艦隊これくしょん-艦これ-零ノ刻 (★零雨☆)
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番外編&その他
設定


こちらは今作のキャラクターの設定です。
オリジナル設定なのでご了承ください。
新キャラが登場したら追加していきます。


駆逐艦『零(ぜろ)』

 

零型駆逐艦一番艦

 

いつも明るく元気な艦娘。

前世は春雨(妖精さんによると)だったが前世と比べ真逆な性格をしている。(春雨は消極的だが零は積極的など。)

最初から艤装が無い。実は未完成艦である。

ちなみに零の言う前世はまた違うものである。

 

駆逐艦『時雨(しぐれ)』 状態 改 レベル52

 

白露型駆逐艦二番艦

 

大人しくて少し控えめな性格。

今作のもう一人の主人公

 

駆逐艦『白露(しらつゆ)』状態 改 レベル 70

 

明るく元気な艦娘。

一見バカっぽく見えるが意外としっかり者の艦娘である。過去には辛いことがあった

 

駆逐艦『村雨(むらさめ)』 状態 改 レベル 45

 

大人っぽくて明るい艦娘。

白露型の中ではしっかり者の艦娘である。

春雨の死にまだ納得がいかないようだ。

 

駆逐艦『夕立(ゆうだち)』状態 改 レベル63

 

白露と同じく明るく元気な艦娘。

とにかく場を盛り上げようとするが失敗に終わる。戦闘には負けず嫌いであり、誰よりも強くなりたいと思う夕立である。

 

駆逐艦 『春雨(前)(はるさめ)』轟沈済み

 

着任して間もない頃に轟沈するという悲劇に会う。

 

駆逐艦『春雨(はるさめ)』状態 ノーマル レベル1

 

再び鎮守府に着任して白露たちと再会する。

しかし、記憶にはその悲劇のことを覚えていないらしい。後に零と出合い、親友同士になる。今作ではヒロインの立場になる。片手に飯盒を持ってるのでいつでも戦闘可能である。

 

駆逐艦『五月雨(さみだれ)』状態 改 レベル 30

 

少しドジっ子な艦娘。春雨とはとても仲良しでほとんど一緒に居ることが多い。

 

駆逐艦『霞(かすみ)』

 

口のキツイ言葉を発するが実は優しい性格をしている。どうやら新人である零を心配しているようだ。

 

駆逐艦『吹雪(ふぶき)』

 

がんばり屋な艦娘。憧れの人は赤城。

零のライバルとして何度も挑もうとする。

第二艦隊の一員である。

 

駆逐艦『照月(てるづき)』

 

天然な艦娘。意外と忘れっぽい性格をしている。零のことがどうやら気になるらしい。

第二艦隊の一員である。

 

戦艦 『金剛(こんごう)』

 

明るくて元気な艦娘。

過去に比叡を失いかけた時があり、その日から必死に妹たちを守ろうとする。

人思いな優しい人。片手に紅茶を飲んでる

 

戦艦『比叡(ひえい)』

 

ひえーと言ったりして時よりボケをかます。

たまにすべるが今作ではおもしろ担当である。

過去に死にかけたことがある。

 

正規航空母艦 『翔鶴(しょうかく)』

 

零の師匠となる人。零を弟子入りさせた理由は妹の瑞鶴を二度と失いたくないため、零に護衛を頼む。厳しいと有名だがそのぶん強い。

 

正規航空母艦 『瑞鶴(ずいかく)』

 

零の師匠となる人。始めての弟子だったので正直うれしいと思っている。

翔鶴が何故厳しくしているかはよく分かっていない。

 

軽巡洋艦 『大淀(おおよど)』

 

提督の補佐をしている艦娘。ほとんど彼女が出撃してるところは誰も見たことないのだが実力は相当あるらしい。なぜか零はこの人には馴れている。

 

工作艦 『明石(あかし)』

 

装備を作るのが好きな艦娘。

少々零のことが気になっているらしい。

装備をいじりたくてたまらないらしい。

 

軽巡洋艦 『夕張(夕張)』

 

装備を作るのが好きな艦娘。

零のことを怪しんでいる。

隙きあらば秘密を知りたいようだ。

元第三艦隊旗艦

 

軽空母 『鳳翔(ほうしょう)』

 

食堂にて皆の士度を支える役割をしている艦娘。元主力艦隊に所属していた。

実力は相当強い。だが、ある日起きた戦闘で戦うことはできないと判断され解体される予定だったが皆の士度を支えるというのを条件に鎮守府に居ることを許されている。

その戦えなくなった原因とも言える戦闘で零とよく似た者を見たと言われているようだ。

轟沈寸前の鳳翔を助けたのがその彼女らしい。

だが零にはそのことは覚えがないという。

 

軽空母 『龍驤(りゅうじょう)』

 

第三艦隊の一員である。

零に対し抵抗感があるようだ。

元主力艦隊に所属していた。

轟沈寸前の鳳翔を助けに出た際謎の人物と出会う。その人物は鳳翔が見た者とは違い零には全く似ておらず何か黒い物体が鳳翔を支えているように見えたようだ。

 

妖精1 『ようちゃん』

 

元の名称は妖精1。零によって新しい名前がつけられる。

裏表が激しい妖精。

 

妖精2 『せいちゃん』

 

元の名称は妖精2。 零によって新しい名前がつけられる。

心優しい妖精である。

 

??? 『謎の声』

 

零の脳内で話しかけてくる声。

でもその声はどこか聞き覚えがあるような...?

 

深海棲艦姫級 『北方棲姫(ほっぽうせいき)』

 

突然現れた深海棲艦。

何故倒れていたかは分からないが助けてくれた零に感謝しているらしい。

別称 ほっぽちゃん

 

深海棲艦鬼級 『空母棲鬼(くうぼせいき)』

 

密かに零の様子を伺う深海棲艦。

どうやらどんな力を持つか気になっているらしい。

 

深海棲艦鬼級 『空母水鬼(くうぼすいき)』

 

密かに零の様子を伺う深海棲艦。

零を深海側に来させようと何度も鎮守府に襲撃しに来る。零と深い関わりがあるようだ。

 

深海棲艦鬼級 『駆逐水鬼(くちくすいき)』

 

密かに零の様子を伺う深海棲艦。

零を深海側に来させようとする空母水鬼を止めたいと思う駆逐水鬼である。

 

深海棲艦陸上型姫級 『港湾棲姫(こうわんせいき)』

 

陸上にいる深海棲艦。零が始めに戦う相手となる。普段は陸上にいるのだが北方棲姫の行方不明により海上に出て、探し運悪く零が引き上げていたときに目撃してしまい、襲っていると勘違いしたようだ。

 

 

 

 

 

鎮守府提督 『高崎 護 (たかさき まもる)』

 

日本の鎮守府に着任している提督。

五年前から着任済み。前任は深海棲艦の襲撃により死亡。その前任とは深い仲を結んでいた親友だった。別称提督又は司令官

 

 

戦艦 『長門(ながと)』

 

元主力艦隊の旗艦。

現在は第1遊撃隊の旗艦を勤めている。

凛々しくてカッコいいイメージが有るが見ためとは裏腹に可愛らしい物が大好きである。

 

戦艦 『大和(やまと)』

 

主力艦隊の旗艦を勤めている。

あまり見かけない。

 

航空母艦 『赤城(あかぎ)』

 

主力艦隊の一員。駆逐艦娘から人気があるが凛々しい姿を裏腹に大食いであることは当本人にしては恥ずかしいだとか。

 

軽巡洋艦 『五十鈴(いすず)』

 

主力艦隊の一員。

心優しい艦娘。新人である零を心配している。

由良と共に掃海任務を担当する。

 

軽巡洋艦 『由良(ゆら)』

 

主力艦隊の一員。妖精さんを三人連れ歩くという異例な艦娘。伝説の軽巡洋艦だとか。

軍艦時代では第四水雷戦隊の旗艦を勤めていた。夕立と春雨に親しみがあるようだ。

 

軽巡洋艦 『阿武隈(あぶくま)』

 

第1水雷戦隊の旗艦を勤めている。

姉の由良に憧れをもっている。

北上に対し苦手意識しているようだ。

 

駆逐艦 「不知火(しらぬい)」

 

顔に表情を表さないと言う珍しいタイプの艦娘。一件クールそうにみえるが意外と可愛いものとか好きだったりする。愛称はぬいぬい。

 

駆逐艦 『響(ひびき)』

 

第六駆逐隊で有名な駆逐艦娘。終戦まで生き残った軍艦の一人。そのためか仲間が傷つく事が嫌いらしい。口癖はハラショー。

 

駆逐艦 『初霜(はつしも)』

 

初春型の駆逐艦娘。まだレベルの低い艦娘。

零と同期である。心優しい性格でまだはいったばかりの艦娘を気遣ってくれている優しい娘。

 

重巡洋艦 『那智(なち)』

 

駆逐級の学級の担任。

戦闘には厳しく、訓練なんて地獄の鬼と言われている。酒飲みの艦娘。

責任感があり、真面目である。

零をどうやら期待しているようだ。

 

軽巡洋艦 『北上(きたかみ)』

 

球磨型軽巡洋艦三番艦。

普段は姉妹の大井と一緒にいることが多いが、一人の時もあるそうだ。

人を弄るのが大好き、特に阿武隈。

 

軽巡洋艦 『大井(おおい)』

 

球磨型軽巡洋艦四番艦。

普段は姉妹の北上と一緒にいることが多いが、一人の時もあるそうだ。

北上さんのことが大好き。

北上と仲良くなってる阿武隈が憎いようだ。

 

大本営 総司令部元帥『白城 信義(しらき のぶよき)』

 

海軍のトップである総司令部の元帥

 

軽巡洋艦 『岸浪(きしなみ)』(オリジナル艦娘)

 

心優しい艦娘。駆逐艦零ととても仲がよい。

 

軽巡洋艦 『川内(せんだい)』

 

夜戦(意味深の方ではない)が大好きな艦娘。

夜戦バカって呼ばれている。

基本、誰にも優しいが戦闘の事になると厳しくなる。

 

軽巡洋艦 『神通(じんつう)』

 

川内型軽巡洋艦の二番艦。

騒がしい川内と那珂に比べると大人しい性格をしている。大人しい性格ではあるが、戦闘の事になると厳しくなる。

 

軽巡洋艦 『那珂(なか)』

 

自称艦隊のアイドルである。

隠れファンが多く、サイン会を開くと行列が並ぶ。

 

駆逐艦 『卯月(うづき)』

 

イタズラ好きな艦娘。よく零に絡んでくる厄介者。

姉妹である弥生とよく一緒にいることが多い。

 

駆逐艦 『弥生(やよい)』

 

大人しい性格をしている艦娘。

感情が顔に出ないせいかよく怒ってると勘違いされる。

 

駆逐艦 『陽炎(かげろう)』

 

明るい性格をした艦娘。白露とは仲がよい。

自分よりもしっかりしてる不知火が憎たらしい。(陽炎の方がお姉ちゃんなのに...)

 

駆逐艦 『雪風(ゆきかぜ)』

 

能天気な艦娘。呉の雪風と呼ばれるほどの幸運を持っている。誰にでも優しくしてくれるめっちゃ良い娘。

 

駆逐艦 『曙(あけぼの)』

 

口が悪いが心の根元は優しい艦娘。

提督をクソ呼ばわりしている。

何故か分からないが零の事をクソ駆逐と呼んでいる。

(何故だ...解せぬ...私が何をしたのだというのだ。)

 

駆逐艦 『漣(さざなみ)』

 

テンション高めの艦娘。クラスのムードメーカとも言える存在感。たまに調子にのって何かしらやらかす。

 

少女 『少女』

 

春雨の夢の中から出てきた人物見た目は黒髪のショートカット。何を勘違いしたのか春雨に襲いかかる。

 

駆逐艦? 『ハル』

 

春雨の夢の中から出てきた人物。

見た目は完全に春雨と似ている。

夢の中では既に死亡していた。

 

 



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番外編 キャラ設定

こちらは番外編のキャラ設定です。
少々、ネタバレが含まれていますが話のネタバレになるなんてヤダッ!...って言う人はブラウザバックする事をおすすめします。オリジナル設定なので多少のキャラ崩壊は御了承下さい。話が決まり次第、キャラは追加していこうかと思います。



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番外編① 白露のプリン

 

駆逐艦 白露

 

元気で明るい艦娘。

好きな食べ物はプリン。

今まで三回白露のプリンが盗み食いされる。

意外としっかりとした艦娘。

 

駆逐艦 時雨

 

おとなしい性格をしている艦娘。

まだ着任したてで不安な気持ちを持っている。

 

駆逐艦 夕立

 

元気っぽい性格をしている艦娘。

一見何でも食べそうな見ためをしているが食べ物があると必ず姉妹に食べてもいいか確認してから食べるようにしている。

以前、白露のプリンを勝手に食べてしまいこっぴどく怒られたことがある。

 

駆逐艦 陽炎

 

白露型駆逐艦の部屋の隣の部屋にいる艦娘。

白露と仲が良い。

仕事は速く終わらせたいタイプの性格。

 

駆逐艦 吹雪

 

まだ第二艦隊に所属していない頃の吹雪。

白露と陽炎とは仲が良く、よく遊ぶことがある。責任感の強い性格をしている。

過去にやき芋を盗まれた事もあるので白露がプリンを盗まれた時のあの悲しさはとても共感する。

 

駆逐艦 暁

 

可愛らしい帽子を被ってる艦娘。

一人前のレディになりたくてどこか大人っぽくしようと努力する。

 

駆逐艦 響

 

大人しい性格をしている艦娘。

姉である暁よりも大人っぽいと言っても過言ではない。口癖はハラショー

 

駆逐艦 雷

 

元気で面倒見の良い艦娘。

決してお艦と呼んではいけない。別称ダメ提督製造機。

 

駆逐艦 電

 

大人しめの性格をしている。

名前を読み間違えられることは嫌い。

決してプラズマとか電(でん)とか言ってはいけない。鈍器で殴られる。

 

正規空母 赤城

 

凛々とした姿をしているが見ためとは裏腹に大食いである。こっそり他人の物まで食べちゃう癖がある。

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番外編② 春は曙。

 

主人公 曙

 

口の悪い艦娘だが根はとても優しい。

いつも気遣ってる提督が倒れてしまわないか心配している。口癖はクソ提督。

 

駆逐艦 朧

 

大人しい性格をしている艦娘。

友達は多く、年齢層も幅広い。

誰にでも優しくしてくれるのでなつかれることが多々ある。

 

駆逐艦 漣

 

テンションの高い艦娘。

ワロスwとかなんとか言っているがみんなに笑わせようとする何かいいやつ。

真面目な話だけは真面目に聞く。

それ以外は大概聞いていない。

 

駆逐艦 潮

 

大人しい性格をした艦娘。少々頑張り屋なのでよく無茶する。過去に秘書官を勤めていたときがあったが長時間の疲労により倒れてしまった事があったのでそれ以降秘書官を勤めることは無くなった。

 

駆逐艦 暁

 

いつものごとくレディに関しては凄く興味深い。大人っぽい感じになりたいのかよく無理している。...が、たまに子供っぽくなるときもある。お、お礼はちゃんと言えるし...。

 

駆逐艦 響

 

いつも暁の横にいる。

ボールを投げるのは得意である。

別称 不死鳥 と呼ばれている。

 

駆逐艦 雷

 

世話好きな艦娘。所謂、お艦...ってやつ。

誰にでも優しく、面倒見のよい娘である。

普段いる電とは仲良しである。

しょっちゅう電と衝突事故が起こる。

 

駆逐艦 電

 

優しい性格をした艦娘。

みんな疲れてないかよく気にしてくれているので心優しい娘である。

よく雷と衝突事故を起こす。

 

鎮守府提督 提督

 

名前の無いフツーの女提督。

いつも曙を秘書官にしている。

非常に面倒くさがりなので仕事は遅い。

 

戦艦 大和

 

最高連度に近い艦娘。

提督に片思い中!

 

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番外編① 白露のプリン

こんにちは、★零雨☆です。
今回は番外編として本編とは違う日常を描いた物語です。本編には関係ありません。番外編では1話、読み切りの話として投稿させてもらいます。
本編とは違う、もうひとつの日常をご覧ください。


これはまだ春雨(前)と村雨、五月雨が着任する前のお話。時雨が着任したてのころのお話。

 

遠征終わりにひっそりと取っておいたあのプリンを食べようと楽しみにしていた白露。

自室に行き、小型の冷蔵庫の扉を開ける。

目の前には白露のプリンがある...はずだった。

誰かが盗み食わなければの話だが。

 

白露「白露型会議~!!」

 

バンッとテーブルに拳二つを勢いよくぶつける。『白露型会議』これはそのままの意味で何事があったら白露型のみんなと会議を開くという会だ。

どうやら白露は自分のプリンが誰かに食べられたことに腹を立てているようだ。

 

時雨「え、どうしたのかな?白露。」

 

突然、開かれた会議に驚きを隠せない時雨。

彼女はまだここに来て間もない艦娘。

 

白露「...私のプリンが食べられた...。今朝は有ったはずなのに...」

 

とても悔しそうな顔をする白露。

それほど楽しみにしていたんだろう。

 

夕立「白露が無意識に食べてたっぽい?」

 

いつのまにか食べていたのではと言う夕立。

 

白露「いや、それは絶対無いよ。あんな美味しそうなプリンの味を忘れるわけないよ...」

 

絶対に忘れるわけがないと断定する白露。

白露は美味しそうなものは後で取って置くタイプの娘だ。夕立はその真逆で美味しそうなものは直ぐに食べる。

 

白露は夕立の方に向きジロリと睨む。

 

白露「まさかと思うけど...夕立が食べたりとかしてないよね?」

 

疑われた夕立は動じず、こう答えた。

 

夕立「夕立は朝から演習だったりしてるっぽい。そんな盗んでまで食べたりする時間なんて無いっぽい。」

 

...確かに...夕立は朝から演習だったり遠征に向かったりして余裕がない。

...とすると、夕立が盗み食いしてる可能性は無い と考えた。

...だとすると誰が食べたの?という話になる。

 

...時間的には短かったが白露たちの体感では長く感じた沈黙。

 

白露「...私たちじゃないとすれば、白露型以外の人が食べた?」

 

...夕立と時雨も食べてないとすれば誰かが盗みに部屋に来たわけだ。

 

時雨「そ、そうなのかな?」

 

白露、時雨、夕立の三人で犯人探しを始めた。

まず、どこに行こうか。

...まずは近くの駆逐艦娘の話を聞こうか。

 

すぐ隣にある陽炎型駆逐艦と書かれたプレートが吊るされてるドアの前に立った。

 

白露「かーげーろーう。今いる?」

 

ドンドンとドアを叩く。

...返事は無いので無理やりドアを蹴り飛ばした。...見事にドアは部屋の中を通り越して外へと飛んでいった。

 

陽炎「え、ちょっ何してんの!!??てかドアがっ!ドア無くなったら部屋が暑くなるじゃない!あとプライバシーの侵害!」

 

陽炎は白露が飛ばしたドアが無くなったことに怒り、白露に文句をいう。

 

白露はそんなことには気にもせず、話をそのまま進めた。

 

白露「陽炎、あたしのプリン...知らない?」

 

威圧感を出し、脅すように問う白露。

だが、陽炎の反応は怯えることはなくむしろ、呆れているような態度を見せた。

 

陽炎「知らないわよ...また取っておいたデザートが無くなったの?」

 

そう、実は今回で三回目の盗難事件なのだ。

一回目は夕立だったのだが、二回目以降犯人は捕まらず今回も被害を受けた。

 

白露「そうよ!またなの!ぐぬぬ...前の時に特定しとけば良かった...」

 

物凄く悔しそうにする白露。

前の時に犯人を見つける事ができず、諦めていた。だが、また被害を受けたので流石に心の広い白露でも怒りは溜まる。

 

陽炎「はぁ...私も一緒に探してあげる...後でドア直しておいてね?」

 

今回も陽炎に協力してもらい、白露たちは犯人探しを始めた。

 

時雨「一体誰が食べたんだろうね?」

 

夕立「きっと、食いしん坊なやつだと思うっぽい。」

 

そうだろうね、わざわざ他人の部屋に侵入してまで食い意地があるということだもんね。

 

陽炎「夕立は他人のこと言えないでしょ...」

 

呆れ気味に話す陽炎。

そう言われても仕方ないだろう。

 

話ながら歩いていると吹雪と会った。

 

吹雪「あれ?白露ちゃんと陽炎ちゃんに...夕立ちゃんと時雨ちゃん、どうしたの?珍しいね4人で居るなんて。」

 

四人揃って歩いてることに不思議に思った吹雪は話しかけた。

 

陽炎「あー...また盗られたみたいなのよ。白露のプリン。」

 

陽炎が吹雪に今起こった事を話した。

 

吹雪「あぁ~...なるほどー。またかぁ~...」

 

因みに吹雪もプリン盗難事件を知っている。

夕立が盗み食いしてるところを目撃した人の1人だった。

 

白露「むむむ...前に捕まえれなかったから同じ犯人かも...」

 

二度盗んでると考えた白露は一刻にも速く捕まえないとまた食われてしまうと恐れている。

 

時雨「吹雪、昼の間に誰かボクたちの部屋に来た人は居たかい?」

 

すると吹雪は何か考え事をし、曖昧な答えが帰ってきた。

 

吹雪「う~ん...丁度此所に来てた時有ったんだけど...その時急いでたからなぁ。」

 

白露「そこを何とか!思い出してみて!」

 

白露が必死に問いかける。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

...吹雪の回送シーン...

 

吹雪『ヤバい!速く行かないと神通さんに怒られる!』

 

私、吹雪は個人演習に参加するために演習場に向かっていたのですが丁度、通っていた道が白露ちゃんたちの部屋の廊下でした。

 

私はその日は珍しくお寝坊してしまって演習時間が直ぐに始まる時間にやっと起きて、急いで演習場に向かってたんです。

 

...ガチャガチャ...

 

すると、ドアノブを開けるような音が私の耳に聞こえ白露ちゃんたちが居るのかなと思って部屋の前らへんまでに戻って来たんです。

すると一つの人影が見えたんです。

 

吹雪『(あれは...暁ちゃん?)』

 

背丈も低くてどうみても駆逐艦にしか見えなかったです。暁ちゃんが部屋から出てパタパタと足音をたてて遠くの方へと行った。

 

吹雪「確か...暁ちゃんが部屋に居てたような気がする...」

 

白露「そうなの!?ありがとう!今から暁のとこに行ってくる!」ビューン

 

時雨「ちょっ、白露。待ってよ...」

 

夕立「ぽいぽいぽーい。」

 

陽炎「少しぐらい落着きなさいよ...」

 

物凄いスピードで走り去って行った。

その後に時雨、夕立、陽炎も急いで白露の後を追っていった。

 

吹雪「はぁー...白露ちゃんたちも大変だなぁ......あっ!ヤバい、この後白雪ちゃんと約束してたの忘れてた!急がないと!」ビューン

 

吹雪は白雪と約束をしていた事をすっかりと忘れいたことに気付き少しでも間に合えという気持ちに押され白雪の元に行ったが時すでに遅しだった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

第六駆逐隊の部屋にトントンと音を鳴らしてきた人がいた。

 

暁「誰かしら?...今開けるわ」

 

目の前には白露たちがいた。

 

白露「こんちはー暁。今暇?」

 

ニコニコと無理やり笑ってるような顔を見せる。

 

暁「...何かあったのかしら?」

 

何かに察したのだろう暁は覚悟を決めたような顔をした。

 

陽炎「ええ、昼の間に白露のプリンが盗み食いされたらしいわ。...それで、昼に暁が白露たちの部屋に来てたって情報を聞いたんだけど...」

 

陽炎が暁に昼の事を話す。

 

暁「あぁ、それは書類を渡しに来てたのよ。ちゃんと届いてたでしょ?」

 

白露は思い出す...書類...書類...あ、あれか。

 

白露「あぁ、うん。ちゃんと届いてたよ。来週の時間割りでしょ?」

 

暁の言う書類は学級の時間割りのこと。

 

暁「足柄さんに白露たちの部屋に届けてあげてって言われたから届けに行ったの。私じゃないわよ。もちろん響たちでもないわ。一緒にいたものも。」

 

暁が後ろに向き、響らと目で合図する。

 

響「そーだよ、私たちはずっと一緒に居たさ。」

 

雷「大体、他人の物を盗むなんてこと私らはしないわよ。」

 

電「なのです!」

 

夕立「んー...そう言うなら違うっぽいー?...」

 

むむむ...また振り出しに戻った気がする。

 

電「はわわ!電、思い出したのです!!」

 

突然、声を出した電。何か思い出したようだ。

 

時雨「どうしたんだい?電。」

 

電「そう言えば私達が白露ちゃんたちの部屋に入る前に赤城さんが居た気がするのです!」

 

これは有力情報だ!

速く赤城さんのとこに行かないと!

 

白露「ありがとう電!赤城さんに会ってくる!!」ビューン

 

また白露は走り出す。

 

陽炎「あぁ、もう!さっきから走ってばっかり!待ってよ白露~!!」ドタバタ

 

陽炎たちも後を追う。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

白露「ぜぇ...ぜぇ...やっと...着いた...」

 

白露は息を切らせ、ぜぇぜぇと言っているがやっと真の犯人であろう赤城の居る弓道場に着いた。恐らく、今の時間帯は赤城さんと加賀さんが居るはず。

 

陽炎「あのーすみませーん。赤城さん居ますかー?」

 

陽炎が弓道場の中に居る人に聞いた。

 

加賀「赤城さんはいまお花を摘みに行っているわ...赤城さんに何の用かしら。」

 

いつみても鋭い目をしている。

 

...ん??お花を摘みに行っている...???

 

と言うことは赤城さんはトイレに行っている!!??

 

白露「あのー、私のプリン。知りませんか?」

 

加賀「プリン...?あぁ、それならとっくに赤城さんが頂いてたけど...それがどうしたのかしら?」

 

不思議そうに加賀さんは話す。

 

時雨「実は...(カクカクシカジカ」

 

いままでのことを全部加賀さんに話した。

 

加賀「...それは申し訳ないわ。...赤城さん、そろそろ出たらどうです?」

 

トイレのドアにトントンと叩く加賀さん。

中に入っているのは赤城さんだった。

 

赤城「あ、ちょっと待って!まだお腹の調子が悪いの!」

 

トイレの中から赤城さんの声が聞こえてきた。

 

加賀「はぁ...早めに出てきてください。お話しがあります。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

赤城さんがトイレから出たあと、赤城さんは正座をさせられていた。

 

赤城「本当に申し訳ございませんっ...!!」ドゲザ

 

赤城さんが白露のプリンを食べてしまったことを謝った。

 

時雨「まぁ、こんなに謝ってるなら許しても良いじゃないかな...」

 

...時雨、君は優し過ぎるよ。

この白露のプリンを盗むなんて許さないよ!

 

白露「許さない!私のプリン返してよー!」プンプン

 

赤城「あの~...大変申し上げにくいんですがー。」

 

陽炎「?何かあったの?」

 

赤城「白露さんのプリン、腐ってましたよ?」

 

みんな「ふぇ?」

 

腐ってた!?...ということは赤城さんがトイレに籠ってたのは...!

 

赤城「それに気付かず食べてしまい、お腹を壊していました。」

 

後悔しているような顔を見せる赤城さん。

 

時雨「...ねぇ、白露。...結局プリン食べれなかったんじゃあ...。」

 

結局、盗まれていようがなかろうが関係なく白露はプリンを食べることはできないと言うことが分かった。

それにガッカリした白露は数日寝込んだとさ。




白露ちゃんは結局食べれなかったことに落ち込んだみたいですね。

赤城「本当にすみません...」

でも数日寝込んだだけで次の時にはすっかり立ち直ったようです。番外編の更新は不定期に更新されます。次回の番外編をお楽しみに!


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番外編② 春は曙。

こんばんは★零雨☆です。
久しぶりの更新になりますが今回は番外編第二段って事で曙ちゃんメインの話となっております。
曙ちゃんは提督の初期艦として務めているそして久々に秘書官として提督に任せられた曙ちゃんはただいま執務室に向かってる最中!
話はどうなることやら!さて、続きの『春は曙。』をご覧ください!


これはとある鎮守府での日常。

第七駆逐隊の一人である駆逐艦『曙』。

彼女はいつも通りに提督がいる執務室に向かっていた。

 

今日は私が秘書官ね、提督だらけてないかしら?もし、だらけてたら説教しなくちゃね。

 

内の提督は怠け癖がある。仕事をちょっとしたら飽きて、本を読み始めたり執務室を掃除し始めたりする事がある。その時は「他をしてる暇あんなら仕事をしろ!クソ提督!」と提督に渇を入れてほぼ強制的に仕事をさせるのだが自らしようとすることはめったに無い。

つまり、提督は無能。

艦隊の指揮はちゃんとしない。

任務の書類整理は遅いしいつのまにか別の事をしているし...そんな提督でも良いところもある。(圧倒的に悪いところしか無いのだが。)

それは...

 

曙「クソ提督!入るわよ!」ガチャッ!!

 

提督「お、おはよう曙。...クッキー有るけど要る?あ、ジュースもあるけど飲む?」

 

物凄く気遣うところだ。

気を使い過ぎて倒れるんじゃないかと日々ヒヤヒヤする。

そして、そんな提督を曙は...

 

曙「有り難く頂くわ!!このクソ優しい提督!」

 

物凄く大好きである。

 

提督「あ、今日は『優しい』って付けてくれたんだね。...まだ『クソ』の部分が残ってるけど...」

 

少し嬉しそうにする提督。

...曙は嬉しそうにする提督の顔を見て

 

曙「ほら!のんびりしてないでさっさと仕事する!!今日までの期限の書類あるんでしょ!?早く片付けなさい!」

 

提督は期限が今日までの書類を随分前からほったらかしていたのだ。

随分前からほったらかしたせいでつい最近までその書類の存在すら気付いてなかったのだ。

 

提督「はぁーい。わかりましたー。」

 

そういって提督は席に着き、仕事を始めた。

 

しーんと静まる執務室。

いざ、静かになると落ち着かないのである。

 

提督「...」

 

曙「...」

 

二人とも無言で書類処分を進める。

静かな執務室とは裏腹に外では駆逐艦らしき娘たちが遊んでいた。

 

その中にはドッチボールをする者がいたり、 フリスビーをする者がいたり、鬼ごっこをする者がいた。

 

曙「あの娘ら朝から元気ねぇ...。」

 

思わず口からそんな言葉が出た。

 

提督「まぁ、内の艦娘って何気に活発な娘が多くて...元気なことは良いことだけどね。」

 

曙「よく朝から身体動かせれるよねぇ...」

 

私はあんまり身体を動かすのは好きじゃない。

それでなのか外で遊ぶ事があまりない。

 

提督「まぁ、動かせれる事に損は無いよね。」

 

書類に手をつけていた提督が立ち上り、窓際の方まで近寄った。

 

曙「あ、仕事サボってんじゃないわよ。」

 

提督「そんな事は置いといて...っと、曙ー外見てごらん?」

 

提督に言われた通りに外を見てみた。

外には姉妹の朧、漣、潮がいた。

朧たちが私に気付いたのだろうかこちらに手を振ってきた。

 

提督「曙も外に遊んできたどう?姉妹もいるよ?」

 

提督に外に遊んできたらどうだと言われたが曙は何だか提督に秘書官の仕事までさせるのは少し抵抗があった。

 

曙「...いや、まだ私の仕事終わってないし...。」

 

今日に限ってなぜか仕事が多いのだ。

 

提督「いいよー行って来ても。いつも曙にはお世話になってるから~...ね?」

 

お世話になってるのは私の方なんだけどね...。

提督には悪いけど...お言葉に甘えて行って来ようかしら?

 

曙「そうね、たまにも外に出てみるのもありね。...んじゃあ、ちゃんと仕事しときなさいよ!このクソ(優しい)提督!」

 

そう言って曙は執務室から出ていった。

 

提督「...素直じゃないなぁ曙ったら。」

 

何やら嬉しそうに笑う提督。

さてと、仕事の続きをしようと思った提督は書類の一番下に何か挟まっている紙を見つけた。

その紙には大本営からのお知らせの書類だった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

大本営ヨリ各鎮守府ニオ知ラセ

 

各提督殿、ケッコン(仮)のシステムが開発された。これにより練度の高い艦娘との絆を結ぶことができる。絆を結んだ艦娘は偉大な力をもたらす。この効果が発見されたため、各提督殿に任務を発令する。

 

最も練度の高い艦娘と絆を結べ!

 

ケッコン(仮)をするために各鎮守府にケッコン指輪を贈る。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

提督「...ケッコン(仮)...ねぇ。」

 

提督は片手に指輪を持ち、これを誰にあげるか迷っていた。

最高練度を持つ曙か...もうすぐ最高練度に達する大和か...。

 

まだ...提督は迷っていたのであった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

曙は外に向かっている途中である。

 

今更ながらだが提督はちゃんと仕事しているか不安になってきた。

 

曙「クソ提督...ちゃんと仕事してるかしら。」

 

まぁ、仕事ちゃんとしてなかったら無理矢理でもやらせないと...。

 

そう思いながら曙は外に出た。

曙が外に出たのが分かったのか朧たちが駆け寄ってきた。

 

朧「曙ー、一緒に遊ぼうー。」

 

朧の手元にはボールがあった。

 

漣「ぼのたん、どーしたの?気難しい顔しちゃって...ほら、元気出しなって!」ビヨョーン

 

そういって漣は曙の頬を伸ばした。

 

曙「あんたたちは何も悩み事なくて良いわよね...。一度は秘書官をしてもらいたいわ。」

 

一度でもいいから秘書官の辛さを味わってほしいわ...どれだけ提督を真面目にさせるかいつも大変なのよ...。

 

漣「あー...確かに忙しそうだねー。」

 

潮「た、確かに秘書官の仕事って多いもんね...。」

 

潮の言う通りに本当に秘書官の仕事は多い。

 

時間のお知らせやら書類の処理に艦隊の指揮、鎮守府の整備だったり他鎮守府からの演習要請の処理とかもしなければならないのだ。

 

一時期、妹の潮が秘書官をしていた時があったが余りの仕事の多さに倒れた時があったのだ。

 

朧「え、潮って秘書官やってた時があったんだね。」

 

潮「うん...けど...疲れて倒れた時あって、それからはしてないかな...。」

 

曙「あれは私でもビックリしたわよ...まさか潮が倒れるなんて思ってもなかったしね。」

 

潮が倒れた後、病院に運ばれてしばらく入院していたのだ。

 

潮「うう...心配かけてごめんね?」

 

曙「別に潮が謝る事じゃないわ。それにもうそんな時間はとっくに過ぎたしね。ほら、気を取り直して遊ぶわよ。」

 

曙は朧からボールを受け取り、早速ドッチボールをしようとすると背丈の小さい駆逐艦娘四人に声をかけられた。

 

雷「あ、ぼのー。私たちも混ぜてくれない?」

 

彼女は特Ⅲ型駆逐艦の雷。

その隣にいるのは同じ特Ⅲ型駆逐艦の電と暁に響だ。

 

潮「うん、良いよー。雷ちゃんたちも一緒に遊ぼう?」

 

電「なのです!」

 

暁「あ、ありがと...ちゃんとお礼は言えるし...。」

 

嬉しそうにする暁たち。

 

漣「じゃあ早速ドッチボール始めるよー!!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

朧チーム

 

 

 

 

 

暁チーム

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

朧チームと暁チームと分かれてドッチボールをする事になった。

私は朧チームである。

先攻は...じゃいけんで決めることにした。

 

朧.暁「「最初はグー...じゃいけん、ほい!」」

 

朧➡パー

 

暁➡チョキ

 

朧「あ...負けちゃった...。」

 

暁「や、やったわ!!勝てた!」

 

勝てて嬉しかったのかガッツポーズする暁がいた。

 

暁「んじゃあ、早速開始するわよ!...てぇい!」ポーン( -.-)ノ―・

 

暁の投げたボールは有り得ない方向に行った。

そしてそのまま外野に出てしまった。

 

響「...暁、外野を狙うんじゃなくて敵を狙うんだよ...。」

 

余りの命中率の低さに響は呆れたのかお手本を見せた。

 

響「暁、ドッチボールはこうするんだ...よっと。」ビューン!(ノ`△´)ノ三 〇

 

曙「え、ちょっ速っ...!!」!Σ( ̄□ ̄;)

 

ギリギリのところで避けれたけれど本当に危なかった...。あと数センチ右側に居てたら完全に当たっていただろう。

 

漣「おおーっ...!すげぇ。」

 

漣も響が投げたボールの速さに驚いたようだ。

 

潮「う、潮...頑張ります!てい!」ピョン

 

潮がボールを投げてきたが響のに比べると弱かった。

そして、電がそのボールをキャッチした。

 

電「はわわ、取れたのです!」

 

雷「電、頑張れ!慌てずに当てるのよ!」

 

電「な、なのです!」ポーン

 

電が投げたボールは真っ直ぐに飛んでいった。

そして、そのまま漣に当たった。

 

漣「うそぉ!?当たったの!?」(|| ゜Д゜)

 

敵チームである漣はボールに当たってしまったので外野に出る。

 

今のところはこうだ。

 

自軍

 

朧 外野

 

曙 内側

 

雷 内側

 

電 内側

 

敵軍

 

暁 内側

 

響 外野

 

漣 外野

 

潮 内側

 

三対二である。

 

このままの勢いで勝てるかもっ...!

 

曙は漣に当たったボールが跳ね返ってきたのを見計らい、見事にキャッチした。

 

...よし!...今度は私の番ね!

 

曙は自分の思う全力をボールに込めて思いっきり投げたのであった。

 

曙「おりゃあー!!」ポーーン!!

 

結果的言えば外れた。

 

朧「ドンマイ!曙。...次は当てる!」ポイッ!

 

しかし朧も全力でボールを投げるが当たらずキャッチされてしまった。

 

潮「う、潮...行きます!」ポイッ!

 

曙(まぁ、潮だから余り速くは無さそうね...ってぇ!?)

 

見た目からそんなに強そうには見えないのに響よりも速いボールを投げてきたのだ。

 

もちろんそんなボールに避けることが出来ず、電は当たってしまった。

そして、そのあと雷とぶつかってしまったので雷もアウトになってしまった。

 

電「はわわ...当たってしまったのですぅー!!」

 

雷「いったーい!...電、責めて前を向こうよ...。」

 

雷と電の頭にはたんこぶができている。

 

響「凄いな...幸運艦の名は伊達じゃないね。」

 

そう言えば潮は幸運がついてるんだった...。

一気に二人も居なくなってしまったのは辛いわね...。

 

転がってるボールを拾い上げ、よそ見をしている暁に目掛けて投げた。

 

だが、運悪く暁にバレてよけられてしまった。

 

暁「ちょっ...!?ずるいじゃない!曙!」

 

曙「よそ見してる方が悪いわよ...?これが敵だったらどうなってたと思うのよ。」

 

暁「うぐっ...!?」

 

これがもし戦場だとしたら油断禁物である。

油断するだけで艦隊が崩壊することもある。

 

私は油断して沈んで逝った仲間を知っている。

ここの鎮守府ではなかったけれど、凄く親しかった友達だった。

 

その友達はある日出撃を命令されて、鎮守府付近の海域に出撃していた。

その友達いわく、弱い深海棲艦ばかりだから艦隊のみんなは油断していたようだった。

しかし、悲劇が起こってしまったのだ。

戦艦レ級の出現によりその艦隊はほぼ全滅となった。不幸中の幸いなのか友達は沈むことなく無事に帰投する事が出来たのだ。

それからはずっと油断なんてしないと誓い、その友達のところの鎮守府ではトップクラスの成績をとっている。

一度の油断で仲間を失ってしまうことがあるのだ。だから、私は...

 

曙「あ、痛っ...!」ドカッ

 

曙の頭にボールが突っ込んできた。

 

ボールがきた方向をみるとそこには暁がいた。

 

暁「...さっきのお返し。これでトントンよ。」

 

漣「試合しゅーりょー!勝者、暁チーム!」

 

考え事してたら当てられちゃったわ。

 

朧「曙...大丈夫?」

 

大分、考え事をしていたからか朧から心配されてしまった。

 

曙「ええ...大丈夫よ。」

 

そのときだった。

 

突然、窓から激しい音が出たのは。

 

雷「うわぁっ...!?...って司令官?」

 

提督「やっほー!こんちはー!元気?」

 

なんと、提督である。

...って仕事はどうした。

 

曙「やっほー!...じゃないわよ。仕事はどうしたのよ。」

 

提督「途中で飽きたわ。」

 

やっぱりそうだったか...。

こりゃあ、暫く仕事に追われてしまうわね。

 

曙「はぁ...」

 

呆れるわ...。

一体どうしたら提督になれたのよ...。

 

潮「提督さん、どうしたんですか?」

 

提督「曙にちょっと用事があってね...」

 

提督の言葉で周りのみんなは赤面していた。

...?用事って何かしら?

 

漣「(ほほう...これは所謂プロポーズって事ですねぇ!)」

 

...何だか分からないけど明らかに漣がニヤケ顔になってるってことは良からぬ事を考えていたのであろう。

 

暁「(あ、暁よりも早くレディになるなんて...!)」

 

そして、凄く落ち込んでる暁がいたが何故だか分からなかった。

 

電「おめでとうなのです!」

 

何かよく分からないけど電から祝ってもらったわ...。何よ...さっきからそんな暖かい眼なんてしちゃって。

...って!漣ぃ!!その顔はやめろぉ!

 

漣「(ワロス)」(=^ェ^=)

 

簡単に言えば顎をしゃくらせてどや顔しているのである。

 

提督「ほらほらついてこないと置いていっちゃうよ?」

 

曙「あ、ちょっ...待ちなさいよクソ提督!」

 

はや歩きで何処かに行こうとするので曙は急いで提督の元までついっていった。

 

外に取り残されたのは曙と提督以外のみんな。

 

朧「...曙も大人になったね。」

 

漣「まさかあのシャイなぼのたんが告られるとはねー!」

 

漣たちの話の中には曙と提督があんなことやこんなことをするのではないかとやけに賑やかにしていた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

はぁ...っ!はぁ...っ!じ、地味に提督が速いんだけど...!

 

曙「ちょっ...待って...!クソ提督...速いから...。」

 

提督「あれ?もう疲れちゃった?案外、曙って体力無いのね。」

 

微笑むようにこちらを見てきた。

...何かムカつくなぁ...。

 

曙「...あんたがバカみたいに体力が有るだけよ...。」

 

提督「あら、珍しい。曙が褒めてくれた。」

 

おい、どっからそう感じたんだよ。

と今すぐにでも言いたいところだが提督は悪魔でも上司だからそんなことは言えない。

 

曙「そんなことよりも...何よ?仕事を放り出しておいてまさか何もないなんて言わないでしょうね!?もし、そんなことだったら大本営に報告するわよ。」

 

提督「まっさかー?用もないのに呼び出すなんてしないよー。」

 

陽気な顔してる提督。

...あんたがそんな顔したらこっちまでアホっぽくなるじゃない。

 

曙「ふーん。んじゃあ、私に用があるのよね。何かしら?」

 

さっきまで一緒にいた漣の言葉を思い出す。

 

漣『所謂、プロポーズって事ですねぇ!』

 

プロポーズ...。その言葉で曙は顔を赤く灯らせた。

 

ま、まさかこんな口の悪い私なんかに告白なんてするわけないでしょ(照)!?

 

提督「曙。実は私はね...

 

提督の続きの言葉がどんなのかが曙は気になって仕方なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大和と付き合う事にしたの。」

 

 

 

 

 

 

 

 

曙「...は?」

 

...な、なんだ...てっきり私と付き合うのかと...思ったじゃない。

期待しただけ...無駄だったじゃないの!!

 

提督「え、ちょっ...!曙!待って!」

 

曙はその場から急いで去っていった。

その顔には涙を何粒も落としていった。

 

私なんかが選ばれる事なんて無かったんだ!

私は駆逐艦、大和さんは戦艦。

どうせ付き合うなら燃費も良くなるし強い戦艦の方がいいんだっ!

駆逐艦である私なんかっ...!価値なんて無いんだっ!!

 

...気付けば、私は外に出ていた。

何故、外に出たのはよくわからない。

もしかしたら、辛い気持ちから逃げたかったのかもしれない。

 

曙「はぁぁ~...提督に見っともない姿見せちゃったなぁ。」

 

今更だが提督に情けないところを見せてしまったことを恥ずかしく思う。

 

曙「それにしても...何よ...私への嫌みかしら?」

 

心優しい提督がそんなことをするわけないだろう。...私が悪い態度をとったから?私がキツイ言葉ばっかり提督にあびせていたから?

 

...こんなにも涙を流したことはそうそう無いだろう。

 

提督「...あっ!居た!曙!」

 

いつのまにか提督に見つかってた。

 

曙「...嫌っ!来ないでよ!このクソ提督!

どうせ貴女も私を傷つけるんでしょ!?

口が悪いから気に入らないなんて、言うんでしょ!?態度がウザいって言うんでしょ!?

...もう...放って置いてよ...っ!」

 

提督「ち、違うの!さっきのは...!」

 

違う?何がよ...そうやって私の心を踏み躙る気なんでしょ!?

 

 

 

 

 

 

 

 

提督「ごめんなさい!嘘なの!」

 

 

 

 

 

 

 

提督から出た言葉は意外なもので思わず、ポカンとしてしまった。

 

曙「...ふぇ?」

 

え?え?嘘...?大和さんと付き合う事が...?

 

提督「ごめんね...曙。最初は普通に告白しようかと思ってたけれど...。」

 

曙「」(;゚Д゚)

 

提督「つい...イタズラしたくなっちゃって...。」

 

そんな言葉を聞いて、凄く安心した。

 

曙「なによ...イタズラにしちゃあ悪質だわ...。...うわぁーん!!このクチョ提督!!」( #ノTДT)ノボカボカ

 

提督「ごめん!曙!いつものごとく、クソ提督って言うのかと思って...!」

 

曙「そんなことならいくらでも言ってあげるわよ!!このクソクソクソクソ提督!」ボカボカ

 

この後も泣きまくった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

提督「...落ち着いたかな?」

 

曙「...うん。」

 

泣きすぎて目が腫れてしまったわ...。

絶対、漣に絡まれる。

 

提督「ごめんね?こんなイタズラしちゃって...。」

 

曙「別に気にしてないわ...ちょっ、ちょっと気が動揺しただけよ!」

 

べ、別に安心した訳じゃないわよ!?

わ、私がてててて、提督がす、すすす...好きだなんてっ...(照)!

 

提督「さてと、こんなイタズラは止めて曙にプロポーズするよ。」

 

提督がそう言うと私の前に来て、膝を床に着けた。そして私の前には指輪があった。

 

提督「曙、私と付き合って下さい!不器用な私ですけど...よろしくお願いします!」

 

わぁ...(感動)。こ、こここ告白されちゃった!!

 

曙「あ、当たり前でしょ!?付き合うに決まってるじゃない!何年あんたと居ると思ってんのよ!」

 

提督「ふふ...付き合ってくれるんだね!ありがとう!曙。これからもよろしくね?」

 

そうして私、曙は提督とケッコンカッコカリを行ったのだ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

提督「...というのがきっかけで曙とお付き合いしたのよー!」

 

...恥ずかしい!!もう数年前の事なのに他の娘に自慢してる!!

やめて!提督!私、社会的に死んじゃうから!!

 

陽炎「そ、そうだったんですかー(汗)」

 

不知火「だから曙は司令にデレデレだったんですか...」

 

ほら!陽炎も困っているから!

今すぐにやめてー!!

 

後、不知火わたしにはデレなんて無いから!ツンしかないから!!

 

曙「あぁー!!もう!早く遠征に行けぇー!!」

 

今日も曙たちの鎮守府は平和です!




いやぁー無事に付き合えて良かったですねー!
曙ちゃんて口が悪いわりには意外と心は純粋なんですよね。ただ自己評価が低すぎてわたしはいらないんだと勘違いしちゃったみたいですね。
さて、次回の番外編をお楽しみに!
また会いましょう!去らばです!!


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第壱章
第壱話 駆逐艦「零」誕生!


初めまして、★零雨☆です。
今作が私の初投稿作品となります。
作者は少々どころか物凄く語彙力が無いです。
分かりづらかったらすみません。

現実には存在しない架空艦、零は艦隊これくしょんの世界に突然現れた。
零は時雨たちの鎮守府に着任し深海棲艦の全滅を目指す。長ったらしい前書きとなりましたが『艦隊これくしょん-艦これ-零ノ刻』をお楽しみ下さい。


20xx年水無月八日ヒトマルサンマル

突如現れた鬼級の深海棲艦を打ち倒すため、水雷戦隊が出撃していた。

旗艦は川内 改 二番艦 神通 改 三番艦 那珂 改

四番艦 時雨 改 五番艦 村雨 六番艦 春雨

の編成でその棲艦を倒すよう命じられた。

 

川内「春雨ー!陣形が崩れてるよー!!」

 

上手くバランスが取れなくて足取りが悪い。

何故なら、私の初出陣なのだから。

仕方ない、と言ったとしても少しでも艦隊に足を引っ張らないようにしなければならない。

足を安定させようとすると、

 

春雨「あ、やば...」

 

足を滑らせ転倒した。

ゴロゴロと回転させ、艦隊と離れる。

 

村雨「春雨ー!?大丈夫ー!?」

 

村雨姉さんが私に声をかけて近づいて来ました。そのときでした。

ー謎の深海棲艦が現れたのは。

 

???「グオォォォオー!!」ドーン

人形の深海棲艦。歪な形の頭に壊れた砲台。

死にかけのようでしたが私たちはそれを見て油断してしまいました。

 

神通「...!春雨さん...!」

 

振り返った時にはもう遅かったのです。

 

春雨「...ぇっ?...グハァッ!?」グチュッ

 

私のお腹を砲弾は貫いていました。

私のお腹からは大量の内臓と血があふれでてきました。痛いです。

 

春雨「かっ...!...カヒュッ...!」ボタボタ

 

死にたくなんかありません。

まだここに来たばかりで姉さんたちにも再開したばかりですから。

司令官さんにも認められたくてここに来たのに。そんな風に思っても敵は容赦なく私を打ち続けます。

 

村雨「春雨ー!!」

 

村雨姉さんが突っ込んできました。

ですが、姉さんも敵から撃たれ吹っ飛んできました。

村雨姉さんも血を吐きました。辛そうです。

時雨姉さんが村雨姉さんの肩を抱えると敵から離れていきました。私を置いて。

那珂さんが私に近づこうとしますが荒波によってどんどん私と艦隊が離れていきました。

 

時雨「ーーーっ!!!」

 

時雨姉さんの叫ぶ声が聞こえました。

でも私の足は動きませんでした。

立ち上がろうとすれば血を吐き、叫ぶ声に反応しようとしても血を吐いてしまいます。

当然、体に負担がかかりました。

ついに姉さんたちが見えなくなりました。

私は大量出血で動けなくて目の前には敵。

はい、これ絶体助かりませんよね...。

そいつはまるで潔く死ねと言って言っているかのような表情(かお)で銃口を私に向けました。

 

春雨「もう...終り...なんですね...。」

 

そして、一発の銃撃音が海の彼方で鳴り響きました。

私の体は海に沈みかけていました。

敵も、もう力尽きたかのように生気がなく海に浮かんでました。しばらくしてそいつは海に沈み、私も後を追うように沈みました。

 

春雨「(ああ、何も、出来なかった...。)」

 

敵を倒すことすら姉たちと話することもなく沈んでしまった。

―帰りたい―

そんな気持ちが私の中で溢れてました。

もう、あの場所に帰れないと解ると、とても辛くなりました。

ふと、不思議な音に気がつきました。

 

―ガコッガコッン―と海の中で響きました。

何でしょうか、黒色の塊が底にあったのです。

 

春雨「(何...これ。)」

 

それは直ぐに分かりました。

艦娘側でいう工廠のような物でした。

ただ、私たちのと違う点は創る人がいないということ。自動的に創られていくのだと私は悟りました。

今すぐに逃げようとしますが全く身体が動きません。私はそのまま黒色の塊の中に消えていきました。

 

ガコン―ガコン―ガコン...

 

鉄を打っているかのような音が聞こえます。

私の身体を見ました。

 

春雨「(...は?)」

 

半分、私の身体であと半分は身の覚えのない身体でした。

だんだん作り替えられていく。

私がまるで私ではないかのような気がしました。でも、もう遅かった。私には運がなかった。

そうして私の記憶は途絶えました。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

2020年水無月九日ヒトサンマルマル

私は生まれました。この海でこの祖国で。

でも...流石にこれはどうしろと言うんだよ...。」

なんだこれ。本当になんだこれ。

目が覚めたら海の上に居ましたなんて誰が信じるんだよ...。

 

妖精『こんにちは、零《ゼロ》さん。』

 

ってなんかおったーーー!?

 

妖精『うっさいです。』

 

いや以外と口悪っ!

 

妖精『口悪いのは仕方ないのです。それよりも話があります。』

 

...はぁ。

んで?話ってなに?

 

妖精『あなたは艤装がありません。』

 

は?今なんていった?

 

妖精『艤装がありません。足の艤装しか無いんですあなたには』

 

どうして足だけなのさ...

 

妖精『なんせ、あなたは未完成艦なのですから当たり前です。』

 

ふぇ?未完成艦?

 

妖精『未完成艦は一部の艤装を十分に持たない艦のことです。』

 

ってことはつまり...

 

妖精『そのつまり貴方は駆体(身体)しか無いんです。』

 

えええええええええ!!!!????

それって武器を持たない艦(ふね)ってことでしょ!?

どうしろというだよ。

 

妖精『まぁ、そう慌てるなよ』

 

いや、ふつー慌てるだろ!?

 

妖精『移動とか最低限できることは出来ますよ?』

 

はぁ...。

 

妖精『ただ攻撃できないのはゆるして❤テヘッ』

 

誰がテヘッだよ!!もう詰んでるやんけ!!

 

妖精『でも、安心して。未完成艦だけの特権があるんだ。』

 

安心はできないがその特権とは?

 

妖精『なんと!他の艤装を自分の物にできる能力です!』ドヤッ!

 

ほほう?それはそれはいかにも怪しいものですなぁ...?んで?具体的にはどんなの?

 

妖精『まぁ、具体的に言えばまず一つめ』

 

うん。

 

妖精『壱. 海に浮かんでいる艤装を装着できる.』

 

ほほう。

 

妖精『メリットとしては直ぐに装着できることだね。ただ...』

 

ただ?

 

妖精『探すのが困難であることともしかしたらその艤装には不具合があるということ。』

 

はぁ、

 

妖精『そして、その艤装の記憶が反映されないことかな。』

 

船の記憶が反映されないことでどんな影響をうけるの?

 

妖精『そうだね~具体的にはその艤装の本力が出せないことかな。』

 

なるほど、限度があると言うことか。

 

妖精『大丈夫、気に入らなかったら棄てればいいから。』

 

ほんほん。んで他はどうなの?

 

妖精『弐.深海棲艦の艤装を装着する』

 

ええ!?そんなこともできんの?

 

妖精『メリットとしては直ぐに見つけやすいし性能も悪くないよ。ただ...』

 

なんだ?

 

妖精『洗脳されるのは要注意だね。自我を失っちゃう可能性が有るから辞めといたほうがいいよ。』

 

じゃあなぜ言った。

 

妖精『まぁ、緊急時って刻にかな。』

 

他は?

 

妖精『参.自分で開発する。』

 

まぁ、そうだろうね。

それが一番安全そうだ。

 

妖精『御察しのようだけどその通り。この中で一番安全である方法さ。』

 

欠点なんてないだろうな。

 

妖精『ありますよ?資材を集めるのが大変なんです。資源を集めるには遠征しないと行けませんし。もちろんその途中で敵と遭遇するでしょうし。』

 

あぁ、

 

妖精『今、武器なんて持ってないので程遠い方法ですね。』

 

むむむ。やっぱり二択しかないのか。

 

妖精『他にはあるっちゃぁーあるんですが...』

 

それは!!何ですか!!!???

 

妖精『肆.素手で戦闘』

 

はぁ!?

え、素手で戦えと?

 

妖精『イエスサー』

 

マジなんかい!

 

妖精『貴方にはその方法が一番かもしれない。』

 

素手で戦うならもう艤装要らなくない?

 

妖精『まあまあ、そういわずに...ね?』

 

ぐぬぬぬ....しばらくは我慢だなこれ....

さてと、どーすんかなこれ。

百八十度みても海。海。海。

海しかねぇ。

もう見飽きたわ。

どっかに島があんねーかなー。

 

索敵の妖精『コンニチハ!』

 

うおっ!?ちょ、おま....びっくりするやんけ!てか、どーしたん?あ、もしかして島見つけた?

 

索敵さん『チガウチガウ。シマジャナイケドチンジュフヲミツケタ』

 

島よりすげーよそれ。

んで、どこなん?

 

索敵さん『キタニサンマンキロススメ』

 

は?三万キロ?遠っ!!!

もはやどこだよそこ。

日本じゃねーだろ!

 

主砲さん『ンー、ンジャアノシマデヨクネ?』

 

あ、鎮守府や。あそこでえっか!てか三万キロ離れたとこより近いやんけ。あ、冗談なんか。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

2020年水無月10日マルヒトマルマル

 

コンコンとドアに音を鳴らした。

 

提督「...入っていいぞ。」

 

ボクはドアをあけた。

提督はとても元気なさそうな感じだった。

 

時雨「提督、いつまで悲しんでたって春雨は還ってこないよ....。」

 

ボクは約三年前大事な妹を失った。

あの頃はまだボクは未熟者で自分の身を守ることしか出来なかった。

でも、それ以上に悲しいのは春雨だ。

あの子はまだ着任して間もなかった艦娘だった。

それなのに、あの日の悲劇で彼女は強くなることすら出来ず、深い海に沈んでいった。

 

時雨『なっ...!川内さん!どうして春雨を置いていったんですか!!』

 

川内『...たとえ助けに行っても春雨はどちみち助からない。って思ったからよ。』

 

ボクは殴った。川内さんの顔を思いっきり殴った。その顔には涙が溢れていた。

 

村雨『こら!時雨、だめでしょ!?』

 

村雨が注意してもボクは殴った。

 

神通『川内姉さん。春雨さんが血を吐いた地点で『もう無理だ』って判断したんですか?』

 

ボクは殴るのを止めて、神通さんの言葉に違和感を覚えた。

 

時雨『(...?どういうこと?)』

 

川内『...そうだね。だって春雨のお腹、真っ赤になって穴が空いてたんだよ...。そんなの、連れて帰ってこれても時期に死ぬ...。それって連れて帰ってこないよりも辛いじゃない。』

 

川内さんに言われた時は本当に腹が立った。

殴りたくなったけど村雨が止めた。

その悲劇が三年たった今もみんな引きずっている。

 

もう一度、提督に言った。

 

時雨「提督、春雨はもう帰ってこない...春雨だってこんなのを望んでないよ。だから...」

 

バン!

音が響いた。

 

提督「悲しむなって言われても「はい、今から春雨がいた事を忘れましょう」なんて出来ないだろうが!!」

 

...っ!ボクは執務室から出ていった。

ボクの頬には熱い水が流れていた。

 

時雨「...ボクだって、悲しいよ...春雨がいなくなって...!」

 

...少し気分を変えたい。

だからボクは外に出た。

そこには一面の花が咲いていた。

 

時雨「(紫苑の花だ...そう言えば春雨がこの花が好きって言ったな...)」

 

ボクは港の方に足を踏み入れた。

そのときだった。

 

?「あっ!ちょ、助けて!網がかかった!!」バシャバシャ

 

なんか網にかかったひと?がいました。




話開始と同時に突然轟沈してしまった春雨ちゃん。
ファンの方、不快に感じた方に私は申し訳なく感じております。この轟沈は後のストーリーに関係するため、避けることが出来ませんでした。
春雨ちゃんの轟沈は実は零に関係しています。
詳しくは次回にて観覧よろしくお願いします。


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第弐話 救援求ム

こんにちは、★零雨☆です。
初回投稿にも関わらずお気にいり4件も入れてくださり大変喜ばしく思っております。(ありがとうございます。)私が思った以上に見てくださった方々がたくさん居られて大変びっくりしております。(笑)

さて、前回のあらすじとして簡単に言うと
突然、零が海の上で目を覚ます。➡近くに鎮守府がありそこに行く。➡網に絡まってるところに時雨が発見する
という流れになっていました。
偶然に会った時雨と零は共に戦う。今回は時雨目線からの始まりとなっております。
続きの『第弐話 救援求ム』を御覧ください。


やべぇ、網が引っ掛かったァー!!

ちょ、誰か助けてー!

あ、ども!こんちはって見てないで助けてー!!そこの黒髪の子ー!!

 

三つあみ黒髪ちゃん「えっと、大丈夫かな?」

 

ヘルプミー

このあと引き上げられた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

?「いやーほんと助かりました!」アハハ

 

ほんと、何なんだろう。

この人?どうやったら網に引っ掛かるんだろう。

 

時雨「君、ここの艦娘じゃないでしょ?勝手に鎮守府に来たらダメだよ。自分のとこに帰らなくちゃ...」

 

黒髪の子は答えた。

 

?「いやー、それがね?目が覚めたら海の上に居たんよ?んで、近くにここが有ったからつい来ちゃった」

 

...もしかして漂流艦《ドロップ艦》...?

 

時雨「えっと、つまり君は漂流艦なの?」

 

?「んー、まぁそんなとこかな。...はぁー。どーしよーかなー?...チラッ」

 

...ほんと、何者だろう。

 

時雨「...提督に一様聞いてみるよ...」

 

?「あざっす!」

 

時雨「まぁついてきてよ。執務室に行くから。」

 

?「ん。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

執務室の前にボクは来た。

この不思議なひと?をつれて。

 

時雨「...提督、入るよ。」

 

提督「...あぁ」

 

ボクはドアをあけ入った。

 

?「ども!こんちは!駆逐艦零です!よろしく!」

 

...ハイテンションで自己紹介する黒髪の子。

 

提督「...何の用だ?」

 

零「いや、それがね?目が覚めたら海の上に居たんですよ?どうしよーかなーって所に近くにこの鎮守府が有ったんで来たんですよ。そして網に引っ掛かってこの人に助けて貰いました!んで今ここ。」

 

 

提督「はぁ、つまりこの鎮守府に着任したいと?」

 

零はニカッと笑い答えた。

 

零 (春雨)「『そうですね!お世話になったのでここで活躍したいです!』」

 

...?零が春雨に見えたのは気のせいかな?

よくよく見ると髪のはねかたが春雨によく似ている気がする。

 

提督「そうか....じゃあ時雨。案内してあげろ。」

 

時雨「了解。....ほら、ついてきて。」

 

ボクは零をつれて執務室から出た。

そして鎮守府の紹介をする。

 

時雨「ここがまず執務室。ここは提督と秘書官が仕事する部屋だよ。主に艦隊を指揮する仕事かな。」

 

歩きながら説明する

 

時雨「それでここが教室だよ。駆逐艦の子たちが戦闘の基礎を学ぶとこだよ。」

 

零「ほほう。演習ってあるの?」

 

時雨「うん。週に一度はあるよ。日曜日は休みだから授業もないよ。」

 

零「ほんほん。」

 

―食堂―

 

時雨「ここが食堂だよ。主にご飯を食べる時はここに来るよ。」

 

零「うまそう。」

 

―工廠―

 

時雨「それでここが工廠だよ。主に艤装の整備をしたり武器を開発したりするよ。」

 

零「へー。」

 

明石「ども!こんにちはー。あれ?新しい子?」

 

明石さんが覗いてボクに聞いてきた。

 

時雨「うん。そだよ」

 

零「ども!駆逐艦の零です!よろしくです!」

 

明石「こちら明石です!艤装の事ならお任せ!」

 

とてもニコニコしてるなぁ....

 

明石「ねぇ!君って艤装に興味ある!?」

 

興奮ぎみに零に聞く明石さん。

 

零「そうですね、どちらかと言えば興味あります。」

 

明石「マジで!?君って他のとこで見たことないからさー君の艤装貸して?」

 

また始まった...いつもの改造...

 

時雨「明石さん...さすがにそれはちょっと...」

 

零「艤装?無いよ?」

 

明石 時雨「ふぇ?」

 

艤装が無い...?どういうこと??

えっと、つまり...戦えない?

 

明石「ごめん、ちょっとよく聞こえなかったんだけど...」

 

零「え?だから無いよ?艤装。」

 

明石 時雨「「(゜.゜)?」」

 

零「何か...艤装...なくて。...あれ?もしかしてヤバいの?あたし。」

 

明石「た、」

 

零「た?」

 

明石「大変だー!!??何で艤装が無いんですか!?」

 

零妖精『ソレハナ、ミカンセイノフネダカラダヨ!』

 

時雨「み、未完成?」

 

零妖精『ソウ,コウナルマエニフツーノカンムスダッタヨ』

 

...?どういうこと?

 

零「ん?ちょっとまて、それ私初耳なんだが....」

 

零妖精『フツーノカンムスノトキハナー「春雨」ッテイウカンムスダッタヨ―』

 

春雨....?

 

明石「春雨さん....ってつまりこの人が春雨さんの生まれ変わりなんですか?」

 

うそ....

 

零「ん?知らんよ?」

 

零妖精『ウマレカワリウマレカワリ‼』

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

んん????

私生まれ変わりのなの?

ってか春雨って誰だ。

ってか黒髪の子泣き出したんだけどどうしよう。

 

零「ちょっとまて、なぜ泣く。」

 

黒髪の子「だってー春雨の生まれ変わりだから....。ねぇ!ボクのこと覚えてない!?」

 

うわっ、揺さぶられてすんげー気持ち悪っ!

てか一ミリも覚えてないんですけど。

 

零「知らん。」

 

零妖精『もちろん、記憶は消えてるけどね。』

 

黒髪の子は揺さぶるのをやめた

 

黒髪の子「本当に....本当に覚えてないの?」

 

うぐっ!何も覚えてないけれど何か罪悪感が....

 

零「うん、覚えてない。」

 

そういうともっと泣き出した

かせぬ....私が何をしたと言うんだ。

 

明石「えーっと。とりあえず落ち着きましょうか....」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

黒髪の子が泣き止んだのを見極め、改めて挨拶をした。

 

零「さっき挨拶をしたと思うけど駆逐艦の零だよ。よろしく!」

 

黒髪の子「うん。ボクは白露型駆逐艦の時雨。よろしくね。」

 

時雨はニコっと笑った。

 

可愛いっ!!って思ったことは黙っておいてくれ。

 

明石「あれ?時雨さん案内してる途中じゃ?」

 

しまったかのような顔をした時雨。

 

時雨「あぁ、ごめん!すっかり忘れてたよ。あと一ヶ所だから直ぐに終わるよ。」

 

....そういってつれて行かれた。

 

明石「....かなり変わった子が来ましたね....」

 

夕張がひょっこりと顔を出し

 

夕張「そうだねぇ、艤装が無いってかなりヤバイなぁ。」

 

明石「あ、やっぱりそう思う?不思議な娘だね。」

 

夕張「ん~...でも零って名前の駆逐艦って居たっけ?」

 

明石「さぁ?わからないねー。かなり変わってる娘だというのはよくわかったけどね。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

時雨に腕を引かれ来たとこは一つの部屋

 

時雨「此所が部隊の部屋だよ。零の部屋は駆逐寮のこの部屋だよ。他の子たちも居るから挨拶はしときなよ?んじゃ、ボクはこのあと用事あるからまたね。」

 

時雨は去った。

....うむ。人がいるのか。

ドアをあけよう。

 

ガチャ

 

零「こんにちはー。新しく入った駆逐艦のぜr」

 

目の前に飛んできたのは一隻の艦娘でした。

 

零 ?「「ギャフン!!」」ドッガラガッシャーン

 

?「わわ!?ごめんなさいー!!」

 

意識が朦朧のなか、声が聞こえた気がするが気を失った。




明石と時雨に自分の艤装が無いことを告げた零。
驚きを隠せない明石は零たちが立ち去った後、夕張にこの事を話す。...どうやら夕張は零の存在を怪しんでいるみたいだ。最後にルームメートとぶつかってしまい、気を失った零。今回は前回に比べ、字数少な目の話となりましたが次回にて字数を稼ぎます(笑)
さて、次回は目を覚ました零はルームメートと会う。
そしてそのルームメートたちに零は春雨(前)の生まれかわりであることを告げる。次回をお楽しみに!


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第参話 ヨーソーロ

こんにちは★零雨☆です。
前回は零がルームメートの誰かとぶつかって意識を失ってしまいましたが今回、零は目を覚まし五人のルームメートと出会います。
さて、第参話 『ヨーソーロ』をご覧ください。


零「知らない天井だ。」

 

目が覚めたら知らん天井。

誰もが言ってみたいセリフだ。

まぁ、私は海の上で目覚めたがな。

てかどこだここ。

 

 

?「あの~大丈夫?...かな?」

 

茶パツのショートカットかセミロング?(髪型にはよく知らないが)くらいの髪の長さの子が話しかけてきた。どうやら私のことを心配しているようだ。

 

零「うん、大丈夫だよ。ちょっと痛いけど...」

 

明るい髪の色をしている長い髪の子が

私が起きたことに気づいた。

 

明長髪の子「ごめんなさいっぽいー。」

 

茶パツ「もう、夕立。絶対にあんなことしちゃダメだからね?」

 

うーむ。どうやら長い髪の子は夕立って言う名前らしい。...なんだろう。懐かしい気がするけど前世に関係があったのだろうか。

 

茶パツ「そ、れ、に!村雨も腹が立ったからって妹を投げちゃダメでしょ!?」

 

あ、双子みたいな子の名前村雨って言うだな。

 

村雨「むぅー、白露姉さんだって投げる時はあるじゃない。」

 

...兄弟って似ることあるよね。うん。

テカアタシクウキ。

 

白露「さぁ?なんのことかしら?」

 

...なんか、カオスだな。

 

夕立「それよりもその子ほっておいているけど大丈夫ぽい?」

 

あ、やっと気づいてくれた。

 

白露「あ、ごめんね?夕立がぶつけちゃって...」

 

 

零「全然大丈夫だよ。対して出血しなかったし。」

 

そのときガチャっとドアを開けた人がいた。

 

時雨「ただいまー...ってどうしたんだい!?」

 

時雨が私の元に来て顔を上げた。

 

時雨「っ!出血してるじゃないか!...白露...もしかしてだけど君が原因?」

 

白露)ギクッ

 

白露「ち、違うし。今回は村雨だから!」

 

白露?って子はブンブンと顔を横に振った。

 

時雨「本当に?...じゃあ村雨がやったの?」

 

村雨)ギクッ

 

村雨「えっとそのー。仕方なかったって言うか~そのー...夕立を投げちゃって☆」

 

うん。ダメだこりゃ

 

時雨「いやいや、ダメだよ。投げちゃっあ。」

 

村雨「はい....」

 

村雨がしゅんと落ち込む。

 

水色の長髪の子「それよりもあの....挨拶....」

 

時雨「あ、そうだった。まずは挨拶からだね。ボクは白露型駆逐艦二番艦の時雨だよ。よろしくね。」

 

白露「ふっふーん!みんなの一番艦の白露よ!!あたしがいっちばーんなんだからね!」

 

村雨「三番艦の村雨よ。よろしくね。」

 

夕立「ぽいぽーい!夕立っぽい!よろしくね!」

 

夕立が自己紹介すると同時に飛び付いてきた。

 

零「えーっと、私は駆逐艦の零です。しばらくお世話になります。」

 

まだ夕立は私にふっついている

 

夕立「なんかこの匂い懐かしいっぽいー。」

 

....?懐かしい?そんなに臭うのかな....。

 

私は袖を臭う。

 

時雨「あ、大丈夫だよ。多分その花の匂いのせいかな。」

 

首にかけている時計を見ると一輪の花が結ばれていた。

 

夕立「あ、本当だっぽい!それでかなー。」

 

村雨「...」

 

村雨が暗い顔をしている。

...どうしたんだろうか。

 

零「...?村雨?どうしt...」

 

言いかけたとたん、白露が大きな声を出す。

 

白露「よーし!零が着任祝いってことで甘味処に行くよー!」

 

夕立「ぽーーい!!」

 

白露と夕立はとても速く走って行った。

 

時雨「ごめんね、姉たちが騒がしくて。ボクたちはゆっくり歩いて行こうか。村雨 五月雨、零。」

 

五月雨「わ、私もついていきます!」

 

...元気だなぁ...白露型の子って。

 

村雨「...春雨?いや、そんなわけないよね...?だって私の前で死んだんだから...」

 

この時、零は村雨の言葉に気づくことはなかった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

白露「ん~おいひい~!!」

 

大きなパフェを一口分をすくい、パクりと食べた。白露はとても幸せそうにしている。

 

五月雨「やっぱり美味しいですね!」ニコニコ

 

五月雨は頬っぺたにクリームをつけながら美味しそうに食べていた。

 

夕立「おいしいっぽいーー!!!」ガツガツ

 

夕立はがっついて食べていた。

 

時雨「夕立、誰も盗らないからゆっくり食べなよー。」

 

ほう。こんなに美味しいもんなのか。

 

私も一口食べた。

 

零「っーーーーーー!!??」

 

なんだこれ!?え、めっちゃ美味い。

甘酸っぱくて美味しい苺と、とても濃厚なソフトクリーム...うん、美味い!

 

白露「...どう?美味しいでしょ?」

 

白露が顔を覗かせて話しかけてきた。

 

零「うん、とっても美味しいよこれ。食べたこと無いよ。」

 

村雨「...」

 

また村雨が暗い顔をしている。

本当にどうしたんだろうか。

 

夕立「村雨が食べないなら夕立が貰うっぽいー!!」ヒョイ

 

そう言うと夕立は村雨のパフェを手に取り、一口、夕立の口へと運ばれた。

 

夕立「う~ん美味しいっぽいー!!」

 

村雨「えっ、ちょっと夕立!?私の盗らないでー!!」

 

村雨と夕立がワチャワチャと騒いでいる。

 

時雨「さてと、二人が争ってるうちにボクが頂こうか。」

 

時雨が村雨のパフェを手に取ろうとしている。

その瞬間、もう1つの手が時雨の手の上に重ねる。

 

白露「やだなぁー、それ、私のじゃない?」

 

二人とも睨み会っている。

 

時雨「さぁ?ボクの、の間違いじゃないかな?白露。」

 

ヒートアップして白露と時雨も争い始めた。

 

五月雨「あわあわ、どうしましょう。パフェも溶け始めるし...」

 

涙目でこちらを見る。

うーん。争うくらいなら私が食べちゃえばいいか!

 

私はパフェをパクりと食べ、完食した。

 

夕立.村雨.白露.時雨.五月雨「え」

 

....?さっきまで争っていたのにみんな手を止めた。何故ですか。

 

零「あ、美味しかったよ?」

 

シーンと静まり返る。

 

時雨「ぷっ!」

 

零「?」

 

時雨「あはは、本当に零は春雨みたいだね。」

 

え、どう言うことだ?

 

村雨「え?春雨みたい....?あ、確かに前もこんなことあったわよね。」

 

時雨「零。春雨もね、君と同じようにボクたちが争ってるうちに食べちゃったんだよ。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

白露『これは私のー!!』

 

時雨『いや、ボクのだよ!』

 

夕立『夕立に頂戴っぽいー!』

 

村雨『いやよ、私も食べたいのだから!』

 

五月雨『ど、どうしよう。』

 

春雨『(....あれ?食べちゃっていいのかな?)』

 

パクっ!

 

みんな『え?』

 

時雨『春雨!?え、食べちゃったの!?』

 

春雨『え?あ、はい。美味しかったです。』

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

夕立「確かににてるっぽい!仕草とか!」

 

????

 

村雨「そういえばそうね。その髪の毛を弄る癖とか。」

 

あ、無意識にやってたのか....

 

村雨「よく似てるわね....春雨に。」

 

....?何でまた暗くなってんすか。

また私何かやらかしたんか?

 

妖精『多分違うと思う。』

 

うわ!?突然話しかけないでよ!?びっくりするわ。

てか、どこおんの?

 

妖精『あなたのよこにいますよ。みんなには見えないようにしてますけど。』

 

....見えないようにする必要あるんかな?

 

妖精『...それよりも返事をしたらどうです?』

 

あ、そうか。でも春雨って何があったか気になるんですけど。

 

零「そんなに似てるんですか?春雨さんに。」

 

ん?なんかみんな暗い顔をしてんだけど。

 

妖精『もうしらね。』

 

あれ、妖精さんにも見放されたんですけど。

 

村雨「...ええ。そうね。そのかみのけを弄る癖もね。」

 

...?

どういうわけ?そんなに似てるんですかね?

 

時雨「まぁ、零は春雨なんだけどね。」

 

....ナンデイウンデスカネ?トラウマが掘り起こされるでしょ。

 

時雨 零 以外「は?」

 

村雨「え?え?どういうこと??零が春雨?」

 

五月雨「時雨姉さん、さ、流石に冗談ですよね!?」

 

...めんどくさくなってきたな

 

夕立「ぽい...?春雨なの?」

 

....なんでそんなかおしてんすか....こわいわ。

てか妖精さんどこいったんや....

 

零「えっと、多分そうかな。」

 

白露「....?どうして断言できないの?」

 

零「ハッキリいうと春雨の記憶がないんだよな。」

 

五月雨「ええ!?記憶がないんですか?」

 

そんなに驚くことなのかな...

 

零「え、あ、うん。」

 

白露「やっと...グスッ...会えたと...思ったのに...グスッ。」

 

...この言葉を聞いた途端陽炎が過ってきたのは何故だ。

 

時雨「ま、まぁ完全に忘れてるなんてこと無いよね?」

 

ええ...嘘でしょ?何もおぼいておらんよ?

 

妖精『いや、残念ながら零本人には記憶がない。だがしかし...』ヒョコ

 

皆「しかし?」

 

妖精『その時計に記憶が記されているだろう。』

 

五月雨「な、ならそれを開ければいいじゃないですか?」

 

妖精『だがな、鍵がかかっている。』

 

時雨「鍵!?それはどこに」

 

妖精『海の底。』

 

はい?何て言った?

 

皆「は?」

 

妖精『海の底だよ。』

 

白露「いーやいや、そんなわけ...え、本当にそうなの?」

 

妖精『俺は嘘を言わん。どうやら春雨は大事に持ち過ぎたようだ。』

 

それを聞くと同時に村雨が空に向けて叫ぶ。

 

村雨「春雨ー!!だから言ったでしょー!?『無くす』から持っていくの止めなさいと!!」

 

時雨「...多分沈んだ時に落としたのかな。」

 

夕立「村雨、空に向けて言ってもムダっぽい。」

 

なんなんですかね?この状況。

 

零「はぁ」

 

妖精『...まぁ言ったら二度と記憶が戻らないって言うことだな。』

 

みんなの空気が重くなる。

 

零「(なぁ、空気重くしてどーすんのさ...)」コソコソ

 

妖精『(仕方ないじゃないですかー。嘘ついたって後でバレてしまうことですしー。)』

 

白露「てか、村雨なんか心当たりあるの?何か叫んでるけど...。」

 

まぁ、そーだよなー。

気になるナーこの時計に関係してるんでしょ?

 

五月雨「...はっ!?」

 

突然、五月雨がまさかって言いたそうな顔をした。

 

時雨「?...五月雨?どうしたんだい?そんな直球を顔面に喰らったかのような顔して。」

 

夕立「ぽい?」

 

五月雨「もしかして、それ。村雨ちゃんが春雨ちゃんにあげた物なんじゃないですか?だってこの前村雨ちゃんが『この時計かわいいでしょ?これね春雨にあげるの。ほら、春雨、もうすぐ誕生日だからね。』って言ってました!」

 

村雨「確かにそうね。私があげた物にそっくりよ。」

 

むむって顔した村雨。

 

白露「もし、本当に零が春雨だとしたら持っていても可笑しくはないよねぇ...」

 

よーせーさーん!!出でおいでー。甘いのあげるからー

 

妖精2『はいー。なんですー?』

 

時雨「わ、妖精さんが増えた...!」

 

零「えっ、そんなに珍しいの?」

 

暗い空気からふっと軽くなった気がした。

 

五月雨「妖精さんって普通工廠や私たちの艤装の中にいますよね?」

 

零「え?」

 

みんな「え?」

 

時雨「えっとね...零。妖精さんは普段から人前に出ないんだ。だから、提督自体も妖精さんに会ったこと無いんだよ。」

 

零「え、そうなの?」

 

夕立「普段から艦娘に付いていってることが珍しいっぽいー。」

 

白露「うーん...零以外で妖精さんが付いていってる人は...由良姉さんだったかなー。」

 

由良...?

 

時雨「(あ、由良さんは四水戦の旗艦を勤めていた艦(ひと)なんだ。あと、物凄く強いよ。)」

 

へぇ、由良って名前聞いたことあるなぁ...いつ聞いたっけ?

 

妖精『(あなたの前世で関係あった人ですよ。)』

 

あぁー...それでかー。

何となく覚えがあんの。

由良って人は最初は四水戦での旗艦を勤めていたんだよな...でも途中から那珂って人に旗艦が変わっていったんだよな...?

そして最期は史実の由良は史実の夕立に雷撃処分されてしまったんだけってな...

うん。運命って残酷だな。

 

五月雨「由良姉さんは三人妖精さんを連れていた気がします!」

 

村雨「うーん、零は見たところ二人くらいかしらね?」

 

零「多分、そうかも。」

 

時雨「一人居てもすごいことなんだけどね。二人居るとは思わなかったよ。」

 

零「...気になる事が一つあるんだけど...」

 

白露「うん?どうしたの?」

 

零「...みんなのパフェのソフトクリーム溶けてるよ?」

 

みんな「ああー!!??私たちのパフェがっ...!?」

 

溶けきってしまったソフトクリームパフェを急いで食べる白露たちでした。

 




零が春雨(前)の生まれかわりだと言うことに驚きすぎて自分のパフェを食べ忘れてたようですね。
この後急いで美味しく頂きましたとさ。
次回、第2艦隊の艦娘たちと出会い演習をします!
次回をお楽しみに!


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第肆話:前半 我、抜錨するっ!!

こんにちは★零雨☆です。
今回は零たちが第2艦隊である翔鶴さんたちと出会う回となっています。
演習したいけど艤装がないっ!!...って事なので工廠にて直ぐ様春雨の艤装を借りていざ翔鶴さんたちに挑みます。演習自体は次回に持ち越します。
さて、続きの 第肆話前半 『我、抜錨するっ!!』をご覧ください。


急いで食べたせいかみんな(私以外)ぐったりした様子だった。

 

白露「とほほ、月に一回あるかないかの特製パフェが...」

 

白露が少々拗ねているが気にしない。

 

夕立「...こんなんじゃあ、取り合うんじゃなかった...ぽい。」

 

後悔をしつつ、長い廊下を歩く。

 

時雨「あはは、次は仲良く食べよ?」

 

妖精2『甘いのーほしいいー!!』ヒョコ

 

妖精『後でやるから黙ってろ。』グイッ

 

妖精2『ひえー』

 

...うるせぇ。

 

五月雨「あれ?妖精さん何か話してます?」

 

零「ん?妖精の声とかはっきり聞こえないの?」

 

時雨「しゃべっているのはわかるんだけど何か話してるのはわからないな。しゃべれるとしたら自分の妖精さんとかしか話せないしね。でも聞こえるようにしたらボクたちにも聞こえるけどね。」

 

妖精2『えっへんなんです!』

 

妖精『さすが我らだ!』

 

おーい、自画自賛しないでくれますー?

慢心してはいけませんって赤い空母の人に教えてもらいませんでしたかー?それともまた岸浪さんに怒られてみる?...ってここには岸浪さんは居ないんだったわ。...不覚...脅し聞かねぇじゃねぇか。

 

零「めっちゃしょうもない事話してるけどね。一生懸命話し合ってる用に見えて。」

 

すると、突然、轟音が響いた。

 

零「うわっ!敵襲!?」

 

時雨「あー、違うよー。演習だよ。ほら、そこに人がいるでしょ?んー多分この時間なら瑞鶴さんたちが演習してるのかな?」

 

瑞鶴「全機発艦!目標、敵旗艦蒼龍っ!」ビュン!

 

白露「瑞鶴さんってかっこいいよねー。」

 

五月雨「あ、蒼龍さん大破しましたね。」

 

...結成が翠ツインテールの方は旗艦が翠ツインテールでそのあとが白髪ストレートでその後が明るめの茶パツの編み込みしてる人で後が芋っぽい顔した人でその後が巫女服を着たロングとショートかぁ...

空母2戦艦2駆逐2ってバランスがいいな。

しかも空母も戦艦も高速艦だな。

速さ戦力重視か...防衛面では欠けているな。

ひと揺らしで崩れて仕舞いそうだ。

 

一方相手の方は空母1戦艦1軽巡2駆逐2って感じだな...砲戦より雷撃戦、夜戦を重視って訳か。

 

時雨「おーい...零?」

 

零「えっあ、え?どした?」

 

夕立「もしかして戦いたいっぽい?」

 

うーむ、たまに動くのも悪くないだろう。

 

零「うん。少し気になるかな。」

 

村雨「ちょーど、瑞鶴さんたちが終わったみたいよ。」

 

瑞鶴「いやー今回は危なかったわー。ありがとね照月。」

 

照月「いえいえ、瑞鶴さんがフォローしてくれたので助かりました!」

 

翔鶴「瑞鶴、照月さんにあまり迷惑かけてはいけませんよ。」

 

瑞鶴「ごめんって翔鶴姉。次から気を付けるよ!」

 

照月「翔鶴さん!私は大丈夫なので!もっと頼ってください!」

 

金剛「WAON!照月ー、立派ネー!!」

 

比叡「ひえー、痛いですー金剛お姉さまー!!」

 

吹雪「あれ?そこに居るのって...」

 

時雨「あ、こんにちは吹雪。こちらは今日着任した零だよ。」

 

零「あ、よろしくです。」

 

金剛「オー!アナタがNew艦娘なんデスネー!!可愛いデース!」

 

ハグしてきた。

 

比叡「ひえー、金剛お姉さまにハグされるなんて羨ましい...じゃなくて!金剛お姉さま、いきなり抱きつかれたらその子驚いちゃうでしょー!?」

 

瑞鶴「ちょっと、金剛型の五月蠅い方。そろそろ離れなさい!」

 

吹雪「金剛型って言ってるなら金剛さんって言った方が早いんじゃあ...」

 

白露「あはは、いつも騒がしいね。」

 

照月「でもみなさん。どうしてここに?」

 

時雨「たまたま、ここを歩いてたんだよ。そしたら零が演習してみたいらしくてね。」

 

金剛「よーし!それなら私たちが相手になるネー!!」

 

瑞鶴「げぇっ!?さっき終わったばっかりなのに...」

 

翔鶴「瑞鶴?」

 

瑞鶴「すみません、やるんでそのオーラ消してください。」

 

五月雨「(翔鶴さんって怒ったら怖いですよね...)」

 

夕立「(あんまり怒らせたらダメっぽい。)」

 

翔鶴「ええっと、零...さんでしたっけ?」

 

零「あ、はい。」

 

翔鶴「今、弾薬を入れて来るのに時間が掛かりますので待ってて貰いますか?」

 

零「あ、はい。」

 

翔鶴「よし、みなさん。補給しに行きましょう。」

 

瑞鶴「(はぁ、めんどくさい...)」

 

翔鶴「ん?」

 

瑞鶴「ごめんなさいなんでもないです。」

 

...ヤバそうだ。

 

時雨「...零、艤装無いけどどうやって戦うの?」

 

零「あ」

 

みんな「え?」

 

忘れてた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

我、工廠なう。

 

明石「まったく...艤装ないのに演習を申し込むなんて...よりにもよって第2艦隊の方々に申し込むなんて...」

 

零「すみません...」

 

白露「ええー...艤装ないのに演習したいって...」

 

時雨「まぁ、そう言うことなんだよ。」

 

明石さんが艤装を探して来てくれてる内に時雨が私の事情を話す。

 

明石「まったく...こんなもんでいいですか?ちょっと、古びてますけど。」

 

駆逐 春雨 と書かれた艤装を渡された。

 

明石「あ、時雨さんたちには内緒ですよ。あの子達、春雨さんの艤装が有るなんて知りませんから。まぁ、白露型の艤装って事は分かるでしょうけど。」

 

零「これって、春雨さんの...使ってもいいんですかね?」

 

明石「バレなきゃセーフですよ。艤装をつけるときに少し痛みが出ますけど耐えてくださいね。...試しに着けてみます?」

 

こくりと頭を縦にふる。

 

明石「よーし!零さん、あたしの前に立ってください!」

 

指示通りにする。

 

明石「えーい!!」ドカーン

 

艤装(春雨の)を私の背中に思いっきり着けた。

それと同時に頭痛がした。

 

零「っ!?...これは」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

春雨『夕立姉さん!!い、今助けますっ!!』

 

夕立『いや、来なくていいっぽい。来たら春雨まで巻き込んじゃうっぽい。』

 

春雨『で、でもっ!』

 

夕立『春雨、今までありがとうっぽい。』

 

ドカーンっ!!

 

春雨『五月雨...ちゃん...?どうして?...どうして夕立姉さんをっ!!』ギリッ

 

五月雨『ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいっ...!』

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

?『春雨ーっ!!直上っ!!』

 

春雨『え?...きゃっ...!!』ドカーン

 

春雨『カヒュッ...!!』ボタボタッ

 

春雨『あ、』

 

ドカーンっ!!

 

春雨『ごめんなさい...白露姉さん、時雨姉さん...もう、逝きますね。』

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

これは...史実の春雨?

いや、これは記憶か...?

 

明石「あ、大丈夫ですかー?問題ないです?」

 

零「大丈夫...です。」

 

目の前に鏡があったので自分の容姿を見てみた

 

どことなく、いつもの自分がいた。

ただ、違うところといえば艤装があるかないかの差ぐらいだ。

 

なるほど...艤装を着けるとこんなものなんだ。

 

着けていない時よりも何だか駆体が軽く、今ならどこへでも走り抜けそうだ。

まぁ、そんなことしたら明石さんに怒られるから止めておくが...さて、どうしたもんか。

これで本当に勝てるのかって言うことだが...

 

?『大丈夫ですよ。あなたなら。』

 

ふと、誰かの声がした。...でも周りには明石さんしかいない。明石さんの声だったとしても声が幼過ぎる。...聞いたところ中学生から高校生くらいの声だ。

 

?『あの...そんなことどうでもいいんで明石さんに反応してあげた方がいいのでは...』

 

後ろを振り返った。

見てみると明石さんが激怒プンプン丸になってました。

 

明石「あのぅー私も暇じゃないんで用事済んだら帰ってくれます?」

 

零「あ、はい。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

時雨「あっ、帰って来たみたいだね。お帰り。」

 

結構待たせてしまったなぁ...いやーワルイワルイ。

 

零「いやーごめんね?結構時間掛かってて...」

 

五月雨「あのー、翔鶴さんたち...もう、来てますよ?...怒られると思うんですけど...。」

 

あ、やべ。

 

白露「急げっ!さもなければ我らは死(地獄のような訓練)が訪れるぞっ!」ダッ!

 

夕立「やだーっ!!死にたくないー!!」ピャー

 

まぁ、何だかんだで翔鶴さんたちのところまで来たけど結局怒られた。

 

翔鶴「まったく...あなた方は約束を守りなさい!...事情は聞きましたが...まぁ、今回はよしとしましょう。...瑞鶴、演習の内容を教えてあげて。」

 

瑞鶴「あ、うん。...えっとね。演習は実戦とは違って実弾は使わないの。代わりにペイント弾を使うようにしているの。色によってダメージの具合いが分かるようにしてあるの、それに対応して艤装の弱体化したりするわ。演習自体には轟沈の判定は無くて大破したら即退場と言うことになっているわ。...まぁ、こんなぐらいかしらね。」

 

零「あー、なるほど分かりました。」

 

吹雪「あの...白露ちゃんたちのグループは駆逐艦しか居ないけど...大丈夫なの?」

 

夕立「大丈夫っぽいー!だって私たちはソロモンの悪夢って呼ばれていたもん!」

 

五月雨「それは夕立姉さんだけの話しでしょ...」

 

村雨「...大丈夫かしら。色んな意味で手遅れな気がするんだけど...」

 

金剛「WAON!ユーダチはwildネー!!...さぁ!早速始めるデース!」

 

緊張するな...

 

大淀「これより、第2艦隊と白露駆逐隊の演習を始めます!」

 

瑞鶴「第2艦隊、旗艦瑞鶴。抜錨よ!!」

 

そういって瑞鶴さんは海を駆け抜けていった。

それに続き、第2艦隊の方々が駆け抜けていった。

 

翔鶴「二番艦、翔鶴。抜錨します!」

 

照月「三番艦、照月。抜錨です!」

 

吹雪「四番艦、吹雪。抜錨しまーす!!」

 

金剛「五番艦、金剛ー!抜錨するネー!!」

 

比叡「六番艦、ひえー...じゃなかった。比叡!抜錨ー!!」

 

...あんな簡単に海を駆け抜けていけるもんなのか...。

 

白露「白露駆逐隊!旗艦白露!抜錨しまーす!!」

 

時雨「二番艦、時雨。行くよっ!!」

 

村雨「三番艦、村雨。いっきまーす!」

 

夕立「四番艦、夕立。ソロモンの悪夢、見せてあげるっ!」

 

五月雨「五番艦、五月雨。抜錨しまーす!!」

 

...次々と抜錨していく。

少々不安を持ちながら、艤装を装着する台?の上に立つ。

 

零「六番艦、零。抜錨するっ!!」

 

言った途端、艤装が私に向けて飛んできた。

私は艤装を掴み、装着する。

そして主砲を掴み、足に魚雷を着ける。

艤装に着けていたであろうチェーンが外され、私は海に出たのであった。




零の脳内に聞こえてくるあの声...一体誰の声なんでしょうかね?もしかすると、零の言う前世に関係有った者かもしれませんね。それと、途中出てきた『岸浪』と言う娘は零の前世で会ったことがあるんですよね。あ、駆逐艦の方ではありませんよ?零と同じ架空艦の一人です。零の発言によると相当仲が良かったんでしょうね。
翔鶴さんは真面目で鬼教官という感じになってますが意外と心配性な性格をしているんです。
あの翔鶴さんのただならぬオーラは妹の瑞鶴さんさえも一歩下がってしまうようです。
吹雪ちゃんは今回初登場と言うことですがやっぱり可愛さが満点ですね。今後も吹雪ちゃんを話に出して行こうかと思っております。さて、次回演習の回となりますが果たして白露たちは第2艦隊に勝てるのか!
次回をお楽しみに!


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第肆話:後半 我、演習なう!

こんばんは★零雨☆です。
前回、零たちは第2艦隊である翔鶴さんたちと出会い、白露型駆逐隊と第2艦隊との演習を申し込んだであった。いよいよ演習の時...零たちは第2艦隊をどう挑むのか...今回は演習の日!

妖精2「敵艦隊発見!直ちに戦闘開始します!撃てー!」ポンッ

妖精2ちゃんもいつも通りにコンディションばっちしですな。可愛いぞ...。

妖精1「そんなことより早く始めないか?」

お、そーだね。話それてしまったね。
さて、第肆話後半 『我、演習なう!』をご覧ください!



うん。海に出て一つ分かった事がある。

我、海に出たことねぇーんだわ。

つまりよ?...私はレベル1なんよ?

おまけに使いなれてない艤装なんよ?

これオワタ。

...まぁ、なるべく努力するが。

 

時雨「...そういえば零って演習初めてかな?」

 

零「うん。今回初だよ。」

 

そのお陰でめっちゃ脚が不安定だがな。

 

時雨「無理しないで、危ないから。」

 

零「あ、うん。分かった。」

 

しかし、なんと言うか駆体が動かしにくいな...

やっぱり演習は早かったかな...。

 

夕立「心配しなくてもいいっぽい。なるべくフォローはするから。」

 

夕立に心配されるとは思わなかったな...そんなに頼りないように見えるのか?

 

五月雨「えっと...ふぁいとです!」

 

可愛いなぁおい。...じゃなかった、いかんいかん。天使過ぎて召されるとこだった。

しっかし、どうするもんかな...

 

村雨「...私たちが勝利できるかしら?不安でしかたないわ。」

 

村雨が言うのも無理は無い。

相手には空母も戦艦もいる。こちらには駆逐艦しかいない。

 

零「大丈夫。英国では駆逐艦のことをデストロイヤーと言われてたんだ。思う存分凝らしめてやろう。」

 

夕立「あはは、零らしいや。...そうね!駆逐艦だからって舐められちゃったら嫌だもんね!」

 

夕立が腹の上に拳を作る。...その手はとても小さかった。

 

白露「よーし!白露型の良さを思いっきり出すゾー!」

 

みんな「おー!!」

 

時雨「っ!敵艦隊発見!交戦よーい!」

 

どうやら敵艦隊が来たみたいだ。

そう、思う存分零型駆逐艦の力を見せてやろうじゃないか!

 

白露「っ!敵襲よ!避けて!」

 

空母による爆撃が私たちに降り注ぐ。

無事にみんな避けれたようだ。

 

瑞鶴「くっ!...避けられた!」

 

翔鶴「瑞鶴。焦ってはダメよ。もっとリラックスして。ゆっくり弓を引くのよ」

 

...うむ、会話的にどうやら瑞鶴さんは翔鶴さんより練度が低いらしい。

悪魔で予測だが。

 

零「...翔鶴さんの方を先に倒す方がいいのかな...」

 

誰も私の言葉に気づいてないようだ。

 

 

時雨「照準を合わせて!撃てー!!」

 

一斉発射した。

 

照月「照月は負けません!」

 

照月が避けた。

 

金剛「一発撃つねー!!フォローミー!!皆サーン着いてきて下さいネー!!」ドォーン!!

 

くそ、打たれたか。

 

五月雨(中破)「きゃーっ!!??」

 

早くも五月雨が被弾したか。

 

白露「っ!...みんな!離脱よ!」

 

瑞鶴さんたちから離れていった。

 

白露「...どうしよう...。思ったより強いんだけど...」

 

そうだろう。相手は第1艦隊に続く強さの艦隊なのだから。

駆逐艦で怯むことはないだろう。

 

夕立「むむ...難しいな...」

 

悩んでる暇などない。相手は空母がいる。

いつ航空攻撃されるかわからない。

白露型は対空能力は低い...、よって被弾する確率が高い。

 

...いや待てよ?相手は空母だろ?空母の欠点って何だ。...思い出せ、前世でも習っただろうが。...ああ、そうか。戦闘機を積める数が少ないんだ。...もし全部撃ち落とせたらその空母はどうなる?...ただの的だ。海に浮かぶただの的だ。空母の欠点...それは戦闘機しか積まれてないということ。つまり、対艦装備はほんの気持ちしか付けられてないということだ。

航空戦艦が空母よりも需要性があったのはこのためだった。航空戦艦だったら戦闘機を失っても対艦装備があるから何とかできるが空母はそれこそ終わりだ。

 

零「...ああ、そういうことか。」

 

時雨「え?どうしたの零?」

 

零「この不利な状況を破る方法がある。」

 

今思ったことをみんなに話した。

それと同時に作戦を提案した。

 

村雨「っ!?それじゃあ零が!?」

 

零「大丈夫、いけるから!」

 

遠くの方で様子を伺っている瑞鶴たち。

 

翔鶴「...あの子。可笑しいですね。」

 

瑞鶴「翔鶴姉?どうしたの?」

 

翔鶴「あの子はレベル1のはず...それなのに航空攻撃を避けれるなんて...」

 

金剛「きっと気のせいネー!!...さぁ、遠くから攻撃しましょー!!」

 

ドオォーーン!!

 

っ!砲撃してきた!

まずい。このままじゃあ白露に攻撃が当たる。

 

妖精『大丈夫だ、そのまま突っ込め。仲間を信じろ。』

 

白露たちとアイコンタクトをとる。

 

そして私はそのまま突っ込む。

白露は避けることが出来たみたいだ。

 

作戦内容はこうだ。

 

まず私が特攻する。相手を混乱させ、航空攻撃をさせるよう誘導する。

その間五月雨と時雨、村雨は駆逐艦を中心的に砲撃する。白露と夕立は敵からの攻撃を避けつつ敵艦隊に接近し煙幕を撒く。

そして私が特攻するとき相手が混乱した瞬間に魚雷を放つ。

 

瑞鶴「っ!接近してくる!全機発艦!」

 

よし!きた!

 

零「敵接近!対空よーい!!」ダダダッ

 

全て打ち落とせた!

 

瑞鶴「なっ!?全て打ち落とされた!?」

 

比叡「ちょっ!吹雪ちゃんたち戦ってー!!」

 

吹雪「ご、ごめんなさいー!!敵の砲撃が邪魔してきて照準が合わないんですー!」

 

時雨には当たるか当たらないかのスレスレを狙ってっと伝えた

 

相手にとって敵からの攻撃は被弾するかしないかだ。もし、目の前に小さな人形が海に浮かんでたとしよう。被弾させず相手を怯ますにはどうするか...なんとなく分かっただろう?

相手より遠くに着弾したら波の影響は少ない。

被弾すればダメージが入る。

でも今回は被弾させることが目的ではない。

遠くに着弾させては相手に影響は無い。もし、ただ浮かんでたのではなく相手がこちらに攻撃しようとしている。それを防ぐにはどうするか。...簡単なことだ。相手の足元に当たるか当たらないかの境目に着弾させればいい。

ただそれだけだ。

考えてみろ。着弾が近ければ近いほど影響は高い。つまり高い波には耐えれきれない。

耐えきれなければもちろん体勢は崩れる。

つまり照準が合わない。

それは被弾率が下がるということだ。

駆逐艦の魚雷は打てなくなる。

それが狙いだ。

 

夕立「ふっふーん!ソロモンの悪夢見せてあげるっ!」パシュー

 

照月「え!?」

 

煙幕を撒いた。

これで空母は発艦できなくなる。

そして照準が合わせにくくできる。

 

瑞鶴「!?...ど、どこに行った!?」

 

翔鶴「零さんが見えませんっ!」

 

金剛「!...そこねー!!見え見えだヨーー!!」ドオォーーン!!

 

金剛の目の前に現れたのは一つのドラム缶。

 

比叡「え?」

 

零「こっちだよ。」

 

金剛の背後に回る。

そう、その影はドラム缶だ。どうだ?丸でそこにいたかのような気がしただろう?

ごめんだけどお命頂くよ。

 

ドオォーーン!!

 

金剛(大破)「そんな...このワタシがっ!?」

 

比叡(中破)「ひえー巻添えですー!」

 

瑞鶴「な!?金剛!?嘘でしょ?!殺られるなんてっ!」

 

白露「白露たちのことも忘れないでよね!」

 

夕立「ぽいぽいぽーい!!」

 

ドオォーーン!!

 

照月(大破)「きゃー!?」

 

翔鶴(小破)「うっ!?...いたたた...」

 

五月雨(中破)「私も負けませんから!」ダダダッ

 

吹雪「うわっ!?当たっ...てない!スレスレ!てか照準が合わないー!!」

 

翔鶴(小破)「...瑞鶴!行くわよ!」

 

瑞鶴「うん!全機発艦!」ビュン!

 

零「駆逐艦だからって...舐めてもらっちゃあいけないなぁ?...撃てー!!」ダダダッ

 

また全機打ち落とせた。

 

ヒューーン

 

?なんか落ちてきてる?

 

時雨「敵機直上!」

 

瑞鶴「かかったわね!念のために発艦しておいてよかったわ!」

 

上には敵機が迫っていた。

 

...だがこれで怯むとでも?

私は何人ぶんの苦労を背負ったか、あの人以外は知らないだろう。

爆弾が落ちてくる?当たる?逃げないのか?...当たる前に掴めばいいだろ?そんなの。

 

...私は爆弾を掴んだ。

 

瑞鶴「は?」

 

白露「え?」

 

金剛「ワーオ!ヤバいのねー!!」

 

そしてそのままドォォオーーン!!!

 

...敵艦隊に突っ込んだ。そして誘爆

 

瑞鶴(中破)「うわぁ!?」

 

翔鶴(大破)「っ!?痛っ!」

 

吹雪(大破)「え!?嘘でしょ?!」

 

比叡(大破)「ひえー!!!突っ込んできたー!!」

 

零(中破)「計画どおりだ!...白露!後は任せた!」ニヤリ

 

白露「いっくよー!!撃てー!!」ドオォーーン!!

 

白露から魚雷が放たれた。

 

そして大きな爆発がおきた。

 

ドドーン!!

 

瑞鶴(大破)「嘘っ...でしょ...?」ガクッ

 

白露「...やったー!!」

 

大淀「えっと...勝者白露駆逐隊!」

 

白露たちは喜びに満ちていたのであった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

戦績発表

第2艦隊 D敗北

 

旗艦 瑞鶴 白露ニヨリ大破

二番艦 翔鶴 零ニヨリ大破

三番艦 照月 夕立ニヨリ大破

四番艦 吹雪 零ニヨリ大破

五番艦 金剛 零ニヨリ大破

六番艦 比叡 零ニヨリ大破

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

戦績発表

白露駆逐隊 S勝利

 

旗艦 白露 損傷ナシ

二番艦 時雨 損傷ナシ

三番艦 村雨 損傷ナシ

四番艦 夕立 損傷ナシ

五番艦 五月雨 金剛ニヨリ中破

六番艦 零 特攻ニヨリ中破

 

勝者白露駆逐隊!




何とか無事に勝てたみたいですね。
惜しまず悔やまず何事にも突っ込んでいくスタイル(物理的)が特徴的な零ですね。突っ込んでいったせいか中破してしまいましたけどね。
金剛さんのイメージっていつもハイテンションで会話になにかしら英単語が入ってそうなイメージ(偏見)があるんですよね。やっぱり吹雪ちゃんは可愛い。(付き合いたい。)吹雪ちゃんと照月ちゃんたちは余り出番が無かったのですが一場面に何人も話させる力が作者にはありません!(謝罪)結果的にモブの立ち位置にさせてしまったので二人にはすごく申し訳ないです(泣)。
吹雪ちゃんたちはちょくちょくお話しに登場人物として登場させようかと思っております。さて、話は変わりまして次回、演習後に零は翔鶴さんに声をかけられます。

翔鶴「...さて、大事なお話し...しましょうか...(ゲス顔)」

おー怖い怖い。翔鶴さん、黒いオーラ出てますよー。
ゲス顔でお話しはしませんが零に興味を持った翔鶴さんは零に重大な任務(?)を任せます。
次回をお楽しみに!


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第伍話 我、弟子入りする!

こんばんは★零雨☆です。
前回、翔鶴さんたちと演習を行った零たちは何とか勝利することが出来たみたいですね。
さて、今回は演習後に零は翔鶴さんに声をかけられます。瑞鶴さんの弟子となることになった零はいざ瑞鶴師匠と個人演習...のはずが翔鶴さんと瑞鶴さんは提督に呼び出されてしまいます。
やることが無くなってしまった零はブラブラと鎮守府内を歩きます。見ため駆逐艦な関西弁の艦娘(軽空母)に絡まれたり、妖精二人を連れて甘味処間宮の所に行ったりしますが暖かく見守ってくださると嬉しいです。
さて、話はこれぐらいにして第伍話 『我、弟子入りする!』をご覧ください!


大淀「これにて演習を終了いたします!艦隊のみなさん、お疲れ様でした。」

 

いやー手答えあった。

しっかし、敵に見られないようにこっそりと発艦するっていうのには驚いたな。

さすがにただ者じゃないってことか。

うむ、今度は不意討ちされないように気を付けるか。

 

翔鶴「あの...零さん。」

 

翔鶴さんに呼び止められた。

何だろうか、はっ!もしかして禁止行為をしていたのか!?

 

零「はい、どうしました?」

 

白露「零ー!こっちに来ないのー?」

 

白露の声が耳に届いた。

 

時雨「ダメだよ白露。今翔鶴さんが話しているじゃないか。...ああ、ごめんね!翔鶴さん零。ちょっとボク白露を叱りにいくからまたね!」

 

...白露は首元を時雨に捕まれ、そのまま引きずって行った。

そのあとをついていくかのように五月雨たちが帰っていった。

 

零「えっと、それで...なんでしょうか?」

 

翔鶴さんは悩んでる顔をした。

しばらく静かだったがすぐに口が開いた。

 

翔鶴「あなた。何者かしら?」

 

零「へ?」

 

何者...だって?...いや、ふつーの艦娘ですが...何か?

 

零「えっと...至ってふつーの艦娘ですよ?...どうしました?翔鶴さん。」

 

翔鶴「...レベル1なら海に立つことすらできないはず...それなのに貴方は海に立つ事が出来てそのうえ対空射撃も出来るなんて...対空射撃は相等練習しないと出来ないことなのよ?...本当に貴方はレベル1なのかしら?」

 

そうなのか?...てっきり海に立つ事が出来るもんだと思ってたが...

どうやら違うみたいだ。...と言うことは私はイレギュラーなのか?

でも、自分の練度を見直してもレベル1なので正直に答える。

 

零「はい、レベル1ですよ?...よかったら書類見せましょうか?」

 

書類を翔鶴さんに見せた。

 

翔鶴「...確かに本当のようですね。」

 

そう言って翔鶴さんは書類を返してくれた。

そして翔鶴さんはしばらく悩み、驚きの言葉を発する。

 

翔鶴「あの...零さん。お願い事があるんです。」

 

零「え、はい?何ですか?」

 

翔鶴「妹を...いえ、瑞鶴を護って欲しいんです。」

 

はいー!!??...え、つまり護衛ってこと!?

 

零「えっと私は大丈夫ですけど...どうして私に...」

 

翔鶴「最近瑞鶴が被弾する事が多くなったんです。...よりにもよって空母に。...一度瑞鶴を失ってしまったことがありました。...もう瑞鶴を失いたくないんです。...対空能力が高い貴方なら瑞鶴を護ってくれると思ったんです。」

 

そうか...それで出合ったときに被弾したことに抵抗が会ったんだ。

 

零「...分かりました。ひき受けましょう。...でもいつもいるにはどうすれば...」

 

翔鶴「そうだ!こうしましょう!」

 

なんか思い付いたようだ。

 

翔鶴「零さんが瑞鶴の弟子として入ればいいんです!」

 

零「え、」

 

翔鶴「ええ!そうしましょう!...ついてきて!」グイッ

 

強引な人だなー。

まぁ、なかなか強い人の弟子に入れることはうれしいけど...なぁ。

 

妖精『少しは我慢してくださいよー...』

 

そして連れてきた場所は休憩室だった。

そこにはさっき闘った人達がいた。

 

翔鶴「瑞鶴、こっちに来なさい。」

 

瑞鶴「え、何?どうしたの翔鶴姉。」

 

翔鶴「瑞鶴の弟子に入りたいって言う子がいるの」

 

零「あ、こんにちは。先程闘って頂きました零です。よろしくお願いします。」

 

瑞鶴「あたしに弟子!?...本当なの?」

 

...めっちゃキラキラしてるやん。

 

妖精『わいも思った。』

 

翔鶴「うふふ、良かったわね。」

 

 

 

瑞鶴「じゃあ早速始め...

ガチャ 大淀「瑞鶴さん、翔鶴さん。提督が御呼びです。」...ちぇ...。」

 

翔鶴「仕方ないですね。零さん。中途半端で申し訳ないですが訓練は次の時にしましょうか。」

 

零「はい。よろしくお願いします」

 

そう言うと翔鶴さんたちは休憩室から出ていった。

 

さて...どうしようかな。

する事なくなっちゃったな。

 

?「ちょいそこの君ー。」

 

誰かに声をかけられた。...背丈が小さいな。駆逐艦かな?

 

?「ちょっと失礼な奴やなー。誰が駆逐艦やねん。うちは軽空母や。」

 

零「はぁ。」

 

?「んで君ー。空母の弟子になるなんてどーいうことや?」

 

零「はぁ。」

 

?「駆逐艦と空母の見分けも出来んのか?止めときな、速力も違えば役割も違うようなやつが弟子入りなんて出来るわけない。あんたは駆逐艦、瑞鶴は空母。真反対の役割をもつやつが勤まるわけない。じゃあな。」

 

妖精『...散々悪口言って行きやがりましたね』

 

さっきの人は誰だったんだろうか。

 

零「(嵐のようだったな...)」

 

まぁ確かに一般的には駆逐艦が空母に教えてもらうなんて有り得ないだろうな。

駆逐艦は砲艦。空母は戦闘機が中心の艦だもんなぁ。

しっかし、どうするもんかな。

瑞鶴さんたちは司令のとこに行ったしさっきはクレーマーには文句は言われルワー...

 

妖精2『あらしーですー。ぜろのことをばかにするやつなんていやなのです。』

 

妖精2さんがポンッと腹の上に拳を置いた。

 

妖精2『機銃でぼこぼこにしてやるのです。』

 

おー物騒物騒。

どこかのプラズマのようだ。

 

...妖精2とか名前無いんだよなぁ。

せっかくなら名前つけてあげたいな。

妖精...妖精...。

妖精1がようちゃんで妖精2がせいちゃんはどうだろうか?

分かりやすくていいだろう?

 

妖精『そうだな。じゃあ俺がようちゃんだな。』

 

妖精2『それでわたしがせいちゃんですー!』

 

せいちゃん『名前、貰えてうれしいですー!』

 

ようちゃん『そうだな。』

 

嬉しそうでなにより。

 

せいちゃん『それよりもこれからどーするのー?』

 

ようちゃん『俺は腹が減った。何か食いたい。』

 

んーたしかにお腹すいたなぁ。

そうだ!時雨から教えてもらった甘味処間宮に行こう!

 

せいちゃん『そうしましょー!!』

 

ようちゃん『ふん!...べ、べつにうれしい訳じゃあないぞ?...あ、だがべつにいらないわけではないぞ!?』

 

はいはい分かってるって。

ようちゃん必死過ぎ(笑)

さぁーて、行きますか!

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

何やあいつは...。駆逐艦が空母である瑞鶴に弟子入りするって?

あかんあかん。舐めすぎや。空母を舐めてもらっちゃーいかんよ。

思わず声かけてもーたがな。

 

龍驤「ちょいそこの君ー。」

 

何やこいつ。明らかに駆逐艦として見てるやろ...

 

龍驤「ちょっと失礼な奴やなー。誰が駆逐艦やねん。うちは軽空母や。」

 

?「はぁ。」

 

絶体聞いてないやろ。

明らかに生返事な言葉やな。

 

 

龍驤「んで君ー。空母の弟子になるなんてどーいうことや?」

 

?「はぁ。」

 

何やこいつ。さっきから同じことしか言わへんやん。

 

龍驤「駆逐艦と空母の見分け方も出来んのか?止めときな、速力も違えば役割も違うようなやつが弟子入りなんて出来るわけない。あんたは駆逐艦瑞鶴は空母。真反対の役割も違うようなやつが勤まるわけない。じゃあな。」

 

ふぅー。いい気分や!言いたいことはやっぱり言わんくちゃな!

あースッキリスッキリ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

いやーついたついた。

演習場から甘味処に行くのは遠すぎるな。

演習した後はやっぱりお腹すくなぁ...

本日二度目だけれど良いよね!

 

零「...てかやっぱり美味しそうだなぁ...。」

 

せいちゃん『なのですー!』

 

どれも美味しそうだからつい悩んでしまうな。

んー...二人に聞くか。

 

零「なぁ、ようちゃん、せいちゃん。何食べたい?」

 

せいちゃんの方はキラキラと目を輝かせフルーツパンケーキを見ている。

ようちゃんの方は...意外と渋いもんを食べるんだな...。『あんこずっしり白玉庵団子』...ねぇ。それよりも量多くない?

 

せいちゃん『このフルーツパンケーキが食べたいですー!とても美味しそうですー!』

 

むむ...!1580円...だと!?

高いなぁ...。あ、でも艦娘割ってのが有るみたいだな。ほんほん...三割引ねぇ...てことは1106円ってことかぁ。お財布...金有ったかなぁ。

 

ようちゃん『うむ。俺はこの団子が食べたい。』

 

団子の方は...580円か三割引だから406円か。

んー合計で1512円だな。

ん...財布には二千円札があるな。

これで払うか。

 

零「すみません。このフルーツパンケーキとあんこずっしり白玉庵団子をください。」

 

間宮「はーい。金額は1512円ですー。」

 

二千円札を渡す。

 

間宮「お釣りは488円ですー。ゆっくりしてくださいね。」

 

お釣りをもらって席につく。

 

しばらくして頼んだ物が運ばれてきた。

 

間宮「こちらがフルーツパンケーキとあんこずっしり白玉庵団子です。ごゆっくりどうぞー。」

 

...ものすごく美味しそうだ。

 

せいちゃん『わーい!美味しそうなのですー!』

 

ようちゃん『ヤバい...よだれでそう。』

 

早速いただきます。

 

零「...!?」

 

なぁにこれ。旨すぎるんだけと。

 

せいちゃん『はぁーしあわせですー』

 

ようちゃん『...蕩けるぐらい旨い。』

 

二人とも絶賛している。

顔がふやけたみたいになってる。

かわいいなぁおい。

 

せいちゃん『甘じょっぱくて美味しいですー。』

 

二人とも喜んでくれてるなら多少金額が高くても許せるな。

 

零「そう。それは良かった。」

 

食べ終わると甘味処間宮をでた。

さぁーって次はなにしよーかな。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

???「フフ...アノ艦娘ハトテモ強ソウダナァ?...ネェソウデショ?空母水鬼。」

 

空母水鬼「フン、アンナノ屁デモナイワ。ナニカノ見間違イジャナイカシラ?空母棲鬼サン?」

 

?「アノ~...ソロソロ降リテクレマセン?オモインデスケド...」

 

空母棲鬼「ウルサイワネェ...アンタハ黙ッテナサイヨ。駆逐水鬼。」

 

空母水鬼「ソロソロオリタラドウデス?〃空母オバサン?〃」

 

空母棲鬼「ナァ!?オバサンッテキコエタンダケド!?ア?ケンカウッテンノカ?」

 

...海の上で三人?の騒ぎ声が聞こえたと鎮守府の艦娘たちが数々と噂になっていた。

 




妖精二人は名前もらえて嬉しいみたいですね!
妖精1の方がようちゃん。妖精2の方がせいちゃん...という名前になっております!
翔鶴さんから重大な任務を任せられたみたいですね。
瑞鶴さんの護衛任務...。
何だか緊張する!!...話の最後に怪しい三人組が居ましたね。空母水鬼に駆逐水鬼ちゃんに...空母オバさん?

空母棲鬼「オバサンジャナイワ!!」

あぁ、そうそう。空母棲鬼でしたね。
この人物(人物って言ってもいいものなのか?)はこのストーリーに凄く影響のあるキャラなんですよね。
いつの日か戦う時があるのでしょう(多分)。
さて、話は変わりまして次回、零は深海棲艦を拾います。...だが拾ってしまった事で鎮守府が大変な事に!
次回をお楽しみに!


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第陸話 我、深海棲艦を拾う!

こんばんは★零雨☆です。
今日は正規空母の翔鶴さんの進水日みたいですね。翔鶴さん、お誕生日おめでとう!

翔鶴「あ、えっと...ありがとうございます?」

さて、話は変わりまして...前回、瑞鶴さんの弟子となった零は早速個人演習をしようとしますが提督に呼び出されてしまって演習が出来なかったみたいですね。
さて、そんな翔鶴さんたちが提督に呼び出されたのは鎮守府付近の海域で姫級の深海棲艦が居るとの情報が入ってきたみたいですね。
そして、翔鶴さんたち第二艦隊は出撃しにいきました。
まだ、襲撃に遭っていることに気付いていない零たちは海辺に倒れていた一人の少女を助けます。
...しかし、その少女の肌は何だか白っぽい...。
その少女を助けたったせいか大変な事になってしまいます。さて、続きの第陸話 『我、深海棲艦を拾う!』をご覧ください!


甘味処から出た後、零は不思議な人物と出会った。

 

???「烈風...オイテケ...」

 

何か肌白い子供に会いましたけどどうすればいいんですかね。しかも倒れてるし。

 

零「...起きてるのかな?」ツンツン

 

その子の頬をツンツンと触ってみた。

...ふつーの人より肌が冷たい...。

はっ!...もしかして死んでる!?...んなわけないか...。ちゃんと呼吸してるみたいだし大丈夫だろう。しっかし、こんなところで子供が居るなんてな...いや駆逐艦も子供なんだけどさ?どっからどう見ても小さい女の子なんだよなぁ。んー、見ためは...小学生低学年くらいかな?白露たちは子供でも中学生ぽいしなぁ。

ねぇ、せいちゃん、ようちゃんこの子生きてる?

 

せいちゃん『心臓機能異常ナーシ。』

 

ようちゃん『身体も異常ナーシ。』

 

うん。問題無さそうだな。

しかし、どうしよう。迷いこんで来たなら親御さん、探さないとなぁ。

 

?「どうしたのよ?そんなところで。」

 

誰が声をかけて来た。

 

零「えっと君は...」

 

霞「駆逐艦霞よ。...んで?その子どうしたの?」

 

零「海辺に倒れてて...呼吸はしてるから大丈夫だと思うけど。」

 

ジロッと睨む霞。怪しんでいるみたいだ。

 

霞「ふん、まぁ、レベル1のあんたが深海棲艦を連れてくるなんて有り得ないわね。」

 

呆れたように話す霞。

 

霞「まぁ、それは医療室に連れていくからあんたも手伝いなさい。」

 

そう言って子供の頭部を、上半身も掴んだ。

そして私は下半身を掴みそのまま医療室まで運んだ。

 

???「ンー」

 

魘されているみたいだ。

 

霞「...多少魘されてるけど異常無いわ。この子が目を覚ましたら知らせてあげる。それまで好きにしなさいな。」

 

案外優しい人なんだな。目ためめっちゃきつそうに見えるけど。

 

零「うん分かった。ありがとう。」

 

そう言ってその場から立ち去った。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

空母水鬼「フフ...敵ノ弱ッテルトコロヲ見テモ助ケテアゲルナンテ...意外ダワ。デモ、本当ニアレガ我々ノ希望ニナルトイウノカシラ?」

 

...そう言って空母水鬼は遠くに居る零を見つめているのであった。

 

空母水鬼「マァイイ...人類ノ希望ニナルナラバ早ク始末シナクチャネ。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

うっ!?...何だか寒気がするような...。

 

せいちゃん『気のせいなのですー。』

 

ようちゃん『...大丈夫か?』

 

二人に心配されてしまったな...いかんいかん。

只でさえ岸浪さんがいないのに余計に心配させちゃあ駄目だよなぁ。

しっかし、あの子が深海棲艦とは...てっきり魚型とかしか居ないのかと思った。

...深海棲艦を助けて大丈夫だったのだろうか。

 

ようちゃん『出撃~!いえーい。』

 

せいちゃん『なのですー!』

 

ようちゃんとせいちゃんが兵隊ごっこをしている。

 

ようちゃん『敵艦発見!砲戦よーい。』

 

せいちゃん『てー!』ポン

 

手のひらサイズの球が床に落ちる。

...BB弾。危ないから撃つのはやめよう。

 

せいちゃん『はぁーい。』

 

活発な妖精なことだ。

元気なことは良いことだけどさぁ...?ねぇ?

 

零「次そんなことしたらおやつ禁止だよ。」

 

せいちゃん『えーヤダー。けちー。』ポカポカ

 

小さい手でポカポカと叩く。

痛くも痒くもないんだがな。

 

零「飴ちゃんでも舐めときな。」

 

二人に飴を渡した。

 

せいちゃん『やったーなのですー。』

 

ようちゃん『ん。』

 

単純過ぎるでしょ...。

 

しっかし、どうするもんかな。

正直言ってやることが無い。

と、思ってたら誰かに声をかけて来た。

 

?「おいそこの貴様。」

 

零「はい。何ですか?」

 

?「明日から学校に来るんだぞ。初日からサボったりするなよ?」

 

あ、そーいう話ですか。

 

?「因みにだが、私の名前は那智だ。妙高型重巡洋艦二番艦だ。覚えておくがよい。」

 

うん。知ってた。

 

零「はい!こちらは駆逐艦零です!よろしくです!」

 

那智「うむ。挨拶もバッチリだな。なるほど...これが期待の新人って訳か...。」

 

そんな見つめられたら恥ずかしいんですけど。

 

那智「そうだ、貴様の教室は『駆逐弐組』のところだぞ。勿論、担任は私だ。私が担任になった以上戦力の遅れは出させないぞ!」

 

...説明を受けて分かった事だがどうやら組分けをしているらしい。

駆逐弐組のように壱組、参組、肆組が居るみたいだ。

駆逐壱組担任が妙高型重巡洋艦三番艦『足柄』

駆逐弐組担任が妙高型重巡洋艦二番艦『那智』

駆逐参組担任が妙高型重巡洋艦四番艦『羽黒』

駆逐肆組担任が妙高型重巡洋艦一番艦『妙高』

 

そして学習難易度は壱組=弐組<参組<肆組と言ったところだ。

 

壱組弐組は新人でも学習出来るよう分かりやすい説明を受けて学習する。

 

参組は少し難易度が高く、成績を上げたい人、手応えを感じたい人向けのクラス。少ししか説明を受けず後は自分で考え、実践する。

 

肆組は一番難易度が高く万年遠征組でも難しいとされている。攻略組に入りたければここに加入するしかない。説明はせず自分で考え、実践する。個人演習も行われる。

 

※遠征組は相当レベルが無いと組まれる事はない。初出撃は大体遠征だという。

 

那智「分からないところが有ったら何でも言ってくれ、少し騒がしいクラスだが仲良くしてやってくれ。」

 

零「はい。わかりました。」

 

那智「明日からだからな!遅れるなよ。」

 

そう言って那智さんはその場から立ち去った。

 

楽しみだな...。

どんな人が居るんだろう。

 

せいちゃん『きっと優しい人だと思いますよー。』

 

ようちゃん『零をいじめるやつはゆるさん!』

 

大丈夫大丈夫。心配しなくてもいいよ。

 

ようちゃん『そうなのか?』

 

うんうん。安心して!そんなに私弱くないから!

 

せいちゃん『駆逐イ級すら手こずるのでーす。やーい弱っちぃー。』

 

やめて!それは言わないで!恥ずかしいから!

...てか周りに誰もおらんわ。それならば安心。

 

 

零は海を見つめる。

その海は少し青黒かった。そして太陽が水平線に沈みかけていた。

 

...今日はあっという間に時間が過ぎたな。

始め来たときどうしようかと思った。

突然目覚めたと思ったら海の上に居るし、鎮守府に行こうとすれば網にはかかるわー...まぁ、時雨に助けてもらったんだけどね。

しかし、私は思う。

 

零「(姉妹がほしい)」

 

周りみたら姉妹姉妹姉妹。

みんな姉妹なんよ?...まぁ一部姉妹が居ない人も居るけどさぁ...明石さんとか明石さんとか。

...司令は兄弟とか居るんかな?

はぁー...正直言ってうらやましい。

だってさ?考えてみなよ?ひとりっ子よりも絶対楽しいって。ひとりっ子は寂しいんよ?分かる?

 

ようちゃん『まぁーた始まった。御得意の妄想。』

 

だまれ妖精(小僧)。貴様も阿呆な顔して寝惚けてるだろうが。

 

ようちゃん『しらん。』

 

...こいつ。

 

せいちゃん『どうどう。落ち着いて落ち着いて』

 

せいちゃんはやっぱりかわいーな。君はいつも優しくしてくれるから好きだな。

 

せいちゃん『えへへー。』

 

...ついに日が落ちた。

夜の海はすごく綺麗だな...。ん?海の上に...何か居る...?

 

零は目を擦らせる。再び海の上を見た。

しかし、その海には人の姿が無かった。

 

気のせいか...。うん。一旦部屋に帰るとしよう。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

一方そのころ白露たちはー。by時雨

 

白露「いやーすごい子が来たよね。一番のあたしでも驚いたよ...」

 

ボクもすごく驚いた。

まさか零があんな作戦をするなんて思わなかったし、突っ込んで行くなんて考えられないよ...。

 

五月雨「そうですよね...」

 

村雨「...うーん。」

 

...?どうしたんだろう。

村雨がどうやら悩んでいるらしい。

ボクは気になったから村雨に声をかけた。

 

時雨「村雨?どうしたんだい?」

 

困らせた表情(かお)をして村雨は言った。

 

村雨「零って...本当にレベル1なのかしら?」

 

...確かに普通に考えれば可笑しいこと。

普通の艦娘ならレベル1だったら海の上で立つことすら難しいはずさ...

ボクだって初めは立つのが難しかった。

でも由良さんのおかげで他のみんなよりも早く立つことができた。

...それでも1ヶ月は立てなかった。

それなのに零は...立つことができた。

 

時雨は演習の時の会話を思い出す。

 

時雨『...そういえば零って演習初めてかな?』

 

零『うん。今回初だよ。』

 

...嘘ついているようには見えなかった。

零に出会った時のことも思い出す。

 

零『いやー、それがね?目が覚めたら海の上に居たんよ?んで、近くにここが有ったからつい来ちゃった』

 

...本当にレベル上げていたとすればそんな嘘をつくことはできないはず。

だとすると本当にレベル1なのかな...?

 

白露「おーい時雨ー。...大丈夫?」

 

白露に声をかけられた。

はっ、しまった。いつものように考え込んでしまったようだ。

 

時雨「あぁ、うん。大丈夫。」

 

ボクは慌てて返事をした。

...どうやら考えてた事はバレてないようだ。

 

夕立「...それで、零は本当にレベル1なのかな。」

 

白露「うん!絶対にそう!だって嘘つく人じゃないじゃん?」

 

...白露もボクと同じく零はレベル1だと思っていたようだ。

 

白露「だから...

 

コンコン...とドアに鳴る。

 

零「ただいま帰還!」ガチャ

 

どうやら零が帰ってきたらしい。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

部屋の中みんなお行儀よく正座してるけどなんか新しい遊びでもしてんのかな?

真剣そうな顔してるけど...まぁ、細かい事は気にしないようにしよ。

 

時雨「や、やぁ。おかえり零。」

 

時雨が顔を引きつかせて話す。

 

零「顔引きずってるけどどうした?」

 

みんな)ギクリ

 

白露「...あ~そうだー。ほら!みんなお腹空いてない!?食堂に行こう!さぁ!」グイッ

 

白露が私の腕を引っ張る。

 

五月雨「うん!そうしよう!うん!」

 

夕立「早く行くっぽい~!」

 

何か話そらされた気がするんですけど。何故だ。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ー食堂にてー

 

~今日のメニュー~

.ハンバーグ定食

.刺身定食

.焼肉定食

.焼き魚定食

 

白露「わー...美味しそうー。」

 

白露が目を輝かせメニュー表を視る

...好きなのかな焼肉定食。

 

時雨「んー...ボクはこれにしようかな。」

 

時雨が指差したものは刺身定食。

 

五月雨「わたしはハンバーグが食べたいかなー。」

 

...どれも美味しそうだ。

...わたしは何にしようかな。

焼肉...美味しそう。

 

せいちゃん『焼肉美味しそうなのですー!』

 

夕立「鳳翔さーん!私、刺身定食が食べたーい!」

 

夕立が元気よく話す。

受け取りカウンターのところからひょこっと顔を覗かせた鳳翔?さんがいた。

 

鳳翔「はいはーい、夕立ちゃんは刺身定食ね。」

 

時雨「ボクも刺身定食で。」

 

白露「私、焼き魚定食でー!」

 

村雨「口臭くなるの嫌だから刺身定食にするわ。」

 

五月雨「ハンバーグ定食でお願いします!」

 

零「私焼肉定食で」

 

鳳翔「あら?貴女、新人さん?」

 

そう言えばあんまり人と会うことが無かったな。

 

零「はい、私は駆逐艦零です。よろしくお願いします。」

 

背筋を真っ直ぐにして挨拶をする。

 

鳳翔「私は軽空母の鳳翔です。こちらこそよろしくお願いしますね。」

 

丁寧にお辞儀をする鳳翔さん。

 

鳳翔「では私は料理を作ってくるのでちょっと待っててくださいね。」トコトコ

 

そう言うと奥に引っ込んで行ってしまった。

 

時雨「(鳳翔さんはね、実は元主力艦隊の一員だったんだよ。)」コソコソ

 

え?そうなの?

鳳翔さんって強いんだなぁ...。

あれ?でも出撃してるとこ見たことないような...。あ...元...なのか。

事情は分からないがあまり深入りするのは良くないな...。

 

立ったままはさすがにキツイので席についた。

 

夕立「鳳翔さんはとっても強いっぽいー。」

 

そうなのか。

 

五月雨「主力艦隊の皆さんって本当に強いですよねー。」

 

やはり主力艦隊と名乗れるほどだからだろうか。

 

時雨「大和さんには敵わないよね」

 

大和...?何だか聞き覚えがあるような...?

 

白露「うん...あの長門さんでも苦戦するぐらいだもんね。」

 

長門「私がどうした?」ヒョコ

 

長門?さんらしき者がヒョコと顔を覗かせた。

 

村雨「あ...!...いえ何でも無いです。」

 

長門「む...何か呼ばれた気がしたが気のせいか...。ん?貴様は...最近来た新人か?...はじめまして、私は長門だ。よろしく頼む。」

 

長門さんが手を差し伸べた。

私は握手をしながら自己紹介をした。

 

零「駆逐艦の零です。こちらこそよろしくお願いします。」

 

長門さんはニッコリと笑い。

 

長門「あぁ!貴様の活躍を期待しているぞ!(あぁ!...また駆逐艦だ!モフモフしたい!)」

 

ゾクゾクッ...!

 

白露たちは悪寒を感じた。

 

長門さんは自分の席に戻って行った。

 

白露「(今日も長門さんヤバかったね...)」

 

夕立「(あれはもう...獲物を狙ってる眼だったよ...)」

 

時雨「(零...気を付けてね?...長門さん。相当ヤバいから。)」

 

そんなにヤバイのか...?

...もしかしてロリコンなのだろうか。

 

せいちゃん『(ヤバイですー!)』

 

変な空気になっていたとき料理が運ばれてきた。

 

鳳翔「刺身定食3つ、焼き魚定食一つ、ハンバーグ定食一つ、焼肉定食一つです。」

 

みんな「わぁ...美味しそう。」

 

みんなキラキラさせて見つめる。

ものすごく美味しそうだ。

 

みんな「頂きまーす!」

 

モグモグと食べ始める。

ものすごく美味しい。

 

白露「ふふっ...今日も楽しいね!」

 

白露が笑顔を見せた。

ーあぁ、歓迎されてるんだなって私は思った。

ずっとこんな日が続けばいいのになと思った。

 

...白露たちと楽しく会話しているときだった。

鎮守府内で混乱が起こったのは。

 

大淀『緊急事態発生!緊急事態発生!』

 

スピーカーから大淀さんの声が聞こえた。

 

白露「え、何?」

 

時雨「...出撃かな?」

 

大淀『深海棲艦姫級が鎮守府に接近!戦闘が行える方は直ちに出撃してください!...繰り返します...!...』

 

どうやら襲撃に合ったらしい。

しかも上位体。

...なぜこんなに焦っているのだろうか...。

 

大淀『現在、主力艦隊が出撃できません!ただいま第2艦隊が戦闘中です!』

 

...なるほど。主力艦隊がいないから手こずってるのか。

 

白露「よし!みんな!出撃するよ!」

 

白露が突然衝撃的なことを言った。

 

五月雨「ええ!?...で、でも私たちじゃあ力にならないんじゃあ...。」

 

五月雨が弱音を吐く。

確かにそうだ。私たちは駆逐艦。相手は戦ったことのない姫級の深海棲艦。

 

白露がバンッとテーブルを叩いた。

 

白露「私たちが行かなきゃ誰が行くの!...そんなんじゃあ誰も守れない!私たちがやらなきゃだめなの!ほら!行くよ!...(もう二度とあんな思いなんてしたくないから...。)」

 

力強く白露は言った。

最後らへんはよく聞こえなかったが守りたいと言う気持ちはよくわかった。

 

村雨「そうね!出撃しなくちゃね!」

 

時雨「うん。そうじゃないとボクたちらしくないよね。」

 

夕立「ソロモンの悪夢を見せつけるっぽい!」

 

五月雨「が、頑張ります!」

 

みんな元気つけられたようだ。

...よし!私も頑張ろう!

 

???『白露たちをよろしくお願いしますね。零。』

 

...また、あの声が聞こえた。

あの人の声に似てることはきっと自分の気のせいだろうと思った。

 

白露「そうと決まれば出撃よー!!」

 

...そう言って私たちは出撃に向かうのであった。

 




いきなりの出撃ですね...深海棲姫が現れて第二艦隊が苦戦しているみたいですね。
そこで零たちは援護しにいくみたいですね。
...しかし、話の途中にあった白露ちゃんの『もうあんな思いなんてしたくない。』と言うのがとても気になりますね...。きっと白露ちゃんは過去に辛いことでもあったんでしょうね...。
さてと、話はこれぐらいにして...次回、零たちは第二艦隊を救出するために出撃します!

零「あのー...これ初出撃なんやけど...大丈夫?」

大丈夫大丈夫、問題ないさ!(多分)
うん、何とかなる!

ようちゃん「...何だか無責任な...。」

さてとようちゃんのことはほっておいといて...
出撃した零たちは謎の深海棲艦と出会して...その深海棲艦は時雨たちが知ってるあの深海棲艦だった...
続きは次回にてお楽しみに!


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第漆話:前半 我、出撃する!

こんばんは★零雨☆です。
前回、零たちは夕食を食べている時に深海棲姫から奇襲をかけられてしまいました。
交戦中の瑞鶴さんたちは港湾棲姫に大苦戦中で大ピンチ。急げ!白露駆逐隊!
...って事で今回は出撃をメインにした話となっております。少々話が長引いてしまい、前半戦後半戦と分かれております。白露駆逐隊は無事に瑞鶴さんたち、第二艦隊を救えるのか...駆逐艦零!抜錨する!!
さて、続きの第漆話前半 『我、出撃する!』をご覧ください!


一方、第2艦隊では強敵の深海棲艦相手に苦戦していた。

目の前には陸にいるはずの港湾棲姫...。

何故本拠地から遠いはずの鎮守府に奇襲を仕掛けたのかは誰もが分からなかった。

 

瑞鶴「敵接近!回避運動始め!」

 

敵からの航空攻撃を避ける。

もう既に照月と比叡は中破している...。

爆撃機も戦闘機も数少ない...。

戦闘には長く持たないだろう...。

そう悟った瑞鶴。

相手に...港湾棲姫に勝てるにはどうすれば...!

 

金剛「...意外としつこいデース...。傷一つもついてまセーン。」

 

...そう。港湾棲姫に航空攻撃したり砲戦したり雷撃戦をしているのに...傷一つもつかない。

提督に聞いたときはまさかとは思ったけれど...。陸にいるはずの港湾棲姫が接近してるなんて思わなかった。

 

比叡(中破)「恋も戦いも負けません!...だとしても...これは強すぎる...!」

 

港湾棲姫「アノ子ヲッ...!帰シテ!」

 

...先程からこんな風に言っているのだ。

アノ子...とは誰のことを示しているのかそのとき瑞鶴は分からなかった。

 

吹雪「...あの子...?誰の事を示しているんですかね...」

 

確かに言動的にはまるで仲間を捕らえられたかのような言い方をしている。

だが、深海棲艦を捕虜にした覚えはない。

そもそも敵の捕虜するのは主力艦隊であり、その主力艦隊から捕虜したなんて聞いていない。

 

翔鶴「捕虜...というわけでは無さそうですね。」

 

金剛「そーですヨネー。...それならジャパンガール(大和)から聞きますシー。何よりも無闇やたらに姫級が単艦で突っ込むなんてふつーならえりえまセーン。」

 

照月「何か用事が有ったのでは...?」

 

嗤うように港湾棲姫が答えた。

 

港湾棲姫「用事ダト?...アァ!アルサ!アノ子ヲ襲ッタアイツヲ!!零ヲ殺スコトガ!!」

 

...何故鎮守府に奇襲を仕掛けた理由が解った。

きっと私たちが提督に呼び出されているうちに何かやらかしたのではないかと。

 

金剛「...何ですっテ?...よく聞こえませんでしたケド?」

 

...珍しく金剛が怖い顔をしている。

 

港湾棲姫「アイツガ!!北方棲姫ヲ殺シタ!!ダカラ今度ハ私ガ!!...」

 

金剛「ちょっとうるさいデース...黙ってなサーイ。」ガチッ

 

金剛がそう言うと港湾棲姫の首を絞めた。

 

比叡「ちょっ!?金剛御姉様!?」

 

金剛「良いですカ?...まだあの子は新米ネー。深海棲艦の一匹すら戦ったことのない艦娘デース...その子が陸にいるはずの北方棲姫にたどり着く訳がありまセーン。...意味、分かりマス?」

 

...つまり、新米である零は北方棲姫のところに行くのは不可能だということ。

 

港湾棲姫「フザケルナ!!私ハ確カニコノ眼デ見タ!」

 

金剛「チッ...!やはり深海棲艦相手に話なんて通じまセーン。...皆サーン、砲撃開始ネー!!」ドオォーン!!

 

一斉噴射する。...だが、丸で避けるほどのものではないと言うかのように直に当たる。

...やはり無傷だ。何故なんだろう。

いくら攻撃を仕掛けても無傷なんて...可笑しい。いくら固くても多少は傷がつくはず。

 

港湾棲姫「フザケルナ!!...フザケルナ!!」

 

港湾棲姫も攻撃を仕掛ける。

私たちは避けるので精一杯だ。

 

瑞鶴「回避運動開始!」

 

金剛「ヘーイ、瑞鶴ぅー。アレ、どーするんですカー?あいつに攻撃仕掛けてもびくともしまセーン。」

 

何の攻撃も防いでしまう...

 

瑞鶴「ねぇ!援軍って呼んでる?」

 

翔鶴姉に私は聞いた。

 

翔鶴「ええ。呼んでいるわ。急いで要請したから誰が来るのかは分からないけれど...」

 

...どうやら援軍は呼んでいるらしい。

それまでに何とか持ち越さないと!

 

瑞鶴「よし!援軍が来るまで耐え抜くわよ!...翔鶴姉!」

 

翔鶴「ええ!...艦載機の皆さん行きますよ!、全機発艦!」ビューン!!

 

残り数少ない艦上戦闘機を放つ。

 

港湾棲姫「オロカ...モノメ!!」

 

港湾棲姫撃破作戦、いま此処で始まる。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

その頃白露たちは...

出撃場にいた。

 

白露「...よし!みんな!準備は良い?」

 

みんな「うん、大丈夫(だよ)。」

 

大淀「え~...と。白露さんたちは大丈夫ですか?」

 

時雨「大丈夫だよ、大淀さん。ボクたちはそんなに弱くないから。」

 

司令官『大丈夫だろう。気にするな大淀。...零。』

 

司令に呼ばれた。

何でしょうかね。

 

零「はい。」

 

司令官「来たばかりですまないが出撃してくれ。...他の奴らが出れんのだ、主力艦隊はさっき帰ってきたばかりだし他の奴らはほとんど実戦経験がない。貴様が演習で発揮したようにすればよい。...頼むぞ。これは命令だ。...必ず帰ってこい。」

 

零「了解。」

 

再び前を向く。...初出撃がこれになるとはな。

 

白露「白露駆逐隊!旗艦 『白露』!抜錨しまーす!」

 

時雨「二番艦、『時雨』!行くよ!」

 

村雨「三番艦、『村雨』。行っきまーす!」

 

夕立「四番艦、『夕立』。ソロモンの悪夢、見せてあげる!」

 

五月雨「五番艦、『五月雨』。いきます!」

 

みんな次々と抜錨する。

私の番だ。

 

零「六番艦、『零』!抜錨する!!」

 

そうしてみんな出撃した。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

初めての出撃。演習の時とは違ってやはり緊張感があるな...しかも今、夜だから見えずらい。

 

白露「ん...見えずらいな...探照灯でもつけようかな。」パチッ

 

...さっきより見えやすくなった。

 

時雨「第2艦隊の人たちが苦戦するなんて...すごく強いんだね...覚悟しなくちゃ。」

 

確かにそうかも知れない。

未知の相手だ。どういう風に戦うのか私は知らない。だからなるべく生きれるようにする。

 

五月雨「何か...こっちに来てます?」

 

時雨「ッ...!敵艦隊発見!これより戦闘を行うよ!」

 

白露「時雨!敵の数と艦種は?」

 

時雨「...駆逐二、戦艦三、空母一!」

 

白露「...オーケ、数多いけど多分大丈夫。突撃よ!」

 

うむ、見る限り駆逐艦ロ級が二隻、戦艦ル級が3隻、空母ヲ級が一隻だな。

 

五月雨「敵接近!対空戦始め!」ダダダ

 

早速攻撃してきたな...さて!駆逐艦だからと舐めんなよ!!速さは伊達じゃない!

 

零「てぇーー!!」ダダダ

 

よし!全滅だ!!

 

白露「これより砲戦に入ります!砲戦よーい...てぇーー!!」ドオォーン!!

 

五月雨「喰らって下さい!」ドオォーン!!

 

駆逐ロ級①(大破)「グオォオオ...!!」

 

駆逐ロ級②(中破)「ギャアッ...!」

 

戦艦ル級「グッ...!?」

 

よし!ダメージがあるようだ!

 

...しかし、こちらに攻撃するような気配がしない。...まるで他の者に恐れていてそれどころじゃないと言うかのように。

何か可笑しい...。攻撃しても気にしないなんて。さっきの航空攻撃も私たちにするんじゃなくてその後ろに向かっていたような気がする。

何故だ、何故そんなことする必要がある。

 

戦艦ル級「ク、来ルナーーー!!」ドオォーン!!

 

...砲丸が飛んできた...そうして命中した...私たちにではなく...私たちの後ろに。

 

夕立「...ぽい?」

 

さすがにこの異変に夕立も気付いたようだ。

 

後ろを私は振り向いた。そこには...何もなかった。可笑しいな...さっきまで気配してたのだが。

 

村雨「何だかわからないけどチャンスね!雷撃戦突入!」パシャッ

 

零「ほいっと!」パシャッ

 

空母ヲ級(大破)「ヲヲーーー!!??」

 

戦艦ル級①(轟沈)「ガァァア!?」

 

戦艦ル級②(大破)「ウグッ!?」

 

駆逐ロ級①(轟沈)「グオォオオ」

 

駆逐ロ級②(轟沈)「グオォオオ...」

 

戦艦ル級③(中破)「クッ!?」

 

よし!いい感じだ!

3隻同時に撃沈できた。

流石に夜戦が出来るヲ級でも大破すれば無能である。

 

白露「一斉射!撃てー!!」ドオォーン!!

 

時雨「負けないよ!」ドオォーン!!

 

夕立「ソロモンの悪夢、見せてあげる!」ドオォーン!!

 

戦艦ル級②(轟沈)「グオォオオ...!!」

 

集中砲火...。後は中破のル級と大破のヲ級か。

でも、撤退しているな...深入りはしないでおこう時間もあまりない。

 

白露「敵撤退!...よし!私達も撤退するよ!」

 

...ん?何か今光ったような...?

 

その時だった。異変が起きたのは。

 

ゴォオオオ!!

 

村雨「え、何?何なの?」

 

海から出てきたのは黒い塊。

何が何だかよくわからないものだ。

 

謎の物体「グオォオオ...!!殺シテヤル!!」

 

...うわぁ、しゃべったー。

やべ、気持ち悪い見ためをしてやがる。

 

時雨「あぁ...っ、こ、こいつは...っ!」

 

なんだか時雨の様子が可笑しい。

どうしたのだろうか。

 

零「...?どうしたの?時雨。」

 

村雨「な、何で...あいつが...!春雨を殺したあいつがいるのよ!!」

 

...?こいつが春雨さんを殺したやつなのか?

 

白露「何だかよくわからないけど、逃げるわよ!」

 

撤退をしようとするがもはや手遅れ。

囲まれてしまった。

 

夕立「...っ!仕方がないっぽい。やらなきゃこっちが殺られる。」

 

何かに覚悟をしているようだ。

しかし、さっきから艦娘の気配がする。

なぁようちゃん。誰か捕らわれてないか?

 

ようちゃん「...あぁ確かに気配がする。だが気を付けろ殺気が半端なくヤバいぞ。」

 

...ようちゃんが言うくらいならなおさらヤバいと言うことだ。

さて、どうする。時間は残されてない。

ここでこのまま手こずれば時間ロスになる。

時間ロスになれば瑞鶴さんたちはどうなる。

ー最悪、轟沈だ。...絶対に轟沈なんてさせない。させるもんか。

こいつをどうするかだが...未知の深海棲艦?は案外強いかもしれない。

こいつと戦いつつ、瑞鶴さんたちを助けるには...艦隊を分けるしかない。

 

零「...あのさ、白露。」

 

白露「ん?どうしたの?」

 

謎の物体からの攻撃を避けながら話す。

 

零「白露たち、先に行ってくれない?多分、瑞鶴さんたちも限界が来てる。だから、いち早く援護してほしいんだ。」

 

白露「え、でもこいつがついてくるんじゃあ...」

 

零「大丈夫。こいつは私が引き付けておくよ。だから先に行って。」

 

五月雨「む、無茶ですよ!危ないです!零さんが残るなら私も残ります!」

 

...批判するのも可笑しくないか。

 

零「じゃあ、私と五月雨がこいつを引き留めておくから白露たちは瑞鶴さんたちを援護して。こいつが片付けたら私らも後で行くから。」

 

白露は少し黙り...何かに決意したかのように見えた。

 

白露「...分かった。私からもお願いがあるの。」

 

零「何だ?」

 

白露「...必ず生きてね。死なないで...。」

 

その顔には涙が溢れそうになっていた。

 

零「大丈夫、死ぬ訳がない。英国では駆逐艦のことをデストロイヤーと言うんだぞ?駆逐艦だからって勝てる確率くらいあるさ!」

 

白露を安心させるために笑顔を見せた。

 

白露「...そっか!そうだよ!私達はデストロイヤーだもんね!うん!」

 

納得してくれたようだ。

 

白露「じゃあ、五月雨と零はそのまま戦闘を続行して、私達は救援に向かうよ!」

 

時雨 村雨 夕立 「了解!」

 

五月雨 零「了解「です」。」

 

時雨「...本当に大丈夫かい?二人だけだけど...」

 

零「大丈夫!ヤベエときは逃げるわ!...ほら、速く行って!敵はいつまでも待ってくれないよ!」

 

時雨「...分かった。どうか無事でいてよ。」

 

五月雨 零「了解!」

 

白露たちは陣形を組み直し、海の遠くへと消えていった。

...さて、どうしようか。こいつを。

この得体の知れない者を。

 

謎の物体「グオォオオー!!!」

 

五月雨と零はこの得体の知れない者と戦うのであった。

 




瑞鶴さんたちを援護するために出撃した零たちは途中、謎の深海棲艦と出会す...しかし、その深海棲艦は春雨(前)を殺した奴だったのだ...。
しかし、あの時にこの深海棲艦は沈んだはずだった...謎が多いこの深海棲艦...何故生きていたのか次回、第漆話後半『我、救出する!』にて判明する!!
次回、お楽しみに!


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第漆話:後半 我、救出する!

こんにちは★零雨☆です。
前回、零たちは第二艦隊を救出するために出撃しましたが出撃の途中、謎の深海棲艦と出会すんですよね。
それでこのままでは間に合わないと判断した零は白露、時雨、村雨、夕立と零、五月雨と別れて白露たちはそのまま救助に向かい、零たちは謎の深海棲艦と交戦します!さて、続きの第漆話後半 『我、救出する!』をご覧ください!


さて、どうしようか。この物体。

どうしようにも大きすぎる。

 

零「...ねぇ、五月雨。三年前のこと教えてくれない?」

 

三年前、何があったのだろうか。

春雨が殺された後はどうなったのだろうか。

 

五月雨「えぇっと...その時まだ私は着任してなかったんですけど...確か、春雨姉さんを殺した化け物は沈んだと聞いたんですけど...。私でもよくわからなくて...」

 

そうか。こいつはとっくに三年前に死んでるはずなんだ。...何かを生命力に変えているのか?

時雨から聞いた話だと春雨が沈んだ後すぐに化け物も沈んだはずだ。

なのに沈んだやつがここにいるのは可笑しい。

...っ!まさか...沈んだ春雨を捕らえて生命力に変えているのか?!

だとするとあいつの中に春雨がいることになる。微かに艦娘の気配がしたのはこれのせいか。

 

零「五月雨、援護射撃頼むよ!私は突っ込む!」

 

五月雨「えぇ!?危ないですよ!も~!」ダダダ

 

後ろから五月雨が援護射撃をしてくれてるから敵も怯んでる。

 

零「喰らえ!」パシャッ

 

投げつけたのは煙幕。周りが一気に視界が悪くなる。これで五月雨が狙われる可能性が低くなった。今は一対一だ。

 

謎の物体「コノ!!ヤカマシイヤツメ!」ドオォーン!!

 

砲撃してきた。だが舐めるなよ?いくら戦艦だろうが何だろうが零型駆逐艦は硬くて丈夫なんだぞ?そんなごときで怯むわけない!

 

零「火の海に連れてってあげるよ!てぇーー!!」パシュッ!

 

魚雷を放った。

そしてそのまま敵の方へと当たった。

 

謎の物体「ギャアア!!」

 

そのまま火の海へと沈んでいった。

ーあれ?案外弱くない?って思ってしまったのは仕方ない。謎の物体が沈んだと同時に艦娘が現れてきた。...意識はないようだ。

後ろから五月雨が来た。戦闘が終わったのを感じたのだろう。

 

零「...なぁ、この艦娘ってさ...」

 

五月雨「春雨...姉さん...?」

 

間違いない、やはり駆逐艦春雨だったか。

きっと謎の物体は沈んだ春雨を捕らえていたもんだから少しも強くなれなかったのだろう。

生きるのに精一杯だったのだろうか。

 

五月雨「春雨姉さん!起きて下さい!」ユサユサ

 

五月雨は春雨の肩を大きくゆらす。

 

零「揺らさないで、意識がない。...このまま連れていくのは無理そうだな。」

 

どうする。...五月雨には悪いが単艦で鎮守府に帰ってもらおう。

 

零「五月雨、春雨を連れて鎮守府に戻れ。」

 

五月雨「で、でもぉ~...」

 

力になりたいのは分かる。だが春雨をまた死なす訳にはいかないんだ。

 

零「また再会したのに死んだらどうする。力になりたいのは分かる。だが、春雨の安全が一大事だ。司令も言っていただろう。『必ず生きて帰ってこい』と。」

 

五月雨「...わかりました。零がそういうならばそうします。」

 

そう言うと五月雨は春雨を抱え、鎮守府に向かって行った。

 

...さてと私も行くとするか。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

その頃時雨たちはー。

 

白露「...っ!第2艦隊発見!これより援護します!」

 

どうやら白露が瑞鶴さんたちを見つけたみたい。...ちょっと中破していてその姿はとても痛々しかった。しかも今は夜戦。瑞鶴さんは戦うことができない。

 

時雨「瑞鶴さん!助けに来たよ!」

 

瑞鶴「時雨!危ない!」

 

砲弾が時雨の方へと飛んできた。

だが、自前の運の良さなのか当たることはなかった。

時雨は港湾棲姫の方を見る。

 

見る限り、今のところ小破ってところかな。

途中、零と五月雨を置いてきちゃったけど...大丈夫かな。

 

港湾棲姫(小破)「オロカモノメ!イクラ来ヨウガワタシニハキカン!」

 

...時雨は第2艦隊の方を見る。

瑞鶴さんは中破、翔鶴さんは大破、照月は中破、吹雪は小破、金剛さんは小破、比叡さんは大破。

 

不幸中の幸いとはこの事だろう。

 

白露「砲戦よーいてぇーー!!」ドオォーン!!

 

時雨「行くよ!」ドオォーン!!

 

村雨「村雨、行っきまーす!」ドオォーン!!

 

夕立「殺るっぽいー!!」ドオォーン!!

 

...港湾棲姫は避ける様子を見せない。

そのまま砲撃が港湾棲姫にあたる。

...だがその姿はまるで効いていないと言うかのようにダメージが入っていない。

 

村雨「...なっ!?何で!?」

 

金剛(小破)「ヘーイ、村雨ー。こいつに攻撃してもピクリともしまセーン。」

 

比叡(大破)「さっきから攻撃してるんですけど...まったく効かないんですよねー。」

 

何でだろう...当たってるならダメージがあっても可笑しくないのに。

 

吹雪(小破)「私と金剛さんはまだ戦えるんですけど...翔鶴さんと比叡さんがもう弾薬がなくて...。あと瑞鶴さんも夜戦だから戦えない状態です...。」

 

つまり、艦隊の半数は戦闘不能ということかな。

 

時雨「...村雨、白露。」

 

二人の名前を呼ぶ。

 

白露「...うん。分かってる。三人を連れて帰ればいいんだよね?」

 

時雨「...見る限り、瑞鶴さん、翔鶴さん、比叡さんは戦えない。連れて帰るしか助けれない。...だから白露、村雨。任せたよ。」

 

村雨「...分かったわ。時雨、夕立。無理しないでね。」

 

夕立「大丈夫...そんなヘマなんてしないから。」

 

村雨と白露が瑞鶴さんたちを連れて僕たちと別れた。...さてどうしよう。

五月雨も零も居ないのにその上白露と村雨もいない。ボクの横には夕立がいる。

 

金剛(小破)「...さぁ、これからどーしまスー?時雨ぇー今逃したところであまり結果は変わらない気がシマース。」

 

...それでもボクは助けたかったんだ。

...もう二度と春雨みたいに軍艦の時の山城みたいに喪いたくなかったんだ。結果があまり変わらなくても少しでもいきれる確率を賭けたかったんだ。

 

照月(中破)「...分かるよ時雨ちゃんの気持ち。私もそうだったから...だから助けたかったんだよね。」

 

照月も軍艦だったころ多くの仲間を失った。

照月もボクと一緒だったんだ。

...みんなもあまりいい状態じゃない。

早く、こいつを撃退させないと。

 

港湾棲姫「茶番ハモウ終ワッタカ?...艦娘ドモメ!」ブーン!!

 

そう言うと同時に戦闘機を飛ばす。

ー不味い、照月だけじゃあ撃ち落とせない...。

 

港湾棲姫「地獄ニオチロ!!」バーン‼

 

あぁ、駄目だ間に合わない。

このままじゃあ吹雪がっ...!

 

ガッシャーン!!

 

敵の戦闘機が燃え広がり、海へと落ちていった。...誰だろう?砲弾が飛んできた方へ見た。

その姿には五月雨は居ず、零と主力艦隊の皆の姿があった。

 

零「間に合った...!」

 

大和「すみません、遅くなって仕舞いました...。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

実は時雨の所に行くときに主力艦隊と合流していたんだよな。

 

零『え、貴方は...』

 

大和『大和です。主力艦隊の旗艦をしてます。』

 

赤城『鎮守府に帰った後、直ぐに入渠して第2艦隊のみなさんを助けに来たんです。』

 

五十鈴『あんたはどうしたのよ?もしかして援護しに来た?...の割には一人は可笑しいわね。』

 

零『えっと...白露駆逐隊で援護しに行ったんですけど...(カクカクシカジカ』

 

まさか、主力艦隊が来てくれてるとは思わなかったな。まぁ、心強い仲間だからいいよな。

 

港湾棲姫(小破)「...クッソー!!アノコヲカエセ!!」

 

...アノコ?...あ、もしかしてあの白い子供か?

 

北方棲姫「ママ。...ワタシチャントイキテルヨ?」

 

港湾棲姫「エッ?」

 

何驚いた顔してんだ。

てめぇの子供だろ。

 

大和「...どうやら内の鎮守府に保護されていたみたいで...」

 

零「襲うわけないじゃんこんな可愛い娘。」

 

五十鈴「どうやら海辺に倒れてたみたいで零と霞が保護していたらしいわよ。」

 

五十鈴の言葉に港湾棲姫は顔を青ざめた。

 

港湾棲姫「ヒィ!?...スミマセン!スミマセン!勘違イシテシマッテ!」ペコペコ

 

...さっきまであった殺気はどこへやら。

...まぁ、自分が大切な仲間が殺されたってなるとやっぱりこいつみたいになるんかな。

 

由良「...勘違いなら仕方ないですけど...その北方棲姫が殺されたと言う情報はどこから...?」

 

港湾棲姫「エット...空母水鬼サンカラ聞イタキガシマスガ...」

 

空母水鬼...?

...また深海棲艦?

 

大和「空母水鬼...ですって?」

 

夕立「...でも、何でわざわざ嘘ついて零を倒そうとしてきたんだろう。」

 

港湾棲姫「スミマセン...ソコマデハワカラナクテ...」

 

金剛「怪しい臭いがシマース。空母水鬼ってのには注意しなけらばいけまセーン。」

 

確かにそうかもしれない。

...あのときにもしかして見られていたのだろうか?...だとすると空母水鬼には気を付けておかないとな。

 

大和「...勘違いとはいえ、攻撃してしまいすみません...」

 

港湾棲姫「イエ!コチラコソスミマセンデシタ!...ホラ、北方チャン。帰ルワヨ。」

 

北方棲姫「バイバイ、黒髪ノオ姉チャン。」

 

可愛らしく手を振る。

そのまま港湾さんと北方ちゃんは海へと帰っていった。

 

大和「...さて、私達も帰りましょうか。」

 

私達も鎮守府に帰ることになった。

私は時雨に近づく。

 

時雨「零...あの後大丈夫だったかい?」

 

零「ああ、思ったより強くなかった。...あと一人の艦娘が現れてきたんだけどさ誰だと思う?」

 

時雨「え?」

 

夕立が顔をヒョイとのぞかせて、

 

夕立「もしかして春雨っぽい?」

 

零「当たり。そう、春雨だよ。五月雨には春雨を連れていってもらって鎮守府にいるはずだよ。」

 

...時雨が涙ぐんでいた。

 

時雨「今度こそ会えるんだね。」

 

吹雪「それでだったんですね!五月雨ちゃんが居なかったの。」

 

照月「てっきり轟沈しちゃったかと...あー、良かった。」

 

零「勝手に殺すなよ...ちゃんと生きてるぞ。」

 

金剛「ヘーイ!皆さーん!着きましたヨー!」

 

目の前には鎮守府があった。

ちょっとだけの間出撃していたからだろうか懐かしく感じる。

 

赤城「出撃後の帰投は懐かしさがいいですよねー。」

 

金剛「赤城はただご飯が食べたいだけデース。」

 

赤城「な、失礼な。ち、ちゃんと今後のことも考えてるですよー!」

 

港には司令と大淀さんがいた。

 

大和「主力艦隊、」ビシッ

 

金剛「第2艦隊、」ビシッ

 

時雨「白露駆逐隊、帰還致しました!」ビシッ

 

みんな「帰還致しました!」ビシッ

 

大淀「皆さん、お帰りなさい。被弾した方は今すぐに入渠してください。あと補給も忘れずに取ってください。」

 

みんなの前に司令がたつ。

 

司令官「皆、ご苦労だった。白露駆逐隊が出撃中、春雨を見つけたみたいだ。彼女は何も知らん、分からんところはなるべく教えてあげろ。そして最後に...本当に生きて帰ってきてありがとう。これからもよろしく頼むぞ。」

 

そう言うと大淀さんと司令は執務室へと向かって行った。

 

金剛「お風呂タイムネー。」

 

金剛さんはお風呂に向かったみたいだ。

 

吹雪「零ちゃん。」

 

吹雪に呼ばれた。何だろうか。

 

零「どうした?吹雪。」

 

吹雪「あのとき助けてくれてありがとう。お陰で助かったよ!」

 

吹雪はニコリと笑った。

 

零「うん、私も吹雪が無事で良かったよ。」

 

吹雪は顔を赤面させた。...熱でもあんのかな?

 

吹雪「う、うん!私も頑張らなくっちゃ!」

 

...自分の世界に入ってんなー。

あまり触れないでおこう。

...ところで白露たちはどこに。

 

夕立「零ー。春雨の見舞いに来るっぽいー。」

 

あ、そうか。春雨の見舞いしなくちゃな。

...後遺症とかなかったらいいんだけどなぁ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

アァ、失敗二オワッタノネ...

 

空母水鬼「フーン...ナカナカヤルワネ。寄生ン級ヲ出シテモ一撃デ倒スナンテ...マァ、今度コソハ殺シテミセルワ。」

 

...空母水鬼は零を見て嗤う。

 

空母水鬼「...イツカ、絶望ノ底へ堕トシテアゲル。」




無事に瑞鶴さんたちを救助できた白露たちと謎の深海棲艦を倒す事が出来た零たち。そして、倒した深海棲艦から駆逐艦春雨が出現した。
春雨は無事に鎮守府まで送り届けられました。
...最後の空母水鬼の言葉がとても気になりますよね...。まさか、謎の深海棲艦に『寄生ン級』ってのがいるんですね(オリジナル深海棲艦です。)。
久々に出てきた吹雪ちゃん。
やっぱり可愛い(確実)。どうやら零に対してライバル視してるみたいですね。
やっと今作のヒロイン?役の春雨ちゃんが出てきました。とても美味しそうな名前ですね(全力の褒め)。

春雨「美味しそう...って、その春雨とは違いますぅ!」

美味しそうな名前だから赤城さんが飛んでくるような気配がします(笑)。

赤城「いただきまーす!!」ガブリ

春雨「きゃあっ!?...赤城さん!?」

やっぱり出てきました。
加賀さんにでも赤城さんを回収してもらいますか。

加賀「赤城さん、出撃ですよ。変なのくわえてないで早く行きましょう。」グイグイ

赤城「あ~れ~。」

加賀さんお疲れ様です。
...大分茶番が入りましたが次回、春雨が目を覚ます!目を覚ました春雨は零と出会う!次回をお楽しみに!


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第捌話 我、春雨に会う!

こんにちは★零雨☆です。
今回は珍しく、一万文字超えの話になっております。
どこで話を終わらそうか悩んでる内にいつの間にか一万文字も書いておりました。
さて、前回のあらすじは寄生ン級を倒した零たちは春雨を見つけました。五月雨ちゃんに鎮守府まで連れていってもらい、何とか春雨ちゃんは鎮守府に到着することができました。さて今回は春雨ちゃんが目を覚まします。
目を覚ました春雨ちゃんは零と出会い、同じ艦隊に配属されます。さて、続きの第捌話 『我、春雨に会う!』


私は今医療室に居る。

その理由は春雨の見舞いっと言えば分かるだろうか。そう、以前の出撃で春雨を見つけたんだ。

それで五月雨に春雨を連れていってももらったんだ。そのあとはしらない。

そして目の前には春雨がいる春雨が目を覚ましてから会うのは今回が初だ。

 

春雨「えっと...貴方が私を助けてくれた人ですか?」

 

透き通るような紅い眼で私に問う。

 

零「あぁ、うん。そうかな。」

 

始めまして...って感じはしないなぁ。

前世で会ったのだろうか?

 

春雨「ありがとうございます。助かりました!」

 

可愛らしい笑顔だな。

 

白露「それよりも春雨が来てくれて良かった。」

 

時雨「本当にそうだね。」

 

五月雨「零さんに任せられたときは本当にどうしようかと思いましたよ。」

 

零「ごめんよ?時雨たちが心配でさ、危ない目に遭わせちゃって...」

 

春雨が急にキョロキョロと周りを見渡す。

 

春雨「あの...村雨姉さんはどこに...?」

 

白露「村雨は食べ物とか買いにいってるよ。」

 

村雨「ただいま~...って春雨が起きてる!?」

 

村雨が丁度よく帰ってきた。その手には林檎、蜜柑といった果物だった。

 

春雨「村雨姉さん、おはようございます...ってもう夜なんですけどね...」

 

村雨「何ともなさそうで良かったわ。」

 

村雨も心配していたようで春雨が起きているのを見て安心したのだろう。

 

春雨「心配かけてしまってすみません...」

 

申し訳無さそうに言う春雨。

 

夕立「春雨が謝る事じゃないっぽい。」

 

その時、ドアからトントン...という音がした。

 

司令官「入るぞ。」ガチャ

 

司令がドアを開け、こちらに来る。

 

夕立「提督さん?どうしたの?」

 

司令官「涙の再会の中で悪いが編成ついて話して来た。」

 

白露「うん。」

 

白露駆逐隊って今のところ七人になってしまうもんな。

 

司令官「まず、第四艦隊に所属する者を発表する。白露、時雨この二人には第四艦隊に異動してもらう。そして...」

 

司令官「村雨、夕立、五月雨は第2水雷戦隊に異動してもらう...」

 

司令官「そして、春雨、零。君たちには第1水雷戦隊に異動してもらう。これにて白露駆逐隊は解散する。異論は無いだろうな。」

 

村雨「はいはーい。村雨、少し疑問がありまーす。」

 

司令官「なんだ?」

 

疑問...?何だろうか。

 

村雨「私たちは異動しても特に問題ないけど...まだ来たばかりの二人はどうするんですか?」

 

確かにそうだな。

 

司令官「二人には遠征が中心的になるだろう。それにかねて第1水雷戦隊で演習を行うだろう。」

 

つまり、遠征組ってことか。

 

司令官「分かったら早く艦隊に集まればいい。他の皆は待っているぞ。」

 

そう言って司令は部屋を出た。

 

医療室の中では異様な空気が流れていた。

 

白露「...行っちゃったね。」

 

村雨「そうね。せっかく会えたのに艦隊が解体されるとは思わなかったわ。」

 

不満そうに話す村雨。それもそうか、せっかく会えたのにまた離れるなんてな。

 

夕立「早く行かないと怒られるっぽい!」ビャー

 

夕立が部屋から飛び出した。

 

村雨(夕立、空気呼んで!)

 

五月雨「確かに早く行かないと怒られそうですね...」

 

五月雨もそう言って夕立の後を追う。

それに連れ、時雨や白露たちも部屋から出ていった。

 

零「私達も行くか。」

 

春雨「は、はい!」

 

私達も部屋から出て、第1水雷戦隊の部屋まで向かう。歩きながらでも話でもするか。

 

零「あのさ、始めて此処に来たときどう思った?」

 

春雨「えっと...みんな明るくて優しい所...ですかね。」

 

私も思ったりした事はある。

あんなことさえ無ければ。

 

春雨「...あ、あの!貴方の名前...って何ですか?」

 

零「駆逐艦零。よろしくね。」

 

春雨「よろしくお願いします。」

 

...ん~、何か同じ年くらいなのに敬吾って...なぁ~。

 

零「ねぇ、春雨。敬吾は堅苦しいからやめてほしいな。」

 

春雨「あ、うん。分かりまし...分かった。」

 

にこりと笑顔を見せた。

これから一緒に過ごせると思ったら心がウキウキするなぁ...。

 

零「ここの鎮守府みんな面白いよねー。金剛さんなんていつでも片手に紅茶飲んでるしねー。」

 

金剛さんはいつも紅茶を飲んでいるらしい(おそらく)。

本人いわく、金剛『こうした方がリラックスできマース!』だとか。

まぁ、人それぞれだけどな。

リラックスの仕方って。

 

春雨「あはは...」

 

春雨が苦笑いする。

 

おっ!どうやら部屋まで着いたみたいだ。

あー。どんな人かなー。

 

ドアをノックする。

 

??「はーい。どうぞー。」

 

ガチャ

 

ドアを開けた目の前には四人、仲良く話していたようだ。

 

零「本日から編入した駆逐艦の零です!よろしくお願いします!」

 

挨拶をする。それに吊られて春雨も挨拶をする。

 

春雨「駆逐艦の春雨です。よろしくお願いします。」

 

ぴしっ...と背筋を伸ばした。

 

金髪の人が答えた。

 

阿武隈「私は第1水雷戦隊の旗艦をしてる長良型軽巡洋艦の阿武隈よ。よろしくね、春雨ちゃん、零ちゃん。」

 

可愛らしいツインテールを揺らす阿武隈。

後の三人も自己紹介をし始めた。

 

不知火「陽炎型駆逐艦の不知火です。よろしくお願いします。」

 

鋭い目付きをしてるなぁ...意外と好きかも知れない。クールだなぁ。

 

響「私は特Ⅲ型駆逐艦響だ。二人とも、よろしく頼むよ。」

 

こちらもクールだな。

だが悪くない(若葉か!)

 

初霜「初春型駆逐艦の初霜です!よろしくお願いします!」

 

はわはわしてる。何これ可愛い。

 

阿武隈「ねぇ、零ちゃんってさこの鎮守府が始めて着任したのかな?」

 

阿武隈さんが話しかけてきた。

 

零「あ、はいそうです。ここが始めてです。」

 

響「零って演習で第2艦隊と戦ったんだってね。大丈夫だったかい?瑞鶴さんたち、容赦ないからね。」

 

どこから情報手に入れたんだろう。

 

零「うん、大丈夫だったよ。途中ヤバかったけどね。」

 

私の言葉が驚いたのだろう阿武隈さんが驚く表情をした。

 

阿武隈「ええ!?凄いじゃない!第2艦隊って中々強かったと思うけど...」

 

春雨「え、そうなんですか?」

 

響「艦種は同じにしていたかい?」

 

響が聞いてきた。

 

零「いや、駆逐艦のみで戦ったよ。」

 

私の言葉にまた驚く。

 

不知火「本当ですか?」

 

不知火があり得ないというかのような顔をした。でもな、ありえるんだよ。

戦略さえちゃんと考えれば駆逐艦のみの下剋上が可能になる。戦艦は昼戦では火力が強いけど夜戦には弱いってことを利用すれば夜戦で逆転することだってできる。

つまり、艦種頼りではいけないと言うことだ。

解るだろう?場に合った艦種じゃないといくら強かろうが負けてしまうだろう。

今度は強さではなく、技術能力が必要とされる。まぁあんときは夜戦もしなかったけどね。

 

響「すごいね...私じゃあ傷一つすらつけれないよ...」

 

初霜「うわぁー。凄いなぁ...。」

 

初霜がきらきらとした目でみる。

 

阿武隈「みんなってもうお風呂入った?」

 

阿武隈さんが話す。

そう言えば風呂入って無かったな。

さっきの晩飯はドタバタしながら食ったしなぁ。いやー忙しい忙しい。

 

零「私はまだだけど...響らは?」

 

響「奇遇だね、私達もだよ。」

 

初霜「さっきは奇襲されましたからねぇ...」

 

初霜が大変だったと言うような顔をした。

 

不知火「汗もかいてますし、お風呂に入った方がいいですね。」

 

不知火はそう言いながらシャツをパタパタさせた。

 

阿武隈「よし、それじゃあ皆でお風呂に入ろう!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

お風呂にて、第1水雷戦隊入浴中。

 

零「あ”あ”気持ちいい”。」

 

湯槽に入ってみるとあらまぁ不思議。

おっさんみたいな声が出ます(笑)。

ってなんでやねん!

 

不知火「何か...おっさんみたいですね。」

 

ん?ついさっきまで不知火がおっさんみたいな声出してたよ?人の事いえねぇ。

 

阿武隈「不知火ちゃんも人の事いえないなぁ。」

 

阿武隈さんが苦笑いする。

それを聞いた不知火は両頬を紅く灯していた。

 

不知火「むぅ...。見られてましたか。」

 

不知火の恥ずかしがるところが可愛い。

 

春雨(ん?あの傷...)

 

...?春雨に何か見られてるんですけど何ですかね?...あぁ。納得。この傷が気になるのかぁ。

てか、近づいてきた。

 

春雨「(ねぇ、零。その傷どうしたの?)」

 

零「(なんともないよ。ただの掠り傷。)」

 

春雨「(そうなの...)」

 

そんな心配そうな顔しないでよ。

大丈夫だから。

 

零「(零型は頑丈さが取り柄だからねぇ!)」ニカッ

 

笑って話したら安心したようだ。

 

響「はらしょー」

 

初霜「響ちゃん、ちゃんと髪纏めないと濡れちゃうよ...」

 

初霜が響の髪を纏めている。

 

阿武隈「響ちゃん、髪は大切にしないとダメだよ?すぐ痛んじゃうんだから。」

 

響「はらしょー」

 

返事それかよ(笑)。はらしょーばっかり喋ってる気がする。

 

阿武隈「あ”っ...!!??眼が...眼が!!」

 

阿武隈さんが浴場の床で転がり始めた。

痛いと叫びながら。

 

不知火「さっきの仕返しです。」

 

そう、不知火が阿武隈の眼にシャンプーの泡をダイレクトに喰らわせたのだ。目潰しで。

 

初霜「こら、不知火ちゃんもふざけないの!ここ共有スペースだから!あと、阿武隈さん一様先輩だから!」

 

...初霜も大変だな、メンバーがこんなんじゃあ。

 

不知火「...ちっ...」

 

阿武隈「え、初霜ちゃん?その一様と言うのなんで!?...てか不知火ちゃん、今舌打ちした?」

 

不知火が舌打ちしたのを気づいたのだろう阿武隈さんは不知火の方をみる。

 

不知火「幻聴ですよ、幻聴。」

 

不知火は顔色一つも変えず答えた。

 

阿武隈「...可笑しいなぁ...あたし的には舌打ちが聞こえたんですけど...。」

 

阿武隈さんは不知火を疑うが、自分の気のせいだろうと舌打ちしたことをスルーした。

 

春雨「な、何だか賑やかですね。」

 

確かに賑やかでいいな。

阿武隈さんと初霜は大変そうだけど。

 

初霜「まったく...響ちゃんもそうですけど不知火ちゃんも大変ですよ...。」

 

初霜が溜息をつく。

なるほど、会話からして大分前から結成されていたんだな。

 

阿武隈「まぁ、人手が増えたから前よりも楽になるかもしれないわね。...春雨ちゃんはまともそう。」

 

なんだと...!?この私が信用せぬと言うのか...!?正直言ってショックだぞ!?

 

響「先に出とくよ。」

 

響が浴場から出ようとする。

しかし、響の体は泡だらけ。

案の定、初霜が反応し響を引き留める。

 

初霜「...響ちゃん、まさかそのまま出ようとしてない?」

 

明らかに作り笑顔をした初霜。

響は一瞬、躊躇ったが直ぐに言い訳をする。

 

響「これはロシアでの風流だよ(嘘)。泡だらけになってから風呂を出るんだよ。...ロシアでは。」

 

初霜「そんなの聞いたことありませんしそもそも此処は日本です。日本に居るんだからちゃんと泡流してから出てください。マナーが悪いですよ。」

 

初霜が怒ってる。

 

初霜「あと、そんな嘘ついたらガングートさんとかタシュケントさんが怒りにきますよ?分かりました?」

 

嘘もバレとるし。

 

響「オーケー。分かったよ...。」

 

そこは英語なんかい。

 

初霜「そうと決まれば!」

 

なんやら目を輝かせてるぞ。

 

響「え?」

 

初霜「ウォッシュタイムです!!」

 

その後、響は初霜に思う存分洗われたという。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

風呂上がりにて。

 

んー。やっぱり風呂上がりの牛乳は良いねぇ!

美味しくてたまんねぇや。

お、春雨も美味しいと言わんばかりの顔してんなぁ...!

 

不知火「やっぱり風呂上がりの牛乳は良いですね。」

 

怖い顔してる不知火も牛乳を飲んでほんわかとしている。

 

春雨「響ちゃんってブラックコーヒー飲めるんですね。」

 

響「うん、苦いけど一応飲めるよ。」

 

...と、どや顔してるけど明らかに無理してんなぁ...。もう体がぷるぷると震えてるし。

飲めないなら飲めないと言わなくちゃ...大人っぽいところ見せたいのかな?

 

阿武隈「へぇー、響ちゃんって意外と大人だね。」

 

不知火「阿武隈さんは今も牛乳ですか。」

 

阿武隈「べ、別にいいじゃない!不知火ちゃんだって牛乳飲んでるじゃん!」

 

不知火「私の事はどうでもいいんです。」

 

あ、自分の事はどうでもいいんだね。

 

初霜「あはは...」

 

思わず苦笑いする初霜。

 

響「はらしょー」

 

相変わらず響ははらしょーばっかり言ってんなぁ...

 

?「おー、阿武隈っちじゃん。何してんのー?」

 

三つ網の人が話しかけてきた。

 

阿武隈「げぇっ!...北上さん...。」

 

阿武隈さんが女子から出ると思わないような声を出した。

...どうやら苦手意識があるみたいだ。

 

初霜「北上さん、お疲れ様です。」

 

北上「おーお疲れさんー。...で?そこの新顔の二人は?」

 

零「はじめまして、駆逐艦の零です。よろしくお願いします。」

 

春雨「駆逐艦春雨です!よろしくお願いします。」

 

...すると北上さんはクスクスと笑い始めた。

 

北上「おー、今度は元気あっていいねぇ!こちらこそよろしくね。」

 

北上さんが私の頭と春雨の頭を撫でた。

 

北上「いいなぁ!阿武隈っち。活きの良いやつ入ってきたじゃん。うちのとこは頼りなくてねぇ。」

 

阿武隈「...今居る子たちが可哀相ですよ。」

 

ぷくぅーとしたような顔をして北上さんを睨んだ。それでも北上さんは動じない。

 

北上「んーまぁ...結局はうちのとこが優秀だろうねー。二人とも頑張りなー。」

 

初霜「そう言えば大井さんはどこに...?」

 

北上「ん?大井っちかぁ...。多分どっかにいるんじゃない?」

 

曖昧な答えが帰ってきた。

 

阿武隈「珍しいなぁ...大概一緒にいるのに。」

 

そうなんだろうか。

ふむふむ、北上さんは大井さんと普段居るってことか。

 

北上「んーそうかなー。一人でいる時の方が多いかなぁ。」

 

不知火「意外ですね。見かける時は大体一緒にいるのに。」

 

北上「ま、そう思われても仕方ないねー。」

 

???「北上さ~ん!」

 

北上さんと同じ服装した艦娘が此方に来た。

 

北上「お、噂をすれば...大井っちじゃん!」

 

ほうほう...この人が大井さんか。

 

大井「もう北上さんったらこんなとこに居たんですね!...そこの二人ははじめましてかしら?私は軽巡洋艦の大井よ。」

 

零「こんばんは、駆逐艦の零です。よろしくお願いします!」

 

春雨「駆逐艦の春雨です、よろしくお願いします。」

 

すると、大井さんはにこりと笑い。

 

大井「ええ、こちらこそよろしくね。...で、さっきまで何してたんですか...阿武隈さん。」

 

笑った後、直ぐに阿武隈さんの方に向きジロリと睨んだ。

 

阿武隈(えぇ...、あたし何かいけないことでもしたかなぁ...)

 

無駄に阿武隈は不安に煽られる。

 

北上「やだなぁー、大井っちー。偶然会っただけだよー。」

 

大井「え、そうなんですか?...ま、まぁ...それならいいんですけど...」

 

不安そうな顔をしていた阿武隈がまるで生き残れたみたいな生き生きとした顔になった。

 

響「北上さんたちは今からお風呂かい?」

 

響が北上さんに問う。

 

北上「うんそだねー。今からうちらお風呂だよー。」

 

大井「と、言うことだからさっさと行きましょ!北上さん!」グイーッ

 

大井さんは北上さんの袖を引っ張り、お風呂の方へと行ったのであった。

 

阿武隈「はぁー、危なかった...。殺されるかと思った...。」

 

阿武隈さんにとっては苦手な人なんだな。

 

不知火「阿武隈さん。早く部屋に戻りましょう。早く寝たいです。」

 

不知火はスタスタと早歩きで部屋に向かう。

 

初霜「ち、ちょっと~、不知火ちゃーん。速いよ~」

 

不知火の後にパタパタと可愛らしい足音をたててついていった。

 

...私たちはゆっくりと向かうとしようか。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

とんとんと執務室のドアを鳴らす。

 

時雨「提督、入るよ。」

 

提督の返事を待たず、そのままドアを開ける。

 

提督「...せめて返事させてから入ってくれよ...。」

 

提督がやれやれと言いたそうな顔をして溜め息を吐く。

 

時雨「仕方ないじゃないか、提督昼からボクに鎮守府案内させたりその後に演習したり出撃したり部隊変わったりして大変だったんだからね。」

 

今日はすごくドタバタした一日だったなぁ。

 

提督「...演習のことは知らんが...まぁ、お疲れさん。」

 

時雨「かえっていいかい?提督。」

 

ボクは速く帰りたいんだ...。

提督から話を聞くのもめんどくさいなぁ。

 

提督「いやいや待て待て。まだ一言も言っていないんだが...」

 

ボクが執務室から出ようとするところを提督は慌てて止める。

 

時雨「で、話ってなんだい?」

 

真剣な眼差しでボクを見つめた。

 

提督「駆逐艦『零』の事なんだが...」

 

零...?どうかしたのだろうか。

 

時雨「零がどうしたんだい?何か問題があったの?提督。」

 

提督「...大淀、書類を持ってきてくれ」

 

端の方に身を潜んでいた大淀さんは提督に書類を持ってくるよう頼まれ、少し時間を使って書類を持ってきた。

 

大淀「提督、こちらが零の書類です。」

 

大淀さんが持ってきたのは零の書類。

 

提督「見りゃー分かる。」

 

提督に書類を見せられた。

 

 

名前 零 艦種 駆逐艦 型 零型駆逐艦一番艦 状態 ノーマル

 

火力 49

雷撃 70

対空 40

対潜 50

耐久 25

速力 高速

装甲 30

回避 85

索敵 20

射程 短

運 12

 

...駆逐艦にしては高めの数値だ。

 

提督「ここまではまだ良いんだ...だがこの後が...なぁ。」

 

提督が溜め息をつく。

 

ボクはその下の部分を見た。

 

軍艦時代ノ情報ガアリマセン。

 

...???

 

時雨「提督、この文は...」

 

ボクはこの文字に指差しながら提督に聞いた。

 

提督「実はなぁ...大本営に調べてもらったんだがな...」

 

提督「いくら探しても軍艦の頃の駆逐艦零がいないっていう報告を受けてな...」

 

時雨「え、ボクたち艦娘って確か太平洋戦争とかで戦った艦艇が擬人化された者なんだよね?」

 

艦娘になる娘って過去の世界で戦った艦艇を元に性能が決まったりするんだけど...

零は過去に存在していない?

 

提督「あぁ、そうだな...普通ならばこんなことにはならんのだが...。どうやら零はイレギュラーらしい。」

 

イレギュラー...。

 

提督「だから今度是非内の艦娘たちと合同演習をしないかと総帥から連絡を受け取ったんだ。」

 

...総帥?なんだろう。

 

大淀「あ、総帥って言うのは総司令部元帥の略名ですよ。」

 

総司令部...日本海軍のトップ...え、凄く偉いお方がくるの?

 

時雨「えっと...つまり一番お偉いさんがここに来るってことなの?」

 

提督「あぁ、そうだ。日時はまだ決めてはいないが来る事は確実になった。」

 

時雨「もしかしてだけど...ボクを呼んだ理由ってそれなのかい?」

 

提督「あぁ、そうだ。...それで時雨にお願いがある。」

 

このボクに頼られる事なんてあるのだろうか?

 

提督「零の監視をしてくれないか?...報酬は払う。」

 

監視...かぁ。うん...まぁ嫌って訳じゃあないんだけどさ...。

ほ、ほら!罪悪感が半端ないし...何か...申し訳ないってか...

 

提督「む、無理しなくてもいいんだぞ?...嫌なら断ってくれても構わない。」

 

出来たら断りたいところだけど...でも、提督の期待にも応えたいんだ...。

...だからボクは...

 

時雨「...いいよ、引き受けるよ...提督。」

 

零を監視する事を提督から任せられた。

...つまり、ボクは提督の望みを受けつけたわけだ。

 

提督「...そうか。ありがとう、時雨。」

 

今まで窓から差し入ってきている月の光で提督の顔が見えなかったけれど、提督が顔を上げたら、その表情がよく見えた。

...その顔はどこか懐かしそうに、そして悲しさを混じらせたような表情だった。

...まだボクは気付いていなかったんだ。

後に、提督がこんな顔をした理由がこんなにも悲しい事だったなんて...。

ボクは執務室から出た。

 

時雨「...監視...かぁ。ボク、ちゃんと出来るのかなぁ。」

 

監視するボクにとっては凄く苦痛なんだ、

零はきっと真っ直ぐな娘なんだと思うとより良心が痛む。

零が何者なのかは知らないけれど、仕方ないんだ。ーこれは提督命令なんだから。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

初霜「ふわぁ~...ふっかふかです~。」

 

初霜がベットの上に寝転ぶ。

 

不知火「疲れたときには直ぐに寝てしまいそうになるほどフカフカですね。」

 

モフモフとかけ布団を触る不知火。

 

響「やぁ、私はベットだよ。寝心地の良さに魔の布団て呼ばれてるよ(裏声)」ヒョコリ

 

裏声で話す響。もちろん出てきた場所はベットの下からだ。

 

阿武隈「もう!響ちゃんたらそんな所に隠れちゃったらダメじゃない!埃ついちゃうでしょ!?」

 

不知火「...ぷっ。響の声...w」

 

相変わらず不知火は無表情だが笑っているのはよく分かる。

 

不知火は響の裏声に笑いが混み上がってきたのだろうか、今すぐにも大笑いしそうだ。

 

初霜「響ちゃん...埃まみれだよ~...もう。」

 

そう言いながら初霜は響の髪についている埃を取った。

 

響「すぱしぃーば、初霜。」

 

嬉しそうにする響。

 

阿武隈「もう11時ですか...時間たつの早いですね。」

 

阿武隈さんに言われ、時計を見てみるとPM11時と記されていた。

 

零「あっと言う間に時間が過ぎた気がする。」

 

阿武隈「そうだねぇ...特に今日は忙しかったもんね。」

 

響「明日も頑張らないとね。...ふぁあ...眠っ...。」

 

響は自分のベットに入り、寝ようとする。

 

初霜「あ、零さんと春雨さんはあっちのベットですよ。」

 

私たちのベットは響が今寝てるベットの向かい側の方にある二段ベットだった。

 

部屋の壁らへんに二段ベットが3つある。

左側には響と初霜で真ん中が阿武隈さんと不知火右側が私と春雨だな。

 

不知火「それではおやすみなさい。」

 

不知火もベットに入る。

響は...もう寝てるみたいだ。

 

阿武隈「おやすみ~」

 

続いて阿武隈さん、初霜も眠った。

 

起きているのは春雨と私だけだ。

 

零「さぁーて、私らも寝るとしようかぁ...。あ、春雨は上の方で寝る?」

 

春雨「あ、うん。」

 

零「りょー、んじゃあおやすみー。」スヤァア

 

余りにも眠気が凄かったから直ぐに寝てしまった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

気がつくと黒い部屋?の中に私は居た。

 

零「ここは...何処だ?」

 

まわりを見ても黒い背景...。

少し、気味が悪い...。

まぁ...取り合えず歩くとしようか...。

 

零「...」

 

何処までも歩いても黒い背景...

てか、これ進んでるのか?

同じ景色だからかどれくらい歩いたか分からんな...。

 

零「...ようちゃーん。せいちゃーん。」

 

ようちゃんとせいちゃんを呼んでも出てこない。...居ないのだろうか?

 

零「...」

 

無言で歩く私。

話し相手がいねぇとこんなにも暇なんだなぁと我ながら思う。

 

パサッ...

 

ふとそんな音がした。

私は音がした方に身体を向けた。

 

零「...これは...紫苑?」

 

床に紫苑の一輪が落ちていた。

何故こんな所に落ちてるだろう。

誰かの落とし物なのか?

 

パサッ...

 

また音がした。

私は音がした方に身体を向けた。

またもや紫苑の花だった。

...けど一つ違うところを言うとしたら一輪ではなく、大量に落ちていたのだ。

 

その大量の紫苑の花は道のようになっていた。

私はその花道を辿っていくと目の前に一人の少女が居た。ピンク色の髪をしていて白いベレー帽を被った女の子...。

その少女は春雨によく似ていたのだ。

 

春雨?『お久しぶりですね。零さん。』

 

久しぶり...?明らかに久しぶりな感じなどしないのだが...ってそれは着任したての春雨か...。...じゃあこの娘は誰なんだ?

 

春雨?『春雨は春雨ですよ...。』

 

そうなのか...?

てか何でここにいるんだ?他のみんなはどうした?

 

春雨?『春雨と零さんしかいませんよ...ここには。』

 

なるほど...他のみんなは居ないか。

 

零「それよりも...なんでここにいるの?」

 

私は春雨?に話す。

 

春雨?『それはですね...貴女に感謝を伝えたかったからですよ。』

 

感謝...?何か私感謝されることでもしたのか?

 

春雨?『しましたよ、私に姉妹に会わせてくれたじゃないですか。』

 

会わせた...?いつ?

 

春雨?『あ~...ほら、貴方が艤装を借りた時ですよ!』

 

ふと、あの言葉が蘇る

 

?『大丈夫ですよ。あなたなら。』

 

?『白露たちをよろしくお願いしますね。零。』

 

...もしかして、あの時の声?

 

春雨?『はい!そうですよ?』

 

そうかぁ...それなら納得だわ。

でもここから出るのどうすればいいんやろ?

 

春雨?『自然に目が覚めますよ。...ほら、部屋も明るくなってきましたし。』

 

春雨?に言われて周りの背景が黒から白へと変わっていった。

 

春雨?『もう時間ですね...次は会えるでしょうか...。零さん、白露姉さんたちを頼みましたよ。』

 

春雨?は笑ってこの白い景色の中に消えていった。...そして一瞬衝撃な場面を目にした。

 

また、黒い背景となり零の前には首を吊った春雨が居た。

 

零「は...?」

 

余りにも衝撃過ぎて私は震えた。

 

首を吊っている春雨は物凄く苦しそうにこちらに助けを求めている。

 

零「...っ!待ってて!今助けるから!」

 

...早くっ!助けなければっ!!

そう思って春雨に近づいた瞬間、私は夢から目覚めたのであった...。




零と春雨は新しい部隊に配属されたみたいですね。
阿武隈さん、北上さんに好かれてるんでしょうかね?
...しかし、最後の夢は何だったんでしょうね。
首を吊っている春雨...。
夢って現実で起きたことが夢に出てくる場合があるみたいですね。...って事は...そういうことですね(どういうことだよ)。
さてと、話は変わりまして次回、零は学校に行きます!
学校に行き、沢山の仲間と出会います!次回をお楽しみに!


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第玖話 我、学校なう!

こんにちは★零雨☆です。
久しぶりの更新ですね。え、遅すぎないかって?
マイペースという性格に任せてるので仕方ない事です。
さて、前回...零が夢の中で春雨を吊っているのを助けようとするところで夢が覚めました。
感じの悪い目覚めかたですがそんなことは朝のハイテンションっというもので吹き飛ばして学校に行きます!
それでは続きの第玖話 『我、学校なう!』をご覧下さい!


2020年水無月10日 マルロクマルマル

 

...私はあの悪夢から目を覚ました。

...何だか気味が悪いなぁ。夢の最後に春雨が...いや、それ以上言ってしまったら気分が悪くなってしまうな...。

...しかし、あの夢は何だったんだろうか。

夢の中にしてはやけに感覚もあったしなぁ。

 

...さてと、気を取り直してっと...今何時かな...六時かぁ。...うん、学校行くまでちょっと時間有るんだよなぁ。

...春雨居るかな?

 

私は上のベットに顔を覗かせた。

 

春雨「Zzz...」スヤスヤ

 

うん、ぐっすりと寝てるわ。

心配しなくても良さそうだ。

せっかくなら叩き起こそうか。

 

零「...おーい、春雨ー。起きろー。」ペチペチ

 

春雨「...ん、...Zzz」スヤスヤ

 

駄目だ起きない。...仕方ない、こんなことしたくなかったけど...

 

零「よっこらせっと...」(。-∀-)つ(メガホン

 

零「春雨ーーー!!おーきーろー!!」(爆音)

 

私は春雨の耳もとでメガホンで話した。

想像通りに春雨は飛び起きてきた。

 

春雨「ふぇっ!?...敵襲!?」(・д・ = ・д・)

 

ごめんねー?無理矢理起こして...私、誰かに構ってないと死んじゃうんだ(嘘)☆。(うさぎかよ)

 

春雨「...って、零...朝から耳もとでメガホンで起こされても五月蠅いんですけど...。」

 

不知火「朝っぱらから何ですか...。」

 

不知火も起こしてしまったか...。

他のみんなは...居ないな。

 

零「あー悪い悪い。あ、そうだ今から朝飯食べに行かない?」

 

ここはすらりと話を変えておこう。

 

不知火「...そうですね、ギリギリまで朝飯食べなかって急ぐ羽目になるのは嫌ですからね。」

 

確かに。ギリギリまでゆっくりしてるのって気付いたら時間で慌てて行ったりするよね、うん。

 

零「んじゃあ、食堂までレッツゴー!」

 

朝からテンションアゲアゲ!うわっふぉい(?)

 

不知火「朝からハイテンションですね...。(ついてこれません)」( -。-) =3

 

え、朝はテンション上がるよね?

え、どっかの夜戦バカみたいだって?気のせいだよHAHAHA!

 

春雨「きっと寝てる間に可笑しくなったんですね、はい(怒)。」つ(飯盒

 

そう言って春雨は片手に飯盒を構える。

 

うん、春雨...片手に飯盒を持つの止めようか...。いつでもスタンバイオッケーよ!(村雨)...なんてネ。いつでも襲ってきそうだ。

 

不知火「春雨さん、飯盒下ろしてください...危ないですから...。」

 

春雨「...そうですね。はい。」ササッ...(飯盒シマウ

 

不知火に注意されてか春雨は手に持っていた飯盒をしまった。

 

零「朝はパン♪パンパパン♪」

 

フ○パンのCMを歌う。

あ、○ジパンのパンって美味しいよね!

 

不知火「フジ○ンのCMですか?...不知火はパン派ですよ。」

 

あ、不知火はパン派なんだ。

私もあさはパン派だよ。

 

春雨「は、春雨はご飯派です...あ、パンも好きですよ?」アワアワ

 

やはり春雨はご飯派か...っ!いや、ご飯も美味しいけどね?どっちも好きだわ。

まぁ、何となく春雨はご飯派だろうなぁーと思ってた。片手に飯盒持ってるし。

 

不知火「零、食堂に着きましたよ。」

 

おおー...今日のメニューは

 

.目玉焼きベーコン朝食セット(パンorご飯)

.塩バターほうれん草添え鮭定食

.鶏のお握り定食

 

昨日も思ったがやはりとても旨そうだ。

 

鳳翔「あら、不知火ちゃんと零ちゃんに...春雨ちゃんかしら?何がいいかしら?」

 

あれ、いつの間にか春雨の名前知られてる...いつ知ったんだろう。

 

不知火「私は塩バターほうれん草添え鮭定食でお願いします。」

 

零「あ、私は鶏のお握り定食でお願いします。」

 

春雨「は、春雨もそれでお願いします。」

 

鳳翔「鮭定食とお握り定食二つね、今作りますから席についてゆっくりしといてね。」

 

不知火「さ、二人とも席に着きましょう。」

 

不知火に袖をひっぱられる。

 

零「不知火ー、急いでも座れるからね?」

 

春雨「不知火さんはせっかちさんなんですね。」

 

不知火「せっかちではありません、少し急ぎ気味な性格なだけです。」

 

いや、それせっかちって事じゃね?

言い換えても、意味は一緒だね。

 

不知火「それに、急ぎ気味の方が良いときだってあるんですよ?那珂ちゃんさんのサイン会とか...。」

 

あ、もしかして艦隊のアイドルー那珂ちゃんでーす☆!って言うあの那珂ちゃんさん?

てっきりファンの人居ないと思ってたけどどうやら違うみたいだ。

要するに隠れファンってことだな。

 

那珂「あれ!?誰か呼んだのかな?艦隊のアイドル、那珂ちゃんだよー!!」

 

噂をすれば那珂ちゃんさんが来ましたよ。

 

川内「夜戦大好き軽巡洋艦、川内参上!夜戦なら任せておいて!」

 

騒がしい人たちが来ましたよ...。

朝から騒がしいよ...。え、人の事言えないって?私の事はどうでもいいんだよ...うん。

 

神通「...すみません、妹たちが迷惑をかけてしまって...。」

 

不知火「いえいえ、いつもの事ですから大丈夫ですよ神通さん。」

 

神通さんって忙しい人なんだなぁ。

大変だろうな騒がしい二人がいて。

 

那珂「あ、今度ライブするのー!良かったら見に来てねー!!」ピャー c=(/´∀`)/

 

那珂ちゃんさんは嵐の如く、走り去っていった。

 

川内「夜戦ー!!やーせーん!!夜戦しよ!?」

 

今は朝だぞ...夜まであと十四時間もあるぞ...。気が早すぎなのでは?

 

神通「...姉さん?まだ朝ですよ?...これ以上皆さんに迷惑かけてはいけません。...説教しますよ?」(^ー^#)ニヤリ

 

...神通さんから黒いオーラが漂っている...。

あ、川内さん「こりゃあやべぇ」みたいな顔してる。

 

川内「...あはは~...ごめーん。まだ早かったよね?うん。」((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル

 

明らかに怯えている様子だった。

...なるほど、神通さんを怒らせるとダメなタイプなんだな。

 

川内「夜戦はまた今度にするよ、うん。...去らばだ!」ピャーε=┌(;・∀・)┘

 

気まずくなったのか川内さんも走り去っていった。残ったのは神通さんだけである。

 

神通「...本当にすみません...」m(_ _)m

 

神通さんはお辞儀をして、川内さんの後を追った。

 

零「...朝からハイテンションだな...」

 

春雨「いや人の事言えないよ?」

 

春雨からツッコミを入れられる。

 

...確かに人の事言えなかったわ。

 

朝ご飯が出来るまでそう時間はかからなかった。

 

鳳翔「鮭定食一つとお握り定食二つです。ゆっくりしてくださいね。」

 

鳳翔さんが来て、頼んだいた朝食を置いてくれた。置いてくれた後、鳳翔さんは奥の調理室まで引っ込んでいった。

 

零「わぁ、美味しそうだな。」

 

思わずそんな言葉が口からあふれでた。

...本当に美味しそうだ。

昨日食べた焼肉定食はマジで美味しかった。

お肉はジューシー、タレは甘辛くて旨い。

なんかもう...最高だったよ...。

欲を言うならばもっと味わいたかったことかな。

 

零.不知火.春雨 「「「頂きます!」」」

 

手を合わして頂きますと唱え、料理を食べ始める。

 

...うまいっ!

 

一言で言えばそう言う。

 

二言で言えばそう言う。

 

...めっちゃうめぇっ!

 

...って。マジで旨すぎる。

 

もう...あれよ、これのために働いて行ける気がする。

 

私たちが食べ終わると、食堂から出て学校に向かう。ちなみに今は六時四十分だ。

七時ぐらいに学校が始まるから急いで行く。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

驅逐弐組と書かれたプレートの扉の前に私はいる。意外と食堂から遠いようだ。

不知火は参組なので途中別れた。

春雨はゼェゼェと息を切らしている。

 

春雨「はぁ...やっと...着きました...。」

 

さぁーて!教室のドア開けるゾー!!

 

教室のドア「痛ぇ...」Σドカッン!!

 

何か変な声が聞こえた気がするがキニシナイキニシナイ。

 

...気にしたら駄目だ...うん。

 

開けた教室の中には沢山の艦娘が居た。

 

赤っぽい髪色の娘がいたり青っぽい髪色の娘がいたりとりあえず...まぁ、個性的なクラスだと言ったら分かってくれるだろうか。

 

時雨「あ、おはよう。零、春雨。」

 

その中には時雨がいた。

よかった...仲間が居たよ...。

 

零「おはようー。」

 

春雨「おはようございます、時雨姉さん。」

 

時雨「零も弐組だったんだね。ボクと一緒だよ。」

 

嬉しそうにはなす時雨。

 

零「私らの席って何処かな?」(・д・ = ・д・)

 

時雨「あぁ、あそこだよ。」

 

時雨が指差す方を見てみると奥の窓側の後ろの席であった。

 

その2つの机には『驅逐艦 零』と『驅逐艦 春雨』と記されていた。

 

零「おおーっ...綺麗な机だな。」

 

ピカピカの新品な机だ。

 

余りの綺麗さに感動していると赤髪の娘に声をかけられた。

 

?「貴女が新しい艦娘だぴょん?」

 

こいつは知ってる。前世でもいろいろとお世話になったからな...。確か...卯月って名前だったよな?

 

卯月「わたしは卯月だぴょーん!よろしくピョン!」

 

ピョンピョンと五月蠅い娘だなぁ...。

 

?「卯月...語尾ついたままだよ...。」

 

今度は青っぽい髪色をした娘が来た。

 

あれ?怒ってる...?

 

弥生「違いますよ...元々の顔です。...あ、私は弥生です...。」

 

あ、心読まれてた...こりゃあごめん...弥生。

 

零「私は零だよ。よろしくね、卯月、弥生。」

 

春雨「春雨です、よろしくお願いします。」

 

卯月「それよりも変わった娘だって聞いたピョン!それは本当なのかなぁ?」

 

あぁ、もしかしたらあの演習の時に観られてたか...。

 

零「まぁ...他の人からしたらそうかも...しれない。...多分。」

 

卯月「凄いピョン!今日は演習もあるから早速零の力を見せてほしいピョン!」

 

卯月が目をキラキラと輝かせていた。

 

弥生「確かに...実際見てないから気になる...かも。」

 

顔には出ていないが明らかに興味を示しているようだった。

 

時雨「あはは、結構零は変わった戦術で仕掛けてくるからねー。例えばドラム缶を身代わりにしたりとか。」

 

卯月「ドラム缶を盾がわりに!?凄い、そんな発想無かったピョン!」

 

みんな仲良く話しているとチャイムが鳴った。

 

那智「お前らー、席に着けー。授業を始めるぞー。」

 

那智さん...いや、ここでは那智先生と言った方が良いのだろうか?

那智先生が教室に入ってきた。

 

那智「そうだ、今日から入ってきた艦娘が居るぞ。ほら、二人とも自己紹介してくれ。」

 

那智先生に呼ばれ、教卓の前に立つ。

 

零「どうも、始めまして。驅逐艦の零です!よろしくお願いします。」

 

春雨「私の名前は春雨です!よろしくお願いします!」

 

挨拶をした後、沢山の拍手をもらった。

 

那智「まだ二人とも新人だ、分からないところは教えてやれ...二人とも、もういいぞ席に着け。」

 

那智先生に言われ、席に着く。

 

那智「授業を始めるぞ、昨日の復習だ。酸素魚雷を放つ時、敵に見つからないのは何故だ?...よし、卯月答えてみろ...。...まさか聞いてないとでも言うのか?」

 

那智先生の言葉に焦る卯月。

...どうやら卯月は授業に集中していないようだ。目線があっちにいったりこっちにいったりしている。

 

卯月「えぇ~...っと。それは...(汗)」

 

那智「ちゃんと聞いてたら答えれるはずだがな...。あ、答えれなかったら宿題増やすからな。」

 

卯月「ピョョーーーン!!??」Σ( ̄ロ ̄lll)

 

今の卯月を誰が見ても焦ってるように見えるだろう。

 

卯月「えーと...えっと~...」

 

卯月「酸素魚雷は酸素が使われいます。酸素は水に溶けやすいので魚雷の雷跡が分かりにくくなります...ピョン。」

 

那智「うん、惜しいな。酸素魚雷は熱走式で圧縮空気に替えて純酸素を使用したものだ

これにより排気ガスの成分はほぼ炭酸ガスと水蒸気のみとなる。

蒸気は言うに及ばず炭酸ガスも海水によく溶けるため、酸素魚雷は雷跡をほぼ引かないと言われている。」

 

なるほどなるほど...。

 

那智「そして酸素魚雷にはもう2つある。零、答えてみろ。」

 

げ、当てられた...。

むむ、仕方ない...答えるしかないな。

 

零「通常の熱走式よりも燃焼効率が大きく向上したことで雷速・航続力もさらに向上した...ですよね?」

 

確か、そんなんだったはずだ。

前世で習った事がある。

その時はイマイチよく分からなかったな...。

 

那智「あぁ、そうだ。よく分かったな...。そう雷跡が分かりにくいのと雷速と航続力が向上したことだ。」

 

弥生「うわー...凄い...卯月よりも。」

 

卯月「うぐっ!?ひ、酷いピョン!弥生ー。」

 

弥生の言葉に腹を立てたのか卯月は弥生の背中をポコポコと叩いた。

 

陽炎「それは仕方ない事でしょw」

 

卯月「陽炎も酷いピョン!」

 

雪風「ゆ、雪風はそんな卯月さんも良いと思います!」

 

卯月「雪風ぇー!!みんなが卯月を苛めるピョン~!!」ダキツ

 

みんなから一斉に攻撃されてる。

 

那智「こら、お前ら無駄話してる場合ではないぞ。今、何の時間だと思っている?」ゴゴゴ

 

...那智先生から黒いオーラが出ております...。

あ、ヤバいこれ本気で怒ってるやつだ。

 

那智「お前ら!授業を聞く気が無いなら廊下に出てろ!」

 

卯月と陽炎は廊下に出されていた。

...あれだよ、那智先生は鬼だよ...。

 

この後卯月らめっちゃ怒られてた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

演習にて...

 

あれから演習場に来ている。...え?何のためにって?駆体を慣らすためだよ...。

 

那智「よし、次は演習だ。今回は砲撃演習を行う。」

 

ええー!?...という声が演習場に響く。

 

時雨「うわぁ...。ボク、砲撃演習苦手何だよね...めっちゃ的が動きまくるしね...。」

 

時雨さえも嫌になるようだ。

なるほど...固定された的じゃなくてちゃんと移動する的なのね。

 

卯月「すみません!砲撃演習より移動演習の方が良いです!」

 

那智「バカか。もうとっくに習っただろ。」

 

卯月は那智先生からしばかれる。

思ったより痛かったのか卯月は頭を押さえていた。

 

雪風「せんせぇー!零さんと春雨さんは初めてですけど大丈夫ですかー?」

 

おま...っ!...めっちゃ優しいやん...。

何、この子...もうあれでしょ?天使か何かなんでしょう?雪風は。

 

那智「大丈夫だろ、零に関しては普通に出撃してたし。」

 

謎に期待を込めないで頂きたいところです。

 

春雨「...えぇ...。」

 

春雨は見るからに不安そうにしている。

...そうだろうな...初めての演習がまさかの攻撃手段から教えられるとは思わなかっただろう。

 

那智「さて砲撃演習を始めるぞ!まずは曙だ。艤装を装着しろ。」

 

曙「はい、了解。」

 

曙?が返事をすると同時に艤装がぶっ飛んできて曙?は見事にキャッチした。

 

...あれどこっから出てきたんだよ...

え?細かい事は気にすんな?

気になるに決まってるわ!!

 

てか、他の娘たちも艤装を背負い始めたんだけど...

 

零「...ってうわ!?...あっぶね!?」つ(艤装 パシッ

 

危なっ!!ちょっ怪我したらどーすんねん!

しかもどっから現れた!

 

春雨「きゃあ!?」( ; ゜Д゜)く艤装 ドカッ!

 

春雨なんか艤装とぶつかってるよ...。

あれ絶体痛いだろうな...思いっきり頭に当たってたよ...。

 

那智「あ...いい忘れてたが艤装は変な所から出てくるからな。」

 

いや、もう遅いかと思うんですがねぇ!!??

春雨を見てみろ...踞ってるじゃないか...。

 

春雨「...痛いです...。」

 

涙目になってるよ...ほら。

 

弥生「大丈夫...そのうちなれる...多分。」

 

すんげぇアバウトだなぁ?

何回かしたら慣れるもんだろうか?

 

零「個性的な艤装の現れ方だな。」

 

時雨「ボクもそう思ったよ...。」

 

時雨も共感するほどのもんなんだな。

 

お?どうやら曙が演習を始めたようだ。

 

曙「駆逐艦、曙!抜錨!」

 

風の如く、駆け抜けていく曙。

その姿はどこか力強く見えた。

 

そして、曙の目の前にある的を次々と当てて行った。

 

零「うわぁ...凄い。」

 

思わず思った事を口に出してしまった。

 

卯月「そりゃあぼのたんはこのクラスで上位にたつぐらい上手いピョン!」

 

なるほど...だからあんなに上手いのか...。

それなら納得だ。

 

那智「よし、他の奴等も行ってこい!」

 

那智先生に言われると皆、次々と抜錨していった。

 

ピンク色のツインテール?の娘は十個中六個当てて、弥生は十個中八個当てた。

時雨はもちろん全部当てた。

 

卯月はって?...止めたげて...たった一つしか当たらなかっただとか言わないであげて...!

 

春雨「は、春雨!行きます!」ボンッ!

 

春雨はよろけてはいるが何とか撃てるみたいだ。ちなみに春雨は十個中四個当てれたようだ。

 

那智「うむ、最初にしては良い出来だと思うぞ、このまま努力せよ。」

 

春雨「はい!」

 

今度は私の番か...上手く出来るだろうか?

 

ようちゃん『(今更不安がってどーすんだこのヤロー。)』

 

おい、しばらく見ないなと思ったら出てきやがったな...そしていつもに増して口悪くねぇ!?

 

機嫌損ねたなら後で金平糖やるから気を悪くすんじゃねぇ。

 

ようちゃん『(やったぜ。)』キラキラ

 

てか、せいちゃんはどこいった?

 

ようちゃん『(寝てる。)』

 

寝てんのかい!

まぁ、いいや。

 

那智「よし、次は零だ。始めろ!」

 

零「はい!...駆逐艦零!抜錨だー!!」

 

ようちゃん『ヒャッハーー!!』

 

どこぞの艦娘みてぇな声だすんじゃねぇー!

的まで遠いなぁ!しばらく着くまで時間が掛かりそうだな。

 

ようちゃん『...なぁ、俺の事を覚えてるか?』

 

はぁ?何いってんだ。

生まれた時からの相棒だろう?

覚えてないわけないだろ。

 

ようちゃん『...いや、そう言う意味ではなくてな...』

 

ん?そうなのか?

まぁ、そんなことはいいか。

 

んー...思ったより近づかないなぁ。

もっと上げるか...

 

零「36knotから40knotに加速!」ギギッ!

 

...変な音がしたが気にしない気にしない。

 

よし!敵(的)が見えた!

 

零「よし!放て!」ドゴォーン!

 

数個弾が海の上で飛んだ。

 

的にあたった。

そして、一つの的が沈むだけではなく、その後ろの的2つを貫通させたのだ。

 

...なにやら港の方が騒がしい。

そんなに珍しいことなのだろうか?

貫通するものではないのか?

 

ようちゃん『...きっとお前がイレギュラーだからだよ...』

 

んん???どこがイレギュラーなのだ?

至って普通の軍艦だぞ?

 

ようちゃん『お前は気づかないだろうよ...。』

 

あれ?なんか見放された感があるんですけど何故ですかね?

 

あ、それよりも他の的を倒さないとな...。

んんっ...撃ちにくいな...。

すこし落とすか...。

 

零「40knotから30knotに減速!」ゴゴゴ...

 

よし!これで撃ちやすくなる!

...っし!ここだぁー!!

 

ドゴーーーン!!

 

大爆発が起きる...が、そんなことに気をとられてる暇はないのでスルー。

 

...よし!2つ当たった!

 

...おっと...いつのまにか弾薬が切れてるな...。演習終了だな。

 

零「さて、戻るか。」

 

ようちゃん『...あぁ。』

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

那智「1位、時雨 2位、曙 3位、弥生。以上にて演習、学習を終了する!もう自由にしても良いぞ!」

 

やったーーー!!!!

自由だあぁー!!うわっほい!(?)

 

ようちゃん『(こりゃあ...異常レベルだ。)』

 

なんかようちゃんから軽蔑するような眼をしてきたよ...何故だ解せぬ。

 

卯月「...ウワァ」

 

さっきから魂抜けたような顔をしてる卯月がいるが大丈夫だろうか?

 

時雨「零、春雨。凄いじゃないか。なかなか初めてにしては良い成績だよ!」

 

春雨「そ、そうですか?...えへへ...ありがとうございます。」

 

嬉しそうにする春雨。

...なるほどぉ...これが姉妹なのかぁ...。

 

ようちゃん『何だ?羨ましいのか?...安心しろ俺とせいちゃんが居るではないか!』ドヤッ

 

いや、もうそれ姉妹どころか家族じゃね?てか、そもそも体の大きさが全然ちげぇーじゃねーか。

あー姉妹が欲しいわー。

 

しっかし、授業ってなげぇなぁー。

いつの間にか11時になってたよ。

 

昼飯でも食べに行くかぁ...。

 

零「お腹空いたから食べに行ってくるわ!」

 

時雨「ボクたちはまだやることがあるからまたね。」

 

春雨「さよならですね、はい。」

 

時雨と春雨が手を振ったので振り返しておいた。

 

零「昼飯♪昼飯♪ー!」

 

ようちゃん『おま...元気だな...。』

 

そうして零は昼飯を食いに食堂へと向かうのであった。




機嫌よくなった零は昼飯を食べに行ったみたいですね。
私も鳳翔さんの料理を食べてみたいもんですね。
美味しそうでたまらないでしょうね特に赤城さんとか。

赤城「呼びました?」

呼んでないんで帰ってください。

赤城「はぁーい...。」トボトボ

さて、話は変わりまして次回 第捌話 『我、春雨に会う!』と第玖話 『我、学校なう!』の春雨視点の話となっております!前半と後半にわかれて更新しようかと思います!さて、次に会うまで去らばです!次回をお楽しみに!


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第拾話:前半 春雨、零と会います!

こんばんは、★零雨☆です。
今回は第捌話の『我、春雨に会う!』の春雨視点の話となっております。
会話はほぼ同じですが捌話ではなかったシナリオが少々入っております。
暖かく見ていただけたら嬉しく思います。
それでは第拾話前半 『春雨、零と会います!』をご覧下さい。


目が覚めると医療室に私はいました。

 

春雨(此処は何処なんでしょうか...。)

 

周りには誰もいません。

どうやら私だけみたいです。

...しばらくするとピンク色の髪をした人が入ってきました。

 

明石「えー...春雨ちゃんだっけ?私は明石って言うの。」

 

春雨「あ、はい。」

 

このピンク色の髪をした人は明石って名前なんですね。

 

明石「春雨ちゃん、此処に来る前の事...覚えてる?」

 

此処に来る前...?

...あれ?可笑しいな...此処に来る前の記憶が無いと思う...。

 

春雨「...すみません、よく覚えてないんです。」

 

春雨は何も思い出せませんでした。ただ、ゆういつあの言葉が浮かび上がってきました。

 

???『春雨姉さん!起きて下さい!』

 

?『揺らさないで、意識がない。...このまま連れていくのは無理そうだな。』

 

一人は聞きおぼえのある声だけど...もう一人は聞きおぼえのない声...。

 

明石「そうですか...。それでは身体の方は大丈夫ですか?」

 

身体は...何の傷一つもない。...大丈夫そう。

 

春雨「大丈夫です。」

 

明石「そうですか、春雨ちゃん余り無理しちゃあ駄目ですよ?...お見舞いの方も来たみたいですし、ゆっくりしてくださいね。」

 

そう言って明石さんは部屋から出ていきました。明石さんとすれ違うように見に覚えのある姿をした人たちが入ってきました。

 

時雨「春雨、起きたのかい?身体は大丈夫かな?」

 

この人はもしかして、時雨姉さん?

 

春雨「はい、大丈夫です。」

 

五月雨「春雨姉さん、無事で良かったー。」

 

白露「そうだよねー、出撃中に見つかったって聞いたから怪我してるんじゃないかと思ったよ...。」

 

五月雨も白露姉さんも私の事を気にしてくれています。...凄く、うれしいです。

みんなと集まってこうして仲良く話せて。

 

...?見に覚えのない姿をした人が一人居ました。...あれ?何処かで会った事が有ったかな?その人の姿を見てとても懐かしい感じがしました。もしかして、あの声の人なのかな?

気付いたら春雨はその人に声をかけていました。

 

春雨「えっと...貴方が私を助けてくれた人ですか?」

 

その人は一瞬、ポカンとし直ぐに普通の顔に戻りました。

 

?「あぁ、うん。そうかな。」

 

やっぱりあの声と一緒でした。

それに、私を助けたと言ってます。

 

春雨「ありがとうございます。助かりました!」

 

お礼はちゃんと言わないとですね。

 

白露「それよりも春雨が来てくれて良かった。」

 

時雨「本当にそうだね。」

 

五月雨「零さんに任せられたときは本当にどうしようかと思いましたよ。」

 

零さん...?あ、この人の名前なんですね。

 

零「ごめんよ?時雨たちが心配でさ、危ない目に遭わせちゃって...」

 

それほど危険な状況だったんでしょうか...。

なんか...春雨だけ力に成らなくて申し訳ないです...。

 

...?そう言えば村雨姉さんは何処に居るんでしょうか?

 

春雨「あの...村雨姉さんはどこに...?」

 

白露「村雨は食べ物とか買いにいってるよ。」

 

白露姉さんの言葉に安心しました。

...今度はちゃんと生きてる...って。...あれ?春雨は前の記憶なんて覚えてないはずなのに何で今度って言葉が出たんでしょうか?

 

村雨「ただいま~...って春雨が起きてる!?」

 

ちょうど村雨姉さんが帰ってきました。

 

春雨「村雨姉さん、おはようございます...ってもう夜なんですけどね...」

 

村雨「何ともなさそうで良かったわ。」

 

村雨姉さんの顔を見れて、私も安心しました。

 

春雨「心配かけてしまってすみません...」

 

でも、心配させてしまったことは変わりないのですから村雨姉さんに謝らないといけません。

 

夕立「春雨が謝る事じゃないっぽい。」

 

夕立姉さんからフォローをしてくれました。

 

その時、ドアからトントン...という音がしました。

 

司令官「入るぞ。」ガチャ

 

その人は軍服を着ていました。

どうやら司令官さんみたいですね。

 

夕立「提督さん?どうしたの?」

 

夕立姉さんが司令官さんに話しかけます。

 

司令官「涙の再会の中で悪いが編成ついて話して来た。」

 

凄く突然の事ですね。

 

白露「うん。」

 

司令官「まず、第四艦隊に所属する者を発表する。白露、時雨この二人には第四艦隊に異動してもらう。そして...」

 

司令官「村雨、夕立、五月雨は第2水雷戦隊に異動してもらう...」

 

司令官「そして、春雨、零。君たちには第1水雷戦隊に異動してもらう。これにて白露駆逐隊は解散する。異論は無いだろうな。」

 

村雨「はいはーい。村雨、少し疑問がありまーす。」

 

司令官「なんだ?」

 

村雨「私たちは異動しても特に問題ないけど...まだ来たばかりの二人はどうするんですか?」

 

確かにそうですね。

今の私は右も左も分からない状態なのであまり出撃するようなメンバーじゃないといいんですが...。

 

司令官「二人には遠征が中心的になるだろう。それにかねて第1水雷戦隊で演習を行うだろう。」

 

つまり、春雨たちは遠征組って事なんですね。

 

司令官「分かったら早く艦隊に集まればいい。他の皆は待っているぞ。」

 

司令官さんが部屋から出ていくと部屋の空気は変な感じがしました。

 

はぁ...目覚めて早速編入なのですか。

 

白露「...行っちゃったね。」

 

村雨「そうね。せっかく会えたのに艦隊が解体されるとは思わなかったわ。」

 

なるほど、私が来る前はちゃんと艦隊を組んでいたんですね。

 

夕立「早く行かないと怒られるっぽい!」ビャー

あ、夕立姉さんが走っていってしまいました...もっとお話したかったのに。

 

村雨(夕立、空気呼んで!)

 

五月雨「確かに早く行かないと怒られそうですね...」

 

やはりそうなんでしょうか?

ならば私も早く行かなければいけませんね。

 

零「私達も行くか。」

 

春雨「は、はい!」

 

いろいろ考え事していたら零さんに置いてかれそうになりました。

そして、第一水雷戦隊のみなさんのところに行くために私たちも部屋から出ました。

 

零「あのさ、始めて此処に来たときどう思った?」

 

此処に来たとき...ですか。

姉妹と再会出来たのも嬉かったですけど、何よりもこんな私を優しくしてくれる。

みんな優しく明るいところが私は好きです。

 

春雨「えっと...みんな明るくて優しい所...ですかね。」

 

そう言えばこの人の名前って本当に零って名前なんでしょうか?もしかしたらニックネームかも...。

 

春雨「...あ、あの!貴方の名前...って何ですか?」

 

零「駆逐艦零。よろしくね。」

 

やはり姉さんたちが呼んでいた名前でした。

 

春雨「よろしくお願いします。」

 

これから一緒に過ごすんだとするととても心強いです。

 

...?零さんが何やら悩んでるように見えます。

どうしたのでしょうか?

 

零「ねぇ、春雨。敬吾は堅苦しいからやめてほしいな。」

 

春雨「あ、うん。分かりまし...分かった。」

 

敬吾は昔からの癖ですね...これでは友達が気を使ってしまいますね。

 

零「ここの鎮守府みんな面白いよねー。金剛さんなんていつでも片手に紅茶飲んでるしねー。」

 

零から話題を出してくれました。

 

金剛?さんと言う人は紅茶が好きなんでしょうか?確かにここの鎮守府は個性的な人たちが一杯いますね。

 

零と色々話していると部屋に着きました。

一体...どんな人が居るんでしょうか。

 

トントン...とドアを叩きます。

 

??「はーい。どうぞー。」

 

誰かが返事をしてくれました。

どうぞと言われたので私たちは部屋に入りました。

 

零「本日から編入した駆逐艦の零です!よろしくお願いします!」

 

零が自己紹介し始めたので私も挨拶しないといけませんね。

 

春雨「駆逐艦の春雨です。よろしくお願いします。」

 

部屋の仲間に敬礼しました。

 

阿武隈「私は第1水雷戦隊の旗艦をしてる長良型軽巡洋艦の阿武隈よ。よろしくね、春雨ちゃん、零ちゃん。」

 

なるほど...金髪の人が阿武隈さんなんですね。

 

不知火「陽炎型駆逐艦の不知火です。よろしくお願いします。」

 

響「私は特Ⅲ型駆逐艦響だ。二人とも、よろしく頼むよ。」

 

初霜「初春型駆逐艦の初霜です!よろしくお願いします!」

 

阿武隈さん以外はみんな私と同じくらいの歳の女の子なんですね。

少し、安心しました。

 

阿武隈「ねぇ、零ちゃんってさこの鎮守府が始めて着任したのかな?」

 

阿武隈さんが零に話しかけます。

 

もしかして私と同じように零もここが初めてなんでしょうか?

 

零「あ、はいそうです。ここが始めてです。」

 

やはりそうでした。

 

響「零って演習で第2艦隊と戦ったんだってね。大丈夫だったかい?瑞鶴さんたち、容赦ないからね。」

 

え...!?第二艦隊...?...もしかして上から二番目の強い艦隊なのかな?

 

零「うん、大丈夫だったよ。途中ヤバかったけどね。」

 

ええ...!?もしかして勝ったの?!

...私が思ってる以上に零は強いのかもしれない...。

 

阿武隈「ええ!?凄いじゃない!第2艦隊って中々強かったと思うけど...」

 

春雨「え、そうなんですか?」

 

やっぱりそうでした。第二艦隊って聞いたら相当強そうな気配がしましたし、そうだろうなと思ってました。

 

響「艦種は同じにしていたかい?」

 

えっと...つまり相手と同じ艦種で挑んだんでしょうか?

 

零「いや、駆逐艦のみで戦ったよ。」

 

不知火「本当ですか?」

 

ええ!?駆逐艦だけで挑んだの!?

え、なにそれチートなのではないですか?

それに不知火さんも怪しんでいます。

そりゃあそうですよね。明らかに負けそうな編成なのに勝つなんて

 

響「すごいね...私じゃあ傷一つすらつけれないよ...」

 

初霜「うわぁー。凄いなぁ...。」

 

あ、やっぱり異常なの零だったんですね。

一瞬私が可笑しいのかと思いましたよ...はい。

 

阿武隈「みんなってもうお風呂入った?」

 

阿武隈さんがお風呂は入ったか聞いてきました。そう言えばお風呂に入ってませんね...。

寝汗もかいてますしお風呂に入りたいです。

 

零「私はまだだけど...響らは?」

 

響「奇遇だね、私達もだよ。」

 

初霜「さっきは奇襲されましたからねぇ...」

 

初霜さんが大変だったと言うような顔をしました。

 

不知火「汗もかいてますし、お風呂に入った方がいいですね。」

 

不知火さんがそう言うとシャツをぱたぱたとしました。

 

阿武隈「よし、それじゃあ皆でお風呂に入ろう!」

 

そうして私たちは大浴場に向かったのでした。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

お風呂にて、第1水雷戦隊入浴中。

 

零「あ”あ”気持ちいい”。」

 

零がオッサンみたいな声を出してます。

少しギャップがあって笑いそうになりました。

 

不知火「何か...おっさんみたいですね。」

 

不知火さんも思っていた事が同じだったみたいです。

 

阿武隈「不知火ちゃんも人の事いえないなぁ。」

 

阿武隈さんが苦笑いする。

それを聞いた不知火さんは両頬を紅く灯していました。

 

不知火「むぅ...。見られてましたか。」

 

...?零の体に何やら傷があるように見えます。

何でしょうか?...!?零の体には大きめの掠り傷がお腹あたりに有りました。

見ているだけで痛そうです...。

大丈夫なのでしょうか。

 

春雨「(ねぇ、零。その傷どうしたの?)」

 

零「(なんともないよ。ただの掠り傷。)」

 

春雨「(そうなの...)」

 

ただの掠り傷みたいで平気そうな顔をしていました。

 

零「(零型は頑丈さが取り柄だからねぇ!)」ニカッ

 

零は春雨を安心させるためにか笑顔で話しかけてくれますがその顔には凄く辛そうな表情が混ざってました。

 

響「はらしょー」

 

響さんが髪を纏めずに湯ぶねに入っています。

それを見た初霜さんは響さんの元にいき、髪を纏めてあげていました。

 

初霜「響ちゃん、ちゃんと髪纏めないと濡れちゃうよ...」

 

阿武隈「響ちゃん、髪は大切にしないとダメだよ?すぐ痛んじゃうんだから。」

 

響「はらしょー」

 

返事もそれですか。

はらしょーって響さんの口癖なのかな?

て、そもそもはらしょーってどういう意味なんだろ...。

 

阿武隈「あ”っ...!!??眼が...眼が!!」

 

突然、阿武隈さんが眼を抑えて床に転がりだしました。

...あ(察し そう言うことなんですね...。

 

不知火「さっきの仕返しです。」

 

不知火さんが阿武隈さんの眼にシャンプーの泡をつけたんです。...しかも目潰しで。

 

初霜「こら、不知火ちゃんもふざけないの!ここ共有スペースだから!あと、阿武隈さん一応先輩だから!」

 

もしかしたらこの中で真面なの初霜さんだけかもしれません。

 

不知火「...ちっ...」

 

不知火さんは舌打ちをしました。

思ったよりも大きい音がしたので周りにもよく聞こえました。

 

阿武隈「え、初霜ちゃん?その一様と言うのなんで!?...てか不知火ちゃん、今舌打ちした?」

 

阿武隈さんがくるりと不知火さんの方に向きますが不知火さんは阿武隈さんを見ないように顔の方向を変えました。

 

不知火「幻聴ですよ、幻聴。」

 

悪怯れる事なく、そう言います。

 

阿武隈「...可笑しいなぁ...あたし的には舌打ちが聞こえたんですけど...。」

 

不満そうにする阿武隈さん。

...ドンマイです。

 

春雨「な、何だか賑やかですね。」

 

本当にそう思います。

みんな賑やかでとても楽しいです!はい!

 

初霜「まったく...響ちゃんもそうですけど不知火ちゃんも大変ですよ...。」

 

確かに初霜さんにしたら大変な人が二人いるからまとめるの大変そうですね。

 

阿武隈「まぁ、人手が増えたから前よりも楽になるかもしれないわね。...春雨ちゃんはまともそう。」

 

春雨、めちゃくちゃ信頼されてます。

嬉しいですね...って零の顔が凄い事になってますけど...大丈夫でしょうか?

 

響「先に出とくよ。」

 

響さんが大浴場から出ようとしますがその体には泡だらけでした。

きっとこんなのでは初霜さんが反応してしまうでしょう。

案の定初霜さんが反応しました。

 

初霜「...響ちゃん、まさかそのまま出ようとしてない?」

 

初霜さんは笑顔で響さんに問いますがその顔はとても威圧感のある雰囲気がありました。

 

響「これはロシアでの風流だよ(嘘)。泡だらけになってから風呂を出るんだよ。...ロシアでは。」

 

初霜「そんなの聞いたことありませんしそもそも此処は日本です。日本に居るんだからちゃんと泡流してから出てください。マナーが悪いですよ。」

 

響さんは嘘をつきますがズバッと初霜に見破られ、怒られています。

 

初霜「あと、そんな嘘ついたらガングートさんとかタシュケントさんが怒りにきますよ?分かりました?」

 

響「オーケー。分かったよ...。」

 

あ、そこははらしょーじゃないんですね。

 

初霜「そうと決まれば!」

 

響「え?」

 

初霜「ウォッシュタイムです!!」

 

...初霜さんが眼を輝かせていました。

 

響「え、ちょっ初霜...待つんだ...」

 

響さんは今から何をされるか察したのか初霜さんから遠ざけます。

 

でも、それに対抗するように初霜さんは響さんに近づきます。

 

初霜「ほらほら響ちゃんウォッシュタイムですよ?はやく洗わないと髪も痛んじゃいますよ?」ワキワキ

 

初霜さんはそう言いながら手をワキワキと動かしてます。

 

響「...いやだ...来るんじゃない...やめろ!やめっ...!」

 

初霜「うりゃあーーーーー!」ゴシゴシゴシ

 

初霜さんは思いっきり響さんの頭を洗い始めました。

 

響「あああああああああっ!!!...痛だだだだだだだだ!!ちょっ、初霜!痛いよ!...痛だだだだだだだだ!!」ゴリッゴリッ

 

...うわぁ...。

とても痛そうです。

 

初霜「痛い?また嘘ついてるんですよね?実はそんなに痛くないんですよね?ならもっと力をあげてあげましょう!」ガリガリ

 

多分嘘じゃないと思います。

...響さん...頑張れです。

 

響「あああああああああっ!!!痛いいいいいいいいいいいいい!!!!!!」ボリボリボリ

 

もう止めてあげてください...響さん涙目になってますよ...。

 

零「...うわぁ...なんこれ」

 

本当にそう思いますよ...何ですかこれ。

 

阿武隈「...私たちは先に出ておこうか。」

 

不知火「...そうですね。」

 

そうして響さんの救助は断念して先に出ようとすると

 

響「あああ!ちょっと!待ってよ皆!置いて行かないでー!!」ゴリッゴリッ

 

初霜「あ、喋れるほど余裕なんですね。ならもっと強くしても平気ですよね?」

 

響「いやーーーー!!誰か助けてーー!!!」

 

...置いていくことに罪悪感がありますが仕方ないです...自業自得なのです。

 

このあとも響さんは初霜さんに思う存分洗われたという。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

お風呂上がりにて 第一水雷戦隊

 

あれから遅れて初霜さんと響さんが出てきました。初霜さんはさっきよりも生き生きとしていてキラ付けになってました。

それに比べて響さんはげっそりとしていました。

 

不知火「やっぱり風呂上がりの牛乳は良いですね。」

 

確かにそうですね。風呂上がりの牛乳はとても美味しいです。

...?何やら零が春雨を見てきますがどうしたのでしょうか?

 

春雨「響ちゃんってブラックコーヒー飲めるんですね。」

 

響「うん、苦いけど一応飲めるよ。」

 

響さんってブラックコーヒ飲めるんですね。

結構苦いですけど飲めるのって凄いなぁ。

 

阿武隈「へぇー、響ちゃんって意外と大人だね。」

 

不知火「阿武隈さんは今も牛乳ですか。」

 

阿武隈「べ、別にいいじゃない!不知火ちゃんだって牛乳飲んでるじゃん!」

 

不知火「私の事はどうでもいいんです。」

 

あはは...好みは人それぞれですよ不知火さん。

 

初霜「あはは...」

 

思わず苦笑いする初霜さん。

 

響「はらしょー」

 

こんなときにでも言うんですね。

 

?「おー、阿武隈っちじゃん。何してんのー?」

 

三つ網の人が話しかけてきました

 

阿武隈「げぇっ!...北上さん...。」

 

どうやら阿武隈さんには面識があるみたいです。知り合いですかね?

 

初霜「北上さん、お疲れ様です。」

 

北上「おーお疲れさんー。...で?そこの新顔の二人は?」

 

零「はじめまして、駆逐艦の零です。よろしくお願いします。」

 

春雨「駆逐艦春雨です!よろしくお願いします。」

 

北上「おー、今度は元気あっていいねぇ!こちらこそよろしくね。」

 

北上さんが私の頭と零の頭を撫でました。(ちょっと気持ちが良いです...。)

 

北上「いいなぁ!阿武隈っち。活きの良いやつ入ってきたじゃん。うちのとこは頼りなくてねぇ。」

 

阿武隈「...今居る子たちが可哀相ですよ。」

 

ぷくぅと膨らませた阿武隈さんは北上さんに睨み付けました。

 

北上「んーまぁ...結局はうちのとこが優秀だろうねー。二人とも頑張りなー。」

 

初霜「そう言えば大井さんはどこに...?」

 

北上「ん?大井っちかぁ...。多分どっかにいるんじゃない?」

 

大井...さん?

...あ、もしかして姉妹なのでしょうか?

 

阿武隈「珍しいなぁ...大概一緒にいるのに。」

 

一緒に居るほど仲が良いですね。

 

北上「んーそうかなー。一人でいる時の方が多いかなぁ。」

 

不知火「意外ですね。見かける時は大体一緒にいるのに。」

 

北上「ま、そう思われても仕方ないねー。」

 

???「北上さ~ん!」

 

すると、北上さんと同じ制服を着た茶パツの人が来ました。

 

北上「お、噂をすれば...大井っちじゃん!」

 

北上さんはその人を見つけると嬉しそうな顔をしました。

 

大井「もう北上さんったらこんなとこに居たんですね!...そこの二人ははじめましてかしら?私は軽巡洋艦の大井よ。」

 

零「こんばんは、駆逐艦の零です。よろしくお願いします!」

 

春雨「駆逐艦の春雨です、よろしくお願いします。」

 

とても優しそうな人ですね。

 

大井「ええ、こちらこそよろしくね。...で、さっきまで何してたんですか...阿武隈さん。」

 

大井さんは阿武隈さんを睨み付けました。

阿武隈さんは大井さんから睨まれたせいなのかブルブルと怖がっています。

 

阿武隈(えぇ...、あたし何かいけないことでもしたかなぁ...)

 

北上「やだなぁー、大井っちー。偶然会っただけだよー。」

 

大井「え、そうなんですか?...ま、まぁ...それならいいんですけど...」

 

さっきの怖いオーラが消え、緩やかな雰囲気になりました。

 

響「北上さんたちは今からお風呂かい?」

 

響さんが北上さんに聞きます。

 

北上「うんそだねー。今からうちらお風呂だよー。」

 

大井「と、言うことだからさっさと行きましょ!北上さん!」グイーッ

 

興奮気味な大井さんは北上の袖を引っ張りながら大浴場へと向かっていきました。

 

阿武隈「はぁー、危なかった...。殺されるかと思った...。」

 

阿武隈さんは苦手なんですね...春雨もちょっと分かる気がします...。

 

不知火「阿武隈さん。早く部屋に戻りましょう。早く寝たいです。」スタスタ

 

不知火さんが急ぎ気味に部屋まで歩いていきました。

 

初霜「ち、ちょっと~、不知火ちゃーん。速いよ~」

 

その後を初霜さんもパタパタと足音をたてて不知火さんの後を追いました。

 

阿武隈「あの子達は元気だよねぇ...。」

 

阿武隈さんが二人をみてあきれています。

 

響「そう言う阿武隈さんはお婆さんか何かなのかい?」

 

阿武隈「違うわよ!叩かれたいのかしら!?」

 

阿武隈さんが響さんに対して怒ります。

...そりゃあそうですよね。

明らかに悪口ですもんね。

 

響「じゃあ阿武隈さんはヨボヨボお姉さんだね。」

 

阿武隈「ヨボヨボ!?何それ?!酷いよ響ちゃんったら!もう!」

 

零「ヨボヨボ...ふっ...。」

 

微かに零が笑いました。

その微かな音に反応したのか阿武隈さんは零の方に向きます。ヨボヨボ...って結局はお婆さんって言う意味ですよね?

 

阿武隈「あー!?今、笑ったでしょー!?零ちゃんも酷いじゃない!これでもピッチピチのお姉さんなんだからー!!」プクー

 

零「ぶっふぁwwピッチピチのwお姉さん...w」

 

響「流石に...ピッチピチではw無いでしょw」

 

めちゃくちゃ二人とも笑ってます。

それにもっと腹をたてたのか阿武隈はさらに顔を赤くさせました。

 

阿武隈「ぐぬぬぬぬぬー!もう!」

 

阿武隈さんは二人を捕まえようとしますが二人とも華麗に避けます。

 

零「うわぁー...阿武隈さんが怒ったー(棒)」ピャー

 

響「逃っげろー(棒)」ピャー

 

そのまま三人とも走っていきました...。

...って春雨...置いてかれました。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

初霜「ふわぁ~...ふっかふかです~。」

 

初霜さんがベットの上に寝転ぶ。

 

不知火「疲れたときには直ぐに寝てしまいそうになるほどフカフカですね。」

 

モフモフとかけ布団を触る不知火さん。

 

響「やぁ、私はベットだよ。寝心地の良さに魔の布団て呼ばれてるよ(裏声)」ヒョコリ

 

裏声で話す響さん...って、どっから出てきたんですか!

 

阿武隈「もう!響ちゃんたらそんな所に隠れちゃったらダメじゃない!埃ついちゃうでしょ!?」

 

不知火「...ぷっ。響の声...w」

 

初霜「響ちゃん...埃まみれだよ~...もう。」

 

初霜さんは響さんの頭についてる埃を取りました。

 

響「すぱしぃーば、初霜。」

 

嬉しそうな顔をする響さん。

初霜さんと仲が良いんですね。

 

阿武隈「もう11時ですか...時間たつの早いですね。」

 

阿武隈さんに言われて春雨は時計を見ました。

確かに11時ですね。

とても早いですね時間がたつのは。

 

零「あっと言う間に時間が過ぎた気がする。」

 

阿武隈「そうだねぇ...特に今日は忙しかったもんね。」

 

響「明日も頑張らないとね。...ふぁあ...眠っ...。」

 

響さんはベットの上にのり寝ようとします。

...そう言えば春雨たちのベットはどこなんでしょうか?

 

初霜「あ、零さんと春雨さんはあっちのベットですよ。」

 

初霜さんが指差した方向は角の部分にあるベットでした。

 

不知火「それではおやすみなさい。」

 

阿武隈「おやすみ~」

 

初霜さんの後に不知火さん、阿武隈さんも続いてベットに入りました。

 

零「さぁーて、私らも寝るとしようかぁ...。あ、春雨は上の方で寝る?」

 

春雨「あ、うん。」

 

零「りょー、んじゃあおやすみー。」スヤァア

 

零はベットに入って直ぐに眠り着きました。

相当疲れていたんですね。

 

それでは春雨も明日のためにもう寝ましょう。夜更かしは体に悪いです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

...気がつくと何やら黒い部屋?に居ました。

 

春雨「ここは...何処でしょうか?」

 

周りには何もありません。

人も居なければ物もありません。

何もないので少し怖いです。

 

すこし...歩いてみましょうか。

 

春雨「...」

 

歩いても何も景色が変わりません。

何も見えないのでつまらないです。

 

春雨「誰かいませんかー?」

 

叫んでも誰も返事はしません。

本当に春雨以外居ないのでしょうか?

 

バタンッ!!

 

何かの音がしました。

どうやら奥の方に何かが起きたのでしょうか?

様子を見に春雨は音がした方に行きます。

 

すると景色は真っ黒で何もないところから何やら執務室のような景色に変わりました。

何も無ければただただ普通の執務室だなと思うのですが春雨の思っている執務室とは違いました。

 

その執務室には首を吊っている私とその近くにいる少女が見えました。

 

春雨「ひっ...!?」

 

私とそっくりなその人は眼から鼻から口からいろんなところから液体をこぼしていました。

 

そしてその死体を大きく揺らす少女がいました。

 

少女「どうして...!!どうして死んじゃったの!!ハル!!」

 

その少女は必死に死体に向けて話しかけますがそれは何も反応しません。

 

少女「...ん?」

 

少女が春雨の方に向きました。

な、何でしょうか?

 

少女「え、なんで...?何でハルと同じ姿をしているの?...あれ?でもハルは此処にいて...でも、目の前にもハルが居て...?」

 

どうやらその少女は混乱しているようです。

見間違えても可笑しくないぐらいその少女が言うハルと春雨は顔が似ていました。

 

少女「...そうか...そうかっ...!!」

 

何やら考え事をしているみたいです。

大丈夫でしょうか?

 

少女「お前がっ...ハルをっ!!殺したんだっ...!!」

 

少女は春雨の方に睨み付けます。

何を勘違いしたのか春雨がハルを殺したと思ってるみたいです。

 

春雨「あの、違うんですけど...。」

 

少女「うるさい!黙れこの人殺しめ!!」

 

違うと言っても聞いてくれません......っ!?

少女は突然刃物を取り出しました。

...ってどっから出してきたんですかそれ!

 

そのまま少女は春雨を追いかけます。

 

もちろん春雨も殺されたくないので必死に逃げます。

 

春雨「はぁ...っ!はぁ...っ!どうして...春雨がこんな目に...」

 

目の前には白い光りが見えます。

彼処に行ってみましょう、何か...あるはずです...!

 

少女「死ねぇええええーー!!!」

 

少女が春雨に追いつき刃物を向けてきました。

 

春雨「(殺られるっ...!!)」

 

?「春雨ーーー!!おーきーろー!!」(爆音)

 

そう思った瞬間、突然大きな声が春雨の耳に入ってきて夢から目を覚ましました。




最後の春雨ちゃんの夢は怖かったですね...実際に殺される夢を見るのは嫌ですよね...。
しかし...何故春雨はあんな怖い夢を見てしまったのでしょうか...首を吊っている春雨...これは零が見た夢とそっくりな内容ですね。
やはり何か関係があるのでしょうか...
さて、そんな怪しい雰囲気を零の元気な目覚ましで吹き飛ばしまして次回春雨は飛び起きます(笑)
第玖話 『我、学校なう!』の春雨視点のお話となっています。
次回をお楽しみに!!


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