AKDNB初見プレイ (初見プレイヤー)
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一人目「煤人」
キャラクター作成


失踪頻度高いです、悪しからず(
仮想都市TRPGを元にデータを作成しています


 では本当の意味での初見プレイ、始まります。

 

 本日遊ぶゲームは[アークナイツ・エンドワールド]。人気ソーシャルゲーム[アークナイツ]を元に様々なシステムを混入させた物ですね。

MoD等も有志が作り上げた物があり、それらの出来は[エンドワールド]製作陣営が公式として認める程の物。その中でもお薦め度が高かった[Knight Dawn][Noah Break]を導入しております。

 

 それぞれの詳細は概要を確認していただければと思いますが、簡単に説明するのであれば[戦略シミュレーション][アクション]の両モード併用可能、全キャラ二次昇進発生、新規種族の追加、セーブデータの世界混入です。

 

 世界混入については説明が難しいのですが…まあ、この辺りについては2回目以降のキャラクター作成にて説明できればと思います。

 

 では初のキャラクター作成と行きましょう。どの種族で遊ぶか、少々悩みますが…

 

 …追加種族の[デイウォーク]にしてみましょうか。ステータスは…生命が高く、機敏が低い以外の特徴がない器用貧乏になりそうですね。機敏?他が平均である10をマークしている中、泰然と輝く2の数字!(あかん

 ただ、その中でも弱点を補強できる種族特徴の1つに[不死者]がありますので選択します。これによって機敏の平均は10となりました。では、お祈りタイム…

 

筋力:12 機敏:14 知力:10

生命:28 魅力:09 精神:15

体格:17 教養:14

 

 …恐らくは平均的ともいえる強さ、ありきたりながら重装オペレーターの適性が高めというあたりでしょうか?生まれは…不明、幻想職業から[ファイター]を選択しましょう。依存ステータスは生命。技能の割り振りは…機敏と生命の補強の為に[ソード+65][槍+65][二刀流+75][払い除け+75][回避+55][登攀+45][跳躍+40][目星+30][聞き耳+30][応急手当+40]で。

 

筋力:12+4 機敏:14+6 知力:10

生命:28+2 魅力:09  精神:15

体格:17  教養:14

 

 ステータスはこの通り、後は種族特性を活かしながら前線で敵を足止めしつつはっ倒す事がメインですね。レベルアップという概念はありませんが技能成長が発生し、その技能成長合計値が一定以上となると昇進ができます。これらにおいては昇進発生時に説明するとして…名前は[ススヒト]で、キャラクター作成は完了です。

 

 では、オープニングとなります…あ、言い忘れてました

 

 自分はnormalです

 


Roll In:susuhito

 

 …目を覚ました。そのはずだ。

だが、その視界の暗闇が晴れる事はない。

己の前に無限と言えるほどに広がったそれは壁のように立ちふさがっている。

 

>アイデア:成功(32)

 

 もしかしたら、何らかの箱の中に入れられているのかもしれない。

内側から出てみようと、手をその暗闇の先へ伸ばす。すると「ギギギ…」ときしむ音と共に徐々に壁が上に持ち上がっていく。

 

>筋力対抗10:成功(47)

 

 特に体力を使う事もなく、持ちあがった壁を横に追いやって身を起こす。

…あたりを見回すと、適当な石で作り上げられた粗末な墓石や木で出来た十字架が多数無作為に突き刺さっていた。

恐らく…否、確実にこの一帯は墓場なのだろう。

 

 それを確認した後、己が入っていた箱から出ていく。俗に棺桶と呼ばれるそれに己が入った記憶はない。恐らくは何者かに入れられたのだろう。

 だがご丁寧に棺桶の中に己の武具である長剣と片手槍が副葬されていた事を考えれば、己は一度死して永い眠りについていたのかもしれない。

 

>知識:成功(46)

 

 しかし、己の種族―――デイウォークが此処まで長く蘇生が遅れる事は一度とて聞いたことがない。考えられるとしたら鉱石病(オリパシー)だが…内臓の様子等外から見ても一切分かるはずもない。

 

 さて、どうするか―――

 

「…ハンティング、開始」

 

 咄嗟に片手槍を盾にするように、唐突に表れた赤い影を受け止める。その赤い影の手には黒いナイフが握られていて―――




セーブデータ1
ススヒト
HP:39/39 MP:35/35 意志力:24/24


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1-1.目覚め

死した人が蘇る種族、デイウォーク
だが、彼らが蘇る理由は未だ分からず
そのような存在が居ると、資料で残されているだけだ


…?

……(二度見)

………(顔青ざめ)

 

 恐らくはチュートリアル戦闘です。

…チュートリアル戦闘の筈です(震え声)

 

 前作をプレイしていたのである程度分かりますが、今回遭遇したのは[特殊/5]のレッド。

原作ではロドス内暗部[S.W.E.E.P]のメンバーであり、ケルシー医師の私兵のような存在です。「オバアサン」と呼ばれる人物に暗殺術と「狼殺し」の使命を与えられたループス族。

 原作ですと「出現直後における短時間特定の存在1人への攻撃特化」「出現直後に自身の周囲に強力な攻撃+長時間スタン付与」と出撃直後が異常に強く、コスト回りが鬼と瞬間的な攪乱及び暗殺に突出した性能ですが、此方でもある程度は影響を受けているようです。目星聞き耳に少なからず割り振っているにもかかわらず問答無用の暗殺が飛んできましたし(

 

 武装は…原作と変わらず赤いコートに片手持ちの黒いナイフ。ただ、顔つきが幼いのと背負っているバッグが比較的新しめな所を見ると原作よりもかなり前に見えますね…ケルシーと出会うよりも前、そう考えると原作であるドクター救出作戦からはさらに前となりそうです。…正直に言いますとエンドワールド製作陣営の作り込みも十分に変態だと思います、自分(

 

 イベント後、チュートリアルの操作説明が表示されましたね…っと、チュートリアルでもレッドは攻撃を仕掛けてきますので、牽制するように長剣を振っておきますか。ただ、視線はレッドから離さないように…って、まさかのカメラが追い付かない!?流石戦場機動卓越、仕切り直しも鬼のようにうま―――ん、音?聞こえた方へ槍の柄を地面に立てるようにして持ってみ

 

ガィン!!

 

ガチの暗殺者ですね、此方まだ攻撃行動取れてないのですが!?隻○を思い出せ、一撃当たれば致命傷ぞ、蘇生は未だ詳細が分からないので使いたくないですぅううう!!!

ただ、何れも受動行動が成功しているのが救いですね…払い除けの効果が発生して相手のスタミナを減少させられている…と、信じたいです…あー、人文学の人体等も技能値割り振ればよかったですかね、相手のステータスが表示されないのが此処までストレスになるなんて…!

 

…すみません、少し集中します…

 

5分後…

 

…、よ、ようやくレッドの動きが鈍くなり始めました。恐らくスタミナの減少が原因で攻撃姿勢を維持するのが大変なのだと思います。

息切れも伺えますし、何より原作準拠であれば生理的耐性も物理強度も標準、即ち平均程度でありそれよりも幼いのであればさらに下がる…と思います。

 

 …、此処で勝負を仕掛けましょうか…

 


Roll In:RED

 

 木製の大きな箱が打ち捨てられたお墓の中央に置かれている。此処に来た目的は”オバアサン”からの指示である「この場所にある大きな箱を開けた馬鹿が居たなら殺せ」を果たす為。

 

 そこにたどり着いて、しばらく見張った際に”ギギギ…”ときしむ音が響いた。

墓石の裏に身を潜め、其方に目を向けると錆びた甲冑の上から傷んだ黄土のクロークを纏う男性が身を起こした。…先ほどまであの箱の中からレッドが気配を感じなかったにもかかわらず、今では明確にそれの気配を感じられる。それが少し気持ち悪い。

 

 大きな箱から出てきた男性を見つつ、ふと指示を思い出す。”大きな箱を開けた馬鹿が居たなら殺せ”。…出てくる、という表現をレッドはしたけど、これはもしかして男性が箱を開けて出てきた、という事なのだろうか?分からない。

 …少し息をつき、気配を消す。…オバアサンの教えを守るように小さく「…ハンティング、開始」と呟き、その男性へナイフの切っ先を突き立てんとして

 

甲高く響いた金属音が、自身の攻撃の失敗を表していた。

 

 眼を見開く。完全に死角からの一撃だったにも関わらず、その男性はレッドの一撃を防いでいた。それも槍の真ん中で、丁寧に。

 ただ、男性も今までレッドを認識してなかったからか目を見開いていた。その隙をついて無拍子に近づき、掃うように突く。それも男性は先程防ぐ際に使った槍で、此方を大きく弾くように防御しきる。

 

 そしてその流れのまま長剣が此方に迫ってくるのを跳び越えるようにして躱し、そのまま墓石の裏に身を潜める。しばらく後に自身の周囲に視線が向けられた。

 息を殺して視線をやり過ごした後にコートから新たにナイフを取り出す。両手にそれぞれ1本ずつ逆手に持ち、相手の肩に突き立てるように振り下ろし

 

長剣で纏めて此方の攻撃を弾き、槍が自身に迫ってきた。しかしそこには殺意がなく、迷うような一撃だった為切っ先を踏むようにして相手の態勢を崩してみようと試みる。

 

「む」

 

 何処か濁った声と共にレッドの意図に気付いたのか槍をそのまま手放す。…無造作に柄を蹴り上げるように手放した槍を持ち直したあたり、手慣れているのだろう。確かに強い。けれど、指示を果たさなければいけない。だから戦う。

 

 墓石等で仕切り直し、間をおいて奇襲を絶え間なく仕掛け続ける。長く隠れようものなら、男性はレッドを捕捉しきるだろう。目も耳も、悪くはない。

 ナイフを投げつけても甲冑に弾き落とされる。接近戦を続けようにも、長期戦は不利。短期決戦の為に相手の死角に潜り込むように奇襲を仕掛けても、紙一重で反応しきる。時折反応しきれない事もあるが、それは結局クロークや甲冑を傷つける程度で止まってしまう。

 状況が膠着し、疲労ばかりがたまっていく中。ぽつりと男性が呟く。

 

「何故、己を襲う?」

 

 ナイフの投擲を返す。

 

「…ならば、勝者となってから問いかけるとしよう」

 




ススヒト
HP:37/39 MP:35/35 意志力:24/24


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1-2.目覚め

デイウォークがデイウォークだと自認するには死の記憶が前提となる
逆を言えばその死の記憶がなければ自身をデイウォークだと自認できない
屍人、不死者、転生者と存在するが、自身をはじめからデイウォークと認知できるのは転生者のみだ


 では初めに相手の攻撃の方向を見極めるために意識を研ぎ澄ませます。前提として相手を見つけられなければ話にならないですからね、これからやろうとしていることは。…意志力、と言う物もありますのでそれも併用してみましょうか。

 

 …おぉ?

 

 補正が入ったのか、今までぼんやりとしか把握できなかった事が明瞭になりました。ただ、HPやMPは回復方法がある程度想像しやすいですが意志力はどう回復するのでしょうか?

 

 …ま、まぁここでは成功させなければいけないですし、使用感覚が分かったのでモーマンタイモーマンタイ(震え声

 これによってどうやら自身の右後ろ側にいるようだと分かったので、其方を見ないようにして誘い出します。平常時なら疑うであろうとスタミナがない状態、それも勝負を急ごうとしているのであれば目がくらむ状況。…来ました。

 

 それに合わせて槍を手放し、彼女の攻撃を素手で流します。

 失敗したので大人しく胴で受けきりにかかります。ただ…やはりというか原作準拠で投げナイフにすら貫通が付与されてましたし。防護点きっちり無視して突き刺さりました、結構痛い!?

 ですがこれで条件を満たしたので…[こぶし:バッシング]を使用します。要約すると[ダメージを受けた際に素手で相手を突き放し、転倒させる]と言う物。転倒状態なら主行動で起き上がらない限り解除されませんし、行動も非常に失敗しやすくなります。尚これらは一応説明書に乗ってましたが、まだまだ不明瞭なところが多く色々試したいところ。

 

 これによって彼女が転倒したのでその上からのしかかります。見た目が事案?無力化するにはこれしかないのです。彼女を殺したくないという方で、これ以外の方法を今の手札で行える方が居ましたら是非とも教えてください(

 

 そしてその上で持っている剣を彼女のコートの裾に突き、地面深くまで刺すことで動けないようにします。もう一方の手は空いた右手で捕まえておきましょう。血で滑りますが、相手は二刀流による攻撃力を同様に持ってましたから封じておいて損はないと思います。

 

 ただここからどうすればいいのか分からないのですが…いや、製作者陣営流石にそれはあかんでしょう?此処で襲い返す(意味深)はやらないですよ?取り敢えず、彼女に対して話しかけましょう。沈黙が痛いことこの上ない。何故此方に襲い掛かったのです?

 

 …口を割りませんね…今は戦闘終了状態ですし、彼女も動く様子がないので交流してみましょうか。ゲーム内時間を15分消費しますが、相手が感情を獲得できる可能性があります。…原作ではオオカミが好きだという話だったのでそれについてそれとなく話を振って…振れるのでしょうか?対象タグにあればいいのですが…(自身のステータスを確認する)

 

基本ステータス

ススヒト 適性:前衛/重装

筋力:12+4 機敏:14+6 知力:10

生命:28+2 魅力:09  精神:15

体格:17  教養:14

特記:退魔の経験、日常への恩赦

特徴:共犯者[ラップランド]、義理人情

ソード:90 槍:80 二刀流:80

払い除け:80 回避:75 登攀:85

跳躍:65 目星:55 聞き耳:55

応急手当:70

 

装備

重量:33/35

右手(主武装):ガントレット 左手(副武装):ガントレット、ロングソード

頭:西洋兜、フード

上体:道着、鉄の胸当て、クローク

足腰:下着、袴、鉄の脚甲

 

人間関係(25)

ラップランド:[慈愛+5]/[多福+5] エクシア:[家族+5]

スカイフレア:[幼子+5] モスティマ:[家族+5]

対象タグ(3)

[騎士(基本職業)][武道(道着+袴)][ ][ ][ ]

 

 …どういう経歴をたどればこうなるのです?(

と、取り敢えず対象タグが選択可能そうなので[狼][鉱石病]を選択しておきます。残りの一つは後々に備えておきましょう。

 

 と言う事で話題を振ります。…あれ、思った以上の反応が伺えない?…まだウルフハンターとして半人前だからですかね?うーむ…無作為に15分を過ごすことになりそうです…が…。

 ただ現在抵抗する気配がなさそうなので剣を引き抜き、退きます。その上で押し倒したことに対する謝罪と…そうですね、オバアサンの下への案内を頼めるか聞いてみましょう。目的はシンプルで[先行できる人材]です。戦闘能力、隠密性共にこの歳で非常に高いですから。

 


Roll In:susuhito


 

 彼女が再度姿を隠し、見失わぬよう目を、耳を凝らす。それが功を奏したのか、彼女が己の右後ろ側へと気配を消して回り込むのが見えた。…それをあえて意図的に見逃す。

 ここまで戦って逃げられたのであれば、次は仲間を連れて襲い掛かってくるのかもしれない。そうなれば厳しい戦いになるだろうというのは火を見るよりも明らかだ。だからこそ、此処で彼女の攻撃を誘い、反撃で確実に足を止めさせる。

 

 彼女の攻撃を篭手で受けきる為に手刀にて右後ろへと振り抜く。しかし、彼女はそれをすり抜けるようにして躱し胸当ての隙間を縫うようにナイフの切っ先が脇腹へと突き立てられた。左足へ血が伝い、地面へと吸われ始める。

 

「ゥ、グ…」

 

「この眼に、お前の死を映す」

 

 …死?

 …今死んだとしたら、次は何時己は蘇ることができる?普通のデイウォークと同じようにその場で蘇ることができるのか?それとも、今回のように感覚を開けて?

 …分からない。だが…また会うと決めたのだ。

 

―――彼女を、殺したくない。

 

「…ッ!?」

 

 その声に従うように、槍を手放して自由となった右手で彼女の肩を突き飛ばす。華奢な彼女の体ではそれを受け止めきる事もままならず、地面に頭から強く打ち据えたのか苦悶の声が聞こえた。

 そこへ自身の体重を落とす。甲冑も含めれば、己の重量を彼女が止めきれるとは思えない。その際に男とは違う柔らかさを伴う体に接触したが即座に黙殺し、彼女のコートの裾に剣を突き立てる。その上で篭手でもう一方の手を握り、行動を阻害する。

 

「…己は余りお前を殺したくない。かといって己はむざむざと殺されるわけにはいかない。故に武器を向けないと約束してくれ。そうしたら、解放しよう」

 

「…」

 

 言葉は返ってこない。一切の反応を示さない彼女に対して、どうすればいいのかと考えつつ、未だ此方を殺そうと動く手を抑える。…こういう時、エクシアやモスティマはどう仲良くなるのだろうか?

 

『そう言うあたり、本当変わってるよねぇ』

 言われずともわかっているつもりだ、方法を教えてくれ記憶の中のエクシア。

 

『殺されそうになった相手と仲良くするって、難しいと思うよ』

 そうだろうな、だが殺したくないのだ記憶の中のモスティマ。

 

どちらも方法は答えてくれず、ただ困ったような笑みを浮かべてそれだけ言う。…ならばスカイフレアやラップランドはどうだろうか…否、二人も答えてくれないだろう、ラップランドにおいては『一度武器を手にした相手は、殺すのに理由なんていらないんだ』等と答えそうだ。…ラップランドの場合は経歴が特殊だから何も言えないが。

 

「…己はススヒト。お前の名は?」

 

「…レッド」

 

「レッド、か。この状態で話すのもなんだが…そうだな、狼について話をしようか。己も好きではあるからな、狼は」

 

 微かに彼女―――レッドが反応を示す。耳が一度ピクリと動いただけの弱い根拠ではあるが。それについて色々と話していく。彼らの生態や特徴、自身が見てきた野生の狼、そして■淵■■士■■ト■ウ■の友、■■の事。

 それらを話し終えた頃には彼女の手は動く様子がなかったので手を離す。…それからも武器を持つ様子はなく、開放してもよさそうだと判断し自身も立ち上がり。

 

「拘束する為とは言え、すまなかった。大丈夫か?」

 

 レッドへと手を差し伸べる。その手を彼女は少し考えた後に取る。

 

「…どうして」

 

「…何故だろうな。…ああ、多分―――」




ススヒト
HP:19/39 MP:35/35 意志力:20/24
人間関係(25)
ラップランド:[慈愛+5]/[多福+5] エクシア:[家族+5]
スカイフレア:[幼子+5] モスティマ:[家族+5]
対象タグ(3)
[騎士(基本職業)][武道(道着+袴)][狼][鉱石病][ ]


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1-3.目覚め

屍人、不死者、転生者の中でも一番研究が進んでいるのは屍人である。
屍人は機敏性が低く、筋力と生命力が高い為日常生活でもある程度見分けがつく。
鉱石病に感染した際は死ぬことによって鉱石病の感染源である源石を吐き出す等という離れ業を行ったという資料も存在する。


 無事オバアサンの下へ案内してもらう約束を取り付けられたので、早速案内してもらっています。流石にレッドもまだ幼いのか此方の眼を塞ぐというような行動もしませんでしたね。お互い会話も無く、すたすたと足音ばかりが響いてきます(ァオーン!)って、またですか…

 

 今のように時折野生の狼に襲撃されたりするのでレッドと共にそれらを撃退していきます。恐らくレユニオンの技術偵察部隊が放棄した猟犬が野生化したものでしょう、対人に長けているように見えますが…まあ、はい。

 攻撃手段が噛み付きしかない以上、攻撃にあわせて[ソード:踏み込み]で耐えつつ剣の錆びの一つにしてやりました。レッドにおいては走っている猟犬に追いつき、背中の上から乗っかって首を刈っ切ってます。流石暗殺特化(

 

 ただススヒトがいるせいで彼女の隠密が殺されている側面もあるようですね…気に掛けつつ、もしもやられそうだったら庇っておきましょう。ただの狼の一撃ならオリパシーでも甲冑で8割防ぎきれます。ダ〇クソウルのシ〇のような大型の狼だったら多分死にます、流石に存在しないとは思いますが…鉱石病によって発現する可能性も無きにしろあらず?少し期待しましょう、レッドの第二昇進でも…おっと、これは沈黙しておきましょう。

 

 なお数度ほど遭遇戦をしているうちに技能の成長が発生しました。とはいえ、数値が小さすぎるので現状は貯めておきます。ただこれらの技能値によってステータスは上がらないので昇進を待つのみですね…っと、彼女へ攻撃が向かう前に右手で受け止めて…[こぶし:バッシング]をしておきます。…シンプルながら使いやすいですな、装甲も相まって格下相手なら確実に転倒させて行動阻害ができる。それに合わせてレッドもきっちりと首を刈ってくれるので本当助かります。転倒にしたところでススヒト一人では攻撃する前に起き上がられますから。

 

 そう言えばどこかでレッドについての考察がされていたような気がしますが、赤頭巾モチーフなのですね…自分はてっきり海外3Dアニメの構使い主人公のオマージュかなと思ってました( …ライフル+サイズ+パイルハンガーで複合すれば再現できるのでしょうか、あれ。改造がどれほどできるか次第で挑戦してみようかな…

 

 っと、そんなことを考えていたら彼女から話題が振られました。悪く思われない程度に返答しましょう。ふむふむ…?「ありがとう」?いえいえ、此方こそ助かってます。一人でですと殲滅がうまく出来ませんから。「なんで助けたの」?助けるのに理由って必要なのです?「全部自分でやるからいい」?んー…流石に傷つくのを見たくないは臭すぎますし、何かいい言葉はない物でしょうか…取り敢えずごまかすように自分がやりたいことがこれだからと返しておきます。

 …うーん、原作のレッドならまだしもそれよりも前の幼いレッドだから、原作よりも感情があるのかないのかわからないのですよね…原作開始で162cmですが、ススヒトが180cmに対して頭1つ程の差がありますから…多分150cmぐらいでしょう。年齢も多分14歳付近でしょうか…ウルサス学生自治団の存在も考えると未成年であってもある程度戦闘が出来るのはこの世界ではおかしくないのですかね?

 

 っと、この会話は相手からの交流だったみたいです。感情点を3点獲得したので、さっそく[幼子]に割り振りましょう。感情が成立すれば[かばう]の成功率が上がるようです。

 

 ゲーム内時間でだいたい1時間ほどかけてオバアサンの家らしき場所にたどり着きました

 

…い、え…?

 

いや、よく考えたら移動都市じゃない環境で無事な状態を保つのはイェラグ以外では厳しいと考えれば天災にあって家の原形をとどめているから家ですね、となるわけないでしょう、よくて廃墟ですよこれ…レッドが入っていったので続こうとしてレッドに止められました。…「訓練の場でもあるから、動きすぎると危険」…本当ですね、ピアノ線を多重に張って瓦礫をせき止めてますが、訓練の為なのか細いピアノ線が複数本空間に張られてます。…レッドから「また配置が換わってる」と聞こえたのは気のせいだと信じたいです。

 ま、まあ…ご対面と、行きましょうか。

 


Roll In:RED

 

「…オバアサンに、会いたい?」

 

 男性―――ススヒトは頷き、言葉を続ける。

 

「レッドはまだ子供に見える。己としては此処が何処なのか、此処から近い移動都市はあるのか。…虫のいい話だが、調味料を分けてほしいというのもある」

 

 調味料…塩や胡椒、砂糖…何故ほしいのだろう?

 

「…どうして?」

 

「調味料は食料の長期保存にも役に立つ。干した魚や肉、水に戻す為の乾野菜の材料は最悪狩りで取ればいいが、調味料の確保は流石に厳しい。後は味気の無い食事は、な」

 

「…美味しいものを食べる為?」

 

「そう言う事だ。…頼めるか?」

 

 考える。先ほどの15分の会話で何となくだが”争いごとを基本的に厭う”ような性質だろうと思った。■淵■■士■■ト■ウ■の友、■■…オバアサンから、聞いたことがあるような気がする。ウルフハンターとしての訓練を始めるずっと前に、ポツリと。

 

 オバアサンが、何処か悔んだような。そんな表情だったことを覚えている。もしかしたら、ススヒトなら力になれるのかもしれない。

 

「…」

 

「助かる」

 

 小さく頷くと、彼はレッドの頷きを素直に受け取った。…何処か眩しいその在り方に、少しだけ目を細める。3年間、殺すために研ぎ続けたそれは彼にとって守る為にあるもの。だから防御は巧いのに、攻撃に迷いがあった。…その在り方に、何処か危うさを覚えた。

 

「じゃあ、早速案内を頼む」

 

「…ん、こっち」

 

 先導するように歩いて行く。普段は一人だから隠れながら進むけれど、レッドを見失ったら彼が迷う。だから隠れられない。

 それに…金属の鎧を着込んでいるから、歩くたびにガチャガチャと音が響く。

 

「…ススヒト」

 

「…、…成程。すまないな、レッド。迷惑をかける」

 

「気にしなくて、いい―――来る」

 

 彼がその言葉に答えるよう右腰に携えた長剣を左手で引き抜き、両手で構える。その直後―――森の茂みから牙を剥いた猟犬が飛び掛かってくる。それも、複数。

 

 その機先をくじくように駆け、一足でナイフの間合いへ狼を捉える。それに気づいていた為か、躱そうと身をよじる―――が、レッドの方が、早い。肉にナイフを突き立てる音、手に伝っていく血、口から血を吐きだし、痙攣するように動かなくなった狼からナイフを乱雑に引き抜く。…次が来る、ただそれまでに時間がある。

 

「駆ける。こっちに、早く」

 

「あぁ」

 

そう答え、彼はレッドの後に続くように先へと進んでいく。しばらく走り続けると、先程の奴らからは逃げきる事はできる、が。新たな群れに正面から突っ込んでしまったらしい。…未熟、そう言うオバアサンの姿が思い浮かぶ。

 

「此処を通ったほうが早いのか?」

 

「?…うん。まだ、道も先だけど」

 

「なら、押し通す」

 

 その声と同時に背中から短槍を引き抜き、群れの長らしき猟犬へ投げつける。それは勢いを伴い、遭遇戦となったからか硬直しているその胴を貫いた。痛みに吼える長、それに合わせるようにコートからナイフを二本取り出し、投げつける。狙いは眼。

 

 その狙い通りにそれが突き刺さり、長は大きく痙攣した後血に沈んで。…家族を殺されたそれらが大きく咆え、此方へと飛び掛かってくる。一度、二度。三度目は流石に体勢を崩しかけていた為、避けきれず

 

「…、ふっ!」

 

 両手で長剣を持ったススヒトがレッドと飛び掛かる猟犬の間に割り込み、鼻先から切り開いた。猟犬だったモノがごとり、と青年の左右に落ちる。さらに残っていた猟犬が噛み付き―――レッドにやった事と同じように手荒くはっ倒した。

 

「レッド」

 

 その声にこたえるよう、転がったそれの脳天にナイフを突き立てる。逃げようとした猟犬も走って後を追い、躯を晒させる。

 

「手薄になった」

 

「なら突破するか」

 

 槍に猟犬を突き刺したまま持ち上げ、肩に槍を乗せるようにして走っていく。走っている最中に猟犬に投擲したナイフを回収し、コートにしまう。…血がべとついて気持ち悪い。家に帰ったら洗う。

 

 さらに数度、猟犬の群れに襲われるがレッドが傷を負うことはなかった。…その代わりに、ススヒトの甲冑の傷が多く、当たりどころが悪いものからは血が流れているのが見える。…レッドが脇腹に突き刺した傷については自分が悪いから持っていたロドス製の治療薬を振りかけて一時的に塞いだが、治療薬はそれで底ついている。…また何処かから盗らないと。

 

 そして、何故襲い掛かったのにも拘らずレッドを庇うのか。ある程度の襲撃が落ち着いてきたとき、走りながら聞いてみた。

 

「…ススヒト」

 

「なんだ?」

 

「ありがとう」

 

 小さく首を傾げたが、庇ったことに思い至ったのか「あぁ」と小さく声を上げる。

 

「気にしなくていい。己もレッドのおかげで助かっているところはある。むしろすまないな、甲冑など着込んでいるせいで音が響いて」

 

 申し訳なさそうに。それが少し気に入らなくて。むすっとしながらも「気にしなくていい」と返す。

 

「なんで、レッドを助けたの?」

 

「助けるのに理由はいるのか?」

 

…その声には一切の曇りも、下心も無く。本心から言っていることが分かってしまった。恐らく危機的状況の誰かがいるのであれば、レッドで無くとも助けに行くのだろう。…それで死ぬことになったとしても。「死ぬわけにはいかない」、その言葉が薄っぺらに聞こえてしまうほどに。

 

 だから、レッドは助けなくてもいい。その意図を込めて拒絶するように呟く。

 

「全部、自分でやるからいい」

 

「…己のやるべきことが関わる以上、手伝わないのは道理に反するだろう?」

 

 …口で、ススヒトに敵う気がしない。それに頑固だ。

 

「…好きに、すればいい」

 

 その会話から、30分。大きな箱のあった場所からは1時間ほどして家にたどり着き。レッドが入るのに続こうとしたススヒトの甲冑に手をやって止める。

 

「…なんだ?」

 

「訓練の場でもあるから、動きすぎると危険…また配置変わってる

 

「…なる、程」

 

 …彼の顔が、引き攣った。




ススヒト
HP:24/39 MP:35/35 意志力:20/24
人間関係(25)
ラップランド:[慈愛+5]/[多福+5] エクシア:[家族+5]
スカイフレア:[幼子+5] モスティマ:[家族+5]
レッド:[幼子]+3

少しアンケートをば。


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S0-1.記憶

―――の印
数名の名前が書かれた血判状
各派閥のボス、及びただ一人の協力者によるもの

その協力者の名前を除き、既に墨で線を引かれている



’’これは、今より遠い未来のお話’’

 


Roll In:Lapland

 

「―――ぁ、…ぅん…?」

 

 貿易所で取っていた仮眠から目を覚ます。

 寝ぼけ眼で見まわすとテキサスと赤紫の髪色をしたサンクタがそれぞれ純金や源石の欠片を梱包した物を箱に収め、それぞれの仕分け先へと配荷していた。荷物量を見る限り、すでに結構な仮眠時間を取ってしまったのだろう。

 

「…すまないね、随分と長く寝ていたみたいだ」

 

 テキサスはボクの言葉に返さず、配荷を続けていく。それに対してサンクタの方は何やら奇妙な物を見る目で此方を見ていた。

 

「どうしたんだい?ボクの方に奇妙なものを見る目を向けてさ」

 

「あ、うん。なんか知り合いの名前が寝言で聞こえてきてね。それでそんな目になってるんだと思うよ」

 

その言葉が一瞬自身の背に氷柱を刺したような悪寒を生じさせる。知り合い、というのは誰なのか分からないが…彼の名前はボクやテキサスに比べて独特ともいえるところがある。

 もしかしたら、彼の知り合いというのは本当なのかもしれない。

 

「…エクシア、此奴と共通の知り合いがいるのか?」

 

「もしかしたらだけどね!15年前に行き倒れてたのを拾って7年ぐらい同じ屋根の下で過ごしてた人と、ラップランドが寝言でつぶやいていた人の名前が同じでさ」

 

テキサスとサンクタ―――エクシアの会話を聞いて思わずクツクツと笑う。ボクと時と同じように行倒れを過去にもしたことがあると彼は恥ずかしそうに言っていたが…成程、それがエクシアとモスティマ、か。

 

 不気味な物を見るような目を向けるテキサスと、ボクが笑っている事に首を傾げるエクシア。まあ貿易所にいるこの二人なら話してもいいだろう。

 

「どうしたの?」

 

「いや?ススヒトが初の行倒れをした居候先の人が目の前にいるのは世間は狭いというべきか…それで少しね」

 

「あー、生きてたんだ!…よかった…」

 

 エクシアの安堵したような言葉遣いに目を剥いた。テキサスもそれを察してか恐る恐る聞いてみる。その問いかけは、ボクが聞きたかった内容と同じであり。

 

「エクシア、その言い方だと生死不明だったと聞こえるが…」

 

 その言葉をエクシアは首肯し、言葉を続ける。それでいて2人とも手元の作業を止めていないのは流石物流関係従属者というべきだろうか。

 

「レユニオンが発足する前の、小規模な感染者たちによるテロに巻き込まれた時に私達を庇ってそのまま行方知れず。でもラップランドはその後にススヒトと一緒に居たんだよね?連絡はつくかな?」

 

「いや、残念ながらつかないよ。…ボクが見た最後は天災から庇って致命傷を負った体で歩く背中だけだったからね」

 

 その言葉でエクシアは「え」と声を上げ。…しばらくすると笑顔で言葉を紡ぐ。それははた目から見ても分かる程の空元気だった。

 

「そうなんだ…あ、それならラップランドとススヒトの関係ってどんな感じなのかな?」

 

「言葉にするなら…彼から見たボクは"共犯者"、なんだろうね。…昔話でも聞いて行くかい?あまり楽しい話じゃないけどさ」

 

 その言葉でテキサスは興味を失ったように既に量の減った配荷作業へと戻っていく。対してエクシアは何処か郷愁を含んだ微笑みを浮かべながらも頷いた。

 




独自設定
原作時間での年齢
レッド:16歳
ラップランド:19歳
エクシア/モスティマ:23歳
ススヒト:不明


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1-4.目覚め

転生者の前世はこの世界の住民に限らず、併行世界―――例えば"源石が降り注がなかった世界"のものから始め、普通とは違う視点を保有していることが多い。
過去に死亡しているが"未来を読む転生者"が存在し、この人物は”この世界をゲームという形で観測できる”と宣っていた。
しかしてそう言う転生者ほどこの世界に適性がないのか無惨な最期を迎える。
この世界の住民、或いは前世でも文化を持たない動物或いは御伽噺の世界観の転生者程この世界に適しているようだ。
最も、それが真実なのかは転生者のみが知る事だが。


 家に入り、しばらくすると何やら奇妙な声が聞こえます。声は合成音声のようで聞いててあまり良い気分ではありませんね…声をイメージするのならあれです、マルチbadエンディングの野太い声のロリータ。

 

この声がそうなのか、とレッドに問いかけようとするのですが…うん?何か錯乱したように此方に向かってきて「オバアサンをどこにやった(意訳)」と聞かれました。自分も正直分からないのですが…首を横に振ると少し愕然として、その場で目をこすっているのが見えます。

 原作でもレッドは「オバアサン」に依存している節がちらほらあったので残当だとは思います。その上で言うのであれば親に保護される歳であり、「オバアサン」が唯一の肉親だとしたらいなくなって涙を流す事に違和感もありませんし。

 …これ、感情点が発生したのでイベントですかね?4ポイント獲得できたので[幼子][慈愛]を+2して…慰める事位は出来ると信じて彼女の頭をそっと撫でておきます。っと…彼女が此方にしがみついてきたので慰めるように頭を撫で続けます。短い時間で接触過多ともいえる行動ですが、ブラシーボと状況的なつり橋が原因…なのでしょうか?具体的に言うのであれば「見逃しと共闘で人隣がある程度透けた」「その人隣が信用に足るとレッドが判断した」「依存先の消失で頼れる人物がススヒト以外居なくなった」と見ていますが…

 

 まあ此方の成立している感情は[幼子]一つだけなので「子供は守られるべき」みたいなところでしょうが( この意識の違いが後々どのように出てくるのか怖いもの見たさではありますね?(畜生)

しばらく慰め続けると、彼女は落ち着いたのか「大丈夫」と答えてきます。たぶん接触過多が許されるのはこういう時だけだと思いますのでそっと離れておきます。人文学で心理専攻を持っていれば、相手の感情をある程度見る事が出来るのですが…ないものねだりですね、次のキャラクター作成にて生かしましょう。

 

 尚その裏で此方へ不快な声を用いて話しかける何かの会話に耳をやりますと、だいたい以下のようなことを言っているようです。

 

・―――は村人であり、白陣営(10人)

・―――は狂人であり、黒陣営(1人)

・―――は猟師であり、白陣営(1人)

・ススヒトは―――

・―――は狼であり、黒陣営(3人)

・オバアサンは―――であり、最初の犠牲者でもある

・黒陣営は白陣営を全滅させる必要がある

・白陣営は狂人除く黒陣営を全滅させる必要がある

・狼は村人と対立する際、村人に強力なデバフを掛ける

・猟師は狼と対立する際、狼に強力なデバフを掛ける

・猟師は自身を除く1人を護衛することができる

・村人/狂人は猟師と対立する際、猟師に強力なデバフを掛ける

・狂人を猟師が護衛し狂人を対象に人狼が攻撃したのであれば、狂人からのデバフを猟師は受けず、狼にかかるデバフはさらに倍加する

 

…わけわかんねぇです、赤ずきんと人狼のハイブリットですか?(

ススヒト含めて15人の役職持ちがいるので、陣営の勝利条件に従え…ってことですかね?

 まあ、どうでもいいのでレッドにこれからどうするかを聞いてみます。

 


Roll In:susuhito

 

 レッドがワイヤーの張られた廃屋へと向かっていくのを見送り、廃屋の丈夫そうな壁のあるところまで歩きあるところまで歩き、背を預けるようにして腰掛ける。崩れかけの廃屋で、あの少女はよくここまで育ったものだとなんと無しに感じてしまった。

…よく考えてみたら己が真っ当な家で過ごしていたのはエクシア、モスティマの所が最後だろうか。ラップランドの家も大概没落気味であり、シラクーザの中でも鼻つまみ者のような扱いを受けていたのも相まって廃屋じみていた。とはいえここまで酷いわけではなかったが。

 

 追憶に想い馳せつつ、レッドをぼんやりと待ち続ける。しかし、彼女が返ってくる様子がない。5分ほど経過してもなお返ってきていない事に心配しながらも立ち上がり

 

『待ち侘びていた』

 

 男性と女性の声が織り交じったような声が脳裏に響いてきた。その声には一切の感情が込められていないような薄気味悪さに顔を顰め、声を張り上げようとする。

 だが間の悪い事に廃屋からレッドが走って飛び出してくるのが見えた。…彼女の様子がおかしい、それに気づいて薄気味悪い声を黙殺しつつ声をかける。

 

『お前は―――だ 私は、最初の犠牲者だ』

 

「…どうした?」

 

声をかけると少しばかり錯乱した様子で此方に問いかけてくる。否、何処か切羽詰まっているらしく、問いかけるというよりは問い詰めるの方が近いか。

 

「ススヒト、声が!声が…!」

 

『役は4』

 

「声…?」

 

「オバアサンの声が、聞こえない!何処、分かる!?」

 

…脳裏に響くこの声の事なのだろうか、彼女の言う「オバアサン」とは。もしもそうだとしたら、彼女のいう「オバアサン」は犠牲者―――即ち、既に死んでいる?レッドは今まで幻聴によって育てられてきた?

…ばかばかしい。だが現に己に聞こえるこの声の存在を「オバアサン」と繋げられない根拠もない。そっと首を横に振る事で分からないという意図を伝えると、少し愕然とし。

 

『人数は13 何処かにいる 探せ』

 

「…、…」

 

琥珀色の瞳からぽろぽろと涙がこぼれていく。彼女からしたら育ての親を失ったような物なのだろう。…その姿が幼き頃のラップランドに重なり、思わず彼女に近づく。彼女はそれに気づいた様子も無く、目元を千切れた裾で抑え涙を零さないようにしていた。

…彼女は未だ幼い、それを再認識させられる。

 

『村人は10 白陣営 猟師に強い』

 

「…」

 

「…、ぅ…ぁ…ッ…」

 

 レッドの頭をそっと撫でると、此方に縋るように抱き着いてくる。それを慰めるように、泣き止むまでその手を止める事無く15分ほどあやし続けた。

 

『人狼は3 黒陣営 村人に強い』

 

「…」

 

 彼女の嗚咽が空しく響く中、脳裏の声は我関せずと言わんばかりに言葉を続ける。

 

『猟師は1 白陣営 人狼に強い』

 

『狂人は1 黒陣営 猟師に強い』

 

『白陣営 勝利条件 狂人除く黒陣営 絶やせ』

 

『黒陣営 勝利条件 白陣営 絶やせ』

 

「…、大丈夫そうか?」

 

「…うん…大丈夫」

 

 何処か力なく答えるレッド。その言葉を尊重し、己は彼女の頭を撫でる手を自身の腰へと戻す。…彼女の手元には自身の言葉に答えた物なのか、調味料の入った瓶が握られていた。

だが、独りとなった彼女を放っておく事も出来ず。かといってついてくるか、等というのも憚られる。故に言葉を選び、彼女に問いかける。

 

「…レッドはこれからどうする?」

 

「…」

 

 答える様子はない。それもそうだろう、親が居なくなった子供は感染者のテロで嫌というほど見てきたが、呆然とするか親を奪った感染者を憎んで復讐の為に力を付けるか位で。その場で自身の為に道を選ぶ事が出来た子供は片手に余る程度しかいなかった。…子供が受け止めるには重すぎる事実なのだろう、彼女もその例に漏れず現在時間が必要だというのも分かる。

 

 しかし、かといって己の時間を削るわけにはいかないというのもある。だから、答えない彼女に背中を向けて歩き出そうとし。

 

「…レッドも、付いて行く」

 

 己のクロークの裾を、微かに握りながらそう言った。

 

「ススヒトの、邪魔はしない。なんでもやる、助けなくていい。だから」

 

―――置いて行かないで。

 


Roll In:RED

 

 数十分程前の言葉を反故にするような言葉を吐いた自身に嫌気がさす。でも今頼れる相手はススヒトしかいない。…本当の意味で独りになってしまうのは、耐えられない。

顔を上げると、彼は困ったように右手で頭を掻き―――

 

 これが、レッドとススヒトの。

 長い縁の始まりだった。




ススヒト
HP:24/39 MP:35/35 意志力:20/24
人間関係(25)
ラップランド:[慈愛+5]/[多福+5] エクシア:[家族+5]
スカイフレア:[幼子+5] モスティマ:[家族+5]
レッド:[幼子+5][慈愛]+2

同行者:1人
レッド
職業:幻想職業/アサシン 適性:特殊


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二人目「白痴」
キャラクター作成2


煤人とは別のデータで遊び始めたようです


 はい、ではクロスオーバー狙えるか第二セーブデータを作成します。

 

 いえ、ススヒトの方も進めつつではあるのですが…防衛メインの長期戦ばかりで少しばかり飽きが来てしまったので気分転換に、ね?

 その為今回は火力の高くなりやすい種族、サルカズです!ステータスは何れも平均的(9-12)でありながら、選択する種族によって本命である[完全魔人化]の性能が大きく上がります。

この[完全魔人化]は言うなれば[デビル〇イクライ]の[デビ〇トリガー]のような物であり、変身中は非常に高い火力となります。耐久面も自己回復で結構上がっていたりしますね。

但し、スタミナの消費を代償に発動させるので0になると致命的な隙を晒してしまいます。

…どのように致命的なのか?[ダーク〇ウル]の[致命攻撃]受付時間発生+12秒間行動不可です(死んだ目

 

 なのでスタミナが0にならないようにリソースを管理しながら戦闘できる人にとっては非常に使い心地の良い性能だと思います。

種族は完全魔人化時における火力上昇の大きい夜叉。それではお祈りタイムです。

 

筋力:27 機敏:12 知力:16

生命:07 魅力:13 精神:12

体格:21 教養:13

 

 物理火力が非常に高く術火力及び交渉力も低くない、しかし耐久性は全て彼方に放り捨てている…TASさん御用達の無駄のないステータスみたいな形ですかね?

出来れば機敏がもう少し欲しいですが…これにおいては仕方なし、完全魔人化による速度上昇に期待しましょう。生まれはライン生命、職業は闇医者で依存ステータスは[教養]。

ただ、デイウォークやノイマンと比べて技能値によるステータスの上昇がないのと、[関係ステータス]が苦手に属すると必要な技能値が倍になってしまうのが痛い

…そして見落としを一つ報告します、特徴予め振れるようです(

ただ、予め振った場合は[デメリット特徴]なるものが追加されるとのこと。

…少し興味本位で振ってみますかね…本来のものであれば3つ振った内の2つ選択ですが、此方では2つ限定のようなので一回で行ってきます(

 

戦いの申し子、悪人面(デメリット/+100)

 

 …デメリット特徴を引きましたが、技能値+100は美味しいですね。戦いの申し子は…

…任意の近接武器技能1つとそれに携わる芸術技能1つの初期値50%、その上で趣味技能値上昇?…いろんな意味で勝ちました(

関係ステータスの-補正をINT技学で補うとしたら…[人文学《人体》+50][INT技学+65(+130)][日本刀/戦いの申し子指定+35][居合+80][武器術射程1/戦いの申し子指定+35][回避+65][払い除け+70][目星+45][聞き耳+45]…流石に不得意で頑張るには重いですね(

 

 

 あ、技能の割り振りが50足りないのは[アーツ:転移]を取得したからですね。これにおいては術攻撃に依存せず対象を消費したMP分まで遠くに移動させるというシンプルなものですが…まあ、悪用要素は非常に多いと思われます(

 名前は[アザナトテル]として…後は生まれを指定したので感情点の割り振りですが…フィリオプシスに全振りですね。内容は…女神様、どうぞ(

 

フィリオプシス:多福+5/後悔+5

 

……

………

 

ウボァアアアアア!!?


Roll In:Ptilopsis

 …システム起動、オンライン。また、フィリオプシスは寝てしまっていたようです。そしてまた"彼"の背中の上で目を覚ましました。確認しなければ。

 

「おはようございます、アザナトテルさん」

 

「…あぁ」

 

 挨拶に答えながらも背中から降ろす様子も無く、アザナトテルは歩き続けています。

 

「フィリオプシスは寝る前に何をしていたでしょうか?」

 

 何処か人を殺しそうな目を一瞬向けられますが、それは生来の彼の顔が怖いものだと知っています。ですから、気にする事も無く、彼の温もりを求めるように首に回した腕を少しだけ強くします。

 それにどこか悲しそうに、微かに眉尻を下げるのはなぜでしょうか?

 

「サイレンスのアシスタント中に眠ったらしい。その際の記録メディアはフィリオプシスの社内寮に送ってある。サイレンスからの伝言だ」

 

「伝言を反芻…記録メディアはフィリオプシスの社内寮にある…受領、インストールを開始します。アザナトテルさん」

 

「…何時もの、だろう?」

 

 そう言ってフィリオプシスの社内寮へと足を向けてくれます。彼の背中に居ると、何処か感情の高ぶりを検知します。

 

…疑問

 

 "何時もの"と言われるだけの時間を、フィリオプシスは彼と過ごしていたのでしょうか?




アザナトテル
HP:14/14 MP:24/24 意志力:14/14


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1-1.戦奏

忌み嫌われる種族、サルカズ
サルガスは全体的に一定のアーツ才能を持っており、
アーツ適性が高いとされている
鉱石病に感染している事が一つのステータスであるとされており、
感染しない事はサルガスとしては不幸であるとされる


 さ、さて感情が見事に事故りましたが気を取り直していきます。

 

 今回のライン生命での立ち位置は…被験体の処分班及び私兵ですね。

まあ技能の割り振りを見る限り、医学関係や解剖関係以外では[特攻]を付与して高火力となる可能性を上げたほうが結構有為的です。

 

闇医者なのに医学は一切履修していない?HAHAHA気にするな(

 

 フィリオプシスを背に乗せて部屋のベッドに彼女を座らせた後、特に連絡がないので少しばかり歩き回ります。

場所が場所だけにSAN値が不安ではありますが…まあ、そもそもが感情事故が起こっているので何の問題もありませんね!(錯乱

 

 …うーん…

 

SAN値減少らしきものの他に周囲から悪感情を向けられているせいか、ストレスが溜まっていきますね。

過去にサルカズが何かをやった事が原因で、他の種族より忌み嫌われるとされてますが、こうも此処まで嫌悪されると寧ろ清々しい。脱走する際に四肢一本なら貰っていっても文句は言われなさそうですね…え、駄目?

 

 しばらく歩きまわってますと、携帯にメールが届きます。メールの相手は…メイヤーですね。

メイヤーと言えば原作では機械装置[ミーボ]を発明した少女で、ミーボを利用した壁運用は勿論、ミーボを自爆させる事による重複火力が魅力的ですね。此方でもそれらを取り扱う能力が高いのでしょうか?

そのメールの内容に従って「実験区画3-E-2」へと向かいます。尚部屋の数は100少しあるあたり、流石はロドスに並ぶ医療機関。ラボの数も半端じゃない。

 

 部屋に入ると既にメイヤーは此方を待っていたようです。

彼女曰く、"サイレンス"の医療ドローンの改良案が出てきたので、最近多いレユニオンの鎮圧も兼ねてテストをしてくるといいとライン生命の上から言われたようです。…上と言われると真っ黒な印象しかないのですが…まあ、職員なので割り切りましょう。

 

 ちなみに目撃情報がこの辺とのことで、既にミーボが追跡しているようです。数の暴力って何時の時代も最強なのですねわかります。だってミーボが凄い勢いで走り回っていますもん。あ、ちなみにその試作ドローンは戦闘開始時に起動してくれるようなので、なるべく被弾を前提にして戦ってほしいとか。

 

…え”?"被弾前提"?

 

……

………マ?(冷や汗)

 

 …やってやらぁ!(やけくそ

 

相手との距離を一瞬にして詰めつつ居合で感染者を防具の上から斬りつけます。

相手の攻撃?取り敢えず相手の攻撃を弾いてスタミナを削りつつ、アーツ《転移》で致命的な狙いのものだけを軽傷で済む場所へずらします。

HPが凄い勢いで減ってますが流石サイレンス用の試作ドローン、出来た傷をほぼ一瞬で直してくれてます。

 

感染者は余り殺さないように、居合の固有派生[手加減殴打]で気絶させます。流石に少女にスプラッタを見せるのも憚られますしね。

 

 尚メイヤーは自身に近づこうとするレユニオンをミーボできっちり押しとどめつつ、反撃で手足を撃ち抜いてます。メカは男のロマン、自分の心は洗われますねぇ。

と、彼女が対応しきれそうにない巨躯な御同輩がやってきましたので、きっちり足止めをさせていただきます。

 

 あ、流石にこれ相手は受流させてください。その上で殺します、手加減したら死ぬような気がする(

 

巨躯とは言えど流石にアザナトテルよりは小さいのでせき止めますが…こいつ、ロードローラーか!ブロックしたら他の奴らに気を掛けるのが大変ですねぇ[**龍門スラング**]!!…失礼、取り乱しました。

 

 まぁその為の転移ですので、卑怯ではありませんね(にっこり

 

 相手の位置を確認しつつ、座標を指定した後に刀を振る事で[座標に斬撃を送る]事が出来ます。なのでブロックしたままでも実は結構攻撃ができるのですよね…近寄ろうとしたところで脚の腱を狙った斬撃で転倒させれば、取り敢えずはメイヤーが走って逃げきることはできるでしょう。まあ流石に破れかぶれで逃がしたらまずいので、彼女の[戦術立案]で一部を除いて封鎖されている…というような状況になっていることを祈ります。

 

 え、他の部隊の人たちもいるのでは?メイヤーからは特に聞いていないですね…恐らくは敵をだますならまず味方だと思いますが…私たち二人だけです?(

 アイコンタクトをしようにも顔が怖いからか目を逸らされてしまいますし…あぁ、もう取り敢えずここを切り開いてからですねェ!

 


Roll In:Mayer

 

『アザナトテル』

 

 彼の自己紹介はたったそれだけだった。フィリオプシスと共にライン生命に所属したその男性は、悪名高きサルカズの中でも殊更強面の巨躯を誇っていた。イフリータと並べるとまさに大人と子供のそれ。なおイフリータ曰く『顔はこえぇけどそれだけ』とのこと。…本当かなぁ?

 

 そんな彼が職場に付き早くも一年を経とうとし、現在はサイレンスの運用する医療用ドローンの開発に着手していた。これがあれば現場に医者が向かえずとも、怪我した人を治療できるという画期的な物だ。私のミーボと並べれば誰も命を懸けることなく、戦場を鎮圧できて現場に医療を施せる。…壊されたら悲しいけれど、人の命には代えられないから。

 

 そしてある程度ドローンが形になってきたのでそれの試運転をしたいと上に申し上げてみた。実際にけがの治療をする事でどれだけの効果を得られるか、模擬戦で医療用ドローンに積まれた疑似回避AIが何処まで機能するのか…それらもろもろを確認したいって。まあ、駄目で元々だったんだけど…それに反して上は比較快い返事を寄越してきた。

 

『実験区画3-E-2に最近見慣れない顔の研究者が入っているという話があった。それを追跡してみたところ、レユニオンの小規模組織だという事が判明したのでな。傭兵及びライン生命に所属する私兵を招集して小規模組織を潰走、或いは殲滅をする予定だが…』

 

「ミーボ達を伴って出撃させてください、その際に医療用ドローンの試運転もします」

 

『君ならそう言ってくれると思ったよ。ああそうだ、隊長はアザナトテルを任命するが、兵の指揮は君に任せてもいいかな?』

 

 それに対して小さく首を傾けたが、彼が強面で余り周囲から良い目をされないのは分かっている。その事なのだろうと思いながらも小さく愚痴る。

 

「ぇー…仲間とミーボの両方を指揮するなんて、さすがの私でも手に負えないよ……」

 

『まあ、そう言わずに。特別手当も出すし、何より君の望む試運転の現場だ。それ位は頼まれてほしい』

 

「…はーい…」

 

 その言葉を聞いて、携帯が切れる。

…傭兵には気楽に話せる人は居ないし、かといって私兵と言われたら彼を除いて新兵も当然の人たちばかりだと知っている。

そうなると、必然的に彼に頼るしかないわけで。

 

「…うー…ん…気乗りは、しないなぁ…」

 

 そう言いながらも簡素な文章を送信し、その現場へと向かう…あ。

 

「資料、取りに行かないとなぁ…」

 

 硬い空気が苦手なので、研究区間の主任室にはあまり向かいたくないけど…仕方がない、おとなしくミーボと医療用ドローンを連れて向かった後、実験区画3-E-2に向かおうっと。

 

 特に何事も無く、彼よりも先にその現場にたどり着く。数分ほどするとその巨躯も見えてきたので手を振る事で挨拶を試みる。…此方に小さく手を振り返した後、私の方へ小走りで駆け寄ってきた。

 

「…待たせたか?」

 

「ん、そうだね。4分ぐらいかな?まあ、取り敢えず行こっか。こっちだよ」

 

 ミーボによって人の痕跡が残った場所が分かっているのでそれを二人で追っていく。その間に今回の試運転の目的の為に、彼に予め話を通すことにした。

 

「あ、アザナトテル」

 

 訝し気に此方を見る。その強面にしわが集まり、何処か背筋が伸びそうになりながらも言葉を続けた。

 

「今回は医療用ドローンの試運転も兼ねているから、出来れば致命傷を避けながらも、少しばかり怪我してほしいんだけど、大丈夫かな?」

 

「…」

 

 少し考え、「ああ」という言葉と共に小さく首肯が返される。

それを確認し―――次の瞬間には彼が一気に間合いを詰め、鞘から刹那に刀を振り抜き、相手の鉄鎧を無視するように大きく相手を吹き飛ばした。

 

「がっ、ふぉ!?」

 

「な、くそ!!何処から漏れた!?」

 

「知らねぇよ!でも二人だけだ、此処で口封じしちま」

 

『ミー、ボー!!』

 

「っが!?」

 

 ミーボが起動し、牙に付いたスタンガンで対象の意識を奪う。

そのミーボの背中を飛び越すように、納刀した彼が再度相手の頭を峰で叩き、そのまま意識を闇に沈めた。

もちろん私も手持ちの護身用拳銃に装填したゴム弾で相手を弱らせていく。

 その折に私の言葉を守ってか、彼は然程回避する様子を見せず、()()()()手足へと攻撃が殺到する。

 

「…」

 

 攻撃が殺到したにも拘らず、彼の手足には傷が残っていない。…痛みはあったのか、強面を一瞬苦渋に歪めていたのに心が痛む。でも私が頼んだことなのだから、そこでそう言う表情は彼に失礼だ。そう思って上げそうになった声、歪みそうになった顔を無理やり笑みに戻す。

 

「使用感覚はどうかな?」

 

「…軽傷なら問題ない。だが、流石に重傷までは対応しきれないと思う」

 

「だよね…もう少し散布できる医療スプレーを強化する必要があるかなぁ―――」

 

 試運転の医療用ドローンの考察に顔を俯いたその直後、彼の靴が私の視界に映った。思わず顔を上げると、その先には大きな盾を持つ感染者とそれをせき止める彼の姿。考えに耽っていた自身を叱咤し、その場を大きく離れる。

 

「ありがと!助かった!」

 

「ミーボで、周りの無力化頼んだ…ある程度なら、留められるが―――あまり、期待するな」

 

「嘗めているのか…ッ!」

 

 盾で強引に押し込もうとするが、彼は一切動く様子がない。手持ちの細い刀でよくあの質量を止められるものだ、と感心してしまう。勿論、ミーボで足止めしつつゴム弾で足を撃つことで強引にその場に縫い付ける事で距離を確保する。

だが、流石にあれを止めるので精いっぱいなのか彼の後ろから徐々に残党が此方に向かってきていた。

ゴム弾で足を撃っていくが、それでも相手の勢いを一時的に止めるだけであり根本的な解決案ではない。

 

そう考えている中、相手の悲鳴が響いた。

 

「あぎぃっ!?」

 

「いでぇ!!?」

 

 よく見るとその足から出血しており、鋭い刃物で切られたような跡がある。…刃物を持っているのは彼だけだが、その間合い迄刀は届かないだろう。

謎の現象に首を傾げながらも、足を斬られた彼らの米神にゴム弾を叩き込むのだった。




アザナトテル
HP:12/14 MP:18/24 意志力:14/14


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