IS (インフィニット・ストラトス) 〜男達の運命〜 (konsome)
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始動編
第一話 転生、そして・・・


どうも、この小説は主にアニメと他のIS二次創作による作者の乏しい知識によって執筆されています

訂正箇所、誤字脱字等がありましたら遠慮無く感想欄にて報告してください



それでは、どうぞ!
IS (インフィット・ストラトス) 〜男達の運命〜
スタート!men of destiny!


••••此所は何処だろう?

 

俺はまどろむ意識の中、目を開ける

 

そこは真っ白で何も無い空間•••そう、『何も』無い

 

空も天井も地面も床も無い

 

立っているのか浮いているのかは、わからない••

 

ただ、俺には何故か此所がどんな場所なのか直感できた

 

「ああ・・・俺、死んだんだ。」

 

生前の俺は技術者であり宇宙飛行士でもあった

 

俺はかなり有名だった

 

幼い頃から宇宙(そら)への夢を抱いていた俺は自らが創り上げた、外宇宙航行艦『ガブリエル』に搭乗し人類初の外宇宙への進出を遂げた

 

その様子はリアルタイムでインターネットで流していた

 

おそらくその映像は多くの宇宙への夢を抱く者や天文学者達の心に響いただろう

 

だが、そんな俺の最期は呆気なかった

 

彗星の衝突

 

超高速で宇宙を突き進む彗星の直撃を受けた

 

俺の乗っていた艦は彗星と共に粉々に吹き飛んだ

 

 

 

 

 

 

「ははは、我ながら本望であり、笑える最期だな」

 

「そうか、本望かそりゃ良かった」

 

「いやー、今頃世界中が大慌てだろうなー。なんせ『ガブリエル』からの中継映像が急に途絶えるんだろうからなー」

 

「「あっはっはっはっ」」

 

「さて、誰だお前?」

 

「?、閻魔だけど。何か?」

 

「何かじゃねぇよ。誰だよ」

 

「だから閻魔だって」

 

俺は溜息をつきながら閻魔と名乗った奴を見た

 

そして

 

「嘘つけ」

 

と、言った

 

「酷い!いきなり人を嘘つき呼ばわりなんて!」

 

「いや、だって、お前•••女じゃん」

 

「えー、閻魔は男なんて誰が決めたんだよー」

 

そう言われれば、自然と閻魔は厳ついおっさんってイメージだな•••

 

だが、俺の目の前にいる閻魔と名乗った奴はナイスバディのお姉さんだ

 

「•••そんなことより、その閻魔が何の用だ?もしかして地獄行き?俺」

 

「地獄?とんでもない。」

 

「なら天国か?」

 

「それ以上の待遇だよ」

 

それ以上の待遇?なんだ?

 

「•••もしかして、転生とか?」

 

「大正解♪」

 

「はぁ、何で俺が選ばれたんだ?」

 

「君や他の地球人類は気付いてないけど。君は天界と地球の危機を救ったんだよ?」

 

「俺が?いつ?」

 

「君はどうして死んだのかな?」

 

「どうって、彗星の直撃で艦ごと粉々に•••」

 

「そう、その彗星だよ」

 

「?」

 

「君が死ぬ原因となった彗星、実は君の艦があそこになかったら地球への直撃コース一直線だったんだよ。」

 

「•••••マジ?」

 

「マジ。もし君の艦と直撃しなかったら、君がいなかったらあの彗星は、約395日と15時間で地球に直撃。地球の全生物を十回滅ぼしてもお釣りがくるレベルの破壊エネルギーを生み出しただろう」

 

「だが、地球の危機はわかるけど天界の危機とは?」

 

「はぁ、彗星が地球に直撃したら全生物が死ぬんだろう?それは地球の全生物の魂が天界に流れ込んでくる事になるんだよ。それだけの魂が一気に流れ込んで来たとしたら天界がパンク寸前になってしまう。天文学的数字の数の魂が天界で処理される事になりパニックになってしまう」

 

「なるほど」

 

「その功績を称え、特別に転生が許可されたんだよ」

 

おおー、転生か•••

 

「そうだな、転生先はインフィニット・ストラトスで」

 

「あれ、君は生前はガンダムが好きだったんだろ?」

 

「転生先で速攻で死ぬのは勘弁だ」

 

「なるほど、チートとかいる?」

 

「チートか•••ヴェーダとイノベイターとしての能力かな」

 

「了解、それだけ?」

 

「そうだな、転生先でも何か開発したいし誰にも見つからないラボと莫大な研究資金、それと資材かな?」

 

「わかったよ、ラボは山の中で良い?」

 

「構わないよ」

 

「じゃあ、そろそろ出発だね」

 

「もうか?早いな」

 

「こっちも忙しいんだよ」

 

「念のために、転生先の俺はどんなのなんだ?」

 

「そうだね、年齢は15歳。高校生として生活してもらうよ。転生先の学校には転校生として入学してもらうから」

 

「わかった」

 

「それと、本来君は転生先の世界にはいないはずの人間。それを無理矢理転生させるから、その世界には『歪み』がでてくるかもしれない。気をつけて」

 

「ああ、じゃあ、行ってくる」

 

白い光に包まれて俺は消える

 

次に目を開いたらそこは新しい世界なんだろう

 

その事を考えると胸が高鳴る

 

これから俺の、如月(きさらぎ)仁(じん)の2度目の人生が始まる・・

 

 

 

 

・・・と言っても俺が死んだのは27歳の時だったけどな

 

 

 

 

 




どうも、第一話を読んでくださった皆様。
ありがとうございます

どうでしたか?作者の文才は残念ながら皆無です
それでも、読んでくださった皆様!

第二話もお楽しみに!




・・・俺、スベらなった?


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第二話 歪みを正すために…

第一話に続き第二話も見てくださりありがとうございます

さて、今回も作者の駄文に付き合ってください!

それではどうぞ!



閻魔に転生させてもらったインフィニット・ストラトスの世界

 

一体、どんな感じなのだろう?

 

原作自体はアニメである程度までは知っている

 

女尊男卑の世界だというのは少々やりにくいがそんな事はどうでもいい

 

2度目の人生、新しい世界、閻魔からのチートによるヴェーダとイノベイターとしての能力、開発自由なラボ

 

どれも魅力的だ

 

転生する時の白い光に包まれた感覚、あの何も無い空間の感覚がなくなり、身体が重力を感じる

 

どうやら転生が完了した様だ

 

俺は鼓動が高鳴るのを感じながら目を開く

 

よく見る日本的なボロい天井だ

 

「さて、どうするか」

 

どうやら俺はベッドに横になっていた様だ

 

俺はベッドから降りると周りを見渡した

 

「……なんじゃこりゃァァァー!」

 

俺が見た景色、それは

 

六畳一間の畳の部屋

 

ベッドが有り、膝ぐらいまでの高さの簡素なテーブル、ブラウン管のテレビ、そして身体全体を見れる鏡

 

「なんてことだ……まさか、こんな家に住むことになるなんて……」

 

とりあえず、鏡で自分の状態を確認

 

そこに映っていた俺のすがたはガンダムOOのロックオン・ストラトスだった

 

服装もロックオン・ストラトスと同じ

 

紺のジーパンに黄緑のTシャツその上に茶色いデニムのベスト

 

「おおー、凄え。転生ってなんでも有りだな」

 

声もロックオン・ストラトスそのもの

 

ふと、テーブルの上を見てみると封筒が置いてあった

 

「ん?」

 

気になった俺は封筒を手に取る

 

差出人は閻魔だ

 

俺は封筒から手紙を取り出し読んでみる

 

手紙の内容は要約するとこうだ

 

俺の転入する高校の地図などの情報

 

俺のラボが有る山の場所を描いた地図

 

俺の転入する高校の制服はハンガーに掛けてあるということ

 

こんなことかな?

 

さらに俺が高校に転入するのは3日後であり、それまでは自由行動だということだ

 

俺はハンガーに掛けてある高校の制服を見た

 

よく見る学ランだった

 

 

 

 

 

 

 

「よし、ラボに行くか」

 

前世では宇宙飛行士であり技術者でもあった俺はラボに行くことに決めた

 

ドアを開けて外に出る

 

そこはどんな所なんだろう?自分はどんな家に住んでいるのだろう?

 

視界に広がったのは………

 

街行く人が下に見える。どうやら建物の二階の様だ。俺は階段を降りて自分の新たな家を見てみる

 

………それは、想像を絶するボロアパートだった

 

「閻魔あぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

ふざけるなよ閻魔。いくらなんでもこれはないだろ。昭和初期かよ…

 

そ、そんなことよりラボが気になる

 

俺はボロアパートの事は無かったことにし、ラボの場所が描かれた地図を見た

 

どうやら自宅からそこまで遠くはないようだ

 

 

 

 

 

 

ラボへの道中

 

俺の家(昭和初期に造られたであろうボロアパート)がある地域はラボがある山の麓の様だ

 

立ち話に花を咲かせる主婦などの女性達がちらほら居る住宅街を歩く

 

おかしい……

 

俺が転生した世界は現在ゴールデンウィーク中で住宅街には男達がいてもおかしくないはず

 

なのに見当たらない

 

さらに道行く女達からの笑い声が聞こえてくる

 

それだけなら普通だが

 

どうやら俺をチラチラ見ながら笑っているようだ

 

正直、良い気分じゃあない

 

女達からの視線や笑い声のなか俺はラボを目指す

 

 

 

 

 

 

そんな時ふと声をかけられた

 

「ちょっといいかしら?」

 

俺は振り向いて返事をする

 

「はい、なんでしょう?」

 

「汚らわしい男がこの道を通らないでくださる?」

 

………は?

 

なにを言っているんだコイツ?

 

「この道を通りたかっから私や周りの人たちに通行料でも払いなさいよ」

 

「………………………」

 

「なによその見下した様な顔は?」

 

目の前のキチガイババアは見下した様な顔と言うが俺はそんな顔はしていない

 

なぜかって?なぜなら俺は今、無表情だからだ

 

さて、キチガイババアに絡まれた俺がとるべき選択はふたつ

 

1、目の前のキチガイババアを殴り倒す

 

2、逃げる

 

 

迷わず「ダッシュで逃げる」だろう?

 

イノベイターとしての身体能力で逃げる速さはかなりのものだ

 

速すぎる。とある魔術と科学が両立している世界の聖人並に速い

 

後ろの方でキチガイババアが何か喚いているが無視してラボまで走る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラボの前

 

「確か、ここだよな」

 

地図に描かれたとうりに進み、ラボの入り口らしきものを発見する

 

どうやらラボは平屋みたいなものではなく地下にあるようだ

 

ラボの入り口を開けて中に入ると階段があり、降りる

 

「凄え…………」

 

ラボはかなり広い

 

広いどころではない

 

巨大な戦艦を何隻も保有できるドック

 

豊富な資材

 

例えるなら巨大な箱を土で隠して山に見せているようだ

 

「この部屋は…………?」

 

中に入ってみる

 

「これは!」

 

ヴェーダとのリンクが出来る部屋だ

 

ひとまずこの世界の情報が知りたいのでヴェーダとリンクしてみる

 

ヴェーダとリンクした俺は世界情勢を調べてみる

 

「……………そんな……まさか…」

 

現在の時系列はクラス代表対抗戦に無人機が介入して中止になってしまった時ぐらいだろう

 

篠ノ之束が生みだした「女性しか扱えない」マルチフォーム・スーツ 『IS』

 

それにより男女の社会的パワーバランスが一変し、女尊男卑が当たり前になってしまった世界

 

だがこの世界は俺が転生した時に発生した『歪み』により本来あるべき世界、つまり『原作』と違い女尊男卑が深刻化してしまっていた

 

女性中心の世界

 

大勢の女性達による男性へのリンチ、迫害行為が当たり前になり、女性が権力の強い企業による男性社員の大量解雇

も珍しくない世の中

 

男性達の権利を主張するデモを武力(ISで)鎮圧する事件が発生、それをきっかけに女性vs男性による全面戦争が一触即発で起こりそうな状態の世界

 

それはガンダムSEEDにおけるナチュラルとコーディネーターのような関係だろう

 

 

 

俺は俺が転生したせいで起こったことに絶望した

 

その時ヴェーダに、ある情報が追加された

 

気になった俺はそれを閲覧してみる

 

「………!?くそっ!なんなんだよ畜生!」

 

ヴェーダに追加された情報

 

それは

男性達による女性への小規模対抗組織つまりレジスタンス組織の武力蜂起に対し国連(大半が女性役員)が『軍用IS』15機編成による制圧作戦が実行されたということだった

 

「ふざけるなよ!たった50人ぐらいのレジスタンス組織に『軍用IS』を15機だと!?確実に殺す気じゃねえか!」

 

『軍用IS』の性能はIS学園の生徒達が使っている『競技用IS』を上回る性能だ

 

それに対しレジスタンス組織の武装は(当然『IS』に乗れないため)一般兵装に限られる

 

『IS』は世界最強の兵器。それに一般兵装が敵うはずがない

 

「くそっ!俺は俺のせいで起こった『歪み』に対し何も出来ないのかよ⁉︎」

 

俺が無力感に打ち震えていると、ふとヴェーダへのアクセスルームの隅に何かが見えた

 

「……なんだ…?」

 

俺は何かに近づく

 

「……これは…『IS』か…?」

 

そこにあったのは『IS』のような機械だった

 

だが、

 

「ヘビーアームズ…?」

 

それは生前好きだったガンダムWにでてくる『ガンダムヘビーアームズEW版』だった

 

「乗れるのか……?」

 

そう思った俺はヘビーアームズEWに触れてみる

 

その瞬間俺は眩い光に包まれた

 

眩い光で閉じてしまった目を開けるとハイパーセンサーによるクリアな視界だった

 

自分自身はよくわからないが他人から見たら全身装甲の機体のようである

 

俺はその状態のままヴェーダへのアクセスルームを出てカタパルトのようなものに足を乗せる

 

(やってやる………この機体で俺がこの世界に起こった『歪み』を正してやる……マイナスの歪みにプラスの歪みをぶつけて相殺、今の俺なら不可能じゃあない。)

 

 

 

 

外に出るためのハッチが開く

 

この世界に起こった『歪み』を正す決意をした俺は深呼吸をし、

 

「如月仁!ヘビーアームズ!出撃する!」

 

山の中腹からフルスキン(全身装甲)の機体が飛び出す

 

自らのやるべき事をするために…

 

女性達に立ち向かうレジスタンス組織を助けるために…

 

戦場であるゴビ砂漠へ向かう

 

 




歪んだ世界、捻じ曲げられた運命。
絶望に彩られた世界で如月仁は画面の中だけの存在に出会う。

次回
IS(インフィニット・ストラトス)~男達の運命~ 第三話 救世主

混迷のゴビ砂漠へ、飛び立て!ガンダム!


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第三話 救世主

感想受け付け中!

それでは第三話どうぞ!



出撃から約3時間後

 

俺は戦場であるゴビ砂漠から約20km程離れたところから戦場に向かい高速飛行中だ

 

戦場に近づいたからかハイパーセンサーが反応し戦場の様子を移す

 

もう戦闘が開始しているみたいだ

 

レジスタンス組織はチームワークによる連携で『軍用IS』に多対一の状態を作りだし『軍用IS』と互角に渡りあっている

 

15機編成の『軍用IS』はもの凄い弾幕を避けるのに必死で中々攻撃のチャンスをつくれないでいる

 

だがそれも時間の問題だろう

 

弾薬が切れたらレジスタンス組織は攻撃の手段を失ってしまう、だが『軍用IS』は主にレーザー主体の武装であるからエネルギーにさえ気をつければ攻撃ができるのである

 

「間に合えよ……」

 

俺はヘビーアームズEWのガトリングガンを量子変換により展開しスピードを上げた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「良いぞ!押してるぞ!」

 

「ロケットランチャー次弾装填急げ!」

 

「装填完了したぞ!」

 

「よし!第二部隊はロケットランチャーを発射しろ!」

 

指揮官の合図によりレジスタンス組織の部隊から数十発のミサイルが発射される

 

だかそれは敵の『IS』に避けられたり撃ち落とされたりして当たらない

 

「弾幕をはれ!敵を近づけさせるな!」

 

国連が開始した『軍用IS』15機によるゲリラ活動を続けるレジスタンス組織に対する鎮圧作戦

 

そのレジスタンス組織に所属する僕、アレルヤ・ハプティズムは使い捨ての軽量型ロケットランチャーを数本持ちながら砂漠を走る

 

「はっはっ…!」

 

岩陰に隠れてロケットランチャーを一本飛行中のISに向けて発射する

 

ハイパーセンサーにより発射されたミサイルに気づいた敵は瞬時に反応しミサイルを撃ち落とす

 

「くっ……!」

 

岩陰に隠れた僕にミサイルを撃ち落としたISが接近してくる

 

「………やらせない!」

 

最悪でも相討ちになってやろうと足元にあるロケットランチャーを拾い接近してくる敵のISに向けて構える

 

「はあぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

敵のISが右手に装備したレーザーライフルを構える

 

それに対してこちらはロケットランチャーの引き金に指をかける

 

一秒が長く感じる…敵のISを鮮明に捉える…パイロットの顔は笑顔だ、邪魔な男を殺せるというような感情がヒシヒシと伝わってくる

 

僕はここで死ぬんだ…だけどタダでは死なない…目の前のこいつだけは道連れにしてやる

 

互いの武器が撃たれようとした時…

 

突然、大量の弾丸が目の前の敵に降り注いだ

 

目の前の僕に集中してたからか、いきなりの不意打ちに敵は反応できず大量の弾丸を全身に浴びる

 

あまりもの弾丸の量に敵のISのシールドエネルギーがゼロになり、ISが強制解除される

 

突然ISが解除されたことによりパイロットは僕に突撃しようとしてた時の勢いで地面に直撃し気を失った

 

「な、なんだ…!」

 

僕の近くに大量の弾丸を放ったであろう物はズンと音を立て着地する

 

それは僕達の敵であるはずのISだった

 

だが通常のISとは違い全身が装甲に覆われている

 

それはまさに、この場に現れた救世主だった

 

そしてその正体不明のISは残り14機の敵ISに向かって右腕に装備されたガトリングガンを乱射した

 

 






震える空気、揺れる地面、火薬の匂いが漂う砂漠でアレルヤはガンダムの力を目の当たりにする…

次回
IS(インフィニット・ストラトス)~男達の運命~ 第四話 全弾発射(フルバースト)
砂漠の夜空へ、乱れ撃て!ヘビーアームズ!



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第四話 全弾発射《フルバースト》

感想ありがとうございます

作者は読者の感想を励みに、より良い作品を書いていきます


と、言うわけで感想募集中です!

それではどうぞ!


俺はロケットランチャーを構えた少年(と言っても今の俺と同じぐらい)を撃とうとした『軍用IS』を右腕のガトリングガンで蜂の巣にして強制解除させると地面に着地した

 

衝撃は全て膝で吸収する

 

「らあぁぁぁぁぁぁ!」

 

俺は右腕を正面にいる残り14機のISに向けると、そのままガトリングガンの引き金を引いた

 

すぐさま大量の弾丸が軍用ISに襲いかかる

 

やはり不意打ちとかじゃないと直撃はさせずらいか……

 

「ならよおぉぉぉぉぉぉ!」

 

右腕のガトリングガンだけでは弾幕が足りないと思った俺は胸の装甲を展開し内蔵された2門のガトリングも発射しながら両肩の装甲も展開しそこから十数発のホーミングミサイルを放つ

 

突然増加した弾丸やミサイルに反応できなかった4機の『軍用IS』に弾丸やホーミングミサイルが直撃しシールドエネルギーがゼロになりISが強制解除されてパイロットが落下する

 

5mぐらいの高さから落ちたが下は砂漠だ

 

死にはしないだろう

 

残り10機の『軍用IS』が反撃でレーザーライフルを撃ってくる

 

だがこちらもISだ

 

絶対防御である程度のダメージなら耐えられると思い俺はそのまま右腕と胸部のガトリングガンを撃ち続ける

 

そしてそのまま敵の放ったレーザーはヘビーアームズEWに何発か当たる

 

「ぐ…あぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 

絶対防御が発動しない!?

 

幸いにもこの機体はガンダニュウム合金製であったようで装甲には傷一つつかない

 

そもそもビームライフルの直撃を受けても無傷なんだ。そのガンダニュウム合金にISのレーザーライフルなんぞが効くはずがない

 

だが装甲には傷一つつかなくても衝撃はパイロットに伝わってくる

 

痛みで弾幕が薄くなり敵のISに攻撃のチャンスを与えてしまった

 

「しまっ……!」

 

気づいた時にはもう遅かった

 

10機のISからレーザーが放たれた

 

俺はそのまま何もできずにレーザーの直撃を受けてしまう

 

「あぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

 

このままでは負ける…

 

ここは戦場だ

 

負けは死を意味する

 

ふざけるなよ?死んで、転生して、一日たたずにまた死ぬのか?

 

「ふざけるなよぉぉぉぉぉぉ!」

 

そんな時、ヘビーアームズEWの機体が光に包まれる

 

「………なんだ!?」

 

光が無くなると機体はヘビーアームズEWではなくヘビーアームズカスタムEWになっていた

 

《一次移行(ファーストシフト)完了》

 

「………!」

 

《ファーストシフトにより単一仕様能力(ワンオフアビリティー)が使用可能になりました》

 

機体からアナウンスが流れてくる

 

「………よし!ワンオフアビリティー使用!」

 

《了解、ワンオフアビリティー『高精度火器管制システム』起動、マルチロックオン開始》

 

すると次々と敵のISがロックオンされていく

 

《ロックオン完了、全行程をクリア、高速切り替え(ラピッドスイッチ)によるフルバーストの準備完了》

 

「OK!フルバースト開始!」

 

《了解……フルバースト、スタート》

 

その瞬間、両腕の4門のガトリングガン、胸部のガトリングガン、肩のホーミングミサイル、フロントアーマーと脚部のマイクロミサイルが一斉に発射される

 

ガンダム世界のヘビーアームズなら発射して弾が無くなり終了するが、この世界のヘビーアームズは違う

 

弾が発射されると量子変換により一瞬で次弾が装填される

 

それは機体の拡張領域にあるミサイル全てを発射するまで終わらない

 

数十秒もの間ガトリングガンやミサイルを撃ち続けた機体は静かに全てのミサイルハッチを閉じる

 

発射されたミサイルは約350発

 

その莫大な数のミサイルを喰らった10機の『軍用IS』は完全に沈黙しISは強制解除され、地面に落下したパイロットは気を失っている

 

すると周りのレジスタンス達からは雄叫びがあがった

 

俺は機体を解除し勝利の雄叫びをあげている彼らの方へ向いた

 

俺の計画の同志達を迎え入れるために

 

 

 

 

 

 

 

 

訳がわからなかった

 

突然新手のISが空から来たと思ったら『軍用IS』を攻撃し始めて、数に押されてピンチになったと思ったら光に包まれて姿が変わり莫大な量の弾丸やミサイルを放って敵のISを蜂の巣にしたんだ

 

僕はロケットランチャーを地面に落とした事を忘れて呆けていた

 

すると突然、周りのレジスタンスの仲間達が雄叫びをあげて僕は我に帰った

 

「勝った!勝ったぞおぉぉぉぉぉぉ!」

 

「やったぞおぉぉぉぉぉぉ!」

 

「うおぉぉぉぉぉぉ!」

 

「○♪〆☆*□◇△!!」

 

あるものは雄叫びをあげ、ある全滅を覚悟していたものは明日があることを、この瞬間を生きていることに歓喜していた

 

勝った……

勝った、勝ったんだ!『IS』に!

 

僕は、女達に復讐する為に過激派の男達に『超兵』として生み出された。だが過酷な訓練、洗脳、実験に耐えているうちに僕の中にもう一つの人格『ハレルヤ』が生まれた

 

僕と『ハレルヤ』は研究所を脱走した

 

その時、12歳だった僕は当然のように路頭に迷った

 

そしてそのまま死ぬ寸前のところをこのレジスタンス組織に助けられた

 

だが今の僕はそんなことは忘れ、ただこの瞬間を生きていることに感謝した

 

 

 

その時、僕達を救った謎の全身装甲のISは機体を解除した

 

僕はパイロットはどんな素晴らしい女性なのだろうかと思い少し期待した

 

だが、そのISのパイロットらしき人物は男だった

 

ISは女にしか扱えない

 

それは世の中の常識であり、女尊男卑が深刻化したことにより僕が作りだされ、レジスタンス組織が通常兵器で戦うしかない原因であるはずだった

 

だが、今僕の目に映っているISのパイロットの姿は明らかに男だった…

 

「男……?」

 

僕が素直な疑問を呟いた直後、ISのパイロットである男が口を開いた

 

「よう、お前ら大丈夫か?」

 

 

 

 

 




………何度読みかえしてみたり、これからのストーリーを考えていると、つくづく思います


自分、中二病患者じゃねえか………と


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第五話 勝利の美酒

更新が少し遅れましたね。すいません…

物語がもっと佳境に入れば更新速度も早くなると思います

それまでは暖かい目で、気長にお付き合いください


それではどうぞ、第五話


「名乗るのはまだだったな、私はブライト・ノアだ」

 

「ブライトの妻のタリア・グラディスです」

 

「僕はアレルヤ・ハプティズム、よろしく」

 

「如月仁です。こちらこそ、よろしく」

 

現在レジスタンス組織のメンバー達は軍用ISを退けたことを記念して宴会を開いている

 

酒を飲み、仲間と共に勝利の喜びを分かち合っている光景を背に俺はレジスタンス組織のリーダー、ブライト・ノアとその妻のタリア・グラディス、そして『超兵計画』の研究所から脱走して、このレジスタンス組織に救われたアレルヤ・ハプティズム

 

感激だ……!

 

ガンダムキャラが目の前にいる…声も姿も同じでだ

 

ちなみにブライトさんはユニコーン時代の姿である

 

もっとも、初代、Ζ、ΖΖ、逆襲のシャアと大して変わらないが

 

「さっきは助けてくれてありがとう。改めて礼を言うよ」

 

「僕からも、助けてくれてありがとう」

 

「礼には及ばないですよ」

 

「ところで、一番の疑問を聞いても良いかい?」

 

「どうぞ、良いですよ」

 

「すまないな。どうして男である君がISを動かせたんだい?」

 

「もしかして織斑一夏に次ぐ二人目の男性IS搭乗者とかですか?」

 

「厳密に言うと俺の機体はISではありません」

 

「バカな!現にISを倒したではないか!?」

 

ISは世界最強の兵器、ISを倒すにはISではないと不可能

 

それがこの世界の常識であることから俺の言ってる事は信じられないだろう

 

「根拠はあるのか?」

 

「あります。さっきあの機体のデータを閲覧したところ、あの機体にはISコアとは違うコアが搭載されているというデータがありました」

 

「それに戦闘中に絶対防御が発動しませんでした」

 

「以上の事からあの機体はISではありません」

 

「ISではないか……名称とかはあるのか?名前が無いと不便だからな」

 

「そうですね……『モビル・スーツ』、略して『MS』ですかね」

 

「絶対防御がない代わりに男でも扱える。これを発表したら女尊男卑が無くなりますよ!」

と、タリアが言うとブライトが

 

「少し前ならな。今はもう男性の女性に対する恨みが強すぎる。そんな時に男でも扱えるISと互角に戦える兵器を発表したら世界規模の大戦争が始まってしまうぞ」

 

「すみません、浅はかな考えでしたね」

 

「モビルスーツの発表はなくとも俺に良い考えがあります」

 

「「「??」」」

 

「少なくともこのレジスタンス組織の協力は必要になりますが」

 

俺はブライト、タリア、アレルヤの三人にこの世界を変える方法を伝えた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この俺、レイ・ザ・バレルはレジスタンス組織の仲間達と共に勝利の美酒という物を味わっていた。周りのレジスタンス組織のメンバー達は酒を飲んでいたが俺は未成年だ、カップにいれたコーヒーを飲みながら砂漠に落ちていた丸太に腰掛けた

 

「なんとか生き残れたか……」

 

この世界は馬鹿げている……女にしか扱えない兵器ISにより女尊男卑が当たり前になった

 

そのせいで俺やアレルヤのような存在が復讐に駆られた男達により作り出された

 

アレルヤは超兵、俺はコーディネーター

 

受精卵の段階で遺伝子調整を行い、あらかじめ強靱な肉体と優秀な頭脳を持った新人類

 

人類の夢。そうなるはずで秘密裏に開始されたコーディネーター計画

 

だが、ISの登場により世界は女尊男卑思想に取り憑かれてしまった

 

そして復讐にはしった研究院の男達によってコーディネーター計画は歪められてしまった

 

ISが出る前に生み出されたコーディネーター達は自分がコーディネーターであることを知らずに社会へ進出している

 

IS登場後に作られた第二世代のコーディネーター、つまり俺は戦闘能力を重点的に調整されている

 

いつか俺はこの世界に復讐してやる……俺のような存在を作った男達、ISを使い暴虐無人に振る舞う女達にも……!

 

俺が決意を新たにしているとレジスタンス組織のリーダーであるブライトがさっき俺達を助けた男を連れて来た

 

よく見ると後ろにブライトの妻のタリアとアレルヤがいた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「皆、聞いてくれ!先にこの人の紹介を始める!この人はさっき俺達を助けてくれた如月仁さんだ!」

 

「如月仁です。よろしく」

 

「この人は絶対防御がない代わりに男でも扱えるISと互角に戦える兵器、モビルスーツ通称MSを開発した!」

 

その発言に周りがざわつくがブライトは気にせず説明を続ける

 

「俺達はこの如月仁さんを筆頭にモビルスーツを主力とした私設武装組織を結成する!異論はないな⁉︎ないなら続ける、俺達はこれから日本にある如月仁の研究所に行き、モビルスーツの量産を行う!」

 

「そして時を見計らい!ISとMSが互角であり!男と女が平等であることを世界に訴えようと思う!」

 

その言葉はまさに希望。女尊男卑に取り憑かれ、男達にとっての絶望の世界を終わりに近づける方法

 

それを聞かされたレジスタンス組織のメンバー達は歓喜した。世界を変えれるということに、ただ歓喜した

 

 

 

 

 

 

それから一日後、レジスタンス組織のメンバー達は飛行機に乗り日本にある如月仁の研究所に辿りついた

 

そこには一足先にヘビーアームズカスタムEWで帰った如月仁が待っていた

 

「ようこそ、世界を変える場所へ」

 

 

 

 

 

 

 




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あと言い忘れてたけどUA2000件突破しました〜読者のみなさんありがとうございます〜


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第六話 ラボへご案内

もう直ぐUA3000件だ〜

みんなありがとう〜


それじゃ、第六話……ってぇぇぇぇぇぇぇ!


「俺のラボはこの中です」

 

そう言って俺は山の内部に繋がる階段がある入り口を指差した

 

「ほう、地下にあるのか…」

 

「案内します。着いてきて下さい」

 

「ありがとう。お前ら、行くぞ」

 

俺、ブライト、タリア、アレルヤ、レジスタンスメンバー(レイ)の順で入り口に入る

 

レジスタンスメンバー達の自己紹介はゴビ砂漠にておこなったので、メンバー達の名前と顔は覚えている

 

まさか、レイ・ザ・バレルまでいるとは……

 

階段を下ること約二分、下りきると鉄の扉がある

 

俺は扉の右側にあるボタンを押した

 

すると鉄の扉はコンビニの自動ドアみたいに真ん中からゆっくりと左右に開いていく

 

俺はそのまま中に入る

 

「お待たせしました。ここがラボです」

 

中に入ったレジスタンスメンバー達から驚きの声が上がり、ざわつき始めた

 

まるで社会見学みたいだな

 

むりもない。ここは一言にラボと言うには広すぎる

 

何百人もの人間が居住出来る居住ブロックはラボの二階部分にあり、一階部分は生産ブロックとなっている

 

ちなみに俺達がいるのは二階部分の居住ブロックだ

 

「ここが居住ブロックです。みなさんには今日からここに住んでもらいます」

 

「本当に良いのかい?僕達がここに住んでも」

 

「良いんだよアレルヤ。ちなみに…1人一部屋だ」

 

おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!とレジスタンスメンバー達から歓声があがる

 

「すまないな。助けてもらったうえに住むところまで、礼のひとつも無いし」

 

「気にしないでください。礼はこれからですよ。さあ下の生産ブロックを案内します」

 

俺達は階段を降り、一階部分の生産ブロックへ向かう

 

そこにあったのは広大なドッグ。莫大な量の資材と機械。その気になれば一国家レベルの軍隊でも作れるぐらいだ

 

「さて、ここが生産ブロックです。みなさんには二つのグループに分かれてもらいます。モビルスーツ本体を作成するグループとモビルスーツを動かすMSコアを作るグループです」

 

「いよいよ本格的に世界を変えるための準備が始まるんだな…」

 

「そう気負うなよ、アレルヤ」

 

「そうだね、仁」

 

「基本的にモビルスーツ本体は設計図通りに流れ作業で組み上げていくし、MSコアは俺が作ったものを仕上げる程度だ」

 

「イメージとは違うね…」

 

「モビルスーツ自体は簡単だ。だが本題は…」

 

「本題…?まだ何か作るのか?」

 

「あ、ブライトさん」

 

タリアと話していたブライトが会話に加わってくる

 

「本題は…戦艦だ」

 

「戦艦!?たしかにここは戦艦を収容出来るぐらい広いが仮にもここは山の中だぞ!」

 

「俺が言ってるのは海に浮かぶ戦艦ではありません。空飛ぶ戦艦です」

 

「そんなことが出来るのか?」

 

「出来ますよ」

 

「君が言うのだからそうなんだろうな…期待しておくよ」

 

そう言ってブライトはタリアの所へ戻って行った

 

「それにしても空飛ぶ戦艦の建造と運用なんて本当に出来るのか?」

 

「お、レイか」

 

今度はレイが会話に加わってきた

 

「出来るさ。元々の設計図はとっくに完成してるしな。問題は人手だ」

 

「レジスタンスメンバーだけでは足りないか…?」

 

「まあな、レジスタンスメンバーと言っても50人程度だしな」

 

「何人程度欲しいんだ?」

 

「後150人程度欲しいな。もっとも、1番欲しいのは技術者だがな。モビルスーツはレジスタンスメンバーだけでも生産出来るが戦艦はな…専門の技術者が欲しいな…」

 

「どうやって人手を集めるつもりなんだい?」

 

「まあ、この御時世だ。アテならいくらでもあるさ」

 

「そうか…IS登場の所為でリストラされた技術者達だな…?」

 

「正解。IS関連の企業に勤めてた男性技術者達とその家族とかだ。彼らは男性より女性の方がISの事を理解出来てるなんていう巫山戯た理由の所為でリストラされちまったのさ。まったく…彼らの中にはかなり優秀な技術者達が沢山いるっていうのにな…」

 

「彼らを仁が雇うと…?」

 

「雇う訳じゃあないさ。協力してもらうんだよ。彼らにとっても巫山戯た世界を変えることが出来るんだ。協力してくれるさ」

 

「彼らにとってのメリットはあるのか?さすがにタダで協力してもらうわけもいくまい」

 

「ここの居住ブロックに住まわせて衣食住を保証してやるさ」

 

「なるほど…計算高いな…」

 

「褒めても何も出ないぞ」

 

「それはそうと僕らはモビルスーツ生産の二つのグループに分けられてなかったんだけど…」

 

「そうだな、俺も気になっていたんだ。どういうことだ?」

 

「おっと、言い忘れてたな。聞いて驚け、お前達には専用機を渡すんだ」

 

「専用機だと?」「専用機?」

 

「ああ、専用機だ。レイにはシグー、アレルヤにはキュリオスだ」

 

「名前からではわからないけど、なんだか凄そうだね」

 

「まあな。ということで俺はお前達の専用機を作りに部屋に篭って来るわ。じゃあな、今日はきっちり休めよ」

 

そう言って俺は生産ブロックの一角にある部屋に入った

 

 

あとに残された二人は…

 

「まったく…破天荒な奴だな」

 

「そうだね…」

 

…顔をあわせて苦笑した

 

 




まだまだ感想募集中

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第七話 私立藍越学園

時間が空きましたね、すいません

第七話!でる!


レジスタンス組織が如月仁のラボに居住し、モビルスーツの生産を開始してから1日が経過した

 

如月仁のラボの一角にある極秘ルームのひとつ、『重力変動実験室』

 

この部屋は0.01G〜200Gまでの限りなく無重力に近い状態から莫大なまでの重力を作り出すことが出来る部屋である

 

この『重力変動実験室』が極秘ルームになっている訳は2つある

 

1、『重力変動実験室』の技術がまだこの世界にとってオーバーテクノロジーだから

2、人間が耐えきれないほどの高重力状態の時に一般(生身)の人間が入って来た場合、命の保証は出来ないからだ

 

 

「よっと、後少しで完成かな…」

 

現在は高重力状態の『重力変動実験室』の中で何かを作っている人がいる

 

この部屋に入ることが可能な人間は如月仁か彼に許可を得た人間だけだ

 

そんな時に部屋のドアがノックされた

 

 

 

 

 

 

 

俺はヴェーダからある物の情報を得てそれの開発に取り組んでいた

 

俺は開発していた物を台に置き、大きく伸びをする

 

「よっと、後少しで完成かな…」

 

さすがにイノベイターの身体でも、この木星並の高重力状態はキツい

 

そんな時に部屋のドアがノックされた

 

「誰だ?」

 

「アレルヤ…だけど、コーヒー淹れてきたよ」

 

「すまないな…今開けるから待ってろよ」

 

俺は立ち上がりドアの前まで行くと先にドアの横にある重力変動実験室の重力変動スイッチをオフにしてから、ドアを開けるスイッチを入れる

 

ドアが横に開き、目の前に両手にコーヒーのはいったカップを持ったアレルヤがいる

 

「ありがとよ」

 

俺はアレルヤからカップを一つ貰い部屋を出て二階の居住ブロックの休憩室に入る

 

そこには多数の丸テーブルとイスがありそのうちの一つに座る

 

「さっきは何を作ってたんだい?仁…」

 

「ああ、あれはお前の専用機キュリオスに搭載するGNドライブだ」

 

「GNドライブ…?聞いたことないね」

 

「まあな…それはそうと明日はレイと一緒に朝7時にこの休憩室で待っててくれ」

 

「?何かあるのかい?」

 

「明日のお楽しみだ…」

 

そう言って俺はニヤリと笑った

 

「わかったよ、それじゃあレイにも伝えとくね」

 

「ありがとよ」

 

「それじゃあ…明日」

 

そう言ってアレルヤは休憩室から出て行った

 

休憩室に一人残された俺はコーヒーを一口飲むとホッと一息ついた

 

 

 

 

翌日、午前7時 如月仁のラボの休憩室

 

そこには昨日の約束の通りアレルヤとレイがいた

 

そこに休憩室のドアが開いて如月仁が入ってくる

 

「よっ、またせたな」

 

「いや、待ってない。時間通りだ」

 

「おはよう、仁」

 

「ああ、おはよう。んじゃ行くか」

 

「どこにだ?」

 

「着いてからのお楽しみだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今日は転校生を三人、紹介します」

 

「「どうしてこうなった…」」

 

ここは私立藍越学園の一年一組の教室

 

そう、かの有名な織斑一夏が本来受験するはずだった高校だ

 

「まあまあ、二人とも学校行ってないんだろ?この世の中、知識は武器だぞ」

 

「そう言われても…」

 

「納得いかないな…」

 

「そんなこと言わずにとっとと自己紹介するぞ」

 

「如月仁だ。これからよろしく」

 

「アレルヤ・ハプティズムです。よろしくお願いします」

 

「レイ・ザ・バレルだ。よろしく…」

 

普通ならここで教室はざわつくはずだが、この教室は違う

 

男は気の毒そうな顔、女は虐める男が増えてハイエナのような目だ

 

「何と言うか、皆の目線が…重たいね」

とアレルヤがボソボソ

 

「まあ、この女尊男卑の世界だ…無理もない」

レイもボソボソ

 

「慣れるしかないな」

さらに俺もボソボソ

 

自己紹介が済み席に着き、授業を受ける

 

授業中に多数の女子から消しゴムの欠片を投げられるが全て下敷きや教科書で弾道を逸らしてやった

 

弾道を逸らした消しゴムの欠片は真面目に授業を受けていた金髪の女子に全弾命中、キョロキョロと消しゴムの欠片を投げた犯人を捜しているところを女の教師に注意されていた。…すまない

 

他の二人はと言うと…全て避けていた…さすが超兵にコーディネーター

 

休み時間、普通の学校なら質問責めが開始されるがこの学校は違っていて何事も無かったため机に突っ伏してスルー

 

昼休み、俺たちは飯を食うべく屋上の扉をあけた

 

どうやら先客がいたようだ

 

「あ!転校生の!良かったら一緒に食べないか?」

 

「お言葉に甘えてそうさせてもらうよ」

 

俺たちは先に屋上で昼食を食べている三人のところに座る

 

俺たちの下にはビニールシートが敷いてあり制服は汚れない

 

「こっち側の自己紹介がまだだったな!私は篝火 明日葉(かがりび あすは)だ!よろしく!呼び方は何でも良いぞ!」

 

「よろしく、カガリ」

 

顔も声もカガリと同じ名前も似たようなもの、さらに呼び方は何でも良いと言われたらカガリと呼ぶしかないだろう

 

「…飛鳥 慎(あすか しん)だ、よろしく。俺も呼び方は何でも良い」

 

「よろしく、シン」

 

「あたしは藍田 綾(あいだ あや)です。よろしくお願いします」

 

最後はガンダムキャラじゃあないが良しとしよう。今までが変だったんだ。周りの奴らがガンダムキャラばっかりって…

 

それはさておき、こいつらは今の女尊男卑の風潮に染まってはないようだ。まだこの世界も捨てたもんじゃあないな

 

俺たちは他愛もない雑談をしながら昼食を食べる

 

「そう言えば今日の1時間目の授業中、私の頭に大量の消しゴムの欠片が当たったんだが、なんだったんだろうな?」

 

ごめんなさい。それ俺です…

 

「だから俺に関わらない方が良いって言ったんだよ…」

 

「でも、あたしには何もなかったよ?」

 

……この三人、訳ありだな…だがこの事に首を突っ込んでみるのはまた今度だ、今はやるべき事が山積みだからな

 

俺たちは昼食を食べ終わり教室へ帰る

 

午後の授業も適当に過ごし学校は終了

 

俺たち三人はラボへと帰り、休憩室で雑談を開始する

 

「で、どうだった?始めての学校は?」

 

「なんと言うか、新鮮だったよ」

 

「予想通り女尊男卑に染まっていて、くだらなかったな」

 

「だが、あの三人は違っていただろ?」

 

「まあな、珍しいものだ」

 

「あ、先に言っておくが明日は学校休むぞ」

 

「「?」」

 

「お前らの専用機のテストだ」

 

「もう完成したのかい?早いね」

 

「徹夜したからな…というわけで、俺は昼寝する!じゃあな」

 

そう言って俺は休憩室から出て、ラボの私室に入る

 

自宅?ボロアパートは嫌だよ

 

俺はそのままベッドに直行し、惰眠を貪ることにした

 

 

 

 

 

 

 

 






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第八話 キュリオス&シグー、飛翔

パソコン購入しました

いままではi pod touchだったので…

少しは更新速度が早くなると思います


翌日

 

如月仁のラボ内、カタパルトの前

 

「おはよう、これがお前らの専用機だ」

 

俺はすぐ横に置いてある二つのMSを指差した

 

「二機あるけど、僕のはどっちだい?」

 

「アレルヤのは右側の黄色の機体『ガンダムキュリオス』でその横のモノアイの機体がレイの『シグー』だ」

 

「ガンダム?この前は『キュリオス』ってだけ言われたけど…」

 

「ああ、MSには主に『ガンダムタイプ』と『そうでないもの』の二種類があってな。一般的に外見的特長としてはV字型のブレードアンテナとデュアルアイセンサーの両方があるものが『ガンダムタイプ』に分類されるんだ」

 

「………性能的には?性能的には俺のシグーと『ガンダムタイプ』は違わないのか?」

 

「…………悪い。『ガンダムタイプ』の方が性能は上だ」

 

「ほう、お前は俺に死ねと?」

 

「悪かった!俺が悪かったから胸倉を掴むな!」

 

「それに『ガンダムタイプ』じゃないMSの性能自体、他のISと大差ないし!ほら!あれだ!お前はコーディネーターだし、アレルヤは超兵だからそこらへんのISパイロットには負けないさ!」

 

「……遺言はそれだけか?」

 

「えっ?ちょっ、待って!傍観し()てないで助けてくれよアレルヤ!」

 

「専用機ありがとう。大事に使うよ」

 

「そりゃどうもおおおお!」

 

「あばよ」

 

「あ、あ、あ、いやああああああああああああああ!」

 

「スパイラルドライバー!」

 

「それは無し!」

 

「む、しぶといな……」

 

「落ち着け!それよりも出撃だ!」

 

「……出撃?」

 

俺と壮絶なるファイトを繰り広げていたレイの動きが止まる

 

「そうだ。出撃だ。何のためにわざわざ専用機を作ったんだよ…」

 

「…趣味…だったっけ?」

 

「趣味の範疇超えてるっての…」

 

「…暇つぶし…とかか?」

 

「暇だからパワードスーツ作りましたってか?暇すぎじゃねえか…」

 

「二人共、ふざけるのはそこまでだよ…」

 

「それは俺のセリフだぞ、アレルヤ」

 

「いやレイ、お前のセリフでもねえ…」

 

「それで出撃とはどういうことだ?」

 

「言葉通りだ。正確には太平洋沿岸を艦船一隻で移動中の反女尊男卑側のレジスタンス組織に対し国連側が軍用IS20機による制圧作戦を開始しやがったからな。それの介入かつレジスタンス組織の救出と俺達の組織への勧誘だ」

 

「二人で軍用IS20機かい?ちょっとキツイと思うけど…」

 

「俺のときは15機だったんだから我慢しろ」

 

「わかった。それで作戦開始時刻は何時だ?」

 

「一時間後だ」

 

「なっ!一時間でここから太平洋沿岸まで行け、と…?」

 

「そうだ。そのための専用機だろうに」

 

「まったく。アレルヤ、行くぞ」

 

「了解」

 

「んじゃ早速この機体に触れてくれ。装着されるから」

 

「「わかった」」

 

そう言ってレイはシグーに、アレルヤはキュリオスに触れる

 

その瞬間、二人は眩い光に包まれる

 

光がはれるとそこには全身装甲(フルスキン)の機体が装着された二人が立っていた

 

「機体の調子はどうだ」

 

「問題ない」

 

「問題ないよ」

 

「そうか。ならそこのカタパルトに足を乗せてくれ」

 

「わかった…と言いたいところだが、カタパルトの先は壁なんだが……」

 

「まあ待て。今開けるから」

 

俺はそう言ってリモコンのスイッチを押す

 

すると壁は上に開き、空が見える

 

「こういうことになっていたのか…つくづく驚かされるな」

 

「ありがとよ。ほら早く、カタパルトに足を乗せろ」

 

「そう急かすな…」

 

先にレイのシグーがカタパルトに足を乗せる

 

「レイ・ザ・バレル!シグー!発進する!」

 

その瞬間、シグーがものすごい速さで出撃した

 

「じゃあ次はアレルヤだな」

 

「了解」

 

アレルヤのキュリオスがカタパルトに足を乗せる

 

「I have control キュリオス、アレルヤ・ハプティズム!介入行動に入る!!」

 

キュリオスもまた、ものすごい速さで出撃する

 

十数秒後、先に発進していたシグーにキュリオスが追いつく

 

「無事、発進できたようだな」

 

二人の機体のすぐそばに空中ディスプレイが現れる

 

ディスプレイには如月仁の顔が映っていた

 

「太平洋沿岸、と言っていたが、具体的な場所はどこなんだ?」

 

「待ってろ、今詳細なデータを送るから」

 

一秒とかからずに作戦データが送られてくる

 

「かなり遠いな…本当に間に合うのか?」

 

「安心しろ。おい、アレルヤ」

 

「ん?どうしたんだい?」

 

「実はな、その機体には変形機能が備わっているんだ」

 

「本当?変形方法は?」

 

「変形方法はな、『トランスフォーム!』って叫ぶことだ」

 

「……え?」

 

アレルヤの横を飛んでいるレイが笑いを堪えている

 

「どういうこと?」

 

「いったとおりだ。ほら、『トランスフォーム!』って叫ぶんだ!さあ!」

 

「うっ……わかったよ。トランスフォーム!」

 

「あっははははは!まじで言いやがった!」

 

「帰ったら覚えといてn」

 

アレルヤが言い終わる前に機体が変形を開始する

 

「えっ!あっ!ちょ!痛っ!いたたたたたたたたたたたた!」

 

アレルヤのキュリオスがガンダムOOのキュリオスと同じ変形をする。ただし、このキュリオスは18メートル程の大きさがあるわけではない。あくまで、ISサイズだ

 

よって、変形するときはパイロットの体も一緒に動いて変形することになる。それはすなわち、関節にたいする拷問だ

 

「ああああ…!死ぬかと思った……」

 

アレルヤがディスプレイを見ると如月仁は抱腹絶倒中だった

 

「……ねえ、これどうにかならないの?」

 

「ん?どうにもならないな」

 

「そんな…」

 

「大丈夫。お前が選択出来ることは二つある

①、我慢して毎日柔軟体操をし、体を慣らしていく

②、二度と変形しない

だ」

 

「………後者で」

 

「ふざけるな」

 

「誰のせいだよ」

 

「まあまあ、そういわず。変形したキュリオスはマッハ2で飛ぶことが出来るから目的地まであっというまだ」

 

「……俺の機体は変形してないのだが…」

 

「レイも『トランスフォーム!』って叫べば変形できるぞ」

 

「うっ………と、トランスフォーム!」

 

 ………………………………………………………………………………

 

「なにもおきないんだが…」

 

「嘘に決まってるだろ。バーカ」

 

場が凍りついた

 

「……………帰ったら覚えとけよ…それで、俺はどうすれば良いんだ」

 

「キュリオスに掴まって引っ張ってもらえ」

 

「俺の扱いひどくないか?」

 

「何のことでしょう?早く行け、アレルヤ」

 

「了解」

 

シグーがキュリオスの機体を掴み、それを確認したアレルヤがキュリオスを一気に加速させる

 

ものの数秒でキュリオスとシグーの速度がマッハ2になる

 

 

 

 

 

 

およそ一時間後、キュリオスとシグーの二機は目的地に到着した

 

もうすでに戦闘は始まっているようだ

 

数日前の自分達とほとんど同じ状況だった

 

あの時の如月仁に俺達がなる

 

そう、救世主に

 

レイとアレルヤはお互いの機体の顔を見合わせ小さく頷いた

 

「「戦闘を開始する!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





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第九話 空中戦

…かなり間が空いてしまいました…すいません

今回は戦闘シーンのみです。



太平洋沿岸 海上

 

そこには1隻の巡洋艦が軍用IS20機を相手に戦闘を繰り広げていた

 

「弾幕をはれ!敵を近づけさせるな!ミサイル管1番~3番、弾頭を子弾拡散タイプにて発射から五秒後に起爆するよう設定し10時の方向へ向けて撃て!」

 

「了解!ミサイル、発射します!」

 

巡洋艦の左舷に搭載されているミサイル発射管から3発のミサイルが軍用ISがもっとも密集しているポイントへ向けて発射される

 

放たれたミサイルは設定どおり発射から五秒で起爆し、辺りに大量の弾丸を撒き散らす

 

機体性能に頼りっぱなしの軍用ISのパイロット達は咄嗟の事に反応できずに大量の弾丸を受け、少しだけだがシールドエネルギーを減らされる

 

白騎士事件により既存の兵器はISには敵わないという事が証明された

 

近代における各国の主力兵器はISに移行され戦闘機、艦船、戦車、ミサイルといった兵器は第一線を退いていった

 

だがISに対抗するレジスタンス達はISに対抗するために様々な策を練った結果、一つの対抗策が生まれた

 

それはミサイルや艦船の主砲をISに直撃させるより拡散弾といった威力は低いが広範囲を一気に攻撃できる物でじわじわとシールドエネルギーを削っていくといった『当たらなければどうということはない』という言葉をもとに多方向から波状的に確実に攻撃を当てるといった戦術だ

 

この戦術が確立されていき現代兵器でもなんとかISに対抗できるようになった

 

だがこの戦術には欠点がある

 

「よし!その調子だ!次弾装填急げ!右舷、対空砲火が薄いぞ!」

 

「敵機、弾幕を突破してきました!迎撃、間に合いません!」

 

それは一度弾幕を突破されたら、成す術がなくなるところだ

 

「くそっ!ここまでか…!」

 

弾幕を突破してきた軍用ISが艦橋(ブリッジ)に向けて銃を構える

 

艦長が椅子の手を置くところを叩き、あるものは目を瞑り、またあるものは席を立ち目の前の敵を睨みつける

 

万事休すか。艦橋(ブリッジ)にいたクルー達全員が死を直感する

 

軍用ISがその手に持った銃の引き金を引こうとしたその時

 

軍用ISの横側から無数の細かいピンク色のビームが襲い掛かった

 

「なんだ!?」

 

「わかりません!所属不明機二機、接近してきます!」

 

「いったいなんなのだ!?」

 

「行くぞ。アレルヤ!」

 

「了解!」

 

レイのシグーが軍用ISに向けて左腕のシールドについているバルカンを発射するが敵のISは水平方向に回避する、だがそれを予測していたシグーに重斬刀で切り付けられシールドエネルギーを大きく削がれたところをアレルヤのキュリオスにGNビームサブマシンガンで撃たれシールドエネルギーがゼロになりISが強制解除され海へ落ちていくところを仲間のISによって救出されていた

 

「今のは連携攻撃だったが。次からはバラバラに行動するぞ」

 

「わかった」

 

敵のISが近接ブレードを展開しキュリオス目掛けて振り下ろしてくるが、それに対しアレルヤのキュリオスは左腕に装備されたGNシールドのクローを開きブレードを白刃取りの要領で受け止める

 

「腹部がガラ空きだよ!はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

ブレードを受け止められて腹部がガラ空きになっていたISの腹部に至近距離でGNビームサブマシンガンを乱射する

 

「いやああああああああああああああああ!」

 

目の前のISパイロットが絶叫する

 

「くくく…ハハハハ!いいねえ、もっとその愉快な叫び声を聞かせろやぁ!」

 

戦闘の影響を受けてアレルヤのもう一つの人格、ハレルヤが出てくる

 

「アレルヤ!?…いや、あれはハレルヤか…!」

 

キュリオスはGNビームサブマシンガンを相手の腹部に乱射しながら左腕を振るいGNシールドのクローに挟まれていたIS用のブレードを相手の手から引き剥がして海へ捨てると、GNシールドのクローを開き相手の腹部を挟み込む

 

「……え?」

 

相手のISのパイロットは自分が今、どんな状況に陥っているのか理解できなかった

 

その瞬間、キュリオスのGNシールドからブレイドが飛び出て相手の絶対防御に阻まれるがブレイドはそのまま進み続けて確実にシールドエネルギーを削いでいる

 

「いやあああああああああああ!やめて!私まだ死にたくないいいいいいいいいい!」

 

「どうだあ!一方的な暴力を目の前に命を擦り減らしていく気分はよお!」

 

周りにいたIS達が仲間を助けようとキュリオスに銃を構えるがキュリオスは左腕を振り回して下手をしたら仲間に弾が当たるかもと相手に撃つことを躊躇わせる

 

「いやああああああああああああゴふッ………!」

 

そんな状態が数十秒続いたとき、遂に相手のISのシールドエネルギーがゼロになりブレイドが相手のISパイロットの腹部を貫いた

 

「ハハハハ!楽しいよな、アレルヤ!アレルヤああああああ!」

 

ハレルヤのキュリオスは、腹部を貫かれて動かなくなったISパイロットを投げ捨てる。すぐさま仲間のISが一機、救助に向かう

 

「やめろ、やめてくれ…!なにもそこまでしなくても……!」

 

「ああ?何言ってんだアレルヤ?俺達はこういうことをするために生み出されたんだよ…それをやめるってえのは己の存在そのものを否定することだろぉが」

 

「殺らなきゃ殺られる!数日前までそんな環境だったろぉよぉ!単一仕様能力(ワンオフアビリティー)、トランザム!」

 

機体が赤く発光し出力が増して相手のISの周りを飛びまわり翻弄する

 

「おらよぉ!」

 

翻弄しながらもキュリオスは相手のISに向かってGNビームサブマシンガンを乱射し、確実にシールドエネルギーを減らしていく

 

「ハハハ!さよならだぁ…!」

 

敵のIS数機のシールドエネルギーを大方減らすと、GNビームサブマシンガンを量子変換で収納しリアアーマーからGNビームサーベルを取り出して相手を切りつけると、相手のISはシールドエネルギーがゼロになり海へと落ちていく

 

そのままキュリオスは次々と敵のISをGNビームサーベルで切りつけて海へと落としていく

 

「さってと…レイのシグーはっと……」

 

 

 

 

 

 

 

レイのシグーは五機のISと対峙していた

 

先に動いたのはシグーだった

 

シグーは右手に持った重斬刀で手近な一機に切りかかるが相手のISは回避し、周りの四機のISとともにレーザーライフルを撃ってくる

 

それに対しシグーは高速で飛行しつつも左腕に装備されたシールドで攻撃をいなす

 

そして時たまシールドに搭載されたバルカンで攻撃する

 

いくらコーディネーターといえども、そんな状態が数分間も続けば隙を作ってしまう

 

その隙を衝かれ、五機のISのレーザーライフルからレーザーが発射される

 

最初の一発目でシールドは弾かれてしまい、回避も間に合わない

 

やられる…あれ(・・)は未だなのか…?。レイがそう直感したとき、シグーが光に包まれた

 

「よし…いいタイミングだ…!」

 

光がなくなるとシグーはシグーではなくプロヴィデンスガンダムになっていた

 

「ドラグーン展開!」

 

レイがそういった瞬間、プロヴィデンスの背部のユニットからドラグーンが射出される

 

敵のISたちはドラグーン、この世界で言うBT兵器に対する対処の仕方を知らなかった為か、一機、また一機と空中を自由自在に舞うドラグーンに撃墜されていく

 

凄まじい数のビームによる圧倒的な殲滅行為が行われた後、そこにいたにはプロヴィデンスガンダム一機のみであった

 

「そこの所属不明機、救援を感謝する…ところで君達は何者だ?」

 

巡洋艦から通信がはいる

 

「私たちは世界を変えようとしている私設武装組織です」

 

「男の…声だと…?」

 

「今、あなた方を助けたのは私たちに協力してもらおうと思ったからです」

 

「どういうことだ…?」

 

「詳しいことは落ち着ける場所に行ってから説明します。着いて来てください」

 

 

 

 

 

 






暗い部屋、振動する地面、そして聞こえてくるのは怨嗟の声
膝を抱え、目を閉じ、己の運命を恨み、受け入れた少年は一人の男と出会う

次回
IS(インフィニット・ストラトス) 第十話 スーパーコーディネーター キラ・ヤマト
血に濡れた手を、掴み取れ!キラ!


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第十話 スーパーコーディネーター キラ・ヤマト

危ない、危ない、エタりかけた…

お久しぶりです。更新遅くなってスミマセン…


それでは、五ヶ月ぶりにどうぞ!


レイ&アレルヤvs軍用IS20機による戦闘が終わって約三時間

 

俺は研究室で椅子に座りながら机の上に置いたパソコンの画面とにらめっこをしていた

 

「ふー、んじゃそろそろ俺も行くとしますか」

 

そう言って俺は大きく伸びをして椅子から立ち上がり研究室を出た

 

「おー、お前ら、やっと帰ってきたか」

 

研究室を出た俺を迎えたのは、レイとアレルヤと彼らが連れてきたレジスタンス組織の人間達だった

 

俺はキョロキョロと辺りを見回しながら感嘆の声を上げているレジスタンス組織の人たちを横目に、少し疲れたような顔をしている二人に話しかけた

 

「後片付けや隠蔽工作とかが必要だったんだ。わかるだろう?」

 

レイが少し不機嫌そうに答える

 

「ただいま、仁」

 

そんなレイとは反対にアレルヤは苦笑交じりに言った

 

「レイもアレルヤもお疲れさん。あとは部屋で休んでても良いぞ」

 

「お言葉に甘えて、そうさせてもらうよ」

 

「じゃあな、仁」

 

さきにレイが部屋に戻っていった

 

「それじゃあ仁、また明日」

 

「ああ、しっかり休めよ」

 

「わかったよ」

 

アレルヤが俺に背を向けて二階の居住ブロックに行くために階段を登り始める。丁度、半分ぐらいまで登ったところで俺は

 

「ああ、そうだ。アレルヤ」

 

するとアレルヤは振り向き

 

「ん?どうしたんだい?」

 

柔和な表情でアレルヤが言ったのに対し俺はニヤリと笑いながら

 

「柔軟体操はしっかりやっておけよ」

 

と、皮肉っぽく言うとアレルヤはフッと笑って

 

「わかったよ」

 

そう言うと、また階段を登り始めた

 

俺はアレルヤが階段を登りきって姿が見えなくなったと同時にレイとアレルヤが連れて帰って来たレジスタンス組織に向かって、こう言った

 

「ようこそ、私設武装組織『ラスト』へ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、そろそろ行くか…」

 

レイとアレルヤが連れ帰ってきたレジスタンス組織の人たちにラボの案内をした後、MS『ガンダムヘビーアームズカスタムEW』を身に纏い、俺は独り言を呟くとカタパルトに足を乗せた

 

「俺がこの世界に転生してくるよりも前にヴェーダからIS学園に情報収集人員を送り込んでいるって聞いたけど未だ連絡がない…まあ、俺に出来ることをして待つしかないな…」

 

カタパルトのハッチが開き、外の景色が見えてくる。時刻はもう夜だ

 

「如月仁!ガンダムヘビーアームズカスタムEW!|出撃す〈で〉る!」

 

真っ暗な空がツインアイとバーニアの光によって輝き、その中を|全身装甲〈フルスキン〉の機体が流星のように駆けていく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

薄暗い部屋が衝撃により振動する

 

「……?」

 

その薄暗い部屋の壁に寄りかかっている少年は真向かいにある鉄製の扉へわずかに目線を向ける

 

爆発音とともにまたもや部屋が振動する

 

部屋の外から怒号が聞こえる

 

何度も聞いたことのある研究員の声だ

 

「敵襲だ!警備兵達はどうした!?」

 

「すでに全滅したようです!報告によると襲撃はIS一機によるものです!」

 

「IS……!」

 

研究員の男と思わしき声が『IS』という言葉を発するときだけ、憎しみがこもっているように聞こえる

 

「くそ!データを纏めてここから脱出するぞ!」

 

「被検体01と02はどうするのですか!?」

 

「そんなモノ、データさえあればまた作れる!とっとと行くぞ!」

 

「は…はい!」

 

そういうと男たちは走っていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……ああ、僕は捨てられたんだな…

 

研究員の男たちが走り去ってった後、暗い部屋に一人取り残された少年は冷静に自分におこったことを理解していた

 

このまま僕は襲撃者のISに殺されてしまうんだ…

 

スーパーコーディネーターとして作られた僕でも生身ではISに勝てない

 

その時、部屋のドアが吹き飛ばされて部屋の中に両腕に二門ずつガトリングガンを装備した|全身装甲〈フルスキン〉のISが入ってきた

 

そのISは何も言わずに右腕を僕のほうに向けてきた

 

僕は目をスッと閉じ銃弾の雨が降り注いでくることを覚悟した

 

……ここまでか…僕はもう殺されてしまう…願わくばもう一度、君に会いたかった……アスラン…

 

だが、いくらたっても銃弾が降り注いでくることは無かった

 

僕は目を開けISを見てみた

 

目の前のISは右腕を僕に向けていたままだったが、先ほどまでとは違いガトリングガンはなくなっていた

 

ISが僕に手を差し伸べている状態だ

 

「……?」

 

怪訝そうな表情をするとISのパイロットと思わしき人が話しかけてくる

 

「おっと…これじゃあ解らないよな」

 

そういった瞬間、目の前のISがフェイスパーツの部分だけ消えて、パイロットの顔が見える

 

……男?

 

だが目の前のISのパイロットは女ではなく男であった

 

ISは女以外は動かせない

 

このことは誰でも知っている

 

勿論僕もだ

 

僕がますます理解不能な状況に陥っているとさらに目の前の男が声をかけてくる

 

「キラ・ヤマトだな?俺は如月仁。俺と一緒に来ないか?」

 

理解不能な状況であっても、その言葉の意味はすぐに理解できた

 

理解できた僕はそのまま…

 

「……うん」

 

差し出された右手に手をのせた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 






赤い木々、倒れる女、燃え盛るジャングルで仁は宿命の相手と出会い、再会する

次回
IS(インフィニット・ストラトス)~男達の運命~ 第十一話 最強最悪の敵
残酷な運命に、抗え!仁!


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第十一話 最強最悪の敵

はい!今回はアイツが出てきますよ!

そのアイツとは…!?

んじゃ、第十一話どうぞ!


如月仁とキラ・ヤマトの邂逅の翌日

 

ラボのとある部屋の前で二人の男が立っていた

 

「…おい、どうするんだアレルヤ」

 

「レイもわかってるだろうけど…部屋から出てこないんじゃ、どうしようもないよ…」

 

二人の男のうちの一人、レイが部屋のドアをノックする

 

「おい、キラ・ヤマト。部屋から出てきて昼食でも食え」

 

ドアの奥からは返事が返ってこない

 

「「……ハァ」」

 

そんな状況に二人は溜息をはく

 

「しょうがないよ、今のところまともに会話できるのは仁だけだからね…」

 

「その仁だが…いったいどこに行ったんだ?」

 

「また戦闘に行ったよ…」

 

「そうか…早く帰ってきてくれれば、それで良い。そしてこの状況をどうにかしてほしい…」

 

今朝、十五歳の少年、キラ・ヤマトを連れて帰って来た仁は三時間ぐらいの仮眠を取った後、またヘビーアームズカスタムEWを身に纏いどこかへ行ってしまった…連れ帰ってきた十五歳の少年の面倒を二人に押し付けて…

 

「「………ハァ」」

 

物言わぬドアを前に二人はまた、溜息をはくのであった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同じ頃…南米のとあるジャングル

 

ガンダムヘビーアームズカスタムEWを身に纏った俺はジャングルの中を歩いていた

 

目的は昨夜突然出現した謎のISコア反応がこのジャングルの中で消えたからだ

 

俺は昨日の夜はキラ・ヤマト救出のために別の場所に行っていたから、このことはキラ・ヤマト救出後の帰還時に知った

 

俺が上記のことで手間取っていたために、世界政府側が調査のために軍用ISを5機派遣したらしい…ようするに先を越された訳だ

 

そんな時、空中ディスプレイが俺の意思とは関係なく開かれ俺が前の世界でよく見たことのある顔が映し出さされた

 

『聞こえるか?こちらIS学園調査要員のティエリア・アーデだ』

 

「ティエリア!?」

 

『驚いたな。その顔、その声、ロックオンそっくりだ…』

 

「まあ、そういうふうに閻魔に頼んだからな…」

 

IS学園調査要員であるティエリアは俺が転生者だと知っている数少ない人物だ

『無駄口をたたいてる暇は無い。とりあえずIS学園での調査結果を報告する…そうだなIS学園のほうは女尊男費がとてつもないほどとまではいかないが一部過激派が秘密裏に活動していることが確認できる。一方、織斑一夏含む原作メンバーのほうは…まあいつもどうりだな…ハァ…』

 

「なんでため息はくんだよ…?」

 

『それはまあ…アレだ…ご想像にお任せしますというやつだ』

 

「ああ…大変だなお前も…」

 

『大変だ…まったくな。あとセシリアとかいう女はあまりにもムカついたから俺とエアリアともう一人の奴と一緒に三人連続の模擬戦でフルボッコにしてやった…(ドヤァ)』

 

そのドヤ顔、けっこうムカつく

 

『そしてその『もう一人』の奴と言うのがまた問題なんだが…そいつの使っているISがトールギスだったんだ』

 

「トールギス!?それってあのガンダムWの!?」

 

『ああそうだ、この件についてはもう少し調査してから報告させてもらう』

 

「そうだな…頼む。それで後……」

 

『ああ、わかっている。未確認のISコア反応だろ?IS学園も今朝からこの話題でもちきりだ…』

 

「まあそりゃそうだろうな…ISコアの製造方法はトップシークレットどころか世界でただ一人しか知らないもんな…」

 

『篠ノ乃束か…』

 

「ああ、今回の未確認のISコア反応騒ぎもそいつのせいというのが一番辻褄のあった考えだ…」

 

『たしかに理に適ってはいるな…』

 

「じゃあそろそろ通信を終わるぞ」

 

『了解』

 

ティエリアが短く沿う言ったのと同時に空中ディスプレイが消えた

 

 

 

 

 

 

それからしばらくジャングルの中を歩いていると何人かの女性が倒れていた

 

「…!おい!大丈夫か!?」

 

俺は一番近くに倒れていた女性に向かって走った

 

倒れている女性を抱き起こしてみる

 

「………!」

 

抱き起こした女性の腹部からは血が止め処なく流れ、すでに息絶えていた

 

まわりを見渡してみると他の女性も皆息絶えていた

 

「どういうことだ…これは」

 

さらによく見てみると所々にISの装甲と思わしきものが散乱していた

 

倒れている女性は5人…どうやら国際政府が派遣した軍用ISの調査隊のようだ

 

軍用IS5機がこうもあっさりと敗北するとは…どうやら犯人は只者ではないようだな……

 

俺がこの件について考察をしているとセンサーにビームの反応が感知され警告音が鳴った

 

咄嗟に反応するが間に合わず、右腕に装備したダブルガトリングガンに当たりダブルガトリングガンが爆発した

 

「……!なんだ!」

 

俺はビームが発射されたと思わしき場所のほうに振り向く

 

そこにいたのは大きな剣を右手に持ち、真紅の装甲をもち、背部からは赤いGN粒子を放出した全身装甲(フルスキン)のISがいた

 

「あれは……あの機体は……スローネツヴァイ!」

 

俺が状況を理解できていないでいるとスローネツヴァイはGNバスターブレードを構えて俺のヘビーアームズカスタムEWに向かって一気に肉薄してくる

 

「……!」

 

俺はダブルガトリングガンが爆発して何も持ってない状態の右手にビームサーベルを展開してGNバスターブレードを装備したスローネツヴァイと鍔迫り合いになる

 

こういうときにISやMSの拡張領域は便利だ。原作ではビームサーベルを装備できないガンダムヘビーアームズカスタムEWでもビームサーベルや様々な武器を装備できるのだから

 

『久しぶりだなぁ!如月仁!』

 

鍔迫り合い中のスローネツヴァイから通信が入る

 

「…!なぜ俺の名前を知っている!?」

 

『なぜって!?そんなもん決まっているだろ!俺が西村(にしむら)アツシだからだよぉ!』

 

「西村…アツシ…?……まさか…そんな…!?」

 

『思い出したかぁ!?テメェと一緒に外宇宙航行艦ガブリエルに乗っていた西村アツシだぁ!』

 

「そんな…なんでお前がここに……!?」

 

『そんなもんテメェが一番知ってるはずだろぉがよお!テメェと同じ転生だよぉ!』

 

「だが…お前はそんな声じゃなかったはずじゃ…」

 

『俺から言わせてもらえばテメェの声もそんなモンじゃぁなかったはずだがなぁ!まあいいぜ!見せてやるよぉ!』

 

西村がそう言ったのと同時にスローネツヴァイの頭部装甲がなくなり西村の顔が現れた

 

だが、そこにあったのは前の世界で見慣れた西村アツシの顔ではなくアリー・アル・サーシェスの顔だった

 

さらには声までサーシェスの声だった

 

「お前…その顔…ならこっちも顔を見せないとな…」

 

俺はそう言いヘビーアームズカスタムEWの頭部装甲だけを外した

 

『テメェはロックオン・ストラトスの顔と声かよ…』

 

「ああそうだ…これが俺、如月仁だ!」

 

俺は言葉の最後の部分の語気を強くして右手のビームサーベルを振り払ってスローネツヴァイから距離をとる

 

『そおかよぉ!後今度からは俺のことはサーシェスって呼べよなぁ!』

 

「ああ、解ったよ!」

 

『いけよファングゥ!』

 

サーシェスがそう言ったのと同時にツヴァイの腰のアーマーから6基のGNファングが射出される

 

「……くっ!」

 

俺は左腕のダブルガトリングガンと胸部ガトリングガンを飛来してくるGNファングに乱射しながらスラスターを吹かせて地面の上をホバー移動する

 

「らああああああああああああ!」

 

6基のGNファングを全て潰した俺はツヴァイのほうへ振り向き左腕のダブルガトリングガンを向けようとするが、木の間から出てきた2基のGNファングがダブルガトリングガンに突き刺さり爆発する

 

「…しまった!予備の存在を忘れていた…!」

 

そう、ツヴァイにはGNファングが6基と予備にもう2基装備されているのであった

 

『はっはぁ!アメェんだよぉ!もらったぁ!』

 

爆発の煙で前が見えない状態だが、センサーがツヴァイの接近を知らせてくる

 

ツヴァイは煙が晴れると同時にGNバスタブレードで切りかかってくるであろうと予測した俺は左手にもビームサーベルを展開する

 

煙が晴れると同時にツヴァイがGNバスターブレードを振り下ろしてくるが俺は両手のビームサーベルをX字に構えてGNバスターブレードを受け止める

 

『また殺してやんよ如月仁!』

 

「また殺す…!?どういうことだ!?俺もお前も隕石の衝突で死んだはずだ!俺は殺されたことはない!」

 

『どうやら気づいてないようだなぁ!』

 

「…なに!?」

 

『不自然に思わなかったかぁ!?ガブリエルに隕石が衝突!隕石が近づいているならガブリエルのセンサーに反応があったはずろうがよぉ!』

 

「…!ということは…お前…!」

 

『ああそうだ!俺がガブリエルのセンサーをきったんだよお!』

 

「そんな…どうして!?なぜそんなことを!」

 

『お前には解らないだろうなあ!外宇宙航行艦ガブリエルはお前を含む十数人の研究員と技術者が作り上げた!だがマスコミや世間は史上最年少技術者で天才であるお前一人が作り上げたみたいに報じた!俺達の努力、功績を全てお前に奪われたんだ!だから殺した!だからガブリエルのセンサーを切った!』

 

「そんな事で他のクルー達の命まで奪ったのか!?」

 

『そんなことだとぉ!?そんなことだとおおおおおおおおおおおお!!?』

 

俺はヘビーアームズカスタムEWの胸部ガトリングガンを撃とうとするが、それよりも先にツヴァイがヘビーアームズカスタムEWを蹴りつけて距離をとる

 

俺はツヴァイに向けヘビーアームズカスタムEWのミサイルハッチを全て開け大量のミサイルを発射するが、ツヴァイはスラスターを吹かせて空中をバックで飛びながら左腕に装備されたGNハンドガンで的確にミサイルを迎撃していくが、迎撃しきれなかったミサイルがツヴァイに直撃しツヴァイが爆炎に包まれる

 

煙が晴れると無傷のツヴァイが現れた

 

「…無傷かよ…」

 

だが、まだ少し残っていた煙が晴れるとツヴァイのGNバスターブレードがボロボロであった

 

どうやらアレでミサイルを防御したらしい

 

ツヴァイはGNバスターブレードを拡張領域に収納すると両肩にマウントされているGNビームサーベルを抜刀してヘビーアームズカスタムEWに突撃してくる

 

「『らああああああああああああああああああああああ!!!!』」

 

俺もまた両手に持ったビームサーベルで迎え撃った…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数時間後…如月仁のラボ

 

「仁!大丈夫か!?」

 

「ああ、なんとかな……」

 

右肩を抑えながらラボに帰って来た俺を迎えてくれたのはレイだった

 

「おい!なにがあった!」

 

「詳しいことは明日話す…だから今日はもう休ませてくれ…」

 

「あ…ああ……………」

 

そのまま俺はラボの自室に入りベッドに倒れこんだ

 

そのまま眠りに付いてしまいそうだったが怪我の手当をしなければと思い、重い身体を起こした

 

「西村アツシ……いや、アリー・アル・サーシェス…!」

 

今回は命からがら逃げれたけど次はこうもいかないだろう……

 

 

 

 

そしてその『次』はそうとおくないということは、このときの俺はまだ知らなかった………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





女であること、男であること。そしてコーディネーターであること。それは自ら選んだわけではない運命。
それぞれが想う未来は枝を拡げ、やがて実を結ぶ。
そんな運命の中、シンは一つの枝を掴み取る

次回
IS(インフィニット・ストラトス) 第十二話 拡がる歪み
怒れる瞳で、運命を見つめ続けろ!シン!


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第十二話 拡がる歪み

如月仁のラボのとある一室

 

そこに一人の男が携帯電話を片手に誰かと通話していた

 

部屋にはその男以外の人間はいない

 

男は部屋の外の気配に気をつけながら通話を続ける

 

「ああ、スーパーコーディネーターの一人キラ・ヤマトは如月仁が回収した。もう一人はそちらが回収できたようだな…」

 

『ええ、他にもスーパーコーディネーターではない子達も何人か回収したわ』

 

「そうか……『大天使』の建造率は?」

 

『だいたい80%程度よ。あと一月もすれば完成するわ』

 

「了解、引き続き作業を頼む。それと、あのデータは参照したか?」

 

『ええ、MSコアの設計データ。俄かには信じがたいけど、これさえあれば戦力も底上げされるはずよ。このMSコアをベースにGAT-Xシリーズの開発も『大天使』の建造と並行して行うわ』

 

「助かります…いつもありがとうございます。ラミアス艦長…」

 

『ふふっ…まだ艦長じゃないわよ』

 

「いずれそうなるのですから特に変わらないでしょう」

 

『それもそうね…じゃあ通信を終わるわね』

 

「わかりました」

 

その言葉を最後に通話が終わる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日…私立藍越学園

 

「ほらっ、じっとしろって…」

 

「いてっ!いいから俺にかまうなって」

 

「大丈夫なの?シン…?」

 

「大丈夫だから俺にかまうな」

 

俺こと如月仁とレイ、アレルヤの三人で藍越学園の屋上に行くと先客としてシン、カガリ、藍田綾(あいだ あや)の三人がいた

 

「よっ!どうしたこんなところで?」

 

俺が声をかけると三人が振り向く

 

「あっ!如月!」

 

カガリが三人の中でもっとも早く反応した

 

「…?シン、どうした?その怪我」

 

「……別に、アンタには関係ないだろ…」

 

「シン!如月は心配してくれてるんだぞ!」

 

カガリがシンに怒鳴りつけるがシンはさらにふてくされたように

 

「だから関係ないって言ってんだろ!お前らも俺にあまりかかわらないほうが良い…カガリも藍田も…俺みたいになってしまうぞ」

 

「シン…」

 

「シン君…」

 

「なんか訳ありみたいだな…話してみてくれないか?」

 

俺は三人の内情に深く踏み込んでみる

 

「シンは……苛められてるんだよ…男を…良く思っていない奴らに…」

 

「カガリ…!」

 

シンがカガリを睨む

 

そこで昼休み終了のチャイムが鳴った

 

「あ…」

 

「おっとチャイムが鳴ったようだな…カガリと藍田は先に教室に戻れ。俺達とシンは少し話があるからな」

 

「あ…ああ。じゃあ先に戻ってるよ。」

 

カガリと藍田が立ち上がり、屋上の出口に向かう

 

「そうだ…カガリ」

 

俺が呼び止めるとカガリが振り向く

 

「どうした如月?」

 

「シンの傷の手当をするのはいいが、中途半端な救いはやめろよ。…壊れることができないからな…」

 

「え…?それって…?」

 

「ほら、いいから、行った行った」

 

「え…!ちょっ!うわっ!」

 

俺はカガリを屋上から追い出して、シン、アレルヤ、レイのほうへ向く

 

「……話ってなんだよ…?」

 

シンが俺を睨んでくる

 

飛鳥慎(あすか しん)…いや、シン・アスカ。」

 

「…なんでその名前を…!?」

 

「すまないが、お前のことは少し調べさせてもらった」

 

「…アンタ…なにもんだ…!!」

 

「飛鳥慎…本名、シン・アスカ。年齢16歳。一流会社勤務の父親と専業主婦で何事もそつなくこなす母親と妹の三人暮らしで何不自由ない幸せな家庭だったが、家族は数年前他界。父親は女尊男卑の影響で会社を突然解雇され家族を養うために身を粉にして働いた結果、『過労死』。妹はその数日後、父親の死を信じられず町をふらついているところ、『交通事故』で死亡。母親は度重なる二人の死に耐え切れず『自殺』…それで、一人生き残ったお前は保険金で生活している状況」

 

「……アンタは…アンタって人はぁ!俺のことを調べて何がしたいんだ!のうのうと生き残ってる俺を嗤うっていうのか!?」

 

激昂したシンは俺に殴りかかってくるが俺はその拳を掴んでシンの目を見据えた

 

「違う…俺はそんなことを言いたいんじゃない。あとお前、コーディネーターだろ?」

 

「……!なんで…そんなことまで…!」

 

「ちょいと独自の情報網でね…」

 

「知ってどうするんだ?言いふらすのか?」

 

「とんでもない…そこにいるレイもコーディネーターだからな」

 

「…え?そ、そうなのか?レイ」

 

シンの問いに屋上のフェンスにもたれ掛かって腕を組んでいたレイが答える

 

「ああ、そうだ。俺とは違ってお前は優しくて慈悲深い研究員ばかりの研究所で生み出されたコーディネーターのようだがな」

 

「レイとは違って…?」

 

「俺は…女達への復讐にとりつかれた研究員によって女達への復讐をするために生み出された、戦闘用コーディネーターだ」

 

「そんな…!」

 

自身とは違う壮絶なるレイの出自にシンが戦慄く

 

「そんでそこにいるアレルヤって奴もコーディネーターじゃあないが、女達への復讐をさせるように人体実験を受け続けた『超兵』だ」

 

レイと同じくフェンスにもたれ掛かっていたアレルヤが小さく手を上げて会釈する

 

「そんな…なんで…じゃあお前はなんなんだ!?」

 

シンのその言葉にレイとアレルヤが少し反応する

 

こいつらも少なからず気になっているようだな…まあいい、教えてやるか…

 

「そうだな…俺は…『歪み』だ」

 

「「「え……?」」」

 

「それって…どういうことだ___」

 

シンが言い終わるよりも前に俺の待機状態のMSである指輪(リング)から甲高いブザー音が鳴り響く

 

「な、なんだ!?」

 

全員が俺のほうを見る

 

この音は特時にのみ使用される緊急用通信回線の音だ

 

俺はすぐさま空中ディスプレイを展開して通信に応じる

 

『如月仁!聞こえているか!?応答しろ!』

 

空中ディスプレイに写しだされたのは焦ったティエリアの顔だった

 

「どうした?ティエリア」

 

『早く国際連絡通信を開け!』

 

国際連絡通信は緊急時、災害時などに用いられるものである。個人でも見ることは可能だが放送される時間帯は唐突であるため個人で見ることはあまりなく公共機関の場合、テレビや機器の画面に有無を言わさず表示されるため、そちらで見ることのほうが多い

 

「わ、わかったよ」

 

『すまない…』

 

俺は別の空中ディスプレイをだして国際連絡通信を開く

 

俺だけでなく、レイもアレルヤもそしてシンもディスプレイを覗き込む

 

そこに映し出されていたのは一人の女性であった

 

『唐突な放送で申し訳ありません』

 

女性が頭を少し下げる

 

『先日未明、国際IS委員会直属の研究機関がISコアの量産に成功しました』

 

「な……!」

 

全員が表情が驚愕の表情に変わる

 

『そして今日は、このISコア量産化の立役者であり研究機関への最大の出資者であるムルタ・アズラエル氏にお越しいただきました!アズラエル氏は女性権利団体『ブルーコスモス』の盟主であり、国際IS委員会の議員の一人でもあります!それではアズラエル氏へのインタビューです!」

 

空中ディスプレイがアズラエルの顔を映し出す

 

この世界ではアズラエルは女のようだ…キモ、吐き気がする

 

『どうも、ムルタ・アズラエルです。このたびはISコアの量産成功おめでとうございます。私が今回、出資した理由としては全世界の女性達のためであり我が『ブルーコスモス』の掲げる理念、男達のいない青き清浄なる世界の実現の為に出資させていただきました。現在、ISコアの量産は順調に進んでおり、二年後を目処にISの市販を開始し三年後には各種サービスなどを合わせての全女性のIS所持を実現させることをここに宣言させていただきます。そして我々『ブルーコスモス』は全世界の男達との全面戦争の開始を布告させていただきます!手始めに男達の反女性テロリストの撲滅を宣言します!ちゃっちゃとやって終わらせましょう男達を…青き清浄なる世界の為に』

 

「な…何なんだこれは…」

 

全員が驚愕の状況からいまだ抜け出されずにいた

 

そんな中ティエリアが話しかけてくる

 

『こんな馬鹿げたこと…万死に値する!』

 

「くそ!なんだってんだよ!」

 

俺は悪態をついた

 

『とりあえず今の放送でIS学園側でも少しパニックになっているようだから、通信はここで切るぞ』

 

「あ…ああ、そうだな」

 

空中ディスプレイが消えたと同時にヴェーダからメッセージが入る

 

「…な…!はやすぎるだろ!」

 

レイとアレルヤにもメッセージウィンドウを見せる

 

「「……!」」

 

ヴェーダから送られてきたメッセージ…それは『ブルーコスモス』直属のIS部隊による反女性側勢力の殲滅作戦がもうすぐ決行されることであった

 

だが、問題なのはその作戦に使われるISの数だ

 

「………70機…!」

 

「奴らめ…!出し惜しみはしないってか…!」

 

「どうする?仁?」

 

アレルヤが聞いてくる

 

「どうするも、いくしかないだろ」

 

俺は即答した

 

「そうだね、仁…」

 

「ああ、俺達が…俺達が止めるしかないんだ…行くぞ、仁」

 

「ちょ、ちょっと待てよ!行くってなんだよ!」

 

シンが声を張り上げて誰もが思う疑問を口にする

 

「シン…お前は…力が、世界と戦うことが出来る力が欲しいか…?」

 

俺はシンの目を見据えて言う

 

シンの目が見開かれる

 

「…!欲しいさ…だけど、いくら願っても手に入らないんだよ!力は!」

 

「そうか…なら俺と、俺達と来い。お前が願うものがここにはある」

 

そう言って俺は懐から一つの指輪(リング)を取り出す

 

「それは…?」

 

「これは…力だ、お前が最も欲しいと、願ったものだ」

 

「これが……力?」

 

「そうだ、これを、MS『インパルス』をお前に託す」

 

「『インパルス』…MSって…?」

 

「男でも、女と…ISと戦えるものだ」

 

「………」

 

シンが恐る恐る俺から受け取った待機状態の『インパルス』のリングを指にはめる

 

リングが指の付け根まではまるとシンは力強く目を瞑り、見開く

 

それを確認した俺はレイとアレルヤ、シンに声をかける

 

「…行くぞ…!」

 

「ああ」

 

「わかったよ」

 

「シン…」

 

「わかってるよ、()

 

「シン…!」

 

 

 

「如月仁!ガンダムヘビーアームズカスタムEW!」

 

俺の身体にガンダムヘビーアームズカスタムEWが

 

「レイ・ザ・バレル!プロヴィデンス!」

 

レイの身体にプロヴィデンスが

 

「アレルヤ・ハプティズム!ガンダムキュリオス!」

 

アレルヤの身体にキュリオスが

 

それぞれがつけているリングが光、身に纏われる

 

そして…

 

「シン・アスカ!インパルス!」

 

シンの右手の人差し指にはめられたリングが光、シンの身体にインパルスが纏う

 

出撃()る!」

 

「発進する!」

 

「目標へ飛翔する!」

 

「行きます!」

 

藍越学園の屋上から四機のMSが飛び立った

 

「行くぞ!目的地はアフリカだ!」

 

「「「了解!」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




混沌とする物語、暴走するキャラクター。PCと見詰め合う作者の心とは…?

次回
IS(インフィニット・ストラトス)~男達の運命~
第十三話 苦悩の日々
とにかくキーボードを叩け!作者!

嘘です、すみません…

本当の次回予告!どうぞ!


理想を、男達のいない青き清浄なる世界を。そう言って引き金を引くことしか出来ない者達を前にして彼らは何を思い、何を討つのか?
次回
IS(インフィニット・ストラトス)~男達の運命~
第十三話 大規模戦闘

混迷なる世界を切り開け!インパルス!


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