RDがISを動かしました (オールドクイーン)
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一話 RD、学園に行く

どうも、当作品に触れていただきありがとうございます。
誤字脱字や矛盾点が見られると思われます。その場合は温かい目で許してやってください


(えぇっと…これマズくないっすか!?)

 

 IS学園の1年1組の端の席で一人の男が苦言を心の中で言う。彼の名はRD。男性のIS適性試験に 姉さんに興味本位で、あわよくばお金儲けとして連れてこられ、触れたら適正があった。

 

 そのせいで世間は大騒ぎ、アメリカも日本も中国もイギリスもフランスも、どこの国も男性のIS適正者探しに躍起になった。

 

 それに批判の2文字を押し付けるのが女性こそが男性よりも勝っており、男性は女性に媚へつらわなければいけない、という中世の貴族すら考えたかも分からない主義を唱えている集団だ

 

 女は3人揃うと姦しいとかいうが彼女等はそんなものではない。一人でも騒がしいし二人なら尚更騒がしい。自分でISを動かさないのに何故そのような思考に辿り着けるのか、俺には分からないっすよ…

 

 彼がそうやって記憶を整理し、現状を飲み込もうとしていると1組の副担任、山田真耶がこちらに向けて困った目で何か言ってる

 

山田真耶「ごめんね、レイ君。今自己紹介で あ から始まって今 れ なんだよね。自己紹介、やってくれるかな、ダメかな?」

 

 彼女がそういってこちらに自己紹介を求める。姉さん以上の胸部に驚きながらも、席から立ち、自己紹介の言葉選びを瞬時に初め、整理してから言葉を発する。

 

レイ・ドミナント「な、名前はレイ・ドミナント。好きな物は、散歩と読書ッス。迷惑をかけるかもしれないけど、よろしくお願いします…」

 

 はぁ、やっと終わった。女性ばかりの学園で、それに皆こっちをずっと見てきて、生きる心地がしないッスよ、姉さん…

 

織斑千冬「ふん、まぁ及第点だな。それで?これで皆の自己紹介も終わりか」

 

 そう言いつつ、一人の女性が教室に入る。彼女は確かブリュンヒルデって言われてる人で、地上最強の名を欲しいままにしている。確か妹が一人いてここに来てるって話を聞いた事がある

 

 正直怖くて話す気にもなれないッスよ…姉さんと別のベクトルで怖いッス。

 

 そんな事を思っている間に急に教室内のあちらこちらから悲鳴というか狂乱というか分からないような声が発せられる。どうやら地上最強を見て歓喜しているようッス。けど有名人とはいえここまで叫ばれると鼓膜がじんじんと来るッス…

 

織斑千冬「はぁ、なんで毎年こうも叫ばれなきゃならないんだ。意図的にこうしているのかぁ?」

 

 彼女も苦労しているらしく、頭を掻く。どうやら毎年のようだ。実際こんなのを毎年見ていれば逃げたくもなる。

 

 

 とまぁこんな事があり無事に休み時間になる。俺ッスか?俺は窓側の席で一番端っこの席ッス。気が楽だけど皆から見られてストレスが貯まりますよ。仕方がないから本でも読もうと、鞄から本を取り出す。

 

 

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ーーーーーーーーーーーーーーー

 

ー我々はいつも罪を犯す、そうは思わないか、レイヴンー

 

ー我々には管理する者が必要だー

 

ー我々は我々だけで生きるべきではないのだー

 

ーレイヴンの国ー

 

ー私はそれ程愚かでは無いー

 

ー全ては理想の為ー

 

ー復活の為ー

 

ーー消えろイレギュラー!ーー

 

 

 RDは本の物語に夢中になる。彼にとって読書こそが最近の唯一の逃げ道であり、この本が好きだった。それもこれでクライマックス。朝に読んでそれっきりでここの場面を楽しみにしていたのだ。

 

 胸が熱くなる。この発言をした敵キャラは、何のつもりでこんな事をしたのか、何を目指したのか…そんな事を耽りながら本を次のページへと捲る、その時

 

 

「ちょっといいですか?貴方」

 

 

 邪魔者(イレギュラー)が入った。

 

 

レイ・ドミナント「何スか?」

 

セシリア・オルコット「まぁ、何ですの?その反応は。日本の男性と言う者はそこまで語彙に乏しいものなんですの?」クスクス

 

 

 面倒な物に話しかけられたと、読書を遮られたストレスを心に隠しながら平常心を持って彼女に声をまたかける

 

 

レイ・ドミナント「で?何か目的があるから話しかけたんでしょう?なんの目的があるんスか?」

 

セシリア・オルコット「はぁ?何を言ってますの?そもそもこの私セシリア・オルコットに話しかけられたというのに何故そのような腑抜けた言葉遣い、気に入りませんわ」

 

セシリア・オルコット「そもそも、なぜ貴方がISに(ry

 

 俺は静かなのが好きなのに、なんでこの女は騒がしく振る舞うのだろうか。貴族とか言っていたけど、最近の貴族は騒ぐのが誇りに入っているんスか?馬鹿げてる…

 

レイ・ドミナント「話は終わりっスか?ならこれ以上の会話はやめた方が良いっスよ、本当。」

 

セシリア・オルコット「な、貴方と言う人は余程n

 

キーンコーンカーンコーン

 

セシリア・オルコット「ぐ、話は後程!」スタスタスタ

 

 何なんスか、本当…こうなるのだけは死んでも御免だっていうのに…

 

織斑千冬「では諸君。授業を始める!と、言いたいがその前にクラスの代表を決める。それで選ばれた者がクラス代表戦に出る事になる。その他にもクラス長としての役割があるが、本命はこちらだ。自薦他薦は問わん。誰か居ないか〜?

 

 

 「これは、面倒な事になった…」

 

 先程読んだ本に出てきた言葉を頭に思い浮かべてると、案の定…

 

 

「はい!私はレイ・ドミナント君を推薦します!」

 

「私も!」

 

「私もレイ君を推薦します!」

 

 

 やっぱりこうなるんスか?

 

レイ・ドミナント「ちょ、ちょっと!そんなの無理ッスよ!無理無理!第一俺がクラスの代表なんt

 

「納得いきませんわ!」

 

 

 あ、さっきの人ッス。なんかこっちに鋭い眼光で見てるッス。怖いんでやめてください、マジで。

 

セシリア・オルコット「何で男性をクラスの代表にするんですの?物珍しいからって代表にするのは可笑しいですわ!その上ISにまともに乗った人がクラスの代表なんていい恥晒しですわ!」

 

セシリア・オルコット「そもそも貴族である私にとってこんな極東の島国での生活すらいい恥晒しであって、その上学園内でもこんな弱々しい男性に一年間!の代表をさせるなんて(ry

 

 

 あぁ、最初の部分は同意できたんスけど、それより下は感情に任せてるだけじゃないッスか…代表候補がそんなんで良いんスか、イギリスさん。

 

 

レイ・ドミナント「なら、あんたがやれば良いじゃないッスか…」小声

 

セシリア・オルコット「な、何て言いました?!貴方!」

 

レイ・ドミナント「そもそも俺はやりたくないッスよ!ね?先生!辞退させてください!」

 

織斑千冬「ほー?他薦を辞退するのか?貴様。それは受け入れられんな(レイには言ってないが言ってないけど他薦って断れないって無茶な学則であるしな、許せ)」

 

 この人…話が通じない…?こんな時に姉さんが居たら…いや、あの人は面白そうにやってみようよって言いそう。味方はいないんスか?!

 

レイ・ドミナント「そ、そんな事を言われても、俺にはISの経験なんt

 

セシリア・オルコット「そうですわ、この様な貧弱な男性よりも、代表候補生である私がクラスの代表をするべきですわ!」

 

 その通りッスよ!ならあんたがやってくださいよ!マジで!俺はこんなの御免ッスよ!

 

織斑千冬「では決闘という形で決めようじゃないか。それならフェアだろ?ん?レイ」

 

レイ・ドミナント「そんな、無茶ッスよ…」

 

セシリア・オルコット「そうですわ!それに私は専用機持ち、どう見てもこの方には荷が重すぎるのではなくて?」クスクス

 

織斑千冬「ん?言い忘れてたがレイにも専用機が配られるそうだ。確か… 企業 とやらから来るそうだが、まぁそういう事だ。決闘は来週の土曜日、時間は追って説明する。いいな?これで終わりだ。授業を始めるぞ!

 

 

 横暴ッスよ、先生…それと企業ってどこの企業ッスか…

 

 

こうして俺ことレイ・ドミナントの学園生活が始まるのであった

 




御朗読ありがとうございます。不定期投稿ですが、待っていてくれると幸いです


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二話 寮の相部屋

続きました。
一話に続きまた駄文になりますが、どうぞ


RD(一次移行?初期化?何すかこれ!聞いてた話と違うじゃないッスか!)

 

 話が…違うッスよ、最初は…世間一般の予備知識だけでついていけるって…死にたくない…

 

RD(先生にも話をかけづらいし、どうしよう、これ。必読って書いてた辞書みたいに分厚い本に、少しでも目を通しとければ良かったッス…馬鹿っスね、本当)

 

「あの〜、レイ君?」

 

RD(それに、最初から分からないって周りにバレでもしたら…)

 

「レイ君!」

 

RD「な、何すかぁ?!」ビクッ

 

山田「レイ君。さっきから聞いてるんだけど、調子でも悪いのかな?」

 

RD「え、あ、大丈夫ッスよ。えぇ」

 

山田「そうなの?あ、それと今までで分からない所ってあるかな?」

 

RD(これは、チャンスッスか?けど、あぁ…皆見てる。ギラギラした目でこっちを見てるッス…けどここで言わなきゃ…よし、もうどうにでもなれ!ッス)

 

RD「すいません、先生。分からないッス」

 

山田「分からないって、どこら辺ですか?」

 

RD「ぜ、全部でス…」

 

山田「えっ?あ、あの〜ここまでで他に分からない人はどのくらいいるかな?」アセアセ

 

 山田真耶が周りを見渡す。しかしそこに手を上げる者は一人も居らず、孤立無援の状態とはこの事だ

 

千冬「おい、レイ。お前必読と書いてあった本に目を通したのか?」

 

RD(な、なんか織斑先生もこっちに来てないっスか?!マズイっすよ!死ぬのだけは死んでも御免ッス!)

 

 RDは死や危険に敏感である。これは生まれ持っての特性みたいな物であり、主にこういう時に発動する。

 

RD「あの本ッスか?アハハ…読んで、ない、ッス…」

 

バシーン!

 

 RDの後頭部に大きな音がした。音の原因は出席簿。RDの死への危険はまさしくこれであり、音の後にRDが頭を抱えてへたりこむ。余程力を入れたのだろう。今まで受けた暴力で一番痛かった、と思う

 

RD「痛ッ、痛いじゃないッスか!出席簿で攻撃する事無いじゃないッスかぁ!」

 

千冬「必読と書いてあっただろう。何故読まなかったんだぁ?」

 

RD(言えない、ロボットゲーのアセンにハマってたせいで読み忘れたなんて、口に出したらまた来るっスよ、出席簿)

 

RD「……(俯いて黙るしかないッス)」

 

千冬「はぁ、まぁ良い。再発行はしてやるから一週間で覚えてこい。他の奴等とこれ以上遅れはとれんだろう?」

 

RD「は、はい…」

 

RD(姉さん…俺、こんな所にいて良いんスか?)

 

 

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放課後

 

RD「っふぅ、やっと終わりッスね」

 

 座学で凝り固まった体をほぐしながら帰る準備をする。今日は色々あった。一つ一つを思い出すのが嫌な程

 

RD(早くに帰って姉さんの料理を食べたいなぁ)

 

 

 RDはどんな料理だろうと考えながら席を立ち、帰ろうとする。入学初日だ、美味しいものでも作ってくれるだろう。と思いながら笑みを薄っすらと浮かべて教室を出る。すると

 

山田「あ、いたいた。ごめんねレイ君。少しお話いいかな」

 

RD(こんな時間に、何スかね)

 

RD「何ですか?できれば手短にお願いします」

 

山田「あのね、レイ君。学園の寮の事は知ってるよね?」

 

 嫌な予感がした

 

RD「えぇ、知ってますよ。で?俺になんの関係が?」

 

山田真耶「あのね、世界初の男性操縦者が一人での登下校は危険だって言う事で…」

 

 思った通りだ。つまりは寮の部屋を貸すからそこで寝起きして欲しい。そういう事ッスね?あれ?じゃあ姉さんの料理は?あ、料理は寮の方で出すと…不自由なんスね、色々と。

 

 

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山田「じゃあ、これが部屋の鍵。1026室だから注意してね。後、ごめんね、一人部屋が確保できなかったの。何せ急な事だったから…」シュン

 

RD「いえいえ、大丈夫ッスよ。」

 

RD(全然大丈夫じゃない。一体どんな女性と部屋を共に使うんだ?怖い人?それともあの金髪の人?けど直感では危険って出てこないしな)

 

山田「そうですか、困った事があったら先程言った電話番号にかけてください。では」

 

 

 RDは廊下に一人残される。目の前には1026室、ここに居ても始まらない、と鍵を使って中へ入る。中は結構綺麗に掃除されてて、使うのには不便しなさそう。というのが第一印象だった

 

 

RD(電気はついてるッスね、えーっと、なら居るはず。第一印象が大事ッス、面倒になるのは死んでも御免ッス。けど一応確認を)

 

RD「あの、すいません。誰かいますか?」

 

 一声かける。その後すぐに返事が返ってくる。

 

「ん、そうか、君が部屋を共に使う人か。私は織斑一夏。よろしくね」

 

 ん?今この人織斑って言わなかったッスか?

 

RD「あ、俺はレイ・ドミナントって言うッス。よろしくッス。」ペコリ

 

一夏「知ってるよ。テレビで毎日のように報道されてるからね。」

 

RD「ハハ、それなら…あ、そういえば貴方の織斑って…」

 

RD(人違いであってください人違いであってください人違いであってください)

 

一夏「まぁ、考えてる通りだよ。織斑千冬は私の姉。」

 

 

 RDは確信した。「面倒な事になった」と。

 

 

RD「アハハ、そうだったんスね、やっぱり…」げんなり

 

一夏「そんなに露骨に嫌な顔しないでよ、印象悪いぞ?ん?」プクー

 

 

 一夏の頬に空気が貯まる。他の男性ならば可愛いと思えるのだろうけど、織斑千冬に容姿が似ている彼女を見ると、どうしてもあの出席簿の事を思い出して休めもしないッス…

 

 

RD「ハハ、すいません。ちょっと、授業中に出席簿を頭に食らっただけッスから…」苦笑い

 

一夏「あの時は驚いたよ。にしてもやりすぎだよ、千冬姉も。何も相手は生徒なんだから」ハァ

 

RD「忘れたこっちが悪いんスよ。仕方ないっス。にしてもまだ頭が少しじんじんする。」

 

 

 

 そうやって彼女と雑談をした。その後線引きは必要だと、風呂の時間等を決め、夕食を食べ、目の前にある分厚い本を机の上に出す。

 

RD(こんなのを一週間で…無茶ッスよ、先生)

 

 まぁそう言ってても仕方がないと、本を開いて見る。あ、ここは今日やった所だ。本を見てみると簡単な説明とそれについての情報等など、授業ではそれを必要最低限だけ教えてるから分からなかっただけで、本で見てみると呆気ない

 

RD(やれる!やれるんだ!俺は!)

 

 

30分後

 

 

RD「すいません、一夏さん。ここ教えて下さい」

 

 本の説明にムラがありすぎたのだ。心の中での感覚を文字にするのは難しい。その為変な長文になり、それがRDの理解を遅くし、次第に苦しめた。

 

 その点一夏はISの操縦は学校に入る前から何度かやってるらしく、それを宛てにして頼み込んだのだ。文章を見るよりかは幾文かマシである

 

一夏「ん?良いよ、何処?あ、ISの展開の所かぁ」

 

RD「やっぱり、操縦した人に感覚とかを聞きたくて」

 

一夏「展開の感覚ねぇ、そうだなぁ。こう、目の前に図形を思い出す様な感じ?」ウーン

 

 一夏は悩みながらその言葉を捻り出す。けど、どういうのか分かっただけでもRDにとっては大きな収穫であり、一礼をして感謝をした

 

RD「ありがとうッス。おかげで多少なりと分かった気がするッス」

 

一夏「良いよ、こんな事で感謝しなくても。あ、それとわからない所があったら教えてね。部屋にいる時は大体本読んでるだけで暇だから」

 

RD(姉さん、俺はこの学園で初めて信用できる人を見つけたッス)

 

 

 

その頃

 

ロザリィ「ヘクション」

 

レオン「どうしたロザリィ。くしゃみなんて珍しい」

 

ロザリィ「誰かが私の噂でもしてるのよ。あら方RDね、帰ったらただじゃ置かないんだから」

 

レオン「はいはい、帰ったら入学記念パーティーね」ヤレヤレ

 

ロザリィ「そんなんじゃないっての!」ムス

 

レオン「ハハハ、その時は隣の家の奴等も呼ぶか!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

そうしである内にも二人の勉強会が始まる

 

一夏「ここはね、こうした方が分かりやすくていいかな。ほら」

 

RD「あ、それならここをこっちにして」

 

一夏「その手があったか、面白い事思いつくね、レイは」ニコニコ

 

RD「そ、そんなでもないッスよ」

 

一夏「そんなでもあるよ」ニコニコ

 

一夏「さぁ暇はありませんから勉強に戻ろうね〜」

 

RD(あ、結構ペースが早いッスね。これなら…)

 

 

一時間半後

 

 

RD「結構進みました。本当、ありがとうございます。感謝してもしきれないッスよ」

 

一夏「良いよ良いよ。私も教えてる内に内容が頭に入ってきて勉強できたし」

 

 

 RDは一夏との猛勉強(?)の末に今日のノルマが達成した。ISの感覚の部分は一夏に、それ以外のものもこうではないか、あぁではないか、と談笑を交えながらも着々と進んでいた

 

 RD自体もこのノルマが無茶なものだと思っていたが為、自分でも驚きを隠せず終わった時に満面の笑みを一夏に向けたのは言うまでもないし、一夏となら明日も順調に勉強ができると思っていた。

 

 そして寝る迄にはまだ早すぎると、雑談を始める。学校生活大丈夫?など、女に囲まれて大変でしょ、などそんな事を話していた。そして個人的に一番RDの心に届いたのが…

 

 

 

RD「というか、一夏さんって俺と同じのクラスなんですね」

 

一夏「何で気づかなかないのかな?君がこっちに来てすぐの会話でそれらしき会話したよね?ほら、千冬姉の所の!」ハァ

 

RD「千冬先生の…あぁ!出席簿の事ッスか、詳しいなとは思ってたッスけど、そこまでは…」

 

一夏「全く、まぁ良いよ。許す」

 

RD「本当ッスか?」

 

一夏「二言は無いよ、ただでさえ色んな事が一日に集中してたんだから、仕方ないって所もあるしさ」

 

RD「そ、そうッスか?けど…」

 

一夏「はいはい、この話題は終わり!それよりも…」

 

 

 結局このまま話し続けて寝た

 




御朗読ありがとうございます。
あれ?ヒロインどうするの?となり他とは違うように、と思ってこうなりました。
それにこれはRDじゃない、と思う人もいるかと思いますが、このRDは私の中でのRD像ですので、これも一つの可能性と思ってください


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三話 企業の始動

三話も続きました。
最近久しぶりにACVをやってて、今は軽2脚を使ってます
操作自体久しぶりですからストーリーの方に難儀してます
あ、それと誤字脱字は寛容な心で許してください
では、前置きもここまでで、本編をどうぞ


その頃、企業

 

代表「我々は、作らねばならない。既存の、浪漫の欠片もないISではなく、浪漫の溢れるISを。」

 

代表「我々は、救われねばならない。この女性に媚び諂いつまらないISを作るという現実から」

 

代表「我々には希望がある。彼が、男性の操縦者が現れた事を…」

 

代表「…と、演説は終わりにしよう!我々にストレス発散の機会が設けられた!皆、つまらないISばかりの制作でストレスが溜まっているだろう。」

 

代表「だが、今回は別だ。彼は男だ。浪漫が嫌いな男などいない!」

 

代表「さぁ、始めよう。虐げられる日々は終わりだ。我々の、我々の底力を見せてやろうではないか!」

 

「「「「「「うぉぉぉぉぉぉ!!!!」」」」」」

 

 

 

ジャック「では、今回制作するISの制作だ。それは3つに別れよう。」

 

レオン「本体と、武器と、浪漫の為に専用に単一能力のを追加で入れて3つになるな。」

 

ジャック「本体の制作はレオン、武器は主任、単一能力は私がやる。元々皆別の部署だ、最低限の協力こそあれど、皆、部署毎に思う存分やってやれ!」

 

レオン「といっても報連相は必要だ。その為、ポールをその仲介にして、キャロルがそれを繋ぎ合わせる。何か問題があればポールの方から話が来る。その時は部署毎の代表者の三人で会議を開く」

 

ジャック「まぁ、その場合も機体の噛み合わせ等くらいだから、気にせずやってくれ」

 

「「「オー!」」」

 

主任「じゃ、俺達は武器の方やっておきますね〜。とっておきのを楽しみにしてくださいよ警備隊長殿ぉ…」

 

ポール「私の胃に穴が開かない程度にしてくれよ。」ハァ

 

ジャック「それは今回私の部署の方だろう。皆、ストレスを溜めている。その上単一能力という浪漫の塊を作れと言われたら」ニコニコ

 

ポール「ある程度はお前が制御してくれ…」キリキリ

 

レオン「向こうからリクエストがない分、仕方ないだろう。」ハハハ

 

主任「あれ、そういえば今回の、どんな見た目にする気なの?」

 

レオン「そりゃ、全身装甲に決まっているだろう」ドヤ

 

主任「だよね!ハハハハハハ!!」

 

ジャック「そういうお前の部署も、相手のISの操縦者の生命を脅かすのは作るなよ」フフ

 

主任「どうだろうねぇ、最近開発したパルス系の武装は作るけど。まぁそこんとこは安心してね〜相手が生きるようにはするからさ」

 

レオン「パルス?あぁ、この前会議に出てた…」

 

主任「そう、他にも高出力のブレードもあるけどね!当たったらシールドなくなっちゃうかな?ギャハハハハハ」

 

ポール「はぁ、そろそろ部署に戻れ、それとキャロル。胃薬の用意を」

 

キャロル「了解しました。警備隊長殿。粉末タイプにしますか?」

 

ポール「どれでも良い。できるだけ沢山な」

 

キャロル「分かりました」ニコニコ

 

 

 

レオン部署

 

レオン部署モブ1「おーい、レオン。ハンガーユニットなんてどうだ?」

 

レオン「そんなの拡張領域で何とかならないのか?」ウーン

 

レオン部署モブ1「だがほら、一応設計図をCGにしたのを、ほら、カッコイイだろ?」

 

レオン「腰に?確かに格好は良いが…主任の部署の奴らがこんなのに収まる武器を作るか?」

 

レオン部署モブ1「うーん…」

 

レオン「だが、これ自体はカッコいいから残すか、適当な機能でも乗っけておけ」

 

レオン部署モブ1「オッケーオッケー!」ニコニコ

 

 

レオン部署モブ2「レオン〜、頭部に面白い仕掛け乗へたんだが見てくれよ〜」手招き

 

レオン「どうした?バルカンでもつけたのか?」

 

レオン部署モブ2「そうじゃないさ、ほら、単一能力に合わせて頭部を変形するんだ」

 

レオン「…モノアイと冷却装置を露出させたのか、まぁ、これはこれで…採用」

 

レオン部署モブ2「っし!」ガッツポーズ

 

 

 

主任部署

 

 

 

主任部署モブ1「主任、爆発で攻撃力を生み出す弾ってどうだ?」

 

主任「ん〜、採用!」

 

主任部署モブ2「主任、パルスガン、何とか間に合いそうです。ブレードは型ができてますので明後日には」

 

主任「仕事が早いねぇ、これもストレス解消ってやつ?」

 

主任部署モブ2「単一能力が向こうの部署になったのは悔しいですけどね〜ほら、こんなの考えてたんですけど…」

 

主任「どれどれ〜、核弾頭を砲台から発射するのかぁ、良いんじゃないの?今回の強化プランに提出する時が来ると思うからその資料こっちに送って」

 

主任部署モブ2「い、良いんですか?!なら、戦艦級のミサイルをその場で組み立てるってのは!?」ペラペラ

 

主任部署モブ3「ん?良いな!ならここにコンテナをくっつけて発射台は〜」

 

主任部署モブ1「それもアリなら鉄骨にブースターを取り付けたのなんてどうだろうか?」

 

主任部署モブ2「最高じゃないか!」ガタッ

 

主任「ん〜、全部こっちに送っといて」

 

「「「合点承知」」」

 

 

 

ジャック部署

 

ジャック「分かっているな、私達の部署では単一能力の開発。浪漫が最も詰まる所だ。でだ、一度皆にアイデアを出さてもらいたい」

 

ジャック部署モブ1「チェーンソー!」

 

ジャック部署モブ2「チェーンソー回転させようぜ!」

 

ジャック部署モブ3「ならばいっその事発動させたら6連チェーンソーを円にして回転させましょう!」

 

ジャック「採用!即刻作業にかかれ!」

 

ジャック「尚、本武装の名称はそうだな…よし!

 

 

「対IS規格外6連超振動突撃剣」

 

 

 

ジャック「そろそろ取り掛かるぞ!!」

 

ジャック部署モブ1「ィヤッホゥゥ!!」

 

ジャック部署モブ2「ヤッタルデー!」

 

ジャック部署モブ3「エネルギーはこの際ISの左腕部分をジャックして…」ボソボソ

 

 

 

 

そして次の日

 

 

 

ポール「では、徹夜の中よくやってくれたな、馬鹿共が。成果を見せてみろ。浪漫の塊ってコンセプトだ。その際どんなのが出ても許可してやる」

 

レオン「では私から。IS本体は全身装甲。関節部も、頭部も全て見えない様になっている。それと右肩部にはミサイル用のコンテナを付け、単一能力展開時には頭部装甲を変形、モノアイカメラと冷却機構を外部に露出、まぁこれも浪漫だ」

 

レオン「だが…まぁ、やりたい放題したせいか地走がメインになってしまってな。PIC自体は、使えるが、ほんのジャンプ程度だ。それにカスタム・ウィングはかっこ悪いから排除した」

 

主任「中々やるじゃない?ちょっと最後のはやり過ぎだけどね!ま、いいんじゃないの?そんなもんかな、本体は」

 

ポール「初めから中々の物を言い出しおって。しかしISが空をまともに飛べないのは問題だか、その点どうするつもりだ?」

 

レオン「あぁ、それは後程主任の部署ととある物を開発する予定だ。まぁ言ってしまえば向こうのPICを妨害するジャマーだな」

 

主任「あらら〜、それちょっとこっちもキャラじゃないけどマジにならないとねぇ」

 

ポール「まぁ、打開策があるならそれで良い。じゃ、主任。次はお前の所だ」

 

主任「アー、そうだね。短く言うと武装は5つ。この前言ってたパルスを応用して作られたパルスガン。ま、つまりは電磁弾のマシンガンって所だね〜大体は」

 

主任「次は弾頭内部の炸薬の爆発で攻撃力を生み出すバトルライフル。そしてその弾頭を使ったミサイル。ミサイルの方は肩のコンテナで使えるようにしたいから後で資料送ってね。」

 

レオン「わかった。出しておこう。サイズはともかくミサイルの形状はこちらで何とかしてくれ。後々それに合わせる」

 

主任「オッケー、分かりましたよ。まぁそして4つ目にライフルかな。ま、テンプレだけど攻撃力には特化させるから不足はないね、ハハハ」

 

ジャック「で?最後はブレードか?」

 

主任「御名答、型は出来てるから一番にできるのがこれかな」 

 

レオン「たしか、月光だったか?」

 

主任「そうそう、エネルギーを馬鹿みたいに使うブレード」

 

ポール「まぁ、それはともかくお前の部署にしては普通だな。何かあったのか?」

 

主任「実は強化プランの会話に盛り上がってしまいまして…」ニヤニヤ

 

ポール「しゅ、主任…それは、後程報告を聞こう」

 

ポール「(胃に穴が開く予感がした」

 

ジャック「では、私だな。単一能力。その名はデロリアン!」ドヤ

 

ポール「…キャロル、胃薬を、水も一緒に」

 

キャロル「分かりました。何かあったのですか?」フフ

 

ポール「いや?これから嫌な事が起こりそうなのでな」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

その頃

 

 

IS学園

 

 

RD(今日の放課後に一夏さんとISの操縦訓練ッス。何だか向こうは専用機を持ってるらしいッスけど、今回は基礎の基礎、まずは慣れる事からって事で、自由に飛ぶ事から、らしいッスから、専用機は殆ど見せびらかす為、ッスかね?)

 

RD(けど今は、それ以上考えないで授業に集中するしかないッスよ。だってほら、寝てる生徒に出席簿が…)

 

バシーーン!!

 

一夏「いったぁぁぁ!!酷いですよ、千冬n、織斑先生!」涙目

 

千冬「お前が寝ていたからだろう…何回言わせればわかるんだ?」ハァ

 

一夏「昨日は少し寝れなくて、少し眠気が…っふわぁ〜」アクビ~

 

千冬「ほぅ、私の前でよくあくびを出来るなぁ」

 

一夏「い、今のは…まぁ、その…」

 

RD(もしかして寝不足なの俺のせいッスか!?後で謝らないと…)

 

千冬「レイ。お前はお前で俯いて思い事かぁ?」

 

RD「えっ?」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

放課後

 

 

RD「災難ッス…」ドンヨリ

 

一夏「本当にね〜けど、お互いに悪いって事でさ、仕方ないよ」ハハハ

 

RD「あ、そういえば…一夏さんが寝不足なのって、もしかして俺ッスか?もしそうなら、すいません」

 

一夏「いやいや、違うよ?レイと話終わった後に少し考え耽ってただけ。」

 

RD「考え事ッスか?」キョトン

 

一夏「うん、少し友達の事でね。箒って事、いるでしょ?ほら、長い髪を束ねてる子」

 

RD「あぁ、確か俺の座席の一番前の」

 

RD(あの子と一夏さんって何かあったんスかね?まぁ、これ以上は聞かない方がいいッスよね。女性っていうのはこういう所五月蝿いらしいって聞くし)

 

一夏「そう、その子。実は昔は友達だったんだけど、箒の家の事情で引っ越しちゃってね」

 

RD(そうなんスか…というかプライベートの事どんどん話すッスね、一夏さん…ある意味恐ろしいッス。それにこの話題は俺にはあまり…そうだ、話題変えを…ん?)

 

RD「あ、そろそろピットッス。では、俺は打鉄に乗りますんで、少し待ってて下さい」

 

一夏「あ、うん…いってらっしゃい」

 

一夏「……うーん、なんだかなぁ」首を掻く

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

RD(これが打鉄、やっぱり慣れない、ッスね。なんだろう、この身体を預ける感じが苦手ッス。けどそろそろ行かなきゃッスね。アリーナに行くとするか」

 

 

 RDがピットからアリーナへと出てくる。そしてRDは驚いた。目の前には白く、純白で、羽根のようなカスタム・ウィングをつけたISがいた。その右手には刀があり、しかしそれすらも洗練されたデザインで、機体によく合ってる

 

 

RD(あれが専用機。俺もあんなのを乗るんすねぇ、あぁいう優雅な、それでいて高貴な感じのを乗りたいッスねぇ)

 

 

 まさか、そんな筈ない。今頃変人奇人が躍起になって泥臭い浪漫の結晶を作っているのだ。それを知らずに妄想を膨らますRD。哀れ彼の願い最後まで届かなかった

 

 

RD(それにしても一夏さんの専用機ってあんなに綺麗なもんなんでスね、クラスの女子達が揃いも揃って天使だって言う訳だ。それにあの刀、確か見た事あるような)

 

 

 RDが刀に目をやる。似たような物を昔テレビで見た気がしたが、どうせ気のせいだろうと思ったが、一夏はその目線を逃さずに、口を開けた

 

 

一夏「これが気になるの?」キョトン

 

RD「えっ?、ま、まぁ。何処かで見た事ある気がしたなって思って」

 

一夏「まぁ、そりゃそうだよ。これ千冬姉の持ってたのと同じだから」

 

RD(あ、成程成程。姉妹特有のお古って奴ッスね?…いやいやいや、そんなもん引き継がないでくださいよ!あんなもん振られたら俺死んじゃうッスよ!!相手したくない、絶対に…)

 

一夏「大丈夫大丈夫、レイには振らないよ。絶対にね。」ニコニコ

 

RD「そ、それなら…ってそうだ、今日はISの練習ッスよ!」

 

一夏「あ、あぁ。そうだったね。じゃあ昨日行った通りPICの練習をしてみようか。その前に歩く事は…できるか。アリーナに入る時やってたもんね」

 

RD「覚束ない足で、ですけどね…」ハァ

 

一夏「なら、歩行もやる?そんなに時間は取らないよ」

 

RD「お恥ずかしながら、お、お願いするッス」

 

一夏「そんなに堅苦しくなくても。大丈夫、ちゃんと教えるから安心なさいな」

 

RD(それなら幾分かは安心できるッス)

 

 

尚、このまま無事に一夏ちゃんの丁寧な説明の元、PICの練習も、平和に終えた模様




御朗読ありがとうございます。

裏話と言っては何ですが一夏ちゃんをどういう方向にしていこうか悩んでいます。
表に出さないけど裏ではRDの事でジタバタしてるって感じのが最有力ですが、最悪これから変に拗れる…かも?
ま、まぁ次話に、ご期待ください!次回はセシリア戦一歩手前です


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四話 専用機

四話です。まさか考えなしの駄文がここまで続くとは。
その上評価までつけてもらって。嬉しい限りです。
それと毎度ですが、誤字脱字は許してやってください


 朝、それは素晴らしい物だ。一日の始まりを教えてくれる。この時だけは珍獣として見られる事を忘れさせてくれる。

 

 学園に来てから少し経った。セシリアとの代表決定戦も残り4日となり、自分に気合を入れる。しかし自分の専用機がその決定戦の当日に来るというがどんなISなのか殆ど情報が入ってこない。強いて言えば千冬先生から

 

「相当気合が入っているらしくてな、奴ら浪漫の塊というのをコンセプトに作っているらしい。数日後にそのISの情報は届く。私経由で渡すから目を通しておけ」

 

 との情報をいただいた。

 

 

RD(浪漫の塊って何ッスか、もしかしてデカい大砲でもつけるんスか?!嫌っすよ、無理無理無理!そんなの扱える訳ないじゃないっすかぁ!)

 

 

 そんな事を考えていると一夏が起きる。あぁ、もうこんな時間か、と思いつつ時計を見る。時計は6時を指しており、7時の学食の時間までは随分と暇がある。

 

 一夏と話でもしようかな?と一瞬思ったが、外の空気でも吸いに行くか、と決めて着替え始める

 

 

一夏「ふわぁ。あ、レイ、おはよう。着替えてるけどどうしたの?」ポワポワ

 

RD「あ、おはようッス。少し外の空気でも吸いに行こうと思って、少し部屋を開けるッスよ」

 

一夏「ん、分かったよ。いってらっしゃい」

 

 

 一夏が手を振る。眠そうな細い目でこっちを見ている彼女はこれまた眠そうにベッドから起き上がり、身体をほぐす。

 

 

RD(さて、着替えも終わったし、行くッスか)

 

RD「じゃ、行ってくるッス」ガチャ

 

 

 RDが部屋を出て、一夏だけになる。時間があるなと思い、何をしようかと辺りを見回す。そうして目に止まった小説を拾うとベッドに腰掛けて読み始める

 

 

一夏「ん〜、まぁ、7時位に帰ってくるでしょ」

 

 

 呑気な声で喋りながら本を読む。その小説は元々RDの物であり、お気に入りの一冊だった。それを無断で読むのだから見つかったら嫌だな。と思いたがらもページを捲る

 

 一夏自体、RDについて多少なりと興味を持ち、あのおどおどとした性格を心配していた。そしてそんな臆病な彼が読む本に多少の興味があった。だからこのチャンスを待っていた、と言わんばかりに読み進める。

 

 

一夏(へぇ、レイってこんな本が好きなんだ。ロボット物って言うんだよね?こういうの)

 

 

 その物語の主人公は強く、無愛想で、どんな依頼もこなし、自身を持っていた。どんな敵が来ようと任務を遂行し、アリーナのトップを勝ち取った。

 

 他者を引き寄せない絶対的な力、そこに彼が惹かれたのかな、と想像しながら一夏は本を読み進める。

 

 

一夏(強くなりたい、ね)

 

 

 一夏はその小説をそっと閉じ、元の場所に戻す。どんな物を読んでいたのか、ざっとであるが把握したし、バレたら困るし。そう思っての行動だった

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

RD(ふぅ、やっぱり朝日を浴びて歩きながら外の空気を吸うのは良いっスねぇ)

 

 

 RDが学園の外周を歩く。生徒が殆ど見えず、気楽に歩ける、という点でRD自体この時間が結構好きだった。

 

 

RD(というか俺の専用機ってどんなの何スかね?やっぱり、一撃必殺?それとも、カッコいい奴ッスかねぇ、けど浪漫の塊って言われたって、分からないっスよ。ピーキーな操作のなんて乗せられても困るし)

 

RD(ん?そういえば一夏さんの専用機って代表候補性でもないのになんで持ってるんだ?やっぱり、姉の力?装備も同じって言ってたし。ま、後で聞けば良いか)

 

 

 RDはそう思いながら腕時計を見る。歩いてる間に随分と経っており、帰ったら丁度7時になっているだろう

 

 

RD(そろそろ帰るッスかねぇ)

 

 

RDが歩を進める。今日も珍獣として見られるのか、と思いつつも、もう慣れたとも感じだ。こうも四六時中見られてたら慣れざると得ないので、諦めた

 

 

 

ガチャ

 

RD「帰ったッスよ〜」

 

 

 RDが部屋に戻る。目の前には一夏がおり、既に着替え、準備も万端だった。早く食堂に行こうと急かすような目で見られては、少し困るッス

 

 

一夏「おかえり、そろそろ食堂に行こうよ」

 

RD「少し待ってくださいッス。というか俺と一緒に行く意味なんてあるんスか?ほら、他の女性達と行けば良いじゃないッスかぁ」

 

一夏「ん〜、友達と一緒にご飯を食べちゃだめなのかな?」クビカシゲ

 

 

 一夏はニコニコとした顔でこちらを見る。そんなの言われたら拒否できないじゃないッスか。と心の中に言いつつ仕方ないと諦めた

 

 

RD「ま、まぁ良いッス。元々嫌だって訳じゃないんで。」

 

一夏「なら良かった。じゃ、行こう行こう」ググイ

 

 

 RDの腕が引っ張られる。仮にも異性、一夏は何も思わないのだろうか、と心の中で言う。そして覚えているだろうがここは女の園であるIS学園、女性と男性が一緒にいると嫌でも注目される訳で

 

 

RD(何だか視線が痛いッス。一夏さん、お願いだからこれは恥ずかしいので辞めてほしいッス。本当)

 

 

 RDがそう思っている中で、一夏はというと

 

 

一夏(今日の日替わり定食は確か〜)

 

 

 RDの思い悲しくそんな事を全く思っていない。流石原作朴念仁、女性化して鈍感は多少なくなっても、本筋はそうそう変わらないのだ。その上無意識にこんな事をしている訳で

 

 

一夏(何だかこっち見てる人が多いなぁ、何でだろ。レイが余程珍しいのかな?)

 

RD(あぁ、もう終わりッス。こんな所見られたら、有る事無い事言われるんスね…目立ちたくないのに…ハハ…)

 

 

 RDの平穏な理想的な日常は、一夏ちゃんによって、犯人の無自覚な上でボロボロに壊れていった

 

 

 

食堂にて

 

 

RD(食堂のご飯は美味いッス。ハッキリ言って姉さんのご飯よりも美味いッス。日替わり定食にしたって、何にしたって。ん?今寒気が…)

 

一夏「どうかしたの?レイ。なんかちょっと震えてるけど」

 

RD「い、いや、なにもないッスよ、料理の旨さに驚いただけッス。」

 

RD(この寒気、絶対に姉さんに勘付かれてるよ。女の勘は恐ろしいって、レオンさんも言ってたし…どうしよう)

 

 

 RDにとって姉さんであるロザリィは、優しい反面怒ったら怖い人、として刷り込まれている。特にこういう小言には煩く、何かと痛い目を見てきた。それがなければ弟思いの良い姉である

 

 

一夏「そうなら良いんだけどさ」

 

RD「そういうもんなんスよ。そういえば一夏さんって何で代表候補性でもないのに専用機を持ってるんスか?」

 

 

 そうそうこれだ、これが聞きたいんだと、RDは興味津々にそれを聞く

 

 

一夏「これね、私自身はそんなに欲しいって思ってなかったんだけど、千冬姉の友達が作ったらしくって…」

 

RD(その友達って一体ナニモンなんスか…いや、地上最強の友達だ、深くは思わない方が得策ッスね)

 

一夏「千冬姉も一応って事で、ね?」

 

RD「そ、そうなんスか、ハハハ…」

 

RD(一応で専用機渡されたって事が他の生徒にバレたらどうなるんスかね、実際。努力って言葉をかなぐり捨てて暴動でも起こしそうッスね)

 

一夏「ま、そんな事で私も専用機持ちって事。驚いた?」ニコニコ

 

RD「えぇ、そりゃあ、まぁ」

 

一夏(本当はバレたくなかったけど、特別だからね)

 

 

 尚、特別とは言っている物の、実際はうっかりと口に出して戻るに戻れなかっただけである。後日、これを姉である織斑千冬に相談した所、

 

「隠すって言って二日目でバラすのかぁ?お前は…」

 

 と、呆れられながら言われたそうな

 

 

 

時は流れ2日後の放課後

 

 

千冬「あぁ、レイ。良い所に、お前に渡す物がある。ついてこい」

 

放課後、織斑千冬はレイを呼びつける。レイは一瞬何をやらかしたんだ?!と頭をフル回転させたが、後半の言葉で安堵の息を吐いた

 

RD「あ、はい。分かりました」

 

RD(もしかして専用機のデータッスかね?)

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

千冬「これだ。想像の通り、お前の専用機のデータ。確認してみろ」

 

 

 千冬にデータの入った端末をこちらに渡され、電源を入れる。小さなパソコンのようなものの画面が光り、データの画面が出てくる

 

 

RD(ん?何何?な、何スかぁ?!これ、全身装甲?!関節部分もカバーで見えなくってて、完全にロボットじゃないッスか。それに武装も…うわぁ、授業で聞いた事ない武器ばっかり)

 

 

 RDの驚くのも無理はない。何せ野郎共の浪漫の具現化とも言えるロボットのようなISの機体データを見ているのだ。全身装甲の名の通り肌の露出がなく、カスタム・ウィングすらない。その明らかな鈍重な機体のデータを見ている内にとある単語がでてくる

 

 

RD「せ、先生…一つ聞いて良いッスか?」アセアセ

 

千冬「何だ?手短に頼むぞ、レイ」

 

RD「…ISって空を飛ぶのが普通なんスよね?」

 

千冬「まぁ、その為のPICだからな。当たり前だろう」

 

RD「じゃあ、ここに表示されてる地走型って…何スか?」ガメンユビサシ

 

千冬「…は?」

 

 

 その3文字を見た瞬間地上最強は困惑した。地走型のIS?何だそれ。ISをどう解釈すればこうなるんだ?PICはどうなってる?ん?ふむふむ、ジャンプ程度しかできない、か…これが浪漫の塊か?レイ、お前はとんだだじゃじゃ馬を掴まされたな

 

 

千冬「レイ…」

 

RD「何スか?先生」

 

千冬「とんだ暴れ馬を掴まされたな、諦めろ」ハァ

 

RD「え、それどういう事ッスかぁ!」

 




御朗読ありがとうございます。
元が失踪前提で書いた物ですので、設定の後付が酷いですね。申し訳ありません。
結局セシリア戦まで行きませんでした。この有言不実行が後何回続くやら、次こそはセシリア戦までは…


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五話 ヴェンジェンス

ようやくセシリア戦&ヴェンジェンス登場

長かった、けどようやくって所あります。それとこの作品のお気に入りが11件もあって驚いています。ありがとうございます


RD「一夏さん、俺の機体データ、届いたッス」

 

一夏「そうなんだ、どんなISなの?」

 

RD「それが…」

 

 

 RDはあの後寮へ帰り、一夏との会話をしている。しかし自分の専用機への驚きが大きいのか、かろうじて会話はできているものの、頭の中には困惑の二文字が所狭しとひしめいていた

 

 特に難色を示したのが前に彼が発言したように地走である。相手が三次元の移動ができるのに対しこちらは二次元、良くてジャンプのみという、フェアではない戦いを常に強いられる。

 

 しかしその為の対抗策であると言わんばかりにPICジャマーが腰部にあり、それがあれば敵は飛行こそできるものの、殆ど地走と言えるくらいしか浮けなくなる。いわばドラえもんの足みたいな感じである。所謂ホバー移動ですね

 

 武装もそれ前提に作られているのか、相手の高機動を活かせない場面での交戦を前提に作られており、特にバトルライフルは弾速を犠牲に高い火力を出している。爆発を攻撃力にしているので当然である

 

 他にも頭部の変形機構等があるが、単一能力との連動である上、単一能力が今の時点で分からない為、 浪漫の塊 という言葉しか当てにならない。そう一人で考えていると

 

一夏「ねぇ、聞こえてる?」クイクイ

 

RD「うわっ、な、何ッスか!?」ビクッ

 

一夏「さっきから悩み込んでるんだもん。何かあったの?やっぱり専用機の事?」

 

RD「えぇ、まぁ…俺の機体はちょっと特別みたいで…」アセアセ

 

一夏「千冬姉に聞いたよ、男の浪漫の塊、なんだっけ?教えてよ」グイグイ

 

RD「わ、分かったッスよ、俺の機体は~」

 

 

 RDから差し出された端末と、RD本人の解説で一夏に専用機の情報が入る。やはりというかなんというか地走型、というのには驚いたようで苦笑いしていた。

 

 

一夏「たしかにジャマーがあるといえさ、勝てる気あるの?セシリアに」

 

RD「え、あるにはあるッスよ。彼女自身遠距離狙撃型でそもそもアリーナに向かない機体ッスから、その上二次元移動に持ち込まれれば、まだ…」

 

一夏「ふーん、考えてるじゃん」ニコニコ

 

RD「何言ってるンスか、今の内に色々考えなきゃ。技量の差もあるんでス、策は早くに練らないと」

 

一夏「うん、真面目だね〜。そういう所好きだよ」

 

RD「なッ…」

 

RD(何ていうこと言ってるんスか!この人!!まぁこの人の事だから無自覚ってのは分るんスけど、突然過ぎるッスよ、本当)

 

一夏「ん?どうかしたの?もしかして変な事言った?」

 

 

 一夏は頭に?を浮かべてるかのように首を傾ける。一体この技でどれ程の男性を虜にして生殺しにしてきたのだろうか、想像に難くない。

 

 

RD(俺もその内の一人になるのか…いいや、それは絶対に嫌ッスよ。絶対に)

 

RD「いや、何もないッスよ。心配しないでください。本当に」

 

RD(よし、何とかいいきった。言ってやった)

 

一夏「なんか顔真っ赤なんだけど…そんな状態でそう言っても説得力ないよ?レイ」

 

RD(ッ?!そ、そう言われたって…!仕草が可愛いなんて本人の前で言ったら死んじゃいますよ!俺は死ぬのだけは御免なんスよ)

 

RD「そ、そんな事より話戻しませんか?ほら、機体の事ッス。聞きたいことがあって」

 

RD(逸らさなきゃ、逸らさなきゃ押されるッスよ…)

 

一夏「ん、あぁ良いよ。何かな?」

 

RD(良かった、何とか話を逸らす事が…)

 

一夏「今回は見逃してあげるよ」ボソ

 

RD「ッ?!??」

 

RD(姉さん、俺…一夏には勝てないッス)

 

RD(というかこれは絶対に分かってて言ってるッスよね?何なんスか、やっぱりこの人怖いッス。なんというか、姉さんと違うベクトルで)

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

クラス代表戦当日

 

 

 RD達はピットでアリーナの様子を見ている。アリーナの中央には青いISを纏った女性がおり、相手の登場を空から待っている。

 

 

RD(まだ来ないのか…早く来てくれないと、俺は…)

 

 

 未だに来ていない専用機に焦りを見出すRD。それを横目に一夏は何も言えなかった。

 

 

一夏(何か声をかけたい、鼓舞の言葉でも良い、けど…)

 

 

 彼女はただ何も言わずに彼の隣にいる事を決めた。

 

 

山田「レイ君、来ました!専用機が!」タッタッタ

 

 

 山田真耶が駆け足でこちらに来る。その後ろにコンテナが、こちらに向かって移動してくる。

 

 

RD「やっと来た…」グッタリ

 

RD(遅かったッスよ)

 

山田「では早くに設定の方を!」

 

 

 RDはコンテナの中から出てきた機体を見る。ISと言うにはあまりにも異質な、あからさまにロボットのような見た目をしている。

 

 

RD(これが、俺の専用機…ん?肩にある鳥は?)

 

RD「先生、この鳥の絵は?」ユビサシ

 

山田「あ、それは開発の方からエンブレム、と聞いてます。さぁ、早くISに手を」

 

RD(そうか、黒い鳥か…俺のエンブレム…ッスね)

 

 

RDが機体に手を付ける。その瞬間機体が光り、その光が消えた瞬間、RDが機体に入る。傍から見れば吸い込まれたかのように見えるのだ。元が全身装甲、元々形ができているので目に見えた変化がない。

 

 

RD(何だろう、温かい、いや…熱い?何だろう、この、心から来る熱さ。温度でもない、こころの中から…)

 

 

 そして画面に沢山の文字が出ては消え、また出る。山田先生が初期化をしていて、その情報が此処に出ているのだろう。そして数分に及ぶ初期化の末にそれが終わり、画面に新しく文字が出てくる

 

          ーVengeanceー

 

 

 ヴェンジェンス、それがこの機体の名前。そして、RDが歩を進める。初期化の状態で専用機に挑む、それがどれ程愚かであろうと彼は歩を進める。

 

 

RD(俺は…俺はやれるんだ…!)

 

 

 そして一夏と山田先生から離れ、ブースターを吹かす。轟音と共に機体が地面から離れる。と言っても1メートルにも満たないが、それでもスムーズに移動ができる。

 

 そしてヴェンジェンスがアリーナへ続く一本道までつく。この先に敵がいる。そう思って心が熱える。今まで味わった事のないこの味は、RDに自身と勇気を持たせた。

 

 そしてアリーナへ行く前に、後ろを向く。その先には一夏がおり、RDは燃える心から声を振り絞って一言言う

 

 

RD「一夏さん、俺…やってくるッス」

 

一夏「うん、頑張って」

 

 

 RDがアリーナへとブースターを使い向かう。それを後ろで一夏と、山田真耶が見る。鈍重な人形が向かうそこには一人の騎士、そして後少し経てば争いが始まるだろう。

 

 

山田「ヴェンジェンス…復讐の意を持つ機体を、彼はどう使うんでしょう」

 

 

 山田真耶がヴェンジェンスに手を振りながら、そう声を出す。

 

 

一夏「復讐…」

 

 

 一夏はその二言を言い、考える。RDは、レイは何処までセシリアに食らいついて行けるのだろうか。それだけで今は心が一杯になる。彼女は、今までに経験した事のない感情と、レイへの心配で心が破裂しそうになった

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 ヴェンジェンスがアリーナへと出る。地面を走りながらアリーナに出てきた彼が可笑しいのか、アリーナ中に笑い声で占領される。唯一の男性操縦者が、さながらロボットのようなISに乗り地面を走る。

 

 そんな光景をクラスの人は落胆し、それとは逆に女尊男卑を突き進む人々は鼻で笑い罵倒を声から漏らす。

 

 男性とは所詮そんな物だ、女性とは天と地の差、ISに乗れてもあの程度。それが頭に思い浮かぶ。しかしそれは唯のISに乗っていた場合である。

 

 彼の機体は元々地走機体。普通のISとはまるで違う形なのだ。

 

 

RD(武装は…今はバトルライフルとライフルで、ジャマーを発動させる前にまずは相手の技量の把握を…)

 

 

 そう思いながら武装を展開。ヴェンジェンスの両手にはバトルライフルとライフルが装備される。これも勿論他のISとは一風違う見た目で、ビジュアルに恵まれない見た目である

 

 今のヴェンジェンスは正に泥臭いロボットであり、セシリアの洗練された見た目と相まって余計それが目立つ

 

 

セシリア「フフ、なんですの?それは。アリーナに来たと思ったら地面に接しながらなんて。それにそのIS、以下にも汚い男性にお似合いです事」

 

 

 セシリアの声には笑いが含まれており、こちらを蔑むようである。それに連動したかのようにあり

 

 

RD「あ゛?」

 

 

 今までのRDとはまるで別人のような発言は、笑い声と共に消え去る。それと同時にハッと気がついたRDは取り乱した心を慌てて何とかする

 

 

RD(なんスか、この感じ…なんて言うか、好戦的になったって言えばいいのか…わからないッスよ、俺は…なんで)

 

 

 RDが先程の発言について苦悩しているとセシリアがまた一声言葉を発する

 

 

セシリア「最後の警告ですわ。そのような機体では負ける事は目に見えている。そこで提案ですの。今ここで降参すれば、仕方ありませんが許さない事もありませんわ」

 

 

 勝ちを確信したかのような声に出される言葉には、最早一方的な自信を感じる

 

 

RD(今の相手は冷静を失ってる。これを突いてやれば)

 

 

 セシリアは勝った気でいるかのように決めポーズを取り、こちらを見ていない。そこを狙いRDはバトルライフルを打つ。

 

 セシリアはそれに対応できなかったのか、直撃を許し取り乱す。

 

 

セシリア「ひ、卑怯ですわ!相手が無防備である事を良いことに!もう許しませんわ!」

 

 

RD「言いましたよね、アンタは。俺が取るに足らない相手だって。そんな奴にこんな事されて、どう思うんスか?実際」

 

 

 RDはスッキリとした心の中でガッツポーズをした。今まで溜めてたストレスを2倍にして屈辱に変化して送り返したのだ。それをセシリアが満足する筈も無く

 

 

セシリア「キーー!!もう良いですわ!一瞬でケリをつけさせてあげます。さぁ踊りなさい、貴方の覚束ないワルツを、精々楽しませてもらいますわ」

 

 

 セシリアのISから4つの板が落とされる。そしてそれは、ブースターを吹かしかなり単純な動きと共にこちらに付けられてる銃口を向け、唾を吐く。

 

 これこそがこのISが第3世代と言われる所以であり、ビットと呼ばれる代物である。

 

 

RD(見た目は派手ッスけど、動きがかなり…)

 

 

 RDは回避重視の戦闘を行う。しかしこれは敵の戦力、技量把握の為の所謂見極めであり、ただ押されてる訳ではない。しかしそれを相手が不利、とでも受け取ったのかセシリアは余計冷静さを失い、感情に任せた動きが増える。そのお陰か、RDでもギリギリ躱ことができている

 

 

RD(ジャマーの必要はまだ…せめて形態移行(フォームシフト)までは今のままで)

 

 

 RDも防戦一方、という訳でもなくビットに攻撃をする。動いているとはいえ単調な動き。当てるにはそう難しくはない。そしてそれは存外それは脆かったのか、一撃の攻撃が入り爆発した。

 

 

RD(これで多少は楽に。けど、これ見せられれば相手が冷静になると思うんで、一概に良いってわけでもないッスねぇ)

 

セシリア「ブルー・ティアーズが?!クッ」

 

 

 セシリアは取り乱したが、それと同時に冷静さも取り戻した。集中しなければ全機落とされる。そう踏んでか感情的になったビットの動きが機敏になる。

 

 そうなっては二次元移動に限られるヴェンジェンスは不利である

 

 

RD(あぁ!こうなったらもう全力で!)

 

 

 ヴェンジェンスの左腕のバトルライフルが収納され、パルスガンが出された。手数でのビットの迎撃に専念し、今はただ打つ。

 

 

RD(一つ、残り2つ!)

 

 

 パルスガンでビットを一つ食べると、残りの2つに目を向ける。やはりか数が少なくなった分一つ一つに精神が行き、こちらにもビームが当たる

 

 

RD(クッ、ビットのビームが当たるようになって…?!)

 

 

 そして突如RDの目の前にビットが躍り出る。それのビームに直撃し、体勢を崩す。そしてそのビットに隠れていたセシリアのライフルからビームが放たれる。

 

 

そしてヴェンジェンスはビームによって煙に包まれた 




RDは作中で天才扱いされてたのでこんな事思いながら戦闘してたのかな、と思いながら書きました。
けどやっぱりキャラ崩壊が酷いですね。RDのキャラを持て余してる気がします。そこの所お許しください


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六話 全てを焼き尽くす暴力

本話は特に駄文注意です。気に触った場合はすぐにブラウザバックを推奨します。


セシリア「やった…?」ゼェゼェ

 

 

 ヴェンジェンスを中心に砂煙が立つ。そしてそれは音もせず、不自然な煙の動きさえ無く、ただ砂煙が漂う。倒したのだろう。そう彼女は思った

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 RDは、ヴェンジェンスは見知らぬ空間にいた。そこの空は曇り、銃声や爆音が聞こえ、空には飛行機が、爆弾を地上に落とす。そしてヴェンジェンスの周りには赤の線が入った板状の人工物、そして建物がある

 

 

RD「ここは…」

 

 

 RDは困惑した。先程までセシリアとアリーナで戦っていた筈だ。ここは?何故銃声が?この人工物は?まるで別の世界に来たかのような気持ちになる

 

 

RD「…」

 

 

 RDは黙る。ここに居ると懐かしい気持ちになる。居るべき場所にいるかのように、不思議な感情が心に込み上がる。この銃声こそ、この爆音こそ、そしてこの恐怖こそが、まるで赤子を包み込む母の手のように、身体にこびりつく

 

 その時、建物の上に一人の女性が現れる。

 

 

「今度は途中で辞めたりしない。最後までよ」

 

 

 女の声がする。ノイズ混じりの声からはまるでここにいる事を楽しんでいるかの様に言う。

 

 

RD「……」

 

「昔話をしてあげる。世界が破滅に向かっていた頃の話よ」

 

「神様は人間を救いたいと思ってた。だから手を差し伸べた」

 

「けどその度に、邪魔者が現れた。神様の創り出す秩序を、壊してしまう者」

 

「神様は困惑した。人間は救われる事を望んでいないのかって」

 

「けど、神様は人間を救ってあげたかった」

 

「だから、先に邪魔者を見つけ出して殺す事にした」

 

 

 彼女は淡々と言葉を出す。それが何を言っているのかは分からない、何を指しているのかも。けれどRDは、それに聞き入っていた

 

 

推奨BGM Day after day

 

 

「そいつは「黒い鳥」って呼ばれたわ。何もかもを黒く焼き尽くす、死を告げる鳥」

 

「これは本当の話よ。私の、何代も前のお婆ちゃんが見た見た出来事」

 

「最初の黒い鳥、その人が生まれたのを見たのよ」

 

RD「アンタは…それになりたいっていうんスか?」

 

「本当はそうなのかもね、でも私は…私は、もう負けたくないだけ。何にも、誰にも…」

 

 

 そして建物の上の女性が背を向ける。何処かへ行くかのように上を向き、そしてこちらに言葉をかける

 

 

ヴェンジェンス「始めましょう。信じるわ、貴方を」

 

その瞬間、RDはその世界で気を失った

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 煙の中が光出す。ガシャン、ガシャン。そう音が鳴り、アリーナへ響く。煙の中がどうなっているか分からない。しかし、彼はヤラれていない。

 

ガシャン!!

 

 そしてその中から轟音がした。まるで鉄と鉄が激しくぶつかり合ったかのような。そして一つの声が響く

 

 

「不明なユ…ットが接続……ました。直…に使用を………てくださ……」

 

 

 その瞬間、セシリアの機体が地面へと飲まれ、1メートルまで機体が落ちる。最初セシリアはそれをPICの故障だと思った。しかしそれなら地面に激突する筈、何故多少ながら浮いているのだろう。

 

 当然アリーナは騒然とした。そりゃそうだ。煙の中から奇妙な音が出て、意味のわからない音声ボイスが流れたとすればセシリアのISが地面に吸い込まれたのだ。

 

 

セシリア「な、なんですの?!これは…何故飛べないんですの?」

 

 

 セシリアの顔から汗が流れる。彼は倒した筈だ。あの攻撃を浴びて無事で居られる筈がn

 

 

キュイィィィィイィィィン!!

 

 

 その時煙の中から歯切れの悪い音がする。チェーンソーを使った時の音のような、何か嫌な予感がする音

 

 そして煙の中から赤く、丸い光がこちらの顔を微かに照らす。

 

 

セシリア「なんですのなんですの?!なんですのこの音は!」

 

 

 心の中で危険信号が鳴り続けてる中、セシリアは距離を取る。砂煙とは最低でも10m、そしてセシリアの両隣にはブルー・ティアーズが。こうすれば突撃しても最低限の対応はできる。

 

 しかし砂煙からは奇妙な音と、薄気味悪く光る赤い光だけが、ただ此方に対してまるでその時を待つかのように静止している

 

或いは、まるで捕食者が、獲物を見つめているような

 

 

 そしてそれに恐怖を抱き、セシリアが後ろへと移動しながらスターライトを構え、引き金を弾こうとする、がその時

 

 

キュィィィィィィィィィィィィィィィィィ!!!!

 

 

 その音が此方に向かってくる。そう思った瞬間、砂煙が晴れ、それが現れる。奇妙な、それでもって当たれば一瞬でバリアーが消え去るであろうその武器と、それを右手に持つ、1つ目の悪魔を

 

 

 それを見たセシリアは、その一瞬の中で死を覚悟し、目の前が暗転した

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

セシリア「んっ…ん?ハッ!私は一体何故ここに…確かあの時…痛ッ頭が…」ズキンズキン

 

 

 思い出した。あの1つ目の悪魔を見た瞬間に私は気を失って…

 

 

一夏「気がついた?」

 

セシリア「貴方は、確か織斑先生の…妹さん、でしたかしら」

 

一夏「そうだよ。にしても、貴方4時間寝てて大変だったんだから」ニコニコ

 

セシリア「そ、そうでしたわ、あの後どうなったんですの?!」

 

一夏「ん、じゃあ説明するね。あの後どうなったか」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 ヴェンジェンスはセシリアのIS、ブルー・ティアーズの右半身(幸いセシリア自身は無傷)を削り取り、それでは止まらなかったのか、アリーナの壁を削り、やっと止まる

 

「試合中止!」

 

 アリーナに声が響く。その声は山田真耶の声であり、その後アリーナに教員の部隊がアリーナへ入る。セシリアはその後保護される。

 

ヴェンジェンスの周りには炎が立っている。後に生徒の話題となる「全てを焼き尽くす暴力」とは良く言ったもので、肩のエンブレムの焼き焦げた鳥と、この一件により付けられた異名である

 

 

 ピットにいた一夏は絶句していた。レイの勝利ではなく、そのレイが勝利をつかむ為に使った武装をまじまじと見ていた

 

 バリアーを瞬時に削り取り、それで飽き足らずISの装甲の右半分を破壊し、その上アリーナの壁さえ削り取った。下手すれば彼女の単一能力の、零落白夜以上である。

 

 流石野郎共の浪漫の塊。下手なウサ耳付けた天才よりトチ狂った方法での、バリアー破壊の武装を作り上げたのだ。勿論加減なんてできないし、下手をすれば相手は死ぬ。

 

 

一夏「レイ…」

 

 

 彼女はその時何を思っただろう。それは私の語るべきものではない。しかし、その後から彼女は彼に対し態度を変えたのは、確かである

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

一夏「そういう事で、大変だったのよ?セシリアが五体満足で良かったよ」

 

セシリア「そ、そうでしたの…恐ろしくて手が震えますわ…怖いだなんて」ガタガタ

 

一夏「確かに怖いだろうね。けど、多分それはレイだって同じなんだよ。あんな力を持って怖くない人なんていないからね」

 

 

 一夏は話を続ける。遠目で見ればそれは彼の為でもある。この一件で彼は恐れられるだろう。だからこそ、私が近くにいて助けなきゃいけないんだ。できる限り、彼の為に尽力する。けど、私一人では限度がある。だから…

 

 

一夏「だから、貴方もレイの近くにいてほしいんだ…無理、かな」

 

セシリア「ごめんなさい。気持ちの整理ができてから答えを出しますわ…今は、色んな事がありすぎて」ペコリ

 

一夏「良いよ、結局は私の無理だから。あ、そうだ。セシリアが起きたから千冬ね、織斑先生に報告しに行ってくるね」

 

セシリア「えぇ、いってらっしゃい」

 

ガチャ

 

セシリア「…」

 

 

 彼女は外を見る。綺麗な夕日が眼前に映し出される。

 

 

セシリア(あの時、あれが目の前に出てきた時には私は負けていました。馬鹿にしていた彼に…)

 

 

RD『言いましたよね、アンタは。俺が取るに足らない相手だって。そんな奴にこんな事されて、どう思うんスか?実際』

 

 

 その時、彼の言葉が脳裏に過る。あぁ、男性というのは、女性とは違う強さがあるのだと、私はそれを見て見ぬ振りをしていたのだと、彼女は思う。

 

 

セシリア「私に、彼の心を助ける力があるのでしょうか…」

 

 

 セシリアは夕日に向けて独り言を呟く。それは、誰にも届かずに消えたが、言った本人には届いていた

 




御朗読ありがとうございます。駄文の作者です。
一言言わせてください。その場のノリでマギーを出してスイマセンでした。彼女がヴェンジェンスのコアの中の人です。
後、セシリア戦の後半が凄く短くなってしまいました。本当許してください。


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七話 クラス代表はオルコット

マギー「不定期投稿って書いてるくせに殆ど毎日投稿してる事への説明を要求する」

RD「そういうもんなんスよ」

マギー「ハァ…消した方がいいんじゃないの?不定期投稿」


このままのペースで行けば近い内に消します


セシリア(一夏さんがこの時間に食堂に来て、と言ってましたが一体何があるんでしょう?)

 

 

 セシリアは食堂へと続く廊下を歩く。あの後、一夏はセシリアの元へ戻り、

 

一夏「夜の8時に、食堂へ来て!」

 

 とだけ言い去っていった。食堂で何をするのだろうか、と思いつつ食堂の扉の目の前に来る。

 

 

セシリア(鬼が出るか蛇が出るか…)

 

ガチャ

 

 

パーン!

 

 

 セシリアが扉のドアを開け、入る途端にクラッカーの音が鳴る

 

 

「「「クラス代表おめでとう!」」」

 

セシリア「…えっ?……えぇぇぇ??!」

 

一夏「クラス代表おめでとう。と言う事で、記念パーティーだよ♪」

 

セシリア「えっ、けど…あの時買ったのはレイさんで…」アタフタ

 

モブ娘1「レイ君は棄権したよ〜」キョトン

 

モブ娘3「セシリアさんの方が実力があるって言ってね〜、元々買っても負けても譲る気だったって言ってたし」

 

モブ娘2「最後は負けちゃったけどあれだけ強いんだし、代表になっても大丈夫大丈夫!」ハハハ

 

セシリア「それでも、私は貴方達に暴言を…そんな私が、代表なんて」

 

モブ娘1「知らない所に突然一人って感じなんだし仕方ないって!ほらほら者共祝え祝え」

 

セシリア「皆さん…」グスッ

 

 

 セシリアは心の中に温もりを感じた。あんな事をいった私を許してくれるなんて、迎え入れてくれるなんて。あゝ、これが嬉し涙なんだ、これが…

 

 

セシリア「ありがとうございます…ありがとう」ポロポロ

 

モブ娘3「あ〜ぁ、セシリアさん泣いちゃったよ。ほら、涙拭いて、今はめでたい席なんだし」

 

モブ娘2「ほれほれ飯食うべ」

 

 

ワイワイ

 

 

一夏「フフッ。私はこの位で」

 

一夏がその場を去る。それは静かに、それ故に誰にも気づかれずに

 

 

 

 これを起点にセシリアはクラスの中に馴染んでいった。他の人達と料理を食べたり、たわい無い話をしたり。それが、少なくとも今のセシリアには特別に感じた。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

その頃、RD

 

 

RD(姐さん、俺は…)

 

 

 彼は悩んでいた。あの時セシリア戦で使った、デロリアン。これを今後も使って良いのか?この力を使い続けたら、自分はどうなる?

 

 

RD「やっぱり、怖いッスよ」

 

 

 RDが一言、誰にも聞こえない所でポツン、と言う。

 

 RDは、生まれた時から持つ危機に敏感という事から全てを恐れていた。自分以外を信じる事を、家族以外で殆どせず、小さな差異にも怖くなる。そんな彼が、次は自分の持つ力に恐怖を抱く

 

 

RD「こんな力、なければ俺は…俺は、本当の意味で全てから逃げれるんスけどね」

 

 

 そう、悩んでいるとふと、読んでいる本の中のキャラクターが出てくる。とあるキャラクターは生きる理由を見出す為に、とあるキャラクターは人類の反映の為、とあるキャラクターは守るべきものを守る為、力を信念の為に使っていた

 

 RDは自分自身に、俺もそうなれれば。と言い放つ。今の自分には信念が無い。今まで怯えるばかりで逃げてきた彼には、心から信じる物なんて無かった。

 

 

RD(なら、怯える事のないように、この力を使うッスかね?)

 

 

 そう、ポツン、と心の中に言う。

 

 RDには、セシリアに勝ったという実績がある。不意打ちと言おうが、勝ちは勝ちである。そう思うと自身が出てくる。

 

 

RD(俺は代表候補に勝ったんだ、簡単じゃないか。俺は俺自身を癒やす為にこの力を、怯えるのならばその驚異を消せば良い)

 

 

RD「ハハハ、簡単じゃないか。俺は…」

 

「俺は、何だって?」

 

RD「ッ?!誰ッスか!?」

 

 

 RDが後ろを向く。後ろには見知った顔が見える。誰も居ないと思っていた所に、一夏が居る。

 

 

一夏「何考えてたの?」

 

RD「…ただ考え事をしていただけッス」メソラシ

 

一夏「あら方、専用機の事でしょ?」

 

RD「…そうッスよ。あんたには関係無いッスよ」

 

一夏「…そうやって一人で塞ぎ込まないでさ、相談になら乗るよ?」ニコニコ

 

RD「これは、俺が何とかしなきゃならないんスよ。俺が…」

 

一夏「レイはさ、あんな力を手に入れて、怖くなった?」

 

RD「だからどうしたって言うんスか。それに、俺はあれが怖いんじゃない、けどね」

 

一夏「あれを使う自分が怖いの?」

 

RD(エスパーなんスか?)

 

一夏「良い?レイ。私は君を信用しているんだよ?少しは君も私を信用してよ。友達でしょ?」

 

RD(無理ッスよ。今更人を信用するなんて…)

 

一夏「何で信用しないの?怖いの?私が。レイは友達が怖いの?」

 

RD「俺は…無理ッス。怖いんスよ、信じるのが」

 

RD(けど、一人で塞ぎ込んで出た答えが自分を癒やす為の力…)

 

一夏「何で私から逃げるの?貴方を支えようとしただけなのに、何で逃げるの?」

 

RD「……」

 

RD(けど、俺を癒せるのは俺だけなんだ…)

 

RD「…何で、アンタは俺を救おうとするんスか」ボソ

 

 

パシィィン

 

RDの頬に痛みが伝わる。その原因は、一夏の右手だろう。それで頬を叩いたのだろう

 

 

一夏「友達の事を大事にしちゃわるいの?」

 

一夏「信じてよ、私は、私だけは信じて。どんな事があっても、私はレイの友達なんだから」ウルウル

 

 

 彼女はRDの肩を手で掴み、涙が溢れ出そうになりながら言う。彼女は自分の為に涙を出そうとした。そんな事をされて、未だ信じないって輩がいようか

 

 

RD「……分かったッスよ、俺はアンタを信じるッス」ハァ

 

一夏「ッ…なら、さっき何考えてたの、言って」グスッ

 

RD「言うッスよ。言えば良いんスよね、言えば」

 

一夏「ん、さぁ、言って」ニコニコ

 

 

 この際嘘は言えないなと、思ってた事を話す。

 

 

 

一夏「レイ…」

 

RD「何スか?」

 

 

 一夏は立ち上がり、言う

 

 

一夏「レイが専用機を怖いって言うんなら、ISの力が怖いって言うんなら私がレイをサポートする」

 

RD「サポートって、何をッスか?」キョトン

 

一夏「そう思わないように!ISを兵器としてだけ見て欲しくないの!間違った方に行けば私が修正するって今決めた、異論は、無いよね?」

 

RD「そんな、無茶苦茶な…」

 

一夏「私がいなきゃ、さっきみたいな"危険"な考え持っちゃうじゃん!」ユビサシ

 

一夏(それに、もうレイのあんな側面見たくないし)

 

RD「グッそう、ッスよね、俺一人だと、また…」ウツムキ

 

一夏「分かってくれて何より。さ、寝室へ行こう。説教は山程あるんだから」

 

RD「説教?!何でッスか!俺は何も悪い事してないッスよぉ!」ガタッ

 

一夏「あんな危険思考を二度としないための措置です!決まったことだから!」グイグイ

 

RD「話が…違うッスよ…俺は…」

 

 

 その後、RDは一夏から説教と言う名の愚痴を聞いた。その大半がRDの事であり、RD自身、不満はあったが何か言ったら長引く為、反論はできなかった

 

 

一夏「何でレイは一人で背負っちゃうのかな!だからこれからはもっと私を頼ってね!良い?」

 

RD「は、はい…」

 

一夏「フフ、なら良いの。お説教終わり!」

 

 

 

プランD、所謂、完全に尻に敷かれている状態ですね




駄文の御朗読ありがとうございます

今回はRDの心が揺らぎ、そしてそれを通じて一夏ちゃんとの繋がりを強固な物にする回になりました。

次回は鈴の登場回か、RDの実家帰宅回のどちらかですね。次からはのんびりとした回が続くと思います。


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八話 実家

ロザリィ「ねぇ、RD。なんでアンタの語尾って
「〜っす」じゃなくて「〜ッス」なの?

RD「作者のミスッス。もう戻すのもあれなんでこのままって事らしいッス」



職員室

 

 

 RDは職員室に居る。理由はロザリィに昨日電話で

 

ロザリィ「RD、アンタそろそろこっちに帰ってきなさいよ。レオンも私も待ってるんだから、外泊届けくらい簡単に出してもらえるでしょ!」

 

RD「無理無理無理、無理ッスよ、こんな土壇場で!」

 

ロザリィ「無理とか言わない!どうせ通るわよ、やるだけやってみなさいよ。」

 

RD「うぅ…分かったッスよ、姉さん」

 

 それでここに到る。そしてRDの眼前に鎮座坐す職員は地上最強の名を持つ織斑千冬である

 

 

RD「すいません、織斑先生。実家に帰りたいのでその…外泊届けを」

 

RD(ダメッス、やっぱりこの人に見られてるだけで、俺…怖いッス)

 

千冬「ん、そんな事か、分かった。ちょっと待ってろ、持ってくる」

 

 

 織斑千冬が席を外し職員室の奥の方へと行く。RDは鳩が豆鉄砲を食ったように、ただボーっとしている

 

 

RD(え?案外簡単に通った…?)

 

千冬「ほら、これだ。ここに名前と外出する日を、書けたら持ってこい。」スッ

 

RD「え?あ、ありがとうございます…」

 

千冬「どうした?すんなりと外泊できて不思議か?」

 

RD「え、まぁそんな感じッス。元々無理だと思ってたんで…」

 

千冬「親御さんとまともな別れもせずに此処に連れてこられたんだ。今回は羽根を伸ばしてこい」フフ

 

千冬「それに、幾ら男性操縦者とはいえ、生徒である以上は他の女子生徒と別扱いする訳にはいかんからな」

 

RD「ありがとうございます。では、失礼しました」

 

ガラガラガラ

 

千冬(行ったか。口の上ではあんな事言ったが、本当は此処の職員は満場一致で出すべきではない、となっていたんだがな…一夏め、今回だけだぞ)

 

 千冬はそう心の中で思いながらコーヒーを飲む。そして窓の外を見ながら面倒な事にならなければ良いが、と思う。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

昨日、寮内、千冬の部屋

 

ガチャ

 

 

一夏「千冬姉…」スタスタ

 

千冬「ん?一夏か、どうしたんだ?珍しいな」

 

一夏「レイの事なんだけどね」

 

千冬(何だ、藪から棒に)

 

千冬「レイの事がどうした?相部屋が不満なのか?」

 

一夏「いいや、全ッ然違うよ!うん!それでね、要件だけ言うね、明日レイが言いに来ると思うけど…レイの外泊届け、受理して」ウワメヅカイ

 

千冬「お、おいおい、どうしたんだぁ?他の生徒ならともかくレイだぞ。そんなの私の一存では…」

 

千冬(どうしたんだ一夏、お前らしくない)

 

一夏「…来週から一週間お弁当作ってあげる」

 

千冬「……分かった」

 

 

 千冬は折れた。妹の作る弁当に負けたのだ。彼女自身此方に来てから一夏の手料理は殆ど食べれていない。そんな中、難しい話とはいえ手料理を食べるチャンス。地上最強がそれを逃す訳がない

 

 尚、この手は幾度と使われる事になるがそれは別の話

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

千冬(全く、彼奴に気でもあるのかぁ?)

 

 

 どうせあいつの事だ。無自覚の保護欲でもフル回転で回らせてるに違いない。

 

 

千冬(或いは…色付いたのか?いや、そんな筈…が、あんな反応だったしなぁ)

 

 千冬(長期戦になる、か…或いは存外ただの親切心かもな)

 

 この状態が続いて奴に関しての話題が幾つか増えてきたら前者の方を考えていくか。そう思いながらふと、隣の山田真耶の存在に気がつく

 

山田「織斑先生」肩ポンポン

 

千冬「どうしたんですか?山田先生」

 

山田「あの…いつまで空のコップに口つけているんですか?」ユビサシ

 

千冬「…ゴホン。少し考え事をしていただけですよ」

 

山田「そ、そうなんですか。やっぱり、レイ君か一夏さんの事ですか?」

 

千冬「そんなところです」フフ

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

RD(戻ってきたんスね、家に)

 

 

 RDの前には今まで住んでいた家がある。また姉さんとレオンさんと話ができるのか、と思うとワクワクする

 

 思うと短い間で色々とあった。ISに専用機にクラス代表戦。今までの暮らしとは全く違う生活をしてきたRDにとって、この帰宅は、すり減った心を癒やせる事であり、現に今心は踊っている

 

 

ガチャ

 

 

RD「姉さん、帰ったッスよー」

 

RD(あぁ、この掛け声はいつぶりだろう。今までは毎日の出来事だったのに…)

 

 

ドタドタドタ

 

 

ロザリィ「RD!やっと帰ってきたのね。で、どうだった?女の園は」ニヤニヤ

 

RD「姉さん、そんな事より、俺…早くリビングに行きたいんスけど」

 

 

 RDは両手に持っていた荷物をドサッと玄関に置く。ロザリィも疲れできたのが分かったのか、手で此方を招きながらリビングに行こうとする

 

 

ロザリィ「ん?あぁ、じゃ、早く上がって上がって」

 

RD「マイペースッスねぇ…」ハァ

 

ロザリィ「なんか言った?RD」

 

レオン「その位にしておけ、ロザリィ」

 

 

 レオンが廊下の奥の方から出てくる。レオンはRDの隣の家に住んでいるロザリィと同年齢の男性である。昔から世話になっており、最早家族と言える程である

 

 

RD「レオンさん、久しぶりッス」ペコリ

 

レオン「よぉ、RD。久しぶりだな。ま、積もる話もここでなくリビングでな。な?ロザリィ」ハハハ

 

ロザリィ「あーはいはい。分かった分かった。二人して言わないでよ」

 

 

 それを聞いたロザリィは耳を手で塞いで嫌々そうに返答する。

 

 

RD(本当に、帰って来たんスねぇ)

 

 

 RDは思わず笑みを浮かべる。そこには本来は今も当たり前のように見れた光景。ロザリィがRDにいたずらをし、レオンが止める。しかし今はこんな日常すら殆ど見れない

 

 

RD(けど、だからこそ今の俺は…)

 

 

 RDはISにこの日常を奪われた。しかし、ISは同時に変わる勇気をRDにくれた。そしてそれをバネにRDは変わる事を決意した。それに、この日常も後3年でまた戻ってくる

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

リビング

 

 

ロザリィ「で?RD。学園の方ではどうなのよ。好きな人でも見つけた?」チラッ

 

 

 リビングでだらーっとしているロザリィがRDに問い掛ける。やっぱりか、とRDは逃げる為の言葉を考える

 

 

RD「そ、そんな事ある訳ないッスよ。」

 

ロザリィ「へー、顔面偏差値300とか言われてるIS学園様にはRDの御眼鏡にかかる人は居ないと」

 

RD「んな事言われたって…俺」

 

 

 RDが俯く。元々女性との関わりが薄く、臆病な彼が、女の園へと単身で行ったのだ。その苦労はロザリィも嫌でも分かる

 

 

ロザリィ「はぁ、RDらしいわ」ヤレヤレ

 

レオン「まぁ、RDは受け身だからな。これは長丁場になるな、ロザリィ」

 

ロザリィ「そうねぇ、流石のお姉さんも弟のこの性格は直せないわー」

 

 

 レオンの言葉に反応してロザリィが苦笑いしながら返答する。このままでは心配させてしまうと、RDが二人にとっての朗報を口に出す

 

 

RD「けど、友達はできたッスよ」

 

ロザリィ「んー?ん?今なんつった?RD。」

 

RD「だから友達ができたって」

 

ロザリィ「…ねぇレオン」

 

 

 ロザリィが真顔になる。いつもヘラヘラと笑っているロザリィの真顔はRDやレオンにも滅多に見れない。それのせいか場が凍りつく

 

 

レオン「な、なんだ?ロザリィ」

 

ロザリィ「顔面偏差値300の女の園で暮らしてるRDに友達ができたって」

 

レオン「らしいな。で?それがどうした」

 

ロザリィ「RD…」ギロッ

 

RD「な、なんスか、姉さん」アセアセ

 

ロザリィ「…できるだけ早く紹介しなさいよ」ジトメ

 

RD(あ、これマジな目だ。けど紹介って友達を?何故…ん?紹介…女性…)

 

RD「って、何でそうなるんスかぁ!姉さん!」

 

ロザリィ「あーぁ、バレちゃった。良いから早く紹介しなさいよー。お姉さん心配なのよねぇ、RDに彼女できるか」

 

 

 ロザリィが真顔を解き、いつもの顔になると、ロザリィはレオンの持ってきたお茶を飲む。その顔は冗談半分本気半分の顔だとRDは瞬時に判断し、悩み込む

 

 

ロザリィ「今を逃すとチャンスなんて殆ど無いようなもんよー?RD。その子とちゃっちゃとくっつきなさいよ」ニコニコ

 

 

 ロザリィがRDに笑顔を向けながら言い放つ。RDの弱点である中でも一番の効き目を放つそれに対してRDは、抵抗できない。姉の純度100%の笑顔を見て抵抗できる弟などこの世にいようか

 

 

レオン「流石にそれは言い過ぎだ。で、その子はどんな子なんだ?RD」

 

 

 レオンもこの話題には興味があるのか訪ねてくる。レオン自身も、女友達をほとんど作らなかったRDの女友達は、一体どんな人なのか気になっているのだ

 

 

RD「それがその…ッスね」

 

ロザリィ「早く言いなさいよーRDー」肩グイグイ

 

RD「t……最…の妹ッス…」ボソボソ

 

ロザリィ「あぁ?もっと大きい声で言いなさいよ、RD、ほら、声を張って!」

 

RD「…地上最強の妹ッス…」

 

ロザリィ「……あー…」

 

 

 ロザリィの顔が青白くなり、目も白目に切り替わる。ロザリィの後ろにいるレオンも、聞いた事を後悔したかのように外方を向き哀愁漂う顔になる

 

 

ロザリィ「大物友達にしたわねぇ…」

 

レオン「…よりによって相手の御家族が地上最強かぁ」

 

RD「な、なんスかぁ!二人共そんな言い方して、只の友達ッスよぉ!?」アタフタ

 

 

 その後、なにかの決意を決めたのか、ロザリィが口を開く。

 

 

ロザリィ「いつか連れてきなさいよ、アンタならやれるって。お姉さんの方はこっちが何とかするから」ニヤニヤ

 

RD「なーにニヤニヤしてるんスかぁ!姉さん!」

 

レオン「お前は、相手の事だけを考えろ。他はこちらの仕事だ」ソデマクリ

 

RD「レオンさんまで!やめてくださいよ、本当に!」

 

 

 そんな事を話したりしながら、時間は午後5時半になる

 

 

ロザリィ「まぁいいわ、それは後でまた聞くとして。さーて、夕食の準備しなきゃね。レオン、連絡を」

 

RD「ん?何か出前でも取るんスか?」キョトン

 

ロザリィ「そんなんじゃないわよ」

 

 

プルルルル

 

レオン「ん、あぁ俺だ。RDが帰ってきた。どうせ飯もまだなんだろ?久しぶりにこっちで食ってけ。二人も連れて」

 

ピッ

 

RD「レオンさん、一体誰に連絡したんスか?」

 

レオン「ん?あぁ、隣の家の主任達だよ。面子的に後半酒盛りになると思うが…許してくれ」

 

ロザリィ「さぁ、今日はパーッと飲むわよー!」ハハハ

 

RD「姉さん…」




御朗読ありがとうございます。

RDの実家帰宅編、これを含めて3話にして書く予定です。その後が箒とセシリアの二人の話か鈴の登場回ですかねぇ


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⑨話 パーティー

主任「アーアー、聞こえる〜?聞こえるかな〜。あぁ、聞こえてるんだ。時間無いから要件だけね!」

キャロル「今話の前半は会話がメインになっております。申し訳ございませんが、ご了承下さい」


ロザリィ「じゃあやるわよ!RDの入学を祝って!」

 

「「「「「乾杯!」」」」」

 

ポール「レイももうこんな歳か、早いものだな」

 

キャロル「まぁまぁ、老人臭い台詞は今の貴方には合いませんよ」フフ

 

ポール「そのつもりはないんだがな、時間の流れは怖いな」ハハハ

 

主任「いつも怒ってばかりの警備隊長殿が良い年ねぇ、ッハハハッ!」

 

ポール「主任…!」イライラ

 

レオン「そこまでだ。今は祝の席って事を忘れるな、二人共」肩ポン

 

主任「ア゜↑ッ!ごめん!それでぇ、どうなの?彼女できたかなぁ?」ニヤニヤ

 

RD「で、できないッスよ。皆さん可愛い人ばかりでしたけど…」

 

キャロル「勿体の無い。今狙わなくていつ狙うのです?」ハァ

 

ロザリィ「そうでしょ?!それなのにRDったら〜」

 

レオン「RDの生き方があるんだから、そこまでにしておけ。それにこんな話題ばかりじゃ、RDもつかれるだろ」

 

ポール「我々が来る前からこの話してたのか?レオン」

 

レオン「ロザリィがな…」溜息

 

ロザリィ「ちょちょ、ちょっとレオン!アンタだって興味津々だったじゃない!」

 

主任「やっぱり気になるよね!ニャハハ!」ゲラゲラ

 

キャロル「付き合うのは無いにしろ、流石に気になる人はいるんでしょう?RDさん」

 

RD「えっと、その…」アタフタ

 

ロザリィ「だらしないわねぇ、ま、私が変わりに話すわ。喜びなさいアンタ等、友達はできたらしいわよ〜」

 

ポール「女を避けてきたRDが女友達か…成長したんだな、関心関心」

 

キャロル「話方が爺臭くなってますよ」

 

主任「で?その子ってどんな人なの?ま、可愛いってのは確定だよね!ハハハ!」

 

ロザリィ「まぁ、その子は…まぁ」

 

レオン「大物、だな…な?ロザリィ」

 

キャロル「どうしたのです?そんな青い顔をして」

 

ポール「面倒な奴と友達になったのか?RD」

 

RD「まぁ、そうじゃないッスけど」

 

主任「地上最強の妹とかかなぁ?ハハハ」

 

ロザリィ&レオン「………」ソッポムキ

 

主任「えっ…」

 

キャロル「流石にそんな事は…RDさん、どういう方なんです?ほら、名前とか」

 

RD「え?名前ッスか?お、織斑一夏って子ッス」

 

ポール「織斑一夏って、あの織斑か?!」ガタッ

 

RD「そうッスけど…」

 

主任「キャロりん…」

 

キャロル「長期戦になりそうですね、主任」

 

ポール「レイ」肩ガシッ

 

RD「な、何スか!?」

 

ポール「いけるぞ、お前なら」

 

RD「何言ってるんスかぁ!ポールさん、無理ッスよぉ!それに友達の関係ってだけッス!!」

 

主任「なんだ、つまらないなぁ」

 

ロザリィ「まぁ、そうよねぇ。そういや一夏って子、確か家事関係完璧で性格も良い子なんでしょ?こんなの逃したら後ないわよ、本当」

 

RD(ひ、ヒェ…皆マジな目ッス。お酒が回ってるとはいえ、こんなのはじめてッスよ)

 

ポール「まぁ、他にも積もる話はまだある。飲もうか」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

レオン「ん?そういえばレイ。お前専用機持ってるんだったな?」

 

RD「持ってるッスよ。それがどうしたんスか?」

 

レオン「いや、ちょっとな。で?その専用機ってどうなんだ?」

 

「「「…」」」ピクッ

 

RD「他の人達と違って空を飛べない機体ッスけど、慣れれば慣れればで、結構面白い機体ッスよ」笑顔

 

ポール「ほぅ、お前が専用機か」興味津々

 

RD「そうッスよ。ロボットみたいでカッコよくて、武装も聞いたことないのばかりッスけど…」

 

主任「へぇ、そうなんだ。もしかして実験機とかかなぁ?」ゲラゲラ

 

RD「そんな感じの機体ッスねぇ。今までの機体とは殆ど程度が違いまスし」

 

キャロル「興味深い。いつか見てみたいですね、貴方の専用機を」フフ

 

レオン「ポール、どうやらRDからは悪い評価はもらってないみたいだ」ボソボソ

 

ポール「もしかしたら一次移行済かもな。作った我々でさえISの中身を殆どしらないのだ。どう変化しているか、次見るのを楽しみにしよう」ボソボソ

 

主任「あれぇ↑?!駄目だなぁ、二人共ぉ。俺も仲間に入れてくれないと」

 

ポール「お前がいると話がややこしくなるからこうしているんだがなぁ」

 

主任「そうだっけ?ニャハハ!」ゲラゲラ

 

ロザリィ「あんたらいっつも仲良いわねぇ。ごめんね、RD。帰ってきて早々こんな感じだけど」

 

RD「良いッスよ。久々に見れて、俺も楽しいでスし」

 

ロザリィ「なら良いんだけど、ね。向こうの生活ってどう?」

 

RD「ハハ、トイレとお風呂が困り物ッスねぇ、後は慣れましたけど視線が…」アハハ

 

キャロル「今まで女の園だったIS学園に、男性が来ればそうもなるでしょう」

 

ロザリィ「そんな中よく今まで襲われなかったわねぇ」

 

RD「相部屋の相手が織斑一夏さんなんで…織斑先生関係で相当設備を整えているみたいで…」

 

ロザリィ「やりすぎよ、ま、唯一の家族となれば。どうだか」

 

キャロル「そのついでの部分になってるとは思いますが、良い事じゃないですか」

 

 

 

ポール「主任!貴様、何故それを!」

 

主任「いーじゃん!警備隊長の事だから飲まずにどうせ保管するだけでしょ?あるんなら飲まないと!」

 

ポンッ

 

ポール「主任…お前は、お前は…何者だ……」ガックシ

 

レオン「ポール…」同情の目

 

 

 そしてこのどんちゃん騒ぎが続き

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

次の日の朝

 

ロザリィ「RD〜、レオンいないから変わりに買い出ししてきてよ。どうせ家にいるだけなんだし」

 

 

 ロザリィは冷蔵庫の中身を見ながらソファに座ってるRDに買い出しを頼む。いつもはレオンが行くのだが、レオンは今日仕事で外出している為、白羽の矢がRDに立った

 

 

RD「嫌ッスよ、姉さんが行けばいいじゃないッスかぁ」

 

ロザリィ「私は昨日の片付けしなきゃいけないの。だからお願い、余ったお金はあげるから」

 

 

 ロザリィが笑顔で手を振りながらRDに頼む。RD自体も、どの道家にいても本読むしかないので断る理由もない

 

 

RD「分かったッスよ。買う物のメモとお金用意してください。着替えてくるんで」ガタッ

 

ロザリィ「はーい。物分りの良い弟を持ってお姉さん嬉しいわ〜」ニコニコ

 

RD(卑怯ッスねぇ…)

 

 

 姉の笑顔に勝てる弟など(ry

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

RD(買い出しって言ってもラップとかジッ○ロックとかじゃないッスか。まぁ楽なんで良いッスけど)

 

 

 RDは今、家から近く、またIS学園からも往来のし易いショッピングモールでの買い出し中である

 

 RDはロザリィから貰ったメモを見ながら、あら方の物を買い終わり帰路につく。彼方此方を見ると、休日なのか若者が沢山おり、IS学園の制服を着た女性も目立つ

 

 

RD(ここに来るのも久しぶりでスし、たまには寄り道でもして帰るか)

 

RD(にしても、やっぱり学生さんが多いッスねぇ。まぁここ以外他に行く所がないってのもあるッスけど)

 

 

 その中には矢張り、RDと同じクラスの人もチラホラと見え、バレたら面倒になりそうな雰囲気を醸し出している。

 

 

RD(話し掛けられたら長くなるって事は分かったッス。けど会話くらいは…いやいや、早く帰らないと)

 

 

 RDは後ろを振り返り最短路を目指し、歩く。そして歩き続けると、ショッピングモールの出口が見える

 

 

RD(やっと出口ッスか。さて、帰ったら何しよう)

 

 

 RDは帰路の途中で帰った後の事を考える。IS学園行きのモノレールの駅から真反対の出口に近寄れば近寄る程、IS学園の制服を着た若者が減っていく。

 

 もう安心だろうと、気を緩めていたのだ。しかし帰るまでが遠足、慢心ダメ絶対の言葉を彼は忘れていた

 

 

「ん?あいつは…」

 

「あれ、レイじゃん。どうしたの?」

 

「あら、レイさんもここにいらしていたんですね」

 

 

 

RD「ンあ?」

 

 

 RDは後ろから言葉をかけられ、振り返る。ボーッとしていた彼は、その言葉の主が誰なのか忘れている中後ろを見る。

 

 

一夏「こんな所で会うなんて奇遇だね、何してるの?買い物?」

 

 

 RDの今最も会いたくない人(+α)に声をかけられ、一瞬RDの思考が停止する。今は早く帰りたい、その一心で最短路を通っていたのだ

 

 

RD「本当、奇遇ッスね、ハハ…」苦笑い

 

RD(なんでよりによってこんな時に会うんスか)

 

セシリア「こんな所で何を買っていましたの?」クビカシゲ

 

 

 セシリアがRDの片手に持たれている袋に興味を持つ。

 

 

RD「ラップとかジッ○ロックとかの小物ッスよ。すいません、俺早く帰らなきゃいけないんで」

 

 

 RDは逃げる選択を選んだ。一夏だけならばいざ知らず、セシリアはこの前の戦いで気まずいし、もう一人の人は確か…箒さん?面識がないのでこの人も気まずい

 

 だがこのチャンス、一夏は逃さない。

 

 

一夏「レイ、その買い出し誰かに頼まれたの?」

 

 

 無自覚に相手の事を知ろうとする一夏ちゃん。そして質問先のRDはというと、嘘をついても仕方ないと思ったのか本当の事を話す

 

RD「これッスか、これは姉さんには頼まれて」

 

セシリア「そうなんですの。偉いですわね、レイさんは」ニコニコ

 

RD(何でニコニコしてるんスか…もしかしてこの前の根に持って?そう考えると、怖いッス)

 

 

 せめてこの前の謝罪はしようと、言葉を考える。セシリア自身は何とも思っていないが、RDにとってこの笑顔は訳の分からないものであり、怖いのだ

 

 

RD「それで、あの…セシリアさん。その、この前はすいませんでした。」

 

セシリア「ん?この前?あぁ!クラス代表戦の事ですか。お気になさらず。何も思ってませんわ」

 

セシリア「それよりも、入学当初のわたしの発言こそ、誠に申し訳ございませんでした。知らぬ土地で気が動転しておりまして…」ペコリ

 

 

 セシリアはそう言うと、謝罪の意を込めてRDに対して頭を下げる。こんな高貴な感じの具現化とも言える人に頭を下げられていい気な訳ない

 

 

RD「あぁ!それこそ俺も気にしてないんで、あー、おあいこって事で!良いっよね?」アタフタ

 

 

 RDがセシリアに対しての偏見を拭う。最初は過激な発言をしていたが、心配だったのだろうと、元は良い性格なんだな、と。RDはそう思いながらセシリアとの雑談に入る

 

 

 ー5分後ー

 

 

RD(容姿は高貴って感じッスけど、話してみれば結構抜けてる所があるッスね。それに結構関わりやすいッス)

 

RD(そういや最近セシリアさんと話す生徒が沢山いるッスけど、その接しやすさにあるんスねぇ)

 

 

一夏「なーに思ってるのかなー」肩ポン&ニコニコ

 

RD(ん?一夏さん?…ヒエッ)

 

 

 RDはその一夏の行動に驚愕して、慌てる

 

 一夏が不機嫌オーラを出しながら肩に手を当てているのだ

 

 

RD「な、何スか?この手は…強く掴まれると痛いんスよ、結構」

 

一夏「こっちに構ってくれないから強くしてるんじゃないよ。ね?セシリア?」ニコニコ

 

セシリア「ヒッ?!」

 

 

 一夏はセシリアに視線を向ける。それを見てセシリアが辛うじて声になっている音を発する。そしてセシリアの顔が青ざめる。

 

 その顔をRDは見てはいなかったが、その場にいて、尚且一夏の顔を見ていた箒ももれなく誰にも聞こえない声音で声を上げた

 

 

 

 事の収集が困難になったRDは、時計をちらっとみる。家を出た時間から既に結構経っており、帰宅予定時間はとっくに過ぎており、焦りを隠せずに、セッセと帰ろうとする

 

RD「話が長くなったッスけど、そろそろ本当に家に行かないと」アセアセ

 

 

 RDは地面に置いてあった荷物を方に背負い、その場を去る準備をして、帰路へとつく。その時、一夏がRDに対して声を出す

 

 

一夏「ねぇ、レイ」

 




御朗読ありがとうございます。

中途半端に終わってしまいましたが、続きを見れば多少はわかると思います。

こんな駄文しか書けない輩ですが、次回も見に来てくだされば幸いです


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十話 家にて

この駄文も十話まで続きました。お気に入りも20件もあって嬉しくて嬉しくて。励みにさせてもらってます

多少の需要があればな、と最近は書いてるこの駄文。やっぱり気になるのがRDの語尾の「〜ッス」ですが、今回から「〜っす」にします。ゲームだとそうですしね。面倒だと言って放置してすいませんでした

毎回ですが、誤字脱字は温かい目で見送ってください


RD「どうして家までついてくるんすかぁ」

 

一夏「友達の家に遊び行くのってそんなに不思議な事かな?」フンフンフフーン

 

 

 彼女が鼻笛を吹く。ご機嫌なようで、スキップを交えながら後ろをついてくる。

 

 

RD(なんでこうなったんだ…なんて、もう遅いっすか)

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

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一夏「ねぇ、レイ」タッタッタ

 

 

 一夏がレイに駆け足で寄ってくる。RDは振り向き、まだ何か用事でもあるのか?と言いたげな顔を一夏に向ける

 

 

一夏「ちょっとの間一緒に居てくれるかな?」

 

RD(えっそれどういう事すか)

 

RD「ちょっとの間って…俺帰る最中っすよ?」

 

一夏「大丈夫大丈夫、歩きながらちょっとの間だけ」

 

 

 彼女は笑みを浮かべると、RDの隣に並び、あたかも恋人同士と言わんばかりの雰囲気を醸し出す。これが実際に恋人ならば良いだろう。しかし片や奥手、片や不意識である

 

 

RD(俺は、こうなるのだけはゴメンです。マジで。ヤバイんすよ、さっきから。それに何でこうなるんすか!)

 

 

 周りの視線が刺さる程痛い。何せ隣の女性は天下のIS学園の制服を来ているのだ。その上美少女であり、そのような女性が男性の隣りにいるのだ

 

 恨めしそうに見る目、不釣り合いだと言わんばかりにギラリとした目、その他多種多様な目線や小言がRDの耳や目に入る

 

 

一夏「何だって言われても、お話をするだけだよ」ケロッ

 

RD「心の中を読まないでほしいっす。」

 

RD(なんかやばくないすか、逃げた方がよくないすか?!)

 

一夏「結構な時間近くにいるからね。それに、レイは顔に出やすいタイプらしいし」

 

RD(そんな上手く、分かるんすね。早く帰りたいし、俺、なんか…適当に構って振り切りるっすよ)

 

一夏「乙女相手に適当に構うのは感心しないよ、レイ」

 

RD「えっ?そんな事思ってないすよ」アタフタ

 

一夏「そうかな〜?」ムスッ

 

RD(何時まで付いて来る気なんすか、この人。友達と言っても何な不自然だし…)

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

RD「ハァ…仕方ないっすね、外も暑いんで少し中で休憩していってください」

 

 

 RDは一夏を家へ通す。普通なら帰らせるだろう。しかし今日は雲一つない日であり、一夏の首からは汗が垂れている。

 

 その上駅からの決して近いとは言えない距離を自主的とは言えRDに付いて来て歩いたのだ。RDもこの事態を手放しにはできず手を差し伸べる

 

 が、それは一夏にとってまたとない機会であり、服がびしょ濡れになっているのを引いても余りある収穫である

 

 無意識であっても気になる男性の家、あわよくば部屋に通してもらえるのだ。その提案は素早く脳に通り、議論の余地無しでの即決となった

 

一夏「良いの?家に入っても」

 

RD「休まずにまた向こうの方に戻る気なんすか?流石にやめた方がいいっすよ」

 

一夏「なら…甘えさせてもらおうかな。優しいね、レイは」ニコッ

 

RD(仕草とか、この無自覚な笑顔とか、ハンパじゃないっすよ、マジで)

 

 

 そう思いながらRDは玄関のドアノブに手をかけ、中へと入る。この光景はRDにとっては普通でも、一夏にとっては未知の体験。

 

 

一夏(何だろう、心臓がドキドキしてる…異性の家に入るなんて初めてだよ)

 

 

 何故無自覚な内にこうなってしまったのか。そんな事はともかくRDが「帰ったよ、姐さん」と、声を出すと、家の奥から足音がする

 

 

ロザリィ「あぁ、遅かったわね、RD。何かあったのって…誰よその子、彼女でも作ったの?」

 

RD「違うっすよ、一夏さんっす。駅でばったりと出会って、その…」

 

ロザリィ「あぁ、その子が。へぇ、思ったよりも良い関係みたいね」ニヤニヤ

 

 

 ロザリィはおもむろに携帯を取り出したかと思うと、ニヤニヤしながら機能の面子にこの状況を文章にして送る

 

 その携帯からは展開が早いだの今日は赤飯だの、そのような言葉が通知になって押し寄せる。それを横目にロザリィはRDに笑顔を向ける

 

 

RD「なんでニヤニヤしてるんすか!ただの偶然っすよ、偶然!」

 

ロザリィ「ま、そういう事にしておくわ。」

 

RD「俺の話聞いてないでしょ。あ、これ。メモに書いてあった物です」ドサッ

 

ロザリィ「あぁ、ありがとう。それでさぁ、RD」

 

RD「なんすか?姐さん」キョトン

 

ロザリィ「一夏ちゃん、さっきからぽけーっとしてて目の焦点合ってないんだけど、どうにかしなさいよ」ボソッ

 

 

 そう彼の耳に呟くように言って、ロザリィは荷物を持ってリビングへと行く。玄関にはRDと一夏の二人だけ。

 

 

RD「い、一夏さん?どうかしたっすか?」オソルオソル

 

 

 RDは一夏へ近づく。確かに、目の焦点が全く合ってない。何かこっちに目もくれずに考え事でもしてるのだろうか。

 

 

一夏「……」ポケ~

 

一夏(彼女かぁ、そんな風に見えるのかな?えへへ、ってダメダメダメ!レイとはそんな関係じゃないし!うん!)

 

 

 一夏は、想像を膨らませ、頭の中を無茶苦茶にする。守るべき人をそんな目で見る事がなかった彼女の心にとってこの言葉は、正にAFにとってのとっつき並の威力を発揮し、脳を駆け巡る

 

 ロザリィが、適当に言った言葉は、正に彼女にとって最良のソリューションであり、現に彼女は自分の気持ちを理解しようとする

 

 しかし彼とは出会って間もないし、この前まで興味があっただけであったのに、その認識をレギュ1.15のVOB装備のソブレロの如き速さで一気に塗り替えたこの感情を、一夏は素直に享受する事を拒んだ。

 

 

一夏「…ん?うわぁ!何で顔近づけてるの?レイ」

 

RD「な、何でって、ずっと考え事をしてる風で、嫌でも気になるっすよ。さっきから幾ら手を降っても知らぬ存ぜぬって感じで」

 

一夏「そうだったんだ…そろそろ上がろうよ、ずっとここに居るっていうのも…良いよね?」

 

RD「良いすよ。あ、リビングは今姐さんが使ってるから…俺の部屋になるけど、大丈夫すか?」

 

一夏「ん、大丈夫」

 

 

 一夏はOKサインを手で作ると、RDに向ける。RDはそれを見ると、顔を和らげ、ニコッとするとリビングの方へ向かおうとする

 

 

RD「俺の部屋はそっちの方を左に曲がってすぐなんで、俺もお茶とかの準備したら行くっす」スタスタ

 

 

一夏(さて、レイの部屋は~っと。ここか)

 

 

ガチャ

 

 

 扉を開けると、そこは平凡な部屋男子高校生の部屋だった。TVからは、ゲーム機へと繋がるコンセントの数々、机の上にはパソコンと、小説。そしてロボットのプラモデルなんかも棚に置いてある

 

 普段RDの生活を一端しか見れてなかった一夏は、心の高まりを抑えずに意中の相手の部屋に入る

 

 まずはベットへと転がる。制服がしわくちゃとなろうとも、この行為はしなければと本能がうずく。本能がそう言ってる程に手遅れとは言うまい

 

 

一夏「~♪」

 

 

 その後、堪能したベット横目に、探索へと移行する。男子高校生の部屋の探索と言ったらただの一つである。女性には笑いの種を、男子高校生には絶望をもたらしてくださる男子高校生にとっての最悪の悪夢、エ○本狩りである

 

 これのせいで帰宅後、机の上に置いてある○ロ本が積まれている絶望的な光景を見た男子高校生の数はいざ知らず。

 

 つまり、面白半分ではいけない行為だという事。スミカ・ユーティライネンです(´・ω・`)ノシ

 

 しかし一夏ちゃんはそんなやられる側の事を知らない訳で、姉から教わったテクニックを元に部屋を漁る

 

 

一夏「まずはベットの下〜は、何もない…」ガサゴソ

 

一夏「ならば…うーん、本棚の方?」

 

 

 一夏はガサゴソと、本棚周辺を調べる。が、何も見つからない。良くて悪名高いアリーヤのプラモのあのパーツくらいしか見つからなかった

 

 

一夏「あれ〜?無いのかな?千冬姉は男子高校生なら絶対に持ってるって…」セッセッ

 

ロザリィ「何してるの、アンタ」ガチャ

 

 

 ロザリィが一夏の部屋に入ってくる。その眼前には、弟の部屋を漁っていた、ビクビクしている女子高生の姿があった

 

 

ロザリィ「初めて来ていきなり弟の部屋を漁るなんて勇気あるわねぇ」ボーゼン

 

一夏「アッ…ご……ごめんなさい」ペコリ

 

ロザリィ「良いって良いって、気になる年頃よねぇ、若さって良いわぁ。じゃ、お姉さん応援するから頑張ってね」フリフリ

 

 

 ロザリィが、頬を紅くしている女子高生に手を振りながら部屋を出ていく。そしてこの光景を見られた一夏は、頬を紅くして、恥ずかしむしかなかった

 

 

一夏(うぅ、御家族の、しかもレイのお姉さんにこんな所見られちゃった…)

 

 

ガチャ

 

 

RD「遅くなっちゃいました。ゴメンっすって…何してるんすか?部屋の真ん中で丸まって」

 

 

 RDの目の前には多少散らかった部屋と、その真ん中に丸まっている一夏がいる。実際はロザリィに部屋漁りが見られて恥ずかしくて丸まっているだけである

 

 

一夏「ッ?!いや、何でもないよ、ハハ…」

 

RD「具合でも悪いんすか?どうなんすか、もしかして、熱中症?」

 

一夏「いやいや、全然大丈夫、ちょっと頭痛がしただけ。もう治ったから…」アタフタ

 

一夏(焦ったぁ…いきなり来るんだから)

 

RD「そうなんすか、何か異変があったら言ってくださいね、本当」カタッ

 

 

 RDがお茶の入ったコップと、お菓子の入ったお皿を机の上に置く。丸まっていた一夏が、体制を崩す。その後、RDも机の前に座り、対面になる

 

 

RD「で、質問っす」

 

一夏「何かな?レイ」ニコニコ

 

RD「何で部屋が散らかってるんすか。何かしてました?一夏さん」

 

 

 RDが部屋の周りを見渡す。そこにはしわくちゃになった布団に、漁っていたのが丸わかりな本棚やその他諸々。

 

 一夏はというと、エ○本漁りをしていた、と言う訳にもいかず、賢そうな妥協を考えるが、本棚まで変に漁っていて言い訳が思いつかず

 

 

一夏「アハハ…」テレテレ

 

RD「ハァ…笑って誤魔化さないでほしいっす」

 

一夏「ハハハ…ごめんなさい」ペコリ

 

一夏「そういえばレイってロボット好きなんだね。プラモデルとかあるし」

 

 

 一夏は話題を変える。ロボットの話ならば彼も食いついてくれるだろうと。逃げの姿勢で会話を切り出す

 

 

RD「ん?好きっすよ、子供の時から。だから今回の専用機は嬉しくて」ニコニコ

 

一夏「だから最初に見た時あんなに嬉しそうな顔してたんだ」

 

RD「まさかロボットのような見た目のISに乗れるなんて想像してなかったんで」

 

RD「あ、それとは別にさっきの部屋漁りの件は後程聞くっすね」ジトメ

 

一夏「あぁ…」メソラシ

 

 

そして話は続き

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

一時間後

 

 

一夏「それじゃ、そろそろ帰るね。今日はありがとう。レイ」

 

RD「それじゃあ、また明後日学校で」フリフリ

 

 

 そう言って一夏はRDの家から離れていく。そして、見えなくなったのを確認すると、RDは家へ戻り、リビングのソファへとダイブする

 

 

RD「結局、何でこうなったんすかねぇ」グッタリ

 

ロザリィ「良いじゃない。RDだって話せて楽しかったくせに」

 

RD「そりゃ、そうっすけど…まさか家に来るとは思ってなかったすよー」

 

ロザリィ「それは私も驚いたわ〜。家に連れてくるなんてねぇ。あの後アイツ等の連絡の対応で大変だったんだから」フフ

 

RD「連絡したんすか?!」ガタッ

 

ロザリィ「良いじゃないそれくらい。RDが女の子家に連れてくるなんて、話さない訳ないじゃない」

 

RD「本気で言ってるんすか、姐さん」

 

ロザリィ「あたぼうよ!本当、面白くなってきたじゃない!」

 

RD「姐さん…」グッタリ

 

 

 

その頃一夏

 

一夏「フンフンフフーン♪フンフフーン♪」

 

一夏(レイと一時間も話せた〜しかも家で!後で千冬姉とご飯食べてる時に自慢しよ〜)

 

 

 

 

 尚、この後の食事でそれを言い、大層驚かれた後に溜息をつかれるのはまた別の話

 




マギーのよくありそうな質問に回答コーナー

マギー「本編の中では説明するのが面倒なのを此処で答えていくこのコーナー。記念すべき1回目ね。」

マギー「今回は自分で思ってる所を言っていくけど、感想の方に何か質問があれば、こちらの方で答えていくわ」

マギー「不定期でやっていくこのコーナーだけど、読んでくれれば幸いよ。それでは始めるわ」


Q.一夏ちゃんの展開早すぎない?


マギー「これは明らかに作者のミスね」

(´作`)「その方がかわいいかなって」

マギー「と、こんな感じで書いてるから、急な展開が多いのよね。その分一夏の方の感情が欠ける部分が沢山ある」

マギー「それに、この回は今までの中でも急な展開だったし。本当にごめんなさいと、私から言わせてもらうわ。」

マギー「次からはそこの所注意して書くから、よろしくね。それでは次の質問」


Q.一夏とRDの関係どうしていくの?


マギー「この質問に対して作者的には

(´作`)「恋を受け入れようか悩みに悩んでギクシャクしていく一夏と、少しずつ一夏を受け入れていくRDを書こうと思ってます」

マギー「と、こうしていく予定よ。受け入れられないって人もいるかもしれないけど、そこは他の作品で満たして。」

マギー「では次の質問。今回はこれで最後ね」


Q.ヴェンジェンス以外のACをISにしたりするの?


マギー「これはまだ検討中だけども、多分ないと思うわ」

マギー「主任ACを無人機で出すって案もあったけど、今回はヴェンジェンスだけをプッシュしたいって考えみたい」

マギー「それでは今回はこれで終わり。最初にも言ったけど、なにか気になる所があったら感想の方で書いてくれると此処で反応するわ」

マギー「では、次回もお楽しみに。次回は鈴の登場回よ」


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十一話 転校生

お久しぶりです、約3ヶ月ぶりですか。
読み返してみれば一夏ちゃんのデレが早すぎたり、色々とアレな所があったので困惑してます。
それと、アニメで3話にあたる所までで10話って…
間延びし過ぎましたね。これからはサクサクと進めたいとは思っています(当社比レベルでの)
又、久しぶりに物語を書くのでいつもより変になる可能性もありますが、また駄文書いてるわ位の気持ちでお願いします



モブ1「もうすぐクラス対抗戦だね」

 

モブ2「そうだ、2組のクラス代表が変更になったのって、聞いてる?」

 

モブ3「あぁ、確か鳥…大老?だっけ?まぁなんたらって転校生に変わったのよね」ウンウン

 

一夏「転校生?今の時期に?」

 

モブ1「うん、なんでも中国から来たんだって」

 

一夏「どんな人なんだろうね〜。クラス代表になるくらいなら、やっぱり強いのかな?」

 

セシリア「どんなに強くとも、最善を尽くして戦うまでですわ」

 

モブ2「お〜、セシリアは心強いねぇ」

 

モブ3「専用機持ちは、一組と4組だけだから、余裕だよ」

 

キャッキャ  フフ

 

 

 クラス対抗戦の話でクラスの女性達が話をする。一夏やセシリアが中心となって話をしているようで、女性特有の空気を放っている

 

 

RD(2組のクラス代表が変わったんすか)

 

 

 この時のRDはクラスの端で本を読みながら、偶にこっそりと聞く耳を立てて女性達の話を聞いている。

 

 既にわかっているかと思うがRDは前に出る性格でなく、そして彼自身が静かな時間が好きなのもあり、世界に一人の男性IS操縦者にしては静かな生活を過ごしている。

 

 しかしRD自体が嫌われているのではなく、クラスの女性達が色々察してくれているのだ。如何に珍しくても騒ぎ立てたら本人が可哀想である、というのが言い分であり、皆が皆、最近はRDを一人のクラスメイトとして扱ってくれている

 

 

RD(っと、読書に戻るっすか)

 

 

 RDはまた読書にふける。要らぬ知識ではあるが、彼の大好きな読書に使う本は今ではロボット物に飽き足らず、最近では他のジャンルにも手を出しているようだ

 

 今彼の読んでいるものはファンタジー物であり、古き神々の物語である。呪われ、不死になった主人公が旅の中で様々な事や物に出会う話であり、その本を瞬間何故か読まずにいられなかった

 

 

「その情報、古いよ」

 

 

 RDがそれを読んでいると、クラスの入口の方から大きい声が聞こえる。先程の女性達の話に割って入ってきたようで、入口から一人の小柄な女性が入ってくる

 

 

「2組も専用機持ちがクラス代表になったの、そう簡単には優勝できないから」

 

 

 突然と放たれるその言葉に女性達は騒然とした。2組に専用機持ちが現れたという情報が正に予想外な物であった為である。その中で一夏だけはその発言先の女性を見て驚き、声を出した

 

 

一夏「鈴?貴女鈴なの?」ガタッ

 

鈴「そうよ!中国代表候補生の、凰 鈴音!今日は宣戦布告に来たってわけ!」

 

 

ザワザワ

      ザワザワ

 

「あれが2組の転校生?」

    「中国の代表候補生…」

  「学園の新顔に、負けるわけにはいかんな」

 「張り合わないでいいから」

 

 

セシリア「だ、誰ですの?一夏さんとお知り合いみたいですが」

 

一夏「鈴…久しぶり!けど、今のはちょっと似合わないかな…」苦笑い

 

鈴「な、なんてこと言うのよ、あんたは」ムスー

 

 

ドッ

 

 

鈴の頭に握り拳がこれまた痛そうに直撃する。鈴本人も痛そうに手を頭に当てている

 

 

鈴「な、何すんの!うわっ…」

 

千冬「もうSHRの時間だぞ」

 

鈴「違うんです、千冬さん」

 

千冬「織斑先生と呼べ。後さっさとクラスに戻れ邪魔だ」

 

鈴「す、すいません…ま、また後で来るからね、一夏!」

 

スタスタ

 

一夏「鈴が代表候補生…?」

 

 

 嵐のように来ては去っていく転校生に、一夏や他のクラスメイトは困惑していた。何せ代表候補生が宣戦布告に来たのだから

 

 

RD(何だったんだ、あの人は…中国の代表候補生?一夏さんと知り合いみたいだったし、なんすかね?)

 

 

 

ーそして時は過ぎて昼休みー

 

 

鈴「一夏、昼休みなんだし、ご飯一緒に食べましょうよ。話したい事も沢山あるしね」

 

 

 鈴が一組の教室へと入ってくる。一夏も来るのが分かっていた為机を片付け、用意を済ます

 

 

一夏「うん、良いよ。あ、そうだ。レイも来る?」手を振る仕草

 

RD「ん?あ、良いっすよ。少し待っててください。机片付けるんで」

 

 

鈴「レイ?へぇ、彼奴が男性のIS操縦者?」

 

一夏「そうだよ、ちょっと引っ込み思案な所あるけどね」

 

鈴「そうなんだ、まぁいいわ。所で一夏、私がいない間にこっちで変わったこと無い?」

 

一夏「あんまりないよ、千冬姉も変わらず、後は料理が少し上手くなった事くらいかな」フフン

 

鈴「そういやあんた料理作るの好きだったわよねぇ。、また腕を上げたの?いつか食べてみたいわ」

 

一夏「鈴の酢豚もまた食べたいし、今度一緒に料理でも作る?」

 

「良いわね」

「そうでしょ?」

 

 

RD(こういう雰囲気の時って割り込むの躊躇うんすよねぇ)

 

セシリア「どうしましたの?レイさん」キョトン

 

RD「うわっ、セシリアさんと、箒さん?」

 

箒「驚かせるつもりはなかったんだがな、食堂に行くのか?」

 

RD「そうっす。一夏さんに誘われてて、一緒に行く所だったんです」

 

セシリア「まぁ、是非私達も御一緒したいですわ」ニコッ

 

 

 その後一夏に二人も一緒に行きたいと話し、皆で行くことになった。専用機持ちが過半を占めるこの団体様が廊下を歩く様はその後も後々見られる事になるが、最初見た時は壮観であったと言う

 

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ー食堂ー

 

 

ワーワー

 

 

一夏「こっちに来るときに連絡くれればよかったのに」

 

鈴「そんな事したら劇的な再開が台無しになっちゃうでしょ?それに驚かせたかったし」

 

一夏「確かに、あの時は驚いたけど…そういえば、鈴ってまだ千冬姉の事嫌いなの?」

 

鈴「そ、そんな事ないわよ、けど、ちょっとその…得意じゃないだけよ」ウーン

 

一夏「そういう事にしておくよ。にしても、丁度丸1年ぶりになるのか」

 

鈴「ちゃんと元気にしてたわよ。あんたこそ大事無かった?」

 

 

 一夏と鈴が席に座り、その隣の席にセシリア、箒、RDが座り食事につく。一夏と鈴が二人だけになった理由は、箒が積もる話を二人で楽しむと良いと気を利かせたからだ

 

 

一方セシリア&箒&RDside

 

セシリア「一夏さんと鈴さん、仲良いですわね」ニコニコ

 

箒「1年ぶりの再開なんだ、友との再開はその位の間でも懐かしく思えて楽しくなるんだから、仕方ないさ」フフ

 

RD「ん?そういえば鈴さんと箒さんって知り合いなんすか?」モグモグ

 

箒「いや、私が一夏と一緒に居た時には居なかった。多分私が一夏と別れた後に知り合ったのだろう。」ゴクゴク

 

RD「へぇ、そうなんすねぇ」

 

セシリア「さしずめセカンド幼馴染、ですわね」

 

箒「ふふ、少し語呂が悪いな。けど、良いと思うぞ」

 

セシリア「勿論、箒さんはファースト幼馴染ですわ」フフン

 

RD「な、中々にユニークな…」

 

箒「そうだ、レイ。今日放課後に私達と練習をしてみないか?」

 

RD「練習って、ISのっすか?」

 

セシリア「そうですわ、レイさんはISに乗ってまだ間も無い。今日は箒さんと一緒にやる予定でしたが、よろしければどうです?」

 

RD「あ、はい!こちらも不慣れっすから、喜んで」ペコ

 

箒「急な誘いだが受けてくれて助かる。何分教わるのが私だけでは少し寂しい気がしてな」ハハハ

 

セシリア「いえいえ、そんなのお気になさらずとも。けど、沢山いる方がきっと楽しいですわ」

 

RD「じゃあ、放課後にっすね。分かりました」

 

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一夏&鈴side

 

一夏「鈴はいつ代表候補生になったの?」

 

鈴「あんたこそ、ニュースで見た時びっくりしたわよ。地上最強の妹が代表候補生になる〜、なんて。こっちでも結構うるさかったんだから」

 

一夏「千冬姉が試しにどうだって言ってね。そしたら成り行きで…」ハハハ

 

鈴「成り行きねぇ、あいっかわらず万能ねぇ、あんた。けど、勝負では負けないわよ。私の甲龍は強いんだから」

 

一夏「ふふ、今度時間ある時に放課後に練習の許可でもとって模擬戦する?」ニコニコ

 

鈴「上等よ。あんたが代表候補生になるのと同時期に私も代表候補生になったんだから。けどその前に、料理対決よ」ニコニコ

 

一夏「料理で思い出したんだけど、鈴のお父さん元気にしてる?」

 

鈴「…元気だと思う」

 

一夏「…?」

 

 

キーンコーンカーンコーン

 

 

鈴「おっと、じゃあね、一夏」スタスタ

 

一夏「う、うん。分かった」キョトン

 

セシリア「一夏さん、私達もそろそろ教室に戻りませんと」

 

 

 セシリアが座っている一夏に手を差し伸べ、それに一夏が掴み、立ち上がる

 

 

一夏「そ、そうだね。行こうか。皆」

 

RD「そうっすね。行きましょう」

 

 

 皆が歩きながら教室へ向かう。その間に箒がふと思い出したかのように一夏に問いかける

 

 

箒「友との思い出話は楽しかったか?一夏」

 

一夏「楽しかったよ。ありがとう、箒」

 

箒「友として当たり前だ」ニコニコ




ご朗読ありがとうございました。
久しぶりですから何分感覚が…変なところがあればすいませんでした

それと、暇ができてきたのでこれ以外にも何か書こうかと思います。

最有力ですと、カニモロダリーオですか。ssが見当たらないので自分で書こうかと思ってます。

では、また近い内に


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