和響の一日。【PSO2二次創作】 (ライドウ)
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第1話/第2話

第1話 主人公さん

 

 

とあるPSO2のとあるチーム「和響」。ship6に存在するチームだ。

そして彼らのチームルームでは二人の人影が、話し合っていた。

 

「それでね?ラッピーから虹ドロが出たんだよ~w」

 

「えっ...いいなぁ、私...一回も、出たことない。」

 

デイリークエストが終わった後なのか、二人は森林が見えるチームルームで切り株のイスとテーブルに座っていた。虹ドロップが出た方は、黒ラッピーの着ぐるみ(大)を着ていてどんな種族なのか分からない。

しかし、その話し相手はキャストの少女で全身黒で所々赤みがかっている。

 

「あっそういえば、」

 

「?」

 

「死神さんってどんなファンデーション使ってるんですか?」

 

「......」

 

其の言葉でキャストの少女・・・”死神”の動きが止まる。

その様子に黒いラッピーの着ぐるみを着てる方・・・”クロッピー”は頭にはてなマークを浮かべる。

しばらくして死神が動き出し、

 

「ごめんなさい、私。ファンデーション使ったことない・・・」

 

苦笑いをしながら死神がそういう。

 

「ほ、本当に!?い、今までどうやってお出かけしたりしてたの!?てかどうやって肌の保湿ケアしてるの!?ねぇ教えて!?」

 

いつの間にかテーブルから死神の目の前に移動するクロッピー。ぬいぐるみの目のハイライトが消えてるため死神も怖くて離れるがじりじりと追い詰められてついに壁際に追い込まれる。

そして、困惑する死神をクロッピーが壁ドンをする。もちろん眼力がすごいため死神側は必死に視点を変えている。

 

「わ、わわわっ私のは自然肌なんです!!」

 

「その肌に、する方法を、教えなさい!!今、すぐ!!」

 

「ひっひえぇぇっ!!」

 

 

「なるほどなるほど、お風呂入った時にマッサージすればよかったのか・・・」

 

「あ、あはははは・・・」(中身男だから適当に嘘ついたらめんどくさいことになった!とりあえず教えたけど・・・バレてないかな?)

 

 

 

「ありがと、死神さん!男の子なのによく知ってるね!!」

 

「・・・・・・」(ばれてるぅっ!?)

 

 

======================================

「どこでバレたん!?」

「えっ、キャラの可愛さ。でも死んだ目って言うのもギャップがあっていいね!!」

「oh......ありがとう、ございます。」

======================================

 

第2話 身長差

 

 

「デイリークエ終わりました~」

 

「お疲れ~、死神さん。」

 

和響のチームルームにまた死神とクロッピーが集まっている。

そして二人は森林になっている奥側よりも、手前側の左手にあるバーカウンターのようなところに歩く。

その場所にたどり着くと、死神がカウンターの裏手に回るが、キャラクターの身長が低いのかカウンターから頭の部分しか出ていなかった。

 

「あれ、死神さんそれだと身長足りなくない?」

 

「えっ、あぁ・・・それなら大丈夫です」

 

死神はコーデセットの項目で素早く着替えて、パパッと着替える。

その姿は首から上はいつも通りのキャスト頭だが、首から下は露出が少ないタイプのメイド服になっており身長も変わって胴体が見えるぐらいにまで伸びている。

その様子を見たクロッピーが目を丸くして固まる。

 

「えっ、ちょっ・・・えぇっ」

 

「?どうかしましたか、クロッピーさん」

 

「私より慎重高いやん!!着替える前私よりちっさかったのに」(←154㎝)

 

「えっ・・・えぇ?」(←171㎝、元140㎝)

 

クロッピーは、露出の少ないメイド服コスチュームよりも死神の身長の変化に驚いていた。

 

「いっ、いや・・・キャストだから胴体部の変更もできるかなぁ・・・って妄想でやってみたら案外面白かったんで・・・つい。」

 

「むぅ~~~っ!!キャストずるい!!」

 

「えっ・・・えぇ・・・」

 

そんな二人のやり取りの間にチームルームに入ってくる人物が二人ほど。

両方とも男性ヒューマンで、アークスの戦闘服と言うより私服コーデな人たちだ。

 

「あれ死神にクロッピーじゃん、デイリーは終わったん?」(←178㎝)

 

「あっ、ポートさん。はい、私は終わりました」「やっ、やーポート君」

 

「お疲れ~、死神とクロピたんもデイリーでいいの出た?」(←185㎝)

 

「はいコーキン、今日は運よく【東京・金】が出ましたよ。」「・・・・・・」

 

急に黙り込むクロッピー。その様子に死神は何かを感づき。ポートとコーキンは頭にはてなマークを浮かべてクロッピーを見る。

そしてプルプル震え出すロビアクをしつつ・・・

 

「ずるいっ!!皆、身長大きい!!私に身長よこせ!!」

 

「あ、あははは・・・」「えっえぇ~・・・」

 

「えっいいよ~。」

 

「「えっ」」

 

===================

「そういえばコーキンさんのキャラ、なんでそんなに大きいんですか?」

「えっ、この身長なら別プレイヤーの男性キャラに壁ドンできるかなって・・・」

「あ、はい」

===================

 

 



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第3話/第4話

第3話 おのれドゥドゥ!!

 

 

とあるロビーのショップエリア。

そしてそこにいるNPCの一体であるドゥドゥの前で死神は棒立ちしていた。

どうやら装備の強化をしているようだ。

 

「(′A‵ )マ゜-」

 

「ちょっ、死神さん!?どうしたん、チムチャにFX溶かした顔みたいな顔文字送ってきて」

 

「素晴らしく運がないなキミは」

 

「「「あぁ・・・」」

 

 

チームルームで適当に倉庫整理してたコーキン。そして適当に流そうと思ってフリクエでつるはしを持つクロッピー。同じくフリクエで釣竿を垂らすポート。その三人は死神が送ってきたセリフ一つですべてを察した。

 

「新式武器の強化失敗したんだ・・・なん%だった?」

 

「95・・・」

 

「えっ、それでも失敗するのか・・・」

 

「逆に運がいいんじゃ・・・」

 

「強化素材にレアアイテム・・・」

 

「「「あっ()」」」

 

苦労して集めたであろうレアアイテムをポンと無駄にされたのだ。

そりゃダメージが大きいな。と三人の心の中で意見が一致した。

 

「こういう時はね、こういえばいいんだよ。」

 

「コーキンさん?」

 

「「「おのれドゥドゥ!!」」」

 

「wwwwww」

 

==============

「ちなみに何を強化しようとしたん?」

「・・・メイン武器のデモニアセイバー+9」

「oh...」

ーーーーーーーーーーーーーー

 

第4話 メンタルの強さ

 

 

「まじかよwwwそれめっちゃいいじゃん!!www」

「うっふーん、どおどお??www」

 

とあるロビーのとあるゲートエリア。

そこのどこかで何人かのプレイヤーがあつまってエロコスをきてなんか中学生みたいに騒いでいる。

その様子を見たほかのプレイヤーたちは早々に別のところに向かっていく。

 

そんなところに死神とコーキンはいた。

 

「ぐっ、ぐぬぬ・・・ああいう奴らがいるとなんかイライラする。死神もそう思わない?」

 

「えっ、あ、うん、はい。そうですね・・・」

 

「えっ、混ざりたいの?」

 

「そういうわけじゃないです。ただあの程度はまだまだだなぁって・・・」

 

そういう死神に目は遠い目で・・・そして死んだ魚の目をしていた。

 

「たまにうらやましくなるよ、その死神のメンタルの強さ。」

 

「・・・まぁ、はい。ええ、あのゲームに比べたら・・・ええ。」

 

その言葉の後死神が体育座りになって落ち込み始めた。

 

「えっ、ちょっ死神!?おーい!!これからクエスト行くんでしょ?!」

 

「あ・・・あははは・・・」

 

「あかん、別の方向からメンタルブレイクしおった。」

 

===================

「そういえば、そのゲームの名前は何ていうの?」

「・・・・・・ガンドゥムオンライン」

「??」

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第5話/第6話

 

第5話 和響のバラ

 

 

「今日のデイリー、いいのでなかったです・・・」

 

「マジで?元気出して~」

 

今日も今日とて和響のチーム拠点。

いつものバーみたいな場所で死神とクロッピーは、話し合っていた。

 

≪ほら、ポート君。こっち向いてよ≫

 

≪ちょっ、やめてくださいよコーキンさんっ≫

 

「「ん?」」

 

そんな二人に変な雰囲気になってるチャットが送られてくる。

どうやら、コーキンさんのいつもの癖がチームチャットに間違えて送られているようだ。

しかもポートさんもチャット設定を間違えている。

二人は、面白がってわざと二人に教えないように結託した。

 

≪ポート君、どうして逃げるんだい?≫

 

≪き、昨日やったじゃないですか。なっ、なんで今日も!!てか死神くんとかクロッピーさん誘えばいいじゃないですか!!≫

 

≪そんなこと言わずに、今日も・・・さ?≫

 

「おっ、なんだろう」

 

「・・・・・」(きっと壁ドンしたんだろうなぁ。)

 

≪ちょっ、近い近い!!≫

 

≪ほら、今日も・・・デイリークエ行くよ?≫

 

「「なんだ、ただのデイリークエのお誘いか」」

 

(てっきり、BLかと思った)

 

(ただのBLかと思った・・・)

 

≪ほら、死神くんとクロッピーちゃんもいくよ。見てるんでしょ?≫

 

「「!?」」

 

=============

合流後

「なんで私たちが見てると思ったんですか?」

「チムチャでしてて見てないと思う?」

「あー・・・なるほど」

=============

 

第6話 集会デー

 

「はい、本日の集会にお集まりいただいて感謝・・・と言いたいとこらけど・・・」

 

コーキンの目の前には、死神、クロッピー、ポートの三人しかいない。

最近、忙しいのかこの4人以外のログインはほとんどされていない。

 

「・・・どうする?」

 

「いや、どうする言われましても」

 

こまり顔のコーキンは死神に聞くも、とっさのことで死神は返答できなかった。

 

「・・・今日はSS会でいいか!さっ、並んで並んで~」

 

「そういえばこの衣装買いました」

 

「おー・・いいじゃん」

 

~~~~~~~~~~~

 

「ふぅ、今日もいいスクショが撮れた」

 

「おぉ~・・・」

 

「じゃあ、メンテ日にあげるよw」

 

「了解ですw」

 

そう言って、コーキンは明日の仕事の為にと言ってログアウトしていった。

そしてポートとクロッピーもそろそろ寝ないといけないために、次々とログアウトしていく。

そんな中、死神は

 

(・・・一人だし、暗影周回しよっと)

 

武器を担いで集会に向かうのであった。

 

=================

(メセタ稼ぎメセタ稼ぎ、小さなメセタも積もれば大きなメセタに・・・)

(・・・こういう時オート周回あったらなぁ)

(まあいいや、あっ・・・3000メセタ。ラッキー)

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第7話/第8話


(注意 クレアさんはとあるプレイヤーさんのキャラの一人です。この小説内では別人扱いですが・・・)


第7話 クレアさんのスクショ会

 

「ねえ、死神くん・・・」

 

「・・・なんですか?」

 

「今の死神くんのファッション、現役大学生なんだけど・・・」

 

「・・・何か問題でも?」

 

「本当に男子なの?」

 

もはや恒例となっている死神とクロッピーのチムル雑談。

死神の格好は、キャストの格好でもなぜあるか分からないバーテンのような格好でもなく、現代日本の現役女子大生のようなファッションである。

 

「ええ、男子ですよ?」

 

「・・・たまに死神くんが分からなくなるよ」

 

「?」

 

そんなことをしていると。

 

「やっぽ~、死神っち、クロピっピ!」

 

和響のチームメンバーの一人、クレアが久しぶりにチムルに入ってきた。

クレアは、そのかわいらしいキャラクリエイトとファッションセンスでSNSで人気を有している人。

そのためか、よくお呼ばれされてあっちこっちに言っており、和響のチムルに入ってくることは少ないのだ。

 

「あ、こんにちはークレアさん」

 

「クレア~この死神くんの格好どう思う!!」

 

「可愛いと思うよ?なんで?」

 

そして、天然あざと可愛いくいい人である。

 

「ねね、一緒にSSしよ~」

 

「いいよ~、ねね?死神くんもいいよね!」

 

「全然大丈夫ですよ」

 

=============

≪女子会!今日もかわいい!!≫

≪三人でピースしているスクショ≫

【クレアさんカワユスてかこの大学生だれ?可愛い、可愛くない?】

【普通に大学生の子タイプだw】

【クレアさんも可愛いけどこの大学生もいいね。】

【黒いラッピーにも触れてあげて・・・】

=============

 

第8話 ポートさんは子犬系

 

「・・・今日はアヤさんいないのか、珍しいなぁ」

 

チムルで一人寂しく時間をつぶす死神くん。

椅子に座って足をぶらぶらさせているその姿はどこか犬のように見えた。

と、そこへ・・・

 

「やっほ、死神くん。暇?」

 

「あ、ポートさん。はい、デイリーも終わったので」

 

フラッとチムルに現れたのは主にコーキンさんに襲われ・・・げふんげふん、壁ドンされるポートさん。

 

「よかったら一緒にクエ回らない?一人だと飽きちゃってさ」

 

「んー・・・これからちょっと落ちようかなって・・・」

 

「そっかー・・・」しゅん

 

お誘いを断った死神くんは、ポートさんの頭と腰部分にしなだれる犬耳としっぽが見えた気がした。それを見た死神くんはなんだか申し訳ない気持ちになり

まあ自分の用事と言ってもコンビニにお菓子会に行くだけなので

 

「・・・ちょっとだけですよ?」

 

「もちろん、ちゃんと優しくリードするよ!!」

 

そう言って、二人は仲良くナベリウスに向かうのであった。

 

===========

「・・・ちょっとだけですよ?」

「もちろん、ちゃんと優しくリードするよ!!」

 

((なんかエロい・・・))←ログインしたコーキンさんとクロッピーさん

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第9話/第10話

第9話 ボーナスキー

 

いつもと違い温泉になっているチームルーム。

そこに、疲労困憊な死神くんが、温泉の中で溺死していた。(リアルで寝落ちしているともいう)

 

「ありゃ、死神くんが死んでる」

 

「なんでもたまってたボーナスキー祭りで疲れたらしいよ?」

 

そこへやってきたのは、ディバイド帰りのクロッピーとコーキンさん。

現在ポートさんは、野良で適当なおすすめクエストを回っておりいないが・・・

 

「なんでも東京銀6回金4回、マガツ銀8回とマガツ金2回、ボーナスラッピーが3回らしいよ?」

 

「逆に良くそんなにボーナスキーが集まったなぁ・・・」

 

 

翌朝

 

「はっ!?寝落ちしてた!?」

 

「あぁ、おはよ~w」

 

リアルから復帰し、水死体から元に戻る死神くん。

その死神くんに反応したのは、コーキンでもクロッピーでもなく・・・

 

「・・・あれ、ミーヤさん。おはようごさいます。」

 

「ずっといたけど無反応だから寝落ちかなって思ったらそのまさかだったね」

 

和響の中でも古参の方の人、ミーヤさんが死神くんとそう話し合う。

そして、死神くんは寝なおすためにPSO2からログアウトするのであった。

 

=====================

「あの後、すぐさまバイトってこと思い出して飛び起きました。」

「あ、あははは・・・」

=====================

 

第10話 わんわんお!

 

 

「わーわんわんおだー」

 

とある森林探索、野良パーティーの周回に連れまわされた結果、精神がぶっ壊れた死神くんがファングバンシーと戯れている(攻撃をよけてるだけとも)

 

「かなりやばい状態なんじゃない?」

 

「いや、あれでもまだいい方らしい・・・もっとやばいときは無言でステップしてるらしい。」

 

ぶっ壊れた死神くんを遠くから見ているポートさんとミーヤさん。

あれでまだいい方なのかと呆れている一方で。

 

「あははは」

 

((めっちゃ顔が怖い))

 

真顔の死んだ目でファングバンシー(lv10)の必死な攻撃を回避してるのだ。

ファングバンシーから見たら間違いなくやべー奴。いやそうでなくてもやべー奴である。

 

「ふぅ・・・落ち着いた」

 

「ぎゃうん!?」

 

((えっ、あれで!?))

 

謎が深まる死神くんの生態・・・

この日から、死神くん観察日記が付けられ始めた・・・訳はなかったのであった。

 

====================

「なんだかオチが弱い気がする」

「いったい何の話をしてるん?」

「なんとなく、そう言わないといけないような気がした」

「へー・・・」

 

 

 

 



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11話/12話

 

11話 セラミーヤ

 

 

「あっ、ミーヤ君じゃないか!久しぶり。」

 

「・・・あ、セラさん。」

 

珍しくチームルームにはコーキン・・・いや、セラとミーヤがいた。

現在チームルームは温泉になっており、放置ついでにチムルに来るチムメンが多いのだ。

しかし、現在死神くんとクロッピーさんはおすすめ周回。

ポートさんはロビーで遊んでおり、チムルにはこの二人しかいない。

(ちなみにセラのコーキンと言うのは愛称である)

 

「どう?最近は」

 

「大変だよ・・・最近夜勤が多くて・・・」

 

明らかに仕事終わりのサラリーマンの会話である。

ちょっと距離を開けているミーヤだが、その間をじりじりと狭めるセラ・・・

 

「・・・で、なんでジリジリと近づいてくるの?」

 

「え?だって・・・」

 

どんっ。

セラは、ミーヤに壁ドンをする。

 

「二人っきりだから、わかってるでしょ?」

 

「えっ、ちょっ!?」

 

「久しぶりなんだからいいじゃん」

 

「だめだって、誰が来るか分からないから!!」

 

「いーやーだ。」

 

「あーーーーーっ!!」

 

==================

 

せ「ふふん。」つやつや

み「うぅ・・・」げっそり。

し「・・・・・・ナニしてたんですか?」

せ「えっ、SS撮影会。」

し「・・・・・・・」

せ「ちょっ、死神くん無言でハリセン取り出さないでっていだぁっ!!」

 

==================

 

第12話 クレアさんの妹

 

「みっんな~、おひさしぶり~」

 

「あ、クレアさん。」

 

セラとミーヤによるSS撮影会が行われ、セラが死神にしばかれた後のチームルーム。

そこへ、最近さらに引っ張りだこになったクレアがやってくる。

 

「みんなに~、ビックサプライズがあります!!じゃじゃ~ん!!」

 

「「「あぁっ!?」」」

 

クレアが登場するように促した人物・・・それは、ここ最近ログインの音沙汰もなかったクレアの妹、ザイカだった。

 

「姉さん・・・こういうのはちょっと、恥ずかしいって」

 

「えぇ~、だってザイカ。最近来なかったんだもん」

 

「そ、そうだけど・・・」

 

明らかに拗ねる姉と困ってる妹ではあるが・・・レベルとPS的にはザイカのほうが上である。

 

「お久しぶり~、ザイカ。」

 

「あ、はい・・・セラさんも元気そうで。ミーヤさんは相変わらずですね。」

 

「ちょっ、どういう意味で!?」

 

和響はまた今日も騒がしい一日を過ごすのでした。

 

===============

 

ク「私の出番は!?」

し「ログアウトした後らしいです」

ク「そっかー・・・」

 

===============

 

 

 

 

 



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第13話/第14話


ちょい、シリアス目?


 

第13話 コーキンが語るミーヤの黒歴史

 

 

「はぁ・・・なんなんだ。くっそ。」

 

「??どうしたんですか?」

 

珍しく、苛立ちながらチームルームに入ってくるコーキン。

そんなコーキンにチームルームで暇つぶししていた死神くんが話しかける。

 

「いや・・・入団希望者って言うから、集会や固定があるって説明したらな。あ、じゃあいいですって。断りやがったんだ。」

 

「えぇ・・・チーム説明でちゃんと書いてありますよね。」

 

「そうなんだ・・・まるで昔のミーヤみたいだな。」

 

遠い目をしながら、深く椅子に座り込むコーキン。

そんなコーキンを死神くんは、不思議そうに見つめる。

 

「あぁ、そういえば死神くんは知らなかったっけ。今のミーヤはノリがいいしチャットで絡んでくるだろ?昔はそんな奴じゃなかったんだ・・・」

 

----------------

おおよそ死神くん入団の2年前。

そん時は荒んでたのか、ただのこじらせた中二病だったのか。

ミーヤはソロ専門でな・・・

 

「おっ、ミーヤ。いいところに、これからバスター行くんだが・・・来るか?」

 

「・・・いえ、ちょっと用事があるので。失礼します」

 

「お、おう。」

 

そのころのミーヤは、何かと理由をつけて集会や固定の誘いを断ってたんだ。

ソロのほうが効率いいって、本人は言ってたけど。

・・・まぁあの時代はパーティーボーナスとかなかったから味方を気にしないって言うのもあったから正しいといえば正しいんだが・・・

 

ある日、ミーヤが観念して集会に参加したことがあったんだ。

 

「よし、全員いるな!!」

 

その時の集会のメンバーは、俺、クレアとザイカ、クロッピーと数人のチムメンだったんだ。それでミーヤを含めて12人だからそのクエストを受けたときなんだ。

 

「・・・おれ、ソロで」

 

「・・・・・・は?」

 

アイツ、そう言ったんだよな。

人が4、4、4って言ってるのにわざわざソロでいいって言ったんだよ。

 

今のミーヤからは考えつかない?まあ、アイツも変わったんだろうな。

 

そん時俺はこう言ってやったよ

 

「いつまでもソロプレイがかっこいいと思ってんじゃねぇぞ!!」

 

其の言葉で楽しい集会が一瞬で氷点下に、まああの時は俺も言い過ぎって自覚あったんだけどな・・・するとアイツ、すぐさま切れたんだよ。そこから、口論の始まり。

多分クロッピーが止めてなかったらミーヤはチームにいなかったと思うぜ?

 

ーーーーーーーーーーーー

 

「・・・そんなことが」

 

「でもまあ、今やあいつはノリが良くて頼れる兄貴分って感じだろ?」

 

「はい、何回かクエストを手伝ってもらいましたし。」

 

「あいつも変わったってことさ」

===============

死(スタンドプレーが好きなミーヤさん・・・)

ミ「ふっ、他愛無し。」

死(なんだか既視感が・・・)某亡霊中二さんの事

===============

 

第14話 ミーヤが語るコーキンの黒歴史

 

「はぁ・・・」

 

ため息をつき、チムルの隅でうずくまるミーヤ。

そんなミーヤにクエスト帰りの死神くんが近づく。

 

「どうしたんですか?ミーヤさん」

 

死神くんが声をかけると、ミーヤは顔を上げ振り返りちょっとだけ驚いたような顔をしていた。

 

「あ、いや・・・今日、コーキンとクエスト行ったときにちょっと」

 

「えっ、ミーヤさんが?珍しいですね。」

 

「うん、あれは卑怯・・・」

 

そんなことを言いながら、死神くんの前に座り込む。

 

「・・・たしか前もこんなことあったなぁ。」

 

死神くんは、多分シリアスな話なんだろうなぁと身構えた。

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

死神くんが入団する、多分1年と半年前かな。

その時ぐらいに、集会で俺とコーキン、クロッピーと数人のチムメンと一緒にチャレンジを回ってたんだよね。

 

それで、うちって結構ガチ勢が多いから、みんな無言だったのよ。

でもその割には途中で遊んだりチャットしたりするからって言う感じで・・・

まあそのまま最後まで行けたんだよ。それでね。

 

「よし、みんなでSS取ろうぜ!!」

 

って、コーキンが言ってみんなで並び始めんだよね。

 

「あークレアもうちょっと左!そうそう、あっザイカそれ顔が映らなくなるから駄目、クロッピーはもうちょっと真ん中よって・・・そうそう!!」

 

俺もそれに混ざって構えててね。

そして、SSのカウントをし始めたんだよ。そしたらね?

 

「3、2、1・・・≪ふふ、全知!!とセリフの書かれた変顔ルーサーのアレ≫

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

「それをまたやられてね・・・あぁ、お腹痛いwww」

 

「・・・・・・?」

 

============

死「えっ、明らかにシリアスな雰囲気だったじゃん」

ミ「えっ・・・な、なんかごめん?」

死「・・・・・・・・」

ミ「あ、ちょっ!?無言でハリセンはやめっ、あっーーーーー!!」

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第15話/第16話


今年も雨風の季節ですね


 

第15話 ガチャは程々に

 

「ぬがー・・・」

 

今日はチームルームではなく、珍しくアークスロビーでぶっ倒れている死神くん。

 

「おい、どうした?こんなところで」

 

そこへ、珍しい人物が声をかける。

チムマスのセラのガチ弟で、ほとんどチームルームにも顔を出さない人物だ。

 

「・・・ハイレさん、なんですか?残念ながら貴方にあげられるほどいいモノ出ませんでしたよ?」

 

「俺は追い剥ぎかっ!」

 

ちなみにハイレと死神くんは、死神くんの新人時代の育成係な関係で、ある種のバディ的な間柄である。(ある緊急で驚く程に息ピッタリだったから)

 

「うぉおおおおはいれぇぇぇえええっ!!」

 

「うおっ・・・なんだ、クロッピーか。びっくりしたァ・・・」

 

「クロッピーさん、落ち着いてください。」

 

そんなふたりのところにクロッピーが駆け込んでくる。

しばらくクロッピーが暴走したあと、なんで死神くんがぶっ倒れていたかの話になった。

 

「あー・・・それは・・・欲しかったやつが出なくて他のものばかり・・・」

 

「あーあるあるだな。」

 

「そう?」

 

「「え?」」

 

首を傾げたクロッピーに死神くんとハイレは同時に首を傾げる。

 

「出るまで回した方が良くない?」

 

「「  」」

 

その後、ハイレと死神くんはしばらくの間もやし生活を余儀なくされたという。

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「みんなもガチャを引く時は計画的にね!!死神くんとの約束だよ!!()」

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第16話 アイテム拾ったな?ほら次行くぞ

 

周回。全てのPSO2プレイヤーにとって切っても切れない行為。金策のため、レベルのため、家具のため、クエストオーダーのため・・・理由は様々だろうが。結局辿り着くのはただ1つ。

 

(((((((ボナキー使った方が楽だ!!!)))))))

 

そんな中・・・

 

 

「えっ、私の周回の手伝いですか?」

 

「ああ、ちょうど暇だしな。」

「そうそう、ちょうど今おすすめはすごいのだし!」

「みんなで回った方が効率いいでしょ?」

 

偶然ブロックが一緒だった、死神、クロッピー、コーキン、ポート。ほかのメンバーはカジノで散財してるかマイルームでSS撮ってるかそもそもログインしてないかのどれかだ。そして、今からおすすめクエを回ろうとした死神くんにさんが声をかけたということだ。

 

「いいですけど・・・その代わり後悔しないでくださいね?」

 

―――――――

1回目

「おっ、レアアイテム!」

「いいなーってそれは解体用レア‪w」

「あははは‪w‪w」

10回目

「はぁ、はぁ・・・ぺ、ペース・・・早ない?」

「そ、倉庫が・・・」

「ものすごい勢いで経験値とレアアイテムが溜まってく・・・」

 

「1回休憩です。今のうちにちょっと用事を済ませてきます。」

 

30分後・・・

 

「戻りましたー。さぁ、逝きますよー」

 

「「「   」」」

―――――――――

n回目

「・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「おてつだいありがとうこざいました!・・・って、皆さん?」

 

 

 

「(床ペロしてないけど)し、死んでる!?」

============

死神くんはちょっとしたダイヤモンドメンタルです。

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リリーパにビスケットあげてみたい・・・


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第17話 些細な喧嘩

ある日いつものチームルーム。

 

 

「それでさー」「へー・・・」

 

何やらセラと死神くんが話し合っていると、怒り心頭のハイレとあたふたしているクロッピーが。

 

「ん?どうしたハイレ。」

 

「セラ!!冷蔵庫にあった俺のプリン食っただろ!!」

 

「あー・・・プリン?何の事って・・・ああ、食べた」

 

ズンズンとハイレが近づき、セラの胸倉をつかんで持ち上げる。

その様子を見た死神とクロッピーは硬直し、どうしたらいいか戸惑い始める。

今までは、ちょっとした微笑ましい喧嘩だったが・・・今回のこれはいつもとは気迫とハイレの怒気が違うと物語っていた。

 

「あれ、俺が楽しみにとっておいたフランカズカフェの30個限定プリンなんだぞ!!もう売ってないんだよ!!」

 

「わ、悪かった。ゆるしてくれ、な?」

 

 

平謝りするセラ・・・しかしその態度がハイレの逆鱗に触れたのか、ハイレがセラを殴って吹っ飛ばした。吹っ飛ばされたセラは壁にぶつかって、痛がるそぶりも見せずにただ唖然としていた。

 

「行くぞ、死神!!」

 

「えっ、ど、どこに!!」

 

「憂さ晴らし!!」

 

「は、はいぃぃぃっ」

 

イライラしているハイレは、あたふたしている死神の首根っこをつかんでそそくさとどこかへ向かってゆく。

残されたのは、ちょっとだけ遠い目をしているセラとポカーンとしているクロッピーだけだ。

 

「おー・・・いってぇ、本気で殴りやがって・・・・・・あぁ、あの蓋の名前はハイレだったんか・・・てっきり死神くんのかと」

 

何事もなかったかのように立ち上がり、殴られた部分を確認するセラ。

その余裕は大人の余裕にも見えたが、どうにもそわそわしている様子がクロッピーには感じ取れた。

 

「・・・追わないの?」

 

クロッピーが恐る恐る聞いてみる。

 

「・・・今追ったら、さらにキレるから・・・ちょっと死神くんに任せるか。」

 

よいしょっ。その掛け声と一緒にバーのようなカウンターにある椅子に座る。

いつもは死神くんが管理しているそこも、本人がいないとただの味気ない飾りのように感じる。

 

「氷氷ッと・・・あったあった。」

 

適当に袋に氷を詰めて、殴られた箇所に押し当てる。

 

「・・・初めて弟から殴られた感想は?」

 

「うれしさ半分、悲しさ半分ってところかな。やっと、反抗期が来たーって感じ」

 

そういうセラは微笑んでおり、最初から二人を見ていたクロッピーは成長したなぁ・・・と感じるのであった。

 

====================

 

「あ”ーもう!!ほんっと、兄さんったら俺のプリン勝手に食いやがって!!」

 

八つ当たり気味に出てきたダーカーを倒すハイレ。

怒りで周りが見えていないからなのか囲まれているが、そこは死神くんがうまくカバーしてしなないようにしている。

 

「まあまあ、きっとセラさんが、蓋に書いてあったハイレさんの名前に気付かなかったんだと思いますよ?」

 

「兄さんに限って・・・・・・むぅ。」

 

喧嘩中の相手をフォローしようとして頬を膨らませるハイレ。

子供っぽいな。と死神くんは思いながらも周囲の警戒を続ける。

 

(いまのところフリーの森林で・・・なんともないけど・・・・・・なんか嫌な予感するなぁ)

 

「ハイレさん、早く切り上げてフランカズカフェに・・・ハイレ!!」

 

ハイレは死神が急に呼び捨てしてタックルしてきたことに対し唖然としていた。

なんだ、お前まで俺を・・・そう思い怒り心頭に顔を向けると・・・

 

 

 

死神の左腕が・・・・・・目の前に転がってきた。

 

 

 

「し、しに・・・・・・がみ?」

 

 

(*彼らはアークスですが”原作主人公(ガーディアン)”並みに強いというわけではありません)

 

 

キャスト体とはいえ、目の前に親しい友人の左腕が転がるその様は、まさしく恐怖そのものだ。

当の本人は・・・・・・ロックベアにつかまっており、苦悶の表情を浮かべている。

 

「し、死神っ!!」

 

「行けっ!!」

 

そう言って死神が、ロックベアの目に向けてTMGを乱射する。

偶然目に当たったのか苦しみだしたロックベアが死神から手を離す。

 

「走れっ!」

 

恐怖しているハイレに、雑な言葉を放ちロックベアに攻撃を与えて注目を引く死神。

急なことで何も考えられていない頭が真っ白な状態のハイレは、その言葉に従ってロックベアに背を向けて逃げ出す。

 

===========

 

 

「はぁっ、はぁっ・・・うあぁっ!!」

 

走って逃げきれたハイレ・・・息を切らして、ついに転んでしまう。

逃げ切れたことによって、少しだけ頭が冷静になる。

そうだ、こういう時は広域の救難信号を発信して・・・

 

「た、たしかっ・・・ここを押して・・・」

 

いつもは使わない広域の救難信号の操作を、思い出しながら操作するハイレ。

・・・でもそれで、死神が助かるかは分からない。

 

 

「っ・・・・・・」

 

 

ハイレは、僅かな希望を胸に・・・兄、”セラ”に連絡を飛ばすのであった。

 

===========

 

 

pipipi...pipipi...

 

「ん?ハイレから?」

 

チームルームで、殴られた箇所を冷やしていたセラ。

その連絡を、機嫌が直って謝ろうとしてるんだな。それで恥ずかしくて・・・

そう思いながら、応答のボタンを押すと・・・

 

 

≪に、兄さん!!た、たすけてっ・・・死神が死んじまう!!≫

 

 

震えた声で、助けを求める弟の声だった。



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第18話 

 

大剣を振るう、かわされる。

避けようとする・・・フェイントで剛腕に殴られる。

 

こんなとき、キャスト体でよかった。と心底心の底から思う。

もし、ヒューマンとデューマンだったら間違いなく床ペロだったし。

ニューマンは言わずもがな肉塊にすらなっていた危険だってあった。

しかし、自分はキャスト・・・元々頑丈なつくりの体だったから・・・恩人でもあるハイレを逃がすことができた。

 

(まあ、死んでも床ペロ。なんだけどね・・・)

 

左腕の違和感を無視しながら、ヒーロー大剣の構えをする死神。

しかし、左腕がないことによるバランス感覚の崩壊で、構えるだけで精いっぱいであった。今頃ハイレは、キャンプシップに戻れたんだろうか・・・

そんなことを考えながら、真っ赤になっている視界で嘲笑うかのように踊っているかのような動きをするロックベア。

 

「煽り行為かよ・・・だっせぇっ」

 

その言葉と一緒に血の混じった唾を吐きかける。

どうやらそのロックベアにはそれが何を意味するか分かった様で、狂ったようにドラミングと怒りが混ざった雄たけびを上げる。どうやらこのロックベアは知能が高いようだ・・・それなら、通信機が使えなくなった理由も理解できる。

 

(こいつ、キャストの潰し方を徹底的に理解してやがる)

 

まずは、仲間を放心状態にして逃亡させ、最初の一撃で連絡手段がある左腕を潰し、耳にある通信機を使えないように重点的に左側の頭を殴り続ける。

そうすればあら不思議、助けを呼ぶ通信手段を封殺できるうえに、キャストは死ぬことができない。

 

床ペロも(自分たちはゲームだから完全に死なないが)完全ではないし。

意識が飛ぶとはいえ、あの感覚がなれるなんてことは異常者でもない限りはない。

・・・そしてしびれを切らしたロックベアが勢いよく剛腕を死神にたたきつける。

それを死神は、這う体で何とかかわす。しかし、

 

「あがあぁっ!!」

 

ロックベアはそれを完全に読んでいた。

 

(あぁ、ゲームオーバー・・・か。)

 

ずしんずしんと、ロックベアが近づく。

多分このロックベアは用済みとなった身体はズタボロにした後、中核コアを捕食する気だろう。ただし、自分は一回ゲームオーバーとなって意識がタイトル画面に戻されるだけだ。(まあゲームダイブはEP4で公式がやってるからね)

 

(まあ・・・ハイレさんがそれを味わわないなら、それでいいか)

 

ほぼあきらめの中で、死神はそっと目をつぶる。

でも一瞬でも痛いのは嫌だなぁ・・・まあ、こんな時に助けてくれる人間なんて・・・

 

ピッ、ピッ

 

(・・・えっ)

 

 

≪セラがパーティに加入しました≫≪クロッピーがパーティーに加入しました≫

 

その直後、ロックベアの悲痛な叫び声と共にのけぞる姿が目に入る。

動けないからでも…まあわかる。

 

「邪魔するぜ」

 

 

このオートワードは・・・セラさんだ(頼りになる人だ)

 

 

 



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第19話

 

「はっ、誰が死神をぼこぼこにしてると思ったら、こんな雑魚かよ。」

 

怒りが声に混ざりながらセラは挑発する。クロッピーも、仲良しの死神をズタボロにされたことで、かなり怒っているようだ。

 

二人が、武器を構えてロックベアをにらみつけると・・・ロックベアは二人の覇気にあてられたのか、少しだけ後ずさりする。

 

 

 

その隙に、ハイレが戻ってきて・・・ほとんど動けない死神の肩を担ぐ。

 

「大丈夫か、おい!!」

 

「あーもー・・・ハイレさん、もうちょっと声を・・・・・・」

 

「すぐに帰るぞっ・・・だからっ」

 

「泣きそうな顔しないで・・・ほら、行きますよ?」

 

ハイレは、頷きゆっくりと帰還ポイントへと移動しだす。

死神も、うつろな意識の中できるだけ足を動かす。

 

 

=============

 

「さて、クロッピー・・・こいつは、うちのチムメンをぼこぼこにした挙句。弄んだわけだが・・・どうする?」

 

「もちろん」

 

 

「「簡単には殺さず、地獄すら生ぬるい苦痛を味わわせる。」」

 

 

その言葉を言った途端、ロックベアは理解した。

もはや、自分に待ち受けるのは”死よりも恐ろしい何か”だと。

理解した瞬間、逃げようとした・・・・・・もちろん

 

 

二人が逃がすわけがなかったが。

 

 

 

クロッピーが瞬間移動のように移動し、そのロックベアの足を切りつける。

ロックベアは唐突なことに反応などできるはずもなく、転んでしまう。

猛烈な痛みがロックベアを襲い、生き延びようと腕を使いみっともなく這いずって逃げようとする。

 

「おい」

 

ザクぅっ!!

ロックベアの両手に二つのブレードが突き刺さる。

セラのブレードが、逃がしはしないと、ロックベアの手を標本のように釘付けにしたのだ。しかも、すぐには死ねないように血管は避けて突き刺さっていた。

後ろには、すでに禍々しい怒気を発するクロッピー・・・前には、寒気すら感じる恐怖を発するセラがいる。

 

 

「お前、どうしてうちの死神を狙った?狩場に入ったからか?」

 

その質問に、壊れたブリキ人形のように頷くロックベア・・・正直に言わないと殺されると思ったのだろう。まあ、すでにそのロックベアに”楽”な道などありはしないが。

 

「そうか。」

 

グサッ!!

ロックベアの背中に、また一本ブレードが突き刺さり、刺さった瞬間にロックベアは悲鳴を上げる。そして、悲鳴を上げた口にセラは無常に銃口を入れる。

 

 

「おとなしくしろ、そうすれば殺さない。」

 

 

セラのハイライトの無い目が、ロックベアを射抜く。

今この場を支配しているのはセラだ・・・逆らったら殺される。そう感じ取ったロックベアは、絶望の中・・・・・・

 

 

ニヤリと、嗤った。

 

 

==================

 

「もうすぐだ!しっかりと、意識を持て!!」

 

「持ってますよ・・・もー、心配性だな~」

 

一方、死神とハイレは回収ポイントへと向かっている最中であった。

途中、何度か足止めとしてウーダンが襲ってきたが・・・それをハイレは、予備に持っていたガンスラッシュで撃破し、進んでいた。

そして、必死に・・・今にも動かなくなってしまいそうな死神に声をかけ続ける。死神は、心配はさせないとカラ元気を出すが・・・正直に言って死神は結構ぎりぎりだった。

 

(もって・・・あと2時間・・・・・ぎりぎりっぽいけど・・・・・・)

 

 

だが、そんな二人に絶望が押し寄せる。

 

どぉんっ!!

 

 

 

 

目の前にファングバンシーとファングバンサー、ガルフとフォンガルフの群れが現れる。最初からわかっていたかのように大勢出現する。

ハイレは、とっさにガンスラッシュを構えるが・・・こんなのでは太刀打ちできない量だ・・・

 

「っ!なんでこいつらが!!」

 

「・・・多分、あのロックベアとグル・・・なんでしょうね。」

 

実際、死神の言ったことはまったくもってそうだった。

もし、ロックベアが獲物を逃がした際、この二頭とガルフたちの群れがとどめを刺す。なぜ、彼らがキャストを重点的に狙うのかはわからないが・・・原生生物にしては巧妙にして、優れた戦術だった。

 

 

(まるで・・・誰かが操って・・・・・・っ!!!)

 

何か嫌な予感がしたため、死神はハイレを右手で突き飛ばす。

 

 

「し、死神!!?な、なに・・・」

 

 

 

 

・・・ハイレは、それを見てしまった。

 

優しい笑みを浮かべた死神と・・・そんな死神に大きな口を開けて喰らおうとするディアボイグリシスを

 

 

 

 

ぐちゃぁッ・・・

 

 

そんな音と共に、ハイレの意識が・・・暗転した。



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第20話 後悔とマヌケ



今回はハイレくん視点です。


 

雨、雨が降っている。

同時に、赤い水たまりが多く出来上がる。

 

(寒い)

 

こんなに寒いのはいつ以来だろう。

凍土でも、こんなに寒いと感じたことは無い。

俺の手の中には、死神がしていた金のブレスレットが血のようなオイルのような液体で汚れている。

 

(さむい)

 

服が重い、武器が匂い立つ。

原生種の死体が塵となって還ってゆく、だけど死神は帰って来ない。

 

後悔が心に重くのしかかる。

あの時、少しだけ怒りを抑えて周りを警戒していれば。

そもそも、喧嘩さえしなければ・・・

 

(サムイ)

 

あぁ・・・

 

 

死神の優しい笑みが、頭から消えない。

 

==============

 

「・・・ただいま。」

 

俺と兄さんのマイハウス。

兄さんは玄関の前に立ち、俺にタオルをかけてくる。

 

「・・・風呂、入ってこいよ。今日は、カレーだ。」

 

「・・・うん。」

 

責めることもせず、慰めてもくれない。

明日には死神が戻ってくると、兄さんも理解しているから・・・でも、俺はどんな顔をして死神と顔を合わせればいいんだろう。多分あいつは、無事でよかったです!とまたあの笑顔で言うだろう。死ぬよりも辛い苦痛を味わっているのに、だ。

 

==============

 

そこそこ大きいバスに体を預ける。

暖かいお湯に漬かり、膝を抱えてうずくまる。

 

「・・・ハイレ、湯加減は?」

 

兄さんの声が、聞こえてくる。

腰にはタオルを巻いて入る気満々の姿だ。

 

「・・・ちょうどいいよ。兄さんも入るんでしょ」

 

「ああ、カレーはもうできてるからな。」

 

よいしょ。呑気な声が聞こえてきた。

兄さんも、色々考えているんだろう。多分、兄さんはどうやって俺に謝ろうか必死に考えているところだろう。

 

「死神のことは、大丈夫だ。お前が1番わかるだろ?」

 

「まあ、な。」

 

あいつは、強い。

装備してる装備こそ、特別なカスタムもスキル調整もされていないごく普通の星13武器だ。それをアイツは1番器用に使う。ボス戦の火力は頼りないが集団戦のヘイトを多く取り長く生き残っている。そして、そんな時でも笑顔なのだ。

 

「・・・どうして」

 

「?」

 

「どうして、死ぬとわかっていて。あんな笑顔を浮かべたんだろう。」

 

死ぬより辛い苦しみのはず。

俺なら多分、突き飛ばさずにむしろ生贄にする。

それなのに、アイツは自分を犠牲にして俺を守った。

 

「・・・・・・1度、アイツと話し合った時があった。そんときな」

 

「?」

 

「ハイレさんは、私の憧れですから。多分あの人がピンチなら、私はボロボロでも身を呈して庇いますよ。って言ってた」

 

その言葉が、留めていた涙を出させる言葉となって突き刺さる。すぐさま大粒の涙が溢れたし、拭っても拭っても、それは止まらなかった。

 

「にい・・・さん、おれっ・・・おれぇっ、死神が食われた直後、死神が突き飛ばしてくれて安堵した!しちまった!!俺は最低なヤツだっ!」

 

兄さんの胸板に顔を押し付け貯めていた弱音を吐き出す。アイツがディアボイグリシスに食われてる時、安堵していた。俺が食われなくてよかった。食われたのが死神でよかった。と、そしてその直後、安堵した自分に驚いて・・・失望して、怒り狂った。

 

「お前は最低じゃないさ・・・死神は、分かってて突き飛ばした。大丈夫、アイツはハイレを責めはしないさ」

 

「でも、でもっ!」

 

「大丈夫、大丈夫だ。」

 

泣き崩れている俺を、兄さんは優しく撫で続ける。

大の男同士で、見られたら恥ずかしい1面だがてそれでも今はそうしたかった。

 

===========

 

風呂場で思う存分、泣き喚いてスッキリしたあと。

兄さんと晩飯を食べ始める。ちゃんと服は着てるからな。

 

「ほらハイレ、あーん。」

 

「あっ、あーん。」

 

兄さんが差し出してきたスプーンに食らいつく。

小さい頃は、よくやっていた行為だが・・・つまり、兄さんは俺の事は成長してないって思ってるのか?

 

(なんだか、少し・・・悔しい。)

 

そして、カレーは普通に美味しかった。

 

=============

 

今日は兄さんが甘やかすためなのか、俺のベットに兄さんが潜り込んできた。

 

「おっとと、狭いな。」

 

「・・・それなら自分のベットに戻ったら?」

 

そういうと、悲しいこと言うなよ。と言って、抱きしめてくる。なんだか、抱き枕にされてるみたいだ。兄さんの太い腕が微妙に固くてちょっとイラッとする。

 

(・・・もう我慢できない。)

 

勢いよく起き上がり、兄さんを押し倒したような体勢になる。さすがに予測してなかったのか、兄さんもキョトンとした表情で混乱していた。

 

「は、ハイレ?」

 

「・・・・・・兄さんがイケないんだ。」

 

そう言って俺は、兄さんの首元に噛み付いた。

マヌケで、俺を誘うようなことをする兄さんが悪いんだ。

 

============

ここから第三者視点です

============

 

翌日、

 

「不肖、死神!五体満足、新製ボディーを持って復活しまし・・・・・・えぇ(困惑)」

 

いつものチームルームは、少し異色を放っていた。

「おう、おかえり・・・ってどうした?そんな顔して」

 

「そうだぞ。いつもより間抜け面じゃねぇか。」

 

クロッピーと、ミヤ、クレアとザイカはまあ変わってない。むしろこの人たちはいつも通りだ。

だけど、

 

「・・・昨夜はお楽しみでしたね。」

 

「ば、ちっちげぇし!!」

 

「ちょっと何言ってるか分からないな?!」

 

そういう死神の言葉を否定している兄弟にはお互いに色々と隠せてない跡が残っており、明らかに致した事が伺える。

 

(・・・まあ、やっとって感じなんだよなぁ。)

 

ちょっとだけ三白眼になりながらも、死神はそう思ったのであった。

 

===========

死神「ていう夢を見たんですけど」

クロ「死神くんそんな夢見たの!?‪w‪w」

ミヤ「面白いね〜‪w‪w‪w」

クレ「ウケる‪w‪wね、ザイカ!‪w‪w」

ザイ「面白い」

 

セラ・ハイ「「・・・・・・」」

 

死神・クロ・ミヤ・クレ・ザイ「「「「「!?」」」」」



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第21話/第22話

 

第21話 マイルーム

 

 

いつも平和なチームルーム。(死神くんの夢の中では平和ではなかったが)

そのチームルームの左手にあるバーのような場所にまた全員が集まっている。

そこに死神くんは・・・隅っこのほうでバーの奥側の隅っこで寝ころんでいた。

 

「死神、おーい?」

 

寝ころんで動かない死神にハイレが声をかける。(ちなみにあの時黙っていたのは寝落ちしかけてたかららしい)

しかし、件の死神からの反応はなく。おそらく、離席しているのだと思われる。それかリアルでもお布団にくるまって寝たか。

 

「せめてマイルームで自キャラ眠らせろっての・・・おっそうだ。」

 

いいこと思いついたと、かなり悪い笑みを浮かべる。

そして、ちょいちょいとチームルームで駄弁っているクレアとザイカを手招きする。

 

「なになに~?クエ行くの~?」

 

「アタシら、これからフランカズ行くんだけど・・・」

 

面白そうなこと?と、しっぽが動くタイプの奴ならぶんぶんと扇風機みたいになってるであろうクレアとちょっとめんどくさそうな目になっているザイカを尻目に白チャで会話しだす。

 

「なあ、こいつ(死神)のマイルームいかないか?」

 

「死神くんの~?」

 

「・・・暇だから別にいいけど。どうして?」

 

「悪戯でもしてやろうかなって…ほら行くぞ!!」

 

そう言ってハイレが、真っ先に消える。

クレアとザイカも面白がって、死神くんの”ミニルーム”へと入っていくと・・・

 

 

「「「何もない!?」」」

 

いや、あるのだ。申し訳程度にミニラッピー人形が植木鉢を囲んでいるって言うシュールな家具があるのだ。

むしろ、ここまで何もないと清々しさすら感じる。

 

「・・・・・・」(からかうつもりが・・・なんか不憫に思えてきた・・・)

「と、とりあえずパシャっとこ・・・」(えっ・・・えぇ・・・)

「・・・・・・。」(これは、さすがに・・・)

 

(((セラ(兄さん)に相談しよう・・・)))

 

=======================

セ「死神くん、(マイルームについて)お話があります」

死「えっ!?(チーム追放について)お話ですか!?自分何も悪いことしてませんよ!?」

セ「悪いも何も、(あの殺風景さは)目に余るよ!!」

死「えっ、えぇ!?(こっそりセラ・ハイレのマイホームに10Mしたプレゼント置いた以外)悪いことしてないのに!!」

 

セラがあまりに言葉足らず立ったため、アンジャッシュ状態がしばらく続いたという。

無事に誤解は解けたけど・・・

 

=======================

 

第22話 あいてむぼっくすくん。(脳が溶けてる)

 

 

いつもと同じチームルーム(凍土)

 

《現在、オメガにてダークファルスルーサーの出現予兆を検知・・・≫

 

雑談していたザイカとセラ、ポートとミヤがその合図で話を切り上げた。

 

「おっ、ルーサーか。行くか?」

 

「私は行く。」

 

「俺もいく、ブースターとか炊くわ」

 

「ちょうど暇してたし、いくか!!」

 

四人がいざ行くぞと行こうとした途端。

 

「アイテムボックス君!アイテムボックス君じゃないか!!」

 

ガタッとカウンター裏から寝ていた死神くんが武器を持って飛び起きた。

(ちなみにちょっとだけ改善してミニルームからマイルームになっている)

 

 

「「「「・・・・・・えぇ(困惑)」」」」

 

 

そして、ちょっと逝った目をして飛び出した死神くんを四人はただ困惑と心配をしながら見送った。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

《オメガファルスルーサーの撃退に成功しました!アークス各員の協力に感謝します!!≫

 

 

「ふぅ・・・もうひと眠りしよっ「「「「ちょっとまてぇっ!!」」」」ふぇっ!?」

 

ルーサー撃退戦が終わったのち、またチームルームに戻ってくる5人。

そしてまたカウンター裏で眠ろうとしてた死神を四人は呼び止める。

 

「アイテムボックス君の呼び名はひどくないかい!?一応、ラスボスだったんだし!!」

 

「そうだよ!!色々ネタキャラにされてエルダーとかアプレンティスと違って変態キャラにされてるけどいいキャラだったじゃん!!」

 

「それに強いし!!」

 

必死にルーサーの良さを伝える男衆3人。

それを死神がパパッと用意した飲み物を飲みながらザイカは遠い目をして傍観していた。

 

「「「ね!ルーサーのいいところわかったでしょ!?」」」

 

「えっ、いや・・・でも。皆さん結局ルーサーの撃退目的ほとんどドロップ品じゃないですか・・・」

 

「「「・・・・・・」」」

 

そして見事に論破されてる三人をみてザイカは飲み物を噴き出したとか・・・

 

=====================

 

《オメガファルスルーサーの(ry》

 

セ・ミ・ポ「「「アイテムボックス君!!あいてむぼっくすくんじゃまいか!!」」」

 

ザ「当事者として一言」

 

死「正直すまんかった。」

 

=====================

 

 



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第23話/第24話

第23話 パーティー

 

今日は珍しく殺風景では無くなった死神のマイルームに全員が集まっていた。

 

「じゃぁ、死神くん新マイルーム祝いにカンパーイ!」

 

「「「「「「「カンパーイ」」」」」」」

 

全員が手に紙コップを持っており明らかにパーティーをしているということが伺える。

だけど、そのパーティーの料理を作っているのは・・・

 

「うっま!!なにこれ?!」

 

「これ、森林シャケ?すっごいおいしい!」

 

「うっひゃ!このマルモスの肉うっま!!」

 

「「「死神くんすごい!!」」」

 

「あはは・・・どういたしましてー‪w」

(あれ、主役は私なのに?)

 

その集まってるマイルームの主、死神くんだった。

死神くんは疑問に思いながらも、手際よく料理を仕上げていく。買い出しに出していたサポートパートナーが1回帰ってきてもまた買い出しと調達に向かっていった。

 

「それにしても死神くん料理上手いね。どこで習ったん?」

 

ふとポートが死神くんにそう問いかける。

死神くんは、フライパンを片手にその疑問に答えた。

 

「一人暮らしなので・・・作ってたら自然に。あっ、これ出来たんで持っていってください。事前に連絡してくれればいつでも作りますよ〜」

 

「おっ、じゃぁ今度食べに来るよ。」

 

できた料理をポートに渡してまた別の料理を作ってゆく。そしてその話を聞いていたとある4人は・・・

 

(俺、カレーと朝食レシピ見てやっとなんだよなぁ・・・)

 

まあまあできるセラは少しだけ敗北感が

 

(兄貴の方がうまいし・・・・・・・・・なんて言えねぇ)

 

複雑な気持ちになるのはハイレ、

 

(じゃぁ死神くんに頼めばクッキーとか焼いてくれるのかなぁ・・・今度聞いてみよっと。)

 

普通に料理はできるけどお菓子の作りかたが分からないので、聞いてみようと思ったクレア。

 

((つまり、金欠になったら死神くんに頼めば・・・))

 

よくドゥドゥにぼったくられて金欠になるクロッピー、ザイカは、そんなことを。

 

((今度一緒に作ろうかな・・・))

 

ミーヤとポートはそんなふうに考えてる中。

 

「んー・・・ちょっと味が薄いな・・・」

 

死神くんはまだ作ってた。

 

=====================

 

死「デザートのアイスクリーム出来ましたよ〜」

 

クロ、クレ、ザイ(((これ頼りすぎると太らされる!!)))

 

死「?」←悪意なし

 

悩める女子の天敵でした。

 

======================

 

第24話 夏だ!サマーだ!バル・ロドス乱獲の祭りだ!!

 

「「「ロドス狩りじゃぁっ!!」」」

 

皆さんお元気でしょうか。死神です。

近頃こちらは梅雨明けをし、私は暇でPSO2にログインしたところ。

 

「メセタじゃぁー!!メセタをよこせー!!」

 

「邪魔だどけぇい!!」

 

「ふはははははは!!!」

 

世紀末覇者3人のバルロドス乱獲に付き合わされています。

 

ろ、ロドス乱獲三銃士を連れてきたよ!

Ω<ロドス乱獲三銃士だって?!

 

我らがリーダー、セラさん。

「ロドス乱獲で雑魚狩りは甘え。」

 

チームの主力メンバーの一人、ザイカさん

「銃座と銛?使わなくてもいける」

 

謎の多いラッピーマニア、クロッピーさん。

「欲しいアクセサリーのために・・・海岸よ!私は帰ってきた!」

 

・・・多分もう何回か回って疲れてるんだろうな。

============

30分後

============

 

「ふぅ、金欠から脱出できた・・・」

「これでさらに強化ができる・・・」

「ふへへへ、このアクセサリー最高やで。」

 

それぞれのサブキャラ合わせて15回ぐらいロドスを乱獲したあとチームルームで3人がいい顔でいた。

 

多分かなりの稼ぎになったんだろう。

そんなことを考えながらカウンターの裏で冷やしておいたアイスクリームを3人に提供するのであった。

 

 

・・・あっ、海岸で水着SS撮るの忘れてた。

 

=============

 

死「と言うより、金欠ならいらないアイテム売ればいいじゃないですか。生活するには困りませんよ?」

 

セ「そ、そうだね」←そもそも拾わない主義

ザ「う、うん。」←拾っても武器の強化に使う。

クロ「?」←そもそも生活でそんなに困らないぐらいは貯金してる。

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第25話/第26話

第25話 カリスマ美女さま

 

ショップエリアの片隅にあるフランカ’ズカフェ。

そこに珍しい人物と一緒に死神とクロッピーは訪れていた。

 

「久しぶりですね、和歌さん。」

 

「ええ、久しぶりですね死神さん。クロッピーさんもお久しぶりです。」

 

「久しぶり〜和歌しゃん。」

 

その人物とは死神のある意味憧れの人で、クロッピーとは親友と言っても過言ではない人、”和歌”と呼ばれている人物だ。最近まで、現実側の用事が忙しかったらしく、ログインできていなかった。

しかし、つい昨日その用事は終わり、こうして再びログインできたのだ。

 

「それにしても、死神さん。かなり成長しましたね?」

 

「はい、みんなよくしてくれて・・・」

 

うれしそうに語る死神くん。

その様子を和歌さんはあらあら。と優しく微笑む。

 

「ねーねー、和歌しゃん」

 

「はい、なんですか?クロッピーさん。」

 

微笑んでいる和歌に声をかけるクロッピー。

そして次の瞬間

 

 

「死神くん、ポート君とデキたよ?」

 

 

と言った冗談(爆弾発言)を言う。その様子に、死神くんは目を天にしながら口をだらしなく開け、

和歌さんは糸目だった目がカッと見開いて、何やら頬が赤く染まっていた。

 

「ちょっ、クロッピーさん!?和歌さんにそんなウソ教えないでくださいよ!!」

 

「死神くん!!」ダァン!!

 

「ヒャイ!!」

 

「どこまで行ったか、く わ し く。教えてくださいな?」

 

「和歌さん!!目がやばいですよ!!」

 

================

 

和「あら・・・冗談だったんですね・・・」

死「どこまで本気だったんですか・・・」

 

================

 

第26話 ネタバレは要注意!!

 

温泉地から自然の中の公園に変わっているチームルーム。

そこではセラとハイレが何やらバーの冷蔵庫から勝手に料理を取り出して食べている。

そこへ、何やら涙を流している死神くんが。

 

「どうしたん死神君」mgmg

 

「なんかいじめられたんか?」mgmg

 

「私の理由の前に、それどこから出したんですか?」

 

「「あ”っ」」

 

~~~~~~

死神くんお説教中

~~~~~~

 

「いいですね!!」

 

「「はい・・・」」

 

二人が正座から解放され死神くんがバーの奥に立つ。

そして簡単なおつまみと一緒に水を出された。

 

「ところで、どうして泣いてたん?」

 

「あーそれは。」

 

 

EP6の最後らへんのネタバレ~

 

 

 

「・・・・・・」

 

「・・・・・・」

 

「まさかあのキャラが・・・どうかしたんですか?この世の終わりみたいな顔をして・・・」

 

「「おれら・・・俺らは、ストーリー進めてないんじゃあっ!!」」

 

===========

 

死「申し訳ないのでこのおつまみをどうぞ」

セ・ハ「「うまっ!!」」

 

クロ(餌付け?)

===========



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第27話 死神くん


あと3話でこの小説は終了します。

そのためラストは作者が趣味に走り、シリアスの連続です。
ご注意ください。


なお今回は、夢落ちではありません。
あと、今までのお話は時系列がめちゃくちゃです。
なので今回のお話はある意味本編となります。

ご理解のほど、よろしくお願いします。


そして今回キャラたちの性格は本人重視ではありません。
ご注意ください(殴


 

最近、死神の姿を見ない。

 

まあ、アイツにも大切なリアルの用事があるのだろう。

だから、ログインしないって言うのは、まあ珍しくない。

 

だけど、どういうことなのか、あいつがログインしなくなってからは段々とこのPSO2から人がいなくなっていくのだ。

 

 

「どういうことなんだろうなぁ・・・」

 

 

と、いつものチームルームのバーカウンターに寄りかかりつつ、天井を見上げる。

つい最近になって、ハイレもポートもクロッピーも和歌もザイカも、クレアもボーっとすることが多くなった。

 

「全く、あいつらもうボケが始まったんかねぇ・・・」

 

そう思いつつ、バーカウンターの棚の部分を物色する。

 

「・・・こんばんわ」

 

「うおっ、死神!?いつの間にそこに」

 

「また、勝手に漁ってるんですか?」

 

「すまんすまん、いつもの。頼むぜ」

 

「もー・・・はいはい。わかりました。」

 

死神がトコトコとカウンター裏に移動し、ガサゴソと酒の瓶を取り出す。

俺のお気に入りの酒を手に取ると、カウンター裏でコップを出し氷を入れそれに酒を注いて、俺に出してくる。

 

「ありがとうな。」

 

「いえ、むしろこっちこそ。」

 

こまったような笑みを浮かべて、礼を言う死神。

何だ?何か違和感を感じる。

 

「・・・セラさん。」

 

「ん?どうした?」

 

意を決したかのように頷くと、俺に声をかける死神くん。

 

「もし、明日にでも私が居なくなるってわかったら・・・どう思います?」

 

「どうって・・・まあ、寂しいな。とは思うな、なんだチーム脱退か?」

 

「いえ、その・・・」

 

しどろもどろに視線を下に向ける死神。

 

「どうした?なんか嫌なことでもあったのか?」

 

「・・・いえ、むしろ。セラさんはらしいなって。」

 

そんなことを言う死神に対し、ちょっとだけ疑問が浮かぶ。

さっきから感じるこの違和感、そして死神のこの反応。いったいなんだというんだ。何故だが、心の底から・・・不可解な気持ちがわき出してくる。

 

「おっと・・・そろそろクエスト行くわ。これ、サンキュウな!!」

 

「・・・はい。」

 

コップを死神に渡し、出入り口に向かう。

 

 

「セラさん!」

 

 

いざ入ろうとしたときに、死神が声をかけてくる。

俺は、駆け足をしながら死神の方を振り向く。

 

「一緒に行くか?」

 

「いえ・・・お世話になりました。」

 

大きく一礼すると、死神は手を振ってくる。

チーム脱退ではないのに、お世話になりましたって・・・どういうことなんだろう。そんな疑問を抱えながら、俺はゲートエリアにワープしたのであった。

 

===========

 

相変わらず、誰もいないロビー。

そういえば、樹液を吸うのを忘れていた・・・

そう思い、再び戻ろうとするが・・・

 

「ありゃ?戻れねぇ。」

 

エラーコードが目の前に浮き上がり、ワープはできなかった。

何回か時間をおいて試してみたが、入れなかった。

 

 

「・・・セラ。」

 

「ん?クロッピー・・・どうしたんだ?そんなところで?」

 

 

「・・・ここにいるってことは、そういうことなんだね。」

 

「??」

 

 

クロッピーが謎にそういった後、振り返って歩き出す。

何なんだ今日は・・・おかし・・・い。ひ・・・だ・・・な

 

その瞬間、意識は拉致られた



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第28話 誰かがいないチームルーム

 

俺たちは、集会と称して集まりを開いていた。

ポートが元から管理していたバーカウンターで集会後の宴会をしているんだが・・・

 

ガッシャンっ!!

 

「うおっ、派手にやったな・・・大丈夫か?ポート。」

 

「うん。でもなんだかなれなくて。」

 

・・慣れない?慣れないって言うのはどういうことなのだろう。

俺の記憶によれば、ここに立っていたのはずっとポートのはずだ。

 

 

「んー?」

 

「どうしたハイレ」

 

「ポートの味って困難だったっけ?」

 

「お前いつも食ってるのに味も分からないのか?」

 

このおバカ。と言いつつハイレの頭を軽く叩く。

そういえば、和歌も誰かが足りないと言って、勧誘してばっかだ。結果はまあ惨敗だが。

クレアとザイカは、何やらお菓子が恋しいらしくフランカ'Sカフェに出入りしているが求めているものが見つからないらしい。

ミーヤも、なんだか誰かがいないようで寂しいらしく、しばらくクエストには出ていない。かくいう俺も、ここ数日はロドス狩りに出向いていない。

 

クロッピーはと言うと、ほんの3日前に行方不明となった。

作戦行動中に突然、反応が焼失したのだ。

 

・・・ああ、今日の集会はそれの捜索も兼ねていたが・・・

 

(結局のところ手掛かり、無し。か。)

 

「おれ、ちょっとショップエリアで酒買ってくるわ。」

 

「えっ、お酒ならいっぱい・・・」

 

「あー・・・なんか違うの飲みてぇんだわ。」

 

「あ、了解。」

 

ポートにそう断って、代わり映えのしないチームルームを出る。

変わるのは・・・たまに飾り付けられてパーティする時だったか?

 

違和感を抱えつつ、ゲートエリアを通り過ぎ、ショップエリアに向かおうとする。

そのすれ違い際に

 

 

”何やら見覚えのある黒と赤の少女とすれ違った気がした”

 

 

「っ!?」

 

すぐさま振り返るが、そこには誰もいない。

いつも通り、変態のようなプレイヤーや真面目なプレイヤーたちがロビーで騒いでいるだけだった。

 

「・・・誰だったんだ。いまの。」

 

よく目を凝らすと、クエストゲートからどこかに向かうのが分かる。

 

「・・・追わねぇと。」

 

そんな気持ちに襲われ、走り出す。

 

==========

 

いつの間にか。

 

そう、いつの間にか、うちのチームルームにいた。

 

いや、ただのチームルームではない。

 

 

”何者かに襲撃され、大破したチームルームに”俺はいた。

 

 

「なん・・だ。これ」

 

ほぼほぼ無人だが、最近出入りした形跡が色濃く残っている。

フラフラと、バーカウンターの方に足を向けると・・・

 

「っ、クロッ・・・ピーの着ぐるみかこれ・・・あと、金のブレスレット・・・?」

 

そこにあったのは見慣れたクロッピーの着ぐるみ。

あいつ、これ脱ぐことができたのか。

そして、誰かがしていた気がする金のブレスレット。

これには、何か懐かしさを感じる。

 

そんなことを考えつつ、あたりを見渡す。

しかし、そこには何もない。

 

「・・・帰るか。」

 

そう思った矢先に目の前に小さな仮面をかぶった少女が現れる。

 

・・・ご丁寧に、ダークファルスの反応をもってだ。

 

「・・・・・・ここには、何もないぞ。」

 

なにやらくぐもった声だが、その声には聞き覚えがあった。

・・・しかし、それが誰なのかが、思いだせない。

武器を構えない・・・交戦する気はないのか?

 

「・・・教えてくれ、ここで何があった。」

 

「お前に教える義理も情報もない。去れ。」

 

「教えてくれ、頼む。」

 

「去れ!」

 

胸ぐらをつかまれ、睨まれる。

悔しそうに、口を歪ませ武器を首元にあてられる。

見慣れないソードだが、でも、どこか覚えはあった。

 

「もはや貴様に、できることなどない!!貴様は、間違えたのだ!!」

 

「だからどういうことか説明しろって言ってんだよ!!一体、俺は誰を忘れているのか!!」

 

胸ぐらをつかむそいつに対して逆に胸ぐらをつかみそう叫ぶ。

 

すると、グランとあたりの風景が歪みだす。

 

「そこまで言うなら、変えて見せろ。そして、覆せ。それは、できるはずだよ。セラ」

 

最後は、聞き覚えのある声に変わり・・・

 

「お願い、10年前に起きた悲劇を・・・変えて」

 

願うように。そう言われた。

 

「・・・おう、任せとけ!!」

 

 

二つ返事でそう返し、俺は”過去”へと戻る。

ああ、そうだ。声を聴いて思い出した。

 

「待ってろ、死神。今にお前に説教くれてやるからな!!」

 

そう叫び、俺は光の中へと飛び込んでいった。



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第29話 死神のための説教文

 

「んー・・・?」

 

何やら夢を見ていたらしい、バーカウンターに突っ伏したまま眠っていたらしく。

体中がバキバキだ。

 

「あいたたた・・・」

 

「あっ・・・こんばんわ。」

 

「ん?おう、死神。お前いつの間にそこにいたんだ?」

 

多分、寝ていたから気付かなかったのだろうがいたのだろう。

まさか死神に限って背後に突然現れたとかないしな。

 

「あはは、いつもの。ですか?」

 

「おう、頼むぜ」

 

死神は、いつも通りに手慣れた手つきで俺のお気に入りの酒を出してくれる。

ついでにちょっとしたツマミも出してきた。死神がこうやって気を利かせたときはたいてい何かがあるときだ。

 

「・・・何かあったのか?」

 

「やっぱり、バレちゃいます?」

 

困ったような笑みでえへへ。と笑う死神。

死神も自分が気に入っている飲み物を取り出し、飲み始める。

 

「実は、私・・・今日限りでこのチームを脱退しないと行けなくて・・・」

 

そんな話題に、俺は鳩が豆鉄砲を喰らったような顔になる。

あの死神が?このチームを脱退・・・?何の冗談だ?

と思ったが、死神の悲しそうな表情に何とも言えなくなりそのまま受け止める。

 

「なんでまた」

 

「それは、ちょっと言えないです。」

 

ごめんなさい。と言って、目を伏せる。

 

「まあ、言えないなら仕方ないさ。そっか・・・寂しくなるな。」

 

「ふふっ、セラさんらしいですね。」

 

「ん?そうか・・・?」

 

ふふっ、と笑いながらグラスを傾ける。

 

「・・・あっ、そろそろ。クエストに行かないんですか?」

 

「あー・・・そういえばそうだった。」

 

俺は、最後に一気に酒を飲みほす。

死神はちまちまとまだ飲んでいるが、

 

「ほら、行くぞ!!」

 

「えっ、ほえっ!?」

 

死神は、驚きながらもコップを置いて俺に連れ出される。

ちょっと、驚いた顔をしながら嬉しそうにはにかむ死神。

 

「な、なにに行くんですか?」

 

「うーん、常設でもいいが・・・フリーフィールドでのんびりいかないか?」

 

「ふふっ・・・いいですね!」

 

すぐさま、万遍の笑みになり俺と一緒にワープする死神。

ワープが終わると、ゲートエリアに進む。

 

「セラ~!死神くん!!」

 

クエストカウンターに向かっているとクロッピーがかわいらしい足音を鳴らして寄ってくる。

 

「これからクエスト?」

 

「はい、そうなんですよ。」

 

「ん?どうだ?クロッピーも一緒に来るか?」

 

「行く!」

 

すぐさま、死神とクロッピーにパーティー招待を送る。

すると、すぐに二人がパーティーに参加し、二人のAWが発生する。

 

「さて、森林行きますか!!」

 

「ちょうど、森林マグロが品切れだったんです。行きましょう!!」

 

「魚釣りだね!今夏だからちょうどいいね!!」

 

俺たち三人は、バカ騒ぎしながら惑星”ナベリウス”へと向かうのであった。

 

================

 

「なるほど・・・あの使えない人形は、連れ出されたか。」

 

誰もいなくなった、チームルーム。

そこには、ルーサーがなんともない顔で飄々と立っていた。

 

【もはや、あの子は貴様の手を離れた。諦めることだな。】

 

そしてルーサーの背後に、いつの間にかあの時の仮面の少女が立っていた。

 

「ふむ・・・【仮面】(ペルソナ)。君は、何をしたんだね?」

 

ペルソナはそっと仮面を外す、その顔は死神くんの素顔そのもので。

多少、不気味さが加えられていて、機械らしい部分が露出している。

 

「私は、夢を変えただけだ。本当の世界で冷凍睡眠状態の私が見ている夢を、バットエンドからハッピーエンドに変えただけだ。」

 

「くくく・・・そうかい。なら、僕は去ろう。もうそろそろシオンが見つかりそうだからね。」

 

「・・・・・・精々、幻想を見ることだな。ルーサー」

 

「幻想?全知の前ではそんなものは、ただの事象に過ぎないさ。」

 

そう言いながら、ルーサーは去っていく。

 

そして【仮面】の体は光り輝きだし、薄くなっていく。

 

「時間切れ、か。まあいい、目標は達成された。」

 

消えかけの仮面は、左腕から金のブレスレットを外し、死神が飲みかけのコップの隣に置く。

 

「・・・今度は、起きた状態で会おう。」

 

そう言って、仮面は消失したのであった・・・。

 

 



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最終話 和響の一日。


そうだよ、結局夢オチです。

はっはっはっ。


( ˘ω˘)スヤァ


 

今日も騒がしい、和響のチームルーム。

 

「こぉらぁっ!!そこの兄弟二人!!止まりなさーい!!」

 

ハリセンを持って追いかける死神と

 

「とまれって言われて止まる馬鹿がどこにいるかよー!!」

「なんだよ、一個ぐらいいいじゃないか!けち臭いなー!!」

 

パーティー用の料理をつまみ食いしておきかけまわされているセラ・ハイレ兄弟。

 

「あの二人は、相変わらずだね。」

「まあ、今日はおとなしい方かな?」

 

呆れながら、グラスを傾けるポートとミーヤ。

 

「わわっ、このパフェおいしい!!ザイカも!!」

 

「んむっ・・・うん、甘い。」

 

「あ、私にも一口くださらない?」

 

死神くん特性パフェを頬張るクレアとザイカと、和歌。

 

「今日もみんな元気・・・あっ、SS撮ろ♪」

 

そんな皆を盗撮するクロッピー。

そして、追いかけっこをしていた3人だが・・・

セラ・ハイレ兄弟の体力が限界をつき、死神くんに追い詰められていた。

 

「ま、待ってくれ!!話せばわかる!!」

「た、食べたことは謝る!!謝るからそのハリセンは閉まってくれ!!」

 

「セ~ラ~さ~ん~?ハ~イ~レ~さ~ん~?この前もつまみ食いしてそんな風に言い訳してましたよねぇ~?」

 

とてもいい笑顔で威圧感があり、ハリセンでカザキリ音がなるほど素振りしている死神くん。そんな死神君の笑顔を見て、怯えた表情で抱き合う兄弟。

 

「今日と言う今日は許しません!!お仕置きです!!」

 

ベシンッ!!バシンッ!!

 

 

「「いっだあああぁぁぁぁぁぁぁあああっ!!!」」

 

「なお、ここまでがテンプレって言うね。」

 

「ミーヤさん、それフラグって言うんですよ?」

 

セラとハイレは、頭にたんこぶを作りながらも死神のお説教を正座して聞き入れていた。

 

=====================

 

 

プシュー。蓋が開く音がする。

どうやら、冷凍睡眠から解放される次期らしい。

 

「・・・」(なんだかとっても幸せな夢を見ていたな・・・)

 

ワイワイと騒ぎながら、毎日バカ騒ぎをしていた・・・そんな幸せな夢。

時々、真面目に任務をこなしたり、変な縛りを追加して楽な任務で遊んだり。

 

「ふふっ・・・」

 

ちょっと懐かしみながら、左腕にある金のブレスレットをなでる。

 

(・・・あれ?)

 

「ブレスレットが、二つある?」

 

一つは、確かに昔から自分がつけているブレスレット。

だけど、もう一つはなんだか見たことのあるエンブレムが刻まれたブレスレットだ。

 

「・・・夢だけど、夢じゃなかった。」

 

死神は、目に涙を浮かべつつそのブレスレットを眺めるのであった。



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