ダンボール戦記~Gの力を持った転生者~ (クレナイハルハ)
しおりを挟む

突然ですが、死にました

久しぶりにダンボール戦記のアニメを見て書きたくなったので、書いていきます


 

 

 

「突然ですが、本当にごめんなさい!」

 

「は、はぁ」

 

さっきまでNEWガンダムブレイカーをやっていたのに、気がつくと白い空間空間にいました

 

そして僕の目の前で土下座してる女性がいます

 

訳が分かりません、取り敢えず女性に起きて貰い話を聞くことにしました

 

どうやら、僕は神様のあるミスで死んでしまったらしいのです

 

何で信じるかって?

 

なんか、死んだってそう思うんです

 

感覚的にですけどね、だから目の前の人が神様とかだとは思ってました

 

なんか、オーラ?みたいなのが違うんです

 

だって二次創作とかだと、だいたいそんな感じでしょ?

 

どうしてみんな毎回驚いたり、神様を疑ったりするんだろ?

 

それで、どうやら僕は若くして死なせてしまったお詫びに転生させて貰えるらしいです

 

「所で、僕はどんな世界に転生するのでしょうか?」

 

「な、なんか普通の二次創作であるべき大切なシーンが色々と飛んだ気がするんですけど!?」

 

「気にしないでください、取り敢えず女神様。僕はどんな世界に転生するのですか?」

 

「は、はい。………実は『ダンボール戦記』と言う世界で■■さんと同時刻に死んじゃった子がいまして、その子に()()と言う形で転生して頂きます」

 

「憑依、ですか?」

 

「はい、赤ちゃんからではないのでオススメですよ?」

 

「確かに、赤ちゃんから始めなくて良いのは嬉しいですけど………」

 

「周りから急に人が変わったように思われそう、と言う事ですか?」

 

「はい、それにその子の記憶とかが無いと親を他人として呼んじゃいそうで」

 

「なら、貴方が転生して目が覚めたときにその子に関する記憶を流しますので」

 

「なら安心ですね」

 

「はい、そして■■さんには転生する際の特典を三つ程付けさせて頂きます」

 

「転生特典?貰えるのは嬉しいですけど、なぜ三つ?普通なら1つではないのですか?」

 

「いえ、そもそも転生と言う事態その物が少ないのですが。えーと三つの理由はこちらの不都合で死なせてしまった謝罪ですね」

 

「そうなのですか」

 

「はい、それと生前の記憶は転生とセットなので大丈夫ですよ」

 

「なるほど…………なら『LBXを製作できるくらいの頭脳』『ガンダム作品に関する全ての記憶』『LBXとの完全同化』でお願いします」

 

「了解です、三つ目に関してですが少し待って下さいね。転生して目覚めるまでには設定しておきますので」

 

「分かりました、それではお願いします」

 

「はい、それでは転生させますね」

 

神様がそう言った瞬間、目の前が真っ暗になって僕の意識は途切れた

 







ご愛読ありがとうございました

感想、お気に入り登録

お待ちしています


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

転生したら、白髪でした

 

 

 

目を開くと、そこには見覚えの無い天井があった

 

「知らない天井ってやつか………」

 

そう言って手を使って体を起こす

 

「ん?」

 

なんか、手が短い?

 

それに視線も低い、それに何で身体中に切傷がある

 

目の前に揺れる髪は黒じゃなくて白い

 

「そう言えば、転生したんだっけ………ッ!?」

 

次の瞬間、頭に痛みか走りいくつもの記憶が流れ込んでくる

 

クラスメイトからの苛められ、苛めが酷くなり身体中に切傷をつけられ、更には右頬と左目にも切傷をつけられる

 

両親は海外で仕事をしており、迷惑を掛けたくなくて苛めや怪我を伝えられず

 

ひたすら耐え続ける日々、担任の教師は見て見ぬふりを繰り返し

 

だんだんと全てが嫌になり学校に行かなくなった

 

家では自殺するために様々な薬品を飲み続ける

 

苦しくはなるが死ねずストレスで髪は白髪になってしまい、そして俺が死んだと同時にこの子、深海 晴花(シンカイ セイカ)は薬品を飲んで自殺、と

 

そして晴花の死亡と同時にクラスの友達が警察に通報

 

本来なら、後日に死体となった晴花が発見される

 

「はずだった訳か」

 

たが、そこに俺の魂が入り転生

 

いや、憑依転生した訳か

 

なるほどなぁ、『事実は小説より奇なり』って言うけど本当にこんな子供いたんだな

 

そう思いつつ、傷のある左目に触れる

 

特に痛みはなかった

 

『晴花さん、聞こえますか?』

 

すると、頭の中に俺を転生させてくれた女神様の声が響く

 

「うん、聞こえるよ」

 

『よかった、先程その体の元の持ち主の記憶を流しましたが大丈夫ですか?』

 

「うん、一応大丈夫そう」

 

『なら良かった、これから貴方の特典の三つ目『LBXとの完全同化』について説明します。機体同化する際、晴花さんが機体名の後に同調開始(シンクロ・スタート)と唱えれば同化し、同調終了(シンクロ・アウト)と唱えれば終わります』

 

「うん、分かった」

 

『もう私は貴方と話しはできません、それではよきセカンドライフを』

 

すると女神の声が聞こえなくなった

 

「まず、自分の姿を改めて見よう」

 

そう言って記憶を頼りに洗面所に向かい、鏡を見る

 

ミディアムくらいの長さの髪に、低身長の女の子のような男の子が写っていた

 

「なんか見覚えあるな………そうだ!Fateだ、Fateのジャック・ザ・リッパーだ。」

 

Fateのジャックより少しだけ髪が長い感じの見た目だ

 

なるほど、苛められていた理由のひとつかこれか

 

男なのにこの見た目で、ってことか

 

取り敢えず、原作までに数体は作っておかなくちゃな

 

まずは、部屋にある薬品を捨てて

 

空き部屋に工具や機械を買わなきゃな

 

確か、この子はLBXもやらずにいて

 

お金も両親から大量に送られてきて、全部貯めていたはずだからそれを使えば材料も足りるな

 

さて、暫くの目標としては学校への復帰

 

確か、俺を虐めてた奴等は逮捕されて居ないはず

 

そしてバン達やクラスへのフェイクとして『バルバトス』

 

バンの部屋襲撃事件に向けて『■■■■』

 

カズのウォーリアー、リュウのブルド破壊阻止として『■■■■■■■■■』

 

高機動型として『■■■■■』

 

を作るとしよう、設計図は頭に入ってる

 

どうやら転生特典の『LBXを製作できるくらいの頭脳』と『ガンダム作品に関する全ての記憶』がちゃんと機能しているな

 

高校生だった俺が小学生か

 

そういや、この子俺が憑依する前に薬品をめちゃくちゃ飲んでたよな………

 

「明日にでも病院行っとくか」

 

そう呟き、台所へ移動し冷蔵庫をあける

 

調味料以外、何も無いんですけど………

 

「買いに行くか」

 

そう言ってリュックを背負い、財布を持って外に出る

 

記憶通りなら、ここはトキオシティのミソラタウン

 

ミソラ商店街近くに住んでいるから、直ぐに着くはずだ

 

そう言えば、今って何時だ?

 

そう思い、腕時計を見ると午後3時すぎだった

 

「早めに買い物を終わらせて帰るか」

 

じゃなきゃクラスの人達に見つかる可能性がある

 

転生初日からこんなか、取り敢えず学校に行かず、死んだらしいからサボった事になるのか?

 

あ、考えてみれば今日は祝日か

 

そんなことを考えながら歩いていると、ミソラ商店街についた

 

アニメを見て、ゲームもプレイしたけど未だにこの配置は覚えてない

 

でも、記憶通りなら奥の方に卵も売ってる肉屋と八百屋と魚屋があったはず

 

奥の方へ歩いていくと、何か凄く見られてる感じがする

 

白髪が珍しいのかな?

 

取り敢えずフード付きの服来てるからフードを被ってと、これでよし

 

さて、食材買いにイクゾー!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………………あれって」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、買い物も無事終えた

 

買うもの買ったし、これで暫くの食料は確保したな

 

あと、CCMだっけ?それも買っておいた

 

原作だと携帯の役割もしてたし、作るLBXの操作の為にも必要だから買っておいた

 

このCCM何かガンダムビルドファイターズのGPベースに似てるんだよね

 

だから買っちゃったぜ☆

 

あとは家に帰ってパソコンで工具と機械を通販で注文すればいいだけだな

 

この子がまだLBX買ってなくて助かった

 

特典のお陰でコアスケルトンからアーマーフレームまでの作り方が頭に浮かんでくる

 

「よし、後は家に帰って」

 

「セイカ、何してるの?」

 

「ん?」

 

リュックの荷物を整理していると後ろから声がした。この声はこの体の記憶に残ってる

 

恐らく知り合いか?

 

振り替えると、何処か不思議な雰囲気を持ったツインテールの少女。

 

原作キャラの一人、三影ミカだった。

 

「ミカ?」

 

「うん、それにしても……すっかり真っ白になったね」

 

そう言って彼女は俺の髪を撫でる、あれ?

 

俺、この子とそんなに仲良かったの?

 

「そ、そうかな?あと俺は買い物に来ただけだよ」

 

「そっか、もうあいつら学校に居ないから安心して学校来なよ」

 

そう言って彼女は去っていった

 

早速原作キャラと会うとは思ってなかった

 

「俺も帰るか」

 

俺はそう呟き、その場を後にした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

三影 ミカside

 

私が彼のことを気に掛けるようになったのは少し前の事だった

 

学校に登校したら、先生が給食費が盗まれたと話した

 

私は聞きながら筆記用具を出そうとしたとき、息を飲んだ

 

私の机に見慣れない封筒が入っていたから

 

それを理解した瞬間怖くなった

 

先生に怒られるのはまだ分かるが、他の生徒は違う

 

私のことを犯罪者として見るだろう

 

私はあまり先生と話さないので信じて貰えそうになくて怖かった

 

その時、ふと後ろを見ると仲の良い男子が三人

 

こちらの方をニヤニヤと見ていた

 

それを見て理解した

 

嵌められたのだ、と

 

それからは、先生にバレたくない

 

素直に話して楽になりたい、焦り

 

私は自分の盗まれたことを話そうと手を挙げようとした

 

その時だ

 

「先生!」

 

私の近くにいる、セイカが手をあげた

 

「どうした?」

 

「先生、僕見たんです」

 

「見たって、何がだ?」

 

「■■君と■■君と■■君とで給食費を三影さんの机に入れてる所」

 

彼がそう言った瞬間、奴等は顔をしかめた

 

そのあと、私の机に給食費が入っていたのを先生が確認し彼らのやったことが発覚にした

 

「セイカ、ありがとう」

 

「大丈夫だよ、クラスメイトだし当然だよ」

 

「セイカ、私のこと三影さんじゃなくてミカって呼んで」

 

「分かったよ、ミカ」

 

「うん」

 

これが、私が彼を気に掛ける切っ掛け

 

そして彼の地獄の始まりだった

 

次の日から、セイカの周りで妙なことがおき始めた

 

彼の靴が隠されたり、プリントが配られなかったりだ

 

そこから彼が苛められているのだと気付くのは早かった

 

私は先生に話した方がいいと彼に話したが

 

彼は親に迷惑を掛けたくないとそれを拒否し、ひたすら耐える日々が続いていった

 

その日あたりから、彼は壊れ始めていった

 

常にボーとするようになり、その顔からあの笑顔が消えた

 

髪は黒髪から白髪へと変わり、腕や顔に何か刃物で切られたかのような傷ができ始めた

 

ある日、私は買って貰ったLBXを操作して彼の苛められている現場を撮影した

 

これがあれば、彼を助けられる

 

苛められている証拠として警察に出せる

 

怖がって何もしなかった担任とは違う

 

次の日は土曜だった、午前に私は彼の事が気になり家まで行った

 

そこで、私は見てしまった

 

様々な毒性の高い薬品を飲み、苦しみながら自らの命を絶とうとしている彼の姿を

 

私は持っていたCCMを手に警察へと走った

 

あいつらが逮捕されれば、彼は死ななくて住む

 

彼の笑顔が戻る

 

警察からは、良くやった。良く教えてくれた

 

そう言われた。証拠もあり、直ぐにそいつらは逮捕。

 

少年院行きとなった

 

そして次の日、彼は死なず商店街に来ていた

 

でも、彼の髪にはもう黒い部分がなかった

 

私は悲しかったけど、彼が生きていたので良いと思った

 

これからは私が出来るだけ一緒にいて、助ける

 

もう、彼をあんな目をして欲しくないから

 

 

 





ご愛読、ありがとうございます

お気に入り登録、感想

お待ちしています


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

VS悪魔と地獄の破壊神

最後が少し雑かも知れませんが暖かい目で見守ってください


転生してから結構な時が流れ、俺は小学校を無事卒業した

 

あのいじめっ子に関してのニュースはミソラ周辺の町に新聞で大きな記事となった

 

その事が親にも伝わり、パソコンに心配のメールが来たが大丈夫なことを伝えた

 

元々、転生したのが小学校6年生後半だった為に卒業まで長かった

 

原作は中学1年生の時だ、それに向けて

 

注文した材料と工具と機械を使い、ガンダム型スケルトン、試行錯誤を繰り返しアーマーフレームならぬガンダムフレーム『ガンダムバルバトス第4形態』とその武装であるメイス、滑空砲を製作した

 

メイスは持ち、滑空砲はバックパックに携帯

 

コアスケルトンからアーマーフレームまで総て手作りだ

 

大会とかだとずるいかもしれないが、そこは仕方ない

 

レア物のLBXだと思って貰えばいい

 

コアスケルトンに入ったCPUやモーターは最新の物を用意した

 

総てを一から作り出すのは凄く大変だった

 

でもバックパックがあるから原作キャラやデクー相手に有利に立ち回れるはずだ

 

そして、今はいわゆる春休み

 

毎日俺はLBX製作に時間を当てることが出来る

 

家事はどうしてるかって?

 

これでも自炊はできるんだけどさ

 

開発に熱中して1日一食とか、なにも食べない時あったんだけど

 

何故か毎日ミカが来て作ってくれる、何でそこまでしてくれるんだろう?

 

記憶通りなら友達だったよね?

 

彼女とかでも無いのに、何で?

 

取り敢えず、今日はミカも用事とやらで来ない

 

なので今からミソラ二中の見学。

 

と言う建前で本来の目的は二つある

 

1つ目はミソラ二中学校の校舎の構造、配置の把握

 

2つ目はLBXでのスラムへの潜入経路の探索だ

 

僕の作ったガンダム型LBXはシンクロすれば、劇中の用な特殊なシステムを使用しなくても遠距離でも動かせるし、空を飛ぶのも可能だ

 

探索には製作した『バルバトス第4形態』を連れていくからバルバトスを使って探索する予定だ

 

スラムに入ることでバトルする可能性があるが、何度かテストプレイ時にバルバトスの戦い方を出来るだけ再現して見たので大丈夫だろう

 

アタックファンクションはまだ発現していないが

 

俺はリュックにバルバトス第4形態とCCMを入れて家を出た

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ミソラ二中についた、ゲーム等でスラムへの行き方は覚えている

 

先程、職員室に見学に来たと言うとミソラ二中の地図を渡された。

 

あと体育館裏のスラムには行かないよう

 

職員室の先生が話していたのを聞いた限り、郷田ハンゾウ、郷田三人衆は既にスラムにいるらしい

 

劇中通り、余程の問題児らしいな

 

まず校舎内を見回る、先生の話だと俺の他に3人が見学に来てるらしい

 

見学者の欄に原作キャラである『山野バン』『川村アミ』『青島カズヤ』の名前があった

 

仕方ない、予定を変更して最初にスラムを探索するか

 

外に出て、体育館裏に入る

 

出来るだけ自分の気配を消して奥の方へ進む

 

LBXの通れそうな隙間や潜伏出来そうな場所

 

そして原作でバン達が三人衆に襲われた場所の見える場所にたどり着いた

 

まず、ここでリュウのLBXブルドの破壊を阻止するための潜伏、狙撃ポイントを探すか

 

「見てきて、バルバトス」

 

そう言ってCCMを操作するとバルバトスのツインアイが光りゴミ箱の裏へと移動を始める

 

続いてバックパックで上空へと飛び上がり屋上に立つ

 

「うん、ここなら大丈夫だな」

 

狙撃ポイントはあのゴミ箱の裏か建物の屋上だ

 

CCMを操作してバルバトスを手元に戻す、バルバトスをリュックに戻そうと

 

「誰だ!」

 

「ッ!?」

 

とっさに距離を取って、声のした方を見ると

 

長い学ランに木刀を持った、原作と変わらない格好の郷田ハンゾウと郷田三人衆の矢沢リコ、亀山テツオ、鹿野ギンジが先程通ってきた道に立っていた

 

すっかり郷田達がこの中にいると思っていたが違ったみたいだな

 

くそ、そうそうバルバトスを使うわけには行かないってのに

 

「なんだお前?見ない顔だな」

 

「ここはあんたのような子供が来る所じゃないんだけどねぇ………それにしてもあの顔はどっかで」

 

「お前、さっきからいろんな場所を見てたよなぁ?」

 

ギンジにはもうバレていたのか

 

原作キャラにあってでも校舎内の探索を優先するべきだったか

 

「こんなところで一体何をしているんでごわす」

 

「………………」

 

黙りつつ、バレないようゆっくりとバルバトスをリュックに入れる

 

このまま、どうにが逃げれば……

 

「お前、今リュックの中に何か入れただろ」

 

そう言って郷田ハンゾウは俺に木刀を向ける

 

くそ、本来ならバンたち原作キャラへのフェイクとして使うはずだったのに

 

俺は諦めて、バルバトスを持った手をリュックから出した

 

「何だそのLBX、新型か?」

 

「見たことがないアーマーフレームね」

 

「新刊の情報にはこんなこと書いてなかったでごわすが」

 

「つまりレア物って事かよ」

 

「お前、バトルしろよ。俺が勝てばそのLBXはコアスケルトンごと頂く」

 

「………仕方ない、分かった。バトルする」

 

「呑み込みの早い奴は好きだぜ、付いてきな」

 

彼らの後ろに続き、郷田ハンゾウ達の部屋に入る

 

そこは原作通り、フィールドと天下無双と書かれた布にソファーがあった

 

「レギュレーションは?」

 

「なんでもありだ」

 

「分かった、アンリミテッドだね」

 

「…………慣れてんな」

 

「ん?そう?」

 

「ありゃ見た目より強そうだね………」

 

ゲームとかでアンリミテッドは良くあることだから慣れてる、かな?

 

実質、バトルは初めてなんだけど

 

「行け、ハカイオー!!」

 

「行くよ、バルバトス」

 

そう言ってフィールドの中にバルバトスを投げ入れ、CCMを操作する

 

ツインアイに再び光り、バルバトスは手に持ったメイスの先をハカイオーに向けて構える

 

「………バルバトスか、ソロモン72柱の悪魔の名の1つ」

 

ギンジさん、以外と物知りだったりするのか?

 

「へぇ、悪魔と破壊神か」

 

「いくぜ?」

 

「うん」

 

「「バトルスタート!」」

 

そう言った瞬間、CCMを操作してバルバトスのバックパック、両脚のブースターを操作

 

高速でハカイオーの懐に入る

 

「なッ!?」

 

「速い!?」

 

メイスを構えハカイオーに突貫してメイスを振り上げる

 

すると、重厚なアーマーをものともせず吹き飛ばしす

 

「なっ、ハカイオーを」

 

「吹き飛ばした!?」

 

初撃は入った

 

次は連続で叩く

 

ハカイオーの着地点に先回りして、メイスを横に凪ぎ払う

 

が、ハカイオーのヘビーソードで弾かれてしまう

 

ブースターを使い、バルバトスを後退させて背中の滑空砲を取り出して構え、引き金を引く

 

ハカイオー滑空砲はそれをヘビーソードを盾にして接近してくる

 

「面白れぇ、もっと見せてみろよその力を!」

 

そう言って振り下ろすヘビーソードをメイスを横凪ぎに叩きつけて弾く

 

「ハカイオーの剣を受け止めるどころか、弾き返した!?」

 

「そこ」

 

弾いた勢いでそのまま機体を回転させハカイオーにメイスを叩きつける

 

「ぐっ、なら!」

 

機体を横にずらしその攻撃を避けたハカイオーはバックステップで下がる

 

「喰らえ!我王砲(ガオーキャノン)!!!」

 

『アタックファンクション!我王砲(ガオーキャノン)

 

するとハカイオーは、胸から強大なビーム砲を発射する必殺ファンクション、我王砲が放たれる

 

俺は機体を横にずらし、そのままはブースターで横に飛ぶが

 

我王砲によってステージの大地の土が舞い上がりバルバトスの視界を潰した

 

「…………見えない」

 

それに、土煙のせいで両脚のバーニアが使えない

 

「始まるよ、リーダーの破壊のショーがね」

 

リコがそう言った瞬間にアニメでカズのウォーリアーが破壊されたシーンが頭に浮かぶ

 

あの様に奴が背後に居ると仮定する

 

ならば話しは簡単だ

 

「行けぇ!!」

 

そう言ってヘビーソードを横凪ぎに振るうハカイオーの音を聞いて俺はCCMを操作しバルバトスはバックパックのブースターで飛び上がる

 

「なに!?」

 

「あのLBX、翔んだ!?」

 

そしてそのままの落下速度を利用しメイスをハカイオーに投げつける

 

ハカイオーはそれをサイドステップで避けるが、それが隙を作った

 

「撃ち抜け、バルバトス」

 

滑空砲を構え落下しながらハカイオーに向かって連射する

 

「チィ!!」

 

そう言ってハカイオーはまたヘビーソードをなさ盾にして接近し、滑空砲の銃口を切断されてしまう

 

「滑空砲が、」

 

「これで遠距離攻撃が出来なくなったな?」

 

滑空砲を投げ捨ててフィールドに刺さったメイスを抜く

 

「中々やるな、これで終わりにしてやる!」

 

そう言ってハカイオーは我王砲の構えを取る

 

やはり原作通り大量のエネルギーを消費する為、一瞬だが隙が出来る

 

「隙あり」

 

そう言ってバルバトスをハカイオーに接近、エネルギーが収束している部分にメイスの先端を叩きつける

 

だが、我王砲のチャージは止まらない

 

「そんなことじゃ俺のハカイオーは止まらねぇ!」

 

「止まるよ。貫け、バルバトス」

 

メイスの柄の部分に付いたボタンを押す

 

すると先端のパイルアンカーが射出されハカイオーを貫いた

 

ハカイオーに光が収束し、一気に弾ける

 

メイスを引き抜き、バルバトスの肩にかける

 

相手を破壊しての勝利ではなく、普通のブレイクオーバーだ

 

「なん、だと!?」

 

「リーダーのハカイオーが、負けた……」

 

「………ぶい」

 

そう言って郷田ハンゾウ達に向かって右手を前に出してピースする

 

思ったよりバルバトスを操作するのが上手く出来たな

 

これなら原作も大丈夫だと思うけど、改良点が多いな

 

郷田のハカイオーのヘビーソードを弾く際に腕の間接部のアーマーフレームが悲鳴をあげてた

 

それに両脚のブースターに土煙が入ってほぼ使えない状態

 

思ったより早く『ルプス』か『第6形態』の製作に手をつけた方がいいかもな

 

郷田が此方に近付きいてきて、手を出した

 

「お前とのバトル、楽しかった。お前強ぇな、今度またバトルしようぜ!それまでにまた強くなってるからよ」

 

笑いながら出された手を握り返す

 

バトルすれば、強くなる

 

僕も原作までにもっと強くならなきゃ

 

「ん、またバトルしよ。あと」

 

「あん?」

 

「これで、友達………だよね」

 

そう言って笑い返した

 

「ハハッ!そうだな」

 

「先輩と友達だから、貴方達とも友達」

 

「えぇ!?あたし達も!?」

 

「さすがに驚くでごわす………」

 

「今までなら、こんなこと無かったのになぁ」

 

「ちょっと待てよ、お前今何て?」

 

「先輩ですけど」

 

「何で名前じゃねぇんだ?ダチだろ?」

 

「まだ、先輩達と俺は自己紹介してない」

 

俺は自己紹介しなくても分かるが、それだと変に思われる

 

だから、改めて自己紹介しないとね

 

「改めて、俺は郷田ハンゾウ」

 

「私は矢沢リコ、こっちは亀山テツオでこっちが鹿野ギンジ」

 

「よろしくでごわす」

 

「よろしくなぁ、後輩君」

 

「よろしくお願いします、先輩方。俺は深海セイカ、今年入学してくる新入生。あと、これでも男です」

 

「「「「ハァアアアアアア!?」」」」

 

このあと僕は彼らとCCMの番号を登録し、家に帰ってバルバトスのメンテナンスをした

 

原作主人公キャラとは話さなかった

 

郷田ハンゾウ先輩達と友達になったが、原作への影響はあまり無さそうだな

 

そう思いつつ、俺は原作介入用の機体の1つを作り上げる

 

翼の名を持つ機体を

 

 

sideout

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

郷田ハンゾウside

 

 

セイカか、待ってろよ

 

すぐにお前のバルバトスを越えてやる、俺とハカイオーでな

 

「アァァァァァァ!?」

 

突然リコが大声を挙げ、俺とギンジとテツオは思わず耳を塞ぐ

 

「どおしたんだよ、急に大声だして?」

 

「思い出した!」

 

そう言ってリコが学ランの中にしまってあった新聞を取り出し、机の上に置く

 

俺らは気になってその記事を見ると

 

『小学生3名、クラスメイトに苛め。殺傷、暴力により逮捕』

 

の文字と共に、さっきまでにそこにいた少年の殴られる姿が映っていた

 

「おい、どういう事だよこれ!」

 

「前にこの記事が気になってポケットに入れたまま忘れてたけど、明らかにやられたのはアイツで間違いない」

 

「確かに、セイカの頬と目には傷があったでごわす」

 

「他に言えば、奴が白髪なのもおかしいよなぁ?」

 

そう言って各々が疑問を隠せずにいるなか

 

郷田ハンゾウには一番の疑問があった

 

「アイツ、なんであんな平気な顔してやがる」

 

あんなことが会ったのに、アイツは笑ってた

 

アイツは俺の思ってるより強いやつ

 

なのかもしれねぇな

 

「ったく、入学式が楽しみだぜ。なぁ、ハカイオー」

 

その問いかけにハカイオーは答えない、だが俺にはハカイオーが肯定しているように見えた

 

 

 







ご愛読ありがとうございました

感想、お気に入り登録

お待ちしています


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

始まり、飛翔する翼

セイカside

 

 

あれから数日、俺はミソラ二中に入学した

 

あれから何度も郷田達との戦闘を行い、バルバトスは修理不可能になった

 

なので大きく改修し、バルバトスルプスにした

 

後はコアスケルトンにバルバトスのフレームを着ければ改修が終わる

 

放課後に郷田先輩とのバトルの前に着ければ間に合うだろう

 

また、入学し俺とミカは同じクラス

 

つまり、原作キャラ達であるバン、アミ、リュウと一緒のクラスとなった

 

俺とバン達との関係はクラスメイト以上、友達未満といった感じだ

 

一応、周りみたいにLBXを見せびらかしていない

 

なので俺はLBXを持っていないと思われている

 

俺がLBXを見せびらかしていないのは、手の内を出来るだけ見せたくないからだ

 

そう言えば、そろそろ原作が始まっても可笑しくない時期

 

いまは放課後

 

俺は聞こえてくるバン達の会話を聞いて原作の開始を判断しなければいけない

 

だが、バン達は原作介入前からキタジマでバトルしているため

 

原作の開始を把握することは難しい

 

「セイカ!」

 

そそくさと帰る準備をしているとアミ達と話していたバンが目の前にいた

 

「何?」

 

「明日、キタジマでアミやカズとバトルするんだけどセイカも来ないか?LBXがないなら俺みたいに店長に借りればいいし、それに楽しいよ!」

 

「ごめん、用事あるから無理」

 

「そ、そうか、ごめんな」

 

俺は毎回バン達からのバトルの誘いを断っている

 

理由は先程と同様に出来るだけ手の内を見せたくないからだ

 

そう思いつつ、俺は荷物を持ち教室を出てスラムへと向かう

 

いつも帰りに郷田先輩達と少しバトルしてから帰るのが日課なのだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バンside

 

 

「また、駄目だった」

 

そう言って去っていく白髪のクラスメイトを眺める

 

「セイカって、いつも誘いを断るわね 」

 

「あぁ。アミ、俺達セイカに避けられてる気がするんだ」

 

「確かに、それにクラスの人とも全く話さないど私達とは特に話さないわね」

 

「おい、まだ教室にいたのか?」

 

「カズ」

 

そう言って廊下から教室に入ってきたのは別のクラスの青島カズヤ

 

「カズ、実は明日キタジマでLBXバトルするのにセイカを誘ったんだけど」

 

「深海セイカか、」

 

「何か知らないか?」

 

「一応、名前と噂だけなら知ってる」

 

「噂?」

 

「一体どんな噂なのカズ」

 

「あいつの噂は沢山あるんだ。例えば『学校が終わると体育館裏のスラムに呼び出され、郷田ハンゾウに苛められている』『スラムでのLBXを使ったバトルで相手のLBXを残酷に壊す』『殺人鬼』『薬物を飲んでいる』とかだな」

 

「え、セイカってLBXもってるのか、それに薬物!?」

 

「あくまで噂よバン、本当かわからないわ」

 

「中でも一番信憑性のある噂は、あいつが小学校の頃に苛められてたって奴だ」

 

「苛め!?」

 

「そう言えば、私達の学校でもニュースになったよね」

 

「あぁ、『ミソラタウンのある小学校で酷い苛めを受けた生徒がいた』って奴だ。セイカその被害者で顔には切り傷が目と頬に着いているのはその苛めで傷つけられたから。同じ小学校だったやつらが話していた事から、一番信憑性のある噂だ」

 

カズがそう締め括ると、俺達の間では途轍もなく暗い雰囲気が漂っていた

 

「ま、俺達は余り仲が良くねぇから分かんねぇけど」

 

「そ、そうね!本当かは分からない訳だし」

 

「あぁ、そうだな!カズ約束どうり明日キタジマで集合な!」

 

「おう」

 

「それじゃあ帰りましょう」

 

俺達は荷物を持ち、三人で教室を出た

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

セイカside

 

 

先輩とのバトルを終え、俺は帰路に着いていた

 

前回では負けたが、今回は無事勝利することが出来た

 

バルバトスルプスのテストは、もう要らないだろう

 

あとはツインメイスを作り上げれば完璧と言える

 

そんな事を考えつつ、帰り道を歩いていると眼鏡をかけ、アタッシュケースを持った白衣の女性が後ろへと走り去っていった

 

確か、あの人は山野純一郎の助手の石森 里菜(いしもり りな)。イノベーターからLBX『AX-00』を持ち出し、山野バンに託す人物

 

「……始まる、ストーリーが」

 

彼女がいることは、原作の開始を意味していた

 

覚悟を、決めなきゃな

 

そう考え、俺は手を握りしめた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~次の日~

 

 

起きてから数時間、俺はいつも通り作業部屋でバルバトスルプスのツインメイスの製作を行い、バンの部屋の襲撃に助太刀する機体の最終チェック、メンテナンスを行う

 

ミカは運良く今日も来ないので、シンクロしてる間の体はベットの上に倒れさせておけば心配されはしないだろう

 

外が暗くなり始める時間、そろそろだ

 

俺は2枚の羽と大きなライフルを持ったLBXを操作して自室の窓から屋根の上に上らせる

 

そしてCCMを閉じ、布団に横になる

 

「LBX ウイングガンダム。同調、開始(シンクロ・スタート)

 

体から意識が遠退くような感覚がして、目の前が、真っ黒に染まる

 

そして、意識がハッキリしてくると俺は外にいた

 

両腕を見ると、赤い盾と三本のカートリッジのついたバスターライフルを持っていた

 

俺は体を動かしてみるが、特に変な所はない

 

俺は頭の中でバックパックのバーニア吹くと、実際に飛ぶことはテストで分かっている

 

ある程度高くまで飛び上がり飛行変形、バード形態に変形する

 

特に苦しくなったりなどはない

 

これなら問題なく戦闘をこなせそうだ

 

『ウイング、原作への介入行動に入る』

 

そう言って俺は山野バンの家に飛ぶ

 

見ると、既に家の近くにはあの三人組がいた

 

『遅かったか』

 

バード形態のまま、三人組の目の前を通りデクーと同じ場所からバンの家の中に入ると、既にデクーが暴れており、バンはAX-00が操作していた

 

「なんだ!?」

 

家のリビングの上に飛び、飛行形態から空中で変形して元の状態に戻ってAX-00の前に降り立つ

 

「あの飛行機、LBXになるのか!?それに空を飛んでる!」

 

本来だとこっちが本命だけどね、バスターライフルをデクー三体に構え、AX-00を庇うように盾を持った方の手を水平に置く

 

「AX-00を守ってくれているのか?」

 

『XXXG-01W。ウイングガンダム、作戦行動に入る』

 

「喋れるのか!?」

 

原作ならLBXに特殊な物を着けていたが、俺が憑依したことで一時的にこのようにLBXでも話すことが出来る

 

バスターライフルを背中にマウントして盾からビームサーベルを構える

 

デクーのように家の中を荒らさないようにしなければいけない

 

それにバスターライフルの威力は規格外だ

 

部屋が荒れるだけじゃすまない

 

だから、デクーとも早めに方をつける

 

背中のバーニアで相手に高速で接近、ビームサーベルで一体の胴体と脚部を切り離す

 

「あのLBX、強い……俺だって!」

 

そう言ってバンが操作するAX-00は残りの二体を手に持った鉄の棍のような武器で駆け抜け、二体のデクーの腹に傷を着けた

 

すると、そこから稲妻が走り始め爆発した

 

さすがは次期アルテミス優勝者でLBXの産みの親の息子

 

さて、デクーは倒したし帰ろう

 

『作戦終了、帰投する』

 

俺はデクー達の入ってきたルートで外に出る

 

見ると、仮面を被った三人組が庭に潜んでいた

 

バード形態に変形し家に戻る

 

窓の前で一度止まり、変形して窓に立つ

 

同調、終了(シンクロ・アウト)

 

目の前が真っ暗になり、また明るくなると

 

俺の部屋だった、ゆっくりと体を動かしてみる

 

かなり怠い、どうやらシンクロすると少しだけ体力を消化するみたいだな

 

取り敢えず、部屋の窓を開けてウイングを回収し作業部屋のケースにしまう

 

これから、忙しくなる

 

それに明日は原作キャラであるカズのウォーリアとリュウのブルドの破壊を阻止しないとな

 

そんな事を考えながら、俺は開いた窓から月を眺めた

 

 






ご愛読、ありがとうございました

感想、お気に入り登録

お待ちしています


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

青きスナイパー

セイカside

 

 

暗い部屋の中、機械の駆動音と共にパソコンのキーボードを叩く音が響き渡る

 

「出力……問題ない、射撃の精密差は」

 

CCMのボタンを押す

 

すると機体は手に持ったスナイパーライフルの引き金を引いた

 

静かな発砲音と共に、ライフルから煙が上がり的に銃弾が刺さっている

 

「的の中心から5ミリずれた………再設定開始」

 

CCMとLBXの電源を落とし、そのLBXのコアボックスからCPUを取り出してパソコンに繋げる

 

「CPU、リプログラミング開始」

 

バランスの設定から完璧な銃、ライフル専用に書き変えると再びLBXの、コアボックスにセット

 

CCMを起動し再びスナイパーライフルを持たせテストを開始する

 

再び静かな発砲音と共に的を確認するとしっかりと的の中央に当たっていた、が

 

「威力が、火力が足りない……作り直すか」

 

CCMとLBXの電源を切り同時にスナイパーライフルを手に取る

 

そして、製作時に書いた図面に起き思案する

 

今度は何処を間違えた?

 

銃身は出来るだけ軽くし、発砲音で気づかれないようサイレンサーも取り付けた

 

だがサイレンサーを取り着けたがため、威力が落ちていた

 

「もう少し、銃弾のミリを上げる……ダメ」

 

このスナイパーライフルは実物の銃で言う『M24』『AWM』に近く、『SKS』や『MK14』のように連射は出来ない

 

リュウのブルド破壊からカズのウォーリアー破壊まではリロード時間も十分ある

 

だが、攻撃を少しずらすタイミングは一度だけ

 

失敗は許されない

 

紙に問題の部分を書き出し、スナイパーライフルの図面に書き加える

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

体を揺さぶられる感覚と共に、目を覚ますと机に突っ伏して寝ていた

 

昨日の製作が終わったあとに疲れて眠ったのだろう

 

体のあちこちが固い

 

揺すられたので、恐らくはと思いつつ後ろを見るとミカだった

 

「おはよ、セイカ」

 

「ん~、おはようミカ?」

 

「うん、起きたら部屋じゃなくてここで寝てた」

 

「そっか」

 

「うん、ご飯作ったから食べよ」

 

「ありがと」

 

そう言って彼女と共に作業部屋を出る

 

今さらだが作業部屋のLBX達を見られていないといいのだけど

 

そんなことを考えてつつミカの作ってくれたご飯を食べ終え、LBXバルバトスルプスと今日の原作介入用の機体をリュックに入れて家を出る

 

「行こっか」

 

「ん」

 

返事をして学校への道のりを歩む

 

昨日、山野バンの家が襲撃されたのなら

 

今日、山野バン達は朝キタジマにて『AX‐00』について会話しアキレスが盗まれたことを知るはずだ

 

なら今日の放課後には郷田先輩のことを探し始めるはず

 

なら学校の何処か人の少ない場所でLBXとのシンクロを行った方が良いだろう

 

そう考えをまとめる頃には学校が目の前に迫っていた

 

いつもと変わらない動作で靴を履き替え、教室に入っていくとそこにはカズとアミと話すバンがいた

 

机の上には『AX-00』が乗せられていた

 

「バン、LBX買ったんだ」

 

「そうみたいだね」

 

そう言って僕は彼らの元へ歩く

 

「バン、今度俺のウォーリアーとバトルしようぜ……セイカ」

 

「バン、LBX買ったんだ。おめでと」

 

「あ、あぁ。そうだ!セイカはLBX持ってるか?持ってたら見せてくれよ!」

 

「ん、分かった」

 

「いいの!?」

 

「うん」

 

リュックの中からバルバトスルプスを取り出してバンの机の上に乗せる

 

「これがセイカのLBXか……」

 

「随分、特徴的なフォルムね」

 

「見たことないアーマーフレームだな、新型か?」

 

「このLBX、名前は何て言うんだ?」

 

「機体番号ASW-G-08名はガンダムバルバトスルプス」

 

「ガンダム、バルバトスルプス……」

 

「バルバトスルプス、どういう意味なの?」

 

バンは珍しそうにバルバトスルプスを眺め、アミは名前の意味を訪ねてきた

 

「バルバトスは悪魔」

 

「え?」

 

「ルプスは狼………悪魔の狼」

 

「ず、随分と禍々しいわね……」

 

「そう?かっこいいと思うけど?」

 

「俺もそう思う!なんかかっこいいな!」

 

「ん!」

 

さすが主人公、分かってる

 

「ねぇカズ、やっぱり昨日の噂って」

 

「なんか現実味を帯びてきたな」

 

ふと時計を見ると、あと少しで朝の会が始まる時間だった

 

俺はバルバトスを回収し、自分の机に着くと同時に突っ伏して目を閉じる

 

正直、昨日のシンクロの疲れが少し残っているが大丈夫だろう

 

もし授業中寝てしまっても、中学の問題ぐらいわかるだろうし

 

少しでも体力を回復しといた方がいい

 

おやすみなさい

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

放課後、耳を澄ますとバンたちの郷田を探すと言うワードが聞こえたのでそろそろ移動した方がいい

 

荷物を持ち、教室を出る

 

そして行きなれた体育館裏のスラムへ

 

スラムにいる先輩はおろか、郷田先輩達も知らない小屋に向かう

 

誰にも見られないよう中に入り、地面に座り込んでからスナイパーライフルを持った白と青のLBXを取り出して地面に置く

 

「LBX ジムスナイパーⅡ。同調、開始(シンクロ・スタート)」」

 

意識が遠退いていき、真っ暗になる

 

そして意識が戻ると目の前に小屋の景色が映り込んでいた

 

同調(シンクロ)完了、ジムスナイパーⅡ、作戦行動を開始します』

 

背中のバーニアを吹かし、小屋の穴から外に出て郷田3人衆の出てくるポイントへ移動する

 

ポイントに着くと、そこでは郷田3人衆と話すバン達の姿があった

 

思ったより早くたどり着いたようだな

 

『目標はバトルはしてないようだな、今のうちに狙撃ポイントへ移動する』

 

バン達に気づかれないよう近くのゴミ箱の裏に隠れ75mmスナイパー・ライフルのスコープを覗く

 

先輩方のあの自己紹介が見事に終わりバトルが開始

 

Gキューブの中にそれぞれのLBXが投下され戦闘が始まる

 

バンのAX-00がクイーンへと走り鉄の棍をつき出すが、避けられ攻撃を受けてしまう

 

「たった一撃でこんなにダメージが」

 

「バン、今の状態で攻撃を受けたらすぐブレイクオーバーで負けちゃうよ!」

 

すると、ステージの水中からテツオ先輩のナズーが飛び出し、腕からビームを打ち出す

 

「おいらのナズーは水陸両用でごわす」

 

アミのクノイチはそれを後ろへバク転して避ける

 

「くっ、リュウ!アミとフォロー頼む」

 

「ちょっと待て!ついてけねぇよ!?」

 

だがリュウのブルドはついていけず、クイーンのマシンガンを食らう

 

「三倍の追尾機能はどうなってんのよ!」

 

「ホバーは想定してなかったんだ!」

 

「最初の獲物は決まったわよ、テツオ!」

 

「了解でごわす」

 

そう言ってナズーとクイーンがブルドへと攻撃を仕掛けるため接近する

 

「リュウ!」

 

「いま助ける!」

 

そう言ってバンとアミがAX-00とクノイチを走らせるがクイーンのミサイルで妨害されてしまう

 

今だ。仕掛ける、スナイパーライフルの引き金に指を掛けライフルを固定

 

狙うのはナズーのライフルのついた手の銃口

 

『目標、ナズー右腕の銃口。障害物なし、風もなし………進路クリア。ジムスナイパーⅡ、目標を狙い打つ』

 

引き金を引くと弾丸はまっすぐとナズーの武器腕のライフルの銃口へと吸い込まれるように入っていき、ナズーの片手を破壊した

 

「ナズーの腕が!」

 

「一体何が起こったの!」

 

「ナズー!?、何が起こったでごわす!?」

 

「テツオ!あんたちゃんとチューニングしてなかったの!?」

 

思いも知らないアクシデントでナズーとクイーンの動きが止まる

 

『第一射命中。威力、スピード、消音……問題なし』

 

その間にスナイパーライフルの銃弾をリロードし、狙いを変える

 

『リロード、目標変更。標的クイーンのミサイルポット破壊……撃ち抜く(ショット)

 

続いてクイーンの下半身のミサイルポットにスナイパー・ライフルの銃口を向け引き金を引く

 

スナイパーライフルは見事に銃弾をミサイルポットに当てミサイルを爆発させる

 

「クイーン!?」

 

「また爆発が!」

 

「一体何が起こってるの?」

 

「しょうがねぇ、俺もやるかぁ!」

 

続いて爆発したクイーンに驚きを隠せないリコ先輩代わり、出てきたマッドドッグがブルドを斬りつけブレイクオーバーにした

 

「俺のブルドが、負けた………」

 

すると、リュウは原作通りGキューブのブルドを回収し帰っていく

 

ブルドが壊れてないだけ原作よりは良いはずだ

 

その後、カズが助太刀し原作通り戦いバン達が勝利した

 

『作戦の内ファーストフェイズ終了、セカンドフェイズに移行する』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれから郷田先輩の部屋に裏口から潜入、天下無双の幕の裏へと移動してそこまま待機していた

 

話し声から考察するに、そろそろバトルが開始するはずだ

 

幕の隙間からスナイパーライフルを覗き、様子を見る

 

アキレス、ウォーリアー、クノイチが順調にハカイオーを攻撃していく

 

「距離を取って正解ね」

 

「カズ、お前の作戦大当たりだ」

 

「このまま押しきるぞ」

 

「三対一なんて私たちを舐めすぎたようね」

 

そう言うが郷田先輩はニヤリと笑った

 

「フッ、分かってねぇな。三体一なら、三機纏めてぶっ壊れるじゃねぇかよ!」

 

そう言って郷田先輩は持っていた木刀をバンたちの目の前につき出す

 

「フフ、始まるよ……リーダーの破壊のショーが」

 

「喰らえ我王砲(ガオーキャノン)!!!」

 

ハカイオーの胸部にある砲口からビーム砲が放たれ、ステージを砂煙で覆う

 

「なんだこれ?何も見えない」

 

このあと、カズのウォーリアーはハカイオーから頭突き、ヘビーソードで上空へ吹き飛ばされ一閃されて破壊される

 

なら最後の一閃にライフルの弾丸を当てて攻撃をずらし少しでも被害を押さえる

 

「でぇぇい!!」

 

ハカイオーが背中のブースターでアキレスに接近する

 

「何!?」

 

「避けろバン!!」

 

カズはウォーリアーを操作してアキレスを押し出しハカイオーの攻撃を喰らってしまう

 

「吹っ飛べ!」

 

煙の中、カズのウォーリアーが頭突きされる

 

「泣き叫べ!!」

 

ハカイオーがウォーリアーを蹴り上げる

 

「ウォーリアー!?」

 

カズの絶望するかのような声が響く

 

『障害物なし、風もなし。進路クリア、スナイパーライフル照準』

 

スナイパーライフルの照準をハカイオーのヘビーソードに会わせ固定、引き金に指を掛ける

 

「砕け」

 

The destruction show is a stop, senior(破壊のショーはストップだよ、先輩)

 

そう言って引き金を引く、小さな静かな発砲音と共に弾丸はまっすぐとハカイオーのヘビーソードの側面へ

 

「ッ!?」

 

そして見事にハカイオーの一撃は弾丸の衝撃でずれ、カズのウォーリアーの全面の胸部装甲を少し切り裂くだけで終わった

 

「なんだと!?」

 

「リーダーが!」

 

「………攻撃を」

 

「外した?…………」

 

「カズ、今のうちにウォーリアーを下がらせて!」

 

「あとは俺らでやるよ!」

 

「二人とも、すまない!後方から射撃で援護する!」

 

そう言う三人を他に、郷田先輩はキョロキョロと周りを探している

 

まさか、さっきの声が聞かれた?

 

呟く位だから大丈夫だと思ってたけど

 

バン達はウォーリアーが生き残ったからか、原作よりもスムーズに戦い、見事にハカイオーを倒した

 

『ハカイオーの撃破を確認、セカンドフェイズ終了、任務完了』

 

バックパックのブースターを吹かし部屋から出てに向かう

 

穴から小屋に入り、地面に着地する

 

同調、終了(シンクロ・アウト)

 

すると目の前が一瞬だけ暗くなり、すぐに戻ると目の前にジムスナイパーⅡがたっていた

 

問題なく元の体に戻れたようだ、スナイパーを使ったせいか体の怠さが昨日の数倍以上だ

 

小屋から出て早足でスラムの出口へと向かう

 

もしここでエンカウントしたら色々と不味い

 

元々、この体は薬品を飲んでいた前から体力は少ない

 

転生してばかりから少しは体力が上がったが早足だけで肩で息をする状況だ

 

どうにか、誰にも会わずスラムから出ることが出来た

 

校門を出てからゆっくりと歩き家に向かう

 

次は確か、カズがエジプトに洗脳されるはず

 

あのイベントでアキレスはVモードを発動する

 

家に帰ったら高機動型の奴を仕上げないと

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

郷田 ハンゾウside

 

 

今日のバトル途中に聞こえたあの声、なんだったんだ?

 

それにその声が聞こえた瞬間にハカイオーのヘビーソードの軌道がずれた

 

本来ならば、あのウォーリアーを木っ端微塵に破壊出来たはずだ

 

あの口調、セイカに似ていたが気のせいか………

 

 

 

 

 

 





ご愛読、ありがとうございます

感想、お気に入り登録

お待ちしています


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

自由と言う名の剣



お待たせしてすいません


それではどうぞ!


 

 

セイカside

 

 

皆、久しぶりセイカだよ?

 

昨日、バン達のアキレス戦をサポートして目が疲れて寝ちゃったんだけど

 

起きたら目の前にはミカがいて、やっぱり人が知らない内に家にいると言う事が少し怖いと、そう思った

 

それにしても、次はアキレスのVモード発動&暴走

 

これはアキレスの攻撃を避け、更にはエジプトのステージにも対応できるLBXじゃなきゃ太刀打ちできない

 

あのLBXを使う時が来た

 

俺がガンダム作品でかなり上位に位置するこの機体なら

 

そんなことを考えつつ、パソコンのファイルを開き作戦プランを保存して

 

ルプス、ウイングガンダムの強化機体を図面に書いていく

 

俺の一日のほとんどは、こうして過ぎていく

 

ひたすらにパソコンを叩き、設計図を作る

 

「これで良し、次は───」

 

CCMでガンダムバルバドスルプスを起動し、様々な操作の訓練を行う

 

アルテミスに出場するには、ある程度の操作技術がいる

 

アニメだと、バンたちは次々と進んでいったが

 

この世界は本物だ、実際に俺とバンには大分差があるはずだ

 

訓練しておいて損はないはずだ

 

2つの小さなメイス

 

ツインメイスを握り、試作したDキューブ『火星フィールド』でバルバドスルプスが動き回る

 

急ターン、急停止、バックパックのブースターによる上昇

 

ツインメイス、メイスによる格闘

 

続いて新装備であるソードメイスの強度テストだ

 

バルバドスルプスを操作し、バルバドスの予備のメイスにソードメイスを叩きつける

 

鈍い音が響きわたり、見るとソードメイスにヒビが入っていた

 

「もう少しソードメイスの強度を強化した方がいいかな、いや一度素材を変えてみるのもありなのか?」

 

続いてバルバドスルプスの両腕に装備された腕部200m砲をロケット砲に付け替えて試射する

 

「命中率が低い、あくまで牽制目的だからいいか………」

 

そんなことを考えつつ時計を見ると、もう12時を回っていた

 

取り敢えず先程までのミスや案を近くのメモ帳に書き記してCCMを止めてベットに横になる

 

明日はエジプト戦、頑張らないと

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

朝、ミカと共に学校へと通学する

 

やっぱり、白髪と目元の傷からかなりの視線を感じる

 

慣れたからもういいけど

 

そんな事を考えながら何時通り教室に入り自分の机に向かい

 

座って机に突っ伏し、バンとアミの会話に聞き耳を立てる

 

どうやら、今日は河川敷でLBXバトルをするらしい

 

その後、何時も通り時折眠りながら授業をうける

 

そして授業の休憩時間に昨日のメモをノートに整理して書き写していく

 

その他にも新しいモーターやバッテリーの案も書いていく

 

「セイカ」

 

「ん?」

 

肩を揺すられて机から顔を上げると、手に運動着袋を持ったミカがいた

 

「移動教室、体育だよ」

 

「え?本当だ、ありがとミカ」

 

そう言ってノートを机に入れて運動着袋を持ち更衣室に向かう

 

そして着替え、ミカと一緒に体育館へと向かう

 

五時限目の体育は凄く楽しみだ

 

体力ないけど

 

転生したから勉強は全部知ってるし、テストも問題ないから授業中はほとんど寝ている

 

数学の時に先生が俺を起こして、高校生の問題を出してきたので余裕で答えたら

 

更には成績も一位なのでなにも言われなくなった

 

体育の授業でバスケをして放課後になる

 

この世界の中学は前世と違い、帰る時間が早く

 

○○何時までそと出ちゃ駄目と言うルールもない

 

最高だ

 

放課後になった瞬間に私は高速で荷物を纏める

 

ノートは絶対に教室に忘れてはいけない

 

LBXの機体の図面や武装、モーター等の設計図

 

何より、覚えていた原作の流れも描かれているから

 

これは絶対に他の人に見せちゃいけない

 

まだバンとアミは教室で話してる、カズは休んでるから恐らくは操られエジプトを手にした頃だ

 

ここから家までなら、全力で走っても問題ない

 

早く帰らないと

 

そう思い椅子から立ち上がり白と黒のジャックカラーのリュックを背負う

 

「あ、セイカ!」

 

教室を出掛けたところで、ミカに声をかけられ振り替えると前に渡した食材を買うようのお金が入った財布と栄養手帳?と書かれたノートを持ったミカがいた

 

「ん?なに?」

 

「今日のご飯、何がいい?」

 

「じゃあ、鳥の唐揚げ」

 

「うん、任せて」

 

そう言って笑顔を浮かべるミカに頷いて私は下校するために廊下を早足(走ったらだめだよ?byミカ)で歩く

 

教室から何やら女子の悲鳴のような物が聞こえたきがしたけど、そんなの後でいい

 

ここから家までなら、全力で走っても問題ないから全力で帰った

 

肩で息をしながら部屋に行き、窓を開けて高機動型の青い機体を窓の外に置きベットに横になる

 

自由の翼を持つ、その機体は

 

「ZGMF-X10A フリーダムガンダム

 

………………同調、開始(シンクロ・スタート)

 

そう言うと体から力が抜け、目の前が真っ暗になり次の瞬間に窓の外の景色が目に飛び込んでくる

 

左手には白と黒の盾ラミネートアンチビームシールド、右手には白と青のルプス・ビームライフルを持っている

 

腰には折りたたまれたクスィフィアス・レール砲もしっかりと頭で考えれば展開できた

 

『動作、問題なし。フリーダム、行きます』

 

そう言って窓の縁を蹴って背中の青い翼

 

ウイングバインダーを展開し、河川敷の方向へと飛ぶ

 

ガンダムSEED、SEEDDestinyにて主人公キラ・ヤマトが乗った高機動型の機体だ

 

河川敷が見えてきて、高度を下げていくと

 

バンとカズが戦っている様子が目に映る

 

そしてDキューブではエジプトがアキレスの首を掴んで持ち上げられていた

 

少し遅かったか!

 

すると、エジプトは更にアキレスへと剣を振り上げる

 

『ヤメロォオオオオオオオオ!!』

 

そう言って高速で飛行しDキューブに向かう

 

するとさっきの叫びで此方へとバン達の視線が向かい、カズのエジプトにスキを作る

 

そしてブースターとウイングバインダーの勢いのまま接近しエジプト蹴り飛ばした

 

「ぐ………なんだっ!?」

 

「なに!?何が起こったの?」

 

「アキレスを助けてくれたのか……それにあのアーマーフレーム……………」

 

吹き飛んだエジプトにより、アキレスはDキューブの砂漠へと着地しダメージの多さから膝をつく

 

そして僕は蹴りとばした勢いで後に飛び、Dキューブ上空でウイングバインダーを広げたハイマットモードで滞空する

 

「嘘でしょ、LBXが……飛んでる!?」

 

「もしかしてウイングなのか!?」

 

俺が滞空していることに驚きの声を上げるアミ、そして以前のウイングガンダムの名前を呼ぶバン

 

『こちら、ZGMF-X10A フリーダム』

 

俺だとばれないよう、フリーダムのパイロットだったキラ・ヤマトのような口調で話す

 

「話せるの!?」

 

「フリーダム、ウイングじゃ………ないのか?それともウイングと関係があるのか?」

 

『関係があることは否定しません。今は、そんなことよりあのLBXを破壊しないと!』

 

「駄目だ!あれはカズの新しいLBXで」

 

『聞いて下さい!彼は今、あのLBXに操られています!あのLBXを破壊しない限り彼は洗脳されたままです!』

 

「えっ!?LBXが!?」

 

「そんな、でも本当なの?」

 

『はい、僕はこれからあのLBXエジプトを破壊します』

 

そう言って動こうとしたその時だった

 

バンのCCMが光だし大きく変形し、空中にモニターが表示される

 

そして膝をついていたアキレスの瞳が赤く光り、体が黄金に光ひ輝き立ち上がる

 

「Vモード?なんだ、これ?」

 

ここまでは大丈夫だ、あとはVモードのアキレスの攻撃を避けつつエジプトを破壊するだけだ

 

僕はまずビームライフルを腰にマウントしエジプトに近付きながらサイドスカートのレール砲にセットされたラケルタ・ビームサーベルを手にしてエジプトに向かう

 

「く、邪魔をするなぁ!」

 

するとこちらを敵と判断したのか、エジプトが此方へと向かってくる

 

そして後からは恐らくは俺とエジプトを破壊しようと突撃してくる暴走状態のアキレス

 

まずエジプトに急に接近し手にもった剣をラケルタ・ビームサーベルで真っ二つ斬る

 

「なにっ!?」

 

そしてそのまま上昇すると武器を取り戻したアキレスがそのままエジプトへと向かう

 

「バン、アキレスが変よ!」

 

「分かってる!でも、コントロールが聞かないんだ!」

 

そしてエジプトの胸部にアキレス武装の槍に突き刺す

 

アキレスの不利なはずの砂漠

 

だが、スピードは先程の倍以上でありエジプトの装甲を突き破るのは簡単だった

 

エジプトは爆発し、色々の部品が飛び散る

 

「うっ!?」

 

すると、向こうに立っていたカズが膝をつく

 

「カズ!」

 

「カズ!大丈夫か!?」

 

そしてそれと同時にCCMがもとの形状に戻り、アキレスのVモードと解除された

 

どうやら、こっちと戦う程のエネルギーが残っていなかったらしい

 

『任務完了、帰投します』

 

そう言ってハイマットモードで上昇する

 

「待ってくれ!フリーダム!!」

 

バンが声を書けてきたので上昇を止めてバンの方向を向く

 

「なんで、カズが洗脳されてるって知ってたの?」

 

『…………悪いけど、答えられない。でも、僕は少なくとも君の味方であるつもりだよ』

 

そう言って俺はその場を後にした

 

この場にあの男がいることを忘れて

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

橋からバン達の一部始終を見ているフードを被った男はふと口を開いた

 

「まさか、あのLBXに組み込まれていたとは…………それにあの空を飛ぶLBXは一体…………」

 

そう言ってその男はその場から消えた

 






ご愛読ありがとうございました

感想、お気に入り登録

お待ちしています







もう少しミカと主人公のシーンを増やした方がいいんでしょうか?




目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

悪戯とコーヒーとハンターと

 

 

セイカside

 

 

今、ボクは家に籠り新たに近距離専用の機体を調整していた

 

この機体にはステルス機能も付いてる

 

前世の記憶が正しければ、次に起こるのは総理大臣の暗殺

 

昨日がエジプト、今日はバン達がキタジマの店長からグラディエーターを受け取るはずだ

 

現にミカがカズの新たなLBXを作るのに話しに向かっている

 

今頃、バン達は宇崎拓也と檜山蓮にハンターを紹介されているはずだ

 

なら、明日には総理大臣『財前宗助』のパレードがある

 

実際に朝にニュースでやっていた

 

今考えても、宇崎拓也さんのセリフが頭の中に過る

 

いくら財前宗助を助けるためとは言え、彼らの助けを借りる。いや、意図的に借りさせようとする発言がボクには少しだけど嫌だった

 

明らかに子供に任せるような内容じゃない、いくら危険に巻き込まれるかもとは言え、家族には話をした方が良いと思うのだ

 

カズの所に言って、調整を手伝うぐらいしかボクには出来ない

 

今の時間的にそろそろ、カズがハンターで訓練する頃だ

 

財前宗助と言う人間を救うために、そしてバン達の勝率の為にも俺が今できること

 

明日の武力介入の機体は後は訓練するだけだ

 

ボクは工具箱をリュックに居れて家を出る

 

頭の中にはカズが射撃訓練をしていた廃工場らしき風景が残っている

 

ここらの近くでそれに近い居場所を絞る

 

CCMでその場所らしい場所に近付く

 

すると微かだが、銃声やLBXの駆動音が聞こえた

 

「照準と着弾点にずれがある、調整しないと…………」

 

その声を聞き、俺は声を掛けた

 

「青島カズヤ」

 

そういって俺は彼のもとに近付く

 

「な、お前は深海、セイカ………」

 

恐らくは俺の噂などのせいか少しだけ顔を顰めるカズ

 

仕方ないか、今までめったにしゃべらず話しもしなかった奴が話しかけてるんだから

そりゃあそうだよね

 

「見てたけど、機体とCCMの設定ずれて調整しないとと困ってる?」

 

「な、見てたのかよ。ずっと………」

 

本当はそうなっていることを知っている、だけどね

 

「俺に、任せてくれる?」

 

「任せるって……まさかハンターの調整をか?」

 

「ん。俺ならさっきから呟いてたズレ、直せる」

 

そういってリュックから工具箱を取り出した

 

箱を開くと中の層が分かれ様々な器具事に別れる

 

「わかった、頼んでもいいか?」

 

そういってハンターとCCMを手渡される

 

一応、怪しまれないよう彼の前でハンターを調整しつつCCMも調整する

 

まず、狙いが定まらないなら頭部パーツ

 

もしくは銃を固定している腕が動きやすくなっている

 

そこを調整して銃を構えて、撃っても狙いがずれないよう間接部

 

手の指の部分をかたくしっかりと持つようネジを閉める

 

そして次にCCM、そのままリュックからノートパソコンを取り出してジム・スナイパーIIのデータをコピーしてそのままハンターのCCMにデータを入れる

 

これなら狙いも、連続射撃も問題ないはずだ

 

「終わった」

 

「あ、あぁ。お前、こんな事出来たのか」

 

「まぁね、直ぐにハンターの射撃を試して、次に微調整を繰り返すから」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

青島カズヤside

 

 

ハンターで射撃が上手く行かず、俺は少し苦しくなっていた

 

そりゃあそうだ、急に総理大臣の暗殺の阻止だなんて

 

なんで俺たちが

 

うまく行かない俺の心はずっとネガティブな方へと向かっていくその時だ

 

「青島カズヤ」

 

聞き覚えのある声が聞こえた

 

振り向くとそこには顔に目立つ傷痕、真っ白な髪の男

 

「な、お前は深海、セイカ………」

 

様々な噂が流れる俺と同じクラスの奴

 

深海セイカ、そいつがいつも変わらない無表情のまま俺へと話しかけてきた

 

「見てたけど、機体とCCMの設定ずれて調整しないとと困ってる?」

 

心臓が跳ねる

 

「な、見てたのかよ。ずっと………」

 

全く気がつかなかった

 

こいつ、忍者かなんかかよ

 

「俺に、任せてくれる?」

 

「任せるって……まさかハンターの調整をか?」

 

「ん。俺ならさっきから呟いてたズレ、直せる」

 

そう言ってセイカはリュックから工具箱を取り出す

 

そしてそれを開けると、その工具箱は各層事に様々な工具で分けられ沢山の専門の工具が入っていた

 

まるで、俺なら出来ると証明するかのように

 

「わかった、頼んでもいいか?」

 

そう言ってハンターとCCMを渡す

 

すると直ぐにセイカはハンターを見詰め、様々な工具を手に取り次々とハンターの様々な箇所に修正を加えていた

 

その様子はまるで、医者が手術するみたいに的確で早かった

 

ハンター本体の調整が終わったのか、次にセイカはリュックにからノートパソコンを取り出してCCMに繋げる

 

すると直ぐにキーボードを高速で叩き出したのだ

 

「システム変更、感度変更、射撃システムをGSIIの物に変更。射撃問題解決、終わった」

 

そう言うと、ノートパソコンからCCMを外し全く疲れた様子のないセイカに思わず俺は本当に同じ年齢なのかと思った

 

「あ、あぁ。お前、こんな事出来たのか」

 

「まぁね、直ぐにハンターの射撃を試して、次に微調整を繰り返すから」

 

俺は言われた通りにハンターを操作しスナイパーライフルを構える

 

今度こそ、当たってくれ

 

そう思いながら射撃のボタンを押す

 

すると、さっきまでの全く当たらなかった的の中央に銃弾の後が出来ていた

 

「出来た………」

 

続けてハンターを操作する

 

移動しながらの射撃も、移動スピードもさっきとはまるで違った

 

「出来た、出来たぜセイカ!」

 

「うん。そうだね、でも的の中央に当たったとは言え練習は繰り返してね」

 

そういってセイカはリュックに工具箱とノートパソコンを仕舞い、廃工場の出口へと向かう

 

「待ってくれ!あの、ありがとな」

 

「ん。バイバイ」

 

そういってセイカが帰っていく

 

まさか、セイカにこんな特技があるなんて知らなかったな

 

もしなんかあったら、キタジマより先にセイカの方へ行った方が良さそうだ

 

バンやアミにも伝えねぇと

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

セイカside

 

 

さて、カズのハンターの問題は解決した

 

さて、宇崎拓也に少しだけ文句、というか悪戯を言いに行くとしよう

 

ついでにレックスにバトルを挑んで少しだけ自分がどれくらい強くなったのか知りたい

 

まぁ、今は無理そうだから今度に回されそうだけど

 

そう思いながら俺はブルーキャッツの中に入る

 

前世でコーヒーは飲めなかったけど、今世は何故かコーヒーが飲める

 

「おや、珍しいお客さんだな」

 

そういって話しかけてくるのは檜山蓮

 

別名はレックス、私はカウンター席に向かいながらふと視線を写す

 

見ると宇崎拓也が携帯端末を見ていた

 

恐らくは明日の情報にて調べているのだろう

 

俺は彼の隣に座る

 

すると宇崎拓也は視線で此方を一瞥すると、直ぐに携帯端末へと視線を戻した

 

「マスターのオススメのコーヒーをお願い」

 

そう言うと檜山蓮が向こうへと向かいコーヒーを作り始める

 

というかやはり見た目が黒のアサシン、ジャック・ザ・リッパーだからかどう頑張っても足がプラプラとなってしまう

 

椅子が高すぎるから

 

「お待たせいたしました。ミルクか砂糖は?」

 

「ブラックでいいよ」

 

そう言って俺はコーヒーを一口啜り、カップをソーサーに戻す

 

うん、家で言えるインスタントより美味しい

 

流石かな?

 

「マスター」

 

「どうかしましたか?」

 

「いや、あえてこう言う。レックス、貴方にLBXバトルを挑みたい」

 

そう言うと檜山蓮の目付きが変わる

 

宇崎拓也も少しだが驚いた様子が見えた

 

恐らくは俺が()()()()と言う名前を使ったからだろう

 

「でも、今は忙しそうだからまた今度来る。コーヒーも美味しかった」

 

そう言ってコーヒーを一気に煽り、ソーサーに戻し財布から500円玉をカウンターテーブルに置く

 

恐らくは今の彼らは総理暗殺を阻止するために忙しいだろうしね

 

その頃には檜山蓮は元の目に目付きに戻っていた

 

「これで足りる?」

 

「あぁ、丁度だな」

 

結構高いんだね、こう言う喫茶店?のコーヒーって

 

そう思いながら財布をリュックに終い最後に宇崎拓也に身をのりだし顔に近付く

 

その事に檜山蓮も宇崎拓也もひどく驚いていた

 

「き、君何を?」

 

宇崎拓也がぎょっとして何か言う前に俺は彼の耳ともに囁いた

 

「明日のパレード時間、早まるよ」

 

「なっ!?」

 

そのまま俺は走ってブルーキャッツを出て家に帰った

 

これぐらい驚かせないとね、総理大臣暗殺を阻止するために頼んだ側なのに

 

カズがカスタマイズするといったら「これだから子供は」なんて言うんだから

 

さて、明日は総理大臣暗殺を阻止するためにいつもより長くLBXとリンクする

 

早めに家に戻ってLBXの最終調整をしないと

 

そう思いながら俺は家へと少しだけど早歩きで帰った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

宇崎拓也side

 

 

カウンターで檜山が入れてくれたコーヒーを飲みながら明日についての情報を調べていた時だ

 

突如として横にいた先ほどの少年、山野バン君より幼いみたい目の少女が俺へと顔を近付けてきた

 

「き、君何を?」

 

「明日のパレード時間、早まるよ」

 

「なっ!?」

 

それを聞いた瞬間、私は頭の中が真っ白になった

 

今、明日についての情報を調べているがそんな情報は1つもない

 

「君!さっきのはどういう」

 

問いただそうとしたが、そのときにはもうさっき子供はいなかった

 

「どうした?」

 

「さっきの子が、明日のパレードが早まると」

 

「なんだと………今のところそんな情報は無いが………子供の悪戯じゃないのか?」

 

「悪戯にしては妙だ、タイミングが良すぎる。それにあの子の話しもピンポイントで俺達が調べている内容を囁いてきたんだ、あの子は一体…………」

 

 






忘れられてると思うけど、たまに書いて投稿します

ご愛読ありがとうございます

感想、高評価、お気に入り登録

お待ちしています



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

作戦会議

 

 

セイカside

 

 

ウイングガンダムで大統領暗殺の阻止を見届けたおれはバード形態で自身の家に帰っていた

 

あれから、何度か練習したのかカズは原作よりも自信がある状態で挑んでいた為か原作よりは早くアサシンのスナイパーライフルを破壊していた

 

その後は原作通り、バンとアミがアサシンへと戦闘して見事に勝利した

 

でも、原作と違うのはアサシンがアミのクノイチを倒そうと攻撃したのは俺がウイングシールドで守った事ぐらいだ

 

家の窓の縁に着地して、意識を元に戻す

 

夕方、少しだるい体を動かし窓を開けてウイングガンダムを回収しシールドだけ外してケースに戻す

 

盾に付いた大きな切り傷、後でメンテナンスをしよう、それよりは今はこっちだ

 

そう思い僕は部屋を出てとなりのLBXを製作する工房に入る

 

鋭的な盾、四つのビームサーベル

 

三つの実体剣と、合計七つの剣を装備した蒼と白の機体

 

『GN00ー01 ガンダムエクシア』

 

確か明日、バンとアミとカズはエンジェルスターのある神谷重工に忍び込む筈だ

 

問題があるとすれば、トランザムを使用してでの戦闘はまだテスト出来ていないと言う事

 

問題は神谷重工の中に入りバン達の手伝いを行うにはどうすれば

 

取りあえず作戦としてはステルスモードで神谷重工前にエクシアで待機、彼らが入ると共に付いて行き、敵が多ければ助けに入る

 

こんな感じか………だが、問題はエクシアじゃエンジェルスターのあのでかいメカを相手するの難しい

 

作戦変更だ、今回はウイングで行くしかない

 

出来れば使いたくなかったが、バスターライフルなら出力を調整さえすれば建物の天井を撃ち抜けば侵入することができる

 

それにバード形態も発動できて、相手を惑わす事も出来る

 

だが、今のバスターライフルじゃ少なくとも三発しか掃射出来ない

 

第一射は侵入。二射はデクー等の一掃。三発目はあのでかいメカのクローを一つ潰す

 

足りない、せめてバスターライフルのカートリッジを作らないと駄目だ

 

今からじゃゼロの製作は間に合わない

 

システムも1から作らないきゃならないし

 

取りあえずバスターライフルのカートリッジを作れるだけ作るしかない

 

そう思いながら俺は急いでウイングシールドのメンテナンス、カートリッジの製作に入ろうと機材に触れようとした、その時だ

 

────心臓がドクンと跳ねる────

 

ふと、いつもより空気を吸うのが辛く感じた

 

体から段々と力が抜けていく、座っているのが辛くなり

 

地面に倒れ込んでしまう

 

顔を地面にぶつけ、少しだけ痛みが体に走る

 

なんでこんな事に…………っ!?

 

頭の中に浮かぶのは憑依前にこの体は大量の薬品を飲んで自殺しようとしていた

 

しかもどんな物なのか分からず、とにかく毒であればどれでも良いと言うほど大量に飲んでいた

 

そう言えばあれから結局大丈夫そうだから病院に行ってなかった

 

そんな事を考える中でも段々と呼吸が浅くなっていく

 

とにかく、救急車を呼ばないと………もう意識を保つのも辛いほどで、呼吸が出来ない

 

目の前に倒れたときに地面にポケットから落ちたのか俺のGPベースのようなCCMが目に入る

 

確かミカの家は家から近かったはず

 

……ミカなら助けに来てくれる

 

そう思い、どうにか指を動かしCCMの通話画面を開く

 

早く、早くミカに

 

通話が繋がり、コール音が流れるなか

 

少しづつ意識が朦朧としてくる

 

「たす、けて………」

 

そう呟き、僕は意識を失った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

三影ミカside

 

 

休みの夕方、今日は少し商店街をぶらぶらとし

 

ゲームセンターで少し遊んだあとに河川敷に来ていた

 

昨日、セイカを遊びに誘ったけど用事があると断られちゃった

 

少し悲しかったけど、セイカにも用事がある

 

だからこうして1人で一日を過ごした

 

ゲームセンターにあったプリクラ、もし今度セイカと出掛けることがあったら一緒に撮りたいな

 

そう思い、坂に座っていた体を起こして立ち上がる

 

今日はセイカの所でご飯を作って食べる予定だから食材を買いに行かないと

 

「ん?」

 

突如としてCCMが振動したので、CCMを開いて画面を表示する

 

そこには『深海 セイカ』と言う名前が表示されていた

 

取りあえず電話を繋いでCCMを耳元に当てる

 

「セイカ?」

 

そう言うが、セイカから返事はない

 

どうしたのだろうか、セイカに限って悪戯電話とは思えないし

 

もう一度、セイカの名前を呼ぼうとした

 

その時だ

 

『たす、けて………』

 

その声が聞こえた瞬間、私はその場から駆け出していた

 

セイカの声、間違いなく助けてと言っていた

 

きっとセイカの家で何かが起きた

 

早く行かなきゃ

 

私は必死に走り、すぐにセイカの家の中に入りセイカの部屋を開けるが部屋にはいない。

 

つまりはいつもの部屋の方にいる

 

そう判断した私は工房のような部屋となっている場所の扉を開ける

 

そこには部屋に倒れているセイカ姿があった

 

「セイカ!」

 

近付いて体を揺するが全く反応しない

 

試しにセイカの胸に耳を当てる

 

心臓は動いているだが、凄く弱々しく動いていた

 

私は急いでCCMで救急車を呼んだ

 

絶対、死なせないから

 

救急車が来るまで頑張って

 

そう思いながら私は自信の不安を少しでも落ち着かせようとセイカの右手を握った

 

 

 







ご愛読ありがとうございました

感想、お気に入り登録、高評価

お待ちしています




目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

俺のやりたいこと

 

バンside

 

 

大統領暗殺を阻止した次の日、俺は父さんを助けたいと言う思いが昨日よりも強くなっていた

 

いつも通り教室に入ってアミやカズと話をしていた

 

「はいはい、みんな!席に付いて」

 

そう言って先生が手を叩きながら入って来る

 

みんなが自分の席に戻る

 

あれ?そう言えばミカとセイカが居ない、二人揃って遅刻なんて、珍しいな

 

「先生、あの三影さんとセイカは?」

 

アミが手を上げて先生に俺も思っていた事を聞く

 

「実はね、セイカ君が倒れちゃったらしいの。たったさっき、病院にいる三影さんから連絡が来たわ」

 

「え?」

 

倒れた、セイカが?

 

それを聞いてクラスのみんなから驚きの声が上がる

 

それになんでミカからその連絡が?

 

「三影ミカさんはセイカ君の病院付き添いで二人とも今日はお休みなの。心配だと思うけど、今日も頑張って勉強するわよ。まず、今日の連絡は──────」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

セイカside

 

 

夢を見た

 

俺が深海セイカではなく、○○○○○とだったときの夢を

 

見えているのは、自分の部屋で3DSを操作しダンボール戦機爆ブーストで最後にレックスと戦っている自分

 

幼い頃、叔父に見せられたガンダムのゲームをプレイしてから、俺は幼いながらもガンダムが大好きになった

 

見たアニメの作品は少なくても、プレイしたゲームは沢山ある

 

ガンダム無双やVSシリーズ、ブレイカーシリーズ、スーパーロボット対戦のように沢山のロボットが集まって戦う『Another century』

 

そんな俺は小学生に馴染めなくて、それでようやく出来た友達と遊んでいる時だった

 

友達に『お前これ絶対に好きなゲームだからやってみ?もう遊ばないからあげるよ』そう進められて

 

俺は『ダンボール戦機 爆ブースト』と言うゲームに、ダンボール戦機と言うアニメに出会った

 

ガンダムとは違うものの、その物語とLBXと言うロボット達に俺は魅了された

 

そんなゲームのストーリーをクリアした俺は思った

 

レックスを助けたいと

 

そしてダンボール戦機Wに出てきたレックスの妹を知り

 

更にその欲求は強まった

 

そんな時だった、俺は頭の中で一つの結論に至った

 

ガンダムなら、ガンダムなら皆を助けられるんじゃないかと

 

ウイングガンダムプロトゼロなら、サターンの自爆前にバスターライフルで破壊できて、レックスも救えるんじゃないか

 

イフリートにバルバドスルプスレクスやクアンタをぶつければ、無事に壊せるんじゃないか

 

そんな色々なことを考えた

 

でも、それは大人に成るに連れてゆっくりと消えていった

 

俺がこの世界でやりたいこと

 

今までは転生した俺は救わないと行けないと思っていた

 

でも違う、俺は救いたいんだ

 

レックスを最後の死闘後に回収して死なせない

 

そして、俺のもう一つのやりたいこと

 

なんで忘れてたんだろ

 

こんな簡単なことだったのに

 

俺のもう一つの望み、そう

 

俺はLBXの世界に見せ付けたいんだ

 

ガンダムと言う存在を

 

LBXの様にかっこ良くて、強い存在を

 

なんで俺が普段に使う機体でバルバドスを選んだのか

 

今、わかった気がする

 

その時だ、目の前に見えていた前世の俺と部屋の景色が真っ暗になり

 

ゆっくりと上から光が降りてくる

 

その光が照らし出したのは大きな角のようなアンテナ

 

白いアーマーに今は光ってはいないツインアイ

 

見えた胸部に付いた鉄の華

 

ガンダム バルバドスルプスレクス

 

コイツは沢山の人に圧倒的な強さを見せた

 

俺は思わずバルバトスのコックピット近くに立ち、その顔に触れる

 

俺はコイツと戦いたいんだ

 

原作でかっこ良くて、最後まで諦めずオルガの命令を守って戦い抜いた

 

そんな三日月・オーガスの機体をバルバドスをLBXの世界大会で戦わせて、沢山の人にカッコいい姿を見せたいんだ

 

だから、俺は戦う

 

いろんな人の死を回避させ、バルバトスや他のガンダムで救うんだ

 

ガンダムと共に

 

その時だ、ゆっくりとだけど俺の意識が薄れていく

 

目蓋が落ちていくなか、バルバトスのツインアイが微かにどけど光ったような気がした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目が覚めると俺の前には知らない天井が映った

 

そっか、確か俺は家で倒れて………

 

俺はゆっくりと体を起こして辺りを見回す

 

どうやらここは病院らしい、きっとミカが助けてくれたんだろう

 

倒れてからどれぐらい立ったのかは時計がないから分からない

 

窓のカーテンが閉まっていると言うことは既に夜

 

だとすると俺は、介入出来なかったのだろう

 

エンジェルスターの事件に

 

恐らくは原作通りに進んでいると仮定するなら、次にバン達が目指すのはLBXの世界大会アルテミス

 

そして出場するために必要な出場権を得るため、レックスの喫茶店の地下にて行われる

 

LBXの大会、アングラビシダスに出るはずだ

 

まずい、俺はまだアルテミスの出場権を手にしていない

 

どうにかして出場権を得ないと………

 

そう考えていたその時だ、病室の扉が開く音がして目を向けると

 

そこにはミカがビニール袋を手に持った状態で俺を見つめていた

 

「おはよう?は変かな、ミカ」

 

そう言うとミカは直ぐにベットの脇まで歩いてくるとゆっくりと俺を抱き締めた

 

「ミ、ミカ?」

 

「良かった、目を覚ましてくれて」

 

その声はいつものミカと違い少しだけ震えていた

 

心配、させちゃったよね

 

「ごめん………」

 

そう言ってミカの頭を撫でる

 

その後、落ち着いたミカは残っていた病院の医者を呼んできて詳しい話を聞いた

 

担当してくれたお医者さんによると、極度の疲労と憑依する前に飲んだ薬品が後々になって効いたらしい

 

明日の昼には退院できるらしい、ミカは親と一緒に様子を見に来てくれていたらしく

 

ずっと俺を見ていてくれたらしい

 

もう頭が上がらない

 

ミカとその両親に挨拶をしておいた

 

ミカのお父さんとお母さんはどちらも俺の身を案じてくれた

 

そう言えば、倒れたこと親へ連絡されていたとしたら、一応連絡しとかないとな

 

取りあえず学校は明日のお昼から参加する事にして病院で休む事にした

 

一応、ここはトキオシティの隣町の病院らしくミカやミカのお父さんとお母さんは家に戻った後にまた迎えに来てくれて学校へ送ってくれるらしい

 

ありがたいなと思いつつ俺は、どうやってアルテミスの出場権を手にするか考えることにした

 

明日から頑張らないとな

 

 






ご愛読ありがとうございます

感想、お気に入り登録、高評価

お待ちしています


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

目覚めた厄災

 

ミソラタウンから離れた町、そこではアルテミスへのキップを掛けたLBX大会が開かれていた。

 

その町の大会の内容は酷くシンプルであり、アルテミスでも無いルールであった。

 

残機が無くなった方が負けの『スタンダード』でも、1or1の『ストリート』でも、ルール無用の『アンリミテッド』でもない。

 

それは大きなフィールドを用意て行うバトルで 全てのチームのLBXプレイヤーが参加可能、いずれかのチーム1つが勝ち残るまで戦い続けるアイテム無し残機無しチーム同士での協力ありの乱戦、バトル・ロワイアル。

 

様々なプレイヤーやチームがLBXの世界大会であるアルテミスへと向けて準備していた。

 

「ウォーリアーの武装だけど、やっぱり近接だけじゃなくて射撃系の武器も──」

 

「アマゾネスの最終メンテは終わったか?」

 

「────のメンテなら終わってる、いやもう一度確認してみるわ」

 

「今回のフィールドだったらブルドの脚部を今回だけは別の脚部で対応したら──」

 

選手の待機場所では子供から大人までの沢山のプレイヤー達の姿があった。

 

作戦を確認するチーム、早くも外のチームに協力を願い出て共同戦線を組むチーム、LBXの最終調整やメンテナンス、使用武器の再確認を行う人たちがいた。

 

「なぁ、君は確か一人だけのチームなんだろ?なら俺たちの3チームと組まないか?」

 

「………一人で良い」

 

一人の青年、高校生か大学生だろうか。彼はその大会に参加している小学生くらいの少女にも少年にも見える白い髪で頬に傷が付いた少年へと話しかけた。

 

少年を思っての発言に対して、少年は突き放すようにそう吐き捨てる。

 

「言わせて貰うが、一人だけの君がこのバトルロワイアルを生き残るのは難しい。外のチームも、俺らも狙うなら一人だけのチームである君を狙うはずだ。だから」

 

だから自分達と組んだ方が良い、そう言おうとした瞬間に少年は口を開いた。

 

「いらない、俺と()()()があんたらを全員叩き潰すから」

 

その言葉に青年は絶句した。

 

たった一人、この町の外から来たアルテミスへの出場権を手にするために来た少年が大人や自分よりも年齢が上である人物を……それも自分よりも多い人数に対して勝つと、倒すと宣言したのだ。

 

彼の言葉に、部屋にいた選手達の視線が集中する。視線に込められたのは、怒りや殺意。当然だ、この大会はテレビでも中継されるそれなりに有名な物だ。バックにスポンサーが付くチームだっている、アルテミス出場の経験を持つ歴戦のチームだっているのだ。

 

なのに、彼はそれらを倒す。それも一人でと告げたのだ。

 

『選手の皆さん、バトルを開始します。バトルフィールドのある部屋へと集まってください。繰り返します、選手の───』

 

「忠告ありがと、じゃ」

 

そう言いながら少年は青年の元から離れ、バトルルームへと繋がる扉へと向かう。

 

LBXの世界大会アルテミスへの出場権を手にするための地区大会カマエルが始まろうとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さぁ、始まって参ります!!○○○タウン大会カマエル!!司会進行は私、○○○○がおこなっていきます!」

 

進行の席に座る男性がそうマイクに向けて話すと、後ろのモニターが変化する。

 

「今回のカマエルのルールはバトル・ロワイアル!残機無し、アイテム無しの一発勝負!最後に生き残った1つのチームがアルテミスへの出場権を手にすることが出来るのです。フィールドは広く荒野、砂漠、湿地帯と様々なGキューブを使い実現しています。」

 

モニターにはバトルフィールドがカメラによって様々な景色が写し出される。

 

「さて、今回の出場するチームを紹介していきましょう!」

 

司会者の言葉と共にモニターに三人の女子中学生が写し出される。

 

「まず紹介するのは小日向 ヒビキ、橘クリス、雪音ミクさん三人のチーム『VALKYRIE』、初出場の三人の彼女達の健闘を期待したいですね。ちなみに今大会のチーム紹介は、出場登録順となっています」

 

司会が説明を終えると画面が切れ変わり写し出されたのはメガネを掛けた青年を中央に、赤髪の小柄な青年とオレンジ色の明るい髪でスタイルの良い女性。

 

「続いて紹介するのは幸坂ユウマ、神樹セカイナ、星野フミナさんによるチーム『トライファイターズ』。去年は惜しくも準決勝敗退。チームの連携力が高い素晴らしいチームですね。」

 

次に画面に映し出されたのは赤髪の少年、茶髪の少女に黒髪の少年。

 

「私立穂群原学園、初等部の衛宮シロウ、岸波ハクノ、藤丸リツカさん達のチーム『天文台研究会』です、天体系の部活がLBXバトル………どのような戦いを見せてくれるのか楽しみです!続いて紹介しますのは左ショウタロウ、園崎ライト、照井リュウ三人のチーム『風都大学所属探偵部』」

 

こうして十何チームが紹介されていく中でも最後に紹介されたのは白い髪、頬と目に大きな傷のある一人だけのチームの少年だった。

 

「最後の紹介です、何とチームのメンバーは彼のみ!!その挑戦は果たして蛮勇か、それとも実力者の余裕か。一人で戦う一匹狼!深海セイカ、チーム名は『鉄血華』!!さぁ、全てのメンバーが揃いました!!」

 

選手達も、それぞれが割り当てられたエリアへと移動しLBXを配置しCCMを構える。

 

選手の一部は、彼の先程の宣言を聞いたからか最初の狙いを彼へと定めていた。調子に乗っているコイツを叩き潰す、そんな感情に従い彼へと狙いを定めたことを後悔するのは、数分後の出来事だった。

 

会場のモニターに開始までの秒読みが表示され嵐の前の静けさのように黙り込む会場。そしてモニターのカウントがゼロになった瞬間、選手達はLBXを会場へと放った。

 

「いけ、アマゾネス!」

 

「ブルド、カスタム出陣!!」

 

「デクー!」

 

「行こうぜオリオン!!」

 

「ズール、出撃!」

 

十人十色のLBXがバトルフィールドへと降り立つ中で、外のLBXとは全く異なる偉業のLBXがフィールドへと降り立つ。

 

手に持った柄の短い大きな鈍器、超大型メイスを手に持ち長い腕の指先レクスネイルは鋭くナズー等のクロー系の武装に見える。

 

背中にはまるで剣のように鋭い武装、テイルブレードが装備されウォーリアーに近いデザインのフェイスのツインアイが発光する。

 

「行くぞ……バルバトス」

 

異なる世界にて「悪魔」と恐れられたガンダムバルバトスルプスレクスが、厄災がフィールドへと降り立った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バルバトスを操作し、荒野を駆け抜ける。CCMに映るのは武器を構え此方へと向かってくる沢山のLBXや遠くで銃系統の武装を構えるLBXの姿だった。

 

やっぱり、一人の奴から狙ってくるか……それともさっきの分かりやすい挑発が効いているのか。

 

ブースターで速度を上げ、回転したり飛び上がったりし銃弾を避け時に超大型メイスで防ぎながら近付いていく。

 

「お前らの相手は後で、まずアイツらからだ」

 

近接武器を備えたLBXを飛び越えスナイパーライフルやハンドガン等の射撃武器を持つ機体へと走る。後ろからの射撃のない状態の方が戦い安い。

 

そんな俺のバルバトスへと射撃を止めないLBX達、バルバトスを操作し手に持ったメイスで大地を引きずり、そのまま振り上げる。

 

土煙が舞いLBXの視界が遮る、するとLBXを操作していた人達が射撃を止めた。

 

「くッ、小賢しい真似を!!」

 

「アイツは何処に……」

 

プレイヤーの困惑と焦りの籠った声が聞こえた瞬間、俺はCCMを操作した。バルバトスルプスレクスのブースターで飛び上がると同時に射撃武器を持ったLBXの内の1体、ブルド改へと超大型メイスを投げ飛ばす。

 

「なっ!?一撃で!?」

 

死角からの攻撃に避けることが出来ず勢いよく投げられた超大型メイスは一撃てブルド改を沈める。

 

「だが、今のアイツは武器を持ってない。今が攻撃のチャンスだ!!」

 

「オッケー!」

 

着地と同時に此方へと向かってくる射撃を走りながら避け、マシンガンを持ったデクーへと飛び移り右手のレクスネイルがデクーの本体を貫く。

 

「嘘でしょ……」

 

「一人になっても!!」

 

そしてバルバトスルプスレクスの背後でハンドガンを構えるウォーリアーへと背中から飛び出したテイルブレードが向かい武器を切り落とす。

 

「そんなのありかよ!?」

 

ウォーリアーが武器を持ち換えようとした瞬間にバルバトスルプスレクスはブースターで接近しそのままウォーリアーをハイキックの要領で蹴り飛ばす。

 

そしてブルド改に刺さった超大型メイスを引き抜いて蹴り飛ばしたウォーリアーへと近付き超大型メイスを叩きつけ沈めた。

 

この三人を沈める間に外の射撃武器を手にしたLBXは距離を取り逃げ始める。

 

「……逃がすわけないだろ?」

 

超大型メイスを持っていない方の手を距離を取り始めたLBXへと向ける、腕の手首付近に埋め込まれた腕部200mm砲を放ちながらブースターで加速してLBX達を追いかける。

 

「一気にぶち抜く、やれるよな?バルバトス」

 

腕部200mm砲を打ち止め、超大型メイスを敵へと投擲しブースターで加速してLBX達へと近付く。

 

投擲した超大型メイスは、荒野からジャングルのようなフィールドへと入る直前のクイーンの目の前へと突き刺さる。

 

「ヒッ!?」

 

動きが止まった青いクイーンへとテイルブレードが向かいヘッドパーツを貫き、その勢いで近くに構えていたクノイチへとレクスネイルを突き刺し沈める。

 

「このッ!」

 

「借りるよ」

 

即座にクノイチから腕を引き抜きクノイチが持っていたクナイを1つ拾いあげながら、もう片方の手でマッドドッグの鉤爪を受け止める。そして拾ったクナイをコアがあるであろうマッドドッグの腹部へと突き刺し、ブレイクオーバーにした。

 

マッドドッグから離れ超大型メイスを拾うバルバトスルプスレクス、彼に狩られたLBXプレイヤーはそのLBXを見て悪魔と、化け物とそう溢した数分後、荒野にはバルバトスルプスレクスによって狩られたLBXの残骸が広がっていた。

 

試合開始直後からの一対大多数の戦いを切り抜けたバルバトスルプスレクス、その後にもエリアを移動し荒野へと現れ襲撃してきたLBXを即座に地に叩き伏せていた。

 

戦いが終わったタイミングで仕掛けたLBXプレイヤーですらも狩り尽くすその姿は正に狼。

 

超大型メイスで吹き飛ばし、テイルブレードとレクスネイルで貫き腕部200mm砲で風穴を開ける。

 

時には自身が壊したLBXの武器を拾い戦う姿はまるで傭兵、だが戦い方はまるで獣のように荒々しく過激。

 

身体中に戦闘による損傷を、傷を付けられながらも武器も体も武器も大きな損傷がない。荒野に佇むバルバトスは次の獲物を探し、進み続ける。

 

既に、大会に参加するプレイヤーの四分のニが彼の手によって狩り尽くされた。

 

最初こそ彼に対し苛立ちを隠せず、彼を狩ろうとしたプレイヤー達は自身が狩られる側に成らぬよう、立ち回っている。

 

「狩り尽くす、もっと寄越せバルバトス」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アルテミスへの切符を掛けたLBXの大会カマエル、その戦いの会場は沈黙で満ちていた。

 

バトル・ロワイアルの最終戦、すべてのチームが結託しガンダムバルバトスルプスレクスへと立ち向かった。

 

その結果、荒野のフィールドはまるで戦争あとのように、地に倒れ付し一部は抉れ、胸部を貫かれ、頭部がボディから離れているているLBXで溢れていた。

 

そんなバトルフィールドでウォーリアーとバルバトスルプスレクスによる一騎討ちに決着が着こうとしていた。

 

二人の戦いはまるで絵本や小説でありそうな、強大な化物と騎士の戦いを想像させる。

 

ウォーリアーの振るう片手剣を超大型メイスを振るい弾き、テイルブレードで反撃する。

 

ウォーリアーの放った必殺ファンクションによって出来た大きな隙。大きく剣を振るった時に出来た隙を逃さず、バルバトスの持つメイスでウォーリアーの胸部へと突く。

 

そして次の瞬間、メイスに内蔵されたパイルバンカーによってウォーリアーが貫かれウォーリアーは膝をつくと同時に機能停止を告げるブレイクオーバー音が鳴り響いた。

 

次の瞬間、会場から観客の歓声が上がる、拍手が成りやむことなく聞こえ続けている。

 

「な、何と言う事でしょうか!」

 

司会進行の人物の驚愕の叫び声と共に、会場のモニターに映し出されたのはメイスの柄を地面に突き刺して持ち、宙へと手を突き上げるバルバトスルプスレクスの姿。

 

「数ある強豪チームを薙ぎ倒し、大会の勝利を!世界大会への切符を手にしたのはまさかまさかの彼!!」

 

モニターの画素が先程のチーム紹介の時に使われた少年の姿が表示される。

 

「チーム鉄血華、深海セイカ!仕様したLBXの名は、バルバトスルプスレクス!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

山野バンside

 

 

LBXの世界大会アルテミスへの特別出場枠を手にするため、俺たちはBlueCatsの地下で開催されるアングラビシダスに出場していた。

 

一回戦目の戦い、ちょっと危なかったけどカズのアドバイスのお陰でどうにか勝つことが出来た。応援に来てくれたリュウとミカだけど、何故かミカは少し機嫌が悪そう……。

 

「な、なぁミカ。なんかあったのか?」

 

「別に…」

 

「別にって、困り事なら何か力になれるかも知れないだろ?」

 

そう聞くとミカはボソリとくちを開いた。

 

「……セイカ、居なかったから」

 

「え?」

 

「本当はセイカも一緒に応援に来て貰う筈だったのに、家に行ったら留守だっただけ」

 

えっと、つまり寂しいとかそんな感じ?なのかな?そういえばセイカ、確か倒れてから1度も話してないな。

 

放課後はいつもすぐに帰っちゃうし……

 

そう考えながら郷田から譲り受けたハカイオーの腕をアキレスに装着させる。これで、次の戦いも問題なさそうだ。

 

「そういや、セイカの奴最近は俺らのところに顔出して無かったが何かあったのか?」

 

「郷田はセイカと会ったことがあるのか!?」

 

「おう、アイツはダチだからな」

 

「リーダーとアイツは入学する前からの付き合いだからね」

 

郷田の言葉に補足するようにリコが言葉を付け足す。入学前?つまりセイカと郷田は学校に入学する前からの知り合い、友達だったのか?

 

入学式前で学校に入れる機械は見学くらいかな?俺もアミやカズと一緒に来たし。

 

「なんで深海さんが中学入学前から貴方達と?」

 

「セイカ、スラムの奥でこそこそと動き回っててよ。迷ってるようにも見えなかったしな」

 

「え?」

 

「それで、珍しいLBX持ってたからLBXバトルを申し込んでな。それからダチになって毎日のようにLBXバトルしてたんだ、それでアイツ最近何かあったのか?」

 

「あぁ、倒れて病院に運ばれたらしいんだ。もう退院したんだけど学校が終わったらすぐに帰っちゃうし」

 

「そんな事が……まぁ、あいつが大丈夫なら良い」

 

その時だった、CCMのネットニュースが流れてきたのた。CCMへと送られてきたニュースにはLBXと書いてあり、思わずニュースサイトへと飛ぶ。

 

「バン、何を見てるの?」

 

「LBX大会カマエルのニュースが出たみたい」

 

「マジかよ、どんなニュースだ?」

 

そう言いながらカズとアミ、外の皆が俺のCCMを覗き込む。映し出された記事の見出しにはこう書かれていた。

 

「『LBX大会カマエル、優勝者はまさかの一人チーム、その名は鉄血華』だって」

 

「カマエルを一人で!?確かあれってチームでのバトル・ロワイアルのはずでしょ?」

 

「そんなのあり得るわけねぇよ!」

 

驚きの声を上げるアミとリュウでも、記事にはしっかりと一人チームと書かれている。

 

「確かカマエルで優勝するとアルテミスに出場する枠が貰えるんだったよな?今のうちに戦うかもしれない敵の情報を得といた方が良いぜバン」

 

「うん」

 

カズの助言に頷いて返しながらCCMを操作して記事を閲覧していく。

 

─────────────────────

【LBX大会カマエル優勝者は一人チーム!?その名は鉄血華】

 

 本日開催されたLBXの大会、カマエルにて異例となるチームメンバー1人のみで参加した少年が優勝、それも大会参加者の四分のニを屠り勝利したことが先程明らかになった。

今大会は歴代大会でも最速での大会決着であり、最小年齢である中学生のプレイヤーが優勝者となった。

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓

┃                   ┃

┃LBXの残骸達が広がる荒野のフィールドに ┃

┃佇み天へと手を伸ばしているバルバトス ┃

┃ルプスレクスの写真。         ┃

┃そして端にセイカの顔写真が映っている。┃

┃                   ┃

┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

 

対戦したプレイヤーへのインタビューを求めたところ「あのLBXの戦い方はまるで獣のようだった」「容赦なく次々と攻撃してきて、その場にある物すら利用する姿はまるで傭兵みたい」「あのLBX尻尾も武器とかチートだろ!?」「ちくわ大明神」「悪魔だ、悪魔が現れたんだよ!?」と言う意見が多くありました。

 

これ程の偉業を成したLBXプレイヤー()()()()()と彼のLBX、バルバトスルプスレクスのアルテミスでの活躍が今から期待されている。

 

大会のネット中継URL

https:news/lbxKamaeru/wipixi.

大会優勝者戦闘ハイライト

https:Kamaeru.Barbatoswar

 

─────────────────────

 

自分達の知るクラスメイトであり、直前まで話題となっていた彼が、ニュースで報道されていた。

 

「え、えぇぇええ!?せ、セイカがカマエル優勝!?」

 

「よく見せて」

 

「うわっ!?」

 

いつの間にか記事を読んでいた俺たち3人の中に入っていたミカに見えるようCCMの場所を変える。

 

「嘘でしょ、深海さんってそんなにLBX強かったの……って三影さんいつの間にカズとバンの間に!?」

 

深海セイカ、こんなに強いLBXプレイヤーだったなんて知らなかったな。写真を見る限り、前に見たバルバトスルプスに似てるけど、少し違う気がする。

 

背中の奴とか、持ってる武器とか。なんとなくジンと同じような戦い方なのだろうか?

 

「おいおい、酷い言われようだな。悪魔にチートとか」

 

「所詮は敗者の遠吠え」

 

「け、結構辛辣だな……」

 

それにしてもセイカがアルテミスに……取り敢えず今は目の前に戦いに集中しないと。父さんを助ける為にも俺は勝たないといけないんだ、このアングラビシダスを。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

宇崎拓也side

 

 

山野バンの試合が無事終わったのを確認しアルテミスの出場者の情報を探っていると、パソコンにLBX関連のニュースの通知が表示された。

 

それはLBX大会カマエルが終了したと言う物だった。

 

カマエル、確かアルテミスへの出場枠が手に入る大会だったか。

 

「優勝者がもう決まっただって?」

 

「カマエルがか?始まってから30分も立っていないぞ?」

 

隣の席でアングラビシダスの大会を眺めていた檜山 蓮が驚きというよりは困惑した様子でパソコンの覗き込む。記事を読み分かったのは、1人のプレイヤーが参加者の半数を倒したと言う内容だった。

 

そんな強いプレイヤーがいるだなんて聞いたことがない、一体誰だ?

 

記事をスクロールしていき載せられた写真を見る、そこには大量の破壊されたLBXが錯乱した荒野に佇んでいる一体のLBXの姿があった。

 

「使用したLBXは……バルバトスルプスレクス?そんなLBXなんて聞いたことがない、何処かの新型モデルなのか?」

 

検索エンジンにバルバトスルプスレクスの名を調べても、このカマエルと言う大会で使われたこと以外に情報がない?

 

記事をスクロールしていき、現れた選手の顔写真を見て俺は目を見開いた。

 

「この少年は!?」

 

「あの時の少年か……」

 

以前、総理暗殺の事件の際にパレードの時間が早まると告げ檜山蓮の招待、伝説のLBXプレイヤーレックスだと確信して勝負を挑みに来たその年では珍しい白髪で頬に傷のあった少年。

 

「深海セイカ、これほどの実力を持っていたLBXプレイヤーだったとはな」

 

「是非とも欲しい存在だが、少し怪しい所がある」

 

「総理の時の発言、いや予言か。奴がイノベーターの刺客ならあの時、俺たちに助言するような行動はなんだ?」

 

「……わからない、とにかく警戒した方が良さそうだ」

 

「彼らにも伝えておこうか?」

 

「いや、止めておいた方が良い。警戒するよう説明したら、深海セイカに感づかれる可能性がある」

 

「なら、予測したイノベーターの刺客だと思われる候補の中の1人と説明するのはどうだ?彼がイノベーターの刺客と言う事を仄めかして伝えるんだ」

 

「なるほど、元から彼がイノベーターの刺客と知ってショックを受けて行動出来なくなるよりはいいか、その案で行こう」

 

彼らの話を聞いた山野バン達は果たしてどう感じどう考えるのか?その事を考慮しつつ、他のイノベーターと思われる人物を探し始めた。






一年近く投稿してなくても待ってくれている人がいて驚きました。

ご愛読ありがとうございました

感想、お気に入り登録、高評価

お待ちしています。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

天使の契約

 

???side

 

病室、扉が開く音がしてベットから体を起こす。もう面会時間はとっくに過ぎているため病院の先生かと思いながら扉の方見ると、人の姿は無かった。

 

代わりに空を飛んで此方を見つめる青い体のロボット、LBXがいた。

 

『ターゲットとのコンタクトに成功、交渉を開始する。石森ルナで、あっているな?』

 

「何で、私の名前……」

 

『お前には、二つの選択肢がある。俺と共に来るか、それともこのまま病院に籠りお前の姉がお前を救う為に仲間を裏切るのを待つか』

 

お姉ちゃんが裏切る?仲間ってお仕事の?

 

「でも、私は体が……」

 

『もし、俺達の元へと来るのならお前の体を癒すことも可能だ。』

 

「本当ッ!?」

 

『俺達の元へと来るのならすぐにでも治療を行おう、その後暫くはお前の姉や姉の寝返った組織から守るため、俺の用意した場で行動してもらう』

 

「分かりました、行きます」

 

『了解した。窓を開けてくれそこから脱出する』

 

LBXの話す言葉は、酷く現実味がない。

 

姉が仲間を裏切る?それも私の為に、そんなこと嫌だし何より私の体を直せる可能性があるなら、姉を止められるなら。

 

ゆっくりとベットから降り立ち、病院の窓を開ける。でもそこには手すりのような物が飛び降り防止の為か接着されており、小柄な私でも外に出るのは難しそう。

 

『障害は取り除く、下がっていろ』

 

そう言うとLBXは右手に装備した光の剣で飛び防止のフェンスを切り落とした。そこから見えたのはベランダなどない外の景色、下を見れば凄く遠くに地面が見えた。

 

「えっと、この後どうすれば──」

 

LBXさん(?)にそう聞こうとした瞬間だった、目の前の景色が歪んだ。次の瞬間、私の目の前には青と白の大きな飛行機?が浮かんでいた。

 

『トレミー、プトレマイオスだ。行くぞ』

 

窓に足をかけてすぐ近くまで来ていた、トレミーのツバサ?部分に足を下ろす。少し高い場所にいるからか、風が強く風に吹き飛ばされ落下してしまう嫌な想像をしてしまう。

 

LBXさんに続き早めに船内に入る扉へと向かう。自動でスライドし船内に入る、船内は凄くシンプルで綺麗な作りをしていた。

 

その時だった、先ほどまで飛行していたLBXさんが廊下に着地するとそのまま動かなくなった。良く見れば、先ほどまで光り輝いていた目が暗くなっている。

 

一体どうすれば、そう思っていた時だった通路らしき場所の奥から歩いてくる人影が見えた。

 

「ようこそトレミーへ、石森ルナ」

 

表れたのは白い髪に頬に傷のある私と同じくらいの子供だった。

 

「先ほどまでガンダムエクシア……そこのLBXを操作していたガンダムマイスターであり、この船のオーナーだ」

 

「ガンダムマイスターさん?」

 

「石森ルナ、まずは治療を受けて貰う。医務室に案内する」

 

そう言いながらガンダムマイスターさん?は廊下のLBX、ガンダムエクシア?を回収すると歩き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

深海 セイカside

 

 

アングラビジダスが終わる、これはアルテミスの始まりと海道邸への潜入ミッションの始まりを意味する。

 

今回の原作への介入としては、まず石森 里奈……最初にバンへとAX-00を届けた女性に関してだ。彼女は海道邸にて妹の体を直すため、海道側へと裏切る展開が発生する。

 

そもそも、何故そうなるか?それは海道が独占する医療技術オプティマの存在が原因だ。

 

オプティマとは神谷重工だけが作れる人工臓器のことで、この世界の現状は医療用の認可が下りていない。許可が降りない原因は海道義光が金の成る木であるオプティマの認可を止めているからである。

 

石森ルナ、頭に月のブローチを紺色の髪を編んで肩に流している病弱な少女。ダンボール戦機にて少ししか出てこないキャラクターであり続編のWやアニメの最終回でもどうなったのか、語られていない。

 

そこで考えたのは彼女を病院から拉致して治療、味方に付いて貰うと言う考えである。

 

ここで思い出して欲しい、俺の転生特典とはなんだったのかを。

 

そう、俺の転生特典は3つ。

 

『LBXを製作できるくらいの()()

 

『ガンダム作品に関する()()()()()

 

そして『LBXとの完全同化』。

 

つまりだ、LBXを製作出来る程の頭脳があり、ガンダム作品に出てくる医療技術を作り出すことが出来るならば、彼女の体を癒す事など簡単なのである。

 

ガンダムの中でも医療技術が発展しているのは、ガンダム00の世界である。あの世界は臓器も再生可能な程にバイオ医療技術が高く、片腕が無くとも高性能な義手を使い補う事が可能である。

 

その医療技術を証明するキャラクターではアリー・アル・サーシェス、ルイス・ハレヴィが有名だろう。ルイス・ハレヴィは片腕の再生に成功、アリー・アル・サーシェスに至っては体の半分を失ったのにも関わらず、バイオ医療技術によって体を回復することに成功している。

 

他に医療技術で例を上げるならば医療用GAND-ARMだろうか。

 

そして前々から考えていた長距離移動の手段。

 

ガンダム作品に関する知識とそれを作りだす事の出来る技術、これらをフル活用することでアークエンジェルやドミニオン、プトレマイオスと言った移動用の船を作ることにした。

 

当然だが、製作には時間も場所も必要になる。

 

この世界に転生してから直ぐに行動は開始していた。

 

まず船の選択、ダンボール戦機の最後やダンボール戦機Wでの移動も考えるなら自力での大気圏の突破と突入、光学迷彩によっての潜伏。何より宇宙、空中、水中でも運行が可能な船。

 

長考の末に選ばれたのはガンダム00のプトレマイオス2である、アークエンジェルも思い付いたがプトレマイオスにはトランザムがある。

 

即座に設計図を引き、ハロを量産しつつLBXのコアパーツ……モーターやバッテリーを作り特許を取って各企業に情報を渡し、報酬として大量のお金を稼ぎプトレマイオスの製作費に当てた。

 

大きな廃工場を買い取り、その場でプトレマイオスの製作を開始した。量産したハロにプトレマイオスの設計図を読み込ませ、作業用の体と工具を作りプトレマイオスを製作させた。

 

子供が廃工場を買い取れたのは酷く驚いた。

 

そしてプトレマイオスの制作と並行して行っていたのはLBXガンダムの製作並びにガンダム00のバイオ医療器具の製作である。

 

そうしてプトレマイオス、ガンダム00の医療器具の完成したのが一昨日である。勿論、船のOS等もプログラミング済み、量産したハロ達に船の操縦等を任せた。

 

かなりギリギリだが、海道邸への潜伏ミッションに間に合って本当に良かった。まぁ、GNドライブの搭載が間に合わなくなり、急遽としてキュリオスやアリオス、ハルートと言ったGN充電池を用意する事になってしまったけど。

 

3機もいれば十分だとは思うが念のため、デュナメスやヴァーチェの製作も開始している。

 

そうして俺は無事、石森ルナの誘拐と勧誘を成功させたのである。

 

現在石森ルナは早速ハロの案内の元、医務室に向かい治療を受けている。一応、一週間は眠っていて貰う事になる。

 

今後のダンボール戦機の戦いは原作介入するのに一人ではキツい事が判明した。LBX大会のルールとしてチームを組まなければならなかったり、別々の場所で原作が動く場合だ。

 

彼女に今後協力してもらうに当たって、LBXの遠距離操作を出来るCCMを作らなければならない。

 

そう思いながらハロに操縦させ近くの湖にプトレマイオスを隠す。

 

これで石森里奈が裏切った際に、バン達の方へと味方に戻って貰える可能性が高くなる。さて、海道邸への突入に向けて機体の最終調整をするか。そう思いながら、家へと向かうのだった。

 

 






ご愛読ありがとうございました

感想、お気に入り登録、高評価

お待ちしています


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

疑いの目

深海セイカside

 

深夜、俺は家の機材でエクシアリペア版のGNソード改を製作していた。

そろそろ、原作のストーリーでいう海道邸への潜入がある。

現在所有のエクシアは、ガンダム00初期の物で刹那・F・セイエイがダブルオーガンダムに搭乗する前の状態だ。神谷重厚への潜入を考えて製作したのだが、俺が倒れた結果使われることはなかった。

石森ルナの保護(誘拐とも言うが)に使われることになった……そして海道邸への潜入にもエクシアを使う予定だ。

海道邸には海道 義光の所有するLBX『月光丸』がいる。奴のLBXプレイヤーとしてのLBX操作技術も必殺ファンクション『月華乱舞』には厳重に備えなければならない。ゲームでも負けイベントとして登場する程の強さだ。

故にエクシアを強化する案を考えた。

まず第一案、エクシアを改造しタブルオーガンダムにする。これは時間が足りないから不可能であり次の案として考えたのはアヴァランチ装備を製作しアヴァランチエクシアへの改造、又はデヴァイズバックパックとプロトGNラスターソードを製作しデヴァイズエクシアへと改造する案だが、これも時間が足りない。

トレミーの中の機材ならば作れた可能性はあるが家だと難しい。

いっそのこと、アストレアやダブルオーダイバーに改造しようか考えたが保留だ。もし作るとしてもダブルオーを作った後だろう。

そこで僅かでも強化する案をと考えたのが、このGNソード改の製作だ。わからない人に簡単に説明すると、ガンダム00二期の最終回で刹那が搭乗していたガンダムエクシア。ガンダムエクシアリペアIIの装備していたGNソードだ。

GNソード改は、エクシアの持つGNソードとは違いエクシアリペアⅢと同様に刃の部分が新素材となっており溶断能力が大幅に上昇している。

故にこれを製作するだけでも、戦力は大きく上昇するはずだ。これと既存のGNロング&ショートソード、そしてGNビームサーベルを合わせた七つの剣があればきっと切り抜ける事が出来るだろう………いや、切り開いて見せる。

ふと、CCMが震え通知の確認をするとトレミーのハロからの報告が入っていた。どうやら石森ルナの体を直す手術が完了したらしい。

手術の時間は今世の物より長い事を想像していたが無事三時間で終わったようだな、成功したようで良かった。

そう思いながら同時進行で製作していた彼女に使って貰う予定である一機のLBXを見つめる。

LBX、いやこのガンダムに施された武装を使うための補助AIは既に製作を終えCCMにインプット済みだ。

このLBXを入れる為に購入したケースを開き、そこに見慣れたツインアイでどこか女性的なフォルムのLBXをケースの溝に埋め込み動いて傷付かない事を確認、最初に装備させるライフルを凹んだ溝に入れ込む。そしてその横に白を基調としたボディに水色で斜めに『GUND-ARM』と掘られているダンボール戦機Wの大空ヒロと同じようなCCMをセットし、ケースの蓋を閉じる。そういえば遠距離でLBXの操作を可能にするコントロールポット擬きの製作をハロに頼んだままだった。

明日あたりに、いや今日の内にこれを渡しにプトレマイオスに行きたい。

原作キャラである山野バン達がいつ行動するか分からないし、山野バン達が参加するアングラビシダスは恐らく1日で終わる筈だ。なら時間を惜しんでいる暇はない、今からでもトレミーにいかないと。

だが、石森ルナは手術を終えたばかりでリハビリが必要だ。念のためハロを通して連絡して彼女に連絡して今からLBXの操作の練習を行うことは可能かどうか聞いた方が良いな。

CCMを操作してメールを送信する、その間にLBXの製作とGNソード改の製作に使った器具を片付ける。

すると、CCMにメールが届いた事を知らせる通知音が鳴った。即座にメールを確認すると、ハロを通して石森ルナがうちこんだのであろうメッセージが書かれていた。

 

──────────────────────

From:プトレマイオスII,ハロ03

──────────────────────

石森ルナです。

本当にありがとうございます、こんな風にベッドから降りて、手すりや杖無しで歩いたり走ったり出来るなんて夢みたいです。

LBX操作の練習は大丈夫です、出来ます。

やらせてください、私の体を治して貰った恩もありますが、何より私もお姉ちゃんを止める作戦に参加したいんです。

 

──────────────────────

 

「スパルタになるな」

 

海道邸にへの潜入は勿論だけど、海道義光とのバトルは付け焼き刃でどうにか成るようなものじゃない。

早く彼女にはこのLBXとCCMを届けないと、もしもの時は徹夜になる。明日の学校の準備の終えた鞄を持ちLBXの入ったケースを持った俺は家を出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻、テロリスト対策組織シーカ本部には山野バンをはじめとした原作キャラ達が勢揃いし海道邸への潜入作戦の準備を進めていた。

 

そんな中で山野バンは郷田やミカ、リュウに郷田三人集である矢沢リコ、鹿野ギンジ、亀山テツオが宇崎拓也にLBXの操作に優れた子どもとしてシーカーにスカウトされたと言う話を聞き、ひとつの疑問が浮かんでいた。

 

「あの、拓也さん」

 

「なんだ?」

 

「LBXに優れた人をスカウトしてるなら、なんでセイカをスカウトしないんですか?」

 

「それは……」

 

バンの言葉に拓也は思わず言葉を濁した。

 

「確かに、セイカがいないのは可笑しいわね」

 

「セイカの奴、カマエルに一人で参加して優勝しめんだろ?何でシーカーに選ばれてないんだ?」

 

バンの言葉にアミやカズが首をかしげる中、郷田ハンゾウやミカも同じく彼がこの場にいない事に疑問を感じていた。宇崎拓也からのスカウトの際に二人とも深海セイカの事をシーカーに推薦していたからだ。

そんなみんなの様子を見ていた宇崎拓也は檜山 蓮方を見るとゆっくりと頷いたのを確認し口を開いた。

 

「みんな、少し話がある。聞いてくれ」

 

宇崎拓也の言葉にバン達は静かに彼の言葉を待つ、宇崎拓也の顔は真剣そのものであったからこそ、バン達は新たにイノベーター達の情報が入ったのかと考えていた。

 

「君たちに今後、シーカーとして活動するなかで警戒して欲しい人物がいる」

 

「警戒して欲しい人物?」

 

「ひょっとして、前に言ってたイノベーターからの刺客って奴の事か?」

 

警戒した方が良い人物と聞き、先程までの話に何が関係するのか首をかしげるバン。一方でイノベーターからの刺客について聞かされていたことを思い出したカズがそう聞くと宇崎拓也は頷いた。

 

「その通りだ、その人物だが恐らくみんなも知っていると思う。君たちは今後、深海セイカと接触する際は可能な限りシーカーとして活動する内容を話さないようにして貰いたい」

 

その言葉に全員が何故だと感じるなか、宇崎拓也の話を引き継ぐように檜山蓮が口を開いた。

 

「オレ達は深海セイカがイノベーターからの刺客である可能性が高いと考えている」

 

その言葉にその場にいた全員が驚きの表情を浮かべた。そしてそんな全員よりも狼狽した様子を見せたのは三影ミカであった。

 

「な、何でセイカが!」

 

「君たちが疑問に思うのも分かる、だが深海セイカのこれまでの行動やLBXに関してが怪しすぎるんだ」

 

「バン、カズ、アミ。君たちは大統領の暗殺を阻止した時の事を覚えているか?」

 

「忘れるわけないじゃない」

 

「確かにな、ハンターの初陣だし」

 

「予定されてたパレードの時間が早まって大変だったな」

 

思い出すように話すバンやミカ、カズの様子を見たみんなはそんなことがあったのかと驚愕の表情を見せる。

 

「でも、それとセイカに何の関係が?」

 

「パレードの前日、君たちがブルーキャッツ出た後に深海セイカが来店し俺たちに()()()()()()()()()()()()()()()と話して店を出た。」

 

「え……?」

 

「確かパレードが早まったのが分かったのって当日の筈よ!?」

 

「何故俺たちにそんな情報を漏らしたのかわからない、そして彼の持つLBXだが調べたところ販売されていない事が分かった。恐らくだがアキレスやハンターのようにオリジナルの可能性がある。この点もイノベーターからの技術提供があるのなら納得できる。」

 

「違う、セイカは一人で作ってた!技術提供なんてされてない、図面も全部自分で作ってた!」

 

「ミカ、君の考えることも分かるし、我々もあくまでも可能性があると考えているだけだ。」

 

セイカがイノベーターの刺客なのではないかと言う疑いに、まるで自分のことのように必死に否定するミカの様子に、バンやアミ達は静かに驚いていた。

常にクールな彼女がここまで狼狽した姿なんて、見せたことなど無かったからである。

 

「あくまでも、深海セイカの前でシーカーの事を話さなければ良い。さて、そろそろ海道邸への潜入作戦について話そうか」

 

檜山蓮の言葉に全員が切り替え、海道邸への作戦について考えている中でミカだけがセイカがイノベーターだと疑われている件を引きずっていた。

 

 

 





ご愛読ありがとうございます

感想、お気に入り登録、高評価

お待ちしています

……ビルド系の機体ってありですかね?


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

片鱗

石森 ルナside

 

目が覚めた私が見たのは見慣れた病院の病室ではなく、見慣れない天井だった。

 

「ここは……」

 

『ハロ!ハロ!オキタ?オキタ?』

 

「きゃっ!?あっ!」

 

近くから聞こえてきた声、というよりは音声に近いそれに思わずベットの上から転げ落ちる。肌に感じる床の冷たさと皮膚がじんわりと痛む感覚がする。

 

「あれ?全然、苦しくない?それに体が軽い……」

 

最初に気付いたのは体が重く感じないと言う違和感。いつもより軽く感じる自分の体に困惑しつつ体を起こす。

 

『ハロ!ダイジョウブカ!ダイジョウブカ!』

 

聞こえてきた音声の先には緑色の丸いボールのようなロボットが跳ねていて、耳なのか丸いそれをパタパタと動かしていた。かわいい、目覚まし時計とかで出ていたら欲しいかも。

 

「う、うん。」

 

『セイコウ!セイコウ!ルナ、ゲンキ?ルナ、ゲンキ?』

 

「私の名前をなんで……あ」

 

思い出したのは、昨日の出来事。

ガンダムマイスターを名乗る人に病院で、お姉ちゃんが私のために仲間の人達を裏切ると聞いて、私はお姉ちゃんを止めたくて病院から出てプトレマイオス?と言う大きな船に乗った。

そして私の病気を治す事が出来ると言うマイスターさんから、治療して貰う為にこの部屋でシュジュツを受けた。きっとその時の麻酔で今まで寝ていたのかな?

 

「ねぇ、君は?」

 

『ハロ!ハロ!』

 

「えっと、ハロ?でいいのかな。私の手術って本当に終わったの?」

 

『オワッタ!オワッタ!』

 

「やっぱり、そうなんだ……!」

 

先ほどから感じていた身軽さの答えが確信に変わった。

私の病気、本当に治ったんだ……。

ためしに立ち上がりに部屋の中を歩く、前みたいにすぐ疲れない。なんならこのまま走り出せそうなほどに体の調子が良く感じられた。

ふと、ハロを見るとハロの目?らしい所が点滅すると羽?耳?をパタパタさせて跳ねて此方へと近付いてくる。

 

「うわっとと……」

 

そして私の方へと跳ねて飛んできたハロを何とか両手で受け止めた。

 

『メール!メール!』

 

「…メール?」

 

ハロは私の質問に答えるように耳をパタパタさせると、口らしき場所がカシャリと大きく上にスライドすると、液晶画面が現れてそこには恐らくメールの内容と思われる文章が描かれていた。

 

──────────────────────

From:マイスター

──────────────────────

手術を終え、目が覚めた頃だと思う。

可能であれば、今からでも君のLBX操作の訓練を受けて貰いたい。

既に君のLBXは完成している、君の姉が仲間を裏切るであろう作戦まで二十四時間を切った。

LBXの操作が可能ならば、即座に訓練を受けて貰いたい。

 

 

──────────────────────

 

姉さんが仲間を裏切る、ならそれを少しでも早く止めたい。可能なら、マイスターさんの言う一つの作戦はすぐに始まるかもしれない。

そう思い私は今すぐにでも参加したいと言う思いをメールで送った。

止めないと、それに伝えなきゃ。

私がもう大丈夫だって、お姉ちゃんを安心させて仲間を裏切らないようにしないと。

メールが送られてから少しすると、私の部屋の入り口が開いた。そこには以前見たマイスターさんの姿があった。

 

「マ、マイスターさん!ありがとうございます、マイスターさんが治療してくれたお陰でこんな風に動けるようになりました」

 

感謝を伝えると、マイスターさんは僅かに微笑んだ。それにしても、マイスターさんって女の人?男の人にも見えるけど、どっちなのかな?

 

「そうか、良かった……早速だがこれを、君のLBXとCCMだ」

 

そういいながらマイスターさんは持っていた小さなケースを私に差し出してくる、私はそれを受け取って膝に置いてからケースのパッチン錠を外してケースを開く。

 

「これが、私の……」

 

最初に見たLBX、マイスターさんのエクシアのような二つ目に白を基準として青や赤、黄色のトリコロールカラーと呼ばれる配色でかっこいいブイ字の角が特徴的な頭部。

そしてその隣にあるCCMは白を基調として水色で「GUND-ARM」と描かれていてとてもオシャレな感じがする。

 

()()()()()

 

「エアリアル?」

 

確か、空気中や風上を意味する言葉だったはず。

 

「ガンダムエアリアル。お前の、ガンダムだ」

 

「私の……」

 

「CCMには、その機体の武装を制御するための補助AIが追加されている。会話も可能だ、AIとコミュニケーションを取りつつ連携をする事を進める、早速だが起動してみてくれ。既にLBXとCCMの同機は済ませてある」

 

「わ、分かりました!」

 

「俺は君のLBXの対戦相手になる予定のLBXとDキューブを用意しよう。」

 

マイスターさんが扉から出ていくのを確認した私はケースからCCMを取り出す。そしてCCMをスライドさせてLBXの操作が出来るようにすると、CCMの上半分。恐らくLBXの目線だと思われる場所の後ろがスライドしてもう一つの画面が出てきた。

そしてケースから取り出したエアリアルの瞳に光が灯る、するとスライドして現れた画面に一人の女の子の姿が浮かび上がった。

現れたのは白い制服?らしき服装の赤い癖毛で褐色肌で太い麻呂眉が特徴的な……何処かタヌキを彷彿させる顔の可愛い女の子だった。

 

「えっと、はじめまして?でいいのか?私の補助AI?でいいの?」

 

『は、ははははじめまして!補助AIのスレッタと言います!アスティカシア高等専門学園パイロット科2年生です!』

 

な、なんかキャラが濃い……これもしかしてマイスターさんの趣味?なのかな……。

 

「私は石森ルナ、えっと……これからよろしくね?」

 

『は、はい!エアリアルの操作の補助は任せてください!こ、これでもパイロット科ですから!』

 

パイロット科がなんなのか分からないけど、この子と一緒にLBXを操作することに早く慣れないと。

 

そう考えていると、Dキューブとケースを持ったマイスターさんが入ってきた。

 

「待たせた、すぐに始めよう」

 

そういいながらマイスターさんがDキューブのボタンを押して地面に転がすと、自動でLBX用のバトルフィールドが作り上げられていく。

すごい、テレビでしか見たことなかったけどこんな風になってるんだ。

やがて出来上がったのは遮蔽物のあまり無い平原だった。

 

「エアリアルには接近武装として、ビームサーベルが装備されているが近接は後で訓練する。君にはエアリアルの武装であるビームライフルとエスカッシャンによる攻撃、その派生射撃を習得して貰う」

 

「エスカッシャン?」

 

「これは後にしよう。どう言うものかを説明するのも、操作するのも少し難しいからな」

 

そういいながらマイスターさんはバトルフィールドの向かい側に佇むと手に持っていたLBXをフィールドへと放った。

 

「エクシア」

 

見ると、マイスターさんのLBXには前見たような腕に付けていた剣がなかった。

 

「今回のバトルは、俺は武器を使わない。君は逃げる俺のLBXに一発でも射撃を当てろ、それがミッションだ。俺に射撃を当てられるまで、作戦には参加させられない。」

 

マイスターさんのLBXに射撃を当てたら、私も作戦に参加できる。

姉さんを止めることが出来る。

 

「やるよ、エアリアル!」

 

その声と共に持っていたエアリアルをフィールドへと放る。

 

「まず、LBXの基本的な操作に軽く慣れて貰う。バトルはその後だ」

 

「はいっ!」

 

『せ、精一杯サポートしますね!ルナルナ!』

 

「サポートはお願いするけどルナルナは止めてねスレッタ!」

 

『え、えぇ~!?け、結構可愛いと思ったんですけど……』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

深海 セイカside

 

目の前でCCMを操作してエアリアルを操作する彼女は呑み込みが早く初めてLBXを操作したとは思えないほどに、どんどん移動等の基本的や操作が出来るようになっていた。

移動も最初は転んだりしていたのが嘘のように走れるようになり、飛行もマスターした。サポートAIとの関係も良好のようで、射撃やビームサーベルでの近接戦闘もまるでスポンジのように吸収していき、想定よりも早く俺との戦闘訓練となった。

エスカッシャンに関しては、もう少ししてからの練習になると踏んで教えていない。ダンボール戦機で初めてああいったビット兵器が登場したのはWからだし、何よりこの世界にはガンダムがないから説明も難しいからだ。

 

「それじゃあ、準備は良いか?」

 

「はい!」

 

『バトルスタート!バトルスタート!』

 

パタパタと耳を動かしながらハロがバトルスタートと告げる。その言葉と共にエアリアルが持っていたライフルをエクシアへと向けて即座に引き金を引く。

エクシアを横へとサイドステップさせて射撃を避ける、続けて此方へと向けてエアリアルのライフルから他所される射撃してくる場所を予測して、横へと背中の太陽炉のブースターで避ける。避けてすぐに先程までの居た場所にビームが着弾して煙をあげる。

彼女をもし、この作戦に参加させるのであれば月光丸の月下乱舞を避けるほどの実力と反撃できるほどの実力が必要だ。

元からこの作戦は一人で行おうとしていたから、暫く石森ルナには、LBXの操作の練習をして経験を積んで貰おう、そう思っていた時だった。

エアリアルの頭部にある一部の装甲や胸部、太腿の透明な装甲が発光し始め赤い線を描いた。

エアリアルは大きく腕を広げ、体の各部に装着されていた肩や前腕、腰等のガンビットが弾かれるように剥がれた。

エスカッシャン……まだ難しいから使わないよう話しておいたのだけど、恐らくはスレッタAIが発動しているのか?

そう考えていた俺は、まだ知らなかった。

彼女が原作でLBXプレイヤーとして登場しなかったからこそ、ゲームでも登場しなかった故に考えていなかった……想定していなかった彼女の持つLBXプレイヤーとしての才能と、エアリアルとスレッタAIとの愛称の良さを。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

石森ルナside

 

CCMを操作する手に力が籠る、どれだけライフルの引き金を引いてもエアリアルの射撃はエクシアに届かない、届かないどころか予測されてあらかじめ避けられてしまう。

 

「このままじゃ……」

 

このままじゃ、私は作戦に参加出来ない。

そんなの嫌だ、今じゃなきゃダメなのに……この作戦に参加してお姉ちゃんが仲間を裏切るのを止めないとダメなのに。

マイスターさんの役に立ちたいのに、このままじゃ………。

 

『ルナさん!落ち着いて下さい!』

 

スライドした画面に映るスレッタが両手を握り私の方へと呼び掛けてきた。

 

「スレッタ……でも」

 

『焦っていたらダメです!私も手伝います、()()()()()()()で!』

 

「それって、確かマイスターさんが難しいって……」

 

『弱気になったらダメです!大丈夫です、私がエスカッシャンを操作します!元々、私はエスカッシャンの操作の為にも搭載されたAIですから!』

 

「なら、お願い……絶対にお姉ちゃんを止めないといけないの。」

 

『はい!逃げたら一つ、進めば二つです!マスターをあっと言わせてやりましょう!』

 

「うん、いくよスレッタ!エアリアル!」

 

『はい!いくよエアリアル、みんな!』

 

スレッタの声と同時に、私は肉眼でエアリアルの各部装甲が弾かれるように剥がれたのを確認して目を見開いた。それは身軽になったとか、装甲が薄くなったと言う考えではなく、目の前の光景と操作するエアリアルの目線に映った装甲が宙を浮かび、自由自在に浮遊し青い軌跡を描きながらエアリアルの近くを漂っているからだった。

 

「装甲が飛んで、綺麗………」

 

『行きますよ、ルナさん!』

 

「うん!」

 

エアリアルを操作して片手を向けると、空中に浮かぶ装甲達が次々とマイスターさんの操るエクシアへと向かっていく。

 

「みんな、お願い!」

 

「避ける、エクシア!」

 

装甲、スレッタ曰くビット達が様々な方向からエクシアへと向かいビームが発せられるが、エクシアが高速で飛行することで避け、ビットで囲んで撃たれない様に立ち回っている。

 

「やっぱり、マイスターさんは凄い……どれも最低限の動きでビームを避けてる!」

 

ビットに紛れて撃ったエアリアルのビームも避けられる。でも私だって負けられない……それはお姉ちゃんを止めたいとか、マイスターさんを助けたいと言う思いだけじゃない。

純粋に、LBXバトルで勝ちたい。

病室で寝たきりの私が、テレビで眺めてきた密かな憧れの遊び。初めて触れて、楽しいと感じたこのロボットの戦いで、遊びだけど本気になれる戦いで、勝ちたいと思ったから。

 

「だから、絶対に当てる!私も連れていって貰います!」

 

次の瞬間、CCMの操作画面が暗転し文字が浮かび上がった。

 

─パーメットスコア・シックスが使用可能になりました。─

 

「これって!?」

 

テレビでみたLBXのアタックファンクション?でも銃の技っぽくは無いよね?ソードサイクロンとか、乱れ撃ち、パワーナックルとは違う。

 

『ルナさん!それを使って一気に行きましょう!これを使えば、きってマスターに攻撃を当てられるはずです!』

 

「や、やってみる!」

 

スレッタの進めもあり私は、アタックファンクションらしきそれを起動した。

 

「必殺ファンクション!……でいいのかな?」

 

アタックファンクション

     パーメットスコア・シックス!

 

その音声の瞬間、私のCCMから空中に映像が投影され始めた。そこには、恐らくこのDキューブのマップとエアリアルのビットの場所か詳しく表示されいる。そして肉眼でエアリアルを見ると、先程までの赤く光っていた透明な装甲が青く光り輝いていた。

 

良く分からないけど、これなら!

 

「スレッタ!みんなで囲って!」

 

『分かりました!』

 

「なっ!?」

 

マイスターさんの驚きの声を他所に私はエアリアルのブースターで加速させてビームライフルの先をビームサーベルとして展開しながら接近する。

同時にスレッタの操作するビット達がエクシアへと向かい、射撃を始める。

背後、横、正面からの射撃を上空へと飛び上がって回避するエクシアに更に待機させていたビットが射撃する。

それをLBXの体を横にして反らし射撃を避けた、恐らくマイスターさんの思考はビットに向かっている。つまり、今ならサーベルが当たる!

 

「一撃、貰いますよ!」

 

「しまっ!?」

 

「えい!」

 

空中のエクシアの頭部、Vアンテナへとライフルから伸びるビームサーベルの刃先が触れてアンテナの片方を袈裟懸けに切った。フィールドに切り離されたエクシアのアンテナが突き刺さる。

 

「や、やった!マイスターさんに一撃を与えました!」

 

『やりましたねルナさん!』

 

「うん!」

 

「驚いた、こんなにも早くエクシアに攻撃を当てられるとは思っていなかった。」

 

「それじゃあ!」

 

「あぁ、今回の作戦に参加して良い。いや参加してくれると助かる、恐らく君の力が必要だ」

 

「はい!」

 

「だが、詳しい話は夕方にしよう。恐らく君の姉達の組織が動き出すのは今夜だ。」

 

チラリとCCMの時計を見ると、そこには朝の四時と映っていた。

手術で寝てたから眠気がなかったけど、改めて時計を見たらなんだか眠気が……。

 

「今は休んでくれ、この部屋は君が使ってくれて構わない」

 

「分かりました、マイスターさん」

 

こうして私は今回の作戦に参加する権利をマイスターさんから勝ち取ることが出来た。

待っててねお姉ちゃん、私はもう大丈夫だって裏切らなくて良いんだって伝えるから。

 

 

 

 






ご愛読ありがとうございます

感想、お気に入り登録、高評価

お待ちしています


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

疑念の作戦前

三影ミカside

 

朝、セイカの家へと向かいながら昨日の事を思い出していた。

 

『オレ達は深海セイカがイノベーターからの刺客である可能性が高いと考えている』

 

違う、そんな筈ない。そう思っていても、確かに気になっていた。セイカが倒れたあの日から、急にモーターやLBXを作り始めたセイカはまるで人が変わった様に生き生きしていた。

セイカの作る凄いLBXも、もしかしたらイノベーターからの技術提供を受けているからじゃあと。そんな嫌な想像ばかりが頭をよぎる。

セイカの家の玄関のドアを捻ろうとするが鍵がかかっていて開かなかった。

 

「……え」

 

鍵がしまってる、いつもならこの時間には鍵が空いてる筈なのに。まだ寝てる?だとしたら早く起こさないと。

バックから出したCCMでセイカに電話する携帯のコールが暫く鳴り響け、暫くしてようやく電話に出る音がなった。

 

「もしもし!セイカ?」

 

『ぅん、朝からどうしたの……』

 

若干、眠そうな声と共にあくびをするセイカの声に安堵する。

 

「セイカ、起きて。早く学校に──」

 

『…大丈夫、もう学校にいるよ』

 

「え?」

 

『昨日ちょっと用事があって遅くまで外に出てたから寝れてなくて、朝早くに学校に登校して教室で寝てたんだ……』

 

「昨日、夜遅くまで……」

 

─オレ達は深海セイカが()()()()()()()()()()()である可能性が高いと考えている。─

 

『ちょっと、作ってたLBXに必要なパーツがなくて買いに出てたんだ』

 

─彼のLBXも()()()()()()()()()()()()()があるのなら納得できる。─

 

まるで、イノベーターからの刺客であることを紐付けるようにセイカの発言が繋がっていくような気がした。

いや、違う。そんな筈無い、セイカがイノベーターだなんてこと、本当なわけが……。

 

「そっか……わかった。じゃあ学校で……」

 

そう言いCCMの通話をきる、力なくCCMを持っていた腕がタラリと下がる。

 

「セイカ……」

 

胸の内に広がる自分が彼を疑ったことへの自己嫌悪と疑いの念が晴れないまま、私は重く感じる足でミソラ中学校への歩みを進めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

深海セイカside

 

ミカからの電話が切れた事を確認した俺は学校のトイレに入っていた。ここならCCMで通話していても先生にはバレないだろう考えての事だ。

さて、暗躍を始めよう。

今夜のミッションとしては『山野淳一郎博士の保護』と『石森里奈への妹の病の完治の報告と勧誘』が目標だ。

以前に青島カズヤのハンターの調整を手伝った際にこっそりと見て覚えた宇崎拓也への連絡先と思われるCCMの連絡先へと通話をかける。

さて、この事をしっかり考えてくれるなら石森里奈が裏切ったときの対応が可能な筈だ。

暫くコールが続く、山野淳一郎博士奪還作戦の指揮に忙しいのか又は見知らぬCCMからの連絡を警戒してるのか分からないけど早く出てくれないと困る。

 

『もしもし』

 

「石森里奈はシーカーの裏切り者。」

 

『なっ!?』

 

「今夜の作戦で離反する、信じるか信じないかは貴方次第だよ」

 

そう言い、通話をきる。

これで下準備は整った、後は学校が終わった後にプトレマイオスで海道邸の近くに移動するだけだ。

今回の介入の流れとしては、海道義光の操る月光丸がアタックファンクションである月下乱舞を使用する瞬間だ、可能ならば中断させアキレスの破損を防ぐ。

恐らくは今日が今までで一番の原作介入になる、俺はガンダムと共にこの世界を更に良い顛末へと革新させる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

放課後、中学校での授業を終えた俺は学校からプトレマイオスIIの待機させている湖へと向かっていた。ミカは今日はバン達と行動するのか今日は家にこれないと話していたので好都合だ。

俺のオリジナルとなるが石森ルナ用のコントロールポットの調整は完了している。

コントロールポットだと原作の物と被るな、後で名前を考えておこう。

誰にも見られていない事を確認した俺はプトレマイオスIIの船内へと入る。

すると近くにいた赤いハロが反応して耳をパタパタさせて跳ねながらこちらへと向かってきた。

 

『ハロ!マイスター!ハロ!マイスター!』

 

「ハロ、石森ルナは何をしている?」

 

『エアリアル!レンシュウ!エアリアル!レンシュウ!』

 

恐らくはエアリアルでの戦闘練習をしているのだろう。CCM内にシュミレーターを積んでおいたからな……もしかして、もう俺のバトルの技術は石森ルナに負けた?いや、まだ大丈夫な筈だ。

作戦説明室のような場所に向かい、ハロに石森ルナをここへと連れてくるよう頼むとハロは石森ルナの近くに待機しているハロへと連絡する。

そういえば、石森ルナは病院の入院服のままだったな……この作戦が終わったらお金を渡して服屋に行って貰おう。俺が買うのは流石に知り合いに見られたら不味いし、流石に下着を買うのはつらい。

 

「マイスターさん!お待たせしました!」

 

少しすると軽く呼吸を繰り返しながら石森ルナが作戦説明室に入ってきた。ずいぶんと頬を赤くしているからきっと走ってきたのだろう。

 

「すまない、急かしてしまっただろうか?」

 

「いえ!私が走りたくて走ってきたんです!前はこんな風には走れませんでしたから!」

 

「そうか、では今夜のミッションの説明をする。」

 

「はいっ!」

 

そう口にしてプロジェクターに今回のミッションの目標を投影させる。すると、先程までの楽しそうに笑っていた石森ルナの顔が真剣な様子へと変わる。

 

「まず最初にわ今回のミッション中はなるべく君の事をコードネームで呼ぶことにする。君が石森ルナだと言う事はギリギリまで隠しておきたい」

 

「分かりました!」

 

「君のコードネームは『マーキュリー』だ、覚えておいてくれ」

 

「マーキュリー……意味はあるんですか?」

 

「君の持つLBX、エアリアルはかつて水星の魔女と呼ばれる少女が搭乗していたロボットをモチーフに作り上げた。故に、君のコードネームは水星を意味するマーキュリーにした」

 

「了解です」

 

「次に、俺達が陰ながら援助している組織と敵となる組織について説明する。」

 

そう言いながらプロジェクターに映る映像を切り替え、石森ルナへとシーカーやイノベーターに関する情報や山野バン達について説明する。石森ルナは頭が良いのか、次々の出される情報を自分なりに理解し整理している様子だった。

 

「さて、今回のミッションの内容だが目標は『海道義光の操るLBX、月光丸からアキレスの護衛』『山野淳一郎博士の保護』『石森里奈の説得』の三つだ。戦闘では俺が前線に出つつ指示を出す、君はエスカッシャンやビームライフルでの援護射撃に徹してくれ」

 

「分かりました、あの姉さんの説得は……」

 

「それに関しては俺と君の二人でかかる。俺が言うまで本名は伏せていてくれ、俺が万が一でも、牽制のため君の姉へと剣を向けたとしても」

 

「それは……」

 

「同意できないのであれば、今回のミッションに参加はさせられない。大丈夫だ、絶対に傷付けるような事はしない、精々武装解除させるぐらいだからな」

 

その言葉に安堵したのか、石森ルナはゆっくりと頷いた。

 

「ミッションは今夜、それまでにLBXを遠隔操作するシステムについての説明も俺が行う。その後は体を休めておけ、ミッションは夜中になる」

 

「わかりました!」

 

さて、これで作戦の説明は終わった。正直緊張しているし、どうなるかは分からないけど原作を考えるなら月光丸に仕掛けるタイミングはアタックファンクションを発動した瞬間もしくは、発動する前しかない。

エクシアのあのシステムを使って戦うしかなさそうだ、あのシステムを使って斬り込めば月光丸に対して多少は有利に立ち回れる筈だ。

相手はゲームでの負けイベント、三対一で勝てるような相手に挑む。

 

やるぞエクシア、俺たちがこの世界の歪みを破壊する剣になる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時は、早朝のシーカー本部に遡る。

山野淳一郎博士奪還作戦の指揮を取っていた宇崎拓也の元に非通知の相手から連絡がきた。

彼は、最初こそ間違い電話かとCCMを取らなかったがいつまでもなりやまないコールに、CCMの通話ボタンを押した。

 

「もしもし」

 

『石森里奈はシーカーの裏切り者。』

 

「なっ!?」

 

聞こえてきた幼く、男性とも女性ともとれるその声。そしてそんな声が告げたのは、すぐ近くで海道邸への侵入経路を確認している仲間である女性の裏切ると言う予知めいた発言だった。

 

『今夜の作戦で離反する、信じるか信じないかは貴方次第だよ』

 

「ま、待ってくれ!それは一体どういう……」

 

先程の発言に関しては問いただそうとした次の瞬間には通話は途切れていた。

 

「どういう事だ……蓮」

 

「どうした?何かあったか?」

 

「息抜きに外に出ようと思う、少し付き合ってくれ」

 

「それは構わないが……」

 

蓮と共に、里奈から不信感を抱かれないようシーカー本部の外に出てデパートの近くにある自販機へと向かう。自販機の飲み物を購入して互いに飲み物に少し口をつけたタイミングで口を開いた。

 

「さっき、非通知の相手から連絡が来たんだ。」

 

「非通知?詐欺か何かだろう?」

 

「相手は、こう言った。石森里奈はシーカーの裏切り者。今夜の作戦で離反する、信じるか信じないかは貴方次第、だそうだ」

 

「なっ!……間違いないのか」 

 

電話の内容を告げると驚愕しつつ、真剣な様子でそう聞いてくる蓮に返事を返す。

 

「あぁ、これはただのイタズラ電話じゃない。しかも相手は俺たちの作戦についても理解していようだった」

 

「そんな存在なんて誰も……まさか、奴か」

 

心当たりがあるかのように蓮が呟いた奴が誰なのか分からない。

 

「奴?」

 

「以前にも、俺たちに予言めいた事を言ってきた子供がいただろ」

 

「深海セイカ!?いや、だが……」

 

「以前にも奴は意図して此方に接触し、大統領のパレードが早まると告げて去った。もし電話の相手が深海セイカなら……」

 

「詳しく調べた方が良さそうだな、今日の作戦が片付いたら深海セイカについて調べよう。そして里奈の事だが……」

 

「警戒しておいた方が良いだろうな、何かあってからじゃ遅いだろう」

 

「あぁ、そうだな」

 

蓮の言葉に頷きつつ持っていた缶コーヒーを飲み干してゴミ箱へと入れる。

今は今夜の作戦へと集中しよう、そう考える宇崎拓也達は今夜の作戦に向けて指揮を取った。

 

そして夕日が落ち暗くなっていき静かな夜、グレースヒルズに彼らは集まった子ども達と共に山野淳一郎博士奪還作戦を今、実行する。

 

 

 






ご愛読ありがとうございます

感想、お気に入り登録、高評価

お待ちしています


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

天使と悪魔はガンダムを駆る

最初に注意です、この話はアニメよりではなくゲームであるダンボール戦機爆ブーストをベースに製作したので、アニメとは違う展開の可能性がございます。
以上です。


深海セイカside

 

夜、恐らく今ごろは山野バン達シーカーが海道邸へと乗り込んでいる頃だろう。原作から考えて山野バン達は海道ジンとのバトルや侵入経路のLBXと戦うことを考えるなら、少し遅れて行動した方が良い。

既にプトレマイオスIIは海道邸近くに着陸しGN粒子等結膜で隠れている。

俺はエクシアにGNソード改やGNシールド、 GNロングブレイドにGNショートブレイドを装備させる。エクシアがセブンソードと言われる由縁、それはエクシアが7本の剣を持つ事からだ。

原作の月光丸は剣を1つしか持っておらず、盾は装備されていない。エクシアのセブンソードコンビネーションで月光丸を一気に押しきるしかない、頼んだぞエクシア。

装備を装着し終えたエクシアをプトレマイオスIIの出撃ハッチへと自動で運んでくれる出撃カタパルトへと起きエクシアの両足を固定する。

隣では石森ルナがエアリアルを同じようにカタパルトへとセットする。

 

「よろしくね、エアリアル」

 

石森ルナはエアリアルをセットすると、彼女専用のコントロールポットのある部屋へと向かう。俺は近くの空き部屋に入り、壁に背中を合わせて座り込む。

 

「ハロ03、石森ルナ……いや、マーキュリーのポットの接続の補助やその他の対応に向かってくれ。」

 

『リョウカイ!リョウカイ!』

 

ハロ03が部屋から去っていったのを確認してCCMをトレミーに配置されているハロの元へと繋ぐ。

 

「ハロ達は引き続きプトレマイオスII付近の警備及びGN粒子等結膜の維持に勤めてくれ、それでは俺はシンクロを開始する。ハロ、カタパルト01と02の機体を出撃させる。ハロ、発進シークエンスへ入る」

 

ハロへの指示を出し終えたことを確認して深呼吸しながら目を瞑る。

 

「LBX、GN-001ガンダムエクシア。同調開始(シンクロ・スタート)

 

そう口にした瞬間、体から力が抜けていく感覚と共に瞼を閉じる。先程までの座っていた筈の感覚から、たっている状態へと変化したことを確認して目を開く。

目の前は暗いが、出撃カタパルトが続いているのが見えた。

すると、ゆっくりと置くに見える扉が上下に開いていき暗く月の明かりが照らす夜空が見える。

 

『カタパルト、オンライン。進路クリア。』

 

ハロの声がカタパルト内に響き渡る、ちなみにマーキュリーとの会話は音声通信のみにしている。流石にこのシンクロする能力を見せるわけにはいかないからな。

 

『XVX-016ガンダムエアリアル、発進ドウゾ』

 

『マイスターさん、先に行きますね!』

 

「あぁ」

 

『マーキュリー。エアリアル、出ます!』

 

隣のカタパルトから金属が削れる音と共に勢い良く何かが飛んでいく音がして、無事に出撃出来たことを確認する。GNソード改を握る手を離して広げ、再び握り直す。

 

『GN-001ガンダムエクシア、発進ドウゾ』

 

とうとう、あの台詞を自分が言うのだと感じて緊張と同時に感じている興奮を深呼吸して沈めつつ口を開いた。

 

「ガンダムエクシア、マイスター。出撃する!」  

 

勢い良く両足を固定するカタパルトが動きだし、プトレマイオスIIの外へと俺を押し出した。背中の太陽炉へと意識を向けると、出撃した時の勢いを殺さぬまま飛行することが出来た。

少しペースを上げて、少し先を飛んでいたエアリアルの隣へと並ぶ。

 

『凄い、本当にLBXに乗り込んで空を飛んでいるみたい……』

 

「感動するのは後だ、先行する。着いてこい」

 

『はいっ!』

 

エクシアのすぐ後ろをエアリアルが飛行する形で飛行し、海道邸へと侵入する。海道邸は原作だと地下を経由したが俺達は空から侵入する、これは人間が近場で操作しなかて良いからこそ出来たことだ。GNソード改のビームライフルで壁に円形にビームを放ち近付いた時の勢いで壁を蹴り、空いた穴から海道邸へと侵入する。

移動

 

ゲームで見た海道邸の通路を飛行していると、エクシアのセンサーが廊下を歩いている警備用だと思われるLBXを発見する。

今相手をするのは時間の無駄か。

 

「敵からの攻撃が来る、避けながら最短ルートで海道義光やシーカーメンバーがいると思われる奥の部屋を目指す、遅れるなよマーキュリー!」

 

『了解です、マイスターさん!』

 

エクシアで敵LBXよりはるかに高い場所を飛んでいるエアリアルとエクシアに敵は反応し射撃してくるが、空中の敵への狙いが定まらないのか特にダメージを受けることなく進む。

アニメだと、ミカを含めた何人かがLBXを破壊されていてバン達の援護をするのは難しいだろう。

やがて、海道邸の最奥の部屋へとたどり着いた。中からは恐らくLBX同士の戦闘音らしき物が聞こえてきた。

 

「この先だが、この扉を開く以外に方法は……」

 

『マイスターさん!最初みたいに扉を斬れば!』

 

「仕方ない、かッ!」

 

逆にここで方法を考えている間に月華乱舞を使われたらそれこそ俺たちの意味がない。GNソード改の刃の部分が熱により発光したのを確認して扉を俺たちが通れるくらいの道を作る。そしてその道から中に侵入して最初に見たのは、悔しそうな表情を浮かべるバンやアミ、カズ。テーブルの上には月光丸の前で膝を着くアキレス達。

 

そしてそんな彼らを余裕そうな表情で見下ろす海道義光の姿だった。

 

「強ぇ……」

 

「俺たちは負けるわけには……」

 

海道義光の様子から、そろそろ月華乱舞を使うことが予想できた。そして、それと同時に俺はエクシアのあのシステムを使うことを決めた。

 

「マーキュリー、奴が必殺ファンクションを使う瞬間に月光丸に攻撃を仕掛ける。()()()()()()()()で行く、マーキュリーはすぐにエスカッシャンとパーメットスコア・シックスも使え!」

 

『はいっ!』

 

「そろそろ遊びは終わりにしてやろう、必殺ファンクション」

 

「武力介入を開始する、トランザム!」

 

アタックファンクション

        T R A N S - A M

 

エクシアの背部に装着された太陽炉が先程より早く音を立てて駆動し、排出されるGN粒子の数が増加する。機体の胸部中央のクリアパーツが発光し太陽炉に蓄積されていた高濃度圧縮粒子を全面開放したことにより本来青であったエクシアの機体が赤く変化していく。

 

アタックファンクション!月華乱───

 

それと同時に先程までとは比べられない程の速さでエクシアは月光丸へと向かい剣を振り抜こうとしていた剣へとGNソード改を叩き付けて月華乱舞を封じ込める。

 

ガキン!と言う音を立てて止められた必殺ファンクションに海道義光は顔をしかめる。

 

「なっ!?」

 

「必殺ファンクションを止めた!?」

 

月光丸の力に負けないようGNソード改を持つ手に力を込める。

 

「見つけたぞ、世界の歪みをッ!」

 

「誰のLBXかは知らないが、まぁ良い余興になるだろうな。相手をしてやろう」

 

つばぜり合いを止めて、構えていたGNソード改の力を抜きそのまま横へと高速で移動する、トランザム中のエクシアのスピードなら月光丸の剣を避けて背後に回り込みそのまま回し蹴りで月光丸を吹き飛ばす。

 

「速いッ!」

 

「あのLBX………」

 

「バン、どうしたの?」

 

「アーマーフレームや顔が似てる……前に助けてくれたフリーダムに」

 

「え?いや、確かに言われてみるとそうだな」

 

『海道義光、貴様は歪んでいるッ!その歪みは、ガンダムが破壊するッ!』

 

エクシアのスピードで相手の月光丸とすれ違う瞬間にGNソード改を振り抜く、肩を狙ったその一撃が、月光丸の剣で弾かれる。

即座に左手で後腰にマウントされたGNビームサーベルを引き抜き、その勢いで振り払うが押し付けていたGNソード改の力を利用し背後へと空中で回転しながら剣を払うようにして構える月光丸。

 

再び月光丸へとGNソード改で袈裟懸けに斬りかかり、それを月光丸が持つ剣を横にする事で受け止める。受け止められた瞬間に左手で持っていたGNビームサーベルを横凪に振るおうとした瞬間、月光丸の空いていた手がGNビームサーベルを持つ手首を掴んで止める。エクシアの腕を動かそうと試すが月光丸の手に封じ込められ動けない。

 

「くっ、マーキュリー!」

 

『はいっ!マイスターさん!』

 

俺が飛び出した後、不意打ちを狙ってか隠密行動をしていたエアリアルがテーブルの空中へとブースターで加速しながらビームライフルを此方へと向けて飛行してくる。

 

「もう一機!?」

 

「あのLBXも空を飛べるのか!?」

 

『必殺ファンクション!』

 

「もう一機か、だがこの距離で射撃系統の必殺ファンクションを使えばお仲間のLBXも巻き添えに──」

 

アタックファンクション

     パーメットスコア・シックス!

 

『そんな事にはなりませんッ!行くよ、スレッタ!みんな!』

 

エアリアルが横回転しながら装甲各部のエスカッシャンをパージする。思わずえエクバフリーダムの回避を思い出したのは恐らくこの世界で俺だけだろうなな。

 

「装甲が!?」

 

「スピードをあげる気なの?でもそれじゃあ守備力が!」

 

エクシアが粒子化する事が出来たならこのまま月光丸を封じ込めていられたのだが。

すると、エスカッシャンが宙を縫うように飛行しながら月光丸へと向かってくる。それを見て不味いと感じたか、本能的に危険を関知したのか月光丸はエクシアを掴んでいた手を話して背後へと飛ぶ。

それと同時に先程まで月光丸のたっていた場所をエスカッシャンから放たれたビームが通過する。

 

「なに?飛行が可能な上、遠隔兵器だと!?」

 

そして逃げたに先回りしたエスカッシャンから放たれたビームで月光丸の背中にある光輪らしきパーツが一部融解し、爆発する。

 

『マイスターさん!』

 

「行くぞエクシア、アタックファンクション!」

 

アタックファンクション

     セブンソード・コンビネーション!

 

背中の光輪らしきパーツが融解して爆発した影響か、此方へと吹き飛んでくる月光丸へと高速で向かい両手で腰に装備したGNロング、ショートソードを引き抜いてすれ違いざまにショートで、反転して月光丸へと向かいながらロングソードで片足と剣を持っていた手首を切り落とす。

 

『世界の歪みはッ!』

 

そして両手を背中に回し、腰に装着されたGNビームサーベルを引き抜いて両肩に突き刺す。

 

『ガンダムが、破壊する!』

 

バックステップで下がりながら構えたGNソード改をジャンプし回転しながら胴体を袈裟懸けで斬り着ける。すると月光丸は昨日を停止し動力部と思われるコアスケルトンのある胸部からスパークしていき爆発した。

 

「ファイナルブレイクを……」

 

「……決めやがった」

 

「私たちじゃ手も足も出なかった海道義光のLBXに……」

 

トランザムシステムが停止し、元の青いエクシアへと戻ったのを確認しつつ爆発した際に発生した煙をGNソード改の刃で振り払い、煙が晴れたのを確認してGNソードを格納する。すると、エクシアの横にエアリアルが降り立つ。

 

『マイスターさん!』

 

「先ほどの掩護射撃は助かった、マーキュリー」

 

『はい!…よかった、マイスターさんの戦闘の役に立てたんだ……』

 

「ふん、所詮は時間稼ぎの遊戯にすぎん。入れ」

 

驚くバン達のようすを他所に余裕そうな表情でそう口にした海道に嫌な予感を感じて部屋の入り口を見ると、そこには黒い服を着た奴らに連れられた宇崎拓也をはじめとした海道邸に潜入していたメンバー達だった。

やはり、原作通りに捕まえられていたか……本来ならば隠れて後に宇崎拓也や檜山蓮が立場を逆転させるチャンスを作るのリュウまでしっかり捕まっている。

そして最後に現れたのは、宇崎拓也と共に現れた捕まって現れた石森里奈を確認する。一瞬だが動きそうになったエアリアルの肩に触れ、首を降るとエアリアルが落ち着いたようすで佇む。

 

「奴は政府の会合に行ったはずじゃ……」

 

「まんまと裏をかかれたと言う訳か」

 

悔しそうな表情を見せる宇崎拓也達を見て嬉しそうに嗤う海道義光は、テーブルの上に佇む俺たちの方を見て、バン達の様子を見て眉を潜めると口を開いた。

 

「どうやら、その2機のLBXを操作していたのは君たちではないようだな……まぁいい。こいつらに危害を加えられなくないのならその場から動かんことだな」

 

俺たちのことを一瞥すると、海道義光は近くにいた男へと話しかけると男がどこかへと端末を使い連絡を取っていた。

すると部屋に現れたのは、白衣を惑いメガネをかけた男性。山野バンの父親である山野淳一郎だった

 

『マイスターさん、あの人は?』

 

「山野淳一郎、今回のターゲットだ」

 

『あの人が、LBXを産み出した……』

 

驚く様子を見せたマーキュリーと俺を他所に海道義光と原作通りの会話をする山野淳一郎博士や宇崎拓也、山野バン達を見送る。

後で会話の内容をマーキュリーに説明しなければ、作戦へのLBX操作についての訓練しか受けて貰っていないからな。

 

「貴様らにはこの世から永遠に消えて貰おう」

 

そう話す海道義光だが、ここから先は俺たちが介入するポインとしてちょうどいい。リュウが既に捕まっている以上、俺とマーキュリーが機転を作るしかない、既に作戦は彼らが原作通りの会話する間に共有している。

 

「マーキュリー」

 

『はい!』

 

俺は両腕をバン達を囲んでいる男たち、エアリアルは頭部を動かす。

 

「今だ!」

 

そう叫んだ次の瞬間に両腕から、エアリアルの頭部から放たれたバルカン砲により男たちが怯む。今だ!の意味を分かってくれたのか回りが怯んだのを確認して郷田ハンゾウや宇崎拓也、檜山蓮が近くの黒服達を倒して気絶させる。

そして即座に海道義光へと接近して背後に回りながら首もとに持っていたナイフを向けた檜山蓮に、バン達は驚愕しつつこの場所を斬り抜けられそうな事に安堵した。

 

「海道先生!」

 

「動くな、海道義光がどうなって知らないぜ!」

 

その時だった、石森里奈が拳銃を取り出して宇崎拓也の方へと近寄り始めた。それを確認した海道はニヤリと微笑む。さて、ここからが交渉ポイントか。

 

「動か───」

 

『止めて、姉さ──。止めて下さい!』

 

「そこを動くな、石森里奈」

 

動かないで、そう彼女が告げようとした瞬間にマーキュリーが宇崎拓也を背後に両手を広げ遮った。自分が姉と関係している人物だとバレないためだ、そのためギリギリまで俺は彼女が石森ルナである事を隠すよう進めたのだ。そしてエアリアルの横に並んで俺はGNソード改を発熱させた刃を展開して石森里奈へと向ける。

 

「なっ!?里奈……何故」

 

「なるほどな、お前が海道に俺たちの情報を流していたのか……」

 

石森里奈が自身へと銃を突き付けようとしていたことに驚いた様子で振り返る宇崎拓也と納得したようすの檜山蓮。同時に恐らくシーカー本部がイノベーターに占拠されたと言う通信が着たのだろう、耳元のインカムに触れる。

 

「なっ!?シーカー本部が……里奈、何故だ……何故裏切ったんだ」

 

「ふふ、彼女には必要なものがあるのだよ。ここでしか得られない物がね」

 

信頼していたが上の悲しみからか、疑問からか口を開いた宇崎拓也に本来ならば海道が彼女の理由やオプティマについて説明に回るのだが、俺が交渉に入るとしよう。

すでに彼女がスパイをしている原因は取り除いてあるのだから。

 

「石森里奈、俺はお前の妹である石森ルナの身柄を預かっている」

 

「なっ!あの子は、重い病気で病院にいないと命が危ないのよ!?そんなこと信じられるわけがない!」

 

そう言いながら拳銃を俺たちの方向へと向けてくる里奈に、俺は更に口を開いた。

 

「信じられないかもしれないが、俺は彼女の体を治癒した。我々にはオプティマに頼らずとも彼女を癒す技術があった、それに石森ルナに関しては、今頃テレビでニュースに取り上げられているはずだ。病室から失踪した少女とな」

 

『え゛』

 

「そ、そんなことが信じられるわけが……」

 

やはり信じられないか、なら交渉作戦の第二フェーズに移動する。

 

「マーキュリー、今からお前にコードネームではなく本名を告げて話すことを許可する」

 

その言葉にマーキュリーはゆっくりと深呼吸する声が漏れると、口を開いた。

 

『お姉ちゃん、私だよ。石森ルナだよ、実はこのLBXを操作してるの……私なんだ。』

 

「嘘、嘘よ!ルナは病室に……」

 

『マイスターさんに、お姉ちゃんがお仕事の仲間の人達を裏切るって教えてもらって……そんなお姉ちゃんを止めたくて、体も治して貰えるって聞いてね?今私はマイスターさんの所にいるんだ。今じゃあ、ベットから立ち上がって歩いたり走ったり、こうしてLBXを……エアリアルを操作出来るようになったんだ。凄いでしょ?アハハ、信じられないよね』

 

「遠距離操作だと!?」

 

「バカな!彼女の妹はオプティマの技術がなければ完治することなど!?」

 

マーキュリー、いや石森ルナの発言に驚きの表情を見せる海道や宇崎拓也達。まぁ、ガンダムの技術を使っただけなんだけどね。

 

「そんな、本当に……ルナなの?」

 

石森里奈は地面へと座り込みながら銃を手放すとゆっくりとエアリアルへとてを伸ばし、エアリアルは両手で指へと触れる。

 

『うん、そうだよお姉ちゃん。だからお願い裏切るのは止めて私と一緒に……マイスターさんの所に』

 

その時だった、その場に鈍い音が鳴り響く。聞こえてきた方を見ると檜山蓮の近くにいた黒服が檜山蓮を殴り飛ばし、海道義光が拘束から逃れてしまった。

 

「蓮!」

 

「ぐっ、油断したか……」

 

殴られた場所を押さえながら立ち上がる檜山蓮、一方で解放された海道は先ほどまでの余裕そうな表情を浮かべ口を開いた。

 

「さて、博士。これであなたの希望が潰れた訳だ、貴方にはゆっくりと絶望を味わいながら死んで貰おうか」

 

「……そう簡単にうまく行くかな?」

 

すると、山野淳一郎博士は片手てメガネの位置を戻しながら口を開いた。

 

「……なに?」

 

その後は世界の修正力のせいか原作通りプラチナカプセルを開くには解読コードが必要であり、解読コードは世界で最も安全な場所。LBX世界大会アルテミスの大会優勝者商品であるメタナスGXに隠されている事が語られた。

 

「バン、絶対にアルテミスで優勝してくれ」

 

「父さん……」

 

「ふざけた真似を………だが我々の力をもってすればアルテミス優勝など容易いこと。やはり貴様ら全員にはここで死んで貰う、二度と小細工出来ぬようにな!」

 

「それはどうかな?」

 

「まだ何かあるのかッ!答えろ!」

 

山野淳一郎の表情に顔をしかめながら海道義光がそう口にした時だった。山野淳一郎は博士は白衣のうちポケットにてを伸ばすとCCMを取り出して開く。

 

「これが答えだ」

 

「伏せろっ!」 

 

山野淳一郎博士がそう口にした瞬間、何が起こるのか理解した様子の檜山蓮が近くにいた山野バン達を庇うように被さる。

次の瞬間、大きな爆発音が海道邸に響き渡ると同時に建物の崩れる音が鳴り響いた。

 

「爆発だと!?何をした山野博士!」

 

「私は科学者だ、この屋敷の材料を拝借すればこんな芸当は朝飯前だ。」

 

建物が崩れるなか、黒服たちに連れられ海道義光は悔しそうな表情を浮かべながら部屋を出て行く。

 

「みんな!脱出のチャンスは今しかない!逃げるぞ!」

 

檜山蓮の言葉に川村アミを含めた子供達が動き出すのを確認した。

 

「マーキュリーは姉を守れ、可能ならトレミーに連れていく。俺は博士の元へ向かう!」

 

『りょ、了解です!マイスターさん!』

 

俺は、エアリアルとマーキュリーに石森里奈の護衛を任せて山野淳一郎博士の元へ飛行する。見れば山野淳一郎博士が山野バンへと激励を飛ばしているのが見えた、それと同時に山野博士を探す男たちの姿も。急いで博士の顔の近くへと飛行して浮遊する。

 

「山野淳一郎博士、貴方を匿うことが俺たちなら可能だ。行動の制限もしない、可能なら協力も厭わない」

 

「空を飛ぶLBXか……私にはまだ、なかった発想だ。」

 

「どうか、俺を信じて着いてきて欲しい。俺達もイノベーターを止めるために動いている」

 

「……わかった、君の事を信じよう」

 

「感謝する、着いてきてくれ。母艦に案内する」

 

そう言いながら山野淳一郎博士を先導してマーキュリーと姉である石森里奈と合流した俺は二人を案内するため近くの森へと隠したトレミーへと向かった。

 






ご愛読ありがとうございました。

感想、お気に入り登録、高評価

お待ちしています。


目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。