INFINITE RE:BUIL-AID (Blood Knight FUP)
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Prologue Ⅰ

とある荒野にて、夕陽が空を紅く染め上げ、沈みかけた空に複数の影が見えた。

 

「っ……!!」

一人の人形の影がボロボロになった()()()を持ち、左右にある浮遊した赤い剣と金色の刀身を持つ剣を手に持ち、後ろに下がった。

 

「はぁ………はぁ………追い詰めたぞ!? ()()!!」

もう一人の青年は金色のアーマーを身に纏い、腰に何かベルトの様なものを付けており、手には九つのボタンが付いた剣銃を持っていた。

此方の方は特にそこまで損傷したと思われる所も無く、ほぼ無傷であった。

 

「フン! ()()()()()ヲ超越シタ特異点、摂理ニ沿ワヌ存在ト少女……」

そう言い、黒き羽を持つ影は低めの声で相手側を見つめる。

 

「決定要因ハ明白ダナ……余リニ()()()()()()ガ過ギル…!」

そして黒き羽を持つ影は悔やむようにそう言った。

 

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……!!」

《キメワザ!》

金色の青年がベルトの腹部にある上部のスイッチを二度押し込む。

 

「ダガ、俺ハ俺ノ自由意志ヲ譲ラン!」

そう言い黒き羽を持つ影が、目と思わしき部分から蒼炎を滲み出しながら闇色のオーラを纏い、上へとゆっくり飛んでいく。

 

()()()()()()()()()ッ!!」

黒き羽を持つ影がそう叫びながら片手を上に挙げて、巨大な魔方陣を顕現させ、そこから無数の光線が金色の青年達の方へと雨のように降り注いだ。

 

「これで最後だ! ハアアアアアァァァァァァァァァァァァ!!」

《HIGHEND CRITICAL SPARKING!》

そう言い黄金の戦士は空中に飛んで光線を掻き消しつつ、影に向かって飛び蹴りを炸裂させる。

その際、後ろには嘗て仲間だった戦士達の影が見え、その影が黄金の戦士と重なり、その煌めきが増して影を飲み込み貫いた。

 

「グオオオオオオオオォォォォォォォォォォ…………………………!!」

黒き羽を持つ影は断末魔の様な悲鳴を上げた後、紫電を走らせながら爆散した。

 

「………今度こそ、終わりだ。 ()()()()

金色の戦士が地面に着地し、後ろを見てそう呟いたと同時に、紅かった景色は暗く月が照らされ、明るみのある綺麗な夜空へと様変わりした。

そしてそれが、戦いの終わりを示すかの様に静けさと勝利への歓喜が満ち溢れたのだった───

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから暫くの月日が流れて、ある海岸にて一人の少年がボロボロな少女を庇って、泣きながら少女だけでも殺さないでと乞いていました。

 

 

 

「…おねがい………します………うぅ………俺はどうなっても良い………ヒグッ……せめて…………この人だけでも……グスッ…この人だけは……どうか……おねがい……です!」

暗闇の海岸にて、少年は泣きながら少女が生き残れるよう命乞いをする。

少女は意識が無いのか未だ目覚める気配が無い。

どちらとも重傷とも言える程の傷を負っていて、命が尽きてしまうのも時間の問題であった。

そんな少年少女を見る一人の女性………暗くて見えずらいがその致命傷と思わしき傷が幾つも付いていた。

そんな事に気付かず、命乞いを続ける少年………暫くして、女性が口を開く。

 

「………お前…さ…………まさかとは思ってたが…………()()()()…………なの……か…?」

女性は驚きにも似たような表情で、少年にそう言う。

 

 

「…え?織斑一夏って……それって、やっぱり、()()()()()()()()

少年も、それを聞いて驚いたような表情で女性にそう言う。

 

「は?おいおい……遂に頭……可笑しくなっちまったのかよ。ってか、だとしても……何で………お前らがここに……………居やがるんだ……?」

女性はその返答に困惑しつつ少年と少女が居ることに驚愕していた。

それはそうだ………ここは普通の場所じゃない。ここは闇の世界(・・・・)なのだから……人が居て良い場所とは言い難いだろうしそんな世界に居ればお互い驚くのも不思議ではないだろう。

しかもこの場に居る全員がボロボロの状態なんだから尚のこと驚くのだ。

 

「俺のことを知ってる……のか?」

少年は純粋な疑問を持って聞いてみた。

 

「知ってるも何もテメェ自身の……ッ!? あぁ、そう言うことかよ……」

「……え? そう言うことってどういう…」

少年はあまりに衝撃的なことを聞いてしまい内心何が起きてるかが理解できていなかった。

 

「テメェ、()()()()になって……ごふっ! けほっ! ゲホッ! ゲホッ!」

女性はそう言いきる前に吐血し、咳き込む。

 

「っ!? あの……大丈夫………なの…か?」

「はぁ……はぁ……へっ! 私の心配なんて………してる場合かよ?………そこの大事な女の心配でも…ゲホッ! ゴホッ! グフッ!」

そこの女の心配でもしろってんだと言おうとしたがまた吐血し、咳き込んだ。

先程より酷くなってきており、既に限界が近付いていた。

 

「……で、でも……」

「くどい……私の事は良いからさっさと……っ!?」

「え?……なっ!?」

突然女性が驚いて海の方を見だしたので少年もそれを見る。

するとそこには…………真っ黒な異形がわらわら集まってきた。

「ったく……何時から…この世界は………こんなバケモンが湧くようになっちまったんだ?」

女性は立ち上がって少年の前を遮るように移動し背を向けてこう言う。

 

「な、何をして……」

少年がそう言おうとすると…

 

「………行け……ここは食い止めてやる。」

そう言い女性はビルドドライバーを取り出して腹にあてがい、ベルトが自動的に伸縮して腰に巻かれた。

                   

「なっ!? そんな怪我してるのに出来るわけが…」

「良いから行けってんだよ! ここに残っても邪魔なだけだ! とっとと何処へでも失せやがれッ!!」

「………っ!」

少年の言葉を遮って女性はそう叫んだ。

少年は、歯軋りをし少女を見た後、すいませんと一言だけそう言い、少女を担いで逃げる。

女性は去っていく少年達を見て少しだけ笑みを浮かべた。

そして再び異形の居る方に向き直し、こう言う。

 

「何やってんだろうなぁ……私…………柄にもないことを…でもまぁ、これでお前の元に逝ける理由も出来たって訳だ。」

女性はそう言い、笑みを浮かべた。

 

「……悪いな、()()()()………約束(・・)、破るわ。」

そして、赤い蜘蛛(・・・・)の様なガシェットを取り出して上部にある穴に赤色(・・)のスパイダーフルボトルを何度か振ってキャップを合わせてから差し込み、左右の脚の部分を折り畳んでドライバーの差し込み口に挿入する。

キルバスパイダー(・・・・・・・・)!》

すると、赤い蜘蛛(・・・・)の様なガシェット……キルバスパイダー(・・・・・・・・)からその音声が鳴り響いて赤いレバーを掴んで回し始めると別の待機音声が流れキルバスパイダー(・・・・・・・・)からパイプが伸びて前後に蜘蛛の巣状にスナップライドビルダーが展開され、そのパイプの中をボトルの成分が通って全て成分が入り込み満タンになった。

《Are you ready?》

「……変身!」

《スパイダー! スパイダー! キルバススパイダー!》

女性が大きめの声でそう言うとドライバーからその音声と僅かに音声と混ざって笑い声の様なモノも鳴り響き、前後の蜘蛛の巣状のスナップライドビルダーが組合わさる。 そして少しゆっくりめに回転してやがてパイプが消えていき、中心の空間が歪んで赤い蜘蛛の足が出てきて捕らえるようにして中心の歪んだ空間に入り込んで消えて変身が完了する。

 

「……おら来いよ? 化物共……纏めてぶっ壊してやる。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ッ!?」

白い部屋で一人の少年がベットから起き上がる。

その怯えた表情、異様に流れ出る汗や反応からして、恐らく怖い夢を見ていたのだろう。

 

「………またあの夢(・・・・・)だ。」

少年はそう呟いた。

その夢が何なのかそれはこの少年ともう一人の少女(・・)だけしか知らぬ秘密の夢なのだ。

……と言っても、秘密なのは正確な内容だけで大雑把には話しているのだが…。

 

するとノックの音が聞こえてくる。

キクシア(・・・・)! 何時まで寝ているつもり? 高示(・・)達が待ってるわよ?」

ノック音が聞こえなくなると今度は凛としたような女性の声が聞こえてくる。

 

「あ、シアクフ(・・・・)か。 悪い、もう直ぐ行くから先に行って皆に伝えといてくれ!」

誰だか分かった後、直ぐに先に行っておくように言い着替え始めた。

 

「分かったわ。 遅れないでよね?」

「あぁ、分かってるって!」

「それじゃ、先に行って待ってるわね?」

そう言いシアクフは多分去って行き、俺はあっという間に着替え終えて部屋を後にする。

 

「あの夢については後で考えよう。 とりあえず今は集合しなきゃな!」

少年はそう言いながら広間へと駆けていくのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これは………

 

 

 

俺と……僕と……私の…………

 

 

 

喪失から始まり、全てを再編へと導いて行く…断片の物語。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

I N F I N I T E  R E : B U I L - A I D

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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Prologue Ⅱ

とある家の広間にて……

 

 

 

「………………遅いわね。」

起こしに向かってから大分経つが、余りにも遅すぎる。あれから何十分経ってると思ってるのだろうか?

全く、だから何時も何時も言ってるのにキクシアは……。

そう内心で愚痴りながら不機嫌そうな顔をしていると、後ろから足音が聞こえてくる。

振り向くと、同い年位の少年、()()()()がそこに居た。

 

「あ、高示。」

「おはようシアクフ。 キクシアはまだ来てない?」

高示は私に笑顔で挨拶をし、キクシアが来てないか聞く。

 

「うん。 それがちょっと前に起こしに行ったけど一向に来ないの。」

「……彼奴まだ起きてこないんだ。 朝一で起こしに行ったのに……」

「高示も起こしに行ったの?」

「うん。 キクシア毎回寝坊するしもう習慣になりつつあるからね。」

そう言い、高示は苦笑いをした。

すると、今度は後ろから肩をポンと軽く叩かれた。

 

「何時もごめんね~? 呼びに行ってもらって。 つっても全然来ないけど……」

背の高い黒コートの男性………私達のマスターである彼は、私にそう言いおどける。

 

「いえ、私達は何時も一緒になることが多いですから……当然ですよ。」

「おぉ~おぉ~? 良いこと言うねぇ? シアクフは青春してるねぇ~? 思いっきり謳歌しちゃってるねぇ?」

いきなりふざけた口調でそう言い煽ってくる。 こう言うのが無ければ良い人なんですが……はぁ~。

 

「シアクフちゃん、元気出して? ほら、きっともう時期キクシアが来るわ!」

そう言い私を元気付けてくれる少女、アリス(・・・)は微笑んで安心させようとする。

 

「そうかな? もうそのまま忘れて二度寝してる可能性だってあるけど……」

「来るに決まってるわよ! 私が保証してあげる。」

デデンと言う効果音でも聞こえそうな感じで胸を張りながら誇らしげにそう言う。

「そ、そう? そうだと良いけど……」

 

「それにしても本当に遅いですね? 彼は何をしてるのでしょうか?」

そう言いウサミミの付いたとても小さいハット帽子を被った少女、時計ウサギ(・・・・・)がそう言う。

 

「確かに………何時もより遅いなぁ…ってことでシアクフ~! もっかい見てきt「すいません! 遅れました!」ん? あー来たわ。」

マスターの言葉を遮ってキクシアがやっと到着し、皆キクシアの周りに集まっていく。

 

「もう! 遅いわよキクシア、悪い子ね!」

アリスにそう言われて、キクシアはヘコヘコ頭を下げる。

 

「す、すまん。」

「遅いですよ? みんな心配したんですからね?」

「あ、あぁ……ごめん。」

キクシアがそう言い少しだけしょげる。

 

「ハイハイみんなそんな責めてやんなって。 とりあえず、キクシア来たから始めるぞ~?」

「「「「「はい!」」」」」

マスターが割り込み、話を無理矢理終わらせて本題に入っていった。

と言っても大した内容では無く、最近外の荒れ模様が激しさを増してることや街の外側で色々賊や傭兵、ヴィラン等が徘徊してるとかなんとか……

 

 


 

 

それから数時間後、私達はそれぞれお昼にすべくそれぞれ弁当を食べていた。

 

「じゃーん! 今回はサンドイッチとアップルパイ、沢山作ってみたの。」

「「おおー!」」

私はバスケットを取り出して中身を見える状態にしてそう言う。

キクシアと高示は食欲をそそられてお弁当に視線が釘付けになり、キクシアに至っては口の端から若干涎が出るほどであった。

 

「キクシア。 気持ちは分かるけど涎拭いて?」

「あぁ、すまんすまん! いやぁ、余りにも美味しそうなもんでつい……」

「フフッ……ありがと!」

キクシアは涎を拭いて満面の笑みを浮かべながらそう言い、私は上手くいったと嬉しそうにした。

 

「あははは……相変わらず食いしん坊だな~キクシアは。」

「うっせーな! お前だって結構頬張るだろ!?」

「それでもキクシア程食いしん坊じゃないよ?」

「なんだと!?」

「なんだよ?」

二人してそう言い、いきなり口喧嘩になりそうになってしまう。

二人は結構こうなることも多く、それだけ仲が良いことが伺えるし微笑ましく思える。

しかし私は、折角のお昼ご飯中に喧嘩して欲しく無く、それを止めることにした。

 

「二人とも喧嘩しないの! 今すぐ止めないとお昼抜きに──」

「「わぁぁぁ!? それだけは勘弁を!?」」

私がそう言いかけると、喧嘩を直ぐに止めて慌て出す。

 

「分かってるならそんなことで一々喧嘩しないの!」

「「は、はい……」」

私がそう言うと、二人はあっさり大人しくなる。

 

「もう、分かってる筈なのに直ぐ喧嘩して……」

「「返す言葉も御座いません。」」

私は少しだけ怒りながらそう言うと、二人は息を揃えてそう言い頭を垂れる。

 

「……まぁ良いわ。じゃあ改めて、お昼にしましょ?」

「あぁ!」

「うん!」

流石にこれ以上言うのも何だと思い、そう言って二人にサンドイッチを手渡し、二人は嬉しそうにそう言って受け取った。

 

 

 

 

この後、私達は楽しいお昼の一時を満喫したのだった。

 



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Prologue Ⅲ

何時もの日常に一つの変化と怪しい雲行きが見える───

ふとした優しさが、選択が……日常を終わりへと誘っていく───




あのちょっとしたマスターの話が終わってから数日ほどが経過したある日。

俺達は荒れ模様の天候と淀んだ空気の中、不満そうな表情をしながら空を眺めて三人でアイスを食べていた。

 

「あ~あ~……本当に荒れてるな。」

「うん。なんだかここ最近になって一気に荒れ始めた気がするよ。」

「言われてみればそうだよな~。前はこんなじゃなかったのに、何が起こってこうなったんだろう?」

俺と高示はアイスを食べながら、不意にそうぼやく。

 

「一説によれば、これは外界の有害物質を含む嵐が侵入したって言うのがあるけど……」

「外界の嵐? でもこの世界にそんなもの、どうやって入ってくるんだ?」

俺はシアクフの言葉に疑問を抱いてそう問い掛けた。

そもそもこの世界はマスターによって外界から殆ど遮断されていて侵入はそうそう無い。

それにこの説の場合、人でもなく魔物でもない嵐が侵入したってことになるわけだから余計に俺は困惑せざるを得なかった。

 

「それは私にも分からないわ。」

「……だよなぁ。」

「何よ? 失礼ね。 でも私の勘だけど、どうにもそれだけじゃない気がするの。」

「それってどう言うこと?」

俺は分からないと言う回答に直ぐに納得して諦め、その次の発言も気になり再度聞こうとするが、それより早く今度は高示がシアクフにそう問い掛ける。

 

「うん。 それなんだけどね? 一週間ほど前に、キクシア達の元へ行ってる時に近くの森で()()()が発生してたの。」

「え、裂け目!?」

「裂け目って、マスターがたまに出したりするあれか?」

「うん。 でもそれは魔力も感知出来なかったからマスターのじゃなかったの。それどころか()()()()()()()()()()()()()()()()()()()天然の裂け目だった。」

シアクフが言うにはこうだ。

一週間ほど前にシアクフが森へ出て俺達の元へ向かってる最中に、近くの森で裂け目を見付けて、マスターのかと思えば座標操作や出力調整等の術式が組み込まれてない上に魔力自体も一切感じさせなかったとのことだ。

 

「天然の裂け目かぁ……ってことは外界の誰かが裂け目を介して入って来てこうやって天気を荒れ模様にしてるってか?」

「その辺はハッキリしなかったわ。 でも外界から誰かが来たのは間違いない無さそうなの。」

「なんで分かるんだよ?」

俺はシアクフの確信めいた言葉にそう返す。

 

「その付近で、血の付着した包帯の切れ端みたいなのが落ちてて……それも複数ほど。」

「複数……じゃあ、ここに来たのは一人じゃないってこと?」

「分からないけど、その可能性もあり得ると思うの。」

シアクフは冷静に俺達の問いに答えていく。

 

「ってことはさ。ソイツ等、怪我してるんじゃないか?」

「え? どうしてだい?」

「さっきシアクフが言ってた包帯だよ。 その話が本当なら、ソイツ等はここに来た時、若しくはここに来る前に応急処置かなんかで包帯を巻いてたはず。 だから怪我してるんじゃないかって……それに一週間経ったとは言え、ここに関しての地理が無きゃまた怪我する可能性だってあるしさ。 とりあえず探してみないか?」

「さ、探すって?」

俺はそう言い、立ち上がってニヤリと笑みを浮かべる。

 

「決まってるだろ? 外界の人達を探すんだよ!」

「「……え、えぇぇぇぇ!?」」

俺の一言に二人は驚きを隠さず、そう叫んだ。

 

「しょ、正気かい!?」

「あぁ、正気だぜ? 俺はこれからその人達を探す。」

俺は胸を張ってそう言う。

 

「相手は外界の人だよ? 賊とかだったら──」

「仮にそうだったら俺が何とかして時間稼いでやる!」

「うーん……」

「無理してやらなくて良いぜ? 俺一人でもやるし。」

俺はそう言い、早速その準備をしようと部屋へ向かおうとする。

 

「わ、私も良いかな?」

「え? シアクフも!?」

すると、不意にシアクフがそう言う。

 

「良いぜ? ただ、さっき高示が言った通り賊の可能性だってあるから、無理だけはすんなよ?」

「分かってるわよ? そっちこそ、変に無茶して怪我したりしないでよ?」

そう言い、互いに釘を刺す様に警告して同意の上でやることにした。

 

「ぼ、僕は……ううん。 僕も行く!」

「高示……良いぜ? じゃあ、三人で行こうか。」

「「うん!」」

そう言い、三人で早速準備を始めたるべく、部屋へと向かって行ったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とある森の多い場所にある一つの洞窟にて、複数の人が隠れるように身を潜めて傷口を押さえていた。

 

「はぁ……はぁ……ここなら、身を潜めるには丁度良いだろう。」

そう言い、一人の男性が洞窟の奥を見ながら周りの連れを見る。

連れの少女達は怪我をしており、包帯を至るところに巻いており、相当怪我をしてるのが伺えた。

 

「……()。これから、どうすんの?」

「とりあえず、暫くはここを隠れ家にして傷を癒す。 勿論ここら辺の住民にバレないようにだ。 もしバレたら織斑達がソイツ等を伝にここに来る可能性もあるしな……」

そう言い、男性は……夕は()()()()()()()()()の問いにそう返して洞窟周辺を警戒する。

 

「嫁よ……とりあえずお前も休んだ方が良い。 応急薬だって今は使えないのだろう?」

「あぁ、再生成まで時間掛かりそうだが、お前達程怪我してないし大丈夫だよ。 ()()()こそしっかり休んどけ。」

「……分かった。 しかし、無理はしてくれるな? お前が倒れたら私だけでなく周りの皆も心配するのだからな?」

「わーってるよ。 ありがとう、ラウラ。」

夕は安心させるように笑みを浮かべ、()()()と呼ばれた銀髪の少女にそう言った。

 

「じゃあ、お言葉に甘えて僕達は少し休むね? 夕。」

「あぁ、休んどけ? ()()()()()()()()。」

「あぁ……すまないな、夕。」

「お気をつけて……」

「うん。」

「あぁ、気にすんな。」

それぞれそう言い、壁に凭れて座り、眠りにつく。

 

「さて、皆が起きるまで見張りでもするか。」

そう言い、洞窟周辺の警戒をしながら五人を見守るのだった。

 

 



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Prologue Ⅳ

日常はたった一歩踏み間違えただけで……一変し、崩れ行く───




外界の人達を探すべく、準備を始めた俺達は非常食や緊急時のペットボトル飲料を数本と、緊急時の医療キット、護身用の木剣を鞄に詰め込んで集合した。

 

「皆、持つものはしっかり持った?」

「あぁ、しっかり持ったぜ?」

「僕も持ったよ」

シアクフのその言葉に二人はそう返して笑みを浮かべる。

 

「おっ! それ持ってきたんだな?」

「ん?あぁ、うん。」

そう言い高示は、大事に俺とシアクフのとは少し違う木剣を抱える。

高示が抱えてる木剣は、ちょっと前に俺とシアクフで作った高示への()()()()()()()()で特別製であり、当然ながらほぼ全部一から作った手作りの木剣のため、雑貨屋には一切売られてない。

あの時は完成直後に見つかって三日ほど早く渡してお祝いしたんだが、受け取った後で高示が嬉しすぎて泣いていたのが印象的で記憶に残っていた。

 

「そっか、あれからそこそこ時間が経ったんだなぁ。」

「……どうしたの? キクシア。」

「あぁ悪い! 何でもない。」

「そう? なら良いけど。」

今は考えてる場合じゃない。とりあえず急ごうと、俺はそう考えながら気を引き締める。

 

「それじゃあ行きましょう?」

「あぁ! 出発だー!」

「お、おー!」

それぞれがそう言い、裂け目があったとされる森へと向かっていった。

 

 

 

 


 

 

 

「例の森ってここか。 んじゃまぁ、早速行こうか。」

目的地と向かってから数十分後に、その裂け目があるとされてる森への入り口へと辿り着いた俺達は、早速その中へと足を運ぼうとした。

 

「っ……待って二人とも!」

「ん? なんだよシアクフ。 早く行かねぇと───」

「……何だか、中から妙な気配がするの。」

「妙な気配って……何も感じないけど」

シアクフは怯えながらそう言うが、俺達はそれらしき気配は感じられず、気のせいだと解釈してしまう。

 

「嘘……私だけ? でも、うーん……なんと言うか。 さっきから殺気みたいなのを凝縮したような感じてて……」

「殺気? まさか、賊だったり?」

「ううん、人が出せるような感じじゃないし、感じ取れるのも多分ここまで強くないと思う。」

「人以外で? うーん、ヴィランってのはこの世界だと居ない筈だし……何だろう?」

俺は何かに怯えるシアクフを心配しつつ何が居るのか考えてみたが、全く検討が付かなかった。

 

「……とりあえずシアクフと高示はここで待っててくれ、俺が中の様子を見てくるから。」

「ご、ごめんね? 着いていくって言っておいてキクシアに任せちゃって……。」

「良いよ、提案したのは俺だし気にすんな。 それに何かあったら俺と高示が守ってやる!」

「え? あ、うん! 頑張るって守るよ。」

そう言い申し訳なさそうにするシアクフに気にするなと言って俺は森へ入って行った、その時に何か異変を感じ取ったシアクフは困惑し始める。

 

「え? ()()()()()()()()!?」

「へっ? それってどういう………こと……」

高示が、シアクフの方に振り向くと、何か恐ろしいものでも見たかのように固まり怯えた表情になった。

 

「こ、高示? どうしたの? 後ろに何かいる……の……」

そう言い、シアクフは高示が見てる場所へと視線を移して、高示と同じように顔が真っ青になり、恐ろしいものでも見たかのように固まる。

 

「………」

そこには、白いロングコートを羽織った鬼面の大男がおり、その手には血塗られた巨大な太刀の様な何かが握られていた。

その光景はまさにホラーそのものであり、シアクフ達はその男の圧と殺意にも近い何かを感じ取って恐怖で震えてしまう。

 

「「あ、あぁぁ……うああ(きゃああ)あああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」」

そして恐怖に耐え切れずに悲鳴を上げた二人は森へと駆け出し、逃げ始めた。

 

「ッ!? この声、それにあっちから来てるのって……高示とシアクフ!? おーーーい! どうした!?」

俺はその声を聞き取り、二人の方へ戻ろうとしたが、目の前に猛ダッシュで駆けてく二人を見つけ駆け寄ろうとしたが、二人は俺のことなど気付かずただただ走って何かから逃げており、そのまま俺を通り過ぎて行った。

 

「って、おい! 待ってくれよ!? ったく、どうしたんだよ? 二人ともあんなに慌てて……」

俺は困惑しながらも、二人の後をつけていったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

一方で、洞窟にいた夕率いる箒達は、傷を癒しながらも張り詰めた空気がある中、奴等が来るか来ないかで常に震えていた。

このまま次に戦うことになれば、確実に殲滅されると分かっており今はひたすら来ないことを祈るだけであった。

 

「……少し気配を感じる。」

ふと夕がそれを口にし、周りは遂に来てしまったのかと息を飲んだ。

 

「もう、バレたの?」

「分からない。まだ彼奴等って決まった訳じゃないしな? でも、確実に誰かが来てるのだけは分かる。」

鈴は震えた声で夕にそう聞き、夕はまだ分からないと答えた。

 

「今の内に覚悟だけは決めとかなくてはな。」

「箒さん……」

「夕、私も行かせてくれ。」

箒は立ち上がり、夕に同伴を志願する。

 

「でもお前はまだ傷が──」

「そんなのはお前も同じじゃないか! お前一人に任せっきりだなんて嫌に決まってる。 それに、私だってお前の力になりたいんだ。」

箒は夕の言い分にそう返し、真剣な眼差しで夕の瞳を見つめる。

 

「箒……分かったって言いたいしお前の想いは伝わった。」

「ならっ……」

「でもダメだ!」

「なっ!? どうしてなんだ!? 私では力不足だと言いたいのか!?」

夕の拒否に対して箒は声を荒げて反論する。

 

「ちげぇよ! 本当なら一緒に戦ってくれるだけで心強いしありがてぇんだ。」

「だ、だったら、何故……」

「でもな、俺はお前に……お前達に消えて欲しくねぇんだ。 失いたくねぇんだよ……」

その言い分に箒は酷く戸惑い、夕はそう呟いて俯く。

 

「勝手だってのは分かってる……! 学園を出ていく前からもうお前達とは居れないって思ってた。 色々事情やら出来事が重なったのもあるけど、それでもお前達に酷いことをしてきた。 だから俺はもう近付くべきじゃない、俺にそんな資格は無いって思い込んでたんだ。」

「「……夕」」

シャルと鈴は夕の話に何も言えずにいた。

 

「でも、それは結局ただやったことへの()()から()()()()()()だったんだ。 俺はやるだけやって怖くなって、ちゃんと見るべきだったお前達を見ようとしなかった。」

「嫁……」

「夕、お前は……」

「それでもお前達は、俺を理解してまで……こうして付いてきた。もうきっと戻れないと、分かっていながら。 なぁ……話が変わるようで悪いけど教えてくんないか? どうして、どうして俺なんかに付いてきた? まだ戻ることだって出来ただろう?」

怯えにも近いような真っ青になった顔で、夕は箒達にそう問い掛ける。

 

「……夕。」

箒が他の皆を代表して前に出て、夕の目の前まで近付く。

そしてそのまま、夕の胸ぐらを掴んで引き寄せた。

 

「うおっ!? え?」

「私達の人を見る目が、私達の想いがそんなに信用出来んのか?」

「……そ、それは、でも」

「でもも何もあるか! 確かに、一度はお前の洗脳とやらにそうさせられたのかもしれない。 でも、二度目は私達の意思でお前に付いてきた。 何故だか分かるか?」

箒は悲しそうな表情でそう言い、夕の胸ぐらを掴んでいる手が震えていた。

 

「……」

「お前はあの時、幾らでも一人で逃げられたのに、そうせず損得何てモノを……自身の身の安全や今後の事、父親の一件と私達を天秤に掛け、お前は自身の事ではなく私達を選んだ。 その気になれば何処へでも逃げれたし、本当は私達の替えだって利いてただろう? なのにお前は、自身の事を省みずに……こうして私達を守ってくれたではないか。」

「それ………は……」

箒のその言葉に、夕は震えた声で言い返そうとするが、途中から言葉が出ず黙り込んでしまう。

 

「それがどう言う理由であれ、お前は身を挺して私達を守ってくれて、それでいてお前は去り際に私達にこれまでの一件の謝罪をし、私達の背負うはずだった罪まで自分一人で背負おうとした。」

「……ほう……き。」

夕は震え、怯えにも近いような声で掠れ気味にそう言い、今にも泣きそうになっていた。

 

「そこまでされてお前を嫌悪し恨み続けるなど、出来るわけが無いだろう? それどころか、お前のその本気の姿勢や行動に私達は本心からお前に惹かれ、付いていくと決めたんだ。 例えその道が何れだけ危険であろうと、何れだけ大罪であってもな?」

「そうですわ! 夕さん。」

「……セシリア?」

箒がそう言うと、それに続くようにセシリア達も夕の元へと足を進めそう言う。

 

「私達は皆、夕さんに助けられてきましたわ。」

「僕だってそう。 どうあれ会社を救って僕に自由をくれたのは紛れもない夕だよ!」

「私も同感だ。 嫁よ、あの時私を助けてくれ、私に力の在り方や生きる為の標を示してくれたのは嫁ではないか!」

「洗脳とかワケわかんない事もあったけど、それでもアタシ達はあんたに救われて、助けられた。 手口が判明して一度は複雑になったけど、それでも身を挺してアタシ達を守ってその上でその罪を背負おってあのカルト教団に入ろうとしてたってのに、アタシ達だけ無関係でのうのうと過ごそうだなんてするほど薄情な真似はしないわよ。」

それぞれがそう言い、今にも泣きそうな暗い表情の夕を励ましていく。

 

「皆……っ…………ごめん……俺は、お前達に酷いことをしておいて、こんな……」

「酷いことをしたのはお互い様でしょ? そんでもって、助けたのもお互い様。 それに、どちらにせよとっくの昔に一線なんて越えちゃったしね?」

泣きじゃくりただ謝り続ける夕に、鈴は小悪魔の様な妖しい笑みを浮かべながらそう言う。

 

「そ、そうですわ! 今更離れろだなんて方が無理な話ですのよ!?」

「確かに。」

「同感だな。 さぁ、夕……」

「僕達はもう何がなんでも夕と終わりの瞬間まで一緒にいる。 だから……」

そう言い、五人はそっと夕に手を差し伸べる。

 

「……」

「「「「「一緒に行こう(行きましょう)!」」」」」

「……あ、あぁ、一緒に─────」

そして夕に向けてそう告げ、夕はゆっくりとその手を取ろうとした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『『うああ(きゃああ)あああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!』』

 

 

「「「「「「ッ!?」」」」」」

その時、森の方から子供の悲鳴が聞こえてきて、夕達は全員外の方に視線を移して驚いていた。

 

「子供の悲鳴!?」

「な、何が起こってんのよ!?」

「言ってる場合か! 急いで助けに行かなきゃ───」

夕はそう言いかけたところで立ち止まり、罠であることやこれによって自分達の隠れ場所が彼等に見つかる可能性を考えてしまい、動くことを躊躇ってしまう。

少女を助けたら箒達に命の危険が、とは言え何もしなければ子供の命が……そう考え葛藤してしまう。

 

「嫁よ、まさか迷っているとは言うまいな?」

「そ、それは……」

夕はに図星を突かれて何も言い返せなかった。

 

「私達は大丈夫だ。 だから……」

「子供の元へ向かうぞ?」

「し、しかしそれだとお前等が……」

「ええい! まだそんなことを言うか!?」

そう言い、箒は夕の胸ぐらを再度掴んで引き寄せ睨んだ。

 

「私達は死なない! 死ぬ時はお前と一緒だ! だから私達を……お前が信じ、想ってくれた私達を信じろ!!」

「っ……分かった。 でも、無茶だけはしてくれるなよ?」

「フッ……お前こそ無茶して倒れたりするんじゃないぞ?」

「分かってるさ。 ありがとう、箒。 それじゃあ、行くぜ皆!」

そう言い、夕達は洞窟を離れてそれぞれのISを展開し、そのまま森へと飛んでいったのであった。

 

 




神様アンチが必要かどうかのアンケートに関してはプロローグが終わるまでやってます。


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Prologue Ⅴ

新作書きたいけど書いたら絶対こっち進まなくなるけど書きたいって葛藤がすごいすごい。
ってことで遅れましたが何とか更新出来ました。

ではでは、本編どぞ!




悲鳴を上げ二人は逃走し、キクシアはそれを追う形で現在森の中を走っていた。

 

「おーい! シアクフー! 高示ー!」

そう叫びながら走って奥へとドンドン進み続ける。

 

「ったく、本当に何処まで走ってったんだよ。」

俺は突然二人が走り出した理由をイマイチ把握出来ておらず、困惑しながらも二人を探し続けた。

のだが、そうしてる内に俺は所謂迷子ってのになってしまったようだ。

完全に道が分からなくなり、何処へ行けば良いのかも分からなくなってしまったのだ。

 

「……やべぇ、俺が迷子になっちまった?」

俺はそう言い辺りを見回してみるが、何処も同じような木々が並んでおり、完全に来た道が分からなくなってしまった。

 

「あれだけ啖呵切って迷子になりましたとか洒落にならねぇな……」

俺は頭を少し掻きながらそう言い、どうするか考え始めた次の瞬間……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『そこの少年よ。』

「うおッ!? な、誰だ!?」

気配すら無かったのにも関わらず、背後から声を掛けられ反射的に振り替えって驚いた俺は背後にいた()()()()()()()()()()()()()()()()()()にそう聞いた。

 

「名乗るほどの者では無い……それより少年よ、早くここから離れよ。 ここは時期に我が戦により火の海と化す。」

「はっ? え、何を言ってるんだ? アンタは……」

俺は大男の言葉の意図が掴めず、困惑した。

 

「ここに別の所から侵入してきた不届き者が居てな? 其奴等に仕置きをしにやって来たのだ。」

「侵入してきた……まさか外界の!?」

「むむっ? その反応、奴等に関して何か知っておるのか?」

俺は大男の言う侵入してきた不届き者が何なのか心当たりがあった。

そう、シアクフが見た裂け目、落ちてた包帯、場所がここであること……俺は、確実に外界の人達の事だと理解した。

 

「少しばかりな? でもその前に聞きたいことがある。 本当は教えたくはねぇけど、返答によってはその人達について知ってることを話しても良いぜ?」

「……なんだ? 手短に頼む。」

「アンタは、その人達をどうする気だ? お仕置きとか言ってたが。」

俺は大男の同意の元、そう聞いた。

非常に勝手な条件だってのは分かってるが、もしもの事を考えると容易に外界の人達について教えるべきじゃないと判断した結果なのである。

今だから分かるが、現に大男は殺気を撒き散らしており、何かに対する殺意で溢れていた。

俺も地味にその圧力に負けそうになるが必死に堪えることくらいしか出来ず、出来れば交戦したくは無いと考えながら大男を見つめる。

 

「そんなもの決まっておろう? なぶって元の場所へと投げ返すのだ。」

「なぶるって事は、アンタはあくまでもその人達を傷付けるってことか……?」

「あぁ、その通りだ少年よ。 まぁ、出来ることなら徹底的に心身共に痛め付けてからそれぞれ極刑に処したいのだがな?」

「ッ!? ハハッ……マジかよ。 想像以上にやべぇやつに遭遇しちまったかもな。」

俺は大男の発言に思わず、乾いた笑みを浮かべてしまう。

俺の最悪の予想を遥かに上回る過激さに正直驚かざるを得なかったのだ。

なぶって追い返すより散々痛め付けて死刑だなんて俺でも予想しない程の過激思想だと理解して血の気が引いた気さえした。

 

「さて、我は教えたが、少年は教えてくれるのか? 教えてくれんのか?」

「……悪ぃな? アンタ余りにヤバすぎて教えられねぇわ。 俺もその人達に用があってさ。 でもソイツ等を痛め付けられるって知っちまったら流石に言うに言えねぇだろ?」

「成程……しかし、まだ何も知らぬからそう言えるのだ。 我とて奴等と友好的な意味で関わろうと言うのであれば……例え女子供であろうと容赦はしない。」

俺がそう言うと、大男は血塗れの巨大な太刀の様な何かを取り出し、俺に向けた。

 

「警告しよう。 少年よ……()()()と関わるのは止めよ。 アレ等はソナタ等人間の人生を狂わす病原菌に他ならぬ。」

「オリ……主?」

俺は大男の口から出たオリ主と言うワードに目を丸くした。

そう言えば、昔マスターがなんかそのオリ主って言うのについて話していた気がする。

そう言い、俺は昔の光景を思い出す。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

『一部の世界には、オリ主って呼ばれてる者達が存在してるんだ。』

チョークで黒板にオリ主なる者の定義が書きながら俺達にそう言う。

席には俺やシアクフ、アリス、高示等昔ながらのメンバーがいた。

 

『オリ主? なんですそれ?』

『オリ主って言うのはまぁ、オリジナルの主人公の略だな。』

『へぇ~オリジナル主人公かぁ。』

俺は特に関心も無く、心の内にあるモヤモヤを抱えつつもとりあえず聞いて知識を付けてるだけだった。

 

『オリジナル主人公と言うのには三つの種類がある。 一つは外の世界から異世界に転生する転生者。 もう一つは元々の数ある原典の内の一つの並行世界で生まれたイレギュラーな現地人……まぁ、この場合は現地オリ主なんて呼ばれることもある。』

『成程、じゃあ転生者って方はなんて呼ばれてるんですか?』

マスターがオリ主の解説をしてる時、シアクフはマスターそう問い掛けた。

 

『あぁ、それは転生オリ主って呼ばれてる。』

『転生オリ主……ですか?』

『あぁ、まぁ呼び方は現地オリ主と変わらんよ。 んで、次の話に行くんだが、三つ目が当然変異によるオリ主化だ。』

『『『『『『突然変異?』』』』』』

俺達はマスターの発言に声を揃えて首を傾げた。

 

『そ。 突然変異のオリ主化ってのは、原典に存在していた者が本来とは別の人格、思想、力を得て別の個体として認識されることで発生する現象だ。 少ないようで多い現象として天界では割と有名らしいぞ?』

『突然変異……つまり並行世界だからこそ成り得る現象ってことですか?』

俺は息を飲んでマスターにそう聞く。

 

『……そうだね、数ある世界全てが同じとは限らないだろうけど、大体そんな感じだ。』

マスターがその概ねその解釈で合っていると言ったのだった。

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

「あぁ、そう言えばマスターがそんな話してたっけか。」

俺は想い出に浸るようにそう言う。

オリ主ってのが別の世界から来た外界の人かイレギュラーか、突然変異かって話だったけど普通にこれだけ聞くと何を言ってるんだってなるんだよな……まぁそれを聞いた俺みたいなのだからこそある程度は理解できるんだけども。

 

「ほう? そのマスターとやらが既に教えていたか。 ならば話は早い! 少年よ、ソナタが言う外界の人達と言うのはオリ主と不愉快な仲間達なのだ。 ソナタが助けようとしているのは紛れもない裁かれるべき悪に他ならぬ! だからこそ、庇おうとすべきではない……ソナタのやろうとしてることは犯罪者を匿う……いや、殴り返された虐めっ子を庇うそれと同じなのだ!」

「えーっと、何が言いたいのかは余り分からないけどさ、悪いがアンタがそう言ったから素直にはいそーですかで引き下がるほど、俺は人間出来ちゃいないんだ。何の怨みを持ってるか知らないけど、俺達の世界から立ち去ってくれないか?」

俺は細々と外界の人達について悪い意味で語っていく大男の言葉を切り捨てるようにそう吐いた。

 

「……成程。 つまり、あくまで私の邪魔をすると?」

「そうだな。 アンタが俺達の世界で暴れたりその人達に手を出そうってならその解釈で合ってるぜ?」

「っ、何故だ? 何故ソナタは彼等の味方をするのだ?」

俺の返答に大男は疑念を抱き、俺にそう問い掛ける。

 

「いや、逆に会ったことも無い人間にどうやって嫌悪感なんて抱けってんだよ? それに、外界の人達が本当に悪いヤツ等なのかどうかなんてさ、自分で確かめなきゃ分からねぇだろ?」

「フッ……クククク、フハハハハハハハ……」

「な、何が可笑しいんだよ?」

俺は突然笑い始めた大男にそう聞く。

すると、大男は笑いながらこう答えた。

 

「クッハッハッハッハッハッ! 自分で確かめなきゃ分からぬ……か? 良いだろう! そこまで言うであれば、実際に会って確かめて来ると良い。 果たして、彼等と会ってまだその様な綺麗事をほざけるか……見物だ。」

「……」

そしてそう告げた後、大男はその場を後にようとし、そこでふと止まって此方に視線を移す。

 

「あーそれから、我以外にも彼等を始末しようと目論むモノはいる……精々対話中に味方と判断されて殺されん事だな。」

「そうかよ……御忠告痛み入るぜ?」

「あぁ、ソナタにはオリ主と会った感想をたーーーっぷりと聞きたいからなァ?」

そう言い、今度こそ大男はその場を後にした。

 

「……イチイチ嫌なヤツだな。 だが、もしあの男の話が本当なら……シアクフ達や外界の人達も危ない!」

俺はそう言い、森の奥へと続く道へと足を進めて行ったのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

所変わって、シアクフと高示は森の奥へと逃げ続けていたが、ずっと走りっぱだったのか、既に疲労困憊で走れなくなっていた。

 

「はぁ……はぁ……さ、流石に此処まで来ればあの大男も追ってはこれない筈。」

高示はそう言い、走ってきた道を見る。

かなり奥まで来ており最早此処がどの場所だか、走った当人ですら分からなくなっていた。

 

「はぁ……はぁ……逃げ切れたみたいだけど、これ迷子になったんじゃ……?」

「……かなり、不味いね。」

「かなりどころじゃないわ! まだ昼間とは言え、最近は天候の荒れもあって、直ぐに暗くなっちゃうんだから危険よ! あーもう、私としたことが……ここら辺の事を理解してたのに!」

シアクフは焦りながらそう言い、辺りを見渡す。

 

「し、シアクフ?」

「何処かに雨とか凌げる場所は……ん? あれは……」

高示がシアクフの行動に戸惑い、その間にシアクフは一つの()()を見つけた。

そしてそのままシアクフは洞窟へと向かい、入っていった。

 

「シアクフ? 何処に行って……って、こんなところに洞窟が?」

「高示! あれって……」

そう言い、シアクフが洞窟の奥へと指を差す。

その場所には、何やら人が居た形跡が残っており、使い終えた救急箱や、持ち運び用の布団が置かれていた。

 

「これって、まさか本当に?」

「確実に居るわね。 そしてキクシアの言う通り怪我もしてるみたい。」

シアクフはそう言って徐々に冷静さを取り戻していき、洞窟の外へと出ようとする。

 

「ん? 待ってシアクフ、入口に誰かいる!」

「え? あ、本当だわ。 誰だろう?」

すると高示は入口に誰かが居るとシアクフに知らせ、呼び止めた。

そうして入口を警戒していると、足音が聞こえてきて、やがて一人の影が見えてきた。

見た感じでは青年ぐらいの身長で片手には剣の様なモノが握られており、その眼は紅く煌めいていた。

 

「「っ……!」」

二人はその青年から発せられる圧に怯えて、身が竦んでしまう。

 

「……うん? 子供が二人? 可笑しいな、()()()()の話じゃここら辺に居るって聞いたが、やはりさっきの気配は……」

そう言いその場を離れるかと思いきや、寧ろシアクフ達へと近付いて行った。

 

「君達、こんなところで何をしてるんだ?」

「「ッ!?」」

そして青年は目の前まで来てしゃがみ、シアクフ達に目線を合わせる。

 

「おっと、驚かせたな? 俺は……うーん、そうだな……()()()()とでも呼んでくれ。」

「え、あの……」

「あ、はい……」

青年……イッセーから圧は無くなったが、二人は言葉を詰まらせ何も言えずにいた。

 

「……うーん、怖がらせちまったかな? えっと、安心してくれ。 そして今から言う質問に答えてほしい。」

「……質問、ですか。」

「あぁ、何……そんな難しい質問じゃあない。 ただ、此処等で六人組の学生みたいな奴等を見なかったか? 一応白いボロボロの制服を身に纏ってたと思うんだが……」

「「白い制服?」」

二人は口を揃えてそう言い、首を傾げる。

そもそも学生と言えばこの世界で言うなら寧ろ自分達の方であり、服装も割と私服でやることが多いためここの住民のことではないと理解した。

そして二人が考えられた可能性として、外界の者達の事が頭に過った。

 

「……何か知ってるのか?」

「い、いいえ! 何も知りません!」

「僕も同じく、何も知りませんし見てません!」

イッセーが怪しそうにそう聞くが、二人は見てないと答えて首を横に振る。

 

「……嘘だな?」

「「ッ!?」」

「何か隠してるだろ? 余り嘘は吐かない方が良い。」

そう言い、イッセーは少し二人を睨み付けるように見つめる。

そしてその鋭い目付きから来る圧に押されて二人は真っ青になって震えた。

 

「あ……え、えっと……」

「………」

二人は涙目になるが頑なに喋ろうとしない。

 

「……はぁ~ダメか。 まぁ良い、怖がらせて悪かったな?」

「「……」」

そう言うと、睨むのを止めてその場を離れようとする。

二人は最早放心状態で固まってしまい、動けずにいた。

 

「そうだ。 一つ忠告だが、もしその六人組と会うことになっても関わるな、そして怪我も治そうだなんて以ての他だ。」

「っ!」

「な、何を言って……」

「誤魔化そうとしても無駄だ。 お前等が此処に入って救急箱見つめてた辺りから話は聞いてるからな? お前等が此処に居る目的も何となくだが把握はしていた。 まぁ、最初から明かすとあれだろうからってなんとか隠してたが、無意味だったみたいだな?」

イッセーはそう言い立ち聞きしていた事を明かし、二人はそれを聞いて目を見開く。

 

「んじゃ、人生棒に振りたくなきゃ止めとくことだな?」

そう言い、イッセーはその場を後にして行った。

 

「……」

「ど、どうする? もしあの人の言ってたことが本当なら、僕達危ないんじゃ……」

「高示……確かに危ないかもしれないわね。 でも、そう言うのを承知で私達はキクシアに着いてきたのよ? 今更引き下がるなんて真似はしないわ。」

高示は不安そうにシアクフにそう言うが、当の本人は引き下がらないと言い、そのまま外界の者達の捜索を続けると決めた。

 

「そ、そんな……だ、だってもしシアクフやキクシアに何か遭ったら、僕は……!」

「その時は、せめて貴方だけでも逃げて? そして出来ればマスターに今回の一件を伝えて欲しいの。」

「そ、そんな! 二人を置いていくなんて!」

「勘違いしないの! 逃げるだけじゃない、その行動にはちゃんと意味はあるわ。 それでも納得出来ないなら、せめて伝令係って捉えなさい。」

シアクフはそう言い、高示にその役割を任せようとする。

 

「で、伝令係?」

「そう。 それなら私達を置いて逃げるなんて考えにならないでしょ? 寧ろ大事なことを伝える重要な役割よ。」

「重要な……う、うん。 もしそうなったら、僕……頑張る!」

「それでこそよ! 高示。」

「うん!」

そう言い、二人は洞窟を出て森へと再度戻っていったのだった。

 




今回はここまで!

次回学園側の話を書くか普通に此方の続きを書くか……また悩みまくりそうだなぁ~
ほんでとりまプロローグはよ終わらせなアカンねんな。

ってことでね、ではまた。



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Prologue Ⅵ

これやる前の前作の話殆ど覚えてないので話の内容が異なる場合が御座いますが、その辺はご了承下さい。

まぁ、めっさ久々過ぎて見る人おるか分からんけど


キクシア達がそれぞれ行動をしている最中、こことは別の世界にあるIS学園の屋上にて、一人の生徒が佇んでいた。

その生徒の名は、吉澤浩而……仮面ライダーエグゼイドに変身する()()()の男性操縦者であった。

 

「……黒松さん、戦兎。 一体何処に行っちまったんだ?」

浩而はそう言い、空を眺めて一人気を落としていた。

そう、黒松さんこと黒松正義と戦兎こと柳沢戦兎は、とある日を境に行方を眩ませたのだ。それも突然、何の連絡もなく。

浩而は二人とはかなり仲が良く、特に戦兎とは親友にも近い程の友であった。

だからこそ、戦兎の行方不明に関しては不安と祈りで一杯であったのだ。

 

「生きててくれ、二人とも……」

浩而はそう言い、屋上を後にしようと後ろを振り向いた。

 

「浩而。」

「あ、史和……」

すると、振り返った先には久利樹史和がいた。

彼女は過去に両親を無くし、耀子の後にここに来た仮面ライダーブレイブの後継者である。

そして今は学園で過ごす一生徒兼俺の護衛役でもあった。

 

「まだ、二人のことで考えてくよくよしてるのか?」

「くよくよって……まぁ、そう……だな。 そうかもしれない。」

「……心配なのは分かるけど、余り根詰め過ぎんなよ?」

「分かってる。 分かってるけど……それでも、100%不安じゃないって言うとそうでもないんだ。」

浩而はそう言い、肩を落として俯いた。

 

「……バカが」

「え? うおわぁ!?」

突然史和にバカ呼ばわりされた浩而は状況が追い付かぬまま、史和に腕を首に回されてがっちり逃げられないようにされた。

 

「そんな一人で全部背負い込もうとするな! アタシ等をもっと頼れっての。」

「一人で背負い込むって……ちゃんと頼ってただろ?」

「あぁ、耀()()()()()()()()はな?」

「っ!? それ……は……」

浩而は史和の言葉にそう返すも、核心を突かれて言葉を詰まらせてしまう。

 

「失いたくねぇっ気持ちは分かるけどよ。 それでも、仲間や家族まで信じられ無くなっちまったら元も子もねぇだろ?」

「……そう、だな。 ごめん史和、心配掛けて。」

史和の言葉に浩而は素直にそう返して謝った。

 

「ごめんじゃねぇよ、謝られる筋合いねぇし。 それに、アタシだって……浩而の支えになりたいし……」

「……え?」

「な、何でもねぇよ!」

史和は浩而に聞こえぬようそう言ったが、浩而が首を傾げて呆けた声を出すと、史和は何でもないと言って一人でさっさと屋上から出てしまう。

 

「……史和!? おい、待てって!」

そう言い浩而も史和を追うべく、屋上を離れる。

そしてそんな最中、浩而はこれまでのことを思い返していく。

 

 

 

今この時に至るまで、色々な事があった。

 

事故に遭って神様みたいな人物に転生して貰い、黒松正義や梶原龍太、そして篠ノ之束と出会い、そして普通に過ごしていたある日の適性検査でISへの適性があることが発覚して学園に行くことになって、そこで沢山の人と出会いがあった。

全てが全て良い出会いであったわけでは無かったが、それでも……決して今までのその出会いが無駄等では無いと彼はそう信じている。

クラス代表決定戦ではセシリアと一夏と対峙し、打ち勝って一夏を代表に任命した。

その後に皆と代表決定祝いをして盛り上がり、少しトラブルはあったものの、何事もなく無事終えられた。

 

そして対抗戦前に凰鈴音が転入してきて、一夏と色々あって複雑な状態になって浩而達の対話もあり、対抗戦にて一夏と鈴の対決で一連の流れにケリを着けようとして、ゲムデウスの襲撃が起きてその混乱の間に一夏と箒の行動が問題になったりして、皆が皆怒りを露にしたりしていて、その最中で鈴はハッキリと一夏と決別をして去り、決着をつけた。

 

そうして時間は経ち、付いてきた鈴や戦兎達とネオ・幻夢コーポレーションに戻ると今度はテロリストのO.Bと共にいた元政治家の田村英子がネビュラスチームガンとバッドフルボトルを使ってナイトローグとなり、戦兎達に襲い掛かって、戦兎達は鈴と共にナイトローグとナイトローグが用意した巨大なドラコンの兵器と戦い、見事に勝った。

 

その後に学年別トーナメントの開催が決定し、急遽タッグマッチに変更と強制参加になったり等ハプニングもあった。

そしてそこでシャルル・デュノアとラウラ・ボーデヴィッヒの転入で更なる波乱が起き、シャルルがシャルロットで男ではなく女であることが判明したり、ラウラが耀子達を傷付けようとして一夏に殺害されそうになって軽いトラウマになってしまったり一夏がそれを自覚してなかったり色々あった。

そしてその問題も処罰と言う形で処理され、当日にトーナメントで様々な猛者に苦戦しつつも勝ち進んでいく中、ラウラが敗北しそうになったところでVTシステムが作動し、そこで更に再びテロリストのO.Bと共に牢獄入りした筈の田村英子が襲い掛かり、田村はなんと、ビルドドライバーとローグスパイダーを使い、仮面ライダーローグスパイダーへと変身した。

そして一度は追い詰められて負けそうになるも、新たな力を得てマキシマムゲーマーになり、田村達を撃退してこの事件は幕を閉じた。

その後は色々あってトーナメントは当然中止、シャルルがシャルロットとして再度転入したり、ラウラとの蟠りも無くなり仲間となった。

因みにデュノア社に関してだが、黒松正義が何とかしたらしいのだが詳細は分かっていない。

 

そして臨海学校が始まり、皆水着選びをしたり向こうで何をするか考えたりして、その気持ちで当日を迎え、皆と海水浴を堪能したり旅館で美味しいものを食べたり皆と部屋で下らない話をして盛り上がったりして羽を伸ばした。

しかし、そこへ福音の暴走とそれを学園側で対処する事になった知らせを聞いて会議し、実践することになった。

そして福音停止の際に一夏の暴走に加えて、O.Bと鶴妃寺瑞華ことアナザーライダー鎧武の襲来により、浩而が重傷を負うことになってしまう。

またその事態になる要因となってしまった箒と一夏の行動が再び問題視され、それにより厳罰化されてたりもした。

今回はそれに加えて箒はO.Bと繋がりがあるのでは?と言う声も出始めて学園側は余儀無く箒を隔離し、色々問い質して様子を見た。

その後、福音の攻略とO.Bの撃退を本格的に始動し、その際に戦兎はジーニアスへと至った。

そしてジーニアスの力でO.Bを撃退し、浩而や候補生達の助力により、福音も止めることが出来、一件落着となる。

……のだが、それと同時に隔離されていた箒が行方を眩ましてしまう。

 

そのまま色々あって学園祭で楯無と話す機会が以前より増え、その度に別の意味でトラブルが起きたり、簪と対話して悩みを聞いたりIS制作で手助けしたりもした。

そして、亡国機業が学園に来て対峙し、戦って撃退したりしたが、そこで再びO.Bが攻めて来て、その内の一人の男に一夏が拐われてしまった。

最初に消えた箒と、拐われた一夏、二人の行方やO.Bの拠点の場所を突き止めることは困難で、箒に至っては消えた当初から裏で黒松達が調べても手掛かりが全く見付からなく、時間だけが過ぎていってそのまま数週間程経過したある日、再び学園に仮面ライダーゲムデウスが襲撃してきて彼と対峙することになる。

そこで以前とは比べ物にならない圧倒的力の前に浩而達は倒れ付し、追い詰められていった。

だが、皆の諦めぬ心と浩而とパラドの心が一つになったことでムテキゲーマーへと開花し、仮面ライダーゲムデウスを撃退した。

そして、仮面ライダーゲムデウスが逃げる際に落としたUSBから拠点の位置を割り出すことに成功し、それを浩而と戦兎と鈴、そして耀子が連れ戻しにO.Bの拠点に向かった。

しかし向かった先で、なんとエボルトに憑依された箒が仮面ライダーエボルのフェーズ2に変身し、浩而達に立ち塞がった。

彼等は拠点に箒が居ることに驚くも、直ぐに変身して何とか応戦し、幸いにもムテキゲーマーやジーニアスになった二人に加えて、他のライダーも多数居たが為に敗北してしまい、箒の身体から出たエボルトはそのまま何処かへ消えてしまう。

そして箒を回収しようとして、O.Bの幹部である立河夕那が妨害して箒を連れ去ってしまう。

それを物凄いスピードで成した彼女に追い付くことも叶わず、先に一夏から連れ戻そうとするも、出会って直ぐに豹変した一夏に耀子を殺され、完全に一線を超えてしまい、ある程度言葉を交わすも、どう足掻いても分かり合うことは無く、連れ戻す対象から外されて倒すべき敵となった。

そして浩而の逆鱗に触れてムテキになるも、相手の未知の力により、ムテキの力が通用せず惨敗し、やむを得ず敗走することになった。

そして何とか帰還するも、とても無事とは言えずにそれぞれの想いを胸に、回復に専念した。

 

そんな心身共に疲弊している中、彼等に追い撃ちを掛けるように田村は再びネオ・幻夢コーポレーションを襲撃し、社長である梶原龍太を人質に取って黒松正義を出す様に脅しを掛けるも、戦兎達が駆け付け梶原龍太を救出し、田村と戦闘になった。

しかし、以前の学年別トーナメントの時よりも急激に強くなっていた田村はこれ等を戦術で圧倒した。

そこで黒松自身が出てきて説得を試みるも見事に決裂し、田村は黒松にローグスパイダーフィニッシュを叩き込もうとするが、それを梶原が庇って黒松を守り、致命傷を受け戦兎達に看取られながら消滅してしまった。

それにより皆それぞれ激怒し、特に戦兎は憎悪すら抱いて仮面ライダービルド ラビットラビットフォームに変身して田村に戦いを挑む。

そして、怒りの感情が溢れてハザードレベルが急上昇し、田村を追い込んで倒せる一歩手前まで行くが、そこで再びアナザーライダー鎧武とアナザーライダービルドによる妨害により叶わず、そのまま逃げられてしまった。

皆が悲しむ中、戦兎は黒松や鈴の制止を振り切ってO.Bの拠点へと向かって行った。

その途中浩而が止めに入るも、怒りで我を見失った戦兎は止まらずに已む無く戦闘となるが、浩而はムテキを先程の戦闘で、田村により半ば封印された状態のせいでマキシマムゲーマーに変身して挑むも、戦兎の圧倒的な怒りの力により、浩而は敗北し止めることは叶わなかった。

そして、戦兎はそのままO.Bの拠点に向かい、破壊の限りを尽くして構成員や幹部達を殺していった。

そして、瑞華達の居る場所が今にも飛び立とうとしている空中空母であることが判明し、そこまで飛び上がって空母に辿り着き、破壊と殺戮をしながらしらみ潰しに探し始めた。

粗方始末して、奥のブリッジに田村達が居ることを知り、そこまで壁を破壊しながら無理矢理進む。

そして辿り着いて直ぐにまだ完治していない田村と戦闘になるも、戦闘とは呼べない蹂躙劇となって田村を追い詰めていく。

そして戦兎は梶原の仇だと言わんばかりに必殺技を使い、トドメを刺そうとするが、それを瑞華ことアナザーライダー鎧武が庇い、その結果瑞華が致命傷を負って田村に看取られ命を落とすこととなった。

鶴妃寺翔ことアナザーライダービルドはこれに激怒し、戦兎に襲い掛かるもこれを返り討ちにしてフルボトルバスターの銃モードでアナザードライバーこど翔の腹を消し飛ばして下半身と上半身を泣き別れさせ、辺りを翔の返り血で染めた。

更にここの動力源を破壊しようと、動力炉のあるリアクターエントランスに向かい、そこを警備していた二人の構成員に見つかって戦闘となるも、戦兎の放った一撃で構成員の一人が一番大きな燃料タンクに背中から衝突し、アタッシュアローのエネルギーの矢が暴発して燃料タンクの近くにあった別の燃料タンクに命中して爆発し、炎上してしまう。

そしてその火は構成員衝突した燃料タンクにも引火し、誘爆を引き起こして近くの構成員を吹き飛ばし、動力炉の巻き込んで大爆発を引き起こして崩壊と墜落が始まってしまった。

もう一人の構成員は吹き飛ばされた構成員を助けようとするも、爆発に巻き込まれて壁に激突し脳震盪を起こして意識を失う。

そこで、漸く戦兎は我に返りそのまま意識を失ってしまう。

そこへ黒松がやって来て戦兎を回収して直ぐその場から離れ、墜落する空中空母から脱出した。

そして、黒松が暫くの間戦兎のカウンセリングを担当して戦兎の精神を整えており、少し期間は掛かってしまうも、完全に何時もの戦兎に戻ることに成功したのだった。

 

そして黒松の懸命な情報収集により、戦兎がO.Bを壊滅させた事が判明するのだが、そこに一夏と箒、そして田村英子と立河夕那が居ないことに気付いた。

戦兎は情報共有として覚えている限りの情報を伝えるも、内容が余りにも壮絶なモノで唖然とする者や顔を真っ青にする者もいた。

そしてその情報を元に居場所を割り出し、そこへ向かうのだが、その場所の入口で立変わるか夕那が待ち構えており、仲間である鶴妃寺姉妹や他の構成員、幹部を惨殺された怒りを剥き出しにして『()の元へは行かせない』と告げ、アナザードライバーとアナザードライブトライドロンのアナザーウォッチを使い、アナザーライダードライブ・トライドロンに変身し、浩而達に襲い掛かった。

浩而達は何とか説得を試みるも、話せる状態じゃないと判断し、已む無く戦闘となってそれぞれ変身し、応戦する。

アナザードライブは圧倒的速力を生かして浩而達を翻弄しながら戦うも、多くの戦いを乗り切ってきた彼等が幹部である夕那に負ける筈も無く、総攻撃を仕掛け、最後に浩而のキメワザでドライバーを破壊し、変身解除させて戦闘不能にし、無力化してから再度通すよう試みるのだが、そこで戦兎が『O.Bの幹部である夕那は獰猛的で危険であり、自分達の大事な人を何度も奪ってきた組織だから夕那がO.B幹部である以上下手に救おうとせずにこのまま始末すべきだ』と主張する。

当然人殺しを良しとしない浩而はこれに対して反論し、軽い口論になりかけてしまうのだが、その隙になんと夕那はアナザーウォッチを直挿して完全態アナザードライブトライドロンになり、戦わざるを得なくなってしまう。

完全にアナザーライダーとなってしまった夕那は自我も飲み込まれて最早目先の()を壊すことしか考えていない状態となり、リミッターが無くなったか、急激に強くなっていた。

当然苦戦で済んでたであろう浩而達はその強力さに圧倒され、殆どのライダーが倒れ伏すが、戦兎と浩而だけは尚も立ち上がった。

そして激闘の末、最後は二人の渾身の一撃を諸に受けて爆発四散し、アナザーウォッチも砕け、夕那はその場に倒れて意識を失った。

浩而は夕那を壁側に寄せて巻き込まれぬようにしようとするも、戦兎にその事を咎められ激怒し、戦兎にどうして消えそうな命を前に冷徹でいられるのかと問う。

すると、戦兎は早く一夏を倒さなければもっと被害が出ると言い、まだ反論しようとした浩而を黙らせるように耀子の事を引き合いに出して、一夏の撃破を優先させた。

浩而はごめんよとだけ言って皆とその場を後にし、その先の中間地点で()()アナザードライブトライドロンが出現して応戦するも、先程のような心理戦や立ち回りは無く、獣の様な知性しか無いと理解した黒松が戦兎と浩而にそう伝え、先程とは別の存在と判断されて上手く誘導してアナザードライブトライドロンを罠に嵌めた後、戦兎のジーニアスフィニッシュで吹き飛ばされてそのまま次元の裂け目に吸われるように落ちて消滅した。

そして、その後に何故またアナザードライブが現れたのか疑問を抱きつつも進むと、その先で箒が待ち構えていた。

浩而は、箒に大人しく投降してくれと再び説得しようとする。

しかし、箒はそんなことお構いなしにゆっくりとグレートクローズドラゴンを取り出し、グレートドラゴンエボルボトルを装填してアルターグレートクローズに変身し、襲い掛かる。

そしてそこに鈴がクローズとなって私がやると言い、浩而達を先に行かせて一人残る。

そして鈴はクローズマグマに変身し、クローズ同士の戦闘が始まった。

どちらも互角の戦いを魅せ、緊迫した状況が暫く続いたが、それも永遠では無かった。

互いに必殺技を使って渾身の一撃を繰り出し、鈴はギリギリそれを避けて自身の必殺技を箒に当てた。

箒は変身解除され、その場に倒れるが鈴に抱き止められた。

箒は鈴に()()()()を告げるとそのまま鈴を突き飛ばして地面から発生した黒い渦に飲まれて消えた。

その後、鈴は箒から告げられた言葉に疑問を抱きつつ浩而達と合流する。

そして合流後に最深部まで向かうとそこには一夏がおり、諦めて投降するよう呼び掛けるも、全く聞こうとせずにそのまま黒き十二枚羽が顕現し、何処からともなく黄金に煌めく刃を持つ剣が生成されてその手に握られ、一夏の左右にも赤い剣が形成された。

いよいよ一夏との最終決戦が幕を開けるが、前回とは比じゃない程の絶対的力でムテキを封殺しつつ史和達を一方的に蹂躙していく。

戦いが長引くにつれて、味方はどんどん倒れていき、その中で八怒革と清隆が一夏の攻撃で戦兎と史和を庇って消滅させられてしまい、戦える戦力として残ったのはムテキが解除された浩而とパラド、史和だけとなった。

そしてこのまま一夏が纏めて消し去ろうとし、皆諦めそうになるも、浩而とパラドが不屈の精神力で立ち上がり、そこで浩而とパラドに変化が訪れてムテキを使っていないのにも関わらずその身体は黄金に煌めいていた。

そしてその光はやがて浩而の握られたハイパームテキガシャットに集まっていき、ハイエンドムテキガシャットに変化した。

そしてパラドが浩而の身体へと入り、一つとなって【仮面ライダーエグゼイド ハイエンドムテキゲーマー】へと変身した。

そして長きに渡る激闘の末───

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「っ……!!」

人形の影となった一夏がボロボロになった()()()を持ち、左右にある浮遊した赤い剣と金色の刀身を持つ剣を手に持ち、後ろに下がった。

 

「はぁ………はぁ………追い詰めたぞ!? 織斑!!」

浩而は、その手にガシャコンキースラッシャーを持っていた。

此方の方は特に損傷したと思われる所も無く、ほぼ無傷であった。

そう、このハイエンドムテキゲーマーの以前のムテキゲーマーを完全に凌駕しており、今まで一夏に封殺されてきた無敵の力を発揮していたのだ。

 

「フン! ()()()()()ヲ超越シタ特異点、摂理ニ沿ワヌ存在ト少女……」

一夏は低めの声でそう言い、浩而達を見つめる。

 

「決定要因ハ明白ダナ……余リニ()()()()()()ガ過ギル…!」

そして一夏は悔やむようにそう言い、浩而を睨み付けた。

 

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……!!」

《キメワザ!》

そして浩而は、この戦いを終わらせようとハイエンドムテキガシャットの上部のスイッチを二度押し込む。

 

「ダガ、俺ハ俺ノ自由意志ヲ譲ラン!」

そう言い一夏も、目と思わしき部分から蒼炎を滲み出しながら闇色のオーラを纏い、上へとゆっくり飛んでいく。

 

()()()()()()()()()ッ!!」

一夏がそう叫びながら片手を上に挙げて、巨大な魔方陣を顕現させ、そこから無数の光線が浩而達の方へと雨のように降り注いだ。

 

「これで最後だ! ハアアアアアァァァァァァァァァァァァ!!」

《HIGHEND CRITICAL SPARKING!》

そう言い、浩而は空中に飛んで光線を掻き消しつつ、一夏に向かって飛び蹴りを炸裂させる。

その際、後ろには嘗て仲間だった戦士達の影が見え、その影が浩而と重なり、その煌めきが増して一夏を飲み込み貫いた。

 

「グオオオオオオオオォォォォォォォォォォ…………………………!!」

一夏は断末魔の様な悲鳴を上げた後、紫電を走らせながら爆散した。

 

「………今度こそ、終わりだ。 織斑一夏……」

《究極の一発!》

浩而が地面に着地し、後ろを見てそう呟いたと同時に、紅かった景色は暗く月が照らされ、明るみのある綺麗な夜空へと様変わりした。

そしてそれが、戦いの終わりを示すかの様に静けさと勝利への歓喜が満ち溢れ、今の平和に至ったのだ。

しかし、まだ物語の終わり……エンディングは訪れない。

 

そう、新たな物語は……新たな運命幕開けは直ぐそこなのだ───

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ところ変わって、元O.Bの研究施設だった機能停止した廃墟の屋上にて、一人の青年が掌サイズのボトルを眺めていた。

 

 

「俺もそろそろ、完成しないとなぁ。 なぁ?()()()()。」

青年がそう言うと、その後ろに何時の間にか佇む田村の姿があった。

その手には、ビルドドライバーと似た物が握られている。

 

「此処に来ることは分かっていたが……どうやら、結論は出たみたいだな?」

「えぇ、そっちもね? ()()()()……!」

《マリスドライバー!》

そう言うと、田村はドライバーを腹にあてがいベルトがどす黒いエネルギーを纏いながら伸縮して腰に巻かれる。

 

「マリスドライバー……成る程な。 この戦いが、()()()()()()最後の終着点って訳か。」

そう言い、戦兎もドライバーを腹にあてがい、ベルトが伸縮して腰に巻かれる。

 

「……」

《グレート!オールイェイ!》

戦兎はこれ以上は何も語らず、ジーニアスフルボトルを取り出して鳴らし、キャップを合わせてドライバーに装填した。

 

「……」

《アークスパイダー!》

そして田村もまた、蜘蛛型ペットロボと良く似た白黒のガジェットに白黒のスパイダーフルボトルを装填し、白い蜘蛛のクレストが浮かび上がった後に、両脚の部分を折り畳んでドライバーに装填した。

 

「……変身!」

そして田村はそう言いそのままレバーを回して、禍々しい音声が流れる中、アークスパイダーから蜘蛛の巣の様なスナップライドビルダーと良く似たモノが足元を中心に地面に張り付いた様に形成された。

 

《Are you ready?》

そして田村は、その音声と共に鶴妃寺瑞華が持っていた刀を鞘から引き抜いて取り出しそれを足元のパイプに地面ごと突き刺し、パイプから漏れた成分があっという間に広がってパイプを溶かし、刀が地面に吸われるように消えてその成分に飲み込まれると、どす黒い液状化した成分が無数のあらゆるビルドシリーズのライダーウェポンを形成し、地面に突き刺さった状態で出現する。

その後に広がった成分が一ヶ所に纏まると、そこから巨大な蜘蛛が形成されて、そのまま田村を後ろから包み込むよう脚で拘束した。

 

《ビルドジーニアス!スゲーイ!モノスゲーイ!》

その間に巨大な工場のようなスナップライドビルダー『プラントライドビルダーGN』が地面から出てきて戦兎の前方に出現した黄金のビルドマークが戦兎に重なると同時にスーツが形成され、コンベア上を流れる無数のフルボトルがスーツに刺さりビルドジーニアスに変身が完了する。

そしてフルボトルバスターを引き抜いて構えた。

 

「……」

《スパイダー! スパイダー! アークスパイダー!》

そして田村は目を瞑り、その黒い巨大な蜘蛛に身を委ねるように両手を少しだけ広げ、蜘蛛が液状化して溶けるように田村に覆い被さると、その成分からスーツやアーマーが形成され、余分な成分を弾き飛ばして変身が完了する。

そして地面に刺さっていたカイゾクハッシャーとスチームブレードを引き抜く。

 

「勝利の法則は、決まった。」

「……滅亡せよ。 ()()()()()()()()()()。」

そう言い、互いに武器を持って駆け出した。

戦兎はこの因縁を終わらせて、最後の試練を乗り越えるために、そして田村は後輩を奪った戦兎と、天子を奪った黒松を滅ぼす為に───

 

 

 

 




とりあえずあらすじ終了。





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Prologue Ⅶ

超絶久々過ぎて感覚ガガガガガ……どうして毎回サボってフォトナに走るのか(白目)
それはさておき、とりあえずプロローグ長すぎるのでこれで最後にして纏めようと思っけどダメだったのでまだ続きます(白目)
ってことでね、あのー半年(厳密には約8ヶ月)振りの更新です!

そして活動報告にも挙げたのですが、Prologue Ⅴに登場するイッセーの赤い籠手の描写を削除し、剣を持ってる描写に修正しました。
※ついでだけど前回の話の最後辺りの田村の台詞がちょっと変わってます。



吉澤浩而……外界の人間を狙う謎の組織等がそれぞれ動きを見せていく最中、キクシアもまた、外界の人間と高示達を探し始めていた。

 

「おーい、高示ー! シアクフー! 居るなら返事してくれーーー!!」

俺は走りながら二人の名前を叫ぶが返事は無く、静寂が続く中をひたすら走り続けた。

 

「二人とも何処に行ったんだ? それにさっきから走り回ってるのに外界の人達とすら会わねぇし……もしかしてもうこの場所に居ないのか?」

俺は途中で走るのを止め、歩きながらそう考えた。

自分自身かなり走ってこの森を回っており、それで誰とも会うことすら無かったとなるとその思考に至ってしまうのも仕方無い程であったのだ。

 

「でもそうなるとあの悲鳴は……ん?」

俺は考え事に浸る内に周りを見ずに前へと進んで行くが、少しして上から気配を感じ取り、考えるのを止め警戒し始める。

 

「そこに居るのは誰だ?」

俺は静かに空に向けてそう問い掛ける。

 

「……()()。」

すると、ポニーテールの少女が出てきて飛んだまま此方を睨む。

 

「え……?」

少女の身体には何かの装甲と思わしき赤いメカメカしいモノが所々に装着されており、背中にはスラスターと思われるモノがあり、その手には刀の様なモノが握られていた。

恐らくここの住民じゃない……となればこの少女が外界の人なのだろう。

しかし、俺が驚いてるのはそんなことでも、キクシアではなく一夏と呼ばれたことですらない。

 

「し……」

「……?」

「シアクフ……?」

その少女は、紛れもなくシアクフと()()()だったのだ。

見た目の成長の有無はあるが間違いなく彼女であると分かる。

 

「シアクフ……何を言ってるんだ貴様?」

「え? 何ってどう見てもシアクフ……いや、にしては成長して、うーん。」

「私はそんな妙な名前などではない! 貴様、見ない内に遂に名前すら忘れたのだな? こんなに背も縮んで……」

「妙なって……どう言うことだ? じゃあやっぱり君は……」

俺が少女の言葉に戸惑ってると、少女は誰かに無線か何かで連絡を取り始める。

何を言ってるかは余り分からず首を傾げていた。

 

「あ、えっと……じゃあここら辺で俺ぐらいの身長の子見なかった?」

「知らん、何も見てない。」

俺はとりあえずで二人の所在地だけでも聞こうとするが全く答えようとはしなかった。

と言うか何故か何処と無く不機嫌と言うか複雑そうと言うか、そんな感じの表情で睨まれてる俺としてはとても居た堪れなかった。

 

「なぁ……」

「なんだ?」

「随分不機嫌そうだけど、俺もしかして君に何か酷いことをしちゃってた?」

「っ……いや、昔の元幼馴染みと似ててな? す、すまない。」

そう言い、多少の警戒はしつつも降りてきてくれた少女は武器を鞘に納めた。

 

「そ、そうだったんだ。」

「あぁ……それで、お前はなんと呼べば良い?」

「あぁ、俺はキクシア。アンタは?」

「私は箒……()()()()だ。」

そう言い、少女こと篠ノ之さんはそう言う。

 

「箒……か。」

俺は何故か始めて聞く筈の名前に何処か懐かしさを覚えていた。

何処で聞いたのだろうか? 何度も聞いた様な気がする筈なのに、分からない。

 

 

 

 

 

 

 

 

大切な誰かの……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……い……おい!」

「ッ!? え? あ……」

気が付けば、俺は彼女に身体を揺すぶられていた。

 

「やっと反応したか……全く世話が焼けるな。」

「あ……わ、悪い。」

俺は直ぐに謝罪し、冷静にこれからすべきことを思い出そうとする。

 

「あ、そうだ! 二人を探さないと!」

「なっ!? 待て、何処に行く!?」

俺はそう言い、その場を飛び出そうとするが篠ノ之さんに止められてしまう。

 

「な、なんだよ? 俺は早く二人を探さなきゃ……」

「さっきから言うその二人とは何なんだ?」

「え? そりゃシアクフと高示のことで……って言っても分からないよな? まぁ、あれだ。つまり俺の大事な友達なんだよ。」

「そうだったのか。 実は少し前に子供の悲鳴が聞こえてきてな? 私達もその二人かは分からないが子供を探していたところなんだ。」

俺がそう言うと、篠ノ之さんはそう返す。

そして悲鳴と言うワードに俺は心当たりがあったのだ。

 

「悲鳴って……もしかしてそれって男女両方の悲鳴だったりしてなかったか!?」

「うわっ!? ち、近いぞ!?」

「なぁ、どうなんだ!?」

「わ、分かった! 話すから! 話すからとりあえず離れろ!?」

俺は必死に篠ノ之さんに詰め寄ってそう聞くが、当人から話すからとりあえず離れろと引き剥がされ、その後手で制した。

 

「……ごめん、少し取り乱しちまった。」

そして段々落ち着きを取り戻していく俺は、そう言って再度篠ノ之さんに謝罪した。

 

「い、イチイチ謝るな、調子が狂うだろう?」

「え? わ、悪……あぁ、はい。」

そう言われてまた謝りそうになるが篠ノ之さんの気迫にやられて抑える。

 

「とりあえず、お前はここの森ことで詳しいのか?」

「いや、二人の内の一人がここのことで詳しんだ。 俺は大体しか把握できてないよ。」

「そうなのか……だが大体知ってるだけでも有難い。 すまないがこの森について少しでも情報が知りたいんだ。」

「教えるのは良いけど君達って何処から……ん?」

今更ながら、篠ノ之さんの腕に僅かながら何かを巻き付けてるようなものが見えた。

 

「っ……なぁ、怪我してるのか?」

「っ……別に大したものではない。 それにお前が気にすることじゃないだろう。」

「関係無いって……そんな悲しいこと言うなよ。 ちょっと待ってろ……」

そう言い何か無いかとポケットを漁ると、マスターが緊急にと持たせてくれた液状の薬と包帯の切れ端が出てきた。

 

「!? その切れ端……まさか?」

「知ってるのか?」

「あ、いや……し、知らん!」

「……」

俺は怪しげな反応に疑うような視線を篠ノ之さんに向ける。

 

「な、なんだ? そんなじっと見つめて……なにか言え!」

「なぁ、アンタここに来る前に応急処置かなんかしたろ。」

「!?」

俺がそう言うと、篠ノ之さんは図星を突かれたように目を見開き驚いていた。

 

「やっぱり……この切れ端の時の反応やその見たこともない装備と言い、アンタこことは違うとこから来た人だよな?」

「……」

俺は確信を得てそう問い掛けるが、俯いて黙ってしまう。

 

「……そうか。 なぁ、今他の人とも連絡が取れるんだよな?」

「え? あ、あぁ……それがどうしたんだ?」

「いや何、そうだと分かったなら尚更会う理由が出来たってことだよ。」

「理由って……まさか私達を売るつもりじゃ……!」

そう言い、篠ノ之さんは身構えて俺を睨んだ。

 

「しねぇよ。 こうして二人を探すの手伝ってくれてるのに売るなんて出来るわけ無いだろ? まぁ、そうでなくても流石にやらないけど……」

「……分かった、今はお前を信じよう。」

「ありがとう。 篠ノ之さん!」

「……ッ! か、勘違いするな! あくまで今だけだからな?」

篠ノ之さんは背を向けそう言い、無線で他のメンバーに連絡を入れ始めた。

どうやら聞く限りでは大体付近に居るらしい。

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

そして数分後、篠ノ之さんと似たような装甲を纏った人達が集まってきた。

 

「すげぇな……篠ノ之さん以外にこう言うの纏った人いるんだな。」

俺がそう言うと、一人の男が俺の方に近付いてきた。

 

「……本当に()()に似てるな。」

「へ? おり……むら?」

俺は男が何を言ってるのか分からなかった。

 

「あー悪い、気にしないでくれ。 んで、君はここら辺詳しいんだよな?」

「え? あ、あぁうん。 大体なら……」

「それでも充分だ。 とりあえずこの森についてある程度でも良いから教えてくれないか?」

「分かった。」

俺は男からそう言われ、篠ノ之さん達にこの森のことをある程度教え始めた。

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

そして数分が経ち、ある程度森について教えると、金髪の子ことシャルロット・デュノアがメモを取りつつそれを皆に簡単に説明していた。

因みにここにいる人達の事を軽く整理すると、金髪のお嬢様っぽいのがセシリア・オルコットで、もう一人の金髪僕っ娘の人がシャルロット・デュノア、そしてツインテールの子が凰鈴音で銀髪の眼帯の子がラウラ・ボーデヴィッヒで、ポニーテールのシアクフ似の人が篠ノ之箒で、最後にこの男が皇牙夕って名前らしい。

聞けば何やら何人かが俺と似た奴を知ってるらしく、織斑ってのや一夏ってのもその俺と似てる奴の名前みたいだ。

通りでなんか初対面で嫌な顔されてるなと思ったらそう言うことだったんだなぁと、俺は内心複雑そうにしていた。

 

「俺から言えるのはこれくらいだな。」

「成る程……この森はそこまで脅威的では無いが、それでもここのことを余り理解してないと怪我すると言うのも間違いでは無さそうだな。」

男こと皇牙夕はそう言い、少し安堵していた。

まぁ何も分からない状態だったのを考えれば警戒するのも分かるっちゃ分かるが……

 

「サンキューな? えーっと……キクシアだっけ?」

「あ、あぁ……」

「んじゃ、お前の友達、探そうぜ?」

「っ……ありがとう!」

そう言い、俺達はシアクフと高示を探し始めようとする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「その必要は無い。」

「え?」

しかし、それは俺達の方にやって来た一人の男により止められてしまう。

そしてその言葉の後、篠ノ之さん達は皆吹き飛ばされ、それぞれ木や岩等に衝突して踞る。

 

「う……ぐぅ……」

「な、何が……起こりましたの?」

オルコットさんはそう言い、状況が理解できぬままやって来た男を見やる。

 

その男は片手に剣の様なモノを持っており、その服装も俺が森であったあの大男と似たような服装でこの男から発せられる殺気も相まって俺は警戒心を一気に強めた。

 

「誰だ!?」

「誰……ねぇ? とりあえずイッセーとでも呼んでくれよ。 ()()()()

目の前の男……イッセーは俺に向かってそう呼んできた。

全員目が点になったように俺を見る。

 

「何言ってるんだ? 俺は織斑一夏じゃない……キクシアだ!」

「お前こそ何を寝惚けてる? お前は紛れもなく織斑一夏だろう!」

イッセーはそう言い俺に詰め寄ろうとするが、夕がイッセーに向けてグレネードランチャーを撃って距離を取らせることでイッセーから俺を切り離してくれた。

 

「助かったよ夕。」

「礼なら後で良い。 後夕って呼ぶな……って、まぁ良いか」

少し躊躇うも、夕はそう言い了承した。

 

「はぁ、折角元通りにしてあげようとしてるのに邪魔すんじゃねぇよ……癌が!」

イッセーはそう言い、夕を睨む。

 

「余計なお世話だろうに、そもそも誰とも分からねぇガキ相手に必死になってんじゃねーよバーカ。」

「あ"? お前こそ()()相手に転生特典(借り物の玩具)でイキり散らしてんじゃねーよ! どうせ醜い嫉妬を溜め込んでるだけで何も努力しようとしないで楽したがりの何の取り柄もない社会復帰不可能な無能の癖に……お前みたいなのが居るから何時まで経っても()()に平穏が訪れないんだ!」

イッセーは夕の窘めに対してそう返し、更に怒りを露にしてそう吐いてきた。

しかし、俺はイッセーから出てきた言葉が余り理解出来ておらず、首を傾げてしまう。

 

「俺達だと? 何を言っているんだ貴様は?」

「言葉通りの意味さ。()()を貶める害悪……そしてその害悪の元で尻を振って媚びる尻軽な取り巻き達……その取り巻きがお前らだって言ってんだよ。」

篠ノ之さんがイッセーの言葉に疑問を抱いてそう聞くと、イッセーは口を開いて罵倒に罵倒を重ねたようなことを言う。

しかしやはりと言うか何を言ってるのか全く理解出来なかったのは恐らく俺だけではない筈。

 

「先程から訳の分からないことを!」

ボーデヴィッヒがそう言い、レールカノンを放つ。

しかし、イッセーはそれを瞬時に避けてドライバーを腹にあてがう。

 

「なっ!?」

「おせぇんだよノロマ!」

《聖剣ソードライバー!》

すると、そのドライバーから音声が聞こえてきてベルトが伸縮して腰に巻かれる。

 

「な、なんだよあれ?」

「俺にも分からねぇが、ドライバーってことは何かのライダーか?」

夕がそう言い、皆に警戒するよう促す。

すると、イッセーは持っていた剣をドライバーに挿し、二つの掌位の大きさの本を取り出した。

 

《プリミティブドラゴン!》

《ブレイブドラゴン! ゲット!》

その本を開くとその音声が流れ、もう一つの方も展開して一つ目の本にそれを嵌め込む。

「……」

そしてイッセーはドライバーに本を装填し、剣を握り締める。

その間に待機音声が流れて、イッセーの後ろに先程の本が巨大になって出現する。

 

「な、何が起こってるんだ……?」

「俺にも分からねぇ。」

「……もしかしなくても仮面ライダーだよね? あれ。」

「しかしあの様なモノ、見たことが無いぞ?」

俺達がそう言い、戦慄しているとイッセーは首を鳴らし……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「___変身」

……ドライバーから剣を抜いた。

 

《烈火抜刀!》

《バキッ! ボキッ! ボーン! ガキッ! ゴキッ! ボーン!》

《プーリーミーティーブ! ドラゴーン!》

イッセーがブレイブドラゴンの姿が重なった後、背後から出現したプリミティブドラゴンが抱え込む事で装甲に変化し、変身が完了する。

 

「……へ、変身した。」

「おいおいマジかよ?」

「っ…………仮面……ライダー!」

俺と夕は唖然としており、篠ノ之さんはイッセーを見てそうぼやき、睨み付けた。

 

「サテ、始メルカト言イタイトコダガ……織斑一夏!」

「俺は織斑一夏じゃない、キクシアだ。 間違えないでくれ」

イッセーは俺に向けてそう言い、俺はキクシアだと返す。

 

「フン! マァ良イ……オ前ノ大事ナ友達ハ洞窟ノ奥ニ居ル。 助ケタケレバ急グトイイ……」

「っ!? シアクフと高示が!?」

俺はその言葉を聞いて反応し、目を見開いた。

 

「アァ、ソウダ。 コンナ奴等放ッテオイテサッサト助ケニ向カッタ方ガ良イゼ?」

「で、でも……」

「邪魔スルナラ残念ダガ、ココカラ出スワケニハイカナイ。」

そう言い、イッセーは此方に剣を向ける。

 

「くっ……!」

俺は本能でこいつには勝てないと感じるほどの恐怖を抱き、身構えてしまう。

 

「おいおい、子供一人に随分おっかないことしようとするじゃねぇの? 節操の無さが目立つぜ?」

すると、夕が俺の前に立ってイッセーにそう告げる。

 

「ウルセェ、テメェミタイナNTR野郎ニダケハ言ワレタクネェ!」

「NTR野郎……か。まぁ、否定はしねぇよ。 実際俺はそう言うことしてコイツ等を巻き込んじまったからな。」

「アァソウサ、ソシテテメェミタイナゴミクズヤソイツヲ無駄ニ称賛シ続ケ、俺達ヲ慕ワナイヨウナ能無シ共ハ人ナンカジャネェ! 人間ノ振リヲシタ人形ダ! ダカラ壊シタトコデ誰ニトッテモメリットシカナイノサ!」

夕のその言葉に、イッセーは更に昂って意気揚揚と語り明かした。

 

「悲しいな……お前。」

「ア"? 何ガ言イタイ?」

イッセーは夕の発言の意図が掴めず、戸惑ってしまう。

 

「きっと誰からも認めて貰えないまま自分の秘密を知って、自分や似た境遇にいた奴等の現状を受け入れられなくてそんな風に考えるようになっちまったんだろう?」

「ッ!? 何ガ言イタイ!?」

イッセーはまさかの発言に鈍器で殴られたような衝撃を受けた。

まさか自分に対して誰からも認めて貰えなくて癇癪を起こしたのかと言われたのだからそうなるのも無理はないだろう。

 

「確かにつれぇよ、認めて貰えなく受け入れられないってのはさ。 でもさ、それは暴力だけで解決する程単純な話じゃねぇし、それに関係無い人やお前を必死に止めようとしてくれた人にまで暴力の限りを尽くすのは違うと思うぜ。」

「俺ノ邪魔ヲスルカラソウナルンダヨ。 自業自得ッテ思ワナイノカ?」

イッセーは俺の発言に戸惑いつつそう問い掛けてきた。

正直こいつに何があったかは分からないし、今の俺ではきっと理解できないのかもしれない。

 

「さぁな? 俺には正直分からねぇ。 俺はお前らのいざこざなんて知らねぇし知りたいとも思わねぇ……でもよ、それでも、安易に殺しに走ったり、強大な力で捩じ伏せちまうのは違うだろうが!」

「ハァ……オ前ナラ理解出来ルト思ッタンダガナ? 残念ダ!」

イッセーはそう言うと、構えを取って殺気をぶつけてくる。

正直怖くて堪らねぇ……これ程までの重圧と殺気をぶつけられたのは初めてだった。

 

でもよ……

 

 

 

 

 

 

 

「生憎俺には、そんな野蛮な感性は持ち合わせてないんでな!」

「お、おい待て!?」

「キクシア!!!!」

「キクシアさん!?」

……それだけで引き下がっちゃあ男が廃るってもんだよなぁ!

俺は内心で結論を出し、彼等の制止を振り切ってイッセーに立ち向かって行ったのだった。

 

 




正直イッセーとの会話の下りの方めっちゃ悩んだ。

>夕のその言葉に、イッセーは更に昂って意気揚揚と語り明かした。

この辺りまではずっと前から出来てたんだけどここから先の悩んだ末にサボりにサボって新作浮気とかフォトナエンジョイしまくったり疲労で寝まくったり……まぁそんな感じで今に至りますと……ハイ(白目)


ってことで次回の更新はすぐ出来る……気がしない!(デデドン!)
……なんで何時も通り気長に待ってもろt((((((殴)



※午後0:42にイッセーの台詞を微修正しました。


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