ありふれた兵科は異世界最強 (レオパルト)
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ありふれてない異世界召喚

この作品は完全な見切り発車の作品で更新も気まぐれです。他作品を優先する可能性もあるので非常に遅いです。


「よ〜キモオタ!昨日も徹夜でゲームか?どうせエロゲでもやってたんだろうけどな」

 

「うっわ、キッモ!徹夜でエロゲってやっぱ、キモオタだわ〜!」

 

教室に一人の男子が入ってくると罵倒する声が上がる。イジメはいつの世も変わることはない。優越感が得たいがために集団で一人を貶める。まあ、世間的にもオタクという人種はまだ社会的に受け入れられてないのでそれを理由にイジメが起こるのは仕方がない気もする。だがこの男子、南雲ハジメがイジメに遭う理由がもうひとつある。

 

「おはよう南雲くん!今日もギリギリだね!もっと早く来ようよ!」

 

「お、おはよう、白崎さん」

 

今、南雲に話しかけた女子でクラスの二大女神の一人、白崎香織だ。恵まれた容姿と誰にでも優しい性格からまさに女神と言える女子だ。そんな白崎はどうやら入学当初から南雲に惚れているようでいつも隙あらば南雲のところに行って話しかけている。白崎と話す度に男子から睨まれる南雲、もはや可哀想としか言えない。南雲からするといい迷惑なのだが、白崎はお構い無しに話しかけている。で、大体南雲の隣に座る俺にも飛び火するのがいつものパターンだ。

 

「高岡くんもおはよう!」

 

「おはよう白崎」

 

俺は普通に挨拶を交わす。すると殺意のこもった視線が俺と南雲に集中する。南雲も可哀想だなと思いながら南雲と白崎の会話を見ていると話しかけられる。

 

「いつも大変ね、耀祐」

 

「見てるなら止めてくれよ、この天然突撃娘を。ここまで来ると南雲が哀れにさえ思えてくるよ」

 

こいつは八重樫雫、もう一人の二大女神で八重樫剣道道場の一人娘で幼馴染でもある。白崎のストッパー役でいつも白崎に振り回されている苦労人だ。八重樫の家は剣道だけでななく剣術の家元でもある。凛とした容姿にどこかから感じられる優しさから同性からよくモテていて自称義妹集団《ソウルシスターズ》とか言うヤバイ集団まで出来ている。小さい頃、八重樫の家の剣道道場に通っていたときに初めて会った。ただ、俺の家は代々、銃剣術や短剣術を身につける家系ということもあり、ある奴のせいで俺は中学二年で八重樫の家の剣道道場を辞めた。今は趣味程度に銃剣術を学んでいる。すると奴が現れた。

 

「香織、雫!またその二人の世話を焼いているのか?全く二人共優しいな」

 

今、痛いことをさらっといったのが天之河光輝、イケメンで成績優秀、運動神経抜群とリア充の権化のような存在だ。俺が、剣道道場を辞めた理由はこいつに勝手に理不尽な謎理論で決闘を挑まれ、俺が銃剣道で一本とされる首元の突きを決めると剣道で勝負してこない卑怯者という都合のいい謎解釈をして俺を剣道道場から実質的に追い出した。どうやら俺の存在が八重樫に悪影響を及ぼすと勝手な解釈を起こしたらしい。大体の女子は天之河に惚れているのだが、逆にいつも天之河の近くにいるクラスの二大女神はどうやら天之河に気は無いようだ。隣にいるガタイのいい男子は坂上龍太郎、世に言う脳筋で運動面では天之河にも引けを取らない奴だ。

 

「何言ってるの?私は南雲くんと話したいから話しているんだよ。それに高岡くんだって好きだから話しているんだよ」

 

さすが天然突撃娘、爆弾発言を投下する。俺に視線が集中する。言葉が足りてない、ボキャ貧かよ。今の白崎の一言で南雲以上の視線が集中する。

 

「良かったじゃない耀祐、モテ期が来たんじゃないの?」

 

「いやふざけてないで、白崎を止めろよ。あいつが好きなのは南雲で俺じゃないんだから。そもそも俺が好きな奴なんているわけないだろ。なんなら嫌われている可能性の方が高いな」

 

「あら、私は別に嫌いではないわよ」

 

「それはどうも」

 

そんな他愛もない会話をしているとチャイムが鳴り、ホームルームが始まる。そして一限目、二限目と経過していく。隣に座る南雲はぐっすり眠っている。だがその南雲の判断が命取りとなった。四限目が終わり、生徒がぞろぞろと席を移動し始める。俺は弁当を開き、昼食を取り始める。その横ではまた白崎が南雲に突撃をしていた。

 

「南雲くん。珍しいね、教室にいるの。お弁当?よかったら一緒にどうかな?」

 

しかし、南雲もただでは受け入れない。抵抗を試みる。某十秒でチャージするゼリーを素早く吸い込み、白崎に中身がないことを伝える。

 

「あ~、誘ってくれてありがとう、白崎さん。でも、もう食べ終わったから天之河君達と食べたらどうかな?」

 

だが、相手は二大女神の一人、白崎香織だ。当然の如く南雲の抵抗も虚しく、白崎の誘いを断ることは出来ない。

 

「えっ! お昼それだけなの? ダメだよ、ちゃんと食べないと! 私のお弁当、分けてあげるね!」

 

その一言で南雲も観念した様子だった。しかし、南雲の救世主が現れる。

 

「香織。こっちで一緒に食べよう。南雲はまだ寝足りないみたいだしさ。せっかくの香織の美味しい手料理を寝ぼけたまま食べるなんて俺が許さないよ?」

 

 爽やかに笑いながら気障なセリフを吐く天之河にキョトンとする白崎。少々鈍感というか天然が入っている彼女には、天之河のイケメンスマイルやセリフも効果がないようだ。

 

「え? なんで光輝くんの許しがいるの?」

 

「「ブフッ」」

 

素で聞き返す白崎に、八重樫と俺がシンクロして吹き出す。天之河は困ったように笑いながらあれこれ話しているが、結局、南雲の席に学校一有名な四人組が集まっている事実に変わりはなく南雲への視線の圧力は弱まらない。もう五人、どこか異世界に飛ばされろよ。とか不謹慎なことを考えて巻き込まれないように静かに昼食を済ませ、教室を出ようと席を立とうとすると異変に気付いた。自分の目の前には、天之河の足元に純白に光り輝く円環と幾何学模様が現れたからだ。

 

「やばっ!」

 

その異変には直ぐに周りの生徒達も気がついた。全員が金縛りにでもあったかのように輝く紋様、俗に言う魔法陣らしきものを注視する。その魔法陣は徐々に輝きを増していき、一気に教室全体を満たすほどの大きさに拡大した。自分の足元まで異常が迫って来たことで、ようやく硬直が解け悲鳴を上げる生徒達。未だ教室にいた担任の畑山先生が咄嗟に「皆! 教室から出て!」と叫んだのと、魔法陣の輝きが爆発したようにカッと光ったのは同時だった。その光が収まった後、教室に残されたのは蹴倒された椅子に、食べかけのまま開かれた弁当、散乱する箸やペットボトル、教室の備品はそのままにそこにいた人間だけが姿を消していた。この事件は、白昼の高校で起きた集団神隠しとして、大いに世間を騒がせるのだが、それはまた別の話。




頑張って続き書きますがやっぱり遅くなりそうです。


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ステータスプレート

意外と早く執筆が終わりました。


今、俺は困惑している。イシュタルとか言う爺さんが説明するにはエヒトという神が俺たちをこの異世界に飛ばして来て、現代に帰れないのは理解出来た。だがその後、天之河が言い出した理解できない謎理論に白崎や八重樫、坂上といったトップカーストの四人組が全員、よく分からない魔人族との戦争に参加すると言った後に、クラス全員が賛成したのが全く理解できない。担任の畑山先生だけが反対していたらしいが効果はなかったようだ。それが昨日あって、翌日の今日、つまり今は早速訓練と座学が始まったのだが、ステータスプレートと呼ばれるアーティファクトとかいう結構貴重な物が配られた。そしてこの国の騎士団長、メルドさんが説明する。

 

「プレートの一面に魔法陣が刻まれているだろう。そこに、一緒に渡した針で指に傷を作って魔法陣に血を一滴垂らしてくれ。それで所持者が登録される。 ステータスオープンと言えば表に自分のステータスが表示されるはずだ。ああ、原理とか聞くなよ? そんなもん知らないからな。神代のアーティファクトの類だ」

 

なるほど、と頷き生徒達は、顔を顰めながら指先に針をチョンと刺し、プクと浮き上がった血を魔法陣に擦りつけた。すると、魔法陣が一瞬淡く輝いた。自分も同じように血を擦りつけ表を見る。

 

高岡耀祐 17歳 男 レベル:1

天職:狙撃兵

筋力:60

体力:120

耐性:30

敏捷:210

魔力:120

魔耐:30

技能:風属性適性・水属性適性・火属性適性・遠距離狙撃・弾着観測・銃剣術・短剣術・抜刀術・高速装填・隠密行動・潜伏・言語理解

 

このように表示されていた。メルドさんが続けて説明を加える。

 

「次に天職ってのがあるだろう? それは言うなれば才能だ。末尾にある技能と連動していて、その天職の領分においては無類の才能を発揮する。天職持ちは少ない。戦闘系天職と非戦系天職に分類されるんだが、戦闘系は千人に一人、ものによっちゃあ万人に一人の割合だ。非戦系も少ないと言えば少ないが……百人に一人はいるな。十人に一人という珍しくないものも結構ある。生産職は持っている奴が多いな」

 

「ん?狙撃兵?」

 

説明を聞き天職の欄を見て首をかしげるが、メルドさんが更に続ける。

 

「後は各ステータスは見たままだ。大体レベル1の平均は10くらいだな。まぁ、お前達ならその数倍から数十倍は高いだろうがな! 全く羨ましい限りだ! あ、ステータスプレートの内容は報告してくれ。訓練内容の参考にしなきゃならんからな」

 

メルドさんの呼び掛けに天之河が応じ、ステータスプレートを見せる。するとメルドさんが感嘆の声を上げる。

 

「ほぉ~、流石勇者様だな。レベル1で三桁か、頼もしい限りだな」

 

そこまで評価されているのを聞いて興味が湧き、。天之河のステータスプレートを覗く。

 

天之河光輝 17歳 男 レベル:1

天職:勇者

筋力:100

体力:100

耐性:100

敏捷:100

魔力:100

魔耐:100

技能:全属性適性・全属性耐性・物理耐性・複合魔法・剣術・剛力・縮地・先読・高速魔力回復・気配感知・限界突破・言語理解

 

中々のチートっぷりを発揮している。そのノリで他の生徒もステータスプレートの中身を報告する。をしかし、強力な戦友の誕生にホクホクしていたメルドさんの表情がある生徒のステータスプレートを見て一瞬にして凍りつく。そして「見間違いか?」と言ってある生徒のステータスプレートを叩いたり陽光に透かして見たりして見るが表情は回復しない。そのある生徒とは南雲だった。そしてものすごく微妙な表情のまま慎重に言葉を選んで南雲に真実を伝えた。

 

「ああ、その、なんだ。錬成師というのは、まぁ、言ってみれば鍛冶職のこと。鍛冶をするときに便利だとか」

 

調子が悪そうに説明するメルドさんの声を遮るように声を張り上げた。声を張り上げたのは普段から南雲のことを目の敵にしている檜山大介だ。周りの女子、特に白崎、八重樫は不快げに眉をひそめていた。いつものようにウザがらみをして非戦系であることを馬鹿にしていた檜山だったが、それをまた遮るようにメルドさんにおれが大声で話し掛ける。

 

「メルドさん、俺の天職って見たことありますか?」

 

この一声に調子を狂わされた檜山達は恨めしげにこちらを睨んでくる。しかし、その視線を嘲笑う

 

「狙撃兵?すまないが少なくともこの世界では聞いたことがないな。もしかしてお前たちのいた世界には、この狙撃兵?というのはあるのか?」

 

「ありますが、この世界で戦力になるにはせめてクロスボウぐらいはないと厳しいですね」

 

「クロスボウなら国の宝物庫に確か数丁あったがそれでいけるか?」

 

「なら多分、大丈夫です」

 

この会話をしている間に、南雲が畑山先生にクリーンヒットさせられたらしくこの後、南雲にスナイパーライフルの製作を依頼をしようしたら南雲の目が死んでいたのは別の話。




最後の方が雑かもしれませんが、書き始めたときとテンションと違うからです。すいません。狙撃兵がありふれてない?気にするな!


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