ようこそ暗殺至上主義の教室へ (全桜)
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すべての人間は生まれながらにして知らんことを欲す。
Room:1 黄色のタコの時間


突然だがちょっとだけ俺の1人話を聞いてほしい。え、お前誰だよだって?そんな事はどうでも良い。俺は3ーEに在籍しているただの生徒だ。・・・今俺たちの前には黄色いタコ型宇宙人みたいなのがいる。意味がわからないって?安心しろ俺も最初は意味が分からなかった。この物語は俺が中学校最後の1年で特に濃い1年の話をしよう。まあ俺に面倒臭い事がなければ良いが・・・。



3ーE

 

その教室で生徒の皆が俯いている。緊張した雰囲気が張りめぐされている。そう考えた矢先校舎の近くにナニかが着地した。そしてソレはヌルっと音を立てながらここの教室に来ている。そしてタコ型宇宙人みたいなアイツは教室に入ってきた___。

 

 

「えー、それではホームルームを始めます。日直の人は号令を」

 

「き、起立!」

 

その時全員が立ち___そして銃を構えた。

 

「気をつけ、礼っ!」

 

潮田が礼と言った瞬間全員の銃から超生物に向かって発砲された。しかし超生物は持ち前の超スピードであったている感じはしなかった。速すぎるな・・・。どうやればあたるんだ?

 

「おはよう御座います。発砲したままで結構ですので出席をとります」

 

 

「綾小路君」

 

 

そして最初に俺の名前が呼ばれた。

 

「・・・はい」

 

「すみませんが銃声の中なので大きな声で」

 

注意された。まあこんな状況だ。多少聞こえにくくても無理は無いだろう。

 

「はい!」

 

そして着々と皆の名前が呼ばれた。

 

「磯貝君」

 

「はい!」

 

「岡島君」

 

「はい!」

 

「奥田さん」

 

「はい!」

 

「片岡さん」

 

「はい!」

 

「茅野さん」

 

「はい!」

 

「神崎さん」

 

「はい!」

 

 

 

 

___「はい遅刻無しと。素晴らしい!先生とても嬉しいです!」

 

出席を終える頃には皆は発砲を辞め疲れていた。

 

「速すぎ」

 

「クラス一斉射撃でもダメなのかよ・・・」

 

最高速度マッハ20あるんだぞ・・・そりゃ無理だろ。・・・俺たちは殺し屋。俺たちのターゲットは・・・先生。

 

「残念ですねぇ。今日も命中弾ゼロです。数に頼る戦術は個々の思考を疎かにする。目線。銃口の向き。指の動き。一人一人が単純すぎます。もっと工夫しましょう。でないと、最高速度マッハ20の先生は殺せませんよ」

 

もっと工夫ねぇ。無理じゃね?落とし穴に嵌めるとか罠に完全に嵌らせないと無理だと思うが。

 

「いやていうかさ本当に全部避けてるのかよ先生!」

 

「どう見てもこれただのBB弾だろ。あったているのに我慢してるだけじゃないの?」

 

政府公認の武器だぞ。そんなふざけた事するわけ無いだろ。でもそうだな効果あるのかいまいち不明だな。そう思っているとクラスがそうよそうだよと騒ぎ始めた。

 

「ふむ、では弾を込めて渡しなさい」

 

そういうと岡野が超生物に銃を渡した。

 

「言ったでしょうこの弾は君たちにとっては無害ですが___

 

 

パァン!

 

 

 国が開発した対先生用特殊ガンです。当たれば先生の細胞を豆腐のように破壊できる。ああ勿論数秒あれば再生しますが」

 

・・・効果は確かのようだな。あと数秒あれば再生すると言っていたな。そのためのエネルギーとかは必要ないのか?

 

「だが君たちも目に入ると危ない。先生を殺す以外の目的で室内での発砲をしないように。殺せると良いですねぇ卒業までに」

 

そう言うと超生物の顔に緑のシマシマがでる。確か舐めている時の模様だったな。

 

「さあ!銃と弾を片付けましょう。授業を始めます」

 

椚ヶ丘中学校3ーEは暗殺教室。・・・暗殺と言っていいのか?まあいいか始業のベルが今日も鳴る。

 

「ヌルフフフフフフ」

 

____________________

 

 

「はい!ここで問題です。磯貝君」

 

「は、はいっ」

 

「この四本のうち仲間外れは?」

 

「え、えーと。青い触手」

 

「正解!青の例文のwhoだけが関係詞です。関係代名詞は___」

 

「ね、渚」

 

「ん?」

 

おいおい授業中に話さないほうが良いぞ。あの超生物はなんだかんだ聞こえてそうだしな。

 

「昼間だけど出てるね三日月」

 

三日月・・・か。そう言えばなんで俺はこんな状態になったんだろうな。3年生のはじめ俺は2つの事件に同時にあった。1つ目はその日突然月が爆発して三日月型になった事。2つ目はこのタコみたいな超生物が担任になった事だ。

 

『月が!!爆発して7割方蒸発しました!!我々はもう一生三日月しか見られないのです!!』

 

「はじめまして私が月をやった犯人です」

 

・・・は?なんの冗談だろうか。もしかしてこの校舎を特撮に使うつもりか?

 

「来年には地球もやる予定です。君たちの担任になったのでどうぞよろしく」

 

・・・まず5、6ヶ所ツッコませろ。と、クラス全員そう思っただろう。

 

「あー、防衛省の烏間というものだ。まずはここからの話は国家機密だと理解頂きたい」

 

防衛省の烏間さんが息を吐いた。いや溜息か?

 

「単刀直入に言うこの怪物を君たちに殺して欲しい」

 

クラス全員が呆然としている。何を言っているんだ?

 

「・・・えっと、何すかソイツ攻めて来た宇宙人か何かすか?」

 

あの触手みたいなのがウネウネ動いている所を見る限り俺もそう思う。軟体動物なのか?三村がそう言うと超生物が憤慨した。

 

「ん!?失礼な!生まれも育ちも地球ですよ!」

 

・・・地球?どう言う意味だ?

 

「詳しい事を話せないのは申し訳ないがコイツが言った事は真実だ。月を壊したこの生物は来年の3月地球をも破壊する」

 

・・・それはまたぶっ飛んだ話だな。いやもしさっきの超生物が月を7割蒸発させる力を持っているならあながち嘘でもないかもしれない。

 

「この事を知っているのは各国の首脳だけ。コイツの存在が公になれば世界はパニックに陥るだろう。そうなる前に秘密裏にコイツを殺さねばならない。___つまり暗殺だ。だがコイツはとにかく速い!殺すどころか くっ! 眉毛の手入れをされている始末だ。丁寧にな!!!」

 

うおっ。風がすごいな。本当に速いな少なくとも人間が出せる速度を遥かに超えているな。無理だろ。

 

「満月を三日月に変える程の超生物だ。最高速度はマッハ20!つまりコイツが本気で逃げれば我々は破滅の時まで手も足も出ない」

 

「まあそれでは面白くないのでねぇ。私から国に提案したのです。殺されるのはごめんですが。椚ヶ丘中学校3年E組の担任ならやっても良いと」

 

いや何でだよ。おかしいだろ。自分の言っている事理解しているのかコイツは?

 

「コイツの狙いは分からん。しかし我々政府は君たち生徒に危害を加えない事を条件に止む無く承諾した」

 

いや本当になんでだよ。ていうか政府も承諾するなよ・・・。俺たちまだ中学生だぞ?条件って言ってもそんなやばい超生物が確約するとは到底思えない。

 

「理由は2つ。教師として毎日来るのなら監視ができる。何よりは30人もの人間が至近距離からコイツを殺すチャンスを得る」

 

・・・なるほどな。確約するとはやっぱり思えないが万が一逃げ出したとしても誰も咎めないだろう。アイツが逃げて他の誰かに殺されていることを祈ろう。

 

___________________

 

 

 そう思い出した矢先中村が超生物いや先生に向かって発砲した。しかし先生はえっと対先生特殊BB弾だったけ?まあそれを2つのチョークで挟んで受け止めた。さすがは最高速度マッハ20だ。動体視力も伊達じゃない。ていうか今思い出したがなんか逃げ出す感じがしないな。

 

「中村さん。暗殺は勉強の妨げにならない時に言ったはずです」

 

「すみません」

 

「罰として後ろで立って受講しなさい」

 

それは今時教育委員会に怒られないんだろうか。・・・そもそもなんでこんな超生物がウチの担任に?どうして僕らが暗殺なんか!その時は疑問や否定的な生徒が多かったがそんな声はこの条件で書き消えた。

 

「成功報酬は100億円!」

 

「ひゃっ!?」

 

クラス全員驚いた。まあ当然か。

 

「当然の額だ。暗殺の成功は冗談抜きで地球を救う事なのだから。幸いな事にコイツは君たちを舐めきっている。見ろ!緑のシマシマになった時は舐めている顔だ!」

 

どんな皮膚だよ・・・。

 

「当然でしょう。国がやれない私を君たちがやれるわけがない」

 

触手の動きがうざったいがまあそうだろうな。

 

「最新鋭の戦闘機に襲われた時も逆に空中でワックスをかけてやりましたよ」

 

・・・なんでそんなに何かの手入れをしたがるんだ?

 

「君たちには舐めているコイツの隙をあわよくばついて欲しい」

 

あわよくばか・・・。そんなに上手くいくとは思えないが。

 

「人間には無害でコイツには効く武器と玉を支給する」

 

そんな事言っても普通の人にとっては情報量が多過ぎて困惑するだけだと思うが。

 

「君たちの家族や友達にも絶対に秘密だ。とにかく時間が無い。地球が終われば逃げる場所などどこにも無い」

 

「そういう事です。さあ皆さん残された1年を有意義に過ごしましょう」

 

まるで地球が破壊される事が分かっているように見えた。

                   残された時間は1年。

俺たちの誰かもしくは他の誰かが暗殺に成功しなければ未来は無い。少なくともこんなに早く死ぬのはごめんだ。

 

____________________

 

 

 キーンコーンカーンコーン

 

 

「おっ。昼休みですねぇ。先生ちょっと中国に行って麻婆豆腐を食べに行ってきます。ああ、暗殺希望者がいれば携帯で呼んでください」

 

そう言って教室から去って行った。相変わらず速いし風凄いな。

 

「えっと、マッハ20だから・・・」

 

「麻婆の本場四川省まで10分ぐらい・・・」

 

「確かにあんなもんミサイルでも落とせんわぁ・・・」

 

確かにな。ロシア軍公開の新型ミサイルのキンジャールでも時速1万キロつまり最高速度マッハ10だもんな・・・。

 

「しかもあのタコ音速飛行中にテストの採点までしてるんだぜ?」

 

・・・どうやって知ったんだ?まあ恐らく先生が自分から言ったんだろうな。

 

「マジで!?」

 

「俺なんてイラスト付きで帰ってきた」

 

「てかアイツ何気に教えるのうまくない?」

 

「分かるー。放課後に数学教わって次のテストの点良かったもん」

 

「ま、でもさ所詮俺らはE組だしな」

 

「頑張っても仕方ねえけど」

 

アイツの分かっている情報はタコ型で超生物の暗殺のターゲットで表情によっては顔に模様が浮き出るのと何故か普通に先生をしている。まるでアイツとは違うな。そして俺たちも同じ即席の殺し屋の部分を除けば普通の生徒だ。・・・けど俺たちE組は少しだけ普通と違う。全員が全員自分を否定している。俺もその中の1人だ。

 

 ___「整列っ!」

 

その号令でそこいる皆何もない真っ白な部屋の中男子は少し青みがかった白い患者服のようなもの女子は薄いピンクの患者服のようなものを着て整列していた。

 

「はぁははぁはぁはぁ。」

 

元々気分が良くない隣の男の子が突然苦しみ倒れ出した。原因はすぐに分かった過労によるストレスだった。

 

「はっはぁはっはっはぁはぁ。」

 

俺は数秒その男子をただ見てなんの興味も無くただまた前を向いた。 俺はきっといや絶対にE組の中でも最低で最悪の不良品なのだろう。




初投稿です。文才は有りませんがなるべく面白く書けるよう頑張ります。(綾小路は最初のうちは目立ちませんが・・・)亀投稿でいつ失踪してもおかしくありません。原作を片方もしくは両方知らなくても読みやすく面白く作れるように努力します。そして作者はアニメ勢です。基本アニメに沿うと思います。どんどんオリジナル展開になる可能性もあります。その日の気分とかで作るので後々矛盾する可能性があります。アニメ1話の半分がこの小説の1話分です。また迷惑行為はお辞めください。

後感想を頂きこれは小説じゃなくて台本だなと思いました。少しずつ変えようと思いましたがまだ1話なので直す事にしました。いくら初めてでもこれはちょっとないなと思いました。改めて見たら自分の作品にムカつきました。最初の内は会話もの方が多めです。段々小説にしていくので最初は許してください。


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Room:2 暗殺の時間

会話が多い。小説というものを書きたい。これは小説なのか?・・・文才が欲しいよ。


「おい渚」

 

俺が思いふけていると寺坂が潮田を呼び出した。・・・なんだ俺じゃないのか。ちょっと期待しちゃたぞ。

 

「ん?」

 

「ちょっと付き合えよ。暗殺の計画進めようぜ」「うん・・・」

 

寺坂は自身満々に話を進める。それに対して潮田は自信なさげに返した。暗殺の計画・・・?ちょっと気になるな。あとをつけてみるか。

 

__________________________

 

 

「あのタコ機嫌によって顔の色が変わるだろ?観察しとけって言ったやつ出来てるか?」

 

寺坂が村松と吉田を引き連れ前から頼んでいた事を上から目線で潮田に聞いた。潮田のやついつのまにか観察していたんだな。しかも人の言う事を素直に聞いている所を見る限り良いやつだ。

 

「一応。余裕な時は緑のシマシマなのは知ってるよね・・・。生徒の解答が間違っていたら暗い紫。正解だったら明るい朱色。面白いのは昼休みの後で___」

 

「俺は知らなくていんだよ。作戦がある。アイツが一番油断している顔の時にお前が殺りに行け」

 

潮田がいままで観察してきたものを寺坂はバッサリ切った。結構観察しているんだな。それにしても寺坂が立案者なのか?ロクなものじゃなさそうだな。

 

「ぼ・・・僕が?でも___」

 

「良い子ぶってんじゃねえよ。俺らはE組だ。進学校で有名なこの学校のレベルについて行けなかった脱落組 通称 『エンドのE組』毎日山の上の隔離校舎まで通わされてあらゆる面でカスみたいに差別されてる。落ちこぼれの俺らが100億円稼ぐチャンスなんてこの先一生回って来ねえぞ?」

 

・・・そう。俺たちはエンドのE組。差別されているのは本校舎側の生徒の踏み台のためだ。だけど俺はこれで良いと思っている。

 

「抜け出すんだよこのクソみてぇな状況から」

 

そう言うと寺坂はポケットから包みを出した。・・・なんだあの包みは?

 

「たとえどんな手を使ってもな」

 

そして寺坂は潮田にその包みを渡した。

 

「ハハっしくじんなよ渚君」

 

寺坂が去っていくと潮田は包みを見て浮かない顔をしていた。・・・大丈夫か?アイツ。そう思った矢先超生物先生が潮田の近くに着地する。

 

「うわっ!」

 

「ただいま帰りました」

 

「お、お帰り先生・・・。どうしたのそのミサイル?」

 

そう超生物先生はミサイルを持っていた。・・・なんでミサイル持っているんだ?

 

「お土産です。日本外で自衛隊に待ち伏せされまして」

 

「た、大変ですね・・・。ターゲットだと」

 

「いえいえ皆から狙われるのは力を持つものの証ですから」

 

「!」!

 

 

「さ、5時間目の授業を始めますよ」

 

そう言って超生物先生は先に校舎に向かった。俺もそろそろ行かないとな。

 

「・・・はい」

 

・・・力を持つ者の証か。潮田はその言葉を聞いた辺りから顔を俯かせ暗くなった。・・・ヤバイな。あの顔は自暴自棄になっている顔だ。ちょっと話しかけるか。

 

「なあ潮田」

 

 ビクッ「な、何?えっと、綾小路君だったよね」

 

俺の影が薄いのかそれとも潮田の中で何かが渦巻いているせいなのか接近して声をかけるまで全く気づいてなかった。・・・なるべく後者だと思いたいな。

 

「ああ。お前暗殺するみたいだな。正確には暗殺か分からんが」

 

「・・・聞いてたの?」

 

「ああ。それで本気で殺す気か?」

 

「・・・うん」

 

「今なら引き返せるぞ。先生もそんな気持ちで暗殺されたくないだろ。」

 

「どうせ先生には分からないよ。期待も警戒も認識さえされなくなった僕の気持ちなんか。だからこそ殺せるかもしれないんだ。だって僕の姿なんて見えてないんだから」

 

「今のお前のソレはただの自暴自棄だ。悪い事は言わない今回は引いてくれ」

 

「・・・っっ!君に何が分かるんだよっっ!」

 

そう言って俺を振り払い潮田は教室へ向かった。

 

「・・・少々不味いかもな」だが好都合でもある。奥の手とか持っている可能性が高い。例え今回の寺坂達の計画が成功しても別に良い。まあ最低でもこの計画で有益な情報を得られることは確信している。それぐらいあの超生物先生は情報不足なのだ。

 

さあどう出る?超生物先生。

_______________________

 

 カッ カカッ カッ カッ 

 

「はい!それではお題に沿って短歌を作ってみましょう。ラスト7文字を触手なりけりで締めて下さい」

 

クラス全員から『は?』と言う声が聞こえた。

いや難くね?

 

「触手なりけり・・・ですか?」

 

神崎が困惑しながら超生物先生に聞いた。そりゃそうだ。

 

「はい。書けた人は先生の所へ持って来なさい。チェックするのは文法の正しさと触手を美しく表現出来たか例文です。『花さそふ嵐の庭の雪ならではえゆくものは触手なりけり』」

 

「触手だったのだなって・・・」

 

ふざけている様にしか見えないな。・・・いや最初からだったな。

 

「出来たものから今日は帰ってよし!」

 

クラス全員がえ~と言う。俺・・・帰れるかな。

 

「そんなの思い付かないよー」

 

「ほ~らほらヌルヌル素晴らしい句が湧いて来ませんか?ヌルヌルヌヌヌルヌルヌル___」

 

「ヌルヌルうるせえよ!」ヌルヌルうるさいな。

 

「先生ー質問ー」

 

茅野がそう言った直後超生物先生の体が薄いピンクになった。超生物先生は少し遅れて返事をした。そんな油断して大丈夫なのかターゲット。

 

「っあ、何ですか茅野さん?」

 

「今更なんだけどさー。先生の名前なんて言うの?」

 

本当に今更だな。だがそうだな名前教えて貰った事がないな。

 

「にゅ?」

 

「他の先生と区別する時不便だよー」

 

・・・他の先生居たか?

 

「名前・・・ですか?」

 

超生物先生の表情は読めないが少々困惑しているように見えた。

 

「そういや_」「名乗ってないね」

 

杉野と不破が息ピッタリに言った。正直ちょっと羨ましい・・・。

 

「フム。名乗るような名前はありませんねぇ。なんなら皆さんでつけて下さい」

 

「それでいいんだ・・・」それでいいんだ・・・。・・・なんか前原とはなんか仲良くなれそうな気がするな。

 

「でも今は課題に集中ですよ」

 

「はぁーい」

 

「では先生はその間に一休みを」

 

そう言ってまた薄いピンクになった。一休みって教育委員会からまた怒らせそうだな・・・。そう思っていたら1人だけ違う動きをしていた。潮田渚だ。超生物先生が薄いピンクになったのを確認し1番に立った。

 

「おお。もう出来ましたか渚君」

 

「ふっ」

 

寺坂の余裕の笑み。潮田の手元には短歌の紙で隠された対先生ナイフ。そしてさっき渡された包み。間違いない潮田は超生物先生を殺す気だ。

その刹那___ 

 

 

ヒュッ バァン!

 

 

 しかしナイフはあっさり超生物先生に受け止められた。

 

「言ったでしょうもっと工夫を___」そして潮田は超生物先生に抱きついた。

やはり                   自爆か。

 

「にゅっ?にゅやっ!」

 

「ふっ!」

 

寺坂がスイッチを押した瞬間___ 潮田と超生物先生が爆発した。そして爆発した所から勢いよく対先生物質のBB弾が弾けた。危ないな・・・、こっちの被害まで考えてくれよ。あれはいくら何でも火傷じゃ済まないんじゃないか?

 

「しゃああああああ!」「やったぞー!」寺坂組は確実にやったと思い喜び出した。

 

「渚っ・・・!?」

 

茅野は目を見開いて驚いていた。

 

「ハハっ!ざまあ見ろ!」

 

「寺坂!」「何やったんだ!」

 

すかさず磯貝と前原が寺坂に問い詰める。

 

「ふふっ。コイツも自爆テロは予想してなかっただろう」

 

自慢げに寺坂が言う。

 

「ちょっと!渚に何持たせたのよ!」

 

「ああ?オモチャの手榴弾だよ。ただし火薬を使って威力を上げてある。300発の対先生弾がすんげー速さで飛び散るようになあ」

 

「な!?」

 

そう寺坂が潮田に渡した包みの正体は火薬入りのオモチャの手榴弾だったのだ。オモチャでも結構エグいことするな・・・コイツ。

 

「ま、人間が死ぬ威力じゃねえよ。俺の100億で治療費くらい___。あ?無傷?火傷1つ負ってねえの?」

 

結果から言えば潮田は何かの膜に覆われて無傷だった。・・・どういうことだ。いくらオモチャでも火薬がはいっているなら火傷はしているはず。

 

「それになんだこの膜・・・?多分この死体の___」

 

「実は先生、月に一度ほど脱皮をします。脱いだ皮を渚君に被せて守りました」

 

・・・やはり生きていたか。それにしても脱皮した皮は意外と硬いんだな。

 

「っっ!!」

 

「月1で使える先生の奥の手です・・・!」やっぱりあったか。

 

「寺坂 吉田 村松」

 

・・・これは本格的にヤバイな。見るまでもなく真っ黒な顔。完全にド怒りだ。

 

「首謀者は君ら3人だろう・・・!」

 

「えっ!?」「い、いやっ・・・」「渚が勝手に___」

 

寺坂がそう言うと超生物先生は超スピードで校舎から出て行きクラス全員の表札を持って帰っていた。

 

「俺ら家の表札・・・!?」

 

「政府との契約ですから先生は決して君たちには危害を加えない。が、しかし次また今の方法のように暗殺しに来たら君たち以外には何をするかわかりません」君たち以外には・・・か。

 

「家族や友人・・・いや君たち以外を地球ごと消しますかねぇ・・・!」

 

5秒間でみんな悟った事だろう。どこにいても逃げられないと。生きたければコイツを・・・殺すしかない。

 

「な、何なんだよテメェ!迷惑なんだよ!いきなり来て地球爆破とか!暗殺しろとか!迷惑な奴に迷惑な殺し方して何が悪いんだよ!」

 

寺坂が泣きそうな顔をしながら超生物先生に向かって怒鳴った。しかし次の瞬間超生物先生の顔に赤い丸のマークが浮き出た。

 

「迷惑?とんでもない君たちのアイディア自体はすごく良かった!特に渚君 君の肉薄までの自然な身体運びは100点です!先生は見事に隙を突かれました。ただし!寺坂君達は渚君を 渚君は自分を大切にしなかった。そんな生徒に暗殺する資格はありません」

 

そう言うと今度は顔に紫の×のマークが浮き出た。でもたしかにアイディアは良かった。だがまだまだ甘かったそれだけだ。

 

「人に笑顔で胸を張れる暗殺をしましょう。君達全員それが出来る力を秘めた有能なアサシンだ。ターゲットである先生からのアドバイスです」・・・先生。ここにいる皆はともかく少なくとも俺はそんな出来た人間じゃない。

 

「にゅ?」

 

超生物先生は教卓の少し焦げた所を少し見てそこを指の触手で抑えた。そこで俺は何かを感じた。・・・なんだこれは?

 

「さて問題です。渚君。先生は殺される気など微塵もない」

 

「皆さんと来年3月までエンジョイしてから地球を爆破です。それが嫌なら君達はどうしますか?」

 

「っ」

 

潮田は一瞬不安そうな顔をしていたが顔が明るくなった。

 

「地球を爆破される前に先生を殺します」

 

潮田がそう言うと超生物先生は顔に緑のシマシマ模様を浮き出して。

 

「ヌルフフフフフフなら今やってみなさい。殺せたものから今日は帰って良し!」

 

超生物先生は上機嫌に言った。えっ・・・。帰れる・・・のか?これ?

 

「今撃っても」「表札と共に手入れされる・・・!」「帰れねー・・・」

 

「殺せない先生かあー。殺せない。ころ。殺せん せいは?」

 

茅野が超生物先生を殺せんせーと名付けた。安直すぎだと思うが・・・。

 

「殺せんせー?」

 

「にゅ?」

 

超生物先生いや殺せんせーか・・・。良いかもな。俺たちは殺し屋。ターゲットは先生。これは殺せんせーと俺たちの暗殺教室始業のベルが明日も鳴る。

 

_______________________

 

 

その後はっきり言ってめちゃくちゃ時間たった。結局殺せんせーを殺せたやつはおらず帰ることになった。まあそうだとは思ったが・・・。

 

「さて帰るか」

 

俺はそう言って1人で帰ろうとしたが___なんか潮田がこっちをチラチラ見てるな・・・。昼休みの時は怒らせたからな。案外気にしているのか?まだ怒っている可能性もある。これは帰るべきか?いやそういえばこのクラスで友達を作ってないな・・・。流石に友達は少しは欲しいからな。よし・・・。話しかけるか。でもどうやって声をかけよう?さっきはごめんとかか?いやでも___

 

そう脳内で潮田にどう声をかけるべきか迷っていたとき___

 

「ね、ねえ綾小路君。一緒に帰らない?」

 

まさかの潮田から声をかけてくれた。よかった。俺は快く返した______かった。

 

「ン、ああ」

 

____ちょっと失敗した。ぐっ。どうしてこうも上手くいかなんだ。

 

「じゃあ行くか」

 

俺は先程の失敗をなかったの様にそう声をかけてそそくさと教室を出た。

 

「あ!待ってよ!綾小路君!」

 

俺が教室を出たから潮田も急いで俺を追いかけた。・・・なんか教室を出ようとする途中、クラスの連中に好奇の目で見られた。え、何?俺が誰かといるのってそんなに珍しい事なのか?なんかひどくね?目の暴力なのか?

 

そして少し先に行ってしまったため校舎の前で潮田を待っている。

 

「ね、ねえ!なんで先に行こうとするのさ!」

 

「いや悪い。クラスの連中に好奇の目で見られていたからな。俺は目立ちたくないからな先に行かせてもらった。」

 

事実目立ちたくないしな。そう俺が言うと潮田は納得した様な顔をした。

 

「あー。なるほどね。確かに綾小路君が誰かと話した所見た事ないかも」

 

失礼な。流石に俺でも誰かと話したことはあるぞ。提出物を出す為に磯貝とか片岡と話したことあるぞ。・・・はいとしか言ったことはないけど。思っていて悲しくなってしまうので無理矢理話題転換をした。

 

「そういえば潮田。昼休みの時はごめんな。確かに俺はお前の気持ちを考えずに発言したからああなったんだよな」

 

「う、ううん!あれは綾小路君のせいじゃないよ!むしろ綾小路君は心配してくれんだよね・・・。こっちこそごめん。自分勝手で」

 

・・・潮田は良いやつだ。だからこそ____

 

「いや大丈夫だ。・・・これを機にと言う訳でもないが・・・友達になってくれないか?」

 

「え・・・。良いの?綾小路君とは一度話してみたかったんだよね。・・・うん。じゃあさこれからは渚って呼んでよ」

 

潮田いや渚は俺の提案を快く受け入れてくれた。・・・友達1号ゲットだぜ。

 

「わかった。渚。俺の事も名前呼びにしてくれ」

 

「わかった!・・・清隆君!駅前に新しいパフェがあるからそこ寄って行こうよ!」

 

しかもお互いに名前呼び。これはもう友達だよな?

 

「ああ」

 

渚。お前は良いやつだ。俺の事も構ってくれる。観察眼もある。それに___いやこれは今はよそう。だから、いや・・・だからこそお前は良いやつで誰よりも危険なやつだ。

 

 

 

 

 



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Room:3 野球の時間

最初は!最初は!最初は!小説みたいになってる!
あ、あと今回はちょっと長めです。
一応アニメの半分くらいでキリが良さそうなところできってるからなあ。
・・・次回は大丈夫なのだろうか・・・。




さて、前は渚という名前で呼び合い一緒に買い食いする・・・。なんて友達らしい行為なのだろうか。・・・これはもう俗に言う勝ち組と言うやつではないのか?なんでだろうこれからの事を考えてもなんかワクワクしてきたぞ。今日も一緒に帰る事が出来るのだろうか・・・。いやでも渚は友達多そうだしなぁ。そう考えウロウロしていると普通に走ってもギリ遅刻しそうな時間になっていた。・・・急がないとやばいな。そう思い俺は全力疾走した。

 

_______________________

 

「はあ、なんとかホームルーム前には着いたな。にしても久々に全力で走ったかもしれないな」

 

そう独り言を言い校舎に向かっている途中向こうの茂みから気配がした。2人いや3人いるな。まあ1人は絶対間違いない。殺せんせーだ。もう1人は渚だろう。もう1人は___確か杉野だったか。そういえば2人ともキャッチボールをするほど仲良いもんな。杉野が持っているのは・・・対先生BB弾が練り込まれた野球ボールか。・・・ちょっと面白そうだし見てくるか。そうして俺は邪魔するのは流石に気が引けるので2人気がつかれない様ただの傍観者でいる為に2人よりちょっと後ろの茂みに隠れる様に行動した。

 

「ホームルームの前に校舎裏でくつろぐのがアイツの日課。マッハ20でハワイに寄って買ったドリンクと英字新聞で。お前の情報通りだ。サンキュー。渚」

 

俺は隠れながら近づいていると杉野の口から有益な情報が聞けた。近づいて正解だったかもな。そして情報源はやはり渚か。いつかあいつのメモ帳を見せくれる様説得しなくちゃな。

 

「うん!頑張ってね。杉野」

 

「おう!100億円は俺の物だ!」

 

渚がそう応援すると杉野も自信たっぷりにそう返した。・・・友情ってこう言う事を言うのかもな。ただ杉野。慢心はダメだぞ。足元すくわれるからな。俺がそう思っていると杉野は足を上げまさしく野球のピッチャーのように対先生BB弾が練り込まれた野球ボールを投げた。

 

「おはようございます」

 

杉野がボールを投げたあと殺せんせーが俺たちの後ろに移動していた。速すぎるな・・・コイツ。そういえば杉野が投げたボールがないな。まさか___

 

「さあ。挨拶は大きな声で」

 

「え?ええ!?え!えええ!?」

 

「え!?清隆君!?いつからそこにいたの!?あ。お、おはよう。清隆君___とおはようございます。殺せんせー」

 

杉野は状況を上手く飲み込めなかったらしく殺せんせーが超スピードで後ろにいた事と俺がいつの間にか後ろにいてかなり驚いているようだ。一方、渚の方は最初は俺に驚いていたが状況を理解出来たらしく落ち着いた。・・・驚かせるつもりは無かったんだが。まあそりゃあそうか明らかに情報量多いもんな。

 

「ああ。おはよう渚。先生もおはよう御座います」

 

「ええ。2人共なんか先生をついで扱いしてちょっと悲しくなりましたがおはよう御座います。渚君と綾小路君」

 

「それにしても先生の弱点。対先生BB弾をボールに埋め込むとは良いアイデアです。発砲音も無い。ですが先生にボールが届くまで暇でしたし直に触ると先生の細胞が崩れてしまう。そんなわけで先生___用務室までグローブをとりに行って来ました」

 

「んあ!?」

 

先生がそう解説していると杉野は凄く驚いていた。ドンマイ杉野。因みに渚はなんかもう驚きを通り越して呆れていた。今まで感覚麻痺してたけど改めて考えるとうちの担任おかしいわ。あとやっぱりボールはそこにあったのか。

 

「殺せると良いですねぇ。卒業までに」

 

もはや先生が定着した決め台詞と同時にチャイムが鳴った。

 

「さあ、ホームルームの時間ですよ」

 

「・・・はい」

 

杉野が落ち込み気味に返事をした。

 

「・・・くそっ。やっぱ俺の球じゃ無理なのかな・・・」

 

「杉野・・・」

 

大丈夫だぞ杉野。アイツが色々規格外なだけだから。・・・さっきのボールを用いた暗殺で杉野はすっかり自信を無くしていた。渚も杉野の気持ちを察してか何も言えなかった。ただの慰めじゃ相手を傷つけてしまうから。俺も同じ理由で今は声をかけれないでいた。渚の次は杉野・・・か。

 

_______________________

 

改めて整理するが殺せんせーは月を7割蒸発させた怪物。来年の3月には地球を破壊すると公言をした。そんな奴がどう言う事なのか俺たちE組の担任を希望した。防衛省から俺たちに与えられた任務は__来年の3月までにこの先生を殺す事。成功報酬は100億円。そして殺せない先生で殺せんせー。・・・最初から最後まで訳が分からないな。そう頭の中を整理していたら茅野が渚に話しかけた。・・・だから授業中だぞ。茅野・・・。

 

「ねえ渚。杉野、今朝暗殺失敗したんだって?」

 

「うん・・・」

 

「それからアイツすっかり元気なくして」

 

「あんなに落ち込む事ないのにねー。今まで誰も成功してないんだから」

 

それもそうだが・・・。それでも杉野が落ち込んでいるのはまだ序章だろう。今も落ち込んでいるところを見る限り放って置けばもっと酷くなる可能性が大いにある。大体殺すとしてもマッハ20の超スピード、それに超スピードに耐えられるだけの体、脱皮、再生。・・・ぶっちゃけこれだけでこの4つだけでも殺せる可能性はめちゃくちゃ低いぞ。確実に殺すならまず4つ全部対策する事を前提に____。どう殺すか思考していた時触手が勢いよく菅谷のノートを奪い去った。・・・攻撃されるかと思った。いや冷静に考えなくてもそれはないか。俺の席は奥田の後ろと菅谷の斜め右後ろなので菅谷がノートに殺せんせーを描いていた事は知っていた。因みに何故か俺だけ女子列なのである。・・・いやなんでだよ。目立ちたくないのに。

 

「え?う!」

 

ノートに集中していた菅谷はノートがない事に気づき自分の状況にも気づいた。

 

「菅谷君!!!」

 

殺せんせーが突如大きな声を出し怒られると思った菅谷は完全にビビっていた。

 

 

「惜しい!先生はもう少しシュッと塩顔ですよ」

 

「どこが!?」

 

本当に何なんだこの先生は・・・。

________________________

 

キーンコーンカーンコーンキーンコーンカーンコーン

 

授業が終わり放課後になった今。殺せんせーはすぐにどこかに行こうとしていた。

 

「それでは皆さん。先生今日は用事があるのでこれで失礼します」

 

「用事?」

 

「ええ。ニューヨークでスポーツ観戦です」

 

そう言い終えたと同時に殺せんせーは超スピードでもう行ってしまった。

 

「・・・っ。行っちまった」

 

「何なんだアイツ・・・」

 

本当にな・・・。殺せんせーが去ったあと生徒達の間で殺せんせーがニューヨークに行く事に対して話し始めた。

 

「先生もさあたまにはお土産くらい買ってきてくれれば良いのにねー」

 

「ターゲットにお土産貰っても困るんじゃない?」

 

「食べ物なら良いんじゃないかな。後に残らないし」

 

「変なとこで現実的ね・・・」

 

「ニューヨーク土産って何だ?」

 

「酒とかどうよ」

 

「飲めねえじゃん」

 

「やっぱお菓子が良いよねー」

 

「金髪美女!たまんねー!」

 

「だよな!」

 

岡島がパツキンパツキン言っていると教室に防衛省の烏間さんが入ってきた。正直ちょっと気持ち悪いぞ・・・岡島。

 

「あ。烏間さん」

 

磯貝が見つけると烏間さんをとクラス全員烏間さんの方に向いた。

 

「どうだ。やつを殺す糸口は掴めそうか?」

 

「・・・糸口」

 

烏間さんがそう言うとクラス全員顔を俯かせたり逸らしたらしている。烏間さんもこのクラスの雰囲気で察したようだ。

 

「ていうか。あたし達E組だし」

 

「無理ですよ。烏間さん」

 

「速すぎるってアイツー」

 

「マッハ20で飛んで行くやたなんて殺せねーっすよ」

 

みんながみんな口を揃えて否定的な意見を述べた。

 

「そうだ。どんな軍隊でも不可能だ」

 

「でしょー?」

 

「だが君達だけはチャンスがある」

 

「え?」

 

「やつは何故か君達の教師だけは欠かさないんだ」

 

烏間さんがそう言ってもクラスはなんか釈然としてない感じだった。釈然としないのは当然だ。あんな超生物なら力だけで契約なんていつでも破れるだろう。だからこそ不可解なのだ。

 

「放って置けば来年3月。やつは必ず地球を爆破する。削り取られたあの月を見れば分かるようにその時人類は1人足りとも助からない。やつは生かしておくには危険すぎる。この教室がやつを殺せる唯一の場所なのだ」

 

落ちこぼれクラスの俺らE組に与えられたのは地球を救うヒーローになるチャンス。何故先生が地球を爆破しようとするのか。どうしてそんな時期に3ーEの担任になったのか。少なくとも今のクラスメイトが知る由はない。

 

_______________________

 

 

昼食の時間。杉野は1人で弁当を持って教室を出た。・・・引きずっているな。杉野は校庭前の階段に座って昼食をとり始めたが白米をひと口食べたら溜息を吐きながら昼食をとるのをやめた。とりあえず俺は杉野に話しかけるためあたかも今日はそこで昼食を食べようとしているようにみせた。

 

「はぁ・・・」

 

「先客がいたとはな」

 

「ん?」

 

「すまないな今日はそこで食べようと思ったんだ。隣いいか?」

 

「あ、ああ。良いけど。綾小路だったけ?」

 

渚の時もそうだが俺ってもはやどういう立ち位置なのだろう。

 

「そういえば綾小路ってさ。よくここで飯食ってんの?」

 

・・・毎日教室の自分の席で食べているのに気づかれてない。流石に自分の存在が悲しくなってくるぞ・・・。

 

「いや今日はたまたまここで食べようとしただけだ。それはそうとさっきちょっとだけ弁当を見たが白米ひと口ぐらいにしか食べてなかったな。・・・何があったんだ?」

 

「いや・・・大した話じゃないよ。昨日俺が暗殺に失敗したのは見てたよな?それでさちょっと自信をなくしちゃってさ・・・」

 

「・・・そうか。杉野。お前の投げるところを見たけど・・・。あの投球フォームもしかしてメジャーリーガーの有田選手の意識しているのか?」

 

「!!」

 

彼の反応を見る限り図星みたいだった。分かりやすすぎるぞ・・・。ふと殺せんせーがいつの間にか近づいていた。

 

「磨いておきましたよ杉野君」

 

「・・・殺せんせー。ていうか何食ってんの?」

 

「昨日ハワイで買っといたヤシの実です。食べますか?」

 

「飲むだろ普通」

 

「というかどんな顎の力あるんですか先生」

 

「昨日の暗殺は良い球でしたね」

 

殺せんせーは俺達のツッコミを見事に無視しヤシの実にかじりつきボリボリ食べながら杉野に感心していた。

 

「よく言うよ。考えてみりゃ俺の球速でマッハ20の先生にあたるはずないよな」

 

「君は野球部に?」

 

殺せんせーが野球部に入っているのか聞くと杉野は俯き始めた。

 

「前はね・・・」

 

「前は?」

 

「部活・・・禁止なんだ。この隔離校舎のE組じゃ。成績悪くてE組に落ちたんだから・・・とにかく勉強しろってさ」

 

「それはまた随分な差別ですねぇ」

 

・・・そうなのだ。この学校じゃあE組に落ちただけでありとあらゆる制限がかけられる。部活もその1つにすぎないのだ。ある意味ここは実力主義・・・もっと言えば成績主義なのだ。本当にあらゆる面で教育委員会に怒られないのだろうかこの学校は・・・。いくらいじめとか差別が犯罪などに立件しにくいからと言って好き勝手して良い理由にはならないと思うが。

 

「でももう良いんだ。昨日見ただろ。遅いんだ・・・俺の球。遅いからばかすか打たれてレギュラーを落とされてそれから勉強にもやる気無くして今じゃエンドのE組・・・」

 

「杉野君」

 

「ん?」

 

「先生から1つアドバイスをあげましょう」

 

そう言うと殺せんせーは怪しく笑った・・・。大丈夫だよな?殺せんせーは触手を杉野に絡みつき始めた。え?ちょっと何やってんだ?先生。

 

「って!思ったより絡まれてるー!」

 

渚がこの状況を見てツッコミ始めた。

 

「何してんだよ殺せんせー」

 

「ヌ?」

 

「生徒に危害を加えないって契約じゃ無かったの?」

 

「ヌルフフフフフフ。杉野君」

 

「・・・!」

 

殺せんせーに物理的に絡まれて杉野はこれ以上何が起こるんだとヒヤヒヤしていた。

 

「昨日見せた癖のある投球フォーム。メジャーに行った有田投手を真似ていますね?」

 

「!」

 

一度俺に見破られたからかおれの時よりも驚いている感じはしなかった。

 

「でもねぇ触手は正直です。有田投手と比べて君の肩の筋肉は配列が悪い」

 

「・・・どう言う事だよ」

 

「君の体では彼の様な豪速球は投げられません。どれだけ有田選手の真似をしても無理です」

 

そうバッサリ言われた杉野は少なくないショックを受けていた。渚も杉野の否定に対し反応を見せた。そして杉野が抗議しようとしたところすかさず渚が割り込んできた。

 

「なっ・・「なんで?」 !」

 

「なんで先生にそんな断言出来るんだよ?」

 

「・・・渚?」

 

「僕らが落ちこぼれだから?エンドのE組だから?やっても無駄だって言いたいの!?」

 

渚がそう言い杉野は自覚があるのか顔を背けた。・・・そうなのだ。俺も周りにE組に落ちた事を知られた時アイツはやれ落ちこぼれだのやれエンドのE組だのやれ近づくなだの散々言われた覚えがある。

 

「そうですねぇ。何故無理かと言いますと___昨日本人に確かめて来ましたから」

 

「「確かめたんならしょうがない!」」

 

杉野と渚が仲良くツッコミをいれた。っていうか公の場で何やってんだよ国家機密。

 

「サインも貰いました・・・」

 

「その状態でサイン貰ったの!?そりゃ怒るよ!」

 

殺せんせーが持っている色紙には『ふざけんな触手!!』といういかにも怨念も入っている文字とご丁寧に名前まで入れてくれている。・・・本当に正体バレてないんだよな?

 

「そっか・・・。やっぱり才能が違うんだな・・・」

 

・・・そうかもな。だが___

 

「一方で肘や手首の柔らかさなら君の方が素晴らしい。鍛えれば彼を大きく上回るでしょう。弄り比べた先生に間違いはありません。才能の種類は1つじゃない。君の才能にあった暗殺を探して下さい」

 

「肘や手首は俺の方が・・・。俺の・・・才能か・・・!」

 

そうなのだ。いくら落ちこぼれだとしてもこの世にはいろんな可能性に満ち溢れている。俺を除いたE組の生徒もいろんな可能性に溢れているのだ。渚は杉野を見て安心したのか先生を追いかけて行った。・・・俺も行くか。ただ友達がもう少しぐらいは欲しいので俺は杉野に協力する事にした。

 

「杉野」

 

「!あ。何?」

 

杉野はお前いたのかみたいな反応をした。最初からいたよな?・・・俺。

 

「俺にも出来る事があれば言ってくれ。微弱ながらも手伝う」

 

「・・・おう!サンキュー綾小路!」

 

俺がそう言うと杉野は元気よくそう言った。俺が校舎に入ると何か有益そうな情報が聞けた。

 

「渚君。先生はねぇある人と約束を守るために君達の先生になりました」

 

「え・・・?」

 

「私は地球を滅ぼしますがその前に君達の先生です」

 

殺せんせーは渚のノートをあっという間に採点し終えた。

 

「君達と真剣に向き合う事は地球の終わりより重要なのです」

 

・・・殺せんせー。

 

「・・・!殺せんせー。・・・・・ノートの裏に変な問題書き足すのやめてくんない?」

 

「にゅや!」

 

「採点スピードを誇示するのは分かるけどさ・・・」

 

「ウ、ボーナス感あって喜ぶかなと・・・」

 

「むしろペナルティーだよ・・・」

 

・・・なんか台無しだな。

 

「そ、そんな訳で君達も生徒の暗殺を真剣に楽しんで下さい。ま、暗殺の方は無理と決まっていますがねぇ」

 

仕切り直すように言葉を整えそうアドバイスをしたら顔に緑のシマシマ模様を浮き出し赤ペンを食べていた。こいつの内臓とかどうなってるんだ・・・?

 

_______________________

 

 

俺は今日は余裕を持って教室につくことができた。・・・よかった。走る事にならなくて。走ると疲れるしいやなんだよな色々と。そう思った矢先、杉野から話しかけられた。

 

「なあ綾小路」

 

「どうした?」

 

「ちょっと俺の変化球の手伝いをしてくれないか?」

 

杉野は俺が昨日手伝うというのが嬉しかったらしく純粋に協力してくれと言っているのだろう。・・・ただ俺にはこの言葉が昨日手伝うって言ったから来るよな?という意味にしか聞こえない。そうなると俺に残された選択肢はyesしかないのだ。

 

「分かったけど渚も誘って良いか?」

 

「おう!良いぜ!じゃあ渚が来るまでここに居るわ」

 

杉野がそう言うと俺の隣の席に座った。何でだよ・・・。そういえば隣は誰だったか?男子列だから男子だと思うが。・・・まあいいか。流石に2人だけじゃ気まずいと思った俺は渚を巻き込む事で空気を緩和するというふうに考えた。・・・すまんな渚。噂をすれば本人が教室に入ってきた。

 

「なぎ・・「よう!渚!悪いけど変化球の手伝いをしてくんね?」・さ・・・」

 

「あ、おはよう杉野。変化球の手伝い?良いよ!」

 

渚は杉野の手伝いに快くOKを出した。・・・先越された。

 

「じゃあ先に校庭に向かってるわー」

 

「・・・行くか」

 

「あれ?清隆君も行くの?」

 

「ああ。昨日俺も手伝うと言った手前、協力するしかないからな」

 

「・・・そっか!じゃあ行こ!」

 

「ああ」

 

_______________________

 

 

俺たちは校庭で杉野がピッチャーで渚がキャッチャー。そして俺は何故かバッターになっている。いや杉野がピッチャーなのは分かる。・・・ただし俺と渚の位置だけおかしい。そこは観察眼がある渚は審判でなし崩し的に俺がキャッチャーだろ。ただ普通の人でも打たれるかどうかの練習もしたいと言うから身体能力が低い渚よりも俺が選ばれたのだ。何故こうなった?そう思っていたら杉野が次の球を投げた。

 

「ふっ」

 

「うわっ」

 

「ん」

 

「凄いよ杉野!消えるみたいに変化した!」

 

「ああ。打てなかった」

 

俺達がそう褒めると杉野は自慢げに言い出した。

 

「えへへ!肘と手首をフルに活かした変化球を習得中だ!遅いストレートもこいつと2択で速く見せられる。アイツにとっちゃあ欠伸がでるような球だろうけど・・・でもさ渚!綾小路!俺続けるよ野球も暗殺も!」

 

「うん!」

 

「そうか頑張れよ」

 

「おう!」

 

俺達がそう言うと杉野は元気よく返事をした。よかった。杉野は完全に立ち直ったみたいだった。やっぱりこういう奴は変に落ち込まれるより元気な方がいい。

 

「殺せんせー!ちょっと殺したいんだけど来てくんない?」

 

「ヌルフフフフフフ。懲りませんねぇ」

 

俺がそう思った時杉野は殺せんせーに殺害を申し出た。嫌だななんか殺害を申し出たという言葉が。渚に続いて杉野も前進してきている。・・・きっとそうか頑張れよなんて他人事のように言っている俺は何もせず一歩も進めていない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




もしかしたらよう実の原作キャラクターぶっこむ可能性があります。今のところはありませんが。まあその時にはアンケートをとりたいと思います!!!因みに原作キャラをぶっこむことになったらもっとカオスでオリジナル展開する可能性が大きいです。

もしアンケートをやる事になったらもっとカオスでオリジナル展開が見たい方は原作キャラありのほうを!それとも暗殺教室の方の原作で主人公が奔走しているのが見たい方は無しのほうで!

(多分その前にヒロインありかなしかやると思うけど)

・・・アンケートってどうすれば良いんだ・・・?


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Room:4 仕組みの時間

初めて主人公以外のsideになった!今思ったけどこの小説は最後まで大丈夫かな・・・。あと見てくれてる皆さんマジでありがとうございます。最初は誰も見てくれないと思ってました・・・。世界には優しい事もあるものなんですね。そしてお気に入り登録してくれてる人はもっとありがとう!


「なあ、綾小路」

 

「・・・どうした磯貝」

 

俺は休み時間でいつもどおり机に突っ伏し寝たふりをしようとした時磯貝に話しかけられた。・・・なんだよいつもどおり机に突っ伏し寝たふりって悲しすぎるだろ・・・。渚も杉野も一応それなりに話す仲になって偶に一緒に帰るけれども・・・大体こんな感じなんだよな。ハァ

 

「ちょっと暗殺の計画を立てているんだけど一緒に考えてくれないか?」

 

「暗殺の計画か。別に良いがメンバーは?」

 

「前原 三村 岡野 片岡 矢田に俺。そして今ので綾小路かな」

 

「・・・分かった。因みにどんな計画なんだ?」

 

「殺せんせーが今日のおやつの時間の時に俺達もおやつが食べたいって言って笑顔で近づいて油断してところで殺す。ていう感じかな?」

 

・・・結構浅はかだな。そんなの殺せんせーが気がつかないわけじゃないし何よりもこいつらが暗殺本番にそんな上手く演技が出来るとは思わない。だが誘ってもらっている以上計画を折ったら今後のこいつらの殺る気にも影響が出てくるし何よりもそんな事をしてしまえばクラス内での俺の立場が怪しくなる。そのため俺はクラス内での立場を良くするため助力する事にした。

 

「なるほどな。確かに先生は俺達の事を信用しているし有効打かもしれないが・・・ちょっとあからさますぎるし何より演技がバレた時にはどうするつもりだ?」

 

「うっ。確かにバレた時の事は特に考えてなかった・・・。ど、どうするか・・・」

 

「・・・1人誘ってみたいやつがいるが良いか?そいつなら何とかしてくれるかもしれない。じゃあ聞いてくる。あ、あとそれはお前が考えた事にしてくれ」

 

「え?あ、ああ」

 

俺は策をもう一つ追加する事でクラス内から信用されクラスメイトと話してみたいという魂胆があった。そもそも俺は別に何か出来るわけじゃないしな。そうして俺はそれを実行するためある人のところに行った。

 

「おー磯貝。なんだ?確か綾野だっけ?そいつも誘ったのか?」

 

「前原・・・。綾野じゃなくて綾小路だ。ああ誘ったよ」

 

「え!マジで!?俺てっきり『綾野 浩司』みたいなのが本名だと思ってた!で何で綾小路を誘ったんだよ。アイツよく1人でいるし誰かと喋っているところなんかほとんど見たことないぞ。・・・いや最近だと渚と杉野だけはそうでもないか?」

 

「俺はこれをきっかけに綾小路にはクラスのやつと仲良くさせたいと思っているんだ。暗殺についてはもちろん殺せてたらいいけどそれが成功にせよ失敗にせよ仲良くさせるきっかけになると思うんだ」

 

「イ、イケメンだ」

 

_______________________

 

 

そして俺は先生を殺すためこの7人と隠れている。先生は避ける時スピードを誇示するためかよく背後に移動する。因みに俺だけは磯貝達のところから真反対の茂みに隠れている。それと俺が説得したもう1人の協力者は向こうの磯貝達と同じ茂みにいる。作戦としてはこうだ。まず協力者除く磯貝達6人が先生を殺すため接近する。そのタイミングで俺は磯貝達よりひとあし早く殺せんせーを殺すためナイフを刺す。それが避けられたら

真反対にいる磯貝達が先生を刺す。まあそれでも避けられるだろう。だとしても殺せんせーは俺よりも磯貝達の背後をとるだろう。そこで協力者が音もたてずに殺すと言うのが俺が考えた策である。

 

「「「「「「殺せんせー!」」」」」」

 

「にゅっ?」

 

とうとう実行か・・・。

 

「かき氷俺らにも食わせてよー!」

 

・・・今だ。と思った俺はナイフを持って殺気をたてながら急接近する。

 

「おお!生徒達が心を開いてくれている!あんなにも笑顔で!こんなにも殺気立って!」

 

「あれっ?」

 

おそらく俺が背後から殺そうとしたのもバレたのだろう。今持っている物も大きさ的に対先生ナイフではなく何かの花なのだろう。そして協力者も殺しに行ったが失敗で終わった。

 

「でもねぇ。笑顔が少々わざとらしい。油断させるには足りませんねぇ。綾小路も殺気が駄々漏れですぐに気がつきましたよ。君もそうですけどもこんな短い日にちでも少し成長しましたね___杉野君。まあこんな危ない対先生ナイフと対先生BB弾が埋め込まれたボールは置いておいて____」

 

「花でも愛でていい笑顔から学んでください」

 

ていうかこの花もしかして・・・。

 

「ん?ていうか殺せんせー!この花クラスのみんなで育てた花じゃないですか!」

 

「にゅやっ!そうなんですか!?」

 

あー・・・。やっぱりか。片岡の言う通りこの花はみんなで育てていたのだ。相当ショックだったのか矢田と岡野が泣いていた。

 

「酷い殺せんせー・・・!大切に育ててやっと咲いたのに・・・!」

 

「すっっ、すいません!今新しい球根を____買ってきました!」

 

「マッハで植えちゃダメだかんね!」

 

「承知しました!」

 

「一個一個いたわって!」

 

「はい!!」

 

殺せんせーは片岡と岡野にあれこれ言われながらチューリップを植えていた。・・・ああして見ると超生物のタコじゃなくて人間の先生に見えてくるな・・・。

 

「なあアイツ地球を滅ぼすってきいてっけど__。」

 

「お、おう・・・。その割にはチューリップ植えてるな・・・」

 

「チッ モンスターがいい子ぶりやがって」

 

・・・クラス内はまだ完全に纏まっていない。特に目立つのが寺坂グループだ。殺せんせーを殺す確率を上げるためには全員が殺す気でなくてはならない。寺坂グループも例外ではないのだ。なんでもいいから何とかしないとな・・・。

 

さてもうお分かりかもしれないが協力者は杉野だ。俺はあの後俺が追加した計画を磯貝のものにさせ暗殺計画に乗るよう説得した。

 

_______________________

 

 

「という訳で杉野。お前が選ばれた」

 

「別に良いけどよ。綾小路。何で俺なんだ?」

 

「俺としての考えはアイツらが笑顔で近づいている隙にお前が背後から前みたいに対先生BB弾が埋め込まれたボールを全力でバレないように投げてもらうつもりだ。もちろん失敗したとしてもお前の成長具合も見てもらえるとだろ」

 

「・・・・・」

 

「どうした杉野」

 

「いや思いのほかちゃんと考えてんだなって」

 

失礼だな俺だって色々と・・・まあいいか。

 

「・・・分かった。じゃあ頑張って殺ろうぜ!」

 

「そうだな・・・」

 

_______________________

 

 

こんな感じで説得をしたわけだ。・・・結果はまあ失敗したが。それでも嬉しい誤算だったのはクラスで育てていた花壇を荒らした事だ。これは俺的にはとても嬉しい情報である。そう考えていたら茅野がメモについて渚に話しかけた。まあ気になるよな。

 

「渚ー。何メモとってんの?」

 

「先生の弱点を書き留めとこうと思っててさあ。そのうち暗殺のヒントになるかと思って」

 

「ふーん」

 

「なあ見せてもらって良いか?」

 

俺は渚がどのくらいの観察眼があってどんな情報が書かれているのか気になったので茅野が聞いたタイミングで見せてもらうように頼んだ。ナイスだ茅野。渚と2人きりとか教室にいる時に俺が直接見るのも否定はしないだろう。が、渚には結構観察眼がある。俺みたいなのがその状況で聞いたら不審に思われる可能性もあるし何よりその行為で後々勘ぐられる事もある。

 

「ああ。良いよ」

 

「で、その弱点役に立つの?」

 

『殺せんせーの弱点① カッコつけるとボロが出る』・・・。

 

「んー」

 

渚自身も殺せんせーの弱点のついて疑問に思ってると杉野が入ってきた。・・・自信を持てよ渚。お前が書いたんだろう。まあ茅野は知らないが渚や杉野にとってはこのメンバーは結構話しかけやすいのかもしれない。

 

「なーに言ってんだよ。役に立つかもしれないだろ!身長背伸びしたら3mぐらい。特技超音速巡行。・・・何これ?」

 

「役に立たないね」

 

「今のところはね・・・」

 

カッコつけるとボロが出るとかはともかく・・・。あの先生の生態系は謎が多すぎる。俺はあの先生の情報を1つでも多く欲しいが役に立つかと聞かれると・・・なんとも言えないな・・・。

 

こうして実際に体験してみると俺たちは殺し屋で椚ヶ丘中学校3-Eは暗殺教室なのだなと思わされる。・・・ただし俺たち以外の本校舎の生徒は名だたる進学校のエリート達なのだ。

 

_______________________

 

 

烏間side

 

俺はある事を理事長に伝える為理事長室に来ていた。

 

「防衛省から通達済みとは思いますが明日から私も体育教師としてE組の副担任をさせていただきます。やつの監視は勿論ですが生徒達には技術面精神面でサポートが必要です。教員免許は持ってますのでご安心を」

 

「ご自由に。生徒達の学業と安全を第一にね」

 

・・・。

 

「では失礼します」

 

「物分かりの良い理事長ですね」

 

「フッ 見返りとして国が大金積んだしな。だが都合が良いのは確かだ。地球が壊せる怪物がいてしかもそいつは軍隊でも殺せない上に教師をやってる。こんな秘密を知ってるのは我々国とここの理事長そしてあの校舎のE組の生徒ぐらいで良い」

 

「やっば!これ以上落ちたらE組行きかも!」

 

「マジか!あそこに落ちたらほとんど絶望だぞ!学食もない!便器も汚い隔離校舎で俺からも先生からもクズ扱い!ちょー良い成績ださないと戻って来れない!まさにエンドのE組!あそこに落ちるくらいなら死ぬな俺」

 

「フッ だよなー。アイツらみたくならないよう頑張らなきゃ!」

 

___

 

 

「・・・いきなり」

 

『教えてくぬどんー!ってだれ!?』

 

「よう。みんな俺は綾小路清隆・・・。この小説の主人公だ・・・。このコーナーは多少メタくてもいろんな事を解説するコーナーだ。今回は椚ヶ丘学園を詳しく紹介する事になる。え?この学園のマスコットのくぬどんは?え、知らん。よっぽど批判がすごくない限りくぬどんとか言うやつは一生でない。まあそこは目を瞑ってくれ」

 

『わ、わーい・・・』

 

「椚ヶ丘学園は偏差値66。明るく楽しくやる気になれる学校・・・。これ台本間違えてないか・・・?」

 

『へ、へー。凄いやー』

 

「みんなとっても仲良くて平等・・・。・・・まあ5%くらいを除けば平等だな」

 

『びょ、平等なんだ!わーい!』

 

「空元気が見え見えだぞ・・・。ハァ このコーナー廃止にならないのか・・・?」

 

___

 

 

「なるほど。ごく少数の生徒を激しく差別する事で大半の生徒が緊張感と優越感を持ち頑張る訳か・・・。合理的な仕組みの学校だし我々としても極秘任務としてもうってつけだが・・・切り離されたエンド達はたまったものではないだろうな」

 

_______________________

 

 

綾小路side

 

とても不名誉なコーナーを実施していたら気配がした。・・・誰だ?そして堂々と入ってきたのは烏間さんだ。何故ここに?校舎から数本の竹を持って出て来た茅野が烏間さんに挨拶をする。

 

「あ!烏間さん!こんにちはー!」

 

「こんにちは。明日から俺も教師として君達を手伝う」

 

「そうなんだー!」

 

・・・そうなのか。これなら暗殺できる可能性は結構上がるだろう。そして国も地球の為に色々するだろう。必ず殺せるわけではないが俺が出る幕はないだろう。

 

「よろしく頼む」

 

「じゃあこれからは烏間先生だ!」

 

「ところでやつはどこだ?」

 

「それがさー。殺せんせークラスの花壇荒らしちゃったんだけどそのお詫びとして___ハンディキャップ暗殺大会を開催してるの!」

 

そう。嬉しい誤算は情報だけではなかった。なんと自身を縄で縛り木の枝にぶら下げるという行動を極端に制限するというハンデをつけてくれたのだ。・・・だが一向に殺せてはいない。

 

「ほら!お詫びのサービスですよ!こんなに身動き出来ない先生は滅多に居ませんよ?」

 

「・・・どう?渚」

 

「う、うん。完全に舐められてる・・・」

 

「クッ もはやこれは暗殺と呼べるのか?」

 

「っ!でも待てよ。殺せんせーの弱点からすると・・・」

 

「ん?」

 

烏間さんいや烏間先生。そこの定義については諦めた方が良いと思います。だが今回だって俺は何もしていない訳ではない。

 

「ヌルフフフフフフ。無駄ですねぇE組の諸君!このハンデをものともしないスピードの差。君達が私を殺すなど夢のまた___アッ」

 

その瞬間自身の超スピードのせいで木の枝に負荷がかかり折れてしまった。

 

『今だぁ!殺れーーー!!!』

 

「にゅやーーーーー!!し、しまったああーーー!!!」

 

殺せんせーの弱点① カッコつけるとボロが出る

 

「危ないhetyevrghyts!ちょ、ちょっと!千葉くんと速水さんの連携のせいでしゃべfermerjfijre!」

 

そうなのだ。俺はさっきの風に縄で縛りぶら下がった状態で超スピードをだしたらその枝がその負荷に耐えられなくなり落ちるというのは確信していた。それで俺は落ちたところを片方が先生の進路を阻みそして片方が先生を殺す気で撃つと言うのを千葉と速水に依頼した。ちょっと不審に思われたが適材適所だと言ったらまあ引き受けてくれた。

 

「弱点メモ・・・役に立つかも・・・」

 

「うん。どんどん書いていこう!」

 

先生は完全にこのままでは殺されると思ってかなり動揺している。さっき凄い舐めていたのにちょっといやかなりダサいな・・・。流石にあんな風な大人にはなりたくない。

 

殺せんせーの弱点② テンパるのが意外と早い

 

「ちょっ!待って!縄と触手が絡まってreiljoivrsln,er;k...少年ジャァーンプ!!」

 

「ああ!」

 

「チクショー!逃げやがったー!」

 

そう思っていたら殺せんせーが縄から脱出し校舎の上に逃げた。・・・月や地球を破壊出来る力や超スピードを持っているのにどうして縄1つ触手で引きちぎる事をしないんだ?まさかとは思うがスピードはあっても触手自体に力は無い・・・?いやあんな変なところでアホな先生だ。一応頭には入れとくがそう結論付けるのは早計かもな・・・。

 

「ここまでは来られないでしょう!基本性能が違うんですよ!バーカ!バァーカ!ヌゥルフフフフフフ__」

 

「・・・!後少しだったのに!」

 

「ヌゥルフフ・フ・・ハァハァハァハァ・・・フゥ。・・・明日出す宿題を2倍にそして千葉くんと速水さんは3倍にします・・・!」

 

『ちいせぇ!』

 

大人気ないな・・・。

 

殺せんせーの弱点③ 器が小さい

 

「ってちょっと待ってくれ先生!」

 

「先生・・・。私たちは・・・」

 

千葉と速水が抗議をしようとしていたが時既に遅し。先生は何処かに行ってしまった。

 

「ヌルフフフフフフフーーー!!」

 

「あっ!逃げた!」

 

「でも今までで一番惜しかったね!」

 

「この調子なら殺すチャンス必ず来るぜ!」

 

「やーん!殺せたら100億円何に使おー?」

 

みんながそう盛り上がってる中俺は・・・。

 

「「・・・綾小路」」

 

「すみませんでした。宿題を手伝うのと何か奢るから許して下さい」

 

千葉と速水に土下座をして許しを乞うた。

 

「・・・分かった。明日の放課後付き合えよ」

 

「・・・言いたいことは色々あるけど今回はそれで手打ちにしてあげる」

 

「・・・恩に着ます」

 

そうして俺は解放された。・・・よかった。それにしても中学生が嬉々として暗殺の事を語っている。どう見ても異常な空間だ。だからなのだろうか俺は気がつくと渚に聞いていた。

 

「渚。殺せると思うか?」

 

「殺すよ!殺す気じゃないとあの先生とは付き合えない!でしょ?」

 

「ああ」

 

だが不思議だ。この学園で生徒の顔が最もいきいきしているのは___暗殺のターゲットが担任のこのE組だ。

 

「ヌルフフフフフフ!」

 

_______________________

 

 

In 防衛省

 

「事情は今話した通りです。地球の危機ゆえ口外は絶対に禁止。もし漏らせば記憶消去の手術を受けていただく事に」

 

「こっえ」

 

怖いと言うものその少年は笑っていた。

 

「E組の全員に同じ説明をし他のみんなは既に任務に入っています。君も停学がとけたらE組に戻る。よって君にも暗殺任務を依頼します」

 

そして少年が至極当たり前のことを聞いた。

 

「ねぇ。このゴムみたいなナイフ本当に効くの?」

 

「ええ。人間には無害ですがやつへの効果は保証します」

 

「ヘェ〜。ま、人間じゃなくても別にいいか」

 

「一回さあ先生って生き物___殺してみたかったんだー・・・」

 

その少年は妖しく笑った。その時俺は気づいてなかった。隣の席のやつの存在を。そしてE組の中でも能力が高く天才が入って来ることを___。

 

 




・・・上手く書けてる気がしねぇ・・・。ま、楽しいしいっか!




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Room:4.5 千葉と速水の時間

完全オリジナル展開です。苦手な方はどうぞブラウザバックしてください。
何か今回は色々指摘されたり色々怒られる気がする・・・。まあ!そこは完全に独断と偏見で片付けてます。何かおかしかったらこの作者は感性と頭が少しおかしい人なんだなって思ってて下さい。
あ、あと久々に殺Q見ました。思わず吹き出しましたね。この小説が終わったら書く可能性があります。
・・・終わるのかな?




 

 

 

さて、今日最後の授業が終わってしまい放課後になってしまった。俺はさっさと帰りの支度をし、何とか逃げようと試みるがその前に千葉と速水に挟まれてしまった。

 

「お前今絶対逃げようとしたよな?」

 

「・・・まさかそんな事する訳ないだろ」

 

「絶対嘘。だったらそんな早く支度するはずがない」

 

「それは早く行きたかったからだ」

 

「本当か・・・?」

 

「本当だ。俺は今まで友達が少なかったからな今回みたいに誰かとどこかに食べに行ったり誰かと宿題を一緒にする事なんてほとんどなかったからな・・・」

 

「そ、そうか・・・」

 

俺は昨日殺せんせーを殺す為千葉と速水に依頼をした。だけど失敗に終わるまではまだ良かったが殺されかけた先生はそれに対し俺を含む生徒達は宿題を二倍にただし千葉と速水は三倍に増やされた。それで二人は暗殺依頼をして来た俺の名前を出そうとしたが殺せんせーは超スピードでどこかへ行ってしまった。それで二人の怒りを買ってしまった俺はお詫びに何か奢るのと宿題を手伝う事を約束した。・・・ていうか元はと言えば花壇を荒らした殺せんせーが悪いだろ・・・。いや確かにもっと言えば暗殺しようとする磯貝達と策の追加をした俺も悪いけどさ・・・。まあ別に早く帰りたい訳ではないしな。とりあえず、すぎてしまった事は掘り返してもしょうがないと思った俺はさっさと宿題を終わらせる為急いで行くよう提案する。・・・別に気まずいとかそんなんじゃないからな。

 

「そんな事より早く行こう。さっさと宿題終わらせたいしな」

 

「それについては同感。さあ早く行きましょ」

 

「元はと言えば誰のせいだと・・・。まあ良いか。」

 

千葉がなにか言いたげだったが俺はさっさと教室を出ることにした。危ない・・・。何か言われるところだった。それで千葉と速水は俺の両隣にいて逃げないかきっちりついてくる。別に逃げる気はもうないんだが・・・。校舎から出たあたりで渚に声をかけられた。

 

「あ!清隆君!一緒に帰ろうよ!」

 

「・・・渚。すまないな今日は千葉と速水に飯を奢って宿題を手伝う約束をしてるんだ」

 

「・・・そっか。前よりかは一人じゃないけどそれでも結構一人でいるから今日もそうなのかと思ってたよ。思ったんだけど清隆君って頭いいの?」

 

・・・なんか途中でとても失礼な事を言われた気がするが・・・まあいい。

 

「何とも言えないな。前回の小テストでも五十満点中二十五点だった」

 

「そうなんだ。その前のテストとかは?」

 

「同じような感じだな」

 

そう言うと渚はうなずき俺達と同行する事を提案した。

 

「じゃあ二十五点前後なんだね。苦手教科も特にない感じ?・・・僕もついて行っていいかな?」

 

「俺は良いけど・・・。千葉、速水。どうする?」

 

今回はお詫びなので決定権は千葉と速水にある。そのため俺だけでは決められないのだ。そして二人は渚に快く返事をした。

 

「俺は別に良いぞ」

 

「私も良いと思う」

 

「ありがとう!二人とも!」

 

「メンバーは決まったな。じゃあどうする?」

 

 そうなのだ。どこに行くかで変わってくるため場所選びは大事だ。・・・なるべく安いところにしてくれよ・・。

 

「そうだな・・・。奢って貰うのと宿題やるのが目的だし無難にファミレスとかで良いんじゃないか?」

 

「まあ良いぞ」

 

「・・・ファミレスってセットとかで地味に高いの知っててやってる?千葉君・・・」

 

「勿論だ。あと俺たちの宿題を徹底的に終わらせても足りないくらいだ」

 

「ええ、そうね。今日はなるべく贅沢をしたい気分だわ」

 

「・・・なあそれって暗に高い物を多く食べる気か?」

 

「そうね。何?文句でもあるの?」

 

いや文句しかないぞ・・・。

 

「いや文句はない・・・。・・・そんなに食べて太らないのか?」

 

俺がそういうと速水はキッと睨めつけてきた。正直かなり怖い。

 

「ね、ねぇ清隆君。流石に謝った方が良いよ・・・」

 

「そ、そうだな。校舎から出てきたみんなも速水の睨みで完全にびびってるぞ」

 

流石にこの状況は見かねたのか渚と千葉が謝るよう言ってきた。

 

「あ、ああ。すまん速水。流石にデリカシーがなかった」

 

「・・・デリカシーがないのより常識の方が足りないんじゃないの?さっきのファミレスの件でも軽率に了承してたし」

 

うっ。それに関しては何とも言えないな。

 

「返す言葉がございません」

 

「まあ良いわ。ほらさっさと行きましょ」

 

「「「あ、ああ。(う、うん)」」」

 

ちょっと微妙な雰囲気を出しながら俺たちはファミレスを探しにまずは山を降りた。

 

_______________________

 

 

歩く事18分くらいがたった。それで俺たちは__

 

「じゃあここにするか」

 

ガ◯トの前にいた。

 

「ね、ねぇ。千葉君。近くにサイゼ◯ヤあるけどそっちにとかは・・・」

 

「しない」

 

「ですよね」

 

因みに何故渚がサイゼ◯ヤを提案したのかこの時の俺はよくわかってなかった。

 

「じゃあ入るか」

 

イラッシャイマセー ヨンメイサマデショウカ?コチラノセキヘドウゾー

 

俺たちは店員さんに言われるがまま移動して席についた。案内されたのは窓際の席だった。一応説明しておくが先頭から千葉 速水 渚 そして俺だ。千葉が奥に行くと何故か速水は千葉の隣ではなく前に座った。俺的には隣に座ると思っていたんだがな・・・。そう思っていると渚は女子の隣は恥ずかしいのか千葉の隣に座った。そして一番後ろにいた俺は選択肢がなく速水の隣に座る事にした。

 

「さあ何を頼むか・・・」

 

「・・・悩むわね」

 

「因みに清隆君。いくら持ってるの?あ!僕の分は自分で払うからいいよ」

 

渚は少し心配なのかいくら持ってるか聞いてくる。・・・本当に良いやつだ。千葉と速水も見習って欲しい。

 

「いや渚。ここまで来たらお前の分も払う。一応10万くらいは持ってるぞ」

 

「じゅ、10万!?もしかしてお家お金持ちとか?」

 

「別にそんなのじゃない」

 

俺はどれぐらい使わされるか分からなかったので今日は多く持ってきたのだ。・・・一応自分で稼いだやつなんだがバレたら面倒くさそうなので黙っておこう。

 

「・・・なんか俺たちの時と対応が違くないか?」

 

「そんな事はないぞ。もうここまできたら可能な限り支払うつもりだ」

 

「なんか潔いわね。・・・怪しい」

 

渚と対応が違うのが悪かったのか千葉と速水が怪しみだした。・・・こっちは本当に失礼な奴らだ。何もないっていうのに。俺はこの状況が嫌なのでとりあえず急かすようにした。

 

「何でも良いが早くした方が良くないか?宿題もあるし。好きなの頼んで良いぞ」

 

「全部貴方のせいだけどね」

 

が地雷踏んでしまった。速水はこれ以上は時間の無駄だと思ったのか諦めた。

 

「・・・ま、いいか。まずメニューを見て注文しましょう」

 

「そうだな」

 

___

 

 

「各自決まったかしら」

 

「「「ああ (うん)」」」

 

「じゃあ押すか」

 

そう言うと千葉が何かのボタンを押した。

 

ピンポーン ハァーイ

 

店員がこっちへ来た。て事はあのボタンは店員呼び出しボタンだろう。そして俺たちは各自注文をする事にした。

 

「ご注文はお決まりでしょうか?」

 

「はい。俺は・・・チーズINハンバーグ人気盛りのAドリンクセットで」

 

「じゃあ僕はミックスフライのAドリンクセットで」

 

「私は・・・オムライスビーフシチューソースで」

 

「俺はヒレカツ丼で」

 

「はい。チーズINハンバーグ人気盛りのAドリンクセットお一つ。ミックスフライのAドリンクセットお一つ。オムライスビーフシチューソースお一つ。ヒレカツ丼お一つ。注文は以上で宜しいでしょうか?」

 

注文は間違っていないみたいで全員がうなずく。

 

「はいそれで」

 

「かしこまりました」

 

俺がそう言うと店員さんは行ってしまった。

 

「あ、そうそう。私は後でデザートも食べるわよ」

 

「え。食べる前なのにデザートも食べる気なのか?」

 

そう言うと速水は先ほどと同じでキッと俺を睨んだ。

 

「何か言った?」

 

「いいえ。何も」

 

流石に学んだ俺はこれ以上下手な事を言わないのをここで決心した。そして雰囲気がまた微妙なことになったのでまずいと思った俺は渚に何でもいいから適当に質問した。

 

「えっと・・・。そういえば渚の好きな食べ物ってなんだ?」

 

「え?僕?・・・そうだな寿司かな?」

 

「ここには寿司は流石になかったな」

 

「あはは。そうだね。まあ僕にとって今重要なのは宿題だからね!頑張らないと・・・」

 

渚がそういうと千葉と速水が真顔でこっちを見てきた。・・・何でだよ。無自覚なのが余計に質が悪い。俺は流れ的に千葉と速水にも聞いてみた。

 

「そ、そうだな。・・・千葉の好きな食べ物ってなんだ?」

 

「俺は固ゆで卵かな」

 

「速水は?」

 

「・・・ビーフストロガノフ」

 

「・・・因みに何でハンバーグの人気盛りとオムライスのビーフシチューなんだ?」

 

「今日は肉が食いたいのとなるべくお前の持ってる金を減らしたいからだな」

 

「私もただの今日の気分で決めた」

 

「て事は渚もか?」

 

「まあ。そうだね」

 

全員気分で食べたい物を選んでいた。・・・俺はそういうのがないから正直羨ましかった。そう思っていると千葉からも好きな食べ物を聞かれた。

 

「ていうか逆にお前の好きな食べ物って何だよ」

 

「特にないな」

 

「・・・本当に?なんか勿体ないなー」

 

渚にそう言われたがこれ以上聞かれても答えられないので話題を変える事にした。

 

「そうか?ていうか宿題はどうするんだよ」

 

「それもそうだね。じゃあ___」

 

「お待たせしましたー。ヒレカツ丼です」

 

宿題をしようと思った矢先来てしまった。

 

「・・・先に食べてからにしよっか」

 

「「「・・・賛成」」」

 

「二人ともドリンクバーはいいの?」

 

「大丈夫だ」 「大丈夫」

 

「そっか。じゃあ僕ドリンクバー行ってくる!」

 

「じゃあ俺も行く」

 

渚と千葉がドリンクバーに行ってしまった。・・・気まずい。

 

「な、なあ。どうして速水はE組に落とされたんだ?」

 

「・・・あんた本当に常識ないんじゃないの?」

 

まずい。これも地雷だったか。いや冷静に考えてそれはそうか。

 

「いや大丈夫だ。話したくなかったら話さなくても良い。大体お前との話題が見つからなかったしな」

 

「それにしても下手くそすぎでしょ」

 

「・・・悪い。気分を悪くしたなら謝る」

 

「・・・私は。私は感情が表に出にくいからクラスの和を乱さないようにクラスのために頑張って来たの。でもあれこれ引き受けてたら成績が悪くなってE組に落ちたの」

 

「・・・お前はやっぱり良いやつだな」

 

「は?」

 

「いやお前はクラスでもよくサポートしてくれてるからな。だからという訳でもないがお前はよくやってくれてると思うぞ?」

 

「・・・そうなの?」

 

速水は釈然としていない感じだったがいつかわかるし殺せんせーが何とかしてくれるだろう。そう考えていたら渚と千葉が帰ってきた。ちょっと遅かったな。まあ少し並んでたしな。そして少ししたら渚達が注文した料理が届いた。

 

「よし、来たね・・・。あれ?清隆君。先に食べてなかったの?」

 

「ああ。どうせならみんなで食べたいしな。あと_いやなんでもない」

 

「「「?」」」

 

みんなで食べるとかした事ないしな。これを言うと気まずくなる気しかしないので言わないでおいた。

 

「まあいいか。それじゃあ食うか」

 

「そうね」

 

「じゃあ」

 

「「「「いただきます」」」」

 

_______________________

 

 

そのあと俺は千葉と速水と渚の宿題を見ていた。

 

「・・・三人とも理科が苦手なのか?いや千葉は生物で速水は物理あたりか」

 

「「「うっ」」」

 

「・・・そういうお前も苦手教科は・・・そういえばお前五十満点中の小テスト二十五点前後とか言ってたな・・・」

 

「ああ。残念だったな」

 

「じゃあ何でE組にいるのかちょっと謎だな」

 

「俺は全部同じくらい低いからな。二年の三学期から成績がガクッと落ちたしな。とりあえず俺も基本的なことだけは教えられるから安心しろ」

 

「ハァ そうか・・・」

 

「ていうか清隆君。僕達の宿題見てていいの?自分のもあるでしょ?」

 

「今回のお詫びは奢ることと宿題を手伝う事だからな。宿題は帰って何とか終わらせるから安心しろ」

 

「・・・僕達の宿題を見て帰ってからだと間に合わないんじゃ」

 

「大丈夫だ。何とかする。最悪殺せんせーを甘いもので買収する」

 

「それで良いんだ!?」

 

_______________________

 

 

「・・・それにしても綾小路。お前苦手とか言いながら意外と勉強出来るんだな」

 

「それは思ったかも」

 

宿題中に千葉と速水がいきなり褒めてきた。・・・そうでもないからE組に落ちたんだけどな。

 

「そんな事はない。教科書見ながらアドバイスをしてるだけだ」

 

「・・・その割に分かりやすいし教科書にも載ってないものも教えられたんだが?」

 

「たまたま覚えてただけだ」

 

「そうか・・・」

 

千葉はこれ以上追及しても意味がないと思ったのかまた宿題にとりかかった。

 

_______________________

 

 

そして三人の宿題が終わる頃にはすっかり暗くなっていた。

 

「ん~~~~。何とか終わった・・・」

 

「こっちもやっと終わった・・・」

 

「疲れたわね・・・」

 

「ていうか凄いよ!清隆君!千葉君と速水さんは三倍あったのに僕と同じぐらいに終わらせるなんて!」

 

「・・・何で俺に言うんだ?凄いのは千葉と速水だろ」

 

そうなのだ。二人とも別に頭が悪い訳ではない。だから早く終わっただけだ。

 

「それもそうだけど手伝ったのは清隆君でしょ?」

 

「まあ。そうだな。じゃあさっさと帰るか。俺はまだ宿題あるし」

 

「そうだったな・・・。じゃあ行くか」

 

これ以上褒められても気恥ずかしさしかないので早く帰ることにした。宿題があるのも事実だしな。

 

「はい!お会計合計で5878円です」

 

「10000円で」

 

「はい。4000と122円のお返しです」

 

「レシートは必要でしょうか?」

 

「結構です」

 

マタノゴライテンヲオマチシテマース

 

「まさかあのあと全員デザート頼むとは・・・。しかも千葉と速水は中々高いの頼んだし・・・」

 

「別に良いだろ10万もあるんだし。中々良かったぞ。また誘うからな」

 

「・・・勘弁してくれ」

 

流石にこんな風に毎回振り回されたら心も金も減ってしまう。

 

「それじゃあ僕こっちだから。また明日ね!清隆君。千葉君。速水さん」

 

「「「ああ、じゃあな渚 (うん。じゃあね)」」」

 

俺たちがそういうと渚はそのまま帰って行った。

 

「私はあっちだから」

 

「そうか」

 

「じゃあね千葉」

 

「・・・俺は?」

 

「冗談よ。じゃあね綾小路。・・・今日はありがとう」

 

速水がお礼を言ってきたがそう言うともう行ってしまった。

 

「・・・じゃあ帰るか」

 

「俺もそっち方面だから一緒に行くか」

 

「そうだな」

 

_______________________

 

 

俺は千葉と帰っていると千葉がいきなり・・・お礼?をしてきた。

 

「今日はありがとな。宿題の発端はお前のせいだけど手伝ってくれたのと奢って貰った事に関しては感謝してる」

 

「宿題の件で引きずりすぎじゃね?感謝されてる気がしないな・・・」

 

「本気で感謝してるよ」

 

目は見えないが感謝をしている割にどこか暗かった。

 

「・・・どうした?」

 

「いや、ふとさお前が手伝ってくれてる時思ったんだよ。人に押し付けられる事はあっても手伝ってくれてる事が何か新鮮でさ」

 

「・・・殺せんせーを殺す依頼をしたとき100億を獲得出来るとか適材適所とか言ったが何で引き受けてくれたんだ?」

 

「・・・」

 

教えてくれる気はない・・か。それはただ単に俺を信用してないのかそれとも何かがつっかかているのか。何にしても俺としての見解は___

 

「まあ。何でもいい。・・・千葉。俺はきっと先生が救ってくれると思ってる」

 

「先生が・・・?どう言う意味だ?」

 

「さあな。だからそれまで俺がお前を手伝う。じゃあな。俺はこっちだから。・・・また明日な千葉」

 

「・・・ああ。ありがとう。また明日」

 

そして俺たちはそのまま別れて帰って行った。

 

 

 

 

 



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Room:5 宣戦布告の時間





俺達は烏間先生が着任してから体育は烏間先生がやる事になった。今日の体育の授業内容はナイフを振る練習。つまりここの体育は殺せんせーを殺すための基盤を作るための練習とも言っていいのだろう。今は体育の真っ最中すなわち対先生ナイフを振っている真っ最中だ。

 

『一!二!三!四!五!六!七!八!______」

 

みんな同時に数を数えながらナイフを振っていると殺せんせーが何か言っている。

 

「晴れた午後の運動場に響く掛け声。平和ですねぇ。___生徒達の獲物がなければですが」

 

「八方向からナイフを正しく振れるように!」

 

「体育の時間は今日から俺の受け持ちだ」

 

「ちょっと寂しいですね・・・」

 

「この時間はどっかに行ってろと言っただろう。そこの砂場で遊んでろ」

 

「ヌッフ・・・。酷いですよ烏間先生。私の体育は生徒に評判良かったのに・・・!」

 

・・・どこがだ。まあそうなのだ。前の体育は殺せんせーが担当していた。他に教師はいなかったしな。そこに疑問に思った菅谷と杉野がツッコミをいれた。

 

「フゥ 嘘つけよ。殺せんせー身体能力が違いすぎんだよ」

 

「この前もさあ」

 

_______________________

 

 

「それでは反復横跳びをやってみましょう。まずは先生が見本を見せます」

 

先生がそう言うと超スピードで反復横跳びをした。・・・無理だろ。

 

『出来るか!』

 

「慣れてきたらあやとりも混ぜましょう」

 

『あやとりうま!』

 

岡島と前原と杉野が同時に二回もツッコミをした。・・・お前ら仲悪い感じはしないがそんなに仲良かったか?

 

_______________________

 

 

「異次元すぎてねぇ・・・」

 

「体育は人間の先生に教わりたいわ」

 

「にゅや!?シクシクシクシクシクシク_____」

 

まあ中村と杉野の言う通りだ。そもそもの身体能力が違うためみんなついていけないのだ。ていうか自分でシクシク言うやつ初めて見た・・・。

 

「授業を続けるぞ」

 

「でも烏間先生。こんな訓練意味あるんすか?しかも当のターゲットがいる前でさ」

 

「勉強も暗殺も同じ事だ。基礎は身につけるほど役立つ」

 

なるほどな。烏間先生の言い分は最もだ。そう思っていると烏間先生が磯貝と前原を前に呼び出した。

 

「磯貝君。前原君。前へ」

 

「そのナイフを俺に当ててみろ」

 

「え・・・?良いんですか?」

 

「二人がかりで?」

 

「そのナイフなら俺たち人間に怪我はない。擦りでもすれば今日の授業は終わりで良い」

 

烏間先生がそう言うと磯貝は戸惑いながらも先生に襲いかかった。

 

「え、えっと・・・。ふっ!あっ!」

 

「さあ」

 

「っ!ぐっ!」

 

「このように多少の心得があれば素人の二人のナイフくらいは俺でも捌ける」

 

烏間先生は余裕で二人のナイフを捌いていた。・・・強いな。磯貝と前原はその言葉が釈に感じたのか二人同時に襲いかかる。だが烏間先生に腕を掴まれ倒されてしまった。

 

「俺に当てられないようではマッハ20のやつに当たる確率は皆無だろう。見ろ!今の攻防の間にやつは____砂場に大阪城を造った上に着替えて茶まで点てている!」

 

「腹立つわぁ・・・」

 

前原・・・その気持ちはすごく分かる。

 

「クラス全員が俺に当てられるようになれば少なくとも暗殺の成功率は格段に上がる。ナイフや狙撃暗殺に必要な数々。体育の時間で俺から教えさせてもらう」

 

『・・・!』

 

「・・・すげぇ」

 

「では今日の授業はここまで」

 

『ありがとうございました』

 

体育の授業が終わると後ろから気配を感じた。・・・誰かいるな。

 

「烏間先生。ちょっと怖いけどカッコいいよね?」

 

「にゅっ!」

 

「ねー。ナイフ当てたらよしよししてくれるかなー」

 

「どうだろうね」

 

「烏間先生。ひょっとして私から生徒の人気を奪う気でしょう。キーー!」

 

殺せんせーは矢田と倉橋と速水が烏間先生の事で盛り上がっているところを見て何かとてつもない勘違いをしていた。・・・まあでも俺は先生のこと凄いと思ってますよ。・・・多分。

 

「ふざけるな。学校が望む場合E組には指定の教科担任を追加出来る。お前の教員契約にはそういう条件が___あるはずだ」

 

烏間先生がそう言うと対先生ナイフを殺せんせーに向かって投げた。が、あっさり避けてナイフを布で挟んで受け止めた。

 

「俺の任務は殺し屋達の現場監督だ。あくまでお前を殺すためのな」

 

「やつやお前ではありません。生徒がつけた『殺せんせー』と呼んでくだい」

 

・・・。チャイムが鳴った。俺は渚と杉野と一緒に校舎に戻っている。

 

「六時間目小テストかー」

 

「体育で終わって欲しかったねー」

 

「・・・なあ二人ともあれは誰だ?」

 

俺は少し前から気になっている事を二人に聞いてみることにした。因みにそこにいるやつは赤髪で身長が175ぐらいで中々イケメンな男だった。

 

「「ん?」」

 

「____よう渚君。久しぶり」

 

「!カルマ君・・・。帰ってきたんだ」

 

「フッ。へえー!あれが噂の殺せんせー?すっげ。本当にタコみたいだ」

 

「赤羽業(カルマ)君ですね?今日から停学明けと聞いていましたが初日から遅刻はいけませんねぇ」

 

殺せんせーが紫の×と顔に浮き出た。それに対し赤羽という男はちょっと困っている風だったが平然と受け答えをした。・・・それにしても何だこの違和感は?

 

「あはは・・・。生活のリズムが戻らなくて・・・。下の名前で気安く呼んでよ。とりあえずよろしく先生」

 

「こちらこそ楽しい一年にしていきましょう」

 

赤羽が握手を求めてきた。そして殺せんせーが快く受け入れて握手をした瞬間____

 

バァン!

 

先生の触手が溶けた。・・・手に何か仕込んだか?

 

「にゅっ!」

 

「フッ」

 

赤羽は持っていた飲み物を上に投げ袖からナイフを出し切りつけようとしたが避けられた。

 

「へえー。本当に速いし本当に効くんだこのナイフ。細かく切ってはっ付けてみたんだけど。けどさあ先生。こんな単純な手に引っかかるとか。しかもそんなとこまで飛び抜くなんてビビりすぎじゃね?」

 

なるほどな。違和感の正体は赤羽の態度だ。今思えばおかしなところしかなかった。いくら国から情報を聞いていたとはいえ殺せんせーが顔を紫の×にした時は特に反応しなかった。何もないような演技。対先生ナイフを切ってはっ付けるという発想。そしてあれは分かっていて殺せんせーを煽るという度胸。・・・全てが一級品だ。

 

「殺せないから殺せんせーって聞いてたけど・・・あぁれ?先生ってもしかしてちょろい人?」

 

「ヌ、ヌヌヌヌヌヌ・・・!」

 

その煽りに先生は顔を真っ赤にした。赤羽・・・先生は見た目的には人じゃないぞ。あと顔が近い。・・・そういえば渚の事は知ってる感じだったな。知り合いか・・・?渚に聞いてみるか。

 

「渚。カルマ君ってどんな人なの?」

 

先越された。何か俺ってこんなんばっかりじゃね?

 

「うん。一年二年は同じクラスだったんだけど二年の時続け様に暴力沙汰で停学くらって・・・。このE組にはそういう生徒も落とされるんだ。でも今この場じゃ優等生かもしれない」

 

「?どういう事?」

 

「凶器とか騙し討ちなら多分業君が群を抜いてる」

 

・・・なるほどな。それにしても何か様子がおかしいな。・・・ちょっと観察するか。

 

_______________________

 

 

ぶにょん ぶにょん ぶにょん ぶにょん

 

・・・殺せんせーはさっきから小テストの時間に壁に自身の触手でなんか・・・ぶにょんぶにょんしている。先生がそうしていると三村が疑問の声を出した。

 

「さっきから何やってんだ?殺せんせー」

 

「さあ?壁パンじゃない?」

 

「ああ。さっきカルマにおちょくられてムカついてるのか・・・」

 

矢田がそれに答えると磯貝がめちゃくちゃ納得していた。前原もその言葉に納得したのかそもそもダメージが伝わってないことにつっこんだ。

 

「触手が柔らかいから壁にダメージ伝わってないな・・・」

 

殺せんせーの弱点④ パンチがヤワい

 

「あーもう!ぶにょんぶにょんうるさいよ!小テスト中でしょ!?」

 

「こ、こ。これは失礼!」

 

あまりにもうるさかったのか岡野は先生に対しキレた。

 

「よう!カルマ!大丈夫か?あの化け物怒らしちまってよぉ?」

 

「どうなってもしらねぇぞ」

 

「またお家に篭ってた方がいいんじゃなぁ〜い?」

 

前に自分達が痛い目にあったのかこのままだとお前も痛い目を見るぞと言わんばかりに寺坂組が赤羽に煽り始めた。ていうかいいんじゃないのリズムがなんかいいな村松。

 

「殺されかけたら怒るのは当たり前じゃん寺坂。しくじってちびっちゃった誰かの時とは違ってさ」

 

「チビってねえよ!てめえ喧嘩売ってんのか!?」

 

「こらそこ!テスト中に大きな音立てない!」

 

いや先生の触手も十分うるさいと思うぞ。

 

「ごめんごめん殺せんせー。俺もう終わったからさジェラート食って静かにしてるわ」

 

「ダメですよ!授業中にそんな物!ん?そ、それは!昨日先生がイタリア行って買ったやつ!」

 

お前のかよ・・・。なんかクラスメイトと心があった気がした。

 

「あ!ごめーん。職員室で冷やしてあったからさあ」

 

「ゴメンじゃすみません!溶けないように苦労して寒い成層圏を飛んで来たのに!」

 

・・・何かサラッと凄い情報言わなかったか?

 

「へえー。で?どうすんの?」

 

そして赤羽はジェラートを一口食べて。

 

「殴る?」

 

先生は憤慨し顔を真っ赤にしながらきた。

 

「殴りません!残りを先生が舐めるだけです!」

 

何か気持ち悪いぞ先生・・・。ほら渚もひいてるし・・・。

 

「そう!ペロペロと____」

 

その瞬間先生の足の触手が溶けた。どうやら床に対先生BB弾を散乱させていたみたいだった。そして赤羽は先生に向かって三回撃った。が、それは全部かわされた。

 

「フッハハハ!まーた引っかかった」

 

「何度でもこういう手使うよ。授業の邪魔とか関係ないし。俺でも他の誰でも殺せば良い。でもその瞬間から___もう誰もあんたを先生とは見てくれない。ただの人殺しのモンスターだ」

 

「あんたと言う先生は俺に殺された事になる。ハイ、テスト。多分全問正解。じゃあね先生。明日も遊ぼうね」

 

赤羽業という男は頭の回転が早い。今もそうだ。先生が先生である為には越えられない一線を見抜いた上で殺せんせーにギリギリの駆け引きを仕掛けている。本質を見通す頭の良さとどんな物でも使いこなす器用さを人とぶつかる為に使ってしまうように俺には見えた。

 

____

 

「全く。彼のおかげでジェラートの買い直しです。頭が良く手強い生徒だが彼の言う通り教師を続ける為には殺す事も傷つける事も許されない。さあて、どう片付けますかねえ」

 

____

 

 

今日俺は渚と杉野にと一緒に帰った。・・・これが友達というのか。俺がそう感銘を受けていると杉野と別れた。

 

「じゃあな!渚!綾小路!」

 

「うん!また明日!」

 

「ああ。じゃあな杉野」

 

杉野と別れていると俺たちと同じ中学生ぐらいの椚ヶ丘学園の二人の生徒に見つかった。・・・本校舎の生徒か。

 

「おい。見ろよ渚と・・・誰だあいつ。E組にいたか?」

 

「さあ?E組じゃないなら本校舎の誰かじゃないか?」

 

・・・俺ってE組っていう認識もないレベルなのか?

 

「それもそうだな。可哀想にな渚の隣にいるやつも。渚なんてすっかりE組に馴染んでんだけど」

 

「だっせえ。あれはもう俺らのクラスに戻って来れねえな」

 

「しかもよお停学明けの赤羽までE組復帰らしいぜぞお」

 

「うーわ!最悪ー!まじ死んでもあそこ落ちたくねえわ」

 

バァン!

 

「ひっ」 「うわわっ」

 

「へえー。死んでも嫌なんだー。じゃあ・・・今死ぬ?」

 

「あ、赤羽!」

 

その場に居合わせた赤羽は本校舎の生徒を瓶で殴りかかり脅した。二人の本校舎の生徒はヤバイと思ったのかすぐに逃げていた。

 

「ハハっ。やるわけないじゃん。ずっと良い玩具があるのにまた停学とかなる暇ないし」

 

「カルマ君・・・」

 

「でさあ渚君。聞きたいことがあるんだけど」

 

「赤羽だったか?俺は外した方が良いか?」

 

「えっと・・・。誰?」

 

「E組の綾小路清隆だ」

 

「へえー。わざわざ自分でE組って言う人初めて見たかも。まあ良いや。綾小路だったよね?居ても困る事ないし良いよ」

 

「・・・分かった」

 

赤羽の了承を受け俺たちは駅のホームに入って行ったら渚と赤羽が話し始めた。・・・俺どうしよう。

 

「渚君。殺せんせーの事ちょっと詳しいって?」

 

「う、うん。まあ、ちょっと」

 

「あの先生タコとか言ったら怒るかな?」

 

「タ、タコ?うーん。むしろ逆かな?自画像タコだしゲームの自機もタコらしいし。この前なんか砂場に穴掘ってたこつぼっていう一発ギャグやってたし。先生にとってもちょっとしたトレードマークらしいよタコは」

 

「ふーん。そうだ。くだらねえこと考えた。フッ」

 

「カルマ君。次は何企んでいるの?」

 

「俺さあ嬉しんだ。あいつがただのモンスターならどうしようかと思ってたけど。案外ちゃんとした先生で__」

 

その時丁度電車来て___

 

「ちゃんとした先生を殺せるなんてさあ。ハハっ。前の先生は自分で勝手に死んじゃったから」

 

「!」

 

赤羽業は夕陽に照らされながら不気味に笑っていた。

 

 








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Room:6 カルマの時間





朝オレが教室に着くと教卓の上にはある物があった。・・・これは確かに先生が怒って何かやらかす可能性はあるな・・・。だがこんなこんな事をして何か状況が劇的に変わるとは到底思えない。赤羽が何をする気なのか気になったのでオレは直接本人に聞く事にした。ちょうど席も隣だし聞きやすいしな。

 

「なあ赤羽。あれはどういうつもりだ?」

 

「ん〜?決まってんじゃ〜ん。先生を怒らせるためのただの道具だよ」

 

「・・・そうか」

 

オレの質問に対し赤羽はわざとらしくとぼけていた。これ以上何を言っても無駄だと判断したオレは席に着くことにした。その後入って来たクラスメイトも教卓の上の物を見てびっくりしていた。そりゃそうだ。そしてクラスメイトの反応を見ていたらもうホームルームの時間なのか殺せんせーの声が聞こえてきた。

 

「ヌゥ 計算外です・・・。ジェラートを買うお金がないとは・・・。給料日まで収入の当てもなし・・・。自炊するしかありませんねぇ・・・」

 

・・・何か悲しい事が聞こえてきたぞ。この先生ってどういう食生活してんだ?

 

「おはよう御座います!」

 

先生が挨拶をするが誰も反応を示さない。それどころかみんな俯いている。

 

「ン? どうしましたか?皆さ___」

 

先生はそれを見て驚いたのか言葉が詰まってしまったようだ。教卓の上の物の正体はアイスピックで貫かれた本物のタコだ。これで怒るのか悲しむのか何にせよ充分に見る価値はある。

 

「あ!ごっめ〜ん。殺せんせーと間違えて殺しちゃった〜。捨てとくから持ってきてよ」

 

「フム 分かりました」

 

赤羽が完全に舐めている発言をすると殺せんせーはこの事態の原因を把握したのかそれに応じた。・・・隣の席のオレだからこそ分かる事だが赤羽はナイフを隠し持っている。来たところをナイフで刺す魂胆だろう。この事から見ても赤羽の考え方は物理的に殺すより先に精神的に殺すつもりだ。オレがそう分析してたら触手の先端がドリル状になった。さらにその瞬間先生は超スピードでミサイルと小麦粉や卵などみたいな食材や調味料を持ってきた。おいおいこれってまさか・・・。

 

「見せてあげましょうカルマ君・・・。このドリル触手の威力と自衛隊から奪っといたミサイルの火力を・・・! 」 

 

「・・・!」

 

流石の赤羽もこの状況は予想してなかったのか冷や汗を流し驚いていた。

 

「先生は・・・暗殺者を決して無事では帰さない・・・!」

 

「!ゴフッ」

 

そしてたこ焼きが出来上がった瞬間赤羽の口に入れられた。しかし赤羽は熱かったのかたこ焼きを吐き出した。・・・さてここで問題が発生した。赤羽の口から落ちたたこ焼きがオレの机の上に着地した。・・・何やってくれてんだよ。

 

「その顔色では朝食を食べていないでしょう。マッハでたこ焼きを作りました。これを食べれば健康優良児に近づけますねぇ。はいあーん」

 

「!」

 

「カルマ君。先生はねぇ手入れをするのです。錆びてしまった暗殺者の刃を・・・!今日一日本気で殺しに来るが良い・・・。その度に先生は君を手入れする・・・!」

 

「クッ・・・!」

 

「放課後までに君の心と体をピカピカに磨いてあげよう・・・!」

 

先生・・・。まずオレの机をピカピカに磨いてくれ・・・。まあ赤羽vs殺せんせー戦・・・開幕だな。正直成功するとは思えないが。

 

___________________________________________________

 

 

1時間目 数学の時間

 

 

「___っとこの様にどうしてもこの数字が余ってしまう。そんな割りきれないお悩みを持つ貴方!でも大丈夫。ピッタリの方法を用意しました。黒板に書くのでみんなで一緒に解いてみましょう」

 

みんなが授業に集中している中赤羽は銃を取り出し撃とうとした瞬間___

 

「あーカルマ君?銃を抜いて撃つまでが遅すぎます」

 

いつの間にか銃が取り上げられていた。

 

「!」

 

「暇だったのでネイルアートを入れときました」

 

「クッ・・・」

 

そしてネイルアートまで施されていた。

 

__________________________

 

4時間目 家庭科

 

「どうです?不破さんの班は出来ましたか?」

 

「んー?どうだろう?何か味がトゲトゲしてんだよねー」

 

「どれどれ?アム」

 

不破達が調理実習中赤羽が乱入し___

 

「へー。じゃあ作り直したら?一回捨てて___フッ」

 

殺せんせーの方に捨て赤羽はナイフで襲いかかったが____

 

「エプロンを忘れてますよカルマ君」

 

「!」

 

赤羽は殺せんせーによって真ん中に大きいハートがついたフリルが色んなところにあるピンクのエプロンと赤い三角巾を身につけられていた。

 

「スープならご心配なく。全部空中でスポイトで吸っておきました。ついでに砂糖も加えてね」

 

「アム あ!マイルドになってる!」

 

「フフフッ」

 

「カワイーw」

 

「・・・赤羽。終わったようならお前も手伝ってくれ」

 

キッ

 

・・・睨まれた。

 

__________________________

 

 

5時間目 国語

 

今度の赤羽は教科書の音読をして通り過ぎるところを暗殺しようとする魂胆なのだろうだがその前に殺せんせーが自身の触手で赤羽のおでこにあて抑えつけられ失敗した。

 

「!」

 

「___赤蛙はまたも失敗して戻ってきた。私はそろそろ退屈し始めていた___」

 

本気で警戒している先生を殺せる確率は0に近いと言っても過言ではない・・・と思う。

 

___________________________________________________

 

 

授業が終わり放課後を迎えた頃赤羽はすぐさま教室から出た。オレも赤羽を追いかけるように急いで出た。そこで着いたのは崖だった。赤羽は殺すどころかダメージを与えることも出来なくなり自身の人差し指の爪を噛み苛立っている様子だった。

 

「・・・赤羽」

 

「・・・何だ綾小路か。何のよう?」

 

「はっきり言うぞ。少なくとも今の状態じゃ無理だ。・・・そもそもどうしてお前がそんな殺せんせーを殺したいか。・・・お前。先生___いや先生という生き物が嫌いだろ___」

 

オレが先生という生き物が嫌いだろと言った瞬間赤羽はオレの胸ぐらを掴み睨んでいる。

 

「・・・何を根拠にして言ってるの?」

 

フッ その言葉を待っていた。聞かせてやるよ。不破に推理をぶん投げたオレの推理を!あれ・・・?なんか矛盾してるな。ていうか結局それオレ推理してないな。

 

「・・・まず赤羽と渚そしてオレの三人で帰ったあの日・・・。前の先生は勝手に死んだと言う言葉。自殺でも他殺でも本当に死んだならニュースなってもおかしくはない。名門校の先生が死んだなんてマスコミが取り上げない訳がない。仮に隠蔽されたとしても急に先生が居なくなったら流石に気づくだろ。なら物理的に死んだの意味じゃなくて精神的に死んだ事になる。つまりお前の中で先生が死んだと言うことだ。・・・今まで信じていたのに裏切られでもしたか?」

 

「いい加減にしろよ・・・!推理出来て俺のことを知ってますアピールでもしているつもり?何も知らないくせに・・・!」

 

赤羽がそう言うとオレに殴りかかってくる。・・・まずいな。このままだと殴られてしまう。どうにかして殴られない方法がないものかと考えていると隠れていた渚が出て来た。

 

「ちょっ、ちょっと!カルマ君!落ち着いてよ!このまま暴力沙汰になるとまた停学だよ!?良いの!?」

 

「チッ」

 

流石にまた停学は嫌なのか舌打ちをしながらも離してくれた。・・・正直助かった。

 

「・・・カルマ君。焦らないでみんなと一緒にやっていこうよ。殺せんせーにマークされちゃったらどんな手を使っても一人じゃ殺せない。普通の先生とは違うんだから」

 

「先生ねぇ・・・」

 

赤羽はやっぱりまだ先生というものに思うところがあるのかそう呟き何かを思い出している様子だった。

 

「やだね。俺が殺りたいんだ。変なとこで死なれんのが一番ムカつく」

 

赤羽がそう言うと殺せんせーが声をかけて来た。

 

「カルマ君?」

 

「「!」」

 

「今日はたくさん先生に手入れされましたねぇ。まだまだ殺しに来ても良いですよ?もっとピカピカに磨いてあげます」

 

殺せんせーは舐めているのか顔に緑のシマシマ模様が浮き出た。しかし赤羽はさっきまで怒っていたのに今は殺せんせーが舐めているのにも関わらずまた飄々とした笑顔をしていた。さてお前の実力を_____

 

「フッ 確認したいんだけど・・・殺せんせーって先生だよね?」

 

「?」

 

「はい」

 

渚は質問の意味を分かっていないのか首を傾げていた。

 

「先生ってさあ・・・命をかけて生徒を守ってくれる人?」

 

「もちろん。先生ですから」

 

「そっか良かった。なら殺せるよ___確実に」

 

「ハッ」

 

_____この目で見定めさせてもらうぞ。

 

カルマside

 

渚君はようやくその意味が分かったのか助けようとした。だがもう遅い。俺は銃口を前に向けたまま後ろから倒れる様に崖から落ちた。懐から手榴弾が出てきた。ああ・・・。これはきっと俺に死ねっていう事なのだろう!さあどうする?俺を助けに来れば救出する前に手榴弾が起動して死ぬ。見殺しにすれば先生としてのアンタは死ぬ。ハッ。アッハハッ/ \ / \ / \/ \ 。スッゲッ!走馬灯っぽいものが見えてきた!

 

_________________________

 

 

俺はある日虐められてた先輩がいたので加害者の方の先輩をいつも通り暴力で止めた。ただ勘違いしないで欲しい。俺は確かに喧嘩等は好んでするが何もしていない一般人までは手を出さない。あくまで俺は自分が正しいと思うことをやっただけだ。

 

「大丈夫?先輩?3-E?あのE組?大変だね。そんな事で因縁つけられて。ん?俺が正しいよ?虐められてた先輩助けて何が悪いの?」

 

そう・・・。正しいと思っていた。このときまでは・・・。

 

「いいや赤羽。どう見てもお前が悪い!」

 

 

えっ?

 

 

「頭おかしいのかお前!三年トップの優等生に怪我を負わすとはどういう事だ!」

 

えぇ?待ってよ先生・・・。

 

「E組なんぞの肩を持って・・・未来あるものを傷つけた!彼の受験に影響が出たら・・・お、俺の責任になるんだぞ!」

 

・・・味方とか言っといてそんな事言っちゃうんだ・・・。やばい死ぬ。

 

「お前は成績だけは正しかった。だからいつも庇ってやったのに!俺の経歴に傷がつくなら話しは別だ!

 

俺の中で先生(コイツ)が死ぬ。

 

「俺の方からお前の転勤を申し出た。おめでとう・・・!赤羽。君も三年からE組行きだ・・・!・・・?うわああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

 

ソイツに絶望して俺にとってソイツは死んだと同じだ。

 

_________________________

 

 

あぁ・・・。嫌な事を思い出してしまった。もう良いや。もう待てない。そう思った俺は手榴弾のピンを抜いた。ああ。呆気ない人生だったな・・・。

 

俺がそう思っていると突如手から先生の触手によって手榴弾がひったくられた。え・・・?俺は上の方を見ると二本のあのタコの触手が伸びていた。しかしそのひったくった触手の一本は手榴弾が起爆し飛散した。事態を把握した俺は懐から銃を取り出しもう一本の方の触手に向かって何発か撃ったが当たらなかった。そしてそのもう一本の方の触手が俺を通り過ぎ下に向かった。・・・どう言うことだ?下を見るともう一本の方の触手が螺旋状に展開した。そう言うことかよっっ!!俺は急いで体を空中で反転させて銃口を下の触手に向けたが時すでに遅く俺はうつ伏せの状態で触手に捕まった。くそッ!もう一本の触手が下に行った時放心せずにさっさと撃てば良かった!!!そうすれば俺が死んで先生も死んだのに!!!

 

「カルマ君。自らを使った計算ずくの暗殺・・・お見事です!音速で助ければ君の肉体は耐えられない。かと言ってゆっくり動けばその間に君は自爆してしまう。そこで先生君の手榴弾をひったくってちょっとネバネバしてみました」

 

「ックソ。何でもありかよこの触手!」

 

どおりでなんか離れられないと思った!!!

 

「これでは撃てませんねぇ?ヌルフフフフフフフフ。あぁ因みに見捨てるという選択肢は先生にはない」

 

「え?」

 

「いつでも信じて飛び降りて下さい」

 

「あっ・・・」

 

あぁ・・・。こりゃダメだ。死なないし殺せない。・・・少なくとも先生としては。

 

綾小路side

 

結論から言うと赤羽は殺せんせーを殺す事に失敗した。ただ一本の触手を破壊する事は成功したが。それにしても赤羽 vs殺せんせーの空中戦は凄かったな。

 

「カルマ君・・・。平然と無茶したね」

 

「別にー?今のが考えてた限りじゃ一番殺せると思ったんだけど・・・」

 

「おやぁ?もうネタ切れですかぁ?報復用の手入れ道具はまだ沢山ありますよ?君も案外ちょろいですねぇ」

 

先生に煽られた赤羽は最初少し苛立っている様子だったが次第に吹っ切れたようで爽やかな顔になった。ただ・・・これは殺意が湧いてきても仕方がないな・・・。

 

「殺すよ!明日にでも」

 

「健康的で爽やかな殺意・・・。もう手入れの必要はなさそうですね」

 

「フッ」

 

暗殺に行った殺し屋はターゲットにピカピカにされてしまう。それがオレ達の暗殺教室。さあ明日は誰がどうやって殺すのか俺は柄にもなく少し期待した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「じゃ帰ろうぜ渚君。帰り飯食っていこうよ。綾小路君もくる?」

 

おっ・・・。さっきまで呼び捨てだったのに君付けしてきた。何故・・・?

 

「・・・?ああっ!ちょっ!それ先生のサイフ!」

 

「だからぁ職員室に無防備で置いておくなって」

 

赤羽が持っている茶色のがま口の財布はどうやら殺せんせーの物で職員室から盗んだようだった。

 

「か、返しなさい!」

 

「良いよー」

 

「え?な、中身抜かれてますけど!?」

 

「はした金だったから募金しちゃった」

 

「ヌワアアアアアアアア!!!」

 

財布の中を使われた殺せんせーはムンクの叫び様なポーズで絶叫した。いやいや・・・。

 

「いやダメだろ赤羽」

 

「そうですよ!言ってやってください綾小路君!」

 

「だったら財布も質屋とかに売って募金しろよ」

 

「にゅやっ!綾小路君!注意するところが違う!」

 

いや・・・。違わないと思うが。俺がおかしいのだろうか?

 

「んー。それも考えたけどよく考えたらはした金にすらならないと思うよ?」

 

「それもそうか」

 

なら仕方ないな。

 

「じゃ、行こっか」

 

「ああ」

 

「ちょ!ちょっと!話しは終わってませんよ!?」

 

「行くぞ赤羽。渚。先生はマッハ20だがその前に国家機密だ。山を下りれば流石について来れない」

 

「あはは!面白い事考えるねー。それじゃあついて行こうかな」

 

「あ!置いて行かないでよ!」

 

「ま、待ちなさい!綾小路君!いつか絶対君を手入れしますからね!!!」

 

・・・手入れ・・・か。殺せんせーそれは

 

 

恐らく無理だろうな。

 

 

あんたの手入れのやり方は暗殺者(アサシン)標的(ターゲット)がいて成り立つものだ。もちろんオレはあんたを殺す気はある。死にたくないしな。だがオレは暗殺者(アサシン)になる気はない。それに赤羽や磯貝とか片岡みたいなやつがいるから大丈夫だと思うんだがな。

 

 

____ただしオレの駒としてだが。

 

 

特に赤羽お前は良い駒になる。手に対先生ナイフを切って貼り付けるや対先生弾を床に散乱させる等の罠も良かった。さらに空中戦で見せた判断力も素晴らしかった。その判断力の高い赤羽ならこう思っているだろう。何故手榴弾が懐から出てきたのかと。それは赤羽に殴られそうになったあの時に入れておいた。そして手榴弾は簡単に作れた。寺坂が持っていたぐらいだしな。オレが作った手榴弾も強いて言うなら寺坂が持っていた物よりも火薬の威力が高いぐらいだ。ともあれ殺せんせー。オレはあんたを必ず殺す。

 

どんな手を使っても__________

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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