がっこうぐらし!『深き夜を廻った少女』使用RTA (ハッピーエンド大好きお兄さん)
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一日目

 夜を廻った経験は伊達じゃない!なRTA、はっじ↑ま~る↓よー!↑

 

 今回は今ブームが起きてますね、がっこうぐらし!のRTAをやっていきとうございます。計測時間はゲームスタートを押してからエンディングが流れ始めるまでです。そして目指すエンディングですが勿論救えるキャラは全員救って全員生存エンドです、当たり前だよなあ?

 

 では早速キャラクリエイト……と普通ならばいくところですが(キャラクリエイトは)キャンセルだ。既に用意されてますからね?夜廻(よめぐり)(ハル)と言うキャラクターが

 

 勘の良い兄貴姉貴達はお察し済でしょう。そう深夜廻からコラボ参戦したハルちゃんです。ちなみに巡ヶ丘高校二年生です。このハルちゃんのスペックがものすごく良くて初期スキルが『危機察知Lv4』『全力疾走Lv2』『無音歩行Lv1』『親友との思い出』の四つを持ってるんですね

 

 戦闘系スキルは一切無く、完全に探索・隠密系のスキル構成となっています。一応武器として赤いタチバサミを持ってますが正面から戦るのはいやーキツいっす

 

 そしてハルちゃん固有スキルの『親友との思い出』は正気度がアウトブレイク発生時や職員用緊急避難マニュアルを読むなどの余程の事がない限り減らなくなる上に減るとしてもほんの僅かに抑えてくれます。おまけで精神力の最大値・回復値が増えます、強い

 

 ちなみにハルちゃん解禁条件ですがタイトル画面で五分程放置すると右下に出てくるコトワリ様をクリックすれば解禁されますのでカップラーメンでも食べながら待ちましょう、私は豚骨味にしました

 解禁条件が緩いので初心者さんにオススメですね。夜の街に蔓延る奴らが少し増えますが……。では早速やっていきましょう

 

 開始地点及び日時はランダムなのですが今回は自宅のようです。さて日付は……アウトブレイク発生の一週間前ですかそうですか。まあ一日前よりはマシでしょう。大当たりは三日前なのですが一週間前も当たり枠なのでヨシ!(妥協)

 タイムに数秒程差は出ますが数秒程度なんて誤差だよ誤差!それじゃあ三日前の放課後までスキップしましょう

 

 さてこれからやることはりーさんこと若狭悠里の妹るーちゃんの事故死を防ぎます。帰路の途中の交差点でこの姉妹が通るので出来る限り車道側の位置に立ちましょう

 

 ヒラヒラ羽ばたく蝶々よろしく帽子が飛んできます。この帽子を掴むことでるーちゃんの事故死を防げますがりーさんの好感度を稼いで後々の不安の芽を潰しておきたいので敢えて見逃します(葛)

 帽子を取りにるーちゃんが飛び出したらすかさずるーちゃんの腕を掴みましょう

 

 こうすることで(るーちゃん生存フラグの)工事完了です。道路に飛び出すのは危ないから、やめようね!

 

 るーちゃんを助けたらりーさんとの自己紹介フェイズに移行します。めぐねえの胸部装甲に包まれながら一睡したい一般ノンケです!好感度上げればやってくれますかね?

 

「私は若狭悠里、園芸部の部長をやってるわ。この子は瑠璃、私の妹よ。さっきも言ったけど改めてるーちゃんを助けてくれてありがとう」

 

 るーちゃんを助けたのと自己紹介をしたのでりーさんの好感度が上がりました。妹を助けたんだから多少はね?じゃあやることやったしるーちゃん生存フラグ(ギャラ)貰って帰りますんで

 

 スキップして一日前の放課後まで進めました。今日やることはお買い物ですね。リバーシティ・トロンで日持ちする缶詰めとかレトルト食品とかバリケード構築や緊急脱出に使える丈夫な紐とか買います

 あっちょっと待ってくださいよ!この辺にぃ……クーラーボックス売ってる店があるらしいっすよ?行きませんか?行きましょうよ!

 

 と言うわけでクーラーボックスも忘れず買いましょう(実を言うと買わなくても問題は無いです。でも安定を取りたいし多少はね?)。学園生活部に媚売り兼正気度回復のために肉類やキンキンに冷えたジュースを保存できるクーラーボックスは必須ってハッキリ分かるんだね~

 

 この時買うクーラーボックスは小さすぎず大きすぎずそれでいて持ち運びに優れた物にしましょう。ヨクバリスになるのは大事だが欲張りすぎてはいけない(戒め)

 

 みんなもアウトブレイクやパンデミックだけでなく地震や津波に備えて準備はしておこうね!お兄さんからの忠告だ!

 んじゃささっと目的のブツを買ったら家に帰って今日買ったものを自室に置きます!クーラーボックスに氷をぶち込んで差し上げます!寝ます!起きます!

 おはよー、ねぼすけ、朝だぞー(猿型目覚まし時計)。アウトブレイク当日の朝は清々しいですねえ、これから地獄になるとは思えませんねホントに

 

 はい放課後になりました。さっさと下校してリバーシティ・トロンに直行です。ええそうですこのチャートではモールスタートとなります。全員救出するのに都合良いからね仕方ないね

 

 学校スタートだと学園生活部の面々が中々……遠出を許してくれないねんな。強行しようにもハルちゃんの筋力じゃ四人に勝てるわけ無いだろ!馬鹿野郎お前私は勝つぞお前!と足掻いてもダメでした

 それに皆からの好感度が壊れちゃ~うので全員救出はダメみたいですね(諸行無常)。だからモールスタートにする必要があったんですね(例の構文)

 

 おや?外が騒がしくなってきましたね、お祭りでも始まったのかな?(すっとぼけ)。血塗れのお客様達が押し寄せたら三階の右側、幼稚園を目指して走りましょう

 この時間帯であれば誰も居ないはずなのでそこを仮拠点にします。ちなみに確率は低いですが逃げ惑う人々に押されて一階に落とされる場合があるので気を付けましょう(1敗)

 

(幼稚園に)オッスお邪魔しま~す。なんか静かですね~(誰も居ないので当然)。腰ポケットから赤いタチバサミを取り出して扉のはーつっかえ!棒になる大きさにしましょう。これでIQよわよわな彼らも生存者も入ってこれなくなります

 

 にしても便利ですよね赤いタチバサミ。斬ってよし、切るもよし、適時大きさを変えれるし手元から離れてもすぐ戻ってくる。さすが神器ですね。これって勲章ものですよ?

 

 安置に着いたからか眠くなってきましたね~。スキル効果で精神力が増してるとはいえアウトブレイク初日ということで精神力の減りにブーストが掛かっているので探索は諦めて大人しく寝て精神力回復に努めましょう

 

 さてハルちゃんが眠ってしまったのでここら辺で終わりにします。次回はるーちゃんを救出するから見とけよ見とけよ~

 

 

 

 私は夜廻春、巡ヶ丘高校に通う二年生。私の特徴は左腕が無いのと薄めの金髪に青いリボンと後ろ髪を赤いリボンで結んでいること。皆からは怪訝な目で見られることもあるけど、でもこの赤いリボンを外すつもりは無い。私の一番大事だった親友の数少ない面影だから

 

 そんな私は今リバーシティ・トロンでお菓子とかジュースを買いに来ていた。昨日ここに買いに来たのに買い忘れちゃったからだ。地下一階にあるお店を目指してエレベーターに乗ろうとしたとき後ろから悲鳴が聞こえて咄嗟に振り返った

 

 振り返った先の光景は異様、あるいは地獄か。人が人を襲っている。それも映画とかゲームとかでよく見るゾンビみたいに。その光景に私の心臓が五月蝿い程に鳴り始める。あの夜の街と同じだ。早く逃げなきゃ、隠れなきゃ

 

 そこからは朧気にしか覚えていない。ひたすら走って辿り着いた幼稚園の扉をコトワリ様から貰った鋏で開けれなくしたことだけは覚えてる

 ……また私は見捨ててしまった。あのハサミがあれば何人かは助けられたかもしれないのに。ユイの時みたいに見捨ててしまった。でも、だからこそ私は生きる決意を更に強めた。私が生きた事には意味が有るんだって、証明しなきゃ

 

 それにまだユイを覚えていたいから。赤いリボンにそっと触れながら訪れた眠気に身を任せて横になった



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二日目

 匿名で投稿した場合感想に返信できるのか分からないので初投稿ですの(伝統)(お嬢様言葉縛り)


 強靭な精神力を持って生き抜くRTAもう始ってますわよ

 

 前回は幼稚園に籠城して眠ったところでしたわね。起きてくださいまし!起きてくださいましー!もう朝ですわよ!(大嘘)

 

 起きましたわね。現時刻は窓から見える月が綺麗な真夜中ですわ。探索には持ってこいな時間ですの。え?初日の探索は精神力減少にブーストが掛かるからやめるって言わなかった?ですって?既に日を跨いでるので大丈夫ですわよ、問題ありませんわ

 

 赤いつっかえ棒(ハサミ)を外して外の世界にいざ出発!今通路の奥を彼らが通りすぎましたわね。数も一体と丁度良いので暗殺して差し上げましょう(暗殺者お嬢様)

 

 ここで『無音歩行Lv1』が生きますのよ。ミスでもしない限り確実に背後を取れますのでその首をハサミで絶ってさしあげますの、このように(暗殺成功)

 

 スキルのおかげで正気度が減らないのは良いものですわ。さて同階層にチラホラと彼らが見えますわね。孤立してる個体も居ますしそちらを狙いましょう

 

 KRMお姉様ならともかく戦闘が苦手なハルちゃんを使ってるのに積極的に彼らを狙う理由はドロップで車の鍵を落とすからですの

 

 車であれどんな物であれ泥棒するなんてお嬢様として人として恥ずべき行為ですがまあゲーム内の世界はご存じの通り阿鼻叫喚の有り様になっているのですし車の一台くらい泥棒したってバレませんわよきっと(適当)。そもそも咎める人が居ないのでしたわ

 

 救済措置なのか彼らを10体倒すと確定で鍵を落としますがそれまでに落ちると良いですわ──ねっ!(死告天使)

 

 ~暗殺者お嬢様徘徊中~

 

 ダメでしたわ(意気消沈)。9体倒してドロップZero……目の前に居る無防備に背中を晒してる彼らを倒せば鍵がゲットできますわ。ではサクッと(コルデー並感)

 

 ドロップした鍵を回収して駐車場に……ん?ちょ、ちょっと待ってくださいまし!?この鍵の形状、ひょっとしてひょっとするかもしれませんわ!

 

(二度見)(三度見)(凝視)

 

 間違い無くキャンピングカーの鍵ですわね!これまでの屑運が一気に帳消しにできる程の豪運ですわよ!彼らが落とす鍵で使えるようになる車は凡そ五種類程ありましてキャンピングカーは大当たり枠ですの

 

 中に荷物を置いたりスキルポイントを振ったり寝ることもできるセーフティーゾーンも兼ねていて他の車だと出来ない事が出来る素晴らしい車ですの。ああでもハルちゃんの場合はスキルポイントは振れないのでしたわ。初期スキルの良さとタチバサミ所持の代償ですわね。大きな力には常に代償が伴うってそれ一番言われてますわよ

 

 それではるーちゃん救出に行きますわよ!と言いたいところですがその前に食料品エリアから食料を取ってこなければなりませんの。いくらハルちゃんと言えど空腹はキツいですし放っておけば餓死が待ってますわ

 

 周りに彼らが居ないことを丁寧丁寧丁寧に確かめてから鞄を開けましょう。ハルちゃん常備グッズの一つ、首かけ懐中電灯を装備しますわ。この装備は実に便利でハルちゃんの意思一つで点けたり消したり向きを変えたりできますの。ちょっと謎技術入ってますわよ?

 

 しっかりと装備したら駐車場に行く下準備として行く食料品フロアに行く下準備として二階のお店にあるペンライトをゲットいたしましょう

 エスカレーターの周囲ヨシ!彼ら居ないヨシ!(現場お嬢様)。丹念な確認が戦場で生き残る秘訣ですわよ

 

 売り場に着きましたわ。店内確認ヨシ!早速ペンライトが入った袋をハサミで切って腰ポケットに三本程入れておきますわ。では次の目的地に……おっとヤバイですわね、上階立て籠り組の探索組ですわ

 明かりの位置的に三階に居るようですがこちらに来る可能性も否めないのでさっさと逃げますわ

 

 視聴者のお兄様お姉様方の中にはこの行動に疑問を抱く人もいることでしょう、ですので上階立て籠り組に見つかってはいけない理由をお話いたしましょう

 

 上階立て籠り組に見つかるとどう足掻いても彼らに付いていくことになりますわ。そうなればるーちゃん救出は不可能になりますの(キレ気味)

 どうして遠征を許してくれないのですの?あなた方は学園生活部ですの?チャートもるーちゃん生存フラグも壊れてしまいますわやめてくださいまし!

 

 以上の理由から彼らからも逃げますわ。どうせ三日目の夜には彼らの仲間入りをしてるのですし関わる必要はありませんわね(屑系お嬢様)。ただみーくんと圭ちゃんを噛むのはやめてくださいましね!

 

 さて丁寧丹念丁寧に一階ホールの奴らの数を確認した後に下りますわ。生きる屍の彼らは夜には帰宅してるので昼間に比べればかなり少なくなっていて大変通りやすいですの。昼間もお家に籠ってくださいまし?

 

 食料品フロアは懐中電灯を付けなければ暗くて殆ど見えませんわ。探索スキルの『夜目』を持っていれば月明かり程度に見えるのですが無い物ねだりですわね

 

 種類選び放題の缶詰め選定フェイズですが出来る限り素手で食べれるものを選びましょう。食器類がまだ無いんですもの仕方ありませんわ。大和煮や鯖の味噌煮を素手で食べるのはキツいでしょう?まあるーちゃん救出後に自宅に寄るのでそこで食器類を調達したら残った缶詰めを頂きましょう

 

 食料品フロアを漁って手に入れたのは乾パン二缶、食パン一袋(五枚入り)に天然水(少し温くなってますわね)一本ですわ。他にも食料はありますがハルちゃんは少食ですしるーちゃんの体型も考えればこれで十分でしょう。では駐車場に行きますわよ

 

 キャンピングカーへの最短経路に彼らがそこそこ居ますわね……ですがご安心を。何のためにペンライトを取ってきたと思ってまして?光らせて出来る限り壁に当たるよう投げますの。そーれ!

 

〈ガンッ!(迫真激突音)

 

 彼らの注意がペンライトに向かうと同時に『無音歩行Lv1』を使ってキャンピングカーに向かいますわ。

 

 ……後20歩

 

 ……後10歩。勝ちましたわね(慢心)

 

〈カッーン(迫真石ころ蹴飛ばし音)

 

 アッッッッ!?なんで石ころがあるんですの!?(屑運)。彼らにバレみ、バレましたわ!『全力疾走Lv2』を使って即座にドアに到着と同時に鍵を差し込んでオープン!お邪魔致しますわよ!急いでエンジン全開!さっさと脱出ですわ!

 

 彼らを何人か轢いたものの無事モール脱出成功ですの。本当はお嬢様らしく優雅に余裕を持って脱出致したかったのですがまあ結果良ければと言うことで良しとしましょう

 

 ちなみに余談ですが放送局お姉様はどうやっても救出フラグは立てられませんでしたわ(悲しいですわね)。一緒に紅茶を飲みたかったですわね

 

 さて目的地の鞣河小学校までの道のりですが、勿論暗記してますわ。私がどれだけの回数を重ねたと思ってますの?(114514回の試行錯誤の賜物)。道塞ぐ彼らも程々に轢き逃げしながら小学校に到着ですわ

 

 校庭に彼らが居ますが数は少ないし学校の正面入口には遠い位置ですので無視ですわ。車は入口横に止めておきましょう、直ぐに乗り込めるようにするんですの。勿論鍵は掛けませんわ(防犯意識0)

 

 るーちゃんは三階に居る確率がもっとも高いので三階から捜索しましょう。稀に体育館に居る場合もありますがその時は彼らがその扉の前に群がってますの。校庭に入ったときに群がってないのは確認済みですわ

 

 夜の校内は彼らが少なくて助かりますわね~、残業中の彼らは居ますけど無視できるので問題無いですわ。三階に到着、まずは一番近くの教室を開けますわ。ちなみに他の走者の方々曰く『シュレティンガーの教室』と言われている学校の教室ですがハルちゃんの場合は心臓のドキドキ(恐怖由来)音でどれぐらいいるか分かりますの。シュレティンガーの教室も形無しですわね

 

 ドアを開けて小声で呼び掛けるも反応無し。この教室には居ないようですわね、隣の教室に行きますわよ。誰かいませんの~?今なら紅茶を振る舞って差し上げますわよ~?(茶葉も無ければパックも無いので不可能)

 

〈ガタガタッ(ポルターガイスト現象)

 

 今一番奥のロッカーが僅かに揺れましたわね。見つけましたわよ~。ロッカーを開けてるーちゃん大発見!宥めて落ち着かせた後キャンピングカーに連れ込みますわ(誘拐犯お嬢様)

 

 日が登り始めてますわね。もう少し遅ければお子様彼らの大行進するムービーが見れますが想定より早く見つけられたので何事もなく小学校から脱出ですわ。平和が一番ですわね(尚現状からは目を反らすものとしますわ)

 

 これからモールにトンボ帰り致しますがその途中にハルちゃん宅に寄り道して物資とクーラーボックスの回収をしていきましょう

 

 五分程で到着ですの~。近いですわね。自宅は血の跡以外は目に見えて荒らされた形跡はありませんわね。彼らが居ないことを確認したら手早く降りて帰宅ですわ

 

 一日振りの自宅は安心しますわね~。さて一安心したところで終わりに致しますわ。次回はみーくんと圭ちゃん救出ですわね。見ときなさいまし見ときなさいまし~

 

 

 

 目が覚めた。いつものフカフカの布団から出よう──として布団が無いことに、そもそも自宅ですら無いことに気付いた。ああそうか、夢になってくれなかったんだ

 

 ……外に出よう。ここに閉じ籠ってたってどうにもならないし食料が無いからいずれ餓死しちゃう。このモールには食料品フロアがB1階、つまり地下にあるからそこから食べられるものを頂こう

 

 鋏を外して音を立てないようにそっと扉を開ける。通路に何も無いのを確認しようとしてその奥をゾンビが通りすぎたのが見えた。一気に心臓の鼓動が早くなる。大丈夫、向こうはこっちに気付いてない

 

 あの夜の街で鍛えられた無音で歩く技術を駆使してあのゾンビの背後を取った。人の首を絶つのに十分な大きさになった鋏を左から右へと振るってゾンビの首を絶った

 

 泣きたくなるほどの冷たさと肉の嫌な感触が鋏と手に残る。この感触に戸惑ってる場合じゃない。食料品フロアに行かなくちゃ

 

 途中で通路上に立ち塞がるゾンビ達を暗殺していくと鍵が死体から落ちた。その死体に手を合わせるようにしてから車の鍵らしき物を左腰ポケットに入れる。そこで気付いた。私愛用の懐中電灯をぶら下げていない事に

 

 周りにゾンビが居ないか入念に確認して背負った鞄を一旦降ろしてから取り出して首から下げた。夜に探索するならこれをぶら下げてた方が落ち着く。まるでユイが隣に居てくれている感じがするからだ

 

 二階に下りて更に一階に下りるエスカレーターを目指してお店を横切ったときふと思い出した。確かこのお店はペンライトを売ってた筈。そう思ってお店の中を探すと確かにペンライトが売っていた。ボタンを押すと光るタイプで右腕しか無い私でも光らせやすい設計が嬉しい

 

 もしかしたら何かの役に立つかもと思って三袋程鋏で切って中身を鍵を入れたポケットとは逆の腰ポケットに入れた

 

 そしてエスカレーターに向かおうとして一階上の三階に明かりが見えているのに気付いた。多分懐中電灯の光だ。良かった、他に生存者が居たんだ。でも合流するのは止めておく、私に危害を加えないとは限らないからだ。こんな事態になって倫理観が壊れてしまった人もいるかもしれないからね

 

 一階に下りる前にエスカレーター手前の影からホールを見てみると意外とゾンビ達の数は少なかった。自宅に帰っちゃったのかな?もしそうならそのまま自宅待機していてほしい。ともかくあの数なら見つからずに行けそう。一回深呼吸をしてから動いていないエスカレーターを下りると言う奇妙な体験をしながら一階に下りて食料品フロアに向かった

 

 食料品フロアの中は暗くて懐中電灯を点けないとろくに見えないほどだ。商品棚は意外と荒らされた形跡は無かった。食料は豊富にあるけど私はそこまで食べないから乾パン二缶と袋入りの食パン、それに飲料用のペットボトル一本で十分すぎるぐらいだ

 

 ……そういえばあの子は大丈夫だろうか?私の脳裏には三日前に助けた若狭先輩の妹の姿が浮かんでいた。もしかしたら生きているかもしれない、なら次の目的地として小学校を選ぼう。ここら辺で小学校と言えば鞣河小学校だけだ。幸い車の鍵(多分)があるから車に給油してある量にもよるけど行けなくはないと思う。そうと決まれば早速駐車場に行こう

 

「はぁ……多いなあ」

 

 駐車場に来たは良いけどゾンビの数が多いね。このペンライトを使って引き付けられるかな?そう思って光らせて直ぐに遠くの壁に向かってポイッと投げた

 

 綺麗な放物線を描いたペンライトは狙い通り壁に当たって更に思惑通りペンライトに引き付けられてゾンビ達が一ヶ所に集中した。今のうちにこの鍵が使える車を探そう。そーっと、そーっと

 

〈カッーン

 

「あっ」

 

 あっ、石ころ蹴飛ばしちゃった。その音は静かな駐車場内に響き渡ってゾンビ達が一斉にこちらを向いた。この鍵が使えますようにと祈りながら目の前の車に差し込むとガチャリ、と言う祈りが届いた音がした。直ぐにドアを開けて運転席に座りエンジンをかけた。来年免許を取る予定だったから基本的な操作は学んでる、多分運転できる

 

 ゾンビ達を何体か轢きながらも道路に出た。鞣河小学校までの、と言うよりはこの街の道は一応一通り覚えてる。でも至るところに車の残骸が転がっていて最短距離で行けるかは分からないなあ。残骸で道が塞がれてたらその都度迂回すればいいか。そうお気楽に考えて車を走らせ続けた

 

 運が良かったのか残骸で道を塞がれてることは少なく予想よりも早く小学校に着いた。校庭にもゾンビ達は居たけど疎らだったから華麗なドライブテクニックで避けて学校入口の横に車を停めた。ゾンビ達に囲まれる前に早く校内に入ろう

 

 割れた窓から差し込む薄い陽光が廊下に散乱する血痕とガラス片を照らして幻想的であると同時に世界は終わっちゃったんだなって思いを抱かせる。こんな世界になって私とモール内のあの人以外に生きてる人は居るのだろうかと頭の片隅で思いながら三階からるーちゃん捜索を始めた

 

 教室内にゾンビの気配が無いことを確認してからドアを静かに開ける。やっぱりゾンビは居なかった、生者の気配さえも

 

「誰かいませんかー?居たら返事してくださーい」

 

 それでもと思い小声で呼び掛け少しの間待ってみたけど反応は無かった。次に隣の教室を開けてまた呼び掛けてみた。すると一番奥のロッカーが微かに音を立てた。もしかして……?

 

 鋏を床に突き刺し期待と警戒を抱きながらそっとロッカーを開けると中にはるーちゃんがとても怯えた表情で縮こまってて私を見た瞬間に泣きながら抱き付いてきた

 

「よしよし、もう大丈夫だよ」

 

 しばらくの間るーちゃんを抱き締めながら撫でてると落ち着いたのか私から離れた

 

「るーちゃん、外に車を停めてあるから行こう?」

「(ゆっくりと頷く)」

 

 鋏を回収してからるーちゃんの手を繋いで学校の入り口まで来た。ここからはスピードが大事だ。もうお日様が登り始めてるからペンライトの効果は薄いかな、けど使わないよりかはマシか

 

「私がこれで彼らを誘導するから直ぐに車に乗ってね。鍵はしてないから開くはずだよ。いい?」

 

 るーちゃんがゆっくりと首を縦に振ったのを確認してからペンライトを思いっきり車の反対方向へと投げた。駐車場の時と同じく呻き声を上げながらゾンビ達はペンライトに釣られて追い掛けていく

 

「行くよ、るーちゃん」

 

 ゾンビ達がペンライトに群がると同時に全力で車に向かって走りだす。ゾンビ達に気付かれたけど入口近くに停めたから走ればたった数秒で着いた。るーちゃんが助手席に座るのを横目で確認しながら車を発車させる

 

 車の速度にノロマなゾンビ達が追い付ける筈も無くどんどん小さくなっていく様をサイドミラーで見ながら次に正面に視線を向けた。段々と昇っていくお日様が荒れた街を照らしてこれが現実だと再び強く認識させる

 

「これから私のお家に向かう予定だけどるーちゃんはどこか行きたい所ある?」

「──!──!(身振り手振りで何かを伝えようとしている)」

 

 普通なら声に出して伝えればいいのに態々ジェスチャーだけで伝えようとしてるってことは……

 

「もしかして声が出ないの?」

「(高速で首を縦に振っている)」

 

 そっか。三日、いや四日前か。四日前は普通に喋ってたし多分精神的ショックによるものかな?確かそんな症状があったはず

 

「分かった。じゃあ後で私のペンとノートをあげる。それまではハイかイイエの二択で答えられるものにするね」

 

 それから程なくして我が家の前に辿り着いた。外観は壁に血が付いていること以外は大した変化は無い。周りにゾンビ達は居ないみたいだし帰宅するなら今かな

 

「ただいまー」

 

 るーちゃんの手を引きながら帰宅した。ただいまって言ってみたけど勿論返事なんて帰ってこなかった、それだけでお母さんとお父さんが居ないことが分かって泣きそうになった。世界が終わって外があんな風になってるんだ、つまりはもう……

 

「(袖を引っ張る)」

「あっ、ごめんね。まずは私のお部屋に行こっか」

 

 私のお部屋は二階に上って直ぐ右にある部屋だ。カーペットにるーちゃんを座らせて約束通り鞄からペンとノートを渡した。受け取ったるーちゃんは直ぐに書き込み始めた

 

『おなかすいた』

 

「ちょっと待っててね、何か探してくるから」

 

 一階に下りて冷凍庫を開けた。幸いにもまだ電気は生きていて常備してある冷凍食品はしっかりと凍っている。その中からうどんとその汁を取り出して電子レンジで解凍し始める。その間に棚から食パンを取り出して大きめのお皿の上に置き、冷蔵庫から取り出した苺ジャムを塗って自室で待つるーちゃんに届けた

 

「おまたせるーちゃん。じゃーん!苺ジャムパンだよ!」

 

 それもいつもよりかなり多く塗ったちょっと贅沢なやつだよ!るーちゃんで一枚食べたらうどん食べられなくなっちゃうかな?と心配したけど残ったら私が食べればいいか、と思いながらるーちゃんの目の前のミニテーブルにお皿を置いてそこで思い付いた

 

「あっ、そうだ。はい、あーん」

 

 苺ジャムパンを右手で優しく掴んでるーちゃんの口元に運ぶとそれをモキュモキュと食べ始めた。可愛い

 

 るーちゃんに食べさせ終えた後、私は乾パンの蓋を開けて6枚程食べてからクーラーボックスを抱えて一階に下りた

 

 うどんの解凍が終わるまでまだ少し時間があったから冷凍庫からアイスと一部の冷凍食品を取り出してクーラーボックスに詰めた。あ、うどんの解凍が終わったみたい

 

 袋に記載されてる通りに丼に盛って、るーちゃんに届けると直ぐ様啜り始めた。あっという間に食べ終えたるーちゃんは満腹になったからなのか眠たそうだ

 

「私も眠くなってきちゃったな……」

 

 思い返せば徹夜で行動してたのだから眠くなって当然か。私のベッドから布団を引っ張って既に夢の世界に行ったるーちゃんと一緒に被る。可愛い寝顔だなあ

 

 ……この小さい命は必ず守る。もうあの時みたいに見捨てることも手離すこともしない

 生きなければいけない理由が増えた事を確かめるようにるーちゃんの小さな手を優しく握りながら私も夢の世界に旅立った




 やっぱり慣れないお嬢様言葉を使うのは難しいなあ(縛り終了)

 感想欄で初めて知った地の分の最初に空白入れてくれる機能試してみたゾ。心なしか読みやすくなったような気がする。教えてくれた情報提供者兄貴ありがとナス!

 あっ、そうだ(唐突)。ハルちゃんを使って高校卒業した後のフリー探索モードでこともちゃんが住む街を見つけた兄貴がいるらしいっすよ?その兄貴曰く避難所にこともちゃんと姉もいたそうっす


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三日目

 原作組と合流まで書いたら長くなって、どうして……(現場猫)となったので初投稿です


 そろそろ夜がヤバいことになってくる!なRTAもう始まってる!

 

 前回は帰宅して終了したところだったのですが……なーんで二人とも一緒に寝てるシーンから始まってるんですかね?まあ尊いので良しとしましょう(スクショ保存完了)

 

 ハルちゃんとるーちゃんを起こしまして時刻の確認をしましょう。部屋の暗さから察するに夜ですね。もう少し早く起きてれば夕方頃には行動できたでしょうに痛いですねこれは痛い……

 

 まあ嘆いたって過去に戻れるわけでも無いのでテキパキ動いてモールにイクゾー。そのための準備としてまずはお着替えですね

 制服に血を付けたまま行ったらみーくんと圭ちゃんに警戒される上に好感度がダウンします。いきなり至るところに血を付けた奴が来たら警戒するのも当たり前なんだよなあ

 

 選ぶのは深夜廻の時の服をそのまま大きくしたやつですね。ある意味勝負着と言えるのでしょうか

 それとポシェットって言うんですかね?右側に羽根が付いたリュックみたいなやつも付けたいところですがサイズが……ね?るーちゃんに背負わせますけど

 

 次は鞄の中の教科書を抜いて代わりに缶詰めやレトルト食品を詰めます。丈夫な紐もお忘れ無く。これを入れ忘れたせいでみーくんと圭ちゃん救出の難易度が上がりました(ギリギリ無敗)。さて準備完、いやまだですね。クーラーボックス君どこ?

 

 ありました。にしてもなんで冷蔵庫前にあるんですかね?それに少し重いような?まま、ええわ

 クーラーボックス回収ついでに棚から食器類を取り出してるーちゃんに背負わせたリュックに突っ込みます

 

 鞄を背負ってクーラーボックスを肩紐で抱えてるーちゃん引き連れのフル装備で出発です。夜だから帰宅してる彼ら君達が居ますね。ペンライトと戯れてこい

 

 えー、現在キャンピングカー運転中なんですがT字路で立ち往生してます。いや別に動かなくなったわけじゃないんですよ?動けないってだけで

 原因は深夜廻に出てきた赤い触手を装備した黒くてデカい(意味深)お化けです。夜廻にも出てましたっけ?

 

 ハルちゃん使用時の二日目から夜になると深夜廻のお化け達が出てくるんですよ。昼は彼らが多くて夜はお化けが出るとか狂いそう(静かなる怒り)。こんなところで深夜廻感出さなくていいから、ユイちゃんだして?

 お化け達は学校やモール等の敷地内には出現しないし入らないのでそこは救済ポイントですかね?

 

 まあ大抵は車があれば撥ね飛ばすので無視できますがあの複眼巨人お化けと多脚お好み焼きお化けとクソデカ魚類お化けだけは無視できません。だから夕方に出発する必要があったんですね。はーつっかえ!微ロスですわ

 

 複眼巨人お化けが道を開けたのでアクセル全開!これから通るルートでは足止め系は無いので安心して走れます

 お化けを初めて見て正気度が減ったるーちゃんには会話で正気度を保ちつつ後でジュースを上げましょう。もちろんキンキンに冷やしてからですよ

 

 鉈持ちお化けや彼らや単眼犬っころを撥ね飛ばしながらモールに到着です。ちなみにお化け達を撥ね飛ばしても車の耐久値は減りません

 減らない理由は……(知ら)ないです。ハルちゃんが乗ることによってお化け特攻でも付与されたんじゃないんですかね?(適当)

 

 モール内に入ったらまずは食料品フロアに行きます。ジュースをゲットしてるーちゃんの正気度を回復させるためですね。スニーキングしながら移動したので特に見つかることもなく到着です

 

 入ってすぐの場所に目当てのジュース棚があるのでまずは適当なペットボトルをリュックに入れつつるーちゃんを横目で見ましょう

 ある一ヶ所を凝視してますね。苺ジュースをご所望かな?ここは私の奢りだ、買いたまえ(代金100%OFFセール中)

 

 さて苺ジュースを入れたら次は肉類もクーラーボックスに……ふぁっ!?既にアイスと冷凍食品で埋まってる!?ちょ、ちょっと待って!?ジュース入れるためのスペースが入ってないやん!?どないしてくれんのこれ!

 

 いや一本ぐらいなら入りそうですね、一本だけですか……。今日の昼頃からモール内の電気が使えなくなるので今がギリギリセーフのラインだったのですが今から中身を減らすなんてできませんし肉類は諦めるしかありませんね

 

 想定外のことはありましたが無事ジュースを確保したので彼らに襲われないうちに幼稚園に行きましょう。着きましたら初日と同じくハサミをはーつっかえ!棒にします

 

 本来のチャートであればジュースが冷えるまで待つのですが何故かクーラーボックスにアイスが入ってたのでそれをるーちゃんにあげます、ついでにハルちゃんも一本食べて精神力を回復させましょう

 アイスアイス!冷えてるか~?大丈夫ですよ、バッチェ冷えてますよ!ジュースも冷えましたよ!

 

 さてもう後は寝るだけですし明日の昼は服選びをするだけなので明日の夜まで36(倍速)、普通だな!

 

 夜になったので適当に理由付けてるーちゃんを連れて五階に行きましょう。は?幼稚園にお留守番させたらいいダルルォ!?と猛る少女大好き兄貴達は落ち着いてください、これにはちゃんと理由がありますから

 

 るーちゃんを幼稚園に置いて外に出るとハルちゃんが恋しいのか勝手についてきて噛まれます(6敗)。その上どうやってもお留守番してくれませんでした、なんで?(キレ気味)

 ですのでるーちゃんを連れていく必要があるんですね

 

 階段を上って五階と四階を繋ぐ階段手前辺りに着くと何かが燃えてる音が聞こえてきます、派手にBBQしてんなあ。この時間だと既にみーくんと圭ちゃんは避難部屋に籠って上階立て籠り組が全滅した頃ですね

 

 段ボールで構築されたバリケード越しに唸り声が聞こえたらるーちゃんに作戦を伝えて出入口端に待機と丈夫な紐の端を持ってもらいます

 そしてハルちゃんにも端を持ってもらってるーちゃんの反対側に移動した後紐を置いてハサミで床を強く叩きまた紐を持ちます

 

 すると音に釣られて彼らがやってくるのでバリケード出入口にるーちゃんとハルちゃんで紐をピンと張ります。こうすることで愚かにもやってきた彼らは足を取られて階段を転げ落ち勝手に逝ってくれます

 (踊り場に)落ちろ!……落ちたな(確信)

 

 無惨にも壊れちゃった……なバリケード内の彼ら全員の処理完了を確認したら中に突撃ー!奥の避難部屋に誰かいそうですね(棒読み)

 ガンガンガン!開けろ!巡ヶ丘市警だ!

 

「だ、だれですか……?」

 

 めぐねえとりーさんの胸部装甲に包まれながら一睡したい一般ノンケです!こっちは癒し枠のるーちゃん!さあそっちも早く自己紹介するんだよ、私もやったんだからさ?(同調圧力)

 

「私は夜廻さんと同じ二年の祠堂圭、こっちは直樹美紀とペットの太郎丸」

「わんっ!」

 

 (鳴く回数は)三回だよ三回。ゲーム版の太郎丸はアニメ版準拠でみーくん達と合流してるので回収が楽で助かるわ~

 それはそうと自己紹介ありがとう圭ちゃん。んじゃ高校に行きませんか?行きましょうよ!ここより設備あるし学園生活部いるし行った方が良いと思うんですけど(迫真説得)

 

 二人を説得したらキャンピングカーに向かいます。道中で大きめのリュックの調達と缶詰めとペンライトの確保もお忘れ無く

 

 ちゃんゆきの好物の大和煮やら麻婆豆腐愉悦味とか書いてる缶詰めや常温保存の菓子パン等々を回収したので彼らをペンライトで誘導してから二日目未明の焼き増しだー!

 

 おっと前方に白靄人影君と彼らがいますね、撥ね飛ばします

 

 右側から白い赤ちゃんお化けがハイハイしてきますね、撥ね飛ばします

 

 次は左側から発狂ギザギザ棒人間が何か叫びながら来てますね、撥ね飛ばします

 

 前方にガソリンスタンドが見えますね、撥ね飛ばし……撥ね飛ばせませんよ?とりあえず給油、しよう!(提案)

 

 このガソリンスタンドは確率で他の生存者に占拠されてる場合がありますが今回は占拠されてませんね。占拠されてたら食料の一部を渡す必要があったので助かりました

 では駐車して下りましょう。ん?ハルちゃんレーダーが反応してる?

 

 あ~、頭クルクルお化けが居ますね。と言っても道路を挟んだ向かい側ですし無視です

 給油を済ませたら直ぐ再出発したいところですがハルちゃんの疲労回復とみーくんと圭ちゃんの正気度を回復させないといけませんね。疲労が貯まったまま運転したら事故る可能性が高まります(2敗)

 ちなみに疲労度はパラメータに表示されずキャラの表情から読み取るしかないです。なんだこの仕様!?

 

 と言うわけで休憩入りまーす、うちはブラック企業じゃないからね(MTTN)。嘘つけバガパン兄貴には優しくないブラック企業だゾ、ホモは嘘つき

 

 みーくんと圭ちゃんにアイスを振る舞いながらお化けの説明をしつつるーちゃんを人形みたいに抱き締めて癒されます。可愛いなあるーちゃん

 

 休憩が終わったらまた出発です。これから先、高校に着くまでただただお化けを撥ね飛ばす絵面しか無いので倍速にします。その間空き時間が生まれて暇になる

 

 み な さ ま の た め に ~

 

 めぐねえについて、お話しします

 今更りーさんとトップの座を争う母性を持つめぐねえについて語る必要ないだろとお思いの兄貴姉貴達がいるかもしれませんがウチのめぐねえはちょっと違うんですね。どこが違うのかと言うと最初から覚醒状態です

 その恩恵か初日夜には三階を確実に制圧してて二日目にはチョーカー姉貴こと柚村貴依を救出してます。たまげたなあ……

 

 私ががっこうぐらし!を始めた頃は要介護キャラという認識だったのですが今ではバリバリに前線を任せられる佐倉先生に昇格しました。しかし呼び名はめぐねえのままだ!

 ただ一つ不可解な事がありまして、なんで毎回初日から覚醒してるんですかね?最初の頃は覚醒してなかったはずなんですが

 それに初日に固定で起きる覚醒イベントなんてKRM姉貴のだけの筈なんですがね?KRM姉貴の代わりに倒した可能性も考え試しに私が倒してみても覚醒状態だったんですよね。そこが唯一の不思議ポイント

 

 お、めぐねえ語りをしてたら高校が見えてきました。太陽の位置的に6時頃と言ったところでしょうか。彼らの登校時間までまだ余裕がありますね

 

 エンジン音でこちらに気付いたのか三階からりーさんとめぐねえとチョーカー姉貴とKRM姉貴が手を振ってくれてますね。ゆきちゃんは寝てるんやろなあ

 

 小学校の時と同じく入口横に車を停めまして彼らに囲まれる前に校内に突入です。一階を駆け抜け……あれれ~?なんで一階と二階を繋ぐ踊り場にバリケードがあるんですかね?

 

 本来なら二階と三階を繋ぐ踊り場にあるはずなんですが……とりあえずめぐねえとKRM姉貴が朝早くなのも相まって数少ない彼らを倒してくれたので慌てず騒がず落ち着いてバリケードを越えれますね。少しは急いだ方が良いんですけど

 

 無事避難完了したのでここら辺で終わりにしますかね。次回は日常回だから見とけよ見とけよ~

 

 

 

 残酷(幸せ)な夢を見た。私と同じくらいに成長したユイと一緒に学校に通って笑いあったり勉強を教えあったり、そんな何気無い日常だった。絶対に叶うはずがない日常だった

 

 気付けば夢から覚めて起き上がっていた。寝る前はあんなに明るかった部屋も月明かりだけが光源の暗い部屋になってしまっている

 

 寝起きの頭でこれからの事を考える。ずっとこの家で暮らすのは多分無理だ。いずれ電気は来なくなるだろうし水の貯水だってしてない。なら場所を移す必要がある

 でもどこへ?そう考えて一つの場所が思い浮かんだ。巡ヶ丘高校だ

 

 パンフレットを見たときにあまりにも設備が揃ってると驚いたから印象に残っている。浄水装置や貯水槽、太陽光発電パネルなんかも置いていてパンフレットに書いてあった通り一つの街みたいだ

 

 そうと決まればやるべきことが見えてくる。まずは一度モールに戻って他の食料を頂こうか。高校に食料があるとは限らないしできるかぎり用意しておいた方が良いよね

 

 でもその前に服を着替えなきゃ。返り血が付いてる制服を着続けるのはちょっとね

 

「ん?どうしたのるーちゃん?」

 

 私と一緒に起きたらしいるーちゃんはノートに文字を書いていた

 

『どうしてないてるの?』

「……え?」

 

 指先で目元に触れてみると確かに濡れていた。きっとあの夢を見たからだろう

 

「だ、大丈夫だよ、気にしないで!それよりるーちゃんにこれあげるね。私が昔使ってたんだけどもうサイズが合わなくなっちゃったやつなの」

 

 涙を拭って誤魔化すようにベッドの側に置いていたリュックをるーちゃんに背負わせる。その後あの街で着ていた服をそのまま大きくしたような服に着替えた。この服はある意味勝負着みたいなものだ

 

 鞄から教科書とかを抜いて代わりに自室に置いてた缶詰めやレトルト食品とかを詰めてるーちゃんを連れて一階に置きっぱなしにしたクーラーボックスを回収した。ついでに食器類をるーちゃんが背負ってるリュックに詰めて準備完了

 

「……行ってきます」

 

 玄関から外に出てみると所々にゾンビ達の気配がする。やっぱり帰宅してたんだね

 キャンピングカーの周りに居るゾンビ達をペンライトで誘導してその隙に乗って直ぐに出発した

 

 10分ぐらい走ってT字路に差し掛かった時、ふと悪寒がして車を停めた。るーちゃんが不思議そうな顔でこっちを見てるけどそれを無視して車のライトではなく懐中電灯で前を照らすと視えてほしくなかった者が浮かび上がる

 あの夜の街、夜本一(よもといち)市でよく見たお化けの一つ、沢山の目をギョロギョロ動かして一定の場所だけを歩くお化けだ

 

「──!?」

「大丈夫だよるーちゃん、あのお化けはただ歩いてるだけでこっちから突っ込まなければ無害だよ」

 

 目に見えて怯えてしまったるーちゃんを撫でながら軽く説明をすると少し表情が和らいだ。あのお化けが道を開けた瞬間にまたアクセルを踏む。巡ヶ丘の夜は昨日の夜とがらりと変わってゾンビ達の群れにお化けが加わっている。まるで夜本一市みたいだ

 あっ、鉈を持ったお化けを撥ねちゃった

 

 時々出てくるお化けやゾンビ達を撥ねながらモールに到着。駐車場はゾンビ達が居るだろうからモールの正面に車を停めた

 

 ゾンビやお化けが周りに居ないことを確認してモール内に入った。まず目指すのは食料品フロアにある飲み物だ

 ゾンビ達に気付かれないようこっそりと歩いて食料品フロアに着いたらすぐ横に飲み物コーナーがある。適当に何本か掴んでるーちゃんの背負うリュックに入れる作業を4回繰り返した時、るーちゃんがある一点を見つめているのに気付いた

 

 その視線の先には苺ジュースが。もしかして好物だったりするのかな?

 

「これも持っていく?」

「(力強く頷く)」

 

 ジュースだからクーラーボックスに入れた方が良いよね。スペース的に一本しか入れられないけど

 

 飲料用水は確保したしこのまま高校に行きたいけどるーちゃんが眠そうだし今晩はあの幼稚園で過ごそう。実を言うと私も少し眠たくなってきてるし

 

 上に上っていく程にゾンビ達の数が少なくなるのを感じながら幼稚園に着いた。この騒動が起こった初日みたいに鋏で扉の開閉を封じる

 

「アイス食べよっか。るーちゃんは何味にする?」

 

 本当はダメなんだけど寝る前にアイスを食べることにした。るーちゃんは予想通り苺味のアイスを選んで私は抹茶味を選ぶ

 

 アイスを食べ終えていざ寝ようと思ったら重大な事に気付いた。布団が無い。途中で確保しておけばよかったなあ……でも今はまだそんなに寒くないしるーちゃんの体温が高いからるーちゃんで暖をとりながらまた一日が終わる

 

 朝になってモールから出ようと思ったけど一階のゾンビ達の数が多くて諦めた。私一人なら行けるかもしれないけどるーちゃんを連れて、となると無理かな

 

 仕方ないので100%引きセール中の服屋でるーちゃん用の服を選んだりるーちゃんに無音で歩く技術を教えたりして昼間を過ごした

 ──そして夜が訪れる

 

 念のため一階のゾンビ達の数を確認するとしっかりと減っていた。今なら脱出できそうだけどその前に元々の目的、大きいリュックを手に入れて食料品フロアの缶詰めを頂いてから脱出しよう

 

 るーちゃんを連れて四階をゾンビ達から隠れながら回ってみたけどリュックは無かった。じゃあ上かな?と思って五階に繋がる階段に差し掛かった時何かが燃えてるような音が聞こえてきた。もしかして火事!?

 

 階段を上っていくと段ボールで出来たバリケードがあって耳を当てるとバリケード越しに燃える音、そしてゾンビの唸り声が響いてくる

 

 パッととある作戦が思い付いた。後ろには階段、この出入り口には向こうからは見えないであろう場所があるこの場だからこその作戦だ

 

「──っていう作戦なんだけど、手伝ってくれる?」

「(ゆっくりと頷く)」

 

 るーちゃんに作戦を話して協力を得られたから鞄から紐を取り出してその端っこを渡した

 

 出入り口の端っこに移動したるーちゃんと同じく私も端っこに移動して大きくした鋏を思いっきり床に叩きつける。すぐさま紐を持ってゾンビ達が出てくるのを待つ

 

 バリケードが崩れて残骸になって踊り場に落ちて少し後にバリケード内から出てきたゾンビが私とるーちゃんで張った紐に引っ掛かって落ちていきバリケードの残骸に赤い華を添えていく

 

 数分程してゾンビ達の気配が無くなったのを感じたらるーちゃんへの合図として紐を手放した

 

「中に誰か居るかな……?」

 

 そう言ってみたものの生存者は居ないと思っていた。避難所と書かれた紙が張ってあるドアをコンコンとノックするまでは

 

「だ、だれですか……?」

 

 ドアの向こうから掠れ気味だけど声が聞こえた。生存者は居ないと思ってたけど生き残ってる人がいたんだね

 

「私は夜廻春、巡ヶ丘高校に通う二年生です。事情があって喋れないけど若狭瑠璃っていう子もいます」

 

 そう答えたらドアがそっと開いて二人の女の子とワンちゃんが一匹顔を出した

 ワンちゃんが数年前に寿命を迎えたチャコにどことなくそっくりで思わずチャコ、って呼びそうになっちゃった

 

「私は夜廻さんと同じ二年の祠堂圭、こっちは親友の直樹美紀とペットの太郎丸」

「わんっ!」

「祠堂さんと直樹さんに太郎丸だね。ねえ、提案なんだけど一緒に高校に行かない?ここより設備整ってると思うし」

「高校……ですか?確かにパンフレットを見た限りではかなりの設備があったと思いますが……どうやって高校まで行くつもりですか?徒歩は距離的に厳しいでしょう?」

 

 大丈夫、キャンピングカーがあるから!そう返すと直樹さんは暫く考えた後高校行きに賛成してくれた。祠堂さんと太郎丸も付いていくことにしたようだ

 

「じゃあ夜が明ける前に動こう。ここから出る前に食料品フロアの缶詰めとか入れたいから大きいリュックとか無いかな?」

「それなら何個かあったと思うけど残ってるかな……」

 

 今だ燃えている火事現場の近くを探すと大きいリュックが一つだけ見つかった。ちょっと煤けてるけど十分だ

 

 食料品フロアで缶詰めとかペットボトルとか小分けされたドーナツとかを詰めれるだけ詰めたらモール正面に停めた車に乗ってリバーシティ・トロンを後にする

 

「あの、ライトは消した方がいいと思うんですけど」

「ごめんね、ライトを消しちゃうと見落としちゃう事があるかもしれないから消せないの」

 

 私の言葉にハテナマークを浮かべてそうな表情をする直樹さん。多分すぐにさっきの言葉の意味を知ると──あ、いつも唸り声を上げてる白い人型のお化けだ

 

「ひっ!な、なんですかさっきの!?」

「お化けだよ。昨日からこの巡ヶ丘にも現れ始めたの。詳しい説明は後でするね」

 

 数々のお化け達を撥ねながら進む道中にガソリンスタンドが見えたから寄っていこう。車の燃料も少なくなってきたしね

 

 道路を挟んだ向かい側に頭が回転してるお化けが居る。周りにゾンビは居ないしお化けは多分こっちに気付かないしそそくさと給油を済ませたら車内に戻って休息することにした

 やっぱり片腕で運転をするのは疲労が貯まるなあ

 

「さっきから出てくるゾンビ以外のあれは何なんですか?お化けって言ってましたけど」

 

 クーラーボックスから取り出したアイスを舐めながら直樹さんが訪ねてきた。るーちゃんみたいに素直に信じてくれるかな……いや、現にその目で見ただろうし信じてくれるよね

 

「そうだよ、あれはお化け。多分捕まったら死んじゃう類いのやつ。夜本一市にしかいないと思ってたんだけど昨日から現れ始めたの。理由は分かんない」

 

 お化けの種類と性質を一通り話した後休息を終えてまた走り始める。それから1時間ぐらいお化けやゾンビ達を撥ねながら進んでようやく高校に辿り着いた

 

 三階の窓から四人の人影が手を振ってるのが見えた。ここにも生存者がいたんだ。良かった

 

 ゾンビ達を何体か撥ねながら校舎入口近くに停めて直樹さんにクーラーボックスを、祠堂さんに大きいリュックを持ってもらって校舎内に入った

 

「お前ら!こっちだ!」

 

 校舎に入ると手を振っていた人影の内二人、紫色の髪にツインテールでシャベルを持った女の子と薄ピンク色の髪に所々ウェーブがかかったロングヘアーで先の尖った棒を持った女性がゾンビ達を倒しながら私達を案内してくれた

 

 一階と二階を繋ぐ踊り場に机と紐で出来たバリケードがあって最初にるーちゃん、次に直樹さんと祠堂さん、その次に私とツインテールの女の子とロングヘアーの女性の順でバリケードを越えた

 

 こうして私達は一先ずの安全圏と呼べる巡ヶ丘高校にたどり着いた。この騒動が始まってからもう四日目になる。世界ががらりと変わってしまって、それでも私達は生きている




そういえばユイちゃんってハルちゃんと縁を切られてもその存在まで無くなった描写は無いんですよね

あっ、ふ~ん(察し)


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四日目

 あの世からユイちゃんを取り戻す話書きてえなあと思ったので初投稿です

 そういえばなんでRTA(風小説)って毎回冒頭に初投稿ですって書くんでしょうね


 原作組と漸く合流したRTA始まります

 

 現在地は2ーB、みーくんのクラスですね。そこにソファーを置いただけの簡易休憩所で休んでます。お、KRM姉貴とめぐねえがやってきましたね

 KRM姉貴はシャベルを構えてこそいないものの一応警戒してるみたいですね。無防備晒してるめぐねえも見習って?

 それはともかく。ヘイめぐねえ!その大きな母性で私を包んでよ!ダメ?そっか~(ションボリ)

 

「これから歓迎会をやるんだけど、どうかしら?」

 

 おや?どうやら歓迎会の準備ができてるようですね

 この歓迎会イベントは物資に余裕があって新入部員が来ると起こるイベントでキャラ全員との好感度がちょっと上がるそこそこうま味なイベントです

 

 ハルちゃん達が振る舞われた料理を頬張ってるのを背景に巡ヶ丘高校名物、SAN値直葬アイテムとして(悪)名高い職員用緊急避難マニュアルと今後についてお話しましょうかね

 

 数々の走者兄貴達をガバに叩き込んだマニュアルですがこのチャートでは処分するために動くとかそんなことは一切しません。出来ないと言うべきですかね?

 なんせ三日目の昼、つまり昨日めぐねえに読まれてますからねえHAHAHA!え?正気度ガバ起こしてるので再走どうぞって?

 

 再走なんか必要ねえんだよ!だって覚醒状態ですし?正気度はそりゃあ減りますが問題視するほどのものでもありません。デメリット君、息してる?

 

 そんなわけでマニュアル処分をチャートに組み込んで走るより好感度稼いだ方が遥かに良いんですね。さすがめぐねえ!略してさすめぐ

 

 次に今後についてですが。全員との好感度を稼げるだけ稼いで14日目のカプコン製ヘリの到着(墜落)を待つだけです

 ヘリ襲来の条件となるお手紙を9日目に飛ばせば来るのでそれを忘れなければ後は自由!チャートの存在意義が序盤終盤しか無いのホント笑っちゃうんすよね

 

 んじゃ歓迎会終わったし好感度稼ぎしますか

 選択肢として3日後に迫る雨の日に備えてバリケード強化とかも有り寄りの有りですがぶっちゃけしなくてもいいです

 なんせこっちは対人型特攻の最終兵器さんを呼べるんですから備える必要すら無いヌルゲー状態なんですよね

 

 まあ私がまだこのゲームに慣れていなかったときに一回呼んだだけでそれ以降は呼ぶ程の危機に陥りませんでしたし、今回も呼ばずに乗り切れるでしょ(楽観視)

 

 では、るーちゃんと遊んで好感度稼ぎ兼メンタルケアをしましょう。るーちゃんとの好感度が上がればりーさんとの好感度も上がるので一石二鳥でうん、おいしい!

 それじゃるーちゃん、お絵かきしよう!いつの間にかハルちゃんのノートとクレヨンを持ってますね。何を書くのかな?

 

 完成したみたいですね。これはハルちゃんですかね?後ろにある赤い糸が意味深感出してていいゾ^~これ。これは部室に飾っておきましょうね~

 

 お?もっとお絵かきする?良いっすねえ!

 

「あの、夜廻さん」

 

 ん?小声でどうしたんやみーくん

 

「夜廻さんの左腕が無いのってもしかしてお化けが関係してますか……?」

 

 それ今じゃなきゃダメ?(赤いきつねと緑のたぬき)。左腕に関しては事故と言っておきましょう。無駄にオカルトに突っ込ませる必要もありませんしね。それに強ち間違いじゃ無いと思うんですよ

 こんな神秘が薄れ神が尽く消え去った時代でそれでも残った神に目をつけられる事自体が事故みたいなもんですし

 

 るーちゃんのお絵かきが終わったみたいですね。これは……学園生活部とハルちゃんるーちゃん圭ちゃんみーくんの絵ですね

 非常に丁寧丁寧丁寧に描かれていて素晴らしい、+8888点(子供に激甘)。これも飾りましょうね~

 

 お次は屋上に行くようですね。りーさんの手伝いをするのかな?

 

 りーさんオッスオッス!お、KRM姉貴もいるじゃないっすか。菜園の手伝いに来ましたよ!

 

「おいハル、大丈夫か?無理そうなら手伝うぞ?」

 

 大丈夫だって、平気平気。伊達に右腕だけで生きてませんからね。筋力はそこそこあるんで肥料ぐらい運べますよ、ほらこの通り

 

「おー、意外と力持ちなんだなお前……」

 

 菜園の手伝いを終わらせたらもう昼ですか。お昼ご飯の時間ですねえ!

 (料理が来るのを)もう待ちきれないよ!早く出してくれ!

 

 今日の昼ご飯は旬の野菜入りカレーですか。あぁ^~いいっすねぇ~。おかわりが無いのが残念ですがまま、ええわ

 

 ふぃ~。お腹満たしたし次は……ん?お昼寝?ホントゆきちゃんは子供っぽいですね、みーくんに指摘されてますよ?

 まあお昼寝自体は悪くありませんね。夕方頃まで時間を飛ばせますし寝る時に隣にいるキャラの好感度が上がりますし寝といて損は無いです

 

 早速空き教室に寝袋敷いていざ夢の世界へ

 

 おん?なんだこのシーン?ははーん、さては夢イベントだなオメー(PP子)

 夢イベントとは眠った時に低確率で起こるイベントで何かしらのスキルをLv1固定かつ強化不可というデメリットがあるものの習得する事ができるうま味なイベントです。もちろんハルちゃんも夢イベントによってスキル習得が可能です

 メイプルちゃん並にぶっ飛んだ強化くーださーいな!シロップちゃんの甲羅に乗って空中回遊したい、したくない?私はしたいです。景色と風が気持ち良さそう

 

 場所は見たところ山道ですかね?周りの景色がほぼ白一色なんで確定は、ダメみたいですね

 

 とりあえず先に進んでみましょう。にしてもどこかで見たような気がするんだよなあ?

 

 あら、行き止まりですか。では引き返して……誰だあの子?輪郭すらぼやけて誰なのかは判りませんが何か言ってるみたいですね

 

『──。──……───』

「──て!お─て!起きて!夜廻さん!」

 

 うえわぁ!?め、めぐねえ?いきなりそんな画面一杯に写らないでくださいよビックリしたなあもう!

 

「大丈夫ですか夜廻さん?魘されてたけど……」

 

 あー、あの夢のせいですかね。結局あの夢は何だったんだ?スキルも習得できてないみたいだし……まあ気にしてもしょうがないしやるべき事やりましょ

 

 と言っても晩ご飯食べてシャワー浴びて寝るだけなんですけどね!大して見せ場も無いので今回はここまで!以上!皆解散!次回も日常回だから見とけよ見とけよ~

 

 

 

 巡ヶ丘高校に辿り着いてまず真っ先に休ませてほしい、そうお願いしたらすっかり空き教室になってしまった2ーBに通され机と椅子の代わりに置いてあるソファーに腰掛けた

 

「私達、生きてるんだよね?美紀」

「ちゃんと生きてるよ、圭」

 

 祠堂さんと直樹さんが隣で互いの温度を確かめあうように抱き付いている。もしユイが生きていたら私もああしていただろうか?

 

 私もるーちゃんをぬいぐるみみたいに抱き締めていると私達を案内してくれたあの二人がやってきた

 女の子の方は私達を警戒してるみたいだけど背中に背負ったシャベルを構えてないのを見るにそこまで危険視されてないのかな?

 

「まずはお疲れ様。私は佐倉慈、この学校で教師兼学園生活部の顧問をしているわ。そしてこの子は」

「恵飛須沢胡桃だ。めぐねえと同じ学園生活部所属で戦闘担当ってところかな?」

「めぐねえじゃなくて佐倉先生、でしょ?」

 

 佐倉先生に恵飛須沢さんか。そういえば巡ヶ丘高校の名物教師の名前が佐倉先生って誰かが言ってた気がする

 自己紹介してくれたんだし私達も自己紹介しないとね

 

「自己紹介ありがとうございます。私は夜廻春です、この子は若狭瑠璃ちゃん」

「2Bの直樹美紀です」

「美紀と同じクラスの祠堂圭です」

「夜廻さんに瑠璃ちゃんに直樹さん、祠堂さんね。これから歓迎会をやるんだけど、どうかしら?」

 

 歓迎会か。参加しない理由は無いよね。参加する旨を伝えると佐倉先生は嬉々とした表情で『学園生活部』と書かれた紙が張ってある生徒会室に案内してくれた

 

「お、佐倉先生。もう歓迎会の準備できてるよ」

 

 生徒会室に入ると可愛らしい文字で歓迎会と書かれたホワイトボードと首にチョーカーを付けたちょっと派手な見た目の女子生徒が座っている

 

「さっきぶりだね。私は柚村貴依。これからよろしく」

 

 椅子から立ち上がり人懐っこい笑顔を浮かべた柚村さんが差し出した手を握り返す。私の後にるーちゃん、祠堂さん、直樹さんと握手をした直後に不思議な形の帽子を被った女の子と若狭先輩がやってきた

 

「みんなおはよー!あれ?その人達誰?」

「もう、起きたときに説明したでしょ?今朝この学校に来たって」

「ん~と、つまり新入部員ってこと?」

 

 入部するとは言ってないんだけどなあ……。でも片腕のせいで部活に入ったこと無かったしこれを機に入部するのもありかな

 

「さあ皆座って。今日は歓迎会だから張り切って作ったわ!」

 

 テーブルの上には色とりどりの料理が並べられていてとても食欲をそそられる。全員席に座りいただきますと言って箸を伸ばし始める

 

 佐倉先生が作ったであろう料理達は瞬く間に消えていって直ぐに食べ終わってしまった。もう少し食べたかったな……

 

 食事を終えて改めて全員の自己紹介をして、今はるーちゃんのお絵かきを見守っている。どうやら完成したみたいだ

 

 私を描いたみたいだけど背後に描かれてる赤い糸はいったい……?

 

 私の困惑はお構いなしにるーちゃんはその絵を描いたページを丁寧に破り部室の壁にテープで張り付け、そして次のページにまた何かを描き始めた

 

「あの、夜廻さん」

 

 突然直樹さんが小声で話しかけてきた。そんな神妙な面持ちでどうしたのだろうか?

 

「ずっと気になってたんですけど、夜廻さんの左腕が無いのってもしかしてお化けが関係してますか……?」

 

 驚くほど深く踏み込んできた質問に少し冷や汗が出る。さすがにあの夏の夜の出来事は話せないし誤魔化すしかないよね

 

「左腕は……昔事故に遭っちゃって、それで無くなっちゃったの」

「そ、そうでしたか……。すいません、辛い事を思い出させてしまったみたいで……」

「大丈夫だよ、もうかなり昔の事だから」

 

 それでもあの日起きた出来事は忘れない、ユイを助けられなかった戒めとしてずっと抱えて生きていく。そう決めたから

 

 不意に袖を軽く引かれる。どうやらお絵かきが終わったみたいだ

 自慢するみたいに掲げられたノートのページには学園生活部の人達とるーちゃんを含めた私達が描かれている

 

「上手だねるーちゃん、それも飾るの?」

「(満足気に頷く)」

 

 さっきと同じように丁寧に破いて壁に張り付けたるーちゃんは部室から出ると屋上の方へと向かった。確か屋上には若狭先輩が居るはずだし多分若狭先輩に会いたいのかな?

 

「るーちゃん!それに夜廻さんも。どうかしたの?」

 

 屋上の扉を開けると若狭先輩とくるみさんが菜園の土をいじっていた

 

「るーちゃんが若狭先輩に会いたかったみたいで。ついでに菜園のお手伝いをしようかなって」

「あら、助かるわ。それじゃああそこにある肥料を……運べるかしら?」

「おいハル、大丈夫か?無理そうなら手伝うぞ?」

 

 右腕しか無いからなのか心配そうな先輩達だけど問題無い。伊達に右腕だけで生きてないよ

 肥料が入った袋を軽々持ち上げるとくるみさんから驚嘆の声が漏れた

 

「おー、意外と力持ちなんだなお前……」

 

 あの重そうなシャベルを軽々振り回すくるみさんには及ばないけどね。なんて事は言わず肥料を運んだ後もるーちゃんと一緒に菜園の手伝いをしていると佐倉先生がお昼を告げに来た

 

 お昼ご飯は野菜入りのカレーだった。新選な野菜のシャキシャキとした食感と甘辛いルーがとても美味しい

 数分間続いたシャキシャキと音が鳴る空間が終わって各々が動き出そうとしたとき丈槍先輩が何かを思い付いたのか勢いよく手を上げた

 

「お昼寝!しよう!」

「急に何ですか昼寝って……。こんな状況でそんなことしてる場合じゃないでしょう。そもそもゆき先輩は少し子供っぽすぎます!」

「そんな!?ひどいよみーくん!こんなに良い天気なんだしお昼寝しようよ~」

「そうだな、たまには良いんじゃないか?ここ最近はずっと動いてばっかだったからな」

 

 まさかのくるみさんからの援護に更に佐倉先生からの許しもあり空き教室に人数分の寝袋を敷いて寝ることになった

 

 気付くとどこか懐かしさを感じる山道にポツンと立っていた。周りの景色は白一色でよくわからない場所だ

 

 とりあえず先に、そう思って進んでみたものの行き止まりに当たって引き返そうとして振り返ったとき居るはずの無い少女が居た

 輪郭がぼやけていてハッキリとは言えないがそれでも分かる。あれはユイだ

 

 夢とはいえまたユイに会えた喜びから抱きしめようとしたけど見えない壁に阻まれてユイの元に行けない。なんで、夢の中でくらい触れさせてよ……

 

『ハル。ハル……ごめんね』

 

 止めてよ、そんな悲しそうな顔しないで。待って!どこに行くの!?置いていかないで、私も……連れてってよ!

 

「──て!お─て!起きて!夜廻さん!」

 

 ハッと目を開くと佐倉先生が心配そうに私を見ていた

 

「大丈夫ですか夜廻さん?魘されてたけど……」

「え?あ、いえ、大丈夫です。多分怖い夢でも見ちゃったんだと思います」

 

 窓から映る夕焼けの景色が大まかな時刻を知らせている。もうじき夜が来て、また朝日が昇るだろう

 

 でも私に夜明けは訪れない、訪れてはいけない。私の罪が償いきれるまで私の時間は夜を廻り続ける

 

 ちょっと長すぎた昼寝から目覚めた後は皆と交流しつつ晩御飯を食べてシャワーを浴び、寝袋に入り四日目を終えた



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五・六日目

 シャンフロ現在公開分全部読み終えたので初投稿です。竜災の大乱闘感と冥響のオルケストラ戦すこ×3

 そう言えばコトワリ様って誰かと誰か、誰かと何かとの縁か物理的なものしか切れないみたいですね


 そろそろゾンビラッシュが来るRTA、やっと……始まるんやなって

 

 起床して朝ご飯を食べ終えて媚売り(ジュース&ドーナツ献上)したら二階にある家庭科室(服が置いてある方)に行きましょう。この家庭科室(服が置いてある方)には衣類が置いてあり色々オシャレな服をゲットできます

 オシャレは大事、ハッキリわかるんだね~

 

 本来ならKRM姉貴かめぐねえの同伴がないと来れないしRTA的にも行く必要は無いのですがこのチャートはRTAにあるまじき自由度の高さが売りポイントですし今回は何故か二階まで制圧済みなので折角ですし探索しましょう

 何か良いのないか探すぞ~

 

 ん?こ、これはもしや『冥桜(めいざくら)の着物』じゃないですか!およそ3%の確率でしか置かれないというレアアイテム!まさか本番中に出るとは思いませんでしたね

 

 この冥桜の着物はめぐねえ専用衣装で着るとめぐねえの彼らの索敵範囲及び精度が少し上昇するという効果を持つ装備ですね。見た目は某冥界の姫君が着てるあれに近いです

 着たときの違和感が無さすぎて逆にふよふよ漂う白い人魂が無いのが違和感と言われるほどのシンクロ率、見せてもらおうではないですか!

 

 というわけでめぐねえこれあげる!早速着替えてきて

 

 結論から言えば確かに白い人魂が無いのが違和感に感じるほど似合いすぎてますね。めぐねえ幽々子様の生前説が浮上するのも無理ありませんねこれは

 

 できればずっとその姿の方が目の保養に……恥ずかしいからダメ?そこをどうにか~、断固拒否?私の目の保養が~(シクシク)

 

 えー、気持ちを切り替えまして。へい圭ちゃん!みーくんとは上手くいってるかい?お、ピアノ演奏してるじゃないっすか!私にも教えてくれよな~、頼むよ~

 

「え?ピアノを?まあいいけど」

 

 みーくんが嫉妬するほどの密着(意味浅)ピアノ教室を受けたのでスキル『ピアノ演奏Lv1』を習得、できません(は?)。他のキャラなら習得できますがハルちゃんは右腕しか無いからね仕方ないね

 

 ん、みーくんと太郎丸が来ましたね。ここで皆様に隠していたとある縛り、というか拘りを話しましょう

 

 それは──圭みー百合カップル成立縛りです!文字通り圭ちゃんとみーくんを恋人同士にする縛りですね。方法は単純、プレイヤーが二人に干渉してから圭ちゃんとみーくんだけの砂糖の如く甘い花園空間をゲーム内時間で累計5時間維持させ続けることです

 長いように思えますが一度二人きりにしてしまえば後は圭ちゃんが積極的に二人きりになろうとしますから案外簡単な条件です

 

 このハルちゃん使用RTAのチャートを組んでるときに息抜きにトロフィー『二度と離れない赤いリボン』獲得RTAをしましてね、それのエンドを見てから魂がユイハルを、百合を求め始めたので縛りに追加しました。百合はてぇてぇ

 

 では二人が甘い空間を形成しつつあるのでこの百合フィールドから退散しましょう。二人ともお幸せに!(未来視)。ほら太郎丸も行くぞさっさと来いホイ!

 

 次は何をしま──「あぁぁぁあぁぁぁぁぁぁあああ!!!!」──なにごとぉ!?

 

 ど、どうしたんだいKRM姉貴!?階下の彼ら達も驚きそうな絶叫を上げて!

 急いで部室に駆け付けドアを開けるとなんとそこには無惨にも苦悶の表情を浮かべ倒れているKRM姉貴が!

 

 し、死んでる……!誰がこんな惨いことを!こ、こんな所に居られるか私は帰るぞ!(フラグ)

 

 はい、一人茶番なんて虚しいことはやめましょう。KRM姉貴が気絶した原因はテーブルに置かれてる缶詰めを見れば分かる通り麻婆豆腐愉悦味が原因です

 

 この愉悦味、特殊効果がシンプルで朝食べると夜まで、夜食べると朝まで意識を吹っ飛ばし(気絶させ)てくれる缶詰めです。いったいどこの神父が作ったんでしょうね

 ちなみに出現率はおよそ10%

 

 これだけ見るとデメリットだけやんけほんま使えんわあほくさと思いの兄貴姉貴達はもう少し話を聞いてくださいな

 この缶詰めは確かに通常プレイ及びRTAではデメリットにしかならないでしょう、しかし!このチャートにとってはメリットなのです!

 

 それはなぜか?単純です。イベントとか言うテキストの塊とシーンをすっ飛ばして時間を飛ばせますからね。特に極論言えば好感度調整とか必要ないこのチャートだからこそメリットになるアイテムと言えますね

 

 では太郎丸とゆきちゃんとるーちゃん以外で一口づつ食べれば完食できるので──いざ実食!

 

 おはようございます(外は夜)。気絶してる皆々様を起こして晩御飯食べたらシャワー浴びて寝て五日目終了!こんにちは六日目!

 

 さて雨の日直前の六日目ですがここで朝食後に固定イベントが差し込まれます。その名も──

 

「皆さんに見せなければいけないものがあります。これを」

 

 ──職員用緊急避難マニュアル公開イベントです

 

 あぁ^~るーちゃんを除く全員の正気度がガリガリと削れる音がするのぉ^~

 

「めぐねえ……これ、どういうことだよ?めぐねえはこの事を知ってたのかよ!?」

 

 KRM姉貴が微発狂状態になったらめぐねえの弁護をしましょう。弁護人は異議を申し立てます!

 めぐねえはこのマニュアルの存在を知ってても中身までは知らなかった可能性がある!表紙に緊急事態以外での開封厳禁とありますからね

 つまりめぐねえは今回の事態に関わっておらずむしろ被害者と呼べる立場ではないでしょうか?

 

「確かに、そうだけどさ……」

 

 それにめぐねえがこんな大災害染みた事に協力するとでも!?あのおっとり母性全開めぐねえが!?全力で甘えたいランキング一位(私調べ)のめぐねえが!?

 

「……そう、だよな。めぐねえがこんなことに関わるわけないよな。ごめんめぐねえ」

 

 二人は仲直りのハグをして和解。めぐねえの母性にオギャってるKRM姉貴には悪いがこれからどうするか言わなくていいんですかね?

 

「これから一階を制圧してこの地下区画に行こうと思うの。どうかしら?」

 

 勿論YES一択です。一階を制圧するのは地下区画に安全に行けるようになる上に明日の雨の日の彼ら大行進の速度を遅らせ下校放送が効くようになるまでの時間稼ぎができますからね

 ちなみに三階しか制圧できてない場合はめぐねえと二人でスニークミッションになります。段ボールは効かないのでご注意を

 

 ハルちゃんレーダーが活躍するから見とけよ見とけよ~

 え?私お留守番ですか?いやそれはご勘弁を!やだやだ私も連れてって連れてって~!(駄々っ子)。後衛でも活躍するハルちゃんレーダーを連れていきましょ?ね?ね?

 

 危なくなったら撤退するがそれでも良いなら?

 や っ た ぜ 。 二人がガバったらハサミで援護するんで早速行きましょー!まあKRM姉貴とめぐねえがガバった所なんて見たことないんですけど念のためね

 

 特にミ・ドコロ=サンが無かったため倍速しましたが一階の見回り一通り終了確認ヨシ!(現場夜廻少女)。今回は良い乱数を引きましたね、総計13体と三番目に彼らが少ないパターンでした。んじゃりーさん達呼んでバリケード作りますかね

 

 るーちゃんが喋れるようになったり圭ちゃんとみーくんの距離が更に縮まってるのを確認しながらバリケード構築工事完了です。一階は靴置き場近く、職員・来客用玄関、渡り廊下の三ヶ所に置けば彼らの侵入を防げます

 

 次は地下区画です。ゆきちゃんがスイッチを押して明るくしてくれたのでまずは備蓄品の確認をしましょう

 たまーにここに逃げてきた存命中首吊り死体さんがワクチン使ったりしますからね

 今回は特に使われた形跡も無いので安心しました

 

 さてお次は冷凍庫です。そうですね、お肉が冷凍保存されてる冷凍庫ですね。クーラーボックスに中身入ってなけりゃモールの時に確保できてたんだけどなあ(悔しい)

 

 というわけで今日のお昼ご飯はステーキになりました~、パチパチ~(拍手喝采)。(久々のお肉は)うん、美味しい!

 肉類を使った料理は正気度回復効果が高いし美味しいしで一石二鳥です。まあ正気度と精神力が極端に低くなってたらリバース(バフデバフ逆転)しちゃうんですけどね

 

 食事を終えたら菜園の様子でも見ますかね

 

 来ましたよ屋上に。菜園異常な~し。空には曇天地には歩く屍。空模様以外はいつも通りだな!

 

 では明日がいよいよがっこうぐらし!における最難関と呼ばれる雨の日ですのでここら辺で終わりにいたします

 次回はハルちゃん活躍回だから見とけよ見とけよ~

 

 

 

 五日目の朝。昨日の夢をまだ少し引き摺りながらも私は部室のイスに座った。既に皆座っていて私が最後だ

 

「ハルちゃん大丈夫?顔色悪いよ?冷えピッタン貼る?」

「大丈夫ですよ丈槍先輩、目覚めが悪かっただけですから。それより朝ごはん頂きましょう」

 

 今日の朝ご飯はテーブルに置かれた缶詰めからどれかを選んで食べる形式みたいで私は鯖の味噌煮を選んだ

 

 朝食後に部室に置いたクーラーボックスからジュースを、リュックからはドーナツを取り出して皆に配ってデザートタイムを楽しみ終えた私は特にすることも無いので家庭科室を訪れてみた

 

「なんだろうこれ……桜、かな?」

 

 家庭科室の奥にひっそりと置かれていた着物は薄紫色を主体に桜の花びららしきものが所々に描かれていて目を奪われるほど綺麗だ。でもサイズ的に私は着れない。佐倉先生なら着れるかな?

 

 片手でバリケードを越えながら着物を持っていくのは結構大変だったけど何とか持ってこれた

 

「あら?夜廻さん、その着物は……?」

「家庭科室で見つけて佐倉先生に似合うかなって思って持ってきました」

 

 丁度良く廊下を歩いていた佐倉先生に早速着物を渡して着るようお願いしてみたら案外あっさりと了承してくれて廊下の向こうにある職員用更衣室に入って数分するとあの着物を纏った佐倉先生が出てきた

 

「めぐねえ!その着物どうしたの!?」

 

 私の背後から丈槍先輩の明るいながらも驚きが含まれた声が聞こえてくる

 

「めぐねえじゃなくて佐倉先生でしょ。この着物はさっき夜廻さんから貰ったの。似合ってる……かしら?」

「すっごく似合ってるよ!お姫様みたい!」

「お、佐倉先生イメチェン?どこかのお城のお姫様みたいだね」

「服一つでこうも印象変わるのすごいな……」

 

 照れる佐倉先生と褒めちぎる丈槍先輩。その声に反応したのか柚村先輩やくるみさんがやって来て丈槍先輩と同じように褒めていく

 

「や、やっぱり何時もの服に着替えてきます!」

 

 褒められ続けて恥ずかしくなったのか顔を赤らめた佐倉先生はものすごい速度で更衣室に入ってものの数十秒で出てきた。しかし顔は赤いままだ

 

「え~、さっきの着物すごく似合ってたのに~。もう一回着てみようよめぐねえ」

「そうだよめぐねえ、一日ぐらい着てみようぜ?」

「私も賛成」

「着ません!」

 

 佐倉先生と丈槍先輩達のやり取りを微笑ましく見守っていたらどこからかピアノの音が微かに聞こえてくる。ピアノと言えば音楽室かな

 

 音楽室に行ってみると圭さんがピアノを弾いていた

 

「ん?あ、ハルちゃん。何か用かな?」

「ピアノの音が聞こえてきたから来てみたの。……圭さん、私にピアノの弾き方を教えてほしいんだけど、ダメかな?」

「え?ピアノを?まあいいけど。とりあえず隣座って」

 

 その後数十分間ピアノ教室を受けてみたけど右腕しか無いからあまり上手く弾けずピアノ教室はおしまいとなった。やっぱり右腕だけで演奏するのは無理みたい

 

「あ!美紀!」

 

 圭さんの声と視線に釣られて振り返ると直樹さんと太郎丸が立っていた。直樹さんを見る圭さんの視線に何か……熱が籠ってる気がする?

 

 私の反対側に座った直樹さんの手を握っている時の横顔が明らかに恋をしてる人のそれだ。これはもう確定的としか言いようがない

 圭さんは直樹さんに惚れてるんだ。なら邪魔しないようにしようかな。ほら行くよ太郎丸

 

「わんっ」

 

 太郎丸を連れて音楽室を出たのは良いけど何をしよ──「あぁぁぁあぁぁぁぁぁぁあああ!!!!」──うわぁ!?

 

 叫び声の発信地、部室のドアを開けるとくるみさんが苦悶の表情を浮かべて仰向けに倒れていた。一体何が!?

 

「くるみさん!?何があったの!?」

「くるみちゃん!?」

 

 少し遅れてやってきた佐倉先生と丈槍先輩にくるみさんの介護を任せ私はくるみさんが倒れた原因であろう缶詰め、開封済みの麻婆豆腐愉悦味をどうしようか考えている

 捨てるのは勿体無いしでも完食は……いや、幸い量は少ないから絶叫を聞き付けてやってきた若狭先輩達が一口づつ食べれば完食できる?

 

「これ、一口ずつ食べれば完食できそうですけどどうしますか?」

 

 思わず震え声になりながらも訪ねてみた。さすがに一人では食べきれるとは思えない

 

「ひ、一口だけなら」

「そうね、一口。うん、一口ぐらいなら」

 

 まずは一番手としてスプーンを持つ手が震えるのを必死に制御しながら口にした

 

 ──ハッ!?あ、あれ、私……何をしてたんだっけ

 

 立ち上がって懐中電灯の明かりを点けて周りを見渡せば既に暗い空、死屍累々の様相を呈しながら倒れているくるみさん達

 佐倉先生に抱き付きながら寝ている丈槍先輩、丈槍先輩と同じように若狭先輩に抱き付きながら寝ているるーちゃん……。その近くで丸くなっている太郎丸

 

 そうだ、確か愉悦味を口にして……。缶詰めの中身を確認するとしっかりと空になっていた。本当に量が少なくて良かった……!

 

 その日の夜は皆を起こしたり晩ご飯の味がかなり感じにくかったりなハプニングがありながらも五日目が終わって朝が訪れた。もう少しで一週間も経つんだね

 

「皆さんに見せなければいけないものがあります。これを」

 

 朝食後、佐倉先生が覚悟を決めた様な顔をして所々赤く汚れたファイルをテーブルに置いた。表紙には『職員用緊急避難マニュアル』と書かれてある

 内容には今回の事態は想定されていてこの巡ヶ丘高校はある種避難所として設計されていると書かれていた

 

「な、なんですかこれ……。細菌兵器?それにこの事態を想定してたって」

「めぐねえ……これ、どういうことだよ?めぐねえはこの事を知ってたのかよ!?」

 

 責めるような目と口調のくるみさんに佐倉先生は何も返さずただ受け入れるように佇んでいる

 ほんの少しの間しか関わってない私が言うのも変かもしれないけど佐倉先生はこんな事に手を貸すような人物じゃないと思う

 

「待ってよくるみさん、私は佐倉先生がこの事態に関わってるとは思えないよ。それにこのマニュアルの表紙、緊急事態以外での開封は厳禁って書いてあるし」

「確かに、そうだけどさ……」

「もしかしたら佐倉先生も悩んでたんだと思う。生徒達を守るべき学校がこんな事を想定してて、それも大多数を見捨てるのを前提に作られたなんて。きっと責任は全部自分にあるなんて、思い詰めて悩み続けて……その結果例え責められるとしてもこのマニュアルの事を打ち明けてくれたんだと思う」

 

 私も一時期ユイを助けられなかったって思い詰めてた頃があったから何となく佐倉先生の苦悩も分かるような気がする

 

「……そう、だよな。めぐねえがこんな事に関わるわけないよな。ごめんめぐねえ。めぐねえの気持ちも考えないで責めちゃって」

「ええ、いいのよ恵飛須沢さん。私にも責任の一端はあるもの」

 

 慈愛の表情を浮かべた佐倉先生がくるみさんを抱きしめた。さっきまでの沈んだ空気が少し和らいだ気がする

 

 それから暫くしてくるみさんを離した佐倉先生が緊急避難マニュアルの地下区画を指して一階を制圧してからそこに行くことを提案して皆賛成してチームが組まれた。くるみさんと佐倉先生と私だ

 

 私が参加するのに反対されたけどくるみさん達の後ろにいること、危なくなったら即撤退して私を外すことを条件に説得して私達は一階に向かった

 

 一階制圧作戦は……特筆することもなく無事に終わった。ゾンビ達の数が少なかったからだ

 不気味なくらい少なすぎる気もするが、多かったらそれはそれで困る

 

 そして今は若狭先輩達を呼んでのバリケード作りの終盤に差し掛かっている。紐で机同士をキツく結んで完成!これで校舎全体が安全圏になったかな。さて次は

 

「ここが地下区画か……まさか学校の地下にこんな場所が本当にあるなんてな」

 

 機械室の奥。何故か置いてある机によって出来たシャッターとの隙間から入ってみると短い階段があってその先に通路がある

 

 懐中電灯を点けて探索しようと思ったら竹槍先輩がスイッチを見つけて明るくしてくれたから地下区画の探索がしやすくなった

 

「開けるわよ……!」

 

 地下区画を一通り探索して残ったこの少し霜が付いている大扉に佐倉先生が手を掛けた。その中には──

 

「いただきます!!」×9

 

「わんっ!」

 

 あの巨大な冷凍庫の中にはこれでもかとお肉の塊達が保存されていた。しかもそのどれもが高級肉の類いだ

 佐倉先生と若狭先輩の手によりステーキとなったお肉達は大変美味しいが素直に喜んで良いのか分からない。こんな事態にならなければ地下区画のこのお肉達は明かされなかっただろうからなあ……

 

 まあそれはそれとして久しぶりのお肉を堪能した

 

 食後、気分転換と菜園の見回りを兼ねて屋上を訪れ鉄製の柵に身を預けて巡ヶ丘市を見渡した

 相変わらず人の気配は無くて歩いているのはゾンビばかり

 頭上には今にも雨が降りそうな雲が巡ヶ丘市を覆ってそれが雨と一緒に不吉な何かも降らせるような、そんな気がした




 次回は雨の日ですが古神顕現やボク姫やマイクラやマイクラダンジョンズをするので失踪します
 どうか私を探さないで(家出風)

 博識兄貴のおかげで初投稿ですの元ネタが知れて良かったゾ。シンプルも極めれば誇りになるんやなって

 誤字報告兄貴もありがとナス!!チェックはしてるんだけどそれでも見逃しがあるのは仕方ないね(開き直り)


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七日目

 祈りの翼と英雄の歌を読んで号泣したので初投稿です
 少女に厳しいのは日本一ソフトウェアさんだけでいいんだよなあ……
 フアナちゃん……


 折り返し地点を迎えたRTAが始まります、視聴しますか?

 →【はい】【いいえ】

 

 遂に訪れました七日目。まずは校庭の彼らの集まり具合を窓から確認し──なんか多い、多くない?

 

「いつもより彼らの数が多い気がするわね……」

 

 やっぱめぐねえもそう思います?少し不安が残りますがまあこっちには神の御加護(ガチ)と一階制圧済みと言う安心要素があるのでまず全滅は無いと考えていいでしょう

 

 とりあえず朝ご飯食べません?クーラーボックス内の氷がちょっと溶け始めてるので冷凍食品を優先的に消費しましょう

 

 冷凍食品と缶詰めと炊きたてご飯で彩られた食事が終わったら午後に備えて休息でも……え?人生ゲーム持ってきたの?資料室から?えぇ……(困惑)。人生ゲームを何の資料として置いたんだよ生徒か職員。大丈夫かこの学校?

 まあこういった娯楽(トランプや屋上貯水槽を使った水泳等)で遊ぶのは正気度と精神力と疲労度を回復してくれるのでありがたいです。んじゃ早速やりますか!

 

 現在はマスの進み具合で言えば一位ゆきちゃん、二位るーちゃん、三位めぐねえ、四位私、五位同率でみーくん圭ちゃん、六位りーさん、七位チョーカー姉貴、八位KRM姉貴、外野太郎丸ですね

 

 次はみーくんのターンだぞ回せ回せー!お、一マス進んで一番近くの人と結婚マスに止まりましたね

 この人生ゲームにおける結婚は対象となるプレイヤーAのマスにプレイヤーBが移動し互いの所持金を使うことができプレイヤーAが三マス進んだ場合プレイヤーBも同じ数進む、逆も然りという特殊なルールになってます

 

「け、圭と結婚!?」

「わ、私が、美紀と……」

 

 あら~(龍宮院ウラン)。互いに見つめあっちゃってまあ。これは開花するのも近いですね

 百合の蕾を横目に私のターン!フルスロットル!6!やったぜめぐねえ追い越せますねえ!

 

 え?所持金半分……?え?

 

 ゆきちゃんの一位ゴールをもって人生ゲーム終わりました。順位は私が六位に落ちてりーさん圭ちゃんみーくんの順位が繰り上がった以外は変動無いですね。所持金半分を食らってなかったら三位に上がれてたと思うんですけど

 

 一回目が終わった後も三回程して一旦解散となりました。四回中四回とも圭ちゃんと結婚したみーくんには驚きましたね、早く本当に結婚してどうぞ

 

 そして今はめぐねえの提案で全てのバリケードの近くに妨害用アイテムの設置をしてます

 ピンポン玉を入れたバケツと水入りバケツですね。両方とも彼らの大群相手には活躍してくれるアイテムなので置いておいて損はないです

 

 設置し終える頃にはもう昼ご飯の時間ですね。お、うどんですか良いですねえ。もちもち食感と味噌の味がたまらねえぜ。やっぱりーさんの……料理を……最高やな!

 

 うどんを啜り終えたら会話イベントをこなしつつ校内を適当にぶらついて五時近くになると校外から彼らの群れがやってきて校庭の彼らと合わさって大群になり押し寄せてくるムービーが入ります

 雨宿りなら他の場所に行ってどうぞ(キレ気味)

 

 怒りは脇に置いといて彼らの進軍に気付いたKRM姉貴が一階からRTA走者並に疾走してきます。轟速のKRM姉貴(轟速の侵略者風)に付いていって部室に着いたら彼らラッシュ防衛戦の開戦です

 

 彼らラッシュ防衛戦の勝利条件は以下の二つ

 下校放送が効くようになるまで十五分間耐える耐久戦*1

 彼らの大群を全滅させる殲滅戦

 この二通りになります。オススメは耐久戦ですね、殲滅戦は余程戦力が整ってない限りオススメできません

 一番彼らの数が少ないパターンを引ければ殲滅戦も視野に入るでしょうが朝の校庭の彼らの集まり具合を見るに最小は引けてないみたいですね

 ちなみに一番頑丈な扉が使われていていざというとき逃げ込む場所になる放送室ですが二分程で彼らに破られるみたいです(Wiki参照)。残り時間には気を付けよう!

 

 めぐねえの指示で左側KRM姉貴とチョーカー姉貴、中央私とめぐねえ、右側圭ちゃんとみーくんとりーさん、放送室にるーちゃんとゆきちゃんと太郎丸の配置で彼らラッシュ防衛戦in一階の始まりです

 彼ら達の血でこのハサミを更に赤く染めて差し上げろ~?

 

 机と紐の隙間からハサミで彼らの首をギロチンすれば確殺がキまります。とは言え数が多すぎる!あー困りますお客様!密です!現在新型コロナウイルス感染症対策としてソーシャルディスタンス!距離を取ってご利用していただかないと困りますお客様!!店内はお客様一人の状況が好ましいのでお一人だけ残して後は去ってくださいお客様!!去れェ!!!

 

 めぐねえもモップで応戦してますがこれ後五分ぐらいしか持たないんじゃないんですかね?

 

「もう無理!崩れるわ!」

 

 発言から一分もしない内に右側が崩れちゃったよやべえよやべえよ……。とは言え四分程稼げたので残り十一分、バリケードは残り二つに加えてトラップアイテムも置いてある

 勝ったな(確信)。ハハハハハ!!

 

 まあそれはそれとして一ヶ所が崩れたらそこから彼らが雪崩れ込んで挟み撃ち食らってカニバられます、ですので一階は捨てて彼らラッシュ防衛戦in二階に移りましょう

 逃げる際にめぐねえが予め設置した水入りバケツの水を階段にぶちまけて滑りやすくしてくれるので便乗してペンライトも放り投げて囮にします

 

 彼らの足腰はおじいちゃんなので上るのは苦手な上に足場が濡れていれば高確率でスリップし上段であればあるほど階下に転げ落ちた際に逝く確率が高まります

 

 はい二階定位置に着きました。さっきの水濡れにした階段のおかげか今のところ彼らの数は少ないですね。しかし彼ら側には物量と言う圧倒的アドバンテージがあるので一分もすれば一階と同じように集まってきます。戦いは数だよ兄貴!

 数は数でも即死攻撃持ちを集めるなって、言わなかった!?逃走系ホラゲーじゃねえんだよこれは!いや分類上はホラゲーでしたわ

 

 えー、こちら中央班、かれこれ五分ぐらいギロチンしても一向に減る気配が無いっつーか寧ろ増えてません!?これもしかして最大の5000体を引いちゃいましたかね?あっ待ってお願いします軋まないでバリケード君!待って!お願いしますそんなに押し掛けないで待って!助けて!!お願いします!!あぁぁぁぁああぁぁぁぁぁあああ!!!

 

 ちくしょう!最終防衛ラインの三階にまで追い込まれした。逃げる際にめぐねえがピンポン玉をぶちまけたので更に便乗してペンライトを投げます

 ピンポン玉を踏んで転倒連鎖を起こしてますがそれでもこちらに来る数が多いですね。一生転倒し続けて床ペロしてろ、ぺっ!

 

 この物量相手に後六分くらい耐えなきゃいけないってマジ?ここまで追い詰められるのは想定外も外なんですけど!?もしこのバリケードが破られたら圭ちゃんがピアノを鳴らして彼らの気を引く所謂圭ちゃん保険が発動しますがこの物量が相手なのでもしそうなったら圭ちゃん生存は不可能と言うべきでしょう

 まあそもそも圭ちゃん保険の発動はキャンセルさせるんですけどね。自分を囮になんてしなくていいから(良心)

 

 おう隙間からこっちに手を伸ばしてんじゃねえよおら氏ね!往ね!手首チョンパからの首チョンパコンボォ!

 

 まああくまで破られたらの話で後五分ぐらい耐久すれば勝ちですし──おろ?バリケード君が軋む音が聞こえるのは……私だけでしょうか?

 

 えちょちょっちょ、えっちょっちょっちょちょちょ(Megalovania冒頭のリズム)

 

 あっあっあっ(痙攣)。ウッソだろお前後もう少し耐えろよ君なら出来る出来る!待って傾かないで!!

 

「わんっ!わんっ!!」

 

 ナイスアシスト太郎丸ぅ!!彼らが怯んだ隙に二本目のペンライトを投げて釣られた隙に二首ギロチン!後三分もある!?うせやろ!?あー!バリケードに張り付くのはお止めくださいお客様!!(主に私達が)危ないので商品で遊ぶのはお止めくださいお客様ッー!!

 

 最終防衛ラインすら突破されるとか想定外にも程があるんですが(狂いそう)。どうして本番に限ってこんなお排泄物乱数を引くんですかね。やっぱり乱数はクソ、ハッキリわかんだね

 

 めぐねえが圭ちゃん保険の発動すらキャンセルさせそうな迫力で放送室へ逃げ込むよう言ってますがまあそれをしたらめぐねえが原作通りになるのは目に見えてますよねえ?

 

 では今回は諦めてタイトル画面に戻って再走?まさか

 

 めぐねえ死亡状態で続行?あり得ない

 

 後ろにも行けず前にも行けず横は窓と放送室の扉のみ。残り二分二十三秒、つまりは詰み

 他のキャラであれば再走待った無しの盤面ですが、これ……ハルちゃん使用RTAなのよね

 

 どんな理不尽盤面だろうがひっくり返したらあ!!(流れ出すこんちきしょうめ(アニメOP曲))

 

 私のターン!ドロー!(唐突に始まるデュエルマスターズ)

 

 マナチャージはせずに5マナタップして『夜廻(よまわり)少女ハル』を召喚!ハルちゃん召喚時効果で山札からクロスギア『赤いタチバサミ』をサーチ&バトルゾーンに!

 

 そしてバトルゾーンに自分の『夜廻少女ハル』と『赤いタチバサミ』があるので条件達成!G(グラビティ)・ゼロ*2の効果で呪文『神を喚ぶ少女の声』を唱える!この呪文の効果によって山札から『コトワリ様』をサーチ!

 

 『神を喚ぶ少女の声』と同じ条件に加えて『神を喚ぶ少女の声』を唱えているので『コトワリ様』のG・ゼロ発動!バトルゾーンにある自分の『赤いタチバサミ』を進化元に『コトワリ様』を召喚!コトワリ様の召喚時効果で相手クリーチャー全部破壊してそのままダイレクトアタック!

 

 コトワリ様無双が終わると同時にめぐねえの下校放送が流れたので彼らラッシュ防衛戦、ギリギリですが勝利です!!

 ははっ!!あー生きてるぅ↑!!全員生きてるぅ!!二度と大群で押し寄せるんじゃねえ!(半ギレ)

 コトワリ様に感謝を告げたらまた彼らがリターンしてこない内にバリケード再構築しましょうか

 

 ところで疑問なんですが彼らの群れの中にスーツ姿の奴とかちらほら居たんですけどあいつらはどこに行ったんですかね?学生彼らの帰宅に流れて一緒に帰ったとか?まあどうでもいいですね、大事なのは今だ今!

 

 パパパっとバリケード構築して、終わり!後は難所と呼べる場所は(乱数の女神の機嫌しだいですが)無いのでコトワリ様を見て正気度が減ったみーくん達のケアをしながら十四日目を待つだけですね

 では、雨の日を乗り切ったのでここら辺で終わりにいたします。次回は生存力極振りのとある人物を確保するから見とけよ見とけよ~

 

 

 

 昨日と同じ曇り空、なんとなく部室の窓から校庭を見下ろしている。なんだかゾンビ達の数が増えてる気がするような?

 

「いつもより彼らの数が多い気がするわね……」

「やっぱめぐねえもそう思う?バリケード強化とかしとく?」

「そうねえ……もうすぐ丈槍さんとるーちゃんが起きてくるだろうしバリケードの強化は朝ごはんを食べてからにしましょうか」

 

 噂をすれば影と言うべきか丈槍先輩とるーちゃんが若狭先輩の付き添いのもと部室の扉を開け放った

 

「おっはよー!」

「おはよ」

 

 二人の挨拶に返事を返しながらテーブルに解凍した餃子や副菜類、缶詰めと炊きたてのご飯が並べられる。昨日のステーキと比べるとどうしても見劣りしてしまうが昨日が特別なだけでこんな事態なのだからこれぐらいが普通なのだ、うん

 そう思いながら完食した

 

 若狭先輩と柚村先輩と一緒にるーちゃんと丈槍先輩を見守っていると数分前にバリケード強化に行ったはずのくるみさんと佐倉先生に加えて直樹さんと圭さんが帰ってきた。圭さんが大きめの箱を右腕で抱えている

 

「これ、資料室で見つけたんですけど、一回やりませんか?」

 

 圭さんが持つ箱の正面を私達に向けるとそこには『轟速人生ゲームRZ』と書かれている。資料室に人生ゲーム……?

 

「いいねやろうよ!るーちゃんもやる?」

「する……!」

 

 全員で人生ゲームをすることになった

 

 最終的結果を記すと一位丈槍先輩、二位るーちゃん、三位佐倉先生、四位直樹さんと圭さんが同率、五位若狭先輩、六位私、七位柚村先輩、八位くるみさんの順で終わった

 終盤に所持金半分マスを踏んだのが痛い。それと侵略度が足りなかったのも原因か。いや侵略度ってなに……?

 

 一回きりの人生ゲームはその後も丈槍先輩とるーちゃんの要望により三回ほど繰り返された。計四回やってその全てで直樹さんと結婚した圭さんには驚かされた。運命レベルで結ばれてるのかな?

 

「みなさん、私から一つ提案があるのだけどいいかしら?」

 

 人生ゲームの後片付けが終わった後、軽くパンッと手を叩いて私達の注目を集めた佐倉先生が皆に対してそう聞いてきた

 

「なになに?めぐねえ」

「めぐねえじゃなくて佐倉先生。バリケードの近くにピンポン玉入りのバケツと水入りのバケツを置こうと思うの、どうかしら?ほら、今朝の校庭は彼らの数が多かったでしょう?だからもし彼らが入ってきたとしても足止めできるようにって思ったの」

「良いんじゃないか?私は賛成」

「私も賛成。対策して損するって事は少ないだろうし」

 

 佐倉先生の提案に私を含めた全員が賛成し即行動に移した。校庭にあれだけいたんだしもしかしたらバリケードが破られるかもしれないからね

 

 ピンポン玉入りのバケツは全箇所に置くにはピンポン玉が足りないので三階の三ヶ所にだけ置いて残りの箇所には水入りバケツを置く

 

 るーちゃんと太郎丸以外を総動員したこともあってバケツ達の設置はかなり早く終わった

 

「あら、もうこんな時間。そろそろお昼にしましょうか」

 

 教室に設置されている時計を見てみると確かに長針が12を指していた。今日の昼ご飯は何だろうか、少し楽しみ

 

 その答えは味噌うどんだった。やっぱりうどんは美味しい

 このもちもちとした食感にお味噌の味が合わさって箸が進む。とは言えうどんも無限ではない、啜り続ければ終わりが来るもの。名残惜しくも最後の一口

 

 食後、校内を散策しながら時間を潰して気付けば四時四十三分。そろそろ戻ろうか

 

 二階の階段前に着いた時、心臓の高鳴りこそないものの悪寒を感じて割れた窓から外を見てみれば雨のせいで見辛いがそれでも校門の外からゾンビ達の群れが迫ってくるのが見える。あんな大群を相手にバリケードは持つだろうか……?

 

「おっ、ハル!外の奴らの大群を見たか!?めぐねえ達に知らせにいくからハルも来い!」

「う、うん!」

 

 一階から慌てた様子でやってきたくるみさんの後を追ってバリケードを越えながら三階へ駆け上がった。佐倉先生だけでなく他の皆も一緒に部室に居たから集める手間が省ける。早く伝えなきゃ

 

「めぐねえ!奴らの大群がこっちに押し寄せてる!」

「私も二階の窓から見ました。あの数が押し寄せたらバリケードが破られるかもしれません!」

「そうね、対処しなければいけないわね。なら恵飛須沢さんと柚村さんはここを、若狭さんと直樹さんと祠堂さんはここを、私と夜廻さんはここの防衛を。何か意見とかはあるかしら?」

 

 佐倉先生は緊急避難マニュアルを取り出して描かれた校内の見取り図を指差しながらそこの防衛に当たるメンバーを割り当てた。この一瞬で……?

 

「めぐねえ、私は?」

「丈槍さん達は放送室で待機してて。大丈夫、丈槍さんも皆も守ってみせるから」

 

 丈槍先輩の肩に手を置いて目線を合わせる佐倉先生の横顔はどこか既視感を感じさせて──ああそうだ、昔木から落ちてきた虫が私の肩に乗ってそれを追い払ってくれた時のユイの目に、誰かを守るって決意で満ちたあの目に似てるんだ……

 

 それでも不安そうな丈槍先輩を少し強引ながらも説得した佐倉先生の後を追って部室から廊下へ、三階二階のバリケードを越えながら階段を下りて一階のバリケード前に付いた。既に靴置き場のバリケードは破られてゾンビ達が一階に溢れかえる直前だ

 

 ポケットから取り出した鋏をバリケードの隙間につっかえない程度に大きくして群がるゾンビ達の首を糸を切るみたいに切り落としていく

 佐倉先生はモップでゾンビ達を突き私は一つ首を切り落としては直ぐに次の首を切り落とし、最早作業と化しかけた防衛戦の天秤は突如傾き始めた──ゾンビ側に

 

「もう無理!崩れるわ!」

 

 悲鳴にも似た叫びは右側から、若狭先輩達の方から聞こえてきてその数秒後にはバリケードが崩れて床に激突する音が廊下に響く

 

「二階に逃げましょう夜廻さん!」

 

 一ヶ所バリケードが崩れたらそこからゾンビ達が入り込んで挟み撃ちになるなるのを避けるため一階のバリケードは捨てて二階のバリケードへと向かう

 途中で置いていた水入りバケツの水を佐倉先生が階段に撒くと同時に一旦鋏を仕舞い、ペンライトを取り出して光を灯らせてから階下に放り投げた。少しは時間が稼げるといいけど

 

 一階のバリケードが崩された音を聞きながら二階のバリケードを越えてまた鋏を構える。そして数秒後にはゾンビ達がまたバリケードの前を埋め尽くす。そのゾンビ達をまた切り落としていく

 

 五分か、十分か、あるいはそれ以上か。鋏と手を動かし続け、無限に湧き出てるのかと錯覚するほどのゾンビの大群を一体一体切り落とし、モップで突き落とし、けれど全く減らない大群に遂に二階のバリケードも崩れる兆候が現れてしまった

 

「くっ、もうダメみたいね。皆!三階に逃げて!」

 

 急いでバリケードから離れ階段を上り、佐倉先生がピンポン玉入りのバケツからばら撒いたピンポン玉の中にペンライトを投げ入れた。けれどきっと長くは引き付けられない

 

 ゾンビ達が転倒して床に激突する音を感じながら三階のバリケード、最後のバリケードを越えた。もう後はない。ここが最終防衛ラインだ

 

「もう後がないわね」

「ええ……そうですね」

 

 階下からゾンビ達が這い上がってくる。もう三度目の光景だ。先頭のゾンビがバリケードに張り付くと同時にその首を切り落とす。何度も同じ動作をしていれば次第に馴れてくるもの、徐々にゾンビを処理する速度を増しながら──バリケードが僅かに揺れた

 

「わんっ!わんっ!!」

 

 放送室に居るはずの太郎丸の鳴き声に怯んだゾンビ達の頭上を投げたペンライトが通過する。ゾンビ達がペンライトの方に気をとられた約三秒後に二つの首を落とした。この大群の前には大した意味は無いのかもしれないけど

 

 佐倉先生がモップで突き落として、私が鋏で首を切り落として、柚村先輩達も奮戦して

 

 それでも、最後のバリケードは破られた

 

 更にバリケードが崩れる音がしてくるみさん達と若狭先輩達が走ってきた

 

「どうして、こんなこと今まで……!」

「めぐねえ!この状況どうする!?もう逃げ場は放送室しか無いよ!」

「皆さん放送室へ入ってください!私が時間を稼ぎます」

 

 右も左もゾンビ達が迫っているなかもう逃げ場は放送室しか無いのだからそこに逃げるのは当然だ。だけど佐倉先生の言う通りにしたとしてその選択の先に佐倉先生は居ない。きっと自分自身を犠牲にして私達を生かすつもりだ

 

 でもそんな未来は丈槍先輩達が、何より私自身が望まない。けれど私達にこの状況を覆すだけの力がない

 

 だから喚ぼう。あの日私を殺そうとして、けれど助けてくれた神様を

 

コトワリ様(もういやだ)!!」

 

 祈るように手に握った鋏の重みが消えて、直後ゾンビ達の先頭の四肢と首がバラバラになった

 

 大きな手が口の付いた赤黒いボールのようなものを上から掴み、その赤黒いボールのようなものに付いた両手が私がさっきまで握っていた赤いタチバサミを握っている

 あの日、私の左腕を代償にユイとの縁を切った神が確かにそこに存在している

 

 コトワリ様は絶句している佐倉先生達を全く気にかけず私の方を少しの間向いて、その場から消え四体に分裂した状態でゾンビの群れの前に現れた。そのまま唸り声とも雄叫びとも聞こえる声を発しながら赤いタチバサミで次々とゾンビ達を切り刻んでいく

 

 ゾンビの群れがどんどん切り刻まれてやがて三階からゾンビ達の姿が消え去った

 

『下校の時刻になりました。校内に残っている生徒は速やかに下校してください。繰り返します──』

 

 二階から発せられているコトワリ様がゾンビ相手に無双している音を聞いていると校内外のスピーカーから佐倉先生の声で下校放送が流れた。なぜ下校放送……?

 

 そう思っていたら二階と一階のゾンビ達の気配が遠退いていくのを感じる。数分程して完全にゾンビ達の気配が校内から消え去った

 

「終わっ……たのか?」

「ゾンビ達の気配がしないから、多分そうだと思います」

「あー、疲れた……、ッ!」

 

 廊下に座り込んだ私達が話していると突如くるみさんがシャベルを構えて警戒体制に移った。瞬間移動したコトワリ様が私達を見下ろしているからだ

 

「待ってくるみさん!コトワリ様は見た目は怖いけど悪い神様じゃないの!」

「は?か、かみさま?」

「私が住んでた夜本一市の近くにある山に建てられた神社で奉られてるの」

 

 と言っても私がその神社に訪れた時にはろくに手入れもされてない荒れ果てた状態だったけど、あの日の後も頻繁に訪れては掃除していた。まあ今はまた荒れ果てちゃってるんだろうけど

 

「コトワリ様。また助けてくれてありがとうございました」

 

 くるみさんからコトワリ様に視線を移してお辞儀をする。少しの間そうしているとコトワリ様の気配が消えて私の目の前に赤いタチバサミが落ちてきた

 

 赤いタチバサミを拾って心の中で改めてコトワリ様に感謝の言葉を述べる

 

 防衛戦は大変だったけどその後も大変だった。まず佐倉先生によるゾンビ達の特性、生前の行動をなぞっている事を解説されたり、コトワリ様のもう少し詳しい説明とバリケードの再構築、廊下に転がるゾンビ達の体と血の掃除等。力が要る作業が多くて服が汗で濡れてしまっている

 早くシャワーを浴びて寝よう

*1
五時以降でなければ下校放送を流しても彼らは帰らないため。早く帰れるんだからさっさと帰れよ嬉しいダルルォ!?

*2
コストを支払わずにコストを支払ったものとしてカードを使える能力




 遅筆ですまない、本当にすまない(某すまないさん)。終わりに近付くにつれ文章が言葉が浮かばなくなるんや……

 そしてやっと……七日目が終わったんやなって。後は日常を送るだけなので難易度ベリーイージーですね。完走確定したようなものじゃないか!

 ではキャストリアアーツパで遊んだり周回作業したりマイクラしたりするので失踪します


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八日目

 ヤンデレ百合物の深夜廻作品が見たいと思ったので初投稿です。誰か書いてくれよな~頼むよ~
 独占欲全開でハルちゃんを監禁するユイちゃんとかゾクゾクしません?私はします


 乱数の理不尽さを味わったRTA(精神的に)強くなって始まります。余談ですがRTA要素薄くなってなあい?

 

 彼らラッシュとコトワリ様を見たせいでゆきちゃん達の正気度下がってんねえ!道理でねぇ!

 まずは朝食に冷凍のハンバーグ!(例の師匠印)で回復したいところですが正気度と精神力下がってますからね。予想よりは下がってませんがそれでも肉を食べたらリバースしかねないラインです

 じゃけん無難にコーンフレークでお腹を満たしましょうね~。ハンバーグは昼か夜に出せばええやろ

 

 ちなみに某師匠のカウボーイハット印の商品はハンバーグだけを選びましょう。あそこはハンバーグだけに力を入れすぎってそれ裏設定でも一番言われてるから。なんで食べたらデバフが発生する物まで売ってるんですかね……微弱なものだから大して問題ありませんけど

 

 朝食後の自由時間はめぐねえ達と話して正気度と精神力を回復させたいところですが校内をぶらついてイベントを発生させた方が回復量も高いし時間もある程度飛ばせるし好感度が上がる場合もあるしで濃厚うま味ですので校内をぶらつきます

 

 何かイベント起きまへぶぁっ!?

 

「た、太郎丸~!?」

 

 何だお前!?離れろコラ!離れろコラ!!やっと取れました、って顔に張り付いてたのは太郎丸かよ。しかも藻まみれじゃんかしっかり洗い落とせ~?

 

 にしてもこれはあれですね?水泳イベントですね

 

 解説しましょう!(メガネキラーン)。水泳イベントとは、アニメ版を視聴済の兄貴姉貴達にはお分かりでしょうが屋上の貯水槽に水を貯めて遊ぶイベントです。りーさんの胸部装甲の凄さを改めて知りましたね

 勿論ゲーム版でもこのように水泳イベントは発生するのですが……日時がちょっと、ズレてるかな。本来はモールに行った後に発生するんですよね、じゃないと水着がありませんし

 

 おかしいですねー?私は某走者一門じゃないのにチャートに組み込まれてない事態になってますねー?(そもそも中盤のチャートは有って無いようなものなんですけど)

 まあタイムに然程影響は無いと信じましょう(建前)今更リセットなんて嫌なんですが(本音)

 

 ゆきちゃんが水泳をめぐねえに提案するものの水着が無いので断念されましたね。モールに行って取ってくればいいと思うんですけど(提案お兄さん)

 

「そうね、確かにあそこにならあるわね」

 

 でしょー?これで遠足イベントが発生しましたね。解説は……要る?要らなくない?え?軽くでいいから?あいあい。では軽く説明しますとゆきちゃんの遠足計画の行き先がモールなので遠足イベントと呼ばれています、以上!

 まっ、その遠足組の出発は明日だしそのメンバーに私は入ってないんですけどね

 

 ではここでー!明日モールに遠足に行く特にイカれてはないがデンジャラスなメンバーを!!紹介していきますか

 

 まずは我らが教師めぐねえ。ゆきちゃんるーちゃんの面倒から家事炊事彼ら討伐までこなせる万能先生

 

 リアルラックと直感カンストの探索者ゆきちゃん。その小柄な体を活かした俊敏と直感と幸運から発見したレアアイテムは数知れず

 

 他の走者兄貴やプレイヤー達からはゴリラの異名で畏れられる彼ら討伐担当KRM姉貴。やっぱ人一人背負って一階から三階まで全力ダッシュできるのは尋常じゃないと思うんですけど

 

 見かけはおっとり?でも実は隠れ爆弾のりーさん。るーちゃんが居なかったら隠れ発狂しかねない人物の一人ですがるーちゃんが居るので爆発する心配は無いです

 好感度が低すぎたら刺される場合もありますけどね

 

 以上の四人が遠足に行くメンバーになります。あっそうだ、私が乗ってきた車の鍵貸すから有効活用してくれよな~頼むよ~

 

 それにしても遠足前に水泳イベントって発生するんですね。Wikiにも載って無かったはずですし後で書いときますか

 

 では散策に戻りましょう。今日もいい天気だな~

 

 資料室に着きました。人生ゲームがあったんだし将棋とかチェスとか探せばありそう(小並感)。お邪魔しま~す

 

「よ、夜廻さん!?」

「ハルちゃん!?」

 

 あっ……、えっと、お邪魔しました~

 

 いやー、大胆でしたね圭ちゃん。みーくんに壁ドンしながら迫るなんて。これ次に会うときはカップルになってそうですね?

 

 ……ん?今背後を何かが横切った感じが?もしかして彼らですかね?でも周辺の教室を見渡しても誰も居ないしそもそも彼らなら襲ってきますよね

 (何かの正体は)んにゃぴ、よく分かんなかったです……。ホラーはやだ怖い!やめてください……アイアンマン!(装着)

 

 やっぱり恐怖を感じると人肌恋しくなりますね。と言うわけでその豊満な胸部装甲で癒してめぐねえ!って授業中ですか。え?私も参加しろって?しょうがねえなあ~

 

 パパパっと授業して貯水槽の掃除をし終えたらお昼ご飯の時間です。缶詰めとお米ですね。私は鯖(この場合の鯖は魚の方を指す)の味噌煮の缶詰めを選びますか

 みーくんと圭ちゃんは無事カップル成立なようで幸せオーラ全開でイチャついてんなあ。いいぞいいぞ(陰からこっそり見守るお兄さん)

 

 百合カップルを眺めながらお昼ご飯の時間は過ぎ去って屋上庭園の手伝いもしてバリケード強化にトランプ(この場合のトランプはカードの方を指す)で遊んでめぐねえ達とふれ合って正気度と精神力を回復しなから晩ご飯にハンバーグ!を食べてシャワーを浴びたらもう就寝時間です。ほのぼのとした日常を送りながら八日目終了ですね

 ではここで終わりにしとうございます。次回も見とけよ見とけよ~

 

 ──いえいえお客様、眠るにはまだ早いですよ(追加ターン開始)

 そもそも前回の次回予告でとある人物を確保するって言ってるんだよなあ……

 

 まずは部室の窓から校門付近を眺め続けましょう。約二分程見続けたら懐中電灯らしき明かりと共に人影が校門の前を通り過ぎます。その人影を確認(ヨシ!)したら八日目から解禁される行動コマンド、『夜廻(よまわり)』を選択します

 高校に着いたら八日目まで夜廻が封じられるの辛い、辛くない?

 

 ちなみに件の人影を見ずとも夜廻はできますが目当ての人物は出現しません。だから校門付近を見る必要があったんですね

 

 さてバリケード前に差し掛かったところでめぐねえに見つかります。どうやっても見つかります。窓から紐を使って下りようとした時も見つかりました

 

「夜廻さん?もう寝る時間よ?」

 

 そんな事はもちろん分かってますが校門前を通り過ぎた人影を確保するために外出する必要があるんだよなあ。嘘を吐く必要も無いので素直に話すとその人物探しに同行してくれます

 

〈やはり夜廻か、私も同行しよう

 

〈めぐね院……!

 

 校庭の彼らを置き去りに校門から出て人影が走っていった左方向に進みましょう。お化けも彼らの位置も暗記してるので点けなくても問題はありませんが念のため懐中電灯を点けて人影を追い掛けるぞ~

 

 ボウリング顔お化け君は道中で拾った小石を投げて気をとられてるうちに通りすぎます

 

 包帯グルグル巻きお化けは三秒停止して『無音歩行Lv1』を使って素通りです。早すぎたら位置調整が必要なためガバ、遅すぎてもガバです

 ちなみにめぐねえも『無音歩行Lv1』を持ってます。本当に万能だなこの先生?

 

 はぐれ彼らは懐中電灯を一時的に切ってこの闇夜に乗じて暗殺

 

 徘徊赤触手お化けは五秒程待って通り過ぎるのを待ちます。そしてその先に青い屋根のお家が見えますよね?中から明かりが揺らめいてるのが見えますよね?確認できましたら音を立てないように割れた窓からお邪魔しまーす(ステルスエントリー)

 動くな!学園生活部市警だ!

 

「おや、こんなところで屍ならざる人と会うとは。小生に何かご用かな?」

 

 このゴスロリ姿に黒傘を装備した人物が件の人影の正体、聖イシドロス大学の学生、スミコ姉貴です

 

 このスミコ姉貴ですが見た目とは裏腹にゴリゴリゴリラな戦闘要員になります。まずKRM姉貴に勝るとも劣らないステータス

 塗装したネザライト製の傘に修繕でも付けてんのかよ!?と言いたくなるほど頑丈な黒傘君

 的確にクリティカルが発生する部位を狙える技量。素材を渡せば大体の服を仕立ててくれる服飾技術。バリケードの耐久性及び耐久値を強化できる技能

 

 とメチャクチャ有能な人物となっております。まあその独特な言い回しから最初は少し警戒されますけどね。それを差し引いても是非確保したい人材と言えます

 

 ちなみに黒傘君が壊れるところは見たことがありません。KRM姉貴のシャベルと同じですね

 KRM姉貴のシャベルはネザライト製だった……?

 

 正直スミコ姉貴が居なくとも高校編はクリアできますが不安の芽を一つ潰しておきたいんですよね。その不安の芽とは連続雨です

 説明致しますと一日目から九日目、十四日目は天気が固定なのですがそれ以外はランダムです。故に二日連続で雨を引くこともあります。ちなみに私は二週目で引いてしまってコトワリ様を呼びました(キレ気味)

 やっぱり乱数はクソ、ハッキリわかんだね

 

 まず家(学校)さあ……設備整ってるんだけど、暮らしてかない?ジュースはもう飲み干されましたが缶詰めや菓子パンやお菓子もあるよ。服の素材についても明日めぐねえ達がモールに行くから取ってきてもらえば良いですしね

 

「成る程、我が学舎と同程度の設備か。気になることが幾つか浮上するが今や明確な領域の無い小生としてはありがたい提案だ」

 

 スミコ姉貴の勧誘に成功しましたし学園に戻りましょう。帰路で鉈持ちお化け君に遭遇しますが(確定)塀の影に隠れてれば遠くに行ってくれます

 ちなみにこの鉈持ちお化けもどうやっても遭遇します。屋根の上を行こうが地下水路を行こうが遭遇します

 

 道中のお化けもサクサク避けながら無事帰還です。スミコ姉貴には寝袋渡して空き教室で寝てもらいましょう。まだ皆に紹介してないからねしょうがないね

 朝起きて知らない奴が隣で寝てたら警戒度MAXになるのも当然なんだよなあ

 あの人懐っこいゆきちゃんでさえ警戒を解くのに二日かかりましたからね?ゆきちゃんでこれですから他の部員は言わずもがなです

 

 では今度こそ八日目を終わりにしたいと思います。次回はお手紙書くから見とけよ見とけよ~

 

 

 

 ゾンビ達が押し寄せた翌日の朝、空はキラキラと晴れていて部室に漂う空気は少し沈んでいる

 

 昨日の疲労が残ってるのか誰も言葉を発せずただ時間だけが過ぎていくなか三人分の靴音が聞こえてくる。きっと丈槍先輩と若狭先輩とるーちゃんだ

 

「おはよー!今日は良い天気だね!」

「……おはよ」

 

 挨拶が終わるとほぼ同時に丈槍先輩は駆け出して佐倉先生に抱き付いた。優しく丈槍先輩を抱き止めて撫でている佐倉先生は丈槍先輩の身長も相まってまるで親子みたいで微笑ましく部室の空気も少し柔らかくなった気がする

 

「さあ、皆揃ったから朝ご飯にしましょう」

 

 一通り丈槍先輩を撫でた佐倉先生の号令で皆が動き始める。朝食のメニューはコーンフレーク(丈槍先輩とるーちゃんはチョコ味を選んでいた)

 実を言うと昨日のゾンビ達の大群を見たせいかあまり食欲が無かったから助かる

 

 コーンフレークをパパッと食べ終わって先に出た直樹さんと圭さんに続いて私も校内を見回りを兼ねて歩いている。一階も見回って三階に戻ってきたら何かが顔面に張り付いてきた

 

「た、太郎丸~!?」

 

 顔面に張り付いている蠢く何かを剥がしてみるとなんと太郎丸だった。すっごい緑染みてるけど

 

「いったい太郎丸に何があったんですか丈槍先輩?」

「えっとね、屋上に貯水槽あるでしょ?あそこに太郎丸が飛び込んじゃってそれで藻を洗い落とそうとしたら逃げちゃって。──ハッ!そうだ!ねえハルちゃん、あの貯水槽プールとして使えると思わない?」

「プールとしてですか?まあ確かに広さは十分だし使えると思いますけど──」

「よし!じゃあ私めぐねえに言ってくるねー!」

 

 あっ、止める間もなく行ってしまった。プールとして使うにしても水着が無いのに気付いているのだろうか?

 

 心配になったのと太郎丸の事を思い出させようと顔に付いた藻を洗い落としてから私も丈槍先輩の後を追いかけて部室に向かった

 

 部室の扉を開けると案の定しょぼーんとした丈槍先輩が居た。きっと水着が無いと言われたのだろう

 まあ扉を開ける前に中から聞こえていたので分かってはいたのだが

 

「水着ならリバーシティ・トロンに行けばあると思いますよ。あそこ品揃え豊富ですから」

 

 今となっては消費する一方だけど

 

「そうね、確かにあそこにならあるわね。それじゃあモールに行くメンバーを決めましょうか」

「はいはーい!私行きたい!」

「なら私も挙手しようかな。ゆきの御守りはめぐねえだけじゃ大変だろうしな」

「丈槍さんに恵飛須沢さん、あと一人来てほしいわね……若狭さん、どうかしら?」

「私はいいですけどモールに行っている間のここの防衛は……」

「それなら任せな若狭。私や美紀や圭にハル、それに太郎丸も居るんだから大丈夫だ」

 

 肯定するように頷く。少しの間私と柚村先輩を見てやがて不安が払拭されたように小さく頷いた

 

「それじゃあ早速遠足に行こう!私準備してくるね!」

「待って丈槍さん!遠足に行くのは明日にしましょう?皆もまだ疲れが抜けきってないだろうし」

「そうだな、今日一日ぐらいは休みた……ってなんだよ遠足って」

「え?モールってここから遠いよね?だから遠足!」

 

 笑顔でとても単純な理由を述べた丈槍先輩に誰もツッコミを入れれる訳もなく遠足という名目で日時が決まった

 

「そうだ。佐倉先生、是非これを使ってください」

 

 ポケットから車の鍵を出して手渡した。あの車ならかなりの荷物を積めるから役に立つはずだ

 

「ありがとう、夜廻さん」

 

 佐倉先生に鍵を渡してその後佐倉先生が提案した授業に参加することになったけど直樹さんと圭さんが居ないから私が探してくることになった。どこに行ってしまったんだろうか?

 

 既に三階と二階は探したから一階に居るんだろうけど……ん?資料室の中から声がする?直樹さんと圭さんかな。そう思って扉を開けると──

 

「よ、夜廻さん!?」

「ハルちゃん!?どうしてここに!?」

 

 ──圭さんが直樹さんに壁ドンしていた。それもかなりの至近距離で

 

「え、えっと……佐倉先生が授業をするから二人を呼んできてって、来たんだけど……先生には遅れるって言っておくね!お邪魔しました!」

 

 全力で扉を閉める。後ろから何か声が聞こえた気がするけど気のせいだと思い込んで階段に向かう

 

 ゾワリと背筋が震えた。今、何かが私の後ろを横切ったような?でも周りを見渡しても誰も居ない

 まさかお化け!?とも考えはしたけどもあれは夜にしか出ないから違う。ゾンビなら襲ってくるはずなのでそれも違う。出た結論は『分からない』、だ

 分からない以上考えても仕方ないと思って佐倉先生の元に戻った

 ──授業が始まって約十分後にやってきた直樹さんと圭さんから交際の報告を受けたり授業後に貯水槽を掃除したり午後にはバリケード強化やトランプ等で遊んだり……良くも悪くも日常を感じながら過ごして気付けば夜になっていた

 

 誰も彼も──訂正、ゾンビとお化け以外は誰も彼も寝静まった夜。私は寝付けなくて何となく部室の窓から夜空と街を見渡している

 

 ゾンビが溢れる前はビルの明かり等が邪魔してあまり綺麗に見えなかった星空が今はしっかりと輝いて見える。憂鬱な気分になりながら視線を落とし、校門付近を見ていたらか細い光が人影と共に通りすぎていった。まさか!?

 

 皆を起こさないよう静かに、それでも足早に歩きバリケード前に着いた所で佐倉先生に声をかけられた

 

「夜廻さん?もう寝る時間よ?」

「それについてはすいません。でもさっき人影が校門前を通りすぎていったんです。もしかしたら生存者かもしれなくて……」

「そう。なら私も一緒に行くわ。生徒を守るのも先生の使命だもの」

 

 佐倉先生を加えて正面入り口から外へ。疎らだけど校庭に居るゾンビ達を駆け足で振り切って学校の敷地外へ

 人影が走り去っていったのは確か左方向。それ以上は分からないので後は直感に頼るしかない

 

 お化けを小石で引き付けてる間に通ったりゾンビを暗殺したりしながら進んでいると青い屋根のお家から微かに光が揺らめいている。きっとあそこだ

 

「おや、こんなところで屍ならざる人と会うとは。小生に何かご用かな?物資目当てなら生憎と今の小生の手持ちは良いとは言えないぞ?」

 

 割れた窓から入るとこちらに気付いたようで振り返ったその人物は黒主体のドレスの様な服装に所々赤く染まった黒い傘を持ちながら懐中電灯をこちらに向けた

 

「えっと、物資目当てとかじゃなくて、その懐中電灯の光が見えたから生存者が居るかもって思って」

「成る程。しかし何故接触しようと?」

「えと、その……私の大切な親友の姿と重なって、つい」

 

 夜の街を走る姿がかつて私を探して回っただろうユイの姿に重なって、どうしても見なかったふりはできなかった

 

「はあ……つい、でこの魑魅魍魎が蔓延る街を駆けたのか君達は。勇気と讃えるべきか蛮勇と諭すべきか。まあ小生も夜の街を駆けてる故強くは責められないが」

「あの、良かったら巡ヶ丘高校に来てみないかしら?設備は整ってるし少なくとも夜の街を彷徨うよりかは良いと思うのだけど」

 

 佐倉先生は続けて設備の詳しい説明をすると驚いた様な表情を浮かべて言葉を紡ぐ

 

「成る程、我が学舎と同程度の設備か。気になることが幾つか浮上するが今や明確な領域の無い小生としてはありがたい提案だ」

 

 ちょっと分かり辛いがつまりこの人も巡ヶ丘高校に来ると言う事なのだろう。そう言えば自己紹介してないからなんて呼べば良いのか分かんないや

 

「ああ、そう言えばまだ自己紹介をしていなかったか。小生は針村澄子。お二方は?」

「私は夜廻春、巡ヶ丘高校の二年です」

「佐倉慈、巡ヶ丘高校で国語教師をしているわ」

 

 自己紹介を終えて来た道を戻っている途中、心臓が高鳴る。それにこの刃物を引き摺る様な金属音……あの鉈を持ったお化けが近くに居る

 

 素早く塀の影に隠れると二人とも察したのか同じく隠れた。カーブミラーに懐中電灯の光を当てて見ると帰路の途中に鉈を持ったお化けが写る

 早く遠くに行ってくれないかな……

 

 体感一分程で遠くに、少なくとも私達の視界に写らない程度には遠くへ行ってくれた。今のうちに通り過ぎよう

 

 途中でお化けと遭遇しかけることはあったが難なく通り過ぎて学校に戻ってきた。ゾンビ達に追い掛けられるがバリケードを越えれば追いかけては来なかった。まあ壊そうとはしてたけど数体だから壊せなかったけどね

 

「針村さん、悪いけど今夜は空き教室で寝てもらえるかしら?朝起きて貴女が隣に居たらあの子達も驚くだろうし」

「承知した。小生としても警戒を抱かれる行動をする理由はない故にな」

 

 佐倉先生が針村さんに寝袋を渡し、互いにおやすみと言い合って机等を退かして寝室として使っているLL室に向かった

 

 八日目が終わる




スミコ姉貴の口調とか難しすぎません?情報が大学編のやつしか無いのツラァイですねこれは……

 では縁結びの神(深夜廻)とデスフェニックス(デュエプレ)に対する殺意が高まったので失踪します


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九日目

 周回(神獣光臨)から解放されたので初投稿です


 百合の花が一輪咲いたRTA始まります

 

 九日目朝。室内を見渡すと圭ちゃんとみーくんが一緒に寝てる様子が見れます、てぇてぇなあ

 しかも原作のモールの上階立て籠り組が生存していた時のような手を伸ばせば届く距離じゃなくて密着してますからね、キスまで秒読みレベルの密着具合ですよ

 てぇてぇポイントで花畑が出来上がるな!

 

 さて起き上がりましたら着替えて部室に行きましょう。お話を終えたスミコ姉貴とめぐねえが居るので挨拶します

 ちなみにお話の内容はマニュアルについてです。正気度と精神力を大きく削るマニュアルですがスミコ姉貴の場合は大学の設備を見たおかげかこの大惨事が人為的なものと推測してるのであまり削れません

 

 まあこの大惨事はしっかり手洗い等の衛生管理を怠った無能君のせいなんですけどね!人為的というより人災的ですがそれよりもお前(黒幕企業)の人材選定ガバガバじゃねえか!もっとしっかりとした奴を雇えよ……

 

 黒幕企業君のあ ほ く さ度に呆れていると早起きレース四番目のりーさんがやって来てスミコ姉貴に警戒を示しますが空かさずめぐねえの紹介により警戒を解きます

 次にやってくるのがKRM姉貴とチョーカー姉貴、圭ちゃんとみーくん(百合カップル)、ゆきちゃんとるーちゃんと太郎丸なのでスミコ姉貴の紹介は後三回ありますね、三回だよ三回

 

 ゆきちゃん達への紹介も終わったので朝ご飯の時間です。食パンに苺・マーマレード・ブルーベリージャムの何れかですか。私は苺を選びます(苺大好きお兄さん)

 あの甘酸っぱさが好きなんだよなあ。まあジャムだと酸っぱさは無いんですけど甘いのでオッケーです

 

 朝食後はスミコ姉貴はバリケード補強へ、めぐねえとりーさんは皿の片付け等、圭ちゃんとみーくんは二人っきりになれる場所でイチャついてるので私とKRM姉貴とチョーカー姉貴はゆきちゃん達の面倒を見ましょう

 

 カプコン製ヘリを呼ぶお手紙イベントはゆきちゃんとの好感度が一定値以上かつ肝試しイベント攻略済かつ九日目にゆきちゃんに積極的に接していると発生します

 本来であれば肝試しイベントを発生させて必要な物を取得しておく必要があるのですがどうやら二階まで制圧済なら肝試しイベントは発生させなくても良いみたいです

 

 では、まずは二階の購買部から必要な物を取ってきましょう

 その際KRM姉貴とチョーカー姉貴とは別行動になります。アルノー・鳩錦・ペガサス君を捕獲するためですね(ペガサスの部分はスミコ姉貴命名)

 

 必要な物は揃ったし早速書いていきましょう!お手紙を書くときは自動生成ではなく必ず手動操作を選びましょう。自動生成だと低確率ですが全員の正気度九割削る文章が生成されるんですよね、これがその一例です

 

私は見捨ててしまった、■イを助けられたのに見捨てて■し■しまった。あ■日きっと■■のは私だったのに!■の神に■されるのは私だったはずなのに!今も■■の影法師がチラついて私を責める。当然だ。ごめんなさい、ごめんなさい。ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいご■んなさ■■めんなさいごめ■■■■ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさ■■めんなさいごめんなさい──(所々滲んで読めず紙の裏にまで謝罪の言葉がビッシリと書かれている)』

 

 ……こんなん見たらそら九割削れますわな。ですので手動操作でSOS巡ヶ丘高校とか救助求巡ヶ丘高校とでも書いておきましょう

 ちなみに手動操作でおふざけ文章にするとゆきちゃんとめぐねえを除く皆から呆れられます、こんな文章とかですね

 

『ラッコを愛する森ガールは~♪その食事の全てを~♪バイキング形式で行わなければならない~♪』

 

 皆から呆れられる社歌があるってマジ?どんな会社だよ(オッペラスッチョンコーポレーション)

 

 ではバリケード補強から戻ってきたスミコ姉貴と百合の園から戻ってきた圭ちゃんとみーくんも巻き込んでお手紙書き終わったので膨らませた風船達にお手紙括り付けてアルノー・鳩錦・ペガサスには一枚付けて屋上から開放です

 

 カプコン製ヘリの操縦者さんにしっかりと届いてくれよ~?

 

 お手紙イベントも終えましたし校内散歩でも……お?どうやらスミコ姉貴が小物制作講座を開くみたいです

 

 めぐねえに手伝ってもらいながら人形が完成しました。どことなくユイちゃんに似てるのは気のせいかな?それとるーちゃんから桜のバッジを貰いました

 これは友好度MAXで貰えるアイテムで友好度をMAXにしたイベントの内容によって貰えるアイテムが異なります。(友好度MAXの)証拠物件として押収するからな~?

 

 では桜のバッジは服に付けてKRM姉貴達が作ったものと一緒に人形を部室の棚に飾っておきましょう

 

 はいお昼ご飯の時間です。パスタみたいですね。カルボナーラでオナシャス!個人的には辛い系の味が好みなのですがハルちゃんは辛い物はあまり好きでないらしく正気度が極僅かですが減ります

 

 お昼ご飯を食べ終えて暫くすると遠足組が出発するので見送りましょう。次帰ってくるのは明日の昼頃です。ゲーム版はアニメ版の様な日帰りではなく原作版になってます

 アニメ版と原作版が混じってて分かりづらいのがゲーム版の難点ですね。原作とアニメ見ろと販売促進にはなるのでしょうけど

 がっこうぐらし!を買うついでに深夜廻(ゲーム版と小説版)も買いましょうね!(ダイマ)。前作たる夜廻も一緒に買えばより楽しめると思います。まあ夜廻をプレイしてなくても深夜廻単品でも楽しめるんですけどね

 皆も貫禄の日本一ソフトウェアクオリティで泣き叫ぼうねぇ

 

 いつも賑やかな騒がしさを放つゆきちゃんが居ないのでなんか静かですね~(例の詠唱)。スミコ姉貴が入れてくれた紅茶を飲んでのんびりとした時間を過ごしましょう

 ちなみにこの紅茶、空き家にあったのをスミコ姉貴が拝借してきたらしいです

 

 んでもって今はスミコ姉貴と将棋をしてますね。どうやら圭ちゃんとみーくんが校長室でイチャついてたら見つけたみたいです。なぜ校長室でイチャつこうと思ったのか……

 

 あ、王手され、え?詰み?うせやろ?あー、確かに逃げ場も無ければ対応策も打てない……

 

 時々るーちゃんや圭ちゃん達と交代しながら将棋打ってたら日が暮れてきましたねえ、晩ご飯何にします?

 

 お米にインスタントの味噌汁にポテトサラダ!意外とチョーカー姉貴も料理できるんですよね

 

 いやー美味いっすね。さて食べおわっ……あれえ?視界がぐるぐる回りますねえ……?

 

「大丈夫か春君。足元が覚束ない様子だったが。──この臭いはまさか……!」

 

 慌てた様子のスミコ姉貴その視線の先のコップ、テーブルに置かれてる酒の瓶。まさかこいつ……麦茶と間違えて酒入れちゃやがったなあ!?

 

 うわー!酩酊の状態異常中に操作するのとかクソ難しいんですが!

 うへぇ、こうなればやれることなんて倒れる以外無いので大人しく倒れてスミコ姉貴達に看病されましょうバタンキュー

 

 では倒れたので九日目を終わりに致します。明日酒気が残ってないといいけどなあ

 次回はプール回だから見とけよ見とけよ~

 

 

 

 久々に夜の街を歩いた翌日、部室の扉を開けると既に佐倉先生と針村さんが起きていて何かを話していたようだった

 

「あら、おはよう夜廻さん」

「おはよう、春くん」

「おはようございます。何か話してたみたいですけど何を話してたんですか?」

「ああ、佐倉女史からマニュアルの事を聞かされてね。いやはや、この事態は人為的なものと推測はしていたが本当にそうだとはね……」

 

 少し沈んだ空気の部室に扉が開く音が響く

 

「おはようございま──どなたですか?」

「おはよう若狭さん。この人は針村澄子さん、昨日の夜から住む事になったわ」

「佐倉女史のご紹介の通り針村澄子だ。小生の事は針村とも澄子とも、好きなように呼んでほしい。よろしく頼む」

 

 針村さんが差し出した手を少しの間うっすらと開いた目で見つめた若狭先輩はやがてその手を握った

 

「若狭悠里です。これからよろしくおねがいします、針村さん」

 

 その後も部室にやってくる部員達に針村さんを紹介すること三回。朝ご飯の時間がやってくる。今日の朝食は程好く焼かれた食パンに苺とマーマレードとブルーベリーの三種類のジャムのようだ

 今は甘い物が食べたい気分だったので苺ジャムを選んだ。るーちゃんも勿論苺ジャムだった

 

「そうだ!お手紙書こう!お手紙!」

 

 朝食を食べ終わってくるみさんと柚村先輩と一緒に丈槍先輩とるーちゃんと太郎丸の面倒を見ているといつものように唐突に丈槍先輩から楽しそうな声が上がる

 

「おいおいゆき、手紙って何処に出すつもりだよ?」

「えーっと……遠くに居る誰か、かな?私達はここにいるよー、って。こう、風船とかに付けて飛ばして!」

「風船なら購買部にある筈よ」

 

 お皿を洗っている佐倉先生の言葉を信じて丈槍先輩とるーちゃんと一緒に購買部に向かった。くるみさんと柚村先輩は屋上で鳥を捕まえてくるらしい。伝書鳩代わりかな?

 

「お!風船あったよハルちゃん!これでお手紙飛ばせるね!」

「ゆきねえはなんて書くの?」

「え?うーん……私達は元気でーす、とかかな?」

「ゆきねえらしい単純さ。さすがゆきねえだね!」

「えへへ、それほどでも~」

 

 それは褒めてないと思うよ丈槍先輩……でもるーちゃんが皮肉を言うとは思えないし本当に褒めてたりして?

 

 無事風船を手に入れて部室に戻り、お皿を洗い終わった佐倉先生と若狭先輩、バリケードの補強から戻った針村さんと圭さんと直樹さんでお手紙を書き始めた

 

「おーい!鳩捕まえてきたぞー!」

 

 部室の扉を勢い良く開けたくるみさんの右手は確かに鳩が入っている籠の取っ手を握っている

 

「ついでに風船を膨らませるためのガスもな」

 

 くるみさんの背後から大きいガスボンベや空気を注入するための管を乗せた滑車を運んできた柚村先輩が顔を出した。どうやら山岳部の部室にあったから持ってきたとの事

 

 それからくるみさんと柚村先輩も加えてお手紙を書き始め膨らませた風船に付けて回り、鳩にも一つ付けて屋上に上がる

 

「よーし!遠くまで手紙を運んでくれよアルノー!」

「え!?鳩錦鳩子ちゃんだよ!?」

 

 鳩と風船を空に放つ直前に鳩の名前でくるみさんと丈槍先輩が喧嘩を始めてしまった。いつの間に考えたんだろう?

 

「恵飛須沢君、丈槍君。間を取ってアルノー・鳩錦・ペガサスと言うのはどうだろうか?」

「針村さん、ペガサスの部分はどこから来たのかしら……」

 

 若狭先輩の的確なツッコミはくるみさんと丈槍先輩には聞こえなかったらしく特に反応も無く正式に鳩の名前がアルノー・鳩錦・ペガサスに決まった

 

 改めて風船と鳩を放って飛ばす。空に色とりどりの風船が舞ってバラバラの方向へ流されていく

 どこか遠くかもしれないし案外近くかもしれない生存者に届くようにと、私達は生きていると記された手紙を付けて

 

「さて、手紙を飛ばし終えた所で小生から一つ、提案があるのだがいいだろうか?」

 

 針村さんからの提案は所謂小物制作講座だった。簡単な物なら教えられるらしく特に断る理由も無いので全員参加となった

 針村さんの講座はかなり分かりやすくて佐倉先生に手伝って貰いながらも小さな人形を作れた。人形を作ったのはあの時以来だな……

 

「ハルねえ、これあげる」

 

 小物を作り終えた後、るーちゃんから手渡されたのはピンク色の綿で出来た桜のバッジだ

 

「いいの?」

「うん、ハルねえには色々助けてもらったから。うけとってほしい」

「分かった。ありがとね、るーちゃん」

 

 桜のバッジを左胸部分に付けて改めて佐倉先生と合作の人形を含めた皆が作った物を部室の棚に飾っていく

 

 そうこうしている内にお昼ご飯の時間となりパスタ(私はカルボナーラ)を食べ終え、遠足に行った佐倉先生達を見送って今は紅茶を飲みながら針村さんと将棋を指している

 

 紅茶は針村さんが空き家から拝借していたらしく、将棋の駒と盤は圭さんと直樹さんが二人っきりになれる場所を探して校長室に入ったときに見つけたそうだ。紅茶はともかく将棋を見つけた理由が……目の前でイチャつかれるよりかは良いかな。るーちゃんの情操教育的に

 

「ふふっ、これで詰みだな」

「うっ、これで三敗目……」

「ハルちゃん、次私が挑んでもいいかな?」

 

 圭さんの挑戦に席を譲る事で返す

 

 まあ結果を言えば四敗したものの針村さん相手に一勝はもぎ取ったのだから中々の戦果だと思う。決め手は恐らく背後から抱き締めた直樹さんによる応援かな?愛の力って凄いね……

 

 その後もルールを教えながらるーちゃんと指したり直樹さんや圭さんや柚村先輩とも指しながら気付けば夜だ

 

「いやー、悪いな、夜なのに朝食みたいなメニューしか出せなくて」

「気にすることはない、柚村君。中々に絶品なのだから寧ろ誇りたまえ」

 

 ポテトサラダを口に運びながらそう褒める。実際柚村先輩が作ったこのポテトサラダは美味しいのだから

 

 丈槍先輩が居ないからか少し静かな晩ご飯の時間も過ぎ去ろうとしてお皿を片付けようとした時、立ち眩みがした

 

「大丈夫か春君。足元が覚束ない様子だったが。──この臭いはまさか……!」

 

 世界が回って崩れ落ちる私を咄嗟に受け止めた針村さんの視線の先にはコップが。その近くにはお酒の瓶。臭いって言ってたしもしかして、間違えてお酒を飲んじゃった……?

 

「すまない春君、間違えてお酒を飲ませてしまったみたいだ。後片付けは小生がしておくから今はゆっくり休むといい」

 

 その言葉に返事を返す暇もなく全身の脱力感は強くなってそのまま眠りに落ちた




 周回(超発掘祭)に捕まったので失踪します


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十日目

 夜廻シリーズ新作が発売されないかソワソワする反面それはつまり大事な何かを失う女の子が生まれるわけで発売してほしくない気持ちが絡まりあってうごごごご……

 とりあえず深夜廻にユイちゃん生存ルート追加してほしいので初投稿です


 何をどうしたら麦茶と酒を注ぎ間違えたのか聞きたいRTA始まります

 

 はぁい朝です。酒気はちゃんと抜けてるようで意識もしっかりしてますね。酒気が残ってたら二日酔いか吐き気のデバフを食らう可能性があったので良かったです

 スミコ姉貴は反省してるようですね。ええ、私は許しましょう……

 

 しかし、あの御方(めぐねえ)が許すかな!?軽い注意を受けて許されます

 

 朝ご飯は念のため軽めにしておきましょう。酒飲んじゃった翌朝だし多少はね?

 

 缶詰めと味噌汁だけの朝ご飯を済ませたらめぐねえの予備の衣装に着替えたスミコ姉貴とチョーカー姉貴が洗濯物を干すので手伝います。片腕でもねえ!ハンガーに服を干すぐらいはできるんです!

 ……スミコ姉貴やチョーカー姉貴達の速度には及びませんが

 

 良い天気ですねえ。雨雲っぽいものは見えないので今日中に雨が降るとかそんな事は無いと言っていいでしょう。それにこんなにも天気が良いと日向ぼっこでもしたくなりますねえ!と言うわけでサクッとブルーシート敷いて横になります

 

 ──ハッ!屋上で日向ぼっこしてたら油断して寝てました!今何時!?

 

「今?今は十一時半ぐらいだよ?」

 

 はえー、そんなに経ってるんですねえ。確か寝る前が九時近くだった気がするので約二時間半程寝てましたか。後三十分もすればめぐねえ達が帰ってくるはずですね

 おっ、どうしたんですかチョーカー姉貴、そんなモップ持って。え?貯水槽の掃除?一昨日したじゃないっすか。念のため~?しょうがないっすね~

 

 スミコ姉貴達も巻き込んでサクサクっと貯水槽掃除し終えたら丁度めぐねえ達を乗っけた車が帰ってきてくるのが見えますね。ジュースジュース!冷えてるの持って帰りました~?持って帰ってるわけないんだよなあ

 

 キンキンに冷えたジュースは大学編で同好会の姉貴達に合流するまでお預けです、悲しいなあ

 

 めぐねえ達が帰ってきたのでお昼ご飯を食べまして今日の一大イベントに必要な物を受けとりましょう。そう、水着です!今回はハルちゃんのリボンの色と同じ薄青色の普通の水着ですね

 

 お着替えシーンはカットだカット!そも全年齢版でやってるのでお着替えシーンはないです。R18版ならお着替えシーンもバッチリあるんですけどね

 

 いやー、美女美少女達がプール(貯水槽)で戯れるのを眺めれるのは第三者視点の特権ですねえ。一応VRモードもあるんですけどRTAには少し不向きなので使っていません。特定のキャラとイチャコラしたいならオススメですけどね

 VRと言えば某銃と硝煙の匂いで満ちたゲームの大会に出てた光剣使いの黒髪の娘と水色髪のスナイパーとの百合百合がまた見たいですね。特に洞窟内で抱き合うシーンは最高でした(尊死)。最後のグレネードで同時爆殺する際にスナイパーちゃんが光剣使いちゃんに抱き付いたのもてぇてぇポイント高いです

 

 ちなみにVRモードでこのプールイベントを体験するととても凄いものが見れますよ。主にめぐねえやスミコ姉貴やりーさんで

 

 まあ何にしても楽しそうで何よりなんですがハルちゃんの隣にユイちゃんが居ればなあ、と思わなくはないのです。おのれ縁結びの神め

 

 さて、貯水槽で泳ぎ終わったことだし……お、めぐねえがバーベキューの用意をしてますね。このバーベキューイベントは遠足時に大型車かキャンピングカーの鍵を渡しておくと発生します。ドロップする五種類の車種の鍵の内普通車、電動バイク、自転車の鍵を渡しても発生しないのでご注意を

 自転車は一応車に分類されるんですよね……車の定義壊れる~

 

「地下区画のお肉もまだ残ってるしバーベキューをしようと思うの」

 

 あぁ~、いいっすねえ!そばに置いてある缶ビールはご愛嬌ということで。いいだろお前めぐねえとスミコ姉貴は成人の日(を既に通りすぎている)だぞ

 

 めぐねえが持ってきた物に皆も気付いたみたいで集まってきてますね。ここだけ見ると和やかなキャンプ的なのに見えるんだよなあ。ここが学校じゃなく海辺とかキャンプ地とかで外に彼らが蔓延ってなきゃ完璧だったな!

 

 おやつ代わりのバーベキュー食べたしまた遊ぶぞい!まだまだ夏だー!私が望むかぎり、いつまでもな!(某サーファー反逆騎士)

 

 夕暮れまで遊んで水遊びは終わりです。しっかり拭かないと風邪の原因になるからしっかり拭けよ?君だよゆきちゃん。部員の中では拭き残しが一番あるってそれ一番言われてるから

 

 ホラホラホラ!(ササッと髪をタオルで拭く)

 

 ホラホラホラ!(ドライヤーで直ぐ様乾かす)

 

 ホラホラホラ!(何時もの髪型に整えて完成)

 

 ヨシ!

 

 ゆきちゃんの髪型も整えましたし後は少な目の晩ご飯食べて寝るだけです

 

 これにて十日目終了です。後は四日、長いと見るか短いと見るかの日数が経てばこのRTAはおしまいです

 では、次回は運動会が開催されるので見とけよ見とけよ~

 

 

 

 朝日を浴びながら昨日の記憶を思い出そうとしている。昨日、布団に入った記憶が無いからだ

 

 暫くの間頑張って思い出そうとしていたら薄紫色のワンピースを着た針村さんが入ってきた

 

「起きていたか春君。昨日はすまなかった、間違って酒を飲ませてしまって本当にすまない」

 

 針村さんの言葉が切っ掛けとなり段々と昨日の事を思い出し始めた。針村さんに注いでもらった麦茶を少し味が濃いような?と思いながら飲んだらそれがお酒で視界がぐるぐる回って、それで倒れたんだ

 

「大丈夫ですよ針村さん。もうお酒の影響も無いですし」

 

 スッと立ち上がって軽く体を上へ伸ばす。うん、寝起きで少しぼやけてた意識もしっかりしてきた。そのまま針村さんと一緒に部室に向かうと柚村先輩と直樹さんと圭さんが朝ご飯の準備をしていた

 

「おはようハル。体調は大丈夫か?」

「おはようございます柚村先輩。特に不調も無いですし大丈夫ですよ」

 

 私は柚村先輩達とは別のメニュー、缶詰め一つとインスタントの味噌汁だけで済ませた。もしかしたら自覚してないだけでお酒の影響があるかもしれないからだ

 

 軽い朝食を済ませた後は洗濯物を干すのを手伝った。……片腕のせいで速度はるーちゃんよりも遅かったけど。その速度の遅さに改めてしょんぼりしているとるーちゃんが園芸部の倉庫からブルーシートを引っ張ってきた

 

「ハルねえ!お昼寝しよ!」

「今の時間だと二度寝のような気もするけど……うん、天気も良いし横になるぐらいなら」

 

 ブルーシートの上で横になって太陽の陽を浴びていると段々、瞼が……

 

 ハッと目が覚めた。いつの間にか寝てしまっていたようだ

 

「しまった、寝ちゃった!」

「あっ!ハルねえおはよう!」

 

 先に起きたのかそれとも寝ていなかったのかどこかへ行っていたるーちゃんが現れて丈槍先輩が佐倉先生にする時みたいに抱き着いてきたので優しく受け止める

 

「ねえるーちゃん、今何時か知らない?」

「今?今は十一時半ぐらいだよ?」

 

 そんなに寝ちゃってたんだ。るーちゃんを離して立ち上がろうとしたら屋上の扉が開いてモップを持った柚村先輩がやってきた

 

「お、ハル、なにしてんだそんなとこで」

「るーちゃんと一緒に横になってたら寝ちゃって。柚村先輩こそモップを持って何するんですか?」

「今日ゆき達が帰ってくるだろ?多分今日中に貯水槽を使うだろうし念のためまた掃除しようかと思ってな。ハルとるーちゃんも手伝ってくれないか?」

 

 勿論、と返事をすると柚村先輩はどうせなら美樹達も巻き込むか、と呟いてるーちゃんに直樹さん達を呼ぶようにお願いしてから倉庫からモップを取り出して私に渡した

 

 直樹さん達も集まって皆で掃除をすること約三十分、屋上から佐倉先生達を乗せた車がゾンビ達を轢き逃げしながら帰ってくるのが見えた

 

「皆ただいまー!」

 

 急いで佐倉先生達を迎えに行くと一階で合流して久々に丈槍先輩の元気な声が響き渡る

 

 その後、丈槍先輩が空腹な事もあって互いの無事の確認も程々に昼食を食べ終えて、佐倉先生から水着を渡された。薄水色のフリルが付いた水着だ

 

 そして全員に水着が行き渡って貯水槽に水が貯められプールとして使えるようになった。全員既に水着に着替えていて丈槍先輩が真っ先に飛び込む

 

「どうしたの美樹、そんな顔して」

「圭。ちょっと悠里先輩や佐倉先生との格差を感じて……」

「ははーん、成る程。大丈夫だよ美樹、これから私が大きくしてあげるから!」

「ちょっ、圭!?」

 

 二人は付き合ってるから互いに触れあいたいのは分かるけど少なくともるーちゃんが居ない場所でやってほしいな。ほらるーちゃんが真似して丈槍先輩の胸を触ってるし。丈槍先輩はくすぐったそうにしてるだけだけど

 

「何やってるんだあいつら……」

 

 丈槍先輩がこっそりと持ってきていた水鉄砲で遊んだりくるみさんが圭さんと水泳競争したりしながら遊んでいるのを眺めていると佐倉先生が何かの箱を抱えて戻ってきた

 

「佐倉先生、それ何ですか?」

「初心者用バーベキューセットよ。ほら、地下区画のお肉もまだ残ってるしバーベキューをしようと思うの」

 

 箱から中身を取り出して慣れた様子でテキパキと組み立てていく。その作業に他の皆も気付いたようで興味津々に集まってきた。パラソルの下のミニテーブルに置かれている缶ビール数本については全員触れないでいる、私も触れるつもりは無い

 

 やがて準備が整って金網の上にお肉が置かれる

 

「そろそろ焼けたかしら。大丈夫みたいね。お肉だけじゃなく野菜もしっかり食べるのよ?それじゃあ、いただきます!」

 

 佐倉先生の号令に続いて食事前の礼儀をし、全員ほぼ同時に箸を伸ばし始めた。ここが屋上じゃなくてどこかの海辺で外にゾンビ達が居なければなあ

 

 少々残念なシチュエーションのバーベキューを終えてまた遊んだり休憩したりを繰り返していたら陽が傾き始めていた

 

「あ、丈槍先輩、拭き残しがありますよ。動かないでくださいね」

 

 水着から制服へ着替え終えると丁度職員用休憩室のシャワー室から出てきた丈槍先輩が水滴を滴らせて出てきたので仕方なく未使用のタオルを取り出して丁寧に拭き取る。その後ドライヤーを使ってしっかり乾かして何時もの髪型に整える

 

「ありがとうハルちゃん」

「まったく、次からはしっかり拭いてくださいね。じゃないと風邪をひく原因になりかねないんですから」

「えへへ、ごめんごめん、次からは気を付けるよ~」

 

 その日の夜は遊び疲れて食欲があまり無かったので朝と同じような軽いメニューで済ませて寝袋に包まれて眠った




 みーくんに大盾を持たせて生き抜くルートを思い付いたので失踪します

 FGOとクリプトラクトの周回板挟みはやめてくれい……


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十一日目

 その身が写すのは誰かの過去

 その身が写すのは誰かの形

 その身が写すのは誰かの幻影

 その身写せど届かないのは誰かの願い


 初投稿から始まるRTA

          は

          じ

          ま

          り

          ま

          す

 

 何時ものように起床して朝ご飯食べたら部員全員がスミコ姉貴に呼ばれて、着せ替え人形にされ、ゆきちゃんが持って帰ったカメラによる撮影会が始まります

 可愛らしい衣装に着替えた部員達は目の保養にとても良いですねえ!

 

 特にお揃いの白いワンピースを着たハルちゃんとめぐねえがお気に入りですねえ!!

 

 そのワンピースを着たままゆきちゃんの提案で運動会が開催されるので早速準備をしましょう。今回使うのは校舎全体ですね。ちなみに学校の敷地内も制圧してれば外で開催できるようです。血気盛んな兄貴姉貴達しかやらないでしょうけど。筋力極振りKRM姉貴式ビルドを信じろ

 

 二階の廊下を徒競走に、食堂を玉入れ競争、綱引きに等々ですね。まずは玉入れ競争に使う玉の準備です。るーちゃんが補助してくれるおかげでサクサク作れますねえ!

 

 キャハハハ

 

 !?今ハルちゃんレーダーに反応があったのですが……ゆきちゃん達以外居ないし特に変わった所も無──

 

〈ガシャーン!

 

 下から!?確かKRM姉貴が玉の入れるやつを設置しに行ったはず……え?いつもとイベントの展開が違うんですけど??行ったほうが良い、良いですよね?っとこっちから行くまでもなくKRM姉貴が来たようです、って血まみれじゃん!!?

 

「おいハル!お前どういうつもりだ!!」

 

 うええ!?ちょいきなり何です!?胸元から手を離せコラ!離せコラ!(筋力A++VS筋力C)

 

 めぐねえ丁度良い所に!りーさんと協力してKRM姉貴を剥がしてくださいオナシャス!

 

 ふう、助かりました。それにしてもKRM姉貴に恨まれるような事をした覚えないんですけど?まさかトロフィー『ひとりぼっちの卒業生』を獲得する際に激闘の末にスパンっとやっちゃったのが原因の可能性が……微粒子レベルでも存在するわけないじゃないっすか

 

 とにかくりーさんから手当てを受けながらで良いので理由を聞かせてくれます?

 

 ──なるほど、つまり

 ▷運動会準備中に二階で偽ハルちゃんに出会った

 ▷偽ハルちゃんに挨拶したが偽ハルちゃんは俯いたまま

 ▷そこで手に赤いハサミを持ってるのに気付くと同時に襲い掛かってきた

 ▷それで驚いて運んでいた玉の受け皿を手放してしまい頭に直撃からの出血の状態異常を食らって気付けば偽ハルちゃんは居なかったと。当たり所が悪ければ大出血*1の状態異常を食らってた可能性があったのでそこは幸運と言えますかね?

 

 それにしても全く意味わかんねえ(困惑)。このゲーム推理要素あったんですね。何か偽ハルちゃんに関する情報無いんですかね?そもそも本当にハルちゃんでしたか?

 

「それは間違いねえよ。右胸にるーが渡したバッジが有ったんだから」

 

 ん?右胸に?

 

 ──異議あり!(裁判開廷)

 

 今のKRM姉貴の証言は明らかに矛盾している!ハルちゃんがバッジを着けてるのは左胸!右胸ではないのです!

 

「あ、そうなのか。いやでも付け替えたりとかできるしお前がいつも着けてるリボンとあのことわりさま?の神器とか言う赤いハサミは間違い無くお前しか持ってないだろ!?」

 

 言い返せねえ……!何か他に思い出してくださいよゴリ、KRM姉貴。大丈夫KRM姉貴ならできるできる!やれば──(思い出すことが)できる!

 

「ああそうか。私を襲ったあのハルは……右腕が無くて左腕で襲ってきてた!」

 

 はい勝訴確定。ゲーム内は勿論現実でもまだ腕を生やす技術は無いです。よってKRM姉貴が遭遇したのは偽物です!勝訴!以上!閉廷!皆解散!

 

 とはいかないんだよなあ。偽ハルちゃんの正体を暴かねば。ギフトゲームかな?報酬はユイちゃん生存IFで

 

 ともかく今出揃ってる情報と言えば左右が逆の偽ハルちゃんってだけなんだよなあ。考えられるのはドッペルゲンガーかクローンですけど二つとも有り得ないでしょう。前者は左右逆にはならないし後者はそもそもクローン制作技術とか無いでしょ

 

「左右が逆なんてまるで鏡みたいだね~」

 

 ──ゆきちゃんのこの発言、ズバリ答えでは?いやこれ答えでしょ。つまり偽ハルちゃんは鏡写しハルちゃんだった?あれ嫌な予感

 

 鏡写しハルちゃんと言う怪異現象。がっこうぐらし!の作中には鏡は大した繋がりはありませんが深夜廻には大きな繋がりがありますね?

 

 Q.鏡写しハルちゃんの正体を暴け

 A.……図書館にあった大鏡が写した鏡像?

 

 クソが(悪態)。いやそんなわけ。あの大鏡ががっこうぐらし!に出るわけ無いダルルォ!!?そもそもここ学校!敷地内にお化け出現しないってルール守って?守れ!

 こんな時は教えて!Wiki先生!(他力本願)(人間なんて全員他力本願なんだから良いだろWikiぐらい)

 

 え、嘘でしょあるの?(リサーチ不足)。えっと、ハルちゃん使用時約0.1%の確率で廃屋の柱、図書館の大鏡、林の雨女のどれかが出てくる?えぇ(困惑)。なんで本番中に来るの?とりあえず大鏡攻略は……本体をぶっ壊せば良いみたいですね

 

 フリーダムウォーズMOD導入して通常派生させたバーバラズ's・イージーギアにマガジン量アップ特大・装弾数アップ特大・連射速度アップ特大のモジュラー付けて撃ち割ってやろうかオラァン!?ちなみにこのMODを導入すると天獄アブダクターも付いてくるのでオススメできません。巡ヶ丘高校どころか巡ヶ丘市が壊れちゃ~う!(コウシン・パラドクサ・ディオーネ出陣)

 

 話を戻しまして。Wiki先生曰く大鏡君の出現位置はランダムみたいです。と言うわけで大鏡の場所誰か知りません?

 

「鏡……鏡……あ!確か校長先生がどこかの図書館から大鏡を購入したって言ってたわ。保管場所は一階の倉庫だったはずよ」

 

 なんつー物を購入してんだ校長(呆れ)。んじゃ攻略メンバーを編成しないといけませんね。どうやらこの大鏡は赤いタチバサミじゃないと壊せない仕様みたいです。クソが(悪態)

 

 りーさんの手当てを受けて回復したKRM姉貴とめぐねえと私のトリオで行きましょう。大鏡攻略の際に人数が多いとその分鏡像が増えて不利になるようですが両方覚醒済だし大丈夫でしょ。それじゃ大鏡破壊作戦イクゾー!

 ……この深夜廻要素、がっこうぐらし!に持ち込む必要ありましたか?

 

 道中特に何事も無く倉庫に到着です。うーんあの図書館の時みたいな空間が形成されてますね。これが領域化と言うやつですか

 領域化とは。柱、大鏡、雨女が出現した場合にその周辺の空間を深夜廻の時とほぼ同じ状態にするそうです。大鏡の場合は円形の空間の形成ですね

 

 中央に大鏡が佇んでるのでさっさと壊そうぜ!日が暮れちまうよ!んまあやっぱり沸きますよね鏡写しハルちゃん。更に鏡写しKRM姉貴と鏡写しめぐねえも出てきましたね。数は合計三体、KRM姉貴とめぐねえなら余裕だな!ほらもうシャベルとモップでボッコボコですよ

 

 大鏡に近付くにつれ数が多くなってますね。まあ私達トリオの敵ではありませんが!(活躍割合は5:4:1で圧倒的KRM姉貴とめぐねえ)

 

 ん?なんか大鏡が強く光って……誰だあの娘?いや、あの髪型、リボンの位置、額と頬の包帯。まさか鏡写しユイちゃん!?えちょ!?操作が効かなくなって勝手に動いてるー!?あっ!これ(激昂)かあ!

 

 激昂とは。特定の状況下で発生する状態異常で激昂中幸運と知力を除く全ステータスが+50知力が-30されキャラが勝手に行動します。個人的大嫌い状態異常三位(一位は大出血二位は発狂)

 

 ハルちゃん達トリオのがっこう無双を見てることしかできねえなあ。原因は鏡写しユイちゃんでしょうし多分大元である大鏡を壊すまで止まりませんねこれは

 

 ハルちゃんがサポートもあって大鏡にこんなもの!アタックをキメて激昂の代償に気絶したのでここで終わりに致します。激昂後は次の日まで起きないからね仕方無いね(タイム短縮出来たとは言え素直に喜べない)

 次回は多分運動会が開催されると思うので見とけよ見とけよ~。──開催されると良いですね

 

 

 

 何時ものように日差しで目が覚めた。もうゆきとるー以外は起きてるみたいだな。起き上がって軽いストレッチの後愛用のシャベルを背負って部室に向かう

 

「おはよー」

「おはようくるみ」

「おはよう恵飛須沢君」

「おはよう恵飛須沢さん」

「おはようございます、くるみさん」

 

 お、今日の朝ご飯は炊きたての米と缶詰めみたいだな。ゆき達がどれぐらい早く起きてくるか。匂いを嗅がせれば一発で起きそうだけどな。美樹と圭もその内やってくるだろ

 

 何時ものイスに座ってシャベルの手入れを始める。最後に使ったのは二日前だし昨日もしたから軽くで良いんだけどな

 

 シャベルの手入れを終えて五分程待ってたらりーさんがゆきとるーを連れてきた。その少し前には美樹と圭もやってきたしこれで全員揃ったな

 

 今となっては日常になったこの風景も後何日続けられるのかな……。いや弱気になるな私!私が守るんだ。めぐねえもりーさんもゆきも、もう誰も死なせない!

 

「くるみ、大丈夫?」

「え?あー、大丈夫だよりーさん。ごちそうさま!見回り行ってくる!」

 

 誤魔化すように部室を後にする。サクッと見回りを済ませて部室に戻る途中、3-Aの教室から変な着ぐるみみたいなのを着たゆきが出てきた

 

「……何やってんだお前」

「あ!くるみちゃん!今すーさんがファッションショーやってるからくるみちゃんもやろうよ!」

「パス。私が着たって似合わないだろ」

「そんなこと無いわよくるみ。とりあえず一着、着てみましょう?」

「うわ!りーさん!?ちょ、離せ!離せー!」

 

 いつの間にか背後に立っていたりーさんに肩を捕まれそのまま教室に引きずり込まれ、着せ替え人形みたいに色々な服を着せられたしゆきが卒業アルバムを作るとか言ってハル達と一緒に何枚も撮られた。いやまあ悪い気はしないけどさ、楽しかったし

 

 んでもって今はゆきの提案で始まった運動会の準備をしてる。玉入れ競争に使う円形の土台に棒を付けて更にその先に玉の受け皿を付けたやつを食堂まで運んでいる

 

「ん?ハルじゃん。ゆき達と玉作ってるんじゃなかったっけ?」

 

 廊下の中央、私の少し先にハルが立っていた。けれど何故だ、何か違和感を感じる

 

「おーいハルー?どうしたー?」

 

 その違和感が分からないままとりあえず話しかける。けれどハルが顔を上げず俯いたままだ。話したくなったら話すだろと思って進もうとした時、ハルが勢い良く顔を上げて──

 

 フフフフッ

 

「うわっ!?」

 

 いきなりデカい赤いハサミを取り出して襲ってきた。その際に玉入れの受け皿を手放してしまい頭に直撃。すっげー痛いし当たった箇所を触ってみたら血が付いていた。出血してるな

 

 とりあえず部室に戻って怪我の手当てを、いやその前にハルに問い質さねえと。受け皿をその場に置いたままにして部室に戻るとハルがゆき達と玉作りをしていた

 

「おいハル!お前どういうつもりだ!!」

 

 さっき襲ってきた理由とか色々聞きたかったがそれよりも先に手が出てしまいハルのワンピースの胸元を掴む

 

「な、何ですか急に!?」

「くるみ!貴女何してるの!」

 

 めぐねえとりーさんの二人係りで引き剥がされても睨む目は止めない

 

「恵飛須沢さん落ち着いて!何があったの!」

 

 さすがに力に自信がある私でもりーさんとめぐねえによるロックは外せなかったので大人しく経緯を語る。語り終わるとゆきとるー、柚村と澄子さんからハルのアリバイ証言が上がるが信じられない。あれは間違い無くハルだったんだ

 

「くるみさん、その……本当にくるみさんが会ったのは私だったの?」

「何度も言ってるだろ?それは間違いねえよ。右胸にるーが渡したバッジが有ったんだから」

 

 改めてハルの右胸にあるバッジを見る。……あれ?左胸にある?

 

「このバッジはいつも左胸に付けてるけど、右胸に付けたことはないよ?」

「あ、そうなのか。いやでも付け替えたりとかできるしお前がいつも着けてるリボンとあのことわりさま?の神器とか言う赤いハサミは間違い無くお前しか持ってないだろ!?」

 

 ハルにしか無い特徴を上げると言葉に詰まったようで何度も口を開きかけては閉じている

 

「落ち着きたまえ恵飛須沢君。今一度君を襲ったハル君の姿を思い浮かべてみてくれ、目の前のハル君と相違点等はあるか?」

 

 りーさんの手当てを受けながらじっくりとハルの姿を観察すると段々と違和感の正体が分かってきた

 

「ああそうか。私を襲ったあのハルは……右腕が無くて左腕で襲ってきてた!」

「つまりハル君の無罪が確定したわけだな」

 

 そうだけどもそれじゃあ私を襲った偽ハルはいったい……?

 

「左右が逆なんてまるで鏡みたいだね~」

「え?鏡?」

 

 ハルが何かを聞こえないほど小さく呟きながら頭を抱えた、と思ったら直ぐに顔を上げてめぐねえに大きな鏡は無いかと聞いてきた。ハル曰くその大鏡が原因らしい

 

「鏡……鏡……あ!確か校長先生がどこかの図書館から大鏡を購入したって言ってたわ。保管場所は一階の倉庫だったはずよ」

「多分それです!それを壊せばもう私の偽物は現れないはず!」

 

 あの赤いハサミを持って部室を飛び出そうとしたハルを慌てて止める

 

「待てよハル。一人で行くつもりか?私も行く」

「くるみさんは休んでてください」

「大丈夫だ。もう血も止まったしりーさんの手当ても受けたしな!」

 

 屈伸をしたり腕を上に伸ばしたりして大丈夫だとアピールをしてもハルの表情は変わらない。ハルの一人で行くと言う主張と私も付いて行くと言う主張のぶつかり合いはめぐねえも連れていくと言うことで収まった

 ハル一人で行くよりかは断然良いけどさあ

 

 そうして倉庫前に着いた。倉庫内は色々な物で溢れてるから大鏡と言えど探すのは大変だろうなと思っていたが案外簡単に探し物は見つかった

 倉庫の扉を開けると中が円形の空間になっていて中央に大鏡が佇んでいたからだ。明らかに私の知る倉庫じゃない!?

 

「──来る!」

 

 倉庫のあまりの変わりように呆けていた意識が戻ると大鏡が淡い光を放って人影が三人出てきた。顔は何故か良く見えないが見た目から察するにハルと私とめぐねえだな

 

 手にそれぞれの得物を持って襲いかかってきたがシャベルを首目掛けて一閃。特に感触も何も無く偽ハルと偽私は霧散した。偽めぐねえはめぐねえに頭を強打されて霧散していた

 

 斬って叩いて貫いて、大鏡に近付くにつれ増えていく偽物の私達を必死に腕を動かし霧散させながら進むと大鏡がより一層強い光を放つ

 

 光が弱まり大鏡の前に立ったのは……全く知らない少女だ。背丈はるーと同じぐらいで頬と額に包帯が巻いてある。その見知らぬ少女が現れると同時にハルの様子がおかしくなる

 

その姿を……その姿を、ユイの姿を使うなあぁぁぁぁぁあ!!!」

 

 少なくとも私が知る限り今までハルが浮かべたことがない程の怒りの形相を浮かべて少女に向かって突っ走り赤いハサミを突き刺す。それだけで少女は霧散したがその間際の悲しそうな表情は気のせいだろうか?

 

「っておい!一人で突っ走るな!」

 

 ハルがまた一人で突っ走り出したので急いで私も走り出す。あいつ進路上の避けれないやつだけ消して後は避けて進んでやがる!?

 

 ハルに群がる偽私達を霧散させながら進み遂に大鏡に赤いハサミが届く圏内に入った

 

「壊れろ!」

 

 呪詛が籠ったような声と共に矢の様に鋭く突き出された赤いハサミが大鏡の鏡面を穿つ。それと同時に偽私達が全員消えて倉庫もぐにゃぐにゃと歪みながらも元の形に戻った

 けれどハルの手は止まらない。倒れた大鏡の破片を砕いて、砕いて、砕いて。床に深い刺し傷を何度も作りながら赤いハサミで砕いていく

 

「ハル、もういい。もういいだろ」

 

 やがて力も無くなったのか手から赤いハサミを落としてそれでも拾おうとするハルを抱きしめて動きを封じる。それが切っ掛けになったのか単に疲れたからなのかハルは眠ったようだ

 

「……めぐねえ、帰ろう」

「ええ、帰りましょう」

 

 めぐねえが赤いハサミを、私がハルを背負って倉庫を後にする。バリケードはめぐねえと協力してハルを運んでようやく三階に戻ってきた。LL室に布団を敷いてハルとそのそばに赤いハサミを寝かせる

 

「今は寝ててもいいけどちゃんと起きろよハル。まだお前を疑ったことも掴みかかったことも謝ってないし、聞きたいことだってあるんだからな」

 

 あの少女の事とかお前の過去とかな。だからまあ、今はおやすみ、ハル

*1
出血の上位状態異常。出血が五秒につき3ダメージに対し大出血は一秒につき5ダメージ。クソが(悪態)




 Q.何かに届かない誰かの願いとは?
 A.夜に囚われ続ける少女に想いよ届けと言う願い

 思考が回らないしルーンファクトリー4攻略で忙しいので失踪します。


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十二日目

 ルンファク4やらDQB2やらやってたら前回から結構時間経っててたまげたなあ。まるで浦島みたいだあ(直喩)

 そんなわけで水幻竜をペットにできたので初投稿です

 Yボタンで引き寄せからのダメージ+吹き飛ばし攻撃いいゾ^~。RP消費も少ないってこれ勲章ものですよ?誇れよ前作ラスボス


 もう少しで卒業を迎えるRTA始まります

 

 十二日目朝。筋肉痛の状態異常が付与されてますね。まあ昨日あんなに暴れたんだから多少はね?

 

 とりあえず部室に向かいましょう。物語は部室から始まる、至言ですよね

 

 昨日の大鏡君出現のせいで現在私が使っているただでさえ存在意義が薄いチャート君の存在意義が完全にお亡くなりになる可能性が生まれました、なーむー

 

 この先チャート通りに進む可能性も進まない可能性もあるのホントシュレティンガーの猫かパンドラ(二回行動確定・魔族古獣キラー持ちの幼女)の箱って感じで辞めたくなりますよ~。まあ大胆なチャート変更は走者の特権ですので臨機応変に対応していけばいいんですよ

 

 んじゃゆきちゃんとるーちゃんも来たところで朝ご飯の時間です。基本の缶詰めと乾パンのメニューですね。本来のチャートであればこの後ゆきちゃんから二回目のプールが提案されるのですがさてどうなるやら

 

「ねえ!昨日の続きやろうよ!」

 

 お、運動会続行みたいですね。必要な物は昨日用意済ですし後はKRM姉貴が運んでた玉を入れるやつを運べば良いんでしたっけ。大鏡君は既に壊されてるので安全に運べますね

 

 はいオーライオーライ!はいそこに下ろしてー、良い感じですね~

 

 これにて運動会の準備はおしまいです。んじゃめぐねえが凝って重箱に詰める料理を作ったら運動会開始です

 五色デッキで対戦した以上の回数をこなした運動会のコマンド入力、見惚れろい!

 

 玉入れ競争。AからのB次約1秒以内にAB同時入力でバグって玉二つ持ち速攻シュート!これを繰り返してもなおKRM姉貴とめぐねえに届かず三位です。バグ技使ってんのに勝つKRM姉貴とめぐねえ強すぎる

 

 次は徒競走です。お化けから逃げるために鍛えられたこの速度に勝てる部員は居ません、めぐねえにもギリ勝てます。筋肉痛の状態異常が無ければな

 なおKRM姉貴には万全の状態でも勝てません

 

 借り物競争。題目は……みーくん?あっ(察し)。これ書いたの圭ちゃんだろ(名推理)。何度もループしてる精神年齢高そうな魔女的な幼女がいる田舎に放り込むぞ

 

 んじゃさっさと来いホイ!圭ちゃんが悔しそうな顔してるが原因はお前じゃい!よし一位でゴールです。実を言うとこれがKRM姉貴に勝てる唯一の競技なんですよね

 某運命シリーズのサーヴァントみてーなフィジカルのKRM姉貴に真っ正面から勝つのは無理ってそれ学会でも一番言われてるから

 

 一対一の綱引き。ゆきちゃん、みーくんには勝てますが他には負けます(貫禄の筋力C)。KRM姉貴とスミコ姉貴の対決は見応えありましたね

 

 以上を持ちまして運動会終了です。表彰式ですが一位KRM姉貴(当然)、二位めぐねえ(順当)、三位圭ちゃーん!(MON姉貴)。前衛系の方々が上位独占してますね

 一応りーさんも前衛系なのですがるーちゃんに合わせて加減してるので得点は少ないです

 

 りーさん専用装備のナイフを装備したりーさんは赤い触手持ちの黒巡回お化けやクソデカ魚類君も一撃でEXPに変えるほど強いので一度装備させてみては如何でしょうか?

 入手方法は簡単!りーさん操作時にるーちゃんが彼らかしてそのるーちゃんを

 

 

 

 

 

 あれ?今何の話してましたっけ?確かりーさん専用装備の入手方

 

 

 

 

 

 あれ?今何の話してましたっけ?確かKRM姉貴のフィジカルスペックは異常ですねって言う話でしたかね。一説には裏山にある神社から神の加護を受けてる説とかありますが私は純粋な天性の肉体説を推します

 

 んまあKRM姉貴のスペックの話は横においといて。晩ご飯の時間です。とは言え昼に結構食べてるからかあんまり食べる気にはならないんですよね、KRM姉貴はいつも通りの量を食べてますけど

 

 んじゃさっさとシャワー浴びて、きました。後はもう寝袋で寝るだけですね。それでは十二日目を終わりにしとう──

 

「なあハル、ちょっといいか?」

 

 ──どうして邪魔するんですか(微憤怒)。何ですかいったい、屋上に連れてこられたって今は夜なので肌を焼くには向いてませんよ~

 

「改めて、謝りたいと思って」

 

 はえ~、まさかKRM姉貴の夜の屋上イベントが発生するとは驚いたなあ。にしても人気の無い夜の屋上で二人っきり……君達、そういう関係だったのか(突如飛んでくる過激派ユイハル信者からの鉄拳制裁パンチ)

 

 突如パンチが飛んできましたが装備込みLUKが230以上だったので回避できて助かりました(チョコラン仕様)。くるハルと言うクロスオーバーカップリングが出来そうな夜の屋上イベントが終わったら今度こそ寝ます

 

 では十二日目を終わりにしとうございます。次回は……大鏡君のせいで今後の展開が狂いに狂った未知の領域ですので何も言えませんが……次回も見とけよ見とけよ~

 

 

 

 身体中が僅かながら痛い。起きて直ぐにそう感じた。昨日あんなにも暴れて体を酷使したんだから当然か

 

 布団を退けながらゆっくりと起き上がっていつもの様に二つのリボンを結んで部室に向かう

 

「ハル!?体は大丈夫か?どこか痛い場所とかあるか?」

 

 扉を開け終わるとほぼ同時にくるみさんがものすごい速度で駆け寄ってきて私の手を握ったり腕を軽く触ったりしてきた

 

「あ、ごめん。いやお前昨日あんなに無茶な動きをしたから心配でさ」

「大丈夫ですよくるみさん。全身の筋肉痛以外は異常ありません!」

 

 本当に大丈夫か?みたいな目を向けられながらも定位置に座る

 

「そうだ!ねえ!昨日の続きやろうよ!」

 

 朝食の乾パンをポリポリと摘まんでいたら丈槍先輩が突拍子もなくそう言った。昨日の続き?

 

「もしかして運動会の事かしら?」

「当ったりだよめぐねえ!昨日は大変な事が起きてたみたいだし、でもそれも解決したんだったら運動会、やろう!」

「そうですね。あの後準備したまま放置しっぱなしですし、良いんじゃないでしょうか」

 

 直樹さんの言う通り玉とかスタートラインの線引きとかそのまま放置だったのでそのままにしておくのは何だか勿体無いし

 そう決まった後は早く、玉の受け皿をささっと運んで佐倉先生が運動会後に食べるお昼ご飯を作り終えて運動会が始まった

 

 玉入れ競争。同時に玉を二つ持って素早く投げ入れる、それを繰り返してみたもののくるみさんと佐倉先生には勝てなかった

 くるみさんの玉を拾った瞬間に投げる速度と技能にはとても驚かされた、人間あんな動きが出来るんだなあ……って

 

 徒競走。筋肉痛が邪魔して三位だった。以外にも圭さん足早かったな

 

 そして次は借り物競争なんだけど……

 

「なんで直樹さんの名前が書いてあるんだろ?」

 

 まあ誰が書いたかは察せられるんだけど。だって圭さんが悔しそうな目で見てきてるし。とりあえず直樹さんのお題も探してゴールしよう

 

「な、なんですか大盾って……そんなものが有るわけ無いでしょう!こんなの無効です無効!さっさとゴールに行きましょう夜廻さん」

「あ、うん、そうだね」

 

 直樹さんに手を引っ張られながら急いでゴールラインを越える。どうやら私達が一位のようだ

 

 約二分後にくるみさんが椅子を持ってゴールした。多分お題が椅子なんだろうね

 

「なんだ二位か。一階限定って場所指定が無ければこの競技も一位だったかもしれないのにな」

 

 悔しそうにそう呟く。でもこれまでの競技で全部一位獲ってるじゃん……

 

 そう思いながら待つこと約十五分。全員ゴールラインを越えた。最下位はるーちゃんでお題は一番大切な物。どうやらどれが一番大切かで迷ってゴールが遅れたらしい

 

 それから綱引きをやったけど一位は当然くるみさんだった。この部の中で一番力あるしね。まあ針村さんと拮抗した接戦になったのは驚いたけど

 

 そして最終競技綱引き。結果は丈槍先輩と直樹さんには勝ったけどそれ以外は全敗。るーちゃんはまだ子供だから丈槍先輩とだけやっていた

 

 表彰式と結果発表は佐倉先生が作った重箱に詰めたお昼ご飯を食べてから発表される。まあくるみさんが一位なのは分かってた。借り物競争以外一位だったからね

 

 表彰式が終わってシャワーを浴びて着替えたら若狭先輩が取り出したチェスやボードゲーム等で午後を過ごした

 

「なあハル、ちょっといいか?」

「ん?どうしたんですかくるみさん」

「いや、その……屋上行かないか?」

 

 いいですよ、と返してくるみさんと一緒に夜になり人気の消えた屋上で鉄柵を背もたれ代わりに星空を見上げる

 

「その、さ……改めて、謝りたいと思って。ごめん!ハルの言葉も聞かないで掴みかかって!」

「それは仕方ないですよ。あの大鏡は左右が逆な事以外は精密な偽物を生み出すんですから。だから悪いのは大鏡であってくるみさんじゃないですよ」

 

 そう言ってみるもののくるみさんの表情はまだ暗いままだ

 

「うーん、じゃあもし私がピンチになった時には真っ先に助けに来てくださいね」

 

 小指だけを立ててくるみさんに向けると意図を理解したくるみさんは同じく小指を立てて私の小指と絡ませる

 

「ああ、約束する!ハルがピンチになったら私が真っ先に駆け付けて助ける!」

「はい、お願いしますね」

 

 そうしてそろそろ寝ませんかと言おうとした時、くるみさんが何かを思い出したのか聞いてきた

 

「そう言えばさ、あの大鏡が出したあの少女ってハルの知り合いなのか?」

「……ええ、親友でした。ユイって言うとても勇敢で格好良くて優しい、私の一番大切で大好きな親友だったんです。もう、会えませんけど」

 

 だって自分から縁を切ったんだから、助かるために左腕と一緒にユイとの縁も切ったんだから

 

「そっか。ありがとう話してくれて。なあハル、泣きたかったら私の胸を貸してやるから思いっきり泣いてもいいぞ?」

「大丈夫ですよくるみさん。もう折り合いは着けてます。あれは仕方の無い事だったんですよ」

「そっか。でもまあ、泣きたくなったら何時でも言ってくれ!っとちょっと寒くなってきたな。そろそろ寝ようぜハル」

 

 そうしてくるみさんと一緒に夜空と屋上を後にする。心の奥底に沈めた思いを抑えながら私は今日も明日も生きていく




 (ハルちゃんパートが若干薄味(うすみ)なのは)あぁ、ごめんゼルダ無双と四幻竜のこと考えてた(PP美)
 世界を破壊したり再生したり変化させたり永遠を司ったりする力を持つ四幻竜の内三体を主人公のペットに出来るのってなんか笑っちゃうんすよね。帝国に代わって世界征服でもする気か?

 前話の感想で百合に挟まろうとする間男赦さない兄貴来てて草。気持ちはよう分かるので前話の願う誰かは男ではないと名言しておくよ

 では残りの地幻竜と火幻竜をペットにすべく失踪します


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十三日目

 バレット(クリプトラクト)×夜廻・深夜廻のクロス物書きたいので初投稿です

 バルドル君を全く強化しないクリプトラクト運営を許すな(唐突)


 卒業式に述べる言葉なんぞ一切考えてないRTAは~じま~るよ~

 

 十三日目朝。清々しい晴れですねえ、明日火と煙で彩られるとは思えませんねホントに(初日リスペクト)

 

 では毎朝恒例の部室に向かいましょう。最終日一日前の本日はめぐねえの提案により卒業アルバム作りが行われると思いますがさてはて

 

「卒業アルバムを作りましょう!」

 

 バカな!?貴様(チャート君)は死んだはず……!?てなわけでチャート通りに卒業アルバムイベントが発生しましたのでゆきちゃんがパシャパシャして撮った写真達を切ったり貼ったり一言添えたり百合カップルがイチャイチャしたりして卒業アルバム完成です(ご満悦)

 

 後は屋上菜園の手伝いしたりゆきめぐを観察したりるーちゃんの遊び相手をしながらお昼ご飯の時間になりましたね

 

 最終日目前と当日になるとめぐねえが地下区画の冷凍品をかなり使って豪勢な食事を作ってくれます。まあ昨日も豪勢でしたけどね?

 最終日目前に過剰気味に正気度回復してくれるめぐねえが有能すぎる。ゆきちゃんと結婚して?

 

 んまあそんなわけでお昼ご飯は某師匠印ではないハンバーグです。お米に味噌汁付き。やっぱ……正気度大幅回復してくれる肉料理を……最高やな!家庭的なめぐねえもすこ

 ゆきちゃんの頬に付いた汚れを拭いてあげる辺りとか貫禄の正妻感出してますねえ!!

 

 ゆきめぐてぇてぇしたらお次はミニゲームのトランプをしましょう。今回やるゲームはトランプタ(突如降ってくる隕石)

 

 地幻竜(プロテグリード)君の隕石落としで潰されたので真面目に言いますと今回やるゲームは神経衰弱、大富豪、七並べ、スピード、です。それじゃイクゾー!

 

 ゆきちゃんスピード以外全部一位じゃねえか!運が良すぎる。なーんで三連続でペア当ててるんですかね……

 

「ねえ!キャンプしようキャンプ!」

 

 これは七日目以降にランダムイベントに追加されるイベントの一つ、キャンプイベントですね

 

 余程ギスギスギスしてない限りゆきちゃんの癒しオーラで全員の正気度と友好度を上げてくれるさすゆきイベントです。最終日目前にやってくれるとはいいゾ^~。めぐねえと結婚して?

 

 と言うわけでテント張りますか!モールから一つ持って帰ってて地下区画には最大五人入れるテントが三つあり合計四つありますね。まあここにいるの十人なんで二つしか使わないんですけどね

 

 テント張り終わったら屋上で熱々コーンポタージュ飲みながら星空観賞です。RTA故さっさと進めてますがこのイベントの星空シーンはメチャクチャ綺麗なのでスクショ撮るか会話を進めずじっくり見てみると良いですよ

 

 後はゆきちゃん達と怪談したり恋バナしたりあら^~したりで十三日目終了です。次回は最終日

 

 楽しかった思い出も辛かった思い出も一抱えにしてエンジン全開疾走するので見とけよ見とけよ~

 

 

 

 いつも通りの朝。朝食を食べ終わると

 

「皆さん、卒業アルバムを作りましょう!」

 

 そう佐倉先生が切り出した

 

「急になんだよめぐねえ。卒業アルバムって」

「皆さんは今年で卒業でしょう?だから卒業アルバムを作ろうと思うの。丈槍さんが写真を沢山撮ってくれてるしね」

 

 私達二年生組とるーちゃんは飛び級卒業と言うことで早速アルバム作りに入った

 

 針村さんが作った衣装に着替えた時の写真や運動会の写真、丈槍先輩がこっそり撮っていた皆の寝顔の写真等をアルバムに張り付けては一言書いたり書かなかったりしながらアルバムのページを埋めていく

 

 最後のページにはそれぞれ一言コメントを書き、最後に佐倉先生が書いて──

 

「完成だね!めぐねえ!」

「ええ、完成ですね、丈槍さん」

 

 完成した卒業アルバムは卒業式に使う飾りと一緒に段ボールへ収納された。その後はほぼ日課になりかけているるーちゃんや丈槍先輩と遊んだり屋上菜園の手伝いをしたり丈槍先輩が佐倉先生にべったりだったり

 

 そんな感じで穏やかな時間を過ごした

 

「なありーさん、どうして昼飯がこうも豪華なんだ?」

「めぐねえが冷凍食材を早く使いきりましょう、って」

 

 本日のお昼ご飯はくるみさんの言う通りとても豪華でハンバーグと炊きたてのご飯にお味噌汁だ。

 

「丈槍さん、頬にソース付いてますよ」

「ん、ありがと!めぐねえ」

 

 ほんと丈槍先輩は子供っぽいなあ。だからなのか佐倉先生がお母さんっぽく見えるんだよね。あ、るーちゃんも頬にソース付いてるよ

 

 食後はるーちゃんが持ち出してきたトランプで色々やった。丈槍先輩は神経衰弱や大富豪や七並べ等の運が絡むゲームだと大体上位に入っていた。丈槍先輩の運が強すぎる

 

 トランプ大会終了後、紅茶を飲んでリラックスしていると丈槍先輩が大きめの布団みたいなのを持ってきた

 

「ねえ!キャンプしようキャンプ!」

 

 また唐突な事を言い出した丈槍先輩曰くあの遠足時にキャンプセットも持ち帰ってたらしい。あの車だから持ち帰れたと感謝された。どういたしまして

 

 それでキャンプをしようと言ったようだ。と言うわけで早速設営に移る。持ち帰ってきた物も地下区画にあった物も両方付属の杭で縫い止めるタイプみたいだけど良いのかな……?

 

 チラッと佐倉先生の方を見ると何の躊躇も無く床に杭を打ち付けていた。……多分大丈夫かな

 

「やっぱり人手があると早く終わりますね」

 

 ものの数分で設営が終わった。たった二つだしね。その後は中の寝心地を確かめたり将棋や丈槍先輩主催の宝物探し大会等をしながら夜になるのを待った

 

「わー!すごいね!お星さまが沢山だよ!」

「ええ、そうね。こんな風に夜空を見上げる機会なんてあまり無いから新鮮ね」

 

 熱々のコーンポタージュを少しずつ飲みながら丈槍先輩達と一緒に屋上で鉄柵を背もたれに夜空を見上げている。昨日も見上げたなあ

 

「こんな穏やかな日がずっと続けば良いのだけど……でも、明日終わるのよね

 

 ん?今佐倉先生が何か小さく呟いてたような……?気のせいかな?

 

 夜空の観賞会も終わってテント内に移り、そこで怪談として大ナマズや二つの顔を持つ巨大なお化けの話をすると大いに盛り上がった。まあるーちゃんが本気で怖がってたから直ぐに切り上げたけど。そして今は所謂恋バナの話になってるけど……正直私は恋って言うのがよく分からない

 

 一緒にいるだけで嬉しかったりドキドキするのが恋なら私がそんな風に感じたのはユイだけ。でもユイも私も女の子同士だから恋の対象になるなんておかしいし……だから分からない

 

 でもあれは恋だったのかな、でも女の子同士だしと延々と考えていたら欠伸が漏れ出て段々と瞼が重くなってきた

 

「あら、夜廻さんはもう寝るみたいね。私達も寝ましょうか」

「そうですね。ではおやすみなさい、圭、悠里先輩、るーちゃん」




 ライザ2とオリジナル小説執筆が楽しいので失踪します。性癖と好きな展開(下半身と魂)に素直になれ


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最終日 卒業

 今更ながら解釈違い・考察違いは許してほしいので初投稿です


 やっと……このRTAも終わるんやな、っていうRTAはじまります

 

 まあ最終日と言えどね、朝はいつも通り部室直行ですよ。朝ご飯食べ終わったらめぐねえが校内の掃除をするので部員全員+スミコ姉貴の総出で手伝いましょう

 

 まあどれだけ綺麗にしようともヘリの墜落+彼らの大群のせいで汚れるんですけどね、へっ。ホント何しに来たんでしょうねあのヘリ……

 

 愚痴はこのくらいにして校内清掃終わりです!お次は授業をするようですね。科目は……国語みたいですね

 

 ゆきちゃんとるーちゃんのサポートをしながらサクサクサクと進めまして時刻はお昼直前ですね。14日目のお昼ご飯は胃に優しく野菜メインのメニューになります。肉ばかり食べるのも問題ですしね?

 

 お昼ご飯を食べ終えたら最後の正気度チェックのお時間です。全員の顔色見るに正気度も疲労度も問題無いみたいですね。では午後一時になるまで屋上庭園のお手伝いしましょうか

 

 はい午後一時頃になりました。遠くに何かが飛んでいるのが見えますね?ここからヘリ襲来&墜落のイベントシーン突入です。ちなみに校内に居るとゆきちゃんがヘリの音に気付くまでイベントシーンに突入しないので微ロスです

 だから、屋上に出てる必要があったんですね。更にちなみにですが校庭を攻略済みですと校庭に出れるのですがその場合、墜落時高確率で死にます(理不尽)

 

「おーい!おーい!!」

 

 ゆきちゃん達が全力で呼び掛けるもヘリ君はぐらんぐらん揺れてそのまま駐車場前の校庭にシューーート!超!大爆発!!

 

 イベントシーン終了です。終わったらめぐねえの先導で地下区画に避難することになります。火が回る前にイクゾー!

 

 二階と一階のバリケードは爆発の余波で全部壊れてるので残骸を避けながら突っ込め──あっぶえ!??

 

「夜廻さん!丈槍さん!無事ですか!?」

 

 大丈夫ですが分断されましたね。おのれランダム崩落イベめぇ……!はい、上階の廊下が崩れ落ちたことによりめぐねえ達と分断されました。一緒に分断されたゆきちゃんと一緒にめぐねえ達に合流するぞー、ってゆきちゃん背後!?

 

 ゆきちゃんの背後に迫る彼らに向かって赤いタチバサミを差し──あぁぁ!!!!?間違えて庇うコマンド選んじゃっっっっったぁっっっ!??

 

「ハルちゃん!?」

 

 何時までも肩に噛みついてんじゃねえよオラァン!?逆手持ちハサミを頭に突き刺してワンキルしましたが血が止まりませんね。これは出血の状態異常を受けてしまいましたね。ここでこれは痛いですね痛い……

 

 とりあえずハルちゃんのHP的に猶予は十分程あるのでゆきちゃんに地下まで運んでもらってワクチンを打ってもらいましょう

 

「あ、そ、そっか!分かった!」

 

 ゆきちゃんは貧弱なので私を支えながらの移動となると遅いですがハルちゃん一人で行くよりは早いです

 

 爆発の余波でバリケードが壊れてるので校内に侵入してる彼らが居ますがタイミングを合わせてハサミでスパッと斬首してお首コロコロリンします。大体はヘリの方に行ってるので少ないですが一つのミスで再走になると思うと怖いですね

 

「ハル!ゆき!!」

 

 おお!救いの神(KRM姉貴)はここにあったのか……!勝ったな(確信)。KRM姉貴の筋力ならハルちゃんをお姫様抱っこで運ぶのすら余裕ですのでHPが尽きる前にワクチンを打つなんて余裕よゆ……あれれー?おかしいぞー?(某名探偵)。視界が段々と赤く染まって……

 

 これ瀕死状態の演出じゃねえか!!!??!??!?

 

 一瞬だけステータスを見てすぐ閉じます。……これ、出血じゃなくて大 出 血ですわ

 

 あ↑あ↗あ→あ↘あ↓あ↙あ←あ↖あ↑ああああああああ!!!!!ガッッッッッッ!!!!!あの腐肉野郎深く噛みやがったなもう許さねえぞオォン!!!?もうコロコロしましたけど!!!

 

 ハルちゃんのHPは後20秒程しか持ちませんが今一階と二階を繋ぐ踊り場なので……詰みました。再走、再走です!(勝訴と書かれた紙を持って走る弁護士並感)

 

 はぁぁあぁぁああああ(クソデカため息)

 

 あ ほ く さ

 

 こんな大事な場面で操作ミスとか辞めたら?この仕事(RTA走者)

 

 ……はい、何時までも嘆いても仕方無いので大人しく再走します。ゲームオーバー演出後にタイトル画面ですので、それまで待ちます

 

 

 

 

 

 ……

 

 

 

 

 

 …………

 

 

 

 

 

 ………………あのー、すいませーん、暗転明けるまでま~だ時間かかりそうですかね~?

 

「──て!!お──て!夜廻さん!起きて!夜廻さん!!!」

 

 んあ!?生き、てる?私生きてる!?ハルちゃん生きてる!!!????チラッとステータス見まして……HP5で生きてる!!!

 

 しかもここは地下区画、と言うことは──

 

 完走確定です!!なんで生きてるのか不思議ですがそれは置いといて。最終日に地下区画まで避難できれば後はイベントシーンだけなので完走確定です

 

 えー、最終日を地下区画で過ごして外の鎮火を確認して地下区画から出るシーンと卒業式のシーンが流れてエンディング画面が流れたのでタイマーストップです!タイムは4時間27分46秒。順位は四位ですね。自己ベスト更新、中々やるじゃない

 やっぱ愉悦麻婆と激昂の代償で気絶したのが大きな短縮に繋がったんですかね

 

 ただ一つ上の三位のハサミ兄貴のタイムには少し及ばず……上位三人はどこでタイム短縮してるんですかね?

 

 んまあともかく、エンディングを背景に完走した感想ですが。雨の日ラッシュは許さないからなお前。それとゆきめぐはてぇてえ、けいみきも良いぞ!

 

 ~エンディング鑑賞中~

 

 では、エンディングも終わりましたので、がっこうぐらし!『深き夜を廻った少女』使用RTAを終わりにしとうございます。ご視聴ありがとうございました!

 

 最後にもう一つだけ、よろしいでしょうか?(某和製シャーロック・ホームズ風)

 

 近日中にがっこうぐらし!と夜廻・深夜廻に大型アップデートが来るみたいなのでこれを機にがっこうぐらし!RTA、夜廻・深夜廻RTAをしてみては如何でしょうか?

 

 私 も や っ た ん だ か ら さ ?

 

 

 

 ……ふあ~。あれ、私いつの間に寝ちゃったんだろ

 

 確かテントで恋バナしてる途中で……寝ちゃったのか。テントから出てみれば外はもう明るかった。るーちゃんを起こさないように着替えて部室に行こう

 

「おはようございます、夜廻さん」

「おはよう、ハル君」

「おはよ、ハル」

「おっす、おはようハル」

「おはようございます」

 

 何時もの部室の何時もの席に座って部員が揃ったら朝ごはんを食べる。どうやら今日は校内の掃除をするようだ

 

「夜廻さんと丈槍さんと瑠璃ちゃんは三階を。柚村さんと若狭さんと直樹さんと祠堂さんは二階を。針村さんと恵飛須沢さんと私で一階をお掃除しましょう」

 

 と言うわけで箒を持って廊下の隅々まで掃いている。部員全員で校内を掃除して五分ほど休んでから国語の授業が始まった。丈槍先輩読み間違いが多いね……

 

 そして授業後に丈槍先輩やるーちゃんと遊び、お昼ご飯を食べた後は庭園の手伝いをしている

 

 そんな日常はあの日みたいに唐突に壊された

 

「あら?あれは……ヘリコプター、かしら?」

 

 小さいながらも何か異音がしてその音が鳴る方を見ると何かが空を飛んでいた。形状的に若狭先輩の予想通りヘリコプターみたい

 

 そのヘリコプターの駆動音を聞き付けたのか丈槍先輩や佐倉先生達もやってきて屋上に部員が勢揃いだ。ヘリコプターがやって来たってことはもしかしかたら助けが来たのかもしれない、なのにこの心臓の鼓動は徐々に激しくなる。まるでお化けが近くにいるときみたいな感じに

 

「おーい!おーい!!」

 

 丈槍先輩達が大声で呼び掛ける。ヘリコプターは段々と近付いて──

 

「なあ、なんかあのヘリ、揺れてないか?」

 

 突然ヘリがぐらぐらと不安定に揺れて、そのまま校庭に墜落して大爆発を起こした

 

「皆さん!地下に避難しましょう!!」

 

「火事も起きてるしめぐねえの言う通り早く地下に避難した方が良いな」

 

 危うくパニックを起こしかけたけど佐倉先生のおかげで全員素早く行動が開始された

 

 爆発の余波で壊れたのかバリケードの残骸を踏み越えて丁度一階へ下りる途中でそれは起きた

 

「夜廻さん、上!!」

 

 間が悪いことにさっきの爆発で脆くなっていたのか天井が崩れて落ちてきた。落下してきた瓦礫は回避したが丈槍先輩と一緒に佐倉先生達と分断されてしまった。どうにかして合流しないと

 

「夜廻さん!丈槍さん!無事ですか!?」

 

「無事です!特に怪我もありません!」

 

「大丈夫だよめぐねえ!」

 

「ハル!ゆき!右側の階段からそっちに向かうからハルとゆきも向かってくれ!」

 

 短く返事を返し私達も移動を──

 

「危ない!」

 

 丈槍先輩の背後に迫っていたゾンビから咄嗟に丈槍先輩を庇って肩を噛まれた

 

「ハルちゃん!?」

 

 痛い!痛い……けどあの時程じゃない。左腕を、ユイを失った時程じゃない!

 

「はあぁぁぁ!!」

 

 ポケットから鋏を取り出して私の左肩を噛むゾンビの頭に突き刺す。一撃で倒したけど肩の出血が止まらない

 

「は、ハルちゃん、肩、血が……!」

 

「大丈夫ですよこのくらい。それよりくるみさん達と合流しましょう」

 

「あ、そ、そっか!分かった!」

 

 一歩踏み出してみたらふらっと揺れて倒れそうになったけど丈槍先輩が咄嗟に支えてくれたおかげで倒れはしなかった。それよりも体に力が入らない方がきつい。なんだか頭の回転も遅くなっている気がする

 

「確か地下にワクチンがあったはず。それをハルちゃんに打てば……それまで耐えてねハルちゃん!」

 

 段々と薄れていく意識の中丈槍先輩に支えられながら移動する。一体だけいたゾンビは鋏を大きくしてその首を落とした

 

「ハル!ゆき!」

 

 ああ、良かった。くるみさん達が来てくれた。でも私はもうダメだ。血が溢れすぎたのか意識が薄れていく。私の命が零れていくのが分かる

 

「たけ、やせん、ぱい……あとは、たのみます、ね」

 

「ハルちゃん?ハルちゃん!ダメだよ起きて!ハルちゃん!!」

 

 

 

 

 

 ──あれ、ここは?えっと、たしか私、ユイと花火を見に山にのぼって、それから……?

 

『ユイ?ユイー?はぐれちゃったのかな……』

 

 夜の山はとってもこわいけどユイとはなれたままなのはいやだからユイをさがして夜の山道を歩く

 

『あ!ユイ!』

 

 よかった。山の入り口でユイを見つけられた

 

『もう!きゅうにはぐれちゃうから心配したんだよ!さ、早くお家に帰ろう?』

 

 今度ははぐれないようにしっかりとユイの手をにぎった。だけどどれだけひっぱってもユイはその場から動こうとしない。どうして?

 

『ハル……帰るってどこに?夜本一市に?』

 

『そうだよ?』

 

『違う!ハルが帰るべき場所は夜本一市(ここ)じゃない!巡ヶ丘の、学園生活部の皆の所だよ!』

 

 ──あ

 

「でも、もう戻れないよ。私ゾンビに噛まれて死んじゃったんだから。それに戻るつもりも無いよ、ユイと一緒に居たいもん」

 

『ハル……ダメ、それはダメ。ハルは皆の所に戻るべきなの!私が死んだ後も私を想ってくれるのは嬉しいよ、覚えててくれるのは嬉しいよ。でも、私が死んだせいでハルの重荷になるくらいなら私のことは忘れて、ハルの人生を生きて!』

 

「嫌!嫌だよ!ユイを忘れて生きるなんて嫌!それに全然重荷になんかなってない!」

 

『なってるよ!浮遊霊になってずっとハルを見守ってきたけど最近は明るくなってきたけど前までずっと暗い顔だったしたまに泣いてたじゃん!私の名前を呼びながら!』

 

「でも、でも……私、ユイが居ないと……寂しいよ!」

 

『うん、私もハルと一緒じゃないと寂しいよ。だけど私は死んじゃってるからさ、たまーに思い出してくれるぐらいで良いから。ハルはハルの人生を歩んでよ』

 

「ユイを助けられなかったのに?一番近くに居たのに何もしてあげられなかったのに!」

 

『そんなこと無い!私はハルが居たからあの日まで生きていられたんだよ。明日またハルに会えるって、私にとってハルは生きる希望だったの。ハルが居なかったらもっと早くに自殺してたかもしれないし』

 

「でも!私ずっとユイに頼ってばかりでユイを守れなかった!もっとユイの傍に居てあげるべきだったのに!それを人形を渡して救った気になって!私が私を赦せないの!」

 

『……ハル、私は救われてたよ。あの人形、私のためにハルが一生懸命頑張って作ってくれてとっても嬉しかったんだよ。それにハルが居るだけで私は救われてた、だから今度はハルが救われる番。ほら、皆待ってるよ』

 

 ユイが指差した道路の先を見れば佐倉先生達が私を見て手を振っていた。それぞれの小指には赤い糸が結ばれていてその糸の先は私に繋がっていた

 

「ユイ……本当に私を恨んでないの?」

 

『恨んでなんか無いよ。寧ろ感謝してる』

 

「罪滅ぼしのためじゃなくて、私自身のために歩いていいの?」

 

『勿論!さあ、そろそろ夜明けの時間だよ』

 

 世界が段々と明るくなる。私は、決断をしなければいけない

 

 ▷手を離す?

   はい

   いいえ

 

「ユイ。最後に言いたいことがあるの、良い?」

 

『奇遇だね、私も最期に言いたいことがあるの』

 

 さあ、告げよう。あの日言うべきだったことを。その言葉を交わして私達は

 

『「さよなら、ばいばい。今までありがとう、ユイ(ハル)」』

 

 ▷はい

 

 その手を離した

 

 周囲の景色が溶けて完全に無くなって真っ白い世界になった。だけどどこに行けば良いかはこの赤い糸が教えてくれる。さあ帰ろう、皆の所へ

 

 

 

 

 

「──て!!お──て!夜廻さん!起きて!夜廻さん!!!」

 

「あ、佐倉、先生……」

 

「ハル!良かった……!」

 

 回りを見れば全員が心配そうに私を見下ろしていた

 

 あの不思議な場所でユイと会ったのは夢かと思ったけどこの右手に残る温もりがそうじゃないって教えてくれる

 

「大丈夫かハル?まだ傷口が痛んだりするか?」

 

「大丈夫ですよくるみさん。それよりここは……?」

 

「ここは地下だよ。それとめぐねえがワクチンを打ってくれたからハルがあいつらになる心配は無いぞ」

 

 私の無事を確認した後は皆でお菓子パーティーとかオセロとかで遊んで一晩過ごした。火が収まったのを確認して地下区画から出ると校舎は至るところが黒く煤けて汚れていた。三階の部室と隣の教室は辛うじて少し煤けている程度で済んでいる

 

 もうこんな状態じゃここに居続ける事はできないって話になってこの学校を、巡ヶ丘高校を卒業することになった

 

「皆さん、忘れ物はありませんね?」

 

「大丈夫だよめぐねえ!バッチリ!」

 

 そうして今。無事卒業式を終えて地下区画や部室に残った食料や水等をあの爆発の中でも無事だったキャンピングカーに詰め込んで出発しようとしている

 

「目的地は聖イシドロス大学だったよな。針村さんの出身校の」

 

「そうだな。小生としては些か悪い思い出もある場所だが、避難場所としては悪くないぞ」

 

「さて、それじゃあ出発しますよ!」

 

 私達と太郎丸を乗せてキャンピングカーが走り出した。直ぐに校門を越えて学校の外へ

 

 ──ユイ、私はこれから私自身の道を歩いていくね




 ▷スキル『親友との思い出』が『夜明け』に変化しました


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