TS金髪碧眼ダウナー系美少女グランジロッカー (石田たつを)
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1話

ガールズバンドブーム。

煌びやかな衣装を纏った女の子たちが、バンドを組み、それぞれの想いを乗せて歌い、唄い、謳う。

今の日本はまさに『大ガールズバンド時代』。

 

しかし、そんな現状にウンザリしている者も居た。

 

夢や希望を謳う曲。

そんな曲を書き、奏で、歌う者は誰か?

恵まれた環境…すなわち良識的な両親、金銭的余裕、理解ある周囲または友人。

それらに囲まれ、すくすくと真っ直ぐに成長した少女たちである。

 

しかし世の中には、それらと真逆の悲惨な境遇に生まれ、内に秘めた鬱憤をひた隠し、日陰の中で生きる者もいる。

そうした者は、街中で狂ったように繰り返し流れる『可愛い可愛い美少女たちが歌う夢や希望に溢れた曲』を聞くたびに、惨めな気分になっていた。

 

足掻き苦しみながら地べたを這う薄汚れた者たちは、歪んだギター、ラウドなサウンド、そして、人間の汚さなどを前面に押し出したシリアスな歌詞を求めていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

脱サラして長年の夢だったライブハウスのオーナーとなった俺は、それなり多くのバンドを見てきた。

メジャーデビューした子たちも居れば、なかなか芽が出ず消えていった子たちも居た。

だが、これ程までに言い表し難い存在感…いや、オーラを持ったバンドは見たことがなかった。

 

 

 

ある日、楽器を担いだ3人の若い女の子(高校生くらいだろうか?)が俺の店『Shochu・A・GO GO』を訪ねてきた。

身長が190cmはありそうな長身の女の子(女の子…?)、くすんだ金髪に、透き通った碧眼の外国人の女の子、なかなかにガタイのあるロングヘアーの女の子。

そして全員、ダメージジーンズにTシャツという随分とラフ(で小汚い感じ)な格好をしていた。

見るからに濃い面子に少しだけ面食らっていると、ロングヘアーの女の子が話しかけてきた。

 

「すみません、ここでライブしたいのですが、オーディションの申し込みはできますか?」

 

女の子の声でハッと目が覚めた俺は、すぐさまオーディションの審査のために、地下にあるステージに案内し、店内に居た何人かスタッフを呼んだ。

この店のオーナーをもう何年もやっているが、審査の時はいつだってドキドキする。

 

金髪の女の子が持つギターは、フェンダー…いや、スクワイアのジャガー。

ロックの王道とも言える渋いギターだ。

足元にはオレンジのエフェクター…BOSSのディストーションの様だ。

長身の女の子は、エピフォンのサンダバードだろうか?まるでジャンク品の様に、あんまりにボロボロだから判別できない。ピックガードは外しているし、ヘッドの先端にいたっては思いっきり欠けている。あんなので音が出るか少し心配だ。

ロングヘアーの女の子はスタジオに備え付けられているドラム。いつもと勝手が違うのか、やや不安げにしている。

とりあえず順番に自己紹介してもらう。

 

「ギターボーカルのフランシス・フライデンバーグ」

 

「ド、ドラムの黒田 恵理です!」

 

「ベースの能勢 紅莉栖」

 

スリーピースのガールズバンドは、今のご時世割と珍しい。

一昔前はバンド人口が少なかったから、それほど珍しい存在ではなかった様だが。

 

「Hmm…始めても?」

 

フランシスが結構呑気に口を開いた。

緊張している様子は欠片も無さそうだ。

 

「どうぞ」

 

3人は互いに目配せをした。

ギター、ベース、ドラム。

この3つは曲を構成する上でどれも重要なピース。

スリーピースはそれぞれの調和が完璧でなければクオリティが高くならない。

いったいどんな歌を披露してくれるのか?

少なくともイントロでいきなり失望させる様な演奏はしないでほしい。

 

「… Ordinary & Lonely man」

 

…曲名か?

やっぱり、やたら発音が良いな。

さっきも流暢な日本語だったし、バイリンガルというやつか。

 

…!

早いテンポ、歪ませたギター、かなりトーンを絞ったベース、パワフルで手数の多いドラム。

そしてなによりも、演奏しながらまるで暴れ狂うように髪やギターを振り回す演奏スタイル。

 

「パンク…いや、グランジか」と横で見ていたスタッフの誰かが呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

洋楽和訳・解釈サイト 【洋解】

 

曲名:Ordinary & Lonely man

 

タグ:Reincarnation

 

(Frances・Fradenburg)

 

(verse)

I went to school without knowing what I wanted to do

何をしたいのか分からずに学校に行った

 

Give me a break

勘弁してくれ

 

My wife married without knowing what I wanted to do

妻は私が何をしたいのか知らずに私と結婚した

 

Give me a break

勘弁してくれ

 

Life ended without knowing what I wanted to do

何をしたいのか分からずに人生が終わった

 

Give me a break

勘弁してくれ

 

(chorus)

I didn't want to come back ×6

戻りたくなかった

 

→(verse)(chorus)×2

 

URL:http;//xxx.xxx.jq/xxx/xxx.html

 

追記:Reincarnationは一応日本で結成された邦楽バンドだが、曲の歌詞は全て英語であるため、本サイトでも和訳歌詞を記載することとする。

 

Give me a break…勘弁してくれ

直訳すると「休みをくれ」みたいな感じだが、たぶん違うと思うので「勘弁してくれ」みたいな感じと解釈。

こんな人生勘弁してくれ、みたいな感じだとしっくり来る…と思う。

 

ラウドなサウンドに、バースとサビを繰り返すシンプルな構成は、一昔前に流行ったグランジを彷彿とさせる。

歌詞の内容は、今の世の中に溢れ返っているであろう、『平凡な男』が自らの人生を振り返る歌…と思いきや、サビで「I didn't want to come back」(戻りたくなかった)と何のこっちゃ。

それにしても、ギターボーカルのフランシスは、JKとは思えないほどにシリアスな歌詞を書く。

シャウトもなんというか…真に迫るものを感じる。(まさに迫真と言った感じ)

今の大ガールズバンド時代、なかなかこういった尖ったガールズバンドは出て来なかったので、嬉しい限り。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どうやらかなり尖った音楽性を持つ子たちが来た様だ。

演奏技術も申し分ないし、ただ演奏しながら歌うのではなく、飛び跳ねたり髪やギターを振り回すパフォーマンスもバッチリだ。

少女×グランジ。

新たな境地だが、意外に良いのかもしれない。

 

「素晴らしいパフォーマンスだった!合格だ!!」

 

演奏を終え、肩で息をする彼女たちに声をかける。

 

「あ…ありがとうございます!」

 

恵理が汗だくになりながらも満面の笑みで頭を下げた。

なかなか愛嬌のある子だ。

反面、フランシスと紅利栖は、さも当然と言った顔をしている。

 

う〜ん、濃いなぁこの子たち。

 

「ライブの日はまた後日、連絡してくれ。相談ならいつでも受け付けるよ」

 

うちのライブハウスで活動するバンドの殆どがガールズバンドだが、この子たちと違いキュートな衣装で、ポップなサウンドを奏でる子たちが多い。

この子たちが我がライブハウスの新しい旋風となり、互いに良い影響を及ぼしてくれれば良いのだが。

 

「…そういえば、君たちはもうバンド名は決まっているのかい?」

 

ふと気になり、何気なく聞いたこの質問。

すると、フランシスがとんでもない発言をした。

 

「Poop Box」

 

 

「…それ…う、うんち箱って意味…?」

 

「うん」

 

いやうんじゃないが

 

「…ダメです」

 

「なんで?」

 

いやなんでそんなにキレてんの?

 

「や、やっぱりダメだったじゃん!フランちゃん!」

 

うんち箱…うんち箱て…どういうネーミングセンスなんだよ…

 

「…じゃあ、Reincarnationで」

 

フランシスが渋々と言った感じで次案を出した。

Reincarnation…輪廻転生だっけ?

まぁ字面はカッコいいし、悪くはないのだが…

 

「いや、まぁそれなら良いけど…」

 

「では、ありがとうございました」

 

帰るの早ッ

 

「ちょっ!?フランちゃん!?あ、オーディションありがとうございました!」

 

「…ざっした」

 

…濃いなぁ。

一応恵理はまだまともそうだが、フランシスはだいぶ『変わってる』みたいだし、紅莉栖に至っては自己紹介と「…ざっした」以外一切喋ってない。

いや、今は『大ガールズバンド時代』。

むしろあれくらいキャラの濃い連中なら、この群雄割拠な音楽業界でも存在感を示せるのかも。

……悪目立ちする方が多そうだけど。



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第2話

バンドリがビートルズのカバー曲を出してくれたら私は給付金の全てを課金に費やします。



「どうしたの?おたえちゃん?」

 

「カーくんが死んじゃったの…まだ1歳3ヶ月*1だったのに…」

 

「そう……なんだ……辛いね」

 

「…うん」

 

「…でも、カーくんきっと幸せだったと思うの」

 

「…そうかな?」

 

「…うん、きっと」

 

「…明日からは23羽になるんだね」

 

「…うん」

 

「…寂しいね」

 

「………うん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アグロメガリー(巨人症)。

これはアタシに一生付き纏う呪いの名前。

 

小学生の頃から、ホルモンの異常分泌によって身長がぐんぐん伸びた。

最初は自分も両親も成長期だからと納得していた。しかし、次第に両親はアタシの身体の異常性を察知し始めた。

小学5年生になった時、身体測定をした。

既に母の身長を越していた。家に帰って母に言おうとした。

たしかその時は、きっと母は喜んでくれると思っていた。

帰り道、どこかの店から聴こえた歌。

「今日はきっといい日になる」というフレーズ。

当時はとても良い曲だと思った。

 

「ママ!ママの身長超えたわ!わたしとってもおっきいでしょ?すごいでしょ?」

 

ドアを開けると、玄関には靴が一足。

階段を上がれば、だだっ広い部屋だけ。

カーペットも、ソファも、テレビも、テーブルも、イスも、本棚も、花瓶も無い。

 

母の身長を越した日、母はアタシを捨て何処かへ去った。

 

予想外の事ではなかった。

母と父は些細な事でしょっちゅう喧嘩していたし、異常なくらい身長が伸びていくアタシの事でよく口論していた。

 

それでもまだアタシを愛してると思っていた。

 

唯一持ち出されなかった家財は、父のベースとアンプだけだった。

父は、アタシを見て何か言おうとしたが、とても寂しそうな目をした後に、部屋に戻った。

 

それっきり、父とまともに顔を合わせていない。

 

「明日はきっといい日になる」…クソみたいな曲だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

洋楽和訳・解釈サイト 【洋解】

 

曲名:Silver

 

タグ:Reincarnation

 

(Frances・Fradenburg)

 

(verse)

Son,Son,Son of a gun

ろくでなしが

 

Hold,Hold,Hold a gun

銃を構えた

 

Old,Old,Old man was

老いた男は

 

scared and ran away

ビビって逃げた

 

(pre−chorus)

My,My,My house burned ×4

家が燃えた

 

(chorus)

My grandpa had a cigarette × 3

祖父はタバコを持っていた

 

maybe

たぶん

 

→(Interlude)(verse)(pre−chorus)(chorus)

 

URL:http;//xxx.xxx.jq/xxx/xxx.html

 

Son of a gun…ろくでなし

 

4つのパワーコードだけで構成された曲。

静と動(澄んだ音と歪んだ音)のサウンドで、静かなヴァースと激しいヘビーなコーラスを繰り返し、ベタな8つ打ちのベースに、歪ませたパワーコード、ハードヒッティングで手数の多いドラムで曲を構成するこの感じは、グランジの王道と言える。

フランシスのシャウトも言わずもがな。

 

ちなみにライブ盤ではギターとベースを半音落としており、テンポも早くなっている。

最初は紅莉栖が走ってるだけかと思ったが、大体どのライブでもこんな感じなので、多少のアレンジとしてなのかもしれない。

 

歌詞の中身は空き巣にビビったお爺ちゃんが火事を起こした歌?(なんじゃそりゃ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

土曜の深夜、フランシスと恵理が訪ねてきた。

深夜だってのに相変わらず遠慮の無いノックだ。

床に落ちてあるダンボールを蹴飛ばし、ドアを開ける。

 

「Hi!Kris!」

 

フランシスはズカズカと入り込んでは汚ったないスニーカーを乱暴に脱ぎ捨てる。

いつもの光景だ。

 

「おじゃましま〜す」

 

恵理は相変わらずちゃんと靴を揃える。とりあえず2人を引き連れ、廊下に落ちている空き缶や服を蹴飛ばしながら自室に招き入れる。

 

相変わらず自室は最高だ。

親父のエピフォンサンダーバード、アンペグとVOXのアンプ、ディストーション(BATとBOSS DS−2)、そしてパールのドラムセット。

独りっきりでも充分遊べる最高の部屋だが、同じパンクを愛好する同志が居れば、もっと最高。

 

母が出て行った後、家を改装して良かった。

それなりに値段は高くついたし、時間もかかった。

色んなバイトを掛け持ちしたし、反対する親父をぶん殴ってでも購入した。食費もかなり削った。

色々あったし、色々犠牲にしたが、それでもこれだけの機材とドラムセットを自分の部屋に設置できるのは嬉しい。

 

「さっそくやるか」

 

シールドをガチャガチャアンプに繋げつつ、冷蔵庫からハンバーガーを取り出して食う。

冷めてるし油でベタベタだしで味はサイアクだが、別にどうでもいい。食えりゃいいのだ。

 

うわっ、クソッタレ!

BATに食べカスが付いた!

 

「…なにニヤニヤしてんだ?あ?」

 

フランシスがアンプに腰掛けながらニヤニヤしてやがった。

気持ち悪りぃ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アタシはパンクロックが好きだ。

 

アタシは自らの境遇が嫌いだ。

アタシは自らの国が嫌いだ。

アタシは出て行った母が嫌いだ。

アタシは情けない父が嫌いだ。

アタシは金のない現状が嫌いだ。

アタシは学校が嫌いだ。

アタシはクラスメートが嫌いだ。

アタシは流行りの曲が嫌いだ。

アタシは流行りの服が嫌いだ。

アタシは化粧が嫌いだ。

アタシはアクセサリーが嫌いだ。

アタシは夢や希望が嫌いだ。

アタシは薄っぺらい言葉が嫌いだ。

アタシはJポップやヒップホップが嫌いだ。

アタシは人間が嫌いだ。

 

アタシは、パンクロックが好きだ。

 

街中でデカいモニターに映るどっかのガールズバンドを見た。

夢だとかキラキラだとか抜かして、ニヤニヤしながら楽器を演奏して、観客はアホヅラ晒して盛り上がって。

下らねぇ。

心底下らねぇ。

無茶苦茶にしてぶっ壊したくなる。

彼女たちも苦労してきたのかもしれない。挫折もしたのもしれない。様々な困難に立ち向かった上で、正面を向いて笑えるのかもしれない。笑顔の裏に涙を流しているのかもしれない。

その上で、下を向く人たちのために歌っているのかもしれない。

あるいは、自分のたちのやりたいことのために歌っているのかもしれない。

だが、アタシはやっぱりこの曲が気に食わない。

この曲を歌うやつらも気に食わない。

明日を生きるのも必死で、まともに飯も買えなくて、服は古着か貰い物で、化粧もお洒落もできなくて、学校に居場所がなくて、友だちは2人だけで、近所の奴らから蛇蝎の如く嫌われて、バイトをいくつも飛んできた。

そんなアタシに夢や希望をチラつかせて何になる?

分かってる。

この曲はアタシに向けた曲なんかじゃない。

でも、街を歩けば耳に入ってくる。

耳に入ればまるでアタシに向けられたように感じてしまう。

クソだ。この曲はクソだ。

もっと破壊的なロックが聴きたい。

歪ませたギターを聴きたい。

シリアスで破滅的な歌詞を聴きたい。

できれば、英詩がいい。アタシは英語なんかサッパリできねぇし、アルファベットすらよく分かんねえが。

とにかく日本語は嫌だ。たぶん薄っぺらくなる。

うん、やっぱり英詩がいい。

そんでもって、破滅的で、愚かで、刹那的で、暴力的で、薄汚くて、燃え上がるような曲がいい。

 

そう、まるでアタシのような曲が聴きたい。

だから作ろうと思った。

金がなくても。

飯が食えなくても。

作ろうと思った。

*1
人間の年齢で換算すると27歳




嘘です。


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第3話

インディーアンさんのブログ      +フォロー

 

★今キテるロックバンド紹介!!#36「リンカーネーション」

 

2020/X/X

テーマ:バンド紹介

 

みなさんこんにちわ!インディーアンです!

去年は色々あって(某ウイルスとか、某天災とか)ライブハウスは軒並み自粛…音楽イベントもほとんど中止で大変でしたね…

今年からほとんどのライブハウスで営業が開始され、新たなバンドも台頭してきました。

 

今回はその中で私が今一番気になってるバンドを紹介したいと思います!

 

それがこちらのバンド!

「リンカーネーション」です!

URL:http;//xxx.xxx.jq/xxx/xxx.html

 

見ての通りガールズバンドですが、見た目からしてかなり異彩を放っているバンドですね。

今回は彼女たちの魅力についてとことん紹介したいと思います!

 

◯メンバー

Gt&Vo:フランシス・フライデンバーグ

Ba:能勢紅莉栖

Dr:黒田恵理

 

◯音楽性

彼女たちが奏でる音楽を一言で表すならば、『パンクロック』です。

早いテンポに、パワーコードを中心とした歪ませたギター、ハードヒッティングなドラミングなど、かつて90年代に世界のロックシーンを塗り替えたグランジというジャンルも思い出させます。

音楽以外のパフォーマンスにも積極的なようで、髪を振り回しながら暴れ狂うように演奏したり、ギターでマイクスタンドを殴り飛ばしたり、ぴょんぴょん飛び跳ねながら演奏したり、観客にダイブしたりと、ド派手な演出もしてくれます。

ちなみに私が好きな曲は『Crawling ants』。

フランシスさんの狂気的なシャウトと、ノイズだらけの歪ませまくったギターが、若者特有の暴力的な精神を体現しています。

…と言っても、わたしは英語が分からないので、一体どんな歌詞なのか全く分かりませんが(笑)

 

◯ファッション

彼女たちはガールズバンドの中ではかなり珍しいファッションをしています。

まず、彼女たちはノーメイクの状態で、ステージに立ちます。(でもすっぴんにしては結構美人さんですよね!外国人のフランシスさんは特に!)

さらに、ステージ用の衣装がなく、私服を着ています。

ダメージジーンズに、肘のところが破れているブカブカのセーター。変なデザインのTシャツなど、金のない人が古着屋で適当に見繕ったようなちょっとダサい格好をしています(笑)

ガールズバンドと言えば音楽も勿論ですが、華やかで煌びやかな衣装や、可愛い女の子たちの笑顔や表情なんかも醍醐味の一つです。

 

しかし、彼女たちは違います。

 

不貞腐れたように眉間にシワを寄せながら、激しく演奏する姿勢と、薄汚いファッションに身を包んでいます。

まさに、『パンク精神』!!

客に媚びない態度は、とてもカッコよく見えます。

 

◯まとめ

激しいパンクロックがお好きな人にはたまらないバンド!

それが「リンカーネーション」です!

彼女たちの拠点は東京都で、主に『ショウチュウ・ア・ゴーゴー」などを中心にライブしているようです。

ぜひ足を運んでみてください!

 

今回は以上です!

それではまた〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は、普通だと思う。

 

パパも普通の会社員。最近出世してお給料が増えたんだって。でも、それでいちいち小躍りして、ちょっと高めのケーキをウキウキで買っちゃうあたり、やっぱり普通の人。

ママも普通の専業主婦。倹約家で、近所のスーパーのチラシを集めて、どこが一番安い食材を売ってるか、メモしまくった紙を家計簿にペタペタ貼り付けてる。…ふ、普通?…まぁ、普通…の人かな。どうなんだろ?…うん、やっぱり普通の専業主婦…普通のママかな。

通ってる学校も普通だし、成績も普通、運動もそれなり、趣味がドラムってのも、今時だと結構普通。

 

鏡を見る。わたしが映っている。

 

う〜ん、たぶん私はブサイクって感じではないと思う。

でも、美少女ってレベルじゃない…。

いや、化粧すると映えるかも?…まぁ、普通な顔かな。私の顔って。

 

でも、私はたぶん一つだけ、普通じゃない、変わった所がある。

 

それは、『パンクロック』が好きなこと。

 

私には、叔父がいた。

叔父は大のパンクロック好きで、たまに家に来れば、毎回色んなバンドの曲を聴かされていた。(そのほとんどがハードロックやパンクロックのバンドだった)

 

「恵理!パンクロックは最高だぞ!」

 

そう言って、引っ込み思案な私を連れ回して、色んなライブハウスに連れて行かれた。

最初は家から離れるのが怖くて、パンクロックどころか音楽全体が嫌いになりそうだったけれど、叔父の嬉しそうな顔や、ステージに立つバンドマンの笑顔がやけに頭に残って。

また、行きたいなって思うようになった。

 

6歳の誕生日の時、叔父がプレゼントをくれた。

エアロ・ツェッペリンの2ndアルバム『Heart Break』

最初聴いた時、うるさい曲だなって思った。

小学生の時、歌詞の意味は分からないけど、カッコいい曲が多いんだなって思った。

中学生の時、歌詞の和訳を見て、こんなに深い歌詞だったんだってビックリして、そして、感動した。

今聴けば、このアルバムがどれだけ完成度が高いか、このイントロは何曲目か、全部分かる。

このアルバムは、この誕生日プレゼントは、『Heart Break』は、私の宝物。

私のルーツ。

私の人生。

私の魂。

 

クラスのみんなは、ロックを聴かない。

ガールズバンドは聴いても、ハードロックは聴かない。

J POPは聴いても、パンクロックは聴かない。

HIPHOPは聴いても、オルタナティブロックは聴かない。

 

クラスのみんなは、ロックを聴かない。

それでも私、パンクロックが好き。

 

叔父は、私が7歳になる直前に死んだ。

死因は、肝臓癌だった。

死ぬ直前まで、酒はやめなかったらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

洋楽和訳・解釈サイト 【洋解】

 

曲名:Crawling ants

 

タグ:Reincarnation

 

(Frances・Fradenburg)

 

(verse)

White lights

白色光

 

I can feeling

私は感じる事ができる

 

I'm crawling ant

私は這い寄る蟻

 

White lines

コカイン

 

I can feeling

私は感じる事ができる

 

I'm crawling aunt

私は這い寄る叔母

 

(chorus)

I'm cracking

私はひび割れる

 

I'm cracking up

めちゃウケる

 

I'm cracking

私に亀裂が入る

 

I'm cracking up

めちゃウケる

 

I'm crack

私はコカイン

 

I'm crack

私はコカイン

 

I'm…I'm…I'm…

私は……わたしは……

 

Ahhhhhhhhh

あー

 

→(verse)(chorus)(Interlude)(verse)(chorus)

 

URL:http;//xxx.xxx.jq/xxx/xxx.html

 

White lines…コカイン

crack…コカイン

 

フランシス…キメてんだろ?くれよ…

つまらん冗談はともかく、この曲はかなり異彩を放っていますね。

Interlude以外のコード進行がG、C、F#、B♭、G#、C#でほぼ固定。ずっとこれ。ずっとこれの繰り返し。

この単調で退屈なリズムからの狂ったように掻き鳴らすギターソロは圧巻。

溜めに溜めたフラストレーションを一気に解放させる様子はまさにドラックが如く。(やった事ないけど)

Ahhの所のシャウトはもうかなり狂気的。喉を切り裂かれてるんじゃってくらい。

これもう半分リスカだろ。

 

たびたび入るノイズだが、これは恐らく、アンプでオーバードライブをかけつつ、さらにディストーションをかませてるからっぽい。

この曲では特に耳障りなノイズが多用されている。しかしそれを表現の一つに昇華するあたり、やはり只者ではない。

 

歌詞はもうどう考えても薬中の歌。

てかコカインの事好きすぎてやばい。Crackなんて古臭いコカインの表現とか。

てか這い寄る蟻と這い寄る叔母ってなんだよ。

無理やり韻を踏むためにしてもナンセンス。

まぁコカインがテーマの曲だから歌詞くらいナンセンスになるか、そりゃ。

 

フランシスは恐らくヤクはやってない。

見た目は正常そうだし、目もイってない。

でも、こんな歌詞をかけるのは、一発キメた奴くらいだと思う。俺の考えすぎ?



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