無限の空を飛ぶ妖精 (北方守護)
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小説設定。

龍舎 武昭(たつびや たけあき)

肩までの短髪で黒色。眼も黒いが左目の上に火傷の痕がある。

IS学園では変身魔法のラクリマを使ってアキ・ドレアーに変身している。

身長 189cm 体重 86kg

 

小学3年の時に一夏のいる小学校に転校してきてから、それなりに付き合いがある。

箒とは一夏についての相談をよくされた。

 

千冬、束とはそれぞれの弟妹関係で知り合いになった。

千冬とはよく手合わせをしていて束とはISの目的を聞いて仲良くなった。

 

鈴とは日本に来た時にイジメられていたのを助けて仲良くなった。

その後、小学5年の時に鈴が火事に巻き込まれたのを助けるが気が付くとFAIRY TAILの世界に来ていた。

 

その後、FAIRY TAILの時系列で言うとタルタロスとの戦いの終了時にレインディアが最後の力を振り絞って元の世界に戻してくれる。

そして、到着した場所で束とクロエに会う。(第0話)

 

使用機体

 

レインディア 全体装甲(フルスキン)型。

全身は白色でスッキリした装甲になっていて背中に翼状のスラスターがある。

(イメージは何らかの特撮ヒーロー系と思ってください)

コアはISコアと武昭が作り出した魔水晶(ラクリマ)を融合させた物【ラクリマコア】を使っている。

待機状態はフェアリーテイルのギルドマークのペンダント。

 

ラクリマコア

武昭が束と作り出した物でISコアとラクリマを融合させた物。

この世界では武昭にしかラクリマは作成できない。

武昭の機体に使われているコアはラクリマコア・オリジンと言われている。

 

使用するラクリマによってあらゆる魔法を使う事が可能で機体を展開しなくても魔法だけなら使える。

但しスレイヤー系の魔法は武昭にしか使えない。

 

武装 エネルギーを使わない通常兵器。

 

日本刀型の(みぞれ)×50

片刃斧型の瑪瑙(めのう)×50

レイピア型の螺旋(らせん)×50

バスタードソード型の大楠(おおくす)×30

ハンドガン型の雀蜂(すずめばち)×20 一丁の装填数30発。

ライフル型の巻雲(まきぐも)×10 一丁の装填数10発。

 

物理シールド天岩戸(あまのいわと)×10

縦5m×横5mの逆五角形で重量は30kg程。

 

エネルギー系の武装は武昭が魔法を使うからと言って束が搭載させていない。

 

幾つかの形態がある。

ドラゴンスレイヤー モード○○

○○の部分には、その時の属性が入る。

例:ドラゴンスレイヤー モード炎竜。

これを発動してる時は装甲が竜の鱗状、頭部が竜を模した物にそれぞれ変化する。

 

デビルスレイヤー モード○○

○○の部分には属性+魔が入る。

例:デビルスレイヤー モード氷魔。

これを発動してる時は装甲が黒くなり頭部には羊の角の様な物が装着される。

 

ゴッドスレイヤー モード○○

○○の部分には属性+神が入る。

例:ゴッドスレイヤー モード雷神。

これを発動してる時は装甲が金色になり頭部には月桂冠の冠を被る。

 

スレイヤー系のモードを発動してる時はあらゆるエネルギー系の攻撃を吸収する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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第0話 帰還

この小説でのオリ主
本来はIS世界の住人→FAIRY TAILの世界→IS世界に帰還という形で戻る。


その者は魔法を使える者達が集う場所、魔導師ギルド【FAIRY TAIL】において最強の一角と言われていた。

 

だが、ある戦いにおいて、本来いた世界に戻る事となった。

 

そして、その者は新たな道を進む事となる。

 


深夜、海外のとある無人島の砂浜で……

 

空間が歪んだと思ったら1人の人物が出てきて、砂浜に降り立つと同時に空間が戻った。

 

「ふぅ……どうやら()()()()()()()()()()()()みたいだな……」

その人物は目元以外を迷彩柄のマスクに体には黒いマントを纏っていた。(ミストガンがしてた物と思ってください)

 

「とりあえずは何処か人の居る場所にドゴォーン今の音は……向こうからか……フッ」バサッ

その人物が背中に力を込めると翼が生えてので、そのまま飛ぶと音の発生源に向かった。

 


音がした方では紫色の髪の女性が機械の鎧を纏った女性達に囲まれていた。

 

「やっと見つけましたよ博士、私達と一緒に来てもらいましょう」

 

「ふん、誰がお前達なんかに着いて行くものか……私の大切な子供達を、そんな風に使う奴らに……」

 

「そうですか……では、この子を始末するとしましょう……」

女性達の1人が銀髪の少女を目の前に出した。

 

「なっ!クーちゃん!やめろ!クーちゃんを離せ!!」

 

「ならば私達と一緒に「ダメです束様!私なんかにガフッ!」静かにしてないと命を落とすわよお嬢ちゃん?」

少女を掴んでた女性は少女の腹を殴った。

 

「分かった……お前達の言う事を聞くから……クーちゃんを離して……」

 

「束様……すみません、私のせいで……」

 

「ううん……クーちゃんは悪くないよ……さぁ私は言う事を聞くんだからクーちゃんを離すんだ!」

 

「えぇ、良いですよ……離してあげますよ……私達の的としてね!」

女性は少女を空に投げると持っていた武器を構えた。

 

「止めろ!約束が違うじゃないか!!」

 

「それは博士が私達の()()()を聞いてくれなかったからですよ……ですからコレは博士へのバツです!」

 

「ダメー!!!」

 

(束様……短い間でしたが……貴女といれて楽しかったです……)

少女に女性達の攻撃が当たる寸前の時だった……

 

「発動 絶対領土(テリトリー)」パチン

 

「なっ!?何だと!?」 「どこに行った!?」

 

「一体、何が?……」

 

「ふぅ、どうやら間に合ったみたいだな……大丈夫か?嬢ちゃん」

 

「え?……は、はい……翼が生え……てる?……」

少女は男性にお姫様抱っこをされていたが、その背中にある翼が気になっていた。

 

「お前は何者だ!?」

 

「俺か?うーん……まぁ、ちょっとしたお節介焼きって所かな……ほら立てるか?」

男性は地面に降りると翼を消して少女を博士と呼ばれていた女性に渡した。

 

「クーちゃん!」 「束様!……」

2人は抱き合うと涙を流していた。

 

「貴方が何者かは知らないけど邪魔をするなら始末してあげるわ!!」タンタンターン

女性達は男性に発砲した。

 

「危ない!逃げて!!」

 

「大丈夫ですよ、これ位……それよりも俺の後ろから離れないでね束姉(たばねぇ)

 

「え?……私の事、そう呼ぶって……まさか君って……」

博士は自分をそう呼ぶ人物に心当たりがあった。

 

「グレイ、お前の技借りるぜ……〔パン〕氷の造形魔法(アイスメイク)(ウォール)!!」カンカンカン

男性が両手を打って前に出すと氷の壁が出来て攻撃を防いだ。

 

「嘘!?氷の壁を作り出したですって!?」

 

「へっ、驚いてる暇はねぇぞ!モード雷竜!!」

男性は体に雷を纏い始めた。

 

「手加減しといてやるぜ!レイジングボルト!!」ゴォーン!!

 

「「「キャー!!!」」」

女性達に頭上から落ちてきた雷に当たると地面に落ち、そのまま纏っていた機械が解除され女性達は気絶していた。

 

「ふぅ、この位で良いか……さて()()()()()()()()()()()()()()()()()()モガッ!?(む、胸で息が……)」パタン

 

「え!?どうしたの!?タッくん!!」

 

「束様……多分ですが、その方は……その……胸で息が……」

 

「あわわ……そうだ!急いで戻らないと!!」

束様と言われた女性は自分がした事に気付くと慌てて乗り物を呼び出すと、その場から離れた。

 

その後、気絶した女性達は自分達を助けに来た者に()()されていた。



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第0.5話 兎の想い

束と銀髪の少女は自分達を助けてくれた者を連れて隠れ基地に戻っていた。

 

「そう言えば束様は、あの方をご存知なのですか?」

 

「ん?そうかクーちゃんには、まだ話してなかったっけ……」

束は椅子に座ると机の引き出しから一枚の写真を出した。

 

その写真には……

 

「これは……束様に箒様、千冬様に一夏様……それに、この少年は?」

今よりも若い束に黒い髪をリボンで縛った道着姿の少女、短い黒髪にツリ目の女性に、その女性の面影がある道着姿の少年、そして……

 

「その子は龍舎 武昭(たつびや たけあき)って言って私の夢を聞いて純粋に喜んでくれた子なんだ……」

束は優しい表情を浮かべていた。

 

その頃……

 

「ん……アレ?ここは……束姉は、何処だ?……」

青年は目覚めると自分が居る場所を確認した。

 

「うーん……多分だけど束姉関係の場所だろうなぁ……さてと探しますか……〔クンクン〕匂いは向こうからするな」

青年はベッドから降りると部屋から出た。

 

一方、クーちゃんと呼ばれた少女は束から少年の事を聞いていた。

 

「その様な方だったのですか……」

 

「うん……最初、私は興味が無かったんだけど凄く純粋に私の研究を喜んでくれて信じてくれたんだ……「必ず宇宙に行けるだったよね?束姉」タッくん?……」

声がした方を見ると、その両手に多量の食物を持った青年が立っていた。


目を覚ました青年【武昭】は束達と軽く互いの状況を確認しながら食事をしていた。

 

「そっか……この子は束姉が違法研究所から助け出した子だったのか」

 

「はい、私の名前はクロエ・クロニクルと申します」

 

「それでタッくんは違う世界で無事だったんだ……」

 

「えぇ、その世界で俺は魔導師ギルドっていう所に所属してたんです」

 

「そっか……けど本当にタッくんに再会出来るなんて……私も嬉しいよ」

束は優しい笑顔でタッくんと呼んだ青年を見ていた。

 

「それで()()()……まだISは宇宙に行ってないの?」

武昭の呼び方が変わった事に気付いた束は真剣な表情になった。

 

「うん、私も頑張ってるんだけどね……けど諦めないよ、こうやってタッくんにも再会出来たんだから!」

 

「そうか……じゃあ俺にも何か手伝わせてよ……まぁ何が出来るか分からないけど」

 

「大丈夫です、私も手伝いますので」

 

「あぁ、ありがとうなクロエ」

 

「さてと、それじゃあタッくん〔ピピピピ〕ん?これって確か……えっ!?

束が研究所の機械から反応がしたので確認をすると驚いていた。

 

「「束姉(様)??どうした(の)(んですか)」」

 

「えっとねタッくんは……イッくんの事は覚えてるよね?」

 

「当たり前じゃないですか、幼馴染だし冬姉(ふゆねえ)の弟なんだから……それで(いち)の奴が何かしたの?」

 

「うん……イッくんがねISを動かしちゃったの……」

 

「ふーん……ん?………えぇーっ!?

束から理由を聞いて武昭も驚いていた。

 

 

それから日にちが経って……

 

「皆さん、ようこそIS学園へ 私は1年1組の副担任の山田 麻耶(やまだ まや)と言います よろしくお願いします」

 

(なんで……俺はここに居るんだ?……)

IS学園の教室で織斑 一夏(おりむら いちか)が机に突っ伏していた。

 

一方……

(フフフ、やっと……やっと()()()()()()()()!!)

同じ教室にいた()()1()()()()()()()()が不敵な笑みを浮かべていた。

 

彼の名前は添 誠(そえ まこと)と言い神様によって転生させられた存在だった。

 

彼は前世で命を落としたが神によってこの世界(インフィニット・ストラトス)に転生する事を望んだのだった。

 

(へっ、世界の強制力とやらで欲しかった特典は貰えなかったが、この顔があれば問題は無いか)

彼は転生特典として、この世界において最も格好良い顔を貰ったのだったが……

 

(おぉ、()()()()()()()()()()()()()()か……必ず俺の物に……)

生前、彼は他人を下に見ており自分以外がどうなろうとも関係ないというクズの性格だった。

 

だが、彼は知らなかった……この世界は彼が知る世界とは違う事に……

 

その後、一夏が自己紹介をしたが姉で担任でもある織斑 千冬(おりむら ちふゆ)に出席簿で叩かれる場面があった。

 

一方、同じ頃1年4組の教室で……

 

「えーっと世界で調査して見つかった3()()()()()()()()()()()()()()()()()と言います。

皆さんとは違い昔から勉強してないので何か分からない事があったら教えて下さい、よろしくお願いします」

 

「「「おぉっしゃーっ!!!」」」

アキの自己紹介を聞いたクラスメイト達は大声で喜んでいた。

 

「はいはい静かにしましょうね、それじゃドレアー君の席は更識さんの隣になるわ」

 

「ここか、宜しく更識さん」

 

「あっ……う、うん……宜しく……」

 

「さてと、それじゃあ授業を始めるわよー」

担任が言うと皆は授業を開始した。

 

(ふー……さてと、どうなるか分からないけど……久し振りのこの世界での生活だ……楽しみますか……)

アキは授業を聴きながら何かを考えていた。

 




アキ・ドレアー
武昭が変身魔法を使った時の名前。
顔はラクサスを黒髪にしただけ。

添誠 (そえ まこと)
神様によってIS世界に転生させられた存在。
生前は自分以外を下に見ていた。
名前は【てんせい】という読みから探したのでこうしました。


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第1話 夏との出会い

この話では軽くアンチが入ります。


それぞれのクラスで自己紹介と午前の授業が終わり、昼になって……

 

「さてと、どこに座るかな……「なぁ、もしかして4組の男性操縦者って君か?」あぁ、そうだが」

アキが食堂で席を探してると1人の男子生徒が声をかけて来た。

 

「やっぱり、そうだったんだ、俺の名前は織斑一夏って言うんだ クラスは1組だ」

 

「そうか、俺はアキ・ドレアーって言うんだ、こんな名前だけど日本人なんで よろしく」

 

「そうなのか、なぁ俺の事は一夏って呼んでくれ俺もアキって呼ぶから」

 

「悪いが俺は初対面で名前で呼ぶのも呼ばれるのも、あまり好ましくないんだが?」

 

「別に良いだろ?この学園でたった3人だけの男性操縦者なんだから」

 

「悪いが織斑、それはお前の常識内の話であって俺の常識とは違うんだ、自分が全て正しいと思うな」

 

「そうか?まぁそうかもな……じゃあドレアーが良かったら俺の事を名前で呼んでくれ」

 

「分かってくれたか織斑、なら俺は向こうで飯を食ってるから」

アキは一夏から離れると空いていた席に座った。

 

「(全く……()()()()も昔と変わってないな)おっ、あそこは……悪いが隣良いかな?簪さん」

 

「あ……は、はい……どうぞ……」

アキが食堂内を見ると何かの作業をしてる簪を見つけたので隣に座った。

 

「ゴメンな隣に座って 他に顔を知ってる人がいなかったから」

 

「ううん……私は別に……」

 

「それにしても食事中でも勉強してるなんて更識さんは凄いね」

 

「ち、違うよ……これは……私の専用機のデータ……なの……」

 

「データって……あぁ企業とかに提出する奴なんだ」

 

「そうじゃなくて……これは()()()()()()()()()()()()()()……」

 

「へぇ作ってるって……ん?」

アキは簪の言葉に違和感を感じた。

 

「もしかして作ってるって……簪が機体を作ってるのか?」

 

「うん、そうだよ……ゴメンね……これ以上は……ご馳走様……」

簪は食事を終えると、その場を離れた。

 

「どうやら何か事情があるみたいだな……」

それから少ししてアキも食事を終えたので、その場を離れた。

 

それからアキは軽く学園内を見ていた。

 

「ふーん、こっちは整備室とかになるのか「おいっ!」ん?誰だ?」

誰かがアキに声を掛けたので見ると一夏とは違う男子生徒だった。

 

「もしかして……君が2人目の男性操縦者か?」

 

「あぁ添 誠(そえ まこと)って言うんだ……良いか?()()()()()()()()()()()()か知らないが俺の邪魔だけはするな!!なっ!?」

添はアキの襟首を掴もうとしたが逆に、その腕を取られた。

 

「お前が何を言ってるのか分からないが俺は邪魔をする気はねぇよ……()()()()()()()()()()()()()()()()」ギロ

 

「(なっ!?なんだ、この迫力は……)けっ!今はこれ位にしといてやるよ!!」

添はアキから解放されると、その場を離れた。

 

「アイツは何を言ってるんだ?まぁ……俺は自分と()()()に火の粉が掛かるなら誰だろうと容赦はしねぇけどな

アキは()()()()()()()()()()()を一瞥すると、その場を離れた。

 

 

アキが離れて少しして曲がり角から水色の外ハネの髪に赤目で、何処かに簪と似た面影を持つ少女が姿を見せたが……

 

「ハァハァハァ……一体、彼は何者なの?……それに私に気付いていたと言うのかしら?……あ、あれ……扇子が……」

少女はその手に持っていた扇子を落としていたのを何とか拾うと自分が戻る場所に向かった。



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第2話 同居人

ちょっとあります。


時間が経って放課後、アキは担任に呼ばれていた。

 

「先生、何の用ですか?」

 

「実はねドレアー君に()()()()()()を渡すのを忘れてたのよ」

 

「ん?寮の部屋って……俺は家から通う筈じゃ……もしかして急に()()()()()()があるとかですか?」

アキは話の中にあった気になった言葉について担任に尋ねた。

 

「そうなの……まぁ国からって事で……はい、これがドレアー君の部屋の鍵ね」

 

「はい、そういや俺の部屋は1人部屋ですか?」

 

「あぁ……1人部屋はあったんだけど……2人目の子が使っちゃってるから女の子と一緒なのよ……けど安心して一月程で男性操縦者同士で同部屋にするから」

 

「分かりました、それじゃ俺はこれで」

アキは担任に頭を下げると職員室を出た。

 

校舎を出たアキは寮に到着した。

 

「ここが寮か……えっと俺の部屋は……ここか……〔コンコン〕すみません誰か居ますか?……部活か何かか?(けど……誰かの匂いはするんだけど……もしかして倒れてたりして……)入りますよ……」

 

「ハーイ!ご飯にする?お風呂にする?それともワ・タ・シにする?」

アキがドアを開けると外ハネの水色の髪で赤い眼をした裸エプロンの女性が姿を見せたので一度閉めた。

 

「えっと……すみません間違えました……鍵番号は間違ってないか……じゃあ……」

 

「もう 閉めるなんてダメだよ?それで私にする?わたしにする?ワタシにする?」

 

「はぁ……分かりました、じゃあ()()で」

 

「へ?な、な、な、何をするの!?

女性は入ってきたアキにお姫様抱っこをすると、そのままベッドの上に寝かせてから両手を顔の横に置いて覆いかぶさった。

 

「いえ、貴女が自分から言ってきたので要望通りにしようかと、それにそういう格好してるって事は、そうですよね?」

 

「ちょ!ちょっと待ってよ!!ほら!この下にはこうして水着を着てるのよ!?

 

「別に構いませんよ、それも脱がせば良いだけですから……さてと準備は良いですか?」

 

「えっと、あの、そのっ……〔キュ〜〕」

女性は慌てて否定するがアキが上着を脱いだのを見て頭から湯気が出そうな程に顔を赤くして気絶した。

 

「やれやれ、そんな経験も無いならしなきゃ良いのに……まぁ軽く毛布くらいはかけときますか 先にシャワーでも浴びてくるか」

アキは女性に毛布をかけるとシャワー室に向かった。

 

アキがシャワーを浴びていると……

 

「ううん……あれ私……///そ、そういえば……あら?彼は……」

 

「んあ?起きてたんすか」

 

「なっ!?ちゃ、ちゃんと着替えてきてよ!!」

女性が目を覚まして状況確認をしてるとアキがシャワーから出て来たが上半身裸で肩にタオルを掛けた姿だった。

 

「あぁ、すんません家のクセで……よいしょっと、これで良いですか?」

 

「え、えぇ良いわよ……(もーう!真っ正面から顔を見えないじゃないー!)」

 

「(恥ずかしいなら最初からあんな事しなきゃ良いのに……)それで貴女が俺のルームメイトって事で良いんですか?」

 

「え、えぇ 私は2年生の更識 楯無(さらしき たてなし)よこの学園で生徒会長をしてるわ」

 

「先輩でしたか俺は「アキ・ドレアー世界で3人しか居ない男性操縦者の1人、そして……ニュムパ・カウダという企業の所属でしょ?」やっぱり俺の事は知ってましたか」

 

「まぁ、それは当然よね、貴方は世界で3人しか居ない男性操縦者なのだから……それで聞きたい事があるんだけど……」

 

「昼間の事でしたら……俺は知りませんよ?向こうから突っかかってきたんですから……まぁ、少しばかり脅してやりましたけどね

 

「(まただわ!何なの!?この迫力は!)それでドレアー君に「別にアキで良いっすよ仲の良い奴からはそう呼ぶんで」そ、そう分かったわ……じゃあアキ君に聞くけど……貴方は、このIS学園の敵なの?味方なの?」

 

「昼にも言いましたけど俺は仲間や友達に手を出されなければ、コッチからは手出ししませんよ……まぁ、そんな奴がいたら……誰だろうとぶっ潰しますけどね

 

「そう……分かったわ……まずは信頼させてもらうわ」

 

「ありがとうございます……それと更識先輩は…「私の事は楯無さんで良いわよ」分かりました、楯無さんて妹さんいますよね?簪って言う」

 

「え、えぇ……そうよ簪ちゃんは私の妹よ……そうかアキ君は同じクラスだったわね」

 

「それで気になった事があるんですけど。……簪が1人で専用機を作ってたんですけど、何でか分かりますか?」

 

「それは……ううん私からは言えないし、その資格が無いのよ……」

 

「ん?資格が無いって……〔グギュルルー〕チッ、腹が鳴りやがったぜ」

 

「あらあら、待ってて今何か作ってあげるから 好き嫌いはあるかしら?」

 

「いえ特には無いです……(ううん……これは何かあるな……後で()()()にでも聞いてみるか……)」

アキは楯無が料理を作るのを見ながら何かを考えていた。




ニュムパ・カウダ
アキ・ドレアーが所属する企業だが、実は?……


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第3話 顔馴染み

アキは楯無の作った夕飯を食べ終えると食器類を洗っていた。

 

「アキ君、それ位なら私がやるわよ」

 

「いえ、夕飯を作ってくれたお礼って事で俺にやらせてください」

 

「そう、ならお願いするわ……それにしても、アキ君て凄い食べるのね」

 

「えぇ、昔から沢山食べてましたね……(だからミラに食べ過ぎはダメだってよく叱られてたな)」

アキは過去の事を思い出しながら洗い物を終えていた。

 

「さてと……そういや俺はシャワーを浴びようと思うんすけど楯無さんはどうしますか?」

 

「そうねぇ……なら、私は大浴場に行ってくるわ」

 

「そうですか、じゃあ鍵は閉めてって下さい ()()()()()()()()()()()()

 

「分かったわ、じゃあ行ってくるわね」

楯無は着替えを持って大浴場に向かった。

 

一方、シャワー室でアキは誰かと話していた。

 

〔さてと……聞こえるか?【】?〕

 

〔うわっ!急に念話(テレパシー)をしてくるんじゃないわよ!!アキ!!〕

アキから念話を受けた相手は口調は怒りながらも何処かで嬉しそうだった。

 

〔悪かったな、それでそっちの方はどうだ?〕

 

〔あぁ、私の方は来月の頭くらいに学園に行けるわ〕

 

〔来月か……確か予定表にクラス対抗戦があるって聞いたけど……〕

 

〔そうなんだ……まぁ、私がいたら簡単に優勝するだろうけどね〕

 

〔ハハハ、相変わらず【】は自信家だな……おっと部屋の同居人が帰ってきたみたいだな〕

アキは楯無が帰ってきた事に気付いた。

 

〔ねぇアキ……同居人って……もしかして女性じゃないわよね?〕

 

〔ん?女性だぞ……リボンの色からすると2年生みたいだけどな……多分、俺が男性操縦者だからだぞ〕

 

〔え?そうなの?〕

 

〔あぁ、本当なら俺は寮に入る予定じゃなかったけど、国の方からな……〕

 

〔なるほど……貴重なアキを守る為か……そういう事なら分かったわ、じゃあねアキ〕

アキと念話をしていた相手は念話を終えた。

 

その後、アキもシャワーを終えて出ると、そのまま眠りについた。


次の日の朝、アキは学園内のグラウンドの1つに来ていた。

 

「朝飯前に軽く運動するか……」

 

「おや?誰かと思えばドレアーだったのか」

アキが体をほぐしてるとジャージ姿の千冬が来た。

 

「あっ、織斑先生も朝練ですか?邪魔なら場所変えますけど……」

 

「いや別に構わん……それと私といる時だけは()()()()()()()()()()()()()()

 

「織斑先生……いや冬姉(ふゆねえ)がそう言うって事は束姉(たばねえ)から聴いてるの?」

 

「あぁ、お前が見つかったと私の携帯に連絡が来た時にな……アイツに言っておけ……【面倒ごとを起こすな】と」

 

「は、はい……わかりました」

アキは千冬の迫力に怯えていた。

 

「そうだ、久し振りに私が手合わせをしてやろう……さぁ来ると良い」

 

「いやいや!俺は軽く体をほぐそうとしただけだよ!!」

 

「遠慮するな、私の相手になれる奴はそうはいないのだからな!」

 

「分かったよ!けど俺も昔と違う所を見せてあげるよ!」

アキは千冬との手合わせを開始した。

 

その日の朝、朝練をしてる部活の部員達から何者かの悲鳴が聞こえたとの話があった。

 

 

 



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第4話 生徒会

千冬との朝練を終えたアキは朝食を食べる為に食堂に来ていた。

 

「さてと、朝から動いたから腹が減ったな……おっ簪も朝飯を食いに来たのか」

 

「あっ……アキいたんだ……それにしても朝から、そんなに食べるの?……」

アキに声を掛けられた簪はアキの持ってるメニューを見て軽く引いていた。

 

「ん?そうか、これ位ならいつもより少なめだぞ」

 

「えっ?……それだけ、あって……少なめなの?……」

簪が見たアキのメニュー。

[カツ丼の特盛5人前 フライドチキン5本入り3P 叉焼麺大盛3人前 烏龍茶2ℓのジョッキ10人前]だった。

 

「あぁ、朝だからな、それよりも簪はそれだけで大丈夫なのか?」

アキが見た簪のメニュー。

[野菜サンド2つ 牛乳200ml 1つ]だった。

 

「う、うん……朝はあんまり食べないし…。」

 

「まぁ簪が良いなら構わないけどな、じゃああそこで食うか」

2人は空いている席を見つけるとそこで朝食を食べ始めた。

 

「そういや簪は自分で専用機を作ってるって言ってたけどどう言う事なんだ?」

 

「ゴメンねアキ……その事は話したくないの……」

 

「そうか……まぁ簪がそう言うなら俺は何も言わないけどよ何か手伝える事があるならいつでも言ってくれ」

 

「うん……ありがとうって……え?もう食べ終わったの?……」

簪はアキが自分より先に朝食を終えていた事に驚いていた。

 

「あぁ、昔から食事は早いんでな……そうだ俺からアドバイスだけど…簪が何を思ってるか分からないけど()()()()()()()()()()()()()()1()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「え?……それって……「そろそろ時間じゃ無いのか?」え?……あっ!」

簪が時計を見るとちょっと危ない時間だったので慌てて食べ終えて食堂を出た。


それから、その日の放課後 アキは生徒会室に呼ばれていた。

 

「ごめんね急に呼び出して」

 

「いえ特にやる事も無かったから構いませんよ それにこんなに美味しい紅茶も頂いてるんで」

 

「ありがとうございます、自己紹介が遅れました 私の名前は布仏 虚(のほとけ うつほ)と言います。ここの3年生で生徒会で会計を担当してます」

 

「あっ、ご丁寧にありがとうございます。俺の「大丈夫です、もう知ってますので」そういう事なら」

 

「さて互いに自己紹介が終わったから、アキ君を呼んだ理由を話すわね 実はアキ君に生徒会に所属してほしいのよ」

楯無がアキに呼んだ理由を話した。

 

「生徒会って……俺みたいな奴でも簡単に入れるんですか?」

 

「それは大丈夫よ 生徒会役員は その時の生徒会長が決めていいの それで私は虚ちゃんと()()1()()()()を役員にしてるの」

 

「もう1人?って……「ハァハァハァ……ごめんなさ〜い、遅れ……キャッ!」おっと危ない大丈夫?」

アキが誰か聞こうとした時に誰かが入ってきたが転倒しそうな所をアキが支えた。

 

「うん大丈夫だよ〜 ありがとう〜」

 

「はぁ 本音 時間は守りなさい」

 

「ごめんなさい お姉ちゃん……」

 

「この子は布仏先輩の妹なんですか?」

本音と言われた少女は虚に言われてシュンとなっていた。

 

「はい、私の妹でアキ君と同じ学年の……」

 

布仏 本音(のほとけ ほんね)って言いま〜す〜1組で〜す」

 

「そうか、俺はアキ・ドレアー1年4組だ」

 

「そうなんだぁ〜()()()()()と同じクラスなんだねぇ〜」

 

「ん?そのカンちゃんと言うのは……もしかして簪の事か?」

 

「うん、そうだよぉ〜私はカンちゃんのお付きなんだよぉ〜」

 

「そうか、まぁ何かあるみたいだけど詳しくは聞かない事にするよ」

 

「えへへ、ありがとう〜」

 

「それで話を戻すけど、アキ君は生徒会に入ってくれるかしら?」

 

「えぇ、俺は構いませんよ……そういや他の男性操縦者の2人は入れないんですか?」

 

「それなんだけど……織斑君の方は織斑先生から言われてて、もう1人の子は何か変な感じがするから勧誘しないのよ」

 

「そうでしたか……(イチは分かるけど、アイツは何かあるな……)」

アキは紅茶を飲みながら何かを考えていた。

 

「それじゃ、アキ君は今日から生徒会役員で副会長よ」

 

「え?そんな上の役員で良いんですか?」

 

「えぇ、ちょうど空いてたのが副会長と庶務なのよ」

 

「なら俺は庶務で良いですよ」

 

「良いじゃない、私が副会長に決めたんだから【会長権限】」

楯無が出した扇子に、そう書いてあった。

 

「分かりました、それで構いませんよ……さてと、それで俺は何をすれば良いんですか?」

 

「今は特に無いわ、だから今日は帰って構わないわ」

 

「そうですか、じゃあ失礼します」

アキが出た後室内では残された3人が話していた。

 

「それで虚ちゃん、彼の事は何か分かったかしら?」

 

「名前と年齢以外に分かった事は彼が()()()()に所属する代表だと言う事だけです」

 

「そのある企業って……何て言うのかしら?」

 

「はい、その企業の名前は【ニュムパ・カウダ】と言います」

 

「変わった名前の企業ね……どんな意味なの?」

 

「はい、調べた所ラテン語でニュムパは妖精、カウダは尻尾と言う意味でした」

 

「日本語にすると妖精の尻尾って意味なのね……なんで、そんな名前なのかしら?」

 

「詳しく調べたのですが……分かりませんでした……」

 

「そう……今分かってるのはそれだけって事ね……いいわ、取り敢えずは調査はここで一旦やめておきましょ」

 

「良いんですか?」

 

「えぇ、アキ君も言ってたけどこちらから手を出さない限り彼は敵対する事は無いわ……(それに、あの気配は……)」

楯無は自分がアキを見張っていた時の事を思い出していた。



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第5話 白と青

アキが生徒会役員になってから数日後、第1アリーナでは1組のクラス代表決定戦が行われようとしていた。

 

始まる前、アキは楯無、虚とともに特別室にいた。

 

「楯無さん、俺がここにいて良いんですか?」

 

「えぇ、ここは私達生徒会役員用の部屋だから ん、ありがとう虚ちゃん」

 

「いえ、これ位はいつもの事ですから、アキ君もどうぞ」

虚は楯無に紅茶とお菓子を出すとアキにも同じ様にした。

 

「ありがとうございます、虚さん……あ、西ピットから青い機体が出てきました」

 

「彼女はイギリスの代表候補生のセシリア・オルコットと言い、機体名はブルーティアーズです」

アキがアリーナを見てると長髪の金髪で青い機体を纏った女生徒が出てきたので虚が説明した。

 

「そういや気になったんですけど……なんで、操縦者はあんなスク水みたいな物を着てるんですか?」

 

「アレはISスーツと言って機体を効率的に運用する為の物でバイタルデータを検出するセンサーと端末が組み込まれているんです」

 

「いや、そう言う事じゃなくて……ISって元々は宇宙空間の活動用に作られた物じゃないですか、機体の下があんな薄い奴なんかで大丈夫かなぁって……」

 

「あぁ……そう考えてたのね……」

楯無はアキの言葉に何処か気の抜けた表情を見せた。

 

それと同じ頃、何処かの研究室で……

 

「仕方ないじゃなーい!私が研究を始めた時はそんなにお金が無かったんだからぁー!!」

機械のウサミミをつけた女性が叫んでた。

 

そう話してるとセシリアが出た反対のピットから白い機体を纏った一夏が出て来た。

 

「彼も出て来たみたいですね……機体名は白式(びゃくしき)と言うみたいですね……おや?」

 

「虚さん、どうかしたんですか?」

 

「えぇ、どうやら織斑君の機体は一次移行(ファーストシフト)がまだ終えてないみたいです」

 

「ふぇっ?なんで、そんな機体で出て来たんだろう〜?」

 

「多分だけど、アリーナの使用時間があるから、決定戦の最中にでもしろって出されたんだと思いますよ……(冬姉なら、そう言うからなぁ……)」

アキは千冬の事を考えていた。

 

そう考えてると一夏とセシリアの決定戦が始まった。

 

その結果……

 

「まさか戦闘の途中で一次移行が終わったから反撃をしようとしたら……エネルギー切れで負けるなんてな……」

 

「どうやら織斑君の武装はあの剣だけ、そして名前は【雪片二型(ゆきひらにがた)】と言うみたいです」

 

「雪片二型?確か織斑先生が使ってた武装が……雪片(ゆきひら)だったわね」

 

「はい、それと……単一仕様能力(ワンオフアビリティ)が発動してます……」

 

「えっ!?そんな事があり得るの!?」

 

「多分だけど……俺達がISを動かせてるのが関係してるんじゃないんですか?なんで、俺達が動かせるか未だに分からないみたいですから……(束姉も、そう言ってたからな……)」

 

「けど……なんでおりむ〜のエネルギーが無くなったのぉ〜?」

 

「どうやら単一仕様能力が関係してるみたいですね零落白夜(れいらくびゃくや)と呼ばれていて、能力は対象のエネルギーを全て消滅させる物です……」

虚がタブレットに送られた情報を見ながら説明する中アキはある事に気付いた。

 

「それとエネルギー切れって、どういう関係が……もしかして、その能力が発動してる間は自身のエネルギーを使ってるですか?」

 

「えぇ、アキ君の言う通りです。零落白夜を発動すると自身のシールドエネルギーが使われてるのです」

 

「そっかぁ〜 IS同士の戦闘は先にシールドエネルギーが無くなった方が負けだもんねぇ〜」

 

「そんなルールだったか……ん?虚さん対象のエネルギーを全て消滅させるって事は……一歩間違えたら()()()()()()()()()()()()()()()()()()()ですよね?」

本音が言ったルールを聞いたアキはある事に気づくと虚にソレを聞いた。

 

「えぇ、もしもあのまま織斑君のシールドエネルギーが無くならないでセシリアさんに攻撃してたら、そのまま搭乗者に傷を負わせてたかもしれません……」

 

「恐ろしい武装ね……まぁ、その辺りは織斑先生が説明するだろうけど……どうやらセシリアちゃんの方は機体の修理が間に合わないから次の試合は棄権するみたいね」

そう話してると一夏と添誠がアリーナに出て来た。

 

 



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第6話 主人公と邪魔者

一夏とセシリアの戦いが終わる少し前……

 

「へっ、結局は()()()()()()()()()()()のか……」

用意されたピットで添誠がモニターを見ていた。

 

「確か、次は俺とセシリアとの戦いだったか……〈添、オルコットは機体の損傷が酷い為、織斑との試合をしてもらう〉はい、分かりました」

添は千冬からの連絡を聞いて了承した。

 

「まぁ、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()起動!ストライク!!出ます!!」

添がピットからアリーナに出たが、その機体はある世界ではストライクガンダムと呼ばれている物だった。

 

添がアリーナに出てから少ししてエネルギーの補給を終えた一夏がアリーナに出てきた。

 

「悪いな添、来るのが遅れて」

 

「気にするな、俺が早く出て来たんだからな(まぁ、今は猫を被ってれば良いから……)」

添は笑っていたが心中では本性を見せていた。

 

〈それでは、第2試合を開始する!〉

千冬の合図と共に一夏と添が互いの武装で鍔迫り合いをした。

 

その後、2人の対決は一夏の勝利で決まった。

 

「ハァハァハァ……俺の勝ちだな……」

 

「くそっ!何で俺が負けるんだよっ!!」

一夏が声を掛けるが添には聞こえてない様で悔しがっていた。

 

〈2人とも、アリーナの使用時間があるから早くピットに戻るんだ〉

千冬からの放送を聞いた2人はそれぞれのピットに向かった。

 

添side

 

(ちくしょう!この世界は俺が1番じゃねぇのかよ!!)

試合を終えた添は廊下を歩きながらキレていた。

 

(このままいけばセシリアと箒は一夏に靡く事になるじゃねえか……まぁ良い、女は他にもいるんだからな!)

添は笑顔を浮かべていたが、それは邪悪な物だった。


その頃、アキは学園内の森林エリアで誰かと念話をしていた。

 

〔じゃあ、来週には日本に来るのか〕

 

〔えぇ、やっと日にちの都合が着いたのよ……それで聞きたいんだけど、一夏には()()()の事を話したの?〕

 

〔いや、まだ話してないよ。別に話す事もないかなぁって〕

 

〔全く……アンタも本当に昔から変わってないわね〕

 

〔それはそうだろ、どこにいても俺は俺なんだからよ……〕

 

〔そうね、あっ、そろそろ休憩時間が終わるわ、それじゃまたね、アキ〕

 

〔あぁ、またな……スズ〕術式魔法解除

アキはスズと呼ばれた人物と念話を終えると、その場を離れた。

 

その時……

 

「何か変な感じがすると思ったらドレアーだったのか」

 

「うわっ!?ち、織斑先生!なんでここにいるんですか!?」

アキが声のした方を見ると千冬が木にもたれかかっていた。

 

「いや、こっちの方から、ちょっとした気配がしたのでな、それよりも今は何をしていた?」

 

「特に変な事はしてませんよ、ただスズと話してただけですよ」

 

「そうか、なら彼女はお前の事は知ってると言う事か」

 

「はい、こっちに戻ってきた時に束さんに頼んで探してもらったんですよ……会った時に泣かれて叩かれましたけどね」

 

「それは、当然だな……一夏の奴も悲しんでいたからな」

 

「そうですか……それじゃあ俺は寮に帰りますんで」

アキは千冬に断りを入れるとその場を離れた。

 

 



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第7話 スズとの再会

1組でのクラス代表決定戦が終わってから、少し経って……

 

「それでは、機体練習を行う。織斑、オルコット、添、前に出るんだ、そして機体を展開させろ」

千冬に言われた3人は前に出ると指示通りに機体を展開したが……

 

「おい、どうしたんだ織斑、添……もっと早く展開しろ」

セシリアが機体展開を終えている横では一夏と添がなかな展開出来ないでいた。

 

「あぁーっ!来い!白式!!」

 

「ストライク!起動!!」

 

「織斑は5秒、添は8秒か……慣れている操縦者ならば、2人よりももっと早い時間で展開が可能だ。では次に空中へ飛行しろ」

次の指示を受けた3人は言われた通りの動作をしていた。


一方、4組では……

 

「じゃあ、ここの問題を……ドレアー君に答えてもらおうかしら?」

 

「はい、分かりました、ここの答えはーーーになります」

 

「えぇ正解よ、じゃあ今度は……」

普通の高校で行うはずの授業をしていた。


その日の放課後……

 

「うーんと……虚さん、この書類ってこうで良いんですか?」

 

「見せてください……はい、大丈夫です」

 

「アキ君も生徒会の仕事に慣れてきたわね」

生徒会室で3人が作業をしていた。

 

「そういや……今日の授業中に何か凄い音がしたんですけど何か知ってますか?」

 

「えぇ、1組の織斑君が機体操作の授業中に急降下を行なってグラウンドに穴を開けたと本音から聞いてます」

 

「そうですか……(全く……イチの奴は何をしてるんだ……)」

 

「あら、そう言えば。今日は放課後に食堂で織斑君のクラス代表の歓迎会をするみたいだけど」

 

「ふーん、そうですか……だから本音はいないんですね」

アキが室内を見回すと本音の姿が見えなかった。

 

「アキ君も行きたかったら行っても良いのよ?残りの仕事は私と虚ちゃんで片付けるから」

 

「別に行きたいとは思いませんよ。クラスが違うんですから」

 

「そう、ふぅじゃあ一旦休みましょうか。虚ちゃん、紅茶を淹れてくれる?」

 

「はい、分かりました。アキ君は温めでしたね?」

 

「ありがとうございます虚さん。何か手伝う事ありますか?」

 

「それなら冷蔵庫からケーキを出してください」

アキは虚の指示通りにケーキを出すとそれぞれの前に置いた。


その後、生徒会の仕事を終えたアキは寮に帰っていた。

 

「うーん晩飯は何にするかなぁ……「アァーッ!もう!職員室って何処にあるのよーっ!!」ん?今の声……それとこの匂いは……何をしてるんだ?アイツは……」

アキは何か声が聞こえたが心当たりがあったので、そちらに向かった。

 

アキが声が聞こえた時と前後して……

 

「全く……こんな地図でどうやって行けって言うのよ……」

 

「どこか探してるなら俺が案内するぞ?()()

 

「え?……私をそう呼ぶって事は……やっぱりアキだったのね」

アキが声のした場所に行くと茶髪のツインテールで肩にボストンバッグを下げた少女がいた。

 

「久し振り……って訳でも無いわねアキ」

 

「あぁ、そうだなスズ、それよりもお前が来るのは来週だって聞いてたけど……」

 

「それはウチのお偉いさん達が行くなら早い方が良いだろうってね」

 

「そうか、それよりもどこに行くんだ?俺が案内するぞ」

 

「そう、じゃあ総合案内所って所に行きたいんだけど……」

 

「総合案内所だったら向こうの校舎にあるぞ、ほら行くぞ」

 

「あ……ありがとう……アキ……(うん、やっぱりアキは昔と変わってないわ……)」

スズと呼ばれた少女はアキに右手を握られて顔を赤くしていたが喜んでいた。



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第8話 スズと千冬

アキはスズを職員室に連れて行くとスズの手続きが終わるのを待っていた。

 

「中国の代表候補生の凰・鈴音(ファン・リンイン)さんですね、はい、コレで手続きは終わりました」

 

「ありがとうございます、それで私は何組になりますか?」

 

「凰さんは1年2組への編入になります。学園寮への案内はドレアー君にお願いするわ」

 

「分かりました、それじゃ行きましょうか()()()

アキは凰を連れてその場を離れた。

 

寮に行く途中……

 

「アキ、なんで職員室の時はフルネームで呼んだのよ?」

 

「ん?何となくかな?それよりもスズは2組で良かったのか?」

 

「それは仕方ないじゃない学園がそう決めたんなら、それよりも一夏は何組なの?」

 

「あぁイチは1組だぞ、そう言えばクラス代表になったんだよな」

 

「へぇ、そうなんだ、それでアキは何組でクラス代表はやってるの?」

 

「俺は4組だけどクラス代表はやってないぞ、生徒会の役員をやってるからな」

 

「ふーん生徒会の役員ねー どうすればそんな直ぐに役員になれるのよ?」

 

「ん?いや、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「え?……ねぇアキ、今寮の同居人って言ってたけど……もしかして女性?……」

 

「それはそうだろ、この学園で男性は職員を抜かしたら生徒での男性は俺を入れた3人しかいないんだから」

 

「じゃあアキは女性と一緒の部屋に住んでるんだ……ふーん……」

 

「スズ、部屋を変えろと言っても無理だからな、同居人と寮長の許可がいるんだ」

 

「そうなんだ……なら先に寮長に会いに行きましょうよ」

 

「まぁ、スズがそう言うなら良いけど……(面白そうだから誰が寮長か黙っておくか)」

アキは軽く悪戯っ子みたいな表情を浮かべながらスズを寮に案内した。


寮に着いて……

 

「ここが寮長室だけど……本当に良いのか?」

 

「はぁ?アキも分かってるでしょ、私の性格は」

 

「まぁ、そこまで言うなら良いけど……すみませんアキ・ドレアーですけど転入生の凰・鈴音さんを連れてきました」

 

〈そうか、少し待っていろ……〉ガサガサ

 

「ん?寮長の声って何処かで聞いた事がある様な……」

 

「ほぅ、久し振りだな凰、元気そうで何よりだ」

スズは中から千冬が出て来たのを見て驚いていた。

 

「なっ!?なんで千冬さんがここにいるんですか!!」

 

「大声を出すな、それと学園内では織斑先生と呼ぶんだ」

 

「千冬さん、大声は魔法でこの部屋以外では聞こえない様にしておきました」

 

「そうか、すまないな()()

 

「アキ!アンタ千、織斑先生が寮長だって知ってたんなら教えなさいよっ!!」

 

「いやースズが俺との同室になりたいのをどうするかなぁって」

 

「何?凰、お前は学園に来たばかりだと言うのに、そんな様な事を言うのか?」

 

「いえ、あの、その……すみませんでしたー!!」

スズは千冬の雰囲気から土下座をした。

 

「まぁ、ここで変わったとしてももう少し経てば男性操縦者で同室となるからな」

 

「え?そうなんですか?」

 

「まぁ、ずっと女性と同部屋って訳にもいかないでしょうしね、そう言えばスズの部屋って何処になるんですか?」

 

「あぁ、そうだな、コレが凰の部屋の鍵だ」

千冬はポケットから鍵を出すと凰に渡した。

 

「門限は過ぎてるがアキ、お前凰を部屋まで案内するんだ」

 

「はい、分かりました、ホラ行くぞスズ」

 

「分かってるわよ、織斑先生、これからよろしくお願いします」

 

「あぁ、担任は違うがな」

千冬が寮長室に戻ったのを確認するとアキはスズを部屋に案内した。

 

 




アキがスズを部屋に案内して。

「そうだアキ、明日一緒にお昼を食べましょう?」

「あぁ、良いぞ、クラスが違うから早く終わった方が席を取っておくって事で」

「えぇ、分かったわ、それじゃ」
スズが部屋入ったのを確認したアキは自分の部屋に帰った。


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第9話 転入生の噂

鈴音が転入して来た日の翌日……

 

「皆、おはよう」

 

「おはよう、織斑君。ねぇ知ってる?2組に転入生が入って来たんだって」

 

「しかも、その転入生って中国から来たんだって」

一夏が教室に入ると話していたクラスメイト達が近くに来て情報を教えてくれた。

 

「この様な時期に転入生とは珍しいな……」

 

「多分、この私がいるから来たのですわ」

 

「中国からか……(そう言えば、アイツは武昭の事が……)」

 

「一夏、何か考えているが……どうしたんだ?」

一夏の感じ変わった事に気付いた箒が声をかけた。

 

「いや、中国って聞いてな……「ねぇ、ここに織斑一夏が居るから会いに来たんだけど?」その声……」

一夏が答えようとした時に誰かの声がしたので確認しようと見ると凰だった。

 

「お前鈴?……鈴じゃないか!久し振りだな!!」

 

「えぇ、久し振りね一夏。1年振りかしら?」

 

「あぁ、そうだな……なぁ鈴、アイツの……武昭の事は……」

 

「別に良いわよ、もう……」

 

「やぁ、初めまして、俺は2人目の男性操縦者の添誠って言うんだ、よろしく」

一夏の鈴が話してると登校して来た添が話に入ってきた。

 

「えぇ、私は中国の代表候補生の凰・鈴音よ。言っておくけど私はアンタと仲良くするつもりは無いから」

 

「なっ!?(チッ、まだ知り合って間も無いから仕方ないか……)まぁ、同じ学園の生徒なんだから」

 

「そろそろSHRが始まるわね、それじゃ一夏」

 

(おいおいおい待てよ、()()()()()()()()()()()()()()()()簿()()()()()()()()()()()()()()()()

添が自分が知る流れと違う事に軽く戸惑っていると鈴が教室を出たと入れ違いに千冬が入ってきたので皆は席に座った。


昼休みになって一夏達が食堂に行くと鈴がアキと昼食を食べていた。

 

「あれ?鈴、ドレアーと知り合いなのか?」

 

「ん?えぇ、そうよ。だって私は」

鈴はポケットから何かを取り出すと一夏に見せた。

 

「私はニュムパ・カウダ所属 凰・鈴音よ。よろしくね。悪いけど一夏、私はアキと仕事の話をしないとダメだから2人だけにしてくれる?」

 

「あぁ、そんな事情があるならしょうがないな」

一夏は事情を察すると、その場から離れていった。

 

一方……

 

(ハァ!?なんだよ、それ!!そんな企業があったなんて俺は知らないぞ!?)

その様子を見てた添が軽く怒っていた。

 

(そうか……あのアキって奴は俺と同じ転生者なんだな……なるほど、アイツさえ始末すれば……)

添はアキを見ながら何かを考えていた。


アキと鈴の所では……

 

「それでスズ、中国の方はどうなんだ?」

 

「えぇ、社長が軽く話をしてくれてね特に問題は無いわ」

 

「そうか、おじさん達も日本に来たのか?」

 

「父さん達はこっちの会社にいるわよ……()()()()()()()()()()()()()()()……」

スズの言葉を聞いたアキは何処が納得していた。

 

その後、昼食を終えたアキとスズは教室に戻った。

 

 

 

 




アキとスズが学食にいた頃……

ニュムパ・カウダの社内の一室で……

「ねぇ?なんでこんなに散らかってるのかしら?」

 「えっと、あの、その……開発に熱中してて……」 
束が何処かスズと似たスタイルの良い女性に怒られていた。

「あの、すみません……私が束様の手伝いをしなかったから……」

「いえ、クロエちゃんは悪くないわ……それよりも、そろそろお昼にしましょうか……アナタ」

「おぉ、言われた通りに作ったぜ」
部屋に1人の男性が料理を乗せたワゴンを持って入ってきた。

皆がそれぞれの席に座ったが……

「えっと……劉さん?私の麻婆豆腐だけ……何か赤いって言うよりドス黒いんですけど?」

「ん?あぁ、束ちゃんの奴はいつもの奴の数倍の辛さにしたからな」

「え?数倍の辛さって……」

「そうそう、束ちゃん、それを食べないと……次は、更に倍になるから」
束は女性の有無を言わせない笑顔を見せられて泣きながらご飯を食べていた。




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第10話 たまの日常

鈴音が学園に来て少し経った頃の日曜日……

 

「全く……()()はすぐに部屋を汚くするんだから……」

 

「仕方ないだろう、私は毎日仕事をしてるんだからな……それに今年は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

呆れた表情を見せたアキが気不味い顔をした千冬と一緒に寮長室の掃除をしていた。

 

「それに関してはすみません……だから、こうして部屋の掃除をしてるんじゃないですか」

 

「千冬さん、とりあえずゴミは捨てて来ました」

2人が話してるとゴミ捨てを終えた鈴が寮長室に戻ってきた。

 

「凰もすまないな、こんな事を手伝わせて」

 

「いえ、たまに()()()()()()()()()()()()()()()()……」

鈴音は何かを思い出して苦笑いしていた。

 

「冬姉といい兎さんといい何か1つに秀でてる人は生活能力が無いんですかねぇ……」

 

「待て待て待て、私はまだアイツよりはマシだと思うぞ?」

 

「「いえ、2人とも同じ穴のムジナです」」

アキと鈴音に同じ事を言われた千冬はORZの体勢になっていた。

 

暫くして……

 

「ふぅ、だいぶ綺麗になりましたね」

 

「はい、アキ、千冬さん」

 

「あぁ、ありがとうな凰」

掃除が終わったので鈴音が千冬とアキにお茶を淹れていた。

 

「所でアキはいつアイツらに()()()()()()()()()

 

「うーん……まぁ、その時が来たらバラしますよ。イチやキーからしたら俺は()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「けど、私も最初聞いた時は驚いたわよ」

 

「そうだったな、泣きながら俺に抱きついてきたんだから」

 

「なっ!そんな事してないわよっ!!」

 

「ほう、凰にもそんな所があったんだな」

 

「もう……千冬さんまで……」

 

「悪かったなスズ、けど……俺もここに戻って来れて良かったよ……皆に会えたんだからな……」

アキがお茶を飲んでいるのを千冬と鈴音が見ていた。

 

その後、時間も時間なのでアキと鈴音は、それぞれの部屋に帰った。


アキが部屋に帰ると楯無が制服を着たまま眠っていた。

 

「ふぅ、また仕事をためてたんですね……もうこんな事ばかりしてると体を壊しますよ……せっかく綺麗な顔なんですから……」

アキは楯無が寝冷えしない様に毛布をかけるとシャワー室に向かった。

 

少しして……

 

「もーう……軽く寝たふりをしてただけなのに……あんな事を言うなんて……」

楯無が目を覚ますが軽く頬が赤かった。

 

その後……

 

「あっ、起きてたんですか楯無さん」

 

「な、な、な、何で服を着てないのよっ!?」

アキがシャワーから出て来たが上半身に何も着てなかった。

 

「あぁ、すみません着替えはあったんですけど、洗濯してなかった奴だったんです」

 

「そ、そうなの……じゃあ今度は私がシャワーを浴びてくるけど絶対見ちゃダメなんだからね」

アキと入れ違いに楯無がシャワー室に入っていった。



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第11話 アキと鈴の模擬戦

鈴が学園に転入してきて数日経ったある日の事……

 

「くっ!私から離れなさいよ!!」

 

「へっ!嫌なこった、離れたいなら俺から距離を取ればいいだろ!!」

 

「それが出来るなら苦労しないわよ!喰らいなさい!双天牙月(そうてんがげつ)

アキと鈴が学園内にあるアリーナの1つで模擬戦をしていた。

アキの機体は通常時の白い機体で鈴の機体は黒とピンクを主とした物で両肩にトゲの着いたボールの様な物が浮かんでいた。

 

「そろそろ終わらせるか!換装!」

アキが言うと背後に多数の剣状の武装が浮かび上がった。

 

「なっ!?アンタ!」

 

「喰らえっ!ソード・オブ・フラッシュ!!」

アキが手を翳して降ろすと同時に武装が鈴に向かっていった。

 

「うえっ!ちょ!待ちなさいよ!!」

 

「待つ訳無いだろ?ほらほら、どうした?それでも中国の代表候補生か?」

 

「いい気になってんじゃないわよ!良いじゃない見せてあげるわよ!代表候補生の力を!!龍咆!乱れ撃ち!!」

鈴は両肩の武装から空気の砲弾を出し、当たらなく向かって来る奴は双天牙月で叩き落としていた。

 

「どう!これが私の実力よ!!今度はコッチから行かせてもらうわ!!」

鈴は武装の間を擦り抜けて行くとアキに攻撃を加えた。

 

「それなりに力はついてきたみたいだな……だが!ドラゴンスレイヤー !モード雷竜!!」

アキの機体の装甲が竜の鱗を模した物になり全体的には黄色に変化した。

 

「なっ!?まさか!」

 

「へっ!喰らいなっ!雷竜方天戟!!」

鈴はアキが何をするか分かったがアキの右手に雷で出来た戟が投擲され鈴の機体のSEが無くなり敗北した。


模擬戦後、アリーナの更衣室でアキと鈴がISスーツで話していた。

 

「アァーッ!またアキに負けたじゃない!!」

 

「そうは言うけど前に会社でやった時よりは腕が上がってるぞ」

 

「そう言ってくれるのは嬉しいけど……やっぱりアキの機体は私達のとは違うのよね?」

 

「そうだな、()()()俺にとっては仲間達との絆でもあるからな」

アキはペンダントトップを鈴に見せた。

 

「ねぇ、アキ……向こうの世界はどうだったの?」

 

「フィオーレの話か……色々あったけど、ギルドの皆に会えて良かった……それが一番だな」

 

「そう、なら良いわ……クチュン」

 

「おっと、汗が冷えてきたみたいだな立体文字(ソリッド・スクリプト) HOT AIR(ホットエアー)

アキが空中に文字を書くと、その文字が消えて周りの空間が暖かくなった。

 

「ほら、体が冷える前にシャワーを浴びてくるんだ」

 

「えぇ、分かったわ……ねぇアキが良かったら食堂でデザートでも食べない?」

 

「あぁ、俺は構わないぞ、じゃあ先に上がった方が先に食堂に行ってるって事で良いか?」

 

「うん、私はそれで良いわ、それじゃ」

2人は更衣室を出るとそれぞれシャワー室に向かった。

 

その物陰から楯無が姿を見せた。

 

「うーん中国の代表候補生の凰鈴音ちゃんはアキ君と同じ企業に勤めてるのね……」

楯無が懐から扇子を出して開くと、その表面には【どんな繋がり?】と書かれていた。

 

「それにアキ君と鈴音ちゃんが何を話してるのか聞こえなかったし……それと何か暖かいのよね……」

楯無が更衣室に入るとアキの魔法の効果が残っていた。



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第12話 クラス代表対抗戦。(前編)

鈴が学園に来て日にちが経ち、クラス代表対抗戦の日が来た。

 

1回戦は1組の織斑一夏と2組の凰鈴音だった。

 

試合前のアリーナ内の2組のピットには鈴とアキがいた。

 

「まさか、最初の相手がイチだとはな……でスズはどうするんだ?」

 

「どうするも何もどんな相手でも私は本気で行くだけよ」

 

「そうか、まぁ今のスズならイチ相手でも問題ないしな おっと入場アナウンスが流れたか」

 

「じゃあ行ってくるわ、アキは観客席で見てなさい、私が勝つ所を」

鈴がアリーナに出たのを見たアキは観客席に向かった。

 

アリーナで対抗戦が始まる少し前……

 

「あぁ、そう言う訳だから頼むぜ」

添が校舎の物陰で誰かに連絡を入れていた。

 

「へっ、俺以外に転生者が居るなんて思わなかったぜ……けど()()()()が来れば……

おっと、そろそろ観客席に行かないとな……」

添は歪んだ笑みを浮かべながら、その場を離れた。

 

「どうやら、アイツは何かを企んでるみたいだな……まぁ、何をしようが……()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

添が気付かれない場所にいた何者かは、その場から姿を消した。


その後、アリーナでは一夏と鈴の戦いが行われていたが……

 

「一夏、やるわねアンタ……けど、私の方が上手みたい」

 

「仕方ないだろ……俺はISの事なんか、この学園に入ってから教わったんだから……」

鈴の攻撃に一夏は息が上がっていた。

 

「そうなの……けど、あんたは自分から教わりたいって誰かに頼んだりしたの?」

 

「いや、箒やセシリアが教えてくれるっていうから教わってるけど……」

一夏の言葉を聞いた鈴は軽く落ち込んだ表情を見せた。

 

「あんたね自分の立場が分かってるの?」

 

「は?俺の立場って……」

 

「いい?アンタはこの世界で3()()()()()()()()()()()()なのよ……

最低限自分から何かを教わろうとしないと身につく物は少ないわ…」

 

「それは……」

鈴の言葉に一夏は心当たりがあったので反論出来なかった。

 

「どうやら自分でも分かったみたいね……だったらこれで終わらせてあげるわ!!」

 

「そうだとしても俺も負ける訳にはいかないんだ!!」

2人が決着をつけようとした時だった……

 

アリーナの上空から何らかの攻撃がバリアを破壊して侵入してきた。

 

侵入し出来たのは3()()の黒い機体だった。

 

「なっ!?一体何が起きたんだ!!」

 

「一夏!チッ!どうやらコイツらは私達に用があるみたいね……」

 

「くそっ!コイツら何が目的だっ!?」

 

「さぁ!?けど取り敢えずはコイツを倒さないとダメねっ!!」

2人が謎の機体を相手にしていると麻耶から通信が入った。

 

〔織斑くん!凰さん!早く避難して下さい!直ぐに教師陣が向かいますから!!〕

 

「分かりますけど!コイツが逃してくれないんです!!」

 

「それに、あの攻撃が観客席に向かったら、どうなるんですか!?」

 

〔それは……分かりますけど……〕

 

「だから避難が終わるまで俺たちが何とかします!!」

2人は通信を切った。


管制室side……

 

「織斑くん!?凰さん!!応答してください!!」

 

「麻耶、そんなに慌ててないで、まずは落ち着くんだ。コレを見るんだ」

千冬がモニターをさしたので確認すると……

 

「なっ!?観客席の隔壁が閉鎖されてる!しかもレベル4!?」

 

「どうやら、あの機体が関係してるみたいだな……まぁ、まずは落ち着いてコーヒーでも飲むんだ、ほら砂糖を沢山入れたぞ」

 

「あの、織斑先生……その砂糖の入れ物に【塩】って書いてある様に見えるんですけど……」

麻耶に言われた千冬が確認すると確かに塩と書かれていた。

 

「なぁ山田先生……なぜ、ここに塩なんかがおいてあるんだ?……」

 

「それは私に言われても……あっ、やっぱり織斑君の事が心配なんですね……え?先輩?」

 

「さぁ、麻耶コイツを飲んで落ち着くんだ……」

 

「いや、あの、それって塩が入ってる奴ですよね!?」

麻耶に言われた千冬は、そのまま詰め寄って麻耶を抑えると無理矢理コーヒーを薦めていた。

 

そんな中……

 

「えっ!?織斑先生!観客席に()()()()()()1()()()()()()()()()()()

 

「なんだと!?」

千冬がモニターを見ると3体の内の1体がアリーナと観客席を隔ててる障壁を破壊して観客席に侵入していた。

 

「まずい!あのままでは〔織斑先生、何か来たんですけど……()()()()()()()()()()()()〕アキか!あぁ、私が許可する!!」

千冬が慌てているとアキから通信が来たので、そのまま任せた。

 

「織斑先生!今のは?……」

 

「1年4組のアキ・ドレアーだ。彼ならば問題はない」

千冬は落ち着くと新しいコーヒーを淹れ始めた。

 

 



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第13話 クラス代表対抗戦。(中編)

観客席が騒ぎになった頃……

 

(ハァ……全く……()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()……)

アキは観客席に座りながら、こうなった原因を思い出していた。

 

「とりあえずは……()()()()()()()()()()()()()()……〔織斑先生……〕」

アキは千冬に通信を入れると謎の機体への対処許可をもらった。

 

「さてと……まずは()()()()()()()()()()()()

アキは立ち上がると不明機が侵入してきた場所に向かった。

 

向かってる途中……

 

〔タッ君、聞こえる?〕

 

〔ん?束姉、どうしたの?って……多分、今の騒ぎが関係してる?〕

アキに束から通信が入った。

 

〔そうだよ、ソイツらは以前束さんが廃棄した研究所に置いてあった物だよ〕

 

〔ふーん、そうなんだ……なんで、それがこんな所に?〕

 

〔それは分からないよ、けどソイツは私が開発した時とは違うみたいだね……だからタッ君、()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

〔別に俺は構わないけど……本当に良いの?〕

 

〔うん……その子達にはコアが無いから……お願い……私からの……依頼だよ〕

 

〔束姉……分かったよ、その依頼(クエスト)受けさせてもらうよ!〕

アキは通信を切ると不明機に向かった。

 

その少し前……

 

「カンちゃん!早く私達も避難しないと!」

 

「う、うん……キャッ!」

2人は避難しようとしたが他の生徒達に押しのけられて簪が転倒したので本音が手を差し出した。

 

「大丈夫〜?カンちゃん〜?」

 

「大丈夫だよ本音、それよりも早く……」

 

ガシャン!!

本音が簪を立たせようとした時、不明機が障壁を破壊して観客席に侵入してきた。

 

「なっ!カンちゃん!早く逃げないと!!」

 

「ダメ!このままじゃ2人とも危ないから本音だけでも逃げて!!」

 

「違うよ!私はカンちゃんの従者だから、私が守らないと!!」

簪が立とうとしたが足を挫いたみたいで立てなくなった簪に攻撃をしようとしたのを本音が庇っていた。


一方、生徒会用の部屋にいた楯無と虚の方では……

 

「簪ちゃん!本音ちゃん!虚ちゃん!ドアはまだ開かないの!?」

 

「やってますが……プログラムがすぐに変わっていくんです」

モニターでアリーナや客席の様子を見ていた。

 

「もう!良いわ!機体を展開してドアを壊すわ!!」

 

「ダメです!幾ら生徒会長でも、そんな事をしては!!」

 

「じゃあ!どうしたら良いって言うのよ!!アッ!」

楯無がモニターを見ると不明機が簪と本音に攻撃をしようとしてるのが映っていた。

 

「ダメ!やめて!!簪ちゃん!本音ちゃん!!」

楯無がモニターを見て叫んでいた時だった……

 

「おい……俺の仲間達に何しようと……してるんだよっ!!火竜の……鉄拳!!

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()


本音が簪を庇って恐怖から目を瞑っていた時だった……

声がしたので目を開けるとアキが右手に炎を纏わせて不明機を殴り飛ばしていた。

 

「悪いな本音、簪……来るのが遅くて……」

 

「ア、アキっち……ううん……間に合ってくれたよ……」

本音は泣いていたがアキの姿を見て安心して微笑んだ。

 

「ねぇ……アキ、その手の炎って……」

 

「あぁ、()()は後で説明するよ……今はコイツの相手が先だ……」

簪が気になった事を聞こうとしたがアキは不明機の方を見た。

 

「テメェがどこの誰かは知らねぇが……俺の仲間に手を出してただで済むと思ってんじゃねぇぞ!」バリバリ!

アキが吠えると炎が消えて次は体中から雷が発生し、そのまま不明機に向かった

 

「オラァ!どこの誰かはしらねぇが俺の仲間達に手出しはさせねぇよ!雷竜の鉄拳!(とどろき)!!」

アキは両手に雷を纏わせると不明機に連続パンチをくらわせた。

 

「ケッ、ここじゃ危ないか……〔スズ、聞こえるか?〕」

 

〔聞こえるわよ、どうしたの?ってもしかして観客席関係?〕

 

〔あぁ、こっちじゃ、ちょっとな。だからそっちで始末しようと思ってな〕

 

〔そう、分かったわ。ならこっちのタイミングに合わせてくれる?〕

 

〔ん、構わないぞ。束姉からも始末してくれってクエストを受けたからな〕

 

〔そうだったの……良いわよ!こっちは2体が1ヶ所に集まったから!〕

 

〔あぁ!こっちも行くぞ!「ダイレクトライン!」〕シュン

アキが不明機に接近して触れながら何かを言うとその場から消えた。

 

「フェッ!?アキっちが消えた!?」

 

「え?どこに……行ったの?」

本音と簪はアキの姿が消えた事に驚いていた。

 

 

 



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第14話 クラス代表対抗戦。(後編)

アキが鈴に念話をする少し前……

 

「一体、何だよコイツらは!?」

 

「ほら一夏!喋ってる暇があるなら攻撃しなさいよ!!」

鈴と一夏が不明機と戦っていた。

 

「全く……けど、コイツら位の実力なら問題は無いわ!!」

鈴は自身の武装でもある青龍刀状の刀双天牙月(そうてんがげつ)で不明機の相手をしていた。

 

そんな中……

 

〔スズ、聞こえるか?〕

 

〔うわっ!?いきなり念話してくるんじゃ無いわよ!!〕

 

〔あぁ、悪いな〕

鈴はアキから来た念話に驚いていた。

 

〔それで何の用よ!こっちは今忙しいんだから!!〕

 

〔あぁ、簡単に言うと兎さんから不明機を破壊してほしいって依頼された〕

アキの言葉に鈴はピクッとした。

 

〔へぇ、依頼として受けたんだ……じゃあ私も()()()()()()()()()()()()

 

〔あぁ、俺が今からこっちに来た奴と一緒に行くから準備しててくれ〕

 

〔コッチに来るって、どうやって……あぁ、()()を使うのね〕

アキの言った言葉に鈴は何をするか理解していた。

 

「さてと悪いけど、アイツが来る前にやる事をやっておかないとね!!コッチは1ヶ所に集めたわよ!!アキ!!」

鈴は自分の武装で不明機を一夏の方にいたもう1体の方に吹き飛ばすとアキに通信を入れた。

シュン

鈴が通信を終えると同時にアキと共にもう一体の不明機がアリーナに現れた。

 

「なっ!?アキ!どうやってここに来たんだよ!?」

 

「詳しい説明は後だ、今はアイツの始末が先だぜ!()()()

 

「え?なんで、お前、その呼び方を……俺をそう呼ぶのは………まさか!?……」

一夏は自分をそう呼ぶ人物に心当たりがあった。

 

()()()()()()()()を完遂する為にこいつを使う!!」

アキが両手を頭上で交差させると足元から衝撃波が発生し両手を開いていくと丸い星空の様な物が浮かんでいた。

 

「なんだ!?この衝撃は!?」

 

「あれって……一夏!アキから出来るだけ距離を取るのよ!!」

 

「無限の闇に落ちろ!天体魔法!!暗黒の楽園(アルテアリス)!!」

アキが両手を振り下ろすと星空が無人機達に向かっていき当たると同時に凄まじい爆発と衝撃が起き、それがおさまるとそこに無人機達は無くアリーナの地面が抉れていた。

 

「ふぅ、終わったな……けど、これは……」

 

〔おい、アキ・ドレアー……これから指導室に来い、分かったな?〕

 

「は、はい……わかりました……」

アキがアリーナの惨状を見て何かを考えていると千冬から通信が入り、それを聞いてアキは青い顔で震えていた。

 

一方……

 

「くそっ!なんだよ!あいつは!?」

アリーナから離れた所の物陰で添が壁を殴って怒っていた。

 

「一体、どんな転生特典を貰ったって言うんだよ!!……けっ、まぁ良い、まだチャンスはあるからな……」

落ち着いた添はその場から離れたが……

 

(転生特典?……あいつは何を言っているんだ?)

添から見えない場所で何者かがその状況を見ていた。

 



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第15話 対抗戦後……

無人機襲撃が終わった後、アキ、一夏、鈴、本音と簪は千冬と麻耶に連れられて生徒会室に来ていた。

 

皆が生徒会室に入ると楯無が座っており横には虚が立っていた。

 

「えっと……織斑先生、彼女達は……」

 

「彼女達は学園の生徒会役員だ」

 

「えぇ、自己紹介をさせてもらうわ、IS学園の生徒会長を務めている更識楯無よ、よろしくね」

 

「私は生徒会会計をしている布仏虚と言います」

 

「それで皆がここにいるのは私が織斑先生に頼んで呼んでもらったからなんだけど、まず今日の事については後で皆に口外しない様に書類を書いてもらうわ……それと、ここからが本題なんだけど……アキ・ドレアー君……君は何者なのかしら?」

一夏が千冬に疑問になった事を尋ねると楯無と虚が答えると楯無がアキに視線を向けた。

 

「そうだ!あの時お前は俺の事を()()って呼んだだろ!俺をそう呼ぶ奴は1人しか居ないんだ!!」

 

「はぁ……そろそろ正体をバラした方が良いのかもな……構わないよね?冬姉?」

 

「全く……学園では織斑先生と呼ぶ様に言っているだろ……今だけは特別だ」

 

「ありがとう、冬姉……じゃあ変身魔法解除……」ボフン

アキが千冬に許可を取って指を鳴らすとアキの姿が今までの顔とは違い一夏、箒、鈴、千冬からすればどこか見覚えがある物になっていた。

 

「やっぱり……武昭だったのか……じゃあ……なんで会った時に言わなかったんだよ!!」

 

「一夏の言う通りだな……私が一夏から聞いた話では、その火事にあって……」

 

「うーん……その事は、話したくないから話さなくて良いだろ?キー」

 

「私の事をそう呼ぶと言う事は確かに武昭だと言う事だな」

アキが武昭に戻ると一夏が詰め寄ってきて箒が以前聞かされた事を思い出していた。

 

「はいはい、お友達の再会は後にしてくれるかしら?それよりも……あなたは何者なの?」

 

「この時の俺の名前は龍舍 武昭(たつびや たけあき)でコッチが本当の俺の姿になりますね、それでニュムパ・カウダって言う企業に所属してます」

 

「あれ?確か、その企業って鈴も所属してなかったか?」

 

「えぇ、私も所属してるわ……まぁ……アキに誘われたからなんだけど……

 

「ん?待て鈴、そう言うという事はお前は武昭が生きていた事を知っていたのか?」

 

「あぁ、俺がスズに再会したのはイチがISを動かした頃だったからな」

 

「私も最初は驚いたわよ、アキ本人から連絡が来たんだから」

鈴は箒の言葉にどこかやれやれと言った雰囲気だったが、その顔は笑顔だった。

 

「そういや織斑先生、俺ってどうなるんですか?アキ・ドレアーとして過ごすのか龍舍武昭として過ごすのか」

 

「うむ、それなんだがこれからもアキ・ドレアーとして過ごしてくれ」

 

「えぇ、分かりました……パチン……これで良いですか?」

 

「あぁ、すまないな、不自由な事をさせて」

 

「いえ気にしないでください、どっちの姿でも俺は俺ですから、だからこれからは昔通りに接してくれよイチ、キー」

 

「あぁ、分かったぜ武昭!」

 

「うむ、これからも宜しく頼む(これでまた一夏の事について相談が出来る)」

武昭がアキの姿に戻ると千冬が謝罪してきたがアキはそのまま受け入れ一夏と箒にも以前の様と言うと2人は了承した。

 

「というわけで、この事はここにいる者達だけの秘密にする事だ」

千冬が言うとそこにいた皆は背筋をピンとさせて了承した。


その後、生徒会室にはアキ、鈴、楯無、虚、簪、本音が残った。

 

「それでアキ君に聞きたい事があるんだけど……()()()()()()は何かしら?」

楯無は疑問に思った事をアキに尋ねた。

 

「こいつは魔法ですよ、それと簪と本音を助けた時に使った()()も」ボウ

アキが楯無に説明するのに右手に炎を纏わせた。

 

「じゃあ、あきっちって魔法使いなの〜?」

 

「正確には俺は魔法が使える人間で魔導師って呼ぶんだ」

 

「そうなの……そうだ、遅れたけど……アキ君、簪ちゃんと本音ちゃんを不明機から守ってくれてありがとう」

 

「私からも妹達を助けてくれてありがとうございます」

 

「別にお礼を言われる様な事はしてないですよ、俺は仲間を守っただけですから……」

アキが本音に説明してると楯無と虚がお礼を言ってきたのでアキはすんなりと受け入れた。

 

(アキ……前に聞いたギルドの皆の事を思い出しているのね……)

鈴だけはアキの表情に何かを感じていた。

 

話を終えて生徒会室を出た武昭と鈴は学園内にあるベンチに座っていた。

 

「ねぇ、アキ……あんた、さっき生徒会室で向こうの世界(アースランド) の事を思い出してたでしょ?」

 

「スズは気づいてたか……あぁ、向こうの世界は俺にとっちゃもう一つの故郷だからな……」

 

「アキ……もし向こうの世界に戻れる事が出来たら……アキはここに残るの?向こうに戻るの?……」

鈴が武昭にある事を聞いたが、その表情はどこか悲しそうだった。

 

「戻る事が出来たらか……それはその時になってみないと分からない……ただ言える事は俺は仲間を大切にする……それだけだ……

ほら、スズそろそろ部屋に帰るぞ風が出て来たからな」

 

「うん……ありがとう……(そうなった時に私はアキにこっちに残ってほしい……)」

寮に帰る時に武昭に手を差し出された鈴は頬を染めながら手を握った。

 

自分の気持ちを確認しながら……



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第16話 企業で

クラス対抗戦が終わってから直ぐの日曜日、アキと鈴は許可を取りニュムパ・カウダに来ていた。

 

「そう言えば、ここに来るのは私は初めてだわ。私は直接IS学園に行くように指示されてたから」

 

「ふーん、そうだったのか……すみません、アキ・ドレアーと凰鈴音ですけど……」

アキと鈴は社屋に入ると黒髪に長身の女性の受付に声をかけた。

 

「はい、お待ちしておりました、こちらへどうぞ」

受付は2人を連れて、その場を離れた。

 

受付の案内で歩いている時、物陰へ通り掛かるとアキが声をかけた。

 

「それで……束姉は元気か?()()()

 

「えぇ元気です。そうですね()()()()()()()姿()()()()()()()()()()()()()

クーと呼ばれた女性が首から下げていたネックレスに触れると光り輝き光が収まると姿が長い銀髪で低めの身長の少女に変わっていた。

 

「えっ!?武昭!この子って、さっきの人と同じなの!?」

 

「あぁ、クーのペンダントヘッドは俺が作った変身魔法の魔水晶(ラクリマ)なんだ」

 

「そうです、こうして会うのは初めてですね凰鈴音様。私の名前はクロエ・クロニクルと言い束様の秘書の様な事をしています」

 

「そうだったんだ……それで武昭はなんで、そのままなの?」

 

「ん?あぁ、こっちでいる方が長いから戻ってなかったな……ふぅ、久し振りにこの姿になったな」

 

「私も久し振りに見たわ……って武昭!その火傷って……()()()()()()()……」

鈴は元に戻った武昭の顔についていた火傷を見て驚きながらも心当たりがあった。

 

「そうだな……()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()……」

武昭の言葉を聞いた鈴は黙り込みながらクロエの後を歩いて行った。

 

暫くするとクロエは目的の部屋に着くと扉を開けて中に入った。

 

「束様、お2人を連れて来ました」

 

「うん、ありがとうねクーちゃん。久し振りだね、タッくん、リーちゃん」

 

「はいっ!お久し振りです!束さん!!」

 

「俺はIS学園に行く前でスズはここの所属になった時以来だったか?」

 

「はい、武昭様の言う通りです」

束と鈴が話してるのを武昭とクロエが少し離れた所で見ていた。

 

その後、4人はそれぞれ席に座るとクロエが淹れたコーヒーを飲みながら話していた。

 

「それで束姉に幾つか聞きたいんだけど……まず、イチの機体を作ったのは束姉だよね?」

 

「うん、そうだよ、やっぱりタッくんは分かってたかー」

 

「はぁ!?どういう事よアキ!!」

武昭と束の話を聞いた鈴は大声を出して驚いていた。

 

「うん、イッくんがISを動かせる事を知ってから私が()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「まぁ、その裏からって事は詳しくは聞かないけど……次はあの不明機の事は……」

 

「はい、そちらに関しては私の方から説明させてもらいます」

武昭の言葉にクロエが何かの操作をすると部屋の天井からモニターが出てきてクラス対抗戦の時の映像が映し出された。

 

「確かにこの機体は私が以前廃棄した研究所に合った奴だね、けど私が廃棄した時とは所々違ってるんだ」

束が何らかの操作をすると破壊された不明機と何処か雰囲気の似た映像がモニターに映し出された。

 

「コッチが私が廃棄した時のデータなんだ」

 

「全然違ってますね……それとクラス対抗戦の時にもう1人の男性操縦者の添が誰かと通信してたんですよ」

 

「あぁ!アイツね!アイツは初対面のくせに私を見て「お前は俺のモノだ!」って変な事を言ってきたのよ!!」

武昭の言葉に鈴は添と会った時の事を思い出して怒っていた。

 

「そうなんだ……アイツは俺にも絡んできたんだよな……その時に「お前はどんな特典を貰った」みたいな事を言ってたぞ」

 

「確かに変な言い方だねー……まさかアイツって……まぁコッチでも調べてみるよ」

 

「ありがとう束姉」

 

「気にしなくてもらう良いよー イッくんは私の数少ない理解者なんだからー」

 

「束ちゃん、今日のお昼は、あら?貴方達が来てたのね?」

束が武昭達と話してると1人の女性が入ってきた。

 

「あっ、お母さん」 「久し振りです春音(しゅんいん)さん」

 

「鈴、アンタね来てたのなら顔くらい見せなさいよ、えぇ久し振りね武昭君」

入ってきた女性は凰 春音(ふぁん・しゅんいん)と言い鈴の母親だった。

 

「それでお母さんはどうしてここに来たの?」

 

「束ちゃんは私かお父さんが来なかったら平気で食事を抜くからよ」

 

「そうですか……束姉、あれほど食事はちゃんと取ろうって言ってたのに……」

 

「だ、だって、色々と考えてたら時間が過ぎちゃっててて……」

春音と武昭に詰められた束は何処か気まずい表情をした。

 

「まぁ良いわ、ちょうどお昼だから束ちゃんにクロエちゃんと鈴と武昭君も食べていきなさいよ」

 

「はい、分かりました……けど俺はたくさん食べますよ?」

 

「そんなのは昔、ウチの店に来た時から知ってるわよ。あの人も今じゃ以前より腕を上げてるんだから」

 

「そうなんだ……じゃあ行きましょう、武昭」

 

「あぁ、そうだなスズ」

鈴は武昭の右手を握るとそのまま部屋を出て行ったが束と春音は優しい笑顔でそれを見ていた。

 

 

その後、昼食を終えて学園に帰る時に束が武昭と鈴にある事を告げた。

 

「あっ、そうだ2人に言っておくけど月曜日に学園に転入生が来るらしいよ?」

 

「へぇ、私みたいに手続きに手間取ったのかしら?」

 

「リーちゃんの言う通りで、それもあるみたいなんだけど……()()()()()()()()()()()()()()

 

「おかしい話って……何がおかしいの?束姉」

 

「だって、その学園に来る転入生って………なんだよ?」

束の言葉を聞いた武昭と鈴は軽く戸惑った表情をしながら学園に戻った。

 



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第17話 金の貴公子。

武昭と鈴が企業での用事を済ませた次の日の月曜日……

 

「えーっと、今日は皆さんに伝える事があります。転校生が来ました。入ってきてください」

 

「はい、失礼します」

担任が言うドアが開いて転校生が入ってきたが、その生徒を見た生徒達は驚いた。

 

「それじゃ自己紹介してくれるかしら?」

 

「はい、フランスから来たシャルル・デュノアと言います。皆さんよろしくお願いします」

何故ならその転校生は……

 

「お、男の……子?……」

 

「はい、こちらに僕と同じ男性操縦者がいると聞いて本国からー」

 

「「「きゃあああー!!!」」」

 

「男子よ!4人め目の男子!!」

 

「しかも私達のクラスに!!」

 

「またドレアー君とは違って守ってあげたい系の男子!!」

 

「これで夏の新刊のネタが決まったっ!!」

クラスメイト達はシャルルを見てそれぞれの感想を述べていた。

 

「はいはい、デュノア君が戸惑ってるから静かにしてね、質問があるなら休み時間にでもしてちょうだい?じゃあデュノア君の席はドレアー君の隣ね」

 

「わかりました、君がアキ・ドレアー君?僕は」

 

「あぁ、名前は知ってるから軽い自己紹介だけで良いぞ、俺はアキ・ドレアーだよろしくな」

 

「うん、よろしくねドレアー君」

2人が自己紹介をすると教科担当の先生が来たので授業が始まった。


その日の昼休み……

 

「シャルル、ここが学食だ」

 

「うん、案内してくれて、ありがとう」

アキがシャルルに学園案内をして学食でお昼を食べていた。

 

「あら、アキじゃない。その子が4組に来た転校生?」

アキとシャルルが昼食を取ってるとラーメンを持った鈴が2人の所に来た。

 

「おっ鈴か。そうだフランスから来たシャルル・デュノアだ。彼女は2組のクラス代表の凰・鈴音だ」

 

「えぇ、今アキから紹介された凰・鈴音よ。仲の良い人からは鈴って呼ばれてるわ」

 

「そうなんだ、僕の名前はシャルル・デュノアだよ。僕の事もシャルルで良いよ」

鈴は自己紹介を終えるとアキの向かいに座って食事を始めた。

 

「そう言えば鈴って中国の代表候補生だよね?」

 

「ん?なんで知ってるの?」

 

「日本に来る前に調べたからだよ。僕もフランスの代表候補生だからね」

 

「ふーん、じゃあシャルルも専用機を持ってるのか?」

 

「うん、コレが僕の専用機のラファール・リヴァイブなんだ」

シャルルは首に掛かっていたペンダント状の待機状態を見せた。

 

「確か、それってフランスのデュノア社の機体よね?……あれもしかしてシャルルって……」

 

「鈴の考えてる通りだよ。僕はデュノア社の社長の息子なんだ……」

シャルルは自分の事を話したが何処か表情に影が浮かんでいた。

 

「ん?何か悩み事があるなら相談にのるぞ。学園でも数少ない男性操縦者なんだからな」

 

「そうだね……うん、ありがとうアキ」

 

「おっと、こんな時間か。悪いな鈴、俺達は午後から実技訓練だからもう行くわ」

 

「じゃあね鈴」

 

「えぇ、分かったわ。じゃあね……(アキ、どう思う?)」

 

(ん?あぁ、俺とスズは聞いたから知ってるけど、イチあたりなら何かハプニングでもないと気づかないかもな)

 

(そうね……一夏だったら何も気づかないでグイグイ距離を詰めてくるわ)

アキと鈴はシャルルについて念話で話していた。

 

(それで、どうするの?)

 

(そうだなぁ……多分だけど冬姉あたりは気づいてそうだから放課後にでも聞いてみるよ)

 

(そう、なら私も一緒の方が良いかしら?)

 

(いや、とりあえずは俺だけで聞いてみるよ、何か考えがあるならそれを聞いた方が早いからな)

 

(じゃあ何か分かったら連絡してちょうだい)

 

(あぁ、そうするよ)

2人は念話を終えるとそれぞれにする事をしていた。


放課後になってアキは千冬と話す為、職員室に来ていた。

 

「あの、すみません織斑先生、少し話したい事があるんですけど」

 

「ふむ、何について話したいんだ?」

 

「えぇウチのクラスに来た()()()()()()()()()についてなんですけど」

アキがそう言うと千冬の雰囲気が変わった。

 

「悪いが、それに関してならコチラに来てもらおう」

千冬はアキを連れて誰もいない部屋に来ると空いていた椅子に座らせた。

 

「それでアキ、()()()()()()()()()()()()?」

 

「まぁ気付いたって言うか、先日会社に行った時に束姉から教えられたんだ」

 

「そう言えば、外出の許可を取っていたな……確か、その時は凰も一緒だった筈だが……」

 

「うん、冬姉の考えてる通りだよ。スズも聞いたからシャルルの事は知ってる。本当はーーって事もね」

 

「そうか……では暫くは様子見をしていてくれ、何かあった時には手を貸してやるから」

 

「分かったよ、冬姉「織斑先生だ、今のお前はアキ・ドレアーなのだからな」分かりました織斑先生って今更って感じもするけどね」

アキがそう言うと2人は軽く笑っていた。

 

「じゃあ、今の話はスズに教えといても……」

 

「そうだな、なるべく知ってる者は少ない方が良いのだがな……そろそろ時間も時間だから寮に帰った方が良いぞ」

 

「あっ、もうこんな時間なんだ、それじゃ失礼します」

 

「おっと言い忘れていた事があった……寮の部屋の事なんだがーーーー」

千冬は寮に帰ろうとするアキにある事を伝えた。


千冬との話を終えたアキが寮に帰る途中、楯無に会った。

 

「あっ、楯無さん、こんな時間まで生徒会ですか?」

 

「えぇ、ちょっと書類仕事をしててね、そうだ、今日から私は部屋を出るから」

 

「はい、織斑先生から話は聞いてます」

 

「あら、そうだったの……まぁ()()()()()()()()()()()()()()()

 

「えぇ、()()()()()()()()()()()

アキの言葉を聞いた楯無は軽く表情を強張らせた。

 

「アキ君がそう言うって事は……何となく気付いてるって事かしら?()()()()()()

 

「はい織斑先生からも似た様な事を言われましたし、それに()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

アキは軽く苦笑いをしていた。

 

「そう、織斑先生からも聞かされていたのね……じゃあ何かあったなら私にも話してちょうだい。私も対処する様に言われてるの」

 

「楯無さんもですか、分かりました、じゃあ俺はこれで」

楯無と別れたアキは自分の寮部屋に向かった。


アキが寮部屋に行くと中には……

 

「あっ、お帰りアキ、今日からよろしくね」

シャルルが空いていたベッドに座っていた。

 

「あぁ、よろしくな、織斑先生から同居人が変わるって聞かされていたからな」

アキは自分のベットに座った。

 

 

 




シャルルが来た時の1組では……

(クソッ!なんで1組じゃなくて4組なんだ!?)
添が自分の思い通りに物語が進んでいない事に苛ついていた。

(まぁ良い……その内アイツの正体をバラすって脅せば良いんだ……)
添は何か悪い考えをしていた。


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第18話 金の真実……

シャルロットが転校してきてから数日経ったある日の朝……

 

「えーっとドイツから新しい生徒が転入してきました、自己紹介をお願いします」

 

「ドイツから来たラウラ・ボーデヴィッヒだ」

1組に転校生が来ていた。

 

彼女は小さい体で長い銀髪で片目に眼帯をしておりズボンを履いていた。

 

「おいボーデヴィッヒ、もっと話さんか」

 

「はい分かりました教官」

 

「全く、ここでは教官と呼ぶな……それではボーデヴィッヒの席はあそこの空いてる場所だ」

千冬に指示されたラウラが席に向かう途中で一夏に声をかけた。

 

「お前が教官の弟の織斑一夏か?」

 

「あぁ、そうだけど何か俺に用か?」

 

「そうか……では昼休みにでも少し話をしたいのだが構わないだろうか?」

 

「俺は構わないぜ」

 

「うむ、受け入れてくれて感謝する」

ラウラは軽く頭を下げると席に着いた。


昼休みになって食堂でアキとシャルルが食事をしていた。

 

「それにしてもアキ君て物凄く食べるんだね……」

 

「まぁ、食べれる時に食べる癖があってな」

シャルルはカルボナーラにスープとサラダがついたセットだったがアキは1カゴ5本入りのフライドチキン3カゴとハンバーグ3枚挟んだハンバーガーを5個とコーラの1.5ℓのジョッキを2杯をそれぞれ食べていた。

 

「ふぅ、ご馳走さん。なんだシャルルはまだ食べ終わってなかったのか?」

 

「ハハハ、なんか見てるだけでお腹がいっぱいになっちゃったみたい……」

 

「そうか、食事が終わったなら、ちょっと来て欲しい所があるんだけど良いか?」

 

「うん、僕は大丈夫だよ」

2人は食器をかたすと食堂を出て行った。


2人が来たのは生徒会室だった。

 

「ドレアーですけど大丈夫ですか?」

 

〔あぁ、入って構わないぞ〕

 

「失礼します、すみません織斑先生」

 

「気にするな生徒の問題に対処するのも教師の役目だ」

2人が入ると千冬と楯無に虚、それに鈴がいた。

 

「えっと……アキはなんでここに僕を連れて来たのかな?」

 

「ん?ちょっと聞きたい事があったから連れて来たんだよ、シャルル・デュノア……いや()()()()()()()()()()()?」

 

「え?な、何を言ってるのかな?僕はシャルル・デュノアだよ?」

 

「そんな青い顔をして震えた声で言ってるの証拠になるんじゃないのか?」

アキに言われたシャルルは観念した表情になっていた。

 

「はぁ……そうだよアキの言う通りだよ……ボクの本当の名前はシャルロット・デュノアだよ」

 

「やっぱりな、どう見ても男子には見えなかったし」

 

「私から見ても女子にしか見えないわよ」

アキと鈴がシャルロットを見て話していた。

 

「あの、織斑先生……アキはわかるんですけど、なんで鈴もここにいるんですか?」

 

「それは簡単よ、私もあんたの正体を知ってたからよ」

 

「そうなんだ……アキは鈴にボクの正体をバラしてたんだ」

 

「いえ、私はアキから正体を聞いてないわよ?」

鈴の言葉を聞いてシャルロットは頭を捻った。

 

「私がシャルル……シャルロットって言わせてもらうわ、私が正体を知ったのは()()()から教えてもらったからなの」

 

「俺も鈴と同じ理由で知ったんだ……うーん()()()()()()()()()()()()

 

「はぁ……話すのは構わないが……更識に布仏、これからアキが話す事はここにいる者達だけの秘密にしてもらうが構わないか?」

 

「あの……それは物凄く聞いちゃいけない事なんでしょうか?」

 

「あぁ、これに関しては超重要機密に値する情報だからな」

 

「そう言う事なら……私はそれを受け入れます。虚ちゃんもそうするわよね?」

 

「はい、その様な事情ならば私も受け入れます」

 

「ということだ、アキ。()()()に連絡を入れろ」

 

「うん、分かったよ冬姉。あっごめんね束姉、急に連絡して、実は……うん、分かったよ。冬姉、あっちは構わないって」

 

「そうか、ならばやってくれ」

千冬から指示をされたアキはポケットから何かを取り出したのを見て知っている鈴は何も言わず、分からない楯無、虚、シャルロットは何をするか分かってなかった。

 

「ちょっと離れててねー、映像ラクリマをここに置いて、ホイッ」ブオン

 

【ヤッホー久し振りだねーちーちゃん】

アキがポケットから出した片手ほどの大きさの水晶玉を床に置いて何かをすると水晶玉が輝いてその場に束の姿が現れた。

 

「久し振りとは言ってもお前は映像だがな、()

 

【にゃははは、それもそうだねちーちゃん】

 

「えっ?アキ君……今織斑先生が束って言ってたけど……もしかして、この人って……篠ノ之博士……なの?」

2人の話を聞いていた楯無は気になった事をアキに尋ねた。

 

「えぇ、世界中が探してる篠ノ之束ですよ、まぁ今の束さんは映像ですけどね」

 

【もーう!タッくん!そんな他人行儀じゃなくていつも通りに呼んでよー!!】

 

「はぁ、分かりましたよ束姉」

 

「えっ?アキってあの篠ノ之博士と繋がりがあったの?」

 

「えぇ、アキと私は一夏……織斑先生の弟と幼馴染で、その繋がりで知り合ったの」

アキと束が仲良く話してるのを見てシャルロットが戸惑っていると鈴が説明した。

 

【リーちゃん!私の事は束さんで良いって言ってるでしょっ!!】

 

「はいはい分かりましたよ束さん」

 

「全く、それよりもアキ、デュノアの事は束から聞かされていたって事で良いんだな?」

 

「はい、冬姉にも言ったけど俺とスズは企業に行った時に聞かされたんだシャルロットの事を……そして……()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()もね」

 

「それって……デュノア社の社長が男性操縦者としてボクをIS学園に編入させた事だよね?そんなのアキや織斑一夏と言った男性操縦者の機体データや生体データを手に入れる為でしょ……」

 

「いや、それはあくまでも()()だ、シャルロットをここに行かせる為のな」

アキの言葉を聞いたシャルロットはどういう事か分かっていなかった。

 

「アキ……その建前ってどういう意味?……」

 

「なぁスズ、お前がもしシャルロットが女だって知らなくて初対面で見たら男子と思うか?」

 

「え?そうねぇ……ちょっと無理はあるかしら。百歩譲って女顔だなって思う所よ」

 

「そうか、まぁ知らなくても誰かが違和感を感じるかもって感じで、まるで()()()()()()()()()()()()()()()なんだよな」

 

「えっ!?そんな事になったらボクはどうなるの!?」

 

「それが()()()()()()()()()()()()()?」

シャルロットが詰め寄るがアキは平然としていた。

 

「目的の一つって……じゃあ社長はボクが女子だってバレても良かったって事?……けど、なんで?……」

 

「そうした理由は束姉良いかな?」

 

【ハイハーイ!分かったよタッくん、ポチッとな】

アキが束に言うと束が何かを操作し始めて中空に幾つかのウィンドウが浮かんだ。

 

「こ、これって……ボクが学園に来る事になった理由?……」

シャルロットがそれらを見てると自分がここにきた経緯などが書かれていた。

 

それには現社長(アルベール)(ロゼンダ)がシャルロットを守る為にIS学園へ送った事。

社内で副社長派がデュノア社を乗っ取る為に色々としている事。

そして……

 

「嘘……ボクを殺す……じゃあ、ロゼンダさんはなんでボクの事を【泥棒猫の娘】なんて言ったの!?」

 

「その理由はこっちに書いてあるみたいだな……そう言う事だったのか、ロゼンダさんは不妊症で子供が出来にくい体質だったんだ」

 

「それと、こっちにはアルベールとシャルロットの母親、ロゼンダとの関係が書かれてあるぞ」

千冬が見つけた情報を見るとシャルロットの母親とロゼンダは従姉妹同士で父親は2人の幼馴染と書いてあった。

 

「そっか……ロゼンダさんは嫌われても良いからシャルロットちゃんを守る為にIS学園に送ったのね」

 

「そして、それがバレた場合は自分達が罪を被ってシャルロットさんには何も及ばない様にした訳ですか……副社長派を一掃する為に……」

楯無と虚もモニターを見てアルベール達の最終目的が分かり、それを知ったシャルロットは膝をついて泣いていた。

 

「そんな……それじゃボクがあの人達の事を恨んでたのは……」

 

「それが親ってもんなんだろうな……どれだけ憎まれようが嫌われようが子供の為なら、なんでも出来るんだ……」

アキがシャルロットを優しく抱くとシャルロットは大声を出して泣き出したがアキはそのまま泣かせていた。

 

 

 




ラウラの様子を見た添の心中……

(おいおいおい!なんでラウラが一夏にビンタをしないんだよ!?)
自分が知っている物語と流れが違う事に戸惑っていた。

昼休み……

(本だと確かシャルロットは一夏達と屋上で食べてる筈だけど……どこにいるんだ?)
添は昼休み中探し歩いていた。


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第19話 これから……

泣いていたシャルロットは周りの状況を思い出すと慌ててアキから離れたが顔は真っ赤になっていた。

 

「それでアキ、お前は何を束に頼むつもりなんだ?」

 

「うん、束姉にはデュノア社の中身を()()にして欲しいんだ」

 

【なるほど……()()()()()()()()()()()?】

千冬がアキの目的を聞くと、それを聞いた束は不敵な笑みを浮かべた。

 

「えっと、アキ君?篠ノ之博士?その綺麗にするって……どういう意味なのかは私達は聞かない方が良いかしら?」

 

「えぇ、それが良いですよ楯無さん。で束姉()()()()()()()()()()()()()()()()()()()はもうありますか?」

 

【それはもちろん!この束さんにとっては簡単な事だよ!!】

アキからの頼みに束は満面の笑みでうなづいたが、それを見た千冬と鈴は頭を抑えて呆れた様な表情をしていて楯無、虚、シャルロットは絶対に聞いたらヤバいと思われる物を聞いた事をどうしようか考えていた。

 

「さてと、それでシャルロットに最後に聞いておきたい事があるんだけど……()()()()()()()()()()()()()()()()?」

 

「え?アキ、それってどういう意味?……」

シャルロットはアキが言った言葉の意味がわかっていなかった。

 

「俺が束姉に頼んだのは自分がしたかったからした事で……いわば誰にも何も言われてないからだ……」

 

「!!……そっか……そうだよね……ボクはアキに何も言ってないし頼んでもいないんだよね……お願い……ボクを……ボク達を助けてよ!!

シャルロットは泣きながら自分の望みを叫んだ。

 

「そっか、それがシャルロットの望みか……あぁ、俺達に任せろ。シャルロット、悪いけど社長さんに連絡してくれるか?正体がバレたって事で」

アキがシャルロットに提案するとシャルロットは通信機を出して連絡を入れた。

 

「う、うん、ちょっと待っててね[すみません、シャルロットですが今大丈夫ですか?]」

 

[どうしたんだ、こんな時間に?定期連絡の時間ではない筈だが]

 

[はい、実は……ボクの正体がバレてしまいました]

 

[何?……そうか、それで近くには誰か居るのか?]

 

[はい、あの、その……「俺と変わって黙って話を聞いてるんだ」ちょっと待ってください]

シャルロットはアキの指示を聞いて通信機を渡した。

 

[どうもアルベール社長、俺は3人目の男性操縦者のアキ・ドレアーです]

 

[っ!そうか、事情は分からないが君がシャルロットの正体を知ったと言うのか……]

 

[えぇ、それで社長に聞きたいんですけど……()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

[なっ!?それは一体、どういう事だ!?]

 

[実はデュノア社に第三世代機の作成を依頼したいんですよ……その報酬として娘さんでもあるシャルロットさんを頂きたいんですが……[ふざけるなっ!!]急に大声を出さないでくださいよ]

アルベールはアキの言ったことに驚いていたが次に提案した事を聞いて怒号をあげた。

 

[そうすればデュノア社だって欧州で行われているイグニッション・プランでも良い所まで行けるし会社だって持ち直す事が出来ますよ?]

 

[確かに君のいう通りだな……だがな私にとって娘は……シャルロットは会社を潰してでも守らなければならない大切な娘なんだ!!]

 

(お父さん……そこまでボクの事を……)

アルベールの言葉を聞いたシャルロットは口を抑えて泣いていた。

 

[じゃあ、なんでシャルロットを男性操縦者に偽装させて入学させたんですか?そんな事が明るみに出たらデュノア社は大きなダメージを受ける事になりますけど]

 

[それは彼女を守る為に私が彼に頼んだの]

アキがアルベールと話してると女性の声が聞こえてきた。

 

[あなたは誰ですか?]

 

[私はロゼンダ・デュノアと言いましてアルベールの妻で……シャルロットの義母です……]

 

[そうでしたか、俺は[話は近くで聞いていました……私から聞きたいのですがあなたはシャルロットを頂くと言っていましたが……それは本当ですか?]それはどういう事ですか?]

アキはロゼンダに言葉の意図を聞いた。

 

[はい、あなたからすればシャルロットはいわばちょっとした問題を抱えています、そんなシャルロットを頂くと言うからには何か裏にあると私は考えたのです]

 

[(ふーん……このロゼンダさんは本当にシャルロットの事を大切にしてるんだな……)えぇ確かにロゼンダさんの言う通り裏はあります……それはシャルロットに本当の人生を歩んでほしいからです]

 

[本当の人生とは……シャルロット・デュノアとしての人生をという事ですか?]

 

[はい、色々あったとしてもその人の人生はその人自身のものです……だからこそ偽りでは無く本来のシャルロットとして生きて欲しいんです]

アキが自分の意見を言うとその場には沈黙が生まれた。

 

[そう……アルベール、私は彼を信じて良いと思うわ……本当にシャルロットの事を考えてくれるのが感じるわ……]

 

[ロゼンダ……君がそう言うのなら、私も決めたよ……確かアキ・ドレアー君だったね、君が良ければシャルロットの事を任せても良いだろうか?]

 

[それはシャルロットを任せてもらう代わりに第三世代機の作成を請け負うって事ですか?]

 

[いや、それは必要無いよ……()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

[いえ、そこまではしなくても良いですよ。そんな事をしたら真面目に働いている社員達に迷惑がかかります。それに……そんな事をして1番悲しむのはシャルロットですよ?]

 

[そうだよ……()()()()()()()()()()()……そんな事をされてボクが幸せになっても……ボクは嫌だよ!!]

アキとアルベールの話を聞いていたシャルロットは話に入ってきたが、その顔は泣いていた。

 

[ボクの事を思うんなら……そんな事を考えないでよ……]

シャルロットが泣きながら話していたのをアキは優しく抱き寄せた。

 

[シャルロット……だが、このままでは……私達だけで無くお前にも危険が……]

 

[大丈夫ですよアルベール社長。()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

【はいはーい、ここから先は束さんにお任せあれー】

 

[なっ!?束とはまさか!篠ノ之束博士の事なのか!?]

アルベールは束が話に入ってきた事に驚いていた。

 

[えぇ、実は俺は束さんとは()()()()()()()()()があってデュノア社の内情とかも調べてもらったんですよ]

 

[なるほど……シャルロットの事はとっくにバレていたと言うのか……では、何故さっきの様な事を聞いた?]

 

[それはシャルロットにアルベール社長の本当の思いを知って欲しかったからです]

 

[そうだったのか……それでは私達は何をすれば良いんだ?]

 

【うん、簡単だよー()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

束の言った言葉に苦笑いをしてる人物とえっ?とした表情をした人物がいた。

 

[篠ノ之博士、その新会社を立ち上げると言うのは?……]

 

【うん、実は……】

束は理由を話し出した。

 

それによると……

・アキのラクリマコアがあると今まで実現不可能だった技術が出来る事がわかった。

・だが、それを開発する為に一から研究所を作るよりも元からあった会社などを利用した方が早いと考えた。

・そう考えていた時にアキからシャルロットの事を聞いてこうする事を決めた……

との事だった。

 

[なるほど……その為に新会社を立ち上げると言うのか……その時のこちらには何があるのかね?]

アルベールの声の雰囲気が変わった。

 

【そうだなぁ……私は只自分が考えた事を実現したいだけだから経営とかはそっちに任せてあげるよー】

 

[そうですか……では私はその提案を受け入れたいと思います。その代わりに……]

 

【分かってるよ……()()()()()()()()()()()()()()

アルベールが何を頼もうかと理解した束はどこか怖い笑顔を浮かべていた。

 

 

 

 



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第20話 なんで?……

束がアルベールとの話を終えた後……

 

[それでアキ君にお願いしたい事があるのだけど……]

 

「ん?ロゼンダさんが俺に何を頼むんですか?会社の事なら束さんの方に……」

 

[いえ会社の事ではなくてシャルロットの事なの]

 

「ボクの事って……」

ロゼンダがアキに何かを提案したのでとりあえず聞いているとシャルロットも何事かと話に入ってきた。

 

[アキ君には……シャルロットを………()()()()を貰って欲しいのよ]

 

「お、お母さん!?な、何を言ってるんですか!?」

ロゼンダの提案を聞いたシャルロットは赤い顔をしながら大声を出した。

 

「えっと、ロゼンダさん……何で、そんな提案をしてくるんですか?」

 

[だって、アキ君自身がシャルロットをくださいって言ってたじゃない?]

 

「確かに言いましたけど、アレはアルベールさんの本心を知る為にやった事で……」

 

[そうかも知れないわ……けどね私はアキ君のあの言葉を聞いて本当にシャルロットを思ってくれた事を感じたの……]

 

「うーん、そうは言ってもシャルロット自身が俺の事をどう思ってるか「ボ、ボクなら……良いよ……」え?」

アキがロゼンダの言葉に意見を言おうとした時にシャルロットが赤い顔をして自分の気持ちを告白した。

 

「ちょっと待ったシャルロット。俺からすればシャルロットみたいな可愛い女の子にそう言われて嬉しいけど俺とシャルロットは、まだ知り合ったばかりだろ?」

 

「う、うん……アキの言う通りだね……けど、ボクは……」

 

「だから、これから俺の事を知って、それからシャルロットが本当に俺の事を思ってるか考えてくれ」

 

「うん!わかったよ!アキ!!」

アキの言葉を聞いたシャルロットは落ち込んだ表情から一転して明るい笑顔で笑った。

 

その後……

 

「それじゃあ、これからシャルロットちゃんには学園長の所に行って事情を話して、これからの事を決めましょう」

 

「ではデュノアは私と一緒に来てくれ」

 

「はい、わかりました」

楯無の言葉を聞いたシャルロットは千冬とともに生徒会室を出ようとした時にアキが声をかけた。

 

「そうだ、織斑先生に聞いておきたいんですけどシャルロットの部屋はどうするんですか?」

 

「ん?何を言っているんだ?そんなの、そのままに決まっているだろ?」

 

「はぁ!?待ってくださいよ!千冬さん!!」

千冬はアキに何を聞いているんだ?と言った表情をしていたが、それを聞いた鈴は大声を上げて詰め寄った。

 

「おい、いきなり大声を上げるな凰。それで何が言いたいんだ?」

 

「おかしいじゃないですか!アキは男子でシャルロットは女子なんですよ!?」

 

「ふむ、それはそうだが、では一夏はどうなるんだ?あいつも女子と同室だぞ?」

 

「そ、それはそうですけど……一夏と箒は幼馴染じゃないですか!?(それに……このままシャルロットに……)

鈴は千冬に反対意見を言うが、その内心は違っていた。

 

「そうだな……なら凰、お前もグレアーと同室になるか?」

 

「「「え?」」」

千冬の提案にアキとシャルロット、鈴がキョトンとした表情を浮かべた。

 

「織斑先生、そんな事をして良いんですか?」

 

「凰はここにいて事情を知っているんだから近くにいた方が何かと手を貸す事が出来ると考えたんだがな」

 

「いや、それはそうですけど……そんな事をして何か問題無いんですか?」

 

「問題は無いだろう、ここは教育機関でもあるんだから()()()()()()()()()()()()()()()()()()

千冬はアキとシャルロット、鈴を睨んでおり睨まれた3人は軽く震えていた。

 

その結果……

 

「じゃあこれからよろしくなスズ、()()()()()()

 

「えぇよろしくねアキ」

 

「うん、僕もよろしく頼むよ」

3人は同じ部屋に住む事になった。



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