あの人が魔法使いになるまで (茜色のLily)
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その一
ホグワーツには幾つもの伝説がある
…曰く、生徒達は絶対に入ってはいけない部屋があり、そこには恐ろしいものが待っているという…
…曰く、設立者の一人であるサラザール・スリザリンは秘密の部屋を作りそこに、何かを隠したという…
…曰く、ホグワーツの何処かに底知れぬ悪の欠片が残っていると…
今年もまた新たな伝説が刻まれるであろう。
なぜなら、『生き残った少年』がこのホグワーツに入学してくるのだから。
多くの魔法使いや教師はそう思っただろう。しかし、運命の悪戯か…もっと、とんでもないものも入学してくることになる。
そのものは、必ずや伝説を残すだろう。
…学校が残っていればの話だが…
ダイアゴン横丁。そこは魔法使いや魔女が必要とする、ありとあらゆる魔法道具が売られている横丁。ホグワーツ入学者もここで教科書や杖を揃える。
現在、ハリー・ポッターはダイアゴン横丁で入学に必要なものの買い出しに来ていた。鍋、教科書、羽ペンなどは買ったので、次は制服を買うためにマダム・マルキンの洋装店に訪れていた。
そこには青白い肌をした少年がいた。彼の名はドラコ・マルフォイ。ハリーの付き添いのハグリットをしきりに侮辱するのは彼が純血主義だからだ。
彼は、父も母も魔法族である者だけが魔法学校に入学させるべきだと考えている。純血主義は名門が多く、マグル出身者とあまりそりがあわない。おそらく、名門の血をマグルの血で汚したくないのだろう。
ハグリットは毎日いじめられてきたダーズリー家から魔法界に連れ出してくれた恩人だ。その彼が侮辱されたのだから、ハリーは当然苛立っていた。
そこに、客が来たことを知らせるベルが鳴る。入口を見ると少し大人びた少女が立っていた。
その子の髪は明るめの金色。アメジスト色の瞳を持ち、たれ目は優しそうな雰囲気を感じさせる。ゆったりとした服を着ており、首に巻いた青いマフラーがよく似合う人だった。
彼女の容姿にハリーは息を飲んだ。同年代でこんなにも綺麗な女の子を見るのははじめてだったからである。ダーズリー家で叔母さんぐらいしか女性に会っていないせいかもしれない。
「おや、君もホグワーツかい?」
「はい。来ました」
「…ん?来たって?」
「はい?はい。ここがホグワーツでいいと聞いたので」
「おいおい、待て待て。ここはホグワーツじゃないぞ」
「あなたは何を言ってるんですか?」
「こっちのセリフだよ‼︎」
会話が噛み合わない。彼女は首を傾げてるがハリーやマルフォイの方が首を傾げたいに決まってる。
「まぁいい…。君の親はどちらも魔法使いかい?」
「燃えました。1人です。魔法書が残っていました」
「…………そうか。おそらくは純血だね。僕はね、純血以外は入学させるべきじゃないと思っているんだ。そう思わないかい?連中は僕らと同じじゃない。ホグワーツの事を知らなかった奴だっている。入学は昔から魔法使い名門に限る。薄汚いマグル出身がいるよりはずっといい。君はどう思う?」
ハリーはこの少年とは馬が合わないなっと感じた。…彼女はどんな風に答えるんだろう…。そう思って彼女に目を向けると…
「下さい」
「はい、毎度あり。学校頑張りなさい」
ありがとうございます。と言って店から出て行く途中だった。
「おい!待て!帰るな‼︎僕の話を聞いてなかったのか⁉︎」
ゆるりと彼女は振り返ると
「誰ですか?」
「マルフォイだ!ドラコ・マルフォイ!」
「おもしろい名前ですね」
「ッ〜〜‼︎」
ついに頭を抱え出した。ハリーは内心ガッツポーズをしていたが、彼女の考えに興味が湧き、聞いてみることにした。
「ねぇ、君はマルフォイの話どう思ってるの?」
「あなたは誰ですか」
ハリー・ポッターはくじけない。
「僕はハリー。ハリー・ポッター。よろしく」
「はい。私の名前は青山ブルーマウンテンです。よろしくお願いしますハリー君」
同年代の女の子に名前を呼ばれるのは少しこそばゆい気がした。
「では、これで」
「待って」
帰ろうとする彼女を引き止める。
「なんですか?あぁ、まだ話してませんでしたね」
こっそりとマルフォイも耳を傾ける。
「そうですね…その答えは燃やせば分かります。マグルも純血も燃えてしまえば一緒なので特にこだわりは無いですね。まぁ、私は正義の魔法使いなので問題ありません」
問題だらけだと思います。2人の思いは今一つになった。ハリーもマルフォイも彼女を見送る時、声は上ずり膝は笑っていた。
「マルフォイ…本当にやばい人っているんだね」
「あぁ。気をつけろよポッター。アイツと同じ寮になったら燃やされるぞ」
後に2人は彼女の前で、腐れ縁を発揮することになる。
青山ブルーマウンテンは杖を買いにオリバンダーの店にやって来た。中に入ると奥のほうで鈴の音が響き、一人の老人が歩み出てきた。
「いらっしゃいませ。どんな杖をお探しかな」
「ぴってやってぼわーってなる杖を」
「…はい?…はい、わかりました。では少しお待ち下さい。採寸をいたします。杖腕はどちらで?」
「右です」
店主はふぅむと顎を撫でると店の奥に入っていった。
「この店には同じ杖は一本もない。貴方にぴったりな杖をお選びしましょう」
そう言って一つの箱を持ってきた。
「ヤマナラシ。芯はユニコーンの毛…26センチ。忠実でやや硬い」
ブルーマウンテンが軽く降ると火花が飛び散り机が燃え出した。
「違うか…」
手際よく消火し違う杖を持ってくる。
「ヤナギに芯は不死鳥の羽、28センチ。しなやかで治癒魔法に長ける」
軽く振ると火の鳥が部屋に舞い上がる。
「いかんいかん。これも違うか」
「あの、あそこで光ってる杖は何ですか?」
ブルーマウンテンが指す方向にはとある杖が赤い光を放っていた。
「…あそこにあるのは…」
どこか神妙な様子で杖を取ってくる店主。
その杖は持ち手から上下に芯が伸びており上の方が長い。はっきり言って杖には見えないものだ。
「…この杖には二つ芯を使われている。いつのまにかこの店にあったものだ。長い方はニワトコとサラマンダーの牙。硬く、扱い辛いが火の魔法に右に出るものはない。もう片方はクロクルミとユニコーンの毛。扱い安く補助魔法に長ける」
ブルーマウンテンが杖を手に取ると、炎が彼女の周りに出現しそれは彼女の体に纏わり消えた。
「…その杖の材料はうちでは扱っておらんものだ。今日は不思議なことが起きる。お嬢さん。お名前は?」
「青山ブルーマウンテンです」
「…そうか…その杖は譲ろう。しかし、使い方を誤るなよ」
「わかりました。ありがとうございます」
そう言って店から出て行った。
(あの杖は互いに性質が違う。普通の人間には扱えないはずじゃ。願わくば、彼女が闇の道を進まない事を祈ろう)
所々炭になっている店で1人オリバンダーは思った
「いい店主でした。次は、小麦粉とスピリタスですね」
「らっしゃい!らっしゃい!いきのいいフィリピン爆竹が入ってるよ!」
「バタービール?いや焼酎くれ。ロックで」
「士郎どこだろう」
「陸海空抑えたからって魔法界にげるなんてね」
青山ブルーマウンテンが歩くダイアゴン横丁は今日も賑わっている。
彼女がダイアゴン横丁を去る時、あのグリンゴッツ銀行でボヤ騒ぎがあったのだが一体誰の仕業なのか。未だ犯人は見つかっていない。
無事にホグワーツ特急に乗ることができたハリーは1人、流れる景色を見ていた。そこに1人の少年が訪れる。赤毛でくりりとした目を持つ彼の名はロン・ウィーズリー。ハリーに親切にしてくれた人の息子だ。
「…そこいい?他に空いてなくて」
「いいよ」
自己紹介も終わり、会話は弾み出したところで車内販売がやって来た。買い物のお釣りでロンとお菓子を分け合った。誰かと一緒に食べるお菓子は美味しかった。…少しトラブルもあった。隣の車両で爆発音が聞こえてきたのだ。しかし、爆発痕がなく誰かが大癇癪玉で悪戯したんだろうと判断された。
「ねぇ、これは何?」
「百味ビーンズ。色々な味があるんだ。臓物味とか。フレッドはハナクソ味に当たったことがあるって」
そっと箱を下げるポッター。流石にゲテモノを食べる勇気はまだなかった。
「…カエルチョコ…本物のカエルじゃないよね」
「魔法だよ。そいつらすぐに逃げちゃうんだ」
ハリーが蓋を開け、カエルチョコが逃げ出す。しかし、窓から逃げようとしたカエルの動きが止まり、こちらに引き寄せられてくる。入口を見ると奴がいた。奴は異質な杖を持っており短い方の杖を使っていた。
「いいですか?」
「…?……はい?」
「ダメですか?」
「いや、いいよ」
訳が分からず許可すると入口近くの席に座った。
そういう意味か‼︎
ハリー、渾身のツッコミ。
「…えーと、2人は知り合い?」
何と言ったらいいんだろうか。一応話したことがあるが関わりたくないというか、今すぐにでも逃げ出したいというか…。
「はい。そうです。ハリー君とは親睦を深め合った仲です」
「違うから」
「僕の名前はロン。ロン・ウィーズリー。よろしく」
「はい。青山ブルーマウンテンです」
「ところで、どうしてここに?」
「先程マルフォイ君のとこにいたんですけど、失敗してクラップ君とゴイル君を少し燃やしまして…。そしてマルフォイ君も仲間外れじゃかわいそうだなと思って一緒に魔法をしました」
あの爆発音はそれか。ハリーは心の中で彼に合掌した。
「マルフォイ君にハリー君にも見せてやれと言われたのでここに来ました」
前言撤回。灰になってしまえマルフォイ。というか、僕達は未だピンチではないのだろうか?そこに、天の救いが現れる。
「…ヒキガエルを見なかった?ネビルのペットが逃げたのよ」
「いや、見てない」
やって来たのは茶髪の女の子だ。ハキハキとした喋り方は真面目そうなイメージをハリー達に与えた。
「それと貴方。ここでその魔法は危ないわ。場所を弁えなさい」
「…わかりました(不満げ)」
渋々と杖を仕舞うブルーマウンテンを見てハリーは神と少女に感謝した。この頭おかしい少女を止めてくれてありがとう…!
無事?にホグワーツに到着した。マルフォイがなんか可哀想な感じになっていたがどうでもいいだろう。
ホグワーツは寮制であり組み分け帽子が寮を決める。
ゴドリック・グリフィンドール
ヘルガ・ハッフルパフ
ロウェナ・レイブンクロー
サラザール・スリザリン
ハリー、ロン、ハーマイオニーはグリフィンドール。マルフォイはスリザリン。次々に組み分けが行われ、いよいよ最後の新入生となった。
「青山ブルーマウンテン!」
彼女に組み分け帽子がかぶせられると、帽子は悩み出した。
『なんじゃ、この子は…才能も溢れんばかりある。意思も強い…。野望があり、正義を重んじておる。なのに…なんじゃこの嫌な予感は…』
『全くその通りなんで、さっさと退学させた方がいいぞ』
彼女を知るものだったら、真っ先にそういうだろう。だがしかし、ここにいないので止めるものはいない。
「よし…決まったぞお前は…グリフィンドール‼︎」
数名がかお顔を青くする中盛大な拍手の中で迎えられるブルーマウンテン。その内、ほとんどの生徒からは畏怖の対象になる事を彼らはまだ知らない。
わすれたころに更新されます。
青山ブルーマウンテンについて
・基本TRPG準拠
・火と爆発に関する魔法なら杖を振らなくても使える
・ぶっちゃけ炎魔法だけでマーリン賞3つ貰える
・魔法力、火に関する才能と知識の化け物。
・代償として上記以外の魔法でも火がでる。
こんな感じですかね。炎の魔法を覚えるというのは彼女のとって全部覚えることです。ちなみにですがもし青山ブルーマウンテンが本気で「悪霊の火」を放ったら火の七日間が始まります
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そのニ
注意…金髪の子可哀想。
青山ブルーマウンテンは瞬く間にグリフィンドールいや、ホグワーツ1の危険人物として生徒たちに認識された。彼女が杖を振れば、炎が上がり近づいて注意しようものなら監督生でも医務室から数ヶ月は出られない。しかも、先生たちにはバレてはおらず良くも悪くも賢いのでお手上げである。
最近起こした事件は誰かがレイブンクローの談話室に侵入し、忌まわしき狩人を呼び出して単機戦闘すると言った事件を起こした。
この事件の収束にハリー・ポッターとドラコ・マルフォイが活躍し特別に点を与えられていた。グリフィンドール生とスリザリン生が協力した珍しい事件でもあった。
犯人は見つかっておらず、目撃者シャロによると全てハス太が悪いと供述し彼を拘束。彼は在学生ではない為、ホグワーツのトイレ掃除一年の刑を与えられていた。
ホグワーツの朝食時にはフクロウが郵便物を届けてくれる。
「おい、そこの少年!フィリピン爆竹研究会に入らねぇか⁉︎」
なんでも爆発させるフィネガンの素質を見抜き、とある青年が朝食の席に現れた。人狼が現れたり教祖が現れることもある。流石は魔法界だ。
「わかりました。ホグズミードにいますね。魔術ですね。お願いします」
「おうちょっと待て。ユニコーンから貰った翻訳機は…なるほど。助かったぜブルーマウンテン!ほら、フィリピン爆竹だ。待ってろよ士郎!」
高校生らしき青年は誰かに電話をかけ、魔法界では珍しいヘリに乗ってホグズミード村に向かっていった。
「なんか湖で船が爆走してるわ。魔法界の船って陸も走るのね知らなかったわ」
それは彼女達が愛に溢れているからこそ為せる技だとハーマイオニーが気付くのはもう少し後のお話。
ハリーは極力そちらを見ないようにしてロンから借りた新聞を読んだ…
…瞬間カボチャジュースを吹き出した。
ロンが新聞記事を読むと
「何々…グリンゴッツが放火と強盗未遂?二つの金庫が開けられていたが片方は中身はすでに持ち出されていた。もう片方からは何も盗まれていない。また、けが人は居なかったが所々肉が焼けた匂いが残っていた…へぇ、あのグリンゴッツを強盗するなんて気が狂ってるじゃない?あそこ、ホグワーツの次に安全って有名だよ?」
「うん…そうだよね」
ハリーは犯人の目星がついていたが、聞き出せる勇気はない…。多分燃やされる。
近くにいたマルフォイもその新聞記者を読み、白い顔をさらに白くさせハリーに耳打ちした。
「この事は口外するなよポッター!下手したら磔の呪いより酷い目に遭わされるぞ…」
「わかった…。そっちも気をつけて…」
「ああ」
「なんの話をしてるんですか?」
金の杯でジュースを飲むブルーマウンテンが訪ねる。
『なんでもないよ‼︎』
肩を組んで笑顔で応える二人。彼らの明日は大丈夫か?
ハリーは毎日泥のように眠っていた。青山ブルーマウンテンの行動が常識の範囲外のため疲れ切っていたのだ。
一体なんなのだろうか。変身術の授業では本を火の鳥に変える。浮遊呪文は教室を火の海に…彼女を説得させ消火しなければ皆死んでいた。
魔法薬なんて酷かった。皆に怖がられているスネイプはもう既に可哀想な人を見る目へと変わっている。ハリーは魔法薬の授業を回想し始めた。
「ミス・ブルーマウンテン…?何をやっているのかね?」
おできを直す薬を作っているのだが、青山ブルーマウンテンは皆とは違う工程で作業を勧めている。
「書いてますね。違いますね!おかしいですね!書いときますね」
話をしても無駄だと思い、彼女が作った薬品を見てみるととんでもない色をしているが効能は本来よりもずっと強いことが分かった。
「ブルーマウンテン、軽はずみに本来の工程を無視するのは浅はかだ。罰としてグリフィンドール5点減点」
スネイプがそう言った瞬間に青山ブルーマウンテンはスネイプの口に薬品を流し込んだ。
「試して下さい。よかったです」
「皆さんもどうですか?大丈夫です。すごいです」
ハリー達は倒れたスネイプ先生を連れて地下牢から逃げた出した。
その後スネイプ先生は顔中の穴から黒煙を出し暫く寝込んでしまった。時折、リリー…すまなかった。…私をみてくれ…とぶつぶつ呟いていた。
どこか危なかったがきっかり2時間後、スネイプ先生の身体はあり得ないほど健康になっていた。歳による身体の痛みも無く、身体が羽のように軽くなっていた。
結果として青山ブルーマウンテンはお咎め無し。真実薬を一滴合意の上で飲ませたところ、本気でスネイプの為に健康になる薬を作っていたそうだ。
彼女との会話は気が狂いそうになる…。こんなことではダメだとハリーは頬を叩き気を取り直す。明日はハロウィンだ。きっと楽しいことが起きるだろう。そう深く願って、深く願って眠りについたハリーだった。
神は僕を嫌いなのだろうか?ハロウィンの晩餐にトロールという怪物が現れたのだ。皆、大騒ぎしてるが騒ぐ元気もない。マルフォイなんかはあぁ、また問題ごとかと溜息をついていた。
「…ッ!ロン!ハーマイオニーはトロールのこと知らないんじゃない⁉︎」
2人は急いでハーマイオニーの下へ向かっていった。すれ違いざまにマルフォイが耳打ちしてくる。
『青山ブルーマウンテンがいない。気をつけろ』
…神は死んだ…
ハロウィン当日、ハーマイオニーはトイレで泣いていた。ロンに悪口を言われてしまったのだ。まだ十一歳の子どもだ。喧嘩なんてよくある事だろう。
声を殺して泣いていると扉をノックする音が聞こえてきた。
「すみません。逃げないと危ないですよ」
「誰…」
「青山ブルーマウンテンです」
あの変人か…。追い出そう扉を開けたら彼女の後ろにはトロールがいた。
「えっ……え?」
「危ないです」
トロールがその手に持った棍棒を振り回し個室を破壊していく。ハーマイオニーは青山ブルーマウンテンの後ろに隠れて悲鳴をあげていた。
トロールが青山ブルーマウンテン達に気づき、棍棒を振るうが青山ブルーマウンテンが杖を振ると瞬く間に灰となった。
「なんなの…その杖…」
異質な杖をくるくる回しながらトロールを燃やしていく。暴れようにもブルーマウンテン達には攻撃が届かない。
最終的にハーマイオニーは駆け付けたハリーとロンに保護され、青山ブルーマウンテンはトロールの頭に消火器を落として意識を奪った。
3人は軽く叱られたが、絆を深めることが出来ただろう。青山ブルーマウンテンはどうなったかって?
足を怪我したスネイプに自作の薬を塗りに行った。スネイプ先生は丸一日医務室から出てこなかったが、ボルトもびっくりな速さでブルーマウンテンを追いかける姿が目撃されたと言っておこう。
ハリーの周りでは色々なことが起こった。
クディッチではスネイプ先生とクィレル先生が火だるまになったし、ラフプレーをしたスリザリン生は何者かに禁じられた森に連れていかれ所々焦げて青いものをみると発狂するようになった。
スネイプが立ち入り禁止の部屋にある何かを狙っている為それを調べたりもした。ポルターガイストのピーブズが何者かに火炙りにされる事件も大体この辺りに発生した。
夜間に出歩き禁じられた森に行く罰則を受けたこともあった。そこでは喋るユニコーンが青山ブルーマウンテンの友達だと知った。ハリーを襲って来た化け物は青山ブルーマウンテンと高校生探偵と人狼♀によって燃やされた。彼らも友達だという。
女子トイレにいるハス太は青山ブルーマウンテンに決闘を申し込んで燃やされたり、朝食の時に赤毛の少年がなんでさ⁉︎と言いながらバイクと船とヘリに追いかけられる光景も慣れ始めてきた。
風の噂だが、とある女子生徒が魔法に失敗し全身火傷の怪我をしたらしい。怪我をした少女は大会が近く、練習しようとフラフラとグランドへ向かうが、先生に連れ戻され怪我が治るまでは安静を言い渡された。そのため、彼女は毎日医務室の枕を濡らしているそうだ。
そして今夜ハリー達はスネイプの目的を阻止する為に立ち入り禁止の部屋に侵入する計画を実行した。
いくつもの試練を超えてハリーはミゾノカガミの部屋にやってきた。そこには予想していなかった人物からいた。
「なんで…貴方が…スネイプのはずだ.!」
「いかにも彼は悪人面だからね、誰がこの…ク、クィレルをう、疑う?」
ここにいたのはクィレル先生だ。クディッチでハリーを殺そうとしたのもハグリッドにドラゴンを渡したもの全て彼だった。
「じゃあ、グリンゴッツに放火したのも貴方なの⁉︎」
「違う!!あれは私が侵入した時に後ろから青いマフラーをつけた誰かに燃やされたのだ!あいつさえいなければ上手くいっていたのに!」
僕の寮生がごめんなさい…きっとあの子です。ハリーは申し訳ない気持ちになった。この先生からいつもアロエの匂いがしたのは火傷のせいだったんだ…。
どこからか恐ろしい声が聞こえてきてハリーの傷が痛む…。クィレル先生がターバンを取るとそこにはもう一つの顔が存在していた。ヴォルデモートだ。
ハリーはミゾノカガミから賢者の石を取り出していた。ヴォルデモートはハリーに両親に会わせてやるとか2人で偉大なことを成し遂げようと提案するがハリーは拒否。
すぐに殺せと命じられ、ハリーは逃げ出す。しかし、クィレルの魔法で辺りは炎に囲まれて逃げ道は無くなってしまった。
絶対絶命のピンチのハリー。そこである事が頭に引っかかった。
(空気が熱い…周りが火で囲まれてるからだ)
火?
クィレルがハリーに触れようとした瞬間、炎の腕に捕まり灰となった。ヴォルデモートも危機を感じ逃げようとするも、異常な蒼い炎で身体の半分が灰になってしまった。
これが火の中から蒼きイフリートが現れた瞬間に起こった出来事である。
ハリーが気が付くと医務室のベッドにいた。目の前には大量の見舞品があった。マルフォイも見舞いに来ていたみたいだ。
ダンブルドア先生曰く、ハリーが受けた愛が青山ブルーマウンテンを呼び寄せたらしい。彼女はリリーに似ているらしい。ちょっち破天荒すぎるが。ハリーは声を大にしてそんな事は無いと言いたかったがここに自分を運んで来た彼女を思うとますます分からなくなる。
見舞いに現れた青山ブルーマウンテンだか隣のベットにいた金髪の少女に土下座されているのを見て自分の母親とは絶対似ていないと確信した。
因みに、今年の優勝杯は最後に怒涛の加点を受けたグリフィンドールだった。
ハリーは帰りの汽車の中でハグリッドから貰った両親の写真を見ていた。幸せそうな2人が自分愛してくれた事に感謝をしていた。そのおかげで今生きている。
汽車内でまた爆発音が響き…深い溜息と共に現場に向かう。ちょっと慣れてきた自分を褒めながら。
翻訳
「(あなたがここにいる理由が)わかりました。(士郎は)ホグズミードにいますね。(姿を消す)魔樹(を使ったん)ですね。よろしく(と言っておいてください)お願いします。」
「(教科書に作り方が)書いてますね。(私の知ってるものと)違いますね!おかしいですね!(新しく)書いときますね」
「皆さんもどうですか?大丈夫です。(効果は抜群なので)すごいです」
「すみません。逃げないと(巻き込んでしまうので)危ないですよ」
青山ブルーマウンテンは長い方で放火し、それ以外は短い方で魔法を使います。また、彼女は火がある場所に出現する魔法をこの一年で作り上げました。
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その三
金髪の子が可哀想でもそれはご愛嬌。
かの有名なハリーポッターでもできないことがある。今、ハリーはバーノン伯父さんの商談をめちゃくちゃにしてしまったことにより部屋に閉じ込められていた。もちろん、ハリーが進んでそんなことをするはずがなく、原因は屋敷しもべ妖精のドビーによって引き起こされたものであった。
彼曰く、ハリーポッターに危険が迫っている。ホグワーツに行くべきではないとのことだった。ハリーあての手紙を隠していたのも彼だった。ハリーは今までいじめられてきたこの家よりも友達がいるホグワーツのほうがいいと考えている。だからこそ、この状況が好ましくなく、1人悲しげに窓の外を見つめる。
しかし、彼には檻を壊してくれる良き友達がいた。ハリーの友人、ロンは2人の兄が運転する空飛ぶ車に乗ってハリーを迎えに来たのだ。ハリーは良き友達がいたことに感謝した。
後部座席に座る。青いマフラーを巻いた少女に気づくまでは。
余談だが、とある州のとある家が火事になったらしい。その家族は火災保険にはいっていたためにはいっていたため、結果的に損害はなかった。どうやら原因は近くの電線が切れていたことだった。
消火する時に強いアルコールのにおいが充満していたがそれは捨てられていた酒瓶が原因であるとされ、その州ではマナーアップ運動が進められ、綺麗な州ナンバー1となることはまだ誰も知らない。
「こんばんわ。元気ですか。元気ですね。どうしたんですか。燃やします」
危険が迫ってきているとドビーは言っていたが、彼女のことではないだろうか。
彼女の名は青山ブルーマウンテン。ハリーが知る中でぶっちぎりでやべー奴だ。しかし、彼女に命を救われたこともあるので強くは言えない。そう。青山ブルーマウンテンは基本的に、基本的におとなしいのだ。ただ行動するときには頭がおかしいとしか思えない行動をとる。
「大丈夫…大丈夫だから」
だから、その禍々しい杖をしまって下さい。お願いします。
車で空を飛ぶという不思議な体験は普通なら興奮し、はしゃぎたくなるが隣に例のあの人に並ぶ危険物があることで一気に恐怖のツアーに早変わりした。
ロンの家に着いた時は心底安心した。ロンはボロくて小さな家だと言っていたが、魔法道具が普通に置いてあり、ブラシが勝手にフライパンを洗っている光景はとても好奇心がそそられた。将来、僕もこんな家に住んでみたいとハリーは思った。
…そろそろ、現実逃避はやめよう…。しっかりと現実を見るんだハリー・ポッター…
具体的には異様な杖をペンに見立てて家の壁に見えないナニカを描いていた青山ブルーマウンテンを
「ブルーマウンテン?何してんの?」
「マーキングです」
「…なんでマーキングなんてするの?」
「燃えます。燃えやすいです。だから、守ります。確実に燃やします」
「やめて」
すぐさまブルーマウンテンを引きずりロンの家に入る。フレッドとジョージにからかわれたが、このままでは君らの家が灰になっていたとは言えなかった。……彼女のできましたという言葉は聞かなかったことにしよう。
ロンの母親は厳しくも優しさ溢れる人物だった。去年のクリスマスの時にイニシャルが編み込まれたセーターをくれたほどに。そして、今年からロンの妹であるジニー・ウィズリーがホグワーツに入学する。丁度、今ブルーマウンテンがホグワーツについて教えているところだ。
「ねぇ、お兄ちゃん。ポルターガイストのビーブスって悪戯好きなのに人見知りなの?」
「いや、結構かまってくるけど」
「ブルーマウンテンさんが彼に避けられてるって」
「あぁ…あれか」
彼女に悪戯したとき、燃やされてたからね。ミディアムぐらいに。それ以降トラウマなのか彼女の近くには来ないし、火のあるところには近づかなくなった。何人かの先生からは感謝されてたけどやり方が闇の魔法使いが可愛く見えると思う。
新しい教科書とジニーの入学用品を買いにダイアゴン横丁に行くことになった。濡れ鍋までは遠いので煙突ネットワークを使うという。魔法の灰を握り、暖炉の中で行きたい場所を言いながら灰を投げると炎に包まれてその場所に移動するという。
実際にロンがやってみたが本当に暖炉からいなかった。ハリーも同じように灰を投げ入れたが宣言時に噛み、座標がずれて闇の魔法使いや人攫いなどがいる夜の横丁、『ノクターン横丁』にたどり着いてしまった。
危ない雰囲気にハリーは怯えており、怪しい黒男に肩を掴まれた。いい意味でも悪い意味でもハリー・ポッターは有名だ。奴隷や例のあの人に差し出すなど稼ぐ方法はいくらでもある。
「ハリー・ポッターさんではないですか。こんな薄暗い横丁になんの御用で?」
「いえ、あ、あの!」
「まぁ、立ち話もお互い都合が悪い…。ちょいとこちらに…」
「あの!大丈夫ですから」
彼の周りに集まってくる怪しい人々。しかし、瞬きの間にハリー以外の全員が水浸しになり、火達磨になった。
まぁ、奴である。
「危ないですよ。黒です。消毒です」
怪しい奴らは常に嘔吐している人狼や儚げな好青年のようなお爺さん、頭ブラウニーに連れて行かれた。一体何をされるのか。
ブルーマウンテンに連れ出さられた後、ハグリッドとハーマイオニーに出会った。ハグリッドは用事で違う店に行き、ハーマイオニーと僕は教科書を買いに書店に向かった。
青山ブルーマウンテンはどうしたかって?『フィリピン爆竹教』の店に入って行った。最近、信者が爆発的に増えた宗教らしい。ハーマイオニー曰く面白い宗教という。
たまに、その店からヘリコプターが飛び立つが魔法界では当たり前のことなのだろう。
書店でギルデロイ・ロックハートとサインと握手をし、マルフォイと今後のブルーマウンテンの対応について話し合ったりしてあっという間に、ホグワーツ行き列車の発車時刻となった。
しかし、9と4分の3番線に通じる通路が閉じられており、彼らは空飛ぶ車で登校しようと考えて実行した。それはかなり危険なことだが、彼らを止めるハーマイオニーはここにいない。そのまま、ハリー達は空の旅を始めた。
秀才、ハーマイオニー・グレンジャーは頭を痛めていた。何故かハリーとロンがいないし、それにより青山ブルーマウンテンと一緒という割と拷問に近いこの状況で頭痛だけで済む方がまだましと言えるだろう。因みに、酷いと燃やされ、何処かの金髪の子みたいになる。
「ねぇ、ハリー達はどうしたの?」
「待ってください。乗ってません。…乗ってますね。上です」
「ほんと、訳が全く分からないわね」
ユニコーンから翻訳機貰っといてよかったわ。にしても、アホなことしてるわね。最悪、退学処分よ。…まぁ、彼らならなんとかなるでしょ。隣に頭おかしい奴がなんかしていたし。
「すみません、かぼちゃパイください」
「はいどうぞ」
「スピリタスありますか?」
そんなのあるわけ…
「はいよー。スピリタスどーぞー。ついでに酒盛りしていい」
あるんだ…。ていうか、人狼と東洋のドレス着た人と紫の人が女子会という名の酒盛りって…。あんな大人にはなりたくないわね…。
学校に着いた後にホグワーツの校庭に火玉が落ちた。その中にはハリーとロンがおり、医務室に緊急搬送された。彼らの証言によるといい身体をした男が列車の上にテントを張っていて、その男にRPGで打ち落とされたという。
結果、退学処分は下されなかったが前科付きみたいな感じになった。火傷に関しては黒い服を着た青年が手当てをしてくれた。丁度、シャロという女子生徒の様子を見に来たらしい。治療中、何故か泣いた跡があったが。
新入生が学校と青山ブルーマウンテンに慣れ始めた頃、ハリー達にはいくつかの悩みがあった。
まず、青山ブルーマウンテンのことだ。毎度の如くレイブンクローの談話室に侵入し、今度は『砂に潜むモノ』を呼び出し戦ったそうだ。今回、青山ブルーマウンテンはサムライソードを片手に杖を構えながら戦闘態勢をとっていた。
「リベンジです。大丈夫です。燃やします」
「あれは…ナーグルじゃ…ない…?」
燃える剣で応戦し炎が撒き散らかされる談話室では、新入生でブルーマウンテンに気に入られた哀れな生徒、ルーナ・ラブグッドが呑気にその様子をスケッチしている。
一方ではマルフォイが避難誘導をしており、逃げ遅れた生徒を回収している。
「全員逃げろ!!ほら、早くしろ!おい⁉︎気絶するな!?あぁくそ…なんでこの僕がこんなことを…」
「ごめんマルフォイ!遅れた!」
「助かる!」
今年もグリフィンドールとスリザリンの共同作戦が執行され少しずつだが2つの寮の壁が薄れてきていると先生達は楽観視している。本当にそれでいいのかホグワーツ。
この事件について目撃者のシャロとルーナによると『全部ハス太が悪い』とのことでハス太をトイレ掃除5年の刑に処することになった。魔法裁判所では『ブルーマウンテンは必ず死の呪いする』と残したらしい。
彼がアズカバン送りされないのは、裁判長や裁判員が男の娘LOVEなのが理由だ。因みに彼のファンクラブに全員入っており、剣崎会長とルシウス・マルフォイ副会長によって支えられている。
次にロックハートのことだ。彼の授業は酷い。魔法生物を捕まえることはできないし青山ブルーマウンテンの放火を止められないし、消化もできない。何人かの生徒はロックハートを炎の海に突き落として報復していた。
青山ブルーマウンテン自身も彼のことをよく思っておらず、最近は紫の服着た目が死んでる人から買っていたゲームを彼に強制的にやらせているらしい。(次の日の授業はほぼ自習)
なので、スネイプ先生が教えてくれる時もあるが主にブルーマウンテンを監視している。なぜなら、隙を見せたら自作の薬を飲まされるから。
最後に、学校で起こっている不思議なことだ。ハリーだけに聞こえる声に石にされたミセス・ノリスなど何か危険なことが起きかかっているとハリーは感じ取っていた。きっと青山ブルーマウンテンのおかげだろう。
「今年は色々な事が起こるよね」
「そうね」
「あぁ、こんな女子トイレで薬作ってたらね」
ハリー達はこの事件の鍵は『秘密の部屋』にあると考え、サラザール・スリザリンの継承者を探すことにした。マルフォイに聞いたら、とある上級生が怪しいと言っていたので聞き出すことになった。
だが、彼は変人らしくマルフォイは会いたくないらしい。その代わり、クラップとゴイルの髪の毛を渡され、今に至るわけだ。
「彼も中々の悪人よね」
まぁ、マルフォイすごく嫌な顔してたし。
「はいはーい。薬品盗ん…んっん!持ってきたよ」
「ありがとうございます。ハス太さん」
そう、トイレ掃除のハス太に手伝ってもらい、スネイプの薬品庫から持ってきてもらったのだ。彼は生徒ではないので罰則はない。彼が言うには全てブルーマウンテンのせいにすれば良いとの事だ。余程恨みがあるのだろう。
「それにしても、こんな所で薬作ってていいの?誰かに見られない?」
「大丈夫よ。ここには誰も来ないから」
「なんでそう言い切れるのさ」
「嘆きのマートルよ」
ロンとハリーはその名に覚えがなく首を傾げる。ハス太はあの子かと苦笑いを浮かべている。するとロンの背後に眼鏡をかけた女子生徒のゴーストが現れる。
「私が嘆きのマートルよ!!」
「うわぁ!」
マートルはやれ、男子がいて落ち着かない。やれ燃えそうになるなど文句を吐き出した後、トイレの中に戻っていった。
「傷つきやすい子なの」
彼女と関わったのが運の尽きだね。
その日の晩…
「ミス・ブルーマウンテン?貴様、吾輩の薬品庫から盗みを働いたそうだな。罰として羊皮紙に盗んだ材料の明細を説明をかけ。月曜日の朝まで待ってやる」
そう言い放つとスネイプは行ってしまった。残ったのは無言で杖を回す青山ブルーマウンテンと周りに居た生徒達だ。
「……………」
「「怖い」」
深夜、とある女子トイレで爆発が起きた。原因はまだ分かっていない。また、女子トイレで倒れていたシャロはまた全身に火傷を負い、さらにミセスノリスのように石化してしまっていた。
ホグワーツに危険が迫ってきている前兆でもあった。
「こんばんわ。元気ですか。(私は)元気ですね。どうしたんですか。(顔色が良くないですね)(元気がない原因を)燃やします(?)」
「(未来で)燃えます。燃えやすいです。だから、(この家を)守ります。(下手人を)確実に燃やします」
「(ここは)危ないですよ。(この人達は)黒です。(熱)消毒です」
「待ってください。(列車に)乗ってません。…(車に)乗ってますね。上(空)です」
「(あの時殺された)リベンジです。(ダイスがないので)大丈夫です。(日本刀で)燃やします」
青山ブルーマウンテンは火に関するのみ低確率で未来が見えます。また、酔っ払い卓による、色々なtrpgのキャラを出していこうと考えています。
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