
『別にいいけど…予約でいいのかな?先約が居るんだ』
『なるほど、ならそのつぎだ』
『了解、了解』
『報酬だが…耳ぐらいならさわってもいい』
もふもふ権利がトリミングの対価らしいのだが、別にかまわない。近々テキサスはロドスの支援に来てくれるらしい。そのなかでアーツを使う度にぴょんぴょん跳ねてるのを見られれば彼女のキャラクターが誤解されてしまうだろう
とまあそんなことがありつつ道具が揃ったわけだ
「さて、プラチナを待つかな」
────────────
一方プラチナはというと…
「………………」
そわそわ
「………………」
そわそわ
「………………」
そわそわそわそわ
「………………」
そわそわそわそわそわそわ
「………………………………………………」
絶賛そわそわ中である
ぽふっと与えられた個室でベッドにうつぶせになりながらそわそわしている。まだトリミングには時間がある、この時間がもどかしくてしかたないのである
「…………」
ぼーっとした顔でただただ虚空を見ている。アサシンであるプラチナではあり得ない行動だろう。
だが実際プラチナは上の空なのである
(ドクターと買い物か…)
ぼーっとしながらそう考える。ぶっちゃけトリミング云々はプラチナ自身割りとどうでもよかったりする。自らはアサシンでそもそも身なりなど気にする処か本来自然と同化しなければならないのだから(これをドクターが聞いたら半日程説教するだろう)
そんなこととより買い物である、買い物
ロドスの中では記憶を失った後に来たことになっているのだが、何度か「仕事」で一緒になる機会があったのだが、その頃のドクターとはなかなかに違った印象を受ける。あのもふもふ好きは記憶を失う前と余り変わらない気がするのだが
そんなこんなで戦っていたらちょうどドクターが記憶喪失になった直後にロドスへ来たのだがプラチナなのである
ドクターのことは少なからず興味がある。なかなか趣味嗜好をもふもふ好き以外に見つけるいいチャンスだと思っているのだ
「…そろそろ準備しようか」
とりあえずシャワーを浴びて行こうと思う、トリミングするときは髪を洗って乾かしたあとの方がやり易いと聞いている。そのわりにはしっかりと身を清めたり服装に気を付けたりしていたのを後から気づいたプラチナはこう漏らした
「…なんでだろ」
ちなみにプラチナは初狙撃高レアなので愛着があります。あとフェンがクランタだったのは本当に驚きました
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