TS令嬢はチ×ポに勝てない。 (Meat Toilet)
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TS令嬢はチ×ポに勝てない。

思いつきなので、設定は深く考えてません。

エロだけを楽しんでほしいです。


 私ことエルシアは、前世は男として生きた記憶が残っている。というか、人格がそのまま残っている。

 恋愛対象は女であるべきだが、何故か私の婚約者は男だ。同性……今は異性だが、精神的に同性の奴と結婚しなければいけないとかどんな拷問だよ。

 ファンタジー世界のどっかの王国の公爵令嬢である私は、一人娘であるためにどっからか婿を取らなければならないことは当然で、後継者を生むことを求められる。

 で、その相手は我が王国の第二王子で軽薄な男である。

 白馬の王子様みたいに整った容姿なのは認める。なんでも出来る天才肌なんだろうが、そのおかげで毎日が退屈そうにしているのを見掛ける。どうでもいいが、恵まれた容姿のおかげですり寄る令嬢たちを口説く姿に不快になる。私に近づかれても困るが、好きでもない相手に思わせ振りな行動するような人間は好きではない。

 勿論、嫌いではない。相手は将来の結婚相手であるし、それなりに良好な関係でいなければならない。

 社交界では義務的に一緒に行動し、ダンスを踊ってサヨウナラするだけだ。私は群がる害虫とダンスをさせられ、あっちは並みいる令嬢に愛想を振り撒く。

 彼はどこか退屈そうにしているが、私もどことなく退屈だ。控えめに言ってもつまらん。

 それが覆ることになったのは、義務的に通っていた学校の婚約者の寮でのことだった。

 

「大声出すなよ」

 

 口を手で塞いだのは婚約者のカイルだ。

 呼び出されて紅茶を飲んだくらいにしたら、急にベッドに押し倒されて叫びそうになったところでコレである。

 鋭く睨まれ、コクコクと頷いた。

 でも、カイルは塞いでいた手はどけてくれても押し倒したままでいる。やたらと整った顔が目の前にあり、心臓に悪い。

 

「な、なんですか?」

「こうされたくてリリアに嫌がらせしてるんじゃないのか?」

「はぁ?」

 

 リリアというのは、好色家で有名な侯爵が引き取った天真爛漫な可愛いだけの美少女だ。

 今までにないタイプの少女で、虜になるやんごとなき身分の野郎たちが噴出した。この押し倒してきた我が婚約者もその内の1人だ。

 で、当然ながらリリアという少女は他の貴族女子たちからは軽蔑されて嫌がらせをされまくっているらしい。その筆頭が私にされているから、なんとも笑えない。嫌がらせする理由が無いんだが。

 

「嫌がらせに関しては、私は関わっておりませんわ」

「信用できると思ってるのか?」

「なら、どうすれば信用するんですか?」

「こうする」

「んむっ──―?」

 

 何故かキスされた。

 息を継がせないキスに我慢できなくなり、口を開けたら舌を捩じ込まれた。

 口内を蹂躙され、不快というより気持ちよさを感じて何も考えられなくなる。

 

「ん、んんッ……ちょっ……離し……」

 

 胸を叩くも、手首を掴まれて抵抗することを許されず口内の蹂躙は一層激しさを増す。

 やがて息も絶え絶えとなり、ようやく口を解放された時には既に抵抗する気も失せていた。

 なすがまま制服を脱がされ、グラドルばりの豊満な肢体が野郎の前に晒される。

 

「いやぁ……」

 

 女になってからというもの、どうにも野郎に裸を見せることに恥ずかしくなり、咄嗟に胸を隠して太腿を擦り合わせる。

 

「エル、これからお仕置きするんだから隠しちゃダメだよ」

「こんなのお仕置きじゃない」

「じゃあ、このまま帰ってもらうことになる。部屋に戻るまでに襲われずにいられるか?」

「服を返しなさい!」

「嫌だ」

 

 内腿に手を這わされ、さわさわと撫でられて身を捩る。

 今度は尻を乱暴にぐにぐに揉みしだかれ、喘ぎそうになって下唇を噛んで耐える。

 

「いい加減にしろ。これ以上は遊びでは済まされないぞ」

「似合わない言葉使いだよ。せっかくの努力も無駄になったね」

「ダレのせいだと……!」

「俺のせいだから、責任をとってやろう」

「別にいらなヒィッ!?」

 

 ピッチリ脚を閉じていたハズが緩んでしまっていたようで、股下を通ってきた指が敏感なところを弄ぶ。

 ビクンッと腰が跳ね、強烈な快感が全身を駆け抜ける。

 カイルはにこやかな笑みを浮かべる。

 

「ハハッ、漏らすくらい気持ち良かったか?」

「なぁっ!?」

 

 失禁してしまっていた。それもかなりの量だ。

 顔を真っ赤にして唸るも、体は力が抜けて抵抗することは出来そうにない。

 もう隠すこともしなくなったおっぱいをムニムニと揉まれ、乳首を摘ままれお腹の奥がキュンッとくる。気持ちいいとかではないんだけど、揉まれて摘ままれて音を立てて吸われたりすると恥ずかしいのだ。でも、大きな赤ちゃんに吸われてると想像すると、お腹の奥がキュンッとするのは何故だろう。

 それはそれとして、カイルは今度は自身のチンコを出してくる。

 エロゲーの主人公並みのデカさだった。

 

「ちょっ……本気?」

「嫌なら抜いてくれないか? お前のせいでこうなったんだからな」

「1人で何とかしろよ」

「じゃあ、お前を使うことにするけど?」

「うぅぅー……」

 

 最悪だ。野郎のアレを抜くなんて嫌なのに、抜かなければ今度は確実に痛い思いしながらオナホにされるだろう。

 痛い思いするのに比べたら、まだ良いだろう。

 ベッドに寝転がったカイルのアレの前に座り、恐る恐る掴んで上下にしごく。

 

「胸と口を使えよ」

「嫌」

「じゃあ、襲ってもいい?」

「ぐっ」

 

 どんな脅しだよ。婦女暴行で訴えてやる! 日本にいったら! 

 仕方なく胸に挟み込み、フェラをする。パイズリってローションとか使わないと、あんまり気持ちよくないらしい。この場では、フェラの最中にヨダレを無意識に垂らしてるから、胸でシゴきやすい。

 

「ングッ、ムグッ……」

 

 顎が外れそうだよ。長いし太いし、巨根であることは確実だ。これをいつかは受け入れないと考えると……なんだか疼いてきた。

 空いている手を膣に這わせ、そっと割れ目をなぞる。

 

「んふ……♥️」

 

 ごめん、手が止まりそうにない。フェラしながら、オナニーするのキモチいい。この独特の臭いもクセになりそう。

 早くいれてほし……じゃねーよ! やべー、思考がトリップしてやがった。

 キッとカイルを睨み付ける。

 

「どうした、手が止まってるぞ?」

「わかってる」

 

 奉仕を再開しようとしたら、カイルに乳首を摘ままれた。

 

「ひぅ……」

「手伝ってやるよ」

「や、やめ……あぅぅ……」

 

 遠慮なくいっそ取れちゃいそうな錯覚をするくらい強く摘ままれ、フェラするどころか情けなく喘いでしまっている。

 やがて耐えられなくなり、ギュッと乳首ごと胸を押し潰されて決壊した。

 

「イッグゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!」

 

 ビシャァ、と派手に失禁して絶頂した。そして、カイルも射精して、白濁した液体が顔面を汚す。

 ビクビクが止まらない。イク時におしっこするのってキモチいいなー。

 

「おいおい、ベッドにお漏らしするなよ」

「ご、ごめんなひゃいぃ。すぐに取り替えさせますぅ」

「その前に落とし前つけさせてくれるか?」

「いいですよぉー」

 

 あれ、なんでカイルは私の脚を広げるんだろう。

 私の割れ目に復活チンポをあてがう……まあ、なんでも好きにしていいかも。

 私がお前のペニスに負ける道理がない。

 

「いれるよ」

 

 ブチッ。

 

「イッタァッ! ハァハァ……痛いよぉ……」

 

 マジで死ぬかと思った。いきなり奥まで突き入れられるとは予想だにしなかった。

 しかし、まだ終わりではない。

 

「まだ全部はいってないんだけど」

「えぇ……っ?」

 

 もはや串刺しじゃないか。息が苦しい……。

 確かにお仕置きだよ、これは。身に覚えないけど、超痛い思いさせられてるんだから赦してほしい。

 それから、カイルは腰を突き進めて肉棒が全て入ってしまう時には子宮が潰れるんじゃないかと思った。

 苦しいのに痛いハズなのに……なんで、どうしてこんなに……! 

 

「い、いぃ……!」

 

 キモチいいの! 

 痛いのがキモチいいとかじゃない。痛みとか何もかもぶっ飛んで、ただただ快感が襲ってきたのだ。

 いや、そんなのあり得ない。精神的には同性とセックスするとか不快でしかないハズだ。こんなのがキモチいいと思わない。

 足がピンと立ち、背筋が仰け反ってしまったが、キモチいいからとかではないのだ。

 

「処女のクセしてもう感じてるのか?」

「ち、違う。感じてなんかぁ……」

「違うって言うなら、腰が動いてる理由を教えろよ」

 

 無意識の行動だった。正常位の体勢であったが、私は腰を浮かして弱々しくも快楽を求めて動いていた。

 自らの浅ましい行動を恥じて、慌てて腰を動かすのを止めたら、今度はカイルが力強く一突きを入れてくる。

 一撃だった。

 

「あひゅ……♥️」

 

 絶頂を迎えてしまったのだ。

 予想だにしなかったことで、強烈な快感の奔流にアへ顔を晒した。

 

「だ、めぇ……」

「もうイッたのか? 淫乱すぎるだろ」

「ちがうのぉ。こんなのちがうぅ……」

「何が違うんだ?」

 

 また最奥を突かれた。

 子宮口を抉じ開けられるようなピストンに牝の声が上がる。

 快楽から逃げようとしても、腰を掴まれては逃げられない。そもそも、激しさを増すピストン運動から逃げる選択肢を奪われていた。

 

「ひっ、ひぃっ……もぉ、ゆるひ……てぇ♥️」

「何を?」

「このままじゃ、わたひぃ……♥️」

 

 またイクッ! 

 今度は潮吹きしてだ。

 すっかり脱力しきった私だったが。休む間もなくカイルが力強く突き上げてくる。

 

「イヤぁ……またイクッ、イクのぉ♥️」

 

 何度も浅く絶頂を迎えさせられ、やがて一際大きいのが来ると思ったら、カイルは寸前で止めたのだ。

 

「え……」

「イきたくないんだろ?」

「うぅ……」

 

 また突き入れられ、そして寸前で止められた。

 寸止めをされるのは前世を含めて初体験だけど、頭がおかしくなりそうだ。もどかしくて、はしたなくもイきたくて腰を振りたかったけど、そこはカイルに掴まれて動けそうにない。

 何度も何度も繰り返され、ちょっとの刺激だけでイきそうになるくらい敏感になったような気がする。

 

「カイルゥ、いじわるしないでぇ……」

 

 カイルに耳打ちされた内容に目を見張る。

 ムチャ言うな。そんなのエロマンガでしか見たことないよ。

 頭では恥ずかしさから絶対に拒んでやる意気込みではいた。しかし、体はそうもいかない。

 理性が勝つか本能が勝つか……私は本能に生きる。

 

「カイル様ぁ♥️ この淫乱ナマイキマンコにアナタ様の極太チンポでオシオキしてくださいぃ♥️」

 

 元は男だったとか知るか、そんなもん! ドブにでも捨ててしまえ! 

 カイルが本気を出したピストンをし始め、私は一瞬で絶頂を迎えた。

 

「おぉほおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!! しゅごいぃ♥️ また、またイクぅー!」

 

 潮吹きしてるんだか失禁してるんだか解らないけど、アソコから色々撒き散らしながら絶頂を迎える。

 今度は後背位となって何度も絶頂させられる。獣みたいな性交で、カイルが激しく突くのを私は快く受け入れる。

 何度も絶頂を繰り返し、汗で張り付いた白金色の髪を振り乱しながらもまた絶頂する。

 もうムリぃ♥️

 

「カイル様ぁ……ステキぃ♥️」

「浅ましい女。そんなに気に入ったのかよ」

 

 尻を容赦なく叩かれる。

 それすら、甘く痺れるような快感が走る。

 

「何も関心なさそうにしておきながら、こういうのだけは人一倍関心を寄せているのかよ。この淫乱が! そんなにセックスが好きなら、娼婦にでもなったらどうだ?」

「イヤぁ……私はこんなこと……1人にしかしません……わ」

「……その相手が俺じゃなくてもいいのか?」

 

 なんか雰囲気が変わったような気がした。気のせいだろう。

 娼婦にでもなれとか酷いことを言う。不特定多数の野郎と性行為なんて病気の温床だし、それに精神的に辛い。まだカイルとしていた方がいい。ただそれだけの話だ。

 カイルは婚約者で、長い期間一緒だっただけだ。もし、カイルじゃなくてもきっと同じ……だと思──―。

 

「よくないです。カイル様がいい。カイル様にだけ愛されたい」

 

 後ろを向かされていたが、向きを変えられて正面から抱き締められた。

 

「ずっと不安だった。エルはずっと俺に関心を向けてこなかったから」

「ごめんなさい。貴方を不安にさせてしまって」

 

 だからって、こんな荒療治はいただけない。

 

「だから、ここからは恥ずかしい思いをさせられた仕返しをしてやります」

「エル?」

 

 カイルを押し倒し、彼の上に跨がる。

 

「お仕置きだの何だの調子いいこと言ってくれましたね。不安にさせてしまった責任をとって、貴方が誰のものか解らせてやりましょう」

 

 カイルの勃起した逸物を膣へ挿入する。

 ぐぅっ、大きい。何度も絶頂させられたチートな輩なだけに、私の体が敏感なのも相まってカイルをイかせる前に自分が果ててしまいそうになる。

 そこは気合いと根性で乗りきり、歯を食い縛って耐えて腰を動かす。

 

「うぁっ、エル……」

「どうですかぁ? 責めるのは良くても、責められ慣れて、ないようですね」

 

 さっきからどこに動いてもキモチいい箇所にしか当たらないのだけど、これに耐えろとか鬼ゲーじゃないか。

 

「んっ……んふっ……ほら、人を散々イかせておきながら情けなく……んん……イきなさいよ♥️」

「一回だすよ」

「え……」

 

 ビュルル、と音を立てて精液が膣内を蹂躙する。

 絶頂しそうになったけど、ここで何とか踏ん張らないと強気に出られないからな。

 

「カイルってば、責められる方が感じやすいんじゃない? とんだマゾ……だね」

「可愛く鳴いてたのに、すっかりナマイキになったな。また鳴かされたいのか?」

 

 胸を鷲掴みされ、押し倒された。

 痛いくらい力が強かったのに、電気が走ったような痺れるような快感が駆け抜ける。イくのを我慢しただけあって、ちょっとイきそうになった。

 膣に宛がわれた三度目の復活をした逸物に驚き、期待に子宮がキュンッと疼く。

 コイツ、今日で孕ませる気なんだと思ってしまうと余計に疼いてくる。ああ、これもう末期だ。

 遠慮なく奥まで一気に突き入れられた瞬間、何度目かになる絶頂を果たした。

 

「んひゅ……はひっ♥️」

 

 最初からフルスロットルのストロークにはしたない喘ぎ声が漏れ、もう我慢するのも忘れてカイルから与えてくる快楽に身を委ねる。

 

「カイル、またイクッ♥️ アナタのでまた♥️」

「全然緩むどころかどんどん強く締めつけてくるな。まだ射精しそうだ」

「だしてッ♥️ アナタので孕ませてぇ!」

 

 頭おかしくなるぅ。

 もう何度もイッてるから、もう限界なの。早く出してほしい。

 やがて祈りが通じたのか、カイルが限界を迎える。

 

「くっ、出すぞ」

「だひてっ! わらひもイクゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!」

 

 そして、最後の絶頂を迎えた。

 もうムリ。限界。腰がビクビクしてる。カイルも同様で、私の上に覆い被さってきた。

 ちょうど顔が胸の谷間に挟まれ、髪がこそばゆいものの、なんだか愛しくてついつい撫でてしまう。

 膣内に半勃ちのアレがいたが、体勢的に抜くのが困難であるためこのままでいるしかないようだ。それに、しばらく絶頂の余韻が引きそうにないので動けないのもある。

 その後、程なくして私も眠りについたのだが、起き抜けにカイルが腰を振っており、何度も絶頂する羽目に陥ったのは蛇足であろう。

 あとは男子寮で大声で喘いでいたから、野郎の視線に不快感を覚えたのは大きな損失だ。

 しかし、

 

「エル、今日も一段と綺麗だ」

 

 カイルからの愛の囁きが増え、一緒にいる時間が増えたのは大きな利得かもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




簡単な自己紹介

エルシア。
男なら1度は抱きたいと思うグラマーな体形。無関心でいることの多い真面目系婚約者のことは義務感から積極的でないものの、愛する自信があった。貞操観念はしっかりしているが、強く押しきられると弱い。おまけに快楽に耐性がなく感じやすいから、どのみち子作りのためにセックスした段階でメス落ちするのは決まっていた。要は遅いか早いかの違いだった。

カイル。
エルシアに一目惚れして無理やり婚約を捩じ込んだ者。なにもしなくても、いつかは公爵の立場を手に入れた挙げ句にエルシアのゴックンボディを手に入れれたのに、エルシアに嫉妬されたいがために他の女と火遊びしていた輩。結局、徒労だということに気づいて実力行使に踏み切った。

リリア。
貧乳。


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TS令嬢はヒロインに勝ちたい。

思いつきの続編です。




 転生してからというもの、性別が女性に変わった影響もあるのだろうけど、花を育てて愛でるのが趣味になっていた。

 子供の頃に外を走り回ったりしたが、淑女らしさを求められたために走ることは出来なくなった。

 本を読むかなんて考えていたが、どうにも座って読むという行為に馴染めずに動いても問題なく、尚且つ令嬢らしさがある趣味を模索した結果、学校終わりの帰りにこうして花を育てて愛でるようになった。

 唯一の私の娯楽にして、誰にも邪魔されたくない楽しみの1つだった。

 それが覆ったのが今日だ。

 

「ちょっ、カイルッ!?」

 

 今の王様から許可を得て王宮の庭園に私のフラワーガーデンを設けられた場所で、カイルに背後から抱き締められていた。

 左胸を揉まれて甘い痺れが走り、肩を震わせる。

 カイルとセックスするようになってからというもの、どうにも体がおかしい。

 夜な夜なカイルとの情事に開発・調教されるようになった体は、情事を思い出したりするだけで火照って乳首が固くなり、股から透明な液体が流れてくるのだ。その都度、カイルとの情事が無かった日には自身の指で慰めるようになったけれど、イっても不満足だ。

 そんな体にしやがったであろう犯人は最近では学校で忙しそうに動き回っており、体こそ重ねてこなくてもキスしてきて愛を囁くのみで毎回体を火照らせてくるのだ。イライラする。

 そんな日々が続いてきて、火照る体を鎮めるためにも庭園で花を愛でていたところへの奇襲だ。

 すぐに熱が入り、はしたなくも発情してくる体を無視して私は何でもない風を装って抗議する

 

「急になに? いくら婚約者といえども、あまり邪魔されたくないのだけど……」

「ずっと触れられない日々が続いてきて、ようやく時間が取れたんだ。この時間を無駄にしたくない」

 

 そんなの知らんがな。

 

「カイル様、貴方が忙しくなくても私は忙しいのです」

「もしかして、拗ねてる?」

「拗ねてない」

 

 ムキになって胸を揉みしだく手を払いのけ、距離を取ろうとしたが隙なく抱き締められて逃げれそうにない。

 これだけでも体は悦び、雌の本能で無意識に尻をカイルの局部に当てて上下左右に艶かしく振っている。

 

「こっちは素直なのにな」

「押し付け……ないでよ……っ」

「俺はなにもしてないよ。エルが自分から誘ってきてるんじゃないか。そんなに良かったのか?」

「知らない。大体、ここは私の庭園で誰も入ってこないようにしていたハズよ。どうしてカイルがいるの」

「婚約者特権ってヤツだ」

「だからって何しても……んむっ」

 

 顎をクイッと向けられ、キスされた。

 長い時間、舌を絡まれとろけそうになる。もう既に全身が脱力し、カイルに身を委ねている状態だ。

 しかし、だ。

 このままだとなし崩しに突入してしまうことは確実で、それはこの不可侵と思っている場所で致すのは私の心情的によろしくない。全然する分には構わないけど、少しは場所を選んでほしい。

 制服の上着を下着ごと捲られ、咄嗟に外気に晒された胸を手で隠す。

 

「隠さないで見せてよ。人払いは済ませてあるから、誰も入ってこないよ」

「うぅ……でも……」

「止めてもいいけど、ここをこんなにしておいて我慢できるのかい?」

「はぁっ……あぁっ」

 

 スカートを下ろされ、下着の中に手を突っ込まれ濡れそぼった秘所がカイルの指をあっさり受け入れる。

 どうしようもなく疼いてるのは認めよう。我慢できないのも認める。だからと言って、初体験のようにデッカイ声で喘げば城にいる近衛兵とかに聞かれてしばらくズリネタにされることは必至だろう。しばらくジロジロと視姦されたから容易に想像できる。

 声が出るのを両手で防ぎ、胸や秘部をカイルの好きなように弄ばせる。

 お腹の奥がキュッと締め付けられるような感じがするんだけど、決して不快ではない。むしろ子宮が疼く。

 このまま致すんだろう、と思った時である。

 

「カイルゥー? どこー?」

 

 馴れ馴れしい女の声が庭園に響き渡った。

 まだ遠くにいるだろうけど、まっすぐこっちに向かってくるのが推測できて我に帰った私はカイルから離れると、すぐに脱がされた衣服を着用しようとする。くっそー、間に合えー! 

 

「あっ、ここにいたんだ。カイル、探したよ?」

 

 ストロベリーブロンドの髪に真っ赤な瞳、前世でのアイドルみたいな可愛らしさを前面に押し出す美少女が仲の良い友人に接するような気安さでカイルに近寄る。

 私には見向きもしていない。衣服が乱れてることや顔が赤くなってること、茂みからチラッと見える下着のことなどの理由を問われると、ナニをしていたと恥ずかしいことしか言えないので何も聞いてこなくて助かる。

 しかし、中途半端に終わらされた体は未だに火照っており、疼いて悶々とする。

 婚前交渉してるのは親にも学校中にも知られているとはいえ、人に見られるのはどうにも恥ずかしい。AV女優の偉大さがよく分かる。何度もお世話になりました。

 というより、このやたらと私の婚約者に馴れ馴れしい女がリリアとかいう女なのだろう。ふむ。

 プロポーションは私の勝ち。容姿も私の勝ち。家柄も私の勝ち。なんだ、完封じゃないか。しかし、殆ど勝っているとはいえ、異性を好きにさせる手腕だけは勝てない。

 ああいうのがモテるんだろう。私は前世から人付き合いが苦手な面があり、それが災いして近寄りがたくて冷たい印象を与えてしまっているだけに明るくて同性のような気軽さを持つコミュニケーションお化けには、どんなに逆立ちしたって勝てない。

 現にさっきまでカイルは不機嫌だったというのに、すっかり元通りになっている。

 不機嫌でいられるよりはいいんだよ。ただ、いつまで人を無視するんだよ。

 

「貴方、誰の許可を得てここに足を踏み入れてるんですの?」

「あっ、もしかして誰かの許可が必要でしたか? 良い場所ですよね」

 

 おい、少しは悪びれろよ。

 

「ここは王宮で私が許可をもらって作った場所ですわ。知らない人に足を踏み入れてほしくありませんの」

「そんな……あんまりです。私とエルシアさんは──―」

 

 リリアは頬を赤らめ、自身の体を抱き締める。

 

「裸の付き合いをしたではありませんか」

「はぁっ?」

 

 何を言い出してるんだ? 

 

「エル……」

「ちょっ、誤解! 誤解ですわ! 体を許したのはカイル様だけですわ!」

「エルが俺以外に体を許すことがないのは知ってる」

 

 おぅふ。

 

「コホン。と、とりあえず! この庭園に入りたければ、私の許可をとりなさい! それと誤解を招く発言はやめなさい!」

 

 どうせ風呂場での話だろう。個人風呂以外にも、集団浴場があるから何度もお世話になってるからその縁だろう。

 合法的に女体を見れるから眼福かと思ったが、自分の裸体を基準にしてしまうとどれも見劣りするのだ。皆違って皆良いというが、あれは男性から見た感想だろう。

 私の苦し紛れの叱責にリリアは全く堪えることなかった。

 むしろ、

 

「エルシアちゃん、もしかして怒ってる?」

「だ・れ・の! せいで!」

「エル、落ち着け」

 

 感情が爆発しそうになったところで、カイルに抱き締められる。

 おいこら、人前で抱きつくな。腰が砕けそうになるじゃないか。耳元に息を吹き掛けるな! 

 内股になって自力で立てなくなり、すっかり借りてきた猫になってしまった私はリリアを睨むだけにとどめる。

 リリアは何が楽しいのかニコニコと笑みを浮かべたままだ。

 

「ふふっ、エルシアちゃんは可愛いですね。カイルには勿体ない人です」

 

 背筋がゾワッときた。これは昔、ガチホモの奴に狙われた状況と似ている。あの時は尻だったが、こっちは全身だ。視線で犯されてる。

 あれ、この人の周りって野郎ばかりじゃなかったっけ。それも割りと優秀で高位な連中ばかりだ。さすがに我が国の1番目の王子はいないものの、それでも将来有望な野郎を侍らせている。男漁りが得意のビッチかと思っていたが、認識を改めねばならない。気をつけないと喰われるのはこっちだ。必ず勝たねばならない。

 リリアが立ち去り、後に残された私といえばカイルに抱き締められたままだった。

 

「あの、カイル様?」

「なに?」

「そろそろ……」

「続きしてもいいのか?」

 

 まさか、ここでヤるのか? 

 

「せめてベッドの上で致しませんか?」

「ダーメ。俺が我慢できそうにない」

「え……ん、んんーっ?」

 

 キスされた。ベロチューというやつで、舌を絡まされ濃厚な接吻が続く。

 最初は優しい音だ。啄むような慣らし運転みたいなキスだったが、段々と激しくなってトップギアに入る。

 ヂュッ、ヂュルッと下品な音が耳を犯し口内を蹂躙され、脳が麻痺する。

 すっかりカイルに開発されきって調教された体は、いつでも受け入れれるように子宮が降りてくる。

 やがて唇が離れる頃には、すっかり熱に浮かされて出来上がった1匹の雌が男の腕の中にいた。

 私はカイルと向き合い、スカートを捲ってズブズブに濡れた秘所を晒す。

 

「スゴいキスでしたぁ。おかげでもうこんな風になっちゃいましたぁ」

「これなら、すぐに入れても問題なさそうだな」

 

 気持ちは解る。即ハメなんて企画があったくらいだし、野郎にとって前戯は省きたいのかもしれない。

 しかし、これは前世からずっと思ってて譲れないものがある。

 

「嫌です」

 

 前戯を省くなんて愚かだと思う。どれだけ理性が破壊されて今すぐに膣内をチンポで満たしてほしい、と思おうと、子宮がザーメンほしいと訴えてこようと絶対に譲れない。確固たる意思をもって宣言する。

 

「もっと気持ちよくさせて焦らしてくれてからじゃないと嫌ですぅぅぅぅぅっ!?」

 

 何故かこの自分の欲望のお願いをしながら、謎の失禁イキをして大事な花にぶっかけてしまった。

 謎っていうか、お願いを喋っている最中にカイルが陰核を指で刺激したのだ。

 ただでさえ高ぶっていた体はあっさりと絶頂を迎え、こうして失禁までしたのだ。

 立ってられなくなって崩れ落ちる体をカイルに支えられ、近くのベンチに移動して座らされる。

 

「さっきみたくスカートを捲って足を広げてみせて」

「はい」

 

 足をM字に開脚し、スカートの裾をギュッと胸元で握りしめて濡れそぼった箇所をカイルに見せる。

 膣口は既にパックリと口を開け、はしたない蜜が止めどなく溢れてくる。

 見せたまではいいが、ちょっと気恥ずかしくなってスカートで覆い隠そうとしたところでカイルの頭が私の股に滑り込む。

 

「ひぁんっ」

 

 カイルは舌を這わせ、膣を舐める。

 クンニという行為、弱い刺激に甘く痺れるような快感が駆け抜ける。

 今まで何度もされているが、どうにも恥ずかしくて慣れない。前世ではついぞやらなかった事だからなのか、イきそうになるんだけどイけない疼くような快感があってもどかしくなる。

 

「あっ、そこ……んやぁっ♥️」

 

 陰核を嘗められ、軽くだが絶頂する。

 ピュルッとちょっと出たが、誤差の範囲だ。

 すかさず強く吸われ、強烈なアクメに足がガクガク震えてイかないように我慢していたのがここへきて仇となった。

 

「んあぁぁあっ!? らめぇぇぇぇぇぇぇぇッ♥️」

 

 背を弓なりに仰け反り、潮こそ噴かなかったものの敏感な体に与えられた強烈な快楽にだらしなく緩んだ顔になる。

 しばらく小刻みに訪れる絶頂に耐えながら体を落ち着かせた後、次に私は膝立ちになってカイルのズボンのベルトを外して脱がし、次いで下着を下ろす。

 勢いよく下げたからか下着によって押さえられていた逸物がブルンッと飛び出して私の顔を叩く。

 濃厚なオスの臭いが鼻孔を擽り、脳をとろけさせて艶かしい吐息が漏れる。

 夜な夜な哭かされ、自分が今は『雌』である現実を否応なしに解らせやがった輩だ。隙間なくみっちりと埋められ、少しの抵抗も許さず快楽を叩きつけ、大量の子種を子宮にぶちまけて孕ませようとする凶器だ。

 約20センチ以上はあり、太さは両手でようやくといったところで形は理想の局地だ。おかげで手コキでは射精してくれないし、胸で挟んでも余るし、咥えたら顎が外れそうなくらい苦しい。持続時間は遅くもなく早くもない平均よりやや長い程度だが、絶倫なのか射精した後に間を置けばすぐに回復してしまうマジカルチンポ仕様だ。

 すっかり目が離せなくなった私は、肉の棒を挟み込むとちょっとだけ唾液を垂らしてから上下にシゴきながら、収まりきらなかった先端を咥えこむ。

 

「んぐ……んむっ……」

「うあっ……上手だよ、エル。こんなことどこで身につけたんだ?」

 

 そんなこと聞かれても、前世で見たAVやらエロ本等から得たとしか……後は恋人とのセックスでしてもらったことを思い出しながらやっている。

 それにしても、デッカクて顎が外れそうなんだが。

 一旦、口を離して理由くらいは言っておく。

 

「練習したわ」

「真面目だな」

「こんなことばっかり勉強している訳ではありませんからね?」

「解ってるよ」

 

 頭を撫でられ、ちょっと嬉しくなったのは気のせいだろう。

 照れくさくなって奉仕を再開し、早く射精させてしまおうと動きを早める。

 

「くっ……そろそろ出そうだ」

「早く出しなさい。情けなくイきなさい」

「うあっ」

 

 我慢の限界を迎えたのか、頭を押さえられた次の瞬間には精液が迸りちょうど咥えていたから、口腔内へ勢いよく発射される。

 日々のセックスの成果で精液をようやく飲めるようになったから、精液を飲み込みつつ搾り取ろうと吸い上げる。

 カイルの喘ぐ声が聞こえたが、そんな事よりも夥しい量の精液を飲み干すのを頑張らないといけない。男だった頃の意識が残っているのに、野郎の精液を飲めるとか私って実はそっちの気があったのだろうか。他の男だったら抵抗感マックスだろうが、カイルだけは特別だということだろう。

 射精が収まり、ようやく飲み干せた私は口を離して荒い呼吸を繰り返す。

 

「全部、飲めたのか?」

「……はい♥️ ご馳走さまでした♥️」

「っ!」

 

 カイルの理性が飛んだ。

 私は軽々と抱えられ、既に受け入れる状態のアソコに回復済みの肉棒が宛がわれる。

 

「キて、カイル」

「エルっ!」

 

 ズプンッ、と中へ一気に突き入れられた逸物は私に強烈な快楽を与えて逃げ場を一瞬にして奪い去った。

 

「はっ、あぁっ……♥️」

 

 声が出なかった。息が苦しい。

 ギュウギュウに締め付けるアソコから、ドロリと白濁の液体が流れ落ちる。

 受け入れるだけで絶頂を迎えたが、まだカイルは射精してないからここからが本番である。

 

「あっ、すごっ♥️ スゴいのぉッ♥️」

 

 力任せのピストンは雌の体に雄を刻み、何度も子宮口に快楽を叩きつけてマーキングしてくる。

 既に何度も味わった種付けの快感を体が思いだし、すっかりメロメロになっていた私は足を回してカイルに抱きつく。

 

「エル、そろそろ出そうだ」

「あひっ♥️ 中、らしてっ♥️ 一緒にイクからっ、せいえきらしてぇっ♥️」

 

 パァンッ、パァンッ、と何度も肉がぶつかり、その度に絶頂しそうになるのをカイルが射精するまで耐える。

 イキ我慢というのは辛い。遠慮なく孕ませようと子宮口を幾度となく襲ってきて暴力的な快楽をぶつけてくるのに、がっちり掴まれて逃げ場を与えられていない状態で耐えるのは拷問に近い。

 一緒に絶頂を迎える理由なんて、そんなの前世で恋人とヤった時に相手が先に達するか自分が先に達するかで同時に絶頂できた試しが無いからだ。一緒にイけたら、きっと相手は満足してくれるだろうという思いやりからの行為だ。

 だからと言って、

 

「ひっ、ひぃぃっ♥️ 当たってるッ♥️ 当たってるゥッ♥️ ガマンできないィーッ♥️」

 

 ただでさえイキやすい敏感な体に叩きつけてくる強烈なピストンによって、押し寄せる絶頂の波に決壊寸前でアへっていた。

 1秒が1分に感じるような長い苦闘の末、カイルはようやく限界を迎える。

 

「うっ、出るっ!」

「んおぉぉぉぉぉぉぉぉっ♥️ 中だしアクメでイクのぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」

 

 ここが野外だということも忘れて一際でかく叫びながら、私は子宮にドクドクと流し込まれる熱を感じ取っていた。

 

「アへぇ♥️」

 

 だらしなく緩んでアへ顔を晒しながら、私は今度はベンチに下ろされるや正常位で貫かれた。

 

「おひゅっ! ま、まっへぇっ♥️ まらイクの止まってらいのにぃっ♥️」

 

 そんなの知るかとばかりに快楽をぶつけられ、何度も絶頂しては今度はハメられたまま潮を噴く。

 ボタボタと地面に漏らしては、ビュービューと射精しているみたくカイルへ噴射してもいる。

 

「そんなに気持ちいいのか?」

「うんっ♥️ 子宮ズボズボされるのスキィッ♥️ もっと極太チンポでオマンコしてぇッ!」

「ッ!」

 

 更に激しさを増して突き動かされ、声にならない悲鳴を上げる。

 見上げれば、眼前の雌を犯すことしか考えてない雄の姿があった。

 否応なしに自分が雌であることを自覚させられ、ゾクゾクと背筋が震え妖しい快楽が駆ける。

 

「あひっ♥️」

 

 形容できない強烈な快感にだらしなく開いた口から涎が垂れ、足は痙攣する。

 

「そらそろ出すぞ」

「あああああああああああッ♥️ 精液しゅきぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ♥️♥️」

 

 ビュルッ! ビュルルルッ!! 

 

 3度目にも関わらず、減ることも薄まることのない大量の子種が子宮内部を犯す。

 止まらない絶頂に全身が震え、声になってない叫びを出す。

 長いが終わり、カイルが自身の逸物を引き抜く。

 程なくしてポッカリと開いた膣口からプシュッと蜜が噴き出すや、奥から間欠泉のように蜜がプシャーッと吐き出される。

 噴水のように撒き散らした潮が、私が大事に育てた花へ降り注がれて養分となる。

 潮吹きが止まり、長い絶頂も収まった後、私は荒い呼吸を繰り返しながら足を閉じることもなく脱力しきっていた。

 これで終わりらしく、カイルに頭を撫でられる。

 心地よさに身を任せ、私の意識がフェードアウトした。

 意識が落ちる間際、私はこの男にやり返してやることを誓うのだった。

 

 

 

 

 




登場人物紹介。

エルシア。
メス堕ち・開発・調教済みの万年発情期の専用肉奴隷。子供を孕めば収まるが、しっかりと魔法みたいなので避妊しているのでカイルと触れあうだけで一瞬で発情するようになっている。やり返すことを誓ったが、その結果はどうなるかはまだ解らない。

カイル。
婚約者を自分好みにしたハイスペック野郎。夜な夜なエルシアを大声で哭かせたため、安眠妨害された男子生徒による苦情が殺到していても気にする様子はない。しかし、エルシアが失禁や潮吹きを撒き散らすことによる後始末の面倒さに頭を抱えている。

リリア。
貧乳。両刀使い。エルシアを虎視眈々と狙う。


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TS令嬢はチ×ポに勝ちたい


エロへ至る導入なので下ネタはあっても、エロなしです。すみません。
次回はエロに持ち込む予定です。



 どうやら私は自分が思っているより、負けず嫌いならしい。

 毎晩毎晩いいように哭かされるのが、ガマンならなかった。

 しかし、痛いのとか苦手である。SMとかソフトにやるならまだしも、ハードなものは苦手だ。

 自分を冷静に鑑みれば、私はどちらかといえばM性が強い方だ。他人から責められるのはいいけど、責めるのは得意ではない。

 しかし、やり返すと決めた以上、私は前世の知識と培った経験から最もやり返すのに適したものを選択して準備することにした。

 決行する日は今日の社交界が終わった後だ。

 しかし、この社交界は私にとって鬼門である。

 最初はカイルと踊るまではいい。続けて踊るのも許容できる。その後の令嬢たちとの談笑も慣れたものである。

 問題はその後にやってくる野郎との会話だ。

 

「やあ、エルシア嬢。今宵も一段と美しい」

「ありがとうございます、アレックス皇子」

「社交界の華、というのに相応しい。帝国でも貴方のような美貌と知性を兼ね備えた女性はいません。是非、私と共に帝国に来て欲しい」

 

 お隣の帝国の次期皇帝だ。留学してきたのだが、コイツはなかなかの曲者だ。とんでもない美形なのは認めよう。

 初めて顔合わせして以来、婚約者がいる私に求婚してきたのだ。それは未だに継続している。

 

「そんな、帝国は私には広すぎます」

 

 控えめに言って面倒くさい。下らない政治闘争に巻き込まれるのは死んでもゴメンだし、何より婚約者がいて既に貫通済みだ。

 私が口説かれるのは今に始まったことではない。カイルも心配してなさそうに見えるし、誰も気にも留めていない。

 多少の口の悪さを出しても良いだろう。

 

「アレックス皇子、私は既に貫通済みだ。どれだけ美辞麗句を並べても、全く嬉しくないし、興味もない。粗末なものをぶら下げて悦ばせたいなら、他所でやれ」

 

 実際に粗末かは解らないが、相手の男としてのプライドをへし折ってやるには充分だろう。似たようなことを言い寄ってきた好色野郎に言ってやったら、その後女性不振になったと聞いたし、帝国の皇子ともなればプライドが高過ぎて悶死するかもしれない。それで戦争が始まったら、後世になんて伝わるんだろう。

 帝国と我が王国は立場こそ対等だが、一度戦争になれば我が王国は負けるだろう。平和を謳歌していられるのは、今の皇帝の嫁がこの王国の王女だったというのが大きな理由だ。

 つまり、私のこの行動は帝国の皇室のみならず王家に対する侮辱にあたるだろう。

 怒るかなと思ったが、アレックス皇子は笑って受け流してくる。

 

「そんなことを言われたのは初めてだよ。余程、彼のモノがお好みのようだ」

「そうよ。毎晩毎晩いいように哭かされてるわ。貴方には出来ないことだろう。いい加減、諦めて別の華へ移ったらどうだ? ほら、あそこにいる令嬢なんかオススメだ」

 

 さらっとリリアを押し付けようとするあたり、思いの外私は浮気されるのは好きじゃないらしい。くそっ、あの女ベタベタくっつきやがって……カイルも少しくっつき過ぎじゃないか。

 アレックス皇子は笑みを浮かべたままで内心を窺い知れることはないが、恐らく満更でもないことを確信できる。この男は女好きだ。

 

「エルシア嬢に勝る女性なんていませんよ。私は貴方が欲しい」

「あっそ。私はお前なんかいらないから、とっとと失せろ」

「そのつれない態度も貴方の魅力だろう」

 

 何言っても無駄か。

 いよいよ私が我慢の限界を迎えて最終手段として、数多くの男の象徴を亡きモノにしてきた黄金の右足が輝かせようとしたところで、どこからともなくカイルが現れた。そして、何故抱きしめる。

 

「アレックス殿下、あまり私の婚約者をからかわないでいただきたい」

「おや、他の女に現を抜かしていたから関心がないと思ってたよ」

「私にも人付き合いがありますから。それはお互い様だと思われますが?」

「そうだね。そういうことにしておこうか」

 

 野郎と話すのは嫌なのか、アレックスは退散する。

 とりあえず、

 

「カイル、助かったわ。ありがとう」

「嫌なら、はっきりと拒絶すればいい。常なら、足も出してたハズだ」

「相手は帝国の皇子です。そのような失礼なことはできません」

 

 そこら辺の分別はしている。

 物珍しいものを見たという顔をするのはやめろ。

 

「エルが相手の立場を考慮するんだな。でも、相手があの皇子だと思うと……」

「どうしたの?」

「いや、何でもない。それより、俺から離れないでくれ」

「わかったわ」

 

 婚約者なんだし。結婚するのだから、離れることは不可能だ。おまけに何発も私に種まきしておいて、今更離れられたらカイルのチンポの形を覚えた私が我慢できるだろうか。他の雄なんて受け入れるつもりがないから、いなくなられたら困る。王国にとっても。

 それは私個人の心情だし、カイルがどう思っているかは解らない。でも、私に離れるなと言うってことは野心はないということでいいんだろう。

 ああだこうだと考えたが、私だって思うことは一緒だ

 

「カイルこそ離れないでいてよ」

 

 だからこそ、やり返しを図って言い方は変だけど、カイルをメロメロにしなくてはいけない。

 ただ気持ちよくさせられるだけの私じゃないってことを見せつけてやるのだ。

 パーティーが終わり、カイルに連れられて帰る前に私は待ったをかける。

 

「なんだい、エル」

「屋敷に戻ったら、今晩は泊まっていきなさい」

「ああ、わかった」

 

 私は予てよりの計画を実行に移すのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 




人物紹介。

エルシア
数多の男たちを戦闘不能にしてきたシャイニングキッカー。先ずは男の尊厳を踏みにじる罵詈雑言だけで迎撃を図るが、あまりにしつこいと右足を閃光の早さで相手の局部を粉砕する。
今回、危うく外交問題に発展するところだった。

カイル
今回、危うく王国の存亡の危機にあったところを未然に防いだ英雄。
自分が王様になりたい野心こそあるものの、エルシアが望まないのもあって他国の情勢もあって引っ込めている。目下、アレックス皇子をいかにエルシアから距離を取らせるか悩んでいる。

アレックス
エルシアに一目惚れし、求婚するも手酷くフラれている。王国を潰してカイルを殺してしまえば、簡単に手に入れられるが、母親や周囲の手前、何もしないでいるが、王位継承問題が発生すればその限りでない。


思いつきで書いた手前、ファミリーネームを考えてなかったのでファミリーネームは今後も使わずに書いていこうと思います。


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TS令嬢はチ×ポに勝ちたかった

前半は作者の性癖には合わないことがわかった。
どうやら、私は女の子が責めるのではなく、責められて喘ぐのが性癖とマッチするらしい。


 ソープランドというものを知っている人間はいるだろう。

 男女が同じ風呂に入り、女が性的な奉仕を行う風俗産業の1つだ。男なら誰だって1度は通ったことがあるだろう。私も前世では通ったことがある。

 ソープで必要な神器は凹の形をしたスケベ椅子、ローションあれば、たぶん何とかなる。ビニールで出来た空気で膨らませたマットがあればいいけど、それを作れるだけの技術がないので諦めよう。代わりにタオルを下に敷くことで対応しよう。

 領内の鍛冶師に頼みこみ、金を積んで作らせた木で出来たスケベ椅子、料理人に許可をもらって厨房を借りて作ったローションは全て我が公爵家の風呂場へ運び込んでいる。

 ローションはうろ覚えになっている前世知識を思い出して作ったので失敗続きだったが、専属メイドのエリィと閨で試しながら最高の逸品を仕上げた。誤算はエリィに「お嬢様のお嫁にしてください」と世迷い言を抜かしたことで、早急にエリィに男を見繕わないといけない。

 さて、長いこと試行錯誤を重ねてきたが、そんなこんなでようやく使う機会が巡ってきた。

 しかし、ここで選択を誤ってはいけない。私の描く理想のシチュエーションは、ただ一緒に入るのではないからだ。

 この世界での入浴に関してだが、混浴などという素敵文化は無いらしい。大体が男同士、女同士であるのが普通だ。一緒に入る、などというのは普通じゃないだろう。

 だから、カイルに先に入浴することを勧め、入って程なくして全裸でタオルを巻いて隠しただけの私が突撃する。

 

「エルッ!?」

 

 驚くカイルに私は笑みを浮かべた。

 

「お背中を流しにきました」

「普通じゃないだろう」

「いいじゃない。たまには趣向を変えてみるのも良いのでは?」

 

 この場でのマウントは私にある。押しきれば勝てるし、負ける道理はない。

 ということでカイルをさりげなく用意したスケベ椅子に座らせることに成功する。

 

「何をするつもりなんだ?」

「背中を流しに来たって言いました。私が洗ってあげる」

 

 数ある風俗から選んだ私の勝利への選択だ。

 SMは苦手でやりたくないので選んだのだが、これで攻守を逆転させて奴が私以外の女に目移りしないようにするつもりだ。今までの私とは違うってことを見せてやろう。

 邪魔なタオルを脱ぎ、カイルの目の前に裸体をさらけ出す。

 

「綺麗だ」

 

 見惚れたカイルが呟き、私は顔を赤くして妙に気恥ずかしくなって胸を手で隠した。

 完全に出鼻を挫かれた形となったが、気を取り直して洗い始める。

 上半身から洗っていくのだが、背後に回り込んで泡立てたスポンジでカイルの腋の下から手を這わせて胸を洗う。

 

「うぁっ……」

「痒いところはありませんかぁ?」

 

 ちなみに前世の私は後ろから手を這わされて洗われた時に射精している。

 射精には体力を使うから、このソーププレイで何度も射精して精根尽き果てるまで搾り取ってやる。いつも私が潰れて終わってるから、今日は逆転するのだ。

 気持ちを新たにカイルの上半身を優しく洗う。この時、密着しなければいけない関係上、私の爆乳(Hカップくらい)をカイルに押し当てなければいけない。これがとんでもない伏兵で、滑りを良くするのと背中も同時並行で洗うために胸回りを泡立てて臨んだまではよかったのだが、ここで今までカイルに開発・調教による成果で胸で感じやすくなっていたのだった。

 

「んっ……ふぅっ……どう? 自分で洗うより気持ちいいでしょ?」

 

 喘ぎそうになるのを我慢しながら、私は挑発的な笑みを浮かべる。

 

「上手だよ、エル。どこで覚えてきたんだ?」

「本を読んであとはエリィと実践して覚えましたわ」

「そうか」

 

 お前以外の野郎相手にやる訳がないだろう。

 私と後継ぎとなる1番目の王子の婚約者である公爵令嬢は、決して他の男と交わってはいけない決まりがある。不倫やら浮気はご法度で、夫となる王子に身も心も捧げなければいけない。

 あっちは王妃になる面倒くささがあるが、こっちはカイルが王になりたいとか野心を抱かせないようにしなければいけない。最悪、色に溺れさせてでも王位継承に乗り出させないようにしなければいけない。

 継承権争いが始まりでもしたら、帝国が確実にでしゃばってくるだろう。今のアレックス皇子にだって王家の血を引いているのだから、確実に継承権争いに介入してきて最悪侵略して王国が帝国の領土になってしまうかもしれない。

 別に王国が滅びようがどうでもいいからと、今までほったらかしにしてきたのだが、カイルが私と肉体関係を結んできたから多少の責任感が芽生えたのだ。

 情に絆されたというか、なんだかカイルと一緒にいる時間が欲しくなったのだ。故にカイルが他の女に目移りしないように私に夢中になるようにしたい。

 慣れない行為に体に力が入ってたカイルだったが、段々と慣れてきたようで徐々に余計な力が抜けていくのが解った。

 次の段階へいくか。

 

「あら、ただ体を洗ってあげただけなのにこんなに大きくされたんですか?」

 

 正面に移動し、優しく泡立てた手をカイルの逸物に這わせ、撫でるように亀頭全体を責める。

 

「エル……」

「どうしましたか?」

「わざとなのか?」

「さあ、なんのことでしょう」

 

 惚けながらも、手の出し入れは止めない。むしろ動きを早めて1度目の射精を促……。

 

「このまま射精したいですか?」

「な、なに?」

 

 優しく擦りながら、耳元で聞いてみると戸惑うような声で返された。

 面白そうだから、耳元で息を吹き掛けるとビクッと肩を震わせてきた。そのまま私はピチャピチャと耳を嘗め始め、カイルは硬直する。

 

「あ……ふぁっ……」

 

 カイルの喘ぎが耳に入り、ゾクゾクと背筋が震える。

 野郎の喘ぎ声を聞くなんて拷問だろうと前世では思っていたが、女にされていざ聞くと嗜虐心が刺激されて楽しくなってくる。

 

「ふふっ……♡」

 

 カイルのモノをシコる手を早めながら、わざとらしく派手な音を立てながら耳を舐める。

 そうしながら、カイルのペニスに目を向ける。

 相変わらず大きい。散々、人が気絶するまで哭かせてきた悪魔だ。今日はお前が立てなくなるまで搾り取ってやろう。覚悟しておけ! 

 などと意気込み、射精しそうな状態に近づいてきてるのが解ってきたところで、カイルが私のグショグショに濡れそぼったアソコに手を這わせてきた。

 

「ひゃぁんッ!」

 

 泡で濡れた手がヌルヌルと割れ目を撫で、痺れるような快感が走りシコる手が止まり、耳を舐めるのも止めてカイルに身を寄せて快楽に耐えようする。

 

「ちょっ……今はぁ……わたしが奉仕んぅ……して、るのにィッ!」

「エルにばっかりやらせるのも悪いと思って」

「そんなのいいからぁ……ハァハァ……わたしに任せない♡」

 

 だが、彼の手は止まるどころか指を膣内へ入れて掻き回す。

 

「んあぁッ!? そんなにかき回しちゃっ……!」

 

 グチャグチャといやらしい音を立てられ、羞恥と快楽に顔が赤くなる。

 いつの間にか攻守は入れ替わり、私はカイルから与えられる快感に腰をくねらせてヨガっていた。

 

「ダメッ! ダメぇっ! ダメぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!」

 

 先にカイルをイカせるつもりだったのに、私が先に愛液を撒き散らしてイカされてしまった。

 くたっとカイルに寄りかかり、荒くなった息を整えながら絶頂の余韻に浸る。

 程なくして復活した私は、カイルをキッと睨みつける。

 

「まだ負けてないから!」

 

 そうだ、まだ負けてない。

 あらかじめ濡らしたタオルを何層にも重ねた簡易マットに横になるよう指示し、私はローションの準備に入る。

 お湯を入れて混ぜないと、ローション自体は恐ろしいくらい冷たいのだ。おまけにヌルヌルが強い。そのまま侍女のエリィに使った時の後始末は、恐ろしいくらい面倒くさかったのを思い出し、ちょっと憂鬱になる。

 気を取り直して準備が整ったところで、私は全身にローションを塗りたくってカイルに乗りかかる。

 

「ふっふっふ、どうですか?」

 

 カイルの逸物を私のお腹でニュルニュルと滑らせる。

 

「スゴく気持ちいい」 

「そうでしょう。いつでも射精したい時に射精していいからね」

「くっ……うぅっ……」

 

 全身を滑っていくのってなんだか遊んでるような気分で楽しくなってきた。だからといって、本来の趣旨から外れてはいけない。

 カイルの隣に横になった私は、内腿でペニスを擦りながら乳首を舐める。

 

「エル……ッ」

「くすぐったい?」

「それ程でもない。練習したのか?」

「そうだよ。ヤラれてばかりじゃないのよ」

「負けず嫌いなのは昔からか」

 

 しかし、イマイチ反応が悪いな。まあ、私も素人だし下手くそなのは認めよう。

 やはり、遠回しに性感を高めていくのではなく直接的な方法が正しいか。

 カイルの足の間に座り、ヌルヌルになった胸の谷間でペニスを挟む。

 

「うぁっ……くぅっ……」

「ほら、出してッ♡ 早く♡」

 

 やはり、ローションでヌルヌルということも相まってパイズリが楽だ。

 先走り汁が出て、鼻腔を雄の匂いがくすぐる。子宮が疼いてきた。

 早く挿れて気持ちよくさせてほしい、などと本能が訴えてくる。そこは鋼の理性で耐える。ほら、自分から挿れるなんて敗北宣言してるようなものだ。カイルが懇願してくるならまだしも、まだその時ではない。

 

「ほら、早く出しちゃえ♡」

 

 ギュッギュッと挟む力を強め、上下にシコる。

 やがて、その時が来た。

 

「うっ……でるっ!」

「ひぁんっ!?」

 

 夥しい量の白濁した液体が迸り、胸と顔に降り注ぐ。

 うわぁ、顔がドロドロだよ。とりあえず、一度射精させたのでドローだ。

 お湯で精液を落としながら、次なる攻勢の方法を考える。といっても、残っているレパートリーは素股と騎乗位くらいなものだ。尻コキはされたことあっても、したことないのでできん。

 などと考えていたら、カイルに押し倒されていた。

 

「あの……カイル?」

 

 声をかけてみるも、既に1匹のオスとなっていた野郎はいきなり復活して大きくなった獣を中へ襲いかかってきたのだった。

 

「んあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあっ!?」

 

 奥深くまで突き入れたオスの化身が子宮を貫き、脳天まで突き抜ける快感が全身を震わせた。

 そして、勢いのままカイルは腰を動かし始めた。

 

「あっ……だめ……いっちゃうから……またイくからぁ……♡」

 

 足を広げられ、ローションまみれだったこともあって容易く受け入れた城壁は既に陥落し、あとは怒涛の勢いによる攻勢にメスに堕ちるのみだ。

 

「こんなハズじゃなかったのにィ……ひんっ♡ 私がぁ……あぁん♡ そんなズボズボしちゃっ……!」

 

 子宮を抉じ開けようとするような突き上げに絶頂し、はしたなく失禁する。

 カイルが理性を取り戻したのか、私が絶頂して落ち着くのを動かないで待ってくれた。

 呼吸を整え、カイルに大丈夫と目配せする。

 

「どうしたんだい?」

「動かないの?」

「たまにはエルが言ってた通り、趣向を変えてみるのもいいかなって思うんだ」

「え……それってきゃっ!」

 

 体勢が変わり、私はカイルにのしかかるようになった。

 カイルに抱きしめられ、キスされる。

 啄むようなキスだったのが、貪るような思考を蕩けさせる激しいキスの嵐に腰が跳ねる。いや、まさかキスでイカされようとしてるのか。

 

「んぅっ……ぷあっ……待って♡ 敏感になっへるから……」

 

 すぐにイキそうになり、全身に力が入る。

 しかし、寸前でカイルが止める。

 

「はれ……なんでぇ?」

「趣向を変えて、エルが動いて」

「ええと……」

 

 てっきり、このまま失神するまで犯されるものとばかり思っていたのだが、思わぬ展開に戸惑ってしまう。

 そうしている間に、カイルにお尻を叩かれる。

 

「ほら、ヤラれっ放しは嫌なんだろ? 自分がイク前に俺をイカせられたら、負けを認めるよ」

 

 そう挑発されては、挑まずにはいられない。

 私には勝算がある。だってカイルが射精するまでに絶頂を我慢してきたことがあるのだから、これに私が負ける道理はない。

 

「あとで泣きを見せても知らないんだから」

「負けたときの罰を考えておくよ」

「女装させてやる」

 

 そうと決まれば、体を起こす。

 瞬間。

 

「ひぃっ!」

 

 絶頂しかけた。

 ただでさえ隙間なく膣内に埋め込まれていたヤツが、騎乗位となったことによって更に奥深くまで突き進んできたのだ。

 白目をむき、半開きになって舌を出した口からヨダレを垂らしながら、絶頂しないように耐え忍ぶ。

 あ、甘く見てたことを思い知らされたよ。

 

「ひっ……ひぃっ……ハァハァ……」

「エルのアソコは随分と弱いね」

「まら負けてないからね! これから……泣いてゆるしをこうまでイカせてやるんらからぁ……!」

 

 カイルの割れた腹筋に手をついて腰をグライドさせる。

 1回が限界に近かった。

 蜜が溢れ、カイルの腹へ伝っていく。歯を食いしばって耐えながら、私は腰を振り始める。

 

「ハッ……ハッ……あぁっ……スゴっ……こんなのォ……!」

「負けを認める?」

「まら負けてないからぁ……あぁっ、スゴいッ♡ カイルのチンポスゴいのッ♡」

 

 カリがGスポットをひっかけ、亀頭が子宮口をノックしてくる。その度に愛液がプシュッと飛び散っていく。

 始めはゆっくりだった動きだったものが、今では飢えた獣みたく激しく腰を振っていた。

 さっきはカイルが獣だったが、今度は私が獣となってメスに成り下がっていた。

 

「子宮をズボズボしているの♡ 抉じ開けられちゃってイってるの♡」

 

 頭の中は勝ち負けなんかよりも、今は精液を子宮に出してもらうことの方が重要だ。

 早くイカせないと♡

 

「おっと」

 

 カイルに腰をガッシリと掴まれ、動けなくされる。

 快楽に身を任せようとしていた矢先の妨害に、私は下手人に不満をぶつける。

 

「どうして止めたの?」

「さっきから何度もイってるのに、俺が射精したら不公平だろ? だから、敗北宣言してくれないと」

「あぅ……」

 

 そういえば、勝負してたんだっけ。でも、既に私は何度も絶頂している。カイルのお腹には私がはしたなく漏らした蜜があり、羞恥に赤くなる。

 素直に負けを認めたくない私にカイルは胸を揉んでくる。

 

「カイルっ!? んぅっ♡ 乳首ぃっ♡ 摘んじゃ……!」

 

 ガクガクと震え、背を弓なりに仰け反らせる。

 負けてないと認めたくないものの、明らかに誰が見たって負けているだろう。

 決して認めたくないが、もはや言い逃れは無理だった。というより、理性が保たなかった。

 

「負けましたァ! カイルのデカちんぽがスゴくて何度もイかされましたァ♡ これでいいでしょっ? 早く動かさせてよ!」

 

 目にハートを浮かべて懇願すると、カイルが拘束を解く。

 無我夢中で私は腰を振り、快楽を貪る。

 

「あっ、ちんぽスゴいッ♡ こんなの勝てないぃぃぃィンっ♡」

 

 体勢がキツくなり、カイルに倒れ込むも尻だけは上下に振って膣を締めて射精を促す。

 

「もう何度もイってるから! いつでも射精して♡ 私のヨワヨワまんこに種付けしてぇっ!!」

 

 とんでもないことを口走ってるような気がしたが、そんなことどうでもいい。

 早く射精しろ、とばかりにがむしゃらに腰を振っていた。

 そして、カイルがついに限界を迎える。

 

「くっ……だすぞっ!」

「あぁっ……熱いのキタァァァァァァァッ♡」

 

 膣内へ注がれる灼熱が子宮を犯す。

 絶頂の余韻に浸る私にカイルは、スルリと抜けるやバックで貫いてきた。

 

「んおぁぁぁぁぁぁぁッ!?」

 

 パンパン、と肉がぶつかる音が響く。

 常だったら感じることのなかった自分が犯されているという感覚。1匹のメスであるという自覚を容赦なく植え付け、抵抗することを赦さずひたすら犯し続ける獣のような体位だ。

 

「んおぉっ♡ おぉっ! あぐぅっ!」

 

 勝つとか以前にメスにされてたのに、今更勝つとかなかった。ただ意地を張っただけだったのだ。

 最奥を突かれながら、私は挑む前から負けていたことを解らされたのだ。いや、そもそもこの娼婦みたいなことをしたのだって、単純に日頃から私をメスにしてくれるカイルへのご奉仕だったのだ。

 完全敗北の四文字が過ぎり、私は一度引き抜いてもらって体勢を変えてもらう。

 そして、足を広げて陰唇を自ら広げるのだった。

 

「カイルさまぁ。私、カイルさまのおチンポさまに完全に負けましたぁ♡ あらためてもう一度勝負する気なんか起こさせないくらいかんぷなきまでにおマンコにわからせてくださいィンッ!?」

 

 言い終えた途端、カイルのチンポが突撃してくる。

 いつもより大きく感じられたソレは、怒涛の勢いで子宮口を抉じ開け降りてきたところを突き上げる。

 

 ──―プシュッ、プシュゥッ! 

 

 強い快感に尿道をも刺激され、緩んだところで愛液と一緒に小便も噴射する。

 しがみついて目にハートを浮かべた私は、カイルの唇を求める。

 全身で感じられる多幸感と激しく子宮口を貫く快楽に、私は既に堕ちた。

 

「エル、そろそろ……」

「らして♡ カイルのっ! 私のメスマンコにらしてぇっ♡」

 

 悲鳴にも似た叫びを上げ、より一層膣でオスを締めつける。

 

「ぐっ……でるっ!」

「あぁぁぁぁぁぁぁん♡ 熱いのっ♡ イくゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!」

 

 ドクドクと流れてくる軍勢に最奥が犯されるのを感じながら、私は気を失ったのだった。

 

 

 後日。

 侍女のエリィが顔を真っ赤にして抗議してくる。

 

「お嬢様、致すのでしたらもう少し声を抑えてください」

「へぁっ?」

「あと、お嬢様はエロ過ぎです」

「おぅ……」

 

 なんかよくわからないけど、とりあえず言えること。

 

「気をつけます」

 

 屋敷中に私の喘ぎ声が響き渡ったのだとか。恥ずかしくて死ねる。

 

 

 

 

 

 

 

 




紹介。

エルシア。
敗北宣言したメスお嬢様。前世でやられたソープの成果は、ただ専属メイドを将来の嫁にしたくらいに終わり、肝心の婚約者には逆襲されて呆気なく返り討ちにされてメスに堕ちた。

カイル
この度の婚約者の奇行に楽しんでいたものの、珍しさと慣れない動きに戸惑ってあまり気持ちよくなかったらしい。むしろエルシアが漏らす喘ぎ声に興奮していた模様。
どんなエッチなことにも積極的に取り組んでいくエルシアに溺れていくのを自覚しながら、エルシアを完全に自分のものにしたことに自室で小躍りして兄に不審がられた。

エリィ。
エルシアの専属メイド。ノンケだったが、エルシアのローション作成に付き合った結果、めでたく百合の道に目覚めた。



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TS令嬢は語り明かしたい。



感想、高評価ありがとうございます。
拙作は筆者の来世ではないか疑惑をした方がおりましたが、はっきり申し上げてこれは私の願望です。来世はこうでありたいという変態の妄想です。野郎は皆変態であるべきだし、女でも変態であるべきだ。
何を隠す必要がある? 世間の目なんぞ気にしなくていい。私が世界だ。周りじゃない。周りに合わせるんじゃなくて、周りが合わせるんだ。それでも、駄目なら世の中の仕組みそのものを変えてしまえばいい。世の中、そうやって回ってきたじゃないか。
私は変態だ。TS好きの変態だ。救いようのないド変態だ。
ああ、世界の中心でTSと叫びたい。


すみません。エキサイトし過ぎました。


 我が公爵邸のテラスにおいて、目の前で優雅に紅茶に口をつける美少女がいる。

 髪は銀。優しげな眼差しで右目の下にある泣きぼくろが色気を醸し出してる。

 物怖じせず、静かで落ち着いた雰囲気の私並みのプロポーションで神々しさで同性すら魅了する美少女は私の唯一無二の親友であるミランダだ。カイルの兄のアルフレッド殿下の婚約者である。

 境遇が似ていて切磋琢磨(意味深)したというのもあり、互いの情報交換も兼ねたお茶会を定期的に開くようにしており、今日はその定例会だった。

 相変わらず絵になる仕草に見惚れ、私は声を大にして叫んでやりたい。

 

 

この娘を女にしたのは私だ!! 

 

 

 そう言いたい。

 アルフレッド殿下が王様になることは決定事項であり、彼がそこらの女に入れ上げて国を傾けることのないようにしなければならない。ただ隣で微笑んで愛を囁くだけだなんて子供の関係だ。大人になるのだから、大人の関係を目指さなければいけない。

 互いに女を近づかせない努力をする必要があり、その為にはあらゆる努力を惜しんではいけない。王国の安定のために。

 要するに私たちは王国の安寧のための生贄である。

 そこで重要になってくるのは、やはり性技だろう。ただ勃起したナニを膣に受け入れて出し入れして中出しで終わらせる、などという王国での常識は私の前世の常識ではない。その出し入れの初セックスで散々イかされた挙げ句、メスにされた私が言うのは気にしてはいけない。

 そんなこんなで野郎を堕とすテクニックを無知な美少女に手解きしたのが、この私だ。美味しく堪能させてもらいました。

 前世で巡り会えなかった処女の女の子を処女喪失してはいけない縛りはあれど、慣れない体に快楽を教えていくのは楽しかった。

 などと回想するのはここまでで、私は本題に入る。

 

「ミランダ、ついにアルフレッド殿下と初夜に挑んだそうね?」

「ええ。とても素晴らしい初体験でしたわ。アルフレッド殿下は私が初めての相手だったようで、慣れない様子でしたが、エルシア様とした事を思い出しながら優しく導いてあげましたわ」

 

 女性優位で事を進めやがったぞ。

 しかし、アルフレッド殿下はリリアにゾッコンだった輩なだけに一抹の不安はあったものの、無事に取り返せたようだ。あの女、男は侍らせても体は許していないらしい。私が調べた限りだが、どうやら奴はレズだろうと思われる。闇が深そうだ。

 でも、あれだ。考えてみれば、例えばこの世界が女性向け恋愛ゲームだとすれば、リリアはその恋愛ゲームの正ヒロインだが、私やミランダってエロゲー世界のヒロインだろう。前世はやりこんだな、対魔忍。

 

「エルシア様はどうですか?」

「私はいつもカイルに翻弄されてあげるばかりだから、奉仕してもあくまで主導権はカイルにあげてるわ」

「私とは逆ですわね。お勉強と称して私と致した時はエルシア様がリードしてくださってたのに、やはり殿方とする時は違うということですわね」

「あー、うん。カイルは主導権を取りたがる傾向にあるからね。私もそれに合わせてあげてるのよ」

 

 嘘である。

 単純にカイルのチンポが良すぎて征服されちゃったのだ。どれだけテクニックを積もうが、男のチンポには女である私は勝てないのだ。

 しかし、そんなことはミランダの性感を開発して散々ヨガらせて性の手解きをしてきた手前、妙なプライドが発揮されて強がりを言ってしまった。

 ミランダは澄ました顔で鷹揚に頷き、また紅茶を嗜む。

 カチャ、と音を立ててカップを置く。

 

「スゴイですわ、エルシア様。殿方が望むように相手なされるなんて、私はまだまだですわね」

「そうかな」

 

 ミランダに絶賛され、罪悪感に苛まれながら苦笑いして紅茶を飲む。

 

「とりあえず、殿下はミランダに夢中であることは確実ということかな」

「そう思われますわ。私そのものというより、私の体目当てかと思われますわ」

「今のところはそれでいいんじゃないかな。心なんて後から引っ張られてくるものよ」

「そうであればいいですわね」

 

 ところで、とミランダは話を変える! 

 

「帝国の皇子のことですが、やはりエルシア様も口説かれてましたか?」

「断ったわ。ミランダも口説かれてた?」

「そうですわ。どうやら、王国で最も力を持つ公爵家の令嬢ということもあるのでしょう。仮に国王陛下の妹君の影響力が無くとも私たちの家が王国に誓っている限り、帝国は侵攻できないと確信できるから、この2つの有力な家の令嬢を手に入れることで王国の力を削いでしまって侵略しおうという判断なのでしょう」

「あとは純粋に女好きってのもあるんじゃない?」

「それはエルシア様もではなくて?」

「ちょっと、それは誤解」

 

 私はあくまで教えただけだ。それに外見は女でも、前世は野郎だったのだ。前世で堪能できなかった極上ボディを堪能して何が悪いというのだ。

 私は普通だというのに、どうしてミランダも傍で控えているエリィもジト目を向けてくるのだろう。

 

「別にちょっとした火遊びくらいイイじゃない」

「火遊び……ですか。昔みたいに私と火遊びをしてみませんこと?」

 

 ミランダの提案に私は渋る。

 

「昔って……あれは火遊びじゃなくて教育だったんだけど……」

「ふふっ、そうでしたわね。新しい道具を使って致していたとエリィに聞きましたわ。是非、私にもやり方を教えてくださいませ」

「エリィ……」

 

 奴がリークしたか。

 情報源に目を向けると、頭を下げてきた。

 

『すみません、お嬢様。断りきれませんでした』

 

 目でそう訴えられ、私は過ぎたことだと諦めることにした。別にミランダにリークされる分には問題ない。教えるだけだし、またミランダの柔肌を堪能させてもらえることになりそうなのでワクワクしてきた。

 

「ええ、いいですわよ。早速教えて差し上げましょうか?」

「ふふっ、よろしくお願いしますわ」

 

 笑顔で応えたミランダに、何故か私は恐怖を感じた。

 何故だろう。前世でガチホモにロックオンされた時と同じニオイがする。

 しかし、相手は何も知らない無垢な女の子で私は既に実践済みのテクニシャンだ。教えてあげるんだし、前みたいに存分にヨガらせてやろう。

 

 

 ──―などと考えが甘かった。

 

 

「ンホォォォォォォォォッ♡ アナルもマンコもキモチいいのォォォォォォォォォォ!!」

 

 ミランダに尻穴、エリィに膣を。

 ペニスバンドという極太チンポで両方の穴を蹂躙されてアヘらされている私がいた。

 どうしてこうなった!?。

 

 

 

 

 

 

 




軽〜い紹介☆

エルシア。
獲物。


ミランダ。
最初に毒牙にかけられた被害者にして捕食者。エルシアの前の処女は奪われたが、後ろの処女を奪う予定。


エリィ。
専属メイド。捕食者。


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TS令嬢は屈したくない

久しぶりの投稿です。



 リリアとかいう侯爵令嬢のおかげか、はたまた私が侍女とミランダと行為に耽った影響なのか、我が婚約者はリリアと一緒にいることが格段に増えた。

 結婚して妻となる人間はいても、恋だのは自由にしてあげようというのが私のスタンスである。前世は恋愛結婚が普通であるが、この世界では余程でないと許されない。

 常であれば、王族であろうと恋愛結婚していたであろうが、今はそういう訳にもいかない。

 大陸統一を掲げ、各地へ侵略しては征服する帝国に我が王国は現国王の妹が今の皇帝に嫁いで親交を深めることで侵攻を防いでいた。戦わずして負けた、とも捉えれるだろう。誰も死なないことを選んだのは、はっきり言って英断だろう。

 しかし、それも揺らいでいる。

 現国王の路線を継ぐアルフレッド殿下に対し、その弟にして我が婚約者のカイルは何を血迷ったのか真逆のことを主張するのだ。

 相当な野心家であるのが窺えるが、そんなの認める訳にもいかない。

 だけど、有力な貴族が現国王の路線を支持する一方で若い貴族の間でカイルを支持する勢力があるのは事実。現国王路線を支持する有力貴族が軒並み高齢であることが、更に拍車をかけている。最近では、アルフレッド殿下もそっち方向へ毒されている感じを醸し出しており、手綱を握ることを求められていた私とアルフレッド殿下の婚約者で竹馬の友であるミランダは肩身の狭い思いをしている。飽きられてしまったのだろうか。私もミランダも。

 定期的に行われる茶会で、今日も辛気臭い話が行われていた。

 

「それで、アルフレッド殿下はなんて言っていました?」

「帝国に他三国で同盟を組んで挑めば勝てる、と申していましたわ」

「とんだ夢想家ね。協力したところで足並みが揃うとも限らないし、そもそも帝国との国力差は歴然としているのに勝てるハズがない」

「そう申し上げましたわ。考え直すようにも伝えましたけど……」

 

 結果は頬を叩かれたらしく、頭を抱えたい。

 女の子に手を上げるなんて男の風上にも置けない輩だ。だけど、抗議したところでこちらが悪いと決めつけられるに決まっている。

 

「厄介だ。二大公爵や他三国がいれば帝国が勝てないんじゃなくて、あくまで侵攻しないというだけだというのに。何故それが解らない」

 

 そう呟いた時だ。

 

「思慮深くてますます気に入ったよ、俺の未来の花嫁たち」

「誰だっ!?」

 

 真っ先に立ち上がって私は声のした方へ鋭く振り向く。

 ここは私の家の敷地内で、しかもミランダとの茶会で扱われる場所であり例え婚約者であろうと余程でないと立ち入りは許していないテラスだ。

 そこへ許可もなく、あまつさえ他国の人間が来ていた。他人の婚約者を「自分の嫁」とか頭湧いてるんじゃないのか? 

 相手は帝国の次期皇帝であるアレックス様だ。婚約者がいる私とミランダに対し、やたらとアプローチを仕掛けてくる女好きだ。

 私は控えめに言っても気に入らない。前世にいたヤリチン共と似たような雰囲気があるのだ。異性と付き合うのなら、誠実であることが好ましいのは私だけだろうか。

 しかし、相手は大陸に覇を唱えんとする帝国の次期皇帝だ。笑顔で相対する。

 

「これはこれはアレックス様。ここは私の公爵家の庭です。一体、誰の許可を得て来たのですか?」

「もちろん、君の父上からだ」

 

 親父よ、どういうつもりだね。

 

「仕方ありませんね。それで、なんの用事で来られたのですか?」

「未来の花嫁を迎えに来た」

 

 はて、聞き間違いかな。

 私は首を傾げ、ミランダが落ち着いた様子で尋ねる。

 

「私もエルシア様もアレックス殿下とは婚約した覚えはありませんわ」

「明日、婚約破棄される手筈になっているから問題ない。君たちはリリアとかいう侯爵令嬢を危害を加える悪者として断罪されることになっているからね」

「虚言ですわ。私たちをそのようなでっち上げの罪で断罪など、起こり得るハズがありませんわ」

「証拠は全て整っている。それに付随して二大公爵は反乱罪をかけられて取り潰し、王国は他三国と同盟して我が帝国へ宣戦布告、戦争になって王国は地図から消えることになる」

「そのような事……」

 

 ミランダが蒼白になって絶句するが、私は予想できる未来なだけあってアレックスの推測は間違いない。

 逆に感心しているくらいだ。

 

「熱心に調べ上げてたんですね。でも、まだ国王陛下が健在である限りアレックス殿下の言っていたことが現実になりませんわ」

「知らないようだから、教えるよ。今日、国王陛下は突然倒れてそのまま帰らぬ人になるだろう」

「はぁっ?」

「無礼な!」

 

 突飛すぎて「何言ってんだコイツ?」と思ったら、ミランダが珍しく怒声を浴びせたことから驚いてそっちに気を取られた。

 

「国王陛下に何をするつもりっ?」

「何もしない。少なくとも、こちらから何もするつもりはない。あくまで王国が何かしてくるから、帝国は対処するだけだ」

 

 何を知っているのか。なんて聞くだけ野暮だ。コイツは全て知っている。そして、元凶だろう。

 

「一体、誰を唆した?」

「あのアバズレとその父親を唆したくらいさ。国をくれてやるってね。彼女、魅了を少しばかり使えるから役に立ったよ」

「まんまと嵌められた訳か」

「好きでもない男と婚約したのに破棄されるんだったら、俺が貰っても構わないだろう」

 

 これはアレだ。私とミランダの家は王国を見限ってる。自分たちの保身に入り、娘を帝国に売り渡しやがった。

 悪いことだとは思わない。後手に回れば潰されるのはこっちだから、先手をとるために本当に裏切るということか。

 

「ミランダ、どうやら私たちは帝国に売られたみたいね」

「そんな……王国はどうなるのですか?」

「それは……」

 

 アレックスに目を向ける。

 

「一応。俺もこの国の王家の血を引く人間だ。そのまま王位を継承してしまうのも手だ。あとは、二大公爵は国王殺害を行ったとされて反逆罪をかけられたが、そこへ心優しい第三者が公爵家が無実であることを知り、公爵家が庇護を求められたのを俺が承諾して介入。無事に逆賊を葬ったことによる功績で公爵家はそれぞれ娘を差し出す。こんなシナリオはどうだい?」

「やはり、王国と戦争することは避けられないか」

「彼らが頼りにしている他三国に関しては、二大公爵の味方に回ることは確実だから流れる血は少なくて済むハズだよ」

 

 王国の人間が血を流すのが嫌なんだよ。それに他三国の人間の血も! 

 他三国は先ず1つ目が私の亡くなったお母さんがそこの王族であった。もう1つは父親がそこの王様と古くからの友人。最後の1つはミランダのお母さんがそこの現国王の妹だ。どれも行ったことがあるけど、自分の娘みたく可愛がられた。うちの母は相当に慕われていたらしい。流石に父の友人の息子から求婚されたことには、苦笑してしまった。だって相手は12歳の子供だったからだ。

 まあ、つまり私たちが帝国に靡けば他三国も追随してくれるのだ。

 王国のみが割を食った感があるけど、仕方ないか。

 そこまで考えたところで、結論を出して行動に移そうとして先にミランダが動いた。

 彼女はアレックスに歩み寄り、彼の腕に抱かれたのだ。

 

「せめて略奪などで王国や他国の民を傷つけないようにお願いします。そう約束していただけるのであれぱ、この身は貴方様のモノとなりますわ」

「ミランダ!?」

「エルシア様、恐らく公爵家を助ける条件に私たちがアレックス殿下の女となることもつけられていますわ。覚悟を決めましょう」

 

 いや、そう言われても困る。奴は嫌いな人種だ。下半身が世界の中心とでも言わんばかりの人間だ。そんな人間に抱かれるなんて死んでもゴメンだ。

 渋る私にミランダがトドメの一言を告げる。

 

「私がエルシア様と一緒にいたい……では、駄目ですか?」

「……それは卑怯だ」

 

 国のためなら愛した男すら手放すか……先に手放したのはあちらだけにミランダには情状酌量の余地はある。

 私はどうだろうか。まだカイルに表立って拒絶こそされてないものの、既に手遅れなのだろう。

 最後に体を重ねた心地良さを思い出し、その時のカイルの熱に浮かされていた自分が女としてカイルをきちんと一人の男と意識していたことを今更ながら痛感する。

 何もかも今更だ。私なりに長年かけた苦労も全て無駄となり、これからは自分が前世から気に食わないタイプの人間に抱かれるなんて嫌悪感で死にたくなる行為をしなければいけない。

 いくら親友と一緒とはいえ、婚約者も見捨てられない優柔不断な私に奴は無理やり抱き寄せる。

 鳥肌が立ち離れようとしたが、抵抗も無意味だと覚ってなんかもう全て諦めることにした。

 せめて1つくらい条件をつけてやるつもりで、奴に目を向ける。160くらいある私よりも高いため、必然的に上目遣いとなって見上げる形となる。

 

「約束は守れ。私たちも守るから」

 

 アレックス殿下はニヤリと笑みを浮かべる。

 

「じゃあ、早速前金を貰おうか」

 

 チュッ。

 唇と唇が触れ合う軽いキスだった。カイルだけじゃなく、自分自身すら裏切ったような気になって嫌だ。

 不快感から噛みつきそうになる私から唇を離した後、奴はミランダに唇を重ねていた。

 放心する私たちを抱きながら、彼は宣言する。

 

「大陸でも美姫と名高い二人を手に入れるんだ。必ず約束を果たそう」

 

 だから、君たちの全てを寄越せ。

 そう伝えられた気がして、これから何をされるのか解るだけに身の毛がよだつ思いだった。

 

 

 

 

 

 

 

 



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TS令嬢はどうしたい?

「うえっ、チクショウめ。気持ち悪い」

 

 誰もいなくなったテラスで、私は必死に口を拭った。

 あの男に体を許さないといけない、今更ながらに不快で気持ち悪くて拒否反応が酷い。

 自分が嫌いになりそうだ。

 何故ミランダは平然と受け入れられたのだろう。愛だの恋だのといった個人の感情は優先されてはいけないとはいえ、割り切りが早いような気がしなくもない。

 私には到底受け入れられない。そもそも、私はカイルですら最初は無理だったのだ。

 

『君がエルシアだね。僕はカイル。君と婚約することになったんだ。よろしく』

 

 幼い頃、軽い調子で話しかけてきたカイルを心底嫌悪した覚えがある。

 将来カッコよくなるからとかじゃなく、この軽い調子が前世でいた他人の女だろうと平気で寝取る最低野郎と合致したような気がしたのだ。結局、ヤベーくらい合致してそうなのはあの帝国の皇子……名前すら思い出したくもない。

 

「くそっ、イライラする」

 

 キスしてきた奴も憎いが、それを許してしまった自分も憎らしい。拒めなかったとはいえ、もっと上手いこと回避できなかっただろうか。

 もう一度唇を拭い、消えない感触にイライラしていると誰かがやってくる。

 

「ここにいたか、エル」

「カイル?」

 

 最近、顔を全く見せなかった人がいた。

 

「今更、何しにきたの?」

「エルシア、君との婚約を破棄しに来た」

 

 ドキッ、と心臓が一瞬止まった気がした。

 

「……どうして?」

「俺は君と一緒にいられないからだ」

「そう、ですか」

 

 そんなに……。

 

「リリアとかいう女が良いんだ。顔? 体? 性格?」

「そうじゃない」

「じゃあ、何よ! なんで一緒にいられなくなるのっ? 私がミランダやエリィとセックスの真似事してたから? それとも、帝国のアルフレッド皇子とキスしてしまったから?」

「明日、俺は死ぬからだ」

「ハァ?」

 

 謎なんだが。

 詳しく聞けば、リリアに魅了されて洗脳されている自覚があるらしい。一定距離とるか、私が抱きつくか傍にいれば魅了状態にされないらしい。でも、それも限界らしく、王宮に手段は知らないけど住み着いたリリアによって強い洗脳状態に置かれ、今回は運良く抜け出せたが、もうどうにもならないらしい。

 

「明日、改めて婚約破棄を告げるだろう。そして、俺は君を殺そうとするだろう。エルにはその時俺を殺してほしい」

「なんでそんなことを……?」

「どうせ殺されるなら、帝国の人間じゃなくてエルが良いんだ。君になら、俺は殺されてもいい」

「そんなの──―」

 

 無理に決まっている。

 まだ平和な日本での価値観が残っていて、おまけに親しんだ相手をこの手で殺すのなんか頼まれたって出来ない。

 

「そうだ。ここに泊まっていけばいい。そうすれば、あの令嬢の魅了にもかからない。明日も四六時中一緒にいれば問題ない。明日、何もしないでいれば無関係でいられるハズ……!」

「帝国に王国は占領されるだろう。たぶん、俺は良くて暗殺かな」

「そんな事させない! 私が何とかするから!」

「それでアルフレッド皇子に抱かれるのか?」

 

 言葉に詰まった。

 何とかする、と言って実際に行動しようとすれば抱かれなければいけなくなるのだろう。

 出来るか出来ないか、ではない。ヤるかヤラないかが重要だ。

 

「カイルのためなら、何でもするつもりです」

「やめてくれ。俺は君にそんなことしてくれてまで生きようと思わない」

「じゃあ、どうすればいいの? どうすればカイルは私といてくれるの?」

 

 不意に思いついた選択肢がある。一緒に逃げる、という究極の方法だ。誰の得にもならないだろう。私にもカイルにも他の人たちも。

 王族としての責任があるカイルにそれを強いるのは、あまりにも酷だ。

 なら、どうする? 

 フワッ、と何かに優しく包まれた。

 

「ありがとう。何も言わないでいてくれて」

「察しのイイやつ。そして、最低です」

「うん、わかってる」

「馬鹿だ」

「わかってる」

「なんでもっと早く言ってくれなかったの」

「自分で何とかするつもりだったんだ」

「それで魅了されてたら元も子もないじゃない」

「悪いと思ってる」

 

 一緒にはいられないのだろう。

 立ち去ろうとするカイルに何も告げられず、このまま別れてしまってもいいのだろうか。

 これが最後かもしれない。

 

「私は──―」

 

 どうしたいのだろう。

 

 




このまま見送れば寝取られルートへ直行します。
逆に呼び止めれば、純愛ルートです。要は全部捨てて二人だけで遠くへ逃げることになります。
どっちを先に書くか迷う。


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TS令嬢は説得したい。


純愛エンドです。
こちらはあと一話で完結する予定です。


「私は──―」

 

 離れたくない! 

 

「行かないで!」

「エル?」

 

 私はワガママだ。それも最悪な部類の。

 貴族として気高くある前に一人の女だった。

 

「カイル、行かないで。一緒にいて。もう何もかもどうでもいい。私はカイルと一緒に生きたい!」

 

 振り向いたカイルにギュッと抱きつき、しがみつくように離れないように逃さないように密着した。

 

「エル、ワガママは──―」

「一緒に逃げよう、カイル。何もかも全て捨てて遠くの地へ逃げてしまいましょう」

「そんなこと許されると思ってるのかっ?」

「そんなのどうだっていい! カイルのいない世界で生きたって意味がない! それにカイル以外の男になんて抱かれたくない!」

 

 ワガママだってのは解ってる。

 全部捨てて2人で生きていくには、背負わされた責任はあまりにも大きい。許されることではないと解っている。

 でも、それでも──―

 

「貴方と一緒に生きたい」

 

 この気持ちに嘘はつきたくない。

 静寂が訪れた。拒まれることもなく、ただただ静かだった。

 この時間がキツい。考え中なのだろうけど、待つ側としてはこの後に断られるともう折れるしかなくなる。

 ていうか、私は抱きついてるんだよな。うん、なんかイイ匂いしてきた。こんな時に発情しちゃいけないのに、濡れてきてしまっていた。

 そこへ更に抱きしめられ、セックス以外で抱きしめられるのって何回も無いなとか考えてしまって更に興奮度が高まってしまった。

 ここは敢えて性欲に任せて行動すべきでは? 

 

「セイッ」

 

 兵は拙速を尊ぶ、と言うように私は即座にカイルを押し倒した。

 

「エル?」

「散々、私を女にしやがって。カイルが誰を女にしたか解らせてやるんだから!」

 

 カイルのズボンを脱がせてパンツを下ろした瞬間だ。

 ビタンッ! 

 

「わっ……」

 

 頬が何かに叩きつけられた。

 カイルが打ったのか? いや、違う。既に臨戦態勢のブツが飛び出した勢いのまま跳ねて私の顔に当たったのだ。

 オス特有の濃いニオイ。前世のままだったら、絶対に嗅ぎたくないニオイが今ではクセになったのか、今では体を疼かせて発情させにくる危険なニオイだ。

 そんなことよりも、だ。

 

「もう勃起させてるんだ。やっぱり期待してたんじゃないの?」

「そんなつもりは……」

「口では何とでも言えるんだから」

 

 私はショーツを脱ぎ去り、濡れそぼって準備万端の秘部を逸物の先端へ宛てがい、一気に腰を落とした。

 ズブズブッ! 

 

「うっ……くぅっ……大きい……」

 

 絶頂を迎えそうになるも寸前で耐え抜き、私は精一杯の虚勢を張るために余裕の笑みを浮かべ、カイルを見下ろす。

 

「あの女より私の方がイイに決まってるんだから! 何度でもイカせてあげるんだから!」

 

 どうしよう、キモチいいところにしか当たらない。

 カイルのチンポの形しか知らないのもあるけど、すっかり覚えてしまったアソコはどこに当たっても快楽が感じるように調教されてしまっていた。

 それでも、腰を動かさなきゃイカせられないから自分がキモチよくなって先にイカされるか、カイルをイカせられるかのチキンレースが始めなければいけない。

 

「あぁぅ……ほら、カイル……ゥ♡ いつでもイッていいからね♡」

「エル……どういう、つもりだ?」

「だってぇ……カイルのことが好きなんだもん♡」

 

 緩急をつけながら、ただ単調に腰を振ってはいけないから前後にグラインドさせたりと、自分が娼婦かAV女優になった気分でいやらしくも激しく求める。

 

「ほらほら、早くイッて! 私なしじゃ生きられないようにするんだから……そうすれば──―」

 

 そうすれば、カイルが私と一緒にいてくれるハズだ。

 …………本当に? 

 ふと浮かんだ疑問。カイルが考えを改めなかったら、私はどうすればいいんだろう。諦めてアレックス様の女になればいいのか。そんなのは嫌に決まっている。でも、カイルが考えを改めなかったら? 

 そこまで考えたところで、起き上がったカイルに抱きしめられていた。

 

「あれ、どうして? なんで?」

「ゴメン。俺、自分の都合ばかりエルに押しつけてきてた」

「なにを今更。私はカイルの女なんだから、カイルの言うこと聞いて当たり前じゃない」

「初めて君のワガママを聞いたよ。いつも俺ばっかり言ってたっけ」

 

 そうだっけ。まあ、私は精神的に成熟してるからワガママを言うような事はなかったし、ワガママを許容するくらいの度量があった。こっちは男だけど前世の記憶が残っているのだから、それくらいは仕方ない。

 

「初めてのワガママで悪い? カイルは聞いてくれるの?」

「ゴメン」

「この──―」

 

 わからず屋、と続けようとした時だ。

 

「んむぅ……!?」

 

 唇を奪われた。

 優しく宥めるような触れ合いに、自然と熱にうかされて没頭し始めている私がいた。

 やがて唇を離したカイルは、私を見据える。

 

「一緒に逃げよう、エル! 遠くの地で2人で暮らそう」

 

 待ち望んで心のどこかで諦めていた言葉だった。

 感極まって涙が溢れながら、私は喜んで頷いた。

 

「カイルと一緒ならどこへでも着いていくわ」

 

 今度は私からカイルへキスした。

 舌を自分から絡ませていき、いつもカイルにされるがままだった私の思わぬ口撃に彼は戸惑いながらも応じ、恋人のように優しく蕩けるような交わりに私はお腹の奥が疼いて下へと下がっていくような感じがした。

 無意識にキュッと膣に力が入り、射精もまだの飢えた野獣が唸る。

 

「まだカイルと繋がったままだったね」

「そろそろ我慢できそうにないんだ。そろそろ動いてもいいか?」

「ダーメ♡ 今回は私に任せてね♡」

 

 ゆっくりと腰を動かし始める。

 ぬちゃぬちゃと私のナカから溢れ出した蜜がいやらしく音を奏で、膣壁を抉られる快感に腰が震える。

 正直に言ってキツい。腰を動かす度、チンポの先端が子宮口をノックするのだ。脳天を突き抜ける快感に何度も絶頂を迎えそうになり、必死に耐えようとして早くも音を上げそうになる。

 ギュウギュウに締めつけようと力を入れれば、チンポの形がくっきりと解り、快感を刻まれた膣内は快楽を貪り食う。

 理性では耐えようと懸命に踏ん張るも、本能がもう絶頂したくて腰をガクガクと震わせて主張してくる。

 

「待って……カイルをイカせるんだから、まだキモチよくなっちゃダメ……♡」

 

 ビクビクと全身を震わせ、最後の牙城を崩しにかかる。

 

「あぁっ! カイル、早くイッて! このままじゃ……先にイッちゃうからぁ……!」

「エル……くそっ」

 

 押し倒された。

 

「カイル? 私がイカせようとしてるのにこれは──―」

「エルが頑張ってくれたんだ。ここからは俺に任せろ」

 

 そう言うや、カイルが荒々しく突き上げる。

 

「あっ、ダメェ……イングゥッ!!」

 

 さっきまで頑張って耐えたのも無駄に終わり、呆気なく達した私は背中を仰け反らせる。

 そんなことお構いなしとばかりにカイルはピストンの手を緩めることなく、私を激しく求めていた。

 

「エル、好きだ。誰よりも好きだ! ずっと一緒にいてくれ!」

「うん! いっしょにいるから! カイル、好きぃ!」

 

 何度もお互いの名前を呼び合い、愛を囁く。

 恥も外聞も捨てた男と女の愛の語らいだ。ひたすら快楽を貪るのではなく、愛を確かめ合いながら行為に及ぶ。心も満たされ、体も満たされる。

 永遠に続くかと思われたソレにも、終わりが訪れるものだ。

 

「そろそろ出そうだ」

「中に出して! 私を孕ませてぇ♡」

 

 ガッチリと足で挟んでカイルが引き抜けないようにしながら、カイルのチンポが大きく震えるのが解った。

 

「くっ……出るぅっ」

「あぁっ! またイクぅぅぅぅぅぅぅぅぅあァァァァァァァァァ!!」

 

 カイルが射精するのと同時、私は絶頂を迎えた。

 最後は自然と引き寄せられるように私はカイルと唇を重ね、難しいことは考えるのはやめて絶頂の余韻に浸ることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 





純愛のみに投票される方が多くて作者は嬉しいです。
でも、私は捻くれているのでこの話を投稿する前に既に寝取られルートを二話分まで執筆完了していたりします。こちらは純愛ルートで語れないドロドロとした部分があります。投稿はその内。
それとは別に鬼の輪姦凌辱ルートなんてものを考えついている私は、きっと汚れているのかもしれません。



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TS令嬢は傍にいたい。

寝取らればかり投稿するのも駄目だろうということで、純愛編を更新いたします。



 やべ、やらかした。

 

 そう思わずにはいられない。

 体液で汚れ、皺だらけの衣服を見ながら後悔していた。

 後悔している。逃げる時間を消費してセックスするとか、バカかよ。欲望に忠実だった。

 何はともあれ、今すぐ王国を出よう。街に出ても違和感ない服に着替えて、少しのお金を持ってとにかく遠くへ逃げて、そこで新しい人生を送ればいいんだ。とりあえず、パン屋でもやろうかな。食堂屋でもいいかもしれない。夫婦で切り盛りしながら、たくさんの子供に囲まれながら慌ただしくも楽しい生活を──―。

 

「お嬢様、そろそろ戻ってきてください」

 

 していれば、メイドに怒られると。

 

「人がせっかく輝く未来を考えていたというのに! 全部台無しじゃない! このエロメイドー!」

 

 私の髪を梳きながら、メイドのエリィは深々とため息を吐く。

 

「エロいのはお嬢様でしょう。ここは王国です。外での行為は世間体がよろしくないと申し上げましたよね? そんなに外でしたいのなら、とっとと遠くの国へ行きなさい! ああ、そういえば国外へ逃亡するんでしたね。宿が取れなければいくらでも青空の下でヤりたい放題でしたね。さっさと孕んでしまえ、お嬢様」

「あ、主に対して無礼ですよ?」

「もうすぐ家を出て行こうとする人間に上下関係もありません」

 

 髪を梳き終わったエリィは「それに」と言葉を繋ぎ、私を後ろから抱きしめる。

 

「今は貴方の姉代わりとして接させてください」 

「エリィお姉ちゃん」

「その呼ばれ方は久しぶりですね。本当、体ばかりスケベになって中身は子供っぽいですね」

 

 ……………………うん? 

 

「そこは大人になったと言うんじゃない?」

「お嬢様が大人? スケベでエロい、万年発情期の変態娘のどこが大人なんですか?」

「スケベじゃないもん。エロくないもん。だって、慣らしておかないと痛いって聞くし、それにカイルのニオイが好きでちょっと催しちゃうだけだもん。私がエロいんじゃなくて、私をエロくさせるカイルが悪いんだもん」

「……ちょっとは自制してください」

「無理だもん。カイルの精液で孕むまで自制してやらないんだから!」

「さすがに色ボケしすぎです。それと人前で下品な言葉はやめてください」

「精液のどこが下品なんだ。まだおチンポミルクとか言ってないからいいじゃない」

「アウトです! お嬢様、それはアウトです!」

「しまった!」

 

 勢いに任せてなんてコトを言ってしまったのでしょう。

 

「まったく、どこの国から仕入れるんですか? そういうエロい言葉も行為も全て」

「ええと、たぶん海を渡った遠い異国の地かな」

「変態の国ですね」

「うーん、否定できない」

 

 前世の私も一般的には変態かもしれない。皆はオッパイ好きかもしれないけど、私は半袖からチラッと覗く腋が好きだったりする。あとは前屈みになった時に見える鎖骨もエロいと思ってる。ただ胸の谷間とか肩とか出すんじゃなくて、露出を極限まで減らしてふとした瞬間に垣間見えるボディラインってなんかエッチに思えね? ほら、服を着ても隠しきれないワガママボディとかって最高にエッチじゃん。パツパツのタイトスカートとかエロいと思わね? 

 要するに自分のことがあるので、否定できない。

 

「エリィは言わないの?」

「言っていたとしても、私はお嬢様のようにオープンには言いません」

「まるで私が変態みたいじゃん」

「事実で御座います」

「……そんなことより、エリィに新しい相手を見つけてあげられなくてごめんなさい」

「お嬢様が気に病むことではありません。ご自分の幸せを第一に考えてください」

「でも、エリィにも幸せになってほしいし……」

「…………本当、体ばっかりスケベになりましたね」

「んなぁっ!?」

 

 事実なんだろうけど、改めて指摘されると辛いところがある。

 いや、私だって少しは隠す努力してるんだよ。でも、カイルのチンポを見たら、自分の理性が蒸発しちゃうんだよ。そりゃあ、何度も膣内射精されて何度も子宮口をノックされたんだから、この体がドスケベになるのは仕方ないだろう。改めて指摘されると、恥ずかしいのだが。

 まあ、結論を出そう。

 

「カイルのチンポがいけない。あれは女を堕とす魔法のチンポ……そう! マジカルチンポなんだよ!」

 

 頭を叩かれた。

 ズドンとハンマーか何かで叩かれた衝撃が脳天から足下まで響き渡った。

 

「いったぁーい!」

「下品な言葉をやめなさい! カイル殿下に嫌われたらどうするんですか?」

「カ、カイルは喜んでたよ」

「それはしている最中の話でしょう。平時では淑女らしく貞淑であってください」

「大丈夫! 外面は完璧なので乱れるのは夜だけです! あとは偶にお昼と朝にも乱れます!」

「まる一日じゃないですか! 本当は毎日セックスしたくて逃げようとしてるんじゃないかと心配になります」

 

 私は間髪入れず「違う」と訂正を入れ、自分の偽らざる本音を言う。

 

「私はカイルのことが一人の男性として愛しているから、カイルと一緒にいるために逃げるんだよ」

「では、お嬢様。別れの挨拶は私と旦那様だけにしてください。決してミランダ様とは会いませんようにお願いします」

「え、どうして?」

「本当にカイル殿下と添い遂げたいのであれば、何も知らず聞かずにそのようにしてください」

「わかったよ」

 

 いまいち腑に落ちないものの、一応納得しておこう。

 唯一無二の親友に別れの挨拶くらいはしておきたいものだけど、どうして駄目なのだろうか。理由を訊ねたいけども、答えてくれなさそう。

 何はともあれ、準備は終わった。あとは用意した馬車に乗り込むだけである。幸いにして親父は領内の視察中でまだ帰っていないから、心苦しいけど挨拶は無しで駆け落ちさせてもらおう。

 

「では、お嬢様。後の事は全てお任せください」

「なんだか今生の別れみたいなんだけど……」

「……くれぐれも腹上死しませんように、エロお嬢様」

「人をエロい扱いしないでよ。私はカイル限定でエロいんだからね!」

「それは良いことです。それでは、お嬢様。いってらっしゃいませ」

「うん。いってきます」

 

 馬車に乗り込むと既に着替え済のカイルが座っていた。

 

「もういいのか?」

「うん。カイルこそ、いいの?」

「何がだ?」

「誰か別れの挨拶くらいしたい相手」

「いても王宮にいる」

 

 そうだったな。今更ながら、自分が無理やり決めさせたようなものであることに罪悪感ください込み上げてくる。後悔はするけど、謝ったりなんか絶対にしない。

 寂しいだろうな、とは思う。これまでの生活から一変して貧しくなるし、慣れないことに挑戦するのだ。不安もあるだろう。

 私はカイルにキスをしていた。恋人同士がするような甘く胸を焦がすものだ。

 唾液の線が名残惜しそうに尾を引きながら、唇を離して私はカイルと目を合わせる。

 

「約束して。きっとこの先の生活は辛いものがたくさんあると思う。喧嘩だってするかもしれない。それでも、一緒にいるって、傍に居続けるって約束して」

 

 彼は頷く。

 

「エルは強いな」

「さっきメイドにはエロいって言われてたけどね」

「確かに間違ってないな」

「私はカイル限定でエロいからいいの」

「そうか。じゃあ、いつでもどこでも抱かれても何も言わないんだな?」

 

 いつぞやの話だ。大したこともないので省いたけど、学院内で事に及ぼうとして、全力拒否したことがあった。

 他の生徒がすぐ近くにいるのにおっ始めたら、絶対に痴態がバレて晒し者にされる自信があったからだ。マンガとかゲームとか様々なエロコンテンツで、人が目の前にいたりとかすぐ近くにいる状況でセックスしてバレてないけど、本当にバレないのか、チキンレースしてみる気概は持ち合わせていなかった。

 どこでも求めてくる性欲旺盛のカイルは、その時の事を思い出して私に訊ねてきたのだ。

 答えに迷っている私にカイルは、私のスカートを捲りあげてショーツを割れ目に沿ってゆっくりなぞる。

 

「あっ……」

 

 既に馬車は進み始めており、ガタガタと音は鳴っていても大きな声を出せば絶対にバレるだろう。小さい声でも、よく耳を凝らせば聞こえてしまうくらいに壁は薄いのでとてつもなく危険だ。

 クチュと音が鳴り、ショーツ越しに触られただけで興奮している。どうしよう、物凄くしたい。

 したいけど、バレると思うと…………ていうか、なんだかんだで今までおっ始めてるのを隠せていたことなんて無かったな。

 

「いいよ♡ 見られたり、バレちゃった時は責任取ってよね」

「もちろんだ」

 

 再び唇を重ね、私はカイルに求められるのに応じるのだった。




とりあえず、この小説を完結させるまで頑張ろうと思います。
もう一つに関しては、設定とか諸々を練り直し中です。こちらを完結させた後、投稿していきたいと思います。



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TS令嬢はヌきたい。

寝取られルートは番外編として別個に作りました。
こちらは純愛のみとなります。



 国外への脱出はすんなり行った。

 どこか遠くの地を目指し、辿り着いたのは帝国もまだ支配が容易でない共和国だった。

 自由を謳い、活気に溢れた街並みは多くの様々な人々が行き交っていた。

 先ずは私達がしたことは住民登録はしてから、次いでカイルは冒険者登録して私は冒険者ギルドの酒場兼食堂で働くことにした。

 

「エルちゃん、これお願いね」

 

 オーナーが作ったご飯は美味しい。賄いも最高だし、何より優しい。

 ムチィっとした体にサスペンダーが食い込むのは、どうにもキツそうに見えるのだが、あれがオーナーのお気に入りなのだろう。乙女だなー。

 出来上がった料理を運びに行くと、そこはカイルのいる席だった。

 

「あっ、カイル。来てたんだ。お疲れ様」

「うん。ちょうど討伐が終わって報告に来てたんだ。ついでにエルの様子も見たくてね」

「嬉しい」

 

 愛する人がいて楽しい職場があって私は満ち足りている気がする。

 料理を置き、連日盛況なので次のオーダーを取りに行かないといけないので長話は出来そうにない。

 カイルもそれを解っている。その代わり夜はたくさん可愛がってくれるので、寂しさはない。

 一つだけ羨ましいのが、他の野郎の冒険者に囲まれもみくちゃにされてる姿だ。前世では最後まで縁が無かったことだけに、男同士で馬鹿騒ぎしたりする姿が羨ましい。

 露骨な視線を向けていたのか、同僚が私の様子に疑問を投げかける。

 

「エルさんって腐女子ってヤツですか?」

「ウェッ!? ち、違うからね! カイルがたくさんの仲間と馬鹿騒ぎして羨ましくなんて思ってないんだからね!」

「はいはい、わかりました。エルさんの旦那さん、女性人気も高いですから手綱を握ってないと寝取られちゃいますよ」

「大丈夫。私、カイルがしたいことなら何でもしてあげてるし、おマンコも締まりもその辺の女よりも断然いいから毎晩気持ちよくしてあげてるから大丈夫。夫婦円満のためには、嫁となる女はエッチに積極的じゃないとね!」

「エルさんは隠す努力をした方がいい」

 

 げんなりした顔でそう言われ、そこは私も同意しておこう。

 

「日中は貞淑、夜は淫らで床上手。男の理想だからね!」

「そういうトコです!」

 

 ええ、駄目なの? 

 どうせ貴族じゃないんだし、前世から下ネタが好きだったから割と親しみやすさを求めてるんだけどな。カイルに直せと言われたら直すが、今は何も言われていない。むしろ喜んでくれてる。

 同僚ちゃん──―ミオちゃんは気難しい年頃なのだろう。ムッツリかもしれない。

 やり取りはそこそこに。オーダーを回していく。連日飲んだくれが湧いてくるから、こなしていくのが大変だ。

 中には置いたジョッキごと私の手を握ってくる不届きがいるし、歩いてる最中に尻を撫でる変態がいる。

 そういった輩は次の瞬間には、酔い潰れて夢の世界へ旅立ってもらっているので良しとしよう。

 今日もまたイタズラ小僧がいたが、夢の世界へ旅立ってもらった。

 静まり返るギルド内で注目を浴び、私は茶目っ気を出した笑みで応えてあげる。

 

「皆もセクハラは厳禁だからね。気をつけましょうねー」

 

 言葉もなく頷かれ、業務再開である。

 相変わらず人が多いなー。やたらと私に視線が集中していることから、私目当てだということなんだろう。

 口説いてくる輩もいる。令嬢だったんだし、容姿がかなり優れている自覚がある。胸だってチンポを挟めれるんだし、巨乳のカテゴリーで間違っていない。

 格好は露出が少ないにも関わらず、有象無象の視線を集めているのは私がそれだけ美人だということの証だ。

 美女が笑みを浮かべて対応してくれるから、勘違いとかする人間はいるし、オナネタにされてるんだろうけど、私がリアルに相手するのはカイルだけだ。それ以外は路傍の石と何も変わらない。

 慌ただしく動き回り、それも一段落してきたので休憩に入る許可を得てカイルの座っているところへに向かって対面に腰掛ける。

 

「ごめんなさい。人が多くてゆっくり話せなくて」

「構わないよ。エルが働いてる姿を眺めてるのも悪くなかったから」

 

 そうか。私の働いてる姿は、カイルの情欲を刺激したらしい。カイルにならどんな目で見られても嬉しいけど、何ならセクハラしてきてくれたら嬉しい。羞恥プレイは望むところだ。

 

「冒険者稼業は大変?」

「今まで縁が無かったことだから、慣れないところはあるかも」

「今日はこの後休むの?」

「そうだけど、エルはどうする?」

「このまま上がってもいいみたい」

「あのさ、エル。よかったら、この後デートするか?」

「デート!?」

 

 デートってあのデートだよな。男女の逢い引きというヤツで二人で一緒の時間を過ごした後、夜はホテルでしっぽりするあのデートか。

 転生してから一度もしたこと無かったけど、ついに……ようやくするのか! 

 

「もしかして嫌だったか?」

「全然! 全く! これっぽっちも思ってないよ! デート……カイルとデート……嬉しいなー。ふふふ♪」

 

 きっと今の私はぽわぽわと幸せオーラ全開だろう。華が咲いたような極上の笑みを浮かべる姿は、同性ですら魅了する。

 しかし、衆目に晒したのは一瞬のことだ。すぐに私はカイルに抱き締められる形で顔を隠された。あっ、カイルの匂いだ。落ち着くけど、エッチな気分になりそう。

 

「まったく。エル、その顔をするのは俺といる時だけにしてくれ。死人が出るぞ」

「すぅ──────ーはぁ──────ーすぅ──────ー」

「聞いてるのか?」

「うん、バッチリ!」

「ああ、駄目だこりゃ」

 

 失礼な。そもそも駄目だと思うなら、私に匂いを嗅がせたのが悪い。発情しちゃうんだからな。

 何はともあれ、デートだ。私にはそれが必要だ。幸いにしてオーナーは協力的だし、先に話してたように私がカイルのことで優先すべきことがあれば、ちゃんと話せば優先させてもらえるのだ。

 

「オーナー! 私、初デートしてきまーす!」

「わかったわ、エルちゃん。頑張ってくるのよ?」

「はい! オーナー、大好きです! 愛してる!」

「あら、嬉しいわ♡ 私が男だったら惚れてたわぁ♡」

 

 時折、オーナーの性別がわからなくなる。

 

「ありがとうございます! あっ、でも、私の一番はカイルなのでそこは譲れませんからね」

「わかってるわ。いってらっしゃい、エルちゃん」

「はぁーい♪」

 

 よし、許可は得た。

 私はカイルに連れられてギルドを出る。

 やはり、デートなのでここは手を繋ぐべきだろう。パーティーとかで腕を組んだりしたこともあるが、恋人繋ぎのような指を絡ませる手の繋ぎ方をしたことはない。

 今の私たちは夫婦というカテゴリーだ。新婚である。婚約から結婚しただけだが、そういう恋人同士みたいな事は私は未経験のチェリーだ。カイルの初デートははリリアに奪われていて、そこは残念だが気にしないようにしよう。今のカイルには、私一人だけいればいい。あんな貧乳はカイルに必要ない。

 

「カイル、手を繋ぎましょう。恋人っぽい繋ぎだよ。指を絡ませるエロそうなヤツ」

「どうやったら、手を繋ぐだけでエロそうに見えるんだよ。脳内ピンク色過ぎて、エルシアじゃなくてエロシアになってるよ」

「略すとエロになるね。カイルはエロい女はダメ?」

「いや、全然そんなことないよ」

 

 男や。

 

「私はカイル限定でエロい女だからね。そこのところは勘違いしちゃダメだからね?」

「わかってる。ところで、エルはどこかに行きたい場所はあるか?」

「うーん、温泉かな。混浴したい」

「このエロシア、お前はそういうことしか頭にないのか?」

「だってぇ……デートといったらエッチなことじゃない? ここ数日、遠征でカイルがいなくて寂しかったのもあるけど、お疲れだよね。私が精一杯奉仕してあげるね」

「お、おう」

 

 とびっきりの笑顔で上目遣いに見上げる。

 ずっと一緒にいるのに、私の笑顔には弱いカイルは頬を赤らめて頷く。

 男の可愛らしい反応は、前世のままであれば「キモチワルッ」と一蹴していただろう。今でも有象無象の輩ならば、その顔面を叩き潰してやりたくもなるけど、カイルは別だ。

 これが母性という奴なのか。愛しくて堪らなくて、ついつい公衆の面前で抱きついてしまう。もう可愛がりたくてしょうがない。

 道行く男共が鼻血をぶっ垂らしてるし、彼女連れが鼻の下を伸ばして彼女に制裁されてら。何が起きてるんだろうね。

 肝心のカイルは私の胸に顔を埋めており、そのモチモチとしたふわふわな感触を楽しんでた。ミランダもモチモチふわふわしてるが、モチモチ具合なら私に軍配が上がる。ふわふわ具合なら負けるがな。

 カイルはおっぱい星人であることは確実で、この胸に埋もれてさぞかし至福の時を過ごしているだろう。下腹部あたりに当たるカイルの本体が臨戦態勢にあるように、興奮しているのは確かだ。

 はち切れんばかりなのは解るから、私はカイルを誰の目にもつかない路地裏へ連れ込む。

 

「エル、なんのつもりだ」

「カイルのおチンポ様が私を犯したくて仕方ないみたいだから、何とか鎮めようと思うの。私の口とおっぱいで全力で臨ませてもらいます!」

 

 カイルのズボンを外し、下着をゆっくり下ろすとフル勃起して怒るのが止まらないチンポが震える。

 ついで私も上着を捲り、下着も上にずらしておっぱいでチンポを挟む。

 

「どうですか、私の乳マンコは。キモチいい?」

「ずっと前から思ってたけど、どこからそんな下品な言葉を思いついてくるんだ?」

「いろんな単語を繋げてるだけです。ほら、女のアソコのことをマンコって俗語があるんだから、それと色々結びつけていってるの。でも、決して私が思いついたんじゃないからね。先人たちの探求心がなした言葉だからね。そこは間違えちゃダメだぞ」

「とりあえず、エルがエロになったということなんだな」

「むぅ……私がエロいのは認めるとしても、私がこういうことをしてあげるのはカイルだけなんだからね。他の男にしているとか疑いを持ったら駄目だよ」

「行為の一貫で言っただけだから、もう引き摺るなよ」

「わかってるんだけど、どうしても否定してないといけないの。同じになっちゃうから」

「誰と?」

「…………私の知人かな」

 

 まさか前世の私の母親だなんて言っても、信じられないだろう。

 私は前世の自分とは違う。好きな人に愛され、愛している。幸せであることを断言できる。

 記憶の奥底に封印した忌々しい記憶が呼び起こされ、払拭するためにもパイズリ再開だ。

 公衆浴場でミオちゃんや他の親しい女性が揉んできたりして、とても気持ちよさげにしていたので私の胸が一級品であることは確かだ。

 ヨダレを垂らしながら、ニュルニュルと前後にシゴいてカイルを見上げる。

 頬に朱が差し、私のこの行為を見下ろすその目は完全に情欲に染まり、理性の箍が外れかけているのかもしれない。

 私に至っては、アソコは既に大洪水を起こしているので準備万端でこのチンポが欲しくてウズウズしている。しかし、さすがに人気が無いとはいえ、誰かが通るかもしれない状況下でセックスするのはマズい。

 でも、早くこのチンポで奥を犯してほしいなー。

 

「んしょ……んしょ……チンポ、ビクビク跳ねてる。いつでも射精していいからね。全部受け止めてあげるから♡」

「エル、エル……!」

 

 カイルの腰がガクガクと震え、そろそろ射精しそうなのがわかる。

 しかし、こんなところでカイルの貴重な子種が例え壁であろうと地面であろうと溢してしまうのはダメだから、最後の一押しも兼ねて胸からはみ出したチンポの先っちょを咥える。

 

「うぁっ……エル、それヤバ……っ」

「早く早くぅ♡ 精液ちょうだぁい?」

 

 更にペースを上げ、いよいよ射精する。その時だ。

 

「ぐっ……出る!」

「んんん──ー!?」

 

 頭を押さえつけられ、無理やり喉奥まで精液が噴射されて胃の中へ直接送り込まれる。

 お腹だけじゃない、喉もその奥も熱くて火傷してしまいそうだ。

 

「ジュッ……ジュルッ……ジュルるっ」

 

 汚く下品な音を立てながら、舌でチンポを綺麗にしてあげながら搾り出した精液をお腹の中へ収めていく。

 綺麗に無くなったところで半勃ちのチンポから口を離し、カイルへ淫靡な笑顔を向ける。

 

「ごちそうさまでした♡」

「本当は淫魔とかじゃないよな?」

「普通のちょっぴりエロい女の子です。さあ、温泉に行こう。混浴、混浴ー♪」

 

 楽しみだなー。

 一先ず落ち着いたので、私とカイルは温泉街へ仲睦まじく向かうのだった。

 

 




主人公の名前の由来、先ずはエロということでエロにちなんだ名前が良いと思いました。たまたまその時の自分の見ていたAVがレズのエロバトルだったので、バトルは日本語で「試合」と読み、エロしあい→エロシアと続いて、さすがにエロシアだと露骨なのでラ行で当て字していったら、エルシアが感性にダイレクトしたのでエルシアになりました。
ミランダはエルシアより家格が上ということで一段上がってマ行から選び、リリアは何となく可愛く感じるような名前で、男性陣はそれっぽい名前をチョイス。


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TS令嬢はチンポに勝てない。

 混浴ダメだってさ。

 私はこの非情な現実を受け入れたくなくて、受付に詰め寄る。

 

「どうして! 何故!! 混浴がダメなんですか!!!! 男女別にしたら温泉じゃないでしょ!」

 

 受付のお姉さんはどこまでも冷静だった。

 

「混浴は風俗が乱れるので禁止されています。家族風呂をご案内させていただきます」

 

 くっ、くっそぉー! 

 

「ガッデェェムッ!!!」

 

 私は悔しくて、悔しくて床に何度も何度も拳を叩きつけてこの世の不条理に慟哭した。

 

「お母さん、あの人どうしたの?」

「しっ、見ちゃいけません」

 

 家族連れが近くを通り過ぎていく。仲良しだな。ああ、そうだ。家族風呂だ。家族風呂はカイルと二人っきりだったな。よし、ならば! 

 

「家族風呂お願いします! 夫としっぽりした──―あいたぁっ!?」

 

 私はカイルに気絶させられた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◇◆◇◆▲◆◇◆

 

 変な夢を見ていたような気がする。

 部屋に運ばれ、カイルに呼び起こされて目を覚ました私は涙を浮かべて彼に抱きついた。

 

「急にどうした?」

「今は何も訊かないで。私に貴方を感じさせて……お願い」

 

 ああ、そうだ。私は愛情を感じたい時、抱きつく癖がある。この人が全身全霊で好きだから、私はそれを前面に押し出すために抱きつくのだ。

 この匂い安心する。前世から匂いフェチなところがあり、こうして抱きついては体臭を嗅ぐのがクセだったりする。

 すぐに発情しようとする体を抑えながらも、私はカイルを見上げる。

 

「うん。落ち着いた。カイル、一緒にお風呂入ろう」

「本当に大丈夫か?」

「大丈夫!」

 

 ということで、家族風呂へレッツゴー! 

 脱衣場は一緒の空間だった。いや、仕切りはあってもほぼ丸見えに近いやん。恥ずかしいな。一体誰だね、こんな羞恥心を捨てさせる所業をする奴は。運営なんだろうけどさ。

 何はともあれ、準備に手間取りながらも私はカイルより遅れて風呂場への降臨である。

 タオルで前を隠しているものの、妙な気恥ずかしさがある。

 ジッと向けられた視線……カイルのものだ。うぅ、視線だけなのに犯されてるような感じがする。

 

「綺麗だ」

 

 何気なしにカイルが呟く。

 

「と、当然よ。私はそんじょそこらの女性には負けるつもりはないからね」

「エルに勝てる女性はいないよ」

「当たり前よ。それと、カイル。私は独占欲も人一倍強くて束縛したがる女だから。絶対に浮気とか不倫は赦さないから」

「こんなイイ女を貰って他の女のところなんかには行かないよ」

「それなら、いいのよ」

 

 でも、ただ美人だからってそれだけで終わる訳にはいかない。円満な夫婦関係にはセックスは必ず必要だ。

 レスは不和を与え、同時に浮気や不倫への貞操観念が揺らぐ。

 それを防ぐには、やはり嫁となる女はセックスに積極的であるべきだ。

 エチケットとしてカイルには防音魔法を使ってもらい、私は椅子に座る彼の前で膝をついて、上目遣いに見上げる。もう既にタオルは外しているから、カイルの目は私の裸身に釘付けになる。

 興奮しているのか、カイルのオスの化身は既に目の前のメスを孕ませようと臨戦態勢に移っている。

 少し待っていてほしい。私には言わなければいけないことがある。

 

「カイル、1つだけワガママ言ってもいい?」

「なんだ?」

「私はもう避妊魔法使わないから。カイルの子供を孕ませてもらってもいい?」

「エル、それは……!」

「うん。気を使わなくても大丈夫。セックスは本来、子供を作るためにするんだよ。私たちは夫婦なんだから、子作りしよ?」

「いいんだな?」

「いいよ。私にカイルの赤ちゃんを孕ませて?」

 

 座っているカイルの前に立ち、私は彼と向き合うような体勢となって割れ目にでかくて太いアレの先端が当たる。

 最初は私が奉仕するつもりだったが、カイルは我慢できないようだ。それは私も同じで、既にグチャグチャに濡れてはしたない蜜を垂れさせていた。

 早く欲しいけれど、カイルが余裕なさそうなのでイタズラ心が湧いた。

 

「もう挿れたいんだ。孕ませられるって解ったからって元気だね」

「ああ、早くエルがほしい」

「わかった♡じゃあ、挿れるね」

 

 ゆっくりと慣らすように腰を落としていく。疼いて一気に最奥まで貫きたいが、そこは我慢だ。この疼きを楽しむのも、最近はイイ文明だと思っている。

 

「もうちょっと待って。この疼きを楽しませてね」

 

 ゆっくりと、ゆっくりと奥へ焦らしながら誘うのはカイルのもどかしそうな顔を見れば利いてるのは確実で、愉悦を感じて楽しくて笑みが零れる。

 そのままゆっくりと挿れていき、やがて最奥にコツンと当たる。

 

「ねぇ、カイル。奥に当たってるのわかる?」

「何となくな。でも、俺はまだ全部入りきってないんだ」

「えぇっ?」

 

 下を見て確認すると、確かに全部入りきってなかった。

 そういえば、いつもキモチよくさせられると同時に圧迫感も感じてたっけ。恐るべし、デカチンポ。

 

「でも、もう奥まで届いてるよ?」

「いつもなら、全部受け入れてるだろう」

「そうなんだけど。待って、カイル待って!」

「もう待てない」

 

 腰を掴んだカイルは、自らのモノを私のナカへ根元まで突き入れる。

 

「んひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!」

 

 プシュッ、プシャァァッ──―。

 奥への圧迫感から堰き止めていたハズの尿道から、はしたなくも失禁してカイルを汚す。

 

「漏らし癖は直した方がいいぞ」

「だ、だってぇ……こんな、こんなキモチいいことされたら漏れちゃうのは仕方ないよ……」

「エルは昔からよく漏らしていたな」

「子供の頃の話はやめて!」

 

 子供の頃は膀胱が緩いから仕方ない。今はその名残がセックスの度に起きているようだ。イク度に失禁か潮吹きするのって、毎度の事ながら恥ずかしいな。

 そんなことより、避妊しないことを宣言したからなのかナカへ挿れたちんぽの感触がいつもと違った気がする。

 いつもより大きくて子宮口を無理やり貫こうとしているように思える。今までずっと奥をイジメられてきた体は、この子宮口へ届いてる感触だけでキュンキュン疼いてしまっている。

 今すぐにこの快楽を貪りたい衝動に駆られ、腰を振ろうとするもカイルにガッチリと固定されて動きを封じられてしまっている。

 

「なんで止めるの?」

「人を散々焦らした罰かな。このままエルがナカで締めるだけでイカせれたら赦してあげるよ」

「ヒドイよ」

 

 それってカイルも辛くないのか? 

 なんて疑問を抱いたが、今のところ辛いのは私でカイルは余裕そうな表情だ。

 相当キツく締めているハズだ。こう見えてトレーニングは欠かしたことが無いし、それにカイルのチンポの形を覚えたナカはどこを締めつければいいのか熟知しているのですぐに射精したくなるハズだ。

 そうほくそ笑んだのが数分前の私だった。

 

「カイル……早く動いてぇ……ナカに出して、早く早くぅ♡チンポ、チンポォ♡」

 

 すっかり蕩けた表情になる私は、涙目でカイルに懇願していた。

 押さえつけられ動くことも出来ず、ただただもどかしくて物欲しげに体が疼いておかしくなりそうだった。

 

「今のエルだったら、自分から何でもしてくれそうだな」

「する! するから! 何でも好きなことしていいから、早く私をイカせてぇっ! 孕ませてぇ!」

「本当にそれでいいのか?」

「へ?」

 

 カイルは真剣な表情で見つめ、間の抜けた声を上げた私だったが正気に戻って考え直す。

 未だ快楽を貪りたいケモノの声が聞こえてくるも、私は無理やり気合と根性で押さえつける。長くは決して持つことはなく、むしろナカにチンポが入ってるから決壊寸前の弱っちい状態だ。

 まあ、落ち着くんだ私よ。こう見えて前世は男だった記憶があるんだ。本当なら私が女を孕ませる側だぞ。それが今や自分から腰を振って孕もうとする変態になっている。いや、女なんだしメスなんだから当然なんだろうけど、このままではただの淫乱ビッチじゃないか。

 落ち着け。そもそも、セックスは何のために行われるのかを思い出すんだ。

 

『安西先生……子作り、したいです……』

 

 おい、このセリフのオマージュはやめろ。

 落ち着け。集中しろ、私。全集中だ。水でも日でも雷でもなんでもいいから、とりあえず呼吸をするんだ。獣はアカン、ケダモノになっちまう。

 よし! 私は避妊魔法を使わない宣言したんだったな。何故って何でだっけ。ええと、つまり避妊しないってことは子供を作るって事だな。なんでそんな事を思ったんだっけ。

 気絶している時に見た夢が原因だ。

 私がカイル以外の男──―アレックスの子供を孕む最悪の夢だ。カイルはリリアに取られ、私はアレックスの女に堕ちて子供を産む未来。快感に狂ったあり得たかもしれない世界を見せられ、私はどうしようもなく不安だった。カイル以外の男を受け入れるなんて恐ろしいことだ。あまつさえ、快楽に堕ちるなど死んでも御免だ。でも、だからこそ私はそうした自分を消したくてカイルにどろどろに犯されたくて孕まされたくて宣言したのに、結局快楽に流されてる。浅ましいな、本当に。

 

「うん、ごめんねカイル。正気に戻してくれて」

「俺も楽しんでたからお互い様だ。それにどうして急に子供が欲しいだなんて言い出したんだ?」

「……夢を見たの。とっても嫌な夢」

「どんな夢だ?」

「私がカイル以外の男に抱かれてソイツの女になる夢。思い出したくもない。私は弱くなんかない!」

「快楽に弱いクセに?」

「茶化さないで。私はカイルだけでいい。カイルだけに溺れていたいの。カイルだけの子供が欲しいの」

「可愛い奴だな」

「かわ……!?」

 

 どこをどうやったら、その解釈が生まれるんだ。

 恥ずかしくて顔を赤らめて背けようとしたら、カイルに顎をクイッと向けさせられて唇を重ねられた。

 軽く触れるようなキスだ。

 

「俺はエルが好きだ」

「うん、知ってる」

「エルはどうなんだ?」

「私? そんなの……」

 

 決まりきった答えを言おうとして、ふと面と向かって「好き」と言ったことが無いことに気づいた。大体が行為中だった記憶がある。素面では一度もなく、きっとカイルはいつも不安だったに違いないだろう。

 

「私、エルシアはカイルのことを一人の男性として愛してます」

「うん。ようやくきちんと言ってくれたね、エル」

「マンコにチンポ突っ込んだまま言うのはおかしいけどね」

 

 ぐちゅぅ、とアソコが締まってはしたないドロッとしたヨダレを垂らす。

 ギチギチにしまっているアソコは何もしてないのに勝手に発情し、イキたいのにいけないもどかしさに駆られてジンジンと熱くなる。

 

「エル、そろそろ俺も限界が近い。本当に孕ませていいんだな?」

「二言はない。私という女にカイルの男を刻んでほしい」

「っ! 動くぞ!」

 

 カイルは立ち上がり、私を柱に手をつかせた後にバックから最奥まで一気に貫いた。

 

「んあああーッ♡」

 

 一気に飲み込まされた棒の大きさや太さは、今までで味わされたモノよりも一段と大きくて太くて硬かった。

 

「エル、声抑えろ。ここが外だって忘れてないか?」

「だって、らってぇー。こんなの反則ぅー……カイルのチンポよすぎるのォー♡」

「くっ……我慢して声抑えろよ。俺は我慢できそうにないからな」

「うん。きてきて♡カイルのチンポで孕ませてぇー♡♡♡」

 

 激しく肉がぶつかり、奥が何度もノックされてその度に鳴かされる。

 手で押さえてるんだけど、どうしても声が止まらない。

 今まで散々鳴いてきたのだから、ここにきて声を押さえるのは私には無理だ。我慢しようと意識する度、奥を突かれて全身にビリビリと電流が走って何も考えられなくなる。

 普段よりも雄々しい猛った熱は女を狂わせ、更に激しい突き上げは目の前のメスを孕ませようとするケモノのそれだ。

 やがて体勢を変えられ、正面を向く形になって私は両足を持ち上げられて宙に浮く格好となって突き入れられる。

 カイルのチンポによってのみ支えられてるようで、その猛々しさに惚れ惚れするものの、やっぱり怖いので腕を首に回してしがみつくようにする。

 

「そんなに怖いか?」

「怖いよ!」

「そうか。じゃあ、そんなことを忘れられるくらい気持ちよくしてあげるよ。俺以外のことしか考えられないようにしてやる」

 

 え、何それ怖い。

 カイルは宣言した通り、一度抜けるんじゃないかってくらい引いてから、思いっきり最奥まで一直線に貫く。

 

「〜〜〜〜〜ッッッ♡♡♡」

 

 声が出なかった。

 息をするのも忘れるくらい、脳天を突き抜ける快感が駆け抜けたのだ。

 ぷしゅぅぅぅ、と衝撃から膀胱が緩んでアソコが弱々しく失禁して悲鳴を上げる。

 腕に力が入らずダランと落ち、下品なアヘ顔を晒してカイルにもたれかかった。

 

「もぉ……ムリィ……♡」

「まだ1回だぞ?」

「カイルのチンポスゴいのォ……イキ過ぎてこれ以上はおかしくなっちゃうぅ……♡」

「おかしくなれよ。お前をそんな風に出来るのは俺だけだ! アレックスなんかじゃない!」

 

 やっぱり夢の話なんかするんじゃなかった。おかしくなりそうというか、もう気持ちよすぎて死にそうなんだけど。

 うわっ、また同じことをしようとしてるよ。さすがに何度もやられるのはヤバい。この収まってたモノが引き抜かれる喪失感は慣れず、離したくないとばかりに吸いついてしまう。そして、抜けると思った次の瞬間には最奥まで一気に貫かれる。

 顎をカイルの肩に乗っけて顔を見せないようにしているものの、もし見るようなことがあればとんでもなくだらしなくて下品なアヘ顔を晒すことだろう。

 声を上げることなく、ガクガクと何度も揺さぶられて失禁する女のはしたなくて変態的な姿にカイルはドン引きした顔を浮かべる。

 

「いつまでお漏らししてるんだよ、この変態女」

「ひどい。誰のせいでこんな……んあっ!?」

 

 言葉を出そうとしていたら、お尻の穴に人差し指が入ってくる。

 カイルの指だ。よくミランダと掘り合ったトコロだ。既に鳴らしてあるから、すんなりと彼の指を受け入れる。

 

「ちょっ、まってまって! ひぃんっ……そこは違うよ……」

「うわ、更に締めつけてくるな。そんなにイイのか?」

「ちがうちがう……お尻はだめぇ♡そこは孕む場所じゃないぃ……♡」

 

 人差し指でお尻のナカをほじくられ、味をしめたのか中指もニュルッと入ってきて声にならない悲鳴を上げる。

 逃れたくて腰を揺らせば、今度は前の穴に穿たれたチンポが最奥を犯す。

 何をしても、どんな事されても今の私には全てが快感へと変わり、カイルから与えられる快楽を受け入れるだけのメスへと変貌してしまう。

 

「もう何でもいいからぁ! カイル様の極太チンポからセーエキをくださぁーい♡♡♡」

「完全に変態じゃないか。そんな事を言うヤツ、初めて見たよ」

「ごめんなしゃい……私、エルシアは変態な女です……嫌いにならないでぇ……」

「俺は好きだよ。エルのどんなところも」

 

 カイルと向き合う。盛大にアヘっている私の顔を真正面から覗き、そして唇を重ねる。

 舌も絡めた貪るような激しいキスだ。こんなに求められたのは初めてかもしれない。いつもより情熱的に責められ、身も心もすっかり蕩けた私はカイルが何度もノックする口をついに開通させて招き入れた。

 

 

「ひっ……ひぃぃっ♡ 奥、奥に届いてる♡ カイル様のおチンポが私の子宮口をこじ開けて入ってきてるゥー♡♡♡あひゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぉぁぁぁぁぁぁ!!!」

「エル、これヤバい。すぐに出そうだ」

「らしてっ! カイル様のおチンポで孕ませてくらしゃいぃー!!!」

 

 バチュンッ! バチュンッ! と、雄々しく激しく目の前のメスを孕ませようとするピストン運動が私を何度もイカせる。

 カイルとのセックスは、彼の1度目のフィニッシュは私が我慢して同時イキをするのを私は決めている。何度もイキまくってタイミング悪く同時にイケないのは不満が残るからな。やはり1回目は重要。その後はひたすらカイルに身を任せてイキまくるだけ。

 でも、これを我慢するのは無理だ。ケモノの性交に近いだろう。私はひたすら喘いでイキまくってアヘ顔を晒していて、人語を介さないケモノになりながら私はカイルが射精するようにアソコだけは締めつける。

 

 

「そろそろ出すぞ!」

「きて、きてきて♡カイル様のセーエキで私を孕ませてぇー♡♡♡」

「ああ、孕めよエル! お前は一生俺のものだ!!」

 

 ドビュッ! ビュルルルッ!! 

 

「ひあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 子宮口を開けていたことにより、ドクドクと子宮へ直接流し込まれる精液は、熱く体の中を焦がす。

 

 

「あっ♡あっ♡あっ♡カイル様の極太チンポステキぃー。もうこんなの孕むしかないよぉー」

「孕みたいんだろ?」

「孕ませてくださぁい、カイル様ぁー」

「続きはベッドの上でするぞ」

「はぁい♡」

 

 すっかりメスイヌモードに入った私はカイルに連れられ、部屋へと戻るのだった。

 既にベッドメイキングが済んでいるベッドの上で、私は寝転がって足を大きく開いて熱く濡れたアソコを押し広げる。

 

「早く早くぅー♡カイル様の極太チンポで孕ませてください♡♡エルのマンコでたくさん子種を出してください♡♡♡」

「何度でも出してやるよ。孕むまでな!」

 

 夜はまだ始まったばかりだった。

 

 

 

 

 ◆◇◆◁◆

 

 次の日。

 目を覚ますと、真っ先にカイルの厚い胸板が目に入る。

 

「あん!」

 

 下半身に異物。いや、まだアソコとチンポが結合したままだ。萎えてないのはスゴイけど、同時に恐ろしい。

 繋がったまま眠るとかある意味でスゴいな。あと、抜かずに何度も出された結果、吐き出された精液のおかげで、お腹がぽっこりと出てきてしまっていた。

 タプタプだよ。これ以上は苦しいかも。さすがに限界。

 そう思った矢先、カイルが起きる。

 

 

「なんだ、エル。もう起きたのか?」

「うん、起きたよ。スゴかったね。何回イカされた?」

「数えてないよ。もうばからしくなるくらいイカされちゃったよ。気持ちよかったよ」

「それはよかった」

 

 カイルのチンポが硬さを取り戻す。

 何発も出したにも関わらず、まだまだ戦える猛者だ。どれだけ私を犯し足りないんだ。

 おびただしい量を出され、妊娠は確実だろう。

 愛しい人との間に子供を儲ける。前世では経験したことがなく、まさか転生してから出来るとは思わなかった。それも女性になって。

 これでイイ。私にはカイルさえいればイイ。そして、子供を作って暮せれば、それ以外には何も望まない。

 

「ねぇ、約束しよう?」

「なんだ?」

「私を手放さないって。これからは気を引きたいからとかで他の女のところに行ったら駄目だよ。もちろん、浮気も不倫も赦さないから。その時は相手の女を八つ裂きにしてやるから」

「そこは俺じゃないのか?」

「だって、カイルを傷つけるのは駄目。私はカイルに屈服させられちゃったから、カイルを前にしたらメスになっちゃって何も出来そうにない」

「そっか。じゃあ、エルも俺以外の男に靡くようなことをするなよ?」

「わかりました、カイル様♡」

 

 そうして、また私はカイルの上で腰を振り始めるのだった。

 

 

 

 ◇◆◇◆◇◆

 

 後日談というかなんというか。

 無事に妊娠した私はカイルとボテ腹セックスに勤しんでいた。

 

「あっ♡あっ♡あっ♡カイル様ぁ……イイ……おチンポサイコー♡」

 

 優しく母体を労れながら、何度も突かれて私はすっかりメロメロだ。

 帝国ではアレックスの番にミランダとエリィがなっちゃったらしく、かつて王国があった場所は地図から姿を消した。

 帝国の支配は盤石で、共和国もいつか呑まれるかもしれない。私がチンポに勝てないように、どこの国も帝国には勝てないのだ。

 しかし、それでも。

 

「カイル様、私幸せですわ」

「俺もだよ、エル」

 

 大好きな人とのセックスは、そうした世界の情勢から切り離してくれる。だって、ああだこうだ考えても私はこのチンポの前では無様なメスに成り果てるのだから。

 私とカイルとの間には、いつも平和でこれがずっと続くようにと私は願いながら彼の精を受け止めるのだった。

 

 

 

 





これでラストです。

感想、評価等ありがとうございました!
次回作を鋭意執筆中ですので、どうか応援よろしくお願いします。


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