鬼に転生 (たこやき鍋)
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鬼滅の世界へ

 


 なんか体が軽いな。

 暗闇でそう思いながら目を開けると森の中だった。

 

 ....どこだよ。割とマジでどこだよ。

 服も昔っぽくてなんか臭いし。靴も無くなって裸足だし。

 風呂入ってないのか?

 どうなってんだこれ。

 それに普通に森だとか認識してたけど夜なのに見えるのも変だな。

 あかりのない森で視界が良好とはね。

 

 とりあえず、水辺でも探して顔でも確認するか。

 この感じだと顔も変わっている可能性もあるしな。

 

 

 森を歩き周りなんどか水辺をみつけた。比較的大きな湖らしいな。

 明け方なのかだんだんと明るくなってきたようだな。

 それは置いといて水面を見ると顔は変わっていないようだった。

 昔のことはあまり思い出せないようだが顔は昔のだとなぜかわかる。

 

 その後どうするか考えていると朝日が昇り体にあたった。

 朝日を浴びながら瞑想でもするかと思っていたら激痛とともにかだが崩れてきたので急いでまだくらい森へと逃げることにした。

 この現象は鬼滅の刃の鬼か。

 思い出せる候補はこれくらいだな。

 

 仮にそうだとしてかなりだるくなるぞ。

 鬼が強くなるためには人を食べるか、同族を食うか、鬼舞辻無惨から血を与えられるとかだった気がする。

 それに鬼には呪いがあって、名前を言ったり、思考、位置、視界がわかるとかだったかな。

 自分の服装的にまだ鬼舞辻無惨は生きてそうだなー。

 そうなったら、強くなっても鬼殺隊とかと戦わなきゃいけないもんな。

 死ぬ確率が高すぎる。 

 

 とりあえず、人をすこしだけ食べて鬼舞辻無惨までは静かにしておくのがいいな。

 存在を忘れられるほどの雑魚でいよう。

 食べるのも自殺者とか口減らしがいいな。

 でも、主人公の妹とか人を食べなくてもいけてたよな。あれはどうなんだろうか?

 それは置いておくとして、ここはどこなんだろうか。

 

 ここはどこの県かわからないけど島とか、海外とかに移動してなるべく鬼舞辻無惨から距離を置きたい。

 忘れそうだったけど自分の血気術ってなんだろうか?

 弱いから多分使えないと思うけどものは試しだね。

 

 ....ひたすら色々試してみたけどだめだこりゃ。

 なんにも起こらん。

 とりあえず、洞窟でも探すか。

 

 

 歩き続けた結果、運良く見つかった。

 ここを拠点にするとして、夜になったら湖にもう一度行こう。

 さすがに臭いままは遠慮したいな。

 それはそうと鬼の体というのはまったく疲れない。

 これで寿命もないというのだから素晴らしいな。

 太陽に当たるとだめというのはちょっとずつ慣らしていけば問題ないかな。

 やることも鍛錬くらいしかないし、体の一部を太陽に当てては回復させるを繰り返すか。

 

 夜になったので湖行くために森を走っていた。

 鬼の体だと筋肉痛になっても人間より圧倒的に早く回復するから今日の1日だけでも人間の時よりも進歩したな。

 とりあえず、引きこもって鍛錬とかしてればいつか原作の時期になるでしょ。

 

 

 

 

 ---- 1年後-----

 最初の頃より行動範囲は広がったけど、生活ルーティーンは変わっていない。

 鍛錬と太陽克服のために日々同じことを繰り返していた。

 人を食べなくてもなんとかなってるからこのままでいいかなとすら思っている。

 

 そう思って夜に忍者のように飛び回っていると老人を発見した。

 ここは初めて行くエリアだったけど人里が近いのかもしれないな。

 

 とりあえず、話を聞いて見るとするか。

 現代の日本語が通じるか不明だけどなんとかなるだろ。

 

 「どうしてここにいるのかな?」

 「口減らしじゃよ」

 「なるほど、ここはどこの国かな、元号は知ってる?」

 「知らんのか、静岡で大正4年だ」

 「なるほど静岡で大正4年ね。」

 「私は鬼であなたを食べたいと思ってるんだ。一応聞くけど殺していい?」

 「鬼とはな、かまわんよ。代わりと言ってはなんだが願いを聞いてくれるか?」

 「近くの里に手を出さんでほしい、あそこにはわしの息子や孫がいるんじゃ」

 「いいよー。じゃあ、殺すね」

 

 そう言って老人の首を手刀できる。斬ると言うより力で無理やりといった感じだね。

 とりあえず、老人の首と胴体を持って洞窟まで戻ることにした。

 食べたくない部分を除いて食べてみた。

 対しておいしくはないけど、なんか力がみなぎる感じがするな。

 

 それにしてもここが静岡で大正4年とはね。

 湖があるから富士の山付近で今が原作の途中かもね。

 アニメで手鬼が騒いでた印象がある。

 でも、騒いでたのは大正2年だった気もする。

 どっちだっけ?

 

 どっちにしても原作の時期だから今から力をつければ鬼舞辻無惨が死ぬあたりでいい感じの力がつくはず。

 そうなると引きこもりもやめて人間と同族を食べますか。

 

 

 夜まで待ってから森を移動していると里を見つけた。

 あれが爺さんが言っていた里かな?

 あかりがもれている家で街への道を聞こうかな。

 

 「ごめんください」

 「はい、どちらさまですか?」

 

 男の人が警戒しながら出てきた。

 当たり前だな。夜に人が尋ねてきたら普通は警戒する。

 

 「街への道を教えていただければと思いまして」

 「そこの道をずっと行くとつきますよ」

 「ありがとうございました。それでは」

 

 あの道を行けばいいのか。

 そう聞いて昔よりはるかに早くなった足で夜道をかけて行く。



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血鬼術開花

 するする進めていくよー


しばらく駆けているといると街に出た。

さっきより大きい集落があると思っていたがこれは運がいいな。

とりあえず、食事でもしますかね。

 

そう思いながら人気のないところへと移動していく。

案の定今にも死にそうな人間たちが座り込んんでいる。

現代でいうホームレスみたいなもんだろ。

 

周りを確認して、素早く座り込んでいる人間に近づき口を塞いで首をおる。

技術としてはめちゃくちゃだが鬼の力なら簡単に出来る。

とりあえず服を脱がして病気があるかを確認して比較的問題なさそうな部位を食べることにする。

鬼だから病気にはならないと思うけど気分的に食べたくない。

手、股付近、消化器とかな。

肝臓と頭部は栄養がありそうだから積極的に食べて生きたい。

 

1人を食べ終えると爺を食べた時よりも満足感というのがあるように感じる。

とりあえず、このあたりのやつを食べていくか。

 

 

-----数時間後-----

 

あれから20人ほど食べた.

寝ているからサクッとできるのがいいな。

20人も食べると力の増幅がすごいな。

他の鬼もこんな感じなのか?

 

とりあえず、この街から移動して関東の方を目指しますか。

人を食べ過ぎたから鬼殺隊も出てくるだろうしね。

 

道ゆく人に違う街の道を聞いてまた駆けていくことにした。

いや、さっきよりもまた早くなったね。

鬼の成長はこんなに早いものなのだろうか。

この調子でいけば血気術も使えるようになるかもな。

 

 

明け方近くにやっと街付近についた。

これから太陽が出てくるから近くの森で夜まで待機だな。

 

暗い森のなかでやることもないので血気術が使えるか試してたら一瞬だけ体が透けた気がした。

何回か試してみたら体の指先だけ物体をすり抜けることがわかった。

他にも指先だけかたくなったり、刃物みたに変形したり、温度が変わったりした。

たぶん、体の物理状態を変化させる血気術だな。

これは強いのを引いた。そうそう負けない血気術だな。

まぁ、普段からこれを使うと対策をいずれ取られてしまうから最後の切り札的な感じにするか。

基本的には血気術を使えない体を装うか体を硬化させる血気術とするかだな。

 

人を食べてここまで強くなるとは驚いたな。

人以外はどうだろうか。動物でもとって食べてみるか。

そう考えて、森の中を探索していると比較的新しい何かの足跡を見つけた。

たぶんイノシシだな。

正直見つかる気はしないが、暇つぶしに探すか。

 

 

….結局イノシシは見つからなかった。

そんな簡単ではないよね。

イノシシ探しをしてたら夜になってきたし、街に行きますか。

それに人間が持ってたすこしのお金もあるし、それで何か買って食べてみればわかるでしょ。

 

街を歩いているとうどんの屋台を見つけた。

とりあえず一杯買ってみるか。

 

「すいません、このうどん一杯ください」

「はいよ、6銭だ」

 

出てきたうどんは駅の立ち食いのうどんに近い感じだった。

日本では屋台は食べたことないから新鮮だな。

海外とかだと食べたんだけどね。

 

食べてみると昔と同じように味がした。こういうのって人間の食べ物がまずく感じるのが定番だけど、定番を無視するスタイルらしい。

 

俺にその常識は通用しねぇ!!

 

….なんか変なテンションになってしまった。

ていうか鬼って人以外食えるのか忘れてしまった。どうだっけ?

うどんでも満足感はあるから人が食べれなくなっても問題ないか。

 

確認はすんだことだし、本格的な食事といきますか。

前の街と同じようにいきますか。

今は血術術もすこし使えるし、やりやすいでしょ。

 

人気のないところでホームレスを見つけて口を塞いで刃物に変形させた手でトドメをさした。

昨日よりもスムーズにいくな。

食べる部位を固定してるのもあるかもね。

さてさて今日はどこまで食べれるか。

血気術がどれだけ強くなるのか楽しみだね。

 

 

----数時間後-----

 

そろそろ明け方だな。

今回は32人だったな。

食べているうちに血気術の範囲が指先から肘近くまでに広がったのはありがたいな。

まだ左腕だけだからもっと強化しなくちゃいけないけどな。

 

そう思って街から森へと戻ることにした。

森へと戻っているとなんだか後ろからつけられている気がする。

もしかして鬼殺隊かな?

 

暗い森に入って身を見初めて様子を伺っているとツノを生やしたいかにも鬼ですってやつがきた。

 

「たしかここらあたりに向かったはずなんだがな、どこへいった」

 

追ってきたのは鬼だったか、共食いするつもりだな。

鬼殺隊よりはめんどうではないけど、どうしようか。

昼間の間に移動できる距離は限られているし、このくらい森も夜まで鬼ごっこして見つからないほど広いわけではないから。

相手を倒すしかないな。

 

そうと決まれば左腕を刃物のように変形させて冷やしてみるか。

後ろから刺して凍らせてしまえばすぐに終わりそうだ。

準備をして自分が潜んでいところを鬼が通り過ぎた瞬間に飛び出して、後ろから腕を相手の背中に刺した。

 

「グッッ!!!!!貴様!!!」

 

そうつげながら相手は刺した箇所から凍っていった。

いや氷って便利、汎用性高スギィ!!

昼飯は鬼のアイスに決定だな。

硬化以外の血気術使ってしまったからもうガバガバだな。

まぁ透過できるのを隠せればいいや。

 

その後だらだら鬼のアイスを食べているとなんだか大人数が暗い森近くにいる音が聞こえてきた。

 

「ここの森であってたよな」

 

「ああ、ツノを生やした奴が向かっていったという証言があった森だな」

 

「この暗さだと鬼がいる可能性も十分ある、それに昨晩の犠牲者は三十人を超えている」

 

「皆気を引き締めてかかれ」

 

 「「「「はいっ!!!!!!」」」」

 

えぇ….(困惑)

なにやってんだよこのアイスにされた鬼は。

俺がバレたわけではにのに鬼殺隊に見つかりそう。

さすがに俺が食べ過ぎたのもあるけどさ。

結構やばい状況だよこれ。

2人で固まって行動してるから片方を攻撃してる間に応援よばれるし。

夜までまだ時間あるからまずいぞ。

とりあえず鬼を食べて打開策を考えることにした。

 

 

おっ!!いいこと思いついた。

そう思って木の上にジャンプをした。

これでいいじゃん。

木の上で隠れてれば大丈夫だろ。

 

 

—-夕方——

 

結局、木の上にいて見つからなかった。

これから隠れる時には木の上にしよう。

昼間に鬼殺隊がいさから街にもきっといるよな。

しばらく山奥にこもっているか。

そう思って忍者のように山奥へ向かっていく。



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初戦

血鬼術 爆風乱舞:NARUTOのオビトが使っていた火遁です。
血鬼術 炎龍輪尾・連:月の呼吸の炎バーションです。正式には呼吸ではなく力任せなので単体では威力は低いです。それを数で補っている技です。


だいぶ山奥まで来たな。

いい感じの洞窟もまた見つけたし、ここなら太陽も当たらないな。

さてさて鬼の共食いでどれくらい血鬼術は変わったのか。

 

試しに変形をさせてみると左肩までは範囲が広がっていた。

これはいい感じだな。

それと一つ思いついたことがあった。

 

そう思い尖らせた手を地面に突き刺し、半径数メートル範囲に根のように変形した腕を伸ばした。

この状態で根を変形させてみると地面がすこし変形した。

勢いよく地形変化をさせようとすると手だけが動いてしまうな。

もっと細かくして試してみるか。

 

根を細くしてみると自分が思ったように地面を変形させることができた。

小さな土の壁を作れた感じだな。

根の性質を変えれば壁の性質も変えられるな。

まだ血鬼術の強度が弱いからこれから訓練していかないといけない。

これがうまくいけばオーバーホールのような地形操作とか土遁のようになるはず。

 

そんな感じでひたすら血鬼術の訓練と筋トレとかをして一週間ほど過ごした。

 

-----1週間度-------

 

一週間寝ずに色々やればよく進歩するもんだ。

人間だったころもショートスリーパーになって色々した記憶はあるけど、やっぱりあれは不完全だったな。

精神の負荷が大きいんだよなあれ。

 

まぁそれは置いておいて一週間でどんなふうになったのかだ。

血鬼術は上半身にまで範囲が伸びた。

両腕と足が一番使いたい範囲なんだが、こればっかりは仕方ないな。

変形だけだったら血鬼術がなくてもできるみたいだけど俺はまだ弱いからできない感じだ。

 

攻撃関連だと炎とか冷気を飛ばせる刀とかができるようになった。

単に体を変化させただけだと炎はできなけど変化させた体の一部の発火点が低ければ問題なかったりする。

それに木の棒に薄くした体をコーティーングして刀にできるようにもなった。

 

欲を言えば体を分裂させて操作させたいところだけど鬼舞辻無惨でさえ分裂した体は結構大きかったもんな。

ただ、細胞ひとつひとつを把握しているような感じでもあったから今後に期待だな。

それができれば天候とか空間への干渉が可能になる。

onepiceとかだと覚醒で周りを餅とか糸に変えてたから自分以外にも干渉できるだろ。

鍛錬も食事をしたほうが伸びがいいだろうし久しぶりに行きますか。

そう思い夜の街へといくことにした。

 

 

----夜の街-----

 

いつもと同じように人気のないところで食事をしているとこちらに走ってくる気配がいくつかあった。

とりあえず、見えにくい所からジャンプして屋根の上から様子を見ることにした。

どうやら鬼殺隊らしい。

2人か。

食事後に残った手などをみて隊員たちは気分が悪そうにしている。

 

「これは….. 鬼のしわざだな」

「この前のツノを生やした鬼だろうか」

「わからない、ただ近くにいる思って警戒したほうがいい」

 

いままでなら逃げてきたが、今日はどうしようか。

見た感じ柱とかではなさそうだから死にはしないだろうしな。

とりあえず、食事で顔まで範囲が伸びていた血鬼術で顔を隠して戦いますか。

剣士が使う呼吸とやらも確認したい所だ。

 

そう思って屋根から飛び降り、2人の前に着地した。

 

「!!!!どこから出て来た??!!」

 

「屋根から見てました。どうやら鬼殺隊のようなので、お手合わせをと思いましてね」

 

「ふざけやがって、この人たちはお前がやったのかのか?!!!!」

 

色々言っているようだが、とりあえず刀を構える。

最初は血鬼術は使わず、普通に戦いますか。

鬼の速さを利用して斬りかかる。

斬撃は簡単にいなされてしまい、相手が距離をとった。

 

「こいつ!!速いぞ!!!!!!!」

 

「水の呼吸! 肆ノ型 打ち潮!!!」

 

「風の呼吸! 参ノ型 晴嵐風樹!!」

 

2人とも呼吸を使える剣士とはな。

やられないようにしなければな。

真似できるところは真似しなければ。

 

風の剣士が出した渦をサポートするようにして水の剣士がとどめをさすらしいな。

渦を避けつつ、斬りかかってくる水の剣士に対処する。

水の剣士に向けて斬りかかるが、水の呼吸の剣士は降りかかる刀を避けつつ、下から斜め方向に頸を切るつもりらしい。

このコースだと頸を切られて終わりだ。

そして、水の剣士の攻撃を避けられたことを想定して風の剣士がすでに次の準備にはいっている。

 

鬼殺隊はとったと思っているだろう。

しかしそれは間違いだ。

仮面が変形して刀を受け止めた。

 

鬼殺隊は目を見開き驚いている。

まさか仮面が変形して刀を受け止めるとは思っていなかったんだろう。

 

その動揺を利用して俺は距離をとった。

 

「予想以上に強いな…」

 

こちらも手加減しては負けてしまうかもな。

遠慮なくいくか。

 

【血鬼術 爆風乱舞】

 

2人の剣士に炎の渦が襲いかかる。

広くない路地で戦っていたのもあり、2人に逃げ道はない。

2人はそれに対処するべく呼吸を繰り出す

 

【水の呼吸 参ノ型 流流舞い】

【風の呼吸 肆ノ型 昇上砂塵嵐】

 

どうやらなんとかしりぞけたらしいな。

手を緩めるつもりはない。

 

【血鬼術 炎龍輪尾・連】

 

刀を振るうごとに炎の波が発生し、2人の剣士には何重もの炎の波が向かっていく。

鬼のスタミナで剣を振るい続ければ人間には対処できない量の炎が発生する。

2人の剣士は技を出して対処しているが休みなく迫る炎の波に対処できなくなっていく。

 

 

まぁ、これくらいにして帰りますか。

二つ目の血鬼術でもう相手も戦闘できる状態でないだろうし、呼吸をたくさん観察することができたからいいか。

あんまりやりすぎても死んでしまうしね。

まだまだ呼吸を見たい。

そう考えて全速力で森へと走っていくことにした。

追っ手を巻くという意味も込めてね。

 

 

 

ーーー鬼殺隊側ーーー

 

「助かったのか?......なぜあの鬼は俺たちを見逃したんだ」

 

「大丈夫か? まさかこんなに強いとはな」

 

「一刻早く報告しなければ」

 

隊員たちは火傷を負い座りこんでいた。

加えて呼吸の使いすぎで疲労が溜まっているようだった。

 

 

その後2人は治療所に運ばれ、治療を受けながら鬼の報告をしていた。

 

「お二人が遭遇した鬼について教えてもらえますか? 」

 

「はい、最初は仮面を付けたただの鬼だと思ったんです」

 

「頸を切ろうとした時に鬼の仮面が変形して日輪刀を受け止めたんです」

 

「それから持っていた刀に炎を纏わせる血鬼術を使い始めて、血鬼術を使い始めてからは手も足も出ませんでした」

 

「血鬼術は炎が回転しながら迫ってくるものと、炎の波が刀を振るごとに発生するものでした」

 

「炎の波の数が多すぎて対処ができませんでした」

 

「わかりました。ゆっくりと休んでください」

 

 

 

—某屋敷ーー

 

 

「これが先日静岡付近で目撃された鬼の報告です」

 

「うん、また強力な鬼が現れたね。これで十二鬼月でないのだから恐ろしいね」

 

「さらに被害が拡大するようだったら柱の派遣も視野に入れないとね」



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調律

血鬼術 蔓蓮華・鎌鼬:数は多くないが高速の蔓が鎌鼬を発生させながら攻撃する血鬼術
血鬼術 極・炎陽凍土:周囲の温度を短時間で灼熱と極寒に変化させる血鬼術
血鬼術 樹海降誕・牢:対象の全方向から氷の植物を発生させて最終的に捕らえる血鬼術
血鬼術 調律:経絡を通して、意識記憶、無意識記憶を読み取る血鬼術


鬼殺隊のとの戦いはなかなかためになったな。

食事も途中で邪魔されたとはいえ、十分食べた後だったからいい経験になったな。

それに戦いの中でまた新しい血鬼術の使い方も思いついたし、問題ない。

 

あれからはまた長い間山にこもって鍛錬をしていたけど、鬼の精神構造は本当に永遠の時間に向いているね。

やりたいことがいつまでも続けられる。

 

まぁそれはいいとして、また血鬼術も試してみたい頃合いだ。

呼吸ももう少し学んでいきたい。

それに前は鬼舞辻無惨が死ぬまでゆっくりしようと思ってたけど、そこまでいくと強い鬼たちが鬼殺隊にやられてしまう。

それは俺の強化に影響がやっぱりあるよね。

鬼にとって鬼舞辻無惨の呪いは死活問題だけど、血鬼術で細胞の性質を変化させたらそれも解けたから問題ないな。

 

それじゃまた移動しますか。

 

 

——街------

 

この街は前回の街より大きいからここでしばらく食事してれば鬼殺隊とか呪いを解かれたことに気づいた鬼舞辻無惨が鬼を派遣してくるはず。

それまで好きに食事でもしてますか。

食事も前よりもずっと効率化してるから1人を食べるのも簡単だ。

体を変化させて食べやすい形にすればいいからね。

 

 

そうして夜の街で数日食事をしていると、またもや人間が走ってくる感覚がする。

食事をした道を通って真っ直ぐこっちに来ているね。

この早さと足音からすると普通の人間よりも圧倒的に強いから鬼殺隊だね。

さてどんな人が来るのかな?

 

「やっと来たみたいだね、1人かな?」

 

「…….」

 

だんまりか。

確か水柱だった人だね。

名前は覚えてないけど無口な人だった気がする。

好きな食べ物がぶり大根だったか鮭大根だったはず。

どうでもいいことは覚えてるんだよね。

 

とりあえず、柱なら最初から手加減なしで行きますか。

今回は刀も血鬼術も特製のだ。

刀を振り蔓を発生させる。

【血鬼術 蔓蓮華・鎌鼬】

 

【水の呼吸 拾壱ノ型 凪】

 

【水の呼吸 壱ノ型 水面斬り】

 

蔓と人をたやすく切り裂く風が一瞬で霧散するとは。

すさまじい呼吸だね。

呼吸の使い方も前の剣士よりも洗練されている。

それに呼吸を出してからすでに俺の目の前まで迫っている。

もう刀では間に合わない。

だからこそこれがある。

 

【血鬼術 極・炎陽凍土】

 

水柱が首を切ろうとした寸前で強烈な熱風が襲った。

距離を取ろうとした瞬間には周囲一帯が氷つき足凍って地面にくっつきそうになる。

そう判断した水柱は次の手を打つ。

 

【水の呼吸 玖ノ型 水流飛沫・乱】

 

足が凍る前に次の場所へと足を写し、残像を残すほどで鬼へと迫る。

技を繰り出そうとした瞬間に強烈な熱風が発生し、呼吸をみだす。

あまりに高温になった空気は肺を痛めつけていた。

呼吸が乱れ動きが遅くなった瞬間にまた空気は急激に冷え、だんだんと対応ができなくなって行った。

 

水柱が近付こうとすれば熱風が発生し、距離をとれば凍えてしまう。

水柱は鬼の血気術の前に1人では倒せないことをわかりながらも戦うしかなかった。

この鬼を逃せばまた大勢の犠牲者が出てしまう。

鬼殺隊として退くことはできなかった。

 

「これくらいでいいだろう」

 

【血鬼術 樹海降誕・牢】

 

鬼が血鬼術を使えば水柱の周り全方向から氷の植物が発生し、逃げ場を塞ぐように現れる。

先ほどよりも空気は一層冷え、全身の震えが止まらなくなる。

 

【水の呼吸 拾ノ型 生生流転】

 

呼吸で退路を確保すべく破壊をこころみるが何重にもかなさった太い根は壊しても外を閉ざしていた。

加えて細い植物の根が手足を拘束するように発生し、冷たい空気で呼吸が困難になりもはや逃げることはできなくなっていた。

ついに動きが取れなくなり、水柱は死を悟っていた。

氷の壁となった植物から鬼が現れ、水柱は自分の無力さを悔やんでいた。

もうここで終わりだと思いながらも鴉が残ったものにこの鬼のことを伝えている。

そう考え、昔を思いだしていた。

 

「すばらしい呼吸でしたね。安心してください殺すことはないので」

 

殺さないのは別に情けとかではなく、人間の可能性を潰すことをしたくないからだ。

鬼に勝つために人は、呼吸を生み出し日輪刀を作り上げた。

鬼がいなければどちらもなかったものだ。

 

「…..どういうつもりだ」

 

「さぁ? 知る必要はないですよ」

 

 

【血鬼術 調律】

 

なるほど、呼吸はこのようにして使用するのか。

呼吸の仕方を思いついたやつはすさまじい人間だな。

柱レベルの呼吸の経験を学べるのは運がいいとしかいえない。

 

 

水柱は鬼が突然うなじに触れてきたときにはついに終わりかと思ったが、意外にも殺されることはなく。

鬼は目を瞑ってすさまじい集中力で何かをしていた。

水柱がどんなに動こうとも気に留めにずひらすら何かに集中をしている。

 

 

やがて鬼がうなじから離し、周りの氷の植物を消すと屋根に飛び乗りどこかへと行ってしまった。

なにが起こったのかわからず、なぜ殺されなかったのかもわからず氷が溶けるまでどうすることもできなかった。

 

 

 

 

 

 

---とある山奥----

 

【水の呼吸 壱ノ型 水面斬り】

 

なるほど、力任せに振るうよりも圧倒的に効率的だ。

鬼ならば人間が行えないレベルの呼吸も容易に行える。

たとえ肺が出血しようとも気にせず、使い続けることができる。

 

これでまた私はひとつ前へと進んだな。




 鬼はただのチートですね。
 物語の主人公は基本的にチートなので問題ないです(錯乱)


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那田蜘蛛山

血鬼術 調律・深:遺伝子情報やそれ以上の深い領域に到達する血鬼術
水の呼吸 拾弐ノ型 流転飛沫・乱:拾ノ型 生生流転と玖ノ型 水流飛沫・乱を組み合わせた型
水の呼吸 拾参ノ型 落滝・斬:滝のように重く、威力の高い斬撃を降らせる範囲攻撃(鬼だからできる型)
水の呼吸 拾肆ノ型 爆水衝刃:衝撃と共に斬撃を津波のように広く飛ばす型



たしか那田蜘蛛山はここらへんだったかな。

原作では、ここで主人公が日の呼吸を使うはずだからね。

 

今のところは、山に鬼の気配はあるけど鬼殺隊は集まってないみたいだね。

近くで鍛錬でもして待つとするか。

 

水柱から得た呼吸は血鬼術でさらに強力に進化できたというのも最近の良い成果だ。

鬼が使う月と雷の呼吸もいずれ習得するつもりだけど、どこにいるかわからないからな。

鬼殺隊は勝手に来てくれるからありがたい。

最近になってやっと血鬼術の範囲が全身になったところだ。

自分でも成長が早いとは思うけど、昔があるからね。

想定の範囲内だ。

血鬼術を使いこなせているというのもある。

まぁ、使用者に大きく左右される血鬼術だから組み合わせというやつだね。

 

数週間もすると山から鬼と人の両方の気配を感じるようになった。

やっと主人公らしい。

俺もそろそろ行きますか。

新術のテストにうってつけだ。

 

 

 

——那田蜘蛛山—-

 

山に入ると戦闘が行われてる箇所がいくつあると感じるけど、一番気配が強い所が下弦がいる所かな。

さっさと行った方がいいかもね。

 

戦闘が行われている箇所についたね。

これ以上近寄るとバレてしまいそうだ。

ちょうど水面斬りが失敗した所みたいだね。

 

妹が糸で拘束されているけど、今はまだ太陽を克服してないから後にするか。

いや、血鬼術は珍しいから調律をかけるか。

太陽を克服するのは、半天狗との戦いでだったかな。

 

半天狗は正直進化の余地が大きい鬼だから生かしておきたい所だな。

壺のやつは別だがな。

刀鍛冶を殺すのは戦略的に良いが、技術を失うことになってしまう。

昔にはなかった興味深いものだ。失うには惜しい。

 

そんな考えごとをしていると日の呼吸をやっと使ったようだな。

首を切るまで後少し。

 

 

よし、下弦の首をきったようだな。

ぼちぼち行きますか。

 

 

「失礼するよ」

 

下弦の頸を斬り、日の呼吸の使用で動けなくなった炭治郎は妹のもとへと向かうおうとしていた。

その時、仮面を付けた別の鬼が現れ頸を斬った下弦の体と頭を掴み何かをし始めた。

人を大量に食べてきた鬼の匂いに不快感を覚えながらも、そこにいるのにまるでいないかのような異質な鬼に体が震えだしていた。

 

 

 

まだ死んではいないが、水柱に始末されるくらいなら取り込む方が俺のためになる。

無惨が差し向けて来た雑魚は何回か吸収してきたが、下弦ともなると血の量、濃度ともに圧倒的だな。

全体的に強化されたようだし、うまくいったな。

さてあとは倒れている2人だね。

 

「鬼が鬼を取り込んだ…….. 」

 

目の前の事態を飲み込めず呆然としていた炭治郎だったが、異質な鬼が突然消え妹をもって自身の前に現れことでようやくかなりマズイ状況にあることを理解した。

 

「妹を離せ!!!!!!!!!!!! 何をするつもりだ」

 

最早目の前の鬼を倒す力も残っていない炭治郎だったが、何もしなければ妹がどうなるか分からない。

兄として、たったひとりの家族を守るため、無理やり日の呼吸を使おうとした。

 

鬼は体の一部を針にして飛ばし炭治郎を動けなくした。

 

炭治郎は息を吸い呼吸を使おうとした瞬間に鬼が何かをし、体が動かなくなり技も出せなくなってしまった。

 

「鬼が言っても説得力はないけど、殺さないから」

 

そう言って鬼は炭治郎の首も妹と同じようにつかみ、なにやら目を瞑って集中し始めた。

 

【血鬼術 調律・深】

そろそろ水柱が来るから終わらせたいが、調律・深は時間がかかるな。

ただの記憶ならば調律でいいが、それ以上になると調律では力不足だ。

それに脳の処理能力が足りないな。

情報が普通のやつよりも多い。

鬼の適性が高いだけはある。

 

 

「一体何をした!!!??? 答えろ!!!!」

 

炭治郎は鬼に問いかけるが、鬼は何も話すことはなく落ちていた木の枝から刀を作った。

ついに殺されると覚悟をしたが、鬼はこちらに向くことはなく自分に背を向けて刀を構えた。

 

鬼が刀を構えた方向から義勇が現れた。

来る方向がわかっていたのがという疑問が生まれたが、信頼する柱が来てくれたことで炭治郎は安心をしてしまった。

 

「炭治郎!!??、 お前はあの時の!!??」

 

「この鬼は下弦を取り込んで、体が痺れる血鬼術を使います気をつけてください!!!」

 

 

「血鬼術ではないのですけどね、お久しぶりです。 元気でしたか? 水柱さん」

「あれから私も呼吸を練習してみたんです、お手合わせお願いします」

 

「言われなくても、今回こそお前はここで斬る」

 

「炭治郎、つらいだろうが今すぐ妹を連れてここから逃げろ」

「俺はこの鬼を相打ちになってでも倒さなければいけない、少しでも情報を持って帰れ」

 

「そんな!!??」

 

炭治郎は義勇がまるで自分が負けるかのような言葉に動揺を隠せなかった。

加えて鬼が呼吸を使えるかのような発言も動揺をさらに高めたのだった。

常識から考えられないようなことが起こりすぎていたのだ。

 

「お話は終わりましたか?では行きますよ」

 

【水の呼吸 拾弐ノ型 流転飛沫・乱】

 

「!!!!!!」

 

「!!!!!」

 

【水の呼吸 拾壱ノ型 凪】

 

義勇は突然繰り出された知らない型に驚きを隠せなかった。

鬼は間違いなく水の呼吸を使用し、さらに新しい型を使ってきたのだ。

それもとても洗練されていて、本当の水の呼吸の使い手のようであったのだ。

 

炭治郎は目の前の光景を信じることが出来なかった。

鬼が水の呼吸の未知の方を使い、義勇もまた自分にとって未知の型を使っていたのだ。

自分のレベルとは何もかもが違っていたのだ。

 

 

鬼は最早地面に接していなのではないかという速度で、攻撃を仕掛けて来る。

龍があらゆる方向から仕掛けてくるような攻撃で、義勇はそれを間合いに入った瞬間に全て凪いでいた。

 

【水の呼吸 拾参ノ型 落滝・斬】

 

【水の呼吸 参ノ型 流流舞い】

 

鬼が頭上からの斬撃を滝のように重く落として来るのを流流舞いで避けつつ、義勇はさらに強くなっている鬼に柱1人では勝てないとわかりながらも戦っていた。

蟲柱が来るまでどうにか持ちこたえなければまた負けてしまいそうだった。

 

【水の呼吸 拾肆ノ型 爆水衝刃】

 

【水の呼吸 拾壱ノ型 凪】

 

鬼がさらなる呼吸を使用し、今までのよりもさらに威力が高いものになっていた。

一撃一撃が重く、そして鋭い。

 

 

鬼の方はというとすでに飽きていた。

柱との戦いに備えて呼吸を血鬼術と合わせて強化した技も準備していたが、使う必要がないと感じていた。

下弦を吸収したことで大幅に強くなったのもあって完全にやりすぎ状態になっていた。

 

「そろそろ終わりにしようか、なんだか疲きてしまいました」

 

「それじゃあね、今度戦う時までにもっと強くなっていてくださいね」

 

鬼は突然距離をとってそういうと、塵となって消えてしまった。

その動作だけでも義勇は前回よりもさらに手に負えなくなっていることを受け入れざるを得なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

——とある山奥ーーーー

 

張り切りすぎたかな?

蟲柱も来るはずだけど、水柱よりも強いとは思えないしもういいかな。

 

柱よりも上弦と戦いたい。




まずいですよ!!


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