黄色い君に〜山吹沙綾誕生日記念〜 (スタプレ)
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黄色い君に〜山吹沙綾誕生日記念〜
(気づいたのはガルパのラウンジ会話)
またおまけはガルパピコ大盛りのネタバレがあるので注意です。
この俺...曲 星は非常に困ったことがある。
「さーやの誕生日プレゼントどうしよう。」
Poppin’Partyというバンドでドラムを担当しており、近くの商店街で営んでいるパン屋さんの娘、山吹沙綾。
CiRCLEで働く俺とも仲がよく、たまには2人で出かけるほどでもある。
残念ながら友達以上の関係ではありません。
だ〜れもいないこのライブハウスでボケーとしてたら5月19日まであと1週間だと言うわけ。
「それで何がいいと思いますまりなさん?」
同じようにぼーっとしている上司...まりなさんに相談してみる。
実は異性の友達に誕生日プレゼントをあげたことが一度もない。
「え?そうだな〜。好きなものをあげたら?」
沙綾の好きなものはペペロンチーノとチーズ。クッキング力が壊滅的な俺には無理な話。
なら趣味は?ヘアアクセをプレゼントしてもいいが、そんな知識がないし、そもそもコレクションを趣味としている沙綾だから最悪ダブル可能性もある。
野球観戦の招待。これはたまにチケットを買っては一緒に観に行くので、特別感が薄い。
「ちょっと無理がありそうですね。」
「う〜ん。なら実用的なものは?」
今沙綾が欲しいもの分からないけど...
「逆に花束とかどうですか?」
Afterglowのボーカル美竹蘭に聞けばいいかなと思った。
「私的にはなしかな?」
「どうしてです?」
「お花って枯れちゃうでしょ?誕生日プレゼントなら形に残るものの方が嬉しいと思うかな〜」
「確かに。」
これは難しいな。
「何か奮発してみたら?」
「う〜ん...お金をかければいいって話じゃないかな。」
「そうだよね。」
また首を捻る受付二人組。他人の悩みなのに一生懸命考えてくれるまりなさん優しい。人間の鑑だ。
「やっぱり何か星が関係しているやつがいいな。」
「難しいことぶっ込むね君。」
出来れば星関連で、まだ誰もあげたこと無さそうなもの。そしてお金がかからなくて気持ちがこもるプレゼント。
その時テレビである特集をやってたのを思い出した。
これならいいんじゃないかな!?
「ちょっと携帯使いますね。」
「え!?うんいいけど...」
本当は業務中スマホをいじるのは良くないが、暇だから問題ない。
「なるほど...これならタダで手に入り、気持ちも込めると。」
「お、それは見つかったって顔だな〜」
「はい、おかげさまでいいのをプレゼント出来そうです。」
「私は何もしてないけどね〜」
ただ移動費が馬鹿みたいにかかるなこれ。
18日は非番で、19日が休み。少し厳しいけど何とか当日まで用意出来そうだ。
仕事が終わったら、急いで小さい瓶を買い、宿の準備をした。
そして18日、仕事終わりにすぐ飛行機に乗り目的地へ。移動中香澄ちゃんから『さーやの誕生日パーティー来る?』と連絡来て泣く泣く断ったのは別の話。
19日
東京に着いたのが夕方。そこから急いで山吹ベーカリーに向かう。
日も沈み、一番星が目立つほどの暗さになってしまった。
「まずいな。山吹ベーカリーもうすぐしまるぞ。」
路面電車から降りた俺は全力で走る。
そして小さな角を曲がって商店街の入り口に入ろうとした時、
「あれ?曲じゃん。どうしたの!?」
振り向くと今日の主役、山吹沙綾がいた。
「さーや?どうしたのこんな遅く。」
「それはこっちのセリフだよ。息なんて切らして大丈夫なの?」
「もちろん君に誕生日プレゼント渡すためだよ。」
俺はカバンからプレゼントを渡す。
「はい、お誕生日おめでとうさーや!」
「わぁぁありがとう〜これは星の砂?」
「その通り。」
星の砂は文字通り星の形をしたものだ。砂と書かれているが、これは死んだ有孔虫の殻なんだ。これは沙綾は知らない方がいいかも。
一見ただのゴミに見えるかもしれないが、これも1種のパワーストーンと同じ効果もあるんだよ。
「これにはヒーリング効果や、新たな挑戦を促す効果があるんだよ。」
「へ〜。とても綺麗でいいね〜」
古い心の傷を癒す効果や、乱れた感情を落ち着かせてくれる効果があるんだって。
昔のバンドのことで、立ち塞がる壁があるかもしれない。だけどそれを乗り越え、ポピパ、沙綾自身の更なる活躍を祈ってこのプレゼントを選んだ。
「これは部屋に飾ってもいいし、お守りとして持ち歩いてもいいからね。」
「うん。ありがとう曲!」
にこっと笑った彼女はとても可愛らしい。
そういえばっと沙綾は切り出した。
「これどこで買ったの?」
実は水族館のお土産コーナーにも売ってるらしい。だけど自分は本場の星の砂がいい(水族館販売ものも本物の星の砂です)ということで、
「さっきまで沖縄行ってた。」
「お、沖縄!?」
日本で取れる場所が沖縄の小さな島にあるとネットに書いてあったので、仕事終わりに飛んでその島に行ったと言う事。
ちなみにそれが目的なので、他に観光は一切してないです。
そのことを細かく沙綾に話したら...
「私も連れてってよ〜」
「まさかの引率してくれ宣言!?」
軽く拗ねました。
「いやサプライズで用意したかったから...ゴメン。」
「じゃあ今度私と旅行する。それで許す。」
「了解致しました。」
結構軽め?の条件だった。
「それより今から有咲の蔵に行かない?私の誕生日パーティー開いてくれるって。」
「あれ?昼にやるものだと思ってた。」
だから断ったのに。やっぱ行けますなんて言ったら迷惑だよね?
「いいんじゃない?主役は私なんだし。」
「それもそうだな。」
許せ有咲よ。
「じゃあ早く行こうか!」
「だな。」
「なぁさーや。」
「ん?」
「改めて、誕生日おめでとう!」
「うん、ありがと曲!」
おまけ〜ポッピンパン発売初日の山吹ベーカリー〜
明日の朝ごはんを買うために山吹ベーカリーに寄る。
「いらっしゃいませーあ、曲だ!」
「こんばんはさーや。何か浮かない顔をしているけどどした?」
「いや〜新商品のポッピンパンが中々売れなくて...」
山吹ベーカリーは人気のパン屋さん。新商品を出したら飛ぶように売れると思うけど?
後ろを見ると、明らかにおかしいパンが並んでいた。
「何これ?ハンバーグセット?」
目を疑いたくなるけど、これぞ新商品のポッピンパンなんだろう。
「なぜこれが売れると思った?」
「いや〜あの時意気投合しちゃって...」
何故ならコロネにご飯が詰まれており、大皿のしたパンにハンバーグとパスタとゆで卵が乗っている。
美味しいまずい以前にどうやって食うのこれ?
「まぁ頑張って?」
「頑張って食っても手汚れるゾ。」
ちなみにお盆も箸もパンだ。パンで出来た箸でハンバーグ掴めるわけがない。
「このままだと廃棄になっちゃうよ〜赤字だ!!」
ならなぜ売ろうとした?
「しょーがない。俺1つ買うよそれ。」
「ホント!?ありがとう曲!」
「だけどこれどうやって持ち帰るん?」
下手したらケーキよりも慎重に運ばないと大変なことになりますよ。
「まぁ気をつけて。」
「おい。」
「だけどポッピンパンは今日限りだね。」
「その方がいいと思うよ。」
ハンバーグがあるならハンバーグを挟んだパンはどうなの?と言うと、「その手があったか」というパン屋の看板娘。
そしてポッピンパンは1個でお腹いっぱいになることが夜中わかった。
それで俺の提案したハンバーグパンは発売当初から大人気になったらしい。
なぜそうしなかった?
皆さまに注意があります。
今回の星の砂は持って帰ってもいいという設定にしましたが、海岸によっては持ち帰り禁止のところもあります。必ずホームページをチェックするか、その場の管理所に問い合わせてから採取してください。
さて星の砂には本編に記載した以外にも効果があり、1つあげると好きな人に近づけるチャンスをくれる効果があるみたいです。
そしてわたくしスタプレの小説をはじめて読みに来た方に説明しますと、今回出てきた曲 星は『山吹色をもっと濃く』に出てくるオリキャラです。
本来はそっちに番外編としてあげたかったんですが、内容が内容なので短編としてあげることをしました。
興味があればぜひ『山吹色をもっと濃く』も閲覧してみてください。
それではまたどこかでお会いしましょう。
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