バカとお酒とパチンカス 3浪と3留の物語 (スピリタス3世)
しおりを挟む

オリキャラ設定

・鷹狩龍之介(たかがりりゅうのすけ) CV.宮野真守

 

 本作の主人公。文月学園2年Fクラスに通う男子生徒。4月2日生まれの20歳。3浪の末文月学園に入学した。かなりの酒好きでいつも水筒にビールを入れている。実は20歳になる前もこっそり酒を飲んでいたが、学園にバレて何度か停学になっている。一応成績はそれなりにいいため観察処分者にはならずに済んでいる。ちなみに振り分け試験の前日に大学にいる中学の頃の同級生と飲み会をして潰れており、振り分け試験は二日酔いのため欠席した。

 

 3浪といっても中学卒業後は高校に通わずに、兄である鮫之介の名義で居酒屋、雀荘、風俗に通ったりとほとんどを遊んで過ごしていた。だがある日親に高校行かないと家を追い出すと言われてしまい、仕方なく文月学園に通うことにした。

 

 小さい頃に間違ってお酒を飲んでしまった時にその味に感動し、それ以降はお酒に合うおつまみを作るのが趣味である。そのため料理がかなり得意。またお酒は幅広く好きだがそこまで強い方ではなく、たびたび潰れたり二日酔いで学校を休んだりしている。

 

 かなり破天荒な性格で、友達を男子だろうが女子だろうが関係なく雑に扱う。また時々アウトローな手段を取ろうとする。基本的にクズな言動が多いが、根は仲間想いであるため、それなりに仲の良い人が多い。

 

 後述の蕨屋敷爽とは中学の頃の同級生であり悪友である。軽口を叩き合いながらずっと仲良くしている。

 

 5つ上に兄の鮫之介、3つ下に弟の鳳之助がいる。

 

 

 

・蕨屋敷爽(わらびやしきそう) CV.中村悠一

 

 文月学園2年Fクラスに通う男子生徒。4月3日生まれの20歳。文月学園には現役合格しているが、出席日数不足と成績不良で3留している。かなりのパチスロ好きで、3留したのも学校に行かずに兄である杏の名義でパチスロを打っていたからである。ちなみに文月学園は最大で6年しかいられないため、もうこれ以上は留年することが出来ない。

 

 常に頭が良さそうな言動をしているが、実際はそうでもない。成績は明久よりはましというレベルで、授業中も教科書の影でパチスロの動画をずっと見ている。ゴムパチンコを扱うのが得意で、召喚獣にもそれが反映されている。そのため、基本的には遠距離攻撃主体で戦う。

 

 ちなみに鷹狩龍之介とは中学の頃の同級生であり悪友である。軽口を叩き合いながらずっと仲良くしている。また木下姉弟とは幼馴染みであり、2人からは爽兄と呼ばれている。

 

 女性のタイプは年上か同級生であり、自分のパチスロのためにお金を稼いでくれる人を望んでいる。そのため歳下や後輩と恋愛するのはあり得ないという考えを持っている。

 

 基本パチスロのことしか考えていないが、性格は意外とお人好しである。

 

 ちなみに蕨屋敷杏は兄である。

 

 

 

・鷹狩鳳之助(たかがりとりのすけ) CV.内田雄馬

 

 文月学園2年Aクラスに通う生徒。10月28日生まれの(第一章時点では)16歳。龍之介の3つ下の弟であるが、性格は兄とは異なり常識人である。基本的にクズな言動の多い龍之介を嫌ってはいるものの、コミュニケーション能力に関しては尊敬している。

 

 また、秀吉の中学の頃からの親友。そして秀吉に恋心を抱いているが本人には気付かれていない。

 

 

 

・鷹狩鮫之介(たかがりさめのすけ) CV.石田彰

 

 龍之介と鳳之介の兄。龍之介の5つ上、鳳之介や明久達の8つ上である。酒好きで酔っ払ってはすぐに脱衣をしてパンイチや全裸になる癖がある。また龍之介に居酒屋、雀荘、風俗を、爽にパチスロを教えた張本人の1人である。実はバイセクシャルであり、風俗は通常のものだけでなくウリ専(ゲイ用)のものにも通い詰めている。蕨屋敷杏とは親友。

 

 

 

・蕨屋敷杏(わらびやしききょう) CV.小西克幸

 

 爽の兄。爽の5つ上、明久達の8つ上である。声がデカい。酒好きで酔っ払ってはすぐに脱衣をしてパンイチや全裸になる癖がある。また龍之介に居酒屋、雀荘、風俗を、爽にパチスロを教えた張本人の1人である。実はバイセクシャルであり、風俗は通常のものだけでなくウリ専(ゲイ用)のものにも通い詰めている。鷹狩鮫之介とは親友。

 

 

 

・金浜達哉(かねがはまたつや) CV.花江夏樹

 

 龍之介と爽の中学の頃の同級生でかつ友達。大学2年生。結構モテる。

 

 

 

・北丸圭人(きたまるけいと) CV.河西健吾

 

 龍之介と爽の中学の頃の同級生でかつ友達。大学2年生。同じ学科に彼女がいたが、自身の浮気を学科内にバラされ、そこでの居場所を無くした。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第一章 第一次試召戦争
第一問   自己紹介(前編)


バカテスト 現代文

問 以下の意味を持つことわざを答えなさい。

『(1) 得意なことでも失敗してしまうこと 』
『(2) 悪いことがあった上に更に悪いことが起きる喩え 』


姫路瑞希の答え

『(1) 弘法も筆の誤り 』
『(2) 泣きっ面に蜂 』

教師のコメント

正解です。他にも(1)なら『河童の川流れ』や『猿も木から落ちる』、(2)なら『踏んだり蹴ったり』なら『弱り目に祟り目』などがありますね。


土屋康太の答え

『(1) 弘法の川流れ 』

教師のコメント

シュールな光景ですね。


鷹狩龍之介の答え

『(2) 二日酔いに重労働 』

教師のコメント

その辛さ、とても分かります。


吉井明久の答え

『(2) 泣きっ面蹴ったり 』

教師のコメント

君は鬼ですか。



  side 龍之介

 

 俺がこの文月学園に3浪の末入学してから二度目の春が訪れた。まあ3浪といっても中学卒業後は兄の名義で雀荘、居酒屋、風俗巡りをしてただけなんだけどね。そうしたら親に高校行かないと家追い出すって脅されて仕方なく受験した感じなのさ!

 

 そしてなんといっても、春休み中に20歳になったおかげで今日からは学校で合法的に酒が飲めるぜ‼︎今までは陰でコソコソと飲むしかなかったからね!バレて期限付きの停学になったこともあったけど今日からは気にせずに飲めるぜ‼︎いやっふぉぉぉぉ〜‼︎

 

 水筒にビールを入れた俺はスキップをしながら校門をくぐると、ある男に声をかけられた。

 

「おい鷹狩。」

 

 コイツの名前は西村先生こと鉄人。190cm並みの高身長にムキムキの身体。そしておまけに堅物。まさに鉄のような男だ。だから俺はこう呼んでるんだよね。

 

「ああ鉄人か!おはようございます!」

「鉄人じゃなくて西村先生と呼べ。」

「すいませんね〜w」

「お前には特別指導が必要なようだな。」

「そんな!酷いですよ!」

 

 せっかくぴったりなあだ名をつけてやったのにな〜。

 

「まあいい。そんなお前にプレゼントだ。受け取れ。」

「Wow!」

 

 賄賂だったりして〜。そう思って封筒を開けると、中には紙が入っていた。

 

 

鷹狩龍之介 Fクラス

 

 

 でしょうね。クラス決めの振り分け試験休んだんだし。

 

「一応言っておくが一番上がAクラスで一番下がFクラスだぞ。」

「分かってますよ〜!俺体調不良で休みだったんで‼︎」

「一応聞いておくがどんな体調不良だ?お前はAクラスに行けるレベルだったはずだぞ。」

「なんか頭が痛くて〜、嘔吐が止まらなくて〜、胃が変な感じでした‼︎」

 

 試験前日に大学に通う中学の頃の友達と飲んでたからね‼︎仕方ないよね‼︎

 

「鷹狩、今だから言うがな、俺はお前を去年一年見て、もしかすると鷹狩はアル中なんじゃないかと疑っていたんだ。」

「それは大きな間違いですね‼︎今に鉄人から節穴ってあだ名にされますよ♪」

「あぁ。試験の欠席理由を聞いて先生は自分の間違いに気が付いたよ。」

「そう言ってもらえると嬉しいです♪」

 

 良かった〜。あの堅物もやっと自分の間違いに気づいたんだね‼︎

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「喜べ鷹狩、お前への疑いはなくなった。お前はただのアル中だ。」

「そんな〜‼︎」

 

 一言も二日酔いって言ってないのに‼︎これはあんまりだよ‼︎てかその時はまだ19歳だからちょっとまずくね?でも証拠は残してないから大丈夫でしょ!

 

 

 さて、今年から設備がクラスごとに変わるんだよね〜。俺が二日酔いじゃなければ入る予定だったAクラスでも確認しておくか〜。

 

 ってめちゃくちゃ広くね⁉︎パッと見た感じ普通の教室6個分あるよ‼︎更にはバカでかいディスプレイに個人用ノートパソコンとリクライニングシートもあるのかよ!それにちらっと冷蔵庫も見えるし…。おまけに高級ホテルのロビーみたいな内装…。ずるすぎるよ‼︎マジで二日酔いにならなければ良かったな〜。でもしょうがないよ!これはお酒が悪いんだからね♪

 

 

 さて、自分のクラスにでも行くか〜。最底辺はどんな設備なのかな〜。そう思って扉を開けると、そこには地獄が広がっていた。

 

 腐った畳にボロいちゃぶ台と綿が入ってるのか分からないような座布団。窓ガラスもボロボロでカーテンもない。そしておまけに教室の端っこの方には蜘蛛の巣まである。こんな汚い場所見たことがないぞ。居酒屋や安い雀荘の方がもっと綺麗だったね‼︎これじゃあせっかく持ってきたビールが台無しじゃん‼︎

 

 

 そんなことを思いながら適当な席に着くと、教壇の前に立ってる男が口を開いた。

 

「あれ、龍之介じゃないか。お前勉強『だけ』は出来るんじゃなかったのか。」

 

 そう言って俺をバカにしてきたのが俺の悪友、坂本雄二。昔はどうやら超強い不良だったらしいよ〜。

 

「振り分け試験を二日酔いで休んだのさ‼︎」

「相変わらずのアル中だな。そろそろ捕まれよ。」

「無駄だね雄二!なんせ俺はもう20歳だからね‼︎校則で持ってくる飲み物を自由にしている以上、これからは自由に飲ませてもらうよ!」

「他のやつらに飲ませるなよ。」

「それは分かってるさ!」

 

 まあ未成年に飲ませると流石に捕まるからね〜。あと3年は俺だけの楽しみにさせて貰おう!

 

「………酒臭い。」

「ごめんねムッツリーニ!あとで風俗の情報あげるから許して‼︎」

「………許す。」

 

 こいつは俺の悪友その2、土屋康太ことムッツリーニだ。エロについてはとても真摯な男で、いつも俺が行ってきた風俗の情報をあげる代わりに女子更衣室とかを盗撮した映像を見せてくれるんだよね!一応本人はエロに興味はないって言ってるからこんなあだ名になってるよ。

 

「あ、鷹狩だ!はろはろ〜!今年もよろしくね〜。」

「げっ‼︎島田かよ⁉︎」

「なんかウチに文句でもあんの?」

「胸小さすぎない?」

「死にたいようね!」

「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼︎」

 

 そう言っていつも暴力を振るってくるのがドイツからの帰国子女、島田美波。顔は可愛くてスタイルもいいのになんか勿体ない女なんだよね〜。

 

「ああ、お主もここのクラスじゃったか!」

「お、秀吉じゃん!相変わらず可愛いね〜。なんで男装してるの?」

「ワシは男じゃ‼︎」

 

 そう言ってきたのは俺たち2年生のアイドル、木下秀吉!めちゃくちゃ可愛い演劇部の女の子だ!戸籍上は男らしいけどね。あと双子の姉がAクラスにいるらしい。

 

「おい貴様。私の計算が正しければ貴様はAクラスのはずだ。それなのに何故ここにいる。」

 

 そう言ってきたのはまさかの中学の頃の同級生、蕨屋敷爽。頭が良さそうなフリをしてるけど、本当はただのパチンカスなんだよね〜。成績も悪いし。

 

「うわ!でたクズ‼︎さっき二日酔いで振り分け試験休んだって言ったじゃん!それよりお前こそなんで進級していないんだよ‼︎去年も2年生だっただろ!」

「私の計算が少し狂ってしまってね。出席日数と成績が少し足りなかったのだよ。」

「お前の計算いつも狂ってるよな!あとお前はパチスロをやってたから出席日数足りなくなったんでしょ!」

「私の研究によると、人類にはどうしても学校を休まなければならない時が3つあることが判明している。1つ目は自身や親戚の体調不良、2つ目は自然災害の発生、そして3つ目は設定6の台を見つけたとき、つまりはパチスロで当たる確率の高い台に座ってしまったときだ。」

「相変わらずのクズっぷりだね、爽‼︎」

 

 ちなみにコイツは現役で文月学園に入学している。だから今は3留だ。文月学園は最大で6年しかいられないから、もうあとがないんだよね〜。

 

「爽兄!まさかお主と同級生になるとは思ってなかったぞい!」

「き、貴様は!秀吉じゃないか!私よりも3歳年下だから中学2年生のはずでは⁉︎私の計算が間違ってたのか⁉︎」

「お前が留年しすぎなんだよ‼︎てか秀吉とどういう関係なんだよ!」

「浪人しすぎている貴様に言われたくない!秀吉とはただの幼馴染みだ。何も気にすることはない。」

「爽兄とは家が隣じゃからの!ずっと仲良くしておるのじゃ!」

 

 クソ‼︎秀吉と幼馴染みとか羨ましすぎるぞ‼︎お前ただのクズのくせに‼︎

 

 

 そんなことを思いながら水筒に入ったビールを飲んでいると、1人が遅れて入ってきた。

 

「すいません♪ちょっと遅れちゃいました♪」

 

 そう言って入ってきたのは学年逆主席、吉井明久だ。成績もさることながら入学式の時にセーラー服で登校したりと色んな意味でバカな奴なんだよね〜。

 

「早く座れこの蛆虫野郎‼︎」

「あ、バカじゃん♪」

「ちょっと2人とも酷くない⁉︎あと雄二は何やってるの?龍之介はなんでここにいるの?」

「俺はFクラスの最高成績者で代表だからな。先生の代わりにここに立っている。今日からお前らは俺の奴隷だ。」

「俺は二日酔いで試験を休んだんのさ!」

「流石だね二人とも…。」

 

 そして何よりコイツには知らせなければいけないことがある。

 

「ねえ明久、お前にとっておきの情報があるよ!」

「何龍之介?お酒の話はやめてよね。」

「あの島田美波がいるのさ。」

「それ本当⁉︎また虐められるじゃん!」

「あ、アキもいるの?ダブルサンドバッグじゃん‼︎やった〜♪」

「「頼むから死んでくれ。」」

 

 俺と明久は2人そろって島田に虐められてるんだよね〜。まあ俺たちも胸ないのとかバカにしてるからお互い様なんだけどね〜。

 

 

 そんなことを思ってるとやっと担任が入ってきた。

 

「おはようございます。2年Fクラス担任の……」

 

 ってチョークないんかい‼︎酷いねこの教室!まるで廃墟だよ!

 

「……福原慎です。よろしくお願いします。まずは設備の確認をします。」

「先生、俺の座布団、綿が……」

「我慢してください。」

「俺のちゃぶ台の脚が……」

「ボンドをあげるので自力で直してください。」

「先生、窓が割れてて寒いんですけど!」

「分かりました。ビニール袋とセロハンテープの申請をしておきましょう。」

 

 いや酷すぎない⁉︎何この対応⁉︎Aクラスとは雲泥の差だね‼︎

 

「それでは自己紹介をして下さい。」

 

 という感じで自己紹介が始まった。ていうか今更だけどこの教室男多すぎない?島田と秀吉しか女の子がいないんだけど!そんなことを思っているとまさかの別の女の子が入ってきた。

 

「あの、遅れてすいません…。」

「ではちょうど良いタイミングなので自己紹介をお願いします。」

「あの、姫路瑞希といいます。よろしくお願いします……」

 

 正直言ってめちゃくちゃ可愛い!でもコイツ確か……

 

「姫路だっけか?俺から質問があるから聞いてくれない?」

「あっ、はい!なんでしょう?」

「自分で言うのもなんだけど、俺より成績いいお前がなんでここにいるの?学年順位一桁くらいだよね?」

「えっと、試験の最中に高熱を出してしまいまして…」

 

 途中退席して振り分け試験0点ってことね!

 

「じゃあ体調不良で休んだ俺と同じようなもんだね!」

「貴様はただの二日酔いであろう。」

 

 いや二日酔いも高熱も一緒だからね‼︎姫路には厳しいけど体調管理出来なかった自己責任だからね!クソ‼︎俺もこの世に酒さえなければ‼︎

 

「俺も熱(の問題)が出たせいでFクラスに……」

「あぁ物理だろ?あれは難しかったな。」

「俺は弟が事故にあったときいて…」

「黙れ一人っ子。」

「前の晩彼女が寝かせてくれなくて…」

「今年一番の大ウソをありがとう!」

 

 最底辺クラスともあって俺みたいなろくでなしがいっぱいいるね〜。なんか安心したよ!って隣の明久がなんか言ってるぞ?

 

「姫路さん、やっぱり可愛いな〜。」

「何お前、姫路のことが好きなの〜?」

「ちょっと龍之介、変なこと言わないでよ!」

 

 なるほどね〜。明久はああいう子がタイプなのね〜。そんなことを思ってると当の姫路が俺と明久の近くに座った。

 

「あの……」

「よう姫路!俺は鷹狩龍之介!同じ体調不良同士仲良くしようぜ!」

「よ、よろしくお願いします!」

 

 明久が話しかけようとしてたけど遮ってみたよ〜。震えながら下唇を噛んでるのが面白いね〜。

 

「ってあれ?吉井君⁉︎」

「あ、姫路さん、よ、よろしくね〜。」

 

 ちょっと待て!コイツら知り合いなの⁉︎

 

「ねえ2人の関係を教えてくれな〜い?」

「小学生の頃から一緒なんです。」

「このクラス幼馴染み多いな!」

 

 全く、こんな可愛い子と幼馴染みなんて、けしからん‼︎

 

「はいはいそこ、静かに…」パンパン

 

 そう言って担任が教卓を叩くと、教卓がぶっ壊れた……。

 

「替えを用意してきます。」

 

 と言って担任が出て行ってしまった……。マジで最悪だね、この教室。こんなんじゃあ美味しく酒も飲めないよ!そんなことを思ってると明久から声をかけられた。

 

「雄二、龍之介、ちょっといい?」

 

 

 こうして俺と雄二は廊下で明久の話を聞くことになった。

 

「この教室って想像以上に酷いよね!」

「これじゃあ酒がまずくなるよね〜。」

「Aクラスとの差が酷いよな。」

「そこで僕からの提案!せっかく2年生になったんだし、試召戦争をやってみない?」

「戦争…だと?」

 

 なんか雄二が噛みついたぞ?

 

「うん、しかもAクラス相手に…」

「何が目的だ?」

「いや、だってあまりにも酷い設備だしさ〜。」

 

 明久がこんなことを言うなんて珍しいね〜。

 

「明久って勉強に興味がないから設備にも無関心だと思ったのに〜。」

「そ、そんなことないよ!興味がなければこんな学校には……」

「あれれ〜?試験校故の学費の安さで選んだんじゃなかったの〜?」

「姫路のためか?」

「別にそんなわけじゃ!」

 

 雄二が核心をついたみたい。明久のこういう誰かのために頑張ろうとするところは結構気に入ってるよ!

 

「気にするな。俺もAクラス相手に試召戦争をやろうと思っていたところだ。世の中学力が全てじゃないって、そんな証明をしてみたくてな。それにAクラスに勝つための秘策も思いついた。」

 

 秘策をもう思いついたのか!コイツの頭の回転の速さは相変わらずだね〜。

 

「俺も綺麗な教室で酒が飲みたいしね〜。」

「「お前は自業自得だろ。」」

「酷いよ2人とも〜‼︎年上に対する態度がなってないぞ!」

「「黙れ老害。」」

「麻雀で金を搾り取るぞ。」

「「いや、やり方知らんし。」」

 

 全く!なんで俺に対する扱いがこんなに酷いのさ!俺だってちゃんとした理由があるのに〜。まあ俺も普段から2人のことを雑に扱ってるからお互い様だけどね〜。

 そんなことを思いながら俺は雄二、明久と教室に戻った。




 というわけでアル中高校生、鷹狩龍之介(20)の物語の始まりです!いろいろアウトローで雑なところはあるかもしれませんが、よろしくお願いします!

 あと美波と明久のお互いの呼び方ですが、既にこの時点で美波⇔アキに変わっています。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第二問   自己紹介(後編)

バカテスト 日本史

問 次の文を読み、( )を埋めての名前を完成させなさい。

『 第二次世界対戦で大日本帝国海軍によって編成された爆装航空機による、敵艦に体当たりを行い自分もろとも相手を撃沈させる事を目的とした特別攻撃部隊を(      )という。 』


鷹狩龍之介の答え

『 神風特攻隊 』

教師のコメント

正解です。他には『神風特別攻撃隊』とも呼ばれますね。


土屋康太の答え

『 死なばもろとも部隊 』

教師のコメント

確かに本質は間違ってはいませんが、不正解です。


吉井明久の答え

『 捨て駒 』

蕨屋敷爽の答え

『 養分・カモ・ハイエナのための道具 』

教師のコメント

お国の為に散った人達に謝って下さい。


  side 龍之介

 

 俺たちが教室に戻ると、自己紹介もほぼ終わっていた。そして最後は雄二の番みたい。

 

「Fクラス代表の坂本雄二だ。代表でも坂本でも好きなように呼んでくれ。」

「酒蔵‼︎」

「龍之介は黙ってろ。やっぱ坂本って呼んでくれ。」

 

 雄二は酷いな〜。好きなように呼べって自分で言ったばかりじゃん!

 

「さてみんなに一つ聞きたい。Aクラスは冷暖房完備の上に座席はリクライニングシートらしいが、不満はないか?」

「「「「「大ありじゃ‼︎」」」」」

「だろう?俺だってこの現状は大いに不満だ。」

「いくら学費が安いからってこの設備はあんまりだ!」

「Aクラスだって同じ学費だろ⁉︎改善を要求する‼︎」

「そこで代表としての提案だが………」

 

 コイツは普段はただのガサツでバカな奴だけど、こうやって人のやる気を出させてまとめる能力は本当に凄いよな〜。

 

「FクラスはAクラスに対し、試召戦争を仕掛けようと思う!」

「「「「「……………」」」」」

 

 といってもいきなりこんなことを言ったらそりゃあクラスが静かになるよね〜。俺もやる気はあるけど勝てるとは思ってないし。そうだ、質問してやろう!

 

「雄二、I have a question!」

「なんだ龍之介、言ってみろ。」

「どうやったらこの最底辺クラスがエリートのAクラスに勝てると思うんですか⁉︎」

「それを今から説明してやる。」

 

 さぁって、どんな答えが返ってくるかな〜♪

 

「まずは今質問した奴が鷹狩龍之介だ。コイツは基本アル中の3浪だが勉強『だけ』はAクラス並みだ。振り分け試験は二日酔いで休んだらしいからこのクラスにいるんだけどな。」

「馬鹿な…奴が例の3浪アル中か…。」

「確かに言われてみればかなりの老け顔だな。」

「むしろもっと歳上だと思ってた。」

「てか酒臭くね?」

「ガチの酒クズじゃん!」

「ちょっとみんな酷くない⁉︎確かに今飲んでるのはビールだから酒臭いのは認めるけどさ‼︎」

 

 まあ老け顔のお陰で5つ上の兄貴の名義を使って居酒屋や雀荘とかで遊んで来れたんだけどね♪20歳になった今となってはそのメリットもなくなったけどね〜。

 

「次にあそこで姫路のスカートを覗いているのが土屋康太ことムッツリーニだ。保健体育では学年一位の男だ。」

「………覗いてない!」 ブンブン

「はわっ!」

「馬鹿な…奴が例のムッツリーニか。」

「みろ。まだ証拠を隠そうとしているぞ。」

「ムッツリの名に恥じない男だ。」

 

 正直ムッツリっていうのは無理があるけどね。畳に顔を押しつけて無理矢理見ようとしてたからね〜。

 

「あと姫路の実力は当然みんな知ってるはずだ。うちのクラスのエースとして期待してるぞ。」

「は、はい!」

「そうだ、俺たちには姫路さんがいる!」

「彼女とアル中がいればAクラスにも引けを取らないぞ!」

「彼女さえいれば何もいらないな!」

 

 最後の奴さらっとラブコール送るな!あと俺はアル中じゃないぞ!ちょっとお酒が好きなだけの男の子だよ!

 

「それに木下秀吉だっている。コイツの演劇の才能は騙し討ちにはもってこいだ。」

「よろしく頼むのぅ。」

「「「「「結婚してくれ。」」」」」

「ワシは男じゃから無理じゃ‼︎」

 

 いや、正直言って結婚したい。そのためにも秀吉の戸籍か法律を変えないとね!

 

「そしてその隣にいるのが蕨屋敷爽だ。コイツは3留で2年生をやるのも2回目だから召喚獣の扱いにちょっとだけ長けている。」

「私の召喚獣はゴムパチンコを武器としていてね。私の計算が正しければ遠距離から攻撃を続けることによって相手をイライラさせることが出来るのだ。それに私は頭が良い。必ず貴様らの役に立って見せよう。」

「なんかバカっぽいな。」

「てか奴が噂の3留パチンカスじゃね?」

「年上組はクズしかいないじゃないか!」

「「ブチ殺すぞ。」」

 

 全くこのクラスは年上に対する風当たりが強すぎる!俺何も悪いことしてないのに‼︎あと爽の武器ゴムパチンコなのかよ。パチンカスらしいね。召喚フィールドってたしか半径約10mくらいらしいから遠距離攻撃は便利だね。

 

「それに当然俺も全力を尽くす。更には外国語や理数系に長けた島田美波だっている。」

「よろしく〜♪」

「坂本ってたしか小学生の頃神童って呼ばれてなかったか?」

「島田ってたしか帰国子女らしいぞ?」

「姫路に気を取られてたけど島田も可愛いな。」

「これはいけるぞ‼︎」

 

 まあ島田に関しては問題文が読めないからこのクラスにいるだけで、本来は俺くらいの学力を持ってるからね〜。問題文が彼女だけドイツ語で書かれていたら多分Aクラスだね。

 

 そして教室のボルテージが最高潮にまで高ぶる‼︎よし、これはいけるぞ‼︎Aクラスに勝って………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それに吉井明久だっている。」

「「「「「……………」」」」」

 

 草。最強のオチを持ってくるなや。

 

「ちょっと待ってよ!せっかく上がった士気が台無しじゃないか!」

「雄二、明久のどこが使えるっていうのさ〜w」

「アル中は黙ってろ!」

「なんだと学年逆主席⁉︎」

「2人とも黙ってろ。吉井明久の肩書を今から教えてやろう。コイツの肩書は観察処分者だ‼︎」

「それってバカの代名詞だよね〜w」

「うるさい龍之介!ちょっとお茶目な16歳の愛称で……」

「龍之介の言う通り、バカの代名詞だ。」

「肯定するな、バカ雄二‼︎」

 

 ぶっちゃけ未成年飲酒のやりすぎで俺もなりかけたんだけどね♪成績いいから見逃してもらえたぜ!

 

「あ、あの、それってどう言うものなんですか?」

 

 まあエリートの姫路には関係ない話だよね〜。

 

「具体的には教師の雑用係だ。力仕事とかの雑用をする特例として物に触れるようになった召喚獣でこなすんだ。ただし他のみんなと同じように教師の監視下でしか呼び出せないという欠点もあるがな。」

「僕からも言わせてもらうと、召喚獣が受けるダメージの何割かはフィードバックするからとても痛いんだよね!」

「まあそれは誤差の範囲内だろう。」

「酷いよ雄二‼︎」

 

 痛みが伴うって結構酷いよね〜。明久の場合は酒で酔って誤魔化すことも出来ないしね〜。

 

「とにかくだ!俺たちの力の証明としてまずはDクラスを征服してみようと思う!皆、この境遇は大いに不満だろう?」

「「「「「当然だ‼︎」」」」」

「ならば全員ペンを執れ!出陣の準備だ‼︎」

「「「「「おぉー‼︎」」」」」

「俺たちに必要なのはちゃぶ台ではない‼︎Aクラスのシステムデスクだ‼︎」

「「「「「おぉー‼︎」」」」」

 

 雄二が一気にクラスを鼓舞する!なんだかいける気がしてきたぞ!

 

「それでは明久にはDクラスへの宣戦布告の使者になってもらう。無事、大役を果たせ‼︎」

「え?下位クラスの使者って大抵酷い目に遭うよね?」

「大丈夫だ。俺は友人を騙すような真似はしない。」

「分かったよ、それじゃあ行ってくるよ!」

 

 明久。まんまと騙されてや〜んの♪雄二が本当のことを言うと思ったのかな?

 

 

 

 数分後、ボコボコになった明久が帰ってきた。

 

「騙されたぁぁぁ‼︎ふざけんなよ雄二‼︎」

「やはりそうきたか。」

「まあ当たり前だよね〜w」

「お前ら2人とも死んでくれない?」

 

 全く、騙される方が悪いんだからね!

 

「吉井君、大丈夫ですか?」

「あ、うん、一応大丈夫だよ姫路さん!」

「アキ、大丈夫?」

「美波も心配してくれてありがとう!」

「ウチが殴る余地はまだあるんだね!」

「じゃあ俺も殴ってやるよ!」

「美波、龍之介、友達やめていい?」

「そんなことより今からミーティングを行うぞ。」

「ねえみんな、僕たち本当に友達なの?もっと労ってよ!」

 

 お労しい明久を見ながら飲むビールは美味いね〜。さてと、ミーティングに行きますか!

 

 

 ミーティングには俺以外に雄二、明久、ムッツリーニ、秀吉、爽、姫路、島田がいた。その中で最初に口を開いたのは雄二だった。

 

「明久、宣戦布告はしてきたな?」

「一応今日の午後開戦予定と告げてきたけど。」

「じゃあ先に昼飯だね!酒を飲んで英気を養うぞ〜。」

「潰れたら殺すぞ。」

「分かってる!」

 

 俺が潰れるわけないだろ!信頼してくれよ、雄二!

 

「あと明久はちゃんと飯食っとけよ〜。」

「そう思うなら何か奢ってよ!あと一応食べてはいるんだからね!」

「アキ、塩と水だけじゃあ食べてるとは言わないわよ。」

「失礼な美波!砂糖も入ってるよ!」

「それは食べるとは言わんじゃろう。」

 

 20年間生きててお前くらいだよ、調味料が主食のやつ。

 

「まあ飯代までゲームにつぎ込むお前が悪いよね〜。」

「兄の名義で雀荘行ってたお前に言われたくない‼︎」

「今では自分の名義で行けるようになったから大丈夫さ!」

「そういう問題じゃないでしょ!」

 

 明久、後でお前を金づるにしてやるからな!覚えとけよ!

 

 そんなことを思ってたら姫路がとんでもないことを言い始めた。

 

「あの、よかったら私がお弁当を作ってきましょうか?」

 

 お、これは大チャンスだ‼︎

 

「え、本当にいいの?塩と砂糖以外の……」

「姫路、ビールに合うおつまみとして塩キャベツと枝豆を作ってきてほしい!頼む!」

「わ、分かりました!鷹狩君の分だけだと悪いですし皆さんの分も作ってきます!」

 

 美少女の手料理と極上のビール。これで俺の最高の晩酌ならぬ昼酌タイムの完成だ!20歳になったからには存分に味わわせてもらうぞ‼︎

 

 

「さて、話を戻すぞ。」

「雄二よ、一つ気になってたんじゃが、どうしてAでもEてもなくDクラスなのじゃ?」

「そういえばそうね。」

 

 確かに、それちょっと気になった。なんか中途半端なんだよね〜。

 

「理由は色々ある。まずAクラスは現時点では無理だ。そしてEクラスは逆に楽勝すぎるからだ。周りのメンツを見ればわかる。」

「う〜んと、美少女2人と馬鹿が2人とムッツリとアル中とパチンカスがそれぞれ1人ずつだね。」

 

 明久のやつ!俺をからかいやがって!ここはおかしな返答をしてやるぞ!

 

「俺って美少女だったんだ、嬉しい♪」

「俺もかよ⁉︎」

「………照れる。」

「アキったら正直ね!」

「私はパチンカスではない。」

「何を言ってるの?美少女は秀吉と姫路さんでしょ!あと蕨屋敷君は否定するのは無理があるよ!」

「ワシは男じゃと言っておろうに‼︎」

「おい島田、一緒にコイツをボコろうぜ!」

「そうだね鷹狩!」

「ちょっと待ってよぉぉぉぉ‼︎」

 

 よし、明久に仕返しが出来たぞ‼︎ざまあみやがれ‼︎あと爽はパチスロ動画を見るのやめて人の話を聞けや‼︎

 

 俺と島田で明久をボコっていると、雄二が口を開いた。

 

「まあ要するに姫路と龍之介に問題がない今正攻法でもEクラスには勝てる。Aクラスが目標である以上、Eクラスとの戦争は無駄ってことだ。」

「それじゃあDクラスはギリギリってこと?」

「まあな。それにさっき言いかけた打倒Aクラスの作戦に必要だしな。」

「なるほどね〜。」

 

 悪知恵の働く雄二のことだ。どうせ奴隷にでもするつもりでしょ。

 

「あの、さっき言いかけたって、お二人は前から試召戦争の話をしていたんですか?」

「あぁ、それはさっき明久が姫路の……」

「それはそうと!」

 

 クソ!せっかくみんなの前でバラしてやろうと思ったのに!明久に遮られちまったよ!

 

「さっきの話、Dクラスに勝てなかったら意味がないよ!」

「負けるわけないさ。お前らが俺に協力してくれるなら勝てる。いいか、俺たちのクラスは最強だ‼︎」

「いいわね、面白そうじゃない!」

「Aクラスにいる姉上を引きずり落としてやるかの。」

「私の計算が正しければ明日は7日か。これは学校に行けそうにないな。」

「………いける!」

「あの教室で酒が飲めるのが楽しみだぜ〜‼︎」

「が、頑張ります‼︎」

 

 雄二の鼓舞にみんな(若干一名を除く)が反応する!これはいけるかもしれないぞ!あと爽、お前はいい加減パチスロのことから離れろや!

 

「そうか。それじゃあ作戦を説明しよう。」

 

 そうして雄二の作戦が告げられた。

 

 

 ビールと昼食ででお腹を満たして迎えた午後、ついにDクラス戦の開幕だ‼︎まずはお前らから倒してやるぜ!



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第三問   Dクラス戦

バカテスト 地学

問 以下の問いに答えなさい

『 直径が太陽の数百倍から数千倍あり、明るさは太陽の数千倍ある表面温度の低い恒星のことをなんと言うでしょう。 」


姫路瑞希の答え

『 赤色超巨星 』

教師からのコメント

正解です。具体的な恒星としてはベテルギウスやアンタレスが挙げられますね。


吉井明久の答え

『ビッグスター』

教師からのコメント

名前はとてもカッコいいですが不正解です。


蕨屋敷爽の答え

『 褐色超巨乳〜私にお金を貢いでくれる人〜 』

教師からのコメント

あなたの好みは聞いていません。


  side 龍之介

 

 ヤベェ…。今日はビールしか飲んでないのに気持ち悪い…。朝からずっと飲んでたからかな…。とりあえずトイレに行くか…。

 

 

  side 明久

 

 Dクラス戦開幕!今僕は秀吉と前線を守っているよ!本当は龍之介が担当する役目だったのに、アイツ飲み過ぎてトイレで吐いてるから代わりに僕が担当してるよ!今度あったらぶっ殺してやる!そんなことを思ってると……

 

「アキちゃ〜ん!私玉野よ!新作のメイド服があるから着てくれない‼︎」

 

 うわ〜。玉野さんだ。何故かこの人僕に女装させようとしてくるんだよね…。

 

「やめてよ玉野さ〜ん!僕が変態だと思われるじゃないか〜!」

「明久よ、観念せい!メイド服くらい普通に着るもんじゃろ。」

「それは秀吉だけで十分だよ〜!」

「アキちゃ〜ん、化学勝負よ‼︎」

「ワシも加勢するぞい!」

「私も加勢しよう。」

「「「「試獣召喚《サモン》」」」」

 

 そう!何を隠そう玉野さんを相手にするのは僕でも秀吉でもないのだ‼︎それは誰かと言うと……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「爽兄!お主の出番じゃ!」

「心得た‼︎」

 

 後ろで待機している蕨屋敷君の召喚獣のゴムパチンコ攻撃だ‼︎その精度は凄まじく、見事に僕と秀吉を避けて玉野さんにだけぶつけている!

 

「ちょっと、これ誰のしわざ⁉︎アキちゃんでも木下君でもないよね⁉︎」

「僕たちFクラスの秘密兵器さ‼︎」

「あやつのゴムパチンコの腕前は筋金入りじゃ‼︎」

「私の腕にかかればこれくらい造作のないことよ‼︎この私の実力にひれ伏すがいい‼︎」

「ちょっとずるくない⁉︎」

「遠距離攻撃も忘れちゃダメだよ、玉野さん‼︎」

 

 

 

化学

 

Fクラス

     吉井明久 7点

     木下秀吉 7点

     蕨屋敷爽 7点

      VS

Dクラス

     玉野美紀 131点→0点

 

 

 

「私たち3人は全員7点なのか。そして私の計算が正しければ明日は7日のはず。したがって明日駅前のあそこ(パチスロ店)に行くことは自明である。」

 

 早速明日パチスロを打つために学校を休むつもりらしい。蕨屋敷君はブレないな〜。留年し過ぎてあとがないはずなのに。

 

 でも玉野さんを戦死させることができた!そして、戦死といえば……

 

「戦死者は補習〜‼︎」

「西村先生、やめてください!私にはアキちゃんが……」

「黙れ!捕虜はこの戦争が終わるまでは特別補習だ!たっぷりと指導してやる!」

「すいません!見逃して下さい!あんな拷問は耐えられません!」

「あれは立派な教育だ。終わる頃には趣味が勉強で、尊敬する人物は二宮金次郎といった理想的な生徒に仕上げてやろう!」

「ちょっとアキちゃん!助けて〜!」

「嫌だね〜♪」

 

 玉野さん、今まで僕を女装させてきた罰を受けてもらおう!

 

 

 

 

  side 龍之介

 

 トイレで吐いて多少はスッキリした…。まだ気持ち悪いから教室に逃げるか……

 

「鷹狩、絶対飲み過ぎでしょ。」

「島田、これはただの突発的な体調不良だ……。」

「嘘つかないの‼︎いいから早く来る!ウチらの役割は蕨屋敷の護衛と木下達が戦闘で消耗した点数を補給する間前線を代わりに維持することでしょ‼︎」

「俺は体調不良だから失礼する…。」

 

 するとクラスメイトの横田がやってきた。

 

「代表からの伝令です!」

「何、俺は体調不良だから逃げようとしてるんだけど…。」

「逃げたらコロス。」

「全員突撃〜‼︎」

 

 クソ!俺は体調不良なのに‼︎

 

 

 そんなことを思ってると秀吉と明久が前線から帰ってきた。

 

「龍之介、島田よ!ワシらの点数が減ったから交換じゃ!」

「おいクソアル中‼︎吐いてないでさっさと戦え‼︎」

「OK!行くよ鷹狩‼︎」

「うるせえ明久…。大人の事情も知らないで…。」

「アキ!ウチがシメとくから安心して!」

「助かるよ美波!」

「ちょっと待てぇぇぇぇ‼︎」

 

 全く、こっちは飲み過ぎて気持ち悪いんだぞ‼︎手加減しろや‼︎そんなことを思ってると……

 

「美波お姉様〜‼︎美春と朝まで遊びましょう‼︎向井先生、こっちに来て下さい‼︎」

「よし島田、ここはお前に任せた…」

「ちょ、普通は『ここは俺に任せて!』とかじゃないの⁉︎」

「そんなの大人には通用しない!あと俺は今体調不良だ…。無理がある…。」

 

 さて、島田に面倒な奴を押し付けたぞ…。コイツは確か清水美春。島田Loveな女の子だね…。

 

「「試獣召喚《サモン》」」

 

 

古典

 

Fクラス 島田美波 6点

      VS

Dクラス 清水美春 117点

 

 

 まあ島田は古典苦手だから仕方ないよね〜。でも足止めくらいにはなるでしょ♪

 

「お姉様に捨てられて以来、美春はこの日を一日千秋の思いで待っていました!」

「ちょっと美春⁉︎いい加減ウチのことは諦めてよ‼︎」

「嫌です‼︎美春のお姉様はお姉様だけなんです‼︎」

「来ないで!ウチは普通に男が好きなの‼︎」

「嘘です!お姉様は美春のことを愛しているはずです‼︎」

「この分からずや!」

 

 本当にコイツ頭ぶっ壊れてるよな〜。なんか面白くなってきたぞ♪ってそうだ!爽に助けてもらわないと!

 

「爽!島田を助けてくれ!」

「うるさい龍之介。私は他の敵を相手にしなければいけないのだ。貴様の言うことを聞いている暇などない‼︎貴様が助ければいいではないか‼︎」

「うるさい!俺は体調不良なんだぞ!」

「鷹狩!ゴタゴタ言ってないでウチを助けてよ‼︎アンタ点数高いんでしょ⁉︎」

「お姉様、そんな老いた豚野郎より美春と一緒に保健室で特別補習をしましょ〜♪」

「嫌あぁぁぁぁぁ‼︎」

 

 なんか絶叫している島田が面白いのでそのまま見といて……

 

「鷹狩、いい加減にしないと腕の骨折るわよ?」

「分かったよ島田‼︎」

 

 脅迫されたら仕方ない‼︎酒で気持ち悪いけどやってやるか!

 

「試獣召喚《サモン》」

 

 

 

古典

 

Fクラス 

     島田美波 6点

    鷹狩龍之介 327点 

      VS

Dクラス 

     清水美春 117点

 

 

「ちょっと待ってください豚野郎‼︎なんですかその点数は‼︎」

「俺はAクラス並みの成績だからね〜♪」

「美春、コイツは二日酔いで振り分け試験を休んだのよ。」

「通りで酒臭いと思ったんです‼︎臭いから死んで下さい‼︎」

「だんだんと体調不良も治ってきたからぶちのめしてやるぜ!」

 

 

古典

 

Fクラス 

     島田美波 6点

    鷹狩龍之介 216点 

      VS

Dクラス 

     清水美春 0点

 

 

 

「戦死者は補習〜〜〜‼︎」

「美春は諦めませんから‼︎このまま無事に卒業できるなんて思わないで下さいね‼︎」

 

 草。色んな意味で危ない戦いだったね。

 

「それじゃあ島田、俺はまた吐いてくるから後よろしく〜。」

「ウチが背中に蹴り入れて吐かせてあげるわ‼︎」

「ちょっと待ってくれ!マジで吐くからそれ!廊下じゃダメ!トイレ行ってくるから‼︎」

 

 こうして島田を無理矢理振り切って俺は再びトイレに戻った……。

 

 

 

 

  side 明久

 

 あのアル中、また吐いてるのかよ!本当に使えない奴だな‼︎

 

 さてと、僕たちのやることは簡単に言えば時間稼ぎだ。とにかく時間を稼ぐためには採点の早い教師を遠ざけて遅い教師を呼ぶことだ!

 

「ムッツリーニ!採点の早い船越先生と木内先生を遠ざけるぞ‼︎偽情報を流すんだ!」

「………了解。………内容は任せろ!」

「明久、康太、待て。木内の方は既にDクラスに盗まれたから船越の方を頼む。」

「………了解‼︎」

「じゃあ僕と蕨屋敷君で前線維持だね‼︎」

「心得た。」

 

 さて、とりあえず船越先生はムッツリーニに任せるとするか……

 

《ピンポンパンポ〜ン。……ご連絡致します。……船越先生、船越先生………》

 

 この声はムッツリーニ!職員室での戦闘を避けるため放送室に行ったのか!しかも船越先生を呼び出すなんてグッジョブだよ‼︎

 

《………鷹狩龍之介君が体育館裏で待ってます。………大人の男と女同士の大事な話があるそうです。それと………》

「ムッツリーーーーニ‼︎テメェ、ブチ殺してやる‼︎」

 

 ざまあみろ龍之介‼︎酒なんか飲んでるからだ‼︎婚期を逃したが故に単位を盾に交際を迫るようになった船越先生の餌食になれ‼︎さあってと、僕は前線に………

 

《………吉井明久君も体育館裏で待っています。………鷹狩龍之介君とどっちが男として魅力があるかの勝負をしたいそうです。………よろしくお願いします。》

 

 は?ふざけんなよ‼︎龍之介だけでいいじゃん‼︎なんで僕もなの⁉︎

 

「鷹狩、吉井!アンタ達ぁ男だよ!」

「まさかクラスのためにそこまで…。」

「違うんだよみんな‼︎」

「おいおい、アイツら本気で勝ちに勝てるぞ。」

「あんな確固たる意志を持ってる奴らに勝てるのか…?」

「Dクラスまで⁉︎」

「おい明久、俺とお前の貞操を守るためにも頑張ろうぜ‼︎」

「分かったよ龍之介!一緒に戦って死のう‼︎」

 

 どうやら僕と龍之介の命日は今日みたいだ。あと教室に合流したらムッツリーニは殺してやるぞ‼︎

 

 

 

  side 龍之介

 

 ムッツリーニの奴、絶対に殺してやる‼︎そんなことを思ってると雄二がやってきた。

 

「あと少しだ!持ち堪えろ‼︎」

 

 よし、ちょっとだけ時間を稼げばいいんだな!なら俺に任せろ!

 

「明久と爽達は一旦退避だ!」

「「了解」」

 

 そして2人を前線から離した後……

 

「あ、霧島翔子のスカートがめくれているぞ‼︎」

「「「「何⁉︎」」」」

「霧島さんのパンツはどこだ⁉︎」

「俺にも見せろ‼︎」

 

 みんなが気を取られている隙に窓ガラスを割る‼︎

 

「「「「何ごとだ⁉︎」」」」

 

 そして極め付けは………

 

「おい島田!お前そんなものをどうするつもりだ!」 

 

 消化器を使う‼︎

 

「うわ!なんだこれ‼︎」

「前が何も見えないぞ‼︎」

「おい島田、お前は何をやってるのさ!」

 

 日頃の恨みで島田に罪をなすりつける‼︎

 

「Fクラスの島田か!なんて卑怯な奴なんだ‼︎」

「許せねぇ‼︎彼女にしたくないランキングの順位を上げてやる‼︎」

「在学中に彼氏が出来ないようにしてやる!」

「でも男らしくてステキ…」

 

 よし、これで作戦は完璧だ‼︎あとは消化器をぶん投げてスプリンクラーを作動させれば完璧‼︎

 

「待たせたな鷹狩!Fクラス近藤が行くぜ!」

「同じく須川が行くぜ!」

「くそ!Dクラスのみんな、ここは引くぞ!」

 

 よし、あとは俺の部隊を引かせるだけだ!

 

「龍之介、爽、お前らは部隊を連れて一旦戻ってこい。立て直すぞ。」

「「了解‼︎」」

 

 そうして俺は教室に戻っていった。

 

 

 

 教室に戻ると、明久がムッツリーニ殺害用の包丁を持っていたので俺も手助けすることにした。

 

「明久、俺も手伝うよ‼︎」

「ありがとう龍之介!早くムッツリーニを探さないとね。」

 

 そんな俺たちを見て呆れた雄二が口を開いた。

 

「ちなみにあの放送を指示したのは俺だ。」

「「ぶっ殺してやる‼︎」」

「あ、船越先生。」

「隠れるぞ明久‼︎」

「分かったよ龍之介!」

 

 こうして俺と明久は掃除用具入れの中に隠れた。船越先生だけはダメだ‼︎俺の人生が終わる‼︎

 

「龍之介、酒臭い!」

「うるさい明久!船越先生が怖いなら我慢しろ!」

「分かったよ。」

「あのバカどもは放っておいてそろそろ決着を着けるか…。」

「そうじゃな。ちらほらと下校しておる生徒の姿も見え始めたし頃合いじゃろう。」

「それじゃあDクラス代表の首を貰いに行く時間だ!行くぞ‼︎」

「「「「「おう!」」」」」

 

 そういえばもうそんな時間か…。そろそろ秘密兵器の発動だぜ‼︎

 

「あと明久、龍之介。船越先生が来たってのは嘘だ。」

「明久、雄二を殺しに行くぞ‼︎」

「分かったよ龍之介!」

 

 さて、敵代表の首を取ったあとは自代表の首を取らないとね〜♪

 

 

 廊下に出ると、みんなは下校する他クラスの生徒に紛れて多対一の勝負をDクラスの人に仕掛けていた。まあこうすればいくらDクラスの人でも簡単に倒せるよね〜。さてと、俺の目標は他の奴らじゃない‼︎敵代表の首だ‼︎幸い代表付近の守備は薄いし現代文の後藤先生もいる‼︎

 

「Fクラス鷹狩龍之介参上!Dクラス代表平賀源二、その首、貰った‼︎」

「近衛部隊の高山太郎、次郎、三郎が相手します‼︎」

「「「「試獣召喚《サモン》」」」」

 

 

 

現代文

 

Fクラス

     鷹狩龍之介 313点

       VS

Dクラス

      高山太郎 124点

      高山次郎 124点

      高山三郎 124点

 

 

 クソ!近衛部隊の三つ子に囲まれた!

 

「残念だったね船越先生の彼氏第一号君♪」

「だから違うっつーの‼︎」

「さあ高山三兄弟、照れ屋の彼に祝福を!」

「「「了解‼︎」」」

「畜生‼︎あと一歩だったのに‼︎」

「鷹狩君はその成績で前線で暴れまくっていたら警戒されることを頭に入れておくべきだったね‼︎」

 

 まあ、残念なのはお前なんですけどね〜w。我らがFクラスの最終兵器の登場だ‼︎

 

「あ、あの、平賀君。」

「どうしたの姫路さん?Aクラスの人はこっちは通らないと思うけど?」

「いえ!そうじゃなくて…」

「じゃあどうしたの?」

「えっと、Fクラスの姫路瑞希です。Dクラス代表の平賀君に現代文勝負を挑みます。」

「あ!どうも。」

「「試獣召喚《サモン》」」

 

 

現代文

 

Fクラス 姫路瑞希 452点

      VS

Dクラス 平賀源二 148点

 

 

「え、どういうこと?」

「ごめんなさい‼︎」

 

 

 

現代文

 

Fクラス 姫路瑞希 287点

      VS

Dクラス 平賀源二 0点

 

 

 

 Dクラス戦、遂に勝利だ‼︎

 

 

「うおぉぉぉ‼︎坂本万歳‼︎」

「姫路さん、愛しています!」

「坂本!握手してくれ!」

「あーなんだ。そう褒められるとなんつーか……」

 

 雄二がなんか照れてる時に……

 

「明久、今がチャンスだ!」

「分かったよ龍之介!」

「雄二!俺と握手をぉぉぉぉぉ‼︎」

「僕ともぉぉぉぉぉ‼︎

 

 手が捻れるぅぅぅぅ‼︎めちゃくちゃ痛いんだけど‼︎

 

「おい誰か、ペンチを……」

「「すいませんでした‼︎」」

「チッ……生爪を……」

 

 雄二怖‼︎ヤクザじゃん‼︎でも俺と明久を船越先生に売ったことは絶対に許さないぞ‼︎

 

「まああのバカ2人は放っておいて、Dクラスと話がある。」

「なんだい?設備の交換は明日にしてほしいな。」

「いや、その必要はない。代わりにDクラスのベランダにある……」

 

 そうして雄二はDクラスの教室の中に入っていき……

 

「あの室外機を壊して欲しい。」

「分かったけど、なんでこんなことするの?」

「次のBクラス戦で必要だからな。」

「なるほど、じゃあそれで!」

 

 どうやらDクラスを手駒に出来たみたい!良かったね‼︎それはそうと次はAじゃなくてBクラスなんだね。また段階を踏むのか〜。

 

 さてと、今日のやることは終わったし帰るか〜。明日は酔い潰れないようにしないと‼︎それとついでに同じ体調不良仲間の姫路と話して帰るか〜。

 

「姫路、お疲れぃ‼︎」

「お、お疲れ様です、鷹狩君。」

「いきなりの大活躍だったね〜。」

「そ、そんなことないです!皆さんのおかげです‼︎」

「まあ確かに皆のおかげでもあるな!ところで、姫路は体調不良で振り分け試験を途中退席したんでしょ?」

「は、はい…。」

「俺はそもそも体調不良で試験休んだからな〜。俺たち似たもの同士だな‼︎」

「そ、そうですね!体調管理は気をつけないといけませんね……」

 

 成績も近いとは言えないけどお互いにAクラス並みだし、なんか似てるんだよね〜。性格は真逆だけどね。

 

「ところで鷹狩君に聞きたいことがあるんですけど……」

「なんだい?明日の酒のつまみなら昼間言った通り塩キャベツと枝豆でお願い!」

「いや、そうじゃなくて……」

 

 じゃあなんなんだろう?

 

「美波ちゃんって吉井君のことが好きなんですか?」

「へ?いや、よく分からん。明久に対する態度と俺に対する態度が似ているからね〜。呼び方が明久の方が親しげに感じるけど、あれはいろいろあってああなっただけだからあまり関係ないよ。」

「そ、そうなんですか。それは良かったです!」

 

 お、もしや!俺の考えが正しければ……

 

「姫路って焼きもちやくタイプ?」

「へ?あの、なんで知ってるんですか?」

 

 ドンピシャ‼︎やっぱり人間はこういうところがなくちゃつまらないよね‼︎

 

「いや、今の発言から推測しただけ〜♪嫉妬の魔女にならないでね〜♪明久にチクっちゃおうかな〜♪」

「ちょっと、いきなり酷いですよ!だから美波ちゃんにあんな扱いされるんじゃないですか⁉︎」

「否定はしないね〜。」

「だったらやめたら…。」

「俺なりのコミュニケーション‼︎嫌ならやめるよ?でもそうなるとますます明久との距離が遠くなって……」

「分かりました!やめないで下さい!その代わり……」

 

 ヤベェ〜‼︎姫路思ったより面白い子だね〜w

 

「私も美波ちゃんと同じ扱いをしていいですか?」

「え?あの、それは……」

「美波ちゃん!私さっき鷹狩君に変なこと言われました‼︎」

「瑞希大丈夫?ウチがそのアル中を成敗してあげるわ‼︎」

「私も手伝います‼︎」

「いやぁぁぁぁぁぁぁぁ‼︎」

 

 ちょっと待ってよ⁉︎俺はどこで間違えたの⁉︎もしかしてからかいすぎた⁉︎マジで⁉︎なんか天敵が増えたんだけど⁉︎クソが〜‼︎

 

 そうして女子2人にシメられて俺の一日は終わった……。




 ということでDクラス戦でした。そしてタグに龍之介×姫路×島田と明久×姫路×島田があるのはこういうことです。本作ではあえてこの4人を曖昧な関係のまま進めたいと思います。よろしくお願いします。

 そして龍之介は酒好きなのにそこまで強くない設定です。肝臓が壊れないか正直心配です。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第四問   姫路の手料理

バカテスト 数学

問 次の不定積分を解きなさい。

『 ∫ sin(x) dx 』


姫路瑞希の答え

『 -cos(x)+C (Cを積分定数とする) 』

教師のコメント

正解です。姫路さんには簡単な問題でしたね。


鷹狩龍之介の答え

『 -cos(x)+酒 (酒を積分定数とする) 』

教師のコメント

正解です。そして、積分定数に自分の好きなものを混ぜてくるあたりは流石です。


木下秀吉の答え

『 35 』

教師のコメント

とりあえず数字を書けばいいというものではありません。


蕨屋敷爽の答え

『 設定6 』

教師のコメント

己の欲望を混ぜすぎです。パチスロばっか打ってないできちんと登校しましょう。


  side 龍之介

 

 次の日、船越先生被害者仲間の明久が声をかけてきた。

 

「ヤバイよ龍之介!姫路さんがラブレター書いてる現場に遭遇しちゃった!」

「マジかよ!それで、相手は誰だったの?」

「いや、分かんない‼︎でも多分雄二だと思う‼︎」

 

 いや、多分明久だよ。まあいいや、ここで本人にばらすと面白くないから何も言わないことにするよ!それよりも雄二といえば……

 

「なるほどね〜。それより明久!雄二に昨日のことで仕返ししない?」

「あ、そうだね!ちゃんと始末しなきゃね♪」

「策はある!それより雄二が来たぞ!お前は右、俺は左!行くぞ!」

「了解‼︎」

 

 そうして俺たちが雄二に近づくと、雄二が喋り始めた。

 

「ようお前ら。昨日の後始末は済んだのか?」

「今から!」

「するところさ!」

「明久、そんな攻撃で大丈夫か?」

「大丈夫だ。問題ない!」

 

 雄二は明久の相手をするみたい!なら……

 

「龍之介、そんな姿勢で大丈夫か?」

「大丈夫だ。問題……」

「大有りよ‼︎」 ドゴォ‼︎

「グファ……」

 

 ちょっと待って……。いきなり顔面蹴られたんだけど‼︎てかこの声は……!

 

「島田!昨日で懲りたんじゃなかったのか!」

「それなんだけど、朝来たらウチが消化器をばら撒いたことになっててさ〜。どういうことなのか説明してほしいんだけど〜?」

「自業自得って言葉……」

「知ってますか、鷹狩君♪」

「瑞希が犯人を特定してくれたの!」

「ひ〜め〜じ〜み〜ず〜き〜‼︎」

 

 嘘でしょ⁉︎出会って2日目でこのコンビネーションなの⁉︎どうかしてるぜ!

 

「ちなみにこれだけじゃ終わらないわ!」

「一時間目の数学の授業、船越先生だぞ。」

「「そんな〜‼︎」」

 

 だけどね雄二!策っていうものは複数用意しとくものなのさ!明久と小声でミーティングだ!

 

「(明久、諦めるな!策はあるから大丈夫さ!)」

「(龍之介、教えて!)」

 

 そうして船越先生がやってくると……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「すいませんでした‼︎」」

 

 俺たちは渾身の土下座を披露した。

 

「貴方達、教師をからかうとはいい度胸ですね〜?」

「それなんですけど、理由があるんです!」

「一応聞こうかしら?」

 

 さて、ショータイムの始まりだ‼︎

 

「僕は龍之介と男の魅力勝負をしようと思ったのですが、とんでもない強敵が現れてしまって…。」

「俺と明久はあの男には勝てないと思ってしまったんです‼︎だから昨日途中棄権したんです!」

「そうなんです!その男の名は……」

 

 

 

 

「「坂本雄二‼︎」」

 

 

 

「おい!ちょっと待て‼︎なんで俺の名前が‼︎」

「授業は自習で‼︎さあ坂本君、今から私と一緒に体育館裏に行きましょう!」

「ちょっと待って下さい先生!俺にはまだ……」

「「ざまあみやがれ‼︎」」

 

 あ〜いいことしたな〜♪これぞまさに自業自得‼︎さてと、ビールでも飲み……

 

「…生徒に手を出す教師は許さない。」

「おい翔子!何船越先生をスタンガンで気絶させてるんだよ‼︎てか早く教室に戻れ‼︎」

「…分かった。」

 

 ん?あの声は学年主席の霧島翔子?しかもあの雄二が女の子と下の名前で呼び合ってるだと?許せねえよ、なぁ⁉︎

 

「おいお前ら、何か言い残すことはあるか?」

「霧島翔子とはどういう関係なんだい⁉︎」

「それ僕も気になった‼︎教えて‼︎」

「ただの幼馴染みだ。」

 

 なんだと⁉︎けしから……

 

「これより、異端審問会を発足させる。」

 

 なんか須川が教壇に立ってるんだけど‼︎

 

「Why?」

「我がFクラスは50人中男子が47人で構成されている。」

「48人じゃぞ。」

「これが意味することは、女子との接触は学級崩壊である、ということである。そこで、今日から女子と接触した者を異端審問にかけることにする。手始めに、罪人、坂本雄二を裁くこととする。」

 

 なんか面白そうじゃねえか!

 

「おい須川。何を言って………」

「須川会長!この私、鷹狩が罪人、坂本雄二を拘束いたします!」

「僕も協力します!」

「………俺も‼︎」

「俺も!」

「俺も!」

「ちょっと待てよ!おい!」

「会員の皆、協力に感謝する!」

 

 ちょうどよく雄二をボコる機会が出来たしね!

 

「それではこれより、異端審問会を始める。罪人、坂本雄二はあの霧島翔子と幼馴染みの関係である。この事実に相違ないか。」

「「「「「相違ありません‼︎」」」」」

「おい待て!それじゃあ木下姉弟と幼馴染みの爽はどうするんだ!」

「アイツは今日パチスロ打ってるから休みだよ。」

「ふざけんなよ‼︎」

「それでは判決を言い渡す。有罪、死刑‼︎」

「「「「「は!」」」」」

「ちょっと待てやコラァ‼︎」

 

 こうして俺たちは雄二をボコボコに殴ったよ♪やっぱり悪は滅ぼさないとね〜♪

 

「あの、吉井君?」

「何、姫路さん?」

「吉井君って霧島さんが好みなんですか?」

「そりゃまあ美人だし〜。」

 

 明久、嫉妬の魔女の前でそれを言うとな〜

 

「って姫路さん⁉︎なんで僕に向かって臨戦態勢なの⁉︎あと美波はちゃぶ台を投げようとしないで‼︎」

「おおっと!こりゃ面白いね〜。嫉妬の魔女2人に襲われる明久ね〜。」

「龍之介!こっちは全然面白くないよ!」

「瑞希、ついでにあのアル中もやっちゃいましょ‼︎」

「分かりました、美波ちゃん‼︎」

「おい!ちょっと待てや!」

「ざまあ〜♪」

 

 ちょっと!なんで俺にもやるのさ‼︎明久だけでいいじゃん‼︎

 

 

 そんなどんちゃん騒ぎを止めてくれたのは我らがFクラスのアイドル、秀吉だった。

 

「皆落ち着くのじゃ。霧島翔子は男の告白を全て断ってる女じゃ。だから興味があるとすれば……」

 

 そういえばそんな噂があったね!そしてみんなが一斉に姫路の方を見た!男子じゃないなら女子だよね!まあ島田と秀吉もいるけどね!

 

「え?なっ、なんですか?もしかして私、何かしちゃいましたか?」

 

 何もしてないよ!何もしてないけど何かされる可能性は大だからね〜。

 

 

 そんなこんなで異端審問会に午前の授業といろいろなことが終わり、遂に待ちわびた昼酌タイムだ!でも昨日のことだし……

 

「姫路、毒入ってないよね?」

「鷹狩君はバカなんですか⁉︎そんなもの入れてませんよ‼︎」

「良かった〜♪」

 

 そして姫路がお弁当箱を開けると、そこには旨そうな飯が入っていた!もちろん俺のおつまみ用の塩キャベツと枝豆も入っている‼︎

 

「「「「「「旨そう‼︎」」」」」」

「じゃあ俺から食わせてもらうわ。」

 

 クソ!雄二に先を越された‼︎ずるい……

 

「グファ……」 バタン

 

 え?雄二がなんか倒れたんだけど……

 

「「「「雄二⁉︎」」」」

「坂本⁉︎」

「坂本君、どうしたんですか⁉︎」

「足が……つった………」

 

 いやなんで⁉︎お前全然走ってなかったよね⁉︎さては異端審問会の後遺症か?まあいっか!さて次は……

 

「………旨そう………」 バタン

「「「ムッツリーニ‼︎」」」

「「土屋(君)⁉︎」」

 

 マジで⁉︎お前は審問していた側でしょ⁉︎さては姫路、本当に毒を盛ったのか?でも皆が食ってるのは俺用じゃないやつ……

 

「土屋もどうしたの?坂本といい2人とも運動神経いいはずなのに……」

「どうしたんでしょうね?」

 

 こうなったら!

 

「おい姫路‼︎毒盛ったでしょ‼︎」

「盛ってません!」

 

 本当か?嘘はついてなさそうな雰囲気だけど……

 

「う、ウチ、とりあえず倒れた2人用に飲み物買ってくるね〜。熱中症かもしれないし……」

「島田、よろしく頼むのぅ‼︎」

 

 さて、明久&秀吉と小声で作戦会議だ。

 

「(明久、秀吉!ここから導き出させる結論は!)」

「(姫路さんは料理が壊滅的に出来ない‼︎)」

「(自覚がないんじゃろな。)」

「(とにかくどうすればいい?)」

「(傷つかないようになんとか誤魔化そう‼︎)」

「(じゃあ鉄の胃袋を持つ、ワシが行くとするかの!)」

「「(頼んだぞ、秀吉‼︎)」」

「皆さんどうしたんですか?」

「食べる順番を決めてただけさ!」

「ではワシがいただこう‼︎」

 

 そうして秀吉が姫路の弁当を食べ………

 

「なんじゃ、意外とふつ……」 バタン

 

 死んだ。

 

「(おい明久、秀吉は鉄の胃袋じゃなかったのか⁉︎)」

「(それだけ姫路さんのお弁当がヤバいんだよ!)」

「(なるほどね!じゃあ俺に策がある!)」

「(本当⁉︎)」

「(とりあえず俺の言うことに従え!)」

「(分かったよ‼︎)」

 

 さて、秘密の作戦、実行だ!

 

「明久、姫路!あそこにUFOが‼︎」

「「本当(ですか)⁉︎」」

 

 2人が振り向いた隙に、一部を明久の口にぶち込む‼︎

 

「ちょ……」 バタン

 

 そして一部は俺のリュックの中のジップロックにしまう!元々姫路の作った枝豆を一部晩酌用に持ち帰るつもりだったからね!じゃあこれを俺が家で食べるって?違うね!今この場にいないパチンカスにあげるつもりなのさ‼︎パチスロを頑張った友へのご褒美として、ね!

 

「あれ?皆さんどうしたんですか?」

 

 本来の俺だったらお前のせいだよって言ってるけど、明久の気遣いと爽への奇襲という2つの理由で適当にごまかすよ!

 

「お昼寝したのさ!こんなにいい天気だからね〜。」

「そうですね♪」

 

 さて、これで無事に生き延びたぞ〜!

 

「そういえば、デザートもあるんです!」

「飲み過ぎてヤバいからトイレ行くね……」

 

 さて、これで逃げられ……

 

「………どこへ行く気だ。」

「お前、姫路の弁当食ってないよな?」

「それは可哀想なのじゃ♪」

「きちんと食べさせてあげないとね!」

 

 あれ、視界が……… バタン

 

 

 

 

  side 明久

 

 あのアル中、自分だけ苦しい思いをせずに僕らを捨てて逃げようとしたからね。きちんと制裁しないと‼︎

 

「あれ、鷹狩以外は皆平気なの?」

「「「「そうだ!」」」」

「それなら良かった〜。」

 

 さて、美波が帰ってきたところで改めて作戦会議だ!

 

「雄二、なんで次はBクラスなの?」

「目標はAクラスだったわよね?」

「正直に言おう。『クラス単位』でAクラスに勝つのは不可能だ。だから代表同士の一騎打ちに持ち込む。」

「バカの雄二が学年主席の霧島さんに勝てるの〜?」

「明久、お前確か爪要らないって言ってたよな?」

「すいませんでした!」

 

 もう!そうやって人を売るのは良くな………

 

「ロン、18,000‼︎」

 

 あのアル中は突然復活したと思ったら何を言ってるんだ?

 

「龍之介、寝ぼけてないで作戦会議に加わってくれ。」

「俺もしかして酔い潰れてた?」

「そうだ。」

「また記憶飛ばしたのかよ〜‼︎」

 

 なんか知らないけどお酒って怖いね!本当は姫路さんの弁当が原因なんだけどね。

 

「それじゃあ龍之介も起きたところで作戦会議の続きを話す。とにかくAクラスに一騎打ちをさせるための脅迫材料としてBクラスを利用するつもりだ。Bクラス戦後に攻め込むぞ、ってね。」

「でもBクラスの人たちにデメリットがあるんじゃ……」

「BクラスはAクラスに負けてもCクラスレベルの設備に落とされるだけだ。俺たちのちゃぶ台と交換されるよりは全然マシだろう。」

「なるほどね!それなら大丈夫だね‼︎」

「でも雄二が霧島に一騎打ちで勝てるの〜?」

「龍之介、そのやりとりはさっきもやった。それについては策がある。まずはそれよりもBクラス戦だ。」

「へ〜い。」

 

 ということでBクラス戦の作戦会議が始まった。

 

 

 

  side 龍之介

 

 作戦会議終了後は、毎度恒例、明久を騙す時間だ!

 

「それじゃあ明久、Bクラスに宣戦布告に行ってこい。」

「断る!雄二か龍之介が行けばいいじゃないか‼︎」

「それならジャンケンで決めようよ〜。心理戦ありのね!」

 

 ただのジャンケンじゃつまらないからね‼︎

 

「じゃあ分かった!僕はグーを出すよ!」

 

 そして雄二と目が合った。なるほどな!

 

「じゃあ俺と龍之介は……」

「明久がグーを出さなかったら……」

 

「「ブチ殺す。」」

 

「ちょっと待……」

「ジャンケンポン‼︎」

 

 

 

雄二、龍之介→パー

 

明久→グー

 

 

 

 はい簡単♪明久って本当に扱いやすいよね〜♪

 

「安心して明久!Bクラスは美少年好きが多いからさ!」

「それなら安心だね!」

「でもお前ブサイクだしな。」

「失礼な!365°どこから見ても美少年じゃないか!」

「5°多いぞ。」

「実質5°だね〜。」

「2人とも嫌いだ〜‼︎」

「「いってら〜。」」

 

 

 数分後、予想通りボコボコになった明久が帰ってきた。

 

「で?何か言うことは?」

「予想通りだ。」

「今日もビールが旨い‼︎」

「クソが!ぶっ殺してやる‼︎」

「落ち着け。」 ドゴォ

「グファ……」 バタン

 

 明久、災難だね〜。さてと、俺はとある場所に向かわないとね♪ってそうだ、秀吉も連れて行こう!

 

「秀吉、ちょっとついてきてくれない?」

「なんじゃ龍之介?」

「姫路のお弁当箱を差し入れしたい奴がいてね〜。」

「なるほど、あやつじゃな‼︎」

「よし、それじゃあ行くぞ‼︎」

 

 さて、アイツのところに……って姫路は何してるのかな?

 

「姫路どうしたの?忘れ物?」

「い、いえ、なんでもないです!」

「そっか。それじゃあまたね〜!」

「明日頑張ろうぞ!」

「は、はい!」

 

 

 そうして俺と秀吉はとある場所へと向かった。その場所とは………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おつかれ、爽!調子はどうだい!」

 

 朝からずっとスロットを打っている爽のところだ。もちろん秀吉は店内に入れないので外で荷物を持って待機させている。

 

「私の計算が正しければ今のところは20K(2万円)勝ってるはずだ。それより貴様も打ちに来たのか?」

「いいや違うね。お前に差し入れさ!姫路がみんなの為に作った弁当の残りだ!」

「感謝する。打たずにあまり長居しすぎると店員に怒られるから気を付けろよ。」

「分かったよ!」

 

 そうして爽は姫路の弁当を口の中に放り込み……

 

「グファ……」 

 

 死んだので俺が支えて外に運ぶことにした。メダルは換金してコイツの財布の中に突っ込んでおこう。流石にお金を取るのはまずいからね。

 

「秀吉、荷物を3人分持ってくれない?俺が爽を背負って運ぶよ。」

「分かったのじゃ!」

 

 そうして俺と秀吉で気絶した爽を家まで送り届けた。全く、学校行かずに災厄から逃れようとするのが悪いんだからね‼︎

 

 

 

 そして翌日の午後、ついにBクラス戦が始まった‼︎




 ということで雄二が船越先生に誘拐された結果、駆けつけた翔子のせいで異端審問会の発足が原作よりもかなり早まりました。これからはジャンジャン審問していきたいと思います。

 それと、姫路のお弁当は相変わらず劇物です。爽もスロットを打つことによって学校をサボり、災厄から逃れたかのように見えましたが店まで来た龍之介の手によって暗殺されました。やっぱり姫路の弁当は男子メインメンバーで処理しないと面白くないですからね。

 さて、次からはBクラス戦です。お楽しみに。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第五問   Bクラス戦(前編)

バカテスト 家庭科

問 次の問いに答えなさい。

『調味料の さしすせそ を述べなさい。』


鷹狩龍之介、吉井明久の答え

『砂糖、塩、酢、醤油、味噌』

教師のコメント

正解です。醤油はせうゆからとってます。味噌も紛らわしいですね。


蕨屋敷爽の答え

『砂糖 塩 酢 せ ソース』

教師のコメント

後半が難しいですよね。しっかり覚えましょう。


姫路瑞希の答え

『酢酸 硝酸 ストロンチウム セシウム 塩素』

教師のコメント

人殺しですか。


  side 龍之介

 

 さてBクラス戦開幕だ!俺と姫路が前線で暴れまくる予定なんだけど、姫路は足遅いからまだ来てないんだよね〜。仕方がない!ここは年上コンビでやってやるぜ!

 

「俺は鷹狩龍之介だ!Bクラスのそこにいる女2人に世界史勝負を挑むつもりだぜ!」

「私も加勢しよう。」

「「「「試獣召喚《サモン》」」」」

 

 

世界史

 

Fクラス

    鷹狩龍之介 348点

     蕨屋敷爽 14点

      VS

Bクラス

     岩下律子 215点

    菊入真由美 201点

 

 

「もしかしてこの2人が例の3浪アル中と3留パチンカスなの⁉︎」

「みてよ律子、アル中の方の武器はビール瓶だよ!」

「パチンカスの方は遠くにいるけどパッと見武器はゴムパチンコみたいね!」

「遠くにいるなら近づくまでよ!」

 

 やっぱり爽のことを狙ってくるよね〜。ならば!

 

「みんな!爽の召喚獣を隠すんだ!人がいっぱい群がれば相手に見えないはずだ‼︎その隙に爽はゴムパチンコを打ちまくれ‼︎」

「「「「了解‼︎」」」」

「心得た。」

 

 こうすれば遠距離攻撃の弱点、近接戦闘の弱さをカバーできるのさ!普通の召喚獣は物理干渉ができないからパチンコ玉は生身の人間をすり抜けるんだよね!

 

「ちょっとなんなのコイツら⁉︎」

「年上のことをなめた罰だ!くらえ、ビール瓶アタック‼︎」

「おつまみとしてパチンコ玉を添えてあげよう。これは私からのプレゼントだ。受け取るがいい。」

「「きゃあ!」」

「まだまだ行くぜ!俺のビール瓶は一回割れてもまた別のが再生してくるからな!破片が飛び散って痛いだろう‼︎」

「私の玉のストックは無限にあるのだよ。私の計算が正しければ貴様らは私と龍之介の相手にならない。」

「「ちょっと〜‼︎」」

 

 

世界史

 

Fクラス

    鷹狩龍之介 189点

     蕨屋敷爽 14点

      VS

Bクラス

     岩下律子 0点

    菊入真由美 0点

 

 

 

 

  side 明久

 

 なんか年上2人が容赦なく年下2人をボコっている絵面を見るとちょっとあれだね〜。

 

「なんか大人気ないね〜。」

「黙れ明久。これはれっきとした戦争だ。戦場に年上も年下も関係ない。」

「爽の言う通りさ!大人気とか気にしてられないしね!」

「ええ……。」

 

 まあ確かにそうなんだけどね〜。この2人にプライドと言うものはないのかな?

 

 そんなことを思っているとついにエースの姫路さんの登場だ!運動が苦手で遅れちゃったのも可愛いね!

 

「おっ、遅れました…、ご、ごめんなさい……はあっ…。」

「姫路さん、来たばっかりで悪いけどあそこにいるBクラスの人たちを相手にしてくれる?」

「は、はい!」

 

 ごめんね…。いきなり酷使しちゃって…。

 

「姫路遅いよ!もしかして太った?」

「先に鷹狩君から倒します!試獣召喚《サモン》」

「ちょっと待ってよ‼︎俺は味方だよ⁉︎勘弁してよ〜!」

 

 ってかなんで龍之介はこんなに姫路さんを雑に扱うんだよ!訳がわからないよ‼︎

 

「姫路さん!僕も加勢するよ‼︎」

「ありがとうございます、吉井君!」

「おいお前ら、ちゃんとBクラスの人に向かって攻撃しろよ〜‼︎」

 

 全く、ここできちんと友を導いてあげなきゃね!

 

「チャンスだ!Bクラス井川始め10人が姫路瑞希と鷹狩龍之介に数学勝負を挑みます!」

 

 ってヤバ‼︎数で取り囲みに来たか!

 

「僕と蕨屋敷君も加勢します!」

「ワシも行くぞい!」

「「「「「試獣召喚《サモン》」」」」」

 

 

数学

 

Fクラス

     姫路瑞希 412点

    鷹狩龍之介 427点

     吉井明久 7点

     蕨屋敷爽 15点

     木下秀吉 3点

      VS

Bクラス

     井川健吾 225点

     小野明  197点

     工藤信二 248点

       :

       :

 

 

 ん?姫路さんと龍之介の召喚獣になんかついてるような?

 

「2人とも、その腕輪みたいな奴何?」

「明久はバカだから縁がないと思うけど、400点超えるとこの腕輪がついて必殺技が使えるようになるのさ!」

「それはいいな〜って罵倒するな!」

 

 400点なんて僕の総合科目の4倍の点数じゃないか!そんなの僕には無理だね〜。

 

「鷹狩君!人数が多いから一気にやりましょう!」

「了解!」

 

「《熱線》‼︎」

 

 うおー!姫路さんのは超巨大ビームだ!めちゃくちゃかっこいいな〜!威力もかなりあるみたいだしね!さて、龍之介の技は?

 

「《酒鉄砲》!」

 

 しょぼ!水鉄砲の酒バージョンかよ!

 

「姫路さんと比べて鷹狩君のは……ってえ?」

「なにこれ?」

「召喚獣がちょっと食らっただけで倒れたんだけど!」

「俺の腕輪の力は相手の召喚獣に度数96度のスピリタスを飲ませて、急性アルコール中毒で倒すという技なんだよね〜。召喚獣相手だから未成年に飲酒を強要した訳でもないし、大丈夫でしょ!」

 

 なにそのえげつない技!というか………

 

「フィードバックを受ける僕は大丈夫なの?」

「明久は正直ダメだから俺と勝負するときだけフィードバックをなくすように申請してあるよ!」

「良かった…。」

 

 どうやら僕が死ぬことはないみたい。これなら安心だね!

 

「よし姫路!一気に薙ぎ払うぞ!他の3人も手伝ってくれ!」

「「「「了解‼︎」」」」

 

 それにしても普段はただのアル中だけど、本当に勉強だけは出来るんだね〜。こういうときだけは急に頼もしくなるね!

 

 

 

  side 龍之介

 

 まあ流石に俺と姫路のダブルエースだけじゃあBクラス相手に粘り続けるのも厳しいよね〜。爽も遠距離から粘っているけど、アイツは点数が少ないから攻撃力自体は低いんだよね〜。

 

 さてと、俺は点数がだいぶ減ったから教室に行って点数補給をしよ〜っと!ちなみに一緒にいるのはもはやFクラス女子で唯一天敵じゃなくなった秀吉だ!全く、あの2人が過激すぎるんだよ!そんなことを思ってたら秀吉が変なことを言い始めた。

 

「龍之介よ、教室は無事じゃろうか…。」

「どういうこと、秀吉?」

「Bクラスの代表は『あの』根本らしいぞい。」

 

 Bクラス代表根本恭二。卑怯で外道なことで有名だ。目的のためなら手段を選ばないらしい。まあ俺も人のこと言えないんだけどね〜。

 

「なるほどね〜とりあえず戻るか!」

 

 そうして俺と秀吉は教室に戻った。どうやら教室は無事だ。そしてなんといっても久しぶりの休息だ!ちょっとだけビールを飲んで回復試験に挑むぞ‼︎

 

 

 

 回復試験からしばらくすると、明久が駆け込んできた。

 

「なんか美波らしい人が人質になってるらしい!」

 

 いや、曖昧すぎてよくわからんのだが……

 

「明久、ちゃんと説明してくれ!」

「ごめん、僕も教室にいる人を呼んできてって言われただけだからよく分からないんだよね。」

「じゃあ爽に聞くか…。」

「アイツ今トイレ。」

「タイミング悪‼︎」

「とりあえず前線に行けば何かあるかもしれんのぅ。」

「そうだな!とりあえずみんなで向かうか!」

 

 向かう途中、姫路とすれ違った。

 

「姫路、島田が人質ってどういうことなの?」

「美波ちゃんの召喚獣が捕まってるんです。大人しくしないと補習室送りにするって前線で脅されてます!」

「なるほどね〜。分かった!とりあえず行ってくる!」

「お、お願いします!」

 

 びっくりした!卑怯で外道といっても流石に16・17歳で考えられることっていったらそんくらいだよね〜。ここは大人の力を見せてやる!

 

「お前ら、この女が補習室送りにされてもいいのか!」

「大人しく降伏しろ!」

 

 クラスに3人しかいない女子のうち1人を人質にしたのね。確かに他のFクラスの人には効果てきめんだ。だかな、その作戦は俺と明久には通用しないぜ!

 

「おいおい、その作戦が俺たちに通用するとでも?」

「美波は残念ながら戦死しても僕にとっては大したダメージじゃないんだよね〜。決して日頃の仕返しってわけじゃないからね!」

「ちょっとアキ‼︎アンタねぇ‼︎」

「そしてこの俺、鷹狩龍之介は風俗巡りの経験から大人の女性を沢山知ってるのさ!だから16・17の女なんて俺にとっては大した価値がない‼︎島田がいくら死のうが全く問題ないぜ!」

 

 さあ、俺の雄弁にひれ伏すがいい!

 

「なんだコイツら‼︎頭のネジが外れてるんじゃないのか!」

「観察処分者と3浪アル中は一味違うな!」

 

 効果てきめん‼︎相手も動揺してるぜ!さて、一気に攻めるぞ!

 

「明久、お前は右だ!俺は左をやる!」

「OK龍之介!とりゃ‼︎」

「「クソが‼︎」」

 

 こうして俺たちはあっという間に島田を救出した。やったね!

 

「アキ、鷹狩?何か言い残すことはある?」

「美波はなんで捕まってたの?」

「アンタたちが怪我したって聞いたから保健室に行ったのよ…。」

 

 なるほどね〜。

 

「龍之介、これは偽物の美波だ!本物はこんなに優しくない!」

「そうだな明久‼︎これは島田に変装したBクラスの奴だ!かかれ!」

「どうやら死にたいようね。ねえ瑞希、鷹狩がさっき風俗巡りのおかげで16・17の女には興味がないって言ってたよ〜。」

 

 なんだと?島田だけなら2vs1で対処できるのに、姫路がいたら……。いやいや、これは島田の脅し……

 

「廊下でそんなふしだらな発言をする人を放ってはおけませんね。お仕置きが必要なようですね!」

「明久、逃げるぞ!」

「分かったよ龍之介‼︎」

「ちょっと待ちなさい!」

 

 姫路は幸い足が遅い!ならここまでは追って来れないはずだ!島田も足が速いとはいえ男子並みではない!だから俺と明久は余裕で投げ切れたんだよね〜。ざまあみやがれ!

 

 

 

 

  side 明久

 

 なんとか龍之介と一緒に美波と姫路さんから逃げ切れた!なんか美波だけじゃなくて最近姫路さんも怖いよね!今はほとんどが龍之介に向いてるけど、たまに僕にも向いてくるから怖いんだよね!

 

 さて、教室まで逃げ切った……ぞ?

 

「ねえ龍之介!教室がボロボロなんだけど!」

「明久、それは根本のせいだ!」

「あの外道のこと?」

「その通り!アイツは今Bクラス代表だからな!」

「それは厄介な戦いになりそうだね…。」

 

 ちゃぶ台やシャーペン、鉛筆の破壊…。教室が誰もいないタイミングで補給試験の邪魔をしてくるなんて……。って誰もいない?

 

「ねえ龍之介、雄二達は?」

「確かに。アイツは今……」

「すまん。今戻った。」

 

 わお!急に後ろから雄二が出てきてびっくりした!

 

「なにしてたの?」

「協定を結んでた。午後4時までに決着がつかなかったら明日の午前9時に持ち越し。その間は試召戦争に関わる一切の行為を禁止するってな。」

「それを承諾したんだね。」

「ああ。エースの姫路が体力が劣る以上、俺たちにとっては時間を開けて休んだ方が有利だからな。」

「なるほどね〜。まあそんなことを言ってるうちにもう4時だね。」

「確かにな。」

 

 よし、これで今日のやることは完了したね。そんなことを思ってると龍之介が口を開いた。

 

「でも根本がそんな協定結んでくるなんてなんか変だよな〜。裏がありそうだな!」

「まあ確かにな。何かはしてくるはずだ。」

 

 そんなことを話してるとスパイのムッツリーニが戻ってきた。

 

「………Cクラスで試召戦争を始めようという動きが出てる。」

「そうなるとAクラスと?」

「いいや違うな。俺たちとBクラス戦の漁夫の利を狙うつもりだろう。そうだな……。」

「じゃあ休戦協定結びに行っちゃう?」

 

 え?それってさっきの協定思いっきり破ってるよね?

 

「ちょっと龍之介!それはダメだよ!」

「落ち着いて聞いて、明久。多分これは根本の陰謀だよ。」

「龍之介の言う通りだ。それに対する作戦も思いついた。今から龍之介、明久、爽の3人でCクラスに行って休戦協定を結んでこい。秀吉は予備の作戦で待機しておけ。」

「「「了解‼︎」」」

 

 なんか怖い気がするけどとりあえず行くか〜。

 

「安心して明久‼︎16・17歳が考える外道なことって俺からすればたがが知れてるよ!だからここは俺と爽に……」

 

 なんか龍之介が固まったんだけど?どうしたんだろう?

 

「あの野郎!人として踏み越えちゃいけないラインを超えやがった‼︎目にものを見せてやる‼︎生きて帰れると思うなよ‼︎」

 

 え?急に態度変わりすぎじゃない?さっきまで根本君のことなめてたくせに……

 

「ちょっと龍之介!大丈夫⁉︎」

「安心しろ明久。」

「どうやって安心するのさ、蕨屋敷君!」

「見ればわかる。あとよそよそしいから爽でいい。」

「分かったよ爽!」

 

 ということで蕨屋敷君改め爽と、なぜか暴走した龍之介と共にCクラスに向かった。

 

「ねえアキたち、お仕置きの……」

「島田!今は後にしろ!俺について来い!」

「わ、分かったよ……。」

 

 美波も合流したところでCクラスの教室に到着した。




 というわけでBクラス戦が始まりました!龍之介の腕輪の能力も判明しましたね。決してリアルではやらないでくださいね。

 さて、龍之介は果たして何に怒ってるのでしょうか?それは次回のお楽しみに。


 余談ですが龍之介はCV.宮野真守、爽はCV.中村悠一のイメージです。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第六問   Bクラス戦(中編)

バカテスト 音楽

問 次の問いに答えなさい。

『 ドイツの有名な作曲家として3大Bというのが挙げられますがそこに該当する人物を全員答えなさい。 』


島田美波の答え

『 バッハ ベートーベン ブラームス 』

教師のコメント

正解です。流石ドイツ育ちの島田さんですね。


土屋康太の答え

『 ボイン バスト ボンキュッボン 』

教師のコメント

君の好きな部位が分かりました。


蕨屋敷爽の答え

『 ばあちゃん ばあちゃんのばあちゃん ばあちゃんのばあちゃんのばあちゃん 』

教師のコメント

隔世遺伝が凄いですね。


  side 明久

 

 僕たちがCクラスにつくと、そこは大勢の人で賑わっていた。やっぱり試召戦争の準備をしてるみたい。

 

「すいませ〜ん。Cクラス代表はいますか〜。」

 

 すると奥から1人の女の子が出てきた。

 

「私だけど、何か用?」

「不可侵条約ってやつを結びにきました♪」

「交渉ねぇ……」

 

 何を悩んでるんだろう?

 

「どうしようかしらね、根本クン?」

 

 は⁉︎Bクラスの根本君がなんでCクラスにいるの⁉︎おかしいじゃん‼︎

 

「当然却下。だって必要ないだろう?酷いじゃないか、Fクラスの皆さん、協定を破るなんて。試召戦争に関する一切の行為を禁止したよな?」

「なんで君が………」

「おい根本‼︎」

 

 そうだ、龍之介は何故か根本君にキレてるんだった。

 

「お前は人としてやってはいけないことをやった‼︎俺はお前を絶対に許さない‼︎」

「先に協定を破ったのはそっちだろう?これはお互い様だよな‼︎」

「俺が言いたいのはそういうことじゃない‼︎この件の前に………」

 

 何が言いたいんだろう?確かにちゃぶ台やシャーペンを壊して妨害工作をしたのは許せないけど……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お前は俺の保冷バッグから俺のビールを取り出して外に置いた‼︎これは重大な犯罪だ‼︎せっかくキンキンに冷やしていたビールを外に出して温めただと⁉︎ふざけるのも大概にしろ‼︎そんなことしたら味が不味くなるだろうが‼︎」

 

 

 いやそれかよ。こんなクソしょーもないことでキレてたんだね。期待して損したよ…。

 

「それくらいで怒ることか?」

「当たり前だ‼︎お前はキンキンに冷えたビールの旨さとぬるくなったビールの不味さを知らないからそんな卑劣で汚いことが出来るんだ‼︎もう怒ったぞ‼︎それならこっちにも策がある‼︎」

「何をする気だ!」

「今から俺は試召戦争関係なくただ個人的にお前に怒りをぶつける‼︎目には目を、外道には外道を、だ!いけ爽!リアルゴムパチンコを使って根本のチ○コにパチンコ玉をぶつけろ‼︎」

 

 いやしょーもな。お前それでも20歳なの?本当に僕よりも3年長く生きてるのかな〜?

 

「心得た。」

「ちょっと待て!ふざけるな!先生、なんとかしてください!」

「試召戦争の件はともかく、人のビールを勝手に温めるはダメだよ思うよ、根本君。」

「ふざけるなぁぁぁぁ‼︎」

 

 下らないのはともかく教師を味方につけるって凄いね!これが大人の力か!見直したよ龍之介!さあ、この隙に退散だ!

 

「ぎゃぁぁぁぁぁ‼︎なんで全部命中するんだよぉぉぉぉ‼︎」

 

 なんか根本君が面白いことになってるしね♪

 

 

 

 

  side 龍之介

 

 全く!人のビールを勝手に温めるという大罪を犯しやがって‼︎絶対に許さねえ‼︎

 

「すまない龍之介。残弾が切れた。私は点数が少ないから戻る。後は貴様と島田でなんとかしてくれ。」

「ありがとう爽‼︎おい島田!爽が引いたら退散するぞ!」

「ウチさ、アンタのこと見捨てていい?」

「なんでなのさ!お前はドイツ育ちだろ‼︎ビールの温度についてくらい分かるはず‼︎」

「ドイツは16歳にならないと飲めないのよ!ウチは15歳の時に日本に来たからね。」

「じゃあ3・4年後に俺に会いに来い!お前にビールを教えてやる‼︎」

「わ、分かったわよ!」

「とにかく逃げるぜ‼︎」

「分かった!」

 

 さて、逃げるためには……そうだ、Dクラス戦の時に使った消化器があるじゃん♪島田が近くにいるから頼もう!

 

「島田、消化器を使え!視界を悪くしてその隙に逃げるよ!」

「分か………」

 

 ん?コイツは何を迷ってるんだ?

 

「使い方が分からないの?」

「それは分かるんだけど〜。う〜ん、どうしようかな〜?」

「迷ってないで早くしろ‼︎」

「鷹狩、アンタDクラス戦の時ウチに消化器使用の罪をなすりつけなかったっけ〜?」

「あっ……。」

 

 ヤベ……すっかり忘れてた……。

 

「じゃあとりあえずウチの望みを聞いて欲しいな〜。」

「わ、分かったよ!とりあえず聞くから!」

「じゃあウチはリュウって呼ぶから、アンタはウチのことを美波様って呼んで♪」

 

 あ、これ明久の時と同じ手口だ!でも逃げるためには乗るしかない!

 

「了解しました美波様‼︎」

「それで次は今度の休みにウチと映画館に行く‼︎」

「無理!その日は昼から飲み会……」

「……………」

「いや、飲み会断るとキャンセル料がかかるの!俺だけの問題じゃないの‼︎」

「じゃあその日の午前中‼︎」

「前日も飲み会だから二日酔いで………」

「は?」

「分かった、分かったから‼︎」

「じゃあ最後に…………」

「最後に?」

 

 何言う気かな?明久の時は呼び方変わったことしか知らないんだよね。

 

「ウチのこと愛してるって言ってみて?」

「ウチのことを愛してる‼︎」

「……ばか。」

 

 いやごめんね‼︎ちょっとその辺うかつに言いたくなかったから誤魔化したよ‼︎別に美波のことは嫌いじゃないし、いい友達だとは思ってるけど、流石にそれを言うには早いと思ったからね‼︎

 

 

 教室に戻ると姫路が出迎えてくれた。

 

「美波ちゃんに鷹狩君!無事だったんですね!」

「なんとかね!美波様のおかげで助かったよ!」

「様は冗談!美波だけでいいよ!」

「ガッテン承知の助!」

「2人とも随分仲良くなったんですね!」

 

 そう見える?確かに呼び方は変わったけど結局明久と同じになっただけだからね………ってそうだ‼︎

 

「美波が名前呼びになったから姫路も名前呼びにするよ!よろしく、瑞希!」

「へ、あ、よろしくお願いします、龍之介君!」

「へぇ〜。」

「だって2人は仲の良い友達なんだから親密度に差をつけるのはおかしいでしょ?」

「「なるほど……」」

 

 そう、さっき誤魔化した理由はこれ‼︎ごめんね、美波‼︎

 

 

 そんなことを思ってると雄二が口を開いた。

 

「お前ら、お疲れだった。」

「ありがとう雄二!まあ根本には個人的な恨みを晴らせたし良かったよ!」

「何があったんだ……。」

「だって酷いんだよアイツ‼︎俺の保冷バッグにあったビールを勝手に取り出して外に置いて温めたんだよ‼︎」

「いや未成年にそれ言うなや。それはともかくこうなったら以上Cクラスも敵だ。そこで明日の朝にとある作戦を実行するぞ。」

「とある作戦?なんだろね〜?」

「まあ見とけって。」

「了解!」

 

 そうしてその日は下校した。

 

 

 

 

 次の日、朝教室についてのんびりとウイスキーを飲んでると、なんと秀吉の生着替えが始まった‼︎

 

「ムッツリーニ!写真‼︎」

「………もう撮ってる!」

「明久、大丈夫か⁉︎」

「れ、劣情が‼︎」

「爽は………」

「来週に新台入替だと⁉︎これは行くしかない‼︎私の計算が正しければこれは学校よりも優先させるべきことだ‼︎」

「お主ら……、何をやっておるんじゃ……。」

 

 作戦はこうだ!まず秀吉に本校の女子の制服を着せる!次に髪型を双子の姉、木下優子と同じにする!そして最後に、木下優子を装ってAクラスの使者としてCクラスに喧嘩を売る!作戦は以上だ‼︎

 

 とりあえず女子の制服の秀吉があまりにも可愛いのでついていくことにした。

 

「ふぅ。あまり期待せんでくれのぅ。」

「大丈夫♪今の秀吉なら行けるよ!」

「とにかくやってみるぞい。」

 

 そうして秀吉がCクラスに入ると……

 

 

「静かにしなさい!この薄汚い豚ども!」

 

 うわぁ、ひでぇ。木下ごめんな。すかさず代表の小山が言葉を返す。

 

「何よあんた!」

「私はAクラスの木下優子よ!アンタたち臭い豚どもをしつけにきたのよ!」

「アンタ、点数がいいからって調子に乗ったんじゃないわよ!」

「私はねえ、こんな臭くて醜い教室と生徒たちが同じ校舎にいることが気に食わないの。アンタたちなんで豚小屋で十分よ!」

「なっ!言うに事欠いて、私達にはFクラスがお似合いですって⁉︎」

 

 別にFクラスとは言ってないでしょ!

 

「手が汚れるのが物凄く嫌だけど、近いうちに薄汚いアンタたちを相応しい教室に送ってあげるわ。覚悟してなさい。」

 

 これ後で秀吉は木下に怒られるんだろうな〜。

 

「Fクラスなんて相手にしてられないわ‼︎Aクラス戦の準備を始めるよ!」

「「「「オー‼︎」」」」

 

 作戦成功!Cクラスの敵意をAクラスに向けることが出来たぜ‼︎

 

「これで良かったかのう?」

「バッチリだよ!これでBクラス戦に集中できるな!」

 

 よし、後は教室に戻ってBクラス戦の準備だ!

 

 

 

 そしていよいよ戦争再開の時間だ!作戦は次の通り!Bクラスの教室にある2つのドアを、片方は俺の部隊、もう片方は瑞希の部隊で塞ぐ予定なんだが………

 

「あ………。」

 

 瑞希がおかしい。もう片方の部隊はアイツがリーダーなのに、全く喋らずに戦争に加わろうともしない。明久もそれに気づいていて、かなり困っている。

 

「おい瑞希!援護を頼む!」

「あ…そ…その!」

 

 なんかおかしいぞ。ってか瑞希側のドアが破られる!承認は古典の竹中先生か……。なら近づいて小声で………

 

「(先生。ヅラずれてますよ?)」

「しょ、少々席を外します‼︎」

「今のうちに瑞希側は態勢を立て直せ‼︎瑞希も指示出して!」

「あ、は、はい!その……、なんでもないです!」

「姫路さん大丈夫?」

「だ、大丈夫です!」

 

 やっぱりおかしい……。なら!

 

「瑞希!体調悪いなら教室で休んでて‼︎」

「で、でも……。」

「俺だって酔って吐いてDクラス戦一部サボったんだからそのくらいは気にするな!代わりに秀吉と明久が指揮を取って‼︎爽はキリが良くなったら瑞希がいた側のドアに回れ!」

「「了解‼︎」」

「心得た。」

 

 さて、瑞希なしでもやってやろうじゃない‼︎酒の力を見せてやる‼︎

 

 

 

  side 明久

 

 龍之介の機転で瑞希を下げたのはいいものの…結構厳しい。爽も来てくれたけど……ってあそこに見えるのは……、根本君の制服にあるあの手紙は……姫路さんのラブレターじゃん!

 

 なるほどね。昨日の協定の話を聞いた時からおかしいと思ってたんだ。あの時にはもう姫路さんを無力化する算段が立ってたわけだ。それならあの協定だってうなずける……。だとしたらやることは一つ‼︎

 

「僕は雄二のところへ行ってくる!みんなあとを頼んだ!」

 

 あの野郎、ブチ殺してやる‼︎

 

 

 

 僕は教室に戻ると早速雄二と相談した。

 

「どうした明久。勝手に姫路を下げるなんて。」

「姫路さんは体調不良だ。だから下げた。」

「じゃあなんでお前は戻ってきた。何が目的だ?」

「根本君が着ている制服が欲しいんだ。」

 

 しまった!これじゃただの変態じゃん‼︎

 

「お前に何があったんだ……」

「え、えっと……。」

 

 どうしよう…。迂闊にラブレターのことは話せないし……。

 

「まあいい、勝利の暁にはそれぐらいなんとかしてやろう。」

 

 受け入れられたんだけど!

 

「で、それだけか?いつまで姫路を休ませるつもりだ。」

「ずっとだよ。この戦争が終わるまで。」

「理由は?」

「言えない。」

「どうしても外さなきゃ行けないのか?」

「うん……。」

 

 無理を言ってるのは分かってる…。龍之介と爽だけで持ち堪えるのにも限界がある…。それで負けたら雄二の責任問題にもなる…。こんな理由も話さない頼みを普通は受け入れたりはしないだろう…。でも!

 

「頼む雄二‼︎」

「条件がある。姫路がやる予定だった役割をお前がやるんだ。やり方は問わない。必ず成功させろ。」

「もちろんやってみせる‼︎絶対に成功させるよ‼︎」

「いい返事だ。」

 

 良かった!受け入れられた!でも……

 

「それで、僕は何をすればいいの?」

「タイミングを見計らって相手に攻撃を仕掛けろ。科目はなんでも構わない。」

「皆のフォローは?」

「ない。しかもBクラスの出入り口は今の状態のままだ。」

 

 場所的に常に一対一になる出入り口を抜けるためには圧倒的な個人の火力が必要だ。それこそ姫路さんのような……。

 

「もし失敗したら?」

「失敗するな。必ず成功させろ。」

 

 失敗はそのまま敗北ってことか…。どうする?どうやって目的を達成する?

 

「それじゃあうまくやれよ。」

「どこか行くの?」

「Dクラスに『例の指示』を出してくる。」

「分かった。」

「明久……」

 

 雄二は何が言いたいんだろう?

 

「秀吉、ムッツリーニ、龍之介、爽のようにお前にも秀でている部分がある。だから俺はお前を信頼している。」

「雄二…。」

「うまくやれ。計画に変更はない。」

 

 僕の秀でている部分…。狭い場所じゃあ細かい動作なんて役に立たないし…。何か考えてくれそうな雄二はDクラスの教室に行っちゃったし……。ん?Dクラスの教室?確かBクラスの教室の隣だから……そうだ!それがあるじゃないか!他の人とは違う、僕だけの特別がもう一つだけあった……。痛そうだよなぁ……ってそんなことを思っている場合じゃない‼︎

 

「よっしゃ!あの外道に目に物を見せてやる‼︎みんな僕について来てくれ‼︎」

「アキ⁉︎ちょっとどうしたの!ていうか補給テストは?」

「中断!これからやるのは戦争の鍵を握る、大切な作戦だ‼︎」

「随分とマジな話みたいね。」

「うん。ここからは冗談抜きだ!これからやることといえば……」

 

 そうして僕は作戦の内容を美波達に話した。あとは爽を戦線から剥がして連れて行かないとね!

 

 根本君、首を洗って待ってろよ‼︎

 

 

 

  side 龍之介

 

 明久が教室に戻ったと思ったら瑞希以外の全員を連れて戻ってきやがった。しかも途中で爽も連れて行きやがった。

 

「明久、何してたんだ?」

「龍之介はここを頼む。僕はDクラスでやることがある。」

「室外機破壊か?」

「それは雄二がやった。僕がやるのはもっと大切なことだよ。」

 

 コイツの目は真剣だ。こう言う目をしてる時の明久は本当に何をしでかすか分からない。もちろんいい意味でな。

 

「頑張れよ‼︎俺はここをなんとかする‼︎」

「ありがとう、龍之介‼︎」

 

 アイツが何をするつもりなのか知らない……って根本の制服にあるあの手紙はなんだ?まさかあれが明久が前言ってた瑞希のラブレターか?なるほどね‼︎そりゃあ明久がこんなことをするわけだ‼︎分かったよ‼︎俺はお前のためにも、自分の役割を全うさせてもらうよ‼︎

 

 

「《酒鉄砲》‼︎」




 というわけで龍之介がキレた理由は、冷やしておいたビールを勝手に温められたから、でした。国によってはぬるいビールを飲むこともあるらしいですが、やっぱりビールはキンキンに冷えたやつが一番ですよね‼︎

 さて、次は明久の例のアレです。爽が追加されるとどうなるでしょうか。それは次回のお楽しみに。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第七問   Bクラス戦(後編)

バカテスト 物理

問 次の文の空欄を埋めなさい。

『光は粒子性と( )を持つ。』


姫路瑞希の答え

『 波動性 』

教師の答え

正解です。これは量子力学における不確定性原理などによって証明されます。


清水美春の答え

『 波平 』

教師の答え

昨日はサザエさんでも見てたのでしょうか?


蕨屋敷爽の答え

『 ハゲ 』

教師の答え

全国の髪の毛が乏しい方々に謝ってください。


鷹狩龍之介の答え

『 ウイスキーの熟成を妨げる特性 』

教師のコメント

先生もウイスキーは好きです。


  side 明久

 

 僕がDクラスの教室でやること。それは………

 

「美波!僕と召喚獣で勝負して欲しい‼︎」

「分かったわ、アキ!」

「えっと、2人とも、本当にやるんですか?」

「勿論です!」

「このバカとは一度決着をつけなきゃ行けなかったんです。」

「でもそれならDクラスでやらなくてもいいんじゃないですか?」

「仕方がないんです。このバカが観察処分者だからオンボロのFクラスじゃ教室が壊れちゃうんで。」

「もう一度考え直してみては……?」

「いえやります!彼女には日頃の礼をしないと気が済みません!」

「わかりました。お互いを知るための喧嘩も教育として重要かもしれませんね。」

「「試獣召喚《サモン》」」

 

 

 

英語

 

Fクラス 吉井明久 8点

      VS

Fクラス 島田美波 163点

 

 

 

 そして僕は美波の召喚獣に向かって走って行き………

 

「おりゃぁ!」 ドン‼︎

「甘いわね!」

 

 美波を通り過ぎて後ろの壁に攻撃した……。フィードバックで痛い……。でもやってやる!

 

「まだまだ‼︎」 ドン‼︎

「全然当たってないじゃない!」

「これでも……くらえ!」 ドンドン‼︎

「それくらい余裕よ‼︎」

 

 そして更には……

 

「先生、私の推測が正しければあそこに虫がいます。私のゴムパチンコで駆除してみせましょう!」 ヒューン ドン‼︎

「え、本当なんですか……」

 

 爽のパチンコ玉が僕が攻撃した場所に向かって放たれた。

 

「美波……よそ見を……するなぁ!」 ドンドン‼︎

「してないわよ‼︎」

「おかしいぞ。」 ヒューン ドン‼︎

「くた………ばれ……」 ドンドン‼︎

「ほら、ちゃんと狙いなさいよ!」

「クソ!私の計算が正しければこれで駆除できるはずなのに‼︎」 ヒューン ドン‼︎

「早く……決着を……」 ドンドンドン‼︎

「つけないとね‼︎」

「この虫、しつこいな‼︎」 ヒューン ドン‼︎

 

 まだまだ…。姫路さんが受けた痛みに比べればこんなもの……。

 

 

 

 

 

  side 龍之介

 

 なるほど!アイツのやりたいことが分かったよ。だったら俺は……

 

「あ!昨日チ○コにパチンコ玉食らってた可哀想な人じゃん♪おひさ〜♪」

「それはお前の仕業だろ‼︎あと負け組代表はそっちの坂本だと思うがな!頼みの姫路さんも調子が悪そうだしな〜。」

「お前ら相手じゃ俺だけで十分だぜ!」

 

 更には雄二も参加する。

 

「その通り。姫路はお前ら相手じゃ役不足だから休ませておいたぞ。」

「けっ!口だけは達者だな!負け組代表さんよ!」

「負け組?それがFクラスのことなら、もうすぐお前が負け組代表だな。」

「そのと〜り♪」 ドンドンドンドン‼︎‼︎

 

 あと少しだ!頑張れ明久!

 

「というかさっきからドンドンとうるせえなぁ。それにこの暑さはなんだ?エアコンきいてんのか?おいお前ら!暑いから窓を全部開けろ‼︎」

 

 よし、今がチャンス!

 

「雄二!」

「分かってる!態勢を立て直すから一旦下がれ!」

「なんだよ!散々からかっておきながら逃げるのかよ!全員で一気に畳み掛けろ!誰一人生きて帰すな!」

 

 こうしてBクラスの人を引きつけたところで………

 

「「あとは任せたぞ、明久‼︎」」

「うおりゃぁぁぁぁ‼︎」 ドガァァァン‼︎

 

 明久がBクラスとDクラスの間の壁を破壊した!全く、自分へのフィードバックも考えずにやるとか、大した野郎だぜ!

 

「な⁉︎壁ぶっ壊すとかどういう神経してんだ⁉︎」

「遠藤先生!Fクラス島田が……」

「Bクラス山本が受けます!」

「この私、Fクラス蕨屋敷が……」

「Bクラス吉河が受ける!」

 

 わお!近衛部隊に止められちゃった♪

 

「驚かせやがって!残念だったな‼︎お前らの奇襲は失敗だ!」

 

 残念なのはお前だ、根本‼︎近衛部隊を剥がされて丸裸になってしまったからな!

 

 

 さてここで教科の特性について振り返ってみよう。テストにおいては各教科の担当の先生によって結果に特徴が現れるんだよね〜。例えば数学の木内先生は採点が早い。世界史の田中先生は点数のつけ方が甘い。今いる英語の遠藤先生は多少のことは寛容で見逃してくれる。では保健体育はどうだろうか?

 

 保健体育は採点が早いわけでも甘いわけでもなく、召喚可能範囲が広いわけでもなければ御しやすい先生というわけでもない。では保健体育の特性は何か。それは教科担当が体育の教師であるがための………

 

 

 

 

 

 並外れた身体能力

 

 

 

 

「な⁉︎窓から教師ごと入ってきただと⁉︎ここは3階だぞ‼︎というかキサマは………」

「………Fクラス土屋康太。………Bクラス代表根本恭二に保健体育勝負を申し込む。」

「寡黙なる性識者《ムッツリーニ》‼︎」

「「試獣召喚《サモン》」」

 

 

 

保健体育

 

Fクラス 土屋康太 521点

      VS

Bクラス 根本恭二 268点

 

 

 終わりだな、根本‼︎

 

 

Fクラス 土屋康太 301点

      VS

Bクラス 根本恭二 0点

 

 

 

 さて、あそこでくたばってる明久に声かけてあげるか!

 

「いよぅ明久!なんともお前らしい作戦だったな‼︎」

「でしょ………もっと褒めて………」

「後先考えず自分を追い詰める男気あふれる素晴らしい作戦だったな!」

「それ………遠回しに………馬鹿って………言ってない?」

「………それが明久の強み!」

「流石アキね!」

「馬鹿が強み………なんて不名誉な………。」

「まあとりあえずそこで休んどけや!」

「ありがとう……。」

 

 さてと、戦後対談と行きますか!といっても俺じゃなくて雄二が担当なんだけどね!

 

 

「さて、それじゃあ嬉し恥ずかしの戦後対談といくか、負け組代表さんよ。」

「クソが‼︎」

「本来なら設備を明け渡してもらい、お前らに素敵なちゃぶ台をプレゼントするところだが、特別に免除してやらんでもない。」

「条件はなんだ?」

「Aクラスに試召戦争の準備が出来てると宣言してこい。ただし宣戦布告ではなく戦争の意志と準備があるとだけ言え。そうすれば今回は見逃してやる。」

「それだけでいいのか?」

「ああ。ただし………」

 

 まあそれだけじゃつまらないからね‼︎ここは追加の一撃として………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お前がこの女子の制服を着て今言った通りにしてくれたらな。」

 

 根本を女装させる!こうすれば仕返し兼瑞希のラブレター奪還ができるからね!

 

「ば、馬鹿なことを言うな!この俺がそんなふざけたことを!」

「Bクラス全員で必ず実行させよう!」

「任せて!必ずやるから!」

「それだけで教室を守れるならやらない手はないね!」

 

 草。コイツ今までどんなことをやってきたんだよ。クラス全員の反感買ってるじゃね〜か。

 

「それじゃあ決定だな。やれ、爽、ムッツリーニ、龍之介!」

「「はっ!」」

「心得た。」

 

 そして俺とムッツリーニで根本を固定して………

 

「おいお前ら、離せ!邪魔だ!」

「………離さない!」

「ビールのこと、まだ忘れてないからね♪」

「やめろぉぉぉぉ‼︎」

 

 そして爽が………

 

「おいそこの貴様、私のゴムパチンコを食らうが良い!」

「待て!まさかあれをする気か!やめろぉぉぉぉ‼︎」

「根本!ちゃんと男なら足を開かないとな‼︎」

「ぎゃぁぁぁぁぁぁ‼︎」 ガクッ……

 

 根本の股間に爽のリアルパチンコ玉がクリーンヒット‼︎しかも十連発‼︎そのおかげで根本が気絶したよ‼︎やったね‼︎

 

「それじゃあBクラス女子!着付けは頼んだよ‼︎どうせなら可愛くしてあげてね♪」

「それは無理♪土台が腐ってるから♪」

 

 草。酷い言いようだね。まあそれはさておき、明久を起こすとするか!  

 

「明久、起きて〜!やることあるんでしょ!」

「はっ、そうだった……ってなんで龍之介が知ってるの?」

「俺も見たから!」

「なるほどね〜。」

「じゃああとよろしく!」

「ほ〜い!」

 

 そう言って俺は教室を後にした。

 

「根本君の制服はゴミ箱に捨てちゃおう‼︎」

 

 途中明久が鬼畜なことやってるのが聞こえたけど気にしないでおこう。さてと、教室帰ってウイスキーでも飲みますか!

 

「おい待て龍之介。私は貴様にも用がある。」

 

 爽か。どうしたんだろう?

 

「何、爽?飲み会のこと?」

「違う。貴様はあの日私に毒を盛ったな。」

「へ?そんなこと俺がするわけ………」

「7日、私がスロットを打っていた日のことだ。私の計算が正しければあの日はもっと勝てるはずだった。しかし貴様はそれを妨害した。よって貴様は死に値する。」

 

 ヤベ……。なんでそれ覚えてるんだよ!

 

「いや待ってくれ‼︎それはお前が学校をサボるのが……」

「問答無用‼︎」

「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼︎」

 

 この野郎‼︎俺の股間にパチンコ玉当てやがって‼︎絶対あとでぶっ殺してやる‼︎

 

 

 

 

  side 明久

 

 廊下で年上組が喧嘩してるのを見たあと、僕は教室に戻ってラブレターを姫路さんの鞄に入れようとすると…

 

「吉井君!」

「なっ⁉︎姫路さん⁉︎え〜っといやこれはそのあの〜龍之介にいたずらを…」

 

 姫路さんが、だ、抱きついてきた⁉︎お、落ち着け、僕!

 

「あっ、ありがとうございます!私ずっとどうしていいかわかんなくて…」

「おっ、落ち着いて!泣かれると僕も困るし…」

「すっ、すいません…」

 

 姫路さん離れちゃった…。も、もう一度抱きついて欲しいな〜。

 

「も、もう一度…」

「はい?」

 

 ヤバい!声に出てた!えぇっと〜どうしよう…

 

「もう一度壁を壊したい‼︎」

 

 ってバカ!お前はどこのテロリストだよ!

 

「あの、さらに壊したら停学しちゃいますよ…」

「それはやだな〜。」

 

 うん分かってる。だからそんな気の毒そうな目で見ないで…

 

「あっ、あの…」

 

 まさか、僕に病院を紹介するつもり?

 

「手紙ありがとうございました!」

「別に?根本君の制服から手紙がたまたま出てきただけだよ…」

「それってウソ…ですよね?」

「いや、そんなことは…」

「やっぱり吉井君は優しいです…。振り分け試験のときだって、高熱で倒れた私のために先生とあんなに言い合いをしてくれたですし…」

 

 それは姫路さんが報われないのが嫌だからやっただけだし…

 

「それにこの戦争って私のためにやってくれてるんですよね?」

「え、いや、それは…」

「ごまかしてもダメですよ。だって私自己紹介の時に吉井君が鷹狩君と坂本君に相談しているのを見ちゃいましたから…」

 

 見られてたのか…

 

「吉井君は優しくて小学生の時から変わってなくって…」

「そっ、その手紙、うまくいくといいね!」

「あっはい!がんばります!」

 

 そういや姫路さんって誰のことが好きなんだろう…。雄二?それとも龍之介?というか最近龍之介と仲がいい気がするような……。まあいっか!

 

「で、いつ告白するの?」

「えっと…、全部が終わってから…」

「そっか。でもそれなら手紙より直接言ったほうがいいかもね。」

「そっそうですか?吉井君はその方が好きですか。」

「うん、僕は顔を合わせて貰うだけでも嬉しいよ。」

「本当ですか?今言ったこと忘れないでくださいね?」

「え?うん…」

 

 僕の気が変わらない限りは忘れないと思うけどね……

 

「それじゃあ、また明日会いましょうね!」

「うん!さようなら!」

 

 そうして姫路さんに別れを告げたあと、僕も家に帰ることにした。途中雄二と龍之介にいたずらしようと思ったけど、龍之介が暴走した昨日のことを思い出してやめといた。自分の股間にパチンコ玉ぶつけられるのは嫌だしね〜。

 

 

 

 

  side 龍之介

 

 十分な点数補給を終えて臨んだ次の週、俺たちはクラス全員でAクラス戦の作戦会議をしていた。ちなみに爽はこんな大切な日であるにもかかわらず、パチスロで新しい機種が入るからとか言って休みやがった。全く、頭のおかしな野郎だぜ‼︎あとでクラス全員でぶん殴ってやる‼︎

 

 あと、皆には言ってないけど雄二の一騎打ち作戦が不安だったから俺もこっそり別の作戦を立てておいたよ!披露するのはAクラスの教室に行ってからだけどね〜。

 

 そんなことを思ってると雄二が口を開いた。

 

「不可能だと言われていたにもかかわらず、ここまで来れたのは他でもない皆の協力があってのことだ。感謝している。」

「どうしたの雄二、らしくないよ?」

「明久の言う通り、自分でもそう思う。だがこれは偽らざる俺の気持ちだ。ここまで来た以上、絶対Aクラスにも勝ちたい‼︎勝って生き残るには勉強だけが全てじゃない現実を教師どもに突きつけるんだ‼︎」

「「「「おおー‼︎」」」」

 

 クラス全体が盛り上がる!まあいよいよラスボス戦だからね〜。どこぞのパチンカスでもない限り、こうなるのは普通だよね〜。

 

「皆ありがとう。そして残るAクラス戦だが、これは代表同士の一騎打ちで決着をつけようと思う。」

 

 前々から言ってたことだね。でも普通に考えたら勝てないよね。

 

「雄二、何か策あるんでしょ〜。それを俺たちに教えてくれよ!」

「分かった。では作戦を説明する。やることは召喚獣勝負じゃなくて純粋なテストの点数勝負だ。科目は日本史とする。」

 

 まあ確かに召喚獣勝負ってテストの代わりみたいなもんだからさ、これもありだけど!雄二が日本史得意って話も聞いたことがないし、そもそもそれで学年主席に勝てんのかな?

 

「ただし内容は限定する。レベルは小学生程度、方式は百点満点の上限ありだ。」

 

 なるほどね。確かに雄二は小学生の時神童って呼ばれてたからね。でもそれって満点前提のミスしたら負けな注意力勝負じゃない?

 

「なあ雄二、それだったら延長戦のあげくブランクのある雄二が負けない?」

「おいおい龍之介、あまり俺を舐めないでくれ。いくらなんでもそこまで運に頼り切ったやり方を作戦と言うものか。」

「じゃあどうするのさ。」

「俺がこのやり方をとった理由は一つ。ある問題が出れば翔子は確実に間違えるからだ。その問題は『大化の改新』。しかもそれの年号を問う問題だ。」

 

 なるほどね〜。確か霧島って一度覚えたことは忘れないチート持ちらしいからね〜。噂だけど。それにしても意外なところに霧島の弱点があるもんだね〜。

 

「俺はそれを利用してアイツに勝つ。皆、ここは俺に任せてくれ‼︎そうしたら皆にシステムデスクとリクライニングシートをプレゼントしてやろう‼︎」

「「「「「オー‼︎」」」」」

 

 盛り上がってるところ悪いんだけど、俺は昨日もっといい作戦を思いついちゃったんだよね‼︎皆に大人の力を見せてやる‼︎そんなことを思いながら俺は皆とAクラスの教室に向かった。




 ということでBクラス戦が終了です。そして次からはAクラス戦ですね。龍之介の作戦とは一体なんなのでしょうか。どうぞお楽しみに。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第八問   Aクラス戦(前編)

バカテスト 地理

問 次の問いに答えなさい。

『 日本で最も人口の多い都市雇用圏はどこでしょうか 』


姫路瑞希の答え

『 東京都市圏 』

教師のコメント

正解です。ちなみに世界で見ても1位です。


吉井明久の答え

『 大気圏 』

教師のコメント

大きすぎです。


蕨屋敷爽の答え

『 秋葉原 』

教師のコメント

小さすぎです。


鷹狩龍之介の答え

『 歌舞伎町を含む東京都市圏 』

教師のコメント

一応正解ですがなぜ歌舞伎町を含むと書いたのでしょうか。


  side 明久

 

 僕たちがAクラスの教室に着くと、一人の女の子が出迎えてくれた。

 

「いらっしゃい、Fクラスの皆さん。何か用かしら?」

 

 この子は優等生で有名な木下優子さん!秀吉の双子の姉なだけあって結構可愛い‼︎

 

 それはさておき雄二が言葉を返した。

 

「俺たちFクラスは試召戦争としてAクラス代表に一騎打ちを申し込みに来た。」

「う〜んなるほどね〜。それで、何が狙いなの?」

「もちろん……」

「ちょっと待ってくれ雄二‼︎俺はそれより楽な方法を思いついたんだよね〜‼︎」

 

 雄二の言葉を遮ってまさかの龍之介が出てきた。コイツは一体何をするつもりなんだろう?

 

「なんだ龍之介、言ってみろ。」

「まあ任せとけって!お前たちには一切危害を加えないさ‼︎大人の力を見せてやる‼︎」

「それじゃあとりあえずやってみてくれ。」

「分かったぜ!」

 

 そうして龍之介は木下さんの前に行き……

 

「秀吉のお姉さん、だったっけか。」

「そういう貴方は鷹狩鳳之介のお兄さんだよね?」

 

 そういえばAクラスには龍之介の弟がいるんだっけか。年はたしか龍之介の3つ下だから僕たちと同い年らしい、って普通そうか。なんか年の離れた兄弟が同じ学年にいるって奇妙だよね〜。しかも龍之介と仲良い僕にとっては鳳之介君は友達の弟だから僕より年下って認識しちゃうんだよね。本当は同い年なんだけどね。

 

「まあそんなところさ。さて、お前に提案がある。」

「何かしら?」

 

 一体何をするつもりなんだろう……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここに俺が麻雀で稼いだ10万円がある。もしAクラスがFクラスに負けてくれるのならば、俺はこの金をお前にプレゼントしよう!」

 

 

 汚い‼︎賄賂を使うのかよ‼︎しかもその金の集め方も汚い‼︎確かに大人のやり方だけどさ〜。

 

「却下。」

「なんで⁉︎どうしてさ⁉︎お前は金が欲しくないのか⁉︎しかも10万円だぜ⁉︎」

「そんな汚い金を受け取れるわけないじゃない。」

「全く、これだから頭の固い優等生は……」

「はいはい。」

 

 いや、無理に決まってるでしょ。なに悔しがってるんだよ。

 

「クソ!万策尽きたか‼︎」

 

 しかもそれだけだったんかい‼︎本当にコイツってバカだよね〜。

 

「龍之介よ、姉上にその作戦は通用せん!代わりにワシが引き受けよう‼︎」

「秀吉!あとはお前に任せた‼︎」

 

 そうか、秀吉ならお姉さんを買収する方法を知ってるのか‼︎

 

「姉上!」

「何よ秀吉。ところでCクラスの小山さんって知ってる?」

「それは今ワシらがここに来るためにやったことなのじゃ。CクラスにBクラス戦の漁夫の利を狙われたらたまったもんじゃないからのぅ。」

「なるほど、あれってそういうことだったのね。分かったわ。」

 

 え?あの件をそんな簡単に済ませてくれるんだ!流石本物の優等生は格が違うね‼︎どこぞの勉強ができるだけのアル中とは大違いだ‼︎

 

「それで姉上よ。」

「何?別に怒らないわよ?」

 

 さあ、秀吉はどう出るかな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここにワシの金がある。もしAクラスがFクラスに負けれくれるのならば、ワシはこの金で姉上の大好物のBL本を10冊買ってきてあげるのじゃ‼︎」

 

 

 ちょっと秀吉!それじゃあ龍之介と一緒じゃん‼︎あと木下さんって腐女子なんだね。

 

「え、本当⁉︎それいいの〜⁉︎」

 

 嘘でしょ⁉︎現金がダメでBL本はOKなの⁉︎しかも尻尾振ってる犬みたいにはしゃいでいるし…。どういう感性してるのこの人⁉︎

 

「ああ、いいぞい!」

「やった〜♪と言いたいところだけど、アタシだけを買収しても無駄よ!なんせこれはクラスの問題だからね!残念だったわね‼︎」 ドヤァ!

 

 逆に木下さんだけだっだら買収出来るんだね〜。あとドヤ顔がけっこう可愛い!

 

「意外とチョロいしバカだなコイツ……。」

「ちょっと鷹狩兄、うるさい!」

「姉上の優等生はただの外面じゃ。家ではこんな感じじゃぞ。」

「秀吉も余計なこと言わないで!」

 

 ごめん、僕も龍之介と同じこと思っちゃったよ。あと木下さんは優等生を演じていただけなのね。

 

「まあとにかく、Fクラスの要求は一騎打ちってわけね。でもいくら代表が強いとはいえ、わざわざリスクを犯す必要はないわね。」

「賢明だな。ところで、Bクラスとやり合う気はあるか?」

「Bクラスって昨日来たあの女装趣味の……」

「あぁ、アレが代表をやってるクラスだ。幸い宣戦布告はまだのようだがさてどうなることやら…。」

「でもBクラスはFクラスと戦争したから三ヶ月経たないと試召戦争出来ないはずだよね〜?」

 

 まあ確かにね。普通だったらそうだね。でも……

 

「実情はどうあれ対外的にあの戦争は『和平交渉にて終結』ってなってるんだ。規約的には何の問題もない。BクラスだけじゃなくてDクラスもな。」

「要するに脅迫ね。」

「人聞きが悪いな。ただのお願いだよ。」

 

 いや、雄二のやってることは脅迫でしょ‼︎僕だって何回も被害に遭ってるんだからね!

 

「分かったわよ。ただしこっちからも提案があるわ。一騎打ちを一回じゃなくて五回やって三回勝った方が勝ちってことにしない?」

「なるほど、こっちから姫路が出てくる可能性を警戒してるのか。それについては安心して欲しい、なんせ俺が出る予定だからな。」

 

 なるほどね!姫路さんでも龍之介でもなくて雄二って言うことで安心させるわけだね!流石だね、雄二!

 

「それなら余計安心できないわね。だって坂本は代表の幼馴染みなんでしょ?何か代表の弱点でも知ってないとこんなこと申し込まないわよね?だから一騎打ち一回は却下ね。」

 

 す、凄いね…。そこまでお見通しなんだ…。まあ霧島さんと話してたりしてそうだから知っててもおかしくはないのか…。なんか頭がいいのか悪いのかよく分かんない人だね…。

 

「そうか、それならその条件をのんでもいい。」

「ホント?嬉しいな♪」

「ただし勝負の内容はこちらで決めさせてもらう。そのくらいのハンデはあってもいいはずだ。」

「う〜ん、どうしようか………」

「…受けてもいい。」

 

 わお!びっくりした!Aクラス代表、学年主席の霧島さんが急に出てきたよ!

 

「あれ?代表いいの?」

「…うん。…その代わり条件がある。」

「それはなんだ。」

「…負けたら何でも一つ、いや二つ言うことを聞く。」

 

 マズい!これは姫路さんの貞操と人生観の危機‼︎ど、ど、ど、どうしよう!これは!

 

「ムッツリーニ、撮影の準備を!」

「………もうやってる!」

「ちょっと龍之介、ムッツリーニ⁉︎二人とも負ける気満々じゃないか!」

「明久、俺は人生初の本物の百合をこの目で見てみたいのさ!20年生きてても見ることができなかったその景色を、ね!」

「なんかカッコよく言ってるけどそれただの変態だからね!」

 

 全く、こんな奴が兄にいる鳳之介君が可哀想だよ!僕もヤバイ姉がいるから尚更彼の気持ちが分かるよ!あとお願い事の二つ目って何をするつもりなんだろうね?

 

 そんなことを思っていると木下さんが会話を続けた。

 

「アンタたちが何を想像しているのかはさておき、ちょっと提案があるわ。」

「何だ?」

「勝負内容五回のうち二回はうちで決めさせて。三回はそっちにあげるから。」

 

 なるほどね。ここは姫路さんにそうだ……

 

「いいだろう。交渉成立だ。」

 

 ってちょっと雄二⁉︎

 

「雄二!まだ姫路さんが了承してないのにそんな勝手な‼︎」

「心配すんな。絶対に姫路には迷惑をかけない。」

「雄二……。」

 

 ここまで言うのなら信じてみるか……。

 

 そうしてクラスの中に入ると、龍之介を幼くしたような男の子が出てきた。

 

「うわ、糞野郎じゃん‼︎テメェここに来るなよ‼︎帰れ‼︎」

「おいおい鳳之介よ、実の兄に対してその発言は酷くな〜い?もしかしてお酒が欲しいの?」

「要らねえよ!テメェみたいな遊び歩いて3浪した奴が同じ場所に同じ学年としているのがムカつくんだよ‼︎」

 

 分かる。実の兄がコレは本当にヤバいよね。しかも3つ上なのに遊んでたせいで自分の同級生になったとか最悪だよね。

 

「おい鳳之介!あれは人生経験だと何度も言ってるだろ!全くコレだから若者は……」

「その若者と同じ学年になってる奴が言えるセリフじゃねえだろ‼︎」

 

 ごもっともだね!そんなことを思ってると……

 

「鳳之介、ワシじゃよ〜♪」

 

 秀吉が鳳之介君のところに走っていったんだけど⁉︎どういうこと⁉︎

 

「ひ、秀吉///」

「2年になってからお主とあまり会えてなかったからのぅ♪」

「そ、そうだな///」

「今度一緒に遊びに行こうぞ‼︎」

「あ、ああ///」

 

 へえ〜。鳳之介君、そんなに秀吉に懐かれてるんだ〜。しかも照れちゃってさ。いいご身分だね!さっきまでの僕の同情を返してほしいな!

 

「おい明久。」

「何龍之介?」

「俺たちの秀吉に手ェ出したあの愚弟を始末しに行こうぜ。」

「ちょっと待ってよ龍之介、そういうのはクラス全員でやるもんでしょ?」

「そうだったな。須川会長、異端者鷹狩鳳之介を発見しました‼︎」

「報告感謝する、鷹狩会員。これより、異端審問会を始める。まずは罪人、鷹狩鳳之介を確保せよ‼︎」

「「「「「はっ‼︎」」」」」

 

 秀吉を誑かした罰を受けてもらうよ‼︎

 

「ちょっと何だよコイツら‼︎気持ち悪いんだよ‼︎」

「お主ら、やめるのじゃ!ワシの友を傷つけるでないぞ!」

「これで、異端審問会を閉廷する。」

 

 クソ!秀吉にそう言われちゃ裁けないじゃんか!

 

「ひ、秀吉///」

「あやつらは気にするでないぞ、鳳之介!それじゃあワシはクラスのところに戻るからの。」

「あ、ああ///」

 

 あとで覚えてろよ……ってそうだ!秀吉に関係を聞いておこう!と思ったけど先に龍之介に聞かれた。

 

「秀吉、俺の弟とはどういう関係なの?」

「お主は3つ離れてるから知らんじゃろうが、あやつとワシは同じ師走中学だったのじゃ。それでその頃からの友達じゃよ♪」

「マジか、俺秀吉と同じ中学だったのか…。」

「そうじゃよ!」

 

 確かに同じ中学でも3年離れてると被ってないよね〜。だから龍之介も知らなかったんだね。ということは龍之介、鳳之介君、爽、秀吉、木下さんの5人は同じ中学なんだね〜。なんか不思議なメンツだね〜。

 

 そんなことを思ってると承認担当の高橋主任が入ってきて、遂にAクラス戦が始まった。

 

 

 

 

 

 

ーーーーー先鋒戦ーーーーー

 

「では先鋒の人、前にお願いします。」

「Fクラスからはこの俺が出ます!」

「Aクラスからはアタシが出るわ!」

 

 ということで龍之介と木下さんの対決だ!龍之介の実力なら勝てるかもね!

 

「いよぅ木下!さっきは俺の提案をよくも断ってくれたな!このおバカさんめ‼︎」

 

 なんか龍之介がめっちゃ煽ってるんだけど!作戦が通用しなかったのを根に持ちすぎでしょ!全くしょうもない男だね!

 

「う、うるさいわねアンタ!あんな提案をする方が悪いのよ!」

「大人の俺が教えてあげようか!本当の優等生って言うのはな〜、あの金をこっそり受け取って趣味のBL本購入に使う人のことを指すのさ!どうだ、これでまた賢くなっただろう!」

「なるほど、その手があった……ってそんなことをするわけないでしょ!さっきも言った通りこれはクラスの問題なんだからね!」

「よく言うよ!勝手にほとんど一人で決めたくせに〜w」

「あっ……皆ごめん……。」

「「「「「気にしてないよ〜」」」」」

 

 えげつないね〜。正直龍之介の方が敵に見えてきちゃったよ…。あと木下さんはクラスの人から結構慕われてるみたい。龍之介とは正反対だね。

 

「それにお前、さっきまで凄い自信たっぷりだったよね〜。適当な穴埋めで一騎打ち五回勝負のメンバーの下っぱに入れたのが随分と嬉しかったのかな?」

「ちょっと、一応アタシは自分の実力を……」

「自分びいきね〜。まあいいや!そんなエセ優等生にはこの俺が現実を教えてやるさ!科目は数学でお願いします‼︎」

「では承認します。」

「「試獣召喚《サモン》」」

 

 まあ龍之介はこの間数学で腕輪をゲットしてたからね!Aクラスの人たちに見せてやれ!お前の力を!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数学

 

Fクラス 鷹狩龍之介 438点

      VS

Aクラス 木下優子 1058点

 

 

 

「何か言い残すことはあるかしら?」

「すいませんでした‼︎」

 

 

 

Fクラス 鷹狩龍之介 0点

      VS

Aクラス 木下優子 815点

 

 

 

 あれだけ煽っておいてボロ負けなのかよ!まあ木下さんが強すぎたっていうのもあるけどね。

 

「すまぬ龍之介、姉上は数学と物理なら学年一位なのじゃ。」

「マジかよ〜⁉︎何、俺ただの恥ずかしい奴じゃん‼︎」

 

 やっと気づいたんだね!

 

「リュウ、気付くのが遅い‼︎」

「木下さんをあんなに煽っといてアレなのはちょっと酷いですね!」

「………雄二が呆れて何も言えなくなってる。」

「ちょっと皆、酷すぎるよ!もうちょっと俺を労って〜‼︎」

 

 そんな龍之介に僕からもちゃんと言ってあげないと!

 

「龍之介!」

「何、明久?」

「生き恥。」

「お前あとで殺すぞ。」

「やってみろよ。」

 

 さて、次は次鋒戦だ!




 ということで龍之介の弟、鳳之介(とりのすけ)が登場です!CV.は内田雄馬のイメージです。年は龍之介の3つ下で明久達と同じですね。また龍之介と違って常識人です。

 また秀吉Loveな男の子です。ただ明久×久保と同様、秀吉にその気がないのでBLのタグは入れません。よろしくお願いします。


 そして、次の話は次鋒戦からです。どうぞお楽しみに。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第九問   Aクラス戦(中編)

バカテスト 化学

問  次の問いに答えなさい。

『 化学反応そのものには直接関係ないが、化学反応を促進させる効果を持つ物質のことをなんと言うでしょう 』


霧島翔子の答え

『 触媒 』

教師のコメント

正解です。触媒は化学反応を引き起こすのに必要な活性化エネルギーを減少させる効果があります。


坂本雄二の答え

『 仲介人 』

教師のコメント

それだと逆に必要なエネルギーが増えてしまいそうですね。


蕨屋敷爽の答え

『 パチスロの演出 』

教師のコメント

何を促進させるつもりでしょうか。


鷹狩龍之介の答え

『 間男 』

教師のコメント

離婚を促進させるのである意味正解です。


  side 明久

 

 さて、次は次鋒戦だ!誰が出るのかな〜?

 

 

ーーーーー次鋒戦ーーーーー

 

「では次鋒の人、前にお願いします。」

「Aクラスからは僕が出るね。」

「何⁉︎学年次席の久保利光がもう出てくるだと⁉︎よし、ここは明久だ‼︎科目選択権はそっちに譲るぞ!」

「では総合科目でお願いします。」

 

 ちょっと待ってよ!僕が出るの⁉︎しかも総合科目で⁉︎

 

「雄二!僕じゃあ久保君は無理だよ!」

「大丈夫だ。俺はお前を信じている。」

「雄二!」

「俺も信頼してるよ、明久!」

「龍之介!」

 

 友達がこんなに信頼してくれてるんだ‼︎だったら!

 

「ふぅ…やれやれ、それは僕に本気を出せってことかい?」

「あぁ、もう隠さなくてもいいだろう。ここにいる全員にお前の本気を見せてやれ‼︎」

「なんだと明久!お前まさか、『アレ』を使うのか⁉︎」

「そうだよ雄二、龍之介!僕の本気を見せてやる!」

 

 Aクラスの人たちもざわつき始める。

 

「おい、吉井って実は凄いやつなのか?」

「いや、そんな話は聞いたことないが。」

「どうせいつものジョークだろ?」

 

 そして対戦相手の久保君まで……

 

「吉井君、君はまさか…⁉︎」

「久保君、どうやら気づいたみたいね!何を隠そう、僕は今まで全然本気なんて出しちゃあいない。」

「それじゃあ君は…‼︎」

「そうさ、君の想像通りだよ!今まで隠してきたけれど、実は僕………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「左利きなんだ!」

 

 

 

総合科目

 

Fクラス 吉井明久 137→0点

      VS

Aクラス 久保利光 7548点→7421点

 

 

 

「このバカ!テストの点数に利き腕は関係ないでしょうが‼︎」

「やっぱ無理じゃったか…。」

「………当然。」

「ちょっと待ってよ美波!フィードバックで痛いんだから殴るのは勘弁して‼︎あと秀吉とムッツリーニはもっと僕のことを慰めてよ!」

 

 お、龍之介が近づいてきたぞ!僕を労ってくれるのかな?

 

「明久!」

「何、龍之介?」

「生き恥。」

「お前あとで殺す!」

「お互い様だ‼︎」

 

 クソ!これじゃあ龍之介と一緒じゃん!そうだ、雄二なら……

 

「よし皆、勝負はここからだ!」

「ちょっと待ってよ雄二!僕を全然信頼してなかったでしょ‼︎」

「信頼、何それ食えんの?」

「明久、可哀想に〜♪」

「龍之介、お前は信頼していた分もっと最悪だ。もし俺たちが負けたら戦犯にするぞ。」

「すいませんでした‼︎」

 

 龍之介の方が可哀想だね〜。まあとりあえず、気を取り直して中堅戦だ‼︎

 

 

 

 

ーーーーー中堅戦ーーーーー

 

「では中堅の人、前にお願いします。」

「………Fクラス土屋康太。………よろしく。」

「Aクラスからはこのボクが出るよ〜。」

 

 ショートヘアーのボクっ子ね。結構クセの強そうな女の子が出てきたね〜。

 

「科目は何にしますか?」

「………保健体育。」

「土屋君だっけ?随分と保健体育が得意みたいだね〜。でもボクだってかなり得意なんだよ?」

 

 まさかの伏兵!これはきついね……。

 

「………本当か?」

「うん!それもキミと違って、『実技』でね♪」

「………‼︎」

 

 保健体育の実技が得意だって⁉︎興奮しちゃう……ってそんな場合じゃない!早く鼻血を吹いて倒れたムッツリーニを助けないと!

 

「ムッツリーーーーニ‼︎」

「キミ、吉井君だっけ?」

「あ、はい!」

 

 ん?何を言うつもりなんだろう?

 

「キミが選手交代する?でも勉強苦手そうだよね〜。良かったらボクが教えてあげようか?もちろん、『実技』でね!」

 

 きた!願ってもないチャンスだ‼︎

 

「はい、是非おねが………」

「アキにはそんな機会来ないから保健体育の勉強は要らないわ!」

「そうです!永遠に必要ありません!」

「よ、吉井君にはまだ早すぎるよ!」

 

 ちょっと!姫路さんも美波も酷いよ‼︎あとなんで久保君が出てきたの⁉︎訳がわからないよ‼︎

 

 そういえばさっきから龍之介が大人しいような……って思ってたら当の本人が立ち上がって工藤さんのところに向かったぞ?

 

 

「キミがうちのクラスの鷹狩君のお兄さんだよね?もしかしてキミもボクに保健体育の実技を教わりたいの?」

「ごめんね工藤。俺が言いたいのはそういうことじゃないのさ。」

「じゃあ何カナ?」

「お前は保健体育の実技に関して確かな実力を持ってる。そんなお前には是非とも更なる高みへと登って欲しいんだよね。」

「褒めてくれてありがとう!それで、ボクはどうすればいいの?」

 

 龍之介は敵を褒めて何をするつもりなのかな〜?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここに俺が厳選した風俗の連絡先がある。どれもかなりの人気店だ。お前には是非ともここで風俗嬢として働いてもらいたいと考えている。そして保健体育の実技面で更なる高みへと登りつめて欲しい!」

 

 

 嘘でしょ⁉︎コイツ未成年の女子高生を風俗嬢にしようとしてるんだけど‼︎これが大人のやり方ってやつか……ってそれ犯罪だよ!

 

「えっと………」

「是非!風俗嬢はいいぞ‼︎お金もかなり稼げるし‼︎」

「う〜ん………」

 

 工藤さん困ってるじゃん!困り顔が可愛いからもっとやって………じゃなくてやめてあげなよ!

 

「こらリュウ‼︎未成年に何してんのよ‼︎」

「龍之介君、それは犯罪です!」

「ちょっと待ってよ2人ともぉぉぉぉぉ!美波は殴るのを、瑞希は引きずって引っ張って行こうとするのをやめてくれぇぇぇぇ‼︎」

「工藤、俺のクソ兄貴が迷惑をかけてごめんな。」

「ど〜も………」

「おい!誰がクソ兄貴だこの愚弟がぁぁぁぁ‼︎」

「瑞希!コイツを縛って窓から捨てるわよ!」

「分かりました、美波ちゃん!」

「分かるなぁぁぁ‼︎冗談だからぁぁぁ‼︎」

 

 龍之介が虐められてるのが面白いから良しとしよう!流石に犯罪者にはそれ相応の罰を与えないとね!

 

「ま、まあ、そろそろ始めよっか、ムッツリーニ君…。」

「………分かった。」

「「試獣召喚《サモン》」」

 

 

 

保健体育

 

Fクラス 土屋康太 678点

      VS

Aクラス 工藤愛子 521点

 

 

 

 おお!Bクラス戦のときより強くなってる‼︎流石ムッツリーニ‼︎

 

「………《加速》」

「負けないよ!《電斧霹雷》」

「………《加速終了》」

 

 

Fクラス 土屋康太 118点

      VS

Aクラス 工藤愛子 0点

 

 

 やった!これでやっと一勝だね‼︎

 

「そ、そんな…。このボクが……。」

「………でも凄かった。………これからもよろしく。」

「よ、よろしく!」

 

 どうやら保体コンビが意気投合したみたい。これは帰って異端審問会だね‼︎

 

 

 

  side 龍之介

 

 美波と瑞希に殺されるところだった……。危ねえ。

 

 さて、ムッツリーニも勝ったし、次は副将戦だ!ついにアイツの出番かな?

 

 

 

ーーーーー副将戦ーーーーー

 

「では副将の人、前にお願いします。」

「Fクラスからはこの私、姫路瑞希が出ます!」

「Aクラスの鷹狩鳳之介だ。よろしく。」

 

 やはり来たか、我が弟よ!

 

「ここが一番の心配どころだな。龍之介、お前の弟は確か学年3位だったよな?」

「まあね〜。瑞希とはほぼ互角と言ったところさ。だからどっちが勝つかは正直読めないね。」

「でもここで勝つしかないからな。」

「そうだね。」

 

 まあそれが不安だよね〜。果たしてどうなることやら…。

 

「科目はそちらが決めて下さって大丈夫です!」

「分かったよ。総合科目で。」

「「試獣召喚《サモン》」」

 

 

 

総合科目

 

 

Fクラス  姫路瑞希  7415点

       VS

Aクラス 鷹狩鳳之介  7048点

 

 

 

 うお!学年次席の久保利光にも並ぶ点数じゃん‼︎流石だね、瑞希!

 

「おい、お前いつの間にそんな点数取ってんだよ‼︎」

「私、このクラスの皆が好きなんです。人のために一生懸命なみんながいるFクラスが……。」

「Fクラスが好き?」

「はい!だから頑張れるんです!」

 

 瑞希もなかなかいいこと言ってくれるじゃん!

 

「ちなみにあのクソ兄貴は?」

「嫌いです!」

 

 前言撤回。コイツ一回ぶん殴ってやろうか。

 

「その気持ち、俺も分かるぞ。俺だってこのAクラスが好きだしクソ兄貴は嫌いだ。だからこれくらいの点差なんてひっくり返してやる‼︎」

「そうはさせません!」

 

 おい愚弟、家に帰ったら覚えてろよ。兄の怖さを教えてやる!

 

 

 

 

 

  side 姫路

 

 さっきはああ言いましたけど、龍之介君にだって良いところはありますし、正直好きになりつつあります。まあまだ明久君には及ばないんですけどね♪

 

 学年が上がった当初、私は正直このクラスに馴染めるか不安でした。明久君を含むFクラスの皆さんは私のことをお姫様みたいに扱ってくれて、私のためにとても頑張ってくれました。それが私は嬉しかったのですが、それと同時にクラスの人たちとの心の距離を感じていました。本当は私はお姫様なんかじゃないのに。鈍臭くて焼きもち焼きなのに…。

 

 でもそんな中で龍之介君だけは私のその一面を見抜いた上で、他のクラスメイトと同じように扱ってくれました。私はそれがとても嬉しかったんです!たまに雑すぎてイライラするときもありますけど、それでも変に神格化せずに同じ立場から話してくれるのがとても嬉しいんです!だから、明久君だけじゃなくてそんな龍之介君のためにも頑張りたいと思います!

 

 

 えっと、弟君の武器は……

 

「おら!当れよ!」 ヒュンヒュン

 

 雪玉です!なんか雪合戦してるみたいですね……ってほっこりしている場合じゃないです。相手は遠距離、ならば近づかないと話になりませんね!大剣で薙ぎ払いながら進みます!

 

「遅い‼︎」

「きゃ!」

 

 でも正直相性は悪いです!武器が大振りな分、薙ぎ払うのに時間がかかるため、距離を取られると厳しいです!だったら、ダメージ覚悟で近づくまで!そして召喚フィールドの端っこに追い詰めるのが良いでしょう!

 

「おいお前!防御はどうしたんだよ‼︎」

「こうでもしないと勝てそうにありませんからね‼︎」

「お、おい!捨て身覚悟かよ!」

「こうでもしないと近づけませんからね‼︎」

「く、後ろは行き止まりか!」

「そうみたいですね!」

「なら横に‼︎」

 

 横に行くなら、角に追い詰めるまでです!そうすれば私の《熱線》も当てやすいはずです!

 

 

Fクラス  姫路瑞希  4231点

       VS

Aクラス 鷹狩鳳之介  4310点

 

 

 

 

  side 鳳之介

 

 クソ‼︎Fクラスに負けてたまるか‼︎俺だってこのAクラスが大好きだ!コミュニケーションが苦手な俺でも馴染むことが出来た、このクラスがな‼︎

 

 あとは兄貴がいる前で恥ずかしい姿を見せたくないからな‼︎俺の兄貴は2人ともクズでろくでなしだから嫌いだけど、人と仲良くする能力についてはあの2人の方が上だ。特に龍之介兄貴の周りにはいつだって人がいた。よく一人で浮くことの多かった俺と違ってな。俺は兄貴のそういう面はとても尊敬していたし好きだった。

 

 それでいて嫌味ばっかり言ってくる弟、普通だったら口を聞かなくなるはずなのに、兄貴は普通に接してくれた。兄貴からすれば多分ただ平等に接しているだけだと思うけど、それでも俺はそれが嬉しかった。だからそんな兄貴に俺の全てを見せてやらねえとな‼︎

 

「そろそろ決着をつけてやる!」

「私もそのつもりです!」

「《大雪崩》‼︎」

「《熱線》‼︎」

 

 さて、俺は勝てたかな……?

 

 

Fクラス  姫路瑞希  45点

       VS

Aクラス 鷹狩鳳之介  0点

 

 

 クソ!勝てなかったか…。クラスメイトに申し訳ないな…。

 

「おつかれ鷹狩!とても良かったよ!」

「お兄さんにカッコいい姿見せられたんじゃないカナ?」

「いい試合だったよ!」

「…あとは私に任せて‼︎」

 

 こんな俺を慰めてくれるなんて……。やっぱり俺はこのAクラスが大好きだ!

 

「ありがとうみんな‼︎次までにもっと強くなるから期待してろよな‼︎」

 

 

 

  side 龍之介

 

 昔は恥ずかしがり屋でなかなか人と仲良くなれなかった鳳之介も、今やすっかりクラスの輪に入ったんだな。良かったぜ!そして瑞希。よく短期間でここまで成長したね。これじゃあ俺が追いつけなくなるじゃん!流石だよ!

 

「おつかれ2人とも‼︎とても良かったぜ‼︎」

「ありがとな、兄貴‼︎」

「龍之介君、ありがとうございます!」

 

 あんまり褒めてくれることがない2人が褒めてくれて、ちょっと照れるな〜。

 

「いや〜、これで2人とも俺のこと見直してくれた?」

「「いいえ。」」

「おいコラ‼︎ふざけんじゃねえよ‼︎もっと年上を敬ってくれよ〜。」

「「無理(ですね)。」」

 

 クソ!ちょっとは見直してくれたと思ったのに!全くこの2人と美波は本当に素直じゃないんだからね!

 

 

 それはさておき、いよいよ大将戦だ!頼んだぞ、雄二‼︎




 ということで次鋒戦、中堅戦、そして副将戦でした。鳳之介の腕輪の力は大量の雪を一気に積み上げて、相手に向かって雪崩を起こすという技です。また愛子の腕輪の力は筆者の前作「バカとテストと鬼滅の刃」からそのままとってます。電気属性を付与した斧を激しい雷鳴のように打ち下ろす攻撃です。

 そして次はいよいよ次で第一章は終わりです。お楽しみに。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第十問   Aクラス戦(後編)

バカテスト 英語

問 次の英文を日本語訳しなさい。

『This is bookshelf that my grandmother had used regularly.』


島田美波の答え

『 これは私の祖母が愛用していた本棚です。 』

教師のコメント

正解です。流石は帰国子女ですね。


土屋康太の答え

『 これは  』

教師のコメント

訳せたのはそこだけですか。


蕨屋敷爽の答え

『 本 』

教師のコメント

bookの部分しか訳せなかったんですね。


鷹狩龍之介の答え

『 これは私の祖母が愛用していた本棚です。ちなみに弟の本棚には秀吉との思い出の写真が置いてあります。 』

教師のコメント

正解ですが、弟の本棚の中身は聞いていません。


  side 龍之介

 

 いよいよ大将戦だ!頼んだぞ、雄二‼︎

 

 

ーーーーー大将戦ーーーーー

 

「では大将の人、前に出てきてください。」

「Fクラス代表、坂本雄二だ。」

「…Aクラス代表、霧島翔子です。」

「教科はどうしますか?」

「教科は日本史。内容と方式は小学生レベルで百点満点の上限有りだ。」

 

 前に作戦会議で言ってた内容だね。当然初めて聞くAクラスの人たちは動揺している。

 

「上限ありだって?」

「しかも小学生レベルって満点確実じゃないか。」

「注意力と集中力の勝負になるぞ。」

 

 それがそうはならないのさ!まあ大化の改新の問題が出るか出ないかという運要素はあるけどね〜。

 

「分かりました。そうなると問題を用意しなくてはいけませんね。筆記試験ですので視聴覚室で行うことにしましょう。」

 

 という訳で雄二と霧島が視聴覚室に向かおうとしていた。ここは声をかけてやるか!

 

「雄二、あとは任せた!」

「ありがとう、龍之介‼︎」

「僕からも頼んだよ!」

「ああ明久、頼まれた!」

「………ファイト‼︎」

「お前には随分と助けられたぞ、ムッツリーニ‼︎」

「坂本、期待してるわ!」

「島田、ありがとな!」

「坂本君、あのことを教えてくれてありがとうございました。」

「あああのことか、気にするな。あとは頑張れよ!」

「はいっ!」

 

 瑞希のあのことって多分明久絡みのことかな?

 

「雄二、ファイトじゃ!爽兄もパチスロを打ちながら応援しとるぞい‼︎」

「秀吉、やってやるさ!あと爽は明日会ったらお礼を言っとくか。」

 

 俺も秀吉に爽みたいに龍兄って呼ばれたいな〜。それはともかく、期待してるぞ、雄二‼︎あとはあの問題が出るのを祈るだけだ‼︎

 

 

『試験、始め。』

 

問1 次の()に正しい年号を入れなさい

 

()年   平城京に遷都する

()年   平安京に遷都する

     :

:

 

 

 

 

 

 

()年   大化の改新

 

 

 

「「「「「「よっしゃー!」」」」」」

 

 

 ついに手に入れたんだ!システムデスクにリクライニングシート、冷蔵庫に個人用エアコン、そして、このバカでかい豪華な部屋を‼︎これで冷蔵庫でお酒を冷やしながら飲めるぜ‼︎待ってろ、俺のアルコール・ハイスクールライフ‼︎

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日本史

 

Aクラス 霧島翔子 97点

      VS

Fクラス 坂本雄二 53点

 

 

 

「3対2でAクラスの勝利です。」

 

 

 

 システムデスクじゃなくてみかん箱デスクが手に入った。

 

 

「おい雄二‼︎なんだあのザマは‼︎俺なんかよりもよっぽど戦犯じゃね〜か‼︎」

「まさか思わぬ伏兵がいたとはな。」

「自分が伏兵になってどうすんだよ‼︎」

 

 明久に秀吉も文句を言う。

 

「だいたい53点ってなんだよ!0点なら名前の書き忘れとかを疑うけど、この点数だと何もないじゃないか!」

「明久の言う通り、いかにも俺の実力だ。」

「お主が油断したら意味ないじゃろ‼︎」

「言い訳はしねえ。」

 

 自分で立てた作戦の戦犯に自分がなってどうするのさ!全く……ってそうだ!約束の勝った方のなんでも言うことを二つ聞かなきゃいけないんだった!そうなったらまず一つ目は霧島の告白タイムだ!

 

「ムッツリーニ、写真‼︎」

「………準備OK!」

 

 そして霧島は瑞希に近づいて…………って通り過ぎて………?

 

「…雄二、約束、私と付き合って。」

 

 はい?どういうこと?

 

「やっぱりな…。お前まだ諦めてなかったのか。」

「…私は諦めない。…ずっと雄二のことが好き。」

「その話は何度も断っただろ?他の男と付き合う気はないのか?」

「…私には雄二しかいない。…他の人なんて興味ない。」

 

 ってことは瑞希を見てたのは雄二の近くにいる異性が気になってたからってことか…。クソ!それじゃあ俺が百合の花園を見れないじゃんか!

 

「拒否権は?」

「…ない。…約束だから、今からデートに行く。」

「ぐあっ‼︎離せ‼︎やっぱりこの約束はなかったことに…」

 

 ということで雄二が霧島に引きずられてどこかに行ってしまった。なんか付き合ってると言うより奴隷にされてるみたいだから面白いよね〜w。ざまあみやがれ、雄二‼︎

 

 

 さてと、二つ目………

 

「Fクラスの皆、お遊びの時間は終わりだ。」

 

 え?なんか鉄人が来たんだけど⁉︎まさか二つ目のお願いってこれ?

 

「鉄人先生、俺たちになんか用ですか〜?」

「ああ、今から『我が』Fクラスの補習について説明をしようと思ってな。」

「『我が』ってもしかして……」

「そうだ、俺が今日から担任だ。戦争に負けたから福原先生と交代することになってな。」

「「「「「なにぃ‼︎」」」」」

 

 ちょっと待ってよ‼︎鉄人が担任になるのかよ⁉︎ふざけんなよ‼︎

 

「確かにお前らはよくやったがいくら学力が全てだからといって人生を渡っていく上で強力な武器の一つなのに蔑ろにしてはいけない。」

「じゃあ成績のいい俺は関係ないですね〜。Aクラスに編入しま〜す♪」

「残念だな。吉井、坂本、鷹狩兄、蕨屋敷は特に念入りにFクラスで監視することになってるからな。なにせ開校以来初の観察処分者、A級戦犯、何度も学校で酔い潰れているアル中、そして学校をサボりまくるパチンカスだからな。」

「そうはいきませんよ、な、明久‼︎」

「龍之介の言う通り!なんとしても監視の目をかいくぐって今まで通りの楽しい学園生活を送ってみせますよ‼︎現に爽は今もなお楽しいパチスロ生活を送ってますしね!」

「お前たちには悔い改めるという発想はないのか。」

 

 ないね‼︎俺が酔い潰れるのはお酒がこの世に存在しているのが悪いんだからね‼︎決して俺が弱いからではない‼︎

 

「とりあえず明日から補習の時間を二時間設けてやろう‼︎」

「「なっ⁉︎」」

 

 クソ!でも今以上に勉強を頑張って試召戦争を起こし、鉄人から逃げてやるからな‼︎

 

 

 さてと、帰るか……。

 

「…言い忘れてたけど、二つ目の約束は優子に任せるよ。」

「え⁉︎アタシが⁉︎」

 

 一瞬戻ってきた霧島のおかげで思い出したけど、まだ守らなきゃいけない約束がもう一つあるんだった。さてと、木下は誰に告白をするんだろうか?

 

「え〜っと、AクラスとFクラスの不可侵条約ってのはどうかな?それも卒業するまで!あ、でもクラスの人と話し合って決めるからちょっと待っててね。」

 

 うぉ!まともそうなやつと見せかけてなかなかにエグいな‼︎てかこれじゃあ一生システムデスクは手に入らないじゃん‼︎3年Aクラスと試召戦争を起こせっていうの⁉︎このエセ優等生、意外とやるな!

 

 さて、クラスの人は………

 

「ねえ優子、そんなんでいいのカナ?」

「僕は今がチャンスだと思うんだけどね。」

「木下、言うならハッキリ言えよ。」

「ええ〜、でもそれは……」

 

 ってちょっと待った‼︎これより激しくするの⁉︎もしかして傀儡国家ならぬ傀儡クラスとか⁉︎それじゃあ卒業するまでずっとAクラスの奴隷じゃん‼︎こうしちゃいられない!

 

「秀吉!お前の姉だろ‼︎なんとか買収してこい‼︎」

「いや、大丈夫じゃと思うぞ。」

「大丈夫じゃないでしょ‼︎もういい‼︎俺がこの金で………」

「あの、ちょっといいかしら?」

 

 クソ‼︎木下が戻ってきたじゃんか!どうするんだよ!

 

「用件はなんだい?もし無理そうなやつだったら意地でも買収させてもらうよ。」

「あの、クラスに蕨屋敷爽って人いない?ここにはいないからもしかして今日は体調不良とかで休みなの?」

「いや、パチスロ打ってるだけ。」

「え〜っと、う〜んと……」

「優子、お願い事使って呼びつけちゃいなよ♪」

「ちょっと愛子⁉︎それは悪いって……」

 

 いや、学校サボってパチスロ打ってる奴を無理矢理学校に連れ戻すのはむしろいいことだと思うよ?よし、それじゃあそうと決まれば!

 

「俺たちがなんとしてでも引きずり戻してくるぜ!」

「え〜っと、それじゃあお願い事の2つ目はそれで…。場所は新校舎の屋上でお願いできる?」

「了解‼︎いくぞ明久、ムッツリーニ‼︎あのパチンカスを無理矢理連れて来ようぜ‼︎」

「「了解‼︎」」

 

 ということで俺、明久、ムッツリーニはスタンガンを持って今日新台が入ったらしい店に向かった。

 

 

 

 到着して店内を見渡すと、案の定爽がいた。

 

「いよぅ爽‼︎調子はどうだい!」

「なんだ龍之介。貴様はまた私に毒を盛るつもりか‼︎」

「違うよ!お前を無理矢理学校に連れ戻しにきたのさ‼︎」

「ふざけるのも大概にしろ‼︎この世のどこにパチスロより優先させていい学校があるんだ‼︎私の計算ではそんな学校は存在しない‼︎」

「いや〜そういうわけにもいかないんだよね〜。Aクラスとの試召戦争で負けちゃってさ、なんでも2つ言うことを聞く羽目になったの。んで、そのうちの一つがこれ。もう一つは雄二が霧島と付き合う、だったけどね。」

「私のいないところでそんな勝手な約束をするな‼︎」

 

 コイツマジでクズだな‼︎まあいい!とりあえず気絶だ‼︎

 

「おらよ‼︎」

「貴様………」 ビリビリビリ、バタン

 

 気絶成功!あとは外にいる明久とムッツリーニのとこに連れ出して……

 

「明久、ムッツリーニ‼︎爽を運んで〜‼︎俺は換金したあとすぐに向かうよ‼︎」

「「了解‼︎」」

 

 ということでなんとか爽を連れ戻す事が出来た。もちろんお金はちゃんと爽の財布に入れたからね!

 

 

 

 そして学校に戻って屋上に爽を置いた。そして木下と軽く喋った後、帰ったフリをしてこっそり陰から会話を聞くことにした。

 

「ん……ってここは学校じゃないか‼︎彼奴、またこの私のことを邪魔をしやがったな‼︎」

「ごめん爽兄、呼びつけたのはアタシなの……。だから鷹狩のことは悪く言わないで……。」

「優子、貴様の仕業か‼︎この私の崇高な新台を楽しむ時間を台無しにしやがって‼︎」

「ごめんなさい………。」

 

 コイツ……

 

「(おい明久、ムッツリーニ!あのクズを一発殴りに行こうぜ!)」

「(分かってるよ龍之介‼︎流石にあれはダメだ‼︎)」

「(………人として最低‼︎)」

 

 と3人で殴りかかろうとしたら……

 

「(いや、行かんで良い。じきに面白いものが見れるからのぅ。)」

 

 とまさかの秀吉の静止によってとどまることになった。面白いものって何だろう?告白しても多分アイツのことだから自分がパチスロをするための金を貢がない奴は却下とか言い始めるぞ。さて、何が見れるのか……

 

「あ、その、申し訳ない…。ついカッとなってしまった…。それで私に何の用だ?」

 

 あれ?意外にも素直に謝るんだ。今まで俺には図々しい態度しかしてこなかったくせに。

 

「えっと……あの……アタシは……爽兄のことずっとが好きなの‼︎だからアタシと付き合って下さい‼︎」

「却下。そもそも私が認めるのは年上か同級生で私のパチスロ用のお金を貢ぐ奴だとずっと言ってるはずだ。貴様はそもそも年下だろう。私と付き合うなどあり得ない。」

 

 まあ告白に関してはこうなるよな〜。ていうかこのパチンカスの事が好きって相当だぞ。木下ならもっと良い男と付き合えそうなのにね。

 

「あの……その……今年度から……同級生になったから……良いかなって思って……。」

 

 あ〜確かに。だから今なら告白しても付き合えるかもって思ったわけね。ていうかそれなら………

 

「(わざわざこんな回りくどい事をしなくても、霧島みたいに無理矢理付き合わせればいいのに〜。)」

「(龍之介の言う通りだね〜。木下さんってAクラス戦の交渉を見てる限り頭は回るはずだからそれも出来たはずなのにね。)」

「(………回り道すらしようとしなかったからな。)」

 

 確かに、クラスの人に煽られて爽呼び出しにしたわけで、本来だったら不可侵条約を結ぼうとしてたくらいだからな〜。本人としちゃあダメ元の告白なんだろうね。でもそれなら尚更無理矢理付き合わせた方がよかったのでは?

 

「でもやっぱり無理だよね!無理矢理連れ出しちゃってごめん‼︎爽兄はもうアタシのことなんて気にせず好きなように生きてね!」

 

 なんか可哀想だけど終了か………

 

「(いいや、本当に面白いのはここからじゃ‼︎)」

「(え?どういうこと?)」

 

 そして次の瞬間………

 

「え、いや、あの、その、やっぱり許可する‼︎私と貴様は同級生になったからな‼︎だから落ち込まないでくれ‼︎頼む‼︎」

 

 え⁉︎ちょっと待って⁉︎さっき断ったんじゃなかったの⁉︎断られた時の態度が可哀想だったからやっぱり認めたの⁉︎コイツこんなにお人好しだっけ⁉︎

 

「(秀吉!爽の人格がバグってるよ‼︎)」

「(壊れてないぞい!あやつは普段あんなじゃが結構優しい面もあるのじゃよ!)」

「(いや、流石にこんなになるとは思ってないよ!中学の時からは想像もつかないし‼︎)」

「(まああやつは特に姉上には弱いからのぅ。)」

「(なんで⁉︎)」

「(姉上がお人好し過ぎるからじゃ。自分に対して勝手に悪い噂つけたワシのことを許したり、素直にクラスのみんなに謝れたり、自分のことを無視してクラスのために約束を使おうとしたり、挙げ句の果てにはクラスの皆に後押しをされても強制的な告白にせず、お主の提案で連れ戻すだけにとどめたり、そしてそれを謝ったりするような女じゃ。優等生を演じてるのだって爽兄が金を貢いでくれる人が好きっていうセリフを鵜呑みにして将来金を稼ぐためにやり始めたことじゃ。そんな姉上の姿をずっと見てきたからこそ、姉上に落ち込まれるとあやつは申し訳なく思うのじゃ。)」

「(マジか…。じゃあCクラスにやったアレってマジで最悪じゃん…)」

「(じゃからあの件はワシが謝るつもりじゃ。渋ったのもそれが理由じゃ。)」

「(分かった。機会を見て全員で謝ろう。)」

 

 なんか微妙に頭いいのか悪いのか分からなかったのはこういうことだったんだね…。さて、当の2人はどうなったのかな?

 

「え?本当⁉︎いいの?」

「ああ。」

「やった〜♪ありがとう爽兄!これからもよろしくね♪」

「こちらこそよろしくお願いするぞ、優子よ。」

「わ〜いわ〜い‼︎今度どこか空いてる日があったらさ、一緒に二人でどこか行かない?」

「良いぞ。後で私の予定を送るからその時にでも。」

「よろしく〜♪」

 

 とまあ、秀吉にBL本購入の提案をされたとき以上のはしゃぎ方を木下はしていた。よっぽど爽と付き合えるのが嬉しいんだろうね〜。あと爽についてはきちんと異端審問にかけてやろう。普段学校をサボってるくせに彼女を作りやがって‼︎きちんと裁いてやるぞ‼︎

 

 そうして俺たちの試召戦争はしばらくの間休止となった。残念だけどしばらくの間は大人しく酒を飲むだけにするか〜。そう思いながら俺は帰路についた。




 ということで第一章が終了です。雄二×翔子と爽×優子のカップルが誕生しましたね。優子の性格が原作とは異なりますがお許しください。そしてタグにオリキャラ×優子を追加しておきました。

 さて、次の話からは清涼祭編です。どうぞお楽しみに。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第二章 清涼祭
第十一問  出し物決め


清涼祭 アンケート

 学園祭の出し物を決める為のアンケートにご協力下さい。

『 あなたが今欲しいものはなんですか? 』


姫路瑞希の回答

『 クラスメートとの思い出 』

教師のコメント

なるほど。お客さんとの思い出になるような、そういった出し物でも良いかもしれませんね。写真館とかも候補になり得ると覚えておきます。


蕨屋敷爽の回答

『 金 』

教師のコメント

蕨屋敷君は正直ですね。


吉井明久の回答

『 金(食費) 』

教師のコメント

お金の使い道まで決まっているんですね。


鷹狩龍之介の回答

『 金、酒、権力、運、女、永遠の命、自由、筋肉、武器 』

教師のコメント

欲張りすぎです。


  side 島田

 

 新緑が芽吹き始めたこの季節、ウチらの通う文月学園では、学園祭である『清涼祭』の準備をしていた。今ウチは瑞希と木下と一緒に他のクラスが何をやるのかを視察してるんだよ!

 

「ねえ2人とも、このクラスは焼きそば屋みたいだよ!」

「美味しそうですね!あ、こっちはクレープ屋さんみたいです!」

「試験召喚システムの展示をするところもあるみたいじゃのぅ。」

「ここはお化け屋敷みたいですね……。私は怖いのであまり行きたくないですが……。」

「う、ウチは平気よ!それよりこっちはリアル野球盤みたいよ!壁中に段ボールを貼って得点を書いてるみたい!凄く面白そう!」

「ゲーセンもありなのじゃな‼︎」

 

 色んな出し物があってとても楽しそう〜♪早くも2度目の清涼祭が楽しみだわ♪

 

「そういえば、そろそろクラスにも戻っていい頃合いかのぅ。」

「木下の言う通りね。ウチらのクラスはまだ出し物が決まってないからね。」

「なるべく長く視察するように言われましたけど、そろそろ戻って意見を言わないと間に合わなくなりますね。」

「そうだね!それじゃあ戻りますか!」

「了解じゃ!」

「分かりました!」

 

 そう言って3人で教室に戻るとFクラスのみんなは………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

野球拳をしていた。

 

 

 

 

 

  side 龍之介

 

 酒飲みながら野球拳やるのサイコ〜‼︎他の男子は酒飲めないけどノリノリで参加してくれるし、全くこのクラスは最高だぜ!

 

「おいおい龍之介!これで3人抜きじゃないか。」

「そういう雄二はまだ一回しか負けた事がないくせに‼︎全く、早く負けて俺のご立派様をお披露目したいぜ‼︎」

「よく言うよ龍之介!どうせお前のは爪楊枝くらいでしょ!」

「………そういう明久はもう脱ぐものがない。」

「何を言ってるのさムッツリーニ!僕にはこのヘアピンがあるからまだまだ大丈夫!さあ雄二!僕と勝負だ!」

「俺に勝てるとでも?」

 

 ちなみに爽は相変わらずパチスロを打ってるから休みだ。全く、ノリの悪い野郎だぜ‼︎

 

「さあさあ皆、俺にかかってこいや〜‼︎俺のパンツを最初に脱がす奴は誰だ〜⁉︎」

「「「「俺だ‼︎」」」」 

「よし、その意気だ!」 ガラガラ

 

 ん?教室のドアが開いたぞ?

 

「「「あっ………」」」

 

 女子3人衆が帰ってきちゃった!よし、ここは追い返してやる!

 

「おいおい女子3人衆‼︎視察の時間が短すぎないか⁉︎もっとちゃんと見てこいや‼︎」

 

 ん?瑞希が携帯を取り出したぞ………?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「西村先生、公然猥褻の現行犯を発見しました。速やかに来て下さい。」

 

 

 鉄人に通報されたので仕方なく服を着ることにした。あと瑞希!通報しておきながら明久の方に目線が行ってたのを俺はこの目で見たからな‼︎

 

 

 全員が服を着た後、雄二が口を開いた。

 

「さてそろそろ、清涼祭の出し物を決めなきゃいけない時期だが、とりあえず実行委員長として龍之介を任命する。龍之介、お前に全権を委ねるから後は任せた!」

「おい雄二!サボりたいからって逃げるんじゃねえ!」

「たまには違う奴が指揮を取るのもいいだろ。それにお前は雀荘、風俗、居酒屋など様々な店を渡り歩いてきたんだから俺よりも適任だと思うがな。」

「そうと言われちゃやるしかねえな‼︎」

 

 ということで俺が実行委員長になった。でも一人でやるのもめんどくさいから……

 

「じゃあ副委員長として雄二を指名する‼︎」

「リュウ、その事なんだけど、坂本はもうどっか行っちゃったわよ?」

 

 あのカス野郎‼︎面倒くさいからってサボるんじゃねえよ‼︎それじゃあ爽と同レベルだぞ‼︎まあいいや、今発言した美波にしよう。

 

「それじゃあ美波、君に決めた‼︎」

「ごめん、ウチは瑞希と召喚大会に出るからパスしていいかな?」

 

 召喚大会ね〜。確か2vs2でプチ試召戦争をやる奴だっけ。トーナメント方式で優勝者には如月グランドパークのプレミアムチケット2組と白金の腕輪が配られるらしい。正直彼女もいないし腕輪にも興味がないから俺は出ないんだよね〜。でもなんでこの2人は出るんだろう?

 

「2人はなんで出るの?自分たちの美貌を世間に拡散するため?」

「なわけないでしょ‼︎瑞希がお父さんを見返したいから出るんだって。」

「見返すって、何をどう?今更自分がモテることでもアピールしたいの?」

「龍之介君、その口を塞いであげましょうか?」

「おいおい、人聞きの悪いことを言わないでくれよ!で、何を見返すの?」

「私のお父さんが、みんなの事をFクラスだからって理由でバカにするんですよ⁉︎みんなの事を何も分かってないくせに‼︎許せません‼︎」

 

 いや、よく知ってる俺でもFクラスはバカの集まりだと思うよ。

 

「なるほどね〜。じゃあ2人はパスだね!そうなると………そうだ!候補を挙げよう‼︎皆その中から選んでくれ!」

 

 そう!俺が思い浮かべた名案とは………

 

 

 

 

候補① 吉井

候補② 明久

 

 

 

 

 これでどうだ!明久がめんどくさそうにしていたから押し付けてみたよ‼︎

 

「ちょっと龍之介!明らかに候補の挙げ方おかしくない⁉︎」

「え?ちゃんと俺なりに考えたんだけどな〜。みんなは何か意見ある?」

「どうしようかな〜。」

「どっちもクズには変わりないしな〜。」

「こらっ‼︎真面目に悩んでるフリをするんじゃない‼︎あと平然とクラスメイトをクズ呼ばわりする方が人間のクズだ‼︎」

「ほらほら明久、さっさと出てこいや‼︎」

「クソ!なんだかいつも僕は貧乏くじを引かされてる気がするよ〜。」

 

 というわけで明久を無理矢理副委員長にして事なきを得た。

 

 

 

「さて、これから出し物を決めるぞ〜!まずは委員長の俺が候補をいくつか挙げるからそれに倣ってみんなも挙げて欲しい!明久は書記を務めてくれ!」

「分かったよ…。」

「それじゃあ行くぜ!まずは居酒屋だ!」

「ちょっとリュウ!それはアウトでしょ!」

「それがそうでもないのさ!お酒を飲み物として出すだけなら、未成年に店員をやらせてもいいことに法律ではなっている‼︎というわけで明久、とりあえず書いてくれ!」

「ほ〜い。」

「そして次、雀荘だ!麻雀教室という体裁ならば風俗営業法にも引っかからない‼︎もちろんやるのはノーレートだけどね‼︎はい明久、書いといて‼︎」

「ほ〜い。」

 

 せっかく委員長になったんだし、自分がやりたいことも挙げておかなくちゃね‼︎

 

「それじゃあ他に意見のある人!はい、ムッツリーニ!」

「………写真館。」

 

 うわ〜。ムッツリーニが言うとすごく卑猥なイメージがあるね。

 

「明久、書いといて〜。」

「ほ〜い。」

「それじゃあ次、横溝‼︎」

「メイド喫茶………はもう目新しくないので、ウェディング喫茶はどうだろうか?」

「ウェディング喫茶?それってどういうやつか教えてくれ!」

「普通の喫茶店だけど、ウェイトレスがウェディングドレスを着ているんだ。」

 

 なるほどね〜。でもドレス3着とタキシード47着を調達するのが大変そうだね〜。クラスの人も色々言ってる。

 

「斬新ではあるな。」

「憧れる女子も多そうだ。」

「でもドレスだと動きにくくないか?」

「それに男は嫌がらないか?結婚は人生の墓場とかいうくらいだし…。」

 

 結婚は人生の墓場で思い出したんだけど、最近雄二が事あるごとに霧島に結婚させられそうになってるらしい。雄二本人は自由に生きたいとか言って逃げ回ってるのが凄く面白いよね〜w。面白いからネタにしてやろう!

 

「明久!とりあえず書いといて〜。」

「ほ〜い。」

「さて、次は………、須川!」

「俺は中華喫茶を提案する。」

「中華喫茶……チャイナドレスか!」

「いや違う。俺がやりたいのは本格的なウーロン茶と簡単な飲茶を出す店だ。イロモノ的な格好で稼ごうってわけじゃない。そもそも食の起源は中国にあると言われているように、中華料理ほど奥深いジャンルはない。近年ヨーロピアン文化による中華料理の淘汰が見られるが本来食というのは…………」

 

 いや長いよ‼︎明久パンクしちゃうじゃん!

 

「分かったよ須川!とりあえず明久、書いておいて!」

「ほ〜い。」

 

 さて、これくらいでいいか。そんな事を思っていると鉄人が入ってきた。

 

「クラスで公然猥褻をした奴がいると聞いたが、それは誰だ?」

「それは過去の事になりました!そんなどうでもいいことより清涼祭の出し物について話したいと思います!ちなみに今のところ候補はこんな感じです‼︎」

「補習の時間を倍にした方がいいかもしれんな。」

 

 ちょっと待ってよ!会話が成り立ってなくない⁉︎

 

「先生、言ってる意味が分かりません!」

「お前はその黒板を見て何も思わないのか?」

 

 そういえばずっと前向いてたから黒板を見てないんだよな〜。明久が落書きでもしたのかな?そう思って見てみると………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

① 居酒屋 『未成年』

② 雀荘  『風俗営業』

③ 写真館 『秘密の覗き部屋』

④ ウェディング喫茶『人生の墓場』

⑤ 中華喫茶『ヨーロピアン』

 

 

 

 

 

 信じられないものを見た。一体全体何をどう解釈したらこうなるんだ?まあこうしたのは俺の責任か…。

 

「鉄人先生、俺がバカな明久を選んだ事自体がバカな行動でした‼︎申し訳ありません‼︎」

「分かってくれて何よりだ、鷹狩。」

「ちょっと先生、酷いですよ‼︎あと龍之介は後でぶっ殺すよ?」

「酷いのはお前の頭だよ、明久‼︎」

 

 マジでコイツに書記を頼むんじゃなかった。秀吉の方が断然良かったよ……。

 それと、鉄人が何か言おうとしているぞ?

 

「全くお前たちは……。稼ぎを出して設備を向上させようとか全然思わないのか?」

 

 その手があったのかよ‼︎クラスもざわつき始めた。

 

「なにも試召戦争だけが設備向上のチャンスじゃないよな‼︎」

「いい加減この設備にも我慢の限界だ‼︎」

「み、皆さん!頑張りましょう‼︎」

 

 瑞希もいつも以上にやる気を見せている!クラスに馴染めて良かったね!それはそうと……

 

「やっぱり利潤が多い喫茶店の方がいいんじゃないか?」

「いや初期投資の少ない写真館の方が……」

「居酒屋って大人相手に稼げるんじゃないか?」

「けど写真館や居酒屋って営業停止処分を受ける可能性もあるよね?」

「鷹狩みたいに酒で暴れる奴がいたら困るしな……」

「中華喫茶ならハズレはないだろう。」

 

 なかなかまとまる気配がない。ちょっとここは強引にまとめることにするか!あとさらっと俺を罵倒した奴、後で出てこいや!

 

「へいへい皆、投票して……」

「お化け屋敷の方が受けると思う。」

「蕨屋敷が好きそうなパチンコ店を作るのはどうか?」

「焼きとうもろこしを作ろう!」

 

 クソ‼︎まとまんねぇ‼︎こういう時に雄二がいればいいけど、アイツは興味がない事には無関心だからな〜。もう無理矢理やるしかない!

 

「おらお前ら‼︎静かにしろ‼︎まとまりそうにないからこの中から決めさせてもらう‼︎一つだけ選んで挙手してくれ!」

 

 こうして俺が無理矢理まとめた結果………

 

「はい!Fクラスの出し物は中華喫茶で決定だ!全員ちゃんと協力してくれよ‼︎」

 

 中華喫茶をやる事になった。さらば、俺の居酒屋と雀荘経営の夢よ……。それはとにかく、次だ、次!

 

「それじゃあ次は担当を決めるよ!全体を厨房班とホール班に分けるぞ!それにあたって聞きたいんだけど、提案者の須川はウーロン茶と飲茶は作れるんだよね?」

「もちろん。」

「じゃあ厨房班のリーダーは須川で決定!あとは俺も居酒屋で何度かバイトしたことあるしお酒のおつまみを自分で作れるくらいだから厨房班に回らせてもらうよ!それと明久!お前も料理上手いから厨房班な!」

 

 何を隠そう、明久は料理がうまいんだよね〜。たまに明久の家で遊ぶんだけど、その時にお金を払って作ってもらうくらいだ。正直料理面では俺のライバルでもある。

 

「………俺も厨房班で。」

「ムッツリーニ、料理なんて出来んの?」

「………紳士の嗜み。」

 

 明久、そいつはチャイナドレス目当てで中華料理店でバイトしてるような奴だぞ。ムッツリーニのエロに対する姿勢をなめちゃあいけないね。

 

「それじゃあ私も厨房班に……」

「却下。女子はただでさえ少ないんだから全員ホールに回ってね。」

 

 瑞希、お前の料理でお客さんを殺すわけにはいかないんだ!

 

「龍之介の言う通りだよ!それだから姫路さんと秀吉の2人はホールにぃぃぃぃ‼︎」 ドォン‼︎

「ウチもホールにするわ。」

 

 明久はバカだな〜。美波にそんなこと言ったら怒られるに決まってるのに。

 

「ワシは男じゃ……」

「秀吉はホールにいるだけで集客効果があるんだからよろしく!」

「そう言われると嬉しいから困る///」

「そう照れられると可愛いから困る///」

「へ、変なことを言わないで欲しいのじゃ、龍之介‼︎」

「ごめんごめん!」

 

 あと今の姿を鳳之助が見たらきっと喜ぶんだろうな〜。

 

 

 そんな感じで担当が決まって行った。そうして会議も終わったので明久と一緒に帰ろうとすると………

 

「アキ、リュウ、ちょっといい?」

「お主らに用があるのじゃ。」

 

 美波と秀吉に呼び止められた。




 ということで清涼祭編の幕開けです!居酒屋に雀荘と龍之介らしいことをやろうとしましたが結局失敗に終わりました。まあ色々問題もありますし仕方ないですね。
 ちなみにリアル野球盤は僕が高校生の時に実際にやりました。教室の壁を全部段ボールで覆い、ボールが段ボールのどこに当たったかによって一塁打とかホームランとかを決めていました。かなり評判が良かったのは今でも覚えていますね。

 さて、次回は美波と秀吉の相談事についてです。どうぞお楽しみに。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第十二問  爽と雄二の参戦

バカテスト 保健体育

問 次の空欄を埋めなさい。

『 女性は(  )を迎えることで第二次性徴期になり、特有の体つきになり始める 』


鷹狩龍之介の答え

『 初潮 』

教師のコメント

正解です。


吉井明久の答え

『 試練 』

教師のコメント

随分と大変な話ですね。


土屋康太の答え

『 初潮と呼ばれる、生まれて初めての生理。医学用語では、生理のことを月経、初潮のことを初経という。初潮年齢は体重と密接な関係があり、体重が43kgに達するころに初潮をみるものが多い為、その訪れる年齢には個人差がある。日本では平均十二歳。また、体重の他にも初潮年齢は人種、気候、社会的環境、栄養状態などに影響される。 』

教師のコメント

詳しすぎです。


  side 龍之介

 

 俺と明久は帰ろうとすると、美波と秀吉に呼び止められた。

 

「「何か用?」」

「えっとあのね、坂本を呼び出せないかなって思ってさ。」

「どうして?」

 

 明久は疑問に思ってるけど、俺は思うところがあるから自分の意見を言っておこう。

 

「俺も美波に賛成だね〜。正直俺がまとめるのはきついからね。」

「龍之介については僕たちも手伝うから安心して!」

「いや、まあそれはそうなんだけど……。」

「ワシとしてもお願いがあってのぅ。」

 

 絶対訳ありでしょこれ。

 

「美波、秀吉!事情を全部説明してくれる?」

「分かったのじゃ。えっとまずは爽兄の件じゃな。あやつは清涼祭にそもそも参加する気がないのじゃ。」

「どうせまたパチスロでしょ?」

「その通りじゃ。でも姉上は爽兄に清涼祭の楽しみを知って欲しいと考えておるのじゃ。そしてパチスロ以外に何か楽しみを見つけて欲しいと常に願っておるのじゃ。」

 

 爽についてはどっちかっていうと本人っていうより木下の話だね。あといくらお人好しとはいえ、あのパチンカスをそこまで好きになるって普通だったら考えられないよね〜。過去に何かあったのかな?

 

「なるほどね〜。それで、美波の件は?」

「実は、瑞希が転校するかもしれないの。」

 

 こっちはまんま本人の話だね。せっかくクラスにも馴染めたのに、ここで転校したら可愛そうだよな〜。

 

「秀吉…、モヒカンになった僕でも好きでいてくれるかい?」

 

 明久は何の処理をしたらそうなるのさ。

 

「とにかく、明久がよく分かってないみたいだから瑞希の話を詳しく聞かせてくれない?転校理由とか。」

「えっと、転校理由は『Fクラスの環境』だね。」

「確かにこの環境じゃあ姫路さんは勉強しにくいよね…。」

「それだけじゃなくて学年3位の成績を持ちながら周りはバカだらけ、おまけに身体も弱いからこの教室で過ごすことは親にとっては不安材料でしかないよね〜。」

「アキとリュウの言う通りね。召喚大会で優勝してFクラスを見直してもらおうと思ってるけど、設備だけはどうにもならないわね…。」

 

 待てよ……?身体が弱い、学年3位ほどじゃないけど成績がいい、周りがバカで困ってる、これって……!

 

「おいおい、瑞希ってまんま俺と一緒じゃん‼︎それなのになんで俺の両親は心配してくれないんだよ!俺はこんなにか弱くて、しかも勉強も出来るのに!」

「リュウは単なる酒の飲み過ぎでしょ!」

「高校通えてるだけでも両親は喜んでるんじゃないかな?」

「お主は姫路と違って結構やらかしておるからのぅ。」

「ちょっとみんな酷いぜ!もっと俺のことも労ってくれよ‼︎」

 

 全く!全てはお酒が美味しすぎるのがいけないんだからね‼︎

 

「まあとにかく、瑞希に転校されるのは嫌だからね‼︎」

「もしそれが姫路さんじゃなくて美波や秀吉でも一緒だよ‼︎」

「そうだな!俺も美波や秀吉がいなくなるのは嫌だね‼︎もちろんムッツリーニもな!」

「そっか…。うん、アンタたちはそうだよね‼︎」

 

 ん?気のせいかな?若干一名足りなくない?ちなみに俺も雄二、明久、爽の三人は正直どうでもいいと思ってるけどさ。

 

「明久、俺の名前を呼んでない気がするんだけど?」

「龍之介こそ僕の名前を入れてなくない?」

「お前が俺の名前を入れてくれたら俺も入れてやるよ。」

「それは僕のセリフだね!」

「なんだと⁉︎」

「あぁ⁉︎」

「お主ら、喧嘩はやめるのじゃ!とにかくその2人を連れ出す方法を考えんと‼︎」

 

 秀吉にそう言われちゃあ止めるしかないよね!でも後で覚えてろよ、明久‼︎

 

「とにかく、あの2人を焚き付ける方法を考えないとね!」

「明久、そのことなんだけど、爽については俺に任せてくれ!秀吉、俺と作戦会議だ!」

「よく分かんないけど、分かったよ!雄二は僕が電話しておくね。」

「お主、何をするつもりなのじゃ?」

 

 そう、爽を呼び戻すための方法といえば………

 

 

『へい爽‼︎元気かい?』

『貴様か龍之介!今は貴様と話している場合ではないのだ‼︎私の計算が正しければこの店は間違いなく遠隔をしている‼︎今まで勝ってた私から取り返そうとしているのだ‼︎だから店員に抗議……』

『それは後にしてくれ!今お前に電話をしたい人が俺の隣にいるんだよ‼︎今から替わるから待ってて!』

『断る‼︎今はそんな場合では……』

 

 そして俺は秀吉と電話を替わり……

 

『爽兄ごめん、アタシからお願いがあるの……。』←優子(CV.秀吉)

『なんだ優子!手短に言え‼︎』

『あの、すごく申し訳ないんだけど…、アタシは爽兄が清涼祭でカッコよく活躍しているところを見てみたいなって……』

『私はそんなどうでもいいことよりもパチスロの方を優先させるつもりだ‼︎』

『あ、うん、やっぱりそうだよね…。ごめんね、せっかく大切な時に下らない連絡をしちゃって……。』

『え、あ、その、いや、やっぱりなんでもない!清涼祭には参加しよう‼︎』

『ホント?やった〜!嬉しいな〜♪それじゃあまたね!』

『ああ。』

 

 必殺・木下優子による泣き落とし!秀吉は長年妹として姉を見てきた分、完成度の高い演技ができるのだ!

 

「大成功じゃ♪姉上には後でワシが言っておこう!龍之介もありがとなのじゃ!」

「いえいえこちらこそ〜。流石秀吉、俺のお嫁さんだね!」

「ワシは男じゃ!」

 

 よし、あとは雄二だけだ!

 

「明久、雄二はどうだった?」

「えっと、『げ、翔子⁉︎』とか、『見つかっちまった』とか、『鞄を頼む』とか。」

「なにそれ?」

 

 美波はあまり知らないから疑問に思っても仕方ないよね。ここは俺が教えてやるか。

 

「それは単に雄二が霧島から逃げ回ってるだけだよ。アイツは霧島には滅法弱い上、霧島がしつこく追いかけ回してるからね!」

「じゃあ坂本と連絡を取るのは難しいわね。」

「いや、これはチャンスだ!」

 

 え?何がチャンスなのさ?

 

「雄二を喫茶店に引っ張り出すには丁度いい状況なんだよ。ちょっと三人とも協力してくれるかい?」

「それはいいけど、雄二の居場所は………ってもしや‼︎」

 

 俺の予想が正しければ、きっとあそこにいるはず‼︎

 

「お、龍之介も雄二の考えがわかったみたいだね!それじゃあ僕についてきて‼︎」

「分かった明久!」

「美波と秀吉には……………を頼んだ!」

「「了解‼︎」」

 

 そうして俺と明久は雄二の隠れ場所へと向かった。その場所とは………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 女子更衣室だ。

 

 

「「やあ雄二、奇遇だね!」」

「どういう偶然があったら女子更衣室で鉢合わせるのか教えてくれ。」

「やだな〜ただの偶然だよ〜。」

「俺と明久は男子と女子を間違えたのさ!」

「嘘をつけ!明久はともかくお前が間違えるわけないだろ‼︎」

「酔っちゃった♪」

「シバくぞ。」 ガチャ

 

 マズい!ドアが開いちゃった!ってあれは木下か!なんとか誤魔化さないと!

 

「あれ?Fクラスの問題児トリオ?ここ女子更衣室だよね?」

「やあ、木下優子さん、奇遇だね!」

「秀吉の姉さんか。奇遇じゃないか。」

「すごい偶然だね、木下‼︎」

「あ、うん、奇遇だね……。」

「「「あっはっはっ‼︎」」」

 

 さあ?いけたか?

 

「せんせ……」

 

 先生を呼ばれるのはマズい‼︎ここは俺が買収してやる!

 

「おい木下!話がある!」

「買収なら乗らないわよ?」

「爽のことなんだけど、俺と秀吉の協力でなんとか清涼祭に協力させることができた。一応秀吉の演技でお前が懇願したことになってるからそこんとこよろしく!」

「え、ホント?」

「うん!秀吉にでも聞けばいいよ!だから見逃して!」

「じゃあ見逃してあげるね!」

「「「ありがとう‼︎」」」

 

 こうして俺たちは木下の買収に成功し、なんとか脱出することができた。といっても話した内容は事実だから大丈夫だけどね!

 

「凄いな。あれが本物の大人の力か。」

「直前での爽とのやりとりを活かしたんだね。」

「そのと〜り♪これで2人も俺のこと見直した?」

「「ほんの少し。」」

「もっと見直せや!」

 

 全く、なんでこんなクズ共と友達やってるんだろう。類は友を呼ぶってやつかな?

 

 さてと、本題に入るか!

 

「明久、雄二に話したいことがあったんでしょ?」

「うん。雄二に朗報があってね!」

「嫌な報せだったら殺すぞ?」

「………こ、こちらの携帯電話をどうぞ!」

「全く、なんの真似だ?」

 

 明久のやつ、絶対何か企んでるな?まあさっき作戦を言ってたしな。俺はあまり聞いてなかったけどね。

 

『もしもし坂本?』

『なんだ島田か。一体何の真似だ?』

『ちょっと待って、今替わるから。』

『替わる?誰と……っておい!もしもし?』

 

 美波は誰と電話を交代したんだろう?

 

『…雄二、今どこ?』

『人違いです。』 プツッ

 

 凄い判断力だね!霧島の声が聞こえるや否やすぐに電話を切るってなかなか出来ることじゃないよ!

 

「コロス。」

「まあまあちょっと落ち着いてよ!お願いを聞いてくれたら悪いようにはしないからさ!」

「お願い?学園祭のことか?こんな回りくどいことしなくても、お前が『大好きな姫路さんのために頑張りたいんだ!協力してください!』って言えば面倒だが引き受けてやるというのに。」

「な⁉︎べ、別にそんなことは一言も…!」

「あ〜はいはい、話はわかった。仕方ないから協力してやるよ。」

 

 わお!これじゃあただの無駄足じゃん‼︎そんな簡単に済むんだったら最初から言ってよ!まあ何はともあれ雄二と爽が参加してくれ良かった!

 

「まあとにかく引き受けてくれてありがとう!」

「俺じゃなくて店長はお前がやってくれよな!」

「分かった分かった。それより島田と翔子は親しかったのか?」

「あ、それ俺も気になった!接点なかったよね、あの2人。」

「う〜ん、聞いても怒らない?」

「バーカ。どうせ引き受けたんだ。今更怒ってどうする。」

「よし、それじゃあ教えてあげよう!」

 

 待てよ……あの場にいたのは確か美波と………

 

「実は電話の向こうにいたのは霧島さんの声真似をした秀吉で……」

「目をつぶって歯を食いしばれ。」

「雄二の嘘つき!」

 

 そういうことかよ‼︎今日は秀吉が大活躍だね!

 

 

 そうして俺は2人と教室に戻って、美波たちと合流した。そのあと5人で話し合った結果、3つの問題点が浮上した。

 

 

 

1.学習環境に相応しくない貧相な設備→喫茶店の成功で解決可能

 

2.老朽化した教室→金額が莫大なため学校側の協力が不可欠

 

3.レベルの低いクラスメイト→姫路と美波ペアの召喚大会優勝で解決

 

 

 

 というわけで2の問題を解決するために、今から俺、雄二、明久の3人で学園長室に訴えに行くことになった。




 ということで爽と雄二を無事参戦させることが出来ました。そして次回はvsババアです。どうぞお楽しみに。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第十三問  学園長(ババア)

バカテスト 古典

問 次の問いに答えなさい。

『 古文における動詞の活用形を全て答えなさい。 』


鷹狩龍之介の答え

『 未然形 連用形 終止形 連体形 已然形 命令形 』

教師のコメント

正解です。古文における基本ですね。


島田美波の答え

『 現在形 過去形 過去分詞形 』

教師のコメント

それは英語です。


蕨屋敷爽の答え

『 V系 』

教師のコメント

それは音楽です。


坂本雄二の答え

『 処刑 』

教師のコメント

人を勝手に殺さないで下さい。


  side 龍之介

 

 学園長室に着いたとき、意外な人物がやってきた。

 

「あれ、アンタたちも学園長に用があるの?」

「その通〜り!」

 

 さっき女子更衣室にいたのを見逃してくれた木下だ。本日二度目の遭遇ってわけだね!

 

「アタシが後に着いたから、先いいよ〜。」

「サンキュー!」

 

 というわけで学園長室に先に入れてもらえることになった。さて、中で何か話してるぞ〜?

 

「……賞品の……として隠し……」

「……こそ……勝手に……如月グランドパークに……」

 

 ここは少し待つ……

 

「これはチャンスだな。中に学園長がいるなら話は早い。突入だ。」

「「雄二、マジかよ⁉︎」」

「坂本、それはダメでしょ……」

「失礼しま〜す!」

 

 ということで雄二の強引な行動のもと、俺たち3人は木下を置いて中に入ることになった。

 

「本当に失礼なガキどもだねえ。普通は入る前に返事を待つもんだよ。」

 

 と、かなりのゴミみたいな態度で接してきたのは学園長ことババア。ちなみに俺の実のばあちゃんとかいう訳じゃないよ!

 

「やれやれ、とんだ来客ですね。これでは話は続けられません。まさか学園長、貴女の差し金ですか?」

「馬鹿を言わないでおくれ。どうしてこのアタシが負い目があるわけでもないのにそんなセコい手を使わなきゃいけないのさ。」

「それはどうだか。学園長は隠し事がお得意のようですから。」

「さっきから言ってるように隠し事なんてないね。アンタの見当違いだよ。」

「そうですか。それではこの場ではそういう事にしておきましょう。では失礼させて頂きます。」

 

 そう言って失礼したのは教頭。こっちはジジイって呼ぶ程老けてないから呼び方に困るんだよね〜。ジジババコンビって名付けたいのに!まあそれはともかく、ババアと話をしに来たんだった!

 

「やぁやぁばあさん、久しぶりですね!酒の話でもしましょうか?」

「鷹狩の兄の方かい。アンタはまた懲りずに酒を持ってきてるそうだね。」

「当たり前ですよ!しかも俺はもう20歳なんで1年のときみたいに停学には出来ないですよ〜。」

「そりゃ困ったもんさね。アタシが校則を変えてやろうか。」

「それは酷いですよ!俺はただ飲み物を学校に持ってきてるだけなのに!それにちゃんと未成年には飲ませてませんから安心して下さい!」

「飲むのをやめる気はないんさね。」

「当たり前じゃないですか!これは成人の特権ですからね!」

 

 実は1年の時にまだ19歳なのにもかかわらず何回かお酒を飲んでたのがバレてその度に期限つき停学処分をくらってるんだよね〜。その度にババアとは何度か会ってるからこうして顔見知りになったのさ。

 

「龍之介、学園長と知り合いだったのか。」

「まあね〜。みんなも何度か停学になれば嫌でも顔を覚えるよ!」

「停学ってそう何度もなるものじゃないけどね……」

 

 逆になんでこの2人は停学になってないんだろう?俺は別に学校の物品を破壊するとかしてないのにね〜。ちょっと飲み物を間違っただけでアウトとか、全く酷い世の中だぜ!

 

「んでガキども。アンタらは何の用だい?」

「今日は学園長にお話があってきました。」

「アタシは今それどころじゃないんでね。学校の経営に関する事なら教頭の竹原に言いな。それとそっちの2人は面識もないんだしまずは名前を名乗るのが社会の礼儀ってモンだ。覚えておきな。」

 

 いやお前も大概だけどね〜。まあ俺は当てはまってないみたいだしいいか〜。

 

「失礼しました。俺はこのアル中と同じ2年Fクラス代表の坂本雄二、そしてこっちが同じクラスの2年を代表するバカです。」

「おい雄二!俺はアル中じゃないぞ!」

「あと僕の名前もちゃんと言ってよ!」

「ほう、そうかい。アンタ達がFクラスの坂本と吉井かい。」

「ちょっと待って学園長!僕はまだ名前を言ってませんよ!」

 

 バカで明久だと通じてるのが面白いよね〜w。さて、ババアはどうでるかな?

 

「気が変わったよ。話を聞いてやろうじゃないか。」

 

 どこをどう気が変わったら話を聞く気になったんだ?

 

「ありがとうございます。」

「礼なんか言う暇があったらさっさと話しな、このウスノロ。」

「分かりました。本日はFクラスの設備について改善を要求しにきました。」

「そうかい。それは暇そうで羨ましいことだね。」

 

 ババアの乱暴な言葉遣いは相変わらずだね〜。それにしても雄二がキレないって珍しいね〜。いつもだったらすぐにタメ口になってそうなのに。

 

「今のFクラスの教室はまるで学園長の脳味噌のように穴だらけで、隙間風が吹き込んでくるような酷い状態です。学園長のように戦国時代から生きながらえてる老いぼれならともかく、今の普通の高校生は健康に害を及ぼす可能性が高いと思われます。要するにボロい教室のせいで体を壊す生徒が出る前にさっさと直せクソババア、というわけです。」

 

 前言撤回。いつもの雄二じゃないか!さてと、ババアの反応は……

 

「……ちょうどいいタイミングさね……」

 

 どういうこと?タイミングとはなんぞや?

 

「よしよし、お前達の言いたいことはよく分かった。」

「え?それじゃあ直してもらえるんですね!」

「ばあさん、やっさし〜♪」

「却下だね。」

 

 ブチ殺すぞ。でも俺は大人だからキレないぜ!

 

「雄二、このババアをコンクリに詰めて捨てて来よう。」

「明久、もう少し態度には気を遣え。」

「そうだよ〜!ちゃんと礼儀を弁えなきゃ!」

「全くこのバカが失礼しました。どうか理由をお聞かせ願えますかババア。」

「全くですね、教えて下さい、ババア!」

「ダメだね〜2人とも!ここは俺が大人の対応を見せてやるよ!」

「「龍之介‼︎」」

 

 さて、俺は手元にあった水筒を取り出して……

 

「ばあさん、この2人がご迷惑をおかけしました!お詫びと言ってはなんですがこの水を飲みませんか?」

「感謝するよ、鷹狩。」

 

 そう言ってババアはおもむろにポケットからライターを取り出して俺が渡した水に火をつけた。

 

「ところで、なんでこの水に火がついたんだい?」

「可燃性の水です!」

「水と称して酒を渡してくる奴のクラスの設備を改善するとでも?」

「黙れババア。」

「結局お前も一緒じゃないか。」

「さすが龍之介だね!」

 

 クソ‼︎ババアに水と称してスピリタスを飲ませ、酔い潰す作戦が台無しになったじゃないか‼︎

 

「まあとにかく設備に差をつけるのはこの学園の教育方針だからね。ガタガタ抜かすんじゃないよ、なまっちょろいガキども。」

「それは困ります‼︎僕らはともかく身体の弱い子が……」

「といつもなら言ってるんだけどね。可愛い生徒の頼みだ。こちらの頼みも聞くなら相談に乗ってやろうじゃないか。」

 

 なんかなんとかなりそう。それと頼みってなんだろう?

 

「ばあさん、俺たちは何をすればいいんですか?」

「清涼祭で行われる召喚大会は知ってるかい?」

「ええ、まあ。」

「じゃあその優勝商品は知ってるかい?」

「白金の腕輪と如月グランドパークのプレオープンプレミアムペアチケット×2組、ですよね?」

「その通りだね。」

「それに何か問題でも?」

「このペアチケットの方に問題があってね。出来れば回収したいのさ。」

 

 腕輪じゃなくてペアチケットの方なんだね。開発した腕輪にバグがあったからとかなら分かるけどペアチケットにバグって意味分からないしね。それに……

 

「回収?それなら賞品に出さなければいいんじゃないっすか?」

「龍之介の言う通りですよね?わざわざ面倒なことをしなくてもいいと思いますが…。」

「けどね、教頭が進めた話とはいえ、如月グループとかわした正式な契約を今更覆すわけにはいかないんだよ。アタシが白金の腕輪の開発に手一杯だった上に最近になって悪い噂が出てきたのさ。」

 

 悪い噂?ペアチケットでやってきた人を捕獲して他国に奴隷として密売するとか?そんなんじゃない限り大したことにはならないと思うんだけど……。まあいいか、聞いてみよう。

 

「それで、その悪い噂ってのは何ですか?」

「如月グループは如月グランドパークに一つのジンクスを作ろうとしてるのさ。ここを訪れたカップルは幸せになるってね!」

「それのどこが悪い噂なんですか?良い話じゃないですか?」

 

 明久の言う通り、むしろ企業としては普通の話だよね〜。

 

「話は最後まで聞きな。それで如月グループはそのジンクスを作るためにプレミアムチケットを使ってやってきたカップルを結婚までコーディネートするつもりらしい。企業として多少強引な手を用いてもね。」

 

 な〜んだ、それくらい普通じゃ……

 

「な、なんだと〜⁉︎」

「「どうしたの、雄二⁉︎」」

 

 急に雄二が発狂した…ってあのことか!

 

「あ、なるほど!霧島雄二的には都合の悪い話だもんね〜w。」

「ぶっ殺すぞ龍之介!とにかくこれは大変なことなんだ‼︎どういうわけかうちの学園は美人揃いだし、試験召喚システムという話題性もたっぷりだからな!学生から結婚までいけば申し分ないし如月グループが目をつけるのも当然か‼︎」

「流石は神童と呼ばれていただけはあるね。頭の回転はまずまずじゃないか。」

 

 こんなことで頭を使っても無駄だと思うけどね〜。

 

「ねえ龍之介、雄二には何があったの?」

「明久、アイツは何故か霧島と結婚したくないらしい。だから今こうしてうろたえているんだよ。」

「へ〜。雄二もバカだね〜。霧島さんと結婚できるなんて凄く幸せなことなのにね〜。」

「そうだよな!」

「うるせえぞ2人とも‼︎」

「「ごめんなちゃい♪」」

 

 雄二にめちゃくちゃ強いイジリネタが出来て最高だよ‼︎あと明久、霧島と結婚出来ることを羨んだこと、美波と瑞希の前で暴露してやろっと!友達の面白いネタはとことん使う、それが俺のスタンスだからね!

 

「ま、そんなわけで本人の意思を無視して、うちの可愛い生徒の将来を決定しようって計画が気に入らないのさ。」

「なるほど、じゃあ俺たちが優勝してそれを手に入れるか、優勝者から譲ってもらうかすればいいんですね!」

「自力優勝だけ許可するよ。」

「クソが‼︎」

 

 明らかに譲ってもらった方が楽なんだけどね〜。曲がりなりにも教育機関だから正攻法を好むのかな?そんなことを思ってたらさっきまでバグっていた雄二が正気に戻って口を開いた。

 

「分かりました、その話を引き受けましょう。ただしこちらからも提案がある。対戦表が決まったらその科目の指定を俺にやらせてもらいたい。」

「ふん、点数の水増しとか言ったら一蹴しようと思ったけど、それくらいなら協力してやるよ。」

「ありがとうございます。」

 

 よし、提案が通った!あとは大会に出るのが2人だから……

 

「よし、そうと決まれば俺と雄二で参加しますね‼︎」

「申し訳ないが、吉井と坂本の2人でお願いするね。」

「は⁉︎なんでですか⁉︎俺がこのバカより相応しくないとでも言うのですか⁉︎」

「龍之介の発言は心外ですが、何故僕なんですか?」

 

 だって勝ち上がることを目的としてたら点数の高い俺と雄二で組むのが妥当でしょ⁉︎

 

「それには理由があってね。召喚大会は準々決勝から多くの観客が観に来ることになってるのさ。」

「それなら俺は明久よりイケメンだから問題ないじゃないですか!」

「失礼な‼︎僕の方がイケメンだよ‼︎」

「どんぐりの背比べって知ってるか?」

「「ブチ殺すぞ、雄二。」」

 

 全く、自分は彼女いるからって調子に乗りやがって!

 

「まあアンタ達の言う通り、鷹狩は顔に問題があるのさ。」

「スピリタスを飲ませましょうか?」

「落ち着け龍之介、これは事実だ。」

「仕方ないよね〜w」

 

 コイツらまとめて酔い潰してやろうか?

 

「アンタはただでさえ20歳で普通の高校生よりも老けているのに、それに加えて老け顔だからね。観客からは教師が生徒の振りをして混ざってるように見えるのさ。もし誤解が解けたとしてもうちの学園が変な方向で話題になってしまうからね。それを避けたいのさ。」

「それでいて酒臭いですもんね〜。」

「アル中のおっさんが高校生やってるってだけでも面倒なことになりそうだしな。」

 

 今まで居酒屋、雀荘、風俗で自分が老け顔であることを利用し、兄の名義を使って遊んできたツケが回ってきたのかな……。はっきり言ってとても泣きたい気分だよ……。

 

 そんなことを思ってると、ババアがが会話を続けた。

 

「まあとにかく、引き受けたからには当然優勝できるんだろうね?」

 

 ここは選ばれなかった俺からもエールを送ってやる‼︎

 

「2人とも、優勝しなかったら殺すよ?」

「当然だ。俺たちを誰だと思ってる?」

「絶対に優勝してみせますよ!そっちこそ約束を忘れないで下さいね!」

「それじゃボウズども、任せたよ。」

「俺からも頼んだぜ‼︎」

「「おうよ‼︎」」

 

 そうして明久と雄二に任せてババア室を出ようとすると……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「鷹狩、清涼祭では治安維持の観点から酒の持ち込みを禁止することになったのさ。だから持ってくるんじゃないよ。」

 

 死刑宣告をされた。こうなったら……

 

「分かりました。では俺は当日休ませていただきますぅぅぅ‼︎」 グギギギギ

「「来ないとブチ殺すぞ。」」

「はい……。」

 

 こうして地獄の清涼祭当日を迎えることになった………。




 ということでババアとの取引でした。龍之介がハブられた理由がかなり酷かったですね。可哀想に。


 さて、次回からようやく清涼祭当日になります。酒禁止な上、老け顔のせいで召喚大会を不参加にさせられた龍之介は果たしてどうなってしまうのでしょうか。お楽しみに。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第十四問  清涼祭開幕

バカテスト 世界史

問 次の問題の空欄を埋めなさい

『 5世紀頃、現在のドイツ北岸からブリテン島南部に侵入してきたのは( )人である。 』


鷹狩龍之介の答え

『 アングロ・サクソン 』

教師のコメント

正解です。アングル人、ジュート人、サクソン人の3つのゲルマン系部族の総称ですね。


土屋康太の答え

『 日本 』

教師のコメント

その時代にヨーロッパにいたなら凄い発見ですね。


蕨屋敷爽の答え

『 変 』

教師のコメント

その人達に謝ってください。


吉井明久の答え

『 26 』

教師のコメント

人数の問題ではありません。


  side 明久

 

 遂に清涼祭当日、店長の雄二とホール班の姫路さん、美波、秀吉、爽たちのおかげでなんとか店内を綺麗に作ることができたよ!ちなみに爽はパチスロの経験から計算が得意ということでメインがレジ打ち担当のホール班になったんだよね。しかも他に準備にかかるお金の管理までやってるよ。流石クラスの会計担当だね!

 

 

 そして、我が厨房班はというと………

 

「オ、オサケガタリナイ………。コレジャアイキテイケナイ……。ウーロンチャヨリウーロンティーガホシイ………。オレニ、オレニ、オレニオサケヲクレ………。」

 

 龍之介がご覧の通りアル中の禁断症状を発症していて使い物になっていない。幸いリーダーの須川君のおかげである程度なんとかなってるけど、それでも実行委員長をやるからにはちゃんとして欲しいよね。

 

 

 そんなことを思ってるとムッツリーニが話しかけてきた。

 

「………試作用飲茶、出来た。」

「おお!丁度いいからみんなで味見するか!」

「ウチもアキに賛成!」

「私も賛成です‼︎」

「ワシも食べたいのう!」

「私も頂戴しよう。」

 

 ということで、召喚大会の科目相談をしにババア室に行ってる雄二以外のメンバーで味見をすることになった。

 

「じゃあまずはウチからね!えっと〜、表面はカリカリ、中はモチモチしていていいね♪」

「おっ、美味しいです!」

「ウーロン茶にも合うのぅ。」

 

 それじゃあ次は僕の番だね〜。

 

「ふむふむ、表面はゴリゴリ、中はネバネバ、甘すぎず辛すぎない味わいが……」 バタン

 

 えっと、あれは僕の子供の頃か……。あの頃はよかったな……。おっと、これが美波と初めて会話が通じた時か……。フランス語とドイツ語を間違えてたっけ……。それでこれは美波に殴られてる時か……。それでこれは美波に蹴られている時か……。それでこれは美波に関節技をキメられてる時………って!

 

 これって走馬灯じゃん‼︎危ないよ!死にかけたよ‼︎全くもう‼︎しかも走馬灯の大半が美波に虐められてた思い出じゃん‼︎本当に酷いよ‼︎

 

「………それは姫路作かな?」

「そうですね!手が空いたので作ってみました♪」

 

 姫路さんには厨房に入らないで欲しかったな〜。それはそうとまだ飲茶が残ってるぞ、さて、この残りを……

 

「爽!これあげる!」

「断る。そもそもさっき貴様は何故倒れていたのだ。毒を盛られたからではないか?」

「え?私はそんなつもりじゃ……」

「ごめんね!僕の寝不足さ!」

「あっ、そうだったんですね!安心しました!」

 

 危ない…。なんとか姫路さんを守りきれた……。さてとそれじゃあ僕は………

 

「ということで爽、味見して♪」

「心得た。」 バタン

 

 と言って爽を殺した。あとは誤魔化さないとね!

 

「ちょっと蕨屋敷君⁉︎大丈夫なんですか⁉︎」

「姫路さん!爽は昨日閉店までパチンコを打っていたから寝不足なんだよ♪」

「そうなんですか!良かったです!」

 

 万事解決!と思ったら美波に小声で話しかけられた。

 

「(ちょっとアキ!これって瑞希が作ったものが原因なんでしょ⁉︎)」

 

 姫路さん作の料理が不味いことを知ってるのは僕とバカ3人とムッツリーニと秀吉だけ!だからここは美波にバレないようにしないと!

 

「(美波違うよ!僕たちは本当に寝不足なんだって!)」

「(じゃあ4月のときの屋上でのアレはなんだったの?)」

「(ザ・昼寝日和だったから!)」

「(そ、そうなんだ……。)」

 

 よし!美波を誤魔化すことに成功したよ!あと残った一個は役立たずのアイツにあげないとね!

 

「龍之介!これあげるから元気出して!」

「オサケジャナイトイミガナイ……。オサケノホウガホシイ……。」 バタン

 

 殺したところであとは誤魔化す!

 

「龍之介ったら、どんだけアル中なんだよ!いくらお酒が飲めないからって倒れられたら困るな〜。」

「龍之介君は相変わらずですね♪」

「リュウは本当に使えないわね!」

「………いつも通り。」

「お主らも存外鬼畜じゃのう…。」

 

 これで完璧だ‼︎そんなことを思ってると雄二が戻ってきて爽が復活した。

 

「雄二、貴様は何をしてたのだ。」

「ああ、ちょっと話し合いにな。」

 

 雄二にしては珍しく歯切れが悪い。まあババアとの取引をみんなに話せないしね。

 

「なんの話し合いだ。私にも教えてくれ。」

 

 ってマズい!爽に話すわけにはいかない!雄二、なんとか誤魔化して!

 

「そこでくたばってるアル中のために、アイツだけ酒を解禁できないかと教師たちと話してきたのだ。」

「なんだ、そんな下らないことか。私には関係の無い話だったな。」

「まあそうだな。」

 

 そう………爽………

 

「雄二、さっきのってダジャレ?」

「ブチ殺すぞ。」

「急にキレないでよ!」

 

 相変わらず雄二は怖いな〜。それはともかく、龍之介にはちゃんと活動してほしいからお酒のことについて聞かないと!

 

「それで雄二、龍之介のお酒は大丈夫なの?」

「大丈夫だそうだ。流石にこの状態じゃ居ても困るしな。」

「雄二、それは本当か⁉︎俺は今日酒を飲んでいいんだな⁉︎」

 

 うわ!酒が飲めると分かった瞬間復活したよコイツ。どんだけ好きなんだよ。

 

「ああ。ただし客にバレないようにしろよ‼︎」

「分かってるさ!それじゃあ買ってくる‼︎」

 

 ということで龍之介が全速力でお酒を買いに行った。僕も3年後ああいう風にならないようにしないと…。

 

 

 さてと、そろそろ召喚大会の時間だね!

 

「雄二、そろそろ行くよ!」

「おう。」

「アキ、行くってどこに行くのよ?」

 

 そうか、美波は知らないんだっけ……。

 

「召喚大会だよ!」

「もしかして賞品が目的なの?」

「まあ一応……。」

 

 正確にはペアチケットと設備の交換が目的だけどね。

 

「誰と行くつもり?」

 

 な⁉︎美波から殺気を感じる!

 

「吉井君、私も知りたいです!誰と行こうと思ってたんですか?」

 

 姫路さんからも感じる!これはどうすれば……。そうだ!雄二に助けを……

 

「明久は俺と行くつもりなんだ。」

「え?坂本とペアチケットで幸せになりに行くの?」

 

 は⁉︎ちょっと⁉︎それじゃあ物凄い誤解をされるじゃないか!

 

「(雄二、何言ってくれてるのさ!)」

「(明久、堪えるんだ。事情が知れたらババアに約束をなかったことにされるぞ。)」

「(分かったよ……)」

 

 まあ事情が事情だし、これも姫路さんのためだから我慢するか…。雄二も同性愛者疑惑を我慢してるしね……。

 

「俺は何度も断ってるんだがな。」

 

 おい。コイツ裏切りやがったんだけど!

 

「アキ、アンタやっぱり木下よりも坂本の方が……」

「そうなのかのぅ……」

 

 いや、やっぱりって言葉に引っかかるんだけど!あと秀吉は少しでも寂しそうな表情をしないでよ!

 

「吉井君、男の子なんですから出来れば女の子に興味を持った方が……。」

「それが出来れば明久だって苦労しないさ。」

「雄二、全然フォローになってないよ‼︎」

「っと、そろそろ時間だ。行くぞ明久。」

「クソ!みんな、とにかく誤解だからね!」

 

 全く、酷い目に遭ったよ………ってそうだ!

 

「みんな、ちなみに余った一組は龍之介とムッツリーニにあげるつもりだよ‼︎」

「ちょっと⁉︎リュウまで⁉︎」

「吉井君といい龍之介君といい、このクラスの人たちはどうなっているんでしょうか…」

「龍之介と康太にそのような趣味があったとは…。私も知らなかった。一応頭に入れておこう。」

「お主ら、なんか凄いのぅ……。」

 

 僕だけが犠牲になるのは嫌だからね!ついでに龍之介とムッツリーニも巻き込んであげたよ!

 

 

 

 

 

  side 龍之介

 

 俺は酒を買って教室に戻るとき、ムッツリーニに会った。今は担当の時間じゃないからこうして出歩いていろんな女子高生のスカートの中を撮ってるみたい。話しかけてやるか!

 

「ようムッツリーニ!何してるんだい?」

「………人違い。」

「あ、あそこでパンチラ!」

「………!」

 

 凄まじい反応速度だ。流石だね!

 

「………コロス。」

「嫌だな〜。そんな物騒なことを言わないでおくれよ!とにかく俺たちはそろそろ店に戻らなきゃいけなくないか?」

「………確かに。」

「よし、そうと決まれば一緒に戻るか!」

「………不本意だが仕方ない。」

「おい!なんで不本意なんだよ⁉︎」

「………日頃の行動。」

 

 全く!みんな俺のことを舐め腐りやがって!そんなことを思いながら俺は教室に戻った。そして教室に着くと………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「リュウと土屋⁉︎アンタたちまさか本気で付き合ってるなんて……。」

「私の計算が正しければ貴様らの距離感はカップルのそれと同じである。」

「今度2人は如月グランドパークで挙式するんですよね⁉︎」

「ワシが友人代表として挨拶をするからのぅ!」

 

 なんか俺とムッツリーニが付き合ってることになってた。

 

「ちょっと待てよ皆!俺にそんな趣味はない‼︎」

「………不本意!………不愉快‼︎」

「嘘ですよね⁉︎もう隠さなくてもいいんですよ⁉︎」

「隠してねえよ‼︎だいたい誰だよそんなこと言った奴‼︎」

「えっと、確か吉井君です。」

 

 あの野郎、ブチ殺してやる!

 

「ムッツリーニ、明久をムッツリ商会のブラックリストにぶち込め!一生利用させるな!」

「………分かった!」

「あと皆、それは単なる明久の嘘だよ。俺もムッツリーニも恋愛対象は女だからね!勘違いしないで‼︎」

「………その通り!」

「な〜んだ、良かったです!」

「2人はまともみたいね!」

「明久と雄二とは違うな。」

 

 逆に明久と雄二に何があったんだよ。まさかあの2人、デキてたのか?そうなったら今度男性専用のホテルを紹介してあげないとね!そんなことを思いながら俺は厨房に戻った。

 

 

 

 

 

  side 美波

 

 リュウの同性愛者疑惑が解消され、それぞれの担当の場所に戻った後、レジにいる蕨屋敷が大学生と思われるお客さん2人に絡まれていた。

 

「お、爽じゃん!パチスロじゃなくて学校の文化祭を優先させてるなんて珍しいね〜。」

「とても正気とは思えないね。まさか病気?」

「圭人、貴様の方が正気とは思えない。もしや彼女に捨てられて大学での居場所を無くしたことが関係してるのか?」

「爽!事実でも言っていいことと悪いことがあるんだよ!」

「ちょっと、達哉!お前まで俺のことをバカにするのかい?」

「圭人が可哀想なのはさておき、とにかく貴様ら、他の客の邪魔だから早く席に着け。あと島田、オーダーを頼む。」

「「は〜い。」」

 

 どうやら蕨屋敷の友達みたい。とりあえずあの2人のところに行かなきゃ!

 

「お客様、メニュー表はこちらになります!お決まりになりましたらお呼び下さい!」

「「ほ〜い!」」

 

 って言ったものの、手も空いてるからここで待つか…。そんなことを思っているとその2人に声をかけられた。

 

「ねえ君、このクラスに鷹狩龍之介って奴いたりしない?」

「いますね。今は厨房に居るんですけどお呼びしましょうか?」

「いや、大丈夫だよ!それよりアイツは学校ではどんな感じなの?」

 

 成る程、この2人はリュウと蕨屋敷の中学の頃からの友達だね。クラスメイトの同い年の友達が大学生ってなんか不思議だね。とりあえず答えてあげよっか!

 

「えっと、彼はいつもお酒を飲んでいますね!」

「ジ〜マ〜⁉︎アイツどんだけ酒好きなのさ!学校でも飲むとかとても正気とは思えないね!」

「圭人、アイツが酒好きなのは今に始まったことじゃないでしょ!」

 

 なんか大人ってみんなお酒ばかり飲むのかと思ってたけど……

 

「みなさんお酒はそんなに好きじゃないんですか?アイツはいつも20歳になればみんなこうなるって偉そうに言ってますけど……。」

「確かに僕たちもお酒は好きだけどね。でもアイツほどじゃないよ。」

「しかもアイツの場合は弱いくせにそれを無視して飲むからさ〜。龍之介が全てだと思わないことだね!」

「そ、そうなんですか…。ありがとうございます!」

 

 やっぱりリュウがおかしいだけだったね!さてと、そろそろ注文をとらないと……

 

「ところでお客様、注文は決まりましたか?」

「え〜と、烏龍茶1杯と飲茶2個でお願い!」

「俺もそれで頼むよ〜。」

「分かりました!ではご注文を繰り返します!烏龍茶2杯と飲茶4個でよろしいでしょうか?」

「OK〜!」

「それではお待ちください。」

 

 そうしてウチは厨房にいるリュウに注文を伝えに言った。

 

「リュウ、飲茶4個と烏龍茶を2杯お願い!」

「あいよ!」

「あと、友達が来てるけど行かなくていいの?」

「う〜ん……」

「………行っても構わない。」

「分かった。それじゃあアイツらの分を作り終わったら行くか!」

「よろしく〜。」

 

 ということで飲茶とウーロン茶が完成したタイミングでリュウと一緒に友達さんのところに持っていくことになった。

 

「お待たせしました!こちらがウーロン茶と飲茶になります!」

「そしてこちらが俺特製のウーロン茶になります!」

 

 いや待って⁉︎特製のウーロン茶なんてあったっけ⁉︎

 

「な、何してるのリュウ!そんな勝手に……」

「安心してくれ、美波!他のお客さんはには聞こえてないはずだ!それにこれはコイツらにしか出せないからな!」

「えぇ……。あ、あの、お客様はそれで大丈夫なんですか?」

「大丈夫だよ!コイツのことだから……」 ボッ

 

 ちょっと待ってよ!お客さんがライターで火をつけたら燃えたんだけど⁉︎ウーロン茶って燃えるんだっけ⁉︎

 

「ちょっとリュウ!これ何⁉︎」

「何って、俺特製のウーロン茶さ!」

「可燃性のウーロン茶なんて聞いたことがないよ!」

「そりゃあウォッカ9割とウイスキー1割で出来てるからね。色が似てるからウーロン茶の仲間なのさ!」

 

 そういうことなの⁉︎あと、飲み物を色だけで判別する人はいないと思うけど…。

 

「コイツは飲み会のときいつもこんな感じだよ〜。」

「人を騙して潰そうとする、真性のカス野郎さ!」

「おいおい達哉、圭人!酷いことを言わないでおくれよ!」

「酷いのは貴様だ龍之介。しかも逆に潰れているくせに。」

「「だな!」」

「ちょっとみんな〜‼︎」

 

 リュウが相変わらずで、なんというか安心したね!さてと、邪魔すると悪いけどウチは引くか……

 

「ところで、君って龍之介の彼女?」

 

 あ〜そう見えるのね…。あんまり悪い気はしないけど、ウチはやっぱりアキの方がいいかな〜。

 

「いえ、違い……」

「こんな胸が小さくて色気がない奴俺が彼女にするわけないでしょ!」

 

 どうやらウチはコイツを殺さなきゃいけないみたい。でもお客様の前だから………

 

「ちょっと待てよ美波ぃぃぃぃ‼︎腕がぁぁぁ‼︎」

 

 腕を締め上げる!

 

「どうしたの、リュウ?ウチが痛む手の面倒を見てあげようか♪あとお客様の前だから静かにしてね♪」

「テメェの仕業だろぉぉぉぉ‼︎」

「龍之介は相変わらず人を怒らせるのが上手いね!あと彼女ってこっちの子じゃなかったらあっちのピンク髪の子?」

「アイツもデブだから彼女にするのは無理だね〜。」

「美波ちゃん!隣の部屋に移動してからコレを処分しましょう!」

「OK瑞希‼︎」

「やめてくれぇぇぇぇ‼︎」

「「相変わらずバカだな‼︎」」

「安心しろ2人とも。アレが彼奴のクラスでの平常運転だ。」

 

 こうしてウチと瑞希はこのゴミを処理することができた。やったね♪

 

 

 

 

  side 龍之介

 

 全く、酷い目に遭ったぜ‼︎達哉と圭人も帰り際に特製ウーロン茶をぶっかけていきやがったしよ‼︎それが友達に対する扱いかよ‼︎ちなみに俺は彼女はいないぜ!

 

 まあそんなことより、そろそろ教室に戻らないとな。そうして俺が戻ると……

 

「おいおい!ここの店は食べ物の中に虫を入れるのかよ‼︎」

「全く最低な店だぜ‼︎」

 

 悪質なクレーマーがそこにはいた。




 ということで龍之介と爽の中学の頃からの友達、金浜達哉(かねがはまたつや)と北丸圭人(きたまるけいと)が登場しました。いずれも大学2年生です。今後もちょくちょく出てくる予定です。ちなみにCV.はそれぞれ花江夏樹と河西健吾のつもりです。よろしくお願いします。

 そして、遂に常夏コンビが参戦です。龍之介達はコイツらを相手にどう対処していくのでしょうか。お楽しみに。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第十五問  災厄の襲来

バカテスト  物理

問 次の問題に答えなさい。

『 オームの法則について述べよ。 』


鷹狩龍之介の答え

『 電流をI、電気抵抗をR、電圧をVとすると、V=RIと表される法則 』

教師のコメント

正解です。電気分野の基本法則ですね。


木下優子の答え

『 電流をI、コンダクタンスをG、電圧をVとすると、I=GVと表される法則。 』

教師のコメント

正解です。コンダクタンスを知っているのはかなり勉強している証拠ですね。


木下秀吉の答え

『 姉上と同じ 』

教師のコメント

ではコンダクタンスについて簡潔に説明して下さい。説明できなければ0点とします。


蕨屋敷爽の答え

『 人間の言った言葉を真似する鳥 』

教師のコメント

それはオームではなくオウムです。


  side 明久

 

 一回戦をなんとか勝利して教室に戻ると、そこにはクレーマーが2人いた。

 

「おいおい!ここの店は食べ物の中に虫を入れるのかよ‼︎」

「全く最低な店だぜ‼︎」

 

 そんな〜。朝きちんと確認したはずなのに……。

 

「雄二、どうする?」

「とりあえず消毒及び清掃作業をしなければいけないな。」

「だよね…。」

 

 まあ朝きちんと清掃・消毒しても虫が入ることなんて普通か……。そんなことを思ってると、立ち上がったクレーマーの2人のポケットから袋詰めにされた虫が出てきた!

 

「アイツらめ、わざとやってたんだ!雄二!なんとかしないと!」

「分かった。俺に任せておけ。あと明久はあのクレーマーの顔を覚えておけ。」

「分かった!」

 

 う〜んと、クレーマーは坊主が1人とモヒカンが1人ね。しかもなんか喚いてるし……。

 

「全く、責任者はいないのかよ!」

「いるならとっとと出てこいや‼︎」

 

 そして雄二が近づくと………

 

「なんだ、お前がァ………」 バタン

 

 クレーマーを殴り飛ばした!いいぞ雄二!

 

「私が代表の坂本です。何かが不満な点でもございましたか?自分達で勝手に虫を入れておいて不満とか、私には見当もつきませんが。」

「うるせえ‼︎それに不満も何も今連れが殴り飛ばされたんだが!」

「それは私のモットー、『パンチから始まる交渉術』に対する冒涜ですか?」

 

 怖!なんだよその交渉術!

 

「ふ、ふざけんなよこの野郎!何が交渉じゅふぎゃぁぁぁぁ」 ドゴォ

「そして『キックでつなぐ交渉術』です。最後には『プロレス技で締める交渉術』が待っていますので。」

「わ、分かった!こちらはこの夏川を交渉に出そう‼︎俺は何もしないから交渉は不要だぞ‼︎」

「ちょ、ちょっと待てや常村!お前俺を売ろうというのか⁉︎」

「それで常夏コンビとやら、まだ交渉を続けるのか?」

 

 名前をもじって常夏コンビ。なんか面白いね!

 

「い、いや。もうじゅ………」

「雄二、まずいぞ‼︎」

 

 え⁉︎急にどうしたの龍之介⁉︎お酒でも切れたの⁉︎

 

「どうした龍之介。お前も俺の交渉術に文句があるのか?」

「そうじゃないよ雄二‼︎最悪な災厄がやってくるんだ‼︎」

「災厄なら今俺の目の前にいるだろ。」

「そんな常夏コンビなんて屁でもねえ‼︎もっとヤベェ奴らがくるんだ‼︎」

「なんだそれは……。」

「爽、ちなみにアイツらの今のユニフォームは聞いたか⁉︎」

「いつも通りだ。」

「それはまずい‼︎なんとかしないと‼︎とりあえず店を閉めた方がいい‼︎」

「私が廊下で彼奴らを追い返すこととしよう‼︎」

 

 龍之介と爽は何を言ってるんだろう?そんなにやばい奴がいるのかな?そう思ってドアの方を見ると………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「龍之介、爽!俺たちにお前たちの服をくれないか‼︎」」

 

 パンイチの男が2人入ってきた。

 

 

「人違いです。」

「お帰りください。さもなければ私のパチンコ玉を貴様らにぶつけます。」

「ちょっと待ってよ2人とも!実の兄に対してそれは酷くな〜い?」

「もしかして鮫之介の態度がいけなかったんじゃないのか‼︎⁉︎」

「そういう杏だって弟に引かれてるじゃ〜ん‼︎」

「半裸の変態が高校生に着ているものを寄越せと迫ったことを通報してもよろしいですか?」

 

 この2人が龍之介と爽のお兄さんなのか…。なんていうか僕の姉さんより酷いかもしれない……。

 

「雄二!とりあえずコイツらをどうにかしないと!」

「う〜ん、そうだな……そうだ!おらよ!」

「「な、何をする気だぁぁぁ‼︎」」

 

 そうして雄二は常夏コンビを2人まとめて引きずって……

 

「お客様、こちらの親切な2人が服を貸して下さるそうです。人目につくといけないので是非つきあたりにある男子更衣室をご利用下さい。」

「そこの君、感謝するぞ‼︎‼︎さあ鮫之介、早く行こうじゃないか‼︎‼︎」

「おかげでやっと警備員に追いかけまわされなくて済むぜ‼︎ほれほれそこのお二人さん、早速俺たちと着替えを楽しもうぜ〜♪」

「「いやぁぁぁ‼︎」」

 

 そう言って龍之介兄と爽兄は常夏コンビを引きずって男子更衣室に消えてしまった。ざまあみやがれ!僕たちの邪魔をした罰だ!

 

「お客様、ご迷惑をおかけして申し訳ございませんでした。只今より臨時の清掃作業に入りますので申し訳ないですが少々お待ち下さい。」

 

 という雄二の指示の元、臨時の清掃作業が始まった。その時、教頭先生が席を立ち上がった。てかいたんだね。あの人ってあんまりこういう催し物好きそうなイメージないからね〜。まあ意外な一面っていうことで覚えておこう!

 

 

 そして清掃作業中、僕は気になったので強烈なあの2人のことを龍之介と爽に聞いてみた。

 

「2人とも、さっきの人達が2人が名義を借りてたお兄さんなの?」

「一応な。彼奴らは私にパチスロを教えた張本人だ。」

「その他にも風俗、雀荘、居酒屋と夜の街を全部俺に教えてくれたんだよね〜。いうなれば俺と爽がこうなった原因さ!」

 

 弟が弟なら兄は兄なんだね……。

 

「なんていうか大変だね……。」

「安心しろ。鳳之介はもっと大変だ。」

「龍之介とあの人が2人も兄にいるなんて、可哀想だよね〜。」

「おい!俺は兄貴に比べたら随分まともだろ‼︎」

 

 随分?一応根拠を聞いてみるか…。

 

「じゃあお兄さんが龍之介よりヤバいところを挙げてみてよ。」

「アイツと杏先輩は飲むと毎回パンイチになる。しかもたまに全裸にもなる。それでいて大抵はそのまま風俗に入っていくんだ。」

「私の計算が正しければ彼奴らは今日の清涼祭に寝坊しないために夜のうちに校庭に忍び込んで飲んでいた。それでいて朝起きたら酔い潰れていて服が行方不明となり、そして今に至る、という訳だ。」

「しかもアイツらどっちもイケるからな〜。」

 

 どっちも?何がどっちもなんだろう?

 

「私の計算が正しければ、彼奴らのことをバイセクシャルと言う。」

 

 嘘でしょ⁉︎そういうどっちもなの⁉︎

 

「普通の風俗だけじゃなくてウリ専、いわゆるゲイ専用風俗にも通い詰めてる奴らだからね〜。」

「それはなかなかに凄い人達だね……。」

「どうだ!これで俺のことを見直してくれたか!」

「それは変わらないかな〜。」

「おい‼︎なんでだよ‼︎」

 

 だってお兄さんがヤバい人なだけで、龍之介自身がまともになったという訳じゃないからね〜。

 

 

 さてと、清掃作業中に2回戦の時間になったので向かいますか〜。

 

「ところで明久、お前俺とムッツリーニが付き合ってるって嘘をついたよな?」

「それがどうしたの?」

「………明久は今後ムッツリ商会を利用禁止とする。」

「すいませんでした‼︎」

 

 ムッツリ商会のブラックリストを盾に脅すなんてずるいよ!そんなことを思いながら僕は雄二を連れて2回戦に向かった。

 

 

 

  side 龍之介

 

 清掃作業が終了し、店を再開させると、執事服を着た鳳之介がやってきた。

 

「ねえ龍之介兄貴、鮫之介兄貴が来たって本当?」

「そうだよ鳳之介。しかも杏先輩と一緒にパンイチで。」

「あの2人は相変わらずだな……。」

 

 そう言って鳳之介が客席に座ると、瑞希が何故か小声で相手をした。

 

「(ご注文はいかがなされますか?木下君にしますか?)」

 

 そういうことかよ‼︎確かにコイツは秀吉に恋してるけどさ〜。瑞希もいい性格してるな‼︎まあとりあえず俺は厨房に戻るか…。

 

「え⁉︎お、おい姫路!何を言ってるんだよ‼︎普通にウーロン茶1杯と飲茶3つで‼︎」

「かしこまりました♪あ、木下君!鷹狩弟君がお呼びです♪」

「ちょっと‼︎」

「鳳之介か!来てくれて嬉しいのぅ♪お、その執事服似合っててカッコ良いのじゃ!」

「ひ、秀吉⁉︎あ、ありがとう……///」

「それでワシに何のようじゃ?」

「い、いや、特に……///」

「む〜。せっかく来てくれたんじゃからワシはお主とお喋りしたかったのにのぅ……。」

「じゃ、じゃあ俺とちょっと話そうよ‼︎ほら、杏先輩が来たこととかさ……///」

「分かったのじゃ♪嬉しいのじゃ♪」

 

 秀吉がマジで勘違いさせる女ムーブを完璧に決めてやがる。そりゃあ俺の弟が恋するのも仕方ないか…。お、注文とってた瑞希がやってきたぞ…。

 

「龍之介君、土屋君。飲茶3つとウーロン茶1杯でお願いします!」

「………分かった。」

「おし!了解!ところで瑞希はいつ俺の弟と仲良くなったんだ?」

「Aクラス戦のあと、同じ副将同士で話したんですよ。」

「なるほどね〜。しかし、お前もいい性格してるよな〜。」

「誰かさんには言われたくないですけどね♪」

「誰かさんって誰だろな〜。それより、召喚大会頑張れよ!」

「はい!頑張ります‼︎」

 

 そう言って瑞希は注文されたウーロン茶と飲茶を持ってホールに戻っていった。あと召喚大会の件についてはごめんね。本当はババアとの取引の都合上、明久と雄二に勝ってもらいたいと思ってるんだ。でも瑞希と美波のこともかなり応援してるよ‼︎それこそババアの件が無かったら一番応援していたくらいにね!だから負けるならあの2人に対してだけにしてね!

 

 

 

 そんなことを思っていると、どっかで聞いたことのあるような声が聞こえてきた。

 

「あ、綺麗なお姉ちゃんですっ‼︎」

「あ、葉月ちゃん、お久しぶり!あの子は可愛がってあげてる?」

「はいですぅ‼︎毎日一緒に寝てますぅ‼︎」

 

 この特徴的な喋り方と声、どっかで聞いたことあるんだよな〜。瑞希が珍しくタメ口なことから多分相手は小学生。はてさて、一体誰だったっけ?

 

「あ、葉月!来てたんだ!」

「あ、お姉ちゃんですっ!来ちゃいました!」

「葉月ちゃんって美波ちゃんの妹だったんですね!」

「お姉ちゃんと綺麗なお姉ちゃんってお友達だったんですね♪」

「そうだね!」

 

 なるほど、美波の妹か……って知らんわ!とりあえずホールに出てみよっと♪さてさて、どんな子………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ!公園のおじさんですぅ‼︎」

 

 

 あ、この子か…………ってよくよく考えたら呼び方ヤバいな!これじゃあ俺がホームレスみたいじゃん‼︎

 

「ねえ葉月、なんでリュウのことを知ってるの?」

「葉月が公園にいた時にこのおじさんがお酒を飲みながら話しかけてきたんですぅ‼︎」

「ちょっと待ってよ葉月ちゃん!俺はおじさんじゃなく……」

「ねえ龍之介君?成人男性が小学生に手を出すってどういうことなんですかね〜?ちょっとお話を聞かせてもらえないでしょうか?」

「ウチの妹に手を出してんじゃないわよ!ちょっとこっちに来なさい‼︎」

 

 クソ!瑞希と美波に、小学生に手を出したホームレスでアル中のおっさんだと勘違いされてるじゃん!なんとかしないと…。そうだ、あそこにいる鳳之介と秀吉に助けてもらおう!

 

「おい!ちょっと助けてくれ、鳳之介、秀吉‼︎」

「人違いです。」

「ブチ殺すぞ愚弟が。」

「お主の見た目でお酒を飲んで声をかけたら勘違いされると思うのじゃが。」

「秀吉〜‼︎そんなことを言わないでよ〜‼︎」

 

 俺はどこで間違えたんだろうか……。そんなことを思ってると……

 

「お姉ちゃんたち、そのおじさんは優しい人ですよ!だから大丈夫ですぅ!」

 

 葉月ちゃんが助けてくれた‼︎ありがとう葉月ちゃん!これで誤解が……

 

「葉月、怪しいおじさんっていうのはね、優しい言葉をかけて誘拐する生き物なのよ。」

「そうだよ葉月ちゃん!だからこんなおじさんが話しかけてきたら防犯ブザーを鳴らすのが一番です!」

「そ、そうなんですか!気をつけますぅ‼︎」

「おい待てや2人とも‼︎人を犯罪者呼ばわりするんじゃないよ!」

「え?違うんですか?」

「違うの?」

「違うから!」

 

 全くもう!失礼しちゃうなぁ‼︎そんなことを思ってると、葉月ちゃんが話題を変えた。

 

「そういえば、バカなお兄ちゃんを知りませんか?」




 ということで龍之介の兄、鷹狩鮫之介(たかがりさめのすけ)と爽の兄、蕨屋敷杏(わらびやしききょう)がパンイチで登場しました。なにかとアウトローな龍之介を超えるヤバい奴らです。ちなみにCV.はそれぞれ石田彰と小西克幸のつもりです。

 そして次回は葉月ちゃんとの絡みからのメイド喫茶です。よろしくお願いします。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第十六問  メイド喫茶

バカテスト 生物

問 次の問いに答えなさい。

『 生物の進化論を唱えた人物の名前を一人答えなさい。 』


霧島翔子の答え

『 ダーウィン 』

教師のコメント

正解です。有名ですね。


坂本雄二の答え

『 ガラパゴス 』

教師のコメント

惜しいです。それはダーウィンが進化論を着想した諸島の名前ですね。


蕨屋敷爽の答え

『 オ○キド博士 』

教師のコメント

それはゲームの中だけの話です。


鷹狩龍之介の答え

『 ダーウィン。あと俺にお酒を下さい。 』

教師のコメント

鷹狩君は解答欄に余計なことを書くのをやめましょう。


  side 龍之介

 

 瑞希と美波の誤解を解くと、葉月ちゃんが話題を変えた。

 

「そういえば、バカなお兄ちゃんを知りませんか?」

「バカなお兄ちゃん?この教室にいっぱいいるから分かんないな〜。他に特徴は?」

「え〜っと、すっごくバカなお兄ちゃんですぅ!」

「明久だな。」

「明久じゃのぅ。」

「アキね。」

「吉井君ですね!」

 

 凄い団結力!流石は明久だね!そんなことを思ってると、当の本人が帰ってきた。

 

「ただいま〜!二回戦も勝ったよ〜!」

「あっ!バカなお兄ちゃんですぅ!」

「え⁉︎ちょっとどういうこと?ていうか君は誰だい?」

 

 いや、覚えてないんかい!

 

「え……ちょっと酷いですぅ!結婚の約束までしたのにぃ‼︎」

 

 おや?これはいけませんね〜?

 

「瑞希、美波‼︎小学生に手を出した犯罪者を処分するぞ‼︎」

「「了解‼︎」」

「ちょっと待ってよ3人とも⁉︎何をするゴブァッ……」 バタン

「俺は右脚をやる!瑞希は左脚、美波は首を捻って!」

「「了解‼︎」」

「ちょちょちょ、ちょっと待ってよ!僕は結婚の約束なんて……」

「酷いですぅ!ファーストキスもあげたのに〜‼︎」

「聞いたか2人とも!美波は口を広げろ!そこでつっ立ってる雄二は包丁を5本持ってこい!」

「ええ……」

「お願いひまふぅ!はなひを聞いてくらはいっ!」

「仕方ない、2本にするか!」

「ねえ龍之介、包丁って一本でも刺さったら致命傷なんだよ?」

 

 あ〜面白いね〜w

 

「あ、あの!ぬいぐるみで思い出してくれますかっ⁉︎」

「あ〜、あの時のぬいぐるみの子か‼︎」

 

 あ〜、あの件ね。明久が葉月ちゃんのためにぬいぐるみを買おうと奮闘してたんだっけ。俺はこっそり一部始終を見てたから分かるんだよね〜。それで公園で待ってる葉月ちゃんに俺が明久のことについて話そうと思って話しかけたんだっけ。しかも葉月ちゃんが美波の妹だったのも凄い偶然だね!なるほど、全てが繋がったよ!

 

「ぬいぐるみの子じゃないですぅ!葉月ですぅ‼︎」

「ああ葉月ちゃんか、久しぶりだね、元気だった?」

「そういえばさ、葉月とアキも知り合いだったの?」

「うん。去年ちょっとね。それより、『も』って言うことは他に知り合いがいるの?」

「俺と瑞希も葉月ちゃんと面識があるんだよね〜。」

「え⁉︎それ本当⁉︎葉月ちゃん大丈夫だった?このおじさんになんか変なことされなかった?」

 

 お前もおじさん言うんじゃねえよ‼︎全く、コイツらは人のことを舐め腐りやがって!まあいっか!俺は明久と違って何も悪い事は……

 

「話しかけられただけですぅ!」

「よし、アウトだね!美波、姫路さん!この犯罪者を処分するよ!」

「そういえばさっき始末しそびれてたわね〜?」

「お仕置きが必要ですね!」

「待ってくれぇぇぇぇ‼︎」

 

 こうして俺は明久、瑞希、美波の3人にボコボコにされた……。クソ、後で覚えてろよ!

 

 

 

 お仕置きの後、雄二が口を開いた。

 

「そういえば、この客の少なさはどういうことだ?」

「そういえば葉月がここに来る途中色んなお話を聞いたんですぅ。」

「ん?どんな話だ?」

「えっと、中華喫茶は汚いから行かない方がいい、って。」

「「「「なんだって⁉︎」」」」

 

 どうせまたあの常夏コンビでしょ‼︎兄貴から解放されて調子に乗りやがって!

 

「雄二、常夏コンビが流布してるに違いない!見つけ次第シバき倒そう!」

「龍之介の言う通りである可能性が高い。とりあえず噂の発生源を見に行かないとな。」

「ちょうど良いお昼時じゃし、龍之介と召喚大会メンバーで行って来るとよいぞ!」

「葉月もついて行くですぅ!」

「よし、そうと決まればさっきの話をどの辺で聞いたか教えてくれないか?」

「えっとですね…、短いスカートの綺麗なメイドさんがいっぱいいたよ!」

「「「なんだって⁉︎」」」

 

 メイド喫茶ね!俺も好きだぜ!

 

「雄二、龍之介!それは直ぐに向かわないと!」

「そうだな明久!我がFクラスの成功のためにも、…低いアングルから…綿密に調査しないとな!」

「雄二の言う通りさ!指名とかお持ち帰りとかの充実したサービスを俺たちのクラスの参考にしないとな!行くぞ‼︎」

「「おう‼︎」」

 

 そうやって向かおうとすると………

 

「それってもしかしてボク達のクラスのことカナ〜?」

 

 メイド服姿の工藤が現れた。確かに短いスカートで綺麗な女の子だね!もしかしたら2年Aクラスなのかもね!

 

「そうですぅ!こんな感じのお姉ちゃんがいっぱいいました!」

「ボクで良ければ案内するよ〜?」

「俺も工藤と一緒に案内するぞ。」

「よしみんな!鳳之介と工藤に続け‼︎」

「「「「「了解‼︎」」」」」

 

 とみんなで意気投合している中で………

 

「いや、俺はやっぱり店に残る。皆で行ってこい。」

 

 雄二だけが参加拒否をしていた。ここは一つからかってやるか!

 

「どうしたの〜霧島雄二く〜ん?まさか霧島に会うのが怖いの〜w?」

「殺すぞ龍之介。俺は店長としてここに残るべきだと判断したんだ。」

「ボクが電話して代表を呼んでこようか?」

「頼むからやめてくれ。」

「明久、美波、瑞希!雄二を担いで持ってくぞ‼︎」

「「「オー‼︎」」」

「おい!ちょっと待てよ!離せよ‼︎」

 

 流石の雄二も女子二人には手を上げられまい!こうして俺たちは雄二の連れ出しに成功した。

 

「ひ、秀吉……、お、お前も一緒に来るか?///」

「鳳之介よ、気持ちはありがたいんじゃが、ワシらは雄二達が帰ってきてから行くつもりじゃ。」

「鷹狩弟君!ボクが案内するから木下君と一緒にここで待ってなよ〜♪」

「おい工藤!俺も………」

「一緒にいてくれるのかのぅ!」

「あ、ああ///」

「嬉しいのじゃ♪」

 

 というわけで俺たちは秀吉、鳳之介、爽、ムッツリーニを置いてメイド喫茶に向かった。

 

 

 

 しばらくすると、そのメイド喫茶に到着した。本物顔負けのメイドの量と質に正直俺もびっくりしてるぜ!あと男子は鳳之介みたいに執事服を着てるんだね。皆似合っていてとても羨ましいよ!

 

「それじゃあ、到着で〜す!早速担当メイドと顔合わせといきましょうか!」

 

 工藤はただの客引きだったのね。さて、担当メイドは………

 

「…お帰りなさいませ、ご主人様、お嬢様。」

 

 霧島だった。わお!めちゃくちゃ似合っている!皆が喜んでる中で、一人だけ浮かない顔をしている奴がいた。

 

「すまん工藤、担当を変えてもらっていいか?」

「申し訳ございませんが当店では担当メイドのチェンジはお承りしておりません♪」

「クソ‼︎」

「…お帰りなさいませ。…今夜は帰らせません、ダーリン!」

「ああ………」

 

 下手な風俗よりヤバいぞこれ!

 

「霧島さん、大胆です!」

「ウチも見習わないとね…。」

「あのお姉ちゃん、寝ないで一緒に遊ぶのかな?」

 

 お前ら2人が見習うと明久がずるいからやめてあげな!あと葉月ちゃんはまだ知らなくていいからね〜。

 

 

 そういえば、あそこで何故か写真を撮ってる奴は……

 

「ムッツリーニ、何してるの?」

「………敵情視察。」

 

 どうやら最近の敵情視察はメイドをローアングルから撮影することらしい。

 

「ムッツリーニ君、出来ればお客さんとして入って欲しいな〜。そうしたらボクが色々見せてあげるよ〜?」

「………工藤、俺はそろそろ当番だから戻る。」

「そ、そうなんだ……。じゃあね……。」

 

 おや?新しいおもちゃを発見したぞ!

 

「ねえ工藤、なんでガッカリしてるのかな〜w?」

「へ?いや、売り上げが一人分減っちゃったからさ〜。」

「本当?好きな男の子と過ごせないのが残念なんじゃなくて?」

「な、何言ってるの!ボクにそんな人いるわけないじゃん‼︎」

「へぇ〜?」

 

 照れてるのがバレバレだよ〜!あ〜面白………

 

「メイドにセクハラかましてるバカはどこのどいつかしら?」

「全く、龍之介君はすぐに犯罪を犯そうとするんですから!これはお仕置きが必要ですね!」

「え⁉︎ちょ、ちょっと待ってよ‼︎やめてぇぇぇぇ‼︎」

「いってらっしゃ〜い!」

 

 この2人はいい加減俺を犯罪者扱いするのをやめてくれよな‼︎

 

 

 

 

  side 明久

 

 相変わらず龍之介がバカをやって姫路さんと美波に始末されてる♪本当にアイツは懲りないよな〜。

 

 さて、席に着いたので注文しますか!

 

「ウチはふわふわシフォンケーキで!」

「葉月もー!」

「あっ私もそれがいいです!」

「僕は水で!付け合わせに塩があると嬉しいな〜。」

 

 女性陣3人は一緒なんだね!僕はいつも通りの食べ物にしたよ!

 

「モスコミュールで!」

「…すいません。…当店ではアルコール類は販売しておりません。」

「え〜!じゃあアフターで人気No.1のメイドを!」

「…当店ではアフターのサービスはございません。」

「龍之介君、お仕置きを……」

「すいませんでした‼︎俺もふわふわシフォンケーキで‼︎」

 

 龍之介は相変わらずだね〜。酒がダメなら女の子を頼むって発想がゲスすぎるよ!

 

「俺は……」

「…かしこまりました。…ではご注文を繰り返します。」

 

 雄二まだ何も言ってなくない?

 

「…ふわふわシフォンケーキを4つ、水を1つ、『メイドとの婚姻届』が1つ、以上でよろしいでしょうか?」

「よろしくねえよ‼︎」

「…ではメイドとの新婚生活を想像しながらお待ち下さい。」

 

 雄二がなんか面白いことになってるね〜。龍之介に至ってはずっと笑ってるし。

 

 それにしても凄いお客さんだよね〜。流石はAクラス。衣装やメニューも段違いだね!そんなことを思ってるとメニューが届いた……ってあれ?

 

「こちらが『僕の』水と塩になります。」

 

 なんで久保君が来たの?あとさっき妙な悪寒がしたような……。

 

「あれ、霧島さんじゃなくて久保君なの?」

「霧島さんは今手が塞がっているからね。吉井君の分だけ僕が運ぶことになったのさ‼︎」

「そ、そうなんだ〜。」

 

 なんか変な気がするけどいいか〜。そんなことを思ってると霧島さんが出てきた。

 

「…こちらがふわふわシフォンケーキになります。」

 

 おお!凄い美味しそう‼︎僕もお金があったら食べてたな〜。

 

「…それと、こちらがメイドとの婚姻届と、付け合わせの実印になります。」

「おい待てよ翔子!これ本当にうちの実印だぞ‼︎どうやって手に入れたんだ‼︎」

「…親切な方が提供してくださいました。」

「おふくろ〜‼︎」

 

 どうやら雄二の結婚が近いみたい。親友として祝ってあげないとね‼︎

 

 

 

 そういえば、悪い噂の発生場所を聞かなきゃいけないんだった。

 

「んで葉月ちゃん、キミの言ってた場所ってここで良かったの?」

「うんっ!ここで嫌な感じのお兄さん二人が大きな声でお話ししてたの!」

 

 それってやっぱり常夏コンビじゃ……

 

「あっ!あそこにいるですぅ!」

 

 そうして振り向いた先で……

 

「それにしてもこの喫茶店は綺麗でいいよな‼︎」

「そうだな!さっき行った2-Fの中華喫茶は酷かったからね‼︎」

「「なんせ食べ物の店なのに虫が沸いてたもんな‼︎」」

 

 常夏コンビが喚いていた。クソ‼︎アイツらめ‼︎ぶっ殺してやる‼︎

 

「皆、僕が……」

「待て明久。」

「落ち着いて!」

「雄二、龍之介!早くあの連中を止めないと‼︎」

「落ち着け。こんな場所で殴り倒せば悪評が広まるだけだ。」

「だからもっと頭の良い方法で解決するのさ!」

 

 頭の良い方法って言っても、何があるんだよ……。

 

「とりあえず俺に策がある。おい翔子!」

「…なに?」

「うわ!後ろにいたんか‼︎えっと、あの連中がここに来たのは初めてか?」

「…さっき出て行ってまた入ってきた。…話の内容もずっと同じようなことを言っている。」

「そうか、よし!とりあえずメイド服を貸してくれ!」

 

 この男は突然何を言ってるんだろうか?

 

「…分かった。」 ぬぎっ

 

 って霧島さん⁉︎突然自分が着ているメイド服を脱ぎ始めたんだけど⁉︎見たい………じゃなくて止めないと‼︎

 

「霧島さん、ここで脱いじゃダメです!」

「霧島さんストップ‼︎獣どもが見てるでしょ!」

「…雄二が欲しいって言ったから。」

 

 女子3人が代わりに止めてくれた。てかこの人、雄二の頼みならなんでも聞いちゃいそう。なんて危うい人なんだ…。

 

「お、俺がいたお前のメイド服を欲しいと言った⁉︎予備のやつがあれば貸してくれ、って意味だ‼︎」

「…今持ってくる。」

 

 まあ雄二がこんな感じだし大丈夫でしょう!

 

 

 そういえばどんな作戦なんだろう?

 

「雄二、メイド服をどうするの?」

「明久、お前が着ろ。」

 

 え?今なんて………

 

「雄二、僕は男………」

「明久以外誰が着るのさ?」

「ちょっと龍之介まで⁉︎なんで僕なんだよ‼︎」

「似合うから、じゃない?」

「ちょっと美波‼︎」

「龍之介、秀吉に連絡だ。メイクをやらせる。翔子、島田、姫路はメイク道具持ってこい。Fクラスの秘密兵器、アキちゃんの出番だ‼︎」

「「「「了解‼︎」」」」

 

 こうして僕は女装するハメになった……。僕の黒歴史が増えちゃうよ………。

 

 

 

 

  side 雄二

 

 明久もといアキちゃんがメイクから帰ってきた。作戦はこう。アキちゃんがメイドのフリをして常夏コンビに近づき、掃除のフリをしてそのままプロレス技で倒す。そしてアキちゃんが悲鳴を上げ、アイツらを痴漢扱いすることによって、俺が痴漢退治の大義名分の元アイツらをボコる、というわけだ。

 

 お、早速アキちゃんが常夏コンビに近付いたぞ。

 

「お客様、失礼します!掃除をさせていただきます!」

「お、こんな娘もいたのか!結構可愛いじゃん!」

「それじゃあ………」

「お?なんで俺に抱きつくんだ?まさか俺に気が……」

「くたばりやがれ‼︎」 ドゴォ

「あぁぁぁぁ‼︎」

 

 アキちゃんのプロレス技が炸裂‼︎カツラがズレたけど気にしない‼︎あとは………

 

「雄二、お前のやりたい事はよく分かった!だけど俺にはもっと良い案があるのさ!」

 

 ん?龍之介は何を考えてるんだ?

 

「それは本当に上手くいくのか?」

「むしろズラがズレたからこそいける!俺に任せとけ!」

「分かった。んじゃあお前に任せる。」

 

 なんかよく分かんないけど龍之介に任せるとするか。さて、明久は………

 

「き、キサマは‼︎Fクラスの吉井!まさか女装趣味が⁉︎」

「こ、この人、今私の胸を触りました‼︎」

「ちょっと待て!押し付けてきたのはお前だし大体お前は男だと……」

「おおっと!先輩方2人は男に痴漢をしたんですか〜?」

 

 ん?龍之介は何をするつもりだ?アキちゃんを男だとバラしていいのか?

 

「は⁉︎お前は何を言ってるんだ‼︎だいだい……」

「年下の先輩方よ、年上の後輩であるこの俺が痴漢について一つ重要なことを教えてあげましょう!」

「だから俺たちは痴漢なんて……」

「いいですか!世の中で痴漢をしていい奴は、自分が痴漢を『される』覚悟のある奴だけなんです‼︎いけ兄貴、杏先輩‼︎あの2人は男に痴漢しました‼︎つまりあの2人は男に性的興味があるということです‼︎ですので心ゆくまで相手をしてやって下さい‼︎」

「心得た‼︎さあ君たち、俺たちと心ゆくまで遊ぼうじゃないか‼︎‼︎」

「俺たちと一緒に遊ぼうよ〜♪」

「「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ‼︎」」

「「待て〜‼︎‼︎」」

 

 俺が考えてた作戦が生温かったことを思い知ったぜ……。流石龍之介、伊達に3年長く生きていないな…。

 

「ねえ龍之介、これじゃあ僕が女装趣味のある変態だと思われるんだけど。」

 

 そういえばコイツいたんだっけ。

 

「「それくらい誤差の範囲内だろ。」」

「ちょっと!2人とも酷いよ!とにかく着替えてくる‼︎」

 

 こうして明久はトイレに消えてしまった。俺もそろそろ3回戦の時間があるし、大会会場に向かうとするか〜。

 

「龍之介、会計は任せた!」

「おう!」

 

 さて、予想が正しければ三回戦の相手はあの二人……。いよいよコイツの出番ってわけだな‼︎




 というわけでメイド喫茶回でした。常夏コンビの貞操が心配ですね。

 さて、次は召喚大会3回戦になります。本作では1・2回戦は省きましたが3回戦からは書いていこうと思います。よろしくお願いします。

 あと、久保君の『僕の』水と塩、は久保君の水筒にある水と家にある塩のことです。明久のために持ってきました。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第十七問  チャイナドレス

バカテスト 化学

問 次の問題に答えなさい。

『 ベンゼンの化学式を答えなさい。 』


姫路瑞希の答え

『 C6H6 』

教師のコメント

正解です。有機化学の基本ですね。


土屋康太の答え

『 ベン + ゼン = ベンゼン 』

教師のコメント

君は化学式を知っていますか?


蕨屋敷爽の答え

『 便 + 善 = 便秘改善 』

教師のコメント

実は先生も便秘です。


  side 龍之介

 

 雄二達を召喚大会に送り出した後、俺たちはメイド喫茶に残っていた。それにしてもこのシフォンケーキ美味しいよな〜。そんなことを思ってると木下がやってきた。

 

「皆さん、何回も騒がしくして迷惑だったあのお客さんを撃退してくれてありがとうございました!店長として感謝いたします!」

 

 霧島じゃなくてこっちが店長なんだね。まあ確かに適任ではあるけど。

 

「木下さん、気にしないで〜。ウチらもアイツらに迷惑をかけられてたからね!」

「木下さんも店長業務頑張って下さいね!」

「雄二よりちゃんとやってるね〜!ありがとう、木下!」

「こちらこそ!それじゃあ代表、引き続きよろしくね〜。」

「…分かった。」

 

 そんなことを思ってると、あっという間に食べ終わってしまった。まあ量自体は多いわけじゃないからね〜。

 

「それじゃあ帰るか!霧島、会計は?」

「…野口英世を一枚か、坂本雄二を一名でお願いします。」

「じゃあ坂本雄二を一名で!」

「…ありがとうございます!」

 

 ということで雄二を千円で売り飛ばしてメイド喫茶を後にした。そういえばあそこに教頭がいるような〜。お堅いイメージのあの人がこういうところにいるのが変な感じがするんだよね〜。ていうかさっきも中華喫茶にいたし。意外な趣味なのかな〜?それとも……

 

 

 それはさておき、そういえば俺は全然召喚大会を見に行ってないよな………ってそうだ!

 

「葉月ちゃん、バカなお兄ちゃんのカッコいい姿を見に行かない?」

「あ!見たいですぅ!」

「アキって確か召喚大会よね?三回戦までは一般の人は入れないんじゃ……」

「葉月ちゃんだけだし大丈夫っしょ!それに小学生一人くらい多めに見てくれるっしょ!」

「まあそれもそうね!」

「私もついていきます!」

 

 ということで俺たちは召喚大会へと向かった。

 

 

 

 会場に着くと、ちょうど明久と雄二の番だった。対戦相手は………

 

「Bクラス代表の根本とCクラス代表の小山か……。」

「アイツらなの⁉︎なんか嫌だね〜。」

「まああの2人に任せておけって!どうせなんか作戦があるはずだぜ!」

 

 そうして試合は始まった。

 

「あれ、誰かと思えばBクラスとCクラスの代表カップルじゃないか!」

「よ、吉井に坂本⁉︎お前らが相手か!」

「どうしたの根本クン?Fクラスのバカコンビが相手なんだから勝ったも同然じゃない?」

 

 さて、この2人を相手にどう出るかな?

 

「じゃあ雄二、例のものを!」

「ああ、これのことだろ?」

 

 ってあれは!根本恭二の女装写真集、「生まれ変わった私を見て!」じゃないか!編集しているムッツリーニが何回も吐きながら作ったやつだ!となるとこれを使って脅迫するわけだね!

 

「さて根本君、こいつをばら撒かれたく……」

「明久、交渉の相手が違うぞ。おいそこのCクラス代表、これを見ろ。」

 

 そっちに交渉するんかい!しかも適当なページを開けて見せてるし!

 

「さ、坂本!分かった!降参する!だからその……」

「明久、根本を抑えとけ。」

「了解!」

「さてCクラス代表、この写真集が見たかったら俺たちに負けるんだ。」

「いいわ、私達の負けよ。」

「交渉成立だな。」

「勝者、Fクラスコンビ!」

 

 草。もう終わりかよ!脅迫して勝つとかアイツららしいけどね〜。

 

「ゆ、友香⁉︎頼むから見ないでくれ‼︎」

「別れましょう。」

「ちょ、ちょっと待ってくれ‼︎これには事情が〜‼︎」

 

 ざまあみやがれ!俺のビールを勝手に温めた罰、瑞希のラブレターをパクった罰、美波を人質にとった罰、教室の設備を破壊した罰をまとめて受けてもらおう‼︎あと隣で瑞希に笑われてるのもウケるよね〜w。

 

「あの、公園のおじさん!」

「何、葉月ちゃん?」

「バカなお兄ちゃんの出番が全然なかったですぅ…。」

「ごめんね。まさか俺もこうなるとは思ってなかったからね〜。それじゃあ帰るか!」

「はいっ!」

 

 こうして俺たちは教室に戻った。

 

 

 教室に戻ると、明久と雄二がチャイナドレスを持ってはしゃいでいた。そして瑞希と美波を見るや否や飛びかかってきた。

 

「さあさあ美波に姫路さん!さっきは僕の女装をよくも見てくれたね!そんな君たちにはこれをプレゼントするよ!」

「そういえば俺のことも無理矢理Aクラスに運んだよなぁ‼︎その罰として2人にはこれを着てもらおう‼︎」

「「えっ?」」

 

 面白いので俺も乗るか!

 

「お客さんを呼ぶための宣伝効果さ!2人が着ると似合うと思うんだけどな〜?ね、明久もチャイナドレスが大好きでしょ?」

「大好………愛してる。」

 

 いや、なんで言い直したし。それじゃあ自分の趣味を隠せてないよ?

 

「わっ、分かったわよ!店の売り上げのために仕方なく着てあげるわ!」

「そ、そうですね!ちなみに龍之介君もチャイナドレスが好きなんですか⁉︎」

「もちのロン!」

「そ、そうなんですね!」

 

 逆に嫌いな奴ってほとんどいないと思うけどね〜。さてと、これを秀吉にも………

 

「葉月もあの服着て手伝いたいですぅ!」

 

 葉月ちゃんもやりたいんかい!でも合うサイズのものがないし……

 

「………完成‼︎」

 

 ムッツリーニ⁉︎いつの間に現れたの⁉︎しかも作るの早くない⁉︎コイツの下心ってホント凄いよね!

 

「お兄ちゃん、ありがとなのですぅ!」

「………礼には及ばない!」

「じゃあ、ウチらは三回戦が終わったら着るね!」

 

 いやいやいや、それじゃあ意味ないでしょ!

 

「瑞希、美波!宣伝効果のためにも三回戦から着てくれ!ほら、明久からも頼む!」

「お願いします!」

「吉井君に龍之介君、もしかして私の事情を知って……」

「仕方ないわね!クラスのためだし協力してあげるわ!ね、瑞希!」

「あっ、はい!これくらいお安い御用です!」

「「しゃあ‼︎」」

 

 というわけで無事2人にチャイナドレスを着せることができた!あとは………って!

 

「葉月ちゃん!ここで着替えちゃダメ!ムッツリーニも死んじゃうよ!俺が女子更衣室案内するからさ!」

「は、はい!」

「………俺は興味ない‼︎」

「嘘つけ‼︎」

 

 滝のように鼻血出してる奴が言えることじゃないよね〜。

 

「そういえば、秀吉はどうした?アイツにも着せたいと思ってたんだが……。」

「………爽と一緒にメイド喫茶にいる。」

「じゃあ戻ってきてからでいいか。」

「雄二が呼びに行けば?」

「黙れ明久。二度とあんなとこ行くもんか。」

「本当は行きたいくせに〜w。」

「龍之介、ババアに頼んで酒を禁止にするぞ。」

「すいませんでした‼︎」

 

 お酒をネタに脅すって良くないと思うよ!3年後に自分たちが俺に対して何をやってきたのかを後悔させてやるんだからね!

 

 

 

 

 

  side 秀吉

 

 ワシは今爽兄と一緒にAクラスのメイド喫茶におるのじゃ、可愛いメイドさんがいっぱいおって眼福じゃのぅ!そしてワシらの担当は執事服を着た鳳之介じゃ!

 

「ご、ご注文のみ、ミラクルプリンになります///」

「鳳之介よ、恥ずかしのかのぅ?」

「う、うるさい、秀吉!」

「私の計算が正しければそれで合ってるはずだ。」

「そ、爽先輩!へ、変なことを言わないで下さい!」

「まあ緊張せずに頑張れよ。」

「はい……。」

 

 鳳之介はこう言うのが苦手じゃからな!恥ずかしがってるのがとても可愛いのじゃ♪

 

 はて、せっかく爽兄を連れてきおったのに、肝心の姉上が出てこんのぅ?聞いてみようぞ!

 

「鳳之介よ、姉上は出てこんのか?」

「う〜ん、店長だから出てこないと思う///」

「せっかく爽兄がおるのにのぅ。」

「私の計算が正しければ彼奴は自分の事を優先させる人間ではないはずだ。だからここに出てくることは無いだろう。」

「と、とりあえず爽先輩の分がまだだから聞いて来ます!」

「頼んだぞい!」

 

 ワシがそう言った瞬間、ちょうど姉上が出てきたのじゃ!

 

「ほらほら店長!たまにはホールに出ないと〜♪」

「あ、愛子が持てばいいんじゃ///」

「ボクは客引きがあるからまたね〜。」

「ちょ、ちょっと!」

 

 そして照れながら近づいてきて……

 

「お待たせしました!ご注文のミラクルプリンです!それとご注文の品は以上でお揃いでしょうか⁉︎」

 

 早口で喋りながら爽兄にミラクルプリンを渡した。姉上、いつもと違う格好だからか緊張してるのがバレバレじゃぞ!

 

「以上だ。感謝する。」

「はい。ではごゆっくり‼︎」

 

 姉上がすぐさま戻ろうとしおったので……

 

「待つのじゃ姉上♪ほれ爽兄、彼女に言うことはないのかのぅ?」

「良く似合ってるぞ。」

「あ、ありがとうございます///」

「ところで優子、私相手なのだからいつも通り喋れば良いと思うんだが。」

「で、でもアタシ店長だからしっかりしないと!それに爽兄はお客様だし!」

「そう固くなるな。まあリラックスしながらやれよ。」

「あ、ありがとう♪それじゃあ業務に戻るね!」

「ああ。」

 

 そうして姉上は戻りおった。絶対店じゃなかったらぴょんぴょんはしゃいでおったじゃろ。全く、可愛いもんじゃのぅ♪

 

 

 そんな事を思いながら食べてると、龍之介から連絡が入ったのじゃ。

 

『秀吉、戻ってきたらチャイナドレスに着替えて宣伝してね〜!』

 

 むぅ〜!恥ずかしのじゃ!でも店のためだからやるしかないのじゃ‼︎頑張るぞい‼︎

 

 そうしてワシは爽兄が食べ終わるのを待って教室に戻ることにしたのじゃ。

 

 

 

 

 

  side 龍之介

 

 召喚大会から戻ってきた瑞希と美波、そしてメイド喫茶から戻ってきた秀吉、更には葉月ちゃんの効果もあって、店内はお客さんで賑わってきたぞ!さあ、俺も頑張らないとな!

 

 そんな事を思った矢先、災厄共がやってきた。

 

「いや〜あの坊主の方めっちゃ可愛いかったぜ〜。でも上手く逃げられちまったよ‼︎」

「鮫之介、俺はモヒカンの方がタイプだったな‼︎‼︎ああいうタイプは実は可愛い性格をしてるってのが鉄板だぜ‼︎‼︎それより我が弟よ、売り上げはどんな感じだい⁉︎」

「途中厳しい時間があったものの、なんとか回復した。私の計算が正しければかなりのものになるはずだ。」

「おお〜‼︎それじゃあ俺たちのおかげだな‼︎‼︎」

「舞い上がるな。貴様らは妨害する方ではないか。」

「心外だね〜。今日は杏も俺もこんなに大人しいのにな〜!」

「全くだな‼︎‼︎」

 

 どこがだよ。学園中で噂になってたよ?半裸で酒臭いホモ2人がいるって。

 

 まあとりあえず俺はこの2人に見つからないように厨房に隠れてるか………

 

「ご注文は何にしますか?」

 

 あとウェイターは瑞希なんだね。可哀想に……

 

「「お嬢ちゃんで‼︎」」

「当店ではアフターサービスはしておりません。このメニューの中からお選び下さい。」

「じゃあ2人でウーロン茶2杯と飲茶8個で!」

「かしこまりました!それでは少々お待ち下さい!」

 

 やっぱり流石は兄貴達だ。一言目に堂々とこんな事を言うのは俺でもできないよ!まあ俺も二言目に言ってたけどね!

 

「龍之介君、ウーロン茶2杯と飲茶8個お願いします!あとお兄さん達の元に行ったらどうですか?」

「断る。瑞希、あんな奴らのところに行きたいと思うのかい?」

「私から見ればあの2人と龍之介君は大して変わらないですよ♪」

「いや全然違うでしょ‼︎もっとよく見てよ‼︎」

「いちいち女の子を持ち帰ろうとするところとか、酔うと脱ぐところとか、そっくりじゃないですか♪」

「いや、俺はアイツらほど脱いでないでしょ!」

「野球拳の件、先生に報告していいですか?」

「すいませんでした。」

「それじゃあお兄さん達のところに行きましょう!」

「う〜んとな、真面目に無理だね。今結構お客さんいるから厨房も手一杯なんだよね〜。」

「そうなんですか…。それじゃあ分かりました!」

 

 分かってくれたようで何よりだ!まあ本当はあんまり忙しくないんだけどね。だってアイツらに絡まれたら面倒くさいじゃん!

 

 さて、飲茶も完成したし渡すか!

 

「ほい瑞希、兄貴達のところに持ってって〜。」

「分かりました!」

 

 もう一回アイツらのとこに行くの可哀想だな〜。ちなみに今回は普通のウーロン茶だからね!

 

「お待たせしました!こちらご注文の飲茶とウーロン茶です!」

「「ありがとうお嬢ちゃん‼︎」」

「それと、龍之介君から伝言です。」

 

 ん?伝えることは何もないと思うけど?一体何を………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「明日の夜お兄さん達と男同士の恋愛について語りたい、だそうです。」

「「心得た‼︎」」

 

 ブチ殺すぞ。お前は俺の命をなんだと思ってやがる。

 

 

 そんな事を思ってると雄二がやってきた。

 

「明久、準々決勝の時間だぞ。それと龍之介、今回はお前もついてきてくれ。」

「了解!」

「マジかい!俺に何をさせるつもりなの?」

「着いたら話すぞ。」

 

 ということで召喚大会に向かうことになったんだが……

 

「あれ、吉井君達も召喚大会ですか?」

「そうだよ姫路さん。」

「と言うことはウチらの対戦相手って……」

「ああ。俺と明久だ。」

 

 マジかよ⁉︎できれば決勝戦まで当たらないで欲しかったのに‼︎そんな事を思いながら俺たちは準々決勝に向かった……って瑞希に言うことがあるんだった。

 

「おい瑞希!」

「なんですか龍之介君?」

「ブチ殺すぞ。兄貴達に嘘を伝えるんじゃねえよ。」

「龍之介君が忙しいって嘘をつくからですよ!」

「お前はあんな兄に会いたいと思うのか。」

「私一人っ子なので分かりません♪」

「クソが‼︎」

 

 最近調子に乗りやがって!そんな事を思いながら俺たちは会場に到着した。




 ということで三回戦に根本&小山ペアが登場しました。まあやってることは原作と変わらないんですけどね。

 そして、次回は召喚大会の準々決勝のお話です。お楽しみに。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第十八問  準々決勝・準決勝

バカテスト 公民?

問 次の問いについて答えなさい。

『 婚姻 とは何かを説明して下さい。 』


姫路瑞希の答え

『 社会的に承認された夫と妻の結合。 』

教師のコメント

正解です。日本では男性は18歳から、女性は16歳から可能ですね。



清水美春の答え

『 お姉様とのイチャラブ生活 』

教師のコメント

日本では同性婚は認められていません。海外に行くのをお勧めします。


坂本雄二の答え

『 人生の墓………………幼馴染みと結ばれること 』

教師のコメント

途中から筆跡が変わっているのは気のせいでしょうか。


蕨屋敷爽の答え

『 私がパチスロに使用する金を貢いでくれる年上か同級生の女を利用すること。 』

教師のコメント

堂々のATM宣言にもはや尊敬の念すら覚えます。


  side 龍之介

 

 召喚大会の準々決勝で、まさかの出場メンバーと一緒にステージ上に上がることに。雄二は一体何をするつもりなんだろう?

 

 それにしても、凄いお客さんだね〜。準々決勝から一般公開も入るって言ってたけど、いきなりこれは中々だと思うよ。

 

「それじゃあ、準々決勝を……」

「ちょっとすいません。少しですがマイクをお借りしてもよろしいですか?」

「は、はい…。」

「島田、姫路、こっちに来い。龍之介は突然で申し訳ないが宣伝を頼むぞ。」

「なるほど、そういうことね!」

 

 だから俺を呼んだわけか!でも………

 

「俺って老け顔だからダメなんじゃなかったの?」

「まあそれについては大丈夫だ。高校生のコスプレをした担任とでも思ってくれるだろう。」

「いや良くないでしょ!ちゃんと生徒として見られたいよ!」

「まあつべこべ言わずにやってくれ。」

「分かったよ……」

 

 全く、俺が老け顔であることが最近損にしかなってないぜ!まあそれはともかく、さっさと宣伝を始めるとしますか!

 

「清涼祭にご来場の皆様にお知らせがありま〜す!私たち5人は2年Fクラスで本格飲茶を提供する中華喫茶を営業しております!しかもこの2人のような可愛いらしいウェイターが多数働いております!ちょっと小腹が空いた方、あるいはちょっとお時間に余裕のある方は是非お越し下さい‼︎」

「「「「よろしくお願いします‼︎」」」」

 

 ざっとこんなもんさ!放浪期間のバイトとかである程度慣れてるからね!これくらいは楽勝よ!

 

「では先生、マイクをお返しします!」

「……ということだそうです。ご見学の皆様、お時間に余裕がありましたら出場選手のいる2-Fに立ち寄って見てください。さていよいよ召喚大会の始まりです。Fクラスの4人とも、いい試合をお願いします!」

 

 先生も協力してくれた!ありがとね!さて、やることも無くなったし失礼するか……。

 

「おい待てェ、失礼するんじゃねェ。これからお前は姫路や島田と話すことがあるだろうがァ。」

「「「は?」」」

 

 ちょっと待って⁉︎瑞希も美波もびっくりしてるけどどういうこと?

 

「2人とも、実は龍之介がペアチケットを使って幸せになりたい相手って違うんだよね〜。」

「明久、返答次第ではお前の命はないよ?」

「ちょっとリュウ、どういうこと?」

「私も聞きたいです!」

「えっとね〜、龍之介が一緒に行きたいって言ってたのは美波……」

「え?リュウはウチと幸せに⁉︎」

「の妹、葉月ちゃんだね!」

 

 え?それって俺が………

 

「龍之介君?成人男性が小学生に手を出すのは犯罪ですよ⁉︎」

「アンタ、ウチの妹に何をする気なのかな⁉︎」

 

 怒られるじゃん!クソ!こうなったら誤解を………

 

「アキたちの前に、先にこの犯罪者を処理するわ!瑞希、行くわよ!」

「はい!」

「おいおい、ちょっと待ってくれ島田、姫路!」

 

 やった!雄二が助けてくれた!これで俺は………

 

「そういうのは一応召喚獣同士の勝負で決めるのがこの学園のルールだろ?それに今はお前らの得意な数学なんだからチャンスじゃないか。だから今のうちに召喚獣勝負で叩きのめせ!」

 

 おい!味方を売ってどうするつもりなのさ!でもまあいっか!だって………

 

「それもそうですね!先生、龍之介君の召喚許可を!」

「あの、2人とも本当に……」

「「大丈夫です‼︎」」

「それじゃあ承認します。」

「「「「「試獣召喚《サモン》」」」」」

 

 

 

数学

 

Fクラス

     吉井明久 4点

     坂本雄二 235点

    鷹狩龍之介 467点

      VS

Fクラス

     島田美波 287点

     姫路瑞希 427点

 

 

 

 敵に対して塩を送るのは別に悪いことじゃないからね!そしてあの2人へ怒ると冷静さを失うからね!それを利用するなんて、流石雄二だね!

 

「美波、瑞希、これをくらえ‼︎《酒鉄砲》!」

「俺もいるぜ!」

「僕もいるよ!」

「そんなのお構いなしに倒してあげるわ!」

「龍之介君にはお仕置きです!《熱線》‼︎」

 

 うわ!2人とも俺狙いかよ!でも俺の腕輪の力は水鉄砲とほぼ同じだから近づいてくる相手には相性がいいぜ!くらえ、俺のスピリタス!

 

 

 

数学

 

Fクラス

     吉井明久 4点

     坂本雄二 154点

    鷹狩龍之介 0点

      VS

Fクラス

     島田美波 0点

     姫路瑞希 0点

 

 

 

「勝者、相手の性格的弱点につけ込んだ男子チーム!」

「「「イェーイ‼︎」」」

「ウチが暴走しなければ……」

「私もです……」

 

 キレる十代、キレて痛い目を見る、ってね!ざまあみやがれ!

 

「それじゃあ2人は喫茶店を頑張ってね〜!あとは僕たちが頑張るからさ!」

「「は〜い………」」

 

 まあ俺も喫茶店を頑張るとしますか!さてと、もど……

 

「それと、島田、姫路。召喚獣同士の勝負はしばらくできないからリアルファイトしていいぞ。」

「「了解‼︎」」

「おいコラ雄二!俺を売るな!あと俺は葉月ちゃんに手を出す気は毛頭ないぃぃぃぃぃ‼︎」 グギギギ

 

 クソが!結局虐められるのかよ!だったら………

 

「あれ〜?葉月ちゃんと一緒に行きたいのは明久の方じゃなかった〜?」

「え?」

「アキ、ちょっとウチに説明しなさい!」

「吉井君も犯罪を犯すつもりですか〜?どうやらお仕置きが必要なようですね?」

「ちょっと待ってよ2人とも!あれはぁぁぁぁ‼︎」

「ざまあみやがれ‼︎」

 

 よし!俺をハメた明久に仕返しができたのでよしとするか〜。

 

 

 

 

  side 美波

 

 準々決勝が終わった後、ウチは教室に戻ってホールの仕事をしていた。

 

「君、注文をしてもいいかな?」

「はい!」

 

 あれ、教頭先生だ!また来てくれたんだ!この人意外とこういう行事が好きなんだね〜。

 

「ウーロン茶1杯と飲茶を1個で。」

「かしこまりました!」

「それと、聞きたいことがあるんだがいいかね?」

「はい!なんでしょうか?」

「このクラスに吉井明久という生徒がいると聞いたんだがどの子かな?」

「え〜と、今厨房から出てきた薄い茶髪のあの人です。呼びましょうか?」

「いや大丈夫だよ。ただ観察処分者がどんな感じでクラスに馴染んでいるかが気になったのでね。」

「なるほど。それじゃあ飲茶が出来るまで少々お待ち下さい。」

 

 やっぱアキは結構知れ渡ってるのね〜。まあ観察処分者だからね〜。とりあえず厨房に注文を伝えに行くか〜。

 

「飲茶を1個とウーロン茶を1杯お願い!」

「………了解。………あと明久と一緒に茶葉を持ってきてくれ。」

「分かったわ。それじゃあ一緒に行くよ、アキ!」

「うん!」

 

 そうしてウチとアキは2人で隣の空き教室に茶葉を取りに行った。

 

 

「えっと、アキ、どれくらい持っていけばいいんだっけ?」

「あ、僕も聞き忘れちゃった…。」

「じゃあウチが聞いてくるわね。」

「ありがとう!」

 

 そう言って出ようとしたとき………

 

「おい。」

 

 不良が3人入ってきた。こ、怖い!けど何しに来たんだろう?

 

「あの、ここは部外者立ち入り禁止なんです!だから出て行ってもらえますか?」

「そうはいかん。吉井明久に用があるんでな。」

「へ?僕に何か用ですか?」

「お前に恨みはないけどとっととくたばりやがれ!」

 

 マズい!このままじゃあアキが傷ついちゃう!

 

「させないわ!」 ドゴォ!

 

 不良の1人に蹴りを入れる!ウチを舐めるんじゃないわよ!

 

「クソ!なんだこのクソアマ‼︎」

「美波危ない!」

「へ?」 

 

 しまった!油断し………

 

「痛!」

 

 不良に殴られちゃった……

 

「テメェら、よくも美波に手を上げてくれたな‼︎」 ドゴォ!

「とりあえずお前もくたばれや!」

 

 アキがウチのために戦ってくれてるんだ!ならウチだって!

 

「アンタ達こそさっさとくたばりなさい‼︎」 ドゴォ!

 

 アキに集中してる不良に不意打ちのパンチ!

 

「クソ!この女地味に強えぞ!」

「じゃあ先にこの女……」

「させるか!」 ドゴォ!

「なんだと⁉︎」 バキッ!

 

 マズい!このままだと数が多い向こうが有利!なんとかしないと……。そう思ったそのとき………

 

「おい明久、美波!これはどういうことなのさ⁉︎」

「営業妨害の連中だな。とりあえず俺の腕の見せ所か!」

「仕上げは俺の魔法の水で決めてやるぜ!」

 

 リュウと坂本が助けに来てくれた!ここは……

 

「アキ、とりあえず距離をとるわよ!」

「分かったよ、美波!」

 

 人質になるのを回避する!これで坂本の邪魔にはならないはず!

 

「クソ!逃す………」

「テメェらの相手は俺だぞ?勘違いするな……よ‼︎」 ドガ〜ン‼︎

「「「ぎゃぁぁぁぁ‼︎」」」

 

 坂本は昔凄く強い不良だったらしいね。ウチとアキが苦戦していた相手を一気に3人仕留めちゃった。そして最後は………

 

「はいはい〜!疲れたあとは水分補給で〜す♪」

「なんだ………」 バタン

「貴様…………」 バタン

「うっ…………」 バタン

 

 多分とんでもないお酒を飲ませたんだろうね。不良達が一気に倒れちゃったよ。

 

「龍之介、ちなみにその水は何で出来てるんだ。」

「雄二、これはスピリタスの黒霧島割りだよ。色が似ているから水と一緒みたいなもんさ!」

 

 相変わらずリュウは飲み物を色で分類しているらしい。

 

「それってかなり強い酒なのか?」

「スピリタスは最強だね。これより度数の高い酒を俺は知らないからね。なんせ消毒液よりも度数が高いからね。あと黒霧島などの焼酎も普通はお湯とかソーダとかで割って飲むくらいには度数が高いよ。」

「そりゃあ不良もぶっ倒れるわな……。」

「まあまあ、とりあえず食材持って戻ろうぜ!明久と美波も助けるのが遅れてごめんね!」

「いえいえ、二人のおかげで助かったよ!」

「ありがとね、リュウ、坂本!」

 

 最後にアキにお礼を言わなきゃ!

 

「アキ、ありがとね!ウチのために戦ってくれて!」

「美波こそ、男の僕が頑張るべきところなのにほとんど任せちゃってごめんね。」

「そんなことないよ〜。まあ、とりあえず戻ろっか!」

「うん!」

 

 やっぱりアキのこういうところがウチは好き。本当だったらいつもサンドバッグにしているウチが頑張らなきゃいけないのに。よ〜し、ウチも瑞希に負けないようにアキのために色々と頑張るぞ〜!

 

 

 

  side 明久

 

 僕が美波を守るべきときだったのに、全く守れなかった。それなのに美波は笑って許してくれてるどころか自分の非を詫びてきた。なんて凄い人なんだろう。今までずっと美波は友達だったけど、初めてそれ以上に好きという気持ちが出てきたよ。

 

 

 

 

  side 龍之介

 

 奴らにスピリタスの黒霧島割りをお見舞いしたところで、教室に戻ってきた。するとさっきからずっと爽とおしゃべりしていた木下に声をかけられた。

 

「あのさ鷹狩、さっき何があったの?」

「不良による営業妨害さ。明久と美波が巻き込まれた。」

「私のパチンコ玉が間に合わなくて申し訳ない…。」

「俺と雄二も気付くのがちょっと遅かったからね…。お互い様さ。」

「なんか物騒なことになってるね…。吉井と島田も可哀想に…。」

「そうだね…。」

 

 最初の常夏コンビはまだ良かったけど、なんか急にヒートアップしてないか?これ以上はやめて欲しいね。あとさっきから教頭によく会うな。1日でこんなに同じ人に会うことがあるか?普段は全く見ないような男だぞ?いくら意外な趣味があったとしても流石に不自然すぎる気がするな…。

 

 まあ、そんなことを思っていると準決勝の時間になったみたい。今度は明久に声をかけられた。

 

「次の準決勝でちょっと協力してくれない?」

「うん、分かったよ!」

 

 そして明久と作戦会議を行った。それが終わった後、

 

「次の準決勝でちょっと協力してくれないか?」

「うん、分かったよ!ただしこれもさせてね!」

 

 雄二と作戦会議を行った。

 

 

 

 2人の作戦会議も終わり、遂に準決勝の時間がやってきた。ちなみに明久と雄二以外に俺と秀吉が会場にいる。そしてなんと対戦相手は………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…雄二、邪魔しないで。」

「吉井君、僕には夢があるんだ!だからここで負けるわけにはいかないんだよ!」

 

 霧島&久保の学年主席&次席ペアである。しかも科目は総合科目。普通にやったら俺と瑞希でも勝てないような相手だ。でも俺たちは勝たなければいけない!ならここは俺たちなりのやり方で勝たせてもらう!

 

「それじゃあすいません!再びマイクを借りてもいいですか?」

「あ、はい。」

 

 そしてまずは俺と秀吉の宣伝タイムだ。秀吉の可愛らしさから更にお客さんが増えること間違いなしだね!そしてその後は霧島&久保の宣伝タイムになった。

 

 そしていよいよ準決勝開始だ!さて、まず俺がやることは……

 

「久保!試合前にすまない!ちょっと渡すものがあるのさ!危害とかは一切加える気はないから俺のところに来てくれないかな?」

「分かったよ。」

 

 久保との小声での取り引きだ。ちなみにこれは雄二の作戦だよ。

 

「(久保、お前に話がある。)」

「(なんだい鷹狩君?)」

「(実は明久のことなんだけど……)」

「(吉井君のこと⁉︎まさか僕に興味が⁉︎)」

「(う〜んとね、そうじゃなくて、アイツ遊園地嫌いなんだよね。今回参加してるのも店の仕事が忙しい友人の代わりだしね。)」

「(それは本当かい⁉︎)」

「(本当さ。だからもし如月グランドパークのペアチケット目当てで参加してるなら優勝しても意味がないよ。代わりにこの映画館のペアチケットをあげるから降伏して欲しいな〜!)」

「(ありがとう、鷹狩君!)」

 

 なにせコイツは明久に恋愛感情を抱いているのだ。それこそメイド喫茶で自分の水と塩を持ってくるくらいにはな。だからペアチケット目的で参加していてもおかしくはない。だからこの取り引きにも応じるはず!

 

「僕は不戦敗で大丈夫です!」

 

 でしょうね!まずは一人目クリアだ!

 

「…ちょ、久保⁉︎…何してるの‼︎」

「すまない霧島さん。僕は目的を見失ってしまったのさ…。」

「だそうだ翔子。お前も諦めてさっさと負けを認めな。」

「…嫌。…私は絶対に諦めない!」

「諦めてくれ!俺にはまだやりたいことが沢山あるんだから‼︎」

「…雄二、そんなに私と行くのが嫌?」

 

 普段クールな子がやる上目遣い!その威力はもはや無限大だ!俺もキュンキュンしてるよ!もしここで酷いことを言える奴がいたならそいつは人間じゃないね!

 

「あぁ、嫌だね。」

 

 雄二はどうやら人間じゃないみたいだ。

 

「…やっぱり一緒に暮らして分かり合う必要がある。…そのためにもまずはここで勝つ!」

「やれるもんならやってみろや!さあさあ、1vs2で勝てるかな⁉︎」

 

 いや、ぶっちゃけ霧島なら勝てると思う。でもここは……

 

「雄二、実は僕、もっと楽に勝てる方法を思いついちゃったんだよね〜。」

 

 明久の出番だ。俺はアイツと打ち合わせしていた通り雄二に近づいた。

 

「僕のセリフを雄二は言って欲しい!もちろん棒読みにならないでね!」

「よく分からんが分かった。今回はお前に任せよう!」

「じゃあいくよ!」

 

 そうして明久の作戦が始まった!

 

《翔子、俺の話を聞いてくれ》 ←明久ささやき声

「翔子、俺の話を聞いてくれ‼︎」 ←雄二大声

「…なっ何?」 ←翔子

 

《お前の気持ちは嬉しいんだが、俺には考えがあるんだ》

「お前の気持ちは嬉しいんだが、俺には考えがあるんだ‼︎」

「…雄二の考え?」

 

《俺は自分の力でペアチケットを手に入れてお前と幸せになりたいんだ!》

「俺は自分の力でペアチケットを手に入れて、お前と……っておい‼︎誰がいうかそんなこと‼︎」

「…雄二///」

 

 言うこと聞かない反抗期のゴリラには俺と明久のダブル手刀だ!

 

「グファ‼︎」 ガクッ

 

 雄二が気絶したところで……

 

「(秀吉、頼む!)」

「(分かったのじゃ!)」

 

 ここで秀吉の出番だ!本当はこのために呼んだんだよね!宣伝は雄二に悟らせないためのカモフラージュさ!

 

「翔子、ここは俺にチケットを譲ってくれ‼︎そして優勝したら結婚しよう‼︎愛してる、翔子‼︎」 ←雄二大声(CV. 秀吉)

 

「……雄二。…私も愛してる。……不戦敗で。」

 

 

 

総合科目

 

Fクラス  吉井明久&坂本雄二 不戦勝

         VS

Aクラス  霧島翔子&久保利光 不戦敗

 

 

 

「えっと、勝者はFクラスコンビですね…。」

 

「「「よっしゃ〜〜〜〜〜‼︎」」」

 

 というわけで俺たちの作戦勝ちだ!さてと、観客の冷たい視線を無視して帰るとするか〜。

 

 

 しばらくすると、俺たちはある違和感に気づいた。

 

「ねえ明久、秀吉。雄二はどこ?」

「確かにおらんのぅ。」

 

 さてはまさか、霧島に誘拐されたか?

 

「とりあえず俺と明久で探してくるよ!秀吉はウェイトレスとして頑張って欲しいから先に戻ってて!」

「了解‼︎」

「分かったのじゃ!」

 

 ということで俺と明久で雄二を探しに行った。意外にも大会会場のすぐそばにいたので助かった。

 

「霧島さん!雄二には決勝もあるから連れてかないで!」

「逆に決勝が終わったら好きにしていいよ♪」

「…ありがとう。」

「明久、龍之介‼︎今日という今日はお前らをコロス‼︎」

「ちなみにこの作戦を提案したのは明久ね〜。」

「逆に聞くけど雄二はどうやって久保君を降伏させたの?」

 

 マズい!それを言うと明久が新しい世界の扉を開くことになっちゃう!

 

「「言わない。やたら少ない脳味噌で考えたらどうだ?」」

「久保君の好きな人を利用したの?」

「まあそうだね。」

「ああ。」

 

 まさかそれが自分だとは思わないだろうね〜w

 

 

 そんなことを思いながら3人で教室に戻る途中、雄二が不穏なことを言った。

 

「ところで島田や姫路は教室にいるのか?」

「いや、まだ確認してないけど。」

「多分そろそろ仕掛けてくるはずなんだが……」

 

 仕掛け?また営業妨害が来るの?しかもその2人の名前を挙げたってことは……そんなことを思いながら教室に戻ると、瑞希が大慌てで俺たちのところに駆け込んできた。

 

 

「大変です‼︎木下君が私たちを庇って不良7人に誘拐されました‼︎」




 ということでちょっと長いですが召喚大会の準々決勝と準決勝でした。安定のセコイ勝ち方ですね。

 そして原作とは打って変わって不良に襲われたメンツが2回とも変わっています。1回目はともかく、2回目の誘拐の方はどうなっていくでしょうか。それは次回のお楽しみに。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第十九問  人質救出大作戦

バカテスト 日本史

問 次の問題に答えなさい。

『 1603年に江戸幕府を開いた人物を答えなさい。 』


鷹狩龍之介の答え

『 徳川家康 』

教師のコメント

正解です。ちなみに旧姓は松平元康ですね。


土屋康太の答え

『 豊臣秀吉 』

教師のコメント

不正解です。豊臣秀吉は天下を統一しましたが江戸幕府は開いていません。その前に亡くなりましたね。


蕨屋敷爽、島田美波の答え

『 木下秀吉 』

教師のコメント 

木下君は何歳なんですか?


  side 龍之介

 

 教室に戻ると、瑞希が大慌てで俺たちのところに駆け込んできた。

 

「大変です‼︎木下君が私たちを庇って不良7人に誘拐されました‼︎」

 

 なんだって⁉︎さっきの明久と美波を襲った不良達といい、度が過ぎないか⁉︎

 

「姫路、状況を詳しく説明してくれ。」

「いきなり不良7人が教室に入ってきて私、美波ちゃん、葉月ちゃんの3人を誘拐しようとしたんです…。」

「そしたら木下が途中で帰ってきてソイツらに、拐うなら自分一人にしてくれ、その代わり他の人には手を出さないでくれ、って言ったのよ。」

「あの可愛いお姉ちゃんがワシに任せて、って言ってたのですぅ!」

「ウチが喧嘩でなんとか出来れば良かったのに……」

「美波、7人相手は無理だよ!」

 

 明久の言う通り、7人相手に1人で挑むのは無理だ。さて、どうしたものか……。そんなことを思ってると雄二が口を開いた。

 

「妨害工作の一種だ。俺や明久とやり合っても勝ち目がないと考えたからこう来たのか。」

「どういうことだよ雄二!」

「落ち着け明久。これは予想の範疇だ。もう一度俺たちに直接攻撃してくるか喫茶店にちょっかいを出してくるか。そのどちらかで妨害工作を仕掛けてくるのは予想できたからな。」

 

 妨害工作………まさか!

 

「雄二、常夏コンビと明久や美波を襲った不良達が繋がってるってこと?」

「俺の予想が正しければな。いくつか引っかかる点もあるしな。」

 

 引っかかる点……、何度も起きた妨害工作……、ん?何度も?そういえば不自然なくらいに何度も会った人がいたような……。

 

「ねえ雄二、それに教頭も入ってる?」

「そうだな。妨害工作が起きた現場には毎回居合わせていたからな。」

「やっぱりね。アイツがこんなイベントを好むはずがないもん。しかも1日にそう何度も同じ人を見ることなんてなかなかないしね。」

「全くだな。今回の件も姫路達に危害を加えて召喚大会どころではなくするつもりなんだろう。」

 

 となると、ババア&俺&雄二&明久vs教頭&常夏コンビ&不良っていうわけね。さてと、やることは一つだ!秀吉の………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お主ら、何をやっておるのじゃ?」

 

 あれ?秀吉が戻ってきたぞ?

 

「秀吉‼︎無事だったんだね!」

「助かった。秀吉、お前のおかげだ。クラスを守ってくれてありがとう。」

「木下君、ありがとうございます!」

「木下、本当に感謝するわ!そして無事で何よりよ!」

「お姉ちゃん、ありがとなのですぅ!」

「しかも無傷だし、良かったよ‼︎」

「な、なんのことかよう分からんのじゃ?」

「ほらほら〜、誤魔化さなくていいから〜。」

 

 秀吉ってあまり成功体験をひけらかす人じゃないからね。こんな時でも平常を装っているのは流石だね!

 

 更にはムッツリーニと爽が帰ってきた。

 

「何があったんだ貴様ら。私に教えろ。」

「………なんでみんな喜んでるんだ?」

「秀吉が瑞希達を庇って不良7人に誘拐されたんだけど戻ってきたんだよ!」

「………意外な強さ!」

「私の計算が正しければ秀吉はメンタルが強いからな。不良共にも屈しなかったのだろう。」

 

 良かった〜!これで万事解決だね!さてと、そろそろ閉店だし酒でも飲み………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちょっとお主ら、何を言っておるのじゃ!ワシは不良など相手にしておらぬ!」

「でも木下はさっきウチらを庇ってくれたじゃない?」

「いや、本当にそんなことをした覚えはないのじゃ!そもそもワシはお手洗いに行ってたのじゃ!」

 

 え?どういうこと?記憶喪失………ではないような。

 

「秀吉、それは本当か?」

「本当なのじゃ!」

「記憶喪失………」

「してないのじゃ!」

 

 じゃあ拐われたのは姉の方?でもそれだと引っかかる点が多い。そもそも木下はこの件を知っていたのか?知っていたとして、なんでわざわざ秀吉のフリをしてまで拐われたのか?意味が分からな過ぎる。そんなことをしたら本物の秀吉が帰ってきて誘拐が解決したと勘違いされ、一生助からないかもしれないのに。雄二も同じことを思っていたらしく俺の代わりに口を開いた。

 

「じゃあ拐われたのは秀吉のフリをした姉の方か?」

「そうじゃ……ん、姉上からメールが来ておる!2分前……このクラスのクレープ屋美味しいって自撮りしておる。」

「私にもだ。」

 

 じゃあ木下姉でも無さそう……。となると隠し子?木下姉妹は実は三つ子で……とか?

 

「じゃあ一体拐われたのは誰なんだ?姫路達、本当に秀吉が拐われたのか?疲れてただけなんじゃないのか?」

「本当なんです!クラスの皆さんも見てましたよね⁉︎」

「「「「うん……」」」」

 

 一体何が起きてるんだろう?そんなことを思ってると、葉月ちゃんが口を開いた。

 

「ところで、お姉ちゃんはまた普通のお洋服からチャイナドレスに着替えたんですねっ!」

「何を言うておる。ワシはしばらく………」

「すまない。私は用事を思い出した。これにて失礼する。」

「ん、そういうことじゃったか。それならワシもじゃな。」

 

 突然爽と秀吉が帰ってしまった。こんな時にこの2人はタイミングが悪いなぁ。そんなこと思っていると………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………誘拐された子の居場所を特定した。………カラオケ屋の盗撮機から。………しかも秀吉の声が聞こえる。」

 

 何だと⁉︎それじゃあ囚われたのはやっぱり秀吉の真似をした木下か!俺たちのために自爆しようとしたんだな‼︎そんな恩を売られちゃあ仇では返せないよなぁ‼︎

 

「爽!秀吉!俺も混ぜろよ‼︎」

「………俺も行く。」

「僕も助けに行くよ!」

「おいおい、喧嘩と言ったらまず俺だろ?」

「貴様ら……」

「そうと決まれば姉上を助けに行くぞい!」

「じゃあウチらも……」

「姫路、島田姉妹は他のクラスの連中と喫茶店に残っていてくれ!閉店時間ギリギリまで稼ぐんだ!」

「「「了解‼︎」」」

 

 こうして男6人による木下の救出大作戦が始まった。

 

 

 

 

 

 

  side 優子

 

 学園長室での学園長と教頭先生の不穏なやりとり。その後の学園長と坂本達との優勝賞品を回収して欲しいとのやりとり。そしてそれを何らかの手段で知った教頭先生が坂本達を妨害。だからクラスに何度もあのクレーマー達と教頭先生が来たり、吉井達が不良に襲われた時も教頭先生がいたりしたのね。しかも恐らくこれは全て教頭先生の指示。優勝賞品のどちらかに不備があってそれを利用して学園長を失脚させるつもりなのね。

 

 しかも坂本達がここまで勝ち残った以上、何らかの妨害をしてくるのは予想できたわ。そして実際にしてきた妨害はウェイトレスの誘拐。ウェイトレスに危害を加えて召喚大会そのものを潰すつもりなんでしょ?でもそうはさせないわ!自分の目的のために生徒を傷つけるような貴方が新学園長になるのは絶対に許さないからね!

 

「お主ら、拐うならワシにせい!その代わり他の者には手を出すでないぞ!」

「おお、この嬢ちゃんいい度胸してるじゃねえか!」

 

 アタシが秀吉のフリをして拐われる!こうすることで本物の秀吉が帰ってきた時に何事もなかったと思わせることが出来る。そうすれば無事に召喚大会は行われるわ!でもアタシだとバレちゃうのはマズいから保険を打っておかなきゃね!

 

「姫路、島田よ、ここはワシに任せるのじゃ!上手くやってみせるぞい!」

「木下君、大丈夫なんですか……」

「アンタ、無理しなくていいのよ……」

「可愛いお姉ちゃん………」

「大丈夫じゃ!すぐに戻ってくるぞい!」

 

 こうしておけば秀吉がすぐに戻ってくることで辻褄が合う!あとはもし爽兄と秀吉本人に気付かれた場合についてなんだけど、それについては拐われた後で………

 

「おいテメェ!携帯を使って助けを呼ぶつもりか!」

「違うの。送るのはこの文章じゃ。」

「な〜んだ。それならいい。」

 

 アタシ自身にアリバイを作っておく。元々Fクラスに来る前に別のクラスのクレープ屋で自撮りをしていたからね!それを使えば爽兄達もアタシが拐われたとは思わないはず。更には坂本達が傷つくこともないはずよ。

 

 あと、元々寒いから下にTシャツと短パンを着てたのが助かったわ!私服姿でいれば文月の生徒に何かあったと思われないはず!メイド服を脱ぐのにちょっと時間がかかっちゃったけど、間に合ったからセーフよ!

 

 教頭先生、残念ながら貴方の作戦は失敗よ!アタシをいくら虐めても何の意味もないんだからね!

 

 

 でもここでアタシはめちゃくちゃにされるんだろうなぁ………。避妊薬は一応さっき買って飲んだけど………。怖いよ……どうなっちゃうの………助けてよ、爽兄………。怖い………って思ってる場合じゃないわ!いつまで爽兄に頼るつもりなのよ!怖がるのももうやめ!ちゃんと自分の役割を全うするんだから!

 

 

 

 

 

  side 爽

 

 優子、お前はいつだってそうだ。自分のことを度外視して他人のために頑張れる女だ。自分のことしか考えられない私とは天と地ほど違う。名前の通り優しい女だ。だからそんな優子のことを踏みにじる奴は誰であろうと許さない。絶対に許さない。

 

 

 

  side 秀吉

 

 姉上……。いつもお主は人のために頑張りおる。ワシはそんな姉上にいつも助かられておったのぅ。じゃから今度はワシが助ける番じゃ!

 

 

 

 

 

  side 龍之介

 

 雄二の指示の下、木下の救出作戦が始まった。ちなみに作戦はこんな感じさ。

 

 

 

①ムッツリーニと俺が店員のフリをして灰皿とマイクを持って侵入する。

②秀吉が酔った女の子のフリをして入り不良達の視線を集める。

③その隙に爽がゴムパチンコで不良の股間にパチンコ玉をぶつけまくる。

④その後で明久と雄二が乱入。先に入っていた俺、ムッツリーニ、秀吉と共に暴れまくる。

⑤気絶した不良達に俺が新世界の扉を開かせる代物を置いていく。

 

 

 

 ちなみに万が一のことを考えてお酒で潰す作戦は中止になっている。人質である木下の口に入ったらマズいからね。

 

 さて、まずは俺とムッツリーニの出番だ!

 

「………灰皿をお取り替えします。」

「新品のマイクで〜す。古い物と交換しに来ました〜。」

「おう。でこのネーチャンと早くヤッちまおうぜ!」

「そうだな‼︎」

 

 とりあえずマイクを交換して店の奥の方に侵入。木下とも一応アイコンタクトを取っておいた。まあ頭のいいコイツなら察してくれるでしょ!そして次に入ってきたのは………

 

「え〜、ここどこ〜?ミキとネネはどこ行ったの〜?」

「おい、なんかもう一人可愛いネーチャンが入ってきたぞ!」

「コイツもヤッちゃおうぜ!」

「わ〜、お兄さん達、ステキね♪もしかしてアタシと遊びたいの〜?」

 

 秀吉だ!姉を救うための色仕掛け!不良達は完全に釘付けだ!そして舞台は整った。後はアイツのお出ましだ!ヒロインを救いに来るのは、やっぱりヒーローだよなぁ‼︎

 

 

 

 

 

「私は優子に危害を加える者には、容赦はしないと決めている‼︎」

 

 

 

 

 

 行け‼︎俺の悪友よ‼︎不良達に目に物を見せてやれ!

 

「なんだて……ぎゃぁぁぁぁ‼︎」

「なんてことしやがるぅぅぅ‼︎」

「「「「「ぎゃぁぁぁぁ‼︎」」」」」

 

 一気に不良達の股間にパチンコ玉をぶつけまくる!全弾命中だ!とんでもねえコントロールだぜ!そして援軍でやってきたのは……

 

「死に腐れぇぇぇぇ‼︎」

「丁度いいストレス発散の道具があるじゃねえか!生まれてきた事を後悔させてやるぜ!」

 

 明久と雄二だ!明久はともかく、元々強い上に霧島に追い詰められてストレスが溜まった雄二の相手をするなんてアイツらも可哀想だよね♪

 

「クソ!坂本まで来てたのか⁉︎でもよぅ、お前ら大人しくしてろよな?コイツがどうなってもいいのかぁ⁉︎」

 

 木下を人質に取った。これじゃあ雄二達はうかつには動けない。でもね……

 

「いいか?大人しくしてろよ。さもないとヒデェ傷を……」

「………負うのは」

「お前だ‼︎」  ドゴォ‼︎

「アガァッ‼︎」 バタン

 

 俺とムッツリーニによるマイク&灰皿の攻撃‼︎有言実行させてあげたんだから感謝しろよな‼︎

 

「さあさあ、ひと暴れさせてもらうぜ‼︎」

「「「「おう‼︎」」」」

 

 こうして雄二の乱暴タイムに俺たちも加わることになった。まあ俺は喧嘩弱いから端っこでちょっと加勢するだけなんだけどね。

 

 

 

 

  side 優子

 

 どうして……。なんで……。なんで貴方はいつもアタシが弱ってるときに助けに来てくれるの……。

 

「優子、遅くなってすまない。」

「爽兄…………」

「私の計算が正しければ貴様はこうするはずだ。」

「そんな………。い、いつもごめんなさい……」

「何故謝る。私には理解できない。」

「うう…………」

「とにかく帰るぞ。明日も頑張らないとな。」

「う、うん!あ、ありがとね!」

 

 ありがとう爽兄……。こんなアタシのことを助けてくれて……。

 

 

 

 

 

  side 明久

 

 不良達を気絶させた後、龍之介が何やら謎の紙をアイツらのそばに人数分置いていった。なんなのかがよく分からなかったので学園に戻る途中で聞いてみた。

 

「ねえ龍之介、あの紙はなんなの?」

「明久も欲しいのか?ほら、これだよ!」

 

 そうして紙を見てみると………

 

 

 

・超高収入月額50万も間違いなし!

・重労働はありません!楽しい仕事です!

・是非皆さんもここで働いてみて下さい!

 

 

 

 と、すごく羨ましい言葉と事務所の地図が書かれていた。場所を調べてみたけど普通のビルみたい。でもそれじゃあ……

 

「ねえ龍之介、これじゃあ木下さんを虐めた不良達が喜んじゃうじゃん‼︎」

「いや、俺はいい奴だからさ〜。気絶したお詫びにと思ってね〜。アイツらは多分金目当てで教頭の言いなりになったからね。だから俺がもっと効率のいい働き方を教えてやるのさ!」

「龍之介!貴様どういうつもりだ‼︎」

「爽、そう怒るなって!作戦会議で言った通りだよ〜。俺はアイツらに新世界の扉を開かせてやるのさ‼︎」

 

 そういえばそんなことも言ってたね。でもそれってどういう意味なんだろう?そう思っていると雄二が口を開いた。

 

「ちなみに、その事務所は何の仕事をしているんだ?調べても何も出てこないんだが。」

「簡単に言うと………」

 

 ん?なんだろう?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ウリ専、いわゆるゲイ専用風俗さ!兄貴達がよく通っている店の事務所だよ。そしてアイツらにはここでボーイとして働いてもらうつもりだよ‼︎俺はアイツらの性癖に関する新世界の扉を開かせてあげるのさ‼︎」

 

 

 えげつな⁉︎それ新世界の扉だけじゃなくてお尻の扉も開いちゃうよね⁉︎というかよくよく考えたら外道の極みみたいなコイツが優しいことをするはずがなかったね!全く、復讐の仕方が怖すぎるよ‼︎

 

「お前は相変わらずだな。」

「同じ外道の雄二には言われたくないよ〜。」

「何を言ってるんだ。俺は単に他人の誠意に応えているだけだ。」

「それは俺もだよ〜。」

 

 いや、2人とも随分外道だと思うよ。今後はこの2人への扱いに気をつけよう……。そんなことを思いながら僕たちは学園に戻った。




 ということで人質になったのは秀吉ではなく優子でした。ムッツリーニの助言がなくとも気付く爽と秀吉は流石でしたね。

 さて、次はババアとの会議からの決勝戦です。お楽しみに。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第二十問  決勝戦

バカテスト 家庭科

問 以下の問いに答えなさい。

『家計の消費支出の中で、食費が占める割合をなんと呼ぶでしょう。』


鷹狩鳳之介の答え

『 エンゲル係数 』

教師のコメント

正解です。一般に、エンゲル係数が高いほど生活水準は低いとされています。


坂本雄二の答え

『 相関係数 』

教師のコメント

それは数学ですね。


吉井明久の答え

『 今週は塩と水だけです! 』

教師のコメント

食費の内訳は聞いていません。


鷹狩龍之介の答え

『 お酒を含むとほぼ50% 』

教師のコメント

貴方のエンゲル係数を答えて欲しいわけではありません。


  side 龍之介

 

 木下救出後、俺たちは教室に戻った。そして喫茶店の営業時間が終わったあと、俺、明久、雄二の3人でババアと教室で話をすることになった。木下も混ぜるか迷ったけど疲れてたのもあってそのまま爽と一緒に帰ってもらった。

 

「とりあえずはババアと改めて作戦会議ってわけ?」

「ちょっと違うな。ババアの事情を説明してもらうんだ。妨害の原因はババアにあるはずだからな。教頭につけ込まれるなりの理由があるはずだ。」

「なるほどね〜。あと明久、黒幕はババアじゃなくて教頭だからね、そこを勘違いしないで。」

「分かってる……。」

 

 明久は人一倍仲間が傷つくのを嫌がる奴だからね。イライラするのも無理はない。

 

 そんなことを思ってると遂にババアがやってきた。

 

「よぅばあさん、話を聞かせてもらえませんかねぇ!」

「俺たちに隠し事をしているのは十分な裏切りだと思うんだが、どういうつもりだ?」

「やれやれ、賢しいヤツだとは思っていたけど、まさかアタシの考えに気がつくとは思わなかったよ。」

「初めからおかしいとは思っていたんだ。あの話だったら何も俺たちに頼む必要はない。龍之介みたいな高得点を取れる優勝候補を使えばいいからな。」

「確かに、龍之介がいくら老け顔とはいえちょっと無理がある理由で外してたよね〜。」

 

 ちょっとじゃなくない⁉︎顔が無理って言われたの結構ショックだったんだからね!

 

「そうだ。わざわざ龍之介を外して俺と明久を擁立するなんて効率が悪すぎる。」

「話を引き受けた教頭の手前おおっぴらにできないとは考えなかったのかい?」

「それなら教室の補修を渋ったりはしないはずだ。教育方針なんてものの前に生徒の健康状態が重要なはずだからな。教育者側、ましてや学園の長が反対するなんてあり得ない。」

「つまりはこの2人を大会に出場させるためにわざと渋ったってこと?」

「そういうことになるな。ところでババア、俺が一つ大会に関してある提案をしたのを覚えているか?」

「科目を決めさせるってやつかい?なるほど、アレで試したってワケかい。」

 

 あれってちゃんとした理由があったんだ‼︎それは知らなかったな〜。

 

「ああ。めぼしい参加者全員に同じような提案をしている可能性を考えたからな。もしそうならば俺たちだけに有利になるような提案は乗ってこない。だがババアは提案を呑んだ。」

 

 どうしてもこの2人じゃないといけなかったんだね。

 

「他にも学園祭の喫茶店ごときで酷い営業妨害が出るとは思わなかったからな。何よりウェイトレスを連れ出そうとしたのが決定的だった。ただの嫌がらせならここまではしない。」

 

 あれは本当に危なかったな。木下が察して防いだけどね。それにしても自分を平気で捨て駒にして教頭の野望を阻止しようとする姿はとてもカッコよかったな〜。爽が泣き落としに応じちゃうのもよく分かるわ。Aクラス戦の時にバカにしてごめんね。そうだ、一応言っておかないと。

 

「ばあさん、ちなみにウェイトレス誘拐の件だけど、Aクラスの木下優子が阻止してくれたんですよね〜。」

「どういうことだい?」

「ばあさんの部屋に俺たちが入ろうとした時に鉢合わせしましてね。俺たちに先を譲ってくれたんですよ。それでアイツは外で少し話を聞いてたんです。後はその後の営業妨害の連中と教頭の行動からアイツらが手を組んでるのを見抜いて捨て身で防いだってわけですね。」

「あの子も賢しい子だね。あとで感謝しなきゃね。それと向こうはそこまで手段を選ばなかったか……。すまなかったね。アンタ達の点数を見て問題ないと最初は考えていたんだろうけど、決勝まで進まれて焦ったんだろうね。」

 

 ババアが頭下げるなんて珍しいね。意外とちゃんと学園長っぽいとこはあるんだね。

 

 

 そんなことを思ってると雄二が言葉を返した。

 

「さて、今度はそっちの番だ。」

「はぁ、アタシの無能を晒すような話だから出来れば伏せておきたかったんだけどね……。」

 

 ババアの無能……。やっぱりそういうことか!

 

「ばあさんの目的はペアチケットの方じゃなくて白金の腕輪の方ですよね?」

「おやおや、気付いてたんかい。」

 

 やっぱりね。回収して欲しいのは普通そっちだよね。

 

「だってたかが遊園地のイベントごときにわざわざ横槍を入れます?そんなことはする必要がないでしょう。だから本当の目的は腕輪の方の回収だと思ったんですよ。なに、自分で作ったからバグったとかですか?」

「そうさね。」

「でもなんで僕らが勝ち取る必要があったの?」

「あのな明久、回収だったら俺たちに依頼する必要はないだろ?そもそも回収なんて極力避けたいしな。」

「雄二、それってどういうこと?」

 

 まあ明久はすぐには理解できないよね。ちょっと説明してあげるか!

 

「明久、例えば発売予定だった新作ゲームが発売日前に発売中止になったらどう思う?」

「クソッ、と思う!」

「よし、それじゃあ同じゲーム会社が立て続けに同じことを起こしたらどう思う?」

「そのゲーム会社は作るのがヘタクソなんだと思う!」

「そう思うでしょ?それを今回の件に当てはめてごらん!腕輪を使ってもいないのに回収したら……」

「ババアが作るのがヘタクソだと思う!」

「その通〜り‼︎」

「なんかムカつくけど事実だから仕方ないさね。」

 

 明久が納得したところで腕輪のバグの話だ!

 

「それでばあさん、そのバグはこの2人になら問題ないんですか?」

「そうさ。アンタ達が使うなら暴走せずに済む。不具合は入出力が一定水準を超えた時だからね。だから鷹狩のような他の生徒には頼めなかったのさ。」

「なるほど!点数が高い人が使うと暴走しちゃうんじゃ意味ないですよね!だからこのバカ2人に頼んだんですね!良かった〜、俺がエリートだからって理由で外されて〜♪」

 

 俺が外された本当の理由がこれだったなんて!顔が悪いからじゃなくて良かった〜♪

 

「龍之介にバカにされたのは後で始末するとして、そういうことだと思ったから教頭達がババアの失脚を狙って潰しにきたのか。」

「ほぇ?」

 

 また明久に説明しなきゃいけないのか。

 

「明久、ババアの次に学園長になれるのは誰だと思う?」

「教頭?」

「そのと〜り♪それで、学園長のポジションを今すぐにでも手に入れたい。そうしたらどうすればいい?」

「ババアを倒す!」

「そのと〜り♪でも本当にババアをぶっ殺すと犯罪者になっちゃうでしょ?自分が悪者になったら意味ないよね?」

「確かに……」

「だからババアを悪者にして追放するのさ!そうすれば次の学園長は?」

「教頭、君に決めた!」

「正解!」

 

 まあ分かってもらえたようでなによりだ!

 

「まあ鷹狩と坂本の言う通りさね。というわけでアンタ達には優勝してもらいたんだ。」

「それじゃあ決勝の相手に頼んで……」

「それは無理だ明久。なんせ決勝の相手は常夏コンビだからな。」

「アイツらは教頭側の人間だからね〜。だからなんとしてでも2人は勝てよ!そのためにも今日の夜は特訓だ‼︎」

 

 もちろん決勝についても作戦があるよ!そのための特訓だぜ!ただし一個気になることがあるんだよね〜。雄二も疑問に思ってたのか代わりに聞いてくれた。

 

「そうだな。ところでババアに聞きたいことがあるんだが……」

「なんさね?」

「腕輪の暴走って総合科目で平均点いかなければ起こらないんだよな?」

「そうさ。一つや二つの科目が高得点でも、その程度なら暴走は起きないよ。」

「なら良かった。じゃあ話は以上だ。俺たちは帰ってやることがあるし、明日も朝早いからこの辺で失礼する。」

「分かったよ。それじゃあ明日は頼んだよ。」

「「「おぅ!」」」

 

 ということで俺たち3人は特訓のために明久の家に向かった。

 

 

 

 翌日、明久と雄二はテストを受けた後、俺はその付き添いの後喫茶店についたわけだが………

 

「「「眠〜い‼︎」」」

「アンタたち大丈夫なの?」

「ゆっくり休んでてもいいですよ〜。」

「「「センキュー!」」」

 

 ということで女子2人の気遣いもあって決勝まで寝ることにした。ちなみに昨日の件が怖かったので瑞希の家にムッツリーニ、美波の家に秀吉、そして木下の家に爽が迎えに行ったんだよね〜。木下姉妹で登校も考えたんだけど、やっぱりそこは彼氏に任せないとね!

 

 

 そして迎えた決勝!頼むぞ、2人とも!

 

「そうだ、龍之介も来てくれないか。」

「俺が?」

「アイツらのメンタルを揺さぶって欲しいからな。」

「分かったよ!」

 

 ということで俺も決勝のステージに立ち会うことになった。人の神経を逆撫でするのは得意だからね!

 

「それと爽、万が一のことがあったらアレを頼んでいいか?」

「承知した。私も優子のことで彼奴らには恨みがあるからな。丁度いいだろう。」

「雄二、どういうこと?」

「龍之介にも説明しておかなきゃな。」

 

 というわけで軽い作戦会議の後決勝戦を迎えた。

 

 

 

 さて、ついに決勝戦が始まった!

 

「さて皆様、長らくお待たせ致しました!これより試験召喚システムによる召喚大会決勝を行います!」

 

 アナウンスのもと、明久と雄二が入場した。ちなみに俺は準々決勝や準決勝の時みたいにちょっと離れたところに見張りの先生と一緒にいるよ。

 

 さあって、司会が選手を紹介してくれてる間にちょっと周りを見渡すか〜。

 

 おっと、あそこにいるのは達哉と圭人だね。間には予備の作戦の要の爽がいる。アイツら今日も来てくれたんだね〜。超嬉しいぜ〜♪爽は万が一の時は頼んだよ!

 

 そして逆サイドにはFクラスの何人かがいるね。応援に来てくれたんだ!嬉しいな〜♪まあ喫茶店と同時進行だから瑞希達は来れてないのが残念だけどね。

 

 そして正面の最前列にいるのが……

 

「夏川〜!俺だ〜!今日も一緒にデートしないか!」

「常村よ‼︎‼︎俺と一緒に熱い男の時間を過ごさないか‼︎‼︎」

 

 と常夏コンビに夢中な兄貴と杏先輩。ちょっとは弟のクラスを応援してくれよ‼︎ただアレが結構常夏コンビには効いてるみたいで………

 

「おいお前!あの2人がなんでいるんだよ‼︎」

「気持ち悪いんだよ‼︎」

「先輩方にはお似合いじゃないですか〜w。俺も義弟になるのが楽しみですよ〜♪」

「「うるせえ‼︎」」

 

 めちゃくちゃキレてる!こうして冷静さを欠いてくれるのは凄くありがたいぜ!さてと、雄二も続けて煽れ!

 

「よう先輩方。もうセコイ小細工はネタ切れか?」

「お前らが公衆の面前で恥をかかないようにという優しい配慮だったんだがな。Fクラスのオツムじゃあ理解できなかったか?」

「残念ながらお前らの言葉はAクラス所属でも理解できないだろうよ。まずは日本語を覚えてくるんだな、サル山の坊主大将!」

「テメェ、先輩に向かって!」

 

 小細工はネタ切れだとは一言も言ってないね。じゃあ何か仕掛けてくる可能性は大だね。続いて明久が口を開く。

 

「先輩方に聞きたいことがあります。教頭先生に協力している理由は何ですか?」

「そうかい。事情は理解してるってことか。進学だよ。うまくやれば推薦状を書いてくれるらしい。そうすりゃあ受験勉強とはおさらばよ!」

「そうですか。そっちの常村先輩も同じ理由ですか?」

「まあな。」

 

 受験が理由ね〜。じゃあここは一つ面白いことを言ってやるか!

 

「なるほどなるほど〜。先輩方はここで勝って受験勉強とはおさらばしたいんですね〜。」

「そうだよ。なんか文句あんのか?」

「いやいや、文句は無いですよ〜。ただね、受験勉強以外にもう一個失うものがあるんですよ〜。」

「信用とでもいうつもりか⁉︎」

「そんなんじゃないですよ。先輩方が失うのは………」

 

 そう、常夏コンビが失うものといえば………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「処女です!」

 

 男にとっての大切なものだ。

 

 

「「は?お前何言って……」」

「兄貴〜、杏先輩〜‼︎常夏先輩達が、俺たちが優勝したら朝までデートして欲しい、って言ってま〜す!」

「おい!なんてことを言ってくれるんだ!」

「これじゃあ俺たちが……」

「夏川〜‼︎俺だよ〜‼︎結婚してくれ〜‼︎」

「常村‼︎‼︎俺がお前を可愛くしてやる‼︎‼︎だから絶対に勝てよな‼︎‼︎」

「「やめてくれぇぇぇぇ‼︎」」

 

 さてさて、これで常夏コンビの敗北が決定だ!

 

「ってよくよく考えたら未成年に成人が手を出したらアウトじゃねえか!」

「そうだ!この脅しは無意味だぞ!」

 

 ありゃりゃ〜。そこに気づかれちゃったか〜。

 

「ということでそろそろ始めるぞ!」

「おう!」

「せいぜい頑張って下さいね〜w」

「俺たちがあの2人の貞操を守ってあげないとな!」

「そうだね雄二!」

「「うるせえ!」」

「「「「試獣召喚《サモン》」」」」

 

 

 

日本史

 

2年Fクラス

      吉井明久 219点

      坂本雄二 348点 

       VS

3年Aクラス

      常村勇作 310点

      夏川俊平 274点

 

 

 

 俺がつきっきりで教えた甲斐があったね!雄二はAクラス並み、明久はBクラス並だ‼︎

 

「な⁉︎何だよお前らの点数は⁉︎」

「イカサマか⁉︎」

「違うよ。前にクラスの子が言ってたんだ。好きな人のためなら頑張れるって‼︎アンタらは僕の実力でぶっ倒してやる‼︎」

 

 頑張れよ、明久、雄二‼︎

 

 

 ということで坊主の方は明久が、モヒカンの方は雄二が引き受けることになった。さて、明久の方はどんな感じかな〜?

 

「先輩、取り乱しすぎですよ?ただの突撃じゃ避けてくれと言ってるようなもんです!」

「この!」

「そんな剣当たりませんよ〜!今度は僕の番だ!」

「くっ!」

 

 流石観察処分者!召喚獣の扱いには慣れてるね!3年生にも通用するみたいだ!

 

「てかテメェ試召戦争じゃ10点くらいだったはずなのに!」

「今でもそんなもんですよ?この教科以外はね。」

「この野郎、最初からこの勝負だけに絞ってやがったな‼︎」

「その通り!よく分りましたね、先輩‼︎」

 

 いいね〜いいね〜!雄二の方も優勢だし、いけるんじゃない⁉︎

 

「仕方ねえ……2年生相手に大人ないが経験の差ってヤツを教えてやるよ!」

 

 召喚獣が本人から離れた?何をする気だ?まさか小細工をするつもりか?スマホを一応用意しとくか!

 

「いけ!」

 

 明久の召喚獣も先輩に続いて離れていく。もしかして注意をそらすためか……だとすると!

 

「そら引っかかった。」 ザッ

「えっ?ぎゃぁぁぁ‼︎」

 

 クソ!アイツら召喚獣の方に観客と審判の視線を逸させて明久本人に砂利を投げたってわけか!なるほどね!なら!

 

「おいおい先輩方、召喚獣じゃなくて人間本人を攻撃するなんて酷くないですか〜?」

「何でたらめなこと言ってんだテメェ!」

「いやいや、俺はちゃんと見てましたよ?カメラもありますし?」

「は?そっちこそでたらめを……」

「へぇ〜認めないんだ〜。分りましたよ!」

「えっと只今のは……」

 

 さて、観客もざわつき始めてる。これはいいぞ!審判も気付いたみたい。さあ、ここは最後の畳み掛けだ!

 

「じゃあさっきの先輩方の砂利攻撃も先輩としての経験の差ってことで認めてやりますよ!それでいいですよね、審判さん?」

「まあ鷹狩君が認めるなら…。」

「へえ〜、お前結構物わかりがいいんだな!どうやら負けを認めたらしいな!」

「ちょっとちょっと、早とちりは良くないですよ〜。だって俺が言いたいのはそういうことじゃないですからねぇ!」

「じゃあ何だ⁉︎」

「先輩方が先輩としての経験の差を見せるのなら、俺たちは年長者としてのしての経験の差を見せてやりますよ!いけ爽‼︎彼女を虐められた恨みを存分に晴らせ‼︎」

「心得た‼︎」

 

 そうして爽が観客席からゴムパチンコでパチンコ玉を吹っ飛ばす‼︎もちろん狙うは………

 

「「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ‼︎」」

 

 常夏コンビの股間だ‼︎

 

「そっちが砂利攻撃をやるならこっちのパチンコ玉攻撃もありですよね〜?」

「クソが‼︎」

「さあさあ明久、雄二!今だ、畳み掛けろ‼︎」

「おう‼︎」

 

 こうして常夏コンビが股間をおさえて悶えてる隙に2人が攻め立てる!そして最後の作戦だ!

 

「お、お前!武器を捨てて……」

「うわ!」

「目をそらしたな!オラァ‼︎」

 

 明久が武器をモヒカンの方に向かって投げた。そしてモヒカンが視線を逸らした隙に雄二のパンチで仕留める!そしてその召喚獣の死体が転がった先は……

 

「うわ!」

 

 坊主の方の召喚獣!巻き込まれている隙に……

 

「くたばりやがれ‼︎」

 

 明久が武器を取り戻して攻撃!股間への痛みで集中力が乱れたことを利用し、更にはそこに畳み掛けるようにトリッキーな攻撃!流石だね、2人とも‼︎

 

 

日本史

 

2年Fクラス

      吉井明久 15点

      坂本雄二 42点 

       VS

3年Aクラス

      常村勇作 0点

      夏川俊平 0点

 

 

 

「坂本・吉井ペアの勝利です!」

「「「よっしゃぁぁぁぁ‼︎」」」

 

 こうして俺たちは召喚大会を無事優勝することができた‼︎やったね‼︎作戦大成功だぜ‼︎




 というわけでババアとの会談からの決勝戦でした。砂利での目潰しがありならパチンコ玉での股間潰しもありだよね、ってことでこの作戦になりました。

 そして次回はクラスへの凱旋とババア室への凱旋です。どうぞお楽しみに。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第二十一問 凱旋と花火

バカテスト 数学

問 次の関数を微分しなさい。ただしlogxはxの自然対数とする。

『 xlogx 』


木下優子の答え

『 1+logx 』 

教師のコメント

正解です。合成関数fgの微分はfの微分をf'、gの微分をg'とするとfg'+f'gと表されますね。覚えておきましょう。


蕨屋敷爽の答え

『 木下優子と同じ。 』

教師のコメント

他人の答えに依存しないように。


土屋康太の答え

『 xl 』

教師のコメント

とても大きなTシャツですね。


鷹狩龍之介の答え

『 se^x (sは定数) 』

教師のコメント 

後で職員室に来てください。


  side 龍之介

 

 決勝を終えて教室に戻ると、葉月ちゃんが明久に激突した。

 

「お兄ちゃん!すっっごいカッコ良かったですぅ!」

「ぐふっ!は、葉月ちゃん、今日も来てくれたんだ……。ありがとうね!」

 

 凄い威力だね。流石は美波の妹だ!そんなことを思っていると瑞希と美波が来た。

 

「リュウ、アンタは相変わらずだったね……」

「龍之介君の辞書にスポーツマンシップという言葉はないんですか?」

「何を言ってるのさ2人とも!逆転の発想だよ!向こうの不正を咎めるのではなく、こちらも不正してしまえばいい、ってね!」

「アンタらしいわね……。何はともあれ、優勝に貢献してくれてありがとね!アキと坂本も流石だったよ!」

「まあそうですね!3人とも、ありがとうございました!」

 

 まああれは爽の憂さ晴らしの意味合いもあったんだけどね。常夏コンビが小細工してくれる人である意味助かったよ!

 

「そういえばなんでアキと坂本はあんなに日本史の点数が高かったの?」

「私も気になります!」

「俺が2人まとめて教えたのさ!雄二はともかく明久は大変だったんだからな!」

「すまんな龍之介、時間を取らせちゃって。」

「先週からずっとだったもんね〜。ありがとね!」

「ど〜も♪でもこれは正真正銘2人の力なんだから誇っていいんだよ‼︎」

 

 話聞いたときは正気かよって思ったんだけどね。でも明久のやる気に押されたから面倒をみようと思ったんだよな。その結果がこれだからね!流石だぜ、2人とも!そんなことを思ってると秀吉がやってきた。

 

「お主らよ、悪いのじゃが店を手伝ってくれんかの?優勝のお陰でお客さんが増えて大変なんじゃ‼︎」

 

 それは嬉しい悲鳴ってやつだね!いっちょやってやろうじゃない‼︎

 

 

 

 

 そして清涼祭2日目がやっと終わった。めっちゃ疲れた〜!早く打ち上げの後夜祭で酒を飲みたいぜ!そんなことを思ってると雄二に話しかけられた。

 

「龍之介、明久!ババアの部屋に行くぞ。取り引きの精算だ。」

「ほ〜い!」

 

 そういえばそのメインイベントを忘れてたね。危ね〜!あと、明久は何をしてるんだろう?

 

「秀吉!頼むから着替えないでくれ!」

「………写真を撮りたい‼︎」

「お主ら、何をしておるのじゃ‼︎」

 

 ムッツリーニと一緒に秀吉にしがみついている。どんだけ秀吉のチャイナドレスが好きなんだよ!まあ俺も好きだけどさ!

 

「まあ丁度いいからムッツリーニと秀吉も来い。明久を説得するのも面倒だしな。」

「分かったのじゃ……」

「やった〜‼︎」

「………ありがとう!」

「では私も行くとしよう。」

「じゃあ爽も連れて行くか!」

 

 ということで6人でババア室に向かった。その途中、木下に会った。

 

「あれ、爽兄とその仲間達じゃん♪どこに行くの?」

「優子か。私たちは今学園長室に向かっている。」

「そうなんだ!それじゃあ……」

 

 まあコイツにも事情を知る権利はあるし連れてくか。

 

「木下、お前も一緒に来たら?」

「え?用の無いアタシが行っていいの?」

「姉上は学園長に会う権利くらいあると思うぞい。」

「色々気付いて先回りしたんだしね。ほら、大好きな爽と一緒に来なよ!」

「私からもお願いする。」

「あ、ありがとう///」

 

 

 そうして木下をメンバーに加えた俺たちはババア室に着くと、いつもの通り無礼な挨拶で中に入った。

 

「失礼しま〜す。」

「邪魔するぞ。」

「ばあさん、お久しぶりです!」

「お主ら、全く敬意を払っておらん気がするのじゃが……」

「アンタ達、ちゃんと挨拶しなさいよ……。」

「このばあさんにはこれでいいのさ、木下姉妹!」

「よくないねぇ。」

 

 ババアに否定されたけど俺はこの態度を続けるからね!さてと、優勝報告だ!

 

「ばあさん、明久と雄二が優勝したんでそれを報告に来ました!」

「言われなくても分かってるよ。アンタ達に賞状を渡したのは誰だと思ってるんだい?」

 

 それでも一応報告はしないとね!

 

「それにしても随分と仲間を引き連れてきたもんだねぇ……、って木下の姉の方もいるのかい。迷惑をかけてすまなかったね……。」

「いえいえとんでもないです!あれはアタシが勝手にやったことなのでお気になさらず‼︎」

「いや気にしておけ。それととりあえずそこの貴様、私達に事情を説明しろ。」

「まさかこの3人より無礼な奴がいるとは思わなかったよ。まあいいさね。話すよ。こうなったのはアタシの責任だしね。」

 

 ということでババアが説明を始めたんだが………

 

「待てババア!その話はマズい‼︎」

「………盗聴の気配!」

「「「「「なんだって⁉︎」」」」」

 

 クソ‼︎教頭達め、この部屋に盗聴器を仕掛けていたのか!だから俺たちがババアと繋がってることも見抜いたのか!とにかく今の一連の会話を録音されて拡散されたらマズい‼︎なんとかしてアイツらを追わなきゃ‼︎

 

「爽、パチンコ玉は届きそうか?」

「申し訳ない‼︎彼奴らの姿を見失ってしまった‼︎」

「マジか!とりあえずグループを3つに分けるぞ!秀吉とムッツリーニは外、爽と木下は旧校舎と体育館付近、俺を含む残り3人で新校舎を探すぞ!目標を見つけたら携帯に連絡してくれ‼︎」

「「「「「「了解‼︎」」」」」」

「………俺の双眼鏡を爽と龍之介に渡す。………使ってくれ。」

「「了解‼︎」」

 

 ということで雄二の指示のもと常夏コンビ大捜索タイムが始まった。絶対に見つけてやるぞ‼︎

 

 

 

 

  side 爽

 

 私は今優子と一緒に旧校舎の探索をしている。

 

「ここにはいないみたいだな。私の計算が正しければあと捜索していないのは1階だけのはずだ。急ぐぞ。」

「う、うん!」

 

 優子の息があがっている。そういえば女は男よりも体力が少ないという説があるが、どうやら本当みたいだな。私は頭が悪いので知らなかったんだがな。

 

「優子、疲れているなら休め。」

「そ、爽兄!だ、大丈夫だよ!学園のために……、こ、これくらいは頑張らないと‼︎」

 

 これくらい?あたかも今まで自分は頑張ってきてないような言い方だな。たった一人で囮になり、自分が傷つくのを承知の上で教頭から学園を守ったことは頑張りにも入らないのか?貴様にとってこれは普通のことなのか?

 

「つ、ついたね……」

「よし、私が教室を探す。だから貴様はここで待ってろ。」

「だ、大丈夫よ!こ、これくらい!」

 

 大丈夫ではないから言ってんだろうが。それと、私の計算が正しければ貴様は自分が傷つくことも、あわよくば自分の命さえもなんとも思っていないはずだ。何故そう自分を雑に扱う?もう少し大切に扱って欲しいものだ。貴様はとても価値のある人間なのだから。だから、ここは無理矢理にでも休めさせてやる!

 

「貴様、私の背中に乗れ。私が貴様をおぶって走る。」

「そ、爽兄⁉︎ちょっと、それは流石に大変だと……」

「いいから乗れ‼︎」

「わ、分かった!」

 

 おぶってみて思ったのだが、貴様はそんな小さく、そして軽い身体で頑張ってきたのだな。このようなか弱い存在なのに、どうしてここまで無茶をすることが出来るのだろうか。大した度胸である。そしてなんと素晴らしいことか。だから、それほどまでに素晴らしい貴様は私のような屑ではなく、もっと崇高な人間に対して想いを抱くべきだ。

 

 

 

 優子をおぶって外に出ると、遂に災厄共の姿を目にすることが出来た。しかし場所は新校舎の屋上。もうすぐ放送を始めようとしている。私の計算が正しければ今いる場所からでは放送開始までに間に合わない。だったら、他の連中に連絡しようと思う。

 

『貴様らよく聞け。常夏コンビが新校舎の屋上にいる。私と優子は旧校舎の昇降口にいるから間に合わない。誰か対応してくれ‼︎』

 

 

 

 

 

  side 龍之介

 

 マジかよ!俺たちは今新校舎の捜索を終えて外に出てきたんだけど、ここからじゃ間に合わね〜よ‼︎クソ、どうすれば………ん?あれは締めに使う打ち上げ花火か……。

 

「雄二、明久。あの打ち上げ花火をぶん投げられたらいいんだけどね〜。」

 

 まあ現実的には無理だろうね。

 

「そうか、その手があったか。」

 

 え?だから無理だって………

 

「明久、白金の腕輪はあるな!」

「持ってきてるよ!」

「よし、じゃあそれを使え!」

「了解!起動《アウェイクン》!」

 

 なるほど!召喚獣を使えばここからでも届くか!頭いい!

 

「よし、じゃあ俺は火をつけるから雄二は双眼鏡で見てて!そして明久が投げるんだ!」

「「了解‼︎」」

 

 ということで花火ぶん投げタイムの始まりだ‼︎

 

「ファイヤー‼︎」

「とりゃ‼︎」 ドカ〜ン‼︎

「明久、ちょっと逸れた。次は外すなよ。」

「ファイヤー‼︎」

「これでどうだ‼︎」 ドカ〜ン‼︎

「明久、スピーカーを破壊したぞ。次は放送機材だ。」

「Fire‼︎」

「これで…ってミスった!」 ドカ〜ン‼︎

「明久、そこは教頭の部屋だ。今回の件でちょうど良いだろう。」

「Night of Fire‼︎」

「ならこれは…ってまたミスった!」 ドカ〜ン‼︎

「明久、そこは鉄人の部屋だ。今までの件でちょうど良いだろう。」

「炎炎の炎に帰せ‼︎」

「今度こそ‼︎」 ドカ〜ン‼︎

「明久、放送機材を破壊したぞ。後はアイツらの体だけだ‼︎」

 

 最後の一発を投げようとしたとき…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「貴様ら、何をやってんだ‼︎というかさっき俺の部屋を破壊しただろ‼︎」

「鉄人だ、逃げるぞ明久、龍之介‼︎」

「「りょ〜かい‼︎」」

 

 クソ‼︎お楽しみはこれからだっていうのに………いや、別の楽しませ方があるか!よし、兄貴達に電話だ!

 

『兄貴、さっき新校舎の屋上に常夏コンビがいたよ!屋上で放送機材を使って何やら兄貴達に愛の告白をしようとしてたっぽいから杏先輩と一緒に相手してあげて‼︎』

『報告ありがとう〜龍之介‼︎いくぞ、杏‼︎』

 

 花火をぶつける時と比べて身体的ダメージは小さくなるけど精神的ダメージは大きくなるでしょう‼︎ざまあみやがれ‼︎

 

 

 さて、俺たちは鉄人から逃げなければいけないんだけど……かなりコイツの足が速いんだよね!俺は運動神経がいい方じゃないから他の2人に置いてかれる!こういう時に爽のパチンコ玉があれば便利なんだがアイツは木下とイチャイチャしているから使えない!ならば‼︎

 

「きゃぁぁぁぁぁ‼︎だ、誰か助けて〜‼︎変態教師に襲われるぅぅぅぅ‼︎」

「貴様、なんて声を上げるんだ‼︎」

「犯さないでぇぇぇぇぇ‼︎」

「クソ‼︎」

 

 これで大丈夫なはず………

 

「教育的指導‼︎」 ドゴォ

「ぎゃぁぁぁぁ‼︎」 バタン

 

 ダメでした。おしまい。

 

 

 

 

 職員室で俺たち3人はこっぴどく怒られた後、解放された。停学とかにならずに済んだのはババアのおかげだね。やっぱり権力って最高だぜ‼︎教頭の部屋も修繕という名目でガサ入れができるしね‼︎ざまあみやがれ‼︎

 

 そして俺たちが後夜祭に辿り着くと、そこでは………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これより、異端審問会を始める。被告人、蕨屋敷爽は前へ。」

 

 爽の異端審問会が始まっていた。




 ということで最後のひと勝負、花火投げでした。本作ではついでに鉄人の部屋をぶっ壊しておきました。そして爽が優子をおんぶしましたね。休ませるけど捜索もしなきゃいけないってなった結果こうなりました。

 そして次回は後夜祭です。これでようやく清涼祭編が終わりですね。お楽しみに。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第二十二問 後夜祭

清涼祭 アンケート

今後の学園祭の為のアンケートにお答えください。

『 来年の学園祭ではあなたはどんなことをやりたいですか? 』


姫路瑞希の答え

『 来年もクラスメートと思い出に残るような学園祭にしたいと思います。 』

教師のコメント

 素晴らしい考えですね、姫路さん。今回の学園祭は貴女にとって良い経験となり、心に残るようなものとなってくれたのならこちらとしても嬉しいです。大変お疲れ様でした。


鷹狩龍之介の答え

『 居酒屋か雀荘 』

教師のコメント

出来なくはないですけど現実的には厳しいでしょう。


土屋康太の答え

『 写真館「秘密の覗き部屋」 』

教師のコメント

題名からしてアウトです。


蕨屋敷爽の答え

『 パチスロ「ダイ○ム3年Fクラス店」 』

教師のコメント

題名も中身もアウトです。勝手に系列店を名乗らないでください。


鷹狩龍之介の答えその2

『 保健体育の実習室「今夜は帰したくない」 』

教師のコメント

全てがアウトです。後で職員室に来るように。


  side 龍之介

 

 後夜祭に辿り着くと、

 

「これより、異端審問会を始める。被告人、蕨屋敷爽は前へ。」

 

 爽の異端審問会が始まっていた。めっちゃ楽しそうなので……

 

「明久、混ざろうよ!」

「分かってるよ、龍之介‼︎」

 

 俺たち2人も混ざることにした。

 

「何だ貴様ら!私のことをどうするつもりだ‼︎」

「これより、被告人の罪状を述べる。被告人、蕨屋敷爽はあの木下優子をおんぶして走り回った。この事実に相違ないか。」

「「「「「相違ありません!」」」」」

「おんぶをしたから何だと言うのだ。何故貴様らはたかがその程度のことでそんなに喚くのか。私には理解できない。」

 

 羨ましがられてることすらも理解出来ないのか、コイツは。まあ爽にとって彼女っていうのは単に献身的にパチスロのお金を出してくれるだけの人のことを指すからね〜。

 

「更には、被告人はFクラスでたった2人の彼女持ちのうち1人でありながらそのありがたさを少しも理解していない。この事実に相違ないか。」

「「「「「相違ありません!」」」」」

「それは貴様らがパチスロを打たないからだろう‼︎それに優子は私に一度も金を貢いでいない‼︎だから私の計算が正しければ貴様らの羨むようなことは何もないはずだ‼︎」

「それでは判決を言い渡す。重点的に手を拷問してから、死刑‼︎」

「「「「「はっ‼︎」」」」」

「ちょっと待て‼︎手だけはやめろ‼︎パチンコもスロットも打てなくなるじゃないか‼︎」

「問答無用だよ、爽!」

「………パチンカスには、死を‼︎」

「いつもは俺を酔い潰しやがって‼︎今日こそはぶっ潰してやるからな‼︎」

「それは貴様が勝手に潰れてるだけであろう……ってぎゃぁぁぁぁ‼︎やめろぉぉぉぉ‼︎」

 

 ざまあみやがれ‼︎パチスロ打ってただけのくせに木下と付き合ってる罰を受けてもらおう‼︎

 

 

 

 さて、爽をボコってスッキリしたところで酒タイムといきますか………ってあれは瑞希?これから父親のところに行くのかな?少し話しかけてみよう。

 

「瑞希、どこ行くの〜?」

「あっ、龍之介君!これからお父さんのところに行くつもりです!」

 

 やっぱりね!それじゃあ……

 

「俺も一緒に挨拶に行くか!将来のお父さんになるかもしれないし。」

「へ?お酒の飲み過ぎで頭がおかしくなったんですか?」

「人の冗談に対してそこまでストレートに罵倒することなくない?」

「それってブーメランってやつですか?」

「俺のは冗談じゃなくて事実うぅぅぅぅ‼︎」グギギギ

「急に喚いてどうしたんですか♪」

 

 なんかコイツ最近力強くなってないか?美波に悪影響を受けてない?あとこの笑顔がムカつくから殴りたい。殴りやすいボディをしてるしね。

 

「まあとりあえず、一緒に説得に行くよ!」

「お、お気持ちはありがたいんですが私一人の力でやらせてもらっていいですか?吉井君や龍之介君には既に頑張ってもらっちゃったので!」

「おいおい、お礼を言うなら俺じゃなくて大好きな明久に言えよ〜♪」

「ちょ、ちょっと!からかわないで下さい‼︎」

「あ〜ウケる〜w」

「もう!と、とりあえず行ってきます!」

「いってらっしゃ〜い!」

 

 ということで瑞希を送り出した。

 

 

 数分後、瑞希が帰ってきた。

 

「龍之介君、説得大成功です!」

「おめでとう!これで明日からもFクラスだね!」

「はいっ!とても良かったです‼︎」

 

 成功したようで何よりだ。俺もクラスメイト一人を失うのは嫌だからね‼︎せっかく仲良くなったのになんか勿体無いしね!

 

「さてと、戻るか!」

「はい!」

 

 ということで俺たちが戻った先では………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Fクラスの皆が酔い潰れていた。なんで?

 

 

「お〜姫路に龍之介〜!2人で何してたんだ〜?」

「アキ、あ、そ、その、ありがとう!」

「へ?ど、ど〜も///」

「………zzzzzzzz」

「Fクラスの皆よ、ワシは男じゃ‼︎ほれ、証拠のブツも見せてやるぞい‼︎」

 

 雄二、美波、明久はまだいい。ムッツリーニは仰向けなのがマズい。ゲロが気道に詰まる恐れがあるからだ。そして秀吉は服だけでなく色々なものを失いそうになってる。なんとか止めないと!

 

「りゅ、龍之介君!これってどう言うことですか⁉︎」

「多分酒が混ざってたんだ‼︎早く取り除くぞ‼︎」

「龍之介君のなんじゃ?」

「俺のは水筒に入れて、これは酒です、ってラベルを貼ってある!だから多分先生のが混ざったんだ‼︎」

「それは大変ですね!」

「とりあえず瑞希は水かウーロン茶を大量に持ってきて‼︎」

「分かりました‼︎」

 

 ということでまず俺はムッツリーニを横に向けた。そして秀吉を止めた。

 

「おい秀吉、脱ぐな‼︎それじゃあ杏先輩達と一緒になっちゃうぞ!」

「違うのじゃ‼︎ワシはクラスのみんなを納得させるために脱ぐだけじゃ‼︎」

「それじゃあ俺の野球拳と一緒だよ‼︎」

「お主らがやってたからワシもいいじゃろ‼︎ていうかなんであの時ワシを混ぜてくれなかったんじゃ‼︎」

「すまん!その件は謝るから‼︎」

 

 ちょっと!思った以上に秀吉が酔うとめんどくさいんだけど‼︎って言うか爽は何やってるんだよ‼︎頼むから助けてくれ‼︎そんなことを思ってたら瑞希が到着した。

 

「皆さん、これはお酒なので飲まないで下さい‼︎代わりにこっちを飲んで下さい!」

「姫路さん、ありがと〜!」

「瑞希、感謝するわ〜」

「姫路、サンキュー‼︎」

 

 あっち3人は大丈夫そう。さてと………

 

「おい龍之介!そっちに酒は混ざってないか‼︎あちこちにあって大変なんだ‼︎」

 

 やっと爽が帰ってきた……ってコイツも混ざってた酒を取り除いてただけなんだ。なら良かった!

 

「こっちにも混ざってたよ!今は酔ってない瑞希と俺で回収してる!あと秀吉が脱ぎそうだからなんとかしてくれると助かる!」

「ワシは男じゃから脱いでも大丈夫じゃろう!」

「私に任せろ!」

 

 そうして爽は秀吉の股間目がけてゴムパチンコを使いパチンコ玉を吹っ飛ばした!

 

「ぎゃぁぁぁぁ‼︎爽兄、何をするつもりじゃ‼︎」

「お前ら、これで秀吉が男であることが証明出来たよ!ほら皆、認めてあげて‼︎」

「「「「「確かに。」」」」」

「不本意だけどありがたいのじゃぁぁぁぁ‼︎でも爽兄と龍之介は許さないのじゃぁぁぁぁ!」

 

 こうして後夜祭はお酒の回収でほぼ時間が潰れてしまった………。俺が飲みたかったのに……。でもあと少しだけ時間があるから飲もっと♪そんなことを思っていると………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「龍之介君、お礼に服を脱いで下さい‼︎」

 

 なんか瑞希に襲われた。てかコイツもしや………

 

「おい瑞希!ミイラ取りがミイラになってるんじゃないよ‼︎どっから飲んだんだ!」

「龍之介の水筒です!やっぱり皆が飲んでるからちょっと気になっちゃって……」

「お前何やってんだよ‼︎酒はあと3年後までとっとけっつ〜の‼︎」

「むぅ〜。龍之介君は酷いです!せっかくお礼をしようと思ったのに〜!」

「そういうのは明久にするもんでしょ!」

「明久君が見つからないんです!」

 

 だから俺ってか⁉︎まるで意味が分からないぞ‼︎

 

「とにかくはい、水を飲む!」

「むぅ〜!」

 

 こうなったら強引に……………

 

「zzzzzzzz」

 

 寝たみたい。全く、こうなったらこうなったで潰れた人を運ぶの大変なんだからね!といってもコイツの家知らないしとりあえず横にさせて起きるまで待っとくか。そんなことを思っていると明久と美波がやってきた。

 

「リュウ、アンタまさか………‼︎」

「瑞希が勝手に俺の酒を開けやがった。そして寝た。おかげで俺はここから動けないのさ………」

「それ本当なんでしょうね?」

「本当だよ。おかげで俺は飲む酒がほぼ無くなってこのザマさ。」

「龍之介は大変だったんだね〜!」

「おい明久、お前が瑞希を相手してればこんなことにはならなかったんだぞ‼︎」

「ちょっと龍之介⁉︎それってどういうこと⁉︎」

「どういうこともクソもあるか‼︎」

 

 全く、コイツは鈍感すぎんだよ‼︎早く瑞希と美波の好意に気づいてあげて‼︎

 

 

 

 そんなことを思ってると、その3人+戻ってきた秀吉で軽くあることについて話し合うことになった。秀吉はまだ酔ってる……

 

「明久、プレミアムチケットは今持ってる?」

「うん、持ってるけど……」

「美波でも誘って行ってきたら?」

「ちょっとリュウ‼︎変なことを言わないでよ‼︎」

「そうだよ‼︎美波が僕なんかと行きたいわけがないじゃん‼︎」

「明久、お主はバカじゃのぅ‼︎」

「うるさい秀吉‼︎」

「バカだね!」

「龍之介もうるさい‼︎」

 

 あれ?なんか明久の美波に対する目線というか態度がちょっと変わった気がする。もしや今まで瑞希一筋だったのが美波に傾き始めたのか?

 

 まあそんなことより、本題に入るとするか!

 

「まあさっきのは冗談だよ!だって明久よりも使うべき人が2人いるだろ?」

「それって坂本&霧島さんと……」

「爽&木下さんだよね。」

「そ〜ゆ〜こと♪」

「でも龍之介よ、爽兄は絶対に断ると思うぞい‼︎」

「それ言ったら雄二も断るでしょ。」

 

 まあ男2人には渡すわけないよね〜。だから………

 

「美波が霧島にあげて、秀吉が木下にあげればいいんじゃない?」

「分かったわ!じゃあ早速ウチがあげてくる〜!」

 

 と言って美波は早速向かった。まあ霧島は喜んで受け取るだろうね。問題は………

 

「姉上は遠慮して受け取らんと思うぞい‼︎なんせ世界一のお人好しじゃからな‼︎じゃからワシはそんな姉上が大好きじゃ〜♪」

 

 だよね〜。爽が興味ないのを知ってるから断りそう。でも俺としては2人に是非とも入って欲しいんだよね〜。だから………

 

「秀吉、俺には爽を絶対に如月グランドパークに呼びつける最強の作戦があるんだよね‼︎だから安心して木下に渡して‼︎」

「本当かのぅ?」

「うん‼︎絶対にしてみせるよ‼︎だから、爽は如月グランドパークに絶対に来る、とだけ伝えて渡してね‼︎」

「分かったのじゃ‼︎」

 

 よし、これでチケットを渡すのは完了だ!次は………

 

「明久、バイトをしてみない?メンツは俺、明久、秀吉、ムッツリーニ、瑞希、美波の6人で!」

「場所は?」

「如月グランドパーク‼︎プレミアムチケットが使える日だよ‼︎」

「それってつまり………」

「友達2人の恋路の応援さ‼︎」

「分かった!協力する‼︎」

 

 よし、これで当日の準備は完璧だ。後は前日の準備をするだけだ‼︎

 

『達哉、圭人、今ちょっといい?』

『何龍之介?僕に何か用?』

『もしかして金曜の飲み会の話〜?』

『その通り‼︎今から俺が説明するのは、爽のウェディング計画の話さ‼︎パチンカスのアイツに結婚のありがたみを教えようじゃないか‼︎』

『『乗った‼︎』』

 

 ということで、前日の準備は万端だ‼︎後はその日を迎えるだけだね〜。こうして俺の2度目の清涼祭は幕を閉じた。




 ということで清涼祭編終了です。結局龍之介は殆ど飲めませんでしたね。可哀想に。

 そして次の話からは如月グランドパーク編です。いよいよ爽に本格的にスポットライトが当たります。どうぞお楽しみに。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第三章 如月グランドパーク
第二十三問 記念撮影


バカテスト 公民?

問 以下の問いに答えなさい。

『 相手を従わせるため肉体的、精神的に痛めつけることを何というでしょう。 』


木下優子の答え

『 拷問 』

教師のコメント

正解です。現代では国際法上、拷問等禁止条約によって拷問は禁止されています。分かっていると思いますが、人権を尊重し、くれぐれも類する行為のないよう、学校生活を送ってください。


霧島翔子の答え

『 石抱き 鞭打ち 火炙り 海老責め 釣責め 磔 四肢切断 串刺し 天井吊るし等に代表される拷問 』

教師のコメント

詳しすぎです。


坂本雄二の答え

『 悪かった翔子ーーっ! 』

教師のコメント

深くは尋ねません。


蕨屋敷爽の答え

『 私を低設定の台に強制的に座らせる行為。また意図的に私が座っている台を遠隔する行為。挙げ句の果てに私を出禁にする行為。私は絶対に許さない。だからここに店の名前を……… 』

教師のコメント

パチスロ関係で辛い事があったんですね。先生もやるので分からなくはないですが具体的な店の名前を書くのはやめましょう。


  side 爽

 

 ある朝目が覚めると、海○語に出てきそうな太陽が私を照らしていた。なんてとてもいい天気なんだろう。私の計算が正しければこういう日はまさしく、海○語を打つと当たるはずだ。そうと決まれば話は早い。早速向かうとしよう。

 

 それにしても先程から私の周囲にいる大勢の人間の視線が痛い。そして同時に頭も痛い。私のことがそんなにおかしいのか。貴様らはパチスロをやってる人間をバカにすると言うのか⁉︎吐き気を催すわ………って本当に催してるんだが………。

 

 そして、なぜ私は遊園地の前にいるのだろう。私の予定が正しければ今日は特に何も無かった。だから駅前のダイ○ムに向かおうとした。しかし何故私はここにいるのだ。意味がわからない。確か昨日は爽、達哉、圭人と4人で温泉に行って、その後飲み会をしたはずだ。そしてその後のことは…………ダメだ。全く覚えてない。だとすると、私がここにいること、それは、彼奴らによる…………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

死体遺棄だ。

 

 

 

 クソ‼︎彼奴らめ‼︎この私を酔い潰して、得体の知れぬ遊園地の前に捨て置きやがったな‼︎許さん‼︎でも連絡をしようと思ったが携帯の充電が無い。帰り道はもちろん分からない。どうすればいいのだろうか。とりあえず吐き気がするのでトイレに行くことにした。

 

 何度か吐いた後、水を買って飲んでいると、何故か私のところに優子がやって来た。

 

「爽兄、待たせてごめんね!」

「どういうことだ、優子。私の予定が正しければ今日は貴様と一緒にいないはずだ。」

「え?あの、どういうこと?アタシは秀吉と鷹狩の兄の方から、爽兄は今日如月グランドパークに来るって聞いたんだけど………。だからこのプレミアムチケットを使おうと思って……」

 

 私の計算が正しければあのチケットは人を勝手に結婚させる凶悪な代物だ。きっと龍之介が明久を唆して秀吉経由で優子に渡したに違いない。無論私は優子と結婚する気は無い。だからここは……

 

「それは彼奴らが勝手にやった事だ。それに私は貴様と結婚する気は無い。だから帰る。それと優子、帰り道を教えてくれ。」

 

 と言った。無論優子にとってもその方がいいだろう。屑の塊である私と善人の極みのような貴様とが結婚するなど………

 

「えっ?あ、そ、そうなんだ……。ごめんね爽兄、巻き込んじゃって!やっぱり爽兄はこういうの嫌だよね!分かった!うん!だから一緒に帰ろう!あ、それともアタシと一緒じゃ嫌かな?なら帰り道だけ教えてあげるよ!」

 

 ちょっと待て‼︎だからその泣きそうになりながら必死に笑顔で取り繕って、そして申し訳なさそうに私を見るのをやめろ‼︎私まで申し訳なくなってくるから‼︎これが性悪女のやることだったら私はすぐに断れるんだが、貴様は性悪女ではない‼︎だから断れないんだよ‼︎

 

「じょ、冗談だ優子!と、とにかく中に入ろう!」

「え、本当にいいの?」

「あ、ああ!」

「わ〜い、やった〜♪爽兄、ありがとう♪アタシと一緒に遊園地を楽しもうよ〜♪」

「ああ‼︎」

 

 ということで優子と如月グランドパークに入ろ………いや、彼奴らへの復讐が先だ。私を酒で潰して捨てた彼奴らに仕返ししてやる‼︎まずは………

 

「ところで優子、貴様の携帯を貸してくれ。」

「いいよ〜!はい、ど〜ぞ♪」

「感謝する。」

 

 そしてまず一人目は圭人だ‼︎

 

『もしもし〜、誰ですか〜?』

『……………キサマヲコロス。』

『えっ、ちょっと、ジ〜マ〜で怖いんだけど⁉︎』プツッ

 

 これで良し‼︎そして二人目は一番の元凶、龍之介を潰す‼︎

 

『へ〜い!これ誰からかな〜?』

『…………オレハアシタキサマノ酒ヲスベテ奪ウツモリダ。コチラハ10人デ襲ウヨテイ。ダカラ抵抗ハムダダ。モシキサマガ酒ヲ奪レタクナイトオモウノナラ、ゲンキン一千万円ヲアシタマデニ用意シロ。』

『おいテメェ‼︎ふざけるんじゃねえ‼︎』 プツッ

 

 脅迫はこれでいいだろう。そして最後は達哉だ。彼奴は彼女がいる。だから私の計算が正しければこの攻撃が効くはずだ。

 

「優子、私の指示通りのセリフを今から電話する相手に言って欲しい。」

「え?アタシが?」

「そうだ。決して棒読みにならぬようにな。」

「わ、わかった!」

 

 さあ優子、任せたぞ!

 

『もしもし〜どちら様………』

『達哉!アンタ今何してるの⁉︎今日はアタシとデートの約束だったはずでしょ⁉︎』

『は?君はそもそ……『達哉、この女誰?』……ちょっと待ってよ真衣!これは知ら……『浮気ね。』……いや違……『別れましょう。』……ちょっと待ってよ真衣〜‼︎』 プツッ

 

 作戦成功だ‼︎人を酒で潰して死体遺棄する糞野郎共にはこれくらいの制裁が相応しいだろう。

 

「あの、爽兄、これでよかったの?」

「あぁ。それでいい。今日やったことは全て私の責任だから貴様が気負う必要は無い。」

「わ、わかった!ありがとう、爽兄!」

 

 

 

 そうして遊園地に入ろうとすると、向こうから霧島と一緒にいる雄二がやって来た。

 

「爽!お前こんなところで何やってるんだ⁉︎しかも酒臭いし。」

「私は龍之介達に酒で潰されてここに捨てられた。それで後から来た優子と一緒に龍之介か明久が秀吉経由で渡したプレミアムチケットを使って今から入るところだ。貴様こそ何をやってるんだ?」

「あのバカ(明久)に嵌められてこうなったんだ。」

「なるほどな。」

 

 向こうでは女子2人が仲良く話している。

 

「代表も坂本とデートなんだね♪」

「…そう!…ちょうど良い機会だしダブルデートする?」

「いいね!アタシは賛成!」

 

 何故だか知らないがダブルデートをする事になったそうだ。私は再び雄二に話しかけられた。

 

「なあ爽。お前は木下と結婚する気は無いだろう?」

「無論そのつもりだ。」

「なら俺と協力して脱走しようじゃないか。」

「でもそれだと優子が悲しむのではないか?私は確かに脱走はしたいが彼奴が悲しむ姿はもっと見たくない。」

「安心しろ。俺たちはあくまでアイツらとはぐれたことにするんだ。そうすればデートは中止になる。そうなれば俺たちの結婚は避ける事が出来る。木下も戸惑うだけで自分に責任を感じずに済む。どうだ、良い案だろう?」

「その話、乗らせて貰おう!」

「よし!それじゃあ、作戦開始だ!」

 

 ということで私は雄二とこの遊園地から逃げる作戦を立てた。

 

 

 

 その後、入り口で係員にチケットを見せることになった。

 

「いらっしゃいませ♪如月グランドパークへようこそ!本日はプレオープンなのですがチケットはお持ちですか?」

 

 女の係員がチケット提示を求めて来たので、素直に渡すと、その係員はそれを見て驚いていた。何も自社のチケットなんだから驚く必要は無いのに。私と同じく怪しいと思った優子が係員に話しかけた。

 

「すいません、そのチケットってもしかして使えないのですか?」

「いえいえ〜♪そんなことはないですよ〜♪少々お待ち下さ〜い♪」

 

 そうして女の係員は華麗にターンをして後ろを向くと…………

 

『ワシじゃ。例の連中が来おった!ウェディングシフトの用意を始めて欲しい。確実に仕留めるのじゃ‼︎』

 

 幼馴染みでクラスメイトの奴の声に変わった。ここは雄二と作戦会議をするとしよう。

 

「雄二、私の計算が正しければあの係員は秀吉だ。」

「俺もそう思った。だから電話して確かめようと思う。」

「私の携帯は充電が無い。だから貴様にお願いしたい。」

「分かった!」

 

 そして雄二が秀吉に電話をかけると、目の前の係員が電話を取った。やはり貴様か!

 

「いよぅ秀吉、どう言うつもりだ?」

「私達を騙してハメようと言うのか⁉︎」

「ひでなんとかって誰のことですか〜♪それにさっきの電話は私の上司からの電話ですよ〜♪何勘違いしてるんですか〜?」

「それなら俺の携帯が繋がるはずがないんだが?」

「あははっ♪お客様は疲れてるんですよ♪」

 

 昨日の温泉と飲み会のせいで疲れているのは認めるが貴様の誤魔化そうとする態度は気に入らないな。まあ秀吉が昔からやってる演劇の実力ということで少し許してやるか。優子も気づいたっぽいが遊園地の雰囲気を損なわないため敢えて知らないフリをしている。

 

「それより、記念写真を撮りますよ♪」

 

 記念写真だと⁉︎そんなものを撮ってしまったら、優子は私から離れられなくなってしまうではないか‼︎雄二もどうやら同じ考えみたいだ。だから……

 

「断る。」

「ことわ……「やっぱりアタシとじゃ…」……らない!」

「おい爽‼︎」

 

 すまない雄二。ちょっと泣きそうな優子を見たら断れなかったんだ。

 

「まあまあそちらのお客様もど〜ぞ♪減るもんじゃないし♪」

 

 そんなことを言ってると秀吉の側に別の係員が現れた。

 

「カメラをお持ちしました!」

「ありがとうございます♪」

 

 この係員、異様に酒臭い。こんな状態で仕事をする奴は私の知り合いにたった一人しかいない。だからここは………

 

「雄二、龍之介に電話をかけろ。」

「分かった。」

 

 そして雄二が龍之介に電話をかけると、目の前の係員が電話を取った。やはり貴様か!

 

「いよぅ龍之介、どういうつもりだ!あとお前も超酒臭えんだよ‼︎」

「人違い………」

「逃すか!」 バチン‼︎

「ぎゃぁぁぁぁぁぁ‼︎」

 

 私のパチンコ玉が後ろを向いて走る龍之介の尻穴に命中した。ざまあみやがれ‼︎

 

「爽兄、あれ大丈夫なの?」

「安心しろ。あれは昨日私をハメた龍之介だ。これは単なるその時の仕返しだ。」

「そ、そうなんだ!」

 

 さてと、記念写真でも撮るか。

 

「もうちょっと寄ってくださ〜い♪」

「は〜い♪」

「秀吉、こんな感じでいいか?」

「OKで〜す!それと男性の方、もうちょっと笑顔でお願いしま〜す!」

 

 正直言うと私は笑顔を作るのがとても苦手なんだが……。まあ最大限の努力はするか。

 

「こうか?」

「おお!それでOKで〜す♪それでは撮りますよ〜!ハイ、チーズ♪」 パシャ

 

 優子がかなり嬉しそうだ。私と写真を撮れて良かったのだろう。でも何故私が良いのかは正直よく分からん。

 

 そして向こうでは断り続けていた雄二が霧島に顔面を鷲掴みにされながら龍之介に写真を撮られていた。それを見てると秀吉が写真を印刷して持ってきてくれた。

 

「はい、ど〜ぞ♪ちなみにサービス加工もしておきましたよ♪」

「わぁ〜♪ありがとうございます!爽兄見て見て〜!アタシたちの思い出の写真だよ‼︎」

「そうだな。」

 

 私なりの笑顔で頑張ったんだが、やはりかなりの仏頂面だな。少しだけ喜んでるようには見えるが……。

 

「ちなみにコレをパークの写真館に飾っても良いですか?」

「お願いします‼︎」

「許可しよう。」

「ご協力ありがとうございま〜す♪」

 

 まあ隣の優子の笑顔はとても良いから飾っても大丈夫だろう。そんなことを思ってると今度は龍之介が雄二と霧島の分を持って来た。

 

「お待たせしました‼︎こちらがサービス加工付きの写真になります!」

「…ありがとう!…見て雄二、私たちの思い出!」

「どこに喜ぶ要素があるんだ?」

「ちなみにこれをパークの記念館に飾るつもりですがよろしいでしょうか⁉︎」

「よろしくねえよ‼︎こんなの見たら見に来る客がドン引きするだろうが‼︎」

「そうですかね〜?」

 

 逆に彼氏が顔面を鷲掴みにされてるのを見て憧れる客が居たら私に教えて欲しい。いい病院を紹介できる気がする。

 

「…雄二、照れてる?」

「翔子、お前はその写真のどこに照れる要素があるんだ?」

 

 霧島の感性はどうやらぶっ壊れているみたいだ。雄二が苦労するのも分かる気がする。そんなことを思っていると………

 

 

 

「ああっ!写真撮影してる!あたしらも撮って貰おうよ♪」

「オレたちの結婚記念にか?おい係員!オレたちも写ってやんよ‼︎」

 

 たいそう頭の悪そうな2人がやって来た。




 ということで如月グランドパーク編が始まりました。爽と雄二は果たして結婚無理矢理させてくる龍之介達からどのように逃げるのでしょうか。お楽しみに。

 ちなみに飲み会前に温泉に行ったのは、龍之介達が爽を酔い潰してそのまま如月グランドパーク前に捨てる予定だったため、シャワーを浴びて置く必要があったからです。そうすれば多少綺麗な状態で優子に会えますからね。まあ酒臭いんで意味なかったんですけどね。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第二十四問 誓約書

バカテスト 現代文

問 次の問いに答えなさい

『 物事は繰り返されるものである、をことわざで言うとなんと言うでしょう。 』


鷹狩龍之介の答え

『 二度あることは三度ある 』

教師のコメント

正解です。流石ですね、鷹狩君。


木下秀吉の答え

『 輪廻転生 』

教師のコメント

来世もFクラスですか?


吉井明久の答え

『 爽によるパチスロのための欠席 』

教師のコメント

蕨屋敷君は卒業する気があるのでしょうか?


蕨屋敷爽の答え

『 遠隔操作 』

教師のコメント

気持ちは分かりすがそんなことは起きてませんよ。


  side 爽

 

 記念撮影が終わると、たいそう頭の悪そうな2人がやって来た。

 

「ああっ!写真撮影してる!あたしらも撮って貰おうよ♪」

「オレたちの結婚記念にか?おい係員!オレたちも写ってやんよ‼︎」

 

 龍之介が対応する。

 

「すいません、こちらは特別企画ですので……」

「ああっ⁉︎いいじゃねえか⁉︎オレたちオキャクサマだぞゴルァ‼︎」

「きゃーっ!ジョータ、かっこいーっ!」

 

 そうか?私にはそうは見えないが。そしてこういった人間を龍之介は得意としている。さてと、友のお手並み拝見といくか。

 

「申し訳ございません。こちらはプレミアムチケットがないと体験することが出来ないんですよ。」

「ああっ⁉︎これはプレミアムチケットじゃねえのか⁉︎」

「はい。」

「じゃあプレミアムにしろ‼︎なんせオレたちの方があのクソダセエジャリどもよりもプレミアムだからなぁ⁉︎」

 

 想像以上に頭悪いな、コイツ。凄い言いがかりだ。

 

「分かりました。ではこちらのチケットをプレミアムにしますよ。但し………」

「おお、話が分かるじゃねえか‼︎」

 

 霧島が動揺する。

 

「…そんなの、良くない!…雄二のことをバカにしたくせに!」

「落ち着け翔子。」

「代表、彼には何かしらの考えがあると思うわ!」

「彼奴が無策なわけなかろう。」

「…そ、そうなのかな?」

 

 さて、彼奴がやるのは………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今から1000万円を支払って下さい。それが出来ないならこのチケットをプレミアムチケットにすることは出来ません。」

 

 金を使った脅しか。

 

「おいテメェ、ふざけんじゃねえよ‼︎」

「持ってるわけないじゃない!」

「ぶっ飛ばすぞコラァ‼︎」

「なるほど〜、暴力ですね!そしたらお客様の結婚式は刑務所で行われることになりますがよろしいでしょうか?」

「「ふざけんなよ‼︎」」

「ふざけておりません。当園の警備はかなり強力ですのでこういった暴力や強盗はすぐに取り締まることができるんですよ。ちなみに今の会話も録音してあるので外にバラしても無駄ですよ〜。」

「クソが‼︎」

「まあまあ、当園ではプレミアムチケットが無くても楽しめる要素が沢山ありますので、是非そちらで楽しんで下さい‼︎」

「クソ!いくぞワカナ!」

「へ〜い。」

 

 彼奴は汚い事には長けてるからな。流石だ。その後龍之介が戻ってきて俺たちに声をかけた。

 

「ということで、実は4人の周りには見えないけど警備員がいっぱいいるんですよね〜。だからもし脱走しようとか考えてるなら諦めた方がいいですよ〜w」

 

 こうして私と雄二の脱走計画は未遂に終わった。

 

 

 

 

  side 雄二

 

 クソ!龍之介に脱走計画を阻止されてしまった。まあそしたら適当に回って帰ることにするか。

 

「お前ら、なんか行きたいところはあるか?」

「私はパチスロのあるところを推薦する。」

「ね〜よそんなとこ。」

「係員に聞けばあるかもしれない。」

「それじゃあ呼ぶか。」

 

 俺の予想が正しければ秀吉と龍之介以外にも協力者がいるはずだ。ならここは………

 

「翔子、すまんがちょっと我慢してくれ。」

「…?」

 

 そうして俺は翔子のスカートをめくった。するとカメラを持ったスタッフが現れた。もちろんコイツは………

 

「染み付いた習性は隠せないようだな、ムッツリーニ‼︎」

「………人違いです。」

 

 だろうな。

 

「まあいい。それより貴様、ここにパチンコかスロットはあるか?」

「………そんなものはありません。」

「あぁぁぁぁぁぁ‼︎」

 

 爽は悔しがり過ぎだろ。どんだけ好きなんだよ。

 

「…雄二、えっち///」

 

 ヤバい!翔子に変な勘違いされてる!ここは誤魔化さないと!

 

「なっ!違うぞ翔子!俺はお前の下着なんかに微塵も興味はない‼︎」

「…それはそれで困る///」

「ぐぁぁぁぁぁぁ‼︎理不尽だぁぁ‼︎」

 

 翔子め、俺の顔を鷲掴みにしやがって‼︎痛いんだよ‼︎

 

「私が興味あるのはパチンコとスロット、この2つだけだ。」

「爽兄はやっぱりそうだよね!」

 

 簡潔で分かりやすいな、コイツ。そんなことを思っているとここのマスコットキャラがやって来た。

 

「へいへいお兄さん達〜!フィーが面白いアトラクションを紹介してあげるよ!」

 

 この声は………

 

「爽、これって島田の声じゃないか?」

「私もそう思った。では確認してみるとするか。」

 

 俺をハメたあのバカへ仕返しをさせてもらおう!

 

「なあ爽、そういえばさっき明久が女子大生をナンパしてたな。」

「そうだな雄二。しかも彼奴はナンパに成功していたな。」

「はっ⁉︎ちょっとアキ、何してるのよ⁉︎」

 

 やはりな。

 

「おい島田、アルバイトか?」

「違いますぅ〜!」

「違わないだろ。」

「ドイツ語のArbeitは正社員での労働って意味なので違いますぅ〜♪」

 

 知るかそんなこと。それよりも……

 

「島田なのは認めるんだな。」

「まあね。」

 

 さてと、せっかく仕事をしている島田にも悪いから一応お勧めを聞いておくか。

 

「じゃあ島田、お勧めのアトラクションを教えてくれ。」

「えっと、あそこに見えるお化け屋敷ね!」

「そうか。ありがとう。」

「いえいえ〜。楽しんできてね〜!」

 

 恐らくあのお化け屋敷には何かしらの仕掛けが施されているだろう。だから………

 

「爽、分かってるな。」

「ああ。」

「よしお前ら、お化け屋敷『以外』のアトラクションに行くぞ。」

「私と雄二について来い。」

「ちょっと待ってよ坂本、蕨屋敷!せっかくウチがオススメを紹介したじゃない!」

「お前の口ぶりを察するにお化け屋敷に何か仕掛けられているのは明白だからな。わざわざそんなところに行く気はない。」

「雄二の言う通りだ。どうせ私達をハメるつもりなのだろう。」

「それは困るわ!お願いだからお化け屋敷に行って!」

 

 そのお願いとやらに残りの人生を捧げる気はない!

 

「「断る!」」

「そこまでだ雄二、爽………じゃなくてそこのゴリラとパチンカス‼︎」

 

 たいそう頭の悪そうなキャラがやって来た。これ絶対アイツだろ。

 

「その頭の悪そうな仕草、さては明久だな⁉︎」

「私の計算が正しければその通りだ。」

「失礼な!僕……じゃなくてノインのどこが頭悪いって言うんだ‼︎」

「貴様は頭を前後つけてる奴のことを頭が悪くないとでも言うのか‼︎」

「爽の言う通りだな。」

「…雄二、ノインちゃんはうっかりさんだから。」

「翔子、うっかり頭が前後逆になる生物は自然界で淘汰されてると思うぞ。」

「爽兄、誰にだって間違いはあるものだよ♪」

「優子、あれは間違い過ぎだろう。」

 

 子供も泣き出してるんだから早く直せよ!そんなことを思ってると………

 

「うわぁぁぁぁ、待って下さい明久君!頭が逆です‼︎」

 

 マスコットキャラの格好をした姫路がやって来た。

 

「アキ、ほら、ウチが直してあげる………よ‼︎」 グイ

「うわぁぁぁぁ!痛いよ美波!首がねじ切れるかと思ったじゃん‼︎」

「ごめんアキ………」

「美波ちゃん、ありがとうございます!あとはあの2人にバレないようにしなきゃいけませんね!」

 

 いや、もう無理だろ。明久×姫路の天然ペアはつくづくお似合いのカップルだな。だが龍之介が最近明久×島田がキテるって言ってたな。まあ確かにバカな明久と世話焼きの島田もお似合いだよな。

 

 そんなことはさておき、とっととずらかるか〜。

 

「爽、行くぞ。」

「心得た。」

 

 ちなみに後ろでは………

 

「そういえばアキ、女子大生をナンパしてたって本当?ちょっとウチとお化け屋敷裏に来てくれないかしら〜?」

「ちょっと美波!僕はそんな………」

「今からお仕置きをしなきゃいけませんね!美波ちゃん、明久君を連れて行きますよ!」

「了解!」

「やめてぇぇぇぇぇぇ‼︎」

 

 と明久が虐められていた。ざまあみろ。俺をハメた罰だ!

 

 

 

 俺達がお化け屋敷から遠ざかろうとすると、別のスタッフが現れた。

 

「Hey guys! Meと一緒にGhost屋敷にGoしようぜ〜‼︎」

 

 めちゃくちゃキャラが濃いスタッフだった。ただあまりにも吐息が酒臭かったのですぐに変装した龍之介だと分かった。

 

「爽、パチンコ玉。」

「心得た。」

「Ha⁉︎ いきなりMeのTINTINにパチンコBallをHitさせようとするなんて、なんて酷いGuysなんだぜ!」

 

 股間を抑えられてしまった。これでは爽のパチンコ玉攻撃が効かない。さて、どうすべきか………。そんなことを思っていると、龍之介がとんでもないことを言った。

 

「Ms.坂本翔子、Ms.蕨屋敷優子、Ghost HouseはYour Boyfriendに抱きつき放題なんだぜ‼︎」

「…雄二、お化け屋敷に行きたい!」

「汚いぞ貴様‼︎優子と霧島を使って人を罠にハメようだなんて‼︎その横暴を私は絶対に許さない‼︎」

「それとコイツらの苗字はそれぞれ霧島と木下だ!勝手に入籍させるな‼︎」

「…大丈夫、すぐに変わるから!」

 

 翔子、頼むから腕を掴んで引っ張ってくのはやめてくれ。そんなことを思っているとさっきまで黙ってた木下が口を開いた。

 

「みんな、せっかくアタシたちのために作ってくれたんだから行ってみようよ♪」

 

 お前、罠だというのにそれを踏み抜くつもりか⁉︎清涼祭のときの頭のキレからして気づいていると思うんだけどな〜。そんなことを思ってると爽が返事をした。

 

「優子、私の計算が正しければあれは絶対に罠だ。だから行ってはいけない。」

「じゃあアタシが一人で先に行って仕掛けを確かめてくるね‼︎だから皆はここで待ってて‼︎」

「ちょっと待て‼︎流石にそれは危ない‼︎だから私も行く‼︎」

 

 おい爽。釣られてどうすんだよ………って翔子!俺の腕を掴むな!

 

「…私たちも行く!」

「やめろ翔子ぉぉぉぉ‼︎」

「ではMeが案内しま〜す!」

 

 こうして俺たちはお化け屋敷に行くことになった。

 

 

 

 お化け屋敷の入り口までくると、龍之介とマスコットキャラ(CV.Fクラスの女子2人)が出迎えてくれた。

 

「Hey guys!Ghost HouseにInする前にこの誓約書にsignしてクダサ〜イ!」

 

 誓約書付きお化け屋敷か。スリルが多いってことだな。面白そうじゃねえか!そう思って誓約書を見てみると………、

 

 

 

    〜〜〜〜〜誓約書〜〜〜〜〜

 

1.私、坂本雄二は霧島翔子を妻として生涯愛し、苦楽を共にすることを誓います。

 

2.婚礼の式場には如月グランドパークを利用することを誓います。

 

3.どのような事態になろうとも、離縁しないことを誓います。

 

 以上について承諾し、誓約・署名いたします。

 

       署名:__________________

 

    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 地獄のようなことが書いてあった。

 

「…はい雄二、実印。」

「朱肉はここにあるわ‼︎」

「俺だけか⁉︎俺だけがこの状況をおかしいと思っているのか⁉︎」

「それはJokeだぜ!」

「写しまで用意しているくせに冗談だと言い張るのか!」

 

 全く、コイツらは人の人生を何だと思っていやがる。さて、爽は…………

 

「あ、あぁ、あぁぁぁぁぁぁぁ‼︎」

「大丈夫、爽兄⁉︎」

 

 俺と同じような反応をしていた。さて、どんなことが書いてあるんだろう。

 

 

 

    〜〜〜〜〜誓約書〜〜〜〜〜

 

1.私、蕨屋敷爽は今後一切パチンコやスロットをしないことを誓います。

 

2.それに伴って全てのパチスロ店の会員カードを返却することを誓います。

 

3.もし違反が判明した場合は、自身の財産を父、蕨屋敷亮に全て譲渡することを誓います。

 

 

 以上について承諾し、誓約・署名いたします。

 

       署名:_________________

 

    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 俺とは全然違うけど、効果はてきめんだな。

 

「朱肉はこちらですよ〜。」

「You のハンコはこちらデ〜ス!」

「貴様ら!私を虐めるなあぁぁぁぁぁぁ‼︎」

「爽兄、落ち着いて!書かなくても大丈夫だから、ね!」

「それだとお化け屋敷に行けないだろうが‼︎」

「すいません、冗談です♪」

「ブチ殺すぞ貴様ら。」

「Oh〜、very 怖いねぇ〜♪」

 

 そんなやりとりを見ていると、後ろから別のスタッフが現れた。

 

「………荷物を預かります。」

「私も預かりますよ♪」

 

 なんだ、ムッツリーニと秀吉か。

 

「…お願い。…零れちゃうから横にしないで欲しい。」

「アタシのもそうしてくれると助かります!」

「………分かりました。」

「私にお任せ下さい♪」

 

 さてと、お化け屋敷に行くか〜。でもさっき煽ってた龍之介の顔がムカついたから仕返しをしてやろう。爽とアイコンタクトを取ってから作戦を実行だ!

 

「そういえば爽、龍之介がこの後20分後くらいに雀荘行くって言ってたよな。」

「彼奴は昨日の飲み会で、明日は好みの女流麻雀プロが来店すると興奮して言っておったからな。私の計算が正しければ意地でも行くはずだ。」

「Hey guys! そんなことをMeは言って………」

「龍之介君、大事な作戦中に何を考えてるんですか?」

「アンタまさかサボるつもりじゃないでしょうね〜?」

「ちょ、違うんだ2人とも‼︎これは……!」

「とりあえず裏でお話ししましょうね〜♪」

「やめてぇぇぇぇぇぇ‼︎」

 

 よし、悪は成敗出来た。さて、お化け屋敷に………

 

『ワシじゃ。ターゲットがお化け屋敷に入りおった。明久考案の作戦を実行するのじゃ‼︎』

 

 って明久考案の作戦か!アイツ如きの作戦に乗ってたまるか‼︎そう思いながら俺達はお化け屋敷に入った。




 ということでヤンキー登場からの誓約書まででした。ちなみにヤンキーの名前は龍之介とちょっと被るという理由で原作のリュータからジョータに変えました。

 さて、次回はお化け屋敷と出来レースクイズ大会です。お楽しみに。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第二十五問 出来レースクイズ大会

バカテスト

問 次の問いに答えなさい

『 男女の恋愛について自由に論じなさい。 』


姫路瑞希の答え

『 頼りない自分を一生懸命守ってくれるような優しい人が大好きです。 』

教師のコメント

姫路さんらしい回答ですね。そんな姫路さんには是非ともそんな男性と幸せな未来を築いていけるよう応援しています。


木下優子の答え

『 不器用だけどとても優しい人が大好きです。 』

教師のコメント

同じく優しい木下さんはそんな男性と是非とも幸せな家庭を築いて欲しいですね。


蕨屋敷爽の答え

『 私にパチスロ軍資金を貢いでくれる年上か同級生が欲しい。 』

教師のコメント

女性を堂々とATMだと言える貴方の感性がもはや羨ましいです。


坂本雄二の答え

『 暴力的な人はにがーーー霧島翔子さんのような品のあるおしとやかな女性が大好きです。 』

教師のコメント

途中から明らかに筆跡が変わっているような気がするのですが。


鷹狩龍之介の答え

『 騙されやすくて簡単にヤレる女。 』

教師のコメント

なんて気持ちのいいゲス野郎なんでしょう。


  side 雄二

 

 俺達はお化け屋敷に入ったわけだが、これが思ったよりも雰囲気がある。廃病院を改造しただけのことはあるな。

 

「…ちょっと怖い。」

「こういうのにあまりビビらないお前が怖がるなんて珍しいな。」

 

 と翔子もこんな感じだった。そしてあっちの2人はというと………

 

「爽兄、雰囲気満点だね!でも大丈夫!アタシが守ってあげる!」

「心得た。」

 

 全くビビってない。爽に至ってはあまり関心がなさそうだし。流石だな。そんなことを思ってるとどこからか怨嗟の声っぽいものが聞こえてきた。

 

 

『…………じの方が………よりも………』

 

 

「…この声、雄二?」

「う〜ん、言われてみればそう聞こえるな。」

「私の計算が正しければあれはただの秀吉の声真似だ。」

「なら恐れることはないな。明久の作戦も所詮こんなもんか。」

 

 さて、こんなものは通り過ぎて………

 

 

 

『姫路の方が翔子よりも好みだな。胸も大きいし。』←雄二(CV.秀吉)

 

 

 

 お化けよりも恐ろしいものが聞こえてきた。なんてこと考えるんだ、あの野郎‼︎

 

「…雄二、覚悟できてる⁉︎」

「怖え‼︎確かにこれはスリル満点の演出だ‼︎」 ガタン

 

 お?後ろに何か落ちたぞ!チャンスだ!この演出で誤魔化す!

 

「しょ、翔子!何か落ちてきたぞ‼︎」

「…これは………、金属バット‼︎…気が利いてる‼︎」

 

 利いてねえよ‼︎俺を殺す気じゃねえか‼︎クソ、こうなったら手段は選んでられない‼︎

 

「爽、翔子の眉間にパチンコ玉をぶち当ててくれ‼︎」

「心得た!」

「…蕨屋敷、邪魔しないで‼︎」

「みんな、喧嘩はダメだよ〜!」

 

 木下、喧嘩の仲裁をしようとしてくれてありがとな!だがこれは命のやり取りなんだ!なりふりかまっていられない‼︎そんなことを思ってると再び怨嗟の声が聞こえてきた。

 

 

 

『おい爽‼︎お前まさか……⁉︎』←龍之介

『あぁ、私は優子と付き合うと決めたんだ。そして2人の時間を確保するためにもうパチスロはやめる‼︎』←爽(CV.秀吉)

『凄いな、お前‼︎』←達哉(CV.秀吉)

『彼女さんもこれ聞いたら喜ぶだろうね〜。』←圭人(CV.秀吉)

 

 

 嘘だろ?あの爽がパチスロをやめるだと⁉︎友達と思われる2人の声も聞こえるってことは、もしやこれは秀吉の演技じゃないのかもしれない。だとすると………

 

「ち、違うぞ優子!私はこんなことを言った覚えはない‼︎でも、昨日の飲み会の記憶がないからもしかしたら言ったのか……?いや、絶対に言ってない‼︎えっと……」

「そ、爽兄!き、気を遣わなくていいよ!アタシのことよりもパチスロのことを優先させていいからね!なんならアタシと別れても大丈夫だよ!今まで気を遣わせてごめんね!」

「い、いや違う!貴様とは付き合ったままでいるから!だから安心して欲しい‼︎」

 

 ヤバい!木下の泣き落としによって爽が無力化された‼︎そうなると………

 

「…雄二。」

「ひぃぃぃぃ〜‼︎」

 

 翔子がフリーになってしまう‼︎なんとか逃げないと‼︎全く、趣旨は違うが最高に恐ろしいお化け屋敷だな‼︎

 

 

 

 命からがらお化け屋敷から脱出すると、そこには俺達を陥れた悪魔共がいた。

 

「僕……じゃなくてノインの考えたお化け屋敷はどうでした?」

「結婚したくなりましたか♪」

「な訳ねえだろ。むしろ溝が深まった気分だ。」

「おかしいですね〜?危機的状況に陥った男女は結ばれるという話なんですけどね〜?」

「ひでよ……じゃなかった、この娘の言う通りですよ!」

「襲い来る危険が結ばれるべき相手自身でなければな。」

 

 コイツらの頭の中はどうなってやがる。遅れて他の3人が出てきた。爽がブチ切れてる。まあそうだよな………

 

 

 

「おい明久‼︎早く股間を出せ‼︎」

 

 

 

 いや、その発言はアウトだろ。何言ってんだよコイツ。

 

「ノインの服はここでは脱げませ〜ん♪」

「貴様、後で始末するからな。覚えてろよ。」

「無理で〜す!」

「…あの、私のバ……」

「それでは、豪華ランチに皆さんをご招待しま〜す♪私についてきてくださ〜い♪」

 

 豪華ランチか。それより、翔子は何を言いかけたんだ?

 

「翔子、お前どうしたんだ?」

「いや、なんでもない………」

「そうか。」

 

 まあいい、とりあえず豪華ランチを食べるとするか!

 

 

 

 

  side 爽

 

 明久め、後で絶対に股間を潰してやる‼︎そんなことを思いながら会場に入ると、ムッツリーニ似の係員、というか本人が案内してくれた。

 

「………いらっしゃいませ、坂本雄二&翔子様と蕨屋敷爽&優子様。」

「いよぅムッツリーニ、俺達はどこへ行けばいいんだ?」

「………あちらです。」

 

 そうして私達は普通にテーブルに着き、普通に昼食を食べた。これほどの昼食、かなりの値段がするだろう。一体この値段で何ゲーム回せるのだろうか?そんなことを思っていると、前の方に島田が現れた。彼奴は何をするつもりだ?そんなことを思ってると………

 

「皆様、本日は如月グランドパークプレオープンイベントにご参加いただき、誠にありがとうございます‼︎なんと本日ですが、この場に結婚を前提に交際を始めようとしている高校生カップルが2組いらっしゃっているのです!」

 

 いきなり私達がスポットライトに当たる羽目になった。仕掛けがないと思ったらこういう事だったのか‼︎

 

「そして当如月グループとしてはそんな4人を応援するための催しを企画させていただきました‼︎題して、『如月グランドパークウェディング体験』プレゼントクイ〜ズ‼︎本企画の内容は至ってシンプル!こちらの出題する5題のクイズに見事全問正解したら、弊社が提供する最高級ウェディングプランを体験して頂けるというものです!」

 

 なんだそれは。そんなのを大勢の人の前でやってしまったら戻れなくなるだろ。ふざけるな!そんなもの、優子にとっては大迷惑だろ‼︎

 

「もちろんご希望であれば、そのまま入籍という事でも問題ありません!」

 

 いや、大問題だろ。

 

「それでは坂本雄二&翔子さん、蕨屋敷爽&優子さん!前方ステージへお越し下さい‼︎」

「…雄二、行くよ‼︎」

「やめろ翔子ぉぉぉぉ‼︎」

「爽兄、アタシ頑張るね!」

「ああ。」

 

 だが私としては頑張って頑張らないようにしなければならない。雄二と作戦会議だ。

 

「雄二、分かってるな。」

「ああ、俺達がやるべき事は……」

「「わざと間違える‼︎」」

 

 よし、これで完璧だ。さて、作戦開始といこうか‼︎どのような問題でもかかってこい‼︎

 

 

 

「では第一問!坂本雄二さんと翔子さんの結婚記念日はいつでしょうか?」

 

 おかしい。問題の意味が分からない。

 

「…はい!…毎日が記念日!」

「やめてくれ翔子‼︎恥ずかしさのあまり死んでしまうから‼︎」

「正解です‼︎」

 

 いや正解なのかよ‼︎司会役の島田の笑顔が非常に腹立たしい。

 

「それでは第二問!」

 

 まあいい。ここで絶対に間違えてやる!

 

 

「関数tをラプラス変換するとどうなるでしょうか?」

 

 

 おかしくはない。だが純粋に問題の意味が分からない。

 

 

「はいっ‼︎」

「では蕨屋敷優子さん、お答え下さい!」

「sの-2乗‼︎」

「正解です‼︎優子さんは高校生でありながら大学レベルの数学が分かるんですね。流石です!」

「ありがとうございます‼︎」

 

 いや大学レベルかよ。正答なのか誤答なのかも分からねえよ。あとこのクイズ、最初は出来レースだと思っていたが、これでは本当に出来レースかどうかが分からないではないか。

 

「それでは第三問、4人の結婚式はどちらで挙げられるのでしょうか?」

「はい。」

「それでは坂本雄二さん!」

 

 頼んだぞ、雄二!

 

「潜○蛇手‼︎」

「正解です‼︎」

 

 は?場所の名前ではないだろ。

 

「お二人の挙式は、当園にある如月グランドホテル鳳凰の間、別名『潜○蛇手』で行われる予定です‼︎」

 

 いや、その名前絶対今考えただろ。やはり出来レースではないか。だったらここは……

 

「では第四問!ナビエ……」

「はい。」

「では蕨屋敷爽さん!」

「分かりません。」

「正解です‼︎」

 

 は?これは完全に出来レースじゃないか‼︎

 

「ナビエ・ストークス方程式の解の存在と滑らかさは、現在未解決問題となっている重要な数学の問題です。将来蕨屋敷爽さんと優子さんが夫婦二人で解決して下さることを如月グループとしては期待しております‼︎」

 

 いや出来レースではないのか‼︎全く紛らわしいな‼︎畜生め‼︎こうなったら最後の問題を絶対に間違えてやる‼︎ん、雄二が話しかけてきたぞ?

 

「爽、最後は2人で別々の答えを言って間違えよう。」

「心得た。」

 

 成る程、素晴らしい作戦だ。実行させてもらおう!

 

「それでは最終問題です!貴方達の………」

「「はい‼︎」」

 

 雄二と同時に答える!さて、これは誰に解答権が与えられるんだ?

 

「それでは一人ずつお答え下さい!」

「分かりません‼︎」

「ジャ○ラー。」

 

 よし。2人でばらければ正解にはならないだろう。さてと………

 

「2人とも正解です‼︎」

「「えっ?」」

「貴方達の将来の夢が分かりました!坂本雄二さんは決まってないようですが、これから色々悩んで決めて下さいね!蕨屋敷爽さんはジャ○ラーなどの機種があるスロットやパチンコで将来稼ぐようです。頑張って下さい‼︎2人とも素晴らしい夢ですね!」

 

 そういう問題だったのか‼︎騙された‼︎しかもジャ○ラーから強引に繋げてくるとは………。完全に私の想定外だった。

 

 

 

 そんなことを思いながら会場の外に出ると、姫路と龍之介が現れた。

 

「全問正解、おめでとうございます‼︎」

「You達にWedding体験をPresentシマ〜ス‼︎」

 

 龍之介の喋り方本当に腹立たしいな。殴ってやりたいほどだ。

 

「それでは女性陣はこのスタッフについて行って下さい!」

「初めまして。貴女方のドレスのコーディネートを担当させて頂きます。一生の思い出になるようなイベントにするためにお手伝いさせて下さい。」

「「よろしくお願いします‼︎」」

 

 随分と本格的だな。さて、私達は………

 

「ではMenはこのStun GunでDieしてクダサ〜イ‼︎」

「「はっ?」」

 

 あれ、視界が……… バタン




 ということでお化け屋敷と出来レースクイズ大会でした。原作では不良2人が、「アンタらが特別なのはおかしくな〜い?」って言って現れるのですが、特別な理由を龍之介がそれっぽく(金をくれと)喋ってしまったので出て来ませんでした。

 ちなみに美波が(本人にとっては)かなり難しい日本語をペラペラ喋っていますが、これはマイクで龍之介がこっそりサポートをしてやっています。美波自身がもっと日本語を使えるようになりたい、とお願いしたのでこうなりました。

 そして、次回はいよいよウェディング体験です!お楽しみに。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第二十六問 お試し結婚式

バカテスト 現代文

問 以下の問いに答えなさい

『 幼少期から親しくしていた人の事を何と呼びますか? 』


木下優子の答え

『 幼馴染み 』

教師のコメント

正解です。さすがですね、木下さん。
ところで、木下さんには幼馴染みはいますか? 若い頃に仲の良かった友人には、一生仲良しでいられる人がたくさんいます。大人になってからでは得るのが難しい宝物です。今のうちに、たくさんの友人を作っておきましょう。


坂本雄二の答え

『 おさななじ………うがががががが! 』

霧島翔子の答え

『 いいなづけ 』

教師のコメント

一体何があったんでしょうか。


蕨屋敷爽の答え

『 特別な人 』

教師のコメント

蕨屋敷君にとって幼馴染みはかけがえのない存在なのでしょうね。


  side 爽

 

 目を覚ますと私と雄二は結婚式用のタキシードを着ていた。

 

「それではいよいよ本日のメインイベント、ウェディング体験です♪皆様、まずは新郎の入場を拍手でお迎え下さい♪」

 

 という女係員の演技をした秀吉の挨拶のもと入場することになった。私の計算が正しければ彼奴らはウェディング体験をメディアを通して拡散し、私達を世間公認のカップルにするつもりだ。そんな事をしたらますます優子と別れられなくなってしまう。彼奴は私よりももっと良い男と結ばれるべきだ。だからここは雄二と協力して……、

 

「雄二、隙を見て逃げるぞ。」

「無論。俺もそのつもりだ。」

 

 逃げるしかない。ただタイミングを伺う為に、とりあえずはステージに向かうことにした。

 

「それでは新郎のプロフィールの紹介を………」

 

 まずはそれをやるのか。まるで本物の結婚式みたいだな。

 

「省略します♪」

 

 前言撤回。手抜きもいいところだ。まあ雄二はともかく私のプロフィールなんて紹介する必要はないがな。

 

「ま、紹介なんて要らねえだろ。片方はただのパチンカスだしな。」

「興味ナシ〜!」

「ここがオレ達の結婚式に使えるかどうかが問題だからな。」

「だよね〜。」

 

 あれは龍之介に説得もとい脅迫されてた頭の悪そうな連中か。しかも私の事をそう呼ぶと言うことは、あのクイズ大会の時も居たと思われるな。

 

「他のお客様のご迷惑になりますので大声での私語はご遠慮いただけるようお願いします!」

「コレアタシらのこと言ってんの〜?」

「違ぇだろ。オレらはなんたってオキャクサマだぜ?」

「だよね〜。」

 

 相変わらず頭の悪い連中だ。私の計算が正しければ、『他の』という単語が聞き取れていないことから、あの連中には日本語のリスニング能力が不足していると思われる。

 

「ま、オレ達のことだとしても気にすんなよ。要はオレ達の気分がいいか悪いかってのが問題だろ?な、これ重要じゃね?」

「うん!ジョータはイイこと言うね♪」

 

 まああれだけ騒ぐ連中だと主催者側も手を出せないか。龍之介が居れば、とも思ったが公衆の面前で口喧嘩をするのもあまり好ましくないからな。そしてそんな連中を無理矢理無視して秀吉が式を続ける。

 

「それでは、いよいよ新婦のご入場です♪」

 

となると優子の入場か。彼奴のウェディングドレス姿はきっととても美しいものだろう。見なくても分かる。そんな彼奴がステージに出てきてしまっては見惚れて脱走のタイミングを逃してしまう。なら………

 

「すいません。少し御手洗に行ってきます。」

 

 トイレに行くフリをして逃げてやろう!でも雄二は何故か動かないのだろう?理由を聞いておくか。

 

「おい貴様、何故逃げない。」

「翔子のドレス姿だけでも見とこうと思ってな。もし似合ってなかったら興醒めもいいところだしな。俺はその後で脱出するんだが、お前は見なくていいのか?」

「優子がとても似合うのは目に見えてる。だから脱出するタイミングは今しかないと考えた。」

「成る程な。じゃあ先に行っててくれ。」

「心得た。」

 

 さて、ステージから出て、トイレへ行くとするか。

 

 

 

 無事ステージを後にし、この建物から出ようとすると……

 

「爽、トイレは僕が案内するよ!」

 

 とまさかの明久がやってきた。貴様に付き纏われては脱走は出来ない。なら………

 

「明久、貴様の好意はありがたいんだが私は一人でトイレに行きたいんだ。だから着いてこないでくれ。」

「それは無理だね〜。だって逃げる気なんでしょ?僕以外にも警備員が沢山いるから無理だと思うけど、一応僕がついていないとね〜。」

 

 クソ!明久如きに私の考えが読まれていたか!なら………

 

「ここで逃がしてくれなければ貴様の股間をこのパチンコ玉で潰す‼︎」

「無駄だと思うよ〜。ほら、周りを見てごらん?」

 

 明久に言われて周りを見てみると、そこには10人くらいの警備員が居た。流石にこれだけの人数を1人で相手にするのは無理がある。なのでパチンコ玉作戦は諦めることにした。

 

「成る程な。それでは私は普通にトイレに入らせて頂こう。」

「そうするといいよ〜。」

 

 そうして私はトイレに入った。

 

 

 

 さて、ここで作戦会議だ。私の携帯の充電があれば兄貴と鮫之介先輩を呼んで如月グランドパークをめちゃくちゃに出来るんだが生憎充電が無い。しかも私の荷物は預けられているから仮に脱出出来たとしてもその後の帰り道に困る。そもそもこのタキシードを着たままでは目立ってしまう。だったら脱ぐのが良いのか?そうなると今度は半裸の変態が出没したとなってかえって目立ってしまう。ならどうすれば良いか…………ん、待てよ!この手があるではないか!

 

 

 そうして私はトイレの個室に入った。そして私がやることといえば………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「爽、まだなの〜?もう十分も経つよ〜?」

「すまん明久、二日酔いがぶり返してきてな………」

 

 トイレでの籠城だ。私の計算が正しければこれで時間を潰せるはずだ。しかも体調不良となれば誰も文句は言えまい。

 

『ごめん皆、爽のトイレが長引いてるから、先に雄二と霧島さんだけでも始めてて!』

 

 どうやら雄二と霧島の分だけ始まるようだ。まあそれで良いだろう。

 

 

 

 さて、トイレの個室でする事もないし、何をしようか?

 

 

①パチンコ、シン○ォギアを打ってるフリ

②パチンコ、海○語を打ってるフリ

③スロット、バジ○スクを打ってるフリ

④スロット、ジャ○ラーを打ってるフリ

⑤スロット、リ○ロを打ってるフリ

 

 

 う〜ん、どれも捨てがたいが、想像していると絶叫してしまう恐れがある。良い作戦だと思ったんだがこれでは私の仮病が明久にバレてしまう。仕方ない。適当に過去を振り返るとするか。

 

 

 

 

 私は昔からパチンコやスロットが大好きだった。お金とか関係なく、ただ純粋に玉の挙動を見たり、ボタンを押して絵柄を揃えたりするのが好きだった。そして文月学園に入学する直前の春休み、私は兄貴と鮫之介先輩に誘われて実際にパチスロ店で打つことになった。名義は兄貴のを貸してくれた。兄貴は結構私と顔が似ていたのでちょうど良かったのだ。

 

 そしてこの時、なんと私は大勝ちしてしまった。そして5万円という中学生にとってはかなりの大金を手に入れてしまった。大好きなパチスロをやってるだけでお金が手に入る。そしてまたそのお金でパチスロが打てる。その黄金サイクルを発見してしまった私は、パチスロ店に行かずにはいられなかった。好きでもない上にお金が手に入るわけではない学校と、好きな上に勝ったらお金が手に入るパチスロ店。どっちを優先させるかなんてとても明白なことだった。そうしてパチスロ三昧な生活を送っていると、気がついたら3留していた。

 

 それでも私は止める気がなかった。卒業出来たら卒業後はパチプロとスロプロに、卒業出来なくても退学してパチプロとスロプロをやると決めていたからだ。こうして私の将来が決まった。あとは沢山勉強と研究を重ねて、ひたすら期待値を追い続けるだけだ‼︎

 

 

 

 

 さて、そろそろ式はどうなったかを確認するか。明久にでも聞けばいいだろう。

 

「明久……」

「ごめん爽、電話が入ったからちょっと待って‼︎」

 

 まあ待つとするか。

 

『どうしたの美波?』

『アキ、聞いて‼︎霧島さんが居なくなっちゃったの!さっきステージを妨害した不良達に悪口を言われてショックを受けちゃったみたい‼︎今は瑞希や木下さん、そして他のお客様と一緒に霧島さんを探してるの‼︎』

『なんだって⁉︎そしたら雄二に霧島さんの逃げそうな場所を聞いてみよう。』

『いや、坂本は面倒くさがってどこか行っちゃったわ。』

『あのバカが‼︎何してんだよ‼︎分かった、僕があのバカを探すから、美波は他の人達と一緒に霧島さんを探して‼︎』

『分かった‼︎』

 

 どうやらあの頭の悪い連中が頭の悪い事をしたらしい。

 

「爽、ごめんまた後で‼︎」

 

 どうやら明久も居なくなったみたいだ。警備員も今はきっと霧島達の捜索に当たっているだろう。霧島達には悪いが、逃げるとしたら今がいい機会だ。とりあえず荷物をなんとか回収して着替え、その後で帰るとするか。

 

 

 荷物を取りに向かっている途中、例の連中を見かけた。

 

「マジでさっきのウケたな!」

「うんうん!私、結婚が夢なんです…。どう?似てる?可愛い?」

「あぁ、似てる‼︎けど……キモいに決まってんだろ‼︎」

「だよね〜w」

 

 無事である事も発言そのものも癪に触るがこの際無視しよう。さて、私は帰ると………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちょっと貴方達、なんて事をしてくれてるんですか‼︎」

 

 優子⁉︎どうして今、ここに?霧島ではなくて不良の方を探しに来たのか⁉︎流石にウェディングドレスでは動きにくいと思ったのか私服に着替えている。そしてご丁寧にこんな頭の悪い連中にも敬語を使っている。アイツらを説得するつもりなのか?いきなり私が手を上げるのも駄目だし、ここは隠れて様子見するか。

 

「誰だテメェ‼︎」

「ねえジョータ、コイツパチンカスの方の女じゃない?」

「あぁアイツのか!んでそんな趣味の悪りぃ女がオレ達に何の用だ⁉︎」

「用ならありまくりですよ‼︎人の夢をバカにするなんて何を考えているんですか‼︎そりゃあ貴方達にとってはアタシたちは邪魔者かも知れませんけど、それでもやっていいい事と悪い事があるでしょう‼︎」

「ガキの分際でアタシらに説教しようだなんて、調子に乗るんじゃないわよ‼︎」

 

 調子に乗ってるのは貴様らの方だけどな。

 

「そもそもテメェの彼氏なんかろくでなしじゃねえか‼︎」

「爽兄……アタシの彼氏はそんなろくでなしなんかじゃありません‼︎人の事を何も知らないのに勝手にバカにするのは良くないと思います‼︎」

「わぁ〜爽兄だって〜♪アンタなんか子供っぽいね〜wバカみたい♪」

「コイツには大人のオレたちがタイセツなことを教えてやろうぜ!」

「アタシに手を上げても刑務所に行くだけですよ‼︎」

「「知るか‼︎」」

 

 彼奴らめ、優子に手を上げるつもりか‼︎私のゴムパチンコでブチ殺してやる‼︎この塵共が‼︎

 

「死に腐れ貴様らぁぁぁぁぁぁ‼︎」 

「「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ‼︎」」

「爽兄⁉︎」

「くたばれぇぇぇ‼︎」

 

 殺してやる、殺してやる、殺してやる、殺してやる、殺して………

 

「ちょっと爽兄、やめて!落ち着いて‼︎」

「優子、貴様は下がってろ‼︎」

「でも………」

「いいから‼︎私が彼奴らをブチ殺してやる‼︎」

「爽兄、それだけはダメ‼︎」

 

 どこまでも貴様は優しいのだな。だからそんな貴様が傷つかぬように私が……

 

「木下の言う通りだな。」

 

 雄二が私の肩を掴んで止めてきた。

 

「雄二、貴様は私の邪魔をする気か‼︎」

「違うぞ爽。死なない程度に痛めつけるだけだ。やるぞ‼︎」

 

 そういうことか‼︎上等‼︎

 

「心得た‼︎」

「ちょっと2人とも⁉︎」

 

 そうして私と雄二は彼奴らに近づいて……

 

「なんなんだよテメェらは!」

「アタシらになんて事してくれてんのよ!」

「なあ貴様ら。」

「ちょっとそこまで……」

「「ツラ貸せや‼︎」」

 

 

 

 

 

 あの連中をタコ殴りにして雄二と別れた後、私は優子と帰ることにした。

 

「あ、あの、これ、爽兄の荷物……」

「感謝する、優子。」

 

 結局私は優子のウェディングドレス姿を見ることはなかった。でもこれで良かったと思っている。そもそも私が貴様のドレス姿を見る資格なんてない。その姿はもっと相応しい相手に見せるべきだ。だから今日この場で私がはっきり言わなければいけない。貴様の幸せのためにもな。

 

「優子、今日でいろいろ分かっただろ。」

「な、何が?」

「貴様は私と別れるべきだ。」

「え、そ、そうなの………」

「そうだ。」

「ちなみに理由は?」

「私が貴様に相応しくないからだ。」

 

 貴様が理由は分からんがずっと私のこと好きでいてくれて、かつ今貴様が幸せそうなのは分かる。だが誰よりも優しく素晴らしい貴様はその程度の幸せで満足して欲しくないのだ。もっと相応しい相手を見つければ、更なる幸せを手に入れられる。今とは違った素晴らしい世界を見る事が出来る。それをまだ貴様は知らないだけだ。だから是非とも知って欲しい。私と別れる事によって更に手に入る幸せを、な。

 

「な〜んだ、そんな事か♪」

 

 は?貴様は何を言っているんだ?

 

「爽兄がアタシに相応しくないかどうかはアタシが決める事にするよ!」

「おい優子!そんな勝手な……」

「アタシは相応しいと思いま〜す♪」

 

 何故だか知らんが上機嫌になってしまった……。何故だ?これではますます貴様が地獄を見るというのに………

 

「それより爽兄はアタシのことが嫌いなの?一緒にいるのが嫌なの?アタシのことは気にしなくていいから正直に答えてね。」

 

 ずっと自分の事を好きでいてくれて、自分といるといつも嬉しそうにしてくれる人。いつも笑顔でついてきてくれて、色々と尽くしてくれる人。そんな人は嫌いになる方が難しいと思う。一緒にいると楽しいし、もっと色々な事を知って仲良くなりたいと思う。でもそれを正直に言うことが貴様の為になるとは思えない。だからキツい言葉で突き放せばいいのではないか。そう思ってはいるのだが、中々言葉を紡ぐことが出来ない。

 

「えっと………」

「うん。」

 

 正直に言うべきか……。それともキツく突き放すべきか……。迷った挙句………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「答えるのは保留で……」

 

 一番情けない答えを出した。

 

「分かった!じゃあ気持ちが固まったらまた改めてアタシに言ってね!」

「あぁ。」

「それじゃあ、一緒に帰ろ〜♪」

「あぁ。」

 

 こうして私の惨めで恥ずかしい一日が幕を閉じた。

 

 

 

 

  side 龍之介

 

 如月グランドパークでは色々あったな〜。でもこれで雄二&霧島と爽&木下の関係がもっと深まってくれるといいな〜。さてと、今日はこのハイボールを飲みますか!そんなことを思っていると………

 

「おい貴様。」

 

 爽に声をかけられた。

 

「なんだい爽?」

「如月グランドパークでは散々私の事をハメてくれたな‼︎」

 

 クソ!コイツ俺に復讐しにきやがったな‼︎でもここは誤魔化してやる‼︎

 

「え?それは明久じゃない?」

「明久は雄二の手によって始末された。だから私が貴様を始末する。」

「は?おいおいちょっと待ってくれよぉぉぉぉぉぉ‼︎ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼︎」

 

 こうして俺は爽に股間と尻をゴムパチンコで執拗に攻撃され、大ダメージを負った…………。

 

 てか気付いたんだけど、アイツいつも自分のゴムパチンコで他人の股間を攻撃しているから、自分の股間だけは無事なんだよな。それは許せねえよなぁ‼︎待ってろよ、爽!必ずお前の股間をボコボコにしてやるからな‼︎




 ということで如月グランドパーク編、終了です。爽と優子の関係は今後どうなっていくのでしょうか。それはこれからのお楽しみということで。

 そして龍之介はどのような方法で爽に復讐(逆ギレ)するのでしょうか。それについては少し先になりますね。まずは次の話からはプール編になります。よろしくお願いします。

 最後に、評価・感想をお願いします。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第四章 プール
第二十七問 明久・龍之介VS姫路・島田


バカテスト 英語

問 英語で一文なんでもいいので書いてください。


工藤愛子の答え

『 I like swimming very much.
(私は泳ぐことが大好きです。) 』

教師のコメント

水泳部の工藤さんらしい答えですね。


蕨屋敷爽の答え

『 Pachinko.
(パチンコ) 』

教師のコメント

単語1つではなく文章で書いて下さい。


鷹狩龍之介の答え

『 There are no decent girls at 2-F class because one has small breasts and another is very fat.
(2年Fクラスにはまともな女子がいません。何故なら片方は貧乳でもう片方はデブだからです。) 』

教師のコメント

英文は合ってますが人として間違っています。


島田美波の答え

『 I will kill the classmate who likes alcohol.
(私は酒好きのとあるクラスメイトを殺害する予定です。) 』

姫路瑞希の答え

『 I will kill the classmate who ordinary commits a crime.
(私はよく罪を犯すとあるクラスメイトを殺害する予定です。) 』

教師のコメント

先生は止めません。

ーーーーーーーーーーーーーーーー
今回から台本形式を取り入れます。


  side 龍之介

 

 爽の股間破壊計画のために材料を買い揃えていると、学園のプールに人影が2つ見えた。きっと水泳部の人かな?そう思って声を聞いてみると、その人達は………

 

明久「雄二、やっぱり無人のプールは最高だね!」

雄二「そうだな明久。全く贅沢なシャワーだぜ!」

 

 よく見知ったバカ2人だった。水着を持っていなくて混ぜれないのが悔しかったので………

 

「鉄人!プールで明久と雄二が遊んでるんですけど大丈夫なんですか?」

「鷹狩、それは本当か⁉︎報告してくれてありがとな。あと西村先生と呼べ。」

「へ〜い。」

 

 腹いせにチクってやった。

 

 

 

 翌日、学校で会うとその2人に責められた。

 

雄二「おい龍之介、何勝手にチクってんだよ‼︎」

明久「おかげで今週末僕と雄二でプール掃除をする羽目になったじゃないか‼︎」

龍之介「いや〜、勝手に遊んでるのが悪いんだよ〜w」

雄二「クソ!今回ばかりは何も言い返せねえ……」

明久「ところで、なんで龍之介は正義に目覚めたの?」

龍之介「俺があの時水着を持ってなかったからね〜。その腹いせさ‼︎」

明久・雄二「「ブチ殺すぞ。」」

龍之介「お〜怖い怖いw」

 

 理由はともかく俺のやったことは正しいからね。ざまあみやがれ‼︎

 

雄二「ところで、龍之介は俺達を手伝う気はあるか?」

龍之介「嫌だね〜。」

雄二「そうか。ちなみにムッツリーニ、爽、秀吉は手伝う気があるか?ちなみに褒美でプールを貸し切りで使わせてくれるそうだ。」

ムッツリーニ「………断る。」

爽「私もだ。」

秀吉「ワシは参加したいのじゃ‼︎」

 

 何?プールの貸し切りだと?となると秀吉の水着姿が見れるのか?これは大チャンスだ‼︎絶対に行くしかない‼︎

 

龍之介「やっぱ俺も参加するわ!」

ムッツリーニ「………俺も!」

秀吉「お主ら急にどうしたのじゃ?一体何がお主らを動かしたのじゃ?」

 

 それはもちろん……

 

龍之介「恥ずかしながら性欲だね!」

雄二「本当に恥ずかしいな。」

ムッツリーニ「………俺は違う!」

爽「貴様も同じだろう。」

秀吉「男だけのプールでそうはならんと思うがのぅ。」

 

 何を言ってるのかな〜?秀吉がいるじゃないか‼︎そんなことを思ってると美波と瑞希が話しかけてきた。

 

美波「ねえ皆、何の話をしてたの?」

 

 まあこの2人の水着も見てみたいし誘ってみるか!

 

龍之介「今度学校のプールを貸し切れることになってね!『明久』、『秀吉』、俺、雄二、ムッツリーニで行くことになったのさ!もちろん『水着』でね‼︎」

 

 もちろんコイツらを煽るために敢えて明久と秀吉の名前と水着の部分を強調したよ‼︎こうすれば秀吉が明久に水着を見せに来ることを伝えられるからね‼︎

 

姫路「そ、それって木下君が自分の水着を着てくるってことですか⁉︎」

秀吉「そうじゃが。」

姫路「わ、分かりました!それなら私も参加します‼︎」

美波「う、ウチも‼︎」

 

 コイツら本当にチョロくて助かるよ〜。さてと、授業前に酒を飲みますか〜。そんなことを思っていると………

 

鳳之介「兄貴、俺も参加していいか?」

 

 我が弟鳳之介がやってきた。

 

龍之介「え〜なになに〜?もしかして秀吉がいるから参加したいの〜?」

鳳之介「ぷ、プール掃除は人数が多い方がいいだろ‼︎」

秀吉「お主も来るのか!嬉しいのじゃ♪」

鳳之介「よ、よろしく///」

 

 そうだ、鳳之介のいるAクラスといえば………

 

龍之介「雄二、霧島のことは呼ばないの?」

雄二「呼ぶぞ。」

龍之介「お〜!如月グランドパークの件で素直になったんだね‼︎」

雄二「それは違うな。もし俺が奴に無断で他の女子とプールに行ってることがバレたらどうなると思う?」

龍之介「溶鉱炉に沈められるね‼︎」

雄二「殺し方まで想像する必要はないが、まあそんなところだ。」

龍之介「なるほどね〜!」

 

 霧島は相変わらずだね。そのうち雄二を監禁するんじゃないかな?

 

雄二「とにかく、全員OKのようだな。」

爽「いや、私は違うぞ。」

 

 そういえばコイツいたな。どうせパチスロでしょ。

 

秀吉「そんな爽兄に良い報せがあるのじゃ!」

爽「嫌な報せだったら殺すぞ。」

秀吉「姉上にさっき連絡したら、『アタシも掃除を手伝うわ!』って言ってたぞい。このメンツの中で爽兄だけいなかったら姉上はさぞ悲しむじゃろうな〜。」

爽「馳せ参じよう。」

秀吉「それでいいのじゃ‼︎」

 

 最近秀吉が爽の扱い方を分かってきたようだ。木下絡みになるとチョロいから助かるぜ!

 

雄二「んじゃ、土曜日の朝十時に校門前で待ち合わせだ。水着とタオルを忘れるなよ。」

その他「「「「「「「「了解‼︎」」」」」」」」

 

 ということで土曜日の予定が決まったぜ!

 

 

 

 

 そして迎えた土曜日、校門前に見事全員集合した………………約一名を除いて。

 

爽「おい秀吉、優子はどこだ。」

秀吉「姉上なら用事あるから後で合流すると言ってたのじゃ。」

爽「本当だろうな?」

秀吉「本当なのじゃ‼︎」

 

 そして代わりと言わんばかりに約一名が追加されてた。

 

葉月「あ、バカなお兄ちゃんと公園のおじさんですぅ‼︎」

龍之介「おじさんじゃなくてお兄さんと呼んでくれ……」

明久「あ、葉月ちゃんじゃん!久しぶり!どうしてここにいるの?」

美波「家を出るところを葉月に見つかってね〜。どうしてもついてくるって駄々こねるもんだから……」

明久「なるほどね〜。」

 

 まあ俺も弟がいるし大丈夫でしょう!何故か俺の弟は他の皆と同い年なんだけどね‼︎おかしいな〜?

 

 そういえば、ムッツリーニは大丈夫なのかな?チャイナドレスを見て鼻血の海に沈んでたのに………

 

龍之介「ムッツリーニ、お前大丈夫なの?」

ムッツリーニ「………何が?」

龍之介「出血性ショックで死ぬんじゃないの?」

ムッツリーニ「………安心しろ。………輸血の準備は万端!………それに……」

龍之介「それに?」

ムッツリーニ「………256パターンのイメージトレーニングを昨晩済ませてある。」

龍之介「その結果?」

ムッツリーニ「………256パターンの出血を確認した。」

龍之介「致死率100%じゃん、それ!」

 

 だから輸血の準備をしてきたのね。流石だな!そんなことを思ってると雄二と霧島が鍵を借りてきた。

 

雄二「それじゃあ皆行くぞ。男子は俺に、女子は翔子について行け。」

その他「「「「「は〜い!」」」」」

 

 ということで………、

 

 

男子更衣室へ→俺、明久、雄二、爽、ムッツリーニ、秀吉、鳳之介、葉月ちゃん

 

女子更衣室へ→瑞希、美波、霧島

 

 

 このメンバーで向かうことになった…………っておかしくない⁉︎

 

龍之介「おい!葉月ちゃんと秀吉は女子更衣室じゃないの⁉︎」

葉月「えへへ、冗談ですぅ♪」

秀吉「ワシは冗談ではないのじゃが……」

美波「ほら遊んでないで行くわよ、葉月に木下。」

葉月「は〜い♪」

秀吉「し、島田⁉︎ついにお主までそんな目でワシを見るように⁉︎」

 

 いや、多分全員がそんな目で見てると思うよ。まあここは俺がいっちょ説得しますか!秀吉の生着替えが見たいしね!ムッツリーニが死ぬのはこの際無視しよう。

 

龍之介「皆、秀吉は男なんだから俺たちと一緒だよ!」

鳳之介「兄貴の言う通りだ。ほら秀吉、こっちに来い///」

秀吉「鷹狩兄弟の言う通りじゃ!それじゃあワシは男子更衣室に行くぞい!」

 

 よし、これで作戦成功だ!これなら……

 

姫路「あの、それでしたら人数も多いですし2回に分けるのはどうでしょうか?最初は明久君、龍之介君、土屋君、坂本君で、2回目は木下君、蕨屋敷君、鳳之介君にすれば良いと思うのですが………」

 

 瑞希め!なんて余計なことを言いやがる!しかもメンツ分けが絶妙だな!そしてこれでは愚弟だけがいい思いをするじゃないか!それなら………

 

龍之介「鳳之介と雄二が交代するならいいよ!」

鳳之介「おい兄貴!別に交代しなくてもいいだろ!」

龍之介「黙れ愚弟。お前だけにいい思いをさせるか!不幸は道連れ世は情け無し、ってな‼︎」

秀吉「いい思いってどういうことじゃ?」

鳳之介「な、なんでもないよ秀吉ぃぃぃぃってクソ兄貴、手を掴むなよ‼︎」

龍之介「それじゃあ雄二、鍵ちょうだい‼︎」

雄二「ほい。」

龍之介「センキュー!」

鳳之介「離せクソ兄貴がぁぁぁぁ‼︎」

龍之介「明久、ムッツリーニ!このスケベ野郎をしっかり押さえてろ‼︎」

明久・ムッツリーニ「「了解‼︎」」

 

 ということで俺は愚弟を明久とムッツリーニで強引に連れて行った。

 

 

 

 さて、まずは掃除をしますか!さてと、プールはどんな感じ………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

めちゃくちゃ綺麗だった。

 

 

龍之介「ねえ、これって帰りの時以外掃除する必要ある?水も張ってるし普通に使える状態だよね?」

明久「僕がこの間来た時はここまで綺麗じゃなかったんだけどね〜。」

ムッツリーニ「………誰かがやってくれたのか?」

鳳之介「多分水泳部の人だろ。」

龍之介・明久・ムッツリーニ「「「確かに。」」」

 

 ということで水泳部の人に感謝して使うことにするか!

 

 

 さてと、今回来た目的の一つが女性陣の水着を見ることだ!まず最初にやって来たのは………

 

優子「お待たせ〜、ってあれ?爽兄は?」

 

 木下だった。秀吉の双子の姉ということだけあって結構可愛い!そしてめちゃくちゃドキドキする!でも…………

 

龍之介「木下、用事があったんじゃなかったの?」

優子「それがね、思ったより早く終わったのよ!」

龍之介「そうなんだね〜。」

 

 それにしても随分早い到着だと思うけどね。校門の段階では居なかった訳だし。

 

 ちなみに明久とムッツリーニは……

 

明久「木下さんは秀吉と似ている!」

ムッツリーニ「………つまりこれは……」

明久・ムッツリーニ「「実質秀吉の水着姿だ‼︎」」

 

 と意味分かんないことを言いながらめちゃくちゃ興奮していた。もちろんムッツリーニは鼻血出しまくりである。そうだ、秀吉といえば………

 

龍之介「鳳之介、お前は木下の水着姿に興奮しないの?秀吉と木下はそっくりなのに。」

鳳之介「いや結構違うぞ。」

龍之介「えっ⁉︎マジで⁉︎」

優子「爽兄と鷹狩弟はアタシと秀吉が同じ服装をしていても見分けられるんだよね〜。」

龍之介「好きの気持ちは人をそれ程までに高めるのか……」

鳳之介「は⁉︎いや、その、秀吉の事は友達として好きなだけであって……」

龍之介・優子「「本当なのかな〜w」」

鳳之介「う、うるさいぞ2人とも‼︎」

 

 お兄ちゃん知ってるよ。お前の机の引き出しの中に秀吉専用アルバムがある事を。誤魔化しても無駄だからね!

 

 さてと、そんな事を思ってると次の人がやって来た。

 

葉月「お兄ちゃんたち、お待たせですぅ‼︎」

 

 えっと、葉月ちゃんの水着は、小学生らしく大人しめ………じゃない‼︎めちゃくちゃ巨乳じゃないか‼︎普段はそうは見えなかったのに‼︎皆も動揺している‼︎

 

明久「どどどどどうしよう3人とも!スクール水着だよ⁉︎そんなもの着た小学生と遊んだら逮捕されないかな⁉︎特に龍之介が‼︎」

ムッツリーニ「………弁護士を呼んでほしい。………特に龍之介に対して。」

鳳之介「成人男性がスク水のJSと遊んでたら捕まるからな。」

明久「龍之介の懲役は2年程度で済みそうだね!」

ムッツリーニ「アイツの実刑はやむを得ない。」

鳳之介「犯罪者の弟になるのは嫌だな。」

優子「アタシも犯罪者と同じ学園にいるのは御免被るわ!」

龍之介「お前ら全員ぶっ殺してやろうか?」

 

 コイツらの始末は後でやるとして、先に葉月ちゃんの謎を解明するか‼︎

 

龍之介「葉月ちゃん!」

葉月「何ですか、公園のおじさん?」

龍之介「髪型変えた?それとも胸型変えた?」

葉月「そんなことないですぅ‼︎」

美波「こ、こら葉月‼︎お姉ちゃんのソレ勝手に持ってったらダメでしょ‼︎返しなさい‼︎」

葉月「あぅ……、ずれちゃいました……。」

 

 真相解明!そういうことね!

 

龍之介「明久、アレは……」

明久「美波の……」

龍之介・明久「「胸パッドだね‼︎」」

美波「2人とも消し炭にしてあげるわ‼︎」

龍之介・明久「「逃げろ〜!」」

 

 まあぶっちゃけ胸を盛らなくても似合ってると思うけどね。スタイルいいんだから自信持ちなよ‼︎それはそうと……

 

明久「うっ……///」

 

 明久が結構美波の水着姿を意識している。ここは俺が一押ししてやりますか!

 

龍之介「ねえねえ明久、美波に何か言うことがあるんじゃないの〜?」

明久「いや、その………美波の水着、凄く似合っているよ‼︎」

美波「え……?アキ、それ本当?」

明久「手も足も胸もバストとほっそりとしていて凄く綺麗だと脚の親指が踏み抜かれたように痛いぃぃぃぃ‼︎」

美波「今、ウチの胸が小さいって二回言わなかった?」

 

 まあ美波の水着が似合ってるのは本当だから、俺の口からもそれを伝えてあげるか!

 

龍之介「まあまあ落ち着いてよ美波、事実なんだからさ‼︎」

美波「アンタもまとめて殺してあげるわ‼︎」

龍之介「えっ⁉︎なんで⁉︎」

 

 ちょ、なんで怒るの⁉︎おかしくない⁉︎

 

優子「貴女の胸が小さいのは事実だよ、って言われたら怒るのは当然だと思うけど?」

 

 そういうことかよ!言葉が足りなかったのか‼︎でも事実なのは変わりないし……。ん、今女子更衣室から出て来たのは瑞希か?ならここは………!

 

龍之介「落ち着いてよ美波!俺は正直な男だけど不平等を嫌う男でもあるのさ‼︎」

美波「胸が不平等ってバカにするわけ?」

龍之介「違う、そうじゃないんだ‼︎俺は誰に対しても公平な男って意味だよ‼︎」

美波「へ〜、そうなんだ〜。」

龍之介「だから………」

 

 そして俺はやって来た瑞希の方を振り向いて………

 

龍之介「瑞希、また太ったでしょ!」

 

 瑞希にも思っていることを正直に言う!

 

龍之介「どう美波?俺は美波だけじゃなくて瑞希にもきちんと事実を言ったよ!これで俺は正直で公平な男だと証明されたね!」

明久・優子「「公平の取り方おかしくない⁉︎」」

 

 これで作戦は完璧だ!あとは……

 

姫路「龍之介君、死にたいですか?」

美波「どうやらそのようね!瑞希、一緒にアイツを始末するわよ!」

姫路「はい‼︎」

 

 コイツらから逃げることだ‼︎だけど俺には作戦があるんだよね〜。

 

龍之介「ねえ美波、胸のことバカにしたのは明久もじゃない⁉︎」

明久「ちょっと龍之介⁉︎僕を巻き込まないでよ‼︎」

美波「ならウチはアキを始末するわ‼︎瑞希はリュウをお願い‼︎」

姫路「分かりました!」

明久「ちょっと待ってよぉぉぉぉぉ‼︎」

姫路「龍之介君は私から逃げないんですね!」

龍之介「だって瑞希は力が弱いじゃん!力の強い美波を明久に押し付けさえすれば俺の安全は確保されるからね‼︎」

明久「この外道がぁぁぁぁ‼︎」

美波「待ちなさい、アキ‼︎」

 

 さてと、これで一難去ったぞ!

 

姫路「そうですね……。私は物理攻撃で龍之介君を倒すことが出来ません……。」

龍之介「瑞希、分かってくれてありがとう‼︎」

姫路「なので私は………」

 

 諦めてくれるんだね!良かった……………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

姫路「化学攻撃で龍之介君を倒すことにします‼︎」

龍之介「えっ?」

 

 そうして瑞希は胸から王水(鉄などの様々な物質を溶かすかなり危険な液体)と書かれた小さなガラス瓶を取り出した。これじゃあ俺の身体が溶けるじゃないか‼︎だったら美波に物理的に殺された方がマシだ‼︎

 

姫路「龍之介君には今から王水を飲んでもらいます♪」

龍之介「明久、チェンジで‼︎俺が美波を担当するからさ‼︎お前は瑞希の王水を飲め‼︎」

 

 明久はバカだから王水を知らないはず‼︎

 

明久「は⁉︎急に何を言ってるの⁉︎そんな卑猥な事を……」

姫路「明久君、王水は鉄とかを溶かす危険な液体なので飲んじゃダメですよ♪」

明久「そういうことね!ざまあみろ、龍之介………って美波⁉︎こっちに来ないで〜‼︎」

美波「待ちなさい、アキ‼︎」

 

 万事休すか……。いや、まだ策はある‼︎

 

龍之介「クソ‼︎明久、ここはひとまず俺に協力してくれ‼︎」

明久「分かった!協力するよ!」それで、僕は何をすればいいの?」

龍之介「決まってるだろ‼︎俺たちがする事は……」

 

 そして俺は明久と無事合流して………

 

 

 

 

 

 

 

 

    

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

明久・龍之介「「すいませんでした。」」

 

 

 2人で美波と瑞希に土下座をした。

 

美波「じゃあ軽く殴るくらいで許してあげるわ。瑞希もそれでいい?」

姫路「はい!」

 

 ということで軽く殴られた後、俺たちはプールに入った。




 ということでプール編が始まりました。王水については「姫路の女子ごはん」に登場したので、せっかくだから姫路に持たせることにしました。とても危険なのでみなさんは真似しないで下さいね。

 あと、評価・感想をお願いします。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第二十八問 水に慣れる練習

バカテスト 英語

問 英語で何か一文書いて下さい。


坂本雄二の答え

『 I reflect on having used the pool without owner's permission.
(私は所有者の許可無くプールを使ったことを反省しています。) 』

教師のコメント

きちんと反省して下さいね。


吉井明久の答え

『 I reflect on having used the poor without owner's permission.
(私は所有者の許可無く貧民層の人々を使ったことを反省しています。) 』

教師のコメント

貴方は奴隷商人ですか。


鷹狩龍之介の答え

『 I don't reflect on having used the poor.
(私は貧民層の人々を使った事を反省していません。) 』

教師のコメント

貴方は暴君ですか。


吉井明久の答えその2

『 I'm poor.
(私は貧しいです。) 』

教師のコメント

コメントしにくい解答はやめて下さい。


  side 龍之介

 

 瑞希と美波の折檻が終わると、雄二と爽が出てきた。

 

雄二「待たせたな。あとは秀吉だけだ。」

爽「彼奴ももうすぐだがな。」

 

 それにしても………

 

龍之介「爽、なんでそんなに肩の筋肉が発達してるの?」

 

 普段運動なんてしない爽が何故か肩だけムキムキなのだ。正直言って気持ち悪い………。

 

美波「確かに……。他の部分と比べて不自然に大きいわね。」

明久「野球とかやってたの?」

爽「いいや違う。」

姫路「じゃあ何ですか?」

爽「これはスロット筋と呼ばれるものだ。」

 

 いや呼ばれてねえよ‼︎なんだよその名前‼︎

 

爽「スロットはずっと同じ姿勢で手でボタンを押さなければならない。それを一日10数時間、一週間に何度かやり続けるとこのように肩の筋肉が発達するのだ。」

雄二「一日10時間もやるのか⁉︎」

爽「当たり前だ。勝てると分かった台には出来るだけ長く座らねばならないからな。それこそ開店から閉店までだ。」

明久「ご飯はどうしてるの?」

爽「持ち込んで打ちながら食べる。ちなみにトイレも極力我慢する。優先させるべきは打ち続ける事だからな。」

 

 いくら金のためとはいえそこまでするか、普通?コイツの思考はよく分からんな。まあそれはともかく……、

 

龍之介「お前、言うことがあるんじゃないの?」

爽「なんだ?」

龍之介「ほらほら、木下を見てごらんよ!」

 

 そうして俺は爽が出て来てからテンション爆上がりの木下の方を指差した。

 

優子「爽兄、それってこの間アタシと選んだ水着だよね!着てくれてありがとう‼︎と〜っても似合ってるよ!」

爽「それはどうも。」

龍之介「いや〜お前の方からは何かないの⁉︎」

明久「彼女の水着だよ?」

雄二「彼氏なんだからちゃんと言ってやれよ!」

爽「あぁそういうことか。似合ってるのは分かりきってたから言わなくてもいいと思ったのだが……」

優子「へ⁉︎あ、ありがとう///」

 

 まあ直接言われた方が嬉しいと思うけどね。

 

 

 

 そんな事を思ってると遂に大本命、秀吉がやって来た‼︎いやっふぉぉぉぉ‼︎ちゃんと女物の水着も着てくれてる‼︎

 

秀吉「みんなお待たせなのじゃ‼︎これで少しはワシも男らしく見えるかのぅ?」

鳳之介「ま、待ってないぞ///」

明久「○♪○$+:<%÷(ううん、そんなに待ってないよ)

龍之介「明久、せめて地球上の言語で話そうね!興奮するのは分かるけどさ!」

葉月「わあっ♪お姉ちゃん、とっても可愛いですっ!」

ムッツリーニ「………短い人生だった。」バタン

秀吉「ちょっとお主ら!どういう反応をしておるのじゃ!」

 

 もしや秀吉は男物だと騙されてるんじゃ……

 

優子「ねえ秀吉。」

秀吉「なんじゃ姉上?」

優子「それ女物の水着だよ?」

秀吉「な、なんじゃと⁉︎ワシは店員に『普通のトランクスタイプが欲しい』と言ったのじゃが……」

優子「残念ながらアンタを知らない人には、アンタは女の子に見えるのよ!」

秀吉「ぬぅ………。というか一緒に着替えてた爽兄と雄二は何も思わなかったのか!」

雄二「すまん、面白くて黙っておいた。」

爽「私の計算が正しければ貴様が男物の水着を着ると死人が出るからな。」

秀吉「ふざけないで欲しいのじゃ〜!」

 

 いつもは全く当たらない爽の計算が珍しく当たったね。まあムッツリーニは既に倒れてるけどね。

 

優子「男物に上があるタイプもあるけどさ、その形状は明らかに女物でしょ?」

秀吉「ぬぅ………確かに。」

優子「まあ後でアタシがちゃんと男物を買ってあげるから安心して♪」

 

 何だと⁉︎それじゃあ俺たちの友情と劣情はどうなるんだよ⁉︎

 

秀吉「ありがとなのじゃ、姉上‼︎」

鳳之介「それはダメだ木下。」

優子「なんでよ?」

 

 我が賢弟がちゃんと止めてくれた‼︎ありがとう!

 

鳳之介「秀吉は確かに男だけど、その上裸には男の劣情を煽る効果があるからな。世の中にはそういう男もいるのが事実だ。」

優子「まあ確かに……」

 

 よし、これで納得してくれたみたい!やったね!あと鳳之介は口ではカッコいいこと言ってるんだけど、本心ではただ秀吉に女物を着ていて欲しいだけだよね!お兄ちゃん知ってるよ!

 

 そんな事を思っていると、最後に霧島がやって来て……

 

翔子「…雄二は見ちゃダメ。」

雄二「ぐぁぁぁぁぁぁ‼︎」

 

 華麗に雄二に目潰しをキメた。

 

美波「凄いわ…坂本の目を潰す仕草まで綺麗なんて……」

明久「うん!あの姿を見られるのなら雄二の目なんて惜しくないね。」

龍之介「あの程度の犠牲は誤差の範囲内だからな!」

雄二「そりゃお前らには実害がないからな‼︎」

龍之介「それより雄二、何か霧島に言うことあるでしょ!」

雄二「翔子。」

翔子「…うん。」

 

 さて、雄二はちゃんと褒めるのかな?

 

雄二「ティッシュをくれ。涙が止まらん。」

 

 おい!ダメじゃんか!

 

龍之介「おいおい、もっと言うことあるでしょ〜が〜!」

雄二「視界を奪われて何を言えと‼︎」

優子「代表、あんまり坂本をいじめちゃダメだよ?」

翔子「…うん……」

 

 まあ確かに見えなきゃ意味がないからね!

 

 

 

 何はともあれ、これで全員が揃った。じゃあ早速泳ぎますか!そんな事を思っていると水に恐る恐る入る瑞希の姿が見えた。

 

龍之介「どうしたの瑞希?もしかして泳げないの?」

姫路「はい………」

 

 だろうね。だって鈍臭そうだもん。

 

龍之介「明久に教われば〜?」

姫路「それが……あっちを見てください……」

 

 と瑞希が指差した方を見ると、

 

葉月「バカなお兄ちゃん、葉月と水中鬼をやりましょう!」

明久「水中鬼?美波分かる?」

美波「いや、分からないわ……」

久保「僕も分からないね。」

 

 と明久は葉月ちゃんの相手をしてい…………ん?久保利光?何故アイツが?まあ気にしないでおくか……。

 

龍之介「なるほど、小学生を相手にしている人に来てもらう訳にはいかないよね〜。」

姫路「そういうことです……」

龍之介「じゃあ俺が教えてあげるよ!」

姫路「あ、ありがとうございます!」

 

 ということで瑞希に泳ぎを教えることになった。

 

龍之介「とりあえず、今はどんな感じなの?」

姫路「えっと……、まず水が怖いです……」

龍之介「なるほどね〜。それじゃあ水に慣れる練習でもしてみよっか!とりあえずそのゴーグルをつけて水中で目を開けてみようぜ!」

姫路「は、はい!」

 

 ということで瑞希が潜ったんだけど……

 

姫路「ぷはぁ!」

龍之介「どうだった?」

姫路「怖くて目を開けられませんでした……」

 

 なるほどね〜。

 

龍之介「じゃあ、俺と一緒に潜ろうぜ!」

姫路「わ、分かりました!」

 

 ということで一緒に水の中に潜ると…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

明久の水着を脱がそうとする雄二の水着を脱がした爽の姿が見えた。

 

 

龍之介・姫路「「ぷはぁ!」」

龍之介「なんかごめんね……」

姫路「明久君のが見た………いや、水の中は怖いですね……」

 

 ん?野球拳の時も思ったけど、これはもしや………

 

龍之介「瑞希って脳内ピンクなの?」

姫路「へ?ち、違いますよ⁉︎」

龍之介「でもさっき明久の明久が見たいって……」

姫路「言ってません!」

龍之介「きゃ〜、瑞希さんのエッチ!」

姫路「どこかの国民的アニメみたいな感じで言わないでください‼︎」

 

 あ〜面白い!やっぱりコイツ最高だわ〜w

 

龍之介「まあ瑞希がエッチなのはともかく、他に水に慣れる練習をやってみるか!」

姫路「ぜ、前半の事は否定します!そ、それより、後半をお願いします!」

龍之介「ほ〜い!それで、瑞希ってお風呂は好き?」

姫路「まあそうですね……」

龍之介「じゃあさ、一旦ここをお風呂だと思って過ごしてごらん?」

姫路「わ、分かりました!」

 

 という事でお風呂っぽく過ごさせてみたんだけど……

 

姫路「う〜ん、どうにもお風呂だとイメージしにくいですね……。なかなか恐怖心が取れません……」

 

 まあ確かにお風呂とは結構違うからね。まあそれなら……

 

龍之介「う〜ん、それじゃあもう少しお風呂に近い環境を作ってみるとかはどうかな?」

姫路「といいますと?」

龍之介「う〜ん、そうだね〜。」

 

 水温はなかなか変えられない。広さも変えられない。なら変えられるのは………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

龍之介「それじゃあ、水着を脱いで全裸になってみようか!」

 

 

 

 瑞希から王水をかけられそうになったのをなんとか阻止すると、何故か工藤がプールサイドに現れた。

 

龍之介「あれ、工藤じゃん!ムッツリーニに会いに来たの?」

愛子「ちょっと、違うよ‼︎ボクは水泳部だから練習しに来たの!」

龍之介「今日は練習がないはずでは……?というか水泳部はこの時期市内にある屋内プールで練習してるんじゃなかったっけ?」

愛子「えっとね、本当は明日から学校のプールだったんだけど、ボクが今日だと勘違いしててね〜。だから来たんだよ。良かったら混ぜてくれない?」

龍之介「なるほどな〜。それで、本音は?」

愛子「これが本音だよ!」

姫路「土屋君に会いに来たんじゃないんですか?」

愛子「だから違うって///」

 

 全く、可愛いやつだな〜!ってそうだ!

 

龍之介「プールを掃除してくれてありがとな!」

 

 明久と雄二がする予定だったのを水泳部が代わりにやってくれたんでしょ?だからこんなに綺麗なんだよね?

 

愛子「え?いや、ボク達水泳部が掃除をするのは明日のはずなんだけど……」

龍之介「え?そうなの?」

愛子「うん。」

 

 それじゃあ誰が掃除をしたんだ?先生達が勝手にやったのかな?でも鉄人は他の先生に話を通してると思うし……。それじゃあ優しい誰かさんが不法侵入してやったのか?それだと善意が犯罪で塗りつぶされちゃうよね?

 

愛子「まあとりあえず、ボクは着替えてくるね〜。覗きたいならバレないようにね♪」

 

 何だと⁉︎据え膳食わぬは男の恥というじゃないか‼︎

 

姫路「龍之介君、覗きは犯罪ですからね?」

龍之介「安心して瑞希、だって俺は覗き程度で満足する男じゃないからね‼︎」

愛子「あっはっはっ!鷹狩兄弟のお兄さんの方は大胆だね〜!」

姫路「王水を飲みますか?」

龍之介「すいませんでした。」

 

 ということで俺の保健体育実習計画は中止になった。

 

 

 

 

 

  side 爽

 

 明久と雄二め、私の右手に思い切りぶつかりおって……。もし右手を怪我したらパチンコが出来なくなってしまうではないか‼︎

 

 それはそうと、明久は水泳部が私達の代わりに掃除をしてくれたと言ってたが、どうやら違うらしい。そうなると掃除をしたのは一体誰なのか?

 

爽「なあ鳳之介よ。」

鳳之介「なんですか、爽先輩?」

爽「西村の奴が他の先生に掃除を依頼してると思うか?」

鳳之介「う〜ん。してないと思いますね〜。」

爽「なるほどな。」

 

 そうなると、ここを掃除できる奴は…………、

 

爽「おい優子、ちょっと来てくれ。」

優子「は〜い!あ、秀吉も一緒に来る?」

秀吉「もちろんなのじゃ!」

爽「優子、今朝の用事って何をしてたんだ?」

優子「えっと〜、新作の本を買ってたの!」

爽「成る程。」

 

 実を言うと私は優子の好きな本がいつ出るかを知っている。優子と付き合い始めてから、プレゼントを買う時の為に覚えたのだ。そして今日は新作が出る日ではない。だから………

 

爽「嘘だな。」

優子「えっ⁉︎いや、本当だよ⁉︎」

爽「何の本だ?」

優子「えっと〜、桜の木の下で……」

爽「それは先週だろう?」

優子「えっ………」

 

 先週だったのなら購入できるから買うのに時間がかかるはず。

 

爽「貴様、本当は別の用事だろう?」

優子「あはは……。バレちゃったら仕方ないわね!実はアタシの用事は……」

爽「ここのプール掃除、違うか?」

優子「え⁉︎いや、そんなはずは……」

爽「確認してみようか。おい工藤!」

愛子「どうしたの蕨屋敷君?」

爽「プールの鍵を今日借りた奴は誰だか覚えているか?」

愛子「えっと〜、坂本君と、その前に優子だね。」

爽「成る程な。伝えてくれたことを感謝する。」

愛子「いえいえ〜!」

 

 やはり私の予想は的中だ。

 

爽「優子。」

優子「な、何?」

爽「一人で掃除してくれたんだな。」

優子「えっと………」

 

 雄二達に貸しを作るのすら申し訳なく思ってるのだろう。だから嘘をついたのだな。

 

爽「感謝する。」

優子「いや、アタシがやりたくてやっただけだから!だから爽兄は褒美に何か奢ろうだとか、どこか連れてこうだとか考えなくていいからね!」

爽「ふふっ。貴様は相変わらずだな。」

 

 どこまでもお人好しなのだな。それでこそ優子なんだがな。

 

秀吉「爽兄が笑ったのじゃ⁉︎」

鳳之介「今日は雪が降るかもな……」

 

 そういえばいつから笑ってなかったのだろうか。今となってはもう思い出せない。

 

 

 

 

  side 龍之介

 

 プールから上がってしばらく休憩していると、俺は死にかけのムッツリーニに声をかけられた。

 

ムッツリーニ「………俺の代わりに写真を撮って欲しい………」

龍之介「何を?」

ムッツリーニ「………あれを……」バタン

 

 そうしてムッツリーニが指差した先では………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 美波&清水vs姫路&久保の水中バレー対決が始まっていた。




 操作ミスで一気に投稿してしまいました!すいません!

 ということで今回はほぼオリジナルの話となりました。スロット筋についてはスロットで50万稼いだ友達がそんなことを言ってたので書きました。

 あと、明久が雄二に追いかけられてたのは、原作にある雄二が明久に、水中鬼の見本として翔子に溺れさせるように指示した件についてキレてたからです。そして追いかけてる途中で爽にぶつかり、爽もキレて2人のことを追いかけ回しました。その結果がアレですね。

 最後に、感想・評価をお待ちしております。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第二十九問 水中バレー対決&死刑争奪水泳対決

バカテスト 英語

問 何でもいいので英語で一文書いて下さい。


鷹狩鳳之介の答え

『 He is very cute.
(彼はとても可愛いです。) 』

教師のコメント

小さい男の子とか可愛いですよね。


木下秀吉の答え

『 I am a man.
(ワシは男じゃ‼︎) 』

教師のコメント

そうなんですか?


蕨屋敷爽の答え

『 Hideyoshi is a man.
(秀吉は男だ。) 』

教師のコメント

2人してどうしたんですか?


木下優子の答え

『 I want Fumiduki School members to recognize that Hideyoshi Kinoshita is a man.
(アタシは文月学園の人達に木下秀吉が男だと認識して欲しいです‼︎) 』

教師のコメント

姉である貴女がそこまで言うのなら私も考えを変えることにしましょう。


  side 龍之介

 

 死にかけのムッツリーニが指差した方向を見てみると、そこでは美波&清水vs姫路&久保の水中バレー対決が始まっていた。しかも………

 

姫路「美波ちゃん!絶対に譲りませんからね‼︎」

美波「瑞希!スポーツでウチに勝とうだなんで思わないことね!」

 

 めちゃくちゃ険悪な雰囲気だった。隣で雄二と明久が何か話をしている。

 

雄二「おい明久。」

明久「ん?何、雄二?」

雄二「この前お前にやったペアチケットはどうした?」

 

 確か雄二が如月グランドパークの復讐のつもりで明久にあげたやつだよね。

 

明久「美波と姫路さんが随分と観たがってたから、それなら二人で観てきたらってあげちゃったよ。」

 

 原因は明久でした。

 

龍之介・雄二「「間違い無い。それが原因だ。」」

明久「ちょっとどうしたの2人とも?」

 

 いやお前がどうしたのだよ。どんだけ鈍感なんだ、お前は。

 

 

 

 ちなみに奥を見渡してみると………、

 

秀吉「ワシだって男じゃ!舐めるでないぞ‼︎」

鳳之介「秀吉、俺も協力する!」

爽「貴様ら如きが私と優子に勝てるとでも?」

優子「2人まとめてぶっ倒してやるわ!」

 

 水中バレーがもう一試合行われていた。どうやら秀吉&鳳之介vs木下&爽みたい。あっちは険悪というよりは和気藹々とやっている。ちなみにあっちの審判に霧島が、こっちの審判に工藤がついている。

 

 さてと、明久を巡る攻防でも見ますか!

 

明久「2人とも意外だよね〜。姫路さんの方が優勢っていうね。なんでかな?」

雄二「もし姫路と島田が一対一だったら島田が勝つだろうな。」

龍之介「だけど相方を見てごらん?」

明久「成る程、姫路さんの相方には久保君がいるんだね!」

雄二「いくら島田が運動神経がいいとはいえ男子が相手じゃ部が悪いからな。」

龍之介「それに美波の相方は………」

 

 そうしてコートの方を見ると………

 

清水「あぁっ♪お姉様、ミスっちゃいましたわ♪」

 

 Dクラスの美波大好き女、清水美春が意図的に手を抜いていた。

 

美波「美春、アンタ絶対手を抜いてるでしょ!」

清水「そんなことありません、お姉様!美春はお姉様のために全力で(手を抜いてま)す‼︎」

美波「この勝負絶対に負けられないんだから本気でやりなさい‼︎」

清水「はいっ!美春もお姉様のために本気で(手を抜いてま)す!あんなのとデートなんてお姉様のためになりませんから!」

美波「アンタ、さてはウチを負けさせるためにこっちに来たわね!」

清水「ほらお姉様、ボールが来ましたよ♪」

美波「あっ⁉︎もう早く言いなさいよ!」

愛子「は〜い。これで0対1だよ〜。」

 

 敢えて味方になって内部から崩す。いい作戦だね、清水!まあ美波からしてみればたまったもんじゃないけどね。

 

雄二「パートナーがアレじゃ島田の勝利はないな。」

明久「いくら美波でも一人じゃ勝ち目ないよね。」

龍之介「まあね。さて、美波はこの状況をどう巻き返すのかな〜?」

 

 お手並み拝見といくか!

 

美波「美春、もう一度言うけど次のサーブからは本気を出しなさい。」

清水「ひっ酷いですお姉様!美春は一生懸命頑張ってるのにそれを疑うなんて!」

美波「下手な演技はいらないわ。これが最後の警告よ。」

清水「お姉様、信じて下さい‼︎美春は嘘なんてつきません!」

美波「いい?これだけ言って本気を出さないのなら……」

清水「ですから美春は本気を出してますと何度も……」

美波「ウチは明日から美春のことを『清水さん』って呼ぶわ。」

 

 えげつな‼︎これなら清水も本気を………

 

清水「おりゃぁぁぁ‼︎」 ズバン‼︎

姫路・久保「「えっ⁉︎」」

 

 って本気出しすぎやろ‼︎人殺せそうなサーブだったぞ⁉︎流石の久保でもアレは取れないようだ。

 

清水「お姉様、ごめんなさい‼︎美春は嘘をついていました!」

美波「いいのよ美春!これからも友達でいましょうね!」

 

 こうなると一気に形勢逆転…………というほどじゃないけど久保&姫路チームは苦戦するだろうね〜。そんなことを思っていると………

 

 

 パンッ‼︎

 

 

 ビーチボールが割れた。威力強すぎでしょ!

 

清水「あ………!ごめんなさい!美春ちょっと力を入れすぎてしまいました……。代わりを探してくるのでお姉様達は休憩してて下さい……」

美波「ありがとう、美春!」

久保「それじゃあお言葉に甘えて僕達は休むか。」

姫路「はい!」

 

 そういえば、なんで久保がいるんだろう?聞いてみよう。

 

龍之介「お前何しに来たの?」

久保「学校で勉強をしようと思って来たら、吉井君達が楽しそうにしているのを見かけてしまってね。」

龍之介「それで自分も混ざりたくなったと。」

久保「その通り!」

龍之介「ちなみに水中バレーはなんで参加してたの?」

久保「姫路さんが困っているのを見つけてね。事情を説明してもらった後、なんでも一つ言う事を聞くって条件のもと協力したのさ。」

龍之介「ちなみにお願い事は何にするつもりだったの?」

久保「言わせないでおくれよ!人が、見てるじゃないか……」

 

 あ〜アレだね〜。完全にペアチケット目当てだね。瑞希を騙すつもりだったんだね。いい作戦だ‼︎清水といい、この学園には俺といい酒が飲めそうな奴がいっぱいいるね!まあ瑞希はまさか久保が明久に好意を抱いているとは思ってないからね。騙されるのも仕方ないよね〜。

 

姫路「久保君、休憩後も頑張りましょう!」

久保「そうだね!」

 

 まあ瑞希もちょっと可哀想だし、後で別のイベントのペアチケットを買ってプレゼントしてあげよう!

 

 ちなみに別コートの木下姉妹対決は………

 

翔子「…弟チームの勝ち!」

秀吉「やったのじゃ‼︎これで明日のご飯を奢って貰えるぞい!感謝するぞい、鳳之介‼︎」

鳳之介「い、いや、俺の方こそ、ありがとう///」

優子「ごめん爽兄……」

爽「気にするな。この間スロットで大勝ちしたから安心しろ。」

 

 秀吉チームの勝ちだね。飯奢る約束だったからあんなノリノリだったんだね!それにしても、飯といえばもうすぐお昼時か………

 

姫路「あっ!ご飯といえば私作ってきたんです!」

 

 ⁉︎

 

姫路「ちょっと失敗しちゃって……、4人分しか……」

 

 

 

明久「Fクラス男子による!!!」

雄二「第一回!!!」

龍之介「死刑争奪!!!」

ムッツリーニ「………最速王者決定戦!」

秀吉「ガチンコ水泳対決!!!」

Fクラス男子(爽以外)「「「「「イエ〜イ‼︎」」」」」

久保「実況は僕、久保が、」

鳳之介「えっと………、解説はこの俺、鷹狩鳳之介が担当します。」

 

 ということで文字通り死刑、その名も瑞希手料理の刑を賭けた戦いが始まりました‼︎

 

爽「じゃあ私は審判を……」

Fクラス男子(爽以外)「「「「「お前(お主)は選手だろ(じゃろ)」」」」」

爽「クソ!」

愛子「じゃあボクが審判をやるね〜。」

葉月「葉月も手伝いますっ!」

 

 爽、お前だけ逃げようなんてことは許されないからな‼︎

 

雄二「それじゃあ龍之介、ルール説明だ!」

龍之介「オッケー!ルールはとっても簡単!プールを往復して最初にゴールした人が勝ちという、誰にでもわかる普通の勝負です!」

久保「以上がルールになります。それでは解説の鷹狩さん、本日の見所をお伝えしてもらってもよろしいでしょうか?」

鳳之介「えっと……、やはり本日の目玉選手といえば坂本選手と吉井選手でしょう。彼らは運動神経に長けていますからね……」

 

 鳳之介がノリに戸惑いながらもなんとか合わせてくれている。いいぞ、我が弟よ!

 

 そして、なんといっても潰すべきは明久と雄二……。でも恐らくこの2人は互いに潰し合うから、次に狙うべきは爽かな。秀吉は運動神経良さそうに見えないし、ムッツリーニは出血性ショックで弱体化しているからね。

 

久保「それでは選手の準備が整ったようですね。では審判の工藤さんと葉月さん、よろしくお願いします!」

工藤「はい、行くよ〜!」

葉月「位置について、よ〜い、ドン‼︎」

 

 よし、いくぞ!

 

明久・雄二・龍之介「「「くたば………」」」

爽以外「「「「「ぎゃぁぁぁぁぁぁ‼︎」」」」」

 

久保「おおっと、開幕早々蕨屋敷選手のゴムパチンコが炸裂しました‼︎他の選手全員の股間に全弾命中です‼︎そしてその間に蕨屋敷選手が泳ぎ始めました‼︎鷹狩さん、これはどういう作戦なんでしょうか?」

鳳之介「えっと………、蕨屋敷選手は対戦相手が全員男である事を利用したんでしょうね。男の弱点は股間なわけですから、そこを的確に潰して自身の勝利に繋げましたね。とても彼らしい戦法です。」

久保「ありがとうございます!そして、股間を攻撃された5選手がようやく動き始めました!今度は吉井選手と坂本選手の取っ組み合いです!鷹狩さん、これはどういう作戦なのでしょうか?」

鳳之介「えっと………、この2人は優勝候補ですからね。互いを潰し合う事でより自分が優勝に近づけるようにしてるのでしょう…」

久保「なるほどなるほど。しかしそうしているうちに蕨屋敷選手が折り返しました。続いて鷹狩選手、土屋選手、木下選手と続いていきます!どうやら吉井選手と坂本選手は出遅れたみたいですね!」

鳳之介「えっと……、取っ組み合い作戦のデメリットを他の3選手が利用した形になりますね……」

久保「なるほど!しかし吉井選手と坂本選手が遂に行動に出たようです!吉井選手は鷹狩選手を、坂本選手は蕨屋敷を掴んで引き止めました‼︎そして残った木下選手は吉井選手と鷹狩選手に、土屋選手は坂本選手と蕨屋敷選手に捕まりました‼︎鷹狩さん、この狙いは何なのでしょうか?」

鳳之介「えっと……、これはK・O狙いですね……」

久保「なるほどなるほど、死刑争奪という、タイトルを意識した作戦ですね‼︎素晴らしいです‼︎果たして誰が一番最初にK・Oするので………おおっと‼︎ここでハプニング発生だ‼︎なんと木下選手の水着の上が脱げました‼︎そして現在木下選手は上裸です‼︎吉井選手、見て欲しくないから早く元に戻して………じゃなかった、これについてはどうお考えでしょうか、鷹狩さん!」

鳳之介「あっ………あっ……えっと……///」

久保「鷹狩さんが照れてしまいました‼︎そして土屋選手が大変なことになっております‼︎大量の鼻血を出してK・Oしました‼︎そして赤い悪魔が攻めます!プールをガンガン攻めていきます‼︎もう真っ赤です‼︎これについてはどうお考えでしょうか、鷹狩さん!」

鳳之介「えっと…………///」

久保「鷹狩さんの今夜のおかずが決まったところでしばしハーフタイムといきましょう‼︎皆さん、その間に水分補給と血液補給を済ませておいて下さい‼︎」

 

 

 ということでプールが血塗れになったことにより、Fクラス男子による、第一回死刑争奪最速王者決定戦「ガチンコ水泳対決」は長い長いハーフタイムを迎えることとなった。




 操作ミスで一気に投稿してしまいました!すいません‼︎

 ということでプール編は終了です。水泳大会については久保と鳳之介の実況・解説だけで書いてみました。如何だったでしょうか?

 そして次回からは強化合宿編になります。操作ミスのせいでストックが無くなりちょっと投稿が遅れるかもしれませんがよろしくお願いします。

 最後に、評価・感想をよろしくお願いします。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第五章 学力強化合宿
第三十問  脅迫状


バカテスト 世界史

問 次の問題について答えなさい。

『 第二次世界大戦における連合軍が立てた、ドイツ占領下の北西ヨーロッパへの侵攻作戦のことをなんというでしょう。 』


鷹狩龍之介の答え

『 ノルマンディー上陸作戦 』

教師のコメント

正解です。この作戦は成功しましたね。


霧島翔子の答え

『 ネプチューン作戦 』

教師のコメント

これも正解です。実はこっちが正式名称なんですよね。


土屋康太の答え

『 フランス人ナンパ作戦 』

教師のコメント

ナンパの為だけに敵国占領下に上陸するのはある意味すごいことだと思います。


吉井明久の答え

『 今週は水と塩で乗り切る作戦です。 』

教師のコメント

頑張ってください。


  side 龍之介

 

 爽への復讐の為の兵器が遂に完成したぞ‼︎あとはこれを来週からの強化合宿で使うだけ!待ってろよ‼︎必ず貴様をブチ殺してやるからな‼︎そんなことを思いながら下駄箱を開けると………、

 

 

 

ーー貴方の秘密を握っています。貴方の傍にいる異性にこれ以上近づかないで下さい。この忠告を聞き入れなければ同封された写真をばら撒きます。ーー

 

 

 脅迫状が入っていた。でも一体何の写真をネタに脅すのだろう?そう思いながら中を見ると、そこには……………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

酔い潰れて兄貴と杏先輩に抱えられ、ウリ専(ゲイ専用風俗)に入って行く写真が入っていた。

 

 

 ヤバっ⁉︎よりにもよってこの写真かよ⁉︎確かあの時は兄貴達から聞いた話だとアイツらに潰されて無理矢理入店させられたんだっけ。しかも俺にはその時間の記憶が無いし、店で何があったかを兄貴達は一切教えてくれないんだよね。だから俺の中では「シュレディンガーの処女」とかいうとんでもない問題が発生してるんだよね。どうしよう、こんなことがバレたら俺の学園内での立場が最悪だよ‼︎全くあの糞野郎共め‼︎

 

 

 そんなことを考えながら教室に入ると、明らかに動揺している明久の姿があった。

 

明久「What's up, Hideyoshi ?」

秀吉「異常事態じゃな。」

美波「一体アンタに何があったのよ……」

 

 気になるから俺も声をかけてみるか!

 

龍之介「明久、どうしたのさ?頭でも打った?」

明久「べ、べ、別に何でも無いよ……」

龍之介・秀吉・美波「「「嘘だね(なのじゃ。)」」」

明久「どうしてみんなそう思うの⁉︎」

 

 いや、明久ってバカだから分かりやすいんだよね〜。それはともかく、もしかしたら明久も脅迫状を貰ってるのかな?脅迫内容である、貴方のそばにいる異性にこれ以上近づかないように、の部分がマッチすると思うんだよね。なんせ俺のそばにいる異性と明久のそばにいる異性はほぼ一緒だから。一応話してみるか!

 

龍之介「明久、お前と2人で話がしたいんだけど、いい?」

明久「へっ⁉︎あ、うん!」

美波「何か企むつもり?」

秀吉「そんな気がするのぅ。」

龍之介「2人とも、そんなんじゃないから安心して!」

美波・秀吉「「は〜い。」」

 

 ということで明久と2人で話し合うことになった。

 

明久「な、何⁉︎僕は何も……」

龍之介「単刀直入に言うよ。お前『も』脅迫状を受け取ったの?」

明久「えっ?『も』ってことは龍之介も?」

龍之介「そういうこと!」

明久「成る程ね〜。ちなみに内容は?」

龍之介「貴方のそばにいる異性にこれ以上近づくな、だって。」

明久「僕も同じだ!」

 

 ビンゴ!俺って天才じゃん!

 

龍之介「一体誰からの脅迫状なんだろうね?」

明久「う〜ん、この内容ってことは、僕たちのそばにいる異性、つまりは姫路さんか秀吉に好意を寄せてるからだよね!」

美波「アキ〜⁉︎ちょっと殴られなさ〜い!」

明久「えっ、美波⁉︎てかなんでいるの⁉︎」

美波「怪しいから気になっちゃって……」

秀吉「すまんのぅ。」

 

 まあどうせだしコイツらにも協力を依頼するか!それと明久の言ったことはちゃんと訂正しておかないとね!

 

龍之介「明久、それは違うでしょ〜!」

明久「そ、そうだね………」

龍之介「他人から嫉妬される程価値のある異性って秀吉しかいなくない?」

美波「リュウ、後ろを見てごらん?」

龍之介「えっ?」

 

 そうして後ろを見ると…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

姫路「おはようございます、龍之介君♪」

 

 王水を持った鬼がいた。

 

龍之介「おはよう瑞希!どうしたの?」

姫路「龍之介君にプレゼントを渡そうと思って来ました!」

龍之介「それってまさかその王水じゃないよね?」

姫路「あっ、バレちゃいましたか♪龍之介君には私の手作り王水をプレゼントしようと思ったんです♪」

龍之介「お断りします!」

 

 何手作りクッキーみたいな感覚で手作り王水をプレゼントしようとしてるんだよ!まあコイツの場合は手作りクッキーでも殺傷力は変わらないけどさ。

 

美波「さあリュウ、選んで‼︎ウチに物理で殺されるか……」

姫路「私に化学で殺されるか!」

龍之介「すいませんでした。」

美波・姫路「「よろしい。」」

 

 全く、容赦の無い2択を迫るなよ!

 

秀吉「お主は本当にバカじゃのう……」

明久「僕はまだマシな方だったんだね!」

龍之介・美波・秀吉「「「それはない。」」」

明久「ちょっと3人とも⁉︎酷いよ⁉︎」

 

 明久にバカと言われるくらいなら死んでやるよ!

 

龍之介「まあそんなことより、脅迫犯を特定しないとね。」

姫路「脅迫ですか?」

龍之介「実はかくかくしかじかで……」

姫路「な、なるほど……。それで、2人は何をネタに脅されてるんですか?」

龍之介・明久「「絶対に言わない。」」

美波「どうやらかなり酷い内容で脅されてるみたいね……」

秀吉「無理に聞くのはやめておくかのぅ。」

 

 ありがとう皆、気を遣ってくれて!

 

明久「みんなありがとう!それで、何か手がかりはないかな?」

秀吉「ムッツリーニに聞いてみるのはどうじゃ?」

龍之介「成る程、アイツはこの手の話に詳しいからね!」

明久「確かに‼︎」

 

 ということで俺と明久でムッツリーニのところに行くことになった。

 

 

 

 向かった先では、ムッツリーニを巡って雄二と爽が言い争っていた。

 

雄二「待て、俺が先だ‼︎」

爽「いいや、私の方が先だ‼︎」

ムッツリーニ「………2人とも、俺の為に争わないで♪」

 

 一体何があったんだろう?

 

龍之介「何してるの3人とも?」

雄二「ムッツリーニに相談しに来たんだ。」

爽「私もだ。」

龍之介・明久「「実は俺(僕)たちもなんだよね。」」

ムッツリーニ「………全員とりあえず目的を述べよ。」

雄二「俺の苗字が変わりそうなんだ。」

爽「軍資金を稼ぎに来た。」

明久「実は僕のメイド服パンチラ写真が拡散されそうなんだ。」

龍之介「俺に関するシュレディンガーの処女問題の解決策が見つかってしまいそうなんだ。」

ムッツリーニ「………何から突っ込めばいい?」

 

 ということでとりあえず全員が一通り事情を説明した。

 

雄二「成る程、爽はともかく、他の3人は同じ問題を抱えているようだな。」

龍之介「そうなると盗聴犯の特定を急がないとね!」

明久「ということでムッツリーニ、よろしくね!報酬は僕の秘蔵コレクションで!」

雄二「俺からもお前好みの本をやる。」

龍之介「じゃあ俺は最新の風俗のレビューで!」

ムッツリーニ「………必ず調べておく!」

爽「私もパチスロ店にきちんと盗撮カメラを仕掛けたのだから、後はよろしく頼む。」

ムッツリーニ「………必ず売り上げの一部を譲渡する‼︎」

 

 ということで話がまとまった時に鉄人がやってきた。

 

鉄人「さて、明日から始まる学力強化合宿だが、大体のことは今配ってるしおりに書いてあるので確認しておけ。まぁ旅行ではないので勉強道具と着替えさえあれば特に問題ないはずだがな。」

 

 勉強道具ねぇ〜。うん。ちゃんと俺が持っていくのは勉強道具だからね!爽への復讐道具でもあるけどね。まあ飲み物として酒も大量に持ち込むけどね。やっぱりお泊りイベントでの飲み会は欠かせないでしょ‼︎まあそのせいで荷物が多くなりそうだからトラックを手配する予定だよ。

 

鉄人「ちなみに集合場所と時間だけは間違えないように。特にクラスごとで集合場所と時間がそれぞれ違うからな。ちなみに我々Fクラスは………」

 

 Aクラスはどうせリムジンバスとか黒塗りの高級車とかでしょ!いいな〜。どうせ俺らは狭いバスとかかな?それとも担任が引率するだけなんてことも………

 

鉄人「現地集合だ。」

 

 案内すらないのかよ⁉︎ふざけんなよ‼︎

 

 

 ということで強化合宿前最後のHRが終わった。そしていよいよ来週からは強化合宿(爽への復讐の時)だ‼︎覚悟しろよ、爽‼︎




 ということで強化合宿編、開幕です!この章は原作とは話の内容がかなり変わる予定です。よろしくお願いします。

 ちなみに爽とムッツリーニの取引は、未成年でパチスロ店内に入れないムッツリーニの代わりに爽が店内に盗撮カメラを仕掛ける、という内容でした。そしてこれで得た映像をムッツリ商会の商品にし、売り上げの一部を爽に譲渡するというものでした。もちろん貰ったお金は全てパチスロに使う予定です。

 次回は合宿所に向かうまでの電車の中をお届けします。お楽しみに。

 最後に、評価・感想をお待ちしております。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第三十一問 ぶらり電車旅

強化合宿の日誌

強化合宿一日目の日誌を書きなさい。


姫路瑞希の日誌

『 電車が停まり駅に降り立つと、不意に眩暈のような感覚が訪れました。風景や香り、空気までもがいつも暮らしている街とは違う場所で、何か素敵なことが起きるような、そんな予感がしました。 』

教師のコメント

環境が変わることで良い刺激が得られたようですね。姫路さんには高校二年生という今この時にしか作ることのできない思い出が沢山出来ることを願っています。


土屋康太の日誌

『 電車が停まり駅に降り立つと、不意に眩暈のような感覚が訪れた。あの感覚は何だったのだろうか。 』

教師のコメント

乗り物酔いです。


鷹狩龍之介の日誌

『 電車が停まり駅に降り立つと、体の奥底で溜まっていたものが世界に解き放たれた感覚を味わいました。あれは一体何だったのでしょうか。 』

教師のコメント

酒の飲み過ぎで吐いてるだけだと思います。


坂本雄二の日誌

『 駅のホームで大きく息を吸い込むと、少し甘いような、仄かに酸っぱいような、不思議な何かの香りがした。これがこの街の持つ匂いなんだな、と感慨深く思った。 』

教師のコメント

隣で土屋君と鷹狩君が吐いていなければもっと違った香りがしたかもしれませんね。


蕨屋敷爽の日誌

『 電車に乗る前から手の震えが止まらなかった。何かを打ちたいという渇望が身体の奥底から溢れ出るのを感じた。あれは一体何だったのだろうか。私はそれを知る為にパチスロ店へと向かった。 』

教師のコメント

もう答えが出てるじゃないですか。


  side 龍之介

 

 遂に強化合宿当日を迎えたわけだが………

 

爽『パチンコを打つから遅れる。先に向かってろ。』

 

 と復讐相手が電話でまさかの遅刻宣言をした。まあ復讐自体は元々合宿所でやろうと思ってたわけなんだけど、コイツの場合はこのまま合宿自体に来ないことがあり得るからな〜。しかも今回に限って来させるための脅迫材料に使えそうな木下が風邪を引いて休みというね。これじゃあ合宿所に復讐動画の運搬を手配した意味がないじゃないか‼︎

 

 

 

 ということで俺は他のみんなと一緒に仕方なく合宿所に向かうことにした。ちなみに合宿所は卯月高原という避暑地にあるよ。学園から電車と乗り継いで5時間かかるんだよね〜。だから………

 

姫路「あと2時間くらいですね。」

龍之介・明久「「暇や〜‼︎」」

 

 めっちゃ暇なんだよね!ちなみに俺は4人のボックス席に明久・美波・瑞希(地獄のメンツ)と一緒に座ってるよ。

 

明久「何か面白いものないかな〜?」

龍之介「鏡を見てくれば?」

明久「それは僕の顔が面白いと言いたいのかな?」

龍之介「いや、明久の顔はなんていうか………笑えない。」

明久「笑えない⁉︎そんなに酷い状態なの⁉︎」

 

 ごめん明久、本音を言うと割と整ってる方だと思うよ。でも羨ましいから言わない‼︎絶対に言わない‼︎女の子2人に迫られてるのが羨ましいとか絶対に言わない‼︎

 

龍之介「面白いって言うのは明久の守護霊のことだね〜。」

明久「守護霊?そんなものが見えるの?」

龍之介「うん!ビール瓶を片手に血みどろで茶髪を振り乱しているのが!」

明久「それはどう考えても僕を護ってないよね?あとそれってただの龍之介なんじゃ?」

龍之介「なわけないでしょ⁉︎なんせ俺は酒を飲んで暴れたという記憶なんてないからね‼︎」

明久「嘘つけ‼︎」

 

 嘘じゃないよ!なんせ暴れている時は記憶が無いからね!

 

龍之介「まあ安心して、明久の守護霊の件は半分冗談だから!」

明久「あ、なんだ!びっくりした!」

龍之介「本当はビール瓶じゃなくて焼酎のボトルだね!」

明久「そこは一番どうでもいいよね‼︎」

龍之介「どうでも良くないでしょ‼︎ビールと焼酎は全然違うんだよ⁉︎飲んだ事ないくせに偉そうに酒を語るな‼︎」

明久「ねえ、これ僕が悪いの?」

姫路「絶対に違うと思います!」

 

 全く、酒の種類をどうでもいいとかいう奴には3年後にきちんとお仕置きをしてやるからな‼︎

 

 まあそれはともかく、電車の中で飲む酒はやっぱり旨いよな〜。ちなみに今飲んでるのはビールだよ。移り変わる景色を眺めながら飲むビールは最高だよね!今がまあまあ暑いということもあってさらにピッタリだ‼︎

 

 

 

 そういえば、さっきから美波は何を読んでるんだろう?

 

龍之介「美波、何それ?」

明久「僕も気になる‼︎」

美波「これは心理テストの本。百均で売ってたんだけど意外と面白いの!」

明久「へ〜。じゃあ僕にも問題出してよ!」

龍之介「俺にも‼︎」

姫路「私はとりあえず2人の答えを聞いていますね。」

美波「じゃあいくよ!

 

 

『次の色でイメージする異性を挙げて下さい。

 

①緑

②オレンジ

③青   』

 

 

それぞれ似合うと思う人の名前を言ってもらえる?」

 

龍之介「①工藤、②美波、③瑞希‼︎」

明久「①秀吉、②姫路さん、③美波‼︎」

美波「へ、へぇ〜。じゃ、じゃあ次の問題にいくわね!」

 

 おいコラ。その先を言わないと意味ないでしょうが‼︎瑞希も同じことを思ってたのか代わりに本の中を覗いてくれた。

 

姫路「えっと〜、って明久君、なんで美波ちゃんが青で私がオレンジなんですか⁉︎」

 

 なんかめっちゃキレてんだけど⁉︎怖⁉︎

 

明久「え⁉︎ど、どうしたの姫路さん⁉︎」

姫路「り、理由を言って下さい‼︎正直に‼︎」

龍之介「いや、別に大した理由はないと思うけどね。」

明久「前に見た2人のパンツの色!」

龍之介「本当に大したことなかったね。」

美波「窓から捨てるわよ?」

姫路「それとも王水をかけましょうか?」

明久「やめて下さい!」

龍之介「まあまあ落ち着けよ2人とも!えっと、それぞれの色は……」

 

 そうして俺が美波の本を覗き込むと………、凄いことが書いてあったので紹介することにしたよ!

 

龍之介「①緑は『友達』、②オレンジは『元気の源』、③青は『意中の相手』だね‼︎」

明久「えっ⁉︎」

 

 ちなみにこの本の通りだと俺が瑞希のことを好きな事になるね。別にそんな想いは抱いてないんだけどな〜。もしかしたら俺が自分の気持ちに気付いてないだけかな?いや、そんなことはないと思うけどな〜。やっぱり所詮は安物か。

 

明久「いや、あの、その……ほらさ!こういうのをあまり当てにしない方がいいと思うよ!」

美波「そ、そうよね!」

姫路「明久君の言う通りです‼︎ちなみに龍之介君はなんで青で私だったんですか?」

龍之介「マタニティーブルーから連想したのさ‼︎」

姫路「それって私が妊婦みたいな体型をしているからですか?」

 

 ヤベ、この女気づきやがった。ここは誤魔化すか……

 

龍之介「いや、ここ最近ちょっとブルーな気持ちっぽく見えたからさ………」

姫路「さっきまではそんなことなかったんですけど。それにマタニティーは要らなくないですか?」

龍之介「つい癖で♪」

姫路「美波ちゃん、このゴミを窓の外から投げてくれませんか?」

美波「OK瑞希!」

龍之介「ストップストップ‼︎やめてよ2人とも!」

明久「そうだよ!ゴミを外に捨てるのは良くないと思うよ♪」

龍之介「明久、ありがとう!でも俺をさらっとゴミ扱いしたことは許さないよ?」

明久「ゴミはきちんとゴミ箱に捨てないと!」

龍之介「うるさいなぁ、ぶっ殺すよ?」

姫路「殺されるのは貴方だと思うんですけど?」

龍之介「すいませんでした。まあとにかく、この心理テストはやめよっか。」

美波「そ、そうね……」

 

 ということで心理テストは中止となった。これ以上やると明久と女子2人の関係にヒビが入りそうだったからね!

 

 

 

明久「それじゃあ次は何やる?」

龍之介「う〜んと、そうだ!インサイダーゲームをやろう!」

明久・姫路「「何(ですか)、それ?」」

美波「ウチやったことあるわ!」

 

 まあ美波がいたドイツはアナログゲームが盛んだからね。やったことありそうだよね。

 

龍之介「簡単に言うと、出題者であるマスターとその他のお題を当てる人に分かれてお題が何かを当てるゲームだね。お題を知ってるマスターに対してその他の人は『はい』か『いいえ』で答えられる質問を繰り返し、制限時間以内にお題を当てにいくゲームだよ!」

明久「お、面白そう!」

姫路「でもそれだけだと単純過ぎませんか?」

美波「そこで一つ面白い要素があるの!」

龍之介「実はお題を当てる側にマスターすら誰だか分からない、元々お題を知ってる奴が存在するんだよね!そいつのことをインサイダーって言うよ!」

 

 これがこのゲームの一番面白い要素だよね!

 

明久「なんだって⁉︎」

美波「インサイダーは他の人に自分がインサイダーだとバレないようにしながら、他の人と一緒に質問をしてお題を当てにいくのよ!」

龍之介「そして誰か一人がお題を当て終わったら、今度は全員でインサイダーが誰だったのかを当てるんだよ!そしてインサイダーはそこで当てられなかったら勝ち。マスターと他の解答者はインサイダーを当てられたら勝ちだよ‼︎制限時間はお題を当てた時間と一緒ね。」

美波「だからあまり早くお題を当て過ぎるとその分インサイダーが誰かを考える時間も短くなるわ。」

明久「なるほどね〜。」

龍之介「ちなみにお題を制限時間内に当てられなかったら全員の負けです‼︎」

 

 だからインサイダーは、自分がインサイダーだとバレないようにしながらそれっぽく質問して誘導し、他の人にもお題を当てられるようにするんだよね。

 

龍之介「以上、よろしいか⁉︎」

姫路「OKです!」

明久「た、多分大丈夫!」

 

 ということでインサイダーゲームが始まった!

 

龍之介「それじゃあこの役職が書かれたカードを一人一枚ずつ取ってください‼︎他の人には見せちゃあダメだよ?」

明久・姫路「「はい‼︎」」

美波「ただ、お題を出すマスターの人だけは名乗り出てね。」

明久・姫路「「はい‼︎」」

 

 えっと、最初の役職は………

 

龍之介「俺がマスターだぜ‼︎」

 

 ということで俺がお題を出す番だ‼︎

 

龍之介「お題はこのお題カードに書いてあるからね。最初はこのカードの中から俺がお題を選ぶので、みんなは目を閉じててね。」

 

 さぁって、どんなお題にしようかな〜?お、これが良さそう!

 

龍之介「それじゃあ俺はお題を決めたので目を閉じます‼︎その間にインサイダーの人は目を開けてお題を確認して下さい!返事はしなくていいよ?」

 

 こうして目を閉じてしばらく待つ!こうすることでマスターにもインサイダーが誰だか分からなくするのさ!

 

龍之介「それじゃあインサイダーの人は目を閉じて下さい!その後にマスターがお題を隠します!」

 

 ということで俺が再び目を開けてお題を隠したよ。

 

龍之介「それじゃあ、みんな目を開けて下さい‼︎それでは、ゲーム、スタート‼︎」

 

 こうしてインサイダーゲーム、第一ラウンドが始まった。

 

 

 

 

  side 明久

 

 えっと、僕はインサイダーではないみたい。それじゃあ頑張ってお題を当てにいくか!

 

美波「それは食べ物ですか?」

龍之介「いいえ!」

明久「えっと、それは飲み物ですか?」

龍之介「いいえ!」

 

 どうやら飲食物では無いみたい。

 

姫路「それは固体ですか?」

龍之介「はい!」

 

 固体か〜。それなら!

 

明久「それは何でできていますか?」

龍之介「はい、か、いいえ、で答えられる質問にしてね〜。」

 

 あ、そうだった……。ならどうやって聞こうかな〜。他の人の質問を待ってみるか!

 

姫路「それは木でできていますか?」

龍之介「はい!」

 

 姫路さん、ありがとう!なるほど、木ね!

 

姫路「それは手のひらサイズですか?」

龍之介「いいえ!」

姫路「それはこの電車よりも大きいですか?」

龍之介「いいえ!」

 

 う〜ん。その間の大きさか……。

 

姫路「それはホームセンターで買えますか?」

龍之介「はい!」

 

 ホームセンターで買える………。なるほど、分かったぞ!

 

明久「それは椅子ですか?」

龍之介「いいえ!」

美波「それは本棚ですか?」

龍之介「いいえ!」

姫路「それはベッドですか?」

龍之介「いいえ!」

 

 なるほど、その3つのどれでもないとしたら!

 

明久「それは机ですか?」

龍之介「ピンポ〜ン、正解です!」

明久「やった〜‼︎」

 

 やった!お題を当てられたよ!

 

龍之介「それじゃあここからが本番だね。果たして誰がインサイダーなのかな?」

 

 う〜ん。お題を当てることに一生懸命になりすぎて、怪しい人を見つけられなかったな………

 

姫路「あ、明久君だと思います!答えを当てたので!」

美波「でもあの流れなら誰だって当てられると思うよ?それよりもウチは瑞希が怪しいと思うわ!質問した内容が、固体かどうか、材質は何か、ホームセンターで買えるか、と寄り道をしないで答えに近づく内容だったからね。」

龍之介「最後の答えだけ自分が外したのもそれっぽいよね。」

 

 う〜ん。そう言われると姫路さんっぽい気がする。

 

姫路「え、えっと、私じゃないですよ!」

龍之介「よし、それじゃあインサイダーが誰かを当てようか!まずは解答者である明久以外で、明久がインサイダーかどうかを投票するんだよね。親指を上に向けたらインサイダー、下ならNotインサイダーという意味だね。それで多数決をとるよ!それじゃあいっせ〜の!」

 

 

龍之介・美波→明久はインサイダーではない

姫路→明久はインサイダー

 

 

龍之介「それじゃあ全員の意見は明久がインサイダーではない、ということで!それじゃあ明久は役職をみんなに知らせて!」

明久「ほい!僕はインサイダーではありません!」

龍之介・美波「「イェ〜イ!」」

姫路「そ、そうなんですか……」

龍之介「それじゃあ次は誰がインサイダーかを全員で投票します!俺の合図で自分がインサイダーだと思う人を指さしてね!では、いっせ〜の!」

 

 

龍之介・明久・美波→姫路がインサイダー

姫路→美波がインサイダー

 

 

龍之介「それじゃあ瑞希の役職は?」

姫路「インサイダーです……」

龍之介・美波・姫路「「「イェ〜イ!」」」

 

 というわけで僕たちの勝ちだ。やったね!

 

姫路「これ、意外と難しいです……」

龍之介「でしょ?」

明久「でも結構面白いね!」

美波「面白さを分かってくれて良かったわ!」

 

 意外と楽しいね、これ‼︎

 

 

 

 

龍之介「それじゃあ第二ラウンド、いきますか!」

姫路「次は負けません‼︎」

 

 ということで選んだ役職は………インサイダーだった。マジか!

 

美波「マスターはウチね!それじゃあみんな目を閉じて!」

龍之介・明久・姫路「「「は〜い!」」」

美波「よし、お題を決めたわ!それじゃあウチは目を閉じるからインサイダーの人は目を開けてね!」

 

 えっと、お題は………『原子力発電』⁉︎難し過ぎるでしょ‼︎ど、どうしよう………。とりあえず目を閉じなきゃ!

 

美波「それじゃあインサイダーの人は目を閉じてね!ウチがお題を隠して……OK、全員目を開けて!それじゃあ第二ラウンド、スタート!」

 

 よし、ここは思い切って!

 

明久「それは原子力発電ですか⁉︎」

美波「えっ⁉︎せ、正解‼︎」

 

 やった‼︎これでたまたま当てたように見えるね!

 

美波「それじゃあ、アキがインサイダーだと思う人!」

龍之介・姫路・美波「「「は〜い‼︎」」」

明久「えっ⁉︎なんで⁉︎」

 

 なんでみんな分かったの⁉︎

 

龍之介「だって明久が原子力発電なんて単語を知ってるはずがないでしょ?」

明久「ちょっと龍之介!僕は流石にそこまでバカじゃないよ!」

姫路「知ってたとしてもなかなか出てくる単語じゃないですよね?」

美波「アキなら尚更そうね!」

明久「2人とも信じてよ!」

美波「それじゃあ投票しますか!アキ以外の3人でアキがインサイダーかどうかを投票します!せ〜の!」

 

 

3人とも→明久がインサイダー

 

 

明久「せ、正解……」

龍之介・姫路・美波「「「イェ〜イ‼︎」」」

龍之介「バカのくせに無理するからだよ‼︎」

明久「うるさいそこ‼︎」

 

 クソ!悔しい‼︎

 

 

 

 

龍之介「それじゃあ第三ラウンド‼︎」

 

 さてと、役職は……インサイダーではないか。

 

姫路「えっと、私がマスターです!」

 

 ということで姫路さんがマスターとなり第三ラウンドが始まった。

 

 

 

 さてと、何を質問しようかな〜?

 

美波「それは食べ物ですか?」

姫路「いいえ!」

 

 そうだ!それなら!

 

明久「それは飲み物ですか?」

姫路「いいえ!」

 

 違うのか〜。それなら何を聞こうかな?

 

龍之介「それで人は殺せますか?」

 

 コイツはいきなり何を聞いてるの?

 

姫路「えっと………、う〜ん、はい?」

 

 しかも殺せるのかよ!なんか物騒な物なんだね!

 

美波「それは刃物ですか?」

姫路「いいえ!」

明久「それは鈍器ですか?」

姫路「いいえ!」

龍之介「それは貴方の手料理ですか?」

姫路「いいえ!って餅とかじゃない限り死ななくないですか?」

 

 いや、それが死ぬんだよ。ごめんね姫路さん。

 

龍之介「う〜ん、それじゃあ、それは貴方の性欲ですか?」

姫路「いいえ!ってそれはどういうことですか⁉︎」

龍之介「いや、サキュバス並みに強いからさ〜。男が死んじゃうかなって思って!」

姫路「ち、違いますよ‼︎何変なこと言ってるんですか⁉︎」

美波「リュウ、セクハラしてると本当に窓から捨てるわよ?」

龍之介「すいませんでした。」

 

 姫路さんに普通にセクハラをするとか、コイツの神経はどうなってるのかな?

 

龍之介「それじゃあ、それは王水ですか?」

姫路「いいえ!」

龍之介「化学的な物質ですか?」

姫路「いいえ!」

 

 う〜ん、あと人を殺せそうなのって他にあったっけ?

 

美波「えっと、それは物質ですか?」

姫路「う〜ん、いいえ!」

 

 え⁉︎物ですらなかったの⁉︎じゃあなんだろう?もしかして……

 

明久「それは死刑ですか?」

姫路「いいえ!」

龍之介「それは拷問ですか?」

姫路「いいえ!」

 

 そうじゃないのか……。なら一体なんだろう?

 

美波「えっと、物じゃないなら……、それは何かの概念ですか?」

姫路「いいえ!」

 

 え?どういうこと?

 

美波「それは何かの名前ですか?」

姫路「はい!」

龍之介「それは自然現象ですか?」

姫路「いいえ!」

龍之介「ではそれはイベントの名前ですか?」

姫路「はい!」

 

 お!そういうことね!それなら……

 

明久「それは断罪イベントですか?」

姫路「いいえ!」

 

 違うんだ。じゃあなんだろう?もう人を殺せそうなイベントなんてないような〜。

 

美波「ちなみに瑞希はそれを経験したことがあるの?」

姫路「はい!」

 

 え⁉︎そんな死のイベントを姫路さんは経験してるの⁉︎凄いね!

 

龍之介「それは保健体育の実習ですか?」

姫路「龍之介君は死刑をお望みですか?」

明久・美波「「はい!」」

龍之介「すいませんでした。」

 

 このセクハラアル中はこの際放っておこう。なんとかお題を当てないと!

 

明久「それは皆が経験するイベントですか?」

姫路「はい!」

龍之介「それは生誕ですか?」

姫路「いいえ!」

 

 いや、確かに経験するけどさ〜。真っ先にそれが出てくるって、やっぱりコイツは変人だよね〜。

 

美波「それは小学生が経験するイベントですか?」

姫路「はい!」

 

 なるほと!学校行事ね!でも人が死ぬかもしれないイベントとなると………

 

明久「それは水泳の授業ですか?」

姫路「いいえ!」

 

 違うんだ。じゃあ一体………

 

美波「それは遠足ですか?」

姫路「いいえ!」

龍之介「それは修学旅行ですか?」

姫路「いいえ!」

美波「それは運動会ですか?」

姫路「はい!美波ちゃん、正解です!」

 

 なるほど、運動会ね!

 

龍之介「なるほどね〜。確かに熱中症とか組体操失敗の下敷きになって死ぬ人いるもんね〜。」

姫路「そういうことです!」

明久「ちなみに龍之介はなんでそんな変な質問をしたの?」

龍之介「いつも質問するって決めてるからね!」

 

 ただ場を荒らしたいだけじゃん!ゴミかよ!

 

姫路「それじゃあ、インサイダーが誰かを当てましょうね。」

龍之介「う〜んと、明久はバカだから難しいこと出来なそうだし、美波じゃない?」

明久「失礼な‼︎僕だってもっとちゃんと出来るよ‼︎それより龍之介が怪しいと思う‼︎」

龍之介「えっ?なんで?」

明久「それっぽい質問をしてたから!」

美波「下らない質問と、『イベントですか』みたいな答えに迫る質問を上手く織り交ぜてたからね〜。ウチも結構怪しいと思う!」

姫路「私もそう思います!『人を殺せますか』も自分があたかもインサイダーではないって思わせるような質問でした!」

龍之介「いやいや、ちょっと待ってよ!イベントとかは自然現象からの流れだしさ!ふざけた質問は本当にふざけてただけだよ!それより美波の方がよっぽど怪しいって!」

明久「そうかな?美波がしたのは普通の質問にしか思えないけど?」

姫路「私も……う〜ん、そう思います!」

美波「諦めなさい、リュウ!」

龍之介「嘘でしょぉぉぉぉ‼︎」

 

 ということで投票の番になった。先に答えを当てた美波がインサイダーかそうじゃないの投票だね。結果はもちろん………

 

 

 

龍之介→美波がインサイダー

明久・姫路→美波はインサイダーじゃない

 

 

 

 こうなったよね!ざまあみろ、龍之介‼︎

 

美波「やった〜♪ウチがインサイダーでした!」

 

 え⁉︎マジで⁉︎

 

明久・姫路「「えっ?」」

龍之介「ほら言ったじゃん‼︎クソ!こういう時に雄二とかがいたら絶対に勝てたのに‼︎」

美波「アンタの日頃の言動のせいね!」

龍之介「クソ〜‼︎それじゃあもう一回だ‼︎」

 

 こうして合宿所に着くまでインサイダーゲームは続いた。

 

 

 

 

 

 そしてしばらくして、合宿所の最寄駅に着いたのだけれど………

 

龍之介「飲み過ぎた………。吐きそう………」

 

 アル中がまたやらかしてたので、駅のトイレに捨てて僕たちは先に合宿所に向かった。




 ということで電車の中でインサイダーゲームをやりました。結構面白いゲームなので皆さんもやってみてくださいね。ちなみに、本作では4人でやりましたが、5・6人くらいでやる方が面白いと思います。

 そして、次はいよいよ合宿所に到着です!果たしてどんなイベントが待ってるのでしょうか。それは次回からのお楽しみに。

 最後に、評価・感想をお待ちしております。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第三十二問 合宿所到着

バカテスト 地理

問 次の問題に答えなさい。

『 牛乳の生産量が日本一位の都道府県はどこでしょう。 』


姫路瑞希の答え

『 北海道 』

教師のコメント

正解です。ちなみに2位は栃木県ですね。


吉井明久の答え

『 牛乳は月に一度のご馳走です! 』

教師のコメント

苦労してるんですね。


鷹狩龍之介、土屋康太の答え

『 歌舞伎町 』

教師のコメント

深い意味はないと信じていますよ。


  side 明久

 

 合宿所に着くと、雄二がとんでもないことを言った。

 

雄二「ちなみにここの合宿所、学園が買い取って作り替えたらしいぞ。」

明久「え⁉︎それ本当⁉︎」

雄二「ああ。ちなみに召喚獣も呼び出せるらしい。」

明久「本当にこの学校ってお金あるんだね。」

 

 その金を少しでも僕にくれたらいいのにな〜。すぐにゲームが買えるようになるのに!

 

 そして早速僕たちは自分達の部屋に入った。中は和室だね。ちなみに僕と同じ部屋なのは、雄二、龍之介、ムッツリーニ、秀吉、爽の5人らしい。Fクラスだから超狭い部屋を覚悟したんだけど、6人でも窮屈にならないくらいの広さで安心したよ。

 

 しばらくすると、さっきまで酔い潰れていた龍之介がやってきた。

 

龍之介「あぁ〜気持ち悪かった!よしっと、荷物搬入に行きますか!」

秀吉「お主、何を持ってきたのじゃ?」

龍之介「酒とソフドリとちょっとした勉強道具さ!」

雄二「お前確かトラックを呼んでたんだよな。」

龍之介「そうだね。それじゃあ行ってくるか!」

秀吉「ワシも手伝うとするかの!」

明久「それじゃあ僕も!」

雄二「俺はムッツリーニと脅迫状の件について話すからパスで。」

龍之介「そんじゃあその件は2人に任せたよ‼︎」

雄二・ムッツリーニ「「ああ。」」

 

 ということで荷物搬入に行った。

 

 

 

 入り口に着いてしばらく待っていると、中型トラックがやってきた。

 

龍之介「運搬ありがとうございま〜す‼︎」

運転手「ど〜も。それじゃあ後ろを開けるね。」

龍之介「よろしくお願いしま〜す‼︎」

 

 そして荷台の中には、思ったよりも大量の段ボールがあった。

 

秀吉「お主、どんだけ飲むつもりじゃ……」

龍之介「いや、皆用のソフドリも入ってるからこうなったのさ!それに勉強道具もあるからね!」

明久「皆用って?」

龍之介「そりゃあもちろん皆が飲む用だよ‼︎」

秀吉「こんなに飲まぬと思うのじゃが……」

龍之介「飲み会に使うのさ‼︎合宿って言ったら飲み会だろ?皆で飲んで色んなことを語ったりはしゃいだりするのが目的さ‼︎」

明久「なるほどね!それは面白そう!」

秀吉「こんなに用意してくれてありがたいのじゃ!」

 

 さっきはゴミ呼ばわりしてごめんね!これは楽しい合宿になりそう!それはそうと………

 

明久「この勉強道具って何に使うの?」

秀吉「ワシも気になったのじゃ。」

龍之介「それは開けてみてからのお楽しみ、ということで!ちなみに皆は勝手に開けないでね!」

 

 何をするつもりなんだろう?まあその時のお楽しみにしとくか!

 

 その後僕たちはこの大量の荷物を、台車とエレベーターを使って部屋まで運んだ。

 

 

 

 荷物の搬入が終わると、早速脅迫状件について作戦会議をすることになった。もちろん………

 

龍之介「杯を乾かすと書いて、乾杯と読む‼︎せ〜の!」

主要メンバー男子全員(爽を除く)「「「「「かんぱ〜い‼︎」」」」」

 

 飲み会をしながらね‼︎ちなみに爽はまだパチンコを打ってるらしいのか、合宿所には着いてないよ。

 

龍之介「ちなみにこの赤と黒のドクロマークが貼ってある飲み物は全てお酒だから皆は絶対に飲まないようにね!」

他4人「「「「了解‼︎」」」」

 

 この注意が一番大切だからね。ちゃんと言っておかないとね!

 

 

 

 さてと、そろそろ本題に入りますか!

 

龍之介「それで、雄二とムッツリーニよ、俺たちに脅迫犯の件について教えてくれないか?」

雄二「分かった。まず、俺、明久、龍之介の3人に対する脅迫ついてだが、全て実行犯が同じであることが分かった。だが犯人自体を特定することは出来なかった。」

龍之介「まあ流石にそうは上手くいかないよね〜。」

秀吉「それで、犯人に特徴とかはあるのかのぅ?」

雄二「それなんだが、ムッツリーニの盗聴結果から………」

ムッツリーニ「………犯人は女子生徒でお尻に火傷の痕がある、ということが分かった。」

 

 なんで逆にそれが分かったんだよ。凄いね、ムッツリーニは。

 

秀吉「でもそれじゃあ確認する方法がないのぅ。」

明久「確かに。仮にスカートを捲っても見えないからね〜。」

龍之介「普通に頼めばいいんじゃないかな?お尻を見せてくださいって!お金払えば見せてくれる人多そうじゃね?」

 

 発想がゲス過ぎるよ。流石龍之介だね!

 

雄二「いるわけねえだろそんな奴。第一いたとして150人近い女子生徒全員に払う金なんてないだろ。」

龍之介「確かにね〜。それじゃあ女子風呂を覗きに行くしかないか!頼んだよ、秀吉‼︎」

 

 なるほどね!秀吉なら女子風呂に入っても大丈夫だね!

 

秀吉「何故ワシが女子風呂に入ることが前提になっておるのじゃ?」

明久「それは秀吉が女の子だから?」

秀吉「ワシは男じゃ‼︎」

雄二「それにお前ら、これを見てみろ。」

 

 そうして雄二が開いて見せてくれたしおりのページには………

 

 

 

 

〜宿所での入浴について〜

 

男子 ABCクラス 20:00〜21:00 大浴場(男)

男子 DEFクラス 21:00〜22:00 大浴場(男)

女子 ABCクラス 20:00〜21:00 大浴場(女)

女子 DEFクラス 21:00〜22:00 大浴場(女)

Fクラス 木下秀吉 21:00〜22:00 個室風呂④

 

 

 

秀吉だけ別の風呂に入ると書かれていた。これじゃあ秀吉に見てきてもらうことは不可能じゃん‼︎

 

 

秀吉「何故ワシだけ個室風呂なのじゃ‼︎おかしいじゃろ‼︎」

雄二「第3の性別みたいなもんじゃないのか?」

秀吉「納得いかんのぅ………」

 

 まあこの間のプールでムッツリーニが死にかけたり鳳之介君がめちゃくちゃ目のやり場に困ってたりしてたからしょうがないか。そんなことを思っていると………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小山「全員、手を頭の後ろに組んで伏せなさい‼︎」

 

 Cクラス代表、小山友香さんとその他女子数人がいきなり部屋に入って来た………ので逃げる‼︎

 

小山「木下クンはこっちへ!そっちのバカ3人は抵抗をやめなさい‼︎」

秀吉「何故お主らは咄嗟の行動で窓に向かえるのじゃ…?」

 

 あっ………窓から逃げようとしたのがバレちゃった………。僕と同じように逃げようとしていた雄二とムッツリーニも逃げるのをやめた。でもこんな時に堂々と酒を飲んでいる龍之介は凄いね。年長者の貫禄ってやつかな?そんなことを思っていると当の本人が口を開いた。

 

龍之介「やめて欲しいな〜。いきなり異性の部屋にやってきて、『手を頭の後ろに組んで伏せろ。』だなんて、とても真っ当な人間のする事とは思えないね〜。」

 

 確かに。言い方はキツいけど全部正論だ。小山さんがすぐさま反論する。

 

小山「真っ当な人間じゃないのはあなたでしょ⁉︎」

龍之介「酷い言い分だな〜。でもそれくらい横柄でなきゃ、クラスなんかとても背負えないかも知れないよね〜。その感性は俺には理解出来ないけどね〜。まあそれはともかく、いつまでもそこに居られると邪魔だからさぁ、俺と飲みたいなら残る、飲みたくないなら帰るかしてくれないかな?俺もそろそろ酒が飲みた…………」

小山「よくもまあそんなシラが切れるわね‼︎あなた達が犯人だって事くらいすぐに………」

龍之介「あのさぁ⁉︎人が気持ち良く酒を飲んでる最中に妨害するだなんて、どんな教育を受けたわけ⁉︎それって俺の飲む権利の侵害だと思うんだよねぇ⁉︎」

 

 今までにないくらい龍之介が怒ってくれてる。あの小山さんですらその圧に押されているくらいだ。まあ言ってることはただ酒を飲むのを邪魔しやがって、ってだけなんだけど、今はそれに僕たちが助けられてるよ!ありがとね、龍之介!

 

小山「そ、それでも、この小型マイクとカメラを女子風呂に設置するのはあなた達ぐらいでしょ⁉︎」

 

 そういうこと⁉︎僕たちはここに来てから自分の部屋での飲み会と龍之介の荷物運搬しかしてないからそれを仕掛ける時間はないと思うんだけど………。龍之介が反論する。

 

龍之介「確かに俺たちがやりそうっていう言い分は分かるよ?でもさぁ、俺たちが本当にやったっていう根拠が無くない?指紋でも調べたわけ⁉︎それとも俺たちが実際に設置するところを見たってわけ⁉︎」

小山「いや、そういうわけでは………」

龍之介「じゃあさぁ、お前らは何の根拠もないのに勝手に俺たちが犯人だと決めつけて、何の許可もなく勝手に異性の部屋に入り、そして人が気持ち良く酒を飲んでるのにそれを妨害したことになるよねぇ⁉︎俺は優しいからさぁ、君たちの頭が足りない行動も許してあげるけどさぁ、それでも高校2年生としてもう少し人に気を遣って行動すべきじゃないのかなぁ⁉︎」

小山「ご、ごめんなさい……」

 

 凄い!遂にあの小山さんを黙らせちゃったよ‼︎勝手にビールを温められて根本君の股間を爽のゴムパチンコでタコ殴りにさせた件といい、龍之介は自分の酒や飲み会に悪影響を及ぼした人には容赦ないね!

 

龍之介「とにかく、俺たちはそんなことをやっちゃあいない。証拠は玄関に来ていたあのトラック。あの中のものは全て俺の私物さ。俺たちはそれをこの部屋まで運搬していたのさ。2人だけ部屋に残っていたけどその2人も一歩もこの部屋から出ちゃあいない。だからそもそも女子風呂がどこにあるかなんて知らないんだよねぇ。それでも気になるならさぁ、指紋でもなんでも警察に調べさせればいいんじゃないのかなぁ⁉︎」

小山「わ、分かったわよ……。じゃああなた達じゃないって事でこの件は水に流してあげるわ……。それじゃあ失礼するね……」

龍之介「おいおいちょっと待てよ!俺たちはお前らに頼みたいことがあるのさ!まあ頼み事を聞くか聞かないかは自由だけどさ、俺たちの飲む権利を侵害したせめてもの償いで聞くのが普通なんじゃないかなぁ?まあ聞くか聞かないかは自由だけどね〜。」

小山「分かったわよ……。聞くわよ……」

龍之介「それでよし‼︎それじゃあ全員…………」

 

 よし!さらっと脅迫状の犯人探しもしてくれるみたい!流石だね、龍之介!さあ、これで犯人が分かるかも!そう思っていると………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

龍之介「着ているものを脱いでくれ。」

 

 全てが台無しになった。

 

 

 

 

 

 

 龍之介は30分の拷問の後解放された。

 

明久「ちょっと龍之介!途中までは良かったのに、最後で台無しだよ‼︎」

雄二「全く、お前は何をしてくれてるんだよ‼︎」

龍之介「せっかく俺の至高の飲酒タイムだったのに、アイツらはそれを邪魔したんだからこれくらいは当然だと思ったんだけどな〜。」

雄二「本当にセクハラをしたら、カメラの件の無実を証明した意味がないだろ‼︎」

明久「そ〜だそ〜だ‼︎」

龍之介「う〜ん、納得いかないな〜。」

秀吉「お主はどこまで酒が好きなのじゃ………」

 

 どうやら龍之介的には酒を飲むのを邪魔することは罪を犯すことと同等らしい。そんなことを思っているとムッツリーニが口を開いた。

 

ムッツリーニ「………このカメラとマイク、脅迫犯のと同じだった。」

雄二「なら話は早いな。俺らを脅迫するだけでは飽き足らず、冤罪までふっかけようとした犯人を見つけるだけだ。ちなみにタイムリミットはこの強化合宿が終わるまでだ。」

明久「タイムリミットが過ぎるとどうなるの?」

雄二「俺の苗字が変わる。」

秀吉「じゃあなんとかして合宿中に見つけるしかないのぅ!」

ムッツリーニ「………でもどうすれば?」

龍之介「俺たちが女子風呂を覗きに行けばいいんじゃね?」

 

 龍之介って天才なのかバカなのかよく分かんないよね〜。

 

雄二「それじゃあ本当に犯罪者になっちまうぞ?」

龍之介「だって脅迫犯は既に犯罪者なんだよ?それなら俺たちも犯罪をしてもいいと思わない?」

明久「いや、それはダメでしょ‼︎」

雄二「だったら女子側に協力を要請するのはどうだ?」

秀吉「成る程、それはいいのぅ!」

ムッツリーニ「………でも誰が協力するんだ?」

雄二「まずはなんだかんだで頭のキレる秀吉の姉とかどうだ?」

秀吉「姉上は風邪を引いて休みじゃ。」

 

 木下さんがいたら今回の件もすぐに動いてくれそうなんだけどね〜。風邪となっちゃあ相談するのも悪いよね〜。

 

龍之介「それじゃあ瑞希と美波はどうかな?あの2人なら多少の事情は知ってるよ?さっきのセクハラの件で俺をボコボコにしたけど。」

雄二「まあ女子風呂のカメラが俺らの物じゃない事については既に納得しているからな。そうするか!」

秀吉「まあまずはワシらの風呂タイムじゃな!」

明久「確かに!」

 

 ということで風呂に入ってから美波達を呼ぶことにした。

 

龍之介「ごめんみんな、先行ってて‼︎」

明久「あ、うん。」

 

 何故か龍之介だけ少し遅れて行くことになった。

 

 

 

 

 

  side 龍之介

 

 皆はまだお酒の旨さを知らないからあんな事を言ってるんだろうけど、酒の旨さを知ってる人間としては、理不尽に飲み会を妨害する事は犯罪レベルだと思うんだよね〜。そして俺のモットーは勧悪懲悪。だから俺だけでも女子風呂を覗いて犯人を特定しようと思ったのさ!

 

 

 ということで俺は女子風呂前の廊下まで来たわけだが、なんとそこには化学の布施先生、保健体育の大島先生、そして鉄人がいた。まあカメラが仕掛けられたと聞いて先生方で防衛線を張るのは仕方ないか。流石にここを突破するのは無理だね。そう思って俺は退却することにした。

 

 

 

 普通に風呂に入って部屋に戻った後、

 

美波・姫路「「話って何(でしょう)?」」

 

 俺たちは瑞希、美波と話をすることになった。




 ということで強化合宿初日、まさかの覗かないという展開になりました‼︎龍之介が自分達の無実を証明したから、そして女子達がキレた理由がその後の龍之介がセクハラ発言をしたから、という理由で覗きには至りませんでした。

 この理由から原作とはかなり展開が変わります。よろしくお願いします。

 最後に、評価・感想をお願いします。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第三十三問 飲み会

バカテスト ギブアップ

願 何か問題を出して下さい。


姫路瑞希の問題

『 金閣寺を建てた室町幕府第3代目の将軍の名前を答えてください。 』

教師の解答

足利義満ですね。


蕨屋敷爽の問題

『 スロットの台の設定(勝てる台かどうか)を見抜くにはどのようにすればいいでしょう? 』

教師の解答

演出などがどの時にどの確率で起きるかを計算して判別します。最近では設定の判別ツールなんかもあるようですね。


吉井明久の問題

『 塩と水だけの生活に飽きた時はどうすれば良いでしょう。 』

教師の解答

家にあるゲーム機を売るのがいいと思います。


鷹狩龍之介の問題

『 Fクラスの女子2人に虐められた時はどうすればいいでしょう? 』

教師の解答

今までの自分の行いを反省して謝ればいいと思います。


木下優子の問題

『 ナビエ・ストークス方程式の解の存在と滑らかさについて答えなさい。 』

教師の解答

未解決問題を出すのはやめて下さい。


  side 龍之介

 

 俺たちは瑞希と美波に脅迫の概要を話していた。

 

龍之介「ということで、明日から2人にはお風呂の時に、お尻に火傷の痕がある女子生徒を探して欲しいな〜。」

姫路「わ、分かりました!そういうことだったんですね!」

美波「時間的にD・Eクラスの生徒しか確認出来ないけどね。」

龍之介「それでもよろしく〜!」

雄二「頼むぞ。」

 

 ということで、女子2人の協力も得られたから万々歳だ!これで話すべきことは終わり!そう思ったそのとき、

 

爽「パチンコを打ってたら遅くなった。」

 

 やっと復讐相手がやってきた。これで俺が合宿に来た意味が生まれたよ‼︎やったね‼︎

 

龍之介「それじゃあ用件も終わったので、飲み会をやるか‼︎」

明久・雄二・ムッツリーニ・秀吉「「「「イェ〜イ‼︎」」」」

姫路・美波「「えっ⁉︎」」

爽「心得た。」

龍之介「ほらほら2人とも座って!消灯時間まではかなりの猶予があるからさ!それに未成年用のソフドリもあるからさ!」

美波「あ、ありがとう!」

姫路「ありがとうございます‼︎」

龍之介「ということで、改めて!」

全員「「「「「「「「かんぱ〜い!」」」」」」」」

 

 飲み会のスタートだ!いや〜、これをやってみたかったんだよね‼︎

 

 

 

 さて、飲み会といえば!

 

龍之介「よし皆、野球拳をしようぜ‼︎」

美波「ウチらが居るんだけど?」

龍之介「あっ……」

 

 女子3人も参加させた〜い♪のは置いといて、あっちにするか!

 

龍之介「それじゃあ俺と爽がよくやってる飲み会用にらめっこでもやるか‼︎」

爽「心得た‼︎」

雄二「どういうルールだ?」

龍之介「ルールは簡単!口に飲み物を含んで2分以内に噴いたら負け!そうしたらこのゲテモノジュースをイッキ飲みしてもらうよ!アルコールは入ってないから安心して!」

 

 本当はお酒を飲ませるところだけど、未成年用にアレンジしたよ‼︎

 

雄二「成る程な。」

秀吉「だからこのよく分からんジュースが大量にあったのかのぅ。」

ムッツリーニ「………いかにも不味そう。」

爽「ちなみに私と貴様はどうするのだ?」

龍之介「そりゃあ俺たちは(スピリタス)に決まってるでしょ!今日こそはお前をぶっ倒してやるからな!」

爽「やれるもんならやってみろ‼︎」 

龍之介「それじゃあ行きますよ!最初は………そうだな、俺と明久で!」

明久「やってやんよ‼︎」

龍之介「それじゃあ明久が最初笑わせる側ね!」

明久「分かった!」

秀吉「タイムキーパーはワシがやるとするかのぅ。」

 

 そして俺は口いっぱいに酒を含んだ。さあ、かかってこいや、明久‼︎

 

爽「それではいくぞ‼︎」

にらめっこ不参加の6人「「「「「「に〜らめっこし〜ましょ、あっぷっぷ〜‼︎」」」」」」

 

 明久が渾身の変顔を見せてくれている。まずは顔を横に引っ張る。まあそんくらいじゃ笑わないよね〜。その次には鼻と口に割り箸をはめた。うわ〜痛そ〜。

 

明久「ん〜、マズいな〜。」

雄二「明久、真面目な話をしてみるのも一つの手だぞ。笑っちゃいけない状況だと意外と効くんだ、これが。」

明久「成る程ね!やってみるよ!じゃあ僕の悩みを話すね!」

雄二「おお、それがいい。」

明久「龍之介、ここだけの話なんだけどさ、実は僕、こう見えて…………」

 

 明久の悩み、なんだろう?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

明久「成績が悪いんだ。」

龍之介「ブホォ⁉︎」

 

 明久、テメェ‼︎それは卑怯だろ!

 

明久「ふっ。驚きを隠し切れなかったようだね!」

龍之介「隠し切れてないのはお前のバカの方だろうが‼︎」

爽「龍之介、粗相だな。」

 

 げ、これを忘れてた………

 

秀吉「爽兄よ、粗相とはなんじゃ?」

爽「飲み物をこぼしたり他人に無礼を働いたりなどをした際に行われるペナルティのイッキ飲みの事だ。全員の『S、O、S、O、SOSOそ・そ・う‼︎』という掛け声と共に粗相をした奴にイッキ飲みをさせるのだ。」

未成年全員「「「「「「なるほどね!」」」」」」

 

 そう、これって負けた人は負けた分と粗相の分で2回イッキしなきゃいけないんだよね‼︎だから超キツいよ‼︎

 

爽「それではいくぞ‼︎」

全員(龍之介を除く)「「「「「「「S、O、S、O、SOSOそ・そ・う‼︎」」」」」」」

龍之介「だっしゃぁぁぁぁぁぁ‼︎ナンボのもんじゃぁぁぁい‼︎」

 

 キッツ‼︎2杯はヤベエよ‼︎でもこうなったら明久にもあのゲテモノジュースを飲ませてやる‼︎

 

龍之介「よし、次は俺が笑わせるターンだ!」

明久「口に入れるのは?」

龍之介「それはなんでもいいよ。どうせそっちを飲ませるわけじゃないんだし。」

明久「OK!」

 

 よし、明久を絶対に笑わせてやる!そして俺は美波の肩を掴み、こう言った。

 

美波「えっ⁉︎ちょっと何、リュウ⁉︎」

龍之介「美波、聞いてくれ‼︎お前がその件で悩む必要はないんだ‼︎」

美波「な、何のこと?」

龍之介「いいか!日本にはこういう名言があるんだ!」

美波「何だろう?」

 

 さあ食らえ明久!俺の攻撃を!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

龍之介「貧乳はステータスだ‼︎希少価値だ‼︎」

明久「ブホォ‼︎」

 

 だろうね!明久なら絶対笑うと思ったよ‼︎

 

龍之介「しゃあ‼︎俺の勝ち‼︎」

明久「龍之介、それはずるいよ‼︎」

龍之介「ほら飲めや‼︎」

明久「クソ………ってかまずっ、これ‼︎」

龍之介「その中には確か、オレンジジュース、カルピス原液、煮干しで取った出汁、青汁、豚の脂、グリンピースのすり下ろし、そしてコーラが入ってるからな‼︎」

明久「ふざけんなよ‼︎」

雄二「死ぬほど飲みたくねえな。」

ムッツリーニ「………ゲテモノ‼︎」

秀吉「胃がおかしくなりそうじゃ……」

美波「最低な飲み物ね……」

姫路「出汁とか豚の脂とかがある分、ファミレスとかで作れるゲテモノジュースを軽く超えてますよね……」

 

 未成年組にもキツさを味わって貰わなきゃいけないからね‼︎

 

美波「ところでアキ、リュウ。」

龍之介・明久「「何、美波?」」

美波「ウチの胸をバカにしたのは粗相なんじゃないの?」

秀吉「明久は噴いた分も含めてもう一杯じゃ!」

龍之介・明久「「しまった〜‼︎」」

 

 クソ!そこに気付くとは!コイツは飲み会の適性があるな‼︎

 

美波「それじゃあ‼︎」

龍之介・明久以外の6人「「「「「「S、O、S、O、SOSOそ・そ・う‼︎」」」」」」

龍之介・明久「あぁぁぁぁぁ‼︎」

 

 キチい‼︎でもこれが飲み会だよね‼︎

 

龍之介「よぉぉし‼︎それじゃあ次は秀吉とムッツリーニだ‼︎」

ムッツリーニ「………やってやる!」

秀吉「ワシは演劇部じゃからのぅ‼︎そう簡単にやられると思わないで欲しいぞい‼︎」

雄二「タイムキーパーは俺がやるとするか。」

龍之介「まずはムッツリーニが笑わせる側ね‼︎」

ムッツリーニ「………分かった!」

 

 そして秀吉の口に飲み物を含ませ、にらめっこが始まった!

 

龍之介「それじゃあいくよ〜‼︎」

にらめっこ不参加の6人「「「「「「に〜らめっこし〜ましょ、あっぷっぷ〜‼︎」」」」」」

 

 さあて、ムッツリーニはどういう作戦に出るんだろ?秀吉はかなり強敵だから笑わなそうな気がするけどね。

 

ムッツリーニ「………秀吉、あのさ。」

秀吉「?」

ムッツリーニ「………鳳之介と恋人同士なんだって?」

秀吉「ブホォ‼︎お、お主、違うぞい‼︎なんて事を言うのじゃ‼︎ワシは普通に女の子が恋愛対象なのじゃ‼︎鳳之介とはただの友達じゃ‼︎」

 

 おお!アッサリと秀吉に勝ったぞ‼︎これは凄いね‼︎あと鳳之介、お前秀吉にフラれたよ♪

 

ムッツリーニ「………俺の勝ち‼︎」

秀吉「あっ!くぅ!飲むしかないのぅ‼︎………うっ、ま、マズいのじゃ……」

爽「そして貴様ら2人とも粗相だな。」

ムッツリーニ・秀吉「「あぁぁぁぁぁぁ‼︎」」

ムッツリーニ・秀吉以外の6人「「「「「「S、O、S、O、SOSO、そ・そ・う‼︎」」」」」」

ムッツリーニ・秀吉「「ぐえぇぇぇ……マズい(のじゃ)……」」

 

 粗相イベントのせいで地獄と化してるね!やっぱり飲み会はこうでなくちゃ‼︎

 

龍之介「そんじゃあ次、秀吉が笑わせる番!」

秀吉「ムッツリーニ、覚悟するのじゃ‼︎」

ムッツリーニ「………やってみろ‼︎」

 

 そして次は秀吉のターンだ!

 

秀吉「それじゃあ……」

 

 そう言って秀吉は………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

上着を脱ぎ始めた‼︎エロっ‼︎しかもそれ俺と明久が興奮しちゃうよ‼︎

 

ムッツリーニ「ブホォ‼︎」 バタン

 

 ムッツリーニは飲み物と鼻血を噴いて倒れた。当たり前だよね!すぐさま秀吉は自分の服を戻した。早いよ秀吉‼︎

 

龍之介・明久「「もっと見たかったよ!」」

秀吉「お主らにはあまり言われたくないのじゃがな‼︎」

姫路「き、木下君、何してるんですか⁉︎」

秀吉「色仕掛けじゃ♪」

美波「き、木下!アキとリュウとかもいるんだから気にしなさいよ!」

秀吉「本来気にするべきは姫路と島田なんじゃがな。」

 

 それにしても、ここで色仕掛を使ってくるとは……。なかなかやるな、コイツ!でもね………

 

ムッツリーニ「………う、うぅ………」

龍之介「2人とも、粗相だね〜?」

ムッツリーニ・秀吉「「あっ……」」

ムッツリーニ・秀吉以外の6人「「「「「「S、O、S、O、SOSOそ・そ・う‼︎」」」」」」

ムッツリーニ・秀吉「「ぐえぇぇぇ…………」」

 

 粗相でもう一回死ぬ必要があるよね‼︎可哀想に‼︎

 

 

 

 

 そうして楽しい時間はあっという間に過ぎていった。そして気がついたら…………

 

美波「あ、消灯時間をとっくに過ぎてる………」

 

 まさかの事態が発生した。しかも………

 

鉄人「貴様らぁ‼︎消灯時間を過ぎて何をやってるんだ⁉︎」

全員「「「「「「「「あっ……」」」」」」」」

 

 鉄人に見つかってしまった‼︎

 

鉄人「とりあえず、その飲み物は全部没収だ‼︎」

龍之介「待って下さいよ!これが無いと俺は勉強に集中出来ないんですよ〜!」

鉄人「そうか、じゃあその飲み物の代わりにこの俺が勉強に集中させてやる‼︎」

龍之介「それは無理です‼︎なんせ先生は俺のタイプじゃ無いんで‼︎」

明久「僕もです!」

雄二「俺もだな。」

ムッツリーニ「………俺も。」

鉄人「お前らには特別な指導が必要な必要なようだな⁉︎」

龍之介「それってあれですか‼︎俺に関するシュレディンガーの処女問題の解決策ですか⁉︎」

鉄人「違うわい‼︎教育的指導だ‼︎」 ドゴォ‼︎

龍之介「グファ………」 バタン

 

 あの野郎、説得出来ないからって手を上げやがって‼︎許さねえからな‼︎

 

爽「なら私が‼︎」バシッ‼︎

鉄人「そのパチンコ玉が俺に通用するとでも思ったか?」

爽「何だと⁉︎」

 

 何だコイツ⁉︎爽のゴムパチンコ攻撃を素手で止めただと⁉︎信じられねぇ‼︎

 

雄二「なら俺たちで行くぞ‼︎明久、ムッツリーニ‼︎」

明久・ムッツリーニ「「了解‼︎」」

鉄人「させるか‼︎」 ドゴォ‼︎

明久・雄二・ムッツリーニ「「「クッ……」」」

 

 あの3人もダメみたいだ……。こうなったら………

 

龍之介「秀吉、美波、瑞希!鉄人を………」

秀吉・美波・瑞希「「「すいませんでした‼︎」」」

鉄人「そうだ。それでいい。」

龍之介「のぉぉぉぉぉ‼︎」

鉄人「とりあえずこれを持って行くぞ。」

 

 クソ‼︎身体が痛くて動く事が出来ねぇ………。こうして俺たちの初日の飲み会は鉄人の乱入により中止となった………。




 ということで飲み会の話でした。酒、合宿、友達、といったらやっぱり飲み会でしょう!SOSOコールは場所によって色々ありますが、今回は僕の大学のサークル時代のものを用いました。にらめっこはぐらんぶるが元ネタです。

 そして次回は強化合宿2日目です。原作にもあった録音機による音声合成合戦をやります。お楽しみに。

 最後に、評価・感想をお待ちしております。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第三十四問 音声合成合戦

バカテスト 古典

問 次の問題に答えなさい。

『 清少納言が書いた代表的な随筆を1つ挙げなさい。 』


鷹狩龍之介の答え

『 枕草子 』

教師のコメント

正解です。『春はあけぼの、ようよう白くなりゆく山際』というフレーズは有名ですね。


蕨屋敷爽の答え

『 ハゲはあけぼの ようよう白くなりゆく生え際 』

教師のコメント

全国のお爺さんに謝ってください。


吉井明久の答え

『 中学2年生の時に書いた必殺技の名前集 』

教師のコメント

それが代表作になったら悲惨ですね。


  side 明久

 

 飲み会が失敗した次の日である強化合宿二日目、今日はAクラスとの合同学習なんだよね〜。学習内容は基本的に自由なんだ。まあAクラスとFクラス同じ授業じゃ無理だもんね〜。まあ僕はどっちの授業でも結局分からないからあんまり変わらないけど。

 

 ちなみに、今のグループ分けはこうなってるよ。

 

 

 

Aグループ 龍之介、明久、ムッツリーニ、愛子、姫路、美波

 

Bグループ 雄二、翔子、爽、秀吉、鳳之介、久保

 

風邪で休み 優子

 

 

 

 僕のグループで工藤さんだけあまり面識がないんだよね〜。

 

明久「えっと、工藤さんだっけ?」

愛子「そうだよ吉井君。」

明久「改めて自己紹介『やらない』?僕はFクラスの吉井明久です。よろしくね。」

愛子「それじゃあ改めて自己紹介させてもらうね〜。Aクラスの工藤愛子です!趣味は水泳と音楽鑑賞でスリーサイズは上から78・56・79。特技はパンチラで好きな食べ物はシュークリームだよ。」

 

 ん?何か魅惑的なセリフが混ざってるような…?Aクラス戦のときに言ったことも気になるし〜。よし、聞いてみよう!

 

明久「えっと、工藤さんの得意教科って確か…」

愛子「さてはキミ〜、疑ってるね?」

明久「う、うん。」

愛子「ならここで披露してみせよっか♪」

 

 マジで⁉︎でもこういう時にいつもは鼻血を出して倒れるアイツが大人しいような……

 

ムッツリーニ「………明久、工藤愛子に騙されないように。」

明久「あれ?ムッツリーニ?随分と冷静だね。僕ですら『こんなにドキドキしてるんだ』からてっきり鼻血の海に沈んでいるんだと思ったのに。」

ムッツリーニ「………ヤツはスパッツを履いている‼︎」

明久「そんな⁉︎『工藤さん、僕』を騙したね‼︎」

愛子「あははバレちゃった♪流石はムッツリーニ君だね!」

 

 そんなことを工藤さんが言ってたら龍之介が突然口を開いた。

 

龍之介「ムッツリーニと工藤ってさ、なんか特別な感じがするよね〜。もしかして恋人同士なの?」

 

 え⁉︎そうなの⁉︎

 

愛子「えっ⁉︎そ、そんな事ないよ………」

ムッツリーニ「………違う。」

龍之介「へぇ〜w」

 

 龍之介がおもちゃを見るような目で工藤さんのことを見ている。コイツやっぱり性格悪いね。

 

愛子「それは置いといて、まあ特技ってわけじゃないけど最近凝ってるのはコレかな?」

ムッツリーニ「………小型録音機。」

愛子「うんコレ凄く面白いんだ〜。例えば…」

 

 ん?何をするんだろう?

 

明久(録音機)「『工藤さん、僕』『こんなにドキドキしてるんだ』『やらない』」

 

 ちょっと、何これ⁉︎

 

明久「ねえ工藤さん!僕はこんな事を言ってないよ!変なものを再生しないでよ!」

龍之介「明久、人前で堂々とセクハラ発言をするとはなかなかやるね〜。」

明久「お前にだけは言われたくないよ‼︎」

愛子「ね、面白いでしょ?」

美波「ええ、最っっ高に面白いわね。」

姫路「本当に面白いセリフですね。」

美波「瑞希、ちょっとアレを取りに行くのを手伝ってもらえる?」

姫路「アレですね?喜んでお手伝いします!」

 

 ちょっと!あの2人の地雷を踏んじゃったじゃん‼︎どうにかしてよ‼︎

 

龍之介「ちなみになんだけど、それって録音した会話を合成したやつだよね?」

愛子「うん、そうだよ!」

龍之介「なるほどね〜。」

 

 そうして龍之介は僕と隣のテーブルにいる雄二に小声で話しかけた。

 

龍之介「(もしかすると工藤が脅迫犯かもね〜。)」

雄二「(そうかもしれないな。手際が良すぎる。)」

明久「(なるほどね〜。)」

雄二「(それじゃあ明久と龍之介で犯人かどうかを聞いてくれ。)」

明久「(分かった!)」

龍之介「(ほ〜い!)」

 

 え〜っと、どうやって聞こうかな?「君が犯人なの?」と聞いてバカ正直に答える人はいないよね。ならどうやって質問しよう。相手に気取られずに犯人を特定できる質問を考えるんだ!それなら………

 

明久「工藤さん!」

愛子「何?」

明久「『君が僕にお尻を見せてくれると嬉しい‼︎』」

 

 やってもうた。

 

愛子「ぷっ、あははっ!吉井君はお尻が好きなの?それとも胸が小さいボクに気を遣ってくれたのかな?」

明久「ご、誤解だよ!別に僕は『お尻が好きって』わけじゃなくて!」

龍之介「流石だね〜明久!録音機の前でそんな事を言うなんて!」

明久「あっ………」

愛子「ごめんね!せっかくだから録音させてもらったよ!」

明久(録音機)「『君が僕にお尻を見せてくれると嬉しい!』」

明久「あぁぁぁぁ‼︎合成じゃない分大ダメージだよ⁉︎『お願い工藤さん‼︎』今のは消して下さい‼︎」

愛子「吉井君ってからかいがいがあって面白いな〜。ついつい苛めたくなっちゃうよ〜。」

明久(録音機)「『お願い工藤さん』『僕にお尻をみせて』」

明久「うわぁぁぁぁん!僕がどんどん変態になっていくよ〜!」

 

 早くあの2人が来る前になんとかしないと!そうだ!龍之介に頼ろう!

 

明久「(龍之介、お願い!)」

龍之介「(任せろ!)」

 

 さあ、頼んだよ!

 

龍之介「工藤!」

愛子「どうしたの?鷹狩君のお兄さん?」

龍之介「『ちょっと話があるんだけどさ、合宿所の倉庫に来てくれない?』」

 

 お前も僕と言ってることあんま変わらないじゃん!

 

愛子「ぷっ!鷹狩君ったら、お金を見せながらそのセリフを言うんだね!なんかいかがわしい感じがすると思うんだけど、気のせいかな〜?」

美波「気のせいだと信じたいわね。」

姫路「まさか女子にセクハラ発言をする人だけでなく、実際に不純異性交遊を迫ろうとする人もいるとは思いませんでしたよ。そんな人たちにはきちんとしたお仕置きが必要ですね〜?」

 

 ヤバいよ!最悪の状況であの2人が帰ってきちゃったよ!どうするの⁉︎

 

龍之介「何を言ってるのさ3人とも!俺はただ倉庫に誘っただけだよ〜?そこからいかがわしい事を想像するだなんて、全く君たちはとんだスケベ女だね♪」

姫路・美波「「なっ⁉︎」」

 

 いや、実際にやろうとしてる事はいかがわしい事なんだけどね。

 

愛子「ぷはっ!やっぱり鷹狩君って面白いね〜。」

龍之介(録音機)「『ちょっと話があるんだけどさ、合宿所の倉庫に来てくれない?』」

龍之介「ほらほら〜!どう聞いても普通のセリフでしょ〜?」

愛子「そうだよね〜。どう聞いても普通にサボろうとしている人のセリフだよね〜。」

鉄人「全くその通りだな。」

 

 えっ、鉄人⁉︎いつの前に来たの⁉︎

 

龍之介「えっ⁉︎ちょ⁉︎な、なんでいるんですか⁉︎」

鉄人「見回りに決まってるだろう。それよりも、教師の前で堂々とサボり宣言をするとは、貴様もなかなかいい度胸してるな?」

龍之介「えっ⁉︎いや、あの、これはですね……」

鉄人「そんな貴様には俺が特別に課題を課してやろう。」

龍之介「ちょっと待って下さいよ〜‼︎」

美波「アンタにはお似合いね。」

姫路「頑張って下さい♪」

龍之介「クソぉぉぉぉぉ‼︎」

 

 ということで龍之介にだけ特別課題が与えられた。なんかごめんね。

 

 

 

 

  side 龍之介

 

 畜生、工藤の奴め‼︎俺をハメやがって‼︎絶対に許さないからな‼︎

 

 

 まあそれより、あの録音機について聞いてみるか。脅迫の件を隠すためにさらっとね!

 

龍之介「ところで工藤はさ〜、その録音機を何に使ってるの?珍しい物だから気になっちゃって。」

工藤「授業の録音機だよ。復習するときに便利だからね!」

 

 まあありきたりな理由だね。ちょっとばかり真面目すぎるとは思うけどね。でもAクラスでも上の方の成績なんだし、相応の努力はしてるのかな?

 

龍之介「ちなみに彼氏であるムッツリーニはこの事を知ってたの?」

ムッツリーニ「………彼氏じゃないけど知らん。」

愛子「だ、だからムッツリーニ君は彼氏じゃないって‼︎」

龍之介「じゃあなんでそんなに動揺したの?もしかして好きなの?」

愛子「えっ……あっ……ち、違うって!」

龍之介「へぇ〜。そうは見えないけどな〜?」

愛子「た、鷹狩君の勘違いだよ!」

龍之介「そうなのか〜。よし、それじゃあここではそう言うことにしといてあげる‼︎」

 

 よし、さらっと俺をからかった工藤への復讐が完了したぞ!人をからかうならちゃんと自分がからかわれる覚悟を持たないとね‼︎

 

 

 

 さてと、本題に戻るか〜。火傷の話題を振ればお尻の火傷の痕を話してくれたりするのかな?

 

龍之介「そういえば保健体育が得意な2人に聞きたいことがあったんだよね〜。」

ムッツリーニ・愛子「「何?」」

龍之介「火傷をしたときの対処法ってなんだっけ?」

ムッツリーニ「………手切れ金を払う。」

龍之介「なるほど………ってそれは大人の火遊びでしょ‼︎俺が聞いてるのは普通のやつだよ!」

愛子「えっとね、それは急いで水で冷やすことかな〜。もし火傷をした場所が流水で冷やせない部分の場合は、患部に清潔なタオルをかけてから水をかけることが多いね。」

 

 やっぱり工藤って根は真面目なんじゃ?凄い普通の答えが返ってきたね。

 

龍之介「なるほどね〜。ありがとう!」

愛子「ど〜も!それにしてもさ、成績優秀な鷹狩君がそんな事を聞くなんて珍しいよね〜。知ってると思ったのに。もしかして何かあったの?」

 

 まあ普通そう思うよな〜。だからここは適当に誤魔化すか〜。

 

龍之介「最近俺の兄貴と爽の兄貴が、『世はまさに性癖大航海時代だ‼︎』って言いながらM用の風俗に初めて行ったんだけどね。その時にろうそくを垂らすプレイをしてたら火傷をしたのさ!」

愛子「えぇ……。そうだったんだね……」

ムッツリーニ「………ある意味すごいな。」

美波「リュウ、アンタどんな話をしてるのよ……」

 

 実はこの内容、前半は合ってるんだよね。あまりにも堂々と言うもんだから、その時の俺は性癖大航海時代じゃなくて性癖大公開時代だと勘違いしちゃったんだよね。

 

龍之介「そういえば、2人は最近火傷をしたことがあったりする?」

ムッツリーニ「………無い。」

愛子「ボクも無いかな〜。」

 

 成る程ね。それじゃあ工藤が犯人である可能性は低いね。流石に脅迫犯本人が、俺たちが自分の尻に火傷の痕がある事を知ってるとは思えないしね。

 

龍之介「成る程ね〜。よし、それじゃあ次の質問にいくね!」

 

 もちろん最初の火傷の件が目立たないようにするためのカモフラージュだね。こうして俺は鉄人が来るまで2人に質問をしながら保健体育の勉強をした。

 

 

 

 

 鉄人からの課題も終えた夕方、俺たちは脅迫犯調査についての作戦会議をしていた。

 

雄二「今日の感じから、工藤は犯人ではなさそうだな。」

龍之介「そうだね〜。」

ムッツリーニ「………そもそも工藤は振り分け試験の直前に転校してきた。」

美波「ウチと工藤さんはお互いに面識がないからね〜。」

姫路「私もです。彼女には脅迫をする動機がありません。」

明久「ちなみに秀吉は?」

秀吉「何故ワシが女子のカテゴリーに入ってるのじゃ?」

明久「まあまあ!とりあえず答えてよ!」

秀吉「えっと、工藤は姉上とは仲が良いがワシとは喋ったこともないぞい。」

明久「なるほどね〜。」

 

 まあ確かに。っていうかよくよく考えたら工藤が犯人なのはおかしいよね。

 

雄二「ということで、昨日言った通り、姫路と島田には尻に火傷の痕がある生徒を探して欲しい。」

美波・姫路「「了解(です)‼︎」」

雄二「あとは姫路達と風呂の時間が被っていないA・B・Cクラスの誰かに協力を依頼したいんだが……」

龍之介「工藤に頼む?」

雄二「それはありだな。ムッツリーニ、工藤を呼んでくれ。」

ムッツリーニ「………分かった。」

 

 ということで工藤を召喚した。

 

愛子「話って何かな?」

龍之介「実はかくかくしかじかで〜。」

愛子「なるほどね。それでボクにA・B・Cクラスの中からその生徒を探して欲しいわけね。」

龍之介「そういうこと!それじゃあよろしくね〜。」

愛子「は〜い!」

 

 よし、これであと3日かければ自然と犯人は見つかるだろう!

 

美波「あとさ、一個気になったんだけど……」

雄二「何だ?」

美波「もし犯人を見つけたときはどうすればいいの?」

雄二「俺たちの部屋に呼び出して偽プロポーズの音源を消して貰うか。」

明久「それと、先生に報告をしなきゃね!」

龍之介「いや、それはしなくていいかな〜。」

龍之介と雄二以外「「「「「「「えっ⁉︎」」」」」」」

 

 どうやら俺のやりたい事を察してくれたのは雄二だけみたい。

 

雄二「脅迫犯を利用するつもりだな?」

龍之介「正解‼︎さすが雄二だね!汚い事を考えさせたら右に出る者はいないと思うよ‼︎」

雄二「いや、お前にだけは言われたくないな。」

爽「貴様らはゲスコンビだな。」

明久「そうだね〜。」

龍之介「おいおい2人とも、人聞きが悪いな〜。」

雄二「知略に富んでると言え。」

 

 俺たちの奴隷………じゃなかった、協力者を増やせるチャンスだからね!

 

雄二「それでは女子3人の健闘を祈る。」

他男子「「「「「よろしく‼︎」」」」」

美波「ウチらに任せて!」

姫路「必ず探し出してみせます!」

愛子「ボクも頑張るよ!」

 

 ということで女子3人はそれぞれ自分の部屋に戻った。そして、

 

鉄人「お前達、女子風呂のカメラと盗聴器について話がある。」

 

 その3人と入れ違いになるように鉄人がやってきた。




 ということで音声合成合戦でした。龍之介の影響であまり酷い事にはなりませんでしたね。彼自身は酷い事になりましたけど。

 ちなみに龍之介は自分で飲む用の酒だけは許可してもらいました。まあ酒がないと彼は勉強どころではありませんからね。

 最後に、評価・感想をお待ちしております。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第三十五問 お酒奪還戦争・初日

強化合宿の日誌

強化合宿二日目の日誌を書きなさい。


姫路瑞希の日誌

『 今日は少し苦手な物理を重点的に勉強しました。いつもと違ってAクラスの人たちと交流しながら勉強もできたし、とても有意義な時間を過ごせました。 』

教師のコメント

Aクラスと一緒に勉強することで姫路さんに得られるものがあったようで何よりです。


鷹狩龍之介の日誌

『 今日は少し得意な物理を中心に勉強しました。いつも同じで鉄人と交流しながら勉強できましたし、とても有意義な時間を過ごせました。なのでこれを明日の実験に活かしたいと思います。 』

教師のコメント

西村先生の指導はさておいて、鷹狩君は明日何をするつもりなのですか?


土屋康太の日誌

『 前略 夜になって寝た。 』

教師のコメント

前略はそうやって使うものではありません。


吉井明久の日誌

『 全略 』

教師のコメント

あまりに豪快な手抜きに一瞬言葉を失いました。


蕨屋敷爽の日誌

『 断る。 』

教師のコメント

断らないで下さい。


  side 龍之介

 

 自分たちの部屋に戻った女子3人と入れ違いになるように鉄人がやってきた。

 

鉄人「お前達、女子風呂のカメラと盗聴器について話がある。」

雄二「犯人が見つかったのか?」

鉄人「いいや。それが見つかってないんだ。」

龍之介「それなら指紋でもなんでも警察に調べさせりゃいいんじゃないですか?」

鉄人「それがそういう訳にもいかないんだ。学園内に盗撮犯がいることを外部に漏らす訳にはいかないからな。」

 

 なるほどね〜。この話が外に漏れたら文月学園の評判がめちゃくちゃ悪くなるからね〜。

 

雄二「なるほどな。それなら俺達に何の用だ?」

鉄人「お前達がやったのだと思ってな。」

龍之介「その件は昨日俺が小山たちに話した通り、俺たちが犯人ではありませんよ。アリバイは正面玄関に来ていたトラックです。アレって俺が昨日の酒を搬入するのに使ったんですよね〜。ちなみにその時には秀吉も明久も一緒でした。」

鉄人「なら他の3人はどうしていた?」

爽「私は昨日深夜にここに到着した。だから女子風呂にカメラ等を仕掛けることなど出来るはずがない。」

雄二「俺とムッ……土屋はずっとこの部屋に居たな。」

ムッツリーニ「………女子風呂の場所すら知らない。」

鉄人「なるほどな。」

龍之介「逆に俺たちがやった証拠でもあるんですか?」

鉄人「いや、無いな。」

 

 まあ盗撮犯がいるとなれば流石に先生たちも動くよね。だから昨日ああやって女子風呂の前に防衛線を張ってた訳だし。

 

 

 こうなると先生たちとも協力をしたいんだけどね。ムッツリーニの盗撮や盗聴が結構絡んでるから無理なんだよね。バラすと今度はムッツリーニの立場が危うくなるし。

 

雄二「まあとにかく、俺達は犯人ではないぞ。」

鉄人「分かった。そこまで言うなら信じてやろう。」

龍之介「ありがとうございま〜す!それじゃあ、先生方は引き続き犯人の捜索を頑張って下さいね〜。」

鉄人「ああ。それじゃあまた明日な。」

龍之介「は〜い!」

 

 ってそうだ!鉄人に聞くことがあったんだ!

 

龍之介「あ、ちょっと待って下さい!」

鉄人「どうした鷹狩?」

龍之介「昨日の飲み物を返して下さい‼︎」

明久「僕からもお願いします!」

ムッツリーニ・雄二「「俺からも‼︎」」

爽「私からも頼む。」

秀吉「ワシからもじゃ!」

鉄人「断る。どうせまた馬鹿騒ぎをするつもりだろう。これは俺が回収して保管しておく事にした。」

龍之介達6人「「「「「「そんな〜‼︎」」」」」」

鉄人「それでは今夜はくれぐれも騒ぐ事がないようにな。」

龍之介達6人「「「「「「は〜い……」」」」」」

 

 と言って鉄人は去った。どうやらみんなも飲み会を奪われて結構ショックだったみたい。

 

龍之介「だとさ〜。」

爽「成る程な。」

雄二「俺達に飲み会をするなと言ってるようなもんだな。」

秀吉「そうじゃの。」

明久「全く、鉄人も酷いやつだよ!」

ムッツリーニ「………そうだな。」

龍之介「さ〜て、それじゃあ………」

 

 やることは一つだ‼︎

 

 

 

 

 

 

龍之介「焼き討ちに行くぞ‼︎」

爽「奴の部屋を知る者は?」

ムッツリーニ「………お任せ下さい!」

明久「よくやった‼︎」

秀吉「お主には後で褒美を取らすのじゃ。」

雄二「いいか‼︎絶対に奴から飲み物を奪還するのだ‼︎」

他5人「「「「「オー‼︎」」」」」

 

 こうしてお酒奪還戦争が始まった。

 

 そして俺たちは鉄人部屋の近くまで来たのだが………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

高橋「貴方達、ここで何をやっているんですか?この辺は先生方の部屋しかありませんよ?」

 

 まさかの学年主任の登場!誰もが知る超強敵だ。さて、ここはどうやって説得するか……

 

雄二「西村先生に用があってきました。」

 

 雄二、ナイス‼︎さて、相手はどう出るかな?

 

高橋「なるほど。しかし今は西村先生は居ないんですよね。ですのでまた後でお願いします。」

 

 なるほどね〜。そう来るのか!なら………

 

龍之介「すいません!雄二の発言をちょっと訂正します‼︎俺たちは西村先生の『部屋』に用があって来ました!」

 

 さあ、通せ!

 

高橋「なるほど、彼から聞いていた通りですね。でしたらここを通す訳にはいきません‼︎試獣召喚《サモン》‼︎」

 

 無理でした!ざ〜んねん♪

 

高橋「ちなみに教師の召喚獣は観察処分者と同じく物理干渉が出来ますからね。通ろうとしても無駄です!」

 

 そういえばそうだったね!ならここは………

 

龍之介「俺と雄二で高橋女史を相手にする‼︎他の4人は先を急げ‼︎試獣召喚《サモン》‼︎」

雄二「試獣召喚《サモン》‼︎」

他4人「「「「了解‼︎」」」」

高橋「ここは通しません‼︎」

龍之介・雄二「「させるか‼︎」」

高橋「くっ……」

 

 よし、なんとか4人を先に行かせる事が出来た!あとは………

 

 

 

総合科目

 

Fクラス

    鷹狩龍之介 6217点

     坂本雄二 3724点

      VS

教師

     高橋洋子 16425点

 

 

 この化け物をどう相手するかだ。

 

 

龍之介「まさかこの間学年6位だった俺の点数の倍以上あるとは……」

雄二「出来て多少の時間稼ぎくらいだな。」

高橋「では2人とも、いきますよ!」

 

 そうして主任の召喚獣は武器である鞭を振り始めたのだが………

 

雄二「クソ‼︎全然目で追えねえ‼︎」

高橋「まだまだいきますよ‼︎」

 

 攻撃がめちゃくちゃ速い‼︎しかも俺の武器はビール瓶で雄二の武器はメリケンサックだから射程が長い鞭とは相性最悪だ‼︎

 

雄二「クソ!こうなったら龍之介、腕輪の力を使ってくれ!俺はその間に隙を見て攻撃する!」

龍之介「分かった!」

 

 よし、隙を見て………

 

龍之介「《酒鉄砲》‼︎」

高橋「くっ……‼︎」 フラフラ

龍之介「命中‼︎」

 

 教師の召喚獣も物理干渉が出来る都合上フィードバックがある!そして俺の酒鉄砲で飛ばすのはもちろんスピリタス‼︎だからフィードバックだけでも主任を酔わせる事が出来るのだ‼︎

 

龍之介「いけぇぇぇぇ‼︎」

雄二「オラァ‼︎」

高橋「くっ……!」 フラフラ

 

 よし、攻撃が効き始めている!主任があまり酒に強くないのもあって動きも鈍ってきたぞ!これなら倒すまではいかなくてもなんとか足止めくらいは出来そうだ‼︎

 

 

Fクラス

    鷹狩龍之介 4215点

     坂本雄二 2017点

      VS

教師

     高橋洋子 10745点

 

 

 

 

 

  side 明久

 

 さて、僕たちは鉄人の部屋に向かっているわけだけど……

 

大島「そこで止まれ。」

ムッツリーニ「………大島先生!」

 

 保健体育の大島先生まで現れた。確かムッツリーニの師匠ともいえる存在だ。ここはムッツリーニに任せよう!

 

ムッツリーニ「………大島先生。」

大島「なんだ?」

ムッツリーニ「………これは飲み物の強奪じゃない。」

大島「それならなんと言うんだ?」

ムッツリーニ「………これは、家庭科の実習‼︎」

大島「試獣召喚《サモン》だ。」

 

 残念ながら説得は失敗に終わった。

 

ムッツリーニ「………試獣召喚《サモン》」

秀吉「教師相手に1人は辛かろう‼︎試獣召喚《サモン》‼︎」

 

 

 

保健体育

 

Fクラス

     土屋康太 734点

     木下秀吉 23点

      VS

教師

     大島武  874点

 

 

 

 ムッツリーニをも凌ぐ点数………。流石は教師だ……。でもここは2人に任せて爽と一緒に先を急ぐことにしよう!

 

 そして鉄人の部屋の前に辿り着くと、中からまさかの本人が出てきた‼︎

 

明久「先生⁉︎今はいないんじゃなかったんですか⁉︎」

鉄人「あれはお前達を試すための嘘だ。さあ吉井、蕨屋敷、かかってこい‼︎」

明久「試獣召喚《サモン》‼︎」

 

 あれ?爽はともかく鉄人はなんで召喚獣を出さないんだろう?

 

明久「先生、召喚獣はどうしたんですか?」

鉄人「俺は色々あって今点数がないんだ。だからこれでいく!」

明久「まさか僕の召喚獣が人に触れる特別製だった事忘れてます?」

鉄人「阿呆。我が校初で唯一の問題児の事を忘れるわけがあるか!」

明久「なるほど、それじゃあ遠慮なくいきますよ!」

鉄人「かかってこい!」

 

 あとは爽はさっきから何をしようとしてるのだろう?

 

明久「爽、どうしたの?」

爽「すまん明久、龍之介に確認をとっていただけだ。」

明久「何の?」

爽「体罰教師相手には体罰で挑め、とな。」

明久「なるほどね!それじゃあ……」

爽「貴様の予想通りだ‼︎西村、覚悟しろ‼︎」

 

 そう言って爽は鉄人の股間目がけてパチンコ玉をぶっ放した‼︎これなら………

 

鉄人「甘いな。」 ガシッ‼︎

爽「なっ⁉︎私のパチンコ玉を素手で受け止めただと⁉︎あり得ぬ‼︎」

鉄人「残念だな蕨屋敷。それがあり得るのだ。」

 

 爽のパチンコ玉に対応できるのか⁉︎流石は鉄人だ……。だったら僕と爽で協力して倒してやる!

 

明久「いくよ爽‼︎」

爽「心得た‼︎」

 

 そして僕の召喚獣は鉄人に近づき………

 

明久「くらえ‼︎」

爽「私のもだ‼︎」

 

 僕は鉄人の脇腹に、爽は股間に攻撃をした‼︎これなら………

 

鉄人「ふんぬ‼︎」 バシン‼︎

明久「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ‼︎」

 

 召喚獣越しに殴られた………。フィードバックで身体が痛い………。

 

鉄人「残念だな、蕨屋敷!」

爽「片手で止められただと⁉︎なら数連発だ‼︎」

鉄人「貴様の攻撃は防いでさえしまえばあとは楽だ‼︎さあ蕨屋敷、歯を食いしばれぇ‼︎」 ドゴォ‼︎

爽「ぐわぁぁぁぁ‼︎」 バタン

 

 うっ………。2人ともやられてしまった……。

 

鉄人「なに、俺も鬼ではない。きっちり指導を終えたら解放してやる。そっちの4人もな。」

明久・爽「「へっ?」」

高橋「西村へんへえ、連れてきまひた〜」

雄二「すまん、やはり高橋女史には勝てなかった……」

龍之介「フィードバックで酔わせて弱体化させる事は出来たんだけどね〜。」

大島「こっちも連れて来ました。」

秀吉「やはり教師は強いのぅ……」

ムッツリーニ「………無念。」

 

 全員ダメだったみたい………

 

鉄人「さて、まずは英語で反省文でも書いてもらおうか。文法や単語を間違えたらやり直しだ‼︎終わった者から風呂に入って寝ても良し‼︎」

 

 ということで僕たちの強化合宿二日目は幕を閉じた。

 

 

 

 

 翌朝、僕は目覚めると………

 

秀吉「ん……」

明久「んなっ⁉︎」

 

 そこにはとても綺麗な秀吉の寝顔があった♡

 

 僕と秀吉との顔の距離はほんの数センチ、キスまで後一歩の状態だ!どどどどどうする⁉︎これはまたとないチャンスだ!今なら事故を装ってイケる‼︎でもこういうのは相手の同意がないとマズい気もする………。

 

悪魔明久「やっちゃえよ!お前はいざっていう時に出来る男だろう?」

 

 ハッ⁉︎貴様は僕の中の悪魔!また僕を悪の道に引きずり込もうとしているな⁉︎

 

明久「やっぱりダメだ!僕にはそんな卑怯な真似は出来ない!」

悪魔明久「よく考えろよ。同じ布団で寝てるんだぞ?これはもう何もしない方が失礼だと思わないか?」

 

 う……、それはそうだけど………

 

天使明久「悪魔の言葉に耳を貸しちゃダメだよ!秀吉は明久が『ホモ野郎』だと信じて布団に入ってきてるんだからね!」

 

 僕の中の天使、君はもう永遠に出てくるな。

 

悪魔明久「さ、一気にいっちゃえよ!秀吉も待ってるんだぜ?」

明久「そ、そうだね。あまり待たせても悪いし……」

 

 そうきて僕は秀吉とキスをしようとすると………

 

 

 

 

 

 

 後一歩のところで夢から覚めた。ってかあれは夢だったんかい‼︎そうして目を開けた先には………

 

龍之介「zzzzzzzz」

明久「くさっ⁉︎」

 

 かなり老けている龍之介の寝顔があった。しかも寝息がめちゃくちゃ酒臭い。二人の距離はほんの数センチ、大惨事まで後一歩の状態だ。

 

悪魔明久「やっちゃえよ!お前はいざって時に出来る男だろう?」

明久「やめて‼︎まるでこれが本番かのように夢と同じセリフを使わないで‼︎」

天使明久「分かった。僕はもう止めないから思いっきりやっちょいなよ……」

明久「天使!貴様は夢と同じセリフを言え‼︎」

 

 コイツ絶対堕天使だろ。役に立たなすぎるよ。こうして僕の強化合宿3日目は始まった。

 

 

 

 朝飯を食べている時に、昨日女子風呂でお尻に火傷の痕がある生徒を調査してくれてた美波、姫路さん、工藤さんの3人が僕たちのところに来た。

 

雄二「それで、誰かいたか?」

美波「美春だったわ。」

姫路「清水さんでしたね。」

愛子「A・B・Cクラスには該当者がいなかったよ。」

 

 Dクラスの清水さんだったのか………。まあ確かに彼女は美波の事が好きだからね。いつも近くにいる僕や龍之介に嫉妬をするのも分かる。

 

雄二「それじゃあ、清水を俺達の部屋に呼びつければいいのか?」

龍之介「そうしよう!時間は夕方でいいよね?」

雄二「そうだな。それじゃあ島田が呼んでおいてくれ。ただし話があるとだけ言え。」

美波「りょ〜かい!」

 

 ということで脅迫犯が見つかったよ!やったね!

 

 

 

 朝飯を食べてる途中、龍之介が姫路さんと美波を呼んだ。

 

龍之介「2人とも、ちょっと協力してくれないかな?」

美波「何よリュウ?」

龍之介「実験のTAを頼みたいのさ。」

美波「TAって何?」

姫路「ティーチングアシスタントの略です。要は実験の補佐みたいなものです。」

龍之介「そのと〜り♪」

美波「なるほどね。」

龍之介「それじゃあ2人はご飯を食べ終わったら俺のところに来てね。」

美波・姫路「「了解(です‼︎)」」

 

 実験?何をするつもりなんだろう?僕たちはそれを不思議に思いならが朝飯を食べた。

 

 

 

  side 龍之介

 

 さて、実験の準備が出来たぞ。いよいよ爽への復讐の時だ‼︎




 ということでお酒奪還戦争vs教師が始まりました‼︎原作では風呂覗きのために頑張るのですが、本作ではこれのために色々頑張ります‼︎もちろん同時進行で脅迫犯の特定も行われていますよ。

 そして次回は爽への復讐回です。果たしてどうやって復讐をするかは次回のお楽しみに!

 最後に、評価・感想をお願いします。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第三十六問 シャルピー衝撃試験

バカテスト 生物

問 次の問題に答えなさい。

『 DNAの塩基配列に使われる4つの塩基の名前を答えなさい。 』


鷹狩龍之介の答え

『 アデニン グアニン チミン シトシン 』

教師のコメント

正解です。二重螺旋構造の対になるのはそれぞれアデニンとチミン、グアニンとシトシンですね。


島田美波の答え

『 ジッタン バッタン ボストン オトン 』

教師のコメント

語尾が『ン』である事だけは覚えてたようですね。


蕨屋敷爽の答え

『 ジャン ケン ポン アイコデション 』

教師のコメント

グーを出したので先生の勝ちですね。


吉井明久の答え

『 グー チョキ パー 』

教師のコメント

みんなじゃんけんが好きですね。ただ吉井君、そもそも数が合ってないことに気付いてください。


  side 明久

 

 朝食を食べ終えたあと、今日の自習室に着くと、そこには大量の大きな振り子のようなものがあった。そして先に着いていた龍之介が口を開いた。

 

龍之介「Fクラスの皆、そろそろ自習にも飽きてきたでしょ?」

 

 僕は最初から飽きてたけどね。

 

龍之介「そんな皆の学習意欲を高めようと、これからある実験を行おうと思う!」

 

 実験か〜。確かにちょっと面白そうだね〜。

 

龍之介「その名も、『シャルピー衝撃試験』だ‼︎」

 

 うわ〜。名前的にいかにも難しそう。それにしても、実験を自分で計画するなんて、本当にコイツ勉強だけは出来るんだな〜。

 

龍之介「それではTAの2人、プリントを配ってくれ!」

姫路・美波「「は〜い!」」

 

 ということで姫路さんと美波が配ったプリントには班分けと実験の概要が書かれていた。班のメンバーは僕、雄二、爽、秀吉の4人だ。ムッツリーニは別の班みたい。僕たちが実験機材のある場所まで行くと、龍之介が実験の説明を始めた。

 

龍之介「この実験は、位置エネルギーの差から物体の破壊に用いたエネルギーを求めるものだ!具体的な手順はこのと〜り!

 

 

①試験片を下に置く

②ハンマーがついた振り子を所定の高さから落とす

③下に置いてある試験片に衝突させる

④ハンマーが振り上がる高さを測定する

⑤ ②と④で計測した高さ(角度)から試験片の破壊に用いたエネルギーを計算する

 

 

さて、何か質問は?」

 

 う〜ん!よく分からん‼︎

 

雄二「名前の割に単純な実験だな。」

爽「私でも出来そうだな。」

秀吉「ワシでもやれる気がするぞい!」

 

 マジで?

 

明久「えっ⁉︎なんでみんな分かるの⁉︎」

雄二「なんで逆に分からないんだよ。ハンマーを下ろして試験片をぶっ壊すだけだろ。」

明久「そ、そういう事だったんだ……」

 

 僕のバカがバレちゃったね……。

 

雄二「まあFクラスにはこのくらいの単純な実験がお似合いだろう。」

爽「そうだな。かなりつまらんとは思うが。」

秀吉「そうじゃの。」

 

 さらには他の班の人まで………

 

須川「なんか思ったよりつまらんな。」

横溝「だな。」

ムッツリーニ「………俺でも出来そう。」

 

 そしてこれを聞いた龍之介が何故か突然笑顔になった。

 

龍之介「ほほう!皆はこの実験がつまらないと!」

全員「「「「ああ。」」」」

龍之介「そうかそうか!それではちょっと面白くしてやろう!明久!この座布団を使ってくれ!」

明久「え?僕が?座りながら実験をするの?」

龍之介「いや違うよ!ちょっと失礼!」

明久「えっ……」 バタン

 

 

 

 

 

 目を覚ますと、僕は試験機に固定されていた。しかもハンマーで試験片が吹っ飛ぶ場所に………。股間に座布団を巻いてあるのがせめてもの温情だろう………。

 

龍之介「それでは皆‼︎実験の課題として股間を痛打しない高さを計算するように‼︎これならスリルがあって面白いでしょ?」

 

 コイツ、なんて恐ろしい事を考えるんだよ‼︎

 

雄二「これもう罰ゲームじゃないか‼︎」

明久「拷問じゃん‼︎」

秀吉「芸人でももう少し優しい機材でやるぞい‼︎」

爽「貴様は人間か‼︎」

ムッツリーニ・須川・横溝「「「許さない‼︎」」」

龍之介「別にいいだろ?だって………」

 

 どこがだよ‼︎

 

龍之介「全員股間(ソレ)を使う機会があるわけでもないんだしさ〜‼︎」

全員「「「「喧嘩売ってんのかコラ⁉︎」」」」

 

 自分は風俗で使ったからって調子に乗るんじゃないよ‼︎あと美波と姫路さんがアシスタントやってるのは股間をやられてもダメージが無いからかよ‼︎ふざけんなよ‼︎

 

龍之介「試験回数は四回。一度でも試験片を破壊できなかったらその班の人全員の股間を俺がハンマーで直接叩く‼︎」

 

 ちょっと!サドンデスかよ!失敗したらもっと痛いじゃん‼︎絶対に気絶しちゃうよ‼︎

 

爽「あの糞野郎め‼︎」

秀吉「しかし四回もやるとはのぅ……」

雄二「最後まで明久の股間がもてば良いが……」

明久「ちょっと⁉︎皆でだよね⁉︎皆で一回ずつだよね⁉︎」

秀吉「しかしどうするのじゃ?」

明久「一回でも失敗したらアウトとなると……」

爽「ひよった高さでは挑戦出来ないな。」

雄二「となると…………

 

 

 

・一回目 データがないので念のために間違いなく破壊できる高さで試す

 

・二回目 一回目のデータを元に測定誤差を考慮し、若干下げた高さで試す

 

・三回目 測定誤差のデータも考慮した高さで試す

 

・四回目 三度のデータを用いてギリギリの高さで試す

 

 

という感じだな。」

 

明久「なるほどね〜。つまり………」

明久・雄二・爽・秀吉「「「「一回目は確実に死ぬ‼︎」」」」

雄二「じゃあ準備が出来てる明久からだな。」

爽「そうだな。」

秀吉「そうじゃの!」

明久「ままままま、ちょっと待ってよ皆‼︎」

 

 そうだ。これを避けるためには………!

 

 

 

明久「秀吉は女の子なんだからダメージがないでしょ!」

 

 

 

 秀吉に投げる!最初はやっぱりダメージを受けない人の方がいいよね!

 

雄二「なるほどな。」

爽「一理ある。」

秀吉「一理ないのじゃ‼︎ワシは男じゃ‼︎というかいつもは男扱いしてくれる爽兄と雄二までどうしたのじゃ‼︎」

明久「秀吉、観念しなよ〜!」

秀吉「やめるのじゃ、お主ら‼︎」

雄二「誰がやめるか。」

爽「貴様は実質女みたいなものだろう。」

明久「そうだね♪」

秀吉「くっ……かくなるうえは………」

 

 秀吉が爽の方をチラッと見た。何をする気だろう?

 

秀吉「皆よ、爽兄からやるべきじゃとワシは思うぞい‼︎」

 

 なるほどね。他の人に押し付けるのか!

 

明久「ほう。」

雄二「その理由は?」

秀吉「それはじゃの……」

爽「嫌な予感がするな。」

 

 さて、その理由………

 

 

秀吉「いずれ爽兄は姉上に手を出ぎゃぁぁぁぁ」バタン

 

 

 を言う前に爽のパチンコ玉が秀吉の股間を射抜いた。

 

爽「さて、秀吉も同意した事だし実験を始めるぞ。」

雄二「何という鬼畜クソ野郎だ。」

明久「幼馴染みに対する態度じゃないよね。」

 

 そして秀吉が試験機にセットされた。

 

秀吉「は、離すのじゃお主ら‼︎」

雄二「チッ!」

明久「これでセット完了だね!」

爽「貴様ら、実験の準備を急ぐぞ‼︎」

明久・雄二「「了解‼︎」」

秀吉「ワシの話を聞くのじゃ‼︎実は爽兄は……」

明久「機材準備できました‼︎」

爽「測定準備も出来たぞ‼︎」

雄二「よし、実験開始‼︎」

秀吉「やめるのじゃぁぁぁぁぁ‼︎」

雄二「一同、英霊に敬礼‼︎」

明久・爽「「はっ‼︎」」

秀吉「あぁぁぁぁぁぁ‼︎」

 

 こうして試験片は秀吉の股間にヒットした。

 

 

爽「150°は高すぎたようだな。」

雄二「次はもう少し比較してみるか。」

明久「いいデータが取れて何よりだね。」

雄二「それじゃあ次は……」

爽「断る。」

明久「嫌だね。」

 

 やるんだったらやっぱり四回目がいいよね。そんな事を思っていると秀吉が呻き始めた。

 

秀吉「う、うう……」

雄二「お?」

明久「どうしたの、秀吉?」

秀吉「次の……、被験者は……、ワシに………、選ばせて……、欲しいのじゃ………」

明久「ふ〜ん。」

雄二「お前が選ぶのか。」

 

 そして僕と雄二は秀吉の視線が爽に向いている事に気がついた。だから………

 

明久・雄二「「任せた。」」

爽「嫌だぁぁぁぁぁぁ‼︎」

 

 秀吉に一任した。

 

爽「私は今から優子の看病に行ってくる‼︎だから明久か雄二がやれ‼︎」

秀吉「それは父上と母上がいるから問題ないのじゃ♪」

雄二「往生際が悪いな、爽。」

明久「それでも年上なの?」

爽「年は関係ないだろぉぉぉぉぉ‼︎なあ秀吉、私と貴様は幼馴染みだよな‼︎」

秀吉「そうじゃの♪ちなみにワシは………」

 

 ん?何を言うつもりなんだろう?そして秀吉は携帯をいじって………

 

秀吉「姉上(物理の天才)からさっき答えを聞いたのじゃ‼︎」

明久・爽・雄二「「「おお!」」」

 

 なるほどね!木下さんは数学と物理なら学年一位だからね!

 

秀吉「じゃからワシの言う通りに従えば大丈夫じゃ‼︎」

爽「心得た!貴様を信じることにしよう‼︎」

秀吉「明久は試験片を、雄二は爽兄をセットして欲しいのじゃ‼︎」

明久・雄二「「了解‼︎」」

 

 そして実験の準備が完了した。

 

雄二「じゃあ秀吉、頼んだぞ。」

明久「お願いね!」

爽「私を救ってくれ。」

秀吉「分かったのじゃ!ちなみに爽兄………」

爽「どうした秀吉?」

秀吉「姉上に角度を聞いた結果じゃ!」

 

 そうして秀吉は自分の携帯を見せると、そこには…………

 

 

 

 

優子『実験器具の重さとかが分からないから角度の出しようがないわ。』

 

 

 

 

 地獄みたいな文字が書いてあった。

 

爽「謀ったな貴様ぁぁぁぁぁぁ‼︎」

 

 こうして爽の股間が破壊された。そして……

 

龍之介「爽め、ざまあみやがれ‼︎」

 

 通りすがりの龍之介が悪態を吐いて去った。コイツ、爽への復讐が目的だったのか………

 

 

 

雄二「確かに計算のしようがないな。」

秀吉「その通りじゃ!」

明久「ちゃんと木下さんには聞いてるから親切だよね。」

爽「ど……こ……が……だ……」

 

 さて、次の標的を決めないと‼︎

 

明久「それより、次は雄二だよね?」

雄二「何を言うか、明久だろ?」

明久「雄二が霧島さんに手を出す前にその股間を潰しておかないとね‼︎」

雄二「明久は使う機会がないんだからいいだろ⁉︎」

明久「あ⁉︎」

爽「貴様ら、冷静になれ。式から計算して導けば良いとは思わないのか?」

明久・雄二・秀吉「「「確かに。」」」

 

 最初からそうしてればよかったんじゃ………

 

爽「ということで次は計算が出来ない明久だ。」

秀吉「雄二はこの中では一番成績が良いからのぅ。」

明久「ちょっとやめてよぉぉぉぉぉ‼︎」

雄二「安心しろ明久。」

明久「何、雄二?」

雄二「過去に神童と呼ばれた俺の力を見せてやる‼︎」

 

 そこまで雄二が言うのなら………

 

明久「よし、任せたよ!」

雄二「ああ、任された!」

 

 ということで僕は試験機にセットされた。

 

 

 

  side 秀吉

 

 ワシはハンマーの高さをセットする係となった。そして爽兄と雄二が今計算を終えた。

 

爽「私の計算が正しければ、134°で大丈夫なはずだ。」

雄二「俺もその値になったぞ。」

秀吉「じゃあワシはそれに合わせるぞい。」

明久「ねえ、2人とも本当?」

雄二「安心しろ明久。1人ならともかく2人の計算結果が合ってるんだぞ?」

爽「これなら貴様も安心だろう。」

明久「わ、分かったよ!」

 

 そうしてワシがセットした後に2人のプリントを見ると………

 

 

雄二→101°

爽→101°

 

 

 2人とも平然と嘘をついておった。

 

爽「貴様、硬いぞ。」

雄二「力抜けよ、明久。」

明久「い、嫌だぁぁぁぁぁ‼︎」

 

 こうして明久の股間が破壊されおった。

 

 

 

 さて、残すところは雄二のみとなったわけだが………

 

雄二「ほ〜い、早くセットしろ〜。」

 

 そう言われて素直にセットするような連中ではないのじゃ。雄二と試験片だけをセットした後、こう言った。

 

明久「あ、僕気づいちゃった♪」

爽「奇遇だな、私もだ。」

秀吉「ワシもじゃの!」

雄二「お前ら、どうしたんだ?」

明久「この計算結果にはね……」

爽「係数Nをかける必要があるのだ。」

雄二「係数Nだと?」

秀吉「そうじゃの!」

明久・爽・秀吉「「「憎しみ係数Nってやつをな‼︎」」」

 

 こうして雄二の股間は破壊されおった。

 

 

 

 雄二が帰ってきた後、ワシらは最後の締めを行うことにしたのじゃ。

 

雄二「お前ら、分かってるな。」

明久・秀吉・爽「「「ああ。」」」

 

 そしてワシらは龍之介に近づいて………

 

爽「龍之介!」

龍之介「どうしたのさ?」

明久「僕たちが間違ってたよ‼︎」

秀吉「実験を舐めてしまってすまないのじゃ‼︎」

雄二「俺達に物理を教えてくれ‼︎」

龍之介「ほほう!いかに自分達がバカなのかを理解したようだね!」

明久・雄二・爽・秀吉「「「「はい‼︎」」」」

秀吉「じゃから龍之介よ!」

明久「未熟な僕たちを導いて欲しい!」

爽「頼む!」

雄二「俺からもお願いするぞ‼︎」

龍之介「そうかそうか!いいだろう!特別にこの俺が教えてやろう‼︎」

 

 と龍之介が言いおったので、試験機にセットしてやったのじゃ。

 

龍之介「えっ?」

秀吉「では手本を頼むぞい。」

明久「あ、足をもっと開いてくれるかな?」

雄二「下っ腹に力入れてないと死ぬぞ?」

龍之介「ふっ……!お前達はバカだな‼︎学年6位のこの俺がこんな簡単な計算を間違うはずがないでしょ‼︎」

爽「確かに……!」

龍之介「それじゃあお前ら、ハンマーの角度を101°に設定してくれ!」

明久「はい!」

秀吉「分かったのじゃ!」

 

 そして準備が完了した。

 

爽「ではいくぞ!」

龍之介「ああ!」

雄二「本当に大丈夫か?」

龍之介「大丈夫さ、問題ないよ!なんせこの計算だと股間の手前1mmで止まることになるからね!俺の学力の高さを見せてやる‼︎」

 

 そうして実験がスタートした。もちろん角度は合ってるのじゃが………

 

龍之介「お、重りだと⁉︎」

 

 ハンマーに重りをつけておいたのじゃ‼︎それが意味することを、股間が死んだ後の龍之介が解説してくれたのじゃ。

 

龍之介「つ、つまり……、ハンマーに追加した重りの持つ位置エネルギーは………、そのまま試験片に加算されるというわけで………。それは300gの重りを高さ73cmから落とした衝撃を………、直接股間で受けたのと同じという計算に………」

 

 ということじゃ!

 

爽「なるほど。」

秀吉「身をもって学んだのじゃ!」

雄二「まさに実験だったな。」

明久「僕でも忘れない計算式になりそうだね。」

 

 こうしてシャルピー衝撃試験は終わったのじゃ!

 

ムッツリーニ「………龍之介、次は俺たちの班に来てくれ。」

龍之介「断る!」

ムッツリーニ「………それなら……」

ムッツリーニ・須川・横溝「「「無理矢理連れて行く‼︎」」」

龍之介「嫌あぁぁぁぁぁぁ‼︎」

 

 ちなみに龍之介はこの日班の数である12回実験台にされたそうじゃ。

 

 

  side 優子

 

 シャルピー衝撃試験は誤差が大きい試験のため、爽兄たちがやった行為をやる際は特殊な訓練を受けてからにしてね!アタシとの約束だよ‼︎




 ということでぐらんぶる実写化の公開日ということもあり、8巻のシャルピー衝撃試験をここでやりました!龍之介の頭良い設定が久々に生かされましたね。そして普段は股間を潰す側の爽でしたが、今回は珍しく潰されましたね。これがもちろん龍之介の狙いなんですけどね。

 さて、次回は清水美春の問い詰めとお酒奪還戦争2日目の二本立てです。お楽しみに。

 最後に、評価・感想をお待ちしております。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第三十七問 お酒奪還戦争・2日目

バカテスト 物理

問 次の問題に答えなさい。

『 シャルピー衝撃試験とは何か、簡潔に述べなさい。 』


島田美波、姫路瑞希の答え

『 高速で衝撃を与え材料を破壊し、破壊に要したエネルギーを計算し、材料の靭性を評価する実験。 』

教師のコメント

正解です。工学部機械系と材料系の大学生がやるレベルの実験ですが、鷹狩君のおかげで2人ともマスター出来ましたね。


吉井明久、坂本雄二、土屋康太、
木下秀吉、蕨屋敷爽の答え

『 ハンマーを用いて男の股間を破壊する実験。 』

教師のコメント

問題としても人としても間違え過ぎです。


鷹狩龍之介の答え

『 クラスメイトに自分の股間を破壊される実験。 』

教師のコメント

鷹狩君は実験の提案者ですよね?一体何があったのですか?


  side 龍之介

 

 マジで死ぬかと思った………。人がせっかく学習意欲向上のために用意した実験なのにさ!この扱いはあんまりだよ‼︎

 

 

 さてと、実験も終わり、1日の自習時間も終わったので俺たちは自室に清水を呼びつけた。

 

清水「お姉様!なんでこんなに豚野郎がいっぱいいるんですか⁉︎」

美波「そりゃあアキたちの部屋だからね〜。」

清水「え〜!美春はお姉様の部屋がいいです!」

美波「ごめんね美春、アキたちが話があるっていうからここに連れてきたの。」

清水「嫌です‼︎美春はこんな豚野郎共と話なんてしたくありません‼︎」

 

 思ったよりわがままな子だね〜。まあプールの時もなかなかだったけどね。

 

美波「美春、これ以上わがままを言うとウチは美春のことを『清水さん』って呼ぶわよ!」

清水「わ、分かりました!それで、話って何ですか?」

雄二「簡潔に言う。女子風呂の盗聴器はお前の仕業だな?」

龍之介「俺、明久、雄二の3人を脅迫したのもそうだよね?」

清水「そ、そこまで知ってるのですか……。それならこのスタンガン で攻撃を…………」 

爽「無理だな。」 バシン!ボトッ

清水「あっ……」

 

 爽のパチンコ玉で清水のスタンガンが落ちたので……

 

龍之介「ひょいっとな!」

 

 スタンガンを部屋の端っこの方まで蹴っ飛ばした!これなら清水の手も届かないだろう。

 

清水「くっ!何をするんですか、この酒カス豚野郎‼︎」

龍之介「おいおい、酷い言い分だね、クソレズ縦ロール‼︎」

清水「なっ⁉︎何でそんな酷い呼び方をするんですか⁉︎美春だって一応女の子ですよ⁉︎」

龍之介「それなら俺に対する酷い呼び方をやめて欲しいな〜。俺だって一応男の子だもん♪」

清水「男はいいんです‼︎」

 

 なるほどね〜。

 

龍之介「男が女よりも精神的に強いと言う根拠はどこにも無いんだけどね〜。まぁいっか!それよりさ、脅迫の件は黙っといてやるから雄二の偽装プロポーズと、俺と明久の写真を消しといてくれない?」

清水「い、嫌です‼︎」

龍之介「それなら俺たちもお前が盗撮犯兼脅迫犯兼盗撮の冤罪をふっかけた事をバラしちゃうよ〜。こんな事がバレたら停学も無理で良くて退学、悪いと来週からお前の家が刑務所になると思うんだけどな〜。」

清水「なっ⁉︎」

龍之介「でもさ、俺は優しいからね!条件を呑んでくれたら見逃してあげるって言ってるんだよね〜。それを呑まないって、相当なおバカさんだと思うんだけどね〜。」

清水「わ、分かったわ……」

 

 そうして清水は録音機に入っていたデータを消去し、俺と明久の写真を全部渡してくれた。

 

龍之介「これで全部?」

清水「うん………」

龍之介「もしまだ残ってたらどうなるかは分かってるよね〜?」

清水「うん………」

龍之介「よし!これでOK!それじゃあ用件は終わりだね〜。美波と瑞希と工藤もありがとね〜。」

美波・姫路・愛子「「いえいえ〜。」」

清水「それじゃあ、美春は帰ります……」

美波「ウチも帰るわ!」

姫路「私も帰りま〜す!」

愛子「それじゃあボクも!」

龍之介・明久「「ば〜い♪」」

 

 ということで脅迫犯の件は無事解決したよ‼︎やったね‼︎

 

明久「龍之介にしては脅しが結構弱かったね。」

雄二「明久、コイツがこのままで終わるような奴だと思うか?」

爽「悪事の化身みたいな奴だぞ?」

ムッツリーニ「………優しすぎる。」

秀吉「お主にしては珍しいのぅ。」

龍之介「皆酷いよ!俺は世界中の誰よりも優しい人間なんだからさ‼︎」

他5人「「「「「嘘つけ。」」」」」

 

 あれ〜?なんでみんなからこう思われてるんだろう?まあとりあえず考えてる事を話すか!

 

龍之介「だってさ〜、清水をこのままいじめても俺たちに何の得にもならなくない?」

明久「まあそれはそうだね………」

雄二「清水がまた何かふっかけてきたときにやり返すのか。」

龍之介「正解!その時こそが奴隷………じゃなかった、手駒にするチャンスさ!」

秀吉「言い変えた意味があまりないと思うのじゃが……」

雄二「でもそれでこそ龍之介だな。」

龍之介「雄二だって同じ事考えてたくせに〜。」

雄二「うるせえ。」

 

 まあ俺と雄二って割と頭の中似てるからね。あと、清水の件を先生にチクらないのには他に理由があるんだよね。

 

 

 

 さてと、こうなったら…………

 

龍之介「もう一個の方を片付けちゃいますか!」

雄二「そうだな。ではこれより、飲み物奪還戦争の作戦でも立てるとするか‼︎」

他4人「「「「賛成‼︎」」」」

 

 ということで作戦会議をする事になった。

 

雄二「まず昨日の反省は、単純な戦力不足だな。」

龍之介「いきなりラスボスが出てきたからびっくりしたよね〜。」

 

 マジで。ゲームとかだったらクレームが出るレベルだよ!

 

爽「ということは人を増やすのか。」

雄二「その通りだ。」

明久「でも飲み会をやるって言って釣れる人がいるの?」

龍之介「それがいるんだよね〜。」

ムッツリーニ「………誰?」

龍之介「爽、飲み会といえば?」

爽「野球拳か。」

龍之介「ふっ、言うまでもなかったな。」

 

 流石は爽。伊達に俺、達哉、圭人の3人とバカみたいな飲み会を続けているだけあるね。

 

雄二「お前らの感覚はどうなってんだよ。」

明久「大人の感覚ってやつかな?」

龍之介「まあそんな感じかな〜。それで、野球拳で釣れる人と言ったら………?」

他5人「「「「「Fクラス男子‼︎」」」」」

龍之介「正解‼︎」

 

 ということで、Fクラス男子を早速招集した。

 

須川「坂本、俺達に話って何だ?」

雄二「よく来てくれた。実は皆に提案がある。」

横溝「今度は何だよ〜。誰かさんの実験のせいで疲れてるのに〜。」

福村「早く部屋に帰ってダラダラしたいな〜。」

雄二「皆、野球拳に興味はあるか?」

龍之介「しかも秀吉が参加する野球拳だよ?」

Fクラス男子「「「「詳しく聞かせろ‼︎」」」」

秀吉「龍之介よ、何故お主はワシの名前を出したのじゃ……」

 

 だってそりゃ秀吉だよ?脱がせたいに決まってるじゃん!

 

雄二「まず一昨日の夜俺達は飲み会をしていたわけだが、途中で駆けつけた卑劣な教師陣の手によって飲み物を全て奪われてしまったのだ。」

Fクラス男子「「「「ふむ、それで?」」」」

雄二「そして昨夜、俺達は教師の部屋からその飲み物を奪還しに向かったんだが、そこで卑劣にも待ち伏せをしていた教師陣に妨害を受けたんだ。」

Fクラス男子「「「「なるほどな。」」」」

 

 雄二のセリフに誰もツッコミを入れないところにツッコミを入れたいよね!

 

雄二「そこでお前らには教師陣の排除に協力してもらいたい。報酬はその後に得られる最高の(パーティー)だ。どうだ?」

Fクラス男子「「「「乗った‼︎」」」」

明久「それじゃあ秀吉、今の時間は?」

秀吉「20:10じゃ!」

龍之介「ムッツリーニ、女子風呂の盗撮カメラ騒動で何人の先生が警備に回っている?」

ムッツリーニ「………5人。」

 

 そう!清水の罪を先生に明かさない理由はこれ!教師目線だと未だに盗撮犯が分かってないので女子風呂も最低限警備する必要がある。そうすれば俺たちの敵が減るからね!

 

雄二「それじゃあ、今から隊を4つに分けるぞ。A班は俺に、B班は龍之介、C班は秀吉とムッツリーニに、そしてD班は明久と爽に従ってくれ。」

Fクラス男子「「「「了解‼︎」」」」

雄二「いいか、俺達の目的はただ一つ‼︎(パーティー)の開催だ!途中何があろうとも、己が神気を四肢に込め、宝物を奪還せよ‼︎神魔必滅・見敵必殺!ここが我らが行く末の分水嶺と思え‼︎全員気合を入れろ‼︎Fクラス男子、出陣だ‼︎」

Fクラス男子「「「「オー‼︎」」」」

 

 ということでお酒奪還戦争、2日目の開幕だ‼︎

 

 

 

 俺たちB班に与えられた任務は高橋女史の討伐だ!途中で妨害してきた教師陣は他の班に任せ、学年主任目がけて一直線だ‼︎そんな事を思っていると………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小山「待ちなさい、あなた達‼︎」

 

 うげっ………。Cクラス代表の小山とその取り巻きの女子達、というかCクラス女子が現れた。

 

龍之介「何の用だ〜い、小山ちゃ〜ん?」

小山「飲み会騒ぎをした挙句、その飲み物を奪い取ろうとする馬鹿共の粛清よ‼︎」

 

 それと俺に怒られた事への八つ当たりも入ってるでしょ。でもまあ今回は言い返せないんだよな〜。だから………

 

龍之介「なるほどなるほど!それじゃあ隊を2つに分けよう!須川達でCクラス女子を相手にしてくれ!俺たちは主任を倒す!」

須川「分かった!」

小山「行かせない‼︎木内先生、承認をお願いします!試獣召喚《サモン》‼︎」

 

 グェ………。12vs25じゃあそりゃあ通れないよね。

 

 

数学

 

Fクラス

    鷹狩龍之介 465点

     須川亮  38点

      :

      :

      VS

Cクラス

     小山友香 198点

    新野すみれ 167点

      :

      :

 

 

 しかも点数も不利………。流石にここを通れるはずがなく、俺たちB班はここで壊滅する事となった………。

 

 

 

 

 鉄人たちの指導を受けて風呂に入り部屋に戻ると、そこには全員がいた。

 

雄二「俺達A班は教師の人数に勝ちきれなかったな。」

秀吉「ワシらC班もじゃ。Fクラスの点数だけでは厳しいのぅ。」

明久「僕たちD班もだね。鉄人や他の先生相手だとやっぱり無理だったよ。数なら上なのに……」

雄二「というかB班が担当するはずの高橋女史が俺達の所に来たんだが。」

龍之介「ごめんね〜。まさかのCクラス女子が乱入してきてさ〜。小山の八つ当たりのせいで隊が壊滅しちゃったんだよね。」

雄二「マジかよ……。風呂に入るのを後にしてこっちに来たのか……」

龍之介「そうだね。」

 

 本当に、アレさえなかったらまだ何とかなったんだけどな〜。

 

雄二「こうなった以上、人数を増やすしかないな。」

龍之介「となると他のクラスの男子を誘うのかい?」

雄二「そうだな。」

爽「場所はどうするのだ?私の計算が正しければ男子150人全員を誘って飲み会などこの部屋では無理だぞ。」

龍之介「それなら食堂か俺たちが2日目に使った自習室とかどう?」

明久「確かに、あそこなら広いしね!」

龍之介「そうなると鍵が問題だね〜。」

ムッツリーニ「………ピッキングなら任せろ!」

 

 盗撮や盗聴が得意だから出来るかもとは思ってたけど、まさか本当に出来るとはね〜。

 

雄二「なるほど、それはムッツリーニに任せるとするか。それなら後は男子の劣情をどうやって煽るかだな。それを野球拳でこの先が見れるぞ、と言って焚きつけるのだ。まあ実際に見れるのは秀吉だけだがな。」

龍之介「それなら旅館である事を活かして秀吉にエロい浴衣を着せるとか!」

秀吉「何故ワシなのじゃ………」

雄二「なるほどな。それなら男子の劣情を煽れるだろう。」

秀吉「ぬぅ………」

 

 ここは秀吉の不満を解消してやらないと!

 

龍之介「安心して秀吉!瑞希と美波にも着せる予定だから!」

秀吉「ワシが一人で着るのが不満とかそういうわけではないのじゃが……」

爽「秀吉、わがままを言うな。これも飲み会のためだ。」

秀吉「分かったのじゃ……」

 

 どうやら納得してくれたみたいだ。

 

雄二「よし、それじゃあ明久と龍之介で姫路と島田に連絡を取ってくれ。ムッツリーニは撮影の準備を頼む。」

明久・龍之介・ムッツリーニ「「「了解!」」」

 

 ということで俺と明久でそれぞれ連絡を取る事になったわけだが………

 

明久「ねえ龍之介、どっちがどっちに連絡する?」

龍之介「う〜んそうだね〜。」

 

 正直どっちでもいいっちゃいいんだけど……、よし、ここは明久をちょっとからかってみるか!

 

龍之介「じゃあ明久が好きな方で!」

明久「えっ⁉︎」

 

 行きの電車の心理テストの件がちょっと引っかかってるんだよね〜。俺はともかく、明久の動揺の仕方が変だったからね。

 

明久「えっ〜と、美波で!いや、あの、特に好きってわけじゃあないんだけど、なんていうか……、そう、連絡がしやすいからね‼︎」

 

 うぉう!この動揺っぷり‼︎遂に明久の中で美波と瑞希が逆転したのか⁉︎まあまだそうと決まったわけじゃないし、これからまた瑞希が再逆転する可能性もあるけどね。

 

龍之介「ほ〜い!じゃあ俺は瑞希で!」

 

 ということで瑞希にLINEをした。

 

龍之介『ちょっと今から俺らの部屋に来て!』

姫路『何の用ですか?』

龍之介『浴衣を着て欲しいんだ♪』

姫路『いきなりセクハラとは、お仕置きが必要なようですね‼︎』

龍之介『ちなみに明久も浴衣を着るぞ。』

姫路『な、なるほど……。そ、それじゃあ私も行くことにします!お菓子とかを持って遊びに行きますね!』

龍之介『ほ〜い!』

 

 お菓子は要らないけどね。俺たち死んじゃうし……ってそうだ!明久にちゃんと言わないと!

 

龍之介「明久、浴衣着てくんね?」

明久「何で?」

龍之介「瑞希がそれならいいって。」

明久「姫路さんったら、自分だけ着るのが恥ずかしいのかな?」

龍之介「まあそんな感じじゃね?」

明久「なるほどね〜。それじゃあ着るか!」

龍之介「よろしく〜!」

 

 本当は瑞希の劣情を煽るためなんだけどね。

 

 

 

 そしてさっきからあそこで雄二と爽はめちゃくちゃ暇してるな〜。何か無いかな〜。よし、そうだ!いい事を思いついたぞ‼︎まずは鳳之介にLINEだ!

 

龍之介『鳳之介、霧島と木下のLINEを頂戴!』

鳳之介『兄貴、急にどうしたんだ?』

龍之介『いいからいいから!』

鳳之介『ほい。』

龍之介『ありがと〜!』

 

 こうして俺は2人の連絡先を手に入れた。そしてまずは木下に連絡だ‼︎

 

龍之介『ど〜も、鷹狩の兄の方です!』

 

 寝てたらどうしよう?

 

優子『あ、はい。それで、アタシに何か用?』

 

 どうやら起きていたみたいだ。良かった!

 

龍之介『あのさ、パジャマ姿の自撮りを送ってくんない?』

優子『えっ⁉︎ど、どういう事⁉︎』

龍之介『爽がさ、実は見たがってるんだよね〜。でもなかなか恥ずかしくて言えないみたいでさ。だから頼む!』

優子『わ、分かったわ!』

 

 風邪引いてる女の子のパジャマ姿って結構ヤバいと思うんだよね。なんていうか……その………下品なんですが……フフ………(以下略)

 

優子『これでどう?』

龍之介『ありがとね!それじゃあお大事に!』

優子『は〜い!』

 

 ちなみに後で爽の寝顔をプレゼントする予定だ。流石にこのまま何も与えないのは悪いしね。

 

 

 

 さてと、次は霧島だ!

 

龍之介『ど〜も、鷹狩の兄です!』

翔子『…どうしたの、急に?』

龍之介『今から俺たちの部屋で浴衣を着てくれない?報酬は雄二で。』

翔子『…分かった!』

 

 ということで霧島もゲットだぜ!これだけあれば男子の劣情を煽るには十分でしょう‼︎そう思いながら俺たちは女性陣の到着を待つことにした。




 ということでまさかの3日目で脅迫犯清水美春との絡みは完了です!そして代わりに小山友香が絡んできました!教師だけでなくCクラス女子も参戦となるとFクラス男子には荷が重かったですね。

 そして、次回は浴衣撮影会です。お楽しみに!

 最後に、評価・感想をお待ちしております。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第三十八問 浴衣パーティー

強化合宿の日誌

強化合宿三日目の日誌を書きなさい。


土屋康太の日誌

『 前略 (*坂本雄二に続く) 』

教師のコメント

今度はリレー形式ですか。次から次へとよく思いつきますね。


坂本雄二の日誌

『 何故かそこには呼んでいないはずの紫髪の少女が立っており、 (*鷹狩龍之介に続く) 』

教師のコメント

急にホラーになったのですが………。何かあったんですか?土屋君が略した部分も気になります。


鷹狩龍之介の日誌

『 そしてふと差し出されたクラスメイト手作りのお菓子と水は口を焼き尽くすように痛々しく、 (*蕨屋敷爽に続く) 』

教師のコメント

お菓子と水でそんなことになるんですか。そして悔しいですがますます続きが気になってしまいました。


蕨屋敷爽の日誌

『 キュインキュインキュイン‼︎チュチュチュチュチュ、ピコ〜ン‼︎ (*吉井明久に続く) 』

教師のコメント

日本語でお願いします。これじゃあ何があったか分からないじゃないですか。


吉井明久の日誌

『 後略 』

教師のコメント

ここでその引きは無いと思います。


木下秀吉の日誌

『 ワシも混ぜて欲しかったのじゃ…… 』

教師のコメント

先生が頼んでおきましょう。


  side 龍之介

 

 さて、瑞希や美波も来たし………

 

龍之介・明久「「撮影開始だ!」」

雄二「ちょい待てや。」

龍之介「どうしたの、雄二?」

雄二「なんで翔子がいるんだよ?」

翔子「…鷹狩に呼ばれた♪」

龍之介「だって霧島もいた方がいいでしょ?」

雄二「俺は許可して無いんだが。」

龍之介「別に雄二の一人や二人くらい霧島にあげたっていいでしょ?」

雄二「よくねえよ‼︎」

翔子「…鷹狩は親切!」

龍之介「ど〜も〜!」

 

 ということで、秀吉、美波、瑞希、霧島、ついでに明久の撮影開始だ‼︎

 

龍之介「は〜い!まずは女性陣4人で〜!」

秀吉「3人しかおらんぞ?」

明久「自分をちゃんと数えた?」

秀吉「何故ワシが入るのじゃ!」

爽「秀吉、さっさとしろ。でないともう一度シャルピー衝撃試験を行う。」

秀吉「わ、分かったのじゃ……」

 

 その後も色んな組み合わせで撮影会が行われた。途中ムッツリーニが死にかけたり、雄二が霧島に目潰しをされたりなどのことがあったものの、無事に目的の写真は撮り終えた。

 

龍之介「よし、じゃあ最後に個人的にペアになりたい人と写真を撮りましょ〜う‼︎」

ムッツリーニ「………まずは誰?」

明久「僕と秀吉!」

龍之介「ほ〜い!じゃあ次は俺と秀吉ね!」

ムッツリーニ「………次は俺!」

爽「貴様、やたら人気だな。」

秀吉「そうじゃのぅ。まあ、写真を一緒に撮ってと言われること自体は嬉しいのじゃ♪」

 

 ということで秀吉とのツーショット写真が出来たぜ!これをLINEのトプ画にしておこう!

 

龍之介「それじゃあ次は〜?」

翔子「…私と雄二!」

雄二「断る。」

龍之介「ほらほら雄二〜、照れてないでちゃんとしてよ〜。じゃないと如月グランドパークの時みたいな顔面鷲掴みの写真になっちゃうよ?」

雄二「照れてねえよ!」

明久「照れてる〜♪」

爽「素直になれ。」

翔子「…本当に、ね♪」

雄二「あぁぁぁぁぁぁぁぁ‼︎」

ムッツリーニ「………それじゃあ、はい、チーズ!」

 

 ということで坂本夫妻の写真を撮り終えた。

 

龍之介「じゃあ次はどなたですか?」

姫路「は、はい!私と明久君で!」

美波「じゃ、じゃあウチも!」

明久「えっ⁉︎」

龍之介「ほ〜い!それじゃあまずは瑞希と明久で!その次に美波と明久でね!」

 

 明久は相変わらず大人気だね〜。羨ましいよ!

 

龍之介「よ〜し、それじゃあ他に撮りたい人!」

姫路「なんかご指名がない龍之介君が可愛そうなので一緒に写ってあげましょうか♪」

美波「確かに、可哀想ね。」

龍之介「お前ら一回ぶん殴っていいか?」

明久「じゃあ先に美波、後に姫路さんで!」

 

 ということで哀れみの目を向けられながら俺も写真を撮った。ただ瑞希の時にちょっとした事件が起きた。

 

龍之介「なんか瑞希の隣に並ぶと俺が痩せたようにかぁぁぁぁぁぁぁぁ‼︎」

瑞希「どうですか?私特製の王水に浸したクッキーは?」

美波「瑞希って結構鬼畜ね………」

雄二「アイツ死んだんじゃね?」

明久「それならお葬式をやってあげよう!」

 

 おいおい………、勝手に殺すな………。瑞希クッキーと王水のダブルパンチで死にそうだけど………。でもここは俺の特技が発動だ‼︎トイレに駆け込んで………

 

龍之介「おぇぇぇぇぇ‼︎」

 

 数多の飲み会で身につけたゲロ吐き能力を発動した!これを使えば簡単に吐けるのだ‼︎あと一応念のため口をめちゃくちゃ洗っておいたよ。

 

姫路「龍之介君、そういう汚い音を出すのはやめた方がいいですよ♪」

龍之介「お前がやったんだろ‼︎」

美波「リュウ、自業自得って言葉、知ってる?」

龍之介「俺の辞書にそんな言葉はない‼︎万物は全て他人のせいだ‼︎」

雄二「なんて気持ちのいいゲス野郎なんだ……」

龍之介「まあとにかく、みんなありがとね!それじゃあおやすみ〜‼︎」

美波・姫路・翔子「「「おやすみ(なさい)!」」」

 

 ということで、再び男5人秀吉1人の時間が訪れた。

 

秀吉「そういえば、飲み会のお酒とかを通販とかで頼むのはダメなのかのぅ?」

雄二「玄関に配達の人来たら目立つだろ。」

龍之介「一回俺がトラック呼んだときに結構見られてたしね。」

明久「それじゃあやっぱり奪還するしかないのか〜」

爽「そうだな。」

ムッツリーニ「………そのための写真!」

 

 男子の劣情を煽るためだからね!でも一個気になったことが………

 

龍之介「それはそうと、その写真は加工してからLINEで回すの?」

雄二「直接会って渡した方が早いだろう。」

龍之介「確かに。」

明久「でも勝手に奪う人とかいそうじゃない?」

雄二「俺が殺すかシャルピー衝撃試験を実施するかのどちらかを明記すればいいだろう。」

龍之介・明久「「確かに!」」

 

 まあシャルピー衝撃試験はFクラスと一部のAクラスの人にしか通じないけどね。ん、というか………

 

龍之介「シャルピー衝撃試験で思い出したんだけど、こういう作戦はどうかな?」

他5人「「「「「ほほぅ。」」」」」

 

 ということで、俺たちは明日の作戦会議をした。

 

 

 

 作戦会議も終わってみんなが寝静まると、俺はあるミッションを行った。それは………

 

爽「…………」パシャ!

 

 爽の寝顔撮影だ。この時のために電気をつけたよ。みんな疲れているみたいで誰も起きなかったのはよかったね。さてと、これを………

 

龍之介『Present for you!』龍之介→優子

 

 木下に送信しておいた。これでお礼は済んだぞ!さてと、寝るか‼︎

 

 

 

 しばらくすると、奇妙な現象が発生した。

 

爽「キュインキュインキュイン‼︎チュチュチュチュチュ、ピコ〜ン‼︎」

 

 爽が寝言で訳わかんないことを言い始めたのだ。パチスロの効果音かな?どんだけやりたいんだよ!そして、それがまあまあうるさいのでなかなか寝られない。仕方がないので押し入れに放り込んでドアを閉めることにした。すると、

 

 

 

 ガチャ  バタン

 

 

 

 何故か入り口のドアが開いて閉まった。超怖いんだけど!リアル怪奇現象じゃん!お化けは別にそんなに苦手じゃないけど、流石にこれは嫌だよ!でもみんなは寝てるから俺がなんとかしないと………。そう思って入り口に近づくと………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

姫路「(うるさくしたら王水を飲ませますよ?)」

 

 怪奇現象よりも怖いものがそこにはいた。

 

龍之介「(何しに来たの?まさか明久への夜這い?)」

姫路「(へ、変なことを言わないでください!)」

龍之介「(じゃあ何しに来たの?)」

姫路「(わ、忘れ物を取りに……)」

龍之介「(それなら連絡すれば良かったじゃん。)」

姫路「(えっと………)」

 

 やっぱり夜這いでしょ。

 

龍之介「(黙っといてやるからさ、正直に言いなよ。)」

姫路「(ほ、保健体育の実習を………明久君と……///)」

 

 でしょうね。となると………

 

龍之介「(もしかして心理テストの件で焦ってる?)」

姫路「(ど、どうして分かったんですか?)」

龍之介「(いや、逆にアレで分からないのは明久くらいでしょ。)」

姫路「(そ、そうですよね……)」

龍之介「(でもさ、いきなりそんなことをされても明久はびっくりしちゃうと思うけどな〜。)」

姫路「(でも明久君はこういうのが好きそうな……)」

龍之介「(まあそうだろうけど、それでもいきなり過ぎると思うけどね〜。俺がいきなりお前のところに行ったらびっくりするでしょ?)」

姫路「(確かに……)」

龍之介「(そういうこと!まあ俺は別に止めないから、自分の頭で考えてやりな〜。)」

姫路「(わ、分かりました!)」

龍之介「(あと、保健体育をやるなら静かにね!)」

姫路「(は、はい!)」

 

 と言って瑞希はそのまま明久の布団に潜り込んだ。頭で考えてやれっつったのに絶対考えずにやったな。ただ入った後はそのまま寝たみたい。そういうことね。あと朝起きたら凄いことになってると思うけど知〜らね〜!そう思いながらそのまま俺は寝た。

 

 

 

 

 そして朝起きたのだが、どうやら瑞希は既に帰ったみたいだ。他の人はぐっすり寝てるみたいなので俺以外は誰も気付いてないだろう。大事にならずに済んで良かったね!

 

 

 午前中の自習の時、遂にムッツリーニの写真が出来上がったとの報告があった。

 

明久・雄二「「おぉぉぉぉ‼︎」」

 

 なんかめちゃくちゃ凄そうじゃん!どれどれ………

 

龍之介「おぉぉぉぉ‼︎」

 

 めちゃくちゃ凄かった‼︎特にこの秀吉‼︎時々見える絹のような肌がいい‼︎まあこれなら男子の劣情を煽れるはず‼︎それと………

 

龍之介「ムッツリーニ、焼き増しをお願いしたい。1グロスほどね!個人的に欲しいんだ!」

明久「あ、僕も僕も!」

雄二「お前ら、多過ぎだろ。」

 

 逆にこれで全く動揺しない爽みたいな奴は狂ってるとしか………

 

爽「うっ………///」

秀吉「爽兄も姉上のパジャマ写真に釘付けじゃの!」

 

 おお!めちゃくちゃ効いてんじゃん!コイツが女の子に興味を示したところを20年間の人生で初めて見たよ!

 

雄二「よし、それじゃああとはこの写真を回すだけだな‼︎」

龍之介「そうだね‼︎」

明久「それじゃあ僕が回してくるよ!」

 

 ということで明久が須川たちのところに飛んでいった。その後、

 

ムッツリーニ「………龍之介は久保にこれを渡して欲しい。」

龍之介「えっと………なるほどね!」

 

 明久の浴衣写真ね!早速俺の秀吉の写真を持ってAクラスのところに行くぞ!

 

 

 

 そして俺が久保のところへ着くと、そこには鳳之介もいた。

 

龍之介「やあ久保よ、ちょっと話があるんだけどいい?」

久保「構わないよ。」

龍之介「明久との野球拳に興味はある?」

鳳之介「兄貴、何言って………」

久保「詳しく聞かせて欲しい‼︎」

 

 よし、釣れた!

 

龍之介「野球拳にはやっぱり盛り上がるための飲み物が必要じゃん?あ、もちろんお酒じゃないよ。」

久保「ふむ、それで?」

龍之介「俺たちはその飲み物を西村先生に奪われたんだよね〜。だからそれを取り返すのに協力して欲しいんだ‼︎ちなみにこの写真もあげるよ!」

久保「こ、これは、吉井君の浴衣写真‼︎」

龍之介「ちなみに我が弟にはこの秀吉の写真をあげるよ!」

 

 ちなみにムッツリーニには後で焼き増しを頼むから大丈夫だよ!

 

鳳之介「こ、これをあげるから協力しろと?」

龍之介「そういうこと!それと勝利の暁には秀吉と野球拳をさせてあげるよ!」

鳳之介「あっそ………///」

 

 口では興味なさそうに言ってるけど、興味あるのがバレバレだよ?

 

龍之介「それじゃあ2人とも、お願いね!」

久保「分かった!」

鳳之介「き、気が向いたら………///」

 

 よし、これでAクラスも大丈夫だろう!こうして俺は無事雄二たちのところに戻った後、点数の回復試験に勤しんだ。

 

 

 

 そして迎えた夜の時間、遂に最後のお酒奪還戦争の幕開けだ‼︎




 ということで浴衣撮影会でした。もうこの辺は原作とは全然別物ですね。原作ではなんだかんだ姫路の一強でしたが本作ではそうではないため、姫路が焦り始めたりしていますね。果たして明久×美波×姫路はどうなるのでしょうか。

 そして、次回で遂に強化合宿編は終了です。どういう結末を迎えるのかは、お楽しみに!

 最後に、評価・感想をお願いします。あと、アンケートは次回の話が出てから1日後までを締め切りとします。よろしくお願いします。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第三十九問 お酒奪還戦争・最終日

強化合宿の日誌

強化合宿四日目の日誌を書きなさい。


坂本雄二の日誌

『 あの写真がすごかった。 』

教師のコメント

一体何の写真なのでしょうか?


吉井明久の日誌

『 あの写真がすごかったです! 』

教師のコメント

吉井君までどうしたのでしょうか?


鷹狩龍之介の日誌

『 あの写真を初めて見たとき……なんていうか……その……下品なんですが……フフ……下品なんでやめておきます。 』

教師のコメント

なんとなくどんな写真だか分かった気がします。


土屋康太の日誌

『 俺の最高傑作! 』

教師のコメント

やっぱり土屋君が撮ったそういう写真だったのですね。


  side 龍之介

 

 いよいよお酒奪還戦争の最終日だ‼︎だがいきなり俺たちは長谷川先生に遭遇した。

 

長谷川「待ちなさい、鷹狩君、土屋君。」

 

 ここでつまずくわけにはいかない‼︎そう思ったそのとき……

 

矢野「お前ら!ここは俺たちEクラス男子に任せて先に行け!」

 

 矢野たちEクラス男子が助けてくれた!

 

龍之介「ありがとな!また宴会場で会おう!」

矢野「あぁ!」

 

 更には次々と応援が駆けつける!

 

平賀「布施先生、木内先生、船越先生は俺たちDクラス男子に任せろ‼︎」

黒崎「福原先生達は俺たちCクラス男子が片付ける‼︎」

龍之介「協力、感謝する‼︎」

 

 C・Dクラス男子も来てくれたみたい‼︎これで大体の先生は倒せるぞ‼︎そして………

 

根本「友香!ここで俺が勝ったら復縁してくれ‼︎」

小山「絶対に嫌‼︎」

 

 Cクラス女子はBクラス男子が抑えてくれてるみたいだ‼︎これならいける!

 

龍之介「Bクラスのみんな、頑張って抑えておいてくれ!すぐにドリンクを持って駆けつけるからね!」

 

 さて、ここまでは順調だ。さて、ここからが本番。高橋女史を倒すためにはAクラス男子の協力が必要不可欠だが、果たして………

 

久保「すまない!思ったより他の先生が多くて僕と鷹狩弟君しか来られなかった!」

鳳之介「先生方もかなり本気だぞ。」

 

 なるほどね!これはなかなかキツいぞ……。そう思ったとき……

 

大島「お前ら、ここで止まれ‼︎」

愛子「えっと、流石に没収品を奪い返すのはどうなのかなって思ったからここに来たよ!」

 

 工藤と保健体育の大島先生だ‼︎クソ!ここはこれ以上戦力を減らすわけにはいかない‼︎それと工藤は意外と真面目なんだな‼︎昨日の味方は今日の敵ってわけか‼︎

 

龍之介「ムッツリーニ、お前1人で行けるか⁉︎」

ムッツリーニ「………任せろ!………2人まとめて倒してやる‼︎」

大島「土屋、お前には失望した。まさか生徒が教師に勝てるなんて幻想を抱くとはな。」

愛子「大島先生、ここはボクに任せて下さい!」

大島「頼んだぞ、工藤!」

ムッツリーニ「………誰が決めた?」

愛子・大島「「ん?」」

ムッツリーニ「………生徒は教師に勝てないなんて誰が決めた⁉︎」

大島「いいだろう、相手してやる!試獣召喚《サモン》!」

愛子「試獣召喚《サモン》!」

ムッツリーニ「………試獣召喚《サモン》!」

 

 

保健体育

 

男子

     土屋康太 1079点

      VS

女子・教師

     工藤愛子 618点

     大島武  873点

 

 

 なんだあの点数は⁉︎これがコイツの真の実力か………

 

愛子「なんなの、この点数⁉︎」

大島「土屋、いつの間にこんな力を!」

ムッツリーニ「………信念は不可能を可能にする!………2人まとめてかかってこい!」

 

 とにかくムッツリーニに任せて先を急ごう‼︎

 

 

 

 そして遂に倒すべき相手がやってきた。

 

高橋「一昨日はかなり苦戦しましたが、今日は負けません!」

龍之介「上等ですよ‼︎また酔わせてあげましょう‼︎行くぞ鳳之介、久保‼︎学年男子3トップの実力を主任に見せてやる‼︎」

久保・鳳之介「「あぁ‼︎」」

4人「「「「試獣召喚《サモン》」」」」

 

 

 

総合科目

 

男子

     鷹狩龍之介 6314点

     鷹狩鳳之介 7075点

      久保利光 7517点

       VS

女子・教師

      高橋洋子 17154点

 

 

 一昨年勝負したときよりも点数が上がっているのか!これは厄介だな‼︎だが、なんとしてでも勝ってみせる!

 

龍之介「そういや鳳之介は雪玉だから遠距離だよね!」

鳳之介「あぁ、そうだな。」

久保「僕も腕輪の力を使えば遠距離も出来るね!」

龍之介「マジで⁉︎それじゃあやってみて‼︎」

久保「あぁ‼︎2人とも僕の後ろに下がってて‼︎」

龍之介・鳳之介「「分かった‼︎」」

 

 そうして俺と鳳之介が下がると………

 

久保「《Y・S・I》」

 

 明久の名のもとに鎌を振りまくって凄まじい風を起こした‼︎

 

高橋「なっ⁉︎」

 

 主任もフィードバックでちょっと怯んでる!ならこの隙に………

 

龍之介「鳳之介、腕輪の力だ‼︎」

鳳之介「わ、わかった!」

高橋「させません!」

 

 主任が鞭を振るう。よし、ここは……!

 

龍之介「弟には指一本触れさせるか‼︎」

久保「僕も手伝うよ‼︎」

 

 俺と久保でなんとか鞭をさばく!その隙に………

 

鳳之介「ありがとう、兄貴、久保‼︎それじゃあいきますよ‼︎《大雪崩》‼︎」

高橋「くっ‼︎」

 

 鞭で雪崩を分解しようとしている!でもその隙に………!

 

龍之介「もらった‼︎《酒鉄砲》‼︎」

 

 スピリタスを主任の召喚獣の口にぶち込む‼︎

 

高橋「あっ……」 ガクッ

 

 フィードバックが辛かろう!

 

 

男子

     鷹狩龍之介 4274点

     鷹狩鳳之介 5214点

      久保利光 5215点

       VS

女子・教師

      高橋洋子 10284点

 

 

龍之介「2人とも!主任が酔い始めたぞ‼︎今だ、畳み掛けろ‼︎」

久保・鳳之介「「了解‼︎」」

高橋「《真・教鞭》」

龍之介・鳳之介・久保「「「なっ⁉︎」」」

 

 えげつねぇ⁉︎これが教師の腕輪の力か‼︎目に見えないほどの速さの鞭が沢山飛んできた‼︎3人ともまとめてかなりのダメージを負ってしまったぜ………

 

 

 

男子

     鷹狩龍之介 1346点

     鷹狩鳳之介 1872点

      久保利光 1875点

       VS

女子・教師

      高橋洋子 10284点

 

 

 クソ‼︎点差がかなりやばい‼︎でも、ここで負けるわけにはいかない‼︎

 

龍之介「お前ら、一気に叩くぞ‼︎」

鳳之介・久保「「おう‼︎」」

高橋「やらへまへんよ〜」フラフラ

 

 主任もだいぶ酔ってるみたい‼︎これならいける‼︎

 

龍之介「主任!こっち(右)ですよ‼︎」

久保「いやいや、こっち(左)ですよ‼︎」

鳳之介「いや、正面ですよ。」

高橋「あれはれ〜?よくわかりまへんよ〜。」フラフラ、バタン

 

 酔って膝をつき始めた!ここで一気に畳み掛けるぞ!

 

 

 

 

  side 明久

 

 僕たち龍之介とムッツリーニ以外のFクラス男子に与えられた役割は鉄人の討伐だ。まずは僕が先陣を切る!

 

明久「先生、よくここまで僕が辿り着くと思ってましたね!試獣召喚《サモン》!」

鉄人「俺は相手を過小評価せんからな!貴様はバカだがその行動力は並ではない‼︎」

明久「そりゃあどうも!先生も並の堅物じゃないですね‼︎」

 

 僕の役目は先生の気をそらすこと。決して倒すことじゃない‼︎だから

 

鉄人「ちょこまかと動きおって!」

明久「ほらほら〜、こっちですよ〜!」

 

 そうしてその隙に………

 

爽「…………」バチン!

 

 爽のゴムパチンコ攻撃が炸裂する‼︎

 

鉄人「蕨屋敷、貴様の攻撃も見えてるぞ‼︎」

 

 流石に一筋縄ではいかないみたい。

 

爽「ほう。それならば見えても対応できない攻撃をすれば良いだけのこと‼︎」バチン!

鉄人「威勢だけはいいな‼︎」

明久「僕もいますよ‼︎」

 

 そして更には………

 

雄二「体罰教師相手には体罰で挑めってな!どっかのアル中が言ってたんですよ……ね‼︎」ドゴォ‼︎

 

 雄二も加勢だ!

 

鉄人「この俺相手に喧嘩をふっかけるとは、いい度胸してるじゃねえか、坂本‼︎」

雄二「ありがとうございます!」

 

 喧嘩が強いはずの雄二がいても防戦一方………。流石は鉄人だ。僕の召喚獣、雄二のステゴロ、爽のゴムパチンコを持ってしても勝てないのか………。だけどこれで終わりじゃない‼︎いけ、最終兵器の出番だ‼︎

 

優子「先生、今ちょっといいですか?物理の問題でわからないことがあるので一緒に解いて欲しいんですけど……」

鉄人「すまん木下、今はこの通り無理だ‼︎」

優子「分かりました!それじゃあアタシが勝手に解きます!」

 

 浴衣姿の木下さんの登場だ!といっても…………

 

優子(CV.秀吉)「それでは今から解くのじゃ‼︎」

鉄人「貴様、さては弟の方か‼︎」

 

 中身は秀吉だけどね!さて、これで言質が取れたわけだ!あとは締めといこうじゃないか!

 

秀吉「その通りじゃ!そして解くのは………文月学園教師である西村宗一における股間の破壊特性じゃ!ワシはそれをシャルピー衝撃試験を用いて解くのじゃ‼︎」

鉄人「何だと⁉︎」

 

 そう、シャルピー衝撃試験の出番だね!他のFクラスの男子はこれを運んでたんだよね!

 

須川「機材準備出来ました‼︎」

横溝「測定準備、OKです!」

秀吉「よし、実験開始じゃ‼︎」

鉄人「やめろぉぉぉ貴様らぁぁぁ‼︎」

秀吉「一堂、英霊に敬礼じゃ‼︎」

Fクラス男子「「「「「はっ‼︎」」」」」ビッ!

鉄人「あぁぁぁぁぁぁぁ‼︎」ドゴォ‼︎、バタン

 

 こうして鉄人を倒すことができた!やったね!更には………

 

ムッツリーニ「………任務完了!」

龍之介「いや〜、正直ヤバかったぜ〜!」

鳳之介「な、何とか勝てたな……」

久保「よし、これで吉井君達と野球拳が出来るね‼︎」

 

 他の場所で戦ってた人たちまで無事役目を果たすことが出来た‼︎

 

雄二「よし、そろそろ中に入るか‼︎」

龍之介「そうだね!待ってろよ、俺のスピリタス‼︎」

爽「今度こそ飲み会が出来るのだな‼︎」

明久「そうだね!そして遂にアレが出来るね‼︎」

ムッツリーニ「………野球拳‼︎」

秀吉「ワシも楽しみじゃ‼︎」

雄二「皆、これだけの人数がいれば実行犯の特定も出来ないし邪魔も排除できる‼︎停学や退学の処分もないから思う存分楽しんでくれ‼︎」

男子全員「「「「「オー‼︎」」」」」

 

 そうして僕たちは鉄人の部屋に入り、ドリンクを捜索した。その時………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

龍之介「あれ?アイツどこに置いたんだ?」

爽「こっちにも無いぞ?」

秀吉「こっちもじゃの。」

雄二「それじゃあ大食堂の冷蔵庫とかか?」

 

 ドリンクがどこにも無かった。なんで?そして………

 

鉄人の「お、お前ら………あの量の飲み物は………保管できなかった………から………衛生的な理由もあり………俺が捨てた………」

 

 ちょろっと復活した鉄人が勝手に捨てたことが判明した。

 

全員「「「「「「割に合わね〜‼︎」」」」」」

 

 こうして俺たち文月学園第2学年全男子生徒総勢149名は、一週間の停学処分を食らうことになった。




 ということで強化合宿編、終了です!だいぶ原作とは異なりましたがいかがだったでしょうか?まあ飲み物がなくても野球拳自体は出来ますが、盛り上がりに欠けるよね、ってことでこうしました。

 ちなみに最後の場面で鉄人は座布団無しでシャルピー衝撃試験を受けています。鉄人を気絶させるにはこれくらいじゃないといけないかな、と思ったのでこうしました。

 そして、アンケートを取った感じ次回に続きます。ただギャグ要素がちょっと減るのでお気をつけ下さい。

 最後に、評価・感想をお願いします。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第六章 第二次試召戦争
第四十問  停学明け


バカテスト 数学

問 次の問題に答えなさい。

『 点A(a,b)を中心とする半径rの円を表す方程式を書きなさい。 』


島田美波の答え

『 (x-a)^2 + (y-b)^2 = r^2 』

教師のコメント

正解です。流石です、島田さん。


蕨屋敷爽の答え

『 え + ん = 円 』

教師のコメント

君は方程式を何だと思っていますか。


吉井明久の答え

『 ○ 』

教師のコメント

もはや数式ですらありませんね。


鷹狩龍之介の答え

『 停学期間中の麻雀の収支 = -10万「円」 』

教師のコメント

停学期間中に何をやってるんですか?


  side 龍之介

 

 停学期間中に暇すぎて雀荘に通ったんだけど、めちゃくちゃ調子が悪かったんだよね………。いい待ちは上がれない、勝負するときに限って振り込む、ことごとく選択が裏目る………。そのせいで遂にこの期間における負け額が10万円に到達してしまった……。ただ幸いなことに………

 

爽『停学期間中にパチスロに10万円吸い取られた。だからしばらくはこの負けを取り返すためにパチスロを打つので学校を休むことにする。』

 

 爽も同じ状態だった。仲間がいるだけよしとしよう!そんなことを思いながら教室に入ると………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

須川「これより、異端審問会を始める。まずは被告人、吉井明久と坂本雄二の罪状を述べよ。」

 

 面白いことが起きていた。明久と雄二が捕まっていたのだ。

 

明久「ちょっと龍之介、助けてよ!」

雄二「頼む!」

龍之介「俺にお金をくれたら考えてあげなくもないかな〜?」

明久「ちょ⁉︎」

 

 先週10万円を失って困っているところだからね!

 

雄二「なあ龍之介。」

龍之介「なんだい、雄二?」

雄二「誰かを助けるのに理由がいるか?」

龍之介「それそっちが言うセリフじゃないでしょ。」

 

 人のこと言えないけど、コイツ結構クズだよね。

 

明久・雄二「「頼む‼︎」」

龍之介「い・や・だ♪」

明久・雄二「「あぁぁぁぁぁぁぁ‼︎」」

龍之介「そんじゃあ、裁判の続きを!」

 

 ということで俺は裁判に混ざることにした。

 

須川「ではまず被告人、坂本雄二の罪状を述べよ。」

横溝「はっ!被告人坂本雄二は霧島翔子にキスをされるという罪を犯しました‼︎」

須川「この事実に相違ないか。」

異端審問会員「「「「相違ありません。」」」」

雄二「相違あるわ‼︎」

 

 まあ霧島ならやりかねないよね〜。

 

須川「続いて被告人、吉井明久の罪状を述べよ。」

横溝「はっ!被告人吉井明久は姫路瑞希と島田美波の両方にデートを誘われていた。この事実に相違ないか。」

 

 え、マジで⁉︎瑞希が焦り始めたのは知ってるけど、美波まで動き始めたのか‼︎思ったより心理テストの効果がでかいね。あんな安物に踊らされるくらいには2人の恋は本物なんだろうね。ファイト♪

 

異端審問会員「「「「相違ありません。」」」」

明久「美波と姫路さんがそういう目的で僕を誘うと思う⁉︎そんなわけないでしょ⁉︎普通に友達を誘いました〜、みたいな感じじゃないの⁉︎」

 

 もしかしたら明久は脳に重度の疾患を抱えているのかもしれない。それか極端に自分に自信がないかのどちらかだね〜。

 

須川「それでは判決を言い渡す。拷問してから、死刑‼︎」

異端審問会員「「「「はっ‼︎」」」」

明久・雄二「「やめろぉぉぉぉ‼︎」」

龍之介「嗚呼、いい酒の肴だ!」

清水「お姉様に手を出す者は、美春が退治します‼︎」

明久「えっ⁉︎」

 

 わお!脅迫犯こと清水までやってきた♪すっご〜い♪

 

 

 

 そういえば、今は割と暇なのであの2人に色々聞いておくか。流石に2人まとめて聞くのは怖いから個別で呼び出そう。まずは………

 

龍之介「お、いたいた〜。瑞希、ちょっとこっちに来て!」

姫路「へっ?あっ、はい!」

 

 瑞希からにしよう。清水がいる前で美波を呼び出すと大変なことになるからね。

 

龍之介「それで、やっとデートに誘えたんだね。」

姫路「ま、まあ……。明久君は気付いていないみたいですけど……」

龍之介「まあアイツは超鈍感だからね。」

姫路「そうなんですよね……」

龍之介「ちなみに、美波がデートに誘ったのは知ってるの?」

姫路「えっと、私が誘ったのを見て同じく誘ってきました……」

 

 心理テストの件で安心していたら知らぬ間に後手に回っていて焦ったのかな?というか………

 

龍之介「なるほどね〜。それで、さっきっからなんでそんなに歯切れが悪いの?」

姫路「えっと………」

 

 

ーーーーー姫路過去ーーーーー

 

美波「ねえ瑞希?ちょっと話があるんだけど。」

姫路「なんですか、美波ちゃん?」

美波「アンタ強化合宿3日目と4日目の夜ずっといなかったよね〜?」

姫路「え?気のせいだと思いますが……」

美波「ウチは数時間に一度目覚める体質だから分かるのよ。ウチが目覚めた全ての時間でいなかったけど、アンタ何してたの?」

姫路「いや、何も……」

美波「ふん!しらをきるならいいわ!どうせアキのところに勝手に行ってたんでしょ⁉︎それにさっきも勝手にデートに誘ったりしてるわよね?前に言わなかったっけ?勝手に誘わないって。それなのに最近の行動はおかしいと思わないの⁉︎」

姫路「うっ………うるさいですね‼︎美波ちゃんには心理テストで明久君と両想いになったから余裕があるんでしょう⁉︎こっちは余裕がないんですよ‼︎一刻も早く明久君の気を引かないといけないんです‼︎デートもそのために勝手にやりました‼︎強化合宿の夜はどっちも夜這いです‼︎もう私にはなりふり構っている余裕はありません‼︎なので好きにさせていただきます‼︎」

美波「あっそ‼︎それじゃあウチも好きにさせていただくわ‼︎」

 

ーーーー姫路過去終了ーーーー

 

 

 うげぇ………。こんなことになってたのかよ………

 

龍之介「なんかあの心理テストの結果を言っちゃってごめんね。」

姫路「龍之介君は気にしなくていいんです。」

龍之介「ちなみに夜這いの件は美波には言ってないからね?」

姫路「分かってます。」

 

 あとさ、瑞希が焦る理由も分かるけど、結構自業自得だよね。本人は分かっているとは思うから俺の口から改めて言うことはしないけどね〜。

 

龍之介「ほ〜い!それじゃあ聞きたいことは終わったよ!ありがとね!」

姫路「いえいえ〜。どういたしまして!」

 

 さてと、次は………清水も帰ったみたいだし、美波だね!

 

龍之介「美波〜!Come here!」

美波「は〜い!」

 

 まああらかた話は聞いたけどね。

 

美波「ねえリュウ?」

 

 わお!来て早々あっちから質問されるとは……

 

龍之介「なんだい?」

美波「アンタって瑞希の仲間?」

龍之介「なわけないでしょ。俺はあくまで中立さ!協力してと言われたらするけど、自分から何かをすることはしないよ。」

美波「へ〜、なるほどね。ちなみに瑞希のことについてどれくらい知ってるの?」

龍之介「3日目に夜這いしたことだけ知ってた。それでさっき本人から話を聞いて残りを知った。」

美波「なんで3日目の件を知っててウチに言わなかったの?」

龍之介「口止めされてたから。それにどっちかが抜け駆けしちゃいけない決まりなんて知らなかったし。」

美波「なるほどね〜。ありがとう!ちなみにアンタはどっちを応援してるの?」

龍之介「さっき言ったじゃん、中立って。」

美波「なるほど〜。」

 

 なんか面白い感じにはなってるけどさ、ギスギスしすぎてて正直身を引きたいな〜。

 

美波「それとさ……」

龍之介「何?」

美波「アンタって瑞希のことが好きなの?」

 

 あの心理テストの件をどこまで引っ張るんだよ。まあこれを美波に言っちゃうと心の拠り所を無くして暴走しちゃうからやめとこう。

 

龍之介「いや、別にそういうわけじゃないよ。」

美波「なるほどね〜。それじゃあありがとね!」

龍之介「ど〜も♪」

 

 こうして用件も済んだので俺は教室に戻った。

 

 

 

 

 放課後、俺は雄二たちに呼び出された。そこにいたのは強化合宿の時の同じ部屋のメンツだった。まあ爽は休んでいるけどね。

 

雄二「お前らに話しておきたいことがある。」

明久「どうしたの?」

龍之介「まさか結婚式の話?」

秀吉「それはそれはおめでたいのじゃ!」

ムッツリーニ「………写真なら任せろ!」

雄二「ちげ〜よ‼︎もっと真面目な話だ。」

 

 真面目な話?結婚式も充分真面目な話だと思うんだけどな〜。

 

雄二「Dクラスで試召戦争を始めようという動きが出ているらしい。」

明久「Dクラス?となると相手はBかCクラスかな?」

雄二「それだったらお前らに言う必要がないだろ。」

 

 マジで?それじゃあ…………

 

龍之介「まさか俺ら狙い?」

雄二「その通りだ。しかも現状男子男子の点数は強化合宿3日目に負けた後のまんまだから勝つのはかなり厳しい。」

 

 やっぱり。現状うちのクラスは最終日にシャルピー衝撃試験機を運ぶのに人員を割いたせいで点数を低いままで放置している。それに俺も主任との勝負で点数がないからかなり厳しい。

 

 でもなんでうちのクラスなんだろう?狙う必要がなくない?

 

ムッツリーニ「………しかも校内のあちこちに清水のものと思われる盗聴器を発見した。………Fクラスの物は外したが。」

 

 あのクソアマめ‼︎そういうことか‼︎やりやがったな‼︎絶対八つ当たりだろ‼︎

 

明久「マジで⁉︎」

秀吉「どうしてワシらを……」

雄二「表向きは飲み会騒ぎに飲料奪還戦争の主犯の制裁だろうな。」

龍之介「真の狙いは美波とデートすることになった明久への八つ当たりだね。」

明久「はぁ⁉︎だからアレはデートなんかじゃ……」

龍之介「まあ清水の中ではそう言うことになってんじゃない?」

明久「うそ〜ん……。美波が可哀想だよ……」

 

 言葉は合ってるけど意味は全く違うね。それはそうと………

 

雄二「この時のための清水への貸しか。」

龍之介「そうだね!アイツが万が一こりてなかった時のためだね!」

明久・秀吉・ムッツリーニ「「「なるほど!」」」

龍之介「これを使って………」

雄二「面倒なDクラス戦を無くすぞ!」

 

 ということで清水美春を利用しに行くぜ‼︎待ってろよ、俺の可愛い奴隷ちゃん♪




 ということで強化合宿を終えて原作4巻の話になります。ただ明久を巡る争いが原作とはかなり異なる状況になっています。一体全体どうなってしまうのでしょうか………。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第四十一問 清水美春と全裸兄貴

バカテスト 数学

問 次の常微分方程式を解きなさい。ただしx=0のときy=3とする。

『 dy/dx=xy 』


姫路瑞希の答え

『 高校の履修範囲外のため分かりません。 』

教師のコメント

申し訳ございません。その通りですね。間違えて出題してしまいました。この問題は無効とします。


木下優子の答え

『 y = 3exp(x^2/2) 』

教師のコメント

正解です。木下さんは大学の数学まで分かるんですね。 


木下秀吉、蕨屋敷爽の答え

『 姉上(優子)と同じ 』

教師のコメント

では2人にだけ常微分方程式の宿題を課します。明日までにやってきて下さい。


鷹狩龍之介、土屋康太の答え

『 hadaka y shirt = se^x 』

教師のコメント

それっぽく書いてもダメです。あとで2人とも職員室に来るように。


  side 龍之介

 

 ということで早速俺たちはDクラス戦を阻止しに清水美春のとこに向かおうと思ったのだが……

 

雄二「俺達が直接行くとそのまま宣戦布告される可能性がある。だから島田に頼んで呼びつけてもらおう。」

龍之介「確かに!」

 

 ということで……

 

龍之介「美波〜!清水をここに呼んできて〜!」

美波「分かったわ!」

 

 美波を使って清水を呼んだ。

 

姫路「明久君、ちょっとこっちに来てくれますか?」

明久「あ、いいよ〜。」

 

 コイツ、美波が居なくなった隙を見て明久を取りに来たな?まあいい、そんな事は無視して清水と話をしよう。お、やってきたぞ!

 

清水「それで、美春に用ってなんですか?」

雄二「えっと、これは俺達の憶測でしかないんだが………」

龍之介「Fクラスに宣戦布告をしようとしてるのかな?」

美波・姫路「「えっ?」」

清水「し、仕方ないですね。バレて……」

龍之介「ストーップ!それ以上言ったら脅迫と盗撮の件を全部バラしちゃうけどいいかな?」

清水「み、美春は飲み会騒ぎと飲み物強奪の主犯を粛清しようと……」

龍之介「それなら俺たちは脅迫と盗撮の主犯を粛清するよ〜?」

清水「うっ………それなら戦争の準備はやめる事にします……」

龍之介「い〜こい〜こ!」

 

 よし、これで戦争は避けられたぞ!やったね!ちなみにDクラスは代表の平賀が俺たちの騒ぎに加担したせいで発言力を失ってるから実質清水の天下になってるんだよね。だからこうすれば大丈夫さ!

 

龍之介「それじゃあね〜!」

清水「はい………」

 

 ということで清水はトボトボと帰っていったのだが………

 

美波「ちょ、ちょっと瑞希⁉︎何してんのよ⁉︎」

 

 代わりにこっちの問題が発生した。まあ起こるとは思ってたけど……。

 

姫路「へ?どうしたんですか、美波ちゃん?私はただ明久君に勉強を教えているだけですよ〜。」

明久「丁度宿題で困っていたから聞いてるんだよ……」

美波「だ、だとしてもそこまでくっつく必要はなくない⁉︎」

姫路「へ?近付かないと勉強出来なくないですか?もしかして美波ちゃんはあんまり勉強したことないからこの事も分からないんですか?」

明久「え、姫路さん?」

美波「くっ……た、確かにウチは瑞希よりは勉強してないかも……」

姫路「そうなんですね!だったら教えてあげます!勉強する時はこれくらいは普通なんですよ♪」

明久「そ、そうなんだ〜!」

美波「わ、分かったわ。そ、それじゃあ2人とも勉強頑張ってね……」

姫路「はいっ♪」

明久「うん!」

 

 うわ〜。女の喧嘩ってマジで怖いね〜。あと思ったより美波が折れるのが早かったね。まあソレを言われると仕方がないよね。

 

雄二「龍之介、秀吉、ムッツリーニ、ちょっと屋上に来てくれ。」

ムッツリーニ「………屋上は清水の盗聴器がある。」

龍之介「う〜ん、じゃあ俺の家で!」

雄二「分かった。じゃあ今から行くか。」

秀吉「了解じゃ!」

ムッツリーニ「………ちょっと色々情報を収集してから向かうから校門で待ってて。」

雄二・龍之介「「う〜い。」」

秀吉「分かったのじゃ。」

 

 ということでムッツリーニを校門で待つことにした。多分アイツは校内に張り巡らせた盗撮・盗聴の情報を回収するつもりだろう。

 

 

 

 

 しばらくしてムッツリーニが出できた後、雄二、ムッツリーニ、秀吉の3人で俺の家に向かった。家に着くと………

 

鮫之介「おう!ただいま………って友達と鳳之介の彼女の秀吉も一緒か〜‼︎」

杏「肉付きのいい高校生達だな‼︎‼︎」

 

 兄貴と杏先輩がめちゃくちゃ奇抜な服を着て待っていた。紫のパーマをかけた大阪のおばちゃんでも着ないだろ、それ。

 

龍之介「うわ気持ち悪!なんだよその服!」

秀吉「というかワシは男じゃし鳳之介の恋人ではないのじゃが……」

鮫之介「じゃあ龍之介の恋人か‼︎LINEのトプ画がツーショット写真だしね〜!」

龍之介「そうだね‼︎」

秀吉「違うのじゃ‼︎」

龍之介「とにかく、その服は似合わないから自分の部屋に行って!」

杏「むむ……服が似合わないと言われてしまったか………」

鮫之介「それなら………」

鮫之介・杏「「脱ぐしかないな‼︎」」

 

 そうして2人は全裸になった………って!

 

龍之介「馬鹿共がぁぁぁ‼︎誰が全裸になれって言った⁉︎早く着替えてこい‼︎」

鮫之介「いや〜、だって服が似合わないって言われたんだぜ?」

杏「それなら服を着ていない状態になれば見苦しくないと思ってな‼︎‼︎」

龍之介「俺は『その』服が似合わないって言ったんだよ‼︎それと全裸の方がどう考えても服を着ているよりも見苦しいだろうが⁉︎」

鮫之介「何言ってんの?お前だって風俗とかで全裸になってんじゃん!」

龍之介「その理屈が正しければこの家は風俗になっちゃうでしょ‼︎」

杏「なに爽みたいなこと言ってんだ?それに風俗以外でも人は裸になるだろ‼︎⁉︎」

龍之介「それは風呂だけだ‼︎もういい‼︎俺たちは俺の部屋に行く‼︎じゃあな‼︎」

鮫之介「フラれちゃった……」

杏「何がいけなかったんだろうな?」

 

 全部だよ‼︎全くもう!

 

 

 

 なんとか俺たちは兄貴と杏先輩をやり過ごして俺の部屋に辿り着いた。

 

雄二「お前も身内で苦労してるんだな。」

ムッツリーニ「………大変そう。」

秀吉「姉上がまともで良かったのじゃ!」

龍之介「お前もってことは雄二の身内も?」

雄二「あぁ。ちょっと母親がな………。この間はコーヒーと醤油を間違えてたよ……」

龍之介「なんかそれはそれでアレだね。」

雄二「だよな。」

 

 どこの家庭にもアレな人はいるんだね〜。

 

雄二「さてと、本題に入るとするか。」

龍之介「本題?」

雄二「姫路と島田の件だ。」

 

 うわ〜。アレね〜。

 

龍之介「それかよ‼︎俺もうあそこに近付きたくないんだけど⁉︎」

秀吉「お主は一体何をしたのじゃ?」

ムッツリーニ「………余計な事をしたの?」

龍之介「いや〜、まあしたといえばしたかも知れない……。いや〜でもしてないのかも知れない。」

雄二「なんだよその微妙な返事は?」

龍之介「実はかくかくしかじかで……」

 

 こうして俺は事情を話した。

 

雄二「なるほど。一概にお前のせいとも言い難いんだな。」

秀吉「そもそもだがが百均の心理テストでここまで振り回されるとはのぅ。」

龍之介「まあ、それほど好きなんでしょ?」

ムッツリーニ「………そうだな。」

雄二「んで、この状況のせいで尚更今俺たちが攻め込まれたら大変な事になってしまったな。」

龍之介「清涼祭の時もそうだけど、あの2人は暴走するとちょっと周りが見えなくなっちゃうからね〜。」

秀吉「試召戦争となったらあの2人で勝負とかしそうじゃしのぅ。」

ムッツリーニ「………そうなると……」

雄二「俺たちのクラスの死は免れないな。」

 

 現時点で戦力になる2人が大喧嘩してるんだからね。そこが仲間割れして片方を潰したらもう俺たちに勝ち目はないよね。

 

ムッツリーニ「………そして更に嫌な報せがある。」

龍之介「どんな報せ?」

ムッツリーニ「………これを聞いて欲しい。」

 

 

 

姫路『あ、あの、土屋君。龍之介君がウリ専(ゲイ用の風俗)に入っていく写真を持っているって本当ですか?』プツッ

 

 

 

 は⁉︎マジで嫌な報せじゃねえか‼︎というかなんで知ってるんだよ⁉︎

 

 

ムッツリーニ「………間違えた。」

龍之介「おい!お前も俺のあの写真を持ってるのかよ‼︎ふざけんなよ‼︎」

ムッツリーニ「………いや、持ってない。」

龍之介「クソ‼︎あのデブめ‼︎」

 

 アイツ、積極的に俺を手駒にしようとしてるな⁉︎許せねえ‼︎こうなったら電話だ‼︎

 

姫路『あの、もしもし、どちら様でしょうか?』

龍之介『イマカラ一千万円ヲ師走銀行ノ普通口座、123-4567二フリコメ。モシ振リ込マナケレバオマエヲコロス。』

姫路『えっ⁉︎ちょ、ちょっと!何ですか⁉︎』プツッ

 

 復讐完了だ!アイツは騙されやすいからきっと振り込んでくれるはず‼︎

 

雄二「お前ってやる事がえげつないよな。もしかしたら姫路もお前に染まったんじゃないか。」

龍之介「否定はできないね。最近俺に似てゲスくなってるし。まあそんなことより本題だ!」

ムッツリーニ「………分かった。」

 

 

根本『Fクラスの様子はどうだ?』

モブ『何かまたバカな事をやってたみたいで、午前中は点数補充もやってないみたいだ。あの様子だとこっちの意図に気付くこともないだろう。』

根本『そうか。それならいい。当面は俺達も点数補充をして、向こうにこちらの動きが気取られたら即座に宣戦布告を行う。』

 

 

ムッツリーニ『………以上。』

 

 Bクラスかよ!根本め、また俺たちをいじめようってのか!

 

龍之介「クソ、アイツめ‼︎」

秀吉「しかし何故ワシらなのじゃ?」

雄二「恐らく自分のクラス内での地位を上げるためにやったことだな。」

龍之介「まあアイツは元々人望が無かった上にこの間の飲み会騒ぎ兼飲料強奪の件でもはやクラス内に自分の立場はないんじゃないかな?」

雄二「そこで、俺達をクラス共通の敵とし、粛清する事を大義名分に自分の地位を取り戻すつもりでいるんだろう。」

秀吉「一緒に飲み会と強奪をやった仲なのにのぅ。」

龍之介「昨日の味方は今日の敵って言うでしょ?」

秀吉「普通は逆な気がするのじゃが……」

 

 工藤とかだってそうだったからね。まあアイツのやってる事は真っ当な事だったから何も言い返せないけどね。

 

龍之介「それじゃあ大急ぎで点数補充でもするの?多分間に合わないと思うけど。」

雄二「そうだな。それに点数補充がバレたら宣戦布告をされてしまう。だから何とか時間稼ぎをするしかない。」

秀吉「ならどうやって………」

雄二「他のクラスに宣戦布告をしてもらうようお願いする。俺たちはAクラス戦の敗戦のペナルティで宣戦布告が出来ないから相手にやってもらうんだ。そしてそれを利用してしれっと点数補充をしながら八百長で引き分けにしてやり過ごす。期限は試験召喚システムのメンテナンスが終わる明日が終わるまでだ。」

 

 なるほどね。それなら時間稼ぎと点数補充の両方を両立出来そう。

 

ムッツリーニ「………それじゃあEクラスにやるのか?」

雄二「アイツらには動機がないから厳しいな。」

龍之介「それに俺の賄賂を使おうったって先週麻雀で大負けしちゃったからな〜。金がないんだよ〜。」

雄二「いやそれを使うのはダメだろ。」

秀吉「そうじゃの。」

龍之介「ええ〜!それじゃあEクラスじゃなくてDクラスとか?」

雄二「そうだな。また清水を脅すか。」

龍之介「でも俺たちから脅すのは脅迫犯と変わらないんじゃないかな〜?まあそれでもいいんだけどさ。あまりやり過ぎると清水が死なば諸共で暴走するかも知れないし。」

 

 割と俺のモットーなんだけど、やられたらやり返すスタイルだからね。だからあまり先制攻撃は好きじゃないし得意でもないんだよね。

 

雄二「意外だな。お前なら喜ぶと思ったのに。」

秀吉「お主にも良心が残ってたんじゃな。」

ムッツリーニ「………まだ堕ちてはいないのか。」

龍之介「みんな酷いよ〜!俺ってとても優しい男なのに〜。」

雄二「寝言は寝て言え。まあそうなるとどうやってDクラスを焚きつけるかだが………」

秀吉「島田と明久をくっつけて清水の嫉妬を煽るのは………」

龍之介「瑞希が暴走す………」

 

 ん?待てよ?逆にこれを活かせば………

 

龍之介「いや、秀吉の案を採用しよう!そして瑞希には嫉妬する役を演じてもらってリアリティを出すんだ‼︎そうすれば清水も激おこぷんぷん丸になるはず!あとは俺たちが清水を後押しすればやってくれるはず‼︎」

雄二「リアリティどころかリアルじゃねえか。」

秀吉「2人の殺し合いが始まらないといいのじゃが……」

龍之介「まあヤバくなったら俺たちで止めればいいよ!それより、秀吉は台本使っといてくれるかな?」

秀吉「分かったのじゃ!」

雄二「それじゃあ明日頼んでみるか。」

龍之介・秀吉・ムッツリーニ「「「了解!」」」

 

 ということでDクラスを焚き付けるための作戦開始だ!




 ということでDクラス戦回避からのBクラス戦回避のための作戦会議でした。強化合宿の時と同様に原作とかなり変えつつも原作の大事な部分は残そうと思います。

 あとここにきて若干姫路・島田アンチ(特に姫路)っぽくなってると思いますがそれは2人の心の余裕が無いだけです。暖かく見守って下さい。

 そして、次回は遂に明久・美波・姫路の告白演技シーンです。お楽しみに!

 最後に、評価・感想をお願いします。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第四十二問 演技と妨害

バカテスト 音楽

問 次の問題に答えなさい。

『 3拍子が一般的とされるテンポの良い淡々とした舞曲、およびそれに合わせて踊るダンスのことをなんと言うでしょう。 』


鷹狩龍之介の答え

『 ワルツ 』

教師のコメント

正解です。ズンチャチャのリズムが特徴的ですね。


島田美波の答え

『 三三七拍子 』

教師のコメント

確かにテンポはいいですけど不正解です。


土屋康太の答え

『 女性用のダンスの衣装には様々な種類がある。例えば(後略) 』

教師のコメント

ダンスの衣装については聞いていません。あと長すぎです。


吉井明久の答え

『 僕の食事 〜水 塩 砂糖〜 』

教師のコメント

3拍子っぽく言わないでください。


  side 龍之介

 

 翌日教室に行くと、早速地獄みたいな事が起きていた。

 

姫路「美波ちゃん!昨日の詐欺電話は何なのですか⁉︎」

美波「はぁ⁉︎何よそれ‼︎ウチじゃないわよ‼︎」

姫路「美波ちゃんが龍之介君にでも命令してやらせたんじゃないですか⁉︎」

美波「そんな事するわけないでしょ⁉︎」

明久「ふ、2人とも落ち着いて……」

 

 まずは俺が事実を言うか〜。

 

龍之介「瑞希、ちょっとこっちに来て。」

姫路「龍之介君?わ、分かりました。」

 

 というわけで瑞希と2人で話をする事になった。

 

龍之介「昨日の詐欺電話は俺の独断だね♪」

姫路「はぁ⁉︎何考えてるんですか⁉︎ふざけないで下さいよ⁉︎」

龍之介「俺を脅しに使うための写真をムッツリーニから貰おうとした奴に言われたくないな〜。」

姫路「な⁉︎土屋君⁉︎」

龍之介「言っとくけどムッツリーニは悪くないかんな〜。」

姫路「じゃあ龍之介君が脅したんじゃ……」

龍之介「なわけないでしょ?あのさあ瑞希……」

姫路「なんです?」

 

 ついでに言いたい事も言っておこう。基本中立のスタンスだったけどこれだけは言っておきたいからな。それにこのままだと瑞希は確実に負けるからね。

 

龍之介「心理テストの件は正直すまないと思ってるよ。でも最近の行動はちょっと不味くないか?」

姫路「う、うるさいですね‼︎私はなりふり構ってられないんですよ⁉︎」

龍之介「それは分かる。でももっと頭を冷やして欲しい。焦りと怒りに身を任せた行動じゃ明久はなびかないと思うよ?」

姫路「それは龍之介君が恋愛をした事がないから言えるんですよ‼︎」

龍之介「まあ確かに俺はその手の経験はないよ?でも俺みたいな経験のない人ですら今のお前の行動はただの自滅にしか見えないんだよ?だったら尚更不味くない?」

姫路「うっ……」

龍之介「とりあえず少し頭を冷やしてから行動しよ?もしそれで負けたら俺の責任にしていいから。」

姫路「わ、わかりました……」

 

 とりあえずなんとかなったかな?それにしても自分から助言をするって、らしくないな〜。ちゃんと中立になるって言ったはずなのに。それじゃあ美波にも何か言うようにしないと……。

 

 

 

 そうして俺は瑞希と一緒に教室に戻っていつものメンバーで作戦会議をした。

 

雄二「かくかくしかじかというわけで、お前らにはその演技を頼みたい。」

明久「う、うん………」

姫路「面白そうですね!分かりました、やりましょう!」

美波「わ、分かったわ!クラスのために一肌脱ぐわ。」

龍之介「ついでに服も脱いでくれると嬉しい。」

美波「ついでに捕まってくれると嬉しい。」

雄二「まあこのバカは放っておいて、頼んだぞ。」

秀吉「台本と演技指導はワシが行うのじゃ!」

明久・美波・姫路「「「は〜い。」」」

 

 というわけで明久ハーレムと秀吉が演技指導に行ったので俺たちは暇になったよ!やったね!

 

雄二「それじゃあ龍之介とムッツリーニには回復試験の妨害を頼みたい。」

龍之介「妨害なんかやっちゃったらあっちに宣戦布告されないかな?」

ムッツリーニ「………リスクが高い。」

雄二「俺達がやったとバレないような妨害を頼みたい。」

龍之介「うわ、むず!」

雄二「でもやるとやらないとじゃ大違いだろう。悪知恵の回るお前に頼みたい。その間俺は秀吉の演技を確認したいからな。」

龍之介「悪知恵が回るのは雄二の方でしょ?」

ムッツリーニ「………どっちもどっち。」

雄二「ということで頼んだ。」

龍之介「は〜い。」

 

 相手にバレずに妨害か〜。となると回復試験をやってる人たちの集中力を乱せばいいんだね。

 

ムッツリーニ「………どうする?」

龍之介「う〜ん………。そうだ、こうしよう!」

 

 そうして俺たちの妨害は始まった。

 

 

 

 

 

  side 根本

 

 さあFクラスよ、首を洗って待ってろよ‼︎そのためにも今は点数補充に専念だ!そんな事を思っていると………、

 

高城「代表の根本君はいますか?」

 

 3年の学年首席、高城雅春がやってきた。

 

根本「はい、何の用でしょう?」

高城「いや〜、昨日根本君に頼まれていた『誰でも可愛くなれる!女装のい・ろ・は♡応用編♪』という本なんですけど、今日持ってくるのを忘れちゃったんですよね。だから明日でいいですか?」

 

 は⁉︎

 

根本「いやいやいや、俺はそんなもの頼んでないんですけど⁉︎人違いじゃないですか⁉︎」

モブ1「おいおい、根本の奴本格的に女装に目覚めたのか……」

モブ2「しかも応用編って……」

モブ3「もうアイツは戻らないとこまで来たんだな。」

高城「えっ、昨日言ってましたよね?」

根本「言ってませんよ‼︎」

高城「嘘はよくないですよ?」

根本「嘘じゃないです‼︎とにかく帰って下さい‼︎」

高城「ひ、人違いでしたか……。それでは失礼しました。」

根本「本当に失礼しましたね。」

 

 前から思ってたが、この先輩は本当に頭がおかしいんじゃないのか?

 

 

 

 さて………、回復試験に集中………

 

 

花火《ヒュ〜ン、ドン‼︎》

 

 

 花火だと?なんで?清涼祭の時の残りか?

 

モブ1「花火?」

モブ2「どんな感じだ?」

モブ3「きれ〜い♪」

 

 というかさっきからクラスの連中が集中出来てないし………

 

根本「お前ら!回復試験に……」

 

花火《ヒュ〜ン、ドン!ドン!ドン!》

 

 クソ!花火がうるさくて指示が通らねえ!

 

花火《ヒュ〜ン……》

 

 しかもしけってる奴も混ざってんのかい!

 

花火《ヒュ〜ン、ド、ド、ド、ド、ド〜ン‼︎》

 

 今度は何連発も来た…………ってそうじゃねえ‼︎集中できないだろうが‼︎

 

 

 

 しばらくした後、やっと花火は終わった。これで回復試験に集中………

 

放送《………………》

 

 放送?今度はなんだ?

 

鮫之介《一人で寂しい貴方に贈りま〜す‼︎》

杏《聞いてください‼︎‼︎》

 

 は?なんか曲が始まろうとしてるんだが?

 

鮫之介・杏《バカと孤独と個室飯》

 

 しかも一人で寂しい貴方ってぼっちのことかよ‼︎なんだよこの曲は⁉︎

 

ギター《♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪》

 

 題名が変だったけど、実は哀愁漂うギターソロからしていい曲なのかもしれないな?

 

鮫之介《卵、かけ〜、ご飯です〜♪僕は1人きりで〜♪》

 

 ん?なんか歌詞がちょっと変だぞ?

 

鮫之介《便所の個〜室〜、昼下がり〜♪孤独がスパイス〜♪》

 

 って便所でぼっち飯食ってる歌かよ‼︎確かに孤独で辛い貴方に向けた曲だけれども‼︎というかなんでこんなに哀愁漂うバラードにしたんだよ‼︎

 

杏《アクシデント〜、が起きる〜♪不穏な匂いする〜♪》

 

 ん?何が起きたんだ?

 

杏《隣の奴がレトルトのカレーを食いだ〜した〜♪本気か〜♪》

 

 それはまずい!トイレでカレーを食うのはやばい‼︎絵面も臭いも相当やばいぞ‼︎アレを連想しちゃうだろ⁉︎

 

杏《ちょっと待てよトイレでカレーを〜♪食いだすのは〜♪マナー知らずってやつだろう〜♪》

 

 その通りだぞ‼︎やってる奴を見つけたらぶっ潰してやる‼︎

 

鮫之介・杏《この孤独〜守り〜たい〜♪ほ〜かに〜何もないから〜♪》

 

 本来孤独は守るべきものじゃないが、隣の個室でカレーを食いだす奴がいるなら話は別だな。というか他に何もないのかよ⁉︎

 

鮫之介・杏《全てを失いこの空間すら失ってく〜♪》

 

 もう居場所がどこにはなくなりそうじゃないか。

 

鮫之介・杏《勇気〜出し〜♪壁殴り〜♪隣〜の個室〜見た〜♪》

 

 そうしたくなる気持ちは分かるぞ。さて、誰が犯人だったんだ?

 

鮫之介・杏《そこにはもう一人の僕が座っていた〜♪》

 

 え?どういう事?全く意味がわからないぞ?どういう意味………ってそうじゃない‼︎さっさと回復試験に集中しないと‼︎

 

 

 

 

  side 龍之介

 

龍之介「よし!」

ムッツリーニ「………これで大丈夫だな!」

 

 これなら俺たちが妨害したとは気付きにくいでしょう!あと高城先輩が瑞希の事を好きだったみたいなので瑞希を売ることにしたよ!まあどうせ彼女は彼にはなびかないからいいよね!決して瑞希への日頃の仕返しでやったわけじゃないよ‼︎

 

 さてと、そろそろ演技の方を見に行きますか!確か屋上に清水の盗聴器があるらしいからそこに行けばいいよね!そしてそこでは………

 

美波「あのさ、アキ?」

明久「何、美波?」

美波「実はウチ、アキのことが好きなの‼︎」

 

 清水のための演技が始まっていた!

 

 

 

  side 明久

 

 正直今は美波に腕をちょっとキツく握られてて痛いけど我慢だね!それに演技とはいえ美波が近くにいるとちょっとドキドキする………。まあ向こうは嫌でやってるんだけどね。

 

明久「ほ、本当?」

美波「う、うん……」

明久「実はね、僕も美波のことがすごく好きなんだ。初めて会ったあの時からずっと好きだった。だからこれからは恋人としてよろしくね‼︎」

美波「うん、こちらこそよろしくね‼︎」

 

 そこに姫路さんが乱入した。

 

姫路「ふ、2人とも何してるんですかっ‼︎今は授業中ですよ⁉︎」

 

 秀吉の指導もあって迫力が増してる。まるで姫路さんが本当に僕に惚れてるように見えて正直ちょっとドキドキしてる。

 

美波「ごめんね〜瑞希♪恋人同士でイチャついてただけだよ〜♪」

姫路「2人の関係って美波ちゃんが無理矢理付き合わせただけですよね⁉︎全くいつもそうやって暴力と恐喝ばかり………。なんとか言ったらどうなんです、美波ちゃん⁉︎」

 

 まあこのセリフが無理矢理言わされてるのは本当なんだけどね〜。命令したのは秀吉だけど。それにしても本当に迫力があるな………。というか最近この2人が怖いんだよね。なんかずっと喧嘩をしているし……。もしかして龍之介とどっちが付き合うかで争ってるのかな?

 

美波「な〜に瑞希は怒っちゃってるのよ?もうアキはウチのものなんだから諦めなさいよ‼︎それとも隙を見てウチから奪おうとしてたわけ⁉︎頭おかしいんじゃないの⁉︎この泥棒猫が‼︎」

姫路「奪おうも何も、明久君と美波ちゃんの関係はちゃんとしたものではないでしょう‼︎私の方が明久君を大切にできる自信があります‼︎だから早く明久君を解放してあげて下さい‼︎そうでないと明久君が可哀想です‼︎」

 

 2人とも僕のために争わないで〜、ってドラマとかで言うところだよね。まあそんなんじゃないんだけどね。あとさっきからアドリブが多いような……。秀吉の演技指導の賜物かな?

 

美波「あらそう?でもアキはウチのことを好きなの。ね、アキ?」

明久「そ、そうだよ‼︎これは美波に言わされてるわけじゃないんだよね!ごめんね、姫路さん‼︎」

姫路「そ、そうやってまた脅迫して‼︎」

美波「脅迫なんかじゃないわよ‼︎」

明久「そうだよ。これは僕の本心だよ!」

姫路「そ、そうなんですか……。もう2人とも知りません‼︎」

 

 そう言って姫路さんは屋上から出る。作戦成功だね!さあ清水さん、これを見て聞いて怒り狂ってね‼︎…………ってあれは何かな?

 

 

 姫路さんの制服の首の後ろに近い部分、あの機械は…………さては盗聴器⁉︎いつの間に⁉︎さっきトイレ行った時かな?とにかく早く取らないと‼︎このあと姫路さんは教室に戻る予定だから、このままだとクラスの会話が聞かれてしまう‼︎

 

明久「ちょっと美波、ごめん‼︎」

美波「え、ちょ、アキ?どこ行くの⁉︎」

明久「いいから離して‼︎」

美波「ちょ、あの⁉︎」

明久「いいから‼︎」

 

 姫路さんに向かって一直線に走る。早くあの盗聴器を取らないと‼︎

 

 

 

 

 

 

 

  side 美波

 

 やっぱり…。ウチよりも瑞希を優先するんだね。何も初めから分かってたことじゃない。

 

美波「そう…そういうことなのね…。」

秀吉「(し、島田落ち着くのじゃ、迂闊なセリフは…)」

龍之介「(お、落ち着いて〜)」

 

 リュウと木下が何か小声で言ってるけどそんなのもうどうでもいいわ。

 

美波「もういいわ。演技なんておしまい。どうせアンタは瑞希みたいな『女の子』が好きなんでしょ‼︎」

 

 何も初めから分かりきってたことじゃない‼︎アキのタイプは瑞希だって。あの心理テストも所詮安物よ!アキが変な勘違いをされてそれで焦ったんだわ‼︎やっぱりウチには無理だったんだ……。アキ、瑞希と幸せになってね………。




 ということでBクラスへの妨害工作からの屋上での明久・美波・姫路の演技でした。2人が本当に喧嘩しているということもあって原作よりもセリフがキツくなっています。そして明久の逃亡理由はアニメの方に合わせました。

 ちなみに放送で流した全裸兄貴たちの音源は前にあの2人がふざけて撮ったものを龍之介が悪用した形になります。

 さて、次回は暗殺をします。お楽しみに!

 最後に、評価・感想をお願いします。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第四十三問 暗殺

バカテスト ギブアップ

願 何か問題を出してください。


姫路瑞希の問題

『 本能寺の変が起きたのは西暦何年でしょう。 』

教師の解答

1582年ですね。織田信長が明智光秀に殺された事件ですね。


鷹狩龍之介の問題

『 ウォッカとウイスキーを足すと何になるでしょう? 』

教師の解答

ただのキツいお酒になるだけだと思います。


木下秀吉の問題

『 ワシの姉上のクラスを答えて欲しいのじゃ。 』

教師の解答

2年Aクラスです。とても個人的な問題ですね。


久保利光の問題

『 僕の恋人の名前はなんと言うでしょう。 』

教師の解答

まだ付き合っていないはずでは?


霧島翔子の問題

『 私の旦那の名前はなんと言うでしょう。 』

教師の解答

坂本君はまだ17歳なので結婚できませんよ?


  side 龍之介

 

 俺、雄二、ムッツリーニ、秀吉は教室に集まっていた。そしてそこに明久と瑞希が帰ってきた。ちなみに美波は落ち込んでいて、まだ屋上にいる。

 

雄二「おいおい明久、大失敗もいいところだぞ?」

明久「大失敗?」

龍之介「美波が怒っちゃったんだよ。明久が瑞希を優先させて飛んだっちゃったから。」

明久「えっ、なんで⁉︎僕はただ姫路さんの制服の背中の襟のところに盗聴器が付いてたからそれを取ってただけだよ。」

姫路「ごめんなさい……」

明久以外の男子「「「「えっ?」」」」

 

 マジかよ。

 

雄二「それならもう一回録り直す………のは無理だな。意図的にやったのが既にバレている。」

龍之介「ならBクラスへの時間稼ぎだね。また頭のおかしい歌を流すか〜。」

雄二「それに加えて偽情報を流して欲しい。DクラスがBクラスに宣戦布告しようとしてるってな。」

龍之介「りょ〜かい………と言いたいところだけどそれはムッツリーニと秀吉に任せるよ!それに間に合いそうになかったら遠慮なく清水美春を脅してね!」

雄二「無論そのつもりだ。」

明久「龍之介は何するの?」

龍之介「美波んとこ行ってくるわ。」

明久「ごめん、なんか任せちゃって……」

龍之介「いえいえ〜。」

 

 さてと、美波の所に…………

 

姫路「あの、ちょっと話が……」

 

 でしょうね。瑞希が妨害してくると思ったよ。いや、妨害じゃないかもしれないけど。

 

 

 

 こうして俺は瑞希とまた2人になった。

 

姫路「あの、美波ちゃんのところに行かないでもらえますか?」

龍之介「誤解をそのままにしておいた方が自分にとって有利だから?」

姫路「ま、まあ………」

 

 でしょうね。

 

龍之介「でもさ、俺が言わなくてもいずれ明久は言いにいっちゃうと思うけどな〜。お前が惚れた奴ってそういう奴でしょ?」

姫路「は、はい……。そういえば………」

龍之介「ということで、行ってきま〜す!」

姫路「いってらっしゃい……」

 

 ということで俺は美波の所に向かった。

 

 

 

 美波は予想通り屋上でしょげていた。こっちもこっちで明久が最初は瑞希の事を好きだったのを薄々感じてたからね。

 

龍之介「うぃ〜す!ど〜も〜!」

美波「何?ウチをバカにしに来たの?」

龍之介「半分正解!」

美波「あっそ。」

龍之介「じゃあ最初にバカにしておくか。色々追い詰められてたとはいえ、明久が瑞希の事が好きだから走ってったって早とちりしたのはどうなのかな〜?」

美波「そうじゃなかったら何だって言うのよ?」

 

 やっぱりそう思ってたんだね。

 

龍之介「実はね、瑞希の制服の背中の襟に盗聴器が付いてたんだ。本来は俺やムッツリーニ、秀吉が気付くべきだったけど明久しか気付かなかったんだよね。」

美波「もしかしてそれを取りに慌てて瑞希の所へ?」

龍之介「正解!」

美波「えっ………」

 

 瑞希に勝手に助言しちゃった以上、中立と宣言したんだからちゃんと美波の手伝いもしないとね〜。

 

美波「あぁ……。ウチのせいだ………」

龍之介「そうだね。」

 

 ここで嘘をついてもためにならないと思って正直に言ったよ。

 

美波「ごめんなさい………」

龍之介「まあまあ、起きた事はもう戻せないんだからさ、これからどうするかを考えようよ!」

美波「これからって?」

龍之介「まあまずは素直に謝ってさ!そしてこれから協力すればいい!」

美波「う、ウチが素直になんて今更………。今までもアキに対して酷く当たってきたのに………」

 

 美波も思い詰めてたみたい。2人が2人とも追い詰められた結果派手にぶつかったわけね。でもね、俺は違うことを思ってたんだ。

 

龍之介「そうかな?普通に明久のダメなところを正すお姉ちゃんみたいな感じで俺はいい感じだと思うんだけどね〜。」

美波「そ、そんなことないよ……。それにウチって割と汚い人間だよ?割とわがままだしすぐに嫉妬もするし汚いこともするし……。アキのタイプの人間じゃないって分かっていながらここまで付き纏っちゃったし………」

龍之介「そんなの誰だってそうだよ。むしろ人間には汚い部分がつきものさ!それにここまで付き纏ったことがプラスに働くことだってあるんだよ?」

美波「そうかな?」

龍之介「そんなもんさ!」

 

 明久が最初は瑞希一筋だったけど、清涼祭のあたりから美波のことも気になり始めたのも事実だね。強化合宿の時にはおそらく美波の方が好きだったんじゃないかな?心理テストの時の反応以外の根拠がないけどね。そして今は正直どっちだか分からん!2人の相手をしていたら聞くに聞けなかったからね。

 

龍之介「まあとりあえず、俺から言えることはこんな感じだね!あとはよろしく!」

美波「う、うん!」

龍之介「そんじゃあ、Come here!」

美波「は〜い!」

 

 ということで美波が復活!さてと、時間稼ぎの再開だ!

 

 

 

 俺と美波が戻ると、雄二たちが不穏な事を話していた。あと瑞希はいないっぽい。

 

雄二「姫路には、一口で高校生が昏倒するような毒物を作らせた。」

明久「姫路さんが聞いたら悲しむだろうな〜。」

ムッツリーニ「………まさか暗殺でもするのか?」

雄二「その通りだ。」

秀吉「お主は鬼畜じゃのぅ。」

雄二「安心しろ。龍之介よりはマシだ。」

 

 人の陰口を言いやがって!脅かしてやる!

 

龍之介「誰が鬼畜だって?」

雄二「わお、いたのか。」

秀吉「酒臭さで気づくと思うんじゃが。」

ムッツリーニ「………悪臭。」

龍之介「お前ら全員まとめてぶん殴っていい?」

 

 全く、もう少し俺に敬意を払いなさい!

 

龍之介「まあそんなことより、島田さんちの美波ちゃんが言いたいことがあるそうだよ。」

雄二「何だ島田?」

美波「みんな……、その……、ごめんなさい‼︎ウチが勝手に早とちりして台無しにしちゃったことを謝るわ!」

明久「えっ?み、美波?そんなに気にしなくていいよ〜。」

秀吉「ワシらが気がつかなかった責任もあるからのぅ。」

ムッツリーニ「………気にするな。」

雄二「それよりもこれからどうするかだな。よし皆、暗殺のための手筈を整えるぞ‼︎狙いはBクラスからDクラスに向けて出される使者だ‼︎」

 

 セリフがパワーワードすぎるよね。誰もツッコミを入れない所にツッコミを入れたいよ。

 

雄二「ちなみに暗殺の実行犯はムッツリーニだ。そして他の奴らはBクラスへの時間稼ぎを続けてもらいたいと思ってる。」

龍之介「なるほどね〜。そうなると、暗殺しやすい環境づくりが大切だよね〜。」

美波「アンタら何言ってるの……」

雄二「そうだな。そこでだ。龍之介たちには例のアレを頼みたい。」

龍之介「例のアレね〜。」

 

 人を一気に別のことに集中させる方法。それがあるんだよね!

 

龍之介「分かった!それじゃあ美波は放送室に行って俺が合図したらこのCDを流して欲しい。」

美波「勝手に入っていいの?」

ムッツリーニ「………俺がさっき使ったから大丈夫。」

美波「わ、分かった……」

龍之介「それと、手の空いている男子を全員欲しい!暗殺現場に向かわせたいんだよね。」

雄二「なるほどな。いいだろう。それじゃあ頼んだぞ。」

龍之介「ああ!」

秀吉「じゃあワシも一緒に行くかの!」

明久「僕もだね!」

 

 ということで男子を大勢連れて新校舎のA〜Dクラス前の廊下に向かった。

 

龍之介「ちなみに清水を使う件はどうするの?」

雄二「今日の放課後に会う約束をしている。」

龍之介「なるほどね!」

 

 ならその時まで頑張ればいいんだね!そんなことを思いながら俺たちは新校舎のA〜Dクラスの教室の前の廊下に集まった。

 

 

 

 そして男が大量に集まったといえば………、やる事は一つだ‼︎

 

龍之介『美波、準備はOK?』

美波『うん!』

龍之介『それじゃあ俺が大声を出したら曲をかけてね!』

美波『分かったわ!』

 

 さあ、いくぞ‼︎

 

 

 

 

龍之介「Vamos!」

他男子「「「「Vamos!!!!!」」」」

男子全員「(Vamosの歌詞)」

放送室《♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪》

 

 もちろん、野球拳だよね‼︎他のクラスも休み時間みたいで、男子がどんどん混ざってきたぞ〜‼︎久保なんかめちゃくちゃノリノリだし‼︎

 

男子全員「「「「じゃん、けん、ぽん‼︎」」」」

明久「あぁぁぁぁぁぁぁ‼︎」

久保「僕の勝ちだね、吉井君‼︎」

 

 しかもやったのお前らかい‼︎

 

明久「次こそは勝つよ、久保君‼︎」

久保「あぁ!あとどうせなら早く負けて僕の真の姿を全生徒に見せてあげたいね‼︎」

明久「よく言うよ!どうせ頭の方はAクラスだけど股間(アッチ)の方はFクラスなんでしょ⁉︎」

久保「そんなことはないさ‼︎きちんとアッチの方も学年次席だよ‼︎」

 

 逆に首席は誰なんだよ?もしかして霧島?そしたらおちんちん相対性理論(女子が男体化した時の股間の大きさは胸の大きさに比例するという法則。逆もまた然り。)が破綻するから違うか………

 

 そんなことを考えていると、ムッツリーニがやってきた。どうやら一仕事を終えたみたい。

 

ムッツリーニ「………俺も混ぜろよ!」

龍之介「よしよし、じゃあ俺と勝負だ‼︎」

ムッツリーニ「………知識を詰めた理論派の俺と……」

龍之介「風俗に通い詰めた実践派の俺……」

龍之介・ムッツリーニ「「どっちが強いかはっきりさせてやるぜ‼︎」」

 

 こうして野球拳は騒ぎを聞いて駆けつけた鉄人が来るまで続いた。

 

 

 

 

 野球拳後、俺たちは教室で作戦会議をしていた。

 

ムッツリーニ「………暗殺は成功!」

龍之介「これで明日までの時間稼ぎは大丈夫だね!」

雄二「それじゃあ次は放課後の件だな。まあ一応清水を脅せばなんとでもなるがな。」

明久「確かにね〜。」

秀吉「まあ出来るだけ穏便に済ませられれば良いがのぅ。」

 

 そんなことを思っていると、教室のドアが勢いよく開けられた。

 

翔子「…雄二!…早く来て‼︎」

雄二「翔子?どうしたんだ、そんなに慌てて?」

翔子「…どうしたじゃない!…雄二こそどうしてまだ学校にいるの?」

雄二「お前は何を言ってるんだ?」

翔子「…お義母さんが倒れたっていうのに、どうして様子を見に行かないの⁉︎」

雄二「はぁ?あのおふくろが?風邪すら引かない全身健康体だぞ?」

翔子「…とにかく家に……!」グギギギ

雄二「おいおい!ちょっと待てぇぇぇ‼︎だいたいなんで…」バタン

 

 雄二が家に帰った。

 

ムッツリーニ「………今の話はおかしい。」

龍之介「う〜ん、確かにね。」

 

 そして続けて………

 

鳳之介「兄貴‼︎」

優子「えっと……、爽兄……は休みだから秀吉‼︎」

 

 2人やってきた。

 

龍之介「どうしたの、2人とも?」

鳳之介「鮫之介兄貴が倒れたんだ‼︎」

優子「えっと、杏兄が倒れたって……」

龍之介「どうせ酒飲んで潰れただけでしょ?」

鳳之介・優子「「倒れたってそういう……」」

 

 あの2人ならあり得るからね。この間も歌舞伎町のど真ん中で酔い潰れて全裸で寝ていたところを友さん(龍之介の知り合いで雀荘のオーナー)に叩き起こされてたらしいし。

 

ムッツリーニ「………鷹狩兄弟はともかく、木下の件はおかしい。」

龍之介「普通そういう話って真っ先に身内にいくもんね〜。」

秀吉「まあ爽兄はパチンコ打ってて電話に出れないから姉上に連絡がいくのは分かるけれども、さっきの雄二は明らかにおかしかったからのぅ。」

明久「確かに……」

 

 まあ流石にあの爽でもその時くらいは電話に出る………と信じたい。木下絡みならすぐ出るだろうけどね。

 

龍之介「ちなみにその話は誰から聞いたの?」

鳳之介「根本。」

優子「アタシと代表もね。」

 

 ふ〜ん。なるほどね〜。

 

ムッツリーニ「………根本の偽情報か!」

龍之介「おそらく。」

優子「えっ⁉︎嘘の体調不良の情報を流すのってどうなの⁉︎いつか取り返しのつかないことになりかねないよ⁉︎」

秀吉「そうじゃの。」

鳳之介「クソ、アイツめ‼︎絶対に許せねえ‼︎」

龍之介「まあ待ってよ。Aクラスの2人はこのまま下校していいよ。俺に考えがあるから。」

鳳之介・優子「「は〜い。」」

龍之介「そんじゃあ、ちょいと作戦会議をしてから行こうぜ!」

明久・秀吉・ムッツリーニ「「「作戦会議?」」」

 

 さてと、やってやろうじゃないか、根本‼︎あと清水はいつもの如くちょっと利用させてもらうね〜。こうして俺たちは作戦会議をした後清水&平賀との対談に向かった。




 ということで暗殺回でした。せっかくぐらんぶるネタを多く取り入れてるのだから、実写のネタも使おうと考えた結果、アキちゃんの写真の代わりにVamos版野球拳になりました。これなら回復試験の妨害も出来ますしね。

 そして、次回はいよいよ清水との2回目の対談(脅迫)です。お楽しみに!

 最後に、評価・感想をお待ちしております。

 また、新作候補のアンケートについて、リメイク(バカとクズと召喚獣)とバカテスin鬼滅(馬鹿の刃)の方の設定を公開しました。良かったら参考にして下さい。

バカとクズと召喚獣
https://syosetu.org/novel/232245/
馬鹿の刃
https://syosetu.org/novel/233224/


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第四十四問 清水美春と三者面談

バカテスト 現代文

問 次の文の意味を持つことわざを答えなさい。

『 何度失敗してもめげず、その度に立ち上がって努力すること。 』


姫路瑞希の答え

『 七転び八起き 』

教師のコメント

正解です。流石です、姫路さん。


島田美波の答え

『 七転び六起き 』

教師のコメント

それだと最後転んだままですね。


鷹狩龍之介の答え

『 盗撮・盗聴をする土屋康太 』

教師のコメント

それは土屋君が早々に諦めて下さい。


坂本雄二の答え

『 婚約を迫る霧島翔子 』

教師のコメント

それは坂本君が早々に諦めて下さい。


  side 龍之介

 

 俺たちはDクラスの教室で清水&平賀と対談をすることになった。

 

龍之介「おはよう諸君!」

平賀「もう夕方だぞ。」

龍之介「そんな細かいことは気にしないで♪」

清水「それで、また美春に何か命令するつもりですか?」

平賀「め、命令⁉︎2人はどういう関係なの⁉︎」

龍之介「裸のかんけ………」

清水「赤の他人です。」

 

 清水ったら酷いね!何もそこまで言うことないじゃん!

 

明久「流石に今のは……」

秀吉「セクハラじゃの。」

ムッツリーニ「………クズ。」

龍之介「おいこらそこ!もうちょっと優しく接してよ〜。」

明久・ムッツリーニ「「無理!」」

 

 コイツらもここぞとばかり便乗しやがって!

 

平賀「それで、本当は何なの?」

龍之介「まあちょっと昔に一悶着あってね〜。」

平賀「そうなのか……」

清水「それで、要件はなんですか?」

龍之介「う〜んとね、簡単に言うとBクラスを攻めてほしいんだよね〜。俺たちは今宣戦布告出来ないからさ〜。」

清水「漁夫の利でも狙うつもりですか?」

龍之介「う〜んとね、そうとも言えるしそうでないとも言える!」

平賀「何だよその曖昧な返事は。」

 

 まあ俺たちが得する要素はあるからね。

 

清水「それで、貴方達は何が狙いなんですか?」

龍之介「簡単に言うと戦争をしたくないのさ。なんせうちのクラスは点数がないからね。勝てる見込みがない。」

清水「じゃあなんでBクラスなんですか?」

龍之介「一つは設備!CクラスはAクラスに負けてDクラス並みの設備になってるからさ〜。Dクラスの君たちが狙うならBクラスがいいかなって思って!」

清水「一つってことはいくつかあるのですか?」

龍之介「ご名答!実はもう一つあるんだよね〜。」

 

 そう、ここからが本番さ!

 

龍之介「実はこんなことを聞いちゃって………」

 

 そうして俺は自分のの録音機で録った内容を流した。

 

 

 

Bクラス男子『根本、最近姫路とはどうなの?』

根本『う〜ん。顔と身体だけは良かったから付き合ってみたんだけど、思った以上にめんどくさい奴でさ〜。だからもうそろそろ捨てようと思って。』

Bクラス男子『それじゃあ誰か他の女にチェンジするの?』

根本『そうだな。』

Bクラス男子『ちなみに狙いは?』

根本『同じFクラスの島田だ。アイツも落とすためのネタはあるからな。簡単にいけるだろう。』

Bクラス男子『なるほどな〜。それじゃあさ、成功した暁には姫路のときみたく性交させてよ!』

根本『いいぞ。その代わり俺に協力しろよな。』

Bクラス男子『ああ!』

 

 

 

 ちなみにこれは全て秀吉の演技だよ。あっちもなかなかな嘘情報を使ったんだからね。だからこっちだって使わせてもらったのさ!

 

龍之介「というわけ。それで俺たちは大切なクラスメイトである島田を守りながら姫路が受けた屈辱を晴らしたいわけ。でも俺たちには点数がない。だからこうしてDクラスに頼みに来たのさ。どう、やってくれるかな?」

清水「わ、分かりました。平賀君もそれでいいですか?」

平賀「うん。」

龍之介「それじゃああとはよろしく頼んだよ‼︎」

 

 さて、これで任務は完了だ‼︎

 

清水「あ、あの!」

龍之介「何?」

清水「貴方と吉井君だけは残ってくれますか?少し話がしたいんで。」

龍之介「俺はいいよ〜!明久は?」

明久「僕もいいよ。」

平賀「じゃあ俺らは帰るか。」

秀吉「そうじゃの。」

ムッツリーニ「………そうだな。」

 

 ということで三者面談が始まった。

 

龍之介「それで、話って何?」

清水「美春はとんでもない悪人です。」

龍之介「そうだね。」

明久「ちょっと、龍之介⁉︎」

龍之介「いや、否定してもしょうがないでしょ。」

明久「そうかな……」

清水「そうですね。でもそんな悪人にも言いたいことを言う権利くらいはあると思うんです。」

 

 美波絡みのことかな?

 

龍之介「なるほどね〜。それじゃあ言ってごらんよ。」

清水「美春は前々から思ってたんですが、貴方達のお姉様に対する態度は最低だと思います。」

龍之介「どんな点が?」

清水「まず吉井君です。貴方は同じクラスの姫路さんに接する態度とお姉様への態度があまりにも違い過ぎます。」

明久「そ、そうだね……」

 

 どうでもいいけど、豚野郎呼びはやめたんだね。クソレズ縦ロールって呼んだのが効いたのかな?それはそれはいいことだ!

 

清水「姫路さんには優しく気を遣い、まるでお姫様扱い。それに対してお姉様への態度はどうです?異性に対する最低限の気遣いすら全く見られないじゃないですか!」

明久「そ、そうだね……」

清水「はっきり言えば吉井君はお姉様の魅力に気付いていないどころか、男友達のような態度で接している失礼な人です!先程まで美春を焚きつけるためにお姉様に対して恋人の演技をしていたようですが、とても貴方がお姉様にふさわしいとは思えません‼︎」

 

 なるほど、それが言いたかったんだね!

 

龍之介「なるほど!ちなみに俺に言いたいこともそんな感じでしょ?」

清水「そうですね‼︎」

龍之介「それなら安心して欲しい!」

清水「はぁ⁉︎どこがですか⁉︎」

龍之介「人の好みに合う接し方ってそれぞれ大きく異なるよね。ある人は優しく接して欲しい、ある人は甘えられたい、またある人は甘えたい、と。だから全員に好かれようって言うのは無理があるんだよね〜。」

清水「それはそうですね。でも……」

龍之介「だから俺は考えたんだ。」

清水「何をです?」

龍之介「ならば公平になるよう、全員にキツく接したらいい、と‼︎」

清水「公平の取り方おかしくないですか⁉︎」

明久「僕もそう思う………」

 

 特定の誰かに優しくするよりはこの方がいいでしょ?だから風俗以外の恋愛が出来ないんだよって言われたらその通りとしか言えないんだけどね。

 

龍之介「まあ言いたいことはそれだけ?」

清水「はい。これを機に少しはお姉様への態度を改めて欲しいですね。」

龍之介「ほ〜い!善処するよ〜。」

 

 まあその分折檻も受けてるんだし俺はこのままでいっかな〜、って思ってるんだけどね。まあちょっとは気をつけるか〜。そんなことを思っていると明久が口を開いた。

 

明久「あのさ清水さん。」

清水「何ですか?」

 

 そうして明久は清水に対して自分の思いを述べた。

 

 

 

 

 翌日、俺はクラス全員に作戦成功を告げた。

 

龍之介「ということで、BクラスとDクラスの戦争が始まったので、俺たちはしばらく平和で〜す!」

雄二「マジか、そう来たか‼︎助かった‼︎」

美波「流石ね!」

姫路「助かりました!」

須川「アル中もたまには役に立つんだな‼︎」

他男子「「「「「確かに……」」」」」

龍之介「どう?これで皆俺のことを尊敬するようになった?」

クラス全員「「「「「いや、全然。」」」」」

明久「今までがアレだったからね〜。」

ムッツリーニ「………ゴキブリからハエになった。」

龍之介「うるさいなあ、ぶっ殺すよ?」

 

 そんなことを思っていると、しばらく存在を忘れていた奴が入って来た。

 

爽「聞いてくれ‼︎この2日間パチンコで20万勝ったんだ‼︎これで私は神になったぞ‼︎」

 

 来て早々それかよ‼︎というか………

 

龍之介「はぁ⁉︎それじゃあ今ギャンブルで負けてんの俺だけじゃん‼︎こうしちゃいられない‼︎早く雀荘に行かねば‼︎」

ムッツリーニ「………ハエがゴキブリに戻った。」

秀吉「お主は相変わらずじゃの。」

美波「ホントね………」

姫路「そんな貴方には王水がお似合いでしょう!」

爽「それともパチンコ玉か?」

雄二「それとも俺のステゴロか?」

明久「刑務所かもしれない!」

龍之介「お前らマジでぶっ飛ばすよ?」

 

 コイツらはまだ麻雀を知らないからこんなことが言えるんだよ。酒といい風俗といい、君たちは将来もっと多くのことを知るべきだ‼︎

 

 そして爽が来たとなれば…………

 

優子「爽兄ぃぃぃぃぃぃぃ‼︎」

 

 めちゃくちゃダッシュしながら木下がやってきた。すごい嬉しそう。そしてそのまま勢いよく爽に抱きついた。

 

爽「ゆ、優子⁉︎ど、どうした///」

優子「久しぶり!ホントに久しぶり‼︎会えて良かった‼︎」

爽「あ、あぁ………///」

 

 確かに強化合宿でもこの2人は会ってなかったからね。それに加えて1週間の停学と2日間のパチンコで合わせて16日も会ってなかったことになるね。そりゃあ久しぶりのはずたね。それにしても爽が普通に照れ始めたのがなんかいいね!

 

 ちなみに………

 

秀吉「お主ら、邪魔したら許さぬぞ。」

異端審問会会員「「「「「はい………」」」」」

 

 秀吉が異端審問会が起きないようにしている。姉の恋路を応援しているんだね。そんな姿も健気で可愛いよ!そんなことを思ってると始業3分前のチャイムがなったので大人しく授業の準備をすることにした。

 

 

 

 

 その日の昼休み、俺は屋上でビールを飲みながら明久、雄二、ムッツリーニ、秀吉、爽の6人で集まっていた。

 

爽「すまないな。私がいない間にこれ程のことが起こっていたとは……」

龍之介「まさかこうなるとは思ってなかったからね〜。」

雄二「爽については次の機会に死ぬほど働いてもらうか。」

秀吉「そうじゃの。」

爽「心得た。」

 

 まあ俺も同じギャンブラーだから早く負けを取り返したい気持ちは分かるんだけどね。

 

 それはそうと………

 

龍之介「それじゃあ本題に移るか!」

明久「本題って?」

雄二「面白いものがあると聞いてな。」

ムッツリーニ「………それを聞きに。」

秀吉「龍之介が教えてくれるのじゃろ?」

龍之介「そうだね!」

爽「いや、私ではないが。」

龍之介「いや俺が教えるって意味だよ‼︎」

秀吉「お主の名前は紛らわしいからのぅ。」

 

 コイツの名前紛らわしいな〜。いっその事木下優子にちなんで優人とかに変えないかな〜?まあそれはさておき………

 

龍之介「それではこちらをお聞きください!」

 

 俺はこっそり録音していた物を流した。

 

 

 

風俗のボーイ『どうです?痛くないですか?』

龍之介『う〜ん、ちょっと……』プツッ

 

 

 

 いやちょっと待て。なんだよこれ。いつのやつだ?俺の記憶にないんだが。

 

龍之介「今のは違うからね!」

明久「本当に面白いね!」

雄二「これで鷹狩龍之介におけるシュレディンガーの処女問題が解決されたな。」

秀吉「おめでたいのじゃ!」

ムッツリーニ「………今日は赤飯を炊かないと!」

爽「皆でお祝いだな。」

龍之介「嫌ぁぁぁぁぁぁぁぁ‼︎」

 

 まさか俺が酔い潰れているときのウリ専のやつかよ‼︎ふざけんなよ‼︎さては兄貴が勝手に録音したのか?あとでブチ殺してやる‼︎

 

龍之介「えっと……、それでは本題‼︎」

 

 今度こそお目当てのものを引き当てろよ‼︎

 

 

 

明久『あのさ清水さん。』

清水『何ですか?』

 

 

 

 きた、これだ‼︎

 

明久「ストップストップ‼︎止めて止めて!」

龍之介「皆、抑えろ‼︎」

他4人「「「「はっ‼︎」」」」

明久「嫌ぁぁぁぁぁぁぁぁ‼︎」

龍之介「それじゃあ続き、いっくよ〜!」

 

 こうして俺は録音の続きを流した。




 ということで龍之介、明久、美春の三者面談でした。美春は何度も脅されてくうちにだんだんと強く当たれなくなりました。その結果豚野郎呼びがなくなったりと原作よりも少し落ち着いていますね。

 そして次回で第六章は終わりです。果たしてどんな結末を迎えるのかはお楽しみに!

 最後に、評価・感想をお願いします。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第四十五問 明久の想い

バカテスト 家庭科

問 次の問題に答えなさい。

『 炊き上がったご飯をしばらく蒸らすと良いのは何故でしょうか。


鷹狩龍之介の答え

『 米粒表面に多く含まれる水分を内部にまで浸透させるため。 』

教師のコメント

正解です。こうすることによってよりご飯が美味しくなりますね。


蕨屋敷爽の答え

『 食欲を煽るため。 』

教師のコメント

確かに炊き立てのご飯の匂いを嗅いでいるとお腹が空いてきますよね。


土屋康太の答え

『 性欲を煽るため 』

教師のコメント

それは土屋君が特殊すぎます。


姫路瑞希の答え

『 隠し味の濃硫酸を浸透させやすくするため。 』

教師のコメント

暗殺でもするんですか?


  side 龍之介

 

 俺たちは屋上で明久が清水に言ったセリフを再生していた。

 

明久『あのさ清水さん。』

清水『何ですか?』

明久『一つだけ誤解を解かせてくれないかな?』

清水『何ですか?お姉様との交際が演技だという話なら既に知っていますけど。』

明久『いや、そうじゃなくて………、その………、僕だって美波の魅力を知らないわけじゃないってこと。』

 

 明久は聞かれて恥ずかしいのかまだ抵抗を続けている。

 

明久「うわ〜‼︎離してよ、皆‼︎」

秀吉「それは無理じゃ!」

ムッツリーニ「………大人しくしてろ。」

爽「さもなければ貴様の股間にパチンコ玉を打つぞ。」

明久「理不尽‼︎」

 

 爽の一言によってどうやら大人しくなったようだ。

 

清水『な、何を言ってるんですかっ!いつもお姉様に悪口ばかり言って女の子として大切に扱おうともしないで!』

明久『うん。それは清水さんの言う通りかもしれない。』

清水『だったらお姉様の魅力の何を知ってると言うんです‼︎』

明久『確かにお姫様みたいに扱ってるわけじゃない。男友達に接するみたいに雑な態度になってるかもしれない。けどね……』

清水『けどなんです?』

明久『けど僕にとっての美波は、ありのままの自分で話が出来て、一緒に遊んでいると楽しくて、たまに見せるちょっとした仕草が可愛い、とても魅力的な女の子だよ。それに……』

清水『それに?』

明久『いつもダメな僕のことを心配してくれたり、情けない僕の事を守ってくれたり、僕の非を詫びても何も気にせずに笑ってくれたりと、僕の心の支えとなってくれる、とても大切な人なんだよね。』プツッ

 

 明久が清水に言ったことはこれにて終了です!

 

龍之介「どう?面白いでしょ?」

明久「あぁぁぁぁぁぁぁぁ‼︎」

雄二「意外だったな。」

爽「もう少し婉曲的に言うものだと思ったのだが……」

ムッツリーニ「………直球勝負だった。」

龍之介「明久も意外と言う時は言うんだね!」

秀吉「な、何故かワシも鼓動が速くなって凄いのじゃが……」

雄二「男らしいな!」

明久「お前ら全員くたばれぇぇぇぇ‼︎」

 

 ん?あそこにいるのは……?美波じゃん!聞かれちゃったよ!それに、照れてるのか走って逃げちゃった……。

 

ムッツリーニ「………ん?………あの気配は⁉︎」

龍之介「いや、さっき見たけど知らない人だったよ〜。」

ムッツリーニ「………気のせいか。」

明久「え⁉︎その知らない人に勝手に広められたりしないよね⁉︎」

雄二「それはそれで面白えじゃねえか!」

爽「私の計算が正しければおそらくあの人は全校放送で……」

明久「嫌ぁぁぁぁぁぁぁぁ‼︎」

爽「冗談だ。」

龍之介「まあとにかく、俺がその人を口止めしてくるよ〜。」

明久「よ、よろしく……」

 

 ということで俺は嘘をついて美波の元へ向かった。

 

龍之介「ハロ〜♪さっきの全部聞いてた?」

美波「う、うん………///」

龍之介「良かったね〜、明久があそこまで言ってくれて!」

美波「うん………///」

 

 まあこんな事を言われて好きになるなって方が無理だよね〜。

 

美波「う、ウチ、決めたわ!」

龍之介「へ?何を?」

美波「アキに告白する‼︎ウチも自分の想いを伝えるわ‼︎」

龍之介「おお!ファイト‼︎」

 

 おお!明久が自分の思いをぶちまけたおかげでついに美波の心に火がついたか!

 

美波「それとリュウには謝らなければいけない事があるわ……」

龍之介「何を?」

美波「実はね、ウチはアキに関しては割と諦めてたの。アキの事が一番好きだったんだけど、ウチはアキが望むような人間じゃないってね。アキが瑞希みたいな子がタイプなのも薄々気付いていたからね。だから二番目にリュウを選んでいたの。アキにフラれた時用にね。呼び方を変えたのもそのため。本当にごめんね。」

 

 そう言う事だったのね。それと………

 

龍之介「この間自分の事を汚い人間だって言ってたのってこういう事だったんだね。」

 

 正直美波の性格は短気なだけで割とまともだと思ってたからね。だからあのセリフを聞いた時はちょっとびっくりしたんだよね。

 

美波「そう。本当に今までごめんね。」

龍之介「い〜よい〜よ!汚い人間なのは俺も同じだしさ!」

美波「ぷっ。そ、そうだよね!」

龍之介「それよりさ、一つ約束をしようよ!」

美波「何を?」

 

 名前の呼び方で相手との心の距離を表すのなら…………

 

龍之介「告白が成功したら前まで通りお互いの名前を苗字呼びに戻す、失敗したらこのままにする。それでOK?」

美波「うん!それでいいわ!それと告白は放課後にするね!」

龍之介「それじゃあ頑張って‼︎」

美波「うん!ありがとね、リュウ‼︎」

 

 そう言って美波は教室に戻っていった。さてと、今度は瑞希に会わないとな!と言っても昼休みの残り時間が短かったので会う時間はまさかの放課後になってしまった。

 

姫路「それで、話って何ですか?」

龍之介「美波が今から明久に告白するって。」

姫路「えっ⁉︎」

龍之介「ごめん、昼の終わりに聞いて以降話すタイミングが無かったんだ……」

姫路「そ、そうなんですか……」

龍之介「マジでごめん……」

 

 今おそらく美波が屋上で明久に告白してるのだろう。でもそこに瑞希も乱入させるべきかはよく分かんない。ああ、なんで俺はこんなことをしてるんだろう。全く、どうせどっちかが勝ってどっちかが負けるか、あるいはどっちも負けるんだから初めから興味本位でかかわらなければよかったよ。全く、バカだな〜、俺は。

 

龍之介「それで、瑞希はどうしたい?」

姫路「わ、私も行ってきます‼︎」

 

 そして姫路が行こうとした時、美波から連絡があった。

 

龍之介「瑞希、美波から連絡が入ったよ。」

姫路「そ、そうですか……」

龍之介「一緒に見る?」

姫路「はい!」

 

 さてと、中身は…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

美波『鷹狩、告白の件なんだけど………』

 

 

 

 俺は今度から美波ではなく島田と呼ばなければいけなくなった。

 

 

龍之介「と言うことです。ごめんなさい。」

姫路「そ、そうですか………」

龍之介「それじゃあ、負けた責任として俺のことを好きにしていいよ。」

姫路「そ、そんな……。龍之介君は悪くありません!悪いのは私です……。もし暴走しなかったら………。もしもっと明久君と早い段階から心を近づける事が出来ていたら……」

龍之介「暴走した原因も結局は俺みたいなもんじゃん。ほら、心理テストのあれ。あの時の明久の気持ちはともかく、あれで瑞希を動揺させることになったのには変わりないからね……」

姫路「そ、それでも………」

 

 公平を貫くのなら一切かかわらなければよかったのにな。というかいつもの俺ならそうしてたのに……。何故か世話を焼きたくなってしまう気持ちがあったんだよね………。

 

龍之介「とりあえず俺のせいにしておいてくれ。ほい、負けた責任として煮るなり焼くなり好きにしてくれていいよ………」

姫路「そ、そこまで言うのなら………。私が泣き止むまで一緒にいて下さい……」

 

 そうして俺はしばらく瑞希と一緒に居た。

 

 

 

 

 しばらくすると、瑞希は泣き止んでくれた。

 

姫路「あ、ありがとうございます。おかげでちょっとスッキリしました!」

龍之介「いえいえ〜。」

 

 ちょっとスッキリしてくれたんだ〜。なら………

 

龍之介『高城先輩、もう来て大丈夫ですよ〜。』

高城『分かりました!』

 

 高城先輩との約束を果たさないとね!これからすることが彼との協力の条件だったからね!

 

姫路「えっと、どういうことですか?」

龍之介「もうすぐ分かるさ!」

高城「姫路さん、お待たせしました!貴女は今から私と映画館に行くことになっています!さあ、いらっしゃい‼︎」

姫路「はぁ⁉︎ちょっと、どういうことですか⁉︎」

龍之介「いや〜、瑞希に日頃のお礼をしたくてさ〜。それに、失恋したんだからちょうどいいんじゃない?」

姫路「全然良くないですよ⁉︎何してくれてるんですか⁉︎」

龍之介「それじゃあ高城先輩、後はよろしくお願いしま〜す‼︎」

高城「分かりました‼︎」

姫路「分からないで下さぁぁい‼︎」

龍之介「ばいば〜い♪」

 

 まあ強化合宿より前から瑞希には虐められっぱなしだったからね!だからこれくらいはいいよね‼︎

 

 

 

 次の日、幸せになった明久と島田はともかく、瑞希に会うのが怖かったので俺は学校を休んで雀荘にいることにしたよ!ビールを飲みながら打つ麻雀は最高だね!

 

龍之介「ツモ!12,000オール‼︎」

メンバー(店員)「はいラスト!優勝、鷹狩さんです!」

客1「おいおい、オーラスに親の三倍満はずりぃだろw」

客2「これでラス半(最後のゲーム)とかもったねえな!」

龍之介「いえいえ〜。俺はこの後飲み会なんで!すいませんね!それじゃあ今日はありがとうございました‼︎」

 

 今日は木曜日だけど明日が祝日だからね!だから夜に爽・達哉・圭人のいつメンで飲むことにしたんだ〜!

 

龍之介「さぁって、今日の店は〜?お、すぐそこじゃん!」

 

 そしてすぐに店についた。

 

龍之介「お待たせ〜!」

達哉「遅いぞ〜!」

圭人「また雀荘か風俗で遊んどったでしよ〜?」

龍之介「そのと〜り♪そういえば爽は?」

達哉「少し遅れるって………」

爽「待たせたな。」

龍之介・達哉・圭人「「「今来たんかい!」」」

 

 そう言いながら爽の声がする方を振り向くと…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

姫路「私を先輩に売った挙句会いたくないから学校をサボって雀荘で遊んでたクズはどちら様でしょうか?」

 

 鬼がいた。

 

龍之介「ちょっと待ってよ‼︎なんで爽が瑞希を連れてきてんだよ‼︎」

爽「姫路に頼まれてな。」

達哉「ということで今日の飲み会は5人だね〜。」

圭人「安心して、姫路さんだっけ?には絶対にお酒を飲ませないから〜!」

姫路「はい!」

龍之介「というかなんでお前らも知ってんだよ‼︎」

達哉・圭人「「爽に頼まれてね。」」

龍之介「ふざけんなぁぁぁぁぁぁぁぁ‼︎」

 

 ということで飲み会が地獄になりましたとさ。めでたしめでた……くないわ‼︎




 ということで第六章、終了です!そして明久×美波が成立しましたね。この設定にしたからにはなるべくどっちが明久とくっつくかを分からなくさせよう、と思ってこうなりました。

 ちなみに美波とくっつけたのは、原作で明久が清水美春に対して言ったセリフを美波が聞いて「どうしようもなく好きになっちゃった///」からそのまま告白させたら面白いんじゃないか、と思ったからです。あとは姉属性の美波と弟属性の明久は相性がいいんじゃないか、とも考えましたね。

 さて、次は最終章、お化け屋敷対決編です。残された龍之介と姫路の関係、それから爽と優子の関係がメインになります。お楽しみに!

 最後に、評価・感想をお願いします。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

最終章 お化け屋敷対決
第四十六問 鉄人の補習


バカテスト 音楽

問 次の問題に答えなさい。

『 ドイツ音名でEはイタリア音名でなんというでしょう。 』


島田美波の答え

『 ミ 』

教師のコメント

正解です。ドレミファソラシドがイタリア音名だということもきちんと覚えていたようですね。


坂本雄二の答え

『 エ 』

教師のコメント

それはイタリア語でのEの読み方です。


土屋康太の答え

『 ローマ 』

蕨屋敷爽の答え

『 ピザ 』

教師のコメント

わからないからといってとりあえずイタリアのものを挙げればいいというわけではありません。


吉井明久の答え

『 パリ 』

教師のコメント

それはイタリアでもドイツでもなくフランスです。


  side 龍之介

 

 地球温暖化の影響により、年々気温が上昇している。特に夏は年々地獄になっていってる。猛暑日は当たり前、最高気温が40℃を超えることだって珍しくない。そんな問題が全世界で叫ばれているにもかかわらず、我がFクラスは………

 

鉄人「微分の定義というのは次の式で表され………」

 

 歩くストーブこと鉄人の授業をエアコン無しで受けていた。

 

明久「(ねえ雄二、龍之介!脱走しない?)」

雄二「(そうだな。俺も早くエアコンの効いた部屋で涼みたいしな。)」

龍之介「(俺にはキンキンに冷えたビールがあるとはいえ、流石にこれはキツいよ〜。)」

爽「(私も混ぜてくれ。)」

明久「(いいよ〜!)」

 

 ということで俺たちは問題児4人と脱走計画を立てていた。

 

 

 

 それにしても、俺たち問題児カルテットは見事に一番暑いところに席を決められているね。鉄人が人に合わせた配慮ということでこうなったらしい。だから身体の弱い瑞希は一番風通しが良くて柱の陰といういい場所にいる。俺だって身体が弱いのに、この扱いの差は不服だぜ‼︎だったら………

 

龍之介「(俺が鉄人の気を引くよ!)」

明久「(ありがとう!)」

雄二・爽「「(感謝する!)」」

 

 脱走計画の手助けとしてこの件についての文句を言ってやる!

 

龍之介「先生!」

鉄人「なんだ、鷹狩?」

龍之介「瑞希の身体が弱いのを気にして優しくしてるなら、同じく身体が弱い俺に対しても優しくすべきだと思います‼︎」

鉄人「お前は姫路とは違ってただの二日酔いだろ。」

龍之介「二日酔いだって立派な体調不良です!そして俺はよく二日酔いになりやすいんです‼︎これは俺の身体が弱い証拠です!だから瑞希が座ってる場所の近くに行かせて下さい‼︎」

鉄人「それはお前が酒を飲むのを我慢しないからだろ。それを我慢できたら二日酔いにはならない。要するにお前の体調管理がダメなだけだ。」

龍之介「それなら瑞希だってそうですよ‼︎身体とかを鍛えてないからすぐに体調を崩すんです‼︎見て下さいよあの体型‼︎彼女のだらしない生活を表してるじゃないですか‼︎あれが許させるのなら俺だって許されていいはずです‼︎」

 

 おデブちゃんだからね♪

 

鉄人「お前な……」

姫路「先生!」

 

 突然瑞希が立ち上がった。

 

鉄人「なんだ姫路?」

姫路「龍之介君の席に剣山を置いても良いですか?」

 

 は⁉︎どういう質問をしてんだよコイツは⁉︎不自然すぎるだろ‼︎

 

龍之介「何言ってんの瑞希⁉︎頭大丈夫⁉︎会話の流れがおかしいよ⁉︎」

鉄人「構わないぞ。」

龍之介「いやそこは構えよ‼︎おかしいでしょ‼︎」

姫路「とりあえず置きますね♪」

龍之介「置くなよ‼︎」

 

 だったら奥の手を使うしかないか………

 

龍之介「あぁもう!俺はトイレに行ってきます‼︎」

姫路「龍之介君こそ会話の流れがおかしくないですか♪」

龍之介「うるさい瑞希‼︎俺はフツーにトイレに行きたいんだよ‼︎」

鉄人「分かった。それならトイレに行け。」

龍之介「ありがとうございます‼︎」

鉄人「それと吉井、蕨屋敷、坂本。脱走しようとするな。」

明久・雄二・爽「「「クソ‼︎」」」

 

 まあこれでとにかく、脱走は成功だ‼︎

 

姫路「先生、龍之介君が逃亡するといけないので見張りに行ってもいいですか?」

 

 えっ⁉︎なんか失敗したんだけど⁉︎

 

鉄人「構わないぞ。」

龍之介「いや構えや‼︎」

姫路「ありがとうございます!」

 

 クソ!ただこうなったとき用にきちんと言葉は選んであるんだよね。そうして俺は平然と教室を出て………

 

姫路「龍之介君、トイレはそっちじゃないですよ?」

 

 平然と最寄りのトイレをスルーした。

 

龍之介「瑞希、俺は『最寄りの』トイレに寄るって言ったか?」

姫路「確かに……」

龍之介「そういうこと!俺はトイレに寄るとしか言ってないんだよね。つまりどこのトイレに寄ってもいいって言うこと!」

姫路「もしかしてその理屈で家まで帰ろうとしたのですか?」

龍之介「それはちょっと違うね。ちゃんと教室には戻ってくるよ。ただ、それが今日とは限らないけどね〜。」

 

 明日の朝には戻ってくるよ!そして荷物を持って雀荘に駆け込む!試召戦争をやるとかなら居てもいいけど、別にそういうイベントもないんだからいいよね!

 

姫路「なるほどなるほど〜!それではさっきの会話を録音したんで西村先生に送信しますね♪」

龍之介「えっ、おい⁉︎ちょっと待ってよ‼︎」

姫路「あ、送っちゃいました♪」

龍之介「クソ!こうなったら………」

 

 急いで逃げる‼︎

 

姫路「えい♪」 グサッ

龍之介「痛ぁぁぁぁ‼︎なんだよこれ⁉︎」

姫路「剣山です♪」

龍之介「剣山です、じゃね〜よ‼︎」

鉄人「いよう鷹狩。」

龍之介「あぁぁぁぁぁぁぁ‼︎」

 

 こうして俺は瑞希にハメられて教室に戻る事になった。

 

鉄人「脱走する奴が何人かいるあたり、お前らは俺の授業に退屈していたようだ。これはつまらない授業をしてしまった俺の落ち度だな。」

 

 まあ確かにFクラスレベルの授業は学年6位の俺にとってはつまらないんだけどね。でもそうじゃないんだよな〜。お前がゴリゴリマッチョで熱血教師なのがいけないんだよ!暑いったらありゃしない!

 

鉄人「詫びと言ってはなんだが、代わりに面白い話をしてやろう。木下、姫路、島田は耳を塞げ。そう、あれは10年以上前の………」

 

 面白い話なら全員に聞かせてあげればいいのに………ってまさか!

 

鉄人「夏に俺がブラジルの留学生としてレスリングをやっていた時の話だ。」

 

 やっぱり!コイツ、さらに暑い話をして俺たちを殺す気だな‼︎だったらこっちだって………

 

龍之介「先生!」

鉄人「どうした鷹狩?」

龍之介「ずっと喋ってて暑そうなので、水でもどうですか?」

鉄人「おお、ありがとう。」カチッ、ボッ

 

 そうして鉄人は俺が渡した水にライターで火をつけた。

 

鉄人「で、なんで火が付くんだ?」

龍之介「それは可燃性の水です。」

鉄人「火が付く時点で大部分がアルコールだろ。」

龍之介「色は水だからいいじゃないですか!」

鉄人「お前にはあとで厳しい指導が必要だな。」

龍之介「そんな〜!人の親切心を仇で返すなんて〜!」

姫路「あのっ、ちょっといいですか?」

 

 さっきまで耳を塞いでいたはずの瑞希が声をかけて来た。

 

鉄人「なんだ、姫路?」

姫路「龍之介君が水分に困っているそうなので私からはオレンジジュースをあげたいと思うのですが……」

Fクラス男子「「「「「あぁ⁉︎」」」」」

鉄人「いいだろう。」

 

 いや、俺がFFF団に殺されるから良くないんだよな〜。

 

龍之介「瑞希、随分親切なんだね〜。でもそんなことをやると俺が異端審問にかけられちゃうからやめてくれないかな〜?」

姫路「人の親切心を仇で返すんですか?」

龍之介「ちょっと!さっきの話全部聞いてたのかよ‼︎」

姫路「美波ちゃんが明久君と付き合っている以上、私が龍之介君の問題行動を止めないといけないと思ったので!」

龍之介「その無駄な正義感は是非他の人に向けて欲しいな〜。」

姫路「ということで、私からのオレンジジュースです!どうぞ‼︎」

龍之介「ほ〜い。」 ポトッ、ジュワ〜

 

 瑞希から貰った水に俺は飲み終わったビールの空き缶を入れた。すると、その空き缶は見事に溶けた。オレンジの色といい、これ絶対王水だろ。

 

龍之介「なんでアルミ缶が溶けたの?」

姫路「それは溶解性を持つオレンジジュースです♪」

龍之介「アルミが溶ける時点でオレンジジュースじゃなくて危ない液体だろうが‼︎」

姫路「色はオレンジジュースだからいいじゃないですか♪」

龍之介「お前にも後で厳しい指導が必要だね!」

鉄人「今は数学の時間だが、いい化学の勉強になったな。」

姫路「はい!」

龍之介「どこがだよ……」

 

 俺殺されかけたんだからね。スピリタスよりよっぽどヤバいと思うけどな〜。

 

鉄人「まあとりあえず、これでいい休憩になっただろ。さて、授業に戻るぞ。誰か木下と島田にも伝えてやれ。」

明久「じゃあ僕がやります。」

 

 ということで再び鉄人の補習が始まった。

 

 

 

 鉄人の補習が終わると、俺たちはあることを頼まれた。

 

鉄人「ちょっとお前らに新仕様の召喚獣について試してほしくてな。」

 

 新仕様の召喚獣って何だろう?そう思いながら俺たちは鉄人の話を聞いた。




 ということで最終章、お化け屋敷編の始まりです!アニメでは姫路が最後に明久と話をしていましたが、あのシーンを見てこの章を最終章にしようと思いました。また期末試験編ですが明久と玲がメインなので飛ばしました。

 さて、次回は色んなお化けが出てきます。お楽しみに!

 最後に、評価・感想をお願いします。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第四十七問 百鬼夜行

バカテスト 世界史

問 次の問いに答えなさい。

『 第二次世界大戦後から1989年まで、東西ベルリンを分け隔てた物体のことをなんというでしょう。 』


島田美波の答え

『 ベルリンの壁 』

教師のコメント

正解です。ドイツ育ちの島田さんには簡単な問題でしたね。


蕨屋敷爽の答え

『 巨大物体 』

教師のコメント

もう少し詳しくお願いします。


土屋康太の答え

『 俺 』

教師のコメント

凄いですね。ただそうなると土屋君は1989年に亡くなっているはずです。貴方は一体誰なのでしょうか?


吉井明久の答え

『 島田美波 』

美波のコメント

先生に頼まれてコメントするんだけど、どうしてウチの名前を書いたのかな〜?後できちんと教えてくれない、アキ?


  side 龍之介

 

鉄人「ちょっとお前らに新仕様の召喚獣について試してほしくてな。」

雄二「新仕様?どんな感じだ?」

鉄人「まあものは試しだ。とりあえず召喚してみるといい。」

明久「分かりました!」

爽「心得た。」

明久爽・ムッツリーニ・秀吉「「「「試獣召喚(サモン)」」」」

 

 

明久→デュラハン

爽→白鯨(スロット・リ○ロに出てくる敵)

ムッツリーニ→ヴァンパイヤ

秀吉→猫又

 

 

 うわ!新仕様ってお化けかよ!でも秀吉はなんか可愛いね♪というか明久のやつ頭と身体が別れて召喚されたんだけど。

 

鉄人「こんな感じで、新仕様はお化け仕様となっている。」

美波・姫路「「きゃぁぁぁ‼︎」」

龍之介「秀吉のは可愛いね♪」

秀吉「まあお化けではあるのじゃが……」

明久「何これ⁉︎僕の召喚獣の頭と首が分離しているんですけど⁉︎」

雄二「デュラハンだな。」

爽「白鯨だ‼︎これは打ちに………」

鉄人「行くな。」

 

 それと………

 

龍之介「瑞希と島田はお化け苦手なんだね。」

明久「大丈夫?」

美波「ううう、ウチはへ、平気よ……!」

 

 めっちゃ震えてるじゃん。全然平気じゃなさそう。

 

姫路「私はダメです……。お化けが怖いです……」

龍之介「お前の方がよっぽど怖いぃぃぃぃったい‼︎剣山を刺すな‼︎」

姫路「ごめんなさい、つい♪」

 

 コイツの方がよっぽどお化けだろ。

 

鉄人「それじゃあ他の人も召喚してくれ。」

龍之介・雄二「「ほ〜い。試獣召喚(サモン)」」

 

 

雄二→上裸の雄二

龍之介→酒呑童子

 

 

雄二「まんま俺じゃん。なんだよこれ。」

龍之介「俺のはなんていうか、俺らしい妖怪ですね〜。」

鉄人「おお、いいことに気が付いたな、鷹狩。この召喚獣は本人の特徴に近いものが出てくるらしい。」

龍之介「じゃあ………、

 

 

明久→頭がない=バカ

爽→パチスロ好き

ムッツリーニ→血を欲してる&若い女好き

秀吉→可愛い♪

雄二→半裸の変態

龍之介→お酒好き

 

 

って感じですね!」

 

 割と合ってるね!

 

明久「おい!誰がバカだ‼︎お前だってアル中だろ‼︎」

雄二「それに俺は変態じゃないぞ!」

秀吉「ワシはシステムにまで女扱いされるのか……」

爽「私は合ってるから打ちに……」

鉄人「ダメだ。」

 

 爽は相変わらず学校をサボりたがるようだ。

 

ムッツリーニ「………俺は女に興味はない。」

龍之介「じゃあ男に興味があるの?」

ムッツリーニ「………男はもっとない‼︎」

龍之介「じゃあ非生物に興味があるの?」

ムッツリーニ「………違う!」

龍之介「じゃあ何に興味があるのかな〜?」

ムッツリーニ「………うるさい!」

 

 ムッツリーニはいい加減認めればいいのにね〜。

 

 あと一つ思ったんだけど………

 

龍之介「なんかさ、明久の頭ってボールみたいじゃない?」

爽「確かにな。それでは蹴ってみるか。」

雄二「友達はボールって言うしな‼︎」

明久「おいお前ら‼︎酷い……」

龍之介「キック‼︎」 バシン‼︎

明久「ぎゃぁぁぁぁ‼︎」

雄二・爽「「ナイスボール‼︎」」

 

 いい蹴りだぜ!そして明久のボールが雄二の召喚獣のそばに行ったとき………

 

雄二召喚獣「わおぉぉぉん‼︎」

 

 雄二の召喚獣が狼になった。なるほどね!

 

龍之介「な〜んだ!半裸の変態かと思ったら狼男だったのか!」

ムッツリーニ「………ということは特徴は野性的?」

秀吉「そうじゃの!」

爽「しかしなぜ彼奴は満月でもないのに狼になったのだ?」

雄二「丸いもんでも見たんだろ。」

 

 丸いもの………っあ!

 

龍之介「明久の頭か!」

雄二「その通りだな。」

爽「では明久はボールということで。」

龍之介・雄二「「異議な〜し!」」

明久「大有りだよ!」

美波「そそそそそそそうよ!あああアキの頭はボールなんかじゃないわ!」

 

 島田が庇ったこともあり明久サッカーは中止になっちゃった……。

 

明久「ありがとう美波!でも大丈夫?」

美波「うううううううん!」

 

 というか島田、震えすぎだろ。本当にお化けが苦手なんだね。

 

鉄人「島田、怖いところ申し訳ないがお前の召喚獣を喚び出してくれないか?それと鷹狩は姫路を起こしてくれ。」

 

 そういえばさっきから瑞希が静かだと思ったら気絶してたのね。

 

美波「わわわ分かりました!試獣召喚(サモン)!」

 

 

 

美波→塗り壁

 

 

 

 草。

 

 

美波「……………」

龍之介「明久、彼氏として言うことがあるんじゃないの?」

明久「いや〜、龍之介こそ何か言いたそうにしてるよね〜?」

龍之介「それは気のせいだよ〜♪」

美波「アキ。」

明久「えっと〜、似合ってるね‼︎」

美波「死になさい‼︎」 ドゴォ‼︎

明久「ぎゃぁぁぁぁ‼︎」

 

 随分ストレートに言ったね。まるでその服似合ってるね、って言うテンションで。

 

龍之介「明久はバカだな〜♪」

美波「瑞希、起きて。ウチの代わりにデリカシーのない発言をした鷹狩を退治してくれない?」

龍之介「おい、なんてことを……」

姫路「分かりました♪」

 

 おい、急に元気になりやがったぞコイツ。どんだけ俺を殺したいんだよ。

 

美波「じゃあよろしく〜♪」

龍之介「するな‼︎」

姫路「龍之介君、王水にします?それとも剣山にします?」

龍之介「新妻口調で容赦のない2択を迫るなよ!」

雄二「おお、2人は結婚してたのか。」

明久「そりゃあめでたいね!」

秀吉「結婚式はどちらで挙げるとするかのぅ?」

爽「新婚旅行の案を出そうか?」

ムッツリーニ「………撮影なら任せろ!」

 

 は?というかなんだよこのノリは‼︎

 

龍之介「おい!妻帯者は俺じゃなくて雄二でしょ!それに誰がこのデブと付き合うんだよ‼︎」

姫路「あっ、それはいいですね♪」

 

 え?どういうこと?コイツなら絶対に嫌がると思ったのに………。

 

龍之介「瑞希さ〜ん、日本語通じてる?」

姫路「だって龍之介君が私と結婚すれば色々と拘束できるじゃないですか♪女遊びを禁止したり酒を飲んで暴れるのを禁止したり……と。そしたら世の中の治安が良くなりますよね?」

 

 真性の畜生じゃん!頼むから死んでくれ。

 

雄二「だってさ。」

他全員「「「「おめでとう‼︎」」」」

龍之介「嫌だぁぁぁぁぁぁぁ‼︎」

鉄人「姫路、痴話喧嘩は後にして召喚獣を喚び出してくれないか?」

姫路「はい♪」

龍之介「おい、誰が痴話喧嘩だコラ。」

姫路「試獣召喚(サモン)!」

 

 瑞希が美波に敗北してからだんだん俺に対する当たりがキツくなってきたんだよね。頼むからやめて欲しい。

 

 まあいい。そんなことよりもコイツの召喚獣は………

 

 

 

姫路→サキュバス

 

 

 

 そのまんまじゃねえか‼︎

 

姫路「きゃぁぁぁぁぁ‼︎見ないで下さい‼︎」

龍之介「それは、召喚獣というにはあまりにもそのまますぎた。大きく、いやらしく、エロく、そして大胆すぎた。それはまさに本人だった。」

姫路「何か言い残すことはありますか?」

龍之介「じゃあ言い方を変えようか!この女、スケベすぎる、とか?それとも、性欲を持て余す、とか?」

姫路「先生に代わって、お仕置きですっ‼︎」ヒューン‼︎

 

 コイツめ!剣山を投げるなよ‼︎

 

龍之介「危な‼︎」 ヒョイ!

姫路「もう一個!」 ヒューン‼︎

龍之介「おらよっ!」 ヒョイ!

姫路「もういっ………」

高城「私に当てて下さい‼︎」

全員「「「「「えっ?」」」」」

 

 俺と瑞希が殺し合いをしていると何故かドMと化した高城先輩がやってきた。何故か………

 

ババア「やあ、アンタたち。」

 

 ババアを連れて。もちろん………

 

小暮「高城君、許可なく変な発言をしないで下さい。」

高城「すいませんでした。」

 

 ストッパー兼エロス担当の小暮先輩も連れて。

 

鉄人「学園長、お疲れ様です。」

ババア「お疲れ西村。それでガキども、新仕様の召喚獣はどうだい?」

雄二「まあ中々面白いな。」

秀吉「ワシのが何故か可愛いのを除けばいいと思うぞい!」

龍之介「ばあさんの遊び心が季節に合ってていい感じですね〜。」

ムッツリーニ「………風流。」

明久「お化け苦手な子にはキツいですけどね……」

美波「ううううウチは大丈夫です!」

姫路「さ、殺意で忘れてましたがやっぱり怖いです……」

爽「スロットが打ちたい。」

鉄人「お前らの中の何人かには敬語の補習が必要だな。」

 

 瑞希、すぐさまその殺意は捨てて欲しかったな〜。あと俺はちゃんと使ってるから補習は大丈夫だね!

 

ババア「まあ中々好評で何よりだよ。そして今回は是非ともそれで試したいことがあるさね。」

雄二「なんだそれは?」

ババア「それは3年を代表して高城の口から話してもらおうかい。」

高城「はい!」

 

 3年生を代表して?まさか3年生と試召戦争でもするのかな?

 

高城「我々3年生は貴方達2年生に対して、お化け屋敷対決を申し込みたいと思います!」

全員「「「「「お化け屋敷対決⁉︎」」」」」

小暮「わたくしから補足説明をさせていただきます。開催日は夏季補習最終日、各学年がそれぞれ驚かす側と驚かされる側に別れて勝負を行います。ルールは次の通りです。」

 

 

 

ーーールールーーー

 

・A・B・C・Dクラスに計4つのチェックポイントを設置する。

 

・二人一組での行動が必須。

一人だけになった場合のチェックポイント通過は認めない。ただし一人になっても失格ではない。

 

・チェックポイントでは各ポイントを守る代表者二名と召喚獣で勝負。

撃破でチェックポイント通過となる。

 

・一組でもチェックポイントを全て通過できれば驚かされる側、通過者を一組も出さなければ驚かす側の勝利とする。

 

・驚かす側の一般生徒は召喚獣でのバトルは認めない。あくまでも驚かすだけとする。

 

・召喚時に必要となる教師は各クラスに一名ずつ配置する。

 

・通過の確認用として驚かされる側はカメラを携帯する。

 

・二人のうちどちらかが悲鳴をあげてしまったら両者ともに失格。

携帯されたカメラからの音声が一定音量を超えたとき、悲鳴とみなす。

 

・学園への設備の手出しを禁止する。

 

・チェックポイントの科目はお互いに2つずつ指定する。

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

小暮「以上です。」

 

 なるほどね〜。面白そうじゃん!

 

ババア「試験召喚システムの宣伝も兼ねてやってみようと思ってね。どうだい、引き受けてくれるかい?」

雄二「何か報酬みたいなのは無いのか?」

小暮「なるほど、それが合った方が盛り上がりますね。じゃあ報酬は2年生が提示して下さい。」

 

 報酬………。3年生の代表は高城先輩………。そうだ、いいことを思いついた!

 

雄二「どんなのが………」

龍之介「負けた方は勝った方の言うことをなんでも一つ聞く、ってのはどうです?」

姫路「ちょっ……」

 

 コイツにだけは反対させるか!遮ってやる!

 

龍之介「どう?面白いでしょ?」

雄二・爽「「なるほどな。」」

明久「確かにそれはいいかも!」

秀吉「Aクラス戦のときみたいじゃのう。」

ムッツリーニ「賛成!」

ババア「ならこれで決まりだね。一応お願い事は常識の範囲内で頼むよ。」

鉄人「俺からもお願いするぞ。」

全員「「「「は〜い!」」」」

高城「ではそれでよろしくお願いします‼︎」

小暮「お願いします。ちなみに驚かす側と驚かされる側どちらにします?」

雄二「準備も面倒だし驚かされる側で。」

小暮「分かりました。」

 

 ということで夏のお化け屋敷対決が開催決定しました!

 

 

 

 

 先生と先輩たちが帰った後、俺は雄二たちに話しかけられた。

 

雄二「んで、なんであんなことを言ったんだ?俺と翔子のときと同じじゃねえか。まさかお前3年生に好きな人でもいるのか?」

龍之介「違うね。好きな人がいるのは高城先輩の方さ!」

明久「え、誰なの?」

龍之介「瑞希!」

全員「「「「「えっ⁉︎」」」」」

 

 まあ皆驚くよね〜。

 

姫路「全く、なんで勝手に決めたんですか!私が反対しようとしたときも無理矢理遮りましたし……」

龍之介「みんな、よく考えてみて?瑞希(コイツ)の身一つで3年生に好き勝手命令できるんだから安いもんじゃない?」

姫路「殺しますよ?」

 

 瑞希にここまでストレートに罵声を浴びせられたのは初めてだ。

 

雄二「お前、本当に畜生だな。」

爽「私が言うのもなんだが貴様も大概クズだな。」

ムッツリーニ「………それは今更。」

明久「というか、龍之介はそれでいいの?」

龍之介「いや、いいからこうしてるんでしょ?」

明久「だって自分の好きな人が他の人に取られちゃうんだよ?」

龍之介・姫路以外「「「確かに……」」」

 

 なんか最近俺が瑞希を好きっていう扱いになってきてるのがムカつくんだけど!前まではそんな事なかったよね!まさか俺、明久、島田、瑞希の余り物でくっつけって言うのか⁉︎

 

龍之介「いやいやいや、違うからね?というか根拠はどこ?」

美波「強化合宿のときの心理テスト♪」

明久「日頃の対応♪」

雄二「好きな女の子にちょっかいを出す小学生男子みたいに見えるんだよな。」

秀吉「そうじゃの!」

姫路「なるほど〜、そうだったんですね♪なんか可愛いので許してあげましょう♪」

龍之介「違うわい!」

 

 誰が小学生男子だ‼︎俺は20歳だぞ‼︎

 

龍之介「とにかく、決まったものは仕方ないよ!」

姫路「決めたのは貴方ですけどね。」

雄二「まあ勝てばいいんだからな。」

明久「そうだね!」

秀吉「よし、それじゃあ絶対に勝ってやるとするかのぅ‼︎」

全員「「「「「オー‼︎」」」」」

 

 全員が微妙に団結したところで、その日は下校した。




 ということで各自のお化けが公開されました。そしてまさかの対決を申し込んだのは高城雅春です。姫路を巡る対決にするなら常夏コンビよりもこっちの方がいいかな、って思ってこうしました。

 さて、次回からお化け屋敷対決が始まります。お楽しみに!

 最後に、評価・感想をお願いします。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第四十八問 お化け屋敷対決、スタート‼︎

バカテスト 英語

問 なんでもいいので英語で一文書いて下さい。


木下優子の答え

『 I will buy a book to read with my friends.
(私は友達と一緒に読むために本を買う予定です。) 』

教師のコメント

木下さんはとても優しい子ですね。


鷹狩龍之介の答え

『 SPIRYTUS is water.
(スピリタス は水である。) 』

教師のコメント

絶対に違うと思います。


坂本雄二の答え

『 I want to free from Syoko.
(俺は翔子から解放されたい。) 』

教師のコメント

頑張って下さい。


姫路瑞希の答え

『 I used hydrochlonic acid as secret taste.
(私は隠し味として塩酸を使った。) 』

教師のコメント

人でも殺すつもりですか。


吉井明久の答え

『 Please forgive me, Minami !
(僕を許してくれ、美波‼︎) 』

教師のコメント

前回のバカテストの件ですね。


  side 龍之介

 

 とうとうお化け屋敷対決の日がやって来ました!今2年生は全員新校舎1階の大広間に待機してるよ。そして全員が揃うと、雄二が代表で挨拶をした。

 

雄二「(前略)以上がルール説明である。それと、極力ペアは男女で組むように。」

 

 なるほどね〜。男女ペアか〜。でもコイツがこんなことを言うなんて珍しいよね〜。丁度帰ってきたので理由を聞いてみよう。

 

龍之介「雄二、なんで男女ペアにしたの?」

雄二「息抜きみたいなもんだろ。だから盛り上がるようにこうしたんだ。」

 

 嘘つけ。

 

龍之介「で、本音は?」

雄二「翔子にペアを組むよう脅された腹いせに、全員を巻き込んでやろうと思って。」

 

 やっぱりね。コイツらしいな!

 

 

 

 さてと、俺は誰と組もうかな〜。島田には明久がいるし、瑞希は怖いから………

 

龍之介「秀吉!俺とペアを………」ガッ!

 

 ん?なんか誰かに腕を掴まれたんだけど……

 

横溝「須川会長!木下にペアを申し込もうとした異端者を発見しました‼︎」

龍之介「えっ?」

須川「よし、連れて行け。」

横溝・福村「「はっ!」」

龍之介「ちょっと待ってよ‼︎何をする気なのさ⁉︎」

須川「生爪フルコースだ。」

横溝・福村「「かしこまりました‼︎」」

 

 おいおい!そんなんやったら死んじゃうよ‼︎ふざけんなよ‼︎

 

龍之介「分かったよ‼︎秀吉とはペアを組まないから許して‼︎」

須川「よし分かった。」

龍之介「良かった〜♪」

 

 これで安心して酒が飲めたり麻雀が打てたりするね!

 

須川「右手だけにしておいてやる。」

 

 おい。許された処置じゃないでしょ、それ。

 

横溝・福村「「はっ‼︎」」

龍之介「やめろぉぉぉぉぉ‼︎」

姫路「待って下さい、皆さん‼︎」

須川「ななななななんだ、姫路?」

龍之介「ありがとう、瑞希‼︎」

 

 おっ、瑞希が助けに来てくれたよ‼︎あと須川は声をかけられて動揺し過ぎでしょ。さてと、これで俺の命は守られ…………

 

姫路「私の方が龍之介君を上手く虐められる自信があるので任せてくれませんか?」

龍之介「は?」

 

 ブチ殺すぞ。そんな自信は今すぐゴミ箱に捨ててこいや。

 

須川「任せた。」

龍之介「任せるなぁぁぁぁぁぁ‼︎」

姫路「はいっ♪任されました♪」

 

 ということで俺は須川たちの代わりに瑞希に虐められることになった。

 

龍之介「お前の脳みそマジでどうなってるのさ!もう少し俺に優しくしてくれよ‼︎」

姫路「私をこうしたのは誰だと思ってるんですか?」

龍之介「瑞希自身!」

姫路「貴方のせいでもある事をちゃんと教える必要がありそうですね。」

龍之介「教えなくていいから、ね!」

 

 まあ自分が原因でもあると認めるんだね。それは良かった!

 

姫路「ところで、話が変わるんですけど……」

 

 何だろう?明久島田ペアを無理矢理引き剥がす方法でも相談したいのかな?

 

姫路「私とペアを組んでくれませんか?」

 

 そういうことかい‼︎

 

龍之介「俺はお化けと一緒に歩きたくないので遠慮するね。」

姫路「ところで今日はいつもとテイストを変えて逆王水(王水の濃塩酸と濃硝酸の組成比を逆転させたもの:危険な液体)にしたんですがどうですか?」

龍之介「是非ともペアを組ませていただきます。」

姫路「ありがとうございます♪」

 

 こうしてお化けと一緒にお化け屋敷に入ることになった。

 

 

 

 そしていざお化け屋敷対決が始まったのだが…………

 

モブ1・2「「ぎゃぁぁぁぁぁ‼︎」」

モブ3・4「「嫌ぁぁぁぁぁぁ‼︎」」

モブ5・6「「無理ぃぃぃぃぃ‼︎」」

 

 思った以上に迫力がありそうなお化け屋敷だった。ちなみに参加者が持ち込んだカメラの映像をモニターに映しているので待機している人も中の様子が分かるようになってるよ!

 

秀吉「なかなか凄いのぅ。」

龍之介「まあ今回の召喚獣は等身大のお化けだからね〜。」

鳳之介「怖いのも無理はないな。」

雄二「それに、向こうもカメラの映像を利用してるんだろう。」

明久「というと?」

雄二「カメラの映像から死角を突いたりタイミングを取ったり出来るからな。」

優子「それに、普通の召喚獣は物体を擦り抜けられるからね!」

爽「壁から急に現れることも可能だろう。」

 

 なるほどね〜。3年生たちもちゃんと考えたわけだ!

 

龍之介「でもこのままいくとまずいね〜。思ったより失格になってる。」

雄二「そうだな。各チェックポイントには成績優秀者が来るだろうから、それに向けて高得点保持者がいるペアは極力最後の方に出すことにしよう。」

 

 そうなると学年6位クラスの俺と学年3位クラスの瑞希のペアは一番最後になるね。出来れば俺たちの出番がないまま終わって欲しいな〜。

 

雄二「ということでFクラスの男子ペア、どんどん行ってこい‼︎」

 

 Fクラスの男子ペアね〜。うちのクラスは男子:女子:秀吉が47:2:1だからめちゃくちゃ余るんだよね〜。と言うことは、この作戦が使えるかも‼︎

 

龍之介「異端審問会の皆さん、行く前に是非聞いて欲しいことがあるんだよね‼︎」

須川「何だ?姫路とペアを組んだくせに……」

龍之介「3年生の学年首席の高城雅春先輩はいつもあの小暮葵先輩と一緒にいるんだよね〜!」

須川「これより、異端審問会を行う。総員、かかれ‼︎」

異端審問会員「「「「はっ‼︎」」」」

龍之介「くれぐれも静かに審問してね〜。」

 

 ということで怒りでコイツらを覚醒させておいたよ‼︎

 

雄二「なるほどな。これなら怖いもの知らずだな。」

明久「ちなみに高城先輩はいつ出てくるの?」

龍之介「学年首席なんだし最後でしょ?」

明久「確かに………」

 

 これならお化け屋敷の仕掛けを強引に突破できるね!ただ問題なのは………

 

雄二「チェックポイントは流石に純粋な点数勝負だから思ったようには突破できないな。」

 

 アイツらはバカだから点数がないんだよね〜。対する相手は3年Aクラスの人たち。だから数がかなり削られちゃった。

 

優子「まああそこは数で押すしかないわよね。」

龍之介「そうだね。でも無事突破できたみたいだし次の仕掛けも楽々クリア出来るでしょう‼︎」

 

 ということで異端審問会会員に任せて次の仕掛けも結構楽に突破出来ました!

 

 

 その後もゴスロリの坊主が出てきて………、

 

観客「「「「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼︎」」」」

姫路「りゅ、龍之介君………、怖いので手を握っててくれませんか……?」

龍之介「左手にしてね。右手は麻雀で使うから。」

姫路「はい………」

 

 観客は阿鼻叫喚したものの、当の異端審問会の連中は目もくれずに進んでいった。流石だね!アレを軽々と突破出来るなんて相当だね!それにしても………、

 

龍之介「瑞希、本当に大丈夫?」

姫路「はい………」

 

 さっきから瑞希がずっと震えてるんだよね。本当にダメみたい。流石にここまで怖がられちゃうと少しだけ残った良心が痛むな〜。

 

龍之介「無理なら保健室で寝ててもいいんだからね?」

姫路「でもクラスの皆が頑張ってるときに……」

龍之介「いい?俺たちの役目は最後に力を出し切ること!それが皆のためになるの!だからいくら休んでも文句は言われないよ‼︎」

姫路「そこまで言うのなら………」

 

 言うのなら?

 

 

 

姫路「膝枕して貰えませんか?」

 

 

 

 え?

 

龍之介「何で?」

姫路「それなら寝れる気がするので……」

龍之介「まあ別にいいよ。」

姫路「ありがとうございます!」

 

 ということでまさかの膝枕をすることになった。瑞希は俺の膝の上に頭を乗せると直ぐに寝た。そんなに寝心地いいのかな〜、俺の膝?

 

雄二「お前ら仲良いな〜w」

龍之介「いや、ラスボス戦のためだからね?」

秀吉「なんかほのぼのするのぅ。」

優子「安心していられる人だから直ぐに眠れたんだろうね〜。」

龍之介「いつも喧嘩してるのに安心できるってどういう神経してるんだろう……」

雄二「そういうことだぞw」

明久「だねw」

 

 なんかさっきから特に雄二がムカつくから仕返ししてやるか‼︎

 

龍之介「ふ〜ん、そうなんだね〜?ところで霧島は雄二に膝枕して貰わなくていいの?」

雄二「おい、お前なんて事を……」

翔子「…雄二、膝枕して♪」

雄二「嫌だ。」

翔子「…断ったら即結婚。」

雄二「分かった。してやる。」

翔子「…ありがとう♪」

雄二「龍之介、これが終わったら殺してやるからな?」

龍之介「それはこっちのセリフだよ‼︎」

 

 全く!人の彼女を勝手に決めるようなセリフを言うんじゃないよ‼︎

 

 

 

 しばらくすると、

 

小暮「私、新体操部にも所属しておりますの〜♪」

 

 小暮先輩の色仕掛けに異端審問会員が全滅した。ってかヤバ、あれ‼︎

 

ムッツリーニ「………」ブー

 

 もちろんムッツリーニも鼻血ダラダラである。

 

明久「何アレ‼︎ヤバイよ‼︎」

龍之介「とりあえず男子全員で突破するか‼︎」

ムッツリーニ「………とりあえずあの新体操衣装をテイスティングさせて欲しい。」

秀吉「ムッツリーニがムッツリじゃなくなっておる!異常事態じゃ‼︎」

爽「私の計算が正しければ今日は隕石が降るはずだ。」

龍之介「とりあえずそれを阻止するために、男子全員で突入するぞ〜‼︎」

2年男子(一部除く)「「「「オー‼︎」」」」

 

 瑞希についてはどうせ寝てるから床に置いてもバレないよね‼︎

 

美波「アキ、それ以上動いたら殺すわよ?」

明久「分かってます、美波様。」

翔子「…雄二。…動かないで。」

雄二「分かってるよ。動くと俺の命がないことぐらい。」

久保「興味ないね。」

鳳之介「俺も。」

爽「私もだな。」

 

 まあ一部連中は動けないよね。よし、こうなったら俺が代表で動いて………

 

姫路「私を捨ててどこに行くつもりですか?」

 

 え?コイツいつの間に起きたんだよ。

 

龍之介「お化け屋敷。」

姫路「何をしに?」

龍之介「仕掛けを突破しに。」

姫路「私たちの役目は最後なんですよね?」

龍之介「うっ………」

 

 そこを気づかれると痛いね………。

 

姫路「他にも人がいますよね?」

龍之介「そうだね………」

姫路「ですので今はお化け屋敷に行かないで下さい。」

龍之介「はい……」

 

 ということで初めて瑞希に正論で潰されて負けてしまった………。悔しい‼︎次は絶対に潰し返してやるからな‼︎

 

 

 

 

  side 爽

 

 色仕掛けを突破出来る人間として私と優子のペアが抜擢された。そして私達は早速そのポイントまで来た。

 

小暮「あら、そちらにいらっしゃるのは蕨屋敷君ではありませんか?」

 

 私の計算が正しければ此奴は3回目の1年生の時のクラスメイトである小暮のはず。

 

爽「その通りだ。」

小暮「なるほど。でしたらこの動画はどうです?」

 

 そして小暮は………動画サイトにあるリ○ロ(スロット)で大当たりしている動画を見せてきた……!これはまずい‼︎私の中の欲望が溢れ出てしまう‼︎叫びたくなってしまう‼︎

 

優子「爽兄、アタシの事は気にしないで我慢していいからね?」

爽「うぐっ………」

 

 いや、貴様の事を本当に気にしない方が無理がある。だが目の前にあるのはとても叫びたくなるような代物だ‼︎ここからどちらかを選べと言うのか‼︎なんという鬼畜な女、許せぬ‼︎

 

 

 

 

  side 優子

 

 爽兄がアタシのために必死に堪えている………。アタシが居なければこんな事に葛藤しないで済んだのに………。

 

 そもそもアタシが無理矢理付き合わせなければもっと爽兄は自由に生きられたのかな……。良かれと思ってやったけど、ダメだったのかな………。そうだとしたらやっぱりアタシは最低な人間だ……。

 

 そういえば、いつからだろう?爽兄の事を好きになり始めたのは……。物心ついた時から背中を追っていたような……。それとも………、いや、間違いなくあの時だ。




 ということでお化け屋敷が始まりました。なんと異端審問会の発動によりゴスロリ夏川を楽々突破という事態が発生しましたね。

 そして主要メンバーの中で最初に入ったのはまさかの爽&優子ペアです。さらにそのまま過去編に繋がります。優子が爽に惚れた理由は次回のお楽しみに!

 最後に、評価・感想をお願いします。

 あと、投票の締め切りは8/23の23:59とします。よろしくお願いします。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第四十九問 昔の思い出

バカテスト 保健体育

問 次の問題に答えなさい。

『 第二次性徴期について答えなさい。 』


姫路瑞希の答え

『 思春期になって、身体にみられる性器以外の男女の特徴があらわれること。 』

教師のコメント

正解です。流石です、姫路さん。


吉井明久の答え

『 ムチムチお姉さんの誕生 』

教師のコメント

あながち間違っていませんね。


島田美波の答え

『 ウチにはまだ来ていないもの 』

教師のコメント

ちゃんと来ていますよ。


土屋康太、工藤愛子の答え

『 身体全体での生物学的性差である。性的に成熟する過程で雌雄の形態の差を生じる現象は性的二形といわれ、多くの生物に見られる。ヒトにおいては、当初は第一次性徴のみの外形的性差が見られ、タナー段階では男性器(男性)・乳房(女性)・陰毛(男女とも)が現れ、生殖能力は持たないが(後略) 』

教師のコメント

2人とも詳しすぎます。


鷹狩龍之介の答え

『 姫路瑞希が太った原因 』

姫路のコメント

先生に代わってコメントしますが、とりあえず私の家に来て下さい。その歪んだ人格を叩き直したいと思います。


  side 優子

 

 それは中学生になったある日の事だった。

 

秀吉「では姉上、行ってくるのじゃ!」

優子「あれ?今日は友達とでも遊びに行くの?」

秀吉「そそそ、そんな感じじゃ‼︎」

 

 今日は確か演劇部の活動はないはず。演劇部の友達と遊びに行くのなら分かるけど、それならなんでこんなに歯切れの悪い返事をするのかな?もしやデート⁉︎ついに秀吉にも春が来たのかな♪アタシは秀吉の相手が気になってこっそり後をつけてしまった。

 

 しばらくすると、秀吉が待ち合わせの相手と思われる人と会ったのだが………

 

男子高生その1「おっ!きたぞ〜!」

秀吉「お、お待たせなのじゃ……」

男子高生その2「わお、秀吉ちゃん!今日も相変わらず可愛いね〜♪」

男子高生その3「早く俺たちと遊ぼうぜ♪」

男子高生その4「楽しみ〜♪」

 

 明らかに雰囲気がおかしかった。そして朝の歯切れの悪い返答にも納得がいった。これから何が起きるかなんて当時のバカなアタシでも簡単に想像がついた。

 

優子「ちょっと貴方達、アタシの弟に何しようとしてるんですか⁉︎」

秀吉「あ、姉上⁉︎」

DKその1「わ〜お!お姉ちゃんまで来ちゃったよ♪」

DKその2「オトクじゃん!」

DKその3「どう?お姉ちゃんも一緒に遊ばない?」

DKその4「俺たちが気持ちいい事を教えてやるからさ!」

優子「アタシは別に構わないですけど、弟は嫌がってるじゃないですか‼︎だからアタシが代わりになるので弟は解放してあげて下さい‼︎」

秀吉「姉上、ワシは………」

DKその1「ねえ、どうする?」

DKその4「ちょうどいいから2人まとめて……」

 

 マズい!秀吉だけは嫌な目にあって欲しくないわ‼︎だから……!

 

優子「秀吉、早く帰って‼︎」

 

 秀吉と秀吉の一番近くにいた男子高校生の間に入った。

 

秀吉「で、でも姉上が……」

優子「アタシはいいから、早く‼︎それとこの事は誰にも言わないで‼︎」

秀吉「わ、分かったのじゃ……」

DKその2「いやいや、俺たちは2人の方が……」

優子「アタシが貴方達を楽しませるから弟は解放して下さい‼︎」

DKその3「まあ誰にも言われないんだし別にいいんじゃね?」

DKその4「双子だから同じように楽しめそう♪」

DKその1「じゃあそうするか!」

 

 こうしてアタシは無事秀吉を解放する事が出来た。

 

優子「さあ、よろしくお願いします‼︎」

DK4人「「「「オッケー‼︎」」」」

 

 これから何をするかなんて簡単に想像が出来る。正直怖いし逃げ出したいけど、秀吉が被害に遭うくらいならアタシが代わりになった方が100倍マシだ。あの子は恵まれた演劇の才能がある。だからこんなところで傷つくわけにはいかない‼︎それに比べてアタシは特に何の才能もなく、ズボラで頭も悪いから別にここで傷つこうが全然問題ない‼︎

 

 

 

 その後アタシは物陰に連れてかれた後、早速遊ばれようとしていた。

 

DKその1「それじゃあ俺たちと気持ちいいこと、しよっか♪」

DKその3「とりあえず脱がせてあげるね!」

優子「は、はい!」

 

 うぅ………、やっぱり怖い………。アタシはこれからめちゃくちゃにされちゃうんだ……。こんなアタシを見たら秀吉はどう思うかな?こんなアタシを見たら………、爽兄はどう思うのかな?不器用だけど優しいあの人はどう思うのかな?

 

DKその2「ん?どうしたの?」

優子「いえ、なんでも!」

DKその2「そっか!」

 

 爽兄、怖いよ……。助けて……じゃない!アタシがここで頑張らないとダメでしょ!何考えてるのよ!堪えなきゃ!堪え………

 

 

 

 

 

 

 

    

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

爽「私は優子に危害を加える者には、容赦はしないと決めている‼︎」

 

 爽兄?どうして今、ここに?

 

DKその1「あれ、蕨屋敷……」

爽「………」バシン‼︎

DK4人「「「「ぎゃぁぁぁぁぁ‼︎」」」」

爽「優子、早く来い‼︎」

優子「え、うん……」

DKその3・4「「逃すかぁぁ‼︎」」

爽「くたばれ‼︎」バシン‼︎

DK4人「「「「ぎゃぁぁぁぁぁ‼︎」」」」

 

 爽兄、アタシの事を助けに来てくれたんだ……。

 

爽「逃げるぞ‼︎」

優子「う、うん!」

 

 こうしてアタシと爽兄は逃げのびる事が出来た……。

 

爽「大丈夫か?」

優子「う、うん……。でもなんで……」

爽「秀吉が知らせてくれたんだ。」

優子「なるほど……。でもこれはアタシがやりたくて……」

爽「そんなわけないだろ?顔見てれば誰だって分かる。」

優子「………」

爽「とりあえず泣きたかったら泣け。怖い思いをしただろ?」

優子「う、うん………」

 

 爽兄、ありがとう………。こんなアタシの事も助けてくれて………。そしてこの時気づいた。アタシは貴方が好きだ、と。

 

 

 

 あの日以来、大好きな爽兄に何か返したくて色々とやった。お金を持っている女の人が好きだったから、将来稼げるように勉強や社交的な事を頑張った。不登校気味だった爽兄になんとか色んな楽しみを知ってもらおうと頑張った。その態度を見て爽兄は気を遣ってくれたのかアタシに付き合ってくれた。

 

 だけどよくよく考えたらただの独りよがりなんじゃないかな?爽兄はこんな事を望んでないのかもしれない……。そんな思いが頭の中をよぎってしまう。

 

小暮「あら、思ったよりも反応がありませんね。」

爽「うっ………。」

優子「あんまり無理しなくてもアタシの……」

爽「何故貴様は自分のせいにするんだ?」

優子「え?」

 

 いつも思ってた事だから考えた事なかったよ……

 

優子「だってアタシはズボラで……」

爽「要するに自分に自信がないのか?」

優子「はい……」

爽「なら気にするな。お前は私が最も自慢できる人物だ。私の推薦じゃアテにならないかもしれんが少しはもっと自信を持ってくれると助かるんだがな。」

 

 爽兄はいつもこう言ってくれる。いつも気を遣ってくれる……。本当に優しい人だね。でもやっぱり自分に自信がないみたい………というかこれって‼︎

 

優子「じゃあアタシもそっくりそのまま同じ言葉を返すね♪」

爽「えっ⁉︎」

 

 アタシたちは似たもの同士だったんだ‼︎なんで気がつかなかったんだろう!ずっと爽兄に憧れてばかりいて、理解しようとしてなかったんだ‼︎確かに違うところはあるかもしれない。でも爽兄だってアタシと同じ部分を持っているんだ‼︎

 

優子「ねえ、アタシたちは似たもの同士だったんだね♪」

 

 

 

  side 爽

 

 似たもの同士か……。そんな事はないはずだ。貴様は私のような屑とは全然違うのに……。

 

爽「そ、そんな事は……」

優子「まあ違うところもあるけれどさ。自分に自信がないところとか、互いを優しいって言い合うところとか、なんか似てない?」

爽「それは………」

 

 言われてみれば確かにそうかもしれない………。というか私が優子に憧れを抱きすぎていたせいで気付かなかっただけだな……。憧れは理解とは最も遠い感情、とはまさにその通りだったな。

 

爽「その通りだな。」

優子「あっ!爽兄が久しぶりに笑った♪」

爽「そうか?」

優子「そうだよ!」

 

 今まではパチスロ以外で感情を出す事があまりなかったが、貴様といるとどうしても出てしまうのだな。

 

優子「それに、そんな弱いところがある2人ならさ、これから支え合っていけばいいと思わない?」

 

 確かにそうだな!お互いを補っていけばいいのか‼︎

 

爽「貴様の言う通りだな。」

優子「うん!」

 

 それに、私はまだ貴様に言っていない事があったな。お互いを支え合って生きると決めたんだ。なら絶対に言うべきであろう‼︎

 

爽「優子。」

優子「何?」

爽「私も貴様の事が好きだ。」

優子「あっ……ありがとう///」

爽「これからもよろしくな。」

優子「こ、こちらこそ‼︎」

 

 ようやく言えた。ずっと言ったら迷惑なのではないかと思って言えなかったが、やっと言えた。これで一歩前に踏み出せた気がする‼︎私の中で明確にパチスロよりも優子を優先させると決める事が出来たからな‼︎

 

小暮「その感じだと、この仕掛けはもう無意味ですね。」

爽「そうだな。すまない、ずっと居させてしまって。」

小暮「お気になさらず。それとごちそうさまでした。それでは失礼します。」

爽「ああ。」

 

 こうして私たちは小暮の仕掛けを突破する事が出来た。

 

 

 

 

  side 龍之介

 

 甘〜い♪なんだよあの2人の激甘空間は‼︎胃もたれしそうだよ‼︎

 

 それに比べて………

 

姫路「いいですね〜。私もあんな感じの甘い空間を堪能してみたいです!」

龍之介「そうか。それじゃあわざと負けて高城先輩に売ってあげるよ!」

姫路「そんな事をしたら殺しますよ?」

 

 こっちは激辛空間だ。いや、俺が悪いのは認めるけどさ〜、まさか瑞希がこんなになるとは思ってなかったよね〜。

 

 

 

 

 そんな事を思ってると、爽&木下ペアの後に投入されたムッツリーニ&工藤ペアが保体でチェックポイントを突破したみたい。やったね!これで残るチェックポイントは2つだ‼︎これなら順調に………

 

ムッツリーニ「ぬぁぁぁぁぁぁ‼︎」

愛子「ムッツリーニ君⁉︎」

 

ブー ムッツリーニ&愛子 OUT

 

 何だ?何をした?カメラでは暗くてよく分からなかったぞ?

 

雄二「暗くてよく見えなかったがかなりヤバい仕掛けなんだろう。よし、ここは秀吉&鳳之介ペアの突入だ。」

秀吉「分かったのじゃ‼︎」

鳳之介「突破してやる。」

 

 まあこのペアなら安心だね!秀吉は演技が上手いし鳳之介は多少の事では大声を上げないからきっと上手く誤魔化してくれる…………

 

鳳之介「うわぁぁぁぁ‼︎キモっ‼︎」

秀吉「き、気持ち悪いのじゃ‼︎」

 

ブー 秀吉&鳳之介 OUT

 

 嘘だろ⁉︎あの2人が失格⁉︎一体何があったんだ⁉︎暗くて見えない‼︎

 

姫路「なななななな、何があったんでしょう⁉︎」

龍之介「分からないね〜。ただ、とんでもなくヤバい物ってだけは分かるね!」

姫路「ややややや、やめて下さい‼︎」

龍之介「まあまあ、とりあえず寝て。」

姫路「はい………」

 

 コイツには刺激が強すぎるね。さて、次は誰を出すんだろう?

 

雄二「クソ‼︎こうなったら久保&清水ペアだ‼︎」

 

 え?その2人が組んでるんだ〜。まあ明久島田ペアをぶっ壊すって意味では利害関係が一致してるからね〜。

 

久保「分かった。僕が相手しよう。」

清水「美春も頑張ります‼︎」

 

 まあこの2人なら驚く事は………

 

久保「うわっ……」

 

 ないよね〜。安心あんし………

 

清水「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼︎け、汚らわしいです‼︎気持ち悪いです‼︎吐き気がします‼︎あり得ないです‼︎」

 

 うわ!清水が遺伝子レベルで拒否したんだけど⁉︎アレはいったい何なんだ⁉︎

 

久保「くっ!こうなったら………皆、これを見てくれ‼︎」

 

 そうして久保がライトで見せるとそこには………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真ん中に穴の開いたコンニャクが1つと、この人が使用済みと書かれたゴスロリ坊主と俺と根本の写真が貼ってあった。




 ということで優子の回想、爽の告白からの使用済みコンニャクの話でした。前半と後半の落差が酷いですね。コンニャクの件に関しては元ネタはぐらんぶる8巻のお化け屋敷ですが、それよりも酷いことになっています。清水美春が遺伝子レベルで拒絶するのも納得ですね。

 さて、次回はコンニャクをなんとか突破からのvs常夏コンビです。お楽しみに!

 最後に、評価・感想をお願いします。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第五十問  vs常夏コンビ

バカテスト 生物

問 次の問題に答えなさい。

『 光合成によってどんな物質ができるでしょう。 』


鷹狩龍之介の答え

『 炭水化物と酸素 』

教師のコメント

正解です。光合成は光によって水と二酸化炭素から炭水化物と酸素を生成する現象ですね。


吉井明久の答え

『 塩酸 』

教師のコメント

そうだとしたら迂闊に植物には近づけませんね。


蕨屋敷爽の答え

『 ハゲ 』

教師のコメント

原因は違うと思いますよ。


土屋康太の答え

『 R18を防ぐもの 』

教師のコメント

あとで職員室に来てください。
ーーーーーーーーーーーーーーー
いつも以上に下ネタが多めです。
ご注意下さい。


  side 龍之介

 

 久保がカメラを向けた先を見ると、そこには真ん中に穴の開いたコンニャクが1つと、この人が使用済みと書かれたゴスロリ坊主と俺と根本の写真が貼ってあった。

 

観客「「「「ぎゃぁぁぁぁぁぁ‼︎」」」」

根本「何だよアレは⁉︎俺は知らんぞ⁉︎」

小山「最低………」

 

 俺全く見覚えがないんだけど⁉︎何で俺が変態のレッテルを貼られなきゃならないんだよ‼︎

 

雄二「龍之介、お前………」

明久「あの2人とそういう関係だったんだ!」

美波「えっ………」

翔子「…気持ち悪い……」

龍之介「ちょっと待ってよ皆‼︎アレは誤解だよ‼︎だって俺の記憶にないんだもん‼︎」

雄二「記憶がないのはいつものことだろ。」

明久「お酒って怖いね!」

龍之介「違うんだぁぁぁぁぁぁ‼︎」

 

 嫌だよ!アレは俺が酒で記憶飛ばしてる時に起きたことなの⁉︎いや、そんなはずはないでしょ‼︎だってあの2人は未成年だよ⁉︎俺が記憶飛んでる時にいるはずがないでしょうが⁉︎

 

姫路「龍之介君、いいじゃないですか?」

龍之介「いやよくないでしょ‼︎」

姫路「ここまで色んな問題行動を起こして来たのに、なんで今更こんな事を気にするんです?」

龍之介「気にするでしょ‼︎今まではただのバカで済んだけど、これじゃあ取り返しのつかない変態になっちゃうよ‼︎」

雄二「処女失ってる時点でそうだろ。」

明久「確かに‼︎」

美波「そうだったんだ……」

姫路「えっ?そうなんですか?」

龍之介「うるせぇぇぇぇぇぇぇ‼︎」

 

 あぁ、俺の学校生活はもうお終い………にしてたまるか‼︎

 

龍之介「というか冷静に考えてよ‼︎あんなのただコンニャクの真ん中に穴開けて俺の写真をそばに置くだけで出来るじゃん‼︎単なるジョークでしょ‼︎」

姫路「経験者は語るってやつですか?」

龍之介「お前を1人でお化け屋敷に放り込んでやろうか?」

姫路「ごめんなさい……」

美波「鷹狩、人には色んな好みがあるからさ!それに、ウチはそれを否定しないよ?」

龍之介「島田はさっき思い切り引いてたでしょうが‼︎」

雄二「俺は否定するけどな。」

明久「僕も!」

龍之介「とりあえず全員死ねぇぇぇぇ‼︎」

 

 この仕掛けを作った3年生を後で特定してめちゃくちゃ虐めてやろう。そんな事を思ってると………、

 

姫路「龍之介君、ちょっと来てくれませんか?」

龍之介「ん?別にいいけど……」

 

 姫路に呼ばれて今は誰もいないFクラスの教室までやって来た。

 

龍之介「それで、俺に何の用?」

姫路「龍之介君、色々あって辛かったと思うので私が慰めてあげようと思って………」

龍之介「お前もちょっと俺の傷口を広げてたでしょ。」

姫路「確かにそうですね……。だからこそ私が慰めてあげようと思ったんです!」

龍之介「ありがとう!じゃあよろしく。」

 

 瑞希も案外優しいところもあるんだね〜。せっかくの好意だし、ここは任せるか〜。どんな慰めの言葉をかけてくれるのかな〜?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

姫路「はいっ!それではまずズボンを脱がせますね〜。」

 

 えっ?

 

龍之介「いやいやいやいや、ちょっと待ってよ‼︎何しようとしてるのさ‼︎」

姫路「えっ?慰めようとしてるのですが……」

龍之介「慰めるってソッチの意味なの⁉︎」

姫路「はいっ♪」

 

 嘘でしょ⁉︎だからみんなの居場所から離れたここに連れ出したわけ⁉︎というかコイツの前で脱ぐとか恥ずいんですけど⁉︎

 

龍之介「うぁぁぁぁぁぁ‼︎さらば‼︎」

姫路「えっ、ちょっと、龍之介君⁉︎」

 

 めちゃくちゃ恥ずかしくなって俺は走って逃げてきた。全く、アイツは何しようとしてるんだよ‼︎別に俺たちはそんな関係じゃないでしょ‼︎

 

 

 

 瑞希を振り切ってなんとか大広間に帰ってくると、秀吉が話しかけてくれた。

 

秀吉「お主………」

龍之介「アレは誤解だからね⁉︎」

秀吉「そうなのか……」

鳳之介「マジで殺そうかと思った。」

龍之介「ごめん、俺も同じ気持ちだ。相手はアレを作った奴だけどね。それでさ、その後のお化け屋敷はどんな感じなの?」

愛子「えっと、根本君が怒って中に入り、あの仕掛けを破壊したよ。」

ムッツリーニ「………その後は明久&島田ペアと雄二&霧島ペアが投下されたんだが……」

秀吉「今はあんな感じじゃ!」

 

 そしてモニターの方を見ると………

 

翔子「…美波、大丈夫?」

美波「へ、平気よ翔子‼︎う、ウチに任せて!」

 

 何故かこのペアが一緒にいた。そして………、

 

雄二「なあ明久、俺は暗闇の中を歩いていると背後から翔子に金属バットで襲われるんじゃないかと思うんだが……」

明久「それはそれは大変だね〜。」

雄二「誰のせいだと思ってるんだ?」

明久「龍之介!」

雄二「あのコンニャク野郎は後で潰すとして、先にお前を殺す!」

明久「やめてよ〜!」

 

 クズ2人が仲良く歩いていた。

 

龍之介「ねえ、何があったの?」

秀吉「さっき一瞬暗くなったんじゃが、その時に入れ替わったみたいじゃ。」

龍之介「俺たち、入れ替わってる〜!って奴か!」

ムッツリーニ「………君の縄。」

龍之介「漢字が違うと思うよ。」

 

 それにしても、なんでこの4人をシャッフルさせたのかな〜?そんな事を思っていると女子ペアがチェックポイントに到達したみたいだ。

 

夏川「おい常村‼︎テメェなんて事しやがる‼︎これじゃあ俺がただの変態じゃねえか‼︎」

常村「仕方ないだろ。事実なんだし。」

夏川「殺すぞ‼︎」

 

 というかチェックポイントはコイツらかよ‼︎じゃあペア分けした理由は明久&雄二に復讐するためか‼︎それとどうやら俺が殺すべき相手が分かったようだ。

 

美波「あの〜。」

夏川「あっ……ってなんだ、お前らか!失格になったんじゃなかったのかよ‼︎」

常村「飛んだ邪魔が入ったな〜。まずはクズどもを叩きのめすつもりだったのによ〜。」

夏川「やっぱり逃げたんじゃねえのか?」

常村「所詮はクズだな‼︎」

 

 やった〜♪どうやら俺はクズに入ってないみたいだ。

 

翔子「…雄二達はクズじゃない。…クズじゃない‼︎」

夏川「あいつらがクズじゃないだと〜⁉︎面白えな‼︎」

常村「すぐに問題は起こすわ、成績は悪いわ、アイツらをクズって呼ばずになんで呼ぶんだ⁉︎あっ、鷹狩兄は成績だけは良いのか〜w」

 

 おい。俺も入ってるんかい‼︎

 

夏川「こんなのはどうだ!クズ改め、社会のゴミ!」

常村「いや、それはゴミに失礼だよね〜。ゴミはゴミらしくゴミだめに埋まってろや‼︎」

夏川「全くだぜ!アイツらみたいなクズでバカでどうしようもねえゴミ野郎が……」

美波「どうしてそんな酷いことを言うんですか⁉︎」

 

 島田が大声でキレた。流石に耐えられなかったのだろう。

 

美波「確かにアキたちはそんなに成績は良くないし、問題行動を起こしてるのは認めます‼︎でも、どうしてそれだけでそんな酷いことを言えるんですか⁉︎知らないくせに⁉︎アキたちがどれだけ優しいのかも知らないくせに‼︎」

夏川「は?お前アイツらがどれだけ頭悪いのか知らねえんじゃねえのか?若干一名はそれ以外が問題だがなぁ‼︎」

美波「どうして成績でしか、人を見られないんですか⁉︎点数なんかじゃ測れない、大切なことが沢山あるのに‼︎」

夏川「ギャンギャン喚くな‼︎あんなカスどものことなんて知ったことかよ。」

美波「アキたちは、クズでもゴミでもありません‼︎」

常村「全くうるせえなぁ‼︎失格者はさっさと出てけ‼︎」

翔子「…言われるまでもない。…行こう美波。」

 

 

 

ブーーー  翔子&美波ペア  OUT

 

 

 

 まあ恋人のことをクズ呼ばわりされたらそりゃキレるよね〜。

 

明久「だってさ〜、雄二。僕らって優しいらしいよ?」

 

 そしてコイツらも聞いてたのか。ならやる事は一つだよな‼︎

 

雄二「初耳だな〜。明久や鷹狩・コンニャク・龍之介ほどじゃないにしろ、自分は立派なクズだと思ってたんだが。」

明久「そうだね〜。」

 

 雄二、勝手に変なミドルネームをつけるなや‼︎

 

雄二「よし、それじゃあやってやろうじゃないか。」

明久「ああ!」

 

 こうして2人はどこかに行ってしまった。

 

 

 

 

  side 明久

 

 僕と雄二は常夏コンビ討伐の準備をして、遂にアイツらの前に立った。

 

雄二「よう先輩方。」

夏川「やっと来たか!遅かったじゃねえか‼︎」

明久「お待たせしました〜!」

常村「よし、それじゃあ早速勝負といこうぜ…サ…」

雄二「その前にだ。ここは一つ俺たちだけの罰ゲームを決めようぜ。」

夏川「罰ゲームだと⁉︎」

常村「お前ら、何か企んでんじゃないだろうな?」

雄二「そう警戒するなよ。お前らは俺たちと個人的な勝負がしたいんじゃないのか?」

常村「まあそうだな。」

雄二「だったら勝負するからには何か罰ゲームがないと面白くないよな?」

 

 そりらそうだね。負けても痛い目見ないんじゃ意味ないしね。アイツらが言葉を返す。

 

夏川「そりゃそうだな。んで何にするんだ⁉︎」

雄二「勝った方が負けた方の言うことをなんでも一つ聞く。これでどうだ。」

夏川「面白えじゃねえか‼︎やってやるよ‼︎」

常村「今言った言葉を取り消させてやるぜ‼︎」

明久・雄二・夏川・常村「「「「試獣召喚(サモン)」」」」

 

 

 

物理

 

2年Fクラス  吉井明久  31点

2年Fクラス  坂本雄二  217点

         VS

3年Aクラス  常村勇作  435点

3年Aクラス  夏川俊平  421点

 

 

夏川「なんだその点数は〜w。」

常村「俺たちの足元にも及ばねえじゃねえかw」

 

 常夏コンビがバカにしてくる。まあどっちも腕輪持ち。普通にやったら勝てると思うだろう。ってか勝てる。けどね!

 

雄二「ほざいてろ。行くぞ明久‼︎」

明久「おう!逃げるよ‼︎」

常村「ちょ、待ちやがれ‼︎行くぞ夏川!」

夏川「おう!」

 

 天下の逃亡大作戦‼︎勉強ばかりのAクラスの運動神経じゃ追いつけないですよね〜?

 

夏川「は?アイツらどこ行きやがった⁉︎」

常村「行き止まり⁉︎ならこっちか‼︎」

 

 ハズレ〜!

 

夏川「ってこっちにも居ない⁉︎」

常村「アイツらどこに⁉︎」

明久「お〜い!鬼さんこ〜ちら〜♪」

 

 逃げながらとりあえず煽っといた!でもまだまだ‼︎

 

夏川「は⁉︎こっちにも居ねぇんだが‼︎」

常村「何やってやがる⁉︎」

明久「先輩方意外と足遅いんですね〜。」

雄二「おい失礼だろ明久。あれが本気なわけないだろう。」

夏川・常村「「なんだと⁉︎」」

 

 僕たちのやる事は、とにかく逃げ回って撹乱する!そして………、

 

夏川「はぁっ……はぁっ……、ようやく追いついたぜ……‼︎」

常村「か、覚悟しな……‼︎」

 

 ある場所で追いつかれてしまった!普通に考えたら僕たちの負けだろう。だけどね、アイツらは何か勘違いをしているよ‼︎

 

明久「それはどうかな〜?」

雄二「覚悟するのは………」

明久・雄二「「お前らだけどね(だがな)。」」

爽・優子「「試獣召喚(サモン)!」」

 

 

物理

 

2年Fクラス  吉井明久  31点

2年Fクラス  坂本雄二  217点

2年Fクラス  蕨屋敷爽  18点

2年Aクラス  木下優子  1146点

         VS

3年Aクラス  常村勇作  435点

3年Aクラス  夏川俊平  421点

 

 

 常夏コンビには極限まで僕たちだけが敵だと錯覚させて、実はまだ失格になってなかった2人に奇襲をさせる‼︎爽はともかく、物理学年1位の木下さんがいれば余裕だね‼︎

 

夏川・常村「「なっ⁉︎」」

夏川「お前らずり〜ぞ‼︎」

常村「そんなのありかよ‼︎」

雄二「お前らと俺たちと勝負をすると言っていた。だが俺たちが指すのが俺と明久だけだとは一言も言ってないよな⁉︎」

明久「なに早とちりしちゃったんですか〜?」

爽「貴様らの頭が足りないのを反省するがよい‼︎」

優子「な、なんかごめんなさい……」

夏川・常村「「くそぉぉぉぉぉ‼︎」」

 

 

物理

 

2年Fクラス  吉井明久  0点

2年Fクラス  坂本雄二  0点

2年Fクラス  蕨屋敷爽  0点

2年Aクラス  木下優子  518点

         VS

3年Aクラス  常村勇作  0点

3年Aクラス  夏川俊平  0点

 

 

 こうして常夏コンビとの戦いは僕たちの勝利で終わった。代わりに3人戦死により木下さんまで失格になっちゃったけどね。

 

夏川「クソが‼︎」

常村「んで、言いたい事はなんだよ⁉︎」

 

 言いたいこと……。そんなの決まってる‼︎

 

明久「美波と霧島さん……さっき貴方達が罵倒した子に後で謝って下さい。」

夏川・常村「「はっ⁉︎」」

夏川「それだけでいいのか?」

明久「はい。」

夏川「分かったよ……」

常村「う〜い。」

 

 これで僕たちの勝負は終わった。あとは頼んだよ、龍之介&姫路さん‼︎

 

 

 

  side 龍之介

 

 アイツらもなかなか外道な作戦を立てるもんだね〜。まあ雄二を戦死させちゃったのは失敗だけどね。雄二さえ生きてれば木下と組んでラスボス戦が楽になったのにな〜。まあ終わった事は仕方がない、切り替えるか‼︎………っとその前に………、

 

龍之介「なあ根本。」

根本「なんだ鷹狩の兄の方?」

龍之介「俺たちにはやる事があるよね?」

根本「そうだな。お前は普段は敵だが、今日だけは味方だ‼︎」

龍之介「行くぜ‼︎」

根本「ああ‼︎」

龍之介・根本「「常村の処分(ゴミ掃除)に‼︎」」

 

 ということで俺たちは出番が終わった常村先輩のところに向かった。

 

龍之介「Hey, Mr. Tsunemura!」

根本「コンニャクの件で話があるんだが……」

常村「げっ………!」

夏川「お、俺からもだな‼︎丁度良かったぜ‼︎」

常村「なんだよお前ら‼︎」

龍之介「それじゃあ口上を述べさせていただきます‼︎」

常村「口上?」

龍之介「せ〜の!」

龍之介・根本・夏川「「「F○ck you very bitch‼︎」」」

常村「何だと⁉︎」

龍之介「それじゃあお話(拷問)しましょうか‼︎」

根本・夏川「「おう‼︎」」

常村「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼︎」

 

 こうして俺たちは無事常村の討伐(ゴミ掃除)をする事が出来た。さてと、締めのラスボス戦に向かいますか‼︎




 ということでコンニャクからの常夏コンビ戦でした。爽と優子が実は失格になっていないと覚えていた人は少ないんじゃないでしょうか。それと常夏コンビに美波が啖呵を切ってるシーンですが、美波は普通に目上の人には敬語を使うので原作通り姫路が言ってるように見えてしまいますね。

 そして普段は敵である根本や夏川との共闘も見られましたね。敵との協力、なんて熱い展開なんでしょう‼︎(なお理由)

 さて、次回はいよいよラスボス戦、そして最終回です。お楽しみに!

 最後に、評価・感想をお願いします。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第五十一問 それぞれの想い(終)

バカテスト 現代文

『 与謝野晶子の代表作で、日露戦争の時に徴兵された弟を嘆いて歌ったものをなんというか。 』


姫路瑞希の答え

『 君死にたまふことなかれ 』

教師のコメント

正解です。ちなみに弟は無事日本に帰還しましたね。


鷹狩龍之介、吉井明久、
坂本雄二、蕨屋敷爽の答え

『 君死にたまへ 』

教師のコメント

なんで4人とも同じ答えなのでしょうか。


  side 龍之介

 

 常村先輩を討伐し終えた後、俺は最後の教室に入る前に瑞希と合流した。ちなみに2年生の他のペアは全滅したから俺たちが最後らしい。

 

姫路「龍之介君、何で逃げちゃったんですか?せっかく慰めてあげようと思ったのに………」

龍之介「うるせえ!このサキュバスが‼︎」

姫路「もしかして恥ずかしかったとか〜w」

龍之介「び、びっくりしたのさ!」

姫路「風俗以外の恋愛は本当に経験ないんですね♪」

龍之介「うるさい‼︎」

姫路「可愛い〜♪」

龍之介「というかお前だって色んな工程をすっ飛ばしすぎでしょ‼︎というか前にも言ったよね⁉︎」

姫路「まあまあ、お気になさらず〜♪」

龍之介「気にするわ!」

 

 全く、人の事をナメやがって!許さないからな‼︎だから俺はお化け屋敷の中に入った後………、

 

姫路「ままま、待って下さ〜い……」

龍之介「密です。Social Distance.」

 

 瑞希と距離を取ることにした。

 

姫路「ごごごごめんなさい……。だ、だから許して下さい……」

龍之介「やなこった!」

姫路「うぅ………あっ!」

 

 ん?何を思いついたんだろう?

 

姫路「実は王水を持ってきてるんですが……」

龍之介「わ、分かったよ……。近くにいればいいんでしょ?」

姫路「はい♪」

 

 マジで王水はずるいでしょ。手軽に俺を脅さないで欲しいな〜。そんな事を思いながら進むと、いよいよ最後のチェックポイントに到着した。

 

龍之介「お疲れ様で〜す!」

小暮「お疲れ様です。どうやら2年生は貴方達だけのようですね。」

龍之介「そうですね〜。それじゃあ、勝負といきますか‼︎」

龍之介・姫路・高城・小暮「「「「試獣召喚(サモン)!」」」」

 

 

 

総合科目

 

2年Fクラス 鷹狩龍之介  6315点

2年Fクラス  姫路瑞希  7017点

        VS

3年Aクラス  高城雅春  10357点

3年Aクラス  小暮葵   5718点

 

 

 わお!流石学年首席………。かなりの点数だね……。小暮先輩もそれなりには高いようだ。

 

龍之介「よし、それじゃあ瑞希は小暮先輩を相手にして!」

姫路「えっ、いいんですか?私の方が点数が高いのに……」

龍之介「格上相手の方が俺は得意なの‼︎」

姫路「はっ、はい‼︎」

 

 ということで俺は高城先輩と戦うことにした。

 

 

 

  side 姫路

 

 私のお相手は小暮先輩です!私の役目は点数を多めに残して勝つこと!そして小暮先輩を倒したら今度は龍之介君のお手伝いです!

 

 えっと……、武器は新体操のリボンみたいです!私の大剣ではリーチの差で不利ですが隙を見て一気に攻めます!リボンとリボンの合間を縫って………

 

姫路「えいっ!」

小暮「くっ!」

 

 どうやら当たったみたいです!でもまだまだここから!リーチが自分より長い武器を持つ相手には、徹底して離れないようにしなければ‼︎

 

姫路「えいっ‼︎」

小暮「ならば……《和洋折衷》」

 

 小暮先輩の腕輪の力みたいです!彼女の召喚獣を中心にお茶の渦が発生しました……。さらには飛び交うリボン……!なかなか避けるのが大変な技ですが、私だって負けていられません‼︎龍之介君のために頑張らないと‼︎

 

 龍之介君は私の醜い一面も全て認めた上で変わらずに接してくれた人です。憧れの明久君ですらちょっと心の距離を感じていた中、貴方だけは近い距離で接してくれました。たまに、いや大抵ムカつく事が多いですが、それでもこんな私を見捨てずに変わらずに接してきてくれました。基本クズで扱いが適当なだけかと思いきや、優しい部分も結構あってすごく救われました。そして最近ではたまに可愛い反応も見せてくれるようになりました!明久君が手の届かない存在となった今、私の好きな人は貴方です‼︎

 

姫路「《熱線》‼︎」

小暮「負けませんよ‼︎」

 

 

 

総合科目

 

2年Fクラス 鷹狩龍之介  3814点

2年Fクラス  姫路瑞希  981点

        VS

3年Aクラス  高城雅春  6392点

3年Aクラス  小暮葵   451点

 

 

 

  side 龍之介

 

 いや〜、思った以上にヤバイね〜。というか……

 

龍之介「先輩って結構召喚獣を扱い慣れてますよね?何があったんです?」

 

 高城先輩が明久並み、いやそれ以上に召喚獣を使いこなしてるんだよね〜。おかげで大苦戦だよ‼︎

 

高城「えっと……、私は前まで騙されてたんですよ!観察処分者がやる用の雑用は学年首席がやるべきだと‼︎」

龍之介「ええ………」

 

 いや理由それかい‼︎この人アホなのか頭いいのか本当によく分かんないよな〜。

 

高城「ちなみに鷹狩君は私たち3年生に何をお願いするつもりなんですか?」

龍之介「えっと〜、『金を寄越せ‼︎』と言いたいところなんですけど、それはダメなので大人しく体育祭の準備の押し付けくらいにしときま〜す!」

高城「なるほど、そんな感じなんですね!」

龍之介「ちなみに先輩は瑞希と付き合う事ですか?」

高城「いいえ違います。」

 

 あれ?俺の予想と違うんだけど……。

 

龍之介「それじゃあ何を?」

高城「姫路さんの交換留学ですね‼︎」

 

 交換留学?どういう事?

 

龍之介「どこか行くんです?」

高城「海外にある文月学園の姉妹校です!そこにいるリンネ・クラインという生徒と交換留学をするのです!そしたら姫路さんは今いるFクラスの劣悪な環境ではなくて、海外の素晴らしい環境で学ぶ事が出来るんですよ‼︎」

姫路「えっ⁉︎」

 

 そういう事ね〜。一応彼なりには瑞希の事を考えてるみたい。でも瑞希はせっかくクラスメイトに恵まれたのに、可哀想だな〜。無理矢理勝負を引き受けた責任もあるし、ここは俺が頑張らないと‼︎

 

龍之介「瑞希は小暮先輩に集中して。」

姫路「はい!」

龍之介「それと、その話ですけど、瑞希本人はあまり望まないと思うんですよね〜。」

高城「どうしてです?」

龍之介「彼女は今いるクラスの事が大好きですからね〜。だからその案じゃなくて、瑞希と付き合う事にした方がいいと思うんですよ〜。」

高城「なるほど‼︎確かに姫路さん本人は反対するかも知れませんね。」

龍之介「それなら取り止めて……」

高城「それでも私はこの方が彼女の為になると信じてるのです‼︎姫路さんの親御さんとも先生を介して連絡を取ったのですが、やはり彼らも望んでいたみたいです!ですので私は私が付き合うよりもこの方がいいと思ったのです‼︎」

 

 わ〜お。信念の強い人だな〜。でも本人に内緒で勝手に親に連絡を取るのはどうなのかな〜?まあ手段を選ばないところは好きだけどね♪

 

龍之介「おお!それは素晴らしい考えをお持ちで‼︎」

高城「そう思いますよね‼︎」

龍之介「でも他人の人生を勝手に決めるのってどうなんです?親にニートやってんのがバレて金で脅されて渋々文月に通った俺が言うことじゃないですけど……」

高城「本人がいくら憎んでくれても構わないと思ってるのです!最終的に10年、20年後に本人が得をしたと思ってくれれば‼︎」

 

 おお!なんと素晴らしい自己犠牲の精神なんだろう‼︎

 

龍之介「なるほど!でも瑞希の人生は瑞希のものですよね?それに、人間は皆先輩みたいな崇高な考えを持ってるわけじゃないんですよ〜。目先の欲に駆られて動くような人も中にはいるんです。俺とか、貴方が尽くそうとしているこのデブとか。」

姫路「誰が太ってるですって?」

龍之介「瑞希、小暮先輩に……」

姫路「倒しましたよ♪」

 

 あっ………。また怒られんじゃん………。

 

高城「でも私はこの方がいいと思うのですが……」

龍之介「我々のようなクズはそんな崇高な事は考えられないんですよ。今が楽しければそれでいい。ね、瑞希?」

姫路「はい!」

高城「そうですか……。なら無理矢理勝つだけです‼︎」

龍之介「上等!行くぞ瑞希!」

姫路「はい!」

 

 

 

総合科目

 

2年Fクラス 鷹狩龍之介  2481点

2年Fクラス  姫路瑞希  321点

        VS

3年Aクラス  高城雅春  4962点

3年Aクラス  小暮葵   0点

 

 

高城「《高城百烈拳》‼︎」

 

 高城先輩の腕輪の力か!大量の拳が飛んできた‼︎ならこっちだって‼︎

 

龍之介「《酒鉄砲》‼︎」

姫路「先輩の腕輪の力は私が受けます‼︎」

 

 頼む!俺のスピリタスよ!先輩の召喚獣を潰してくれ‼︎

 

 

 

総合科目

 

2年Fクラス 鷹狩龍之介  1382点

2年Fクラス  姫路瑞希  0点

        VS

3年Aクラス  高城雅春  2971点

3年Aクラス  小暮葵   0点

 

 

姫路「後は任せました。」

龍之介「おう!」

小暮「高城君、お願いしますよ。」

高城「分かりました!」

 

 点数は明らかに俺が負けている……。でもこの後、俺が格上相手が得意な理由が先輩目線でも判明するぜ!

 

高城「あれ?召喚獣が思うように動きません……」

龍之介「フフフフ……」

高城「どうしたんですか⁉︎」

龍之介「猫に木天蓼、人にはお酒!あれあれ〜?召喚獣が千鳥足になってますよ〜?」

高城「何をしたんです⁉︎」

龍之介「俺のスピリタスで召喚獣が酩酊したんですよ!酒の中でも最も度数の高い酒です‼︎存分に味わって下さい‼︎」

 

 まあ味わうのは召喚獣だけだけどね。流石に未成年相手にフィードバックをつけるわけにはいかないからね。

 

高城「くっ……!こう言う事でしたか……!」

龍之介「一気に攻めます‼︎」

 

 そして千鳥足になってる先輩の召喚獣を俺の召喚獣がビール瓶でタコ殴りにしている!よし、これなら多少の点数差も巻き返せる‼︎行け〜、俺の召喚獣〜‼︎

 

 

総合科目

 

2年Fクラス 鷹狩龍之介  1点

2年Fクラス  姫路瑞希  0点

        VS

3年Aクラス  高城雅春  0点

3年Aクラス  小暮葵   0点

 

 

 しゃあ‼︎ギリギリで耐えたぜ‼︎

 

高城「うっ……、負けてしまいました……」

姫路・小暮「「ありがとうございました。」」

龍之介「ありがとうございました‼︎それじゃあお約束通り、体育祭の準備は2年生の分まで頑張って下さいね〜。」

高城「はい………」

龍之介「それと、先輩の考えは崇高な人には結構合うとと思うので、気にせずに自分を貫いたらいいと思います‼︎以上、年上の後輩からの生意気なアドバイスでした‼︎」

高城「貴方って人は……、なんか変わってますね……」

龍之介「よく言われます!それじゃあまた!」

姫路「ありがとうございました‼︎」

 

 ということで俺は瑞希を連れてみんなの元に戻ることにした。

 

姫路「それで、誰がデブでクズですって?」

 

 おい。それ忘れてないんかい‼︎まあいい!ここは誤魔化す‼︎

 

龍之介「さあ?」

姫路「それに、私にいう事が……」

龍之介「さらば‼︎」

姫路「あっ!待ってください‼︎」

 

 こうして俺は無事瑞希の処刑をかわす事に成功し、みんなの元に生還する事が出来た。やったね!

 

龍之介「へ〜い‼︎俺が神だぜ‼︎」

雄二「コンニャク神が帰ってきたぞ‼︎」

全員「「「「「はは〜‼︎」」」」」

龍之介「おい‼︎誰がコンニャク神だ‼︎ブチ殺すぞ‼︎」

 

 なんて不名誉なあだ名なんだろう。頼むからやめてくれ。

 

雄二「まあとにかく、助かったぞ。」

優子「感謝するわ!」

愛子「凄いね〜!」」

爽「これは貴様の手柄だ。」

ムッツリーニ「………流石‼︎」

翔子「…凄かった!」

鳳之介「今日だけは兄貴と認めてやる。」

龍之介「いえいえ〜、それほどでも〜♪」

 

 まあみんなが褒めてくれるので許すか!あと生意気な弟にはあとで部屋にある秀吉の写真を全部本人にバラしてやろう。

 

明久「クラスメイトが1人減るところだったからね!」

美波「瑞希が居なくなったら寂しいもんね!」

秀吉「そうじゃの‼︎」

龍之介「いえいえ〜、それほどでも〜♪」

姫路「誰が居なくなってもそれほど寂しくないですって?」

 

 ヤベ、帰ってきやがった……

 

龍之介「瑞希、みんながお前を待ってたぞ‼︎早くおしゃべりしてきな‼︎」

姫路「ちょっと色々とお話が……」

龍之介「さらば‼︎」

姫路「あっ!待って下さい‼︎」

 

 こうして俺はまたしても瑞希の魔の手から生還する事が出来た。やったね♪そうして俺はそのまま下校した。

 

 

 

 それにしても、2年前まではこんな楽しい学校生活を送れると思ってなかったな〜。中学の頃までは規則が厳しくて自由に出来ず息苦しさを感じてたんだよね〜。友達も爽、達哉、圭人とかはいたけれどそれ以外はなんかお利口さんが多くてつまんなかったし。だから学校が嫌いで高校に行く気になれなかったんだよね〜。

 

 でも今は違うね!なんせ同じような馬鹿共と楽しくやれてるんだもん♪最高だね‼︎最高のクラスメイトだよ!

 

 

 

 クラスメイトで思い出したんだけど、瑞希の留学を阻止できて良かったな〜。せっかくクラスメイトに恵まれた矢先だったからね。みんなの前ではああ言ったけど、正直俺も寂しいと思ってたしね〜。

 

 それと、アイツなんか鈍臭くて危なっかしいところがあるから面倒を見たくなるところがあるんだよね〜。今思うと、島田との明久奪還戦争に首を突っ込んだのもそのためだったかも知れない。それにからかうと全力でからかい返してくれるから一緒に居て楽しいんだよね。まあ命の危険は何度も感じたけどな‼︎

 

 

 さてと、そろそろ自宅に到着だ‼︎今日は大人しく寝て明日の麻雀に備え………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

姫路「お帰りなさい、あ・な・た♪」

 

 信じられないものを見た。俺の家の前に立つ瑞希の姿がそこにはあった。もしかして俺酔ってるのかな〜?ここ俺の家の前だよね?何でコイツがいるのかな?

 

龍之介「酒の飲み過ぎで幻覚が……」

姫路「幻覚じゃありませんよ?王水で試してみます?」

龍之介「やめときます。」

 

 じゃあこれは幻覚ではないのか……。ならコイツがここにいること、その理由は…………

 

龍之介『もしもし警察ですか?』

 

 ストーカーだ。

 

姫路「えっ?どこかに犯罪者が?怖いです……」

龍之介「お前だよ‼︎何でここにいるんだよ‼︎」

姫路「坂本君たちに連れてきてもらいました♪」

龍之介「あの糞野郎共がぁぁぁぁぁ‼︎」

 

 アイツら、完全に俺を殺す気じゃねえか‼︎ふざけんなよ‼︎

 

 

 

 

 警察の誤解を解いたあと、とりあえず瑞希と一緒に自分の部屋に入った。

 

龍之介「んで、何しに来たのさ?」

姫路「心当たりが無いんですか?」

 

 心当たりね〜。

 

龍之介「あり過ぎてどれだか分かんないや♪」

姫路「でしょうね!」

龍之介「なんかごめんね〜♪」

姫路「本当に謝る気があるのですか?」

龍之介「あるさ!これが俺の精一杯の謝罪だよ!」

姫路「私が何持ってるか知ってます?」

龍之介「すいませんでした。」

 

 だからそれずるいって‼︎眉間に拳銃突きつけてるみたいじゃん‼︎

 

姫路「それで、今回の件について、私は龍之介君に色々と命令する権利があると思うんですよ〜♪」

龍之介「ないと思います。」

姫路「まさか人を勝手に売り飛ばした挙句、相手の要求を勘違いしていた上に、売った相手に対してクズだのデブだの好き勝手言った人がただ謝るだけで許させると思うんですかね〜?」

龍之介「あっ……」

 

 何も全部言う事ないじゃん!確かに全部俺のせいだけどさ……。まあいい、ここは誤魔化すか‼︎

 

龍之介「でもこれは全部瑞希のために……」

姫路「嘘つき♪そんな貴方には………」

龍之介「ちょちょちょ、ごめんって‼︎言う事聞くからさ〜!だから俺に王水を飲ませようとするのやめてくんない⁉︎」

姫路「はいっ♪分かりました♪」

 

 どうやら命の危機だけは回避できたみたいだ。

 

龍之介「良かった〜!それで、俺に何を命令するの?流石に命だけは勘弁してね!」

姫路「流石に私もそんな事はしませんよ♪」

龍之介「じゃあ何を?」

姫路「えっと………、」

 

 出来れば簡単なやつがいいな〜。麻雀を教えて下さい、とかね!流石にお酒はまだ教えられないけど………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

姫路「龍之介君は今から私の恋人になります‼︎」

龍之介「は?」

 

 え?マジで?

 

姫路「ちなみに命令なんで拒否は出来ませんよ?」

龍之介「わわわ、分かってるよ‼︎でもなんで俺なんだよ⁉︎」

姫路「そりゃあ好きだからに決まってるじゃないですか♪」

龍之介「いいいいや〜、その〜、えっと……」

 

 どどどどうしよう‼︎告白されるの初めてなんだよ‼︎なんか照れるんですけど‼︎

 

姫路「もしかして照れてるんですか?やっぱり龍之介君は可愛いですね♪とても私より3つ上とは思えません♪」

龍之介「う、うるさいな‼︎」

 

 経験ないんだから仕方ないじゃん‼︎

 

姫路「まあ恋人になるのは確定なんですけど、一応龍之介君の気持ちも聞かせてくれませんか?」

 

 お、俺の気持ち⁉︎えっと、とりあえず……

 

龍之介「こ、告白されて嬉しい‼︎」

姫路「それってつまり龍之介君は私の事が好きなんですね?」

 

 え⁉︎そ、そう言う事⁉︎えっと〜、

 

龍之介「いや〜その〜、一緒にいて楽しいと思ったり……、危なっかしいから面倒を見たいとか思ったりはするけど……」

姫路「それって好きって気持ちと変わらなくないですか♪」

龍之介「そ、そうなの?」

姫路「はいっ♪」

龍之介「えっと、それじゃあ………」

 

 そういうことだったんだ……。だからみんなはずっとからかってきたわけね……。それに心理テストもドンピシャだ……。よし、こうなったら……、は、恥ずかしいけど言うしかないか………

 

龍之介「貴方のことが、好きです……///」

姫路「わあっ♪照れてて可愛いですね♪」

龍之介「うるせえ‼︎」

姫路「それじゃあ改めてよろしくお願いします♪」

龍之介「こ、こちらこそよろしく‼︎」

 

 こうして俺は人生で初めて恋人が出来た。これから色々とあるかもしれないけど、よろしくね、瑞希‼︎




 ということで「バカとお酒とパチンカス 3浪と3留の物語」は完結です‼︎最後は割と駆け足になっちゃいましたけどね。それと割と珍しいオリ主×姫路でした。

 とにかく、今まで読んで下さりありがとうございました‼︎次回作がどれになるかはまだ未定ですが出たときはよろしくお願いします‼︎

 最後に、評価・感想をお待ちしております。

 そして最後にリメイク版?のリンクを貼っておきます。まあほぼ別物なんですけどね。

https://syosetu.org/novel/232245/



目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。