カードは拾います。良いですね? (ブラッドマスカレイド)
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前世を思い出します。良いですね?

雨が降り注ぐ不気味な森。
そんな森の中に1人の少年が空を見上げていた。

「父さん…母さん…」


少年の名は『風札(ふうさつ) 遊音(ゆうね)』。

年齢は14歳で、いつもは明るく元気な少年である。

何故彼がこんな所にいるのかそれは5日程遡る…

 

 

 

 

 

▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△

 

 

 

 

 

彼の両親は遺跡の調査と研究をしていた。

その為研究所にいる事が多く、遊音とは一緒にいる時間が少なかった。

しかし、遊音は時間が少なくても親の事を嫌いなどならなかった。

むしろ親の事を大切な存在だといつもは思っていた。

そんなある日、両親は研究所で起きた爆発事故で行方不明になった。

死体は見つから無かったが、誰もがもう生きて無いと思った。

それは遊音も同じだった。

遊音はその日から部屋に籠ってしまった。

彼は部屋でひたすら涙を流した。

そんな時、遊音の元に一通のメールが届いた。

それは両親が行方不明になってから3日目、遊音はいつもの様に部屋にいると彼のスマホに届いた物だった。

メールにはこの様に書いてあった。

 

『始めまして風札 遊音君。

君は今、両親の事で部屋に籠もっているのかな?

そんな君に良いニュースを教えてあげよう。

君の両親の研究所の近くの山に行け。

そこに君のするべき事を教えてくれる物があるだろう。』

 

遊音はそれを読み終えると出掛ける準備をして部屋を飛び出した。

そして遊音はメールに書いてあった山に向かい、そして2日間山の中を捜索したが未だに何も見つける事ができなかった。

 

 

 

 

 

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そして今に至る。

 

「分からねぇ……あのメールに書いてあった『するべき事を教えてくれる物』なんて何処にあるんだよ…?」

 

遊音は雨が降っている森の中をひたすら歩き続ける。

 

「…にしてもこのままだと風邪引いちまうな……」

 

遊音は何処か雨宿り出来そうな場所が無いか辺りを見渡す。

すると遊音は不気味な洞窟を見つける。

 

「洞窟か?……はぁ…仕方ねぇ彼処に入るか…」

 

遊音は嫌々洞窟に入って行く。

 

「………今更だけど誰なんだ?あのメールを送って来た奴?」

 

遊音はそう言いながら外の様子を見る。

 

「まっ分かんねぇ事考えても意味無いか……ん?」

 

遊音はそう言いながら洞窟の中を見る。

すると一瞬だけ青色のオーラの様な物が見えた。

 

「何だ…?」

 

気になった遊音は洞窟の奥に進んで行く。

 

 

 

 

 

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遊音は消えると出現を繰り返す青色の何かの後を追いかける。

 

「さっきから消えたり現れたり…何がしたいんだ?」

 

遊音はそう言いながら歩き続けると洞窟の最深部に到着した。

 

「此処が最深部みたいだな…ん?」

 

遊音は最深部の中心に四角い棺桶の様な物があった。

 

「何だ…?」

 

遊音は棺桶に近づくと遊音の目の前に青色の何かが現れた。

 

「うわっ!?なんだよいきなり!」

 

すると青色の何かの一部が変化し始め、鋭い爪を持ったマリンブルー色の不気味な腕だった。

 

「!?」

 

遊音は突然の事に驚く。

そんな遊音に向かって青色の何かは()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「なっ!?」

 

遊音は混乱していた。

頭に爪が突き刺さっているに痛みは無かった。

すると遊音の頭の中に映像の様なものが流れ始めた

 

 

 

 

 

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遊音は流れる映像を見るとそこには赤ん坊を抱えた夫婦と赤ん坊を見つめる姉妹と思われる人達がいた。

 

(誰だ…この人達?)

 

すると映像が切り替わる。

今度は1人の少年が木の棒を持って不良達と喧嘩している様子だった。

 

(木の棒持って喧嘩って…何やってんだかコイツは…)

 

遊音が呆れているとまた映像が切り替わる。

新しく現れたのは少し成長した姿の少年がいた。

少年は友達と思われる男子と一緒にカードゲームをしていた。

 

(……何だろう?何かこの光景見た事ある…)

『よし!…くは…ク……ァイ…を召喚!』

(何でだ?よく聞こえない…?)

 

するとまた映像が切り替わる。

今度はまた少し成長した少年が街中を歩いている様子だった。

 

(また変わった……やっぱりコレも何処かで見た事ある…何故だ?)

 

少年は歩いていると少年の前にいる親子の上から巨大な看板が落ちて着ていた。

 

(……!そうだ!確かこの後!)

 

少年は親子を突き飛ばし、看板の下敷きになった。

 

 

 

 

 

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青色の何かは遊音の額から爪を引き抜く。

 

「そうだ…思い出した…俺は看板に潰されて死んだんだ…それで俺は生まれ変わってこの世界に…」

 

頭を抱えながら遊音は思い出した記憶を整理する。

そして顔を青色の何かに向ける。

 

「……お前の事も思い出したぜ。」

 

遊音がそう言うと青色の何かはぐにょぐにょと変化し始めた。

青色の何かは徐々に形を整え、鋭い爪を持ち、不気味な目の模様、マリンブルー色の体を持った不気味なモンスターへと姿を変えた。

そして遊音はそのモンスターの名前を呼ぶ。

 

「……会いたかったぜ…サクリファイス!」




次回「相棒を拾います。良いですね?」


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相棒を拾います。良いですね?





今回のキーカード
『サクリファイス』







『サクリファイス』…それは生贄を意味する言葉。

遊音の目の前にいるサクリファイスと言われたモンスターは遊音がこの世界に転生する前の世界にあった『遊戯王デュエルモンスターズ』と言うカードゲームのキャラクターで遊戯王の漫画やアニメ等にも登場したモンスターだ。

そして遊音が前世で相棒として使っていたモンスターであった。

 

「まさかお前だとは思わなかったぜサクリファイス…いや相棒!」

『………』

 

そう言いながら遊音はサクリファイスと見つめ合う。

するとサクリファイスは棺桶の真上に移動する。

 

「ん?どうした?」

『………』

 

次の瞬間、サクリファイスの目の模様から一筋の光が棺桶に放出された。

棺桶に光が当たると模様が浮き上がり、ゴゴゴゴゴ…と音を立てながら棺桶の蓋が開き始めた。

 

「動いた…!?」

 

そしてドンッ!と言う音とともに棺桶の蓋が地面に落ちた。

遊音は棺桶に近づき、中を覗くとそこには奇妙な物体がある事に気づく。

 

「何だコレ…?」

 

遊音は中に入ってた物体を持ち上げる。

遊音が手に取った物体は丸い円状に5つの扇風機の羽の様なパーツが付いていて、中心に黄色い目の様なパーツが付いていた。

 

「…何でだ?何処かで見た事がある……?」

 

そう言いながら遊音は物体を見ていると物体の裏側に、腕に付ける事ができるパーツがある事に気づく。

 

「……あっ!もしかしてコレ腕に付けれるのか?」

 

遊音はそう言うとパーツを腕に接続する。

すると物体の中心部のパーツが赤く光だす。

 

「なんだ!?」

 

遊音は突然の事に困惑するが突然物体の羽の様なパーツが回転し始めた。

そして回転が止まると同時にパーツは1列に並んでいて、横から数枚のカードが飛び出していた。

 

「変形した!?………ん?変形……?」

 

遊音は顎に手を当てながらその場で考え始めた。

 

「………あっ!!そうだ!?コレって『決闘盤(デュエルディスク)』だ!?」

 

決闘盤(デュエルディスク)……それは遊戯王のアニメや漫画に登場するアイテムでデュエルをする為に必要な物である。

 

「にしても何で決闘盤(デュエルディスク)がこんな所に…?」

 

すると遊音の横にサクリファイスがやって来た。

 

「どうした?相棒?」

『………』

 

サクリファイスは決闘盤(デュエルディスク)のとある場所を突く。

それは先程変形した時に現れたカードだった。

 

「ん?このカードって……遊戯王のカード?」

 

カードの正体は遊戯王カードであった。

カードは5枚あり、遊音はカードを取り出して1枚ずつ確認した。

まず最初に見たのは青色でサクリファイスの姿と名前が描かれたカードだった。

 

お前(サクリファイス)のカードか…久しぶりに見たな…」

 

サクリファイス

効果モンスター

闇属性/レベル:1/攻撃力:0/守備力:0/魔法使い族

カードテキスト

「イリュージョンの儀式」により降臨。

(1):1ターンに1度、相手フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。

その相手モンスターを装備カード扱いとしてこのカードに装備する(1体のみ装備可能)。

(2):このカードの攻撃力・守備力は、

このカードの効果で装備したモンスターのそれぞれの数値になり、

このカードが戦闘で破壊される場合、代わりに装備したそのモンスターを破壊する。

(3):このカードの効果でモンスターを装備したこのカードの戦闘で自分が戦闘ダメージを受けた時、相手も同じ数値分の効果ダメージを受ける。

 

遊音はカードをずらした。

今度は緑色のカードだった。

そこには金色の壷から煙が出ている絵が描かれていた。

 

イリュージョンの儀式

儀式魔法

カードテキスト

「サクリファイス」の降臨に必要。

(1):自分の手札・フィールドから、レベルの合計が1以上になるようにモンスターをリリースし、手札から「サクリファイス」を儀式召喚する。

 

遊音は今度は残り3枚をまとめて確認する。

カードの色は3枚とも全て茶色で、描かれているのは短い手足を生やした金色の装飾が後ろに付いた毛玉のモンスター、毛玉のモンスターに姿は似ているが体は金色の球体で手足もカクついているモンスター、まるで悪魔の様な生き物の骸骨の飾りが付いた杖を構えているローブを纏っている黒髪の青年がそれぞれ描かれたいた。

 

「サクリボーとクリボール…それと闇霊使いダルクか…」

 

サクリボー

効果モンスター

闇属性/レベル:1/攻撃力:300/守備力:200/悪魔族

カードテキスト

(1):このカードがリリースされた場合に発動する。自分はデッキから1枚ドローする。

(2):自分のモンスターが戦闘で破壊される場合、代わりに墓地のこのカードを除外できる。

 

クリボール

効果モンスター

闇属性/レベル:1/攻撃力:300/守備力:200/悪魔族

カードテキスト

(1):相手モンスターの攻撃宣言時、このカードを手札から墓地へ送って発動できる。その攻撃モンスターを守備表示にする。

(2):儀式召喚を行う場合、必要なレベル分のモンスターの内の1体として、墓地のこのカードを除外できる。

 

闇霊使いダルク

効果モンスター

闇属性/レベル:3/攻撃力:500/守備力:1500/魔法使い族

カードテキスト

(1):このカードがリバースした場合、相手フィールドの闇属性モンスター1体を対象として発動する。このモンスターが表側表示で存在する間、そのモンスターのコントロールを得る。

 

「コレがどうかしたのか?」

『………』

 

遊音がそう言うとサクリファイスは爪の先端黒い電流を纏い、3枚のモンスターカードに向けて電流を放つ。

 

「うわ!?何だよいきな『『『いったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?/クリィィィィィィィィィィィ!?』』』り何だ……よ?」

 

遊音はサクリファイスの行動に驚いてサクリファイスに文句を言おうとした瞬間、持っていたカードから叫び声が聞こえた。

するとカードから3つの光の玉が飛び出した。

 

『いった!?何だよサクリファイス!?いきなり攻撃しやがって!てか何で攻撃力0なのに何でこんなにダメージあるんだよ!?』

『サクサクリー!!』

『クリクリボール!!』

『………』

 

3つの光は姿を変え、それぞれカードに描かれていた霊使いダルク、サクリボー、クリボールの姿になった。

 

「……えっ!?カードから何か出てきた!?」

『えっ?あっ!決闘盤(デュエルディスク)が起動してる!?』

『サクサクリー!?』

『クリクリボール!?』

「えっあっいやっ何か付けたら動いたんだけど…」

『そうか…お前が…』

『サクサクリ〜…』

『クリボ〜〜ル!』

『………』

「えっと…始めましてだな?俺は遊音!風札遊音だ!」

『俺はダルク。こっちのはサクリボーとクリボールだ。』

『サクサクリ〜!』

『クリボ〜〜ル!』

 

遊音とダルク達はお互いに自己紹介する。

すると遊音はさっきのダルクの反応に疑問に思い、ダルクに話かける。

 

「そう言えばダルク?さっきは何であんなに驚いてたんだよ?」

『それはマスターが決闘盤(それ)を起動させたからだよ。』「コレを?…てか?()()()()?」

『俺達は決闘盤(デュエルディスク)の中に封印されてたんだよ。だからソレを起動させた奴が俺達のマスターとして受け入れられるんだよ。』

「そうゆう事か…」

『まっ!よろしく頼むぜマスター。』

『………』

『サクサクリ〜〜』

『クリクリボ〜〜ル』

 

サクリボーとクリボールに頬ずりされてる遊音は自分の腕の決闘盤(デュエルディスク)を眺めていた。

 

(あのメールに書いてあった物って決闘盤(コレ)の事だったのか?でもまだ分からない『俺のすべき事』って一体…?)

『………』

 

考え込む遊音を見るサクリファイス。

するとサクリファイスがさっき遊音が歩いていた道の方を見ると何かに気づく。

 

『………』

「…ん?どうした?」

 

サクリファイスは遊音の前に移動し、道がある方向に指を指す。

 

「…あっちに何かあるのか?」

『………』

 

遊音にそう言われるとサクリファイスはうなずく。

 

「そうか…じゃ行ってみるか。」

『あっ俺も行くぞ!』

『サクサクリー!』

『クリクリボール!』

 

遊音達は来た道を通って行った。

 

 

 

 

 

▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△

 

 

 

 

 

遊音達は洞窟の入口にやって来た。

降っていた雨は止んでおり、空には大きな虹がかかっていた。

 

「おお…!」

『………』

『すごいなぁ!!』

『サクサクリ〜〜!!』

『クリクリボ〜〜ル!!』

「……見事だな…!」

 

遊音達は空の虹に見惚れていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あぁ確かに見事だ。」

 

知らない男の声が聞こえるまでは。

 

「!?」

『………』

『!』

『サクリ!?』

『ボ〜ル!?』

 

遊音達は声の聞こえた方向を見るとそこには黒色の革のトレンチコートを身に着けているウルフカットの男がいた。

 

「よ!風札遊音だな?」

「………誰だよ?」

 

遊音は現れた男を睨み付ける。

 

「落ち着けよ…俺はお前にメールを送っただけだぜ?」

「なっ!?あのメールはアンタが!?」

「あぁ…まっとりあえず自己紹介させてもらうぜ?」

 

そう言うと男はトレンチコートから何かを取り出すと、左腕に装着した。

遊音は左腕の物を見ると衝撃を受ける。

 

「なっ!?」

「俺の名前は林間(はやしま) 刃車(はしゃ)…よろしくな?」

 

そう言うと刃車は左腕に装着した物…決闘盤(デュエルディスク)を見せつける様に構える。




次回「決闘者(デュエリスト)刃車です。良いですね?」





次回のキーカード
『ドリラゴ』






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決闘者(デュエリスト)刃車です。良いですね?




今回のキーカード
『ドリラゴ』







遊音は混乱していた。

突然現れた謎の男…林間 刃車が自分にメールを送った人物であり、何故か遊音と同じ決闘盤(デュエルディスク)を身に着けていると言う状況に頭が追いついていなかった。

 

「おーい?大丈夫か?意味わかんなくて混乱してるみたいだけど?」

「……!何でお前が決闘盤(ソレ)を持ってんだ……!」

「おいおい…そんな怖い顔すんなよ?」

「答えろ!!」

 

遊音は男に向かって叫ぶ。

すると刃車は呆れたように首を横に降る。

 

「本当に落ち着けよ?そこのチビ共がビビってるぞ?」

「えっ?」 

 

そう言われ遊音はサクリボー達の方を見るとそこにはサクリボーとクリボールが涙目で震えていて、それをサクリファイスとダルクが落ち着かせていた。

 

「!?……わっ悪い…怖がらせたな…」

『サクサクゥ…』

『クリボ〜ル…』

 

遊音は2匹に謝りながら2匹を撫でる。

 

「やれやれ…コイツが風札遊音…あの2人の息子か。」

「……父さんと母さんの事…知ってんのか?」

「まぁな…それについても話があるから俺はお前の前に現れた。」

 

そう言うと刃車は遊音達に背を向けて歩き始めた。

 

「何処に行く気だ?」

「うーん…此処じゃ無い場所…かな?まぁ付いて来い…お前の知りたい事教えてやる。」

「……分かった。」

『………』

『俺達も行くか…』

『サクサクリ〜…』

『クリボ〜ル…』

 

遊音達は刃車の後を追った。

 

 

 

 

 

▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△

 

 

 

 

 

遊音達は刃車に付いて行くと多くの人々がいる都市へと付いた。

 

「此処って……」

「ん?あぁ此処は(しん)(こく)市…お前の家があった町の隣にある都市だ。」

「此処あの振黒市か……あれ?」

 

遊音は周りを見渡し、ある事に気づく。

 

「今気づいたけど何で誰もサクリファイス達に驚かないんだ?」

「それはな…ちょっとお前こっち来い。」

『えっ?俺?』

 

ダルクは刃車に呼ばれて近づく。

すると刃車はダルクに手を伸ばす。

 

『えっ?何だよ急に?』

「動くな。」

 

困惑するダルクにそう言いながら刃車は手を伸ば続ける。

そして刃車の手がダルクの体に当たるが、そのまま手はダルクの体を通り抜けた。

 

「えっ?!」

「コイツらは他の奴らには見え無いし、実態を持たないんだよ。」

「それってつまり…?」

「まぁとりあえず今は別に気にしなくて良いんだよ。」

「わ…分かった。」

「そんな事より行くぞ。」

「あっちょ待てよ!」

 

そう言って刃車は歩き始め、遊音はその後を追いかける。

 

 

 

 

 

▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△

 

 

 

 

 

刃車に連れられて遊音達がやって来たのは海辺の近くにある二階建ての赤レンガの倉庫だった。

 

「レンガ倉庫?」

「今は使われて無いのを俺が買い取って使ってんだよ。」

 

刃車は倉庫の入口のドアに近づき、鍵を開ける。

 

「入れよ。」

「あっ…あぁ……ん?」

 

遊音は入口の横にあった看板が目に入る。

 

「林間探偵事務所……」

「どうした?他の奴らはもう入ったぞ早く入れよ。」

 

遊音はそう言われ、倉庫の中に入っていった。

 

 

 

 

 

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遊音は倉庫の中に入り、周りを見渡す。

倉庫の中は広く、紺色の革のソファとイージーチェア、ガラス製のダイニングテーブル、茶色のアンティークデスクとその上にあるタイプライター等があり、他にも本棚やテレビ、ウォータードリッパーが置いてあった。

そして倉庫の奥の方には二階へ行く為の螺旋階段があった。

 

「まぁ適当に座ってろ。」

「分かった……」

 

刃車は遊音にそう言うと、ウォータードリッパーに近づきコーヒーを淹れ始めた。

遊音は刃車に言われた通りにソファに座り、サクリファイス達が何をしているのかを確認する。

サクリファイスはウォータードリッパーに近づき、中の1滴ずつ落ちるコーヒーを見ていた。

ダルクは本棚に並べられた本を見ていた。

サクリボーはクリボールと追いかけっこをしていた。

遊音はそんな光景に笑みを浮かべる。

すると突然遊音の足に何かがくっついて来た。

 

「?」

 

遊音は足元を見る。

するとそこにいたのは茶色の小猫だった。

 

「にゃ〜〜ん…」

「あっクウ…起きてたのか?」

「にゃ〜〜ん。」

「お腹空いたか?ちょっと待ってろ餌出してやるから。」

「なぁ?この猫は?」

「そいつはクウって言って、家で飼ってんだよ。」

「へぇー…」

「あと2匹いるぞそっちに。」

 

刃車はそう言って自身の右側に指を指す。

遊音はその方向を見るとそこにはクッションタイプの猫用ベッドが3つあり、その内の2つには黒猫とキジトラ猫がそれぞれベッドの上に乗っており遊音を見ていた。

 

「黒猫がリクでキジトラがカイだ。」

「リクとカイか…よろしくな。」

「……」

「……にゃーん…」

「あぁ…そいつらクウと違って始めて会う奴にはめっちゃ警戒してるからあんま近寄らないんだよ。」

 

そう言って刃車はキャットフードをのせた小皿を床に置く。

すると遊音の足元にいたクウはキャットフードに近づいて食べ始めた。

 

「ふふっ…さてコーヒーができるまで、お前に教えてやらないとな…」

 

刃車はそう言うとイージーチェアに座る。

 

「でっ?あんたは一体何なんだよ?」

「名前は言ったよな?林間刃車だ。お前の両親…風札 背葉(せば)さんと風札 (あい)さんとは友人だった。」

「父さん達の友人?」

「あぁ…良く仕事で会う事多かったからな…それで仲良くなったんだ。」

「仕事?それって入口書いてあった…」

「探偵だ…って言ってもまぁ基本的にはなんでも屋見たいな物だけど。」

「なるほど……あっそう言えば!あんたどうして決闘盤(ソレ)を持ってるんだ?」

「ん?それはな…俺がお前と同じだからかな?」

「俺と同じ?何が?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………()()()()()()()()()……かな?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「!?……あんたもなのか?あんたも前世で死んで…この世界に?」

「あぁ…と言っても記憶を思い出したのは4年前だけどな。」

「なるほど…」

「そして決闘盤(コイツ)は記憶を思い出した時に手に入れたんだよ。」

「手に入れたってどうやって?」

「手に入れたと言うより作ったって言うのが正しいな。」

「へぇ…作ったのか………作った!?」

 

遊音は刃車の言葉に驚く。

 

「作ったのか!?決闘盤(デュエルディスク)を!?」

「まぁな…記憶を思い出した時に頭の中に設計図が入って来てな?それを元に作ったんだよ。」

「すごいなぁ………なぁ?最後に聞きたいんだけど…」

「何だ?」

「……メールにも書いてあった『()()()()()』って何だ?」

「………その事か…」

 

遊音そう言うと刃車は立ち上がり、窓に近づいて外を見る。

 

「いいぜ…教えてやるよ……でもその前に少し昔の話をさせてくれ。」

「ん?…別にいいぞ?」

「ありがとな……アレは2年前の事だった…俺はとある依頼でお前の両親の遺跡の調査を手伝っていたんだ。」

 

 

 

 

 

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『その時に調査していた遺跡ってのがお前が決闘盤(デュエルディスク)を見つけた場所だ。』

 

刃車は遊音の両親…風札 背葉と風札 愛と一緒に洞窟を調査していた。

 

「刃車くん悪いね…君にこんな事を手伝ってもらって。」

「大丈夫ですよこれも仕事ですから。」

「ふふっ真面目ね?」

「そう言ってもらえると嬉しいです…それより今日は何をするんですか?こんな何も無い洞窟で…」

「実はね…おっ着いた!此処だよ。」

 

背葉がそう言って刃車は前を見ると底には壁しか無かった。

 

「……行き止まり?」

「いや調べてみたんだがどうやらこの先に空間があるらしい。今回はその空間を調べるんだ。」

「この先に…?」

「そう言う事だから…ハイ!これ持って!」

 

愛はそう言ってツルハシを刃車に渡す。

 

「えっ?……もしかして…」

「一緒に頑張って掘りましょう!あなた!刃車くん!」

「おう!」

「………えぇーー…」

 

愛がそう言うと3人はツルハシでひたすら堀り始めた。

 

『あの時はマジで辛かった…』

『……父さん達ってそう言う性格だからな………』

『そして俺達は頑張って等々その空間にたどり着いたんだ。』

 

刃車がツルハシを振るうと穴が空き、広い空間が見えた。

 

「やった!」

「良くやった!刃車くん!」

「流石ね!」

「はい!」

 

その後3人は穴を少しずつ広げていき、最終的に人が通れる大きさになり、3人は空間へと入って行く。

 

「此処は一体…?」

「分からない…だけど何らかの意味があると思うが……」

「そうね……ねぇ?アレは何かしら?」

 

そう言って愛が指を指したのは遊音が身に着けている決闘盤(デュエルディスク)が入っていた棺桶だった。

 

『そこで俺達は見つけたんだよ棺桶とある物を…』

『ある物?何だよそれ?』

『それはな…』

 

刃車達は棺桶に近づくと愛は近くに何か落ちている事に気づく。

よく見るとそれは1冊の本で、愛はそれを拾い上げる。

 

「何かしら?本みたいだけど…」

「なんでこんな物が…?」

「中身を見てみよう…愛、貸してくれ。」

「はいどうぞ。」

 

背葉は愛から本を受け取ると本を開いた。

 

「どうですか?」

「何か書いてあるけど……何語だ?」

「ちょっと貸して貰えます?」

 

そう言って刃車は背葉から本を受け取る。

そこには書いてあったのは見た事が無い文字だった

 

「………駄目だ…全然分かりません…」

「そうか…」

「残念ねぇ…」

 

刃車が本を閉じようとした瞬間、突然本の開いていたページ光りだした。

 

「キャ!」

「なっ!?何だ!?」

「本が光りだした……!?」

 

すると本に書かれていた文字が変化し始め、日本語へと変わった。

そして本の光は消えた。

 

「何だったんだ?」

「さぁ………!?背葉さん!本の文字が日本語に!?」

「何!?じゃあなんて書いてあるか読めるんだな!教えてくれ!」

「はい!………っ!コレって…」

「どうしたの?」

「…この本にはこう書いてあります…

『ここに書かれし名を持つ者は別世界の者の魂を持ち、棺に収められし決闘者の盾を受け継ぎ、過酷な運命と戦い滅びゆく世界を救うだろう。』」

「別世界の者の魂?」

「それってどう言う事かしら?」

 

『別世界の者の魂ってもしかして……』

『あぁ多分転生者の事だと思う。』

 

「『その者の名は』………」

「ん?どうした刃車くん?」

「何が書いてあるの?」

「『その者の名は風札 遊音』…」

「な!?なんだと!?」

「そんな……」

 

『俺の名前が!?』

『あぁそしてその後俺は2人からお前の事を聞いたんだよ。そして俺は背葉さん達に転生者の事を話したんだ…』

 

「そうか……遊音が…」

「でもまだ俺みたいに記憶を思い出して無い様ですね。」

「そうね……ねぇ刃車くん?」

「はい?なんですか?」

 

愛は刃車の手をぎゅっと握る。

 

「どうしました…?」

「………もし遊音(あの子)に何か起こってその時私達が助ける事ができなかったら代わりに助けてあげてくれないかしら?」

「…俺からも頼む。」

「……分かりました!俺に任せてください!」

 

 

 

 

 

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「そして背葉さん達は行方不明になった…だから俺はお前にあのメールを送った。」

「そう言う事か…」

「……さてお前はどうするんだ?決闘盤(デュエルディスク)を手に入れたからにはあの本に書かれていた過酷な運命ってなお前に待ってるんだぜ?」

「………だったら…」

「?」

 

すると遊音はソファが立ち上がる。

 

「だったら戦ってやるよ!その運命にだって立ち向かってやるよ!!」

「………フッ…そうか…やっぱりあの2人の息子だなお前…だったら俺も手伝ってやるよ。」

「本当か!?ありがとうな!」

「フッ…そうだ!お前此処に住めよ。」

「えっ?」

「部屋はあるし、一人だと色々大変だろ?」

「良いのか?」

「その代わりこの探偵事務所で助手として働いてもらうぞ?」

「そんなんで良いなら…」

「良し!決まりだな!」

「うん…あっ」

 

遊音は刃車の決闘盤(デュエルディスク)見て、ある事に気づく。

 

「なぁ?刃車さん?」

「ん?何だ?それと刃車で良いぞ?」

「だったら刃車…そのデッキってどうしたんだ?」

「……」

 

デッキ…それはカードゲームでは最も必要なカードの束の事で、遊戯王では最低40枚のカードでデッキを作らないといけない。

遊音の質問を聞くとコーヒーを淹れようとした刃車が固まる。

 

「……その事か…遊音。」

「えっ?何?」

「……実はなこの世界だとカードは色んな所にあるんだよ。」

「えっでも俺今までカードを見た事が無いんだけど…?」

「そりゃ当たり前だカードがあるのは山とか川とか森とか何だよ。このカードとかもな…」

 

刃車は決闘盤(デュエルディスク)にセットされたデッキの上から1枚のカードを引き、遊音に見せる。

ドローしたのは至る所にドリルが付いているロボット…ドリラゴと言う名前のモンスターカードだった。

 

「………それってつまり?」

「カードは拾って集めないといけないんだ………」

「…………嘘ぉーーーーー!?」

 

倉庫には遊音の叫び声が響き渡る。




次回「カードを集めます。良いですね?」



次回のキーカード
D(ダーク)・ナポレオン』






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カードを集めます。良いですね?



今回のキーカード
D(ダーク)・ナポレオン』







「はぁ…はぁ…なぁ?…刃車?」

「何だ?」

 

息を切らしながら遊音は刃車に質問をする。

 

「俺達は…確か…カードを…探しに…来たん…だよな…?」

「あぁ言ったろ?この世界じゃ山や川、そして森とかにあるんだよ。」

「それは分かったんだけどよぉ……」

 

遊音は深く息を吸い、刃車に向かって叫ぶ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「だからって!!こんな崖を登る必要があるのかよーーーーーーーーーーーー!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな遊音の叫び声が周りに響き渡る。

何故彼等がこんな事をしているのか…それは数時間前…

 

 

 

 

 

▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△

 

 

 

 

 

遊音が探偵事務所で働く事になってから3日たった。

遊音は刃車の探偵事務所に引っ越し、荷物等の整理をしていた。

すると刃車は遊音に話しかける。

 

「遊音、カード拾いに行くぞ。」

「いきなりどうした?」

 

遊音は刃車の発言に困惑する。

 

「お前はデッキを持っていない。それじゃあお前は戦えない。」

「それは分かってるけどさ…」

「だからその為にもカード集めに行くぞ。」

「……はぁ〜分かってたよ…俺の為に言ってくれてんだろ?」

「ならすぐに準備しろ。」

「へいへ〜い……」

 

そして遊音はその後、刃車に言われた通り準備をして、刃車に連れられて遊音は山へと向かった。

 

 

 

 

 

▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△

 

 

 

 

 

「はぁ…はぁ…」

 

そして今は遊音達は崖を登りきった所で、遊音は膝をついていた。

 

「大丈夫か?ほら水。」

「はぁ…はぁ…ありがとう…」

 

遊音は刃車から水を受け取る。

 

「そんなんじゃこれから先、苦戦するだけだぞ。」

「ん…ん…ぷふぁ!……普通命綱無しで崖登りなんてしねぇよ!!」

「そんなもんか?」

「てか!」

 

すると遊音は勢いよく立ち上がる。

 

「何でお前はそんな大荷物で登れんだよ!?」

 

遊音がそう言ったように、刃車は背中に大量の荷物が入った大きなバックパックを背負っていた。

 

「その荷物はなんだよ!?」

「もしもの時の事を考えて色々持って来てんだよ。ライトに非常食にアウトドアナイフ…それとキャンプをする為に必要なテント等のキャンプアイテムにその他諸々……」

「……はぁ…………なぁ刃車?」

「何だ?」

「本当にこんな所にカードなんてあるのか?」

 

そう言って遊音は周りを見るがそこには森しかなく、後ろには登って来た崖しか存在しない。

 

「此処にだってちゃんとあるぞ。」

「………本当に?」

「なら証拠を見せてやるよ。」

 

刃車はそう言って一本の木に近づく。

 

「…………!」

 

すると刃車は右足を思いっきり後ろに振り上げ、勢いよく木を蹴り上げる。

バシーーン!!

蹴られた木は思いっきり揺れる。

 

「えぇ!?」

「………」

 

すると刃車は無言で飛び上がる。

刃車の飛び上がった高さは約2m位だった。

刃車は空中で何かを掴み取って行く。

そしてそのまま着地し、遊音に空中に掴み取った物を見せる。

 

「なぁ!?」

 

遊音はそれを見て驚く、刃車が見せたのは遊戯王カードだった。

 

「……ほら?お前もやってみろ?」

「できるか!?」

 

 

 

 

 

▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△

 

 

 

 

 

なんやかんやありながら遊音のカード探しは始まり、今は森の中を捜索していた。

 

「にしてもな…カードなんてどうやって見つければ…」

『マスター?ちょっと良いか?』

「ん?ダルク?」

 

突如ダルクは遊音の横に現れる。

しかしダルクはこの前と違い少し宙に浮いていた。

 

「お前何か浮いて無いか?」

『えっ?あぁ…どうやら実態が無い代わりにこうやって浮く事ができるみたいなんだよ。』

「へぇ……あっそれでどうしたんだ?急に出てきて?」

『あぁ…俺、カードが何処にあるのか分かるんだよ。』

「えっマジで!」

『あぁ実はカードからオーラ見たいな物が出てて、俺ってそれが見えるんだよ。』

「それじゃそのオーラを見つければ!」

『100%カードが手に入る!』

「よっしゃ!じゃあ頼む!」

『任せろ!』

 

そう言うとダルクの目が紫色に光る。

 

『………あった!あっちだ!』

「分かった!」

 

遊音はダルクに言われた方向に向かって走る。

 

 

 

 

 

▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△

 

 

 

 

 

一方その頃、刃車は持ってきていたテントを張っていた。

 

「これで良し……」

 

刃車はテントを貼り終えると森の中に入って行き、枝を拾い始める。

 

「……焚き火用の薪はこれ位で良いか。」

 

そう言って刃車はテントに戻ろうとする。

すると突然刃車は足を止めた。

 

「………あんたも大変だな?」

「………これも仕事ですので…」

 

その言葉と共に木の影に隠れていた角刈りでサングラスを掛けたスーツの男が現れた。

男はタブレットと白い箱を持っていた。

 

「会長さんからか?」

「はい。」

 

すると男はタブレットを操作し、画面が見える様に刃車に見せる。

そして画面には赤いスーツに黄色のネクタイ、そして黒のエプロンを身に着けて、ボウルに入った生クリームをかき混ぜる中年男性が写っていた。

 

『ハロー!刃車くん!元気にしてたかい?』

「変わりなく元気だよ会長さん。でっ?急に何の用?」

『あぁ!君の助手の誕生を聞いてね!』

「………何でその事を?」

「………すいません…会長が『もうすぐ刃車くんが面白い事をする気がするから盗聴器を仕掛けてくれ!』……と言われまして以前留守の時に…」

「やっぱりか………」

『オイオイどうしたんだい?そんな気を落として?』

「呆れてんだよ!」

 

刃車は会長と呼ばれた人物に向かって怒鳴る。

 

「はぁ……でっ?今回は何を?」

『あぁ!今回は君の助手の誕生を祝って私からのバースデーケーキを贈ろう!ハッピィーバァースデェー!!』

 

会長がそう言うと男性は白い箱を刃車に渡す。

 

「ありがとさん。」

『それではそろそろ失礼するかな?ハッハッハッ……』

 

会長が高笑いをするとタブレットの画面が消える。

 

「それでは失礼します。」

「あぁ…じゃあな()()さん。」

 

男性…()()はそのまま刃車にお辞儀をしてその場から立ち去って行った。

 

「大変だな…あの人も…」

 

 

 

 

 

▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△

 

 

 

 

 

一方遊音はダルクのおかげでカード集めに成功していた。

 

「なんとか集まってきたな!ありがとなダルク!」

『大した事はしてねぇよ。』

「でもお前のおかげでここまで集められたんだぜ?」

 

遊音が集めたカードの枚数は24枚。

元から持っていたカードと合わせて29枚。

デッキに必要な枚数の半分は超えていた。

 

「あと少しでデッキに必要なカード枚数は集まるし…この調子で頑張ろうぜ!」

『あぁ!………ん?』

 

ダルクは何かを感じ取る。

 

「どうした?」

『………マスター悪いけどあっちに向かってくれないか?』

「あっち…?何かあるのか?」

『……何だか懐かしい感じがする。』

「まぁそう言うなら…」

 

遊音はダルクの言った方向に歩き始めた。

 

 

 

 

 

▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△

 

 

 

 

 

「………ん?何だあれ?」

 

歩き続けた遊音は何かを見つける。

よく見るとそれは茨が絡みついた小さな祠だった。

 

「祠か……?」

 

遊音は祠に近づく。

 

『…!?マスター!止まれ!!』

「えっ?何だ?」

 

ダルクに止められる遊音。

すると突然遊音の足元にピンク色の炎と紫色のエネルギー弾が放たれ、爆発が起きる。

 

「うわ!?」

『マスター!?』

 

遊音は爆発で吹っ飛ばされ、ダルクは遊音に近寄る。

 

「うぅ……何だ?今の…?」

『今のはハッピーバーニングとダークボム……()()()()の必殺技だ…』

「アイツ等?…」

 

遊音は上を見上げる。

そこにはピンク色の翼を持つハートマークの模様があるモンスターと鋭い角と爪持った蝙蝠の様な翼を生やした1つ目のモンスターがいた。

 

「なっ何だアレ!?」

『ハッピー!!』

『ギュラララ!!』

「来やがった!?」

 

2匹は遊音に向かって突進する。

そんな2匹の前にダルクが立ち塞がる。

 

『待ってくれお前等!!』

『ハピ!?』

『ギュラ!?』

 

2匹はダルクを見ると驚き、突進を止める。

すると2匹は突然涙目になる。

 

『ハッ……ハッピー!!』

『ギュラララ!!』

『久しぶりだな!お前等!!』

 

2匹はダルクに抱きつき、ダルクはそんな2匹を抱きしめる。

 

「………えっ?どう言うこと!?」

『この2匹はハッピーラヴァーとD(ダーク)・ナポレオン…俺と仲間の使い魔なんだよ!』

「なるほどねぇ…」

『あっコイツは遊音。俺のマスターなんだぜ!』

 

ダルクの言葉を聞くと2匹は遊音に近づく。

 

『ハッピー…』

『ギュララァ…』

「もしかして謝ってんのか?気にすんなよ!」

 

遊音がそう言うと2匹は笑顔になり、遊音の周りを飛び回る。

 

『何でお前等こんな所に?』

『『………』』

 

すると2匹は悲しそうな表情になって、祠に近づく。

 

『ハッピー…』

『ギュララァ……』

『何だ?何かあるのか?』

 

ダルクは祠に近づき、触れようと手を近づける。

すると祠から赤い電流が放たれる。

 

『うぁぁぁぁぁ!?』

「ダルク!?」

 

ダルクが倒れ、駆け寄る遊音。

 

「大丈夫か!?しっかりしろ!?」

『うぅ…どうやら結界が貼られているみたいだ……』

「結界?」

 

遊音は祠に手を近づける。

しかしダルクとは違い電流は発生しなかった。

 

「……?何も起きないぞ?」

『何…?』

「もしかしてダルクにだけ反応するのか?」

『……マスター…悪いんだけど祠の中を見てくれないか?何か分かるかもしれない…』

「うん……分かった」

 

遊音は立ち上がったダルクに言われ、祠の茨をどけて扉を開ける。

 

「これは……」

 

中には3枚のカードがあり、遊音はその3枚のカードを取り出す。

3枚の内2枚は先程から現れていたハッピーラヴァーとD(ダーク)・ナポレオンだった。

 

ハッピーラヴァー

通常モンスター

光属性/レベル:2/攻撃力:800/守備力:500/天使族

カードテキスト

頭からハートビームを出し敵をしあわせにする、小さな天使。

 

D(ダーク)・ナポレオン

通常モンスター

闇属性/レベル:2/攻撃力:800/守備力:400/悪魔族

カードテキスト

心の悪しき者がつくった目玉の悪魔。

ダークボムで爆破攻撃。

 

そしてもう1枚はダルクの様に杖を持ち、ローブを羽織っている白髪の少女が描かれていた。

 

光霊使いライナ

効果モンスター

光属性/レベル:3/攻撃力:500/守備力:1500/魔法使い族

カードテキスト

(1):このカードがリバースした場合、相手フィールドの光属性モンスター1体を対象として発動する。このモンスターが表側表示で存在する間、そのモンスターのコントロールを得る。

 

「光霊使いライナ…?」

『ライナだって…!?』

「どうしたダル…!?」

 

突然カードが光だし、カードの中から光の玉が出現する。

すると光は姿を変えて光霊使いライナへと姿になる。

 

『う〜ん!やっと出られた!!』

『ライナ…?』

『ん?………え?』

 

現れたライナにダルクが声を掛けると、ライナはダルクの方を向いてダルクの存在に気づく。

 

『ダルク…?ダルクなの?』

『あぁ…俺だよライナ!』

 

ダルクがそう言うと突然ライナは涙を流して、ダルクに抱きつく。

ダルクはそのまま抱きつかれた勢いで倒れる。

 

『ダルク!!ダルク!!ダルク!!会いたかった!!』

『あぁ!俺もだ!ライナ!!』

「………何かよく分からないけど感動の再会かな?」

「遊音!!」

 

すると遊音に向かって、刃車が走ってきた。

 

「刃車!!どうして此処に?」

「さっきが爆発聞こえてな?気になって来てみたが……何だこの状況?」

「さぁ?」

 

幸せそうな状況だったがこの時誰も気づかなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ライナの首に何者かに掴まれた跡があった事に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回「最初の決闘(デュエル)です!良いですね?」



次回のキーカード
『幻惑の巻物』






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最初の決闘(デュエル)です!良いですね?


今回のキーカード
『幻惑の巻物』






遊音達が祠の中にいたライナと出会ってから3時間程経過した。

今遊音達は、刃車が張ったテントのある場所にやって来ていた。

 

「………」

「………」

『えへへ…///ダルク♡///』

『………///』

 

遊音と刃車はライナに抱きつかれて顔を赤くしているダルクを見ていた。

 

「……なぁダルク?顔赤くしてる時に悪いだけど…ちょっと聞いて良い?」

『……何だ///』

「えーと…そこのライナだっけ?そいつってダルクのそのー…彼女?」

『『そうだよー!/違う!』』

「えっ?いや…どっち?」

 

遊音はダルクとライナの言っている事が違っていて困惑する。

するとダルクは抱きついていたライナを引き剥がして立ち上がる。

 

『ライナとはただの幼馴染で修行仲間!!それ以外の何者でもない!』

「そう言われてもな……」

「どっからどう見てもカップルにしか見えないぞ?」

『なっ!?///』

 

遊音達にそう言われると顔を更に赤くするダルク。

 

『酷いよダルク!私とは遊びだったの!?』

『お前も嘘をつくな!俺達は『そんな…ダルクがそんな事言うなんて…うわ〜ん!』

 

ライナはショックを受けた様な反応をして、手を目元に置いて泣き始める。

 

『えっちょ!?』

「あーダルクが女の子泣かせたー」

「同じ男として流石にソレは無いなー」

『マスター達は1回黙ってくれ!!』

「「はい。」」

『全く…ライナも泣くなよ!てか一瞬焦ってけど嘘泣きだろ!』

 

ダルクがそう言うとライナは泣くの止めて、ダルクをチラリと見る。

 

『……なーんだ!バレてたの?』

『昔からお前がよくやってたからな!!』

『えへへ!ダルクは変わらないな〜!』

 

そう言って再びダルクに抱きつく。

 

『なっ!?離れろ!///』

『えーさっきは良かったのに?』

『さっきのは再会の喜びでその……あー!!とにかく離れろ!』

『や~だよ!』

 

引き剥がそうとするが中々離れないライナに困るダルク。

 

「………なぁダルク?」

『今度は何マスター!?俺ライナ(コイツ)の相手で忙しいんだけどー!?』

「前から思ってたんだけどダルク達って何なんだ?」

『………それってどう言う事?』

「お前等ってその……どう言う存在何だ?幽霊……じゃ無いよな?」

「あぁ…その事は俺が教えてやるよ。」

「知ってんのか刃車?」

「まーな…遊音?前世で遊戯王をやってたならアニメや原作は見た事あるだろ?」

「………実は俺、見た事無いんだよな…」

「えっマジで?でも決闘盤(デュエルディスク)知ってたよな?」

決闘盤(デュエルディスク)は友達が玩具の奴を付けてた時があったから知ってたんだよ。」

「あー…なるほど…」

「で?それとダルクの事がどう関係するんだよ?」

「いやそれが結構関係あるんだよ…遊戯王の原作ではな元々デュエルモンスターズはディアハって奴から生まれた物なんだよ。」

「ディアハ?」

「ディアハは3000年前の古代エジプトで行なわれていた決闘(デュエル)の事で、石版に封印した魔物や自分に宿る精霊を呼び出して戦わせるデュエルモンスターズの原型となった儀式なんだ。」

「なるほど…」

「それでな?ディアハを元に作られた影響なのかよく分から無いけど、デュエルモンスターズのカードには精霊が宿ってるんだよ。」

「精霊?つまりダルク達って精霊なのか?」

「あぁ…今の説明で合ってるか?」

 

そう言って刃車は間違いが無いかダルクに確認する。

 

『あぁそれで合ってるぞ。』

『僕やダルクはその精霊達が住む精霊界って呼ばれる異世界から来たんだ!』

「へぇ〜……ん?精霊ってのは分かったけど…何でダルク達はこっちの世界に来たんだ?」

 

遊音がそう聞くとダルクとライナは難しい顔をする。

 

『………分からない…』

「えっ?分からない?」

「どう言う事だ?」

『そのまんまだよ?僕やダルクは突然この世界に来たんだよ。』

「うーん…それって話すと長くなるか?」

『結構長くなるぞ?』

「そっか…じゃあまた今度聞かせてくれないか?」

「そうだな…てかもうすぐ9時だしな…そろそろ飯にでもするか…遊音少し手伝ってくれ。」

「良いぜ!あっダルク達はイチャついてて良いからな!」

『なっ!?だから!俺達は別にそう言うのじゃ無くて!』

『わーい!!ダルク♡』

『お前も抱きつこうとするな!?』

『まぁまぁそう言わず『……ツイニ…コノ時ガキタ…』…!?』

 

ライナは突然聞こえた声に動揺する。

 

『どうした?』

『えっ?あっ…いやなんでもないよ!』

『そうか…』

「いったーー!?指切った!?」

「何やってんだよ……」

『ははは…何やってんだか…』

 

そう言いながらダルクは遊音を見て呆れていた。

 

『………』

 

ライナは自身の首元に手を当てる。

 

 

 

 

 

▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△

 

 

 

 

 

そして更に1時間後…遊音達は夕食をすませて、火を囲んでデザートにケーキを食べていた。

 

「……なぁ刃車。」

「……なんだ?」

「………なんでケーキがあるんだよ?」

「………美味いから気にすんな。」

「いや美味いけど気になるじゃん?」

「良いから黙って食えよクーラーボックスとか無いから今日中に食べないと悪くなんだよ。」

「なんでアレだけ持って来といて無いんだよ!!!」

『まぁまぁ落ち着けよマスター…』

「でもよぉ…」

『まぁ頑張って食べようぜ?』

「うぅ…美味いけど流石にキツイ〜…」

 

数分後なんとかケーキを食べ終わったが満腹になり遊音は眠たくなっていた。

 

「ふぁ〜……眠い…」

『そろそろ寝たらどうだ?』

「そうだな……おやすみ…」

 

遊音はそう言うとテントの中に入っていった。

 

「……なぁダルク?今日のカード集めはどうだった?」

『ん?あぁあと少しでデッキに必要な枚数揃いそうだ。』

「そうか…なら明日の昼位には帰れるか…」

『そうだな……なぁライナ?』

『何ダルク?』

『お前なんであんな祠の中にいたんだ?』

 

ダルクはライナに祠に居た事について尋ねる。

 

『うーん……よく覚えてない…祠に入れられたのは覚えてるけどそれ以外何も思い出せない。』

『そうか…』

「まぁ少しずつ思い出せば良い……ん?」

 

すると刃車は何かの気配を感じ取り、森のある方向を見て立ち上がる。

 

「……悪いちょっと席を外す。」

『えっ?あぁ分かった……』

 

ダルクにそう伝えると刃車は森の方へ歩いて行った。

 

『……ねぇ…ダルク?』

『ん?どうした?』

 

ライナはダルクに話しかけるとさっきより体を密着させて、ダルクの肩にライナは頭をのせる。

 

『どっどうした?いきなり……』

『私嬉しかった…ダルクとまた会えて……』

『……あぁ…俺もだ……』

『………昔…ダルクさ…僕に言ってくれたよね…『もしお前に何かあったら俺が助けるし、お前が何か間違えたら俺が正してやる!』って…』

『あぁ…確かに言ったな…』

『………じゃあお願い…』

『えっ?』

 

ダルクはライナの方を見る。

ライナは悲しい表情をして涙を流していた。

 

『助けて……』

 

ライナがそう言った瞬間、ライナの目は赤く光だした。

 

『ライナ!?』

『………!!』

『うぅ!?………』

 

ライナ?と目が合うとダルクは突然意識が朦朧として、倒れてしまう。

 

『………』

 

ライナ?は今度は遊音の寝ているテントに入って行く。

 

 

 

 

 

▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△

 

 

 

 

 

一方その頃刃車は謎の気配を感じ取り、気配のした場所までやって来ていた。

 

「……何もいない?気のせいだったか?」

 

刃車は周りを見渡すが何もいなかった。

 

「気のせいならさっさと戻るか……」

 

そう言って刃車は戻ろうとする。

すると突然刃車は物凄い殺気を感じ取る。

 

「何だ!?」

 

刃車は殺気がした方を見る。

 

『ゲェヒヒヒヒ!』

 

そこには真っ赤な目玉を持つ鋭い鎌を持った悪魔がいて、突然鎌を振り回して襲いかかって来た。

 

「なっ!?危な!」

 

刃車はなんとか避けるが避けた先にまた別の殺気を感じ取る。

 

「!?また!」

 

再び振り返るとそこには緑の体を持った3つ首の怪物がいた。

 

『ケケケララ!!』

「……糞…少し相手になってやる!!」

 

そう言うと刃車はファイティングポーズを取る。

 

 

 

 

 

▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△

 

 

 

 

 

「Zzz………」

『………』

 

ライナ?は眠っている遊音を見つめる。

するとライナ?は腕を上に掲げて黒色の電流を腕に纏う。

 

………消エロ

 

そして腕をそのまま振り下ろそうとする。

しかし後ろから何者かに腕を掴まれる。

 

!?誰ダ!

 

ライナ?が振り返る。

 

『………』

 

そこに居たのは遊音の相棒サクリファイスだった。

 

何ダ貴様ハ!?

『………』

グワァァ!?

 

サクリファイスは掴んだままライナ?をテントの外に投げ飛ばす。

 

「Zzz………ん?…アレ?どうしたの相棒?」

『………』

 

サクリファイスは外を指差す。

 

「………何かあったのか?」

『………』

『うぅ……』

「はっ!ダルク!?」

 

ダルクの苦しむ声が聞こえて遊音はテントを飛び出す。

 

 

 

 

 

▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△

 

 

 

 

 

遊音が外に出ると倒れているダルクを見つける。

 

「ダルク!?」

『………』

 

遊音とサクリファイスはダルクに近づく。

 

「ダルク!ダルク!しっかりしろ!!」

『うぅ……マス…ター……』

「何があった?」

『ライ…ナ…が…』

「ライナ?」

オノレ……!

「!?」

 

遊音は声がした方を見るとそこにはサクリファイスに投げ飛ばされたライナ?がゆっくりと立ち上がりながら遊音達を睨んでいた。

 

モウ少シダッタトコロヲ良クモ……!

「……お前…ライナじゃ無いな?」

アァ?ナンデ分カル?

「俺……ダルク程ライナの事知らないけどさ……流石に分かんだよ!!」

…………フッ…ナーンダ…バレテシマッタカ…

『お前…ライナに……何をした…!』

『………』

ククク…何ヲシタダト?

『分かってんだよ…!お前…ライナに取り憑いているんだろ?さっさと姿を見せな!!』

………ククク……クククク!!イイゾ…見セテヤルヨ!!……』

 

ライナ?はそう言うとその場に倒れる。

するとライナの体は宙に浮く。

 

『ライナ!!』

『………』

「何だ…!?」

 

宙に浮いたライナの後ろから2本の不気味な人形の腕が現れる。

 

「腕?」

 

すると2本の腕は後ろからライナの首を絞める。

 

『うぐぅ!?』

『ライナ!』

『ダル…ク…』

 

首を絞められ苦しむライナ。

そして彼女の後ろから彼女を苦しめている元凶が徐々に姿を現す。

現れたのは青色で金属のパーツが取り付けられている体、耳は鋭く尖っており、不気味な笑みを浮かべているマネキンの様なモンスターが現れた。

 

「テメェがライナを操っていたのか……!!」

『お前は……ダーク・ネクロフィア!?』

『………』

『フフフ…』

 

ダーク・ネクロフィア…サクリファイスやダルクと同じ遊戯王のモンスターである。

姿を現したダーク・ネクロフィアを遊音達は睨みつける。

 

「ライナを放せ!!」

『嫌だよ!やっと手に入れたんだ!僕が満足するまで使わせてもらう!!』

『ふざけるな!!ライナは道具じゃ無い!!』

『道具だよ!僕の為のね!!』

「コイツ!!こうなったら!!」

 

そう言うと遊音は決闘盤(デュエルディスク)を取り出し、腕に装着する。

 

『オイオイ…まさか僕と決闘(デュエル)をするつもりか?デッキが完成してないくせに!!』

「くっ……!」

ライナ(コイツ)を通して見ていたから知ってんだよ!今は刃車とか言う奴は今頃僕の下僕のモンスターに殺られてる筈!!誰も僕を止められ「誰が殺られてるって?」!?』

 

ダーク・ネクロフィアが振り返るとそこには刃車が何事も無かったかの様に立っていた。

 

「刃車!無事か!?」

『何故だ…?僕の下僕はどうした!!』

「あ?あぁ……それってこれか?」

 

そう言って刃車は2枚のカードを取り出す。

カードには鎌を持った1つ目のモンスターと3つの頭を持つ緑のモンスターが描かれていた。

 

 

首狩り魔人(ネック・ハンター)

通常モンスター

闇属性/レベル:6/攻撃力:1750/守備力:1900/悪魔族

大きなカマを振り回しクビを狩る悪魔。

大きな目からビームも出す。

 

()(くび)のギドー

通常モンスター

闇属性/レベル:4/攻撃力:1200/守備力:1400/悪魔族

三ツ首の怪物。

夜行性でとても凶暴な性格を持つ。

 

「弱かったぞ?お前の下僕は。」

『くっ!使えない奴らめ!!こうなったら!』

 

するとダーク・ネクロフィアはライナを投げ捨てる。

 

『うっ!?……』

「ライナ!」

『フフ!!』

 

ダーク・ネクロフィアは遊音に手をかざす。

すると遊音のズボンのポケットからライナのカードが飛び出す。

 

「なっ!!ライナのカードが!?」

『これも僕のだ!!』

 

ライナのカードはダーク・ネクロフィアの手に渡る。

 

『フフフ……来い!』

『うわっ!!』

 

ダーク・ネクロフィアがライナにカードを向けるとライナは光の玉となり、カードに吸い込まれる。

 

「なっ!?」

『お前!!よくもライナを!!』

『フフフ……』

 

するとダーク・ネクロフィアは左腕を構えると突然ダーク・ネクロフィアの腕は黒の煙に覆われ、煙は徐々に形を形成していき決闘盤(デュエルディスク)へと変化した。

 

決闘盤(デュエルディスク)!』

『なぁお前!僕と決闘(デュエル)しろ!』

 

そう言ってダーク・ネクロフィアは刃車を指差す。

 

「何?」

『お前が勝ったらライナ(コイツ)はくれてやるよ!』

「………本当だろうな?」

『あぁ本当さぁ…だけどもし僕が勝ったら…』

 

そう言うとダーク・ネクロフィアは遊音の決闘盤(デュエルディスク)を指差す。

 

『コイツの決闘盤(デュエルディスク)を貰うぞ!』

「なっ!!」

決闘盤(デュエルディスク)を?」

『どうだ?悪い話じゃ無いだろう?』

「………良いだろう…しかし…」

 

刃車はそう言うと腰のデッキケースを開き数枚のカードを取り出す。

 

「お前の相手は俺じゃ無い……遊音だ!」

『何?』

「えっ俺!?」

「あぁ遊音!俺のデッキの予備のパーツを使え!」

 

刃車は取り出したカードを遊音に投げ渡す。

 

「うお!?…刃車…でもなんか俺じゃ…」

「俺には分かるんだよお前ならできる!!」

「でも…」

『俺からも頼むマスター!』

「!…ダルク…」

『アイツだけは絶対に許さない!!』

「………分かったよ!!アイツは絶対にぶっ倒す!!」

 

そう言って遊音は受け取ったカードをデッキに投入し、決闘盤(デュエルディスク)にセットする。

 

『フッ!!自分から負ける運命を選ぶとは愚かだな!』

「愚かなのはどっちか教えてやる!!」

 

そして遊音とダーク・ネクロフィアは決闘盤(デュエルディスク)を構えて睨み合う。

そして決闘(デュエル)を開始させる言葉を叫ぶ。

 

 

 

 

 

「『決闘(デュエル)!!!』」

 

 

 

 

LP8000

風札遊音

   VS   

ダーク・ネクロフィア

      LP8000

 

 

 

 

「先行は貰うぞ!」

 

遊音

LP:8000

デッキ:39

EXデッキ:0

手札:5

墓地:0

フィールド

MMSゾーン:0

EXMSゾーン:0

魔法・トラップゾーン:0

 

「(ライナを助ける為にも絶対に負けられない!!)俺はネクロ・ガードナーを守備表示で召喚!!」

 

ネクロ・ガードナー

効果モンスター

闇属性/レベル:3/攻撃力:600/守備力:1300/戦士族

(1):相手ターンに墓地のこのカードを除外して発動できる。

このターン、相手モンスターの攻撃を1度だけ無効にする。

 

遊音のフィールドに赤と黒の鎧を纏った白髪の戦士が現れた。

 

「(モンスターが本当に実体化した…コレがこの世界の決闘(デュエル)…!)カードを2枚の伏せてターンエンド!」

  □ □

  □□□□00

00□■■□□39

 

『フフフ…僕のターンドロー…』

 

ダーク・ネクロフィア

LP:8000

デッキ:34

EXデッキ:0

手札:6

墓地:0

フィールド

MMSゾーン:0

EXMSゾーン:0

魔法・トラップゾーン:0

 

『僕は魔法カード手札抹殺を発動…お互いの手札を全て捨て、捨てた枚数ドローする。』

「いきなり手札抹殺!?」

『僕は5枚君は2枚だ。』

「くっ……」

 

遊音

手札:2→0→2

墓地:0→2

カード

・レッド・エース

・昇天の角笛

 

ダーク・ネクロフィア

手札:5→0→5

墓地:0→5

カード

・地縛霊の誘い

・地縛霊の誘い

・悪魔の鏡

・悪魔の偵察者

・魔サイの戦士

 

手札抹殺

通常魔法

(1):手札があるプレイヤーは、その手札を全て捨てる。

その後、それぞれ自身が捨てた枚数分デッキからドローする。

 

『魔サイの戦士の効果…このカードが墓地に送られた時デッキから悪魔族モンスターを墓地へ送る…レジェンド・デビルを送るよ』

 

ダーク・ネクロフィア

墓地:6→7

カード

・レジェンド・デビル

 

魔サイの戦士

効果モンスター

地属性/レベル:3/攻撃力:1400/守備力:900/悪魔族

このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、「魔サイの戦士」以外の自分フィールドの悪魔族モンスターは戦闘・効果では破壊されない。

(2):このカードが墓地へ送られた場合に発動できる。

デッキから「魔サイの戦士」以外の悪魔族モンスター1体を墓地へ送る。

 

『そして僕は怨念(おんねん)邪悪霊(ダーク・スピリット)を召喚!!』

 

壊れた額縁を周りに浮遊させている亡霊が現れる。

 

怨念(おんねん)邪悪霊(ダーク・スピリット)

効果モンスター

闇属性/レベル:3/攻撃力:1600/守備力:0/悪魔族

(1):相手が魔法・罠・モンスターの効果を発動した時,手札・フィールドのこのカードを墓地へ送り、自分の墓地の悪魔族・レベル8モンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターを特殊召喚する。

(2):このカードが墓地に存在し、悪魔族・レベル8モンスターが自分の墓地へ送られた場合に発動できる。

このカードを手札に加える。

 

『バトル!怨念(おんねん)邪悪霊(ダーク・スピリット)でネクロ・ガードナーを攻撃!』

 

怨念(おんねん)邪悪霊(ダーク・スピリット)はネクロ・ガードナーに向かって突進して、ネクロ・ガードナーは吹っ飛ばされる。

 

「くっ!」

『カードを2枚伏せてターンエンドだ。』

  □ □  

□□怨□□07

00□□■■□28

 

「俺のターン!」

 

遊音

LP:8000

デッキ:36

EXデッキ:0

手札:3

墓地:3

フィールド:2

MMSゾーン:0

EXMSゾーン:0

魔法・トラップゾーン:2

 

「俺は手札からワン・フォー・ワン発動!手札のモンスターカードを墓地へ送ってデッキまたは手札からレベル1モンスター1体を特殊召喚できる!」

 

遊音

墓地:3→4

カード

・デビルツムリ

 

ワン・フォー・ワン

通常魔法

(1):手札からモンスター1体を墓地へ送って発動できる。

手札・デッキからレベル1モンスター1体を特殊召喚する。

 

「俺はデッキからサクリボー特殊召喚!!」

『サクサクリ〜〜!!』

 

サクリボー

攻撃力:300

☆:1

 

「そして俺はサクリボーをリリースして…」

『サクサク!』

「邪帝ガイウスをアドバンス召喚!」

 

サクリボーが消滅すると紫色のオーラを纏った黒き巨人が現れる。

 

『はぁぁぁぁぁ!』

 

邪帝ガイウス

効果モンスター

闇属性/レベル:6/攻撃力:2400/守備力:1000/悪魔族

(1):このカードがアドバンス召喚に成功した場合、フィールドのカード1枚を対象として発動する。

そのカードを除外し、除外したカードが闇属性モンスターカードだった場合、相手に1000ダメージを与える。

 

「サクリボーの効果で1枚ドローし、ガイウスの効果!このカードの召喚に成功した時フィールドのカードを1枚除外する!更にそれが闇属性モンスターだったら相手に1000のダメージを与える!(みかど)追放(ついほう)!!」

 

遊音がそう言うと怨念(おんねん)邪悪霊(ダーク・スピリット)の頭上に黒い渦が出現し、怨念(おんねん)邪悪霊(ダーク・スピリット)を吸い込んでそのまま消滅する。

 

『くっ……!この程度!』

 

ダーク・ネクロフィア

・LP8000→7000

 

「魔法カード拷問(ごうもん)成果(せいか)!自分のフィールドのモンスター1体を選択する!このターンそのモンスターが戦闘で与えたダメージ600につき1枚ドローする!」

『何!?』

「だがこのカードを使った場合相手ターンで数えて5ターンの間相手はスタンバイフェイズにカードを1枚ドローする。」

 

拷問(ごうもん)成果(せいか)

通常魔法

このカード名のカードは1ターンに1度しか発動できない。

(1):自分フィールドの表側攻撃表示モンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターが戦闘で相手にダメージを与えた場合、そのダメージ600につき1枚、自分はデッキからドローする。

その後、相手のスタンバイフェイズ時、相手ターンで数えて5ターンの間、相手はデッキからカードを1枚ドローする。

 

「俺はガイウスを選択!そしてバトルだ!相手プレイヤーに直接(ダイレクト)攻撃(アタック)!(ろく)(せい)()(だん)!」

『はぁ………はぁ!!』

 

するとガイウスは黒色のエネルギー弾を生成して、ダーク・ネクロフィアに向けて放つ。

 

『ぐあぁぁぁぁぁぁ!?くぅ……おのれ……!!』

 

ダーク・ネクロフィア

・LP7000→4600

 

「そして俺は拷問の成果の効果で4枚ドロー!!!」

 

遊音

手札:0→4

 

「俺はおろかな埋葬を発動!デッキからモンスターを1体墓地へ送る!」

 

おろかな埋葬

通常魔法

(1):デッキからモンスター1体を墓地へ送る。

 

「俺は闇霊使いダルクを墓地へ送る!」

 

遊音

墓地:6→7

カード

・闇霊使いダルク

 

「カード伏せてターンエンド!」

 

  □ □  

□□邪□□08

00□■■■□30

 

『僕を怒らせた事を後悔させてやる!!僕のターン!!』

 

ダーク・ネクロフィア

LP:4600

デッキ:27

EXデッキ:0

手札:3

墓地:7

フィールド

MMSゾーン:0

EXMSゾーン:0

魔法・トラップゾーン:2

 

『君の魔法カードの効果により更に1枚ドロー!』

 

ダーク・ネクロフィア

手札:3→4

 

ダーク・ネクロフィアはドローしたカードをする。

 

『………』

 

カードを見たダーク・ネクロフィアはニヤリと笑う。

 

『フフフ…アハハハ!!見せてやるよ僕の切り札をね!!』

「切り札…?」

「気をつけろ遊音!」

『僕は墓地の3枚の悪魔族を除外する!!』

 

ダーク・ネクロフィア

墓地:7→4

カード

・レジェンド・デビル

・悪魔の鏡

・悪魔の偵察者

 

突然フィールドに巨大な紫の光を放つ魔法陣が出現する。

 

『そして僕は僕自身……ダーク・ネクロフィアを特殊召喚!!』

 

するとさっき除外された3枚が魔法陣に吸い込まれて行く。

そして魔法陣からダーク・ネクロフィアが姿を現した。

 

ダーク・ネクロフィア

効果モンスター

闇属性/レベル:8/攻撃力:2200/守備力:2800/悪魔族

このカードは通常召喚できない。

自分の墓地から悪魔族モンスター3体を除外した場合に特殊召喚できる。

(1):モンスターゾーンのこのカードが相手によって破壊され墓地へ送られたターンのエンドフェイズに、

相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動する。

墓地のこのカードを装備カード扱いとしてその相手モンスターに装備する。

(2):このカードの効果でこのカードが装備されている場合、装備モンスターのコントロールを得る。

 

「等々出てきたか!!」

『いーや!!まだだ!!』

「何?」

『僕は更にダーク・ネクロフィア(僕自身)を生贄捧げ!!このモンスター特殊召喚する!!』

「なんだと!!」

「ダーク・ネクロフィアを使って特殊召喚するモンスター!?そんなモンスター聞いた事が無い…!」

『なら見せてやる!!現れよ!!憎しみと悲しみの支配者!!』

 

ダーク・ネクロフィアがそう叫ぶとフィールドのダーク・ネクロフィアの周りに大量の壊れたマネキンが出現する。

そして大量のマネキンは次々とダーク・ネクロフィアに抱きついていく。

するとダーク・ネクロフィアは禍々しい赤黒色の光を放った。

 

「なんだ!?」

 

光がダーク・ネクロフィアを包み込む。

そして光が止むとそこには異型の姿をした怪物になったダーク・ネクロフィアがいた。

その姿は無数のマネキンが巨大な手の形に固まっていて、親指の部分がダーク・ネクロフィアになっている。

 

『これぞ僕の真の姿!!ナイトメア・ネクロフィア!!』

 

遊音は現れたナイトメア・ネクロフィアに唖然としていた。

 

「ナイトメア・ネクロフィアだと!?」

『ナイトメア・ネクロフィアの効果を発動!!墓地の悪魔族を相手フィールドのモンスターの装備カードとして装備させる!!僕は魔サイの戦士を装備!!』

「何!?」

 

するとガイウスに向かって魔サイの戦士は墓地から飛び出し、ガイウスの体内に入り込む。

 

『ぐぅぉぉぉぉ…!!』

『そしてナイトメア・ネクロフィアは装備カードを装備しているモンスターの攻撃力を半分にする。』

「何!?」

「つまりガイウスの攻撃力は2400から半分の1200になった…」

 

邪帝ガイウス

攻撃力:2400→1200

 

カオス・ネクロフィア

効果モンスター

闇属性/レベル:8/攻撃力:3200/守備力:2800/悪魔族

このカードは通常召喚できない。

自分フィールド上に存在する「ダーク・ネクロフィア」1体をリリースした場合のみ場合に特殊召喚できる。

(1):自分の墓地の悪魔族モンスター1体を対象として発動する。

その悪魔族モンスターを装備カード扱いとして相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して装備する。

(2):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、装備カードを装備した相手フィールドのモンスターの攻撃力は半分になる。

(3):このカードが戦闘・効果で破壊された場合、自分の墓地の「ダーク・ネクロフィア」1体を対象として発動できる。

そのモンスターを召喚条件を無視して特殊召喚する。

 

『そして僕はユニオンモンスター悪夢の(ナイトメア・)篭手(ガントレット)を召喚!!』

 

するとニヤニヤと不気味な笑みを浮かべる顔が付いた篭手が出現した。

 

『そして(トラップ)発動!魍魎跋扈!このカードは手札のモンスターを通常召喚できる!』

 

魍魎(もうりょう)跋扈(ばっこ)

通常罠

(1):自分・相手のメインフェイズに発動できる。

モンスター1体を通常召喚する。

 

『僕が召喚するのは…光霊使いライナ!』

「「何!?」」

 

ダーク・ネクロフィアがそう言うとフィールドにライナが現れる。

しかし召喚されたライナの目には光が無かった。

 

光霊使いライナ

攻撃力:500

☆3

 

『ライナ!!しっかりしろ!』

『………』

『無駄だよ!どんなに呼ぼうがお前の声は聞こえない。』

『くそっ!』

 

ダルクは姿を現しライナに向かって叫ぶがライナは人形の様に黙ったままだった。

 

『そして僕は光霊使いライナに篭手(ガントレット)を装備!これにより光霊使いライナの攻撃力は500アップし!戦闘・効果では破壊されない!!』

 

光霊使いライナ

攻撃力:500→1000

 

悪夢の(ナイトメア・)篭手(ガントレット)

ユニオン・効果モンスター

闇属性/レベル:1/攻撃:500/守備力:0/悪魔族

1ターンに1度、自分のメインフェイズ時に装備カード扱いとして自分フィールド上のモンスターに装備、または装備を解除して表側攻撃表示で特殊召喚できる。

この効果で装備カード扱いになっている場合のみ、装備モンスターは攻撃力は500アップし、戦闘・効果では破壊されない。

 

ライナの右腕に悪夢の(ナイトメア・)篭手(ガントレット)装着される。

 

「テメェ……!!」

『リバースカードオープン!!メタバース!』

「なっ!メタバースだと!?」

『その効果により、僕はデッキからフィールド魔法を1枚選び発動する!!』

 

メタバース

通常罠

(1):デッキからフィールド魔法カード1枚を選び、手札に加えるか自分フィールドに発動する。

 

『僕はフィールド魔法漆黒(しっこく)純白(じゅんぱく)混沌結界(こんとんけっかい)を発動する!!』

 

ダーク・ネクロフィアがそう言うと周りが白と黒の混ざったドーム状の結界に包まれる。

 

「何だこれ……?」

『このカードはフィールドに闇と光のモンスターがいなければ破壊されるが発動している間は相手のフィールドのモンスターの攻撃力は半分になる!!』

「何だと!?」

 

邪帝ガイウス

攻撃力:1200→600

 

漆黒(しっこく)純白(じゅんぱく)混沌結界(こんとんけっかい)

フィールド魔法

このカードがフィールドゾーンに存在する限り、相手フィールドの表側表示のモンスターの攻撃力・守備力は半分になる。

また、自分フィールド上に光属性と闇属性のモンスターが存在しない場合、このカードを破壊する。

 

『バトル!光霊使いライナでガイウスを攻撃!!』

『はぁ!!』

『ぐぅあぁぁぁぁ!!』

「ゔぅ……!」

 

遊音

・LP8000→7600

 

『ナイトメア・ネクロフィアで直接(ダイレクト)攻撃(アタック)!!呪術悪夢殺!!』

 

するとナイトメア・ネクロフィアのマネキンの指から紫色のエネルギー弾が放たれ、遊音に直撃する。

 

「ぐぅあぁぁぁぁ!!」

 

遊音

・LP7600→4400

 

「うぅぅ…」

「遊音!!」

『僕はこれでターンエンド。』

 

  □ □

漆□光ナ□□08

00□□悪□□25

 

「俺のターン!!」

 

遊音

LP:4400

デッキ:29

EXデッキ:0

手札:3

墓地:9

フィールド:3

MMSゾーン:0

EXMSゾーン:0

魔法・トラップゾーン:3

 

「(俺の手札にはこの状況をどうにかできる手段は無い…今は守りを固める事が大事!)俺は魔法カモン!カードガードマン発動!俺のフィールドにガードマン・トークン2体を特殊召喚!」

 

遊音のフィールドにサングラスを掛けた黒服の男が二人現れる。

 

ガードマン・トークン

トークン

地属性/レベル:2/攻撃力:150/守備力:250/戦士族

 

「このトークンは俺の次のスタンバイフェイズに破壊される。」

 

ガードマン・トークンA

攻撃力:150→75

ガードマン・トークンB

攻撃力:150→75

 

カモン!ガードマン

通常魔法

(1):自分フィールドに「ガードマン・トークン」(戦士族・地・星2・攻150/守250)1体を特殊召喚する。

このトークンは攻撃できない。

このトークンは自分スタンバイフェイズに破壊される。

 

「俺は禁断(きんだん)のギフトセットを発動!デッキからカードを2枚選択し、ゲームから除外する。その後次のスタンバイフェイズに除外したカードを手札に加える。しかしこのカードを発動してから3ターンの間ドローフェイズをスキップする。」

 

禁断(きんだん)のギフトセット

通常魔法

(1):デッキからカード2枚を選んで除外する。

このカードの発動後次の自分スタンバイフェイズに、この効果で除外したカードを手札に加える。

その後の自分ドローフェイズは3回スキップされる。

 

「……ターンエンドだ。」

 

  □ □

 □□ガガ□11

00□■■□□27

 

『僕のターン!!』

 

ダーク・ネクロフィア

LP:4600

デッキ:24

EXデッキ:0

手札:1

墓地:8

フィールド

MMSゾーン:2

EXMSゾーン:0

魔法・トラップゾーン:1

 

『更に1枚ドロー!』

 

ダーク・ネクロフィア

手札:1→2

 

『僕は(くび)なし騎士(きし)を召喚!』

 

フィールドにその名の通り首の無い騎士が現れる。

 

(くび)なし騎士(きし)

通常モンスター

地属性/レベル:4/攻撃力:1450/守備力:1700/悪魔族

反逆者に仕立て上げられ処刑された騎士の亡霊。

失ったものを求め、出会った者に襲いかかる。

 

『魔法カード防御崩しの吹き矢。フィールドの全ての守備表示モンスターを攻撃表示にする。』

「何だと!」

 

防御崩しの吹き矢

通常魔法

自分と相手フィールド上に表側表示で存在する全ての守備表示モンスターを表側攻撃表示にする。

 

すると2体のガードマン・トークン向けて吹き矢が放たれ、2体に直撃して取っていた防御体制が崩れてしまった。

 

ガードマン・トークンA

攻撃表示→守備表示

ガードマン・トークンB

攻撃表示→守備表示

 

『バトル!光霊使いライナでガードマン・トークンに攻撃!』

『はぁ!』

 

ライナの攻撃を受けて破壊されるガードマン・トークン。

 

「くぅ……」

 

遊音

・LP4400→3475

 

「はぁ…はぁ…」

『まだまだ!じっくりと苦しめながら始末してやるよ!!首なし騎士で攻撃!』

 

首なし騎士は持っている剣でガードマン・トークンを斬りつけ様とする。

 

「墓地のネクロ・ガードナーの効果発動!墓地のこのカードを除外し一度だけ攻撃を無効にする!」

 

遊音

墓地:11→10

カード

・ネクロ・ガードナー

 

すると首なし騎士の前に半透明のネクロ・ガードナーが現れ、攻撃を受け止める。

 

『けっ!!だけどこれは防げ無いだろ!ナイトメア・ネクロフィアで攻撃!!』

 

カオス・ネクロフィアは遊音に向けてエネルギー弾を飛ばそうとする。

 

『コレで終わりだ!!』

 

ダーク・ネクロフィアがそう叫ぶ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかしその時。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『クリボーール!!』

『!?何だ…!?』

 

ナイトメア・ネクロフィアに向かって丸いボールの様な物が転がって来た。

 

『クリボール!』

『なっ!?アレはクリボール!?』

 

その正体は遊音の仲間のモンスタークリボールだった。

そしてクリボールはナイトメア・ネクロフィアにぶつかり、ナイトメア・ネクロフィアは守備表示になってしまった。

 

『何だと!?』

「俺は手札のクリボールの効果を発動したんだよ。」

「クリボールの効果は相手モンスターの攻撃宣言時にクリボールを手札から墓地へ送ってその攻撃モンスターを守備表示にする効果を持つ。遊音はお前のナイトメア・ネクロフィアの攻撃宣言の時に発動したんだよ。」

『くっ……!!ターンエンド!!』

「俺はエンドフェイズ時に(トラップ)発動!!バースト・リバース!ライフを2000払い、墓地のモンスターをセットする!」

 

遊音

・LP3475→1475

 

「俺はダルクを選択する!」

 

バースト・リバース

通常罠

(1):2000LPを払い、自分の墓地のモンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターを裏側守備表示で特殊召喚する。

 

『………なぁ教えろ。』

『あぁ?』

『何でライナに取り憑いた!!』

「ダルク…」

『あぁ…その事か…良いよ教えてやるよ…アレは600年前に僕がこの世界に来た時の事だ…』

「そんな前からこの世界に…?」

『僕はこの世界で多くの人間を恐怖のどん底に突き落としていたんだ…そんなある日…僕の前にコイツ(ライナ)が現れやがった…!』

 

ライナを見ながらそう告げるダーク・ネクロフィア。

 

『コイツは僕と同じ精霊の癖に人間の味方をしたんだよ。コイツとあと2匹のチビ共が自身ごと僕をカードにしやがったんだ!…その後、カードになった僕は人間の手で地面に埋められ、僕を埋めた場所の上にお前等も見つけた祠が建てられたんだよ。』

「なるほど…あの祠はお前を封印する為のものだったのか。」

『あぁ…あの祠にコイツがいたおかげで僕は自由に動く事はできなかったさ…でも少しは力を使う事ができた!だから僕はコイツを少しずつ闇の力で支配していったのさ!』

「………」

『聞かせてやりたかったよ!少しずつ蝕まれいくコイツの苦しむ声をよぉ!!アレは実に良かった!今も思い出すと体がゾクゾクってなるよ…!』

「……もういい黙れ。」

『あぁ?』

「……俺のターン…ドローフェイズはスキップされる。」

 

遊音

LP:1475

デッキ:27

EXデッキ:0

手札:0

墓地:12

フィールド:3

MMSゾーン:1

EXMSゾーン:0

魔法・トラップゾーン:2

 

「禁断のギフトセットの効果で除外した2枚を手札に加える」

 

遊音

手札:0→2

 

「……このターンでお前を倒す!」

『僕を倒す?たった手札2枚でどぉーやって倒すんだよ!!』

「リバースカードWオープン!無謀な欲張り!ドローフェイズを2回スキップし、2枚ドローする!無謀な欲張りは2枚発動したから4枚ドロー!!」

 

遊音

手札:2→6

 

無謀な欲張り

通常罠

(1):自分はデッキから2枚ドローし、その後の自分ドローフェイズは2回スキップされる。

 

「俺は闇属性を宣言して装備魔法幻惑(げんわく)巻物(まきもの)発動!このカードを装備したモンスターの属性を変える!」

『何?』

 

幻惑(げんわく)巻物(まきもの)

装備魔法

属性を1つ宣言して発動する。

装備モンスターの属性は宣言した属性になる。

 

「俺はライナに装備し、属性を闇にする!」

『な……!!光属性がいなくなったら結界が!?』

 

光霊使いライナ

・光→闇

 

すると周りを包み込んでいた結界がひび割れてゆき、砕け散った。

 

「そして俺はダルクを反転召喚!」

『はぁ!!』

 

闇霊使いダルク

攻撃力:500

☆3

 

「ダルクのリバース効果発動!!相手フィールドの闇属性モンスターのコントロールを得る!!」

『来い!ライナ!』

 

ダルクがそう叫ぶとライナは姿を消し、遊音のフィールドに現れる。

 

『………!あれ?私…』

『ライナ!』

『ダルク!?もしかしてダルクが…?』

『遊音のおかげだけどな…それよりもアイツを倒すぞ!』

『うん!』

「俺は更にイリュージョンの儀式!!手札のD(ダーク)・ナポレオンを生贄に、サクリファイスを儀式召喚!!」

 

フィールドに奇妙な壷が現る。

すると壺から煙が大量に吹き出し、中から青色の光が飛び出す。

飛び出した光は徐々に変化して行き、サクリファイスへと姿を変える。

 

墓地:12→13

カード

D(ダーク)・ナポレオン

 

サクリファイス

攻撃力:0

☆1

 

『攻撃力0?そんなモンスターで何ができる!!』

相棒(サクリファイス)だからその化け物に勝てるんだよ!!」

『何?(そんな馬鹿な事がありえるはずが無い…もしあのモンスターにナイトメアが倒されたとしてもナイトメアには破壊された時、墓地のダーク・ネクロフィアが特殊召喚される)』

「サクリファイスの効果発動!!相手フィールドに存在するモンスターを装備カードとして装備する!」

『何だと!?』

「装備するのは当然!!ナイトメア・ネクロフィア!!」

 

するとナイトメア・ネクロフィアはサクリファイスの腹部へと吸収される。

 

「サクリファイスの効果…サクリファイスの攻撃力は装備したモンスターの攻撃力分上がる。」

 

サクリファイス

攻撃力:0→3200

 

『そんな馬鹿な!?……!いやまだだ!!例えそいつが首なし騎士を破壊して、残りの奴らが攻撃しても僕のライフは残る!!』

「言っただろ!このターンでお前を倒すって!手札1枚を墓地へ送り!!速攻魔法強制(きょうせい)覚醒(かくせい)!!フィールドの魔法使い族の攻撃力を2倍にする!!」

『そんな馬鹿な!?』

 

サクリファイス

攻撃力:3200→6400

闇霊使いダルク

攻撃力:500→1000

光霊使いライナ

攻撃力:1000→2000

 

強制(きょうせい)覚醒(かくせい)

速攻魔法

(1):手札を1枚を捨てて発動できる。

自分フィールドの全ての魔法使い族モンスターの攻撃力は、ターン終了時まで倍になる。

 

『ありえない!ありえない!ありえない!!この僕がこんな奴らに負けるなんて!!』

「ライナで首なし騎士を攻撃!!」

『喰らえ!!』

 

ライナの杖の先に白の魔法陣が出現し、眩い白の光が放たれる。

すると首なし騎士は砂の様に崩れていった。

 

『くっ……!』

 

ダーク・ネクロフィア

・LP4600→4050

 

「まだまだ!ダルクで直接(ダイレクト)攻撃(アタック)!」

『よくもライナを苦しめたな!!』

『なぁ!?』

 

ダルクの杖の先に黒の魔法陣が出現し、黒の稲妻が放たれる。

 

『ぐぅあぁぁぁぁぁぁぁ!?』

 

ダーク・ネクロフィア

・LP4050→3050

 

「これで終わりだ!!サクリファイスの攻撃!!イリュージョン・レイ!!」

『………』

 

サクリファイスは右手に黒紫色のエネルギーの塊を形成し、そのままダーク・ネクロフィアに向けて放った。

 

『嘘だ………嘘だ!?こんな事があって良いはずが無い!?』

「多くの罪を犯した邪悪な精霊に罰が与えられる!!いけぇ!!」

 

するとエネルギーはダーク・ネクロフィアに直撃する。

 

『ぐぁぁぁぁぁぁぁぁ!?おぉぉぉのぉぉぉれぇぇぇ!?』

 

そう叫びながらダーク・ネクロフィアは爆発した。

 

ダーク・ネクロフィア

・LP3050→0

 

 

 

 

WIN

風札遊音

   VS   

ダーク・ネクロフィア

      LOSE

 

 

 

 

「………勝った……のか?」

「……あぁそうだよ!!」

「………よっしゃァァァァァァァァァァ!!」

 

遊音は勝利のした事に喜び、空に向かって叫んだ。

 

 




次回『影だけの魂です。良いですね?』



次回のキーカード
『サイキック・シャドー』





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影だけの魂です。良いですね?

今回のキーカード
『サイキック・シャドー』





「はぁ…はぁ…うっ!」

 

遊音はダーク・ネクロフィアとの決闘(デュエル)で体力を消耗してしまい、その場に膝をつく。

 

「遊音!!」

 

刃車は遊音に駆け寄る。

 

「遊音!!大丈夫か!?」

「あぁ…少し疲れただけだ……」

「そうか……」

『うぅぅ…おのれぇ……』

「!?お前まだ動けるのか!」

 

ダーク・ネクロフィアは遊音達を睨みつけていた。

 

『……今回は僕の負けだ…このカードはお前らにやるよ……だが次は絶対に殺してやる!!』

 

そう言うとダーク・ネクロフィアは消え、その場にはライナのカードが落ちていた。

 

「あっ待て!!」

「遊音!追いかけ無くていい!!」

「でも!アイツがまたいつ襲ってくるか分からないだぞ!」

「安心しろアイツの行く場所は分かってる。」

「何?」

「遊音……走れるか?」

 

 

 

 

 

▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△

 

 

 

 

 

遊音達は暗い森の中を走っていた。

 

「刃車!ライナの事はサクリファイスとダルクに任せたけど俺らは何処に向かってんだ?」

「ライナ達がいた祠だ。」

「祠……そうか!確かアイツのカードがあるのって祠の下!」

「そうだ!そこに行ってカードを回収すれば!」

「でもその後はどうする?」

「それは後で考える!!」

「そんな無計画で良いのかよ!?」

「とりあえず今は祠に着く事だけを考えろ!」

「分かったよ!!確か此処らへんにあったはずだけど……」

 

そう言って走り続ける遊音達。

 

 

 

 

 

▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△

 

 

 

 

 

遊音達は祠のあった場所にたどり着いた。

しかし…

 

「これって……!」

「酷いな…粉々に破壊されてる…」

 

祠は原型を留めていないほどに破壊されていた。

 

「多分ネクロフィアの仕業だろうな……俺達より先に此処に来て祠を破壊してカードを持ち去った様だな。」

「クソ!もう少し早く来ていれば…!」

「今更言っても後の祭りだ……戻るぞ。」

「戻るぞって……ネクロフィアはどうするんだよ!?」

「アイツもさっき負けたばかりですぐに襲いに来るとは限らない…もしもの時は俺がどうにかする。」

「でも!「それにお前はさっきの決闘(デュエル)かなり疲労してる……今は休んどけ。」………分かった…じゃあ後は刃車に任せる……」

「あぁ。」

 

そう言って遊音達はテントに戻って行った。

 

 

 

 

 

▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△

 

 

 

 

 

一方その頃遊音に負けたダーク・ネクロフィアはボロボロの体を引きずって森の中を彷徨っていた。

 

『何とかアイツ等よりもカードを回収できたが……クソが!』

 

ダーク・ネクロフィアは地面を叩く。

 

『あの遊音とか言うガキ!!絶対に許さない!!今は傷を癒やして次こそはぶっ倒してあの決闘盤(デュエルディスク)を…!』

「それは無理ですよ。」

『!?』

 

復讐に燃えていたダーク・ネクロフィアは突然聞こえた声に驚き、声のした方を向く。

そこには緑色のツーピーススーツを着ている黒髪の10から12歳位の少年が立っていた。

 

『何だお前は!それに無理ってどう言う事だ!!』

「貴方では風札遊音には勝てませんよ。」

『そんなわけあるか!!今回は運が悪かっただけ!!次は絶対に!』

「それ以前に彼どころか私にだって勝てませんよ?」

『何だと!!お前!僕を馬鹿にするのもいい加減しろ!!』

「だったらやりますか?僕との決闘(デュエル)を?」

 

そう言って少年は腕を構えると少年の左腕に決闘盤(デュエルディスク)が出現する。

 

『貴様も決闘者(デュエリスト)か………!良いだろう!!何者か知らないが僕を馬鹿にしたんだ!ぶちのめしてやる!!』

 

ダーク・ネクロフィアは決闘盤(デュエルディスク)を出現させる。

そしてお互い決闘盤(デュエルディスク)を構えた状態で向かい合う。

 

 

 

 

 

「『決闘(デュエル)!!!』」

 

 

 

 

LP8000

??????

   VS   

ダーク・ネクロフィア

      LP8000

 

 

 

 

『先行は貰う!僕のターン!』

 

ダーク・ネクロフィア

LP:8000

デッキ:35

EXデッキ:0

手札:5

墓地:0

フィールド

MMSゾーン:0

EXMSゾーン:0

魔法・トラップゾーン:0

 

『僕は魔法カード手札抹殺を発動!!お互いの手札を全て捨て、捨てた枚数ドローする!!僕は4枚!!』

「私は5枚です。」

 

ダーク・ネクロフィア

手札:4→0→4

墓地:0→4

カード

・エア・イーター

・未熟な悪魔

・メタル・ガーディアン

・デビルズ・サンクチュアリ

 

??????

手札:5→0→5

墓地:0→5

カード

(やみ)からの()(ごえ)

墓場(はかば)からの()(ごえ)

避雷針(ひらいしん)

・グリフォンの(つばさ)

・ホワイト・ホール

 

『そして僕は墓地の3体の悪魔族除外してダーク・ネクロフィアを特殊召喚!』

 

ダーク・ネクロフィア

墓地:4→1

カード

・エア・イーター

・未熟な悪魔

・メタル・ガーディアン

 

不気味に笑うダーク・ネクロフィアがフィールドに現れる。

 

ダーク・ネクロフィア

攻撃力:2200

☆:8

 

『カード1枚伏せてターンエンド!』

  □ □  

 □□怨□□01

00□□■■□31

 

(僕のセットしたのはフィールドのモンスターを破壊から防ぐ安全地帯!そしてフィールド1番攻撃力の高い相手モンスター破壊する万能地雷グレイモヤをもしもの時はこれを使えば大丈夫!!)

 

万能(ばんのう)地雷(じらい)グレイモヤ

通常罠

(1):相手モンスターの攻撃宣言時に発動できる。

相手フィールドの表側攻撃表示モンスターの内、攻撃力が一番高いモンスター1体を破壊する。

 

安全(あんぜん)地帯(ちたい)

永続罠

フィールドの表側攻撃表示モンスター1体を対象としてこのカードを発動できる。

(1):このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、その表側表示モンスターは、相手の効果の対象にならず、戦闘及び相手の効果では破壊されず、相手に直接攻撃できない。

このカードがフィールドから離れた時にそのモンスターは破壊される。

そのモンスターがフィールドから離れた時にこのカードは破壊される。

 

「では私のターンなのでドロー。」

 

LP:8000

デッキ:29

EXデッキ:0

手札:6

墓地:5

フィールド

MMSゾーン:0

EXMSゾーン:0

魔法・トラップゾーン:0

 

「……このターンで終わらせましょう。」

『何!』

「私は墓地の罠カード2枚を除外してサイキック・シャドーを特殊召喚。」

 

??????

墓地:5→3

カード

避雷針(ひらいしん)

・グリフォンの(つばさ)

 

『ぎにゅう…』

 

フィールドに脳みそに2本の六角ボルトと不気味な1つ目が付いていて、3本指のロボットアームの腕を生やした黒色のモンスターが現れる。

 

『何だそのモンスターは…?』

「サイキック・シャドーの効果発動します。このカードが召喚・特殊召喚された時、デッキからレベル4以下のシャドーモンスター1体を特殊召喚する。私はインセクト・シャドーを特殊召喚。」

 

今度はフィールドに全身真っ黒なカゲロウが現れる。

 

サイキック・シャドー

効果モンスター

闇属性/レベル:4/攻撃力:1200/守備力:0/サイキック族

(1):このカードは自分の墓地に存在するカード2枚を除外し、手札から特殊召喚できる。

(2):このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動する。

デッキからレベル4「シャドー」モンスター1体を特殊召喚する。

この効果で特殊召喚したモンスターはこのターン攻撃できない。

 

「そして私は再び墓地の罠カード2枚を除外してプラント・シャドーを特殊召喚。」

 

??????

墓地:3→1

カード

(やみ)からの()(ごえ)

墓場(はかば)からの()(ごえ)

 

地面から黒色の鈴蘭が現れる。

 

「プラント・シャドーが特殊召喚されたら効果によってシャドーモンスター1体をデッキから手札に加える。」

 

??????

手札:4→5

 

プラント・シャドー

効果モンスター

闇属性/レベル:4/攻撃力:400/守備力:2000/植物族

(1):このカードは自分の墓地に存在するカード2枚を除外し、手札から特殊召喚できる。

(2):このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。

デッキから「プラント・シャドー」以外の「シャドー」カード1枚を手札に加える。

この効果の発動後、ターン終了時まで自分は「シャドー」モンスターしか特殊召喚できない。

 

「貴方に1つ聞きたい事があります。」

『聞きたい事だと?』

「貴方は何故風札遊音の決闘盤(デュエルディスク)を狙ったのですか?」

『あぁ?そんなの決まってんだろ!!あの決闘盤(デュエルディスク)はただの決闘盤(デュエルディスク)じゃ無い!アイツ等は気づいていなかったがアレには強力な力を感じた!!アレを手に入れれば…!』

 

ダーク・ネクロフィアの言葉を聞いた少年は呆れていた。

 

「はぁ……何だ…ただの愚者(フール)か…」

『あぁ?何か言ったか!?』

「いえ何にも…」

『だったら早く進めろ!!何もしないならさっさとターンエンドしろ!』

「忘れましたか?このターンで終わらせるって言いましたよ。」

 

そう言うと少年の眼は緑色に光る。

 

「貴方は知ってますか?デュエルモンスターズの世界にかつて存在した伝説の3枚の『(さん)(げん)(しん)』のカードを………」

 

『あぁ…知ってるよ…デュエルモンスターズの歴史の中で最初に誕生した3体の神のカード…しかしそのカードはとうの昔に消滅した。』

「………」

『その後何人もの魔術師や錬金術師が神のカードを復活させようとした………がどうしても生まれるのは弱体化した紛い物しか生まれなかった。』

「「神を作る事は不可能だ」……そう言って多くの者たちは神のカードの復活を諦めた…」

『だが何故そんな事を聞く?』

「…………ある1人の男がこんな事を言いました……「神を作る事は不可能でも、神に近い存在を作る事はできる。」……とね。」

 

少年は手札の1枚のカードを天に掲げる。

するとそのカードは辺りに紫色の光を放出する。

 

『なんだ!?』

今この瞬間!この地に神を超える影が現れる!!

 

そして光は少年のフィールドの3体のモンスターに直撃する。

 

「サイキック・シャドー!インセクト・シャドー!プラント・シャドー!この3体をリリース!!」

 

すると突如少年の影が伸びて行き、影はモンスター達の足元に溢れたインクの様に広がって行く。

そして3体のモンスターは影の中へと沈んでいった。

 

Its body is made of shadow(その身体は影で出来ている)……

『な…なんだ?何が起きている!?』

The flowing blood is made of hatred(流れる血は憎しみで出来ている)……

 

すると少年の影はグニャグニャと動き始める。

 

Never leave the land(絶対にその地を離れる事は無く)……Never allow defeat(絶対に敗北を許さない)……

『この闇の力は……!?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

現れよ!!偽りの影!!DUMMY DRAGON -THE SHADOW OF OSIRIS-!!

 

少年が叫ぶと影の中から蛇の如き長大な黒い胴体に大きな翼と前脚を備えている西洋の飛竜と東洋の龍を組み合わせたような姿をし、そして上下合わせて2つの顎の備えている頭部を持つモンスターが現れた。

 

『あ……あ…こ…このモンスターは……!?』

「モンスター効果を発動……」

 

すると少年のデッキからカードが数枚飛び出してモンスターに吸収されて行く。

 

??????

デッキ:27→17

手札:4→6

 

「1ターンに1度10枚のカードを除外して2枚をドローする。」

『そんな効果を備えているのか!?』

「更に速攻魔法ビッグ・リターンを発動。1ターンに1度と書かれた効果を、このターンもう1度発動する。」

『何!?つまり…』

「もう1度効果を発動。」

 

再びデッキからカードが数枚飛び出してモンスターに吸収されて行く。

 

??????

デッキ:15→5

手札:5→7

 

ビッグ・リターン

速攻魔法

(1):自分フィールドのカード1枚を対象として発動できる。

そのカードの「1ターンに1度」と書かれた効果を、このターンもう1度発動する。

 

「そしてこのモンスターの攻撃力は手札の枚数1枚につき1000ポイントになります。」

『お前の手札は7枚って事は!?』

「攻撃力は7000になります。」

 

DUMMY DRAGON -THE SHADOW OF OSIRIS-

攻撃力:?→7000

 

「更に墓地のインセクト・シャドーの効果を発動。」

 

??????

墓地:5→3

カード

・インセクト・シャドー

・ホワイト・ホール

 

「このカードと墓地のカード1枚を除外する事で墓地からシャドーと名のつくカードを2枚まで手札に加える。」

 

??????

手札:7→9

カード

・サイキック・シャドー

・プラント・シャドー

 

「そしてモンスターの攻撃力も更に上がる。」

 

DUMMY DRAGON -THE SHADOW OF OSIRIS-

攻撃力:7000→9000

 

インセクト・シャドー

効果モンスター

闇属性/レベル:4/攻撃力:1600/守備力:1500/サイキック族

(1):このカードは自分の墓地に存在するカード2枚を除外し、手札から特殊召喚できる。

(2):自分の墓地からこのカードと魔法・罠カードを1枚除外し、墓地の「シャドー」カード2枚を対象として発動できる。

そのカードを手札に加える。

 

『攻撃力……9000…だと…?』

「DUMMY DRAGON -THE SHADOW OF OSIRIS-で攻撃!」

『(はっ!?待て!僕にはグレイモヤがある!!)(トラップ)発動!!万能地雷グレイモヤ!攻撃宣言時相手フィールドの1番高い攻力のモンスターを破壊!そこの化け物を破壊だぁ!!』

 

グレイモヤのカードが発動するとカードからダイヤモンド型の物体が出現し少年のモンスターの目の前に移動し、爆発してモンスター顔が煙で覆われる。

 

『やったこれで!!』

 

爆発の煙が晴れていき、モンスターの顔もあらわになって行く。

 

『なっ!?』

 

 

至近距離で爆発を喰らったはずのモンスターは何事も無かったかの様にダーク・ネクロフィアを睨みつけていた。

 

「DUMMY DRAGON -THE SHADOW OF OSIRIS-は魂と影のみの存在……形の無い影を壊す事はできない…つまり効果では破壊されない。」

『そんな……馬鹿な…!?』

「そしてこのモンスターはシャドーモンスターのみをリリースして召喚した場合3回攻撃する事ができる。」

『嘘だ……こんな事が……あって良い訳が無い…!?』

 

ダーク・ネクロフィアは恐怖のあまり手札のカードを落としてしまう。

 

「今度こそ終わりです……DUMMY DRAGON -THE SHADOW OF OSIRIS-の攻撃!」

 

モンスターは2つあるの1つを口を大きく開き、黒色のエネルギーを生成する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(ちょう)怨念(おんねん)(げき)ヘイトレドフォール!!

 

 

 

 

少年が技名を叫ぶとモンスターはダーク・ネクロフィアに向けてエネルギーを放出し、ダーク・ネクロフィアに直撃する。

 

 

 

 

 

『ぐぅぎぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!?』

 

攻撃を喰らったダーク・ネクロフィアは体が粉々なり、バラバラなっていく。

 

 

 

 

 

ダーク・ネクロフィア

・LP8000→1200→0

 

 

 

 

WIN

??????

   VS   

ダーク・ネクロフィア

      LOSE

 

 

 

 

『キュオオオオオォォォォォォォォォォォォォォ!!』

 

モンスターは勝利の咆哮を上げると消滅する。

少年はダーク・ネクロフィアに近づく。

ダーク・ネクロフィアは綺麗にバラバラなっており、飛び散った体の1部はまだ少しピクピクと動いている。

 

な…ぜ…だ…なん……でぼく…が………こん……な…目………に………

(遊音)が狙われると我々の計画にも支障が出るので貴方には消えてもらいます。」

そ………ん…な………

 

ダーク・ネクロフィアは粉々砕け散り、光となって消滅した。

少年は決闘盤(デュエルディスク)からさっき召喚したモンスターのカードを取り出す。

するとカードは一瞬の内に真っ黒に染まる。

 

「………このカードはもう少しエネルギーを与えなければいけないな…」

 

そう呟くと少年のズボンのポケットから電話の着信音が鳴り響く。

 

「はいもしもし……」

『やぁ〜〜浮放(うわばな)くん!』

「………貴方ですか………どうしました?」

『いやぁ〜〜君さっき()()()()()()S()C()のカード使った様だけど……どうだった?』

「……一応決闘(デュエル)する前に周りに結界を張っておいてバレない様にしたのですが貴方には分かりますか……そうですね以前と違ってちゃんと使用は可能になってますが決闘(デュエル)終了時にエネルギーが切れてしまいますね……そこをどうにかしなければ…」

『りょ〜〜か〜い!それじゃあ!それじゃあ!彼はどうだった?ふ・う・さ・つ・ゆ・う・ねは!?』

「………詳しい話は後になりますが…1言言うとまだまだ未熟ですね…」

『そっか〜〜まっ!!これからの成長に期待するか!』

「私もそちらに戻りますので……」

『うん!また後でね!』

 

少年……浮放(うわばな)は電話を切ると暗い森の中へ歩いて行った。

 

 




次回『初めての仕事です。良いですね?』



次回のキーカード
『リミッター解除』




今日の最強カード
ビッグ・リターン(アニメオリジナルカード)
速攻魔法
(1):自分フィールドのカード1枚を対象として発動できる。
そのカードの「1ターンに1度」と書かれた効果を、このターンもう1度発動する。

遊戯王クイズ
・次の罠カードの中で墓地で効果を発動できるカードは?

・魔のデッキ破壊ウイルス
・マグネット・フォース
・光の護封霊剣
・恐撃


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初めての仕事です。良いですね?




今回のキーカード
『リミッター解除』






ダーク・ネクロフィアが決闘(デュエル)を行っていた頃。

遊音と刃車はテントに戻っていた。

遊音は決闘(デュエル)の後走って祠に向かったため疲れてしまい、今はテントで眠っていた。

刃車は焚火を起こして、自身のデッキを確認していた。

 

「………(今回の遊音の決闘(デュエル)……何とか勝利できたが…今のままじゃ駄目だな…アイツはしばらく俺が決闘(デュエル)の特訓をしてやらないとな……)」

 

刃車は遊音の特訓について考えていた。

そんな刃車の近くでダルクはライナに膝枕をしていた。

 

『大丈夫かライナ?何処か悪かったら言うんだぞ?』

『分かってるよダルク……もう…心配し過ぎだよ?』

『……当たり前だろ…あんな事なってたのに…!』

 

ダルクはそう言ってライナの手を握る。

 

『それもそっか……ダルク…』

『何だ?』

『ありがとう……』

『え?』

『私の事……助けてくれて…』

 

ライナはダルクに向かってニコリと笑う。

 

『……助けたのは俺じゃなくてマスターだ…』

「でもあの時ダルクがいなければ遊音は勝てなかったし、ライナを救う事は出来なかったぞ?」

『刃車……』

『そうだよダルク…ダルクのマスターだって同じ事言うと思うよ?』

『ライナ……』

『本当にありがとう…僕との約束守ってくれて…』

『……俺が約束を破った事あるか?』

『いっぱいあるよ……』

『えっ?そうだったか?』

『もう……全くダルクらしいな。』

 

ライナは呆れながらも笑っていた。

 

 

 

 

 

▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△

 

 

 

 

 

翌日の朝。

遊音達は山を降り、事務所に帰っていた。

 

「もう帰って良かったのか?俺のデッキってまだ未完成だけど…」

「本当はもう少し居たかったけど、昨日のダーク・ネクロフィアみたいな奴が襲って来るかもしれないからな……また今度カードを探しに行こう…しばらくは俺のカードを使え。」

「分かった……それにしても色々あったなぁ…」

「あの戦いでサクリファイス達は疲れて今は休んでるからな…」

「そうだな…」

 

そんな会話をしていた遊音達は事務所に付いた。

 

「ん?」

 

遊音は事務所の前に1人の女性が立っている事に気づく。

 

「刃車あれの人って……」

「多分依頼人だろう。」

 

そう言って刃車は女性に近づく。

 

「林間探偵事務所に依頼ですか?」

「えっ?」

「おっと失礼…私は林間探偵事務所の所長の林間刃車です。」

 

刃車は軽く自己紹介をして名刺を差し出す。

 

「…!探偵さん!!」

「!」

「お願いです!!父を……父を探して下さい!!」

「落ち着いて下さい…ちゃんと話を聞きますので…」

「!……すいません…」

「いえ……とりあえず中へどうぞ。」

「はい……」

「遊音お前も入れ。」

「あぁ…」

 

遊音は返事をすると女性と一緒に事務所に入っていった。

 

 

 

 

 

▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△

 

 

 

 

 

女性をソファに座らせて、刃車は珈琲を差し出す。

遊音は刃車に言われて女性と向かい合う様にイージーチェア座っていた。

 

「どうぞ。」

「ありがとう御座います…」

 

刃車は遊音の隣に座る。

 

「それで貴方はどのような依頼でいらっしゃったのですか?」

「……実は3週間前…私の父が突然行方不明なったんです…」

 

刃車に言われて、女性は話し始めた。

女性の名前は時和(ときわ) 綾佳(あやか)

行方不明の父の名前は時和(ときわ) 順二郎(じゅんじろう)

順二郎は時計店久地(くじ)御地(ごじ)(どう)の店主をやっている。

ある日、久地御地堂に1人の男がやって来た。

その男は白のスーツを着ていて、サングラスを掛けていた。

男は奇妙な形をした時計を持って来ており、その時計の修理を順二郎に依頼して電話番号の書かれた紙を渡して帰っていった。

 

「それから父は時計を直してその男に時計を取りに来てほしいと連絡をしたんですが……その男は手が離せないから届けてくれって言ったんです。」

「そして順二郎さんはその時計を届けに行ったままいなくなったと……」

「はい…警察はちゃんと調べてくれなくて……それで此処ならもしかしたらと思って……」

「……分かりました…その依頼お受けします。」

「…!ありがとうございます……!!」

「それじゃ早速聞きたいんですが……何か手掛かりになる物はありますか?」

「手掛かりですか……」

「確かその男の電話番号を貰ってましたよね?」

「はい…でもその電話番号に掛けてみたんですが繋がら無くて……」

「うーん…もう打つ手なしか?」

「いやまだ何かある筈だ…何か手掛かりなる物が…」

「……あっ!父が男に修理を頼まれた時計の写真ならあります!」

 

そう言って綾佳は写真を取り出し、刃車に差し出す。

 

「これがその時計ですか……?」

「何か…変な時計だな?」

 

その写真の時計は至る所から歯車が飛び出し、赤いスイッチが付いてる置時計タイプの物だった。

 

「……やはりこれだけでは無理ですか?」

「…大丈夫ですよ。」

 

不安な表情を浮かべる綾佳に対して刃車は笑顔でそう言った。

 

「必ず順二郎さんを見つけてみせます!!」

「……ありがとう…ございます…!」

 

その後綾佳は探偵事務所を去って行き、刃車達は出掛ける準備をしていた。

 

「なぁ刃車?」

「ん?何だ?」

「あんな事言っちまったけどよ…あの写真だけでどうやって探すんだ?」

「大丈夫だ。」

「えぇ…」

「そんな事より行くぞ。」

「はーい…」

 

遊音は刃車と共に事務所を後にする。

 

 

 

 

 

▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△

 

 

 

 

 

遊音は刃車に連れられてとある場所にやって来た。

「………なぁ?刃車……?」

「何だ?」

「…此処って…?」 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あぁ?見たら分かるだろ?メイド喫茶だよ。」

「何でだよ!!」

 

遊音が連れて来られたのは(しん)(こく)市にあるメイド喫茶オーキッドだった。

遊音は刃車に此処に連れて来られて、今は店のテーブル席に座っている。

遊音は何故メイド喫茶にいるのか疑問に思い刃車に質問するが、返ってきた返答に思わずテーブルを勢い良く叩く。

 

「おい。他の客に迷惑だろ?」

「じゃあ何で此処に来たんだよ!!俺達は消えた順二郎さんを探してんだろうが!」

「だーかーらー…その順二郎さんを探す手掛かりを見つける為にやって来たんだよ…」

「はぁ?それって…」

「お待たせしました〜!」

 

遊音が刃車に質問しようとするとコップを載せたお盆を持ったメイドがやって来た。

 

「オレンジジュースとブルーマウンテンです!」

「あっ…どうも…」

「ありがとう…悪いんだけど店長さんいる?ちょっと聞きたい事があって…」

「店長ですか〜?いますよ〜!ちょっと待っててくださいね〜!」

 

そう言ってメイドは店の厨房へ入って行った。

 

「まっ…ジュースでも飲んで待ってろ。」

 

刃車は珈琲を一口飲む。

遊音もジュースのストローに口を付ける。

すると突然店内の電気が消える。

 

「なっ!?何だ!?」

「……来るぞ。」

「えっ?」

 

刃車は遊音にそう言う。

 

「おいまさか…」

「あぁ来るぞ…!」

「あの伝説の人が!?」

「伝説って?」

「あぁ!」

 

周りもざわつき始める。

すると厨房入口にスポットライトが当てられる。

そして厨房入口から1人の男が姿を表す。

その男はチャレコベストを身に纏い、パンタロン履いていて、頭にターバンを巻いていた。

 

「まさかあの男が…?」

 

すると男は右腕を掲げる。

 

「…?何だ?」

「蘭の花言葉は?」

「えっ?」

『『『美しい淑女!!』』』

「!?」

「ア〜〜ンド!?」

『『『優雅!!』』』

「YES!YES!イエェーーース!!」

 

そう叫ぶと男はくるりと1回転する。

 

「どうも皆さん!!私はこのメイド喫茶オーキッドの店長……加藤(かとう)令亜(れいあ)です!!

『『『うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!』』』

「????」

 

遊音はこの状況を理解出来ず混乱していた。

 

「相変わらずだな令亜。」

「そう言う刃車ちゃんだって相変わらず動じないわねぇ…」

「どれだけの長い付き合いだと思っている?」

「うふ♡そうね…あら?」

 

店長の男…令亜は刃車と話していると隣にいた遊音に気がつく。

 

「あーら可愛いわねぇ♡」

「どっ!?どうも…」

「こいつは俺の助手の遊音だ…そして遊音、このオネエがこのメイド喫茶の店長の加藤令亜だ。」

「よろしく♡」

「はぁ…?」

「それでぇ…今日はどうしたの?」

「あぁ…」

 

刃車は令亜に時計の写真を取り出して見せる。

 

「ちょっとこれについて調べていてな。」

「ふーん……ちょっと来て♡」

 

すると令亜はそう言って遊音達を厨房へと手招く。

 

「行くぞ。」

「えっ…?分かった…」

 

遊音達は令亜に連れられて厨房へ入り、更にその奥へと向かう。

 

「こっちよ。」

 

そう言って付いたのは店の食材の倉庫だった。

 

「倉庫?」

「ふふふ…付いたわよ♡」

「えっ?」

 

遊音は令亜に言われて前を見る。

遊音達が令亜に連れて来られ到着したのは倉庫の隅で、そこには壊れた冷蔵庫が置いてあった。

 

「………冷蔵庫?」

「まぁ見・て・て♡」

 

令亜はそう言って冷蔵庫の扉を開ける。

すると冷蔵庫の中は階段になっていた。

そして令亜はそのまま階段を降りて行った。

 

「嘘!?」

「良いからついて来い。」

 

遊音は刃車にそう言われ、令亜の後を追う様に階段を降りて行く。

 

「…!?うぉぉぉ…!」

「どうだ?凄いだろ?」

「うふふ…ようこそ!私の特別な部屋へ!」

 

するとそこには巨大液晶モニター、大量の大型サーバー等の様々な機材がある部屋が存在した。

遊音は令亜を見る。

 

「店長っていったい何者…?」

「令亜は知る人ぞ知る伝説の情報屋だ。」

「そ~ゆ〜事!ほらさっきの写真頂戴!」

「ほら。」

 

そう言って刃車は令亜に写真を渡す。

すると令亜は写真を受け取り、機械に写真をセットする。

そして令亜は近くにあるキーボードを操作し始める。

 

「ちょっと待ってねぇ……あっ!!これじゃない?」

 

液晶モニターに1枚の画像が表示される。

その画素には写真と同じ時計が映っていた。

 

「これって…!?」

「同じ時計だな。」

「この写真の時計…どうやらただの時計じゃ無いようね。」

「何?」

「これを見て。」

 

そう言って令亜はキーボードを操作する。

すると今度は1枚の新聞の画像が映し出される。

その新聞には「世紀の大発明!?物体復元装置!!」と書かれていて、先程の時計が埋め込められた巨大な装置の写真が載ってった。

 

「8年前の記事よ…ある研究所でどんなに酷い状態になった物でも完全な状態に復元することが出来る光線を放出する装置の開発が行われていたらしいわ。」

「そんな物が……」

「でもねぇ…開発中に事故が起きて研究所と装置は一緒に爆発しちゃってこの計画は中止になっちゃったのよ…」

「その研究所があった場所は分かるか?」

「えぇ確か……此処よ。」

 

モニターに地図が表示される。

 

「振黒市の西の方にあるわね。」

「ありがとな。」

「良いわよこれ位♡」

「行くぞ遊音。」

「分かった!ありがとうございました!」

「いつでもいらっしゃい♡サービスするから♡」

「はい!」

 

遊音達はそのまま部屋を出ていった。

 

「ふふ…刃車ちゃん…可愛い助手さんが出来て嬉しそうだったわね♡」

 

 

 

 

 

▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△

 

 

 

 

 

遊音達は令亜に教えてもらった場所へとやって来た。

 

「彼処か…」

 

遊音達は遠くから廃墟になった研究所の入り口を見ていた。

 

「行くか?」

「いや…あれを見ろ。」

 

刃車がそう言って指を指す。

遊音はその方向を見ると入り口に監視カメラがある事に気づく。

 

「監視カメラか…」

「どうやら作動中の様だな。」

「どうする?」

「何が?」

「いや何が?って……監視カメラあるんだぞ?どうやって攻略するんだ?」

 

遊音がそう言うと刃車は立ち上がる。

 

「俺達は決闘者(デュエリスト)だろ?」

 

そう言って決闘盤(デュエルディスク)を腕に装着し、起動させる。

 

「それはそうだけど…?」

「ならやる事は1つだ…見てろ。」

 

刃車は決闘盤(デュエルディスク)にデッキをセットしてデッキから1枚取り出す。

 

「来い!バット!」

 

決闘盤(デュエルディスク)のモンスターカードゾーンにカードを置くと遊音達の前にコウモリ型のメカが現れる。

 

『Ki!Ki!』

 

バット

通常モンスター

風属性/レベル:1/攻撃力:300/守備力:350/機械族

左右のハネに搭載された爆弾を落としてくるメカコウモリ。

 

「な!」

「頼んだバット!」

『Ki!Ki!』

 

刃車にそう言われるとバットは監視カメラの頭上に飛んで行った。

 

『Ki!Ki!』

 

バットは左右の羽から爆弾を放出して監視カメラを破壊する。

 

『Ki!Ki!』

 

そのままバットは消滅する。

 

「ありがとうバット。」

「なぁ刃車!今のは何だ!?」

「あぁ?さっきのは決闘盤(デュエルディスク)を使ってモンスターを実体化させたんだ。」

「マジか…」

「今度教えてやる。今は依頼を」

「おう!」

 

遊音達は研究所の中に入って行った。

 

 

 

 

 

▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△

 

 

 

 

 

遊音達は周りを見渡しながら研究所の奥へ進んで行く。

研究所内は壁にひび等が入ってかなりボロくなっていた。

 

「結構ボロボロだな…」

「どうやら8年前の事件からそのまんまの様だ…」

「そうか……ん?」

 

遊音達が進み続けていると他のボロボロの扉と違って傷1つ無い綺麗な状態の鉄の扉を見つけた。

 

「どうやらこの先に何かあるみたいだな…」

「行くぞ…」

 

そう言って刃車は扉を開けて、その先へ向かう。

 

「これは…?」

 

扉の先は広い空間になっていて、部屋の真ん中には巨大な物体があった。

 

「…!?刃車あれって…!」

「あぁ……令亜が言ってた復元装置だな。」

 

置いてあった巨大な物体は物体復元装置であった。

すると突然部屋の床の一部に穴が空いた。

 

「何だ?」

 

すると穴からボロボロの廃車が出てきた。

その時、物体復元装置が突如動き出した。

 

「装置が!?」

「気をつけろ!!」

 

すると物体復元装置に梅込められている時計の針が突如猛スピードで回転し、そこから廃車へ光が放たれる。

光を浴びた廃車はどんどん形が変化して行き、最終的に新車の状態になった。

 

「すげぇ…!」

「これがこの装置の力か…」

 

遊音達が物体復元装置の力に呆然としていると突然パチパチと何者かの拍手が聞こえて来た。

 

「誰だ!」

 

遊音達が振り返るとそこに居たのはサングラスを掛けた男が居た。

 

「お前は…まさか!?」

「綾佳さんが言っていたサングラスの男!」

「ふふふ…始めまして風札 遊音と林間 刃車…」

「!?…俺達の事を知ってんのか!?」

「一体何者だ。」

「おっと失礼…私は器王(きおう) (かい)()()姿()の名前だ。」

「……この姿?」

「そして私の真の名は……」

 

サングラス男…器王 枴がそう言うと枴の体は光出す。

そして辺り一帯を光で包み込む。

 

「うわ!?」

「くっ!」

 

そして徐々に光は止んでいく。

 

「くっ……一体何…!?」

「どうしたんだ刃……車!?」

 

遊音達は光が止んで、枴のいた場所を見るとそこには枴では無く、鋭い2本の角を生やした巨大な人型のロボットがいた。

 

『大いなる機械族の支配者……機械王!!』

「なっ!?機械王!?」

「こりゃまたとんでもないのが出てきやがった!」

『お前達はあの時計屋の男を探しに来たのだろう?』

「そうだよ!!順二郎さんは何処だ!!」

『奴は此処とは別の部屋に閉じ込めている!奴は私の事を怪しく思い、私に時計を渡した後ついて来ていたからな!』

「順二郎さんを返しやがれ!!」

『良いだろう……しかし!!』

 

すると機械王の左腕は変形し、決闘盤(デュエルディスク)になる。

 

『私との決闘(デュエル)に勝てたらな!!』

決闘(デュエル)か…なら俺が相手をしよう!!」

 

そう言って刃車決闘盤(デュエルディスク)を構える。

 

『行くぞ!!』

「あぁ!!」

 

 

 

 

 

「『決闘(デュエル)!!!』」

 

 

 

 

LP8000

林間 刃車

   VS   

   機械王

      LP8000

 

 

 

 

「先行は貰う!!」

『良いだろう!!』

「俺のターン!」

 

刃車

LP:8000

デッキ:35

EXデッキ:0

手札:5

墓地:0

フィールド

MMSゾーン:0

EXMSゾーン:0

魔法・トラップゾーン:0

 

「バイオファルコンを召喚!」

『キュオオ!!』

 

隼型のロボが現れる。

 

バイオファルコン

効果モンスター

光属性/レベル:4/攻撃力:1700/守備力:1200/機械族

このカードがフィールド上に表側表示で存在する場合に自分フィールド上の機械族モンスターが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、デッキから攻撃力1000以下の機械族モンスター1体を手札に加える事ができる。

 

「カードを3枚伏せてターンエンド!」

 

  □ □  

□□バ□□00

00□■■■□35

 

『私のターン!』

 

機械王

LP:8000

デッキ:34

EXデッキ:0

手札:6

墓地:0

フィールド

MMSゾーン:0

EXMSゾーン:0

魔法・トラップゾーン:0

 

『私は手札からワン・フォー・ワン発動!手札のモンスターカードを墓地へ送ってデッキまたは手札からレベル1モンスター1体を特殊召喚!!』

 

機械王

墓地:0→1

カード

・マイティガード

 

「来い!トルクチューン・ギア!!」

 

ブースターがフィールドに現れる。

 

トルクチューン・ギア

効果モンスター

光属性/レベル:1/攻撃力:0/守備力:0/機械族

(1):1ターンに1度、以下の効果から1つを選択して発動できる。

●自分フィールドの表側表示モンスター1体を対象とし、このカードを装備カード扱いとしてそのモンスターに装備する。

装備モンスターが戦闘・効果で破壊される場合、代わりにこのカードを破壊する。

●装備されているこのカードを特殊召喚する。

(2):装備モンスターの攻撃力・守備力は500アップし、チューナーとして扱う。

 

『更にアイアンコールを発動!墓地のレベル4の機械族モンスターを特殊召喚する!来い!マイティガード!』

 

するとフィールドに歯車が剥き出しのロボットが現れる。

 

 

アイアンコール

通常魔法

(1):自分フィールドに機械族モンスターが存在する場合、自分の墓地のレベル4以下の機械族モンスター1体を対象として発動できる。

その機械族モンスターを特殊召喚する。

この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化され、エンドフェイズに破壊される。

 

マイティガード

地属性/レベル:4/攻撃力:500/守備力:1200/機械族

警備用として開発された機械の戦士。

錆びない金属でできている。

 

『私はモンスター2体を生贄にする!』

 

その時地面から揺れ始める。

 

「何だ?」

『全ての機械は我が下僕であり!兵器でもある!!現れよ!!機械(きかい)(おう)!!』

 

床が割れて、そこから機械王が姿を現す。

 

機械(きかい)(おう)

効果モンスター

地属性/レベル:6/攻撃力:2200/守備力:2000/機械族

フィールド上に表側表示で存在する機械族モンスター1体につき

、このカードの攻撃力は100ポイントアップする。

 

『機械王の効果により!!攻撃力が上昇!』

 

機械王

攻撃力:2200→2400

 

『カードを3枚伏せてターンエンド!!』

「何?(攻撃しないのか?)」

 

  □ □  

□□機□□03

00□■■■□33

 

「俺のターン!!」

 

刃車

LP:8000

デッキ:33

EXデッキ:0

手札:2

墓地:0

フィールド

MMSゾーン:1

EXMSゾーン:0

魔法・トラップゾーン:3

 

『スタンバイフェイズ!!(トラップ)発動!!戦線(せんせん)復帰(ふっき)!墓地のモンスターを守備表示で特殊召喚!!蘇れマイティガード!!』

 

戦線(せんせん)復帰(ふっき)

通常罠

(1):自分の墓地のモンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターを守備表示で特殊召喚する。

 

『そして私は速攻魔法!地獄(じごく)暴走(ぼうそう)召喚(しょうかん)を発動!相手フィールドに表側表示モンスターが存在し、自分フィールドに攻撃力1500以下のモンスター1体のみが特殊召喚された時に発動できる!その特殊召喚したモンスターの同名モンスターを自分の手札・デッキ・墓地から可能な限り攻撃表示で特殊召喚し!!相手は自身のフィールドの表側表示モンスター1体を選び、そのモンスターの同名モンスターを自身の手札・デッキ・墓地から可能な限り特殊召喚する!!』

「この為にバイオファルコンを残したのか!」

『再び現れよ!マイティガード達!!』

 

フィールドに2体のマイティガードが現れる。

 

『さぁ!お前もモンスターを召喚しろ!!』

「……俺はバイオファルコンを1体特殊召喚する。」

『キュオオ!!』

『これで機械王の攻撃力もアップ!!』

 

機械王

攻撃力:2400→2800

 

地獄(じごく)暴走(ぼうそう)召喚(しょうかん)

速攻魔法

(1):相手フィールドに表側表示モンスターが存在し、自分フィールドに攻撃力1500以下のモンスター1体のみが特殊召喚された時に発動できる。

その特殊召喚したモンスターの同名モンスターを自分の手札・デッキ・墓地から可能な限り攻撃表示で特殊召喚し、

相手は自身のフィールドの表側表示モンスター1体を選び、そのモンスターの同名モンスターを自身の手札・デッキ・墓地から可能な限り特殊召喚する。

 

「俺はメカファルコンを守備表示にしてカード1枚伏せてターンエンド。(セットカードが分からないこの状況で攻撃するのはあまり良くない…様子を見るか…)」

 

  □ □  

□□ババ□00

00□■■■■32

 

『私のターン!』

 

機械王

LP:8000

デッキ:31

EXデッキ:0

手札:1

墓地:4

フィールド

MMSゾーン:4

EXMSゾーン:0

魔法・トラップゾーン:1

 

『魔法カードゴミ(ぐす)(ほど)し!!デッキからカードを3枚ドローし、その後手札から機械族のモンスター2体を選択して捨てる!』

 

機械王

手札:1→3→1

墓地:4→6

カード

・メカ・ハンター

・機械の兵隊

 

(ぐす)(ほど)

通常魔法

自分のデッキからカードを3枚ドローし、その後手札の機械族モンスター2体を選択して捨てる。

手札に機械族モンスターが無い場合、手札を全て除外する。

 

『私は機械王を守備表示にする!』

「何?」

『そして重力(じゅうりょく)解除(かいじょ)発動!フィールドのモンスター全ての表示形式を変更する!』

「っ!しまった…!」

 

重力(じゅうりょく)解除(かいじょ)

通常罠

自分と相手フィールド上に表側表示で存在する全てのモンスターの表示形式を変更する。

 

「機械王を守備表示にしたのはこう言う事か!」

『そして私はマイティガード2体を生贄にアドバイス召喚!!』

 

すると地面から2本の主砲が突き出した。

 

『その驚異のパワーでどんな戦地も付き抜けろ!パワードクロウラー!!』

 

フィールドに2本の主砲を持った棘を生やしたキャタピラを持つ戦車が現れる。

 

パワードクロウラー

効果モンスター

地属性/レベル:7/攻撃力:2700/守備力:2000/機械族

このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。

このカードより低い攻撃力を持つ相手フィールドのモンスター1体を選んで破壊する。

(2):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、攻撃可能な相手モンスターは攻撃しなければならない。

 

「面倒くさいのが来たな…!」

『召喚成功時!このカードより低い攻撃力を持つ相手フィールドのモンスター1体を選んで破壊する!バイオファルコンを破壊!!クロスデストロイ!!』

 

パワードクロウラーの主砲から2つの弾が放たれ、バイオファルコンを破壊した。

 

「くっ……!」

『バトル!機械王で攻撃!ジェットパンチ!!』

 

機械王の腕が伸び、そこから放たれるパンチによってバイオファルコンは破壊させる。

 

「うっ!!」

 

刃車

・LP8000→7100

 

『パワードクロウラーで攻撃!!』

「…!それは止める!ガード・ブロックを発動!!戦闘ダメージを0にして1枚ドローする!」

 

ガード・ブロック

通常罠

相手ターンの戦闘ダメージ計算時に発動する事ができる。

その戦闘によって発生する自分への戦闘ダメージは0になり、自分のデッキからカードを1枚ドローする。

 

刃車

手札:1→2

 

『むっ…ターンエンド!』

 

  □ □  

□□機マパ08

00□□□□□28

 

「俺のターン!」

 

刃車

LP:7100

デッキ:31

EXデッキ:0

手札:3

墓地:3

フィールド

MMSゾーン:0

EXMSゾーン:0

魔法・トラップゾーン:3

 

「俺は(トラップ)発動!緊急食(きんきゅうしょく)! このカード以外の自分フィールドの魔法・罠カードを任意の数だけ墓地へ送り、その枚数ドローする!俺は2枚送り2枚ドロー!」

 

刃車

手札:3→5

墓地:3→5

カード

・老化の呪い

・妖精の風

 

緊急食(きんきゅうしょく)

通常罠

このカード以外の自分フィールドの魔法・罠カードを任意の数だけ墓地へ送って発動できる。

自分はこのカードを発動するために墓地へ送ったカードの数×1枚ドローする。

 

処刑(しょけい)マシンーリーパーを召喚!」

 

2本の鋭い鎌を持った蜘蛛のロボットが現れる。

 

「このカードをリリースして効果発動!このターン1度だけ手札から罠を発動する!」

『何!?』

「手札から(トラップ)を発動!コモン・サクリファイス!相手フィールド上のモンスターが3体以上存在する場合、相手フィールド上の攻撃力が低いモンスター2体を墓地に送り、自分の手札からレベル7以上のモンスター1体を特殊召喚できる!機械王とマイティガードを墓地へ!」

『なんだと!?』

 

処刑(しょけい)マシンーリーパー

効果モンスター

闇属性/レベル:4/攻撃力:1600/守備力:1200/機械族

このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードをリリースして発動できる。

このターンに1度だけ、自分は罠カードを手札から発動できる。

 

コモン・サクリファイス

通常罠

相手フィールド上のモンスターが3体以上存在する場合、自分のメインフェイズ時に発動する事ができる。

相手フィールド上の攻撃力が低いモンスター2体を墓地に送り、自分の手札からレベル7以上のモンスター1体を特殊召喚する。

 

機械王

墓地:8→10

カード

・機械王

・マイティガード

 

「来い!リボルバー・ドラゴン!!」

『ぎゃぁおおおおおお!!』

 

刃車の目の前にリボルバーの頭と腕を持ったドラゴンが現れる。

すると刃車はスボンのポケットからメダルを1枚取り出す。

 

「リボルバー・ドラゴンの効果発動!!ロシアン・ルーレット!!コイントスを3回行い、2回表を出せばフィールドのモンスター1体を破壊する!」

『そんなギャンブル当たるわけが…!』

 

すると刃車のメダルがリボルバー・ドラゴンに吸収される。

その瞬間リボルバー・ドラゴンのリボルバー部分が回転して、カチッ!と音を立てて止まり、沈黙が続く。

 

「どうだ…?」

『ふふふ!どうやら外れた様だな!!』

「……それはどうかな?」

『何!?』

 

その時リボルバー・ドラゴンの頭部と左腕の銃口から銃弾が発射され、パワードクロウラーが木っ端微塵になった。

 

「これで壁はなくなった!!リボルバー・ドラゴンの攻撃!銃砲撃(ガン・キャノンショット)

『ぎゃぁおおお!!』

『ぐわぁァァァァ!?』

 

機械王

・LP8000→5400

 

リボルバー・ドラゴン

効果モンスター

闇属性/レベル:7/攻撃力:2600/守備力:2200/機械族

1ターンに1度、相手フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。

コイントスを3回行い、その内2回以上が表だった場合、そのモンスターを破壊する。

 

「カード2枚伏せてターンエンド!」

 

  □ □  

□□リ□□08

00□■■□□29

 

『くっ……私にここまでの傷を負わせるとは中々やりおる!!私のターン!』

 

機械王

LP:5400

デッキ:27

EXデッキ:0

手札:1

墓地:11

フィールド

MMSゾーン:0

EXMSゾーン:0

魔法・トラップゾーン:0

 

『ふふふ!私は危険(きけん)宝札(ほうさつ)を発動!!』

「危険な宝札?」

『ライフを半分払い手札がお互い6枚になるようにドローする!!』

「なんだと!?」

「そんなぶっ壊れカードがあるなんて!」

 

危険(きけん)宝札(ほうさつ)

通常魔法

(1):LPを半分払って発動できる。

お互いのプレイヤーは、それぞれ手札が6枚になるようにデッキからドローする。

このカードの発動と効果は無効化されない。

 

機械王

・LP5400→2700

・手札:0→6

刃車

・手札:0→6

 

『私は手札から死者(ししゃ)蘇生(そせい)を発動!!墓地のモンスター1体を特殊召喚!!蘇れ!機械王!』

 

機械王

攻撃力:2200

☆6

 

『更に私は魔法石(まほうせき)採掘(さいくつ)を発動!手札2枚を捨てて墓地の魔法カードを手札に加える!選ぶのは勿論死者蘇生!』

 

機械王

手札:5→3→4

墓地:11→13→12

カード

・機械軍曹

・TM-1ランチャースパイダー

 

死者(ししゃ)蘇生(そせい)

通常魔法

(1):自分または相手の墓地のモンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターを自分フィールドに特殊召喚する。

 

魔法石(まほうせき)採掘(さいくつ)

通常魔法

(1):手札を2枚捨て、自分の墓地の魔法カード1枚を対象として発動できる。

そのカードを手札に加える。

 

『そして死者蘇生!!蘇れパワードクロウラー!』

 

パワードクロウラー

攻撃力:2700

☆7

 

『パワードクロウラーの効果!消えるがいい!リボルバー・ドラゴン!!』

 

パワードクロウラーによって破壊されるリボルバー・ドラゴン。

 

「くっ……!(落ち着けまだセットカードが……)」

『魔法カードツインツイスターを発動!!手札を1枚捨てて、フィールドの魔法・罠カードを2枚破壊!!』

「っ!しまった…!」

 

ツインツイスター

通常魔法

(1):手札を1枚捨てフィールドの魔法・罠カードを2枚まで対象として発動できる。

そのカードを破壊する。

 

刃車のフィールドのセットカード2枚が現れた竜巻に破壊される。

 

「リビングデッドの呼び声とサイクロンが…!!」

 

リビングデッドの呼び声

永続罠

(1):自分の墓地のモンスター1体を対象としてこのカードを発動できる。

そのモンスターを攻撃表示で特殊召喚する。

このカードがフィールドから離れた時にそのモンスターは破壊される。

そのモンスターが破壊された時にこのカードは破壊される。

 

サイクロン

速攻魔法

(1):フィールドの魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。

そのカードを破壊する。

 

『これでお前を守る物は何も無くなった!行け!2体で攻撃!!』

 

機械王のパンチとパワードクロウラーの砲撃が刃車を襲う。

 

「ぐわぁぁぁぁぁぁ!?」

 

刃車

・LP7100→4700→2000

 

「刃車!!」

「はぁ…はぁ…大丈夫だ……おい!機械王!」

『ん?何だ?』

「何故順二郎さんを攫い、あの装置を復活させた?」

『ふっ…そんな事か……あの男はあの複雑な構造の復元装置のパーツを直せる程の腕の持ち主だ!!そしてあの装置は我々の計画に必要でね!』

「…ん?()()?」

『おっと!これ以上は言う訳にはいかない…ターンエンド。』

 

  □ □  

□□機パ□14

00□□□□□21

 

「だったらこのターンでお前を倒し聞き出してやろう!俺のターン!」

 

刃車

LP:2000

デッキ:22

EXデッキ:0

手札:7

墓地:11

フィールド

MMSゾーン:0

EXMSゾーン:0

魔法・トラップゾーン:0

 

「行くぞ俺はコストダウンを発動!手札を1枚捨てて手札のモンスターのレベルを2つ下げる!」

 

コストダウン

通常魔法

(1):手札を1枚捨てて発動できる。

このターン、自分の手札のモンスターのレベルを2つ下げる。

 

刃車

手札:6→5

墓地:11→12

カード

・デーモンの斧

 

「俺は更に死者蘇生!戻って来い!リボルバー!」

『ぎゃぁおおお!』

 

リボルバー・ドラゴン

攻撃力:2600

☆7

 

「そしてリボルバー・ドラゴンをリリース!!現れよ!紅のモーターマシーン!デモニック・モーター・Ω(オメガ)!!」

 

フィールドに現れたのは紅の体の持ち、両腕にビッグサーベルが備え付けられていた。

 

「デモニック・モーター・Ωのモンスター効果!攻撃力を1000アップ!」

 

デモニック・モーター・Ω

攻撃力:2800→3800

 

デモニック・モーター・Ω(オメガ)

効果モンスター

闇属性/レベル:8/攻撃力:2800/守備力:2000/機械族

(1):1ターンに1度、自分メインフェイズに発動できる。

このカードの攻撃力はターン終了時まで1000アップする。

(2):このカードの(1)の効果を発動した場合、エンドフェイズに発動する。

このカードを破壊する。

(3):自分エンドフェイズに発動する。

自分フィールドに「モータートークン」(機械族・地・星1・攻/守200)1体を攻撃表示で特殊召喚する。

 

「速攻魔法!!虚栄(きょえい)巨影(きょえい)!更に1000ポイント攻撃力アップ!!」

『何!?』

 

虚栄(きょえい)巨影(きょえい)

速攻魔法

(1):モンスターの攻撃宣言時フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターの攻撃力は、そのバトルフェイズ終了時まで1000アップする。

 

デモニック・モーター・Ω

攻撃力:3800→4800

 

「行くぞ!デモニック・モーター・Ωで攻撃!!オーバーヒート・ブレイカー!!」

『だが!それだけ攻撃力を上げても私を倒す事は!』

「そしてこの瞬間!!」

『何!?』

「速攻魔法発動!!リミッター解除(かいじょ)!!」

 

リミッター解除(かいじょ)

速攻魔法

(1):自分フィールドの全ての機械族モンスターの攻撃力は、ターン終了時まで倍になる。

この効果が適用されているモンスターはこのターンのエンドフェイズに破壊される。

 

「これでデモニック・モーター・Ωの攻撃力は4800の倍……9600だ!!」

『馬鹿な!?』

 

デモニック・モーター・Ω

攻撃力:4800→9600

 

デモニック・モーター・Ωは両腕のサーベルで機械王を切り裂き、機械王は大爆発を起こした。

 

『おのれぇぇぇぇぇぇぇ!?』

 

機械王

・LP5400→0

 

 

 

 

WIN

林間 刃車

   VS   

   機械王

      LOSE

 

 

 

 

機械王は膝をつく。

 

「さぁ…答えて貰おうか…」

『くそぉ…(このままでは我々の計画が…)』

 

すると機械王の頭に声が聞こえた。

 

(機械王……)

『!?(その声は…浮放様!?)』

(装置を爆破してその場から逃げなさい。)

『……(しかしこの装置は計画に必要なのでは!?)』

(大丈夫です。その装置の設計図は手に入れました。1から作るのはかなりの時間が掛かりますが計画がバレるより良いでしょう。)

「おい!聞こえてるか?」

『……』

 

すると機械王は突然立ち上がって物体退化装置の方を向き、腕を伸ばして装置を貫通させる。

すると装置はガタガタと揺れ始める。

 

「何!?」

「こいつ!?」

『これでもう装置はエネルギーが暴走して時期に爆発する!!』

「何だと!!」

『私に勝った約束だあの男はこの先の部屋に閉じ込めている!!それではさらばだ!!』

 

機械王はそう言うと眩い光を放ち、消滅した。

 

「逃げたか!?」

「それよりも早く順二郎さんを!!」

「そうだ!」

 

遊音達は走って順二郎が閉じ込められている部屋に向かった。

 

 

 

 

 

▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△

 

 

 

 

その後遊音達は無事に順二郎を見つけ出し、研究所を脱出した。

そして順二郎を綾佳に合わせて二人は再会する事ができた。

遊音達は綾佳に何度も頭を下げられ泣きながら感謝された。

そして今は遊音達は事務所でゆっくりしていた。

 

「にゃ〜ん…」

「そうかそうかお前はここが好きなのか。」

 

遊音は椅子に座り膝に乗ってきたクウを撫でていた。

 

「…?どうした?刃車?」

 

遊音は難しい顔をして悩んでいる刃車に話しかける。

 

「……いや機械王の言っていた我々って何なのか考えていた。」

「あぁ…アレか…」

「もしかしたらアイツの仲間がまだ沢山いるのかもな…」

「その時は俺達がぶっ倒してやろうぜ!」

「……ふっそうだな」

 

そう言って刃車は珈琲を1杯飲む。




次回「ウサミミです。いいですね?」



次回のキーカード
『ラビードラゴン』




今日の最強カード
デモニック・モーター・Ω(オメガ)
効果モンスター
闇属性/レベル:8/攻撃力:2800/守備力:2000/機械族
(1):1ターンに1度、自分メインフェイズに発動できる。
このカードの攻撃力はターン終了時まで1000アップする。
(2):このカードの(1)の効果を発動した場合、エンドフェイズに発動する。
このカードを破壊する。
(3):自分エンドフェイズに発動する。
自分フィールドに「モータートークン」(機械族・地・星1・攻/守200)1体を攻撃表示で特殊召喚する。

遊戯王クイズ
・次の内機械王の配下のモンスターは?

・古代の機械巨人
・メタル・ドラゴン
・メカ・ハンター
・サイバー・ポット


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