キングダム 趙の王族に転生してしまった (もやし昆布)
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01話

 このサイトには初投稿になります。
 下手くそかもしれないですが長い目でよろしくお願いします。


 

 今日も仕事に向かわないといけないのか。

 

 起きてすぐに考えたことは仕事のことである。

 

 しかも最近寝た後に見る夢にまで上司が出てくるのである。

 

 もはや重症である。

 

 それにあの醜い顔の上司を見るたびにベットでうなされているのである。

 

 これは友達と旅行に行った宿泊施設で寝ているときに言われたからわかったのだ。

 

 まさか、声にも出ていると言うのはわからなかったのでこの時はかなり驚いた。

 

 さらに最悪だったことなのは俺がうなされていてうるさかったのかはわからないが友人が眠れなかったことを根に持っているのか唯一の俺の友人と連絡がつかなくなってしまったのだ。

 

 さてと、話を戻す。

 

 結局睡眠をとったがあまり疲れが取れなかった俺は仕事に行くための準備が必要だとベットから体を起こす。

 

 俺は加藤康生。

 

 年齢は36歳だ。

 

 俺はバカだったから3流大学にしか進学できずにそこから人生はめちゃくちゃだ。

 

 卒業して就職活動を始めたのだが俺の出身校で受け入れてくれる大学など存在せずに情けないが親に頼ることになった。

 

 すると親戚に会社を経営している人がいた。

 

 つまりつてで入社する。

 

 その企業はそこそこ大企業にもかかわらず学歴のない俺なんかをコネで入れてくれたのは残業代を払っていないことが知られてブラック企業と世間で認定されたためだ。

 

 そんな企業にしか就職できない俺は本当に努力をしてこなかったのだろう。

 

 ブラック企業認定されてから国から調査が入ったにもかかわらずまったく業務形態は変化していない。

 

 国の調査なんてずさんなものだ。

 

 俺がこんな不幸な人生を送っているのは国のせいだと他に責任を押し付けていた時もあったのだが冷静になって考えてみると自分がこんな人生を送っているのは結局自分が今までの努力してこなかったのが悪いのでなんにも言えない。

 

 そんな業務形態のまま今に至るので俺はこんなに疲れているのである。

 

 残念ながら俺がこんなに疲れているのは残業だけが原因じゃない。

 

 上司にも問題がある。

 

 デブで仕事が全くできないくせに仕事を部下に押し付けまっけったせいで今では部長だ。

 

 いいことしとけば人生が報われるって父は常々言っていたが絶対に嘘だと思う。

 なんでかって、あんな上司が今じゃ部長だからだよ。

 

 俺が結構部長という役職にこだわっていると思うが、部長は本当にいい。

 

 役職手当がつくので役職があるかないかで収入面が大きく違う。

 

 しかも夜勤もなくなるんだ。

 

 いいことしかないよ。

 

 あのくそ部長ー。

 

 

そう叫ぶと俺の意識は唐突に途切れた。

 



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02話

 

「おい、起きるのじゃ。」

 

 年寄りの男性の声を聴いて俺は目を覚ます。

 

 なんだここ。

 

 真っ白だし、ここはさっきまでいた俺の部屋なんかじゃないししかもおじいちゃんが俺の前にいるし。

 

 そんなことを考えていた俺だったがおじいちゃんが俺が目覚めたことに気づいたのか勝手に話を始めた。

 

「おぬしは死んでしまったのじゃ。

 

 唐突だがのぉ。

 

 すまぬな。

 

 わしの責任なんじゃ。

 

 死んだ人間を死後の世界に送るのがわしの仕事なのだがのぉ。

 

 さっき死んだ人間を選別していたのだが間違って生きておったおぬしを選択してしまったんじゃ。

 

 すぐに取り消したのじゃが勝手に死後の世界に行くことは防げたのだが死んだことになってしまったのだ。

 

 お前はもう元のお前では生活できんのじゃ。

 

 それで提案なんじゃがな。

 

 他の世界に転生してみたいと思わぬか?」

 

「え、いいんですか?

 

 むしろ、元の世界ではいい思いを全くしてこなかったので大歓迎なんですが。」

 

「ふむ、ならまずお主が転生する世界の説明からじゃな。

 

 その世界ではお主の世界で有名だったキングダムという漫画の中の世界じゃ。

 

 もちろん何もつけずにそのまま送ると言うことはない。

 

 特典やらなんやらつけてやるからどうじゃ?」

 

「なるほど、キングダムは前世でもかなり好きな漫画だったのでむしろ大歓迎ですね。

 

 それに特典もつけてくれるのでしょう?

 

 どんな特典をつけてくれるのかはわかりませんが。」

 

「もちろんじゃ。

 

 その特典じゃがな。

 

 お主がどのようなものが欲しいか言ってくれたらできるだけそれを叶えるようにしようと思う。

 

 どのようなものが欲しい?

 

 もちろん、世界のバランスを変えるほどの力はダメじゃぞ。」

 

「まず、ある程度の地位以上の人間に生まれること。」

 

「なるほど、最初に死んでしまったらこの世界を楽しめなくなるからなー。 

 

 そんな願いならもともと叶えてやるつもりだったからいいぞ。

 

他には?」

 

「そうですね。

 

 成長チートっていうのをつけて欲しいですね。

 

 キングダムはかなり武力が重要になってくるゲームなので自分の身を守るためにも武力が必要になってきます。」

 

 正直、いつも転生の小説を見て神様に能力を要求するときになぜ成長チートを要求しないのかがわからないわ。

 

 成長チートは最初にすごい能力を要求したやつなんかを絶対に後半は超えることができるのに。

 

「なるほど、わかった。

 

 それくらいなら世界のバランスを崩すと言うこともなさそうじゃからよしとしよう。

 

 それぐらいの願いならもう少し叶えてやらんこともないぞ。」

 

 この神様ツンデレなのかな?とも思ったけど叶えてくれるのは悪い気はしないので早速もっと要求する。

 

「じゃあ、頭の面でも成長チートをつけてくれるのが助かります。

 

 キングダムの主人公みたいに武力だけ強いって言うのもありだと思うんですけどその場合軍師を雇ったりしないといけないのでお願いします。

 

 それと、自分も含めて相手の能力も見れるような能力もつけませんかね?」

 

 自分の能力を見ることができることによってかなり成長できたなと確信を持つことができるのでかなりいいなと思っている。

 

 つまりモチベーションが上がるってこと。

 

 俺は昔、運動神経が悪かったし何をやっても下手くそだったので部活をやってた時も練習に全然やる気が出なかった。

 

 しかし、かなり成長する能力もつけてもらったしそれに自分の成長が眼に見えるようになったらどんどん鍛錬をするんじゃないかって自分に期待してしまう。

 

 あと、キングダムのキャラの強さでどのキャラが1番と良いのか実際に見てみたいと思ったのもあるんだよなー。

 

「2個能力を要求してきたがこれくらいなら問題ないだろう。

 

 もちろん問題ないぞ。

 

 他にはないのか?

 

 わしは今日かなりいい気分じゃからなんでも質問にも応えることができるぞ?」

 

「そうですね、僕以外にも転生した人はおんなじ世界にはいませんよね?

 

 もしいたらチート持ってる同士かなり世界が崩壊しそうな気がするんですけど。」

 

「もちろん、そんなことはない。

 

 っていうか世界を間違えて魂を送ってしまったことがないのう。

 

 おいおいそんなに睨むなって。

 

 お主は、元の世界になんもなくてむしろ転生できるのを喜んでいたではないか。

 

 それにかなり特典もつけてやったじゃないか。

 

 これで勘弁するんじゃな。」

 

「まぁ確かに神様にかなりお願いしてしまったのは否めないので全然いいです。

 

 それに転生者が僕の他にいないことがわかったのでよしとしましょう。」

 

「うむ、なんか偉そうじゃがまあいいだろう。

 

 それじゃあお主をキングダムの世界に送るとしようか。」



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03話

  

 転生してから2年が経った。

 

 なんで飛ばすんだって思う人がいるかもしれないが小さい頃って本当に何にもやることがないんだよなー。

 

 泣きたくなくてもずっと泣いてしまうし、歩けないからやることは全くないし、赤ん坊の頃にもし記憶がある人間がいたとするならば俺みたいに退屈な日々を過ごすんだろうな。

 

 そんな人間は俺みたいな転生できるような人間しかいないんだろうけど。

 

 さて、話を戻すと俺が転生した場所がわかった。

 

 国名が趙。

 

 これを聞いた瞬間にあー終わったなって思ってしまったよ。

 

 いくら、俺が成長チートを持ってたとしてもこの国の王様がクソだから主人公がいる国である秦国に勝てるわけがないんだよな。

 

 将来、大きくなったら廉頗みたいに他の国に亡命してやろうかなって考えていた時期もありました。

 

 それがすぐに無理なことであると思い知りました。

 

 なんと、俺の転生先は趙国の王族でした。

 

 もちろん、キングダムに出てくるキャラに憑依したんじゃなくて全く出てこなかった人物だけどね。

 

 つまり、俺はオリジナルキャラに転生したってことだ。

 

 名前は毅。

 

 あの軍神である楽毅と一緒だよ。

 

 それで、俺の父に話を戻すんだけど漫画で秦国の将軍である王翦、桓騎、山の民の連合軍で攻めてきた時に趙の王都である邯鄲の軍を動かしてもらえませんかってあの天才李牧が頼みに行ったんだけど俺の父が断ったんだよね。

 

 それにもし李牧が撃退できなかったら責任を負ってお前を切り刻むまで言うんだよね。

 

 で、絶望してた李牧に趙国の太子である嘉がピンチになったら王族である自分も出陣すると言う台詞を言う。

 

 その嘉の兄に俺は転生したと思っている。

 

 なぜなら、まだ嘉が生まれてないし俺は王族としてかなり大切に育てられてきたからだ。

 

 王族だからかわからないが俺はまだ母親に一度しか会ったことがないなー。

 

 それも母親が俺を生んだ瞬間だけだし。

 

 俺の父親は本物のクズだから母親も近づかないようにしているのもあるかもしれないなー。

 

 一応俺は、このまま何事もなければ王位を継承することになっているから父親と同じ建物で育てられている。

 

 あくまで同じ建物ってだけであんまり会ったことがないけどな。

 

 むしろ会いたいなんて全く思わないんだけど。

 

 親父は自分が贅沢して一生暮らせればいいって思ってる人物って漫画で書いてたし。

 

 それに病がちなので早死にするからそんなに遊べる期間は残されてないと思う。

 

 結局、王翦が攻めてくるまで生きてたけど。

 

 ちなみに、その父はまだ王位をついてない。

 

 俺のおじいちゃんに当たる人間が王をやっているわけだけどこいつもなかなかくそなんだよなー。

 

 まぁそれも廉頗が漫画で言ってたから知ってるんだけど。

 

 白起と廉頗が対決した戦いである長平の戦いであろうことから名将である廉頗を総大将から変えてしまったんだよね。

 

 理由は戦いが長引いてて痺れを切らしたからなんだよね。

 

 ほんと趙の王くそだわー。

 

 それで秦の総大将である白起に40万人生き埋めにされたんだよなー。

 

 これが長平の戦いの流れだ。

 

 また、話が脱線してしまったんだけど、俺の家族は子供に全く興味がないからなのか俺に会いに来ようとしないからどんな人柄かいまいち掴めないんだよねー。

 

 現状はまぁそんな感じだな。

 

 今はまだ小さいのでそこまでできることはない。

 

 もうとっくに歩けるようになっているので中庭で走って訓練したり書物をたくさん読んで暗君にならないように知識を身につけたりしてるぐらいかな。

 

 俺には成長チートで頭の部分もものすごい成長していってくれるからかなりのスピードで書物の内容を理解できるんだよなー。

 

 1歳ぐらいの時に待女に文字を教えてと頼んでからその日のうちにあらかた文字はマスターできた。

 

 しかも後半になるにつれて文字の覚えるスピードがさらに上がっていくって言うチートぶりだ。

 

 これで知識については問題ないんだけど知識と軍略はまた違うと思うんだよなー。

 

 俺のイメージでは漫画で壁みたいに知識があってもかなりミスってるやついたし、河了貂に軍師みたいなやつ負けてたし。

 

 そいつもかなり書物読んでて俺かなり頭がいいんだぞーみたいな顔してたからな。

 

「どうすっかなー。」

 

 思わず呟いてしまったよ。

 

 すると俺の後ろに控えていた待女が俺の言葉に反応する。

 

 正直、部屋では1人にして欲しいんだけど俺が何するかわからないような変人って思われてるからずっと付きっきりなんだよな。

 

 ちょっと部屋を抜け出して遊びに行くぐらいいいだろうに。

 

「どうしたんですか?」

 

「うん、俺さー軍略を学びたいんだけど誰か教えてくれる人知らない?」

 

「それなら、軍師の方を紹介しましょうか?」

 

「そうだねー。

 

 いや、やっぱり指定していいかな?」

 

「どなたか気になる方がいらっしゃるので?」

 

 俺は思い切って趙の王族をかなり嫌っている人物の名を挙げるのだった。

 

 

 

 

 



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04話

 俺は今、かなり威圧されていてお漏らししてしまいそうだよ。

 

 急にどうしたのかと思うかもしれないが俺が軍略と武器の扱いを学ぶのに呼び出した人物は廉頗だ。

 

 こいつは俺の父親、さらにおじいちゃんのことも大嫌い。

 

 なのでもちろん、俺に対してもよい印象を持っているはずもなくかなり威圧されてしまっている。

 

 廉頗の後ろには廉頗四天王と呼ばれている、輪虎、介子坊、玄峰、姜燕が来ている。

 

 多分、趙の馬鹿な王族が廉頗に危害を加えないように警護としてついてきたのだろう。

 

 俺が殺すと言った瞬間にものすごいスピードで殺されそうだ。

 

 漫画でもそうだったが、輪虎と姜燕の目がないなー。

 

 それに玄峰はすぐ死にそうなぐらいヒョロいし、介子坊はこちらを睨みすぎだろ。

 

 それにやっぱり廉頗は怖すぎだろ。

 

 あんな顔で睨まれたら普通の子供だったらおしっこちびってるぞ。

 

 俺もちびりそうだし。

 

「廉頗将軍、ここまできてくれて感謝する。」

 

「わしはあまり時間がないから早く用件を言って欲しいです。」

 

 不機嫌感丸出しで用件を催促してきた。

 

 これって完全にやばいんじゃないの?

 

 それに待女も威嚇するのはやめろよ。

 

 別に王族に対して俺はそんなに礼儀を尽くさなくてもいいって思っている側の人間だから気にしなくていいよ。

 

 むしろ、怒らせて廉頗に殺されることになるのが1番嫌なんだけど。

 

「まず、俺に対して敬語を使わなくてもいい。

 

 俺は何よりも肩苦しく喋るのが嫌いだからな。

 

 ここにいる待女にも敬語じゃなくていいっていつも言ってるんだけど聞いてくれないんだよなー。」

 

 そう言うと廉頗将軍の表情が少し和らいだ気がする。

 

 あくまで気がするだけどね。

 

 もともと怖い顔してるから実際ちょっと表情が和らいだぐらいじゃ多分変化があまりないと思うんだよね。

 

「それと、俺は王族として廉頗将軍に謝らなければいけないことがある。

 

 この国の王様と俺のお父さんの代わりに謝る。

 

 すまなかった。」

 

 急に頭を下げると廉頗は少しオロオロし始めた。

 

 この時代には上の地位のものが下の地位のものに謝るということは本当になかったんだ。

 

 いくら上の地位の人間が間違っていたとしてもだ。

 

 そして、待女はそんなに俺を睨まないでくれよ。

 

 確かにこの時代の礼儀がなってないのは認めるがこの国の王族が廉頗にしたことに比べれば些細なことだろう。

 

「毅太子、おやめください。

 

 王族として臣下に頭を下げることは許されていません。」

 

 ほらほら早速待女が注意してきやがったわ。

 

「俺は礼儀とか気にしない。

 

 王族が廉頗にしたことは許せないと思うがこれで許してくれ。廉頗。」

 

「ワッハッハッハ。

 

 うぬはかなり変わっておるなー。

 

 こんなに驚かされるのは秦の六将を相手にした以来じゃぞ。

 

 それと謝罪じゃが趙のクソ王に怒っとるだけでうぬにはもともと恨みはないわい。

 

 まぁ最初はお主がどのような王族か確認するために威圧しただけじゃ。

 

 すまなかったな。」

 

 そう言って威圧がやんだ。

 

 また待女が廉頗に対して言葉遣いがどうこうと怒っているが無視してさっさと話を進めるか。

 

「廉頗将軍、早速用件だが俺に軍略と武術を教えてくれ。」

 

 廉頗と四天王はかなりぽかんとしているな。

 

 そりゃそうだろ。王族は戦場に出ることがないのに自分に武術を教えてくれた頼んでくるのだからな。

 

「まず質問じゃ。

 

 なぜうぬは武術と軍略を学ぼうとしてあるのじゃ?」

 

「単刀直入に言おう。

 

 俺の父親もくずだからだ。

 

 次の王もクズと分かっていてそのままあぐらをかいていることはできない。

 

 俺も王族としてこの国に貢献するためには武人としてかなり強くなるしかないと判断したからだ。」

 

「ワッハッハ。

 

 今日はこんなに笑わされるとは思わなかったぞ。

 

 なるほどのう。

 

 確かにワシはお主の父を何度か注意したことがあるからな。

 

 おかげで今かなり嫌われておるがの。

 

 しかし、王がくそなのはわかったがそれだけでお主が武術の訓練をする理由としては足りないのお。

 

 他に何かあるんじゃないか?」

 

 この理由だけでごまかせると思っていたんだけどやっぱり無理だったか。

 

 しかし、これを言えば廉頗は死ぬギリギリの訓練を俺に課しそうで怖いんだよな。

 

 まぁでもそれぐらい死ぬほどやらねば俺が生き残ることは出来ないから言ってもいいか。

 

「俺は中華を統一する王になるからだ。」



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