肉体チートないけど物理で殴らなきゃいけないようです(更新停止) (K*485)
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Ep.1 南雲ハジメのクラスメート

思いついちゃったからノリと勢いで初投稿です(大嘘)


月曜日。それは一週間の内で最も憂鬱(ヒャッハー!)な始まりの日。きっと大多数の人が、これからの一週間に溜息を吐き、前日までの天国を想ってしまうだろう。

 

フリガナのテンションがおかしいだろって?言うな、自覚はある。昨日夕方9時までチャットしてた友人の所謂深夜テンションに影響されたんだよ。

 

学校がただ単に面倒というだけでなく、奴のおかげで少しはましになったとはいえ居心地がすこぶる悪いのもある。

 

いつものように始業チャイムがなるギリギリに登校し、徹夜でふらつく体でなんとか踏ん張り教室の扉を開けた。うん、やっぱりあいつの言うことちゃんと聞いて寝ておけばよかったかもしれない。毎回心配されるけど、結局素直に従う日は来ないんだろう。現に今日もこうして寝不足だから。

 

案の定、瞬間的に教室の男子生徒の大半から舌打ちやら睨みやらを頂戴する。女子生徒も友好的な表情をする者はいない。無関心ならまだいい方で、あからさまに侮蔑の表情を向ける者もいる。

 

数少ない友好的な人に分類されるわが友は基本的にこの時間保健室で休んでいるのでいない。軽い鬱だというがちゃんと授業には出てきて上の中くらいの成績をたたき出している以上、先生にも何も言われていない。暗記が死ぬほど苦手らしくて、年号と人物名を覚えられずに社会科教師である畑山愛子先生(二十五歳)に目をつけられていることについては

 

「まあ完璧な人間はいないからね仕方ないね♂あ、ホモじゃないからケツ抑えて遠くに行かないで!?友達少ないっつーかハジメしかいないから避けられると精神的にかなり来る・・・畑山先生?まあ、あの先生はいい先生なんだけどね・・・・・どうにもやることなすことから回って裏目に出て残念な感じになっちゃうんだよね。ところで、人気者の先生に目をつけられているっていうこのシチュエーション、なんとなく優越感を感じない?え?ない?あそう・・・」

 

とのこと。

 

 

「よぉ、キモオタ! また、徹夜でゲームか? どうせエロゲでもしてたんだろ?」

「うわっ、キモ~。エロゲで徹夜とかマジキモイじゃん~」

唯一無二の親友のことを考えている間に何か言われて、一体何が面白いのかゲラゲラと笑い出す男子生徒達。

 

 

 声を掛けてきたのは檜山大介(ひやまだいすけ)以下斎藤良樹(さいとうよしき)近藤礼一(こんどうれいいち)中野信治(なかのしんじ)、大体この四人が頻繁に僕に絡んでくる。いい加減名前も覚えるってもんだ。

 

まあ、彼らに馬鹿にされるのにはもう慣れてるし諦めている。なぜなら原因が・・・

 

「南雲くん、おはよう! 今日もギリギリだね。もっと早く来ようよ」

 

白崎香織(しらさきかおり)。学校で二大女神と言われ男女問わず絶大な人気を誇る途轍(とてつ)もない美少女だ。なぜか僕によく絡んでくるが、だからといって「あれ、こいつ僕のこと好きなんじゃね」なんて幻想を抱くほど自己評価の高い図太いやつになった覚えはない。ちょっと・・・というかすごく困っている。

 

友人に話すと、「トリニトロトルエンの合成方法は・・・トルエンを手に入れたらそれを三回ニトロ化して・・・」などと訳が分からないことを(TNT作ろうとしてたんだよ理由は察しろ!)こいつ・・・直接脳内に・・・!

 

 

ま、ままエアロ。・・・ハッ!?閑話休題、話を元に戻そう。僕が趣味のためにいろいろ切り捨てている自覚があるはあるし、顔も成績も運動能力も平凡だ。そこの天之河光輝(あまのがわこうき)君とかいるでしょ、もっと君にふさわしい人。

 

彼はサラサラの茶髪と優しげな瞳、百八十センチメートル近い高身長に細身ながら引き締まった体。

 

(どことはいわないけどもげろ!もしくは禿げろ!)

 

とりあえずうるさい脳内非リア系友人はいったん引っ込んでもらおう。

誰にでも優しく、正義感も強い。いやちょっと違うな。思い込みが強いっていうべきなのかな。完璧超人なのだが、そのせいか少々自分の正しさを疑わなさ過ぎるという欠点があり、そこが厄介なんだよなぁ。

 

(良いぞもっと言ってやれ(建前)いいぞもっとぼろくそ言ってやれ(本音))

 

ダース単位で惚れている女子生徒がいるそうだが、いつも一緒にいる香織や八重樫雫(やえがししずく)に気後れして告白に至っていない子は多いらしい。

 

(どことはいわないけどもげろ!もしくは禿げろ!(二回目))

 

いま名前が出てきた雫はいわゆる侍ガールで、熱狂的なファンがいるらしく後輩の女子生徒から熱を孕んだ瞳で〝お姉さま〟と慕われて頬を引き攣らせている光景を見たことがある。

 

(キマシ・タワーでも建てるのかな?)

 

あとは、坂上龍太郎(さかがみりゅうたろう)、光輝の親友で脳筋。以上。眠くて頭が働かないけど、これだけわかっていれば十分だよね。

 

(ワイトもそう思います)

 

 

 

 

 

なんか言ってたようだけど、ほとんど聞き流して保健室とテレパス交信していたからなんも聞いてなかった。

「……ごめんなさいね? 二人共悪気はないのだけど……」

どうゆうことだってばよ。

適当に苦笑して肩をすくめておいた。ちなみに意味は「悪い、全然聞いてなかったわ」だ。

 

そして、いつものように夢の世界に旅立ち、当然のように授業が開始された。友が教室に入ってきた気配はあったけど、もう半分位意識は落ちかけているので気にする余力はもう残ってない・・・

 

 

 

 

 

 

 教室のざわめきに、意識が覚醒していくのを感じた。居眠り常習犯なので起きるべきタイミングは体が覚えているんだ。その感覚から言うと、どうやら昼休憩に入ったようだ。

 

 突っ伏していた体をよっこいせと起こし、十秒でチャージできる定番のお昼を重量と大きさの関係上埋まっていると思われる鞄の底のほうをゴソゴソして取り出す。

 

 なんとなしに教室を見渡すと購買組は既に飛び出していったのか人数が減っている。それでもこのクラスは弁当組が多いので三分の二くらいの生徒が残っており、それに加えて四時間目は社会だったので畑山先生が教壇で数人の生徒と談笑していた。

 

件の彼は、いつも通り一言も発さず弁当を早々に食べ終えて、日の当たる定位置で猫宜しく丸くなっていた。

 

組んだ腕の上に頭をのせて、幸せそうに眠っている。僕ももうひと眠りしようかな・・・

そうやって机に突っ伏そうとした。だが、そうはさせまいと女神(ある意味悪魔)が、ニコニコと席に寄ってくる。や☆ら☆か☆し☆た

 

月曜日ということもあり少し寝ぼけ過ぎていたようだ。いつもなら香織達と関わる前に教室を出て目立たない場所で昼寝というのが定番なんだけど、流石に二日の徹夜は地味に効いていたらしい。おい教えてくれよなと恨みがましく左斜め前方を睨みつけるが、ターゲットは何も知らない表情をして寝息を立てている。

 

「南雲くん。珍しいね、教室にいるの。お弁当? よかったら一緒にどうかな?」

 

いや、もう本当になしてわっちに構うんですか? わきちに構って何かよかなことでもあるんですげなばい?(意味不明)

 

こうなったらなけなしの抵抗の意志を・・!

 

 

「あ~、誘ってくれてありがとう、白崎さん。でも、もう食べ終わったから天之河君達と食べたらどうかな?」

 

パ~フェクト。ついでにお昼のパッケージをひらひらと見せればなおよし。

 

 

「えっ! お昼それだけなの? ダメだよ、ちゃんと食べないと! 私のお弁当、分けてあげるね!」

 

もう勘弁して下さい! 気づいて! 周りの空気に気づいて!マジで!

 

もういっそ、こいつら異世界召喚とかされないかな? どう見てもこの四人組、そういう何かに巻き込まれそうな雰囲気ありありだろうに。……どこかの世界の神か姫か巫女か誰でもいいので召喚してくれませんか~~(おい馬鹿やめろ!)

 

急に、ガタン!と誰かが立ち上がった。藍作だ。普段のあいつからは想像もつかないような鬼気迫る表情で、立ち上がった時の衝撃で椅子が吹き飛んだことを気にもせず、一直線に教室外へ向かう。

 

何故だ?とこの教室の面子のほとんどと同じように頭上に?マークを浮かべてみるが、視線を下に落としたところですべてを理解し、凍り付いた。

 

 

 

目の前、光輝の足元に純白に光り輝く円環と幾何学模様が現れたからだ。その異常事態には直ぐに周りの生徒達も気がついた。全員が金縛りにでもあったかのように輝く紋様――俗に言う魔法陣らしきものを注視する。

 

 その魔法陣は徐々に輝きを増していき、一気に教室全体を満たすほどの大きさに拡大した。

 

 自分の足元まで異常が迫って来たことで、ようやく硬直が解け悲鳴を上げる生徒達。未だ教室にいた愛子先生が咄嗟に「皆! 教室から出て!」と叫んだのと、魔法陣の輝きが爆発したようにカッと光ったのは同時だった。

 

 

 

「嘘だろ脱出は間に合ったはずじゃないのか!?」

自分を見捨てて咄嗟に一人逃げ出そうとしていた友人に恨みがましい目線を向けるのを忘れてはいけない。本日二回目となるジトっとした冷たい目線を向けた(ようなつもり)になっていると、諦めたようなダチのため息交じりの顔が見えてきた・・・・ような気がした。

 



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Ep.2 自由奔放系オリ主

「ようこそ、トータスへ。勇者様、そしてご同胞の皆様。歓迎致しますぞ。私は、聖教教会にて教皇の地位に就いておりますイシュタル・ランゴバルドと申す者。以後、宜しくお願い致しますぞ」

 

突然だが、こう言われて素直にこの人の言うことを聞いておこうと思うやつはどのくらいいるだろうか。

 

これだけじゃ訳がわからないって?Okey,ならば現在の状況を説明するから、それが終わったらもう一度この言葉を聞いてみてほしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

この世界の神様らしき人が描かれた荘厳な絵画、周りの景色を加味するとここは大聖堂のような場所だと思われる。

 

入り口と思しき扉からの距離からここはその最奥である模様。謎の台座の上にさっきまでと同じ姿勢でいるというっことは、この台の上に転送あるいは召喚されたのだろう。

少なくとも三十人近い人々―――高位の僧だろう―――が、まるで祈りを捧げるように跪き、両手を胸の前で組んでいる。

 

そこから進み出てきた50代、否。顔に刻まれた皺と老熟した目から判断を修正しよう。70代のひときわ派手な格好をした好々爺然とした微笑を見せる此奴こそ、さっきのセリフを言い放った本人なのだ。

 

 

「ようこそ、トータスへ。勇者様、そしてご同胞の皆様。歓迎致しますぞ。私は、聖教教会にて教皇の地位に就いておりますイシュタル・ランゴバルドと申す者。以後、宜しくお願い致しますぞ」

 

 

さあ、どう思う?え?なにもおかしいところはないって?仕方ない。じゃあ黙殺された少数派の意見を声を大にして言おう!

 

「だがk「さて皆さん、歓迎の準備は整っておりますぞ。大広間へ案内しましょうぞ。」」

 

 

 

 

・・・・セリフ言えなかった(´・ω・`)・・・

 

 

 

 

全員が着席すると、絶妙なタイミングでカートを押しながらメイドさん達が入ってきた・・・けどこれあからさまなハニトラでしょ。

「美女を見たら美人局を疑え」某間違っているラブコメの主人公である比企谷八〇君を見習って警戒レベルはマックスにしておきます。

 

 こんな状況でも思春期男子の飽くなき探究心と欲望は健在でクラス男子の大半がメイドさん達を凝視している。が、俺をその辺にいる男子高校生と一緒にしてはいけない。微妙に椅子を引いて角度をつけ、いつでも立ち上がれるようにスタンバっておいている。

 

そんな中、なぜか満面の笑みを浮かべた香織がジッとハジメを見ていた。ハジメは見なかったことにした。

そして俺は、すべてを察した。でも無視することにした。

 

 

 

 

 

 

イシュタルの話は実にファンタジーでテンプレで、どうしようもないくらい勝手なものだった。

 

三つの種族がどーのこーの。

魔物の使役についてなんやかんや。

アドバンテージが崩れてピンチだのなんの。

 

一つ分かったことがある。どうにもこいつら、胡散臭い。普通、何百年間も戦争が続くなどありえない。なぜならば、どちらかのリソースが枯渇するか決着がついてしまうかだが、そうならずにシーソーゲームが続いているということは、バックで何かが動いているとみてまず間違いない。

そうななると、今やるべきことは・・・決まりだな。

 

「あなた方を召喚したのは〝エヒト様〟です。我々人間族が崇める守護神、聖教教会の唯一神にして、この世界を創られた至上の神。おそらく、エヒト様は悟られたのでしょう。このままでは人間族は滅ぶと。それを回避するためにあなた方を喚ばれた。あなた方の世界はこの世界より上位にあり、例外なく強力な力を持っています。召喚が実行される少し前に、エヒト様から神託があったのですよ。あなた方という〝救い〟を送ると。あなた方には是非その力を発揮し、〝エヒト様〟の御意志の下、魔人族を打倒し我ら人間族を救って頂きたい」

 

「だが、断る」

 

ザワ・・ザワ・・・

ここまでの魔人族についての説明や「トータス」についての説明・・・おそらくスタートの逆読みだと思われるが、誰も突っ込まなかった・・・の間には大して誰も騒がなかったが、俺のセリフでそんなクラスメートの間にもさすがにざわめきが走った。

 

「唯一審エヒト様によって召喚された貴様方は世界を救う義m「でも断る」」

 

言い直そうとしたイシュタルの言葉を遮って再びバッサリと断る。この瞬間が最高に気持ちいい。特に、小さなことでも意趣返しが華麗に決まった時には。

 

 

 「この新重藍作が最も好きな事のひとつは

  自分が絶対的優位だと思ってるやつに「NO」と断ってやる事だっ!」

 

 

とどめのこのセリフ。自分の顔のタッチが線画風になったような気がする。さいっこうに快感である。一生のうちに一度は言ってみたい台詞俺的ランキング第3位だ。ちなみに第1位と第2位は「俺の敵は、だいたい俺です」(某宇宙な兄弟・難〇六太)「勝ち逃げはさせない。次は僕が勝つ―――」(ゲームがないと生きれない感じなラノベ・どこぞの唯一神)だ。

 

ハジメの辺りから「マジかよコイツ、本当に言いやがった」と「いいなぁ僕も言ってみたいなぁ一生に一度くらいは」の二つの意味を込められた目線が飛んできたので「I'll be back.」と「どうだうらやましいだろう」の意味を込めた目線を返すと、それだけですべてを察したのかハジメは短くため息を一つはいて、控えめに、でも力強く右手の親指を天に向けて突き立てたのだった。

 

 

 

その後、案の定ガタイのいい兵士が俺の両肩をつかんで、そのままずるずると連行されていく。それを抵抗せずに受け入れる、非力な俺はここの拘束から逃れるすべがないことを悟っているから、下手に抵抗してみても無意味だということをよく知っている。クラスメートもクラスメートで「何をしていてもおかしくない奴」とか「何やっても違和感のない奴」との評価を頂戴しているので特に何も言われず、そのまま門が開かれて、こちらが完全に死角に入ったところで閉じた。

 

 

 

ポイッ

 

ズシーン(門が閉まる音)

 

 

 

 

しってた。ここまでの流れ位予想できていた。

 

 

ども、新重藍作、17歳。どうやら追放されたっぽいです。

 

ここで、冒頭の質問に答えよう。「ようこそ、トータスへ。勇者様、そしてご同胞の皆様。歓迎致しますぞ。だから世界救えや(要約)」

に対する返答は、

 

 

大多数の意見が「とりあえず周りに合わせよう」、

 

 

正義感が強い馬鹿の言い分は「異世界だろうとなんだろうと困っている人がいたら助けよう」

 

そして俺は

 

「こんな胡散臭いやつと一緒にいられるか!俺は一人で行かせてもらう!」

 

そう、死亡フラグとわかっていても言わずにはいられなかったのだ。自分の信念に合わないことはやらない。それが俺スタイル。ついでに俺は無宗教だ、絶対に神など信じない。いたとしてもそいつは俺たちより上位の存在ってだけである。

 

それはそうとして、ここ空気薄くない?山の上なのん?とっとと下山しよ・・・・

 

 




ちょっと短いけど、急いで書き上げたからまあしようがあるまい。もともと3000文字くらいで連載やってるのが僕の投稿スタイルだし。


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Ep.3 ステータスとスキル

なんかUAに対してお気に入りの数が多い気がする・・・ありがたいことです。

作者の脳内ストックが切れるまではハイペースで投稿して、そのあとは減速してアンケートとか取りつつやっていこうと思います。ヒロイン未定だし・・・こうしてほしいとか要望があったら活動報告辺りにじゃんじゃん書き込んじゃってください。


突然だが、俺はアーティファクトなしにでも自分のステータスを見ることができるんだ。

 

===============================

 

新重藍作 17歳 男 レベル:1

 

天職:科学者

 

筋力:0

 

体力:0

 

耐性:0

 

敏捷:0

 

魔力:0

 

魔耐:0

 

技能:言語理解・ステータス隠蔽10¹・分析・系統外適性・念話・神経強化

 

===============================

 

1ならまだしも、ゼロって何ですかゼロって。おいハジメ、おめーのステータスはどうなってんだよ?

 

(おーいアイサック、そっちの状況は?こっちは朝から訓練でステータスプレートとやらが配られたぞ~)

 

こいつ・・・直接脳内に・・・!(念話使ってるから当たり前)

 

あとアイサックはあだ名な。

 

 

それはさておきこんなクソ雑魚ステータス、親友にも見せるわけにはいかない。ステータス隠蔽とやらを使ってみますか。こうかな?こうかな?脳内イメージのステータスボードをタップ!

 

 

===============================

 

新重藍作 17歳 男 レベル:1

 

天職:錬金術師(科学者)

 

筋力:10(0)

 

体力:10(0)

 

耐性:10(0)

 

敏捷:10(0)

 

魔力:10(0)

 

魔耐:10(0)

 

技能:言語理解・(ステータス隠蔽10¹)・分析・(系統外適性)・念話・神経強化

 

===============================

 

よっしゃぁあああステータス上がっ・・・・・てなーい。見た目をごまかしただけって感じが半端じゃないですね。

 

===============================

 

南雲ハジメ 17歳 男 レベル:1

 

天職:錬成師

 

筋力:10

 

体力:10

 

耐性:10

 

敏捷:10

 

魔力:10

 

魔耐:10

 

技能:錬成・言語理解・念話

 

===============================

ハジメからのテレパスを受信。こっちの(見かけの)ステータスと何ら変わらないじゃないですか~。ふう。やれやれだぜ。いやちっともよくないけど。

 

取り敢えずこっちのステータスを送信。

 

 

 

 

 

 

 

 

あれ?心なしか返事が遅い気が・・・

 

念話って距離減衰あったっけ?教室―保健室間だとほとんどラグなし、一応近所の家同士の間の距離でラインのチャット感覚って感じだったんだけど・・・ハジメの現在位置どこよ?(すっとぼけ)

 

因みに現在、追放時からすでに24時間経過していて、メッセージ送信からは2時間くらいが経過している。ただ黙ってぼんやりと丸1日過ごしていたわけではない。いろいろ試してみて分かったことは多々ある。

 

 

 

 

 

 

1.ステータスが見えるわけ

 

どうやら「分析」スキルが関係しているようだ。自分のスキルについて「分析」したのだろう。その証拠に、実はこれ以外にもいろいろな情報が視えている。

 

1-1.分析結果

 

===============================

 

新重藍作 17歳 男 レベル:1

 

天職:錬金術師(科学者)

 

筋力:0(次のレベルでの増加量:0)

 

体力:0(次のレベルでの増加量:0)

 

耐性:0(次のレベルでの増加量:0)

 

敏捷:0(次のレベルでの増加量:0)

 

魔力:0(次のレベルでの増加量:1)

 

魔耐:0(次のレベルでの増加量:0)

 

技能:言語理解・ステータス隠蔽10¹「成長の可能性・・・可能な隠蔽数値の上昇、ステータス以外への適応化」・分析「モノの分析を行うことができる」・系統外適性「従来の魔法への適性を持たない」・念話「距離減衰:距離に応じてかかる時間が増える」・神経強化「科学者の脳を作る」

 

===============================

 

1-2.念話の距離減衰についての解析

 

 

 

さっきはすっとぼけたけど、理由はもう分析が終わってます。口調が変わるのは解説・分析の時のデフォだから気にするな!

 

 

 

南雲宅―新重宅間の距離

三軒となり・・・約40m

ラグの発生・・・約16秒

 

教室―保健室間の距離

        約10m

ラグの発生・・・約1秒

 

10log₁₀((基準の距離)²/(対象の距離)²)・・・音の減衰計算式

この式の意味は、10log₁₀がエネルギー→デシベル(音の単位)変換で、

距離の2乗は音が広がる面積である。

 

実は、といっても分析で分かったことだが、霊的音エネルギーの伝播と収集の関係上、綺麗に念話にかかる時間が音の減衰と比例しているのだ。つまり、

 

距離をXmと置くと

X²/100[s]

 

の時間を念話の転送に必要とする。だから、南雲一行とこちらとの距離がかなり離れていることがこのラグの時間からわかる。大体1㎞くらいかな?

 

そう、今はお昼だ。太陽(太陽?)は高く昇り、そろそろ腹が鳴るころ。

さっきの受信内容を思い返してみよう。

 

  おーいアイサック、そっちの状況は?こっちは朝から訓練でステータスプレートとやらが配られたぞ~

 

大体ハジメが言う「朝」は午前9時ごろを指すので、そこから判断した。この世界の一日が24時間ならばという前提が付くが、無駄に正確な俺の体内時計がほぼ24時間で間違いないと言っている。故に約3時間のタイムラグがあることが分かり、そこから求める距離は

 

3hours=180min=10800s

 

X²/100=10800

 

X=√1080000

≒1039.23

 

というわけで、1039.23m・・・大体1キロ離れてる。ここから見えるあの王都らしき場所に行っているのではないかと推測される。

 

 

 

 

 

 

全部知ってて2時間待機してたのかって?いえ、違うんです。魔物に襲われて木の上の簡易拠点に逃げ込んでやり過ごそうとしていたから2時間もたってしまったのです。

 

どぼじでごおなるのおおおおおお!

 

色々作っているので何とかならないこともないんですけどね。

 

例えばこれ。滑車式エレベーター。これで快適に拠点と地上を行き来できます。

 

一つ、重要にしてかなり問題な問題がありまして…

 

 

お前の武器ねーから!

 

 

ハイ、まともな武器といっていいものがありません。黒曜石で作ったツール一式くらい。その辺に落っこちてた黒い石を分析して、どの方向に力加えたら分解(バラ)せるかが分かればナイフと斧とハンマーくらいなら余裕で作れます。石器時代の人にでもなったみたいだぁ(直喩)

 

結局投石器で倒したけどさ。

 

ばね、木、石、ツルがあれば意外と何でも作れるものなんですよねぇ。

 

ナンバーワンやでお前!

 

ツルが思っていたよりもろいので作成から1日2日で壊れるんですけどね。現に3基作った内の1機壊れちゃったし、残りの2基はもう発射して装填待ちだけどなかなか再装填が面倒だし。

 

なにがナンバーワンやお前!

 

あ、ちなみにですけど。投石器で魔物を倒したら、1つレベルが上がりますた。

 

===============================

 

新重藍作 17歳 男 レベル:2

 

天職:科学者

 

筋力:0(次のレベルでの増加量:0)

 

体力:0(次のレベルでの増加量:0)

 

耐性:0(次のレベルでの増加量:0)

 

敏捷:0(次のレベルでの増加量:0)

 

魔力:1(次のレベルでの増加量:2)

 

魔耐:0(次のレベルでの増加量:0)

 

技能:言語理解・ステータス隠蔽10¹・分析・系統外適性・念話・神経強化

 

===============================

 

・・・・この先、生きていけるのかなぁ・・・

 




今回は説明回。なんやこのステータス(嘲笑)


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Ep.4 穴掘り。そして・・・

感想が多くて作者はうれしい・・・ウレシイ・・・

みんなありがとー!


やあ!俺が今、何をしているかわかるかい?正解は・・・「穴を掘っている」でしたー!

 

ここ2週間と少し、実践を交えて戦ってきたからステータスの成長が…あんまりない。とある一点を除いて0のまんまなのだ。

その唯一伸びたステータスも、今は使えない・・・今後使えるかもしれないといえば聞こえはいいが、実質何も変わってない・・・スキルが増えた・進化したのはプラスに働くだろうが。

 

原因はいくら分析しても出てこなかった。

 

===============================

 

新重藍作 17歳 男 レベル:8

 

天職:科学者

 

筋力:0

 

体力:0

 

耐性:0

 

敏捷:0

 

魔力:255

 

魔耐:0

 

技能:言語理解・ステータス隠蔽10²・分析・系統外適正・念話・神経強化[+反射]

 

===============================

 

魔力の伸びがえげつないけど、系統外適性=魔法適正無しみたいなもので使える魔法なんてないからどうしようもない。

 

もっと色々作りたいけど、最低でも金属・・・銅然り錫然り鉄然り、あれもこれも欲しいものがありすぎて。全部地下に眠っている資源達だから、洞窟を見つけるか地表に露出しているのを探すかそれとも自力で掘るか。

 

 

 

 

そろそろ口調を元に戻すか。

 

ブラマイは拠点から直下掘りするタイプ。〇イクラの知識だがこれでたぶん石材を大量確保できるんで、それを使ってさらに石垣的なものを作って防衛拠点を作って・・・。勿論、運送には水を使うなどの工夫は怠らない予定。だってステータスによる補正ないんだもん。帰宅部にはいや~きついっす(素)

 

そんな感じで作りましたよ採掘機。黒曜石のブレードに土を掻き出すためのスクリュー、木の上から石を落としてそれを動力に変える回転機構に、落とした石を回収して上に運ぶシステム・・・は人力。そのためにエレベーターをただのツタ使ってたのをツタを束ねたり繊維を結わえて作った綱に換装したんだから。

 

 

完璧だな(白目)

 

 

 

因みに現在の服は魔物の皮、主食は偶然見つけた「自然魔力が豊富な泉」で毒抜きした魔物の肉。飲み水は泉の水をろ過煮沸して飲んでいる。あとはその辺の喰える野草喰ったり食える木の実喰ったりして何とか食いつないできた。

 

今夜はBBQだ。

 

訂正しよう。成分を分析して栄養バランスを考え、味の傾向と相性を分析して簡易的ながら最高の逸品を作り上げているので、案外、食には困っていないのである!

 

見た目がブドウだが味についてはクエン酸が豊富でレモンに似た味わいがする木の実を絞って、出たレモン風味汁に塩を加えた漬け汁に漬け込んでおいたお肉がこちらになります。これが三分クッキング式だ!・・・ではなく、あらかじめ用意していたのとは別に干し肉用にまったく同じものを作っていただけなんですけどね。

 

どうでもいい豆知識:魔物の肉はそのまま食べると毒(「分析」調べ)なので半日ほど自然魔力の泉の水にさらしておくと、臭みと有害な魔力が抜けて食べれるようになります。

 

塩分を多く含む木を焼いた灰を溶かして再結晶してを繰り返して入手した、割と希少品ながら高純度で植物風味・・藻塩に近い感じかな?を作っておいてました。

 

あとは食える山菜類・・・ニンニクは外せねぇな!行者にんにくの亜種が生えてるから、あとはタロイモを軽くふかしてから薄くスライスしてっと。

 

で、焼くと。

ジュ~パチパチパチ・・・

ああ~おなかがグルグルいうんじゃ~

姫リンゴの仲間と塩から作ったフルーティーなソース(塩リンゴジャム風味)をかけていただきます!

 

うまうま。

 

どうでもいいけど学生服は灰汁と油から作った石鹸と魔力水でしっかり洗っていたので、明日は着ようと思います。魔物の皮の奴はあくまで代用です、着心地はあんまりよくないし。

 

 

――――――――――

2日ぶりに学生服に身を包んでみると、だいぶボロボロになってきているのがやっぱり目につきますね。ボタンはいくつか飛んでるし、アイロンなんてないからエリはよれよれのままだし袖口はほつれ始めてるし。

 

まあいい。採掘機が止まったというか穴に落ちちゃったので、ロープを体に巻き付けて降下していこうと思います。もしかしたら空洞にぶち当たってるかもしれない。もしそこが溶岩などが抜けた後なら、鉱石がざっくざくかもしれない。うへへ・・・

 

 

 

 

科学者モード、オン。

 

気が付けばだいぶ深いところまで来てしまったが、どうやら空気はちゃんとあるようだ。定期的に投げ込んでいる木片が、そのまま火が付いたままどんどんと落ちていっている。

 

 

と思っていたが、底が見えた。スクリュー部分が燃えてほとんど灰になっているのは単純にここまで落としてきた火が原因だろう。重要なのはそこじゃない。穴の横に別の穴が開いていて、その先に魔力の残滓の反応を検出。どうやら魔法陣型のトラップが発動した後のようだ。

 

トラップの発動前に何らかの強力な魔力の衝撃を受けたらしく、転送先の部分の階層設定がだいぶ深くのほうになっている。

 

今の一瞬で、膨大な量の情報が頭に流れ込んできた。

 

 

=====================================

 

分析:

 

 対象: 

 グランツ鉱石型トラップ

  転移型、魔力衝撃の残滓を検出。

  属性・威力・射程・範囲・魔力吸収・・・・魔法の基本構成に関する分析

   属性:空間

   威力:kP&%階へ

   射程:-

   範囲:部屋一つ分

   魔力吸収:オルクス・コア

 

 周辺の空間

  オルクス大迷宮

  通路・・・縦横5メートル~6メートル

  緑光石の鉱脈中に生成

  現在地:20階層

  上下階層の状況・・・19階層:相対的に魔力濃度が低い

            21階層:相対的に魔力濃度が高い

 

 魔力濃度

  空間が魔物を生み出す能力

  

 

 緑光石

  魔力を光エネルギーに転換する鉱物

  未知の鉱石:地球上に存在しない

 

 魔力

  魔力散布を解析

  原型となった魔法の魔法陣推測を開始・・・

 

 念話

  南雲ハジメの反応を検出

 

=====================================

 

・・・うん、頭痛がする。科学者モード解除・・・

 

 

===============================

 

新重藍作 17歳 男 レベル:8

 

天職:科学者

 

筋力:0

 

体力:0

 

耐性:0

 

敏捷:0

 

魔力:255

 

魔耐:0

 

技能:言語理解・ステータス隠蔽10²・分析[+ステータス][+組成][+情報][+魔法陣]・系統外適正・念話[+検出]・神経強化[+反射][+一時記憶][+情報処理]

 

===============================

 

色々増えとるー!?

 

あ、頭痛が収まってきた。

 

けど、その代わりに・・ハジメの反応が遠ざかっていく。しかも、ああ、これは最悪のケース。

 

ハジメの移動速度が加速度的に早くなってる。

 

これが意味することはハジメは現在「落下している」ということだ。そして、現在地点がハジメのいる場所より上だということも同時に分かる。

 

そして、この迷宮が下へいけばいくほど難易度が高くなることを考えると・・・

今すぐ状況確認を・・・

ダメだ、今は下手に念話をかけるわけにはいかない。意識が一瞬でも逸れたら危険な場所にハジメがいる可能性が高いから。

 

とりあえず今やるべきことは・・多分クラスメートも一緒にいたでしょう、一人でハジメが動くはずはないから(唐突なdisり)

 

合流しますかね。着ておいてよかった学生服。




ようやっとチートらしくなってきたぞ!

視点変更とか見たい?


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Ep.5 合流と離脱

「帰ってきたの?」

 

「戻ったのか!」

 

「帰れた……帰れたよぉ……」

 

 クラスメイト達が次々と安堵の吐息を漏らす。中には泣き出す子やへたり込む生徒もいた。光輝達ですら壁にもたれかかり今にも座り込んでしまいそうだ。

 

そんな中、「忘れられたクラスメート」の彼はしれっと合流していた。

 

「たっくよぉ、随分とボロボロじゃねーか。」

 

「「「…誰?」」」

 

「あ、でもうちの制服着てるよ!ボロボロだけど・・・」

 

「おいゴルァ俺だよ俺!「藍作君!無事でよかった・・・!」あ、畑山先生こんにちは。ハジメが落ちたんですよね?」

 

「「「!?」」」

何故知っている?そんな疑問がほとんどの生徒から噴出するが声にならない。一部、はじめを通じて知り合った彼と親しい人たちは「どこに行ってたんだよ?」と言いたげなことを視線で問いかけている。

 

「これでもあいつの親友やってるんで。距離くらいはわかりますよ、あいつとの。」

また軽く!?マークがハジメ=陰キャオタクボッチと思い込んでいた者たちの頭上に出現するが、そんなのにはお構いなく色々これまでに彼がやらかした武勇伝(?)が叫ばれていく。

 

「そういえば、初日に「この新重藍作が最も好きな事のひとつは「NO」と断ってやる事だっ!」みたいなこと言ってた!」

 

「で、「彼は別の場所で少しお話が必要みたいですね。」とか言われて連れてかれてた!」

 なお、イシュタルは行き先や期間についてははぐらかして教えてくれなかったが、天之河光輝の「仕方ないよ。彼はイシュタルさんの言葉を聞く気は無いし、この世界を救う気もないみたいだし。イシュタルさんたちのところで守ってもらえたほうがいいんじゃないかな?」とのお言葉でいったん気にされないことになってしまったのである。

 

「化学の時間にTNTをまじめに作りだして思いっきり叱られてた人!」

実際には作り方を大真面目に唱え始めただけである。冗談のつもりだったらしいが、アウトであることに変わりはない、というかだれを爆破しようとしていたのだろうか・・

 

 

「皆さん、酷いですよ!クラスメートの中でもとっても…その…一風変わった人を忘れるなんて!」

 

「せめて特徴的といってくれませんかねぇ、、、」

思わぬところからのキラーパスに、思わず渋い顔になる藍作だった。

 

 

「おい藍作、俺だよ俺!遠藤!」

そんな微妙な空気のなか、影が薄いことでお馴染みの遠藤浩介は同じくそこそこイケメンではあるもののよく忘れられる彼に話しかけようとする。

 

「おう浩介、一瞬どこにいたのかわからなく・・・って冗談だよ、だからそんな捨てられた子犬のような目でこっちみんなって。」

 

念話の関係か、九割九分九厘影が薄い浩介を見つけることができるが、稀にマジで見失うことがあったりしょっちゅう「あれ?浩介どこだ」ネタでいじるほどの仲ではある。

 

「それはともかく、この階層の制圧終わったぜ?っと、また一体ポップしたようだな・・我流:天成(画竜点睛)!」

 

黒曜石製のナイフで敵を切り刻む。一体だけならば、問題なくやれるだけのテクニックはすでに身についていた・・・というわけではない。敵の弱点を分析して、そこに打ち込んでいるだけなのだ。

 

それを見て、メルド団長が声を張り上げる。

 

「お前達! 座り込むな! ここで気が抜けたら帰れなくなるぞ! 魔物との戦闘はなるべく避けて最短距離で脱出する! ほら、もう少しだ、踏ん張れ!」

 

渋々、フラフラしながら立ち上がる生徒達。光輝が疲れを隠して率先して先をゆく。道中の敵は見敵必殺と言わんばかりの藍作が中心となって最小限(?)だけ倒しながら一気に地上へ向けて突き進んだ。

 

なんだかとても長い時間がたっている気がする生徒が多数いる中、一行はついに受付に到着した。

 

 今度こそ本当に安堵の表情で外に出て行く生徒達。正面門の広場で大の字になって倒れ込む生徒もいる。一様に生き残ったことを喜び合っているようだ。

 

 だが、一部の生徒――未だ目を覚まさない香織を背負った雫や光輝、その様子を見る龍太郎、恵里、鈴、そしてハジメが助けた女子生徒などは暗い表情だ。

 

そして更に、受付で足止めを食らう生徒一人。当然だ。入ってきたときにはいなかったんだから。身分確認のためにステータスプレートに血を一滴たらして・・・

 

================================

新重藍作 17歳 男 レベル:9

 

天職:錬金術師

 

筋力:100

 

体力:100

 

耐性:100

 

敏捷:100

 

魔力:411

 

魔耐:100

 

技能:言語理解・分析[+ステータス][+組成][+情報][+魔法陣]・系統外適正・錬金

================================

 

思ったよりも高いステータスに受付の人を驚愕させていた。

 

 

 

 

 

軽くひと悶着あったが、メルド団長の鶴の一声で無事に受付を通過し、一行はホルアドの街に戻った。若干一名、戻ったのではなく初見の者がいるが、彼は例外である。

 

唯一の例外を除く全員が何かする元気もなく宿屋の部屋に入った。幾人かの生徒は生徒同士で話し合ったりしているようだが、ほとんどの生徒は真っ直ぐベッドにダイブし、そのまま深い眠りに落ちた。

 

例外と化した約一名は、ヒャッハーしていた。いつも九時に寝て五時に起きるという規則正しい生活で、早寝早起きなこの問題児は、九時を過ぎて起きていると深夜のテンションに突入する。

 

当然ながら先ほどのステータスは偽装で、こちらが正しいステータスだ。

================================

新重藍作 17歳 男 レベル:9

 

天職:科学者

 

筋力:0

 

体力:0

 

耐性:0

 

敏捷:0

 

魔力:511

 

魔耐:0

 

技能:言語理解[+魔法言語new!]・分析[+ステータス][+組成][+情報][+魔法陣]・系統外適正[+温度調整]・念話[+検出]・ステータス隠蔽10²[+スキル隠蔽Ⅲ]

================================

魔力が500の大台を超え、ようやく魔法が使えるようになったのだ。

あふれ出るパトスと湧き上がるアイディアで、新たに手に入れたスキルの検証を嬉々として行っている。

 

最初の頃はまだよかった。

使っている魔法が「温度調節」だけだったから。

 

布団の外側に涼しい空気を置いて、布団の内側にほんのりぽかぽかとするくらいに予熱しておいて快適に寝ようとしていた。

 

ところが、気温の調節で上昇気流・下降気流と風の流れを作れるんじゃなかろうかと思いいたって、いろいろ試し始めた。

 

 

魔法が進化して「温度魔法」になったあたりで、何かがおかしくなった。

 

何もないところに火を生み出す火魔法を使うことはできなくても、放り投げた紙くずを燃やすことはできるようになり、少しの時間を掛ければ岩石の温度を急速に上げ下げすることで岩をも砕くことができるようになった。

 

遂にいてもたってもいられなくなり、皆が寝静まる深夜。スカルン鉱床を求めて一つの影が走り去っていった。決して忍者のごとき走り方でもなく、極々普通の人と同じようにどたどたと音を立てながら。

 

そんな影を追う目が4つ、じっとそちらを見つめていた。



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Ep.6 感性の違い

待たせたな!いや、言い訳をさせてくれ。真面目に課題が課題が、課題の山が迫ってきてるのおおお!!


合流してからすぐ、もともと遠足などの集団行動の際に勝手にどこかに行ったかと思えば気が付いたら戻ってきている自由気ままな彼は、すでに再び別行動に移っていた。

 

「スカルン鉱床ミッケ!勝ったな、第三部完!」

 

スカルン鉱床とは、熱水鉱床の一種・・・要するに、地中から湧き上がる鉱物を大量に含んだ液体が岩にしみこんでできた大規模な資源の宝箱である。

 

このためだけにわざわざ先生から怒られるリスクや常識的な判断、「みんなと一緒にいたほうが安心」のような感じの日本人的価値観を捨てて、いやだいぶ前から捨てていたが、とにかく異世界だろうと問題児っぷりを存分に発揮して移動を決行した。

 

 

「では、改めまして。物理魔法:温度変化!温度上昇、広範囲に摂氏五百度!演算開始!」

 

 2.7g/cm³・・・石(地殻)の密度

 0.9J/K・g・・ 石の比熱

 286K・・・・・現在の温度

786K・・・・・目標温度

 

熱エネルギーの差(ΔQ)=2.7*0.9*786-2.7*0.9*286

=1215J/cm³

 

魔力エネルギー変換・・・1ステータス単位=1KJ

511KJ=511000J

何をやっているのかって?SO☆RE☆WA

今回加熱することができる範囲を求めてましたー!誰に向かってやってんだろ俺。

 

511000/1215≒420cm³・・・思ったより狭い範囲しか温められないようだ。

200C°ならどうだ!?

 

~計算式省略~

 

1m³位ならいけるべ。

 

「もう一回!物理魔法:温度上昇 範囲指定:1m³、上昇幅摂氏二百度!」

 

魔力を一気に全部吸って、スカルン鉱床の一部がピキピキと音を立ててミリ単位で隆起し、冷えるにしたがってひび割れていく。

 

その近くで、岩石から放射される熱でぬくぬくとしながら丸くなって眠る科学オタク系不良。

 

科学馬鹿一名の頭の中は、今日も平和にヒャッハーしていた。

 

 

――――――――――――

 

数日が経ち。畑山先生がまた消えた神出鬼没の生徒とほぼ死亡が確定してしまったもう一人の生徒を思って胃痛で寝込んでいるころ。ハジメによってドンナー&シュラークが完成するちょっと前、最初の銃火器の称号をかっさらっていった男が一人。

 

ハンドキャノン。

 

硝石やら木炭の粉末、あと硫黄鉱石を粉砕したものを混ぜ合わせた黒色火薬を、青銅でできたに弾丸と一緒に詰めて、筒の後ろ側に火入れ用の穴が開いているのでそこに火種を突っ込んで・・・

 

「Fooo!テンション上がってきたぜ、ファイアー!」

 

パーン!

破裂音とともに打ち出される弾丸。水平に撃ち出されたそれは、重い音を響かせて地面をえぐった。

 

「安全には気を配る系俺氏。良かった、手で持ってなくて。」

 

火薬を入れ過ぎたのが原因か、砲身は爆発四散し、地中に半分埋めていたおかげか大して破片による被害は出なかった。もっとも、極々小さいかけらが吹き飛んで、少し離れた場所で待機していた藍作の頬に赤い筋を作ったが。

 

「安全確認ヨシ、ふう。火薬の扱いには細心の注意を払わないとやばいってそれ一番言われてるのぜ。」

 

安全確認に気を配る理由はほかにもあった。15mほど先の倉庫の中に、大量の手榴弾の原型と大量の黒色火薬が用意されているのだ。

 

勿論、威力チェックができたから手榴弾を実用化してハンドキャノンは後々の改造を施すことは決定していた。

 

 

 

 

 

 

 

「HYAAAAAAFOOOOO!!!!」

ハジメが上層への道を探していたころ、ダンジョンに潜り込んだ爆弾魔が閃光爆弾に銅やらなにやら混ぜ込んでカラフルな爆発を引き起こしていた。

 

何のあてもなく迷宮内を色とりどりの光で埋め尽くしているのではない。少しでもハジメがこの光を見つけてくれたらと願っての行動で、ついでにレベ上げとかマッピングとか威力テストとかいろいろも行いながら派手に移動を続けているのだが、

 

ハジメにまた少しの希望を与える以外は特に効果はなかった。

 

いや、銃の設計講習も地味にやっていた。そのため、原作のドンナ―&シュラークより威力が15%増しになったとかならなかったとか・・・

 

 

 

更にしばらくのち。

 

ハジメが高初速のレールガン路線に進んだのに対し、こちらは・・・

 

「C'mon!グレネードランチャー『クライン』大口径!高威力!芸術は爆発だ!」

 

お陰で高レベルが瞬溶け、レベルは上昇を続けて、魔力だけが上がりました☆

 

 

 

 

「「「えええええぇえええぇえええぇえええ!?!?」」」

 

二回目となる無断行動&2週間近くにわたる長期不在の結果、クラスメートたちと再合流した時に見たものとは。

 

 

肩に担いだ武骨な代物。

メタリックな黒・・・鋼鉄製だ。でできた砲身を両肩に担ぎ、背中にリュックのようなものとその中にパンパンに詰まった鉱石。

 

そして実力はそこそこな問題児から、軽々とグレネードランチャーを持ち上げる筋骨隆々な感じのガチ不良に変貌した外見。

 

ハジメも初めで外見が全くと言っていいほど異なることになるが、こっちもこっちで大概だった。

 

 

 




次の投稿は設定でも出すかな・・・2000文字か…少ないけど、とりあえず投下しちゃえ!('ω')ノポーイ


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