IS主人公が、友達にヒロインたちをあっさり寝取られていくお話 (キョウキョウ)
しおりを挟む

第01話 初めての自己紹介

「全員ちゃんと揃ってますねー。それじゃあSHRをはじめますよ!」

 

 黒板の前に立ち、にっこりと微笑む女性副担任こと山田真耶先生が生徒たちに声をかける。

 

 山田先生の身長はやや低め、生徒と変わらないぐらい若い見た目をしている。童顔で着ているスーツのサイズも合っておらず、子供っぽい印象があった。それがますます、彼女が小さく見える原因なのだろう。そんな印象のある山田先生が話を続ける。

 

「それでは皆さん、一年間よろしくおねがいします」

「……」

 

 しかし教室の中は変な緊張感に包まれていて、山田先生の言葉に誰も何の反応も返さなかった。

 

「えーっと……それじゃあ皆さん! それぞれ、自己紹介をお願いします。えっと、出席番号の順で」

 

 教室内の微妙な雰囲気を感じ取ったのだろう。山田先生は勢いに任せて話を次に進めた。クラスのみんなに自己紹介をするようにと指示を出した。あ行から順番に1人ずつ自己紹介が始まる。

 

 今日は高校の入学式があった。式が無事に終わって、教室に移動してきた直後である。これから新しい生活がスタートするというのに、いきなり問題が発生していた。

 

(これは……、想像以上にキツイ……)

 

 自意識過剰ではなく、本当にクラスメイトのほぼ全員から視線を向けられているのを背中に感じていた。というのも俺の居るクラス、ほぼ全員が女子生徒だったから。そんな教室の中で真ん中の最前列を座らされている。否が応でも注目を集めてしまうのだろう。

 

 俺を除けば唯一の、もう1人の男子生徒である彼は一番うしろの席に座っていた。あそこに座っていれば今の状況とは違って、もう少し向けられる視線の数は少なかっただろう。羨ましい限りだ。

 

 俺はチラリと窓側の方に視線を向ける。一番うしろに座っている男子生徒の方に目を向けようとしたら、ガッツリ後ろを振り向かないといけないので自己紹介の邪魔になってしまうだろうから。

 

「……」

 

 もうひとり、助けてくれる可能性のある彼女に救いを求めた視線だったが無視される。幼馴染の篠ノ之箒に俺が視線を向けてみると、ふいっと窓の外に顔をそらしていた。

 

 あの動きは、わざとだろう。なんてやつだ。六年ぶりに再会した幼馴染に対して、なんて態度だろうか。……いや、もしかして俺って箒に嫌われているのか。

 

 なにか嫌われるような事をしたのだろうか。記憶を振り返ってみるが、思い当たる節はない。

 

「……くん。織斑一夏くんッ!」

「うえっ!? は、ハイっ!」

 

 名前を呼ばれているのに気付いて、慌てて返事をする。思わず変な声が漏れ出てしまった。後ろからクスクスとした笑い声が聞こえてくる。考え事に没頭していて、失敗した。

 

 自己紹介の順番が回ってきたのか。女子のクスクス笑いに気付かないフリをして、恥ずかしさを振り払おうと勢いよく席から立ち上がる。そして、バッと勢いよく後ろに振り返った。

 

(うっ……)

 

 今まで背中で感じていただけの視線が一気に俺に向けられている。改めて、クラスの女子の多さを認識する。小さな教室の中に、こんなにも女性が集まっていたのか、と。

 

 その中で、後ろの席に座っている男子生徒と目が合う。彼は笑って、小さく頷いた。俺と彼だけが、このクラスの男子生徒である。というか、この学校には俺と彼しか男子生徒が在籍していない。他は全員、女子生徒である。ありえない比率だが、この学校の特殊な事情により仕方がないことだった。

 

「えーっと……、織斑一夏です。よろしくおねがいします」

 

 頭を下げて、上げる。これで自己紹介を終えて席に座ろうとしたが、女子たちの視線を感じる。『え、それで終わりなの?』というようなニュアンスが含まれた視線だった。俺のような男がいきなり、趣味の話なんてしても余計な情報だろうというのは分かっている。だからせめて、名前だけでも覚えてもらえるように最低限の情報だけを公開するスマートな自己紹介が出来たと思ったのだが、失敗だったようだ。

 

「え、えっと……」

 

 席に座るタイミングを逃してしまい、自己紹介が続行しているような雰囲気。次に俺が何を言うのか、クラスの女子達が期待しているような気配を感じる。しかし、何も言葉を用意していなかった俺は彼女たちの期待に沿えるようなユーモラスなセリフを言うことなって不可能だ。

 

 だらだらと背中に流れる汗を感じる。どうしたらいい、何を言えばいいんだ! 人生最大の窮地を迎えたような心境で、俺の体はカチンと固まっていた。

 

「真耶先生! 一夏くんは恥ずかしいようなので、次の娘にバトンタッチしましょう」

「そ、そうですね!」

 

 男の声が教室に響く。女子たちの『えー』という声にならない声が聞こえたような気がした。だが彼は強引に、話を次に進めた。山田先生も彼の言葉に従って自己紹介を次に進める。

 

 後ろに座る彼が、俺に視線を向けてニッコリと微笑んだ。俺は感謝の気持を込めた視線を込めた視線を返して頷くと、前に向き自分の席に座った。どっと疲れが出た。自己紹介の一つも満足にできないとは情けなく感じる。

 

 後ろの娘には申し訳ないが、自己紹介を聞き流しながら俺は自分の気持ちを整えた。クラスメイトの自己紹介が続いていく。

 

 そして、彼の出番がやってきた。俺は彼の座る後ろの席の方へ視線を向ける。

 

「初めまして皆さん。俺の名前は、神立勢(かんだちせい)。気軽に、かっちゃんと呼んで下さい」

 

 自信に満ち溢れているような挨拶。俺とは違い、女性の視線にも慣れているのだろうな。焦った様子もなく、普通に挨拶をしていた。

 

「俺、キレイな女性が大好きです。この学校でも、彼女を作って楽しく幸せな学生生活を送りたいと思ってます」

 

 堂々と言い切る。その堂々として姿に、俺は自分でも気付かないうちに羨望の眼差しを向けていた。あんなふうに、俺も堂々と出来たら良いのにな。

 

「あ」

 

 だが、彼の後ろに忍び寄る女性の姿を見つけて俺は声を漏らす。

 

「痛って!?」

「不純異性交遊は私が許さん」

 

 俺の姉である織斑千冬が、彼の背後から手に持っていた出席簿で彼の頭を叩いた。メチャクチャ痛そうだな。って、なんで千冬姉がIS学園に居るんだよ!?

 

 混乱しながら、状況がどうなるのか見ていた。

 

「えー、いいじゃないですかぁ。男が美人な女性と出会って愛し合うことは自然なことです。俺、千冬先生のことも大好きですよ」

「なっ!?」

 

 叩かれた頭をさすりながら、彼はそんな事を言う。その表情は真剣そのもので、嘘偽りはなさそうだった。

 

「ば、馬鹿なことを言ってないで席につけ。つ、次の生徒。自己紹介を進めろ」

「はーい」

 

(す、すげぇ。あの千冬ねえを正面から口説く男が居るなんて……)

 

 俺は、彼の行動力に戦慄していた。しかも、若干だけど姉の顔を赤らめされることに成功している。あんな表情、俺は初めて見た。俺は、そんな表情を引き出した彼にちょっとだけ嫉妬した。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第02話 クラスの気になる娘

「うへぇ……」

 

 一時間目のIS基礎理論授業が終わって、今は休み時間。俺は机に突っ伏して少しでも疲れを癒そうとしていた。いきなり、授業が難しすぎる。ついて行けない。駄目だ。ギブ。

 

「お疲れだな、一夏」

「うー、神立か……」

 

 頭上から男性の声が聞こえてくる。この学校には男子生徒が2人しか居ないから、すぐに声の主が分かった。

 

「おう。神立勢だ。かっちゃんか、勢って呼んでくれていいぜ。改めてよろしく」

「織斑一夏だ。よろしく、勢」

 

 実は、俺たち2人は出会うのはこれで二回目だった。IS学園に入学する前に一度だけ顔合わせをして一言二言話したぐらいで別れてから、今回のコレで二度目の顔合わせだった。

 

 だがフレンドリーな勢から声をかけてくれて、最初から自然と古い友人のように会話することが出来ていた。

 

「勢は今の授業、ついていけたのか」

「まぁ、それなりにな。学校に入る前に、予習はバッチリしてきたから」

 

 勢はISについて予習してきたのか。ものすごく偉いな。俺は、全く勉強してこなかった。今になって後悔する。

 

「なに? 予習してきたのかよ。ずりぃなぁ」

「ずりぃ、ってお前なぁ……。入学前に送られてきた参考書の厚さを見たら、予習しておかないとマズイって思わなかったか?」

 

「参考書? そんなの送られてきたか?」

「えっ!? お前、受け取ってないのか?」

 

 勢の言葉を聞いて、俺は思い返す。そして、あの分厚い電話帳の事を思い出した。確か、IS学園に入学する前に送られてきた物だった。新生活に向けて部屋の掃除をしていたときに、邪魔だから捨ててしまった。

 

「もしかして、それって電話帳みたいに分厚い本、とか?」

「あっちゃー」

 

 間違っていてほしいと思いつつ、恐る恐る聞いてみた。神立は顔に手を当てて、天を仰いだ。

 

「やばい、千冬姉に怒られる……。神立、俺に勉強を教えてくれ!」

「ん? まぁ、俺が教えても良いけどよ。俺も、そんなにISには詳しくないからな」

 

 お願いすると、勢は教えてくれると言ってくれた。ありがとう、とお礼を言おうとすると、勢はグイッと体を寄せてきた。うぉっ、何だ?

 

「でもせっかくなら、誰かクラスの女子に教えてもらおうぜ。それをキッカケにして、お前も俺と一緒に女子と付き合おう。一夏、お前は気になってる女子とか居ないか」

「え」

 

 話が突然変わって、勢がそんな事を小声で言ってくる。教室の中に居る女子たちに聞こえないようにしたのだろう。気になっている女子と言われて、何故か千冬姉の顔が頭に浮かんでいた。俺の身近に居た女性が彼女ぐらいだったからだろう。

 

 そういう事を聞いているのではないと理解しているし、俺は少し考え込んでから彼の質問に対する答えが決まった。

 

「気になっている女子は、居ないかなぁ……」

「マジかよ。こんなに美人な女性に囲まれて、その感性はヤバくないか……。お前もしかして、男が好きとか?」

 

 今まで、あまり異性を意識したことがなかった。勢の言うように、俺の感性は少しズレているのだろうか。

 

「お前、マジで……」

「い、いや! 俺は女性が好き、な、はず……」

 

 ちょっと考え込んでいたら、俺が何も答えないのが真実だと思ったのか勢が距離を離した。慌てて弁解する。だが自分で言っておきながら、あまり自信がなかった。今まで本当に気にしたことが無かったが、俺は女子が好きなのだろうか。声が徐々に小さくなる。

 

「まぁ、これから好きになっていこうぜ。気になる娘が出来たら教えてくれ。全力で応援するから」

「あ、ありがとう」

 

 勢が俺の肩をバンバンと叩いて、励ましてくれる。いいヤツだった。

 

「勢は、気になってる娘は居るの?」

「うーん。クラスの娘、全員美人だから全員とお付き合いしたいが。強いて言うなら、あの娘かな」

 

 逆に気になっている娘を聞いてみた。すると彼は、窓際に座る彼女を指差した。

 

「凛としていて、メチャクチャ美人だし俺の好みだ」

「へ、へぇ……」

 

 俺の幼馴染である篠ノ之箒だった。千冬姉も大好きだと口説いていたし、彼の好みが分かったような気がする。

 

「どうした?」

「いや、なんでも」

 

 勢が俺の顔を覗き込んできて、心配そうに聞いてくる。自分は、どんな表情をしていたのだろうか。その時、教室にチャイムの音が響き渡った。

 

「お。チャイムが鳴った。次の授業が始まるな。二時間目も頑張ろうぜ」

「おう」

 

 彼が後ろにある自分の席に戻っていくのを見送って、俺も次の授業を受ける準備を始めた。

 

 ちなみに二時間目の最中に、千冬姉にISの参考書を電話帳と間違え捨ててしまったことがバレてしまい、頭を出席簿で叩かれ怒られてしまった。

 

 ものすごく痛かった。勢は、先程の自己紹介中によくこれを耐えて千冬姉を口説いたものだと、改めて感心した。

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第03話 代表候補生

「ちょっと、よろしくて?」

「へっ?」

 

 ようやく二時間目が終わって、休み時間。また授業の内容が難しく、千冬姉には参考書を捨ててしまったことがバレて怒られた。少しでもすり減った精神を回復させようと、一時間目の休み時間と同じく机に突っ伏していた俺は、いきなり女子に声をかけられて素っ頓狂な声を漏らした。

 

 机の上に頭を置いたまま、視線を少しだけ上げる。

 

 話しかけてきた相手は金髪の鮮やかな、見た目は上品そうな女子だった。透き通ったキレイな瞳が、ややつり上がった状態で俺を睨んでいる。彼女は俺に怒っているようだが、何か怒らせるようなことをしてしまったのか。

 

「訊いてますか? お返事は?」

「え、あ、ああ。聞こえてるけど。俺になにか用?」

 

 俺は突っ伏していた机から顔を上げて答えると、目の前の女子はわざとらしく声を上げた。

 

「まあ! なんですの、そのお返事は。わたくしに話しかけられただけで光栄だというのに、それ相応の態度をとるべきではなくて?」

「……」

 

 正直、この手合は苦手だ。普段なら関わらないように距離を取るのだが、今は完全に俺をターゲットにロックオンしている。彼女からは逃げられない。誰か、助けてくれッ……!

 

「こんにちは、セシリアさん」

「なんですか? もうひとりの男性IS操縦者さん」

 

 会話に混ざってきたのは、勢だった。彼は、俺に絡んできた女子生徒の名前を呼んだ。知り合いなのだろうか。

 

「俺も、イギリスの代表候補生であるセシリアさんに挨拶しておこうと思って。さっきも自己紹介したが、俺の名前は神立勢。かっちゃんて呼んでくれ」

「ふん。こちらの男性は、多少の礼儀は知っているようですね」

 

 ふんぞり返って鼻を鳴らし、少しだけ満足げな表情のセシリアと呼ばれた女性。勢は、彼女を上手くあしらったようだ。やはり、女性の扱いに慣れているのか。

 

「ちょっと質問いいか?」

「ん?」

「なんですの?」

 

 会話する2人に、俺は手を上げて質問したいことがあるとアピールして聞いてみた。

 

「代表候補生って、何?」

「うわぁ」

「あ、あ、あ……」

 

 二人の会話に出てきた、代表候補生というのが何なのかが気になった。聞くは一時の恥聞かぬは一生の恥、というらしいし、思いっきり聞いてみた。すると呆れた声を漏らした勢。彼に、そんな反応をされる事を俺は聞いてしまったようだ。

 

「言葉の響きからなんとなく分かるが、どういうものなんだ」

「あなたっ、男性とはいえIS学園の生徒なのに、そんな事も知らないというの?」

 

 知らなかったけれど、何となく分かるからと少しだけ言い訳をする。国の代表の、候補生というものなんだろうと。でも、候補生で代表ではないから、そんなに偉くないのではないか。そんな事を考えている俺に、呆れた表情から凄い剣幕で詰め寄ってくるセシリア。

 

 知らないという恥をかいたから、とことん正直で行こう。

 

「おう。知らん」

「こいつ、何も知らない馬鹿なんで。すいません、ちゃんと教え込んどきます」

「あなた! この何も知らない野蛮人に、常識を叩き込んでおきなさいッ!」

 

 知らなかった俺の代わりに、勢が頭を下げて謝った。初対面の女性に、そんな事を言われる筋合いはないはずだが。肩を怒らせ、自分の席に戻っていく彼女の背中に文句を言おうとすると、勢の手で口が塞がれる。

 

「おい、バカ。むやみに刺激するなよ」

「いや、だって……」

 

 あそこまで言われて、黙ったままでは男らしくない。

 

「知らないのは、お前が悪い。威張ることじゃないぞ」

「それは、ごめん。だけど、あんなに責めることはないじゃないか」

 

 確かに知らないことは俺が悪かったと反省する。だけど、あそこまでキツイ言い方で責められるなんて。しかも、俺の代わりに勢が謝ってくれて。申し訳なかった。

 

「彼女は、アレで良いんだよ。可愛らしいじゃないか」

「どこが?」

 

 勢の言葉に愕然とする。アレが可愛い? 一体、どこが。

 

「ああいうプライドの高い娘は、崩れるのが可愛くてエロいんじゃないか」

「え、えろ?」

 

 俺には、よく理解できないような価値観だった。

 

「ああいう娘は好きじゃないのか?」

「うん。嫌いというか、苦手だね」

 

 今まで自分の好みは意識してこなかったけれど、ああいう女性が好みでないことは確かだった。

 

「なるほど。一夏は、エムでも無いということか」

「えむ?」

 

 会話に、よく分からない単語が出てきた。どうやら俺は、自分で思っている以上に物を知らないようだった。それは、反省しなければならないことだろう。

 

 

 

 それから俺は、勢に代表候補生というものが何なのかを教えてもらった。そして、俺に突っかかってきたセシリア・オルコットという女性がイギリスの代表候補生であり、IS学園の入試主席でもある優秀な人物であるということを教えてくれた。

 

「勢、なんでそんなに詳しいの?」

「気になった娘だからな。調べておいたんだ。と言っても、全てネットで検索して仕入れた情報だけどね」

 

 そう言って、勢はスマートフォンを掲げて事情を説明してくれる。勢は、あんな女性も好きなのか。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第04話 クラス代表

 キーンコーンカーンコーン。

 

 休憩時間が終わって三時間目開始のチャイムが鳴った。もうヘトヘトで眠気すら感じていたが、ちゃんと寝ないで授業を受けないといけない。ただでさえ今も授業内容が理解できないというのに、ここで寝てしまえば更に置いていかれるから。

 

「この時間は、実践で使用する各種装備の特性について説明していく」

 

 一、二時間目とは違い、俺の目の前にある教壇には山田先生でなく千冬姉が立っていた。これはますます授業中の居眠りは出来ない。居眠りするつもりはないが。

 

「その前に、再来週に行われるクラス対抗戦に出る代表者を決めないといけない」

 

 千冬姉は席についている生徒たちを見回しつつ、そんな事を言った。クラス対抗戦? 代表者?

 授業の前に、何かを決めるようだ。これから、それについての話し合いが始まるのかな。

 

「クラス代表者とは、そのままの意味だ。各クラスで代表となる生徒を一名選出して、対抗戦ではクラス代表者がISで模擬戦をする」

 

 目の前に座る俺が疑問の表情を浮かべているのを見たのか、千冬姉は話を続けてクラス対抗戦についての説明をしてくれた。

 

「クラス代表者は一度決めると、これから一年間変更を認めないから、そのつもりで」

 

 ザワザワと教室内が色めき立つ。このクラスは、一体誰が代表者になるのだろうか。そんな風に他人事のように俺は無関係を装っていた。だが。

 

「はいっ! 私は、織斑一夏くんを推薦します!」

「はぁ!?」

 

 名前を呼ばれて、思わず大声を上げて席から立ち上がってしまった。

 

「うるさいぞ織斑、席につけ。話し合いの邪魔だ」

「は、はい……」

 

 そんな俺を、バッサリと切り捨てる千冬姉。素直に席について、静かにする。しかし、なんで俺なんかを推薦するのだろうか。意味が分からなかった。やはり、少ない男子だから、ということなのだろうか。ならば。

 

「私は、神立くんを推薦します!」

 

 女子生徒の1人が、勢の名前を出してクラス代表に推薦した。よしっ、俺だけではなかったぞ。勢の名前が挙がった瞬間に俺は声に出さず、心のなかで喜んだ。

 

 このクラスには俺以外にもうひとり男子生徒が居る。勢には申し訳ないが、一緒に巻き込まれてくれて助かった。そして、俺なんかよりも彼のほうがよっぽどクラス代表に相応しいと思う。

 

 このままウチのクラス代表は、勢で決まってくれ。俺は、そう強く願う。

 

「ちょっと、待って下さい! 納得がいきませんわ!」

 

 バンっと机を叩いて女子生徒の1人が立ち上がった。議論していた女子たちの言葉が、ピタッと止まる。教室内に緊張が走った。

 

「そのような選出、わたくしは認めません! 大体、男がクラス代表だなんて恥さらしですわ! わたくしに、このセシリア・オルコットにそのような屈辱を一年間も味わえとおっしゃるのですか!?」

 

 1人でヒートアップして、そんな主張を述べる彼女。千冬姉は、そんな彼女に冷ややかな視線を向けていた。怖っ。

 

 しかしセシリアは、そんな視線を向けられていることに気付かず、更に語り続ける。

 

「実力からいけば、わたくしがクラス代表になるのは必然のはず。それを物珍しいからという理由で極東の猿をクラスの代表に据えるだなんて、もってのほかです。わたくしは、このような島国にまでIS技術を学びに来ているのであって、サーカスをする気は毛頭ございません!」

 

 気持ちよさそうに吐き出す彼女の主張を聞いていると、流石に頭にきた。

 

「いいですか、皆さん。クラス代表は実力トップがなるべきです。そしてそれは、わたくしですわ!」

 

 彼女は、何も見えていない。

 

「大体、文化としても後進的な国まで来て、このような場所で暮らさなければならないこと自体、わたくしにとっては耐え難い苦痛ッ!」

「そんな事を言ってるイギリスだって、大したお国自慢も無いんじゃないかな。世界一まずい料理で何年、覇者をしてるのやら」

 

 小さくつぶやいたつもりだったが、思った以上に教室内に俺の声が響いた。もちろん、彼女の耳にも届いてしまっただろう。

 

「な、んですって……!?」

 

 熱く語っていた彼女の声が止まり、震える。千冬姉の視線も、チラリと俺の方へと向けられた。勘弁してくれよ。

 

「あっ、あっ、あなたねえ! わたくしの祖国を侮辱しますの!?」

 

 振り返って彼女の顔を見なくても分かるぐらいに、セシリアが激怒していることを理解できた。このまま前を向いたまま、彼女と俺は無関係だと装うことは出来ないかな。

 

「決闘ですわ!」

 

 バンッと机を強く叩く音。俺の背中にパサッと何かが当たった。振り返り、地面に落ちたソレを拾い上げる。白手袋だった。これって、どこかの国の決闘を申し込む正式な方法だったっけかな。そして、手袋を拾うと受諾するという意思表示になるはず。やべっ、拾っちまった。

 

 まぁでも、事ここに至って逃げ出すという選択肢はないか。

 

「いいぜ。四の五の言わずに実力で決着をつけようじゃないか」

「言っておきますけど、わざと負けたりしたら、わたくしの小間使い、いえ、奴隷にするわよ」

 

「男を侮るなよ。真剣勝負で手を抜くほど、俺は腐っちゃいない」

「決まりですわ。イギリス代表候補性であるこのわたしく、セシリア・オルコットの実力を示せるまたとない機会ですわね!」

 

 そんな流れで俺は、セシリア・オルコットと決闘をすることになった。

 

 

 

「無関係を装っている、あなたも! わたくしと勝負しなさい!」

「うん、奴隷か……これは良いぞ。その勝負、引き受けた!」

 

 そして俺だけではなく、勢も巻き込まれるようにして彼女と勝負することになった。友人である彼にまた、迷惑をかけてしまったかもしれない。でも、あそこまで男や日本のことをバカにされたなら、彼も俺と同じような気持ちを抱いているはずだ。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第05話 部屋割り

「うぅ……」

 

 放課後、疲れ切った俺は机の上でぐったりとうなだれていた。

 

「授業、理解できなかったなぁ。……ややこしすぎるだろ」

 

 とにかく専門用語の羅列が連続して、文章を理解するのに時間が掛かった。本当は入学する前に、それぞれの用語を覚えておかないといけなかったのだろう。

 

「大丈夫か?」

「無理」

 

 勢が声をかけてきてくれたので、短く返事する。今の俺の様子を見たら、察してくれるだろう。

 

「真耶先生が呼んでるみたいだぞ。立てるか?」

「山田先生が? うん。もう少し、頑張ってみるよ」

 

 山田先生が俺に、なにか用事があるらしい。彼に手を引かれて、なんとか力を振り絞り椅子から立ち上がる。

 

「大丈夫ですか?」

「なんとか」

 

 いつの間にか、近くに立っていた山田先生にも心配されてしまった。

 

「俺、山田先生に呼ばれてました?」

「えっとですね、寮の部屋が決まりました」

 

 今朝の自己紹介の時と同じように、もしかしたら山田先生の声をまた無視してしまったのかも。そう思って、聞いてみたら寮の部屋の話らしい。

 

「あれ? でも俺の部屋、まだ決まって無いんじゃなかったですか? 昨日の晩に聞いた話だと、一週間ぐらいは自宅から通学してもらうって話でしたが」

「直前までは、そうだったんですが事情が事情なので、特例として部屋割りを再調整したんです。そのあたりのことって政府から何か聞いてますか?」

 

 特に何も話は聞いていなかった。だから俺は首を横に振って否定すると、山田先生は不安そうな表情を浮かべたまま、俺の顔を見つけてきた。

 

「とにかく、そういうわけで政府からの特命があって寮に入れるように再調整したようですね。一ヶ月もすれば、個室のほうが用意できますから、しばらくは相部屋で我慢して下さい」

「……え? あの、山田先生。勢と相部屋、ということですか?」

 

 寮での生活は個室が用意されていると聞いていたが、誰かと相部屋になったらしい。勢に視線を向けると、彼は首を横に振っていた。え、違うのか。

 

「いえ、違います。相手は別の方です」

「女子と相部屋か。羨ましいな」

「え?」

 

 詳しく話を聞いてみると、勢とは別の生徒との相部屋に入れられたらしい。このISの学園には、男子生徒が2人しか居ない。俺と勢の2人だけだ。ということは。

 

「それじゃあ勢、部屋、代わるか?」

「代わってくれるのか?」

 

 俺が部屋の交換を提案してみると、彼は目を輝かせて喜んだ。俺は個室が良いし、勢は誰かとの相部屋が良いらしい。だから部屋を交換するのがお互いにとってウィンウィンとなる提案だった。

 

「だ、駄目ですよ。勝手に部屋を入れ替えたら、私が怒られちゃいますよ!」

 

 それなのに、涙目で体を寄せてきて抗議してくる山田先生。フニっと、俺の腕に柔らかな感触が当たった。変なところを触らないように、俺は思わずのけぞって避ける。

 

「えー、固いなぁ真耶先生は。まぁ、俺が一夏の美味しいところを奪うわけにはいかないから部屋の交換は止めておこうか」

「そうして下さい」

 

 部屋の交換は止めておこうということになって、ほっと安心する山田先生。ということで、結局俺の部屋は見知らぬ誰かとの相部屋ということに決定した。

 

「そういえば、荷物って」

「私が手配しておいてやった。ありがたく思え」

 

 この声は。聞こえてきた方へ視線を向けると、俺の予想していた人物がそこに立っていた。

 

「ありがとう、千冬姉」

「えぇ!? 千冬先生と姉弟だったのか、一夏」

 

 そういえば、まだちゃんと俺と千冬姉との関係を彼には言ってなかったか。今になって姉弟関係だと知った勢は驚きながら、俺と千冬姉の顔を交互に見ていた。

 

「うん。俺の姉である、千冬姉」

「すげえ美人の姉ちゃんだな、一夏。羨ましいやつ!」

「……」

 

 ムスッとした表情で黙り込む千冬姉。彼女が俺の姉だと知った後も彼は、口説くことを止めようとはしなかった。

 

「ところで、これから夕食とか一緒にどうですか千冬さん?」

「……私はこれから仕事があるから駄目だ。お前たちは、さっさと寮にある自分の部屋に行って、荷解きでもして部屋の掃除でもしてろ」

 

 果敢にも夕食を一緒にどうかと誘おうとする勢を、軽くあしらって千冬姉は去っていった。部屋の整理整頓なんて出来ない千冬姉が、人に対して部屋をキレイにしろと忠告しているのが可笑しくて、思わず笑ってしまいそうになった。なんとか堪えたけど。

 

「真耶先生も忙しいんですか?」

「いいえ、私はコレで今日の仕事は終わりました」

 

 去っていった千冬姉を名残惜しそうに見つめた後、今度は山田先生に予定を聞く勢。彼女は仕事が終わったと言いながら、俺たちに寮の部屋の鍵を渡してくれた。

 

「それじゃあ、俺と一緒に夕食でもどうですか? ついでに、寮の部屋まで案内してくれると助かります」

「お断りですよー。織斑先生よりも先に、私を誘ってくれたなら一緒に行ってあげたのになぁー」

 

 めげずに食事に誘う勢だったが、笑顔を浮かべた山田先生からバッサリと断られていた。

 

 なんで、千冬姉よりも先に誘ったら一緒に行っていたのかが俺にはよく分からなかったが、駄目みたいだった。俺なら、放課後は暇だし一緒に食べに行けるんだが。後で俺から、夕食に行こうと彼を誘ってみようか。

 

「でも、部屋の案内はしてあげます」

「ありがとう、真耶先生!」

「俺もお願いします」

 

 ということで俺たちは、山田先生に案内されながら寮の部屋まで一緒に向かった。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第06話 ルームメイト

「1025号室。ここが、織斑一夏くんの部屋ですね」

「案内してくれて、ありがとうございました」

 

 俺がお礼を言うと、ニッコリと笑う山田先生。その親しみやすい笑顔を見ていると、先生というよりも同世代の学生友達のように感じた。

 

「それじゃあ、次は神立くんの部屋に案内しますね」

「じゃあな、一夏。疲れているようだから、ゆっくり休めよ」

「おう。そっちも」

 

 手を振って俺は二人と別れた。それじゃあ、これから生活する部屋の中を確認してみようかな。ルンルン気分で鍵を差し込み、扉を開けた。

 

 部屋の中に入ると、まず目に入ったのがサイズ大きめのベッド。それが2つ並んで置いてある。そこいらのビジネスホテルよりも、遥かに豪華で良い感じだった。

 

「うー、つかれた……」

 

 早速、ベッドの上に飛び込んだ。丁度いいフィット感のマットレスと、暖か羽毛布団。このまま目を閉じていれば、数秒で眠りに落ちそう。今日から俺は、ここに住むことになるのか。これから先の生活を思い描きながら、ベッドの上でゆっくりする。あー、落ち着く。

 

「誰か居るのか?」

 

 眠気でぼんやりしていると、奥の方から女の子の声が聞こえてきたような気がした。

 

「えー?」

「あぁ、同室になった者か。これから一年、よろしく頼む」

 

 非常に眠い状態で、判断力が低下しているのを自覚する。だが気持ちよすぎて、ベッドの上から起き上がれない。いや、起きなければマズイことに……。

 

「こんな格好ですまない。シャワーを使っていたんだ。私の名は篠ノ之……」

「あー、えっと。ほ、箒……?」

 

 ベッドの上で、腕の力で上体を起こした姿勢で女性を迎える。ルームメイトとなる女性は、俺の知り合い。部屋の奥にあるシャワー室からバスタオルを体に巻いて出てきたのは、同じクラスになった幼馴染の篠ノ之箒だった。

 

 直前まで寝る寸前だった眠気は、一気に覚めた。

 

「な、な、な……」

 

 タオルを抑える彼女の手が怒りに震えていた。慌てている箒を見て、逆に冷静になっていく俺。

 

「い、いちか……?」

「お、おう。久しぶり……?」

 

 彼女も俺のことを覚えてくれていたらしい。こんな状況だが、彼女が俺を覚えていてくれたことが少し嬉しい。

 

「っ!? み、みるな!」

「あ、悪い」

 

 そんなにジロジロ見つめたつもりはないが、指摘されたので慌てて彼女の顔から視線を外した。明後日の方向を向いて、彼女の体を視界に収めないように注意する。

 

「な、な、なぜ、ここに、お、お前が居る? わ、私のルームメイトを、どうした!?」

「いや、俺もこの部屋に住むことになったんだけど」

 

 部屋割りの再調整に不備があったのだろう。ルームメイトになる予定の彼女は、俺のことを把握していなかったらしい。

 

「この部屋から、出ていけ!」

「え、危ないっ、うおおっ!?」

 

 そして俺は、木刀を振り回して危ない篠ノ之箒に部屋から追い出されてしまった。廊下に出て、どうしようかと立ち尽くす。

 

 

 

「……どうしよう」

「あっ、織斑くん。こんなところで、どうしたの?」

 

 今の俺の素直な気持ちが、そのまま口から漏れていた。そんな俺の様子を見て、女子生徒が声をかけてきた。向こうは俺のことを知っているようだが、俺は彼女の名前が分からなかった。多分、同じクラスになった女子生徒だと思うが。

 

「あ、いやぁ、ルームメイトに追い出されてさ」

「ここが織斑くんの部屋?」

 

 興味を持った彼女に、部屋から追い出された俺の状況を説明する。

 

「男だからってルームメイトを部屋から追い出すなんて、ひどい人だね! 私が代わりに文句を言ってあげるよ!」

 

 俺の代わりに、箒を説得すると言ってくれる。助けてくれようとしてくれるのは有り難いが。

 

「それは……、うーん。やっぱり仕方ないかな。俺が悪いよ」

「どうして!?」

 

 信じられない、というような顔を向けられる。今回の状況は、俺が悪いと自分で分かったから。

 

「風呂上りの姿を見ちゃったからなぁ……」

「……え? い、いま、なんて?」

 

「事故なんだけど、彼女が風呂上がりにバッタリと出会っちゃったんだよね」

「そ、そっかー! それは織斑くんが悪いね。それなら、しばらくは部屋の前で待つよりも離れてあげたほうが良いかもね」

 

 次の瞬間には、俺を見る彼女の目が変わっていた。そんな、犯罪者を見るような目を向けられる覚えはないが。でも、事故とはいえバスタオル姿を見てしまった俺が悪いのだから、そんな視線も甘んじて受けよう。

 

「そうかな?」

「うん。私だったら、そんな姿を見られたなら近くにいると思うだけで鳥肌が立っちゃう」

 

 彼女のアドバイスで部屋の前から離れたほうが良いと判断した俺は、寮の中を見学しながら歩き回ることにした。

 

 

 

 1人で、1時間ほど寮の中や周辺を歩き回ってみた。もう寮の構造はバッチリ把握したかなぁ。これで迷わないだろう。そろそろ、ほとぼりが冷めて箒に許してもらえるようになったかな。

 

 一度、自分の部屋に戻ってきて確認してみる。

 

「おーい、箒」

「……」

 

 中から人の気配がする。呼びかけてみたが、彼女からの返事はない。呼びかけた後、ドアノブを回してみたけれど当然のように部屋の扉は開かない。俺の持っていた鍵は部屋の中にあるために、俺はこの扉を開けることが出来なかった。まだ、駄目なのか。

 

「ちょっとお腹が減ってきたからさ、食堂の方に行ってくるよ。箒も一緒に行かない?」

「……」

 

 勢を見習って、女性をスマートに食事に誘ってみたけれど駄目だった。そういえば、彼も食事に誘って断られていたっけ。この方法は駄目か。

 

「じゃあ、ちょっと1人で行ってくるよ」

「……」

 

 扉を開けてもらえそうにないので、再び部屋から離れる。あそこは、これから俺が住む部屋なのになぁ……。

 

 

 

「あ、そうだ。勢の奴も誘ってみようかな」

 

 一緒に食堂へ行こうと誘うために、勢の部屋まで行ってみることにした。先程、寮の中を歩き回ったので彼の部屋がある場所も、しっかりと把握していた。

 

「ぁ……っ……、ぃぃ……」

 

 ここが、勢の部屋のはずだけど。中から女性の声のようなものが聞こえるような気がする。部屋の番号は間違っていないはずだし、俺の聞き間違いだろうか。とりあえず、確認してみるか。

 

「勢、いるー?」

 

 ドアをノックして、部屋の中に呼びかけてみる。すると、彼はすぐに扉を開き部屋の中から出てきた。

 

「一夏か。どうした?」

 

 満面の笑みを浮かべて部屋の中から出てきた勢は、何故か腰にタオルを巻いただけの裸だった。

 

「一緒に夕食に行こうと思って誘いに来たんだけど、忙しかった?」

「うーん。実は、これから風呂に入ろうと思ってた」

 

 確かに彼は、汗だくだった。少し生臭い匂いも漂ってきている。これは、ちゃんと風呂に入ってキレイにしたほうが良いだろう。部屋の掃除で手間取っていたのかな。ちょうど、彼が服を脱いだ瞬間に俺が部屋に来てしまったらしい。今日の俺は、上手くタイミングが合わないようだ。

 

「そっか、分かった。じゃあ今日は、1人で食堂に行ってみるよ」

 

 彼が風呂から上がるのを待つことも考えたが、俺の腹は猛烈に減っているので今日は先に1人で食べに行くことにした。

 

「すまんな、一夏。寂しかったら、そこらにいる女子に声をかけてみたらいいぞ」

「うん、分かった」

 

 彼なりのジョークなのだろう。もちろんナンパなんてするつもりはないが、笑顔を浮かべながら分かったと答えておく。

 

「じゃあな」

「うん。それじゃあ」

 

 そして俺は、新しい生活がスタートした初日の夕食を1人で寂しく、食べに行くことにした。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第07話 友人からの応援メール

 一人で食事した後、部屋に戻ってくるとようやく箒は許してくれたのか、扉が開いて部屋の中に入れてもらえた。

 

「ごめん」

「……」

 

 しかし、箒は俺と会話をするつもりは無いようで話しかけても彼女から返事は無い。二人の間に会話は無いまま、時間が流れていく。ついに、寝る時間になるまで一言も交わすことはなかった。

 

 気まずい雰囲気の中、ようやく大変だった1日が終わって眠れる。

 

「……」

「……」

 

 部屋を明かりを消し、暗くしてから俺たち2人はそれぞれのベッドの中に入る。もう眠る準備は万端だ。朝から難しい授業の数々を受けて、疲れ果てたはずだった。なのに俺は今、全く眠れそうになかった。体はメチャクチャ疲れているというのに、目を閉じても眠れない。どうしよう。

 

 どれくらい時間が経ったのか。時間感覚が曖昧になるまで真っ暗闇の天井を見つめ続けたけれど一向に眠れない。横から、寝息が聞こえてきた。箒は先に寝てしまったようだ。俺も、彼女のようにすぐに寝たいのだが。

 

 机の上に置いてあったスマートフォンが、うるさく振動した。すぐに取る。こんな時間に、一体誰からだろう。

 

『部屋から追い出されたって聞いたけど、大丈夫?』

 

 スマートフォンに送られてきたのはメール。送り主は、勢だった。彼は誰かに俺の状況を聞いたらしい。そして心配して、わざわざメールを送ってきてくれたようだ。

 

『ちゃんと許してもらって、部屋の中には入れた。今はベッドの中。眠れない』

 

 俺の今の状況を彼にメールで返信する。仲良くなったばかりだというのに、自分の悩みを自然と打ち明けることが出来た。今も眠れないことを彼にメールで相談する。

 

 すぐにメールで返事があった。

 

『部屋に入れたようで良かったよ。眠れない貴方に、プレゼントを送るよ。チョット待ってて』

 

 どうしたのか。プレゼントとは何だろう。チョット待っててとは、どれくらいなのか。

 

 しばらく期待しながら待ってると、勢からメールが送られてきた。

 

『これでも見て、一発抜いたらぐっすり眠れるさ。おやすみ』

 

 動画付きのメールが送られてきた。何だろう。再生してみる。

 

「んっ、あっ、んおっ」

 パン! パン! パン!

 

「うわっ!?」

 

 思わずスマートフォンを落としてしまった。慌てて拾って、再生されていた動画を止める。俺の背中に冷や汗が流れる。イヤラシイ女性の声と、肉を打つ音は止まって静かになった。

 

「……ん……すーっ……」

 

 隣で寝ている箒が起きなくて、本当に良かった。こんなのを見ているのがバレたら、俺は絶対に怒られてしまう。以前、五反田という旧友にエロい動画を見せてもらったことがあったけれども、千冬姉にバレて死ぬほど怒られたのが俺のトラウマだった。

 

 それ以来、なるべくこんな動画を見ないように避けてきたというのに。

 

 エロ動画を送ってきた勢は、一体どういうつもりなのだろうか。彼の善意、だとは思うが。

 

「んー……」

 

 スマートフォンを枕元において、再び俺は眠りに入ろうと努力する。だがしかし目を閉じても、あの一瞬で目に飛び込んできた肌色が目に焼き付いて消えない。それでますます、眠気が消え失せていった。

 

「ちょっとだけ」

 

 枕元に置いたスマートフォンを再び手に取り、ボリュームを最大限まで落としてから、なんとか音が聞こえる程度に抑えた。隣のベッドで寝ている箒に注意しながら、勢から送られてきた動画を再生してみる。

 

「おッ! んあっ!? おおッ!!」

 パン! バンッ! バブッ!

 

 若い男がベッドの上で、女性のお尻に激しく腰を打ち付けている映像。緑の髪の女性が全裸になって、背中とお尻が丸見えだった。まるで自分が、その女性のお尻に腰を打ち付けているような感覚に陥る視点である。

 

 女性は肌色のキレイな背中だけしか見えないし、男の方も下半身しか見えない。男女どちらも顔が見えないようになっている。けれども、女性の下半身と男性の下半身が密着しているのだけは、よく見えた。

 

「こ、これがセックス……」

 

 俺は、この映像で初めてじっくりと男女の交わりを見た気がする。女性の背中からお尻にまで、玉のような汗が浮かんで流れ落ちていく。ここまで鮮明に、ハッキリと細部まで女性の裸を見たことは無かった。

 

「これって、無修正ってやつか」

 

 女性のお尻が弾み、その間にチラチラとシワのある穴が見えた。その下に男性の性器が丸見えのまま、出たり入ったりしているのが見えている。モザイクが無い。旧友の五反田が、必死になって手に入れようと躍起になっていたモザイク無しの映像。勢は、こんな動画をどこで手に入れたのだろうか。

 

「ああッ! んあっ! やぁぁ !ひゃん!」

 

 結合部が白く泡立っていて、パンパンと男の腰が女性の大きなお尻の肉を打つ音がリズミカルに響く。

 

 

 映像を見ていた俺は、股間がムズムズとしているのを感じた。履いていたパンツを脱いでから、少し大きくなったおちんちんを親指と人差指でつまみ、先っぽをつまんだりイジったりする。

 

「う」

 

 時々、痛みを感じるが触るのに慣れてきた。これが、オナニーってやつだろう。今まで、何回か射精もしたことがある。あの時の気持ちよさを思い出しながら、動画の男の腰の動きに合わせて、俺は自分のおちんちんをイジる。

 

「ゃぁん! あん! ひぎぃ!?」

「うわっ。すげえ気持ちいい」

 

 自分のおちんちんと比べてみると、動画に映るおちんちんのサイズは天と地ほどの差があった。やっぱり、こういう動画に出演する男性は、性器のサイズが大きいのだろう。普通はどのくらいのサイズなのかな。そんな疑問を抱きつつ、自分のおちんちんをイジる。

 

 まるで自分が、その女性とセックスしているようにイメージをして腰も振ってみる。乗っているベッドが、ギシギシと音を鳴らした。あまり音を大きくすると、箒が目を覚ましてしまう。

 

「あっ」

 

 唐突に気持ちよさが限界に達して、ピュッと、おちんちんの先から白い液体が漏れ出た。

 

「うわっ、汚しちゃった」

 

 せっかくIS学園が用意してくれた、ベッドのシーツを汚してしまった。俺は動画を停止すると、急いでティッシュを持ってきて、シーツの上に飛ばしてしまった白濁した液体を拭き取った。

 

 これが一発抜く、というやつなのかな。確かに、モヤモヤしていたものが消えて眠れそうな気がする。勢が送ってくれた動画のおかげだった。

 

 彼に感謝の念を送りつつ、その日は気持ちよく眠ることができた。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第08話 ★初めての真耶

 彼を寮の部屋に案内すれば、それで1日は終わりのはずだった。だが真耶の予想に反して、その日は夜から始まった。

 

 気が付けば彼に腰を抱かれて、気が付けば彼の部屋の中に連れ込まれて、気が付けば着ていた服を全て脱がされ裸にされて、気が付けば処女を失っていた。

 

 

 

「あー、気持ちいいなぁ」

「はっ、あっ、も、もうっ、やめでっ……いぐっ、またいぎますぅう……」

 

 勢は一時間ほどずっと真耶の体をがっちり抱きしめて、縦横無尽に膣を蹂躙しまくった。そして容赦なく、彼女の中に射精を繰り返す。

 

「いいよぉ、高速ピストン止めないから一緒に気持ちよくなろうよ」

「だっ、めぇぇっ! はぁっっっ」

 

 うつ伏せになった真耶の上に勢が覆いかぶさっていた。腰をヘコヘコと動かし真耶の熱い肉壺にチンポを突っ込んで、トロトロで熱い愛液をこね回すように動かした。

 

「ほら、もう一発」

「ひいっ……ひぃぃい……ッ、ぁああ……それ駄目なんです……休っ……休ませてくださいっ……おねがい……!」

 

 懇願する真耶を無視して、勢は腰を止めずに最高の快楽を得ていた。

 

「あぁ、気持ちいいなぁ。真耶ちゃんで中出し射精するの、最高に気持ちいいよ」

「あっ、あっ、ああっ……」

 

 真耶の膣が満杯になるまで精液を吐き出した後、最後まで腰をゆっくり動かしつつ彼女の気持ちいい部分を刺激し続けた勢。

 

「真耶ちゃん、気持ちいい? ここは気持ちいいよね?」

「はっ……、はひぃい……、きもひ、いいれすぅ……」

 

 体をビクビクと痙攣させながら、ろれつが回らないのに感想を求められて呆然としながらも勢の質問に答える。

 

「ふぅ。気持ちよかった」

 

 ヌプリと真耶の中からチンポを引く抜くと、勢は真耶の目の前に精液と愛液で濡れたソレを差し出す。

 

「舐めて、キレイにしてくれる?」

「は、はひ……」

 

 真耶は快楽に浸かってグッタリとした体を頑張って動かし、パクっとチンポを口の中に咥える。

 

「おぉ、こっちも気持ちいいなぁ。ちょっと一発」

「んぷっ!?」

 

 突然、口内に射精された真耶だったが、勢の精液を全て飲み込もうと頑張る。彼女の胃の中に、白濁した液が流れ込んでいく。

 

「おー、ありがとうね」

「はい……!」

 

 チンポをキレイにしたご褒美に、勢が真耶の頭を優しく撫でた。それだけで、彼女の全身に幸せが広がる。今までに感じたことのない幸福感に包まれる真耶。

 

「チョット休憩。お風呂でも入る?」

「あんっ……だ、だめっ……ぅぅ……」

 

 仰向けに寝転ぶ真耶の巨大なおっぱいを揉みながら、休憩しようと提案する勢。

 

 その時、部屋にノックの音が響いた。

 

「誰か来たのかな。チョット待っててね、真耶ちゃん」

「……ぁ……ぁ」

 

 

 

 それから更に数時間後。セックスと休憩を繰り返しながら、まだまだ勢は真耶の体を楽しんでいた。

 

 少し前に、勢は外へ飲み物を買いに行ったときクラスメートの女子生徒に出会い、一夏の現状を聞いた。その後どうなったのか気になって、真耶にチンポを突っ込みながら一夏にメールを送って確認する。

 

 どうやら無事に部屋の中には入れたようだが、眠れないようだ。今日は色々とイベントがあり、彼も疲れているはず。なのに眠れないということは、性欲がムラムラなのだろう!

 

 そう考えた勢は、左手は真耶の腰を掴みながら右手でスマートフォンの操作を始めた。それから撮影アプリを起動する。

 

「ねぇねぇ真耶ちゃん、動画撮っていい?」

「え? だ、だめです!」

 

 真耶が撮影を拒否した瞬間、勢は腰を止めてオマンコからチンポを引き抜いた。

 

「あ」

 

 熱く滾った肉棒が、オマンコの中から引き抜かれて喪失感を覚える真耶。すで、彼のチンポが挿入されていないと寂しさを感じるレベルで、肉棒の形を覚え込まされていた。

 

「撮影の許可をくれないと、今日のセックスはこれで止めちゃおうかな」

 

 真耶の割れ目に亀頭をピトッと押し付けながら、焦らす勢。腰をくねくねさせて、なんとかオマンコの寂しさを埋めるためにチンコを挿入しようと頑張る彼女だったが、勢も腰を引いて挿入させない。勢は友人のためにも必死に努力した。

 

「あ」

「撮っちゃ駄目?」

 

 真耶の瞳を覗き込み、勢は優しい声で聞く。

 

「でも、流出とかしたら」

「友達に送るだけだからさ、大丈夫だよ」

 

 それでも不安そうな表情を浮かべて、撮影を怖がる真耶。

 

「うー、でもデータで残ってたら……」

「顔は映さないから」

 

 引き下がらない勢。どうしても彼女とのセックスする様子を撮影したくなった。

 

「うぅ、気持ちよくなりたい。切ないよぉ」

「じゃあ、撮影していい?」

 

 ベッドの上で仰向けになり、M字開脚であられもない姿を晒す真耶。自分の指でいじろうとする彼女の手を捕まえて、自慰も許さずに撮影の許可をねだる。我慢できずに、うん、と小さく頷いた真耶。

 

「やったー」

「キャッ!?」

 

 真耶の体を抱えて、クルリとうつ伏せにさせる。そのまま、濡れた真耶のオマンコにチンポを容赦なく挿入する。パンと大きく、肉を打つ音が部屋の中に響き渡った。

 

「アヒィッ!?」

「あー、真耶ちゃんのオマンコは気持ちいいなぁ」

 

 彼女のオマンコを堪能しながら、スマートフォンで撮影を開始する。

 

「……」

「んっ、……っ! っぁんッッッ!」

 

 片手でブレないように支えながら、ハメ撮りするのは難しいなぁ、と改めて思いながら腰を動かす。一夏のために、余計な男の声は聞かせないように配慮しつつ真耶とのセックスを撮影し続けた。

 

(喜んでくれるかなぁ)

 

 友人のために、頑張って真耶を喘がせよう。

 

「んっ、あっ、んおっ」

 

 撮影していることを知った真耶は、せめて自分の喘ぎ声を聞かれないように抑えようと努力したが無駄だった。短時間で全て知りつくされた真耶の弱点が、次々と勢のチンポで責められる。そうなると、もう声を抑えることは出来ない。

 

 真耶は無意識のうちに喘ぎ声が漏れて、快楽の波に飲み込まれていく。

 

「よし、こんなもんで良いか」

「あっ……あっ……」

 

 撮影した映像を友人にメールで送った。これで元気になり、性欲も解消して眠れるようになるだろう。それでも駄目だったら、ここに呼んで一緒に彼女の体を楽しもうかと提案する予定も考えていた。

 

 

 

 友人のことは一旦置いて勢は、よだれを垂らしてイヤラシイ嬌声を発し続ける真耶に集中する。

 

「だ、だめ。壊れちゃう……」

「大丈夫。気持ちよくなるだけだから。全部任せて」

 

 勢は、真耶に挿入して自由奔放に腰を振り続ける。

 

「あ、……」

 

 そして夜が明けるまで、彼とのセックスは続いた。仰向けに倒れて白目をむき、オマンコから溢れ出てお尻に垂れる精液を拭き取る余力もなく気絶した真耶。

 

 初体験からとんでもない快楽で責め続けられた彼女は、その夜のセックスを大切な記憶として、一生忘れることはなかった。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第09話 朝食の時間

「本当に、ごめん」

「わかった、許す。だから、もう何も言うな」

 

 目を覚ましてからもう一度、誠意をもって箒に謝った。すると彼女は、ようやく会話を解禁して昨晩のことも許してくれた。本当に良かった。

 

「それじゃあ今日は、朝食を一緒に行ってくれるか?」

「……あぁ」

 

 昨晩は食事を一緒にと誘ってみたが扉も開けてもられず、無視されて駄目だった。だが今朝は、箒を誘ってみると眉をひそめて怒ったような表情を浮かべているが、朝食を一緒に行くのを了承してくれた。悪化していた関係は、なんとか修復できたようだ。

 

「じゃあ、行こうか」

「……」

 

 その直後、話しかけたら箒に無視された。本当に関係が修復出来たのかどうかが分からなくて、少し不安だったが大丈夫だろうと思うようにした。

 

 

 

「一夏!」

「勢、おはよう」

 

 食堂に到着すると、俺は名前を呼ばれた。すぐに勢の声だと分かったので、声のする方へと視線を向けながら返事をする。彼も朝食をとりに来ていたようだった。

 

「昨日はよく眠れたか?」

「うん。あの動画のおかげで眠れたよ」

 

 そう言うと、彼の横に立っていた人物がビクンと反応しているのに気付いた。

 

「あ、山田先生。おはようございます」

「お、おはようございます。織斑くん……」

 

 なんだか山田先生の声に元気がない。笑顔を浮かべて挨拶してくれたので、大丈夫だとは思うが。

 

「今朝は山田先生を誘うことに成功したんだな、勢」

「そういう一夏も、可愛い女の子を連れてるじゃないか。上手くやったな」

 

 俺と同じく、夕食を断られていた勢。だが朝食は誘うことに成功したようだ。それを指摘すると、やり返すように箒との関係をからかわれた。

 

「いや、彼女はルームメイトだよ」

「ん? そうなのか」

 

 キョトンとした表情で俺を見る勢。からかった訳じゃないのか。

 

「一夏! ぺちゃくちゃ喋ってないで、先にトレーを取りに行かないといけないぞ!」

 

 食堂に響くほどの大声で箒が俺に言う。周りの注目を浴びるから、もう少し声は小さい方が……。

 

「箒さん。他の人の迷惑になるから、声は控えめにね」

「むっ……。す、すまん」

 

 おぉ。勢が優しく注意すると、箒は素直に聞き入れた。彼女は意外と、話せば分かる女性だったのかもしれない。昔から俺は彼女に対して、頑固なイメージを抱いていたが、そのイメージはもしかすると勘違いだったのかな。

 

「一夏、授業に遅れるから早く料理を取りに行こう」

「うん、そうだね。急いで取ってくるよ」

「2人の席は空いてるから」

 

 若干ボリュームを下げて、俺を促してくる箒。彼女の言う通り、食事していて遅れてしまうと千冬姉に怒られてしまう。早く取りに行った方が良さそうだ。勢は席を確保してくれるらしいので、急いで料理を取りに行った。

 

 そして食事を受け取り、勢と山田先生が座る席に戻ってきて箒と横に並んで一緒に座ると、彼らと朝食をとった。

 

「勢くんも織斑くんも、朝からよく食べますね! さすが男の子です」

「逆に、真耶先生はそれだけで大丈夫なの?」

「それだけだと、昼までお腹が持たないでしょう?」

「いいえ。私は、これだけ食べれば大丈夫なんですよ」

 

 俺と勢は、山田先生や箒の食べている量と比べると確かに多いように見えるが、男性だったなら朝からこれぐらいは食べるのは普通だと思う。特に俺は、夜少なめで朝にたくさん食べるのが習慣だった。

 

「……」

 

 というか箒だけ会話に混ざらず、黙々と食べている。

 

 

 

 そんな感じで楽しく会話しながら朝の食事をしているとパンパンと手を叩く音が、食堂に響き渡った。

 

「いつまで食べている。食事は迅速に効率よくとれ! 遅刻したらグラウンドを十周させるぞ!」

 

 よく通る千冬姉の声が聞こえてきた。あの声は本気だ。遅れたらマジでグラウンドを走らされる。急がねばならない。そんな千冬姉が、俺たちの座っているテーブルに近づいてくる。思わず、体を縮こまらせて隠れようとしてしまった。

 

「千冬先生、おはようございます!」

「あ、ああ。神立か。それと、そこに居るのは山田先生」

「ハイっ!」

 

 だが勢は、千冬姉に元気よく朝の挨拶する。そして、見つかった山田先生が何故か慌てていた。

 

「山田先生、昨夜は遅くまで自分の部屋に戻らなかったようだが、どこをほっつき歩いていた?」

「ご、ごめんなさい……ちょっと……」

 

 うつむき、泣きそうな表情を浮かべている。そんな彼女にまいったのか、千冬姉はため息をつくと、こう言った。

 

「貴女もいい大人なので、外泊するのに許可は絶対に必要だとは言いません。けれど、寮長で同僚でもある私に一言ぐらいは連絡をしてほしいです」

「はい、すみません。以後気をつけます」

 

 千冬姉は、山田先生の行方が分からなくなって心配していたのかな。頭を下げて謝る山田先生に、苦虫を噛み潰したような表情を浮かべて黙り込んだ千冬姉。

 

「ところで、昨日は1人でどこに飲みに行っていたんです?」

「あ、いや……」

 

 千冬姉が尋ねるが、山田先生は曖昧に言葉を濁して本当のことを答えるつもりはないようだった。

 

「まぁ、いいです。仕事に行きましょう」

「はい」

 

 山田先生は、おっとりとした見た目の印象とは違って意外とヤンチャなのかもしれないな。あの千冬姉に睨まれ追求されたというのに、昨夜の行動も明かさなかったし思ったよりも意思が強い。

 

 千冬姉はもう一度、早く食事を済ませるようにと食堂に居るみんなに注意してから、山田先生を引き連れて去っていった。

 

「……織斑、神立。私は先に行くぞ」

「ん? ああ。また後でな」

「俺たちも、すぐに食べて行くから」

 

 そう言って、食事を済ませた箒も先に席を立って行ってしまう。テーブルには俺と勢の2人だけとなった。それから俺たちも授業に送れないように急いで食事を済ませてから、食堂から出た。

 

 あぁ今日も、朝から難しい授業が始まるのか。大変だなぁ。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第10話 救いの手

 数日経って、俺はずっとグロッキー状態だった。

 

(まずい……授業についていけない)

 

 自分なりの方法で、ISに関係するような単語の予習をした。そのおかげで、少しだけなら授業についていけたような気になれた。だけど、所詮は付け焼き刃でしかなかった。根本的に理解不能な箇所が多々ある。公式を理解していないから解けない、数学問題のようなものかな。

 

「うーん」

 

 初めてISに触れた時、それだけでISなんて簡単に動かせるものだと思ったのに。こうして教科書を読み込んでみると、本当に自分はISを動かせたのだろうか。そう疑いたくなるぐらいまで、俺はISの事を理解できなかった。

 

 授業を受けている最中、俺は腕を組んで教科書とにらみ合いを続けていた。IS基礎理論の授業を受け持つ山田先生は、優しく丁寧にISの基本的な知識を教えてくれていた。だけど俺は、その数歩手前の知識から学んでいく必要がありそうだった。つまり、根本から勉強していかないと今の授業を理解することは出来ないのだろう。でも、そうすると多くの時間が必要になる。

 

 数日後にはセシリア・オルコットとの決闘が控えているというのに、こんな状態で本当に大丈夫なのだろうか。もともとはクラス代表を決める戦いらしいが、それはどうでもいい。けれど、男の尊厳を守るために負けるわけにはいかない。というのに俺は今更になって、ようやく危機感を抱き始めていた。

 

 

 

 本当に、俺はISで戦って彼女に勝てるのだろうか。

 

 

 

 彼女の実力を俺は知らない。だけれど、たしか友人の勢から国の代表候補生であるというような話を聞いていた。それなりに、彼女が強いということを覚悟しておく必要がある。

 

 ならば決闘の日を迎えるまで使えるに時間を全て使い切り、ISについて真剣に学ばなければいけない。その努力が無ければセシリア・オルコットに負けてしまうだろうな。そのためにはやはり、ISについて教えてくれる先生を探さねばならない。

 

 箒にISの事について教えてくれと、お願いしてみようかな。彼女の姉を思い浮かべて、箒ならISについて詳しいだろうと思った俺は、早速行動に移ろうと考えていた。だが行動しようとする前に思わぬところから、俺を助けてくる人はやってきた。

 

「まだ教室にいたのか、一夏」

「あ、勢。どうした?」

 

 気が付けば、夕暮れ時になっていて教室には俺1人しか居なかったようだ。そんなポツンとしていた教室の中に、友人の勢が入ってくる。

 

「授業が終わって帰ったのかと思ったら寮には居ないし、もう夕食に行ってるのかと思ったら食堂にも居なかった。だから、もしかしてと思って探しに来てみたら案の定だ。ずっと教室に居たのか?」

「あー、うん。そうみたいだ。すまん」

 

 考え事に没頭しすぎて、気が付けばそんなに時間が過ぎていたのか。わざわざ俺の居場所を探してくれて、手間を掛けさせてしまったことに謝る。

 

「そんなに悩んでたのか。セシリアとの決闘、ヤバそうか?」

「マズイかも」

 

 すぐに俺の悩み事を察して、勢が聞いてくる。俺は正直に、ダメかもしれないと打ち明けた。

 

「ISを教えてくれる先生は? 姉の千冬先生とかに戦い方を教えてもらったら」

「うーん。どうだろう」

 

 お願いしたら教えてくれるのかな。けれども、千冬姉に教えてくれと頼めば、厳し過ぎて疲れてしまいそうな気がする。決闘をする前にダウンしてしまうかもな。

 

「じゃあさ、俺と一緒に真耶ちゃんに教えてもらう?」

「真耶ちゃん? あ、山田先生か」

 

 いつの間にか、そんなに距離を詰めた呼び方をしている勢に驚く。確かに、彼女は名前をちゃん付けで呼んでも許してくれるような先生だしな。って、山田先生か。

 

「勢は、山田先生にISを習ってるのか」

「うん。お願いして、放課後の時間に個人レッスンで決闘に向けて色々と学んでる」

 

 俺と違って、彼は本当に手際が良い。ISについて教えてくれる先生を既に見つけているらしい。しかも、俺も一緒にISについて学ぼうと誘ってくれて、優しさまで見せてくれる。

 

 だが、彼の厚意に甘えて良いものか悩む。

 

「……それじゃあ、俺も一緒にISのこと山田先生に教えてもらおうかな」

「おう。そうしよう」

 

 本当なら自分でなんとかしたいが、時間が無い。ここでプライドを持って自分で探すと言っても、俺が頼れるような人は少ない。ならばと、思い切って彼の厚意に甘えることにした。

 

「すまんな、勢。ここ数日ずっと助けてもらってばかりだ」

「いいってことよ。友達だろ?」

 

 IS学園に彼が居てくれて、本当に良かったと心の底からそう思っていた。もしも、IS学園に入学する男子生徒が俺1人だけだったなら、絶対に大きな失敗をしていただろうから。

 

 男1人だけという環境で何か問題を起こして寮から追い出されて、IS学園からも追い出されていたに違いない。心の支えになる、もう1人の男子生徒が居てくれたからこそ今がある。

 

 勢は友人だからと言ってくれるが、何かと助けてくれて頼りっぱなしでは俺の気が収まらない。この恩は、いつか返さないといけないな。勢は要領が良くて優秀みたいだから、俺の手助けなんて必要になる日が来るのかどうか分からないけれど。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第11話 心惹かれて

 毎日のように山田先生からISについて学んでいた。日中は教室で授業を受けて、学校が終わると訓練所や先生の部屋にお邪魔して勢と俺の2人で眠る直前まで勉強漬けの日々。

 

 入学前にちゃんと予習していたという勢に追いつけるように、俺は必死にISの勉強を頑張った。わざわざ誘ってくれたのに、彼の足を引っ張らないようにと思ってかなり必死だった。

 

 山田先生の教え方は非常に上手で、勉強するのが全然苦にならない。優しく教えてくれるし、ちゃんと結果を出すと微笑みながら褒めてくれる。

 

「よく出来ましたね、織斑くん」

 

 そんな彼女の言葉を聞きたくて、難しくて大変なISの勉強を頑張れているような気がする。

 

 そういえば、勢から気になる女子を早く見つけるように言われていたのを思い出す。気になるのは生徒だけでなく、先生でもアリなんだろうか。そんな事を考えつつ、セシリア・オルコットとの決闘に向けて準備を進めていった。

 

 

 

 山田先生と過ごす時間が多くなったのと同じく、友人の勢と過ごす時間も多くなった。彼とは、勉強のことだけではなく他にも色々と語り合った。

 

 勢は、かなり女性のことが好きらしい。そんな彼から、女性は喜ばせて気持ちよくさせることが大事なんだと教えられたりした。他にも色々と、女性のことについて教えてくれて俺はたくさんの事を学ばせてもらった。

 

 詳しく聞いたことは無いけれど、おそらく勢は俺と違って既に女性とセックスをした経験もあるんだと思う。もしかすると、既にもううちのクラスメートの誰かと付き合っている可能性もあると俺は睨んでいる。

 

 例えば最近、同じクラスの布仏本音という女性と仲良くしている。仲良さそうにくっつき合い、いつも一緒にいるようなイメージがあった。本人に聞いたことはないので、実のところ付き合っているのかどうかは知らないけれど。

 

 彼女だけでなく、他のクラスメートとも非常に仲良くしていた。旧友の五反田が昔、俺のことをモテる男だと言ったことがあるけれど、本当のモテる男は勢のような人物のことを言うんだろうと思う。女性のことをよく知っているし、女性の扱いが上手い。女性とのコミュニケーションが上手だ。彼のような人こそ、モテ男と呼ばれるのに相応しい。

 

 それに比べて今までの俺は、女性のことを何も知らなかった。これから頑張って学んでいきたいと思っている。最近、気になってきている山田先生とお付き合いして、それから先の行為に至れるように女性のことを知っていきたいと思った。

 

 

 

 あの日以来、眠る前のオナニーが俺の習慣になっている。ルームメイトの箒が眠りについたことを確認してから、ティッシュ箱をベッドの近くに置いてパンツを脱ぎ捨て、スマートフォンを片手に持ち、この前の勢に送ってもらった映像を見ながらおちんちんをイジる。

 

 毎日のようにやっている行動なので、この準備にも慣れてきていた。スムーズに準備を終えると、再びあの動画を再生する。

 

 そういえば、偶然にも映像の女性の髪の色は緑だった。山田先生の髪の色も緑で同じ色である。髪型も似ているような気がする。

 

 映像を見ながらおちんちんをイジってみると、まるで自分が山田先生とのセックスをしているかのようにイメージしてオナニーすることが出来た。

 

 放課後、山田先生は部屋で薄着のまま授業をしてくれる。思わず彼女の大きなおっぱいに視線を向けてしまいそうになるが、我慢して逸らした。その時間は、ISを学ぶことに集中する。

 

 そして眠る前のオナニーで、あの柔らかそうなおっぱいを揉む想像を捗らせていた。

 

 あれが大人の色気、というものなのだろう。千冬姉も自宅で過ごすときには半裸だったけれど、今俺が感じているような感情は抱かなかった。

 

 もしかすると今なら、あの千冬姉の姿を見て何か感じるものがあるのかもしれないが。

 

 今まであまり興味がなかったはずなのに急に、大人の女性というのもが気になりだした。俺は、どうやらエロに興味津々な男になったらしい。今の俺を、五反田たちが知ったらどう思うかな。

 

「うっ」

 

 いつもよりも気持ちよくなって、俺は射精した。シーツの上に出た精液の量も、多いような気がする。身近な女性で想像しながらオナニーをしてみると、より気持ちよくなれるということを俺は学んだ。

 

 箒が目覚めていないことを確認してから、射精しておちんちんをティッシュでキレイに拭き取り後片付けを済ませる。それで、ようやく俺の1日は終わり。

 

 今日も朝から晩までISの勉強を頑張った。これだけ努力すれば、セシリア・オルコットとの戦いも上手くいくだろう。

 

 布団に包まり眠りに落ちる直前、もしもセシリア・オルコットとの決闘に勝てたなら、その時は自分の気持ちを山田先生に告白してみようと考えていた。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第12話 ★無防備のほほんさん

 あんなにメスの匂いが漂う学園の中で、何日も射精せずに生活することは神立勢にとって不可能だった。今までは山田真耶とセックスをして解消していたけれども、彼女はISに関するレッスンの準備で忙しくなった。勢が一夏を連れてきたので、彼女の負担が更に増えてしまう。

 

 流石に疲れているだろうからと、勢は真耶とセックスせずに夜は寝かせてあげることにした。

 

 生活に支障をきたすようなら、セックスすることを諦めることができる勢。可能な限り、楽しくセックスしたいと彼は考えていた。

 

 

 

 しばらく我慢をしていたのだが、2日で限界を迎えてしまいそうになった。なので勢は、忙しくしている真耶とは別の女性を見つけて己の性欲を解消することに決めた。

 

 

 

 布仏本音という女性は、本家からの命令でISの男子操縦者について情報を集めるようにと指示を受けていた。1人は、世界的にも有名な姉を持つ織斑一夏という青年について。そしてもう1人は特筆すべき事項の無い、一般家庭で生まれ育った神立勢という青年。

 

 本音は2人のクラスメートという関係で、最初は遠くから観察を続けつつ慎重に接触して情報を集めようとしていた。けれど、途中から少し面倒だなと感じ始めた彼女は一気に仕事を終わらせてしまおうと、横着してしまった。

 

「かっちゃんの部屋、って個室なんでしょ?」

「うん。そうだよ」

 

 普通に会話をする程度の仲に発展していた2人。神立勢についての個人情報を入手するために、まずは彼の寮の部屋に侵入しようと考えた。本人から直接、部屋の中に招いてもらって、そこから情報を得ていこうという計画だ。

 

「へぇ。相部屋とは間取りとか違うのかな? 見てみたいなー」

「じゃあ、今日来なよ」

「うん。行くー」

 

 ということで、あっさり本音は彼の部屋にお呼ばれされることに成功した。

 

 

 

 その日の放課後。山田真耶にはレッスンに遅れるという連絡だけして勢は、本音と一緒に自分の部屋に帰ってきた。その部屋に入った瞬間、勢は背後から本音に襲いかかる。

 

「もう、我慢できないや」

「え? キャッ!?」

 

 まさかいきなり襲ってくるなんて予想していなかった本音は、驚きで体が硬直して捕まってしまった。

 

「な、やめ……!」

 

 逃げようとするが、背中から抱きしめられる。背中に、勢の勃起したチンポの熱を感じる。服の上からでも分かるぐらい、彼の熱い体温を感じていた。

 

 

 

「ぁっ、んッッッ!」

 

 いつの間にか本音は履いていたパンツを脱がされて、気付いた時には下半身を裸にされていた。勢の指でくちゅくちゅとオマンコをいじられた彼女は、艶めかしい声を漏らしてしまう。

 

「良いフィット感。本音の体は、とっても抱きやすいね」

「っ、ぁっ、ダメっ」

 

 本音は腰をくねらせて、逃げようとするけれどダメ。ガッチリと腰を捕まれ、2人の足が絡まりあって逃げられない。

 

「んんっ……、だめ、だって……ひんっ!?」

 

 本音のクリトリスは、勢の指で転がされていた。コリッコリッと刺激されるたびに背中に電流が流れるような気持ちよさを彼女は感じていた。敏感な部分を的確に責められて、軽くイッてしまう本音。

 

 次第に抵抗しようとする力が抜けていく。

 

「オマンコの中は、どうかな」

「あッ……んッ……」

 

 オマンコの中に勢の指がズボッと入っていく。そして膣内を擦られていく。本音は、お腹の奥がムズムズと疼くのを感じた。

 

「トロトロだね。それじゃあ、早速」

「うぅ……せ、せめて……い、痛くしないで……」

 

 ベッドの上に本音を仰向けで寝かせると、勢もズボンを脱いでチンポを取り出す。

 

 2日ぶりのセックスでギンギンに勃起した勢のチンポを目の当たりにした本音は、逃げ出すのを諦めた。

 

「もちろんだよ! じゃあ、本音ちゃんの初めて、いただきまーす」

「んっ!? んぐぅぅぅッッ!」

 

 M字開脚をする本音に、覆いかぶさるようにしてチンポを挿入する。

 

 女性にとって、たった1度きりの処女をあっさりと散らされてしまった本音。体の中を掻き分けられるような、強烈な異物感に戸惑っていた。

 

「ほーら、奥まで入っていく……」

「うっ……あぁ……あぁっ……太いぃ……ッ」

 

 本音の膣内で暴れる勢のチンポ。彼のチンポの形を刻まれていく。

 

「あっ……あんっ……だ、ダメッ……」

 

 勢がピストンを始めると、初めての感覚に戸惑いながら快楽というものを知った本音。すると、その快楽の波はあっという間に膨れ上がり、体の芯から溶け出すような絶頂を迎えた。

 

「ああんっ、は、はげしっ、はじめて、なのにっ!」

 

 パンパンと音が鳴るぐらいに強く、腰を打ち付けてピストンする勢。何度も何度も、彼は止まることなくチンポを出し入れする。

 

 それから無言で鬼のように腰を振る勢。本音はもう抑えること無く、喘ぎ声を出していた。

 

「はぁぁっ、我慢できねぇ。そろそろ、出すよッ!」

「ハアッ、あああん、こんなのはじめて……ッ」

 

 無意識に彼女は、勢の腰に足を回して体をガッチリと固定している。ピタッと2人の間に隙間がなくなるぐらい密着している。そして本音は初めてのセックスと、初めて中出しされた感覚に夢中になっていた。

 

「じゃあ、今度はこの大きなおっぱいも弄りながら」

「だ、だめ……や、やすませてぇ……」

 

 それから1時間。問答無用のノンストップで、ピストンと射精を繰り返し続ける絶倫の勢。

 

「ふぃー、気持ちよかった。じゃあ、俺はチョット勉強しに行ってくるから。待っててね」

「ぁ……っ……」

 

 ぐったりと倒れたまま、反応を見せない本音。彼女のオマンコからチンポが引き抜かれると、中に注ぎ込まれていた精液が吹き出した。そんな彼女を置いて、部屋から出ていく勢。彼は今から、真耶と一夏とでISについて勉強する予定があったから。

 

 

 

 

「それじゃあ、再開。限界までヤッてみよう」

「あ……ッ」

 

 その後、真耶のレッスンが終わると部屋に戻ってきた勢。戻ってくるなり全裸になって、チンポをギンギンに勃起させている。今日はもう、後の予定が無いから自由だった。

 

 言われたとおりに勢の部屋で待っていた本音は、彼のチンポを受け入れて夜通しセックスに付き合わされた。勢が満足するまで色々と体に教え込まれていく。それからしばらくの間、忙しい真耶に代わって本音が勢の性欲解消係を務めることになった。

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第13話 クラス代表決定戦

 セシリア・オルコットと対決する日が来た。

 

 昨日は夜まで本番に向けた調整をしていた。だけど睡眠は十分とって、今朝もご飯をしっかりと食べた。俺の体調は万全である。

 

 今日の予定は、まず最初に俺とセシリア・オルコットが戦う。その後に、勢とセシリアの2人が戦うことになっている。最後に俺と勢が戦うという順番だった。

 

 友人の勢は、次の試合に備えて別の控室で待機している。

 

 最優先目標はセシリア・オルコットに勝つこと。彼女に勝って、侮辱した発言を撤回させてから謝ってもらう。

 

 友人の勢との戦いは、勝っても負けても特に問題はない。ただ、彼と戦って勝ちたいとは思う。

 

「お、落ち着いて。学んだことを全て出せれば、絶対に勝てますよ!」

「ありがとうございます、山田先生」

 

 これから戦う俺よりも、あわあわと慌てている山田先生。貴重な時間を割いてくれて、俺たちにISの使い方を教えてくれた先生だ。彼女のためにも勝ちたいと、俺は強く思った。より良い結果を出してみせる。そして、勝てた暁には……。

 

「頑張ってくれ、一夏」

「ありがとう、箒。できる限り、やってみるよ」

 

 わざわざ応援に来てくれた幼馴染でルームメイトの箒に、俺は感謝の言葉と意気込みを伝える。実は彼女も、ISについて教えてくれようとしていたのだけど断っていた。俺は既に山田先生にISについて習っている最中だったから。

 

「一夏、こっちだ」

「あ」

 

 千冬姉の声が聞こえた。そちらに視線を向けると千冬姉が立っていて、その横には見覚えのないISが鎮座している。

 

 打鉄ともラファール・リヴァイヴとも形が違う。つまりあれが山田先生から事前に聞いていた、俺の相棒となる専用機。

 

「こいつの名は『白式』だ」

「びゃく、しき……」

 

 名前の通り、真っ白な機体。飾り気がなく、眩しいほどの純白をまとっているISだった。今は、その装甲を開放して操縦者の搭乗を待ち構えている。俺はアレに乗って戦いに出るのか。これから戦いが始まるのだと、実感する。

 

「すぐに装着しろ。時間がないから、フォーマットとフィッティングは実践でやれ。出来なければ負けるだけだ。わかったな」

「……ッはい!」

 

 山田先生から、フォーマットとフィッティングという手順の重要性は聞いている。普通に考えて、このまま戦いに出ると確実に負けてしまうだろう。

 

 専用機の納期が遅れているのを知っていた山田先生から、不完全な状態で戦いに出される可能性があるかもしれない、と聞かされていた。もしもの場合の作戦も授かっていたので、慌てることはなかった。これも予定通り。

 

 

『とにかく、フォーマットとフィッティングが完了するまで逃げて下さい。逃げ続けて下さい』

 

 

 最初は交戦を避けて、フォーマットが完了したら攻めていく。そのような作戦だった。

 

「乗ります」

 

 試験のとき、初めてISに触れた時の感覚についてを思い出しながら、俺はISに乗り込む。

 

「背中を預けるように。あぁ、そうだ。座る感じでいいぞ。後は、システムが最適化してくれる」

「はい」

 

 暫く待つと、俺の体に白式がフィットした。まるで、生まれたときから我が身だったかのような一体感がある。白式と繋がった。最低限の最適化は完了したのかな。

 

「一夏、気分は悪くないか?」

「大丈夫だよ、千冬姉。いけそうだ」

「そうか」

 

 俺の目から見ると、いつもと同じような態度に見える千冬姉だったが、システムの補助によって彼女が微妙に声を震わせていることを知った。もの凄いセンサーだ。

 

 初期設定が完了したのを見届けると、千冬姉と山田先生の2人は移動した。アリーナのモニタールームの方へ行ったようだ。

 

 

 

「よし。じゃあ、対決開始の時間みたいだし行ってくるよ」

「あぁ。勝ってこい」

 

 最後まで側で応援してくれていた箒に声をかけてから、体を前方に向かって傾ける。それでISがふわりと空中に浮かび上がる。ISの操縦方法は、山田先生に習っていた通りだ。

 

 ゲートが開放された瞬間に、俺のISは飛び上がると前に向かって翔んだ。

 

 

 

「あら、逃げずに来ましたのね」

 

 セシリアが腰に手を当て待ち構えていた。フフンと鼻を鳴らして余裕のポーズ。

 

 ハイパーセンサーが自動で働き、様々な情報をキャッチしていた。敵の機体の名前は『ブルー・ティアーズ』。武器は、レーザーライフルを使うのか。

 

 ならば予定通り、彼女を攻略していこう。

 

「最後のチャンスをあげますわ。今ここで謝るというのなら、許してあげないこともなくってよ」

 

 戦いが始まる直前、セシリアが話しかけてきた。もちろん俺の答えは決まっている。

 

「断る」

「そう? 残念ですわ。それなら」

 

 アリーナに、試合開始を知らせるブザーが鳴った。それと同時にシステムの警告音。敵の攻撃を感知した。

 

 体を後ろに傾ける。ISで後ろに翔んだ。そして俺は、セシリアとの距離を離した。直前まで俺の居た場所に閃光が走る。

 

「あら、逃げるのですか?」

「……」

 

 あからさまな挑発だな。俺は、山田先生が考えてくれた戦い方で、彼女と戦うことを忘れない。自分の土俵でどっしりと構える。

 

 回避を続けて、準備が整うまで耐える。シールドエネルギーは無傷だし、まだまだ余裕だった。注意するべきは、敵のビット。あれにさえ注目しておけば、敵の攻撃を避けられる。

 

「チイッ! ちょこまかと」

 

 避けきれずに攻撃を受けて、シールドエネルギーが徐々に削られていく。それでも俺は逃げ続けながら、攻撃に移るタイミングを待ち構えた。

 

(早く、来い!)

 

 ――フォーマットとフィッティングが終了しました。確認ボタンを押して下さい。

 

 その文字が見えた瞬間、俺はウィンドウのボタンを力強く押し込む。一次移行が完了した。これで戦える。

 

「来たっ!」

「なんですって!? まさか今まで初期設定でわたくしと戦っていた、というのですか!?」

 

 ここから俺の反撃が始まる。守勢から一転して、攻勢に移る。ここまでは予定通り。セシリアが驚いて集中力を乱している間にケリをつける。後は勝つだけだ。

 

「うぉぉぉぉぉ!」

「っ!?」

 

 手元に武器を呼び出すと、俺はISを操縦して敵に向かって猛スピードで突っ込んでいった。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第14話 その後の結果

 クラス代表決定戦の対決は、決着がついた。

 

 俺はセシリア・オルコットと戦い無事に勝つことが出来た。そして、もうひとりの男子IS操縦者である勢も無事、セシリアに勝つことが出来た。2人とも勝って、男の尊厳を守ることに成功したのだ。

 

 

 

 俺と勢の戦いは、僅差で俺が勝った。

 

 

 

「いやぁ、強いな一夏」

「これは専用機の性能のおかげだよ。俺の力だけじゃ負けてた」

 

 負けて悔しそうな表情を浮かべながら、それでも勝った俺を褒め称えてくれる友人の勢。

 

 彼の乗っていたラファール・リヴァイヴは量産型で初心者向けの機体。専用機である白式の方が性能が高い。遠距離攻撃を得意とする機体と、接近戦特化の機体対決でもあって相性が悪かった。だから、今回の戦いでは俺のほうが色々と有利だった。

 

 俺が勢に勝つことが出来たのは、やはり機体の性能差のお陰なんだろうと思う。ISの操縦技術を比べたら、勢の方が高そう。

 

 それに、ここまで成長できたのは山田先生とのレッスンに誘ってくれた彼のおかげだ。つまりは今回の戦いでは勝つことが出来たけれど、他の部分では色々と負けていると思う。

 

 

 

 だが、とにかくセシリアに勝つことが出来た。当初の目的は達成である。

 

 試合終了後に、セシリアの姿が見当たらなくなった。侮辱したことを謝ってもらおうかと思ったのだが居ないようなので、次に会ったときに謝ってもらう。

 

 

 

 

 セシリアとの対決に勝つことが出来たのなら、俺は山田先生に告白すると試合前に誓っていた。対決に勝つことが出来た、その日の夜に俺は行動することにした。

 

 昨日までずっとISについて教えてもらっていた、山田先生の部屋を訪ねる。今まで感じたことがないぐらい激しく胸がドキドキしていて、緊張している。

 

 

 

「ぁっ……っん……」

「ん?」

 

 山田先生が生活している部屋の前まで来てみた。俺は落ち着こうと思い、扉の前に立って深呼吸する。その時、部屋の中からかすかな声が聞こえてくるのに気付いた。

 

 耳をすまして聞いてみると、何かが激しくぶつかり合うような音だった。

 

「……ちい……、だ……ぞっ!」

「これは、勢の声かな?」

 

 男性のような声。思い当たるのは彼しか居ない。対決も終わって、勉強する予定は無くなったが勢も山田先生に会いに来たのだろうか。

 

 勢が居るのならと、いつものように扉を開けて部屋の中に入る。扉に鍵はかかっていなかった。

 

 

 

「あぁ……、らめっ……またイクっ……!」

「気持ちいいよ、真耶ちゃん」

 

 部屋の中では、勢と山田先生が裸で抱き合っていた。先ほどと違った意味で、俺の心臓は激しく鼓動している。

 

「え?」

 

 一体、何が起こっているのか理解するのに数秒かかった。なんで山田先生と勢が、セックスしている?

 

「ぁんっ! あっ! あっあっあっ!」

「うぉぉ……っ! 気持ちいいっ……!」

 

 勢は激しく腰を振って、おちんちんを山田先生の股に激しく打ち付けている。それに合わせて、彼女は気持ちよさそうに声を出していた。

 

「真耶ちゃん、イクよ……オマンコの中で気持ちよくなって射精するよ……ッ!」

「んんっ! あぁっ! いいよッ、気持ちよくなってッ! 中に出して!」

 

 更にスピードを上げて、勢は腰を山田先生に激しく打ち付ける。そして、全身をガクガクと震えさせていた。彼は言った通り、山田先生の中で射精したようだ。

 

 2人だけでの世界に入り俺のことは全く眼中にないようだ。どちらも俺が居るのに気付かない。まるで透明人間になったかのように感じた。

 

 親しげに、気持ちよさそうにセックスしている。つまり2人は、愛し合う関係だったのか。俺が知らなかっただけ。

 

「うっ……」

 

 おちんちんを指でイジっていないというのに、その光景を見ていただけで俺は射精をしていた。パンツの中を精液で汚してしまった。

 

 

 

 

 気が付くと、俺は自分の部屋に戻ってきていた。部屋の中に一人ぼっち。

 

 思いを告げること無く、俺の初恋は終わってしまった。こんなことになるのならば、もっと早く行動しておけば良かった。そうすれば、もしかすると……。

 

 フカフカのベッドの上に寝転んで、ぼーっと天井を見上げているだけだ。頭の中を、グルグルと後悔の念が駆け巡る。

 

「一夏」

 

 すぐ近くから女性の声が聞こえた。ルームメイトの箒が部屋に帰ってきたようだ。

 

「大丈夫か?」

「……なにが?」

 

 今は、その気遣うような優しい声が癪に障った。

 

「何か、あったのか?」

「何もないよ」

 

 わざわざ聞かないでほしい。今は俺を無視して、関わらないでほしい。

 

「だって、そんなに辛そうな顔をしている」

 

 箒の手が近づいてきて、俺の体は反射的に動いていた。

 

「ほっといてくれッ! ……ぁ」

「ッ!」

 

 パシンと叩く音が部屋に響き渡る。思わず、箒の手を振り払ってしまった。かなり強めに叩いてしまったようだ。彼女の腕が赤くなっている。俺は、なんてことをしてしまったんだ。

 

「ご、ごめん」

「いや、いいんだ」

 

 俺はすぐに謝り、箒は気にしていないという風に微笑んでくれた。

 

 そんな彼女の顔を見て俺は、自己嫌悪に陥る。女性を叩いてしまうなんて。自分が、こんなにも暴力的な人間だったなんて知らなかった。

 

「1人に、してくれないかな」

「……わかった。今日は色々と疲れただろうから、ゆっくり休め」

 

 そう言って部屋を出ていってくれた箒。1人きりになり静かになった部屋に、俺はホッとする。八つ当たりなんて最低だった。落ち着くまで、俺の側には誰も近寄らせないほうが良いだろう。

 

 それから俺は3日間、寮の部屋に引きこもって学校を無断欠席した。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第15話 賞品

「おい、一夏! いつまで、部屋に引きこもって寝ているつもりだ!」

「ち、千冬姉……!?」

 

 山田先生と勢の大人な関係を知って、ショックを受けた俺は部屋に引きこもっていた。すると、3日目になって千冬姉が寮の部屋に襲来した。

 

「とにかく、学校には来い」

「わ、わかったよ……」

 

 この3日間ずっと悩み続けて、ようやく俺は山田先生のことを諦めることが出来た。そもそも、俺なんかより勢の方が大人の男として彼女に相応しいと思えるようになった。俺にはあんなふうに山田先生を気持ちよくさせることが出来ないだろう。

 

「それと、篠ノ之には後でお礼を言っておけ」

「そうだね」

 

 俺が部屋に引きこもっている間、ルームメイトである箒が部屋に俺の食事を運んでくれていた。しかも俺のことを気遣ってくれて、この3日間は1人にさせてくれた。夜もずっと部屋に戻らず、彼女は友人の部屋で寝泊まりしていたらしい。ちゃんと、彼女にお礼を言わないといけないな。

 

 

 

「もう大丈夫なのか? もしかして、ISの勉強疲れで倒れたとか?」

「いや、それとは別にショックな事があってさ……」

 

 翌朝。久しぶりに教室に来てみれば、クラスの女子達から心配そうな視線を向けられた。そして真っ先に勢が事情を聞きに来る。やはりあの時、彼は気付いていなかったようだ。俺もわざわざ、あの時のことを言うつもりはない。

 

「そっか。まぁ元気出せよ」

「ありがとう」

 

 詳しい事情には踏み込んで来ずに、勢は俺を励ましてくれる。彼の気遣いが、とても有り難い。そんな勢が相手だったからこそ、山田先生のことを諦められた。

 

「そうだ。今日の放課後、開いてるか?」

「えーっと、大丈夫だと思う。何かあるの?」

 

 話題が変わって、勢が放課後の予定を聞いてくる。この後の予定なんて無いだろうから、大丈夫だと答えたけれど何をするつもりなのか。

 

「それは、見てからのお楽しみさ。早く放課後が来るのを待っておくと良いよ」

「わかった。楽しみにしてる」

 

 勢はニヤリと笑って、自分の席に戻っていった。思ったよりも彼とは普通に話せていたと思う。勢との友情に、変わりはないようだった。

 

 勝手に学校を休んでいた分、授業をちゃんと聞いて追いつかないといけないな。俺は集中して、久しぶりに山田先生の授業を受けた。

 

 

 

「ここは?」

 

 放課後になって、勢に連れてこられたのは寮の中だった。

 

「セシリアの部屋だよ。さぁ、入って入って」

「え? 勝手に入って大丈夫なのか?」

「問題ないさ。さぁ、遠慮なくどうぞー」

 

 背中をぐいっと押されて、強引に部屋の中に誘導される。本当に良いのだろうか。

 

 

 

 

「え? せ、セシリア。君は、な、な、なんて格好をしているんだ……!?」

 

 部屋の中には下着姿だけど、ほとんど裸のような格好をしたセシリア・オルコットが待ち構えていた。胸の部分や、下半身の大事な部分が丸見えになっていてるような服装。

 

 異性である俺が部屋の中に入ってきたというのに、彼女は微笑みながら隠そうともしない。

 

 白くキレイな肌で、同年代の少女の裸姿だ。思わず凝視してしまう。視線を外そうと思っても、無理だった。

 

「わたくし、約束した通り勢様の性奴隷にして頂きましたの」

 

 セシリアは言った。それが、そんな格好をしている理由ということなのだろうか。

 

「せい、どれい?」

「はい、性奴隷です。わたくしのオマンコに、ご主人様は好きなだけザーメンを中出しして気持ちよくなってもらうんですよ」

 

 セシリアは語りながら、口の前で輪っかを作って前後に動かすと、舌をペロペロと出していた。何かのジェスチャーをしてくるようだが、俺には分からなかった。

 

「一夏も対決に勝ったんだから、セシリアを自由に使う権利があるぞ。彼女とセックスをして、ショックな事も忘れてしまえ」

「勢、お前は山田先生のこと……ッ!」

「ん?」

 

 他に愛する女性が居るのに、別の女とセックスをしているのか。そう非難しようと思ったのに、俺の口は途中で閉じていた。

 

 初めて女性とのセックスが経験できるのかもしれない。ここで彼を非難すれば、そのチャンスを逃してしまう。そう思った。

 

 俺は愛を大切にするより、セシリアとセックスをして気持ちよくなりたいという意志に傾いていた。もう俺は、山田先生と恋愛することを諦めた。ならば。

 

 

 

「わたくし、一夏さんにとても酷いことを言ってしまいました」

 

 部屋の中を歩くセシリア。お尻をフリフリと左右に振りながら彼女は、ベッドに近寄っていく。彼女の背中とお尻が丸見えだった。

 

「それに、あれだけの見栄を切っておきながら一夏さんに負けてしまいました」

 

 そう言いながら、彼女は天蓋付きのベッドの上に寝転がった。

 

「なので、お詫びにわたくしのオマンコを好きなだけ使って下さいな」

 

 ヒザを曲げずに、足の指の先まで真っ直ぐに伸ばして開脚した姿。V字開脚を披露しながら女性のアソコのビラビラを指で大きく広げて、あられもない姿でそう言うセシリア。

 

 そんな彼女のイヤラシイ姿を見て俺は生唾を飲み込み、おちんちんを固くしていた。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第16話 脱童貞

 急いで服を脱ぎ、俺は全裸になる。そして、慌てながらセシリアの前に裸姿で立つ。ベッドの上で、手が届く位置に彼女は寝転がっていた。

 

 スマートフォンで動画を見ている時と同じく、俺のモノはギンギンに固くなっている。

 

「一夏さんのおチンポは、とっても可愛いですね」

 

 彼女の顔と手が俺の股間に伸びてくる。そして、触れようとしていた。

 

 ピュッ!

「あうっ」

「キャッ!?」

 

 セシリアのほっそりとした指が先っぽに触れた瞬間、感じたことのない感覚に思わず腰を引こうとしたが間に合わず。我慢できなかった。驚きの声を上げて、それを見ているセシリア。

 

「ご、ごめん!」

「い、いえいえ。私の方こそ一夏さんのモノに不用意に触れてしまって、ごめんなさい。勢様以外のモノを触ったことがなかったから、おチンポの扱いに慣れてなくて」

 

 俺の放出した精液がセシリアの美しい頬に当たってタラリと垂れていた。それを気にせず彼女は優しく微笑みかけてくれる。

 

 彼女が謝る必要はないのに、俺が我慢できなかったから悪いんだから。けれど自分で触るのと、誰かに触られるのではこんなに違うものなのか。

 

「でも今度は、こっちの中で出してくださいね」

「う、うん」

 

 俺の目の前で仰向けとなって、恥ずかしげもなくオマンコを顕にするセシリア。今度はここに、挿入しろということか。これから俺は、初めてのセックスをする。

 

「どうぞ」

「うん」

 

 セシリアに促されて、俺は鼻で荒く呼吸しながら彼女のアソコにおちんちんをぐぐっと押し込んだ。この穴で間違っていないかどうか、不安になりながら力強く挿入していく。

 

「うっ」

「あんっ」

 

 力を込めると、ちゅぽんとセシリアの中に入った。

 

「まだ出しちゃダメですよー、一夏さん。もう少し我慢をしたら、とーっても気持ちよくなりますから」

「うぅ」

 

 正直、もう限界だった。挿入した瞬間、ギュウギュウと締め付けられて気持ちよすぎた。映像を見て自分の手でするよりも、何百倍も気持ちいい。

 

「ほぅら、気持ちいいでしょー。うりうり」

「だ、ダメ。出ちゃうよ、セシリア」

 

 セシリアが腰をくねくね動かすと、彼女の中に入っている俺のおちんちんが刺激され続ける。

 

「腰をまーっすぐ、前に進めて」

「ぐぅっ……」

 

 彼女の意地悪な刺激に耐えながら、前へ前へと進んでいく。何度も射精したい気持ちを堪えながら、押し込んでいく。

 

「あ、あ、あっ」

「あ! 出しちゃいましたね」

 

 ようやく根本まで挿入できたと思った瞬間、思わず射精してしまった。だけど、今までとは全く違う、初めての射精快楽の気持ちよさで頭が真っ白になった。何も考えられず足がガクガク震えて膝から崩れ落ちそうになる。

 

 

 

「どうだ? 気持ちよかったか?」

「うん。とても気持ちよかった」

 

 セシリアの中からおちんちんを引き抜くと、呆然としていた。余韻の気持ちよさが残っていて、俺はぼーっとしながら勢の質問に答える。セックスって、こんなにも気持ちいいものだったのか。

 

「良かったな、セシリア。訓練の成果が、ちゃんと出てるみたいだぞ」

「はい! 一夏さんが先に気持ちよくなってくれて、本当に良かったです」

 

 何故か、2人はとても喜んでいた。

 

「それじゃあ俺も、セシリアとセックスしていいか?」

「え? あ、うん、もちろん」

「やったー!」

 

 わざわざ俺にセックスをする許可をとる勢。そして、してもいいよと許可を出すと彼は無邪気に喜んで全裸になった。

 

 ズボンの中から出てきた勢のモノに俺は驚愕する。何だあのデカさは。あの長さは。自分のモノと比較すると、ぜんぜんサイズが違う。

 

 あんなモノがセシリアの中に入るのか。彼女が壊れてしまわないか、心配になった。しかし俺の心配なんか無用だった。

 

「あっっ! だ、だめっ! いきなり奥まで、きてるっ! イッちゃう!」

「ほっ! ぅおっっっ。気持ちいいぃぃ!」

 

 セシリアは一気に全てを中に飲み込んでいた。そして気持ちよさそうにしている。先程の反応とぜんぜん違う。挿入された瞬間、セシリアは声も表情も激しく変化していた。

 

「はっ! っんあっ! だめで、しゅ……! また、イッちゃいますッ!」

「いいぞっ! まずは一発!」

 

 俺と違い、腰を激しく動かして彼はセシリアの中に射精していた。それなのに腰は止めないで、更に激しくスピードを上げていく。

 

「ほら。一夏に、お掃除フェラをヤッてあげろセシリア」

「はい! あむっ」

「おわっ!?」

 

 フェラとは何なのか、質問する前に命令されたセシリアが俺のモノを咥え込んだ。これがフェラというものなのか。驚いて、変な声が出てしまった。

 

 セシリアの口の中で舌が蠢き、時々吸い上げたりして俺のおちんちんを刺激してくる。オマンコの中とはまた違った、気持ちよさがあった。

 

「んっ! ッッん! っふんっ!」

 

 セシリアが勢に腰を打ち付けられる度、俺のおちんちんを咥えている彼女は苦しそうに呻いていた。

 

「んまっ……、ま、まって勢様、はげしすぎて、できない、よぉ!」

「問答無用だ。頑張れ、セシリア!」

 

 セシリアは勢の激しさに負けて、口を離してしまったようだ。彼女の唾液まみれになった、俺のおちんちんは放置される。もう少しで射精できそうだったのに。そのまま待てず、いつものように自分の指でおちんちんをしごく。

 

「うっ」

 

 目の前で行われている2人のセックスを見ながら、俺は3発目の射精をした。セシリアの肩に、俺の精液がかかる。1日で、こんなに出したのは初めてだった。普段ならば、一回だけ射精すると眠ってしまうというのに。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第17話 ★性奴隷セシリア

 クラス代表決定戦でセシリアは負けた。0勝2敗である。

 

 戦いが終わった後に、彼女はシャワーで体を軽く洗い流しながら今日の結果を振り返っていた。初戦は作戦で負けて、次戦は操縦の腕で負けた。

 

 シャワーを浴びながら、対戦相手だった2人の男子について考える。この世に生きる男というのは皆、父親のように情けない者たちばかりだと思っていたセシリア。なのに、織斑一夏と神立勢という2人の強い男たちと出会った。

 

 どうやら自分の情けない父親のほうが少数派だったということに、セシリアは気付いた。自分の持つ考えが間違っていたことを認めた。

 

「謝らないと、いけませんわね」

 

 自分が間違っていたのに、2人に酷いことを言ってしまった。シャワーを浴び終えてキレイになったセシリアは、今日のうちに彼らに謝ろうと決心して、部屋から出ていくのであった。

 

 

 

「勢さん!」

「セシリアちゃん」

 

 寮の廊下を歩いていると目的の人物と出会い、セシリアは彼を呼び止めた。呼ばれた声に振り返って、顔を合わせるセシリアと勢。

 

「ちょうどよかった。探してたんだ」

「え?」

 

 勢の方もセシリアを探している途中だった。見つけた彼女の腕を掴むと、どこかへと引っ張っていく。

 

「あ、あの? どこに」

「ここ」

 

 目的地には、すぐ到着した。扉を開けて、部屋の中に入る。勢に誘導されるがままセシリアは、その部屋の中に入っていった。

 

 

 

「ということで、約束通りセシリアは俺の性奴隷になった、ってことでいいね?」

「あへぁ……っぁ……はぃ……、勢……さま」

 

 セシリアはオマンコをビクビクと痙攣させ、結合部の間からは愛液と精液の混ざったモノが吹き出すように溢れ出ていた。

 

 彼女は謝りに来ただけなのに、こんなことになるとは予想をしていなかった。だが勢は、思った通りに出来て満足していた。

 

「次はどうしようかなぁ。セシリアのために道具をたくさん買い集めておいたから、明日から色々と試してみたいなぁ」

「ぅ……ぁっ……!」

 

 絶頂の連続でクタクタになったセシリアを気遣い、下半身は繋がったまま彼女を抱きしめ続ける勢。そして彼は、抱きしめながら今後のセシリア調教プランについて考えを巡らせた。とりあえず今日は彼女に性奴隷であるということを分からせたから、明日から色々と道具を使っていこう。

 

「あっ! また別の娘とセックスしてる!」

 

 部屋の中に、山田真耶が乱入してきた。というのも、この部屋は彼女が生活に使っている部屋だったから。

 

「待ってたよ、真耶ちゃん」

「私も、抱いて下さい」

「もちろん!」

「……ぁ……っ……」

 

 初体験から1時間以上もチンポを挿入されたまま続いていたセックスは、他の女性が現れたことによって終わった。疲れ果てたセシリア。ぐったりとした彼女は、ベッドの上に放り捨てられる。

 

 勢のターゲットは、セシリアから真耶へと移り変わった。

 

 部屋に帰ってきたばかりの真耶を捕まえて、服を脱がせるとセックスを始める。勢は、驚異的な体力と性欲の持ち主だった。

 

 

 

「あぁ……、らめっ……またイクっ……!」

「気持ちいいよ、真耶ちゃん」

 

 2人が激しくセックスしている横では、セシリアは休憩していた。気持ちよすぎて、彼女は何も考えられなくなっていた。

 

「ぁんっ! あっ! あっあっあっ!」

「うぉぉ……っ! 気持ちいいっ……!」

 

 勢は激しく腰をふる。最近は忙しくて時間が無かった真耶は久しぶりに思う存分、彼のチンポを膣内で味わった。部屋を訪れた一夏にも気付くこと無く、2人はセックスを楽しんでいた。そして部屋から出ていったことも知らないまま、2人のセックスは続く。

 

 

 

 山田真耶が疲れて倒れると再び、休んでいたセシリアの出番となった。勢は、彼女に対して容赦なくチンポを突き立てた。問答無用で、連続射精の中出しをする。

 

「あぐっ! あッ! おおンッ!」

「イクぞッ……! いっぱい出すから、しっかり受け止めろよッ!」

 

 夜が明けるまで、性欲を解消するための道具としてセシリアのオマンコは使い倒された。勢にはセックスで敵わないと教え込まれ、自分が性奴隷であるという事実を体に刻み込まれた。

 

 

 

「学校に行く時間だよ。セシリア、起きて」

「む……むり、です……」

 

 つい1時間ほど前まで、勢とセックスして気絶していたセシリア。まだ彼のチンポが膣内に挿入されている感覚が消えない。

 

「コラ」

「あひんッ!?」

 

 勢にお尻をパシンと引っ叩かれて、体がビクビクと痙攣するセシリア。敏感になっていた彼女の体は、そんな刺激だけでイッてしまった。

 

「ダメだよ、病気じゃないんだから学校をズル休みしちゃ。さぁ、行こう。真耶ちゃんも起きて」

「……ぁぅ」

「ふぁい……」

 

 目を覚ました真耶に手伝ってもらい、なんとか学校に行く準備を完了するセシリア。

 

 そんな状態でも無理やり叩き起こされ、制服を着せられた。体に精液の匂いを染み込ませたまま、彼女は学校に連れて行かれたのだった。

 

 

 

 その日の授業中はずっと、ぐったりとしてたセシリア。そんな彼女に気付いた真耶は、朝方まで続いていた勢とのセックス事情を知っているので、疲れていた彼女を注意はせず優しく休ませたのだった。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第18話 ★箒と本音

「しばらく、部屋には帰らないでおこう」

 

 一夏を部屋に1人にして、自室から出てきた箒。あんなにも悲しそうな表情でお願いされたら、しばらくは部屋に戻らないほうが良いだろうと彼女は配慮した。

 

「でも、どうしよう」

 

 自分の部屋に帰れなくなった彼女に行くあては無かった。これからどうしようか、とても迷っている。

 

(剣道場の方にでも行こうかな。あそこなら、一晩ぐらいは横になって過ごせるか)

 

「何してるの、しーちゃん?」

 

 部屋には帰らないので今夜の寝床をどこにしようかなと考えていた箒に、たまたま通りがかった布仏本音が声をかけた。

 

「ん?」

 

 じーっと、箒の顔を見つめて首をかしげる本音。彼女が一体、誰に向かって話しかけているのか分からなかった箒は、左右を見て自分の他には誰も居ないことを確認してから本音に問いかける。

 

「しーちゃん、とは私のことか布仏?」

「うん! それで、こんなところで何をしてるの?」

 

 聞き馴染みのない妙な呼ばれ方をして戸惑う箒は、事情を聞いてくる本音になんて答えようかを悩んだ。

 

「……いや、実はな」

 

 一夏のことについて、偶然出会った彼女に話そうかどうかを一瞬だけ迷った。だが、他に頼れるような人も居なかった箒は、本音に話してみることにした。

 

 一夏の顔色が悪く、様子が変だったこと。

 病気ではないみたいだが、わけを聞いても答えてくれなかったこと。

 腕を叩かれたことに関しては、本音に話さなかった。 

 

「そーなんだ。しーちゃんは、おりむーが変になった原因に心当たりはあるの?」

「お、おりむー? あぁ、いや、心当たりは無い」

 

 また、誰のことを言っているのか分からなかったが、数秒後に誰のことかを理解して話を進める箒。彼女は、一夏が顔色を悪くした理由について心当たりは全くなかった。

 

「そっか。しーちゃんは今夜、どうするつもりなの?」

「剣道場に行って、横になろうかと」

 

 しばらく部屋には帰らずに、一夏を部屋に1人にする。箒がそう言ったので、今晩は誰の部屋に泊まりに行くのか聞いたつもりの本音だったが、予想外の答えが返ってきて彼女は驚く。

 

「え!? ダメだよ!」

「いや、しかし。他に寝れるような場所は……」

 

 本音にダメ出しされて、眉をひそめるぐらい困ってしまう箒。その場所以外には、寝れるような場所は無いと思ったから。

 

「なら、私の部屋に泊まりに来たら良いよ!」

「いや、面倒をかけるわけには……」

 

 反射的に誘いを断る箒を、強引に誘い続ける本音。

 

「全然、良いよ! 友達なんだから、遠慮しないでよ。って言っても、私のルームメイトが許可をしてくれるかどうかを確認しないと、だけどね」

「……そうか。それじゃあ、頼む」

 

 友達だと思われていたことが嬉しかった箒は、友達らしく彼女の厚意に甘えることにした。

 

「じゃあ、行こう!」

「よろしく頼む」

 

 そして本音は、箒が逃げないよう腕にガッチリしがみついて離れないように捕まえてから、自分の部屋まで案内した。腕を掴まれている箒も、特に振り払おうとはせずに彼女の誘導に従った。

 

 

「……べつに、いいけど」

「ありがとう、かんちゃん!」

「すまない。世話になる」

 

 自分の部屋まで箒を連れてきて、今晩この部屋に泊めてもいいかルームメイトの更識簪に許可を取った。一晩ぐらいなら自由に過ごしてもいいと許可を得た箒は、その日の夜、本音たちの部屋に泊めさせてもらうことになった。

 

 

 

(そういえば、友達と一緒に寝泊まりするのなんて初めてかもな)

 

 思いもよらず初めての経験をしていることに気付いた箒は、少し緊張しながら本音と簪の部屋で過ごした。

 

 

 

「じゃあ、もう寝ようか。かんちゃんに、しーちゃん」

「……もう寝るの?」

「少し、早くないか?」

 

 本を読んだり、ぼーっとしたり、ISの設計図を確認したりして箒たちは部屋の中で自由に過ごしていた。そんな中で、もう寝ようと本音が提案する。

 

「ふぁーあ、眠たくなっちゃった」

「……まぁ、良いけどね」

「なら、寝ようか」

 

 あくびをして眠そうにする本音を見て、今日はもう眠ることに決めた簪と箒。

 

「……えっと。私は、どこで寝ればいい?」

「私と一緒に、ベッドで寝ようよ」

「え? 私と布仏が一緒にか?」

 

 本音は、自分のベッドで一緒に寝ようと箒を誘った。なんと答えようか、箒は迷う。

 

「嫌?」

「嫌なんかじゃないさ。そうだな、一緒に寝よう」

 

 ということで箒は、誘ってくれた本音と一緒のベッドで眠ることにした。

 

 

 

「……スーッ……スーッ……」

「……」

 

 電気を消して暗くなった部屋の中。体にピタッと抱きついて気持ちよさそうに眠っている本音を見て苦笑をしながら、部屋に残してきた一夏の回復を願う箒。

 

 そして彼女は、静かに眠りについた。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第19話 ★見学

 箒が本音の部屋に泊めてもらった日の翌日。一夏は学校に来なかった。

 

「原因は分からないです。でも、しばらくはそっとしてあげた方が良いと思います」

「……そうか、わかった」

 

 放課後になり織斑千冬に呼び出された箒は、学校に来なかった一夏の昨日の様子について詳しく説明した。話を聞き終えた千冬は、ため息を一度だけ吐くと箒にお礼を言って学校から帰らせた。

 

 

 

「一夏、部屋に入っていいか?」

「……」

 

 昨日は、友人の部屋に泊めてもらい帰ってこなかった自分の部屋に箒は来た。今の一夏の様子を見るために、ドアをノックしてから呼びかけた。返事はないが、扉の鍵は掛かっていなかった。

 

「入るぞ!」

 

 中にいる一夏にも聞こえるように大きめの声を発しながら、箒は部屋の中に入った。

 

「飯を持ってきたぞ。ここに置いておくからな。気が向いたら食べてくれ」

「……あぁ」

 

 部屋の奥から一夏の声が聞こえてきた。もしかすると、ベッドの上で寝転んだままの昨日からずっと動いていないのかもしれないと箒は推測する。不機嫌そうな声だったけれど、反応が返ってきただけで良かったと彼女には思えた。

 

 けれどまだ、調子は戻っていないようだし部屋に帰ってくるのは止めておいたほうが良さそうだ、という判断を下す。

 

 一夏のために持ってきた食事を置いて、自分の部屋を出る。それから本音の部屋に来た箒。まだ自分の部屋には帰れないようだったから、今日も泊めてもらおうとお願いしに来たのだった。

 

「すまないが、今日も部屋に泊めてくれないか本音?」

「んー」

 

 昨日泊めてもらった部屋に居た本音にお願いしてみるが、反応が芳しくない。もしかすると2日連続で泊めてくれだなんて図々しいお願いだったのかもしれない、と焦る箒。

 

「ダメなら諦める」

「いや実は、今夜は予定があって」

「予定?」

 

 予定があるのなら仕方がないか。別の寝床を探しに行かないといけない、と覚悟した箒だった。だが本音は、別の方法を提案した。

 

「しーちゃんも、一緒に行く?」

 

 どこに行くのか知らない。だが本音が誘ってくれたので、箒は興味を示した。

 

「私も行っていいのか?」

「うん!」

 

 ということで、箒は本音と一緒に行くことにした。まだ、その予定が何なのか分からないまま、彼女についていくことに。

 

 

 

「ここだよ」

 

 本音が向かった先は、セシリアが住んでいる寮の部屋だった。本音の後ろについてきた箒は、この先で何をするのか、まだ分からないまま。

 

「誰の部屋だ? ここで一体、なに、を……は?」

 

 この場所について本音に質問しながら部屋の中に入った箒。彼女の視線の先には全裸のセシリアが、全裸の勢に抱えられている光景があった。それを目にして、箒の思考は止まる。

 

「羨ましいな、セッシー。気持ちよさそう」

「な、な、ななッ!?」

 

 セシリアは勢に後ろから抱えられていて、まるで小さな子供がオシッコをさせられているような屈辱的なポーズをとらされていた。

 

 そして、そんな2人を囲って凝視している何人かの女性たち。

 

「んあああっ、ダメ、ダメッ、ダメえぇ……っ! は、恥ずかしい、です勢様!」

「さぁ、皆に見てもらって。オマンコがチンポでズボズボされているところを」

 

 勢は根本までチンポを膣奥に突き入れて、セシリアの下半身全体を回すように動かした。何故か箒は、その光景から目を離せなくなった。

 

「しーちゃん。皆はね、かっちゃんとセックスしてるんだ。とっても気持ちいいんだよ」

「……そ、そうなのか」

 

 本音が説明する。2人がセックスしている様子を、顔を真赤にして凝視しながら頷く箒。彼女にとって異常な光景だったが、他の女性たちが誰も何も言わずにセックスを見ている。それで箒は、何も言えなくなった。並々ならぬ興味もあって、2人のセックスを見続けている。

 

「あうッ、うくぅん、ゆっ許して、許してくだ、さい! あひっ、ひぃぃん……!」

 

 勢が、ドチュドチュと音がするほど激しくピストンして、セシリアの膣奥に容赦なくチンポの先端を打ち付けた。

 

「こ、こんなにされたらッ! い、イクの我慢するなんて無理、ですっ! 無理だよぉぉぉっ! んあッ、あッ、あああッ!」

 

 セシリアの言葉を無視して、勢は猛然と腰を振り立てる。セシリアはガクガクと全身を痙攣させながら、切迫した声を上げ続ける。

 

「許してッ! いっ、イッてる、イッてるからッ! イクううううぅぅぅ!」

「ウウウウッ……ウオオオオーッ!」

 

 勢に許しを乞いながら、絶頂を極めるセシリア。獣じみた雄叫びを上げながら、ほぼ同時に勢も中に射精する。

 

「ああああ! 見られる、見られてるうう! イグっ、イグところ、見られてるっ、ダメぇ! ンっひいいいいいぃぃぃ」

 

 興奮の絶頂を迎え続けるセシリア。その膣内に勢が、なおも射精し続けた。

 

 ぷしゅぁぁぁ……。じょぼぼぼ……と、セシリアの股間から小水が漏れて部屋の床を濡らす。

 

「……ぁ、はへ、……イッグうぅぅ……、イグうぅぅぅ……」

 

 失禁しながら絶頂の痙攣を続けるセシリアの体を、女たちに見せつけるように上下に揺らす勢。絶頂の余韻に浸り、信じられないぐらい下品な表情を浮かべているセシリア。彼女は、だらしなくヨダレと鼻水を垂らし流していた。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第20話 ★巻き込まれて

 普段ならば、女をとっかえひっかえするような軟派な男なんて大嫌いだと思っていた。今すぐにでも、こんなエッチなことを止めるべきだという思考が箒にはあった。

 

 なのに、チンポを突っ込まれてよがっている本音の表情を見て、彼女は口を閉ざす。

 

「ンひいいいぃぃぃッ!」

 

 勢のチンポを股間に迎え入れた本音は、歓喜の声を上げている。箒の目前、本音は背後から膝の裏に手をかけて開脚した状態で体を持ち上げられて、勢の太いチンポが体の中に挿入されていた。

 

「箒さんも、来てたんだね」

「え!? あ、あぁ……本音と、一緒に」

 

 友達が目の前でチンポを突っ込まれながら普通に話しかけられて、箒はビクッと肩を揺らした。勢が、一夏のルームメイトである箒に質問をする。

 

「今日、学校に一夏が来てなかったけど、どうしたのか知ってる? メールを送ってみても返事がないから心配してたんだよね」

「あううぅっ、んああぁっ、あひひぃン……!」

 

 箒と会話している勢はピストンを止めなかった。会話している合間に、勢の腰の動きに合わせて本音がウットリとした声を上げる。

 

「えっと、その。じ、実は、昨日から一夏の様子が変で」

「そうなんだ。昨日、あの後に何か有ったかな?」

 

 クラス代表を決める戦いが終わり戦いの汗を流すためにシャワー浴びて、その後は一夏と合流はせずにセシリアとセックスしていた勢。昨日の出来事を振り返ってみたが、一夏の調子がおかしくなるような出来事に思い当たることは無かった。

 

 真耶とのセックスを覗き見られていたことも、一夏が真耶に対して恋心を抱いていたことにも勢は気付いていなかったから。

 

 そんな勢は、まぁいっかと一夏のことについて考えるのは一旦保留にして、本音とのセックスに集中することにした。

 

「ひあッ、あッ……、すごいッ、すごいいィ……んッ!」

 

 勢の腰使いが次第に激しくなって、本音はますます高い声で喘ぐ。ペニスがピストンされると、白く濁った愛液を床の上に飛び散らせながら彼女は喘ぎ続けた。

 

(あれが、セックス……)

 

 男女がセックスしている光景に、箒の視線は釘付けになっていた。

 

「出すぞ、本音。俺のザーメンを中で、しっかり、受け止めろッ!」

「ンおッ! おほぉおお! 気持ち、いい! イグゥうううう!」

 

 中出しを宣言して、力強く勢が本音のお尻に腰を打ち付けた。本音の膣内の奥にチンポを挿入したまま、勢がビクビクと腰を痙攣させ続ける。2人の結合部から濃い色をした白濁液が溢れ出て、ビチャビチャと床の上に垂れていく。

 

 ムワッとした精液の生臭い匂いが部屋の中に漂う。箒は、勢と本音の中出しセックスを見て匂いを嗅いで、お腹の下の部分がじんわりと疼くのを感じていた。

 

 

 

 それから、真耶やセシリアのルームメイトだった女子生徒も犯され、彼女たちはぐったりとした状態でベッドの上に並べられた。全員、膣内に中出しされてオマンコから精液が垂れている。

 

「ほら。箒さんも、こっちにおいでよ」

「……ッ、あ、あぁ」

 

 一瞬、一夏の顔が脳裏に浮かんだ箒。拒むことも考えたが、吸い寄せられるように勢に近寄っていく。この部屋にいる箒を除いた女性全員が、勢に抱かれていた。代わる代わるセックスしていく皆を見ていて、自分だけ仲間ハズレは嫌だったから。

 

 それになによりも、あの声を上げるほどの気持ちよさを味わってみたいと思ったから。箒は勢にセックスしてもらおう、と初体験に向けて覚悟を決める。

 

「服を脱いで」

「うん」

 

 勢に命令された箒は期待に震えながら、躊躇なく着ていた服を脱いでいった。彼女の脱いだ白色のパンティーは、じんわりと濡れていた。

 

 箒は初めて男性に裸体を見せた。一度だけバスタオル姿を、事故で一夏に見られたことも有ったが、ここまでさらけ出すのは初めてだった。勢の指が箒のオマンコを触れる。そんな場所を、男に触られたのも初めてだった。

 

「っあんッ」

「あれ?」

 

 箒のオマンコを弄り始めた勢は、指先にちょっとした違和感を覚えた。

 

「もしかして、初めて?」

「……」

 

 箒は顔を真っ赤にして黙ったまま、顔を隠すようにうつむき気味になって小さく頷く。目の前で皆がセックスしているのを見てきて、それなのにまだ自分だけ経験がないということに恥ずかしさを感じて顔を赤らめていた。

 

(一夏、この娘とまだセックスしてなかったのか。どうしてだろ?)

 

 もう既に箒は処女を散らしていると思っていたのに、まだ処女だったことに勢は驚いていた。

 

 同じ部屋で寝泊まりしているというのに、彼女とまだセックスしていないことを疑問に思う勢。なにか事情があるのかもしれないと、彼は深読みした。もしかすると、箒の処女は楽しみにとってあるのかも。

 

(体も引き締まってるし、メチャクチャ気持ちよさそうなんだけどなぁ。流石に、楽しみにとってある処女を奪うのは止めておいたほうが良いかな)

 

 楽しみにしていたものを奪われてしまったなら、友人でも絶対に怒るだろう。ましてやそれが、大事にとってある処女ならなおさら。

 

 ということで勢は友人のために箒の処女は奪わず、彼女の後ろの穴を使うことにした。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第21話 ★お尻で

 タイル張りの浴室の上で四つん這いになり、頭を下げてお尻を突き出した姿勢で待ち構えていたのはセシリアと箒の2人。彼女たちは全裸で、仲良くお尻を並べていた。

 

「そのまま、ジッとしてて」

「はい!」

「うぅ……」

 

 お尻の穴が丸見えになっている。勢に見られているのを感じて嬉しそうに返事するセシリアと、恥ずかしがっている箒。

 

「それじゃあ、入れるぞ。暴れると危ないからな」

 

 そう言って勢は、セシリアのために用意していた浣腸器と浣腸液を使ってアナル洗浄を行おうとしていた。

 

「んっ!?」

 

 まずはセシリアから。彼女の肛門に浣腸器の先端を突き立てる。肛門の広さと比べて、浣腸器の先端はどうということはないサイズ。だから、すんなりと挿入された。ただしそこは本来、排泄を行うための器官。そんな場所に異物を挿入されて、違和感を覚えるセシリア。

 

「ゆっくりと入れていくからな」

 

 勢はシリンジと呼ばれる浣腸液が入っている部分を片手で握りながら、もう一方の手でゆっくりと押し込んでいく。

 

「んっ……! ぐっ、うっ……!」

 

 熱くもなく冷たくもない、少しだけ粘性のある液体がセシリアの直腸に流れ込んでいった。そのまま一定のペースで、勢は浣腸液を彼女の腸内へと押し込んでいく。

 

「んっ、お腹、苦しぃ……」

 

 適切な分量の浣腸液をセシリアの腹に注入し終えて、浣腸器を引き抜いた。

 

「あうっ……! 全部、入りましたか?」

「うん、終わったよ。少し待てば効いてくるはず」

 

 セシリアの分を終えて、今度は箒の番だ。彼女ともアナルセックスをするために、ついでだから一緒にアナル洗浄を行うことにしたのだった。

 

「うぅ……、恥ずかしい……」

 

 普通にセックスしてもらうつもりだったのに、なぜか気付けば後ろの穴を犯されることになってしまった箒。ついでだからと、セシリアと一緒に浣腸までされて。

 

 だけど彼女は拒否をしなかった。勢の指示に従って、恥ずかしながら男の前で四つん這いになり尻穴を晒して浣腸を受け入れようとしていた。

 

「っ!?」

 

 セシリアと同じ手順で、腹の中に浣腸液を注入されていく箒。彼女が今まで味わったとこのない感覚に、肝門をヒクつかせていた。

 

 浣腸液を注入されてから少し待っていると、セシリアと箒の2人の下腹あたりで、ギュルルルと怪しい音が鳴った。

 

「はっ! んっ! ぐっ!」

「はうっ! うっ、あうっ!」

「アラームが鳴るまで、我慢だぞ」

 

 2人は強烈な便意を感じて苦しみながら、冷や汗を垂らしている。なんとか便意から気を逸らすために、必死で息を整えようとしていた。

 

 宙に突き出した2つのお尻が、上下左右にフリフリと落ち着き無く揺れ動いている。セシリアと箒のシワの寄り集まった肛門が、パクパクと開閉しているのが勢にはよく見えた。

 

 ピーッと、セットしていたタイマーの音が鳴った。

 

「よし、出していいぞ」

「んっ!」

「あっ、ああっ……!」

 

 勢の許可を得て、2人は我慢するのを止める。すると、お腹の中に溜まっていたモノが全て外に排出された。

 

 勢はその様子を見届けてからシャワーを掴んで、セシリアと箒のお尻をぬるま湯でキレイに洗い流してあげた。その優しい手つきだけで、気持ちよくさせられる2人。

 

「ありがとうございます、勢様!」

「うぅ……」

 

 お尻を洗ってもらったお礼を言うセシリアと、まだ恥ずかしがっている箒。2人の反応は対照的だった。

 

「じゃあ、本番に行こうか」

 

 アナル洗浄を済ませた2人の手を引いて、ベッドの置かれた部屋に戻った。

 

 

 

「さぁ、どうぞ。勢様!」

 

 セシリアはベッドの上でうつ伏せになって、勢に向けて尻を突き出す。弛んだ肛門を見せつけるように手で尻たぶを掴んで左右にグイッと開いていた。その横に、自分の尻穴をイジってほぐしている箒が待機している。

 

 セシリアの肛門にローションも垂らして、準備は整った。そんな彼女の尻に向かって、勢は腰をグイッと押し付けた。

 

「んぐうぅぅうぅっ!?」

 

 上から勢の体にのしかかられて、押し潰されるセシリアの表情はかなり苦しそう。しかし口から漏れ出た声は明らかに、快楽の響きが混じっていた。その声を聞き大丈夫そうだと判断した勢は、じわじわと腰を前に押し進めていく。

 

「おふっ!? ううぅぅぅっっ!」

 

 チンポの先に感じる、ごりゃごりゅっと、わずかな肉の抵抗。しかし、それも一瞬で突破した。勢がグッと腰を押し込むとセシリアの肛門はあっさりと彼のチンポに屈服し、一気に全てを呑み込んでいた。

 

「尻の、一番奥までチンポが入ったね」

「ぁあ、……わかるっ、わかりますっ! 奥に、いぃぃ!」

 

 勢は早速、セシリアの気持ちいい部分を探って尻奥の粘膜を刺激していく。その刺激に、彼女は敏感に反応していった。

 

「おっ、あひゅっ! あっ! んっぐぅぅぅっ!」

 

 チンポを呑み込んだ尻穴がキュウッと激しく収縮する。

 

「あひぃぃっ!?」

 

 勢が一気に奥までチンポを挿入して、そこから一気に腰を引き上げる。

 

「あひっ、ああっ! うんち、も、漏らしちゃうっ! おぅぅぅぅッ!」

 

 チンポを引き抜かれたのを排便していると錯覚するセシリア。彼女は、普通のセックスで感じる気持ちよさとは別の種類、新たな快楽を味わっていた。

 

 そして、引き抜いたチンポを再び挿入する。いきなり一気に尻の奥までねじり込んで、容赦なく特濃の精液を射精し叩きつけた。

 

「うぉぉぉ、アナルもなかなか、気持ちいいッ!」

「お尻で、イグぅぅっ! ぅおっっ!?」

 

 セシリアは口からヨダレを流して、獣のような低い声を漏らし、絶頂していた。

 

 彼女の尻穴を十分に堪能して、チンポを引き抜く。まだまだギンギンに勃起している勢のチンポは、次の穴を求めた。

 

「さぁ、箒。次は君だよ」

「あ、あぁ」

 

 勢に呼ばれた箒は、セシリアと同じように尻穴を彼に向けて開いて見せつける。ようやく自分の番が来たと、表情には出さずに喜んでいた。もう待ちきれないというように尻穴をヒクヒク震わせている。

 

「んぐうぅぅっ!?」

 

 勢はズブっと腰を押し出し、箒の肛門にチンポを押し込んでいった。セシリアとはまた違った、箒の尻の感触をチンポで堪能しながら、遠慮なく奥へ奥へと押し進んでいく。

 

「はっ、入ってる……おっ、んっっ!」

 

 箒が呻く。ガチガチと歯を鳴らして、ひと押しチンポを前に進むごとに小さく悲鳴を上げた。

 

「のぉおっ!? ああっ、待って! あひっ! んぉぉぉっ! もう、無理っ!」

 

 肛門性交を理性で拒絶しようとしている箒。だが勢のチンポは、ほとんど抵抗を受けることなく易々と箒の穴に吸い込まれていく。体の反応の方が正直だった。

 

「んむぅうっっ! ひゃあぁぁぁ!?」

 

 深々とチンポを突き刺すと、一層高い声で箒が弾けた。体を仰け反らせるほど、強く反応していた。キュウキュウと箒の尻穴がチンポをキツく締め付ける。

 

「ンヒイイイッ!?」

 

 一際高い嬌声が、箒の口から迸る。勢はいきなり、お尻だけでなく箒の股間に指を這わせて弄り始めたから。勢の指先がグニグニと強く刺激するのは、チンポのように勃起した状態の彼女のクリトリス。

 

 プシャっと股間から飛沫が上がり、尻に咥え込んだ勢のチンポをギュッと押し潰す。

 

 クリトリスを弄りながら、アナルへのピストンも続行中。箒のオマンコはすごい勢いで痙攣して、愛液を垂れ流しにしていた。

 

「あひぃっ! あおっ! はひっ! ほおぉおおぁぁぁ!」

 

 箒は快楽に目を蕩けさせて、喘ぎ続ける。

 

「アナルに中出しするぞ。覚悟はいいかッ!?」

「んッ! うぅ、あぅぅぅッ!?」

 

 箒は悶絶したまま答えない。しかしチンポを深く咥え込んだ尻奥の粘膜は、何かを求めるようにギュウッと引き締められる。

 

「イクぞッ! ウウッ!」

「くひぃっ!? おほッ!」

 

 ガクガクと全身を震わせて、足が無意識にバタバタと動き、激しく絶頂をした箒。オマンコから潮を撒き散らして、尻穴アクメを決めていた。

 

「んっぼぅっ!? ……あぅ……んぐっ……ぅぁ……」

 

 勢がジュボッと尻穴からチンポを抜き出すと、ベッドの上で力なく横たわった箒の体はぶるっと大きく震えた。

 

「ふぅ……」

 

 こうして箒は尻穴を犯されて、その日から3日間ずっとアナルだけを開発され続けるのだった。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第22話 夢

「一夏」

 

 誰かが俺の名を呼んでいる。女性の声だ。親しげで、俺の知り合いのようだが。これは一体誰の声だろうか。

 

「一夏ッ!」

 

 また、別の誰かの声が聞こえてきた。聞き覚えのある声のような気がするけれど、名前だけしか呼ばないから誰の声なのか判別するのが難しい。姿も見えず、もどかしかった。

 

「一夏さん」

 

 この声は、すぐに分かった。セシリアだ。すると、目の前になぜか裸姿のセシリアが現れた。

 

「ご自由にどうぞ」

 

 体に何も身に着けていない彼女は、床の上に寝転がってオマンコを俺に見せつけてきた。

 

「え?」

「どうぞ、私のオマンコを好きに使って下さい」

 

 気が付くと俺も全裸になっていた。俺は寝転んでいるセシリアに近寄って、勃起したおちんちんを彼女の股間に押し当てる。

 

「うっ。イク」

「中に出して下さい」

 

 ピュッと一発、彼女の中に射精した。やっぱりセックスって気持ちいい。何度もヤりたくなる。

 

「一夏」

 

 セシリアとセックスしていると、背後からまた別の女性の声が聞こえてきた。今度は誰だ。

 

「ここだ、一夏」

「箒?」

 

 俺の名を呼ぶ箒を見つける。なぜか彼女も全裸姿で立っていた。俺の目の前で、仁王立ちをして待ち構えている。

 

「ほら、ここに」

 

 箒の裸姿を初めて見て、俺のおちんちんは固く勃起していた。彼女もオマンコを指で広げると、そこに入れろと指示してくる。箒も俺と、セックスしてくれるらしい。

 

「入れるぞ」

「うん」

 

 勃起したおちんちんを、箒の股間に押し当てる。そして俺は。

 

 

 

「一夏ッ!」

「うわっ!」

 

 耳元で聞こえた声に驚いて、俺は声を上げた。一体、なんだ? 裸姿の箒は、どこに?

 

「寝坊だぞ、一夏」

「へ?」

 

 目の前には箒の顔があった。裸なんかじゃなくて、IS学園の制服を着ていた。

 

「ここは?」

「寝ぼけているな。もう朝だ。早く学校に行く支度をしないと、遅れるぞ」

 

 箒は時計を俺に見せてくる。確かに、早くしないと学校に遅れてしまう時間だった。ただでさえ3日も学校を無断欠席してしまったから、これで遅刻したら千冬姉にまた怒られてしまう。急いで支度しないと。

 

「しかし、あれは夢、だったのか……」

 

 セシリアと箒、2人とセックスする夢を見ていた。セシリアとは昨夜、初めてセックスをした。その記憶が強烈に残って夢にまで見てしまったのだろう。じゃあ、箒とセックスしようとしていたのは。

 

 いや、今は考えている時間は無いか。早く、学校に行く支度をしないと。

 

「起こしてくれて、ありがとう箒」

「私は、先に学校へ行っているからな。遅れるなよ」

 

 遅刻する前に起こしてくれた箒にお礼を言う。そんな俺のお礼を聞くと、さっさと箒は部屋から出ていった。俺も早く行こう。

 

 ベッドから立ち上がろうとした。その時に俺は、パンツの中がグチョグチョに汚れていることに気が付いた。

 

「うわっ……履き替えないと」

 

 どうやら寝たまま射精していたらしい。そんなこともあるのかと驚きつつ、あんな夢を見たのが原因なんだろうと俺には理解できた。

 

 急いでパンツを履き替えて、ティッシュで拭き取る。その後に顔を洗い歯を磨いて、朝の支度を終わらせた。素早く制服を着替えた俺は、授業の教科書が入ったカバンを持って部屋から出る。

 

 少し手間取ったせいで食堂に行っている時間は無いようだから、そのまま教室に行かないと遅れてしまう。

 

 グゥーとお腹が鳴った。この空腹状態では、昼まで絶対に持たないだろう。学園の売店でパンか何か買って食べないとな。

 

 急いで学校に行った結果、無事に遅刻をせずに1時間目の授業を受けることが出来た。わざわざ起こしてくれた箒に、本当に感謝していた。千冬姉に怒られずに済んで、助かった。

 

 

 

 学校で授業を受けている最中、今朝見た夢について俺は考えていた。すると、ムラムラっと股間が反応する。

 

 

 

 夢を思い返しているうちに、箒と夢ではなく現実でセックスしてみたいという気持ちが大きくなっていった。この気持を大切にして、すぐに行動するべきだと思った。

 

 山田先生を好きになって、好意を伝えること無く失恋してしまった。あの時の経験を活かして、すぐに行動に移すべきだと俺は考えるようになった。

 

 

 

 その日の放課後に早速、思いついたら即行動という方針で俺は動いてみる。

 

 

 

 

 授業が終わって自分の部屋に帰ってくると、部屋の中に箒が居た。彼女とセックスしてみたい。でも、誘い方が分からない。こういう時、どう言って誘えばいいのか俺は知らなかった。

 

 だから俺は、思い切ってそのままストレートにお願いしてみた。

 

「箒、俺とセックスしてくれないか?」

「……うん」

 

 俺の願いを聞いた箒は、顔を真っ赤にして答える。これはダメかと思いきや、まさかのオッケーをもらえた。嫌そうな様子もないので安心する。よかった。

 

 とてもスムーズに進んでいく。昨夜、初めてセックスというものを経験して、俺は相当な自信がついていた。そのお陰だろう。

 

 

 

 ただ、心配事が一つ。

 

「もしかして、もう勢とセックスした?」

 

 気がかりだったのは、彼女が既に勢と大人の関係があるかどうか。

 

 関係があったとしても、勢を責めることは出来ない。俺はセシリアと、快楽を得るためだけのセックスをしてしまったから。彼と同類だったから説教する資格なんて無い。だが彼女が初めてかどうかは、気になった。出来ることなら、俺が彼女の初めてを……。

 

 俺の質問に、箒は首を横に振って答えた。

 

「いいや、こっちは初めてだ」

 

 よかった。セックスは初めてらしい。彼女がまだ経験したことがないと知って、俺は俄然やる気が出てきた。

 

 俺の質問に、彼女は悲しそうな表情を浮かべていた。勢との関係を疑ってしまったからだろう。でも、事前に聞いておいて良かった。俺が彼女の初めてになれると分かったのだから。

 

 

 

 俺たちは服を脱ぎ、全裸になった。ベッドの上で体を重ねる。

 

「うっ」

「え?」

 

 ピュッと箒の股間に俺が射精した精液がかかる。驚いた表情を浮かべる箒。

 

 セシリアのときとは全然違った。ぴっちりと締まった箒のオマンコ。おちんちんを挿入しようとするけれど上手く入らず、焦った俺はなんとかしようとしている間に、おちんちんの先っぽが刺激されて思わず出てしまった。

 

「す、すぐに勃つから」

「頼む」

 

 まさかのタイミングで射精してしまった。箒から、悲しそうな表情で見られた。でも大丈夫だ。すぐに回復するから、今度こそ彼女を気持ちよく出来るように頑張ろう。

 

 ぴっちり閉じたオマンコに、グッと力を込めておちんちんを挿入してみる。

 

「い、一夏。痛いッ!」

「う。ごめん」

 

 なんとかセックスを続けようとしたが、箒が痛がってしまい俺は腰を止める。

 

 

 

 それから試行錯誤してみたけれど、上手く出来なかった。セックスが、こんなにも難しいなんて俺は知らなかった。

 

 

 

「私は、気持ちよくなれなかった……」

「ごめん。次は絶対に気持ちよくさせるよ」

 

 せっかく誘ったのに、力及ばず失敗に終わった。俺は性行為について、もっと勉強しなければならない事を理解した。これは、彼に教えを請う必要があるのかもしれない。また彼の世話になってしまうのか。借りが増えてしまいそうだ。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第23話 ★仲間ハズレは嫌だ

 何故、私だけ勢にオマンコを犯してもらえないのか。

 

 アナルの快楽を教え込まれてから、3日間。箒は、ずっとお尻しか犯してもらえていなかった。自分以外は、オマンコにチンポをズボズボと挿入してもらえている、というのに。それを彼女は、とても不満に思っていた。

 

 

 

 箒は勢にオマンコを犯してもらおうと色々とアピールしてみたが、気が付くと彼のペースに持ち込まれて、結局アナルセックスしかしてもらえなかった。

 

 お尻も気持ちよかったけれど、お腹の下の部分が疼いて仕方がなかった。その部分は、アナルセックスで気持ちよくなれたとしても鎮まることが無い。膣奥にチンポを突き立ててもらわないと、この疼きを鎮められないと箒は確信していた。

 

 箒は、本音やセシリアたちと同じように、勢のチンポを膣奥に容赦なく打ち付けてほしかった。

 

 

 

 一夏の調子が戻って、箒は自分の部屋に帰ってきた。その日の夜、恋心を抱いていた一夏からセックスを求められて、彼女はとても喜んだ。

 

(セックスして、この疼きを沈めてほしい!)

 

 ようやくお腹の疼きが鎮められると、期待で身体が震える箒。胸がドキドキして、顔も赤くなった。

 

 さっそく服を脱いで、箒は一夏に身を任せようとした。だが。

 

「うっ」

「え?」

 

 思わぬタイミングで一夏が射精して、箒は自らの股にかかった精子をジッと見つめた。

 

 無意識のうちに、もう1人の男と比較してしまう。一夏の精液は色や匂いが薄く、量も少ない。それに比べて勢の精液は、とっても濃いし、熱く生臭くて量も多かった。

 

 恋していた一夏に期待してしまった分、箒の落胆はものすごかった。期待でジットリ濡れていたオマンコも乾いてしまう程、強いショックを受ける。

 

「痛い!」

「ごめん」

 

 前戯が足りないまま、それでも一夏が無理にチンポを挿入しようとして箒は膣に痛みを感じた。我慢できずに、箒は痛いと言ってしまった。こうして、一夏と箒のセックスは失敗に終わる。

 

 

 

 一夏に疼きを鎮めてもらえなかった箒。ならば、もう彼を頼るしか方法は無い。

 

 

 

 箒は、勢の部屋を訪れた。そして着ていた服を全て脱ぎ全裸になって、彼の目の前で地面に額を擦りつけるほど深く土下座した。

 

「頼むッ……! 私のオマンコを犯してくれ」

「えーっと」

 

 性器を丸出しにして、尻を振りながら犯してくれとアピールする箒。急に部屋の中に入ってきたと思ったら、服を全部脱いで目の前で土下座をし始めた箒の姿を見て、流石の勢も戸惑う。

 

「えーっと……、アナルセックスだけじゃ満足できなかったか?」

「違う。お尻も気持ちいいけれど、私はオマンコにチンポをズボズボされたい。このお腹の疼きを鎮めてほしいんだ!」

 

 頭を下げ、地面に頭を着けながら、股間が見えやすくなるようにお尻を高く上げる。少しでも、オマンコを犯したいと思ってもらえるように、下品でみっともなく見えるように媚び続ける。

 

「んー」

 

 勢は顎に手を当てて、考える。一夏に配慮している彼は渋い顔を浮かべた。箒本人がこんなにも懇願しているからヤッてもいいんじゃないか、でも一夏が大切にしている様子の彼女の処女を勝手に奪いのは良くないしなぁ。

 

 悩んでも仕方がない。一夏に確認してみる。それが一番手っ取り早いだろう。彼がそこまで考えていると、箒がバッと勢いよく頭を上げた。

 

「なんで! なんで、私だけ仲間ハズレにするんだ!?」

 

 箒の頬に涙が流れていた。ずっと自分1人だけオマンコを犯してもらえず、彼女は疎外感を抱いていた。今も、考え込んでいる勢の姿を見てオマンコを犯してもらえないんじゃないかと思って、絶望して悲しくなった。

 

「いや、べつに仲間ハズレにしたわけじゃ」

「じゃあ、どうしてなんだ?」

 

 

 

 勢が箒のオマンコを犯さない理由を説明しようとした瞬間だった。

 

 

 

「コラー!!!」

 

 怒声とともに、勢の部屋に誰かが侵入してきた。

 

「うわっ!?」

「……」

 

 再び、突然起きた出来事に驚く勢と、部屋に飛び込んできた人物を黙ったまま見つめる箒。

 

「箒ちゃんをイジメるのは、お前かッ!」

 

 額に青筋を立てるほどの怒りで勢を責めるのは、篠ノ之束。ISの開発者で、篠ノ之箒の姉という人物だった。突然の登場から怒鳴られて、指をさされて目を白黒させる勢。

 

「姉さん」

「はい!?」

 

 静かだがハッキリと聞こえる声で箒が呼びかけると、ビシッと直立不動になる束。

 

「邪魔をしないで」

「で、でも箒ちゃん。そんな格好をさせられて、泣かされて、こんな酷い男」

 

 全裸になって地面に頭をこすりつけて土下座している、しかも涙まで流している箒の姿を見て、とても心配する姉の束。だが、そんな心配は無用だと告げる箒。

 

「いいから黙ってて。じゃないと、この先ずっと姉さんとは口利かないから」

「!」

 

 妹を愛する束にとって、非常にツラくて悲しい罰だった。そんな事をされては生きていけないと慌てて両手で自らの口を塞ぎ、言葉を発さずにコクコクと頷いた束だった。箒の指示した通りに、話し合いには口を挟まず黙っておく。

 

「それで勢、なんで私だけオマンコを犯してくれないんだ?」

 

 篠ノ之束を黙らせ脇に立たせたまま、話を再開させる箒。横からじっと見つめられているのを気にしつつ、勢は事情を説明した。

 

 箒の処女は、一夏が大切にして今まで奪ってこなかったんじゃないかという予想。それを勝手に奪うわけにはいかないという、勢の考えていることを。

 

 

 

「それなら、さっき一夏とセックスしてきた」

 

 オマンコを犯さない理由について勢の話を聞き終えた箒は、既に一夏とセックスしてきたと彼に報告する。失敗して最後までは出来なかった事は、勢には伝えずに。

 

「そうなのか。それなら、遠慮はいらなくなったのかな」

「そういうことだ! だから、私のオマンコを好きなだけ犯してくれ!」

 

 ということで、遠慮する必要がなくなった箒のオマンコを犯すことに決めた勢。服を脱いで全裸になると、その姿を見て喜ぶ箒。やっと、このお腹の下の疼きを沈めてくれるんだ、と。

 

「あのー、私はどうすれば?」

 

 放置され続ける束の発言を無視して、箒は勢の裸体に抱きついた。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第24話 ★念願の

 全裸の箒はベッドの上に仰向けになって、既に愛液で濡れた膣肉を勢へ見せつける。しなやかな両指でオマンコを開いて、彼によく見えるようにして。

 

「じゃあ、いくぞ」

「はやくぅ、早くしてくれッ……! もう待てない!」

 

 勢は亀頭を箒の膣穴に押し当てて、固く反り返ったチンポの角度を調整しながら合体に及ぼうとする。

 

「そら、いくぞっ!」

「……んあああぁっ!?」

 

 力を込めて、徐々にチンポを挿入していく。圧迫感にうめき声を上げながら、箒は勢のチンポを受け入れた。

 

「アハアァァン、なにこれぇぇぇ……」

 

 箒の気持ちいいところを擦りながら、チンポは奥へと入っていく。太くて長いから、膣の奥まで全部届く。

 

「あぉおっ……! ……ッ!」

 

 子宮の入り口まで勢のチンポが到達した瞬間、箒は一回目の絶頂に至った。

 

「そ、そんなに気持ちいいの?」

「あ、あぁ。んひっ……と、とっても、気持ちいい……ッ!」

 

 束の質問に、箒は半分呆然としながら今感じている正直な感想を答えた。ここまで気持ちいいだなんて、彼女にとっては想像していた以上の快楽だった。

 

 箒の恍惚とする表情を間近で見ていた束は、2人がセックスしている様子を高画質で撮影する。愛する妹の、エロくて可愛い姿を動画に収めることにした。

 

 箒の両腕をバンザイの形でベッドの上に押し付けて、逃げられないようにしてから勢はピストンを開始する。最初は腰をゆっくりと動かし、そして徐々にスピードを上げていく。

 

「あひっ! っひぃっ! これ凄いッ! ひいいいんッ!?」

 

 ギッシギッシとベッドのスプリングがリズミカルに軋み、箒の喉から情欲をそそる嬌声が上がる。

 

「ひいいん、気持ちいい! 気持ちいいよううう!」

 

 オマンコから響く淫猥な音は、どんどん粘り気の強いものへと変わっていく。箒は、あんぐりと開けた口からヨダレを飛び散らせて泣き言めいた歓喜の言葉を迸らせる。

 

「あひぃぃっ! やあぁぁん、感じちゃう! このチンポ気持ちいいっ!」

 

 勢のピストンする動きに合わせて、箒のおっぱいも激しく上下に揺れていた。

 

「ぐぅ……ふぅぉおおお……ッ! 中に出すぞッ! ぐっっっ!」

「イグイグイグッッッ!」

 

 勢は射精するタイミングで腰を思い切り押し込んで、チンポを根本まで突き入れた。結合部から精液が弾けて、愛液に混じった白濁がドロドロと箒のお尻に垂れて、ベッドにもこぼれ落ちる。

 

「気持ちよかったぞ、箒」

「ひっ……! あひッ……はっ、あっ、……ダメぇ……わたしも、気持ち、良すぎ……」

 

 甘く、かすれた声を漏らした途端に、箒の身体から力が失われて動けなくなった。お尻も気持ちよかったけれど、オマンコに中出しをしてもらう方が箒は好きだった。中に射精してもらうと、ずっと感じていた疼きが鎮まった。幸福感に包まれる。

 

「さぁ。まだまだイクよ。今日は全部、出し切ってあげる」

 

 そう言って、まだまだ続ける姿勢を見せる勢。あんなにもセックスしてくれと懇願されたので、彼は張り切って彼女のオマンコを犯し続けるつもりだった。

 

「はー……はぁー……そ、それって、え……ひっ、やっ……ちょっと、待ってぇ……」

 

 挿入されたままのチンポが固くなって、再び勢の腰が動き始める。

 

「ぐぅ、ふぉぉぉ!」

「んぉぉぉ……待って、おへぇ、んほぉぉ!?」

 

 箒が勢を止めようとする声を無視して、腰を振り続けてピストンを止めない。箒が何度も絶頂を繰り返して、勢は中出しを決める。

 

「フン……ッ! ふぬぅぅ……ッ!」

「んひひひぃぃ! ま、まへッ! わらひは、もう……、ひゃう!」

 

 ブシャッ、と箒がションベンを漏らして身体を濡らすがお構いなしに勢はピストンを続けた。

 

 

 

「これ以上、箒ちゃんをイジメたら壊れちゃう!」

「おっと」

 

 束は勢の腰を掴んで引っ張り、箒のオマンコに挿入されていたチンポを引き抜いた。精液と愛液がへばりついて、まだまだ勃起が収まっていない彼の性器が露出する。

 

「だから、私が代わりになる!」

 

 妹の身代わりに、という言葉とは裏腹に彼女の顔は期待に満ちていた。

 

「やったー」

 

 身代わりなんてただの口実だと分かっていながら、それに乗っかって今度は束とセックスする。

 

「早く、着ている服を脱いで。それとも俺が脱がそうか?」

「自分で、すぐ脱ぐから! チョット待って」

 

 言ってみたものの、凶暴なほどに勃起したチンポを目にして少し怖くなってきた束。あんなのが自分の身体の中に入るか心配だった。ゆっくりと服を脱いで、時間をかけて全裸になる束。

 

 激しく責められて意識を失った箒の横に並べるように、束を寝転がせる。勢は、彼女のオマンコを指で触って確認した。

 

「あれ? 意外と、経験豊富?」

「も、もちろん! こう見えても私、大人の女性なんだから」

 

 十分に濡れて、だいぶほぐれた膣内。勢が指をグリグリと、ドリルのように回転させてみると束の膣はグヂュグヂュと淫猥な音が鳴った。

 

 でも実は豊富なのはオナニーの歴だけ。ISを開発する前からオナニーを嗜んでいた束。ネットで動画やエロの情報を漁って調べて性的な知識は豊富だった。いわゆる、耳年増というやつである。しかし、男性とセックスの経験はない。

 

「だったら遠慮なく」

「んひっ!?」

 

 容赦なく、根本まで一気にチンポを突っ込む勢。

 

「うおっ! メチャクチャ気持ちいい」

 

 束の中に挿入した瞬間、思わず声を上げるほど気持ちいいと勢は感じていた。とろけるような感触とミッチリとした肉感が粘膜を包み込んでくる。

 

「んぁううぅ……むふふっ。そんなに……気持ち、良かった……?」

 

 チンポが根本までギッチリ挿入されて、勢の言葉を耳にした束は少し得意げな表情を浮かべる。そんな彼女の表情を見て、ちょっとイジメたくなった勢。予告もなく突然、ピストンを開始した。

 

「くおっ! んおっんううっ!? は、やッ、ダメッ! ずぶずぶ、奥まで入って! 広げられちゃうぅぅぅ!」

 

 思いっきり奥へと突っ込んで、チンポの全てを束の膣内に埋め込んだ。奥に届いた先端で、子宮口をグリグリとこすりつけて、無理やり亀頭で拡張してから腰を引く。

 

「んへぇぇぇっ!? やあああぅぅ! こんなっ! こんなぁぁ」

 

 獣のように強引で力強い勢のピストンに、快楽の悲鳴を上げながら頬を赤らめる束。

 

「はあぁぁぁぐうっ! おぉぉぉっ! おおおぉンッ!?」

 

 可愛くアンアンというような反応とは違って、束は吠えるような野太い声で喘いでいた。

 

「フウッ、ハァッ! いくぞ、束!」

「そんなぁ、……膨らんでる! 中で、おっきくなってるよぉぉっっ!?」

 

 彼女の耳元で、勢が中出しを宣言する。すると射精をねだるように束の肉壁がうねって、強く締め付けチンポに絡みついた。

 

 そんな膣内に、煮えたぎった勢の精液が一気に注入されていく。大量に射精されながら、無意識で勢の身体にしがみつく束。彼女の足が勢の腰に回って、射精を終えるまで絶対に離さないと言わんばかりのホールドを決める。

 

「あひっ!? イグッ、おおおっ! イグイグイグうううぅぅッ!」

「んぉっ!? これは……むおっ」

 

 束の膣圧が上がって、まるでチンポから全ての精液を絞り出すかのようにキツく締め付けられる。身体もガッチリとホールドされているので勢に逃げ場はない。しばらくそのまま、束の膣肉に精液を絞り続けられるのだった。

 

 

 

「ね、ねぇ……、君の名前、何ていうの?」

「俺は神立勢。かっちゃん、て呼んで」

 

 まだ繋がったままの股間から、大量の精液がどろりと垂れ落ちていく。

 

「かっちゃん……。私は束。よろしくね、んひっ!?」

 

 オマンコにチンポを挿入して繋がったまま、2人は自己紹介をする。束が名乗ってよろしくと言った瞬間に、勢は再びピストンを開始した。まだまだセックスは終わること無く、束と箒の姉妹を抱いて勢が満足するまで3人のセックスは続いた。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第25話 セシリアとエロ勉強

 俺は、昨夜の失敗を反省してセックスの上達を目指すことにした。しかし、何から始めればいいのか分からず、身近にいてセックスが上手い人に助言を求めた。

 

 

 

「セックスが上手くなる方法?」

「うん、そう。どうやったら上手くなれるかな?」

 

 授業の合間の休憩時間、勢にアドバイスを求めてみた。すると彼は、快く教えてくれた。本当に頼れる友人だ。

 

「やっぱり実践あるのみ、かなぁ」

「実践、か」

 

 箒とは昨日、おちんちんを挿入するところから失敗してしまったから、普通に最後までセックスすることが出来たセシリアに練習相手をお願いするか。

 

「でもまず一夏は、動画とか本で知識を得ることから始めないといけないかもなぁ」

「なるほど。知識、ね」

 

 今までエロいことに触れてこなかったから、分からないことが多い。まだまた俺の知らないことが、たくさんありそうだった。

 

「セシリアの部屋に、色々と置いてあるから行ってみるといいよ」

「わかった。教えてくれてありがとう」

 

 ということで勢からアドバイスを貰った俺は放課後、セシリアの部屋に行ってみることにした。

 

 

 

「どうぞ入って下さい、一夏さん。勢様から既に話は聞いておりますわ」

 

 セシリアの部屋を訪れてみると、彼女は部屋で待ち構えていた。そして、色々な本やディスクのパッケージが俺の目の前にあるテーブルの上に山のように積み上げられていた。これが勢の言っていたヤツか。

 

「私も、男のチンポを気持ちよくさせる立派な性奴隷を目指して、色々とプレイについての勉強中なのです。一緒に学んでいきましょう、一夏さん!」

 

 やる気に満ち溢れたセシリア。彼女も俺と同じように性行為について勉強しているらしい。エロに対して真剣になって、非常に勉強熱心な娘らしい。

 

「アダルトビデオにヌード写真集、官能小説と、エロ漫画。アダルトゲームなんかもありますよ。まずは、こういうのを見て学んでいきましょう」

 

 本当に数多くあった。今までは、千冬姉に禁止されていたので近づくことも許されていなかったから、身の回りに無かったものばかりだ。これは、彼女が買い集めたものなのかな。

 

「何か、この中に気になるものはありますか?」

「うーん、そうだなぁ」

 

 セシリアに質問されて、テーブルの上に置かれているものをチラッと見てみる。その山の中から目に留まったモノを一つ、手に取ってみた。

 

「幼馴染モノのアダルトビデオ、ですわね」

「うん」

 

 パッケージに大きく幼馴染、という文字を見つけて気になった。これに何か、ヒントがあるかもしれない。

 

「それでは早速、それを観賞してみましょう」

 

 部屋にあるテレビで再生して、セシリアと一緒に並んで動画を見てみることにした。

 

 その映像にはモザイクがかかっていて、出演している女性も正直に言ってあまり可愛くなかったから、それほど興奮はしなかった。でも、その映像を見て色々と勉強にはなった。

 

 ストーリー仕立てで動画は進んで、キスから始まり女性の股間をイジって、それからフェラチオという行為をして挿入する。セックスは、このような流れで行うらしい。

 

 それを見終わったら、また別の動画を見てみたり、本を読んでセックスの方法や言葉について色々と学んでいった。

 

 

 

「んちゅっ、んむちゅっ」

「うっ」

 

 動画と本で知識を得た後、早速実践してみた。セシリアが俺のチンポをジュボジュボと咥えて、フェラチオしてくれる。俺は、すぐに射精してしまった。

 

「ぢゅろぼぼっっ!」

「ッッッく、あ、はっ……!」

 

 どうしてもチンポを刺激されると気持ちよさに耐えられず、すぐに射精してしまう。セシリアは俺のチンポから口を離すと、色々とアドバイスをしてくれた。

 

 

 

「早く射精してしまうというのは、治さないといけないと思います。そんなに早く出してしまうと、チンポでオマンコをズボズボすることが出来ないでしょう。トレーニングをすることで、早漏というのは改善出来るようですわ」

 

 勢が、セシリアとセックスをしていた時の様子を思い出す。彼は、そんなにすぐ射精はしていなかった。それに比べて俺は、やはり早いのだろう。

 

「それと、一夏さんのおチンポは平均サイズと比べて、やはり小さいようです。けれども、小さいからといって女性を満足させられないとは限りません。色々な性のテクニックを磨き上達すれば、女性を気持ちよくさせるはずですわよ」

 

 自分のチンポが小さいことや、射精が早いことを自覚する。改めて、勢の凄さを認識していた。彼のようにセックスが上手くなるために俺は、色々とクリアするべき課題が多そうだ。

 

 

 

 セシリアとの性に関する勉強を終えると、俺は自分の部屋に戻ってきた。色々と学べて、とても有意義な時間だった。

 

 少し前、ISについて勉強していた時のことを思い出す。あの時も分からない事がいっぱいあったけれど、色々と学ぶことによってクラス代表決定戦でセシリアと勢の2人に勝つことが出来た。

 

 だから、ちゃんと性行為について学べば結果が出てくるはず。今度こそ、箒をセックスで気持ちよくさせてみせる。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第26話 勝負

 俺は、セシリアと性行為について学ぶ日々を過ごしていた。そんなある日、寮の部屋に居る時に箒から性行為の勉強について聞かれた。

 

「セックスが上達するように勉強しているそうだな、一夏」

「え? 誰から、その話を」

 

 俺はまだ、箒にその事を話したことはなかった。俺以外の誰かから、聞いたのだろうか。

 

「勢から聞いた。それと、お前を手伝うようにって言われてな」

「……勢から」

 

 いつの間にか箒と勢の2人は仲良くなっていたらしくて、彼のお願いを引き受けるほどの関係に進展しているようだ。

 

「って事は、箒も勢とセックスしたのか?」

「あぁ、ヤッた。気持ちよかったな」

「……そうか」

 

 俺の質問に、ズバッと直球で答える。しかも彼女は、その時のことを思い出しているのか恍惚の表情を浮かべていた。

 

 またしても俺は、遅かったらしい。ショックだった。だけれど、勢を恨むことは出来ない。彼はとてもいい友達だし、セックスが下手な俺にも原因があるだろう。今の俺には彼女の、あんなにも気持ちよさそうな表情を引き出すことは出来ない。

 

 でも今回は、先に彼女と俺はセックスすることが出来た。失敗はしたけれど、処女だった彼女と先に性行為をしたのは俺だ。その事実があるから、なんとか自分を保つことが出来た。

 

 これから先の将来に向けて、セックスについてもっと勉強する必要があると改めて思った。

 

「セシリアと勉強中なのだろう。それで私も、お前を手伝ってやろう」

「手伝うって、何を?」

 

 セシリアとの勉強の事も知られているらしい。それで手伝うとは、具体的に何をする気なのかを聞いてみた。

 

「勝負をしよう。私の手コキに5分間射精しないで耐えられたなら、お前とセックスしてやる」

「手コキって、手でチンポをしごく性行為だったか。それを5分間」

 

 つい最近、本と動画で覚えた性行為の一つだった。それを5分間耐えないと、箒は俺とセックスしてくれないようだ。

 

「これを耐えられるようになれば、オマンコに挿入してもすぐに射精することはなくなるだろう」

「なるほど」

 

 すぐに射精しないように、耐える。俺がクリアするべき課題の一つだった。

 

 セシリアは、いつも優しく射精させてくれた。でもソレだけじゃトレーニングにはならないか。箒のように、厳しくされるのも必要なのかもしれないと俺は納得した。

 

「分かった、その勝負を受けよう」

「よし」

 

 箒が俺のことを考えて、提案してくれたルールに従う。5分間、耐えることができれば彼女とセックスできるのだから。まだ短期間だが、色々と学んできた知識を実践してみせる。俺が勝負を受けて立つと、箒は満足そうな表情で頷いた。

 

 

 

「なんだ。もう勃起しているのか」

「う」

 

 ズボンを脱がされ、俺の下半身があらわになる。勢と箒がセックスしたという話を聞いてから、なぜか痛くなるぐらいに勃起していた。

 

「それじゃあ、タイマーをセットするからな。5分間、耐えきってみせろ」

「わかった」

 

 俺の目の前に置かれた、大きく数字が表示されたタイマーに5分という時間がセットされているのが見える。あの数字が、だんだん少なくなっていきゼロになるまで射精を耐えたら俺の勝ちか。箒がタイマーのスタートボタンを押して、残り時間が減り始める。

 

「うっ」

「触っただけだ。まだ出しちゃダメだからな」

 

 俺の股間の前に、しゃがみ込む箒。彼女のキレイな指が、俺のチンポに触れた瞬間に反応をしてしまう。そんな俺の様子を見て、箒が厳しい視線を向けてきた。それで反応してしまうのは仕方がないだろう、気持ちよかったんだから。

 

「うっ、箒ッ」

「まだダメだから。耐えろ、一夏」

 

 そう言われてなんとか耐えようとするけれど、彼女の指がチンポに絡まって、先端を手のひらでニギニギとされる。刺激で射精してしまいそうになったが、なんとか耐えた。タイマーに目をやると、時間が全然減っていない。5分という時間が、いつも以上に長く感じる。

 

「っ! あっ! うっ……」

「もう出してしまったか。1分しか持たなかったな。全然じゃないか、軟弱者め」

 

 彼女の手のひらに優しく包まれた瞬間、思わず射精してしまった。これで今回は俺の負けかな。そう思って、腰を引こうとするが箒の手がチンポから離れなかった。

 

「あ、あ、だめ。手を止めてくれ、箒ッ」

「これじゃ、女性を気持ちよくさせるなんて当分無理じゃないのか」

 

 聞こえていないフリをしているのか、彼女はチンポから手を離さず、しごきを止めてくれない。

 

「ううっ!」

 

 敏感になっている先端を、手のひらで擦りあげられる。強すぎる快楽に、目の奥がカッと熱くなっていく。

 

「ぐぁぅぅぅ!」

 

 このままでは、チンポがおかしくなってしまう。強烈すぎる快楽は、恐怖を感じてしまうほどに気持ちいい。どうにかして逃げようとするが、彼女の手は執拗に離れなかった。

 

「うくぅっ、う、あ、あああ!」

 

 がくがくと膝が震えて立っていられなくなり、尻餅をつく。その瞬間、プシャャっと水のような液体が大量にチンポの先端から溢れ出てきた。俺は漏らしてしまったようで、床の上に水たまりが出来る。

 

「これでは女性を気持ちよく出来ないだろう。この勝負で耐えられるようになるまで、セックスは禁止だ」

「そ、そんな……」

 

 へたへたと床に座って動けなくなった俺。箒が立ち上がると、俺に指示してくる。こんな状態を見られてしまえば、失望されるのも当然か。

 

「負けたんだから、私の言うことを聞け」

「う。わかったよ」

 

 セックスするのを禁止されて落ち込む。意地悪そうに笑う箒の顔を見て、本当に俺がセックスを上達できるようにと手伝ってくれる親切心があるのかどうか、心配になった。

 

「まぁ頑張ってセックスが上手くなるように鍛えろ、一夏」

 

 こうして俺は、箒からセックスが上達するための難しすぎる課題を言い渡されたのだった。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第27話 ★篠ノ之姉妹で一緒に

 幼い頃に一夏には助けてもらって恋をして、各地を転々としている時も一夏のことを想い続けて、IS学園に入学して彼と再会できたのは運命だと箒は思った。

 

 しかし、再会した一夏は箒を女として見ていなかった。それが箒にとって、とても不満だった。ずっと恋をしていたのに、相手は何も想ってくれていなかった。しばらく経つと一夏は、友人の勢に影響されて性に興味を持ち始めた。

 

 セックスしてくれと一夏に迫られた時、箒は嬉しかった。その後のセックスがダメで、失望は加速してしまったけれど。

 

 それに比べて、もうひとりの男子生徒である勢。

 

 箒の目から見ると彼の印象は、普段は真面目で友人には優しく、いろいろと気遣いも出来る人物だった。でも実は、とても女性とセックスするのが好きだという軟派な男だった。

 

 そんな彼とセックスした箒は、女としてたくさん愛してくれる勢に、夢中になった。

 

 

 

 一夏がセシリアとセックスの勉強をしていると耳にした箒は、彼にトレーニングの手伝いを提案した。

 

「勢から聞いた。それと、お前を手伝うようにって言われてな」

 

 そう一夏に言ったのだけれど、実際は勢からお願いされたというのは嘘である。ただ、一夏と勝負するための口実として使わせてもらっただけだった。

 

 箒は、しばらく一夏がセックス出来ないようにするため勝負を提案した。

 

 勘違いだったけれども、一夏が箒の処女を奪わず大事にしていると勢が思ったために、箒は数日間オマンコでセックスしてもらえなかった。セックスを焦らされたときの辛さを、一夏にも味わわせようと考え、勝負を仕掛けてセックス禁止を言い渡した。

 

 姉の束と勢から伝授された手コキのテクニックで、箒は勝ちを確信していた。セシリアからも、一夏が早漏だという情報を得ていたから。まさか、1分足らずで勝負が決まるとは思っていなかったが。

 

 

 

「姉さん、いつまで勢の部屋に入り浸っているつもりだ。いい加減、そろそろ自分の家に帰ったらどうなんだ?」

 

 勢の個室部屋を訪れた箒は、部屋主が居ないのに勢のベッドの上でくつろいでいる束の姿を見て文句を言った。早く自分の家に帰れ、と。

 

「えー、私が勢の部屋に居てもいいじゃん。それに拠点にはちゃんと帰ってるよ、箒ちゃんが学校に行っている間に」

 

 ベッドの上でシーツに包まり脱力して寝転んでいる姉は、妹に口答えする。

 

「だけど姉さんは、IS学園の職員でもなんでもないのに勝手に学園の寮に入ってきて!」

「そういう箒ちゃんは、まだ学生なのに男の部屋で朝まで過ごしてるし」

「う」

 

 痛いところを突かれて、思わず窮する箒。だが、反撃の手を緩めない。

 

「そ、そういう姉さんも勢とセックスしたくて部屋に入り浸っているじゃないか」

「私は、大人の女性だから問題ないもーん」

「そもそも、姉さんは寮に入ってきちゃダメなんだ!」

 

 姉妹喧嘩が始まった。

 

「こらこら、姉妹で喧嘩しないの」

「だって、姉さんが!」

「聞いて、かっちゃん!」

 

 部屋に戻ってきた勢が、2人の喧嘩を止めに入った。すると、相手が悪いと2人は訴える。

 

「まぁまぁ、いいから」

「アンッ」

 

 箒の身体を抱き寄せて、丁度いい位置にある大きな胸を揉みしだく。それだけで、彼女のオマンコは濡れた。

 

「束もおいで」

「うんッ!」

 

 呼ばれた束は満面の笑みを浮かべて元気よく、ベッドの上から飛び上がって勢の身体に抱きついた。

 

「ズボンを脱がして」

「うん、わかった」

「どうぞー」

 

 勢を間に挟んで、左右にいる箒と束が彼のズボンを脱がしにかかる。すると、勢の固く勃起したチンポが2人の目の前に現れた。

 

「チンポにキスして」

「んちゅ」

「んー」

 

 勢に言われた通り、2人は彼の亀頭に左右から柔らかい唇で優しく触れる。勢の手が、束と箒の頭を撫でると2人はニコッと笑顔になった。

 

「じゃあ今度は、2人で仲直りのキスを」

「んー」

「んっ」

 

 チンポから顔を離す。そして、勢の目の前では指示された通りに姉妹2人が唇を合わせていた。一方は少し恥ずかしそうに、もう一方はとても嬉しそうに。

 

「もう喧嘩しちゃ、ダメだからな」

「はーい」

「わかった」

 

 これまでにも何度か行っている、お決まりのやり取りだった。いつものように2人が仲直りしたのを見届けてから勢は、2人の顔の間にチンポを突き出す。

 

「丁度いいから、ついでに2人でフェラしてくれ」

「はーい。私が亀頭を咥えて上からジュポジュポやるから、箒ちゃんは金玉をしゃぶってあげて」

「うん、姉さん」

 

 2人の間にある一本しかないチンポをどのようにしゃぶるかテキパキと分担を決めると、束は亀頭の方へ移動し、箒は陰嚢の方へ顔を移動させた。喧嘩はするけれど、ちゃんと仲のいい姉妹だった。

 

「んっちゅっ。ちむっ、んちゅっ」

 

 箒の口の中で袋に包まれた睾丸が、舌先で転がされて優しい刺激を与えていく。

 

「んじゅっぷ、じゅぽっ……!」

 

 挑戦的な視線で勢を見上げて、亀頭からチンポの半ばまで咥え込んだ束。

 

 2人の口で丁寧に奉仕されて、勢は射精の欲求がどんどん高まっていく。

 

「んっ、ぢゅぼッ……、ぢゅろねろねろぉっ!」

 

 ねっとり、ぐっちょり。射精した直後も口の中でチンポをマッサージするように絡みつく、束の口。

 

「んじゅっ……じゃ、箒ちゃん。交代ね」

「今度は私がこっちだ」

 

 2人が場所を交代する。勢の精液と束の唾液に濡れて敏感になった亀頭を、今度は箒が咥えた。彼女は潤んだ瞳で勢の顔を見上げる。そして陰嚢は束が咥えて、その精巣を舌で転がした。

 

「んじゅっ、ぢゅぼっ! んはっ、んちゅっ!」

「んれろっ、れろっ、あむっ、んちゅっ」

 

 2人が呼吸を合わせて、勢のチンポを気持ちよくさせていく。すぐに射精の準備が整って、2発目が発射された。

 

「んぢゅうぅぅッ! ……ぢゅるっ」

 

 すべてを受け止める、箒の口。さらにチンポから残りの精液を全て吸い出すかのように、貪欲で下品に箒は吸い上げる。

 

「じゃあ、最後に2人でお掃除フェラをしてくれ」

「はーい」

「わかった」

 

 最後は束と箒が左右から、チンポの根本から亀頭を隅々まで舐めてキレイにするのだった。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第28話 セックスがしたい

 制限時間以内の射精を我慢する、という勝負。タイムリミットまで我慢できたら俺の勝ち。だが我慢できずに射精してしまったら箒の勝ち、というルールで勝負をした。結果は俺の惨敗である。

 

 勝負に負けた罰としてセックス禁止を言い渡された。しかも、その禁止される相手は箒だけではなくセシリアにも適応される、というような条件だったらしい。

 

「箒から、勝負の件で一夏さんとセックスしちゃダメって言われてるんで、申し訳ありませんわ」

「そ、そうなのか」

 

 いつものように書籍や動画で性行為について勉強をしてから、実践してみようとするとセシリアから拒否されてしまった。彼女から、詫びるような表情で謝られてしまう。

 

 箒とセシリアの2人は名前で呼び合うほど仲良くなって、勝負についても知らせていたらしい。俺よりも、箒のお願いを優先されてしまった。2人は仲が良かったんだと知れて嬉しいけれども、今回ばかりはそんなに仲良く協力しないでほしかったな。

 

「口やお尻もダメと言われているので、手でヤッてあげますね。ということで、できるだけ射精を我慢してください」

「う、うん……」

 

 そんな事を言われながら、ズボンとパンツを速攻で脱がされた。すぐさまセシリアに、露出したチンポをイジられる。

 

「どうですか? 気持ちいいですか?」

「うっ……」

 

 いつもより快楽は少なかったけれど、セシリアのほっそりとした指でチンポをしごかれて簡単に射精してしまい、その日も早く性行為の実践は終わってしまった。この早く射精してしまう問題を解決しなければ、セックスが出来ないのかと改めて自覚させられた。

 

 

 

 勉強が終わって部屋に帰ってくると、やっぱりムラムラした気持ちが収まらなかった。セックスの気持ちよさを知ってしまって今、それが出来ないのだとものすごく焦らされている気分だった。

 

 スマートフォンに保存されているあの動画を見て自分の手でオナニーしてみるけれども、以前のような気持ちよさは得られず、どうも味気ないと感じるようになっていた。

 

 こんな調子で俺はセックスを我慢出来るのだろうか。既にもう、どうにかして女子とセックスがしたいと思ってしまっている。オマンコにチンポをズボズボ挿入したい、という欲求で溢れていた。けれど、なんとか我慢し続けて1日を終えた。

 

 

 

「……むら。おい、織斑!」

「ッ! はい!」

 

 翌日のISの操縦訓練中。千冬姉に呼ばれているのに気付いて、慌てて返事する。名前を呼ばれるまで、ボーッとしていた。千冬姉の、俺を見る目が非常に怖い。

 

「授業に集中できていないみたいだな。そんな状態では訓練中に事故を起こす。ISには絶対防御という、あらゆる攻撃を受け止めるシールドがあるから問題は無いかもしれないが、織斑は念の為に今日はISから降りて横で見学していろ」

「わかった、千冬姉……じゃなくて、わかりました、織斑先生」

 

 ということで訓練中にボーッとしていた俺は、ISを解除させられて、授業を受ける生徒たちから1人離れた場所に座ってIS操縦訓練を見学させられた。

 

「……」

 

 訓練中、生徒たちはISスーツというものを着用している。体にぴっちりと密着した水着のように見える格好で、腕や太ももが大胆に露出している。

 

 女子生徒たちのあの姿を見て、俺は再びムラムラしてしまった。特にセシリアの格好を見ると、俺は興奮を隠せずにいた。思わず俺は、男である自分も着ているISスーツの上から股間をイジってしまいそうになる。流石に今は我慢しないといけない、ということは分かっている。

 

 じーっと訓練の様子を眺めながら俺は興奮していたけれど、耐え続けた。そして俺は、なんとか操縦訓練の授業が終わるまで自分のチンポをイジらずに耐えきった。

 

 その後、急いで学園のトイレに駆け込み自分で処理した。

 

 

 

「なぁ、箒。禁止を解いてくれないか。もう俺は限界だ」

「ダメだ。それを我慢しないと、いつまで経っても成長できないぞ」

 

 その日の授業が終わって学校から寮へ帰る途中、俺は箒に懇願する。セックス禁止令を解除してくれと。しかし、彼女は首を横に振って聞き入れてくれない。

 

「うぅ……」

「恨めしそうな目で見たってダメだ。ちゃんと我慢出来るようになって、女性を喜ばせられるようにしてからじゃないと許可しない」

 

 そう言って、スタスタと先に行ってしまった。容赦がない。俺は、セックスがしたくてムラムラしていた。別に彼女の許可が絶対に必要だ、というわけではないが言うことを聞かずに無視をしてバレたらメチャクチャ怒られそうだからな。そもそも、相手が居ない。

 

 箒は勝負に勝てるまでダメで、セシリアも箒に止められている。ならば、他の女性にお願いしてみるというのはどうだろうか。

 

 山田先生は無理だろうな。勢の女性だし、彼にお願いをしてみたらもしかすると、だけど箒にバレるだろうし。

 

 同じクラスの女子は、どうだろうか。お願いしても、オッケーしてもらえる自信がない。

 

 ならば千冬姉とか、どうだろうか。いやいや、流石に姉弟はダメだろう! 

 

 何を考えているんだ、俺は。一旦冷静になってみると、自分がとんでもないことを考えていたと自覚する。やっぱり、しばらくは我慢して大人しくしておこう。

 

 そんな事を考えながら、とぼとぼ帰り道を歩いている。ふと、背後から視線を感じた俺は後ろを振り返る。

 

「ん? 気のせいかな」

 

 振り返った瞬間、視線の端にツインテールの小柄な女の子が見えたような気がした。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第29話 クラス代表就任パーティー

「いや、なんで俺がクラス代表に!?」

 

 夕食後の自由時間。1組の生徒たちで集まり、何やらイベントをすると聞いて寮の食堂に連れてこられた。その先に大きな『織斑一夏クラス代表就任パーティー』という横断幕が張ってあった。いつの間にか、俺は一組のクラス代表に任命されていたらしい。

 

 食堂の中に入ると、一番中央にあるテーブルに案内されてメインの席に座らされた。

 

「どうして俺が、クラス代表……?」

「だって、対決して俺たちに勝ったからな」

「でも勢、あの対決で勝てたのは偶然だって」

 

 先に食堂に来ていたらしい、勢が横に座って説明をしてくれる。確かにセシリアと勢、2人との戦いに俺は勝った。だがしかし、実力は2人のほうが絶対に高いと思う。

 

 俺が勝負に勝てたのは運が良かったのと、遠距離が得意な2人に接近戦を仕掛けたから。だから勝てたんだと今も思っている。

 

 とにかくIS初心者の俺よりも、2人のどちらかの方がクラス代表に相応しいだろう。そう訴えるが、セシリアと勢、どちらもクラス代表という立場を受け取る気はないみたいだ。

 

「仕方がないですわ。あの時の結果が全て、ですので」

「クラスでも話し合って、みんなで決めたんだ。お前が学校を休んでいるときに」

「いやいや、俺が休んでたときにクラス代表を決めたのかよ」

 

 横に座って、俺のコップにジュースを注いでくれるセシリア。あの3日間の無断欠席のときに、誰がクラス代表を務める話し合いが行われていたらしい。そんな事があったことも、そこでの決定も今知ったのだが。

 

「いまさら文句を言っても遅いぞ、一夏。残念ながらもう決まったことだから、千冬先生は変更を受け付けてくれないだろう。観念するんだな」

「うぇ。そんなぁ……」

 

 ニヤニヤしながら勢は言う。彼は絶対、面倒くさいから俺に押し付けたんだと思う。たが、千冬姉が変更を受け付けないのも、彼の言う通りだと思う。クラス代表という立場を受け入れるしか、方法はなかった。

 

「頑張って下さいね、一夏さん」

「ありがとう、セシリア」

 

 勢とは違って、キレイな笑顔を浮かべて言うセシリアは純粋に応援してくれているようだった。彼女にそう言われるだけで、素直にクラス代表という立場を引く受けてしまいそうになる。

 

「それにな、一夏」

「うぉっ、なんだよ?」

 

 突然、肩を組んで顔を近づけてきた勢。耳元で、こんな事を彼はささやいてきた。

 

「数週間後にクラス対抗戦というものがある。そこでお前が活躍できれば、女にモテると思うぞ」

「お、女に?」

 

 思わず、勢の言葉に反応して同じ言葉を繰り返し呟いてしまう。

 

「お前の整った顔と、クラス対抗戦で更に実力を示すことが出来たなら、他のクラスでセックスをしてくれる女と出会えるはずさ。箒に禁止されてて、セックスが出来なくてツライんだろう?」

「知ってたのか」

 

 勢も、箒に話を聞いて知っていたようだ。そして彼は、困ったような表情を浮かべる。

 

「もちろん。箒から話を聞いて、他の女を紹介するなって言われてるんだ。スマンな」

「そうだったのか。いや別に、謝ることでも」

 

 ない。そう言おうとすると、俺と勢の内緒話に割って入る人物がいた。

 

「顔をそんなに近づけて、何を2人だけで話している」

「男同士の楽しい会話さ」

 

 会話に割り込んできたのは、話題の箒だった。彼女に睨まれながら詰問された勢は、堂々として答えた。

 

「そうか。まぁ、勢は一夏を贔屓するなよ」

「わかった、わかった」

 

 箒が、勢に釘を刺す。ああ言われているのなら、彼を頼ることは出来ないか。

 

「一夏も、勝敗の件を忘れるなよ」

「うん。わかってる」

 

 視線を俺に向けて、そう言ってくる。勝負に負けてしまったし、仕方ない。

 

「セシリア、また後で話そう」

「そうですわね」

 

 最後はセシリアに話しかける。それだけ言うと、箒は俺たちの座るテーブルから離れていった。

 

 

 

「ふぅ……。かなり、機嫌が悪そうだったな」

「そうか? なんだか悪い笑いを浮かべて、楽しそうに見えたけど」

 

 俺には箒が怒っているようにしか見えなかったけれど、勢は楽しんでいるように見えたらしい。だから睨まれても、あんなにも余裕そうに対応していたのかな。それにしても、箒の表情のどこが楽しそうに見えたのだろう。俺には分からなかった。

 

「私にも、箒が楽しそうに笑って見えましたが」

「もしかすると、俺にだけ当たりが強いのかな?」

「そんな態度を取られるような原因、何か心当たりは無いのか?」

 

 勢に聞かれて、箒との記憶を思い返してみる。

 

 初日にいきなり事故で、風呂上がりのタオルを体に巻いた姿は見てしまったが、その件は許してもらった。学校を無断で休んだときに色々と助けてもらったことも、お礼を言った。ならあとは、初めてのセックスで失敗したことぐらいか。でも、その直後は仕方ないという風だったので怒っていなかったはず。

 

 だからやはり心当たりはない。それを勢たちに伝えてみると、彼らも疑問に思ったような表情。

 

「まぁ、とにかく。1組のクラス代表として対抗戦を頑張れよ、一夏」

「ありがとう、勢。任せてくれた皆をガッカリさせないように、頑張ってみるよ」

「その意気です、一夏さん!」

 

「おめでとー」「がんばって!」「織斑くん、応援してるからねッ!」

 

 1組の女子たちに、次々と応援される。これは、クラス対抗戦で勝てるように頑張らないとな。それに、別のことに集中すれば性欲がちょっとは収まるかもしれない。

 

 

 

 しかし、その就任パーティーで軽く女子生徒たちと触れ合ったりして結局、性欲が……。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第30話 拒否

「おはよう、一夏。聞いたか? 隣のクラスに、可愛い転校生が来たらしいぞ」

「転校生? こんな時期にか?」

 

 朝。学校に来て、席に着くなり友人の勢に話しかけられた。勢は笑顔を浮かべて、可愛いらしいという噂に期待しているようだった。

 

「どうやら、転入生は中国の代表候補生らしいな」

「へぇ、中国から」

 

 次に箒が近寄ってきて、補足の情報を知らせてくれる。中国というと、昔仲良くしていた女友達の事を思い出す。彼女は今、何しているかな。

 

「あの国は最近、IS開発にものすごく力を入れているようですわ。それでおそらく、将来に向けてISの操縦者を増やすために無理やり転入させたのかもしれません。わたくしの予想、ですけれど」

「なるほどね」

 

 更にセシリアもやってきて、転入してきた理由についての予想を教えてくれた。彼女の予想は、納得の出来る内容だった。

 

 

 

「あなた達が気になっている中国からの転入生、ってのが私よ」

 

 噂の転入生について色々と話していると、話題となっていた人物が教室にやってきた。しかも、その女子生徒は俺の知り合いだった。

 

「え? お前、鈴か?」

「久しぶりね、一夏!」

 

 教室の入口で腕を組んで、片膝を立ててドアにもたれかかる女子生徒。クラスに響き渡るほどの大声で俺の名を呼んだのは、凰鈴音だった。

 

「知り合いか?」

「あぁ。小学校から中学まで近所に住んでて、一緒に学校に通ったり、遊んだりした仲だ」

 

 勢に、彼女との関係を説明する。しかし、まさか転入生が彼女だったとは予想していなかった。

 

「ところで、一組のクラス代表は一夏だって聞いたけど本当?」

「あぁ、そうだ。一組のクラス代表は俺だ」

 

 いきなり話題が変わって、クラス代表について問いかけてくる鈴。もしかして、わざわざそれを確認するために、一組のクラスに来たのだろうか。

 

「ふーん、そっか」

 

 俺が答えると、何やら意味深な笑みを浮かべる彼女。

 

「おい」

「え? あ! ち、千冬さん。お久しぶりです」

 

 そんな彼女に背後から声をかけたのは、千冬姉だった。鈴は、まるで蛇に睨まれた蛙かのように怖がりながら、頭を何度も下げて丁寧に挨拶した。

 

「久しぶりだな、凰。だが、学園内では織斑先生と呼べ。すぐ授業が始まるから、さっさと自分のクラスに戻れよ。それと、教室の入り口を塞ぐな。通行の邪魔だ」

「はいッ! 今すぐ自分のクラスに戻ります!」

 

 千冬姉に注意されると元気よく返事をして、鈴は自分のクラスに帰っていった。

 

「また後で来るからね。逃げないでよね、一夏。じゃ!」

 

 教室を出る前に最後、俺に向かってそんな事を言う鈴。そして廊下に出ると、猛ダッシュ。

 

「廊下を走るな、凰! 全く……」

 

 千冬姉は、廊下を走り去っていく鈴の背中に向かって注意してから教室に入ってきた。朝から、とても大変そうだった。

 

 

 

 その日は、休み時間になるたび教室に鈴がやってきた。授業が終わってすぐ、千冬姉や山田先生と入れ替わるようにして教室に入ってきた。

 

 彼女は俺の座る席の前に立つと、次々と質問攻めにしてくる。鈴が中国に引っ越した後の生活、友人の五反田は今どうしてるとか、あれから恋人は出来たのか、とか。

 

 休み時間が終わると、慌てて教室から出て自分のクラスに戻っていく。落ち着きのない様子は、相変わらずだった。

 

 

 

 授業が終われば寮に帰るので、それで質問攻めも終わるかと思った。だが彼女は、俺の住む寮の部屋にまで押しかけてきた。

 

「ここが一夏の部屋ね。女子と一緒に住んでるって聞いてるけど、本当なの?」

「あぁ。今は居ないが、篠ノ之箒という娘がルームメイトだな」

 

 まるで自分の部屋かのように、ズカズカと遠慮なく部屋に入ってきた鈴。そして彼女は、こんな提案をしてきた。

 

「ねぇ。箒って娘と私の部屋を交換してくれるように説得するから、手伝ってくれない?」

 

 部屋の交換を手伝ってくれと、鈴にお願いされる。それって可能なのだろうか。

 

 箒と部屋の交換について話し合う必要がある。それから寮の監督者らしい、千冬姉とかにお願いすれば部屋を交換しても大丈夫なのだろうか。

 

「分かった、手伝うよ。その代わりに、俺とセックスしてくれ」

 

 俺は、部屋の交換を手伝うことにした。その条件として、セックスをしてくれと鈴にお願いしてみた。

 

「……え? 今、なんて言った?」

「部屋を交換できるように説得を手伝うから、俺とセックスしてくれ」

 

 繰り返して、同じことを鈴に言う。彼女だったらまだ、箒との勝負で負けた罰を知らないだろうからセックスが出来るはず。

 

「は?」

 

 今度こそ、はっきりと伝わっただろう。俺の言葉を聞いて、なぜか唖然とした表情を浮かべる鈴。

 

「ば、ば、ば、馬鹿じゃないの!? こ、恋人でもないのに、せ、っ……したいだなんて!」

 

 パシン、という鋭い音が部屋に響いた。俺は、鈴に頬を叩かれたようだ。頬が熱くて痛かった。あと口の中もちょっと痛い。かなりの力で頬を叩かれたようだ。

 

「痛いじゃないか、鈴」

「あんたがそんな、エロ男になってたなんて。信じられない!」

 

 そのまま彼女は、部屋から出ていってしまった。

 

 また失敗した。今回はセックスをする前に、誘うのを失敗してしまった。やっぱり俺は、女性を誘うのが苦手のようだ。今回の反省は、いきなり過ぎたことかな。

 

 男女が一緒の部屋で生活しようだなんて、それなりの好意を持ってくれていると思ったのにな。頬が腫れるほど強く叩かれて、拒否されてしまった。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第31話 兎からのプレゼント

 鈴が部屋から飛び出て行った、後。セックスは出来なかったかと落ち込んでいると、部屋の中に聞き覚えのある女性の声が聞こえてきた。

 

「やぁやぁ。ツインテール頭に思いっきり頬を引っ叩かれてたね、いっくん」

「え! 束さん!」

 

 まさかの登場に俺はとても驚いた。笑顔を浮かべて、片手を上げながら部屋に入ってきたのは、篠ノ之束さん。彼女と顔を合わせるのは数年ぶりだった。

 

 しかし今日は、しばらく会っていなかった人たちとよく再会する日のようだ。

 

「こんにちは、いっくん。元気だったかな?」

「俺は元気です。束さんこそ、元気でしたか?」

 

 彼女の元気な振る舞いと明るい表情を見ると、答えを聞く前に、元気に暮らしていたというのがよく分かった。

 

「とーっても元気だったよ。恋人も出来たからね」

「え!? そうなんですか! それは、おめでとうございます」

 

 束さんが昔から人間関係が壊滅的なのを知っているからこそ、彼女に恋人ができたという報告を聞いて本当に驚いた。でも、とてもめでたい事だった。恋人という言葉を口にした瞬間、束さんは嬉しそうな表情を浮かべる。すごく仲が良いんだろうな。

 

「箒に会いに来たんですか? 今は、部屋に居ないですけど」

 

 束さんが部屋を訪れた理由といったら、彼女の妹である箒に会いに来たというぐらいかな。それぐらいしか束さんの用件が思いつかなかった。だけど、どうやら違うらしい。

 

「フフフッ。今日は、いっくんに会いに来たんだよ」

「俺に?」

 

 箒ではなく、俺に会いに来たと言う束さん。一体どういうことだろうか。彼女が俺に会いに来るような理由に、心当たりがない。

 

「ついでに慰めてあげよう、って思ってね。君のために良いモノを持ってきたよ」

「慰める? ん?」

 

 慰めるって、先程の鈴とのやり取りを束さんにも見られていたらしい。恥ずかしいな。

 

 良いモノ、とは何だろう。鈴に拒否されてしまった記憶を忘れ去るためにも、ちょうど良い気分転換になればいいが。束さんの用意をしてくれたというものに、俺は少し期待する。

 

「よっこいしょ」

「うぉ」

 

 束さんは、俺が座っていたベッドに腰を下ろした。体温を感じるほどの近さに2人で並んで、ベッドの上に座っている。近くで見ると、束さんのスタイルの良さが分かった。

 

 すごく、おっぱいが大きい。お尻も魅力的だった。勝手に触ったら、怒られるだろうな。

 

「さぁ、これ見て」

「ッ! ど、動画ですか? これは」

 

 俺は、束さんの身体に見惚れていた。気が付くと、いつの間にか取り出されていた大きな画面のあるパソコンがテーブルの上に置かれていた。束さんがマウスで操作して、画面いっぱいに何かの動画が再生し始める。スピーカーから音も聞こえる。

 

 耳を澄ます。獣が唸るような、くぐもった音が聞こえるようだが……、何だ?

 

 画面には、どこかの部屋が映っていた。寮の部屋の内装のように見えるが、誰の部屋なのかな。これから、この映像を2人で見ていくのだろうか。動画は、どれぐらいの長さか気になってきた。

 

『これを見ているということは、既にこの世に私は存在していない……って、うそぴょーん』

「えーっと、……なんですか? これ」

「まぁまぁ、見てて」

 

 画面に束さんの姿が映っていた。いきなりフザケて、画面に向かってピースサインをしている。これは一体何を見せられているのだろうか、まだ分からない。

 

『これから始まる動画の司会進行を務める、篠ノ之束です。どうぞ、よろしく』

 

 今、横に並んで座っているというのに、俺は画面に映る束さんを見続ける。

 

『次に、男優の方に登場していただきましょう。どうぞ』

『ん? もう出ても良いのか?』『どうぞ』

「男優?」

「そう。いっくんの友達でしょう? かっちゃんは」

 

 次に聞こえてきたのは勢の声だった。画面の端から顔を出して、動画を見ている人に挨拶する。

 

『どうも、男優の神立勢です。よろしくおねがいします』

 

 というか動画内で会話している様子を見てみると、とても仲が良さそうだった。2人は知り合いだったのか。というか、いつ知り合ったのかな。全然知らなかった。

 

『ということで今回、彼にヤッてもらうのは彼女』

『っむー! っむっー!』

 

 カメラが動いて、見えたのは肌色。そこには何故か、全裸姿にされて両手両足を鎖で繋がれてベッドの上に寝かせられた、千冬姉がいた。

 

「え?」

「ムフフッ!」

『ッッ! むぅぅぅッ!』

 

 大の字のように両手両足が広がっている。腕や足を振って激しく暴れているけれど、手首と足首にガッチリと鎖が繋がれていて、身動きがとれないようだ。ガシャン、ガシャンと金属が鳴る。

 

『ッ! むッ! んッ!』

 

 しかも、お腹に何かシールのようなモノを貼り付けている。その部分が光ると、千冬姉が何かに反応してうめき声を上げていた。アレは、何の機械だ。

 

「何なんですか、これは!?」

「……フフッ!」

 

 これは一体、何なのか。束さんに視線を向けてみるけれど、彼女は何も答えてはくれなかった。ただ、笑みを浮かべるだけである。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第32話 同時視聴

『なぁ束、やっぱり自分の力でなんとか出来なかったかな』

『多少強引にシテあげないと。ちーちゃんの攻略は、正攻法なら一年以上はかかると思うよ』

 

 画面の中で、裸の千冬姉を間に挟みながら呑気に会話をしている束さんと勢の二人。けれども、勢の方はあまり乗り気ではないように見えた。だが。

 

『まぁ、そこまで待つのは無理だな。ヤッちゃおう』

『うん。ヤッちゃって』

 

 束さんの一言で、勢は一瞬で乗り気になってしまった。本当に、やる気なのか。俺の姉と。

 

『むっ! ……ッッ! むぅぅぅ!』

『なんて言ってる?』

 

 束さんが、千冬姉の口に貼ってあるガムテープを剥がした。次の瞬間、千冬姉が口を開く。

 

『早く、私を開放しろ、束! 今ならまだ、不問にしてやる……ッ! むぐっ』

 

 千冬姉は手足を拘束されながらも、気丈に振る舞った。しかし、束さんは聞き入れずに再び口にガムテープを貼って黙らせてしまう。

 

『ということで、もうしばらく快楽レベルを上げていこうね』

『むっ……うぅぅっ! んむっ、ふっ、ふっ、むぅぅぅぅっ!』

 

 ガムテープで口を塞がれて、千冬姉はうめき声しか上げられない。そして束さんが手元に持った何かのリモコンを操作した瞬間、千冬姉はいきなり鼻息を荒くして、腰を痙攣させていた。

 

「ちーちゃんのお腹に張ってあるアレで、子宮口のポルチオっていう女の一番感じる部分を外から刺激してるんだよ。ちーちゃん用に特別に開発した、大人のおもちゃ」

「大人の、おもちゃ」

 

 一緒に映像を見ている束さんから解説が入る。千冬姉はベッドの上で腰をくねらせながら、顔を真っ赤にしていた。あの表情は感じている、ということなのか。

 

『ッ! っむっ……ッ! ぅふんっ!?』

『千冬は、とても気持ちよさそうにしてるな』

『ということで、しばらくは放置プレイで。私達は、先に楽しんじゃおうよ』

 

 そう言って、勢と束さんの2人は千冬姉を置いたままにする。服を脱ぎ、裸になると2人だけでセックスを始めた。千冬姉の側で、彼女に見せつけるようにして。

 

「まぁ、ここは今は関係ないので早送りで」

「……」

 

 俺の横に一緒に座って見ていた束さんが画面を操作をして、一気に時間が進められた。

 

 

 

『そろそろ、ちーちゃんの様子を見てみようか』

『どうなったかな?』

 

 画面が動いて、千冬姉の姿が映し出される。どれくらい時間が経ったのか分からないが、彼女はグッタリとしていた。束さんが再び、千冬姉の口に貼ってあるガムテーブを剥がす。

 

『ッ! ……もう、やめ、ろ……やめて、くれ……!』

『こうなってるね』

 

 目尻に涙をためて、止めてくれとお願いする千冬姉。あんな状態になるまで放置されて、近くでセックスを見せつけられ続けたのか。

 

『もう、……イジメないで……』

『思ったよりも簡単に負けちゃったね、ちーちゃん』

 

 もっと抵抗するのを期待していたかのように、束さんが呟く。

 

『うーん。ちょっと心苦しいな。イジメているわけじゃないんだが』

『でも、ちーちゃんは頑丈だから。もうちょっと、気持ちよくなってもらおうかな』

 

 束さんが更に、機械を操作しようとするのを見て千冬姉が叫んだ。

 

『どう、して、私だけっ! こんな、イジメないでッ! うわぁぁぁーん!』

 

 うえーんうえーん、と声を上げて泣きじゃくる千冬姉の姿。おそらく初めて、そんな彼女の姿を見た。生まれてから今まで俺は一度も、彼女が目から涙を流している姿すら見たことがなかった。小さな子供のように泣きわめく姉の様子は、ものすごい衝撃だった。

 

「……どうして、こんな事をするんですか?」

「いっくんも、箒ちゃんにイジメられたでしょう? だから姉である私は、いっくんの姉であるちーちゃんをイジメようかなって。そしたら、姉妹仲良くバランスが取れるでしょう?」

 

 なぜ束さんは俺の姉をイジメるのか、千冬姉の友人じゃなかったのか。質問してみたけれども、束さんから返ってきた答えは俺には、今ひとつ理解できなかった。そして束さんは、続けて言う。

 

「本当は、いっくんには期待してたんだけれど見込み違いだった。箒ちゃんを愛してくれたのは、かっちゃんだった」

 

 かっちゃん、というのは勢のことか。俺は、友人の勢に何かで負けてしまったようだ。それで、束さんに失望されてしまった。それが理由で、こんな事が行われたのか。俺の知らない間に。

 

「だけどいっくんには、箒ちゃんに恋をさせてくれたことは凄く感謝しているんだ。だから、そのお礼を今からしてあげる」

「お礼? 俺の姉をイジメることが、ですか?」

 

 こんな映像を見せることが、俺に対するお礼だと言うつもりなのだろうか。少し苛つきながら、俺は束さんに厳しく問いただした。

 

「ちがうよぉ。いっくんには、気持ちよくなれるようにもう一つプレゼント。はい」

「これは?」

 

 束さんは、筒状の細長い棒を取り出して渡してきた。ソレを受け取るが、何なのか分からない。

 

「ほら。ここをパカッと開けて」

「濡れてる? これって、もしかして」

 

 蓋を開けた先には、ピンク色をした肉肉しい何かが隙間なくギッチリと詰まっていた。そして、穴が空いている。中は濡れていた。俺はソレに見覚えがあった。女性のアソコとよく似ている。

 

「そうそう。ここにチンポを突っ込むの。オナホールってヤツだよ」

「……ッ!」

 

 存在は、最近勉強して知っていた。しかし実物を見たのは初めてだった。正直に言って、とても興奮している。最近ずっと我慢をしていた分、今すぐソレに突っ込んで気持ちよくなりたいと俺は思ってしまった。自分の姉が、犯されようとしているというのに。

 

「ほらほら、もう我慢をしなくてもいいんだよ。そのオナホールはいっくん用に作った特別製で、突っ込んだらオマンコと同じくらい、いやもっと凄く気持ちよくなれるから」

「……うっ!」

 

 束さんに促されて、俺はズボンとパンツを脱いで我慢できずにオナホールにチンポを突っ込んでいた。彼女の言う通り、ものすごく気持ちよかった。



目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。