転生アカデミア (お月見桜)
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1話

「転生」
説明転生とは、肉体が生物学的な死を迎えた後には、非物質的な中核部については違った形態や肉体を得て新しい生活を送るという、哲学的、宗教的な概念。これは新生や生まれ変わりとも呼ばれ、存在を繰り返すというサンサーラ教義の一部をなす。

なるほど、確かに私の身に起きたこの現象は転生だ。過労で死に、アニメや漫画、物語でよく作られる天国や地獄、閻魔大王と会わずに、気づけば生を受けている。

現実で想像したものは実現するというのならば、天国や地獄と言った場所や閻魔大王という人、現象。それらにお会いしてみてから転生という奇妙なものを受けてみたかった。

ーー最も、花や虫、畜生でもいいから地球に転生してみたかったがーー

いや、地球ではある。この超常現象「個性」というものが総人口の八割にも達し、摩訶不思議な力が蔓延るこの世界を地球ではないと、元無個性な私にとっては地球と認識したくないだけ。

しかしこの「個性」なるほど、物語の世界だ。

この物語の主人公は「緑谷 出久」。この総人口の八割が個性を持ち、強力な個性持ちはヒーローの道が開かれる世界において、不幸にも親の個性や家系の個性、特殊な個性に恵まれない、謂わば無個性のままヒーローを目指そうとした男の子。

幸運にも、個性を憧れの人から授かり個性を持ち、仲間と共に巨悪を倒す。

その物語の最後は涙なしでは語れない程のもので、映画やアニメも作られた程である。

...では、その主人公が主人公ではなくなったら?

もう話のオチは知っているし、それを改めてなぞるのもいいかも知れない。協力するのもいいかも知れない。けど、オチは知ってしまっている。

作者の設定だけ貰い、自分でアレンジし、実践する。

「緑谷 出久」はヒーローとして活躍した。なら、第三者の介入によって、その物語を壊そう。

そうと決まれば、早速行動だ。


 折寺中学校の二年生から物語は動き始める。というより、それまでに個性という能力を身体に身につけるために今までその体を作ってきた。

 

 この時期の「No. 1」は事務所通い。来年からは高校の移籍準備と弟子の育成、再来年は教師になるのだから彼の今後の忙しさは容易に想像がつく。だから、この時期が最低期日である。

 

 ヒーローは人気社会だ。ならファンのファンレター(脅迫状)は受け取るし、その力が応援になる。当然、変なプレゼントや誹謗中傷はスタッフが弾くだろうが.

 

 [ヴィランに襲われると私の個性の一つ『予言』で出ました。敵の襲い方、名前、個性は分かりませんが、同封した予言書から察するに、私は二週間後にとあるヴィランに()()()()()()()()()()()()そうです。一週間後の月曜日〜土曜日、17〜20時、静岡県静岡市〇〇──△△──□□のファミレスであり、学生の味方のチェーン店内でドリンクバーを利用しながら勉強してるのが私です。助けて下さい。お願いします。

 鈴鹿 凪(すずか なぎ)

 

 と、予言した風の嘘の紙と一緒に事務所にファンレターと一緒に送った。

 

 

 

 

 その一週間後の月曜日、某チェーン店に人が来た。時刻は17時30分と、予想より早かった。

 

「君が手紙を送った子?」

 

「問1。同封したものは何でしょう.何だろ、謎掛けかな」

 

「」

 

 と、聞いてきた女性を無視する。女性はスマホを手に取って何やら操作をしているらしいが、どうやらこの問題の答えを知っているらしい。なら教えてもらおう。

 

『四行の詩みたいな予言』

 

「.はい。手紙を送ったのは私です」

 

「親御さんと少し話をしたいんだけど、親御さんとかいるかな?」

 

「.親は私の小さい頃に。災害で」

 

 と、本当のことを言う。何しろここは信用勝負。嘘をつくわけにもいかない。

 

「ごめんなさい。ん? 育て親とかはいるわよね?」

 

「あ、はい」

 

「なら、その親と話させてもらってもいいかしら?」

 

「構いません」

 

 目の前にいるのはヒーローコスチュームを着てないミッドナイト。なるほど、雄英の人に頼んだか。確かに、手紙が嘘の可能性があってNo. 1を嵌めようとしてる可能性だってある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「この予言は誰が書いたものですか?」

 

「私です。個性の一つ「予言」で義娘の予言を書きました」

 

「その予言、私にも書いてくれませんか?」

 

「私に言われても」

 

「? 娘さんの予言を書いたのは貴女ですよね?」

 

「えぇ、確かにそうです」

 

「義母さん、私が説明するよ。というわけでミッドナイトさん。この紙に貴女の名前、生年月日、血液型をお書き下さい」

 

 言われて差し出されたのはシャーペンとA4のルーズリーフ。ミッドナイトは疑いながらも言われた通りに書いていく。

 

「これでいいかしら?」

 

「はい。ではいきます。【天使の自動筆記】」

 

 念能力を発動し、四行詩を書いていく。そしてそのペンは数分もしないうちに書くことを終えた。

 

「.はいどうぞ。ミッドナイトさんの予言です」

 

 差し出された預言者を受け取ると、意味が分からない詩が書いてありとても預言とは思えない。しかし、校長が言うからには「これは表現技法がめちゃくちゃでかつ抽象的な文だから君たちに分からないのも無理ないさ! 実際、僕もこれを全部解析しろって言われたら少しは時間がかかるからね! はは!」とのこと。つまり、予言について書いてあるとあの校長が予想したのだ。

 

 しかし、なぜその「予言」を義母が使えたのか。なぜ娘が自分に使えないのか。それを問うと、驚く答えが返ってきた。

 

「義母さんの個性は予言でも模倣でもありません。個性「料理」。ただ料理に失敗しない、必ず美味しく作るという個性です。そして私の個性は「想像」。物語を作り、その物語の登場人物の力を使える。もし不安に思うなら個性届けを。許可書などの書類が必要なら許可書にサインします」

 

「.いいえ。その必要はないわ。貴女の物語の登場人物にその予言ができる人物がいると?」

 

「YES」

 

 大体分かってきた。けど解せない。

 

「.なら、自分につかえないの?」

 

「YES」

 

「なぜ?」

 

 自分でキャラクターを作るなら、自分に予言ができるキャラクターを作ればいいじゃないか。或は、自分にも予言ができるキャラクターを。

 

「.そんな無敵のキャラクター作ったら、ヒーローサイドにも敵サイドにも使えません。だから、自分には使えないと言う()()()()()を付けたんです。あぁ、あと書いた本人はその書いた内容は知らない、見れないのもデメリットですね」

 

 彼女はそんなデメリットをつけてないし、そもそも物語を描いていない。彼女は嘘をついている。が、そんなものは知らないミッドナイトは話を続ける

 

「.ん? なら同封した預言は?」

 

「【口写し】」

 

 途端に、彼女と母親は口と口のキスをした。この2人はそう言う趣味があったか! 昂る! (18禁ヒーロー談)

 

「.ぷはっ。この力は自分の力と他人の力を交換する力です。交換だから力のない、つまり無個性の子には使えませんし、そもそもキスという行為をしなければならないので近付く必要があります」

 

 故にそこまで強くない。交換後も交換しないといけないし。そう彼女は付け加える。

 

 いわば反則技である。自分にかけられないなら他人に一旦渡して、予言してその後戻す。デメリットなんてものはあってないようなものである。

 

 個性の一部を自分の目を見て理解したミッドナイトは明日の予定を話した。どうやら明日から二週間、本来なら一週間でいいところを大事を見て二週間雄英で預かることにしたらしい。勿論母子共々。

 

 ────────────

 しかしここまで上手くいくとは。凪はそう考える。

 

 まぁでもそれもそうか。とも考える。

 

 デクのお母さんは第4世代と言われる。この世代じゃ珍しい。

 

 以上の事を考えて、この個性という異常の始まりは数年〜十数年という短い期間じゃない。1世代30年と考えると、120.100とかそんな単位だ。

 

 現代が2013年。つまり1913年。大体そこら辺から個性が発現してきた。

 

 日本は明治。明治に出た漫画か。あっても私は知らないな。

 

 個性なしの体力測定の記録云々が少し気にはなるが、総人口の八割が個性あり。逆に言えば個性なしが2割。その2割を救うためのシステムなんだろう。

 

 実際に過ごしてみても、ゲーム、漫画というものは在り方を変えている。ゲームはシミュレーションゲームや落ちゲー、音ゲー、癒しゲーといったゲームが売れ、例えばRPG、アクションといったゲームはめっきりみない。

 

 また、漫画や小説も恋愛小説や推理小説、或は売れてるゲームの小説など。漫画もそれに近い。

 

 つまり、個性というのが大半以上を占めている世の中じゃ普通はありえないものは売れないしそれ以外の要素は飛ぶように売れる。

 

 だからこそ、漫画を描いて得た能力という嘘が生きる。個性届けというシステムは一回改善した方がいいのではないかと思う。

 

 個性名「想像」自分の知ってる能力を使うことができる個性。伸びる事もできるし魔界道具も使える。十万馬力を出す事だってできる。

 

 まさに転生をした私向けの個性じゃないか。明日から二週間の間には欠点も消せる可能性もあるわけだし。

 

 個性を使って得た念能力の力は消せなかった可能性がある。あの虚偽の予言──薄っぺらな嘘で作られた嘘の予言を。

 

 つまり、個性を使って能力を発動したらこっちの勝ち。その個性を使うのを防いだらあっちの勝ち。




後書きでは、使った作品名や能力をかけたらいいなぁと思ってます。

なお個性は自分の過去の作品から再利用した模様

「めだかボックス 安心院なじみ 口写し」

「HUNTER×HUNTER ネオン=ノストラード 天使の自動筆記
           ヒソカ=モロウ 薄っぺらな嘘」

年代とかはちょっと考えました。
オールマイトと会うはずがオールマイトどこ...ここ?


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2話

オールマイトの所属する事務所は繁忙期並みの忙しさだった。毎日毎日来るテレビ出演依頼からファンレター、ヒーロー依頼etc...その様々なものを処理していく。

四年前まではこの仕事の一部をとあるヒーローに押し付けもとい、処理してもらっていたが関係悪化の為、その協力が得られない。

そんな中一通の手紙をスタッフが読む。女子中学生の手紙だろう。大方、「ファンです!いつも応援してます!」とか「カッコいい!」とかだろう。いやカッコいいかはさておき。

しかしその期待はすぐに裏切られ、すぐ様オールマイトと雄英高校に連絡を入れた。内容が内容の為、雄英高校に連絡を入れたのは()()()だ。

この話を雄英高校にも通したスタッフは恐らく影の功績者であり、自分がした事の素晴らしさを本人は自覚していない。それもそうだろう。彼らは知らないのだから。


ーーーオールマイトが怪我を負ってその活動期間が残り少ない事を。


 雄英高校はオールマイトを含めた数名のヒーロー達で会議を行った。校長である根津、個性を消すことができる相澤、眠り香のミッドナイト、医療個性のスペシャリストリカバリーガール、そしてオールマイト。

 

「まず、オールマイトから貰ったこの紙ですが俺の個性を使っても消せかったので手紙の通り、予言書...なんだと思います」

 

 もし、これが今もなお発動している個性なら、相澤の個性で消せる。消せない、文字が変わらない、材料が変わらないと言うことは、これは既製品の紙とペンで、個性を使って書かれたもの。いくら相澤でも、個性発動後のものは消せない。

 

「私もそれを見たけど、それどういう意味?」

 

「これを予言書とするなら、書き方に統一性がなさすぎる」

 

「これは表現技法がめちゃくちゃでかつ抽象的な文だから君たちに分からないのも無理ないさ! 実際、僕もこれを全部解析しろって言われたら少しは時間がかかるからね! はは!」

 

「そうですか」

 

「というより、問題はそこじゃ無い。問題なのは、()()()()()()()という予言だ」

 

「...」

 

 オールマイトは黙って下を向く。まさか。いやそのまさかだろう。

 

「もう既に奪われた後で、敵がその予言を使い、罠を張ったという可能性は?」

 

「可能性はある。けど、私はそれはないと思うよ」

 

「リカバリーガール?」

 

「その個性を奪う奴に少し心当たりがあってね。こんな遠回りなことしない。するなら、周りのやつを殺して待つ奴さ」

 

 最も、狡猾な方面に目覚めたなら話は別だが。と心の中で呟く。

 

「校長、ここは私が行った方が」

 

「それはできない相談さ、オールマイト。リカバリーガールも言ったろ? 可能性はゼロじゃない。だから、君はいかせられない」

 

 それにと、アイコンタクトを取る。そう、傷である。

 

「なら、俺が「それも出来ない」」

 

「個性を消せれば確かにアドだ。しかし君のも貴重だ。下手をすればオールマイトよりね」

 

「なら私が」

 

「うん、それが一番だ。君の眠り香ならもし敵対しても個性を発動すれば逃げれる。いいかい? 戦闘は極力避ける。安全だと思ったら、個性が分かればできれば親御さんにも連絡を」

 

「それと、もし君が判断すれば、雄英高校にも通していい。あくまで保護、という形になるしこっちも色々聞かなければいけないけど、それはしっかり話した上で頼むよ」

 

 警察は被害が無ければ動けない。故に、ヒーロー達が動くしかない。

 

「はい、分かりました」

 

 ────────────────

「私の予言は回避することができ、恐らく分かっていると思いますが、それぞれの行の最後が忠告文です。その通りに動けば、あるいは近い行動を取ればその悪い未来は回避できる可能性が高まります」

 

「それが君の予言なんだね? 鈴鹿さん」

 

「はい。予言で未来が決まるのではなく、あくまでも回避出来ることにすることで...あー、言うなれば金稼ぎができる子を作りました」

 

「個性は想像、君の作った物語の能力を発動することができる、だったね?」

 

 今、凪は取り調べを受けている。といっても校長と対面でだが。

 

 母親はミッドナイトと。後に2人の話の相違点がないかを確認するのだろう。

 

「その物語はどこにあるのかな?」

 

「場所は示せますが、読むのは禁止です」

 

「なぜかな?」

 

「理由は二つです。1。私が恥ずかしいから。2。能力をバラしたくないから」

 

「...分かった。読むのは止めよう。だけれど、表紙を読んだり、タイトルを見るくらいなら良いだろう?」

 

「それくらいなら良いです。ちょっと待っててください。【境界を操る程度の能力】」

 

 横にすき間を出し、ガサゴソと探り10の表紙と一話にあたる部分を出す。

 

「それも君の能力かい?」

 

「えぇ。物を保存したり、色々便利です。まぁ、本当にこの程度しか出来ないんですけどね」

 

 はいどうぞと差し出すと、それを見る。

 

「そうか、ネームの状態でも物語として成しているのか」

 

「はい」

 

「...ふむ、分かったよ。鈴鹿凪さん。ちょっと待ってておくれ」

 

 根津校長が電話をかけると、数分でそれを閉じこちらに目を向ける。

 

「よし、鈴鹿凪さん。本日から二週間と少し短い時間だが、君の身柄は我々が保護しよう」

 

「! ありがとうございます!」

 

「もし何か物が必要ならいつでも相談してくれ。力になろう」

 

「...相談と言うほどでもないんですが。ひとついいでしょうか?」

 

「おや、何かな!」

 

「この高校って、怪我とかってかなり多い部類ですか?」

 

「まぁヒーロー科はそうだろうね。それ以外はそこまでだけど...どうしてだい?」

 

「私、回復の能力も使えるんです。だから、お世話になる分、少しでも恩返しがしたくって...」

 

 それに母親は料理の個性持ちなので食堂におけると思いますしと伝える。

 

「ほう!? 回復もできるのかい!?」

 

「あ、はい。程度によりますが、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「凄いね! 腕の損失から内臓...それ、本当かい?」

 

「えっ? あ、はい」

 

「...ひとつ聞きたいことがある。鈴鹿さん」

 

「な、何でしょう...?」

 

「それは例えば、内臓の摘出を行なったものでも治せるのかい?」

 

「て、摘出ですか? た、多分できると思います...あ、でもそのレベルの症状だと、詳しく聞いたり見たりしないと能力は発動できないですが...」

 

「...どうやってだい?」

 

「えっと、引っかいたり色々して、ですが」

 

「その色々は、言えない物なのかい?」

 

「色々は言えない部分になります。ちょっと強すぎたので、余程の事がない限りは、使わない能力です」

 

「...ちょっと待ってて欲しい」

 

 急に空気が変わり、携帯電話をとりだすと急になんだが来て欲しい、あぁ、そうだよ。の二言で終わらせる。

 

 その2分後だろうか。ドタバタと足音が聞こえ

 

私が来た! 

 

「お、オールマイト!?」

 

「む、君は鈴鹿少女!...根津校長、もしや!?」

 

「君が恐れてる被害はあってないよ、オールマイト」

 

「そうですか。あー、校長。あの」

 

「オールマイト。僕が許す。()()()()()()()()()()

 

「え!? い、いやしかし」

 

「もしかしたら、だけれども。君の怪我が治るかもしれない」

 

「...really?」

 

「あぁ。really」

 

 その瞬間、ボフンと音を立てる。

 

「ゲホッゴホ...い、一体何が...?あ、あれ? 貴方は.?」

 

「彼こそがオールマイトだよ。鈴鹿さん」

 

「...えっ?」

 

「そう! 私こそがオールゴホッ!」

 

 と、血反吐を吐くオールマイトにパニックになる。

 

「ちょっと訳ありでね。君が個性の一部を隠しているように、彼にも隠している事があるのさ」

 

「...えっと、つまり治して欲しいのは.」

 

「そう、オールマイトの怪我さ。症状は呼吸器官半壊、胃の全摘出。それの手術痕」

 

「一体、オールマイトに何が...」

 

「それは...」

 

「...校長、ここは私が」

 

「いや、こういうのはどうだろう。君がもし治せるのなら、変わりにそれを教える。報酬は個性に関しては秘密にする」

 

「校長!?」

 

「...+、校長はこの能力を見ない、聞かない。ならそのお話、引き受けます」

 

「鈴鹿少女も...」

 

「分かった。オールマイト。君にとっても悪い話じゃない筈さ。治せる可能性があるのなら、それにすがってみたって。それに。みろよ彼女の目」

 

「...!」

 

 オールマイトが見たその目は.

 

「何が何でもやってやる。そんな目だぜ」

 

 まるで人を救うヒーロ。自分やその同僚と遜色ない目だった。

 

「...わかりました。そのお話、引き受けます」

 

「廊下に出ている。人を避けておくよ。終わったら呼んでくれ」

 

 トコトコと部屋から出ていく根津。ここにはオールマイトと治せると豪語する謎の少女ただ1人。

 

「...さてオールマイト。少し見ても?」

 

「あ、あぁ」

 

 と、来ているシャツを脱ぎ、その怪我を見る。

 

「...これほどだと、能力はこっちじゃないな。少し甘く見てた」

 

「鈴鹿少女...?」

 

「オールマイト」

 

「?」

 

「今から発動する能力に関して、言わない、広げない。口を滑らせない。心に誓って下さい」

 

「分かった。オールマイトの名にかけて守ろう」

 

「じゃあ服を着て下さい」

 

「あれ!? ここはなんか直接こう、やる場面じゃないの!?」

 

 血反吐を吐きながら服を着るオールマイト。

 

『【大嘘憑き】貴方の怪我と手術を無かった事にした』

 

 不意に。胸に手をかざしてそういうと

 

()()()()()()()()()

 

「...?いや、何もしてないでは...!?」

 

 いや違う。された。気づかなかっただけでもうされている。

 

「な!?」

 

 服の下を覗き込むと痛々しい手術痕が無い。

 

「君は...一体...」

 

「オールマイト。言った筈ですよ。聞かないって。もしそれを守れないなら」

 

 分かってますね? 

 

 そのなんとも言えない雰囲気に一瞬圧されそうになったが、すぐにそれを払う。

 

「あぁ...ありがとう鈴鹿少女!」

 

「あ、念の為レントゲンとかは撮っておいて下さいね。私もそこまでのものは初めてですし」

 

「えっ、何!? 私はモルモットだった!?」

 

「まさか。物語では...うーん、そうですね。うーん...」

 

「ちょっと!? そこは否定してくれないか鈴鹿少女!?」

 

「あ、校長呼ばないと」

 

「ちょっと!」

 

 ──────────────

「成る程、つまり同一犯だと...」

 

 話を聞き、驚くべき事がわかる。オールマイトの怪我と今回狙っているやつは同一犯。

 

「そう。そして奴が活動し始めた証拠が君さ。鈴鹿さん」

 

「正確には個性の予言ですけどね」

 

「それでも君の勇気と力があってこそさ。奴が活動したとわかれば、対策を講じれる」

 

「といっても、先程話したように.」

 

「あぁ、勿論分かってる。行動したから予言通りにはいかない。もしかしたら、まだ向こうは君の存在を知らないかもしれないのもね。けどとりあえず二週間は、地元ヒーローに注意とパトロールの厳重化をお願いしてるよ」

 

「あぁ、そして報告が来た時には、私が!」

 

「うん、その時は頼むよオールマイト。あぁ、鈴鹿さん。国民を代表してお礼を言わせてくれ! 本当に、本当にありがとう!」

 

「私からも言わせてくれ鈴鹿少女! 君がいなければ、この世に蔓延る悪を増やしてしまうところだった! 君のおかげで私はまだ、ヒーローとして国民を、世の中を守る事ができる!」

 

 校長と握手を交わし、オールマイトと握手を交わし。仮設の部屋(セメントス作成)に入り、少し違う二週間を過ごすのだった。




「東方project 八雲紫 境界を操る程度の能力」

「めだかボックス 赤 青黄 五本の病爪
         球磨川 禊 大嘘憑き」



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2.5話

彼女の本心なので別に飛ばしても差し支え無いです。


「私の予言は回避することができ、恐らく分かっていると思いますが、それぞれの行の最後が忠告文です。その通りに動けば、あるいは近い行動を取ればその悪い未来は回避できる可能性が高まります」

 

うん、嘘じゃない。未来なんて確定させてしまうとその能力で絶望に変わってしまう。

 

「それが君の予言なんだね? 鈴鹿さん」

 

「はい。予言で未来が決まるのではなく、あくまでも回避出来ることにすることで...あー、言うなれば金稼ぎができる子を作りました」

 

これも嘘ではない。実際、金稼ぎ以外の利用法ないし。能力がなくなったらポイッてされてたし。

 

「個性は想像、君の作った物語の能力を発動することができる、だったね?」

 

 正確には違うけど、個性届けにもそう書いてあるし...

 

 母親はミッドナイトと。後に2人の話の相違点がないかを確認するのだろう。

 

「その物語はどこにあるのかな?」

 

「場所は示せますが、読むのは禁止です」

 

「なぜかな?」

 

「理由は二つです。1。私が恥ずかしいから。2。能力をバラしたくないから」

 

「...分かった。読むのは止めよう。だけれど、表紙を読んだり、タイトルを見るくらいなら良いだろう?」

 

「それくらいなら良いです。ちょっと待っててください。【境界を操る程度の能力】」

 

 横にすき間を出し、ガサゴソと探り10の表紙と一話にあたる部分を出す。

 

よかった。予め書いといて!各物語の一話から十話あたりと、各章の一話から十話までは書いていたのがここに来て生きてくるとは思わなかった!

 

「それも君の能力かい?」

 

「えぇ。物を保存したり、色々便利です。まぁ、本当にこの程度しか出来ないんですけどね」

 

 はいどうぞと差し出すと、まぁこの能力は本に書いてないけどと思う。

 

「そうか、ネームの状態でも物語として成しているのか」

 

「はい」

 

「...ふむ、分かったよ。鈴鹿凪さん。ちょっと待ってておくれ」

 

さて、そろそろかな?

 

「よし、鈴鹿凪さん。本日から二週間と少し短い時間だが、君の身柄は我々が保護しよう」

 

「!ありがとうございます!」

 

「もし何か物が必要ならいつでも相談してくれ。力になろう」

 

「...相談と言うほどでもないんですが。ひとついいでしょうか?」

 

「おや、何かな!」

 

「この高校って、怪我とかってかなり多い部類ですか?」

 

「まぁヒーロー科はそうだろうね。それ以外はそこまでだけど...どうしてだい?」

 

「私、回復の能力も使えるんです。だから、お世話になる分、少しでも恩返しがしたくって...」

 

 それに母親は料理の個性持ちなので食堂におけると思いますしと伝える。

 

「ほう!? 回復もできるのかい!?」

 

「あ、はい。程度によりますが、擦り傷から骨折、腕の損失から内臓破裂くらいならいつでも力になれます」

 

「凄いね! 腕の損失から内臓...それ、本当かい?」

 

掛かったなこのネズミーマウス!夢の国の住人!

 

「えっ? あ、はい」

 

「...ひとつ聞きたいことがある。鈴鹿さん」

 

「な、何でしょう...?」

 

「それは例えば、内臓の摘出を行なったものでも治せるのかい?」

 

「て、摘出ですか? た、多分できると思います...あ、でもそのレベルの症状だと、詳しく聞いたり見たりしないと能力は発動できないですが...」

 

「...どうやってだい?」

 

「えっと、引っかいたり色々して、ですが」

 

多分五本の病爪でなんとかなるとは思う。骨折を引っ掻くだけで治せるなら、そんくらいいけるいける。

 

「その色々は、言えない物なのかい?」

 

「色々は言えない部分になります。ちょっと強すぎたので、余程の事がない限りは、使わない能力です」

 

「...ちょっと待ってて欲しい」

 

 その2分後だろうか。ドタバタと足音が聞こえ

 

「私が来た!」

 

「お、オールマイト!?」

 

そんな焦ったら傷口開くんじゃないか?

 

「む、君は鈴鹿少女!...根津校長、もしや!?」

 

「君が恐れてる被害はあってないよ、オールマイト」

 

「そうですか。あー、校長。あの」

 

「オールマイト。僕が許す。無理をしなくてもいい」

 

「え!? い、いやしかし」

 

「もしかしたら、だけれども。君の怪我が治るかもしれない」

 

「...really?」

 

「あぁ。really」

 

 その瞬間、ボフンと音を立てる。

 

いやこの煙、漫画とかアニメでよくあるやつかなと思ったけど案外リアルなのか。

 

「ゲホッゴホ...い、一体何が...?あ、あれ?貴方は?」

 

「彼こそがオールマイトだよ。鈴鹿さん」

 

「...えっ?」

 

こんなガリガリなのか...やっぱ実物は違うなぁ

 

「そう! 私こそがオールゴホッ!」

 

と、血反吐を吐くオールマイトにパニックになる。

 

だから、落ちつけと。

 

「ちょっと訳ありでね。君が個性の一部を隠しているように、彼にも隠している事があるのさ」

 

「...えっと、つまり治して欲しいのは.」

 

「そう、オールマイトの怪我さ。症状は呼吸器官半壊、胃の全摘出。それの手術痕」

 

「一体、オールマイトに何が...」

 

「それは...」

 

「...校長、ここは私が」

 

「いや、こういうのはどうだろう。君がもし治せるのなら、変わりにそれを教える。報酬は個性に関しては秘密にする」

 

「校長!?」

 

それ報酬になってなくない?私に利点ないと思うけど...

 

これ断ったら雄英二週間もなくなるよな。なら少し悪戯返しでもしようか

 

「...+、校長はこの能力を見ない、聞かない。ならそのお話、引き受けます」

 

「鈴鹿少女も...」

 

「分かった。オールマイト。君にとっても悪い話じゃない筈さ。治せる可能性があるのなら、それにすがってみたって。それに。みろよ彼女の目」

 

「...!」

 

嘘、明らかに怪しいのに。え、でもここで原作を作り変えれるならいくらでもやる。何がなんでもやってやる。

 

「何が何でもやってやる。そんな目だぜ」

 

「...わかりました。そのお話、引き受けます」

 

「廊下に出ている。人を避けておくよ。終わったら呼んでくれ」

 

あれ?あぁ、もういいのか。

 

「...さてオールマイト。少し見ても?」

 

「あ、あぁ」

 

 と、来ているシャツを脱ぎ、その怪我を見る。

 

「...これほどだと、能力はこっちじゃないな。少し甘く見てた」

 

直感が喚くんだ。無理だぞと。

 

「鈴鹿少女...?」

 

「オールマイト」

 

「?」

 

「今から発動する能力に関して、言わない、広げない。口を滑らせない。心に誓って下さい」

 

「分かった。オールマイトの名にかけて守ろう」

 

「じゃあ服を着て下さい」

 

「あれ!? ここはなんか直接こう、やる場面じゃないの!?」

 

 血反吐を吐きながら服を着るオールマイト。

 

『【大嘘憑き】貴方の怪我と手術を無かった事にした』

 

 格好つけて、括弧つけて。カッコよく。

 

「はい、終わりました」

 

「...?いや、何もしてないでは...!?」

 

「な!?」

 

「君は...一体...」

 

「オールマイト。言った筈ですよ。聞かないって。もしそれを守れないなら」

 

 分かってますね? 

 

 ...いや、本当に大丈夫だよな?

 

「あぁ...ありがとう鈴鹿少女!」

 

「あ、念の為レントゲンとかは撮っておいて下さいね。私もそこまでのものは初めてですし」

 

「えっ、何!? 私はモルモットだった!?」

 

「まさか。物語では...うーん、そうですね。うーん...」

 

「ちょっと!? そこは否定してくれないか鈴鹿少女!?」

 

「あ、校長呼ばないと」

 

「ちょっと!」

 

 ──────────────

「成る程、つまり同一犯だと...」

 

 話を聞き、驚くべき事がわかる。オールマイトの怪我と今回狙っているやつは同一犯。

 

「そう。そして奴が活動し始めた証拠が君さ。鈴鹿さん」

 

「正確には個性の予言ですけどね」

 

「それでも君の勇気と力があってこそさ。奴が活動したとわかれば、対策を講じれる」

 

「といっても、先程話したように.」

 

「あぁ、勿論分かってる。行動したから予言通りにはいかない。もしかしたら、まだ向こうは君の存在を知らないかもしれないのもね。けどとりあえず二週間は、地元ヒーローに注意とパトロールの厳重化をお願いしてるよ」

 

「あぁ、そして報告が来た時には、私が!」

 

「うん、その時は頼むよオールマイト。あぁ、鈴鹿さん。国民を代表してお礼を言わせてくれ! 本当に、本当にありがとう!」

 

「私からも言わせてくれ鈴鹿少女! 君がいなければ、この世に蔓延る悪を増やしてしまうところだった! 君のおかげで私はまだ、ヒーローとして国民を、世の中を守る事ができる!」

 

 よし、残る目的は個性発動停止をこの目でしっかり見る事だ!頑張ろう。



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3話

この二週間、様々な事が起きた。ねじれ先輩やミリオ先輩、環先輩の一年姿を見る事が出来たし、オールマイトはサー・ナイトアイと復縁出来たらしい。更に、サーの個性も絶対ではない(あくまでも可能性の高いルートを辿る)としり、もしかしたら防げる未来があるかもしれないと、喜んでいた(オールマイト談)

更にメルアドもくれた。これでなんかあったら呼べるので存分に活用できたらいいな(多分使わない)

出来たらいいな程度の目的であった個性停止無効化は出来なかったものの、メルアドくれるくらいには信用してくれたなら自分にかかる心配はない。弾?知ーらない。

オールフォーワンは当然出てこなかったが、ヒーロー達も今後の対策を模索するらしい。

私達が高校一年の時にオールマイトが教職として参加するのは変わらないが、ここまで大きく改変されたら、全てが変化するかも知れない。

その物語に期待しよう

追記 最終日、根津校長から推薦状が渡された。曰く、救助や対敵ができる個性は有能とのこと。という事は、もしかしたらになるがあの2人の仲違いも少し改善できるかも知れない。期待しよう。

                            凪日記


「大体ヒーロー科志望だよね」

 

 神様、どういう事でしょうか。雄英高校から推薦状が渡されたのはいいでしょう。私も物語を見てみたいし、実際にキャラクターの一部として活動できるのは嬉しい限りです。

 

「うんうん、みんないい個性だ!」

 

 しかし、これはあんまりです。

 

「俺はこんな没個性どもと仲良く底辺の高校なんかいかね────よ」

 

 確かに私は「原作を変えたら面白そう」という安易な思い付きで改変を行いました。その結果がこれですか? 

 

「必ずや高額納税者のランキングに名を刻むのだ!」

 

「あっ、鈴鹿は雄英から推薦が来てるぞ。ヒーロー科の」

 

 先生、どっちかっていうとそこは無個性の主人公の方に目を向けてあげてください。

 

「「「「「「「はぁっ!?」」」」」」」

 

「おいテメェどういう事だこのクソモブ女!」

 

 あぁ、多分無個性の子がヒーロー科、ましてや雄英を受けるなんて冗談か何かと思われてるのか。推薦の私がいるから。

 

「おいきけやモブ女!」

 

「雄英から推薦状が来た。それだけの事ですよ」

 

「だからテメェが推薦なんてどういう事だって言ってんだよ!!」

 

 それ以上でも以下でもないのに、なんて言えばいいのか。

 

 当然、個性は使えない。こういう時は先生頼りが一番だが

 

「...」

 

 ガン無視である。成る程、プルスウルトラしろってか。

 

「恐らく、私が治療できる個性だからでしょうね。治療系個性は貴重で、雄英も囲っておきたい。だから私に推薦状を渡したんだと思います」

 

「ほぉ──? って事は、ただの治療個性のテメェが受かる訳ねぇな。なら受けんなよモブ。時間の無駄だから」

 

「記念受験位はさせて下さいよ」

 

「それすらも時間の無駄だからやめろって言ってんのがわかんねぇのかこの馬鹿女!」

 

 怒りに任せて机を爆破させる爆豪。椅子までは吹き飛ばない様なので、少しは手加減してるのだろうか。

 

 あくまで脅し。「回復出来ねぇくらいにぶっ飛ばす!」とか言いそうなものだが、そこまではしないのか。

 

...だけど机破壊は悪手じゃないか? 

 

「あーあ。机が壊れてしまいました。しかも禁止されてるはずの個性の使用による破壊。ヒーローを目指すからといって、社会のルール・学校のルールを違反するものが、ヒーローになれると思いますか?」

 

 暴力には正論で。「それはちげぇぞ!」と論破もできない。ならもう煽るだけだ。

 

「あぁ!?」

 

「高額納税者を目指すなら、政治家でもどうです? 個性有りの子に向けた社会でも作って、その功績が認められれば多分、お金持ちですよ。まぁそんな社会作ったら、無個性の人に命狙われますが」

 

「...ぶっ飛ばす!」

 

「爆豪!」

 

「!...クソがぁ...」

 

 先生、動くのが遅いです。せめて机爆破あたりから動いて欲しかったです。

 

 ────────────────────

 でも待てよ、この話が出たならオールマイトとあのスライム敵が出くわして、運命的な出会いをする場面じゃないか? 

 

 なら、怪我をしてないオールマイトと主人公が出会うのでは? 

 

 .よし緑谷君を尾行してみよう。

 

「...あれ?」

 

 彼って爆豪君に止められて.あぁ、その爆轟君は職員室だ。反省文提出という簡単な罰。

 

 って待てよ、という事はもう帰ったのか? 早くないか!? 

 

 くそ、名シーンが見れなくなってしまう! 早く行かないと.! 

 

 

 

 

 走って後を追っても間に合いそうにないなら私がトンネルに行けばいいだけでは? (閃き)

 

 確かトンネルのマンホールから出てくるはず。襲われてもいい様に準備だけはしておこう。

 

 頭上注意2Mトンネル.ここか! 

 

「Sサイズの.隠れ蓑.」

 

 きた!けどやっぱりいないんかい。緑谷君

 

「【ヒエヒエの実】」

 

 マンホール近くはガスが溜まってそうだし、凍らせれば何とかなりそう

 

「うっ、冷た.」

 

「凍ってなさい。【アイスタイムカプセル】」

 

 個性で流動的なスライムになっても、凍ってしまえば問題ない。生命反応はあるから殺してはいない。

 

「私が来た!」

 

「ところでもう終わりましたよ」

 

「へっ?...って君は!」

 

「お久しぶりです、オールマイト。あっ、正当防衛です」

 

「勿論さ、鈴鹿少女! なら、これはひーろ「オ、オ、オ、オールマイト!?」」

 

「さささ、サイン下しゃい!」

 

「いいよ!」

 

 ノートにオールマイトのサインを書き、携帯でヒーローの要請をしている最中に、急にやってきた主人公、緑谷 出久に尋ねる

 

「何でここに?」

 

「え!? え、えっと、当番の仕事を忘れてたから仕事をしてから家に帰る途中にオールマイトに会ってそれからサインを貰ってというかオールマイトが目の前にいるのが今でも信じられなくて本当にオールマイトなのかオールマイトのそっくりさんなのかどうか一瞬判断が「分かったよ」」

 

「で鈴鹿少女、彼は?」

 

「緑谷出久、唯の同級生です」

 

「み、緑谷出久って言います! あ、あのオールマイト!」

 

「ん?」

 

「あ、あの! 個性がなくても、ヒーローは出来ますか!?」

 

「個性のない人間でも、あなたみたいになれますか?」

 

「個性が...」

 

「個性がないの?」

 

「あ、え、えっと、そうなんだ。無個性なんだ。それだけなのか分からないけど、みんなからも馬鹿にされて...あ、君は違うよ? 君はなんというか、その、平等であの、えっと、ん?というか鈴鹿さん、知らなかったの!?」

 

「うん」

 

 ごめん、知ってる。けど、私は知ってるけど、知っていたら変になるんだ。だからあえて知らんぷりしてたんだ。

 

「聞きたい事はわかった、緑谷少年。一つ確認しときたいが君は無個性で、それでもヒーローになれるか、だね?」

 

「.はい」

 

「厳しいことを言うが、君には無理だ」

 

「...っ!」

 

「...そうだな、ヒーローが来るまで、少し私の友人の話をしよう」

 

「オールマイトの...友人?」

 

 おっとおっと? 何だこれは。

 

「あぁ。私の友人でもあり、サイドキックでもある男の話だ。その男の個性は予知。見たものの未来がわかると言う個性だよ」

 

 ナイトアイの話をするのかオールマイト。

 

「オールマイトのサイドキック? それに予知...一言だけ聞くと、強力な個性じゃないですか」

 

「予知自体は君の言う通り、確かに強力な個性だ。じゃあ聞くが緑谷少年、例えば敵の予知をして...君ならその後どう動く?」

 

「え? えっと、僕なら回避してから粘って、それからヒーローに救援を求めます」

 

「うん。けど、私のサイドキックは撃退まで自分1人で行う」

 

「え!? だ、だって個性は予知なんですよね?」

 

「そう。1人でも対処できる様に。或いは強力な敵が現れても動ける様にと、訓練に訓練を重ねてたよ。緑谷少年、君はそんな努力をしたかね?」

 

「....!けど、オールマイトさっき言ったじゃないですか! 個性がないとヒーローにはなれないって、努力以前の問題じゃないですか!」

 

「私は君には無理だとは言ったが、他の無個性の方々には言っていないぞ」

 

 中々ゲスいぞこのNo. 1!? ここまで下衆になるのかオールマイト!? どう言うことだよオールマイト!? 

 

「それに、たとえ個性を持っていたとしても、それを強力な個性に仕立てるヒーローや上手く調整するヒーローだっている。個性を上手に扱うヒーローだって、何もせずにヒーローになれた訳じゃない」

 

 ...確かにそうだ。ミリオ先輩だって個性は弱い。けどそれを強力なものにした。オールマイトも体は出来てたけど、それでも師匠にやられまくってたらしい。努力はしてる。

 

 まぁ私はそこまで努力してないけど。所詮異世界転生系は才能と能力とたまに知識だ。

 

「...!」

 

 あーあ、涙目だ。

 

「もし君が人を救いたいという理由でヒーローを目指しているなら、警察官とか消防という手もある。「敵受取係」とか「ヒーローの後始末係」とか言われるが、あれも立派な人命救助行為だ」

 

「確かに夢を見るのは悪いことじゃない。ただ、努力もせずに夢は語れないよ、少年」

 ────────────────────

 その後、ヒーローがやってきてスライム敵の処理を行なった。と同時に、ワンフォーオールフラグがへし折れた。爆豪の知名度も低い(と言うより無い)

 

 代わりに、私の知名度が上がりそうになったが、そこはオールマイト。しっかり庇ってくれた。助かる。

 

 しかしなるほど、あの時点でオールマイトの怪我も治り、かつ敵も抑えているとあぁなるのか。面白いな。




「ONE PIECE 青キジ(クザン) ヒエヒエの実 アイスタイムカプセル」


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4話

中々面白いものが見れたからスッキリした。

因みにあのあと、緑谷君はぶつぶつ言いながら家に帰っていって、スライム敵が凍っててその個性を見るや否や私をスカウトしてきた。

私を狙っている(自作自演)の敵がいる事を知っているオールマイトは私を庇い、その隙に【ルーラ】で逃げ出した。周りに囲まれなかったから上手く逃げれた。

ここまでが起こったお話だ。

移動系の個性も使えるって便利よな。作中で霧と泥の人しかいないんだもん。そりゃ便利だ。

...思うけど、個性は引き継がれるもの。だからこそ、轟君は過去が辛い訳だし。

よくよく考えれば私は一応某少女と同じ変異体というか突然変異型の個性だ。この世界の本当の父と母の個性が分からないから確証はないけど。そこから何か、話すきっかけはないかな。

...まぁ推薦は明日、個性有りのテスト(筆記、実技)だし、何とかしてみよう。


 筆記?【アンサートーカー】で一発よ。個性有りのテストにしたのが悪い。

 

 と思うけど、大体一目見て考えたら答えが浮かぶっていうのがおかしい。主人公の家を探すのもそれ。効率の良い修行法を思い浮かべるのもそれ。更に言うなら催眠まで。【アンサートーカー】様々だ。

 

 だから、これがナルトの中忍試験の様なペーパーテスト方式だというのも考えれば思い浮かんだ。下手に個性を使用すればカンニングがバレ、個性が消される。結局は自力で解くしかない。

 

 実技の方は3キロマラソン。個性を使いまくれ。ヨーイドンで始まる。ペーパーテストとは大違いだ。

 

 そしてこの4人しか上がれない推薦に轟、八百万、骨抜、取蔭が来る。夜嵐は推薦を蹴るから、多分骨抜が繰り上げ。実際は轟、夜嵐の組にいたから優秀なんだと思う。

 

 けどこれは思ってなかったな。まさか3キロマラソンが

 

「3キロマラソンですか...ならバイク...いえ、障害物もあるのでしたら空を飛んだ方が効率的...ならジェットパックを創造しましょうか」

 

 

 ──男女別だったなんて...!

 

 これじゃあ仲違いを治せないじゃないか!どうすればいいのさ!なぁ教えてくれ、八百万さん!ウィキィヨロズ!

 

 まぁでもそれもそうか。思春期の男子が女子の体に触ってしまったら不味いどころの騒ぎじゃない。

 

 ...推薦に落ちると言う考えは当然ない。ここは悪いが、取蔭さんには一般で頑張ってもらおう。

 

「女子2組目始めるわよ!」

 

 む。始まるか。ならマッハでゴールしよう

 

「位置について!ヨーイドン!」

 

「【無辜の怪物】」

 

【無辜の怪物】から着想を得たこの力。その能力を十分に発揮したいのに、人じゃどうしてもできないキャラが複数名いる。

 

「...?26番、もう始まっているわよ!」

 

 無辜の怪物は、人のイメージが姿を変えさせる呪い。姿を変え、新たな力を得る。

 

 ならこのキャラのイメージは、月を破壊した超スピードを持つ黄色のタコ。残酷な面を持ちながら、優しく、指導する。

 

 しかし、人々はその残酷な面と月の破壊という面のみ見て、その悪魔の様なイメージを思い浮かべた。黄色のタコなのに。

 

 だけど、私という1人の人のイメージが、姿を変えることが出来るなら。

 

 30秒経ち、煙が上がる。このキャラなら、一言目はこれしかない。

 

「ヌルフフフ、もう30秒も経ちましたか。さて、ならとっととゴールしてお茶でも飲みましょうかねぇ」

 

 マッハ20の最高速を出さなくても、マッハ1で十分。決して周りに被害を出さず、この触手で塵を取り除く!

 

「試験官、ゴールしましたよ」

 

 ...その10秒後。ゴールテープを切るタコの姿。

 

「ニュヤ?ま、まさか、この姿じゃ誰か分からない!?あれ、こんな自信満々にカッコつけておいて、誰か分からないのでやり直しとかありませんよね!?」

 

「あー、大丈夫だ。26番、鈴鹿凪!ゴール!」

 

 その言葉を聞き、再度煙が立ち上がる。

 

「良かったです。...これ、待った方がいいんですか?」

 

 3キロもある距離だから、個性ありで8分とか9分とかだろう。実際、轟夜嵐組のところは、7分半とかだった気がする。

 

 ...あぁ、これがいわゆる「俺なんかしちゃいました?」か。そりゃそうだ。30秒程止まっていたと思ったら煙が上がってへんなのが現れてる。そのままゴール。

 

 よくある小説のキャラって、多分こんな感じなんだろう。

 

「あー...そうだな。少し待っててくれ!その間、俺と雑談でもしようぜ!」

 

 それでいいのかプレゼントマイク。いやこれこそプレゼントマイクだ。

 

「男子の方の記録は如何だったんですか?」

 

「一番はえーやつで7分30とかだったな。いや今年の推薦組まじやべぇ!」

 

 男子も並行だったらチャンスあったけど、もう終っちゃってるから、多分もう帰ったな。仲違いを直せなかったか。

 

「7分30...早いですね!」

 

「嫌味!!ガール、お前が言っちゃ全員が嫌味に聞こえるぜ!」

 

「まぁ私のは反則ギリギリの個性ですし」

 

「そーいや、個性は確か..」

 

「想像。物語を書いて、その登場人物の能力を使う。今のはその登場人物の応用です」

 

「応用?」

 

「...ごめんなさい、それ以上は秘密です。喋ってしまうとラジオで話されそうですし」

 

「まさかのリスナー!大丈夫だって、俺口堅いんだぜ!?」

 

「...この前、教師の仕事の闇の部分をぶっちゃけて雄英の先生から怒られたって噂、SNSで流れてますよ」

 

「oh!MY gooooood!!」

 

 うるさい!鼓膜破ける!

 

「って、そろそろ来ますね」

 

「ん?って、もうそんな時間か!なら仕事に戻るぜ!」

 

 お疲れ様ですプレゼントマイク。出来ることならもう少し声を下げてくださいプレゼントマイク。

 

 ──────────────────────

 三週間経ち、一つの封筒が届く。

 

『私が映し出された!』

 

 あ、推薦もオールマイトなんですね。一般もオールマイトだから、多分全員オールマイトなんだろうな。

 

 って考えたら、記念受験でもしておくべきじゃないのか?苗字と音声なんて、中学生にはたまらない一品じゃないのか?

 

『こいよ鈴鹿少女!』

 

 言われずとも。

 

 ここから始まるんだ...私の物語が。

 

 いや違うな。

 

 ここから始まるんだ...私が楽しい物語が!

 

「おいテメェが推薦受かったってのは如何いう了見だあぁ!?」

 

 ...訂正。まだ始まらないらしい。

 

「了見も何も、ただ受かったという事実があるだけです」

 

「こんの馬鹿女ァ...!!」

 

「いや、別に受かろうが受からなろうが良いじゃないですか。貴方に関係ありますか?」

 

「大有りだって言ってんだよ!!」

 

「そうですか。それはすみません。代わりに勉強教えましょうか?」

 

「A判定だっての...!」

 

「そうですか。...一応言っておきますけど、不正とかはしてませんよ」

 

「んなことしてたらもう俺がぶっ殺しとるわ...!」

 

 それでいいのかヒーロー志望。

 

「まぁ、一言煽ります。頑張ってください」

 

「────────────!」

 

おお、吊り目だ。

 

 後日、爆豪君は受かったらしいが、緑谷君はそもそも受けてないとの事。

 

 おい主人公!?受けて、落ちてならまだ分かるけどそもそも受けてない!?どういうことだってばよ...

 

 これが主人公が力を得なかった弊害...!そして私がいた弊害...!

 

 心が躍る...!これぞ愉悦...!多分違うけど...!

 

 ────────────────────ー

 憧れから現実を指摘され、頭じゃ理解はしてるのに、それを受け止めたくない日々が続いた。

 

 彼女は推薦、彼は一般。優れた個性がどんどん受かる。

 

 僕はそれを聞いて、何が「他の無個性の方々」だと思った。結局、優れた個性を持つ人間が、ヒーローになるんじゃないか。

 

 無個性な僕からすれば、どんな個性も素晴らしいもので、強く、凄い個性なのに。それを蹴落とすのがあの高校だ。

 

 いや違う。学校という特徴から、人数を絞るのは致し方ない事だ。ならなんであの学校だけ、あんなに人が集まる?

 

 ...あぁそうか。憧れてた人がいたからだ。結局は、象徴がいたからだ。あいつが全て悪いんじゃないか。

 

 個性がモノを言うのも、個性が夢をかなえられるのも。そう言った幻想を作ったのは。全部。全部。

 

 全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部

 

 あれのせいだ。

 

 なら、壊しちゃえばいい。

 

 味方ならきっといるさ。だって、あれは全てを救ってる気だけど、全てなんか救いきっていないんだから。

 

 そんな同士が、きっといるさ。

 

 探そう。そんな人を。探そう。そんな味方を。

 

 ...?このサイトは...?

 

 

 !...なんだ、簡単だった。

 

 あれを殺す方法なんて。

 

 待ってろよ。オールマイト。

 

 味方をつけて、やってやる。




「ドラクエシリーズ ルーラ 主人公」

「金色のガッシュ!! 高嶺清麿 デュフォー」

「Fateシリーズ 無辜の怪物 アンデルセン、エリザベートなど」

「暗殺教室 殺せんせー」

プレゼントマイクの口調難しい。
あと緑谷君が闇落ちしちゃった。


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5話

バタフライ効果
バタフライ効果は、力学系の状態にわずかな変化を与えると、そのわずかな変化が無かった場合とは、その後の系の状態が大きく異なってしまうという現象。 カオス理論で扱うカオス運動の予測困難性、初期値鋭敏性を意味する標語的、寓意的な表現である。

この場合、原作という元の物語に私という僅かな変化を与えたから起きた現象である。

考えればそうだ。私は緑谷出久の代わりでもなければ緑谷出久本人でもない。この世界では、鈴鹿凪という一つの生命の塊である。

もし変化を与えたくないのであれば、雄英に関わらずに過ごせばいいだけだった。

...と、少しばかり杞憂が過ぎた様だ。


「ではクラスわけだけれども、優先すべき子が1人いるね。」

 

「鈴鹿ですか。確かに、いつ敵に狙われるか分かりませんからね。主軸にするのは合理的です。」

 

「...校長、どういたしましょう。私か相澤か。」

 

「それなんですが校長、私に考えがあります。」

 

「オールマイト」

 

オールマイト。No.1ヒーローであり、そして今は雄英で教鞭を取る先生でもある。

 

「まず彼女の個性は彼女の豊かな想像力と発想あって個性です。そしてその個性が命取りです。」

 

「もし個性を奪ったとして、その個性で回復及び強化されるかもしれない点だね。」

 

「えぇ。怪我の有無という欠点がなくなり、強化されたら恐らく、私でも」

 

厳しい戦いになるでしょう。今はなき怪我の痕を手で抑えるオールマイト。痛みはないが、それでも精神的な痛みはやってくる。

 

「なら、その個性の発動を防ぐことができればいいわけですか」

 

相澤は言う。確かに個性の発動を見るだけで阻止できるのであれば最悪を防げるだろう。

 

「うん。個性の発動を防ぐ、体を拘束する。君が適任だね。」

 

「分かりました。なら他は...」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

広いな雄英は。やっぱり早めに来てよかった。

 

クラス分けを見ると、私はA組。...あれ?取蔭さんB組?待った。八百万は...A。あ、じゃあ八百万が推薦落ちたのか。で一般で受かって...という事は、緑谷枠は実質私か。

 

中に入ると数名の生徒はいるけど皆緊張してるのかソワソワしてる。

 

いや分かるぞ。私も高校の時はコミュ障患って誰とも喋れなかったし。

 

そうして少し待ってると

 

「...んでテメェと同じクラスなんだよ!」

 

「知らないですよそんなの。それより周りを見てください。白い目で見られてますよ。」

 

「そんなんしるかよ...」

 

いや気にしろよ。しれよ。

 

「それに、また反省文書かされたいですか?」

 

「テメェはいつも俺の神経逆撫でしてくんなぁ...」

 

「ほら自分の席にハウス。ですよ爆豪君」

 

「俺は犬じゃねぇ!」

 

あ、でもしっかり椅子には座るんだ。

 

「そしてテメェが隣かよ!」

 

「...」

 

あそっかぁそうなるのかぁ(白い目)

 

「まぁ我慢してくださいとしか。」

 

「クソがぁ...」

 

その後色々一悶着があったりしたのだが...

 

ほら見てください。あそこにちょっと不機嫌な先生がいるでしょう?あれ、担任なんですよ。時間を8秒も無駄にされてるから

 

「じゃあこれ着てグラウンド集合」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

原作と同じく個性把握テストである。爆豪君が700mを記録し、最下位除籍を言われる。

 

順番は50m、握力測定、立ち幅跳び、反復横跳び、ボール投げ、上体起こし、長座体前屈、最後に持久走。

 

握力測定と上体起こしだけはどうにもならなさそうだけど、その他は何とかなる。

 

...順番は名前順。位置について、ヨーイドン。走って、機械が記録を取って次に流れる。

 

【無辜の怪物】

 

推薦入試の時みたいに殺せんせーに変わる。その個性の使い方に周りはビックリしているが、最初のテストで緊張している為なのか声には出さない。

 

『ヨーイドン』

 

スパン。まるでハリセンに叩かれた様な音を出し、出した記録は

 

「0.15秒」

 

「「「「「すっげーーーーー!」」」」」

 

記録が出たと同時に湧き上がる歓声。瀬呂君は...ドンマイ!

 

「なぁなぁ!お前の個性すげぇはえーな!」

 

「推薦でも見かけましたが、一体どんな個性なんでしょう...」

 

「触手プレイができる...!?」

 

「速さで負けるとは...!」

 

「聖徳太子でもないので少し落ち着いてください。テストが終わったら、質問に答えますから。」

 

「おっとそうだった!じゃあまた後で!」

 

相澤先生に感謝してくださいよ?と目線で送ると個性を使おうとしてすぐに戻した。こういう風に媚を売るのが学校生活の最適解だと学んだことがある。

 

...それにしても、今ので爆豪が突っかかりそうなのに何もこなかった。何でだろうか。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

テストが終わり、本日は解散。相澤先生のお目にかかり、除籍は虚偽であると宣告された。

 

 

 

「ねぇねぇ!個性どんななの?」

 

「あ、うちも知りたい。」

 

「俺も俺もー。あんな隣で訳わからん...タコ?見たいのがワープしたら気になって気になって」

 

まるで転校生が来た見たいなそんな感じになる。

 

まぁレビオーサしたり舞空術使ったりで色々無限出したからそれはくるだろう。俺何かやっちゃいました?状態である。

 

「簡単ですよ。想像した物語を描き、その登場人物になったり、技が使えたり。それだけです。」

 

「へー!どんなのが使えるの?」

 

「ん、そうですね...【変化の術】」

 

目の前にいる耳郎そっくりの存在になり、しゃべりかける。

 

「さぁ問題。うちはどっちでしょう?」

 

「うちに化けてる!?」

 

「うわ、本物みたい!」

 

と、色々やって仲良くなっておく。




「変化の術 NARUTO 」

最初はB組にしようか迷ったんですが難しすぎて諦めました


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6話

ヘドロ事件

原作では緑谷出久、爆豪勝己が敵の隠れ蓑として襲われ、緑谷出久はヒーローに説教を。爆豪勝己はヒーローに注目を浴びた事件であり、2人にとってのターニングポイントである。

緑谷出久はヒーローになれるように努力を行い、その努力が実り憧れの学校に、憧れのヒーローから全てを学ぶ。

なら、爆豪勝己が得た学びや経験は何なのだろうか。

これは転生した私の意見だが、「個性を人に向ける恐怖」を学んだんだと思う。

だから緑谷出久が合格をしたとしても、胸ぐらを掴むだけで個性の爆破を使わなかったし、13号先生が個性の使用を説くシーンでは、そのコマの中心にいた。

ならその経験を得なかった彼は如何なのだろうか。答えはきっと

ーー今から行われる対人戦闘で分かる。

だから私も学ぼう。その恐怖を。だから貴方も学ぼう。その恐怖を。


「始めようか有精卵共!!戦闘訓練のお時間だ!!!」

 

因みに私のコスチュームは自分の髪から作られたコスチュームで、スーツ姿である。

 

その男らしい格好に、峰田は血涙を流し悔しがっていた。八百万の、芦戸のような胸元が露わになっているコスチュームやつゆちゃん、お茶子のようなパツパツのコスチュームを見た後だからだろう。

 

しかし、コスチュームの形は利便性を追求するものであり、エロさは仕方なくそうなってしまったりするのが多い。だから俺は悪くねえ!

 

...よし、しっかり要望しておけばコスチューム会社の性癖に合わなくてもいいのが分かったのがでかい。今後は大きい変化は会社だけど小さい変化は発目さんに頼もう。

 

「コンビ及び対戦相手はくじだ!」

 

「くじーーー!?」

 

そして多分、私は緑谷枠で入っているから偶然じゃなく必然的に...

 

「わ!凪ちゃんやん!頑張ろうねぇ!」

 

「こちらこそよろしくお願いします。」

 

Aチームを引くことが出来るし対戦相手も

 

「では最初の相手は...ヒーロー側Aチーム!敵側Dチームだ!」

 

爆豪と飯田のところを引く事になる。

 

「...オールマイト、少し設定がわからないので質問いいですか?」

 

「む!いいぞ!」

 

「ありがとうございます。では一つ、ヒーロー側も敵側も、個性の把握は出来てるのですか?」

 

「今回の演習では、ヒーロー側は敵の個性を知らない、敵側もヒーロー側の個性も知らない前提だぞ!」

 

「なるほど、では二つ目。核の強度を知りたいのですが。」

 

「敵側は核を防具を着るほど慎重に運び、脅しとして核を使おうとしてるぞ!だから大きな揺れは危険だと思えよ鈴鹿少女!」

 

「えぇ、頑張ります。ありがとうございます。」

 

...かなり困った。これ、設定を深く聞けば聞くほどヒーロー側が不利すぎる。

 

「ならDチームは準備を!Aチームは5分後に潜入開始だ!」

 

轟のように初手氷も、爆豪には通じない。氷を爆破してしまったらせっかくの氷が無意味になるし、凍ったままだと逆にこちらが不利になる。

 

「麗日さん、作戦立てましょう」

 

「うん、けどどないしようか...個性もそこまで使えるものじゃないだろうし...」

 

「麗日さんの個性は、敵の行動不能後に使う個性ですから...それに敵の行動もある程度予想しなくちゃいけませんし」

 

「うん...うーーーーーーん、わからん!」

 

「...オールマイトは敵の個性は分からないって言ってましたが、性格は何も述べてませんから、恐らくなんですが...」

 

相手が取る行動もとい、原作知識を伝える。

 

けど、なるべく完全勝利を目指してみたい気持ちが私にはある。だから、お茶子ちゃんには少し体を張ってもらう。

 

「だから私が爆豪君を引きつけます。だから麗日さんは飯田君をお願いします」

 

「うん分かった。後はこのテープを使えばええんやね?」

 

「はい。私も頑張って、早めに無力化しますからそちらもお願いします。」

 

「うぅ...殴られるのは嫌やねんけど、ヒーローになるためには耐えへんと...」

 

「そこはお互い様という事で...そろそろ始まりますね。」

 

「うん!頑張ろう!」

 

『ヒーロー側、五分経ったからスタート!』

 

「【縛道の七十七 天挺空羅】」

 

「どう?分かりそう?」

 

自分の力を使い、対象を捕捉する鬼道。

 

「...捕捉しました。1人は5階、階段から右、二つめの部屋。1人は4階、階段を降りてきてます」

 

「分かった!じゃあ窓から入ろう!」

 

空いてる窓から入り、音を立てずにゆっくり動く。

 

「じゃあ私が先に歩くね」ヒソヒソ

 

「ごめんなさい、囮にするような真似をさせてしまって」ヒソヒソ

 

「ええんよ!」ヒソヒソ

 

曲がり角に入る...その時上からバッと人影が現れる!

 

「奇襲!」

 

「【しめりけ】」

 

お茶子が気づき、私が仕掛ける。因みにお茶子はとっさにしゃがみ、ノーダメージ

 

壁を素手でぶん殴る事になった人影...もとい爆豪はこちらを睨む。

 

「テメェかこのクソ女...むかつくなぁ」

 

「ムカツクなぁ!!!」

 

怒りを露わにする爆豪。そしてそれに答える。

 

「あぁ、因みになんですが。君が個性を使って上から奇襲を仕掛けてこなかったら、素手で壁を殴るなんて恥、晒さなくても良かったんですよ。馬鹿のように個性を使ってこちらにバラしたら、対策されますよ。」

 

わざと煽る。煽らなくてはならない。

 

「ーーーーーーーーー!」

 

怖い怖い。体育祭のメダル授与並の吊り目だ。だからこそ、彼はこちらしかみていない。

 

『凪ちゃん、こちら三階まで上がれたよ!そっちは大丈夫そう!?大丈夫なら、ボタン一回!』

 

無線から連絡が入り、通話ボタンを一回押す

 

『了解!絶対勝とうね!』

 

「悪いけど、終わらせてもらいます。【れいとうビーム】」

 

真っ直ぐな氷の線が爆豪にあたるその瞬間。爆豪から個性が使用され、ビームが壊された。

 

「は、分かったぜテメェの個性。テメェ、便利な個性だが一つ一つしか使えねぇんだろ。だから今は個性が使えた」

 

「...!」

 

おい、落ち着きすぎだろこの天才マン!

 

「いや、使うのが難しいだけですよ。【影分身の術】【こおりのつぶて】」

 

煙が上がり、私が4人になる。そして氷でできた礫を放つ。だが

 

ボン!という音とともに、礫が爆破される。

 

「これじゃ意味ありませんか...!」

 

「んで、こんだけ爆破してりゃつめてぇが溜まった。」

 

「?」

 

「おらいくぞ!」

 

「【しめりけ】」

 

「走れば意味ねぇんだろそれ!」

 

走って近づき、分身体を殴る爆豪。

 

「おらもういっちょ!」

 

残り二体。くそ、建物を揺らさないように相手するのはまだ厳しいか。

 

「テメェの個性は便利だが、近接戦は苦手なようだな。」

 

「それがどうかしましたかね。【れいとうビーム】」

 

しかし当たらない。それどころか、【しめりけ】がいつの間にか消えて、爆破で消される。

 

「確か言ってたなぁ?二つ使うのは難しいって。」

 

「?」

 

「なら今は使えにくいよなぁ?俺の小手は汗をためて、それを解放することができる。それを一気に解放すりゃ」

 

ーーどーする?ヒーロー

 

...恐らく脅しのために。当てるつもりはなかった。けどそんなの関係ない。

 

「!不味い!」

 

「あっ!?」

 

ピンを抜く。私の体が小手に覆いかぶさる。高威力な爆破はなんとか建物に被害を出さず。

 

...しかし、被害者は出てしまったようだ

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「!」

 

止まらなかった。止められなかった。

 

「な、なぁ...あれ、大丈夫なんだよな?」

 

閲覧室からは現実を受け止めたくない者。目を背けてる者。吐きそうになっている者。...そして後悔している者。

 

「まぁ大丈夫だと思いますよ?何しろあれ、多めに力を注いだ分身体ですし」

 

「だ、だよな!...ってあれ?」

 

「す、鈴鹿少女!?」

 

「しゅじゅかしゃん!?」

 

「八百万さん、涙と鼻水が...大丈夫死んではいません。」

 

「そうか、あの特殊な部屋のか!」

 

「あ、はいそうです。煙幕を利用して、上手い具合に逃げてきました。まさかあんな事になるとは思わなかったので、生存報告の為にこちらに来ましたが...」

 

「大丈夫だ...それより、まずは爆豪少年だ。鈴鹿少女。私も向こうに連れてってくれるかな?少し彼と直接話がしたい。」

 

「まだ訓練中ですので申し訳ないですが、連れて行くことはできません。...そろそろ行きますね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なぁ...嘘だろ...?」

 

自分がやった事を認めたくない少年1人。彼の眼前に見えるのは、焼け焦げた体一つ。

 

その体からは硝煙の匂いとでもいうのだろうか。

 

いや体なのだろうか。一つは頭らしきものと肩らしきもの。一つは足らしきもの。それしか周りは見当たらない。

 

きっと多分、そこらで隠れているのだろう。そう思い、足らしきものを持ち上げる。

 

 

 

ぶらん

 

 

 

足先のようなものが崩れ落ち、ぼとりと落ちる。

 

その重さが。その形状が。その音が。その感触が。現実を受け止めさせる。

 

 

 

 

 

 

 

 

「お前が殺したんだぞ」

そう聞こえたような気がし、その場にいたくない感情から、建物から逃げ出した。

 

「どこに行くの?」

 

煩い

 

「いたいなぁ」

 

煩い

 

「ねぇ待ってよ」

 

またない。いやだ。

 

「ひどいなぁ」

 

ひどくない。俺は悪くない。

 

「ねぇ聞こえてるんでしょ?」

 

何も聞こえない、聞きたくない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「認めなよ。君が殺したんでしょ?」

 

「ウルセェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェ!!!」

 

声を爆破しようとしても、心が追いつかない。

 

「【縛道の六十一 六杖光牢】」

 

後ろから六つの拘束具が胴の周りを囲む

 

「なっ...!」

 

あたりを見渡してもその声の主はおらず。その姿はあらず。

 

しかしその拘束は体を封じ。心も封じた。もはや彼はこの訓練中再起不能である。

 

「敵チーム2人とも確保テープを付けられた事により、ヒーローチームの勝利!」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

『了解!絶対勝とうね!』

 

「よし、凪ちゃんの言う通りや!後は私が頑張る番や!」

 

階段を上がりながら覚悟を改める麗日。

 

(確か、飯田君の性格上、敵になりきるようにキャラを作るはずだから..)

 

作戦を一つ一つ思い出し、反芻する。

 

(着いた!確か凪ちゃんの情報やとここに...)

 

部屋を覗き見すると、そこには核と飯田がいる。

 

よし、やるぞと。

 

「ヴィラン!追い詰めたぞ!」

 

「む。ヒーローか。だが追い詰めたのはどちらの方かな!?」

 

と、核の方に近づき脅しをかける

 

「それ以上近づいてみろ!俺はこの核を爆発させ、味方もろとも死ぬぞ!」

 

「馬鹿な事言わんとき!あなたのお母さんが悲しむぞ!」

 

「な、母さん...!」

 

「そう!確かにあなたのお母さんは、今あなたがやっている事を知らない!けど、自爆にせよ逮捕されるにせよ、お母さんには見つかる、お父さんには見つかる!」

 

「う、うるさい!母さん、父さ...ば、ば、ばばぁ、じ、じじぃなんて知らない!」

 

「じゃあこの部屋の綺麗さはなんや!?あなたが、この部屋を片付けたんやないの!?」

 

「そ、それとこれは違うだろ!?」

 

「いいや違わない!そんなふうにきちんと片付けられるのは、お母さんとお父さんの指導あってのものやろ!?なら、今きちんと罪を償って、立派になってもう一回、お母さんとお父さんの顔合わせろ!」

 

「う....うおおおおおお!」

 

個性を使って走り、麗日に殴りかかる飯田。女子だから、顔面じゃなく、腹目掛けてパンチを繰り出す。

 

「う...飯田君、ありがとうな」

 

その行為を誘発したのは紛れもなくお茶子自身であり、感謝を述べる必要はないが。だが、作戦通り行った事に対し、感謝を述べないと言う手は無かった。

 

「なっ、これは...!」

 

「確保テープ!飯田君、確保!」

 

「や、やられた...!」

 

「...うぅーー気持ち悪い」

 

「う、麗日君大丈夫か?済まない、少し力を入れすぎた...」

 

「かまわないよ。ヒーローになったら、これくらいは我慢せんといかんし。それより、ここから脱出しよう。」

 

「ん?いや、核をタッチすればそれで終わりじゃ...?」

 

「私1人で運べるならそれでいいけど、飯田君は敵で、協力出来ないやん?防具もない、人手も足らないのに、核には触れないよ。」

 

「た、確かに...!今回の演習、俺らは敵は防具をつけて核を運んだがヒーロー側はそれもなし...状況的には敵を捕まえたら協力を仰ぐのがベスト...!」

 

「うん。本当はそこまでやりたいんだけど、すっごく気持ち悪いから三階の広間あたりまで運んでってくれない?」

 

「任せろ!」

 

その数分後。時間ギリギリでヒーローチームが勝ち麗日は大いに喜んだ。




「BLEACH 天挺空羅 六杖光牢」

「ポケットモンスター しめりけ(とくせい) れいとうビーム こおりのつぶて」

「NARUTO 影分身の術」





多分、個性は人が簡単に死ぬってのがわかればええんちゃうかな...

(本当は個性でみみっちく痛めつけて、死ぬ直前までやってしまう爆豪を演出したかったんだ...)

(あとこれ彼大丈夫?なんか歪まない?)


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7話

「講評と言っても、今回のMVPは麗日さんですわ」

「まず爆豪さんは独断先行及び人に向けてはいけないほどの火力の放出。鈴鹿さんが体を持って止めたため被害はありませんでしたが、あれが建物にあたってましたら、核どころの話じゃありません。」

「鈴鹿さんは個性の使用とはいえ、命を軽く見てる。と言ったところでしょうか。時間がないからというのは分かりますがそれでももう少しやり方というものがあると思います。」

「飯田さんは特に言うことはありません。強いて言うなら少し情に流されてしまった位で、敵としての行動としては完璧でした。」

「しかし、今回は勝者の方を優先でとするなら麗日さんが。潜入から対人、その後の行動まで確り考えていました。」

「んーーーー私の仕事!?だが正解だ!」

「やった、褒められた!」

「くっ、情が移ってしまった...」

「麗日さん、おめでとうございます」

「...」

...正直、MVP取れなかったのは心外ではあるがヒーローとして命を軽く見てる、と言われたら何も反論できない。

実際に軽く見てたし、死の恐怖はあれで十分経験を得れた。慣れたくはないが...

因みに轟のところでは腹いせもとい意識改革として障子をMVPにした。

轟は強化したら万能キャラになるから...(パワプロ脳)


「今回のMVPは轟さんですわ。氷結による無効化、及び核の保存。完璧です」

 

「また仕事を取られた!でもか「いや、違いません?それ?」」

 

「...鈴鹿少女は違うと思うのかい?」

 

「はい」

 

「..」

 

 轟がこちらを睨む。と言うより全員が、だろう。

 

「...再度聞きますが、今回の演習は敵同士個性が把握できないと言う前提と核が少しでも揺れると危険という危険な状態にあるんですよね?」

 

「そうだ」

 

「核の保存を氷結で行うことはベストです。その点ではMVPです。しかし、建物丸ごと、敵の足丸ごと氷結、というのがいただけません」

 

「お前はあれ以上のベストがあると?」

 

「ありますよ轟君。...例えば対戦相手が今そこで俯いている爆豪君だったら、氷結壊されますよ。芦戸さんの個性でもですね。...あぁ、後炎熱系には当然効きませんし同じ氷結系個性にも効きません」

 

「要は、情報が足りないのにブッパは良くないんです。対戦相手がたまたまそれらを防ぐ手段がなかったから良かっただけです。もし先程述べた個性が相手...特に炎熱系なら、障子君があの氷の寒さにどれだけ耐えるかという勝負になってしまいます」

 

 氷が壊される、溶かされる、利用される。それらの状況になってしまったら不利なのは轟達だ。

 

「なら俺の個性でお前はどう動いた?」

 

「私なら障子君の情報を得て核の位置のある程度の断定、伏兵がいるのなら曲がり角2m先は氷結。いなければ炎で溶かす。そうすればまず、そこにいるはずなのに見えない葉隠さんが何時かは確保」

 

「氷結使ってんじゃねーか」

 

「量の問題です。更にとかしてるので結局は元どおりです」

 

「そうなったら後は1対2。追い詰めて、対敵後、尾がある事からある程度の個性の判定後、フロアごと氷結で終了です」

 

「..」

 

「...という訳で今回のMVPは障子君を推します。あ、因みにもし障子君が敵の個性までそれで判断できるなら全てが変わりますので。できるなら氷結ブッパ安定です」

 

「いや、俺の個性じゃそこまではできない」

 

「ならこの様に動きます」

 

「..」

 

「ふ──む...なら、この試合のMVPは後に宿題としよう!次いくぞ!」

 

 投げたなオールマイト!そんなんだから人に教えるのは向いてないって言われるんだぞ!

 

 ...これで轟が氷ブッパ癖をやめてくれれば現段階でも大分強化になる。炎を使うのはまだとしても、それさえ注意しておけば来たる日に備えれる

 ────────────────────────

 昨日はあの後、オールマイトが爆豪のフォローにまわってくれた筈だからもう立ち直っているって信じたい。

 

「あ──...マスコミ嫌なんだが..」

 

 そうだった。このマスゴミイベントがあった。

 

「あ!君、オールマイトの授業について教えてもらってもいいかな?」

 

 公有地での個性の使用は基本厳禁。重い罰則が課せられる

 

 ただし、人を傷つけない様な。例えば物を拾うために個性を使う程度の軽いものは見逃される。

 

「【視線誘導】」

 

 手品でも使われる技術をバスケという実践レベルまで持ってったこれなら、光がいれば

 

「あ!そこの君も教えて!オールマイトについて何だけど」

 

「やはり雄英という最高峰の学校であるというのは実感させられますね。威厳や風格は勿論のことユーモラスな部分も」

 

 簡単に逃げられる。個性でもなくない?と言われればそうとしか言えないが、使えてしまうならそれは個性である。

 

「昨日の戦闘訓練お疲れ。Vと成績見せてもらった。爆豪、お前もうガキみてぇなマネすんな。能力あんだから」

 

「...分かってる」

 

「で鈴鹿。一つ言っておく。もしお前が今後、死ににいく様な真似したら容赦なく退学処分を下す。分かったな?」

 

「...はい」

 

 まぁこれはしょうがない。実際、トラウマを刺激した様なものだ。

 

「でHRの本題だ...急で悪いが今日は君らに..」

 

 なんだ、またテストでもあんのかと空気が走る。

 

「学級委員長を決めてもらう」

 

「「「「「学校ぽいの来た────ー!」」」」」

 

「それやりたいス!俺!!」

 

「うちもやりたい」

 

「僕のためにあるやつ☆」

 

 ...この物語における学級委員長って、あんまり仕事ないんだよな。

 

「日も浅いのに信頼も何もないわ飯田ちゃん」

 

「そんなん皆自分にいれらぁ!!」

 

 ...ん?信頼も何もない、自分に入れる...?

 

「委員長決めるなら、良い方法ありますよ」

 

「鈴鹿君!」

 

「と言っても、私と同じ様な人がもう1人いればですが...先生、決めればなんでも良いですよね」

 

「時間内に決めればなんでも良いよ」

 

「なら...まず学級委員長やりたい人再度手挙げて下さい」

 

 こっちを見ながら手を上げる。...やっぱり、君は手をあげないよな?

 

「轟君はやらないんですか?」

 

「あぁ、興味ねぇ」

 

「よし、ならこうしましょう。1人1分意気込み発表、その後私と轟君で話し合い委員長決定。こうすれば公平で、信頼もないから冷静な判断できると思いますが」

 

「ケロ..」

 

「おぉ、そりゃいいな!で、誰からいくよ!?」

 

「じゃあ僕から☆」

 

 質問もなし、準備もなし。短い時間でやるからこそ人間が出る。

 

「全員言いましたね。では少しお待ちを。【空気開扉】」

 

 大気にドアを作り、そこに2人で入る。その謎のドアに自分も入ってみたいと言った人もいるが無視である。

 

「!ここは..」

 

「異次元空間とでも言いましょうか。さぁ、時間もありませんし話し合しましょう」

 

「あぁ..」

 

 といっても結論は出てる様なものだが。これは言わば確認作業の様なものだ。

 

「じゃあその2人だな」

 

「そうですね。ではどうぞお先に」

 

 決まりましたと言いながら出ると、誰だ誰だと騒ぐ

 

「じゃあ委員長八百万さんで副委員長飯田君でお願いします」

 

「私...!」

 

「僕か!」

 

「おい待てやなんで俺じゃねぇ!」

 

「「性格」」

 

「はもってんじゃねぇぞ..」

 

「理由が聞きたいなら休み時間にでも。相澤先生、終わりました」

 

「ん。じゃあ2人ともよろしく」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で、なんで私なのでしょうか?」

 

「それを聞きてぇな死にたがり女...!」

 

「ついでにぼ...俺の理由も聞いていいかな?」

 

「とりあえず爆豪君は除外なのは分かりますね?」

 

「「まぁそれはなんとなく」」

 

「おいこらふざけんな!」

 

「で、正直意気込みに関しては峰田君の様な人を除外するためで、それらしいこと、やる気はあるという部分を見せてくれればそれで問題ないです」

 

「ちょっとまって鈴鹿ちゃん。それって、意気込み部分には選出理由はないって聞こえるんだけども」

 

「ある程度除くので1割は違いますが、9割はそう言ってます」

 

「じゃあどこに選出理由があったの?」

 

「一つは今までの授業。一つは纏める力とでも言いましょうか」

 

「八百万さんは対人訓練でその力を発揮してたのでそれでいいでしょう。じゃあ飯田君はと言われそうなのですが...飯田君って、多数決を取ろうとしたんですよね?」

 

「あ、ああ...結局は君の案が通ってしまったが..」

 

「その時点でほぼ決まりです。この短く、信頼もない期間で1人は頭脳明晰な所を見せ、1人は自分の意見を通そうとした。性格も申し分ない。選ばない理由がないです」

 

「...と、ここまで期待を込めたのでもしこの2人がA組委員長、副委員長にそぐわない活動をしたらバッシングしましょう」

 

 ...本当は八百万に関してはもう一つの理由があるが、それは後々轟がペアを組んでくれるはず

 

「なんか、鈴鹿ちゃんって人生五回くらいしてる貫禄ある...!」

 

 な、なんだとこの透明少女!?

 

「葉隠さん、私は同い年ですよ」

 

「いや、そうなんだけども..」

 

「なんですか耳郎さんまで」

 

 ────────────────────────

「鈴鹿、職員室まで」

 

「?あ、はい分かりました」

 

「ま、まさか退学通告...!?」

 

「そんな筈はないと思いますが...食堂の席だけ開けといて下さい麗日さん」

 

「あ、うん分かった!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それで校長先生まで。どんな御用ですか」

 

「少し君の個性について聞きたいのさ!」

 

「?私の個性ですか?えっと、どの様な...?」

 

「今からいう個性に似た様な個性...或は、能力があれば答えて欲しいのさ」

 

「はぁ..」

 

「まず一つ。個性の使用を止める個性は?」

 

「う──ん...難しい質問ですね。相澤先生、ちょっと協力してもらっても良いですかね?」

 

「...いいだろう」

 

「【幻想殺し】 お願いします」

 

 相澤先生の目がこちらを見る

 

「...効果発動してますね。次お願いします」

 

 今度は肩を触れて。

 

「...!」

 

「...なるほど、助かりました。個性の使用を止める能力、あります」

 

「それどころか、抹消すら効かなかったね」

 

「発動型の個性はこれで消せますが、常時発動型は分かりませんね。恐らく、効くとは思いますが..」

 

「ありがとう。じゃあ逆に聞こう。君は何ができない?」

 

「...何ができないか、ですか?」

 

「うん。それを知っておけば、我々としても君を指導しやすくなる。自分で気づいているかもしれないけど、君の個性ははっきり言って異常だ」

 

「...本当にはっきり言いますね」

 

「勿論、こっちとしてはそれを正しい方向に進める君の存在は有難い。ただ、異常が過ぎるが故に敵に回ると危険だ」

 

「..」

 

「だから、君は何ができないかを知りたい」

 

「...何ができないかはわかりません。なんせ、個性の都合上物語を書いてしまえば良いだけですから」

 

「...そうか」

 

「ただ、敵に回ると駄目なものはあります。それは──ー」

 

 ビー!ビー!

 

「!?」

 

「...システムの誤作動じゃなさそうだ。悪いけど、今日はここまでさ」

 

「というと?」

 

「何者かが侵入してきた。恐らくマスコミだろうけど..」

 

「お疲れ様です。じゃあ私はここで...いや、一ついいですか?」

 

「ん?」

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 ...そう。この質問は2週間の間でも良かった筈。というより、雄英に入るか確定ではない時だからこそ聞かなくてはならない筈。

 

「...それは言えない。ただ、この問答は君のためを思ってとの事をわかって欲しい」

 

「...分かりました。では失礼します」




「ONE PIECE ブルーノ 空気開扉」

「とある魔術の禁書目録 上条当麻 幻想殺し」





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8話

「もう大丈夫だファミリー」

ーー私がきた!

一撃で倒すオールマイトを見てテンションが上がる観客

「ひき逃げだーー!」

「んーー!遅刻すると...不味いんだけどな!」

脚に力を貯め、まるで飛ぶ様に助けにいくオールマイト

(いかんな、まだ引きずっている)

怪我は完治し活動時間や力そのものの衰えはないが、思いだけは衰えた。

「まだまだだな、私も...!」

違うだろと自分に喝を入れる。怪我は完治し、全力を出せる。ならばその全力を超えるのがヒーローだ。

ーーなお、この後立てこもり事件で結局遅刻をしてしまうのは今はまだだれも知らない。


「今日のヒーロー基礎学は、俺とオールマイト、そしてもう1人のヒーローが見る事になった」

 

「はーい!何するんですかー?」

 

「水害災害なんでもござれ、人命救助訓練だ!」

 

レスキュー活動。ヒーローとして1番必要な活動で、様々な所で人々を救うのがヒーローとしての本分だ

 

....水をさしてしまうと、数少ない回復個性持ちは救った後の活動で大忙しだが。

 

「コスチュームは各自で判断。バスに乗って移動するから早めに準備」

 

 

 

 

 

 

 

「みんな!バスでスムーズに乗れる様に2列になろう!」

 

「飯田さん、それはあまり関係ないタイプの様ですわ」

 

「何だって...!?」

 

ここ最近見る光景である。飯田が仕切り、八百万が修正する。委員長と副委員長の活動が逆の様に思えるが、八百万が強く発言できるのは成長材料になる

 

「....そんな事あったんですね」

 

「えぇ、大変でしたわ....」

 

隣になった八百万から食堂での出来事を聞く。まるで大型犬の様に懐いてくれている

 

「飯田さんがその場を抑えたのですが、私は何も出来ませんでした....」

 

あぁ、尻尾と耳が垂れ下がってるのが見える。....不味いな、今ここで落ち込まれると、この後少し大変だ。

 

「何も落ち込む事はないと思いますが....そうですね」

 

バックから紙とペンを取り出し、物語を書いていく

 

「?それは....?」

 

「少し待っててください」

 

「【貴方のための物語】」

 

「メルヒェン...?」

 

「....あぁ、やはり効果は薄いですね。何より1ページ分の効果しかない。だけども受け取ってください」

 

紙が八百万の胸にあたり、溶け込む様に浸透していく

 

「....!」

 

自分の中で活力が漲るのが分かる

 

「それは宝具というにはあまりにも力が弱く、何より本来の使い方とは違うのですが、少なくともこの次の時間くらいは効果があると思います」

 

書いたのは、自分がどうなれるのか。どのように活動すればいいのか。それを示した物語である。

 

「鈴鹿さん....!」

 

「泣かない泣かない」

 

....あれ、八百万ってこんなメンタル弱かったか...?

 

「私、推薦で貴女と同じグループでゴールについた時にはもういて、何とか一般で受かったのですが、貴女と同じクラスで....」

 

....あぁ、だからか。推薦にも落ちて、何とか一般で受かって授業で何とか活躍しようとしたけど、その授業でも私が立ちはだかって。自信の喪失が今起きたのか。

 

「大丈夫ですよ。現に今、この高校にいるのは八百万さんです。倍率が300を超えるこの高校にいるのは貴女です。自信を持って」

 

「....はい」

 

私にできるのはここまでだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「すっげーーーーー!USJかよ!」

 

「水難事故、土砂災害、火事...あらゆる事故あらゆる災害を想定して僕が作った演習場。その名もウソの災害や事故ルーム!」

 

まんまUSJである。

 

「オールマイトは?」

 

「先輩それが、厄介な立てこもり事件に巻き込まれててまだ解決してないそうです」

 

「あの人の今の本業は教師だろ...仕方ない始めるか」

 

....おかしいな、立てこもりはこの時にはもう解決して、制限時間ギリギリだから仮眠室で休んでるはず。なのにまだ解決してないのか?

 

「えー、始める前にお小言を一つ二つ、三つ...四つ....」

 

「皆さんご存知だと思いますが、僕の個性はブラックホール。どんなものでも吸い込んでチリにします」

 

「その力で人命を救うのが主な仕事ですが、簡単に人を殺せる力です。君達もよく分かると思いますが....」

 

「....」

 

全員で私と爆豪を見るな。

 

「相澤さんのテストで自分の個性の可能性を知り、オールマイトの対人戦闘でそれを人に向ける危うさを君らは特に知っていると思います」

 

「この授業では心機一転、自分達の個性がどの様に人命救助に活かせるか、学んでいきましょう!以上!ご清聴ありがとうございましたー!」

 

「んじゃまずは....」

 

「....?」

 

 

 

「一かたまりになって動くな‼︎」

 

 

「え?」

 

「13号‼︎生徒を守れ‼︎」

 

ーー中央広場に敵意の塊が現れる

 

「何だありゃ!?また入試んときみたいに始まってるパターン?」

 

「動くなあれは敵だ‼︎」

 

 

....うん。怖い。

 

けど、あの時ほどの怖さじゃない!

 

(今ここで鈴鹿を使って回避策をとるのが1番安全で合理的だ。しかし、もし後ろにいるのが奴らだったら.....)

 

「....13号避難開始!学校にも連絡試せ!上鳴お前も個性で連絡試せ」

 

「ウス!」

 

....多分、ここで私を使わないのは敵の後ろにアレがいたら不味いと考えたんだろう。私もそれに乗ろう。

 

何しろ私も個性を使う練習をしたい。

 

「早く避難を!」

 

「させませんよ」

 

「初めまして、我々は敵連合。僭越ながら...この度ヒーローの巣窟雄英高校に入らせて頂いたのは平和の象徴オールマイトに、息絶えて頂きたいと思ってのことでして」

 

....この人は救えるなら救った方がいいのかもしれないが、そうすると後々情報が足りず、ヒーロー側の敗北もあり得てしまう。

 

済まない。白雲さん

 

「私の役目はこれ」

 

霧が私達を囲む...前に2人が前に出る

 

「させねぇよ!」

 

「その前に俺たちにやられる事は考えてなかったか!?」

 

「だめだ2人とも、下がりなさい!」

 

「....危ない危ない」

 

しかしそれは無効の様で。

 

私たちは数人を残して霧に呑まれた

 

...1番危ないのはつゆちゃんのところか。よし、行くか

 

【瞬間移動】

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

....大きく息を吸って、着水に備える

 

「キタキタ!オメーに恨みはねぇけど、サヨナラ!」

 

「鈴鹿ちゃん」

 

ベロに捕まり一時撤退。やっぱり水に落ちてたか。

 

「さいならー!」

 

その後、峰田が放り込まれ次に私が放り込まれる

 

「ありがとうございますつゆちゃん」

 

「大変な事になったわね」

 

「えぇ、どうしましょうか」

 

「どうしようも何も、あんな奴らオールマイトがきてすぐ終わるさ!」

 

「オールマイト、今立てこもり事件解決に忙しいらしいですが?」

 

「それに、私達を散らしたのは確実に私達を殺める為じゃないかしら?」

 

ちらと水辺を見て状況判断をするつゆちゃん

 

「戦うしかないですね」

 

「そうね」

 

「はぁ!?馬鹿か!?オールマイトを倒す為に来た奴らなんだろ!?なら俺らはかないっこねーじゃねーか!?」

 

「つゆちゃん、三つ方法があります」

 

「言ってみて」

 

「一つ。峰田君を犠牲にして私たちは裏から逃げる。二つ。私が先導、つゆちゃん、峰田君が補助」

 

「おい!犠牲にするな!」

 

「三つめ。安全にここからチクチク攻撃」

 

「その中なら三つめがいいかもだけれども、方法は?」

 

「電撃か氷結で終わらせます」

 

「なら2つ目ね。それじゃあ死んじゃうもの」

 

「なら2人の個性を確認したいんですが。というより峰田君の個性がよく分からなくて....」

 

「おいらのもぎもぎは自分以外にはくっつくけど、自分にはくっつかないぞ」

 

「なら拘束要因は決まりです。後は...そうですね。強い衝撃波か」

 

「貴女の個性で衝撃波は出せるんじゃないの?」

 

「出せます。その後のフォロー、任せてもいいですか?」

 

「ケロ...いいけど、大丈夫なの?」

 

「大丈夫です」

 

「な、なぁ!」

 

「峰田君は私の後、もぎもぎを投げ込んで下さい。じゃあいきますね」

 

【舞空術】

 

「な、なんだ!?空を飛んでる!?」

 

「くそ、水飛ばせ!」

 

「いや、こっちだ!船の2人を狙え!」

 

「それはさせない【かめはめ波】」

 

よし。充分に水に穴を開けることができた。後は

 

「つゆちゃんヘルプと峰田君投げ込んで!」

 

「掴まって!」

 

「うぅ...あああああああああああああああ!」

 

ベロに捕まりつつ下を見ると、原作の様な光景が広がる。おお、本当に水が中心にいくんだ。

 

「これで一網打尽。もし気があっても身動きが出来なければ意味ありません」

 

「完璧勝利...とでも言えるかしらね」

 

「へ、へへん!」

 

「...2人は広場に戻って下さい。私は空から他の皆がどうか探してきます。」

 

「お、おい!1人で行くのかよ!」

 

「危険だわ鈴鹿ちゃん」

 

気遣いは嬉しいが、正直ここで戻ると危ないところが数箇所ある。一応自力で助かったり時間まで粘ったりしたが、もしかしたらがあるわけで

 

「危険なのは分かりますが、制圧が出来次第、すぐ広場に戻る予定なので安心してください」

 

といい、【死ぬ気の炎 大空】を発動させる。空を高速でかけるにはこれがいい。

 

「というわけで行ってきます」




「貴方のための物語 Fate アンデルセン」

「瞬間移動 舞空術 かめはめ波 ドラゴンボール 孫悟空」

「死ぬ気の炎 大空 家庭教師ヒットマンREBORN! 沢田綱吉」

「視線誘導 黒子のバスケ 黒子テツヤ」




(展開を無双系にしようと思ったけど結局これが1番と気付いた模様)

(電撃、氷結とかやったら死んじゃう...)


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9話

「オールマイト、君は事件解決にあまり首を突っ込まないでほしいと言っていたよね?」

「はい...」

「もし君の怪我の復活が奴にばれたら奴の活動も増えると予想したのは誰だっけ?」

「私と校長です...」

「じゃあこれは何なのさ」

手に持っているタブレットには[オールマイト短時間で3件の事件解決]のネット記事

「今はヒーロー飽和時代であり、君も後継者のことを考えると後10年もしたら現役じゃなくなる。なら、今の内からヒーローを、後継者を育てるのは必要なんじゃないかな?」

「おっしゃる通りかと...」

「大体君は..」

(そろそろ抜けたい...)


 空を飛び火災エリアに足を運ぶ。

 

 ここは確か尾白が一人で凌いでいるはずだ

 

「あ?なんだてめぇ」

 

「どうも、ヒーローの卵ですよ。【X BURNER】」

 

 外に待機していた敵を一斉に攻撃する

 

 怖いことはグローブなしによる火傷とコンタクト無しによる威力調整だったが、少し後ろに吹っ飛ばされたくらいで大した怪我はない。あとは威力が十分かだが...

 

「問題なしと。これで入れますね」

 

 実際には火傷をおったが回復系なんてのはいくらでもある。実質ノーリスクである。

 

 ここに来たのは2つの理由がある。1つ。単純に尾白一人だと危険ということ。2つ。近接戦闘のスキルを少しでも鍛えると言う事

 

「入りますか」

 

 中は燃えていて長居は危険。

 

「...見つけた」

 

 隠れている尾白を発見した。

 

「...尾白君尾白君」

 

「っ!...ってなんだ、鈴鹿か」

 

 一瞬警戒されたが、私の事がわかると警戒を解く。最も、敵に対する警戒は解いていないから流石といえるが。

 

「手伝いますよ。敵の数は?」

 

「多分8人」

 

「...なるほど、わかりました」

 

「わかりましたって...おい!?」

 

 制止を振り切り敵陣に姿を現す。

 

「んだあのクソガキ?」

 

「別のやつじゃないか?尻尾もなさそうだし」

 

「ま、いっか」

 

 8人で襲い掛かってくる敵たち。1人1人の動きをしっかり見る。

 

 2人同時を回避。3人同時を回避。1人1人の攻撃を回避

 

【ゾーン】

 

 そう命名したがこれが正しい名称ではない。ラッシュといわれるジャスト回避後の攻撃、空中での射撃に起きるテクニック。

 

 だが、言うは易し行うは難しである。だからこそ、三流敵でそれを引き出す訓練をする。

 

「ここ...!」

 

 バク宙の後ダッシュ、そのまま殴り次の敵に注目する

 

 今度は横回避。鼻を殴る

 

 それを続ける。ただ見て、回避して、ラッシュ攻撃を叩き込む。

 

 最後の一体を気絶させ、一息つく。

 

「凄いな、まるで時が止まってるかの様に早かった..」

 

 ただ見ているだけになってしまったが、動きを見ていた尾白。

 

「私は山岳地帯に向かいます。尾白君は広場に戻ってて下さい」

 

「....分かった」

 

 恐らく、最初からこの火災ゾーンにいたわけではなく、別の地帯から来たことを察した尾白。そして、目の前にいる鈴鹿に、助けれる力があるということを察した。

 

「助かった。ありがとな!気をつけて!」

 

「いえいえ」

 ────────────────────ー

 どうしたらこの場を抜け出せるか。八百万の思考は変に冴えていた。

 

 一緒にいた2人、耳郎と上鳴の助けあって周りの敵は一掃出来た様に見える。

 

 しかし、何かが引っかかる。

 

「上鳴さん、連絡は取れますか!?」

 

「ウェイ?ぅぇー...ぇ──ーい!」

 

「あぁ、バカ上鳴!丸かバツくらい作れ!」

 

「ぅぇ──ーい!」

 

 バツを作る上鳴

 

「!上鳴さん、早くこちらに!耳郎さんも!」

 

「?八百万?」

 

 敵は一掃したはず。何を変に焦っているのだろうか?

 

 アホになりながらもこちらに走ってくる上鳴も少なからずそう思っていた?なんで焦ってんのかな?まぁいいやと。

 

「耳郎さん、個性で音を探って下さいませんか?」

 

「いいけど、どこらへん?」

 

「このエリアの下、出来れば地中を!」

 

「やってみる!」

 

 プラグを地面に刺し、音を捉える

 

「...!みんな離れて!」

 

 大声で注意勧告する耳郎。それに合わせて後ろにバックステップを取る八百万。しかしそんな機敏な行動は取れなかった上鳴。結果的に

 

「手をあげてお前らそこを動くなよ」

 

 上鳴が人質という形になってしまった

 

「やはりですか..」

 

「そこのお前、よく考えたな?もしかしたらまだいるかもしれないと」

 

「いくら通信障害を起こせると言っても、特殊な装置を使わない限りは数百mが限度ですわ。それが個性によるものなら尚更」

 

「成る程な」

 

(プラグ...いや、上鳴さんにダメージが。何か創造...時間がかかる。何か、何か手はないの...!?)

 

 悪手を除く。出来ないことを除く。そこから出来ることを考える。せめて人質が私ならば。

 

「おっと、そこの耳女も動くなよ」

 

「ぐっ!」

 

「ヒーローの卵なら人質を軽視するなよ。お前達が抵抗しなければこのアホは見逃してやるぜ?」

 

(当然嘘。そんなもの分かります。だけれども..)

 

 ここから打破する一手が思いつかない。考えても考えても思い浮かばない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「【ねらいうち】」

 

 悩める少女の前に現れるのがヒーローである。

 

「なっ...!」

 

 腕を狙撃される敵。その痛みで上鳴を手放す

 

「今ですよ、2人とも!」

 

 そして今度は、自分も行動を!

 

 耳栓を造りそれをつける。

 

「耳郎さん!」

 

「うん!」

 

 プラグをスピーカーに差し込み音を流す

 

「...!」

 

 音を聞いた敵はそのまま気絶。結果的に勝利となった

 

「や、やりましたわ!」

 

「鈴鹿ナイス!よく来てくれた!」

 

「ギリギリ間に合ってよかったです」

 

「それで、広場の方は!?」

 

「大丈夫ですよ。No.1がもうとっくに終わらせてます」

 ────────────────────ー

 それは火災エリアから山岳エリアに移動する前のこと。

 

「もう大丈夫。私が来た!」

 

 生徒、先生達にとって絶望的な場面。そこに現れるNo.1ヒーロー オールマイト

 

「あれが...‼︎生で見るの初めてだぜ‼︎すげえ迫力...」

 

「馬鹿野郎尻込みすんなよ。アレを殺って俺たちが...」

 

 だがいい終わる前に行動する。

 

「相澤君、よくぞここまで...!」

 

 雑魚敵を後にして、ボロボロになりながらも生徒を守ろうと苦手な対多数を行った相澤。

 

「ケロッ..」

 

「な、何が起きた!?」

 

 そして、水辺にて隙を窺っていた2人を救助。一瞬で分からなかったが、その一瞬の間に3人を救助した

 

「2人とも、怪我は?」

 

「ないわ」

 

「俺も!」

 

「そうか。相澤君を運んでくれないか2人とも」

 

「け、けど敵が...!」

 

「大丈夫」

 

 "大丈夫"と言った瞬間に敵がどさどさと倒れていく。最も、相澤をここまでボロボロにした敵はギリギリかわし、耐えた様だが...

 

「す、すげぇ..」

 

 その光景に率直な感想が出る峰田。

 

「助けるついでに殴られた...国家公認の暴力だ...ははは」

 

「けどおかしいな。予想だと相当弱ってると思ったんだけどな...黒霧、お前は?」

 

「殴られませんでしたが...ふむ」

 

「何を話してるかは知らんが、覚悟しろよ!」

 

 手をつけた敵に殴りかかるオールマイト

 

「脳無」

 

 だがそれを脳丸出しの敵が盾になる

 

「む!全然...効いてないな!」

 

「そりゃそうさ、ショック吸収だぜ?脳無にダメージ与えたいならゆっくり肉を抉るとか効果的だね...それをさせてくれるかは別だけど」

 

「ショック吸収...その程度か!」

 

 顔が晴れやかになるオールマイト。なんだ、その程度かと。

 

「は?」

 

「覚えとけよ敵共!」

 

 ──No.1はどんな時だって笑うんだぜ!

 

「DETROIT SMASH‼︎」

 

 3発。右ストレート2発と左ストレート1発。たったそれだけのはずなのに

 

 ショック吸収する筈の敵は跡形もなく吹き飛んだ。

 

「おいおい、まじかよ..」

 

「これは流石に...弔、撤退を」

 

「くそっ..」

 

「させるか!」

 

 だが、敵も撤退の手を考える。

 

「!」

 

「その脳無は超再生もあるんだ。本当はこれで終わらせる予定だったんだけど...()()()()()()()()少し考えなくちゃ..」

 

「!貴様、なぜそれを」

 

 聞こえた言葉に耳を疑うオールマイト

 

「今度こそ、殺すからな...覚えとけオールマイト」

 

「待...くそっ逃げられたか..」

 

 ──────────────────────

「くそっ...あんな強いのかオールマイト。完敗だ」

 

「脳無もやられた。手下共は瞬殺だ...平和の象徴は健在だった!話が違うぞ先生!」

 

「違わないよ。ただ見通しが甘かった。ところで、僕と先生の共同制作、脳無は?」

 

「回収しましたが、ご覧のとおりです」

 

「...黒霧、これ本当にオールマイトがやったのかい?」

 

「ええ。オールマイトが3発で」

 

「...へぇ」

 

「...悔やんでも仕方ないさ!けどそうだな、怪我が治ったら少し僕のお願いを聞いてくれないかい?弔!」

 

「なんだ?お願いって..」

 

「ここ最近、どうやら面白い団体がいるそうでね」

 

 テレビ画面には新聞の切り抜きが映し出される。

 

「これは...?」

 

「この悪事を起こしている団体に接触してほしいんだ。弔。出来るかい?」

 

「あぁ..」




「X BURNER 家庭教師ヒットマンREBORN! 沢田綱吉」

「ゾーン(ラッシュ) ゼルダの伝説ブレスオブザワイルド リンク」

「ねらいうち ポケットモンスター インテレオン」

電気敵さんだけあの世界じゃ狡猾なんよな。油断したタイミングで人質を取る。ヴィランの鏡ですね


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10話

「【大噓憑き】先生の怪我を無かった事にした」

病室で眠る先生に使い、怪我を治す。13号先生は自分が動かなくても治療すれば治るらしい。

「...起きないね」

「怪我は治しましたが、麻酔までは切れませんので。麻酔が切れればそのうち起きますよ」

3人しかいない病室を後にし、廊下のベンチに座る。

「...君の予言で出てきた敵が現れ始めた」

「!」

何とびっくり。この時はまだバックの存在には気付いていないはずだがもう気付いているとは。

「不幸にもどこに拠点を構えているか、そもそも構えていないのかは分からないが、君の予言から一年、敵が頭角を露わにした事でこちらで対策していた机上のものがようやく出せそうだよ」

机上のもの...?聞いてみたい気もするが、ここで知るのは面白く無い。

「そうですか。良かったですね」


「雄英体育祭が迫っている」

 

「「「「「クソ学校ぽいのきたーーー!」」」」」

 

 包帯を巻いてない相澤先生の口から体育祭の詳細が話されたりその人気ぶりを八百万が言ったりしている。

 

「今年に関しては開催に否定的な意見もあるが、開催はする。雄英の管理体制や屈しない姿勢を見せつけるいいチャンスでもある。警備は例年の5倍以上だ、生徒諸君は安心して体育祭に挑んでくれ」

 

 例えばこれがヒーロー高校では無い、普通科の高校ならバッシング理事長や校長諸々退職だろうけど警備強化します!の一言だけで開催できる程の信頼を得ている学校という事なんだと思う。

 

 さて私はどのように動こうか。騎馬戦の事もあるから一位にはなりたくない。だけれども、手は抜きたくない。

 

 そんな事を考えていると、放課後になってしまった。不味いな、放課後は囲まれイベントがあるんだった

 

「と、通れない……」

 

「おそらく、唯一敵に襲われた組としてみてみたい気持ちはあるんでしょうね」

 

「あぁ、かもな...」

 

「というわけでここは爆豪君に道を開けてもらいましょう。爆豪君、頼みました」

 

「俺を使うな!お前が開けろや!」

 

「おや、爆豪君ならここで一目おかれる選手になれるかと思って道を開けるという活躍の場をあげたのですが...開けられないというなら仕方ありません」

 

「んだその煽り!開けられるわ!」

 

 ズガズガと歩いてきては群衆の前に立つ爆豪。周りを見てから

 

「敵情視察なんか意味ねぇから道開けろモブ共」

 

 の一言。

 

「モブ!?爆豪、知らない人の事をモブはやめろ!?」

 

 おお、ツッコミ役が瀬呂に変わった。

 

「どんなものかと見にきたら随分偉そうだなぁ。ヒーロー科に在籍する奴は皆こんななのかい?」

 

「あぁ!?」

 

「こういうの見ちゃうとちょっと幻滅しちゃうなぁ」

 

「幻滅でも何でも勝手にしろや!」

 

「いや、ヒーローって人気商売みたいなところあるので幻滅させるのは不味いですよ爆豪君。そんな事もわからないならやっぱ政治家目指しましょうよ」

 

「お前も煽るなよ鈴鹿!!」

 

 ...よし、煽りは万全。

 

 周りの反応を見てみると、爆豪がヒール役、私もヒールにはなってしまってるがそもそもA組全体がヒールみたいなもんだから仕方ない。

 

 私の煽りが万全なら、轟が大幅な強化ができる。少しばかりエンデヴァーには犠牲になってもらうが家族を蔑ろにした罰だ。それに、想定している範囲ならそこまで重くはない私刑みたいなものだ。

 

 目指すは轟の炎使用、及び私が楽しむ。これをモットーに後2週間。過ごしてみよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「鈴鹿」

 

「!何でしょう轟君」

 

 おや?

 

「客観的に見て、実力はお前と同じかお前の方が上だと思う」

 

「嬉しい評価です」

 

「けどお前には勝つぞ」

 

 ここしかない。まずは一個、特大の煽りをいれる。

 

「挑戦状と受け取りましょう。そしてそれは受理しますが...あぁ、成る程」

 

「?」

 

「全力でこない人の挑戦状を受け取ってもただ虚しいだけだと感じてしまって...はぁ」

 

「...あ?」

 

「あぁ、何でもありませんよ。ただ、手は抜きませんから」

 

 火花を散らしながら会話を進めていくと、とうとう入場時間となった。

 

「全開にして刮目しろオーディエンス!群がれマスメディア!今年もおまえらが大好きな高校生たちの青春暴れ馬…雄英体育祭が始まディエビバディアァユウレディ!!?」

 

「「「「「イェーーーーーーイ‼︎」」」」」

 

「けどどうせオメーラアレだろ!?こいつらを見にきたんだろ!?敵の襲撃を受けたにも拘らず鋼の精神で乗り越えた奇跡の新星!ヒーロー科‼︎一年A組だろぉぉぉ⁉︎」

 

「続いてB組!普通科...」

 

 やっぱA組の時と他のクラスの盛り上がり方が違うな。補正があるとはいえ、メディアの注目はA組に偏ってたから当然ともいえるが

 

「せんせー。俺が一位になる」

 

「「「「「やりやがった!」」」」」




(短いけどここは区切りよくしたいからすまぬ)


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11話

「さて運命の第一種目!今年は...これ!」

 

モニターでは障害物競走。ここは原作通りだし、なんならこの後の展開も原作通りだろう。つまり、一位になったらそのまま駆け抜けなければならないし2位以下なら追わなければならない。

 

さらに見たところ、ポイント上位者は騎手になっていることが多い事から、私も上位になったら恐らく騎手にならなければならない。

 

そこまで考えてはたと気づいてしまう。なぜ私がいるのにも関わらずこの競技なんだと。

 

一位が分からないならこの競技に価値はあるが、一位が分かりきっている競技を行うのは合理的じゃ無いはずだとそう提言する先生がいるはず

 

...つまり

 

「ヨーーーイドン!」

 

まずい、スタート呑まれる

 

「っ!」

 

なんとかジャンプで最初のふるいを回避。だけどこの後

 

『あまり個人に攻撃するのもなんだが個性を考えれば仕方なし!止まるな止まるな!』

 

私の周りを小虫程度のロボットが複数浮いている。一つ目のロボット、その目からはビームみたいなものが照射されている。

 

「嫌なもの用意しますね」

 

『プルスウルトラ!競争に有利な個性は邪魔を!実況からは逃げられちまったがお前らA組の担任ならこう言うな!「合理的だ」ってな!』

 

ビームをギリギリ回避。かすってしまったがそもそものダメージは小さい。本当に邪魔が目的なのだと感じさせる

 

無辜の怪物によるものは使えなくさせる。これくらいの威力ならギリギリイメージするだけの集中力は保つかも知れないが、まだ序盤。安定を取りたい。

 

それに、まだ移動手段は多くある

 

「【瞬歩】」

 

鰤特有の高速移動術を駆使して高速で移動する

 

...追いつかれては無いが、数十m先に同じものがあって、命中率は低いがそれでも移動先を限定されてしまっている。このままだとビームに自分から当たりにいくようなものだ。

 

「どんだけ予算かけたんですか、これ」

 

質問が湧き上がるが、それに答える人はいないし、そもそもそれを考えるのがナンセンスかもしれない。

 

ただひたすらに、愚直に一位を取りに行けばいいだけ。

 

 

 

 

 

 

移動する度にメカが邪魔で止まることが出来ない。というより、先に行っているはずの人達にはこのメカは作動してないのか?誰がこんなのを作って嫌がらせしているのか?

 

疑問は湧き上がるが、このままだと拉致があかない。一斉に駆け抜けるための準備を

 

「【影分身の術】」

 

自身の分身を一体だけ作る。そしてその分身体に

 

【高速移動】【バトンタッチ】で積んだものを引き継かせる時間を私が作る

 

「【セウシル】」

 

ドーム状のバリアを貼り、弱いビームを防ぐ。

 

メカは私達を狙う。だけどビームじゃバリアは破壊出来ない。そしてビームの出所を特定。

 

「【ギガ・ラ・セウシル】」

 

バリアを解除と同時にメカの周りに反射技。メカは小型故に耐久性はない。つまり

 

「女子をストーカーしたらダメって道徳で習いませんでしたか?まぁ最も、メカ相手に道徳を説いても駄目でしょうが」

 

自業自得とはまさにこの事。

 

...あ、時間作ったなら別にバトンじゃなくてよかったか。まぁいっか

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「まてや半分野郎!」

 

(スロースターターか)

 

「恐らく兄も見ているのだ...かっこ悪い様は見せられん!」

 

『かっこわりぃ〜!』

 

一位争いは最終関門に入ろうとしている。観客は今現在、一位の轟に注目している

 

「フレイムヒーローエンデヴァーの息子さんか!」

 

「あぁ、道理で!No.2の息子さんか!なる程、そりゃはえーわけだ!」

 

「というより、個性の使い方が上手いよな。やっぱエンデヴァーの血なのかな?」

 

など、話題を独占状態である

 

『先頭が一足抜けて下は団子状態!そして最終関門はこれ!一面地雷原!怒りのアフガンだ!地雷の位置はよく見れば分かるようになっているぞ!目と足酷使しろ!』

 

「エンターテイメントしやがる」

 

「はっはぁーー俺は関係ねぇ!」

 

『ここで先頭が変わった!喜べメディア共お前ら好みの展開だ!』

 

「てめぇ、宣戦布告する相手まちがえてんじゃn「これが間違えてはないんですよね!」」

 

飛ぶ爆轟、地に落ちる。地に落としたのは

 

『おっと、ここでまさかまさかのダークホース!俺らはこいつの為に妨害行為をしてきたのに!いともたやすく抜けてきやがった!』

 

『鈴鹿 凪!』

 

「鈴鹿...!」

 

「よかったですね、地雷がちょうどなくて。まぁ狙いましたが」

 

「てめぇ...俺から降りやがれ!!」

 

下に敷かれている爆轟。その上に立っている鈴鹿。それを払ったが

 

「おっと、怒らせましたかね。すいません。」

 

ふわふわと空を漂う

 

「「待ちやがれ!」」

 

二人が先にいかれてたまるかと足でも掴んでやろうかと手を伸ばした

 

「じゃ、また後で」

 

だがしかし、それは叶わなかった。

 

『さぁさぁ序盤から誰がこの展開を予想した!?数ある妨害をかわし、壊し、そして最後は華麗な逆転劇を見せたこの女!鈴鹿凪の存在を!』

 

ここまで上げられるなら何かしらのポーズでも取った方がいいのだろうか。観客が盛り上がるポーズでも

 

少し迷ったが、そっちの方が盛り上がるだろうと実況席にいるマイク先生にアイコンタクトを取る

 

『...!観客の皆様、真ん中に御注目!』

 

どうやら伝わったようだ。こういう時にノリがいい先生はやっぱり頼りになるな。

 

「【輝玉三式】【輝玉三式】【輝玉三式】【竜巻】」

 

花火玉を9つ、筆しらべでだし自身の周りに竜巻を発生。花火玉を持ち上げる

 

そして爆発のしたに浮かび上がり、爆発と同時にリザードンポーズ!

 

「「「「「Fooooooooooooooooooooooooooooooooooooo!!」」」」」

 

「みた!?花火打ち上げやがった!」

 

「流石雄英!1種目目、しかも一年舞台で盛り上げてくれんね!」

 

観客の興奮度は大盛り上がり。

 

「事務所経営を請け負ったとしてどんな売り出し方にするか意見を交えたいのだがいいか?」

 

「見た目、実力、演出面からみて様々な売り出しができるね。けど、個性がイマイチピンとはこないからそこをカバーかな。本出してみるとか」

 

「俺なら個性は逆に明かさないで実力を出した売り出し方するかな。後個性は考えたら風+αの複数個性かな。」

 

「ああ、ホークスみたいな羽を使ったやつじゃないけど風を使って浮いたり早く移動したり?可能性大だね」

 

経営科も大盛り上がりだ。

 

...さて、盛り上がりもここまで。ユーモアが好きな貴方だからこれを観ているなら、当然過去の事も踏まえて私に推薦するでしょ?

 

と、少しあるかも知れない将来に思いをのせるのはやめましょう。ゴールの人数も集まってきましたしね。

 

上位42名。1クラス20人のヒーロー科が2クラスだから普通科やサポート科の門は狭い。

 

「いよいよ本戦よ!ここからは取材陣も白熱してくるよ!きばりなさい!!」

 

「さて第二種目よ!次は〜これよ!」

 

モニターに映し出されたのは騎馬戦。

 

「騎馬戦...!」

 

「個人競技じゃないけどどうやるのかしら」

 

「参加者は2〜4人のチームを自由に組んで騎馬を作って貰うわ!基本は普通の騎馬戦と同じだけど、先ほどの結果に伴ったポイントが各自に振り分けられるわ!」

 

「入試みたいなポイント稼ぎか。分かりやすいぜ」

 

「つまり組み合わせによって騎馬のポイントが違ってくると!」

 

「あんたら私が喋ってるでしょうが!えぇそうよ!下から5ポイントずつ!42位5P、41位10P...そして1位1000万!」

 

一位である私に注目が集まる。わぁ凄い。みんなが敵だ

 

「上位の奴ほど狙われちゃう!下克上サバイバルよ!」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ルール説明が行われた後、騎馬を探す

 

一人は確定しているようなものだから、さて後二人。

 

「というわけで爆轟君、私と組みませんか?」「誰がお前と組むか馬鹿女!」

 

あらら、断られました。まぁ予定調和です。

 

轟や爆轟なんかは組みたくないでしょう。そして、各騎馬で強力な個性を持つ。うん、酷い。

 

「一位の人!」

 

「はいなんでしょう」

 

「私と組みましょう!」

 

「...貴女、サポート科?」

 

「はい!発目明!貴女のことは知りませんが立場利用させてください!」

 

「いいですよ。使えそうなサポート道具の点検しといてください。私は後二人、最低1人呼んできます。ここで待っててください」

 

「はい!」

 

さて、必要なのはあの子。もう1人欲しいけど時間が間に合うかどうか。最悪殴ればいいか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「というわけで集めました。軽く合わせましょう。鈴鹿凪です。」

 

「殴られたのだけは覚えてるんだけどなぁ...ほぼ拉致(?)された尾白猿夫です」

 

「チーム決めれてなかったから誘われたのはいいけどまさかのトップ。耳郎響香」

 

「サポート科の発目明です!」

 

「というか鈴鹿、大丈夫なの?このチームで」

 

「チームは大丈夫です。さて作戦を立てますよ。」




「BLEACH 瞬歩 黒崎一護他」

「ポケットモンスター 高速移動 バトンタッチ サンダース他」

「金色のガッシュベル セウシル ギガ・ラ・セウシル ティオ」

「大神 輝玉三式 竜巻 天照大神」


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12話

「ねぇ、うちの負担大きくない?」

「プルスウルトラですよ。それより、しっかり護衛頼みますね」

「多数になったらどんだけ時間稼げるかわからないけど、やるだけやってみるよ。」

「ヒットアンドウェーならぬヒットアンドバックです。逃げるときの合図さえ入れればなんとかします」

「ジャンジャン動いてジャンジャン使いますね!許可は得ましたから!」

「特に無線を用意できたのが凄いです。今後コスチューム関連の小道具作成など依頼しても?」

「喜んで!!」

「喜んでるところ悪いけど、これ本当に騎馬戦なの?」

「ルール確認はしっかりしましたから。なんならミッドナイトに確認取りました」

「お前って、ルールの穴とか欠陥つくの上手いよな」

「尾白君、援護しませんよ?」

『サァ上げてけ!地で血を洗う合戦の狼煙が今!打ち上がる!」

「作戦通り宜しくお願いします」

『start!』


『浮いた!?バラバラ!?な、なんじゃこりゃ!?』

 

 スタート直後、騎手の鈴鹿は浮き、騎馬の三人は1人残して左右にダッシュ

 

『おい審判!あれありかよ!?』

 

「個性の範疇なのであり!ま、騎手が落ちたらその時点でアウトだけどね!」

 

「で、驚いてるとこ悪いけど鈴鹿!煙幕さっさとして!地中の音が変わったからここ離れる!」

 

 {了解}

 

 {【モケルド】【フロートシューズ】チップ転送。液状化してても無意味になるから駆け回ってください}

 

 一体の地面が沼のような、液状化のようなものになったがそれを無効化された

 

 そして煙幕。これで一つのチームを除いて視界が奪われる

 

「うわ、なんも見えねぇ!」

 

「くそ、他3人はどこ行った...!?」

 

「と、とりあえず煙幕が切れるまで...!」

 

 

 

「サンキュー...尾白、右前に敵2チーム!発目、状況は!?」

 

「2人見つけましたがまだ青髪が見つかってないです!あとめっちゃ逃げれてます!」

 

「ヘルプ!攻撃与えたから逃げたい!物理型!」

 

「尾白物理ヘルプ!」

 

 {【リフレクター】}

 

 直接殴ってくる敵から逃げたい尾白はヘルプ要請。それに見合った壁を貼る

 

「この壁か...助かった!」

 

「こっちにも盾ください!同じの!」

 

「発目も同じのを...ちょっと待って空から爆発音...爆豪そっち行ったよ!」

 

 {了解}

 

「このクソ女!」

 

「【しめりけ】【リフレクター】」

 

「たたかえやぁぁぁぁ..」

 

 煙幕はあくまでも地上付近。空中にこられたら意味はないが、当然自身の警戒も怠らない。

 

「爆豪落ちる!尾白、ちょっとそこ危ない!拾いに来るかも!」

 

「まじか...どこに逃げれば良い?」

 

「ちょっと待ってて!煙幕は!?」

 

 {そろそろ切れます!}

 

「三人集まれるよ!尾白右前、発目そのまま!追加煙幕頼んだ!」

 

 {任されました}

 

 指定の場所に集まると信じて

 

 {集まれました?}

 

「うん!後は...警戒だけして放置!」

 

 

『これは...本当に騎馬戦をやっているのか!?俺らが見てるのは、いや聞いてるのは騎馬戦なのか!?観客の皆様には、後程販売されるであろう体育祭ビデオ〜煙幕の中の戦闘〜をご購入してください!俺が欲しいもん!』

 

 選手も観客も異様な光景に包まれ始めた。果たして騎馬戦と言えるのか?というところではない。

 

「「「「「「どこの誰だか分かんねーが取り敢えず鉢巻よこせーーーーー!」」」」」

 

 そう、一箇所だけ戦闘が生じているのが分かる。見えないが、音だけならなんとか分かる状況である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「基本私達のポイントを大半のチーム狙うでしょうし、今回の作戦は逃げ切りです」

 

「簡単に言うけど...それができたら苦労しないでしょ」

 

 当然である。だからこそ注目が高いからという理由だけでチームを組もうとしてきた発目を除いては誰も声がかからなかった。

 

「そうだぞ。1000万ポイントなんか、全員が敵になるだろ」

 

「えぇ。そして騎馬という形である以上、逃げ切るための機動力、敵の情報過多、などなど。デメリットが多過ぎます」

 

「ちょっと、どうすんの?」

 

 百害あって一利なしという状況だと言われ、不安しか残らない。

 

「まぁまぁ落ち着いて。発目さん、無線とかって開発してる?」

 

「えぇ!あります!しかし、2人分しかないですが...受信機ならあるんですけどねぇ」

 

「よくそんなの持ってたな」

 

 全くである。しかし、都合が良い

 

「じゃあ、無線は耳郎さんと私で使います。受信機は皆さんお願いします」

 

「?...必要ありますか?」

 

「えぇ、必要です。なぜなら、開始直後に私は空に逃げます」

 

「「...は!?」」

 

 まるで騎馬戦で騎馬を作らないと言っているようなものだが、それが一番手っ取り早く、かつ敵が来ない

 

「ミッドナイトに確認とって、個性による浮遊やそれに該当するのは問題ない行為らしいです。なお、騎手が力尽きて浮けなくなり、落ちたらその時点で不合格らしいですが」

 

「えぇ...ありなの?それ」

 

「あ、それと馬鹿でかい足場を作ってそれに乗るのも問題ないらしいです。ただ、地面に膜を貼ったりして着地とかはダメらしいですが」

 

「逆にそれ駄目なんだ」

 

 まぁそれをやったら薄氷の上はセーフになってしまうから、であろう。更に空に逃げるだけなら、ポイント変動もなければ無闇に力を使うだけなので、それで逃げ切れるならご自由に、ということだろう。

 

「で、空に逃げたら煙幕貼るのでその後は耳郎さん、貴女の時間です」

 

「へ?うち?」

 

「個性の都合上、音での攻撃、というより音の収拾の方が優れてますよね?なら、あなた達三人はバラバラに動いて、見えない分の情報を貴女がカバーして下さい」

 

「うそぉ!?」

 

「まじです。敵の位置、味方の位置、などなど。集めて整理して、その無線で報告して下さい」

 

「で、尾白君は乱闘を。煙幕が貼られたら取り敢えず近場の敵を殴って逃げて下さい」

 

「ちょっ、ちょっと待て!幾ら機動力が落ちるって言っても相手は4人から3人だろ?逃げれる気しないけど!」

 

「逃げるための壁貼ったり身代わり用意してあげますのでそれ使って下さい。あ、逃げるときに殴ったり、蹴ったりが主攻撃なら物理型、爆破、炎や水といった攻撃が主なら特殊型と一言お願いします。どっちもならどっちもで」

 

「その声を耳郎さんが拾って無線で報告。で、発目さんは確か個性が」

 

 地味に仕事が増えた耳郎がショックを受けるが、無視する

 

「ズームです!」

 

「なら、とある3チームを監視して下さい。監視しつつフル装備でガン逃げでお願いします」

 

「3チームですか?」

 

「1チームは轟君。あそこの赤と白髪のところです。で、もう1人がB組の髪がいばらっぽい子。で、もう1人が尾白君のいた元チームの騎手です」

 

「あ、あいつか?」

 

「はい、尾白君、特長お願いします」

 

「...髪は青で逆たってる...あぁ、ほらあそこにいた」

 

「あの人ですね!分かりました!」

 

「開発した機械を披露させたかったかもしれないけど、それは最終種目でお願いします」

 

「仕方ないですね..」

 

「その代わり、このゴーグルを..」

 

「?なんです?これ」

 

「暗視ゴーグルです。これを貴女の友達や親身の先生方に伝って開発会社のお偉いさんに配ってもらって下さい」

 

「!!!」

 

 装備の性能をもしかしたら見てもらえるかもしれない!そう思った発目はそれを数個もらうと去っていった

 

「あ、時間内には戻って下さいよ...ってもういない」

 

「ねぇ、私の負担少しは減らせない?」

 

「なら、身の危険を感じる時以外はあまり動かなくて良いです。...それに、見えないからこそ生じるものがありますよ」

 

「???」

 

「安置です。人は見えない場合、闇雲に動くか目印を何とかして見つけようとします。その目印が尾白君の出す戦闘音になる。その戦闘音を目印にして他のグループも動く。ほら、そうすれば自然に一箇所に集まるでしょ?」

 

「...あんた、まさか」

 

「そうなったら後は勝手に他のチームが動いてくれます。だから、安全な場所ができたと思ったら3人集まって下さい」

 

「なら、その戦闘に私も混じって良いでしょうか!?」

 

「うわっ、発目さん」

 

「その作戦をフルに活かすなら私のベイビー達が役に立つと思います!」

 

「...良いですけど、目標は見失わないで下さいね」

 

「はい!」

 

「あ、あと鉢巻私に全部渡して下さいね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 まさかここまでハマるとは。ヒーローらしからぬ作戦ではあるが、勝つためである。

 

「私の監視チームは3チームともあの戦闘にいますが、1チームだけ少し離れてる...?」

 

「どこのチーム?」

 

「赤髪と白髪ですね」

 

「戦闘音もばらつき始めた...ねぇ、煙幕に慣れ始めてるけど!?」

 

 {ならそろそろですかね。騎馬作って下さい。降ります。}

 

「は!?ちょっと...あぁ、切れた。作るよ、騎馬!尾白、あんた先頭!」

 

「お、おう!」

 

「あ、来ました!一応報告を!赤髪さんは茨さんの近く、青髪さんはその2チームとは離れました!」

 

「...すいません、逃げ切れればと思ったのですか..」

 

 瞬間。放電が走る。

 

「ガッ....!」

 

「痺れ...!」

 

「!!!」

 

 その光とともに煙幕も晴れ、現れる影4つ

 

「悪いな、少し止まってろ」

 

 氷で足を止める。これで大半の組が機能停止になった。

 

「そろそろ、取るぞ1000万」

 

『うっは、えげつねぇ!!不利の要因になった煙幕を晴らし!お得意の氷で大半の騎馬を止めやがった!現在2位チーム轟!そして有難う!これで実況ができるぜ!』

 

「おいあそこだ!向かえ!」

 

「分かった、分かったから叩くな!」

 

「おいごらぁこの腑抜け女!とうとう降りやがったな!」

 

「...さて皆さん、残り時間五分。この2チームを相手にしなければなりませんが、指示聞いて下さいね」




「金色のガッシュベル モケルド パピプリオ

「ロックマンシリーズ フロートシューズ ロックマン」

「ポケットモンスター リフレクター エーフィなど」


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13話

「状況は最悪、少なくとも2チーム協力して...というのは無さそうなのが救いですね」

「あ、監視してるチームはあの人を除いて凍りました!」

「...分かりました」

「爆豪に注意しつつ、狙うは一位だ」

「二つとも取るぞ!」

各々の騎手が狙いや状況を確認する。当然、他の騎馬のポイントを稼ぐというのも手なのだが、数チームを除き戦闘不能(足を凍らされている、痺れている)なので取ったところで狙われやすくなるだけだ。

ここが勝負の分かれ目であることは選手は勿論、観客も目を見張っている。

「皆さん、私の指示に何も疑問を持たず行動してください」

「あんだけの功績あげたんなら、疑問も何もないでしょ!」

「鈴鹿、やるぞ!」

一位の左右に二位と三位。果たしてどのような結末になるのか。観客のボルテージはマックスに達しようとしている!


「【ザグルゼム】」

 

不意を打つような形で轟側に光球を放つ鈴鹿。しかし、スピードはないので簡単に避けられ、地面に着弾

 

『さぁ囲まれている一位チーム鈴鹿!攻撃をするにも簡単に避けられてしまったぞ!ここからどう対処するのか!』

 

「不意をつこうと思ったのですが避けられました」

 

「行動するならせめて一言はくれ!」

 

「すいません、なら2チームの警戒を発目さん、耳郎さん頼みます」

 

どっちを警戒すればいいのか?と聞くまでもなく、2人は返事をする。どうせ両方とも警戒しなければいけないのだから。

 

「「了解!」」

 

そして、いつも狙われるのは人気者もとい、一位の定め

 

「黒目!酸!」

 

「あ・し・ど・み・な!」

 

短い命令だが、もともと作戦でも立ててたのだろうか。名前を呼んでくれないその態度に不満は持ちつつ、仕事はきっちりこなす

 

「後方に撒かれた!」

 

状況的に挟み撃ちのような形になっていることも考慮してなのかは分からないが、少なくとも逃げるという選択肢は塞がれた

 

「クソ髪いくぞ!」

 

「おう!」

 

爆豪側からは爆破と硬化による物理が。

 

「上鳴放電、俺もやる。八百万頼んだ」

 

「はい!」

 

そして轟側から放電と氷結、計4つの暴力が襲い掛かろうとしている。

 

『キタキタ両チーム一斉攻撃!観客ども、どっちが一位の鉢巻を取れるか予想してみろ!マスコミ、明日の新聞の写真チャンスだぞ!』

 

「【リマ・チャージル・セシルドン】」

 

「「「「!!」」」」

 

『で...でかーーーーーーーーい!!なんだこれは!?盾か!?盾なのか!?』

 

そこに自チームを守るかのように、突如現れた盾二つ。ちょうど左右の攻撃を守れたようだ

 

「上鳴、お前の放電は無差別なはずだろ?」

 

「あ、あぁ...けど今」

 

しかし問題はそこではないと轟チーム。

 

本来、上鳴の個性は帯電であり、無差別に放たれる放電がネックだったのだが、それがあろうことか、一つの方向に、しかも頓珍漢な方向に向かったのだ。

 

「私は見ましたわ!少し前に鈴鹿さんが放ったあの光球、その着弾点に反応してましたわ!」

 

「...あれか」

 

この状況になる前に避けたあの光球。あれに誘導されたのだ。

 

「えっ、て事はあれがある以上...」

 

「無力化ですわ」

 

絶望の顔をしている上鳴に対し、1人の個性を丸ごと無に帰されたことに苛立ちを隠せない轟

 

「チッ...かてぇ」

 

「おいどうすんだ爆豪!俺ら2人係でやっても壊れやしねぇぞ!」

 

「私の酸でもとけないよ!?」

 

一方爆豪チームは盾の破壊を試しているが、これがヒビすら入らない。芦戸も酸で溶かそうとしているが、溶ける様子もない

 

「なら回り込め!正面だけだろ!」

 

移動するなら後ろから。背後に周りこもうとする爆豪チーム

 

「移動...!」

 

「おい大丈夫か!?」

 

「腕の負担凄そうですね!」

 

そしてその盾を貼った鈴鹿の負担は決して小さくない。思いが盾に反映され硬さは誇るものの、本人が諦めて仕舞えばそこまで。

 

「取り敢えず正面にいないし正面出たら右前!その後反転」

 

後ろから回り込むのを音で知って、ガラ空きのスペースである右、しかも距離を取るために前に進もうとする。

 

盾が一旦解除される。両チーム、追いかけようと騎馬を動かす

 

「飯田ダッシュ...飯田?」

 

 

 

「醤油顔!黒目!」

 

「せろな!わったよ!」

 

「突進してきますよ!」

 

テープと酸を使った突進のような移動。前を担当している尾白の両肩を叩き、合図を送る

 

「任せろ!」

 

それは、1人は任せたという合図。そして、1人は任せろという合図

 

「【しめりけ】【ザケル】」

 

そして自分は騎手の爆豪を封じ、電撃でチーム全体を牽制しようとするが

 

「こん...くそがあああああああああ!」

 

「!【ラウザルク】」

 

爆豪が手を前に出してきて、電撃をチームになるべくいかないようにしている。そして牽制が間に合わないと察知した鈴鹿に電撃が走る。

 

「「「「おおおおおおおおおお!」」」」

 

切島vs尾白、鈴鹿vs爆豪。四者手と手をぶつけ、力押しの構図である。

 

『さぁさぁ今度は個性と個性のぶつかり合いではなく、身体と身体のぶつかり合い!正直今までのドッカンバトルよりこっちの方が見応えあるぜ!なんせ今までは隠されてたり盾で見えなかったりしてたからな!』

 

「醤油顔!」

 

「!」

 

テープを使って鉢巻を取らせようと指示する爆豪

 

「耳郎さん!」

 

「...!」

 

取らせまいとイヤホンジャックで器用に防ぐ耳郎。そんな3人を支える発目と芦戸。

 

『鉢巻の奪取をなんとか凌いだ!さぁ、1000万ポイントの鉢巻を奪えるのか!?』

 

「今じゃね!?」

 

「八百万!」

 

「はい!」

 

だが。熱くなりすぎてもう1チームの存在も忘れてはならない。それも、強力なチームを。

 

「「!」」

 

騎手の2人が気付く。そしてあれは危険だとも。

 

なぜなら絶縁体シートを被った飯田が肩に上鳴を乗せて(肩車)走ってきているのだから。

 

『ここで乱入者、飯田・上鳴...っておい!騎手の轟はどうした!?』

 

「いけ!」

 

そして騎手の轟は八百万の作った土台の上に。ある程度の高さを保っているため、テクニカルと判定され問題はない。

 

『土台の上に立ってやがった!まぁ空飛んで騎馬を解除してたりしたもんな!それ考えたらあれくらいなら問題ねぇわ!だって地面じゃねーもん!』

 

「離れろ!」

 

「左...いや右方向に!」

 

両チームの騎手が指示を出す。

 

「くらえ!」

 

「【セウシル】」

 

放電の回避に間に合わないと判定した鈴鹿はあの放電の威力はそこまで高くないものと判断し、自分達の周りに小さいドーム型の盾を貼る。

 

「!...ふんばれやぁ!」

 

爆豪は爆破が使えると気付くと、3人を無理やり押し倒し回避を取る

 

「ちょっ!?」

 

「うわっ!?」

 

「クソ髪!」

 

「...っおう!降りてこい!」

 

いち早く立ち上がった切島の肩にのる爆豪。

 

「氷結...も出来そうにないか...!」

 

「いや飯田、今のはあいつらの判断が早かった。で、こっから俺らも交わるぞ」

 

いつのまにか自チームに戻っている2人。悔しがる飯田のフォローと相手チームを褒めつつ、自分たちも取りに行くと再度気合を入れ直す。

 

『な、なんとあの早くて広い攻撃を防いだぞ!これは本当に分かんなくなってきた!果たして、どちらのチームが1位の鉢巻を奪うのか!?はたまた、奪うことができずに逃げ切ることができるのか!?』

 

(爆豪がチームを救ってる...!?)

 

そして内心、色々驚いている鈴鹿。しかしそんな余裕も時間もない

 

『さぁさぁ残り二分を切った!激しい一位争いの中、未だ逃げ続ける鈴鹿チーム!追うは二位と三位の轟、爆豪チーム!』

 

「残り二分か...まじぃな」

 

「おいどうするよ爆豪!もう時間ねぇぞ!?」

 

「分かっとるわクソが!」

 

追うチームに焦りの色が見られる。だがしかし、追われるチームはそれ以上の緊張感と焦りが生じる。

 

「もう策尽きてるけどどうすんの!?」

 

「ここまできたら後はもう自力でやるしかなくないか...!?」

 

「機械も悲鳴上げてきてます...あれほど激しく動かすとそこまで持ちませんか...」

 

「大丈夫です。後はもう横綱相撲のように、構えて守るしかないので。」

 

「「それは大丈夫とは言わない!」」

 

まさかのここにきて作戦なし。後手に回るしかないとは。

 

「...おいクソ髪」

 

「あ?なんだ爆豪」

 

「みんな、少し聞いてくれないか?」

 

「?どうした飯田」

 

それぞれの主要人物がチームに話しかける。

 

「...なるほどな。確かにそれができれば楽だわ。」

 

「...いけるのか、飯田」

 

「あぁ!だから、僕に時間をくれないか?」

 

「...分かった。俺はお前のそれにかける。」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

作戦会議が終わり、それぞれのチームが最後に賭ける。

 

「...ごめん、聞き取れない!」

 

なんとか相手の作戦を聞き取ろうとした耳郎。だが、この騎馬戦にてその個性の力を使いすぎて、うまく聞き取ることができなかった。

 

「なら耳郎さんは休憩!」

 

(個性も身体能力。使い過ぎればそれもうまく使えなくなる...か)

 

 

「「いくぞ!」」

 

「...!」

 

『なんと爆豪ここで飛んだ!』

 

また騎手が空を飛び、気を窺う。視界が良好か否かという違いはあれど、どこかで、それもついさっき見た光景である。

 

『やられたらやり返すとでも言いたいのか爆豪!やりあって緊張が増したその隙に何とかしてでも取るってか!?』

 

 

「...尾白正面!」

 

「くっ...この!」

 

フリーになった騎馬が襲いかかってくる。早く何とかしなければ...!

 

「芦戸!こい!」

 

「そっちね!分かったよ!」

 

「逃げますよ!【影真似の術】」

 

騎馬として一番必要なものをもっている切島の動きを封じる。

 

「!体が...」

 

「鈴鹿助かった!」

 

「じゃ、今のうちに逃げるよ!」

 

「えぇ!」

 

「させない!」

 

芦戸が酸を掛けてくる。先程までは逃げ道を封じたりしてたはずのそれが今度は本気で掛かってくる。

 

「【メラメラの実】【鏡火炎】」

 

「あっちぃ!」

 

「我慢してください!それより距離を取ってください!発目さんカバー!」

 

「分かってます!」

 

それを炎で燃やす。ここまで襲いかかってくると判断する時間も短くしなければならない。

 

「そのポイントは俺らが取るんだよ!」

 

「瀨呂まで...!?」

 

「めんどくさいですね!【紅蓮】」

 

『残り10秒!』

 

取ろうとしてくるテープを一気に燃やす。

 

 

「行くぞ上鳴君轟君!」

 

「行ってください!」

 

「行くぞ...!」

 

 

ただ爆速で突っ込んでくる飯田、その上に乗っかる上鳴轟。八百万は土台作成と絶縁体シート、さらには飯田の脚の冷却剤などを創造したらしい。

 

「「「「ああああああああああああああああああああ!」」」」

 

「つっこんで...!?」

 

 

上から爆速ターボ、更には榴弾砲着弾。横から、というより周りからは氷結、電撃、硬化、酸、テープ。流石にこれだけの火力が届いたら誰かは鉢巻を取るだろう。そう確信を持っていた。

 

 

「【霧隠】」

 

 

だがそこには誰もいない。一点に集中してたはずのチームはいつの間にかいなくなり、残ったのは惨劇の後だけ。

 

 

『...試合!!終了!!』

 

 

「...すいません。本当なら逃げの選択は最後取りたくなかった。迎え撃ちたかった。しかし、こうも"早い""多い"とそれを遅くするしか勝ち筋がありませんでしたので」

 

「チーム全員、逃げさせてもらいました」

 

一位、チーム鈴鹿。




最後は霧隠で遅くしてチームのみんな運んだ感じ。

【ザクルゼム】 【ラウザルク】金色のガッシュ! ガッシュベル

【リマ・チャージル・セシルドン】 ティオ

【影真似の術】ナルト 奈良 シカマル

【メラメラの実 鏡火炎】 ワンピース エース

【紅蓮 霧隠】大神 天照


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閑話

雄英高校体育祭。その第二種目の一位から四位が発表されている。一位と三位は見知った顔、2位はあのエンデヴァーの息子、4位は情報がないが普通科の生徒らしい。

 

普通科でそこまで頑張る意味はあるのか?そもそも個性があってよかったな。いいよな。個性があって。

 

「...あぁ、みたのか。この人も。」

 

LINEを送ってきた人に返信をする。

 

{一位と三位は知ってます、二位は情報すぐ出てきそうです。エンデヴァーの事務所にでもレター贈れば一発だと思いますよ。}

 

{騎馬の個性は知りませんけど見た目で分かるくらいなら硬化だったり脚速くなったり。あぁ、脚ならインゲニウムとかの関係者ですかね。}

 

{けど、強力な個性なら上位三人でしょ。変幻自在、爆破、氷結。もしかしたら炎もですけど}

 

「出久?誰とラインしてるの?」

 

「友達だよ。みんな凄そうな個性だね、ヒーローになれそうな個性だねって。」

 

「!...出久...」

 

「別に母さんに謝られても生まれだからしょうがないって。」

 

{...えっ?また動画出すんです?やめて下さいよ、彼女の力が愛じゃなくて編集になりますよ。}

 

{それより、そろそろ見つけました?会社。}

 

{あぁ、見つけたんですね。彼女に紅茶あげなきゃ。あなたにはあげませんとも。}

 

{あぁそれと。ここ最近出没してるヒーロー殺し。彼に接触できました?}

 

{おお、出来たんですか。さっきの発言取り消します。あなたにもあげますよ。}

 

{けど死にそうになった?えっ、もしかしてなんですけど僕が用意した台本から外れました?}

 

{会って話がしたい、人を使うくせに自分は顔を見せないのは好きじゃない?...はぁ、分かりましたよ。}

 

「ごめん母さん、明後日ちょっと出掛けてくるよ。」

 

「また?本当に仲良いのね、その友達と。」

 

「うん!あんだけ話が合う人なかなかいないよ!シャイな性格だから家に呼ぼうにも呼べないのはネックだけど。」

 

「そう...あっ、そういえばその子、紅茶が好きって言ってたよね?」

 

「うん、妹がクッキーが好きでそのクッキーに合う紅茶が好きって言ってたよ」

 

「丁度良かった、ついでにこれ持ってって!」

 

台所から渡された紅茶の袋。そしてチョコクッキー。

 

「...ありがと母さん、きっと喜んでくれるよ。」

 

「雄英うけなくて、一応偏差値だけは高い高校に入った時、母さん後悔しかなかったけど、その中で初日に友達できたって言われたら、母さんだって出久の為に色々やるよ。」

 

「...本当にありがとう。」



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14話

「鈴鹿、少し良いか?」

「?何でしょうか、轟君」

「話がある。この前作ったドア作ってくれねぇか?」

「いいですよ」

二つ返事でエアドアを作り、その中に招待する。

「わりぃな」

「いえいえ。それで、話って...?」

「...個性について」

「...続けて」

「少し個性について調べた。個性は未だに分かってないことが多いが、基本的に子供の個性は親の個性が引き継がれる。母親・父親のどちらか一方、両方、あるいはそれを掛け合わせた個性が生まれる」

間違ってはいない。目の前の轟は母親と父親の両方の個性を引き継いでいると言えるし、爆豪は確かグリセリンと酸化汗が両親の個性で、それを掛け合わせてニトロのようなものを汗腺から出して爆発させてるはず。

「でも、お前はそうじゃない。論文には、突然変異の個性が生まれる可能性があり、その個性は親あるいは家系を遡っても該当個性が存在せず、謎の多きものである。...お前の個性は、この突然変異なのか?」

「否定はしません。実の両親はもういませんが、義母曰くなんてことはない、そこらへんの一般人と差し違いない個性だったらしいです」

「そうか。...なぁ、お前は個性が嫌になったとか、そんな経験はないのか?」

「ないです」

「っ!」

「大体、個性が嫌になるとか言うのなら雄英になんてこず普通科か進学科に行きますよ。そうすれば使わなくてもいいんですから。けどここにきた以上、ここで学ぶ以上、個性をフルに使って人を救う義務がある。違います?」

「まぁ、中にはヒーロー科の途中で挫折して辞めてしまう人とかもいるかもしれませんがそれは置いときます。要は、そんな嫌いとか好きとか関係なく使えるもの使って憧れのヒーローになりたい様になっていけばいいんです」

「...!」

「...もういいですね。扉は開けときます。閉めたら勝手に無くなるので」


不味い。思いっきり過去の言葉パクってしまった。なんかこう、本当は自分の言葉で諭して、最後に戦闘中あたりに母親の言葉思い出していい感じにしたかったのに。

 

「やっぱ主人公にはなれないなぁ...」

 

そう。主人公はここにはいないため、今後主人公補正には期待できない。

 

「まぁ何とかするしかないか」

 

昼食を食べ、峰田上鳴のチアガール伝言は2人を縛り上げることで終わりにし、とうとうレクリエーションが行われる

 

第一試合:轟vs瀬呂  第二試合:鈴鹿vs心操

第三試合:飯田vs尾白  第四試合:芦戸vs塩崎

 

第五試合:麗日vs発目  第六試合:八百万vs上鳴

第七試合:切島vs鉄哲  第八試合:耳郎vs爆豪

 

大分変化が起こっている。そもそも第一試合と第二試合の順序が逆だし、耳郎があの爆豪と戦うことになった。

 

と言うより、四位に心操がいるのは知ってるがそのチームが塩崎、麗日、鉄哲だとは知らなかった。知らなかったが、何故なのかの大体予想はつく。

 

常闇は恐らく、本人には洗脳を掛けることはできるが個性自体には洗脳を掛けることはできない。もし仮に出来たとしても個性の都合上、1人ずつしか洗脳は掛けられない。だから除外される。

 

黒色はどうなんだと言われたら彼はそもそも黒色のものを操るだけで、常闇自体を操るわけではない。

 

次に青山。彼は原作では洗脳を掛けられていたが制限つき遠距離ビームと茨の攻守どちらを取るかと考えたら茨の攻守。茨も「守れ」とか「縛れ」と言った簡単なものなら使えるかもしれない。

 

最後に庄田。彼に関しては鉄哲でも応用が効く。と言うよりそっちの方が分かりやすい個性でかつ洗脳にかけやすかったのではないだろうか。

 

で、三人だと少し物足りないからサポート特化の麗日をいれて完了。

 

それであの混乱の中、上手くいったのだから地頭はいい。限られた個性の中、生き残ることができたのだから単調な命令という中での応用も効く。

 

本当にロボという洗脳する要素がない、ある意味心操メタな試験じゃなかったらヒーロー科に入っていたのは彼だったのかもしれない。まぁ、彼も緑谷と同じで体を鍛えていたか、と問われるとなんとも言えないが。

 

そしてその相手が私である。悪いが速攻で終わらせていただく。私には、ワンフォーオールのような中に思いがいる個性じゃない。どちらかというとMP型の個性だ。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

第一試合目

 

轟対瀬呂

 

確かこの戦いが始まる前に轟はエンデヴァーに煽られていたはず。この先は片方の力だけじゃ通用しないぞとか。そこから怒りに任せて氷結ブッパ。というなんとも悲しい結末に終わる。

 

『さぁやってきたぞ第一試合!ここまで好成績な轟焦凍対ここまで平凡な成績の瀬呂範太!ぶっちゃけ轟勝つだろって思うがどう思うショータ!』

 

そう言えば昼休み、マイク先生に捕まったんだっけ相澤先生。確か警護の方にまわってたはずだけど、それを他のヒーローに任せて(マイク先生が)、実況解説に回されたらしい。

 

『実況が公平な立場じゃなくてどーすんだ』

 

「それでは始めるわよ!開始‼︎」

 

開始の旗が上がり、一泊置いてセロハンテープが轟の体に巻きつかれる。そしてその勢いのまま、場外...には出ずに、氷結ブッパで試合終了。

 

「ドンマーイ」

 

観客からドンマイコールがなり渡る。あまりにも差がありすぎた。というより、私でもテープという個性でどう対処すれば分からない。アンサートーカーをフルで活用しても厳しいのではないか。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

第二試合

 

鈴鹿対心操

 

『続いて第二試合目!ここまで一位独走中鈴鹿凪と、普通科の星にして正体不明の心操人使!まじでこの2人に関しては凄いっていう感想と分からんって感想しか浮かばん!』

 

『お前、成績表の一つや二つ読んでから実況入れよ...』

 

(とはいっても個性は中々、身体能力は...峰田以下か。全く、あんな非効率な試験じゃこの個性じゃ受かる訳がない)

 

「なぁ、お前の個性いいよな」

 

「...」

 

「ダンマリか?ここまで一位独走中のヒーローの卵さんよ。いいよな、お前は個性に恵まれて」

 

「...」

 

「始めるわね?第二試合、開始!」

 

「【神速 電光石火】」

 

ラウザルクがステータスの全体的な強化というならば、これはスピードと攻撃力の特化。

 

スピードだけは盛った。あとは相手が反応しきれない速さで場外に押し出す

 

「ぐっ⁉︎」

 

腹を手で掴み、体がくの字に曲がる。足は地面から離れ、更には電気の痺れも追加。痛みはあるが、何をされたかがわからないまま体が場外に出る

 

「心操くん場外!よって第二試合勝者、鈴鹿凪!」

 

「...くっそぉ」

 

「...ヒーローになりたいなら、個性以外の武器を...いや、これ以上は辞めておきましょう」

 

流石にこれ以上は敗者に対して慰めになってしまう。よく敗者に慰めは不要とかいうから、ここは無言でさるのが1番なのかもしれない

 

『続いて第三試合行くぜ!飯田天哉対尾白猿夫...』

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

続く第三試合は予想外に白熱したバトル展開が繰り広げられた。

 

速さには対応できないものの、攻撃の瞬間に尾での攻撃をカウンターの要領で与える尾白。速さでは勝るものの、決定的な一撃という点では劣る飯田

 

『おおっと、今度はカウンターを警戒しすぎて本体が攻撃に回った!』

 

『決定的な一撃を与えようとしてそれが失敗してるから、それがストレスになってんな...』

 

持久戦に持ち込みたい尾白と短期決戦で蹴りをつけたい飯田。そして、その願いはようやく叶う。

 

「レシプロバーストーー‼︎」

 

「はっ...⁉︎」

 

捉えきれない速度での攻撃。外から見ても捉えきれないその攻撃は、個性によって教えてもらった。

 

「横腹に1発、左肩にかかと落としの要領で1発、体勢が完全に崩れて、とどめの1発として顔面に。流石に最後の一発は無意識ですが手加減したっぽいですねあれ...」

 

自分だったらあの一瞬でどうするか。順当に行けば準決勝あたりで戦うハメになるので、いま切り札を直接見れたのは助かった。お陰で対策が打てる。

 

第四試合は茨を酸で溶かして懐に潜り込みパンチングでKO、第五試合は原作の飯田対発目が只麗日に変わっただけなので語る必要はない

 

八百万と上鳴もかなり酷い試合で、開幕放電ブッパを絶縁体シートを作った八百万に防がれあほ面に。戦闘不可能ということで勝者は八百万。

 

そして第七試合は原作と同じように殴り合い。両者ノックダウンとなるが、この後の腕相撲により切島が準々決勝に上がる。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

『七試合目の両者はこの後、腕相撲で決める事になるからリスナー共は安心してくれ!続く第八試合、俺と個性が被ってるからこっち応援するわ耳郎響香!対俺様絶対至上主義爆豪勝己!』

 

『お前な...』

 

どうやら突っ込むのも辞めたようだが、よく見てみると耳郎の個性じゃ聞くだけだから攻撃はサポートアイテム頼りなのか。私は彼女に聞くのとサポートをお願いしてたからなんとも思わなかった。

 

「それじゃあ第八試合、はじめ!」

 

開幕、プラグを足のスピーカーに差し込む耳郎に対し、地面に向けて爆破させる爆豪。

 

『耳郎は個性上ああやって攻撃しかできない。それを分かってるから爆豪は爆破で音をかき消している』

 

そうか。トリコのゼブラみたいに、音によるストレス云々とかじゃなくて高音でガラスを割る、みたいな感じなのか。いやまぁ、あの世界の音が少しおかしいだけで本来ならこれが正しいのかもしれないが。

 

「さっきあのクソ女にやられたからなぁ...確かこんな感じか【爆煙障】」

 

爆豪の掌から黒い黒煙が出て、それがあたり一面に広がる

 

『これは...!先程騎馬戦でみせた煙幕の再現か⁉︎』

 

「これじゃ何も見えない...けど、タイマンでだったら簡単に索敵できる!」

 

プラグを地面に刺し、索敵を行う耳郎。それに対して爆豪は

 

「これでしめーだ」

 

放つ技は閃光弾

 

「〜〜〜〜〜〜⁉︎⁉︎」

 

しかしそれは光だけを目的としたものではなく、光と音、つまり本物のスタングレネードのような技に進化した。

 

「耳郎さん気絶により戦闘不能とし、勝者爆豪君!」




轟くんの「オールマイトに似ていて何かしらの関係性がある同級生」に向ける感情を「オールマイトには似ていないが上に行くために目障りな同級生」に向かせるとこうなるんか...?せや!分からないから個性という点で攻めよう!

「HUNTER×HUNTER キルア・ゾルディック 神速(かんむる) 電光石火」

「爆豪勝己 オリジナル技 爆煙障」

煙幕。ただし、その中に爆破の主成分であるニトログリセリンも混じっているため爆破するときは調整必須。今回はスタングレネードだったからセーフとする。そして白というよりかは黒い煙。


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15話

「おお、いたいた」

「...エンデヴァー」ピッ

やっぱりきたか

「君の活躍見せて貰った。素晴らしい個性だ。スピード、パワー、能力...どれをとってもそこら辺のヒーローとは一線を画している」

「ナンバーツーにお褒めいただけるとは。嬉しい限りです」

「...しかし、うちの焦凍にはオールマイトを越えねばならん。越える義務がある。君との試合は焦凍のテストを兼ねてるから、せいぜい、頑張ってくれたまえよ」

「つまり、八百長でもしろと?」

「そうは言ってない。むしろ君はうちのに負けるよ。あれは俺が鍛え上げたのだからな。今はよくある反抗期だが、いずれ必ず...!」

「別に轟君が誰に、どのように、いつ鍛え上げられたとかは知りませんけど私も負ける気はしませんよ」






ピッ





「ではここら辺で。観客席に戻っておいてください」

「あぁ、期待しているよ」


『それじゃあ行くぜ準々決勝!今大会最も盛り上がるであろうカード‼︎No.2の血筋であり、その個性、使い方、どれをとっても親仕込み!轟焦凍!対するは、ここまでNo.1の座を一度たりとも譲らない、鈴鹿凪!』

 

「用意はいい?」

 

「いつでも」

 

「待った!」

 

「OK、では...って待った⁉︎」

 

突然の待ったにどよめく観客。対戦相手である轟も驚きを隠せない。

 

ちょいちょいと手招きで対戦相手である轟、そして審判を務めているミッドナイトを集める。

 

「これなんですけど、先程八百長要請みたいのが来ていましたので丁寧に断ったんですよ。証拠の提示と、後対戦相手である轟君にも知った上で勝負に臨んだ方が、どちらに転んだとしても後味が悪くならないと思いました」

 

ジャージのポケットから先程録音ボタンを押しておいたボイスレコーダーを見せる。もう録音は終わってるそれは、先程のエンデヴァーの言葉が流れる。

 

「...あのクソ親父...!」

 

「分かりました。これは預かっても?」

 

「ええどうぞ。体育祭終了後でもいつでも呼び寄せて下さい」

 

「えぇ、そうさせてもらうわ。貴方もそれでいい?」

 

「構わねぇ」

 

「ん。なら元の位置に戻って...」

 

『一体何があったんだミッドナイトー?』

 

「なんでもない、ただの荷物の預かり!お咎めなし!」

 

『なるほど、ポケットになんか入れっぱなしでここまで来ちまったなおっちょこちょい!それをしっかり申告するのは偉いぜ!』

 

「それではもういいわね?」

 

「ああ」

 

「えぇ、いいですよ」

 

「それでは準々決勝第一試合、開始!」

 

一回戦で見せたよりかはかなり小さい大氷結。規模としては観客席に届かない程度である

 

「【メラメラの実】」

 

そしてその氷を中から溶かしながら出てくる鈴鹿。

 

「お前それ...全身が炎化か?」

 

「どうでしょうか【火銃】」

 

手の親指と人差し指で銃の形を作り、親指で火の弾を詰める。

 

「っ!」

 

自分の前に氷の壁を貼り、火の弾の火力を確認する。表面は溶けているが、壁を貫通するほどの熱は持たないらしい

 

しかしそれも撃たれ続けていたらいずれかは溶けてしまう

 

「ならまずは...」

 

先程の大技。それが溶けたことによってできた水溜り。相手は足に地をつけている。

 

「!凍らされた...」

 

水溜りに氷の膜が貼り、それに巻き込まれる。

 

助走をつけ、殴りにかかる轟。ヒットしたと思ったところが、火に変わる

 

「実体がねぇ...⁉︎」

 

「【炎戒】」

 

気づけば火でできた魔法陣が鈴鹿を中心にして出来ている。これはまずいと直感がいう

 

「【火柱】」

 

読んで字の如く、火の柱が上がる。

 

 

 

 

 

 

「危ねぇ...」

 

『な、何と氷柱で火柱よりさらに高い位置に逃げ込んだ⁉︎そこから滑り台みたいに滑り落ちた!』

 

『前後左右は追い討ちがかかるかもしれない。溶かされたら最悪場外。なら一か八かで火柱よりさらに高い位置に逃げ込んだか』

 

人間丸焼きにならないようにと調整したのが仇となってしまった。

 

「あの火力じゃあ氷柱は溶かしきれませんか」

 

「賭けだったけどな」

 

「けど結局はこれでしょ【神火 不知火】」

 

炎を槍の形に形成し、更に火力も上昇させる

 

「‼︎」

 

先程の技と違い氷壁を作っても貫通することを察知し、氷を貼りながら回避に専念する

 

遠距離。氷は炎人間の前に対し無意味、氷を発生させるのにも自分を中心に地面や壁といったものを伝って氷結が発動するため、氷を飛ばす事はまだできない。

 

「あの轟が防戦一方だ...‼︎」

 

そう声をあげるのは同じクラスであるA組上鳴。

 

「けどここまで攻めきれねぇのもなんか理由あんのか?炎の個性も宿してるよな?」

 

「おぉ、確かにな!同じ炎だ、相打ちか火力で勝てるかも知れねぇ‼︎」

 

と、望みはそこだと考える上鳴と切島

 

「避けますか」

 

「...チッ、余裕面だな」

 

「えぇ、余裕です」

 

息を一つ入れる。両者見合う。

 

「...正直、お前と戦う前」

 

「?」

 

「別に勝てないとは思わなかったが、勝てるとも思わなかった。ただ、お前と話して少しだけ、母の言葉を思い出した」

 

おっ、これは...くるか?下を見ながら、それでいながらこちらをしっかりと目視する轟

 

「なりたい自分になっていい...」

 

「あの時の母は俺を否定しないで、夢を応援してくれた。正直使うのは嫌だが、ここで固執して負けるくらいなら俺は...」

 

    「夢を応援してくれた母さんのために...!

 

過去との別れ。涙ながらに呪縛を解き放ったその炎は

 

「蒼炎...⁉︎」

 

かくも美しい、蒼い炎を宿していた。

 

嘘だろ、氷溶かすのに炎使ってた時あるけどその時赤い炎だったじゃん。ここで荼毘と同じ色の炎しないでよ、エースの炎じゃ勝てないじゃん!

 

焦凍ォォォォォォォォォ‼︎ようやく己を理解したか!そうだ、いいぞ‼︎ここからがお前の始まり、俺の血を持って俺を超えていき、俺の野望をお前が果たせ‼︎

 

『びっくりした、案外親バカなのね』

 

「「...........」」

 

赤い炎と青い炎。どちらが強いかなんて青い炎に決まってる。変えるしかない。

 

「【アンサートーカー】【ハイドロポンプ】」

 

「今度は水か...!」

 

火拳よろしく炎をぶっ放してくる轟。まだ点で溜めることができない時点でこれくらいならできるのか。

 

「蒸発した...火力によるゴリ押しですか」

 

引き分け。いや、アンサートーカーで急所に狙い撃ちした結果蒸発。負けに近い

 

ぼうっと炎を溜めてこちらに放してくるが、範囲は広いものの直線的な動きなので急いで回避する。

 

今度は逃げ場を無くすように端に追い込まれたので空に浮いて回避する。

 

そうして炎を試すように攻撃をしていた轟だが、攻撃を途端にやめる。

 

氷結の使い過ぎによる疲労。そして新しい力蒼炎。体温調整こそ問題ないが、それでも疲労は溜まる。

 

疲労が溜まると身体、精神ともに辛くなる。特に原作と違い、自分の力を憧れになる為に開放したのとは違い、母の為にと新たな力を得た今、体の負担は段違いのはず。

 

だから次でラスト。ハイドロポンプで負けたなら、カノンか水竜を出すしかない。

 

ハイドロカノン...いや、体が動かなくなる。だめだ。なら水竜しかない。

 

まだシンの呪文は出せない。それは単純に出したくないとかじゃなくて成長しきってないから。まだ、ヒーローになるための心構えが甘いから。

 

「鈴鹿」

 

「!」

 

「ありがとな」

 

炎の最大出力、それが一点に集まりこちらに向かう。

 

「【スオウ・ギアクル】」

 

水竜がそれに抗うように対抗し始めた

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

水と炎で蒸気となり、爆発を生む。

 

『お...お前のクラスなんなの?てか何が起こった?』

 

『水が大量に蒸発して、水蒸気爆発でも起こしたんだろ』

 

ネロミェールも電熱と水で近い事やってたからな。相澤先生の言い分もわかるし私も爆発するなんて思ってなかった。

 

けど保険として後ろに壁は貼っておいた。

 

「...っ!轟くん場外!よって勝者鈴鹿凪!」

 

ただ、今回は私の勝ちだ。

 

「...くそっ」

 

「轟くん」

 

轟のところに近寄り、手を差し出す

 

「!」

 

「良い勝負でした。その炎になれたらまた戦いましょう」

 

「...ああ。今度は負けねぇ」

 

手を握り、それぞれの場所に戻る。次は順当に進めば飯田、大穴で芦戸との戦い。できれば飯田がいい。この戦いで体力、個性ともに使いすぎた。

 

観客席で体力回復に努めていると、周りから凄かっただのなんだの声が出てきたので次の試合が始まるからそちらに集中しようと促す

 

疲弊しきっているところを爆豪にバッチリ見られてしまったが、彼はフェアな戦いを好むしその上で全力を尽くすのが一番だと考えてるからまぁ何も問題ない。

 

飯田と芦戸の戦いはアシッドアーマーを持っていない、まだ酸を噴射するしかできない芦戸には厳しい戦いになった。

 

アーマーがないから簡単に飛び込んでも構わない。接近戦に持ち込み飯田の勝ち。

 

続く八百万対麗日は八百万の作ったアイテムを浮かされ、浮かされた次からまたアイテムを作るといった耐久戦となった。

 

大砲なんか作ったら脂質も大量消費するし、何より時間もないから小物しか作れない。小物程度なら地雷でもない限り触って浮かしても問題ない。

 

剣や斧も作られたが、結局その時は逃げを選択すればいいだけで決定打には決してならない。

 

ある程度浮いたアイテムを解除と同時に襲い掛からせる。自分が作ったアイテムに当たり怯んだ隙を狙って浮かせて場外。麗日の勝ち。

 

切島と鉄哲の腕相撲から始まり、爆豪戦と切島は原作と同じ、綻んだところを狙って爆破でKOという結末になった。




つまりエンデヴァーを忘れてなんかいない。むしろ憎みに憎んでそれでも母親の為と炎を使った結果蒼炎に。

「ONE PIECE エース 火銃 炎戒 火柱 神火 不知火」

「ポケットモンスター ハイドロポンプ ウォッシュロトム他」

「金色のガッシュ!! パティ スオウ・ギアクル」


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16話

「【フリズド】」

対飯田戦。相手の足を凍らせる効果を持つ...それも轟の接触時とは違い狙いさえつければできてしまうそれは、無情にもマフラーを詰まらせる結果に。

例えば爆豪と常闇は相性の関係で爆豪有利みたいな感じで、こちらも相性有利を強制的に押し付けることができる。ドンマイ、相性が悪かった。

そして爆豪対麗日。原作では爆豪の第一試合でヒール扱いされた組み合わせだが、今回はどの様になるのだろうか?


『それでは準決勝第二試合!正直こっちが勝って欲しい!麗日お茶子対ここまであまり疲労が見えてない爆豪勝己!』

 

「用意はいい!?」

 

「はい!」

 

「ん」

 

「それでは、開始‼︎」

 

麗日は攻めるしかないのに対し、攻めなくても対処できてしまう爆豪。なら当然先に動くのは麗日のはずだ。

 

「加減はしねぇ」ボソッ

 

「...へ?」

 

...あれ?先に動いたのは爆豪?なんで...?

 

爆速ターボで距離を一気に詰めて、下から懐に潜り込む。それに対し少しでもくるダメージを軽減しようと防御姿勢を取る。

 

「あっ」

 

私が思わず一言発してしまったのも無理はない...と思いたい。背中はガラ空きだしなにより彼は最効率で後ろを取る術がある。

 

緑谷が職場体験でグラントリノに見せた動き。あれの元は彼が憧れていた爆豪の動きを真似たものだ。本家はもっと洗礼されている。

 

つまり、後ろなんて余裕で取れる。

 

「ぎゃっ‼︎」

 

地に伏して両腕を取られる麗日。これでは、触ろうとしても触ることは出来ないし、もがいても拘束が緩む様子もない。

 

それが数十秒続けば、誰の目から見ても勝者と敗者が分かれる。

 

「...麗日さん拘束により動けないものと判断します。よって戦闘不能と見做し、勝者爆豪勝己!」

 

観客がわっと盛り上がるのと同時に拘束を解く。

 

『でもよぉ?なんで拘束なんて面倒な手段を取ったんだ?場外に出せるんじゃね?』

 

『...場外狙いの場合、地面か壁に叩きつけなきゃならない。最悪浮くからな。失敗したら戻ってくる可能性だってあるだろ』

 

『ほーん。色々考えてるのね』

 

『お前が考えていないだけだろ』

 

(とはいえ...次の対戦相手を考えたら無駄な消耗も避けたいところか)

 

3位決定戦の麗日対飯田があるとはいえ、少しでも回復に時間を当てたいのは両者思うところだろう。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

3決の試合は不戦勝により麗日の勝ちが決まった。どうやら飯田の都合が悪くなってしまったらしい。

 

となるとこれが終わり次第ステインの話が始まる。始まってしまうのかぁ...

 

正直ステインはレベルが違いすぎる。1対多には弱いとはいえ、よくあの戦力差で勝てたものだと言いたい。

 

「あっ?」

 

「...」

 

「なんでお前が...ってこっち1か!」

 

「そうですよ。あなたは2です。なんなら順位も2です」

 

おめぇのその口は一々人を煽らんと塞がんねぇのか?

 

「そういう訳ではないですが...ほら、早く戻ってください」

 

「わかっとるわクソが‼︎」

 

そういえば彼、私のせいで性格はともかく器物破損(少なくとも机や椅子などの備品)はしないんだよな。だからここで机爆破もしないし。

 

といっても爆豪は爆豪でかなり爆発してバンバン壊してるものもあるので壊していいものに関しては多分原作より壊してる。例えばUSJの施設とか。「敵が絶対に追ってこれない様に倒壊ゾーンをさらに壊してやったわくそヴィラン共‼︎」って君、それ下敷きになって肉片になってたらどうするのさ。

 

『待たせたなお前ら‼︎いよいよ始まる決勝戦、まずは今大会圧倒的な実力を見せつけ全てを薙ぎ払う女、鈴鹿凪の登場だ!』

 

『続いて今まで上位にはいつつ、それでも1位にはなれず、今この場で1位になることは出来るのか⁉︎爆豪勝己‼︎』

 

煽り文句と共に2人が入場する。

 

「準備はいい⁉︎」

 

「はい」

 

「おう」

 

「それでは決勝戦...開始‼︎」

 

「【しめりけ】」

 

「もうネタ割れてんだよワンパターン女‼︎」

 

軽い煙幕をはり空に逃げ、APショット・オートカノンを撃つ。

 

(バレてる⁉︎しかもあれって...)「【ガンレイズ・ザケル】」

 

そう。APショット・オートカノン。威力はそこまで強くないが、原型はすでにできている。

 

「チッ...」

 

着地し、息を整える爆豪

 

「よく対策できましたね」

 

「何回もされたら気づくだろ。他のやつは関係ねーが、少なくともあの爆破を封じるやつに関してはお前の視界内か近くねぇと効果がねぇ」

 

視界内ではなく範囲だが、そこまでは割れてない。けど結局遠距離攻撃されるのは目に見えている

 

「ならメタはメタにならないので意味ないですね。【アンサートーカー】」

 

しかし、それは決定打がないということでもある。今現在、相手の最高火力はハウザーインパクト。APショットは威力不足。オートカノンを受けたから分かる。まだ個性自体は成長してない。

 

なら遠距離かつ威力が高いので攻めればいいわけで。そして私は多く知っている。

 

「【ラージア・ザケル】」

 

「!」

 

ラージア・ザケルは自分を中心に広範囲に放つ技。これで空中に逃げざるを得ない。

 

「【ガンレイズ・ザケル】」

 

これをオートカノンで相殺し、爆発の煙が巻き上がる。この煙を待っていた。

 

「【ジャウロ・ザケルガ】」

 

輪状に10本、これが視覚外から突如として襲ってくる。いかに空中操作がうまく、ザケルガを爆破していこうとも6本目には

 

「チェック」

 

「ぐっ...ぁぁぁぁぁぁああああああああ‼︎」

 

残りの4本も当たり、ダメージは大きい。しかしこれくらいじゃ倒れないのを知っているためとどめを刺す。

 

「【バオウ・クロウ・ディスクルグ】」

 

手を落下中の爆豪に向かって振り下ろす。

 

『巨大な手で爆豪を叩き込んだ!これは決まったか⁉︎』

 

地に伏せ、微動だにしない爆豪。まだ警戒はとかない。

 

「【グラビレイ】」

 

念の為、重力をかけておいて起き上がれない様にしておく。

 

「降参しますか?」

 

「...るわけねぇだろ...!」

 

あの技2つ喰らっても意識があり、今尚重力には勝ててはないが諦めないタフネスは素晴らしい。

 

「動...けねぇ...な、ら、それ、なりのことは、や...」

 

掌から爆煙障。黒煙が周りに充満する

 

(一体何を...【アンサートーカー】)

 

「!やば「もうおせぇ」」

 

 

 

ドーーーーーーーーーーン!

 

 

【フェアリーサークル】

 

自爆。煙は多くのニトログリセリンを含んでおり、大きな爆発を生んだ。

 

「やっべーーーーー!」

 

「峰田!」

 

小柄なものは爆風で飛ばされるし、生徒も守らなければならない。そして何よりもこの爆発だ、使用者の爆豪はまだ耐性があるだろうから問題ないとして、対戦相手である鈴鹿がまずい。

 

「っ...!返事を‼︎」

 

審判であるミッドナイトが両者の無事を確認する。しかし返事が聞こえない。

 

「煙が鬱陶しい...!」

 

「ミッドナイト!爆豪は場外で無事を確認できた‼︎鈴鹿は⁉︎」

 

「まだ見当たらない...!」

 

「返事を‼︎聞こえてたら返事して‼︎」

 

 

 

 

 

 

「はーい...!」ゲホッ

 

「鈴鹿さん!」

 

「ゲホッ...ゲホッゴホッ」

 

「煙吸いすぎてるか...両者戦闘不能とし、引き分けとする!」

 

「両者保健室へ!歩ける?」

 

引き分け。勝ちでも負けでもなく、引き分けとなった一年生最終戦は、その後の表彰式もないまま閉会式を迎え、幕を閉じた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

「悪いわね2人とも。特に貴女に関してはまだ安静にしていなければならないのに」

 

「無理するなよ」

 

「いえ、所詮は煙吸いすぎて酸欠になっただけですので。大丈夫です、ミッドナイト、轟くん」

 

「正直、轟君だけでも問題はないけど当事者の貴女がいると話がスムーズに進むわ。さ、ここよ」

 

呼び出されたのは校長室。私自身は入るのは2回目だが、流石に轟も大きさに

 

「あいつはいるんですか?」

 

驚いてないな。うん。

 

「えぇ、帰るところを実況2人に捕まえてもらったわ。というわけで校長、入ります」

 

「うん。よく来たね鈴鹿さん、轟くん。そしてエンデヴァーも」

 

「焦凍‼︎それに君は...」

 

「鈴鹿凪といいます」

 

ここで改めて紹介するのは「お前私のこと眼中になかっただろうから改めて紹介してやるよ」みたいなノリであり、わざわざ名乗る必要はない。

 

他にもボイス先生や相澤先生、ブラド先生やドッグ先生など、数多くの先生方がいる。

 

「それじゃ座って。今回集めたのは他でもない。ミッドナイト」

 

「はい。まずはこちらを」

 

取り出したのは前に渡したボイスレコーダー。そしてその音声が流れる

 

「!」

 

こちらを睨みつけるエンデヴァー。

 

「まず、これはどういった了見なのか聞かせてもらいたいなエンデヴァー」

 

「...簡単な話です。焦凍は俺が小さい時から育てた。ほんの少しの自慢の様なものです」

 

「自慢?」

 

「えぇ。私の子供を自慢する。たしかに少し言い過ぎましたが何分、気分が高揚していたもので」

 

轟に落ち着けと片手で周りには見えにくい様に抑えつける。君の怒りは分かる。実際に蒼炎を受けたから分かるが、エンデヴァーの事を忘れてなんかない、むしろ憎んであの力が出たんだよな。

 

「...まぁいいさ。ここは学校で我々は教師。君の家庭問題に深く入ることはできない相談を受けないとできないし、裁くこともできやしない」

 

「けど、君の家庭問題を教育の場に持ち込むなよ」

 

!校長先生の威圧感が凄い。普通に怖い。

 

「君が息子を自慢するのはいい。それで他の生徒に迷惑をかけるな。ヒーローとして育てるのもいい。他の生徒と比較する事は君に権利はない。息子の勝ちを願うのもいい。けど生徒の負けを直接断言するな」

 

「ここはきみの家庭の延長ではなく、雄英高校だ。ここに通う以上、教師は全身全霊を持って生徒を育てるし、当然その生徒の中には轟くんも鈴鹿さんも入っている。それを忘れるな」

 

校長、怒ると口調が荒くなるのか。けどこれは多分、教育者としての当然の怒りなんだろうな。

 

「轟くん」

 

「!はい」

 

「君にもし何か問題が起きたら、或いはもう起きていたら迷わず相談しに来るといいさ。雄英高校は生徒を見捨てないし、教師陣も優秀さ。時間をかけてでも解決に助力すると誓うよ」

 

「あ...ありがとうございます?」

 

つまり、今までの虐待じみた指導について相談持っていったら力になると言ったのか。

 

「うん。鈴鹿さんも今回はよく報告してくれたね」

 

「あ、いえ。自分の為ですし」

 

「...そういうことにしておくさ」

 

この後、私たち2人は校長室を抜けたがエンデヴァーは中に残ってたから多分まだ言われてるんだろう。今度はマイク先生がしらけさせるなよって言ってるしドッグ先生が人語忘れてる。




校長って生徒個人の呼び方なんなんやろ。

金色のガッシュ‼︎ 【フリズド】 レイコム
【ガンレイズ・ザケル】 ガッシュ ゼオン
【ラージア・ザケル】【ジャウロ・ザケルガ】 ゼオン
【バオウ・クロウ・ディスクルグ】 ガッシュ
【グラビレイ】 ブラゴ

テイルズシリーズ 【フェアリーサークル】 マギルゥなど今回は詠唱スキップ。なので無駄に多くの個性を使ったし、サークル範囲内にいた爆豪が五体満足で済んだ感じ。


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閑話2

「...あなたがジェントルの言ってたもやもやか。」

「えぇ。黒霧と呼んでください。弔が待ってます。ジェントルとヒーロー殺しも中にいます」

そう言ってワープする緑谷出久。

「弔」

「黒霧か。そしてそいつが...」

「緑谷出久です。死柄木 弔」

「こいつの協定者...ハァ...」

「デク君助けてくれ!空気が死にそうだ!」

「...そいつは?」

「巷で噂のヒーロー殺しです」

「あぁ、そいつが」

睨みつけるステインだが、面識がない為いくら睨まれたところで何も恐れることはない。

「さっそく話と行こうじゃないかブレイン君?」

...ジェントルには後でお湯でもかけてやろう


「それで話って?」

 

椅子に腰掛け、質問を投げかける

 

「簡単な話だ。うちの傘下に加われ」

 

「...何が目的なんだ?」

 

「目的?」

 

「例えばうちの所の今の目的は知名度を上げる事。犯罪、ヴィラン活動etc...どんな事でも知名度を上げる。ヒーロー殺し、あんたも何か目的あんだろ?」

 

「...なぜお前にいう必要がある?」

 

「つまりあるんだな?どんな事でもやる事には何か目的がある。で、そちらは?」

 

「...とりあえずはオールマイトをブッ殺したい。気に入らないものは全部壊したいな」

 

「オールマイト...ね」

 

嫌な記憶が蘇る。やはりあいつが全部の元凶じゃないかと。

 

「くだらん」

 

そういいつつ、獲物を手に取るステイン

 

「待てステイン。もしこいつに何か危害加えるなら相手になるぞ...ジェントルが」

 

「私にフルの⁉︎」

 

「そりゃそうだ」

 

「...お前は...」

 

「?」

 

「お前は人を顎で使い...自らは動かない...俺が嫌いな人種だ」

 

「そりゃそうだろ。こちとら無個性だぜ?」

 

無個性。その言葉にジェントル以外の全員が固まった。

 

「なんだったらオールマイトに否定された人間様だぜ?だから気に入らないものを壊す...今そいつが言ったように、オールマイトという今の象徴は壊したいんだよ。俺も」

 

まぁジェントルは違うが。

 

ジェントルは悪名高くなりたいだけ。本音を言うなら名をあげたいだけで方法ならなんでもいい。ただ一番手っ取り早かったのが悪名というだけで。

 

ただの一ヴィランがオールマイトを殺したら...あるいはヒーロー社会を壊したら...一気に名は上がるに違いない。しかし残念な事にジェントルは頭が悪い。計画立案が下手なのだ。

 

だからこそ、緑谷は頭を使って犯罪を成功させているわけだが。

 

「...なるほどな...」

 

「?」

 

「現在を壊す。この一点においてここにいる全員は共通している...」

 

「ん...」

 

「最後には殺すが...お前らがどのような末路を辿るのか...それを見届けてからでも遅くない」

 

「最後には殺されるのかい...まぁいいや。組もうじゃないか。死柄木弔」

 

「交渉は決定した!死柄木弔!」

 

「あぁ...じゃよろしく」

 

「さぁ俺を保須に戻せ!あそこにはまだやるべきことがある!」

 

「...」

 

ワープを使い、保須に戻るステインと黒霧。

 

「さて...一つききたいが、オールマイトを殺す算段はあるのか?」

 

それは当然の質問であり、明確にしなければならないところでもある

 

「...ある。オールマイトは先生が負わせた怪我がある」

 

『あぁ、僕が負わせたんだよ』

 

なぜか付いていたテレビから声が聞こえ、そちらに意識を寄せる。

 

「...あんたは?」

 

『失礼、僕は...そうだな、オールマイトをよく知る者だよ』

 

「そうか。ちなみにどんな怪我を...?」

 

『少なくとも、今の彼は虚栄...意地を張ってることは間違いない』

 

つまり、ほぼ死にかけの体ということ。

 

例えばリカバリーガールが治療をしていたとして、それでもなお治らない怪我...だとしたら確かに殺せる隙はあるか...?

 

(恐らく、私が治療できる個性だからでしょうね)

 

(治療系個性は貴重で、雄英も囲っておきたい。だから私に推薦状を渡したんだと思います)

 

(お久しぶりです、オールマイト)

 

(で鈴鹿少女、彼は?)

 

「もし...」

 

『「?」』

 

「もし、炎も氷も雷も使え、空も飛べて、まさに何でもできる様な個性とオールマイトが既に面識があって、その時に傷を治せていたら...?」

 

「は?そんな夢物語の様な個性があったら...!」

 

『...なるほど。鈴鹿凪。彼女が絡んでると?』

 

そう。体育祭では彼女は自分の個性をふんだんに使い、最後は引き分けにもつれ込んだものの、個性自体は割れている。

 

なんでもできる個性。そのなんでもの範囲には戦闘に役立つものは勿論、回復もあるだろう。

 

「少なくとも、オールマイトと彼女は面識がある。そして彼女の個性は回復系だと思ってた。でも実際はなんでもありのチート個性だった」

 

「どれくらい深い傷があるか分からないが、少なくともその個性の効力は雄英が認める程。単なる自己回復程度なら雄英は囲わない」

 

「おいまて、なんで学校が囲ってるのを知ってる?」

 

「同中だった。そして同クラスだったから、それは知ってるし間違いはない」

 

『なるほど。まさに運命の悪戯というわけだ』

 

『なら弔。今の君らに勝ち目はない。それだけははっきり言える』

 

「酷いこと言うな、先生」

 

『なに、時には真実を伝えるのも教育だぜ。そして、オールマイト並びに雄英襲撃は最後の手段だ』

 

「...あんたは動けないのか?」

 

『動けない事はないが、それにしたって戦力が足らなすぎる。身体も欲しい、個性も欲しい、あぁ、何もかもが足りない。から襲う場所を変更する』

 

「...どこだ先生」

 

『タルタロス』

 

「「⁉︎」」

 

『あそこはいい。リスクもでかいが、その代わりリターンが莫大だ。なんせヒーローになれなかった強個性(ヒーロー擬き)が数多くいる』

 

「...だめだ先生。タルタロスは攻略できない」

 

『弔、戦艦は外部は硬いが内部は脆いんだよ。...出久‼︎』

 

「!」

 

『君は無個性といってたね。大方オールマイトに無個性じゃ危険だとか言われたんだろ?あいつも無個性だった癖に』

 

...は?

 

オールマイト、あいつ無個性だったのか...?なら、なんであいつは選ばれて、()は選ばれてないんだ?

 

(私は君には無理だとは言ったが、他の無個性の方々には言っていないぞ)

 

お前も無個性だったんじゃないか。なら僕とお前の差はなんだったんだ?

 

『やはり、君はそこを言われたんだろ?あいつも酷いことをするもんだぜ。夢見る少年を導かず、残酷なことを突きつける‼︎』

 

『けど大丈夫。僕がいる。だから出久。僕のために協力してくれないか?』

 

「...あぁ、協力するよ」




補足。

この緑谷、理想とするヴィラン像がかっちゃんです。口が悪く、威圧的で、すぐに手が出る(口が出る)。そして舐められないように口調を変えて、ヒーローを憧れていた緑谷出久を自分で殺しました。最後は殺しきれてなかった部分がトドメ刺された感じ。

ジェントルに会えたのは動画と新聞、ネットから。緑谷が計画したとおりにやったら成功した為、以降頭関係は全て任せてる感じ。今回はびびって何もできずにいた模様。怖いもんね...

次に緑谷サイド出すとしたらタルタロス襲撃の時かな。時期は多分夏休み〜林間学校時。夏休みでなんか一回あって、林間学校時に...って感じ


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17話

【天使の自動筆記】

「これがここ一ヶ月で起こるだろう出来事です」

そう言いながら39枚の紙を渡す

「ありがとう。()()()...うん。なるほど」

ヒーロー名バースは私の名だ。異世界=アナザーユニバースでアナザーかバースで迷い、二択を鉛筆倒しで選んだ。長すぎず、かつ自分に意味が通じる物なので案外気に入っている。

「では私はこの辺で」

「教室戻るときに相澤君を呼んでもらえるかい?バース」

いいですよと一言いい、校長室を出る。多分、飯田か轟あたりが二、三行しかないからそれについてだろう。

「あ、相澤先生」

「ん?」

「校長が呼んでましたよ」

「...分かった。すぐ行く」

さて。私も準備しなければならない

「失礼します。一年の鈴鹿と言います。ここにミリオさんいます?」

そう。職場体験の準備を


()()()3()が覚えているかどうかは知らないが、実は3年生ヒーロー科は面識がある。というのも、過去にお世話になったとき、私がいる二週間はスケジュールを変更して実技多めに、それもハードなものに変わっていたらしい。

 

リカバリーガールの負担が増え、私の負担も多くなったがそれでも回復に関してはガールから太鼓判を貰った。ガールと違って治癒者の体力はなくてもいいのが大きいらしい。

 

そのせいで見覚えがある人はお久し振りとか言ってくれるし、一部の人からは「こいつがいたからあのとき死にそうに...」みたいな目で見てくるが、それはいい

 

「よく来たね!サーから聞いてるよ!確か職場体験うちに来るんだっけ」

 

「はいそうです。一応先輩には挨拶しといた方がいいと思いまして」

 

「うんよろしく!()()()()()()()()()()()()()

 

「... ()()()()()()()()()()()()()

 

少なくともミリオは覚えていたらしい。実際、一番保健室に来て傷を治していたのはミリオが多い。

 

「2人もまた話したいって言ってたね!」

 

...前言撤回、ビック3は全員私の顔を覚えていた。

 

後日、リカバリーガールに聴くと「そりゃ覚えるよ。あんたが来たから地獄の二週間になってたわけだし」とのこと。

主人公はほけんいいんというせってい

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ようこそバース。ナイトアイ事務所へ」

 

「よろしくお願いします、サー・ナイトアイ」

 

私はみんなと違い、ミリオと一緒に行動する事になった。曰く、「先輩がいるならそいつについてった方が早い」とのこと。合理主義者め...

 

しかしこの職場体験。中々にして面白いものだ。例えば爆豪。彼、ホークスのところからオファーが来ていた。私には来てなかった。

 

順位変動してないのに...と思ったが、そもそも素行がそこまで悪くない上に、上位の成績。鳥人ではないにしろ、空も飛べるからアリなのか...?

 

他に大きく変化していたのは常闇と轟、あと八百万あたり。常闇はホークスのところではなくシンリンカムイのところに。峰田とほぼ同じ行動かな。レディいるし。

 

轟はエンデヴァー事務所からオファーはあったもののこれを拒否。代わりにリューキュウのところに行った。氷と炎、それらと竜はかなりシナジーが合う筈だ。因みにねじれ先輩に連れ去られてた。

 

八百万は将来インターンもいくマジェスティックのところに。どうやら一回戦を勝てたから申請が来たらしい。

 

...こう見てみると大分変化が起こった。死にかけるだろうと言うのが飯田くらいだし、多分その飯田も先生たち及び周りのヒーローがなんとかする。ブラドキング先生が相性悪いくらいか...?

 

「それでだ。君の個性について改めて知っておきたい」

 

「個性...ですか?」

 

ふむ?書面上の個性はちゃんと提出したはずだが、何が引っかかっているのだろうか

 

「個性は身体能力の一部であり、大体は家系から引き継がれる。これは小学生でも習う事だが君の個性はその前提を大きく覆している」

 

「そうなると書面上だけの説明ではなく、本人が把握しているものも含め、君がどういった仕事ができるのか、またどのような仕事が適切なのかを振り分ける必要がある」

 

なるほど確かに。遊びできているわけでなくちゃんと仕事を経験させるというのはスカウトした人の勤めか。

 

「物語を作り、その物語の登場人物の力を使える。一旦万能に見えるそれもいくつかは出来ないはずだ。違うか?」

 

「違くないです。これはまだ、私自身が成長してないからというのもありますが、たとえ成長しても使えないもの、そして使ってはいけないものがあります」

 

使えないもの、例えばミリアラル・ポルクとかが代表例だろう使えなくはないけど使ったところで...という残念なものが使えないものだ。ちゃんと強い呪文なのに...

 

「なら今の君は何ができる?」

 

「そうですね。戦闘ならば近〜遠、盾役までなんでも。サポートは回復から探知、図面があれば木造建築だけはできます。硝子、コンクリート等を使った建築は材料と時間があれば。事務処理ならばパソコン作業は勿論、簿記も出来ます」

 

実際にアンサートーカーでそこら辺の資格は取ってる。

 

「その他として、予知だったり他者に対して戦闘能力の底上げだったり空飛べたり、個性の一部を他人に写したりできます」

 

「話に聞くと多いね⁉︎透過もできたりするかい⁉︎」

 

「透過...出来ないことは無いと思いますが、訓練してようやく使える様にはなるかと。今すぐ使えは無理です」

 

「使えるんかい‼︎面目丸潰れ‼︎」

 

「でも戦闘になったら勝てませんよ。まだ」

 

「まぁね‼︎」

 

「...話を戻すが、それだけの万能個性で逆に何を使ってはいけない?」

 

「人を生き返らせることです」

 

その言葉にミリオですら真剣になる。

 

「つまり、物語で人を蘇らせたと?」

 

「物語上では。...使えるか使えないか、やったことは無いのでわかりませんがおそらく出来ます」

 

「何が必要なんだ?」

 

「...」

 

「勘違いしないで欲しいが、別にその力を行使しろとも使う予定もない。ただ、もし発動条件が簡易なのであればその個性は君が思っているより規制されなければならない」

 

「えぇ、そうでしょうね。ただ、そこの何もない空間から死んだ人を生き返らせる、なんて芸当は流石にないです」

 

「なら条件は?」

 

「条件として1材料となるものを用意しないこと。2決して他人に伝えないこと。約束してくれますか」

 

「約束しよう。ミリオもしてくれるか?」

 

「はい」

 

ふぅーと一息つく。ここから選択を間違えたら即タルタロスでも雄英での実質的な軟禁生活でもなんでも、少なくとも自由はない。

 

「...一応。理論的に。水35L、炭素20㎏、アンモニア4L、石灰1.5㎏、リン800g、塩分250g、硝石100g、硫黄80g、フッ素7.5g、鉄5g、ケイ素3g、その他少量の15の元素等、これを混ぜ合わせて人は作れます。作れてしまいます」

 

「または、一時的なものとしてですが、何も関係ない健全な体と生き返らせたい死者のDNAがあれば、人は簡単に蘇ります」

 

人体錬成、穢土転生。その他にも3.14%に縋ってみたり、ザオリクだったり、中々人を生き返らせるという行為が簡単に出来ているわけで。

 

こう見ると死者蘇生は簡単なのでは...と思えてしまうが死の克服、あるいは黄泉がえりは人類の永遠のテーマだ。しょうがない部分もあるのかもしれない。

 

「その生贄は死刑囚でも無期懲役の犯罪者でもなんでも構わないです。...簡単に出来てしまいますが蘇りをやった先の社会はどうなるかなんて、少なくとも私は経験したく無いです。なのでこれは使いません」

 

「...分かった。なら次に君の個性は上限はあるか?」

 

案外すぐ引いたけど、それはなぜかは分からない。アンサートーカーでも使おうか迷ったが、ただの問答で個性を使うと何か裏があるのではとか取られかねない。

 

「身体強化系は自分の体力を使います。筋力が少ないと効果も薄く、身体強化を重ねがけると筋肉痛が激しくなります」

 

「回復筆頭にその他の個性は個性因子...というより、私はMPと呼んでますが、体力とはまた違う力を使ってます」

 

前にも話したが、この世界はゲームの流行が違う。少なくとも、MP概念は相当コアなゲーマーじゃ無いとピンとこない筈だ。

 

「別に濁さなくていい。その概念は知っている」

 

ピンときてるんかい。ミリオは頭に?を浮かべてるが

 

「MPを消費して色々出来ますが、これは寝たり(宿屋)食事を取ったり(料理)軽食を取ったり(グミ)で回復できます。一応体力も」

 

「把握した。ならバースの仕事は...」

 

こうして、私の職場体験が始まる。

 




何かあった時のリューキュウだったりサーだったり。扱いやすい

使ってはいけないものとして他にも金の錬成は駄目ですね。あとゴンさん化するのも。まぁもう二度と個性が使えなくてもいいなら話は別ですが。

サーにとってバースは恩人だったりします。自分の個性について見直すきっかけにもなり、更にはオールマイトを治した一種のヒーローです。ミリオと同じくらい目をつけるのも分かる気はする。

今回、人体錬成に関しては人を蘇させるではなく人を作ると明言させたのはこの前ハガレン読み直したからです。ナルト?あれは条件ガバガバすぎるから...


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18話

ステイン。本名赤黒 血染。

独自の思想である『英雄回帰』を持ち、その思想を基に活動をする。今までに殺した人数17名、再起不能に追い込んだ人数23人という、オールマイトの存在が犯罪低下に繋がってる世の中において最大級の殺人犯である。

それにヒーローは()()()。オールマイトを始めとし、プレゼントマイク、ミッドナイト、イレイザーヘッドと言った雄英高のヒーロー達が情報を集め、戦力を投じた。

しかし警察は()()()。護送途中に黒いモヤに覆われ、数台の車両が崩壊。これにより負傷者7名、意識不明2名、行方不明3名と決して小さくない被害が出た。

これについて世間では「警察の怠慢」「ヒーローの仕事を奪い取ろうとした罰」といった警察側の批判の声が上がっている。


確かにヒーローは権限の話になると警察の方が上だ。しかし対ヴィランとなると個性という暴力に対し対抗策はヒーローになる。

 

権限的には公安>警察>ヒーローで、力的にはヒーロー≧公安>(越えられない壁)>警察だ。しかも一般社会で公安はないに等しい(触れることがあまりない)

 

しかも今回関わったヒーローであるオールマイトや、今回はいないが子供人気のウォッシュとか、イメージはヒーローの方が圧倒的人気だから、余計に警察のイメージダウンが激しい。

 

それにしても、一体どういう事だろう。原作だとステインはタルタロスに投獄されるはず。それが警察輸送中にヴィラン連合が動くだと?険悪な筈じゃあ...

 

それに輸送中に襲われるのはオーバーホールの時の筈だ。しかも目的はオーバーホールではなく個性消失弾だった。

 

アンサートーカーでも可能性が高いのを示すだけで確定的な答えは出さない。というより緑谷が絡んでる可能性が極めて高いってなんだ。彼たしか一般高だろ。確かに彼の動向は分からないが。

 

と、一旦思考を放棄しつつ仕事をこなす。といっても本日の仕事は警察の治療に向かい、戻り次第パトロール+戦闘訓練+雑用(事務、情報収集etc...)という簡易な、そうとても簡易なものである。

 

今回、治療先が治療先なのでミスは許されない。が、インターンも大事。なので影分身を二体ほど作り、ここに置いておく。分身体は途中で消えないよう、少し力を込める。

 

「では行ってまいります」

 

額に手を当て気を探る。目的の人は相澤先生の気。病院の玄関口に待ってもらう手筈だから探ればいい。

 

「見つけた【瞬間移動】」

 

シュインという効果音でもつきそうな移動をし、分身体が残る。

 

「さて鈴鹿。貴様にはこの書類整理と1人はパトロールを。ミリオ、先輩として引率頼む」

 

先ずは基本から。どこのヒーロー事務所でも行う事を身につけてから別の事をやる。まだ数日しか経ってないこの職場体験で、いきなり基本以外からやらせるのはダメだとの事。

 

この時期は連合との繋がりもなければただの暴力団で、ナイトアイも「範囲内にいる暴力団」としか扱えない。なので変な張り込みをしようものなら逆に怪しい目で見られる。

 

...というより不味い気がする。オールマイトの失脚が治崎の活動活発化原因なのに、その原因が起きるかどうかが不明だ。怪我もなければ今後の怪我も回復できる。

 

最悪、連合のトップが捕まる事が最大の好機と見てくれれば助かるか?

 

それにしても、えりちゃんどうしよう。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「鈴鹿か。悪いなインターン中に」

 

「いえ、向こうに分身体作りましたので職業体験の経験は出来ます」

 

「...ほう」

 

病院に一般人客はほぼいなく、著名人や金持ち、警察やヒーローといったそういう人を専門にしている病院である。

 

受付は先生が基本的にやってくれてるので、私はリストにある怪我の内容を確認する。

 

負傷者の中には単なる骨折もあるが、中には腕がちぎれていたりしている。ワープゲートで無理やり切断でもされたのだろうか?

 

不幸中の幸いなのが千切れた腕が見つかっているところか。無くなってたなら再生の種がいるところだった。あるいは機械鎧。どちらも回復にかなりの時間がかかる。

 

最悪、腕が黒霧の中に残る可能性もあった。ワープゲートは黒霧の体内を経由して開かれるもののはずだから、しまうほどの余裕がなかったのだろう。

 

意識不明者2名に関してはもしかしたら精神的なダメージがあるのかもしれない。精神干渉...か。

 

「いくぞ。まずは重傷者からだ」

 

とことこと後ろをついていく。軽傷者はリカバリーガールやそもそも個性を使わなくても治療できるとの事。そこら辺は案外ドライなのかと思ったが、ヒーロー側も警察何やってんだという細やかな抵抗を感じる。

 

看護婦もいないのか?と思ったが、どうやら出払ってるらしい。おそらく軽傷なヒーローや一般市民の治療に向かってるのだろう。

 

「ここだ。まだ全員麻酔効いてるから、容体を聞きたいなら俺に聞け」

 

あと治療するなら今のうちだと言い、ガラガラと扉を開けると、包帯ぐるぐる巻いている置物が4人。

 

「まずはこれ...か」

 

腕の治療。その部分の包帯を外すと脂肪が傷口を塞ぎかけてしまってる。

 

「まずはくっつけるかぁ...『凝』」

 

筋肉から骨、血管、神経を見るが、やはり脂肪が邪魔してしまっているのでその部分を取り出したメスで切断する。

 

「『念糸縫合』」

 

傷口を物理的に縫い合わせる。ここでのミスは許されない。

 

「...終わり。血管・骨・神経・筋肉ほぼ100%つなげました。次は...」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

治療という部分に関してはリカバリーガールを超えている。というより、治療のみならず一つ一つの個性が多すぎる。

 

例えば先ほど言った『分身』だって、本来ならそれ一つでも個性扱いされる代物。それを目の前にいる奴は自分が持つ一つの個性として扱える。

 

恐ろしい。これが敵に渡っていたら。今はまだオールマイトを超えることはない。まだ俺の抹消で個性を消せる。

 

しかし、これが成長したら手に負えなくなるのではないか?

 

今は『心転身』という技で意識不明者に関する治療行為を行なってるが、その用途、本来は治療というものではないらしい。

 

そしてこれは在学中に分かった事だが、何故ヒーローを目指しているのかが不明だ。

 

体育祭であいつは「悔しいから一位をとる」「一位以外興味ない」と言った感じで体育祭をやったわけではなく、「できるからやった」という感じで体育祭を進めていた。

 

謂わば、芯がない。ヒーローを目指す為の心意気、なった後の心構え、そういったものが。

 

死ぬ気はない、敵になりたくはない、だけど本来はヒーローにもなりたくないのではないか?身の危険があるからヒーローになるだけで。

 

そういった奴は脆い。そしてそれは、やりたくもないことをやらせてしまっている教員にも原因がある。元々、雄英が推薦を送ったのが原因だ。

 

だから、そこを更正させる必要があると同時にそれは外部の協力より自分で気づかないといけない部分だから指導が難しい。

 

「先生、大体の治療が終わりました」

 

「!で、結果は?」

 

「目の前で起きた惨状と自身の怪我がトラウマによるストレスが原因と思われます。結果、脳が起きるのを嫌がってるんだと思います。実際、精神の核の部分も幼児化してました」

 

「個性によるものはないか?」

 

「否定しきれません。しかし、ここからは時間をかけてゆっくり治療をした方がいいかと」

 

「...それもそうか」

 

一応いくつかのプランをばーさんに提案させ、俺もお役御免となる。

 

後日、忘却という解決策で重症者が回復するがそれはまた違う話だ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

平和に終わった職場体験。一応経験したものを日記に書いておく

 

初期 どこの事務所でも行うようなパトロール、事務処理

 

中期 戦闘訓練を行いながらサーナイトアイの名の下に病院での怪我治療及び軽い暴動の鎮圧。激しくなるものに関しては市民誘導。サーとミリオにぼこされた。許すまじ

 

後期 トリアージの設定、個性指導、戦闘訓練が中心。特に個性に関しては影分身を使ったものの為疲労倍増。ここら辺のデメリットも当然受け継ぐ。

 

書いてみると前衛より後衛、支援キャラのような育ち方をしてる様な気はするが貴重な回復キャラ、前衛で死なしてしまうよりは後衛で支援しつつ前衛でも戦える様にということらしい。

 

また、パトロールに関しては「部下を使った方法の方がいい」とのことで、影分身を部下と見立てどの様なパトロールをするのか、見張り込みをするのならどの様な場所で、ビルやマンションの上ならどの様な交渉で、と言ったことを逐一報告させられた。




まさか職場体験がこんなすぐ終わると思ってなかった。あれよく見直したけどステイン関連以外だと多分本当にこんな感じ。

【瞬間移動】 ドラゴンボール 孫悟空

【凝】 ハンターハンター ゴン他

【念糸縫合】 ハンターハンター マチ=コマチネ

【心転身の術】 ナルト 山中いの

活動報告の方にタグに関してのお知らせを貼ってあります


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19話

救助訓練レース。それは職場体験後ということで遊びの要素を含めた授業であり、もし職場体験で身につけた物があったら先生達に見せつけるものである。原作では緑谷が成長を見せつけた。

しかし、本来の職場体験は何かしら進化がある様なものではない。むしろヒーローになってからの事を学ぶため、進化はないに等しい。

筈だったが...

「爆速ターボ改‼︎」
爆速ターボの強化。今までが拡散だとしたらこっちは集中型。ほんの少しバランスが取れていない気はする。

「氷柱・空」
体育祭で見せた氷柱を太く作り、氷で道を作りつつ炎で進む。氷の道と炎の両立はできてない。

...原作でも主人公格の2人が進化しています。これには私もびっくりです。けどなんとなくこうなった理由がわかる。

爆豪は単純にホークスに速度で勝てなかったから。追いつこうとして威力自体はレベルアップしてないけど爆破を一点に纏めたんだろう。

轟のところは2人とも空を飛べる。機動力という点で個性の使い方を見て自分の個性を学んだか。

いずれにせよ、成長したという事実は変わらない。


期末試験。本当に嫌なのは学科ではなく演習であると言わざるを得ない。そもそもマイク先生の様に動かなくてもいい個性持ちに関しては重りの様なデメリットは意味を成してない。

 

更にここにオールマイトの様に動きが遅くなっても...という人もいれば根津校長の様に個性の持ち味は身体能力ではなく頭脳という人もいる。この期末試験、やっぱロボによるものでいいのでは?

 

「「勉強してねー‼︎」」

 

といっても、ロボでは活発化しているヴィランに遅れをとるし、教師陣が身を張ってテストをするのは一番いいのか。

 

勉強は...まぁ個性なしなら私は赤点になる自信しかないが幸い個性ありなのでカンニングさえしなければ問題はない。実習に関しては誰と組むか。そして誰が当たるか。なんかこう、難しいけど頑張ればなんとかなる相手が来い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ロボだって、やったーー!」

 

芦戸がいう。どうやらB組の拳藤から情報をもらったらしい。良かったね。

 

「ロボならブッパで楽勝だぜ!」

 

「そーそー!ロボなら溶かして終わりだし!」

 

「お前らは対人だと調整が難しいからなぁ」

 

けど、今は学生だから良いかもしれないがこの考え方って駄目だよな。一応、ヒーローって対人がメインだし。

 

「これはあくまで予想なんですが...」

 

「?どしたん鈴鹿?」

 

まぁ関わっとくか。ここで関わることによってもしかしたら意識が変わって、調整に少しは練習を割いてくれるかもしれない。

 

そしてその少しの差が赤点を回避できる未来につながるかも知れない。まぁ、休み時間に教科書開いて詰め込むだけでも3点は違うんだ。ソースは前世の私。

 

だから、一週間は空いているのだからもしかしたらの未来があるかも知れない。

 

「ロボだから動作は読みやすいかも知れません。愚直に個性を使えばいいのかも知れません。けどそれをやったら赤点ですよ?」

 

「えぇっーー!?なんでそんなこと言うのさー!?」

 

「そーだぜ鈴鹿!!ロボなんだからブッパでいいだろ!」

 

「私達がヒーローとして戦うのはロボですか?」

 

「えっ?」

 

「犯罪はロボが犯すのではなく、人が犯すんです。あなた達も戦うのは今回はロボかも知れませんが、実戦は人です。ロボで最大出力、脳死でブッパは出せます、人で調整できません...それがまかり通るんですかね?ヒーローって」

 

うっ...となる二人組。正論パンチは痛いんだ。よく分かる。

 

「で?てめーは優秀ですってか?」

 

「爆豪君」

 

突っかかってくるなよ⁉︎必要ないだろ君には⁉︎調整できるし、現に爆破だってレベルアップはしてないけど進化はしてるじゃないか‼︎

 

「そりゃこの雑魚2人よかてめーはいいが」

 

「雑魚っていうな‼︎」

 

「うるせー!調整なんて考えなくてもできんだろうが!」

 

出たよ才能マンと野次っているが、実際に2人には難しいだろう。なんせ個性が強力すぎる。

 

「...で、何が言いたいんです?」

 

「てめーのその上から全て分かってる様な物言いが気に食わねぇ。てめーの上はいねぇとでも思ってんのか?」

 

えっと確か...あぁ、そうか。

 

「...あぁ、成る程?つまり、期末試験の結果でも争ってどちらか上かを決めようとしてるんですか?」

 

「あぁそうだ。体育祭じゃ優勝は決まってねー。けど期末じゃ嫌でも優劣が付く」

 

嫌でも優劣が付く...か。

 

「...えぇ、いいでしょう。決着でもつけましょうか」

 

「てめーが俺より下だってこと思い知らせてやるよ」

 

そう言って教室を出ていく爆豪。

 

けど爆豪。そこで優劣なんて言葉使っちゃダメなんだ。それは自分が下だってことを認めて、けど心じゃ認めたくないという、ただの虚栄心だ。君は自分と同格の存在がいるって思っては駄目なんだよ。

 

或いは一回素直に認めるべきだ。認めて、その悔しさをバネにして私なんか簡単にあしらえる位に成長しなきゃいけないんだよ。

 

No. 1を目指してるなら。

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

期末試験(筆記)が終わり、次は実技試験になる。移動中にルンルンな人も、会場に近づくほど教師陣の人数に首を傾げる。

 

「それじゃ演習試験を始めていく。この試験でも赤点はある。みっともねぇヘマすんじゃねぇぞ。以上!」

 

「な、なんか人数多く無いっすか?」

 

ひぃふぅと数えていく上鳴。

 

「その疑問にお答えするのさ!」

 

「「校長先生!」」

 

相澤先生の捕縛布からひょこっと出てくるのは校長先生

 

「昨年まではロボでの演習だったけど、今年は内容を変更してしまうのさ!」

 

「へ、変更って...」

 

ヨイショという感じで降りてから、真面目な話をし始める

 

「君たちもニュースなんかで見たと思うけど、ヒーロー殺しステインの事件を後一歩というところで逃してしまった」

 

ヒーロー殺しの名前が出たところで全員が話を聞く姿勢になる。私も少し話に興味が出てきた。何せ、この話は本来公には出てこない話であり、ヒーローが正規の活動を行ったから話せるものでもある。

 

「これは我々ヒーローと警察の責任だから君達に影響を与えるものでは無いけど、今後ヴィラン活動が活性化した時、或いは徒党を組んできた際。ヒーローの卵たる君達が雛で終わってしまったり、数に押し負けたり、最悪卵のまま割れてしまったりすることはさせない」

 

「故に、より実践に近い教育を重視して、今ここにいる私含めるヒーローに二人一組で戦闘を行なってもらうのさ!」

 

「せ、先生方と⁉︎」

 

「なお、ペアと対戦相手はこちらで決めた。成績や相性何かで決めたからな」

 

じゃあ発表していくぞ名前を読み上げる。

 

確か轟と八百万が相澤先生だったり、緑谷と爆豪がオールマイトだったり。つまり私は救われないのか。

 

「轟、八百万ペア。相手はエンデヴァー」

 

「...は?」

 

オールマイト相手に...ってちょっと待て?

 

「エンデヴァー...⁉︎」

 

ざわつく生徒。そうなるのも仕方ない。いきなり先生という枠組みを外れ、更にトップと戦うんだから。

 

「質問よろしいでしょうか⁉︎今回、テストは教師の方々と我々が戦うのではなないのですか?」

 

「雄英にも教師は多くいるが今回は今回だ。お前らだけこの形式のテストをするわけにもいかないし、上級生やB組もテストがある。だから外部の方を呼んだ。エンデヴァーは教員免許は持ってないが特例として参加してもらった。採点はやることやれれば問題ないから安心しろ」

 

「成程...回答、有難うございます!」

 

(まぁ本当は体育祭後、こってり絞られたその償いで参加してもらった訳だが黙っとこう)

 

「耳郎、口田ペア。相手はマイク」

 

あっ、原作通りの場所もきちんとある。良かった。本当に良かった。

 

「瀬呂、峰田ペア。相手はミッドナイト」

 

「飯田、尾白ペア。相手はサーナイトアイ」

 

「鈴鹿、爆豪ペア。相手は「わ〜た〜し〜が〜きた‼︎」

 

「オールマイト⁉︎」

 

爆豪が驚くのも無理はない。私は逃げ出したい。さりげなくナイトアイいるし。

 

「協力して勝ちにこいよ。お二人さん」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「まず対戦相手ですが、八百万は万能ですがこれという決断を出すのに一歩遅れる。轟は個性こそ強力ですがそれ故、力押しの傾向がある。よって俺が視てその弱点を突きます」

 

「「「意義なし!」」」

 

「いやまった」

 

「校長?」

 

「せっかくの新しいテスト形式だ。この際、これを使っちゃおう」

 

校長の手から出てきたのは携帯電話とどこかで見たボイスレコーダー。

 

「我々教師だけで育てるのではなく、新たな可能性を拡げるため協力して貰おうじゃないか」

 

「けど、それ相手も時間取れますかね?」

 

「だからこそのヒーロー応援システムさ」

 

ヒーロー応援システム。もし強大なヴィランが襲ってきても甚大な被害を出さないように各都道府県に公安ヒーロー含むヒーロー事務所の支店を設置。

 

ヒーローの戦力偏り(例えば東京にヒーロー事務所が多くあると地方が襲われた際にすぐに救援に行けない)を無くすため、ヒーロー及びサイドキックを支店に必ず配置する必要がある。

 

要はミルコ(事務所無しで全国飛び回ってるヒーロー)の事務所あり版。連絡をスムーズに取れるし、ヒーローの需要と供給のバランスが良くなり始めた。

 

なお、雄英が襲われるまでこのシステムは仮案であり、支店はあるもののサイドキックやヒーローはいない状態だった。

 

「このシステムを作ったおかげでもし不在中に地域を襲われたとしても他のヒーローがすぐに出てくる。それに...」

 

「それに?」

 

「エンデヴァーは僕にトラウマを持ってるはずさ」




小説版では例えば八百万から勉強を教わってたグループの話とか爆豪の中学の話とかあるんですが、今回はあくまで漫画の場面のみで。いずれか小説の話も出してみたいけど...って感じです。

サーが出てきた理由は次の話のバス移動中にでも。


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20話

実はアニメと漫画ではこのテストは少し異なる。アニメでは1組ずつスタートで漫画では一斉スタートである。今回は漫画準拠らしく、バスの中では爆豪とオールマイトが離れ離れにいる。

私は少し聞きたい事があったのでオールマイトに聞いてみる

「サーがテスト試験監督にいましたけどオールマイトが推薦でも?」

「その通りさ鈴鹿少女!人員不足というなら、私からも何かその援助ができないか考えてね!」

「成程」

と言っても、尾白飯田ペアでサーを打ち破る未来予想が描けない。尾白が引き付けて飯田がその間にゲートを通れるか。その速さすらも個性で前もって封殺されるか。

後はエンデヴァーか。この移動中にもギスギスしてて八百万が可哀想である。オロオロしてそう


さてルールの確認といこう。

 

その一、制限時間は30分。その間に指定されてるゲートを通るかカフスをつけるか。カフスはつけれればどこでも良い。

 

その二、ゲートは一人通れば良く、ワープ系統はゲートを通った事に含まれない。但し、戦闘においてはその限りではない

 

その三、ヴィラン側はハンデとして自体重の半分の重りを装着する。

 

その四、到着後ルール説明の後、10分後スタート。その間、ヴィラン側は生徒の作戦などを盗み聴きしてはならない。

 

その五、生徒、ヴィランは所定の位置スタートとする。

 

オールマイトの説明に疑問点はなく、解散となった。

 

問題はここからだ。

 

「さて爆豪君。君はどっちを選びたい?」

 

「決まってんだろついてくんな」

 

これである。

 

「とはいっても、私も赤点取りたくはないんですよ。せめて捕まえるか逃げるかだけでも教えてくれませんかね?」

 

「ぶっ倒すに決まってんだろが‼︎」

 

「倒すんですね」

 

「そういってんだろカス‼︎」

 

いってねーよ。

 

「はぁ...算段は?」

 

「あっ?」

 

「えっ?まさかオールマイトを策なしで倒せるとか思ってます?」

 

「そんなわけ「嘘はダメです」」

 

「怯えを隠すのもいい。実力を誇示するのもいい。曲げない意志を持つのもいい。けど嘘をつくと人は誰もついてきませんし、何より自分が虚しくなるだけです」

 

「だから、私が組んで対オールマイトという勝率0%から1%を作りますので、その1%を引いてください」

 

お願いしますと頭を下げる。流石に策なしでオールマイトは勝てないし逃げられない。

 

しかも今回のオールマイト、原作時より実質強化されている。私が怪我を治したからだ。

 

「...」

 

頼むよ爆豪。一緒に組んでくれ。私単騎だったら逃げでも戦闘でも無理だと答え出てるんだよ。

 

逃げでも組めば50%の確率で逃げれるが、逃げ前提で組んでくれるとも思わない。だから、ここは共闘を頼むしかない。

 

「...わぁったよ」

 

「‼︎」

 

「但し、最初の5分は俺にやらせろ」

 

「まぁ...いいでしょう」

 

というわけで作戦を伝える。

 

「てめぇ...あんだけ啖呵切っときながらなんだこれ...舐めとんのか?」

 

「しょうがないでしょう?逃げなら70%から80%ぐらいで成功する作戦を戦闘で0%から1%にしたんです。しかも相手はオールマイト。未知数です」

 

当然数値は盛る。本当は1%もない。逃げも50%しかない。ただこの世界では、オールマイトは君の本当の強さを知らないんだ。

 

時間なので所定の位置に着く。頼むぞ、君の活躍に大きく掛かってるんだ。

 

『皆位置についたね。それじゃあ今から雄英高一年、期末テストを始めるよ!レディィィ...ゴー‼︎』

 

ドゴォォォーーー

 

始まった‼︎開始からものすごい威圧感である。そしてそれにビビっている私がいる。

 

「さて、脅威(わたし)がいくぞ!」

 

けど、けどあの時(死にかけた)程じゃない、動く事はできる‼︎

 

「頼みます‼︎」

 

閃光弾(スタングレネード)

 

閃光弾が炸裂し、一瞬だが視界が奪われる。その隙に

 

「【剃】」

 

私は逃げる。頼んだぞ、爆豪‼︎

 

「おや?一人逃したが、別にゲートに向かってるわけじゃない...で、君は一人残るのか?」

 

「そーだよ、あんた倒してそれでしめーだ‼︎」

 

弱連打...というよりAPショット・オートカノンを打ち続ける爆豪。

 

「そんな爆破‼︎」

 

私には効かんとばかりに突っ張ってくるオールマイト。

 

「正面突破かよ...‼︎」

 

まずいと距離をとろうとするが顔面を掴まれる

 

「君を早めに倒して彼女を探したほうがよさそうだ」

 

「あふぇふぇんふぁふぇーよ(舐めてんじゃねーよ)」

 

と、連打連打と爆発させるもののオールマイト相手にダメージはない

 

「意味がない‼︎」

 

と背負い投げをする

 

「カハっ‼︎」

 

受け身も取れずダメージを負ったその瞬間、爆豪がボフっと()()()

 

「⁉︎」

 

「こっちだオールマイトォ‼︎」

 

と、ビルの屋上から手榴砲着弾(ハウザーインパクト)を勢いよく放つ。

 

(成程、今までのは鈴鹿少女の一人芝居か!)

 

恐らく分身と変身。どちらも見たことがある。しかしそれにしたって

 

「首筋一点狙いは私相手に通じるかな⁉︎」

 

決して遅いわけではない、ただオールマイトが強すぎるのだと。

 

(んであんな体勢崩してからこっち見てんだよ⁉︎)

 

しかし技は中断できない。してしまったらモロに反撃を喰らってしまい、逆にダメだ。

 

オールマイトは冷静に腕の装備を掴んで地面に着弾させる。逆立ちみたいな体勢にしてから

 

「隙だらけだぞ少年‼︎」

 

無防備な横腹に蹴りを浴びせる

 

「...‼︎」

 

吹っ飛ばされ、ビルを貫通していく爆豪。

 

「さて探すか...ってうお⁉︎」

 

飛ばした先から瓦礫が飛んでくる。

 

「こっちだオールマイトォ‼︎」

 

「ちょ、案外タフだな君⁉︎」

 

今度は連射力はないが一発の火力は高いAPショット。

 

(まずいな、こんだけ時間がかかるとゴールに向かわれる‼︎)

 

ヒーローは一人ではない。二人なのだ。一人だけにかまけていたら試験は終わってしまう。

 

「こういう時は...逃げる‼︎」

 

 

「あっ‼︎待てやオールマイト‼︎」

 

逃げというより、相手にしないが正しいが。というより、ここら辺は爆破の影響なのか、息苦しく感じる。場所も変えたい。

 

(くっそ、全速力なのに距離が空く‼︎)

 

職場体験でホークスの速さについていけなかった爆豪はホークスをみて(チームは速攻で見切りつけた)技術を盗み、自分なりに改善した。

 

勿論最終日まで仕事は全部取られたが爆破の種類、空中姿勢etc...様々な物を得た。

 

が。

 

「ここで追いつかなきゃ意味ねーんだよ‼︎」

 

今まで貯めた爆破を一点に集中させ、加速させる。幸い、敵が先に道を破壊してくれてるのだ、被害なんてクソ喰らえだ。

 

「‼︎」

 

後ろを見せて逃げていたオールマイトの腰に頭突きをかました。

 

「くっ...⁉︎」

 

「捉えたぞオールマイトォ...‼︎」

 

ただ、もう時間だ。しかし、一発だけでもオールマイト相手に叩き込むことはできた。

 

「やってくれたな爆豪少年‼︎」

 

お返しだとばかりに殴りかかるオールマイト。もう避けるほどの気力はない筈だ

 

「【チャージル•セシルドン】」

 

「盾...‼︎鈴鹿少女か‼︎」

 

盾にひびを入れるが、そのひびもすぐに直る。直ると先程より硬くなる。厄介だ。

 

「【ケアルガ】」

 

爆豪の傷を癒す。

 

(個性も身体機能の一種、癒せばまだ動ける筈)

 

ただ、精神的疲労は取れないか。けどタフな爆豪なら

 

「しかし、君ならまだ動けますよね」

 

「たりめーだ」

 

「ではいきましょう」

 

盾を解除し、相対するヒーローとヴィラン。先に動いたのは

 

「それは罠だろ‼︎」

 

オールマイトである。ただ馬鹿の様に突っ込むのではなく、パンチの風圧で近づかせない様にする

 

「くおっ...‼︎」

 

「わざわざ盾を解除したんだ、罠か何か貼ってるんだろ?」

 

このままでは飛ばされてしまう

 

「【おいかぜ】」

 

「ーーそよ風かな?」

 

が、話にならない。

 

「おい、もっとつえぇ威力ねぇと話になんねぇぞ‼︎」

 

「【竜巻】」

 

筆技を使い、どうにかして風の流れを変える。何とか元に戻せた様だ

 

「APショット‼︎」

 

「【爆炎】」

 

メラメラは時間がかかる。即座に打ち込むことができ、かつ高火力な技はこの辺りか。

 

「ーーこの程度か?ヒーロー」

 

「「なっ⁉︎」」

 

 

 

 

 

 

 

因みにここはオールマイトが本気を出して二人を地面に押さえつけた。ハンデである重りは溶けたし爆破した。から、予想以上にオールマイトの速度、威力が上がりアンサートーカーの予想範囲から外れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あ…ありのまま今起こった事を話すぜ!

 

「私達は奴を燃やして爆破しようと思ったら伏されていた」

 

な…何を言っているのかわからねーと思うが私も何をされたのかわからなかった…

 

「ーーさて、もう終わりかな?」

 

動けない。が、後一回技は発動できる。最悪、私だけでも逃げれる。

 

「クソが...‼︎」

 

動けない。が、爆豪の意識はあることがわかった。だったら、二人で勝ちに行きたい。

 

「さて、もう終わろうか」

 

動けない。が、首くらいは動かせる。

 

「まだ、まだ終わらせねぇよ...‼︎」

 

動けない。が、先ほどの場所は()()()()()()()()()()()()()()

 

「結局君達は、私を倒すことしかなかった様だな」

 

そして、この空間は既に密閉されている‼︎爆豪が時間を稼いだ、あの5分で用意した【四赤陽陣】内の空間は、多少の酸素、そして可燃性ガスが充満している筈だ‼︎

 

「【バオウ・ザケルガ】‼︎」

 

これは賭けだ‼︎一部でいい、壊れろ四赤陽陣‼︎

 

「⁉︎何を⁉︎」

 

「‼︎...ぶっ壊れろォォォ‼︎」

 

パリーンと状況に似合わない破壊音。無事壊れた瞬間、凄まじい爆風が空間内を襲う。

 

「⁉︎」

 

結界師で学んだ知識、それの状況再現だ。

 

オールマイトは離れたが私はもう技は使えないから、後は爆豪に託すしか無い。

 

「爆速ターボ改‼︎」

 

それでいい、それで捕まえてしまえ‼︎

 

ガチャンと手錠が付いたことを認識し、私の意識はなくなった。




この女、あんだけ爆豪には嘘をつくなといっときながら自分は平然と嘘をついてやがる...⁉︎

「ガッシュ2やって⁉︎こんなのみるしかないやろ‼︎楽しみやな!」
             ↓
「                           」

「四赤陽陣 NARUTO 火影」

「ケアルガ FFシリーズ 白魔道士など」

「おいかぜ ポケットモンスターシリーズ ペリッパーなど」

「竜巻 爆炎 犬神 天照大神」

「バオウ・ザケルガ 金色のガッシュ‼︎ ガッシュベル」


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21話

注意  今回、最新巻である34巻のネタバレがあります。気を付けてください。ガッツリ出ます。まだ見てない!という方はブラウザバックの方よろしくお願いします。











「...で、最後の最後まで隠し切ってなんとかテストは合格...だと思うけど」

話を聞いたのは尾白のペア。どうやら、尾白が敗北覚悟の突撃をかまし、凌いでる間に飯田がゴールしたらしい。

言い切れないのはもし相手がヴィランだったら死んでいた事。飯田の案である協力して何とかする作戦は、具体的な案がないから却下したが、時間があれば具体的なものが出来たのではないか?との事。

まぁ、合格点はもらえると思う。それを言うなら私たちのところだって一番いいのは逃げ切りだ。勝てたのは最後、爆豪がプルスウルトラしたからだ。

因みに八百万のところは最初轟親子が険悪でどうしようかな迷ったらしいが、試験は別と割り切っていたので良かったですわとの事。

内容自体は拘束具は燃やされる為、対相澤先生のようなことはできない為、火をエンジンとしたバイクを作ってダミーと一緒に走らせてゴールしたとの事。

「もし轟さんの火力がエンデヴァーの火力に押し負けたら負けてましたわ...」

かなり切迫した状況だったらしい。エンデヴァーは火力は負けてるものの炎の使い方が上手く、炎対炎の勝負は引き分けまで持って行ったらしい。流石No.2


「というわけで、林間合宿には全員行きます」

 

「「「「どんでん返し来たーーー‼︎」」」」

 

テスト不合格者は五人。確認するまでもないが、あの五人だ。頑張れみんな、そこは安全地帯だ。

 

「それと、実技の方には各自配点とアドバイスが紙にあるからしっかり読んどくように。特に爆豪、鈴鹿‼︎」

 

「「‼︎」」

 

「試験は確かにカフスを付けたら終わりだが、ヒーローはその後の処理もある。逃げを選ばずに戦うことを選んだなら、後処理も出来る様に体力を残すか、疲労で倒れない立ち回りをしろ。...分かったな?」

 

「...チッ」

 

「はい」

 

正論である。ドが付くほどの正論である。

 

...あれ?()()()()()()()?てっきり相澤先生なら強敵と戦う、勝てない相手だと分かったならその時点で引け、みたいな事を言いそうだと思ったけど、戦う事は許容したのか。

 

...今回はオールマイトが対戦相手だから良かったものの、これが対ヴィランだったらまず間違いなく私達は死んでいたはずだ。

 

生徒の命が一番である相澤先生がそんな事を言うのは、この二人はもうそういう二人だから、指導しても最前線で命を張るから、いっその事オールマイトを越えるヒーローを育成しようとしてるのか?それとも何か裏があるのか...?

 

どっちにせよ。た、退学扱いされなくて良かった...‼︎本編で退学扱いされた人達は見たけどどうやって復学してるのか未だわからないし...‼︎セーフ‼︎

 

それから、試験はどう言ったところを見ていたのか、合宿の日時の確認がされ本日は終了。そこから女子が八百万の席に集まり、私も流れで集まった。

 

そう、話の中で長期外出禁止令が出たのだ。具体的には家族旅行とか控えてね、買い物とかは近くのデパートとかショッピングモールで済ませてねとの事。

 

確かアニメの方でそんな話があったはず。詳しくは覚えてないが、この話が今そこに帰る準備をしてる峰田の耳に入ってアニオリが始まるはず...あれ、確かこの時、机で伏してたんじゃなかったか?覚えてないなぁ。

 

と、そこから軽く話をして今日は解散。夏休みに遊び目的(日光浴)でプールに行く約束をした。わーい。

 

...おいちょっと待て⁉︎私、ショッピングモールのお誘い来てないんだけど...⁉︎どないすんねん死柄木イベント⁉︎

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

思わずエセ関西弁が出てしまったが、よくよく考えてみたらそういえば私と死柄木の接点はない。

 

本編、ショッピングモールで会ったのは内通者の仕業だってのは分かるし、よくよく考えたらあの場所に買い物に行ってますよ‼︎あと今現在の合宿先はここになりますよ‼︎みたいな事を言ったんだろうなぁ青山君。

 

あの時、確かショッピングモールで会った時は偶然を装ってたけどあんなピンポイントで会うなんてそうとしか考えられない。或いはただの主人公補正。

 

...思い返してみるとショッピングモールに青山君がいないのか。大体のメンバーがショッピングモールにいたはずだが、確か彼はいなかった筈だ。

 

事情聴取に掛けられるのを嫌がったのか?彼、ポーカーフェイスとか出来そうだけどな。実際クラス騙してるし。ペテン師の才能あるよ、彼。

 

そして実際、緑谷がオールマイトの後継者かもしれないということでAFOあたりが死柄木に命令したんだろう。

 

確かこの時は接触回数も一回のみだし、話を聞く、或いは体育祭の映像を見たドクターから情報を聞いて9割確信は持ってたけど1割自信なかったんだろう。で、本人の中では確定したと。

 

けど、私USJで死柄木と会ってない。彼の目に留まる事をしてないのだ。

 

青山経由で回復持ちがいるってバレるかもだけど、実際治してるのを見てるのはUSJの後と体育祭でちょくちょく治したくらいでクラスでやばい怪我負った人もいない。

 

要は、内臓が治るくらいの大回復を見せたことがない。そんな状況で一か八かで接触を図ろうとするか?

 

だからイベントが起こらない可能性の方が高いのではないか。私はそう思うことにして、ショッピングモールの誘いはのらない。決して誘われないから孤高を気取るわけではない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「暇だ...」

 

本当に誘われなかった。解散から林間合宿が始まるまでの期間、学校でリカバリーガール監修の元トリアージの設定訓練や結界を使った第一避難所の作成など、仮免で必要なスキルを学んだ。

 

やってる事は職場体験みたいな感じだが、今体験していると、あぁ、あの時のは無駄じゃないんだなと思う。

 

決して誘われないならせめて仮免は簡易に取れるように今のうちにズルをしようとかは誓って考えてない。私保険委員だし。17話のとあるところに透明文字入れてるし。

 

他にも轟や爆豪、切島経由で鉄哲やその鉄哲経由でB組面子と戦闘訓練をした。言うなれば合宿の前準備だ。

 

監督してくださったブラド、相澤先生には感謝だ。けど、これで多分あの二人もどの様に指導していけばいいかの指標が立った事だろう。

 

なぜこんな事をするのか。合宿先が変更してないのである。人員、というよりあの四人組は付き添うのか分からないが、少なくともあの山で行うのではない。付き添いはありそうだけどな。

 

本編ではショッピングモール事件、エンカウンターは案外軽視されがちかもしれないが、実際に生活してみるとあれは滅茶苦茶重要な事件なのである。

 

でも考えてみればそうだ。関係者からすると

 

1 AFOがバックにいるヴィラン連合とステインが組んでる(この世界と本編を比べるとステインの身柄を強奪するくらいには強い関係に)

 

2 個性の関係上、その気になったら多数の人が崩壊させられていた(地盤を崩壊させるだけでも建物が崩れる。人が瓦礫に潰される)

 

3 その若頭がOFA所有者の子と接触した(オールマイトと塚内さんからしたら肝が冷える)

 

4 話聞く限り今までふわふわしていた「動機」の部分が出てきた可能性あり(打倒オールマイトはなぜ?その先は?調べてみました!)

 

5 最悪な事に覚悟決めた。今まではNルート。今度はGルートいくらしい

 

くらいに必要な情報が詰まっている。流石にこの時点で内通者がクラス内ということは分からないが。

 

で、話を戻すとそこで生徒と接触があったら危険回避も含めて合宿先があの場所となった。今までの合宿先ってここなんだ...って栞を見て思った。

 

戦闘訓練では私も一つ気づいたことがあった。というか相澤先生に言われて気づいたが。それは今まで私は10万ボルトを使うのにPP消費が2とか3とかだったという事だ。無駄がある。

 

代わりに威力が高かったりすれば話は別だが、技威力が同じなのだ。これではガス欠も早くなる。

 

だから、合宿ではステータスを伸ばす。この訓練では調整をすると言ったふうに分けていく。

 

...あの、相澤先生?影分身は確かに経験値は得られるけどその分疲労も同じように溜まるしチャクラは振り分けるんですけど?えっ、「プルスウルトラ」?死ぬが?

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

〜〜空港〜〜

 

「まさか北海道まで行くとは...」

 

これには私も予想外である。薄々、というよりプールで遊んでたあたりから思ってた。これ北海道行くなと。

 

北海道で美味しい海鮮食べたいよねー!とか話してんだもん。あれ、バスで移動するのに北海道...?って宇宙猫になったし。そしてこの合宿先になった事で救われなかった子が一人いる。

 

【悲報】洸汰君、闇堕ちルート

 

ワイルドプッシーキャッツはいないのである。雄英の先生数人とB組、このメンバーで北海道の山奥で修行パート改め個性強化訓練が行われるのである。

 

流石に関わっていない子のことまでは救えない。洸汰君は犠牲になったのだ、私の楽しみというものにな。




なぜ北海道なのか

夏暑い→せめて気温が低くて、広大な土地があるところ→なら北海道では?安易な考え。雄英だったら学校以外の土地の一つや二つあるやろ

水着シーン?準備シーン?カットじゃ。洸汰君のシーン?だってエンカウンター消えたし。あの話があったから合宿先が変わってワイルド達のいるところになったわけだから。

次回からは訓練。魔入りました!入間くんの修行シーンを見習いたいところ。


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22話+閑話3

今思うと、土からできたゴーレムイベントは外部コーチに生徒の実力を見せる為のものである。というのを認識した。

移動は普通にバスに乗って合宿所ついてご飯食べて午後は目的の説明、爆豪がボール投げで『804.7m』を記録して、個性自体は伸びてない事を実感させた。

因みに原作では709.6mだが、ここまで伸びたのは爆速ターボ改の影響である。最も、改があるなら1200mはあるだろうと思われていた。私も1km付近の記録で原作の期待に応えられるかとワクワクしてた。爆豪さぁ...

そして翌日の朝5時30分。ここから合宿が始まる。そして明日、予定通りなら襲撃イベントが行われる。

ーーそういえば、私がいたから地獄の二週間ってリカバリーガールが言っていたっけ...ーー


私の場合、MPを消費するという表現だが消費すると個性の出が悪くなる。大技が使えなくなる。MPの最大値増幅は必要な要素だ。また、MPの適切な量を使用するのも必要な要素だ。

 

また、私には身体強化個性もある。前にも言ったが、身体強化は私の元の筋肉を元にしている為、筋肉はあればあるほどいい。肉体改造も必要な要素だ。

 

体を動かすと筋繊維が傷つく。個性を使うと個性因子が傷つく。個性に必要な器官を使うとその部分が傷つく。傷ついた部分を回復させてまた傷つけてを繰り返すのが強くなる秘訣だ。

 

しかし現実には傷ついて回復させるのには時間がかかる。悟空だって三日特訓三日休みというサイクルを回してたし、アイシールド21ではデスマーチで二日トラック押し1日休みのサイクルを回していた。

 

ーーしかし私の個性の中には回復の個性があるわけでーー

 

何が言いたいか。筋繊維が傷ついてこれ以上は怪我につながる瞬間から肉体が回復する。(ベホマ)個性因子が傷ついてこれ以上は個性が使えなくなる瞬間から個性因子が回復される。(MPパサー)

 

肝心の私のMPだが、テイルズシリーズお馴染み料理を食べる事で回復する。マーボーカレーを作る私、マーボーカレーを食べる私、筋トレに励む私、回復要因の私達、先生方に影分身から得た情報を渡す私、最低5人の私がここにいる。

 

しかも回復要因の私達は分身体で、保有するMP(チャクラ)をうまく使って回復に充てている。

 

上鳴にはMPパサーよりザケルガで電気をチャージさせているみたいに人によっては少し違うチャージ方法もあるが、その時はその時で合わせればいい。

 

つまり、本来なら必要な()()という時間を0にする事が出来る。成長の壁を最大威力で壊したらその壁より強固な壁を最大威力で壊す羽目になる。

 

分かりにくいならパワプロやウマ娘で練習レベル最大化と常時体力最大、怪我率0をやらされているようなものだ。やってる側は楽しいだろうがやらされてる側はたまったもんじゃ無い。

 

私の壁?そらもう筋肉とMP最大値と効率化よ。

 

私の分身体は当然MP(チャクラ)が0になると消える。疲労と共に、回復技で培う効率化の経験値が貯まる。マーボーカレーでMPを回復する。また分身体が産まれるのサイクルを回している。

 

オリジナルは何をしているのかというと、筋トレをしているのが私である。因みに分身体をいくら増やしても筋力トレーニングは効果無いようなのでこればっかりはオリジナルがやるしかない。おのれ。

 

「そこ止まってるぞ‼︎」

 

「うす...‼︎」

 

筋力トレーニング全般はブラド先生担当である。つゆちゃんのような異形系、轟のような発動系と計3担当あり、発動系は相澤先生が、異形系はオールマイトと13号先生が担当している。

 

異形系は本来は13号先生のみが担当する予定だったが余りにもオールマイトの指導が下手だったらしく『二学期が始まるまでに少しでも指導慣れを』との声が。

 

まぁ、多分オールマイトはなんでも出来るがために「なんでわからないのかが理解できない」みたいな感じなんだろうなぁと思いつつ、筋トレを行う。

 

けど少し笑えるな。平和の象徴が指導について怒られるなんて。ヒーローは先生ではないから指導が下手でもいいと思うが、先生になった以上、一定の指導力はないといけないか。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

おかしい。合宿から一週間が経過したが一向に連合が来る気配がない。

 

合宿期間は二週間。原作だと合宿開始三日目で襲われてたから三日目は各所に分身体を置いて連合を探っていたのにも関わらずどこにもいなかったのはどう言うことだ?

 

いや、もしかしたらオールマイトがここにいるから手が出せずに撤退したか...?可能性は否定しきれない。

 

しかし、大分個性が強化された。今ならシン級二発程度なら出せそうだ。逆にシン級の呪文二発でガス欠を起こすが。

 

それに原作より倍以上長い期間、B組と暮らしているからかA組も大体B組の事を理解してきている模様。

 

良い傾向だと思う。やはり少年漫画、ライバルの存在は必須だ。

 

「さて、この合宿も折り返し地点だ。今日から少し趣を変える」

 

「‼︎もうやらなくていいんですか⁉︎」

 

芦戸、補講も兼ね合ってるから辛いのはわかるがまるで罰ゲームみたいな...

 

「やらなくていいわけではないが、密度は落ちる」

 

「やったーーーー!」

 

罰ゲームみたいじゃないか。

 

「さて、先ずは...爆豪」

 

「?」

 

相澤先生から投げられたのはボールだ。またボール投げか?

 

「やってみろ」

 

肩を回し、気合を入れて投げる。記録は...

 

「1605.8m」

 

「うおぉぉぉぉ⁉︎大分記録伸びてんじゃねーか爆豪‼︎」

 

これは私も驚いた。ちゃんと合宿の効果があるんですね...いや、修行パートだから伸びてもらわないと困るがここまでとは。

 

「君たちの個性はこの一週間で成長した。勿論残りの期間も伸ばし続けたいが、そうもいかない」

 

?伸ばせるなら伸ばした方がいいと思うが、違うのだろうか?

 

「本来、この合宿は個性の強化に加え個性に慣れる事が目的だ」

 

個性に慣れる...?まだ見えてこないな。周りもピンときてない様子に、相澤先生は付け加える。

 

「君達が生きてきた十数年の中、個性を使う日はどれくらいあった?」

 

あー...そういう事か。

 

轟の様な毎日訓練みたいなところは置いといて、一般生活の中では個性なんて使わないのが普通だ。使うとしても生活の中のほんの一部分で。

 

私も高校入学前で個性を使ったのはテスト時のアンサートーカー位で、後はミリオとかがやってた様な個性テストぐらいなものだ。

 

確かに、個性を使う日と使わない日、どっちが多いかと問われれば使わない日の方が多いな。まぁ、法で規制されているというのもあるのだろうけども。

 

「察した様だな。個性に慣れ、更に成長を促すというのがこの合宿だが、その先も行う。明日からの期間はコントロールを覚えてもらう」

 

相手が自分と比べて50の力しか持ってないのにわざわざ100の力を使う必要もない。51を使える様にする訓練をするらしい。

 

確かに必要な事だ。無月を虚に打つ必要ないもんな。月牙でいい。

 

「というわけで今日は一日休み。好きに英気を養え。以上、解散!」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

とある病院の地下。ここには脳無の実験といくつかの実験室がある。その内一つは今、その実験室が使われている。

「先生...本当にいいのか?」

 

「ああ、勿論だ。成功確率は5%にも満たないし失敗するだろうけど、時が経てばそれは100%になる」

 

「...それもあいつ自身の問題だろ」

 

「いいや弔‼︎考えてみろよ、彼は元はオールマイトと同じ境遇で、同じ個性持ちに頼んだんだ‼︎これは運命的なものがある」

 

「運命ね...先生らしくない」

 

「時にはそういったものに縋ってみるのも悪くない。そして彼とオールマイトの違いは次だ」

 

「個性を渡されたかどうか」

 

「そう。あいつは渡された。けど彼は渡されなかった。もし彼に個性が渡ってたなら、僕らにとって最大の障害なり得た筈だぜ」

 

「あいつが...最大の障害ねぇ」

 

「現に無個性の子であそこまで異常な適性を持つのはそういない。」

 

死柄木弔とオール・フォー・ワンはガラス張りの部屋の前にいる。

 

その中にいるのは緑谷出久。ストックし、コピーしてある個性の内有能な個性を出久に植え付けている。

 

「一つだけ個性を渡すならこんな事はしないが、生きたまま複数個性持ちを作る事ができる可能性を持つ個体でもある。ドクターと僕で緻密な計算、そして適切な治療を行う必要があったが...どうやらもう、僕なしでもなんとかなりそうなのでね」

 

「...本当か?」

 

眼前には筋力増強と回復を促進させる個性で筋力の増強をしつつ、得体の知れない液体を注入されては暴れてる姿がある。

 

まるで脳無の様だ。抹消個性を使われてもいい様にオールマイト級の破壊力を持たせつつ、先生の様な複数個性。それでいて脳無と違い、自分の意思で動く。

 

脳無を作ったのは先生とドクターなのだから先生の智が必要ないとは思えないが、そう言っているのだから、多分それが正しいのだろう。

 

「まさにコミックの主人公の様な熱意とタフさ、そして特異性...こんなのは敵に回れば恐ろしくてしょうがない」

 

「はっ...主人公は言い過ぎだ先生」

 

「ん?」

 

「もし主人公なら...こいつはオールマイトに選ばれてなくちゃ物語は始まらない」

 

「確かに。...さて、君と話すのもこれで最後になる。」

 

「いくんだな、先生」

 

「あぁ。君は新たに得た駒でやりたい事をやればいい」

 

といっても、やれることは少ない。現に自分が持つ駒というより今は療養中のステインの駒なのだ。それを自分のものにする為に時間が必要なのだ。

 

ワープを使って例の場所...監獄タルタロスに向かう先生。成功率は高くない。きっと失敗してしまうだろう。最初の奇襲は失敗、途中の襲撃はやる前に頓挫。更には巨大な戦力も失う。散々だ。

 

けど、最後に勝つのが俺らであるなら、それでいい。




正直BLEACHの雪緒の存在すっかり忘れてた。けどまぁ合宿の場を生徒に任せるのも変な話ですね。なので「場は整えるけど回復での時短は任せる」という感じで。

主人公は動かしやすいですね。何かあっても「主人公補正」で切り抜けられますし。個性「主人公補正」ってものがあってもおかしくないですね。

「ベホマ ドラゴンクエスト 僧侶など」

「MPパサー 同作品 パラディンなど」

「無月及び月牙 BLEACH 黒崎一護」


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23話

個性コントロール。それは原作で一番ポイントが置かれてた部分といっても過言ではない。

緑谷がこのコントロールにどれだけ時間を費やしたか。ゴミ掃除筋トレよりコントロール練習の方が話数的な時間を割いていたまである。

だから難しいのはわかるが、これは...!


「死ねや‼︎」

 

「死ぬわけには行かないんですよ‼︎【マ・セシルド】」

 

一対一のバトルは聞いてないですって!しかも爆豪とか、体育祭でもやったじゃないですか相澤先生!

 

「個性コントロールは体で覚えるほかない。飯田のレシプロや八百万の個性のようなものはともかく、出力でヴィランを殺しかねない個性は戦闘で身につけるのが一番だ。」

 

「そこで、体育祭や今までの成績、そしてこの合宿での伸びからこちらで模擬戦を振り分けた」

 

...って言ってたし、それに納得もするし理解も示すけど

 

「うざってぇなぁ...‼︎」

 

「今度はこっちから...【フライングフォーク】」

 

今まで出したくても出せなかった技その1!連射、ダメージ、捕獲と三つ揃う良い技だったが、筋力不足で出せなかった技だ。

 

「APショット・カノン‼︎」

 

これを見事に相殺。無駄がない、完璧な威力だと言える

 

「【はどうだん】」

 

なら今度はこっちでどうだ。今まででも使えてたが、これを壊すには...

 

「APショット!」

 

爆破を行う上で必要になる()()の隙に後ろに回り込み

 

「読めてんだよ!」

 

っと!

 

「【みがわり】」

 

印を結ぶ暇もないので仕方なくみがわりで代用。本当は身代わりの術を使いたかったが、仕方ない。

 

しかし、自身をコマのように回転しながら防御を使いますか。

 

「それ、上下に弱くないですかね?あと腕掴まれたらどうします?」

 

テメェに指導してもらわなくても俺の「シールド」はこんなもんじゃねぇんだよ

 

あっ、これはまじで理想とする技の出来とは違くてイライラしてんのに指摘されてさらにイラついてる爆豪だ。

 

「つかテメェもさっきの身代わり少しだけ力入ってんだろコントロールできてねぇテメェの方がザコ!」

 

図星である。そう、さっきの身代わり、ポケモンのようにppで表すと1減らした位の力だが、小数点ありなら1.2ほど使ってしまった。

 

「それは認めますけど、そっちのシールドもAPショットの威力を少し引き継いでいますよね?多分、もう少し爆破範囲は広く、敵の攻撃に合わせて威力を調整する防御技ですよね?」

 

多分彼のシールドは理想像、コントロール共にミスである。そうか、しかし防御技...!大きな進化とも言えるのではないだろうか。

 

因みにだが、最初私に振り分けられていたのは戦闘相手は物間である。B組とA組というのもあって最初は向こうは敵視してきたのだが

 

「...あの、個性使ってくれないと流石に困るのですが...」

 

「いやこれ人選ミスだよ‼︎ちょっと先生⁉︎」

 

あー...物間は貯める物まではコピーできないんだっけか。今回で言うとMPやそれに変わる物まではコピーできないから、技が出せない。

 

つまりカス扱いというわけだ。こう考えると結構限定されてるな。コピーって。

 

火を使おうにも本人に火の耐性がないから自分まで火傷を負うしエンジンを生やしたとしても速度に耐える筋力がないからそこまで速度が出ない...のか?強い個性な筈なのになぁ。

 

「...なら、そこのペアは交代だ。となると...」

 

があって今に至る。

 

因みに爆豪の相手はB組の鉄哲だった。爆破時の熱をうまく使われてたら爆豪も負けていた可能性があるから確かにいい対戦相手かもしれない。

 

根性が勝つか一発の威力が勝つか。金属疲労が先か負担が先か。案外その勝負は見てみたいところがあるな。私もいい勝負になるかもしれない。

 

「...やめ!午後は個性増強訓練になる。残りの日数は午前、午後でこれの繰り返しになるから乗り越えてけよ!」

 

終わったか。

 

「「「「キッツイ....」」」」

 

こっちも終わってんな。倒れて今でも寝そうなのいるし。でもそれはそうか。

 

常に動き回りつつ被害を抑え、休む暇も与えずに得意を押し付け、考える時間も与えず最善ともいえる選択肢を選ぶ。 

 

そして何より相手の行動を察知しないといけない。...あぁ、だからこその戦闘訓練か。

 

ここには多くの個性が存在する。そしてその個性の多くは洗練されたものだから、この個性だったらこの動きをするっていう見本市なのか。

 

何より優秀な個性の市場っていうのはオールフォーワンも言っていた事だ。納得する。

 

ヒーローの後ろには一般人がいるから、相手の動きで後ろに被害がいくなんて知りませんでしたは通用しない。

 

そう考えると、これはすごく合理的な訓練なのか。あと人によっては必殺技の開発にもなるし。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

茨、ポニー、飯田、円場。見事にタイプが違う相手との対戦で学ぶこともあった。

 

例えばポニー戦。角で戦う彼女だからこそ、本人は森の中に隠れる。私は感知しながら近づくが角が厄介で近づけない。遠距離攻撃も角に妨害される。そこで茨戦で学んだ拘束手段を使った。

 

拘束は相手に気づかれずに。茨と戦ってた時は森に生えてるものなのか本人のものなのか分からず一回捕まりかけたが燃やして対処した。

 

つまり、こうすればいい。

 

「『ギガ・ラ・セウシル』」

 

確かこの技を拘束手段として利用してた戦いがあったな。反射のみに目を向けてしまっていたが、場所がわかってるならこれは拘束技だ。

 

あとは詰めて終わり。ローのもつ『ROOM』→『ジャンブルズ』でも近づくこと自体はできるけど、角を自由にさせたら後ろに被害が出てしまう。それにROOMは大きいと寿命削るから...

 

飯田とは体育祭で戦った事があるがあの時は相性差でゴリ押し。今回もと思ったがなんと排熱で氷が溶かされた。まじか。

 

成長してると思いつつ、時間の流れを遅くして攻撃を与えて終了。霧隠は流石に破れないか。まぁ万物に有効だもんな。これ。

 

しかしここまで成長してるなら、エンジンを抜いたあと、どれだけ強化されるのだろうか。夏休み中に家族の元に行ってくれるだろうか。楽しみだ。

 

円場戦は酷かったの一言でいいだろう。相手の肺活量に対して火力で上回ればいいだけ。一点読みで防御策を練るか全体攻撃を読んで防御策を練るかなんて関係ない。

 

攻撃手段が乏しいし何より元々の個性がサポート寄りだ。

 

そして今の私は高火力の技を出す事ができる。しかもこの戦闘訓練で完璧にではないが無駄をなくしている。

 

「【じゃんけん】」

 

「ちょ、なんかイメージ図ごつ【グー‼︎】ごはぁぁっ⁉︎」

 

【ジャジャン拳】の【グー】。相手は死ぬ。

 

いや殺してはないが、少なくとも範囲最小で最硬であろう空気の壁を貫通した。そして私はゴンさんしてない。

 

MP最大値、火力の最大値、コントロール。本来合宿で身につけるべきであろうものをしっかりと身につけ、合宿は終える。

 

さて、この訓練が仮免及びその先に通じるのか。少し試してみたいと思う自分がいる。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「それは本当かい...⁉︎」

 

「あぁ、情報規制をかけたからこそ君にも届かなかったが、君だから今この話をしてるんだ」

 

「でも塚内君、それはあまりに突拍子すぎて信じられないぜ...?」

 

「奴が策もなくタルタロスを襲うわけはない。しかし実際に『単騎』で『短時間』で捕まっている。タルタロスも流石に破損や人員被害が出たが...」

 

「...それで今、タルタロスの中にいると?」

 

「あぁ。いまは拘束も強め、最新部にいる」

 

「...事情聴取、私も行かせてくれないかい?」

 

「勿論だとも。こちらも色々聞かなくてはならない事もある」

 

死柄木の事、あまり公にはされてないがステインの事。タルタロスを襲った事、今は何もかもが不明。目的も分からないし今までいた箇所も分からない。

 

しかし情報源がわざわざこっちにまで来てくれたのだ。逃さない手は無い。これはチャンスだ。

 

「一体、何を考えているんだ、AFO...!」

 

奴が策もなく行動をするとは思えない。だからこそ、今は情報を集める時だ。




シールド(仮名) 爆豪 爆豪は 防御技を 覚えた!

【フライングフォーク】 トリコ トリコ

【はどうだん】【みがわり】ポケモン ルカリオなど

【ギガ・ラ・セウシル】 金色のガッシュ‼︎ ティオ

【ジャジャン拳 グー】 HUNTER×HUNTER ゴンさん

ヴィラン連合にアジト不明のアドバンテージが追加されました。ヒーロー側がギリギリの戦いを演じた場合、ヘイトが貯まりやすくなりました。

仮免+壊理ちゃん関係はこの主人公の「ヒーロー」としてのオリジンに触れると思います。今はまだ面白半分で関わってるだけだからね...


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24話

合宿は無事終えた。無事に終えてしまった。

だからこの世界では洸太君は救われてないし、オールマイトが引退を表明していない。

寧ろ雄英の評価は今高い。ステイン関連と、一都三県に比べ人口が少ない地方にもヒーローが回ってる状況(19話)が評価に繋がっている。

成程、オールマイトが盤石で、緑谷がいなくて、けど後継者候補はいる。世の中は平和になるのか。

そしてオールマイトの後継問題は解決される。

更に余計な邪魔が入らなければちゃんとみんな強化される。

A組対B組の時にB組の方がデータでは成長してるというのがよく分かった。実践と訓練では訓練の方が基礎は伸びる。実践は特能みたいなもんか。ハマれば伸びる。ハマらなければ成長しない。

或いは、別のステータスに割り振られるか。例えば個性の成長ではなく、精神的なものに振り分けられるとか。育成ゲームだったら何回でもやって理論値を求めるが、生憎ここはゲームじゃない。


学校に戻り、夏休み...なんてものは実質ない。

 

「君等には仮免を取得してもらう」

 

「「「「「ヒーローっぽいの来たーーー!」」」」」

 

「というより、それが合宿の目的だったのでは?」

 

八百万、彼等はそういう生き物なんだ。冷静に突っ込みをいれてやるな。

 

「合宿はあくまで君等の成長を促すもの。これから試験日までやる事はあるが、まず先にこの話をするか...」

 

そうしてあるグラフが映し出される。これは...例年の試験参加人数、年齢、合格者数のグラフだ。

 

「おいおい、試験参加は三年生ばっか、ときどき二年生かよ⁉︎」

 

「しかも合格者数...平均5%⁉︎」

 

確か私達が受けるのは第一試験で1540人、合格者数100人だったか。で、その100人の中からまた試験...

 

「ヒーロー免許ってのは人命に直接関わる責任重大な資格だ。故に力あるものしかヒーローに相応しくないとされ、簡単に落とされる。」

 

ここでの力は別に武力や個性だけではない。寧ろそれだけなら、私は回復関係の力を伸ばしてない。

 

「だから君たちには個性を伸ばし、そしてそれをコントロールする術を叩き込んだ。そして今日から君等には、一人2つ以上、必殺技を開発してもらう‼︎」

 

がらっと入る教師3人。セメントス、ミッドナイト、エクトプラズムが並んで、必殺技に関して言っている。

 

「ではコスチュームに着替え次第、体育館γに集合。遅れるなよ」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

必殺技の開発程度なら合宿先でやればいいのではないか?と思ったが、よくよく考えれば学校なら多くの先生がいる。

 

例えば耳郎なら似た個性のマイク先生に行けばいいヒントがあるかもしれないし、なんだったら職場体験先の人に連絡を取ってアドバイスをもらえるかもしれない。

 

そう考えると学校の方が都合がいい。個性成長は常闇の様な暴走の可能性を考慮して野外に。必殺技は分からないなら先達に学べばいい。

 

更に必殺技に関してサポート科もいるなら尚のこと学校か。

 

「ここはトレーニングの台所ランド。略してTDL」

 

おい体育館γといえ。そして略すな。

 

さて、必殺技。合宿では爆豪が防御技を開発してたが、あれも一種の必殺技かもしれないな。

 

なんせ、ここでの必殺技というのは何も相手を圧倒する技のことではなく、新規に開発する技及び個性の使い方だ。原作では特に後者に関して触れてる子が多かった気はする。

 

だが私は個性の都合上、全てが必殺技である。できないのはヒロアカの個性と私が知らないもの、例外としてはUndertaleのセーブとロードとか、世界の根幹を揺るがすものか?

 

...まぁあれは出来たらちょっとまずいというのはあるか。

 

して、私がやらなければならないのは性能向上技...身体強化とはまた違う枠組みだ。

 

言ってしまえばNARUTOの仙人モードとか九尾チャクラを使ったあれら。もっと分かりやすくすれば性質変化。身体強化はラウザルクがあるが、技も強化されるか?と聞かれたらNOだ。

 

ただしその二つは会得難易度と綱引きが厳しすぎる。失敗したらカエルは嫌だし、そもそも戦闘中に動くなは難しすぎる。

 

なら何があるか。それよりもっとマシな向上技がある。

 

界王拳。これである。

 

○倍かめはめ波があるように技も強化され、身体強化もされる。また、他の身体強化技を+することもできる。

 

例としては界王拳にブルーの力。身勝手?我儘?知らない子ですね...

 

この一個の必殺技の開発だけでも十分お釣りがくる。何せ他の技も強化されるのだ。

 

...因みに、ナルトは九尾チャクラと自身のチャクラを上手く使って最大値を底上げして使えてたが、私は別に最大MPを増やすわけじゃなくて最大MPの内訳が変わるだけだと答えが出てるから非効率だ。界王拳は内訳変わらずに技も身体も強化できる。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

さて、まずはイメージだ。

 

体が赤く、力、速さ、破壊力、防御力が倍数で上がるイメージ。ただ筋骨隆々にはならないしこの体のまま強さだけが引き上がる。

 

そして何より。できるという自信を持て。

 

「2倍界王拳...‼︎」

 

...そうこの赤色。怒りによって目覚めるのが条件なサイヤ人が特別な種族だとしたら、単なる修行とセンスで覚えられる界王拳。良すぎる。

 

「セメント下さい!」

 

「はいよ」

 

セメントスから壁をもらい、全力で殴ってみる。瓦割りみたいに何枚も壊れた壁を見て次にいく。

 

「これならラウザルクでいい...けどこの技の真骨頂はこっち、『螺旋丸』‼︎」

 

...結果は言わなくてもいいだろう。何せNARUTOとDRAGON BALLの合わせ技だ。

 

「...いった...‼︎」

 

ただ、相当負担はでかい。これをフリーザ戦では20倍まで上げたし、ブルーになっても20倍にまで上げたのか。やっぱ悟空おかしいわ。

 

けどこれは使える。精神的な疲労はともかく、肉体的疲労は癒せばいい。そして何より純粋に強い‼︎

 

組み合わせれば私だけの必殺技になる‼︎

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

私の必殺技は近距離〜遠距離まで揃った。属性攻撃もあるし火力もある。

 

防御技。回復技。支援技。自分一人では勝てない時、あるいは相手の自滅を待ちたい時に使いたい技も揃った。

 

だが経験。これが圧倒的に足りてない。漫画の主人公のように、「程よく自分より強くて勝てれば経験値が大量に得られる」「現状と比べ相手が強すぎるけど補正で勝って経験値が得られる」事がない。

 

直近であった戦闘が雄英襲撃事件の時で、あれはどちらかというと格下狩りだ。体育祭は本気ではあったが命はかからない。リミッターが外れない。

 

オールマイトはイベント戦。勝っても負けても進むし、勝ったら少し経験値が得れる位。

 

本来ならあった合宿襲撃も今回はない。

 

だからこそ、この仮免に関しては入手してあの件に首を突っ込んでみたい。そして、私がいる事でエリちゃんがどんな道に進むのかは見たい、という欲が最近生まれてしまった。

 

だからごめんねエリちゃん。先に心の中で謝っておくよ。私は私の都合で貴女を振り回す。

 

さぁ、免許を取得しに行こうか。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「降りろ到着だ」

 

仮免許の試験場、国立多古場競技場。仮免を取るしかない。

 

「この試験に合格し仮免を取得出来ればお前ら志望者(たまご)は晴れてヒヨッコ...セミプロへと孵化できる。頑張ってこい。」

 

「っしゃ!なってやろうぜヒヨッコにヨォ‼︎」

 

「いつもの一発決めていこーぜ‼︎」

 

「せーのっ、plus...」

 

「Ultra‼︎」

 

「!」

 

「‼︎」

 

おっと来たか。夜嵐イナサ。

 

ここで君と轟は足を引っ張り合って試験不合格。特別講習を経て試験合格。だけどちょっと待ってほしい。

 

私はこの二人の関係性改善を入学試験の時からやろうとしていた。あの時は男女別だったが、今はそうではない。

 

まずはその為に話を振る必要があるか。

 

「夜嵐...昨年度、つまりお前らの年の推薦入試。男子トップの成績で合格したのにも関わらず、何故か入学を辞退した男だ。」

 

「轟君、何か知ってますか?」

 

「...いや、知らねぇ」

 

「そうですか」

 

まぁそうなる。入試の時は間違いなく一緒にはいたが、あの時は轟の目も曇っていた。

 

目を覚ますのはこの試験中。互いが噛み合わず、緑谷のおかげで最後の最後に気付いた。けれども時すでに遅く、試験は不合格。

 

けど、あの時は事情を知らないから不合格だったのだ。事情が知ってる私がいれば、話は変わるのではないか?

 

そんな期待を胸に、この試験、乗り越えていこうか。




私が知らないもの=作者が知らないもの。
そしてラウザルク、リストラ。

「界王拳」「DRAGON BALL 孫悟空」



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