星々の王と妃 (旭姫)
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キャラ紹介

ハーメルンにて最初の小説投稿になります。


今回は登場人物紹介です。


キャラ紹介

 

四葉達也

司波達也であり、タツヤ=バランス。

四葉家当主四葉真夜の冷凍保存卵子と魔法師の精子バンクから取り寄せた精子を体外受精させ、姉である四葉深夜を代理母にして生ませた。

魔法は『再生』と『分解』の2つに魔法演算領域が支配されていて、上手く魔法が使えなかったが、今では普通に魔法が使える。

ヴァージニア=バランスに引き取られる前に母である真夜から『流星群(ミーティア・ライン)』を受け継いだ。

USNAでは、リーナがシリウスを受け継いでいるため、達也はリーナのシールズ姓を名乗り、タツヤ=シールズ中佐として、総隊長補佐と、国際魔法協会理事を兼任している。

スターズの任務で『流星群』を(たまに)使っているため【星王】と呼ばれている。

戦略級魔法は『星屑の穴(スターダスト・ホール)』(対象に一筋の星を落とし、そこに穴を開けることで対象を消滅させる魔法)

第一高校に潜入するときは義母のバランスの戦友である国防陸軍の風間少佐の名字を使っている。

 

 

アンジェリーナ=クドウ=シールズ

達也のUSNAではじめての友人にして恋人。

アンジェリーナ=シリウス中佐として活動する。

達也のせいでシリウスを受け継ぎ総隊長になる。

達也の恋人であり、彼女の戦略級魔法である『ヘビィ・メタル・バースト』の見た目から【星妃】と呼ばれている。

第一高校に潜入するときは工藤利奈(くどうりな)という偽名を使っている

 

 

レイモンド=クラーク

達也とリーナの友人であり情報源。

達也達とはタツヤ、リーナ、レイと呼び合う仲。

達也と意気投合したことで仲良くなり、 彼自身の保有するフリズスキャルブで得た情報を達也達に流している。

達也とリーナの結婚式で友人代表スピーチをするのを楽しみにしている。

 

 

四葉真夜

達也の母にして、四葉家当主。

達也をUSNAに送り出した張本人。

達也のためなら何でもする親バカで、達也とリーナの日本潜入のための家を用意した。

 

 

司波深夜

達也を代理出産した叔母。

達也が日本に来るときに技術力を利用するためにスターズと国防陸軍第一◯一旅団独立魔装大隊に呼び掛けてCAD制作会社MST(マジック・スター・テクノロジー)を設立、社長になる。

 

 

司波深雪

達也の従妹。

達也の存在を沖縄の時まで知らなかった。

四葉家次期当主。

お兄様大好きっ子だが、達也がリーナと婚約者であることを知らない。

 

 

牛山哲二

元々は四葉の会社であるFLTにて厄介者にされていたのを第三課ごと達也にスカウトされてMSTに所属する。

達也と【トーラス・シルバー】の名前でループキャスト技術を作成、及び公開。

ミスタートーラスである。

 

 

真田繁留

国防陸軍大尉

沖縄にて達也の技術力に驚愕し、深夜の呼び掛けに真っ先に賛同した。

達也とは一週間に一回は必ず電話して技術について語り合う仲。

 

 

風間晴信

国防陸軍少佐

バランスの盟友になり、達也の潜入時の名字を貸した。

日本での達也とリーナの軍関連の用事をまとめている。

 

 

藤林響子

国防陸軍少尉

風間少佐の副官。

防衛省技術士官でもある。

達也とリーナの姉貴分であり、達也とリーナの結婚式を楽しみにしている。

 

 

九島烈

リーナの大叔父。

退役時は国防陸軍の少将であり、老師として日本魔法界に影響を与えている。

達也に仮装行列(パレード)を教えた張本人。

達也とリーナの結婚式を見るまで死ねないらしい。

 

 

ヴァージニア=バランス

達也を四葉から引き取った張本人。

達也の義母にして、USNA軍大佐。

達也に国際魔法協会の理事をやらせた人物。

 

 

ベンジャミン=カノープス

スターズ一等星級の隊長で、達也とリーナの不在時の総隊長代理を勤める。

達也との模擬戦が毎回楽しみで、よくやっている。

リーナとは仲がものすごく良い。

 

シルヴィア=マーキュリー=ファースト

スターズ一等星級准尉で、事務系の人間

リーナの姉貴分として、日本の藤林響子とは仲が良い。

リーナと達也の潜入捜査に良く同行する。

 

 




キャラが増え次第追加していきます。


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第一章 幼少期~沖縄防衛戦編
一章 第一話 忌み子の誕生


2079年、四葉家に新たな子供が生まれた

 

名前を達也と言う。

 

達也の誕生により、深夜と真夜は仲を取り戻し、育てることを決めたが、前当主四葉英作が達也の魔法適正を調べたところ、達也は『分解』と『再生』の2つに魔法演算領域が支配されていて、上手く魔法が使えなかった。

 

一族は彼を“四葉の罪の結晶”として処分しようとするが、英作がそれを止め、魔法を使わなくても使える戦闘訓練を施した。

 

やがて、英作がなくなると、一族は再び達也を処分しようとする。

 

真夜と深夜はそれを防ぐためにUSNAにいるヴァージニア=バランスに電話をした。

 

真夜「と言う訳なんですよ。」

 

バランス「なんで、それで私に電話をするんですか?」

 

深夜「だって、達也を日本に残してたら、家の馬鹿どもが達也を殺そうとするですもの。海外に逃がすべきだと思ったまでです。」

 

バランス「はぁ。わかりました。じゃあ後日伺いますので、引き取る場所を教えてください。」

 

真夜「場所は―――――です。」

 

バランス「わかりました。では、また後日。」

 

バランスとの通信が切れる

 

真夜「葉山さん、達也を呼んできて。」

 

葉山「かしこまりました。」

 

深夜「これで良かったのよね。」

 

真夜「良いはずよ。あとはあの子に私の魔法である『流星群(ミーティア・ライン)』を受け継がせれば完璧だわ。達也ならそれでやっていける。それに、向こうには先生の縁者の方がいらっしゃるから。」

 

深夜「まさか、達也にそこまでするとは。でも、そうね。達也のことだからそのままスターズに入ったりしてね。」

 

真夜「あり得るわね。」

 

葉山「つれて参りました。」

 

深夜「入れて」

 

達也「失礼します、母上、伯母上。」

 

真夜「葉山さんは下がって。」

 

葉山が退出する

 

深夜「達也、貴方を知り合いに保護してもらいます。」

 

達也「は?」

 

深夜「このままでは、貴方は殺されてしまう。だから、貴方をUSNAに逃がします。」

 

真夜「そして、達也には、この技を授けます。」

真夜はそういって、達也に『流星群』を放つ

 

真夜「やってみて?」

 

達也が『流星群』を放つ

 

真夜「まだ、精度も威力も完璧ではないけど、練習して完璧にマスターしなさい。それと、たまに電話するからね。」

 

達也「はい。いままで、お世話になりました。」

 

真夜「最後に、私のことをお母さんって呼んで?」

 

達也「お母……さん、」

 

真夜「達也!!」

真夜が達也に抱きついた。

 

達也「強くなって帰ってきます。まぁ、四葉に戻るわけではないですが…。」

 

真夜「約束よ。」

 

達也「はい。」

 

そして、達也は後日ヴァージニア=バランスによって、日本を出てUSNAに入った。

 

 



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一章 第二話 USNAで

達也はヴァージニア=バランスのお陰で、無事にUSNAにたどり着いた。

 

ちなみにバランスは英語だけでなく、多国語を多く話せる。(もちろん日本語も)

 

バランス「達也、君は今日からUSNA人のタツヤ=バランスだ。」

 

達也「わかりました、義母さん。」

 

バランス「義母さんか…。いいね、」

 

そして、バランスは親バカに目覚めた。

 

バランス「とりあえず、四葉で戦闘訓練を受けてきた君ならスターズにも入れるだろう。そこには君と同い年の女の子で日本の九島家の縁者の子がいるから仲良くなれるんじゃないか?」

 

達也「九島ですか…。まぁ、四葉よりかはマシな思想を持っていると思いますがね。」

 

バランス「そういえば、真夜さんと深夜さんからの伝言だ。「週に一回は電話するからね。」だそうよ。」

 

達也「……。」

 

そして、しばらく歩くととある一軒家の前でバランスは止まった。

 

バランス「ここが、今日から達也が住む家よ。」

 

達也「わかりました。」

 

バランス「数日後、この国の生活に慣れたら、近くの学校に転入だからね。準備しなさいよ。それと、家の仲では丁寧語じゃなくて良いわよ。」

 

達也「分かった。」

 

達也は自分の部屋に荷物を置いた後に、地下に魔法の訓練場があると言うことで、早速、母から貰った『流星群(ミーティア・ライン)』の練習を始めた。

 

達也は現在自分に合うCADを持っていない。

 

達也(魔法はイメージ。)

 

達也は暗闇の一点を狙い打つイメージで魔法を放つ。

 

達也「できた。なら、次は、このスピード・シューティングの台で練習だ。」

 

達也はスピード・シューティングを一人で行った。

 

達也「『分解』と『再生』なら完璧にマスターしたんだけど、これは難しいな。百個中七十個か。とりあえず、今日は八十になるまで頑張るか。」

 

その頃、養母である、バランスはとある人に電話をしていた。

 

バランス「あの子、早速貴方から貰った魔法を練習し始めてるわよ。」

 

真夜「そう。完全に習得できたらご褒美をあげなくちゃね。…それより、あの子をスターズに入れるのでしょう?」

 

バランス「ええ。やはり、あの子にはこの国の為に役立てとは言わないけど、せめて自分の身は自分で守れるようになってもらわないとね。」

 

真夜「あの子にはもともと私の魔法の適正はあったのよ。それなのに、家の頭でっかち共は…。」

 

バランス「まぁ、彼が完璧にマスター出来るまでは見守ってあげましょう?」

 

真夜「そうね。今さら達也が上手く魔法が使えるようになったからって、四葉に戻すのは虫が良い話だから。達也には十師族に捕らわれずに暮らしてもらいたいわね。」

 

バランス「スターズに九島の縁者がいるのよ。もしかしたら、彼女と付き合ったりしてね。」

 

真夜「九島の縁者って言うと、先生の弟さんの孫かしら?」

 

バランス「ええ、そうみたいよ。」

 

真夜「先生の弟さんはUSNAで既に日本とは関わらなくなっているから大丈夫ね。それと、なんか日本で活動することがあったら言ってね。なんかしらのサポートはするわ。」

 

バランス「分かったわ。なら、また今度。」

 

真夜「ええ。達也によろしく言っといてね。」




次回、第三話は達也のお友達が登場です。


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一章 第三話 スターズに入りました。

バランスは達也の『流星群(ミーティア・ライン)』の練習を見て、最後に真夜に言われたことを思い出していた。

 

―――――――――――

 

真夜「あの魔法を達也が使いこなせるようになれば、あの子は普通の魔法も使えることができる。」

 

バランス「それって、つまり……。」

 

真夜「そう。あの子のあの魔法は言わば、牢屋の鍵。」

 

―――――――――――

 

バランス「牢屋の鍵…ね。」

 

達也「義母さん、どうかしたの?」

 

バランス「何でもないわよ。それで、今日の結果は?」

 

達也「今日は百個中八十二個まで行けたよ。」

 

バランス「そうか。とりあえずは、百個中百個を目指しなさい。そして、それを一週間キープするのよ。」

 

達也「分かった。」

 

バランス(真夜さんの言ったことが本当ならば、達也は今のスターズの総隊長であるウィリアム=シリウスよりも強くなるということ。それに、今の達也でも、おそらくは半年でスターズの実力至上主義でも、上位に入れる。全ての魔法師の天敵にもなれる魔法式や物体を壊す『分解』に、どんな傷や武器破損でも一瞬で治せる『再生』、そして母親で【夜の女王】と呼ばれる四葉真夜から受け継いだ『流星群』。)

 

バランス「達也、今日は貴方に着いてきて欲しい場所があるの。急いで準備しなさい。」

 

達也「はい。」

 

達也がいずれ『流星群』を利用した戦略級魔法を使うことを、この時はまだ達也自身ですらわからなかった。

 

――――――――――――――

 

ところ変わって、やって来たのはスターズの本部

 

バランス「シリウス中佐、今回はスターズに入隊希望の人を連れてきました。彼は私が養母をしている達也です。」

 

達也「タツヤ=バランスです。よろしくお願いします。」

 

シリウス「お前がか、バランス中佐から話は聞いている。とりあえず試させてくれないか?」

 

達也「いいですよ。」

 

ちなみに結果から言って達也は合格だった。

 

シリウス中佐に体術で互角になり、得意な魔法も達也の『分解』が作用した為に上手く放てなかった。

 

シリウス「良い腕をしてるな。これは磨けばダイヤモンド並みに輝くだろうな。」

 

達也「ありがとうございます。」

 

こうして達也はスターズに入隊した。

 

入隊時の階級は准尉。

 

シリウス「そういえば、お前と同年代の子がいたな。」

 

シリウスは彼の部下にここに来るようにと言わせた。

 

シリウスは意外にも頭脳系で達也とは会話が弾んだ。

 

数分後、とある人が訪ねてきた。

 

「総隊長殿、シールズ少尉です。」

 

シリウス「入れ。」

 

「失礼します。」

 

シリウス「よく来たな、リーナ。彼は今日から入隊したタツヤ=バランス君だ。階級は准尉だ。」

 

リーナ「一日で准尉ですか。すごいですね。初めまして、アンジェリーナ=クドウ=シールズです。呼び方はリーナでお願い。階級は少尉よ。よろしくね、タツヤ。」

 

達也「タツヤ=バランスだ。よろしく、リーナ。」

 

 

達也のスターズ生活が今始まる。





というわけで、次回はタグにもあったレイモンド=クラークが登場します。(たぶん)


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一章 第四話 七賢人と友達になりました

達也はスターズに入隊し、USNAの生活になれると、学校に通い始めた。

 

 

「ここは、やっぱ加重系魔法が最適だと思うんだよね。」

 

達也「いや、ここは減速系魔法で動きを止めたほうが楽だろうな。」

 

現在達也との会話が成り立っているこの少年は、七賢人で、USNA科学局に所属するエドワード=クラークを父親に持つ、レイモンド=クラーク。

 

彼は達也の転入初日に仲良くなり、達也にフリズスキャルヴについて教えて、その情報の信憑性をあげるために達也の正体を調べらて直接伝えたことで達也が興味を持ち、なおかつ話の内容がよく合うため仲良くなった。

 

達也の数少ない友人である。

 

達也はレイモンドのことをレイと呼び、レイモンドは達也のことを普通にタツヤと呼んでいる。

 

達也「そういえば、明日はレイ自身が七賢人になるんだっけ?」

 

レイモンド「ああ。父さんが言うには七賢人の一人であるジード=ヘイグが、ブランシュに情報を密告して国に混乱を導こうとしたから捕縛して今日処刑するんだって。」

 

達也「なるほど。確か、その件でスターズに新しい協力者が出来たらしい。」

 

レイモンド「たぶん、その人はそのジード=ヘイグって人の部下だよ。ちなみに何の仕事だって言ってた?」

 

達也「確か、表向きには日本の横浜にある中華街で中華料理の店のオーナーをしてて、裏では大陸から来る亡命者ブローカーだってさ。活動をあえて続けさせて、随時誰が来たとかを報告させるみたいだよ。」

 

レイモンド「へぇー。危ない人物だったら殺すためかな?」

 

達也「そうだろうな。」

 

レイモンド「タツヤは日本に帰りたいとは思わないのかい?」

 

達也「そうだな、帰りたいと言えば帰りたいが、俺の日本での立場は話しただろう?だから行きづらいんだよな。一度でいいから日本の学校にも行ってみたかったよ。」

 

レイモンド「行けるといいね。」

 

達也「そうだな。日本に行く任務とか、交換留学とかの予定ないかな~。」

 

後に、日本に任務で行かなきゃいけなくなってしまうことはこの時は誰も知るよしもなかった。

 

―ちなみにこの会話は『遮音障壁』を張っているため音漏れの心配はありません。―

 

 

―――――――――――――――――

 

達也の家

 

バランス「学校はどうだった?」

 

達也「レイとまた話してたよ。」

 

バランス「レイモンド君とは本当に仲がいいのね。」

 

達也「まぁ、会話が合ってるからね。」

 

バランス「明日は、本部に出頭だったかしら?」

 

達也「ああ。俺とリーナの模擬戦をして欲しいらしい。」

 

バランス「シールズ少尉と達也が模擬戦ね~。頑張りなさいよ。それと、CADの方はどうなってるの?」

 

達也「ソフトの面なら得意なんだけどね…。ハードが苦手で…。」

 

バランス「早く、貴方に合うCADのハードが見つかると良いわね。」

 

達也「そうだね。」

 

バランス「それよりもあの魔法はどうだい?」

 

達也「あの魔法が完璧に出来るようになってから、なんか普通の魔法も出来るようになったんだけど、なんか知らない?」

 

バランス「そうね、真夜さん曰く「あの魔法はあの子の全てを解き放つための鍵」だそうよ。」

 

達也「鍵…ね。まぁ、これで俺は普通に魔法が使えるようになったと…。だが、まだ足りない。あと一つだ。」

 

バランス「そうね。あと一つ、CADが完成すれば…。そういえば、達也、槍使ってみない?」

 

達也「槍?」

 

バランス「そう。この設計図を元に作るのよ。使ってみない?」

 

達也「なるほど。……《ゲイボルグ》…か。性能は…すごいね、これ。今まで見たもので一番いいやつだよ。」

 

バランス「そう?なら、達也にこれはあげるわ。大切に使いなさいよ。交渉は私がするから。」

 

達也「ありがとう、義母さん。」

 

 




次回は少し時間が進みます。



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一章 第五話 スターズが新しく…

予告通り、時間が進みます。


2091年

 

達也がUSNAに来て、スターズに入ってから早5年。

 

達也の身の回りでは色々あった。

 

まずは、達也の槍であるゲイボルグが完成して達也の持ち武器となった。

 

次に、達也はリーナと婚約者になった。

 

ちなみにこの婚約は日本にいる真夜と深夜が盛大に祝ってくれた(画面上で)

 

さらに、達也とリーナはスターズ内での活動が上手くいって少佐に昇進した。

 

そして、総隊長であったウィリアム=シリウスが作戦中に新ソ連の戦略級魔法師である、イゴーリ=アンドレイビッチ=ベゾブラゾフの奇襲魔法攻撃を受けて亡くなった。

 

その為に次のシリウスを決めるためにリーナと達也がバランスに呼び出された。

 

それと同時に達也に国際魔法協会の理事の話が来た。

 

バランス「達也、リーナ。どうする?」

 

達也「俺は理事になってもいいと思ってます。でも、シリウスにはなりたくないです。」

 

リーナ「即答なのね……。じゃあ私がシリウスを受けてもいいですか。」

 

バランス「わかったわ。では、リーナ。貴女を次代のシリウスとします。貴方は明日からアンジェリーナ=シリウス少佐として総隊長の座につきなさい。達也、貴方はリーナからシールズの名を借りてタツヤ=シールズ少佐として国際魔法協会の理事とリーナの補佐をお願いするわ。」

 

達也・リーナ「「了解しました。」」

 

達也「ところで、リーナの補佐とは?」

 

バランス「達也。リーナが事務作業できると思う?」

 

達也「いいえ、全く。」

 

リーナ「ちょっ、タツヤ、即答!?」

 

達也「実際できないくせに何いってるんだ?俺の仕事を増やしやがって…。」

 

バランス「そうね、とりあえず、来年の夏に日本の沖縄で日本陸軍の魔法を取り入れた独立部隊との合同訓練があるから。頑張ってね。」

 

達也「日本ですか…。」

 

バランス「あ、この事は真夜さんに伝えてあるからこの時に旅行に来てるかもよ?」

 

リーナ「真夜さんって、達也の母親で四葉家当主だったわよね。」

 

達也「ああ。俺の目標でもあるんだよ。」

 

バランス「ついでにあってきたらどうかしら?訓練の一週間前から行けるように手配しとくわよ。」

 

達也「いいんですか。」

 

バランス「ええ。久しぶりの家族会議でもしてきなさい。」

 

達也「ありがとうございます。」

 

バランス「そういえば、あの魔法はどうなのかしら?」

 

達也「リーナのも俺のも理論的には実現可能になりました。」

 

バランス「リーナの『ヘビー・メタル・バースト』に達也の『星屑の穴(スターダスト・ホール)』ね…。」

 

達也「はい。リーナの『ヘビー・メタル・バースト』は金属の自由電子を崩壊させてプラズマを発生させる魔法で、俺の『星屑の穴』は『流星群(ミーティア・ライン)』を発動した状態で、『流星群』の威力を利用して空間を『分解』して穴を開ける、コンビネーション魔法です。」

 

バランス「なるほど。まぁ、使うまでは秘密でいいでしょう。使っても公開はしない方がいいでしょうね。」

 

達也「そうですね。」

 

バランス「なら、仕事の話はここまでにして…。おめでとう、達也、リーナ。」

 

達也「ありがとうございます、義母さん。」

 

リーナ(にしても、さっきまでのやつはどこまでが仕事の話なんだろう。)

 

バランス「とりあえず、明日スターズに公表します。」

 

リーナ「私はいつから総隊長なのですか?」

 

達也「何をいっているんだ?明日からに決まってるだろう。」

 

リーナ「は?明日?聞いてないんだけど…。」

 

達也「どうせ、リーナはろくに仕事しないだろ。」

 

リーナ「何よ、私だってやるときはやるわよ。」

 

達也「ほぉー。ならこれからしっかりと仕事してもらおうか。」

 

リーナ「えっ?ちょっ、まっ」

 

バランス「そう、なら明日からはいつもの倍やらせるわよ。」

 

リーナ「そ、そんな~。助けて、タツヤ。」

 

達也「自分で頑張るんだな。」

 

 




次回、沖縄防衛戦。


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一章 第六話 親子再会

2092年 8月

 

達也とリーナは日本にいた。

 

達也「久しぶりの日本だな。」

 

リーナ「私は一応、初めて来たんだけど…。」

 

達也「そうなのか?一回ぐらいは奈良の生駒にある九島家に行ったことがあると思ったんだが」

 

リーナ「私は無いわよ。」

 

達也「はいはい。とりあえず、迎えが来たから行くぞ。」

 

葉山「お久しぶりです、達也坊っちゃん」

 

達也「葉山さん、お久しぶりです。坊っちゃんはやめてくれませんか?」

 

葉山「達也坊っちゃんは私にとってはいつまでも坊っちゃんなんですよ。それよりも、奥様がお待ちです。行きましょう。」

 

達也とリーナを乗せた車は山道を通り、とある大きな武家屋敷のような建物についた。

 

達也「ここに来ることは二度と無いと思っていたんだがな…。」

 

真夜「久しぶりね、達也。」

 

達也「母上。」

 

真夜「お母さんって呼びなさい。」

 

達也「……母さん。」

 

真夜「いいわね、母さんって。で、そっちの子が家の子の婚約者かしら?」

 

リーナ「達也の婚約者のアンジェリーナ=クドウ=シールズです。」

 

真夜「可愛いわね。とりあえず中に入りなさい。」

 

―四葉家書斎―

 

ここには真夜の趣味なのか、和風な建物とはほど遠い、洋風の家具が揃っていた。

 

達也が真夜に付いて部屋に入ると2人の女性が部屋にいた。

 

深夜「遅いわよ、真夜。それと久しぶりね、達也。」

 

達也「お久しぶりです、深夜さん、穂波さんも。」

 

穂波「久しぶりですね、達也くん。色々大変でしたよ。私なんて、達也くんについていけと言われそうになりましたからね。まぁ、達也くんが無事でよかったです。」

 

深夜「うん、大きくなったわね。」

 

真夜「この子ったら、私のあげた『流星群(ミーティア・ライン)』を離れて一週間でものにしたそうよ。」

 

深夜「それはすごいわね。それで、普通の魔法が上手く使えるようになった感想は?」

 

達也「嬉しいですよ。なにせ、上手く魔法が使えなかったからこの家を出させられたんですから。それに、この家の場所は覚えているので、何時でも遊びに来ますよ。もちろん、他の使用人とか分家当主にばれないように。」

 

真夜「そうね。達也のことをあの人達は嫌っていたから…。」

 

深夜「にしても、可愛い子を恋人にしたのね。お姉さん嬉しいわ。」

 

真夜「子供を産んで育ててる大の大人がお姉さんって…。」

 

深夜「黙りなさい、真夜。」

 

 

しばらく会話を楽しんでいると、真夜の側付きであり四葉家筆頭執事である葉山が入ってきた。

 

葉山が真夜に耳打ちした後に部屋を出た。

 

真夜「達也、姉に会いたい?」

 

達也「姉?穂波さんならここに…。」

 

真夜「違うわよ。夕歌さんよ。貴方に味方してくれた津久葉家の」

 

達也「あー、なるほど。会いたくないって言ったら嘘になりますね。」

 

真夜「だそうよ。」

 

真夜が扉に向けて話すと、扉が開いて人が入ってきた。

 

「久しぶりね、達也くん。」

 

達也「夕歌…さん?本物ですか?」

 

夕歌「何言ってるの?」

 

達也「ごめんなさい、俺の『精霊の眼(エレメンタル・サイト)』でも上手く見えなかったもので。」

 

深夜「上手くいったわね。」

 

夕歌「そうですね。深夜様が、どうやっても感知できないように精神を誘導していてくれたお陰です。」

 

達也「とにかく、夕歌さん。お久しぶりです。」

 

夕歌「前みたいに夕歌お姉ちゃんとは呼んでくれないの?」

 

達也「お姉ちゃんとは言いませんが、姉さんとは呼びますよ。…夕歌姉さん」

 

夕歌「はぁ、最高。ねぇ達也、私の彼氏にならない?」

 

リーナ「ちょっと待ちなさい。タツヤは私のよ!!」

 

夕歌「へぇ~。そうなの?」

 

リーナ「そうよ。…って、タツヤ?何で固まってるの?」

 

達也「……え?」

 

リーナ「何で止まってるのか聞いたのよ。」

 

達也「ああ、ごめん。リーナがそんなことを言うから、今まで言われたことなかったし……。」///

 

リーナ「ちょっ、タツヤ。」///

 

2人はシャッターの音で目を醒ます。

 

真夜「ふふ。面白い画像ゲット!!」

 

達也「ちょっ、母さん!!」///

 

真夜「達也が珍しく顔を紅くしてるのよ。絶対に家宝にするわ。」

 

達也「それだけは絶対にやめてください!!」///

 

真夜「嫌よ。」

 

深夜「まぁまぁ。それよりも来週から沖縄で訓練よね。」

 

達也「ああ。リーナと俺は少佐としてやることがあるからな。義母さんには正体を教えてもいいって言われたから言うけど。ここにいるリーナが総隊長になっちゃったから仕事が増えちゃったんだよね。」

 

リーナ「ちょっとタツヤ?今、何て言った?」

 

達也「え?お前が総隊長になっちゃったから俺の仕事が増えたって言ったんだよ。」

 

リーナ「なっ!!訂正しなさい!!」

 

達也「唯でさえ、スターズの仕事以外に国際魔法協会の理事なんか押し付けられて、さらにCADの研究もやらなきゃいけないんだぞ。そこにリーナの仕事まで来たら寝る時間もないじゃないか。」

 

夕歌「達也君ってスターズに入ってたんだ。」

 

深夜「達也、国際魔法協会の理事なんて凄いじゃない!!」

 

穂波「さすが達也君ですね。」

 

真夜「何せ私の息子なのよ。」

 

深夜「…親バカめ。」

 

達也「……。そういえば俺のことって深雪は知っているんですか?」

 

深夜「あの子は達也のことは知らないはずよ。」

 

達也「そうですか。」

 

穂波「一週間後に沖縄に我々も行きますのでもしかしたらその時に会えると思いますよ。」

 

リーナ「タツヤ。その深雪って誰?」

 

穂波「達也君の従妹で深夜様の子供です。写真見ますか?」

 

リーナ「見ます!!」

 

リーナは穂波から写真を受け取った。

 

リーナ「まるで、人形ね。」

 

達也「母さん、本当に深雪は調整体じゃないんですよね。」

 

真夜「ええ。深雪さんは弄ってないはずよ。」

 

達也「天然でこれって凄いですね。」

 

深夜「私の娘だからね。当然よ。」

 

真夜「…姉さんも親バカじゃない。」

 

達也「……。そろそろ行くよ。俺達も早く沖縄に向かわなきゃ。」

 

リーナ「そ、そうね。」

 

真夜「もう行くのね。葉山さん、達也とリーナさんを送って差し上げなさい。」

 

葉山「かしこまりました。」

 

達也「とりあえず、空港までお願いします。」

 

真夜「また何時でも来ていいからね。まぁ、来るときは連絡をいれなさいよ。」

 

達也「もちろんですよ、母さん。また来ます。」

 

深夜「沖縄で会いましょう、達也。」

 

達也「わかりました。では、先に沖縄で待ってます。行こう、リーナ。」

 

リーナ「分かったわ。では、お邪魔しました。」

 

そして、達也は沖縄に向かった。




次回は一章ラストの沖縄防衛戦です。

その次は入学編に入ります。


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一章 第七話 明かされるMr.シルバー

2092年 8月 沖縄

 

達也とリーナは沖縄にいた。

 

リーナ「タツヤ。みて、これほしいなー。」

 

達也「お前、今日は遊びじゃないんだぞ」

 

リーナ「少しくらいいいじゃないのよ。」

 

達也「お前は……。とにかく、行くぞ。」

 

 

沖縄県 恩納基地

 

ここは第二次世界大戦以降はアメリカ軍の基地だったが、第三次世界大戦にてアメリカ軍が一斉退去したためそのまま日本の国防陸軍が使い始めた。

 

恩納基地に付くと、国防陸軍独立魔装大隊の隊長に就任予定の風間晴信大尉と真田繁留中尉が待っていた。

 

風間「お待ちしておりました。私は国防陸軍大尉の風間晴信です。タツヤ=シールズ少佐殿とアンジェリーナ=シリウス少佐殿ですね。」

 

達也「確かに私がタツヤ=シールズです。」

 

真田「国防陸軍の中尉真田繁留であります。」

 

達也「恩納基地の教官殿自ら案内ですか…。ありがとうございます。」

 

風間「貴殿方は今回の主役ですからね。それと、タツヤ殿はバランスから聞いていたのでまずは技術部門へ向かいましょうか。真田、案内を頼む。私は先に待っている。」

 

真田「はっ、」

 

風間が去っていく。

 

達也(古流の動き。…忍術か。)

 

真田「では行きましょうか。」

 

真田に案内されたのは技術部門。

 

達也が気になっていたハードの製作部門だ。

 

真田「少佐殿は自分に合うCADが無いんでしたよね。」

 

達也「……大尉殿ですか?」

 

真田「はい。」

 

達也「確かに無いですね。」

 

真田「なら、これを使ってみませんか?」

 

真田がとあるケースを取り出した。

 

達也「これは…。」

 

真田「これは、私が一から組み上げた特化型のCADです。試してみませんか?」

 

達也「いいんですか?」

 

真田「ええ。実践データを取りたいところでしたので。」

 

達也「わかりました。後で自分で調整してみるので、データは明日取りましょう。」

 

真田「そうですね。それよりも、自分で調整できるんですか…。」

 

達也「ええ。唯一の趣味なんでしょうね。スターズでも《ループ・キャスト》システムを実現可能にしてしまうほどにはね。」

 

真田「では、貴方がMr.シルバーでしたか。」

 

―Mr.シルバー―

USNAにて《ループ・キャスト》システムを空想上の産物から理論上の産物に変えた天才CAD技師

 

―CADのソフトを二三世代飛躍させたといわれていたり、

 

―年齢や所属や出身などの個人情報は不明であり、わかっていることは性別だけといわれている。

 

達也「いかにもそうですが…。ハードがね。からっきしでして。」

 

真田「そうですか。先程渡したのが、貴方が公開したループキャストを入れてあります。」

 

達也「ループキャストに耐えられるCADが…。貴方は素晴らしい技術屋のようですね。私はUSNAに渡った日本人の間に生まれました。しかし、親に捨てられて孤児院に預けられていたところをバランス中佐、今の義母に保護されました。」

 

真田「なるほど…。そのペラペラな日本語と見た目はそういうことだったんですね。」

 

達也「孤児院ではやることが無くてね…。その時にCADに付いて勉強していたら、今みたいになりました。」

 

真田「なるほど。…では、連絡先を交換しませんか。私と貴方は話が合いそうですし。プライベートで使えるCADのハードに関しては私が作ってもいいですよ。」

 

達也「…データの為ですか?」

 

真田「半分そうですね。もう半分は私の話についていけたという興味でしょうね。……っと、ではそろそろ訓練の場所に向かいましょう。」

 

――――――――――――――――――

 

今日の訓練を終えてホテルに入った達也とリーナ。

 

達也はもらったCADの調整をして、リーナは寝っ転がりながら残りの時間を過ごしていた。

 

翌日、達也はホテルにリーナを置いて、1人でとある場所に来ていた。

 

四葉家別荘

 

今日は深雪が黒羽のパーティーに深夜の名代で行っていていないという連絡を受けたので達也は四葉が所有する別荘に向かっていた。

 

深夜「来たわね、達也。」

 

穂波「いらっしゃい、達也くん。」

 

達也「どうも。しばらく振りですね。」

 

深夜「それよりも深雪に会わなくて良かったの?」

 

達也「どうせ俺のことを知ってても四葉を出た裏切り者って認識だと思うのでいいです。」

 

深夜「そう……。」

 

達也「にしても家の一族は深雪に対する執着が凄いですね。」

 

穂波「伊達に、四葉家最高傑作なんて言われてないですよ。」

 

深夜「まぁ、今の達也には劣るけどね。」

 

達也「それ、俺に深雪の代わりに当主になってって言ってます?」

 

深夜「そんなことは言ってないわよ。」

 

達也「四葉もスターズも実力至上主義なのには代わりはないか。…それより、国際魔法協会で大亜連合が日本に侵攻しようとしてるという噂を聞きました。一応この地は国境付近で軍人も多い。ですが、危険なので早めに出ることをおすすめします。」

 

深夜「国際魔法協会で流れる噂は信憑性があるのよね。…わかったわ、注意を促しておく。」

 

達也「ありがとうございます。四葉は好きではありませんが、伯母上や穂波さん、母さんに夕歌姉さんは好きですよ。」

 

深夜「達也……ありがとう。それと、何も出来なくてごめんなさいね。」

 

達也は家族(伯母甥)の時間を楽しんだ。

 

 




次回で沖縄防衛戦を終わらせたい!!

そして、達也が真田に話した過去はもちろん即興で作った偽の過去です。


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一章 第八話 沖縄開戦 大亜連合と日本とUSNA

数日後

 

達也とリーナ達はその日の合同訓練を終え、ホテルに戻ろうとすると、突如、基地内に警報が鳴り響いた

 

達也「何事だ!!」

 

「申し上げます。所属不明艦が我が国の領内に侵入、占領を始めました」

 

風間「聞いての通りです、少佐殿。そこで、我々は皆様に協力をお願いしたいのですが…。」

 

達也「リーナ、お前が決めろ。」

 

リーナ「えっ、でも。」

 

達也「はぁ。お前は俺達の総隊長だ。協力するもよし、静観するもよし。お前自身で決められるようにしろ」

 

「少佐の言う通りです。我々は貴方の指示に従います。貴方が我々のリーダーなんですから。」

 

リーナ「みんな……。わかったわ。風間大尉、我々スターズは国防軍の皆様に協力いたします。我が国と同盟国である日本が大亜連合の魔の手にさらされるなど、我が国にしてもあってはならないことです。それに、上には私から報告します。」

 

風間「少佐殿…。ご協力感謝します。指揮系統はいかがなさいますか?」

 

達也「それは大尉殿にお願いしたい。…可能ですか?」

 

風間「いいでしょう。指揮はおまかせください。」

 

達也「ありがとうございます。皆、聴いての通りだ。我が国と同盟国である日本は第2の故郷同然。そんな大切な地を守るため、皆にも協力してほしい。」

 

「もちろんですよ。」

 

「俺たちに不可能はありません。」

 

達也「お前達の覚悟はよくわかった。…では、諸君の健闘を祈る。」

 

リーナ「この国を守って、笑顔で祖国へ帰るわよ。」

 

「「「「「おおー!!」」」」」

 

 

一致団結したスターズと国防軍はシェルターに避難した一般人を裏切り者が殺害しようとしたところを目撃し、それを対処。(その時に、被害者に深夜達がいたので、内心ほっとしていた。)

 

その後、その人たちをもっと安全な場所に送ったあと、

達也は自身の愛槍であるゲイボルグを持って大立ち回りを演じた。

 

近距離では槍のリーチが届く範囲までは直接殺し、敵の銃撃を槍を高速で回して防いだりしたり、届かない部分は槍をしまって、右手を向けて敵を“消したり”(『分解』)、左手を向けて味方の“傷を治したり”(『再生』)、ある時は母から受け継いだ、『流星群(ミーティア・ライン)』を使って殲滅した。

 

―その頃―

 

防衛司令室でこの様子を見ていた深夜達は、

 

深夜と穂波が達也の成長に感動していて、深雪と水波は困惑していた。

 

深雪「お母様、あの人は何者なんですか?」

 

水波「あの人が使ったのって『流星群』ですよね。」

 

深夜「彼は国際魔法協会の理事にしてスターズの少佐よ。」

 

深雪「彼ってことは面識があるのですか?」

 

穂波「私もありますよ。」

 

水波「穂波さんもですか!?」

 

深夜「まぁ、2人になら話してもいいわね。」

 

穂波「ええ、御当主様も許してくれるはずです。」

 

深雪と水波には深夜と穂波の会話が理解できなかった。

 

―なぜ、お母様と穂波さんは彼のことを知っているの?

 

―なぜ、彼は叔母様の魔法を使ってるの?

 

―なぜ、彼の話をするのに叔母様の許可がいるの?

 

―なぜ、私と変わらなそうな年齢で国際魔法協会の理事になれたの?

 

全ての疑問も次の一言でほとんど理解できた。

 

深夜「彼はね、当初出来損ないとして捨てられた、四葉の忌み子にして、【極東の魔王】四葉真夜の一人息子よ。」

 

穂波「そして、今はおそらく奥様や御当主様、深雪さんよりも強い、ほとんど全ての魔法が使える最強の魔法師よ。」

 

深雪・水波「「!?」」

 

深雪「叔母様の…一人息子?それに四葉から捨てられた忌み子って?」

 

水波「御当主様って子供を産めないのでは?」

 

深夜「真夜の冷凍保存された卵子と四葉で保存されていた冷凍精子を体外受精させて産まれた子なのよ。でも、彼は当初は貴方達も見たあの2つの魔法しか使えなかった。」

 

穂波「だから、四葉の分家は彼を忌み子とし、処分しようとした。…今後の可能性を考えずに…。」

 

深雪「今後の可能性って、どういう意味ですか?」

 

深夜「達也は真夜の魔法をしっかり受け継いでいたのよ。それに、魔法も普通に使えるはずだった。」

 

穂波「しかし、生まれてきた達也君はその内の普通の魔法と真夜の魔法を発動できなかった。」

 

深夜「『分解』と『再生』によって魔法演算領域を押さえつけられていたのよ。だから叔父様が調べても普通の魔法や真夜の魔法は適正に現れなかった。…だから達也は捨てられた。私と真夜の関係を取り戻してくれた、最愛の子を。四葉の家に出来損ないは要らないとか、得ている魔法が危なくて何時自分達に牙を向くかわからないからとか、自己満足の言い訳だけで捨てた。

 

だから、私と真夜は達也を逃がすため、真夜の力で達也の押さえつけられていた魔法の一つである真夜の魔法を引き出し、階段式で能力を引き出せるようにして、USNAの親友の元に逃がした。

 

そのあとはあの様子よ。」

 

深雪「じゃあ、あの人は…お従兄様は四葉に戻ることも、当主になることもないのですか?」

 

深夜「ないわね。それに、真夜は四葉を次に継がせたら達也のところに住むって言ってるぐらいよ。」

 

穂波「そこまでは知りませんでしたね…。」

 

深夜「当たり前じゃない。私と2人きりのお茶会の時に話してたんですもの。」

 

深夜達、司波家組は達也について話していたが、突如聞こえた無線の内容に顔色を変えた。

 

《伝令、大亜連合の連合艦隊が我が国領海に侵攻中》

 

達也《こちら少佐。只今より、大亜連合の連合艦隊を撃沈します。前線にいるものは至急、捕虜を捕らえて内陸部に。》

 

 




続きは次回で。

第一話の題名を変更いたしました。

詳しくは目次でご確認ください。


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一章 第九話 星王と星妃

今回で沖縄防衛戦編を完結させます。


《伝令、大亜連合の連合艦隊が我が国領海に侵攻中》

 

達也《こちら少佐。只今より、大亜連合の連合艦隊を撃沈します。前線にいるものは至急、捕虜を捕らえて内陸部に。》

 

突如聞こえた伝令に答えた達也の言葉に国防軍の面々だけでなく、スターズの者達も驚いた。

 

《了解!!》

 

そして、前線には達也とリーナだけが残っていた。

 

―数分前―

 

達也は戦闘中にある人に連絡を取っていた。

 

「もしもし?」

 

達也「悪いな、レイ。こんな時間に電話なんて」

 

レイモンド「そっちは今大亜連合と戦争中でしょ?連絡してて来ていいの?」

 

達也「こんな雑魚どもを相手にするのにわざわざ集中する必要がないわ。それより、俺の予想だと、数分後に大亜連合の連合艦隊が来るはずだ。」

 

レイモンド「タツヤの言う通り、来るよ。」

 

達也「そこで、レイにお願いがある。俺が合図したら日本の人工衛星の映像を送ってくれないか?」

 

レイモンド「僕に日本の衛星をハッキングして沖縄の映像を送れと。いいよ、楽しそうだし。」

 

達也「楽しそうだし……って。まぁいい。合図を送るから準備をしてくれ。」

 

レイモンド「オッケー」

 

達也「それと、俺に衛星映像を送ったら、他のやつに届く映像を一時的にジャミングしてくれないか?」

 

―そして現在―

 

達也「さて、レイ。頼むよ。」

 

すると、達也のスラストスーツのバイザーに日本の衛星映像が送られてきた。

 

達也「(ナイス、レイ。)さて、リーナ。俺は敵艦を殲滅するから援護を頼む。」

 

リーナ「了解!!」

 

達也は意識を集中させて、衛星映像を元に『精霊の目(エレメンタル・サイト)』で照準を合わせる。

 

その間にも大亜連合の連合艦隊から砲撃が来るが、リーナが完全にそれを押さえてる。

 

達也「準備完了。『星屑の穴(スターダスト・ホール)』発動。」

 

大亜連合の連合艦隊が闇に包まれる。

 

一筋の流れ星が連合艦隊の中央部分に流れる。

 

流れた先の空間に穴が開く。

 

連合艦隊が穴の中に吸い込まれていく。

 

すべて消えると、そこには何も残っていなかった。

 

国防軍の人間は突如起こったジャミングによってどういう魔法かはわからなかったが、あの2人のどっちかが、敵艦を殲滅させたことはかろうじて理解できた。

 

達也《こちらシールズ少佐。大亜連合の連合艦隊は消滅した。津波の心配はない。……よって、この戦いは我々の勝利だ。》

 

これで、沖縄防衛戦は日本の勝利で終了した。

 

 

―――――――――――――――――

 

今日は深夜達、司波家が帰宅するため達也が見送りに来ていた。

 

深夜「おめでとう、達也。」

 

達也「ちょっ、伯母上?何を…。」

 

ついでに穂波まで抱きついてきた。

 

穂波「おめでとう、達也くん。それと、助けてくれてありがとうございます。」

 

深夜「貴方は私と真夜の誇りよ。」

 

深雪「……達也さん、お兄様と呼んでもいいですか?」

 

達也「深雪…。いいよ。」

 

深雪「ありがとうございます。お兄様、連絡先を交換しましょう?」

 

達也「あ、ああ。」

 

そして、達也は深雪と連絡先を交換して一ヶ月に一回は電話することが(深雪によって勝手に)決まった。

 

達也「また、会おうな。深雪」

 

深雪「私は四葉の当主になってお兄様を四葉に迎え入れます。」

 

達也「それは…わからないな。誘いはありがたいが、俺にも向こうでやることがあるからな。」

 

深雪「そう…ですか。」

 

達也「今度、客として、四葉に遊びに行こう。そしたら、また会えるよ。」

 

深雪「本当ですか!!待ってますよ、お兄様。」

 

深夜「達也は本当に深雪に甘いわね。」

 

達也「あはは…。じゃあまた会いましょう。では、」

 

達也は空港から去っていった。

 

―翌日―

達也はスターズの面々と共にUSNAに帰国していた。

 

達也は現在スターズ本部のバランスの部屋で土下座させられている。

 

バランス「何か言い訳はあるかしら?」

 

達也「一応、レイにジャミングをかけてもらったので、問題はないと思いますが。」

 

バランス「問答無用。反省しなさい。」

 

達也「…すみませんでした…。」

 

 

――――――――――――――――――

 

この沖縄防衛戦で達也とリーナは日本に協力し、大立ち回りを演じたことや、『流星群(ミーティア・ライン)』を使ったことから2人はそれぞれ、達也は【星王】、リーナは【星妃】という2つ名をつけられ、2人は【星々の王と妃】と呼ばれた。

 

――――――――――――――――――

 

達也は国際魔法協会にて今回の騒動についての説明をしていた。

 

ちなみに他の理事達は達也が四葉から抜けた者だということを知っているため、『流星群』を達也が使ってもさほど驚きはしなかった。(達也が着任して初日に他の理事に伝えていた。)

 

これにより、大亜連合からの理事は記憶を消された上に、本国へ強制送還されて、新しい人が配属することが決まった。

 

また、達也は今回の件をきに、理事から常任理事へと位をあげて、更なる調査を期待された。

 

 

リーナは達也の代わりに一等星級の隊長であるベンジャミン=カノープスを連れて、ホワイトハウスに来ていた。

 

そこで、リーナは日本であったことを話した。

 

この件で達也、リーナ、カノープスは位を少佐から中佐に上がることになった。

 

 

そしてもう一つ。

 

日本にいる四葉真夜の姉、司波深夜が達也と共に、起業した。

 

会社名はMST(マジック・スター・テクノロジー)

 

日本とUSNAに支部を持ち、会長をMr.シルバーこと達也が勤め、日本支部を深夜が、USNA支部を達也の依頼で、カノープスが勤めることになった。

 

この会社の初期メンバーには日本とUSNAの技術屋で達也が気に入った人間をいれている。

 

日本では新しく設立された独立魔装大隊の大尉真田繁留や副官で少尉である藤林響子、四葉の会社であるFLT(フォア・リーブス・テクノロジー)で厄介払いされていた牛山率いる第三課の人間を引き抜いていた。

 

USNAではスターズの技術部門の人間の中から数人をいれ、達也の親友であるレイモンドも所属している。

 

そして、達也はその中でも、特に気に入った牛山という技術屋をMr.トーラスとして、ソフトのシルバー、ハードのトーラスとして世界のCAD産業に殴り込みをかけた。

 

2093年に発売された、ループキャストを搭載した特化型CADが出来がいいと話題で世界中で大ヒットした。

 

そして、改良を重ね続けて、わずか1年と半年で有名企業へと成長を遂げたのだった。




終わりがちょっとあれですが、次回からは原作1巻の内容。

つまり、入学編に入ります。



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第二章 入学編
二章 第一話 日本に留学


予告通り、今回から入学編です。


2095年 2月

 

達也とリーナはバランスの部屋に呼び出されていた。

 

バランス「達也、リーナ。2人にはこれから高校の間、日本にいってもらいます。」

 

達也「は?」

 

バランス「三年前の大亜連合の侵攻の後に新ソ連が佐渡を侵攻したじゃない?」

 

達也「たしか、日本の理事からは一条家が率いた義勇兵が敵を殲滅したと聞いていますが…。」

 

バランス「そうなのよ。それで、日本が危機にある以上、同盟国である日本に何かあっては大変だから、貴方たちには三年間日本の守護と楽しい学校生活を送ってもらいます。ちゃんと一科生として参加してね。もちろん、テストで失敗して二科生とか、不合格はやめてよね。」

 

達也「そ、それはいいのですが、家は?」

 

バランス「家なら、真夜さんが用意してくれるそうよ。なんでも、達也が研究するために地下には最新の設備を揃えて、その下には訓練所をつける。って、言ってたわよ。」

 

達也「2人で過ごすには広すぎませんか?」

 

バランス「そんなに細かいことは知らないわよ。あとで直接本人に聞いてみたら?……話は以上です。わかりましたか?2人とも。」

 

達也・リーナ「「はい!!」」

 

バランス「出国は三日後です。準備しておきなさい。」

 

達也とリーナは家に帰ると、早速真夜に電話した。

 

真夜「久しぶりね、たっくん、リーちゃん」

 

達也「いつからその呼び方に?」

 

真夜「知らないわよ、そんなこと。それよりも家について気になるんでしょ?」

 

達也「なぜわかったんですか?」

 

真夜「だって、貴方達は姉さん達と暮らすんですもの。」

 

達也「は?」

 

真夜「いや、今回のことを深雪さんに言ったら一緒に住みたいです。何て言っちゃってね。」

 

リーナ「深雪って、たしか達也の従妹よね。」

 

達也「そうだ。」

 

真夜「さすがに、一緒にはダメだから代わりに隣ならいいわって、言ったら喜んで賛成してくれてね。だから深雪さんの隣に住むのよ。ちなみに何時でも移動可能になるように、地下で2つの家は繋がってるのよ。姉さんたちのすむ方には魔法の訓練所、たっくんのすむ方には研究所をつけてあるから」

 

達也「はぁ。」

 

真夜「それと、私はたっくんの所に住むから。」

 

達也「……は?」

 

リーナ「え?達也のお母様と一緒に住むんですか?」

 

達也「大丈夫なんですか?それ」

 

真夜「心配ないわよ。じゃあ待ってるからね。」

 

――――――――――――――――――

 

三日後、達也とリーナは日本について、葉山に案内されて家についた。

 

家の中で真夜が待ち構えていたり、深雪が片付け中に部屋に乱入してきたりと色々あった。

 

色々あって、やっと片付けを終えたタイミングで電話がかかってきた。

 

バランス「無事にたどり着けたみたいね。」

 

達也「途中、母と妹に邪魔されて上手く進みませんでしたが、なんとか。」

 

バランス「そう。ならいいわ。頑張りなさい。」

 

達也「はい。」

 

バランス「それと、2人の戦略級魔法については自分達で考えて使いなさい。風間少佐にだけはその事を話してあるから」

 

達也「(だから俺のゲイボルグだけでなく、リーナのブリオネイクまで持たせられたのか…。)了解しました。」

 

電話が切れると、また電話がかかってきた。

 

レイモンド「やぁ、タツヤ。元気かい?」

 

達也「ああ。色々あって疲れはしたがな。」

 

レイモンド「そうか。僕はいままで通りUSNAから情報を送るよ。」

 

達也「ありがとう、レイ。」

 

レイモンド「お土産楽しみにしてるよ。」

 

電話が切れた。

 

さらにもう一本電話が来た。

 

夕歌「ヤッホー、達也くん。」

 

達也「姉さん、久しぶりです。」

 

夕歌「今度、遊びにいくからよろしくね~。」

 

電話が切れる。

 

達也「嵐のように去っていったな。」

 

最後に達也が三年間、協力者としてお世話になる日本の独立魔装大隊のメンバーから電話が来た。

 

風間「久しぶりだね、達也。」

 

達也「お久しぶりです、皆さん。」

 

真田「君から敬語で話されると違和感しかないね。」

 

達也「階級呼びだったら、変わってたかもしれませんがね。」

 

風間「それより、柳がまたお前と戦いたがっていたぞ。」

 

達也「柳さんがですか、できれば断りたいですね…。」

 

達也は三年前の沖縄で一本先取の模擬戦で柳と熱線を繰り広げて、ギリギリ勝っているが、二度と戦いたくないと心に誓っている。

 

達也「それより、今回は名字を貸してくださりありがとうございます。」

 

風間「いやいや、さすがにあの名前で日本の学校に入れないだろうからな。それより、スターズの中佐殿は我々に協力してくれるんですね。」

 

達也「(ここからは軍務か…。)そうだな。バランス大佐から独魔へと連絡がいっていると思う。それに書いてある通りだ。」

 

風間「了解いたしました。」

 

そして、通信が切れる

 

――――――――――――

 

翌日は入学試験だった。

 

試験は筆記は簡単だった達也だが、実技はCADが合わず、速度が2.89sだった。

 

ちなみに、リーナは2.87sで、深雪は2.56sだった。

 

そのあとは三人でショッピングモールに行き、達也とリーナの服を買って、ご飯を食べて帰ってきた。

 

 

後日試験の結果が届いたら、深雪が主席、達也が次席、リーナが三位だった。

 




次回で学校に入学です。


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二章 第二話 入学式の朝

ここは国立魔法大学付属第一高校

 

全国に九つある魔法科高校のうちのひとつである。

 

ここに女2人男1人の三人組が言い争っていた。

 

深雪「納得いきません。なぜお兄様ではなく私が主席なのですか?筆記の成績はお兄様がトップじゃないですか。」

 

リーナ「深雪、私はいいのかしら?」

 

深雪「あら、いたのかしら、リーナ。私はお兄様と話してるの、邪魔しないで。って、話ちゃんと聞いてますか、お兄様?」

 

達也「あ、ああ。でも、ここは魔法科高校だ。筆記よりも実技の方が優先されるのは当たり前だろ?それに、筆記がないとリーナに勝てないのは目に見えてるしな。」

 

リーナ「何、それ?魔法力でしか勝てない私に皮肉でも?」

 

達也「……。とにかく深雪、俺はお前の祝辞を楽しみにしてるんだ。だから、行ってこい。」

 

深雪「…話をそらしましたね。まぁ、いいです。しっかり見ててくださいね。」

 

達也「ああ。楽しみにしてるよ。」

 

深雪が去る

 

達也「さて、リーナ。このあとどうする?」

 

リーナ「入学式まで暇よね。……そうだ。膝枕して~。」

 

達也「しょうがないな。」

 

リーナが達也の膝に頭を乗せて寝っ転がる。

 

達也はその寝顔を見ながら魔法研究の論文を読む。

 

今読んでいるのは目標とは少し離れているが、【カーディナル・ジョージ】こと吉祥寺真紅郎が発表した基本コード(カーディナル・コード)の文献である。

 

基本コードとは魔法の基本情報のことで、加速・加重・移動・振動・収束・発散・吸収・放出の4種8系統の基本情報にそれぞれ《プラスコード》と《マイナスコード》があると仮定されている。

 

基本コードは一作用点に直接作用させるため、情報強化では防ぐことができない。

 

現在見つかっているのはその吉祥寺真紅郎が見つけた加重系統プラスコードのみ。

 

そして、その加重系統プラスコードの魔法が『不可視の弾丸(インビジブル・ブリッド)』である。

 

ちなみに、達也は一時期、基本コードの研究をしていたが途中で断念し、本来の目的である常駐型重力制御魔法式熱核融合炉の研究を始めていた。

 

達也(リーナの寝顔可愛いな。)

 

「そろそろ、開会の時間ですよ?」

 

達也「ああ、すいません。…こら、リーナ起きろ。(CADを常備してるのか…ということは生徒会か風紀委員の人間…。)」

 

「スクリーン型ですか?」

 

達也「ええ。仮想型は読書に不向きですから。」

 

「そうですね。っと、私がまだ名乗って無かったわね。」

 

そして、その女の人は改まって名乗った。

 

「はじめまして。第一高校の生徒会長をしています。七草真由美です。ななくさって書いてさえぐさよ。よろしくね。」

 

達也(数字付き(ナンバーズ)、それも十師族の七草か……。たしか、当主の七草弘一は母さんの元婚約者だったな。)

 

〈数字付き〉

魔法を使い、何か成果を残した魔法師の家系に数字をつける制度。

十師族>師補十八家>百家本流>百家支流という順に偉い。

師補十八家と十師族は第一から十まである魔法研究所から生まれた家で、元となった研究所の番号(一から十までの数字)を当てられた家のことを言う。また、十師族は四年に一度の選定会議で二十八家(十師族と師補十八家の総称)の中から決まる。

達也の母で、深雪の叔母である真夜が当主の四葉家は非公式ではあるが、序列一位の座についている。

七草は二位であり、弘一本人も真夜との婚約を破棄されたことから四葉に対する対抗心が強い一面もある。

リーナの大叔父でもある九島烈はその十師族をまとめる最高評議会議長である。

そして、十師族は政治・経済に多くの影響を与えることができる。例をあげれば、十文字家は警察、一条家、三矢家、七草家、九島家は軍、五輪家も娘が戦略級魔法師であることから軍、四葉は政府の闇を取り扱うために国に影響力がある。

 

達也「俺は……いえ、自分は風間達也です。で、こっちの俺の膝の上でぐっすりなこいつが、工藤利奈で、俺の恋人です。」

 

真由美「えっ!?貴方達が?」

 

達也「はて?俺は何かすごいことでもしましたか?」

 

真由美「すごいなんてものじゃないわよ。風間くんは筆記試験を平均98点で、魔法理論や魔法工学では平均70点くらいのところを小論文含めて文句無しの満点で学年一位。魔法実技も、唯一の2秒台で三位。そして、隣の工藤さんも、筆記試験はトップ10入りで、実技は第二位。首席の司波さんもあわせてスリートップよ。」

 

達也「は、はぁ。」

 

真由美「貴方、不思議ね。今度話を――」

 

「会長ー。そろそろ、始まりますよ~。」

 

真由美「わ、わかったわ。では風間くん、また今度ね。」

 

真由美は呼びに来た女の子と共に講堂に入っていった。

 

リーナ「んー。達也、どうしたの?」

 

達也「何でもない……が、お前は寝過ぎだ!!」

 

リーナ「しょうがないじゃない、眠いんだから。」

 

達也「はぁ、まあいい。とにかくそろそろいくぞ。」

 

リーナ「あと…五分。」

 

達也「却下だ、起きろ。……ほう、なら新魔法の実験台になるか?」

 

リーナ「それは嫌です。」

 

達也「じゃあ起きろ。」

 

リーナ「はぁ、しょうがないわね。行きましょ」

 




思った以上に書いたので、続きは次回に回します。

さて、次回はどこまでだろう。


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二章 第三話 入学式と友達

前回では出しませんでしたが、水波が深雪の護衛として第一高校に通っています。


講堂前

 

達也とリーナが入ろうとすると、1人の男が道に迷っていた。

 

達也「どうしたんだ?」

 

「ああ。すまん。道に迷ってて」

 

達也「端末は?」

 

「忘れた」

 

リーナ「……。」

 

達也「なら、一緒に行くか。俺も新入生なんだ。」

 

「そうだったのか。なら頼む。」

 

達也「俺の名前は風間達也だ。んで、こいつが、工藤利奈だ。」

 

リーナ「工藤利奈です。よろしくね。」

 

「俺は西条レオンハルトだ。レオって呼んでくれ。」

 

達也「よろしくな、レオ。」

 

レオ「ところで、お二人さんは一緒に来てたみたいだが、付き合ってるのか?」

 

リーナ「……。」///

 

達也「あ、ああ。そうなんだよ。」

 

レオ「へぇー。お幸せにな。」

 

 

―講堂内―

 

達也「これは……。」

 

リーナ「ひどいわね。」

 

レオ「綺麗に真っ二つだな。」

 

講堂にはいると、前と後ろで真っ二つに一科と二科が別れていた。

 

達也「(誰よりもウィードと蔑んでいるのは自分自身…か。)とりあえず、後ろに座ろう。」

 

レオ「いいのか?」

 

達也「いいよ。こんな差別意識の塊と一緒にいてもつまらんし、何より友達だろ?」

 

レオ「そうだな。ありがとな、達也。」

 

達也はリーナ、レオと共に後ろに座った。

 

この事で、一科からも二科からも意外感を向けられたが、達也は無視した。

 

そして、リーナを膝枕しながら式の始まりを待っていると、となりの方から声をかけられた。

 

「あの~。ここ、開いてますか?」

 

達也「(メガネか…。伊達メガネでは無さそうだから、おそらくは霊子放射光過敏症か。俺の秘密がバレると厄介だが、おそらくはまだ使いこなせてはいないだろうな。……問題はない。)ああ。どうぞ。」

 

「ありがとうございます。」

 

そして、1人ともう1人が座ると、もう一度話し始めた。

 

「あの~。私、柴田美月と言います。」

 

「あ、私は千葉エリカよ。よろしくー。」

 

達也「(千葉家に俺の同年代がいると言う情報は無かったが…。まぁいい。)俺は風間達也だ。で、膝で寝てるのが工藤利奈で、俺の隣で寝てるのが西条レオンハルトだ。」

 

相変わらず、寝ているようだ(+1人追加)。

 

美月「達也さんですね。よろしくお願いします。それより、いいんですか?」

 

達也「何が?」

 

エリカ「つまり、美月が言いたいのは、一科なのになんで前に行かないのかってことよ。」

 

達也「ああ。こんなしょうもなく、将来にも意味が全くない差別なんかに構ってる暇は無いんだよ。ただでさえ魔法師というだけで、非魔法師から差別意識を持たれてるのにな。」

 

エリカ「へぇー。さすがだね、達也くん。」

 

達也「そうか?それよりも、まさか同年代にあの千葉家の人間がいたとはね。」

 

達也が話すと突然エリカが黙った。

 

エリカ「……。」

 

達也「すまない。」

 

エリカ「いいよ。ただ、私が千葉家の娘っていうことから色目で見られるのが嫌なだけだから。それに、どうやら達也くんにはもう相手がいるみたいだしね。」

 

美月「え?」

 

エリカ「だから、達也くんには――」

 

〈ただいまより、魔法大学付属第一高校の入学式を始めます。〉

 

―――――――――――――――――――

 

エリカ「達也くん、クラスどこ?」

 

達也「俺はB組だ。」

 

リーナ「私もよ。」

 

レオ「やっぱり同じクラスにはならないか。俺はEだったんだけどな。」

 

美月「まぁ、昼食時に会えますからね。」

 

エリカ「それより、ホームルーム見ていかない?」

 

達也「悪いな、妹と待ち合わせをしててな。」

 

レオ「ん?達也、妹なんていたのか?」

 

美月「新入生総代の司波深雪さんですか?」

 

エリカ「え?でも、2人は名字が…。」

 

リーナ「よくわかったわね。私でも、2人が兄妹なんて見分けられなかったのに…。」

 

美月「雰囲気というか、オーラが似ていて…。」

 

達也「(オーラ、ね。)本当に目がいいんだね。」

 

エリカ「ん?達也くん何いってるの?美月はメガネかけてるよ?」

 

美月「そ、それは――」

 

「お兄様!!」

 

リーナ「ハイ、深雪。さっきぶりね。」

 

達也「生徒会の方はいいのか?」

 

深雪「いいんですよ。そんなことよりも、なぜ私はお兄様と同じクラスでは無いのでしょうか…。ねぇ、水波ちゃん」

 

「深雪さんも大変ですね。」

 

桜井水波

四葉家調整体《桜シリーズ》の第二世代

戸籍上では、第一世代の桜井穂波を母に持ち、深雪とは従姉妹である。

今は深雪の護衛である。

 

深雪「当たり前でしょ、水波ちゃん。私がお兄様と同じクラスで一緒に学校生活を送るつもりでしたのに…。」

 

リーナ「は、はは…。(よかったー。深雪と違うクラスで…。)」

 

達也「深雪、生徒会の方々が待っているぞ、いいのか?」

 

真由美「いえ、大丈夫ですよ。」

 

「な!?会長、それでは予定が…。」

 

真由美「前から約束していたのならまた次に話せばいいわよ。それよりも、深雪さんから兄がいるって聞いたから誰だろうと思ったけど、貴方だったのね?」

 

達也「自分はある事情で養子に出されましてね。驚かれても仕方のないことですよ。」

 

真由美「でも、すごいわよね。この学年のトップスリーが全員知り合いなんて」

 

「え!?」

 

真由美の横にいた男の役員の人が大袈裟に驚いた(もちろん、友人の3人も)。

 

達也「少し恥ずかしいので黙ってもらってもいいですか?」

 

リーナ「そうね。少し恥ずかしいわね。」

 

達也「それに、俺とリーナは忙しいので生徒会やら風紀委員やら部活連やらには入らないので。」

 

真由美「そうですか…。確か貴方たちにはそれぞれ、部活連と教職員枠で風紀委員への加入を打診されていたのですが、代わりを探さなくてはなりませんね。……では、深雪さん、話はまた今度。達也くんもいずれまたゆっくりと。」

 

真由美は後ろの部下を連れて去っていった。

 

――――――――――――――――――

 

その後、エリカの提案で食事を共にした達也達はそのまま家に帰ってきた。

 

達也「ただいま帰りました。」

 

「おかえりなさい、達也くん。それに、リーナちゃんに深雪ちゃんも。水波ちゃんもご苦労様」

 

彼女は桜井穂波

四葉家の調整体《桜シリーズ》の第一世代。

戸籍上では水波の母になっている。

深夜の護衛兼お世話係、MST(マジック・スター・テクノロジー)では、社長である深夜の秘書をしている。

大学生な見た目だが、三十代後半。

達也が唯一心を開いている人間で、リーナは穂波に達也をとられるのではと少し脅えている。

 

真夜「遅いわよ、たっくん。」

 

達也「ただいま、母さん。」

 

四葉真夜

触れてはならない者(アンタッチャブル)】と言う異名で世界中に影響力を持つ四葉家の当主。

達也の母で、表では当主としての威厳を出すが、達也の前では甘える。

超絶親バカで、達也がリーナと言う恋人を連れてきたときにはお義母さんと言わせようとした(まだリーナは言えてない)。

 

深夜「おかえり達也。さっき牛山さんとかスターズの方々から連絡があったわよ。入学おめでとうだって。」

 

司波深夜

四葉家当主の姉で四葉分家の司波家当主。

MST日本支部の社長(ビジネスネームは明坂深夜(あけさかみよ))。

達也の叔母でこれも真夜と同じく達也大好き。

夫である、司波達郎とは既に離婚しているが、面倒事を防ぐために司波達郎をその愛人である司波小百合共々FLTで働かせている。

 

1つ加えておくが、FLTは四葉傘下の会社だが、MSTは四葉の会社でも、独魔の会社でも、スターズの会社でもない。

MSTは達也の会社で、3つの勢力はそれを支えているだけである。

 

達也「そうですか。ありがとうと返しておいてください。」

 

リーナ「今日は深夜さん達はこっちで食事ですか?」

 

真夜「今日はお祝いよ、一緒に食べましょう。」

 

ちなみに、達也たちの家と深雪たちの家は隣同士で地下で繋がっているため移動が楽。

 

真夜は達也たちの家に住んでいる。

 

 




終わりが変でしたが、次回は達也とリーナがB組に入ります。



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二章 第四話 昼食休憩時の一幕

翌日

 

達也とリーナは(主に深雪が原因で)時間がかかった為に教室についたときにはほとんど席が埋まっていた。

 

リーナ「達也、これから何するの?」

 

達也「履修登録だろ。」

 

リーナ「私機械苦手なのよね。やって?」

 

達也「断る。」

 

リーナ「ええ~。やってよ~。」

 

達也「少しは自分でやれ。なんでもかんでも俺に押し付けるな。」

 

回りが達也とリーナの夫婦漫才に固まっていると、その固まりを崩した人がいた。

 

「仲がいいんだね。」

 

達也「あ、ああ。幼馴染みなんだよ。」

 

「へぇー。あ、僕は十三束鋼。百家十三束の長男だよ。」

 

リーナ「工藤利奈よ、リーナって呼んでね。よろしく、十三束君」

 

達也「俺は風間達也だ。よろしく。……まさか同じクラスに【レンジ・ゼロ】がいるとはね。」

 

「ねぇねぇ、鋼君。誰と話してるの。って、学年二位と三位の人じゃん。よろしく。私は明智英美、エイミイって呼んでね。」

 

鋼「ちょっと、エイミイ。話に割り込まないでよ。」

 

リーナ「2人はどういう関係なの?」

 

エイミイ「幼馴染みだよ。まぁ、婚約者でもあるけどね。」

 

達也「へぇー。実は俺達も婚約者なんだよ。」

 

エイミイ「そうなんだ~。じゃあ今度ダブルデートしようよ。」

 

リーナ・鋼「「ダ、ダブルデート!?」」///

 

達也「楽しそうだな。いいよ、何時行こうか。」

 

このままでは、エイミイと達也がデートの予定をいつの間にか決められてしまうので鋼とリーナが止めようと奔走する。

 

やがて2人が止められるとチャイムがなり、朝のホームルームが始まった。

 

――――――――――――――――――

 

ホームルームも終わり、今日は校内見学と言うことで、達也たち四人はどこに行くか話し合っていた。

 

達也「どこに行くか?」

 

鋼「僕は工房がいいかな。」

 

達也「奇遇だな。俺も工房気になってたんだよ。」

 

エイミイ「鋼君が魔工師志望なのは知ってるけど達也くんもなんだね。」

 

リーナ「家にいてもずっと論文読んでるのよ。……もっといちゃいちゃしたいのに……。」///

 

エイミイ「リーナ、心の声駄々漏れだよ。」

 

達也「……。とりあえず、工房に行こうか。」

 

―――――――――――――

 

工房

 

達也たちが工房に行くと入学式で知り合った二科生の友人に会った。

 

エリカ「あ、達也くん~。」

 

レオ「お前も来てたんだな。」

 

達也「ああ。」

 

そして、達也は鋼とエイミイを、エリカは幼馴染みの吉田幹比古を紹介しつつ、それぞれで自己紹介をした。

 

達也「にしても、美月はともかくお前たちも工房に来るとはな。エリカとレオは闘技場だと思ったんだが…。」

 

レオ「俺はこれでも警察官とか山岳警備隊を目指しててな。自分のCADくらい自分で調整できるようにってな。」

 

エリカ「へぇー。ただの猿かと思ったけど、意外と考えてるのね~。」

 

レオ「なんだと、」

 

美月「ちょっと、2人とも。そこまでにして」

 

幹比古「エリカも煽りすぎだ。」

 

エリカとレオが言い争い、それを美月と幹比古が止めている。

 

このグループにも苦労人はいたようだ。

 

達也「そろそろ時間だな。お昼行こうか。」

 

リーナ「やっとお昼なのね。」

 

鋼「あれ?リーナ、何かしてたっけ?」

 

エイミイ「とにかく行こう!!」

 

 

達也達は食堂でご飯を食べていると、

 

深雪「お待たせしました。お兄様。」

 

エリカ「あ、深雪、こっちだよ。」

 

深雪「ありがとう、エリカ。」

 

水波「達也兄様も大変ですね。」

 

鋼「さすが学年二位。」

 

談話を楽しんでいると、深雪と水波についてきたと思わしき人たちが突然声をかけた。

 

「ちょっと、待ってよ司波さん。お昼は僕たちと食べようよ」

 

「そこはそこで食べてるみたいだし、邪魔になっちゃうから。」

 

深雪「どこをどう見たら邪魔になるんですか?私はただ、お兄様とその友人の方々と食事をするだけですが?」

 

深雪の言葉に焦りを感じたのか例の集団の1人が声を荒げた。

 

「ウィードとの相席はやめるべきだ。」

 

「僕たちはエリートだ。そんな補欠連中と馴れ合う意味がわからない。」

 

しかし、達也達は無言を貫いている。

 

「聞こえているのか?お前に言っているんだぞ?」

 

達也「あ?俺に言ってるのか?」

 

「そうだ。なぜウィードと相席をする。」

 

達也「別に誰と食べようが人の勝手だ。お前に指図されることじゃない。」

 

「補欠と一緒にいて何になる。」

 

達也「はぁ~。お前らさっさと失せろ。」

 

急に達也の声が低くなったことで警戒を始めるが、怯まずに言葉を続けた。

 

「おい、そこのウィード。司波さんがそこで食事をしたがっているんだ。場所を譲れ。」

 

エリカ「はぁ!?」

 

達也「エリカ。一回落ち着け。……さて、エリートはエリート同士で食事、だったよな?残念だが、俺はお前らをエリートと見たことは一度もない。」

 

「な!?」

 

達也「聞こえなかったのか?もう一度言うぞ…お前らみたいな魔法力だけで人をしたに見るようなやつをエリートだなんて見ていない。……わかったらさっさと失せろ!!」

 

達也の威圧に深雪についてきた一科生達は腰を抜かして去っていった。



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二章 第五話 放課後の一幕


第十三話の題名を〈一科と二科の確執〉から〈昼食休憩時の一幕〉に変更しました。


―放課後―

 

達也たちが深雪を待っていると、それは起こった。

 

深雪「お待たせしました。」

 

エリカ「よし、揃ったから行こう」

 

「待ってください。司波さん。」

 

「昼は一緒に食べれなかったから放課後に馴れ合いましょうよ。」

 

達也「また、お前か?深雪の意思はどうした。」

 

「ふん、ブルームの恥さらしが。司波さんも本当は僕たちといたいに決まってる。」

 

達也「だそうだが、深雪はどうしたいんだ?」

 

深雪「私はもちろん、お兄様と一緒に帰りますよ。」

 

「ウィードとの馴れ合いはやめるべきだ。そんな雑魚どもと一緒にいたって学べることなんてない。さぁ、司波さん。僕たちと帰りましょう。」

 

すると、レオでもエリカでもなく、美月が起こった。

 

美月「いい加減にしてください!!深雪さんは私たちと帰るって言ってるんですよ。本人の意思を無視して何になるんですか?」

 

「ふん、そこのブルームの恥さらしに合わせるための言葉だ。本心では僕たちといたいに決まってる。」

 

美月「なぜそう思うのですか?」

 

「ウィードといたって何も意味がないんだよ。」

 

美月「ウィード、ウィードって、入学してから差はそんなにないでしょうが。」

 

「ほう、なら見せてやる、これが俺達ブルームの力だ。」

 

エリカ「特化型!?」

 

レオ「面白い、見せてもらおうか。」

 

深雪のクラスメイトとレオたちがついに魔法を使いそうになる。

 

達也「はぁ、やめろ。」

 

突如、魔法式が消えて、魔法を使おうとしたA組連中が床にひれ伏した。

 

達也「どうした、ブルームさん?力を見せつけるんじゃないのか?」

 

「おい、お前。何をした!!」

 

達也「何って、あと少しで法律違反だったのを止めただけだが。」

 

「ウィードの肩を持つのか。」

 

達也「お前らよりかは数倍ましだ。」

 

「ふざけるな!!」

 

達也「無駄だ。お前たちでは魔法は放てない。……いいか、魔法なんて当たらなければ意味がないんだよ。たとえ、どんなに強い魔法力があったってな。」

 

達也は加重系魔法を強くして、隠れているであろう、2人を呼んだ。

 

達也「そこに隠れているんでしょう?早く出てきてくださいよ。こっちは結構苛立っているので、出てこられないと少し、痛い目を見ると思ってくださいね。」

 

すると、達也のCADに想子の弾丸が飛んできた。

 

達也「さすがは十師族七草の長女ですね。ですが、弾かれる可能性を考えて撃ってもらいたいです。」

 

達也はその想子の弾丸を想子の放流で霧散させた。

 

真由美「本当に、可能性は何時も考えるべきね。」

 

「風紀委員長の渡辺摩利だ。」

 

達也「俺達は自衛でしか使ってないので、そこの床にひれ伏しているA組メンバーだけつれていってください。……あと、そこの2人の女性は連れてかなくていいです。片方はただの閃光魔法で失明の心配はありませんでしたし。」

 

達也の言葉に閃光魔法を放とうとした女生徒は驚いた。

どうやら本当だったらしい。

 

摩利「だが、君は彼らに何をしたんだい?」

 

達也「簡単なことですよ。彼らに加重系魔法を放っただけです。」

 

真由美「さすが学年二位ね。私の魔法まで防ぐなんて」

 

達也「来るのがわかっていれば止められます。」

 

真由美「来るのが分かってればって……。」

 

達也「何せ、撃つように仕向けたのこちらですからね。」

 

真由美「あの挑発はそういう意味なのね。……いいわ、ただし、明日事情を聞きますから。」

 

達也「わかりました。」

 

摩利「しょうがない、ほら、A組の連中、ついてこい。それと、森崎、お前は風紀委員入りが打診されていたが、差別を助長するやつを入れるつもりはない。取り下げてもらう。」

 

摩利と真由美はA組の生徒を連れて去っていった。

 

「あ、あの。」

 

エリカ「何?まだなんかあるの?」

 

「いえ、無罪を主張してくれてありがとうございます。お兄さんのお陰です。」

 

達也「お兄さんはやめてくれないか、同学年だし。」

 

「じゃあなんとお呼びすれば。」

 

達也「達也でいいから。」

 

「よろしくお願いします、達也さん。あ、私の名前は光井ほのかです。」

 

「私は北山雫。よろしく、達也さん。」

 

達也「よ、よろしく。」

 

 

下校中にレオがさっきの話の途中で気になったことを聞いてきた。

 

レオ「なぁ、達也。あの、一科の連中の魔法とか会長の魔法を消した魔法ってなんだ?」

 

鋼「『術式解体(グラム・デモリッション)』だね。」

 

本当は分解魔法の『術式解散(グラム・ディスパージョン)』なのだが、鋼の勘違いはちょうどよかった。

 

達也「ああ。そうだよ。」

 

エイミイ「ねぇ、鋼君。『術式解体』って何?」

 

鋼「それはね、圧縮した想子をイデアを経由せずに直接魔法式に当てて崩壊させる、最強の対抗魔法だよ。」

 

達也「鋼も使えるのか?」

 

鋼「僕は生まれつき想子が体から離れなくてね。言わば、『接触型術式解体』ってやつだよ。」

 

達也「なるほどな。」

 

美月「この学校って普通の人が珍しいのかな。」

 

雫「まず、魔法科高校に普通のヒトはいないと思う。」

 

「「「あー。」」」

 

 

一方達也に丸く言いくるめられた2人も同じ話をしていた。

 

摩利「なぁ、真由美の魔法を消したあの魔法はなんだ?」

 

真由美「あれは『術式解体』よ。圧縮した想子弾をイデアを経由せずに直接魔法式に当てて崩壊させる対抗魔法よ。……でも、一回放つごとに通常の10倍近い想子量を使うから使い手がいないと思っていたけど。」

 

摩利「それって、最強の対抗魔法ってことか?」

 

真由美「そういうことよ。」

 

摩利「彼を風紀委員に出来ないか?」

 

真由美「入学式で断られちゃったのよね。…どうしようかしら。」

 

摩利「なにか入れさせる理由を作ればいいんじゃないか?」

 

真由美「彼、親の仕事を手伝っているみたいなのよ。」

 

摩利「それは辛いな。まぁ、とりあえず明日だな。」

 

真由美「そうね。(達也くんを私の婚約者にしてもいいかもね……。って、私なに考えてるの、達也くんには工藤さんが…。そういえばあの子くどうよね。九島家と関係があるのかしら?まぁ、いいわ。家の情報網で調べてみましょう。)」

 




次回は生徒会室の例の話し合いです。

達也は風紀委員に入るのか、お楽しみに。


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二章 第六話 生徒会メンバー紹介


達也が風紀委員にならないが圧倒的に多いので、水波が風紀委員になります。




翌日

 

昼休み

 

達也は穂波が作った弁当をもって生徒会室に来ていた

 

達也「失礼します、1-Bの風間です。」

 

リーナ「同じく工藤です。」

 

真由美「どうぞ。入って~!」

 

中に入ると、既に深雪がいた。

 

リーナ「深雪は生徒会に入るのね。」

 

深雪「まぁね。水波ちゃんが教職員枠で選ばれたから」

 

達也「森崎の代わりはさぞ辛そうだな。」

 

リーナ「達也、一回黙りなさい。」

 

真由美「まぁまぁ、2人も座って。ご飯は、お弁当を持ってきているのね。」

 

リーナ「水波のお母さんに作ってもらったのよね。」

 

摩利「へぇー、桜井の母親は料理上手なのか。」

 

摩利はリーナからおかずを一口もらいそう答えた。

 

達也「で、それで、俺達を呼んだ理由は?」

 

真由美「まずは、委員の紹介ね。まずは、書記のあーちゃんこと、中條あずさ。」

 

あずさ「会長~。後輩の前であーちゃんはやめてくださいよ~。」

 

達也とリーナはあーちゃんだなと思ってしまった。

 

真由美「で、次が会計のりんちゃんこと市原鈴音。」

 

あずさ「ちょっ、無視ですか~。」

 

真由美「で、風紀委員長の渡辺摩利。」

 

摩利「私は生徒会のメンバーじゃないぞ。」

 

真由美「で、あとは、副会長のはんぞー君が今期のメンバーです。」

 

深雪「私はどの役職に就けばいいのでしょうか。」

 

真由美「そうねー。なら、書記に入ってちょうだい。仕事内容はあーちゃんに教えてもらって」

 

達也「で、俺達は?」

 

摩利「君たちは私が呼んだ。何故ならば…。」

 

達也「お断りします。」

 

摩利「…まだ何も言っていないんだが……。」

 

達也「どうせ、風紀委員に入ってくれ。でしょう?」

 

摩利「よくわかったな。」

 

達也「あのですね、入学式の日に断ったはずですよね。」

 

摩利「そうは言ってもな。あの技術は称賛に値するんだ。」

 

真由美「貴方のその魔法式を読み取る力があれば、使った魔法もわかるし、その分罪が軽くなる場合もあるのよ。だから、お願いします。」

 

達也「何度頼まれても答えは同じです。俺は親の仕事を手伝わなくてはいけないんですよ。活動なんてできるわけないじゃないですか。」

 

真由美「その事なんだけど、親はどこで働いてるの?」

 

リーナ「達也の親はMSTで働いてるわ。」

 

あずさ「MST!?」

 

真由美「それって、トーラスシルバーの会社だったわよね。」

 

あずさ「はい!!USNAで〈ループキャスト〉システムを実現させてソフトウェアを十年は進めたといわれているMr.シルバーとその相棒と言われているMr.トーラスが起業した会社です。風間くんはトーラスシルバーの正体を知っているのですか?」

 

達也「一応、知っていますが、教えられませんよ。」

 

あずさ「そうですよね。年齢も性別も経歴も全てが謎な人ですからね。」

 

真由美「たしか、USNAと日本のどちらにもあるのってシルバーがUSNAでトーラスが日本だったからよね?」

 

達也「そうです。シルバーが実現した〈ループキャスト〉システムに対応できるハードの凄い人を探してたら日本にいて、その人と仲良くなって起業した。と話してましたね。」

 

摩利「詳しいんだな。まぁ、それもそうか。実際に手伝いに行ってるんだもんな。」

 

達也「でも、トーラスはともかくシルバーはほとんど会社内でも姿を見せませんよ。だから、一、二回くらいしか見たことはありません。」

 

鈴音「そういえば私、Mr.シルバーと同じ研究テーマなんですよ。」

 

達也「というと、加重系三大難問の一つの重力制御型熱核融合炉ですか。」

 

鈴音「そうです。」

 

達也「まさか、あなたもでしたか。」

 

鈴音「あなたもというと?」

 

達也「俺がMSTで手伝いを始めたのも常駐型重力制御式熱核融合炉の実現ですから。…どうやら貴方とは話が合いそうですね。」

 

鈴音「ふふっ、そうですね。では、今度じっくり話し合いましょうか。」

 

達也「そうですね。」

 

真由美「ちょっと、ストップ。熱中してるとこ悪いけど、風紀委員の話よ。」

 

達也「なら、俺は十三束鋼を推薦します。彼なら申し分ないでしょう?」

 

ここで、チャイムがなったため話は放課後へと移ることとなった。




二話分でやっと1日って感じがします。

次回は(なぜか)達也とはんぞー君が戦います。

そして、アンケートにご協力頂いた皆様、投票ありがとうございました。

このあとも何回かアンケートをすることになるので、そのときもよろしくお願いいたします。


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二章 第七話 模擬戦、達也VS副会長

放課後

 

達也がリーナと共に生徒会室につくと、昼に見たメンバーから一人増えていた。

 

「はじめまして、副会長の服部刑部です。貴方方は何の目的で?」

 

達也「渡辺委員長。俺達の代わりを決めました。」

 

リーナ「1-E千葉エリカと1-Bの十三束鋼でお願いします。」

 

摩利「わかった。」

 

服部「ちょっと、待ってください。」

 

摩利「なんだ?服部刑部少丞半蔵副会長。」

 

服部「フルネームで呼ばないでください!!」///

 

摩利「じゃあ服部半蔵か?」

 

服部「服部刑部です。」

 

摩利「それはお前の家の官職だろ。」

 

服部「学校には服部刑部で出してます。って、それより十三束はともかく、ウィードを風紀委員にするのは反対です。」

 

摩利「ほぉー。私の前で堂々と校則違反か?」

 

服部「学校の三分の一を摘発するつもりですか?」

 

達也「はぁ、なぜ風紀委員に二科生を入れてはいけないんですか?校則には二科生を生徒会には入れられないが、風紀委員に関しては違反にならないはずです。」

 

服部「ウィードは実力が劣っている。そんなことでは取り締まるのは無理だ。」

 

リーナ「ねぇ、副会長。実力ってなにかしら?」

 

服部「それは魔法力だ。魔法の発動速度に干渉力、そして威力だ。」

 

達也「それが実力だと本気でお思いですか?」

 

服部「何?」

 

達也「魔法がどんなに強くたって、当たらなければ意味がない。……服部副会長。俺と模擬戦をしませんか?」

 

服部「……いいだろう。上級生として指導してやる。」

 

達也「……その逝かれた考えをただしてやるよ……。」

 

達也の独り言は誰一人として聞かれることはなかった。

 

摩利「なら、三十分後に第三演習室にくるんだ。」

 

―――――――――――――――――

第三演習室

 

摩利「お前、CADはどうした?」

 

達也「使いません。使わなくても勝ってみせますよ。」

 

服部はこれに怒りを露にした。

 

摩利「一応言っておくが、服部はこの学校でもトップ5に入る人間だ。それゆえに入学してから一度も負けていない。」

 

達也「魔法力が絶対だと考えてるような馬鹿には負けませんよ。」

 

摩利「そうか。なら、両者位置に付け!!」

 

達也と服部が向かい合う。

 

そして、摩利からルールを聞かされて。

 

摩利「はじめ!!」

 

服部は素早くCADのキーボードを叩き、3桁の数字をうつ。

 

服部(単一系移動魔法であいつを倒す。)

 

しかし、服部が指定した座標には既に達也はいなかった。

 

達也「後ろですよ。」

 

服部「何?」

 

達也が高速で服部の回りを走り出す。

 

服部は『ドライブリザード』を達也に放つが、すべて避けられてしまう。

 

服部「速い!!」

 

服部はそのままコンビネーション魔法である『這い寄る雷蛇(スリザリン・サンダース)』を達也に放つが達也に交わされる。

 

やがて、達也が逃げるのに飽きたのか服部に突撃をかけた。

 

達也は服部の腹部に蹴りを入れて吹き飛ばした。

 

服部はその一撃で先頭不能になった。

 

摩利「……勝者、風間達也。」

 

リーナ「ちょっと、達也!!貴方、遊びすぎよ。力全く出してないじゃない。」

 

深雪「そうですよお兄様。普通ならあんな人間一瞬じゃないですか。」

 

達也「だから、考えがあるって言ってんだろ。瞬殺したら意味無いじゃないか。」

 

達也たちの会話を聞いて真由美達生徒会メンバーは驚いた。

何せ、今のが全く本気じゃなかったのである。

 

摩利「待て、今の速度はあらかじめ自己加速術式を放っていたのか?」

 

達也「そんなわけないのは貴方が一番ご存知なはずですよ。あんな相手に魔法なんて必要ありません。」

 

リーナ「達也は親の知り合いに軍人がいるのよ。だから、よく訓練にも参加してるわ。」

 

達也「おい、リーナ。人の素性をペラペラ喋るな。」

 

真由美「軍人相手の訓練ってどんな感じなの?」

 

達也「みんな殺す気で来ますよ。だから、殺気のコントロールも出来ますし。何より、軍人は国を守る人間です。一々殺しに躊躇ってたら逆に殺されますよ。」

 

達也の言葉にほとんどの人が顔を青くするが、摩利だけはその意味がわかっているのか、はたまた経験したことがあるのか知らないが、平気なようだ。

 

そして、服部が起きると達也が口を開いた。

 

達也「さて、服部副会長も起きたようですし、質問しましょうか?貴方の敗因はなんでしょう?」

 

服部「……。」

 

達也「まず、油断しすぎです。魔法を過信しすぎなんですよ。貴方の魔法は一回もあたってませんし、当てたところで痛くも痒くもないです。」

 

服部「すまない、間違っていたのは俺の方だ。一科生として、いや魔法師として間違っていたのは俺の方だったようだ。……風間、また俺と対戦してくれるか?」

 

達也「ええ。もちろん。次は魔法ありでやりましょう。」

 

摩利「さて、じゃあ明日、達也くんの推薦した二人に打診する。真由美、手伝ってくれ。」

 

真由美「ええ、まかせなさい。」

 

 




原作と戦い方は違いましたが、とりあえず、副会長と戦いました。

次回は少し飛んで、新歓後の内容に入ります。
(達也が風紀委員では無いので)


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二章 第八話 レイモンドの警告とブランシュ



久しぶりの投稿になります。


達也の一週間は荒れていた。

 

剣道部の一幕

 

達也がエリカと武道棟について剣道部のオリエンテーションを見ていたときにそれは起こった。

 

剣術部のエース桐原武明が剣道部のオリエンテーションに乱入し、剣道部エースの壬生紗耶香と決闘を行った。

 

やがて、勝ったのは壬生だったが、桐原が逆上し、常駐型振動系魔法『高周波ブレード』を壬生に放つ。

 

それを達也が魔法を消してエリカが竹刀を止めた。

 

その後逆上した剣術部がエリカ(とついでに達也)を襲うが全てエリカが対処した。

 

途中の魔法は達也が全て無力化した。

 

その後はトリコロールのリストバンドを持った二科生に何回か攻撃を受けたが、流していた。

 

その日の夕方に達也はレイモンドに連絡をしていた。

 

達也「久し振りだな、レイ。」

 

レイモンド「そうだね。まぁ、久し振りの再開の会話はまた今度にして。達也、どうやら君の学校にはきな臭い連中がいるみたいだね。」

 

達也「〈ブランシュ東日本支部〉か…。総帥ジード・ヘイグは処刑されたから出てこないと思っていたが、」

 

レイモンド「どうやらジード・ヘイグが無くなったあとブランシュの総帥を東日本支部のリーダーである司一が引き継いだようだよ。」

 

達也「ちなみに司一の親類に第一高校に通ってる人物はいるか?」

 

レイモンド「第一高校三年二科生司甲。どうやら彼の母親の再婚相手のつれに司一がいるみたいだよ。それに、彼の血筋をたどれば陰陽師系の鴨野家にたどり着く。」

 

達也「なるほどな。とりあえずこの事を国際魔法協会に報告するよ。」

 

レイモンド「頑張ってね。」

 

そして、部活勧誘期間も終わった頃

 

達也の姿は学校にはなかった。

 

では、何処にいるのか。

 

答えは自宅だ。

 

達也はバランスと今回の件に関してを話し合っていた。

 

横には(何故か)真夜もいた。

 

達也「――というわけです。」

 

バランス「この件は国際魔法協会に説明したの?」

 

達也「それは事後説明と言う形にしようと思います。それに最終的には乗り込んで司一の拘束をします。そして、ブランシュの情報をはいてもらいます。これには横にいる母さんを経由して四葉家に協力してもらいます。」

 

バランス「わかったわ。この件は貴方に全権を一任するわ。」

 

達也「ありがとうございます。奴等の拠点はレイに調べてもらっていますので、発見出来次第突入します。」

 

バランス「わかったわ。では、いい報告を待ってるわ。」

 

そして通信が切れる。

 

達也「はぁ、母さん、協力してくれてありがとう。」

 

真夜「あら、私のかわいい息子なのよ、貴方は。息子の頼みを聞くのも母親の仕事なのよ。」

 

達也「さて、リーナが帰ってくるまで時間はあるから、お茶でもしましょうか?」

 

真夜「いいわよ。親子でね。」

 

達也「もちろんです。」

 

―――――――――――――――――

 

翌日

 

達也が学校に一日ぶりに登校した。

 

放課後は達也にとってもいいタイミングだった。

 

達也が教室を出ると、一人の二科生が訪ねてきた。

 

「ねぇ、風間くん。少しいいかな?」

 

達也「貴女は、壬生先輩ですか。」

 

壬生「はじめまして、壬生紗耶香よ。」

 

達也「それで何のようですか?」

 

壬生「風間くんにお願いがあるの」

 

達也「と、とりあえず移動しましょうか。ここではあれですし、」

 

壬生「そ、そうね。」

 

 

達也「で、話はなんですか?壬生先輩」

 

壬生「何時もみたいに呼んでくれないの?」

 

周りでは初対面を演じていた2人だが、カフェテリアについて気持ちが楽になった為、友人同士の時の会話に戻っていた。。

 

達也「はぁ…。分かりましたよ、紗耶香さん。」

 

壬生「うん。それが一番ね、達也くん。」

 

達也「で?何のようですか?」

 

壬生「剣道部に入ってくれないかな?」

 

達也「理由は?」

 

壬生「達也くんに入ってほしいから……って言うのが表向きで。本当は協力してほしいの。」

 

達也「協力?」

 

壬生「そう。私達は二科生だから、魔法力に関して言えば弱いのは事実。だけど、魔法力だけで私の全てを否定させない。だから、私達非魔法系クラブは合同で部活連や生徒会とはまた別の組織を作ることにしたのよ。」

 

達也「へぇー。(優遇されていないのと冷遇されているのをはき違っているのか?それとも―)」

 

壬生「だから、達也くんにも手伝ってほしい。」

 

達也「協力するかどうかは、貴女方が具体的に何をするのかを決めてからもう一度来てください。電話番号は知っているはずなので決まったらそこに」

 

壬生「えっ、ちょっ、ちょっと!!」

 

 





終わり方が何とも言えないでしたが、この話はここまでです。

今回、達也と壬生さんを友人にしてみました。

達也はスターズの人間なので当然壬生さんのお父さんとも顔見知りかなと言う理由です。



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二章 第九話 ブランシュの考え

壬生紗耶香にあの質問を吹っ掛けた時、明らかに動揺したことから達也は剣道部が完全にブランシュの傀儡であることを理解した。

 

それと、同時に仲の良かった彼女を救いたいという気持ちも芽生えてきた。

 

そんなことを考えながら、翌日。

 

生徒会長に呼ばれた達也はリーナと共に生徒会室に向かっていた

 

達也「失礼します。」

 

摩利「やぁ、達也君。昨日剣道部の壬生紗耶香を言葉攻めにしたって本当かい?」

 

達也「言葉攻めって…先輩も年頃の淑女なんですからそんなはしたないことを言うのはやめてください。」

 

摩利「私を淑女扱いしたのはお前が始めてだな。」

 

達也「先輩を淑女として扱わないとは…先輩の恋人は紳士では無いようですね。」

 

摩利「なっ、シュウは……はっ。」

 

達也「シュウ……ということは先輩の彼氏は千葉修次ですか。」

 

摩利「なぜそれを…。」

 

達也「何となくです。それと、もしかしてこの話をするためだけに呼び出したのですか?」

 

真由美「それは…。」

 

達也「リーナ、教室戻るぞ。それと、深雪。後で話があるから家に来てくれ。」

 

真由美「待って、達也君。―貴方何者?」

 

達也「反魔法政治団体ブランシュ…。」

 

真由美「何故、その名を。」

 

摩利「情報規制は強いていたはずだが…。」

 

達也「情報規制したところで噂を全て止めることは出来ない。…それに俺は軍に知り合いがいるから知りたくなくても勝手に入ってくる。」

 

真由美「そうなのね。」

 

達也「と言うわけで、これから俺がすることは見逃してくださいね?」

 

達也とリーナは生徒会室に意味不明な言葉を残して帰っていた。

 

その後は深雪とリーナに反魔法政治団体ブランシュの説明してその日を終えた。

 

翌日

 

達也は再び壬生紗耶香に呼び出されていた。

 

達也「返事は決まりましたか、紗耶香さん?」

 

紗耶香「私達は学校側に待遇改善を申し出るわ。」

 

達也「大きく出ましたね。学校側に待遇改善を要求ですか。具体的には?」

 

紗耶香「部活の予算よ。」

 

達也「部活の予算は各部活の成果によって決まるはずでは?」

 

紗耶香「それは…。」

 

達也「(ここまでか…。)どうやらこれ以上は無いようですね。俺は帰ります。せいぜい頑張ってください。」

 

 

数日後に放送室を占拠する暴挙が起こったが、深雪のお願いで学校の警備システムにハッキングして強制的に鍵を開けて、中にいた人物を捕らえたが、七草真由美が彼らを連れていき、生徒会と代表メンバーの講演会をやることが決まった。

 

―――――――――――――

 

講演会当日

 

 

達也「母さん、そろそろ彼らが動き出す筈だよ。」

 

真夜「そうね、リーナちゃん。達也を任せたわよ。」

 

リーナ「もちろんです。お義母様」

 

真夜「準備が出来たら連絡してね。突撃するから。」

 

達也「わかりました。……ここまでやってくれた、レイには感謝しかないな。」

 

リーナ「今日で全てが終わるのね。」

 

達也「ああ。今日で終わらせて、国際魔法協会に報告だ。」

 

真夜「じゃあ、頑張るのよ。」

 

達也「はい!!」






次回、ブランシュVS達也です。


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二章 第十話 討論会と襲撃

討論会は放課後に行われた。

 

会場となる講堂には一科生と二科生がちょうど半分半分になるように揃っていた。

 

中には例のリストバンドをした二科生も数人

 

達也「壬生先輩たちがいませんね。」

 

摩利「やはり実働部隊でもいるのか?出てきてくれたら楽なのだが…。」

 

鈴音「戦うことを前提にしないでください。」

 

摩利「わかってるわ。…それより、達也君の背中に持ってる槍はなんだ?」

 

達也「これは俺の相棒です。」

 

摩利「なぁ、鈴音。達也君は私よりも戦う気満々じゃないか?」

 

鈴音「…なんか、そう見えてしまいますね。」

 

達也「俺の予想では確実に彼らは動きます。(いっそのこと全員この中にいてもらおうかな?)」

 

鈴音「とにかく、始まりますよ。」

 

 

討論会は真由美の独壇場だった。

 

二科の代表者は「二科生はあらゆる面で一科生より差別を受けている。」とかしか言わなかったが、真由美がそれを完全論破したのだ。

 

そして―

 

真由美「一科生(ブルーム)二科生(ウィード)

 

この言葉は校則として禁止しています。

 

しかし、校則で禁止していても未だに使用している人が多いです。

 

一科生はブルームという言葉で優越感に浸り、二科生はウィードという言葉で劣等感に浸る。

 

その壁こそがいけないのです。

 

なぜなら一科に二科も関係なく、この三年間は誰にとっても大切なものなのですから。」

 

その時に起きた拍手はまるでアイドルのライブ終わりのような歓声に満ちた拍手だった。

 

―爆発音がなるまでは。

 

達也「先輩!!」

 

摩利〈全風紀委員に告げる!至急同盟メンバーを拘束しろ!!〉

 

真由美「危ない!!」

 

真由美の声が講堂中に響くと、窓からスタングレネードが落ちてきた。

 

しかし、それは爆破することはなく、魔法によって外に戻された。

 

達也(収束系に移動系魔法か。あの先輩やるな。)

 

深雪「お兄様。」

 

達也「渡辺先輩、俺は外に行きます。」

 

深雪「私も行きます。」

 

達也「わかった。」

 

侵入してきたテロリストは達也が持っていた槍で突き刺して行く。

 

達也「レオ!!」

 

レオ「達也か?なんの騒ぎだ?」

 

エリカ「レオ~!!って、あれ?もう終わってた?」

 

深雪「こんなことにお兄様の御手を煩わせるわけにはいかないわ。」

 

エリカ「そんなことよりも、これはどうなってるの?」

 

達也「校内にテロリストが侵入した。」

 

レオ「物騒だな。」

 

エリカ「ってことは、手加減不要?」

 

達也「うちの生徒じゃなければな。」

 

エリカ「オッケー。」

 

達也「武道棟と図書館か。敵は一体…。」

 

「図書館よ。」

 

達也「小野先生。」

 

レオ「は、遥ちゃん?」

 

エリカ「最低ね。」

 

達也「理由を聞いてもいいですか?」

 

遥「却下します。と、言いたいところだけども、それよりもお願いがあるの。カウンセラーとして、壬生さんにチャンスをあげて欲しいの。」

 

達也「甘いですね。行くぞ。」

 

レオ「おい、達也。」

 

達也「余計な情けで怪我をするのは自分だけじゃないんだよ。」

 

エリカ「なるほどね。」

 

図書館についた達也達は無事に、実行犯達を捕まえて克人達の所に向かった。

 

達也のみは克人達に壬生を渡した後にそのまま帰宅した。

 

 





次回で入学編ラストだと思います。


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二章 第十一話 ブランシュ殲滅戦

達也は今とある車の中にいる

 

その車は藤林響子が用意した車で中には達也の他に運転してる響子、そして真夜の代理として穂波が乗っていた。

 

達也「響子さんはそのまま運転しててください。門は今消します。」

 

達也は『雲散霧消(ミスト・ディスパージョン)』を放って門を消した

 

達也「響子さんは車の守護と出てきた残党の処理、穂波さんは裏口から侵入をお願いします。そして、俺は正面から入ります。」

 

響子「任せてちょうだい」

 

穂波「わかりました。」

 

達也は正面の入り口から堂々と侵入した。

 

達也(いないな。待ち伏せか?まぁ、いい。出てきても俺のこの槍で刺し殺す)

 

達也が大きな扉を開けると、数人の男達が立っていた。

 

「ようこそ、風間達也くん。」

 

達也「お前が司一か?」

 

一「その通り、私がブランシュ東日本支部のリーダーにして総帥の司一だよ。」

 

達也は槍ではなくシルバーホーンを取り出して、宣言する

 

達也「そうか。なら、銃を捨てて投降しろ。」

 

一「魔法が一番だと思っているならそれは勘違いだよ。…弟が報告してきた君のアンティナイトを使用しない〈キャスト・ジャミング〉の理論は素晴らしい。これなら今回の被害の埋め合わせも出来る。」

 

達也「なるほど。壬生先輩を俺に会わせたのも、弟を使って襲ってきたのも、これの為か。」

 

一「その通り。さて、風間達也、私の仲間になれ!!」

 

一の目が怪しく光る

 

一「ハッハッハ、さて、お仲間の場所を教えろ?」

 

達也「『邪眼(イビル・アイ)』か。変則的な光信号で相手を惑わせ、洗脳させる。確か、ベラルーシ辺りが積極的に研究してた三流魔法か」

 

一「な、なぜ?」

 

達也「眼鏡を投げる右手に意識を向けさせて、左手でCADを操作する。…だが、魔法式が見えている以上、壊すのは簡単だ。」

 

一「ば、馬鹿な。貴様の対抗魔法は〈キャスト・ジャミング〉では無かったのか?」

 

達也「化けの皮が剥がれてるぞ。お前の二人称は君じゃなかったのか?」

 

一「う、撃て~!!」

 

達也「無駄だ。」

 

達也は『流星群(ミーティア・ライン)』で部下の持つ銃を破壊した。

 

一「こ、この魔法は。ま、まさか。ひ、ひぇ~。」

 

達也「はぁ、司一は後にしてお前達は楽に逝かせてやる。」

 

すると、辺りが冷気に包まれる

 

「こ、この魔法は。振動系、冷却魔法の『ニブルヘイム』」

 

部下達は意識を凍らされた。

 

――――――――――――――

 

達也は司一を追って最後の大きな扉の前までやってきた。

 

達也は扉の前で敵の銃に狙いを定め、銃を分解した。

 

そのまま部屋の中に入っていく

 

すると、部屋にジャミング波が流れる

 

一「どうだい、魔法師。本物の〈キャスト・ジャミング〉は?」

 

達也「(大量のアンティナイト、ということは)雇い主(パトロン)はウクライナ・ベラルーシ再分離独立派、雇い主のスポンサーは大亜連合か。」

 

一「だからなんだ。おい、やれ。」

 

達也(ちっ、結局使うことになるのか。)

 

達也は竜殺しの槍(ゲイ・ボルグ)を取り出して司一以外を刺し殺していく。

 

穂波「これでラストですか?達也君。」

 

達也「ええ。後はこいつを連れていくだけです。」

 

達也は『邪眼』で司一を眠らせて、響子と穂波を連れてブランシュのアジトを後にした。

 

その後、響子の所属する独立魔装大隊が後処理をして、その場を去った。

 

克人達がその建物についたのはそれから三十分後のことだった。

 

―――――――――――――

 

エガリテに所属していた二科生は司一の洗脳状態にあったとされているために、入院することになった。

 

中でも、司一の弟であり、エガリテのリーダー的存在だった司甲は洗脳による支配が長かったために入院する期間も長く、さらに自主退学が決まったらしい。

 

―――――――――――――

 

一ヶ月後

 

達也は深雪とリーナを連れて、病院に来ていた

 

理由は達也の友人である、壬生紗耶香の退院日だからである。

 

達也「お久しぶりです、紗耶香さん。」

 

壬生「あ、達也君。久し振り。私桐原くんと付き合うことになったんだ~。」

 

達也「そうですか。おめでとうございます。」

 

桐原「なぁ、風間、ちょっといいか?」

 

達也「なんでしょうか?桐原先輩。」

 

桐原「壬生の好物を教えてくれないか?」コソコソ

 

達也「直接聞いてくださいよ」コソコソ

 

壬生「ちょっと、二人とも。何私抜きで喋ってるのかしら?」

 

達也「まぁまぁ、それよりも、退院おめでとうございます。それと、桐原先輩。俺の友人である紗耶香さんを泣かせたら許しませんから。」

 

壬生「泣かされたら達也君に慰めて貰おうかな。」

 

桐原「壬生を泣かせないと誓おう」

 

リーナ「そういえば、達也はいつから壬生先輩と仲がよかったのかしら?」コソコソ

 

達也「それは……紗耶香さんのお父上が内情の職員で何回かお会いしたことがあって、その時に知り合った。」コソコソ

 

リーナ「なるほどね。」

 

「久し振りだね、達也君。」

 

達也「壬生さん。お久しぶりです。」

 

壬生父「少しいいかな?」

 

達也「はい。じゃあ、リーナ。深雪と話して待っててくれ。」

 

 

壬生父「娘を救ってくれてありがとう。」

 

達也「いえいえ、俺も紗耶香さんが無事でよかったです。」

 

壬生父「君は相当怒っていたようだね。…残党達の刺突後でよくわかったよ。」

 

達也「そうですね。……俺にはこの後、国際魔法協会に報告する義務があるので。では、失礼します。」

 

壬生父「うむ。」

 

 

壬生「達也君、今回は何を話してたの?」

 

達也「ちょっとね。」

 

 

――――――――――――――――

 

達也は司一の供述を叔母の深夜経由で聞いた後に国際魔法協会に報告した。

 

国際魔法協会には達也が四葉真夜の息子であることを知ってる者が多いため、そのままの状態で報告を終え、無事にブランシュ事件は終了した。





というわけで、入学編終了です。

次回から九校戦編に入ります。

(もしかしたら間に番外編を挟むかも知れないです。)


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第三章 九校戦編
三章 第一話 全国魔法科高校親善魔法競技大会


ブランシュが完全に消滅してから2ヶ月がたった頃

 

達也は生徒会室に呼び出されていた

 

真由美「達也君。九校戦って知ってるかしら?」

 

達也「魔法科高校生が魔法を使った競技でしたっけ?」

 

摩利「だいたいそうだ。」

 

達也「それの何が関係あるんですか?」

 

真由美「貴方は最近行われたテストで学年一位になったわよね。」

 

達也「そうでしたっけ?」

 

深雪「そうですよ、お兄様。みんなで勉強会したのも忘れていたんですか?」

 

達也「もちろん覚えているし、テストをしたのも覚えている。…だが、俺が一位だなんてありえない。」

 

深雪「お兄様はご自身を過小評価しすぎなのです。」

 

達也「……それで?それが何か?」

 

摩利「一位の特権として出る種目を決めさせてあげようと思ってな」

 

達也「そうですか。じゃあアイス・ピラーズ・ブレイクの単一出場で」

 

真由美「一種目でいいの?」

 

達也「大丈夫です。」

 

摩利「わかった。もういいぞ。」

 

達也「失礼しました。」

 

深雪「待ってください、お兄様。」

 

達也「なんだい、深雪?」

 

深雪「私のエンジニアになっていただけませんか?」

 

真由美「え?達也君、CADの調整出来るの?」

 

達也「はぁ、深雪とリーナと水波だけだぞ。」

 

深雪「ありがとうございます。」

 

真由美「待ちなさい。」

 

達也「お断りします。」

 

真由美「まだなにも言ってないわよ。」

 

達也「どうせ、エンジニアとして出てくださいとでも言うんでしょう?それにお断りしますと言ったんです。」

 

摩利「理由を聞いてもいいか?」

 

達也「やる前提で進めようとしないでください。……そうですね。面倒臭いからとでも言っておきましょうか。」

 

真由美「え?それだけ?」

 

達也「それだけですが?」

 

真由美「達也君。貴方を強制的にエンジニアに任命します。」

 

達也「全力でお断りします!!」

 

達也はそのまま逃げるように生徒会室から出ていった。

 

真由美「ねぇ、深雪さん。達也くんを説得してくれないかしら?」

 

深雪「ここは家族の特権を利用します。」

 

摩利「まぁ、その話はまた今度だ。それよりも、選手を決めるぞ。」

 

真由美「そうね。よ~し、今日中に選手決めを終わらせて達也くんをエンジニアに説得するわよ。」

 

真由美の頭の中には達也がエンジニアをすることしか無かった。

 

――――――――――

 

真由美達が選手決めに悪戦苦闘している時

 

達也は家で電話をしていた。

 

相手は四葉家分家の一つ津久葉家の長女である津久葉夕歌

 

達也「久し振りですね、夕歌姉さん」

 

夕歌「久し振りね、達也君。」

 

達也「姉さんが電話って珍しいですね。」

 

夕歌「あら、かわいい弟に電話するのに珍しいもあるのかしら?」

 

達也「そ、そうですか…。」

 

夕歌「達也君、選手おめでとう。」

 

達也「なぜ夕歌さんがそれを知ってるんですか?」

 

夕歌「私は真由美さんと友達なのよ?それくらい入ってくるわよ。たしか「達也君っていううちの学校の新たなエースが出来たのよー。」って、言ってたかしら」

 

達也「……。」

 

夕歌「照れなくていいのよ?」

 

達也「照れて無いです。」

 

夕歌「あ、そう?ならいいわ。じゃあ頑張ってね~。」

 

夕歌との電話が切れる

 

達也「何だったんだ…今のは。」





今作から九校戦編がスタートしました。


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三章 第二話 汎用的飛行魔法

リーナや深雪は達也が今何を作っているのかを知らなかった。

 

知っているのは真夜と深夜だけで、リーナ達はどんなに聞いても教えてくれなかった。

 

しかし、今日深雪達に説明をすると言われた。

 

真夜達家の住民達はご飯後に研究室に入った。

 

すると、目の前には達也はいなかった。

 

辺りをくまなく探すと、そこには座ったまま浮いている(・・・・・・・・・・)達也がいた。

 

リーナ「うそ……。」

 

深雪「まさか……飛行魔法」

 

達也「ご名答だ。」

 

深夜「完成させたのね。」

 

真夜「おめでとう、達也。これでこそ私の息子ね。」

 

達也「ありがとうございます。じゃあ、試してみますか?」

 

「「「「「もちろん!!」」」」」

 

先に真夜と深雪とリーナが体験し、その後に深夜と穂波と水波が体験することになった。

 

達也「そのCADはボタンを押すと、想子(サイオン)が吸収される仕組みだ。そして、その想子で浮かぶ。ちなみに、ボタンをもう一度押すまで想子は吸収され続けるからな。」

 

深雪「んっ…。」

 

リーナ「これは…。」

 

真夜「……。」

 

3人はその場で浮き始めた。

 

達也「慣れてきたら自由に飛び始めていいぞ。……ただし、あと三人残ってるからな。時間考えろよ。」

 

「「「はーい!!」」」

 

そして、30分後くらいに3人が降りてきて、残りの3人に変わった。

 

残りの3人も30分程飛び続けて、実験は成功した。

 

翌日

 

達也はリーナと深雪と水波を連れてMSTにやって来ていた。

 

「あ、会長!!」

 

達也「お久し振りです。牛山主任はどちらに?」

 

牛山「およびですかい?ミスター」

 

達也「その呼び方はやめてくださいよ、ミスタートーラス」

 

牛山「俺はトーラスなんて器じゃねえよ。俺はしがない技術屋でさ。それこそ、真田本部長の方がトーラスに向いてますって。」

 

達也「いやいや、貴方の技術力があるからシルバーホーンが出来たんですよ。真田さんも言っていたじゃないですか。」

 

牛山「あー。やめやめ、口じゃあ勝てねえからな。で、それより今日はどんなご用で?」

 

達也「先日話したアレが完成したので実験に。」

 

牛山「アレというと、飛行魔法ですかい?」

 

達也「ええ。テストは母と社長と秘書の穂波さんとあと俺の後ろに3人とで。まぁ、俺たちは普通の魔法師とはほど遠いので。」

 

ちなみに、MSTの会社の人間の中でも達也が四葉出身なのを知っているのはこの牛山達と軍部関係の人間のみである。

 

牛山「なるほど。おいテツ。T-7型の手持ちは?」

 

「十機です。」

 

牛山「馬鹿野郎!!十機で足りるか!!あるだけ全部コピーしてこい!!あ?テスターが全員休み?そんなの首に縄でもして連れてこい!!現代魔法の歴史が変わるんだぞ!!」

 

―――――――――

 

テスターがその約30分後に揃ったことで実験を始めた。

 

『実験開始』

 

言葉の合図で一人のテスターがCADを起動してその場で上昇を始めた。

 

『離床を確認。上昇加速度の誤差は許容範囲内』

 

テスターがその場で停止する

 

『加速度減少ゼロ……等速。加速度マイナスにシフト……停止』

 

牛山「ここまでは普通の移動魔法だな。……問題はここから。」

 

テスターが水平移動を始めた。

 

『水平方向へ毎秒1mで移動。停止。』

 

「テスターより観測室へ。……俺は飛んでる……自由だ。」

 

その言葉で観測室が成功を確認し、大喜びする。

 

また、他のテスター達が更に飛び始める。

 

―20分後―

 

牛山「お前達は馬鹿なのか?……実験が終わったからって鬼ごっこを始めやがって。超勤手当出さねぇからな。」

 

「そりゃないすよ。主任」

 

牛山「ん?どうしたんですか?会長。」

 

達也「いや、なんかタイムレコーダーの効率が悪いのかなと思いまして。」

 

牛山「そこはハードで何とかしましょうか。」

 

達也「実は同じこと考えてました。」

 

牛山「そいつは光栄ですな。」




時系列バラバラですが、次回がエンジニア決めです。

一応、エンジニアは原作通り女子スピード・シューティング、アイス・ピラーズ・ブレイク、ミラージ・バットの一年女子をやります。

リーナの出る種目は……考え中です。

では、また次回。


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三章 第三話 無頭龍(ノーヘッドドラゴン)と任務

前回の予告内容と違いますがご了承ください。

そして、今回は達也が協力者となった周公瑾に初めて会います。

では、どうぞ。


無事飛行魔法を完成させた後、達也達は真田達のもとに向かった。

 

牛山達が新製品開発の部署だとすると、真田達は軍製品の製造をする部署である。

 

ここには達也の戦略級魔法星屑の穴(スターダスト・ホール)で使うネックレス状のCADや、達也の槍形状の武装一体型CADである〈ゲイ・ボルグ〉の改良や調整を行ったり、リーナや深雪が戦略級魔法を使えるようになったとき用のCAD(リーナのは既に出来ていて、試射も完了している。)の作成や改良を行っている。

 

真田「やぁ、達也くん。久し振りだね。」

 

真田繁留

国防陸軍第一○一旅団独立魔装大隊の大尉で、防衛省に所属する技術士官

 

隊の中では一二を争う腹黒さを持つと言われている

 

達也「お久し振りです。真田さん。」

 

真田「早速だけど、先日預かった〈ゲイ・ボルグ〉と例の完全思考型CADの改良は済んだよ。後は君が調整するだけで終わりだよ。」

 

達也「ありがとうございます。」

 

真田「あ、後、隊長が話したいことがあるそうだから、後で会議室の方に行っといてね。」

 

達也「わかりました。」

 

そして、達也はそれぞれ10分づつで20分で調整を終わらせて、一人で会議室に向かった。

 

―――――――――――――

 

達也が会議室についた時そこには風間少佐と紗耶香の父である壬生勇三、そしてスターズからバランス大佐ともう一人中華系の男がいた。

 

達也「皆さんお久し振りです。それと、そこの方は初めましてですね。」

 

「ええ、そうですね。初めまして。タツヤ=シールズ中佐、私は周公瑾ともうします。」

 

いきなり階級呼びされた為、達也は一瞬驚くもののすぐに冷静になり階級呼びされた意味を理解した。

 

達也「階級で呼んだと言うことは貴方が例の協力者ですか。」

 

周「そうです。私はあの人が処刑されてからはこうしてスターズの協力員として表では横浜中華街で中華料理屋を経営しながら裏では大陸ブローカーをする傍ら、テロ組織が入国した際のスターズへの報告を行っております。」

 

バランス「これからは公瑾は中佐の直接の部下になりますので、これからはそのまま情報を聞いてください。」

 

達也「了解しました。それで、ここにいるってことはもしや。」

 

周「はい。彼の負の遺産を……ブランシュを潰してくださった中佐殿にご報告がございます。……先日、大陸のテログループ無頭龍(ノーヘッドドラゴン)の東日本支部を名乗るもの達が密入国されました。」

 

壬生父「無頭龍はここ数年で犯罪組織に行き渡っている〈ソーサリーブースター〉を販売している組織だ。」

 

達也「〈ソーサリーブースター〉ですか……。たしか、魔法師の大脳を使った魔法増幅装置でしたね。」

 

周「その通りです。そして、ここにいるバランス大佐に入国したメンバーを調べてもらったところ、国際手配されているメンバーが何人かいることが判明しました。」

 

達也はリストアップされたメンバーを見る。

 

達也「で、俺の仕事と言うのが?」

 

周「彼らは今年の九校戦で賭けを行おうとしています。今はまだ動きがありませんが、今後、例えば九校戦前の移動時や、試合中など、様々な所で妨害工作が予想されます。」

 

バランス「では、シールズ中佐に司令を言い渡します。……無頭龍の妨害工作を現行犯で捕らえ、その後彼らを消滅させなさい。」

 

達也「ここに書いてあるメンバーは捕らえなくてよろしいのですか?」

 

バランス「ある程度情報を入手したらそのまま消しても構いません。作戦の成功失敗及び、獲られた情報は風間少佐に伝えてください。いいですか?」

 

達也「はっ!」

 

バランス「では、情報は公瑾に聞いて、作戦は風間少佐と協力して行ってください。では、私は失礼します。公瑾、後は頼みましたよ。」

 

周「了解しました。」

 

バランスが部屋から出ていく。

 

風間「我々は九校戦当日は見に行っているから作戦はそこで決めよう。」

 

達也「わかりました。」

 

風間「では、会場で会おう。」

 

壬生父「じゃあ、達也くん、また会おう。」

 

風間と勇三が部屋から出ていく。

 

達也「さて、周公瑾。いや、俺も公瑾と呼ぶが構わないか?」

 

周「それで大丈夫です。私は任務時にはシールズ中佐と呼びますが、他の場面では達也くんと呼ばせてもらいます。」

 

達也「それで構わない。じゃあ、情報が欲しいときにまた連絡するよ。……それと、公瑾が経営している店の場所を教えてくれないか?今度友達連れて行こうと思う。」

 

周「ありがとうございます。来ていただいた際には盛大なおもてなしをいたしたいと思いますので是非お越しください。」

 

達也「じゃあまた。」

 

達也は会議室から出て、深雪やリーナと共にMSTを去っていった。




すみません。

前回予告した達也が(結局)エンジニアになる話は次回になります。



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三章 第四話 九校戦メンバー決定



アンケートをつけました。

解答は三章の一話から次回作までの範囲です。




 

達也は飛行魔法を作った翌日に生徒会室に呼び出されていた。

 

真由美「来たのね、達也くん。」

 

達也「本当にしつこい人ですね。そんな人はもてませんよ……まぁ、十師族だし婚約者くらいいそうですけどね。」

 

摩利「真由美がしつこいのは事実だが、頼む。新人戦で達也くんと仲の良い人たちだけでもやってくれるか?」

 

達也「仲が良い人というと?」

 

真由美「北山さんとか光井さんとかかしら?」

 

達也「貴女達ではないので良いですよ。」

 

摩利「……そうか。ん?いいのか?」

 

達也「ええ。先輩方にする必要がないのならやっても構いません。」

 

深雪「お兄様を貸すのはあくまでも新人戦だけですからね。それに、お兄様の素晴らしさを理解していないお兄様以外の一年男子の調整もお断りします。」

 

達也「お…おい、深雪。」

 

リーナ「そうね。達也に対抗心を持つこと事態が間違ってると思うのだけどね。」

 

真由美「ねぇ、2人とも。もしかして達也くんって、高校通わなくてもよかった人?」

 

リーナ「そうよ。」

 

深雪「お兄様がここに入学したのは私がお願いしたのと、お兄様が魔法大学系列で見られる魔法文献を読むためですものね。」

 

摩利「それは……本当なのか?」

 

達也「ええ。それに、俺は魔法文献を読むために入学したので正直授業を受けるのが面倒臭いので最初はテストをさぼって二科生になろうとしてたんですが、深雪とリーナからそうなったら口を聞いてあげないと言われて仕方なく……。」

 

もちろん達也のこの言葉は嘘である(文献が目的なのは事実)。

 

真由美「まさかそんな裏話を聞く羽目になるとは思わなかったわ。」

 

達也「さて、後は上級生を黙らせて、エンジニア入りでしたっけ。」

 

摩利「その通りだ。」

 

その後、達也は同級生や上級生などの達也をよく思っていない人間から反論を受けていたが、達也がエンジニアとしての圧倒的な実力を見せつけ、十文字克人の鶴の一声で達也のエンジニア入りが決まった。

 

 

達也「さて、君たちのエンジニアを担当することになった風間達也だ。よろしく。」

 

達也の前には達也が担当する選手達が集まった。

 

達也が担当するのは新人戦女子のスピード・シューティング、アイス・ピラーズ・ブレイク、ミラージ・バット、バトルボードの四種目

 

そして、水波の新人戦クラウドボール、リーナの本戦アイス・ピラーズ・ブレイクで、担当する選手数は8人

 

深雪「よろしくお願い致します。お兄様。」

 

雫「よろしく達也さん。」

 

ほのか「よろしくお願いします。」

 

エイミイ「よろしくね、達也くん。はぁ、……なんで鋼君は選手に選ばれなかったのかな…。」

 

達也「それは俺も思ったよ。この学校は馬鹿なのかって。……まぁ、それを言ったところで意味はないんだけどな。」

 

エイミイ「本当よね。」

 

達也「……さて、では、君達のCADを預けてほしい。それでこれからの君達の練習メニューを決める。」

 

達也と面識のない人は出すのを躊躇ったが、深雪や雫が躊躇わずに渡したことで警戒が薄れ、皆達也に渡した。

 

後日、帰ってきたCADと共にそれぞれの練習メニューを渡されて、練習を始めたメンバー達はそのメニューの正確さに驚き、だんだんと達也を信用するようになってきた。

 

よって、練習は会場に行く前日まで有意義にすることができた。

 

―一方の達也は

 

十文字克人とアイス・ピラーズ・ブレイクの練習をしていた。

 

達也は火を作り出し、移動魔法で克人の氷に飛ばすが、『ファランクス』に防がれる。

 

達也「やはり固いですね。会頭の『ファランクス』は。」

 

克人「そう簡単に破れる代物ではない。」

 

達也「ですよね…。(もし彼らが俺達の敵になったときは『ファランクス』だけには特に気を付けるか。)」

 

達也は『術式解体』で『ファランクス』を壊すが、すぐにもとに戻る。

 

達也(あの魔法は隠しているから使えない。それに、ここで使ってしまったら試合で使えなくなるし……打つ手なしか。)

 

達也は九校戦の試合展開のネタバレを防ぐために、この試合を放棄した。

 

 





達也と十文字克人の模擬戦の様子を少しだけ最後にのせました。

達也は四葉の関係者であることか、又はスターズの人間であることがばれる可能性を考え、『流星群(ミーティア・ライン)』は使いませんでした。(多分)

そして、『雲散霧消(ミスト・ディスパージョン)』は使うと分解魔法を使えることがばれてしまうため、任務以外では使わないことに決めています。

九校戦で達也が使うかは考え中です。

そして、次回はバス移動と自爆テロです。


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三章 第五話 移動中のトラブル

今日は九校戦の会場に移動する日

 

なのだが、遅刻者が3名いた。

 

―一人は十師族七草の長女として家の関係で遅刻してくる第一高校の代表生徒、七草真由美

 

―後はプライベートなどの素性が全く読めない、2人の新入生、片や一種目に出場し、異例の一年でエンジニアをすることになった風間達也、もう一人は一年で唯一の本選出場を果たした工藤利奈。

 

摩利「達也君と工藤からは先に行ってくれと言われているが、…真由美が来てないから行けないんだよな~。」

 

深雪「なぜお兄様が…。」

 

摩利「司波は理由を聞いているのか?」

 

深雪「一応、聞いてます。お兄様が手伝いをしてる会社で飛行魔法ができたことが話題になっていたのは覚えてますよね?」

 

摩利「ああ、皆授業そっちのけだったからな。」

 

達也が飛行魔法を作ったのは日曜日、そして世間に発表したのは月曜日だ。

 

深雪「今お兄様は手伝いに回ってまして、それに、リーナも一緒に」

 

摩利「工藤もそういう技術はあるのか?」

 

深雪「いいえ、リーナは付き添いですよ。」

 

摩利「そうだったのか…。」

 

「遅れてごめん~。」

 

摩利「遅いぞ!!」

 

真由美「ごめんなさい。それと、深雪さんもありがとう。」

 

深雪「いえ、私はお兄様が来る可能性を考えて残っていただけですから。」

 

真由美「達也くんはまだ来てないの?」

 

摩利「さっき、先に行けと連絡があった。」

 

真由美「そうなのね。なら、出発しましょう?」

 

―――――――――――――

 

達也side

 

達也はMSTの本社からバイクで会場に向かっていた。

 

リーナ「ねぇ、達也。私なんか嫌な予感がするのだけど…。」

 

達也「そうだな。急ごう。」

 

達也がバイクでバスに追い付いた時、対抗車線の車が不自然な動きをしていた。

 

達也side out

 

―――――――――――――

 

バス内での深雪はとても機嫌が悪かった。

 

それこそ、達也がいないので深雪と親睦を深めようとした男子選手達が深雪の顔色を伺うくらいには。

 

水波「達也兄様は追い付きますかね?」

 

深雪「さぁ、でも、できることなら一緒に向かいたかったわね。」

 

しかし、もう一人機嫌が悪い人がいた。

 

2年の千代田花音だ。

 

摩利「なぁ、花音。そのくらい待てないのか?」

 

花音「あ、それひどいですよ、摩利さん。私だって2時間ぐらい待てますよ。……大体、なんで選手とエンジニアが別なんですか?……せっかく啓とバスデートできると思ったのに…。」

 

花音の恋人である五十里啓は五十里家と千代田家の決めた許嫁なんだが、許嫁とは思えない程ラブラブで有名である。

 

そして、窓の外をみていた花音だからこそ異変に気づくことができた。

 

花音「ん?あの車……危ない!!」

 

花音の言葉で、全ての生徒が窓の外を見る。

 

「吹っ飛べ!!」

 

「止まって!!」

 

何人かの生徒が止めるために魔法を行使する

 

摩利「やめろ!!……十文字行けるか?」

 

克人「難しいな。」

 

その時、一台のバイクが止まった。

 

達也「リーナ、行けるか?」

 

リーナ「私にはちょっと辛いわね。」

 

達也「わかった。」

 

深雪「お兄様!!」

 

達也「深雪、俺が魔法を消すから消火を。水波、障壁を頼む。」

 

深雪・水波「「了解しました!!」」

 

達也はばれる覚悟で分解魔法『術式解散(グラム・ディスパージョン)』を放つ。

 

深雪は達也が魔法を消したことを確認すると『ニブルヘイム』を放つ。

 

水波は障壁魔法でバスを囲った。

 

達也「よくやった、2人とも。」

 

深雪「ありがとうございます。お兄様。」

 

水波「達也兄様もよく間に合いましたね。」

 

達也「少し嫌な予感がしてね。」

 

真由美「ねぇ、達也くん。今の魔法って『術式解体(グラム・デモリッション)』よね?」

 

達也「(実際は『術式解散』なんだけどな…。)ええ、そうですよ。よくわかりましたね。」

 

摩利「なぁ、真由美。その、グラム何とかってやつ、なんなんだ?」

 

真由美「『術式解体』、圧縮した想子弾をイデアを経由せずに直接魔法式に放つ最強の対抗魔法よ。……でも、必要想子量が一般の魔法師の保有想子量の10倍ほど必要だから、使う人はいないと思っていたんだけど…。」

 

深雪「魔法式の無力化はお兄様の十八番ですから。」

 

摩利「……。なぁ、十文字。私たちは選択を間違えていないか?」

 

達也「いえ、間違ってませんよ。何せ、あいつが出ますからね。」

 

リーナ「あいつって誰よ。」

 

達也「内緒だ。後にわかるよ。って、リーナは知ってるだろ。」

 

達也はその後、リーナと深雪にバスを先に行かせるように言って、水波と事故現場の様子を調べた。

 

その後、バイクで追い付いた達也と水波はそれぞれの部屋に戻った。

 

達也は一人部屋で、水波深雪と2人部屋、リーナはエイミイと2人部屋だった。

 

達也は1人事故が自爆テロであったことを風間に伝え、自身はこの後の懇親会まで眠ることにした。




アンケートは次回作が出きる頃に締め切ります。

次回は懇親会です。

さぁ、達也の言うあいつとは誰なのか……。

では、また次回。


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三章 第六話 懇親会と再開

アンケートのご協力ありがとうございました。

アンケートの結果は出すということに決定しました。

また、今回は前回の“あいつ”が出てきます。

さて、誰でしょう。

と、言っても大体の方は既に察しがついてると思います。

では、本編をどうぞ。


達也はリーナが起こしに来てくれたので無事に懇親会の時間に間に合うことができた。

 

雫「達也さん、今まで何してたの?」

 

達也「ごめん、少し寝てて。」

 

リーナ「達也ったら懇親会さぼる気だったのよ?」

 

深雪「お兄様?どう言うことですか?」

 

達也「いや、懇親会をさぼる気はなかったんだ。ただ寝過ごしただけで…。ところで、うちの学校の男子達がこっちを羨ましそうにみているんだが?」

 

「達也くんがそんなに女の子を侍らせてるのが行けないのよ?」

 

達也「俺は望んでハーレムを作ってるわけではないですけどね。会長。」

 

真由美「さて、ハーレムの皆さん、少し達也くん借りるわね?一高の代表として挨拶につれていかなきゃ行けないのよ。」

 

達也「やなんですけど…。深雪、ついてきてくれないか?」

 

深雪「私でいいんですか?」

 

真由美「そうね、兄妹だし。問題ないわ。」

 

そのまま真由美は達也と深雪をつれて行った。

 

真由美「佐保ちゃんこんにちは~。」

 

「お久しぶりですね、七草さん。」

 

真由美「あ、2人とも、この人は第三高校の生徒会長の水尾佐保ちゃん。で、この2人が今年の一高の新人代表の風間達也君に司波深雪ちゃん。2人は実の兄妹よ。」

 

達也「(水のエレメント…。)風間達也です。」

 

深雪「司波深雪です。よろしくお願いします。」

 

佐保「第三高校の生徒会長をしている水尾佐保だ。よろしく。で、こっちが、うちのエース、一条将輝君と吉祥寺真紅郎君だ。」

 

将輝「一条将輝です。よろしく、司波さん。」

 

真紅郎「吉祥寺真紅郎です。よろしく、司波さん。そして、久し振りだね、達也。」

 

達也「久し振りだな、真紅郎に、ヘタレプリンス。」

 

将輝「お前はいつもいつも、そうやって。」

 

達也「それは、お前がヘタレだからだが?」

 

深雪「知り合いだったのですか?」

 

真紅郎「まぁね。でも、達也と将輝はいつもあんな感じで始まるんだ。」

 

真由美「へぇ、3人は知り合いだったのね?」

 

達也「ええ、まぁ。一条家には何回かお世話になってますし、真紅郎ほど話の合う人間はいませんから。」

 

将輝「俺はないのか?」

 

達也「お前は……。戦友?それとも親友?」

 

将輝「俺は親友だと思ってたんだが…。」

 

達也「まぁまぁ、喧嘩は試合で買ってやるから。」

 

真由美「達也君がアイス・ピラーズ・ブレイクを選んだのってもしかして。」

 

真紅郎「それは将輝がアイス・ピラーズ・ブレイクに出るからお前も出ろと、連絡を送ったからです。」

 

達也「……なぁ、真紅郎。あいつまだ、一色の気持ちに気づいてないのか?」コソコソ

 

真紅郎「……あの鈍感が気づくと思う?」コソコソ

 

達也「そうだな。一色がかわいそうだ。」コソコソ

 

真紅郎「そろそろ愛梨って呼んであげたら?」コソコソ

 

達也「次あったときまでには言えるようにしておくよ。」コソコソ

 

将輝「こら!!お前ら、俺を除いてなんの話をしているんだ!!」

 

達也「やっぱり、いつになっても将輝はヘタレだなと思って。」

 

気づいたら達也の回りから佐保と真由美はいなくなっており、口調を変えた。

 

達也「なぁ、将輝、真紅郎。後で話がある。」

 

将輝「わかった。後で2人でお前のところに行く。」

 

達也「ありがとう。」

 

「あれ?達也じゃない?」

 

達也「誰?って驚かせんなよ、い……愛梨。」

 

一色愛梨

達也が将輝、真紅郎とあった時にたまたま会った一色家の令嬢。

本人は将輝が好きなのを隠しているつもりだが、達也と真紅郎にはばれていて、時々恋愛相談をする仲である。

 

愛梨「(達也が私の名前を…。そんなことより、)久し振りね、達也。それと達也の横にいるのは?」

 

達也「彼女は司波深雪、名字は違うが俺の実の妹だ。」

 

深雪「はじめまして、司波深雪です。」

 

愛梨「達也の妹……ね。よろしく、私は一色愛梨よ。」

 

真紅郎「珍しいね。愛梨が普通に挨拶するなんて。」

 

達也「だな。普通だったら、「貴方どこの出身?何か大会の優勝歴は?」みたいな聞き方するのにな。」

 

愛梨「…べ、別にいいでしょ。私だって達也の妹だって言うなら普通に接するわよ。」

 

達也は愛梨の耳元でひっそりと言葉を発した。

 

達也「その強気な姿勢を将輝にも見せてやればいいのにな…。」コソコソ

 

愛梨「なっ、」///

 

真紅郎「達也…。」

 

この後、何か勘違いした将輝と深雪を押さえたり、九島烈のちょっと面倒臭い挨拶を聞いたりして懇親会を終えた。




〈補足〉

将輝、真紅郎、愛梨は達也の事情を全て知っています。

スターズの人間であることも、国際魔法協会の理事であることも、Mr.シルバーであることも、元四葉であることも。

全て、知っています。

そして、4人にリーナを加えた五人は大の仲良しです。

――――――――――――――――

達也と将輝が始めてあった時の話はまた今度にやります。

よって、次回は侵入者のところです。


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三章 第七話 競技前と侵入者

懇親会を終えた達也はCADの調整をしていた。

 

啓「風間くんももう上がったらどう?君は3日目からでしょう?」

 

達也「そうですね。では、五十里先輩は?」

 

啓「僕は残るよ。明日からの競技にもエンジニアとして出るからね。」

 

達也「そうですか。では、お先に失礼します。」

 

達也は作業者を出ると、庭を歩いていた。

 

達也(……!?)

 

達也は迫り来る悪意を感じて『精霊の眼(エレメンタル・サイト)』で確認をした。

 

達也(武装した賊が3人と……あれは幹比古か?)

 

達也は3人の賊と幹比古を視認した

 

達也(……それでは間に合わない)

 

達也は賊の元へ走り出した。

 

―――――――――

 

幹比古がそれを発見したのは精霊のお陰だった。

 

幹比古は中庭で精霊魔法の練習をしていた。

 

かつて【吉田家の神童】と言われた彼は数年前に自分の力を過信した為に竜神を呼び出そうとして、失敗している。

 

その失敗が原因で彼は元の力が出せなくなってしまっていた。

 

幹比古(あの時よりも……強く。)

 

その時、彼の出していた精霊が光った。

 

幹比古「害意!?……近くにいる。(僕だってやればできるんだ。)」

 

幹比古は賊の捕縛を決め、賊の元に駆け出した。

 

幹比古「賊は三人、なら…。」

 

幹比古は呪符をとりだし、『雷童子』を放つ

 

『雷童子』が放たれる前に賊の拳銃が分解される

 

賊に『雷童子』が直撃し、気絶する。

 

幹比古「(今のはいったい…。)……誰だ!?」

 

達也「俺だ、幹比古。」

 

幹比古「達也!?」

 

達也「気絶しているな…。いい腕だ。」

 

幹比古「達也が助けてくれたからだよ。」

 

達也「お前は何か勘違いしてないか?……今のお前がもっとできると思うのはやめておけ…。」

 

幹比古「達也には言ってもわからないよ。」

 

達也「術の発動速度か。」

 

幹比古「!?……エリカから聞いたのか?」

 

達也「俺の眼は魔法式を読み取ることができる。はっきり言うぞ。今のお前自身には問題はない。…問題があるとすれば、それはその術式だ。」

 

幹比古「君は吉田家の魔法術式を否定するのか?」

 

達也「根本を否定しているわけではない。……俺が気になるのは何故そこまで偽装を多くつけているのかだ。……CADで高速化された現代に術の偽装は要らないはずだが。」

 

幹比古「君に言っても変わらないよ…。」

 

達也「俺がお前の術式を直してあげようか?」

 

幹比古「いいのかい?」

 

達也「九校戦が終わった後でいいか?」

 

幹比古「ああ。それでいいよ。僕は警備員を呼んでくる。」

 

達也「ああ。頼む。」

 

幹比古がいなくなると、達也は影に向かって話しかけた。

 

達也「そこにいるのでしょう?速く出てきてくださいよ。」

 

「気付いていたのか。……それにしても中佐殿にしては随分優しげなアドバイスですね。」

 

達也「今は階級で呼ばないでくださいよ。義父さん。」

 

風間「それもそうだな。それより、この賊は我々が預かろう。」

 

達也「お願いします。」

 

風間「後は任せてくれ。……明日また話そう。みんなお前と会いたがっていたぞ。」

 

達也「わかりました。……では、また明日会いましょう。」





次回から競技スタートです。


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三章 第八話 競技スタート

九校戦は本選スピード・シューティングから始まる。

 

スピード・シューティングは的であるクレーを魔法で破壊して、壊した数を競う競技である。

 

女子は第一高校の七草真由美が二連覇中で、今回で三連覇がかかった試合でもある。

 

女子の部

 

女子の部最初に出てきたのは七草真由美である。

 

達也「すごい人気だな。」

 

愛梨「これってスポーツの大会よね?何かのファッションショーなのかしら?」

 

リーナ「ファッションショーならアイス・ピラーズ・ブレイクでもやってるわよ?」

 

将輝「ここで七草さんがいい結果を残したら俺はアイス・ピラーズ・ブレイクで達也に勝つか、モノリス・コードで優勝するしかないんだが……。重圧がすごい…。」

 

真紅郎「あはは…。ドンマイ、将輝。」

 

達也はリーナと共に将輝達と一緒に観戦している。

 

会いに行った時に愛梨から紹介された、十七夜栞(かのうしおり)四十九院沓子(しつくいんとうこ)の2人と挨拶をして今は7人で観戦している。

 

達也とリーナは2人に頼まれて名前呼びしている。

 

栞「にしても愛梨がね…。意外だったよ。」

 

愛梨「ちょっと、それどういう意味よ?」

 

達也「あのプライド高めなお嬢様が俺達のような一般人と仲良くなっているからじゃないのか?」

 

真紅郎「達也とリーナを一般人にするのは無理があるかもね。」

 

将輝「そうだそうだ!!」

 

リーナ「ちょっと、将輝、真紅郎?覚悟はいいかしら?」

 

愛梨「少なくとも達也は一般人ではないと思うけど……って、それより、栞。貴女は私に協調性がないって言ってるの?」

 

達也「まぁまぁ、栞も悪気はないんだし、それに愛梨は高飛車なお嬢様が売りなんだから。な?」

 

愛梨「な、じゃないわよ!!」

 

栞「ちょっと、試合始まるから静かにしてよ。」

 

愛梨「元はといえば栞が言い出したことのせいよね?」

 

ちなみに七草真由美は全試合パーフェクトで予選を突破した。

 

―――――――――――――――

 

次に達也達が観戦したのは本選バトルボードだ。

 

バトルボードはサーフボードで水上フィールドを3周して競う競技である。

 

達也「こっちもこっちですごい人気だな。」

 

愛梨「七草真由美もそうだけど、渡辺摩利もすごい人気よね~。」

 

沓子「どちらかというと女子の方が多いようじゃな。」

 

栞「もしかして、お姉様系?」

 

達也「多分。」

 

将輝「女子はうちの会長と一高の渡辺選手の一騎討ちなんだな。」

 

リーナ「決勝を渡辺摩利と三高の会長が行うと三年連続同じカードになるらしいわよ。」

 

達也「へぇ~。」

 

渡辺摩利の走行状態を見て達也と真紅郎が興味深そうに頷く。

 

将輝(あの2人のあの目、研究者の目だ。)

 

達也「移動魔法と硬化魔法の〈マルチ・キャスト〉か。」

 

真紅郎「使いなれているんだね。」

 

リーナ「どこに硬化魔法なんて使ってるの?」

 

真紅郎「渡辺選手は身体とボードを1つの物体として、その重心を硬化魔法で固定しているんだよ。」

 

達也「それに常時三~四種類の魔法を使い分けている。……これはいいな。」

 

真紅郎「何か思い付いたのかい?」

 

達也「ああ。硬化魔法を利用した玩具だ。」

 

愛梨「達也ってほんとビックリ箱みたいよね~。」

 

リーナ「それは否定しないわ。」

 

栞と沓子は仲良し5人組の会話についていけなくなった。





次回は風間少佐に会いに行くところから始まります。


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三章 第九話 侵入者の正体

本選バトルボードの予選を見た後、達也はリーナ、将輝、真紅郎をつれてとある部屋に来ていた。

 

達也「失礼します。」

 

風間「入ってくれ。」

 

達也達が中に入ると、中にいた全員が立ち上がる。

 

達也「はぁ、昨日も言いましたよね?ここでは階級はなしなはずですよ。」

 

真田「これも身に付いた癖ってやつだよ。」

 

柳「にしても達也もリーナも半年振りか?」

 

リーナ「そうですね。」

 

将輝「なぁ、達也。もしかしていつもこうなのか?」

 

達也「やはり身に付いた癖は治らないみたいだ。」

 

風間「まぁ、立ち話もなんだから全員座りなさい。」

 

将輝・真紅郎「「失礼します」」

 

そして、しばらく世間話を楽しんだ後、達也から話を切り出した。

 

達也「そういえば、昨日のあれはなんだったんですか?」

 

風間「あれらの正体はやはり無頭龍の下っ端だった。」

 

達也「やはりそうですか。」

 

真田「そんなに遅くまで作業を?」

 

達也「散歩してたらたまたま。」

 

柳「世界が誇る天才技術者がエンジニアって反則じゃないのか?」

 

響子「達也君もまだ高校生なんですから問題ないですよ。」

 

達也「それに、シルバーのことはまだ秘密なので…。」

 

将輝「なんで達也三高に来なかったんだよ……って、それよりも無頭龍だと…!?なんでそんな連中が…。」

 

山中「伝えてなかったのか?」

 

達也「忘れてました。」

 

リーナ「それ私も聞いてないわよ。」

 

達也「リーナには言ってなかったからな。」

 

将輝「もしかして懇親会の時に言ってたやつって」

 

達也「そうだ。2人には国際魔法協会の理事として頼みがある。……無頭龍の東日本支部の殲滅と首領の情報集めに協力してほしい。」

 

真紅郎「まさか、一高の事故って…自爆テロだったって言うのかい?」

 

将輝「無頭龍の狙いは一高か。」

 

達也「これから一高は何回か狙われることになるだろう。」

 

リーナ「一高には囮になってもらうのね?」

 

達也「言い方はあれだが、ようはそう言うことだ。」

 

風間「達也、大佐の指示では現行犯で捕まえ、大義名分を得た上で組織の殲滅だ。」

 

達也「わかってます。……それで、2人は協力してくれるか?」

 

将輝「もちろんだ。」

 

真紅郎「友達からの頼みなら断るわけにはいかないね。」

 

達也「ありがとう、2人とも。よろしく頼む。」

 

――――――――――――――――――

 

会話を終えた達也達はそれぞれの学校の友人のところに戻った。

 

深雪「あ、お兄様。こっちです。」

 

達也「席を確保してくれたんだな。」

 

深雪「もちろんです。お兄様の為ならば深雪は何でもいたします。」

 

エリカ「深雪は相変わらずなのね。……それより、達也君と利奈はどこに行ってたの?」

 

達也「将輝達に会いに行ってた」

 

レオ「将輝って、三高の一条将輝か?」

 

達也「そうだよ。」

 

リーナ「一時期ずっと遊んでた時あったわよね。」

 

達也「で、課題終わってないから俺と真紅郎で将輝とお前の課題を見てやってたな。」

 

リーナ「それは今関係無いでしょう?」

 

エリカ「なんだろう。一条君は意外だけど、利奈はなんとなくわかる気がする。」

 

深雪「リーナは本当に勉強苦手よね…。」

 

リーナ「深雪はともかくエリカにまで言われるなんて……。」

 

美月「そろそろ始まりますよ。」

 

達也「七草会長のスピード・シューティングの本戦。」

 

雫「七草会長は予選と本戦で戦いかたが変わらないことで有名。」

 

試合が始まると、早速七草真由美が魅せる。

 

レオ「相手のクレーが邪魔で自分の射てないな。」

 

雫「でも、七草会長なら」

 

七草真由美の射つべきクレーが下から(・・・)の狙撃で壊れる

 

ほのか「下から!?」

 

深雪「『マルチ・スコープ』ですね、お兄様?」

 

達也「ああ。『マルチ・スコープ』に『魔弾の射手』か。流石は、十師族序列2位【万能】の七草の長女だな。」

 

リーナ「ねぇ、何で下から狙撃が出てくるの?」

 

その言葉に達也と深雪を除いた全員が頷く。

 

達也「『マルチ・スコープ』は遠くの物を見る魔法ではなく、360°いろんな方向・角度から物事を視ることができる、系統魔法だ。そして、その魔法と『魔弾の射手』を使えば」

 

深雪「360°全ての方向・角度から狙撃することができる。」

 

達也「そう言うことだ。……そして、もし戦場で最大威力にしてその技を放つと…。」

 

美月「ぜ、全滅です。」

 

達也「それこそが、たった1人で戦況を左右できる、日本の最強魔法師集団、十師族だ。」

 

リーナ・深雪・水波(((たった1人で世界すら滅ぼせる【星王】と言う異名を持った世界最強の魔法師がそれを言いますか?)))

 

リーナ達の心の叫びは達也には届かなかった。

 

深雪「それにしても、ドライアイスの亜音速弾でそこまで…。」

 

レオ「真夏にドライアイス作って、それを亜音速で飛ばすんだろ?でも、それには相当エネルギーが必要だよな?」

 

達也「エネルギー保存の法則を利用すれば、少ないエネルギーでも可能になる」

 

レオ「エネルギー保存の法則…。」

 

エリカ「まさかわからないの?」

 

レオ「わかってるに決まってんだろ。たしか…運動・熱・化学・電気・光等のエネルギーはそれぞれ形態は移り変わるが、総和は変化しないってやつだろ?」

 

達也「そうだ。エネルギーは一人でに消えたり生じたりしないだろ?」

 

レオ「上手いこと騙されてるもんだな…。」

 

達也「いいか、レオ。上手く騙すことが、魔法の技術だ。」

 

その後、七草真由美は全試合パーフェクトで優勝し、本戦女子スピード・シューティングで三連覇を達成した。

 

そして、大会一日目が終了した。





次回は大会二日目です。


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三章 第十話 リーナの初陣

二日目

 

この日は本戦クラウド・ボールが午前中に、午後に本戦アイス・ピラーズ・ブレイクがある。

 

本戦クラウド・ボール

 

テニスの魔法を使う版の競技であるクラウド・ボールはいたってシンプル。

 

大まかなルールはテニスと同じで相手のコートに球を弾いて、ポイントを競う競技。

 

この試合には七草真由美が登場する。

 

達也達は今日は将輝達と観戦している。

 

今回は深雪と水波も一緒である。

 

ちなみに、水波と愛梨はあってすぐにライバル宣言をしていた。

 

真紅郎「達也とリーナは午後から試合でしょ?大丈夫なの?」

 

リーナ「私を誰だと思っているのかしら?このくらい余裕よ。」

 

達也「まぁ、リーナ次第ではあるがな。……にしても、会長は相変わらずだな。」

 

リーナ「やっぱり何か勘違いしているんじゃないのかしら?」

 

将輝「愛梨、大丈夫か?」

 

愛梨「私が緊張するとでも?」

 

栞「新人戦のクラウド・ボールにでる愛梨さんは本戦の七草選手の研究ですか?」

 

達也「その場から動かない七草会長の動きを研究しても意味ないと思うけどな。」

 

愛梨「相性の問題よ。…私はコートを動き回って球を叩き切るように返すけど、七草真由美はその場から一歩も動かずに的確に球を返している」

 

水波「私は相性としては愛梨さんに対して有利かもしれません。」

 

達也「確かに、そうかもな。」

 

真紅郎「始まるよ。」

 

試合は七草真由美の一方的な展開だった。

 

達也「ベクトルを反転させる『ダブル・バウンド』か。」

 

真紅郎「『ダブル・バウンド』だけで、勝っている所を見ると、相当試合慣れしているんだね。」

 

達也「何よりも、その精度がすごい。」

 

深雪「お兄様がこれ程の研究者気質なのは知っていますが、吉祥寺さんもこんな感じなんですね…。」

 

将輝「俺もよく話に着いていけないことがあったよ。」

 

深雪「そ、そうですか…。お兄様は暇さえあれば研究って感じの人ですから、やはり同じように研究気質な方がいると話し込んじゃいそうですね。」

 

愛梨「達也と真紅郎は長い時だと半日話してることがあるわよ。」

 

リーナ「2人が会話している横で遊んでて、日が暮れて帰ろうと2人のこと見たら、まだ話してるのよ?」

 

愛梨とリーナの感じから冗談じゃないことを察して深雪と水波と栞と沓子は苦笑いをしていた。

 

その後、七草真由美は全試合を『ダブル・バウンド』だけで無失点の完全試合を成し遂げて、優勝した。

 

―――――――――――――――

 

クラウド・ボールを観戦していた達也とリーナは控え室にいた。

 

達也「調子はどうだ?」

 

リーナ「バッチリよ。にしても、いいの?これを使ったら試合にならないわよ?」

 

達也「危なくなったら使えって意味だ。それに、変わりにあれをいれたろ?それを使えば良いだろう。」

 

リーナ「そうね。……それよりも、この服どう?」

 

リーナは赤色のドレスを着ていた。

 

達也「もちろん、可愛いよ。今すぐにでもお持ち帰りしたいくらい。」

 

リーナ「……そう。(お義母さんに選ぶの手伝ってもらってよかったわ。)」///

 

もちろん、お義母さんとは達也の母の四葉真夜である。

 

達也「さて、勝ってこい。」

 

リーナ「もちろん。」

 

――――――――――――

 

本戦アイス・ピラーズ・ブレイク

 

自分と相手の計24個の氷柱を壊しあって先に自分の氷柱が全て壊れた方が負けという競技である。

 

なお、この競技は魔法の使用制限であるレギュレーションが無く、戦略・戦術級の威力でなければ、どんな魔法でも使用可能なのである。

 

第一高校からは男女ともに3人であり、男子は十文字家次期当主十文字克人が、女子は千代田花音と、一年生にして本選出場した工藤利奈が出場する。

 

―――――――――――――

 

リーナは女子の部の予選第一試合を一番最後に行った。

 

リーナの相手は五高の3年生だ。

 

七草真由美side

 

真由美「この試合が達也君の技術力を知れる試合になるのね。」

 

鈴音「そうですね。……それよりも、会長は終わったばかりなのに休んでなくて良いんですか?」

 

摩利「さっき終わったばかりじゃないのか?」

 

真由美「別に良いでしょう、期待の新人を見に来ても。」

 

摩利「それで倒れても知らんからな。」

 

リーナが会場にでてくると、うるさかった観客席が静まり返った。

 

摩利「……。あの服すごいな。」

 

真由美「達也君と一緒に選んだのかな?」

 

摩利「達也君が動揺する姿が目に……あまり浮かばないな。」

 

摩利は達也の動揺した姿が想像つかなくて考えるのをやめた。

 

真由美も鈴音も摩利と同じような状態だったらしい。

 

やがて、試合が始まると、試合は一瞬で終わった。

 

リーナが使った魔法は重力系魔『クラッシュ』

 

この魔法は名前の通りただ透明な板を作ってそれで対象を押し潰すだけの達也が考えたオリジナルな力技である。…っと、見た人は思うだろう。

 

だが、その本質は対象範囲の上空で重力を圧縮して落とす(・・・)魔法である。

 

もちろん、これを誰一人としてわかることは無く、観客はただただ恐怖した。

 

真由美「……。」

 

摩利「……一瞬だったな。」

 

鈴音「あれは風間君が開発した重力系魔法…だそうですよ。」

 

真由美「何でもありなのね。……本当に達也君がうちに来てくれてよかったわ。」

 

摩利「一条達と友人らしいからな。最悪、三高に渡っていたかもしれない。」

 

真由美「そう考えると本当に幸運だったわね。」

 

鈴音「うちに来てくれたことに感謝しましょう。」

 

その後の予選も全て『クラッシュ』で終わらせたリーナは予選を突破した。

 

ちなみに、千代田花音と十文字克人は観客の予想通りに予選を突破した。

 

後程公開されたトーナメント表によって、千代田花音とリーナが当たるのは決勝戦になった。




〈解説〉

『クラッシュ』

達也が開発した重力系魔法で、

対象の範囲の上空の重力を操作して、あたかも押し潰されたかのように壊す魔法。

レギュレーションで考えたらA級はくだらないレベル魔法。


オリジナル魔法を出しました。

ちなみに、達也とリーナの試合前の会話の魔法とは、

これ=リーナの代名詞『ムスペルヘイム』

あれ=新魔法『クラッシュ』です。

次回はバトルボードの事故です。

アイス・ピラーズ・ブレイクの決勝まで行けたらいいなと思っています。


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三章 第十一話 決勝戦 リーナVS花音

三日目

 

今日はバトル・ボードとアイス・ピラーズ・ブレイクの決勝リーグが行われる。

 

アイス・ピラーズ・ブレイク

 

男子の部は十文字克人が『ファランクス』を使って完全防御して相手の氷柱を破壊して、圧倒的勝利を納め続け、優勝した。

 

女子の部はリーナと千代田花音がそれぞれ『地雷原』と『クラッシュ』で圧勝して決勝に進出した。

 

女子の部 決勝戦

 

この試合は観客席が満員になった。

 

選手が両方現れた。

 

赤いドレスを着たリーナと私服姿の千代田花音が櫓に上がった。

 

―――――――――――――

 

試合前

 

達也「リーナ、大丈夫か?」

 

リーナ「もちろん。それに、今回はこれを使うわ。」

 

達也「そうか。……勝ってくれよ。」

 

リーナ「もちろん。私は誰にも負けないわ。」

 

達也「そうか。」

 

達也はリーナの口にキスをした。

 

リーナ「なっ、、」///

 

達也「勝利のおまじないだ。」///

 

すると、控え室の扉が開く

 

将輝「達也、リーナ、応援に……。」

 

将輝・真紅郎・愛梨「「「失礼しました…。」」」

 

達也「ちょっと、待て!!」

 

リーナ「ちょっと、戻ってきて~!!」

 

真紅郎「いや、お取り込み中だったみたいだからさ。」

 

愛梨「私達の気遣いに感謝してほしいわ。」

 

リーナ「そういうのはいいのよ!!」

 

達也「思うところは色々あるが将輝相手で発散させてもらうからそこは今はいいとして、お前達3人はリーナの応援か?」

 

真紅郎「そうだよ」

 

将輝「達也…せめて『雲散霧消(ミスト・ディスパージョン)』は使わないでくれよ…。」

 

達也「あんな魔法使うわけ無いだろ?……まず、一個一個、『フォノンメーザー』で壊していくしかないかもな。」

 

愛梨「ドS達也の嬲り殺しが…。」

 

達也「まぁ、嘘だけど。」

 

将輝「嘘かよ!?」

 

真紅郎「とにかく、頑張ってね、リーナ。」

 

リーナ「ありがとう、皆。」

 

〈工藤利奈さん、出番です。〉

 

達也「行ってこい。」

 

リーナ「速攻で終わらせるわ。」

 

達也「楽しみにしているぞ。」

 

リーナが控え室からでて4人となった室内で会話を楽しむ。

 

将輝「まさか、九校戦で達也と戦えるとは思わなかった。」

 

真紅郎「僕は達也やその知人親族と戦うことは無いけど、愛梨は戦うんでしょ?」

 

達也「水波とだな。」

 

愛梨「あの子見た目はそこまで強そうに見えないけど、」

 

達也「彼女は『障壁魔法』の天才だ。」

 

愛梨「なんか嫌な予感がしてきたわ。」

 

達也「さて、そろそろ始まるぞ。」

 

試合が始まると、両者が相手陣地に魔法を放つ

 

と、思いきや、リーナは情報強化で『地雷原』を防ぐ。

 

防がれて動揺している花音にリーナが自分の十八番『ムスペルスヘイム』を放つ。

 

自身のも巻き込むが、情報強化のお陰で被害は少なく、花音の氷柱は完全に破壊された。

 

試合終了の合図がなり、リーナが本戦女子アイス・ピラーズ・ブレイクを制した。

 

真紅郎「A級魔法師の中でも使い手が少ない『ムスペルスヘイム』って…。」

 

将輝「えげつないけど…あれがリーナの十八番だったな。」

 

愛梨「忘れてたわ。」

 

達也「調整した俺が言うのもなんだが、えげつないな。」

 

真紅郎「……。そんなことよりも、達也。愛しの彼女が手を振ってるよ。」

 

真紅郎の言葉に達也が窓のそとを見て、手を振ってるリーナに手を振りかえした。

 

達也「真紅郎…。後で覚えとけよ。」

 

将輝「付き合ってるのは事実だろ?」

 

愛梨「そうよ。(私も早く将輝と…。)」

 

達也「愛梨、考えてることがまるわかりだぞ。」

 

愛梨の顔が緩んでいることに理由を理解した達也と真紅郎は愛梨を見ながらニヤニヤしていた。

 

しかし、それも長くは続かなかった。

 

リーナを待っていた4人の元に控え室に入ってきた深雪と水波、そして雫達一高の達也の友人が将輝達といる達也に驚きながらも衝撃の知らせを伝えてきた。

 

―本戦女子バトルボードで一高選手と七高選手の接触事故があった。

 

その言葉に達也達は優勝して喜んでいたリーナが帰ってくるまで、固まっていた。

 

 




リーナに『ムスペルスヘイム』をしっかり使わせたかったということで、決勝で使っていただきました。

そして、バトルボードの例のシーンとアイス・ピラーズ・ブレイクの決勝が同じタイミングだったということでこうして深雪達が知らせてきたということになってます。

次回は三日目その2になります。


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三章 第十二話 バトルボードの事故

それは女子本戦アイス・ピラーズ・ブレイクの決勝と同時刻にやっていた本戦女子バトルボードの試合中に起こったことだった。

 

その試合は一高、二高、三高、七高の選手が出場していた。

 

特に、この試合は昨年の決勝カードである、一高の渡辺選手に七高の選手、そして、三高の水尾選手という好カードが揃っている。

 

そんな試合にはアイス・ピラーズ・ブレイクの決勝と同じように観客席は満員だった。

 

そして、試合が始まると、一高渡辺選手が先行し、その後ろに七高選手が随行していた。

 

そして、2つ目のコーナーを曲がった辺りで七高選手に異変が起きた。

 

コーナーでは減速魔法をかけるのだが、何故かCADが動かず、そのまま加速して行った。

 

そして、一高渡辺選手もそれを助けるために移動を停止して受け止める体勢になった。

 

しかし、水面が妙な動きをしてバランスを崩し、2人ともがフェンスにぶつかり、その場で倒れた。

 

この影響で、試合は一時中断となった。

 

―――――――――――

 

試合の状況を見るために試合映像をもって達也の部屋にアイス・ピラーズ・ブレイク組であった、達也とリーナ、千代田花音と五十里啓、そして将輝達三高組(栞と沓子も含め)は、達也の部屋でこの試合映像を見ていた。

 

達也「これは…。」

 

啓「難しいね…。」

 

花音「啓、どういうこと?」

 

啓「何者かの妨害があったと考えられるけど、会場の警備は厳しくて、人からの妨害はほとんどあり得ないんだよ。」

 

真紅郎「なら、人外の可能性を考えると…。」

 

達也「なぁ、沓子。遅延術式を施した精霊魔法って出来るか?」

 

将輝「まさか、精霊魔法の可能性を考えているのか?」

 

愛梨「でも、人じゃ出来ないならそうなるわよね。」

 

達也「ああ。で、沓子。どうだ、出来そうか?」

 

沓子「出来るのは出来るが、渡辺選手の体勢を崩す威力にはならないはずじゃ。それこそ、七高選手のオーバースピードが無ければ、効果は無い筈じゃ。」

 

真紅郎「七高選手のオーバースピードが無ければ……ね。」

 

達也、真紅郎、啓の技術者3人はこの事故の真相に気づいたのか、顔を歪める

 

達也「これを見てくれ。」

 

達也はちょうど接触事故が起こる少し前の映像を出した。

 

達也「本来なら、ここで減速しなければならないんだが……。」

 

リーナ「加速している。」

 

花音「大会に選ばれるほどの選手がそんなミスをするとは思えない!!」

 

将輝「CADに対する細工か?」

 

愛梨「でも、一体誰が?どのタイミングに?」

 

真紅郎「七高のエンジニアでは無いだろうし……」

 

啓「大会…委員…。」

 

啓の呟きで、全員が驚愕する。

 

達也「大会委員だとしても手口が分からない。……だから、将輝達も先輩方も気を付けてください。」

 

啓「分かった。」

 

花音「これを七草会長に伝えた後に、黙秘を要求してくるわ。」

 

達也「ありがとうございます。」

 

啓と花音が部屋からでていく。

 

将輝「で、これも奴らの仕業だと考えてるのか?」

 

達也「おそらくはそうだろうな。」

 

真紅郎「水尾会長もお気の毒に。しっかりと戦って勝ちたがってたのに…。」

 

達也「将輝はこの会場に来てる筈の九島閣下にこの事を伝えてくれないか?」

 

将輝「なら、お前もついてこい。」

 

愛梨「ちょっと、待って。その、3人のいう奴らって誰よ?」

 

達也「第一高校がここに来るとちゅうにあった事故があるだろ?それの元凶だ。」

 

栞「あれは事故じゃなかったの?」

 

沓子「混乱を避けるために事故と偽ったのじゃろう?」

 

リーナ「そうよ。」

 

そして、その後、達也達は4人で九島烈の元に行き、警戒を促して、その日を終えた。

 

ちなみに、達也達が事故の真相を調べていた時に行われたバトルボードの決勝は三高の水尾選手が優勝した。

 

渡辺選手が棄権したので本戦ミラージ・バットには深雪が繰り上がりした。





というわけで、次回から、新人戦に入ります。



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三章 第十三話 新人戦スピード・シューティング予選

四日目

 

この日から新人戦が始まる。

 

一日目は新人戦スピード・シューティングとバトルボードの試合がある。

 

達也「調子はどうだ?雫」

 

雫「問題ない、むしろしっくり来すぎて怖いぐらい。」

 

達也「そうか。」

 

雫「ねぇ、本当に私の専属にならない?」

 

達也「何度も言っているが、その話はお断りだ。」

 

雫「なんで?金額が足りなかった?」

 

達也「そういう問題じゃない。俺は誰かの専属なんてするつもりが無いってことだ。」

 

雫「気が変わったらいつでも待ってる」

 

達也「とにかく行ってこい。」

 

 

新人戦スピード・シューティング

 

予選Aブロックの第一試合は雫からだった。

 

七草真由美side

 

真由美「工藤さんのやつはよくわかんなかったけど、こっちでは、見極めて見せるわ。」

 

摩利「まだ言ってたのか。」

 

真由美「当たり前よ。あんな訳の分からない魔法を見せられて興味がでない訳無いじゃない。…ねぇ、リンちゃん、達也くんから何か聞いてる?」

 

鈴音「聞いていますが、あまり口外するなと言われているので黙秘します。」

 

真由美「ええー、いいじゃない。リンちゃんと達也くんのケチ。」

 

摩利「真由美に話したら変な風に広まっちゃうからな。その点、達也くんはよく理解しているよ。」

 

真由美「ちょっと、摩利。どういう意味よ。」

 

鈴音「貴女に話すとすぐに拡散されると言うことですよ。」

 

真由美「何よ、そんなことしたことないし。」

 

摩利「いやいや、あるからな?」

 

真由美「私がなにをしたっていうの?」

 

鈴音「まず、渡辺委員長の彼氏の名前を大勢の前で堂々と発表したり、十師族の権力を使って生徒の付き合ってるカップル達を紙に纏めて公開したり…後は…。」

 

真由美「もういいです。」

 

摩利「始まるぞ。」

 

そんなこんなで雫の第一試合が始まった。

 

雫はすべてのクレーを振動系魔法で砕いていく。

 

この時、達也がCADに細工が無いか調べていたりするが、

 

見事にパーフェクトをとった。

 

雫が使用した魔法の仕組みは有効エリア内に一辺十mの立方体を設定し、各頂点と中心の九つのポイントを震源として、起動式にその番号を入力すれば震源ポイントを中心に半径六mの球場破砕空間が形成されるという魔法であり、精度を落として発動速度を速めている。

 

そして、この魔法の最大の特徴は震源ポイントを変数化することで、番号を選択して引き金を引くだけで魔法を放つことが出来るという点。

 

よって、〈マルチ・キャスト〉も自由自在である。

 

達也が深雪達に合流してからした説明を鈴音が真由美と摩利にも話していた。

 

鈴音「この魔法の名前は『能動空中機雷(アクティブ・エアー・マイン)』。風間くんのオリジナルだそうですよ。」

 

摩利「真由美の魔法とは発想が逆なんだな。」

 

真由美「よくこんなもの思い付くわね。」

 

鈴音「まぁ、まだ序の口ですがね。」

 

摩利「なんだ、まだあるのか?」

 

鈴音「ええ。風間君は新人戦で革命を起こすのかってくらい凄い事をしでかしますよ。」

 

真由美「す、すごいわね。」

 

――――――――

 

達也「お疲れ様。」

 

雫「なんだか、拍子抜け」

 

達也「意識の隙間を縫うようなクレーの出し方を予想したんだが、」

 

雫「新人戦はそんな難しくないよ。」

 

達也「そうみたいだな。」

 

雫「ねぇ、Bブロックの試合を見に行っていい?」

 

達也「もしかして、栞の試合か?」

 

雫「たぶんそう。…それよりも、達也さんは三高の人達と仲がいいんだね。」

 

達也「確かに、俺達は三高に行こうという考えもあったのだが、やっぱり妹に誘われたからな。それで、一高を選んだ。」

 

雫「へぇ~。」

 

そして、2人は栞の試合を見ていた。

 

達也「さすがは第一研か。」

 

雫「移動魔法?」

 

達也「栞は壊した破片を移動させて、他のクレーを壊す『数学的連鎖(アリスマティック・チェイン)』という魔法を使うんだ。…これを使うには相当計算しなくてはならないんだが、それをやってのけるところを見る限り、普通じゃ立ち打ち出来ないだろうな。」

 

雫「私は負けない。」

 

そして、栞はこの試合、パーフェクトをとって予選を突破した。

 

「貴女が一高の北山さんですか?」

 

雫「そうですけど、貴女が十七夜さんですか?」

 

栞「そうです。試合は拝見しました。準決勝(・・・)で当たるのを楽しみにしてます。」

 

雫「こっちこそ、負けない。」

 

達也「にしても、『数学的連鎖』は本当に厄介だな。」

 

愛梨「ふん、私の目に狂いはないわ」

 

達也「なるほど。なら、俺達も盛大にもてなしてやらなきゃな。…じゃあ愛梨、栞、また会おう。」

 

栞「北山さん。私は負けません。では」

 

愛梨「はぁ、達也がいる一高が羨ましいよ~。」

 

達也「ほら、栞が先行ったぞ。」

 

愛梨「え?嘘、栞待って~。」

 

愛梨と栞が達也達から離れていく。

 

達也「どうだ、雫。やる気出たか?」

 

雫「もちろん。達也さんの為にも優勝して見せる。」

 

達也「頑張れよ、雫。」

 

そして、一高は残りの2人も含めて、3人揃って決勝に上がった。





次回はバトルボードの予選と雫VS栞まで行けたら行きます。


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三章 第十四話 ほのかと水波の初陣

雫達、スピード・シューティング組が予選を全員突破したことでプレッシャーを感じていたほのかは達也と水波と話していた。

 

ほのか「達也さん、この緊張をどうにかしてください。」

 

達也「なぜ、俺を頼るんだ?」

 

水波「さぁ?ですが、達也兄様が深雪姉様や利奈姉様に怒られるのは確定ですね。」

 

達也「な、なんだと…。」

 

ほのか「ちょっと、水波~。何とかしてよ。」

 

水波「私はもう試合ですので失礼します。」

 

達也「ほのか、とにかく今は水波の応援をしようか。」

 

ほのか「はい……。」

 

水波はスタートダッシュを決めると、自分のボートと水面の間くらいに障壁を張って、減速せずにカーブを自分の運動神経で曲がりきり、圧倒的に勝利した。

 

ほのか「……達也さん。」

 

達也「なんだ、ほのか?」

 

ほのか「私、勝てますかね?」

 

達也「予選は余裕で突破できるはずだ。決勝は、運だな。……そろそろお前の番だぞ。行ってこい。」

 

ほのか「はい。」

 

達也「落ち着いて、いつも通りにやるんだぞ。」

 

ほのか「ありがとうございます。」

 

ほのかが会場に向かうと、サングラスを持ってきたあずさと試合を終えた水波が達也のところにやってきた。

 

達也「お疲れ、水波。それと、中条先輩もありがとうございます。」

 

水波「余裕で勝てました。」

 

達也「お、おう。(水波はまぁ、本戦でも優勝出来そうだな。)」

 

あずさ「風間くん、このサングラスは何に使うんですか?」

 

達也「ほのかの戦術に巻き込まれないためのアイテムです。深雪達にはサングラスをかけるように言ってありますし、市原先輩は俺のやろうとしている戦術を全て伝えてあるので、渡辺先輩や七草先輩にも嫌がらせさえしなければしっかり防いでくれると思います。」

 

あずさ「へ~。」

 

達也「そろそろ始まりますから、かけておきましょう。」

 

そして、3人がサングラスをかけると、あずさが疑問を投げ掛けた。

 

あずさ「そういえば、光井さんのCADには光波系の術式が多かったようですが、何故ですか?」

 

達也「対人での妨害は禁じられていますが、水面への干渉は禁じられていません。だから……」

 

ほのかはスタートダッシュを決めると、同時に、スターとでフラッシュを焚いた。

 

すると、他の選手が、光に目が眩んでバランスを崩してしまった。

 

そして、そのまま一位でほのかはゴールした。

 

ほのか「達也さん。あの、私、人前で緊張しちゃっていつも試合では負けちゃって……。でも、勝てて嬉しいです。達也さん、ありがとうございます。」

 

涙目で達也に対する感謝を述べたほのかだが、たまたま(?)通りかかった雫が達也に耳打ちで「小学校の頃の話だよ。」と伝えた為に達也が一瞬表情を変えたのはこの時の誰も気付いていなかった。

 

その後、ほのかの試合を見てた、摩利や真由美は「そんなの聞いていない、目が失明したらどうするんだ」と達也に言ってきたので、(市原先輩は伝えてなかったのか。)と思いつつも、市原先輩が2人の反応に笑っているであろうシーンが頭に思い浮かんだので、苦笑いで返してあげていた。

 

ちなみに、同じことが将輝達でもあり、相手高なんだから言うわけ無いと伝えたら、それはそうだが、せめてそれとなく注意ぐらいはしてもよかっただろうと、逆に反論をもらってしまった。

 

そして、予選を突破した沓子と雫と準決勝で当たる栞から宣戦布告を受けた達也はこの後のスピード・シューティングの決勝リーグに対して、再び、気合いを入れ直した。

 

 






次回は雫VS栞のところと、できたら二日目に入るつもりです。

では、また次回。


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三章 第十五話 準決勝 雫VS栞

バトルボードの予選が終わり、今日の予定が新人戦スピード・シューティングの決勝リーグのみとなった。

 

ちなみに、男子の部では三高の吉祥寺真紅郎が優勝して、二位に一高の森崎駿が着いた。

 

決勝リーグに進んだ八人のうち、一高は三人揃っての出場を果たした。

 

その後、一高の3人に三高の1人が試合を勝ち進み、準決勝戦にまでついた。

 

―準決勝 第一試合―

 

第一試合は一高の優勝候補である北山雫と三高の優勝候補である十七夜栞、優勝候補の対決なだけあって観客は相当数になっている。

 

―控え室 達也&雫―

 

達也「さて、下準備は終わった。後は雫の頑張り次第だ。」

 

雫「うん。」

 

達也「そのCADは今まで使ってたのと少し違うが、大丈夫か?」

 

雫「問題ないよ。……ねぇ、本当になる気無いの?」

 

達也「あのお願いはお断りだ。…ただ、友達としてならやってあげてもいいぞ。ただし、優勝したらの話だけどな。」

 

雫「わかった。優勝してくる。」

 

雫が試合会場へと向かった。

 

―控え室 真紅郎&栞―

 

栞「すごい観客ね。やっぱり真紅郎君目当て?」

 

真紅郎「僕じゃなくて達也の方だよ。……さて、優勝の為には達也の裏をかかなきゃいけないんだけど、達也の裏は取りにくいから正攻法で行こうか。」

 

栞「達也君ってそんなに難しいんだ。」

 

真紅郎「そうだね。僕の頭脳と将輝の魔法を足して2で割ったくらいかな。…まぁ、そこはおいといて。彼女の使っているCADは特化型だ。振動系統の魔法を使っている北山選手は対戦形式には不利だ。…その点、君のその『数学的演算』(魔法)は、対戦形式でこそ真価を発揮する。」

 

栞「真紅郎君も勝ってるのね。なら、私もしっかり勝ってくるわ。」

 

真紅郎「うん。その意気だよ。」

 

栞が試合会場へと向かった。

 

そして、真紅郎はそのまま達也のいる控え室に向かった。

 

達也「来たか、真紅郎。」

 

真紅郎「呼んでくれてありがとね。」

 

達也「まぁ、楽しんでくれよ。」

 

真紅郎「盛大にもてなすよ。」

 

―――――――――――――

 

達也と真紅郎が回りが聞くと理解が出来ないような高度な会話をしていると、ついに試合時間になった。

 

試合は点数が拮抗しているなかで、栞がミスをしたところから動き出した。

 

真紅郎「おかしい…。まさか!?」

 

達也「気付いたか。あれは汎用型だ。」

 

真紅郎「くそっ、達也が来てる時点で照準補正付き汎用型の可能性を視野にいれておくべきだった…。もしかして、これを見越してこの作戦をたてたのかい?」

 

達也「真紅郎は考えすぎなんだよ。去年行われた実験の結果が酷くてもそれのお陰でこれは完成したわけだしな。」

 

真紅郎「さすがは、天才技術者シルバーかな。」

 

そして、試合は98-96で雫が勝った。

 

達也「そうだ。例の新型CAD使ってみるか?」

 

真紅郎「いいのかい?」

 

達也「ああ。真紅郎と将輝と愛梨にだけ、夜に訓練場に来てくれれば使わせてやるよ。」

 

真紅郎「将輝と愛梨に伝えておくよ。じゃあまた後でね。」

 

その後、雫はそのまま優勝したが、栞は不調が続き、4位になった。

 

――――――――――――

 

一高テント

 

真由美「お手柄ね、達也くん!!」

 

達也「いえ、選手達が頑張ってくれたので。」

 

真由美「それでも、上位独占はもう快挙よ。」

 

「なんか、自分のやつよりも使いやすかったよ。」

 

エイミイ「そうそう、魔法が上手くなった、みたいな?」

 

雫「私の優勝は達也さんのおかげ。」

 

鈴音「北山さんの魔法ですが、魔法大学より、〈魔法大全(インデックス)〉に掲載を提案されました。」

 

達也「断っていいですか?それ。」

 

真由美「ええー!!快挙なのよ、それを断るの!?」

 

達也「あの魔法は振動系統に適正があれば、誰でも戦争で大量虐殺が可能になります。」

 

達也の言葉に戦争を経験したことが無い第一高校の面々は顔を青くしてその場で立ち尽くした。

 

達也「まぁ、適正がなくても使える魔法ではあるので。それに、しっかり制御できていれば、そんな心配はありませんよ。今のはifの話だと思って忘れてください。」

 

摩利「いや、普通は忘れられないだろうが…。」

 

恋人の影響か、それほど顔を青くしなかった摩利が達也に突っ込んだ。

 

―その後、掲載を強要された達也は作成者の欄を雫に押し付けて、テントを離れた。





次回は三高の会議から夜の飛行魔法体験会に次の日まで行けたらいいなと思ってます。

では、また次回。


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三章 第十六話 飛行術式体験会

会議室

 

現在会議室は三高の幹部陣が使っている。

 

「―つまり、一高の快進撃は選手だけの問題じゃないってことか?」

 

将輝「そうだ。優勝した北山選手はともかく、他の2人はそれほど魔法力が高いとは言いがたい。」

 

真紅郎「将輝、達也があれは汎用型だって言ってたけど気付いた?」

 

将輝「ああ、あれは汎用型で照準補正がついていた。」

 

「汎用型に照準補正だと!?」

 

真紅郎「去年、ドイツのドュッセンドルフで照準補正付き汎用型の実験があったんだよ。」

 

将輝「改めて調べてみるまで俺も知らなかったが、あの実験はただただ汎用型に特化型の特徴を合わせようとして失敗した実験だったんだが…。」

 

愛梨「彼がそれを実現してしまったと…。(さすが達也ね。早く例のやつ体験したいわ。)」

 

真紅郎「その通り。そして、彼が担当する競技は、あと3つ。バトルボードにピラーズブレイク、ミラージバット、そして、選手として、ピラーズブレイクだね。」

 

「厄介だな。」

 

将輝「ああ。彼奴と当たる時はソフト面で二3世代分ハンデがあると思った方がいい。」

 

将輝のこの言葉で、会議が終了して会議室から幹部陣が皆退室していく。

 

真紅郎「さて、愛梨は明日の準備は出来てるの?」

 

愛梨「もちろん、準優勝は確実に取れるわ。」

 

将輝「問題は桜井さんか…。」

 

真紅郎「達也からは障壁魔法に特化しているとしか言われてないからな…。」

 

愛梨「障壁魔法でボールの侵入を防ぐとか?」

 

将輝「それはもはやチート過ぎてアウトだろ。」

 

真紅郎「そして、奴等が何処で介入するかも問題だよね。」

 

将輝「達也の話だと、敵はどうやら横浜中華街にいるらしいが詳しい所在は調査中だそうだ。」

 

真紅郎「達也からは現行犯で捕らえるとしか言われてないからなんとも言えないけど…。彼等の狙いが一高に集中している所を見ると達也の予想は的中しているらしいね。」

 

将輝「どうせこの後会うんだ。その時に打ち合せしよう。」

 

真紅郎「そうだね。……ごめん、愛梨。君には伝えてなかったかもね。」

 

愛梨「本当よ。私は何一つとして聞いてないんだからね。後でしっかり説明してもらうわよ。」

 

――――――――――――――――――

 

夜の訓練場には将輝、真紅郎、愛梨がとある人物達を待っていた。

 

そして数分後、お目当ての人がアタッシュケースを持って将輝達の方まで歩いてきていた。

 

達也「お待たせ。」

 

将輝「遅いぞ、達也。」

 

達也「すまないな、用意に手間取って。」

 

愛梨「ねぇ、達也。そのリーナはわかるけどその後ろの2人はどなた?」

 

達也の後ろには高身長の男性と小柄で愛梨と同じくらいの身長の女性がいた。

 

「初めまして、達也のご友人方。私は新発田勝成。達也の再従兄弟に当たる。」

 

「そして、私が勝成様の恋人にしてガーディアンの堤琴鳴です。」

 

勝成「いや、恋人なのは否定しないがもう、ガーディアンじゃないだろ。」

 

琴鳴「いいえ、私は貴方様のガーディアンです。これは譲りません。」

 

達也「勝成兄さんは防衛省の方で勤務していて、琴鳴さんはその秘書も勤めているんだ。」

 

勝成「よろしくね、3人とも。にしても、達也に友人か。なんか、昔のお前からは想像できないな。」

 

琴鳴「そうですね、大きくなって嬉しいです。」

 

達也「ちょっと、昔の話を掘り返さないでくれ。」

 

将輝「あの、勝成さん。」

 

勝成「ん?君は…一条将輝君だね。どうしたんだ?達也の昔話か?」

 

将輝「それも聞きたいですが、その前に、達也の再従兄弟と言うことは、もしかして。」

 

琴鳴「よくぞ、気付かれました、将輝殿。そう、勝成様は四葉家の次期当主候補にあらせられます。」

 

勝成「まぁ、私は本家の当主は深雪さんに譲って琴鳴と結婚して分家当主になるつもりではいるよ。」

 

将輝「そうだったんですか。それで、今日はなんで達也と?」

 

勝成「今日は達也に届け物だよ。」

 

愛梨「達也が今持っているやつですか?」

 

勝成「それもだけど、もう1つね。」

 

真紅郎「もう1つ?」

 

達也「それは秘密だ。」

 

愛梨「ねぇ、そんなことはいいからまずは体験しない?」

 

真紅郎「そうだった。」

 

達也「じゃあまずは、お前達三人な。その後に勝成兄さん達で。」

 

勝成「いや、私達は既に体験しているからいいよ。」

 

達也「母さんですか?」

 

勝成「御当主と深夜さんにやらせていただいたよ。」

 

達也「そうですか。その件は後でじっくり母さんにお話を伺うのでとにかくまずはやりましょうか。」

 

達也の指示のもと、将輝、真紅郎、愛梨は飛行魔法を楽しんだ。

 

そして、飛行魔法を終えると、達也は勝成と琴鳴を見送り3人を高官専用の部屋に迎えた。

 

達也「さて、お前達は俺に何か用があるんだろ?なんとなく予想はつく、どうせ無頭龍(ノー・ヘッド・ドラゴン)のことだろ。」

 

将輝「よくわかったな。」

 

達也「お前達の目付きでなんとなく自室で話すような無いようじゃなかったからな。それに、愛梨もお前達と同じような目をしていた時点で愛梨にも話していたのだろ?」

 

真紅郎「ごめんね。」

 

達也「別に構わないよ。もともとリーナにも話すつもりは無かったんだからな。」

 

将輝「そうか。それで、調査は何処まで言ってるんだ?」

 

達也「協力員の話では、彼等は九校戦の始まる一月ほど前に来ていたらしい。そして、横浜中華街の亡命外国人の為の宿舎の誰も知らない秘密の階にいるそうだ。後は、現行犯で発見すればすぐにでも突入は出来る。幹部メンバーは既に顔と情報を一致させている。」

 

真紅郎「スターズの情報力には恐れ入るね。」

 

将輝「俺が一条の当主になったら真っ先にスターズと同盟を組むからな。」

 

達也「それなら俺もお前が同盟結びに来たときに堂々とスターズの人間だと言えるようになるよ。」

 

真紅郎「スターズのNo.2がよく言うよ。」

 

達也「俺はNo.3だが?」

 

愛梨「リーナよりも権力持ってる貴方がなに言ってるのよ。それに、国際魔法協会も常任理事に昇格したんでしょ?」

 

達也「おい、何故それを知っている。」

 

将輝「俺が教えた。」

 

達也「おい。」

 

真紅郎「あはは、明日も早いからそろそろお暇するよ。」

 

達也「そうだな。じゃあまた明日。」

 

 





次回は次の日です。

内容は新人戦クラウドボール、バトルボード決勝リーグです。

では、また次回。


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三章 第十七話 新人戦クラウドボール開始

9/10発売の魔法科高校の劣等生を買って読みました。

アニメイト特典、欲しかったです。(家の近くの本屋で買ったので貰えなかった。)

佐島先生、本編完結おめでとうございます。

次回作、メイジアン・カンパニー編も頑張ってください。

さて、では本編をどうぞ。


九校戦六日目、新人戦二日目

 

今日は新人戦クラウドボール、午後に新人戦アイス・ピラーズ・ブレイクの予選が行われる。

 

新人戦クラウドボール

 

女子の部では、優勝候補として【エクレール・アイリ】こと一色愛梨、そして昨日の新人戦バトルボードにて障壁魔法を利用した工夫を見せた桜井水波の2人があげられる。

 

さらに、一高は里美スバルという選手もおり、女子の部はどの競技も白熱すると予想されている。

 

この3人の優勝候補達の中で最初に試合を行ったのは里美スバルであった。

 

彼女の戦い方はラケットタイプであり、彼女のBS魔法でもある認識阻害により自分の位置を悟らせずにそのまま倒すという自分の魔法適正をよく理解している戦い方だった。

 

次に試合を行ったのは一色愛梨であり、彼女は自分の持ち味でもある『稲妻』を駆使して、圧倒的な点差で勝った。

 

3人の最後は桜井水波だった。彼女は予選を自己加速を利用したラケットで打ち返す力技を披露した。

 

この3人はそれぞれが決勝リーグに進出した。

 

その後、彼女達はそれぞれ一勝して準決勝に進んだ。

 

準決勝一試合目 ~里美スバルVS一色愛梨~

 

準決勝第一試合は優勝候補である、一高の里美スバルと三高の一色愛梨の試合であり、男子の試合以上に観客が多かった。

 

達也「この試合で水波の対戦相手が決まるな。」

 

水波「そうですね、達也兄様。」

 

達也「水波はまだ、アレを使ってないからな。お前の方が勝ち目がある。ちなみにもし2人と戦うことになったらどう戦う?」

 

水波「スバルさんでしたら自己加速で速攻します。」

 

達也「愛梨だったら?」

 

水波「アレを使います。基本的な戦い方は変わりませんが。」

 

達也「わかった。まずは、どっちが勝つか見てみようか。」

 

水波「はい。」

 

達也と水波はスバルと愛梨の準決勝の二セット目から水波の試合が始まるため、第一セットの観戦を始めた。

 

―――――――――――――――

 

試合が始まると、愛梨は頭の中が疑問でいっぱいだった。

 

(なんで誰もいない場所を狙っているのに打ち返されるの?)

 

愛梨の疑問の答えはスバルの先天的魔法適正によるものである。

 

スバルは認識阻害系に特化したBS魔法師であり、常に認識阻害術式が身体の回りを囲っているため、目立つような行動をしないとあまり気付かれないことがある。

 

ただ、そんなことを愛梨や真紅郎が知るはずもなく、そのままスコアは0-0のまま、第一セットを終えた。

 

二セット目は愛梨は疑問を考えることはせずにただただ素早く叩き斬ることだけを考えたため、点差がどんどん開いて、二セット目を終えて、三セット目でも圧倒して、愛梨が試合を勝って終えた。

 

愛梨「やるわね、里美さん。」

 

スバル「一セット目と二セット目で戦い方を変えたようだけど、理由はあるのかい?」

 

愛梨「狙い打っても帰ってくるなら素早くやった方がいいと思ったのよ。」

 

スバル「なるほど…負けたよ。決勝も頑張ってくれ。」

 

愛梨「ありがとう。」

 

―――――――――――――――

 

第2試合は水波が特に見せ場もなく圧倒的な点差をつけて勝ち上がった。

 

決勝戦 ~桜井水波VS一色愛梨~

 

決勝戦は超満員で午前の最終試合を華やかな雰囲気で終わらせられるだろうというくらいの試合が始まる。

 

達也「さて、水波。愛梨が勝ったと言うことは速攻では勝ち目が少ないだろう。」

 

水波「はい。」

 

達也「だから、この試合は全力で行け。」

 

水波「わかりました。では、勝ってきます!!」

 

 

愛梨「ねぇ、真紅郎君。桜井さんのやつでわかったことはあったかしら?」

 

真紅郎「それがね、彼女は全ての試合で自己加速しかしてないんだ。」

 

愛梨「彼女は障壁魔法の使い手だったわよね?」

 

真紅郎「障壁魔法の使い方がよくわからないけど愛梨なら勝てるよ。」

 

愛梨「わかった。勝ってくるわ。」

 

真紅郎「その意気だよ。」

 

 

歴代最高の白熱した決勝戦が今、始まる。




というわけで、次回は水波VS愛梨から始まります。

何処で終わるかわかりませんが、雫とエイミイのアイス・ピラーズ・ブレイクまでは行きたいかなと思います。

では、また次回。


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三章 第十八話 決勝戦 水波VS愛梨

大会六日目、新人戦二日目の午前最後の競技、新人戦クラウドボールの女子決勝戦がまもなく始まろうとしていた。

 

決勝戦は第一高校から桜井水波と第三高校から一色愛梨がそれぞれ出場する。

 

両者がコートに入る

 

愛梨「桜井さん、今日はよろしく頼むわ。」

 

水波「達也兄様と深雪姉様の為にも負けられません。」

 

真紅郎「だってさ、達也。良かったね、兄思いの妹で」

 

達也「ああ。(この怒りは将輝で返す)」

 

真紅郎(ごめんね、将輝。)

 

達也(お膳立ては全てした。勝てよ、水波。)

 

真紅郎「達也は試合は…」

 

達也「最後の方だ。」

 

真紅郎「確か、深雪さんと同じタイミングだっけ?なにか派手なことでもするのかい?」

 

達也「それは面白そうだな。考えてみるか。」

 

真紅郎「楽しみにしてるよ。(本当にごめん、将輝。)…そろそろ始まるみたいだね。」

 

達也「ああ。試合の始まりだ。」

 

 

試合は第一ゲームは一球の球を2人で打ち合い続けていた結果0-0で終わった。

 

第2ゲームは愛梨が攻めた。

 

愛梨「(私の稲妻なら、)抜ける!!」

 

愛梨の打った球が水波を越える

 

しかし、球は水波の後ろで弾かれたかのように跳ね返される。

 

そして、咄嗟のことで判断が鈍っていた愛梨はそれで、点を入れられる。

 

真紅郎「まさか…障壁魔法か!?」

 

達也「正解だ。水波は障壁魔法に“ベクトル反転”の作用を加えているんだ。」

 

真紅郎「なるほど、障壁魔法にこんな使い方が…。」

 

達也「ちなみに、これは水波の叔母が使っていた技術を教えて貰ったんだ。」

 

真紅郎「愛梨、頑張れ。」

 

 

愛梨「まさか、障壁魔法にこんな使い方があるとは思いませんでしたわ。」

 

水波「貴女の最速に対応するためにはこの方法を使うしか方法が無かったんですよ。」

 

愛梨「なるほど。さて、なら始めましょう?」

 

水波「ここからが本当の…勝負です!!」

 

その後、水波と愛梨は接戦を繰り広げ、得点は21-20と水波が少しリードしている状態まで続いた。

 

愛梨(もうすぐ想子も無くなりそうね。)

 

水波(そろそろ障壁の維持も辛いですね。)

 

愛梨(これが……)

 

水波(……最後)

 

愛梨・水波「「勝負!!」」

 

最後のマッチが始まった。

 

愛梨の打った球を水波が打ち返す。

 

打ち返された球を愛梨が緩急をつけた球で返す。

 

水波はそれを障壁で返す。

 

愛梨は最後の力を振り絞って球を弾き返す。

 

水波も最後の力を障壁に注いで防ぐ。

 

水波の障壁に愛梨の打った球がぶつかる。

 

愛梨の球が水波の障壁を破ろうと回転数を増やす。

 

水波「くっ、(これは、不味い。でも、これを防ぎきれば、私の…勝…ち…。)」

 

水波の障壁が消える。

 

球が床に落ちる。

 

球は愛梨のコートに落ちていた。

 

試合が終了し、22-20で水波が優勝した。

 

愛梨(流石ね、結局私は破れなかった。)

 

愛梨は倒れた水波を抱えて、達也と真紅郎のいる控え室まで急いだ。

 

愛梨「達也!!」

 

達也「愛梨、水波をここに。」

 

愛梨「ええ。」

 

真紅郎「達也、どう?」

 

達也「ただの疲労だ。想子を使いすぎたんだな。愛梨も想子を使いすぎたはずなのに、水波をここまでつれてきてくれてありがとうな。休んでもいいぞ。」

 

達也は水波の体に手を当てると、想子を少し水波の方に贈った。

 

水波の体が達也の想子光に包まれる。

 

水波「ん…こ、ここは?…た…つや…兄様?」

 

達也「ここは控え室だ。それと、水波は想子切れを起こしていたから少し俺の想子を分けた。そのまま少し眠るといい。」

 

そして、達也は端末を取り出して、リーナに連絡をした。

 

達也「とりあえず、俺はこの後午後から試合があるから、後の事はリーナに任せる。愛梨もそれでいいか?それとも、栞の応援をするか?」

 

愛梨「私はここに残るわ。…少し、桜井さんに話があるの。」

 

達也「わかった。…何かあったら連絡してくれ。」

 

真紅郎「僕も行くから、2人ともお疲れさま。」

 

達也と真紅郎は新人戦アイス・ピラーズ・ブレイクの試合会場に急いだ。

 

真紅郎「あの魔法は使ってよかったのかい?」

 

達也「水波の為だ。使っても問題はないさ。…あの魔法は『再生』とは違って副作用もない。すこし、自分の想子を相手に流すだけの魔法だ。」

 

真紅郎「ふーん。じゃあ、僕はこっちだから」

 

達也「ああ。お互い頑張ろうな。」

 

そして、T字路で2人はそれぞれ反対の方向に曲がっていった。

 





達也が水波に使ったやつは相手に想子を譲渡するだけなので、『譲渡(ギフト)』みたいな名前の魔法です。

特に考えてません。

そして、次回は新人戦アイス・ピラーズ・ブレイクです。

では、また次回。


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三章 第十九話 兄妹の演舞

真紅郎と別れた達也はそのまま控え室に急いだ。

 

達也「申し訳ないな、雫、エイミイ。午前中はクラウド・ボールの方に行ってたから、準備が中途半端で。」

 

雫「ううん、大丈夫。」

 

達也「エイミイのは昨日用意して渡しただけだから見てないんだけど、どうだったか?」

 

エイミイ「バッチリだよ。お陰で一試合目は勝てたから。」

 

達也「そうか。雫はこれからだったな。少し調整する。」

 

雫「達也さんの調整は完璧。絶対に勝つ。」

 

達也「そういえば、その服似合ってるぞ。」

 

雫「ありがとう。」

 

達也「その裾邪魔じゃないか?」

 

雫「襷で結ぶから大丈夫だよ。」

 

達也「そ、そうか。……さて、終わったぞ。」

 

雫「ありがとう。ねぇ、達也さん。約束、忘れないでね。」

 

達也「あ、ああ。もちろん。お前の優勝祝いだもんな。……忘れないから行ってこい。」

 

雫が控え室から離れると、深雪が交代するように入ってきた。

 

深雪「お兄様。」

 

達也「深雪。俺とお前の出番は全く同じタイミングなのは知ってるな?」

 

深雪「もちろんです。」

 

達也「そこで、ちょっとした余興をしようかと思っているんだが、――どうだ?」

 

達也は深雪に考えた内容を伝えた。

 

深雪「それは、素晴らしい考えです。お兄様!!私は喜んで協力します。」

 

達也「それはよかった。……それより、俺は本当にこれを着なきゃいけないのか?」

 

深雪「私とリーナと叔母様で選んだんです。しっかり来てくださいよ?」

 

達也「わ、わかったよ。」

 

深雪「さて、私達もそろそろ服に着替えながら雫の試合を見ましょう。」

 

達也「こ、ここで着替えるのか?」

 

深雪「先に私が着替えるのでお兄様は一回出てください。……覗きは許しませんよ(別に私は見られてもいいのですが…。)」///

 

達也「わかってるよ。……着替え終わったら言ってくれ。」

 

 

それから三十分後に深雪が着替えを終えて、達也の着替えを手伝いながら雫の試合を待った。

 

達也「なんかこの服恥ずかしいんだが…。」

 

深雪「私はお揃いなのがとても嬉しいです。」

 

達也「そ、そうか。……じゃ、じゃあそろそろ試合が始まるな。」

 

雫の試合は得意の振動系統『共振破壊』を利用した戦術を見せて、第一試合で勝利した。

 

達也「雫も調子がいいな。」

 

深雪「共振破壊の応用ですか?」

 

達也「そうだ。雫の母親は当時振動系魔法で名を馳せたAランク魔法師、鳴瀬紅音。そんなすごい人の娘だから当然雫も振動系に特化してると思ってやってみたんだが……成功だったようだな。」

 

深雪「鳴瀬紅音……。私も聞いたことがあります。」

 

達也「さて、そろそろ俺達の番だな。」

 

深雪「はい、私達の仲の良さを世間に知らしめましょう!!」

 

達也「そうだな。」

 

――――――――――――――

 

達也の試合と深雪の試合は隣で行っており、ちょうど達也と深雪が背中合わせになるような状態で試合を行うことになる。

 

達也と深雪が揃って登場したとき会場は静まり返った。

 

選手の説明の時に2人が従兄妹であることは知られており、それだけだった。

 

しかし、2人の服装は巫女と神主の服装。

 

2人の出す雰囲気が普通の兄妹とは思えなかった。

 

達也「さて、Showtimeの始まりだな。」

 

2人がそれぞれの櫓にたつと、試合開始までのカウントダウンが始まった。

 

達也(これは、ただの演舞ではない。……四葉以外の十師族に対する挑発でもある。……深雪が気付いてるかは知らないが。まぁ、将輝は気付くだろうがな。)

 

試合の開始の合図がなると、達也と深雪が同時に(・・・)携帯端末型CADを操作した。

 

達也と深雪が全く同じタイミング(・・・・・・・・・)で手を前に出す。

 

すると、2つのフィールドで冷たいところと熱いところに別れた。

 

氷炎地獄(インフェルノ)

振動系の系統魔法。

対象エリアを二分し一方の振動、運動エネルギーを減速し、その余剰エネルギーをもう一方に逃がす魔法

隣接するエリアに灼熱と極寒を同時に発生させる。

 

時折魔法師ライセンス試験でA級受験者用の課題として出題され、多くの受験者に涙を呑ませている高難易度魔法でもある。

 

それぞれの相手は情報強化で防ごうと魔法を変えるが、熱気に耐えられずにどんどん崩れていった。

 

達也「終わりだ。」

 

深雪「終わりです。」

 

またもや同じタイミングで冷気を強めて、残りの氷柱を全て破壊した。

 

歓声は…鳴り止まなかった。

 

 





これが書いてみたくてやりました。

次回は氷柱倒しの続きです。

将輝VS達也、エイミイVS栞、深雪VS雫をやれるだけやるつもりです。

では、また次回。


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三章 第二十話 熱戦の女子新人戦

そのままアイスピラーズブレイクの決勝リーグに入るつもりでしたが、大会タイムスケジュールを調べたところ、決勝リーグは翌日にあることがわかったので、次の日になります。

また、先にバトルボードの決勝からです。

では、本文をどうぞ


演舞のような達也と深雪の試合を見て、将輝は

 

将輝「はぁ、全く。達也のやつ、こんな公の場所で挑発しやがって。……楽しみだな。負けるなよ、達也。」

 

将輝は将輝でやる気を出した。

 

 

その後、達也と深雪、エイミイに雫は決勝リーグに進出した。

 

そして、将輝に栞も、また決勝リーグに進出した。

 

――――――――――――――――

 

翌日

 

この日は、新人戦バトルボードと新人戦アイス・ピラーズ・ブレイクの決勝リーグを行うことになっている。

 

―新人戦バトルボード 決勝リーグ―

 

決勝リーグに進んだ8名の選手が競い合っていく。

 

第一試合は第三高校一年、四十九院沓子が圧倒的な実力差で決勝戦に進出した。

 

第二試合は第一高校一年、光井ほのかが自身の得意魔法をうまく利用して勝利をもぎ取り、これまた決勝戦に進出した。

 

よって、決勝戦は第三高校四十九院沓子VS第一高校光井ほのかの一騎討ちとなった。

 

沓子「よろしく頼むぞ、光井ほのか殿。」

 

ほのか「よ、よろしくお願いします。」

 

 

そして、試合が始まると、沓子が先行し、ほのかがその後を追った。

 

沓子が差を開くために、水面に干渉する魔法を使うが、未然に防がれた。

 

沓子「(……魔法が消された!?……そうか、見えて(・・・)いたのか……ということは彼女は、光のエレメント)……なるほど。これだからこの勝負は飽きんな。」

 

沓子は懐からCAD(・・・)を取り出して、魔法を放つ

 

ほのか(今までは、呪符だった筈……まさか!?)

 

沓子の魔法はコース全域に干渉していた。

 

ほのか「……全域!?(って、ことはさっきのは囮。)でも、負けない!!」

 

ほのかは沓子の魔法を自身の特訓した身体能力で交わして行った。

 

そして、コースに影を落として、差を縮めた。

 

沓子(コースが…!?まさか、)

 

ほのかがどんどん差を縮めて行って、

 

残りの直線で並んだ。

 

沓子「さすがじゃな、なら、わしも最後の足掻きだ。」

 

沓子は自身のすぐ後ろに干渉して波をおこした。

 

ほのかとの差が開く。

 

沓子「これでわしの勝ちじゃ。」

 

そのとき、突然ほのかが横を抜き去った(・・・・・)

 

沓子「なに!?」

 

そのままほのかが一位で抜き去ってゴールした。

 

沓子「さすがじゃな、ちなみに最後のはどうやったんじゃ?」

 

ほのか「実は、横に並んだ時から幻影で隠れてて、油断したところを幻影を解いて抜いたの。」

 

沓子「なるほどな。……これはわしの完敗じゃな。……来年もよろしく頼むぞ。」

 

ほのか「う、うん。よろしく」

 

――――――――――――――――

 

新人戦アイス・ピラーズ・ブレイク決勝リーグ

 

決勝リーグ最初の試合は女子の部のエイミイVS栞だった。

 

この試合の後は達也がやって深雪がやって雫がやって将輝がそれぞれ準々決勝を行う。

 

エイミイと栞がそれぞれ舞台に上がる。

 

試合が始まると、エイミイが自分の氷柱を栞の氷柱に飛ばす。

 

栞の氷柱はエイミイの氷柱によって滑って行ったが、三列目で止まった。

 

 

控え室で見ていた達也は栞と作戦を考えたと思われる友人を心のなかで誉めていた。

 

達也(なるほど、摩擦係数をゼロにして慣性を無くしたのか。……このまま行けば栞の勝ちだが……。エイミイ、全てはお前次第だ。)

 

そして、エイミイの氷柱がどんどん減っていき、栞の氷柱が半分を下回った頃にはエイミイの氷柱は残り二、三個程で優位が栞の方に傾いて行った。

 

 

エイミイの心は揺れ動いていた。

 

―負けたくない!

 

―でも、私はもう頑張った

 

―ここで負けても深雪が勝ってくれる。

 

―でも、負けたくない!!

 

彼女は友人と競争したり勝負したりすることが多かった。

 

そして、ある日、彼女の友達は勝負に負けてしまって泣いてしまったのだ。

 

それからエイミイは無意識のうちに手加減をするようになった。

 

―魔法は嘘を本当にする力

 

―想いは魔法を強くする

 

この二つはエイミイが幼い頃から祖母に言われていた教訓みたいなものだった。

 

(やっと意味がわかったよ、グランマ。)

 

エイミイの周りに本来の(・・・)自分の想子があふれでてくる。

 

栞(うそ……!? そんな力いったいどこから。)

 

エイミイは氷柱を思いっきり飛ばした。

 

栞(このコース…このまま行けば勝てる。)

 

エイミイ「(想いは魔法を強くする。……私は)勝ちたい!!」

 

エイミイの氷柱が栞の氷柱に当たって砕け、白い靄がかかると、栞もエイミイも想子を使い果たして、膝を付いていた。

 

結果は……エイミイの逆転勝ちだった。

 

 

達也(壁を越えられてよかったな、エイミイ。……にしても、“魔法は嘘を本当にする”……か。…まるで俺の魔法(・・・・)のことを言っているようだな。)

 

その後、達也、深雪、雫、将輝とどんどん準決勝に進出した。

 

―一高控え室―

 

真由美「すごいわよ、達也君。これは快挙よ。」

 

達也「そ、そうですか…。」

 

摩利「すまないな、達也君。この後準決勝と決勝があるのに。」

 

達也「まだ少し時間はありますのでその時に調整して、彼奴を潰します。」

 

摩利「そ、そうか。」

 

真由美「それよりも、達也君。これは君にも聞いてほしいのよ。……りんちゃん。」

 

鈴音「実は、大会委員会より、3人を同時優勝にしてみないかと提案がありました。」

 

達也「なるほど、楽したいんですね。……まぁ、エイミイは棄権した方がいいでしょう。」

 

真由美「だそうですが、明智さんはなにかありますか?」

 

エイミイ「私は言われる前から棄権にするつもりだったので、問題ありません。」

 

真由美「そう……。北山さんに深雪さんは?」

 

雫「私は……戦いたいです。……深雪と全力で戦えるのはここしか無いので。」

 

深雪「私も、北山さんがそれを望むのでしたら、喜んで相手をします。」

 

鈴音「わかりました。……明智さんが棄権、北山さんと司波さんで決勝戦をすると、大会委員会に報告します。」

 

真由美「さて、2人の決勝は男子の決勝進出者が決まってからだから……達也君、頑張ってきてね?」

 

達也「はい。」

 

 

そして、行われた準決勝にて、達也は今までずっと使ってきた『氷炎地獄(インフェルノ)』で瞬殺して勝利し、

 

将輝は一条の代名詞、『爆裂』で同じく相手を瞬殺して勝利した。

 

よって、

―女子新人戦アイス・ピラーズ・ブレイク決勝戦は

 

一高司波深雪VS一高北山雫

 

―男子新人戦アイス・ピラーズ・ブレイク決勝戦は

 

一高風間達也VS三高一条将輝

 

となった。

 





次回は、男女新人戦アイス・ピラーズ・ブレイク決勝戦を行います。

順番は先に深雪VS雫で、その後に達也VS将輝の予定です。

では、また次回。


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三章 第二十一話 決勝戦、深雪VS雫

男女ともに決勝戦のみ残した新人戦アイス・ピラーズ・ブレイクは先に女子の決勝をしてから男子の決勝を行うことになっている。

 

女子新人戦アイス・ピラーズ・ブレイク決勝

 

白熱したアイス・ピラーズ・ブレイクも残すところ、男女含めてあと二試合となった。

 

先に行われる女子の決勝では、第一高校の司波深雪と北山雫の一騎討ちとなった。

 

達也の姿は選手控え室―ではなく、一高生徒会陣―真由美と怪我人である摩利―と試合会場の観客席に来ていた。

 

ちなみに、今回はリーナもエリカ達と観戦しているので久し振りに1人となった。

 

真由美「達也君はどっちの応援かしら?」

 

摩利「まぁ、妹を応援したいところだろうがな。」

 

達也「さすがにどちらも担当していますからね。どちらかを応援するなんて出来ないですよ。」

 

真由美「今日は何かあるのかしら?」

 

達也「さぁ?どうですかね?それよりも、渡辺先輩は休んでなくていいんですか?」

 

摩利「私はもう大丈夫だ。…それよりも、試合が始まるぞ。」

 

 

試合が始まると、雫が自身の氷柱を『情報強化』で守りを堅め、深雪の氷柱を『共振破壊』で壊しにかかる。

 

対する深雪はここまでの試合と同様に『氷炎地獄(インフェルノ)』と自身の領域干渉力を駆使しての力技で雫の氷柱を壊しにかかる。

 

雫(届かない……さすが深雪。…でも)

 

雫はCADを操作していた左手を自身の裾の中に入れる。

 

取り出したのは―拳銃型CADだった。

 

そのCADから放たれた魔法は不意を付くように深雪の氷柱を一本破壊した。

 

そう、CADの同時操作という達也の十八番(・・・・・・)を使い、A級魔法師にしか術式が公開されていない振動系系統魔法『フォノンメーザー』

 

もちろんこれには、真由美も驚いたが、深雪も驚いていた。

 

深雪(特化型と汎用型の2つのCADの同時操作……そして、『フォノンメーザー』。……お兄様も人が悪い…。ですが、)

 

しかし、驚くのはこれだけではなかった。

 

深雪は一度発動していた『氷炎地獄』を解く

 

その隙に雫が『フォノンメーザー』で一本ずつ氷柱を破壊するが、深雪は別の魔法を使った。

 

その魔法は領域内の物質を比熱、(フェーズ)に関わらず均質に冷却する領域魔法。

 

A級魔法師でもほんの極一部の人間でしか使いこなすことが出来ないといわれている振動・減速系魔法『ニブルヘイム』。

 

無慈悲な魔法によって膨張した氷柱は深雪が再びかけた『氷炎地獄』によって呆気なく崩れた。

 

そして、試合終了の合図が鳴り、新人戦女子アイス・ピラーズ・ブレイクの優勝者が決定した。

 

真由美「なんか…驚くところが多すぎてどこから突っ込んでいいのかわからない…」

 

摩利「『ニブルヘイム』……か。それに、『フォノンメーザー』…。まさに魔境だな。」

 

達也「では、俺は試合を終えた2人を労って決勝戦に行ってきますよ。」

 

真由美「達也君、頑張ってね?」

 

達也「もちろんですよ。」

 

 

 

達也が選手控え室に入ると、深雪と雫が2人揃っていた。

 

達也「2人ともお疲れ様。」

 

深雪「お兄様には驚かされました。…雫にお兄様の十八番である同時操作を教えて『フォノンメーザー』まで使ってくるとは…妹が可愛くないのかしら?」

 

達也「全力じゃなかったらそれでこそ怒るだろうに…。それよりも、雫。悪かったな、『フォノンメーザー』は雫の魔法適正的にも問題ないと思ってたんだが…同時操作は時間が足りなかったな。」

 

雫「そんなことはない。私は達也さんのお陰で深雪と戦うことが出来た。同時操作が完璧じゃなかったのは私の練習不足。」

 

達也「しかし……。」

 

雫「それに、私は出場した2種目どっちも優勝または準優勝してる。それも、達也さんの力がなければ出来なかった。」

 

達也「雫……。」

 

深雪「雫、私は楽しかったわよ。…そもそも『ニブルヘイム』なんて使うつもりは無かったのに雫に圧倒されてつい…。だから、私は雫を好敵手と認めているわよ。」

 

雫「深雪……。ありがとう。次は負けないよ。」

 

深雪「こちらこそ、次も私が勝つわ。」

 

達也「さて、俺は彼奴との決勝があるから準備してくるよ。」

 

深雪「お兄様も頑張ってください。」

 

雫「応援してる」

 

達也「ありがとう。じゃあ行ってくるよ。」

 

その後、達也が決勝戦用に着替えた服は黒色を基準として、赤色の帯を巻いて、所々に金色の星が付いている浴衣で、真夜が特別に発注した達也のための浴衣である。

 

そのデザインには達也の異名【星王】や、達也と真夜の親子の魔法である『流星群(ミーティア・ライン)』をどこか彷彿させるような暗闇に輝く幾つかの流れ星のようなデザインをしている。

 

そして、和服に着替えた達也はそのまま試合会場へ向かった。





次回は達也VS将輝です。

そして、投票をこの回で付けます。

内容は原作同様あの事故の代理選手についてです。

締め切りは達也が代理として指名される回の投稿までの予定です。

では、投票よろしくお願い致します。

では、また次回。


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三章 第二十二話 激闘【星王(達也)】VS【血濡れの王子(将輝)

大体の予想では今現在行われている投票の締め切りは次回投稿か、その次の投稿になると思います。

では、本文をどうぞ


達也が試合会場に付くと、散々五月蝿かった観客席が静まり返った。

 

理由は達也の服装だろう。

 

黒をベースの色として、赤色の帯に、所々には星の模様が付いている。

 

知らないものから見たら格好いいで尽きるだろうが、わかる人には分かってしまう。

 

それが想像させるイメージは2つ。

 

―四葉家現当主四葉真夜を世界最強魔法師の1人に登り詰めさせた魔法『流星群(ミーティア・ライン)

 

―はたまた、USNAの戦闘魔法師集団スターズにて国際魔法協会の常任理事の座に登り詰めた最強魔法師【星王】

 

父親の代わりに師族会議に代表代理として出席している十文字克人もそのイメージを抱いた人間の1人であった。

 

故に、考えてしまう。達也のPDはいたって普通ではあるが、逆に普通すぎた。

 

そして、彼は1つの仮説を仮説を立てた。

 

【星王】=風間達也

 

しかし、彼はその考えを否定した。

 

風間という苗字は国防陸軍に有名な人間がいる

 

【大天狗】風間晴信

 

つまり、風間達也は風間晴信の息子であり、純日本人だ。

 

そんな人間がスターズに入っているわけがない。

 

彼はどっちにしてもこの試合でわかるだろうと、彼はこの試合を真剣に見ることにした。

 

 

静寂が歓声に変わったのはもう1人の対戦相手の到着によってだった。

 

予選と同様にどこかの国の王子のような白い貴族服に身を包んだ将輝が歓声に包まれて会場に到着した。

 

血濡れの王子(クリムゾン・プリンス)】一条将輝。

 

佐渡の英雄とも呼ばれる彼は、弱冠13歳にて佐渡防衛戦に参戦し、一条の『爆裂』によって敵を返り討ちにした、実践経験ありの実力者である。

 

ちなみに、彼の相棒である吉祥寺真紅郎も佐渡で一条に保護されている。

 

そして、この事実を知っているものはほとんどいないのだが、その戦線には【星王】と呼ばれる前の達也も来ていた。

 

達也と将輝が知り合ったのは実はこれのお陰でもあったのだ。

 

そんな現在では親友であり戦友であるこの2人は意外なことにも直接対決は初めてだった。

 

お互いが緊張しているのが見てわかる。

 

達也「直接対決は初めてだったな、将輝。」

 

将輝「ああ。俺はこの日を待ち望んでいた。」

 

「「勝負だ!!達也(将輝)!!」」

 

―――――――――――――――

 

2人が櫓の上に立ち、試合開始のカウントが鳴り始める。

 

試合開始の合図が鳴ると、2人同時に自分のCADを起動する。

 

両者が最初に放った魔法は『フォノンメーザー』だった。

 

2人して一本破壊する。

 

達也「2人して『フォノンメーザー』か。」

 

将輝「なら、次は俺から行くぞ。」

 

将輝がCADを操作して放った魔法は『爆裂』

 

水気を一瞬で気化して爆発を起こす魔法。

 

しかし、『爆裂』は達也の放った『術式解体(グラム・デモリッション)』によって解除された。

 

将輝「ちっ、」

 

達也「お前の『爆裂』は封じた。……さぁ、第二ラウンドだ。」

 

将輝と達也は『フォノンメーザー』を放って一本ずつ破壊する。

 

達也「次はこっちの番だ!!」

 

将輝「やれるものならやってみろ!!」

 

達也は『氷炎地獄』を、将輝は『叫喚地獄』を放つ

 

自身のフィールドと相手のフィールドとを熱と氷で分ける『氷炎地獄』と空気中の水分を30~60秒かけて気化させる『叫喚地獄』がぶつかり合う。

 

お互いの魔法が干渉し合って達也は『叫喚地獄』の気化によって、将輝は『氷炎地獄』の熱で、それぞれ氷柱が破壊されていく。

 

達也「楽しいな、将輝」

 

将輝「そうだな、達也。しかし、これが最後だ。」

 

2人が自身の放つ魔法の威力をあげる。

 

フィールドから白い煙が湧き、それが晴れると達也の所も将輝の所もお互いに氷柱が無くなっていた。

 

そして、両者は櫓に座り込んでいる。

 

試合の結果は〈引き分け〉と出て、歓声が鳴り響いた。

 

達也「はぁ…はぁ…、引き分け…か。」

 

将輝「そう…だな。…出来れば…勝ちたかったが。」

 

達也「確かに…。来年また決着を付けよう。」

 

将輝「ああ。」

 

両者は真紅郎と深雪に連れられて会場を後にした。

 

 

達也「迎えに来てくれてありがとう、深雪。」

 

深雪「優勝おめでとうございます、お兄様。とても…かっこよかったです。」///

 

達也「引き分けだったけどな。…深雪も優勝おめでとう。」

 

深雪「ありがとうございます、お兄様!!」

 

達也「はぁ…はぁ…。さすがにここまでやったのは向こうの戦闘訓練以来だ。…ここまで疲れるとは…。」

 

深雪「お疲れさまです。今はお休みください。」

 

達也「明日は…モノリスとミラージか。…深雪は…そっか本戦に移動になったんだったな。」

 

深雪「はい。」

 

そして、達也と深雪は達也の部屋で夜のご飯の時間まで2人で会話をして楽しんだ。




やっと新人戦アイス・ピラーズ・ブレイクが終わったので次回は新人戦ミラージバットとモノリスコードの予選の日になります。

どこまで進めるかわかりませんが、出来れば代役決定の呼び出しの前までは行けたら行きたいなと思います。

では、また次回。


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三章 第二十三話 モノリスコードの事故

投票はたぶん次回で締め切ります。



大会八日目、新人戦四日目

 

この日は男子の方で新人戦モノリスコードの予選、女子の方で新人戦ミラージ・バットが、行われる。

 

ちなみに新人戦ミラージ・バットのエンジニアを勤める達也は朝の予選と夜の決勝までの間で休息をとることに決めてその日の活動に参加した。

 

新人戦ミラージ・バット

 

予選は全3試合あって、それぞれのグループで上位2名とその他の中で一番得点の高い人1人の、計7人が決勝に進出できる。

 

第一高校からは深雪、ほのか、スバルの3人が出る予定だったが、深雪が本戦に移動した為、一高からはほのかとスバルの2人だけが出場する。

 

第一試合にほのか、第三試合にスバルである。

 

第一試合

 

この試合はほのかが〈〝光〟のエレメント〉の末裔としての力でポイントを稼いで行って圧倒的得点差で勝った。

 

第三試合

 

この試合は達也の調整が目立った。

 

出だしは同じだが、スバルのやつが圧倒的に速かったのだ。

 

これには周りも、

 

「まただ、また一高が速い!!」

 

「まるで、〝トーラス・シルバー〟じゃないか!!」

 

この言葉には技術スタッフのエースでもあるあずさも疑いを持ち始めた。

 

(『フォノン・メーザー』、『氷炎地獄』、『ニブルヘイム』、『ムスペルスヘイム』。どれも、A級魔法師にしか術式が公開されていない魔法。…そして、最新の技術に、新しい魔法のオンパレード)

 

そこで、あずさは以前、達也に聞いたトーラス・シルバーの予想に関しての言葉を思い出した。

 

「意外と、俺達と同じ、日本の青少年かも知れないですね。」

 

そのとき、全ての辻褄があったような気がして混乱し始めた

 

(まさか……まさか……まさか!?)

 

疑問を残したまま、第一高校は2人とも決勝進出を決めた。

 

 

予選が終わり、休息をした達也はテント前がやけに騒がしいことに気付いた。

 

(今はモノリスコードの時間、それに一高の相手は四高だ。……何故、こんなに騒がしいんだ?)

 

そのとき、達也はテントから雫と深雪、リーナが一緒に出てきたのに気付いた。

 

達也「あ、深雪。」

 

深雪「お兄様!!」

 

達也「何かあったのか?」

 

深雪「森崎くん達が、瓦礫の下敷きに…。」

 

リーナ「それじゃあ、伝わらないでしょうが。…うちの選手が試合中に市街地フィールドで『破城槌』を受けたのよ。」

 

達也「……!?屋内ではレギュレーションが上がるあの『破城槌』をか?」

 

深雪「はい…。事故だと思うのですが…」

 

雫「いや、あれは明確なルール違反だよ!!だって、開始直後にだよ!!ルール違反以外にあり得ないよ!!」

 

達也「ちょっと、落ち着いて。」

 

真由美「達也君。ちょっと、いいかな?」

 

達也「なんでしょうか?」

 

真由美が口籠ったので達也は奥のスペースに真由美と入り、『遮音障壁』を展開して、話を始めた。

 

達也「改めて何があったのか教えていただけませんか?」

 

真由美「試合開始直後に、『破城槌』を受けて、森崎くん達が重症で病院に搬送されたのよ。」

 

達也「『破城槌』は室内では、レギュレーション規定違反になるはずです。」

 

真由美「四高側は『破城槌』を入れてないそうなのよ。」

 

達也「ということは…不正工作…ですかね?」

 

真由美「ねぇ、達也君。今回の件…」

 

達也「ブランシュとは別件ですよ。…口止めされていましたが、九校戦前にここに賊が入り込みまして…。ある程度なら正体を知っています。」

 

真由美「それって…。」

 

達也「香港系の犯罪シンジケートらしいですよ。組織名は知りませんが…。」

 

真由美「なぜそれを……そっか、軍に知り合いがいるんだったっけ?」

 

達也「ええまぁ。そうですね。とにかく、オフレコで頼みますよ。」

 

真由美「分かったわ。ありがとね、達也君。」

 

達也は『遮音障壁』を解除してテントを後にした

 

―――――――――――――――――

 

達也はミラージ・バットの決勝までの間、自室で電話をしていた。

 

「―そっか、それは大変だったね。」

 

達也「そうだな、ブランシュの次は〈無頭龍(ノー・ヘッド・ドラゴン)〉とは、この国も随分トラブルに愛されているよな。お前もそう思うだろ?レイ」

 

相手はレイモンドだった。

 

達也「それで、今回の事故。どう思った?…既に結論まで調べてたりしてな」

 

レイ「どうやら、無頭龍の工作員による妨害工作だったみたいだね。…大会委員会に裏切り者がいる。」

 

達也「なるほど。…そいつはおそらくレギュレーションチェック要員だろう。だから、そいつを現行犯で捕まえて、叩き潰そうか。」

 

レイ「潜伏先は分かっているのかい?」

 

達也「始まる前にもらったやつがあるが…もしかしたら移動しているかもしれないな。……調べてくれるか?」

 

レイ「分かった。……見つけたら送るよ。」

 

達也「了解、いつもありがとうな。」

 

レイ「そんなことはないよ。MSTでの研究も楽しいからね。タツヤには感謝しかないよ。」

 

達也「そうか?俺は趣味で作ったようだし、実際起業したのは伯母である深夜さんだから。」

 

レイ「MSTの会長がよく言うよね。」

 

達也「やめてくれって。」

 

レイ「それにしても、あの一条将輝と引き分けね…。…『分解』も『流星群』も使えないとなるとそれが妥当かな?」

 

達也「将輝と引き分けただけでも俺はすごいと思ってんだけどな。」

 

レイ「そうだね。……じゃあ、そろそろ切るよ。そっちはそろそろ試合でしょ?エンジニア頑張ってね。」

 

達也「ああ。じゃああの件、頼んだよ。」




次回は、ミラージ決勝とモノリス代役です。

投票は次回までなので、投票よろしくお願いします。

では、また次回。


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三章 第二十四話 モノリス代役決定

この投稿を持ちましてアンケートを終了させていただきます。

投票に参加してくださった皆様、

ご協力ありがとうございました。

結果は5番目の達也、幹比古、リーナになります。

では、本編をどうぞ


レイモンドとの電話も終えて、ミラージ・バットの決勝戦の時間になった。

 

達也「いつも通りの力でいい。……わざわざ光の幻影を作るなんて無駄なことはしなくていいんだ。ただ、自分の実力を見せつけろ。……そしたら、ワンツーフィニッシュは頂きだ!!」

 

「「はい!!」」

 

新人戦ミラージ・バット決勝

 

試合が始まると、一高の独壇場となり、達也の予想通り、一高が上位独占を決めた。

 

―――――――――――――――

 

試合も終わったところで部屋で休もうと思っていた達也だが、呼び出しを受けて会議室に来ていた。

 

達也「お呼びでしょうか?」

 

真由美「あ、達也君。よく来てくれたわね。……実は、お願いがあるのよ。」

 

真由美が鈴音にアイコンタクトをして話し手が鈴音に変わった。

 

鈴音「風間君のお陰で、新人戦は落とすかもしれませんが、優勝は狙える圏内になりました。……モノリスコードに三高から一条君と吉祥寺君が出るのは知っていますよね?」

 

達也「ええ。」

 

真由美「あの2人が出てるとモノリスコードを落とすことはない…。…でも、この際、新人戦の優勝も狙ってみようと思ってね。だから、達也君。新人戦モノリスコードに代理として出てくれませんか?」

 

摩利「あの一条相手に引き分けたお前だ。…一年生の中で唯一勝ち目があるのは君だと思っている。」

 

達也「質問があるのですが、何故自分なのですか?」

 

真由美「それは…さっき言った通り、達也くんなら勝てると思って。」

 

達也「しかし…、」

 

克人「今回のリーダーは七草だ。逆らうことは赦されない。…それにな、風間。もし、七草の判断が間違っていたら俺達が止めている。しかし、俺を含め誰もそれを間違いだと考えなかった。」

 

達也「……そうですか…。分かりました、使命を果たします。それで、相方は誰ですか?」

 

克人「お前が決めろ」

 

達也「は?」

 

克人「誰でもいい。…お前が選べ。もちろん、交渉は俺達も手伝ってやろう」

 

達也「チームメンバー以外からでもいいですか?」

 

真由美「それはちょっと…」

 

克人「構わん。」

 

真由美「十文字君!?」

 

克人の断言に真由美含め、ほとんど全員が呆れた表情を見せる。

 

克人「ただでさえ、異例の選手交代だ。…今さら異例な事が1つ2つ増えても問題ない。」

 

達也「分かりました、では、1-E()の吉田幹比古と、1-Bの工藤利奈(・・・・)でお願いします。」

 

この爆弾発言に全員が驚いていた。

 

理由は二科生の幹比古と女子のリーナが原因だろう。

 

現に服部は達也に食って掛かろうとするが、鈴音に止められた。

 

鈴音「その人選の理由は?」

 

達也「まず俺は、男子のメンバーの魔法適正だとかを知りません。…今から調べていったら間に合わない。」

 

克人「今言った2人なら知っていると?」

 

達也「ええ。まぁ、理由としては、幹比古を選んだのは一科生でいることで優越感に浸る人達への牽制、利奈を選んだのは俺と同じように、友人の軍人相手の訓練に彼女も参加していたからです。……彼女も俺と同じで実技と実戦なら実戦の方が得意な魔法師ですので。」

 

克人「いいだろう。」

 

――――――――――――――

 

幹比古「それ本当に言ってるのかい?」

 

達也「俺だっていきなりだったからな。」

 

リーナ「これ男子限定じゃなかったの?」

 

達也「厳密には性別の制限はないらしい。だが、モノリスコードは怪我をする可能性もあるから女子の出場は見送られていたらしい。」

 

エリカ「へぇ~、そうなんだ。今度出てみようかな?」

 

レオ「いいんじゃないか?」

 

達也「言っておくが、打撃禁止だぞ?それこそ、斬撃を飛ばせるくらいじゃないと出来ないぞ。」

 

エリカ「じゃあやめとく」

 

達也「さて、CADの準備をしようか。…俺とリーナのやつはすぐ終わるとして、問題は幹比古だ。」

 

幹比古「達也は言ったよね。僕の術式には無駄が多いって」

 

達也「幹比古自体には問題ない。問題があるのはその術式の偽装だ。」

 

幹比古「君は吉田家が長年研究してきた物を否定するのかい?」

 

達也「発動を邪魔される可能性のある昔と違ってCADで発動が高速化されたことで偽装をつける必要がないんだよ。」

 

幹比古「なるほどね…。古式魔法が現代魔法に勝てないわけだよ。」

 

達也「それは違うぞ。…確かに発動速度の点で言ったら現代魔法に分があるが、知覚外からの攻撃、つまり奇襲力においては古式魔法に分があるんだ。」

 

幹比古「奇襲力ね、そんなことを言われるとは思わなかったよ。で、達也はどんな術式を教えてくれるんだい?」

 

達也「教えるんじゃない、アレンジするんだ。」

 

幹比古「アレンジ?」

 

達也「俺に出来るのは術式の無駄を最大限に削ぎ落として、より少ない演算量で同じ効果が得られるように組み直すことだ。」

 

幹比古「わかった。……術式はそのCADに入ってる。」

 

達也「ありがとう。」

 

リーナ「そういえば、フォーメーションはどうするの?」

 

達也「幹比古は遊撃、俺とリーナはオフェンスとディフェンスを状況に応じて切り替えていこう。」

 

「「わかったわ(了解)。」」

 

そして、達也は幹比古のCADを調整してその日を終えた。

 

CADを達也が調整している時、用具を取りに行っていたあずさは達也の常識離れした技術に、達也=トーラス・シルバーという予想が確信へと変わっていった。




次回から新人戦モノリスコードに入ります。

投票に参加してくださった皆様、本当にありがとうございます。

次のアンケートもよろしくお願い致します。


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三章 第二十五話 モノリスコード予選


そういえば、読んでて違和感があった人のために1つだけ

新人戦バトルボードに出てた筈の水波さんは新人戦クラウドボールでの疲労でリタイアしました。

(ちなみに作者は水波をクラウドボールで書き尽くした感があって、自分の作品を読み直してやっと気付きました。…申し訳ありません。)

では、予定どおり、大会九日目です。


大会九日目、新人戦五日目

 

この日は新人戦モノリスコードが行われる。

 

第一試合は延期になった一高からはじまる。

 

なお、四高は昨日のルール違反により棄権となった。

 

また、一高は四高、八高、二高、と同じグループでその上位二校が決勝リーグに進出できる。

 

最初の試合は一高VS八高だ。

 

今回の異例の事態によって、一高が残りの試合を勝つと、現在二位である二高が決勝リーグ入り出来ず、また一高が1試合負けると、今度は八百長を疑われる

 

真由美「ということで、うちが全部負ければ丸く収まるのだろうけど…。」

 

達也「関係ありませんよ。勝つだけです。…それに、将輝とは決着をつけたいと思っていたのでちょうどよかったですよ。」

 

真由美「そう、がんばってね。」

 

真由美は達也を見送って、テレビ画面に意識を向けた。

 

 

将輝「まさか本当に出てくるとは…。それよりも、男子限定じゃなかったか?」

 

真紅郎「厳密には性別の制限はないらしいよ。」

 

将輝「そうなのか…。にしても、達也とリーナか。あの最強コンビが出たらほぼ無敵じゃないか?」

 

真紅郎「達也は使える魔法が制限されてるから今の実力は将輝と比べて少し劣るくらいだから、達也と一対一なら勝ち目はあるよ。」

 

将輝「だな。とにかくまずは試合を見ようぜ。」

 

真紅郎「相手は森林戦が得意な八高……まぁ、達也とリーナの前では通用しないけどね。」

 

 

達也「(将輝と真紅郎も観戦してるのか…)…これは手を抜くのは難しいな。」

 

リーナ「ん?なにか言ったかしら?」

 

達也「いや、それよりも、作戦通りに行こう。」

 

リーナ「じゃあ私が先ディフェンスやるわ」

 

達也「了解」

 

 

試合が始まると、達也と幹比古が森に入っていった。

 

達也は木の幹の上を飛びながら高速で進んでいく。

 

そして、見付けた選手に、基礎単一系振動魔法を放ち、1人を気絶させた。

 

一方、もう1人の八高選手は耳鳴りのような不快な音に違和感を覚えつつも森を彷徨っていた。

 

しかし、一向に敵が現れない。

 

これが幹比古の精霊魔法『木霊迷路』である。

 

『木霊迷路』とは、超高周波と超低周波を交互に発信する精霊を配置し相手の三半規管を狂わせ方向を見失わせる魔法で、術者はその効果で見えなくなっている。

 

さらに、追い討ちをかけるように、幹比古は『雷童子』を的確に命中させて倒す。

 

後方では、一高モノリスをリーナが守っていた。

 

近くにはタイミングを探る八高選手の影も見える。

 

リーナはその影に照準を合わせて、基礎単一系移動魔法でその選手を飛ばした。

 

そして、そのままその選手は意識を失って倒れる。

 

そして、八高選手が全員戦闘不能になった為、試合終了の合図が出た。

 

 

将輝「手抜きが過ぎないか?」

 

真紅郎「達也は基礎単一系振動魔法、リーナは基礎単一系移動魔法。どちらも誰でも使える魔法だね。」

 

将輝「ああ。それに、極めつけは吉田幹比古だ。」

 

真紅郎「【神童】の名は健在だったね。」

 

将輝「ああ。決勝が楽しみだ。」

 

 

真由美「今の試合どうだった?」

 

摩利「戦い方に隙がない。……戦いなれてる感じだった。」

 

真由美「それって達也君は実戦経験が豊富だってこと?」

 

摩利「達也君だけじゃない、工藤もだ。」

 

真由美「…!?」

 

真由美は世界最強の戦闘魔法師の1人である千葉修次と恋人でそういう感覚に鋭い摩利の言葉に驚きを示した。

 

克人(やはりあいつは……。)

 

克人は克人で達也に対する疑惑が確信へと至っていった。

 

 

次の試合は一高VS二高である。

 

達也「幹比古、『視覚同調』は使えるか?」

 

幹比古「達也はそんなことまで知っているのかい?」

 

達也「まぁな。それよりどうだ?」

 

幹比古「『五感同調』までは無理だけど視覚と聴覚は出来るよ。」

 

達也「視覚だけでいいんだがな。…じゃあ、今回はリーナがオフェンスな。」

 

リーナ「了解」

 

一高VS二高は事故があった市街地フィールドになった。

 

試合が始まると、3人は通信機をつけてそれぞれの持ち場についた。

 

リーナ『ついたわ。』

 

幹比古『了解!』

 

リーナは誰でも使える精霊魔法『精霊喚起』を放って幹比古がその精霊と『視覚同調』をする。

 

幹比古がモノリスを探す。

 

達也は自身のモノリスに攻めてきた二高生の移動魔法を『術式解体』で破壊して、逆に二高生に高速で接近し、『幻衝(ファントム・ブロウ)』を当てて倒す。

 

達也「1人チェックした。あと2人だ。」

 

『『了解』』

 

リーナはモノリスを探しつつ、敵を撹乱するために建物と建物の屋上を飛び越えながら進んでいた。

 

幹比古『見付けたよ、場所は―』

 

リーナ「わかったわ。」

 

リーナは指定された場所の1つ上の階から解除用無系統魔法を放ち、モノリスを開ける。

 

すると、その魔法を知覚して二高ディフェンスがリーナに迫る

 

二高選手は『鎌鼬』で風の刃をリーナに飛ばす

 

それをリーナはもともとの身体能力でかわす

 

その隙に、幹比古が精霊を介してモノリスのコードを打って、試合が終わった。

 

試合を見ていた達也達の協力者である独立魔装大隊の軍医山中少佐と副官藤林少尉はこの試合を見ていた

 

「達也のやつ、手抜きが過ぎないか?……基礎単一系の系統魔法と威力の弱い『幻衝』だろ。」

 

「『分解』はうちと四葉とスターズが隠してる軍事機密指定魔法ですし、『精霊の眼(エレメンタル・サイト)』は使ったらまず怪しまれるでしょう。まぁ、『精霊の眼』に関しては第六感と言えば怪しまれはしないでしょうけど」

 

「一般人相手ならだけどな。…しかし、あちらの御老人には通用しなさそうだけどな。」

 

「その心配はございませんよ。お爺様は達也君の魔法を知っていますから問題ありません。」

 

「にしても、問題は【星妃】…シリウスの方だ。」

 

「リーナちゃん…あんなに出来たのね」

 

「基礎身体能力は達也と変わらないのか…さすがはシリウスの称号を受けしものだな。」

 

「これにはお爺様も大喜びでしょうね。」

 

「やはり孫を持つと孫の成長を楽しむものなのかな」

 

「さぁ、私には子供すらいませんからわかりませんよ。」

 

「まぁ、軍属でいる間は子供なんて出来ないもんな。しょうがない。」





次回は準決勝からです。

……そして、バトルボードの件は本当に申し訳ありませんでした。

では、また次回。


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三章 第二十六話 将輝の独壇場

予選が終わり、決勝リーグに進出したのは一高、三高、八高、九高の四校となった。

 

そして、準決勝では、一高と八高、三高と九高がそれぞれで試合をしていた為、第一試合三高VS八高、第二試合一高VS九高で行われることになった。

 

ほのか「達也さん達は、この後も試合ですが見に来てて大丈夫なんですか?」

 

達也「問題ないよ。将輝の試合は見ておかないといけないからね。…それよりも、水波はもう大丈夫かい?」

 

水波「はい。お騒がせしました。…来年こそはバトルボードの優勝を確定させたいと思います。」

 

エリカ「だってさ、ほのか。…このままじゃあ、来年水波に優勝とられちゃうよ?」

 

ほのか「私だって負けないもん。」

 

深雪「水波ちゃんはほのかっていうライバルが出来たようね。」

 

達也「だな。」

 

リーナ「そろそろ始まるわ。」

 

三高と八高の試合では、将輝が単騎突破を狙うように、堂々と歩きながら進軍していた。

 

将輝に対する魔法攻撃は『干渉装甲』で防いでいく。

 

達也「『干渉装甲』か…。移動型魔法防御は十文字家のお家芸な筈なんだが…。」

 

さらに、将輝は圧縮した空気弾を放つ

 

達也「『偏倚解放』か…。『圧縮解放』を使えばいいものを…。あいつ、手抜きが過ぎんだろうが。」

 

深雪「お兄様、『偏倚解放』とはどのような魔法なのでしょうか?」

 

達也「収束系魔法『偏倚解放』…空気を圧縮し破裂させ爆風を一方向に当てる魔法だ。しかし、威力をあげるなら空気の量を増やして爆発を大きくした方がいいし、方向を限定するなら圧縮した空気を直接当てた方が効率がいいっていう、メリットよりもデメリットの方が多い魔法だ。」

 

リーナ「将輝ったら、遊んでるわね。」

 

達也「力がありすぎるのにも困ったもんだな。」

 

深雪・水波「「お兄様(達也兄様)は人のこと言えません。」」

 

達也「そ、そうなのか?」

 

達也達が話している隙に、将輝が三人を倒して、決勝進出を決めた。

 

幹比古「一条選手の独走状態のせいでほかの人の魔法がわからないな。」

 

達也「もう1人ならわかるぞ。…吉祥寺真紅郎。【カーディナル・ジョージ】と呼ばれた彼奴は〈基本コード(カーディナル・コード)〉の1つ加重系プラスコードを発見した。そして、出場した競技は新人戦スピード・シューティング。……つまり、得意魔法は『不可視の弾丸(インビジブル・ブリッド)』だ。」

 

幹比古「聞いたことある名前だと思ったらあの人が【カーディナル・ジョージ】だったのか。」

 

達也「『不可視の弾丸』は相手を視認しなければならないと言う欠点はあるが、情報強化では防ぐことができないと言ういい面もある。」

 

幹比古「どうやって防ぐの?」

 

達也「ちゃんと用意はしてるよ。…さて、次は俺達だな。…それと今回、リーナには使ってもらいたいやつがある。」

 

リーナ「何よ、それ。」

 

レオ「ああ、アレか。」

 

エリカ「何であんたが知ってんのよ。」

 

達也「レオには実験に手伝ってもらってたんだよ」

 

 

―遡ること四日前―

 

達也が将輝達に飛行魔法を体験させる前

 

達也は新発田勝成によって届けられたとあるCADを実験するべく、とある人を呼んだ。

 

それこそが―

 

レオ「呼んだか、達也。」

 

レオだった。

 

達也「よく来てくれたな、レオ。…っと、そういえば、紹介してなかったから紹介すると、この人は俺の再従兄に当たる新発田勝成さんと、その横にいるのがその婚約者の堤琴鳴さんだ。」

 

勝成「新発田勝成です。よろしく。」

 

琴鳴「堤琴鳴です。よろしくお願いします。」

 

レオ「た、達也の友人の西条レオンハルトです…。よ、よろしくお願いします。」

 

達也「早速だが、レオに試してもらいたいものがあるんだよ。」

 

達也は細長く薄い箱をレオに渡した。

 

レオ「これは?」

 

達也「バトルボードで摩利さんが使っていた移動魔法と硬化魔法のマルチキャストがあったろ?…その技術を参考にして作ってみた。」

 

ちょうど説明書を読んでいたレオは達也の説明も含めて自分が呼ばれた理由がわかった。

 

レオ「なるほどな。確かに俺にピッタリだ。いいぜ、その実験協力してやる。」

 

箱を開けて出たのは板状の剣のようなものだった。

 

達也「硬化魔法の定義は自身を固くするのではなく、魔法を行使する対象物から、そのパーツ、つまり特定情報を持つ物体の相対座標を固定する魔法だ。」

 

レオ「それはわかるぞ、得意範囲だからな。」

 

達也「その武装一体型CAD〈小通連〉は、頭身を2つに分離して柄の部分と飛ばした頭身の相対位置を硬化魔法で固定する仕組みになっている。」

 

勝成「硬化魔法でそんなことが…さすが自慢の弟だ。」

 

琴鳴「さすがですね。」

 

達也「どうだ?試してみたくなったか?」

 

レオ「ああ。やってみたくてうずうずしてるぜ。」

 

レオは取り出したCADを起動させた

 

すると、頭身と柄の部分が分離して頭身が上に飛んだ。

 

レオ「すげ~、浮いてら~」

 

達也「――3、2、1、0。」

 

達也の0と言う合図と共に飛んでいた頭身が戻り、元の形に戻った。

 

レオ「おっと。完璧だな。」

 

達也「成功だ。…このCADは頭身を飛ばすんじゃなくて伸ばすイメージだ。…さて、実際に使ってみようか」

 

達也は端末を操作して練習用の的を出した。

 

達也「これって…」

 

レオ「誰の趣味だよ…。」

 

出てきた的はなんと、藁人形だった。

 

レオは藁人形に的確に攻撃を当てていく

 

勝成「彼すごいね。硬化魔法を完全に理解している。」

 

達也「ええ。逸材ですよ。彼は魔法なしの歩兵戦ならば第一高校では負けなしでしょうね。」

 

レオ「成功だな、達也。」

 

達也「ありがとうレオ。お陰でこのCADの実戦データも録れた。」

 

――――――――――――――――

 

達也「―ってことがあってな。」

 

レオ「俺が実験に協力したんだ」

 

エリカ「へぇ~、そんなことがね。何で私は呼ばなかったの?」

 

達也「そのCADは硬化魔法を主としてあるからな。この中で硬化魔法に一番優れているレオにしたんだ。」

 

リーナ「なるほどね。後で使い方教えてね。」

 

達也「もちろん。」




次回は一高VS九高を速めに終わらせて達也VS将輝の第二ラウンドを始めたいと思います。

では、また次回


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三章 第二十七話 決戦前の一幕

一高VS九高は渓谷ステージになった。

 

試合が始まると、湖が霧で覆われた。

 

しかし、これは自然現象ではない。

 

『霧壺』

 

幹比古の使った古式魔法で、指定した範囲の飽和水蒸気量に関係なく霧を発生させる魔法である。

 

達也「リーナ」

 

達也は手をリーナに出す。

 

リーナは達也の手を取る。

 

そうすると、リーナは達也の視野を得た。

 

達也の『精霊の眼(エレメンタル・サイト)』は達也の特殊な目だが、相手に自分の想子を流すことで、自身の視野を相手に共有することができる。

 

リーナはその確認した視野で武装一体型CAD『小通連』を起動して2人倒す。

 

2人を倒したことで、達也がリーナから離れ、相手のモノリスを解除する。

 

そして、幹比古が精霊を使ってコードを入力して試合が終了した。

 

試合が終わってから少し経った後、達也の姿は入り口前にあった。

 

響子「お待たせ。」

 

達也「ありがとうございます。」

 

響子「何が入ってるの?」

 

達也「これはですね、魔法の効果が入りやすくなる魔法陣を織り込んであるんです。」

 

響子「なるほどね。…決勝は将輝君が相手だから今までのようには行かないと思う。……だけど、負けないでね?」

 

達也「もちろんです。……それと、実はお願いがありまして、〈無頭龍(ノー・ヘッド・ドラゴン)東日本支部〉の場所を調べてください。」

 

響子「もう既に聞いてるんじゃないの?」

 

達也「もしかしたら移動してる可能性があるので。」

 

響子「一日頂戴。調べてくるから。」

 

達也「ありがとうございます。」

 

響子「じゃあね、試合頑張ってね。」

 

達也「はい!」

 

――――――――――――――

決勝戦は一高VS三高、会場は草原フィールドになった。

 

真由美「もう、新人戦の優勝は確定したから別に無理に勝たなくてもいいのよ?」

 

達也「関係ありませんよ。将輝には勝ちます。…その後のやつは貴女方十師族がやってくれるのでしょう?」

 

克人「もちろんだ。お前を十師族のことには巻き込まん。…何か言われても俺が責任取る。」

 

達也「その言葉忘れないでくださいね?」

 

真由美「決勝は草原フィールドだけど、勝ち目あるの?」

 

達也「将輝は先ほど俺に対して挑発してきたのでそれに乗れば勝ち目はありますよ。…真紅郎の魔法もわかりますし、問題はないでしょう。」

 

克人「風間。今は試合のことだけを考えろ。後の事は考えるな。」

 

達也「…後処理はお願いしますね。」

 

達也はそのままテントを出ていった。

 

真由美「どう思う?」

 

克人「今までの動き方や戦術。プロ顔負けの調整技術。それに一条や吉祥寺、一色といった二十八家の関係者との友好関係を持つ。…そして、工藤はあの九島家(・・・)を思い浮かばせる。風間もそうだが工藤も隙がない……怪しいな。」

 

真由美「……!?それはあの2人が十師族の関係者だと思っているの?」

 

克人「その可能性は無いとは限らない。」

 

真由美「そう…。そういえば、家の情報網で調べても目立った物は何も出なかったわ。」

 

克人「そうか…。」

 

真由美「これは師族会議が荒れるわね。」

 

 

一方、達也と将輝の試合を観戦しようとVIP席に座っていた九島烈はとある女性と会っていた。

 

烈「まさか君自ら会いに来るとはね。それほどまでに達也君の事が心配なのか?真夜」

 

現在、達也の事を知っているのは二十八家の中でも、一条家、一色家、四葉家、七宝家、そして九島家(九島烈のみ)である。

 

真夜「もちろんですわ、先生。何せ、達也は私の息子ですし、リーナちゃんは娘になるのですよ?」

 

烈「そうだな。それよりも、達也は面白いな。…渡米させたことを惜しく感じるよ。」

 

真夜「それは同意見ですが、ああでもしないと家の馬鹿達がうるさいので、それに海外なら襲われる心配もありませんから。」

 

烈「そうだね。にしても、達也君と将輝君か。どっちが勝つかね?」

 

真夜「例え、力を制限されていても達也なら勝てますわ。…氷柱倒しは惜しくも引き分けでしたが、これなら達也に軍配があがりますわ。それに、達也にはこっそりとメールでばれない程度に本気を出しても構わないと送りましたし。」

 

烈「それは楽しみだね。」

 

――――――――――――――――

 

幹比古「ねぇ、達也。これ本当に着るの?」

 

幹比古が達也の渡したマントに愚痴を溢す。

 

達也「使い方は教えたはずだが?」

 

リーナ「達也だけずるいわ!」

 

もちろん、リーナも着ている。

 

達也「前衛の俺がそんな動きづらい物を身に付けるとでも?」

 

幹比古「達也め…。(魔法がかかりやすいな。)」

 

達也「さて、始めようか。(母上から全力でやれと許可は得てるからな。悪いがこの試合勝たせてもらうぞ。)」

 

一方で将輝の方も達也の用意したマントに疑問を抱いていた。

 

将輝「はったりか?」

 

真紅郎「達也に限ってそれはないだろうけど…。もしかしたら『不可視の弾丸(インビジブル・ブリット)』の対策か?」

 

将輝「確かに、達也はジョージの事をよく知っている。ただ…よくわからないな。」

 

真紅郎「そうだね。それに、布切れ一枚に防がれるような柔な魔法じゃないからね。新人戦優勝は取られたけど、モノリスの優勝くらいは持って帰ろうか。」

 

将輝「そうだな。」

 

試合が始まると、将輝が紅い特化型CADを取り出して『偏倚解放』を放つ。

 

達也はそれを、白銀の特化型CADを取り出して『術式解体』を放って、それを無効化する。

 

達也はもう1つのCADを取り出して、将輝に向けて『雷光』を放つ。

 

しかし、それは将輝の『干渉装甲』に防がれる。

 

会場が観客の声援で包まれる。

 

今、達也と将輝の第二ラウンドが始まった。




何で、達也の事を七宝家が知っているのかはいずれ出します。

新魔法『雷光』は放出系魔法『スパーク』のダウングレード版の、少し単純な魔法です。

詳細は雷を光の速さで相手に撃ち込むだけの魔法です。

この魔法には同じような魔法である『流星群(ミーティア・ライン)』の用に障壁を貫通する…何て事はございません。

次回はモノリス決勝だけで終わると思います(たぶん)。

では、また次回。


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三章 第二十八話 決戦!【星王(達也)】VS【血濡れの王子(将輝)

達也と将輝の一騎討ちは見方によっては互角に見えているだろうが、実際は達也の方が押されていた。

 

将輝は『干渉装甲』による完全ガードに『偏倚解放』という攻撃をスムーズに行えているのに対して、達也は放たれる魔法を『術式解体』で破壊して、攻撃に『雷光』を放つというなんとも非効率な戦い方をしているので将輝の方が若干有利であった。

 

達也「まずいな…。やむを得ないか。」

 

達也は『術式解体』に使っていたCADをしまって意識を集中させる。

 

達也の周りに高密度の想子が集まる。

 

これは鋼の特徴でもある【レンジ・ゼロ】の由来になった力だ。

 

鋼は放出される筈の想子が離れないために、全身を高密度な想子で覆われている。

 

言わば、『接触型術式解体』というやつである。

 

それを達也はやってのけたのだ。

 

そして、将輝の放った圧縮空気弾が達也に当たる直前に霧散した。

 

将輝「なっ…!?」

 

油断したところで『雷光』を放つが、さすがは実戦経験済み魔法師。すぐさま気を取り直して

 

一方で、真紅郎もとうとう動き出した。

 

それを確認した達也は横で止めてくれるリーナ達を信頼して、自身は将輝に一点を集中させた。

 

――――――――――――――

 

真紅郎は遠回りで一高モノリスに向かっていった。

 

将輝と達也の実力が拮抗している事も理解しているから将輝は達也にかかりっきりになる。だから、勝つためには自分がモノリスに進んでいかなくてはならない。

 

しかし、それは2人の選手によって止められた

 

真紅郎「リーナ!!ディフェンダーの君がどうして!?」

 

真紅郎はリーナに『不可視の弾丸』を放つ

 

が、その『不可視の弾丸』はリーナを通り過ぎた。

 

真紅郎「何!?(そうか、リーナは九島の家系。『仮装行列(パレード)』を使えていてもおかしくない)」

 

真紅郎は狙いを幹比古に向けて『不可視の弾丸』を放った。

 

しかし、それは幹比古が増えることで防がれた。

 

真紅郎「幻術!?…さすがは達也の仲間だね。」

 

「吉祥寺、避けろ!!」

 

真紅郎は味方の声に反応してリーナの『クラッシュ』を移動魔法で回避した。

 

さらに、幹比古が攻撃しようとすると、横から大量の圧縮空気弾が飛んできた。

 

それに、幹比古とリーナは巻き込まれた。

 

真紅郎「将輝!?…(まずい、これでは達也に隙を…)」

 

――――――――――――――――

 

達也は将輝が真紅郎を援護したのを確認してその隙に距離を縮めることにした

 

将輝「これで、3対1だ。達也!?(速い!!)」

 

将輝は達也の一瞬出した殺気に呑まれてレギュレーション違反の威力を込めた魔法を放つ。

 

将輝(まずい、達也、頼む、全て破壊してくれ。)

 

達也「条件反射で咄嗟に魔法を起動か…。さすがは実戦経験済み魔法師だ。(…しかし、数が多い。やむを得ないか。)」

 

達也は打ち出された魔法を『精霊の眼(エレメンタル・サイト)』と『術式解体』で破壊していく。

 

破壊が間に合わないやつは体術でよけていく。

 

しかし、それでも2つ間に合わず直撃した。

 

一高テント、観客席、三高の愛梨達から悲鳴が聞こえる。

 

【肋骨骨折 肝臓血管損傷 出血多量を予測】

【戦闘力低下 許容レベルを突破】

【自己修復術式/オートスタート】

 

【魔法式/ロード】

【コア・エイドス/バックアップよりリード】

【修復開始―完了】

 

達也は倒れたと知覚した時には既に、『自己修復術式』が発動していた。

 

将輝は達也を殺ってしまったという事で棒立ちになっていた。

 

達也は起き上がって将輝に言った。

 

達也「将輝は、俺のもう1つの魔法を忘れてないか?」

 

達也は放出系魔法『スパーク』を放って、将輝を打ち倒した。

 

これによって、達也と将輝の勝負は達也が勝ったことになった。

 

一高テント

 

真由美「何、今の?」

 

鈴音「放出系魔法『スパーク』で一条選手を倒したのでしょう。」

 

真由美「そんなことは見てわかるわよ!!…何で…何で大怪我を負った筈(・・・・・・・・)の達也君が起き上がって魔法を放てるのよ!!」

 

その質問に答える人は…いや、答えられる人はいなかった。

 

克人「七草、俺達が知ってる事が全てではない。…風間はそういう受け流す技術に長けていたのであろう。」

 

真由美「そう…ね。ごめんなさい、取り乱したわ。」

 

克人「……これは師族会議が荒れるな。」

 

 

真紅郎はこの状況に絶句していた。

 

将輝のあのレギュレーションを超えた攻撃にも驚いたが、真紅郎は達也の『再生』を忘れていたのだ。

 

「後ろだ!!吉祥寺!!」

 

真紅郎「なっ!?」

 

そこには倒れた筈の幹比古がCADを構えている所だった。

 

幹比古(やったんだね、達也。達也が【血濡れの王子(クリムゾン・プリンス)】を倒したのなら僕は【カーディナル・ジョージ】を倒して見せる。)

 

幹比古は大型端末型CADを取り出して、5つの魔法の起動式を立てた。

 

『地鳴り』『地割れ』『乱れ髪』『蟻地獄』『雷童子』

 

5つの知らない(真紅郎にとって)魔法によって真紅郎は意識を手放した。

 

「このやろう!!」

 

もう1人の三高選手である中野選手が『陸津波』で幹比古を倒そうとする。

 

幹比古(達也、僕の力を取り戻させてくれてありがとう。)

 

しかし、その攻撃は届くことはなかった。

 

すぐに、幹比古の目の前に展開された『障壁魔法』で『陸津波』が防がれた。

 

そのままリーナは『クラッシュ』で中野選手の足下を崩して、気絶させる。

 

そして、三高選手全員が倒れた為、試合終了の合図が鳴った。




達也と将輝の勝負を書き終えたので、

次回はこの続きと翌日を書きます。

では、また次回。


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三章 第二十九話 裏切り者の正体と手口

試合を終えた達也達は3人で集まっていた。

 

達也「お疲れ様、2人とも。」

 

リーナ「ふぅ、疲れたわ。」

 

達也「さて…!?(この気配は!?まさか)」

 

幹比古「ん?達也、どうしたんだい?」

 

達也「い、いや。なんでも。ちょっと、俺は早く戻るな。」

 

そのまま達也は試合の疲れを感じさせない程高速で動き出した。

 

着替えを高速で終えた達也はそのまま目的の人物の所まで急いだ。

 

そして、その反応のあった部屋の前までついて扉を開けた。

 

達也「失礼します……母さん!!」

 

真夜「た、達也!?なんでここに」

 

烈「家族で積もる話があるだろうから邪魔物は退散するよ。」

 

真夜「別にいてくださっても構わないのですよ、先生。」

 

そして、達也は烈と真夜の3人で仲良く話を募らせた。

 

話も終わった後、達也は一高テントに来ていた。

 

真由美「達也君、話があるのだけど。」

 

達也「教えられる範囲までなら教えられます。」

 

真由美「貴方は何時九島閣下と知り合ったの?」

 

達也「どういう意味でしょうか?」

 

真由美「貴方が九島閣下と話しているところを見たと言う子がいてね。気になったのよ」

 

達也「さぁ、なんででしょう?…そんなしょうもない事を聞くためにわざわざ呼び出したんですか?…飛んだ拍子抜けですね。十師族だからって何でも聞いて答えが返ってくると思わないでくださいよ。…では、失礼します。」

 

達也はその場の空気を悪くして立ち去った。

 

真由美「何者なのよ…達也君は…。」

 

真由美の呟きは聞こえてないふりをして。

 

この日で新人戦も終わり、翌日から本戦に戻った。

 

翌日、達也は深雪といた。

 

達也「今日は最高のミラージ・バット日和だが、なんか嫌な予感がするな。」

 

深雪「まだなにか起こるのでしょうか?」

 

達也「わからないな」

 

その後、ちょうど試合に出る小早川のCADの検査を終えた平川小春に遭遇した。

 

達也「あ、平川先輩、唐突で悪いのですがCADを見せていただけませんか?」

 

小春「え?いいけど」

 

達也(なるほど、そういうことか)

 

達也はそのCADの異常な部分だけを破壊して、小春に返した。

 

達也「ありがとうございます。」

 

小春がなにも聞いてこなかったのはいい意味でよかったかもしれない。

 

その後、小早川は緊張で3位になってしまった。

 

小早川の試合も終わり、達也は深雪のCADを検査に出しに行った。

 

自分の番になり、検査装置にCADをおいて、検査を始めると、何か(・・)がCADに侵入した。

 

達也はそれを感知すると同時にその検査員を叩き出して床に倒して、膝で押さえた。

 

「なめられたものだな、検査装置で何を仕組んだ。只のウイルスではないだろう?」

 

取り押さえられた大会委員の男は達也の殺気に動けなくなっている。

 

それは回りも同じで、騒ぎを聞き付けた警官でさえも、達也の殺気に動けずにいる。

 

九校戦に参加している魔法科高校生は完全に尻餅をついてしまっている。

 

「…なるほど、そういうことか。この方法ならばれずにCADに細工を施せるな?…大会で使用するCADは検査装置のアクセスを拒めないからな。」

 

その言葉に達也を捕らえようとした警備員の男に対する目が被害者を見る目から加害者を見る目に変わる。

 

「今までの事故、全てがお前の仕業だとは思わん。…後ろにいるのは誰だ?お前に指示を出したやつは!!」

 

男はただただ首を横に降るだけだった。

 

「言いたくないか?…なら、楽に逝かせてやろう。」

 

達也の手刀が首筋を狙う。

 

それに伴う殺気に周りはこのままこの男の息の根を止めるだろうと思った。

 

しかし、手刀はとある男の乱入で振り落とされなかった。

 

「何事かね?」

 

とある男―九島烈によって

 

「九島閣下」

 

「誰かと思えば達也君ではないか。昨日の試合は見事だったよ。まぁ、君なら当然だろうけどね。」

 

「ありがとうございます、先生。俺がここまで出来たのは先生のお陰ですよ。」

 

周りは達也と烈が実は知り合いと言う点に驚いていた。

 

「お世辞も上手くなったようだね。…さて、何があったのかね?」

 

「当高の選手の使用するCADに不正工作があったことが発覚しましたので捕らえたのち尋問を」

 

周りは嘘だと思ったが言わなかった。…否、言えなかった。

 

烈は黙って不正工作のあったCADを確認する。

 

「なるほど、確かに異物が紛れ込んでいる。…これは電子金蚕だな。私が現役だった頃に流行った物だ。…CADのシステムに侵入して狂わせるSB(スピリチュアル・ビーイング)魔法。…我々もこれの正体がわかるのに苦労させられたものだ。……達也、君はこれを知っていたのか?」

 

「いえ、電子金蚕という名前は始めて聞きました。…が、自分が一から組み立てたシステムに何かが侵入したのは理解しました。」

 

「なるほどね。では、君はこの術式をどこで手に入れたんだい?」

 

烈の笑顔は歴戦の英雄が見せるような笑顔だった。

 

そして、烈の連れの警備員が男をつれて出ていった。

 

「大会委員に工作員が出るとは嘗て無いほどの不祥事。…言い訳はきかせてもらうぞ。」

 

大会委員長の顔が青ざめていく。

 

「さて、達也君。CADは予備を使うといい。…他にもまだ検査していない子はいないかね。私が確認しよう」

 

改めて達也はこの国の魔法師界を牽引する烈に対してまだまだ敵わないなと思った。

 

 





次回は本戦ミラージ・バットです。

ちなみに、書いていないだけで無頭龍はしっかりと悪巧みしています。



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三章 第三十話 ミラージ・バットと飛行魔法

達也が一高テントに戻ると、案の定達也を見る目がおぞましいものを見る目になっていた。

 

深雪「お兄様!!」

 

達也「深雪」

 

深雪「お兄様が検査装置の所で怒ったのは…私のためですよね。」

 

達也「まぁな。今までの事故なんかよりも断然腹が立ったな。」

 

深雪「そう…ですか。」

 

達也「俺はどんなことがあっても深雪の味方だ。…だから、このくらいは普通だよ。あれでもまだ全然本気じゃないからね。…殺気で威嚇しただけですんだことを感謝してほしいな。」

 

深雪「……お兄様の殺気は本気でなくとも、辛いと思いますが…」

 

達也「あんなもの、只の序の口に過ぎないさ。…さて、予備のCADを用意するからついてきてくれ。」

 

深雪「はい!!」

 

真由美「なんだ、一高生徒が暴れたって聞いて驚いたけど、妹に危害を加えられて怒った兄ってことね。…なるほどね。」

 

達也「……。さて、行こうか。」

 

達也は真由美を無視してテントの奥にあるCADの調整台に深雪と2人で籠った。

 

深雪のCADを調整中、真由美の『マルチ・スコープ』の反応があったので認識阻害魔法と視覚遮断障壁、さらに会話の内容がばれないように遮音障壁魔法まで使って完全に防いだ。

 

達也「さて、深雪。…こっちのCADの調整は既に済んでいて、検査も終わっている。だから、使いたくなったら言ってくれ。」

 

深雪「わかりました。……一色さんも使ったことがあるのですよね?」

 

達也「ああ。だから、決勝まで深雪が使わなければ愛梨は飛行魔法を使うことができない。…まぁ、俺的には飛行魔法を使っても使わなくてもお前が勝つと思うけどな。」

 

深雪「お兄様の調整さえあれば、深雪は無敵です!!相手なんて返り討ちにして見せます!!」

 

達也「その意気だ。」

 

達也が深雪を伴ってテントの作業場から出た時に真由美に睨まれたがそれを見なかったふりをしてテントを後にして試合会場に向かった。

 

真由美「達也君のバカ……認識阻害魔法だけじゃなく視覚遮断障壁魔法まで使ってくるなんて!!…それに、私のことを無視して、許さないわよ、達也君!!」

 

達也のいなくなったテントには真由美の愚痴が木霊した。

 

そして、真由美の愚痴を聞いていた人は真由美の『マルチ・スコープ』を完全に封じた達也に心の中で拍手を送っていた。

 

そういう方法で防げるのか…と。

 

深雪の試合は『跳躍』のスペシャリストと呼ばれている二高選手の巧みな作戦に翻弄されて深雪は思った以上に点を伸ばせなかった。

 

そして、最終ラウンドの始まる前、深雪は遂に決意する。

 

深雪「お兄様、アレ(・・)を使わせていただけませんか?」

 

達也「いいのか?あれは決勝の保険だったはずだが」

 

深雪「決勝では、手の内を見せた状態で勝ちたいのです。」

 

達也「…はぁ、わかったよ。さっき言った通り調整も検査も終わっている。……行ってこい!!」

 

深雪「はい!!」

 

深雪は先程、達也から受け取ったとあるCADを持って舞台に上がった。

 

雫「あれ?深雪のCADが変わってる」

 

ほのか「深雪、アレを使うのね。」

 

エリカ「アレ?」

 

リーナ「達也が深雪の為に用意した秘密兵器よ。」

 

水波「見たら誰でも驚くと思います。…そして、この中なら深雪姉様にしか使いこなせない魔法です。」

 

 

真紅郎「あのCAD…なるほど。奥の手を出してきたわけだね。」

 

将輝「まさか、アレか?」

 

愛梨「司波深雪…、相手にとって不足はないわ!!」

 

 

試合が始まると、深雪以外の(・・・・・)選手が魔法を発動する。

 

そして、少し遅れて深雪が魔法を発動する。

 

すると、深雪の体が宙に浮く。

 

深雪は空中で止まって見せた。

 

それから、空中を泳ぐように飛び回り、得点を重ねていった。

 

「まさか…飛行魔法!?」

 

「嘘だろ!?…先月発表されたばかりの魔法だぞ!!」

 

「レギュレーション規定違反なんじゃ…でも、使ってるってことは規定以内ってことか?」

 

そして、試合が終了すると、深雪がトップで勝ち抜けた。

 

 

その試合が終わった時、とある男の体が急に動き出した。

 

その男が受けた命令は客の殺害

 

その男はたまたま目の前を通りかかった観客を殺害しようと手刀を繰り出した。

 

しかし、それは防がれて、気付くと、会場の外に投げ出されていた。

 

咄嗟に衝撃緩和の術式を自身にかけて着地する。

 

そして、目の前には自身を飛ばした相手―柳連が地面に手もつかずに着地していた。

 

「お前何者だ?いや、答えたくても答えられないか。…その動き、強化人間か。」

 

「質問をしたのは君だよ?…それに、同じ高さから飛び降りて、手もついていない君には言われたく無いんじゃない?」

 

「真田…。答えを期待しての問いではない。」

 

男に理性があれば逃げると言う選択を取れただろうが、その強化人間―ジェネレーターは組織の命令に対して忠実に動く。

 

よって、逃げ出しはせず、先程の観客()に襲いかかる。

 

柳はその男の額に手を当てて、それに力を入れてもとの位置へと飛ばした。

 

「いつ見ても綺麗だね。…『(まろばし)』の応用かい?」

 

「何度も言ってるだろうが、『(まろばし)』じゃなくて『(てん)』だ。…とにかく捕らえるのを手伝え。」

 

「もちろん、と言いたい所だけども既に藤林君の『避雷針』で捕獲済みだね。」

 

そのジェネレーターを捕らえた藤林響子は呆れながらも2人に話しかける。

 

「本当にお二人は仲がいいのですね?」

 

「藤林。お前、目はいいはずだよな?」

 

「感受性の問題かな?…いい医者を知ってるけど、紹介しようかい?」

 

「ほら、意気ぴったりじゃないですか。」

 

ジェネレーターは3人の軍人によって捕らえられた。

 

その後、響子は達也にこの事についての暗号メールを送った。




次回は達也がついに〈無頭龍〉を潰しに行きます。

そして、決勝戦で深雪VS愛梨をお楽しみにしてください。

では、また次回。


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三章 第三十一話 空飛ぶ選手達と暗躍する達也

達也は試合終わりに大会委員に呼び出されていた。

 

理由は他校から飛行魔法が本物なのかという疑問や、飛行魔法は反則ではないのか?といった声が出た為に、検査するから、だそうだ。

 

そして、飛行デバイスが返ってきたのは試合が始まる2時間程前だった。

 

達也(競技用飛行デバイスのコピーでもしたのか?…まぁいい、他校の選手が飛行魔法を使った瞬間に深雪と愛梨の一騎討ちが確定するからな。)

 

すると、達也の端末に連絡が入る。

 

相手は響子で独立魔装大隊で使われている暗号を利用した暗号メールだった。

 

内容はジェネレーターを使用した大量殺戮を〈無頭龍〉が行ってきて、それを阻止したという内容だった。

 

達也(本当に救いようのない連中だな。…決めた。今日の夜決行しよう。)

 

達也は響子に今日〈無頭龍〉に襲撃をかけることを暗号つきメールで伝えた

 

 

本戦ミラージ・バット決勝

 

決勝は達也の予想通り、飛行術式のリークがあった。

 

達也(飛行術式は誰でも使える(・・・・・・)が、誰もが同じように使えるわけではない。…この試合、深雪の勝ちは決まったな。)

 

7人の選手が試合開始の合図で飛行魔法を起動して宙に浮いた。

 

試合が始まって約15分後、1人の選手が疲労と想子不足で術式の制御が崩れ、落下した。

 

しかし、それは飛行魔法に組み込んである安全装置によって事故を免れた。

 

達也(どうやら、術式自体は変えてないみたいだな。…これで飛行術式の安全性が保証された。)

 

その後、どんどんと脱落していき、残りが深雪と愛梨だけになった。

 

深雪(なんて鋭い演技なの!?)

 

愛梨(なんて華麗な演技なの!?)

 

((でも、私は負けない!!))

 

愛梨は自身の限界を感じ、飛行魔法の使用をやめて跳躍に切り替えた。

 

そして、試合が終わると、勝ったのは――深雪だった。

 

愛梨は疲れきって落下する。

 

それを深雪が止める。

 

深雪「貴方はこんなところで倒れていい人じゃないわ。」

 

愛梨「…ありがとう。司波さん」

 

深雪「深雪でいいわ。」

 

愛梨「分かったわ。私のことも愛梨でいいわよ。」

 

深雪「楽しかったわ、愛梨。またやりましょう?」

 

愛梨「ええ。」

 

 

―――――――――――――――

 

優勝が決定して、立食パーティーをしていた一高だが、達也がいなかった。

 

真由美「達也君は?」

 

深雪「お兄様は疲労で休んでおります。」

 

真由美「そう。」

 

しかし、達也は疲労で休んでいた訳じゃなかった。

 

達也「お待たせしました。藤林少尉(・・・・)

 

響子「大丈夫よ。じゃあ、行きましょうか。中佐殿(・・・)

 

そのまま達也と響子は車を走らせた。

 

ついたのは横浜だった。

 

達也達は横浜ベイヒルズタワーに向かった。

 

達也「鍵がかかっているようですね。」

 

響子「まかせて。」

 

響子が魔法を発動すると、鍵が開いた。

 

達也「さすがは【電子の魔女(エレクトロン・ソーサリス)】ですね。」

 

響子「おだてても何にもでないわよ?…有線の方は真田大尉が処理済みだから、好きなだけやっていいわ。」

 

達也「ありがとうございます。」

 

―――――――――――――――

 

横浜中華街にあるホテルには客には伝わっていない部屋がある。

 

そこでは、4人のジェネレーターに守られた5人の男達がいた。

 

「まずい、早く極秘手帳だけでも持ち出せ!!」

 

「くそ、日帝軍の特殊部隊がしゃしゃりでおって!!」

 

「それよりも、あの餓鬼の始末だ。」

 

「風間達也といったか?何者だ?」

 

「それが、目立った情報がなかったらしい。」

 

「意図的に削除されたのか?」

 

「何者だ?」

 

すると、一体のジェネレーターが霧状になって消える。

 

そして、2体程消されたあと、電話が掛かってきた。

 

『Hallo No Head Dragon 東日本支部の諸君。』

 

聞こえてきたのは若い男の声だった。

 

―――――――――――――――

 

達也はその状況を『精霊の眼』で確認していた。

 

達也「夜逃げ…ですか。」

 

響子「今回の賭で相当な赤字になったからよ」

 

達也はその空間を守護するフィールドを壊してから手始めにジェネレーターを一体消した(・・・)

 

響子「『トライデント』身の毛がよだつとはこの事を言うのね。」

 

達也はそのまま通話を始めた。

 

「Hallo No Head Dragon東日本支部の諸君。」

 

『何者だ?』

 

「富士では世話になったな。ついてはその返礼にきた。」

 

そのままさらにもう一体ジェネレーターを消す

 

『14号、どこからだ!!』

 

そして、そのジェネレーターが指したのは横浜ベイヒルズタワーだった。

 

『何!?14号、16号、やれ!!』

 

『無理デス、届キマセン。』

 

『いいからやれ!!』

 

「やらせれると思うか?」

 

そのまま残り2体のジェネレーターを消す。

 

「人に言う前に自分でやったらどうだ?…まぁ、やらせる気は無いが。」

 

そして、男がライフルのスコープで達也を視認すると、達也が微笑んだ。

 

次の瞬間、レンズは分解されて片目を破壊された。

 

また、1人の男が組織に連絡をいれようとするが、

 

「無駄だ。この中で会話が出きるのは俺だけだ。」

 

『どうやって…!?』

 

「電波を収束した。どうやってかは貴様らが知る必要はない。……さて、本番だ。」

 

達也が思考一体型CADを起動すると、男達のいる場所が『夜』に包まれる。

 

『ま、待ってくれ。』

 

「何だ?」

 

『もう、九校戦には手出ししない』

 

「九校戦は明日で終わりだ。」

 

『…我々〈無頭龍〉は日本から引き上げる!!』

 

「お前にそんな権限があるのか?ダグラス=黄。」

 

達也の相手をしていた男は自分の名前が知られていることに驚きつつも、会話を続けた。

 

『リーダーも私の言葉を無視できない。』

 

「なら、当然、首領の名前、知ってるよな?」

 

『私は拝謁を許されている。』

 

「さて、首領の名は?」

 

彼は、ダグラスはその質問に答えることができなかった。組織の首領の情報は完全秘密。組織に対する忠誠心を恐怖心と共に刻み付けられたことで抵抗をしたのだった。

 

達也が『流星群(ミーティア・ライン)』を放つと、1人の体をその光線が貫くと、次の瞬間にはその男が消えていた。

 

『ジェームズ!?』

 

「今のがジェームズ=朱か。手配中の国際警察には悪いことをしたな。」

 

仲間が消されたことで組織に対する恐怖心が始めて、今、この状況での恐怖心に負けた。

 

『……リチャード=孫だ。』

 

「表の名は?」

 

『…孫公明』

 

それから、行きつけのバーや住まい等を聞いた。

 

『さて、答えたぞ。』

 

「そうだな。」

 

そして、さらに一筋の光がダグラスを残して全ての幹部を消した。

 

『グリゴリー!?…なぜだ、我々は誰も殺さなかったではないか!!』

 

「それは結果論でしかない。…お前達は俺の逆鱗に触れた。それがお前達の死ぬ理由だ。」

 

『この悪魔め。』

 

「金のために未来ある高校生を犠牲にしようとしたお前らの方が悪魔だろうが。」

 

『この力…そういえば、そうか、貴様は【星王】!?』

 

「悪魔は祓わないとな」

 

達也は『流星群』を使ってダグラスを消した。

 

これで、〈無頭龍東日本支部〉は消滅した。




次回で九校戦を終わらせたいです。

では、また次回。


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三章 第三十二話 終わった九校戦

翌日、九校戦試合最終日に達也は十文字克人の出場する一高のモノリス・コードの観戦

 

では、無く。風間のもとに来ていた。

 

風間「昨夜は大変だったな。」

 

達也「そうですが、俺の我が儘を聞いてくれた風間さん達には何とお礼すれば。」

 

柳「心配すんなって、俺も襲われたし。」

 

真田「それに、実践データも取れたからね。…まぁ、OTH(Over The Horizon)射撃を得意とする達也君には物足りなかったんだろうけどね。」

 

達也「それにしても、東日本支部は潰しましたが、何時西日本支部が破壊されたのでしょうか?」

 

風間「私は何も聞いてはいないぞ。」

 

達也「なるほど、母さんですか。」

 

風間「まぁ、西日本支部がいつの間にか破壊されていたのは事実だが、達也が手に入れた情報は有効だったぞ。…壬生も大喜びだった。」

 

達也「内情も大変ですね。…首領はどうするんですか?」

 

風間「その件は佐伯少将とバランス大佐殿が日本とUSNAの軍魔法師部隊を混合編成して直接叩きに行くそうだ。」

 

響子「達也君は仕事もしっかりしたから呼ばれないかもね?」

 

達也「呼ばれなかったら呼ばれないでいいんですけどね。」

 

風間「そろそろモノリス・コードの決勝だ。…観戦するのか?」

 

達也「深雪に誘われまして…。」

 

風間「そうか。なら、もう行った方がいいんじゃないか?」

 

達也「そうですね。…失礼します。」

 

達也が部屋から出ていく。

 

真田「あの頃とは見間違える程に成長したね。」

 

柳「あのときは口の悪い糞餓鬼だった、達也が今では、礼儀正しいしっかりしたやつになって。」

 

響子「リーナちゃんや深雪ちゃんのお陰ね。」

 

風間達、独立魔装大隊の幹部達は息子みたいな奴(達也)の成長を見守る親のような感じで達也の成長を感じていた。

 

―――――――――――――――

 

風間達がそんなことを考えているとは思ってもいない達也は深雪のもとに行こうとしてとある人物に捕まった。

 

「「達也兄さん(兄様)!!」」

 

黒羽文弥、亜夜子と黒羽貢

 

達也の再従兄弟である文弥と亜夜子、そしてその文弥達の父親である貢を擁する黒羽家は四葉家の中でも達也の処分には反対派だった(反対だったのは黒羽家以外に、津久葉家だけである。他は達也の処分に賛成だった。)為、達也が日本に戻ってきた時も影から見守っていた。

 

ちなみに、貢達黒羽家が達也の処分に反対したのは達也が亜夜子の魔法適正を見極めて、それの使い方を教えたこと。つまり、亜夜子の黒羽家としてのアイデンティティを確立してくれたからである。

 

よって、貢は達也に感謝の念を、亜夜子と文弥は憧れの念をそれぞれ達也に送っている。

 

達也「亜夜子に文弥、それに貢さん。来ていたんですね。」

 

貢「まぁね。モノリス・コードの試合見たよ。優勝おめでとう。」

 

達也「ありがとうございます。」

 

亜夜子「達也兄様もこの試合観戦しますか?」

 

達也「ああ。」

 

文弥「じゃあ一緒に観戦しませんか?」

 

達也「あ、ああ。」

 

達也は2人の熱に勝てず、亜夜子達と試合を観戦することになった。

 

本戦モノリス・コードの決勝は一高VS三高となった。

 

つまり、三高にとっては新人戦のときの敵討ちになる戦いだ。

 

対する一高は準決勝までディフェンダーだった十文字克人がオフェンスに上がり、今までオフェンスであった桐原と服部がディフェンスに回った。

 

試合が始まると、十文字克人がまっすぐ歩き始め、三高選手を見付けると、自身の体の回りに『ファランクス』を纏って体当たりをする。

 

それを三人全員にたいして行って、試合が終了する。

 

試合が終わると、両腕を握って、拳を上にあげる。

 

そのとき、克人が達也の方を見て、「俺はお前よりも強い」とでも言うかのような絶対的な力を見せ付けた。

 

達也(十文字克人の『ファランクス』…何時見ても強力だが、これはいつもと使い方が違うのでは?)

 

文弥「達也兄さん、十文字克人の『ファランクス』ってあんなに攻撃的な魔法でしたっけ?」

 

達也「『ファランクス』にこんな使い方があるとは驚いたが、あれも一種の使い方なのだろうな。だが、本来『ファランクス』は四種八系統の魔法全てや物理的な攻撃全てを通さない無敵の壁を作り出す魔法だ。…これはまるで自身の強さを見せつけているかのような試合だな。」

 

貢「真夜さんが言うには達也くんが一条の御曹司に勝ってしまったからね。…十師族の力が疑われてしまうって言う理由で十文字君が十師族の力を見せつけるようにという師族会議からの通達があったからだ。…真夜さんや九島閣下、それに一条剛毅殿は笑いを堪えるのに必死だっただろうね。」

 

達也「それはまぁ、一般人だと思われている俺が実は四葉の、それも本筋の人間だったんですからね。…詳細を知っている方々はさぞ辛かったでしょう。」

 

文弥「ねぇ、父さん。来年一高受けていい?」

 

貢「それは真夜さんと要相談だな。まぁ、それはまだ先の話だからまだ考えなくてもいいだろう。」

 

 

達也が貢達と試合を見ていることに深雪達(相手の名前は知らないけどなんとなく気づいたのはエリカと幹比古とリーナの3人)は、達也に声をかけようか悩んでいたが、達也が珍しく楽しそうに会話していたのでそっとしていた。

 

が、亜夜子の達也に対する態度に深雪とリーナが怒りかけるという珍事件が起こった。

 

そんなこんなで九校戦も終わり、懇親会が始まった。

 

最初の大人も参加できる時間には達也のもとには研究者や、有名なCAD会社が、深雪やリーナのもとにはTVや雑誌の関係者が集まっていた。

 

そして、その大人達もいなくなり生徒だけになったタイミングで、達也はあえて壁際にいたが、深雪が下心丸出しだが、何もできていないヘタレ男達に囲まれているのを発見して、助けに行こうとすると、1人の男が深雪の前に躍り出てきたのを確認した。

 

達也(将輝……そういえばお前もヘタレだったな。)

 

達也は深雪達の近くによった。

 

達也「深雪、将輝。」

 

深雪「お兄様。」

 

将輝「達也か。」

 

達也「こんな所じゃ邪魔になるだろ?…踊ってきたらどうだ?」

 

将輝「はい、是非!!……俺と踊ってくれませんか?」

 

深雪「よろしくお願いします。」

 

そして、将輝と深雪を送ったところで達也はほのかに声をかけられた。

 

ほのかがあたふたしていると、給仕中のエリカがやってきて一言

 

エリカ「お客様、そこは普通、男性から声をかけるべきだと思いますよ?」

 

達也「エリカ、幹比古は?」

 

エリカ「ミキは皿洗いよ。」

 

達也「そうか。……ほのか」

 

ほのか「ひゃい!!」

 

達也「踊ろうか? 」

 

ほのか「よろしくお願いします。」

 

達也はほのかと踊ったあとに雫、エイミイ、深雪、真由美と踊って、さらに愛梨、栞、沓子を筆頭に他高生とも踊った。

 

そして、踊り終わって壁際に向かったところで声をかけられた。

 

克人「風間、少し付き合え。」

 

克人のその言葉に頷いて外に出ると、克人が話しかけた。

 

克人「風間、お前は十師族の一員だな?」

 

達也「いいえ、違います。」

 

本当は四葉の人間だったのだが、既に離反しているので質問に否定を返した。

 

克人「そうか。師族会議に連なるものとして助言しておく。風間、お前は十師族になるべきだ。」

 

達也「は?」

 

克人「…そうだな、七草はどうだ?」

 

達也「それは、結婚相手にってことですか?」

 

克人「そうだ。」

 

達也「(こいつ、天然なのか?)…貴殿方の価値観を押し付けないでいただけませんかね。それに、俺には婚約者がいますし、七草先輩は貴方や五輪洋文との縁談話があるのではなくて?」

 

克人「……まぁ、そうだが。それに、価値観も人それぞれだからな。……だが、十師族の直系、それも次期当主に勝ったのは、お前が思っている以上に大きいぞ。」

 

最後に達也を見定めるような目を向けて克人は会場に戻っていった。

 

完全に戻ったのを確認して達也はやっと口を開いた。

 

達也「余計なお世話だっつうの…。それよりも、早く出てこいよ、リーナ。」

 

リーナ「あら、気付いてたの?」

 

達也「最初っからな。…さっきの話聞いてだろ?…俺はやっぱり十師族が…いやあの人が苦手だわ。」

 

リーナ「私もそう思ったわ。…最後の曲ね。ねぇ、達也。私まだ貴方とは一回もしてないんだけど?」

 

達也「もちろん、君との相手は最後にしようと思ってね。…リーナ、いや工藤利奈さん。俺と一曲踊っていただけませんか?」

 

リーナ「喜んで。」

 

曲も中盤に差し掛かったところで達也は

 

達也「少し盛り上がりに欠けるな。誰も見てないからいいか。」

 

達也はあらかじめ仕込んでおいたネックレスに想子を流し込む。

 

すると、そのネックレスは完全思考型CADに変わる。

 

そして、そこから魔法が発動され、辺りが『夜』に包まれる。

 

流星群(ミーティア・ライン)』を使ったのだ。

 

達也はその光の筋で場を盛り上げようとしたが、後ろの方で少し悲鳴が聞こえる。

 

「おっと、危な!!」

 

「きゃっ!!」

 

リーナ「え?」

 

リーナが後ろを向くと、将輝と愛梨、真紅郎の3人がいた。

 

リーナ「何時からいたのよ!!」

 

将輝「達也とリーナが踊り始めたところかな?…にしても、達也お前!!」

 

愛梨「当たったらどうするのよ!!」

 

達也「覗き見してたお前が悪い。」

 

リーナ「え?気付いてたの?」

 

達也「もちろん。」

 

リーナ「何で言わないのよ!!」

 

達也「にしても、愛梨と将輝は踊ったのか?」

 

「「な!?」」///

 

真紅郎「それだから、ヘタレ・プリンスだとか呼ばれるんだよ……。」

 

達也「やめてあげろよ、真紅郎。…ヘタレじゃない将輝なんて考えられるか。」

 

将輝「おい、お前ら~!!なに言ってんだ!!」

 

達也「何のようだよ、ヘタレ。」

 

真紅郎「将輝は女の子の方からよってくるからね。…だから逆は未経験なんだよ。」

 

達也「へぇ~。さすがだね」

 

将輝「絶対に許さん。」

 

愛梨「ちょっと、3人とも騒がないで!!」

 

リーナ「愛梨は早く将輝を誘いなさいよ。」

 

愛梨「へぇ、リーナ、貴方喧嘩売ってる?」

 

リーナ「喧嘩は売ってないけど、買ってほしいの?」

 

達也「そろそろ戻るか。」

 

真紅郎「そうだね。次に会えるのは論文コンペの時だね。」

 

将輝「今年は横浜だったよな。」

 

達也「じゃあ、また会おう。」

 

リーナ「また会いましょう?」

 

愛梨「またね。」

 

将輝「達也、次こそは勝つからな。」

 

達也「ふっ。望むところだ。返り討ちにしてやる。」

 

達也と将輝が最後、ハイタッチをしてそれぞれの宿舎の方へ帰っていきリーナは達也に真紅郎と愛梨は将輝について行った。

 

長かった九校戦もこれで、終わりを告げた。




九校戦が終わりました。

次回は番外編をいれるか、それとも、横浜騒乱編に入ります。

では、また次回。


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第四章 横浜騒乱編
四章 第一話 波乱の前触れ


この回より、四章横浜騒乱編が始まります。

なお、番外編は時系列に合わせて、それぞれの章に組み込んでおきます。


二十四時間体制を実現する為の自動化が推し進められた港湾諸施設は西暦二〇九五年十月現在、ほとんどが無人で運営されている。通関は日中にまとめて行われ、夜間は船舶の入港、荷揚げ、積み込み、出港の作業が完全自動化され、監視の為にわずかな人員が置かれているのみだ。

 

人手を減らした分、密入国者対策として保税地域と市街地の遮断がより厳重に行われるよう各港湾の全地域的再開発が行われ、船舶の乗組員の上陸も保税地域については禁止されている。

 

逆に港湾施設が自動化される深夜については保税地域以外の接岸が禁止され、乗組員の上陸を必要とする船舶は有人運営が再開される朝まで沖合いで待機しなければならない。

 

真夜中ともなれば、貨物用の埠頭は完全に人通りが少なくなる―はずだった。

 

だがこの夜、そろそろ日付も変わろうかという時刻、横浜山下埠頭には息を殺した大勢の気配があった。

 

『五号物揚場に接岸した小型貨物船より不法入国者が上陸しました。総員、五号物揚場へ急行してください』

 

無線の声に反応した私服警察官の2人は顔を見合わせる間も無く同時に走り出した。

 

「やはり、あそこか。」

 

「ぼやいている場合ではありませんよ、警部!」

 

「しかしね、稲垣君」

 

「つべこべいわずに走る」

 

「俺は君の上司なんだが」

 

「歳は自分の方が上です。」

 

「やれやれ」

 

2人の刑事、千葉警部と稲垣警部補は軽口を買わしながら、700mあった距離を30秒で現場に到着した。

 

普通は2分は最低でもかかるのだが、2人は魔法師だった。

 

「警部、船を押さえましょう」

 

「え?俺が!?」

 

「つべこべいわない」

 

どうやらこのコンビは部下の方が苦労人らしい

 

「わかったから、稲垣君。君が船を止めてくれ。」

 

「自分では船を沈めてしまうかも知れませんが?」

 

「…問題ない、責任は課長が取るだろう。」

 

「…自分で取るとはいわないんですね?」

 

稲垣はリボルバーにケースレス弾を装填して、グリップ底部のスイッチを左手で押すと、バレル上部に取り付けつけられた照準補助機構の作動ランプが点った。

 

続けて武装一体型CAD、リボルバー拳銃型武装デバイスのグリップに組み込んだ特化型CADの本体が起動式を展開する。引き金を引くと同時に移動・加重系複合魔法が放たれ、離岸する小型船舶の船尾を二度、三度ほど貫いた。

 

「お見事」

 

千葉刑事は自身の持っていた木刀の留め金をはずした。

 

木刀は実は仕込み杖だったのだ。

 

飛び上がり、船に着艇と同時に刀を振り下ろす。

 

刃がその船を真っ二つに切り裂いた。

 

千葉警部の使う、千葉家の秘術『斬鉄』によって、切り裂いたのだ。

 

そのまま中に入ると、既にもぬけの殻だった。

 

「お疲れさまです、警部。」

 

「全く、骨折り損とはこのことだ。」

 

「水中へ逃げ出した賊の行方はまだ掴めていないようですね。」

 

「奴らの行き先なんて分かりきっているんだがね。」

 

――――――――――――――――

 

2人の刑事が小型船舶を対処している時、横浜にある大人気観光地となっている繁華街の人目につかない店の庭先、正確にはその庭にある井戸の前に美青年とでも呼べる男が立っていた。

 

そう、達也の直接の部下である周公瑾である。

 

今日も今日とて裏の仕事の一つである大陸からの亡命者又は密入国者を迎え入れていた。

 

井戸が内側から(・・・・)壊されていく。

 

その壊された井戸からずぶ濡れの男が16人程現れた。

 

「皆様、お疲れ様です。…着替えてお寛ぎを。朝食を用意させております。」

 

その男達の中のリーダーと思われる男性が声を出す。

 

(チョウ)先生、ご協力感謝します。」

 

そう言って、残りの部下達を連れて、建物の中に入っていった。

 

――――――――――――――――

 

九校戦も終わり、二学期に入るとすぐに、七草真由美をはじめとした一高3年生の生徒会や風紀委員の引退が起こり、部活連会頭は服部、風紀委員長は千代田、生徒会長は中条とどんどん世代交代がされていた。

 

達也はというと、深雪のストッパー役や風紀委員の事務役として、風紀委員入りと生徒会入りが打診されていたがどちらも断って、一時の平和を得ようとした。

 

深雪「お兄様、いらっしゃいますか?」

 

リーナ「こっちよ、深雪。」

 

深雪「リーナもいたのね?」

 

達也はリーナとともに図書館の地下二階資料庫に籠っていた。

 

深雪と違って放課後が空いている2人はこうしてよく資料庫に籠っていた(リーナは付き添い)為、深雪も達也がどこにいるのか大まかには理解していた。

 

深雪「何をご覧になられているのですか?」

 

達也「『エメラルド・タブレット』に関する文献だ」

 

深雪「最近ずっと錬金術関連の文献を調べておいでのようですが……?」

 

達也「俺が知りたいのは錬金術そのものではなく『賢者の石』の性質と製法なんだけどね。もっとも、賢者の石の精製こそ錬金術の目的と説く文献もあるんだが」

 

リーナ「もしかして、達也……。」

 

深雪「物質変換……に挑戦するおつもりではありませんよね?」

 

達也「そうじゃないよ。…狭義の『エリクシール』と区別して定義する場合の『賢者の石』は、卑金属を貴金属に変換する魔法に使用する触媒だ。触媒というからにはそれ自体が材料となるものではなく、術式を発動させる為の道具だろう。」

 

深雪「触媒という言葉がわたしたちの使っているものと同じ意味なら……そうなりますね。」

 

リーナはもうついていけないようでうつむいていたが、なんとなく理解はできていたのか、それとも兄の言葉を聞きたいだけなのかは知らないが、深雪はしっかりと聞いていた。

 

達也「卑金属を貴金属に変える魔法は、材料に『賢者の石』を作用させることにより貴金属を作り出すと伝えられている。他にも魔法的なプロセスを必要とせず石を使うだけで物質変換魔法が使えるのであれば、『賢者の石』は魔法式を保存する機能を有していると考えられる。」

 

「「魔法式を保存!?」」

 

達也「変数をわずかずつ変更しながら重力制御魔法を連続発動するノウハウは飛行魔法の実現によって収集できた。…飛行デバイスの完成もそれのお陰でもある。」

 

リーナ「へぇ~、」

 

達也「まぁ、そんな話はいましても意味ないだろうな。……ところで深雪、ここに来たのはなにか用事があったからじゃないのか?」

 

深雪「そうでした。…実は、市原先輩がお兄様に用があると。」

 

達也「場所は?」

 

深雪「魔法幾何学室です。」

 

達也「わかった。2人とも、鍵を返しておいてくれないか?」

 

「「わかりました。(了解よ。)」」

 

 




次回はこれの続きです。

では、また次回。


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四章 第二話 瓊勾玉(にのまがたま)系統の聖遺物(レリック)

達也が呼び出された魔法幾何学室につくと、鈴音以外にも五十里と小春と廿楽先生がいた。

 

廿楽先生は二十の数字をもつ数字付きの家で研究者を多く排出する家だ。それとは別に、コンビネーション魔法の権威としても言われている。

 

そのなかでも廿楽先生は大学卒業とともに大学准教授の位を獲るが、自由すぎた為、教育を理解するために第一高校に送られて、魔法理論系のオンライン授業や2-Aの実技を担当している。気に入った生徒は一科二科問わずに迎え入れて、徹底教育を施すことで有名であり、服部もそのうちの一人だった。

 

廿楽「呼び出してしまって申し訳ないね。」

 

達也「いえ、問題はないです。」

 

廿楽「論文コンペは知っていますね?」

 

達也「一応は理解しています。」

 

廿楽「実は、君に今回のコンペの助っ人を頼みたいんだ。…詳しいことは市原君達から聞いてください。」

 

そう言って、廿楽先生は部屋を出ていった。

 

達也「市原先輩がどうして俺に協力を申し出たのですか?」

 

市原「それは今回のテーマが〈重力制御魔法式熱核融合炉の技術的可能性〉だからです。」

 

達也「なるほど、あの時のことを覚えていたわけですね?」

 

市原「お互い忙しかったので話す時間もあまりなかったので。丁度いい機会なので助っ人として参加してもらおうと」

 

達也「いいですよ。…それに、同じような研究テーマでも人によってやり方が違いますからね。…市原先輩、平川先輩、五十里先輩、よろしくお願いします。」

 

――――――――――――――――――

 

帰り道

 

今日は水波は先に帰っているために、3人で帰宅していた。

 

達也「……って、感じで論文コンペの助っ人になった。」

 

リーナ「達也って本当に非常識ね。……って感じで、じゃないわよ。」

 

深雪「でも、論文コンペは3人ですよね?…その辺は大丈夫なのですか?」

 

達也「俺は助っ人扱いだからな。…当日は舞台に立たないし、ようは裏方役だ。」

 

リーナ「あの世界的エンジニアであるMr.シルバーを助っ人につけるなんて、普通あり得ないわよ。」

 

達也「シルバーのことは秘密だからな。…俺のイメージとしてはただの技術力がずば抜けている頭のおかしい天才って感じだろうな。」

 

深雪「お兄様は天才ですが、頭はおかしくありません!!」

 

達也「相手方のイメージだ。…おれ自身は天才だとも頭のおかしいだとも思ってないから…。」

 

深雪「だとしても許せません!!」

 

達也「深雪…落ち着けって……!?」

 

リーナ「どうしたの、達也?」

 

達也「母さん達がまた泊まりに来たのかと思ったら、家の方の駐車場に車が止まっている。」

 

深雪「珍しいですね。…普段はその横の元お兄様の家に来るはずなのですが……」

 

ちなみに、夏休みを期に、深夜と真夜と穂波は本家に戻っており、家も達也とリーナは司波邸に引っ越してある(達也とリーナが隣に移って空いた家は四葉の名義で残ってはいるが、達也達の来客用の部屋として使っている)。

 

そして、真夜と深夜はよくそっちの方に泊まりにくれば、翌日になると、葉山や穂波が強制的に連れて帰るので達也達に実害はない。

 

達也「まぁ、とにかく入ってみよう。既に水波も帰ってきてるんだ。」

 

「「そう(です)ね。」」

 

家に入ると、水波の靴以外に2足の靴がおいてあった。

 

水波「おかえりなさいませ。深夜様が来ておられます。」

 

達也「珍しいな。…何かあったのか?」

 

水波「達也様に用があるようでして。」

 

達也「わかった。…2人とも、水波と着替えておいて。」

 

そして、達也は1人で部屋に入る。

 

達也「お久しぶりです、伯母上。…半月振りくらいですかね。」

 

深夜「そうね、そんな感じよ、達也。どう?元気にしてる?」

 

達也「ええ。もちろんです。…それに、成り行きで論文コンペの助っ人に選ばれました。」

 

深夜「成り行きでって……。まぁいいわ。本題に入りましょう。」

 

そう言って、深夜が鞄から取り出したのは箱だった。

 

その箱を空けると、中から出てきたのは勾玉だった。

 

達也「これは……瓊勾玉(にのまがたま)系統の聖遺物(レリック)ですか。」

 

深夜「そうよ。それが今朝、MSTに届いたと真田本部長から連絡が来たからそれを受け取ったのよ。」

 

達也「どこで出土したか聞いてますか?」

 

深夜「わからないわ。」

 

達也「……なるほど、国防軍絡みですか。」

 

深夜「それの解析と複製を頼まれたそうだけど、無理だって言って送り返したら、また帰ってきたのよ。」

 

達也「で、引くに引けなくなったと、」

 

深夜「そう言うことよ。…それに、その聖遺物には魔法式を保存する機能があるそうよ。」

 

達也「…!?…それは実証された事実ですか?」

 

深夜「さぁ、そこまでは知らないけど、それが事実なら…」

 

達也「無視は出来ないでしょうね。……期間は決まっていますか?」

 

深夜「決まってないわよ。」

 

達也「わかりました。お預かりします。…どうします?夜も遅いですし、今日も泊まっていってはどうですか?」

 

深夜「そうするつもりであっちに穂波が準備しに行ったわ。」

 

達也「そうですか。」

 

深夜「これの研究が進めば、達也の夢に一歩近づくわよね。」

 

達也「ええ。…絶対に成功させて見せます。」

 

深夜「その意気よ、頑張りなさい。」

 

達也「はい。」

 

その後、達也達は皆で夕飯を食べた後、穂波と深夜は地下室を通って泊まる部屋へ行き、達也は1人、怪しい反応を潰しに行った。

 

その時、魔法を一切使わずに1000m級の狙撃をされるが達也が寸前で分解して、逆に返り討ちにした。

 

その時に、襲ってきた連中が大陸系の男だったのを達也は見逃さなかった。

 

もちろん、この後風間少佐に連絡して監視カメラの映像を消してもらったのは言うまでもない。

 

――――――――――――――――

 

ここ、池袋にあるビルにはとある男達がいた。

 

「MSTから消えたレリックはどこへ……。そう言えば、今日()()()()が向かった家のことは何かわかったか?」

 

「あの家には椎原深夜の子供達が住んでいるようです。」

 

「何者だ?」

 

「第一高校一年の司波深雪、風間達也、工藤利奈、桜井水波の四名だそうです。」

 

「第一高校か…。好都合だ。魔法大学付属第一高校も監視対象に追加しろ。(リュウ)上尉、現地で指揮を取れ。よそ者が嗅ぎ回っていたら消せ。」

 

(シー)




次回はこれの続きです。

そして、今回小早川先輩は事故にあってないので多分あのシーンは無いと思います。

では、また次回。


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四章 第三話 尾行の正体

レリックをもらってから数日たつと、自身のサーバーにハッキング攻撃がかかっているのに気づいた。

 

達也(このアドレスはダメだな。変えるか)

 

達也は黙ってカウンタープログラムを起動することにした。

 

―翌日―

 

達也「……ってことがあったんですが、五十里先輩は大丈夫でしたか?」

 

啓「僕のところはそれは無かったな。」

 

達也(となると、犯人の目的はレリックか。……何か手を打つか。)

 

花音「お待たせ~」

 

摩利「久し振りだね。達也君。」

 

達也「そうですね。それで、俺をわざわざ風紀委員室に呼び出してどうしたんですか?…まさか、勧誘とか?…それだったらお断りですが…。」

 

摩利「違う違う。今日は達也君にお願いがあるんだ。」

 

達也「お願い?」

 

摩利「ああ。毎年論文コンペに参加する選手には護衛をつけることが決まっているのさ。」

 

達也「護衛というと、サイバー攻撃とかからですか?」

 

摩利「いや。そうじゃなくて、ひったくりとか暴行とかだ。……それで、達也くんには平河の護衛を頼みたいんだ。」

 

達也「護衛は風紀委員と部活連から出るのでは?」

 

摩利「確かに、五十里には花音とそれからもう1人、市原には桐原と服部が着くらしい。」

 

達也「会頭自ら護衛ですか?」

 

摩利「市原には頭が上がらないんだろうな。」

 

達也「そうですか。…それで、なぜ俺を平川先輩に?」

 

摩利「護衛という立ち位置なら口出ししても文句は言われんだろうし、第一これは平河自身の希望だ。」

 

達也「そうなのですか?」

 

小春「うん。風間君なら安心できるかな~って、」

 

達也「なるほど。わかりました。お引き受けします。」

 

摩利「分かった。達也君の相方には壬生を付けようと思う。」

 

達也「紗耶……壬生先輩をですか?」

 

摩利「壬生とは長い仲なんだろ?」

 

達也「何故それを……まぁ、いいです。紗耶香さんと組めばいいんですね?」

 

摩利「ああ。それに、ついでにサブでエリカも加えておくから必要なら直接声をかけてやれ。」

 

達也「わかりました。」

 

摩利「じゃあ、私は部活連に報告してくる。」

 

達也「…それより、引退した筈の摩利さんが代わりにやってるんですか?」

 

摩利「それは~まぁな。」

 

達也「お人好しなんですね。」

 

―――――――――――――――

 

帰り道、達也は護衛メンバーと言うことで紗耶香と話しながら帰っていた。

 

達也「(つけてきてるな。)ちょっとよりませんか?」

 

紗耶香「いいわよ。」

 

2人は近くのカフェ〈アイネ・ブリーゼ〉に入った。

 

達也「気付きました?」

 

紗耶香「もちろんよ。つけてきてるわね。」

 

達也「今から結界を張るので、行きます?」

 

紗耶香「もちろん。」

 

達也はばれないように結界を張って、曲者に会いに行くことにした。

 

―――――――――――――――

 

その男は達也を監視していたのだが、途中でカフェに入られたので待つことにした。

 

紗耶香「私達に何かようかしら?」

 

(な!?いつの間に!?)

 

「いや、なんでもない。(この子隙がないな。)」

 

達也「さっきから散々俺たちを尾行してきて、何が目的だ?」

 

(風間達也!?)

 

「なんでもないんだ。…それに、君たちはまだ学生だろ?帰って勉強をしなくてもいいのか?」

 

達也「問題ない。だから、さっさと目的を答えろ」

 

「(ここまでか…。事は起こしたくなかったがやむを得ん。)誰か~!!助けてくれ、強盗だ!!」

 

達也「ここは既に結界の中だ。何をしても意味はない。」

 

紗耶香「さて、何が目的か答えてもらおうじゃない。」

 

男はすぐさま、ボクシングのスタイルになって動き始めた。

 

が、達也はそれを全てみきって交わしていく。

 

男は達也に対する攻撃を諦めて、紗耶香にスローイングタガーを投げる。

 

が、それも紗耶香が刀形状の武装一体型CADではたき落とす。

 

この武装一体型が、達也が紗耶香を呼び出した理由のひとつでもあった。

 

このCAD、銘は『朧月(おぼろづき)』と言って達也が紗耶香の為に作ったCADである。もちろん、この武装一体型は日本刀をモチーフにしているため、魔法を使わずとも殺傷力はある。

 

そのまま達也が男を地面に押さえつけた。

 

達也「ケミカル強化…なるほど。通りで普通の人間とは威力が異なるわけだ。」

 

紗耶香「さて、何が目的か話してもらうわよ。」

 

「分かった。…私は敵ではない。」

 

達也「説明してもらおうか?」

 

「私はジロー=マーシャル。いかなる国の政府機関にも所属していない。」

 

紗耶香「つまり、非合法工作員(イリーガル)ね。」

 

「私の目的は魔法の最先端技術が()()に漏れでないように、監視することだ」

 

達也「東側ね。」

 

「君も、きみのその技術も東側の標的になっているんだぞ!!」

 

達也「あっそ」

 

「この国の平和ボケは治ったと思っていたが、若者にまでそれを求めるのは酷か。」

 

そして、その男ジローは懐から拳銃を取り出した。

 

「これを出さなかったのが敵ではない証拠だ。」

 

しかし、達也と紗耶香はびびらない

 

達也「そんなもの撃てんのか?お前に」

 

「結界が張られているなら問題はない。」

 

達也「まぁ、撃たせるつもりは無いがな。」

 

そのまま達也が拳銃を『分解』する。

 

「なっ!?」

 

達也「俺達をただの高校生だと思ったら大間違いだ。……それに、もう聞きたいことは聞けたから結界は解除した。……出たければでればいい。」

 

男はその場を高速で離れた。

 

次の駅までの距離を走りきった男は速度を落とさなかった。

 

理由は自身を追ってきている男がいたから。

 

路地裏に隠れて返り討ちにしようと、隠していたもう1つの拳銃を取り出した。

 

男が姿を表す。

 

「な!?……人喰い虎(The man eating-tiger)呂剛虎(リュウガンフウ)

 

その男、呂剛虎は笑みを浮かべると、男の手を折って、そのまま殺す

 

そして、懐から紙を取り出すと、血を拭き取り男の死体に落とす。

 

その紙は男の死体を一緒に燃やした。

 

成果を確認して呂は自分達の隠れ家に帰っていった。

 

達也(呂剛虎……なかなかに厄介なのが出てきたな。)

 

達也はその様子を監視して警戒度をあげた。





達也と紗耶香が護衛に参加しました。

2人をペアにしたのは単に2人が昔からの仲だからです。

そして、呂剛虎も出てきました。

次回はこれの続き、(多分)実験のシーンです。

では、また次回。


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四章 第四話 模擬戦、達也&鋼&幹比古VS十文字克人

翌日、放課後

 

達也達は論文コンペのリハーサルをしていた。

 

レオ「お疲れ、達也。」

 

達也「まぁ、サポートだけだけどな。」

 

エリカ「にしても、すごい実験器具よね~。なんの実験してるの?」

 

達也「簡単に言えばプラズマボールを精製する実験だ。」

 

エリカ「へぇ~、そう言えば、十文字先輩が呼んでたよ。」

 

達也「十文字先輩が?」

 

エリカ「なんでも、会場警護の為のグループの合同訓練に参加して欲しいんだって。」

 

達也「何時なんだ?」

 

エリカ「明日。」

 

達也「分かった、伺おう。」

 

エリカ「分かった。」

 

そのままエリカ達と少し話していると、とある1人の男が達也達に(特にエリカ達に)怒鳴った。

 

「おい、邪魔だ、お前達!!」

 

達也「何ですか?関本先輩」

 

その男、関本勲は教職員推薦で加入し、三年風紀委員の中で唯一引退していない人だ。

 

そして、その声に風紀委員長で啓の護衛でもある花音が反応した。

 

花音「後学の為に実験を見学するのは問題は無い筈ですよ。」

 

「千代田、護衛は足りているのか?」

 

花音「問題ありませんよ。」

 

「平河の護衛に()()がいるようだが?」

 

花音「それは平川先輩が頼んだからですし、風間君の実力は九校戦で分かっている筈ですよ?」

 

「それでも、風間は風紀委員ではないじゃないか!!」

 

花音「では、関本先輩は()()()()()()()()()()()に勝てるんですか?もちろん、風間君は実戦形式の試合であるモノリス・コードで一条君に勝っています。」

 

「だが、少しでも上級生を使うべきだと思う、一年では、荷が重い。」

 

達也「そんなこと護衛になろうと言う人がよく言えますよね。」

 

「なんだと!!」

 

達也「第一貴方なんか誰も護衛につけようとも思いませんよ。…貴方には護衛になることも別の目的のため…と言っているようにしか聞こえませんからね。」

 

花音「もういいですか?」

 

花音と達也がその言葉を合図に離れていく。

 

そして、関本は近くの閉じ忘れていたパソコンを覗こうとする。

 

すると、横から出てきた手がそのパソコンを閉じる。

 

「市原…」

 

鈴音「関本君はこう言うことには無関心だと思ってました。」

 

――――――――――――――

 

エリカはレオを連れて帰っていた。

 

エリカ「あんた、時間ある?」

 

レオ「あるぜ。」

 

エリカ「昨日達也君が非合法工作員とやりあったらしいのよ。…これで終わりとは思えない。…だから、あんたには家の秘術を教えてあげる。」

 

レオ「何でだ?」

 

エリカ「貴方は歩兵としての能力は素晴らしいけど()()()はない。」

 

レオ「なるほどな。…お前が決め手をくれると?」

 

エリカ「ええ。人を殺す覚悟はある?」

 

レオ「愚問だぜ。」

 

エリカ「なら、教えてあげる。秘剣『薄翅蜉蝣』をね。」

 

―――――――――――――――――

 

翌日

 

達也達がいつものメンバーを連れて食堂に向かうと、幹比古と美月がいて、レオとエリカだけがいなかった。

 

達也「今日はレオとエリカは休みなのか?」

 

深雪「あの2人が休むなんて珍しいですね。」

 

リーナ「案外エリカがレオを扱いてたりして…」

 

リーナの言葉に皆があり得ると思ってしまった。

 

そして、リーナの言葉は合っていたことを後に知ることになる。

 

 

放課後

 

達也はエリカ経由で参加を命じられた訓練に参加していた。

 

内容は、達也達訓練参加者が十文字克人と一対多の模擬戦を行うというもの。

 

達也(なるほど、これなら俺達は集団で行動する術を身に付けられ、十文字先輩は急なことへの対処法を身に付けられる。…流石だな。)

 

暫くすると、残り人数が3人だけと言うアナウンスが聞こえた。

 

達也はすぐに『精霊の眼(エレメンタル・サイト)』を使って誰が残っているのかを確認する。

 

達也(残っているのは、俺と鋼…それに幹比古か。…丁度良い。)

 

達也はその後、鋼、幹比古と合流して、勝ちに行った。

 

3人のうち、前に出るのは達也と鋼、後方支援に幹比古だ。

 

十文字克人が現れると、地面が崩れる。

 

これはリーナが使っていた『クラッシュ』ではなく、幹比古の『土遁陷穽(どとんかんせい)』である。

 

それを克人が『ファランクス』で防ぐ。

 

それを確認して達也と鋼が動き出す。

 

達也は防がれるのを見越して『スパーク』を放つ

 

鋼はそれを確認して、あえて突っ込んで行く。

 

鋼が克人の『ファランクス』に触れると、『ファランクス』が揺らぐ

 

克人「…!?」

 

その隙をついて、達也が『雷光』を放つ。

 

達也の『雷光』が『ファランクス』を()()()()()

 

すり抜けた『雷光』が克人に降り注ぐ。

 

克人「見事だ。」

 

最後に、鋼の『爆風(ブラスト)』で克人に止めを指した。

 

 

模擬戦は達也達の勝利で終わった。

 

克人が起き上がると、ずっと試合を観戦していた真由美と摩利が走ってきた。

 

真由美「十文字君、大丈夫!?」

 

克人「七草か。…大丈夫だ、問題ない。」

 

摩利「にしても、あの十文字がね~。達也君もやるね」

 

達也「いえ、今回は鋼がいたから勝てました。」

 

真由美「何で十三束君が『ファランクス』に触れるとぶれたの?」

 

鋼「それは僕の体質が理由です。……僕は魔法師が常に放出しているはずの想子が体から離れないんです。…だから、僕の体は常に大量の想子の層で覆われているわけです。」

 

達也「つまり、俺がモノリスコードで見せた『接触型術式解体』を体質的に使えるというわけです。」

 

真由美「『術式解体』の鎧型ってことかしら?」

 

鋼「その通りです。」

 

克人「なるほどな。十三束、吉田、風間、いい戦いだった。…感謝する。」

 

そして、克人達は消えていった。

 

達也「お前達も助かったよ。俺一人だったら絶対に勝てなかっただろうから。」

 

鋼「僕だって、達也達がいなきゃこんな戦いはできなかったわけだし、感謝するのはこっちの方だよ。」

 

幹比古「そうだね。」

 

達也「じゃあ、祝勝会でもやってみるか?」

 

「「いいね!!」」

 

達也「じゃあ、早く着替えてアイネ・ブリーゼにでも向かうか。」




小早川の事故がないので千秋がいたずらする理由がないので、千秋のシーンはカット。

幹比古が参加した模擬戦に達也と鋼が参加。

達也の戦術と3人の力で十文字克人に勝ちます。

次回は、原作ではFLTに行くシーンのところからです。


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四章 第五話 サイバー攻撃と裏切り者

達也達3人が祝勝会と称してご飯を食べた日から数日が経ち、この日は日曜日。

 

達也の予定は2つだけ。

 

1つは、メールでレイモンドからレリックの扱いを気をつけるようにと連絡を受けたので、MSTに置きに行くこと。

 

もう1つは、論文コンペの作業(護衛)である。

 

そんなこんなで達也は(今日は深雪を連れて)MSTに向かっていた。

 

しかし、それを()()()()()が1つあった。

 

達也「尾行がついてる。」

 

深雪「え!?…でも、後には車は…」

 

達也「尾行しているのはカラスの化成体だ。」

 

深雪「化成体ってこの国では使われてないのでは?」

 

達也「ああ。敵も何となくは分かるが、確証はない。…幹比古に聞いたら分かるだろうがな。……だが、このままついてこさせるのは不味いな。…深雪、頼めるか?」

 

深雪「お任せください、お兄様。」

 

深雪は振り向かずに、尾行を消した。

 

――――――――――――

 

尾行が消されたという部下の言葉に陳は苦虫を噛み締めていた。

 

「風間達也の行き先は分かるか?」

 

「おそらくMSTになると思います。」

 

「到着推定時刻は?」

 

「およそ30分後です。」

 

「よし、MSTにサイバー攻撃を仕掛けろ」

 

――――――――――――

 

達也達がMSTに到着すると、中は騒然としていた。

 

「さっさと回線を切れ!!」

 

「回線切断、再起動しますか?」

 

「馬鹿野郎!!再起動なんかするか!!」

 

「侵入経路発見、カウンタープログラムを起動します。」

 

達也「牛山さん。」

 

「御曹司、それに姫。おい、誰だ。今日2人が来ることを知らせなかったやつは!!」

 

牛山の言葉に全員が振り向こうとするが、達也が止めた。

 

達也「手を止めてはダメだ!!」

 

「は、はい!!」

 

達也「ハッキングは何時から?」

 

「10分程前からです。」

 

達也「そうですか…(国防軍共め、余計なものを連れてきやがって)」

 

牛山「ハッキングが収まったか…。今日は厳戒態勢を引くぞ!!……さて、御曹司。今日はどんなご用で?」

 

――――――――――――――

 

「MSTからのカウンター攻撃です。」

 

「予定通り切断しろ!!」

 

「呂上尉、どう出ると思う?」

 

「不明です。」

 

「だが、10分間にも渡り、攻撃を防げなかったんだ。…やつも、そんな不安定な場所に置くまい。」

 

「普通なら……ですがね。」

 

「多分、お前にも出てもらうことになるぞ。」

 

「お任せください。」

 

――――――――――――――

 

そんな、MSTでの一幕も終えて、達也達(達也と深雪とリーナと水波の4人と途中の駅で紗耶香と小春と合流した為、現在6人)は学校に向かっていた。

 

そして、深雪は生徒会の仕事の為水波とリーナを連れて達也達とは別行動した。

 

達也達3人はそのままロボ研のガレージに向かった。

 

ロボ研のガレージに入ると、中からメイド服を来た3Hだった。

 

達也「誰の趣味だよ……。」

 

紗耶香「本当ね。」

 

そして、3H(P94型だから、名前はピクシー)に自分の学年クラスと名前を伝えた。

 

小春「3-C 平河小春」

 

紗耶香「2-E 壬生紗耶香」

 

達也「1-B 風間達也」

 

3人がそれぞれの場所につくと、達也はピクシーにサスペンドモードでの待機を命じた。

 

その後、紗耶香が中のソファーに座って、達也は小春の横で一緒に作業していた。

 

が、暫くすると、達也達の体に異常が起こった。

 

達也(体が動かない……まさか、催眠ガスか!!)

 

達也はすぐに自身に『再生』を施した後、紗耶香にも『再生』を施す。

 

達也「ピクシー。強制換気装置を作動。避難時の二次災害を警戒し、俺はここに留まる。監視モードで待機。救助のための入室に備え、排除行動を禁止する。」

 

『了解しました。強制換気装置を起動します。』

 

達也「紗耶香さん、俺はこれをやった不届きものを捕まえるために寝た振りをするので、紗耶香さんは一旦部屋の外に出て犯人がここに入ってきたら戻ってきてください。」

 

紗耶香「了解よ。」

 

紗耶香が出ていき、達也も狸寝入りに入ったところで、待ち人はやって来た。

 

「平河、風間寝ているのか…。壬生は…逃げ出したか。まぁいい。」

 

待ち人の正体は達也達が(一応)警戒していた関本だった。

 

彼はそのままハッキングツールを取り出して、術式を吸い取ろうと悪戦苦闘する。

 

そこへ、()()()()()()()()紗耶香が入ってきた。

 

紗耶香「なにやってるんですか、関本先輩。」

 

「な!?壬生。なんでここに」

 

紗耶香「外を見回ってたら警報が届いたので確認しに来たのですよ。」

 

「ばかな…警報は切ってた筈。」

 

紗耶香「警報は達也君から直接来ましたからね。……それより、警報を切ったとはどう言うことですか?」

 

「……」

 

紗耶香「黙っているということは、犯人だと自白しているようなものですよ。」

 

「は、犯人?僕がいったいなんの犯人だって言うんだ?」

 

紗耶香「エアコンに細工をして睡眠ガスを流した犯人です。それに産学スパイの犯人でもありますよ。」

 

「失礼だぞ、壬生! 僕は事故によるデータ滅失を恐れてバックアップを取っていただけだ」

 

紗耶香「その持ってるハッキングツールでバックアップですか? あり得ないでしょう。そんなこと、詳しくなくても分かりますよ。そうよね、達也君?」

 

達也「確かに紗耶香さんの言う通りですね。」

 

「バカな…ガスが効いてないのか?」

 

紗耶香「達也君はガスなんかで無力化出きる程弱くはないですよ。」

 

達也「そうですね。」

 

紗耶香は持っていた竹刀を関本に向けた。

 

その時には既に、関本のことを先輩ではなく犯罪者として見ていた。

 

紗耶香「関本勲、CADを置いて膝をつけなさい」

 

「壬生!!……ガァ」

 

関本がCADに手をかけた時には既に、関本の脳天に竹刀が叩きつけられており、関本はそのまま気絶した。

 

紗耶香「魔法は絶対ではないのよ?」

 

達也「さて、まずはこいつを運びましょう。…援軍を要請しないといけないな。」

 

紗耶香「その必要はないわ。」

 

その言葉と同時に、ロボ研の扉が開き、沢木と千代田が入ってきた。

 

「紗耶香ちゃん大丈夫!?」

 

紗耶香「ええ。大丈夫よ。」

 

達也「そう言うことですか。」

 

紗耶香「そう言うことよ。」

 

そのまま沢木達は関本を連れて去っていった。

 

達也「ピクシー、監視モード解除。監視命令時点から現在までの映像と音声をメモリーキューブに記録した後、マスターファイルを破棄しろ」

 

『かしこまりました。データを・メモリーキューブに・複写します。……複写完了。マスターファイルを・完全削除・します』

 

達也はメモリーキューブを受け取って、ポケットの中に入れた。

 

その数分後、小春が起きた。

 

小春「あ、ごめんなさいね。寝ちゃったみたいで。」

 

達也「いえ、お疲れのようでしたし。問題ありません。…作業を続けましょうか。」

 

小春「そうね。」

 

そして、小春には何も悟らせずに、この日を終えた。





次回は達也と呂剛虎が対峙するシーンです。


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四章 第六話 【人喰い虎】VS【星王】

「状況が変わった。」

 

その男は、関本が捕まった当日にその情報を手に入れていた。

 

「第一高校における我らの協力者…関本勲が任務に失敗し当局の手に落ちた。収容先は八王子特殊鑑別所だ」

 

八王子特殊鑑別所とは未成年犯罪者の内、魔法師を収監する場所で、国防軍の人間が警備をしている国営の少年院である。

 

「呂上尉、関本勲を処分しろ」

 

「是」

 

―――――――――――――――――

 

翌日、達也は真由美と摩利に連れられて関本の収監されている八王子特殊鑑別所に向かっていた。

 

当初は達也は1人で行く予定だったが、風紀委員長に「風紀委員になってくれるなら考えてあげる」という達也にデメリットしかない交換条件を提示されたので悩んでいたところ、たまたま風紀委員室に入ってきた摩利と真由美に「私達も行くんだが、達也君も付いてくるか?」という言葉に達也が乗ったことで無事に行けることになった。

 

八王子特殊鑑別所につくと、そのまま関本のいる部屋まで向かった。

 

部屋には摩利が入って尋問することになった。

 

達也と真由美は横にある部屋だ。

 

「何しに来た。」

 

摩利「話を聞きに来た。」

 

「ここでは、魔法は使えないぞ!!使えば〈アンティナイト〉を所持した警備員が駆け付け…こ、これは」

 

関本はすぐに口元を押さえるが、もう遅い。

 

摩利は空気を利用して意識操作をしたのだ。

 

達也「匂いを使った意識操作ですか。」

 

摩利「さて、何が目的なんだ?」

 

その後、関本の口からは術式を吸い上げると達也の所持品を調べるつもりだったと言われて、摩利に何で?と聞かれると、関本は「レリックだ。」といったのだ。

 

真由美「達也君、そんなの持ってたの?」

 

達也「いえ、持ってません。(やはり、レリックだったか。)…ですが、」

 

達也が言葉を発しようとすると、警報がなった。

 

その音に達也と真由美は廊下に出て、さらに摩利も出てくると、達也は『精霊の眼』で確認した。

 

達也「屋上に4人、ハイパワーライフル所持ですか。」

 

真由美「正解よ。…そっちは既に警備員がいるから問題ないと思う。」

 

達也「……本命はこっちですか。」

 

達也が振り向くと、大柄な青年が歩いてきた。

 

摩利「あいつは?」

 

達也「彼奴は、大亜連合特殊工作部隊エースの【人喰い虎】呂剛虎(リュウガンフウ)。」

 

摩利「彼奴が。…達也君、真由美を任せた。」

 

達也「いいえ、ここは俺に任せてくれませんか?」

 

摩利「何でだ?」

 

達也「俺は彼を()()()()()()から。…お願いですから、手は出さないでくださいね?もちろん、魔法もです。」

 

真由美と摩利はその言葉に達也の正体を疑うが、何も出てこずに、素直に達也に譲った。(摩利は渋々だったが)

 

達也「(そんなに戦いたかったのか…この戦闘狂は。)……さて、久し振りだな、呂剛虎。」

 

「なるほど、他人の空似にしては似すぎていたが、対峙して分かった。…久し振りだな、()()()()()()()=()()()()()

 

達也「ちっ、そっちの名で呼ぶな。今の俺はお前が調べた方の名前だ。」

 

「この時をどれだけ待ったことか。一年前、貴様に負けてから俺は身体強化を徹底した。」

 

この会話は真由美と摩利には大きすぎて、目が点になっている。

 

達也「そうか。あの時よりも強くなってるなら好都合だ。お前と戦ってから、任務に対する虚無感が大きかったからな。…久し振りに楽しませろ、【人喰い虎】。」

 

「言われなくても!!」

 

その言葉を合図に2人が衝突した。

 

高速で動く両者の腕や足。2人の世界最高峰の実力者の体術に、摩利と真由美は見入っていた。

 

2人には辛うじて互角に見える戦いだった。

 

摩利は驚いていた。

呂剛虎の噂は聞いていたし、自身の恋人と同じくらいの実力の大男相手に達也が勝てるのかと不思議に思っていたが、呂の口から出てきた【星王】という言葉に摩利は自身の記憶の底から【星王】に関する情報を思い出した。

【星王】とはUSNA軍魔法師部隊スターズの総隊長アンジー=シリウスの副官で、国際魔法協会の常任理事。…っと、ここまでなら唯の武官だと思われるが、もう1つ彼に対する噂がある。…それは、先代シリウスに体術だけで勝ったという話や各地の武力衝突をたった1人で沈めるなどといった、あり得ないような噂がある。…そして、呂と互角に戦う達也を見て、その噂は全て事実なのだと知った。

 

一方の真由美も驚いていた。

彼女は【星王】という話も父親から聞いて知っていたし、その噂も知っていた。だからこそあり得ないと思っていた。スターズの実質ナンバーツーが何で日本にいるのだろうと。さらに、達也の彼女である工藤利奈とは何者か。もし、その工藤利奈がスターズの人間だったとしたらなんの目的で来たのだろうか。…真由美の頭は完全に混乱していた。…それと同時に理解した点もあった。九校戦で一条将輝を倒した実力、先日の十文字克人に勝ったあの戦術、それらは達也が【星王】であるのなら勝っても不思議ではない。…今目の前の戦いは既に目で追えなくなっているので唯々達也の勝利を願うだけであった。

 

達也と呂剛虎の戦いには魔法は使われていなかった。

 

達也「本当に強くなったようだな。」

 

「ふん、貴様も実力が上がっているじゃないか。…日本に来て、緩くなってると思ったがそうではないんだな。」

 

達也「俺だって理由もなしにこんなところには来ないさ。…さて、そろそろ終わらせるか。」

 

達也の言葉と同時に辺りが〝夜〟に包まれる

 

達也「貴様には色々と聞きたいことがあるからな、殺しはしない。」

 

呂に四つの流れ星が飛来し、呂の四肢を貫通した。

 

呂「グァァァ」

 

達也「四肢を撃ち抜かれてもなお、任務を遂行しようとするとは、流石だな。だが、もう眠れ。」

 

達也は呂を気絶させた。

 

達也はその後、通信をいれると、警備員達がやって来た。

 

そのまま達也がその警備員達に耳打ちすると、敬礼して呂剛虎を連れて去っていった。

 

達也「先輩方は今見たものは、誰にも言わないでくださいね?…絶対ですよ?…もし、言ってしまったら…お分かりですよね?」

 

達也の放つプレッシャーに2人は頷く以外に選択肢は無かった。





次回はこの続きです。


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四章 第七話 論文コンペ前夜

翌日、達也はリーナととある電話に出ていた。

 

『と、言うわけで、スパイの実働部隊は無事壊滅しました。』

 

達也「すごい手際のよさですね。流石です、藤林少尉」

 

そう、電話の相手は達也達と協力関係にある独立魔装大隊の少尉で【電子の魔女(エレクトロン・ソーサリス)】の異名を持つ藤林響子だ。

 

『達也君が呂剛虎を捕らえてくれたお陰で潜伏場所もはっきりしたことで、神奈川県警と協力して実働部隊は全員捕まえたわよ。……まぁ、隊長の陳祥山(チャンシェンシャン)は逃がしたけどね。』

 

リーナ「実働部隊は捕獲できたのは大きいと思うわ。」

 

達也「それに、陳祥山は公瑾の元にいると思います。」

 

『確かにそうね。』

 

達也「まぁ、呂剛虎は殺したわけではないから彼が移送されたら危ないですが…」

 

『呂剛虎は明日、論文コンペの日に外国人収容所に移送予定よ。』

 

達也「そうですか。…狙うとしたらその時ですね。…そして、外国人収容所は横浜にある。…明日は最悪戦争になる可能性もありそうだな。」

 

『そうね。私も、知り合いの警部さんにも協力を仰いでみるわ。』

 

達也「もし戦争になって、俺たちが出動しなければならない時。その時は俺達のことを中佐ではなく、協力員と言うことで()()の階級で呼んでください。もちろん、敬語もなしです。」

 

『了解しました。隊長にはそのまま伝えておくね。』

 

達也「ありがとうございます。」

 

『じゃあね。論文コンペ会場で会いましょうね。』

 

達也「じゃあ、また。」

 

通信が切れると達也はここ数日の疲労でソファーに寄りかかった。

 

リーナ「明日は荒れそうね。」

 

達也「そうだな。…明日戦争が起こるのなら彼奴が来てくれたら嬉しいのだが。」

 

リーナ「あいつ?…ああ。一時期、うちに来ていた新入りね。」

 

達也「彼の帰国は来年な筈だが、おそらく参謀部もこの事態を掴んでいるだろう。…彼の見習い期間を早めて日本に帰国させることもしかねない。」

 

リーナ「彼、達也のこと心底慕ってたよね。」

 

達也「まぁ、ifを並べても仕方がないか。…よし、MSTに行こう。」

 

リーナ「明日の為?」

 

達也「ああ。」

 

達也達はその後、リーナを連れてMSTに向かった。

 

 

つくと、達也達はそのまま真田が本部長をしている軍関連部門に顔を出した。

 

「やぁ、達也君にリーナちゃん。珍しいね、連絡もなしに来るなんて。」

 

達也「明日きな臭いことが起こりそうで。」

 

「その話は聞いてるよ。…準備はできてる。」

 

達也「今回は〈ゲイ・ボルグ〉と〈クローバー・スター〉を持っていきます。リーナの〈ブリオネイク〉と俺の〈サード・アイ〉はおいていって、使わなくてはならない状態に陥った時に持ってきてください。」

 

「分かった。…おい、持ってきてくれ。」

 

真田が合図すると独魔所属の技術士官が達也の2つのCADを運んできた。

 

達也の〈ゲイ・ボルグ〉は槍状の武装一体型CADであり、〈クローバー・スター〉とは達也が『流星群(ミーティア・ライン)』と『星屑の穴(スターダスト・ホール)』を使うための特別な思考一体型CADである。

 

ちなみに、この2つの魔法はCADが無くても発動できるが、このCADを使うことで、2つの魔法を使用したときの負担を大幅に削減することが出きるのだ。

 

さらにリーナの〈ブリオネイク〉はケルト神話の神ルーの持つ槍〈ブリューナク〉から来ている。

よって、普通に槍としても使うことが出き、達也の〈ゲイ・ボルグ〉と性能はほとんど同じである。

 

達也「ありがとう。ハードの部分の改良も終わって…ますね。流石です。」

 

「そこは専門だからね。」

 

達也「じゃあ、調整してきます。」

 

「明日もあるから、あまり熱中しすぎないでね~」

 

その後、家に帰って調整を施していた。

 

その日の夜

 

藤林響子の姿は横浜のとあるレストランにあった。

 

目の前には千葉寿和警部もいる。

 

「藤林さんのおかげで今回のヤマも何とか目処が立ちましたし、今日は本官からのせめてものお礼です」

 

「お互い様ですよ、警部さん。私も彼らを放置しておくわけにはいかなかったのですから。ところで警部さん。今日誘っていただいたのは、〝お礼〟だけなんですか?」

 

「え!?」

 

「できれば今晩だけじゃなくて明日も付き合ってほしいのですが?」

 

「え、あ、は、ハイ!本官でよろしければ、喜んで!」

 

「ありがとうございます。それでは、朝の八時半に桜木町の駅でよろしいでしょうか」

 

「朝?」

 

てっきり明日の夜だと思っていたのだろう。

彼の口から出たのは朝と言う疑問だけだった。

 

「明日は国際会議場で全国高校生魔法学論文コンペティションが開催されるんですが、ご存知ありませんか?」

 

「それは、存じておりますが…。」

 

「それに私の知り合いが助っ人として参加するので観に行きたいのですよ。」

 

「はぁ…。」

 

「あ、そうそう。できれば部下の方々にもお声を掛けておいてくださいね。CADだけでなく、武装デバイスや実弾銃もご用意いただけると助かります」

 

「そ…それは!?」

 

「まぁ、何もないのが一番いいのですけどね。」

 

――――――――――――――――

翌日、論文コンペの会場に向かった達也達は小春と紗耶香を待っていた。

 

その時、やはり周りの目は達也の背負っている槍に注がれていた

 

達也「槍どこにおいておこうか…。」

 

リーナ「確かに置く場所が無いわよね。」

 

達也「しょうがない。持っておくか。」

 

「達也、リーナ!!」

 

突然、達也とリーナに声がかかった。

 

達也達が振り向くとそこには、会場警備の腕章をつけた将輝と鋼がいた。

 

達也「将輝、それに鋼も。…そうか、会場警備は2人でペアになったんだな。」

 

将輝「ああ。……し、司波さん、お久し振りです。ダンスパーティー以来でしょうか。」

 

深雪「そうですね。…お久し振りです、一条さん。会場警備ですか。」

 

将輝「はい!!」

 

深雪「一条さんが目を光らせてくださっているのであれば、わたしたちもいっそう安心できます。よろしくお願いしますね」

 

将輝「ま、任せてください!!」

 

達也「(現金なやつだな…これでは愛梨の苦労が秤知れん。)…鋼、あのバカ(将輝)が暴走しないように見ててくれ。」

 

将輝「おい、達也!!どういう意味だ!!」

 

達也「どういうって…そのままの意味だが?」

 

リーナ「深雪に頼りにされて舞い上がった将輝が空回りしないようにってことよ。」

 

将輝「なっ!?…にしても、今日はその槍を持ってきてるんだな。」

 

達也「なんか嫌な予感がしてな。一応持ってきた。」

 

将輝「なるほどな。…達也どう思う?」

 

達也「お前の思う通り、隠しきれていない殺気が漏れ出ている。…用心するに越したことはないだろう。」

 

将輝「そうだな。…じゃあ、俺は見回りに戻る。またな。」

 

達也「ああ。」

 

 




ここで切ります。

次回は響子さんと会うところからです。

※論文コンペの発表部分は省略します。

では、また次回。


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四章 第八話 論文コンペ開始

将輝達と別れた達也は小春と紗耶香と合流して準備をしていたが、途中で響子から通信が入ったので、水波に護衛を変わってもらって、深雪とリーナを連れて3人で響子のもとに向かった(深雪は響子が連れてこいと言ったからである。)。

 

響子「やっほー、達也君。」

 

達也「こんにちは、響子さん。」

 

深雪「お久し振りですね、響子さん。」

 

リーナ「久し振りね。…というか、こんなところに来てもいいの?」

 

響子「その事なら心配ないわ。…私は確かに軍人だけど、元々は防衛省に所属する技術士官よ。優秀な技術者の卵を発見するという理由ならここには言っても問題ないのよ。…それに、ここは盗聴されてるわけじゃないから、「藤林少尉」でも「響子さん」でも「響子お姉さん」でもどんな呼び方でも構わないのよ?」

 

達也「最後のは呼んだことない気がするのですが…」

 

響子「さて、世間話はここまでにして……良いニュースと悪いニュースがあるんだけど、どっちが良い?」

 

達也「じゃあ、良いニュースで」

 

響子「先に良いニュースでいいの?」

 

達也「じゃあ、悪いニュースで。」

 

達也の手のひら返しに全員呆れ顔だった。

 

深雪「お兄様、ふざけているのですか?」

 

達也「いや、そんなことは…ない。」

 

響子「はぁ…。じゃあ、良い方からね。…真田大尉からの伝言。例のアレ…ムーバル・スーツが完成したそうよ。だから、今日の夜には持ってくるって。」

 

達也「もう完成したんですか?…にしても、今日の夜ですか?」

 

響子「明日、こっちでデモがあるのよ。もっとも、その予定をねじ込んだのは大尉だから一刻も早く貴方に自慢したかったでしょうけど。基幹部分はそっちに完全依存の形になっちゃったからせめて完成品は、って頑張っていたもの」

 

達也「こちらでは実戦に堪える物を作れなかったんですから、そこまで気にしなくても良いと思いますが」

 

響子「……良いニュースはここまでにして、悪いニュースは、この件どうもこのままじゃ終わらないみたいなのよ。」

 

達也「…なるほど。」

 

響子「詳しいことはこれをみて…それで、何かあったときには頼りにしていますよ、中佐殿。」

 

響子が机にデータチップを置くと、それを達也が取る。

 

達也「準備しときますね。」

 

響子「じゃあ、論文コンペ楽しみにしてるわね。」

 

―――――――――――――――

 

響子との話も終えて、小春の護衛に戻っていた達也も小春が控え室に入ったので、そのまま深雪達がいる観客席に向かった。

 

論文コンペは第二高校の〖収束系魔法を利用したダークマターの観測と利用〗という議題から始まった。

 

今回の論文コンペは【カーディナル・ジョージ】こと吉祥寺真紅郎が参加している三高の発表と、〖重力制御型熱核融合炉の技術的可能性〗という論題で発表する一高の二組が注目株だった。

 

午後に入って、先に発表するのは一高だった。

 

――――内容は省略――――

 

一高の発表は大きな声援を受けて終了した。

 

達也はそれを舞台袖から眺めていた。

 

すると、背後から声をかけられた

 

真紅郎「見事だったね、達也。」

 

達也「俺が発表したわけではないよ。」

 

真紅郎「重力制御術式は飛行魔法にも使われている一般的な術式の応用、クーロン力制御術式は先代シリウス、故ウィリアム=シリウスが開発した分子結合力中和術式のアレンジ版だね」

 

達也「流石は、【カーディナル・ジョージ】だな。まさか先代の開発したクーロン力制御についても知っていたとは。」

 

真紅郎「まぁ、今日こそは負けないけどね。」

 

そして、真紅郎が舞台に出ようとしたところで会場を大きな揺れが襲った。

 

―――――――――――――――

 

その男が日本についたのは論文コンペの前日だった。

 

彼はUSNAスターズの研修生として高校生になるまではUSNAに残っているつもりだったのだが、参謀本部より、研修期間の終了と、日本で活動中の中佐の補佐をせよとの指示で帰国した。

 

日本につくと、彼を出迎えたのは達也の協力者の周公謹と風間晴信少佐だった。

 

「お待ちしておりましたよ、少尉。いや、七宝琢磨くん。」

 

「貴方方は?」

 

「私は中佐の部下である周公瑾と申します。」

 

「私は中佐の日本での責任者である国防陸軍少佐の風間晴信だ。」

 

「USNA軍魔法師戦闘集団スターズ少尉…いや、ここでは師補十八家七宝家長男の七宝琢磨です。」

 

風間「さて、まずは達也も協力してくれている我々の基地…というか、これから我々は保土ヶ谷の方に向かう。…ついてくるか?」

 

琢磨「お願いします。」

 

――――――――――――――――

 

時間は戻って大きな揺れが襲った横浜国際会議場では、達也はすぐに深雪達と合流した。

 

達也「深雪、リーナ、水波!!」

 

深雪「お兄様!!」

 

リーナ「何が起きたの?」

 

達也「ちょっと待て……、なるほど、正面で入り口付近でグレネードが爆発したらしい。」

 

深雪「会場警護の先輩方は大丈夫でしょうか?」

 

水波「正面玄関は実戦経験済みの魔法師が警護しているので先輩方には影響はないと思われます。」

 

達也「その通りだ。(この銃弾の音は…フルオートじゃないハイパワーライフルか!)」

 

達也が持っていた情報と響子からの情報を合わせると、敵は国家機関そのものが関与しているかもしれないという結論になった。

 

そして、先程のハイパワーライフルの音でその予想が正しかったことを察した。

 

すると、6人程のテロリストがハイパワーライフル片手に部屋に入り込んできた。

 

「CADを床に捨てて手を上げろ!!」

 

舞台上で真紅郎がCADに触れるがそれを察知したテロリストが銃を発砲する。

 

その弾は壁にめり込んでいたことからその銃の威力が分かり、おとなしく床にCADを置いた。

 

ほとんどは

 

「おい、お前らもだ!!」

 

達也達は床に置いておらず、尚且つ達也はその声をかけた男の方をまるで、その人を観察するかのような目でみていた。

 

それに、恐怖したテロリストの1人が達也に発砲した。

 

が、血が出ることはなかった。

 

ただ、弾の軌道上に握ったままの手があるだけ。

 

その後も撃たれた弾は達也を貫くことは無かった。

 

「弾を…掴み取った…?」

 

「化け物め!!」

 

その男は銃が効かないとわかるとすぐにナイフを取り出した。

 

その点から、この男が高いレベルで訓練された兵士だということがわかる。

 

しかし、達也はそれを見切って交わすと、『分解』を宿した右手を手刀の形にして、ナイフを持つ右手を右肩から切り裂いた。

 

そのままその男に腹パンを喰らわせると、そのまま倒した。

 

深雪「お兄様、血糊を落としますね。」

 

深雪が魔法を放つと、達也の服についた血痕が全て消えた。

 

これには、入ってきたテロリストも、中にいた魔法科高校生も固まっていた。

 

達也が近くの警備の腕章をつけた男に目で合図する。

 

「取り押さえろ!!」

 

達也の目配せを受けた男が合図を出し、テロリストは押さえられた。

 

 




ここで切ろうと思います。

そして、今回七宝琢磨を出しました。

よって、七宝家が達也のことを知っている理由は、琢磨が達也のもと…というよりスターズに高校までの間研修として加入していたからです。

そして、琢磨は達也のことを尊敬しています。


次回はこれの続きです。

では、また次回。


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四章 第九話 横浜事変開幕

テロリスト達が取り押さえられると、エリカ達が達也達の元に集まってきた。

 

「「達也(さん)!!」」

 

ほのか「大丈夫ですか?お怪我はありませんか?」

 

達也「大丈夫だ。…それよりお前達は大丈夫か?」

 

エリカ「大丈夫よ。…それより、この後どうする?」

 

達也「逃げ出すにしても、正面を何とかしたいな。」

 

エリカ「待ってろ、何て言わないよね?」

 

エリカはどこか好戦的な笑顔で達也に聞く。

 

達也「…お前が俺の言うことを聞くとは思えないな。」

 

エリカ「もちろん。」

 

達也「じゃあ、行こうか。」

 

「待って、達也!!」

 

達也「真紅郎か。どうした?」

 

真紅郎「この後はどうするつもりだ!!」

 

達也「正面の鎮圧だ。」

 

真紅郎「そうか。」

 

達也「あ、真紅郎。後で将輝と愛梨に伝えておいてくれないか?」

 

真紅郎「いいよ、何て伝えればいい?」

 

達也「後で迎えに行くって言っといてくれ。」

 

真紅郎「わかった。…じゃあ、また後で。」

 

達也「ああ。……じゃあ、行こうか。」

 

 

達也達のいなくなった講堂ではパニックに陥っていた。

 

そんな中、達也の動きに気付いていた真由美は達也の狙いを察して会場の落ち着きを取り戻そうとしていた。

 

真由美「あーちゃん!!……あーちゃん!!……中条あずさ生徒会長!!」

 

あずさ「か……ま、真由美さん!?」

 

真由美「このままじゃ大変ね。…あーちゃん、『梓弓』を使って」

 

あずさ「でも、あの魔法は!?」

 

真由美「これは、私の力でも摩利の力でも鈴音の力でもない。…貴方の力なのよ」

 

あずさ「でも……」

 

真由美「大丈夫、七草の名前は伊達じゃないのよ。」

 

あずさ「わかりました。」

 

あずさは胸元に提げていたネックレスを取り出して、想子を流す。

 

光の粒子でできた弓が現れ、それを弾く

 

すると、会場が嘘みたいに一瞬で静かになった。

 

『梓弓』とは、情動干渉系の系統外魔法で辺りの霊子を震わせて一定の範囲内の人間を一時的にトランス状態にさせる魔法である。

 

そして、あずさの持つペンダントこそが、『梓弓』を使うための特別なCADである。

 

そんなこんなで、静まり返った会場では、1人の女性の声がよく響いた。

 

真由美「―私は、第一高校前生徒会長の七草真由美です。……現在、この町は侵略を受けています。……港に停泊中の所属不明艦からロケット砲による攻撃が行われており、それに呼応して、国内に潜伏中のゲリラ兵が発起した模様です。」

 

この言葉は、冷静にさせられた生徒達を混乱に陥れるには充分だった。

 

真由美「この会場は地下通路で駅のシェルターにつながっています。ですが地下シェルターは災害や空襲に備えたもので、陸上兵力には必ずしも万全とは言えません。陸上兵力に魔法師が投入されていることを想定すると、魔法に対してシェルターがどの程度持ちこたえるのか、楽観はできません。……ですが、最も危険なことは、今この場に残り続けることです!!」

 

生徒達がだんだん慌て始めた。

 

真由美「各校の代表はすぐに生徒を集めて行動を開始してください! シェルターに避難するにしろ、ここから脱出するにしろ、一刻も無駄に出来ない状況です!」

 

真由美の言葉を聞き終えると、各校で隊列を組んで、行動を始めた。

 

真由美「シェルターに避難されるのなら、すぐに地下通路へ。脱出をお考えなら、沿岸防衛隊が瑞穂埠頭に輸送船を向かわせているという報告を受けています」

 

それぞれが移動を開始したのを見送った真由美はあずさに目を向けた。

 

真由美「…じゃあ、あーちゃん。後は任せたわよ?」

 

あずさ「かい…真由美さん?」

 

真由美「今の生徒会長は貴方だからね。よろしくね、あーちゃん。」

 

――――――――――――――――

 

真由美がそんなことをしてる裏で達也達は、正面玄関に向かっていた。

 

達也「止まれ!!」

 

達也は止めらなかったレオの襟を掴んで止めた。

 

レオ「グェ、」

 

ほのか「容赦ないですね。」

 

雫「でも、お陰で命拾い。」

 

達也「深雪、『凍火(フリーズ・フレイム)』だ。銃を黙らせろ。…それと、リーナは銃を黙らせたら俺と突撃だ。」

 

「「了解(しました)。」」

 

達也「始めるぞ。」

 

達也が手を出すと、深雪がそれに触れて魔法を発動する。

 

銃火器の燃焼を凍らせる『凍火』によって銃が無力化されたことを見抜くと、達也は『分解』を纏った手刀で、リーナは達也から借りた〈ゲイ・ボルク〉で確実に敵を葬っていく。

 

ある程度殺したところで、達也の後ろ付近から()()()()()()()()()

 

達也達はそれを察知して横にはける。

 

達也「(今のは『ミリオン・エッジ』……まさか)…なるほど、帰ってきてたんだな、琢磨。」

 

琢磨「お久し振りです、達也さん。リーナさん。」

 

リーナ「いつ帰ってきたの?」

 

琢磨「昨日です。」

 

達也「そうか。……この後どうしようか。情報が欲しい。」

 

雫「VIP会議室を使ったら?」

 

達也「VIP会議室?」

 

雫「政治家や官僚達が使う特別な部屋。…一般公開はされてないけど、パスワードもIDも知ってる。」

 

ほのか「叔父様は雫を溺愛しているから。」

 

達也「なるほど。案内してくれ。」

 

 





ここで切ります。

次回はこの続きです。



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四章 第十話 国防陸軍第一○一旅団独立魔装大隊

VIP会議室についた達也達は雫のアクセスキーで確認した警視庁のマップを確認していた。

 

地図には赤い丸が沢山あった。

 

つまり、戦いの形跡が沢山あったのだ。

 

レオ「ひでぇな、これは。」

 

達也「改めて言わなくても分かっているだろうが、状況はかなり悪い。この辺りでグズグズしていたら国防軍の到着より早く敵に捕捉されてしまうだろう。だからといって、簡単には脱出できそうにない。少なくとも陸路は無理だろうな。何より交通機関が動いていない」

 

レオ「じゃあ、海か?」

 

達也「それも望みは薄いな。出動した船では全員を収容できないだろう」

 

琢磨「じゃあシェルターに避難ですか?」

 

達也「それが現実的だろうな・・・」

 

エリカ「じゃ、地下通路だね」

 

達也「いや、地下はやめた方がいい。地上から行こう。」

 

エリカ「なんで……そうか。」

 

気付いた5人(リーナ、深雪、水波、琢磨、エリカ)が頷いた。

 

達也「行く前に、少し時間もらっていいか?」

 

リーナ「なんで?」

 

達也「機材のデータを消しておきたい。…機材を壊せればもっといいのだが…。」

 

深雪「わかりました。」

 

機材の処分のために動き出していたが、途中でとある男と遭遇した。

 

「風間、工藤」

 

達也「十文字先輩」

 

そう、声をかけたのは後ろに服部、沢木を従えた十文字克人だった。

 

克人「お前達は避難していないのか?」

 

達也「俺は機材を破壊しに、そして、後ろの人は一緒にいてくれた方が良いかなと思いまして。」

 

服部「他の生徒は地下通路に向かったぞ」

 

地下通路と言う言葉に達也が顔をしかめ、それに気付いた沢木が質問をした。

 

沢木「地下通路では不味いのか?」

 

達也「懸念にしか過ぎませんが…地下通路は直通ではないので」

 

服部「遭遇戦の可能性か!?」

 

克人「服部、沢木。今すぐに中条の後を追え。」

 

「「はっ!!」」

 

服部と沢木が克人の指示で地下通路に向けて走り出した。

 

克人「さて、機材の破壊だったな。行くぞ」

 

そして、ステージ裏の機材置き場に入ると、そこには、先客がいた。

 

克人「七草…お前は逃げ出していなかったのか。」

 

真由美「りんちゃんやこはるん、それに五十里君が残ってるのに私だけ逃げ出すなんて無理よ。」

 

啓「ここは僕たちがやっておくから、司波君は控え室に残っている機器を頼めるかな?」

 

花音「可能なら、他校が残した機材も壊してちょうだい」

 

摩利「こっちが終わったらあたしたちも控え室に行く。そこで今後の方針を決めよう」

 

達也がリーナと琢磨を連れて他校の機材の破壊を始めに行った。

 

克人「俺は逃げ遅れた人がいないか見てくる。桐原、ついてこい」

 

桐原「はい!!」

 

そのまま克人と桐原も部屋から出ていく。

 

真由美「そういえば、いつから七宝君がいたの?」

 

深雪「皆で正面玄関に行った時です。」

 

真由美「七宝琢磨…取り分け十師族への…特に七草家への執着が強いって聞いたけど……というか、達也君、七宝君と知り合いだったのね。」

 

エリカ「達也君何者なんだろう。」

 

そんな話をしている時に、達也達が戻ってきた。

 

そのまま話し合いを始める。そこで真由美からもたらされた情報は、達也たちが会議室で確認した情報と一致していた。

 

避難船の収容力も期待はできそうにないようで、摩利がシェルターに避難することを提案した。

 

それに賛同する花音。他の三年生、二年生が異議を唱えないということは皆同じ意見ということだろう。

一年生の目は達也に向けられている。

 

一年生と摩利の視線を受けた彼の目は・・・全く別の方向を見ていた。

 

自身のシルバー・ホーンを構えて後ろに向いた。

 

深雪「お兄様?」

 

達也がそれに気付いたのは偶々だった。

 

自身の眼の訓練のために公瑾と立ち会っていた時に、公謹から眼に頼るなという助言を受けていた

 

そして、直感で急激な危機感を感じた達也は『精霊の眼』を展開する。

 

すると、大きなトラックが入り口に向かって高速で走って来た。

 

さらに、運転手が硬化魔法まで使ってきた。

 

達也はそのまま想子を活性化させる。

 

「「お兄様(達也兄様)!?」」

 

深雪と水波の驚く声が聞こえた。

 

達也は真由美にみられている前提で『雲散霧消(ミスト・ディスパージョン)』を放つ。

 

真由美「え!?…何…今の…」

 

達也は答えることもなく、真由美の声は虚空に消えた。

 

が、今度はロケットランチャーが放たれた。

 

しかし、それは横からソニックブームの如く穿たれた攻撃によって防がれた。

 

「お待たせ~!!――久し振りね、真由美さん」

 

真由美「え!?…響子さん?」

 

突如入ってきたのは真由美の旧知の人間だった。

 

――――――――――――――――――

 

克人は会場周辺を見回りしていた時に、会場に向けて撃たれたミサイルを発見し、『ファランクス』を展開した。

 

しかし、ミサイルはその前にソニックブームの如く穿たれた攻撃によって防がれ、克人の『ファランクス』はその余波の熱波を防いだだけだった。

 

横には大型車にのってロケットランチャーを担いだ男がいた。

 

克人「〈ソニックブームランチャー〉…一○一の方ですか。」

 

真田「国防陸軍第一○一旅団独立魔装大隊大尉、真田繁留であります。」

 

克人「師族会議十文字家代表代理、十文字克人です。」

 

真田「我々をご存知とは、流石は()()()()()()()。お見逸れいたしました」

 

克人の眉毛がピクッと動いたのを真田は見抜いた。

 

真田「失礼。…では、行きましょうか、十文字家次期当主殿。」

 

―――――――――――――――――

 

部屋に入ってきたのは響子だけではなかった。

 

響子「()()殿()、情報統制は一時的に解除されています。」

 

響子は達也に頼まれていた()()ではなく、元の階級である()()という階級を使った。

 

その事に達也とリーナは驚いたが、すぐに落ち着きを取り戻し、敬礼で返した(琢磨はこんな一般人の多いところで言うのかと驚いている)。

 

このやり取りに、深雪と水波を除く全員が(さっき入ってきた克人も含めて)驚き固まっていた。

 

風間「国防陸軍少佐、風間晴信です。訳あって所属についてはご勘弁頂きたい。」

 

克人「(風間…なる程。通りで…)貴官があの風間少佐ですか。師族会議十文字家代表代理の十文字克人です。」

 

風間「藤林、現在の状況を教えて差し上げなさい。」

 

響子「はっ!…我が軍は現在、保土ヶ谷駐留部隊が侵攻軍と交戦中。また、鶴見と藤沢より各一個大隊が当地に急行中。魔法協会関東支部も独自に義勇軍を編成し、自衛行動に入っています。」

 

風間「ご苦労。さて、中佐、両特尉。現下の特殊な状況を鑑み、別任務で保土ヶ谷に出動中だった我が隊も防衛へ加わるよう、先程命令が下った。国防軍特務規則に基づき、貴官らにも出動を命じる。」

 

流石に話に付いていけなくなったのか、それとも達也達に向けて言った言葉に動揺したのか、花音や摩利の方から声が上がろうとする。

 

が、風間がその前に釘を刺した。

 

風間「国防軍は皆さんに対し、中佐達の地位について守秘義務を要求する。本件は国家機密保護法に基づく措置であるとご理解されたい。」

 

真田「中佐殿、特尉。君達専用のスーツはトレーラーに置いてあります。」

 

響子「中佐殿、皆さんは私の部隊が護衛いたします。」

 

達也「少尉、よろしくお願いします。」

 

深雪「お兄様!!」

 

達也「深雪」

 

深雪「お兄様…ご存分に…行ってらっしゃいませ。」

 

水波「深雪姉様のことはお任せください。」

 

達也「深雪、水波。…ありがとう。行ってくる」

 




次回は早速戦線参加です。

では、また次回。


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四章 第十一話 敵の正体

会場を脱出した三高生は会場の近くに止めていたバスに乗り込んで戦線から脱出しようとしていた。

 

が、ゲリラの持つロケットランチャーが車体に命中し、タイヤが破損してしまった。

 

その為、真紅郎率いるタイヤを治すグループとその他の迎撃部隊に別れていた。

 

しかし、とある1人の男によって味方も敵も戦意を喪失していた。

 

その男がCADの引き金を引くと、人の体が()()()()()()()()

 

その男の名は一条将輝。

 

周りは【血濡れの王子(クリムゾン・プリンス)】の由来を理解した。

 

さらに、その攻撃をみても戦意を喪失しなかったものがいた。

 

彼女の持つその柄物がピンポイントに敵を切り裂いていく。

 

その姿はまさに()()

 

彼女の名は一色愛梨。

 

一の名を関する2人によって戦線は保たれていた。

 

真紅郎「お疲れ」

 

愛梨「予想以上に酷いわね。」

 

将輝「ああ。早く魔法協会に行きたいが、達也が来ないことにはなんにもできない。」

 

将輝達は気付かなかった。

 

隠れて此方を殺そうとしていた敵に

 

「死ね、化け物!!」

 

敵がハイパワーライフルを撃とうとすると周りが()に包まれる。

 

夜空に輝く星が流れ落ちて、夜が明けるとそこには何もなかった。

 

将輝「やっときたのか、達也。」

 

愛梨「随分と待たせてくれたわね。」

 

達也「悪かったな、お前達。」

 

真紅郎「達也、将輝達のこと頼んだよ。」

 

達也「任せろ。その代わり、そこの三高生達は任せた。」

 

真紅郎「もちろん。」

 

―――――――――――――――――

 

達也が将輝と愛梨を魔法協会に送って、軍に合流していた時、第一高校メンバー達は―

 

響子「ごめんなさいね。二台じゃあ皆さんを一気に乗せられなくてね。」

 

真由美「いえ、もともと歩いて避難する予定でしたし。」

 

克人「藤林少尉殿、誠に勝手ながら車を一台貸していただきたいのですが…。」

 

響子「何故でしょうか?」

 

克人「魔法協会関東支部へ…。代理とはいえ、師族会議の一員として義務を果たすために」

 

響子「そうですか…。楯岡軍曹、音羽伍長、十文字さんを魔法協会まで護衛なさい。」

 

「「はっ!」」

 

そして、徒歩で桜木町駅前シェルターに向かっていると、直立戦車が二台程襲ってきた。

 

しかし、それは深雪の『凍火(フリーズ・フレイム)』と真由美の『魔弾の射手』によってすぐに無力化された。

 

響子「流石ね。2人とも。」

 

深雪「いえ、このくらいできなくては、お兄様に申し訳がたちません。」

 

そんな話をしていると、シェルターが陥没しているのが見えた。

 

真由美「うそっ!?」

 

深雪「七草先輩、落ち着いてください。」

 

深雪はそのまま幹比古に目配せすると、幹比古は呪符を取り出して、様子を視た。

 

幹比古「シェルターに向かった人達は無事です。」

 

真由美「そう…ならよかった。」

 

響子「さて、この後はどうしますか?…シェルターには避難できなくなってしまったので、私としては野辺山に退避することを提案しますが?」

 

真由美「いえ、ここに残ります。…家のヘリを呼んで市民の避難を行います。」

 

雫「じゃあ、私も呼びます。」

 

響子「では、部下をおいていきますので…」

 

「その必要はありませんよ。」

 

響子「警部さん」

 

寿一「軍人は国防を、市民の避難誘導は警察の仕事です。藤林さ…藤林少尉殿は本隊へ合流してください。」

 

響子「了解しました。よろしく頼みますね、千葉警部。」

 

響子が部下をつれて去っていく。

 

寿一「いい女だね~。」

 

エリカ「寿兄貴じゃ無理よ」

 

寿一「エリカ…お前そんな態度でいいのか?せっかくいいものを持ってきてやったのに」

 

エリカ「何よ、勿体振らずに教えなさいよ」

 

寿一が持っていた剣をエリカに渡した

 

エリカ「これって…!?」

 

寿一「そうだ。お前の為の武器、大蛇丸だ。」

 

エリカ「…ありがとう。」

 

――――――――――――――――

 

一方その頃、達也は

 

達也専用の暗闇と同じ色のローブを来て飛行魔法で空を飛んでいた。

 

道中の無人偵察機は『流星群』や『雲散霧消』で無力化している。

 

達也は風間に教えられた場所に着くと、柳を筆頭に独立魔装大隊のメンバーが揃っていた。

 

達也「柳大尉」

 

柳「達也…いや、この場では中佐と呼ぶべきか…まぁ、いいや。」

 

柳が示したところには鉄屑と化した直立戦車がおかれていた。

 

達也「まさか、あれのなかに?」

 

その疑問に答えたのは柳ではなく、真田からの通信だった。

 

真田『その通り。入っていたのは〈ソーサリー・ブースター〉だったよ。』

 

達也「敵は大亜連合で決まりですね。」

 

真田『まぁ、それ以外にあり得なかったけどね。』

 

風間『すまない、中佐。今、桜木町駅前で民間人がヘリを要請したと連絡が来た。これの護衛を』

 

達也「了解。」

 

風間『ちなみに、要請者は七草真由美と北山雫だ。』

 

達也「……了解。」

 

達也達はここから桜木町駅前に向かって飛んだ。







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四章 第十二話 学生達の迎撃

お久し振りです。

個人的に達也にそろそろ星の名前をつけてもいいかなぁと思い始めてきたので、現在星(主に一等星)を調べています。

達也にこれつけたらいいんじゃないかという星がありましたら、(出来れば意味もつけて)星の名前を感想欄なんかに送ってくれるとありがたいです。

皆様の案も含めて、検討したいと思いますので、皆様の意見、お待ちしています。




ヘリを呼んだ真由美と雫を含めた一高メンバー達は、深雪率いる一年チームと花音率いる二年チームの迎撃部隊2チーム、ヘリの周辺警護をするグループに別れてそれぞれが活動していた。

 

―一年チーム―

 

幹比古「来るよ!!」

 

深雪が『凍火』で直立戦車の重火器を使えなくすると、エリカが自身の愛剣である〝大蛇丸〟で切り裂いた。

 

もう1台の方はレオが薄い刃のようなもので切り裂いた。

 

これが、レオがエリカと休んでまで手に入れようとした、戦闘用の刃、千刃流秘剣『薄羽蜉蝣』である。

 

こんな形で一年チームは何度も来る直立戦車の相手をしている。

 

―二年チーム―

 

啓「来るよ。」

 

五十里啓の円陣魔法により直立戦車を発見して、千代田花音がその直立戦車に液状化の魔法を放って動きを封じる。

 

そのまま桐原の『高周波ブレード』と千葉警部の『疾風迅雷』が銃火器を封じると共に機能を止めた。

 

二年チームはこのような形で相手をしている。

 

―桜木町駅前―

 

ほのか「防衛チーム達は問題ないみたいです。」

 

真由美「ありがとう、光井さん。にしても、遅いわね」

 

しばらくすると、北山家のヘリがやってきた。

 

遅れて七草家のヘリもやってきた。

 

ヘリが地上に降りようとすると、黒い影がヘリを襲った。

 

ほのか「蝗の群れ!?」

 

雫が持っていたポーチからCADを取り出した。

 

これはMSTが誇る天才魔工技師【トーラス・シルバー】が設計・作成したシルバーシリーズの第二世代、ループキャストが完全装備されており、最近発売されたものを雫が購入したのだ。

 

中には『フォノン・メーザー』が収録されている。

 

雫が蝗の群れに『フォノン・メーザー』を放つが、効率が悪く、邪魔なのには変わりがない

 

そんな時……夜と共に滅びの風が吹いた

 

蝗の群れは消え去り、それの術者も居なくなった。

 

上を見上げると、黒色の服を着た兵士達と1人だけ目立つ黒字に金の刺繍が施されたローブを着た兵士がいた。

 

「達也…さん…?」

 

疑惑の声を上げたのは雫だったかほのかだったか。

 

その声は虚空に消えていった。

 

達也『ヘリの降下を護衛せよ。』

 

『はっ!!』

 

そんな様子を見ていた真由美達の元へ七草家のヘリから通信が届いた。

 

『お嬢様、ご無事ですか?』

 

真由美「名倉さん?」

 

『旦那様より、真由美お嬢様は私のいるヘリにお願いします』

 

真由美「じゃあ、皆も私についてきて。」

 

雫「私は実家のヘリがあるのでそっちで戻ります。」

 

鈴音「では、市民の避難誘導は私がやりましょう。」

 

真由美「分かったわ。鈴音、あとは任せたわ。」

 

鈴音「はい。では、学校でまた」

 

そう言って鈴音と雫はそれぞれのところへ移動していった。

 

―――――――――――――――――

 

一年組が敵部隊を一通り蹴散らしたところで、深雪のもとに真由美から通信が入った。

 

真由美『皆、迎えに来たわよ。ロープを下ろすからそれに捕まって。』

 

真由美の通信と同時に()()()ロープが降りてきた。

 

深雪「光学迷彩…流石ね、ほのか。」

 

真由美達は一年組の回収に成功した。

 

そのまま二年生組の元に向かうと、まだ迎撃中でそこを上から真由美が『ドライ・ブリザード』で援護した。

 

真由美「摩利!!みんな!!」

 

ロープを下ろして地上にいるメンバーを回収しようとすると…

 

「死ね!!魔法師共!!」

 

摩利「危ない!!」

 

摩利が気付いて、咄嗟に桐原が紗耶香に、啓が花音に覆い被さった。

 

敵の持つハイパワーライフルはその弾丸の速度から魔法師の魔法発動速度より圧倒的に速く、対物ライフルよりも強い貫通力から、対魔法師用武器として知られている。

 

そんな武器からの攻撃を受ければ一溜りも無いことは目に見えている。

 

桐原も啓も覚悟を決めて目を閉じる。

 

…しかし、いつになっても痛みが来なかった。

 

目を開けると目の前には、障壁魔法を展開したローブを着た男――達也がいた。

 

達也「自分を犠牲にしてまで紗耶香さんを守ろうとした点は高評価します、桐原先輩。しかし、それで死んでしまっては紗耶香さんが悲しみます。」

 

桐原「風間…。感謝する。」

 

紗耶香「達也君…来てくれてありがとう。」

 

達也「いえ…大切な友人に死んでもらってはこちらも困るのでね。」

 

達也が手を上に上げると、周囲が()()()()()()

 

夜に瞬く星々が流星の如く落ちていき、夜が開けると、敵兵のいた所は何もなくなっていた。

 

達也「さて、俺は戦線に戻ります。」

 

――――――――――――――――――

 

一方その頃、魔法協会関東支部では、防戦一方だった。

 

〝禍斗〟と呼ばれる幻影生物には幾ら実戦経験豊富な魔法師だったとしても手も足もでなかった。

 

敵兵に襲われ、撤退しかけていた頃に、強力な援軍が到着した。

 

都市防衛の鑑、十文字家当主代理十文字克人

 

意外にも、これが初めての戦場だったが…

 

克人「狼狽えるな!!」

 

克人の放つ『ファランクス』が〝禍斗〟や直立戦車を押し潰していった。

 

克人「立て!!魔法を手にするもの達よ!!侵略者の魔の手から祖国を守り抜くのだ!!」

 

「「「「「「「おう!!」」」」」」」

 

完全武装した克人の参戦によって勢いを取り戻していた。

 

――――――――――――――――――

 

さらに一方、市街地で戦闘していた愛梨は、将輝と分かれ、1人敵兵と戦っていた。

 

しかし、状況は悪い。

 

これが初の戦場であることも含めて、殺しに躊躇い無くとまではいかず、〝禍斗〟と呼ばれる通常の魔法の通じない相手との戦いに疲労が溜まっていった。

 

こちらにも援軍が届いた。

 

スターズ総隊長アンジー・シリウス、否、工藤利奈

 

利奈「疲労してるわね。」

 

愛梨「リーナ、来てくれたのね。」

 

利奈「どっかの誰かさんが1人で戦ってるのを見るに耐えなくなってね。ここからは私も協力するわ。」

 

愛梨「そう。なら、ここを片付けて将輝と合流するわ。」

 

利奈「その意気よ。早めに終わらせるわ。」

 

愛梨はレイピアを、リーナは『ブリオネイク』を、それぞれ構えて迎撃に入った。

 

その後、敵兵が殲滅されるまで5分もかからなかったそうだ。

 

―――――――――――――――――――

 

愛梨と分かれた将輝は1人走っていた。

 

将輝はこの日本では唯一の実戦経験豊富な魔法師の1人。

 

既に、殺しに躊躇うことはない。

 

だが、愛梨は違った。

 

いつも遊んでるメンバーのなかで達也もリーナも実戦経験は豊富だし、もっと言えば彼らはもう軍人である。真紅郎は経験はあるにはあるが、それも避難民としてであり、戦ってはいない。愛梨はそもそも実戦とは程遠い、競技の人間。

 

だから、将輝は愛梨も避難してもらおうとした。

 

でも、愛梨はそれに否と答えた。

 

そんな愛梨から別行動を提案された時、断っておけばもう少し楽だったかもしれない。

 

だけど今はお互い1人で、それぞれで戦っている。

 

目の前には魔法の効かない〝禍斗〟や直立戦車、ハイパワーライフルを手にした兵士がたくさんいる。

 

まずは、『爆裂』を使って、近くの貯水槽の水を気化させ爆発させる。

 

その爆発で蒸発した水蒸気が大気の温度で水滴になり、直立戦車に付着する。そこを『爆裂』で爆破させる。

 

これで障害の1つをクリアした。

 

〝禍斗〟については術者が存在する。

 

魔法師を炙り出すために、『爆裂』の派生系である『叫喚地獄』を発動した。

 

この魔法は一対一の対人戦が専門である将輝が唯一得意としている領域干渉魔法。

 

『爆裂』は対象内部の水分を瞬時に気化させる発散系魔法であるが、この『叫喚地獄』はおよそ30~60秒かけて水分を気化させる振動系魔法。

 

そして、体に作用する魔法ならば魔法師が無意識的に発動している『情報強化』が防ぐので、実質魔法師相手には不利な魔法だ。

 

しかし、逆を返せば、効かない兵士は魔法師だということ。

 

将輝は咄嗟に『叫喚地獄』を発動する。

 

兵士がどんどん倒れていき、1人だけ生き残った。

 

将輝(見つけた)

 

将輝は逃げ出した兵士を追い、照準を合わしたところで『爆裂』を使い、敵魔法師兵を撃破した。

 

 




次回はこれの続き、

達也が1人で敵部隊を壊滅させるシーンからスタートです。

では、また次回。


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四章 第十三話 【星王】

本日二作品目の投稿になります。

星についての意見お待ちしております。




上陸した別働隊は街中を進行していた。

 

その時、1つの影が上を通り過ぎた。

 

兵の1人が確認すると、そこには自分の身長より少し大きな銀色の槍を持ったローブを着た男―達也が宙に浮かんでいた。

 

達也が槍の先端を兵達に向けると、先端が光輝き、次の瞬間には光線によって部隊の先頭が壊滅していた。

 

『上だ!!狙え!!』

 

戦車が達也に照準を合わせようとするが、突如辺りが暗くなり、達也を見失ってしまった。

 

見失ってあたふたしていると、空から流星が物凄い数流れ落ちて来た。

 

『――【星王】!!』

 

――――――――――――――――――

 

偽装揚陸艦内の司令室では艦長と思わしき人物にその部下と思われる人物がある報告をしていた。

 

「別働隊が全滅!?」

 

「はっ!」

 

艦長は今すぐ怒鳴り散らそうとしたが職務を全うすべく話の続きを聞いた。

 

「報告によりますと、1人の兵士が上空に出現。その兵士によって壊滅させられた模様です。」

 

「たった1人にどうして別働隊が全滅するんだ!!別働隊は何をしてたんだ!!」

 

「実は…未確認の情報なのですが…通信に【星王】という言葉が」

 

「【星王】だと!?なぜ別国のトップが出てくるんだ!!」

 

「わかりません。しかし、その兵士が光を操り、さらに空が闇に包まれたことから、3年前のあの戦いの時の【星王】の特徴と一致しています。」

 

「ちっ、質の悪い戯言だ!!」

 

――――――――――――――――――

 

別働隊を壊滅させた達也は柳が率いる部隊と合流して、残りの部隊の壊滅に動いた。

 

黒色の兵士が銃や砲撃で撃たれてもその中心にいる達也が左手を向けると、その傷は跡形もなく消え去り、黒色の兵士は戦線に復帰する。

 

達也ありきの不死身の部隊であるが、敵にとっては脅威でしかない。

 

兵たちも達也に気付き、達也を狙うも、銃撃は効かないし、槍の先端からの光線で返り討ちに合う。

 

さらに、逃げ出そうとすれば、闇に捕らわれて跡形もなく消え去る。

 

3年前の沖縄での状況と全く同じであった。

 

その後も、各地の敵部隊を壊滅させて行った。

 

――――――――――――――――――――

 

その頃、将輝の姿は中華街の近くにあった。

 

敵兵が撤退していった先は横浜中華街

 

将輝は義勇兵を引き連れ、その閉められた門の前にたった。

 

将輝「開けろ!!さもなくば内通者と見なす!!」

 

将輝が勧告を出すと、扉が開き、中から代表と見られる男とそのボディーガードと思われる男達がゲリラ兵を縛り上げていた。

 

「我々は内通者ではなく被害者です。その事を知っていただきたく、こうして協力させていただきました。」

 

将輝「名前は?」

 

「周公瑾と申します。」

 

将輝「周…三國志の?」

 

「本名ですよ。…速くこの者達をお願い致します。」

 

将輝「そ、そうか。私は一条将輝だ。協力感謝する。」

 

将輝が後ろの義勇兵に目で合図をすると、彼等が捕虜を捕らえていく。

 

その間に周公瑾と名乗る男は将輝に近付いていく。

 

「中佐を…達也君を頼みましたよ…」

 

将輝「…!?お前は…。」

 

「では、今度は客として皆様には来てもらいたいものです。では失礼。」

 

男は将輝達に礼をして中華街の中に戻っていった。




今回は達也と将輝のシーンを出しました。

今回の周公瑾は敵ではなく味方なので、でもリーナも含めて他のメンバーは公瑾が達也の部下であることを知らないので将輝が疑うのもわからなくはないなと思ってこの描写をつけてみました。

次回は横浜騒乱編の見所の1つ、対呂剛虎戦です。

案の方も感想もお待ちしています。

ではまた次回。


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四章 第十四話 学生VS【人喰い虎(呂剛虎)

別働隊が全滅しましたという報告に大亜連合特殊工作部隊隊長陳祥山(チェンシャンシェン)は特に驚きもしなかった。まるで、そんなことはどうでもいいとでも言うかのような…。

 

「さて、我々は作戦第二案に移行する。…呂上尉、復讐など考えるな。レリックなんて不確かな物に拘った我々の落ち度だ。」

 

脱走した呂は『白虎甲(パイフウジア)』と言う呪法具の鎧を装備していた。

 

「分かっております。」

 

「よし、行くぞ。目的は魔法協会関東支部だ」

 

――――――――――――――――

 

異変に気づいたのは美月だった。

 

突然、目の痛みを訴えたのだ。

 

そして、窓を見ると、野獣のようなオーラを視認した。

 

深雪「美月大丈夫?」

 

美月「今、ベイヒルズタワーの方で野獣のようなオーラが…」

 

ベイヒルズタワー、即ち、魔法協会関東支部

 

幹比古「野獣…?…まさか…敵襲!?」

 

幹比古以外が戦場を目視出来たのはヘリが関東支部についてからであった。

 

下を見ると、白い鎧を着た男が弾丸を撥ね飛ばしていた

 

摩利「彼奴は!?」

 

真由美「呂剛虎だっけ…達也君が倒した…逃げられちゃったのか」

 

エリカ「呂剛虎!?」

 

レオ「知ってんのか?」

 

エリカ「強敵よ。」

 

摩利「エリカ、西城。あれは私達で倒す。協力してくれ。」

 

エリカ「勿論。」

 

――――――――――――――――――

 

先頭を歩く呂は達也との戦闘から虚無感を感じていたが、任務のためと諦めていた所、目の前に立ち塞がった者が現れ、その中に()()()()()()()が混じっていることに気づいた。

 

呂は狙いをそこに合わせた。

 

 

一方、摩利達はそれぞれ、魔法協会でプロテクターや武器を借り受けて装備した。

 

エリカとレオはプロテクターだけ、摩利はプロテクターと三節刀、腰には薬品のシリンダー容器を指したベルトを調達して呂の前に立ち向かった。

 

摩利や真由美は達也との戦いから1人で戦うのは勝ち目がないと分かってはいたが、今では頼れる後輩がいることから負ける気がしなくなった。

 

開戦はエリカの剣だった。

 

摩利や真由美しか見ていなかった呂はその知覚外の攻撃に対応できないと思っていた。

 

エリカの『山津波』に呂は避けきれないことを察し、あえてその攻撃を受け止めた。

 

呂を中心にして少し陥没する程の威力だった。

 

呂の背後でレオが咆哮と共に呂に殴りかかる。

 

呂はエリカを吹き飛ばしてレオの攻撃を交わした。

 

真由美は『魔弾の射手』でたくさんの弾丸を呂に向けて打ち出した。

 

しかし、その魔法は呂に触れる前に無力化されていた。

 

鋼気功(ガンシゴン)』は気功術の一種で、身体の周りに鋼よりも固い鎧を作り出す魔法。

 

再びレオが突撃してくると、それを弾き返した。

 

レオの体はそのままバリケードとして張ってあった車にぶつかった。

 

エリカ「レオ!?…よくも、やってくれたな!!」

 

エリカが大蛇丸を構えて呂に突撃をかける

 

呂はそれの流れを利用して返り討ちにしようとするが、当てた時の感覚が余りよくなかった。

 

エリカの攻撃には力が入ってなかったのだ。

 

『山津波・燕返し』

 

エリカは返り討ちに合うことは分かっていたので、その反動を利用して後ろに下がったのだ。

 

多少のダメージは負うが普通に切りかかるよりかは断然ましだった。

 

そして、エリカの狙いも攻撃を当てることではなかった。

 

エリカに気を取られていた呂は後ろから静に襲いかかる摩利に気付かなかった。

 

摩利の三節刀をしっかり食らった呂はバランスを崩すが、そこは歴戦の将、すぐに立て直そうとする。

 

そこに、摩利は自身のシリンダー容器を取り出した。

 

3本のシリンダー容器からそれぞれ薬品が飛び出し、呂に直撃する。

 

摩利の作った薬品は一時的な酩酊感を与えるもの。

 

呂も意識を取り戻すのに少し時間がかかってしまった。

 

そこに生じた隙を見逃さない真由美がもう一度氷の塊を打ち出す。

 

ギリギリ間に合った呂がそれを受け止めるが、呂の手に当たる直前で二酸化炭素に気化して、呂は高濃度の二酸化炭素を顔面に食らう。

 

いくら世界トップクラスの武人と言えど高濃度の二酸化炭素を食らえばなにも起こらないこともなく、

 

呂はその例に洩れずに倒れた。

 

最後に止めとばかりにエリカの剣が呂の心臓を貫いた。

 

今、この瞬間をもって、大亜連合が持つ世界最強の戦闘魔法師は日本の学生魔法師達に破れたのだった。

 

――――――――――――――――――――――

 

陳祥山は魔法協会関東支部の中を無防備に歩いていた。

 

しかし、警備員には誰一人として気付かれていない。

 

それは、陳の発動している魔法に理由がある。

 

『鬼門遁甲』

 

この魔法は自分の姿を隠す魔法――ではなく、自身の周囲の方位を狂わせ、いつまでたっても自分を視認できないようにする魔法である。

 

もっと詳しく言うと、相手に自身が望んだ方向へ行かせる又は遠ざける、精神干渉系の古式魔法だ。

 

陳はこの『鬼門遁甲』により、ばれずに資料室までやってこれた。

 

扉のオートロックには九校戦で無頭龍が使っていた『電子金蚕』を使い、強制的にこじ開けた。

 

中に入った時、陳はとてつもない違和感を感じていた。

 

部屋がとても()()のだ

 

「それが『鬼門遁甲』ですか。」

 

「司波深雪…」

 

深雪「私の名前をご存知とは、ここ最近お兄様達に付きまとっていたのは貴殿方でしたか。」

 

「なぜだ…私の術が効かなかったのか?」

 

深雪「いえ、魔法は正常に発動していますよ。ただ…警告を受けていました。〝方位に気を付けなさい〟と。」

 

陳は日本にこの魔法の特性を理解している人間がいることに驚いたが、何とか気を保った。

 

深雪「まぁ、それだけではよく分かりませんでしたが、方位に気を付けると言うことは、全方位まとめて警戒すればいいのではと思いました。」

 

思っていることは無茶苦茶ではあるが、確かにこちらのことは認識されている

 

深雪「幸いにもここには見えないものが見える魔法師がおりまして、警戒する以前にも見えないことになっても()()()と言うわけです。」

 

陳は目の前の女の話に内心呆れていたが、実際に看破されている以上、最後の抵抗をしようと懐の拳銃に手を掛けようとする

 

しかし、体が動かない。

 

深雪「お兄様に対するストーキング行為が貴殿方のせいであるのでしたら、しばしお眠りください。」

 

体が氷に包まれていく。

 

深雪「私も成長してますので、目が覚めないと言うことにはならないと思いますよ。」

 

深雪のその言葉を最後に、陳の意識は闇に包まれた。




やっぱり戦闘シーンは難しくてまだまだ慣れませんね…。

横浜騒乱編もあと一、二話くらいで完結すると思います。

と言うわけで、次回、達也の戦略級魔法が炸裂すると思います。

では、また次回


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四章 第十五話 灼熱のハロウィン

戦線に残った魔法科高校生の善戦のお陰もあり、ゲリラ達は鎮圧されつつあった。

 

前線にたっていた独立魔装大隊のメンバーは偽装揚陸艦が山下埠頭から脱出しようとしているのを確認した

 

柳『残存兵力は上陸部隊に任せて、我々は直接揚陸艦を叩くぞ!』

 

柳の合図に兵は動こうとしたが止められた

 

『揚陸艦への直接攻撃はお止めください』

 

柳『藤林。なんでだ?』

 

響子『敵揚陸艦はヒドラジン燃料を利用しております。もし、ここで叩いた時の資源へのダメージは図り知れません。』

 

柳『じゃあ、どうする。』

 

『引け、柳。』

 

柳『隊長!?』

 

風間『撤退するわけではない。残存兵力は鶴見・藤沢の部隊に任せ、帰投しろ。』

 

柳『はっ!聞いたかお前ら。帰投するぞ!』

 

―――――――――――――――――――

 

魔法協会のある横浜ランドマークタワーの屋上には達也が着いていた。

 

達也はローブのフードを取って上がってきた人達を労った。

 

達也「皆さん、お疲れさまです。」

 

響子「お疲れさまです、シールズ中佐」

 

達也「ここには知人しかいないのでいつものやつで大丈夫ですよ。」

 

響子「じゃあ、お言葉に甘えて。お疲れさま、達也君。」

 

達也「響子さんもお疲れ様でした。」

 

風間「さて、達也。準備はいいか?」

 

達也「もちろんです。」

 

響子「敵艦は時速30ノットで大島と伊豆諸島の中間を走行中。殲滅は可能です。」

 

風間「さて、一応〈サード・アイ〉は持ってきているが、どうする?」

 

達也「あの程度なら使わなくても大丈夫です。こっちで行きます」

 

達也はネックレスを服から取り出した

 

風間「なるほど、では準戦略級魔法『星屑の穴(スターダスト・ホール)』、発動!」

 

達也はネックレス―思考一体型CAD〈クローバー・スター〉に想子を流し込んだ

 

達也「『星屑の穴』発動!!」

 

――――――――――――――――――――

 

「やはり日本軍は攻撃してきませんでしたね。」

 

「ヒドラジンの流出を恐れたのでは?」

 

「同じことだ。今さら環境保護なんて偽善に浸っているからみすみす逃すんだ」

 

「覚えておれよ。この仮は倍にして返してやる」

 

その時、艦船内のCAD照準システムが反応した

 

「何事だ!!」

 

しかし、報告は無かった。

 

言葉を発する隙もなく全てが消失した

 

――――――――――――――――――――

 

敵艦の周囲が夜に包まれる夜空に瞬く流れ星が敵艦に触れる

 

触れたところから空間に()()()()()

 

穴に敵艦が吸い込まれて、穴が閉じると夜も晴れて何もなくなっていた

 

響子「敵艦の消滅を確認しました。」

 

風間「うむ。ご苦労だった。」

 

――――――――――――――――――

 

横浜騒乱が起こったことで全部の魔法科高校は翌日の学校を休校にしている。

 

しかし、受験が控えている3年生や魔法の練習をするために学校に来る人が多いので学校が閉まっているわけではなかった。

 

横浜騒乱から2日後、学校に登校した生徒は横浜騒乱など夢物語だったかのように何事もなく登校していた。

 

リーナも深雪達もいつものメンバーでいつも通りに仲良く会話している

 

そこに達也の姿は無かった。

 

リーナも深雪も理由を大まかには聞いているがいつまでいないのかは知らない

 

エリカ達も達也が軍属なのはあのときに知っていたので今いないのも軍関係だろうというのも予想はできていた

 

達也を心配する声はここだけではなく、鋼やエイミイを含めたB組メンバー、生徒会メンバー、そして真由美もである。

 

そんな心配されている達也は現在対馬要塞に来ていた

 

対馬要塞は第三次世界大戦時に敵国に一時的に占領され町を壊された対馬を国防軍が要塞とした都市で昔は人が住んでいたのだが、それも相当昔で今ではその面影が一切ない

 

そんな基地のとある一室に達也達独立魔装大隊の面々が来ていた

 

達也は封印解除した〈サード・アイ〉をとりだしていた

 

風間「さて、中佐。これを見てくれ。ここは大亜連合の鎮海軍港の映像だが、艦隊が集まっている。我が国と大亜連合は講和条約が結ばれていない。この動きはおそらく中国地方、四国地方、九州地方のどれかを占領しようとしているように見える。―つまりこれは我が国に対する宣戦布告と見てもいいだろう。」

 

風間は一息おいて話を続けた

 

風間「対する我々は海軍が先日やっと集まり始めたところ。よって、我々はここで戦略級魔法をもってこの状況を対処する。なお、本件は統合閣僚会議、及び連邦国軍参謀本部の認可を受けた作戦である。」

 

風間「さて、タツヤ=シールズ中佐。戦略級魔法『質量爆散(マテリアル・バースト)』をもって敵を殲滅せよ」

 

達也「了解。成層圏カメラのリンク完了、『質量爆散』発動!」

 

照準は旗艦についた水滴

 

水滴を強引にエネルギーに分解してそのエネルギーで爆散させる

 

旗艦についた一粒の水滴が大きな爆風となって軍港ごと破壊する

 

映像が復帰した時にはそこには巨大な穴ができていた。

 

若い隊員達はその光景に体調の優れないものが続出だった。

 

響子「敵は…」

 

達也「消滅しました。津波の心配は?」

 

響子「ありません。」

 

風間「全員帰投準備!作戦は終了だ。」

 

――――――――――――――――――――

 

灼熱のハロウィン

 

後世の歴史家は、この日のことを、こう呼ぶ。

 

それは軍事史の転換点であり、歴史の転換点とも見做されている。

 

それは、機械兵器とABC兵器に対する、魔法の優越を決定づけた事件。

 

魔法こそが勝敗を決する力だと、明らかにした出来事。

 

それは魔法師という種族の、栄光と苦難の歴史の、真の始まりでもあった。




ここまで長かったですが、ついに横浜騒乱編は完結しました。

途中で投げ出しかけたり、忙しくて日にちが空いてしまったりと不定期な投稿でしたが、なんとかここまで出来ました。

この後は番外編として横浜騒乱編以降の話や冬休みの話等を挟んで、最終章である映画の所―隕石爆発編にいきたいと思います。

なので、今後ともよろしくお願いいたします。


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四章 番外編① 帰省(USNA)一日目

論文コンペで起こった横浜事変も過ぎ、先日2学期が終わった。

 

入学してからブランシュやら無頭龍やら大亜連合やらで忙しい1年を過ごしていた達也にはまたしても難解な状況に遭遇した。

 

本国からの召集命令

 

横浜事変のときは状況説明に自室からバランスに連絡したり、興味本位で連絡してきたレイモンドの相手をしたり面倒ではあったが、本国にいくことはなかった。

 

なのに、本国まで行かなくてはならなくなった。

 

今は冬休みで学校にいく必要は無いので、そこは安心だが、達也には本国に行く理由に見当がつかなかった。

 

しかも、呼ばれているのは達也()()、それもホワイトハウスから。

 

そんなこんなで達也は独立魔装大隊の霞ヶ浦基地からジェット機でホワイトハウスのあるUSNAの首都ワシントンD.Cに向かった。

 

リーナ達には独魔の基地で泊まり掛けの訓練に参加すると伝えてある。まぁ母である真夜には隠しきれなかったが…

 

ホワイトハウスにつくと達也を出迎えたのは任務中のリーナに変わってスターズを纏めるカノープスである。

 

達也「お疲れ様です、ベン。」

 

ベン「お久しぶりですね、達也。さて、行きましょうか中佐」

 

達也「ええ。」

 

まず達也が連れてこられたのはUSNA軍総司令官室である。

 

「久し振りだね、シールズ中佐。」

 

達也「私が国際魔法協会の理事になった時以来ですのでおよそ6年ぶりになりますね、総司令官殿。」

 

「そうだね。入った時は幼い糞餓鬼だったお前が今では立派になったな。」

 

達也「…それは忘れてくださいよ…。」

 

「はっはっは。さて、世間話はこの辺にして…。先の横浜での出来事、鎮海軍港での出来事は聞いた。よくやってくれた。我々としても大亜連合の動きには警戒していたのだ。感謝しているが、まさか、2種類とも使うとは思わなかった。」

 

達也「それは…」

 

「まぁいい。今回の日本と大亜連合の小競り合いは下手をすれば世界大戦になりかねない可能性があった。…だが、君が戦略級魔法を使用したことで君が日本に潜入していることがばれかねない。」

 

達也「それは承知しております。」

 

「私としては君を我軍の公式戦略級魔法師として認めてしようかと思うが、それでは私の目的は果たせない」

 

達也「目的?…どういう意味ですか?」

 

「私としては君という存在がいるお掛けで日米の関係はどんどん良好になっていると思っている。…だからこそ私は君の魔法の使用権を【大天狗】に一任した。さすがに確認くらいは取って貰うつもりではあるが。私は日米の関係にどんどん利用していきたいと思っている。」

 

達也「いわば政治の道具って所ですかね?」

 

「そこまでは言ってないが…まぁそういうことだ。まだ企画段階だが、日本とUSNAの戦闘魔法師の連合軍を編成しようと考えている。そして、その連隊の隊長に日本人の血を引いていて尚且スターズでもトップクラスの所属である君を推薦しようと考えている。」

 

達也「日米の友好関係ありきの提案、ということですか」

 

「その通り。もし、これが実現した時には連隊長になってくれるかな?タツヤ=シールズ中佐?いや、タツヤ=()()()()()()()()。」

 

達也「アルデバラン…星の名前…ですか?」

 

「そうだ。純星(スバル)の後星とも呼ばれる星でアラビア語で〖後に続くもの〗というそうだ。表に出ようとしない君にぴったりではないかな?」

 

達也「…それは皮肉ですか?長官。」

 

「君はスターズに入りながらも()()()()()()()()()()。あんなに貢献しているのにだ。だから、丁度良いのではないかね?昇格もしているのだしな。まぁ、要らないというのなら別に良いのだが…。」

 

達也「わかりました。その名前、喜んで拝命いたします。」

 

「さて、話は以上だ。」

 

達也「失礼しました。」

 

達也が部屋から出ると外で待機していたベンの案内で大統領の執務室に案内され、そこで横浜事変の解決、日本と大亜連合の関係の改善に貢献したとして大統領直々に大佐への昇格を言い渡された。

 

その後、達也はMSTのUSNA支部に久し振りに出社した。

 

そこには見計らったようにレイがいて達也は苦笑いをしていたが、久し振りに直接会ったと言うこともあり、話をし続けた。

 

今回はUSNAに3日間いる予定なのだが、泊まる場所を決めていなかったのもあり、レイの家にお邪魔することになった。

 




オリジナルって難しいですね…。

オリジナルシーンを書いている人ってすごいなと改めて思います。

予定では、USNA編終えたら日本に帰国、その後達也達で初詣をして、後に1日だけ四葉本家に帰省って感じで行きたいと思っております。

オリジナルなので投稿頻度はいつも以上に落ちると思います。

番外編には自信がないので暖かい目でお願いします。

では、また次回


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四章 番外編① 帰省(USNA)二日目

二日目、達也はレイの家からスターズの本部に来ていた。

 

隣にはスターズ本部の後に向かう場所の関係でレイがいる

 

行きはクラーク家の車の中で魔法理論について話ながら向かっていた

 

中に入ると、達也は真っ直ぐ呼び出した張本人のもとへと向かった。

 

達也がその人物のいる部屋のドアをノックすると、合図が来た。

 

達也「失礼します。」

 

バランス「久しぶりだな、タツヤ。」

 

達也「お久しぶりです、義母さん」

 

バランス「まずは、お帰りと言っておこう。私からもお前に伝えなくてはならないこととかお前から聞きたいこともある。」

 

バランスの口調が家族から軍人同士に変わったのを感じて達也は口調を改めた

 

達也「ただいま戻りました。さて、伝えなくてはいけないことって先の大戦のことですか?」

 

バランス「ああ。日本それも横浜で起こった大亜連合との

戦闘―通称〝横浜事変〟、そして鎮海軍港を襲った戦略級魔法―通称〝灼熱のハロウィン〟についてだ。」

 

達也「10/30に横浜で実施された全国高校生魔法学論文コンペティションの途中でゲリラの侵攻が起こったことで横浜事変が始まりました。そして、それを退けると同時に敵擬装揚陸艦を『星屑の穴(スターダスト・ホール)』で撃破。これが大まかではありますが横浜事変の詳細です」

 

バランス「なるほど。では、〝灼熱のハロウィン〟についても聞かせてもらおう」

 

達也「そちらは10/31大亜連合の軍港である鎮海軍港に大亜連合の海軍が集結、西日本の中国・四国・九州のいずれかを占領すると思われた為、認可の元に戦略級魔法『質量爆散(マテリアル・バースト)』で殲滅しました」

 

バランス「確かに参謀本部が許可を出したと言う知らせはこちらにも届いている。では、この一連の流れの結末は聞いているか?」

 

達也「いえ、聞いてません。」

 

バランス「そうか。まずは、これは知ってるでしょうけど今回の大爆発について、国際魔法協会は憲章に抵触する〈放射能汚染兵器〉によるものではないとの見解をまとめた。これにより懲罰動議は却下されることになった。」

 

達也「そこまでは知っています。何せ、『質量爆散』も『星屑の穴』も放射性物質は発生しないですからね。」

 

バランス「そして、これは報告になるが、先の爆発の影響で大亜連合が公表している戦略級魔法師、劉雲徳の戦死が報告された」

 

達也「あの【震天将軍】がですか?」

 

【震天将軍】とは戦略級魔法師劉雲徳が使う戦略級魔法からついた異名である。

 

バランス「この件もあり、日本政府は大亜連合から大きな譲歩を引き出そうと、日本の参謀長から五輪家に出動要請があり、五輪家はこれを受けました。そして、佐世保に集結した艦隊には日本の戦略級魔法師の五輪澪殿と我々の代表としてカノープス中佐が乗船されたそうです。一応中佐には中立の立場に立ってもらうように連絡を入れました。」

 

達也「五輪殿が向かったのか…体調は大丈夫だったのでしょうか?」

 

バランス「それほど日本側に取っては重要な話だったということです。そして、先日未確認の情報だが、新ソ連の戦略級魔法師ベゾブラゾフ博士がウラジオストクに入ったそうだ。」

 

達也「【イグナイター】イゴーリ=アンドレイビッチ=ベゾブラゾフですか?」

 

バランス「そのベゾブラゾフ博士です。」

 

達也「両国ともにその情報は掴んでいる筈ですので近日中には講和が結ばれるでしょうね。」

 

バランス「これで3年前の因縁が解決すると我々は踏んでいます。さて、話は以上です。貴方はこの後用事があるんじゃないの?」

 

達也「ええ。入り口の方でレイを待たせてまして。何でもお父上殿が俺に用があるようで」

 

バランス「なる程ね。じゃあ早く行ってあげなさい。」

 

達也「わかりました。じゃあ義母さん、また後で。」

 

バランス「ええ。また後でね、タツヤ。」

 

――――――――――――――――――――

 

達也がスターズ本部を出ると、すぐに車に乗せられた。

 

そして、その車が向かった場所はMST-USNA支部だった。

 

そこの会議室の一室に入ると、1人の男が座っていた

 

達也「お久し振りです、エドワード=クラークさん。」

 

「しばらく会わないうちにもう他人行儀な呼び方になってしまったのかい?達也君。」

 

達也の目の前にいる男―エドワード=クラークはレイモンドの父親であり、なおかつ世界に7人しかいない〈七賢人(The seven sage)〉と呼ばれる人間の1人である。

 

ちなみに七賢人とは、7人の賢い人…ではなく、〈フリズスキャルヴ〉のアクセス権を持つ7人のオペレーターのことを言う

 

そして、〈フリズスキャルヴ〉とはUSNAのNSAが開発した全地球傍受システム〈エシュロンⅢ〉の追加拡張システムの1つで、〈エシュロンⅢ〉のバックドアを利用し、〈エシュロンⅢ〉のメインシステムを上回る効率で世界中から情報を集め、オペレーターの検索にヒットする情報をもたらしてくれるものである。

 

さらに、この〈エシュロンⅢ〉の管理やオペレーターの変更・認定・抹消は全て達也の目の前にいるエドワード=クラークが行っている

 

達也が現時点で知っているオペレーターはまず管理者であるエドワード=クラーク、そして元オペレーターで達也達が処断したジード=ヘイグの後継としてオペレーターになったエドワードの息子であるレイモンド=クラーク、さらに当時エドワードが最も欲しかった日本の魔法師の大家―四葉家の情報を手に入れる為にエドワードが送ったことからオペレーターになった達也の母、四葉真夜の3人だけである。

 

達也「すみません。暫く会ってなかったものでして…」

 

「まぁ、確かにそうだね。それにしても〈ループ・キャスト〉に汎用的飛行魔法…MSTも随分と忙しくなったね」

 

達也「確かに伯母上の呼びかけで出来た最初の時期にはここまで大きくなるとは思ってませんでしたね。」

 

「それは謙遜にしか過ぎないと思うけどね。まぁいい、本題に入ろう。上層部も喜んでいたよ。何せ、達也君のお陰で日本に貸しを多く作れたからね。」

 

達也「上層部は日本を植民地にでもするつもりなんですかね?」

 

達也は少し微笑みながら思ったことを口にした

 

「そこまでではないだろ…。せめて、我が国と並ぶくらいになってもらわないとね。あ、そうそう。ウォーカー司令の案が上層部でも認められてきている。だから、日本には頑張ってもらわないとね。と言うわけで後2年はあるけど日本での潜入調査楽しんできなさい。」

 

達也「はい。ありがとうございます。」

 

「今日も家に泊まるのかい?」

 

達也「いえ、今日は家に帰ります。」

 

「そうかい。なら、早めに帰るといい。送ってくよ」

 

達也「ありがとうございます。」




次回で帰省(USNA編)は次回で終わりになります

日本に戻ってきてからは初詣(詳しくは来訪者編をご確認ください)シーン、四葉に新年の挨拶をしたら次の章に向かいます

次の章は来訪者編ではなく、映画のところです。章の題名とか、いいのあったら感想とかで書いてくれるとありがたいです

今回のシーンは本来追憶編の所になります

追憶編の内容は沖縄防衛戦と横浜事変の結末開示ですが、沖縄防衛戦は1章で行いましたし、横浜事変に関しては達也の所属は四葉家ではなくUSNA軍ですので結末開示をUSNAで行いました。

そして、エドワード=クラークに関しては原作ではラスボス的な役割でしたが、この作品ではレイモンド=クラークの友人である達也を昔から面倒見ていたので原作のように敵対する必要がなくなっています。逆に達也が日本を守護したことで日本に貸しが出来たので喜んでいます

と言うわけで、今回はここまで次回はこの続きです

では、また次回


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四章 番外編① 帰省(USNA) 3日目

達也はエドワード=クラークに送ってもらってUSNAの養母と住んでいた家に向かった

 

「達也君、たまにはレイと連絡してやってくれ。それに、MSTにももっと顔を出してくれてもいいんだぞ」

 

達也「そうですね。次の大きな休みにはまたこっちに戻ってこれると嬉しいです」

 

「そうか。なら、その時を楽しみに待っているよ。」

 

達也「わかりました。ありがとうございます、エドワードさん。」

 

達也がエドワードに感謝を述べると、微笑んで車のサイドガラスを閉じ、車を発車させた

 

達也が家に着くと、懐かしい反応が一つあった。

 

達也「ただいま。」

 

「お帰りなさい。まさか、大佐殿の言う通り本当に来るとは、まぁ自宅ですからね。」

 

達也「お久し振りです、シルヴィ。」

 

シルヴィ「ええ。タツヤ君も久し振りですね。」

 

達也「しかし、なぜシルヴィがここに?」

 

シルヴィ「それは…」

 

バランス「私が説明しよう」

 

達也「義母さん、ただいま。」

 

バランス「お帰り、タツヤ。准尉、そこから先は私が話す」

 

シルヴィ「はっ!」

 

バランス「さて、何故准尉がここにいるのかだったな。それは、タツヤが日本に帰るときに彼女に同行して貰うからだ。」

 

達也「え?どう言うことですか?」

 

バランス「つまり、タツヤとリーナの2人が出ている任務に准尉も我々との伝達役で同行することになった」

 

達也「つまり、シルヴィも日本に来ると言うことですか?」

 

バランス「その通りだ。今回の件は風間少佐や佐伯少将に話がついているので准尉は独立魔装大隊の協力者という立場になる。住む場所は流石にタツヤはリーナ以外とも住んでるから流石に同じ場所と言うわけには行かないから真夜さんに住む場所を提供して貰った。一応はタツヤ達の家から近いそうだからリーナを連れて会いに行くといい」

 

シルヴィ「と言うわけで、これからよろしくお願いしますね。」

 

達也「わかりました。シルヴィもよろしくお願いします。」

 

シルヴィ「この件はリーナには秘密ですので」

 

達也「そうですね。取り敢えず、明日は出国ですので準備をしてきます」

 

シルヴィ「夕食出来たら呼びますので」

 

その後、出国の準備を済ませ、夕食を食べつつ、日本で会った友人についての話や九校戦についてなど、ちょっとした話をして、その日を終えた

 

――――――――――――――――――――

 

翌日

 

達也の姿はショッピングモールの中にあった

 

シルヴィ「さて、リーナへの誕生日プレゼント、どうしますか?」

 

達也「そうですね…髪飾りとか?」

 

シルヴィ「もうすぐリーナも16歳ですか…子供の成長は速いですね~。」

 

達也「そうでしょうかね…あんまり変わってないとも思いますが…」

 

シルヴィ「それ本人の前では絶対に言わないでくださいね!!」

 

達也「わ、わかってますよ、そのくらい。さて、リーナには…っと。」

 

達也が見付けたのは紫色の花がトレードマークの髪飾りだった。

 

シルヴィ「どうしたの達也君?…これはキキョウね」

 

達也「ええ。誕生日ですし、なおかつ婚約者ですから。花言葉もぴったりですからね」

 

シルヴィ「キキョウの花言葉は〈永遠の愛〉〈変わらぬ愛〉。達也君も一途ですね」

 

達也「か、からかわないでください…。」///

 

シルヴィ「まぁ日本に行けばいくらでもからかえますから今日はこの辺にしておきましょう」

 

達也「できれば日本でも止めていただきたいのですが…。」

 

シルヴィ「嫌です。これは響子さんと約束したことなので、今さら撤回しませんよ」

 

達也「はぁ…。」

 

達也は諦めて紫のキキョウの花の髪飾りを購入して店を後にしようとする

 

シルヴィ「ねぇ達也君。私のこれどうですか?」

 

シルヴィはつけさせて貰った1粒のブルーサファイアが吊るされたペンダントを付けて達也のもとへ歩いてきた

 

達也「ブルーサファイアですか?綺麗ですね」

 

シルヴィ「でしょ?気に入りました、と言うわけで達也君姉へのプレゼントとしてくれませんか?」

 

達也「最初から買わせる気でしたよね?」

 

シルヴィ「あら?そんなことはありませんよ。にしても達也君が手に持ってるその髪飾り随分綺麗ですね、もしかして妹の深雪さんに買うんですか?」

 

達也「ええ。深雪にぴったりですよ。なんせ、氷の女王様なんて異名が付くぐらいですから。」

 

達也は深雪用に見つけた髪飾りを箱にしまって、店員を呼んだ

 

達也「すみません、この髪飾りと彼女が身に付けてるペンダントを購入してもよろしいですか?」

 

シルヴィ「!?いいんですか、達也君?」

 

達也「ここで時間を潰しては帰りが遅くなりますので、それにお世話になった姉へのプレゼントですよ」

 

「お客様、お値段はこちらになります」

 

達也は端末に登録されたカードを翳して会計を済ませた

 

達也「さぁ、姉さん。帰りますよ」

 

シルヴィ「達也君…。ええ、帰りましょ」

 

こうして達也の帰省は終わりを向かえた

 

帰国後、達也はシルヴィと共に家に帰ってリーナを驚かせると、深雪とリーナにそれぞれプレゼントを渡した

 

2人はその日喜びに浸っていたそうだ





以上で番外編①を終わります

次回は番外編②として、新年の初詣、四葉家へ新年の挨拶の2つになります

1話で終わればいいのですが、終わらなければ2話分に分けて投稿して、映画編に向かおうと思います

では、また次回


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四章 番外編② 初詣

もうすぐ四章が終わり、最終章です!!


ブランシュの武装決起に始まり無頭龍(ノー・ヘッド・ドラゴン)の九校戦介入、果てには大亜連合の横浜侵攻と、普通なら経験することの無い密度の濃い一年を過ごした達也達

 

そんな激闘の一年を終えた達也達は、新年を迎えて初詣のために日枝神社に向かうために準備をしていた

 

この日、1/1にはリーナの着付けの為にシルヴィが家に来ていた

 

リーナ「ねぇ、達也、深雪。これどうかしら?」

 

リーナが用意したのは赤の振り袖…だが下が短くスカートのようだった

 

その格好にリーナ以外の家の住人が固まった

 

達也「リーナ…それ…」

 

深雪「それ…時代遅れ(Out of Fashion)です!!」

 

リーナ「え?」

 

シルヴィ「リーナ…いえ、総隊長殿?貴女にはファッションについて教えなきゃいけないようですね」

 

リーナ「シ…シルヴィ!?」

 

シルヴィ「取り敢えず、着替えてきますので皆さんはここにいてください」

 

シルヴィがリーナを連れて着付けに行った後、達也の着付けを手伝うために深雪も達也と部屋に戻り、水波も自分の着付けに部屋へと向かった

 

その後、先に着物に着替え終わった水波が準備をしていると、着物に着替えたリーナとシルヴィがリビングへと現れた

 

水波「シルヴィさんお疲れ様です。利奈姉様もシルヴィさんもよくお似合いです。所で2人の付けてるその髪飾りやペンダントは達也兄様からのプレゼントですか?」

 

リーナ「そうよ。少し早い誕生日プレゼントだそうよ。」

 

水波「紫のキキョウ…なるほどそういうことですか。お義姉様、これからも達也兄様をよろしくお願いいたします」

 

シルヴィ「ちょっと固いですよ、水波ちゃん。私のも達也君からの贈り物です。にしてもよくわかりましたね」

 

水波「深雪姉様が髪飾りを貰って舞い上がってまして…」

 

深雪「あら、私がなにかしら?」

 

水波達が話している時に着物に着替えた深雪と袴に着替えた達也が下りてきた

 

リーナ「達也…袴似合いすぎよ…」

 

シルヴィ「まるで若頭ですね…」

 

達也「俺はヤクザかなにかか?」

 

深雪「よくお似合いです、お兄様!!」

 

水波「そうです、よくお似合いです!!」

 

達也「あ、ありがとう」

 

シルヴィ「そろそろ時間ですね、向かいましょうか」

 

――――――――――――――――――

 

達也達がコミューターで目的地に付くと、そこには何時ものメンバーが揃っていた

 

達也「おはよう皆。そして、明けましておめでとう、これからもよろしく」

 

レオ「お、おう。よく似合ってんな、その格好。」

 

美月「本当によくお似合いです。利奈ちゃんと並んでお似合いのカップルですよ」

 

リーナ「ほ、本当!?」///

 

深雪「リーナ、私はまだ認めてないから」

 

達也「2人は仲がいいのか悪いのか…あ、みんなは初めましてだと思うが、この方は俺と利奈が幼い頃にお世話になった方だ。」

 

シルヴィ「はじめまして、シルヴィア=マーキュリーと申します。達也くんとリーナちゃんのお世話をしてました。宜しくね」

 

達也「俺の父親が軍人なのはあの時知っただろ?だから親が家を空けることが多かったのだが、その時に当時学生だった彼女がよく家に来ていたんだよ」

 

リーナ「私も親が仕事であちこち飛び回るから達也の家に住んでいたのよ。だから私も彼女と面識があるの」

 

ほのか「へぇ~、大変だったんですね、達也さん。」

 

達也「まぁ、それはもう慣れたかな」

 

深雪「こんなところで感傷に浸ってないの。それよりも早く初詣しましょ?」

 

深雪の言葉で当初の目的を思い出した達也達はそのまま初詣の為に神社の境内へと入っていった

 

少し後ろを歩いていた達也の横に深雪が来る

 

深雪「よろしかったのですか?」

 

達也「ああ。本当のことをいえばあいつらが混乱するのは目に見えているし、何よりも周りの目があるなかで話す内容ではない」

 

深雪「そうですね。では、今後も伝えないつもりですか?」

 

達也「ああ。卒業と同時にお別れなんて伝えたら取り乱すに決まってるさ」

 

深雪「でも戻ってくるのでしょう?」

 

達也「その時には、既にUSNA人として、だけどな」

 

この後、初詣では、厄介ごとに巻き込まれないように、割りと真剣に祈った

 

―――――――――――――――――――――――

 

翌日、達也とリーナの姿は家にはなかった。

 

今回は向かう場所があった。

 

今回向かうのは達也の生家である四葉家

 

四葉家は旧山梨県と旧長野県の県境付近にある地図にも乗らない集落のなかにある

 

否、集落自体が四葉家である

 

達也達は四葉家の最寄駅である小淵沢駅につくと車が止まっていた

 

達也「お迎えご苦労様です。穂波さん」

 

穂波「奥様の指示っていうのもありますが、私も久々に会いたかったんですよ。」

 

達也「そ、そうですか。」

 

リーナ「こんなところで停まってたらお義母様に怒られるわ」

 

達也「リーナ、お前いつから母さんのことをそう呼び始めたんだ?」

 

リーナ「前に会った時にお義母様からそう呼びなさいと。」

 

達也「そうか…まぁいいや。俺達は婚約者だからな。普通はもっと前から呼ぶものだし」

 

やがて四葉家の周りを囲む結界の前につく

 

達也「ここは俺に任せてください」

 

達也が鍵の無系統魔法を放つと、結界の一部が開いてトンネルが出来た

 

トンネルを抜けると、四葉家の集落に出た

 

その一際大きい屋敷の前に車が停まり、下りると入り口に初老の男性執事が立っていた

 

「お久し振りです。達也様、リーナ様」

 

達也「葉山さん。出迎えご苦労様です。」

 

「奥様方がお待ちです。」

 

達也とリーナは『仮装行列(パレード)』で見た目を変えると葉山の案内に従い、中に入っていった。

 

先程まで新年会をしていたのか、人通りが多かった。

 

「奥様。国際魔法協会の者が参られました」

 

真夜「入りなさい」

 

「失礼いたします」

 

中に入ると真夜だけではなく、各分家当主が揃っていた

 

「誰だお前は!!」

 

真夜「静殿、お静かに。お久し振りです、国際魔法協会常任理事のタツヤ=アルデバラン大佐殿」

 

タツヤ「お久し振りです、四葉真夜殿。」

 

「なっ、こ、国際魔法協会だと、、、」

 

タツヤ「本日は、お招きいただきありがとうございます。あ、彼女は付き添いです。」

 

「タツヤ=アルデバランはUSNA軍魔法師戦闘部隊〈S.T.A.R.S.〉のナンバーツーだぞ。」

 

「なんでそんな人物が四葉に…」

 

タツヤ「本日は、我々に協力していただいている四葉真夜殿に新年の挨拶をと思いまして」

 

真夜「そうですか。そのためにわざわざ日本まで来ていただいて…後で今後について私の書斎で話し合いましょう?」

 

タツヤ「それは是非ともお願いいたします。それに、我々も今休暇中で少し前から日本に滞在しておりますので、ご心配には及びません」

 

「魔法師の海外移動は認められてないはずですが?」

 

タツヤ「協会理事の特権ですよ。」

 

真夜「そうですね。では、後程書斎の方でお待ちしておりますので、しばらく客間の方でお待ちして貰ってもよろしいでしょうか?」

 

タツヤ「ええ。構いません。」

 

真夜「そうですか。葉山さん、この方達を客間の方へ」

 

「かしこまりました。」

 

達也とリーナが葉山に連れられて部屋から出る

 

真夜「さて、話を続けましょうか」

 

―――――――――――――――――――

 

客間に着くと、達也とリーナは『仮装行列』を解除して素の状態になった

 

達也「これで分家を欺くことは出来た。だが、九校戦での動きから風間達也が疑われつつあると思うからな。分家の干渉はまだ続くだろうな」

 

リーナ「そうね。最悪四葉達也の記憶を消してあげたら?」

 

達也「いや、それはやめておこう。擁護派の人間を失うのは不味いし、黒羽家の実働部隊は使える。まぁ、襲ってきたら返り討ちにすれば良いだろう」

 

すると、葉山が部屋に入ってきた

 

「達也様、リーナ様。準備が出来ましたので書斎にご案内いたします」

 

一応部屋の場所は分かっているのだが、達也とリーナがそのまま向かうのは不味いという配慮によるものだった。

 

再び『仮装行列』を発動して、葉山の後をついていく

 

道中で見る分家の当主や執事服の男(おそらく序列四位以下のアウターと呼ばれる者達であろう)は達也を見ると多少の恐れを見せていた

 

達也(昔は最強の魔法師一族と呼ばれていたが、やはり時代と共に堕落していくんだな。…深雪がこれをどう巻き返すか、見物だな)

 

やがて書斎にたどり着くと、真夜から入りなさいと声がかかる

 

部屋に入ると達也は真夜に抱きつかれた

 

受け止めると扉が完全に閉まっているのを確認して『仮装行列』を解除した

 

真夜「久し振りね、達也。」

 

達也「ええ、母さん。ただいま」

 

真夜「お帰りなさい、達也。リーナちゃんもお帰り」

 

リーナ「ええ。ただいま帰りました、お義母様。」

 

真夜「ちゃんと呼んでくれてるのね。ありがたいわ~。」

 

達也「まさか分家の当主が来てる時に招待するなんて驚きましたよ」

 

真夜「これで達也が変装して入ってきても問題なくなったから良いじゃない」

 

達也「そうですけど、」

 

真夜「ただでさえ貴方を殺すのを賛成していた分家の当主達に狙われているのよ?これくらいはやっとかないと大変よ」

 

達也「うっ…それは…」

 

真夜「私は達也、貴方の身を心配しているのよ!!」

 

リーナ「お義母様…私も賛成です」

 

達也「リーナまで!?」

 

真夜「貴方のことを心配しているのは私だけじゃないんだから」

 

達也「母さん…分かりました。そういうことにしておきます」

 

真夜「じゃあ、今日は久し振りに親子の茶会を始めましょう?」

 

 

その後、しばらく話をして、話が終わると『仮装行列』をかけ直して四葉家を後にした




おそらく番外編で最大文字数の回です

今回の内容は2つ

1つは原作にもあった初詣をこのシリーズ風に直して出しました

2つ目は、達也の身を案じた真夜が達也を安心して四葉家に入れるように画策した達也の来訪でした

次回、最近思い付いたネタであと1つ番外編を書きますのでまだ四章です

では、また次回


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四章 番外編③ 誕生日と婚約

急遽思い付いて作った回です。

これで本当に四章最後です


1/4はリーナの誕生日

 

この日は皆で誕生日パーティーをして、終わった後は真夜や烈、独魔のメンバー、そしてバランスやカノープスと言った沢山の大人から連絡でお祝いをした

 

その翌日

 

達也とリーナの姿は桜木町駅にあった

 

リーナ「ねぇ、達也。なんで桜木町駅に来てるの?」

 

達也「それはお楽しみだ」

 

すると、駅の改札口から声が聞こえた

 

将輝「達也!!リーナ!!」

 

リーナ「将輝!?」

 

愛梨「私達もいるわよ。」

 

達也「今日はわざわざすまないな」

 

真紅郎「達也もつれないね。僕達が友人からの誘いを断るような薄情な人間に見える?」

 

達也「そんなわけ無いじゃないか。…ところで、なんで将輝と愛梨はどうして手を繋いでいるんだ?」

 

達也がニヤニヤしながら指摘すると、将輝と愛梨が顔を朱くして離れた

 

達也「なるほど。やっと付き合い始めたわけだな」

 

リーナ「へぇ~おめでとう。」

 

真紅郎「しかも婚約者同士になったんだよ!」

 

達也「そうだったのか…。まさか婚約者になるとは思ってなかったが、愛梨おめでとう。」

 

愛梨「ありがとう、達也。」

 

将輝「俺には無いのか?」

 

達也「鈍感系王子様には言うことはないぞ」

 

愛梨・リーナ((いや、達也は人のこと言えないわよ!!))

 

真紅郎「婚約者になったのは、なんと12/25。つまりクリスマスさ。」

 

リーナ「ロマンチックね~。将輝!愛梨を泣かせたら許さないから。」

 

将輝「分かってる。愛梨は俺が守るよ」

 

達也「取り敢えず、詳しい話は後で聞くとして、目的地に向かおうか。」

 

真紅郎「ねぇ、どこに行くかはまだ教えてくれないのかい?」

 

達也「ついてからのお楽しみだ。」

 

達也を先頭にして話しながら歩くこと約20分

 

達也達一行は横浜中華街に来ていた

 

将輝「ここは…もしかして…」

 

達也達はそのまま1つの中華料理店(名前は『三國志』という)に入る

 

中を見ると、黒服が警備している

 

どうやら完全予約制なようだ。

 

「お客様、予約はしておりますでしょうか」

 

達也「もちろんです。」

 

達也は端末から予約した証明書を写し出すと受付の黒服に見せた

 

「確認いたしました。ようこそ『三國志』へ。案内します。」

 

黒服に案内されてたどり着いたのは、高級感溢れる個室だった

 

将輝「まるでVIPルームみたいだな」

 

達也「まるでじゃなくて本当にVIPルームだ。」

 

それぞれが円形の席に座ると、中華服を身につけた男と店員と思わしきチャイナドレスを着た女性達が部屋に入ってきた

 

そのうちの中華服の男に将輝が見覚えがあるのか、驚き戸惑っている

 

店員が水をいれたコップとメニュー用端末をおいて部屋から出ると将輝が声をあげた

 

将輝「お前…まさか、あの時の!?」

 

達也「なんだ会ってたのか?まぁ、いい。この人は名を周公墐という。表向きはここ中華料理店『三國志』のオーナーをしていて、裏では俺の直属の部下でもあり、大陸からの亡命ブローカーをしている。」

 

周「はじめまして。あ、一条の御曹司は2度目ですかね。周公瑾と申します。そして、この度は一条殿と一色殿のご婚約、総隊長殿の誕生日、そして達也様の大佐昇格を祝って最高のおもてなしをさせていただきます」

 

公瑾の調査力に驚きつつも、皆がそれぞれの話題で驚く

 

主に達也の大佐昇格の件で

 

そして、言い切って公瑾は部屋を出ていった。

 

将輝「おい、達也。大佐昇格の話は聞いてないぞ!」

 

達也「すまない。言うタイミングがなかったんだ。…にしてもよく調べられたな。」

 

愛梨「これで、リーナの階級を越えたわね。タツヤ=シールズ大佐殿?」

 

達也「そうそう。大佐に昇格すると同時にやっと星の名前がついたんだよ。今の俺はタツヤ=アルデバランだ。」

 

真紅郎「アルデバラン…純星の後星。達也にぴったりな星の名前だね。」

 

達也「それは司令官殿にも言われたよ。…全く、何が影から操る君にぴったりだね、だよ。こんなに表舞台に出てるってのに」

 

リーナ「あってるじゃない。」

 

達也「うるさい」

 

その後、沢山の中華料理を食べながら達也と真紅郎は最近発表された論文の話をしたり、リーナと愛梨が2人で話をしていたりしていた。

 

達也「ところで、さっきの続きだが、将輝。あんな深雪を意識しまくってたお前が愛梨と結ばれた経緯はなんだ?」

 

将輝「な!?」///

 

リーナ「あ、それ私も聞きたい!!」

 

愛梨「リーナまで!?」///

 

真紅郎「僕も聞きたいな」

 

将輝「ジョージもか…」

 

達也「俺としては愛梨の望みが叶ってよかったのだが、流石に深雪に気があった状況で愛梨の手を取った経緯が知りたいな。」

 

愛梨「…確かに将輝は司波深雪のことをよく考えていたわね。それこそ私が将輝を諦めてしまおうかと思うくらいには。…でも、先の横浜事変で将輝とはぐれてから分かった。まだ諦めきれていなかったんだなって。」

 

将輝「お、俺は確かに司波さんに見惚れていた。だが、その感情が好意ではないことはすぐに分かっていたんだ。何せ、俺は達也の妹と聞いて四葉家の人間であると知ったし、四葉は次期当主の決定を決して覆さない。…俺は一条家の人間として誇りを持っている。だからこそ俺は一条を継ぎたいって思った。幸いにも一色の好意には気付いていたからな。利用するという言い方は悪いが、親父に頼んで一色家への婚約の申込んだんだ。」

 

達也「なるほど、それで婚約が決まったわけだな。」

 

将輝「ああ、そうだ。それに、俺は多分司波さんに憧れてたんだと思う。魔法力も去ることながらその圧倒的な実力を。俺は確かに実戦経験豊富という意味では貴重な魔法師かもしれないが司波さんみたいな圧倒的な魔法力は持っていない。彼女は十師族、それも四葉の次期当主にふさわしい。だからこそ俺では、次期当主ってだけでは釣り合わない」

 

リーナ「でも、将輝なら家から婚約者募集したらいろんなところから申し込みが来るんじゃないの?」

 

将輝「いや、確かに出来たかもしれないが。有象無象の誰かと婚約するくらいなら仲がいい人を選ぶに決まってるだろ」

 

達也「なるほど…愛されてるな愛梨は。」

 

真紅郎「確かに。普通はそこで愛梨に行くかどうかなんて時の運だからね。愛梨の願いが叶ってよかったよ。」

 

愛梨「そ、そうね。」///

 

その後、達也達はご飯を食べ終わると、達也達は公瑾に礼を行って帰っていった。

 

後日、一条将輝と一色愛梨の婚約が発表された




この会は達也達5人がリーナの誕生日を祝うため、そして達也が公瑾に言っていたことを実行するために公瑾の店に行きました

名前は周公瑾の名前にある公瑾が三國志に出ていたということで『三國志』にしました

そして、今回、たつりなに加えて将輝×愛梨をいれました。

理由としては愛梨に報われてほしいという自分勝手な願いですが、今回の婚約発表はこういう意図です

さて、次回から本当に最終章です

これから3ヶ月ほどある3学期を飛ばして直接映画のところに入りますので第一話は3ヶ月を簡単にまとめた回になると思います

では、また次回


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第五章 星を呼ぶ少女編
五章 第一話 大戦時代の異物


さぁ、新章開幕です!!

なお、このシリーズは映画を見ながら書いてます


とある研究機関

 

真ん中に巨大なCADが置かれその前にオペレーター達が座っていた

 

そして、巨大なCADには12人の子供達が座っていた

 

「ラグランジュⅡの宇宙望遠鏡、フェイグナルトのデータリンク完了、標的を確認、照準―固定しました」

 

「起動式最終確認」

 

「フォーマット、すべて正常」

 

「定数、照合完了」

 

「定数、照合完了」

 

「想子アクティビティ―基準値以上、各個バイタルシステム―いずれも許容範囲内」

 

「〈わたつみシリーズ〉、想子ウェーブ、同調開始」

 

合図と同時に子供達が中に入る

 

「想子ウェーブ、同調レベル上昇―――3、4、5―――必要レベルに到達」

 

「想子自動吸引」

 

「起動式、出力開始」

 

CADの周りを巨大な魔法式が現れ、子供達の頭の周りにも魔法式が表れた

 

「起動式読み込み、順調に進行中」

 

「起動式読み込み…90%完了」

 

「最終セーフティ解除、『隕石落下(ミーティア・ライト・ホール)』発動」

 

「最終セーフティ解除、起動式読み込み完了、『隕石落下』、発動します」

 

そのCADから巨大な魔法式が現れると同時に、地球の周りをたまたま通っていた小惑星に魔法式が透過される

 

完全に透過が終わると施設の天井が開き、CADから光の柱が飛び出した

 

―――――――――――――――――――――――

 

3月某日

 

太平洋上を1つの彗星が通った

 

否、戦闘服を着た兵士が飛行魔法で飛んでいたのだ

 

その男、USNA軍魔法師戦闘集団〈S.T.A.R.S.〉一等星級隊長ベンジャミン=カノープス中佐はとある極秘任務のために行動していた

 

日本の公開上に現れた大亜連合の潜水艦を秘密裏に破壊すること

 

USNAが開発した戦闘スーツ、〈スラストスーツ〉を着用して日本刀を持って『分子ディバイダー』を使って敵艦を切り落とした

 

任務を完了し、自分の乗ってきた潜水艇に戻るとそこで天に昇る一筋の光が走った

 

とある場所から()()()()()()()である

 

「あれが大戦時代の異物…」

 

――――――――――――――――――――

 

2学期までのゴタゴタが嘘のように平和な3学期を過ごした

 

そして、3学期の最後の行事、卒業式

 

達也にとって良い意味でも悪い意味でもお世話になった真由美達が卒業する

 

達也は参加しなかったが、リーナは参加してきたようだ。

 

達也はカフェの隅で端末を操作していると、深雪とリーナ、だけでなく真由美達も向かってきているのを確認した

 

深雪「お兄様、お待たせしました」

 

真由美「ねぇ達也君。なんで卒業式に来なかったのかは聞かないでおくけど、何を書いていたの?」

 

達也「これは、〖魔法の持続時間を引き伸ばすシステム的なアシスト〗…に関する、ちょっとした覚え書きです」

 

摩利「いや、そんな何でもないことのように流してしまうテーマもじゃないと思うんだが…」

 

鈴音「そうですね。その話題について語り合いたいと思うくらいです」

 

達也「それより、先輩方は良いんですか?二次会とか誘われてるのでは?」

 

真由美「やっぱりやめた、達也君、なんで来なかったの?」

 

達也「何でって、俺は生徒会役員でも風紀委員でも部活連に入っていたわけでもありませんので」

 

真由美「それ言ったら利奈さんはどうするの?彼女も達也君と同じよ」

 

達也「リーナは良いんですよ。それに、俺は一科生のほとんどから目の敵にされてますからね。…まぁ、それで襲ってきたならそれはそれで返り討ちにする大義名分が得られるので良いですけど」

 

摩利「全ての一科生が達也君を目の敵にしてるわけではないだろう。」

 

リーナ「私だって役職無いのに…」

 

深雪「まぁ、リーナもノリノリだったし良いじゃない?」

 

リーナ「ちょっ、深雪、それ達也の前で言わないで!!」

 

達也「ノリノリ?」

 

深雪「リーナがですね。」

 

リーナ「ちょっと、やめなs」///

 

リーナが深雪を止めようと動き出すが、微笑んでいる真由美と摩利に取り押さえられた

 

深雪「卒業式にバンドを率いて、ステージに上がり、10曲ぐらい歌ったんですよ。」

 

真由美「本当に上手だったわ~。プロ顔負けでね。」

 

深雪「リーナは役員ではないので、余興を在校生や卒業生に声をかけてやって貰おうと思っていたのですが、何を勘違いしたのか、リーナ自らがステージに上がったんですよ。私も最初は驚いたのですが、あまりにも盛り上がってしまって…」

 

摩利「盛り上がったから良いじゃないか。にしても工藤は本当に歌が上手いんだな。感動したぞ」

 

達也「そうか。楽しめたんだな。」

 

リーナ「もうやらないからね!!」///

 

達也「そういうことなら教えてくれてもよかったんじゃないか?俺だってリーナの歌は聞いたことはあるが、そんな企画があったのなら気配を消してでも向かっていただろうに…」

 

リーナ「ちょっ、達也!?」///

 

真由美「ゾッコンね。」

 

達也「なっ…」///

 

真由美「そういえば、私とりんちゃんと十文字君は魔法大学に進学して、摩利は防衛大に進学するけど、達也君達はどうするの?」

 

達也「どうなんでしょう?(上層部が認めるかどうか…)」

 

深雪「お兄様…」

 

達也「まぁ、どこに行くかはまだ定まってないのでその時次第ですかね。」

 

真由美「ふーん、まぁ達也君には大学も逃げ出す程の頭脳はありそうだもんね。」

 

摩利「確かにな。どこかの研究機関に入るとかじゃないか?」

 

達也「どうなんでしょうね…。」

 

 




ちょっとした小ネタというか少しだけ頭の中に浮かんで却下したものなんですが、

今作では、灼熱のハロウィンは達也の戦略級魔法で起こったこと。そして、これはUSNAの上層部はそれの存在を知っているので今回〖マイクロブラックホール生成実験〗を行わなかった為パラサイト編を飛ばしました

今回考えたifは、
もし、その原作通りの思惑で七草家が実験をして七草家がパラサイトを現世に出していたら?
そして、実験に関わった七草家の魔法師がパラサイトに感染していたら

という無謀にも思えるものです

やってみても良いかなと思ったのですが、元々の進路はあくまでもスキップだったので、却下しました

今回から最終章が始まりますが、実はそんな経緯があったというのも知って欲しかったので後書きに書かせていただきました。

さて、今回は『隕石落下』の実験、ベンの秘密作戦、そして日付を戻して真由美達の卒業、でした。

次回からは、春休みのあの回です

映画見ながら書いているので、流れは基本原作通りですが、多少は変わるかもしれません


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五章 第二話 国際魔法協会への呼び出し

今回、映画を見ていた人なら分かると思うのですが、春休みは達也達は雫の別荘に向かっています

しかし、今回はリーナは行きますが、達也は向かいません。

途中で合流することになっています

理由はこの回で


3/28 小笠原諸島 聟島列島(むこじまれっとう) 媒島(なこうどじま)

 

ここは、雫の生家である北山家が所有する別荘がある

 

深雪が別荘のウットデッキの縁に手を置いてビーチの方を見る

 

そこでは、レオ達E組グループが4人でスイカ割りをしていた

 

プレイヤーはどうやら美月らしい

 

エリカ「美月ー!右よ」

 

幹比古「エリカ、騙すのは良くないよ!柴田さん、そのまま真っ直ぐ進んで」

 

エリカ「違うわよ!右よ、右!!」

 

美月「え、ええ…。どっち~?もう、えい!!」

 

美月が勢い良く棒を振りかざして、目隠しを取る

 

美月「あ、あれ~?」

 

レオ「ほんと、やな女だな」

 

エリカ「失礼ね、これもスイカ割りの醍醐味よ」

 

そういって美月から取った棒をスイカに振りかざす

 

スイカへ当たる寸前で止めていたが、その風圧でスイカがきれいに8つに切れた

 

レオ「お見事」

 

下でのやり取りを上から見ていた深雪は雫から声をかけられて後を振り返る

 

深雪「いい風ね。」

 

リーナ「ええ、そうね。達也も来れれば良かったのに」

 

ほのか「達也さんは後で来るんですから。それまでは私たちで楽しみましょう?」

 

雫「ほのかの言う通り。それにしても、2人とも達也さんが来れない理由は知ってるの?」

 

深雪「いえ。」

 

リーナ「あまり教えてくれなかったけど、MST関連だと思うわ。シルヴィを付き添いに連れてってたし」

 

雫「そっか…」

 

ここに達也がいない理由…それは修了式の日まで遡ることになる

 

修了式の日に達也達は雫の提案で北山家の所有する別荘の1つである媒島に春休み中にバカンスを楽しむという案を貰った

 

達也達はそれに同意し、準備をしていた

 

しかし、達也のもとに1つの連絡が届いた

 

連絡は国際魔法協会理事長からで、内容は国際魔法協会への出頭命令

 

達也はすぐに雫に連絡をいれて、遅れて合流することを約束した

 

達也は雫達が移動した翌日に国防軍の霞ヶ浦基地からシルヴィと共に飛び立っていた

 

シルヴィ「まさか理事長自ら召集とは、どれ程の問題なのでしょうか?」

 

達也「そうだな。しかし、理事長殿も人が悪い。雫達には悪いことをしたな」

 

シルヴィ「取り敢えず、仕事を終わらせましょうか」

 

――――――――――――――――――

 

国際魔法協会はイギリスの首都、ロンドンに本部を持つ

 

この国際魔法協会の本部は多くの理事達がいるのだが、

 

実は、理事長と常任理事のみが知る秘密の支部がある

 

太平洋上に浮かぶ、地図にも載らない小さな人工島

 

そこに秘密の支部、基、常任理事の集まる会議室がある

 

入るためには、特別な無系統魔法を発動する必要がある

 

これは、四葉家で行われていたものを利用したものである

 

なので、常任理事になっている人間は世界的にも最優秀と呼ばれる優れた魔法師が多い

 

達也のいる今の時期の常任理事は計7人

USNAから達也ともう1人、イギリスから2人、ドイツから1人、オーストラリアから1人、インド・ペルシア連合から1人

 

国際魔法協会の理事長はこの、常任理事の中から多数決で選ばれる

 

今回達也達常任理事を呼び出した理事長は達也が昇進した2092年付けで選ばれたイギリス代表のウィリアム=マクロードだった。

 

ウィリアム=マクロードは国際魔法協会の常任理事の初期メンバーにしてイギリスが持つ戦略級魔法『オゾンサークル』を操る戦略級魔法師である

 

達也「理事長、こんな時期に呼び出すとは何事ですか?」

 

「そうですよ。貴方が呼び出したせいで研究をストップせねばならなくなってしまったじゃないですか」

 

「まぁまぁ2人とも落ち着きなさい」

 

「すまない、あまりにも緊急性の高い事件が起こってしまってな。」

 

達也「理事長?それはどういう意味で緊急性が高いんですか?」

 

「先の日本と大亜連合とのゲリラで達也殿が使われた戦略級魔法があるだろう?あれを見た日本の海軍がとある魔法の研究を再開させた」

 

「ある魔法?それはどんな魔法なのですか?」

 

「魔法名は『隕石落下(ミーティア・ライト・ホール)』。先の第三次世界大戦期に日帝海軍が研究していた魔法だ。その威力から戦略級以上の兵器であるとして研究を禁止させていたのだが…」

 

「なるほど、それでどうするつもりですか?それを日本の戦略級兵器と認めて使用をされないようにしますか?」

 

「まぁ、普通ならそうしても良かったのだが、当時はその魔法には沢山の調整体魔法師が使われていたのだ。今回のやつでもし、調整体魔法師を彼らが使っているのならば、そのデータを抹消して、被験者を保護しなくてはならない」

 

達也「しかし、それなら日本魔法協会に伝えて日本で対処して貰えば良いじゃないですか」

 

「たしかに、その『隕石落下』を勝手に研究し出したのは日本です。日本のことは日本に責任を取って貰うべきでは?」

 

「達也殿の言い分も分かる。私も最初はそれを考えた。しかし、日本魔法協会には世界の保全よりも()()()()()()()()()()七草家がいる」

 

「では、その七草家が、ひいてはその当主七草弘一がそれを利用しかねないと?」

 

「そうだ。あの四葉を、いや四葉真夜を出し抜く為にしか動こうとしないあの男が変に動いては困る」

 

「確かに、七草家は日本でもトップクラスの権力を持つ、四葉ほどではないが政府に圧力をかけることも可能だろう。そんな一族が力を持ってしまえば…」

 

「世界のバランスが崩れ、世界大戦の再発か?」

 

「発端は七草弘一が四葉真夜に宣戦布告…からかな。」

 

達也「そうなっては困るな。」

 

「そうだ。四葉真夜に喧嘩を売ると達也、君も動くだろう?」

 

「ということは達也殿は四葉家の血筋と言えどUSNA軍の者、つまり他国が介入したということになる」

 

「そうなれば、世界各地の組織がその大戦に利益を求めて参戦しかねない」

 

達也「ではどうするつもりですか?」

 

「達也殿、〈S.T.A.R.S.〉に秘密任務を与える」

 

ウィリアム=マクロードのその決意に満ちた表情から放たれた言葉に達也含めた常任理事が驚く

 

達也「な!?〈S.T.A.R.S.〉を動かす気ですか?」

 

「達也、君が持つ『分解』魔法はデータの完全消去にもっとも効果的ではないか?」

 

「なるほど。確かにデータの存在抹消には『分解』をして右に出るものはない」

 

「というわけだ。引き受けてくれまいか?」

 

達也「シルヴィ、ベンは今どこにいる?」

 

シルヴィ「現在は、上層部の命によりハワイ諸島にあるパール&ハーミーズ基地でにいると思われます」

 

達也「わかった。ベンに暗号命令を出せ」

 

シルヴィ「はっ!」

 

達也「というわけで、その任務受けさせていただきます」

 

「わかった。では、USNA政府にはそう伝えておこう」

 

達也「ありがとうございます」

 

「取り敢えず、まだ証拠がない。物的証拠さえ見つかれば良いのだが…」

 

達也「それはわれわれで探しますよ。終わったら報告します」

 

「期待しているぞ、タツヤ=アルデバラン大佐」

 

達也「ええ。朗報を期待していてください」

 

 




というわけで、達也が媒島にいなかったのは国際魔法協会に呼ばれていたからです。

なお、この国際魔法協会の秘密の支部だとか、理事長がウィリアム=マクロードだとかは今作のオリジナルです

今回、達也が呼び出されたのは3/28のことです

そして、雫達が南盾島に行ったのは達也が飛び立つ前日なので、3/27になります

次回か、その次の回で達也が合流できれば良いかなと思っています

合流の仕方は考えます

では、また次回


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五章 第三話 異変の始まり

五章は映画を見ながら書いているので更新はいつもより早めだと思います


達也の姿はベンのいるパール&ハーミーズ基地

 

―ではなく、国防軍の霞ヶ浦基地にあった。

 

パール&ハーミーズ基地についた達也はその日にベンとの秘密の会合を済ませて、しばらくの休息を向かえるはずだった

 

翌日、パール&ハーミーズ基地に国防軍の飛行機が飛んできた

 

そこで、達也は風間からの手紙を受け取った。

 

内容は、〝地球の危機〟という5文字のみ

 

これには達也もベンも驚き、これが例の魔法によるものであると結論付けた

 

よって、達也はその日のうちに手紙を届けてきた飛行機に乗って霞ヶ浦基地にたどり着いた

 

飛行機をおりると、真田繁留が出迎えに立っていて、達也はそれについて行く

 

真田「風間少佐、タツヤ=アルデバラン大佐が参られました」

 

風間「通してくれ」

 

達也が中にはいると、風間少佐と藤林少尉が立ち上がって達也を向かえた

 

達也「楽にしてください。風間少佐、緊急の呼び出しと、例の5文字。説明していただけますか?」

 

「はっ!藤林」

 

響子「はっ!先ほど、日本が持つ軍事衛星より火星公転軌道の1つの小惑星が不自然な公転を始め、地球に向かっているという情報が入りました。」

 

達也「なんだと!?」

 

真田「落ちてきたのは、火星公転軌道に属する小惑星2095GE9、通称ジーク。地球にぶつかる可能性は90%」

 

達也「魔法による影響が高いと?」

 

風間「その通りです。そして、このままでは国1つどころか世界そのものを破壊しかねない。ということで、大佐にはこれの破壊をお願いしたい」

 

達也「〈サード・アイ〉は?」

 

真田「もちろん、あります。」

 

達也「分かった。これは地球の危機だ。やらないわけがない」

 

風間「では、準備を」

 

達也は〈サード・アイ〉を構えて響子から預かったバイザーをかける

 

響子「大佐のバイザーに衛星映像を転送完了しました」

 

達也「了解、戦略級魔法『質量爆散』、発動!」

 

達也が引き金を引くと、小惑星ジークが粉々に砕け散った。

 

達也「任務完了」

 

真田「では、帰りも送りましょう。」

 

達也「お願いします」

 

―――――――――――――――――――

 

南盾島 南方諸島工廠(なんぽうしょとうこうしょう)

 

「小惑星2095GE9の爆破を確認」

 

「あの大戦の時の戦略級魔法師。やはり介入してきたか。…一体何者だ。残念ながら検証データを充分に得ることは出来なかったが、こちらで処理する必要はなくなった」

 

この研究所の所長と思われる人物がタッチパネルを操作する

 

そうして画面に表れたのは人工衛星だった。

 

「次は軌道離脱実験だ。明後日、いやもう明日か。3/30に当該実験を実施する」

 

その言葉に研究員達が喜びの声をあげる

 

「いよいよですね」

 

「ああ。この実験が成功すれば海軍上層部も我々を認めざるを得なくなるはずだ」

 

「待ってください、所長!!この子達はまだ今回の実験で負ったダメージを回復しきれてません。これまで通り、最低1週間のインターバルを置くべきです」

 

「森永君。それらの魔法力の回復に1週間も要する根拠は何かね?そのようなデータは記憶にないが?」

 

森永と呼ばれた女性研究員はその言葉に固まってしまう

 

回りの森永と同じ立場の研究員は明確に反する理由がないのか黙り込んでしまった

 

「科学者は主観的印象ではなく、客観的なデータで物事を判断すべきだと思うが?」

 

森永に言い返す力が無いと見抜いた所長は改めて言った

 

「次回の実験日時に変更はない。云うまでもないく軽度の設定変更には万全を期すように」

 

 

場所は変わって実験用調整体魔法師〈わたつみシリーズ〉が収容された部屋が並ぶゾーンがある

 

そこには、森永がその担当の子供を慈しんでいた

 

―――――――――――――――――――

 

翌日、3/29 小笠原諸島 父島

 

真由美と摩利は現在、2人だけの卒業旅行という形で訪れた

 

朝早くに真由美はメールの音で目覚めた

 

内容は暗号メールだった。

 

すぐに目を醒ますと、内容を確認して、摩利を起こした

 

摩利「…早すぎないか?」

 

真由美「充分朝よ」

 

真由美は送られてきたメールを摩利に見せる

 

摩利「なんだこれは…」

 

 




今回はここで切ります。

前々回に実験されていた魔法の影響で達也が小惑星を破壊するシーン

そして、達也は国際魔法協会で『隕石落下』について大まかには知り、そして秘密作戦中にその魔法を見たベンは2人とも今回の件が『隕石落下』によるものだと見抜きました

そして、今回は真由美と摩利が森永からのメールを見るシーン

次回は南盾島に深雪達が観光に行くシーンからです

では、また次回



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五章 第四話 不穏な南盾島

3/29 南盾島

 

深雪達は南盾島に観光に来ていた

 

コミューターを2台借りて、一台をエリカやレオ達E組チーム、もう一台を雫やほのか、それに深雪達と2つ分けた。

 

ここ、南盾島は海軍の基地があることで有名なのだが、日没までは、観光施設として観光客を招いている

 

たどり着いた一行は、スムージーを飲んだり、女性陣は帽子や服等のファッションを見たり、楽しんでいた

 

途中、深雪や美月が帽子を被って見せあっているところに客が見惚れて動けなくなるなどの、ハプニングはあったが、なんとか満喫して、お昼を食べるためにレストランに入った

 

ほのか「楽しかった~!!」

 

リーナ「ええ。東京では出来ない体験よね~。」

 

深雪「お兄様も来れれば良かったのですが…」

 

水波「後で連絡をいれてみましょう」

 

深雪「そうね。」

 

エリカ「ところでミキ。4月から一科生になる感想は?」

 

幹比古「僕の名前は幹比古だ!…でも、これは達也のお陰だからな。素直に喜んで良いのか…」

 

レオ「そういうのは素直に喜ばねぇと、達也に悪いぞ」

 

雫「確かに。それに、達也さんと美月は魔工科に進学するんでしょう?」

 

リーナ「まぁ、魔工科なんて達也の為のコースみたいなものよね~。鋼も行くって行ってたけど」

 

美月「来年は達也さんと同じクラスになれるんですね。なら、達也さんに教えて貰わないと…」

 

深雪「美月、気が早いわよ」

 

そんな感じで談笑していると、レオが違和感を口にした

 

レオ「それにしても、軍の基地が近くにあるとはいえ、なんか殺気だってないか?」

 

リーナ「レオ、気付いてたの?」

 

レオ「外があんなにひりついてるんだ。気付かないわけないだろ?」

 

エリカ「早めに戻った方がいいかもね。」

 

エリカの一言に、一行は席を立って(皆ご飯は食べ終わっている)、ここに来た時に使った自家用機へと急いで戻った。

 

―――――――――――――――――――

 

真由美「摩利!!いた?」

 

摩利「いや、こっちにはいなかった」

 

真由美と摩利は例の暗号メールに書かれていた事を実行するために動いていた

 

真由美「捕まっちゃったのかな?」

 

摩利「わからん。だが、警備の軍人達の量が減ってないということはまだ見付かってないはずだ。」

 

真由美「そうね。なら、私は向こうを探してみるわ」

 

摩利「じゃあ私はこっちだ。」

 

―――――――――――――――――――

 

自家用機の中に入ると、エリカが一瞬眉を潜めた。

 

最後に入ったレオがハッチを閉じると、一台の車が走ってきた

 

「そこの自家用機!タラップを開けろ!!」

 

エリカがその車に乗ってる海軍兵に見覚えを感じて、苛立ちながらもレオがいるであろうタラップのもとへと向かった。

 

エリカ「レオ、どいて」

 

レオ「お、おう。」

 

タラップが開かれ、エリカの顔が見えると、海兵達が目を見開く

 

エリカ「何かよう?」

 

「…エリカお嬢さん!?」

 

エリカ「これは私達のやつなんだけど?なんであんた達が来るわけ?」

 

「じ、実は、海軍が保護していた特別な症状を患う患者が脱走したそうで」

 

「それで、現在様々な自家用機の車内チェックを行っています」

 

エリカ「そう。…なら、うちにはいないわ」

 

「いえ…しかし、」

 

エリカ「いないったらいないわよ」

 

「で、ですが…」

 

エリカ「何?…私の言葉が信用できない?」

 

「りょ、了解しました!」

 

「ちょ、お前」

 

2人の海兵のうち1人がエリカに従って車に乗り込んだ

 

そのままもう1人も乗ると、車は自家用機からはなれた

 

レオはそれを確認してタラップを閉めた

 

深雪「さっきの軍人さん達は千葉道場のお弟子さん?」

 

エリカ「まぁね。私の顔忘れて無かったみたいね」

 

自家用機が飛び立つと、深雪がエリカに声を出した

 

深雪「ふふ…エリカ、()()()()()()()()()?」

 

エリカ「あれ?ばれちゃった?」

 

その2人の会話にほのかや美月は驚いていた

 

エリカ「…でてきて良いわよ」

 

エリカの言葉を皮切りに個室のお手洗いの鍵が開いて髪の長い小さな女の子が出てきた

 

――――――――――――――――――

 

真由美達は自家用機の方に来てるかもという期待を抱いて、雫達が飛び立った少し後に自家用機の所に戻っていた

 

「お帰りなさいませ、お嬢様」

 

真由美「ただいま、竹内さん。…お客様は、来なかった?」

 

「お嬢様のおっしゃられていたお客様はお見えになられませんでした」

 

真由美「そう…」

 

「その代わり、基地の海兵の方が2人、押し掛けてきました」

 

真由美達は自家用機の中に入って続きを聞いた

 

「基地内の病院から抜け出した患者を探している、という名目で、1通り機内を案内したところ、納得して去っていきました」

 

真由美「そう…」

 

摩利「しかし、その女の子は何処へ行ったんだ?合流地点にはいなかった…もう捕まってしまったのではないだろうか?」

 

真由美「今もまだターミナルビルの中を警備の人がうろうろしていたのを見るとまだ見付かっていないと思うけど…」

 

「お嬢様。それについて1つ心当たりがあります」

 

真由美「なに?」

 

「ついさきほどまで当機と同型の機体が駐機しておりました。乗り間違えた可能性が高いと思われます」

 

真由美「それ何処の機体?調べて頂戴!!出来るだけ早く!!」




今回はここで切ります

取り敢えず、次回はこの続きです。

真由美達と会うのはどの回になるのか…

というわけでまた次回


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五章 第五話 九亜が逃げた理由

別荘に戻ると、深雪達は小さな女の子から話を聞いていた

 

エリカ「貴女の名前は?」

 

「九亜…です。」

 

エリカ「年は?」

 

「14歳…です」

 

彼女の見た目と年齢が一致してないと思ったのか、全員が驚く

 

雫「14歳…!?」

 

美月「もっと小さな子だと思っていました」

 

エリカ「九亜は海軍の基地から逃げてきたってことであってる?」

 

「ううん、基地じゃ…ない、…研究所…です。」

 

エリカ「何の研究所かわかる?」

 

「魔法の研究所…です。」

 

ほのか「え?九亜ちゃん、魔法師なの?」

 

「魔法…師?」

 

深雪「魔法師というのは魔法を使える人のことよ。九亜ちゃんは魔法師ではないの?」

 

「私達は〈わたつみシリーズ〉と呼ばれていた…です」

 

シリーズという言葉に、深雪達(特に、水波)は驚愕を示した

 

深雪は顔色を変えて、水波に命令を出す

 

深雪「水波ちゃん、すぐにお兄様に連絡を」

 

水波「は、はい!」

 

雫「私も手伝う」

 

水波が雫に手伝って貰って通話を繋げる

 

少したつと、達也が出てきた。

 

どうやら個室にシルヴィと2人でいるようだ

 

達也『もしもし…?どうしたんだ今はバカンスを楽しんでいるはずだが…』

 

深雪「お兄様、実は…」

 

達也は電話越しに、深雪達から九亜のことを話した

 

達也『なるほど…〈わたつみシリーズ〉か…。間違いないな。彼女は調整体魔法師だ』

 

深雪「やはり…」

 

達也『この通話を終えたら急いでそちらに向かおう。だから今は、その…九亜ちゃんだったか、の話を聞かせてくれ』

 

達也は自身では怖がらせるのではと思い質問をシルヴィを経由するためにシルヴィに前に来て貰った

 

ほのか「それで、九亜ちゃんは研究所でどんなことをしていたの?」

 

「…ときどき、大きな機械の中に入っていた…です。」

 

リーナ「大きな機械?」

 

達也『おそらく、大きな機械というのは大型CADのことだろう。大型CADを使う場合、魔法師はすべての要素が記述された軌道式に沿って、魔法式を自動的に組み立てるというケースも珍しくない。九亜も自分が何をさせられているのか分からなかった可能性があるな』

 

幹比古「それじゃあ、まるで機械のパーツみたいじゃないか!!」

 

エリカ「九亜はどうして研究所を抜け出したの?」

 

「逃げなさい…と言われた…です。」

 

エリカ「誰に?」

 

「森永さん、お医者さんの女の人…です。」

 

ほのか「その人が何故逃げろって言ったのか理由は分かる?」

 

彼女はほのかの言葉で逃げ出した経緯を思い出す

 

―――――――――――――――

 

―――――――――――

 

―――――――

 

「九亜、九亜!!逃げなさい」

 

九亜が森永の顔を見ると、

 

「このまま実験を続けると、貴女の自我が無くなって人形のようになってしまう」

 

九亜の顔を触りながら

 

「その前に…何とかしないと…」

 

――――――――――――――――――

 

「その前に…何とかしないと…」

 

エリカ「何とかしないとって…達也君、そんなことあり得るの?」

 

達也『無いとは言えないだろうな…しかし、まさかここまで予想通りになってしまうとは』

 

エリカ「達也君、それどういうこと?」

 

達也『いや、気にしなくていい。こっちの話だそれよりも』

 

達也はシルヴィに耳打ちをした

 

シルヴィ『…分かりました。大きな機械に入ったのは九亜ちゃん1人ですか?』

 

「ううん、私達…です」

 

シルヴィ『私達というのは〈わたつみシリーズ〉のことですか?』

 

「そう…私達、9人…です」

 

達也『調整体魔法師は9人…(まさか、理事長の懸念が当たっているとは…不味いな)』

 

深雪「その大きな機械に入った後はどんな気持ちだった?」

 

「気持ち…ふわふわ…溶けていくような…だったです」

 

深雪「何が溶けていくの?」

 

九亜が自分の胸に手を当てた

 

「私が…私達の中に…」

 

達也『自我喪失の自覚症状があるということか…』

 

ほのか「そんな…!?」

 

達也『複数の魔法師が魔法演算領域を強制的にリンクさせ、大規模な魔法式を構築する…。大戦中にそんな研究がされていたと聞いたことがある。…どうやら九亜がいた研究所はその研究を復活させたようだな。』

 

幹比古「…無茶苦茶だ。そんなことをして術者の精神が無事でいられるはずがない!!」

 

九亜がエリカの服をつかんでエリカに呟いた

 

「助けて…ほしい…です」

 

エリカは九亜の頭を撫でる

 

エリカ「安心して。ここで放り出すような真似はしないわ。最後まできちんと助けてあげる」

 

「ううん、私達を、助けてほしい…です。」

 

エリカ「私達って…」

 

達也『他の八人も助け出してほしい…ということだな』

 

九亜はエリカに抱きつきながら頷く

 

達也『はぁ…海軍の秘密研究所から調整体魔法師を8人脱走させることは海軍と事を構える事態になりかねない…余計な任務も増えたが乗りかかった船だ。最後までこなして見せよう』

 

エリカ「ねぇ達也君。何を隠してるの?」

 

達也『どういう意味だ?』

 

エリカ「ここまで予想通りだとか、例の魔法実験だとか、任務が増えたとか」

 

達也『それを聞いてどうするつもりだ?』

 

エリカ「その任務に参加させて貰うわ」

 

達也『エリカ、国家機密に触れる気はあるか?』

 

達也の口から出てきたのは肯定でも否定でもなく、()()()()という4文字

 

横浜でも聞いたその言葉がもう一度この場面に出てきた

 




今回はここまでです。

最初はこれを一話にまとめようと思ったのですが、予想よりも長かったので、何個かに分けさせていただきました。

次回はこれの続きです

この北山家別荘での会話は次の回までで終わらせたいなと思います

ではまた次回


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五章 第六話 達也の秘密

毎日p.m.8:00 に投稿してます

途中で途切れるまでは

途切れたらまだ書き途中だと思ってください


達也『お前達、国家機密に触れる覚悟はあるか?』

 

達也の口から出てきた()()()()という4文字

 

その単語だけで空気が変わったかのような違和感を覚えた

 

達也『触れる気が無いならこの後の事は俺に任せて貰おう。何、どっちにしろあの魔法実験は止めさせなければならないんだ。彼女達の保護もやって見せよう』

 

リーナ「達也…」

 

ほのか「それでも、私は自分達の手で九亜ちゃんを助けたいです!!」

 

雫「ほのかがそういうなら私も」

 

エリカ「横浜で国家機密に触れてる。今さら1個増えたところで狼狽えないわよ」

 

レオ「そうだな。俺も不本意だがエリカと同じだ」

 

深雪「お兄様。私は、九亜ちゃん達の力になってあげたいと思います。」

 

達也はあらためて皆の顔をみる

 

達也『はぁ…リーナ。』

 

リーナ「何よ」

 

達也『いい仲間を持ったな』

 

リーナ「ええ、そうね。」

 

達也『なら、まずは俺が何処にいるのかを教えてあげなくては。ここは、USNA軍が所有する潜水艇、ニューメキシコの中だ。』

 

「「「「!?」」」」

 

達也の事を知らない九亜は言葉に着いていけてないが、エリカ達はその言葉に驚いた

 

エリカ「達也君、何者?」

 

達也『水波、九亜と共に一度部屋から出てくれないか?』

 

水波「はい。かしこまりました」

 

水波は達也の要望通り、九亜を連れて部屋からでた

 

水波が部屋から出たのを確認すると達也は今までの温厚な態度から打って代わり、現役の軍人のような態度に変えた

 

達也『では、今から伝えることは一切の黙秘を決めろ。でなければお前達を消す。さぁ、覚悟は出来たか?』

 

その画面越しからでも伝わるプレッシャーにエリカ達は一歩も動けず、美月やほのかは座り込んだ

 

達也『深雪、ほのかと雫と美月を部屋から出してくれ』

 

達也に名指しされたメンバーは残る気でいたようだが、流石に危険だった。

 

深雪に連れられて部屋からでた3人は少し悲しそうな目をしていた

 

達也『さて、俺がお前達を残したのはお前達には今抜けていったメンバー達と違ってゲリラとはいえ横浜で戦っている。さぁどうする?聞きたいか?聞いてしまったら後には引けないぞ?』

 

エリカ「達也君、それ誰に聞いてるの?私は【剣の魔法師】千葉家の人間よ。そんな質問は愚問なのよ」

 

レオ「その通りだぜ。俺とお前の仲だ。守るに決まってるさ」

 

幹比古「僕も賛成だ。ただ、柴田さんや光井さん達にはいわなくて正解だと思う」

 

エリカ「そういえば、深雪や水波には話さなくて良いの?」

 

達也『心配しなくていい。彼女達は既に知ってるし、もっと前に教えている』

 

リーナ「達也。本当に話すの?」

 

達也『このメンバーだけならば問題ないだろう。反省文だけで済むはずさ』

 

リーナ「ええ…。私反省文なんてもう書きたくないわよ」

 

達也『まぁ、リーナは書かなくて済むだろうな。…さて、お前達の覚悟は認めよう。では、改めて自己紹介だな。俺は国際魔法協会常任理事にしてUSNA軍参謀本部所属兼〈S.T.A.R.S.〉総隊長補佐のタツヤ=アルデバラン。階級は大佐だ。』

 

エリカ「USNA軍…!?」

 

幹比古「国際魔法協会…常任理事…って」

 

レオ「まぁ、達也らしいといったららしいが、相変わらずぶっ飛んでんな」

 

達也『言うな。俺だってなりたくてこうなったわけではない』

 

リーナ「何言ってんのよ…ノリノリなくせに…」

 

達也『リーナ?…何か言ったか?』

 

リーナ「い、いえ」

 

達也『はぁ…わかった何とかしよう。取り敢えず、今から合流に向かおうと思うが、つくのは明日の朝ごろの予定だ。』

 

エリカ「わかったわ。楽しみに待ってる」

 

達也『楽しみにするな、戦闘狂。』

 

―――――――――――――――――――

 

達也が通信を終えてニューメキシコの中にある作戦室に入ると、3人の米軍兵が敬礼をして立っていた

 

達也「なおって良いです。…さて、本日集めたのは理事長より受けた命を実行するための作戦会議です」

 

ベン「理事長…イギリスの戦略級魔法師ウィリアム=マクロードですか」

 

達也「その通り、先ほど俺の潜入先の友人からとある少女を保護したと連絡があり、日帝海軍が秘密魔法実験をしているという噂が現実味を帯びてきました」

 

ベン「ということはついに叩くのですか」

 

達也「ああ。これは日本だけの問題ではない。世界的な危機だ。そこで、秘密魔法実験のデータを完全に抹消する。あの研究所で研究されている魔法は地球の周りにある質量体を引き寄せ、落下させる戦略級魔法だ。質量にもよるだろうが、最悪一国を破壊しかねない」

 

ベン「そんな危険な物をステイツが放っておくわけがない」

 

達也「その通り。そして、そんなものを我々の同盟国である日本に持たせては世界の軍事バランスが崩壊する」

 

「ところで、大佐殿。完全に抹消するということはつまり、研究者の脳も含まれますか?」

 

達也に質問した男―ラルフが嗤いながら聞いた

 

達也「はぁ…含まれるぞ。しかし、今回は任務を追加する。国際魔法協会としては魔法師が機械の一部として使われている状況を感化出来ない。そこで、魔法に使用されている調整体魔法師〈わたつみシリーズ〉の保護も作戦に加える。…だから、ラルフ。やり過ぎるなよ?」

 

ラルフ「フハハ、つまり研究員と警備の者は自由にして良いと!!」

 

ベン「ラルフ。言っておくが、上官である私か大佐殿の指示をしっかり仰げよ?」

 

ラルフ「分かってますよ。そんくらい…チッ」

 

達也「はぁ、だが、ラルフ。〈わたつみシリーズ〉の保護はそちらをメインとした俺の協力者に行かせる。だから、お前は安心して研究に関わった人間を殺せ。」

 

ラルフ「大佐殿からの承認ゲット!やってやりますよ。」

 

達也「ただし、不用意な殺傷は避けろ。変に目立てば勘繰る連中もいる。あくまでも今回は世界の脅威と言うことで方がつくが、変に疑われるのは面倒臭い。」

 

ベン「確かに、その通りですね。」

 

達也「さて、では作戦の内容を伝える。まずは、防衛機関を俺の魔法で消す。消したら俺が空に『雷光』を打つ。それが開戦の合図だ。ベンとラルフはそのまま施設に潜入し、警備の者を殺せ。研究所の職員は二の次だ。」

 

「私はどうすれば?」

 

残る1人―ハーディーが達也に聞く

 

達也「ハーディー。お前は俺についてこい。」

 

ハーディー「はっ!」

 

達也「危なくなったら逃げろ。最悪俺が『質量爆散』で吹き飛ばす。」

 

ハーディー「なっ!?戦略級魔法の使用許可が出ているのですか?」

 

達也「それほどの魔法なのだ。奴らが研究しているのは。それに、南盾島は観光地として有名だが、日没には民間人は退避するようにルールが設けられている。民間人への被害は皆無だ。」

 

ベン「ステイツは…世界の脅威となる新たな戦略級魔法が生まれることを許容しない。戦略級魔法の乱発など、我々が一番恐れる事態に陥れるわけにはいかない。…これを日本の軍人も理解すべきなのだ。」

 

達也「俺の前で言うかそれ。」

 

ベン「貴方は良いんですよ。」

 

達也「…さて、作戦は27時間後。準備しておけ」

 

「「「はっ!」」」




今回はここまでにします。

まずは、エリカ達が達也の秘密の一部を知りました。

リーナの事は伝えていません。

そして、達也達は作戦のためにニューメキシコに乗船していました。

メインは『隕石落下』を葬り去るため、そのために早めに移動することで、日本に向かい達也のCADを取りに行くためというのと、ついでに四葉真夜を経由して一応の警告を流すためです。

だが、十師族には詳しい内容は伝えません。

理由は言わずもがなですが。

そして、作戦も少し静かになります。

さて、次回で、達也がエリカ達に合流できると良いのですが…

では、また次回


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五章 第七話 束の間の休息

達也がニューメキシコで色々していた時

 

深雪達は九亜を連れてお風呂に入っていた

 

ほのかは九亜の髪を洗っていた

 

ほのか「どう?九亜ちゃん。」

 

エリカ「あ、じゃあ私も」

 

エリカが九亜の頭にシャンプーを垂れ流す

 

ほのか「あ、エリカちゃん!!泡まみれになっちゃったじゃない!」

 

エリカ「この方がたくさん泡立つから良いじゃない!!ほら、あわあわ~。」

 

ほのか「もう、エリカちゃんったら…」

 

リーナ「懐かしいわね…幼い頃に私も達也に同じことしてたわ…」

 

深雪「その話、詳しく聞かせて貰いましょうか?」

 

リーナ「ちょっと、深雪。怖いわよ」

 

水波「私も詳しく聞きたいです!」

 

リーナ「ちょっと水波まで!?」

 

そんなリーナと深雪の話に興味が引かれつつも、ほのかは九亜の髪の泡をシャワーでおとした

 

「ほのか…この泡はなんです?」

 

ほのか「シャンプーよ。九亜ちゃん、シャンプー知らない?」

 

「知らない…です。お湯の水槽も初めて見ました…です。」

 

ほのか「お湯の水槽?」

 

シャワーを止めて九亜の方に向いた

 

ほのか「九亜ちゃん、お風呂に入ったこと無いの?」

 

「はい…です。何時もは消毒槽に使っていたので。」

 

ほのかは突然のカミングアウトに内心驚きつつも、何とか表面に出すことはなく、改めて九亜に向き直った

 

ほのか「ふふ、じゃあ今まで入らなかった分、お風呂を楽しまなきゃね!」

 

ほのかは立ち上がり、九亜の後ろに回った。

 

ほのか「女の子にとってのお風呂はね。綺麗になるための準備をする所なんだよ。…今日は徹底的に磨き上げてあげるからね!」

 

―――――――――――――――――――

 

お風呂から出た女子組一行は皿だし等の準備をしていた

 

レオ「あれ?早かったか?」

 

幹比古「皆で準備…黒沢さんは?」

 

雫「大事なことを頼んでいるの」

 

レオ「大事なこと?」

 

美月「んふふ、実は…あ!!」

 

美月の向いた方を見ると、そこには

 

可愛く着飾った九亜がいた

 

美月「とっても素敵よ、九亜ちゃん。」

 

着替えを手伝っていただろうほのかが九亜に微笑んだ

 

北山家のお手伝いさんである黒沢は雫にお辞儀をすると台所へと戻っていった

 

雫「服のサイズは問題なかったのね。よかった」

 

ほのかは頷きつつも、九亜が何かを探すような動きをしていたのに疑問を抱いて九亜に質問した

 

ほのか「九亜ちゃん、どうしたの?探し物?」

 

「七草真由美さんは何処です?」

 

エリカ「七草真由美さんって、あの七草先輩?」

 

水波「ここにはいませんが…」

 

深雪「七草先輩になんのご用なの?」

 

「森永さんが、七草真由美さんに助けて貰いなさいと言ってた…です。」

 

リーナ「七草先輩に?」

 

「あの飛行機は真由美さんの物ではないのですか?」

 

全員が首をかしげると、レオが何かを思い出したかのように声をあげた

 

レオ「そういえば、飛行場で同じ型のティルトローター機が止まってたな」

 

エリカ「馬鹿!そういうのはもっと早く言いなさいよ!」

 

レオ「無茶言うな!!」

 

美月「つまり、その飛行機が七草先輩の自家用機だった、ということですか?」

 

幹比古「たぶんそうだね。卒業旅行に来てるんじゃないかな?」

 

水波「深雪姉様、行き違いになって先輩も心配されていると思います。よろしければ私が後程七草先輩にお電話をいただけるようメッセージを送っておきますが?」

 

深雪「そうね。お兄様もそう考えるはずです。水波ちゃん、頼みましたよ」

 

水波「はい!かしこまりました」

 

話が一段落したところでご飯が出来た合図がかかったので皆で食べるために席に着いた

 

―――――――――――――――――――

 

ご飯も食べ終わり自由となった深雪とリーナは達也と電話をしていた

 

達也『なるほど、その森永さんという人が七草先輩に助けをもとめるように言ったんだな?』

 

深雪「はい。」

 

達也『深雪、リーナ。悪いが到着は昼前だ。』

 

リーナ「なにかするの?」

 

達也『本当なら霞ヶ浦に行くだけですむと思っていたが、日本魔法協会にもよる』

 

深雪「日本魔法協会の理念は魔法師の不当な軍事利用を防ぐこと。」

 

達也『そうだ。そして、日本魔法協会は国際魔法協会の支部。俺の言葉を無視できない。取り敢えず、つくのは明日の昼だと言うことだけ伝えておく。』

 

リーナ「分かったわ。」

 

達也『ああ。リーナを今回使わないのは、リーナがアンジー・シリウスであることを知られたくないからだ。それだけは理解してほしい』

 

リーナ「そのくらいは理解してるわ。シリウスは秘匿事項。」

 

達也『そうだ。じゃあ、お休み。』

 

深雪「おやすみなさい。」

 

達也が通話を切った。

 

リーナ「さて、明日から大変ね。」

 

深雪「そうね。」




今回はここで切ります

次回は魔法協会、霞ヶ浦基地、その後に合流です

では、また次回


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五章 第八話 日本魔法協会への介入

翌日、達也は『仮装行列』で姿を変えると、自身の端末から日本魔法協会に連絡をいれた

 

そのまま自身の名を名乗り、師族会議を緊急で開くように命じた

 

やがて達也のみてる画面に続々と十師族の当主達が現れた

 

全当主が参加すると、達也のこの姿に面識がある四葉真夜が話を切り出した(一応、一条剛毅も九島烈も達也と面識はあるが、ここでは黙っていた)

 

真夜『お久しぶりですわ、タツヤ=アルデバラン閣下』

 

タツヤ「久しぶりだな、四葉真夜殿」

 

真夜の言葉に十師族の当主達は驚いた。

 

何せ、タツヤ=アルデバランという名前はあまりにも大物過ぎたのだ。

 

国際魔法協会常任理事という立場から世界各国の魔法協会に口を出せる。

 

それに、USNA軍の大佐であり、大佐になると同時に参謀本部へと移動になったことで軍部にも精通している

 

今では、達也の言葉1つで世界最強の魔法師部隊〈S.T.A.R.S.〉は動くし、達也自身も相当な実力者でもある

 

そんな達也のことを世界各国は顔色を伺うような立場になってしまうわけである。

 

そして、タツヤ=アルデバランは各魔法協会に声を出すときに顔を出すことが滅多に無いのだ

 

だから、最初に入った時は呼び出した人間が誰だか分からなかったのだ。

 

そんな人物と仲良く話せる真夜に各当主は固まってしまう

 

真夜『早速ですが、どう言ったご用件でしょうか。』

 

タツヤ「さて、まずは皆様。日本の魔法師界の保護お疲れさまです。実は、先日常任理事達の会合でこんな話をしていたんですよ。」

 

国際魔法協会のそれも常任理事の会話と聞いて、全員が、特にそういう情報をたくさん手に入れたいと画策する七草弘一の目が眼鏡越しに光った

 

弘一『それはどういう内容なのですか?出来ることなら教えていただきたい。』

 

タツヤ「いいでしょう。日帝海軍が調整体魔法師を利用して先の戦争で研究されていた魔法を復活させている。先の戦争で研究されている魔法。九島閣下はご存知なのでは?」

 

烈『知ってるもなにもあの魔法の研究を止めたのはわしらだ。あれは世界の軍事バランスを一瞬にして粉砕する』

 

タツヤ「というわけで、その真偽を確かめるため、我々はその研究所がある日本の南盾島に向かいます。十師族の中でも気になるでしょうから誰かを海軍基地に向かわせるといいでしょう。では、話は終わりです。後は皆さんでどうぞ。ただし、あの魔法を利用して自家の力を上げようなんて考えている者がいれば、我々が黙っていませんので、そこはご容赦を。では、」

 

タツヤは通話を切ると、『仮装行列』を解除する

 

そのままニューメキシコは本来の目的地、霞ヶ浦基地へと向かった

 

――――――――――――――――――――

 

達也がいなくなった、師族会議は例の魔法についてと調整体魔法師の保護についての話題になった。

 

真夜『調整体魔法師に関してですが、我々四葉で保護させていただきます。』

 

『四葉殿?なぜですか?』

 

真夜『我が四葉家は昔からそういう魔法師についての研究を行ってきました。その調整体魔法師達がどういう意図で作られたのか、どういう魔法適正を持たせられたのか、そして実験に使われた魔法師達の心理ケア。そういうのを調べるためには我々をおいて他にはいません。』

 

烈『なるほど、四葉殿の言い分は分かった。…ん?七草殿は言いたいことでもあるのかい?』

 

烈に名指しされた弘一は真夜にとられるのは嫌だが、真夜の言い分に納得してしまった他家の当主達のいる手前、引き下がった。

 

烈『無いようだな。では、次だ。海軍基地への偵察。』

 

『その役目。私にお任せいただけませんか?』

 

手を上げたのは十文字家当主十文字玄樹の息子にして補佐の役をしている十文字克人だった。

 

烈『克人くん。君に出来るのかね?』

 

克人『私にその権利があるのでしたら。』

 

烈『分かった。ならば、克人君。今すぐ準備をして南盾島に向かいたまえ。』

 

克人『はっ!』

 

克人が画面から消えた

 

烈『さて、会議は終わりだが、最後に何かあるかね?』

 

手を上げたのは弘一だった。

 

『四葉殿。先ほどのタツヤ=アルデバラン閣下とはどういう関係ですか?』

 

真夜『関係もなにもただ友人なだけですが?彼もたまに息抜きと称して日本に来日されるのでその際の案内とかホテルの手配をしただけですよ。それに、私よりも一条殿の方が仲がいいですし』

 

『私は、先の佐渡侵攻で手助け頂いたのでそのお返しとして少しご飯を共にしただけですよ。』

 

弘一は秘密の多い真夜なら仲良くなっているだろうと勝手に納得していたが、一条家とも友好があったことに驚いた

 

そして、自分も彼と仲良くなって自家の利益を上昇させたいと考え始めた

 

そんな弘一の考えていることに気付いたのか、烈は少し内心で笑ってしまった

 

――――――――――――――――――――

 

茨城県 霞ヶ浦基地

 

師族会議への警告を済ませて、しばらく立つと、霞ヶ浦基地にたどり着いた

 

すぐにニューメキシコを浮上させて、達也は基地に入った

 

達也「ご苦労様です、真田大尉」

 

「2日ぶりですね。大佐殿」

 

達也「こちらは、俺の部下のハーディーです。」

 

「貴官があの真田大尉ですか。私は2等星級隊員、ラルフ=ハーディー=ミルファクともうします。階級は少尉です」

 

「国防陸軍第一○一旅団独立魔装大隊大尉、真田繁留ともうします。」

 

ハーディーと真田が握手を交わす

 

「さて、大佐殿。ご用件は〈サード・アイ〉と〈クローバー・スター〉ですね?」

 

達也「よく分かりましたね。」

 

「こちらにあります。ついてきてください。」

 

真田の後についていくと、そこには達也のCADだけでなく、横浜事変で使った達也のローブがおかれていた

 

達也「俺が海軍と事を構えるのを分かっていたんですか?」

 

「さぁ?」

 

達也は後ろにいるハーディーに〈サード・アイ〉の入った箱と〈クローバー・スター〉の入った箱を渡すと、自分はローブをたたんで自分で持った。

 

「あ、達也君。これを持っていきなさい」

 

そうして真田が取り出したのは、達也のCADに合う2つのストレージだった。

 

達也「これは…〈ディープ〉と〈ベータ〉のストレージですね。…〈ディープ〉はともかく〈ベータ〉は未完成でとても戦闘に耐えるものではないと聞いているのですが?」

 

「…機会があればでいいのでデータを取って欲しいのですよ。MSTの本部長と軍人を兼任している対価としてね。」

 

達也「…分かりました」

 

「では、大佐殿。お気を付けて」

 

真田は言い終わると達也に敬礼をした

 

それに対して達也も敬礼を返した




今回はここまで、次回やっと達也が雫達と合流します

真由美の登場も次回です。

今回はタツヤ=アルデバランとして初めて日本魔法協会に顔をだし、警告を促し、霞ヶ浦に向かいました

霞ヶ浦でCADを回収した達也

次回、ついに合流です

では、また次回


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五章 第九話 達也の合流

達也をのせた潜水艇は霞ヶ浦から媒島にたどり着いた

 

潜水艇が船着き場に浮上すると、深雪とリーナが出迎えていた

 

深雪「お兄様!!」

 

リーナ「達也。お疲れ様」

 

達也「ああ。」

 

ハーディー「お久し振りです、総隊長殿。」

 

リーナ「ハーディー!?貴方までいたの?」

 

達也「ハーディーは荷物持ち兼、今回の俺の副官だ。」

 

リーナ「そういえば、ベンはどうしたの?」

 

達也「ベンはラルフの制御だ。」

 

リーナ「ラルフまでいるのね…。」

 

達也「そういえば、同じ型の自家用機が停まっているが?」

 

深雪「あれは七草先輩達のです。」

 

達也「なるほど…。じゃあ、ハーディーも準備に戻れ」

 

「はっ!」

 

ハーディーが潜水艇に戻ると潜水艇が潜った

 

リーナ「にしても達也。大佐になってから〈S.T.A.R.S.〉じゃなくなったのよね?確か参謀本部所属だっけ?」

 

達也「確かにそうだが」

 

リーナ「何で参謀本部所属なのに星の名前がついたの?」

 

達也「それはな。リーナ。お前の補佐の仕事を続けることになったからだ。」

 

深雪「ふふ…リーナ1人じゃ仕事出来ないものね」

 

リーナ「何よ深雪!!私だって仕事くらい出来るわ!!」

 

達也「そうか。なら、バランス准将に伝えておこうか?」

 

リーナ「そ、それは遠慮しておくわ…」

 

達也「そうか。さて、向かうぞ」

 

―――――――――――――――――――――

 

水波から連絡が来た真由美達は急いで北山家の別荘がある媒島に来ていた

 

つくと、水波の案内で九亜と会っていた

 

真由美「貴女が綿摘未九亜ちゃん?」

 

「〈わたつみシリーズ〉製造No.22、個体名―九亜…です。…貴女が七草真由美さん…ですか?」

 

真由美「ええ、そうよ。昨日は助けに行けなくてごめんなさい」

 

真由美は九亜を抱き締めた

 

そんなタイミングで達也が部屋に入ってきた

 

摩利がそれに気付いて手で挨拶した

 

ほのか達も達也の合流に驚いていた

 

美月「ところで、七草先輩とその森永さんってどういう関係なのですか?」

 

真由美「私の兄の恩師である森永先生が海軍の秘密魔法実験に参加してたんだけど、そこでの彼女達の扱いの悪さに彼女達の保護を求めてきたのよ。」

 

その言葉に全員が納得したように頷く

 

真由美「さて、九亜ちゃん。お姉ちゃんと一緒に東京に行きましょう?」

 

達也「その件で先輩にご相談があります。」

 

真由美「何かしら?」

 

達也「九亜だけでなく、ここにいるメンバーも東京に連れ帰って頂けませんか?」

 

真由美「達也君以外の全員も?」

 

達也「そうです。それと、雫。北山家の飛行機を少しの間貸して貰えないか?」

 

雫「何に使うの?」

 

達也「九亜と同じ立場の女の子が他に8人いる。」

 

真由美「達也君、何をするつもり?」

 

摩利「君1人で助け出すつもりか?」

 

達也「いいえ。1人じゃないですよ。な?エリカ、レオ、幹比古。」

 

エリカ「もちろん。私は足手まといにならないからね。」

 

レオと幹比古は黙って頷いた

 

真由美「達也君なにするつもりなの?」

 

達也「先輩は知ってますよね?俺の立場を。まぁ、貴女のお父君が知らないのを見るとまだ約束は守っているようですが…」

 

真由美「…わかったわ。」

 

摩利「真由美…」

 

真由美「私達が頼まれたのは九亜ちゃんを東京に連れ帰ること。それ以上は私達の出る幕じゃないわ。」

 

摩利「私じゃ足手まといということか…」

 

真由美「違うわ。達也君とは責任を果たす相手が違うと言うことよ。」

 

摩利「そうか。達也君には大義名分があるのだな。分かった。達也君。心配は要らないだろうが、気を付けて」

 

達也は頷いた

 

深雪「私も残らせてください!!」

 

達也「深雪?」

 

深雪「確かに彼女達の保護はエリカや西城君達の仕事でしょうが、ヘリの護衛は必要ですよね。ならば、私がそのヘリの護衛をいたします」

 

達也「はぁ…分かった。水波」

 

水波「はい!」

 

達也「もともと幹比古にヘリを任せようと思っていたが深雪が入るなら水波、お前が深雪を守って見せろ」

 

水波「はい!!」

 

リーナ「私は?」

 

達也「そうだな。九亜達の自家用機の護衛だな。何かあれば()()()()()()()()()構わない」

 

リーナ「わかったわ。任せて」

 

―――――――――――――――――――

 

真由美達を乗せた自家用機が飛び立つのを確認した達也は早速ニューメキシコを浮上させた

 

「大佐殿。準備完了です。」

 

達也「分かった。ハーディー、俺の後ろにいる男女2名が〈わたつみシリーズ〉保護要員だ。そして、ハーディーはこの2人が保護を終えたら自家用機までの護衛だ。自家用機まで連れていったら、元の任務に戻れ」

 

「はっ!」

 

そんな達也とハーディーの会話の最中、深雪はエリカの持っている刀のことを聞いていた

 

深雪「エリカ、その刀は?」

 

エリカ「〈大蛇丸〉のダウンサイジングバージョン〈蛟丸(ミズチマル)〉。雫にこっそり積み込んどいて貰ったんだ」

 

深雪「用意が良いのね。」

 

エリカ「何が起こるか分からないからね。」

 

そうして船着き場につくと、巨大な潜水艇があった。

 

達也「やっと来たか。」

 

エリカ「流石USNAね。潜水艇って、こんなに大きいの!?」

 

達也「このニューメキシコが特別なだけさ。さて、行こうか。エリカとレオは中に乗れ。深雪と水波と幹比古は北山家の自家用機で南盾島まで飛んできてくれ。秘密研究所の座標は深雪を介して送っておく。」

 

「大佐殿。いつでも出発できます。」

 

達也「だそうだ。2人とも速く乗れ。じゃあ、深雪。また後でな」

 

深雪「はい!どうかお気を付けて」




事後報告、達也の養母ヴァージニア=バランスが将官になりました

今回は達也がやっと深雪達と合流しました。

作品通り、真由美に雫やほのかを送らせて、エリカ達をニューメキシコに乗せました。

リーナが同行していない理由はまぁ察していると思いますが、次の回でわかります。

では、また次回


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五章 第十話 開戦前

真由美達を乗せた自家用機は媒島近海を飛んでいた

 

機内で盛り上がっているほのか達を楽しげに見ていると、窓に3機の戦闘機が飛んでるのが見えた。

 

そのまま3機の戦闘機は自分達の自家用機へと向かってきた

 

『JA85942、当機の誘導にしたがい、南盾島空港に着陸せよ』

 

真由美はすぐに立ち上がって操縦席に移動した

 

そこには、操縦席に竹内が、そのすぐ近くにリーナが立っていた

 

「お嬢様、どういたしますか?」

 

真由美「無視してください」

 

リーナ「ええ。それが良いと思うわ。不用意にカードを切らない方がいい」

 

すると、戦闘機が近付いてきた

 

『JA85942、こちらの指示に従え。』

 

真由美がマイクを取る

 

真由美「もう、仕方がないわね…」

 

リーナ「貴女で無理なら私がやるから対応頑張りなさい?」

 

竹内がマイクを操作する

 

真由美『こちらJA85942、誠に申し訳ありませんが、ご指示には従いかねます。ここから南盾島に戻ったのでは燃料が足りません』

 

『ふざけるな!!羽田に向かうより南盾島の方が近いだろ!!』

 

真由美『生憎と、追加の燃料代を用意してませんので…』

 

『JA85942、改めて勧告する。当機の指示に従え!』

 

真由美『だから燃料が足りないのです』

 

すると、後ろに回った1機が機関銃を向けて、自家用機を狙ってきた

 

リーナ「ここまでね。七草先輩、貸して下さい」

 

真由美はリーナにマイクを渡した。

 

『JA85942、これは警告だ。次は当てる』

 

リーナ『次などありません。こちらの考えはノー。当機は国際魔法協会常任理事タツヤ=アルデバランの命により東京に向かっています。邪魔をするのでしたら、こちらにも考えがありますが?』

 

『出鱈目を言うな!!』

 

リーナ『そうですか。では、言葉通りに。七草先輩、魔法を使っても構いませんよ。責任はアルデバラン閣下が取りますので』

 

真由美は待ってましたと言わんばかりに笑顔を浮かべて『マルチ・スコープ』を発動する。

 

真由美に見えた標的は3つ。

 

真由美はCADを操作して『ドライ・ブリザード』を発動する。

 

『うわぁぁっ』

 

『何をする!!』

 

リーナ『タツヤ=アルデバランの名前は大きすぎる。彼に報告してしまえば、日帝軍も終わりですよ?…それとも、はっきり言った方がいいかしら?邪魔をするな、と。』

 

『ちっ、調子に乗りやがって』

 

リーナが合図するともう一度『ドライ・ブリザード』が降ってくる。

 

リーナ『少しは私の言葉を聞きなさい。じゃなきゃ、死ぬわよ』

 

『ちっ、退却だ。』

 

3機のうちのリーダーが撤退を指示すると、3機が離れていった。

 

リーナはマイクを外して一息ついた

 

リーナ「ふぅ…。やっぱり慣れないわ。しばらくはこういうのは達也に任せようかしら。」

 

真由美「お疲れ、利奈ちゃん。」

 

リーナ「お疲れ様です。にしても七草先輩は十師族にしては随分と平和主義なんですね?」

 

真由美「どういうこと?」

 

リーナ「穏便に解決しようとする魂胆が見え見えですし、何より交渉ごとはそこまで慣れてなのではないですか?」

 

真由美は図星を付かれて驚いた

 

普段真由美がやる交渉には無意識に七草の名前が伴うことが多い。

 

だから、今回のような七草の名を出さない交渉と言うのは経験がないのだ。

 

そんなわけで、真由美は慣れない交渉のせいで相手を怒らせてしまったのだ。

 

リーナも真由美が交渉に慣れていないことに気付けずに敵を怒らせてしまったので、本来は使いたくはなかったが達也の名前を使って威嚇した

 

リーナ「さて、じゃあ急いで東京に向かいましょう!」

 

―――――――――――――――――――――

 

真由美達が自家用機に乗っている頃、1人の男が日本海軍の南盾島基地に降り立った。

 

その男、十文字克人は日本魔法協会から軍所属魔法師の状態確認という名目でやってきた

 

克人は1人の海兵に連れられて会議室に入った

 

「こちらでしばらく、お待ちいただけますでしょうか。」

 

「分かりました。」

 

―――――――――――――――――――――

 

一方、ニューメキシコに乗っているレオとエリカはハーディーと最終確認をしていた

 

「では、侵入は大佐殿の合図があってから。基本的には大佐殿の後ろに付いていくことになる。分かったかい、レオ君、エリカちゃん。」

 

エリカ「もちろん。」

 

「よし、保護したら自家用機まで連れていく。そしたら、君達は自家用機でそのまま退避してくれ」

 

レオ「了解だ。」

 

―――――――――――――――――――――

 

達也の方はベンとラルフと最終確認をしていた

 

達也「2人とも、問題はないな」

 

ベン「〈スラスト・スーツ〉に異常はありません。」

 

ラルフ「久し振りの戦場だ。暴れさせて貰いますよ」

 

達也「頼むから暴走だけはするなよ…」

 

 

やがて、南盾島に近付くと達也が館内放送で連絡をいれた

 

達也『諸君!もうまもなく南盾島に到着する。浮上したら作戦通りに始めるぞ!』

 

開戦の時はもうまもなく




今回は真由美達の東京行き、十文字克人の海軍基地訪問、ニューメキシコでの作戦会議でした。

真由美の交渉を少し変更してリーナが黙らせました。

そして、十文字克人は日本魔法協会の話し合いで決まりました。

次回から達也達の暗躍が始まります。

では、また次回


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五章 第十一話 対戦開始

艦長から通信で南盾島に到着できるとの報告が来た

 

達也「頃合いか…。じゃあ、始めるか」

 

達也はベン達とエリカ達を会議室に呼び出した

 

「お前達、まもなくこのニューメキシコは南盾島に到着する。今回の作戦は秘密作戦だ。不用意に攻める必要はない。確実に任務を遂行する。【星王】の名のもとに宣言する。この作戦は我らの勝ちだ。作戦通りに行くぞ!」

 

「「はっ!」」

 

「戦闘開始!!」

 

―――――――――――――――――――

 

達也は首から〈クローバー・スター〉を下げ、黒のローブを来て南盾島にある防衛機関の前を飛んでいた

 

達也はあえて目立つように魔法を使った。

 

海軍基地内で達也の襲撃に気付いたのか、防衛システムが起動し、照準を達也に合わせた

 

達也は軽く微笑んで、CADを向けた

 

すると、大砲の1つが消えた

 

それから機関銃を達也は『雲散霧消』で消して、大砲には『流星群』を放った。

 

最後の1つには、小規模な『質量爆散』を打った

 

『質量爆散』により、大きな光が辺りを照らす

 

光が消えると同時に達也が空に『雷光』を打ち上げる

 

それと同時に水中から2つの彗星が飛び去った

 

それを確認すると、達也も合流地点に向かった

 

――――――――――――――――――――

 

合流地点にたどり着いた達也は3人を連れて研究所の中に入っていく

 

やがて、中の警備員達を倒しながら進んでいくと、警備の人間が扉の前に立っていた

 

達也は『精霊の眼』で確認すると、中に女性が1人閉じ込められていた

 

達也が銃を無力化すると、エリカが先行して2人を切り落とす

 

中に入ると監視カメラを破壊する

 

部屋の中には確認した通り、1人の女性がいた

 

達也が得た情報には女性研究者は3人しかいなかった

 

そして、その研究者の写真での顔とここにいる女性を比べると、出てきたのは真由美に九亜の保護を依頼した森永女史、その人だった。

 

達也「貴方が森永さんか?」

 

「ええ。いかにも私が森永です。」

 

達也「九亜に頼まれてここに来た。〈わたつみシリーズ〉は何処にいる?」

 

「今は実験中です。案内します」

 

森永女史の案内で達也達は外の階段から研究所へと向かっていた

 

その最中に森永女史から実験の話を聞いていた

 

「今、我々は第三次世界大戦中に海軍が研究していた『隕石落下(ミーティア・ライト・ホール)』を研究しています。そして、先日、試射を終わらせました。」

 

達也「試射?ああ。2095GE9のことか。」

 

「あれを知っているとは、処理したのは貴方でしたか。まぁ、それは置いといて。今我々が行っているのは軌道離脱実験です。」

 

達也「軌道離脱実験…」

 

「地球の周りを回っている小惑星の軌道を操作し、地球に落とせるかという実験です。今回使われているのはUSNA製軍事衛星〈セブンス・プレイブ〉です。」

 

その名前に達也とハーディーは驚きで固まった。

 

〈セブンス・プレイブ〉とはUSNAが打ち上げた軍事衛星で、劣化ウラン弾を30発程搭載して、衛星軌道上からの攻撃を可能とした物。そして、劣化ウラン弾は環境に対する影響が大きいのだ。

 

達也「正気か!?」

 

「私もそれは止めました。しかし、静止も聞かず…。さて、到着しました」

 

森永女史が部屋の扉を開けると、慌ただしく動く研究員達がいた

 

「所長!!何が起こったんですか!!」

 

「実験が失敗した…」

 

「だから言ったじゃないですか!!あの魔法を打つには8人じゃ足りないって!!」

 

「いや、実験の過程は正確だった。悪いのは、先ほどの敵の攻撃だ。あれが無ければ完璧に成功していた」

 

達也「実験は終了だ。子供達を出せ」

 

達也の威圧感付きの声に研究員達は大型CADから〈わたつみシリーズ〉を取り出す

 

達也はガラスを『分解』すると、下に降りた

 

エリカとレオはそれに付いていき、ハーディーは実験室の監視のために残った

 

子供達が出てくると、達也はそのうちの1人を『再生』した

 

「……だ……れ…?」

 

達也「九亜に頼まれてきた。お前達を助けてほしいとな」

 

達也達の周りに警備の兵が現れた

 

「動くな!」

 

達也は無言で胸元のCADを握ると、辺りが夜に包まれ、敵兵を流れ星が貫いた

 

達也「さて、君達はどうしたい?このままここに残るか。それとも、ここから出るか」

 

子供達は口々にここから出たいと声を出す

 

達也「レオ、エリカ。彼女達を頼む。」

 

「どうして、私達を助けるんじゃないの?」

 

達也「俺はここのデータを抹消する。じゃなきゃ、第二、第三の君達が生まれてしまうからね。」

 

達也はハーディーと交代して、〈わたつみシリーズ〉を外へと連れていかせた

 

――――――――――――――――――――――

 

研究員達も逃げ出したことでもぬけの殻となってしまった研究所に1人の男が立ち尽くしていた

 

達也「実験の責任者だな。お前には聞きたいこともある。付いてこい、と言いたいところだが、まずは〈セブンス・プレイブ〉の落下予測データをこれに落とせ」

 

達也は端末を男に渡した

 

「なぜ私が…」

 

達也「時短のためだ。」

 

「……何者だ。」

 

男は落下予測データを端末に落とし込みながら名前を聞いた

 

達也「タツヤ=アルデバラン。国際魔法協会常任理事だ。」

 

「そうか…お前が世界で有名な【星王】か。…出来たぞ」

 

達也は男から端末を受け取ると、CADを大型CADへと向ける

 

「な、何をする!」

 

達也「デリートだ。」

 

達也は〈ディープ〉のストレージをはめて『雲散霧消』を発動し、大型CADを消した

 

その後、達也が平行して行っていた全研究データの抹消を終えると、男を連れて外に出た

 

外には護衛を終えたハーディーが立っていた

 

達也「ハーディー、護衛お疲れさま。次の指示だが、この男を移送する。運んでおけ」

 

「はっ!」

 

達也はハーディーに男を渡すと、ベン達のところに向かった

 





今回はここできります

今回は作戦開始ということで、達也の撹乱から秘密魔法実験の為の研究データを抹消するまででした

次回はこれの続きになります

では、また次回


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五章 第十二話 克人VSカノープス

ベンジャミン=カノープスは抵抗してきた海軍達を殺していた

 

横にいるラルフの暴走に頭を痛めていたが、突如、ラルフが吹き飛ばされた

 

その吹き飛ばした方を見ると、一枚の巨大な障壁が立っていた

 

「『ファランクス』…十文字の人間か」

 

「そちらこそ、〈S.T.A.R.S.〉がなぜそんなところにいる」

 

声がした方を向くと、そこにはプロテクトアーマーを着た十文字克人が立っていた

 

「カツト・ジュウモンジ…相手にとって不足なし」

 

自身の持つ日本刀で斬りかかる

 

しかし、目の前に迫る障壁

 

咄嗟に『分子ディバイダー』を発動して叩き斬る

 

すぐに次の障壁が飛んでくる

 

それをまた叩き斬る

 

それを高速で続けていく

 

「(流石は【都市防衛】の十文字か。『ファランクス』の生成が早い)…だが、私も〈S.T.A.R.S.〉の一員。こんな程度、苦でもないわ!!」

 

向かってくる障壁を斬りながら前に進む

 

ラルフは死んではいないようだが、起き上がる気配は無い

 

よそ見をしたせいで再び押し返されてしまった

 

しかし、横から自身と十文字克人の間に()()()()()()()

 

タツヤ「そこまでだ、ベン。目標は達成した戻るぞ」

 

「大佐殿…了解しました」

 

達也の指示に従い、ラルフを抱えてニューメキシコへと戻る

 

――――――――――――――――――――

 

ベンと克人の戦いを止めた達也は克人へと目を向ける

 

タツヤ「なるほど、日本魔法協会が派遣したのは十文字克人だったか。」

 

克人「【星王】…タツヤ=アルデバラン。」

 

タツヤ「九島烈に伝えておけ。研究データは全て抹消したと」

 

克人「承知いたしました…。」

 

克人は礼をすると、去っていった。

 

達也は克人が去っていったのを確認して、『仮装行列』を解いた

 

達也は空へと飛び上がりシルバー・ホーンを研究所へ向けた

 

達也「『雲散霧消・濃(ディープ・ミスト・ディスパージョン)』発動」

 

達也は上の方から消していって、研究施設を全て消すことに成功した

 

そして、端末に落とし込んだ落下予測データを確認して、バイザーにそのデータを登録すると、該当不明と出た

 

達也は違和感を覚えたが、ニューメキシコに戻ったベンから通信が入った

 

達也「なんだ」

 

『申し訳ありません。実は、本国より通信が入りましたので、内容を報告します』

 

達也「本国から?」

 

『軍事衛星〈セブンス・プレイブ〉の落下を確認、落下予測地点は北緯27°±5°、東経142°±5°…当海域です』

 

達也「なんだと!?」

 

『それで、西太平洋に展開中の艦隊は48時間以内にハワイ基地に帰還せよと』

 

達也「……分かった。なら、先に戻ってくれ。」

 

『大佐殿はどうされますか』

 

達也「〈セブンス・プレイブ〉が落ちてきた場合、被害は日本だけには収まらない。だから、〈セブンス・プレイブ〉を破壊する」

 

『なっ!しかし、『質量爆散』では、被害が増えるだけでは?』

 

達也「宇宙空間に飛べればそこで『雲散霧消』で消せるんだが…」

 

『大気圏内では無理なのですか?』

 

達也「分解できても劣化ウラン弾が厄介だ。」

 

『分かりました、ではニューメキシコに一度来てください。私が飛ばします』

 

達也「ベン…出来るのか?」

 

『お任せを』

 

達也「分かった。」

 

達也はニューメキシコへと飛んでいった

 

――――――――――――――――――――――

 

時は達也が研究施設を消していたときの事

 

艦隊司令部に入ったベンは達也の帰還を待っていた

 

すると、そこに入電が入った

 

「大変です。本国から通信が来ました」

 

「内容は」

 

「軍事衛星〈セブンス・プレイブ〉の軌道離脱を…確認した!?」

 

「…!?続きは」

 

「はっ!落下予測地点は北緯27°±5°、東経142°±5°…当海域です!!」

 

「なんだと!?」

 

「本国からの指示を伝えます。西太平洋に展開中の艦隊は48時間以内にハワイ基地に帰還せよとのことです」

 

「48時間…無茶を言ってくれる」

 

「艦長、大佐殿に連絡をいれてもよろしいですか?」

 

「構わん。」

 

そうして今に至る

 

――――――――――――――――――――――

 

達也はニューメキシコの甲板にたどり着いた

 

そこにはベンが敬礼をしていた

 

達也「ベン。状況はどうなっている」

 

「はっ!大佐殿がとらえた秘密魔法実験の責任者は部屋に軟禁し、扉の前に見張りを付けています。そして、現在の〈セブンス・プレイブ〉の落下予想はこんな感じになっています」

 

達也はベンから端末を受け取って確認する

 

達也「分かった。」

 

「お兄様!!」

 

達也「なっ!?深雪!?」

 

深雪「お兄様、宇宙へ飛ばすのは私がやります。それに受け止めるのも必要ですよね?」

 

達也「まさか…」

 

「実は、通信の後。深雪嬢が大佐殿の手伝いをすると」

 

達也「分かった。頼んだぞ」

 

深雪「お任せください!!」

 

 





一旦ここで区切ります

今回、十文字克人とベンジャミン=カノープスが戦いましたが、結果は引き分けです

その後、ニューメキシコに本国から避難命令が入り、達也は被害を食い止めるために奔走します

ちなみに、ディープ・ミスト・ディスパージョンの雲散霧消・濃は、ディープが濃いとか深いとかって意味だったと思うので濃という感じを付けました。深い意味はないです

さて、もうすぐ五章が終わります。

この章を最終章としているので、エピローグが近いです。

エピローグで完結となります。

もしかしたら番外編をいれるかもしれませんが、とりあえずは完結すると言うことだけは覚えておいてください

では、また次回


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五章 第十三話 達也、宇宙へ

ニューメキシコの甲板に達也達は立っていた

 

達也「深雪、準備は出来たか?」

 

深雪「いつでもいけます」

 

達也「ベン、深雪が魔法を発動したらカウントを頼む」

 

「はっ!」

 

達也「深雪、お前のタイミングで始めろ」

 

深雪「……行きます!!」

 

深雪がCADを操作する

 

高度140万㎞までの慣性制御と負荷軽減が組み込まれた術式が構築されていく

 

「カウントします。発射まで30秒前―――20秒前」

 

達也がローブで完全に体を覆う

 

「10秒前―――5秒前―――3、2、1、0。」

 

術式が発動し、達也が高速で空へと飛ばされていく

 

大気圏、成層圏を経て、宇宙空間へと飛び立つこと10分

 

達也は宇宙空間へとたどり着いた

 

辺りを見渡すと、達也から数㎞離れた所に彗星が見えた

 

熱を伴った〈セブンス・プレイブ〉が地球に向けて進んでいる

 

達也(あれが軍事衛星〈セブンス・プレイブ〉)

 

達也はホルスターからCADを取り出し、〈ベータ〉のストレージを入れた

 

達也(あれを完全に破壊するには、『質量爆散』でも『雲散霧消』でも駄目…なら、未完成だが、これに賭けるしかない)

 

達也がバイザーで照準を合わせシルバー・ホーンを向ける

 

達也「『ベータ・トライデント』起動式―ロード

 

原子分解式、構築――完了

 

ハドロン分解式、構築――完了

 

データ崩壊式、構築――完了」

 

3つの工程を終え、其々の起動式が合わさっていく

 

それと同時に〈セブンス・プレイブ〉の崩壊が始まった

 

達也「『ベータ・トライデント』、発動!!!」

 

3つの工程を終えて構築された魔法式が〈セブンス・プレイブ〉に透過されていく

 

やがて透過が完了すると〈セブンス・プレイブ〉が光に包まれる

 

強い光を発すると、〈セブンス・プレイブ〉は完全に分解されて、消失した

 

その際に消失に使われたエネルギーの奔流が達也に襲い掛かる

 

やがて奔流が収まると、達也は宇宙空間に投げ出されていた

 

しばらく漂っていると、達也が想子に包まれた

 

そのまま達也は地上へと降りていく

 

―――――――――――――――――――

 

深雪は達也が強大な魔法を放っていたのを感じ取っていた

 

そして、〈セブンス・プレイブ〉を達也が消失したのは地上に不自然なオーロラが出来上がっていたことから知った

 

すぐに深雪は想子を活性化させ、達也を包み込んだ

 

しばらくすると、達也が地上に降りてきた

 

想子に包まれた達也が深雪の腕の中に入っていく

 

深雪「お疲れ様です、お兄様。」

 

達也「ありがとう…深雪」

 

達也は想子を使い果たしたのか、気絶するように眠りについた

 

「お疲れ様です、深雪嬢。大佐殿は私が運びましょう。」

 

深雪「ありがとうございます。」

 

「これより霞ケ浦基地へと向かいますので、それまでは深雪嬢もお休みになられると良いでしょう」

 

深雪「ありがとうございます、カノープス中佐」

 

――――――――――――――――――――――

 

南盾島で起こった海軍の秘密魔法実験からの軍事衝突など色々あってから2日後の4/1、達也はリムジンに乗っていた

 

向かう先は北山家、用事は〈わたつみシリーズ〉を保護先の四葉家へと移送するためである

 

達也の乗っているリムジンを運転しているのは、四葉家筆頭執事の葉山忠教。そして、達也も『仮装行列』を発動して中に乗っていた

 

「たどり着きました。達也様」

 

達也がリムジンから降りると、出迎えたのは北山潮とその娘で達也の友人である北山雫、さらに七草真由美の3人だった

 

「はじめまして、タツヤ=アルデバラン常任理事。北山潮でございます」

 

タツヤ「はじめまして、北方潮さん。いえ、ここでは北山潮さんと呼ぶべきですかね。改めまして国際魔法協会常任理事のタツヤ=アルデバランです。本日は御家で保護されております〈わたつみシリーズ〉の子供達を四葉家まで護衛する任を授かっております。」

 

真由美「閣下は四葉への移送に賛成なのですか?」

 

真由美のこの質問は四葉家が死の第四研と呼ばれていることを知っているから出たものである

 

タツヤ「ええ。四葉家はもともと調整体魔法師などに関する研究をしていますし、四葉家ならば私もたまに彼女達の様子を見に行くことが可能ですからね。」

 

真由美「家―七草家じゃ駄目なんですか?」

 

タツヤ「なんとなく七草弘一の元には置きたくないので、特に彼女達を()()()()()()()()()()()()()にされては困るのでね。」

 

真由美はなにかと四葉へと敵対心を持っている父を思い浮かべて、タツヤの言ったことが実現しそうで顔を背けた

 

雫「彼女達はどうなるんですか?」

 

タツヤ「貴女が心配しているようなことは起きません。というかさせません。そこはタツヤ=アルデバランの名に懸けて約束いたしましょう。」

 

「そこまで言われるのでしたら、もう言い残すことはありません。彼女達をよろしくお願いします」

 

タツヤ「ええ。お任せください」

 

運転手である葉山に連れられた〈わたつみシリーズ〉の子供達がリムジンに乗っていく

 

「タツヤ様。〈わたつみシリーズ〉全員の乗車を確認しました」

 

タツヤ「分かった。では、向かおう。では、私はこれで失礼します」

 

達也が車に乗ると、車が動き出した

 

動き出したことを確認した達也は『仮装行列』を解除した

 

解除した時、子供達が見覚えのある顔に驚いていた

 

「どうして…今日は来ないって…」

 

達也「()()()()()()()()来ないと言ったんだ。それに、これは仕事だからな。安心しろ、俺はたまには君たちの様子を見に行くから。」

 

それから、子供達と話すこと2時間

 

途中で七草の尾行を魔法で防いだりした

 

そんな妨害を防ぎながらも葉山が車をとめた

 

どうやら四葉家の結界の前にたどり着いたようだ

 

「達也様、代わりにお願いしても?」

 

達也は静かに頷くと『仮装行列』を発動して姿を変える

 

その後、鍵である無系統魔法を発動する

 

それを確認して葉山が車を進める

 

やがて、武家屋敷のような大きな家の前に止まると達也は車を降りた

 

達也は出迎えに来たメイド達に子供達を預けて、自身は葉山に連れられて真夜のもとへと会いに行き、少し話をしてから帰った。

 

 




取り敢えず、この章はこれでラストです。

次回は、エピローグとなります。

今までこの作品を読んでいた皆様、今までありがとうございました。

この作品のpixiv転載に関しては追って連絡いたします。

では、また次回


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エピローグ
エピローグ① 2096年入学式


エピローグ①です。


4/6

 

色々と過激な出来事があった春休みも終え、達也達は無事に2年生へと進級を果たした。

 

始業式を向かえたここ、第一高校では魔工科設立に伴う大規模なクラス替えが行われていた

 

まず、2年生以上を対象とした魔工科設立により2年生からは魔法科を一科生4クラス、二科生3クラスの計7クラスになり、魔工科を1クラス作られることになった

 

魔法科に進級する生徒は卒業前の最後の試験でクラスを決定し、魔工科に進級する生徒は試験をパスした

 

達也達のグループでは、

 

深雪、水波、雫、ほのかがA組残留

 

エイミイとリーナ、二科生からの昇格で幹比古がB組に

 

達也と美月、そして鋼が魔工科に入るのでE組に

 

最後にエリカとレオはF組となった。

 

ここ第一高校前に佇む喫茶店『アイネ・ブリーゼ』では進級パーティーをしていた

 

達也「まさか、美月だけじゃなく鋼も魔工科に来るとはな。」

 

鋼「まぁ、僕はそういう系統に興味があったしね。」

 

エイミイ「はぁ、今年は鋼君と違うクラスか…」

 

リーナ「駄目よ、エイミイ。そんなところで落ち込んでちゃ。」

 

エイミイ「そうよね!女は度胸!!」

 

リーナ「ええ。それでこそエイミイよ!」

 

達也と鋼がお互いの恋人の会話を聞いて呆れていた

 

エリカ「ねぇミキ。ブルームになった感想は?」

 

幹比古「え、ええと。その~」

 

レオ「いやなやつだな」

 

エリカ「美月も魔工科に行っちゃったし…クラスメイトはこの筋肉ダルマだけか…」

 

レオ「おい、誰が筋肉ダルマだ!おい!」

 

美月「ちょっ、ちょっとエリカちゃん…レオくんも、喧嘩は駄目ですよ…」

 

雫「深雪、今年は負けない」

 

深雪「ええ。こちらこそ負けないわよ。」

 

水波「ほのかさん、今年のバトル・ボードの優勝は私が貰います」

 

ほのか「わ、私だってまけないよ!!」

 

そんなこんなでパーティーも終えて翌日

 

ついに2096年度生が入学した

 

―――――――――――――――――――

 

4/7

 

今年、2096年度の新入生総代は真由美の1個前の代以来の男だった。

 

今年の総代は七宝琢磨

 

十師族、特に七草家に対する確執を達也達と過ごすことで克服し、十師族に執着することが無くなったことで魔法力の強化に努めることが出来た

 

その努力の結果が、今回の総代獲得だった。

 

特に、今年はあの【七草の双子】も入学してくるということもあり、琢磨の成長がよく分かる

 

ちなみに余談だが、文弥と亜夜子の黒羽の双子は当主である真夜の命で第四高校に入学した

 

その時に、亜夜子が物凄い抵抗をしたんだとか…

 

現在、達也とリーナは中庭の桜の木の前琢磨と話していた

 

達也「琢磨、入学おめでとう」

 

リーナ「おめでとう、琢磨。前の琢磨じゃ考えられないけど…」

 

琢磨「ありがとうございます。これも達也さん達のお陰です」

 

達也「七草に執着していた心を押さえ付けたのも、それから成長できたのも、全部お前自身の力だ。誇っていい」

 

リーナ「私はただ、琢磨を模擬戦で倒しただけよ」

 

琢磨「ですが、2人がいたから成長が出来たんです。」

 

リーナ「そ、そうね。」

 

3人で話していると、達也のもとに連絡が入る。

 

達也「琢磨、そろそろ講堂へ向かおう。呼び出しだ」

 

琢磨「分かりました。では、お先に失礼します」

 

琢磨が講堂へ向かって走っていった

 

それからしばらく桜の木の前のベンチで本を読んだりしながら(リーナは達也の膝枕で寝ている)、入学式が始まるまで待っていた

 

そんな時、達也は突然声をかけられた

 

「達也君。」

 

達也「七草…先輩?」

 

達也に声をかけたのは卒業生で達也がお世話になった七草真由美だった。

 

真由美「リーナさんはまた寝てるのね。あの時と同じように…」

 

達也「去年が懐かしいですね。…ところで七草先輩はどうしてこんなところに?」

 

真由美「ああ、それはね…」

 

真由美が理由を話そうとすると、何処からか声がした

 

「お姉ちゃんから離れろ!!」

 

声の方向へ達也が向けると、高速で飛んでくる人がいた

 

達也はリーナを起こさないようにベンチに寝かせて、自分は飛来してくる人の対処をした

 

まずは、蹴ってくる足を避けて受け止める

 

達也が受け止めたのは女の子だった

 

その女の子は達也から抜け出して、達也の前に立って戦闘態勢に入った

 

すると、もう1人達也達のもとへと走ってきた

 

「香澄ちゃん!!」

 

「泉美、こいつ強いよ!」

 

「香澄ちゃん…って貴方は風間達也さんですか!?」

 

あとから合流した方の泉美という少女が達也をみて驚いた

 

達也「あ、ああ。如何にも俺が風間達也だが…」

 

「やっぱり!あの一条家の次期当主相手に互角の戦いを見せ付け、モノリス・コードでは打ち勝つという実力を見せ付けた、あの!!か、香澄ちゃんこの人が風間達也さんですよ!!」

 

「え!?じゃあこの人が…いてっ」

 

香澄という少女が突然頭を叩かれた

 

真由美「ちょっと、香澄ちゃん!達也君になんてことするのよ!」

 

「だって、姉ちゃんに近づいてたんだもん…それに、あの風間達也さんだって知らなかったんだから…」

 

達也「あ、あの…。」

 

真由美「あ、ごめんね、達也君。こちら香澄ちゃんと泉美ちゃん。今年の新入生よ」

 

達也「なるほど、彼女達が【七草の双子】でしたか。」

 

真由美「達也君、知ってたの?」

 

達也「詳細は知りませんけど、七草家には息がピッタリな双子がいると。俺にも情報網がありますので、そのくらいは調べてあります」

 

「初めまして、風間達也さん。七草家三女の七草泉美と申します。あえて嬉しいです。」

 

「ボクは七草家次女の七草香澄。よろしくお願いします」

 

達也「知ってるかもしれないが、俺の名前は風間達也だ。まぁ、アイス・ピラーズ・ブレイクは引き分けだったし、モノリス・コードはあれは仲間がいなきゃ勝てなかったからな…俺だけの力じゃない」

 

香澄「それでも、あのモノリス・コードは凄かったです!!」

 

泉美「香澄ちゃんは実技も出来ますけど、基本は実践派なんですよ。なので風間先輩のモノリス・コードの試合は凄いと思います。」

 

真由美「まぁ、達也君は優勝の立役者だしね。エンジニア面でも対一条君面でもね。誇っていいのよ?」

 

達也「え、ええ。ありがたく受け取っておきます…。ところで2人はもうすぐ入学式だろ?行かなくて良いのか?」

 

香澄「あ、あの…。ボクのことは香澄って呼んでください!!」

 

泉美「じゃ、じゃあ私のことは泉美と呼んでください」

 

真由美「えっ!?ちょっと2人とも!?」

 

達也「構わないよ。なら、俺のことは達也と呼んでくれ」

 

香澄「はい!よろしくお願いします!達也先輩」

 

泉美「よろしくお願いします。達也先輩」

 

達也「これからよろしくな、香澄、泉美。」

 

達也が香澄と泉美の頭を撫でる

 

香澄と泉美が驚いたように達也を見るが、気持ちがよかったのか顔を朱くして俯いた

 

達也「あ、すまない。リーナとかによくやるからつい…」

 

泉美「い、いえ。…気持ちよかったので…」///

 

達也「ん?何か言ったか」

 

泉美「何でもないです」///

 

リーナ「ふぁ~。あれ?達也…」

 

達也「あ、起きてしまったか。」

 

リーナ「あれ?七草先輩?それに…誰?」

 

達也「ああ。彼女達は七草香澄と七草泉美。七草先輩の妹達だよ」

 

リーナ「へぇ~。私は工藤利奈よ。」

 

香澄「工藤利奈先輩ですか!?」

 

リーナ「そ、そうだけど。」

 

香澄「ボクは戦闘魔法師を目指していて、とても尊敬しています!!」

 

リーナ「そ、そう」

 

達也「どうやら、香澄はモノリス・コードをみてファンになったみたいだぞ」

 

リーナ「へ、へぇ~。なるほど。よろしくね、香澄」

 

香澄「な、名前を呼んでくれた…嬉しい」///

 

そんなこんなで話をしていると、入学式の時間が迫ってきた

 

達也「香澄、泉美。そろそろ講堂へ行かなくていいのか?」

 

泉美「もうそんな時間でしたか。では、達也先輩、利奈先輩。私達は今から向かいますので、またお会いしましょう。」

 

達也「ああ。じゃあ、俺達は巡回の手伝いをしなきゃいけないので、失礼します。2人ともまた今度な。」

 

達也はリーナを連れて校舎の方へと歩いていった

 

香澄「泉美、決めた。2人にボクのお兄ちゃん、お姉ちゃんになってもらう」

 

泉美「いいですね。私も賛成です。」

 

真由美「ふぇ!?ちょ、ちょっと、2人の姉は私よ!」

 

後に、【七草の双子】が達也を兄と、リーナを姉と呼ぶことで校内が氷に包まれる事件があったが、それは別の話

 

―――――――――――――――――――――――

 

校内を巡回するという風紀委員の仕事をなぜか手伝わされている達也達は新入生を案内したりしながら(その道中で新入生から握手を求められたり色々あったが)、進んでいると、1人の男の子があたふたしていた

 

達也「君、大丈夫か?」

 

「あ、あの~。会場は何処ですか?」

 

達也「ん?LPSは持ってないのか?」

 

「すみません…最近帰化してきたもので、USNA製のGPSならあるのですが…」

 

達也「ほぉ…なら端末を貸してくれないか?」

 

男の子があわてて端末を達也に渡す

 

達也は端末を操作してLPSをダウンロードした

 

達也「これで使えるはずだ。」

 

「あ、ありがとうございます。……あ、あの。風間達也先輩ですよね?」

 

達也「そうだが…」

 

「やっぱり!!あの天才的な作戦(タクティス)、最高な調整(チューニング)で一高を勝利に導いた!!」

 

達也はいつも声をかけられる時はモノリス・コードの試合のことや一条将輝と張り合ったことをきっかけに来られるのだが、今回は全然違う観点でとても驚いてしまった

 

「僕、それを見たので四高から一高に変えたんです。結果はこの通りですけど…」

 

男の子は制服の肩部分を見せた

 

そこには刺繍はついていなかった。

 

つまり、二科生として入学してきたのである

 

達也「別に、悲観することはない。そこから努力していけばいいんだ」

 

「ありがとうございます!!あ、僕は隅守賢人と言います。苗字はSmithの当て字ですけど…風間先輩!よろしくお願いします」

 

達也「よろしく」

 

これが、後に、九校戦を湧かした一高最強エンジニアグループと呼ばれる2人の生徒の最初の会合である

 

 

賢人を送ったあとは講堂に向かい、琢磨のスピーチを聞いて入学式は終わりを向かえた





今作のエピローグですが、3話構成でいきたいと思います

第一話は2096年度入学式

第二話は高校在学中の出来事(主に四葉家次期当主発表)

第三話は高校卒業後

こんな感じでいきたいと思います

というわけで、もう少しお付き合いください

では、また次回


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エピローグ② 四葉家次期当主発表

七草と七宝の『七』の数字付きが同時に入学したということで、第一高校内はピリピリした空気だった。

 

しかし、起こったことと言えば、七宝琢磨が生徒会&風紀委員を蹴ったことや、達也主導で行った〖常駐型重力制御魔法式継続熱核融合炉〗の実験だったりだった。

 

〖常駐型重力制御魔法式継続熱核融合炉〗

 

第一高校に魔法師を国防に関わることをよく思わない派閥に属している民権党所属の国会議員である神田議員がアピールのためにマスコミを引き連れて第一高校に乗り込んできたことが原因で達也が計画を早めて行うことにした実験である

 

実験には中条あずさを総監督とし、達也が指示役、司波深雪、桜井水波、光井ほのか、五十里啓、七草の双子の6人が魔法を発動し、それの警護をリーナや琢磨、エリカやレオが2人1組でついて実験をしていた

 

マスコミを撃退した後は、九校戦へむけ準備していた

 

今年は昨年の一高の独壇場が今後も起こらないようにするために、本戦は1人一種目とされ、達也とリーナがアイス・ピラーズ・ブレイク、水波と鋼がクラウド・ボール、ほのかがバトル・ボード、雫とエイミイがスピード・シューティング、幹比古が3年生の人(服部刑部)とモノリス・コード、そして、深雪がミラージ・バットに知り合い達が別れていった

 

一方、1年生は七宝・七草を中心に実力者(それぞれの競技に似合った魔法を持つ人など)を起用して、連覇を狙いに行った

 

そして、対する三高が将輝がアイス・ピラーズ・ブレイク、真紅郎と栞がスピード・シューティング、沓子がバトル・ボード、愛梨がミラージ・バットに入ったことで、それぞれでライバル対決が見られた

 

特に、達也VS将輝、深雪VS愛梨は昨年の決勝対決ということで、観客が凄かった。

 

―達也VS将輝―

 

2年生ながら決勝に上がった2人の試合に多くの観客が集まった

 

2人が櫓から出てきた

 

将輝「今年は俺の勝ちだな。」

 

達也「いいや。今年は俺の勝ちだ。」

 

合図が鳴ると同時に2人のCADから『フォノン・メーザー』が飛び出した

 

その後、達也が将輝の『爆裂』を『術式解散』で破壊したり、達也の『スパーク』を『情報強化』で防いだりして、拮抗した戦いが続いた

 

去年とほとんど同じ流れだ。

 

唯一違うとすれば、達也は『氷炎地獄』を、将輝は『叫喚地獄』を、それぞれ使わなかったことだろう。

 

結局、お互いは、最後まで『フォノン・メーザー』で氷柱を壊していき、最後は達也が切り札であるリーナの十八番『ムスペルスヘイム』を使って将輝の氷柱を全て破壊したことで達也の勝利が決まった

 

達也「今回は俺の勝ちだな。…だが、もう『ムスペルスヘイム』は将輝には効かないな。」

 

将輝「よく分かっているじゃないか。次は俺が勝つ。」

 

―深雪VS愛梨―

 

2年連続同じカードになったミラージ・バット決勝

 

昨年同様、真ん中の一番高い柱に深雪が、その外側の中で一番高い柱に愛梨がそれぞれ立っていた

 

愛梨「深雪、今年こそは貴方に勝つわ。」

 

深雪「お兄様の為にも…そして私自身のためにも…愛梨。私は負けない!」

 

合図が鳴ると、全員が『跳躍』を発動する

 

今年から『飛行魔法』による想子量差での勝負がつかないように、()()()()()()()()()()()()での『飛行魔法』の使用を禁じた

 

よって、計3ピリオドあるうちの前半2つのピリオドでどれだけ稼げるかが大事になっている

 

ちなみに余談だが、新人戦では、四高代表で選出された亜夜子が『疑似瞬間移動』で『飛行魔法』をもろともせずに優勝した

 

深雪も愛梨も点差が広がらずとも、他の選手を圧倒していた

 

第二ピリオドを終了して得点は深雪が52ポイント、愛梨が50ポイントと深雪が若干リードしていた

 

そして、少し長めの休憩を挟んで第三ピリオド

 

全ての選手が『飛行魔法』を使用し、残り1分になった段階で深雪と愛梨の一騎討ちになり、結果は89-84で深雪が優勝した

 

そんな一大イベント並みの試合が多く見られた2096年度の九校戦は今年も第一高校の優勝で終わった。

 

そして、九校戦を終えて向かえた2学期は大きな事件もなく、月日は冬休みを向かえた

 

2学期最初に行われた生徒会長選挙では、深雪の独壇場で終わり、生徒会長の座についた

 

そして、部活連会頭に前会頭服部刑部が指定したのが、十三束鋼で鋼が拒否せずにそれを受けたので部活連会頭には鋼が就いた

 

さらに、2年生になってから風紀委員入りが決まった北山雫・吉田幹比古両名のうち、前風紀委員長千代田花音は吉田幹比古を次期風紀委員長に任命した。幹比古は断ったのだが、雫が強引に幹比古を押し立てたので、結局は幹比古が風紀委員長となった。

 

その為、2096年度後期からは生徒会長司波深雪、風紀委員長吉田幹比古、部活連会頭十三束鋼をトップとして新たな一高首脳部が発足した

 

また、10月に行われた全国高校生論文コンペティションで、九島光宣がメインで発表した第二高校が優勝した。

 

論文コンペは開催場所によってその論文のジャンルを変えている

 

例えば昨年行われた横浜の場合はCADやそれに準ずる機械を利用した、謂わば魔法理論に関するテーマ

 

一方、今年行われる京都の場合は魔法そのものについてのテーマになる

 

そして、魔法科高校性の中にはその魔法そのものについて研究した〈カーディナル・ジョージ〉という研究者が第三高校にいた。

 

勿論、京都大会では真紅郎をメインとして発表を行った

 

結果は第二高校が勝ったが…

 

そんなこんなで向かえた冬休み、久しぶりに〈わたつみシリーズ〉の様子を見に行こうと考えていた達也のもとに面倒臭い報が舞い込んできた

 

深雪宛に送られた〈四葉家慶春会〉の招待状

 

翌日、達也のもとにもタツヤ=アルデバラン宛に〈四葉家慶春会〉の招待状が届いてしまった

 

名目としては、深雪宛には次期当主発表について、達也宛には同盟相手の次期当主紹介の為、だろう。

 

達也には12/29に四葉家へ来るように、深雪にはその2日前の12/27に四葉家へ来るようにそれぞれ書かれていた

 

水波は冬休み当日に四葉家へと戻っていたので、深雪は26日に穂波が車で迎えに来る手筈になっている

 

達也には葉山が迎えに行くと書かれていた

 

そんなわけで、達也と深雪は別々に四葉家へと入っていった

 

一方のリーナは今回呼ばれていないので、達也の頼みを受けた一条家が達也が戻るまでリーナを家へと招いてくれるということで達也が四葉家へ向かう前日に金沢へと向かった

 

―――――――――――――――――――――――

 

達也が四葉家にたどり着いて、真夜の書斎で聞いた話はこの通りだ

 

・次期当主として司波深雪が決定した

 

・婚約者は募集しないことにした

 

・四葉家次期当主候補であった新発田勝成が次期当主の座を返納、ガーディアンの堤琴鳴との結婚を四葉真夜の名のもとに認められる

 

・国際魔法協会常任理事タツヤ=アルデバランの四葉家スポンサー化

 

・〈わたつみシリーズ〉の魔法の使用を禁じること

 

の計5つだった。

 

自身が協力関係からスポンサーになっていたことは驚いたが、これで自由に四葉に入れると考えると利点だった

 

さらに、〈わたつみシリーズ〉の魔法使用禁止は彼女達の状況から考えると魔法による自我喪失の危険性から賛成だった

 

問題があるとすれば、深雪が次期当主であると発表した場合、達也と深雪は兄妹だと世間に知られている。そんなわけで、自身にも他家からの干渉が起きかねないし、深雪の婚約者を決定していないことも他家からの横槍の可能性を充分孕んでしまっている

 

そして、次期当主決定後の分家当主達の話し合いで風間達也、すなわち司波達也についても議題に表れた

 

()()()()()()()が生きていて、さらに司波深雪の次期当主発表で達也が四葉家の人間であることが知られてしまう

 

そんなことをする前に彼を殺すべきだと

 

しかし、真夜はそれを一蹴し、達也のことを分家当主に細かく説明した

 

よって、分家当主達(達也殺害派)は嫌々ながらも(達也を殺した時のメリットの少なさとデメリットの多さに渋々だが)殺すという案を取り消し、四葉家への復縁を求めた

 

要は、殺せないのなら自分達で囲んで表へと立たせなければ良いと。

 

しかし、その見え透いた考えを真夜は却下し、もし達也に何かした場合にどうなっても知らないと圧をかけて黙らせた

 

真夜「―というわけで、たっくんはわざわざ変装して四葉に入る必要がなくなったわ」

 

達也「…はっ?」

 

そんな話を真夜から聞かされた達也は来ないほうがよかったのでは?と本気で思った

 

達也「ちょっと待ってください。分家当主に俺のことを話したのはまぁ良いです。問題はタツヤ=アルデバランのスポンサー化です。あれはどういう意味ですか?」

 

真夜「タツヤ=アルデバランの一声で世界最強の戦闘集団〈S.T.A.R.S.〉と世界最強の魔法師一家である四葉家が動くって考えたら凄くないかしら?」

 

達也「そんなことしたらタツヤ=アルデバランが世界征服を目指してるみたいな言い方になるじゃないですか!!」

 

真夜「いいじゃない!もともと私の願いは世界への復讐だったんだし」

 

達也「はぁ…それで、何処まで公表するんですか?」

 

真夜「とりあえず深雪さんの次期当主発表と、風間達也は四葉を離反しているということ、後はタツヤ=アルデバランと四葉真夜が同盟を結んだこと…かしら?」

 

達也「なんですか、最後のやつは!言う必要ないじゃないですか!」

 

真夜「いいじゃない!」

 

達也「だめです!絶対に公表しないでください!そもそも俺は母さんと同盟は組んでません!嘘を公表しないでください」

 

達也の物言いに真夜が上目遣いで対抗する

 

真夜「だめ?」

 

達也「だめです。…その代わり、風間達也が四葉真夜の息子であることを発表しましょう。それなら問題ない筈です」

 

真夜「うう…分かったわ」

 

達也「はぁ…すみません、葉山さん。俺と母さんに飲み物のおかわりをお願いできますか?」

 

「かしこまりました。」

 

葉山が達也のコップにコーヒーを、真夜のコップに紅茶を入れると一礼をして部屋からでた

 

達也「事務的な話も終わりましたし、お茶会でもしますか?」

 

真夜「いいわ。夜まで話しましょう?」

 

――――――――――――――――――――――

 

翌日、日本魔法協会を経由して四葉家が声明を出した

 

四葉が示したのは3点

 

・四葉家次期当主として第一高校2年司波深雪を指名した

 

・司波深雪は四葉深夜の娘である

 

・風間達也は四葉真夜の息子であり、四葉家から離反している

 

この報告により、日本魔法師界に大きな衝撃を与えた

 

師族会議では、この報告が勿論話題になり、深雪の婚約者について自分の息子や、自分の家と関係のある家の嫡子を婚約者にさせようと画策するもの達が数家程いたのだが、それを真夜が却下し、黙らせて終わった。

 

学校でも、深雪や達也は居心地が多少悪くなるものの良い友人に恵まれたのもあり、3年生に上がる頃には居心地の悪さも無くなった。

 

3年生になってからも特にかわりなく、九校戦も昨年同様の決勝カードが相次ぎ、将輝と達也の試合は引き分けに、愛梨と深雪の試合は深雪の勝利で終わった。

 

総合結果としては、一高は優勝し、三連覇、否過去からの連勝を含めると七連覇を達成した

 

そして、2学期からは七草泉美が生徒会長に、七草香澄が風紀委員長に、七宝琢磨が部活連会頭になった

 

その後に行われた論文コンペは、達也をメイン発表者として2年前に市原鈴音も行った〖重力制御魔法式熱核融合炉〗を別の視点から論文を発表し、優勝した

 

そして、年が明けて2098年3月、達也達はついに卒業した

 

卒業式に四葉真夜と九島烈が遊びに来ていたことは参列していた3年生や準備などをしていた生徒会役員達しか知らない

 

そんなこんなで向かえた3/31

 

達也の友人達にはとても衝撃的な報が風の噂と共に流れた

 

〝“風間達也”と“工藤利奈”のPD(パーソナル・データ)が抹消され、その2名が姿を消した〟

 

 




というわけで、エピローグ編②でした

たぶん今回が後にも先にも最長文字数になったと思います

2096年度入学式終わりから卒業まで流れで進めました

今回のメインは2096年度九校戦と四葉家次期当主発表、達也とリーナのPD抹消の計3点です。

次回がこの『星々の王と妃』の最終回です。

では、また次回


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エピローグ③ 数年後~

日本に流れたとある噂

 

〝“風間達也”と“工藤利奈”のPDが抹消され、その2名が姿を消した〟

 

この噂話の真偽について多くの家が四葉家に質問をした

 

しかし、四葉家内でもその真偽がわかっていないという理由で他の家も渋々諦めた(一部の家は独自に情報を集めていたが)

 

そんなこんなで4年が経った

 

まずは、七草真由美達の代だが、

 

七草真由美は七草家のホテル会社に就職

 

十文字克人は正式に十文字家の当主となり、実家が営む建築会社の社長に就任

 

渡辺摩利は国防軍所属

 

市原鈴音はMSTに就職

 

続いて、服部刑部の代は

 

服部刑部が実家の仕事を継いだ

 

中条あずさはMSTに就職

 

桐原武明、壬生紗耶香、沢木碧が国防軍に所属

 

千代田花音と五十里啓は結婚して夫婦になった

卒業後に子供が生まれたそうだ。

 

続いて深雪達の代だが、

 

深雪は真夜から当主を譲られて四葉家当主に

 

エリカは国防軍に

 

レオは山岳警備隊に無事就職

 

幹比古は吉田家の当主となり、美月と結婚した

 

雫は父親について本格的に仕事を手伝いだして、卒業後には北方財閥の子会社の社長になった

 

ほのかは雫の秘書に

 

鋼はエイミイと結婚してゴールディ家に婿入りした

 

将輝は一条家の当主になり愛梨が一条夫人となった

 

栞はMSTに就職

 

沓子は実家の仕事を受け継いだ

 

真紅郎は所属していた金沢魔法理学研究所に正式加入した

 

こんな感じで、達也の友人や知り合い達はそれぞれの進路へと進んでいった

 

―――――――――――――――――――――

 

そしてその翌年、2102年

 

日本の国防軍とUSNA軍が合同で魔法師連合軍を結成

 

国防軍所属の戦闘魔法師とUSNA軍所属の戦闘魔法師を集めて1つの軍隊を作り上げたのだ

 

そして、そのトップに昨年准将へと昇進したタツヤ=アルデバランが就いた

 

日本で選ばれた日本人軍属魔法師は霞ヶ浦基地で、USNA軍所属魔法師はカリフォルニア基地にて結成の瞬間を待っていた

 

そして、2ヵ所のモニターに光が点ると、それぞれの画面に1人の男が写った

 

その男を見て驚いたのは日本人の方である

 

なぜなら、その顔は5()()()()姿()()()()()風間達也本人だったからだ。

 

USNA側があまり驚かないのは達也がUSNAで顔をよくだしているからで、潜入調査のために日本に行っていたことも知っているからだ。

 

達也『私がこの度、日米戦闘魔法師連合軍を率いることになった、タツヤ=アルデバランだ。

 

諸君らは私の直属の部下となる、だが、使えないやつは入らない。私が欲しいのは、守るべきもののために最後まで戦い続けられる者のみ。

 

この軍はその性質上、日本とUSNAのどちらかが被攻撃国となった場合に出撃し、対応する。

 

そして、この軍はいかなる機関の干渉を受け付けない』

 

その言葉は、この軍に影響力を及ぼそうとしたものに対する警告でもある

 

達也『諸君らの覚悟を期待している』

 

―――――――――――――――――――――

 

それから1ヶ月経ったある日、MST所属の天才魔工技師【トーラス・シルバー】が会見を開いた

 

場所はソフト面を担当するシルバーの所属しているUSNAにある本社

 

日本に住むトーラスはオンラインでの参加ということになっている

 

まず、画面にトーラスこと牛山が登場する

 

そして、ついに会見部屋の扉が開いて1人の男が入ってきた

 

その男は、1ヶ月前に話題になったタツヤ=アルデバラン本人だった

 

達也「はじめまして。【シルバー】こと、MST会長のタツヤ=クドウ=シールズです。」

 

達也が矢面に出たのは、達也の研究のゴールの1つとしている加重系三大難問(飛行魔法は完成しているので残りは2つである)の1つ〖重力制御魔法式熱核融合炉〗の実現の目処が経ったからである

 

特に達也が計画する〖()()()重力制御魔法式()()熱核融合〗、人呼んで〖恒星炉〗というものは当初は魔法師を常に使い潰さなくてはならなかった

 

しかし、達也が日本で受け取った聖遺物(レリック)の解析・複製に成功し、魔法式を保存し、それを最初の発動に魔法師を使えば継続してエネルギーを得ることが出きるようになったのだ。

 

そして、日本とUSNAそれぞれに〖恒星炉〗を作る場所を明確に定められたことでこの計画、通称『ESCAPES』計画を発表することができたのだ

 

―――――――――――――――――――――

 

風間達也があのタツヤ=アルデバランだと知っていた者は少ない

 

肩を並べて戦った将輝や、一時的に部下になっていた琢磨、不慮の事故により知ってしまった真由美や摩利、そして四葉家や第一○一旅団の中の一部など、達也と何かしら関わりを持っていた人達ですら知っているものは少ない

 

そして、達也の軍発足の挨拶や『ESCAPES』計画発表会見はメディアを経由して多くの人が知ることとなった

 

七草家のとある一室にて1人の男が机に拳を叩きつけた

 

七草家当主七草弘一は四葉家を、否、四葉真夜を越えるために行動していた

 

そして、その過程で風間達也という男が現れた

 

彼は九校戦にて一条将輝と匹敵する魔法力を持ち、エンジニアとしても無敗記録を築き上げた

 

彼の技術力があれば七草家は四葉家を越えることができる

 

そんな時に訪れた四葉家の次期当主発表

 

自分が目を付けていた司波深雪が四葉家直系で次期当主に

 

司波深雪が当主ということは風間達也も四葉家直系の人間

 

幸か不幸か風間達也は既に四葉を離反して一般の身に

 

これはこれで嬉しい誤算だった。

 

風間達也と娘の誰かを結ばせれば風間達也は七草家の者となり、七草家は四葉家を上回れる

 

風間達也には婚約者がいるようだが、日本魔法師界の為とでも言っておけば事足りる

 

しかし、事件は起こった

 

風間達也とその婚約者がPDごといなくなったのだ

 

すぐに家の人間を使って調べたがめぼしいものは見付からなかった

 

そんな時に流れたのがあの映像だった。

 

まさか風間達也があのタツヤ=アルデバラン本人であったなど誰が予想できようことか。

 

そうして達也の事を考えていた七草弘一の元に1件の連絡が入った

 

宛名を見て、その顔を驚愕に変えた

 

「はい。なんのご用でしょうか?」

 

『お久し振りですね、七草弘一殿。確かあれは、そう『隕石落下』の時でしたね。』

 

「まさか君があのタツヤ=アルデバラン殿と同一人物だとは思わなかったよ。風間達也君」

 

『まぁ、ばれないように情報操作は徹底してますからね。』

 

「ところで、なんのご用でしょうか?」

 

『七草弘一殿。君は息子にいつ家長を譲るのかな?』

 

「…!?どういう意味でしょう?」

 

『君を国際魔法協会にスカウトしようと思ってね。』

 

「スカウトですと!?」

 

『言っておくが、国際魔法協会に所属する人間は国家秘密レベルのものをいくつも抱える関係で秘密主義を徹底する。たとえ政府や自分の家族が聞いてこようが秘密と言われれば口を閉ざす。君にはそれができるか?』

 

「もちろんですとも。だてに七草の当主をやっていません。」

 

『では、君が当主を嫡子に譲った時、改めて連絡を送ろう。ただし、なりたいから今すぐかえるなんてことはしないように』

 

「…はっ。かしこまりました」

 

通信が切れると心の中でガッツポーズを作り出した

 

―――――――――――――――――――――

 

それから数年後

 

太平洋に浮かぶ人工島

 

この人工島は達也の『ESCAPES』計画に使われている島であり、今ではこの島に数千人が暮らしている

 

人工島の海岸沿いにたたずむ一軒家に達也は暮らしていた

 

暮らしているのは達也とリーナ、そして1人の女の子だ

 

「お父様!!」

 

達也「どうしたんだ、オリビア」

 

達也とリーナはUSNAに戻ってきてから翌年には結婚していて、現在1人の女の子が誕生している

 

その子の名前は、オリビア=クドウ=シールズ

 

リーナの事象干渉力と達也の生家である四葉家の精神干渉魔法を受け継いでいる

 

「お母様が呼んでる!!」

 

達也「わかった今行くよ。ところで、オリビア。課題は終わってるのか?」

 

「……」

 

達也「終わってないんだな」

 

「だってわからないんだもん!」

 

達也「はぁ…。オリビアは随分とリーナに似てきたな。わかったあとで教えてあげるから準備だけしておいてくれ」

 

「わかった!」

 

~Fin~




というわけで完結です

全89話、およそ1年4ヶ月もの間でしたが、ついにこの作品を無事完結へと持っていくことができました

途中で投稿が途絶えることも少しありましたが、無事に終われてよかったです。

そして、メイン投稿枠として新作を予定しています

・四葉家ではない達也
・固有魔法は『再生』のみで一科生
・ヒロインは七草泉美
・両親は司馬達郎、司馬小百合(沖縄で逝去)
・達也正式に軍属

の5点をメイン設定とする作品になります

実は、pixivで次回作候補アンケートで案を出した達也×泉美の作品を一部改編して作成する予定です

では、また別作品で会いましょう

今まで御愛読、ありがとうございました!!


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