日本国召喚 平行世界の日本と共に! 休載中 ( 醍醐)
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序章
001 異世界との初接触


初めての二次創作だけど、暖かく見守ってください。
こんなに原作の同じシーンよりも文字数が増えるとは思ってなかった。


どうぞ、楽しんでください!

2021.6/6 一部修正


 中央暦1639年1月12日午前8時

 

 ロデニウス大陸クワ・トイネ公国北東領空

 

 

 

 

 

 雲ひとつ無い透き通るような青い空に、その生物は羽ばたいていた。

 

 恐竜のような頭に、翼が付いている胴体に国籍マークがついた鎧をつけ、さらには鋭い尻尾までもある。地球の人間が見たならば、それを空想上の生物『(ワイバーン)』と呼ぶだろう。

 

 竜の上には、軽装の鎧──中世ヨーロッパ時代のような──を装着した人が搭乗していた。

 

 

 

「こんな北東まで、哨戒する必要あるのかねぇ……」

 

《聞こえてるぞ、マールパティマ。何があるのか分からないのだから、よく確認n》

 

「しかし、異変が発生してから11日もたっているのですよ? 特に影響はないと思えますが……」

 

《……言い分は分かるが、軍務局からの命令だ。あと、1時間ほどで交代だから踏ん張ってくれ》

 

「了解……はぁ」

 

 

 

 クワ・トイネ公国軍第6飛竜隊に所属するマールパティマが、ここまでぼやいているのには訳があった。

 

 彼がいる北東の領空は、普段なら哨戒は行われていない空域であり、おまけに彼が所属する第6飛竜隊は休暇中であったところを、異変発生を理由に休暇を取り消されて任務についていたからである。

 

 

 

 

 

 異変──丁度年が明けた頃にクワ・トイネ公国の北東の方角が白く輝いたのだ。深夜のはずが昼間のように明るくなったのだ。

 

 クワ・トイネ公国や周辺の国々──第三文明圏外国──は、混乱した。(いにしえ)の魔法帝国が甦ったのではないかと恐怖したのだ。

 

 しかし、伝承された魔法帝国が復活する状態とは真逆──魔法帝国が復活したときは、昼間が夜のように暗くなる──だったため、混乱は徐々に収まっていった。

 

 しかし、クワ・トイネ公国は違った。隣国のロウリア王国が大規模魔法を使用したのでは無いかと疑ったのだ。ロウリア王国は、獣人や亜人を迫害しており、人口の三分の一を獣人や亜人が占めているクワ・トイネ公国とその同盟国であるクイラ王国と敵対していたからである。

 

 

 

 

 

 休暇がなくなりぼやいていたマールパティマであったが、任務はしっかりとこなしていた。

 

 

 

「そろそろ、交代時間だな。相棒も疲れただろう、戻ったら体を綺麗にしてやるからな」

 

 

 

 彼は、相棒であるワイバーンに声をかけ、ワイバーンも返事をするかのように鳴いた。交代騎がいつ来るのかと周りを見渡していると、それが高速で近づいてきた。

 

 

 

「なんだ、あれ? あの方角じゃ、友軍ではないな」

 

 

 

 未確認騎は、北東から近づいてきた。

 

 友軍の交代騎にしては、方角がおかしい。仮にロウリア王国軍だとしても、ロウリアとの国境と反対のこちら側から来るのは、航続距離の問題からしてギリギリであるため、可能性は低い。近づいてきた未確認騎を見て彼は、驚いた。

 

 

 

「……?羽ばたいていないだとっ!」

 

 

 

 驚いた一瞬、動きが止まったがすぐに職務を思い出し、彼は、即座に魔法通信機(魔信機)を取り出し、司令部に報告を上げた。

 

 

 

「こちら、北東空域哨戒中の第6飛竜隊マールパティマ、防空司令部、未確認騎を発見、これより……」

 

 

 

 彼は、通信を終え、改めて未確認騎を見てみた。

 

 大きな音を出して回っている風車(プロペラ)のようなものが二つあり、何に使うのかわからないが小さな棒(対空機銃)が何ヵ所かにあった。

 

 しかし、何よりも彼の目を引いたのはその色であった。自分の相棒や他のワイバーンよりも濃い緑色の体に、翼と胴体にある赤い丸(日の丸)のマーク。

 

 あんな国籍マークをつける国があったけか? と、彼は一瞬考えたが、思い浮かばず、はぐれの新種か何かだろうと思い、即座に未確認騎を止める行動に出ようとした。

 

 幸いにも高度差はなく、彼は一旦通りすぎてから反転して距離を詰めるつもりであった。

 

 

 

「これ以上は、進ませるものか!」

 

 

 

 彼は愛騎を羽ばたかせて反転する。風圧が重くのしかかり、飛ばされそうになる。一気に距離を詰める……つもりだったが、まったく追いつけない。 ワイバーンの最高速度時速235㎞。生物の中でほぼ最速を誇り(三大文明圏にはさらに品種改良を加えた上位種が存在するらしいが)、馬より速く、機動性に富んだ空の覇者がまったく追い付けなかった。

 

 彼は、未確認騎が向かう方角を見て、即座に通信を入れた。

 

 

 

「くそっ! 司令部、司令部応答せよ! 未確認騎の速度が速く、迎撃に失敗。繰り返す、未確認騎の……」

 

 

 

 彼は、追い付くことに必死で未確認騎(一式陸上攻撃機)の中に人がいることに気が付かなかった。

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 第6飛竜隊基地司令部兼マイハーク方面防空司令部

 

 

 

 司令部通信員カルミアは、マールパティマからの通信が信じられなかった。

 

 ワイバーンが追い付けない生物が存在するのかと……

 

 

 

「こちら、司令部。もう一度報告せよ、騎が未確認騎に追い付けなかったのは事実か? また、国籍がわかり次第通達せよ」

 

 

 

 ロウリア王国の偵察、攻撃の可能性もあるので国籍を問う。

 

 

 

《ダメだ! 全く追い付けない。国籍は、不明、見たことの無いマークだ! マイハーク方面へ進行中、至急増援を請う!》

 

「古竜等の可能性はないか?」

 

《古竜ではなく、ロウリア王国のワイバーンでもない。生物かどうかも不明! 至急増援を請う!!》

 

「了解!」

 

 カルミアはすぐに近くにいた上司の通信司令に報告を行う。

 

 

 

「通信司令、北東空域哨戒中のマールパティマより、未確認騎を確認、国籍は不明で翼も羽ばたいておらず、追跡するも速度が速く追い付けないとのことです

 

「なんだと……」

 

 

 

 羽ばたかないとは、まさか、列強が持っている飛行機械か……? 

 

 報告を受けた司令部は一瞬動揺したが、即座にムーより輸入──クイラ王国がライセンス生産──したサイレンを鳴らした。

 

 

「即座に警報を鳴らせ!緊急発進(スクランブル)の準備を行わせろ!」

「追加報告です! 未確認騎は、マ、マイハーク方面に進行中とのことです。増援要請も出ています」

 

 

 ウーウーウーウー

 

 

 再び司令部はその報告に慌てふためいたが、通信司令は即座に行動を起こした。

 

「俺は、基地司令と軍務局に報告する、第6飛竜隊に緊急発進(スクランブル)命令だ! マイハーク市にも通達を急げ!」

 

緊急発進(スクランブル)緊急発進(スクランブル)、第6飛竜隊は、全騎発進せよ! 繰り返す……》

 

 即座に、緊急発進(スクランブル)命令が出され、ワイバーンが次々と空に上がりマイハーク方面へと飛んでいった。

 

 

 マイハーク市北東上空第一防衛ライン

 

《隊長、全騎配置につきました。もう間もなく未確認騎がきます!》

 

 第6飛竜隊隊長オールディンクスは、全騎配置についたことを確認し、未確認騎の正面に出ることができた幸運を噛み締めながら、命令を出した。

 

「我々は、幸運なことに、未確認騎を正面にとらえることができた。しかし、未確認騎の方がはるかに速度が速い、恐らく一瞬しかチャンスはないだろうが導力火炎弾の一斉射を浴びせる! 各員一層奮励努力せよ!」

 

 彼は、タイミングを計りつつ命令を下した。

「まだだ、まだだぞ……。よしっ、導力火炎弾発射準備! 全騎、導力火炎弾一斉s……!?」

 

 しかし、導力火炎弾を発射することはできなかった。

 未確認騎が、ワイバーンの最高高度である高度3,000mよりも高く昇ってしまったからだ。

 

「なんなんだ!? あの高度を飛ぶとは……。クソッタレ、ボヤボヤするな!すぐに追いかけるぞ!」

 

 彼らは、攻撃が届かないと見るや、すぐさま追跡にかかったが、速度も圧倒的に早く追い付けなかった。が、未確認騎がマイハーク方面とは逆の方に飛んでいったことは確認できたので、第6飛竜隊は、基地に戻った。

 

 

 

 

 この影響で当分の間、クワ・トイネ公国軍は臨戦態勢をとることとなり、第6飛竜隊の休暇は完全にお釈迦になり、マールパティマやオールディンクスらは、謎の飛竜を大いに恨んだそうだ。

 

 




感想・意見お待ちしてます。
豆腐メンタルだから、あまりきつく言わないでくれるとありがたいです。

次回は、8/8に投稿予定です。


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002 異世界?との接触

初投稿でUAが780を超えるとは…
お気に入り登録16件もしてくれてうれしい!
評価もありがとうございます。
感謝です!
さて、やっと2話目だよ……
書きたい話が上手く書けなかった…
そのうち修正版出すかもだけど、まぁ楽しんでいってください!



 平成27年1月4日午前9時

 日本国東京首相官邸

 

「どうして、こうなった……」

 

 この国で、一番偉いとも言えるよう(おそらく実務では一番)な人、総理大臣が嘆いていた。

 

「総理、そろそろ国民にも発表しましょう。いつまでも国民に隠しておくことはできませんよ」

 

 秘書が総理にそう働きかけるも、総理は机に項垂れたまま、

 

「じゃ、官房長官お仕事(記者会見)頑張ってっ(^ー^)!」

 

 官房長官に丸投げした。

 

「そんなこと、できるわけないだろー!? あんたが、説明しないと、納得しないよ! たぶん……

 

 官房長官が言い返すと、

 

「そんなこと言ったって、誰も信じねぇーだろうが! こんな馬鹿げたこと……」

 

 防衛大臣が官房長官に言い返し、

 

「……ホントにこんなことが起きるんですねー」

 

 秘書が現実逃避をはじめて、

 

「なんで、こんな時に首相になっちまったんだ! ちくしょうめぇ! 

 

 と、総理が、癇癪を起こして喚いた。

 こんなときでも、愉快な総理と仲間たちであった。

 

 何故こんなことになっているのか知るには、前日の、年が変わってすぐの頃に遡る必要がある。

 

 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 平成26年12月31日日付が変わる頃

 渋谷スクランブル交差点

 

『3,2,1,ハッピーニューイヤー!』

 と、年を跨いだ瞬間

 

 

ピカァッ! 

 

 と、空が一瞬昼間のように明るく光ったのだ! 

 それと同時に、震度3程度の地震も発生した。

 大晦日であったため、人々は混乱に陥ったが、大晦日であるが為に、警官もたくさんいたのですぐに収まったが、このときからすでに異変は起きていた。

 

 

 渋谷警察署

 

「はぁ、いったいなんの騒ぎだったんだろうな……」

 

 年配の警官が、ジャケットを脱ぎながらぼやいていると

 

「ホントに何だったんすかね? 年明け早々やめてほしいっすよ。花火でも打ったんじゃないですかね。あ、コーヒーか紅茶飲みます?」

 

 まだ、警官になったばかりの新人は、あまり気にならないのか、夜も遅いのに元気そうに、飲み物を配っていた。

 

「若いっていいな……」

 

 思わずそう呟いた年配警官であった。

 

 警察署の休憩室では、大晦日であるにも関わらず仕事に駆り出された警官たちがコーヒーや紅茶片手に愚痴っていた。

 

「いや、花火ではないらしいぞ? 付近で打ち上げられた形跡もないし、打ち上げるときのあの、特徴的な音を誰も聞いていないらしいからな」

 

 情報通な警官が知っている情報を伝えると

 

「そうなんですか? でも、地震も一緒に起こるなんて、気味が悪いですね。はぁ、どうせ、休暇もお釈迦になって新年早々に捜査に駆り出されるんでしょうね」

 

「地元に帰ってる連中も呼び出されるかもな。仮眠する気も失せたわ。テレビでも見るか?」

 

「休暇がなくなるのは、いやっすね。この時間、なんか放送してますかね?」

 

 休暇がなくなるのは嫌だという趣旨のことを話していた彼らは、テレビを見ることにした。

 最初につけた番組(某公共放送)を暇潰しがてらに見ていて、番組と番組の間に放送している短いニュースを見て驚愕した。

 

『……先程確認された、空が光る現象と同時に発生した地震ですがいずれも関連性は不明との事です。現在入った情報によりますと、これらの現象は全国で発生したと見られています』

 

「マジかよ……」

 

 そう呟く警官に、

 

「せ、先輩どうなるんですか!? 俺たちは、これから(休暇)どうなるんですか!?」

 

 新人警官がようやく慌てた様子でこれからのことを尋ねた。

 

 いや、読者の諸君、ツッコミたいことあるだろうけど、取り敢えずそのまま見守ろう。

 

「と、とりま、続き観ようぜ?」

 

『……調査が続いています。また、この直後から海外との無線通信も途絶しており、先程の現象で、何らかの影響が出ていると考えられます』

 

 そこで、アナウンサーに紙が手渡され、先程まで、営業スマイルを維持していたアナウンサーが狼狽しだした。

 

『え、この情報は本当ですか? ……失礼いたしました。只今入ってきた情報です。先程の現象のあとから海外との有線通信やインターネットが一部で繋がりにくくなっているとのことです。また、政府は……』

 

「本当に何が起きたんだ……」

 

 年配の警官は、先行きが暗いことを悟った表情で呟くように言った。

 

 平成27年1月1日お昼前

 海上自衛隊下総航空基地

 

 この基地から本来なら配備されていないOP-3Cが燃料補給を終えて飛び立っていった。

 

「……ああ去らば下総よ。また来る日まで……」

 

 と一人の隊員が下総基地の明かりを見ながら呟いていた。

 

「どうせ、また来るんだからバカなことを言うなよ」

 

 と同僚があきれたように言った。

 

「でも、ここ来たのは教育の時以来だぞ! 懐かしく思うじゃないか!」

 

 感傷に浸っていた隊員が言い返すが……

 

「貴様らっ! 、仕事に集中しろ!」

 

 と、機長に怒鳴られて、

 

「「はい……」」

 

 と意気消沈していた。

 

 何故ここにOP-3Cがいるのかを説明しよう。

 そもそもOP-3Cとは、海上自衛隊の哨戒機P-3Cが冷戦終結による哨戒作戦の減少に伴って、20機程度が任務から外され、そのうちの5機が画像情報収集機、つまり偵察機に改造された機体だ。すべての機体が岩国基地に配備されている。

 つまりは、情報収集・偵察のためにわざわざ太平洋のほうまでやって来たのだ。

 普通のP-3CやP-1で、良かったじゃんと思う人も居るだろうけど、電波情報も集めるからOP-3Cの方がいいのだ。

 多分……

 

 

 お昼過ぎ

 小笠原諸島沖西北西100km

 

 

「……っ! レーダーに反応あり! 10時の方向より、急s……、せ、接近中?」

 

 下総基地を飛び立ったOP-3Cは、特に何も見つからないのでそろそろ帰投するかと機長が言い出した頃にレーダーに反応があった。

 

「どうしたんだぁ? 速度も伝えろ!」

 

 少しアクセントが入った感じの声で、機長が、レーダー員に尋ねた。

 

「え、ええっとですね……。周辺国の機体にしてはコイツ(OP-3C)よりも遅いです」

 

「はっ!? コイツ(OP-3C)よりも遅いだと? 具体的には?」

 

 機長は、レーダー員に尋ねた。このOP-3Cよりも遅い速度の機体を緊急発進(スクランブル)に使う国なんかに心当たりがなかったからだ。

 

「……え~と、だいたい600kmでるか、でないかぐらいのが二機です」

 

「それって、コイツ(OP-3C)の巡航速度と大して変わらないよな? 取り敢えず、高度と速度を上げるぞぉ! 副長、そんな遅い機体を使っている国は近くにあったっけか?」

 

 機長は、自分だけで判断するのは難しいと判断し、副長に意見を求めた。

 

「スクランブルが来るということは、レーダーで捉えられていると思うので、一応通信してみてはどうでしょうか?」

 

 副長は、計器を操作しつつ答えた。

 

「よし、そうするかぁ! ……あー、あー。各員傾注、本機はこれより、接近中の機体に対し、コンタクト(接触)を掛ける。各員は、警戒を厳となせ」

 

 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 昭和21年1月2日午前9時

 大日本帝国海軍新神島警備府長官室

 

「どうして、こうなった……」

 

 この島で、一番偉いとも言えるよう(おそらく海軍では一番)な人、警備府司令長官が嘆いていた。

 

「長官、そろそろ将兵や陸軍にも伝えましょう。本来なら見える距離にある本土が見ないのです。隠しておけるのも時間の問題です」

 

 副官が長官にそう働きかけるも、長官は机に項垂れたまま、

 

「ん、まずは、海軍(ウチ)のお偉いさん呼んできてくれ。陸さんに伝えるよりは楽なはずだろう……たぶん……

 

「はっ! では、第二艦隊司令部の面々と、戦隊司令官、軍艦艦長、駆逐隊司令を呼んで参ります」

 

 副官は、敬礼をして部屋を出ていった。

 

「……何故、このタイミングなのだろうな」

 

 昭和18年に米国の先制攻撃によって開戦した日米戦争は、一進一退の攻防が続いていた。が、昭和20年のソロモン諸島での消耗戦によって帝国軍が撤退したことによって日本が押され始めていた。そんななか、米国は日本の真珠湾とも云われるトラック泊地に侵攻しようとしていた。

 米軍の侵攻を止めるために各拠点に集結した連合艦隊だったが、そのタイミングで異世界に転移してしまったのだ。

 幸い、本土や他の内地拠点とは連絡が取れたが、トラックやニューギニア、満州などにいるはずの部隊が本土にいるという事や、警備府のある島が本土より離れてしまった点などが不可解であった。

 何より、米軍や他の国や外地である朝鮮や台湾の通信が傍受できないことが、ここは地球ではないのではないかという考えをもたらした。

 最初は、そんなわけないと笑っていた上層部だったが、新神警備府が飛竜(ワイバーン)高性能四発機(OP-3)と遭遇したことによってここは、地球でないことを受け入れたようだった。

 新神警備府では、

 

「なんで、新神警備府(ウチ)ばっかりなんだよ! ちくしょうめぇ! 

 

 という叫びもあったそうだか、黙殺され外の勢力と接触するように命令を受けてしまった。

 で、(長官)が独り言を言ってた間に副官が海軍の幹部を連れてきたけど、何故か陸軍の連中もくっついてきていた。途中で会ってそのまま来る流れになってしまったそうだ。

 はぁ、めんどくせぇことになっちまった。

 

 ~50分後~

 

 やっと話が終わったぜ! 本土から離れた距離になってしまったと言ったら、わめきまくるバカ共(陸軍)もいたが、やんごとなき御方のお陰でどうにか助かったな。

 あの御方には、陸なんぞではなく海軍に入ってほしかったな。

 ん、? 

 

「おい、何か言いたいことがあるのなら直接言いたまえ」

 

 副官が変な目でこちらを見てくるから尋ねたのだが、どうしたのだろうか? 

 

「……いえ、ずっと一人でブツブツ呟いていたので頭がおかしくなったのかと思いまして」

 

「ふざけんなよ! コンヤロー、考え事が口から出てただけだ」

 

 全く、失礼な副官だ。でも仕事はできるやつだから、手放したくはないな。

 

「それなら宜しいですが。明日、日本国の使節が来るのですよね?」

 

「ああ、そうだぞ。後で、殿下と司令長官だけに伝える。飛行長や警備隊長は知っているのだろう?」

 

「はい、その通りです。しかし、日本国ですか。偶然ですかね。日の丸もあったようですし」

 

「その辺のことは明日、使節が来たら尋ねればよいだろ。準備は抜かりなくな。私は、横須賀(GF司令部)霞ヶ関(海軍省)に報告するから監督は任せたぞ」

 

「はっ」

 

 日本国か、どんな国なのだろうな。明日が楽しみだ。






日本国使節との話は、番外編で出そうかな?
重要な話だけど、話進めたいしな。
まぁ、どんなことがあったのか次回の冒頭で書けばいいよね?
明治日本は、まだでない予定です。
次回は、8/15に投稿予定です。
では、また来週!

感想・意見お待ちしてます。
豆腐メンタルだから、あまりきつく言わないでくれるとありがたいです。


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003 今度こそ、異世界との接触

どもこんにちは
お気に入り登録8件増えました。
評価もありがとうございます。
感謝です!
今日、8/15戦争で亡くなった方たちに黙祷を…
さて、3話目だよ……
一回書いたけど、間違って昨日消去しちゃったから急いで書き直したよ。
くそ疲れた…
今回は短いけど、まぁ楽しんでいってください!

2021.6/6 一部修正


 平成27年1月18日

 

 先日接触した日本と帝国(大日本帝国)は、友好条約を結ぶことで合意したが、条約締結には、時間がかかるため、ひとまずは協定ー代表者の名前を取り、朝田ー天宮協定ーを結び、共同して活動することにした。

 

 朝田ー天宮協定

 

 1,日本国と大日本帝国は、国交締結に向けて国内に働きかける。

 2,日本国自衛隊と大日本帝国軍は、共同して周辺の状況を調査する。

 3,新世界国家と接触(contact)する際は、共同で行う。

 

 

 平成27年1月23日

 

 この協定にしたがって海上自衛隊と大日本帝国海軍は、南方に発見された大陸へ外交官を伴いながら向かっていた。

 空母(ヘリ空母)1隻、戦艦1隻、巡洋艦2隻、大型駆逐艦(汎用型護衛艦)4隻という艦隊が大陸へ向かっていったが、接触することはできるのだろうか? 

 

 

 

 

 中央暦1639年1月27日 

 マイハーク港沖合約60km

 

 クワ・トイネ公国の最新鋭艦である軍船『ピーマ』は、漁船から通報のあった海域へ向かっていた。

 帆をいっぱいに張り、風を受けてオールも合わせて漕ぐという方法で現在出しうる最大速度7ノットで海域に向かっていた。

 船上では、戦闘態勢が整えられていた。鎧をまとい、剣を帯剣した者、矢避けの盾を甲板に立て、最新鋭の大型弩弓(バリスタ)の動作確認をしている者もいた。

 目的の海域にたどり着いたとき、船長をはじめとする船の幹部たちは最新鋭の装備が揃い、公国軍精鋭が揃っているにも関わらず顔色が悪くなっていった。

 彼らは気づいた。

 不審船に近づけども近づけども、たどり着かない理由(わけ)を……

 不審船は、我々の常識で測りきれる大きさではないことを

 しかし、気がつかない愚か者もいた。

 

「船長、あのでかいだけの不審船は我々の最新鋭の装備に恐れをなして停船したようだ。即刻、臨検を実行すべきと具申する!」

 

 貴族出身の若手士官が船長に意見具申した。

 意見具申と言いつつ上から目線だが。

 

「……ちっ、海のことを何も知らん小僧(貴族のボンボン)が何を言いやがる!」

 

「船長に向かってなんて口を聞くんだ……」

 

 航海長や副長が若手士官に対し、嫌みを言う。

 

「ふん、私に逆らえば貴様らなぞ辺境に飛ばしてやる」

 

 若手士官は、怒りの沸点が低いようで副長らにたいして喧嘩腰になっていた。

 

 にらみ合いが続き、殴り合いが始まりそうになったが、見張り員の報告によって事態は終息した。

 

「奥にもう一隻大型船……いや、超大型船がいます! 棒のようなものがこちらを向いています!」

 

「どけっ! 俺が直接見る」

 

 ここまで若手士官を相手にせず、不審船に対する行動を考えていた船長が見張り員から、望遠鏡を焦った顔で奪い取り超大型船の様子を覗きこんだ。

 

 その超大型船(金剛型戦艦)灰色の巨大な城と煙突が中央に見え、その前後に巨大な山が二つあり、そこから2本ずつ巨大な棒が飛び出ていた。

 

「まさかあれは……」

 

 船長の脳裏には、かつて見習い士官の頃訪れた、第三文明圏列強パーパルディア皇国で見かけた世界最強の国神聖ミリシアル帝国軍艦の姿が浮かび上がっていた。

 

 ーあの山のようなところから棒が飛び出ているのはおそらく回転式砲塔だろう。今、私の目の前に存在する船の砲の大きさはミリシアル帝国のものと同じくらいに見える。だが、ミリシアルやムーの船とは設計が違う気がする。……つまり、ミリシアルやムーと同等の力がある別の国の船か? ー

 

 その軍艦について素早く考察した船長は、即座に命令を出した。

 

大型弩弓(バリスタ)ひとつ動かすなよ! 相手を刺激するな。見張り員、国旗を確認したらすぐに伝えろ」

 

「了解です」

 

「はっ、国旗を視認次第お伝えします」

 

 航海長や副長もすぐさま持ち場に戻り、作業を行っていたが、若手士官はその場で顔を背けて震えていた。

 

「貴様っ!今すぐ持ち場につけ!」

 

 船長は怒鳴り付けたが、若手仕官はその場から動かなかった。と、思えばいきなり顔をあげ、唾を飛ばしながら怒鳴り出した。

 

「貴族である私の言うことを聞かないとは、どう言うことだ!」

 

 若手仕官は怒りで赤くなった顔を震わせながら、拳を振り上げ、船長に向かって怒鳴り殴ろうとしたが、すぐさま甲板員に押さえつけられた。船長は若手士官を汚物を見るかのように見下しながら、副長へ命令を下した。

 

「副長、この命令違反者を独房に叩き込んどけ!」

 

 何を命じられるのかと怪訝な顔をしていた副長は、命令を聞いたとたんに、いきいきとした表情に代わり、自ら若手士官を甲板員と共に連行していった。

 

「貴族のボンボンが……」

 

 船長は、若手士官の喚きなど聞こえないかのように一言愚痴ると再び望遠鏡を覗き込んだ。

 

 先程の船の後ろに少し小さいサイズの船(妙高型重巡洋艦)が2隻見え、また、城のような船と同じぐらいの大きさの平べったい船も1隻見えた。小さいとは言ってもどちらもこの『ピーマ』より大きく、平べったい船以外は大きさは違えど、砲塔をつけていた。

 

「あんな船を作れる国がこの第三文明圏にあるのだろうか……」

 

「船長っ! 国旗は、見たことないやつださ。白地に赤い丸が見えるださ。あと、軍旗? ぽいのは国旗から赤い線が放射状に延びているようださ」

 

不審船について考えていた船長へ、訛りと方言が出ている見張り員が、国旗や軍旗について報告をした。

 

 ーどちらの旗も見たことがない? うちの船の連中は、新鋭船だから精鋭揃いだ。見間違えるはずがない。……ということは新興国の船か。外交案件だとしたらめんどくさいが慎重に行動せねばなー

 

 船長は考察を終え、指示を素早く出していく。

 

「新興国の船の可能性が高い。臨検隊は、私自ら率いる。副長、船の指揮を頼むぞ! 相手が攻撃しない限り絶対に反撃するな。通信長、本部へ電文を送っとけ!内容は任せる」

 

 艦長は、そう指示し、相手の大型船の中でも平べったい船(護衛艦『いずも』)へ近付くように指示を出した。

 

 平べったい船の上からは、何人もの人が手をこちらに振っているのが見えた。私は、敵意はないのだろうと踏んだ。

 あと、光るもの(探照灯)を点けたり消したりしていた。どういう意味があるのかは知らんが。

 

「通信長、不審船に魔信は通じたか?」

 

「いえ、通じません。故障を疑いましたが、本部には報告できているため、故障ではないかと……」

 

「あんな大きい船を作れるくせに魔信はないのか? おかしな船だなぁ」

 

 まぁ、不可解なこともあるが取り敢えずは接触するか。

 

 軍船『ピーマ』は平べったい船(護衛艦『いずも』)の誘導に従い、接舷することにした。

 

「臨検隊は、私自ら率いる。これは、外交案件になる可能性が高い。我が公国の恥とならぬように行動せよ!」

 




次はいよいよ、クワ・トイネとの接触ですね。
来週は、模試や文化祭の準備があるので投稿はお休みします。
(ストックが切れた訳じゃないからっ!)
次回は、9/5に投稿予定です。
では、また今度!

感想・意見お待ちしてます。
豆腐メンタルだから、あまりきつく言わないでくれるとありがたいです。


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004 異世界との接触(2)

更新遅くなってホントすみませんでした!
今回は、短いですが楽しんでください。

10/26誤字報告ありがとうございます。


 ──そのとき、私は生涯の中でこれ以上驚愕することはないだろうと思った。しかし、このときが最大の驚きではなかった。そう、驚きの始まりであったのだ。──

 

 異世界との出会いー序章より抜粋ー著者 ミドリ・グラウバー

 

 バリー二等水兵は、ミドリ船長自ら率いる臨検隊の一員として平べったい巨大船(護衛艦『いずも』)に乗り込んだ。

 バリーは、木製ではなく鋼鉄の船体や、自動で上がる甲板(エレベーター)という存在に驚愕し続けていた。

 

「なんなんだこの船は! 鉄でできているだけでなく床が動くなんてな」

 

 バリーは、同僚のグラーツ二等水兵に興奮のまま話しかけた。

 

「グラーツ、こんなすごい船に乗れるなんて俺たちラッキーだな! 船に残った連中に自慢できるぞ!」

 

「……そうだな……」

 

 グラーツは、バリーほど興奮していなかったが造船学を少しばかり学んだことがあったので、表面はともかく内心は、かなり興奮し、動揺もしていた。

 

(なんだ、この船は! 魔法技術を使わずに作っているのか、魔法陣や魔力計器が存在していない。しかし、あの列強以外の国が、魔法を使わずにこんな巨大な船を作れるとも思えんし……。いったいどんな技術を持っているのか楽しみだ!)

 

 こうして、臨検隊の面々が様々な思いを抱いているなか船長のミドリはこの艦の代表と思われる人物たちと会談しようとしていた。

 

(落ち着け、おそらく初めて接触する国の連中だ。公国軍人として失礼の無いように、かつ、公国の誇りをもって接触せねばならん。ここで問題を起こして、戦にでもなったら我が公国に勝ち目はないかもしれん。慎重に行動せねば……)

 

 ミドリは、内面の動揺を表面上は抑え、笑顔を保ちながら黒い服を着た二人の人物の元へと近寄って行った。

 その二人からは、動揺しているのがバレバレであったが。

 

「我々はクワ・トイネ公国海軍です。この先は我が国の領海で……」

 

 結局、ミドリはすべてを言うことはできなかった。

 

「言葉が通じるぞ!?」

 

 黒服の二人が飛びあがって喜んでいることに、話しかけずらくなったミドリは、二人が落ち着くまで待つ羽目になった。

 とは、言ってもカップラーメンもできないほどの時間だったが……。

 

「いや~、先程は見苦しい姿をお見せして申し訳ない」

 

 ようやく落ち着いたらしい、黒服の……いや、外交官の二人が話しかけてきた。

 

「い、いえ、大丈夫です。それで、お二人は一体?」

 

 二人のうち、黒淵メガネをかけている方が前に出て、きれいに腰を曲げ挨拶してきた。

 

「私は、日本国外務省の外交官、朝田と申します。これからよろしくお願いします」

 

 朝田の挨拶が終わると、もう一人の男が挨拶してきた。朝田、比べると背が少し低く、この男も眼鏡を掛けていた。

 

「私は、大日本帝国外務省の園田と申します。よろしくお願いします」

 

「日本国……と大日本帝国……ですか? 失礼ながら、今まで聞いたことのない国名ですがどこにあるのでしょうか?」

 

「ここからおよそ、950㎞ほど北西にある島国です。あ、単位わかります?」

 

 朝田が、答えてくれたがその方向には、小さな群島しかなかったはずだ。

 こんな高度な技術を持った国ができるはずもない。

 あと、何故か単位は同じだったようで、混乱はしなかった。

 

「ええ、単位はわかりますが……。そちらの方角に島なんて、小さいのがいくつかしか……」

 

 ミドリが答えようとしたが、途中で園田が話を遮った。

 

「細かい話は、艦内で行いましょう。ここでは寒いですし」

 

 その提案に三人は賛成し、艦内へ移動することとなった。




一体いつになったらクワ・トイネで会談が行われるのやら
次回は、もう少し早めに投稿します。
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