比企谷八幡はボーダーに入っている (チャキ)
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1話

どうもチャキです!もう1つの作品を投稿をしようと思います。
良ければ、お付き合いのほどお願いします。
多分…こっちの投稿は、不定期になるかも知れません。
では、第1話どうぞ!


比企谷八幡

 

隊長

ポジションシューター

身長175cm

 

メイントリガー バイパー アステロイド シールド メテオラ

 

サブトリガー バイパー アステロイド シールド バックワーム

 

誕生日8月8日 16歳 高2

 

好きな物 MAXコーヒー 金 妹 玲 ラーメン チームメイト

 

嫌いな物 リア充(自分もリア充に気づいてない) 面倒事 トマト 仕事 理科科目

 

シューターNo.2

 

師匠は二宮さん

 

沢北真司

 

ポジションアタッカー

身長186cm

 

メイントリガー 弧月 旋空 シールド バックワーム

 

サブトリガー 弧月 旋空 シールド メテオラ

 

誕生日10月19日 19歳大学1年

 

好きな物 金 ラーメン 本 チームメイト

 

嫌いな物 太刀川のレポートの手伝い 鬼怒田さんの手伝い

 

No.7アタッカー

 

師匠は太刀川さん

 

永宮綺凛

 

ポジションスナイパー

身長155cm

 

メイントリガー イーグレット アイビス シールド グラスホッパー

 

サブトリガー バックワーム ハウンド シールド メテオラ

 

誕生日11月20日15歳中学3年

 

好きな物 チームメイト 猫 ハンバーグ

 

嫌いな物 人参 怖い人

 

師匠は、奈良坂透

 

奈良坂と八幡は、親友という設定です。那須の紹介で、知り合い親友になり、お互いに名前で呼ぶ中

 

水川真由

 

オペレーター

身長165cm

 

誕生日9月12日16歳高2

 

好きな物 甘いもの うどん アイス 漫画 チームメイト

 

嫌いな物 ホラー物

 

 

 

 

 

 

八幡、那須、熊谷、真由は、同じ総武高に通っていて八幡はF組、玲と熊谷はC組、真由はE組に所属している。あと奈良坂は、G組です。

八幡は、学校ではボッチだが、昼休みになると那須と一緒にお弁当を食べる日課がある。それを度々ボーダー組の女子にからかわれている。当然シスコンである。

八幡の家族は、妹の小町と母親の3人で暮らしている。父親は、大規模侵攻の時に死んでいまい。今は3人でマンションに住んでいる。八幡がボーダーに入ったのは、小町と母親を守るためでもあるが、主な理由は母親が八幡と小町のために仕事を頑張りすぎて、1度倒れたことで母親を楽されたいという理由で、ボーダーに入った。母親には『無理だけはしないで』と言われた。那須とは、大規模侵攻の時に出会い仲良くなり気づけば、恋をしていることに気づき、高校にお互い合格が決まった時に玲に告白して、晴れて恋人になれた。

二宮さんの弟子でもある。

 

 

沢北真司さんは、嵐山さんと同じ大学に通っている。家族は父と母と3人暮し。ボーダーでは度々太刀川さんにレポートの手伝いをされていて、その度に風間さんを呼び出して太刀川さんをしめてもらってる。真司さんは内心「もう、ホンットにレポートくらい自分でやってくれ」っと思っている。でも自分の師匠だから恩を返すと意味で、嫌々手伝っている。ボーダー内2人目の弧月2本使い(忍田さんは除く)。

サワヤカ風イケメンとも言われ大学とかでは、ファンもいるとかいないとか。嵐山さんと同じぐらい人気もある。

 

 

永宮綺凛は小町と那須隊の日浦と同じ学校で、3人仲良く話している所を学校の人達はよく見るそうだ。元気いっぱいで明るく人望も厚い。日浦と同じ師匠である奈良坂に色々と教わってるらしい。

 

 

水川真由は、八幡と同じ学校に通い暇さえあれば宇佐美と綾辻とで、八幡と那須をからかっている。コミュ力は比企谷隊の中じゃあ1番高い。運動神経も高いのに部活は入ってない。少しインドアな部分もある。ついでに男子からも人気もある。

でも告白は受けても断ってるらしい。

 

 

こんな感じの設定です。また、変わるかもしれませんが、よろしくお願いします。

 

では、本編です!

 

 

 

八幡side

 

ある日の合同防衛任務

 

八幡「あー、暇だな〜」

 

???「もう、ハチくん暇でもちゃんとしてね」

 

八幡「わかってるよ玲」

 

彼女名は那須玲。B級10位那須隊隊長。ポジションはシューターで、メイントリガーはオレと同じバイパー使い。玲は体が生まれつき弱く、本来ならあまり激しい動きは出来ないのだがトリオン体なら話は別だ。那須がボーダーに入ったのはトリオン体で病弱な体を元気にできるのか、という実験のためにボーダーに入隊したらしい。オレの弟子でもある。それと玲はオレの彼女でもある。

オレの彼女になったのは、中学の時だ。

 

八幡「でも、マジで暇だな〜」

 

玲「もうハチくんったら」

 

???「ちょっと、防衛任務中に何イチャついてるの」

 

そして次に来た女子の名は、熊谷友子。那須隊に所属してポジションはアタッカーだ。熊谷とは玲から紹介で知り合った。まぁ、知ったのは玲がボーダーに入ってからだけどな。

 

八幡「いや、別にイチャついてる訳じゃないからね」

 

玲「そ、そうだよ、くまちゃん」

 

熊谷「それは、どうかな?ねぇ、雪乃」

 

雪乃「ええ、そうね。防衛任務中にイチャつくだなんて、どうなのかしら、イチャつき谷君」

 

そして次は雪ノ下雪乃。雪ノ下も熊谷同様那須隊に所属していてポジションは、オールラウンダーだ。雪ノ下は、高校の入学式の時オレが道路に飛び出した犬を助けて、オレを轢いた車に乗っていたということで謝罪に来てくれた。が、乗っていた人に謝れる理由は、ないけど許した。そして、玲とも仲良くなりそして玲がスカウトしたのだ。オレの2人目の弟子でもある。それとオレたちが通っている学校、総武高校の2年J組国際教養科所属していて学校では有名である。

 

八幡「おい!雪ノ下なんだイチャつき谷って」

 

雪乃「あら、言葉の通りよ」

 

???「まぁまぁ、皆さん落ち着いて下さい」

 

次に、来たのは、オレ達より2つ下の後輩日浦茜。日浦も那須隊に所属していてポジションはスナイパー

 

雪乃「私は冷静よ。日浦さん」

 

日浦「と言うよりも熊谷先輩と雪ノ下先輩も言ってたじゃあないですか。今は、防衛任務中なんですよ」

 

八幡「日浦こそ落ち着けよ」

 

???『皆さんお話中ですが、ゲートが開きますよー』

 

今、通信が入りその声の主は志岐小夜子。那須隊に所属していてオペレーターを務めている。

 

玲「分かったわ、さぁ皆行くよ」

 

4人「「「「了解」」」」

 

雪乃「志岐さん、誤差は?」

 

志岐「比企谷先輩に聞いてくださいよ。サイドエフェクトがあるじゃないですか」

 

八幡「おい、志岐!なんで、オレが言わなくちゃいけねぇんだ」

 

そう、オレにはサイドエフェクトがある

それは気配察知だ。

気配察知は、敵の位置などを察知できたり攻撃とかも察知できるので不意打ちは効かない。

 

玲「そうだよ小夜子ちゃん。ハチくんに頼ってたらダメだよ」

 

志岐『わかりました。誤差4.32です』

 

玲「分かった、ありがとう」

 

八幡「んじゃま、やりますかね」

 

雪乃「ええ、そうね」

 

見た感じ、バムスター3体、モールモッド2体か……

 

玲「数は少ないね」

 

八幡「まぁ、そうだな」

 

雪乃「さっさと終わらせましょう。もうすぐしたら交代なのだから」

 

熊谷「そうだね」

 

八幡「そうだな、最後くらい真面目やりますかね?」

 

玲「じゃあ、私と雪乃ちゃんはバムスターを。ハチくんとくまちゃんと茜ちゃんはモールモッドを。」

 

4人「「「「了解!」」」」

 

でも、すぐに倒してしまい交代の時間になった。

交代する隊と交代して今は、玲達は自分達の作戦室に戻るところだ。

 

玲「じゃあまたね、ハチくん」

 

八幡「おう」

 

熊谷「じゃあね比企谷」

 

雪乃「さよなら」

 

日浦「さよならです。比企谷先輩」

 

八幡「ああ、お前らもじゃあな」

 

オレは、そう言って、玲達と別れた。オレは、自分の作戦室に向かった。我が、比企谷隊は、A級9位部隊だ。

 

八幡「うーす」

 

???「おっ!おつかれ〜。どうだった?」

 

作戦室に入るとオレに話しかけてきたショートボブで茶髪の女子、水川真由我が比企谷隊のオペレーターをしている。

 

八幡「おう、無事終わったぞ」

 

真由「いやそうじゃなくて、玲とイチャイチャできたかってこと」

 

八幡「いや、なんでイチャつく前提なんだよ」

 

真由「え〜、だってハッチと玲って付き合ってるんでしょ?だったらイチャつくしかないじゃん」

 

八幡「何その超理論」

 

真由「あーあ、つまんね〜」

 

ホントこいつは、いつもいつもオレと玲をからかいやがって。

そう思いながら、作戦室にある冷蔵庫からMAXコーヒーをとり、飲む

 

真由「ホントハッチ好きだよね〜それ」

 

八幡「あったりまえだろ!ソウルドリンクだぞ!」

 

そう、オレはこのソウルドリンクであるMAXコーヒーが好物だ。仕事をして、疲れた体に染み渡る〜。

 

???「お、比企谷君戻ってたんだね。おつかれ」

 

作戦室の奥から渋い声でサワヤカ風に出てきた男性、沢北真司さん。我が比企谷隊のアタッカーだ。弧月2本を操る。まぁ、太刀川さんの弟子でもある。

 

八幡「どうも沢北さん」

 

真司「どうだった、合同防衛任務の方は?」

 

八幡「ええ、無事終わりました。玲達の連携も中々良くなってきてますし、大丈夫ですよ」

 

真司「そっか、それは良かった。また、合同防衛任務するのかい?」

 

八幡「今日は、たまたまそうなっただけですよ。次が、あるか知りませんよ」

 

真司「それもそっか」

 

沢北さんは、かなりと言っていい面倒見のいい人。面倒見が良すぎて、少し呆れている部分もある。

すると作戦室のドアが開き……

 

???「お疲れ様でーす」

 

と元気良く言いながら入ってきたのは、我が、比企谷隊のスナイパー永宮綺凛。髪は少し赤みが混じっている。歳は、日浦と同じで、いつも仲良く元気でいる女の子だ。

 

八幡「おう、おつかれ。スナイパー合同訓練か?」

 

綺凛「はい!今日は3位くらい順位が上がりました」

 

真由「おおー、それはすごいね」

 

綺凛「ありがとうございます!」

 

ホント、元気いっぱいだな。このままいけば比企谷隊のマスコットキャラになってしまいそうだな。いや、それはないか……

 

八幡「そういえば、沢北さんは何か作業してたんじゃないのですか?」

 

真司「ああ、実は大学のレポートをね」

 

八幡「あ、なるほど」

 

綺凛「そういえば沢北さん。太刀川さんが探してましたよ。『レポート手伝ってくれ〜』って」

 

まったく、あの人は自分のレポートを他人に手伝わせるなんて、オレも何回か手伝わされたな。その時に風間さんに連絡して、しめてもらった事もあるな。

 

真司「またか…もうホントいい加減にして欲しいな〜、あの人は……」

 

沢北さんも呆れていた。まぁ、確かに剣の腕ならボーダー最強かもしれないが、でもなんでか知らんがレポートを手伝わせてくる。あっ!そうだ!

 

八幡「あの沢北さん」

 

真司「ん?なんだい?」

 

八幡「この事を風間さんに連絡すればいいのでわ?」

 

真司「おお〜!その手があったか!」

 

八幡「じゃあ、オレが連絡しましょうか?」

 

真司「じゃあ、お願いできる?」

 

八幡「わかりました。なぁ、永宮。最後どこで太刀川さんに会った?」

 

綺凛「えっと…ランク戦のブースです」

 

八幡「そっか、サンキュー」

 

綺凛「いえいえ」

 

オレは、早速スマホを取り出し風間さんに電話をした。

 

風間『もしもし、比企谷どうした?』

 

八幡「あ、もしもし、風間さん。実は、太刀川さんがまたレポート手伝わせようとしていました」

 

風間『…ハァ〜。分かった教えてくれて、助かる。それで、今太刀川は何処にいる?』

 

八幡「最後に見たのは、ランク戦のブースだそうです」

 

風間『分かった。もう一度ありがとう教えてくれて』

 

八幡「いえいえ、ではお願いします」

 

風間『ああ』

 

会話も終わり電話を切る

 

八幡「これで大丈夫ですよ。沢北さん」

 

真司「はぁ〜、良かった〜。ありがとう比企谷君助かったよ」

 

八幡「いえ、オレも太刀川さんには、飽き飽きしてましたし」

 

真司「そっか、よしっ!これで自分のレポートに専念できる」

 

八幡「頑張って下さい」

 

真司「うん、ありがとう」

 

???「こんちっわ〜」

 

今、作戦室に入ってきたのは、A級4位部隊草壁隊所属でアタッカーの緑川駿だ。

 

八幡「緑川か、どうした?」

 

緑川「あ、ハッチ先輩!ランク戦やろ!」

 

なるほど、ランク戦に誘いに来たのか。ホント飽きないね〜

でもな〜

 

八幡「嫌だよ。さっき合同防衛任務だったんだから」

 

緑川「へぇ〜、どこと?」

 

真由「那須隊とだよ」

 

緑川「へぇ〜、って事は那須先輩とイチャついたの?」

 

真由「それがしてないんだって〜」

 

緑川「え〜、なんで〜」

 

こいつら…マジで腹立つ

 

八幡「あのな、防衛任務中にイチャつくわけないだろ」

 

真由「じゃあ、それ以外ならイチャつくって事?」

 

八幡「いや、別にそういう事じゃあねぇけど」

 

緑川「それより、ハッチ先輩ランク戦しようよ〜」

 

緑川は、そう言いながらオレの手をぶんぶんと振ってくる。おい、やめろ。まぁ、時間はまだまだあるし仕方ないから付き合ってやるか

 

八幡「わかった、わかったらやめろ」

 

緑川「やった〜、じゃあ早速行こ!」

 

八幡「はいよ」

 

真由「いってらしゃい〜」

 

真司「頑張ってね」

 

綺凛「頑張って下さい!」

 

八幡「おう」

 

オレは、緑川に連れられランク戦のブースに来ているのだが

 

???「おっ!キタキタ!」

 

???「遅いぞ!ハッチ!」

 

なんで、コイツらがいるんだよ。まさか、緑川の奴これを知ってて連れてきたのか。

オレの目の前にいる2人のうち1人は、A級1位部隊でオレと同じ、シューターの出水公平。通称弾バカだ。三バカの1人でもある。

もう1人は、A級7位部隊でアタッカーの米屋陽介。米屋の持つ弧月は、改造して槍の弧月の形になっている。そして、通称槍バカ。こいつも三バカの1人だ。ああ、もう1人は緑川だ。

通称迅バカ。今はS級の迅悠一のことが好きすぎる理由からつけられた名だ。いや、安易すぎない?

 

八幡「で?なんでお前らまで?」

 

米屋「いいじゃねぇーか別に」

 

出水「そうそう、細かい事気にしてたら那須さん嫌われるぞ」

 

緑川「そうだよハッチ先輩!」

 

コイツら……

 

八幡「まぁ、いっか。で?誰からする?」

 

出水「オレからだ。ジャンケンで、最初はオレになった」

 

八幡「あっそ、じゃあさっさとしようぜ」

 

出水「おう、じゃあオレは176号室に入るわ」

 

八幡「オレは、165号室に入るわ」

 

出水「おう」

 

個室に入り、パネルに176と表示されてる数字をタッチして、対戦の申し込みをする。出水も申請したのか、ランク戦がスタートする。さっさと終わらせるか。勝負は、10本勝負だ。

 

転送位置は、ランダム。さて、ステージは住宅街か。公園があったり、ちょっと高いマンションが何軒か建っていた。

えっと…出水は……オレは、サイドエフェクトを使い出水の場所を探る。ほう…意外と近いな。さて向かうか。家の屋根を飛んだり走ったりして出水がいるであろう所に行くと

 

八幡「…ビンゴ」

 

思った通り、出水がいた。さすがオレのサイドエフェクト!頼りになる〜

 

出水「あらら、やっぱりハチにはわかるか〜。アステロイド!」

 

出水はオレを見た途端なんか言いながら、アステロイドを撃ってくる。それをオレは…

 

八幡「バイパー!」

 

出水が出てきたアステロイドと同じ数をアステロイドにぶつけて、全て打ち消す。

 

出水「うへぇ〜、やっぱ無理か〜」

 

八幡「分かってんなら撃つなよ」

 

出水「撃たなきゃ、勝てねぇーだろ」

 

八幡「そりゃそうだ。アステロイド!」

 

オレは、5×5×4に分割した、アステロイドを出水に向かって撃つ。数は、ちょうど100の弾を撃った。

 

出水「ぐっ!」

 

出水はフルガードしながらバックステップする。それを見たオレは、すかさず3×3×3に分割したバイパーを撃つ。

 

出水「くそっ!」

 

次々とオレは出水に攻撃をした。出水はそれを防ぎきれず出左足に数個の穴を空けた。よしっ、これで、少し機動力は落ちるな。すると、出水は右手で5×5×5に分割した、アステロイドを撃ってくる。さすがにやばいのでオレもフルガードをして防いだ。おお〜、やべえ〜。だが、機動力が落ちているのでさらに攻撃をするため。

オレは、出水の足元に向かってメテオラを撃つ。

出水の足元は家の屋根だったので、屋根は壊れて近くの家何軒か崩れていく。出水は反応が遅れたのか、崩れる家に巻き込まれた。

 

八幡「おお〜、やってみるもんだな。さて、出水の様子はっと…」

 

おおー、出水は崩れた家の瓦礫に埋もれていた。

ちょっとマヌケすぎません?まぁ、いいやトドメに両手で、アステロイドを出して、そのアステロイド2つを合わせ合成弾ギムレットを撃つ。出水は、フルガードするが防ぎきれずベイルアウトした。

 

出水『だァ〜!くそっ!1本取られた〜!しっかしホントイヤらしい戦い方だな』

 

八幡「イヤらしい言うな。でも、瓦礫に埋もれる出水カッコ悪かったぞ」

 

出水『うるせぇ!ほら次行くぞ!』

 

八幡「はいよ」

 

 

それから勝負は終わり、6-4で、オレが勝った。出水も合成弾を使ってオレを落としてきた。勝負は終わり一旦米屋と緑川のいる所まで戻る。

 

緑川「いや〜、良い勝負だったね〜」

 

米屋「そうだな、出水もハッチも中々良い勝負だったぜ」

 

出水「そうだけど、やっぱ悔しいわ」

 

緑川「でも、家の瓦礫に埋もれるイズミン先輩面白かったな〜」

 

米屋「だな」

 

出水「うるせぇぞ!あれはハチが悪い」

 

八幡「なんで、オレなんだよ。次は?」

 

米屋「オレだ」

 

次は、米屋か…まぁいい、さっさとやるか

 

八幡「分かった、じゃあ行こぜ」

 

米屋「おう!今日は、勝つからな!覚悟しろ!」

 

八幡「はいはい、わかったわかった」

 

米屋とのランク戦が始まった。次のステージも住宅街だが出水とやったステージとはまた違うステージのようだ。オレはサイドエフェクトで、米屋の居場所探りながら道を走る。さて、何処にいる?あいつの事だ奇襲はせずに真正面から突っ込んでくるだろうな。すると……

 

米屋「見つけだぞ!ハッチ!」

 

ほらな、やっぱり真正面から突っ込んできやがった。

わざわざ、真正面からご苦労さんなこって。

 

八幡「探す手間がはぶけたぜ」

 

米屋「よっしゃーいくぜ〜!」

 

米屋は、持っていた孤月(槍)をこっちについてくる。ギリギリで、避けるのもいいがこいつ槍の刃先は、スコーピオンのように形を変えられるから、避けたと思ったら切られてるという事もあるので、厄介だ。オレは余裕をもって避け続ける。

 

米屋「コラ!ハッチ避けるな!」

 

いや、避けなきゃ当たるだろ。何を言ってんだこいつは。やっぱり槍バカだな…いや、ただの戦闘狂に言っても意味無いか。

避けてばりじゃあダメなので、オレは米屋の槍の柄を持つ。

 

米屋「あ!」

 

槍の柄を持ったオレは、米屋ごと真上に投げる。

 

八幡「オラッ!」

 

米屋「うぉわ!?」

 

空中で無防備な米屋に両手でバイパーを撃つ。バイパーフルアタックだ。

そして、米屋はシールドが間に合わず蜂の巣のように穴だらけになって、ベイルアウトした。

 

米屋『おい!ハッチ!バイパーフルアタックするなよ!』

 

八幡「なんでやったらダメなんだよ。シールドが間に合わなかったお前のせいだろ」

 

米屋『そうりゃそうかもしれねぇが、くっ!よし次行くぞ!』

 

八幡「はいよ〜」

 

 

そして、勝負は終わり7-3で勝ったが米屋との距離をとったら幻踊弧月で、距離を一気に詰められたり、槍の癖に旋空を使ってきたりして3回落とされた。

そして、再び出水達のいる場所に戻る。

 

緑川「ハッチ先輩すごいね、よねやん先輩を投げるだなんて」

 

八幡「いや、投げったちゃあ投げたが槍と一緒に放り投げただけだし」

 

出水「それで、無防備になった槍バカを見事蜂の巣にしたワケか」

 

米屋「うるせぇぞ弾バカ!」

 

出水「誰が弾バカだ、槍バカ」

 

緑川「次は、オレだよ」

 

八幡「おう、じゃあやるか」

 

緑川「うん!」

 

緑川とのランク戦が始まった。ステージは工業地帯か…緑川はあの2人と違って、機動力がバツグンにあるからな気をつけないとな。グラスホッパーで、素早く動くピンボールとか使ってくるから厄介なんだよな〜。

 

八幡「しっかし…工業地帯か〜、また面倒臭いステージだな」

 

さて、緑川はどこだ〜。すると、真横からものすごいスピードで向かってくる緑川。多分、グラスホッパーだろな。

緑川は、オレにスコーピオンで攻撃するがオレはヒラリとかわす。

 

緑川「くっそ〜!やっぱハッチ先輩に奇襲は、無理か〜」

 

八幡「でも、ほぼギリギリだったからもうちょいスピードが、あったらいいんじゃね?アステロイド!」

 

と言いつつ4×4×4に分割した、アステロイドを撃つ。が緑川は、シールドを張りながら避けていく。そこにすかさずバイパーを撃って、さらに追い込もうとするが撃ったバイパーをかわす緑川。そして、またグラスホッパーを使いこっちに来る。

攻撃を避けようとしたが、左腕を切られた。

 

八幡「くっ…」

 

後ろに行った緑川にメテオラをぶち込む。メテオラのおかげで煙幕が舞お互いの視界は遮られオレは、一旦体制を立て直すために後ろに後退する。

 

緑川「待って〜!ハッチ先輩!」

 

八幡「うわぁ!?もうかよ!チッ!こうなったら…」

 

オレは、右でアステロイド左でバイパーを出して、合成弾にせずにそのまま緑川に向かって撃つ。

緑川は、シールドを張って守るがシールドに当たったのはアステロイドだけ、バイパーはシールドに当たる前に軌道を変え、シールドの後ろにいる緑川に全弾命中しベイルアウトした。

フゥ〜…危なかった〜

 

緑川『あ〜クソ!アステロイドの中にバイパーを仕込んでるなんて、思わなかった〜』

 

八幡「あれは、危なかったぞ。さすが機動力に関してはすごいなお前」

 

緑川『へへ〜、どうもありがとう。じゃあ次行くよハッチ先輩!』

 

八幡「おう、かかってこい!」

 

そして勝負は終わり6-4で勝った。いや、危なかった所もあったが何とか勝てた。いや、マジでピンボールウザイ。

 

出水「なかなか良い勝負だったな」

 

緑川「でも、また負けたな〜」

 

米屋「まぁ、ハッチの戦いは、ウザくていやらしいからな」

 

八幡「やらしい言うな。…ハァ、もう終わりでいいか?」

 

出水「おう、いいゾ」

 

米屋「そうだな」

 

緑川「だね〜」

 

八幡「んじゃそういうことで、またなお前ら」

 

出水「じゃあなハチ」

 

米屋「また勝負しようぜ!」

 

緑川「またね〜、ハッチ先輩!」

 

こうして、三バカと別れ家に帰ろうとすると……

 

玲「あ、ハチくん今帰り?」

 

八幡「お、おお、玲か。そうだな今帰る所だ」

 

ついさっきまで、合同防衛任務をしていた。那須靆の隊長で、オレの彼女の那須玲だ

 

玲「私も今帰る所だから、一緒に帰ろう」

 

八幡「そうだな」

 

オレと玲は手を繋いで帰る。最初の頃はすげぇ緊張して、手繋ぐのに苦労したぜ。今は、普通に繋ぐことができる。

 

玲「ねぇ、ハチくんさっきまで何してたの?」

 

と玲は、首をコテンとかしげ聞いてくる。あ〜、カワイイな

 

八幡「出水と米屋それに緑川と交代で、ランク戦してた。そして、3人とも勝った」

 

玲「やっぱすごいねハチくんは。さすが私の彼氏で師匠だね」

 

八幡「そうか?」

 

いや、確かに彼氏で師匠でもあるがそれ関係あるのか?まぁ、いいか

 

玲「うん!そうだよ!」

 

ニコッと笑う玲。ハァ〜癒される〜。

 

八幡「そっか、ありがとな」

 

玲「うん!あ、そうだハチくんまた稽古つけてね」

 

八幡「ああ、わかった」

 

玲「約束だよ?」

 

八幡「おう、任せとけって、なんたってカワイイ彼女の頼みだからな」

 

玲「///もう!ハチくんったら…///」

 

照れてる玲もまたカワイイ。

 

そして、色々会話をしながら玲を家まで送る。

 

玲「ありがとうね送ってくれて」

 

八幡「気にするな。じゃあまた明日な」

 

玲「うん、また明日」

 

そう言って、玲と別れオレは、家に帰った

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

八幡「ただいま〜」

 

???「お帰り!お兄ちゃん!」

 

出迎えてくれたのは、我が愛しの妹、小町だ。

 

八幡「おう、ただいま」

 

小町「ご飯できてるよ!今日は、休みだからお母さんが作ってくれたよ」

 

八幡「そうか、手洗って、着替えてからいくわ」

 

小町「うん、わかった」

 

そして、着替えも終わりリビングにいく

 

母「お帰り八幡」

 

八幡「ただいま、母ちゃん」

 

オレと小町の母親、1回仕事のし過ぎで倒れてしまった事もあるが、今そんな事は無くなったから安心している。

ご飯を食べながら小町が聞いてくる。

 

小町「そういえばお兄ちゃん、今日は、玲お姉ちゃんのチームと合同防衛任務だったんでしょう?」

 

八幡「まぁ、そうだな」

 

小町「じゃあ、イチャついたの?」

 

八幡「してねぇよ」

 

小町「え〜、なんで〜」

 

八幡「あのな」

 

母「でも、ホント八幡は良い彼女を貰ったわね。母ちゃん嬉しいよ」

 

八幡「そうか」

 

母「また、連れてきなさい。歓迎するからさ」

 

八幡「わかった、玲にもそう言っとく」

 

母「お願いね」

 

母ちゃんは、オレの彼女である玲を認めている。なんか最初は、『八幡に彼女は、まだ早い!』とか言ってたけど、いざ玲と話をしてみたら意気投合したらしい。

ご飯も食べ終わり、オレは部屋に戻り明日提出のレポートを書いた。課題内容は『高校生活を振り返って』だそうだ。まぁ、特にこれといった事がないので、オレは『特に無し』と書いて、カバンにしまった。

 

 

 

 

 

 




雪ノ下雪乃

那須隊の隊員

ポジション オールラウンダー

メイントリガー弧月 旋空 シールド バックワーム

サブトリガーアステロイド ハウンド シールド

といったトリガー構成です。原作より少し性格を柔らかくする予定です。



いかがでしたか?こんな感じで頑張っていきます。
ではまたお会いしましょ〜



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第2話

どうもチャキです!2話目です。どうぞ!


八幡side

 

オレは、今職員室に呼び出されている。

 

???「なぁ、比企谷。これはなんだ?」

 

そう言いながら、オレの書いた作文用紙を目の前に出してくる。

現国の教師の平塚静教諭。いや、何って聞かれても、作文用紙又は紙…おっと何やらヤバイオーラ出してんな〜。

 

八幡「何と言われましても、作文用紙です」

 

平塚「違う!私が言ってるのは、なんで1行で作文を終わらしているんだ!」

 

八幡「いや、事実ですから」

 

平塚「課題内容は何だったかな?」

 

八幡「確か『高校生活を振り返って』というテーマでしたね」

 

平塚「だったらなんで、1行だけなんだ」

 

八幡「先程も言いましたが事実ですから」

 

平塚「まったく……君の目はなんだかちょっと腐ってるな」

 

八幡「なら、いいじゃないですかね。腐りかけの方がいいとも言えますし」

 

平塚「小僧…屁理屈を言うな。それに君のは既に腐ってる」

 

八幡「まあ確かに先生の年齢からしたらオレは小僧かも…知れませんね」

 

平塚先生の拳が勢い良くオレの顔面に向かってくる。それを手のひらで受け止める。生身でこんなに早いのはすごいけど、レイジさんの筋肉パンチの方が早い。だって、あの人パンチでトリオン兵にダメージを与える事ができるからな。

 

平塚「フッ…なるほど。今のを止めるか、腐ってもボーダーという事か。だが、女性に年齢の話をするな。ちょっと傷ついたぞ」

 

ちょっとだったらいいじゃん。そんな減るもんじゃないし。と言うより

 

八幡「腐ってるのは、関係無くないスっか。こっちも傷つきました。後、生徒に暴力を振るわないでください。教育委員会に言いますよ」

 

平塚「うっ…それだけは、やめてくれ。私が悪かった」

 

と言って、拳を引っ込める平塚先生。初めっからそうしてもらいたかったな。ってか、生徒の前でタバコ吸わないでくださいよ。

 

平塚「それで、君は確か部活に入ってなかったよな」

 

八幡「ええ、まぁ、ボーダーと部活の両立は厳しいので、入ってません」

 

平塚「なら…友達とかはいるのか?」

 

八幡「ボーダーにそこそこいますね」

 

平塚「そうか、なら彼女はいるのか?」

 

八幡「ええ、います」

 

平塚「妄想では、ないよな」

 

八幡「違います」

 

平塚「なら、2次元か?」

 

八幡「違います」

 

この人は、なんの理由があって決めつけてるんだ。オレには、スゲェカワイイ彼女がいるんだ。クラスは違うけど。

 

八幡「そんな見栄を張るほど、子供じゃないです」

 

平塚「ハァ…まったく、見え透いた嘘つきおって」

 

まだ、言うかこの人、なんでオレが嘘をついてると思うんだ?すると……

 

???「失礼しまーす。すみません比企谷君いますか」

 

職員室にオレを探しに来た人物、それは……

 

平塚「おお、那須か。比企谷ならここだ」

 

八幡「玲か、どうした?」

 

オレの彼女、那須玲である。なんでここに?

 

玲「ハチくんが、いつまで経っても来ないから心配して、来たの」

 

八幡「そうか、悪ぃな」

 

そんな会話をしていると困惑気味の平塚先生が、オレらに質問してきた。

 

平塚「その…お前らは、知り合いなのか?」

 

八幡「はい、さっき言ってた、オレの彼女です」

 

平塚「なっ!ほ、本当なのか那須」

 

玲「はい、ハチくんは私の彼氏です」

 

平塚「ま、まさか、本当だったとは……クソォ…生徒に先を越された……クゥゥ…」

 

玲「ハチくんはなんで、呼び出されたの?」

 

そんな、平塚先生を無理して玲は聞いてくる。

 

八幡「ああ、それは授業で出された、作文を出したら呼び出された」

 

玲「…何書いたの?」

 

平塚「それなら、ここにある。見るか?」

 

玲「はい、ありがとうございます。…え?」

 

玲は、オレの作文を見て驚いている。

 

玲「ねぇ、ハチくんなにこれ」

 

八幡「何って、作文」

 

玲「1行だけじゃん、何か思い出とかないの?」

 

八幡「あるとしたら、ボーダー関連とかぐらいかな。まぁ、高校生活であるとしたら玲との思い出ぐらいだな」

 

玲「//そう…ありがとう//」

 

八幡「おう」

 

平塚「ここでイチャつくんじゃない!」

 

いや、どこがイチャついてるんだよ。

 

平塚「とりあえず、作文を書き直しだ。それと、ペナルティーとして奉仕活動をしてもらう」

 

え〜、面倒くさっ!嫌だよ。ってか言ったよね。ボーダーと部活を両立は厳しいって……あー、これは、ダメなやつだよな〜

 

平塚「ついてきたまえ、話はそれからだ」

 

ハァ、仕方ない行くか

 

玲「あ、私もいきます」

 

何故か玲もついて来ることに……

 

職員室を出ると

 

???「うわぁ、すみません」

 

平塚先生とぶつかりそうになった人物

 

平塚「いや、こちらこそすまない。怪我は、ないか熊谷」

 

熊谷「はい、大丈夫です。」

 

玲「クマちゃん」

 

熊谷「玲それに比企谷遅いよ」

 

玲「ごめんね」

 

平塚「なんだ、知り合いか」

 

玲「はい友達です。」

 

八幡「自分もです。それと熊谷、悪ぃけど今からオレ達行くところがあるから」

 

玲「そうなの、だからもうちょっと待っててくれる?」

 

熊谷「玲も行くの?」

 

玲「私は、ハチくんについて行くだけだから」

 

熊谷「ふぅ〜ん、じゃあ私も行く」

 

は?

 

こうして、熊谷もつい来ることに

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

オレと玲それに熊谷は、平塚先生について行くと、特別棟に来た。また、なんでこんな所に案内したんだよこの人は。

 

平塚「着いたぞ」

 

やっと着いたみたいだ。見ると、教室のプレートには何も書かれておらず真っ白だった。

 

玲「なんだか不思議な所だね」

 

確かに、なんだか不思議な感じがする。すると、平塚先生は教室のドアをガラリと開ける。そこには、1人の女子生徒がいた。椅子に座り本を読んでいる女子生徒、オレ…いや、オレ達は知っている。

 

???「平塚先生。入る時にはノックを、とお願いしていたはずですが」

 

平塚「ノックしても君は、返事をした試しがないじゃないか」

 

???「返事をする間もなく、先生が入ってくるんですよ」

 

この女子生徒のは、那須隊の隊員雪ノ下雪乃である。するとその雪ノ下は、オレ達を見ると少し驚いた顔をしながら

 

雪乃「比企谷君と那須さん、それに熊谷さん。どうしてここに?」

 

八幡「平塚先生に連れてこさせられたんだよ」

 

平塚「ん?君達も知り合いかね」

 

八幡「ええまぁ」

 

玲「友達です」

 

熊谷「私も」

 

平塚「っ!…そうなのか?雪ノ下」

 

雪乃「ええ、那須さん達は私の友達です」

 

平塚「そうか、あの雪ノ下にも友達がいたんだな」

 

ちょっと、それは酷くありません?

 

雪乃「平塚先生は、私をなんだと思ってるんですか」

 

平塚「いや、すまない。雪ノ下に友達がいることに驚いてしまってな」

 

雪乃「それで、今日は何の用ですか」

 

平塚「ああ、そうだったな。今日から入部する比企谷だ」

 

玲・熊谷「「え!?」」

 

八幡「はい?ちょっと聞いてませんよ!そんな事!」

 

平塚「言ってないからな」

 

チッ!この人は……

 

平塚「これから君には舐めた作文書いた罰としてここでの部活動を命じる。異論反論抗議口答えは一切受け付けない」

 

いや、横暴過ぎない?

 

雪乃「比企谷君、貴方一体どんな作文を書いたの?」

 

玲「1行だけの作文」

 

熊谷・雪乃「「え!?」」

 

熊谷「ちょ!比企谷。1行だけって、それ作文なの?」

 

雪乃「まったく…何をしているのかしら」

 

八幡「て言うか、いくら教師といっても生徒を強制的に部活動にいれる権限は持ち合わせていないはずです。例えその教師が生徒指導であっとしても」

 

平塚「いいのか?そんな事言って、3年で卒業出来なくなるぞ」

 

八幡「ハッ!したければそうすればいいさ!今すぐにでも教育委員会に訴えてやる!」

 

雪乃「比企谷君、それだけはやめて部活ができなくなるから」

 

八幡「え!?部活の心配?」

 

雪乃「冗談よ」

 

こいつ…

 

平塚「なら、君には、雪ノ下の補佐をしてもらおう」

 

八幡「は?補佐?」

 

平塚「ああ、そうだ」

 

雪乃「平塚先生、別に私に補佐などいりません」

 

平塚「君が、解決できない依頼も来るだろ。それに一人じゃ抱えきれない問題がくるかもしれない。そこで、比企谷に補佐をやらせる」

 

八幡「だったら、オレより優秀な奴に頼んだらいいじゃないですかね」

 

平塚「確かに君より優秀な奴がいるかもしれない。だがお前は普通の人とは違うからな。おそらくお前にしかできないこともある。それにペナルティーと言っただろ」

 

ハァ、めんどくさいなぁ〜、でもやらないとうるさいからな〜。しゃーない……

 

八幡「わかりましたよ。やりますよ。でも、用事があれば休みますよ」

 

平塚「ああ、それで構わない。雪ノ下も同じ条件でやってるしな」

 

雪乃「そうですね」

 

平塚「じゃあ今日はかえ「ちょっと待ってください」ん?なんだね那須」

 

玲は、平塚先生の言葉をさせ切ってくる。

 

玲「私もこの部活に入ってもいいですか?」

 

え?玲が部活に入る?

 

八幡「おい、玲。大丈夫なのかそんな事して」

 

玲「うん、大丈夫だよ。病院の先生にも許可出てるし、それに私、部活というものに憧れてたから」

 

熊谷「そうなの?」

 

玲「うん、昔は寝てばっかりで、体も弱くて部活に入れなかったの。でも、今は違う。学校に行けるぐらいまで、良くなってきたし、せっかくの学校だから部活もしてみたかったの」

 

八幡「なるほどな」

 

雪乃「そうなのね。平塚先生私は、いいですがどうしますか?」

 

平塚「そうか、なら許可しよう」

 

玲「ありがとうございます!」

 

熊谷「じゃあ、私もいいですか?」

 

八幡「は?お前は、部活入ってなかったのか?」

 

熊谷「うん、入ってないよ。だから、いいですか?」

 

平塚「ああ、熊谷も許可しよう」

 

熊谷「ありがとうございます」

 

平塚「よし、では、鍵は私が閉めとく。だから君たちは帰りたまえ」

 

雪乃「わかりました」

 

八幡「はい」

 

玲「わかりました」

 

熊谷「わかりました」

 

そして、オレ達は帰ることに

 

玲「雪乃ちゃんこれからよろしくね」

 

熊谷「私もよろしく」

 

八幡「オレからも」

 

雪乃「ええ、皆歓迎するわ」

 

八幡「て言うかなんの部活なんだ。何も聞かされてないんだけど」

 

雪乃「あの人は…まぁ、言ってしまえば奉仕部よ」

 

玲「奉仕部?」

 

熊谷「何それ?」

 

雪乃「持つものが持たざる者に慈悲を与える。人はそれをボランティアと呼ぶの。途上国にはODAを、ホームレスには炊き出しを。困っている人に救いの手を差し伸べる。それがこの部の活動よ。

 

ようこそ、奉仕部へ。歓迎するわ」

 

こうして、オレ、玲、熊谷は、雪ノ下が、所属する部活奉仕部に入部をした。

 

そして、家に帰り

 

八幡「たでぇま」

 

小町「おかえり!お兄ちゃん!」

 

八幡「おう」

 

小町「今日は、遅かったね。ボーダーに行ってきたの?」

 

八幡「いや、今日は行ってない」

 

小町「じゃあなんで?」

 

八幡「あー、部活に入ったんだよ」

 

すると小町は、ポカーンと口を開けて、ちょっとマヌケ顔していた。まぁ、そりゃ部活に入ってなかったオレが、急に入ったんだからな

 

小町「あの、お兄ちゃんが部活?」

 

八幡「っても、強制入部だけどな」

 

小町「な〜んだ、そういう事か〜」

 

八幡「そういう訳だ。ボーダーに用事がない時は、行くから。遅くなるぞ」

 

小町「うん、わかった〜。でも、そうなると玲お姉ちゃんと一緒に帰れないんじゃ?」

 

八幡「ああ、玲も一緒に入ることになってな」

 

小町「そうなんだ〜」

 

八幡「玲は、部活に入ってみたかったらしいからな。入れて嬉しいそうだった」

 

小町「そっか〜、良かったね」

 

八幡「ああ」

 

小町「ご飯できてるけどどうする?」

 

八幡「着替えたらすぐ行く」

 

小町「わかった〜」

 

ってか、今思ったけどあの部室、ほとんど那須隊だらけだな。

まぁ、たまたまだよな。

 

 

 

 

 

 




比企谷八幡

パラメーター
トリオン13
攻撃9
防御・援護10
起動6
技術9
射程5
指揮8
特殊戦術5

トータル65

沢北真司

パラメーター
トリオン7
攻撃13
防御・援護8
起動7
技術7
射程2
指揮6
特殊戦術3

トータル53

永宮綺凛

パラメーター
トリオン6
攻撃8
防御・援護7
起動7
技術8
射程10
指揮3
特殊戦術1

トータル50

水川真由

パラメーター
トリオン2
機器操作8
情報分析8
並列処理8
戦術7
指揮7

トータル40

いかがでしたか?こんな感じにしてみました。俺ガイルの原作を改変しています。良ければ、お付き合いください。
では、またお会いしましょ〜










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第3話

どうもチャキです!第3話どうぞ!


八幡side

 

ホームルームが終えて教室にいた生徒は、部活に行ったりその場で仲のいい人達と話したり、家に帰る生徒もいる。

さて、オレも行きますかね。教室を出た所で担任の平塚先生が、仁王立ちで待ち伏せていた。

 

平塚「比企谷、部活の時間だ」

 

あ〜、なるほどね〜、この人はオレがサボらないか待ち伏せていたのか。

 

八幡「いやいや、最初から行くつもりですよ」

 

平塚「ほう…それは本当なのだな」

 

八幡「ええ、玲にも『絶対に来てね』と言われてますしね。だから行きますよ」

 

平塚「ほう…君は那須に甘いようだな」

 

八幡「当たり前ですよ。カワイイ彼女のお願いなんですから」

 

玲に電話越しに可愛くお願いされたら行かなきゃならんだろう。

それに、サボったら玲には悲しまれ、熊谷や他のボーダーの女子に何されるかわからんし、まぁ、主な理由は玲のお願いだからな。

 

平塚「くっ…リア充アピールしよって!爆発しろ比企谷!」

 

八幡「嫌ですよ。それじゃ部活に行きますんで」

 

平塚「ああ、精一杯励たまえ」

 

部室がある。特別棟に向かっていると……

 

???「お、八幡」

 

とオレを呼ぶ声がしたので、そちらを見てみるとそこにはA級7位部隊三輪隊のスナイパーで、玲の従姉弟でありオレの親友奈良坂透だった。

 

八幡「おお、透か」

 

奈良坂「八幡は、どこに行くんだ?」

 

八幡「部活だよ」

 

奈良坂「八幡が…部活…だと!?」

 

八幡「まあな、でも強制入部だけどな」

 

奈良坂「何したんだ?」

 

八幡「まぁちょっとな」

 

透「そうか、まぁ頑張れよ。じゃあ」

 

八幡「おう、またな」

 

そして、オレと透は、別れてオレは部室へと向かった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

八幡「うーっす」

 

雪乃「こんにちは、比企谷君」

 

雪ノ下は、昨日と同じ席に座り、本を読んでいたのか一瞬目を離しこっちに挨拶を済ますとまた本に視線を移す。

 

熊谷「おっ!サボらずに来たな比企谷」

 

コイツ……確かにオレは、面倒くさがりだけどな……

 

八幡「まぁな」

 

玲「私が、ハチくんに『絶対に来てね』ってお願いしといたからね」

 

熊谷「なるほどね」

 

オレは、椅子を取り玲の近くに座る。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

 玲 熊

八=======机=======雪

 

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

 

席はこんな感じだ

 

八幡「そうだ雪ノ下。部活内容は、昨日分かったけど依頼が来るまで、何したらいいんだ?」

 

雪乃「何しても構わないわ。読書や勉強、娯楽基本自由よ」

 

八幡「なるほどな」

 

依頼が来るまで、リラックスしていればいいと言う事か。話し合いとか、色々すればいいか。

 

玲「じゃあ、お話とかもいいかも知れないね」

 

熊谷「そうだね」

 

雪乃「そうね、今のメンバーならボーダーの相談とか、すればいいんじゃない?」

 

玲「そうだね」

 

熊谷「そうだね。玲と雪乃は、師匠である比企谷もいるんだし、相談とかもできるかもしれないね」

 

八幡「まぁ、それでもいいんじゃね?」

 

と色々話していると

 

コンコン

 

と扉をノックする音が響き渡る。誰か来たみたいだな。依頼人か?

 

雪乃「どうぞ」

 

と雪ノ下が返事をする。そして、部室の扉が開き

 

ガラララ

 

???「し、失礼しま〜す」

 

入ってきたのは、1人の女子生徒。てかこいつ、まさに今時のジョシコウセイって感じでこの手の女子はよく見かけるのだ。つまり青春を謳歌してる派手めな女子。短めのスカートに、ボタンが三つほど開けられたブラウス、覗いた胸元に光るネックレス、ハートのチャーム、明るめに脱色された茶髪、どれも校則を完全に無視した出で立ちだった。

 

オレがそんな事考えていると、その女子生徒は、オレを見て驚いたのか後ずさりをする。まぁ、初めて会った人には、だいたいそういう反応だから気にしてない。まぁ、ボーダーの人達は、そういうのが無いから、ちょっと楽だけどな。

 

???「な、なんでヒッキーがここにいるの!?」

 

は?ヒッキーってオレのこと?と言うよりコイツ誰だよ?と言うよりオレら初対面だよな?

 

雪乃「由比ヶ浜結衣さんね。どうぞ、ここに腰をかけて」

 

雪ノ下曰く女子生徒は、由比ヶ浜というらしい。その由比ヶ浜は、雪ノ下に言われた通り席に座る。ホントコイツ誰だよ。何故オレの事知ってるんだよ。

 

玲「ハチくんの知り合い?」

 

八幡「いや、全然まったく。見覚えすらない」

 

結衣「はぁ!?同じクラスじゃん!信じられない!?」

 

初対面で、引きこもりみたいなあだ名つける人の方が、信じられない!?

 

雪乃「はぁ…比企谷君あなた同じクラスの顔や名前を、覚えた方がいいんじゃないかしら」

 

八幡「いや、興味のない人を覚える気なんてないし。それだったら勉強の1つや2つ覚えるさ」

 

結衣「何それ意味わかんない!?キモイ!死ねば!?」

 

おい、それ以上言うな!玲が怒るからやめて!ホント!

オレは、玲を落ち着かせるために玲の手を握る。落ち着きを取り戻した玲は、オレを見た後冷静になった。

フゥ〜、危ねぇ…熊谷も少し冷や汗も出てるし危なかった。

 

八幡「おい、死ねとか殺すとか軽々しく言うんじゃねぇ。ぶっ殺すぞ!」

 

結衣「あ、ごめん、別にそういうつもりじゃ・・・って今言ったよ!?超言ってたよ!?」

 

うん、分かった。コイツはアホな奴だ。だがちゃんと謝れる奴でもあるな。

 

結衣「…それで平塚先生にここを紹介されたんだけど、ここって、生徒のお願いを叶えてくれるんだよね」

 

玲「そうなの?」

 

雪乃「いいえ、少し違うわ。この部の活動はあくまで生徒の自立を促すことよ」

 

結衣「どういうこと?」

 

おいおい、今の説明でわからんのか?マジかコイツ

 

雪乃「簡単に言えば飢えた人に魚を与えるか、魚の取り方を教えるかの違いよ」

 

結衣「へぇ〜」

 

あ、コイツ絶対わかってないな

 

雪乃「それで依頼を聞きましょうか」

 

結衣「あ、えっと…その…」

 

オレの方をチラチラと見てくる。なるほどね……そういう事なら

 

八幡「ちょっと飲みもん買ってくるわ。何かいるか?」

 

雪乃「じゃあ私は、野菜生活100いちごヨーグルトミックスをお願い」

 

熊谷「私は、お茶お願い」

 

玲「私は、オレンジジュースをお願いね」

 

八幡「分かった。おい、由比ヶ浜。お前はどうする」

 

結衣「いいの?」

 

八幡「アホ。1人だけ買わないっていうわけにもいかないだろ」

 

結衣「じゃあ、カフェオレをお願い」

 

八幡「はいよ。じゃあ行ってくるわ」

 

玲「うん、話終わったら連絡するね」

 

八幡「おう、頼んだ」

 

頼まれた飲みもんを買い、話し合いが、終わるまで待つこと数分、玲から連絡が入った。何何…依頼内容により場所を移すようだ。家庭科室か、またなんでそんな所に……

まぁ、いいや行くか……

 

家庭科室

 

ガララ

 

玲「あ、ハチくん」

 

八幡「おう、待たせたな。で?何すんの?」

 

雪乃「由比ヶ浜さんは、クッキーを食べてもらいたい人がいるそうよ。でも、自信ないから手伝って欲しい、これが彼女の依頼よ」

 

八幡「ほーん。クッキーねぇ〜。そんなもん友達とかに頼まなかったのか?お前ぐらいならいっぱい居そうだが」

 

結衣「うっ……そ、それは…そのあんまり知られたくないし、こういう事しているの知られたら馬鹿にされるし……」

 

ほーん、なるほどね。コイツにはコイツなりの立場やリア充事情みたいなもんがあるのだろう。

 

八幡「ま、内容はわかった。で?それでどうするんだ?」

 

熊谷「お、珍しく比企谷がやる気だ。明日槍でも降るんじゃ…」

 

八幡「おい!熊谷、どういう意味だ!」

 

熊谷「言葉の通りよ」

 

八幡「ったく…それよりさっさとやらねぇと、時間もったいねぇぞ」

 

雪乃「そうね、では始めましょうか。まず由比ヶ浜1人でやって、今の実力がどれくらいか見ましょう。レシピ通りに作ればいいのだから」

 

結衣「うん!やってみる!」

 

おお〜、気合い入ってんな〜。まぁ、頑張れよ〜。

 

 

この時、オレ達に悲劇が起こることは、誰も知る由もなかった。

 

 

 

 

そして数分後……

 

結衣「できたよー!?」

 

と言って、由比ヶ浜が差し出してきた皿には、真っ黒くて、漆黒の物体が乗っかっていた。

 

4人「「「「……………」」」」

 

オレ達4人は、驚き金縛りにあったか用な状態になっていた。

すげぇな人間って、こうも驚いたら固まるのかよ。

 

雪乃「あ、あの…由比ヶ浜さん。これは何?」

 

結衣「え?何ってクッキーだよ」

 

熊谷「こ、これが?」

 

玲「反応に困るわね」

 

八幡「加古さんより酷いかもな」

 

熊谷「多分そうだね」

 

結衣「ん?何?」

 

八幡「いや、何でもない。こっちの話だ、気にするな」

 

結衣「う、うん。わかった」

 

何とか誤魔化せたかな。でも、これは酷いなホント。あの加古飯より酷い。さて、どうしたものか……

 

雪乃「では、比企谷君味見をお願いできるかしら」

 

八幡「オレ!?」

 

嫌だよ。こんなダークマターみたいなもんを食べなきゃならんだよ。でもな…依頼だしな〜

 

雪乃「大丈夫よ、私も一緒に味見をするから」

 

熊谷「私もするからさ」

 

玲「私も」

 

八幡「ああ、わかったよ。食うよ、でもスーパーの食材でどうしたらこうなるんだよ」

 

玲「でも、食べられない物は使って無いから、大丈夫だと思うけど…」

 

オレ達は、覚悟を決め黒い物体を口に入れる。

 

その時目の前で悲劇が起きた。

 

雪ノ下と熊谷は口を押さえ涙目になり

 

由比ヶ浜も涙目なっていた。て言うかアンタが作ったんだよね!?おかしいよ君!

 

玲も口を押さえオレの制服の袖を掴んで堪えていた。おいおい、大丈夫かよ玲。

 

そして、皆はオレが買ってきた飲みもんで物体を流し込む

やべぇ、これでもし玲の体が壊れたら容赦しねぇぞ!

 

 

八幡「はぁ…雪ノ下お前が付きっきりで教えてやったらどうだ?もうこれは、指導のレベルを超えているぞ」

 

雪乃「ええ、わかってるわ。言われなくても」

 

玲「雪乃ちゃん。もし良かったら私も手伝うよ」

 

雪乃「ありがとう那須さん。お願いできるかしら」

 

八幡「無理するなよ玲」

 

玲「うん、わかった」

 

そして、雪ノ下と玲の指導の元由比ヶ浜のクッキー作りが始まった。

 

熊谷「大丈夫かな?」

 

八幡「さぁな、少しでもマシになることを祈るしかない」

 

熊谷「だよね」

 

それからの雪ノ下と玲は……

 

雪乃「違うそうじゃないの由比ヶ浜さん」

 

玲「ちゃんと分量を計らないと、ダメだよ由比ヶ浜さん」

 

雪乃「もう少し力を入れて、ボウルはきちんと持つ!」

 

玲「由比ヶ浜さん、今はそれはいらないわ。アレンジは、また今度にして」

 

雪乃「ちょっと由比ヶ浜さん、人の話聞いてる?何度も同じ事を言わせないで」

 

玲「お願いだから、普通にできない?」

 

 

それを見ていたオレと熊谷は…

 

熊谷「なんだかだんだん雪乃も玲もイラついてきてるね」

 

八幡「そうだな。あそこまでとは、思ってなかったな」

 

ほとんどイラついたり、怒ったりした事の無い玲が、あそこまでなるとはな……逆にすげぇな由比ヶ浜って……

 

1時間後……

 

雪乃「なんとかここまできたわ」

 

玲「…だね」

 

ちょっと玲疲れてるじゃないですか。そこまで、使うのか?

そして、オレは椅子を持ち玲に近付き

 

八幡「ほら、玲少しでも座ってろ」

 

雪乃「ええ、そうした方がいいかも知れないわね」

 

玲「うん、わかった。ありがとうハチくん」

 

玲は、オレが出した椅子に座り休憩をする。あんまり体力を切らしたことの無い玲が、こうなるなって恐ろしいな由比ヶ浜は

 

結衣「ごめんね那須さん」

 

玲「大丈夫よ。気にしないでちょっと疲れただけだから」

 

まぁ、でもきちんと謝れるから悪い奴では無い。

 

結衣「…やっぱあたし料理向いてないのかな。才能?とかそういうのないし」

 

雪乃「解決法は努力あるのみよ。由比ヶ浜さん、才能がないと言ったけど最低限の努力をしない人間は成功した者の才能を羨む資格はないわ。成功しない者は成功した者の努力を想像し実感することができないから成功しないのよ」

 

熊谷「まぁ、そうだね」

 

結衣「で、でもさ、最近みんなやんないって言うし、きっとあたしには向いてないんだよ…。へへ…」

 

弱々しく言った由比ヶ浜の一言で、雪ノ下は苛立ち

 

雪乃「その周りに合わせようとするのやめてくれる?酷く不愉快だわ。自分の無様さ愚かさ不器用さの遠因を他人に求めるなんて恥ずかしくないの?」

 

結衣「い、いやーそれでもさ、人には向き不向きあるし…」

 

オレもちょっと苛立ってきたので

 

八幡「あのな、そんな事言ってる暇があったら手を動かせ!そんな戯れ言を言ってる暇があったら1つや2つ覚えられるだろ!そんな事言うならもうオレらは付き合わないぞ。で?どうすんだよ。やるのか、やらないのかハッキリしろ!」

 

オレはキツい言葉で由比ヶ浜に言う。こういう奴には、こうするしかないだろ。『そんな事ないよ〜』とか言って慰めて欲しいのかコイツは…!

 

由比ヶ浜は、黙って俯いてしまう。確かにさっきも言ったが言葉は、キツいだろ。さぁ、どうする?

 

結衣「か…」

 

帰るか……まぁ、そうだろな

 

結衣「かっこいい」

 

4人「「「「は?(え?)」」」」

 

え?何言っちゃってんのコイツ?とうとう頭までおかしくなった?もしやマゾ?

 

熊谷「ねぇ、話聞いてた?比企谷結構キツい事言ってたんだよ」

 

うんうん、と合図ちをする玲。

 

結衣「うん、確かにヒッキーの言葉はキツかった。正直ちょっとグサッときた。でも、その、あたし今まで人に合わせてばっかだったから、そういうの今までなかったの。ごめん、次はちゃんとやる!」

 

先程とは打って変わって、決意をした表情を見せる由比ヶ浜

はぁ…最初からそうしろよ。まったく……

 

八幡「雪ノ下、また最初から教えてやれよ」

 

雪乃「ええ、そうね」

 

玲「ちょっと休憩したら楽になったら、私も手伝うよ」

 

雪乃「そう?でも無理はしないでね」

 

八幡「そうだぞ」

 

熊谷「あんまり無理しない方が…」

 

玲「大丈夫!頑張るから見てて」

 

玲はとても真剣な顔でこちらを見つめてくる。

 

八幡「…わかった。でも無理ならすぐ言えよわかったか?」

 

玲「うん!わかった!」

 

玲は雪ノ下と由比ヶ浜のいる所へと向かう。やっぱりちょっと心配だな……大丈夫かな?

 

熊谷「比企谷」

 

八幡「なんだ?」

 

熊谷「玲を信じてやりな」

 

八幡「そうだな」

 

 

そして、また数分後……

 

雪乃「由比ヶ浜さん、卵は片手で割れた方が見た目はいいけど素人なんだしやめましょ?それにそんな勢いで叩きつけたら中身がでるわ」

 

玲「由比ヶ浜さん、ボウルを抑えないと。ボウルごと回転してるから全然混ざってないわよ」

 

雪乃「いいの、バターはもう柔らかくなってるの。湯煎とかいいから」

 

あれ?なんだか様子がおかしくなってきたぞ

 

八幡「なぁ、ちょっと様子がおかしくなってきてないか?」

 

熊谷「そ、そうだね」

 

ちょっと由比ヶ浜ちゃんとやるって言ってたじゃん!そこまで、頭が残念なのか?

 

雪乃「由比ヶ浜さん、隠し味はまた今度にしましょう。というかなんで隠し味に桃缶なの?なんで生物なの?」

 

玲「ううん違う。ねぇ、私と雪乃ちゃんの話聞いてた?」

 

雪乃「あなたふざけてるの?」

 

玲「私あんまり怒ったことないけど、怒っていい?」

 

やばい、玲が本当に怒りそうな雰囲気を醸し出してるよ

て言うか、クッキーはそこまで難しいレシピではなかったはずだ。なのになぜこんなにも教えるのに苦労するんだ。

由比ヶ浜以外は全員疲労困憊になり漸くクッキーが完成。出てきたものは、見た目はちゃんとしたクッキーだったが雪ノ下のクッキーとはどこか違う。

 

もう、オレと熊谷は見てるだけで疲れるわ

 

結衣「雪ノ下さんとどこか違う…」

 

雪乃「どうすれば伝わるのかしら」

 

玲「フゥ…」

 

八幡「大丈夫か?玲」

 

玲「うん、なんとか」

 

熊谷「はい、玲。飲み物」

 

玲「ありがとうクマちゃん」

 

玲も疲れてる。これ以上玲に負担をかけたくない。て言うかもうこれで良くねぇか?

 

八幡「なぁ、どういう理由でクッキー渡したいのかは知らんが食えるならそれでいいだろ。さっきのは本気で嫌がらせかと思ったけど今回のは普通に食えるし。それに相手が誰か知らんが男子なら手作りというだけで満足するぞ」

 

雪乃「比企谷君どういうことかしら」

 

八幡「せっかくの手作りクッキーだ。そこをアピールしなきゃ意味がないだろ。店と同じようなものを出されたってあんまり嬉しくない。むしろちょっと悪い方がいい」

 

雪乃「悪い方がいいの?」

 

八幡「ああ、そうだ。要は気持ちの問題だ。一生懸命作りましたっていう想いをぶつければ『俺のために頑張ってくれたんだ』と思うんじゃねーか?」

 

玲「ああ、確かに一理あるかもね。美味しすぎると逆に特別感がなくなるかもしれないし」

 

結衣「そんなもんなの?」

 

八幡「そうだな。男子ってのは女子が思っている以上に単純だぞ。ましてや手作りクッキーだ。男心も揺れるだろう」

 

熊谷「比企谷、それ自分で言って虚しくないの?」

 

八幡「ほっとけ熊谷!」

 

結衣「ヒッキーも揺れるの?」

 

八幡「ん、ああ。(玲からもらった時は)揺れたね。すげぇ心が舞い上がったよ」

 

結衣「ふーん…そっか。雪ノ下さん、那須さん、熊谷さん、ヒッキー、今日はありがとう。後は自分の力でやってみる」

 

4人「「「「1人で大丈夫?」」」」

 

結衣「だ、大丈夫だよ!お母さんにも見てもらうし」

 

なるほど。まあ、それなら安心かな

 

結衣「みんな今日はありがとう。それじゃバイバイ〜」

 

由比ヶ浜は手を振りながら帰って行った。

 

雪乃「あれで良かったのかしら」

 

八幡「別にいいんじゃねぇの?活動理念にそってるんだからさ」

 

熊谷「そうだね。生徒の自立を促すんでしょ?」

 

玲「そうね」

 

雪乃「それもそうね」

 

オレ達は片付けをして帰ることに、て言うか片付けてから帰れよ由比ヶ浜!

 

片付けの途中

 

玲「それにしてもあの時私があげたクッキー。そんなに嬉しかったんだ」

 

八幡「当たり前だろ。好きな人からもらった手作り。嬉しいに決まってるだろ」

 

玲「そっか。じゃあまた今度作ってあげるね。雪乃ちゃんやクマちゃんにもあげるね」

 

熊谷「久しぶりに玲のクッキーを食べれる」

 

雪乃「そうね、なら私はその時紅茶でも入れようかしら」

 

熊谷「おおーいいね〜」

 

八幡「何だかお茶会みたいだな」

 

熊谷「いいじゃん依頼人が来るまでだって」

 

八幡「まぁ、それもいいかな」

 

 

 

そして翌日奉仕部にて

 

今日もオレ達は部活に励んでいる。まぁ、言っても喋ってばかりだけどな

 

するとドアが開き

 

結衣「やっはろー!」

 

とどこかアホっぽい挨拶とともに出てきたのは、由比ヶ浜結衣だった。

 

雪乃「…何か?」

 

結衣「あれ、あんまり歓迎されてない?・・・ひょっとして雪ノ下さんって私のこと嫌い?」

 

そう言われ雪ノ下は、ふむと考え出てきたのは

 

雪乃「別に嫌いじゃないわ…けど少し苦手なだけよ」

 

結衣「それ女子言葉では嫌いと同義語だからねっ!?」

 

え!?そうなの?知らなかったな〜、今度玲や他の奴らにでも聞いてみようかな?

 

雪乃「それで何の用かしら?」

 

結衣「そうだ、昨日の事のお礼にと思ってクッキー焼いてきたの。はいゆきのん、那須さん、熊谷さん、あとヒッキーにも」

 

雪乃「あの、私今食欲が・・・それとゆきのんって何?気持ち悪いからやめてくれないかしら」

 

熊谷「私もあまりお腹減ってないからいいや……」

 

玲「わ、私も……」

 

八幡「オレも…って言うよりヒッキーやめろ!」

 

結衣「ちょ!さすがに酷すぎだし!」

 

酷いって、昨日のお前のクッキーの方が酷いわ。あれを見せつけられたら誰だってそういう反応するよ。あんなダークマターみたいなもん作りおって。

 

結衣「だ、大丈夫だし!ちゃんとお母さんと一緒に作ったからさ!」

 

まぁ、それなら安心かな……

 

雪乃「それじゃあ、ありがたくいただくわ」

 

熊谷「ありがとうね」

 

玲「由比ヶ浜さん、ありがとう」

 

八幡「まぁ、そうだな。受け取っとくよ」

 

結衣「絶対に見返してやるんだから!…それじゃあバイバイ!」

 

そう言って由比ヶ浜は去っていった。

 

八幡「さてどうしたものか…」

 

熊谷「一応大丈夫じゃない?お母さんと一緒に作ったって言ってるし」

 

雪乃「…そうね」

 

玲「きっと…大丈夫だよ」

 

八幡「だと良いんだが…」

 

その後、そのクッキーを食べた結果ちょっと苦かった。

何入れたの?ホント……

 

 

 

 

 

 

 




雪ノ下雪乃

パラメーター

トリオン5
攻撃7
防御・援護7
機動7
技術7
射程4
指揮4
特殊戦術2

トータル43

いかがでしたか?由比ヶ浜のクッキー作り編でした。
ちなみに由比ヶ浜からもらったクッキーは、三バカも道連れにしたそうです。
ではまたお会いしましょ〜。







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第4話

どうもチャキです!第4話どうぞ!


八幡side

 

オレは、朝から日課のランニングをしている。二宮さんやレイジさんから聞いたけど、トリオン体は生身が重要らしい。トリオン体の操縦は生身を動かす時の『感覚』が元になっているから、生身で動ける感覚を掴めば、トリオン体では何倍も動けるようになるらしい。だからオレは生身を気たれるためにランニングや筋トレをしている。

 

 

ランニングを終え家に帰る

 

八幡「ただいま」

 

小町「あ、おかえりお兄ちゃん」

 

八幡「おう」

 

小町「ご飯できてるよ」

 

八幡「おう、サンキュー」

 

オレは、シャワーを浴び着替えて朝ごはんを食べる。ホント小町の作ったご飯はうまいな〜

 

小町「そうだお兄ちゃん、最近部活どうなの?」

 

八幡「ん?ああ、まあボチボチかな」

 

小町「玲お姉ちゃんも楽しんでる?」

 

八幡「おう、熊谷や雪ノ下と楽しく喋ってるぞ」

 

小町「へ?友子さんと雪乃さんも一緒なの?」

 

八幡「ああ、雪ノ下が入っていた部活に入ったんだ」

 

小町「へ〜、何する部活なの?」

 

八幡「簡単に言うと生徒の悩みを解決する手伝いをする、と言う活動内容だな」

 

小町「ボランティア?」

 

八幡「似ているがちょっと違うらしい」

 

小町「そうなんだ。でも楽しそうで良かった」

 

八幡「そうか」

 

小町「うん、玲お姉ちゃんも部活ができて嬉しそうだったよ」

 

八幡「まぁそうだな。部活に入れて嬉しそうな玲。可愛かったぞ」

 

小町「そうなの?小町も見てみたかったな〜」

 

八幡「まぁ、そのうち見れるんじゃねぇの?」

 

小町「そうだね」

 

オレと小町は、ご飯を食べ終わり学校に向かった。

途中で玲と合流し一緒に登校する。玲は小町と世間話や部活の話やらしていた。オレは度々振られる回答に合図ちをしたり会話に入ったりした。そして……

 

小町「じゃあ、お兄ちゃん、玲お姉ちゃん。いってくるであります!」

 

八幡「おう」

 

玲「いってらしゃい小町ちゃん」

 

小町を学校まで送りオレは玲と一緒に登校する。

 

玲「そうだハチくん、今日は私達防衛任務があるから部活は休みだから」

 

八幡「お、そうなのか。わかった教えてくれてありがとうな」

 

玲「どういたしまして」

 

八幡「任務頑張れよ」

 

玲「うん、ありがとう」

 

そうか、今日は那須隊は防衛任務か…じゃあオレもついでに本部に行くか。米屋や出水あたりがいると思うしランク戦でもするか。

 

そして放課後玲達は、防衛任務のため本部に既に向かったらしい。まぁ、早く行っといた方が楽だしな。そしてオレは、ゆっくりと本部に向かい、ランク戦のブースに来ている。

さてどうしょうかな。適当に戦うかな。と思っていると……

 

???「お!比企谷じゃあねぇか!」

 

横からオレを呼ぶ声がしたので見てみると、そこにはA級1位部隊の隊長で、アタッカーとソロランキング1位の太刀川さんだった。

 

八幡「どうも太刀川さん」

 

太刀川「比企谷もランク戦しに来たのか?」

 

八幡「ええ、まぁ」

 

太刀川「じゃあオレとやらねぇ?」

 

まぁ、そう来ると思っていたが今は丁度相手を探していた所だったから丁度いい

 

八幡「いいですよ。オレも丁度相手を探していた所でしたから」

 

太刀川「おお、そうかなら丁度良いな!よしやるぞ」

 

八幡「いいですよ。あ、あと1つ言っときますげど」

 

太刀川「?なんだ?」

 

八幡「この勝負で太刀川さんが勝ってもレポートの手伝いはしませんから」

 

太刀川「っ!…わ、わかってるよ。当たり前だろそ、そんな事言う訳ねぇだろ」

 

ホントかよこの人は……まぁ、言質はとったらいいか。もし破ったら風間さんに連絡すればいい話だからな。

 

八幡「わかりました。じゃあやりましょうか」

 

太刀川「おう、オレは183に入るから」

 

八幡「わかりました。オレは168に入りますんで」

 

太刀川「おう」

 

オレはそう言って個室に入る。申請を承認しそして転送され太刀川さんとのランク戦が始まった。

 

ステージは、住宅街か……まぁいい。太刀川さんは何処だと思いサイドエフェクトで、太刀川さんを探しながら移動する。

まぁ、サイドエフェクトで探すよりレーダーで探した方がいいけどな。意外と近かったのか太刀川さんは、旋空弧月を撃ってくる。

 

八幡「っぶね!」

 

太刀川「流石だな比企谷。あれを避けるとは」

 

八幡「ありがとうございま…す!」

 

オレはお礼を言いながらアステロイドを撃つが、太刀川さんは難なくシールドで塞ぐ。あ〜、やっぱダメか〜

 

太刀川「オラ!どうした比企谷!そんなもんかー!」

 

そう言いながら斬りかかってくる。ホント無茶苦茶だなこの人は…流石化け物だな……

 

太刀川「おい比企谷、今変な事考えてたろ」

 

八幡「ハハハッ、そんな訳ないじゃないですかー」

 

と言いつバイパーを撃つ

 

太刀川「うお!?っぶね〜、オラ!」

 

また旋空弧月かよ!オレは咄嗟に横に逃げるが右腕を斬られる。

 

八幡「っ!さすがスっね」

 

太刀川「ったりめぇよー」

 

一旦距離を空けるか……いや、あの人はグラスホッパーがあるからな〜。オレは何とか太刀川さんの攻撃を避けているがそれも時間の問題だな…くっ!こうなったら!オレは、太刀川さんと自分の間にメテオラを撃つ

 

太刀川「うお!?煙幕か?だが…」

 

煙幕でお互いを目視できない状況で、太刀川さんはオレに旋空弧月を撃ってくるがそれにオレは当たらなかった。

 

太刀川「?どういうことだ?…っ!」

 

太刀川さんは驚いた、それはオレがさっき撃ってできた煙幕から飛び出してきたからだ。え?旋空弧月をどうやって避けたかって?それはサイドエフェクトを使って避けたさ。煙幕から出てきたオレは太刀川さんの近くまで行き左でアステロイドを太刀川さんに向かって撃つ、太刀川さんはシールドを貼るが咄嗟だったので、間に合わずアステロイド数発が当たりベイルアウトした。

危なかった〜

 

太刀川『まさかあの煙幕から出てきて、至近距離でアステロイドを撃ってくるとはな。ビックリしたぜ』

 

八幡「一か八かでしたけど」

 

多分もうこの戦術は使えない。どうするか……

 

太刀川『よーし、次行くぞ!』

 

八幡「わかりました」

 

そして、勝負は終わり8-2で負けた。やっぱあの人は化け物だ〜。でもあれから1本取ったが、まぁあれはギムレットを撃ってシールドごとげずり倒した。それ以外にちょっとダメージを与えたりとかしたが無理だった。

ブースに戻り

 

太刀川「いや〜、やっぱ比企谷の戦いはやらしいな」

 

八幡「人の戦い方にいやらしいって言わないでくださいよ。それを言うなら太刀川さんは化け物でしょ」

 

太刀川「ハハハッ!オレが化け物か、そうか!ハハハッ!」

 

いや、何笑ってんだよこの人は……

 

太刀川「まぁ、でも楽しかったわ。ありがとうな、またやろうぜ!」

 

八幡「はい、いいですよ」

 

そうして太刀川さんと別れた。その後は、2,3人と戦って帰った。

 

 

翌日…

 

オレは部室に向かうと、4人が部室の前で立ち尽くしている。何やってんだそんな所で?

そう思い近づくと……

 

玲「あ、ハチくん」

 

玲がオレに気付きそれに吊られて、皆もオレに気付く。

 

八幡「おう、で?何やってんの?」

 

玲「それが…部室に不審者がいるの」

 

八幡「は?不審者だと?」

 

熊谷「そうなんだよ」

 

雪乃「比企谷君ちょっと様子見て来てちょうだい」

 

八幡「はいよ」

 

気は進まないが仕方ない。玲が不安そうにしているからな。もしホントに不審者だったら通報してやる。

そして警戒をしながら部室を覗くとそこには、床に散らばった大量の紙、そしてそこに1人の男子がいた。その男は、こんな暑い中コートを着て、指ぬきグローブを着けていた。

 

???「クククッ…まさかこんな所で出会うとはな。待ちわびたぞ。比企谷八幡」

 

八幡「……」

 

どう反応したらいいかわからん……

 

熊谷「比企谷の知り合い?あいつ知ってるような口ぶりだけど」

 

とオレの後ろに隠れる玲の後ろから聞いてくる。

 

八幡「…いや、知らんな〜。ホントに不審者かもしれないな。通報しとく?」

 

???「ま、待って!?我だ!まさかこの相棒の顔忘れるとはな…見下げ果てたぞ、八幡!」

 

結衣「相棒って言ってるけど…」

 

由比ヶ浜がオレを冷ややかな視線で見てくる。やめろ!あんな奴と一緒にするな!

 

???「そうだ相棒。貴様も覚えているだろう、あの地獄のような時間を共に駆け抜けた日々を…」

 

熊谷「え?そうなの?」

 

真に受けるな熊谷

 

八幡「体育でペア組まされただけだ。で?何の用だ、材木座」

 

材木座「むっ、我が魂に刻まれし名を口にしたか。いかにも我が剣豪将軍・材木座義輝だ」

 

バサッとコートを力強く靡かせて、ぽっちゃりとした顔にきりりとやたら男前な表情を浮かべている。ハァ…ホントこいつといると頭が少し痛くなる。

とりあえず説明して、要件を聞くか

 

八幡「こいつは材木座義輝。…まぁ、体育の、時間にオレとペア組んでいる奴だ」

 

そう皆に説明をする。

 

雪乃「そうわかったわ。で?要件は?」

 

材木座「ムハハハ、とんと失念しておった。時に八幡よ。奉仕部とはここでいいのか?」

 

え〜、何今の笑い方。初めて聞いたわ。

 

雪乃「ええ、ここが奉仕部よ」

 

オレの代わりに雪ノ下が答えた。すると、材木座は一瞬雪ノ下のほうを見てからまたすぐさまオレのほうに視線を戻す。いや、なんでオレのほうを見るんだよ。

 

材木座「…そ、そうであったか。平塚教論に助言頂いた通りならば八幡、お主は我の願いを叶える義務があるわけだな?幾百の時を超えてなお主従の関係にあるとは…これも八幡大菩薩の導きか」

 

雪乃「別に奉仕部はあなたのお願いを叶えるわけではないわ。ただその手伝いをするだけよ」

 

材木座「…。ふ、ふむ。八幡よ、では我に手を貸せ。ふふふ、思えば我とお主は対等な関係、かつてのように天下を再び握らんとしようではないか」

 

八幡「どうでもいいが主従の関係どこいったんだよ。あとこっち見んな!」

 

材木座「すまない。どうやらこの時代は在りし日々に比べるに穢れているようだ。人の心の在り様が。あの清浄なる室町が懐かしい…。そうは思はぬか、八幡」

 

八幡「思うかかよ。あともう死ねよ」

 

材木座「ククク、死など恐ろしくはない。あの世で国盗りするだけよ!」

 

材木座はまた、ばさばさとコートがはためく。

 

熊谷・結衣「「うわぁ…」」

 

熊谷と由比ヶ浜はリアルに引いている。まあ普通はそういう反応

 

玲「ねぇハチくん。なんなのあれ?あの…剣豪…将軍?っていうの」

 

八幡「ん?ああ、あれは中二病というやつだ」

 

玲「ちゅーに病?」

 

玲は首をコテンと傾げる。今気づいたけど、女の子が「ちゅ」って口にする時の唇の形ってすげー可愛い。玲なら尚更可愛い。

いや、マジで可愛いな〜……

 

雪乃「病気なの?」

 

と雪ノ下も聞いてくる

 

八幡「別にマジで病気なわけじゃない。スラングみたいなもん… 中二病というのはアニメや漫画のキャラ、もしくは自分で作った設定に基づいて行動する奴のことを言う。例えば、主人公が持つ不思議な力に憧れを抱き、自分にもそうしたものがあるかのように振る舞う。そういう感じだ」

 

由比ヶ浜はおそらく分かっていない、うーんと唸っている。多分熊谷も。玲と雪ノ下は考えている。そんな中雪ノ下が…

 

雪乃「ふぅん、つまりお芝居をしてるのね」

 

八幡「まぁ、そんなところだ。あいつは、室町幕府の十三代将軍・足利義輝を下敷きにしているみたいだ。名前が一緒だったからベースにしやすかったんだろう」

 

玲「でも、ハチくんを仲間としてみているけど」

 

八幡「ん、ああそれは、八幡っつー名前から八幡大菩薩を引っ張ってるんじゃないか?清和源氏が武神として厚く信奉してたんだ。鶴岡八幡宮って知ってるだろ?」

 

玲「へぇ〜、詳しいね」

 

八幡「まぁな」

 

雪乃「それで、依頼というのはその病気を治すことでいいのかしら?」

 

材木座「…八幡よ。余は汝との契約の下、朕の願いを叶えんがためこの場に馳せ参じた。それは実に崇高なる気高き欲望にしてただ一つの希望だ」

 

雪ノ下から顔を背けて、材木座は俺の方を見た。一人称も二人称もブレブレだ。どんだけ混乱してんだよ。

 

雪乃「話しているのは私なのだけれど。人が話しているときはその人の方を向きなさい」

 

冷たい声音でそう言って雪ノ下が材木座の襟首をつかんで無理矢理正面を向けさせた。

 

材木座「…モハハ、これはしたり」

 

 

雪乃「そのしゃべり方やめて」

 

 

その後も、材木座は雪ノ下の質問攻めにあった。この時期にコートがどうとか、指ぬきグローブがどうとか。そのたびにしゃべり方を言われ、材木座は、声が小さくなっていった。

玲と熊谷は、若干引いているようにも見える。

 

雪乃「それで、依頼内容はその病気を治すことでいいのかしら?」

 

材木座「あ、いや別に病気じゃなくて」

 

材木座は雪ノ下から目をそらしてすごい小声で言った。

完全に素だ。

 

 

見てられない。ちょっと助けてやるか。

 

八幡「んで?ホントの依頼はなんだ?」

 

材木座「依頼というのはこれだっ!?とくと見よ」

 

そう言って材木座は床に散らばった紙を集め俺達の前に差し出した。

 

結衣「これは?」

 

雪乃「原稿用紙ね。何か書かれているわ」

 

玲「これって小説じゃない?」

 

八幡「ああ、そうだな。しかも見るからにラノベの類だ」

 

そう、材木座が持っているのは自分で書いたであろう小説だった。

 

材木座「ご賢察痛み入る。如何にもそれはライトノベルの原稿だ。とある新人賞に応募しようと思っているのだが、友達がいないので感想が聞けぬ。読んでくれ」

 

雪乃「何か今とても悲しいことをさらりと言われた気がするわ…」

 

熊谷「え?これ…読むの…」

 

熊谷は、ちょっと嫌そうにしている。まぁ、確かにオレも嫌だけど…… 

 

でもなんでオレ達なんだ? 

 

八幡「投稿サイトとか投稿スレにでも載せたらいいじゃねぇか」

 

材木座「それは無理だ。彼奴らは容赦がないからな。酷評されたら我死ぬぞ」

 

うわぁ…心弱ぇ…

 

八幡「投稿サイトより雪ノ下の方が容赦ないぞ?」

 

そして帰り道

 

玲「あの小説読むの大変そうだね」

 

八幡「だな。玲は無理せず読めるところまで読んだらいいと思うぞ」

 

玲「うん、わかった。そうする」

 

八幡「これは徹夜かな…ハァ…」

 

玲「無理しないでね。体壊したら元も子もないから」

 

八幡「わかってるよ。玲もな」

 

玲「うん」

 

オレは玲を家まで送り家に帰った。

 

 

そしてオレはご飯を食べ終わり部屋に戻り材木座の小説を読むかとにした。ていうか結構ページあるな〜。これホントに徹夜かもしれん。

 

 

……しばらく読んでいるとちょっと集中力が落ち眠たくなってきた。読者が眠くなるということはおそらくそこまで面白くないんだろう。けど、依頼である上に人が頑張って書いた物語だ。最後まで読むか。

 

八幡「フゥ…終わった」

 

やっと読み終わりオレは電気を消しベッドに入り眠りについた。

 

 

翌日

 

朝ごはんを食べ学校に行くため家を出た。小町は先に家を出ていたからオレは1人で登校していた。

 

玲「あ、ハチくんおはよう」

 

八幡「おう、おはよう」

 

オレは玲と一緒に登校した。オレはあくびが出てしまった。そりゃそうだ、あの材木座が書いた小説を徹夜して読んだからな。

 

玲「ハチくん大丈夫?眠たそうだけど」

 

玲は心配そうに聞いてくる。

 

八幡「ああ、なんとか大丈夫だ。玲はどうだった」

 

玲「私は、途中まで読んで寝たよ」

 

八幡「そうか、体は大丈夫か?」

 

玲「うん、大丈夫だよ」

 

八幡「それなら良かった」

 

そして学校に着きオレと玲はそれぞれの教室に向かった。

時間は過ぎ昼休み

 

オレは昼飯を食うためベストプレイスに向かった。

でも1人で食べるのでは無い。いつも玲と一緒に弁当を食べるのだ。

 

八幡「しっかしあの小説めっちゃページあるんだよな〜」

 

玲「確かに結構ページあったね。私は3割位しか読めなかったけど」

 

八幡「いいんじゃねぇの?玲はまだ体が弱いからさ、無理しない程度が1番いいと思うぞ」

 

玲「そっか」

 

八幡「しっかしまだ眠いな」

 

玲「じゃあ寝てていいよ。時間になったら起こしてあげるよ」

 

八幡「お、いいのか?」

 

玲「うん」

 

八幡「じゃあ言葉に甘えて寝るわ」

 

玲「うん、お休み」

 

 

オレは玲の言葉に甘えて、少し眠ることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数分後…

 

「…くん」

 

「…ちくん」

 

玲「ハチくん、起きて」

 

八幡「ん?ん〜」

 

玲「おはようハチくん」

 

八幡「おう、おはよう」

 

ん?なんだ?この感触は…すごい柔らかい感触がある。しかも目の前には玲の顔がある。…まさか……

 

八幡「なんで膝枕してんだ?」

 

玲「なんでって…私がしたかったからだよ」

 

八幡「そうか、だから寝心地良かったんだな。ありがとう」

 

玲「そ、そっか。なら良かった///」

 

八幡「さて、そろそろ時間だし戻ろうか」

 

玲「そうだね」

 

 

オレと玲は教室へと戻った。

 

そして放課後。午後の授業の内容が全然頭に入ってこなかった。少し寝たけどやっぱりまだ眠い。そう思いながらオレは教室を出て部室へと向かっていると

 

結衣「ちょー!待つ!待つ!」

 

特別棟に入ったあたりで、俺の背中に声がかかった。振り返れば由比ヶ浜が薄っぺらい鞄を肩にかけながら追いかけてきた。

 

なんでこいつこんなに元気なの?おかしくない?

 

結衣「ヒッキー元気なくない?どしたー」

 

八幡「いやいや、あんなの読んでたらそりゃ元気なくなるだろ……。すげぇ眠い。っつーか、むしろなんであれ読んでお前が元気なのか知りたいわ」

 

結衣「え?……あ。だ、だよねー。や、あたしもマジ眠いから」

 

そう言いながら目を擦る仕草をする由比ヶ浜。

 

八幡「お前絶対読んでないだろ」

 

由比ヶ浜は誤魔化しているのか口笛を吹いて、視線を逸らした。

こいつ…後で絶対に読ませてやる

 

部室に着き

 

八幡「うーっす」

 

結衣「やっはろー!」

 

部室に入ると雪ノ下が穏やかな顔で寝息を立てているのが目に入った。玲と熊谷は起きていて、玲は小説の続きを読んでいた。

するとやけに元気な由比ヶ浜を見て不思議に思った熊谷が

 

熊谷「ねぇ由比ヶ浜」

 

結衣「ん?何?」

 

熊谷「なんであんたそんなに元気なの?」

 

おー、やっぱり熊谷もそう思うか。そりゃそうだよな。あんな小説を読まさせて、眠たい筈なのに由比ヶ浜は元気だからな。

 

結衣「え、え〜と…それは〜…」

 

玲「もしかして…読んでないの?」

 

結衣「うっ…」

 

図星をつかれた由比ヶ浜は、返事をしなくなった。

 

八幡「ああ、読んでないらしい」

 

熊谷「えっ、マジ?」

 

八幡「マジ」

 

熊谷「由比ヶ浜…あんた…頼まれた依頼はちゃんとやりなよ」

 

結衣「うぅ…ごめん忘れてた」

 

そんな会話をしていると雪ノ下が目を覚ました

 

雪乃「あら、来てたの。気づかなくてごめんなさい」

 

八幡「別にいいよ。どうせお前も徹夜したんだろ」

 

雪乃「ええ、徹夜だなんて久しぶりだわ」

 

熊谷「私もめっちゃ眠い。なんなのあの小説」

 

八幡「オレが知るかよ」

 

玲「確かにちょっとわかんないね」

 

結衣「あ、那須ちゃんも読んでるんだ。まさか忘れてたとか」

 

由比ヶ浜はニヤニヤしながら言う。あー、こいつ多分仲間がいると勘違いしてるな。玲は途中まで読んで寝たから、今続きを読んでいるだけだからな。

 

玲「ううん、昨日は途中まで読んで寝たから、その続きを読んでいるだけだよ」

 

結衣「そ、そうなんだ」

 

ちょっと残念そうに言う由比ヶ浜。残念だったなホント

 

玲「うん、私生まれつき体が弱くてね。昔は家にいることの方が多かったの。でも今はこうして学校に行けるようになったけど、まだ無理しちゃダメだから途中まで読んで寝たの」

 

結衣「そうなんだ。…あっ、だからクッキー作りの時にヒッキー達が『無理しないで』って言ってたんだ」

 

八幡「まぁ、そういう事だ。それよりお前ちょっとは読んどけよ。材木座が来るまでさ」

 

雪乃「え?由比ヶ浜さん読んでないの?」

 

結衣「読むよ!今読むよ!」

 

由比ヶ浜はハァと溜息をついて鞄から例の原稿を散りだす。折り目の一つもついてないきれいな保存状態だった。由比ヶ浜はそれをぺらぺらと異様に速いスピードでめくる。

 

ほんっとつまんなそうに読むなこいつ。

 

そして数分後

部室の戸が荒々しくたたかれる。

 

材木座「たのもう」

 

材木座が古風な呼ばわりとともに入ってきた。

 

材木座「さて、では感想を聞かせてもらうとするか」

 

材木座は椅子にドッカと座り、偉そうに腕組みをしている。

そしてその顔は自信に満ち溢れていた。

対して正面に座る雪ノ下は珍しいことに申し訳なさそうな顔をしていた。

 

雪乃「ごめんなさい。私にはこういうのよくわからないのだけど……」

 

材木座「構わぬ。凡俗の意見も聞きたいところだったのでな。好きに言ってくれたまへ」

 

あーあー、そんな事言ってもう知らねぇぞ。

 

雪乃「つまらなかった。読むのが苦痛ですらあったわ。想像を絶するつまらなさ」

 

材木座「げふぅっ!」

 

一刀のもとに切り捨てやがった…。まあ、材木座が好きに言えって言ったからこうなったんだからな。

 

材木座「ふ、ふむ。さ、参考までにどの辺がつまらなかったのかご教示願えるかな」

 

雪乃「まず、文法が滅茶苦茶ね」

 

それから雪ノ下のダメ出しが続いた。そして次は由比ヶ浜の番になった。

 

結衣「え、えーと……。む、難しい言葉をたくさん知ってるね」

 

材木座「ひでぶっ!」

 

八幡「とどめさすな」

 

作家志望にとってその言葉は禁句である。褒めるところがそれしかないってことだからな

 

八幡「次熊谷」

 

熊谷「うーん、ごめん私こういうの読んだことないけど…面白くなかった」

 

材木座「ひぎゃぁ!」

 

熊谷「じゃあ次は玲」

 

玲「そーだね。本の感想は苦手だけど…面白くなかった」

 

材木座「ひぎぃ!」

 

玲も容赦ねぇな

 

玲「じゃあハチくん」

 

オレか…

 

材木座「ぐ、ぐぬぅ。は、八幡。お前なら理解できるな?我の描いた世界、ライトノベルの地平がお前にならわかるな?愚物どもでは誰一人理解することができぬ深遠なる物語が」

 

うわぁ、材木座の目が『お前を信じている』と告げていた。

ハァ…めんどーだな。まぁ、ちょっとオブラートに包んで言ってやろうかな。オレは1度深呼吸をしてから優しく言ってやった。

 

八幡「んで、あれって何のパクリ?」

 

材木座「ぶふっ!?ぶ、ぶひ…ぶひひ」

 

材木座はごろごろと床をのたうち回り、壁に激突すると動きを止めて、そのままの姿勢でビクともしない。うつろな目で天井を見上げ、頬に一筋の涙が伝う。

 

玲「ハチくん…」

 

熊谷「比企谷…あんた」

 

雪乃「あなた私より酷いこと言ってるわよ」

 

八幡「逆に気を遣われる方が酷評よりダメージが大きいんだ。これでいい。それぐらいお前もわかっているだろ?」

 

オレの言葉に雪ノ下達(由比ヶ浜以外は)はそうねと言葉を返した。

 

しばらくして材木座が立ち上がり、埃をぱんぱんとはたいてまっすぐオレを見る。

 

材木座「…また、読んでくれるか」

 

驚いた。あんなけ言われたのにまだ書く意思があるのか

 

八幡「お前…」

 

結衣「ドMなの?」

 

八幡「いや、ちげぇよ」

 

結衣「え?」

 

意味すら分かっていない由比ヶ浜はほっておいて

 

八幡「お前、あんだけ言われてまだやるのかよ」

 

材木座「無論だ。確かに酷評はされた。もう死んじゃおっかなーと思った。むしろ、我以外死ねとも思った」

 

まぁ、確かにそうだな。あんだけ言われたら結構クルもんな。

 

材木座「だがそれでも嬉しかったのだ。自分が好きで書いたものを誰かに読んでもらえて、感想を言ってもらえるというのはいいものだな。この想いに何と名前を付ければいいのか判然とせぬのだが。

……読んでもらえるとやっぱり嬉しいよ」

 

そう言って材木座は笑った

それは剣豪将軍の笑顔でなく、材木座義輝の笑顔。

 

あ〜、なるほど

 

こいつは中二病ってだけじゃない。もう立派な作家病に罹っているのだ。

 

書きたいことが、誰かに伝えたいことがあるから書きたい。そして誰かの心を動かせたのならとても嬉しい。だから何度だって書きたくなる。たとえそれが認められなくても、書き続ける。それを作家病というのだろう。

 

だからオレはこう言った。

 

八幡「ああ、読むよ。だからできたらもってこい」

 

読まないわけがない。だって、これは材木座が中二病を突き詰めた結果たどり着いた境地なのだから。病気扱いされても白眼視されても無視されても笑いものにされても、それでも決して曲げることなく諦めることなく妄想を形にしようと足掻いた証だから。

 

材木座「また、新作ができたら持ってくる」

 

材木座はそう言って部室を出ていった

 

玲「すごいね材木座君」

 

八幡「そうだな。硬くて強い芯が通っている。すげえ奴だよ」

 

玲「そうだね」

 

熊谷「だね」

 

玲達もオレと同じことを思っていたらしい。

 

 

あれから数日後……

 

オレは変わらず材木座とペアを組んでいる。

 

材木座「八幡よ。流行の神絵師は誰だろうな」

 

八幡「いや、気がはやぇーよ。賞取ってから考えろよ」

 

材木座「売れたらアニメ化して声優さんと結婚できるかな?」

 

八幡「いいから。そういうのいいから。まず原稿書け。な?」

 

こうしてオレは、材木座と話すようになった。

 

 

 

 

 

 

 




いかがでしたか?
ではまたお会いしましょう〜


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第5話

どうもチャキです!では、第5話どうぞ


八幡side

 

今日は休みの日だが、オレは今ランク戦観客席へと向かっていた。と言うより今回は解説席だが。なんでオレなんだよ。しかも、解説するランク戦は玲の部隊が入っている。絶対に仕組んでるだろ。

 

八幡「ハァ…」

 

オレがため息をつきながら向かっていると

 

緑川「ハッチ先輩〜」

 

八幡「緑川か、そう言えばお前も解説するんだったな」

 

緑川「うん、そうだよ。だから一緒に行こー」

 

八幡「ああ、いいぞ」

 

緑川「やった〜」

 

嬉しそうにする緑川。ホントこいつ元気だな。そして、オレらはランク戦の解説席に座る。

 

そして…

 

綾辻「さぁ!始まりました!B級ランク戦中位の部。実況は私綾辻遥。解説はA級4位部隊の緑川隊員と、A級部隊隊長でNo.2シューターの比企谷隊長です。よろしくお願いします」

 

緑川「よろしく〜」

 

八幡「うっす」

 

綾辻「さぁ、今回はB級10位那須隊、B級11位荒船隊、B級13位柿崎隊の三つ巴ですが、この戦いどう思いますか?」

 

八幡「そーですね。柿崎隊以外はスナイパーが一人いますので、柿崎隊は、2つの部隊のスナイパーに気をつけなればならないと言うところですかね」

 

緑川「そうだね〜。でも今回はマップは柿崎隊が決めれますから、そこの所を生かせると思います」

 

綾辻「なるほど〜。そういえば那須隊の那須隊長と雪ノ下隊員は、比企谷隊長の弟子でしたよね」

 

八幡「そうですね。でも雪ノ下の方は、シューター技術しか教えていません。剣術は、あの太刀川さんから教わってるらしいですよ」

 

綾辻「そうなんですね」

 

玲のバイパーはオレが教えてる。オレと同じでリアルタイムでバイパーを撃てるから、教える前より更にウザくなっている。雪ノ下は、バイパーを入れてないので、基本的な事しか教えていない。後は、他の人から見て盗んでいる。だから、皆のフォロー役としてやっている。

 

綾辻「そうこうしているうちにマップが決まったみたいです。今回のマップは…市街地Aですが。どのような狙いがあるのでしょうか」

 

八幡「市街地Aって、シンプルだな」

 

緑川「だね〜。もしかしたら天候をいじってるかもしれないよ」

 

八幡「なるほどな。それはあるかもな」

 

柿崎さんはどういう狙いでここを選んだんだ?まったく読めない。

 

綾辻「まもなく全隊員が転送開始されます。…3…2…1…転送開始!」

 

するとマップが表示され見てみると、天候をいじると思いきやいじらず、シンプルに晴れの状態だった。

 

緑川「え、晴れ?」

 

八幡「みたいだな」

 

綾辻「これはどういう狙いでしょうか?」

 

八幡「わからん。シンプルすぎる。このマップじゃあ、れ…那須のバイパーも生かせて、スナイパーも狙いやすい…もしかしてスナイパーを誘うためのマップ?」

 

緑川「なるほど。それなら合点がいくね」

 

綾辻「さぁここで、スナイパー全員と雪ノ下隊員がバックワームを起動!」

 

緑川「もしかして、雪ノ下先輩は奇襲目的なのかな」

 

八幡「多分そうじゃあねぇか」

 

ここで誰かに奇襲を仕掛けるつもりなのか、それとも錯乱のためにやっているのか。さっぱりわからん

 

綾辻「そして、各隊員合流を目指す。あーとここで、柿崎隊の巴隊員と那須隊の雪ノ下隊員が接触」

 

奇襲をしよう思っていたのか巴と接触してしまったな。いや、わざとぶつかったのか。だったらなんでバックワームをつけたんだ?

 

綾辻「巴隊員と雪ノ下隊員の弧月がぶつかり合う。そんな中日浦隊員が狙撃ポイントに着き、那須隊長と熊谷隊員は合流。更に荒船隊の穂刈隊員と半崎隊員も狙撃ポイントに着いた」

 

八幡「剣の腕なら雪ノ下の方が上だ。だが巴隊員も負けてないな」

 

緑川「うん、ハンドガンも使って雪ノ下先輩に応戦してますね」

 

綾辻「確かに巴隊員も負けずと雪ノ下隊員に応戦してますね。おっと、ここで雪ノ下隊員が引いていく、一体どういうことですかね?」

 

八幡「ホントだ。どういう事だ、雪ノ下ならいけたはずじゃ…」

 

すると雪ノ下は、ある行動してオレ達を驚かせた。グラスホッパーを起動させた。確か雪ノ下はグラスホッパーは入れてなかった筈。するとそのグラスホッパーをで逃げるのではなく、巴に踏ませた。そして、グラスホッパーを踏んだ巴は飛び上がりバランスを崩した所を日浦が狙撃し落とした。

 

綾辻「グラスホッパーを踏んで、空中に上がった巴隊員を日浦隊員が狙撃し、巴隊員はベイルアウト」

 

八幡「まさかグラスホッパーを踏ませるだなんて初めてだな」

 

緑川「おお〜、うまく使ったな〜雪ノ下先輩」

 

八幡「え?お前が教えたの?」

 

緑川「うん、教えたよ。雪ノ下先輩が来て頭を下げて来たんだよ」

 

八幡「え?マジ?」

 

緑川「うん、マジ」

 

八幡「なるほどね〜」

 

あの雪ノ下がねぇー……

その後日浦は移動し始めた。雪ノ下は多分位置がバレた日浦の援護に行きたい所だがここで……

 

綾辻「あっと、ここで雪ノ下隊員、荒船隊長接触!」

 

緑川「あらら、これはちょっとやばいかもね」

 

八幡「だな。今度は荒船さんの方が剣の腕は上ですからね」

 

緑川「あ、見て。柿崎さんと照屋先輩、那須先輩達と交戦してるよ」

 

八幡「ホントだな」

 

熊谷は照屋と玲は柿崎さんと交戦してるな。荒船隊のスナイパーもそれぞれの所で、チャンスを狙っている。

 

緑川「雪ノ下先輩は日浦隊員のガードに行きたいけど荒船さんが邪魔してるね」

 

八幡「ここで日浦が狙撃すれば、荒船隊のスナイパーに気づかれるから、那須達の援護に行った方がいいと思うがな」

 

綾辻「あっと!ここで決着!勝ったのは荒船隊長!だが雪ノ下隊員一矢報いて、荒船隊長の左足を切断!」

 

八幡「おお〜、やるな」

 

緑川「これで荒船さんは起動力が落ちるね」

 

すると、玲達の援護に行ったと思った日浦が、荒船さんを狙撃した。…が、荒船さんはシールドを貼らずに避けた。が右腕を撃ち落とされた。透かさず荒船隊のスナイパー、穂刈先輩が日浦を狙撃し落とした。でも、アソコはシールドの方が良くねぇか?もしかして釣ったのか?

 

綾辻「あーと!更に動きがあった!」

 

緑川「あー日浦先輩落とされちゃった」

 

八幡「そうだな。…ん?」

 

玲の奴何する気だ?

 

綾辻「あ、あれは…那須隊長のトマホーク!」

 

八幡「まさか荒船さん達に撃ったのか?」

 

当たるか?

 

玲が撃ったトマホークは、起動力が落ちた荒船さんに当たり荒船さんはベイルアウト。穂刈先輩にも当たり、トマホークの爆撃で両足を失った。いや、当たるのかよ、すげえコントロールだなホント。そしてそのスキに半崎が狙撃するが熊谷のシールドで防がれる。ん?熊谷が居るということは、照屋はどうした?

 

綾辻「熊谷隊員と交戦していた筈の照屋隊員が、半崎隊員を落とした!」

 

まさか、そう来るとは……

 

緑川「照屋先輩、まさかバックワームを着けて半崎先輩のいる所まで来ていただなんて」

 

八幡「だな」

 

ここまでで那須隊は2点、荒船隊2点、柿崎隊1点。穂刈先輩は多分トリオン露出過多でベイルアウトするだろう。両足を落とされちゃもうダメだからな。すると残るのは、那須隊と柿崎隊それぞれ2人ずつになるな。

 

綾辻「おっと、ここで穂刈隊員がベイルアウト寸前で照屋隊員を落とした。そして照屋隊員ベイルアウト!」

 

八幡「おお、すげえな」

 

緑川「ホントだね。これで柿崎さん結構不利になったね。ここじゃあ自発的のベイルアウトもできませんしね。近くに那須先輩と熊谷先輩いるしね」

 

八幡「だな」

 

もし出来るならば、両方共を道連れにするとかした方がいいかもな。そうすれば誰も残らないので、生存点も無くなる。

 

綾辻「熊谷隊員、柿崎隊長の動きを止めた。その隙に那須隊長が熊谷隊員ごとバイパーで落とした!いや、最後に柿崎隊長がメテオラ撃ち熊谷を道連れにした!ここで試合終了!生存点を含め6対3対2で那須隊の勝利」

 

緑川「柿崎さん、最後の最後でもう1点もぎ取ったね」

 

八幡「そうだな」

 

でも今回は柿崎さん達は、運が悪かったな。何か作戦があったかもしれないが、位置が悪かった。

 

綾辻「さぁ、今回の市街地Aのマップでしたが、振り返ってみていかがでしたか?」

 

八幡「そーですね。今回は、柿崎隊は運が悪かったと思います。何かしら作戦があったかもしれませんが転送位置が運がなかったということですかね」

 

綾辻「ということは今回は運が良かった那須隊が勝利したということですか」

 

緑川「それは、どうでしょう。日浦先輩が狙撃した時荒船さんは、何故かシールドを貼っていませんでした。もしあの時シールドを貼っていたらまだ分からなかったと思います」

 

八幡「そうだな。間に合わないと踏んで貼らなかったかもな。そしてあの時日浦も那須達の所に行っていたら、まだ状況が変わっていたかもしれなかったですね」

 

綾辻「なるほど〜。それでは荒船隊はいかがでしたか?」

 

緑川「荒船さんと穂刈先輩は、那須先輩のトマホークによって大ダメージを受けてしまったからね。あれは大分痛いと思います」

 

綾辻「なるほど、ありがとうございました。今回6得点という快挙をあげた那須隊はB級中位のトップに立ちました。次の試合結果次第では上位に入る可能性が高いです。次の試合にも期待がかかりますね。以上もちましてB級ランク戦中位の部を終了します。お疲れ様でした。解説の緑川君、比企谷隊長ありがとうございました」

 

八幡・緑川「「ありがとうございました〜」」

 

ハァ…やっと終わったー。解説は疲れるな〜

 

緑川「ねぇねぇハッチ先輩」

 

八幡「ん?どした?」

 

緑川「ランク戦しよー」

 

八幡「良いけど、先に飯食うけど良いか?」

 

緑川「うん、いいよ〜。オレも食べようと思ってたからさ」

 

八幡「そうか、なら行くか」

 

そして、オレと緑川はボーダーの食堂に来ている。オレと緑川はラーメンを頼み、2人用の席に座って食べている。

 

緑川「それにしてもさっきのランク戦おもしろかったね」

 

八幡「ああ、そうだな。…今思えば雪ノ下は、他の隊が合流を阻止するためにわざとバックワームをつけてたんかな?」

 

緑川「あー、なるほど。そう言われてみればそうかとしれないね」

 

八幡「わざとレーダーから消えて、合流しようとしている隊員とぶつかったとかな」

 

緑川「でも、雪ノ下先輩もかなり強くなったね。これもハッチ先輩のおかげじゃない?」

 

八幡「いや、オレはシューターの技術しか教えてねぇよ。さっきも言ったろ剣は太刀川さんから教わってると」

 

緑川「でも、前に雪ノ下先輩とランク戦した時、ハッチ先輩みたいな弾撃ってくるんだよ。那須先輩も前よりバイパーウザくなってるし」

 

八幡「まぁ、玲とオレはバイパーの撃ち方同じだからな」

 

緑川「ハッチ先輩と那須先輩組んだら大変な事になるね」

 

八幡「多分ウザイバイパーが、ものすごい数で襲いかかってくるだろうな」

 

緑川「うへぇ、想像しただけですごい」

 

うん、オレも想像したらすげえなって思ったわ。そしてオレ達は、ラーメンを食べながらそんな会話をしていると…

 

???「おっ、比企谷に緑川じゃあねぇか」

 

オレ達を呼ぶ声がしたので、見てみると先程までランク戦をしていた荒船さんだった。

 

八幡「荒船さん、お疲れ様です」

 

緑川「お疲れ様で〜す」

 

荒船「おう」

 

八幡「見ましたよ。惜しかったですね」

 

荒船「ああ、雪ノ下がまさか最後にオレの足を切るだなんて、思ってなかったからな」

 

緑川「でも、荒船さんあの時日浦先輩の狙撃なんでシールド貼らなかったの?」

 

荒船「ああ、あれは間に合わないと思ってな」

 

八幡「なるほど、そういう事だったんですね」

 

荒船「ああ、しかも那須のトマホークも当たってしまうし、まったくどんな災難だったぜ」

 

八幡「それは大変でしたね」

 

荒船「那須がだんだん比企谷の撃ち方に似てきたなぁ〜と思ってきた」

 

緑川「そりゃあハッチ先輩が師匠だからねぇ〜」

 

荒船「しかも雪ノ下の剣の師匠は、太刀川さんだろ?アソコの隊の師匠はすげえな」

 

そうだな、玲と雪ノ下はオレで、熊谷は沢北さんで、日浦は透だからな。考えてみたら確かにすごい。

 

荒船「それでお前らは…見ればわかるな。飯食ってんな」

 

緑川「その後ハッチ先輩とランク戦する予定なんだ〜」

 

荒船「なるほどな。じゃあもう俺行くな」

 

八幡「はい、また」

 

緑川「またね荒船さ〜ん」

 

荒船さんは去っていた。オレ達はラーメンを食べ終わり。ランク戦のブースに向かっていた。

 

緑川「今日こそ勝つぞ〜」

 

八幡「そう簡単に勝たせるかよ」

 

緑川「ハッチ先輩のバイパーをどう攻略するかだよな〜」

 

八幡「それを言うならお前のグラスホッパーを合わせた起動力もだけどな」

 

緑川「でもハッチ先輩のバイパーの方がウザイって」

 

八幡「そうか?」

 

緑川「うん」

 

なるほどな。そんなにウザイか…まぁ、確かに玲のバイパーもウザイ飛び方で迫ってきたなぁ〜。まぁ、オレが教えたせいなのかな?

 

そしてランク戦のブースに着き。

 

緑川「じゃあオレ187に入るね」

 

八幡「オレは175に入るわ」

 

ブースに入り緑川に対戦の申請しそれが承認され対戦が始まる。

 

ステージは市街地Aだ。おいおいさっき玲達がランク戦してたマップじゃあねぇか。まぁ、いいか。そう思いながらオレは、緑川を探した。ってもサイドエフェクトがあるからいいけど。日常でも使える。例えばオレの後ろから脅かそうとしている奴にも気づけるからな。お、近いな……そう思いオレはマップとサイドエフェクトを使いながら

 

八幡「バイパー」

 

3×3×3分割したバイパーを撃つ。そしてそのバイパーは、家の陰に隠れた緑川を襲う。

 

緑川「うわぁ!?ぶねぇ〜」

 

グラスホッパーで回避して上に上がってきた緑川。緑川の戦闘体を見ると何処にもバイパーを受けた傷もなかった。どうやら全部回避したようだ。

 

緑川「じゃあ次はこっちの番!いくよ〜ハッチ先輩」

 

八幡「ああ、いつでもいいぜ」

 

緑川はグラスホッパーで、こちらに急接近してくる。そしてスコーピオンでオレに攻撃してくるが、オレは全て交わしたりシールドを貼ったりして防いだ。

 

緑川「くっそ〜、やっぱりすごなぁ〜ハッチ先輩」

 

緑川は、攻撃しながら話しかけてくる。

 

八幡「お前の攻撃も鋭くて早くてそっもすごいと思うぞ」

 

緑川「全て避けてる、ハッチ先輩が言う?」

 

まあ、確かにその攻撃を今全て避けているオレだが、避けるのも時間の問題だな。一旦距離を取ろうと思いオレはバックステップ

するが、緑川はすかさず距離を詰めて攻撃を続ける。

 

八幡「やっぱ起動力なら負けないな緑川」

 

緑川「褒めても負けてやらないよ」

 

八幡「わーてるよ」

 

そしてまた、オレはバックステップで距離をとりまた緑川が距離を詰めた瞬間、オレは回転し緑川の攻撃避けながら緑川の腹に蹴りを入れる

 

緑川「ぐっ!」

 

腹を蹴られて小さく声を漏らす緑川。まぁ、確かに腹を蹴られたらそういう声出るよな。

そして、緑川を蹴飛ばす。緑川は吹っ飛ばされ飛ばされた先は、どこかの家の壁に当たる。オレはその隙にさっきまで緑川の攻撃を避けながらバイパーの置き玉を緑川に向けて放つ。…が緑川はフルガードで防ぐ。オレは緑川が防いでいる間にアステロイドとアステロイドを合わせギムレットを作る。クソ…やっぱ出水より作るのに時間がかかるな。

 

そしてギムレットを作り終え、それを緑川に向かって撃つ

 

八幡「ギムレット!」

 

緑川はフルガードはさっきのバイパーで、ダメージを与えていたので、簡単に破れ緑川に当たりベイルアウトした。

 

 

緑川『うわぁ〜、やられた〜。まさかあそこで腹蹴りするなんて、驚いたちゃったよ〜』

 

八幡「オレも上手くいくとは思ってなかったから、こっちもビックリしている。でも、あの時腹からスコーピオン出したらオレの足切れたと思うぞ」

 

緑川『あ〜、なるほど〜。そしたらまた状況が変わってたかもしれないね』

 

八幡「まぁ、次はやるかわかんねぇけどな」

 

緑川『そうだね〜。よし、次いくよ』

 

八幡「おう」

 

そして、勝負は終わり6-3と1引き分けで終わった。この1引き分けは、メテオラで自爆して道連れにした。

ブースに戻り……

 

緑川「あ〜、負けた〜。やっぱハッチ先輩強すぎ。さっきの自爆も反応に遅れちゃったし」

 

八幡「お前のピンボールもすげえよだんだん制度上がってんじゃあねぇの?」

 

緑川「結構練習したからね〜」

 

八幡「なるほどな」

 

まぁ、確かにオレも結構練習したりしてるからな。練習あるのみだからな。

 

八幡「よし、オレは作戦室に行くが緑川はどうする?」

 

緑川「オレはもうちょっとランク戦していくよ」

 

八幡「そっか、じゃあな」

 

緑川「バイバイ〜ハッチ先輩。またランク戦しょうね〜」

 

八幡「おう」

 

緑川と別れ自分の隊の作戦室に戻る。

 

八幡「うっす」

 

真司「あ、比企谷くん」

 

作戦室には沢北さんがいた。ん?何やら書いているみたいだ

 

八幡「沢北さん、何してるんです?」

 

真司「ん?ああこれかい?これは僕のトリガーの改造しょうと思ってね」

 

トリガー改造、A級にしかできない要素である。主に米屋の槍弧月が代表てきかな。

 

八幡「へぇ〜、弧月ですか?」

 

真司「うん、まぁね」

 

八幡「どういう風に改造するつもりですか?」

 

真司「ちょっとゲームみたいな感じだけど、2つの弧月の柄の先端同士繋げて、両方に刃があるナギナタみたいしようかなって、思ってるんだ」

 

八幡「なんですかそれ?なんか凄そうですね」

 

真司「でしょ?でも上手くいくかは分からないけどね」

 

八幡「個人的には、面白そうですね。成功することを祈っときます」

 

真司「ありがとう」

 

沢北さんの考えた改造弧月。なんだか楽しみになってきたな。

成功するといいな〜。

 

そしてオレは作戦室から出て家に帰った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




いかがでしたか?ランク戦を書いてみましたがどうでしたか?
こんな感じでいけたらなと思ってます。
ではまたお会いしましょ〜


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第6話

どうもチャキです!第6話です。どうぞ!


八幡side

 

今日も朝からランニングをし、帰ってきたらシャワーを浴びて着替えたら小町の作った朝ごはんを食べる。いつも通りの日常である。時々オレが飯を作ったりしているが、何故かその時だけ玲が食べに来る。いや、別に嫌だという訳じゃあないけどな。

 

そして、ご飯も食べ終わり学校へ行く準備をする。すると…

 

小町「お兄ちゃん送って!」

 

いや、歩きなさいよ。歩くのも健康のうちだよ?

 

八幡「ったく…毎度毎度お前は…仕方ないいいぞ」

 

小町「やった〜!」

 

でも、この笑顔を見るだけで癒される。ハァ〜、やっぱオレの妹は可愛いな〜。玲と同じぐらい可愛い

 

小町「今日も小町がいるし事故んないでよ」

 

八幡「いや、オレ1人の時はいいのかよ」

 

小町「そんな訳ないじゃん。また玲お姉ちゃんを悲しませる気?」

 

八幡「うっ…」

 

確かに入学当日いつもと同じで玲と登校した時、道路に飛び出した犬を助けた時確かにオレは轢かれて、それで玲を悲しませた事がある。いくら助けるとはいえ、玲を悲しませた事に後悔しているのは事実だ。

 

小町「お兄ちゃん聞いてる?」

 

八幡「え、あ、おう。聞いてるぞ」

 

小町「ほんとに〜?事故んないでよ」

 

八幡「わーてるよ」

 

そして、いつものように玲と合流し小町を学校まで送る。

言ってなかったが玲の家から学校まではそんなに遠くない。歩いて行ける距離だ。まぁ、体力をつけるためでもあり、オレと一緒に登校したいのも理由らしい。

オレにしたら嬉しい理由だがな。

 

まぁ、そんなこんなでオレと玲は学校に着きそれぞれのクラスへと向かった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

そして体育の時間

 

厚木「うし、じゃあお前ら2人組作れ」

 

体育教師の厚木の声で周りの奴らはさっさと組を作る。オレは1人だ。え?透と組めばって、あいつとは時間が違うから組めないんだよ。

 

八幡「あんまり調子がよくないんで壁打ちしてていいですか?迷惑かけることになっちゃうので」

 

そう伝えると向こうもダメとは言えない。まぁ、やる気はあるという事を伝えるのが重要だ。だがまあ、テニス自体嫌いではない。そこそこできる。素人よりは上手いと思う。と言うより前に三バカと生身でテニスをしたことがある。まぁ、言っても遊びだけどな。出水なんて打つ時に『アステロイド!』とか言ってるし、米屋に至っては『幻踊弧月!』とか言ってる。いや、どこが弧月なんだよ。

 

そんな事考えながら壁打ちしていると……

 

???「やっべー、葉山くん今の球、マジやべーって。曲がった?曲がったくね?今の」

 

うるせぇな……もっと静かにできないのかよ。そう思いながらそちらを振り向く。

 

あ〜、あれは確かウチのクラスの上位カーストのグループの奴らか。えっと…1人の名前は確か葉山?だっけ?

 

葉山「いや、打球が偶然スライスしただけだよ。悪い、ミスった」

 

片手をあげてそう謝る葉山の声を描き消すように金髪は、オーバーアクションで返す。

 

金髪「マッジかよ!スライスとか『魔球』じゃん。マジぱないわ。葉山くん超ぱないわ」

 

あーあー、うるせぇな。まぁ、いいほっといて、壁打ちの続きをすることにした。

 

金髪「スラーイス!」

 

うるせぇよまったく。金髪が放った打球、スライスするどころか大きくハズレ、コートからオレの方へ飛んでくる。うわぁ、マジで有能だなオレのサイドエフェクト。あれ、ものにも反応するって知った時、すげえ驚いたな〜。さて、あのボールどうするか

 

隼人「危ない!ヒキタニくん!?」

 

葉山は危険を察知したのかオレに向かって叫ぶ。そんな事わかってるんだよ。二宮さんの弾や透の狙撃と比べたら屁でもないぜ。でもどうするか…

 

オレは、飛んできた打球を最小限の動きでかわし、ラケットを持っている手とは反対の手で、ボールをキャッチする。

やべっ…条件反射でキャッチしたけど、これが弾や狙撃だったらやばい事になってたな。そう思いながら葉山達にボールを返した。そしてオレは壁打ちの続きをした。

 

隼人「えっと…ありがとう」

 

葉山が何やら言ってるが無視だ。

 

そして時間は過ぎ昼休み。オレは玲が待つベストプレイス向かっていると…

 

荒船「おお、比企谷」

 

八幡「あ、ども荒船さん」

 

この前にB級ランク戦をしていた。荒船さんとばったり会った。

 

荒船「何してんだ?」

 

八幡「オレは玲とご飯を食べるため、玲が待ってる場所に行こうとしている途中です」

 

荒船「ああ、なるほどな。仲良いなお前と那須は」

 

八幡「ありがとうございます。そうだ荒船さんあの話本当なんですか?」

 

荒船「ああ、本当だ。もうちょい先だけどな」

 

この人は将来的にパーフェクトオールラウンダーになるためアタッカーをやめるとか言ってた。確かスナイパーになるって言ってたな。でもそうなると……

 

八幡「でも大丈夫なんですか?全員スナイパーになっちゃいますけど」

 

何故かオレはスナイパーの天敵らしい。何故ならオレのサイドエフェクトはこうも呼ばれている。『スナイパー殺し』と、いや誰が付けだだよその名前。いや、確かにサイドエフェクトでスナイパーの位置分かっちゃうけどよ。

 

荒船「中々ないスタイルだろ?そのうちお前の脳天をぶち抜いてやるから覚悟しろ!」

 

八幡「透でも無理なのにできるんですか?」

 

荒船「クソ生意気だなコラ」

 

そう言いながら荒船さんは、オレにヘッドロックをかける。これ意外と痛いんだよな。でもこれは荒船さんなりの愛情表現らしいが。

 

荒船「まぁ、そのうちお前の脳天ぶち抜いてやるからな」

 

八幡「そうならない事を祈っときたす」

 

荒船「フッ、ホントクソ生意気だな。でもまた一緒にラーメンでも食べに行こうぜ」

 

八幡「はい、ありがとうございます」

 

荒船「じゃあな」

 

八幡「はい」

 

荒船さんと別れベストプレイスに急ぐ。玲を待たしてるからな。

 

八幡「悪い玲遅れた」

 

玲「ううん大丈夫だよ。私も今来たところだから」

 

八幡「そっか…じゃあ」

 

八幡・玲「「いただきます」」

 

オレと玲は弁当を食べる。

 

八幡「あ、さっき荒船さんに会ったんだけどな。あの話本当らしいぞ」

 

玲「え?そうなの?そっか荒船さんスナイパーになるんだね」

 

八幡「ああ、みたいだぞ。その時荒船さん『そのうちお前の脳天ぶち抜いてやる』って言ってた」

 

玲「なんだか荒船さんらしいね」

 

八幡「だな」

 

そして弁当を食べ続ける。するとひゅうっと風が吹く。この風がまた気持ちいいのだ。

 

玲「ここの風、やっぱり気持ちいいね」

 

八幡「ああ、そうだな」

 

臨海部に位置するこの学校はお昼を境に風の方向が変わる。朝方は海から吹き付ける潮風が、まるでもといた場所へ帰るように陸側から吹く。この風を感じながらオレと玲は弁当を食べ進める。

 

結衣「あれー?ヒッキーじゃん」

 

ん?あーなんだ由比ヶ浜か。

 

結衣「なんでこんなとこいんの?」

 

八幡「オレはいつもここで玲と一緒に飯食ってんだよ」

 

結衣「え?…わぁ!?那須ちゃん!?」

 

え?気づいてなかったの?玲ってオレより影薄い?そんな事ねぇよ。玲はオレより影薄くないぞ。

 

玲「こんにちは由比ヶ浜さん」

 

結衣「え?なんで那須ちゃんも一緒なの?」

 

玲「なんでってそれは私がハチくんの彼女で、一緒にお昼を食べたかっただけだよ」

 

結衣「え…」

 

何やら驚いた表情になり、数秒沈黙が続いた。そして……

 

結衣「ええぇーーーー!?」

 

うるさいよあんた。なんでそんなに驚いてるんだよ。

 

結衣「え?2人って付き合ってたの?」

 

玲「うん、そうだよ。あれ?言ってなかったけ?」

 

結衣「聞いてないよ!?なんで黙ってたの?」

 

八幡「いや、聞かれなかったから」

 

実際聞かれなかったし、言う必要ないとオレは思ってたし。

 

結衣「そ、そうなんだ。…因みにいつから?」

 

玲「中学の卒業前かな」

 

結衣「へ、へぇ〜、そうなんだ……アハハハ…」

 

由比ヶ浜はなんだか引きっった顔になりながら納得したようだ。

それよりも

 

八幡「お前何しに来たんだ?」

 

結衣「え?…あー、実はねゆきのんとジャン負けー。罰ゲームってやつ?」

 

八幡「へー、罰ゲームね。もしかしてオレと話すことがですか…」

 

結衣「ち、違う違う!ただジュースを買ってくるだけだから!」

 

玲「もう!ハチくん!そんな事言わない約束でしょ!」

 

八幡「あ、悪い。まだ昔のクセが治ってなかった」

 

玲「もう…」

 

結衣「あはは……ハァ…あっ!さいちゃーん!」

 

知り合いに会ったのか由比ヶ浜はテニスコートに向かって手を振っている。

そのさいちゃんという人物は由比ヶ浜に気づくと、とててっとこちらに向かって走り寄ってくる。

 

結衣「よっす。練習?」

 

???「うん。うちの部、すっごい弱いからお昼も練習しないと。昼休みにテニスコート使っていいって最近OK出たんだ。那須さんと比企谷君と由比ヶ浜さんはここで何しているの?」

 

ほう…オレの名前を知ってるとは珍しいな。

 

結衣「いやー、別になにも」

 

いや、オレと玲はここで飯食ってるし、あんた確か罰ゲームの途中だよね?もう、忘れちゃったの?鳥頭なの?

 

結衣「さいちゃん、授業でもテニスやってるのに昼練もしてるんだ。大変だね〜」

 

???「ううん。好きでやってることだし。あ、そういえば比企谷君、テニスうまいよね」

 

玲「そうなの?」

 

???「うん、フォームがとっても綺麗で、ラリーもすごく続いててすごいよ」

 

玲「へぇ〜、すごいねハチくん」

 

八幡「いやー、はっはっはっ。で?誰?」

 

結衣「はあぁ!?同じクラスじゃん!信じらんない!」

 

八幡「いや、オレクラスの奴と関わりがないからな。だから知らない」

 

彩加「あはは、じゃあ自己紹介からだね。ぼくの名前は戸塚彩加。同じクラスだよ」

 

まさかぼくっ子だと!?

 

八幡「スマンなさっきも言ったがクラスの奴らと関わりがないし、女子とのもあんま関わってないからな」

 

彩加「えっと…ぼく男なんだけど」

 

八幡・玲「「え?」」

 

どうやら玲も同じで戸塚のことを女子だと思っていたらしい。

 

八幡「あー、なんか悪いな。嫌な思いさせて」

 

玲「私もてっきり女の子だと思っちゃって。ごめんなさい」

 

彩加「ううん、別いいよ。気にしてないから」

 

良かった〜。

 

すると昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴った

 

彩加「戻ろっか」

 

戸塚がそう言ってクラスに戻る。オレと玲もそれにつられクラスに戻る。そして由比ヶ浜も戻ろうとした時オレは由比ヶ浜の方を

振り向き

 

結衣「ヒッキー?どうしたの?」

 

オレは由比ヶ浜は絶対に忘れているであろう事を言う

 

八幡「お前、ジュースのパシリは?」

 

結衣「はぁ?…あっ!」

 

やっぱコイツアホだわ。今更確信したがコイツは、絶対にアホだ

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

数日が経ち再び体育の時間

 

今日も1人で壁打ちをする。まぁ、その場で1歩も動かずにひたすら壁とラリーするだけだけどね

明日の授業からはしばらく試合入るらしい。最後だから目いっぱい打ち込んでやろうと思った瞬間、ちょんちょんと肩をつつかれた。

 

誰だ?オレに話しかける奴なんているんだな。もしかして幽霊?もしかしてオレ、ウオッチ使いに!?いや、それはないか。1人で心の中で漫才しながら振り向くと右頬にぷすっと指が刺さった。

 

彩加「あはっ、ひっかかた」

 

そう可愛く笑う戸塚彩加がいた。

いや、そういうイタズラ行動が女子と勘違いされるのではないですかね。

 

八幡「どした?」

 

彩加「うん。今日さ、いつもペア組んでいる子がお休みなんだ。だから……よかったらぼくと、やらない?」

 

うん、それはいいんだけどね。上目遣いや頬を染めながら言わないで、男がやる行動ではないかさ。

 

八幡「ああ、いいよ。オレも1人だしな」

 

壁よ、ごめんな。打ってやれなくて…。壁に謝ってから答えると、戸塚は安心したように息を吐き、『緊張したー』と小声で呟いた。ちょっと、そんな事言ったらこっちも緊張しちゃうでしょう。…『ゾクッ!』何やら寒気がした。なんだ今の?

 

彩加「どうしたの?比企谷君」

 

八幡「あ、いや。なんでもない。じゃあやるか?」

 

彩加「うん、そうだね」

 

そして、オレと戸塚はラリー練習が始まる。やっぱり戸塚はテニス部だけあってうまい。

オレが壁相手に会得した正確無比なサーブを上手く受けて、オレの正面にリターンしてくる。それを何度も何度もやっていると、単調にでも感じたのか戸塚が話しかけてきた。

 

彩加「やっぱり比企谷君、上手だねー」

 

距離があるため、戸塚の声は間延びして聞こえる。

 

八幡「そうか?まぁ、友達と前にやったことがあるだけだしな」

 

彩加「そうなんだ」

 

伸び伸びの声をお互いだしながら、俺と戸塚のラリーは続く。ほかの連中が打ちミス受けミスを出す中、俺達だけが長いこと続けていた。なにこの優越感、ちょっと気持ちいい。

 

彩加「少し、休憩しよっか」

 

八幡「おう」

 

2人して座る。戸塚はオレの隣に座る。もう何も言わないことにした。

 

彩加「あのね、ちょっと相談があるんだけど…」

 

戸塚が真剣な様子で口を開いた。

 

八幡「どうしたんだ?」

 

彩加「うん。うちのテニス部のことなんだけど、すっごく弱いでしょ?それに人数も少ないんだ。今度の大会で3年生が抜けたら、もっと弱くなると思う。1年生は高校から始めた人が多くてまだあまり慣れてないし…。それにぼくらが弱いせいでモチベーションが上がらないみたいなんだ。人が少ないと自然とレギュラーだし」

 

八幡「なるほどな」

 

弱小部活にはありそうなことだと思う。

弱い部活には人は集まらない。そして、人が少ない部活にはレギュラー争いというものが発生しない。

 

休もうがサボろうが大会には出られて、試合をすればそれなりに部活をしている気分にはなる。勝てなくてもそれで満足という奴はけっして少なくないだろう。

そんな連中が強くなれるはずがない。

 

彩加「それで…比企谷君さえよければテニス部に入ってくれないかな?」

 

八幡「…それはなぜだ?」

 

彩加「比企谷君、テニス上手だし…。もっと上手になると思う。それにみんなの刺激にもなると思うんだ。あと…比企谷君と一緒だったら僕も頑張れるし…」

 

なるほどな。まぁ自分が必要とされているのは嬉しいんだが、オレの答えは決まっている。

 

八幡「スマンがそれは無理だ」

 

彩加「…そっかぁ、残念」

 

戸塚は残念そうな声で言った

 

八幡「悪いな」

 

彩加「ううん、ありがとう。比企谷君に相談して少し気が楽になったよ」

 

八幡「そっか」

 

 

 

そして部室

 

八幡「なぁ、ちょっと相談事されたんだけどよ」

 

雪乃「あなたに相談事?」

 

熊谷「比企谷に相談事なんて、ボーダー以外にあったんだ」

 

八幡「おいそれはどういう意味だ」

 

玲「まぁまぁ、それで?その相談事って?」

 

八幡「ああ、同じクラスで戸塚彩加って奴から相談されたんだけどな」

 

熊谷「ああ、あのテニス部の」

 

八幡「そうそう、そいつからなんだなが…」

 

オレが言いかけた瞬間、部室のドアが勢いよく開き

 

結衣「やっはろー」

 

由比ヶ浜は相変わらずアホらしく何処か抜けた顔をしていた。

 

だがその背後に、力なく深刻そうな顔をして入ってきた人がいる。

戸塚彩加だった。

 

彩加「あ…比企谷君」

 

俺と目が合った瞬間、暗くなっていた顔がまぶしい笑顔になった。えー何その笑顔…かわい…ゲフンゲフン

 

八幡「おう、どうしたんだ?」

 

結衣「今日は依頼人を連れてきてあげたの、ふふん」

 

由比ヶ浜は無駄に自慢げに胸を張って言っている。いや、お前に聞いてねぇよ。

 

結衣「やー、ほらなんてーの?あたしも奉仕部の一員じゃん?だから、ちょっとは働こうと思ったわけ。そしたらさいちゃんが悩んでる風だったから連れてきたの」

 

雪乃「由比ヶ浜さん」

 

結衣「ゆきのん、お礼とかそういうの全然いいから。部員として当たり前のことをしただけだから」

 

雪乃「由比ヶ浜さん、別にあなたは部員ではないのだけれど」

 

結衣「違うんだ!?」

 

熊谷「あ、そうだったんだ」

 

玲「てっきり自然に入ってるんだと思ってたけど違うんだ」

 

雪乃「ええ、入部届ももらってないし、顧問の承認もないから部員ではないわね」

 

結衣「書くよ!入部届ぐらい何枚でも書くよっ!仲間に入れてよっ!」

 

ほとんど涙目になりながら由比ヶ浜はルーズリーフに丸っこい字で「にゅうぶとどけ」と書いた。…それくらい漢字で書け。

 

熊谷「ねぇ、由比ヶ浜…」

 

結衣「ん?何?熊谷さん」

 

熊谷「『入部届け』ぐらい漢字で書きなよ」

 

結衣「え?漢字あるの?」

 

5人「「「「「え」」」」」

 

由比ヶ浜以外のオレ達は、由比ヶ浜が言った事に驚きを隠せなかった。マジかよ……ここまでアホなの?

 

雪乃「由比ヶ浜さん、入部届けの漢字は小学校で全部習うわよ」

 

結衣「え、そうなの?」

 

八幡「携帯で調べろよ」

 

結衣「え、うん」

 

こいつマジでどうやって総武受かったんだ?マジで不思議だ。

まぁ、そんな由比ヶ浜はほっといて

 

雪乃「それで?今日は何か御用かしら?」

 

彩加「あ、あの…、比企谷君にも相談したんだけど、うちのテニス部は弱いんだ。だから、部活を活気づけるるために、強くなりたいんだ…」

 

雪乃「なるほど…。つまりはあなたのテニスの技術向上ね。言っておくけれど、私たちはあくまで手助けするだけよ。強くなれるかどうかはあなた次第」

 

彩加「うん、それで僕が頑張って、少しでも部員のみんなの刺激になれば、嬉しいんだ…」

 

戸塚は拳を握って、答えた。

 

ほうこれは硬いな。そして責任感が強い。部員や部活のために一生懸命に頑張っている。そんな戸塚はそこらの男子より男子だ。

 

そんな戸塚の意思にオレはうたれた。

 

八幡「なるほどな。オレはこの依頼受けてもいいと思ってるけど、お前らはどうする?」

 

熊谷「私もいいと思う」

 

玲「私も」

 

雪乃「そうね。では戸塚君の依頼を受けましょう」

 

彩加「みんな…ありがとう」

 

結衣「良かったねさいちゃん」

 

彩加「うん!」

 

そしてその後オレは生徒会室に行きテニスコートの使用の申請をしに行った。まぁ、生徒会室には綾辻がいたからちょっと楽だったけど。

 

 

そして次の日の昼休みから練習が開始された。オレは助っ人を1人呼んでいた。それは…

 

奈良坂「八幡来たぞ」

 

八幡「おう、悪いな昼休みに呼び出して」

 

奈良坂「構わん。八幡の頼みだしな」

 

八幡「サンキュー助かる」

 

玲「透くんありがとう」

 

奈良坂「大丈夫だ」

 

結衣「え?ヒッキーと那須ちゃんって奈良坂君と知り合いなの?」

 

八幡「ああ、オレと透は親友で」

 

玲「私とは従姉弟なの」

 

結衣「え?そうなんだ。それよりもヒッキーに友達いたんだ」

 

八幡「おれにもいるっーの」

 

こいつ割と失礼だなおい

 

雪乃「ごめんなさい奈良坂君手伝ってもらって」

 

奈良坂「構わん。俺で良ければ手伝う」

 

これは心強い。ホント透とは親友になれて良かった。

 

それから戸塚は基礎体力がないそうなのでまずは走り込みと筋トレから始まりその後球出し練習といった感じだ。まぁ昼休みでできるのはこのあたりが関の山だろう。

練習はなぜか由比ヶ浜も参加していた。オレと透そして熊谷も参加だ。

戸塚は運動部なだけあり由比ヶ浜より走れるがまだ体力がない。オレは普段から走ってるから余裕だ。透と熊谷もそれなりに体力はあるから普通に走れてる。走り終えると休まず筋トレだ。戸塚と由比ヶ浜は体力がないのかちょっとキツそうだ。透と熊谷もまだ余裕らしい。筋トレも終わり少し休憩

 

結衣「ヒッキーと…奈良坂君と…熊谷さんって結構体力あるんだね…」

 

由比ヶ浜はちょっと驚き息を整えながら聞いてきた。

 

八幡「まぁな、鍛えてるからな」

 

奈良坂「俺も」

 

熊谷「私も」

 

オレと透と熊谷は体は鍛えてるが、汗は当たり前のようにかく。

 

玲「はい、ハチくん、透くん、クマちゃん、タオル」

 

八幡「サンキュー」

 

透「ありがとう」

 

熊谷「ありがとう玲」

 

オレと透と熊谷は玲からタオルを受け取り汗を拭く。

 

それから球出しで練習が始まる。由比ヶ浜と熊谷が交互にあっちやこっちに球を出し戸塚がそれを食らいついて返す練習。

しばらくやっていると戸塚が球を取り損ね転ぶ。

 

結衣「うわ、さいちゃん大丈夫!?」

 

由比ヶ浜は手が止まり、ネット際に駆け寄る。

 

彩加「うん、大丈夫だから続けて」

 

雪乃「まだ、続けるの?」

 

彩加「うん…みんな付き合ってくれるから、もう少し頑張りたい」

 

雪乃「…そう。わかったわ」

 

そう言って雪ノ下は、くるっと周り元いた場所に戻っていた。

 

するとオレのサイドエフェクトが反応した。

後ろから誰か来るっと言っている。

 

「あ、テニスしてんじゃん、テニス!」

 

 

ウチのクラスの上位カースト面々が現れたのだ

 

 

 

 




いかがでしたか?ではまたお会いしましょう〜


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第7話

どうもチャキです!第7話どうぞ!


八幡side

 

「あ、テニスしてんじゃん、テニス!」

 

オレ達がベンチに向かおうとした時、オレのサイドエフェクトが反応し後ろからウチのクラスの上位カーストの面々達がいたのだ。何しに来たんだよ。えっと葉山と金髪ロール女子がいた。え?なにあの髪型ボーダーでも見ないよ。

 

金髪ロール「ねぇ戸塚、あーしらも遊んでもいい?」

 

彩加「三浦さん、僕別に遊んでるわけじゃなくて…練習を」

 

金髪ロール「え?なーに、聞こえないんだけど」

 

戸塚の小さすぎる抗弁が聞き取れなかったのか、声に押されて黙ってしまう。

このままじゃ、押し負けてコートが使われるな。それだけは阻止しねぇと。

 

八幡「悪いがお引き取り願おうか。オレらは練習してるんだ。遊んでるわけじゃない」

 

金髪ロール「はぁ?あんたいきなりなに?部外者は引っ込んでなよ」

 

おうおう、怖い怖い。でもオレはそれぐらいじゃあビビらねぇぞ。だって二宮さんの方が怖いもん。

 

八幡「オレらは部外者かもしれねぇが、戸塚から練習に付き合ってくれと正式に依頼されてんだ」

 

金髪ロール「ふーん、じゃああーしらも付き合うからいいよね?」

 

ハッ!何言ってんだか

 

八幡「ダメに決まってるだろ。お前らはただ遊びたいだけだろ」

 

隼人「まぁまぁ、そんなケンカ腰にならなくても…」

 

葉山が仲裁に入った。もうそのままあいつら連れて帰れよ。時間の無駄だってーの。

 

隼人「ほら、皆でやった方が楽しいしさ。そういうことでいいんじゃない?」

 

はい?コイツ何言っちゃってるのマジで。話聞いてた?その耳は飾りか?

 

八幡「あのな、戸塚はな部活や部員のために一人で頑張ってるんだぞ。何も知らねぇくせに皆で楽しくとか軽々しく言ってんじゃねぇよ」

 

後ろの方で玲と熊谷、それに透は頷いていた。うわぁお息ぴったりだねー。そんな事よりも、さっきから黙ってるけど何も言い返せないの?だったらそいつら連れてきて帰れよ。

 

隼人「じゃあこうしないか?部外者同士で勝負。勝った方が明日からテニスコートが使える。もちろん戸塚の練習にも付き合う。強い人と練習した方が戸塚のためにもなるからな。どうだ?」

 

ほう…オレに勝てるとでも?透ですらオレに勝ったことないのに。ていうかお前じゃあオレに勝つどころか透にすら勝てないだろうな。

 

八幡「一つ聞く。お前らが勝った場合、毎日昼休み戸塚の練習に付き合う事になるだろ?言っとくが戸塚は部活を活気づけたいという一心で強くなりたいとオレ達に依頼したんだ。その依頼の責任をお前らは果たす覚悟ができてんのか?」

 

隼人「……ああ、もちろん」

 

なるほどな。それを聞き後ろにいる玲達に目線でどうする?と聞くと…雪ノ下は、頷いた。受けろと言うことか、まぁ、さっさと勝って退場して貰おうかな。

 

「HA・YA・TO!フゥ!HA・YA・TO!フゥ!」

 

ギャラリーのコールのウェーブが始まった。どうでもいいけど、葉山の名前ってはやとって言うんだな、まっ、どうでもいいけど。でもまるっきりアイドルのコンサートだ。いつの間にそんな沢山集まったの?

 

あれ?よく見ると他のボーダーの方々もいるではないですか……

そう思いオレは透に聞く

 

八幡「なぁ、なんでアイツらもいるの?」

 

透「オレに聞くなよ」

 

ですよね〜。

 

三上「比企谷君、がんばれー」

 

宇佐美「頑張って比企谷君」

 

真由「絶対勝ちなよ!」

 

水川さんあんた怖いよ。そんな中葉山はコートの真ん中に立っている。おうおう、慣れてますな。というかなんでオレが出る前提?いや、出るけどね。すると由比ヶ浜が…

 

結衣「ね、ヒッキー、どうすんの?」

 

八幡「は?なにが?」

 

結衣「いや、誰が出るのかなって」

 

八幡「それならオレが出るから、安心しろ」

 

結衣「勝てるの?」

 

八幡「まぁ、見とけって」

 

透「頼んだぞ八幡」

 

八幡「おう」

 

熊谷「ちゃっちゃとやっつけちゃいな」

 

雪乃「お願いね」

 

玲「頑張ってハチくん」

 

八幡「ああ、任せろ」

 

金髪ロール「ねー、はやくしてくんないー?」

 

 

うるせーなと思って顔を上げるとラケットをもってコートに立っていた。それを意外に思ったのはオレだけではなく、葉山も同様だったようだ。

 

隼人「あれ?優美子もやんの?」

 

金髪ロール「はぁ?当たり前だし。あーしがテニスやりたいっつったんだけど」

 

隼人「いや、でも向こう男子が出てくるんじゃないか?あのー、ヒキタニ君だっけ。ちょっと不利になるんじゃない?」

 

だから誰だよヒキタニ君って。そんなやつここにはいない。あと別に不利にならないからこのままで十分なんだけど。むしろいいハンデまである。それと名前間違えないで、オレはヒキタニではなくひきがやだ。それを聞いた玲達は葉山をバレないように睨んでいた。あ、今思い出したけどあの金髪ロール、確か三浦だっけ

 

優美子「あ、じゃ、男女混合ダブルスでいいじゃん。うそやだあーし頭いーんだけど。っつってもヒキタニ君と組んでくれる子いんの?とかマジウケる」

 

三浦が甲高い下品な声で笑うと、ギャラリーにもドッと笑いが起こった。それ以上言ったらマジで玲が怒るからマジでそれだけはやめてよ。まぁ、その余裕の顔が絶望の顔にしてやる。ま、その前に……

 

八幡「熊谷〜、頼むわ」

 

熊谷「ハァ〜、仕方ないね。分かったよ」

 

そう言いながらテニスコートに入る熊谷。あれ?熊谷さん?あなたちょっとすごいオーラ出てますけど大丈夫ですか?でも三浦はテニスウェアに対し熊谷は体操服である。まぁ、これもちょっとしたハンデだ。

そんな光景を見た三浦は驚いていた。いや、なんでだよ

 

八幡「それじゃあ、始めようぜ」

 

楽しい楽しいゲームをな…

 

隼人「あ、待ってヒキタニ君」

 

八幡「あ?なんだよ」

 

隼人「俺、テニスのルールとかよくわからないんだ。ダブルスだと余計難しいし」

 

八幡「ハァ…分かったよ。じゃあ適当に打ち合って点取りあえばいいだろ。細かいルールは無しだ」

 

隼人「分かった。じゃあ先に11点取った方が勝ちということでいいかな?」

 

八幡「あーもう、それでいいわ」

 

適当に返しさっさと始める

 

優美子「ねぇ、先に言っとくけどあーし手加減とかできないから、後で泣いても許さないから」

 

ほう、なかなか自信がお有りで…すると熊谷が

 

熊谷「あー、そう言うのいいからさっさと始めよ」

 

おう、なかなかの塩対応ですな熊谷さん。もしかして怒ってる?

 

優美子「なっ!調子に乗るなし!」

 

おうおう、あちらさんも怒ってらしゃる。そして三浦のサーブから試合が始まる。三浦のサーブは先程塩対応された熊谷に向かって打つ。ホントわかりやすいな。そしてそのサーブを熊谷は難なく打ち返す。打ち返したボールは葉山に行きそれに葉山も打ち返す。そしてそのボールはオレの元に来たのでオレも難なく打ち返す。実際三浦はすごいがまだまだだ。あの三バカの方がマシだな。そう考えながらラリーは続く。そしてまたオレの元にボールがきたのでさっきよりも強い力で打ち返す。するとそのボールは葉山の元にいき葉山は打ち返したがネットに当たりオレ達の点になった。

 

まずは1点。そしてサーブ権は交替制なので次はオレ達のチームからだ。オレからサーブして再開する。そんな戦いを見ていた後ろの方では……

 

結衣「ヒッキーと熊谷さんすごい。あの優美子と互角に戦ってる」

 

玲「なんですごいの?」

 

結衣「だって優美子中学の時県選抜選ばれてるんだよ。その優美子と戦えるってすごいよ」

 

玲「そうなんだ」

 

奈良坂「まぁアイツらが負けないような相手ではないからな」

 

雪乃「そうね」

 

 

そして試合は進み6-4で今は負けている。というよりオレと熊谷は手を抜いている。本気出してまでやることでは無いからな。

すると……

 

優美子「ねぇ、今負けてるけど大丈夫?」

 

と軽くオレ達を挑発してくる。そんな手には乗らんけど。オレは無視してサーブをする。

 

再び後ろの方では……

 

結衣「ねぇ、ヒッキー達負けてるけど本当に大丈夫なの?」

 

玲「大丈夫だよ。由比ヶ浜さん」

 

結衣「でもさっき奈良坂君言ってたじゃん。ヒッキー達が負けるような相手じゃあないって」

 

奈良坂「落ち着け。確かに今は負けているが大丈夫だ。まぁ、見とけ」

 

雪乃「由比ヶ浜さん、大丈夫よ」

 

結衣「ゆきのんまで…わかった。皆がそこまで言うなら最後まで見てる」

 

オレからサーブしてから何度かラリーが続いていたが相手側の点になった。

 

優美子「やっぱりあーしらの相手じゃあなかったね〜」

 

と言ってくる。本当は本気を出すつもりではなかったが、今ので完全に相手というより三浦はオレ達は自分より弱いと思っているはず。だったら今から本気出して目に物見せてやる。そう思いオレは熊谷にアイコンタクトをする。

 

八幡(どうする?本気だす?)

 

熊谷(そうだね。もういっその事本気出して、さっさと終わらせよ)

 

八幡(おう、わかった)

 

よし、これでオレと熊谷は本気を出すことに決定した。

そして次のサーブ権はアイツらだ。三浦が熊谷に向かってサーブを撃つ、そして熊谷がそのサーブをさっきよりも強い力で打ち返す。と言っても多分今までより強い力で打ち返した。そのボールがさっきより強く返されたことに気づいた葉山は……

 

隼人「くっ!」

 

言葉にして返してくる。多分あっちも強く返してきたんだろうが、オレも更に力を強くして打ち返す。そしてそのボールは三浦の元にいったが打ち返すことができずオレ達のポイントとなった。

 

葉山(な、なんだ急に力が強く…)

 

三浦(ま、まぐれだし!次は決めてやるし!)

 

さて次はこっちのサーブだな。ていうかほとんどオレがサーブしてるな。まぁ、いいけどよ。

 

そう思いながら1番強い力でサーブを打つ。

 

八幡「フッ!」

 

バコーン!

 

ボールは葉山と三浦の間の地面でバウンドし後ろの金網に勢いよく当たる。

 

隼人「なっ!」

 

優美子「えっ!?」

 

お2人は驚いている。後ろの由比ヶ浜も驚いていた。あとの3人は普通の顔で見ていたし、観客の方のボーダーの奴らも誰一人驚いてはいなかった。

 

さぁ、これで7-6だ。ちょっとだがだんだん差が縮んでいく。

アイツらの顔おもしれぇな。最初はオレ達に勝てると思って試合をしていたが急に点が取れなくなったからな。慌てるか?それと差を広げるためにヤケになりペースを乱すかどっちかだろうな。

 

まぁ、どっちでもいいがな。

 

そして後ろの方では…

 

奈良坂「もうアイツらが負けることはなくなったな」

 

玲「そうだね」

 

雪乃「ええ、そうね」

 

結衣「…すごい」

 

由比ヶ浜はかなり驚いているみたいだ。

 

そして次のサーブは葉山がするみたいだ。葉山がサーブをする。そのサーブはオレの方にくるが見切れる速さなので簡単に打ち返す。そして三浦がその返ってきたボールを打ち返す。

なかなかやるな…だがそのボールを熊谷が打ち返す。打ち返したボールは葉山と三浦の間にいき2人はどっちが打つか悩んだのか両者とも止まり、慌ててうち返そうとしたが打ち返すことができずオレ達の点になり7-7同点だ。

 

次は熊谷がサーブをする。熊谷も力強くサーブをしそのサーブを打ち返すが、すかさずオレが打ち返し葉山と三浦は反応できずオレらの点になり、7-8で勝ち越した。

 

周りはざわざわし始めた。

まぁ、オレと熊谷は鍛えてるし、日々様々な弾を食らってるから対応出来る。オレは主に二宮さんだけど

 

するとポーンポーンとリズムよくボールを地面につける三浦。

 

優美子「今謝るなら許してやるし!」

 

そう言ってサーブを打ってくる。おやおや、何をいってらしゃっるのやら…お前ら今負けてるんだぞ。そのサーブはさっきまでより速かったが、それを難なく打ち返す熊谷。そしてまた点が入り、7-9となった。勝利まであと2点だな。

 

さて次はオレからサーブを打つ。そうだなぁ〜、あれやるか。

オレはそう思いサーブをした。でもただのサーブでは無い。それはジャンピングサーブをしたからだ。あ、言っとくけど力は結構入れてやったよ。

 

バッコーン!

 

そしてオレが打ったジャンピングサーブに反応できずまたオレらの点になった。よし、これでラスト1点だな。

 

優美子「…ウソ」

 

隼人「そんな…」

 

あらら?ちょっとやりすぎたか?でも力の差を見せつけるためだ。こっから勝ち越すのは無理だろ。だってあの2人息上がってるんだもん。なんでか言うとオレ達のボールを打ち返すため葉山と三浦はコート左右に移動しながら打ってるからだ。オレと熊谷はそんなに動いてないのもあるし、日頃鍛えてるからそんな簡単に息は上がらない。

 

そして三浦は息を整えながらサーブを打つ。それを熊谷が返しそれを葉山が返す。その返ってきたボールを全力で打ち返す。その打ち返したボールを必死に食らいつく三浦だったが、打ち返す事ができずオレ達の点になり試合終了となった。

 

すると熊谷が

 

熊谷「フゥ…あまり運動にもならなかったな」ボソッ

 

とオレにだけ聞こえるように言い玲達の所へ戻る。まぁ、確かにあんまり運動とは言えなかったな。あの三バカの方が運動になる。

 

八幡「さて試合終了だ。約束通りこっちが勝ったんださっさと出ていけ」

 

すると三浦はこっちを睨んでいた。はぁ?なんだよ約束だろ?

まったく約束も守れねぇのかよ。

 

八幡「約束は約束だ。それとも何か?お前は約束も守れねぇのか?まったく駄々こねてんじゃあねぇよ」

 

オレはそう言って玲達の所へ戻る。もうすぐしたら昼休み終わってしまうからな。と思いコートを出る瞬間…

 

隼人「優美子!」

 

奈良坂「八幡!」

 

悲痛な声が聞こえた。振り返ってみると三浦がラケットを振りかぶっていた。透も咄嗟に危険だと言うことをオレに伝えてくれた。まぁ、分かっていたがなサイドエフェクトの影響で。

そのラケットは簡単に避けれたが、あの野郎に自分がどんなことをしたのか知ってもらうためと、もしオレが避けた時に後ろにいる玲達にケガをされたくなかったからだ。

 

そしてオレの頭に痛みが走る。

 

八幡「いっつ〜!」

 

玲「っ!ハチくん!」

 

奈良坂「八幡大丈夫か!」

 

彩加「比企谷君!」

 

熊谷「比企谷!」

 

雪乃「っ!」

 

結衣「ヒッキー!」

 

そう言って玲と透と熊谷と戸塚はオレの方に寄ってくる。雪ノ下は、口に手を当てている。あ〜、やべぇ頭から血が出てきたな。まぁ、当たり前か。クソ、あいつマジでどうしてやろうかな〜。…とその前にめっちゃ黒いオーラを出している玲を止めなくてはいけない。

 

八幡「透、熊谷、玲を落ち着けさせてくれ」

 

熊谷「わ、分かった。ほら玲落ち着いて、怒る気持ちは分かるけど、一旦落ち着いて」

 

透「そうだ玲。落ち着け」

 

玲「そこをどいてクマちゃん、透くん。あの人、私のハチくんに酷い怪我をされた。だから…」

 

八幡「玲、落ち着いてくれ」

 

玲「ハチくん…」

 

八幡「オレも言いたいことがあるし」

 

玲「…分かった」

 

八幡「おいてめぇふざけてんのか!?人に物を投げるなんてよ!今は頭に当たったけど、もし目とかに当たってたらどうするつもりだったんだよ!」

 

隼人「ま、まぁまぁ、優美子も悪気はなかったんし、許してくr「ふざけないで!」っ!な、那須さん?」

 

あ、どうやら熊谷と透は玲を止めることができなかったらしい。

 

玲「今ハチくんが言ったようにもし目とかに当たってたらどうするの!?酷かったら失明してたかもしれないんだよ!もしそうなってたら私はあなた達を絶対に許さないから!」

 

隼人「で、でも実際に目には当たってないんだしさ。そんなに怒らなくても「葉山、お前ふざけてんのか?」え?」

 

葉山の言葉を聞いた透が

 

透「確かに実際に八幡の目には当たってなかったが、ケガをしたのは事実だろ。それなのに悪気はなかった?悪気がなかったら何をしていいって言うのかお前は」

 

葉山「い、いや。そういうつもりじゃあ」

 

熊谷「じゃあどういうつもりなの?教えてよ」

 

あ〜、結局みんなで言うのね。いや、オレのために怒ってくれるのは嬉しいよ。でもね傍から見るといじめみたいだよ?

 

葉山「あ、いや…それは…」

 

あの葉山ですらあの様子。このままじゃあアイツらももたんし、こっちもイライラが止まらねぇだろな。それに玲が心配だしな。

 

八幡「もういい。さっさとそいつら連れてどっか行け。もうこっちはウンザリだ」

 

隼人「…分かった」

 

葉山はそう言って去ろうとすると…

 

熊谷「ちょっと言うことあるんじゃないの?」

 

と熊谷が言う。

 

隼人「っ!あ、ああそうだったな。戸塚、ヒキタニくん。すまなかった」

 

彩加「う、ううん。いいよもうしないでね」

 

戸塚は許してた。

葉山はきっちり90°のおじきをしテニスコートから出る。そのあとを三浦がついて行こうとした瞬間

 

熊谷「ねぇ、三浦。あんたもでしょ。何戻ろうとしてるの?」ギロッ!

 

優美子「ひっ…分かった。戸塚…ヒキタニ…ごめん」

 

ちょっと震えながら謝罪した。

 

八幡「分かった。じゃあもうさっさといけ」

 

そして三浦は同じグループに連れられ帰っていた。

 

 

そして片付けなのだが、オレは今玲と一緒に保健室にいる。なぜって?そりゃオレの頭のケガの治療をするからだ。透達から『片付けは俺達でやっとくから八幡は、そのケガの治療してこい』と言われ玲に連れてこられた。

 

玲「はい、これでいいよ」

 

玲に治療してもらった。

 

八幡「サンキュー玲」

 

玲「ううん気にしないで。けどもう大丈夫?」

 

八幡「ああ、大丈夫だ」

 

玲「そっか…よかった〜」

 

玲は胸を撫で下ろす。かなりオレの事を心配してくれたみたいだ。あのラケットをわざと当たったがまた、オレは玲を悲しませた事に後悔している。なのでオレは玲の頭にポンッと手を置き。

 

八幡「すまんな玲。あれはその…わざと当たったんだ」

 

玲「え?」

 

八幡「アイツらがどんなことをしたのか知ってもらうためにやったんだ。でも、わざととはいえ玲を悲しませてしまった」

 

玲「そっか。そうだったんだね。言ってくれてありがとう。でももうしないでね。約束だよ」

 

八幡「ああ」

 

もうしない。もしするとしたら相談とかしないといけないな。あ、そうだ。

 

八幡「なぁ、玲。お詫びとしてさ何かして欲しい事があったら言ってくれ。オレに可能ならやるからさ」

 

玲「ホント?じゃあ今度の休みにさ久しぶりにデートしない?」

 

八幡「ああ、それでいいならいいぞ」

 

玲「ホント!?やった!」

 

そう言って嬉しそうに笑う玲。うん、やっぱり玲は笑顔の方がいいな。

 

玲「ちょっと前までお互い忙しかったし、学校とかでは会うけど、デートはできなかったから」

 

八幡「ああ、確かにそうだったな」

 

そうちょっと最近までお互い忙しかったのは事実だ。でも今はあんまり用事もないのでこれを機にデートをするのもいいかもな。

 

玲「じゃあそろそろ戻ろっか」

 

八幡「そうだな」

 

そしてオレと玲はそれぞれのクラスに戻った。

そして今度の休みが楽しみだ。

 

 

 

 

 

 




いかがでしたか?ではまたお会いしましょう〜


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第8話

どうもチャキです!第8話どうぞ!


八幡side

 

あのテニスの一件から数日が経った。あの金髪2人、まずは三浦はオレにラケットを投げけがを負わせた事により2週間の停学になり、葉山は連帯責任みたいな感じで部活を1週間停止となった。葉山もバカだと思う。あの時三浦を止めて帰っていればこんな事にならなかったのに。と言うよりオレが報告した訳ではなく何故かもう綾辻知ってたらしい。多分あのテニスを観戦していた人が言ったんだろう。けどそうなると水川が言ったんだろう。

 

さて今オレは駅前の時計塔の前で人を待っている。その人物は多分分かると思うが……

 

「ハチくんお待たせ。待った?」

 

すると横から綺麗で透き通る声が聞こえそっちを向くと、淡いピンクのスカートに白いシャツに薄いカーディガンを羽織っており、手には小さいカバンを持ったオレの彼女那須玲がいた。

 

八幡「いや、オレも今さっき来たところだ」

 

嘘です。30分位前に来ました。今日は前に約束していたデートの日なのだから。

 

八幡「でも今日はホントに待ち合わせでよかったのか?迎えに行かなくて」

 

玲「うん、せっかくのデートなんだし待ち合わせの方が雰囲気でるじゃあない」

 

八幡「まぁ、それもそうだな」

 

確かにデートといえば待ち合わせをするという感じだな。

 

玲「ねぇ、ハチくんどうかな?今日の服」

 

八幡「ああ、似合ってるぞすごく」

 

玲「そっか、ありがとう」ニコッ

 

そう言って嬉しそうに笑う玲。やっぱり可愛い。

 

八幡「じゃあ行くか」

 

玲「そうだね」

 

目的地であるショッピングモールまで電車で移動しなくちゃならない。だから駅の方へと移動しょうと思った時、玲がオレの腕に自分の腕を絡ましてくる。

 

八幡「れ、玲?」

 

玲「な、何?」

 

八幡「きゅ、急にどうした?腕を絡ませて…」

 

玲「いいじゃん。だってい、いつもは学校とかボーダーとかでは、できなかったからこういう時ぐらいしたいと思って…そ、それに私達まだ腕組むの慣れてないんだしこれを機に慣れたらなと思って…///」

 

ぐ、ぐはぁ!?ちょっと上目遣いは卑怯ですよ玲さん。しかも顔を赤くしてさ…もう可愛すぎるだろ!

 

八幡「そ、そうだな…いいと思うぞ///」

 

玲「うん///」

 

八幡「じ、じゃあ改めて行くか」

 

玲「う、うん」

 

オレ達は駅の方へと歩く。さすがに改札を通る時は腕を組む訳にはいかないので一旦離れ通ったすぐにまた腕を組む。腕組みは確かに慣れてはいないが、ちょっと周りの視線が気になって恥ずかしいな。そして少し雑談していると電車が来たので電車に乗る。休みの日だが電車の中はちょっと空いている。多分時間の差だと思うがな。

 

八幡「席空いているみたいだし座るか」

 

玲「そうね」

 

オレと玲は空いている席に適当に座りショッピングモールがある駅まで座った。電車の中なので他の人に迷惑にならないように喋るのは控えた。

 

そして目的地である駅に着き駅から出ると玲がちょっと恥ずかしそうにしながらオレと腕を組む。ちょっとそんなことしたらオレまで恥ずかしくなっちゃうでしょ。でも恥ずかしそうにしてる玲もまた可愛い。そんな事を思いながらショッピングモールをブラブラと雑談していると服屋の前にくると

 

玲「ねぇ、ハチくんここ入ってみていい?」

 

八幡「ん?ああいいぞ」

 

入ったのは女性ものの服屋だ。男性には辛い空間だろう。だがオレは彼女と一緒に入ってるし、しかも腕組んでるし、これでオレは店員に警戒されないで済むはずだ。って言っても気になるからチラッと店員の方を見ると店員と目が合ってしまったが店員は、ニコッとこちらを見た。どうやら警戒されてないようだ。よかった〜。

 

そして玲はオレと腕組みをやめて、服を手に取って眺めては戻しまた眺めて戻したりしている。まぁ、オレはあんま服の知識とかないからな。今着ている服は小町が選んだものだしな。

 

玲「ハチくん、これとこれどっちがいいかな?」

 

そう言ってオレに見せてきたのは水色のワンピースとこれもまたワンピースだが色は違ってベージュだ。

 

八幡「えっと…いいのか?オレ服に関しちゃマジでセンスないけど」

 

玲「うん、私はハチくんに選んで欲しいの。…ダメ?」

 

うっ…又もや上目遣い…クソォめちゃくちゃ可愛いじゃねぇか、オレの彼女!

 

八幡「そうだな。いつもちょっと雰囲気を変えて水色とかどうだ?」

 

玲「こっちね。じゃあちょっと試着してみるね」

 

八幡「おう」

 

玲はそう言って試着室へと向かった。オレは当然試着室の前で試着が終わるのを待つ。すると近くにいた店員が近づいてきてきた。

 

店員「あの〜すみません」

 

八幡「は、はい」

 

女性店員に話しかけられた。

 

店員「もしかて彼女さんですか?」

 

八幡「え、ええ。そうですが」

 

店員「とっても綺麗な方ですね」

 

八幡「ど、どうも」

 

店員「それにしても彼氏さん、いい目をしてますね。あの服は、今年の春に新調されたばかりの服で女子高生に人気なんですよ」

 

へぇ〜そうなんだ。あんまり考えてなかったな。あと目がいいって…腐ってますが……

 

八幡「そうだったんですね。ちょっとそういうのには疎いので、似合いそうな方を選んだだけですけど」

 

店員「それでもいいと思いますよ」ニコッ

 

そう言って笑う店員。とっても優しそうな人だな。

 

玲「どうかな?」

 

着替えが終わった玲がカーテンを開け感想を聞いてくる。オレはその姿に見惚れていた。ワンピース姿の玲は今日初めて見た。すげぇ似合ってる。

 

店員「うわぁ、すっごく似合ってますよ。ね?彼氏さん」

 

八幡「え、あ、ああ。すげぇ似合ってて可愛いぞ」

 

オレは店員の声で我に返りすぐに玲に感想を伝えた。

 

玲「そ、そっか///…ありがとう。…じゃあこれ買おっかな。お会計お願いします」

 

店員「はい!ではこちらへどうぞ〜」

 

玲はさっきのワンピースを持ってレジまで行き会計をしに向かった。でもさっきの玲のワンピース姿が忘れられない。

 

玲「お待たせハチくん」

 

八幡「お、ホントにそれ買ったんだな」

 

玲「うん、ハチくんが似合ってるって言ってくれたから」

 

ちょっとその言い方卑怯ですよ。

 

八幡「お、おう。そうかならよかった…」

 

玲「ふふっ、じゃあ行こっか」

 

八幡「そうだな、次どこ行く?」

 

玲「そうだね〜、あ、じゃあ次はハチくんの服見に行こ」

 

八幡「え?オレ?」

 

玲「うん」

 

八幡「いや、いいよ別に」

 

玲「だってさっきはハチくんが私の服選んでくれたから、次は私がハチくんの服選んであげる」

 

八幡「そうか?ならお願いしょうかな」

 

玲「うん!任せて!」

 

そしてオレ達は男性服屋に来ている。玲は言ってた通りオレに似合う服を選んでくれてる。

 

玲「う〜んやっぱハチくん黒のイメージがあるよね」

 

八幡「それは多分隊服のせいでは」

 

そう、我比企谷隊の隊服は黒だが少し白を混ぜたりしているがほとんど黒1色と言ってもいい黒だ。

 

玲「そうかもしれないね。でも他の色も試してみようか」

 

八幡「まぁ、いいけど」

 

それから玲から色んな服を渡され試着しては次の服を試着するというのが続いた。と言うよりオレは着せ替え人形かよ。でもオレの為に服を選んでいる玲はなんだか楽しそうなので、これはこれでいいと思った。

 

何回目かの試着で着替えていると外からなんか声が聞こえた。

 

店員「彼氏さんですか?」

 

店員だろう。声からして若い女性店員だな。さっき見たけど確かに女性店員もいたしさっきの服屋でも女性店員いたし、ていうか女性店員しかいないの?いや、そんな訳ないか。

 

玲「はい、そうですけど」

 

店員「やっぱりそうなんですね。お二人共仲良くて傍から見るとお似合いのカップルだなと思いました」

 

玲「そ、そうなんですか…ありがとうございます///」

 

聞こえてるよ。めっちゃ聞こえるだって試着室って言うけど、出入り口はカーテンがあるだけだからめっちゃ外の声聞こえるよ。ってかこっちまで恥ずかしくなってきたじゃあねぇか。

でもいつまでもここにいてもアレなんで、とりあえず出てみる。そこにいたのはやはり若い女性店員と顔が真っ赤になった玲だった。玲さんやそんなに顔を真っ赤にしたらこっちも恥ずかしくなって真っ赤になってしまうよ。

 

玲「あ、き、着替え終わったんだね。ど、どうかな?着心地の方は…?」

 

うん、かなり動揺してらっしゃるご様子。

 

八幡「まぁ、いいと思うけど似合ってるか知らん」

 

店員「いえいえ、とっても似合ってますよ。落ち着いた感じがすごくあってて、似合ってますよ。ね?彼女さん」

 

あれ?似たようなの聞いたことあるな。

 

玲「え、あ、うん。すごく…似合ってて…かっこいいよ」

 

八幡「っ…そ、そうか。さ、サンキュー」

 

玲「…うん」

 

え?ちょっと何この空気。思はず顔逸らしてしまったよ。

 

店員(あらあら、可愛いカップルだな〜)

 

玲「で、で?ど、どうする?その服」

 

八幡「あ、ああそうだな。気に入ったし買おうかな」

 

店員「わかりました。ではこちらへどうぞ」

 

玲「じ、じゃあ待ってるね」

 

八幡「おう」

 

そして会計していると店員が……

 

店員「綺麗な彼女さんですね。それに照れた顔も可愛いですね」

 

八幡「あ、どうも。ありがとうございます」

 

やっぱ玲は周りから見たら綺麗に見えるんだな。さっさと会計を終わらし玲の所へと戻る。

 

八幡「おう、待たせたな」

 

玲「ううん、大丈夫だよ」

 

服屋からしばらく歩くが時刻はもうお昼時

 

八幡「もう、そろそろ昼だな」

 

玲「あ、そうだね」

 

八幡「どっか行きたいところあるか?」

 

玲「そうだね〜。あ、あそこの店なんてどう?」

 

八幡「ん?あそか?いいんじゃねぇか。結構良さそうな店だし」

 

玲「うん、じゃあ行こっか」

 

店に入るとかなりオシャレな店内だった。2人だったので2人用の席に座った。

 

玲「ハチくん何頼む?」

 

八幡「う〜ん、そうだな。パスタ美味そうだな」

 

玲「ハチくんもパスタにする?」

 

八幡「ん?玲もパスタにするのか?」

 

玲「うん」

 

八幡「そっか、じゃあ店員呼ぶか」

 

店員を呼びオーダーをする。料理が来るまで雑談し待つ。雑談って言っても世間話やボーダーの話などをして待った。

 

店員「お待たせしました」

 

そうしていると店員が注文した料理を運んできた。

 

八幡「おお〜、美味そう」

 

玲「ホントだね。とっても美味しそうだね」

 

八幡「では、さっそく…」

 

オレは頼んだパスタを一口食べる。

 

八幡「うん、美味いな」

 

玲「ホント、美味しいね」

 

このパスタはトマトソースがかかっているが、このぐらいならオレでも食べられる。ん?よく見ると玲のパスタも美味そうだな。

 

八幡「なんだかそっちのも美味そうだな」

 

玲「そう?じゃあ食べてみる?」

 

八幡「お、いいのか?じゃあ…」

 

オレは持っていたフォークで玲のパスタを取ろうとした時、玲がパスタを引いてオレに取らせなかった。え?ちょっと玲さん?

すると玲が…

 

玲「は、はい。あーん///」

 

ふぁ!?え?

 

八幡「…えっと…玲さん何を…」

 

玲「な、何って、食べさせてあげようと思って…」

 

八幡「い、いや、自分で食べれるからさ…」

 

玲「い、いいじゃん。学校でお昼でもしてるんだからさ」

 

ま、確かに学校で一緒に昼食べてるし、たまにお互いに食べさせあいをしたりしてるけども。

 

八幡「わ、わかった。あ、あ〜ん///」

 

玲「っ!…う、うん。あ〜ん///」

 

八幡「あーん…うん、美味い」

 

玲「でしょ」

 

いや、ちょっと味がわからなかったです。確かに美味かったけどね。

 

玲「…じゃあハチくんのパスタも頂戴」

 

八幡「あ、ああ。いいぞほれ」

 

玲「あ、あーん///」

 

え?またですか!?…なるほどお返しという訳ですな。目を閉じ口を開けて待っている玲も可愛い。

 

玲「は、ハチくん?」

 

八幡「あ、ああ悪い」

 

考え事していたらいつまでたってもこないので、不思議に思った玲が呼んでいた。

 

八幡「ほ、ほれ。あーん///」

 

玲「あーん…うん、これも美味しいね」

 

八幡「そっか、口にあってよかった」

 

それからまた、食べさせあいをしたりした。ちょっと慣れてるとはいえまだ関節キスは慣れないな。しかもパスタの味もわからなかった。その後会計を済まし店を出る。会計は全部オレが出しました。

 

それから少しぶらついていると…

 

玲「あ、嵐山さんだ」

 

八幡「え?」

 

嵐山さんがこのショッピングモールにいるか?と思い玲が見ている方向を見るとそこには、テレビに映っている嵐山隊のみんながいた。

 

八幡「あ、テレビか。でもホント嵐山さん達はテレビとかによく出てるよな」

 

玲「そりゃあ嵐山さん達は広報だからね」

 

八幡「まぁ、確かにそうだな」

 

玲「ハチくんも一応忍田派なんだしやってみたらどう?」

 

八幡「それやったら死ぬぞ。…オレが。ていうかできねぇよ」

 

いや、マジでカメラ向けられたらやばい事になるからね。

 

玲「そうかな?ハチくんならすぐに慣れそうだけど」

 

八幡「いやだよ。やらねぇよ」

 

玲「やってみようよ…ね?」

 

そう言って首をコテンと傾げてくる。

 

八幡「そんなに可愛くお願いしてもこればっかりは無理だ」

 

玲「え!?かわっ!?……もうそれはずるいよ~///」

 

八幡「それは玲もだろ」

 

玲「むー」

 

八幡「膨れてもダメだぞ」

 

玲「…そっか〜、残念。テレビに出るハチくん見たかったな」

 

八幡「悪いな」

 

玲「ううん、大丈夫だよ。やるかやらないかは、ハチくんが決めることだしね。もしやることがあるなら言ってね」

 

八幡「もしやるならな」

 

玲「うん、約束だよ」

 

まったく…確か母ちゃんにもテレビ出ないのなんて言われてたな。確かにギャラはいいかもしれないがやっぱ無理だな。あ、そういえばこの前母ちゃん言ってた事玲にも言っとくか。

 

八幡「なぁ玲。この前母ちゃんがまたウチに遊びに来てねって言ってたぞ。いつでも歓迎するってさ」

 

玲「そうなの?じゃあまたその内にお邪魔させてもらおうかな」

 

八幡「そっか、じゃあそう伝えとくよ」

 

玲「うん、よろしくね」

 

八幡「ああ、多分小町も喜ぶと思う」

 

玲「ふふっ、そうね私にとっては妹みたいな感じだから」

 

八幡「そうだな。小町も玲のこと姉みたいに接してるからな」

 

前に言ってたな。『小町にお姉ちゃんができた〜』って言ってたな。あの時の小町本当に嬉しそうだった。

 

玲「そういえば私のお母さんとお父さんもまたウチに来てねって、言ってたよ」

 

八幡「そうか。まぁ、そのうちな」

 

玲「うん。私のお母さんとお父さんハチくんの事認めてるからいつでも歓迎するってさ」

 

八幡「ああ、わかった」

 

なるほど。玲の両親はオレの事認めてくれてるらしい。そう言って貰えてなんだか嬉しいな。

 

八幡「母ちゃんも玲の事認めてるって言ってたぞ」

 

玲「ホント?嬉しい」

 

お互いの親は子供の恋人の事認め合っているようだ。

そして場所は変わり本屋に来ている。ただなんとなく立ち寄っただけ。玲は前までは家で過ごすことが多かったから本を結構読む。今でも読んでいるらしい。

 

玲「あ、最新巻出てる」

 

玲がそう言って手に取ったのは有名作家の本だった。

 

八幡「へぇ〜、結構ページがあってかなり長いんだな」

 

玲「うん、長編中編下編があって今下編が出てるんだ」

 

八幡「ほーん、すげぇな」

 

玲「あとね、これ映画化するだよ」

 

八幡「へぇ〜そうなんだ」

 

玲「ねぇ、映画が公開されたら一緒に見に行こ?」

 

八幡「ああ、いいぞ。話聞いてたら読みたくなったし見たくなったらさ」

 

玲「ホント!約束だよ」

 

八幡「おう」

 

またデートの約束をした。映画公開が楽しみにだな。

 

八幡「オレも買って読もうかな」

 

玲「それなら私が貸してあげようか?」

 

八幡「お?いいのか?」

 

玲「うん」

 

八幡「じゃあ貸してもらおうかな」

 

玲「わかった。帰りに渡そうか?」

 

八幡「そうだな、そうするか」

 

玲「うん、わかった。じゃあ帰りに渡すね」

 

八幡「おう」

 

そして玲はさっき持ってた本を買いに行った。

 

 

 

そして1日というのは早いものだ。あっという間に夕方になっていた。オレと玲は再び電車に乗り最寄り駅で降り玲を家まで送った後、玲はさっき言ってた本を持ってきてくれた。

 

玲「はい、ハチくんこれだよ」

 

八幡「おう、サンキュー。できるだけ早く返すな」

 

玲「ううん、別にゆっくりでもいいよ」

 

八幡「ああ、わかった」

 

玲から本を受け取り帰ろうとした時…

 

???「あら?八幡君じゃあない」

 

八幡「あ、どうも」

 

玲「あ、お母さん」

 

家から出てきたのは玲のお母さんだった

 

玲母「玲を送ってくれたの?ありがとうね」

 

八幡「いえ、自分がそうしたかっただけなんで」

 

玲母「そう?でもありがとうね」

 

八幡「はい」

 

玲母「ふふっ、そんなに硬くならなくてもいいんだよ」

 

八幡「いえ、そういう訳にはいきません。玲のお母さんなんですから」

 

玲母「あら、お義母さんだなんて」

 

あれ?おかしいな。さっきおと母の間に義が入ってたような。

 

玲「もう!お母さん!」

 

玲母「あらあら、この子ったら妬いてるの?」

 

玲「違うよ!ほらハチくんも困ってるから」

 

八幡「はははっ…」

 

玲「は、ハチくん今日はありがとうね。楽しかった」

 

八幡「ああ、オレも楽しかった。また行こうな」

 

玲「うん」

 

八幡「それじゃあ行くわ」

 

玲「うん、また明日ね」

 

八幡「ああ、また明日な。お母さんもさよなら」

 

玲母「ええ、また遊びに来てね」

 

八幡「はい、ありがとうございます。それでは」

 

玲母「気をつけて帰ってね」

 

八幡「はい」

 

オレはそう言って家に帰った。

 

 

八幡「ただいま〜」

 

小町「あ、おかえりお兄ちゃん!今日は玲お姉ちゃんとのデートどうだった?」

 

八幡「ああ、楽しかったぞ。玲も楽しかったって言ってたし」

 

小町「そっか、良かったね」

 

八幡「ああ」

 

小町「ご飯できてるよ」

 

八幡「わかった。すぐ行く」

 

オレは着替えリビングに行き晩飯を食べた。明日は休日だが防衛任務があるんだった。頑張らないとな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




いかがでしたか?ではまたお会いしましょう〜


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第9話

どうもチャキです!第9話どうぞ!


八幡side

 

玲とのデートの翌日。オレは防衛任務の為オレら比企谷隊は今警戒区域にいる。ネイバーはゲートと呼ばれる異次元の扉からやってくる。まぁ、毎日出てきてるからあちらさんもご苦労さんなこって。でも、この場所は一昔前まで人が住んでいた所。オレもここで家族4人で暮らしていたが、4年前の大規模侵攻後のボーダー本部ができて、そのゲート誘導装置的なものでゲートが発生するのが本部周辺だけとなり、それゆえ本部周辺の人は撤退を余儀なくされた。オレらもその内のひとつだった。元が家は幸いのことにまだ残っていた。その上ネイバーも出てきておらず残っていた。って言っても中は空っぽの状態だけどな。家具とかその他諸々は今住んでいるマンションに持っていったからな。その時に玲の両親も手伝ってくれた。

 

話を戻すが今オレ達は防衛任務中だ。ネイバーが現れるまでのんびり待つことにした。先に言っとくけどサボってないからな。

 

綺凛「それにしてもだいぶ曇ってきましたね」

 

八幡「ホントだな。いつ降ってもおかしくないかもな」

 

真司「そうだね」

 

真由『そんに曇ってるの?』

 

耳につけた通信機からオペレーターの水川が聞いてきた。

 

八幡「ああ、遠くの方まで曇ってくぞ」

 

真由『マジ?傘持ってないや』

 

八幡「じゃあ水川は今日は泊まりか?」

 

真由『もし降ったら迎えに来てもらおうかな』

 

綺凛「それがいいと思いますよ」

 

真司「まぁ、でもそれは降った時に考えればいいと思うよ」

 

真由『そうだね』

 

八幡「あ、そういえば沢北さん。あの改造の件どうだったんですか?」

 

真司「ん?ああ、あれかい。できたよ」

 

八幡「マジっすか」

 

真司「うん、じゃあ見ててね」

 

そう言って沢北さんは持っていた2本の弧月の柄の下を繋ぎ合わせナギナタ状の方にへとなった。

 

八幡「おおー」

 

綺凛「なんだか凄そうですね」

 

真司「そうでしょう?それにこうすれば囲まれてても振り回せば、周り全体に攻撃ができるよ」

 

おおー、ナギナタにした弧月を演舞のように振り回す沢北さん。

 

八幡「慣れてますね。もしかしてナギナタとか習ってました?」

 

真司「いや、習ってないね。しいって言うなら子供の時とかに棒を振り回して遊んだことがあるね。その時親に叱られたよ」

 

八幡「あ〜、なるほど。オレも小さい時やりました。…1人でですけど」

 

真司「そ、そうなんだ」

 

綺凛「はは…」

 

やめて!永宮その乾いた笑いやめて!

 

真由『ハッチの自虐ネタはおいといて、ゲート開くよ〜』

 

真司「わかった。水川ちゃんトリオン兵の数は?」

 

真由『え〜と…モールモッド7体バムスター4体だね』

 

八幡「まあまあだな」

 

綺凛「そうですね」

 

真司「それでも多少はお金になるからやろっか」

 

八幡「そうすっね。じゃあ沢北さんモールモッドお願いします。永宮はオレと一緒にバムスターをやりましょう」

 

真司「うん、わかった」

 

綺凛「了解しました」

 

八幡「沢北さん、そのナギナタの力見せてくださいよ」

 

真司「任せて!」

 

そう言って沢北さんはモールモッドの群れに突っ込む。そして1体のモールモッドに斬りかかり真っ二つする。そして後ろからもう一体のモールモッドが鎌を振り下ろす前にナギナタのもう片方の刃であいつらの弱点である目玉を後ろ向きながら突き刺して撃破する。おおーすげぇなナギナタ。しかもかっけぇな。さてオレらもバムスターをやりますかね。

 

八幡「永宮そっちのバムスター任せたぞ」

 

綺凛「了解です!」

 

そう言ってもう片方のバムスターに向かっていた。さてオレもこっちのバムスターにバイパーで目玉に向かって撃つ。そして目玉を突き抜かれたバムスターは動けなくなり撃破となった。永宮の方を見るとアイビスでバムスターの目玉を撃ち抜いた。やっぱすげぇなウチのスナイパーは。そんな事を考えながらトリオン兵を殲滅する。

 

八幡「水川、回収班呼んどいてくれ」

 

真由『ほいほ〜い』

 

 

そしてまた暇となり、ゲートが開くまで待つことになった。

 

綺凛「あれ?なんだかさっきよりも曇ってません?」

 

八幡「ん?ホントだな。もうこれ降るんじゃないか?」

 

真司「かもね」

 

いや、マジでさっきより曇ってんじゃん。帰りまでもつかな?すると、いきなり通信が入った。

 

忍田『比企谷隊、風間隊、聞こえるか。こちらは忍田だ。これより君たちに緊急任務を下す。密航者を捕らえろ』

 

え?密航者?どういうことだ?

 

八幡「え、ちょ、一体どういうことですか?」

 

忍田『詳しくは現地に向かいながら話す。今から送る座標に一刻も早く向かってくれ』

 

「「「了解」」」

 

オレ達3人は表示された座標の場所に急いで向かった。あ、一応バッグワームをつけてだけど。

 

真由『それじゃあ説明するね。さっき上層部から言われた指令内容はトリガーを民間人に横流しして、外の世界に密航しようとしてる人がいるからその人を捕らえろって来たの』

 

説明を聞いたが民間人にトリガーを横流しだと!?一体誰が…

 

綺凛「水川先輩。その密航者って一体誰なんですか?」

 

真由『…その人は…二宮隊の鳩原さん』

 

3人「「「え?」」」

 

鳩原さんってあの武器破壊と言われている人だよな。

 

綺凛「あの…鳩原さんが…どうして…?」

 

そっか永宮は鳩原さんと同じスナイパーだったから信じられないのだろう。なぜそんなことしなければならないのか。それにトリガーの横流しは記憶封印措置も適応される重度の違反行為だ。

 

真由『理由はともかく、でも上層部としてもそんな違反者を野放しにはできないんだと思う。それに民間人と一緒に密航だなんて』

 

まぁそうだろう。ボーダーはトリガーという技術に関してかなり情報を隠している。おれら隊員にも守秘義務が課せられていることも多々あるのだから。レーダーに4つ反応があった。

 

八幡「レーダーには4つの反応があるけど、沢北さんどうですか?見えますか?」

 

真司「うん、ちょっと見てみるね」

 

そう言って沢北さんは反応があった方向を見る。沢北さんが何をしているのかと言うと、サイドエフェクトを使っているのだ。沢北さんのサイドエフェクトは視力強化だ。言ってしまえば目が良くなるという訳だ。沢北さんはそのサイドエフェクトをオンオフができるのだ。沢北さんもオレ同様スナイパー殺しである。

 

真司「顔は見えないけど確かに4人いるね」

 

八幡「わかりました」

 

真由『やばいよ。鳩原さん達の近くにゲートが開いた!』

 

八幡「何!?くっ!一か八か…バイパー!」

 

当たってトリオン体を破壊できればベイルアウトするし、なければ生身に戻るだけだ。だがバイパーを放った瞬間反応が消えた。間に合わなかったみたいだ。

 

八幡「本部、比企谷隊現着しました。現場に密航者の姿はありませんがトリガーの反応は確認しました」

 

忍田『ご苦労。しかし、間に合わなかったか。風間隊にも追手を頼んだがまだ来てないか?』

 

八幡「今来ました」

 

風間「風間隊到着しました」

 

到着した風間隊の隊長の風間蒼也さん。よくレポートを手伝わせる太刀川さんをしめてくれる人だ。

 

???「なんで比企谷先輩がいるんですか?指令受けたのうちですよ」

 

この生意気ね態度をとるやつは風間隊のアタッカー菊地原士郎。毒舌を吐くやつだ。

 

八幡「こっちも指令受けてんだよ」

 

菊地原「うちだけでいいのに…」

 

???「まぁ、そう言うな」

 

そう言って間に入ってきた人物は、風間隊のオールラウンダーの歌川遼。

 

風間「雑談はそこまでだ。現場を少し調査してから本部に帰投する。比企谷隊、手伝え」

 

八幡「了解です」

 

そしてオレ達比企谷隊と風間隊でこの辺りを散策した…が何も無かった。すると雨が降ってきたので本部へ戻った。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

ボーダー本部司令室

 

風間「以上報告となります」

 

先程の密航者の件でオレと風間さんで指令室に報告に来ていた。そして指令室の真ん中らへんに座っている人物。顔に傷がありこのボーダー司令室の最高司令官の城戸正宗さんが口を開いた。

 

城戸「報告ご苦労。しかしトリガーが横流しされあげくに密航か。なかなか手の込んだ計画だ」

 

忍田「そもそもどうやってトリガーをその数用意したのかすら方法がつかめていない」

 

次に開いたのは、オレ達に指令をした人物。本部長の忍田真史さん。

 

???「しかし、トリガーを3つもくすねるとは…」

 

次に口を開いたのは見た目完全たぬきで開発室長の鬼怒田本吉さん。

 

???「このことが民間人に知られるのは避けたいですねぇ」

 

次に口を開いたのはメディア対策室長の根付栄蔵さん。

 

 

忍田「今回のことは関係者である諸君ら以外には口外しないように願う。恐らく下手につつきまわすと事が広まる恐れがある。それはこちらとしては避けたい」

 

八幡「わかりました」

 

風間「それがいいと思います」

 

鬼怒田「鳩原め、一体何を考えておるのだ」

 

確かに何を考えているのか、何を企んでいるのかオレにもわからん。でもかなり手の込んだ計画だな。

 

忍田「後は我々で話し合う。もう帰っていいぞ。ご苦労であった。連絡はおいおいする」

 

八幡「わかりました」

 

風間「はい」

 

そう言ってオレと風間さんは司令室から出た。

 

 

そして翌日本部から連絡があった。その内容は前の密航の件により二宮隊はB級に降格となり、鳩原さんは表向きは隊務規定違反によりクビ。そしてその責任を取らされ二宮隊は降格となったという連絡だ。あくまで表向きではあるが。事実を知ってる人はかなり少ないだろう。とまぁ、こんな感じの内容だった。

 

話は変わるが今は職員室にいる。

 

平塚「で、言いたいことはあるか」

 

八幡「いや、というよりなんで呼び出されたんですか」

 

平塚「分からないか?」

 

八幡「あ、いや、すみません」

 

平塚「ったく…何が職場見学を辞退するだ」

 

八幡「いや、オレはボーダーという職に就いてますので、辞退するんです」

 

平塚「同じことを那須にも言えるか?」

 

八幡「ちょっと、そこで玲をだすのは卑怯ですよ」

 

平塚「卑怯なわけあるか。それと私が言いたい事は分かるな」

 

八幡「…分かりました。書き直します」

 

平塚「と言ってもまだ決まりではないが多分職場見学の場所はボーダー本部になると思ってくれ」

 

八幡「はい?」

 

平塚「いや、ほとんどの人がボーダーを見学を希望していてな。それで職場見学は2年全員ボーダーになると思う」

 

八幡「マジっすか?じゃあ書き直さなくてもいいんじゃあないですか?」

 

平塚「念の為書き直せ。それで許可は出せん」

 

八幡「はぁ…分かりました」

 

平塚「あとそれと、3人1組を組んでもらう。これも念の為だ」

 

八幡「はい、分かりました」

 

と言ったがクラスではぼっちなんだよな〜…

 

さて今日も部室へと向かう。部室に入ると由比ヶ浜以外来ていた。

 

八幡「うっす」

 

玲「あ、ハチくん」

 

雪乃「こんには比企谷君」

 

熊谷「遅かったね比企谷」

 

八幡「ちょっと先生に呼び出されてな」

 

熊谷「…何したの?」

 

ちょっと熊谷?オレがいつも何かしてるみたいな事言わないでね。

 

八幡「ちょっと職場見学の事でな」

 

玲「あ〜、あれね」

 

雪乃「そういえば先生方が話していたの偶然聞いたのだけれど、職場見学の場所ボーダー本部になるそうよ」

 

雪ノ下もこの事を知っているんだな。

 

熊谷「え?マジ?」

 

玲「そうなんだ」

 

八幡「自分達の職場に見学するって、どういうことだよ」

 

熊谷「確かに」

 

八幡「あ〜、嫌だなぁ行きたくないなぁ〜。オレがボーダー隊員という事言ってねぇし、言いたくないし」

 

熊谷「まあ、比企谷らしいね」

 

いや、ホントなんで自分の職場に見学いかないといけねぇんだよ、まったく……すると……

 

結衣「やっはろー!」

 

ドアをいきよいよく開いてバカっぽいあいさつで出てきたのは奉仕部の部員となった由比ヶ浜だ。そして由比ヶ浜はいつもの席に座った。位置は雪ノ下の隣だ。まぁ、そんなことより玲に借りた本でも読むか。

 

雪乃「あら?比企谷君もその本読んでるの?」

 

八幡「ああまぁな。と言うより玲から借りたもんだけどな」

 

雪乃「そうなの?」

 

玲「うん、この前一緒に出かけた時に進めたの」

 

八幡「それでオレも興味が出てきたから借りてるんだ」

 

雪乃「なるほどね」

 

玲「それでどうかな?」

 

八幡「ああ、結構面白い」

 

玲「そう?良かった」

 

八幡「でも、そろそろ勉強しねぇとな」

 

玲「あ、そっかテスト近いもんね」

 

熊谷「あ〜、そうだった〜。忘れてた〜」

 

雪乃「確かにそろそろした方がいいかもしれないわね」

 

結衣「ねぇ、思ったんだけど勉強なんて意味なくない?社会に出たら使わないし」

 

うわぁ〜、でた〜。いるよなこういう奴。身近な奴だと米屋あたりだよな。それを聞いた雪ノ下は呆れていた。

 

雪乃「由比ヶ浜さん。あなた、勉強に意味がないって言ったけどそんなことはないわ。むしろ、自分で意味を見出すのが勉強というものよ。それこそ人それぞれ勉強する理由はは違うでしょうけれど、だからといってそれが勉強すべてを否定することにはならないわ」

 

正論だな。でも由比ヶ浜はいまいちわかってないようだ。いや、なんでだよ。

 

結衣「でも私馬鹿だし。皆どうなの?」

 

雪乃「私は全教科1位よ」

 

結衣「え!?すごっ!」

 

八幡「オレは現国なら2位と3位しかとってねぇな」

 

玲「私は平均よりは上だけど」

 

熊谷「私は赤点は回避してるけど、ギリギリだね」

 

結衣「そうなんだ〜。ていうかヒッキーさっき2位を取り合ってる相手って誰なの?」

 

八幡「透だよ」

 

結衣「え?奈良坂君!?隼人君じゃあないの?」

 

八幡「あ?葉山?知らねぇよ」

 

結衣「そっか〜」

 

そう言いながら携帯をいじる。聞いといてなんだその態度。

 

結衣「うわぁ…」

 

雪乃「どうかしたの?」

 

結衣「え!?あ、いや変なメールがきてね」

 

玲「変なメール?」

 

結衣「うん」

 

熊谷「どんなメールなの?」

 

結衣「それが…」

 

由比ヶ浜が何か言いかけた時ドアがノックされる。多分依頼人がいたのだろう。

 

雪乃「どうぞ」

 

雪ノ下が答えると入ってきたのは、葉山だった。個人的に劣化版嵐山さんと思っている。

 

隼人「こんな時間にすまない。奉仕部ってここでいいんだよね?いやー、テスト前はなかなか練習抜けさせてもらえなくてね。今日の間にこなしておきたいメニューがあって」

 

雪乃「能書きはいいわ。何か用があるんでしょ。葉山隼人君」

 

実感キレてるのか雪ノ下は冷たいオーラを出す。

 

隼人「そうだ。ヒキタニくん、この前のテニスコートの事は悪かった。この通りだ」

 

そう言いながら頭を下げる。今更なんなの?しかもその言葉で玲がスゴイオーラ出してるんですけど。どうしてくれるんですか?

 

八幡「テニスコートのことは戸塚に謝れ。所有権はテニス部にあるんだし、それに謝れてもオレは何も言わん」

 

隼人「それでも君はあの時ケガをしたんだし」

 

八幡「確かにケガをしたが、あれは三浦が悪いんだろ。なんでお前まで謝るんだ」

 

隼人「いや、それは…」

 

八幡「ハア〜もういい。さっさと要件を言え」

 

隼人「…ああ、実はこのことなんだけど」

 

そう言って携帯を取り出し見せてきた。画面にはメールが表示されていた。

 

『戸部はゲーセンで西校狩り』

 

『大和は三股かけてる最低のクズ野郎』

 

『大岡はラフプレーで相手校のエース潰し』

 

結衣「あ、変なメール…」

 

なるほどな。チェーンメールか。まだ流行ってるのかよ。珍しい人だな。

 

隼人「最近送られてくるようになったんだ。それからなんかクラスの雰囲気もあんまり良くなくて。それに、友達のことを悪く言われれば腹も立つ。だから止めたいんだよね。あ、でも犯人を見つけたいとかではなくて丸く収める方法を知りたいんだ。頼めるかな?」

 

はい?コイツマジ言ってるの?やばくない。

 

雪乃「そうでは、犯人を見つけるしかないわね」

 

八幡「そうだな」

 

隼人「え?ちょっとなんでそうなるの?」

 

雪乃「チェーンメール、あれは人の尊厳を踏みにじる最低の行為よ。自分の顔も名前も出さず誹謗中傷の限りを尽くす。止めるにはその大元を根絶やしにするしかないわ。ソースは私」

 

玲「実体験なんだ…」

 

熊谷「しかも根絶やしにしたんだ」

 

雪乃「とにかくそんな人間は確実に滅ぼすべきだわ。私は犯人を探す。一言言うだけでぱったりやむと思うわ。そのあとどうするかはあなたの裁量に任せる。それでいいかしら?」

 

隼人「あ、ああ、それでいいよ…」

 

あ、もう諦めたよ

 

雪乃「メールが来たのはいつから?」

 

隼人「えーと、確か先週末からだったよな?」

 

結衣「うん、確かそんくらい」

 

雪乃「そのとき何かあった?」

 

隼人「いや…なにもなかったと思うけど」

 

結衣「そうだね、普通だったかな」

 

雪乃「比企谷君は何かない?」

 

八幡「いや、オレが知るわけ…あ」

 

雪乃「何かわかったの?」

 

八幡「いや、分からないが多分職場見学があるな」

 

結衣「それだ。グループ決めでナーバスになるから」

 

熊谷「あ〜、なんだか分かる」

 

玲「うん、そうだね」

 

うへぇクソどうでもいいわ〜。

 

雪乃「葉山くん、あなたは誰と行くか決めたの?」

 

隼人「ああ、そう言えばまだだけど……多分その中の誰かと行くことになると思う」

 

確かグループは三人一組、こいつのグループは葉山含め四人。そうなると必然的に誰かハブにされる。そしてそれを避ける為に誰か蹴落とす、と言ったとこか?

 

結衣「犯人わかっちゃったかも」

 

雪乃「どういうことかしら、由比ヶ浜さん?」

 

結衣「こういうグループ決めは今後のクラスの立ち位置とかも関わってくることがあるから、そのハブにされた人はかなりきついよ」

 

熊谷「じゃあそうなるとこの3人の中の1人が犯人となるね」

 

玲「そうかもね」

 

雪乃「そうね」

 

隼人「ちょっとおれはこの中に犯人がいるなんて思いたくない!それにあいつらを悪く言うメールなんだぜ?こいつらは違うんじゃないか?」

 

八幡「はっ!バカかお前。そんなの自分が疑われないようにしてるだけだろが」

 

言わないがオレなら誰かに罪をなすりつけるがな

 

雪乃「とりあえずその三人の事を教えてくれる?」

 

隼人「あ、ああ。戸部はおれと同じサッカー部で、見た目悪そうだけど社交的でムードメーカー的な感じだ。文化祭とかの行事にも積極的に取り組んでいる。いい奴だよ」

 

雪乃「騒ぐことしか能のないお調子者、と」

 

あれ?おかしいな?ちょっと方向転換してない?

 

雪乃「どうしたの?続けて」

 

いや、もうどうしたの?っていう顔になってるよ

 

隼人「……ああ。大和はラグビー部。冷静で人の話をよく聞いてくれる。ゆったりとしたマイペースさと、その静かさが安心させてくれるっていうのかな。寡黙で冷静ないい奴だよ」

 

雪乃「反応が鈍く優柔不断、と」

 

隼人「……大岡は野球部で人懐っこくいつも誰かの味方をしてくれる。人の上下関係にも気を配れるいい奴だよ」

 

雪乃「人の顔色を伺う風見鶏、ね」

 

いや、ちょっと?雪ノ下さん?結構ヤバイ方向にいってますが大丈夫ですか?前より柔らかくなったと思ったけど、まだかな?

 

雪乃「誰が犯人でもおかしくないわね」

 

もうお前が犯人でよくね?

 

熊谷「なんだか雪乃が犯人にしか見えなくなってきたよ」

 

言うな!これを言うな熊谷。

 

雪乃「葉山くんの話だとあまり参考にならないわね。あなたたちはその人たちをどう思う?」

 

結衣「ど、どうって……」

 

八幡「オレはそいつらのことよく知らんからなんともいえん」

 

雪乃「じゃあ悪いけど調べてもらえるかしら?」

 

結衣「え、えっと……」

 

玲「ちょっと雪乃ちゃん」

 

雪乃「あ、そうねごめんなさい、あまり気のいいものでもないから」

 

八幡「あ〜、じゃあオレがやるよ。由比ヶ浜に関しては、同じグループなんだし」

 

熊谷「そうだね。それがいいと思う」

 

玲「そうかもね」

 

雪乃「じゃあお願いできるかしら」

 

八幡「おう」

 

結衣「待って!私もやる!」

 

八幡「いや、でも」

 

結衣「やる。同じグループだからこそやるの!」

 

なるほど。意思は固いな。

 

八幡「わかったよ。でもあんま無理すんなよ」

 

結衣「わかった」

 

雪乃「じゃあ2人ともお願いね。私達は同じクラスではないから」

 

八幡・結衣「おう(うん!)」

 

そして翌日…現在やつらを監視もとい観察している。パッと見は仲よさげには見えるが裏ではかなりドロついてるのな。なんかすげぇ関係性だな。

 

すると視界に手が現れる。見ると……

 

「おはよ」

 

戸塚だった。

 

八幡「お、おう。おはよ」

 

彩加「あのさ、ひ、比企谷くんは職場見学行く人、その、決めたの?」

 

八幡「い、いやまだだ」

 

本当は行きたくないです。

 

彩加「そっか。それで、僕もまだなんだけど……比企谷くんが良ければ一緒に組まない?」

 

な、なんとあのオレが誘われただと!?

 

八幡「お、おう。オレで良ければいいぞ」

 

彩加「ほんと!?ありがとう!じゃあ、僕もヒッキーって呼んでいい?」

 

八幡「ごめん、それはやめて」

 

ホントヒッキーやめろって言ってもやめないバカがいるからな

 

彩加「じゃあ八幡?」

 

八幡「お、おう。それならいいぞ」

 

彩加「ホント!?よろしくね八幡」

 

八幡「おう、よろしくな彩加」

 

彩加「え?」

 

あ、やべぇ、口走った。

 

八幡「わ、悪ぃ」

 

彩加「う、ううん。違うの。ちょっと驚いちゃったけど、嬉しかった」

 

八幡「お、おう。そうか」

 

するとそこに葉山が近づいてきた。

 

八幡「んだよ」

 

隼人「ああ、何かわかったかなって」

 

おれと戸塚の時間を邪魔するな。ぶっちゃけお前らがどうなろうとおれは知ったこっちゃねぇんだよ。

まあ依頼でもあるから無下にはできない。リア充どもに目を向ける。小さいやつはケータイ弄ってて、茶髪はぼんやり、でかいのもケータイ弄ってる。あ〜、なるほどやっぱりな。じゃああの手しかないな。

 

八幡「とりあえず解決策はわかった」

 

隼人「え、本当か?」

 

八幡「ああ」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

玲「ハチくん解決策がわかったの?」

 

八幡「ああ」

 

熊谷「もしかして犯人も?」

 

八幡「すまんそれはわからんが解決策はある」

 

雪乃「それは何?」

 

八幡「葉山がその三人誰とも組まなければいい」

 

今回、やつらのうちの誰かがチェーンメールを送ったのは葉山といたいからであり他のが心の底から憎いというわけではない。ただハブられたくないだけなのだ。

 

八幡「そうすればみんな仲良く同じ目にあう。そうすれば多分事態は収拾する」

 

まぁ、犯人探ししたくなかったからこれしかない。

 

八幡「まぁこれでもおさまんなかったら本当に犯人探しだな」

 

雪乃「じゃあ葉山君は誰と組むの?」

 

八幡「んなもん自分で探せ」

 

熊谷「なんか投げやりだね」

 

八幡「あったりまえだ」

 

そこまで面倒見る義理はない。

 

雪乃「そうね。じゃあ葉山君、とりあえずその策でやってみて。それで収まればそれでいいけれど収まらなかったらまた来てちょうだい。その時は本当に犯人を捜すわ」

 

隼人「あ、ああ。わかった。ありがとう」

 

 

そして葉山は帰っていった。

 

玲「これで収まるといいね」

 

結衣「そうだね」

 

八幡「まぁ、これで収まるんじゃねぇか知らんけど」

 

熊谷「まぁ、そうだね」

 

雪乃「では、依頼も来ないみたいだし帰りましょか」

 

玲「そうだね」

 

結衣「うん、わかった。じゃあ皆またね!」

 

そう言って由比ヶ浜は帰っていった。

そしてオレ達はボーダーに寄って行った。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

その後オレが言った解決策を実行したらチェーンメールはこなくなったらしい。すると……

 

隼人「ここいいか?」

 

葉山が近づいてきてそう言った。

 

八幡「お好きに」

 

葉山「依頼の件、無事収まったよ。ありがとう」

 

肩をすくめて返す。特別おれはなにもやってない。ただそうすれば事態は収拾すると思っただけだ。

 

隼人「オレがあいつらと組まないと言ったらみんな驚いてたけどな。でも、これを機にあいつらが本当の友達になってくれればいいと思うよ」

 

ここまで思うとなるとこれはこれで何かの病気なんじゃないかと思う。

 

隼人「ヒキタニくん、まだ職場見学の組決まってないだろ?おれと組まないか?」

 

なにこいつ、アメリカ人?

 

 

八幡「まぁ構わんが、オレは彩加と組んでるから彩加にも聞いてくれ」

 

隼人「そうか。あ、戸塚。ちょっといいか?」

 

彩加「うん?何?」

 

葉山「職場見学の班オレも入れてくれないか?」

 

彩加「いいよ。八幡もいい?」

 

八幡「ああ」

 

班決めても意味ないんだよな。だって2年全員ボーダーに行くんだから。

 

 

そしてその後担任の平塚先生から職場見学は2年全員ボーダー本部に行くことが伝えられた。うわぁ〜、めっちゃ行きたくねぇ〜。サボろうかな?いや、それしたら平塚先生に何されるかわからんし、絶対玲に連れていかれるからやめよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




いかがでしたか?
比企谷隊の作戦室には大きなテレビがあり、来客が来てもいいように大きなソファーがある。時々そのソファーで寝たりする時もある。本棚がありそこには色んな資料がある。

ではまたお会いしましょう〜


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第10話

どうもチャキです!第10話どうぞ!


八幡side

 

平塚「さて、遅刻した言い訳を聞こうか」

 

今目の前にいる実感キレかけてるいる人物、平塚先生が腕を組んでまさに仁王立ちである。

 

八幡「昨夜防衛任務だったので寝坊しました」

 

そのため玲を先に行かせた。

 

平塚「ほう…言い訳しないんだな」

 

八幡「いや、事実ですし言い訳する理由もないので」

 

平塚「そうか、今回は大目に見るがこれから遅刻が続くようなら指導が入るから、そのつもりでいたまえ」

 

八幡「…うっす」

 

うわぁめんどくせぇーなと、そこで扉が開きポニテのちょっとガラが悪そうなやつが眠そうにしながら入ってきた。

 

平塚「ハア〜、全く、このクラスは問題児が多いな。川崎、ちょっと来たまえ」

 

えっと…その問題児にオレも含まれるのでしょうか?

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

放課後は予備校の資料集めをした。今はいろいろあるからな。どこがいいかは人それぞれだ。だからこういうのは資料の他にも実際にそこの事務の人とかに説明を聞いたり説明会にいってみたりするといいと言いたことがある。

 

そしてオレはその足で喫茶店に入った。そしてオレは先に待っている人達を探す。どこにいるんだ?と思っていると

 

熊谷「比企谷〜こっち」

 

とオレを呼ぶ熊谷がいた。そこのところに奉仕部の部員と彩加がいた。今からオレ達は勉強会をするのだ。まぁ、と言うより由比ヶ浜の発案なんだが。

 

八幡「悪い遅れた」

 

雪乃「いえ、大丈夫よ」

 

八幡「そうか」

 

彩加「八幡座って」

 

八幡「ああ」

 

オレの左には玲が座り、右には彩加が座る。反対には残りの3人熊谷、由比ヶ浜、雪ノ下の順に座る。

 

そして勉強を始める。時々お互いに教えあったりしたが、ほとんど由比ヶ浜が聞いてばかりだけどな。オレは数学が苦手なので、玲とか雪ノ下に聞いたりした。時々由比ヶ浜が唸ってたりしてうるさかった。あと雑談も少し入れたりして勉強をした。

 

雪乃「では今回はここまでにしましょうか」

 

雪ノ下のその言葉で皆は片付けに入る。結構やったもんな。

 

「あれ?お兄ちゃんと玲お姉ちゃんだ」

 

とそこでなんでいるのかわからんが、愛しのマイシスターの小町がいた。なんでここに?それよりも…

 

八幡「よお小町奇遇だな。それで横の男は誰だ?」

 

小町「ちょい待つ!話を聞いて」

 

玲「小町ちゃん、私にも話してくれる?」

 

小町「玲お姉ちゃんまで!」

 

どうやら玲も同じ事思ってたらしい。

 

熊谷「ちょ、2人とも落ち着いてまずは小町の話を聞いてあげて」

 

まぁ、確かにそうだな。話を聞かずに決めたらダメだよな。

 

小町「大志くんはただの塾の友達で。相談に乗ってあげてただけだから」

 

まぁ、小町そう言うなら仕方ない。玲も了承したみたいだ。

 

小町「なんかねー、最近大志くんのお姉さんが不良化したらしくてね。どうやったら元に戻るか相談受けてたの。大志くんが話してもあんたには関係ないで済まされちゃうみたいでね」

 

大志「お願いします。もうお兄さん達しか頼れないんです」

 

八幡「お前に義兄さんと呼ばれる筋合いはねぇ」

 

熊谷「なんで頑固親父みたいになってるの?」

 

八幡「うるせぇ」

 

彩加「八幡の妹さん?初めまして戸塚彩加です」

 

小町「これはご丁寧にどうも。可愛い人だね。お兄ちゃんまさか浮気!?」

 

八幡「んなわけあるか!オレは玲一筋だ!」

 

玲「ちょっとハチくん!///」

 

あ、やべえ……思ってる事そのまま言ってしまった。何とか話を逸らさなくてならない。小町なんてニヤニヤしてやがるよ。

 

八幡「…それと戸塚は男だ」

 

小町「いや、そう言うのいいから」

 

彩加「あ、うん。僕、男です」

 

小町「え?ホント?」

 

彩加「うん、ホントだよ」

 

小町「すみません」

 

彩加「う、ううん大丈夫だよ。気にしてないから」

 

小町「皆さんもお久しぶりです」

 

熊谷「久しぶり小町」

 

雪乃「ええそうね」

 

小町は熊谷と雪ノ下に挨拶をすませる。

 

八幡「んでそこにいるのが由比ヶ浜だ」

 

結衣「は、初めまして、ヒッキーのクラスメイトの由比ヶ浜結衣です」

 

小町「ああ、これはどうも。初めま…って、あー!」

 

八幡「うるせぇよ。他の人に迷惑だろ」

 

小町「あ、ご、ごめん」

 

八幡「それでどうした?」

 

小町「お兄ちゃん!この人お菓子の人だ」

 

八幡「は?え、何由比ヶ浜お前ウチの小町に餌付けしたの?」

 

結衣「違うし!あ〜、でもごめん今まで黙ってて」

 

八幡「あ?なんだよ」

 

結衣「1年前の入学式の時にウチの犬のサブレを助けてくれてありがとう」

 

え?1年前?犬?……あ〜、あの時の犬は由比ヶ浜の家で飼っている犬だったのか。確かに今まで黙ってたのはちょっとあれだが、言ってくれたので良しとしよう。もしこのまま黙ってたら怒っていたかもしれんが。

 

八幡「あ、あの時の犬お前のところで飼っていた犬だったんだな。まぁ、もう気にする事はないぞ」

 

結衣「…でも」

 

八幡「もう済んだ話だ。お前が気にすることじゃない」

 

結衣「……うん…ありがとう」

 

そうもうその話は話し合いで終わった。

 

小町「えっと…話は終わりましか?」

 

結衣「あ、ああごめんね。いいよ話して」

 

小町「わかりました。さっきの相談内容なんだけど」

 

大志「あ、俺は川崎大志っす。姉ちゃんが皆さんと同じ総武高校の2年で、その、なんというか、最近悪くなったというか、帰りが遅いんすよ」

 

結衣「あー川崎さんね。あのポニテのちょっと怖い系の」

 

川崎?どっかで聞いたような…あ、朝のアイツか。

 

玲「それでそのお姉さんが不良化したのはいつなの?」

 

大志「2年になってからです」

 

なるほど。最近か……でもなんでだ?

 

結衣「ていうか、帰りが遅いって言っても何時くらいなの?あたしも時々遅くなるし」

 

大志「それが、5時くらいなんすよ」

 

結衣「遅!それもう朝じゃん!」

 

玲「親御さんは何も言わないの?」

 

大志「うちの両親共働きで、下にまだ小さいのが多いから姉ちゃんにはあんまりうるさく言わないんすよ。それに最近エンジェルなんとかって変なとこから電話もきますし」

 

熊谷「え?そんなに変?」

 

大志「だってエンジェルっすよ⁈なんかもう絶対やばいっすよ」

 

まぁ、確かに言いたい事は少しわかるが……

 

熊谷「じゃあその店を見つけて辞めさせればいいんじゃない」

 

彩加「それだと他の店で働くと思うよ」

 

確かにそうだな……あれ?これって八方塞がり?

 

雪乃「少し考えたのだけれど、一番いいのは川崎さん自身が自分の問題を解決することだと思うの。誰かが強制的に何かをするより、自分の力で立ち直った方がリスクも少ないし、リバウンドもほとんどないわ」

 

八幡「なるほどな」

 

不良に限らないが、自分の行動を他人にあれこれ言われるのは腹がたつだろう。例えば、親に勉強しろと言われて、やる気をなくす。これと同じだ。

 

雪乃「まず、一つ目の案はアニマルセラピーよ。動物と触れさせ合うことで彼女の心のケアになると思うの」

 

大志「あ、すんません。姉ちゃん動物アレルギーなんでダメだと思います」

 

玲「じゃあダメだね」

 

熊谷「じゃあ平塚先生なんてどう?」

 

彩加「あ、それいいかも。親だと近すぎて話しづらいこともあるだろうし。やってみようよ」

 

そして翌日に平塚先生に事情を話し、ここに来るよう約束を取り付けた。5分後、ヒールをカツカツ鳴らしながら俺達にもとに先生がやってきた。

 

八幡「あれ?早かったですね」

 

平塚「うちの生徒が深夜バイトしてるという由々しき事態にのんびり等してられないだろう。これに限っては緊急性を要する。私が解決しよう」

 

そう言って平塚先生は校舎に入り川崎が来たので、川崎を呼び止めて、朝帰りの話を切り出していた。それからしばらく口論になって、イケるか?と思っていたら、先生はうなだれてトボトボと川崎から離れていってしまった。何言われたのか大体想像できるが口には出さないでおこう。そして一方の川崎はずっと無表情を貫いていた。

 

そして次は……千葉内でエンジェルという名前の店の1つの前まで来ている。と言うより「メイドカフェ・えんじぇるている」と書かれている看板がある。

 

熊谷「ねぇ、本当にここにいるの?なんか違うような感じがするけど」

 

まぁ、確かに熊谷の言うことも一理ある。

 

玲「でも確かめてみないと分からないし」

 

熊谷「そうだけど……ここって男子が行くところでしょ。私達どうするのよ」

 

結衣「確かにそうだよ」

 

玲「でもあれ見て」

 

玲の言葉で視線が集中する。そこにあったのは看板でそこには『女性も歓迎!メイド体験可能!』と書かれていた。なるほどこれなら女性も入れると思う。個人的だけど。でも玲のメイド服姿か見てみたいな。すると服の袖をクイッと引っ張られ見てみると玲が袖を引っ張っていた。

 

玲「そんなに見たい?」

 

八幡「サラッと心を読むなよ」

 

玲「だって顔に出てて、わかりやすいんだもん」

 

え?そんなに分かりやすかったのか?やべぇ、気をつけないとな。

 

雪乃「イチャイチャしてないで入るわよ」

 

八幡「お、おう」

 

玲「そ、そうだね」

 

そしてオレ達は店の中に入る。

 

店員「おかえりなさいませ!ご主人様!お嬢様!」

 

定番の掛け声とともに、俺達を迎え入れたのは、ふりっふりのドレス?を纏った女性共だった。でもその時思ったのが絶対に川崎はいないと思った。こんなキャピキャピきゅるるん萌え萌えパワーみたいな場所で、あんな遠目からでもわかる鋭い目つきをした奴がいるはずがない。

 

無駄足だったかな?

 

玲「お、お待たせしました。ご、ご主人様///」

 

着替え終わった玲がオレの前でモジモジしながらオレの目の前で立った。オレはその姿に見惚れていると…

 

玲「は、ハチくん?///」

 

八幡「っ!…わ、悪い」

 

玲の声で我に返る。

 

玲「…変…かな?///」

 

八幡「いや全然。むしろ似合ってて可愛いぞ玲」

 

玲「ほ、ほんと!?嬉しい」

 

と言いながらニコッと笑う玲。でもちょっと恥ずかしそうにしている。ふむ、メイド姿の玲も良いなと思った。

 

熊谷「ねぇ玲。なんで私まで着なくちゃいけないわけ?」

 

玲「あ、クマちゃん。いいじゃん似合ってるよ」

 

熊谷「そう?」

 

玲「うん、可愛いよ」

 

彩加「そうだよ熊谷さん。とっても似合ってるよ」

 

熊谷「あ、ありがとう//」

 

そう言いながら視線を逸らす。え?何?お前も恥ずかしいの?でも熊谷が恥ずかしがってるところ見たことないな。でも意外と可愛い一面もあるんだな。

 

熊谷「ねぇ、比企谷。今失礼な事考えてなかった?」

 

八幡「い、いや。全然そうなことねぇぞ」

 

熊谷「そう?ならいいけど」

 

あっぶねぇ〜。なんで考えてる事分かったの?もしかしてまた顔に出てた?ヤバイなそれは。

 

熊谷「あ、そうだ。良い機会なんだし比企谷と玲で写真撮ったらどう?」

 

八幡「は?いやそれはダメだろ」

 

熊谷「え?なんで?いいじゃん付き合ってるんだし」

 

八幡「だからって写真撮るのはダメだろ」

 

玲「そうだよクマちゃん。それにお店の迷惑になっちゃうよ」

 

店員「あ、別にいいですよ」

 

八幡・玲「「え!?」」

 

店員「写真撮っても構いませんよ。良かったらご一緒にお撮りしましょうか?」

 

熊谷「いいじゃん撮ってもらいなよ」

 

玲「じゃあお願いします」

 

こうしてメイド姿の玲とツーショット写真をゲットしました。すると……

 

結衣「どう…かな?」

 

由比ヶ浜が着替えが終わったみたいだ。

 

彩加「わぁ、由比ヶ浜さん可愛いね。ね、八幡」

 

八幡「あ、うん。そうだな」

 

結衣「適当過ぎない!?」

 

だって玲の方が似合ってて可愛いもん。

 

八幡「それで雪ノ下は?」

 

雪乃「ここよ」

 

後ろから声がしたので振り返るとロングスカートに長袖で大英帝国時代みたいなメイドさんがいた。

 

玲「わぁ、雪乃ちゃん可愛い!とっても似合ってるよ」

 

雪乃「ありがとう。皆も似合ってるわよ」

 

八幡「それでどうだった」

 

雪乃「調べてみたけどいなかったわ。シフト表に名前がなかったわ」

 

八幡「そうか、悪いな」

 

雪乃「いいえ大丈夫よ」

 

でもここにはいなかったか。外も暗くなってきたので今日中に違う所を探すのは無理と判断し皆家に帰った。

 

そして翌日…

 

オレ達は今川崎をどうするかという事で話し合うことに。でもなんでか知らんが小町がいた。それと葉山もいた。すると由比ヶ浜が口を開いた。

 

結衣「やっぱり女の子が変わることなら、こ、恋とかじゃ、ないかな?」

 

は?何言っちゃてるの?コイツ恥ずかしいことを口走りやがったぞ。でも恋で本当に人は変わるのか?

 

八幡「なぁ玲。ホントに恋で人って変わるのか?」

 

玲「う〜ん、どうだろう。ちょっとわかんないや」

 

八幡「そうか」

 

玲も分からないみたいだ。まぁ、オレも恋をして玲と付き合ってるしな。すると……

 

小町「あれぇ〜?おかしいな〜玲お姉ちゃん。前言ってたじゃん。お兄ちゃんに元気な姿見てもらいたいから体力つけてるんだって」

 

玲「ちょ!小町ちゃん!?」

 

何やら玲は慌ててるみたいだ。

 

小町「それにお兄ちゃんと一緒にお出かけしたいとも言ってたし」

 

玲「小町ちゃん、ホントにやめて!恥ずかしいからお願い!?」

 

そんな玲のお願いを聞きもせずさらに続ける。

 

小町「でも何よりお兄ちゃんといつでも隣にいたいとも言ってたしね!」

 

玲「いやぁ〜!やめて〜!…う〜」

 

そう言いながら玲は顔を赤くしながらオレの胸板に顔をうずめてきた。小町と熊谷はニヤニヤしていた。うわぁ、めっちゃイラつくな。雪ノ下に関しては反応無しで、由比ヶ浜と葉山はポカーンとしてるし。小町は後でチョップするとして、熊谷はランク戦50本の刑にするか。そしてオレは玲の頭を撫でる。

 

八幡「おい小町。ホントのことかもしれないがあんま玲をいじめるなよ」

 

小町「ごめんなさ〜い」

 

うわぁ、反省してんのかよ。玲も落ち着いたみたいでオレの胸板から離れる。まだ少し顔が赤いが大丈夫だろう。

 

八幡「んっん!話を戻すがどうするんだよ。と言うよりなんで葉山がいるんだよ」

 

結衣「それは隼人くんモテるから」

 

ええ〜、何その理論?

 

隼人「で?俺は何をすればいいのかな」

 

結衣「うん、最初は雑談程度で、こっそり聞き出すみたいなことしてきて」

 

隼人「努力するよ」

 

由比ヶ浜にそう告げて、葉山は川崎の下へ向かっていった。川崎が自転車の鍵を開けたと同時に葉山が現れた。

 

隼人「お疲れ、眠そうだね。バイトかなんか?あんまり根詰めないほうがいいよ?」

 

沙希「お気遣いどーも。じゃあ帰るから」

 

そう言って自転車を押して去っていこうとすると……

 

隼人「あのさ……そんなに強がらなくても、いいんじゃないかな?」

 

沙希「あ、そういうのいらないんで」

 

とそう言って去っていった。そして葉山は時間は止まったままだった。

 

隼人「なんか、俺、ふられちゃったみたい」

 

八幡「まぁ、何。おつかれさん」

 

隼人「あ、ああ。でもまたなんかできる事があったら言ってくれ」

 

そう言って葉山は去っていった。

 

そしてその後調べてみたら「エンジェル」という名前が入った店はもうひとつあった。それは「エンジェル・ラダー天使の階」というラウンジバーの店だった。

 

というわけで夜9時に現地集合となった。ラウンジバーともなればそれなりの格好をする必要があるので大人しめの格好でくるように言われた。戸塚や熊谷はそういった服がないので不参加。玲はどうやらそういう服を持っていたので参加となった。ロビーのソファーに座り雪ノ下と由比ヶ浜が来るのを待つ。

 

玲「なんだかすごい所だね」

 

玲が小声で言ってくる。

 

八幡「まぁ、そうだな」

 

玲「それよりハチくん。よくスーツ持ってたね」

 

八幡「あーこれは、二宮さんにA級昇格祝いになんでか知らんが貰った」

 

玲「そうなんだ。でもなんで?」

 

八幡「オレにもわからん」

 

ホントになんでA級昇格にスーツ貰うとか意味がわからんよ。

 

雪乃「ごめんなさい。待たせてしまったわね」

 

すると雪ノ下と由比ヶ浜がドレス姿でやってきた。

 

八幡「いいや、そんなに待ってないから大丈夫だ」

 

雪乃「そう。なら良かったわ」

 

結衣「ねぇねぇ、聞いてよヒッキーに那須ちゃん。ゆきのんの家おっきいマンションに一人暮らしでこういう服もいっぱいもってるんだよ」

 

雪乃「大袈裟ね。ちょっとそういった機会があるから持ってるだけよ」

 

普通はそういう機会ないんだけどな。まぁ、雪ノ下はボーダーの大手スポンサーの一つ「雪ノ下建設」のご令嬢でもあるからな。なので普段から持っているのだろう。

 

八幡「じゃあさっさと行こぜ」

 

そして最上階のバーにつく。すごい高級感があるな。と言うよりオレはA級昇格祝いに二宮さんにつれてこられてたな。だからスーツオレにあげたのかな?

 

オレ達はカウンターの方に案内されそこを見るとグラスをきゅっきゅっと磨く女性バーテンダーがいた。青みがかかった髪にすらりと背が高く、顔だちは整っている。すると川崎はこちらを見ると…

 

沙希「雪ノ下……?」

 

雪乃「こんばんは川崎さん、探したわよ」

 

いや、なんでわかるんだよ。すげぇなお前。

 

沙希「あと、由比ヶ浜と那須か」

 

結衣「ど、どもー」

 

玲「こんばんは」

 

玲もなんだか慣れてるな。こういう所来たことあるのか?

 

沙希「あんたは…?」

 

八幡「一応自己紹介しとく。同じクラスの比企谷八幡だ」

 

沙希「そ…でもバレちゃったか」

 

そう言って肩を竦める川崎。

 

沙希「なにか飲む?」

 

雪乃「じゃあペリエを」

 

結衣「あ、あたしも同じものを!」

 

テンパり過ぎだ。

 

沙希「あんた達は?」

 

八幡「じゃあジンジャエールを」

 

玲「あたしも」

 

え?玲ってジンジャエール飲めたの?と言うより炭酸飲めるんだな。そっか、そこまで頑張ったんだな。

 

沙希「それで何しに来たの?」

 

八幡「お前、最近家帰んの遅いんだってな。弟、心配してたぞ」

 

沙希「そんなこと言うためにわざわざ来たの?ごくろー様。あのさ、見ず知らずのあんたにそんなこと言われたくらいでやめると思ってんの?」

 

ごもっとも。確かにオレは川崎の事なんも知らねぇらこれはこれでいいと思う。

 

沙希「――ああ最近やけに回りが小うるさいと思ったらあんた達か。大志が何言ったか知らないけど相手にしなくていいよ。だからもう大志と関わんないでね」

 

雪乃「止める理由ならあるわ」

 

そう言う雪ノ下。ちょっと嫌な予感するな。あんま面倒事起こすなよ。

 

雪乃「10時40分。シンデレラならあと1時間ちょっと時間があったけど、あなたの魔法はここで解けたみたいね」

 

沙希「なら最後は王子様が迎えに来てくれてハッピーエンドが待ってるんじゃないの?」

 

雪乃「それはどうかしらね、人魚姫さん。あなたに待っているのはバッドエンドだと思うのだけれど」

 

ちょっと君達仲悪すぎだよ。すると肩をちょんちょんと叩かれ見ると由比ヶ浜だった。なんだよ。

 

結衣「ねぇヒッキー。この二人何言ってるの?」

 

八幡「オレらの歳ではこの時間働けない。だから川崎が歳誤魔化してるってことだ」

 

結衣「へーならそう言えばいいのに」

 

まぁ、お前はバカだからな。

 

玲「ねぇ、やめる気ないの?」

 

沙希「ん?ないよ。…まぁ、ここはやめるにしてもまたほかのところで働けばいいし」

 

結衣「あ、あのさ…川崎さん、なんでここでバイトしてるの?あたしもお金無い時バイトするけど歳誤魔化してまで働かないし…」

 

沙希「別に…。お金が必要なだけだよ」

 

由比ヶ浜はその金を何に使うのか聞きたいのだろう。そんなこと川崎もわかってるのだろう。川崎も多分用途は言わないだろう。

 

結衣「お、お金がいるのはわかってるの。そうじゃなくて…もしかしたら、何か力になれることあるかもしれないし…それに話すだけで楽になれることも…」

 

沙希「言ったところであんた達に分かるはずもない。力になる?楽になるかも?それじゃ、あんた、あたしのためにお金用意できるんだね。うちの親が用意できないものをあんた達が肩代わりしてくれるんだ?」

 

結衣「そ、それは…」

 

由比ヶ浜は顔を俯かせる。玲も何も言えない。そりゃそうだ。本当の事だしな。

 

沙希「それに雪ノ下。あんたの父親さ、県議会議員なんでしょ?そんな余裕がある奴にあたしのこと、分かるはずないじゃん」

 

そう言うと雪ノ下も顔を俯かせる。唇も噛みしめていた。すると…

 

結衣「ちょっと!ゆきのんの家の事なんて今、関係ないじゃん!」

 

そして川崎はさっきよりも少し声のトーンを落として。

 

沙希「…なら、あたしの家の事も関係ないでしょ」

 

これもごもっともな意見だ。それを言われればおしまい。オレや玲、それに雪ノ下と由比ヶ浜にも関係なんてない。

 

結衣「それでも…!「由比ヶ浜」…何?」

 

由比ヶ浜が何か言いそうになるのをオレは止めた。このままいけば追い出される。それをされればもう無理だ。

 

八幡「一旦落ち着け」

 

結衣「でも…」

 

ハァ〜、仕方ない。

 

八幡「雪ノ下、由比ヶ浜を外に連れて落ち着かせてくれ。後はオレがやる」

 

雪ノ下はオレの顔見て何か納得したような顔になり

 

雪乃「……そう。わかったわ。後で説明お願いね」

 

八幡「ああ」

 

玲「私はどうしたらいい?」

 

玲か……そうだな〜。ここにいてオレの事悪く言われて川崎と口論になるよりかは……

 

八幡「そうだな。雪ノ下達に着いてやってくれ」

 

玲「うん、分かった」

 

雪乃「行きましょう由比ヶ浜さん」

 

結衣「…うん」

 

由比ヶ浜は雪ノ下と玲に連れられて行くがなんだか納得してない様子なので。

 

八幡「…由比ヶ浜」

 

結衣「…何?」

 

八幡「後で説明してやるから」

 

結衣「…うん、分かった」

 

さっきよりかは表情が柔らかくなった。

 

玲「じゃあお願いね。ハチくん」

 

八幡「ああ」

 

そう言って玲と雪ノ下は由比ヶ浜を連れて行った。さぁ〜てとここから本題だな。

 

八幡「さて、川崎。お前が働いている理由を当ててやろう」

 

沙希「…あんたに分かるわけ「学費だろ」っ!」

 

お、反応した。ビンゴみたいだな。

 

八幡「まぁ理由は、まず一つ目、大志から聞いたお前の家の経済状況。二つ目、今年になってから川崎家において変わったこと。これは、大志が塾に行き始めたことだ。三つ目、総武高校の進学率の高さ。うちは進学校だからな。それにお前も塾に行くための資金が欲しかった。どうだ?」

 

そう言ったら川崎は動揺していた。もう完全に図星だな。

 

八幡「そこでオレは提案する」

 

沙希「…提案?」

 

八幡「ああ、そこでオレの提案するのは『スカラシップ』だ」

 

沙希「……『スカラシップ』って何?」

 

八幡「『スカラシップ』ってのは、奨学金。または奨学金を受け取る資格の事だ」

 

沙希「それを使えば、学費とかを気にしなくていいってこと?」

 

八幡「まぁそうだな。詳しいことは学校の先生とかに聞けばいいし」

 

川崎は少し考えた後……

 

沙希「そっか。そんな方法があったなんて知らなかったよ……。ありがと、比企谷」

 

八幡「それともう1つ」

 

沙希「まだ…あるの?」

 

八幡「ああ。でもこれはどうするかはお前次第だがどうする?」

 

沙希「一応聞いてみる」

 

八幡「そうか。その提案はボーダーに入る事だ」

 

オレの言った言葉に驚いたのか目を見開いていた。まぁ、そりゃあそうだろうな。すると川崎が我に帰った。

 

沙希「ボーダーってあの?でもなんで?」

 

八幡「それはオレがボーダー隊員だからだ」

 

沙希「え?そうなの?」

 

八幡「ああ、ほれ」

 

オレは川崎にしか見えないようにトリガーを見せる。本当は見せない方がいいんだがな。

 

沙希「本物…」

 

八幡「見せた本人が言うのもあれだが他言はしないでくれ」

 

沙希「分かった。それでなんでボーダーに?」

 

八幡「ああ、それはボーダーにはボーダー推薦もある。その推薦もある」

 

沙希「ボーダー推薦?」

 

八幡「まぁ、いわゆう推薦して入学的な感じかな」

 

沙希「そうなんだ」

 

八幡「後は防衛任務をすれば金も貰えるし、防衛任務があれば早退や遅刻も許される。ただ寝坊は無理だけどな。さて、オレから言えることはここまでかな」

 

沙希「そっか、ありがとう色々と。1つ目は先生とかにも相談してみる。2つ目は親と話し合ってみる」

 

八幡「そっか、まぁ頑張れよ」

 

沙希「うん」

 

そしてオレは飲みのも代を出して店を出て玲達の所へと向かった。

 

八幡「よお」

 

玲「あ、ハチくん。終わったの?」

 

八幡「ああ」

 

結衣「ヒッキーちゃんと説明してよね」

 

八幡「分かった分かった。じゃあまずは川崎が働いていた理由は……」

 

オレは川崎が働いていた理由と提案した事を皆に説明した。言っとくけど2つ目の提案の事は言ってない。それは由比ヶ浜がボーダーに入ってないからだ。

 

八幡「と、言うことだよ」

 

結衣「じゃあ川崎さんはもう大丈夫なの?」

 

八幡「ああ」

 

結衣「…そっか。良かった〜」

 

玲「それにしてもスカラシップか〜。成程ね」

 

結衣「ねぇねぇ、すからしっぷって何?」

 

雪乃「スカラシップというのは、奨学金の事よ。予備校では成績がいい人の学費を免除してくれるの」

 

結衣「へぇ〜」

 

八幡「これで解決したな。もう帰ろうぜ」

 

玲「そうだね」

 

雪乃「そうね、それではここで解散ね。比企谷君今回はありがとう。助かったわ」

 

八幡「別にいいって。それじゃあな」

 

玲「じゃあまたね2人とも」

 

結衣「うん!バイバイ!」

 

雪乃「さようなら」

 

そしてオレは玲を家まで送り、自分の家に帰った。

 

 

翌日…

 

小町「あ、お兄ちゃん。大志くんのお姉ちゃん昨日は10時くらいに帰ってきて事情を全部説明したらしいよ」

 

八幡「そうか」

 

朝のリビング。オレと小町は朝食を食べながら話しをする。いつもの光景だ。

 

小町「でも良かったね。結衣さんに会えて」

 

八幡「ん?ああ。と言うより聞いてないんだけどな。それとお菓子も食べてないし」

 

そう言うとてへっという顔をしたので軽く頭にチョップをした。でも確かに1年越しだったがこうやってお礼を言ってくれたし良しとするか。

 

八幡「おし、そろそろ行くか」

 

小町「うん、そうだね」

 

そしてオレ達は学校へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




いかがでしたか?原作とはちょっと変えてみましたがどうでしたか?ではまたお会いしましょう〜


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第11話

どうもチャキです!第11話どうぞ!


八幡side

 

今、教室でHRの途中平塚先生が…

 

平塚「今年の職業見学はボーダー希望者が多いため、2年全員ボーダーに行くことになった」

 

と言われた。うへぇ〜、やっぱりボーダーになるのかよ。サボりたい。でもなぁ〜……あ、そうだその日に防衛任務を入れてもらえばいいじゃん。それならサボれる口実もできる。よし、そうと決まればちょっと怖いけど城戸司令に頼んでみるか。

 

 

ボーダー本部

 

城戸「却下だ」

 

オレは学校が終わった後すぐさま頼んでみたらバッサリ断られた。何故だ……

 

そして翌日の部室にて…

 

玲「ねぇ、ハチくんどうしたの?難しい顔して」

 

八幡「ん?ああそれはあれだ。職場見学の日に防衛任務いれてもらもうと頼んだら、即断られたんだよ。ハァ〜マジでやだな〜。休もうかな……」

 

玲「ダメだよハチくん。サボったら平塚先生怒っちゃうよ」

 

八幡「だよな〜」

 

あの人怒ると怖いしすぐ手を出すしな。ああいやところがなかったら今頃結婚……ゾクッ!今すげぇ殺気した。一体なんなんだ?まぁ、いっか……

 

熊谷「もう、腹くくったらどう?」

 

八幡「簡単に言ってくれるな、おい」

 

雪乃「往生際が悪いわよ。悪ガヤくん」

 

八幡「誰が悪ガヤだ」

 

熊谷「でもバレなきゃいいんでしょ?バレなきゃ」

 

八幡「簡単に言うねホント」

 

玲「もう諦めるしかないよハチくん」

 

八幡「ハァ〜、もうどうにでもなれ」

 

熊谷「やっと諦めたか」

 

はい、もう諦めました。だって絶対嵐山さんに見つかってしまうしな。時枝や木虎に綾辻はどうにかなるしな。あとそれとえ〜と佐鳥だっけ?あいつも要注意だな。ハァ〜、何も起こらない事を祈るしかないな。

 

すると……

 

結衣「やっはろー!」

 

と部室のドアが開き由比ヶ浜がやってきた。

 

雪乃「こんにちは」

 

玲「こんにちは由比ヶ浜さん」

 

熊谷「相変わらず元気だね」

 

八幡「…うす」

 

結衣「あれ?ヒッキーどうしたの?元気ない?」

 

八幡「いや、ちょっと考え事をな」

 

結衣「ふーん」

 

そう言って自分の席に座った。

 

結衣「ねぇねぇ、皆そろそろだね職場見学」

 

雪乃「そうね」

 

結衣「しかもボーダーに行けるんだよ。私初めて行くよ〜」

 

まぁ、そうだろうな。大抵の人は初めて行くだろう。と言うか本部もよく職場見学許可したな。

 

結衣「楽しみだね」

 

雪乃「え、ええ」

 

熊谷「そうだね…」

 

玲「…うん」

 

八幡「…ああ」

 

腹くくったけどやっぱり行きたくないな〜。

 

 

そして職場見学当日……

 

行きなくないが渋々行く準備をする。ホントオレがボーダーであることがバレなきゃいいけどと思いながら準備をしていると…

 

小町「おにーちゃん。玲お姉ちゃんが迎えに来たよ〜」

 

と小町に言われた。は?なんで玲が?

 

小町「お姉ちゃんが迎えに来るだなんて珍しいね。約束でもしてたの?」

 

八幡「いや、そんなのしてないが…分かったすぐ行く」

 

小町「ほーい」

 

しっかしなんで玲が迎えに?…もしかしてオレがサボらないように迎えに来たのか?そう思いオレはカバンを持って外に出る。

 

玲「おはようハチくん」

 

八幡「…おう、おはよう玲。で?なんでここに?」

 

玲「ないと思うけどハチくんがサボらないように迎えに来たの」

 

八幡「いや、サボらねぇって。しっかし大丈夫なのか?」

 

玲「うん、大丈夫。このとおり元気だよ」

 

八幡「そうか。よし行くか」

 

玲「そうだね」

 

小町「小町もいきまーす」

 

家から飛び出してきた小町がそう言う。そしてオレ達3人は学校へと向かった。

 

そして総武高の生徒はボーダー本部のホールにいる。総武校のボーダー隊員も殆どがここに来ている。やばい、マジで帰りたい。ランク戦のブースにいこうとしたら玲と透に止められた。

 

このホールは正式入隊の時に使うホールだから普通に広い。オレは端の方で静かにしている。そして逃げないようにしているのか横には玲と透がいる。そしてオレ達総武高の生徒を案内してくれるのは嵐山隊だ。て言うか正式入隊の時も嵐山隊だよな。ホントご苦労さんだなぁ〜。

 

嵐山「総武校のみなさん、こんにちは!今日の案内を担当する嵐山隊の嵐山准です。よろしく!」

 

嵐山さんが挨拶をすると、女子だけではなく男子までもがワーワーと騒ぎ出す。ホントに人気だな。

 

嵐山「じゃあ早速初めていこう。まず、ボーダーという職種についてだが………といった感じだ。ボーダーの職種については以上だ。それでここからは入隊したばかりの訓練生がうけるオリエンテーションをしていく予定だ」

 

プレゼン的な何かが終わったようだ。オレ達にとっては聞く必要性皆無だけど。当たりを見渡すと当たり前なのか宇佐美や三上と水川それに雪ノ下や熊谷もいる。

 

嵐山「じゃあ次に、どうやったら訓練生が正隊員になれるかを説明して行こう」

 

嵐山さんが近くの生徒にトリガーを渡し、起動させる。

 

嵐山「この手の甲の数字が見えるかな?この数字を4000まで上げること。それがB級昇格の条件だ」

 

仮入隊して優秀なやつにはさらにポイントが上乗せされることもある。オレは仮入隊してないからポイントは1000からスタートだったな。

 

嵐山「攻撃手と銃手の昇格条件はさっき言った通りだが、狙撃手は少し違う。それをこれから説明するから、みんなついてきてくれ」

 

 

そうしてスナイパー訓練場へと向かった。

 

 

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そしてスナイパー訓練場にきたが佐鳥が説明をしその後ツインスナイプをしたりしました。はい、そうです割愛です。

 

そして現在は仮想訓練場へと向かっている。オレ達3人は最後尾をゆっくり歩いて向かっている。玲と透もオレに合わせて歩いている。玲はともかくなんで透まで…

 

そして訓練場に到着した。

 

嵐山「訓練生には、まず最初に大型ネイバーとの戦闘訓練を行ってもらう。仮想戦闘モードで、ボーダーの集積したデータから再現されたネイバーと戦う訓練だ。今日も何人か体験してもらうが、さすがに全員はできない。だからこれから体験してもらう人を決めよう。誰かやりたい人はいないか?」

 

すると予想通りほぼ全員が立候補するのだった。そんなにやりたいのかよ。

 

そして選ばれたのは綾鷹ではなくて、葉山、三浦、由比ヶ浜、川崎、その他諸々の奴ら。そんな感じで訓練が開始されるが訓練室はそんなに多くないので何回かに分けて行われる。

 

 

玲「なんだかすごい人気だね」

 

八幡「ああ」

 

奈良坂「そうだな」

 

オレ達がいるのは訓練場の後ろの方にいる。ここならば嵐山さんに見つかる確率は低くなるからな。そんな後ろの方にいるオレ達に声をかけられた。

 

「先輩達ここで何されてるんですか?」

 

声をかけられた人物それは嵐山隊の木虎藍。プライドが高いがその分実力もあるエリート。烏丸にはデレる。

 

八幡「よお、木虎」

 

玲「おはよう」

 

奈良坂「オレ達はここで見ているだけだが」

 

木虎「そうなんですか。それにしても比企谷先輩がサボらずに来るだなんて珍しいですね」

 

八幡「サボったら面倒くさくなるからな。それに家まで玲が来たし」

 

木虎「そうなんですか?」

 

玲「うん。一応ハチくんがサボらないようにするためにね」

 

木虎「そうなんですね。本当に仲が良いんですね」

 

八幡「まぁな」

 

奈良坂「そして、八幡が逃げないようにこうして見張ってるんだ」

 

木虎「なるほど。それなら安心ですね」

 

そんな中1つの訓練室に葉山の姿があった。葉山が選んだのはシューター用トリガーのアステロイドだった。ハンドガンにしないんだな。

 

奈良坂「葉山の奴。選んだのはアステロイドか」

 

八幡「みたいだな」

 

バムスターの踏みつけをかわしスキを見てジャンプをしてバムスターの目玉に目掛けてアステロイドを撃つ。記録は51秒。

 

木虎「51秒。まぁまぁですね」

 

八幡「まぁ、お前からしたらそうかもな」

 

玲「それ、ハチくんが言ったら皮肉にしか聞こえないと思うよ」

 

奈良坂「確かにそうだな」

 

木虎「那須先輩の言う通りですよ。ん?次の人トリガーはバイパーみたいですよ」

 

玲「初心者でバイパーは難しいんじゃないかな」

 

八幡「そうだな」

 

そうバイパーは弾道を自由に設定できるトリガーだ。遮蔽物を避けたり、相手の予期せぬ方向から攻撃もできる。でも制御が難しい。リアルタイムで軌道をコントロールできるのはオレと玲、それに出水と上位のシューターぐらいだろう。

 

奈良坂「そのバイパーを自在に操る2人が言うか」

 

うん、確かにそうだな。て言うかバイパー使ってるの由比ヶ浜じゃねぇか。弾なんてあっちいったりこっちいったりして、全然バムスターに当たっていない。そしてタイムアップとなった。

 

木虎「タイムアップ。初めて見ました」

 

八幡「オレもだ」

 

玲「私も」

 

そりゃそうだろうな。皆全員初心者なんだし、スコーピオンか弧月、もしくは葉山使っていたアステロイドの方がいいだろう。

 

木虎「それでは私はそろそろ戻ります。比企谷先輩また今度勝負して下さい」

 

八幡「ああ、わかったよ」

 

木虎「お願いします。それでは失礼します」

 

そう言って木虎は嵐山さん達の所へと戻った。

 

奈良坂「ん?次は三浦のようだ」

 

八幡「……みたいだな」

 

三浦の使うトリガーは弧月を使うようだ。だが時間は3分以上かかっていた。

 

奈良坂「まだまだのようだな」

 

八幡「ああそうだな」

 

動きが全くダメだな。C級レベルだな。

 

玲「あ、次川崎さんの番みたいだよ」

 

八幡「お、ホントだ」

 

奈良坂「トリガーは弧月か」

 

ほう、弧月か。まぁ、確かに弧月はバランスもありそして万能で使用者も多いし、人気No.1のトリガーだ。

 

装甲の厚いバムスターの足を切り体制を崩したスキに弱点である目玉を切った。タイムは……

 

八幡「1分13秒か…」

 

玲「でも綺麗な動きで相手の弱点をよくわかってる動きだったね」

 

奈良坂「だな。ボーダーに入っても大丈夫なレベルだろう」

 

八幡「そうだな」

 

他の奴らは知らんがかなりタイムを使っただろう。まぁ、どうでもいいがな。すると葉山が…

 

隼人「嵐山さん。参考に聞きたいんですけどいいですか」

 

嵐山「ん?なんだい?」

 

隼人「このボーダー内で最高記録は何秒なんですか?」

 

それを聞いてどうする?ん?何だか嫌な予感がするな。でも気のせいか。

 

嵐山「そうだな。ウチの木虎が9秒。緑川と言う中学生が4秒で、最高記録は2秒だよ。」

 

隼人「に、2秒…それは一体誰なんですか?」

 

おい!それを聞くな!あ〜、クソ!これが嫌な予感だったのか。

 

嵐山「誰って…名前は比企谷だけど。そう言えば今日来ているよな。おーい比企谷いるんだろう。出てきてくれ」

 

ヤバイ。幸い嵐山さんはオレがここにいることは知らない。だったからランク戦のブースに逃げ込めばと思い後ろを向いた瞬間オレの両腕を掴まれた。

 

透「八幡。呼ばれてるぞ。どこに行く?」

 

玲「そうだよハチくん。呼ばれてるんだから行かなきゃダメだよ」

 

八幡「は、離してくれ玲、透」

 

奈良坂「無理だ」

 

玲「ダメ」

 

そう言われオレは透に嵐山さんの所までドナドナされた。そして透はオレを嵐山さんの所に連れていった後玲のいる所まで戻った。

 

嵐山「おお、比企谷やっぱり来てたか」

 

八幡「…どうも嵐山さん」

 

嵐山さんはオレの肩に手を置き。

 

嵐山「さっき言った2秒を出した。比企谷だ。彼はA級部隊の隊長でもある」

 

と嵐山さんは丁寧に説明をした。いや、もう言わないでくれ。

 

隼人「ひ、ヒキタニくん。君はボーダー隊員だったのか」

 

八幡「…ああ」

 

あんまし関わりたくないのにな〜。

 

隼人「そうだったのか。すごいな君は」

 

な、なん…だと。コイツが褒めた?マジかよ明日槍でも降るんじゃないか?そう言って葉山は自分のグループの所に戻った。が……

 

優美子「へぇ〜、あんな奴がA級?へぇ〜」

 

あ?あいつ今なんて言った?

 

優美子「ねぇ〜隼人〜。あのヒキオでもA級になれるんだったらさぁ、あーしらだったら余裕でA級になれるじゃね?」

 

隼人「い、いや〜。それはどうだろう。A級って嵐山隊と同じだよ?なるのすごく難しいんじゃないかな?」

 

優美子「そんなことないって隼人。どうせ、ズルしてA級に上がったヒキオ居るんだしあいつの隊はみんな、ズルしているんだよ。それにあんなキモくて冴えない奴がマトモなやり方でA級になれるわけないし!!」

 

 

三浦はそう言って、周りの人間を巻き込んで笑っていた。だが、オレは特にいい返すこともせずに玲達の方をみる。すると玲は透と三上と宇佐美がおさえている。水川は何もせず普通に突っ立っていた。そして目が合う。まぁ、多分オレの事信用しているのだろう。

 

木虎「比企谷先輩なんで言い返さないんですか?」

 

八幡「いや、別に何も」

 

まぁ、確かにあんな事言われていい気分ではないな。

 

木虎「なんでなんですか!?」

 

「落ち着いて木虎」

 

不機嫌な木虎を落ち着かせているのは嵐山隊の時枝だ。

 

木虎「時枝先輩まで…」

 

木虎の気持ちも分かる。だがオレはさっきからこっちに近づく気配が気になる。誰だこの気配は……

 

「なんだこの騒ぎは」

 

と後ろから低い声が聞こえる。さっきまで笑っていた三浦やその他の奴らも一斉に黙る。そしてオレは振りかれるとそこにはA級3位部隊の隊長の風間さんだった。あ〜、この気配は風間さんのだったか〜。

 

嵐山「か、風間さん。どうしてここに?」

 

風間「なんだか騒がしかったからな。で?これはなんの騒ぎだ嵐山」

 

嵐山「それは「嵐山さん」ん?なんだ比企谷」

 

風間さんに説明をする嵐山さんをオレは止めた。

 

八幡「ここはオレが説明します」

 

嵐山「そうか。じゃあ頼んだ」

 

八幡「はい。風間さん実は…」

 

オレはさっきまでの事を全部正確に風間さんに伝えた。オレとオレの部隊の事を三浦が馬鹿にした事を……

 

風間「なるほど。それであんなに騒がしかったのか。で?その比企谷を馬鹿にした奴はどいつだ?」

 

木虎「あの人です風間さん」

 

と木虎が三浦に指を指す。ちょっと木虎さん?それはオレの役目だよ。何しちゃってるの?

 

風間「…ほう。アイツか」

 

そう言って風間さんは三浦に近づき……

 

風間「お前か比企谷と比企谷の部隊を馬鹿にした奴は」

 

優美子「な、なんなんだしお前!いきなり出てきて。それにチビのくせに生意気な!」

 

おうおう、そんな口の聞き方していいのか?風間さん自信自分の背の小ささは気にしてないがな。しかも周りの奴らもクスクス笑っている。もうオレは知らねぇ。

 

風間「俺の名前は風間蒼也21歳だ」

 

優美子「に、21!?」

 

すると周りの奴らもザワザワし始めていた。「えっ!?あの人21歳!?」やら「聞いたことあるぞ。確かA級3位の風間隊の隊長だ」とか「マジで!?」とかチラホラ聞こえる。

 

風間「なぜお前が比企谷達を馬鹿にするのか分からんが何故比企谷は言い返さない」

 

木虎「そうですよ比企谷先輩。何とも思わないんですか」

 

と風間さんに続いて木虎も言ってくる。確かにいい気分ではないがなんでオレが言い返さないのかそれは……

 

八幡「別に何もだって…」

 

オレは視界に入ったある人物に言う。

 

八幡「なぁ、雪ノ下」

 

オレがそう言うと総武高生徒は雪ノ下に視線が集中するがそんなの多分慣れている雪ノ下は腕組みをしながら口を開く。

 

雪乃「ええ、そうね。三浦さんは自宅謹慎又は、停学、下手したら退学になるのだから」

 

雪ノ下の言葉で生徒は騒ぎ始める。

 

優美子「な、なんであーしが退学になるし」

 

雪乃「簡単なことでしょう?ボーダー隊員である比企谷君達を否定した。つまり比企谷君達を採用したボーダーをも否定することと同じ事よ。当然、ボーダー側は学校側にさっきの言動を報告すれば、学校側はボーダーとの連携を崩さないために何かしらの罰をあたえるでしょう」

 

そう、雪ノ下の言う通りさっきオレとオレのチームを馬鹿にした三浦は何かしらの罰を受けるからだ。だからオレは何も言い返さなかったのだ。言い返してもいいが別に言い返しても無駄だろうと思ったからだ。そして、さっきの言葉を聞いた生徒はザワザワし始める。そんな中ある人物が…

 

隼人「っ!お願いだ!ヒキタニ君、優美子を許してくれないか。優美子も悪気があったわけじゃないんだ。だから頼む!!」

 

そう言って葉山はオレに頭を下げる。

 

 

は?コイツ何言っちゃってるの?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




いかがでしたか?ではまたお会いしましょう〜。


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第12話

どうもチャキです!第12話どうぞ!


八幡side

 

隼人「っ!お願いだ!ヒキタニ君、優美子を許してくれないか。優美子も悪気があったわけじゃないんだ。だから頼む!!」

 

と言って頭を下げる葉山。え?ちょっと何言っちゃってるの?すると……

 

優美子「隼人…」

 

三浦は葉山の事がまるで自分を助けてくれる王子様にでも見えているのだろうな……。フッ…くだらん。

 

八幡「諦めろ。もう決まったことだしな」

 

雪乃「ええそうね」

 

隼人「どうしてなんだい?ヒキタニ君、雪ノ下さん」

 

八幡「そりゃお前。三浦がオレに謝ってないからだ。オレとオレのチームを馬鹿にした三浦本人が謝らないといけないのに、なんでお前が謝ってるんだよ」

 

例え友達のためでも葉山1人で謝ってる。この場合三浦が謝るべきなのにな。

 

雪乃「比企谷君の言う通り、この場合三浦さん本人が謝らないといけないのに何故葉山君が謝っているのかしら」

 

隼人「そ、それは……」

 

何も言い返してこない葉山。ホント何しに来たんだよお前は。雪ノ下も葉山に問いかけるがそれを聞いた他の奴が「なんで雪ノ下さんまであんな事言ってるの?」とか「雪ノ下さんには関係なくねぇ?」とか雪ノ下の事を言われていた。まぁ、確かにはたからみると雪ノ下は関係無いかもしれない。だが関係があるんだなこれが

 

雪乃「一応言っとくけど、私もボーダー隊員なのよ」

 

と言うと周りの奴らはザワザワし始める。まぁそうなるわな。だって雪ノ下がボーダー隊員だって知ってるの学校の先生と雪ノ下のクラスとオレ達だけだからな。

 

雪乃「そして比企谷君達を馬鹿にするということは、私と私が入ってるチームみんなを馬鹿にするという事よ」

 

ちょっと怒りを込めて言う雪ノ下。さすがに雪ノ下も自分のチームメイトを馬鹿にされるのはガマンならんか。そりゃそうだよな。オレも内心イラついてるしな。だが周りからこんな事が聞こえてきた。

 

「雪ノ下さんってボーダーにコネで入ったんじゃ…」

 

と。さすがにオレも驚いた。まさかそんな事を言う奴がいるだなんて。まぁ、確かに雪ノ下の家、雪ノ下建設はボーダーと連携を組んでるしな。だからコネで入ったとか言われたんだろう。けど雪ノ下は自分の気持ちを正直に親に伝えてボーダーに入ったんだ。それに雪ノ下をボーダーに誘った玲にも言われてるような気がして更にイラつく。すると

 

風間「残念だが雪ノ下は家のコネで入ったんじゃない。自分の実力で入ったんだ。何も知らないお前達が言うことではない」

 

と風間さんがそれを言った奴に言う。様子からみると風間さんも怒ってる。しかも遠くにいる玲や熊谷も怒っている様子だ。まぁ、当たり前か。

 

風間「雪ノ下。こいつらにお前の実力を見せてやれ」

 

雪乃「そんな勝手なことしていいんですか?」

 

風間「嵐山いいだろ」

 

嵐山「ええ、構いませんよ。今回の件はさすがに見過ごせない案件ですので。では雪ノ下2番に入ってくれ」

 

雪乃「わかりました」

 

そう言って雪ノ下は自分のトリガーを起動させる。でも那須隊の隊服は女性らしさを出すため初めて見た人は視線が集中する隊服でもある。まぁ、雪ノ下はいつも視線集めてるか。まぁ、そんな事はおいといて、訓練室に入った雪ノ下、すると雪ノ下の目の前にはさっきまで総武高の生徒達が戦っていたトリオン兵のバムスターが現れた。そして雪ノ下は腰につけた弧月を抜刀し構える。そして開始の合図が鳴る。

 

『2号室開始』

 

開始の合図と同時に雪ノ下はバムスターに向かって走り出す。次にグラスホッパーで飛びバムスターの目を斬った。着地した雪ノ下は弧月を納刀する。よくアニメとかである斬った後納刀した瞬間斬れるというあれが起きたのだ。そして記録は…

 

『2号室終了。記録1.5秒』

 

とアナウンスされる。流石だな。訓練室から出てきた雪ノ下はトリガーを解除し制服姿に戻る。

 

嵐山「こんな感じで正隊員ともなればこのぐらいのタイムは余裕出せる」

 

まぁ、そうだろうな。太刀川さんならどのぐらい出せるのだろう。ちょっと気になってきたな。

 

雪乃「1つ言っとくけど私が何言われようがいいけど、私のチームメイトや師匠を馬鹿にするのはガマンならないわ。こんな私を誘ってくれた人達をね」

 

おお〜、嬉しい事言ってくれるね。こりゃ太刀川さんも喜ぶだろう。そして雪ノ下の発言で他の奴は何も言い返してこなかった。

 

 

そして後ろの方では…

 

熊谷「なんだかあんな事言われると、ちょっと照れるね」

 

玲「うん、そうだね。雪乃ちゃんは私達の為に言ってくれるんだし。私は嬉しいよ」

 

熊谷「だね」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

嵐山「よし、今からサプライズとしてA級隊員同士の模擬戦を見てもらう」

 

え?何それ?聞いてないよ。

 

木虎「比企谷先輩、これはドッキリみたいな感じで生徒用の日程表には書かれていません。そして戦うのは私達嵐山隊と比企谷先輩の隊、比企谷隊と風間さんの隊、風間隊です」

 

あ、そうなの?オレ全然聞いてないや。水川は聞いてたのかな?というよりオレの隊オレしかいないんじゃ…

 

木虎「比企谷先輩、安心してください。沢北さんと綺凛ちゃんは、学校休みにして来てます」

 

おー、マジかそりゃ安心だな。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

ランク戦ブースに総武高生徒が移動しオレは自分の隊の作戦室に向かおうとすると玲達に呼び止められ…

 

熊谷「頑張りなよ比企谷」

 

雪乃「頑張って」

 

奈良坂「頑張れよ八幡」

 

八幡「おう」

 

玲「…ハチくん頑張ってね」

 

八幡「ああ、わかってるよ。だから心配すんな」

 

オレは心配している玲の頭をポンポンして

 

八幡「じゃあ行ってくる」

 

玲「いってらっしゃい」

 

玲達に見送られオレは作戦室に向かった。

 

八幡「お待たせしました」

 

真司「大丈夫だよ」

 

綺凛「まだ決まってないので大丈夫ですよ」

 

真由「そうそう」

 

八幡「じゃあ、まず作戦は……」

 

 

そしてランク戦ブースでは……

 

武富「さあ、お待たせしました。A級同士の模擬戦の実況する海老名隊の武富桜子です。そして解説はB級6位部隊隊長東隊長と、A級1位部隊太刀川隊の出水隊員です。よろしくお願いします」

 

東・出水「「どうぞよろしく」」

 

武富「今回はサプライズとしてA級同士の模擬戦を企画されましたが、今回の戦いはどう思いますか?」

 

東「そうですね。今回はスナイパー殺しの2人がいる比企谷隊には、狙撃は効かないと思います」

 

武富「なるほど…というより誰が比企谷隊長と沢北隊員の事スナイパー殺しと言ったんですか?」

 

東「俺だよ」

 

武富「東さんが言ったんですか」

 

東「ああ、比企谷と沢北のサイドエフェクトはスナイパー相手には有利ですから」

 

出水「確かにあの2人のサイドエフェクトは厄介ですからね。特にハッチのサイドエフェクトは、すぐに位置がわかるというサイドエフェクトですかね」

 

東「だがあの2人の他にもう1人スナイパーの永宮も凄腕のスナイパーだから油断できないしな」

 

武富「なるほど」

 

東「でもそんな比企谷隊に負けずとも劣らない2つの部隊。どんな戦いになるか楽しみです」

 

出水「同じく」

 

武富「ありがとうございます。おっとそうこうしてるうちに転送が始まります」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

そして準備を完了しステージも決まり転送が始まった。

 

八幡「今回のステージは市街地Bか…水川、1番近いのは」

 

真由『うーん、2人とも遠いよ。でも近いのは綺凛よ』

 

八幡「なるほど…わかった。永宮、どっかの狙撃ポイントまで移動」

 

綺凛『了解』

 

八幡「沢北さんとオレは合流を目標にしますが、もし敵と接触したら構わず戦ってください」

 

真司『わかったよ』

 

さぁ、オレも移動するか。ん?後ろから気配がする。後ろを見るとそこには木虎がハンドガンで撃ってきたのでオレは難なくかわす。

 

八幡「よお、木虎。さっきぶりだな」

 

木虎「そうですね。ではやられてください!」

 

八幡「んな簡単にやられるわけないだろ」

 

オレは左でアステロイドを4×4×4に分割し木虎に向かって撃つ。が木虎はシールドを張って守る。そんな中遠いけどオレの後ろの方で気配がする。佐鳥だな。

 

八幡「永宮、オレの後ろ方に多分佐鳥がいる。多分あのでかいマンションだと思う。見てくれ」

 

綺凛『わかりました』

 

こういう時、ホント便利だなオレのサイドエフェクト。

 

木虎「比企谷先輩、さっきから消極的ですねどうしたんですか?」

 

八幡「煽りにしたら小さい煽りだな木虎」

 

さて、どうするかな……

 

真由『沢北さんが風間さんに見つかったよ』

 

八幡「りょーかい」

 

沢北さんが風間さんと出会ってしまっまたか。他の奴らも気になるけど……

 

綺凛『比企谷先輩、佐鳥先輩見つけました。比企谷先輩の言う通りマンションの屋上にいました』

 

八幡「オーケイ。ちょっと吊ってみるから佐鳥が撃ったら頼むぞ」

 

綺凛『了解しました』

 

よし。でもどうやって吊ろうか…オレは木虎の攻撃を避けながら撃ち返してる。多分オレの気を木虎に集中される作戦だろうがオレには通用しない。

 

するとちょっと大きい家が見えた。よしこれで佐鳥を吊れたらいいか

 

そう思いオレは家の屋根に乗る。木虎もそのあとを追うように屋根に乗る。そしてスコーピオンを出してオレに斬り掛かるがオレは上にジャンプをしてかわす。するとさっきのマンションからマズルフラッシュが見えた。やっぱり撃ってきたか。予想していたのでオレは集中シールドで防ぐ。そして次は違う場所でマズルフラッシュが見えた。永宮のアイビスが佐鳥を撃ち抜き、佐鳥はベイルアウトした。そしてオレは違う家の屋根に着地し

 

八幡「お仲間が1人減ったみたいだぞ」

 

木虎「やっぱり比企谷先輩には奇襲は効かないみたいですね」

 

八幡「そう思うならやるなよ」

 

木虎「でもこれも戦術のひとつですよ」

 

八幡「だろうな。けどまだまだだな」

 

木虎「え?」

 

オレはさっきまでいた屋根に置いたメテオラの置き玉を爆破される。木虎は崩れた家と一緒に落ちていく。それにすかさずオレはアステロイドを撃つがシールドで防がれた。けど木虎が出したシールドではなく同じ嵐山隊の時枝だった。

 

時枝「大丈夫?木虎」

 

木虎「はい、大丈夫です。ありがとうございます」

 

あらら、先に向こうが合流してしまったな。するとオレと木虎達の所に来た人物それは風間隊の歌川だった。菊地原ではなかったのが良かったな。

 

八幡「水川、他はどうなってる?」

 

真由『嵐山さんと菊地原君が戦っていて、まだ沢北さんは風間さんと戦っていている』

 

八幡「そうか」

 

まだ沢北さんはこっち来れないかと思っていると遠くの方で誰かがベイルアウトした。

 

八幡「水川、誰だ」

 

真由『菊地原君よ』

 

八幡「マジか…ちょっと厄介だな」

 

さっさと木虎か時枝を落としたいがどうしょうかな。そんな事考えてるとどうやら向こうは作戦が決まったみたいだ。

 

八幡「永宮、誰でもいい、いける時でいいから撃って援護頼むぞ」

 

綺凛『はい』

 

すると木虎は歌川へ、時枝はオレに向かってきた。なるほど二手に別れるのか、なるほどな。そう思いオレは右でバイパー、左でアステロイドを出して応戦する。時枝はシールドを張って守るがバイパーはシールドを避けて時枝に当たる、と思ったらシールドが出てきてバイパーは防がれた。くっ!もう来たのかよ。

 

嵐山「すまない充、遅れた」

 

時枝「大丈夫ですよ嵐山さん。ありがとうございます」

 

嵐山「やあ、比企谷落としに来たぞ」

 

八幡「それ、嵐山さんが言うセリフじゃないですよ」

 

と言いつつオレはアステロイドを50に分割し半分の25発ずつ2人に向かって撃つ。けど2人はそれを素早く避ける。さすが嵐山さん達だな。

 

 

それから嵐山さんと時枝はオレに反撃する。オレはシールドで防いだり弾をぶつけて相殺させる。くっそ!埒が明かない。沢北さんはまだ風間さんと戦ってるのか。すると遠くの方で2つベイルアウトの光が上がった。

 

真由『今のは木虎ちゃんと歌川君よ』

 

八幡「なんで2人同時なんだ?」

 

真由『歌川君が木虎ちゃんを道連れにメテオラを撃ったのよ』

 

八幡「なるほどな」

 

そう思いながらオレは嵐山さん達に応戦する。そしてバイパーを5×5×5に分割し嵐山さんに向かって撃つが、嵐山さんの姿が消えた。

 

八幡「やっべ!」

 

テレポートした嵐山さんと時枝のクロスファイアが来ると思いフルガードをしょうと思ったら、遠くの建物の屋上からまたマズルフラッシュが見えたと思ったら嵐山さんの左腕がとんだのだ。

 

嵐山「!?」

 

永宮か…ナイスタイミングだ。

 

八幡「サンキュー永宮。助かった」

 

オレはすぐさま建物の影に転んで入る。

 

綺凛『危なかったですね』

 

八幡「ああ、あのままだと落とされてたな」

 

ホント、永宮にはこれまでどんだけ助けてもらったか、数え切れねぇほど助けてもらった。永宮をうちの隊に入れて正解だったな。

 

八幡「よし、嵐山さんか時枝が来る前に逃げろよ」

 

綺凛『はい!』

 

そしてオレはサイドエフェクトを使いながらバイパーを嵐山さん達に向かって撃ちながら移動する。どうやら永宮の方へは行ってないみたいだ。よし、それなら…

 

八幡「永宮!」

 

綺凛『はい!ハウンド!』

 

オレがそう呼びかけると永宮は、さっきと違う建物の屋上からハウンドを撃つ。オレは永宮のハウンドに当たらない所に移動していたので当たらない。そして永宮が撃ったハウンドは建物を破壊していく。ベイルアウトをしないということは、当たらなかったのかフルガードをしたのかどっちかだろう。そしてオレは両手でアステロイドを出しそれを合成する。合成弾ギムレットを作り煙が晴れるのを待つ。そして煙が晴れると嵐山さん達はフルガードしていた。2人が気づく前にギムレットを撃つ。いくらフルガードでも貫通力があるギムレットには敵わない。嵐山さん達をシールドごと削り倒した。2つのベイルアウトが上がる。後は風間さんだけだと思ったら向こうも2つのベイルアウトが上がった。

 

真由『沢北さんが風間さんを道連れにメテオラを撃ってベイルアウトしたよ。おつかれ終わりだよ』

 

フゥ…終わった……

 

綺凛『お疲れ様です比企谷先輩』

 

八幡「おう、永宮もお疲れさん。助かったよ」

 

綺凛『ありがとうございます』

 

そしてオレは作戦室に戻った。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ランク戦ブースでは…

 

武富「ここで沢北隊員と風間隊長がベイルアウト!試合終了です!比企谷隊は生存点と合わせて5点、風間隊は2点。嵐山隊2点となりました。いかがでしたか今回の模擬戦を振り返ってみて」

 

東「そうですね〜。やっぱり比企谷のサイドエフェクトが生かされましたね」

 

出水「ですね。それに永宮も嵐山隊のクロスファイアを未然に阻止しましたし。沢北さんも最後は風間さんを道連れにしましたしね」

 

東「ああ、でも歌川も木虎を道連れにしポイントを獲得してるしな。でも今回は風間隊は運が悪かったのもあるかもな」

 

出水「ですね」

 

武富「ありがとうございます。それでは以上もちまして模擬戦を終了します。お疲れ様でした。解説の東隊長、出水先輩ありがとうございました」

 

東・出水「「ありがとうございました!」」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

そして模擬戦も終わりオレはランク戦ブースに戻る。嵐山さん達は先に戻って生徒達に説明をしている。さすが嵐山さんマジイケメンだな。オレは玲達がいる所に戻る。

 

玲「お疲れ様ハチくん」

 

熊谷「流石だね」

 

雪乃「ええそうね」

 

奈良坂「良かったぞ」

 

八幡「そうか」

 

玲「はい、これ」

 

そう言って玲はオレに飲み物を渡してくる。

 

八幡「おう、サンキュー」

 

 

 

そしてあれから色んなところをまわり職場見学は終了した。

 

 

嵐山「それじゃあ比企谷、上層部にはきっちり報告しておくから安心しろ」

 

八幡「はい。ありがとうございます」

 

後のことは嵐山さん達に任せてオレらは帰ることにしたが、目の前に由比ヶ浜がいた。

 

八幡「由比ヶ浜どうしたんだ?」

 

結衣「あ、あのねヒッキーにゆきのん。さっき優美子が酷い事言ってごめんね」

 

八幡「は?なんでお前が謝ってんだ?」

 

結衣「それは…やっぱり友達だから謝りたくて」

 

八幡「そうか、ならその気持ちだけは受け取っとくよ」

 

雪乃「ええ、そうね」

 

結衣「ありがとう。それだけ言いたかったの。じゃあ私優美子の所へ行くね。それじゃあバイバイー」

 

八幡「おう」

 

雪乃「さよなら」

 

玲「またね」

 

熊谷「また明日」

 

とオレ達は由比ヶ浜と別れた。由比ヶ浜は友達の三浦の為に謝った。でもホントは三浦本人が謝りに来ないといけないのに結局謝りに来なかった。ホント、カスだなアイツ。しかも自己中なところのもあるしな。しかも葉山も葉山だ。あの時一緒に謝ろうとか言えばいいのにホント馬鹿だよな。

 

と、まぁ、そんな事はおいといてほとんどの生徒は帰っている。透も用事があるらしく帰ったそうだ。オレもなんも用事ないしどうしょうかなと思っていると

 

雪乃「ねぇ、突然だけど6月18日、何の日か知ってる?」

 

八幡「18?なんかあったっけ?」

 

熊谷「さぁ?私には分からないな」

 

玲「雪乃ちゃん、一体なんの日なの?」

 

雪乃「由比ヶ浜さんの誕生日よ」

 

熊谷「え?そうなの?」

 

雪乃「ええ、メールアドレスに0618って入ってたから」

 

八幡「そんな安易な。本人に確認したのか?」

 

雪乃「…いいえ」

 

なんでちょっと間を空けたんですか雪ノ下さんや。

 

雪乃「だからお祝いしたいと思ってるの。どうかしら?」

 

玲「うん!いいと思う!」

 

熊谷「だね。短いけど一緒に部活した仲だしね」

 

雪乃「比企谷君はどうかしら?」

 

八幡「ま、別にいいんじゃねぇの?」

 

雪乃「そう、なら良かった。それで皆が良かったら誕生日プレゼントを買うの手伝ってくれないかしら?」

 

玲「うん、いいよ。皆で買いに行こ」

 

熊谷「うん、そうだね。比企谷もいいでしょ」

 

八幡「おう、いいぞ。で?いつにするんだ?」

 

雪乃「そうね。明日は私達は防衛任務があるからちょっと無理ね。だから明後日の日曜日でどうかしら?」

 

玲「うん、わかった」

 

熊谷「空けとくよ」

 

八幡「日曜日の何時にするんだ?」

 

雪乃「そうね…駅に朝10時に集合でいいかしら?」

 

八幡「はいよ」

 

玲「朝10時ね」

 

熊谷「わかったよ」

 

こうして、由比ヶ浜の誕生日プレゼントを買う約束をしてそれぞれ家に帰った。でもオレには絶対に忘れてはいけない日がある。それは16日だ。何故ならその日は玲の誕生日だからだ。しかも最近ちょっとゴタゴタしてたから誕生日プレゼント買いに行ってない。よし、こうなったら明日買いに行くか。

 

 

 

 

 

 




いかがでしたか?ではまた会いましょう〜


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第13話

どうもチャキです!第13話どうぞ!


八幡side

 

あの職場見学の翌日。三浦はどんな罰を受けるかは月曜になってみないと分からない。まぁ、でも別に知りたくもないがな。どうでもいい。停学だろうが退学だろうが、オレには知ったこっちゃない。まぁ、これでせいぜい反省すればいいさ。それよりもオレは今日やることがある。

 

 

八幡「小町〜。ちょっと出かけてるからな〜」

 

小町「ほーいってどこ行くの?」

 

八幡「玲の誕生日プレゼントを買いに行くんだよ。最近までちょっとゴタゴタしてて買えなかったからな」

 

小町「あ、なるほど。小町はもう買ってあるから」

 

八幡「そうか、じゃあ行ってくる」

 

小町「ほーい、いってらしゃ〜い」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

そしてオレはショッピングモールに来ている。この前玲と来たショッピングモールではない所だ。来たのはいいが玲の誕生日プレゼント何にしようか。前に小町に言われたことだけど『玲お姉ちゃんは、お兄ちゃんから貰うものならなんでも嬉しいよ』と言われた。いや、なんでもって言われたら困るんだよな。例えば母親が子供に『何食べたい?』と聞いた時子供が『なんでもいい』と答えのと一緒だ。……え?オレだけ?そんなこと考えながら周り見渡す。するとそこには、ネックレスなどが売ってる装飾品の店が目に入った。

 

八幡「…いってみるかな」

 

店に入り商品を見ていると、1人の女の店員が寄ってきた。

 

店員「何かお探しですか?」

 

顔を見ると、オレを一切疑わない営業スマイルだった。オレを疑わないとは、前に玲とデートで行った服屋の店員と同じだな。

 

八幡「えっと…彼女へのプレゼントを…」

 

間違ってないがちょっとキョドってしまった。怪しまれたかな?と思い見てみると、なんだかさっきよりも笑顔な店員。

 

店員「そうなんですね。では、その彼女さんはどのようなお方ですか?」

 

ふむ……そうだな。かわいいかな。でもこれはオレが思っていることだな。後は…そうだな……

 

八幡「お淑やかで美人で…後はめっちゃかわいいですかね」

 

店員「なるほど……1つお聞きしますがそれは誕生日プレゼントかなんかですか?」

 

八幡「そうですね。来週彼女の誕生日なんでそれで」

 

店員「誕生日プレゼントですか。いいですね。あ、でしたら誕生日石が入ったものはどうでしょう?」

 

八幡「誕生日石?そんなのがあるんですね」

 

店員「はい!誕生日の月によって色々ありますが、今月の6月、彼女さんの誕生日の石はムーンストーンとパールとかですね」

 

へぇ〜、そうなんだ。今度、誕生日石のことで調べてみようかな。

 

店員「そして、その意味は健康などの意味があります」

 

健康か…なるほど。それはいいな。玲にはいつまでも健康でいて欲しいからな。

 

店員「そして、その誕生日石が入ってるものは、ネックレスやブレスレットなどありますがいかがなさいますか?」

 

八幡「そうですね。後は自分で選んでみます」

 

店員「そうですか。では何かありましたら気兼ねなくお声をおかけください」

 

八幡「はい。ありがとうございます」

 

さて、どうするかな。玲に似合いそうなものか……中々難しいな。それからオレは色んな装飾品を見てまわる。そして…

 

八幡「おっ…」

 

オレはあるショーケースを見る。そこにはさっき店員が言ってた誕生日石、ムーンストーンが入ったネックレスがあった。これなら玲に似合いそうだな。

 

八幡「これにするか。……すいません」

 

店員「はい、決まりましたか?」

 

来たのはさっきの店員だった。

 

八幡「はい。このネックレスください」

 

店員「かしこまりました。包装なさいますか?」

 

八幡「はい、お願いします」

 

そしてオレは会計を済ませる。店員から商品を受け取ると同時に店員が

 

店員「彼女さん、喜んでもらえるといいですね」

 

八幡「はい、ありがとうございます」

 

オレはそう答えて店からでた。なんともいい店員だったな。初めからオレを疑わずに接客してくれたしな。そう思い帰ろうとした時……

 

???「あれ?比企谷君?」

 

八幡「ん?おー、三上か」

 

オレを呼んだのはA級3位部隊、風間隊のオペレーター三上だ。

 

三上「比企谷君は何してるの?」

 

八幡「オレは来週の玲の誕生日プレゼントを買いに来たんだよ」

 

三上「そういえばもう来週か〜。私も買わないとな〜。比企谷君は何買ったの?」

 

八幡「内緒だ」

 

三上「え〜、教えてよ〜。玲ちゃんには言わないから」

 

八幡「嫌だ」

 

三上「いいじゃん。ね?教えてよ」

 

八幡「当日に教えてやるよ」

 

三上「そっか〜。うん、わかった。じゃあ当日教えてよ」

 

八幡「あー、わかった。約束な」

 

三上「絶対だよ!じゃあまたね」

 

八幡「おう」

 

三上と別れて家に帰った。帰ると小町がリビングから飛び出してきた。

 

小町「お兄ちゃんおかえり!どう?買えた!」

 

え?なんでそんなにテンション高いんだよ。

 

八幡「ああ、まぁな」

 

オレは紙袋の中から綺麗に包装されたプレゼントを見せる。

 

小町「ほー、で?何買ったの?」

 

八幡「内緒だ」

 

小町「えー」

 

八幡「当日、玲に渡すからその時のお楽しみ、みたいな」

 

小町「ちぇ〜、まぁ、確かに当日に玲お姉ちゃんに教えてもらうもん」

 

もんって……まぁ、いいか。そういえば明日は由比ヶ浜の誕生日プレゼントを買いに行くんだったよな。そうだ

 

八幡「なぁ、小町。明日玲達とで由比ヶ浜の誕生日プレゼント買いに行くんだがお前も来るか?」

 

小町「え?結衣さんの誕生日プレゼント?いつなの?」

 

八幡「6月18日だとよ」

 

小町「へぇ〜、玲お姉ちゃんと近いんだね」

 

八幡「ああ、初めて知った時は少しビックリしたわ」

 

小町「そっか、結衣さんの誕生日プレゼントをね。わかった小町も行く!少しの間だけどウチのお兄ちゃんがお世話になってるからね」

 

八幡「なんだよそれ…まぁ、わかった。玲達に伝えとくよ」

 

小町「うん、お願い」

 

よし、そうと決まれば玲に連絡だな。そう思いオレは携帯を取り出し玲に電話をかけた。

 

玲『もしもし、どうしたの?ハチくん』

 

八幡「もしもし、玲、今大丈夫か?」

 

玲『うん、大丈夫だよ。ついさっき防衛任務が終わったところだから』

 

八幡「そっか、それならよかった」

 

玲『で?どうしたの?』

 

八幡「ああ、明日由比ヶ浜の誕生日プレゼント買いに行くだろ?その事小町に言ったら、小町も誕生日プレゼント買いたいんだとさ。だから明日小町も連れて行くことにしたからこの事、雪ノ下達にも伝えといてくれないか?」

 

玲『うん、わかった。雪乃ちゃん達に伝えとくね』

 

八幡「スマンが頼むわ」

 

玲『うん』

 

八幡「じゃあ明日な」

 

玲『うん、明日ね』

 

そしてオレは通話をきった。これでよしっと。でも由比ヶ浜へのプレゼントか〜。何にすればいいのか……玲の誕生日プレゼントにあんなに苦戦したから由比ヶ浜のプレゼント選びもちょっと苦戦するかもな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして翌日、駅前……

オレと小町が駅に着くと玲達はもう着いていた。

 

八幡「スマン待ったか?」

 

玲「ううん。全然待ってないよ。私達も今来たところだから」

 

八幡「そうか」

 

小町「玲お姉ちゃん、友子さん、雪乃さん、おはようございます」

 

熊谷「おはよう小町」

 

雪乃「おはよう小町さん」

 

玲「おはよう小町ちゃん」

 

雪乃「では、皆揃ったことだし行きましょうか」

 

八幡「そうだな」

 

そしてオレ達はショッピングモールも見てまわる。何がいいか考えていると雪ノ下が

 

雪乃「そういえば由比ヶ浜さん、あれから料理の練習しているそうよ」

 

熊谷「え?そうなの?」

 

八幡「それは……大丈夫なのか?」

 

玲「ハチくんそれはちょっと酷いと思うよ」

 

雪乃「その質問の反応には困るわね」

 

小町「すいません。ちょっとお聞きしますが、そんなに酷いんですか?」

 

と小町が聞く。それには玲達が反応に困っていた。そりゃそうだよな。

 

八幡「まぁ、そうだな。初めてクッキーを作る時にコーヒーの粉や桃を入れようとしてた」

 

小町「……え?」

 

それを聞いた小町も反応に困っている。

 

小町「むむむ……そうなると何かの料理用品をあげればいいのかな……」

 

雪乃「なるほど。それなら料理に必要な物を見てまわればいいのね」

 

熊谷「じゃあどんなのがいいの?」

 

雪乃「そうね。エプロンなんてどうかしら?」

 

玲「あ、いいかもね」

 

そして数種類あるエプロンの棚から、雪ノ下は1つ取り出し鏡の前でエプロンを着る。そしてその場でクルッと周りオレ達に

 

雪乃「どうかしら?」

 

と聞いてくる。雪ノ下が来ているエプロンは黒い生地に、白い猫のワンポイントが入ったシンプルなエプロン。シンプル故に、雪ノ下の清楚さをより際立たせる。

 

八幡「いや、どう?って言われても似合ってるとしか」

 

玲「そうだね」

 

雪乃「ありがとう。でも私が聞いているのは由比ヶ浜さんにどうかしらという意味なのだけれど」

 

熊谷「由比ヶ浜にはもっと違うのがいいんじゃないかな」

 

雪乃「例えば?」

 

熊谷「うーん…」

 

熊谷が言い出したのにな〜。まぁ、確かにちょっと考えたくなるよな。

 

八幡「由比ヶ浜はあれだ。もっと頭悪そうなポワポワした感じのやつの方が良いんじゃねぇの?」

 

玲「ハチくん、結構酷い事言ってるよ」

 

小町「そうだよお兄ちゃん」

 

うん、それは確かに思うよ。玲と小町の気持ちはよくわかるよ。でもねそう思っちゃうんだよ。今まで見てきたけど、なんだかやっぱりバカだな〜と思っちゃうんだよ。

 

雪乃「確かに酷い言い方だけど、間違いないわね」

 

熊谷「間違えないんだ…」

 

うん、雪ノ下も認めちゃったよ。そして雪ノ下が選んだのはフリフリでカラフルなエプロンと先程のエプロンをご購入した。

 

それからオレ達は適当に見てまわった。小町は料理の本を熊谷は、由比ヶ浜が犬を飼っている事で犬用の遊び道具。玲はヘアピンを買い、オレはチョーカーを買った。

 

玲「買えてよかったね」

 

雪乃「ええ、そうね」

 

熊谷「これからどうする?」

 

小町「適当に見てまわりますか?」

 

雪乃「そうね。そうしましょう」

 

由比ヶ浜の誕生日プレゼントを買い終えた後、ショッピングモールをまわるらしい。が、何故だか知らないがオレのサイドエフェクトが反応している。後ろに嫌な反応がある。なんだこの反応は……と考えていると

 

???「あれ?雪乃ちゃん?」

 

と呼ばれて雪ノ下や他のみんなも呼ばれた方を見る。

 

???「やっぱり雪乃ちゃんだ!」

 

と言いながら雪ノ下を呼んだ人はこっちに近づいてくる。

 

雪乃「姉さん」

 

雪ノ下が姉と呼ぶ。なるほどこの人に反応していたのか。

 

???「あれ?そっちの子達は?」

 

雪乃「私の友達よ」

 

???「へぇ〜、雪乃ちゃんの友達か〜」

 

???「ちょっと陽乃。どうしたの?」

 

ん?何やら聞き覚えのある声だな。

 

???「あら?比企谷君達じゃない」

 

八幡「加古さん」

 

そこには、ストレートロングヘアーに口元にはホクロが特徴の人物。ボーダーではA級6位部隊、隊長加古望さんだ。

 

???「望の知り合い?」

 

加古「ええ、ボーダーで一緒なの」

 

???「へぇ〜、取り敢えず移動しょうか」

 

 

場所を移動し椅子に座る。

 

???「じゃあまず自己紹介からね。私は雪乃ちゃんの姉の雪ノ下陽乃です。あなた達のお名前は?」

 

玲「那須玲です」

 

熊谷「熊谷友子です」

 

八幡「比企谷八幡です」

 

小町「その妹の比企谷小町です」

 

と全員の自己紹介が終わると…

 

陽乃「那須…熊谷……比企谷」

 

とオレ達の名前を繰り返す雪ノ下(姉)。そしてそれぞれの顔を見ると、何か思い出した顔になったと思ったら

 

陽乃「あ〜、君達か〜。雪乃ちゃんが話してた人達は」

 

と言う。え?雪ノ下が言ってた?なんの話だ?

 

雪乃「去年、実家に帰った時に話したのよ。皆のこと」

 

玲「そうなんだ」

 

熊谷「なるほどね」

 

陽乃「それに比企谷君、去年はごめんね。その後大丈夫だった?」

 

八幡「え、ええ。あれは自分も急に飛び出してすいませんでした。車の方は大丈夫だったのでしょうか?」

 

陽乃「うん、大丈夫だよ。心配しないで」

 

この人、会ってからはなんだか寒い演技をしていたが、雪ノ下が話したという内容がオレ達だとわかった途端それは剥がれ、本当の顔になった。

 

陽乃「それと那須ちゃんに熊谷ちゃん」

 

玲「はい」

 

熊谷「なんですか?」

 

陽乃「雪乃ちゃんと仲良くしてくれてありがとね」

 

玲「いえ、こちらこそ仲良くしてもらってます」

 

熊谷「そうですよ」

 

雪乃「べ、別に私はそんな風に思ってないのだけれど」

 

なんだか照れる雪ノ下。

 

加古「それにしても、比企谷君達は何してたの?」

 

八幡「同じ部活仲間の誕生日プレゼントを買いに来ただけですよ」

 

加古「そうなんだ」

 

八幡「ええ」

 

陽乃「あ、そうだ!」

 

と何か思いついた雪ノ下の姉。

 

加古「どうしたの陽乃?」

 

雪乃「いきなり大声を出してどうしたの?」

 

陽乃「あー、ごめんごめん。雪乃ちゃん、今度実家に帰ってくる時、皆を招待するのはどう?お母さんも会いたがってたしさ」

 

雪乃「ええ、そのつもりよ。だから夏休みまで待っててちょうだい」

 

陽乃「うん、わかった。待ってるよ」

 

雪乃「そういうことだから、時間空けといてくれるかしら?日にちはまた連絡するから」

 

玲「うん、いいよ」

 

熊谷「わかったよ」

 

雪乃「それとここにはいないけど日浦さんに志岐さんも言わないとね。もちろん比企谷君も小町さんも」

 

八幡「え?オレも?」

 

小町「小町もですか?」

 

いや、この話は玲達、那須隊の話ではないのか?

 

雪乃「ええ、だってあなた達も私の大切な友達だもの」

 

なるほど。そういうことならば。

 

八幡「わかったよ。日にち教えてくれれば空けとくよ」

 

小町「小町もです!」

 

雪乃「ありがとう」

 

陽乃「なんだか雪乃ちゃん変わったな〜。やっぱりボーダーに入ったから?」

 

雪乃「どうかしら?自分では分からないものよ。でも私を変えた出来事といえば那須さん達に出会った事かしら」

 

陽乃「なるほど。雪乃ちゃん成長したね。お姉ちゃん嬉しいぞ!じゃあもう私達行くね。皆、また会おうね。行こ望」

 

加古「ええ、わかったわ。じゃあ皆またね」

 

そう言って2人は去っていった。

 

八幡「すごいなお前の姉ちゃん」

 

雪乃「一応、あれでも自慢の姉なのよ。文武両道、才色兼備。コミュニケーション能力も高くて、誰も彼もがあの人のことを持て囃す」

 

八幡「いや、違う違う。オレが言ってるのは強化外骨格みたいな外面だよ」

 

雪乃「やっぱり比企谷君はすごいわね。そこまで見極めるだなんて」

 

八幡「でもさっきの顔は、本当の顔だったぞ。いい姉だな」

 

玲「確かにいいお姉さんだったね」

 

熊谷「だね」

 

小町「そうですね」

 

雪乃「ありがとう」

 

でもまさか加古さんと会うだなんて思ってなかったな。雪ノ下の姉にも会うし、色々あったな。その後、皆で昼飯を食った。

 

 

雪乃「さて、そろそろ帰りましょうか」

 

熊谷「そうだね。いい時間だしね」

 

玲「そうだね」

 

八幡「だな」

 

こうして、由比ヶ浜の誕生日プレゼントを買ったオレ達はそれぞれの家に帰った。

 

でもまだ1週間ある。玲達は由比ヶ浜にケーキを作るらしい。それにオレも手伝わさせる事になった。いや、なんでだよ。女子達だけでやっとけよ。まぁ、ほとんどは力仕事だけだけどな。

 

 

 

 

 

 

 

 




いかがでしたか?陽乃さんの性格を変えました。
ではまたお会いしましょう〜


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第14話

どうもチャキです!第14話どうぞ!


八幡side

 

 

由比ヶ浜の誕生日プレゼントを買った数日経った。聞いたところ三浦は1週間の停学にボーダーへの謝罪文を書かされることになったらしい。ホントざまぁねぇぜ。まぁ、これでアホな行動はしないだろう。

 

そして今オレはボーダーのランク戦ブースに来ている。今日は雪ノ下達が用事があるらしく部活はない。だから暇だったので来ているが、今日は緑川達はいないのかな。いつもなら『対戦しようぜー』と来るのにな。まぁ、仕方ない適当に相手探すか。と思っていると……

 

???「お、比企谷じゃあねぇか」

 

八幡「ん?あ、影浦先輩。どうも」

 

今オレに話しかけてきたのは、B級2位影浦隊の隊長影浦先輩だ。影浦隊は前にちょっと問題を起こしてしまってB級へ降格した。でも、かなりの実力者だ。そしてこの人はサイドエフェクトを持っており、それは感情受信体質というもの。このサイドエフェクトは人の感情や意識などが肌に刺さる感覚がするらしい。影浦先輩曰く悪意のこもった感情などは深く刺さるらしい。

 

影浦「比企谷も対戦しに来たのか?」

 

八幡「ええ、そうですけど」

 

影浦「なら丁度いい。俺と戦え比企谷」

 

八幡「いいですよ。丁度戦う相手探してたところなので」

 

影浦「よしっ!ならいくぞ!」

 

八幡「はい」

 

こうしてオレは影浦先輩とランク戦をすることになった。勝負は10本勝負。転送が完了し辺りを見回す。ステージは市街地Aか。さて早速影浦先輩を探すか。でも影浦先輩はオレと同じでサイドエフェクトにより奇襲はあんまり効かない。真正面から叩かないと無理そうだな。と思い走って移動する。すると、1つの家の屋根から飛び出してくる影浦先輩。

 

影浦「よっしゃぁぁぁー!比企谷!遊ぼーぜ!」

 

と斬りかかってくる。それをオレは横に飛び避ける。でもすかさず影浦先輩は、攻撃してくる。この人のメイントリガーはスコーピオン。そのスコーピオンをムチのように攻撃してくる。いくら伸び縮みできるスコーピオンだからって、あんな使い方があるだなんて思ってもなかった。多分この人は近距離と中距離の範囲を攻撃できるのだろう。でもオレは負けずとアステロイドで反撃する。が防がれてしまう。

 

影浦「オラッ!」

 

影浦先輩は、次々とオレに攻撃してくる。それをなんとかかわすがこれは多分時間の問題。いつまでよけれるかわからん。だからオレはさらに影浦先輩との距離をあけつつバイパーの全包囲攻撃『鳥篭』で影浦先輩に攻撃する。さすがの影浦先輩もシールドを張りながら避けている。その隙にオレは合成弾ギムレットを作り影浦先輩に向かって撃つ。バイパーのおかげで逃げ道が無くなった影浦先輩のトリオン体を貫きベイルアウトした。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

影浦『クッソ!おい!比企谷!次行くぞ!』

 

八幡「…はい」

 

この人怒ってんのか怒ってないのか分からねぇー。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

『戦闘体活動限界ベイルアウト』

 

 

なんとか影浦先輩をベイルアウトさせた。これで9本終わった。今のトータルは5対4でオレが勝っている。というかあの人のマンティスマジでウザすぎだろ。マンティスはスコーピオン2本繋げてる技だ。射程なんてあの旋空弧月と一緒ぐらいだ。しかもこのマンティス影浦先輩が考案者なのだ。習得には高い技術が必要らしい。

 

影浦『比企谷。最後行くぞ』

 

八幡「ええ」

 

そしてまた転送される。ステージは1日目と同じで市街地A。さぁて、どうするかな〜。真正面から叩かないといけないと思ったが、マンティスの事すっかり忘れていてマンティスで首を飛ばされたしな。と考えていると影浦先輩が近づいてくる。やっべ〜な。とりあえずオレはバイパーを飛ばして、影浦先輩から離れる。影浦先輩はそんなの構わずシールドを張って近づいてくる。

 

影浦「逃げるな比企谷」

 

八幡「いやいや、普通やられないために逃げるでしょ」

 

そう言いつつアステロイドで反撃しながら影浦先輩の視界から外れる。そしてオレはトマホークを作りながら移動する。レーダーとサイドエフェクトだよりに影浦先輩にトマホークを飛ばす。そして、建物の影から出るとトマホークが落ちてきて爆発する。でも影浦先輩はシールドで防いでいる。そしてトマホークの雨も止み影浦先輩はオレに近づく。オレはバックステップをしながらアステロイドを飛ばす。でも影浦先輩はスピードは落ちない。だったら

 

八幡「メテオラ」

 

両側にある家に向かってメテオラを撃つ。そして家はメテオラで崩れていきお互いの視界が悪くなる。さすがの影浦先輩も立ち止まる。オレはそんなのに構わず右でアステロイドを左でバイパーを影浦先輩に向かって飛ばす。アステロイドは真っ直ぐにバイパーは影浦先輩の上から攻撃するように弾道を設定する。爆煙で見えにくいが手応えがない。多分防がれたか。でも、その間に距離をとる。

 

そして段々と爆煙が晴れてくる。お互いよく見れば目視できるくらいまで晴れた。こっちに来る前にさっき仕掛けておいた置き玉のアステロイドを飛ばす。予想通りこっち向かおうとしたがアステロイドが飛んできたのでそれを防ぐ影浦先輩。でもそっちだけじゃない。反対側も仕掛けていたアステロイドを飛ばす。それをジャンプでかわす。でもそれは吊りだ。両手でバイパーのフルアタックで影浦先輩に攻撃する。そして影浦先輩は防ぎきれずベイルアウトした。

 

これで6対4でオレの勝ちとなった。

 

影浦「クッソ〜負けたか。まぁ、でも付き合ってくれてありがとうな」

 

八幡「こちらこそありがとうございます」

 

影浦「ああ、楽しかっぜ」

 

八幡「こっちも楽しかったです」

 

なんとか影浦先輩には勝てたが危ない部分もあったな。すると

 

???「スマン、カゲ遅くなった」

 

後ろから影浦先輩を呼ぶ声があった。影浦先輩をカゲと呼ぶ人は少ない。だからその人は絞られる。振り返るとそのにはB級8位部隊、鈴鳴第一(来馬隊)のアタッカー村上鋼先輩だ。

 

影浦「おっせーぞおめぇ」

 

村上「悪い悪い。比企谷も悪いなカゲに付き合わせてしまって」

 

八幡「いえ、自分も相手を探していたので」

 

村上「そうか。でもありがとうな」

 

八幡「はい」

 

影浦「さっさとやるぞ」

 

村上「わかったよ。じゃあまたな比企谷」

 

影浦「またウチのお好み焼き食べに来い。じゃあまたな」

 

八幡「はい、ありがとうございます」

 

そう言って影浦先輩と村上先輩は、ランク戦をしに行った。

 

それに影浦先輩の家はお好み焼き屋を経営している。オレも何回か行った事がある。他の客も沢山いたけど、影浦先輩がボーダー隊員なのかボーダー関係者も沢山来ていた。村上先輩とかは常連客という枠に入るらしいが。玲や小町も連れて行ったこともある。雪ノ下達も時々食べに行ってるらしい。また、オレもまた食べに行こうかな。あそこの豚そば焼きうまいんだよな。

 

その後数人と戦おうとしたら、ブースにある画面に緑川と米屋が戦っている映像がながれていた。今は5対4で緑川が勝っている。中々いい勝負だな。と見ていると米屋が緑川の首を飛ばして終了。5対5で引き分けだな。ランク戦を終えた緑川と米屋のところに向かう。

 

八幡「よお」

 

緑川「あ、ハッチ先輩」

 

米屋「よお!ハッチ」

 

八幡「さっきのランク戦見てたぞ。いい勝負だったぞ」

 

緑川「もう少しで勝てそうだったんだけどな〜」

 

米屋「そう簡単にやられるわけないだろ。それでハッチは何してたんだ?」

 

八幡「オレはさっきまで影浦先輩とランク戦してた」

 

緑川「へぇ〜、影浦先輩とランク戦してたんだ。ねぇねぇどっちが勝ったの?」

 

八幡「6対4でオレが勝った。でもやっぱあの人のマンティスは厄介だっわ」

 

米屋「あー、あれな。確かにあれは厄介だな」

 

緑川「僕あれできないんだよな」

 

八幡「あ、そうなの?」

 

米屋「お前ならできると思ったんだけどな」

 

緑川「無理無理。あれ結構技術いるっていうしさ」

 

八幡「あー、なんか聞いたことあるわそれ」

 

緑川「というかあれしたらシールド張れないから、無防備状態になるからあんましたくないんだよね」

 

米屋「なるほどな」

 

八幡「確かにシールド張れないのはキツイな」

 

緑川「それでもあれを考案した影浦先輩はすごいと思う」

 

八幡「まぁ、確かな」

 

米屋「それだったら合成弾を考案した弾バカもすごいだろ」

 

出水「誰が弾バカだ槍バカ」

 

米屋「うおっ!?びっくりした」

 

確かに少しびっくりした。まさか近くにいたとはな。

 

出水「なんの話してんだ?」

 

緑川「影浦先輩のマンティスが厄介だねって話してたの」

 

出水「あー、あれか。確かに厄介だよな」

 

八幡「影浦先輩自身が考案したって言うからさらにすごいなってなったんだ。それでその流れで合成弾を考案した出水もすごいなってなったんだ」

 

出水「あー、だから米屋が弾バカって言ってたんだな」

 

八幡「そういう事だ」

 

緑川「ねぇねぇ、それよりさ対戦しようよハッチ先輩」

 

八幡「ああ、別にいいぞ」

 

米屋「じゃあ俺は弾バカとだな」

 

出水「だから誰が弾バカだ」

 

そしてオレ達は交代しながらランク戦をした。というか2回ずつ対戦をした。ホントコイツら戦闘狂だな〜と改めて思った。今日もアイツらからポイントを奪って終わった。

 

八幡「じゃあオレは帰るな」

 

米屋「おう」

 

出水「じゃあな」

 

緑川「またね〜」

 

八幡「ああ、じゃあな」

 

三バカとランク戦終わって帰ろうと思った時…

 

???「あ、比企谷君」

 

八幡「ん?綾辻か」

 

綾辻「珍しいね。こんな時間まで本部にいるだなんて」

 

八幡「ああ、さっきまで影浦先輩や出水、米屋、緑川とランク戦してたからな」

 

綾辻「ああ、なるほど。確かに良く4人でやってるよね」

 

八幡「そうだな」

 

綾辻「玲ちゃんや雪ノ下さんとも戦ってるの?」

 

八幡「まぁ、たまーにはやってるぞ。稽古つけて欲しいとか言ってな」

 

綾辻「ちゃんと師匠してるんだね」

 

八幡「オレも師匠としてちゃんとやるとわ」

 

綾辻「ふふふっ、ごめんごめん」

 

ちょっとからかい気味に言う綾辻。見るとファイルとかが何冊か入ったダンボールを持っていた。

 

八幡「ん」

 

オレは綾辻に手を差し出す。でも綾辻は何が何だか分からないご様子。

 

八幡「持つぞ」

 

綾辻「え?ああ、そういう事か。じゃあ、お言葉に甘えてお願いしようかな」

 

八幡「おう」

 

綾辻はダンボールをオレに渡す。少しズシッときたが問題ない。でもちょっと重いと感じる。

 

八幡「嵐山隊の作戦室か?」

 

綾辻「うん。ありがとうね比企谷君」

 

八幡「気にするな」

 

オレはそう言って歩き始める。綾辻もオレに追いつき隣を歩く。

 

綾辻「やっぱり優しいね。玲ちゃんが羨ましいな」

 

八幡「そんなこと言っても玲はやらんぞ」

 

綾辻「とらないよ。あ、そうだ玲ちゃんで思い出したけど、比企谷君玲ちゃんの誕生日プレゼント買った?」

 

八幡「おう、買ったぞ。前の休みにな」

 

綾辻「へぇ〜、何買ったの?」

 

八幡「秘密だ」

 

綾辻「え〜、いいじゃん教えてよ〜」

 

八幡「嫌だ。というか三上も同じ事言ってたな」

 

綾辻「え?歌歩ちゃんと会ったの?」

 

八幡「ああ、プレゼント買った帰りに偶然会ってな。そこでも綾辻と同じで聞かれたが言ってない。当日にでも教えてやるからさ」

 

綾辻「む〜、そっかなら仕方ないね。じゃあ当日教えてよね」

 

八幡「ああ、約束する」

 

綾辻「絶対だよ」

 

八幡「ああ」

 

そしてそこから他愛もない会話しながら嵐山隊の作戦室へと向かった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

八幡「…よっと。ここでいいか?」

 

綾辻「うん、いいよ。比企谷君ありがとね。助かったよ」

 

八幡「さっきも言ったが気にするな。じゃあまたな」

 

綾辻「うん、またね」

 

オレは綾辻と別れ帰ろうとしたら電話がきた。見ると相手は熊谷だった。一体どうしたんだ?

 

八幡「はい、もしもし」

 

熊谷『あ、もしもし。比企谷?あのさちょっと話があるんだけど今いい?』

 

八幡「おう、いいぞ。なんだ?」

 

熊谷『あのさ玲の誕生日パーティーをね玲の家でする予定なんだ。玲にはサプライズみたいにするためにさ、比企谷がちょっとの間玲を連れ出してデートしてくれない?』

 

八幡「ああ、なるほどな。わかったよ、オレがちょっとの間玲を連れ出したらいいんだよな」

 

熊谷『うん、そう。お願いできる?』

 

八幡「おう、いいぞ。任せとけ」

 

熊谷『そ、ありがとう。夕方には終わるようするからさ』

 

八幡「おう、わかった」

 

熊谷『じゃあそういう事かだからよろしくね』

 

八幡「はいよ」

 

熊谷『じゃあまた明日』

 

八幡「おう、またな」

 

と通話は切れる。でも玲を連れ出すのはいいがどこに連れていこうか……。あ、そういえばその日って東京ワンニャンショーがあるんだったな。小町が昨日騒いでたの思い出した。丁度いいしそこに連れていくか。よしっ!そうと決まれば誘うか。再び電話を出して玲に電話をする。

 

玲『はい、もしもし』

 

八幡「玲か?ちょっと今いいか?」

 

玲『うん、大丈夫だよ』

 

八幡「そうか。えっとな今月の16日に東京ワンニャンショーがあるんだけど、それさ一緒に行かないか?」

 

玲『え?東京ワンニャンショーに?うん!行く!夜はちょっと用事があるから昼間だけだけど』

 

八幡「おう、わかった。それでじゃあ何時がいい?」

 

玲『うーん、じゃあ1時に駅前でどうかな?』

 

八幡「ああ、それで構わない」

 

玲『うん、わかった。じゃあまた明日ね』

 

八幡「おう、また明日」

 

そして通話を切る。フゥ……なんとかなったな。また、玲とデートだな。さて、オレはどうやって玲にプレゼントを渡すかだよな……。まぁ、帰りながらでも考えるか。そう思いオレは自転車に乗り家に帰った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




いかがでしたか?ちょっとペース早いかもしれませんが次は那須の誕生日の話です。では、またお会いしましょう〜。


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第15話

どうもチャキです!第15話どうぞ!


八幡side

 

八幡「ちょっと早く着いたな」

 

オレは駅前のベンチに座りスマホで時刻を確認する。今の時刻は12時30分、約束の時刻より30分早く着いた。まぁ、デートだから早く来たが…早すぎたかな?

東京ワンニャンショーの会場は幕張メッセでやっている。間違って東京ドームに行かないように注意しなければならない。そんな事思っていると

 

玲「ハチくんおまたせ」

 

後ろから玲の声聞こえた。

 

八幡「大丈夫だ。オレも今来たところだから」

 

振り返ってそう言う。そして玲の服は、前にデートした時に買った水色のワンピースを着て、手には小さいカバンを持っている。

 

八幡「やっぱりその服、似合うな。可愛いぞ」

 

玲「ありがとう」

 

そう言ってニコッと笑う玲。やっぱりいつ見ても可愛いな。

 

八幡「じゃあ行くか」

 

玲「うん」

 

幕張メッセまではバスに乗って行く。オレと玲はバスに乗り幕張メッセまで向かった。

 

会場である幕張メッセはともあってか、会場前は人が多い。さて、ここで東京ワンニャンショーについて説明しよう。東京ワンニャンショーは簡単に言うと、犬や猫の展示即売会である。ただ見て買うだけではなく、触れ合いコーナーもあるからなかなか楽しめる。1つ言っておくがウチで飼ってる猫、カマクラもここで購入したのだ。

 

八幡「人多いけど大丈夫か?」

 

玲「うん、大丈夫だよ。ありがとう」

 

八幡「もし体調が悪くなったら遠慮せず言えよ」

 

玲「うん、わかった」

 

八幡「よし、じゃあ行くか」

 

玲「うん」

 

オレと玲は手を繋ぎ会場へと入る。そして入ったすぐのところにはペンギンが展示されていてそれを見た玲は嬉しそうに

 

玲「うわぁー、見て見てハチくんペンギンだよ。沢山いて歩いてて可愛い」

 

八幡「ああ、そうだな」

 

こういう時は『お前の方が可愛いけどな』と言わなきゃダメらしいが、そんな事言う前に玲が可愛いのは当たり前だ。というか人間と動物で比べるのはダメだろ。

 

玲「私、ペンギン初めて見たよ」

 

八幡「そうなのか?まぁ、でも確かに簡単に見れるとは限らねぇからな。そうだ、今度一緒に水族館にでも行くか?」

 

玲「え?いいの?」

 

八幡「おう」

 

玲「行きたい!」

 

八幡「わかったよ。今度一緒に行こうな」

 

玲「うん、もしかしたらそこでもペンギン見れるかもしれないしね」

 

八幡「ああ、そうだな」

 

玲「ふふふっ、なんだか今から楽しみになってきちゃった」

 

八幡「おいおい、さすがに早いだろそれは」

 

玲「えへへ〜」

 

ホント、可愛いなこのやろう。そんな会話をしながら鳥ゾーンを見ていると……

 

緑川「ねぇ見ていずみん先輩、よねやん先輩、この鳥かわいいよ」

 

出水「お、ホントだ。しかも変わった色してんな」

 

米屋「おー、ホントだ。…なんか美味そうだな」

 

緑川・出水「「おい!」」

 

と前方から聞き慣れな声が聞こえた。A級三バカがワイワイやっていた。というより米屋、お前結構最低な事言ってるぞ。でもここはあいつらに気づかれないうちに去るか。と思った瞬間

 

緑川「あ!ハッチ先輩と那須先輩だ!おーい」

 

緑川に気づかれてしまった。くそ〜

 

出水「お!ホントだ。ハチと那須さんじゃん」

 

米屋「よー!」

 

気づかれてしまっては無視は出来ないのでオレは観念して

 

八幡「よお、お前らも来てたんだな」

 

玲「こんにちは」

 

出水「まぁな」

 

緑川「ねぇねぇ、ハッチ先輩と那須先輩はもしかしてデート!ねぇ、デートでしょ?」

 

コイツってこんなにグイグイ聞いてくるやつだったけ?

 

玲「うん、そうだよ。ハチくんから誘ってくれたの」

 

米屋「おー、やるなハッチ」

 

八幡「うるせぇ」

 

緑川「じゃあ僕達は邪魔しちゃ悪いから行くね。ほら、行こ!いずみん先輩、よねやん先輩」

 

出水「そうだな。じゃあまたなハチ。また今度ランク戦しようぜ」

 

米屋「俺も俺も」

 

八幡「はいはい、わかった。じゃあな」

 

米屋「じゃあなー」

 

緑川「またねー」

 

八幡「ったく。あいつら」

 

玲「ふふふっ、ホントに仲いいんだね」

 

八幡「まぁ、そうかもな」

 

玲「よし、私達も行こっか」

 

八幡「そうだな」

 

次は、ハムスターや犬、それに猫がいる小動物ゾーンに来ている。ここでは触れ合いコーナーもありそこでは、動物と触れ合えたのか「きゃー」などの声が聞こえる。そこでも三バカも来ていた。ちょっと離れたところで、小動物達とたわむれている。玲はというと犬や猫と触れ合っている。オレもそこにいるのだが、何匹かこっち寄ってきてくれた。なのでオレは軽く頭を撫でてやるとちょっと嬉しそうにしていた。

 

玲「ねぇねぇ、ハチくん。この猫かわいいよ」

 

猫「にゃ〜」

 

玲は猫を抱き抱えながら近づいてくる。ちょっと人懐っこい猫だな。ウチのカマクラは何故かオレには懐いてこないのだ。なんでだろうなホント。

 

八幡「ホントだな」

 

オレもちょっと頭を撫でてやると、なんも抵抗してこない。良かった、引っかかれたらどうしようと思ったよ。

 

玲「ふふふっ、ホントかわいい」

 

玲は抱き抱えている猫の喉を触ると、猫は喉を鳴らしている。おいおい、ホントに玲に懐いちまったのか?

 

八幡「あんまり他の猫に構っていると、カマクラが拗ねるかもな」

 

玲「あー、それはちょっと困るな〜。カマクラちゃんには拗ねてもらいたくないな〜」

 

そう言いながらも猫を撫で続ける。ホント気持ちよさそうなお前。これはもうカマクラは拗ねてしまうな。

 

玲「ハチくんもどう?」

 

そう言いながら猫を差し出す。

 

八幡「いや、オレはあれだ。このアホ毛を猫じゃらしみたいに飛びついてくるから」

 

玲「え?それって猫じゃらしだったの?」

 

八幡「違うぞ。猫じゃらしみたいにしてくるだよ。因みにカマクラには通用しない」

 

玲「カマクラちゃんは、きっとそれは猫じゃらしじゃないって知ってるんじゃあない?」

 

八幡「頭良くないそれ?」

 

玲「多分そうじゃない?で?どう?抱っこしてみない?」

 

八幡「じゃあちょっとだけ」

 

そう言ってオレは玲から猫を受け取る。すると猫は自分の頭をスリスリしてきたのだ。これって懐いてるのか?

 

玲「ほら大丈夫だったでしょ?」

 

八幡「お、おう。そうだな」

 

まさか懐くとは思ってなかったな。そしてオレは猫を手放し触れ合いコーナーへ戻す。そして触れ合いコーナーから出てちょっとしたところ所で

 

八幡「スマン、ちょっとトイレ行ってくるわ」

 

玲「うん、わかった。じゃあここで待ってるね」

 

八幡「悪いな。じゃあ行ってくる」

 

玲「うん」

 

そしてトイレを済まして玲の所へ行こうとした時

 

「あれ?比企谷くん」

 

八幡「三上」

 

三上「さっき玲ちゃん見かけたけど」

 

八幡「あー、それはちょっとオレがちょっとトイレに行っててさ。それでちょっと待ってもらってるところなんだ」

 

三上「あー、なるほど。そういう事ね」

 

八幡「ああ」

 

三上「あ、そうだ比企谷くん。今日は玲ちゃんの誕生日当日だから、前に約束していた玲ちゃんに送るプレゼント何か教えて」

 

あー、そういえばそんな約束したな。約束を破るわけにはいかねぇし、言うか

 

八幡「ネックレスをプレゼントするだよ」

 

三上「へぇー、ネックレスかー。いいね、玲ちゃんきっと喜ぶと思うよ」

 

八幡「そうか?ありがとうよ。じゃあオレは行くな。あんまり玲を待たせるわけにはいかねぇし」

 

三上「うん、そうだね。呼び止めてごめんね。そして教えてくれてありがとう。またね」

 

八幡「ああ、また」

 

オレは三上と別れて玲の待つベンチに向かった。すると玲の周りには男性で大学生っぽい3人がいた。もしかしてナンパか?まったくこんな時にナンパなんかするんじゃねぇよ。そう思い玲に近づくと会話が聞こえてきた。

 

ナンパ1「ねぇねぇ、君。もしかして1人?よかったら俺らと一緒に遊ばない?」

 

玲「いいえ彼氏と一緒なので」

 

ナンパ2「えー?そんなのどこにもいないじゃん」

 

玲「今、ちょっと席を外しているだけです」

 

ナンパ3「そんな奴ほっといて俺達と一緒に遊ぼうぜ。ほら」

 

玲「きゃっ!」

 

ナンパの1人が玲の腕を掴み無理やり連れていこうとしていた。それを見たオレは『お前なんかが玲に触ってんじゃねぇよ』と怒りがこみ上げてくる。そしてオレは玲に近づきナンパの腕を掴む。

 

ナンパ3「あ?なんだてめぇ」

 

八幡「オレの玲に触んじゃねぇよ…!」

 

ナンパ2「え?もしかしてコイツが彼氏?うっわパッとしねぇな奴だなおい」

 

ナンパ1「お前はすっこんでろ!」

 

と言いながらオレに殴りかかってくる。でもそれを難なく片手で受け止める。

 

ナンパ1「なっ!?」

 

ナンパ2「こいつ…」

 

もう1人殴りかかってくるがオレはそいつに足払いをする。その足払いを簡単に引っかかりコケる。

 

ナンパ「うっ」

 

そして未だ玲の腕を掴んでいるナンパの手首を握る。

 

ナンパ3「いでででででで」

 

握っていた腕をやっと離したので、殴りかかっていたナンパの腕と一緒に腕を後ろに回し床に押さえつける。

 

ナンパ1「ぐっ」

 

ナンパ3「うわっ」

 

八幡「おい、ふたつの中から選ばしてやる。1つはここを去るか。もうひとつは警察の世話になるか、どっちだ?」

 

ナンパ2「そんな脅しは効かねぇぞ」

 

八幡「そうか…なら仕方ないな。玲、警察に電話」

 

玲「うん、わかった」

 

オレの一言で玲は警察に電話をしようとした時

 

ナンパ1「や、やめてくれ!」

 

八幡「あ?」

 

ナンパ3「警察にだけには電話しないでくれ!頼む!もう、お前の彼女には手を出さない。だから警察に電話しないでくれ!」

 

ほう……

 

八幡「本当だろうな。もう、ここから去るんだな」

 

ナンパ1「ああ!ほんとだ!」

 

嘘は言ってないな。だが…

 

八幡「そっちはどうなんだ?」

 

ナンパ2「あ、ああ」

 

まぁ、いいか。オレは2人の腕を離して

 

八幡「わかった。ならさっさと去れ!」

 

ナンパ達「「「は、はいぃぃ!!」」」

 

そしてナンパ達は去っていた。まったく……それより

 

八幡「大丈夫か玲?掴まれた所、痛みは無いか?」

 

玲「うん、大丈夫平気だよ」

 

八幡「そっか…よかった」

 

玲「ハチくん、ありがとうね私を守ってくれて」

 

八幡「彼氏なんだから当たり前だろ」

 

玲「うん、ありがとう」

 

良かった…本当に良かった。玲が無事で…玲を守れて良かった。

 

玲「じゃあ行こうかハチくん」

 

八幡「ああ」

 

オレと玲は手を繋ぎで玲の家へと帰った。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

そして玲の家前に着いた。

 

玲「じゃあハチくん今日は楽しかったよ。ありがとう」

 

八幡「ああ、オレも楽しかった。また、どこかへ行こうな」

 

玲「うん、またね」

 

玲はそう言って家へと向かう瞬間

 

八幡「ちょっと待ってくれないか玲」

 

玲「何?」

 

オレはショールダーバックからこの前買った玲への誕生日プレゼントを取り出す。

 

八幡「これ、誕生日おめでとう玲」

 

玲「え?いいの?」

 

八幡「当たり前だろ」

 

玲「うん、ありがとう。開けていい?」

 

八幡「ああ」

 

そして玲は包装をキレイに剥がし箱を開ける。

 

玲「うわぁ……キレイなネックレス。これを私に?」

 

八幡「ああ、玲に似合うと思ってな」

 

玲「ありがとう、嬉しいよ!ねぇ、着けくれない?」

 

八幡「ああ、いいぞ」

 

オレは玲からネックレスを受け取り玲の首にネックレスを着ける。

 

八幡「よし、つけたぞ」

 

玲「ありがとう。……どう?」

 

八幡「ああ、すごく綺麗で似合ってるぞ」

 

玲「ホント!?ありがとう。嬉しい!」

 

玲はオレの胸に飛び込んできて、そして………

 

玲「…ん」

 

八幡「っ!?」

 

オレの唇に玲のやわらかい唇が重なる。その時間は短かったがオレには長い時間に感じた。

 

八幡「お、おい…玲?」

 

玲「えへへ///嬉しくてついしちゃった」

 

八幡「ったくそういうのは事前に言えよな」

 

玲「ごめん。嫌…だった?」

 

八幡「んなわけねぇだろ。というかやり直しを追求する」

 

玲「え?」

 

八幡「やり直しだ。あんな急にやられて、大事なファーストキス奪うだなんて、イケナイ奴だ」

 

玲「うん、わかった」

 

八幡「よし、じゃあ目をつぶれ」

 

玲「うん」

 

そう言った玲は目をつぶりキス待ち顔になった。やべぇ、写真取りてぇ…けどそんな事してる場合じゃあない。オレは玲の肩に手を置き玲の顔に徐々に近づける。あれ?なんだか緊張してきた。心臓バクバクいってる。あー、うるせぇ!そして…

 

八幡「んっ」

 

玲「ん…」

 

そしてまた唇を重ねる。時間にして3秒ぐらいだろうか、それぐらいキスをした。

 

玲「えへへ///な、なんだか照れるね」

 

八幡「あ、ああ…そうだな///」

 

玲「じ、じゃあまたね!」

 

八幡「お、おう」

 

そして玲は家のドアを開けようとした時、家のドアが開く。

 

玲母「あ、おかえり玲」

 

玲「た、ただいまお母さん」

 

玲母「そうだ、八幡くん。晩ご飯どう?小町ちゃんもいるけど」

 

八幡「いいんですか?」

 

玲母「ええ、いいわよ。玲もそっちの方が嬉しいよね」

 

玲「う、うん。ハチくん、上がりなよ」

 

八幡「そうか?じゃあお言葉に甘えて」

 

玲母「ええ、どうぞどうぞ」

 

八幡「お、お邪魔します」

 

玲母「はい、どうぞ。って言うよりただいまでもいいのよ」

 

八幡「い、いや…それは……」

 

玲母「ダメなの?お母さん悲しいな〜」

 

えー?なんでそんな顔するの?フッと玲を見ると、頷いてくる。なるほどね……

 

八幡「た、ただいま」

 

玲母「ええ!おかえり!」

 

そしてリビングへと連れていかれる。そういえば小町達は玲の誕生日パーティーの準備してたんだよな。てことは……

 

そして玲がリビングのドアを開けた瞬間

 

『パパーン!』

 

玲「え!?何?」

 

熊谷「玲」

 

小町「玲お姉ちゃん」

 

雪乃「那須さん」

 

日浦「那須先輩」

 

「「「「お誕生日おめでとう!!」」」」

 

玲「え?え?嘘皆どうして?」

 

熊谷「実はパーティーの準備をするために比企谷に玲を連れ出して貰ってたんだ」

 

玲「そうなの?」

 

八幡「まぁな。どうだ?びっくりしたか?」

 

玲「うん!すごくびっくりした!ありがとう皆」

 

「「「どういたしまして」」」」

 

そして皆からそれぞれから誕生日プレゼントを受け取った玲はとっても嬉しそうだった。料理も豪華だった。

 

 

 

 

 

 

 




いかがでしたか?那須の誕生日会でした。ではまた会いましょう〜


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第16話

どうもチャキです!第16話どうぞ!


八幡side

 

玲の誕生日パーティーから翌日。あの時は大変だった。オレが玲にネックレスをあげた事が知られて色々と言われた。熊谷からは『比企谷もやるねぇ〜』と言われた。雪ノ下からは『あなた、意外とロマンチックなのね』と言われた。そして玲のお母さんに『あら、八幡君。やるわねぇ〜』と言われた。なんでだよ。そんなにオレがネックレスあげたことになんでそこまで言われなくちゃならない。

 

まぁ、玲にも追求してたし、玲は玲で慌てたり、顔を赤くして答えていた。結論を言うおう。めっちゃくちゃ可愛かった。

 

でもその後玲に『今年の1番の誕生日プレゼントは、ハチくんとキスできたことだよ』と言われた。その時すげぇ顔が熱くなったのを覚えている。いや、確かにオレも玲とキスできたのは嬉しかったけど。でも、オレも言わないとな〜。あの時言えなかったからな。

 

そんなこんなで昨日は色々あったが、今は我が比企谷隊の作戦室のトレーニングブースで弟子に稽古をつけている。相手は…

 

雪乃「フッ!」

 

第2の弟子雪ノ下だ。オレに弧月を降ってきたり、弾を飛ばしてきたりしているが、オレはそれをことごとく防いだり、避けたりしている。

 

雪乃「ハッ!」

 

更に深く切りこんでくる。それを受け流し蹴って飛ばす。相手が女だろうが関係ない。そしてすかさずオレはアステロイドを撃つ。だが雪ノ下はそれをシールドで防ぐ。そしてまたオレに向かってくる。今度はアステロイドを入れてくる。それをシールドで防ぎながら後ろへと逃げる。けど、雪ノ下はグラスホッパーを使ってくる。オレはさりげなく置いた置き弾を雪ノ下に向かって撃つ。それをジャンプで交わす。

 

雪乃「それじゃ私は落ちないわよ」

 

そう言ってまたグラスホッパーを起動される。甘いな雪ノ下。さっき撃った置き弾はバイパーだ。雪ノ下が避けたバイパーは急に弾道が変わり、真上にいる雪ノ下へ螺旋の柱を描きながら向かっていく。そして今、雪ノ下は右に弧月、左にはグラスホッパーを使っている。今からグラスホッパーを解除してシールドを張っても遅いがな。

 

雪乃「くっ!」

 

雪ノ下は何とかして防ごうとしたが、間に合わず雪ノ下のトリオン体の土手っ腹に沢山のバイパーが貫通した。

 

 

真由『戦闘体活動限界、雪ノ下ダウン!』

 

と、このブースの設定してくれた水川がアナウンスする。

 

雪乃「くっ!今回も勝てなかった」

 

八幡「そう簡単に弟子に負ける訳にはいかないからな。それより甘く見すぎだ」

 

雪乃「そうね。確かに少し甘く見すぎてたかもしれないわね」

 

八幡「あまり慢心しないことだな。それと雪ノ下置き弾とか使ってみたらどうだ?」

 

雪乃「私も使ってみたいとは思うけど、どうすればいいのかわからなくて」

 

八幡「そういうことならオレに言えよ。教えてやるのにさ。それか玲とかにも聞いてみたらいいのに」

 

雪乃「聞くタイミングがなかったのよ」

 

八幡「そうか」

 

雪乃「じゃあ今から教えてくれる?」

 

八幡「ああ、いいぞ。…スマンそういうことだからもうちょい付き合ってくれ水川」

 

真由『オッケー、いいよ全然』

 

八幡「サンキュ」

 

雪乃「ありがとう水川さん」

 

真由『ううん、気にしないで』

 

よし、水川も協力してくれるしやるか。

 

八幡「よし、じゃあやりながら説明するぞ」

 

雪乃「ええ、お願い」

 

オレは雪ノ下に置き弾について説明をした。

 

八幡「…とまあこんな感じでやるんだ」

 

雪乃「なるほど。その置き弾を設置した場所に相手を誘導させて放つとかやられたら少し厄介ね」

 

八幡「だろ?」

 

真由『そんな手ばかり使ってるからやらしい戦い方って言われるのよ』

 

八幡「ほっとけ」

 

雪乃「確かに厄介。でも使ったら便利かもね。今度使ってみようかしら」

 

八幡「いいんじゃねぇか」

 

雪乃「ええ、教えてくれてありがとう」

 

八幡「気にするな」

 

そして、オレと雪ノ下はトレーニングブースから出る。

 

八幡「サンキュな水川」

 

雪乃「ありがとうね水川さん」

 

真由「いいよいいよ。全然気にしてないし。それよりハッチ、しっかり師匠してんじゃん」

 

八幡「まぁな」

 

雪乃「教え方も分かりやすくて良かったわよ」

 

八幡「そうか?サンキュな」

 

そんな会話をしていると…

 

緑川「こんっちはー!ハッチ先輩いる?」

 

八幡「おう、ここだ」

 

緑川「あ、雪ノ下先輩もいる!こんにちは」

 

雪乃「ええ、こんにちは」

 

緑川「そうだ!雪ノ下先輩!対戦しよー!ハッチ先輩もやろ!」

 

ホント、こいつ戦闘狂だな。

 

雪乃「ええ、いいわよ」

 

八幡「分かったよ」

 

あ、ちなみに雪ノ下は時々緑川とかA級ともランク戦をしている。と言っても三バカがほとんどだけどな。そういえば雪ノ下の弧月のポイントはマスターまでいってたな。サブのアステロイドももう少ししたらマスターにいくって言ってたな。

 

緑川「いずみん先輩とよねやん先輩もいるよ」

 

え?アイツらのもいるのかよ。というか服引っ張るな

 

八幡「はいはい、行くから引っ張るな。雪ノ下も行こうぜ」

 

雪乃「ええ」

 

八幡「水川、後は好きなようにしてくれ」

 

真由「ほーい」

 

八幡「よし、じゃあ行くか」

 

緑川「おー!」

 

オレと雪ノ下は緑川に連れられランク戦ブースまで来ている。

 

緑川「いずみん先輩、よねやん先輩、連れてきたよ〜」

 

出水「お、来たな。ん?なんだ雪ノ下もか?」

 

米屋「お、ホントだ」

 

緑川「さっき比企谷隊の作戦室にいたんだ。それで俺が誘った」

 

米屋「おおー!マジかー!」

 

出水「ん?ハチの隊の作戦室にいたということは、稽古か?」

 

八幡「まぁ、そんなところだ」

 

緑川「よーし!じゃあ早速雪ノ下先輩、俺とやろ!」

 

雪乃「ええ、いいわよ」

 

そう言って2人はランク戦をしに行った。

 

八幡「じゃあ、最初オレとやるのはどっちだ?」

 

米屋「俺からだ!」

 

米屋からか。まぁ、いいか。

 

米屋「てことで弾バカはそこで見とけよ〜」

 

出水「誰が弾バカだ!まぁ、ここでお前達の戦い見とくわ」

 

八幡「悪いな。じゃあ行ってくる」

 

出水「お〜う」

 

個人のブースに入り米屋のいるブースに対戦を申し込む。すぐさま承認され対戦が始まる。いつも通り10本勝負だ。

 

転送されて、ステージを見ると工業地帯。建物の中だったら米屋の槍は封じれると思っていたらダメだ。あの槍伸びたり縮んだりするから、狭くても縮めたら攻撃しやすくなるから外でも中でもどちらでも戦えるからちょっと厄介。すると米屋の姿見えた。先手必勝!メテオラをぶち込む。でも、シールドでふせがれるよな。だがメテオラは建設中の建物が少し崩れ鉄骨などが落ちてくる。

 

米屋「うお!?あぶっねぇ〜!」

 

でも米屋はそれをギリギリでかわす。それを逃さずアステロイドを4×4×4に分割して撃つ。

 

米屋「うあっ!?」

 

米屋は咄嗟にシールドで防ぐが、右足に何発か当たる。これで少しは機動力は落ちるだろう。しかもこの工業地帯は、建物に入れば天井も低いし、入り組んでいる。逃げるのには考えて逃げないといけない。

 

米屋「くっ!この!旋空弧月!」

 

米屋は槍で旋空弧月を放ってくるが、旋空弧月の射程外まで逃げる。そして建物の影に逃げる。そして米屋がオレを見えなくなったところで上に向かってバイパーを撃つ。そのバイパーを米屋に向かっていくように設定する。サイドエフェクトのおかげで米屋の場所も分かる。でもベイルアウトの反応もないから多分まだ落ちてないだろう。そして米屋を見ると案の定落ちてなかった。

 

八幡「しぶといな。いい加減落ちろよ」

 

米屋「そう簡単に落ちるかよ!旋空弧月!」

 

また、旋空弧月を放ってくる。それをジャンプしてかわす。そして、オレは5×5×5に分割したアステロイドをぶち込む。

 

八幡「いっけー!」

 

米屋は旋空弧月を撃った後、反応に遅れてしまい防ぐことができずベイルアウトした。

 

米屋『ちくしょー!やられたー』

 

八幡「まぁ、ステージが悪かった事もあるよな」

 

米屋『次は、絶対に勝つ!行くぞ』

 

八幡「へいへい」

 

その後も米屋とランク戦をした。結果は3対7でオレの勝ちとなった。

 

米屋「あー、やっぱり今日も勝てない」

 

八幡「そう簡単に負ける訳にはいかないからな」

 

出水「中々良い戦いだったぞ。お、緑川達も終わったみたいだぞ」

 

八幡「ホントだな」

 

出水の言う通り緑川と雪ノ下はランク戦が終わり戻ってくる。結果は、オレ達と同じ3対7で緑川の勝ちだった。

 

雪乃「ふぅ…負けたわ」

 

八幡「おつかれさん」

 

緑川「ねぇねぇ、雪ノ下先輩。いつから置き弾を使うようになったの?」

 

雪乃「ついさっき比企谷君に教えてもらったのよ」

 

緑川「え!?覚えたてであの精度!すごいよ!」

 

雪乃「そう?ありがとう」

 

なんだろう雪ノ下も戦闘狂に見えてきたよ。

 

出水「マジか。あれで覚えたてってすごいな」

 

米屋「え?そんなにか?じゃあ次はオレとランク戦しょうぜ!」

 

雪乃「ええ、いいわよ」

 

そして雪ノ下は次に米屋とランク戦しに行った。

 

出水「じゃあ緑川、次はオレとだ」

 

緑川「オッケー」

 

そして緑川と出水はランク戦にをしに行った。あれ?だったらオレいらなくね?まぁ、いいや。アイツらのランク戦でも見とくか。

 

そしてオレは緑川達のランク戦を見たり、対戦したりしてその日を過ごした。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

次の日、由比ヶ浜の誕生日だ。

 

オレは家で小町から由比ヶ浜の誕生日プレゼントを受け取り学校へと向かった。でも来るのかな?誕生日当日だろ?あの三浦達と遊びに行くんじゃないのか?まぁ、放課後少し時間を貰えばいいか。

 

そして放課後。部室にて

 

八幡「うっす」

 

雪乃「こんにちは」

 

玲「こんにちはハチくん」

 

熊谷「来たね」

 

八幡「おう」

 

雪乃「由比ヶ浜さんは?」

 

八幡「多分、もう少し来るんじゃないか?」

 

熊谷「なんで知らないの?」

 

八幡「あのな……お、この気配反応は由比ヶ浜だな」

 

雪乃「そこまでわかるのね。やっぱりすごいわ」

 

玲「そうだね」

 

熊谷「ホントあんたスゴすぎない?」

 

八幡「まったく…もうそろそろ来るから準備しとけ」

 

そう言っていつもの席に座る。そして、すぐに教室のドアがひらき。

 

結衣「やっはろー!」

 

由比ヶ浜がいつものあいさつなのか分からない言葉を言いながら入ってきた。

 

雪乃「こんにちは」

 

玲「こんにちは由比ヶ浜さん」

 

熊谷「こんにちは」

 

八幡「うっす」

 

さて由比ヶ浜も来たことだし早速…そう思っていたら雪ノ下がケーキの入った箱を取り出す。

 

結衣「ゆきのん何それ?」

 

雪乃「これは…由比ヶ浜さん。あなたの誕生日ケーキよ」

 

結衣「えっ!?私!というか知ってたんだ」

 

雪乃「ええ。だから由比ヶ浜さん誕生日おめでとう」

 

玲「おめでとう由比ヶ浜さん」

 

熊谷「おめでとう」

 

八幡「おめでとさん」

 

結衣「ありがとう!ねぇ、ゆきのんそれってもしかしてケーキ?」

 

雪乃「ええ、そうよ。それとプレゼントもあるのよ」

 

結衣「ホントに!?ありがとう」

 

玲「私もあるよ」

 

熊谷「私も」

 

八幡「オレからも、これは小町からだ」

 

結衣「え?小町ちゃんも?」

 

八幡「ああ」

 

結衣「わー、ありがとう」

 

そして、由比ヶ浜はそれぞれのプレゼントを開けた。なんだか嬉しそうだったな。

 

雪乃「それでパーティーをしようかと思うのだけれどいいかしら由比ヶ浜さん」

 

結衣「うん!いいよ!ありがとう」

 

八幡「他の奴らはいいのか?」

 

結衣「うん!大丈夫!だから安心して」

 

八幡「そうか。ならいいか」

 

雪乃「ではパーティーを始めましょうか」

 

結衣「わーい」

 

その後、由比ヶ浜の誕生日パーティーを部室でやった。今思えば最初は由比ヶ浜があの事故のことで接していると思っていたが、あの川崎の件で1から始めたが今では部活仲間でありクラスメイトでもある存在となった。

 

 

 

 

 

 




いかがでしたか?ではまたお会いしましょう。


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第17話

どうもチャキです!第17話どうぞ!


八幡side

 

由比ヶ浜の誕生日パーティーを終わった数日後。今日は由比ヶ浜は部活を休みだという。なので今日は4人で部室にいる。いつも通りオレが読んでいると

 

玲「そういえばハチくん。明日だよねA級ランク戦」

 

八幡「確かにそうだな」

 

熊谷「もうそんな時期か」

 

雪乃「確かにそうね」

 

玲「相手はどこなの?」

 

八幡「えっと…三輪隊と加古隊だな」

 

そうA級ランク戦の相手である三輪隊には、スナイパー2人いる。そのうち1人は親友の透が居る。透には要注意しなければならない。加古隊はトラッパーに気をつけなければならない。

 

熊谷「厄介だね」

 

八幡「ああ」

 

玲「三輪隊には透君がいるもんね」

 

八幡「ああ、そうなんだよ」

 

雪乃「厄介そうね」

 

熊谷「ホントね」

 

雪乃「そういえば前は何位だったの?」

 

八幡「前は5位だな」

 

熊谷「目標は?」

 

八幡「目標は前より上に行くことだな」

 

雪乃「ということは4位以上ね」

 

八幡「まぁ、そうなるな」

 

玲「頑張ってねハチくん!」

 

八幡「おう、やれるところまでやってやるよ」

 

 

さて、どういう作戦にするか考えないといけないな。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

そしてランク戦当日。

 

 

武富『さぁ!まもなく始まります。A級ランク戦。実況は海老名隊オペレーター武富桜子。解説は東隊の東隊長と荒船隊の荒船隊長です。よろしくお願いします』

 

東・荒船『『よろしくお願いします』』

 

今日の解説は東さんと荒船さんか。珍しいな東さんが解説するだなんて。滅多に聞けないからな。そんなことより作戦の最終確認をしないとな。

 

八幡「さて最終確認ですが加古隊のトラッパーには要注意。永宮、もし加古隊の喜多川を見つけたら報告すること」

 

綺凛「了解です!」

 

八幡「オレと沢北さんが見つけたら即倒しましょう」

 

真司「うん、分かった」

 

八幡「後は三輪や米屋、それに加古さんに黒江だな」

 

真司「加古さんはともかくアタッカー達は僕が何とかしょう」

 

おおー、これは心強い。でも沢北さんだけに負担をかけさせる訳にはいかないな。

 

八幡「永宮、もし沢北さんがピンチになっていたら援護頼むぞ」

 

綺凛「はい!任せてください!」

 

八幡「水川もフォロー頼むぞ」

 

真由「任せな!」

 

たまにキャラ崩れるよなお前。まぁ、いいや。この試合ではオレ達が1番下なのでオレ達がマップを決めれる。場所は市街地B。家が多く。マンションなどの高い建物は少なくスナイパーの場所は限られてくる。三輪隊のスナイパー2人の位置をしぼる目的だが、ウチの永宮も同じことだ。後は他の人達をどうやって倒す事だが、それは転送されてから考えるか。さて、そんな事している間にそろそろ転送時間だな。

 

八幡「よし!とりあえず勝つぞ!目指すはもちろん1位だ!」

 

3人「「「了解!」」」

 

そしてオレ達はお互いの拳を合わせる。さぁて、オレ達の復帰戦の始まりだ!

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

オレは市街地の家の1つの屋根に転送された。天候は雨に設定している。雨のせいでスナイパーも狙いにくいはず、永宮は狙いやすい場所に移動するように命令している。

 

八幡「水川、2人はどうだ?後視覚支援も」

 

真由『ほーい、沢北さんはちょっと遠い場所に転送されちゃったよ。綺凛ちゃんは運良く、いい場所に転送されたよ』

 

八幡「そうか、分かった」

 

沢北さんはちょっと遠い所にいるのか。じゃあ…

 

八幡「沢北さん、とりあえず合流を目指したょう」

 

真司『オッケー』

 

早速合流するために移動する。念の為バックワームをつけて移動する。でもちょっと雨強くない?滑らないようにしないとな。屋根から降りて透と古寺の射線から外れないとな。

 

八幡「うおっと!?」

 

あっぶねえ言ってる側から滑りかけたよ。さぁて、一旦立ち止まり目を閉じる。気配察知を使って今誰が近いのか確かめる。1番近いのは加古さんの気配だな。そしてギリギリの範囲に黒江、これもギリギリの気配だが後ろの方に三輪だな。他の相手は範囲外か。くっ!やっぱり透は範囲外か。めんどいな。

 

まぁ、いい。今は加古さんを狩るか。

 

八幡「沢北さん、すいませんが近くに加古さんいるので合流はちょっと難しいかも知れません」

 

真司『分かった。一応そっちに向かうね』

 

八幡「うっす」

 

そして通信は切れると予想通り加古さんが見えたので、先手必勝ということで、バイパーを加古さん目掛けて放つ。加古さんはそれを難なくシールドで防ぐ。

 

加古「ちょっと比企谷君!この雨鬱陶しいんだけど!」

 

どうやら天候の設定に文句があるらしい。とりあえずバックワームを解除して

 

八幡「すいませんね。これも作戦のひとつなので」

 

そう言いながらアステロイドを撃ちながら移動する。

 

加古「まったくもう!」

 

加古さんはそう言ってアステロイドでオレのアステロイドを打ち消す。オレは家の影に入ると同時にバイパーを加古さんに向かうように設定する。けどオレの真上からは加古さんのハウンドが襲いかかってくる。それをシールドで防いでいく。ちょっとスナイパーの射線に入ってしまうかもしれないが、加古さんと同じで家の屋根に移動する。

 

すると1つベイルアウトの光が見えた。え?誰が落ちたんだ?と思っていると加古さんの眉が少し動いた。なるほど喜多川が落ちたんだな。でも誰が?

 

真由『米屋が喜多川さんを落としたみたいだよ』

 

おっと、ナイスタイミングで我が隊のオペレーターが知らせてくれた。三輪隊が先制点か。

 

八幡「そっちのお仲間1人減ったみたいですね」

 

加古「あら、ならこっちも1人減らさないとね」

 

そう言ってハウンドを撃ってくる。それをシールドで防ぎながら後ろに移動する。すると背中に悪感が走る。すぐさま横に思いっきり飛ぶ。するとさっきまでいた場所には黒江がいた。多分、韋駄天で攻撃してきたんだろう。よくこんな雨の中滑らずにできるよな。

 

黒江「逃げないでくださいよ比企谷先輩」

 

八幡「逃げなきゃ落ちるだろ?」

 

すると違う家の屋根に着地した奴がいた。それは三バカの1人米屋だった。

 

米屋「お!ハッチじゃん!それに加古さんも黒江もいるじゃん!」

 

おっとこれで2体2対1だな。ん?1人多くないかって?それは永宮だよ。

 

米屋「さぁて、もう一点いただきますか!」

 

そう言いながら米屋は黒江に切りかかる。油断しているようで、意外と警戒している米屋。米屋と黒江はぶつかり合っている。そんな2人に1つ人影が襲いかかる。2人はそれに気づき回避する。2人を襲った人物それは……

 

真司「お待たせ比企谷君」

 

我が隊のアタッカー沢北さんだ。

 

八幡「いえいえ、グットタイミングですよ」

 

真司「そうか、ならよかった」

 

米屋「うわぁ〜、沢北さん来ちゃったよ」

 

黒江「誰が相手でも関係ないですよ」

 

米屋「いや、まぁ、確かにそうなんだけど…まぁ、いいや。いくぜ!」

 

と今度は3人でぶつかり合う。3人とも一歩も引かずブレード同士がぶつかり火花が散る。厄介な奴は沢北さんに任せてオレは加古さんにアステロイドを放つ。

 

加古「もう…面倒な状況になったわね」

 

そう言いながらシールドで防ぎながらハウンドを撃ってくる。

 

八幡「くっ…」

 

そのハウンドをバイパーで打ち消しながら移動するが、後ろから弾丸の気配を感じたオレはすぐさまその場から離れる。そしてさっきまでオレがいた場所に弾丸があたりその後黒い物体へと変わる。鉛弾だ。こんなもの撃ってくるやつは1人しかいねぇ。そう三輪隊隊長の三輪だ。

 

三輪「比企谷その首、落としに来たぞ」

 

八幡「おー、おっかねぇなぁ〜」

 

そして、三輪は弧月を抜刀する。やばいな。これはかなりの乱戦になるな。こりゃー、確かに面倒な状況だな。加古さんの言う通…あれ?加古さんがいない!?どこ行ったんだよ。いつの間にかいなくなっていた加古さんに気を取られていると…

 

三輪「よそ見をするとはいい度胸だな。比企谷!」

 

そう言いながら三輪が近づいてくる。やべぇ!これは避けられない。そう思いオレは

 

八幡「沢北さん!」

 

真司「はい!」

 

オレは沢北さんを呼んだ瞬間沢北さんは、オレに向かって持っていた1本の弧月を投げる。それをタイミングよくそれをキャッチする。

 

『トリガー臨時接続』

 

機械音と共に今からこの弧月はオレのもの。後で絶対に返すのでご心配なく。そして受け取った弧月で三輪の弧月に太刀を受ける。

 

三輪「な、なにィ!?」

 

驚いている。そりゃそうだろうな。向こうの米屋と黒江も驚きを隠せない様子。でも、オレは剣の腕はほぼ無い。だから力負けしてまう。けど三輪はこの距離で持っていったハンドガンをオレに向ける。それをすかさずオレは裏拳で叩き落とす。そして、オレは一瞬怯んだ瞬間、太刀を受けていた弧月を左に受け流す。体制を崩した三輪に向かって右方向に弧月を振って、三輪の首を落として三輪はベイルアウトした。

 

フゥ…これで少しは楽になったな。だが少し気が緩んだ瞬間オレの10時の方向からかすかだがマズルフラッシュが見えた。その弾丸はイーグレットの弾丸の気配だったので、集中シールドで防ぐ。そしてさっきと違う場所でマズルフラッシュが見える。これは永宮の狙撃だ。多分マズルフラッシュが見えた瞬間、撃ったんだろう。そして、さっきオレを狙った場所からベイルアウトの光が見える。

 

綺凛『やりました!比企谷先輩!』

 

八幡「ああ、よくやった。すぐ逃げろ!」

 

綺凛『もう、移動してますよ』

 

八幡「ならいい」

 

というかこの雨の中よく狙えるね。さすが透の弟子だな。

 

真由『さっきベイルアウトしたのは古寺よ』

 

八幡「そうか」

 

そうか透じゃあないんだな。まぁ、当然だろうな。おっと、それより沢北さんの弧月返さないとな。1本でも何とか戦えているが沢北さんは太刀川さんと同じで基本2本持ちだ。

 

八幡「沢北さん!」

 

そう言って弧月を沢北さんに返す。沢北さんはその場で一回転しながら投げた弧月をキャッチする。おおー、スゲェー!と一瞬気を抜いた瞬間、狙撃の気配がしたので後ろに飛んだが、左腕を落とされた。透の狙撃だ。チッ!一瞬気を抜いたのが原因だな。すると、アタッカーの戦いに動きがあった。どこかに隠れていた加古さんが米屋と沢北さんに向かってハウンドを放った。

 

真司「おっと、危ない」

 

沢北さんは、すぐに避けれたが米屋は反応に遅れてしまいハウンドの雨に撃たれる。

 

米屋「うわっ!?」

 

そして体制を崩した瞬間

 

黒江「韋駄天」

 

そう言うと黒江は高速斬撃で米屋を攻撃する。

 

米屋「こりゃダメだわ」

 

そして韋駄天で首を落とされた米屋はそう言ってベイルアウトした。そして、韋駄天で立ち止まった瞬間、建物からマズルフラッシュが見えたと思ったら黒江の頭が吹き飛んだ。そして黒江もベイルアウトした。

 

おいおい、動きがありすぎだろ。オレは透の射線から外れるため下に降りる。さっきまでは家の屋根で戦っていた。

 

八幡「うおっと!?」

 

またもや滑りそうになる。ちょっとオレ、足腰弱くね?もう、おじさんなの?嫌だよこんな歳でおじさんは。まぁ、今はそんなことより

 

八幡「今から多分最後の指令になると思います。まずオレと沢北さんで加古さんを永宮は透を探せ、万が一狙撃が来たら知らせろ。チャンスなら撃てよ!水川は永宮のフォローだ」

 

3人『『『了解!』』』

 

さぁ、ラストスパートだ!

 

そしてオレは気配察知で加古さんの位置を探る。お、意外と近いな。

 

八幡「沢北さん、そっから赤い屋根で三階建ての家見えますか?」

 

真司『うん、見えるよ』

 

八幡「その家の近くに加古さんいます」

 

真司『分かった』

 

八幡「オレもすぐ行きます」

 

真司『おっけいー』

 

八幡「永宮、そっちはどうだ?」

 

綺凛『すいません。見つかりません』

 

八幡「そうか。無理して探すなよ。逆に狙われるぞ」

 

綺凛『分かりました』

 

そんな通信しながら沢北さんのもとへと急ぐ。着いてみるとそこには加古さんがスコーピオンで沢北さんの攻撃を凌いでいる。そんな中にオレはバイパーを放ち加古さんの邪魔をする。

 

加古「あーもう!比企谷君それ鬱陶しいわよ!」

 

八幡「邪魔してますからね」

 

加古「年上のお姉さんをいじめるなんていけない子ね。ハウンド!」

 

すると後ろから複数の弾の気配がした。まさか置き弾か!いつ仕掛けたんだ?……あ、まさかオレが三輪と戦っている間に仕掛けたんだな。オレと沢北さんはハウンドを避ける。がオレの右足首から下を落とされた。沢北さんは左腰を少しやられたみたいだ。くっ…油断した。ダメだな…オレの悪い癖だ。だが…

 

八幡「アステロイド!」

 

オレはすぐさま加古さんに反撃する。加古さんはシールドで防ぐ。

 

真司「旋空弧月」

 

沢北さんはそんな加古さんに向かって旋空弧月を放つ。加古さんはそれを避けるためジャンプするが左足が飛ぶ。そしてそこにオレが右にアステロイド、左でバイパーを作り加古さんに向かって放つ。

 

そして加古さんはそれを防ぐためにシールドを張るがバイパーはシールドをよけて加古さんのトリオン体に当たる。

 

加古「もう…嫌になるわね〜…それ」

 

そう言って加古さんはベイルアウトした。

 

真司「フゥ〜。大丈夫比企谷君」

 

八幡「ええ、でも右足をやられましたが何とか動けますよ。沢北さんはどうです?」

 

真司「うん、大丈夫だよ。腰を少しやられたけど動けるよ」

 

八幡「そっすか……永宮、透見つかったか?」

 

綺凛『すいません。見つかりません』

 

八幡「そっか…だとすると隠れているな多分」

 

真司「だろうね」

 

八幡「しかもオレのサイドエフェクトの範囲外にちゃっかりといるし、沢北さんのサイドエフェクトで見つかりませんか?」

 

真司「う〜ん、ちょっと分からないな〜。この雨で見えにくいのものあるけど」

 

八幡「そっすか、この天候にしたのマズかったかな」

 

真司「ううん、それはないよ。この雨のおかげで三輪隊のスナイパーは狙いずらかったと思うし」

 

八幡「そうですか」

 

真司「うん、だから比企谷君が気にすることないよ」

 

八幡「うっす」

 

真由『あの〜、そういう話はいいからさっさと奈良坂君探したら?』

 

八幡「ス、スマン」

 

真司「ご、ごめん。比企谷君早く奈良坂君を探しに行こう。でも比企谷君は足が削れてるから無理しないでね」

 

八幡「うっす」

 

綺凛『早く探さないとタイムアップになりますよ』

 

真司「そうだね。じゃあ僕はこっち行くから」

 

八幡「わかりました。気をつけてください」

 

真司「うん、比企谷君もね」

 

八幡「分かってます」

 

そして沢北さんと別れて透を探すため移動する。だが移動しずらい。クッソ!あの時加古さんの置き弾に当たってなかったらこんな事にはならなかったのに。やっぱ感覚が戻らねぇな。まぁ、今回は1人1点ずつ取ったし、もう勝ったけどやっぱ生存点貰えないのはキツイな。さぁて、ホント透の奴どこ行きやがった。なんだかかくれんぼしてるみたいだな。懐かしいな、昔良くやったな。ってそんなことより透を探さないとな。

 

 

 

オレ達3人は一生懸命探した。オレのサイドエフェクトとかを使って探した。バックワームをつけて居場所を知られないようにしたが、足を削れてあまり移動できなくて探せなかった。そして、とうとうタイムアップになってしまった。

 

 

最終スコアは、3-1-2でオレ達の勝ちとなった。

 

 

そして作戦室へと転送された。

 

真司「今回は運が良かったね」

 

八幡「そうすっね」

 

綺凛「でも、生存点はないのはキツイですね」

 

真由「そうだね〜。まぁ、ハッチが足を削られでなければな〜」

 

八幡「うるせぇ、オレが1番落ち込んでんだよ」

 

真司「まあまあ、ほら総評始まるよ」

 

真由「そういえば今日は東さんだよね。滅多に聞けないからなラッキーだね」

 

綺凛「そうですね」

 

そして総評が始まる。

 

武富「さぁ、今回この試合比企谷隊の勝利となりました。この試合振り返ったみてどうですか?」

 

東「そうですね。比企谷隊は復帰戦でしたがしっかりと点を取ってます」

 

荒船「確かにそうですね。でも奈良坂を落とせなかったですけど3点は大きいのではないでしょうか」

 

東「そうですね。あの乱戦の中よく点を取ったと思います」

 

武富「ではまず加古隊の動きはどうでしたか?」

 

東「そうですね。まず最初に喜多川は運が悪かったですね。米屋が近くに転送されてしまって逃げきれず落とされてしまった」

 

荒船「トラップなど無い状態になってしまって、加古隊は少し不利になってしまいますからね。それでも加古さんと双葉の連携で米屋を落として点を取った事は良いのではないでしょうか」

 

武富「なるほど。では次に三輪隊はどうですか?」

 

東「そうですね。今回の三輪隊は少し運が悪く思えますね。スナイパーの古寺は一瞬気が緩んだ比企谷を狙撃しましたがシールドで防がれましたし、その瞬間を狙って永宮の狙撃で落ちてしまいました」

 

荒船「あの一瞬を狙って撃つなんてすごいな」

 

東「永宮はスナイパーの中でも腕利き。しかも三輪隊の奈良坂の弟子でもあるんです」

 

武富「そうなんですか?」

 

東「ええ」

 

武富「なるほど。さて最後に比企谷隊の動きはどうでしたか?」

 

東「比企谷隊の動きで印象に残ったのは、あの乱戦の中の戦いですね」

 

武富「あの、沢北隊員が比企谷隊長に弧月を投げ渡した事でしょうか?」

 

東「ええ、そうです」

 

荒船「あれには驚かれたな」

 

東「自分も驚きました。まさか味方に武器を渡すなんて、しかも投げて渡すなんて思ってもなかったです」

 

荒船「その光景を見た他の人も驚いてましたしね」

 

武富「でも、よくあんな事できましたね。何かコツでもあるのでしょうか?」

 

東「多分コツはないと思います」

 

武富「と言いますと?」

 

東「あれは味方を信頼してるからこそできる技、だと思います。と言っても他の隊は信頼してないのか、ではなく比企谷隊には比企谷隊の信頼があるように、他の隊それぞれにも信頼はあります」

 

武富「なるほど。比企谷隊には比企谷隊の信頼したからあの技ができたという訳ですね。しかしあの技は本当に凄いですね。しかも逆に比企谷隊長が沢北隊員に弧月を返す場面もありました。改めて比企谷隊の仲間の信頼が分かる場面でしたね」

 

荒船「流石は元A級5位の実力ですね」

 

武富「なるほど。ありがとうございました。本日の試合は全て終了いたしました。東隊長、荒船隊長本日はありがとうございました」

 

東・荒船「「ありがとうございました」」

 

武富「では順位は更新されます」

 

 

 

 

太刀川隊と冬島隊は変わってなく、変わった所と変わっていない所も出てきている。1番驚いたのは風間隊が大きく落ちた事ぐらいかなオレ達は最下位から7位へと上がった。

 

1位太刀川隊

2位冬島隊

3位草壁隊

4位嵐山隊

5位風間隊

6位加古隊

7位比企谷隊

8位三輪隊

9位片桐隊

 

という感じになった。そして次の対戦カードが決まった。相手は嵐山隊と風間隊だ。どちらも苦戦してしまう相手、それでも負けられない。次も頑張るか〜。

 

 

 

 

 

 

 

 




いかがでしたか?こんな感じでA級ランク戦を書いてみました。これも中々難しいですね。頑張ってまた書いていきます。ではまたお会いしましょう。


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第18話

どうもチャキです!第18話どうぞ!


八幡side

 

あれから夏休みに入りオレはほとんどの日に防衛任務を入れている。普段なら学校や部活であんまりできなかったがこれを機に沢山できる。でも無理しない程度にやっている。そして今日は合同防衛任務終えて家に帰ろうとした時、上層部の沢村さんに捕まってしまった。

 

沢村「あ、比企谷君、ちょうどいい所に。ごめんだけどこのダンボール運ぶの手伝ってくれる?」

 

八幡「あ、はい。いいですよ」

 

オレは資料の入ったダンボールを持って沢村さんについて行くことになった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

沢村「フゥ、ありがとうね比企谷君。助かったわ」

 

八幡「いえ」

 

沢村「あ、そうだ。比企谷君、林間学校のボランティアを募集してるんだけど参加してみない?」

 

八幡「ボランティアという事はバイト代でないんですよね?」

 

沢村「それがね参加した人、1人あたり3、4万くらい出すって言ってたよ」

 

ほう…それはお得だな。資料見ると2泊3日のボランティアと書かれていた。その日の間手伝いをして時間があれば遊んでも良いと。マジで良いボランティアの募集ではないか。…でも

 

八幡「防衛任務とかさなったらどうするんですか?」

 

沢村「その時はシフトを変えるから大丈夫だよ」

 

八幡「そうですか。じゃあ参加します」

 

沢村「ホント!ありがとう!じゃあこの書類に名前書いてね」

 

八幡「はい、後他に参加する人っているんですか?」

 

沢村「ううん、まだ募集はしてないから誰も参加してないよ」

 

八幡「でしたらこっちでも参加してくれる奴、探しときますけど、どうします?」

 

沢村「いいの?じゃあお願いできる?」

 

八幡「はい、わかりました。あ、後小町を連れて行ってもいいですか?」

 

沢村「ええ、かまわないよ」

 

八幡「ありがとうございます」

 

沢村「じゃあお願いね」

 

八幡「はい」

 

そう言って沢村さんと別れた。さて、誰か参加してくれるやついるかな?まぁ、とりあえず最初は玲のところでも行くか。そう思い玲の隊の作戦室まで行く。一応、女子チームなので呼び鈴くらい鳴らさないとな。

 

日浦『はーい』

 

お、この声は日浦か。

 

八幡「オレだ比企谷だ。玲いるか?」

 

日浦『はい、いますよ。今開けますね』

 

と言うと同時にドアが開く。

 

八幡「サンキュ日浦」

 

日浦「いえいえ、それで今日はどうしたんですか?」

 

八幡「ちょっとな」

 

玲「あ、ハチくんいらっしゃい」

 

熊谷「お、比企谷じゃん」

 

雪乃「あら、ホントね」

 

志岐「どうも比企谷先輩」

 

八幡「おう、今日は皆揃ってるんだな」

 

玲「それで今日はどうしたの?」

 

八幡「ああ、実はな…」

 

オレはさっきボランティアの話をする。

 

八幡「と、言うわけなんだ」

 

熊谷「へ〜、そんなのがあるんだ〜。というかボランティアってバイト代出ないんでしょ?」

 

八幡「それがな参加人には3、4万貰えるんだってよ。しかもその時に防衛任務とかさなっていたら変えてくれるし、時間が余れば好きに遊んでも良いってさ」

 

熊谷「へ〜」

 

八幡「それでどうだ?参加するか?」

 

玲「そうだね。私参加するよ」

 

熊谷「私も」

 

八幡「じゃあこの書類に名前書いてくれ。雪ノ下は?」

 

雪乃「ごめんなさい。その日はちょっと用事があるの」

 

八幡「そっか。なら仕方ないな」

 

雪乃「ホントごめんなさい」

 

八幡「良いって用事があるんなら仕方ねぇよ」

 

玲「そうよ雪乃ちゃん。雪乃ちゃんが気に病むことなんてないのよ」

 

熊谷「そうだよ」

 

八幡「それで日浦どうする?」

 

日浦「私もいいんですか?」

 

八幡「ああ、いいと思うぞ。小町も連れていく予定だしな」

 

日浦「ほんとですか?じゃあ私も参加します」

 

八幡「そうか。で、志岐は…しねぇか」

 

志岐「はい。せっかくですけど遠慮します」

 

八幡「だよな。さて、ウチの隊も呼びかけるとして後は誰に呼びかけようか」

 

玲「透君は?」

 

八幡「一応アイツにも声かけようかと思ってる」

 

玲「そうなんだ」

 

八幡「まぁ、それは後で考えるか。で、書けたか?」

 

玲「うん、書けたよ」

 

熊谷「私も」

 

日浦「私も書けました。どうぞです比企谷先輩」

 

八幡「おう、サンキュ。じゃあ詳細は後で知らされると思うからよろしく」

 

玲「うん、わかった」

 

八幡「それじゃ」

 

玲「またねハチくん」

 

熊谷「じゃあね」

 

雪乃「さようなら」

 

日浦「さようならです比企谷先輩」

 

志岐「比企谷先輩さようなら」

 

八幡「おう」

 

そして那須隊の作戦室から出た。さてと次は自分の隊の作戦室にでも行くか。誰かはいるだろう。

 

八幡「うーす」

 

真司「やぁ、比企谷君」

 

綺凛「こんにちは比企谷先輩」

 

真由「お、ハッチじゃん。どうしたん?」

 

八幡「おお、丁度揃ってるんだな」

 

真司「どうしたんだい?」

 

八幡「やぁ、実は……」

 

オレは玲達のようにボランティアの話をする。

 

八幡「…という訳でして、どうだ?参加します?」

 

真司「なるほど、でもごめんね。その日用事があって参加できないや」

 

八幡「そうですか」

 

真司「ごめんね」

 

八幡「いえいえ、気にしてないので大丈夫ですよ。水川と永宮はどうする?」

 

真由「私、参加するよ」

 

綺凛「私もいいんですか?」

 

八幡「ああ、小町も日浦も参加するし」

 

綺凛「そうなんですね。わかりました。私も参加します」

 

八幡「そうか、じゃあこの書類に名前書いてくれ」

 

真由「わかった」

 

綺凛「わかりました」

 

八幡「さて、他にも誘ってみるか」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

そして集まったのは、オレ、玲、熊谷、日浦、水川、永宮、出水、米屋、透、三輪、小南、三上、綾辻、小町だ。かなり集まった。というかキャンプでもしたかったのかな?まぁいい。

 

 

そしてボランティア当日

 

八幡「さて行くか。おーい、小町行くぞ〜」

 

小町「ほ〜い」

 

と家を出ようとした時オレのボーダーの携帯…ではなく家の携帯が鳴った。相手は…平塚先生か……めんどいな〜。

 

小町「お兄ちゃんでないの?」

 

八幡「あ、ああうん。でるよ」

 

でなきゃ面倒な事になるからな。

 

八幡「…はい」

 

平塚『やっと出たか比企谷』

 

八幡「なんの用ッスか平塚先生。今からボーダーの方で用事があるんですけど」

 

平塚『なんだそうだったのかすまない。わかった。任務頑張りまたえ』

 

八幡「うっす」

 

そう言って電話は切られた。ホントなんの用だったんだろうか。まあいいや。

 

八幡「じゃあ行くか」

 

小町「うん」

 

オレと小町は集合場所へと向かう。集合場所に着くともう皆着いていた。まだ時間前なのに早いね。

 

八幡「おう、おまたせ」

 

オレの声を聞いた熊谷が

 

熊谷「比企谷遅いよ」

 

小南「ホントよ!」

 

八幡「まだ時間前だっつーの」

 

熊谷「あ、ホントだごめん」

 

小南「ごめん」

 

八幡「ったく」

 

小町「おはようございます皆さん!」

 

熊谷「おはよう小町」

 

小南「おはよう」

 

三上「おはよう小町ちゃん」

 

綾辻「おはよう」

 

次々と挨拶を済ましていく。が、まだいない人達もいるみたいだ。

 

八幡「他の奴らは?」

 

熊谷「そこのコンビニで買い物してるよ。後、米屋が寝坊で三輪と出水が起こしに行ってる」

 

アイツ…ホント情けねぇな……三輪と出水…苦労するな。と考えていると

 

三輪「スマン、陽介のせいで遅れた」

 

と米屋を出水と三輪が連れてきた。

 

八幡「おう、お疲れさん」

 

三輪「まったくだ」

 

出水「起こすの大変だったわ」

 

米屋「い、いや〜…悪い悪い」

 

綾辻「じゃあお詫びとしてみんなにジュース奢ったら?」

 

米屋「なんで!?」

 

と綾辻が冗談で言ったことにツッコミを入れた後、コンビニに買い物をしていた人達が戻ってくる。

 

日浦「あ!小町ちゃん!おはよう!」

 

綺凛「ホントだ!おはよう小町ちゃん!」

 

小町「おはよう!茜ちゃん!綺凛ちゃん!」

 

いつものように小町は永宮達と仲がいい。

 

透「お、やっと来たか米屋」

 

八幡「ああ、ついさっきな」

 

透「そうか」

 

米屋「スマン待たせたな」

 

透「まぁ、まだ時間では無いからいいんじゃないか」

 

米屋「そ、そうか。良かった」

 

まぁ、確かにまだ時間ではない。

 

玲「あ、ハチくんおはよう」

 

八幡「おう、おはよう玲」

 

玲「小町ちゃんおはよう」

 

小町「玲お姉ちゃんおはよう!」

 

真由「オッスハッチ!」

 

八幡「おう」

 

水川はいつも通りだな。

 

八幡「これで全員か?」

 

玲「みたいだね」

 

八幡「じゃあ乗るか」

 

そう言うとみんな車に乗ろうとした時

 

玲「そういえば誰が運転するの?」

 

確かに気になるな。すると2台のワゴンの窓が開きそこから顔を出した人物。それは…

 

東「1台は俺だ」

 

加古「もう1台は私よ」

 

東さんと加古さんだった。なるほど運転手はこの2人か安心できるな。

 

東「比企谷、荷物くれ、車にのっけるから」

 

八幡「うっす。ありがとうございます」

 

東さんはそう言って車から降りてオレと小町の荷物を車にのせてくれた。東さんマジで優しい。

 

東「さっ!乗ってくれ」

 

加古「比企谷君こっちの車に乗る?」

 

八幡「いえ、結構です」

 

加古「玲ちゃんはこっちの車に乗るんだよ」

 

八幡「玲も玲で偶には女子同士で積もる話もあるでしょ」

 

熊谷「あの比企谷が気が利くだなんて」

 

八幡「失礼だなおい!」

 

熊谷「冗談冗談。さあ玲、加古さんの車に乗るよ」

 

玲「うん、わかった。じゃあ後でねハチくん」

 

八幡「ああ」

 

男子と女子で別れて車に乗る。東さんの車には男子、加古さんの車には女子と別れた。というか加古さんの車デカイな。レンタカーにしてはデカい。あれなら女子全員入るだろう。オレは東さんの車に乗り

 

八幡「お願いします」

 

東「ああ、任せろ」

 

頼りになる。ホントいい人だな。席順は、助手席に三輪。その後ろに米屋、出水。1番後ろにオレと透だ。

 

東「じゃあ出発するぞ」

 

そう言って車を走らせる。出水と米屋は雑談している。時々会話を振られる、それにオレと透は相槌をする。

 

奈良坂「そういえばこれから行くところ千葉村らしいぞ」

 

八幡「ああ……千葉村ね」

 

嫌な思い出しかないけどな。

 

透「何かあったのか?」

 

八幡「いや、まぁ、ちょっと小学生の時にな」

 

透「あー、なるほど」

 

透は何を察したのか知らんがそれ以上聞いてこなかった。そう、透は

 

米屋「なんかあったのかよ。教えてくれよ!」

 

八幡「嫌だよ」

 

米屋「あ、もしかしておもらししたのか?」

 

八幡「んなわけねぇだろ。それはお前じゃねぇの?」

 

米屋「違うわ!」

 

出水「で、実際何があったんだよ」

 

八幡「えー、言わないとダメか?」

 

透「諦めろ八幡。こいつらがこうなったら絶対に聞こうとするくらいわかってるだろ」

 

八幡「…ハァ〜…わかったよ言うよ」

 

オレは諦めて自分の黒歴史をいう羽目にになった。

 

八幡「…千葉村の合宿の時、夜にキャンプファイヤーがあったんだよ。で、その時火を囲みながら手を繋いで踊るんだよ」

 

出水「あー!俺もやったわ、それ。あれだろ、マイムマイムとかだろ」

 

八幡「ああ。それで、隣の女子と手を繋ごうとしたら冷たい目で見ながらオレから離れていった」

 

出水「お、おう…なんかすまん」

 

八幡「そこで謝るなよ!謝るぐらいなら聞くなよ!」

 

出水「悪い悪い」

 

米屋「でも、大丈夫だって!那須なら手繋いでくれるって!」

 

八幡「慰めのつもりか?」

 

米屋「い、いやそうじゃないけど」

 

確かに玲なら何も言うわずに手繋いでくれると思うけどよ……なんかこう……ね?

 

 

一方女子達は……

 

玲side

 

綾辻「ねぇねぇ玲ちゃん」

 

玲「どうしたの?」

 

綾辻「そのネックレスもしかして…」

 

玲「うん、誕生日プレゼントとしてハチくんに貰ったんだ」

 

綾辻「へ〜、すごく似合ってるよ」

 

玲「ありがとう」

 

小南「それにしてもネックレスをあげるだなんて比企谷も以外にやるね」

 

三上「確かにね。私も聞いた時ちょっと驚いたよ」

 

加古「へ〜、比企谷君も結構やるね。ん?ねぇ玲ちゃん。そのネックレスについている石なんの石?こっからじゃあちょっと見えにくくて」

 

加古さんは車のバックミラーを見ながら言ってくる。

 

玲「確か…ムーンストーンだったかな?」

 

加古「なるほど…誕生日石ね。確か意味は…健康や寿命だったわね。多分、比企谷君は玲ちゃんに健康でいて欲しいくてそれをあげたかもしれないわね」

 

玲「ハチくんが…へ〜、そうなんだ」

 

ハチくんが私の事思ってこれをくれたなら、かなり嬉しいな。

 

熊谷「玲…何ニヤニヤしてるの?」

 

玲「ふぇ!?///」

 

綾辻「何その反応。玲ちゃんかわいい〜」

 

三上「かわいい〜」

 

小町「玲お姉ちゃんかわいいよ!」

 

真由「ホントかわいい」

 

日浦「かわいいですよ那須先輩!」

 

綺凛「かわいいです!」

 

小南「玲ったら〜。比企谷のことでも考えてたんでしょ?もうかわいいんだから」

 

加古「かわいいわよ玲ちゃん」

 

玲「や、やめてよ皆〜///」

 

「「「「「ハハハハハ」」」」」

 

うぅ〜。みんなにからかわれた。た、確かにハチくんの事考えてたけど、気が緩んでニヤニヤしてるところ見られるだなんて〜。恥ずかしい〜///そして千葉村に着くまであれこれ聞かれた。

 

玲sideout

 

八幡side

 

東「もうそろそろ着くぞ。準備しとけ〜」

 

フゥ…やっと着く。長いような短いようなそんな時間だった。

 

出水「そういえば千葉村って群馬にあるんだろ?なんで千葉村って言うんだ?」

 

透「確か所有権は千葉市が持ってるらしいぞ」

 

米屋「なるほど。ディスティニーランドみたいな感じだな」

 

出水「そういうもんか?」

 

八幡「そうじゃねぇの?知らんけど」

 

出水「ふーん…まっいっか」

 

自分から振っといてそりゃないだろ。そんな事思っているとゆっくりと止まる。どうやら着いたようだ。

 

八幡「ん…くっ〜」

 

オレは車から降りて軽く体を伸ばす。思ったより長い時間乗っていたようだ。少し体が痛い。

 

東「荷物下ろすの手伝ってくれ」

 

八幡「うっす」

 

車から降りてきた東さんがそう言う。オレ達は自分の荷物を受け取る。女子達も自分の荷物を下ろしている。

 

八幡「ん?玲、なんか顔赤くないか?大丈夫か?」

 

玲「う、うん。大丈夫、だから安心して///」

 

八幡「そうか?なら良いけど…しんどい時は必ず誰かに言えよ」

 

玲「うん…わかった」

 

けど他の女子達は何故か知らんがニヤニヤしている。え?なにあれ?ちょっとキモイよ?……もしかしてオレもあんな風にニヤニヤしているのかな?…やっべー、そんな事思っているとキモイな…オレが。

 

米屋「何ニヤニヤしてんだよお前ら」

 

女子達(玲以外)「「「別に〜、何でもないよ〜」」」

 

めっちゃ怪しいなおい!まぁ、いいや。

 

三輪「そういえば、今日ボランティアに来るのは俺達だけじゃないらしいぞ」

 

八幡「え?マジ?」

 

三輪「ああ」

 

一体誰よ。もしかして自己紹介しなくちゃいけないのかな。嫌だな〜…面倒臭いな〜。

 

加古「多分そろそろだと思うわ」

 

すると1台のワゴン車が東さんの車の隣に止まる。恐らく、オレ達以外のグループが乗っているのだろう。そして、ワゴン車のドアが開き、車の中から出てきたのは…

 

雪乃「え?比企谷君…それに他の皆まで…」

 

八幡「え?雪ノ下?」

 

玲「ゆ、雪乃ちゃん?」

 

熊谷「なんで雪乃が?」

 

すると…さらにワゴンから出てきたのは…

 

結衣「あれ?ヒッキーに那須ちゃんに熊谷さん。どうしてここに?」

 

由比ヶ浜まで…一体どうして……するとまたワゴンから出てきたのは…

 

彩加「あ!八幡!」

 

八幡「おお…彩加」

 

オレが初めて学校でできた友達。戸塚彩加だった。いつものように元気にオレの名前を呼ぶ。すると後ろの方からすごい視線を感じる。振り向いてみると総武以外のボーダーの奴から冷たい視線を向けられた。

 

出水「ハチ…お前まさか…」

 

米屋「那須がいるのにお前…」

 

小南「もしかして二股!?」

 

どうやら何か勘違いしているようだ。

 

八幡「ハァ〜…何か勘違いしているようだが、彩加は男だ」

 

オレの言った言葉に東さん達は驚きを隠せない。玲や熊谷など同じ総武に通っている奴らは知っている。

 

出水「…は?それはねーだろ、ハチ。こんな可愛い子が男だなんて…」

 

加古「そうよ比企谷くん…そんなバレバレの嘘ついても意味無いわよ」

 

東「比企谷…いくらなんでも失礼だろ」

 

東さんまで…

 

すると彩加は少しモジモジしながら口を開く。

 

彩加「あ、あの…よく間違わられるけど…僕男です」

 

東・加古「「えっ!?」」

 

出水「…マジ?」

 

彩加「う、うん」

 

彩加初遭遇時のテンプレを繰り広げている東さん達。まぁ、そりゃそうだろ。オレと玲もそうだったからな。そんな中雪ノ下達が近づいてくる。

 

雪乃「まさか同じボランティアの場所だなんでね」

 

八幡「確かにな。それにしても用事って部活だったんだな」

 

雪乃「ええ、部活の方が先約だったから」

 

八幡「そうか。というか平塚先生まさかあの電話はこれのことですか?」

 

平塚「ああそうだが」

 

マジかよこの人。

 

八幡「だったら当日でなくその前の日でも言ってくださいよ。今みたいに用事があったらどうするつもりだったんですか?」

 

雪乃「そうなんですか平塚先生」

 

平塚「うっ…スマン。今度から気をつける」

 

ホントこの人は……

 

そして平塚先生は東さんと加古さんに挨拶しに行く。こういう時は先生してるんだよな。

 

東「じゃあ後のことはよろしくお願いします」

 

平塚「はい、わかりました」

 

東「じゃあ俺と加古は帰る。3日後また迎えに来るから」

 

八幡「わかりました。ありがとうございました」

 

加古「じゃあねみんな。また3日後」

 

女子達「「「はい!」」」

 

そう言って東さんと加古さんは車に乗って去った。さて、

 

八幡「これからどこに行けばいいんですか?」

 

平塚「まあ、待て。まだ全員揃っていない」

 

はい?まだ揃ってない?どゆこと?

 

雪乃「?いえ既に全員揃っているのでは?」

 

雪ノ下もそう言う。雪ノ下もそう言うとゆう事はまだ誰か来るのか?すると…

 

八幡「ん?1台の車の気配がこっち来るな」

 

出水「え?マジ?それも分かるのかよ。スゲェーな」

 

平塚「比企谷…何を言って…」

 

平塚先生が何か言おうとしたその時1台の車が平塚先生の車の隣に止まる。そして、中から見慣れた顔ぶれが出てきた。

 

八幡「…葉山か…」

 

隼人「やあ、ヒキタニくん」

 

葉山だけではない。他の奴ら三浦や海老名さんと戸部、葉山グループ全員揃っている。え?他にもいるって?知るかよ。

 

八幡「葉山。バーベキューなら川の近くがおすすめだ。あそこは魚も釣れるからな。まるごと焼いた鮎の塩焼きは美味いぞ」

 

隼人「わざわざこんなところまでバーベキューしにこないよ。というかヒキタニくん、妙に詳しいね…。俺達も掲示板で募集されていたボランティア活動しに来たんだ。内申点がもらえるらしいからね」

 

え?内申点目的?それで釣られるのかよ。こいつら簡単な詐欺に知られそうだな。そんな事よりこいつらとボランティア活動するんだろ?大丈夫かな。特に三浦の奴だよ…ボーダーと問題があったからな。何も無い事を祈るしかないな。

 

平塚「さて、では初対面の奴らも多いだろうから、軽く自己紹介をしたらどうだ?」

 

と平塚先生が提案する。まぁ、良いけどほとんど奴は知ってるだろ。まぁ、オレと玲、熊谷に雪ノ下は必要ないと思うな。

 

雪乃「私はもう要らないかと思います」

 

平塚「そうか、じゃあ由比ヶ浜から」

 

結衣「は、はい。あたしはヒッキーとクラスメイトの由比ヶ浜結衣です」

 

彩加「僕は戸塚彩加です。もう一度言うと男です」

 

隼人「ヒキタニくんと同じクラスの葉山隼人です。よろしく」

 

戸部「ヒキタニくんの同じクラスの戸部っす!よろしくっ!」

 

優美子「三浦優美子、よろしく」

 

姫奈「ヒキタニくんの同じクラスの海老名姫菜です」

 

総武の自己紹介が終わった。次にオレ達ボーダー組の自己紹介だ。

 

三輪「三輪秀次、よろしく」

 

出水「オレは出水公平。よろしく」

 

米屋「米屋陽介、よろしく」

 

真由「まぁ、一応言っとくね。水川真由よろしく」

 

小南「私は小南桐絵、よろしくね」

 

綾辻「私は綾辻遥よろしくね」

 

三上「私は三上歌歩、よろしくね」

 

奈良坂「奈良坂透、よろしく」

 

綺凛「えっと、私は永宮綺凛です。よろしくお願いします」

 

日浦「私は日浦茜です。よろしくお願いします」

 

小町「比企谷八幡の妹、比企谷小町です。よろしくお願いします」

 

さて、全員の自己紹介が終わった。オレと玲、熊谷は全員知ってるから良いだろう。

 

平塚「私は引率担当の平塚静だ。自己紹介も終わったことだし、本館に荷物を置いた後小学生が集まっているところへ行くぞ。ついてきたまえ」

 

そう言ってタバコを吸いながら歩く。オレ達は荷物を持って後に続く。

 

 

 

 

 

 

 




いかがでしたか?ではまたお会いしましょう。


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第19話

どうもチャキです!第19話どうぞ!


八幡side

 

あの後本館に荷物を置き、オレ達は集いの広場というか所へ連れていかれた。集いの広場には、たくさんの小学生がワイワイと話しながら座っている。全員が全員うるさく話してるからか、かなり騒がしい。オレ達はその迫力に少し圧倒されてしまった。良く言えばパワフル。悪く言えば耳障りだ。まだ小学生だからか、男女がとても仲良く話している。これが中学になると一気に変わって男女別れるんだよな。まぁ、どうでもいいが。ふと横を見ると玲達は引いていた。そりゃそうだろうな。あの雪ノ下ですら青ざめて引いているのだからよっぽどだ。ってかホントうるさいな。

 

八幡「なぁ、これどうする。収まる気しねぇけど」

 

出水「こういう時は嵐山さんがいたらな〜」

 

あ、うん。それは思った。多分あの人ならこの場を収めることぐらい朝飯前だろうな。けどオレ達はにはそんなスキルは無い!まぁ、この中で出来るやつと言えば劣化嵐山さんと言われてる葉山ぐらいだろう。そんな事を思いながら数分後あんなに騒いでいた小学生共は静かになった。

 

「はい、みんなが静かになるまで3分かかりました」

 

うわぁ…でたよ。生徒集会や、学級集会などで説教の前振りに使われるあの伝説の台詞。まさかこの年になってから聞くことになるとは思ってもなかった。そこから男教師の説教などが始まる。

 

出水「というかオレ達は何すればいいの?」

 

八幡「さぁ…?まぁ、多分小学生の手伝いみたいな感じじゃねぇの?」

 

出水「うわぁ…めんどくせぇ〜」

 

八幡「じゃあ何で来たんだよ」

 

ホントこいつには呆れるな。と言っても今更か。

 

するとちょうど、教師の説教も終わったようで、これでようやく話を進められる。

 

「それでは、今日から3日間君たちの手伝いをしてくれる高校生の皆さんに挨拶をしてもらいます。では、お願いします」

 

教師がオレ達に話を振ってくる。ま、こういうのは葉山に任せれば何とかなるだろ。俺はこういうのは苦手だ。はやく裏方に回りたい。案の定、葉山は一歩前に出て、挨拶を始める。

 

隼人「初めまして。高校2年生の葉山隼人です。皆さん気軽に話しかけてくださいね。3日間よろしくお願いします!」

 

葉山はそう挨拶すると、小学生、主に女子がきゃーきゃーと小さな悲鳴を上げる。うるさいなぁ。ちょっと挨拶したぐらいで悲鳴を上げるなよ。

 

出水「なぁ、ハチ。お前、挨拶しねぇの?」

 

八幡「あ?なんでオレが?」

 

出水「いや、この中で1番強いのお前だろ」

 

八幡「あ〜、なるほどね。でも強いからって挨拶しなくちゃイケナイなんてもんは無いし、ランキングで言えばお前の隊の方が上なんだし、お前がやったら?」

 

出水「え〜、めんどくせぇ」

 

八幡「だったら言うなよ。オレもめんどくさいって思ってるんだから」

 

出水「へーい」

 

ったく……

 

出水「しっかし…アイツなんだか嵐山さんに似てるような」

 

八幡「そうか?オレにしたらアイツは劣化版みたいなやつだ。というより葉山は嵐山さんの足元にも及ばない」

 

出水「なるほどな」

 

そんな会話をしていると…

 

「はい、ありがとうございました!では、オリエンテーリング、スタート!」

 

男教師がそう言うと、生徒達は我先にとグループを作り始める。この合宿が始まる前から、班は決めていたっぽい。

 

それに、みんな明るい顔をしている。おそらく、スクールカーストなる物が確立されてないのだろう。そういうのが生まれるのは中学生くらいだろう。そして、オリエンテーリングていうのは、指定されたポイントを順番に回っていき、ゴールに辿り着けばクリア。というスポーツらしい。コンパスと地図を持って全力疾走するという割とガチのスポーツだ。あんなの絶対やりたくない。玲にはちょっと難しいかもな。すると小学生達は我先にと、オリエンテーリングのコースへと歩いていく。そんな中、葉山グループがうるさく話し出す。

 

戸部「いやー、小学生ってまじ若いわー。俺らってもうおじさんじゃね?」

 

優美子「やめてよ戸部!それだと、あーしがオバサンみたいじゃん」

 

オバサンじゃあなかったらオジサンか…という言葉がでそうになったのをグッとこらえる。

 

三輪「さて、俺達は何をすればいいんだ?」

 

平塚「君達にはゴール地点で昼食の準備だ。生徒達への弁当と飲み物の配膳を頼む。私は車で先に行っているからな」

 

オレ達もの車で行こうと思ったら無いんだった。東さんも加古さんもいないけらオレ達は歩いていくしかないのかよ。

 

平塚「ああ、あと小学生達より早く着くように」

 

え?あんな早いやつより早く着くの?まぁ、いいや。それより

 

八幡「玲大丈夫か?無理なら迷わずトリガー使えよ」

 

玲「うん、わかった」

 

八幡「いいですよね先生」

 

平塚「体調が悪くなったりした場合は、最悪使って構わない。が、できるだけ使わない方がいいだろう。森の中とはいえ、トリガーは目立つからな」

 

玲「はい、ありがとうございます」

 

さて、出発しますか。その後、雑談したがら山を登る。由比ヶ浜は三浦達と話をしながら歩いている。雪ノ下は当然だろうかボーダーの女子達と話している。オレは玲、熊谷、奈良坂と歩いている。体力付いたとはいえまだ山登り厳しいだろう。そして近くにいた小町と彩加が…

 

彩加「でも、僕が小学生の頃は高校生ってすごく大人に見えたなー」

 

小町「小町からみても高校生って大人ーって感じしますよ。兄を除いて」

 

八幡「おい、オレは超大人だろ?と言うか大人って金を効率良く稼いだり、上には頭が上がらない。頑張って働いて終電ギリギリの電車に乗って家に帰る。そんな毎日だろ?」

 

奈良坂「八幡にとって大人ってなんなんだ?」

 

小町「まったく…このごみぃちゃんは…玲お姉ちゃんどう思います?」

 

玲「アハハ…確かにちょっとその考えは…」

 

小町「ですよね!ほらお兄ちゃん!お嫁さんがこう言ってるからそんな事考えたらダメだよ!」

 

八幡「は?」

 

玲「ちょっ…ちょっと!小町ちゃん!?///」

 

小町「あ、ごめんなさい。"まだ"でしたね」

 

玲「え?…ちょっ…え!?もう!何言ってるの小町ちゃん!?そ、そんな事…言ったら…ごにょごにょ///」

 

え?ちょっと玲さん!?そんな反応されたらこっちまで恥ずかしいじゃあないですか。というか最後の方上手く聞き取れなかったな。それよりそんなオレと玲を見てニヤニヤしている小町とボーダーの女子高生達よ。腹が立つのでやめてくれませんか?すると…

 

米屋「おおー、2人揃って顔真っ赤にして〜。息が合うね〜。やっぱそれでこそ『バイパー夫婦』だな」

 

 

……は?こいつ今なんて言った?バイパー夫婦だ?一体どういうことかきっちり聞かないとな。オレの殺気を感じ取ったのか米屋以外は少し怯えている。三輪に関しては無表情。冷汗すらかいてないので、多分オレには関係ないと思っているのだろう。しかも玲も黒いオーラーをだしているのに米屋はケラケラと笑っていた。

 

八幡「なぁ…米屋…」

 

米屋「ん?なんだよ…ひっ!?」

 

ようやく気づいたようだ。だがもう遅い。けどここじゃ小学生達が怯えるからどうしようかな……あ!あるじゃんいい方法がよ。

 

八幡「帰ったら…ランク戦…100本な」

 

米屋「は!?え?ちょっと!?それはさすがに…」

 

玲「ねぇハチくん。そのランク戦…私も混ぜてもらってもいい?」

 

八幡「ああ、いいぞ。2人でポイント根こそぎ取ってやろうぜ」

 

玲「そうだね」

 

米屋「ちょっ…マジ100本は勘弁してくれ!謝るからさ!」

 

八幡・玲「もう遅い(わよ)!!」

 

米屋「ひいぃぃー!助けて〜!」

 

ボーダー組(((米屋(君)(先輩)ご愁傷さま)))

 

米屋の処刑も決まった事だし、そろそろ歩かないと平塚先生に怒られるな。

 

雪乃「ねぇ、あの子達何してるのかしら」

 

雪ノ下の視線の先には、小学生数名がなんか溜まってる。

 

隼人「ちょっと見てくる」

 

葉山は走って小学生達に向かった。そこで雪ノ下がため息をつく。……こいつ、なんで葉山にはこんな当たり強いんだ?なんか葉山来てからずっと雰囲気トゲトゲしてるし。いつもトゲトゲしてるとかはいってはいけない。

 

「お兄さん!チェックポイントってどこにあるの?」

 

隼人「うーんどこだろう」

 

「じゃあお兄さん手伝ってよ!」

 

隼人「仕方ないな、ここだけ手伝うけどみんなには秘密な」

 

さすがリア充。コミュ力あるわ。でも1つ気になることがある。5人班なのに1人の女子だけが2、3歩ほど遅れて歩いている。健康的にスラリと伸びた足、少し紫がかったストレートの黒髪。他の子達より少し大人びた印象を受ける子。そして手にはデジカメを持っている。あんなに離れているのに誰も連れていこうとしない。いや、気づいているのだ。他の4人は時折振り返ってクスクス笑っている。

 

そして葉山がその女子に近づき……

 

隼人「チェックポイント、見つかった?」

 

女子「…いいえ」 

 

隼人「そっか、じゃあみんなで探そう。名前は?」 

 

留美「鶴見、留美」

 

隼人「俺は葉山隼人、よろしくね。あっちのほうとか隠れてそうじゃない?」

 

そう言って班の皆の所へと誘導した。うっわ……何ナチュラルに誘って、名前聞き出してるの?…でも

 

奈良坂「あんまいい方法では無いな」

 

八幡「ああ…だな」

 

そして、連れてこられたほんの一瞬だけグループの空気が詰まるが、その一瞬が過ぎ去ると他の4人は何事も無かったように談笑を続けながら進む。もちろんその一人を除いて。

 

八幡「やっぱりどこの世界にもあるんだな」

 

雪乃「小学生も高校生も関係ないと思うわ。等しく同じ人間なのだから」

 

八幡「そうだな」

 

奈良坂「同感だ」

 

そしてオレ達はそんな事を言いながら先へ進む。玲は少しずつ休憩しながら登る。まぁ、近くにオレがいるし最悪の場合おぶっていけばいいしな。

 

 

 

そして集合場所へと着く。そこにはタバコを吸う平塚先生の姿があった。と言うか小学生がいるのにタバコなんて吸うなよな。もうちょっと考える事できねぇのかよあの先生。

 

平塚「お、来たなでは」

 

そう言いながら車のトランクを開け、タンボールを降ろし始めた。一体なんだ?

 

平塚「弁当運ぶの手伝ってくれ」

 

え〜、めんどくせぇ。でもやらないとうるさいからな。それに暴力を振るおうとするしな。そんな事を思いながらオレ達は弁当や飲み物を運んだ。この後休憩できると思っていたら

 

平塚「今運んでもらった弁当の他にも、デザートの梨が冷やしてある。ナイフ類は用意してあるから、配膳と皮むきに別れて仕事をしてくれ」

 

平塚先生はそう言うと、近くの小川から梨の入った籠を持ってきて、オレに手渡す。オレかよ……。まぁ、いいや。さて、どうしようか。と言っても料理ができるやつとできないやつで別れるだろうな。と思っていたら案の定そのように別れた。まぁ、こっちは女子が多いから殆ど女子任せになってしまうな。

 

一応言うとできるやつはオレ、小町、玲、熊谷、水川、綾辻、三上、小南、永宮、日浦、雪ノ下、由比ヶ浜となった。いや、多いな〜。こんなにいらねぇだろ。

 

できないやつは三輪、透、出水、米屋、彩加、葉山グループ。まぁ、予想はできてたけどな。

 

八幡「こっち、多いなホント」

 

玲「そうだね。でもこんなに多ければ早く終わるんじゃない」

 

八幡「まっ、そうだな。じゃあさっさと終わらせますか」

 

玲「うん」

 

そしてオレ達皮むき担当は平塚先生からナイフとミニまな板、紙皿など受け取り、皮むきを始める。でも気になる事がある。それは……

 

雪乃「由比ヶ浜さん、あなた、皮むきできるの?」

 

結衣「任せてよ!あたし練習したんだよ!」

 

ホントかよ。由比ヶ浜がそう言うと、梨の皮むきをする音が聞こえ始める。しゅるしゅる…ざく、ざく、しゅる…ざく、ざく…ざく。…ん?ざく?なんだか嫌な音がするな。ふと由比ヶ浜の方を見ると、由比ヶ浜は梨の皮だけではなく、中の果肉までも抉りとっていた。由比ヶ浜の梨は、ナイスバディのボンキュッボンとなっており、食べられる部分の殆どは皮とともにゴミ箱の中にある。お前は梨になにか恨みでもあるのか?

 

結衣「なんでーー!?ママがやってるの見てたのに!」

 

熊谷「見てただけなんだ」

 

まったくだ。ホントアホかよ。見てできるのなら誰だって苦労しねぇんだよ。

 

雪乃「由比ヶ浜さん、ナイフは回転させないで固定するのよ。…なぜ、言ったそばからナイフを回してるのかしら?私の話聞いてた?」

 

何やら雪ノ下のお料理教室が始まった。そんな事を無視して、オレは皮むきを続ける。もう5個の梨をむき終わり、食べやすいようにカットしている。やっぱりこの人数だ、もう殆ど終わっている。

 

日浦「わぁ〜。比企谷先輩上手ですね」

 

と不意に日浦から話しかけてくる。ビックリするわ〜。刃物を使っている時に急に話しかけないでくれます日浦よ。

 

八幡「そうか?」

 

日浦「はい!」

 

八幡「そっかありがとうな。まぁ、確かに家ではたまに料理するしな」

 

日浦「そうなの小町ちゃん」

 

小町「うん、お兄ちゃんたまにご飯作ってくれるんだ。それにおいしいし」

 

玲「うん、そうだね。ハチくんの作った料理、すごくおいしいよね」

 

小町「はい!」

 

日浦「へ〜、なんだか私も1回食べてみたくなってきた」

 

何やら日浦もオレの料理が食べたいとか言って来たな。まぁ、別にいいケドね。すると…

 

奈良坂「終わった皿あるか」

 

八幡「ああ、これを頼む」

 

奈良坂「ああ」

 

透が皿を受け取りに来たので、カットされた梨がのった皿を透に渡す。

 

八幡「あと、雪ノ下。いつまで料理教室やってんだよ」

 

オレは今まで料理教室をやっている雪ノ下に声をかける。

 

雪乃「あ、そうね。ごめんなさい、つい熱くなってしまったわ。由比ヶ浜さん、あなたには悪けれど配膳をお願い」

 

結衣「うぅ…わかった」

 

これで少しは梨の無駄にはならないか。そう思いながら持っている梨に目を落とし、皮むきの続きをする。他の奴らも皮むきを続ける。そして、皮むきを続けてると小学生達が続々と到着する。オリエンテーリングが終わったばかりだというのに、ギャーギャーワーワーと元気にはしゃいでいる。小学生は俺達高校生と違って元気いっぱいだ。逆に気持ち悪いな。良くあんな元気にいられるもんだ。そして、オレも梨むきも終わった事だし、配膳に回るか。

 

 

 

 

 

 




いかがでしたか?ではまたお会いしましょう。


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第20話

どうもチャキです!第20話どうぞ!


八幡side

 

合宿とか林間学校などで作る料理といえば、大抵の人達はカレーと答えるだろう。というかカレーしか作らないと思う。まぁ、簡単にできるしお手軽だな。でも、班と一緒に作るからコミュニケーションが必要になる。分担をして各自で決められた仕事する。けどオレに至ってはいないと思われてしまった時がある。まぁ、いわゆる空気だな。あれ?なんだか知らんけど目から汗が少し出てきたぞ。おっかしいなぁ〜。

 

まぁ、そんな事よりオレは軍手を真っ黒にしながら竈の火を起こす。他の男子も火の準備をする。女子はカレーの食材を切っている。

 

出水「まぁ、小学生の野外炊飯を考えると妥当なメニューだ」

 

八幡「そうだな」

 

隣で火を起こしていた出水がそう言ってきた。まぁ、そうだろうな。

 

出水「家カレーだとそれぞれの家によって個性でるよな〜」

 

八幡「あ〜、確かにな」

 

まぁ、今は小町や玲は入れないと思うが、他の女子はわからん。後は由比ヶ浜は絶対にやらしてはいけない。何かしら入れるだろう。クッキーの時もコーヒーの元を入れようとしてたからな。すると、後ろで野菜を切っていた由比ヶ浜が…

 

結衣「うちのカレーね、前になんか葉っぱ入ってたの。いやーうちのママ結構ぼーっとしてるところあるからな〜」

 

君も大概ぼーっとしてるところあるけどな。でもそうなると遺伝だろうな。

 

雪乃「多分それはローリエじゃないかしら…」

 

結衣「へぇ?ろーりえ?…ロリエ?」

 

お前な何勝手に変換してんだよ。

 

雪乃「ローリエよ由比ヶ浜さん。ローリエは月桂樹の葉のことよ」

 

結衣「ローリエって…ティッシュの事じゃないんだ…」

 

あ、ダメだ。遺伝ではなく、進化してやがる。それもぶっ飛んだ進化だ。

 

隼人「ヒキタニくん、代わるよ」

 

そんな事を考えていると葉山が交代を申し出てくる。オレは言葉に甘えて交代してもらうことにした。

 

八幡「悪いな」

 

オレは葉山にうちわを渡して竈から離れる。

 

戸部「俺も変わるっしょ!」

 

出水「え?マジ?サンキュー」

 

どうやら出水も戸部に代わってもらうことにしたらしい。

 

小町「お兄ちゃんおつかれ。はいこれ」

 

小町がそう言って冷えた麦茶を渡してくる。

 

八幡「サンキュ」

 

オレはそう言って軍手を取り麦茶を受け取る。

 

小町「出水さんもどうぞ!」

 

出水「おお、サンキュ」

 

出水も軍手を取り小町から麦茶を受け取る。オレと出水はその麦茶を一気に飲む。

 

出水「くっは〜!うめぇ〜」

 

八幡「ああ」

 

確かに冷えててうまい。さっきまで火の近くにいてたから助かる。さすが小町だな、気が利く。すると、葉山グループ達が

 

優美子「隼人すごーい!」

 

海老名「葉山くんアウトドア似合うねー」

 

と歓声を上げる。縦ロールと海老名さんは大絶賛のようだ。すると、縦ロールがこちらを見て少し睨んできた。まぁ、多分『サボってんじゃねぇよ』とかだろう。

 

出水「なぁ、あれってハチがやったやつだよな」

 

八幡「ああ、でも気にするだけ無駄だ」

 

出水「けどよ…」

 

隼人「ヒキタニくんが大体やってくれてたからな」

 

葉山がすかさずフォローを入れる。フォローは良いけどそのフォローによって「隼人、庇ってあげてる。優しい…!」という雰囲気になっていることだ。

 

出水「ほら、今だってハチの名前間違えてるし」

 

八幡「言っても無駄だから無視してんだよ」

 

出水「なるほど。確かにそうかもな」

 

八幡「だろ?」

 

名前を訂正してもまた間違えてると思うし、言うだけ無駄だ。

 

出水「じゃあオレはあっちに行くわ」

 

八幡「おう」

 

そう言って出水は米屋達の方へと向かった。

 

玲「おつかれ様ハチくん。はいこれ」

 

いつの間にか近くにいた玲がオレに洗顔ペーパーを渡す。

 

八幡「おう、サンキュ、玲」

 

オレは洗顔ペーパーを受け取り手を拭く。まぁ、サイドエフェクトっと言っても気を抜いている時とか、知り合いの気配があってもあまり気にしていない時があるから気づかない時もある。

 

玲「あ、軍手つけたまま顔吹いたでしょ?もう、汚れてるよ」

 

そう言ってもう1枚持っていた洗顔ペーパーでオレの顔を拭いてくる。

 

八幡「いや、これくらい自分で拭くから」

 

玲「動かないでじっとする」

 

八幡「はい…」

 

あれ?なんでオレこんなにも玲の言う事に弱いのだろう。

 

玲「はい、これでキレイになったよ」

 

八幡「おう…サンキュ」

 

小町「いや〜、やっぱりお兄ちゃんには玲お姉ちゃんが必要だね」

 

と小町が横からそう言ってくる。

 

玲「こ、小町ちゃん?何言ってるの?私はただハチくんの顔が汚れてたから拭いただけだよ」

 

八幡「そうだぞ小町」

 

小町「いやいや、お兄ちゃん達はそうかもしれないけど、小町から見たらもう、夫婦みたいだったよ」

 

八幡・玲「は?(え?)」

 

ホントコイツ何言っちゃってんの?

 

熊谷「いやいや、私から見ても夫婦みたいだったよ」

 

小南「私も」

 

熊谷と小南はニヤニヤしながら言ってくる。コイツら絶対にからかってるだろ。

 

八幡「あのな、オレ達は付き合ってくるけど、夫婦じゃないからな」

 

玲「そ、そうだよ。まだ夫婦じゃないよ!」

 

熊谷・小南「「あ、"まだ"なんだ」」

 

玲「え?…あ///」

 

熊谷と小南はそう言ってさらにニヤニヤし始める。小町もニヤニヤして腹立つ。小町は後でチョップでもしとこう。でも、オレも考えた事くらいある。玲と結婚して、夫婦になれたらってよ。あ〜、ダメだオレまで顔が熱くなってきやがった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

あれから時間が経ち、食材を全て鍋に入れて後は煮込むだけとなった。オレは鍋を見ていると平塚先生が

 

平塚「どうした?暇なら見回って手伝いでもするか?」

 

え〜、めんどくせぇな〜。

 

八幡「あ、自分鍋見ときますんで」

 

平塚「気にするな。私が見ておこう。小学生との交流も大事だろう」

 

平塚先生はそう言ってオレを鍋から離れさせる。どうやらオレには拒否権はないらしい。ここにずっといたら何言われるかわからんしどっか離れていて、バレずにサボるところでも探すか。そう思い少し離れた場所に行くと、雪ノ下が先にいた。なるほど、先約がいたか。すると雪ノ下は何かを見ていた。その視線を追うと、そこにはオリエンテーリングでぼっちだった少女が一人佇んでいた。そして、葉山がぼっち少女に話しかける。

 

隼人「鶴見留美ちゃん、カレー好き?」

 

それを近くで見ていた雪ノ下が小さな、聞き逃すほどのため息を吐いた。同感。悪手である。ぼっちに声をかける時は、秘密裏に、バレないように声をかけなければならない。無色透明なら完璧なノーダメージだが、変な方向に手を差しのべられると、無職童貞くらいのダメージを受ける。葉山が動けば葉山の周りも動く。話題の中心である「憧れの高校生たち」が動けば、小学生達も付き添う。そうなれば、あの鶴見留美という名の少女は一瞬で晒し者になる。葉山は、たった一手で留美を詰みまで追い込んだ。…まあ、本人はそれに気づいていない。ホントどうしょうも無い奴だ。

 

留美「別に。カレーとか興味無いし」

 

そういうとその小学生は手をとめ、その場を離れた。いい答えだ。好意的に返せば「なにあいつチョーシ乗ってる」と言われ、素気無く返せば「なに様チョーシ乗ってる」とされる。ここは戦略的撤退しかない。

 

そしてまた雪ノ下はため息をつく。葉山わかってない。話しかけられたその事実だけでイジメの材料にさせられるから。小学生が去ると葉山は少し重くなった空気を変えようと声をはる。

 

隼人「せっかくだから何か隠し味いれようか!なにか入れたいものある人!」

 

まぁ、色々あるよな。そして小学生がガンガン案を出すなかで、バカが反応する。

 

結衣「はい!あたしフルーツがいいと思う!桃とか!」

 

なんでお前まで参加してんだよ。今のは小学生達に言ってんだよ。

 

八幡「ハァ〜、アイツ…」

 

雪乃「そうね…」

 

雪ノ下も同じ反応らしい。

 

八幡「バカだろう」

 

留美「本当、バカばっか」

 

八幡「ま、世の中は大概がそうだ。早く気づいてよかったな」

 

雪乃「あなたもその大概の一人よ」

 

八幡「お前な…」

 

雪乃「冗談よ」

 

ったく…雪ノ下の奴。

 

留美「…名前」

 

八幡「あ?名前がなんだよ」

 

留美「だから名前を聞いてるの。普通今のでわかるでしょう」

 

雪乃「人に名前を尋ねる時はまず自分から名乗るものよ」

 

ちょっと雪ノ下さん。あなた何喧嘩売るような事言うの?

 

留美「…鶴見留美」

 

雪乃「私は雪ノ下雪乃よ」

 

八幡「オレは比企谷八幡。んで今こっちに来てるやつは…」

 

結衣「由比ヶ浜結衣だよ。よろしくね留美ちゃん」

 

だが、留美はそれに頷くだけ。

 

留美「なんか、そっちの二人は違う気がする。私も違うの」

 

結衣「ど、どういうこと?」

 

留美「みんなガキなんだもん。だから、一人でもいいかなって……」

 

結衣「で、でも小学生の頃の思い出って大事だと思うよ」

 

留美「思い出とかいらない。中学あがれば、他所からきた人と仲良くなればいいかなって」

 

雪乃「残念ながらそうはならないわ。中学に入ってもその他所からきた人とやらも一緒になってやるだけよ」

 

その通りだ。中学に入っても人によるだろうがなにも変わらない。オレはボーダーに入ってから変わった…いや、ボーダーに入る前に玲と出会ってから変わったのかもしれない。

 

留美「……やっぱりそうなんだ。……どうして、こうなっちゃったのかな」

 

留美はそう言って悲しそうな顔になって涙もたまっていた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

そして時間は過ぎて、カチャカチャと食器とスプーンの立てる音がする。半ば諦めたような表情で自分の班に戻っていつて留美を見送ってすぐ、オレ達もベースキャンプへと戻ってきた。平塚先生が煮込んでいたカレーもじゃがいもがいい感じに煮込まれている。ご飯のほうもかなりいい仕上がりだ。炊飯場の近くには、木製の長いテーブルとベンチが沢山ある。それぞれが皿に盛り付けると、座る場所を探り合いが始まる。オレはそのうちの一つのベンチの端に座る。その隣には、当然の如く玲が座り、その隣には熊谷が座り、その隣には雪ノ下が座った。向かいには小町、日浦、永宮という順番で座った。そして他のベンチでは出水、米屋、透、三輪と座り向かいには小南、三上、綾辻、水川という順番で座った。あ、後一応総武の奴らは適当に座っている。

 

平塚「さて、では食べるとするか」

 

平塚先生が葉山の隣、席の一番端に座る。そして、その合図で全員が「いただきます」と呟き、カレーを食べ始める。思えば、こんな大人数で食べるのは中学の時の給食以来な気がする。

 

出水「おい!槍バカ!福神漬け返せ!」

 

米屋「取られる方が悪い!」

 

ホントアイツらはバカだよな。何、福神漬けで争ってんだよ。静かに食べれないのかよ。

 

小南「スキあり!」

 

米屋「あっ!」

 

すると米屋の皿に盛り付けられていた福神漬けを小南が強奪する。

 

米屋「オレの福神漬けが!」

 

小南「取られる方が悪いんじゃ何の?」

 

小南がそう言うと米屋は悔しそうにしている。そして、小南は奪った福神漬けを食べる。

 

八幡「アイツら何してんだよ…」

 

熊谷「ホント静かに食べれないのかな?しかも小南まで」

 

小町「でも、給食のカレーの時って男子本当にうるさかったよ」

 

綺凛「あ〜、小学生の時にあったよね〜」

 

日浦「そうだね」

 

どうやら小町達は懐かしむようにつぶやく。まあ、現在進行形でうるさいしな。オレがいるテーブルなんて静かだぞ、あっちと違って。

 

ん?

 

八幡「おい、小町。頬にカレーついてるぞ」

 

小町「え?うそ?どこ?」

 

八幡「ちょっとじっとしてろ」

 

オレはそう言って前のめえりになり、手に持っていたナプキンで小町の頬についたカレーを拭き取る。

 

八幡「ほれ、とれたぞ」

 

小町「ありがとうお兄ちゃん」

 

ったく…世話のやける妹だな。

 

日浦「もう小町ちゃんったら〜」

 

玲「そう言う茜ちゃんもついてるよ。もう…」

 

そう言って玲も日浦の頬についたカレーを拭き取る。

 

玲「はい、とれたよ」

 

日浦「あ、ありがとうございます」

 

熊谷(なんだかこの光景を見てると、子供の世話をする夫婦みたいだな。でも言わないでおいとこう)

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

笛付きケトルがカタカタと音を立てる。さほど大きなサイズではないが、けたたましい音をあたりに響かせる。小町がすっと立つと、ティーバッグで紅茶を淹れ始めた。高原の夜はかなり冷えるが、小学生達が撤収して静かになると更に涼しく感じる。もうじき、小学生達は就寝時間のはずだ。だが、あんなにパワフルな小学生達が、大人しく眠るはずもない。枕を投げ合い、お菓子を食べ、夜通し語り合いながら過ごすのだろう。けれど、一部には早々と眠りにつく子だっている。その輪の中に入れない子は、早々と眠り、ほかのヤツらの邪魔にならないように努力するのだ。そんな苦労を、他の奴らは知らない。

 

そんな時由比ヶ浜が小さくボソッと呟く。

 

結衣「大丈夫、かな」

 

平塚「ふむ、なにか心配事かね?」 

 

由比ヶ浜の呟きに平塚先生が反応する。

 

由比ヶ浜は留美のことを心配しているのだろう。何が?と問うまでもない。ここにいる全員が瑠美の孤立に気が付いているはずだ。 

 

隼人「まあ、ちょっと孤立している子がいたので…」

 

 

平塚先生の問いかけに答えたのは葉山だ。

 

優美子「ねー、可哀想だよねー」

 

三浦は相槌のつもりなのか、当然のごとくその言葉を口にした。お前絶対思ってねぇだろ。

 

八幡「…違うぞ、葉山。お前は物事の本質を理解していない。問題なのは、悪意によって孤立させられていることだ」

 

優美子「は?なんか違うわけ?」

 

オレは葉山に言ったんだけど、何故か三浦が反応する。なんでお前が反応するんだよ。

 

三輪「つまり、好きで一人でいる人間と、そうではない人間がいるということか?」

 

八幡「ああ、大体はそんなところだ。つまり、解決すべきなのは彼女の孤立ではなく、彼女にそれを強いる周りの環境という事だ」

 

俺がそう言うと、周りはなるほど、といった様子になる。すると、再び平塚先生が俺達に問いかけてくる。

 

平塚「ならば、君たちはどうしたい?」

 

隼人「…それは…」

 

平塚先生の問いかけで、皆が一様に黙る。なぜ黙るのか?何もする気がないからだ。ただ、その事について話し合って自己満足したいだけだ。要するに、テレビやネットニュースで世界の貧困の事を知り、可哀想だね、なにか出来ることをしようね。とかほざきながら、心地よい部屋で美味しいものを食べているのと変わらないのだ。じゃあ、そのうち何か解決のために動き始めるのかというと、そうでもない。ただ「今の生活を大事にしよう」「日常のありがたみを知った」などと言って終わりだ。だがそれでも、問題意識を持って本気で助けようとする人間はいる。たしかに素晴らしい。

 

だがオレ達は違う。オレも玲も葉山も雪ノ下、三浦、由比ヶ浜も、他の奴らも本気で何かをするわけでも出来るわけでもない。それを知っていながら、力がないことを言い訳にして、それでも自らに優しい心根があることを理解したいだけだ。それを知っていながら、力がないことを言い訳にして、それでも自らに優しい心根があることを理解したいだけだ。ただ、その事実を知ってしまったから、何もしないわけには行かない。見て見ぬふりはできない。だから、せめて憐れませてほしい。そういうことだ。そんなのは何の解決にもならない。時間の無駄だ。

 

そんな時、葉山が口が開く。

 

隼人「俺は…できれば、可能な範囲で何とかしてあげたいと思います」

 

葉山らしい言い回しだろう。けどオレは呆れて言葉も出ねぇよ。その言葉は優しいが、それは優しい嘘だ。そんな出来もしない事をするのは無駄だろうな。

 

雪乃「あなたでは無理よ。そうだったでしょう?」

 

と雪ノ下が反応する。どうやら雪ノ下は過去に葉山との間になにかあってらしい。

 

隼人「そう、だったかもな。…でも、今は違う」

 

雪乃「どうかしらね」

 

葉山の答えに、肩を竦めるような仕草をする雪ノ下。同じチームである、玲、熊谷、日浦は心配そうな顔になる。

 

平塚「そうか…ボーダー諸君はどうかね」

 

玲「私も、なにかしたいです」

 

綾辻「やれることがあるかはわかんないけど、やれるならやりたいです」

 

三上「そうだね」

 

小南「うん、そうね」

 

出水「オレに何ができるか分からないけど、頼まれたら何かしらやるぞ」

 

三輪「そうだな」

 

米屋「だな」

 

平塚先生の問に各々回答する。小町達も頷く仕草をする。

 

雪乃「先生、これは奉仕部の合宿も兼ねてるとおっしゃいましたね。なら彼女が助けを求めるなら力を貸すことも可能ですよね」

 

平塚「その通りだよ雪ノ下」

 

そんな事言ってたの?オレ全然わかんなかったわ〜。

 

雪乃「わかりました」

 

平塚「よし、では君たちでどうするか話し合ってみたまえ。私は寝る」

 

え〜、やるの〜。めんどくせぇな。

 

玲「ねぇ、ハチくん」

 

八幡「ん?なんだ?」

 

玲「私、あの子事助けたい。だからお願い手伝ってくれる?」

 

と少し寂しげな表情をしながら言ってくる。玲も何かできるか分からない状況なのに、留美を助けたいという真剣さが伝わって来る。あんま乗り気じゃないけど、こりゃあ…手伝わないといけないな。

 

八幡「わかったよ。案だけでも考えるよ」

 

玲「うん、ありがとう」

 

そう言って、ニッコリと笑う、玲。その笑顔に照れくさくなったオレは、フイっと視線を逸らす。言ってしまったし、何か案でも考えないといけないな。

 

 

 

 

 




いかがでしたか?ではまたお会いしましょう。


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第21話

どうもチャキです!第21話どうぞ。


八幡side

 

既に日も沈み、あたりは静寂に包まれつつある。今頃小学生たちは合宿場の部屋で夜を過ごしているのだろう。そして、今オレ達は鶴見留美の孤独問題の対策の会議をすることが決まり、皆で話し会うことになった。オレは乗り気じゃないけど、玲にお願いされたから、案だけでも出すか。

 

隼人「じゃあどうしようか」

 

葉山が司会で会議が始まる。

 

優美子「つーかさ、あの子結構かわいいじゃん?だから、ほかの可愛い子とつるめばよくない?話しかけるじゃん、仲良くなるじゃん、余裕じゃね?」

 

戸部「それだわー!優美子冴えてるわー」

 

優美子「だしょ?」

 

相変わらずアホなヤツだ。というよりそんなんで上手くいくんなら、今頃苦労していない。

 

結衣「それは優美子だからできるんだよ…」

 

でも、由比ヶ浜は賛成せず否定する。

 

結衣「でもさ留美ちゃんってさ内気そうだしさ、それで他の子達に話しかけるのはちょっとハードル高いんじゃないかな」

 

なるほどな。

 

隼人「言葉は悪いけど、足がかりを作るって意味なら優美子の意見は一理ある。けど、結衣の言う通り、話しかけるのはハードルが高すぎるかもしれない」

 

葉山が即座に三浦の意見のフォローをする。適度にフォローしつつも、反対の意見を織り交ぜながら言うとは、流石は葉山と言ったところか。葉山の意見を聞いた縦ロールは少し不満げだったが「そっかー」と言って引き下がる。すると今度は海老名さんが自信満々の表情で挙手をした。…なんか嫌な予感がする。

 

隼人「姫菜、言ってみて」

 

へぇ〜、海老名さんの下の名前は姫菜というらしい。そして指名された海老名さんは立ち上がりメガネを輝かさせ

 

姫菜「大丈夫。趣味に生きればいいんだよ。趣味に打ち込めば、いろんなイベントとかお店とかに行くでしょ?そこで同じ趣味の人と仲良くなっちゃえば、自分の居場所とかが見つかるんじゃないかな?学校だけがすべてじゃないって思えて、楽しくなると思うよ」

 

なるほどな。確かにいい案かもしれない。さっきの嫌な予感は気のせいか。今の意見はオレも賛成できる。オレもボーダーに入ってから友だちと呼べるような奴らもできたし、いろんな人と関わることが出来たからな。すると…海老名さんは一呼吸つくと、なおも続ける。

 

姫菜「私はBLで友達ができました!ホモが嫌いな女子なんていません!だから、雪ノ下さん達もわたしと」

 

隼人「優美子、姫菜とお茶とってきて」

 

素早く葉山が話を打ち切ると、縦ロールが立ち上がり海老名さんの腕を掴んだ。

 

優美子「おっけー、ほら、行くよ」

 

姫菜「ああ!まだ布教の途中なのにー!」

 

海老名さんは必死に抵抗するが、縦ロールに頭をパシッと叩かれてそのまま引きずられていく。まさかこの状況で布教を始めるとは思わなかった。でも、達という事は玲も入ってるってことだよな。もしこのままだと玲達があっちの道へ進んでいたかもしれない。いや、別にBLを悪く言うつもりは無い。けど、個人的に嫌だろ?彼女がそっちの道の人間ってさ。すると…

 

茜「あ、あの〜」

 

日浦が小さく手をあげていた。

 

八幡「どうした日浦?何か思いついたのか?」

 

茜「えっと…こういうのはどうかなって思いまして」

 

隼人「言ってみてくれるかい」

 

茜「はい、私の案はボーダーに入れると言うのはどうでしょ?」

 

綺凛「あ〜、なるほどボーダーか〜」

 

三輪「なるほど、その鶴見の周りの環境を変えるということだな」

 

綾辻「あ〜、なるほど」

 

まぁ、確かにいい案かもしれない。けどな…

 

真由「確かにいい案かもしれないけどさ。その留美ちゃんの親許すかな?」

 

三上「確かにそうだね」

 

そう、成人とは違ってまだ未成年だ。未成年は親の許可が必要になる。もし、許可が出ても、言ってしまったら悪いが受かるかどうか分からない。

 

八幡「まぁ、いいかもしれんが、でも無理やりはダメだ。向こうから入りたいと言えば入り方なり教えればいいんじゃねぇか」

 

雪乃「ええ、そうね」

 

なんとあの雪ノ下が賛同しただと!?珍しいこともあるもんだ。

 

雪乃「比企谷君今何か失礼な事考えてなかったかしら?」

 

八幡「い、いや別に考えてねぇよ」

 

雪乃「…そう、ならそうしとくわ」

 

八幡「そりゃどうも」

 

米屋「ボーダーが無理なら転校はどうだ?」

 

熊谷「いや、無理じゃない。そんな簡単に転校なんてできないし」

 

米屋「ああ…なるほどな」

 

確かにそう簡単に転校なんてできやしない。もしできたとしても、転校先で友達ができるか分からないしな。その後は活気も下がり何も案が出てこなくなった。まともな案で言ったらボーダーに入るくらいだろう。そんな時、葉山が思いついたように一言言う。

 

隼人「…やっぱり、全員が仲良くなれる方法を考えなきゃダメか…」

 

オレは思わず鼻で笑いそうになるが、ぐっとこらえる。いや、ホントにバカなんだなお前。

 

八幡「ハァ〜…」

 

鼻では笑わなかったが、盛大なため息をついてしまった。雪ノ下に至っては葉山の言葉を聞いて呆れていた。三輪も同様呆れ顔だった。

 

隼人「なんだいヒキタニ君?」

 

いや、なんだいって言われてもな〜。それとヒキタニじゃないんだよ。言っも無駄と思うけど、やめてよね。ボーダー組の奴ら怒るから。いや、むしろめっちゃ怒ってるのは玲なんだよな。

 

八幡「だったら言わせてもらうが、そりゃあ無理な案だ」

 

隼人「…どうしてだい?」

 

八幡「皆仲良くなんて初めっから無理だ」

 

隼人「だからどうしてだい?」

 

ハァ〜…ホントにわからないのか?呆れを通り越して逆に尊敬するぜ。悪い意味でな。

 

八幡「皆仲良くができたてら、世の中何一つ揉め事が起こらないだろうし、オレもボーダー以外で友達沢山できてるだろうな」

 

隼人「君とあの子は違うだろう」

 

まぁ、確かにそうだ。オレと留美は違う。

 

三輪「けど、大体は同じだろう。比企谷に友達が沢山できるのなら、あの鶴見にも沢山友達できてるだろう」

 

うん、フォローありがとう三輪。でも、なんかオレ悪口言われているような気がするけど、オレの気のせいだよな。…気のせいだよな?

 

雪乃「そうね。そうだったら私にももっと沢山できてたかもしれないわね」

 

隼人「くっ…」

 

なんだか気に食わないご様子のようだ。

 

八幡「じゃあ、聞くが葉山。お前、雪ノ下と三浦を仲良くさせられるか?」

 

雪乃「無理ね」

 

雪ノ下さんや即答ですかそうですか。というかめっちゃ嫌ってんじゃん。ウケる。

 

優美子「あーしも無理」

 

あんたもかよ。というかオレは葉山に聞いたんだけどな〜。おっかしいな〜。

 

八幡「まっ、ということだ。もし、お前の言う通りみんな仲良くできるのなら、こういった事は無いはずだぜ」

 

隼人「…でも」

 

奈良坂「葉山、お前そんな事本気でできると思ってるのか?」

 

と透が葉山の言葉をさえぎる。

 

隼人「奈良坂君、君もできないと思ってるのかい?」

 

奈良坂「ああ」

 

隼人「…」

 

今まで黙っていたが、みんな仲良くできるのなら玲はイジメられていない。病弱だからとか体の弱い玲をイジメていた奴らがいた。まぁ、そいつらはオレと透で根絶やしにしてやったがな。

 

玲「ねぇ、ハチ君は何かある」

 

と隣に座っていた玲が聞いてくる。オレも色々考えたが…

 

八幡「悪い玲。オレなりに考えてみたが、やっぱり放っておくしかないと思う」

 

隼人「なっ!?どうして!」

 

うるせぇな。オレは玲に言ったんだよ。なんでお前が反応するんだよ。

 

八幡「まぁ、でも日浦が言ってたボーダーに入るというのが、今まで出てきた中では良い案だと思う」

 

玲「…そっか」

 

ちょっと悲しそうな顔になる玲。悪い…ホントに悪い玲。

 

隼人「でもそれだと現状は変わらないだろ。だからみんな話し合っていくしか」

 

雪乃「さっき比企谷君が言った通り無理よ。絶対に」

 

そう雪ノ下がハッキリ言う。すると、お茶を取ってきて来るはずの三浦が近くにいて机を叩き。

 

優美子「雪ノ下サン?あんたさぁ、そういうのやめなよ」

 

雪乃「何かしら」

 

優美子「みんなで仲良くやろうってしてんのに、空気を壊すような事言うなって言ってんの!」

 

雪乃「別に空気を壊すような事言ったつもりは無いわ。事実を述べただけよ。それにあなたがそういう態度をしているから空気が壊れるのでわないかしら」

 

ちょっと雪ノ下、火に油を注ぐような事言うなよ。

 

優美子「あんたさぁ!そういう上から目線をやめろって言ってんの!」

 

雪乃「あら、自分が劣っているという自覚があるから、上から見られているように感じるんじゃない?」

 

優美子「この!」

 

三浦がバクハツしそうになった時だった。

 

真由「ハァ〜」

 

と盛大なため息が聞こえた。その主は我が比企谷隊のオペレーター水川真由だった。その声音は少しの怒りと呆れがあった。そして水川の視線は三浦達に向けられる。

 

真由「ねぇ、今私達は何をしているの?あの子を救う話をしているんでしょ?なのになんで口喧嘩が始まってるの?おかしいでしょ。それに雪乃も雪乃よ。火に油を注ぐような事言わないの」

 

水川は雪ノ下の態度や言葉の事を注意する。まぁ、確かに雪ノ下も少なからず悪い所もある。

 

雪乃「そうね。つい暑くなってしまったわ。ごめんなさい」

 

とあの雪ノ下が皆に頭を下げる。

 

真由「それであんた達はホントにあの子を救う気あるの?ないの?どっちなの?」

 

それを言われると、三浦は黙り込んだ。それからも話し合いをしたが一向に進まず、会議は終了した。

 

幸い総武組とボーダー組の部屋は別れているが、雪ノ下は総武組の部屋なので、雪ノ下にしたら最悪だろう。そして今は風呂から戻ってバンガローにいる。因みにバカ2人は入っている。三輪と透も戻っている。

 

八幡「なぁ、あのバカ2人はまだ入ってんのか?」

 

三輪「ああ、遊んでいる」

 

そう言ってため息をつく。というか風呂で遊ぶって何して遊んでんだよ。訳分からん。

 

八幡「まぁ、でも静かな方が落ち着くしな」

 

透「そうだな」

 

その後、2人と雑談をする。するとバカ2人がドアを勢いよく開けて戻ってきた。

 

八幡「静かに開けろお前ら」

 

出水「わ、わりぃ」

 

米屋「す、スマン」

 

ったく…ホントうるさくてバカな奴らだ。その後も出水、米屋を加えて雑談をする。まぁ、少しあの留美のことも話した。やっぱりコイツらも日浦のボーダーに入るというのに賛成らしい。

 

そして…

 

透「そろそろ布団でも用意するか」

 

八幡「そうだな」

 

布団を準備して、寝る準備をする。

 

透「電気消すぞ」

 

八幡「おう」

 

透の掛け声で電気が消える。最初は米屋とか出水が話しかけるが、寝てしまった。オレも寝ようと思ったが、一向に寝れない。なので少し外の空気を吸いに出る。少し歩いていると雪ノ下の気配の反応があった。一体何してんだと思い、近づいてみると何やら口ずさんでいた。綺麗な音程だな。と思いさらに近づくと

 

雪乃「誰!?」

 

と何かを察知したのかオレの方を振り向く。

 

八幡「わ、悪い。オレだ」

 

雪乃「なんだ比企谷君か…」

 

八幡「んで、何してんだ?」

 

雪乃「ちょっと三浦さんが突っかかってきて、完全論破したら泣き出して」

 

完全論破ってあんたマジパネェな。

 

八幡「んで、気まずくなって出てきたというわけか」

 

雪乃「まさか泣いてしまうとは思わなくて……。今は由比ヶ浜さんが慰めてくれてるわ」

 

八幡「そうか……じゃあボーダーの方のバンガローに入れてもらえるように平塚先生に言ってみたらどうだ?」

 

雪乃「そうね。それもいいかもしれないわね。でも、それよりもあの子事どうにかしないとね」

 

八幡「…どうにもできねえけど、唯一いい案といえば日浦のボーダーに入るだな」

 

雪乃「そうね」

 

八幡「でもまさかあの雪ノ下が賛成するだなんてな」

 

雪乃「私もボーダーに入って変われたからよ。でも、私のようになるとは限らないけど、その案しかないのよね」

 

八幡「そうだよな」

 

雪乃「それと、多分葉山くんも気にしてる」

 

八幡「だろうな。昔なんかあったのか?」

 

雪乃「………そうね」

 

八幡「あいつとは付き合い長いのか」

 

雪乃「ええ、親同士が知り合いで幼馴染みなのよ」

 

なるほどな。だから何かしらあったからあんな態度だったんだな。

 

八幡「大変だな」

 

雪乃「ええ、本当よ」

 

八幡「まぁ、そんなことよりあの留美のことは明日でもまた考えようぜ」

 

雪乃「そうね。じゃあ私はそろそろ戻るわね」

 

八幡「ああ」

 

そして雪ノ下は戻って行った。そして、1人になったオレは1本の木にもたれかかって上を見上げる。

 

八幡「おお」

 

夜空はすごいキレイな星で埋め尽くされていた。街では見られない夜空だ。ここには余計な光とかないからキレイに見える。そんな夜空を見ていると、玲の気配がすぐ近くまで反応したので、そっちを振り向く。

 

玲「あ、やっぱり気づいちゃった?」

 

八幡「ああ。で、どうしたんだ?」

 

玲「ちょっと寝れなくて…あ、隣いい?」

 

八幡「ああ」

 

玲「ありがとう」

 

そう言ってオレの隣に座る。

 

玲「ハチくんは何してたの?」

 

八幡「オレもちょっと寝れなくてな。それでちょっと外の空気を吸うおうと思ってな。そしたら夜空がキレイでな」

 

玲「え?…わぁ…」

 

玲もオレにつられて空を見上げる。

 

玲「ホントキレイ…」

 

八幡「ああ」

 

まぁ、こんな時は「君の方が綺麗だよ」って言うらしい。オレはそんなこと言わねぇ。言う度胸がまだないからです。

 

玲「…ねぇ、ハチくん。ハチくんはあの子の事どうするの?」

 

玲もやっぱり留美の事を言ってるらしい。でもすごい悲しそうな顔でオレの事見てくる。オレも玲のために何かしてやりたいが、やっぱり…

 

八幡「やっぱり、部屋の奴らは日浦の案に賛成らしい」

 

玲「そっか…やっぱりボーダーに入るという案しかないか」

 

八幡「他にもいい案があればいいが、この短時間では無理だろう。それに葉山の案は絶対に無理だろうしな」

 

玲「そうよね…時間がもっとあればもっといい案が出てたかもしれないね」

 

八幡「ああ、それより大丈夫か?体冷えてないか?」

 

玲「うん、大丈夫だよ。ありがとう」

 

すると、玲は自分の頭をオレの肩に乗っけてくる。急にどうしたんだ?

 

玲「ごめん、ちょっとの間こうさせて」

 

八幡「別に良いぞ」

 

玲「時々ねハチくんに甘えたい時があるの」

 

八幡「そうか」

 

オレは無意識で玲の頭を撫でる。するととても気持ちよさそうにする玲。

 

玲「ふふふっ、やっぱりハチくんに撫でられるの好きだな」

 

八幡「やっべぇ、完全に無意識だったわ」

 

玲「そうなの?でも、そういう事は私と小町ちゃんだけにしてよね。すると私でも嫉妬するんだから」

 

八幡「わかったよ。覚えとくよ」

 

玲「絶対だよ」

 

八幡「ああ、でもいつでも甘えてもらってもいいんだぞ」

 

玲「うん、ありがとう」

 

その体勢のまま玲と2人で夜空を見上げる。玲の体温が少しだけだが伝わる。なんだか天体観測みたいだな。するとオレの肩の重さが増した。なんだ?と思いそっちを見ると玲が小さな寝息をたてながら寝ていた。オレの肩を枕代わりにして気持ち良さそうに寝ていた。でも、ここで寝たらダメだろう。そう思っていると熊谷の気配がした。

 

熊谷「玲〜、どこ〜?」

 

どうやら玲を探しに来たみたいだ。

 

八幡「熊谷」

 

オレは玲を起こさない程度の声で熊谷を呼ぶ。

 

熊谷「ん?あ、比企谷。あ〜玲、そこにいたんだ」

 

八幡「ああ。一緒にいてたら寝てしまってな」

 

熊谷「そうなんだ」

 

八幡「オレが玲を運ぶから道案内頼んでもいいか?」

 

熊谷「いいの?」

 

八幡「ああ、かまわん」

 

熊谷「わかった」

 

そしてオレは玲を起こさないように玲を持ち上げる。どうやって持ち上げるかと言うと、玲を横に持ち上げる。まぁ、世間はお姫様抱っこと言うらしいがな。

 

熊谷「へぇ〜、やるねぇ比企谷」

 

八幡「うるせぇぞ」

 

熊谷「で?どう?」

 

八幡「どう?とは」

 

熊谷「重いか聞いてんのよ」

 

おい、それ女子であるお前が聞いちゃあダメだろう。女子に重いとか言ったらダメって小町に言われてるんだからな。

 

八幡「いや、全然。むしろ軽いぞ」

 

熊谷「そっか〜」

 

何ニヤニヤしてんだよ。確かに玲は軽いぞ。全然重たくない。というか聞いてきたから答えたのになんでそんな反応されなくちゃならない。

 

八幡「ハァ…もうそういうのいいから、さっさと案内しろ」

 

熊谷「はいはい、わかったわかった。じゃあついてきて」

 

八幡「はいよ」

 

そしてオレは熊谷のあとをついていきボーダー組いるバンガローに向かった。

 

熊谷「ここだよ。じゃあちょっと待ってて」

 

八幡「ん?おう」

 

なんで少し待たないといけないんだ?そう思っていると熊谷が部屋に入りこう言った。

 

熊谷「ちょっと皆、比企谷が玲を連れてきたから入るよ」

 

あ〜、なるほど。女子しか居ない部屋に男子であるオレが入るんだ。それなりに準備というものがあるのか。

 

熊谷「よし、いいよ。入って比企谷」

 

八幡「おう、じゃあお邪魔します」

 

入ると女子達が一斉にオレの方を見る。

 

小南「へぇ〜、やるじゃん比企谷」

 

お前もそういう反応をするのか小南よ。他の奴もなんでかニヤニヤしていた。ハァ…もう無視しよ。

 

八幡「で?玲の布団はどれだ?」

 

熊谷「ここよ」

 

と熊谷が指を指した所には空いている布団があった。なるほど、そこに玲を持っていけばいいんだな。と思い玲を布団まで運び、寝かせて掛け布団をかぶせてやる。

 

八幡「これでよしっと。じゃあオレは戻るわ」

 

熊谷「わかった、じゃあね比企谷」

 

八幡「おう」

 

小町「おやすみお兄ちゃん」

 

八幡「おう、おやすみ」

 

他の奴も言ってきたので、まとめて返事をして部屋から出て、自分の部屋までゆっくり歩いて戻った。

 

 

 

 

 

 




いかがでしたか?ではまた会いましょう。


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第22話

どうもチャキです!第22話どうぞ!


八幡side

 

翌日オレは5時過ぎに起きた。いつも早朝トレーニングをしているからか、この時間に起きるのが習慣になったのだろう。横を見るとみんなまだ寝ている。いや、1人いないやつがいるな。多分外にいるだろう。夏だと言っても朝の山中はかなり寒いからな、オレは厚手のジャージを手に取り足音を殺しながら外に出る。これぐらいなら隠密行動訓練で1位を取ったことのあるオレには朝飯前だ。外に出たオレは持ってきたジャージを羽織り深呼吸する。

 

八幡「スゥー…ハァ〜」

 

山の空気はおいしいとは言うけど、少し分かるかもしれない。

 

奈良坂「お、八幡か」

 

八幡「やっぱり透か。早いな」

 

奈良坂「八幡もな」

 

八幡「オレは習慣になってるからな」

 

透も厚手のジャージを着ている。ホントなんでも似合うなこいつ。

 

奈良坂「まだ続けてるんだな、朝のトレーニング」

 

八幡「当たり前だ」

 

奈良坂「もうすっかりやめてるのかと思った」

 

八幡「おい」

 

奈良坂「冗談だ」

 

八幡「まったく…」

 

奈良坂「それであの子はやっぱりボーダーに入れるのか?」

 

八幡「昨日も言ったがオレ達からは誘わない。本人から入りたいと言えばだけどな」

 

奈良坂「確かにな」

 

八幡「まあ、オレ達はそう言う意見だけど、問題は葉山だよな」

 

奈良坂「ああ」

 

八幡「アイツの意見を聞いてると、昔の玲の事を思い出してしまった」

 

奈良坂「ああ…あれか…」

 

八幡「あれはオレ達3人には嫌な思い出だな」

 

奈良坂「そうだな…」

 

ホントに嫌な思い出だ。思い出さないようにしてなのに、葉山の所為で思い出してしまった。いや、まぁ、葉山もオレ達の過去の事知ってるわけないし、悪気は無いとわかってるけどな。

 

八幡「さて、時間までまだあるし適当に散策してくるわ」

 

奈良坂「俺も暇だしついて行ってもいいか?」

 

八幡「ああ、良いぞ」

 

 

こうしてオレと透は散策をする事にした。と言うよりも散歩とも言えるかもしれないな。

 

 

 

時は過ぎオレ達は朝食を食べるため集合場所に向かう。着くとほとんど集まっており、朝食を取り分けていた。

 

玲「ハチくんおはよう」

 

八幡「おう、おはよう」

 

玲「はいこれ、ご飯」

 

玲はオレにおぼんを渡してくる。そのにはご飯や味噌汁などが盛られていた。どうやら玲はオレのために朝食を用意してくれたらしい。いや、マジで最高。ホントマジで玲が恋人で良かった。

 

八幡「サンキュ」

 

そう言って玲からおぼんを受け取る。よくあるラブコメではここでお互いの手が触れてしまって慌てる、みたいなイベントがあるそうだが、オレと玲は触れても何も無い。そりゃあ初めの時はあったが今はない。その後透達がいる席に座る。隣は昨日と同じで玲だ。目の前には透が座っていた。雪ノ下もこっち側の席に座っている。やっぱり総武組とボーダー組で別れる。そんな事気にせず朝食を食べる。

 

平塚「あー、朝食のところすまない。食べながらでいいので今日の予定について説明する」

 

と平塚先生がプリントを持って説明しに来る。まあ、簡単に言うと夜にやる肝試しとキャンプファイヤーの準備をしろという事だ。準備が終われば自由にしてていいそうだ。あと、おばけ役としても手伝えと言う事だ。

 

奈良坂「八幡はゾンビ役でいいんじゃないか?目とはピッタリだし」

 

オレの目の前で座る透がそう言ってくる。まぁ、確かにピッタリかもしれないが、少しケンカ売ってるような気もする。

 

八幡「おいコラ、もしやってみろ。暗闇でこんな目見せたら泣かせる自信あるぞ」

 

玲「自信あるんだ…」

 

玲に苦笑しながら言われた。

 

奈良坂「なんで威張ってるんだよ」

 

透からツッコまれた。

 

三輪「確かに比企谷が暗闇から出てきたら泣いてしまうかもしれないな」

 

出水「比企谷の目は腐ってるからな」

 

熊谷「確かに」

 

八幡「お前らな、一々言葉の揚げ足とるなよ」

 

いや、ホント目腐ってるからな泣かせてしまう可能性があるかも知れないな。あ、でもそれだったらおばけ役しなくても良くね?

 

雪乃「あら、いいんじゃないかしら。比企谷君がゾンビ役でも、ね、ゾンビ谷くん」

 

八幡「おいコラ雪ノ下!誰がゾンビ谷だ」

 

雪乃「あら、私は良いと思うのだけれどやらないの?」

 

八幡「やんねぇよ。問題起こしたくねぇしな」

 

雪乃「そう」

 

まったく雪ノ下の奴め、何がゾンビ谷くんだよ。やらねぇよゾンビ役なんてよ。しかもそれを聞いた玲はクスクス笑ってるしよ。

 

玲「ホント仲良いね」

 

八幡「いやいや、オレ名前いじられたんだよ?」

 

玲「いいじゃないちょっと位。私もハチくんの名前を変えて呼んでるし、出水君や米屋君も変えて呼んでるじゃない」

 

八幡「いや、名前の前にゾンビつけられたんだよ?」

 

奈良坂「まぁ、いいじゃねぇか。そんな細かい事気にしてるとハゲるぞ」

 

八幡「なるわけねぇだろ」

 

なんでそれぐらいでハゲるんだよ。……え?ハゲないよね?この年でハゲるの嫌だよ。ハゲて玲に嫌われたくないよ。

 

三輪「まぁ、その事は追追考えるとして、さっさと朝食食べるぞ」

 

八幡「そうだな」

 

三輪の一言でみんなは飯を食べ進める。その間少し世間話などをするくらいで、さっきみたいにギャーギャー騒がず静かに食べていた。そして、オレが茶碗の中が空っぽになりそうな時、玲が話しかけてきた。

 

玲「ハチくんおかわりは?」

 

八幡「ん?そうだな、まだ残ってるのならしようと思ってるぞ」

 

玲「じゃあ私がやってあげる」

 

八幡「いいのか?」

 

玲「うん」

 

八幡「じゃあ頼む」

 

そう言って玲に茶碗を渡す。玲はオレから茶碗を受け取り炊飯器まで向かって行った。玲は何やら鼻歌交じりで茶碗にご飯を盛り付ける。

 

玲「はい、ハチくん」

 

そう言って玲はオレに盛り付けられた茶碗を渡してくる。ご飯はちょうどいいくらいに盛り付けられていた。さすが玲、わかってらっしゃる。

 

八幡「ありがとう」

 

そう言って玲から茶碗を受け取り、おぼんにあったのりをご飯と一緒に食べる。

 

それを見ていた人達は…

 

熊谷「もう、ホントあれを見ていたら夫婦なんじゃって思っちゃうよ」

 

綾辻「ホントだね」

 

三上「でも、熊谷さんそんな事言ってると、昨日の米屋君みたいにランク戦100本させられるよ」

 

熊谷「それだけは嫌だな」

 

小南「いくら私でも100本は嫌だしね」

 

熊谷「ホントね」

 

とヒソヒソと話していたが、その話し声は八幡と玲には聞こえてはいなかった。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

あれから時間は過ぎ、男子達はキャンプファイヤーの準備をしている。三輪と米屋と透が木を切り、その木を葉山と戸部と彩加が運んでくる。その木をオレと出水で積み上げキャンプファイヤーの外枠を作る。

 

出水「なあ、ハチ」

 

八幡「あ?どうした?」

 

出水「こうやって積み上げてるとジェンガみたいだよな」

 

八幡「あー、確かにそうだな。昔よく玲と透と一緒にやったな」

 

出水「お?そうなのか?」

 

八幡「おう、まだあの時は玲の体は弱かったからな家で遊ぶしかなかったからな。そこで今さっき話したようにジェンガとかトランプとかして遊んだな」

 

出水「へぇ〜」

 

八幡「玲と透と出会う前は1人でやってたな」

 

出水「え?1人でジェンガ?1人じゃ遊べねぇだろ」

 

八幡「ま、まぁ、そうだな。玲と透と遊んで初めてわかった」

 

出水「それじゃあ那須さんと奈良坂に出会って良かったな」

 

八幡「ああ、まったくだ」

 

そんな会話をしたながら次々と木を積み上げる。そして、積み終わる時平塚先生が近づいてくる。

 

平塚「2人ともお疲れさん。ほれ」

 

平塚先生はそう言いながらオレと出水に冷えた缶ジュースを渡してくる。

 

八幡「うっす」

 

出水「ありがとうございます」

 

平塚「ふむ、仕上げは私がやるから、君たちはもう休みたまえ。暑い中よく頑張ってくれたな」

 

八幡「あ、わかりました。ありがとうございます」

 

平塚「気にするな。既に他の奴らも作業をあらかた終えて自由時間だ。あとは私と小学校の先生で仕上げよう」

 

八幡・出水「「ありがとうございます」」

 

平塚先生にお礼を言って部屋に戻ろうとすると、木を切っていた透達と合流した。

 

八幡「よお、そっちも終わったのか」

 

三輪「ああ、後は平塚先生達がやってくれるそうだ」

 

八幡「そっちもか」

 

米屋「おい、あっちに沢があるらしいぜ!早く行こうぜ!水遊びだ!」

 

出水「お、いいねー」

 

そう言ってバカ2人は走って沢の方へと向かって行った。オレと透、三輪はその2人の後をついて行く。

 

八幡「ホントアイツら相変わらずだな」

 

三輪「そうだな」

 

透「ああ」

 

そんな会話をしながらしばらく歩いていると、水の流れる音が聞こえる。その音と同時に、2バカ以外の人の声も聞こえてきた。

 

八幡「この声は、あの2人か」

 

三輪「多分そうだろうな」

 

そうこうしているうちに沢の河原についていた。沢の水は案外綺麗で、とても気持ちよさそうだ。出水と米屋は服のまま水の中に入り水をかけあっている。まぁ、そんな事より顔でも洗うかと思い沢の水で顔を洗う。冷たい水のおかげで目が覚めるな。そう思っていると

 

小町「あ、お兄ちゃーん」

 

小町の声が聞こえたので、聞こえた方を見ると水着姿の小町がいた。

 

八幡「小町か。で?水着持ってきたのか」

 

小町「うん、そうだよ。それでどう?」

 

八幡「ん?ああ、うん、似合ってるぞ」

 

小町「うわぁ…適当だな〜」

 

小町の水着の感想を述べると、他のボーダー組の気配が近づいてくるのがわかった。そっちを見ると全員水着姿だった。君達用意が良いね。

 

玲「は、ハチくん」

 

八幡「ん?」

 

後ろから玲に呼ばれたので振り向いてみると、玲はフリル付きの白い水着を身につけて、恥ずかしそうに顔を赤らめていた。ちょっと、可愛すぎるだろ。

 

玲「ど、どうかな?」

 

八幡「お、おう。似合ってるぞ」

 

玲「そっか、ありがとう」

 

玲に正直に感想を述べる。というか目のやり場に困るな。玲の体はスラッとしてて、肌も綺麗で、水着の色とも合ってて、色々ヤバイ。

 

そんな時だった

 

米屋「比企谷!」

 

八幡「あ?」

 

米屋に呼ばれ、呼ばれた方を見ると米屋は腰を落とし、両手を水の中に入れている。あ、多分あれだな。

 

米屋「くらえ!」

 

案の定米屋はオレに向かって思いっきり、水をぶっかけてくるがオレはヒラリとかわす。するとオレの後ろにいた三輪にかかってしまう。

 

米屋「あ…」

 

三輪はかなり怒っている様子だ。

 

三輪「陽介…」

 

米屋「ま、待って!秀次!待ってくれ。今のはハッチが避けたからだ!」

 

なんと、米屋は避けたオレのせいだと言っている。なんでだよ、普通避けるだろ?なのに避けただけで、悪者にされなきゃならないのだ。

 

三輪「言い訳するな」

 

米屋「ひぃ!?」

 

あ、これは死んだな。ご愁傷様米屋。そんな事思いながら近くの木にもたれ掛かる。すると透も座らずにオレの近くまでやってくる。水着を着た女子達は水のかけあいをしながら、遊んでいる。いつの間に来たのか雪ノ下もいる。そんな光景を見ながら透と雑談する。すると玲がこっちに近づいて来る。

 

玲「フゥ…」

 

八幡「どうした玲?」

 

玲「うん、ちょっと疲れちゃって、だから休憩」

 

八幡「なるほどな」

 

透「大丈夫か?」

 

玲「うん、大丈夫。ありがとう」

 

八幡「無理しない程度にな」

 

玲「うん、あ、隣いい?」

 

八幡「おう」

 

玲に許可をだすと、玲はオレの隣に座る。透は突っ立ているだけだけどな。すると、隣から知らない気配がした。多分これは、と思い気配がした方を見る。するとそこに居たのは

 

八幡「やっぱり鶴見留美か」

 

玲「え?」

 

オレの一言に驚き玲は同じ方を見る。

 

留美「なんでわかったの?」

 

ん〜、なんて説明しようか。サイドエフェクトの事言うのはまずいしな……

 

八幡「まぁ、ボーダーだからかな」

 

留美「へー、八幡はボーダーなんだ」

 

うん、いきなり呼び捨てですかそうですか。

 

八幡「ああ。後、この2人もボーダーだ」

 

留美「そうなの?」

 

奈良坂「ああ」

 

玲「うん、よろしくね」

 

留美は小さく頷き、オレのもうひとつの隣まで移動する。

 

八幡「どうした?1人か?」

 

留美「今日自由行動なの。朝ごはん終わって部屋戻ったら誰もいなかった」

 

おお…なんともえげつない。すると、オレ達に気づいた由比ヶ浜が近づいてくる。

 

結衣「あの、留美ちゃんも一緒に遊ばない?」

 

留美「……いい」

 

結衣「そっか……」

 

少し残念そうな顔になる。すると…

 

留美「八幡はさ…」

 

八幡「ん?」

 

留美「小学校の頃の友達っている?」

 

小学校?何それおいしいの?なーんってな、そんな事言ったらオレめっちゃ変態じゃん。

 

八幡「いや、いねぇな。玲と透はどうだ?」

 

玲「私はいるけど、もう会ってないかな」

 

透「俺も」

 

雪乃「私もよ」

 

いつの間にそこにいたんだよお前は。気配でわかってたけど、まさか会話に参加してくるなんて思ってなかったわ。後それとお前も水着なんだな。

 

結衣「……留美ちゃん、この人たちが特殊なだけだからねー」

 

八幡「いや、特殊じゃねぇよ。お前みたいに沢山いねぇやつもいるんだぞ」

 

結衣「それはヒッキーだけでしょ?」

 

コイツ、意外と失礼だなホント。

 

八幡「あのな…全員が全員、由比ヶ浜みたいじゃねぇんだぞ。由比ヶ浜は小学生の時上手くいったかもしないが、人それぞれなんだぞ」

 

結衣「そ、それは…そうだけど…」

 

八幡「オレも作ろうとしたけど無理だったわ」

 

透「なんか悲しいな」

 

八幡「うっせぇぞ透」

 

でも今は玲達がいるからいいんだけどね。

 

留美「ねぇ、八幡」

 

八幡「どした?」

 

留美「ボーダーってどうやったら入れるの?」

 

八幡「は?お前、ボーダーに入りたいのか?」

 

留美「うん」

 

なるほどな。これは昨日言ってた事になったな。自分から入りたいと言うのなら、入り方くらい教えてやらねぇとな。

 

 

八幡「そうか、でもオレらに聞くよりホームページを見ればいいぞ」

 

留美「そうなんだ」

 

玲「でもどうしてボーダーに?」

 

留美「ボーダーに入れば居場所や友達ができるかなって思って。できるかな?」

 

八幡「できると思うぞ。今ここにいるほとんどの奴らがボーダーだし、誰も悪いやつには見えないだろ?それに、お前…留美と歳の近い奴もいるし、少し努力すればできると思うぞ」

 

留美「そっか…うん、ありがとう」

 

八幡「とはいったものの、ボーダーにはやっぱり親の承認が必要だから、親ときっちり相談することだ」

 

留美「うん、わかった」

 

結衣「じゃあ、留美ちゃんの事は私から隼人くん達に言っとくね」

 

八幡「ああ、わかった」

 

そう言うと由比ヶ浜は葉山達の方へと向かって行った。

 

留美「それと八幡」

 

八幡「ん?なんだ?」

 

留美「メアド教えて」

 

八幡「それはどうしてだ?」

 

小学生とメアド交換なんてしてみろ、絶対に犯罪者と思われてしまう。

 

留美「いや、ボーダーについて教えてほしいし、試験の日程とかも詳しく知りたいし」

 

そういう事か。それなら他の奴らも間違えないだろう…間違えないよね?

 

玲「大丈夫だよハチくん。そういう事ならいいんじゃない」

 

八幡「サラッと心を読むな」

 

玲「フフッ…ハチくんがわかりやすいだけだよ」

 

奈良坂「そうだな」

 

八幡「……さいで」

 

そんなやり取りに不思議に思ったのか留美が聞いてくる。

 

留美「八幡と那須さんって付き合ってるの?」

 

玲「うん、そうだよ」

 

留美「そうなんだ。八幡羨ましいね、こんな美人な人が彼女で」

 

八幡「まあな。それと、ほれメアド交換するんだろ?」

 

留美「…人に携帯渡していいの?」

 

八幡「あ?別に見られて困るものは無いしな。早く登録してくれ」

 

留美「うん、わかった…はい、できた」

 

八幡「おう」

 

留美「じゃあ、八幡。今度連絡するね」

 

留美はそう言うと、さきほど来た道を戻っていく。

 

八幡「これで一件落着かな」

 

雪乃「そうね」

 

玲「これで上手くいくと良いね」

 

八幡「そうだな」

 

透「ああ」

 

玲「よしっ!じゃあ雪乃ちゃん、私達もそろそろ遊ぼっか!」

 

雪乃「い、いえ、私は遠慮しとくわ」

 

玲「そんな事言わないで、ほら行くよ!」

 

雪乃「ちょっ、ちょっと那須さん!行くから引っ張らないでちょうだい」

 

そう言いながら玲に引っ張られて行く。そしてボーダー組の方に連れていかれ、全員から水をかけられている。雪ノ下も負けずと水をかけている。楽しそうだな……。そんな事思いながら、また透と雑談しながら過ごした。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

時は変わり夜、今は既に肝試しは終わり、小学生達がキャンプファイヤーしているのを高校生組が一緒に楽しんでいる。オレはそういうのは苦手なので、端のほうでそれを眺めているだけだ。鶴見留美は小町を含めたボーダー組の女子と会話をしている。何やら楽しそうに話している。前よりも明るい表情になっている。すると、平塚先生の気配が近づいてくるのがわかったので、そっちを見ると。

 

平塚「比企谷、お前は混ざらないのか?」

 

八幡「オレは、ああいうの似合わないでしょ。平塚先生」

 

平塚「…ご苦労だったな」

 

とオレに言ってくる。

 

八幡「何がですか?」

 

主語を言いなさい主語を。小学生の時ならったでしょ?

 

平塚「鶴見留美の件だよ」

 

なるほど、その事か。多分、由比ヶ浜が言ったのだろう。

 

八幡「あー、あれですか。別にオレは何もしてませんよ。最終的に道を選んだのは留美です」

 

オレは本当に何もしてない。留美が自分で道を選びとり、自分で助かろうとした結果だ。

 

平塚「だが、その道を指し示したのは君だろう?それは充分素晴らしいことだぞ」 

 

八幡「そうですかね…。まあ、ありがたく受け取っておきます」

 

平塚「うむ、そうしてくれ。では、私は打ち合わせがあるから行くよ。合宿最後の夜、大いに楽しんでくれ」

 

八幡「はい、ありがとうございました」

 

オレは平塚先生にそう言って、再びキャンプファイヤーを見る。すると平塚先生と入れ違いに葉山が近づいてくるのがわかった。

 

隼人「ヒキタニくん」

 

やっぱり話しかけてくるか。めんどくせぇが、返事してやるか。

 

八幡「なんだ?」

 

隼人「いや、お礼を言いたくてね。あの子を救ってくれてありがとう」 

 

八幡「別に、お前に礼を言われる必要は無い」

 

隼人「はは、でも、一応感謝してるよ。…ヒキタニくんは凄いな」

 

八幡「いきなりなんだよ?」

 

隼人「いや、君は俺にできないことをできるからね」

 

八幡「それは別に凄くはないだろ。お前だってオレにできないことをできる。人間は同じじゃないんだ」

 

そう、誰も完璧じゃあない。それはオレにも言えるし、葉山にも言える。何か似ているところがあっても、根本的にはすべて違うのだ。

 

隼人「確かにそうだな。人間は誰も同じじゃない。みんな違う。だからこそ、俺は皆が仲良くなれるような方法を探したいんだ」

 

八幡「そうかい」

 

こいつは完璧平和主義だ。平和以外を考えず、最悪の事態も考えない。成功することだけを考えている。だが、みんな仲良くなんて事は絶対に不可能だ。もし、仲良くなれるのなら、ネイバーさんとも仲良くなれると思う。そうなれば戦争なんて無くなるだろうな。

 

隼人「でも、俺と比企谷は仲良くできないだろうな…」

 

八幡「…かもな」

 

葉山の言う通りオレと葉山では仲良くできないだろう。

 

隼人「それじゃあ俺は行くよ」

 

そう言って葉山は三浦達所へと向かった。そして、オレは再びキャンプファイヤーの方へと視線を向ける。すると、少し遠くの方から玲が小走りで向かってくる。一体どうしたんだ?

 

玲「ハチくん!」

 

八幡「ん?」

 

玲「今からみんなで踊るんだって!だから一緒に踊ろ!」

 

と言ってオレに手を差し出してくる。

 

八幡「え?オレと?」

 

玲「うん!」

 

八幡「い、いや、いいよ。オレはそういうの苦手だからいいよ」

 

玲「むっ」

 

な、なんだ?なんで頬を膨らませているんだよ。するとすぐさま、シュンと悲しそうな顔になる。

 

玲「ハチくんは私と踊るの…イヤ?」

 

悲しそうな顔で、しかも上目遣いでオレを見てくる玲。ちょっとそんな顔しないでよ。そんな事されたらオレが悪いみたいじゃん。

 

八幡「いやでは無いぞ」

 

玲「ホント?」

 

八幡「ああ」

 

玲「じゃあ踊ろ」

 

と再びオレに手を差し出してくる。ここでまた、同じ事言ったらループしそうなので。

 

八幡「…わかった。じゃあ一緒に踊ってくれるか?」

 

玲「もちろん」

 

そう言われてたので、オレは差し出されている玲の手をとる。

 

八幡「じゃあ、よ、よろしく頼む」

 

玲「うん、任せて!」

 

そしてオレは玲に手を引かれてキャンプファイヤーの周りまで連れてこられる。そして周りは踊っているので、オレも玲と一緒に踊った。こういうイベントは苦手だったが、思ったより楽しめた。こうして2日目が終わった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

翌日、帰りの車は行きと同じで男子と女子で別れて乗っている。オレが乗る男子の方では、出水、米屋は寝ていて、それ以外は起きている。そんな時透が話しかけてきた。

 

奈良坂「昨日、玲と踊っていたようだな」

 

八幡「ああ、誘われてな」

 

奈良坂「それでどうだったんだ?楽しめたか」

 

八幡「まぁ、それなりにはな。ああいうイベントは苦手だったけど、玲と踊った時は楽しかったぞ」

 

奈良坂「そうか、良かったな」

 

八幡「ああ」

 

奈良坂「玲もその時、すごく楽しそうだったぞ」

 

八幡「そっか、それなら良かったわ」

 

そうか、玲も楽しそうだったか。なんだか嬉しいな。オレも玲と踊れて良かったからな。まぁ、時々こういうのもいいかもしれないな。こうして、林間合宿のボランティア活動は幕を閉じた。

 

 

 

 

 

 




いかがでしたか?またお会いしましょう。


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第23話

どうもチャキです!第23話どうぞ!


八幡side

 

今日はランク戦がある。相手は嵐山隊と風間隊だ。この組み合わせは職場見学の時、模擬戦と同じ組み合わせだ。

 

国近「間もなくA級ランク戦第2戦昼の部が始まろうとしています。実況は太刀川隊オペレーターの国近柚宇。解説は三輪隊の米屋隊員と鈴鳴第一の村上隊員です。よろしくお願いします」

 

米屋・村上「「よろしくお願いします」」

 

場所は変わり自分達の作戦室

 

綺凛「なんだか懐かしい組み合わせですね」

 

真由「そうだね。総武校の職場見学時の模擬戦と同じ組み合わせだもんね」

 

水川も同じ事言っている。さすがに覚えているか。

 

真司「そうだね。でも今回は前の時みたいにうまくいかないだろうね」

 

八幡「でしょうね」

 

さて今回もマップ選択権はこっちにある。マップは前と同じにするのは無理だろう。だから違うマップした。

 

八幡「でも、あの時とは違うマップだから、後は運次第。オレと沢北さんはまずは合流を目指します。けど離れているのなら無理をぜず、位置で判断しましょう。永宮はいつも通り落とせるのなら撃て。もし佐鳥の居場所が分かれば知らせるから、佐鳥の射線から外れることを専念しろ。あと風間隊はカメレオンを使ってくると思うからレーダーに気をつけること、嵐山隊は嵐山さんのテレポーターに気をつけることです。水川は状況に応じてフォローしてくれ」

 

3人「「「了解!」」」

 

やっぱり要注意は風間さんだよな。あの人個人ランキング4位だからな。オレと風間さんの戦闘力は5分だから、落とせるか分からない。連携して落とせるのなら落としたいが、1体1だとキツいな。もし、オレが風間さんに落とされそうになったら、道連れにしてでも落とすしかないな。それとオレのサイドエフェクトの集中力もあるからな。もってくれよ。

 

国近『さて、間もなく開始します』

 

作戦確認していたら、いつの間にか転送時間になっていたようだ。国近先輩の声とともに、転送が始まる。オレ達3人は、それぞれ別の場所に転送された。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

オレが転送されたのは道のど真ん中だ。今回のマップは河川敷。時間は昼、天候は晴れにしている。オレ達にはメテオラを持っている。けど橋を落とそうとは思わない。さすがにリスクは高いからな。そしてすぐにレーダーを見る。どうやら永宮と佐鳥は消えてるな。いや…もう1人消えている……誰だ?オレと沢北さんはバッグワームをしていないから候補から外れる。てことは風間隊と嵐山隊の誰かだろう。まぁいい、それよりも

 

八幡「沢北さん。今どこですか?」

 

真司『僕は対岸だね』

 

八幡「了解です。永宮はどこだ?」

 

綺凛『私は比企谷先輩と同じ海岸です』

 

八幡「わかった。合流はちょっと難しいですね。佐鳥がサイドエフェクトの範囲外なのでどこにいるのか分からないので、沢北さんはそっちの方で狩っていってください」

 

真司『うん、わかった』

 

八幡「永宮はオレの後ろの方でフォロー頼む」

 

綺凛『了解です』

 

さて、1番近い人を落いくか。そう思い地を蹴って走る。あまりじっとしててもダメだからな。さて、そろそろ近くなってきたな。そう思いオレはバイパーを展開して、上空に向かって放つ。軌道は雨のように降らすような軌道にする。そして道を曲がるとそこに居たのはシールドでさっきオレが放ったバイパーを防いでいる嵐山さんがいた。

 

嵐山「早速か比企谷」

 

八幡「どうも嵐山さん」

 

オレと嵐山さんの間の距離はお互いの射程圏内だ。

 

八幡「じゃあいきますよ」

 

嵐山「ああ。あの時ようにはいかないぞ」

 

そう言って嵐山さんはバックステップしながらアステロイドを撃ってくる。オレもバックステップしながらシールドで防ぎながらアステロイドを放つ。オレのアステロイドはまたシールドで防がれる。そしてオレは家の屋根に移動しながらアステロイドを放とうとするが後ろから気配を感じたので、屋根に着地した瞬間、さらに右へ飛ぶ。そしてさっきまでいた場所にバッグワームをつけた木虎がいた。

 

八幡「バッグワームつけてたの木虎、お前か」

 

木虎「ええ、そうですよ。でも、やっぱり奇襲は当たりませんか」

 

八幡「まぁな。それよりどっかに隠れててただろう」

 

木虎「さぁ?どうでしょうかね?」

 

八幡「まったく…」

 

しかし…ここで木虎が来たとなると2人を相手しないといけないのか…面倒臭いな。そんな会話していると嵐山さんも上に上がってきた。

 

嵐山「よし、木虎。ここで比企谷を落とすぞ」

 

木虎「了解です」

 

やっぱりそうなるよな。オレは再びバックステップしながらアステロイドを放つ。そのアステロイドを2人はそれぞれ横に飛びかわす。当てようと思って撃った訳じゃないから良いけど。そのままオレはバックステップを続ける。すると嵐山さんはオレの足元に向かってメテオラを放つ。足場失いそのまま地面に着地をし、右へ走る。木虎は地面に着地をしてオレを追いかけてくる。嵐山さんは家の屋根を走りながら追いかけてくる。オレはアステロイドを展開して半分ずつにして2人に向かって放つ。2人はシールドで防ぎながらさらに近づいてくる。チッ…やっぱりめんどくせぇな。オレは道を右に曲がりちょっと走ったところでUターンする。すると後を追ってきた木虎が姿を見せる。

 

木虎「えっ!?」

 

木虎はUターンしてきたオレに驚いている。そんな驚いている木虎に飛び蹴りをする。

 

八幡「フッ!」

 

木虎「くっ!」

 

木虎はその飛び蹴りのおかげで軽く吹っ飛ぶ。よし、これで木虎との距離は少し開けると思いUターンした道を再び走る。後ろは嵐山さんその後ろに体勢を立て直した木虎が追いかけてくる。そして再び振り返り両手でアステロイドを展開して、2人に向かって放つ。2人は並んでフルガードをして防ぐ。その間にさらに距離を広げる。

 

…が木虎はワイヤーガンを使って距離を詰めてくる。そしてグラスホッパーを使って、スコーピオンで斬りかかってくる。その攻撃を避けて木虎の腹を蹴る。

 

木虎「うっ!」

 

飛ばされた木虎は民家の家の窓を突き破り家の中へと入っていく。いや、正しくは入れたの方が良いか。すかさずバイパーで嵐山さんに攻撃する。嵐山さんはバイパーをシールドで防ぎながらアステロイドを撃ってくる。オレはそれをシールドで防ぎながら移動するが、防ぎきれず左足に被弾してしまった。やばいこれで機動が少し落ちるな。木虎がまだ戻ってないウチに嵐山さんを落とすか少し削りたい。そう思いバイパーを縦横無尽に放つ。嵐山さん縦横無尽に放ったバイパーをシールドで防いでいる。が所々防ぎきれず足などに穴があく。その嵐山さん追撃しようとアステロイドを放とうとしようとしたが、木虎が戻ってきたので無理だった。

 

木虎「大丈夫ですか嵐山さん」

 

嵐山「ああ、大丈夫だ。ちょっと足を削られたけどな」

 

木虎「それは比企谷先輩も同じですよ」

 

嵐山「そうだな、じゃあいくぞ」

 

木虎「はい!」

 

さぁて…どうでしょうっかな。流石にこの足じゃ、逃げ続けるのは厳しいな。じゃあここで戦うしかないな。

 

八幡「永宮、オレ達が見えるか?」

 

綺凛『はい、見えます』

 

八幡「よし、じゃあいけるのならどっちか撃ってくれよ」

 

綺凛『わかりました』

 

さて、戦闘体制に入るか。

 

嵐山「なんだ?逃げないのか?」

 

八幡「ええ、この足ですから、逃げたとしてもすぐに追いつかれますからね」

 

嵐山「なるほどな」

 

木虎「じゃあ私達に落とされて下さい」

 

八幡「そんな易々と落とされてたまるかよ」

 

両手でトリオンキューブを展開する。右にアステロイド、左にバイパーを出して放つ。2人はシールドで防ごうとするがバイパーも混ざっているおかげか防ぐのに苦戦している。

 

木虎「くっ…バイパーを混ぜてくるだなんて…」

 

どうやら木虎は少し掠ったみたいだ。そしてオレは追撃の如く両手でバイパーを作り鳥籠で攻撃する。けど2人は背中合わせになりながらドーム型のシールドで防いでいる。その隙にアステロイドとアステロイドを合わせてギムレットを作り2人めがけて放つ。けど、嵐山さんが木虎を押し出して、嵐山さんだけがギムレットを受けた。

 

嵐山「くっそ…ここまでか…」

 

そう言って嵐山さんベイルアウトした。

 

木虎「…嵐山さん…くっ…私を助けるために…ありがとうございます嵐山さん。そしていきます比企谷先輩!」

 

そう言って斬りかかってくる。それをオレは避け続ける。だが足が削れてるから、時間の問題だろうな。けど、風間さんの気配が近づいてくるな…さっさと決めないといけないな。けど、スコーピオンを捌くのに手一杯だ。

 

木虎「粘りますね。比企谷先輩」

 

八幡「お前もしつこいな…さっさと落ちろよな…」

 

木虎「そう、易々と落とされませんよ」

 

八幡「そっか…ならこれでどうだ!」

 

オレはそう言って木虎に腹パンをして、また距離を開ける。

 

木虎「かはっ!」

 

飛ばされた木虎は空中で一回転して、グラスホッパーを使い再び斬りかかってくる。オレは集中シールドで防ぐ。

 

木虎「さっきもですが比企谷先輩って女子相手に容赦ないですね」

 

八幡「まぁな。下手に手を抜いたら相手に悪いからな…特にお前がな」

 

木虎「なるほど…もしかして那須先輩や雪ノ下先輩にもしてるんですか?」

 

八幡「ああ、本気で稽古つけないといけないからな」

 

木虎「そうですか」

 

そんな会話してるけど、こうしている間に風間さんがどんどん近づいてくる。一体どうしたら…そんな事考えていると通信が入る。

 

綺凛『比企谷先輩!右に避けてください!』

 

と永宮から通信が入った。オレはすぐ様、右に飛ぶ。すると木虎はオレが右に飛んだ事によりバランスを崩す。そして、オレの横を何かが通ったと思ったら木虎のトリオン体が吹き飛んだ。オレは飛んできた方法を見ると、永宮がアイビスを装備していた。なるほど、それでオレに右に避けろと言ったんだな。

 

木虎「まさか…綺凛ちゃんが降りてきてるだなんて…やられました…」

 

そう言って木虎はベイルアウトした。

 

八幡「フゥ…助かった永宮」

 

綺凛「間に合って良かったです」

 

八幡「それはそうと早く逃げろ。風間さんが近づいてくる」

 

綺凛「わかりました」

 

そう言って永宮はグラスホッパーを使って移動して行った。オレも逃げようと思ったが、やっぱりこの足じゃ無理だな。大人しく待つか…そう思っていると家の屋根に着地する風間さん。

 

風間「ほう…逃げないのか?」

 

八幡「ええ」

 

風間「まぁ、その足じゃ無理だな」

 

八幡「わかってんなら言わないでくださいよ」

 

風間「フッ…でもだからって手加減はしないぞ」

 

八幡「ええ、わかってますよ」

 

そして風間さんは何も言わずに斬りかかってくる。風間さんの攻撃をなんとか凌ぐ。さっきの木虎と違って機動性が高く、スコーピオンも両手持ちだ。集中シールドや受け流したりして凌ぐのがやっとだ。沢北さんや他の状況を確認したいけど、今は無理だな。

 

風間「中々しぶといな」

 

八幡「そりゃあどうもです」

 

凌ぐのも時間の問題だろうな。そんな事考えながら凌いでいると顔に何かがくる気配がすると思ったら、風間さんの腕からスコーピオンが出てくる。オレはそれを避けたが頬を掠る。

 

くっ!ブランチブレードか…また厄介な技を…すると風間さんの足元の地面が少しヒビが入る。まさか…と思った時はもう遅い、地面からブレードが出てきてオレの左足を切られる。モールクローだ。オレは何とかしてバックステップする。そのせいかさらに左足がダメージを受けてしまう。その隙を逃さないと風間さんがさらに近づいて、斬りかかってくる。オレは避けきれず左手首を切られてしまう。

 

チッ!さらに軌道力が落ちたせいで切られてしまった。一体距離を取ろうと思いさらにバックステップする。けど風間さんはすぐさま追いかけてくる。やっぱりダメだな…オレもグラスホッパー入れようかな?そんな事思っていると対岸の方でベイルアウトの光が2つ上がる。オレと風間さんは対岸のを向く。オレはその一瞬の隙を逃さず、距離を取る。そして

 

八幡「水川誰が落ちた?」

 

真由『嵐山隊の時枝君が歌川君を倒して、風間隊の菊地原君がその隙をついて時枝君を倒したよ』

 

八幡「わかった。沢北さんは?」

 

真司『ごめん。菊地原君と戦っていたんだけど、ステルスで逃げられてしまった』

 

八幡「なるほど…」

 

それで菊地原が時枝を落とせたのか。

 

真司『ごめん。僕が逃がしたばっかりに』

 

八幡「いえ、大丈夫ですよ」

 

真司『今から追いかけるよ』

 

八幡「いいですが佐鳥に気をつけてください」

 

真司『わかった』

 

と通信が切れる。さてと…逃げるのもここまでか。

 

風間「ほう…もう逃げるのは終わりか?」

 

八幡「ええ、やっぱりこの足じゃ、どんだけ距離をあけてもすぐに追いつかれますからね」

 

そう言いながらアステロイドを放つ。でも風間さんはシールドで防ぎながら横に移動する。オレはすかさずバイパーを放ち鳥籠で攻撃する。けど風間さんはそれを難なく防ぐ。やっぱり防がれるか。けどこれならどうだ。オレは逃げながら置いたバイパーの弾を全方向から放つ。けどそれを球体型のシールドで防がれる。広がったシールドに向かってアステロイドを放つ。放ったアステロイドは広がったシールドを突き破り風間さんの足に当たる。これで風間さんも少し機動力が落ちるな。けど風間さんはオレに向かって突撃してくる。そしてまた風間さんの攻撃を凌ぐ作業が始まる。左手首を切られたせいか、所々かすり傷が増えてくる。その傷からどんどんトリオンが漏れてくる。くっそ〜、持ったいねぇな…オレはなんとか一瞬の隙をつき風間さんを蹴飛ばす。そしてオレもバックステップをしながら

 

八幡「永宮、まだ近くにいるか?」

 

綺凛『はい、います』

 

八幡「よし、なら作戦を言う。オレが一瞬だけ風間さんの動きを止める。だからその隙を狙ってオレごと風間さんを撃て!いいな」

 

綺凛『え!?』

 

八幡「いいな!」

 

オレは驚いている永宮にさらに強調する。

 

綺凛『は、はい!』

 

八幡「頼むぞ」

 

風間さんには悪いけどこうするしかない。オレのこの状態と残りのトリオン量を考えたらこれぐらいしかない。そしてオレはバックステップをやめて風間さんに向かって突撃する。

 

風間「逃げるのをやめて今度は突っ込んでくるとは…何が狙いだ」

 

やっぱり感ずかれるか。流石風間さんだ。けどすぐに終わらせる。オレは何とか風間さんの背後に回り込み、組み付き、風間さんを持ち上げる。風間さんは一瞬驚いたが背中からブレードを出してオレのトリオン体に突き刺さる。よし、今だ!

 

八幡「永宮!撃てー!」

 

綺凛「はい!」

 

家の屋根に現れた永宮はオレと風間さんにアイビスの銃口を向ける。

 

風間「っ!まさか!」

 

八幡「一緒に落ちてもらいますよ。風間さん!」

 

と言った瞬間永宮はアイビスの引き金を引き、オレと風間さんの腹を貫いた。

 

風間「フッ…やられたな」

 

そう言われて、オレと風間さんは一緒にベイルアウトした。そして気づけばオレは作戦室のベットに叩き落とされた。

 

八幡「フゥ…」

 

真由「お疲れ〜」

 

八幡「おう」

 

オレはベットから起き上がりオペレーターのデスクへと向かう。今の状況を確認するためだ。

 

八幡「状況は?」

 

真由「ハッチと風間さんが落ちて、点数が嵐山隊が1点、風間隊が2点、ウチが3点になってるよ」

 

八幡「そうか。永宮、よくやった。沢北さんの援護に向かってくれ、後いけるのなら佐鳥を探してくれ」

 

綺凛『わかりました』

 

さて、これでどうなるかな。そして沢北さんが菊地原を落として、佐鳥が自発的にベイルアウトをして試合終了となった。

 

真由「終わったね」

 

八幡「ああ」

 

向かいの部屋から沢北さんと永宮が戻ってくる。

 

八幡「お疲れ様です」

 

真由「お疲れ様」

 

真司「お疲れ」

 

綺凛「お疲れさまです」

 

オレ達はお互いに挨拶を済ませる。そしてオレは永宮に近づき頭に手を乗せて…

 

八幡「すまなかったな永宮。キツイ事言ってしまって。それにオレごと撃てだなんて悪い事させてしまって」

 

綺凛「い、いえ…そんな事ありません!確かに少し驚きましたが、隊長の命令とあらば」

 

八幡「そっか…ありがとな」

 

綺凛「はい!」

 

八幡「沢北さんもお疲れ様でした」

 

真司「いやぁ〜、少し手こずってしまったよ」

 

八幡「でも最後は落としてくれましたし、良かったですよ」

 

真司「そっか…そう言ってもらえて嬉しいよ」

 

八幡「さて、最終結果は?」

 

真由「嵐山隊1点、風間隊2点、ウチの隊が生存点を入れて6点になったよ」

 

ここで生存点を貰えるのはデカい。他の隊との点差を引き離せるからな。もし、あそこでオレが風間さんに落とされていたらどうなってたか。あまり考えたくないな。

 

真司「さて、そろそろ総評が始まるよ」

 

八幡「そうですね」

 

オレ達はテレビの前まで集まる。丁度いいタイミングで総評が始まる。

 

国近『今回の試合、全体を見て2人はどう思いましたか?』

 

村上『そうですね。まずは比企谷隊ですが最初は転送位置が悪く、比企谷と沢北さんが分断されてしまった事が痛いでしょう。けど無理に合流せず、お互いに落としていく方向性してましたね。永宮は比企谷と同じ海岸だったから沢山得点が取れたのではょうか』

 

国近『なるほど。他の隊はどうでしたか?じゃあ今度は米屋君』

 

米屋『そうだな…まず嵐山隊だが、最初は嵐山さんと木虎の連携でハッチを落とそうとしたのは良かったと思います。けど、嵐山さんは木虎を庇って落とされてしまった。もし、あそこで2人とも落とされれば、少し変わった状況になってたかもしれませんね』

 

村上『そうだな。あそこで2人とも落とせば、すぐにバッグワームをつけて逃げれば風間さんに会わずに沢北さんと合流してたかもしれませんからね』

 

米屋『そうですね。けどトッキーが粘りで歌川を落とせたのは良いですが、隙をつかれて菊地原に落とされたのも痛いでしょう。残された佐鳥は最後まで生き残っていましたが、最終的には自発的にベイルアウトをして撤退という形になってしまった。もし、アソコで撃っていたら逆に落とされたかもしれませんからね』

 

村上『そうだな。アソコで撤退したのは正解かもしれませんね。そして風間隊ですが、風間さんが落とされた事ですかね』

 

米屋『そうですね。ハッチが風間さんの動き止めて、そこに永宮が1発ぶち込んで落とした所はデカイと思います。多分ハッチも流石に勝てないと思ったのでしょう。そこで捨て身の作戦に出たという所ですかね』

 

村上『そうだな。アソコで風間さんが落とされたのは痛い。もし、風間さんが比企谷を落としていたら、菊地原と合流して沢北さんを落としていたかもしれない。そうなると残ったスナイパー2人は撤退するしかないですからね。だから比企谷の捨て身の作戦は正解ということになりますかね』

 

国近『なるほど。お2人ともありがとうございます。これでA級ランク戦昼の部を終了いたします。お疲れ様でした』

 

村上・米屋『『お疲れ様でした』』

 

フゥ…確かに今回はオレの捨て身の作戦で上手くいったが、次の対戦相手でどうするか決めないとな。

 

八幡「残り後1戦。絶対に1位を目指すだけ。3人ともこれからもよろしくお願いします」

 

真司「うん」

 

綺凛「はい!」

 

真由「はいよ」

 

3人はそれぞれ返事をして強く頷く。こうしてA級ランク戦2戦目が幕を閉じた。

 

 

 

 

 




いかがでしたか?ではまたお会いしましょう。


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第24話

どうもチャキです!更新遅くてすみません。では第24話どうぞ!


八幡side

 

夏休みももう中盤に差し掛かった。オレは自分の部屋で宿題をしていると、部屋のドアが開いた。この家にいるのはオレと小町だけだ。だから開けるとしたら小町だけだ。

 

小町「お兄ちゃん。ちょっといい?」

 

八幡「あん?どした?」

 

まぁ、小町の事だからどうせ宿題とかを手伝ってとか言うんだろう。ま、断るがどうなるか分からない。もしかしたら愛しの小町の為に反射的にOKしてしまうかもしれない。何それ怖い。と考えていると小町の口が開く。

 

小町「小町、ボーダーに入ります!」

 

八幡「……は?」

 

え?この子何言っちゃってんの?ボーダーに入る?なんで?

 

八幡「ボーダーに入る?」

 

小町「うん!」

 

八幡「なんで?」

 

小町「それは小町も家計も手伝おうと思って、それにボーダーにはボーダー推薦もあるしね」

 

なるほどな。確かにボーダーには推薦がある。あの太刀川さんでも大学に入れる。それほどまでにボーダーの推薦には力がある。

 

八幡「母ちゃんの許可は?」

 

小町「もらったよ。それにお兄ちゃんと一緒で無理しないでって言われた」

 

八幡「そうか。まぁ、受けてみろよ」

 

小町「え?いいの?」

 

八幡「許可もらったんならオレに止める権利は無いからな」

 

オレもボーダーに入ってるしな。オレが小町を止めるのはお門違いだからな。

 

小町「そっか、ありがとうお兄ちゃん」

 

八幡「ああ」

 

小町「小町頑張るからもし受かったら、色々おしえてね」

 

八幡「あいよ」

 

そうか…小町もボーダーに入るのか。まぁ、確かに母ちゃんの言う通り無理だけはしてほしくないな。ん?というか試験っていつだっけ?

 

八幡「試験いつだ?」

 

小町「え?明日だよ」

 

八幡「何普通に言っちゃってるの?もし、これオレが反対しても無駄だよね」

 

小町「えへ、バレた?」

 

とテヘペロと可愛くポーズをとる。このガキィ…まぁいいや。そう思いながらオレは宿題を進める。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

そして翌日、オレは小町の試験が終わるまで待つことにした。

 

玲「小町ちゃん受かるといいね」

 

八幡「ああ」

 

それと玲も一緒に待っている。小町がボーダーの試験を受けることを玲にも伝えたら、一緒に待つことになった。そして今待っている場所はカフェである。ここで試験が終わるまで玲と他愛もない会話をしながら待っていると、カフェの扉が開き小町が入ってきて店内を見渡してオレと玲を見つけて手を振って近付いて来た。

 

小町「お兄ちゃ〜ん、玲お姉ちゃ〜んお待たせ!小町、合格しました!」

 

そう言って笑顔で敬礼のようにビシッとポーズを決める。

 

玲「おめでとう小町ちゃん」

 

八幡「良かったな」

 

小町「うん!あ、そうだ。試験会場で大志君のお姉さんと雪乃さんのお姉さんの陽乃さんと、あの林間学校で会った留美ちゃんも、いたよ」

 

八幡「お、そうか」

 

玲「留美ちゃん親の許可で出たんだね」

 

八幡「みたいだな」

 

留美はちゃんと親と話し合ったんだな。じゃなかったら許可なんて出てないと思うしな。

 

八幡「それで?川崎と雪ノ下さんと鶴見は合格したのか?」

 

小町「うん!したよ」

 

八幡「そうか」

 

まぁ、雪ノ下さんは合格するのはわかったが、川崎は合格できて良かった。もし、落ちてもオレがオペレーターとして推薦すればいいしな。そんな事思っていると

 

小町「多分もうすぐ来ると思うよ」

 

八幡「は?川崎達ここに来るの?」

 

小町「うん!小町が誘った!」

 

八幡「あ、さいですか」

 

誘ったんですね。まぁいいや。そして数分後川崎達がやってきた。

 

陽乃「あ!比企谷君と那須ちゃんだ!ひゃっはろー!」

 

八幡「どうも雪ノ下さん」

 

玲「こんにちは雪ノ下さん」

 

雪ノ下さんは由比ヶ浜みたいな変なあいさつをしてきた。なんなの?それ流行ってんの?

 

陽乃「久しぶりだね」

 

八幡「そうですね」

 

沙希「ねぇ、比企谷。あんたこの人と知り合いなの?」

 

八幡「まぁな」

 

沙希「そうなんだ。あなたは、雪ノ下さんは雪ノ下雪乃のお姉さんなんですよね?」

 

陽乃「そうだよ。でもなんでそう思ったの?」

 

沙希「そうなんですか。顔が似ていたのでそうかなと思ったので、迷惑でしか?」

 

陽乃「ううん、そんな事ないよ」

 

川崎と雪ノ下さんはそんな会話をしていると

 

留美「久しぶり八幡、那須さん」

 

八幡「おう、久しぶりだな」

 

玲「久しぶりだね留美ちゃん」

 

留美と会うのはあの林間学校以来だな。ホント久しぶりだ。あ、そうだ。

 

八幡「合格したみたいだな。おめでとう」

 

玲「おめでとう留美ちゃん」

 

留美「ありがとう」

 

小町達が合格してホントに良かった。けど雪ノ下さんがいるのは予想外だったけどな。

 

小町「お兄ちゃんお兄ちゃん」

 

八幡「ん?なんだ?」

 

小町にいきなり呼ばれて小町の方に視線をうつす。一体なんだ?

 

小町「あのね小町、陽乃さん達とチームを組むことにしたの」

 

八幡「そうなのか。チームを組むのはいいが隊長は誰がするんだ?」

 

小町「もちろん陽乃さんだよ」

 

玲「もちろんなんだ」

 

八幡「雪ノ下さんはそれで良いんですか?」

 

陽乃「うん、いいよ。私も面白そうだったし」

 

八幡「そうなんですね。因みにチームは雪ノ下さん、小町、川崎、留美で組むんですか?」

 

陽乃「うん、そうだよ」

 

八幡「オペレーターは誰がするんですか?」

 

チームを組むのはいいが隊長とオペレーターがいなければ組めない。隊長は雪ノ下さんが務めるとしたら、オペレーターは誰がするんだろう。

 

陽乃「それは大丈夫。私の知り合いになってもらう事になってるから」

 

八幡「そうなんですね」

 

じゃあチームは組めるな。でも雪ノ下さんが隊長か…なら問題ないかもな。

 

八幡「そういえば仮入隊はするんですか?」

 

陽乃「私はするつもりだよ」

 

八幡「小町達は?」

 

小町「小町もするつもりだよ」

 

沙希「私も」

 

留美「私も」

 

八幡「そうか」

 

陽乃「ねぇねぇ、比企谷君」

 

八幡「?なんです?」

 

陽乃「私を弟子にしてくれない?」

 

八幡「雪ノ下さんがオレの弟子に?またなんで?」

 

陽乃「私ね、B級になったらオールラウンダーになるつもりなの。それで、アタッカーとシューターの師匠を探しているの。で、シューターの師匠に比企谷君になってもらおうと思ってさ」

 

八幡「それだったら加古さんになってもらったら良いじゃあないですか」

 

陽乃「そうしてもらおうと思って相談したら、比企谷君の方が良いって言われちゃってさ」

 

八幡「はぁ…そうのんですね」

 

加古さんはなんでオレを進めたんだ?意味がわからん。加古さんは雪ノ下さんの知り合いなんだし、加古さんが師匠になったら良いじゃあないか。めんどくせぇな…。

 

八幡「そうですね……じゃあ、正式に入隊したらオレの出す条件をクリアしたら弟子入りを認めます」

 

陽乃「条件?」

 

八幡「はい」

 

陽乃「まさかその条件、雪乃ちゃんもクリアしたの?」

 

八幡「ええ、しましたよ。それに玲もクリアして弟子になってますから」

 

陽乃「そうなんだ。うん、わかった。じゃあその条件教えてくれない?」

 

八幡「いえ、条件の内容は正式に入隊した時に言いますので」

 

陽乃「そっか。じゃあ入隊まで楽しみにしとくよ」

 

八幡「そうしてください」

 

陽乃「よし、じゃあ私帰るね」

 

八幡「はい、わかりました」

 

小町「さよならです陽乃さん」

 

留美「さよなら」

 

沙希「さよなら雪ノ下さん」

 

玲「さよならです雪ノ下さん」

 

陽乃「うん。みんなバイバ〜イ」

 

雪ノ下さんはオレ達にそう言うとカフェから出ていった。

 

八幡「ホントまさかあの人まで受けてたとは思ってもなかったわ」

 

玲「うん、私もびっくりしちゃった」

 

八幡「それにお前らとまでチームを組むなんて」

 

小町「えへへ。びっくりした?」

 

八幡「おう。めっちゃした」

 

小町「大成功だね」

 

八幡「川崎も良く親の許可でたな」

 

沙希「うん、正直だしてもられえるとは思ってなかったけど、もらえて良かったよ。それに合格もしたし、良かったよ」

 

八幡「そうか。なら頑張ってB級にならないとな」

 

沙希「うん」

 

八幡「まぁ、困ったら言えよ。何かしら手伝ってやるから」

 

沙希「うん、ありがとう」

 

玲「私もできることがあったら言ってね」

 

沙希「ありがとう那須さん」

 

八幡「留美も何かあれば言えよ」

 

留美「うん、わかった」

 

八幡「後小町もな」

 

小町「うん!」

 

ホントに困ったらコイツらに師匠を紹介すればいいか。でも、紹介できる人いるかな〜。まぁ、なんとかなるだろうな。その後も川崎達と色々話した。ほとんどボーダーについての質問ばっかりだった。トリガーについては答えなかった。入隊するまでのお楽しみってね。…………似合わねぇな今の言葉。

 

沙希「じゃあ私そろそろ帰るね」

 

留美「私も。帰ってお母さんに合格した事伝えなきゃいけないから」

 

八幡「そうか、わかった。気をつけて帰れよ」

 

沙希「うん、ありがとう」

 

留美「ありがとう」

 

玲「またね」

 

そして川崎と留美も家に帰って行った。

 

八幡「さて、小町オレ達も帰るか」

 

小町「ほーい」

 

オレ達も家に帰るために会計を済ませて、家に帰った。そして試験から数日後、どうやら小町達は仮入隊をするらしい。なにやら早くボーダーに慣れるために仮入隊をするらしい。そして今オレと玲はボーダー本部のホールにいる。

 

玲「そろそろかな?」

 

八幡「かもな」

 

玲「それで雪ノ下さんを弟子にする条件何にするの?」

 

そう、オレはこれで少し悩んでいる。仮入隊でも入隊だから雪ノ下さんに弟子になる条件を言わないといけないからな。まぁ、とりあえず玲と雪ノ下にだした同じ条件でいいか。

 

八幡「そうだな。まぁ、玲と雪ノ下にだした同じ条件にしようと思っている」

 

玲「あ〜、あれね。いいんじゃない」

 

八幡「まぁ、ほとんどは考えるのがめんどくさいだけだから」

 

玲「あはは…」

 

そしてその後も玲と話していると仮入隊の入隊式が終わり、小町がオレ達を見つけると、笑顔で近づいてくる。その小町の後ろには雪ノ下さん、川崎に留美がいた。

 

小町「お兄ちゃ〜ん、玲お姉ちゃ〜ん!」

 

八幡「おう、どうだボーダーは?」

 

小町「うん、ホントすごいね!」

 

八幡「そうか。まぁ、徐々に慣れていけばいいさ」

 

小町「うん!」

 

玲「それでトリガーは何にしたの?」

 

小町「小町は茜ちゃんと綺凛ちゃんと同じイーグレットにしたよ」

 

ほう、ということはスナイパーになったのか。それなら日浦や永宮と教え合いながらできるな。でもそうだな…師匠を誰にするかだよな。思い当たるのはやっぱり透だよな。また頼んでみるか。

 

八幡「それで雪ノ下さん達は何にしたんですか?」

 

陽乃「私は弧月にしたよ」

 

雪ノ下さんの選んだトリガーは弧月か。

 

八幡「そうですか。川崎と留美は何にしたんだ?」

 

沙希「私も弧月にした。あの職場見学の時に使った弧月が使いやすかったから選んだ」

 

留美「私はアステロイドの突撃銃にした」

 

ほう、なるほどな。今のところチームにしたのなら、アタッカー2人、ガンナー1人、スナイパー1人になるだろう。まぁ、B級になれば色んなトリガーが使えるしな。この先が楽しみだな。

 

陽乃「それじゃあ比企谷君。私を弟子にする条件教えてくれないかしら?」

 

八幡「あ、そうでしたね。まず自分のポイントを2000ポイントになったらまたオレのところに来てください。そしたらまた条件を出すので、それをクリアしたら弟子入りを認めます」

 

陽乃「なるほど。まずは2000点とるところだね」

 

八幡「そうですね」

 

陽乃「ねぇ、この条件那須ちゃんと雪乃ちゃんもクリアしたの?」

 

玲「はい、そうですけど」

 

陽乃「そっか。うん、頑張ってみるよ」

 

八幡「はい。まぁ、頑張ってください」

 

陽乃「うん、ありがとう。じゃあ私行くね。早く2000ポイント稼がなきゃ」

 

そう言って雪ノ下さんはランク戦のブースへと向かっていった。いや、あの人ならすぐに2000ポイント集まってしまうんじゃねぇか?なら3000の方が良かったかな?まぁ、後から悔やんでも仕方ない。

 

その後、小町はスナイパーの訓練場へ、川崎と留美は雪ノ下さんと同じでランク戦ブースへと向かっていった。

 

玲「小町ちゃん達強くなるかな」

 

八幡「さぁな。それは個人の努力次第だろ」

 

玲「そうだね」

 

八幡「あ、そうだ玲。今度花火大会あるだろ?それ、一緒に行かないか?」

 

玲「うん、いいよ」

 

よし、なんとか誘えたぞ。玲の予定が空いてて良かった。あと、それに玲の浴衣姿も楽しみだしな。この後は川崎達のランク戦を見ながら過ごした。

 

 

 




いかがでしたか?今回は小町達の仮入隊にしました。ではまたお会いしましょう。


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第25話

どうもチャキです!皆さんお久しぶりです。本当に申し訳ございません。他の作品から他の作品へと行ったり来たりとかしていました。こんな事をしていたので続きを投稿するのに遅れました。本当に申し訳ございません。もしよろしければまたこの作品を見てください。

では第25話どうぞ!


八幡side

 

今日は花火大会である。前から約束していた通り玲との夏祭りデートである。昔のオレならリア充達が行くようなものには行かなかったが、今は玲がいる。

 

そして今オレは待ち合わせの場所である駅前にいる。玲の姿があるか周りを見渡す。周りはこれから花火大会に行くのか、浴衣を来た人達が駅の中に入っていく。だが玲ほまだ来ていないようだ。どうやら少し早く来すぎたようだ。玲が来るまで待つか。そう思いブルーシートが入ったカバンを下ろし、スマホを取り出し弄る。そして数分後、色々な人の気配の中から玲の気配を察知した。そしてスマホをしまい玲の気配がした方を見る。そこにはピンクと白の浴衣姿の玲がいた。だが玲はオレを探しているのか、周りをキョロキョロと見渡していた。

 

八幡「玲」

 

そんな玲にオレは声をかける。その声が聞こえたのか玲はオレの方へ振り向く。オレを見つけた玲はこっちに向かってくる。オレもカバンを持って玲の元へ寄る。

 

玲「おまたせハチくん。待った?」

 

八幡「いや、待ってないぞ」

 

玲「ホント?なら良かった」

 

そう言ってニコッと微笑む。うん、やはり可愛いな。といつも通りで当たり前な事を考える。

 

八幡「その浴衣似合ってるぞ」

 

玲「ありがとう」

 

八幡「じゃあ、行くか?」

 

玲「うん、そうだね」

 

そんな会話をしながら改札を通り、電車を待つ。そんな間玲がランク戦の話をしてくる。

 

玲「そういえばもうそろそろだよね」

 

八幡「そうだな」

 

玲「相手は太刀川隊、冬島隊だけど勝てそう?」

 

八幡「うーん、正直言うとかなり厳しいだろうな」

 

玲「そうなんだ」

 

八幡「だって相手は1位と2位だからな。いつよりも気を引き締めなければならないし、作戦もどうするか考えないとダメだしな。それになりよりも転送位置とか運だよな」

 

玲「うん、そうだよね。転送位置が悪いと合流とか得点を取りに行くの難しいもんね」

 

八幡「ああ、そうだな。っと電車来たみたいだな」

 

玲「そうだね」

 

ランク戦の事で話をしていると電車が来たのでオレと玲は電車に乗り込む。乗っている人はやはり夏祭り目当てなのか、浴衣姿はもちろんのこと、ビニールシートとかパラソルとかを担いでいる人もいてかなり混み合っていた。どうせ1駅だ。オレと玲は扉のそばに並んで立った。がたがたと音を立てて扉が閉まると、電車は動き出す。

 

八幡「そういえば玲は花火大会とか行った事はあるのか?」

 

玲「うーん、小さい時は家族で行った事はあるよ。でもその時はまだ身体が弱かったから、調子の良い時にしか行けなかったんだ」

 

八幡「そうか」

 

身体が弱かった玲はあまりこういう祭りには行けなかったんだな。

 

玲「でも今はハチくんとこうして行けるのが、何より嬉しいんだ」

 

そう言って嬉しそうに微笑む。その笑顔に見とれてしまった。それにさっきの玲の言葉を聞いて嬉しさと、恥ずかしさが同時に押し寄せてくる。思わず顔を逸らしてしまう。

 

玲「ふふっ、照れてる?」

 

八幡「…うっせ」

 

玲「ふふっ」

 

と手を口に当てて小さく笑う玲。からかっていたのか分からないけど、肩を少し震えさせている。ったく、可愛いな。というかオレ玲の事好き過ぎだろ。まぁ、でも玲も言ったんだ、オレも言わないとな。

 

八幡「オレも……玲と一緒に行けるの嬉しいぞ」

 

玲「!…ありがとうハチくん」

 

そう言ってまた嬉しいそうに笑う玲。そしてまた顔を逸らしてしまう。それを見た玲はまた「ふふっ」と笑みを浮かべる。そんな時だった。

 

玲「きゃっ」

 

短い悲鳴とともにカツッと下駄が鳴り、肩にふわっと甘い香りが鼻をつく。履き慣れない下駄のせいもあるのだろう。バランスを崩した玲はオレの方へ倒れ込んできた。オレはそれを受け止める。

 

八幡「っと、大丈夫か玲」

 

玲「うん、大丈夫。ハチくんが受け止めてくれたから。ありがとう」

 

八幡「どういたしまして」

 

ふぅ…なんとか受け止めることができた。玲にケガもないみたいだし良かった。もしケガをしてしまったら大変だしな。それに楽しみにしてた夏祭りも楽しめなくなってしまうしな。だからケガがなくて良かった。

 

そんな事を思っていると目的の駅に着いたので降りる。他にも降りる人は溢れかえり、ざわざわとした喧騒に満ちている。流されないように気をつけながらオレと玲は会場まで足を運ぶ。

 

玲「人多いね」

 

八幡「そうだな。ほとんどの人の目的がこの花火大会だろうな」

 

玲「やっぱり祭りって人で溢れかえるね」

 

八幡「そうだな」

 

玲「こんなに人が多かったらはぐれちゃいそうだから、手繋ごう」

 

八幡「そうだな」

 

そう言ってオレは差し出された玲の手を握る。普通に手を握ったんだが、玲はすかさず手の指を絡ませてくる。所謂恋人繋ぎである。

 

玲「ふふっ、これなら安心ね」

 

八幡「そ、そうだな」

 

恥ずかしいけどこのまま行くしかないか。そう思いながら歩く。すると玲は祭りの陽気に当てられたのか、楽しげに鼻歌交じりで歩く。人の流れは広場へと続いている。いくつもの出店が軒を連ね、そのいずれもが大盛況だった。味はそれなりとわかっているのに、裸電球の灯りに照らされ、いざ目の前に並べられると存外外食をそそられる。

 

八幡「玲、なにか食べたいものはあるか?」

 

玲「うーん、そうだな〜。桃缶とか」

 

八幡「売ってねぇだろ。仮に売ってても食いずらいだろ」

 

玲「ふふっ、冗談よ。りんご飴が欲しいな」

 

八幡「りんご飴な、わかった」

 

オレは玲と一緒にりんご飴がある屋台へと向かう。その間も玲が人に流されたり潰されないように守りながら進む。そして店に着いたのでりんご飴を2つ注文し、2つ分の代金を支払う。

 

玲「ハチくん、自分の分くらい自分の払うよ」

 

すると玲がそう言ってくる。

 

八幡「気にするなよ。これくらい彼氏に支払わせてくれ」

 

玲「そう?じゃあお言葉に甘えようかな」

 

八幡「おう、そうしとけ」

 

オレはそう言ってオレは玲にりんご飴を差し出す。

 

玲「ありがとう」

 

そう言ってりんご飴を受け取った玲はすぐに手を絡めてくる。もう何も言わない。そんな中玲はりんご飴を美味しそうに食べている。オレもりんご飴を食べながら歩き回る。

 

りんご飴も食べ終わり次は何を買おうかと思い見て回っていると、ちょうどたこ焼きの屋台が見えた。次はあれを食べようと思い購入する。オレはたこ焼きを食べようと思ったけど食べれない。何故なら玲と手を繋いだままなのである。

 

八幡「なぁ玲、手繋いだままだったら食べれないんだけど」

 

玲「確かにそうだね」

 

八幡「だから一旦離してくれないか?」

 

そう言うと玲はぷくっと頬を膨らませていた。

 

玲「むぅ、もっと繋ぎたいのに〜。……あっ、そうだ!私が食べさせてあげるね」

 

八幡「え?」

 

玲はそう言ってオレが持っていたたこ焼きの爪楊枝を持って1つたこ焼きを取りオレに差し出してくる。

 

玲「はい、あーん」

 

ニコッと笑いながらそう言ってくる。まさか本当に食べさせてくるとはな。

 

八幡「い、いや…普通に手を離して食べれば良くねぇか?」

 

玲「嫌よ。私はもっとハチくんと手を繋いでいたいの。だから食べさせてあげる。だからはい、あーん」

 

またそう言ってたこ焼きを差し出してくる。いやもうホント手を離して食べれば良いのになんでそんな頑ななの?まぁ、でも諦めるしかないか。こうなった玲は諦めようとはしない。だったらもうこっちが折れるしかないか。

 

八幡「あむ」

 

オレは玲から差し出されたたこ焼きを食べる。熱いので口ではふはふしながら食べる。けれど外はカリッとしていて中はふあっとしていてとても美味い。

 

玲「ふふっ、おいしい?」

 

八幡「ああ。熱いけどな」

 

玲「そりゃ、できたてだもん」

 

まぁ、そりゃあそうだけどさ。熱かったけど美味い。そして玲もたこ焼きを食べる為、自分の口に運んでいた。

 

玲「うん、美味しい。でもたこ焼きなんて久しぶり食べたよ」

 

八幡「そうなのか?」

 

玲「うん。あ、はいあーん」

 

玲はまたオレにたこ焼きを差し出してくる。それをまたオレは食べる。そして玲もまたたこ焼きを食べる。そうやって交互にたこ焼きを食べる。というか毎回オレは玲に食べさせられているんだが。傍から見たら餌付けみたいになっているような気もするけど。

 

 

 

 

そんな周りの人達は……

 

(くっ……リア充めぇ〜…)

 

(羨ましくなんてないんだからね!)

 

(いいなぁ〜…あんな美人にあーんしてもらって。羨ましい)

 

と色んな事を思っていた。

 

 

 

 

 

 

たこ焼きを食べ終わり、しばらく歩いていると玲が立ち止まった。手を繋いでいたのでオレも自然と足は止まる。何かあったのかと思い玲の方を見ると、玲は何かを見つめていた。何を見ているのかと思い玲の視線の先を見ると、そこには射的の屋台があった。

 

八幡「射的やりたいのか?」

 

玲「えっと…そうじゃあ無くて…その…可愛いぬいぐるみがあったから、つい見ちゃって」

 

八幡「ぬいぐるみ…」

 

そうつぶやき射的に並んでいる商品見ると、その中には確かにぬいぐるみがあった。

 

八幡「欲しいのか?」

 

玲「え、うん…でも取るの難しいんじゃないかな?」

 

確かに射的で景品を取るのは難しい。

 

八幡「フッ、任せとけ」

 

玲「え?」

 

八幡「オレが取ってやるよ」

 

玲「本当に?あ、でもトリガー使ったらダメだよ」

 

八幡「いや、使わないからね」

 

玲「ふふっ、冗談よ」

 

八幡「ったく」

 

そんな会話をしながら射的を開始する。お金を払うと5発のコルク弾を渡される。このコルク弾であのぬいぐるみを落とせばいいんだな。そう思いオレはライフルにコルク弾をつめる。そしてぬいぐるみに狙いを定める。そしてライフルの引き金を引く。そして弾はまっすぐぬいぐるみへと飛んでいき、見事命中する。だがぬいぐるみは落ちそうなくらいバランスが崩れる。このままじゃあ落ちないなと思いすぐさまライフルに弾を込め、リロードして再びぬいぐるみへと狙いを定め引き金を引く。また弾はまっすぐぬいぐるみへと飛んでいき命中する。落ちそうだったぬいぐるみは2発目の弾が当たったことにより完全に落ちた。

 

玲「…すごい」

 

の横にいた玲そう呟く。店の人も少なからず驚いている様子だった。そんなことよりもこれでぬいぐるみはゲットできたが、残りはどうするか。目的のぬいぐるみはゲットできたし後は適当に選ぶとするか。そう思い他の景品を見る。すると小さなパンさんのキーホルダーがあったので1つはそれを狙いゲットする。あと2発か。適当に落とすかねと思いそこは辺にあったお菓子を撃って落とす。全部撃ち終わったので落とした景品を受け取る。ゲットした景品はぬいぐるみ、パンさんのキーホルダー、ラムネ×2である。そのうちのぬいぐるみを玲に渡す。

 

八幡「ほれ」

 

玲「うわぁ、ありがとうハチくん!」

 

玲は満面の笑みでそう言って、ぬいぐるみを大事そうに両手で受け取る。それとぬいぐるみって言ってもクマのぬいぐるみだけどな。

 

八幡「そんなに欲しかったんだな」

 

玲「うん、一目見たら欲しくなっちゃって」

 

八幡「そっか」

 

玲「それにしてもこのぬいぐるみを取る時すごかったね。あんなすごい落とし方見た事ないよ」

 

八幡「…まぁ、昔こういった遊びをやってたからな。1人で」

 

玲「そっか。でもそれが今役に立ったんだね」

 

八幡「そうだな」

 

玲の為にこんな役に立たなそうなものが役に立つとは思ってもなかったな。だって1人で寂しくこんな遊びをしていた時に、まさか役に立つとは思わないだろうな。けど、ナイスだぞ昔のオレ。褒めてやりたい。

 

玲「それにさ、あの時のハチくん…」

 

八幡「?」

 

あの時のオレがどうしたんだ?

 

玲「か、カッコよかったよ!///」

 

玲は頬を少し赤く染めながら言ってくる。

 

八幡「っ!………お、おう。……そうか///」

 

そんなオレもだんだんと顔が熱くなってきているのが分かる。まさかそんな事言ってくるとは思わなかった。

 

玲「あんな射撃できるのならスナイパーになってみたらどう?」

 

八幡「いや、ならねぇよ。それにオレがスナイパーになれば、オレは二宮さんの弟子じゃいられなくなるし、玲達だってオレの弟子じゃなくなると思うぞ。それでも良いのか?」

 

玲「そっか。ならやめといたほうが良いよね。ハチくんからはまだ教わりたい事が沢山あるから」

 

八幡「それくらいいくらでも教えてやるから。だから安心しろ」

 

玲「うん、じゃあ行こっか」

 

八幡「ああ」

 

玲は片手でぬいぐるみを持って、もう片方の手でオレの手と繋ぎ直す。やはり手は絡めてくる。そして再び歩き始める。気の所為だろうかさっきよりも密着しているような気もする。

 

その後わたあめやくじ引きなど、後は小町に頼まれた物を買う。そんな時間を過ごしていると、もうそろそろ花火が始まる時間が迫っていた。

 

八幡「玲、もうそろそろ花火が始まるから移動しょう」

 

玲「うん、わかった。あー、でも時間はあっという間だね」

 

八幡「だな」

 

そう言いながら会場へと向かっていく。そんね中、花火が始まる直前の駆け込みで屋台やトイレへ向かう人が多く、人の流れに逆らう形で進んでいかなければない。なので玲が流されたり、足を踏まれたりされないよう守りながら進む。メイン会場となる広場は既に人で溢れかえっている。隙間なく引き詰められたビニールシート、始まる前から杯をかわす人々、遠く子供の泣き声がこだまし、かと思えば近くでは怒号が飛び交っている。

 

玲「こっから向こうはどうやら有料エリアみたいだね」

 

八幡「そうみたいだな」

 

そう言われて見てみると、目の前にはトラロープが張られ、明らかに区切られている。この広場は全体が木々でぐるりと囲まれているので、普通に座っていたら花火がちょっと見づらいかもしれない。だが、有料エリアの部分は小高い丘になっているため、見晴らしは大変よろしいだろう。

 

八幡「向こうの方探してみるか」

 

玲「そうだね」

 

そんな会話をして場所を探そうとした時だった。

 

「あれー?比企谷くんと那須ちゃんじゃん」

 

夜闇になお際立つ濃紺の地は風雅さを漂わせ、大百合と秋草模様が涼しげにな浴衣姿。そこにいたのは雪ノ下陽乃だった。

 

八幡「どうも雪ノ下さん」

 

玲「こんばんは雪ノ下さん」

 

陽乃「うん、こんばんは。2人はやっぱりデート」

 

八幡「まぁ、そうですけど」

 

陽乃「そっかそっか」

 

「ちょっと姉さん何してるの?」

 

と雪ノ下さんの後ろから聞き覚えある声が聞こえてくる

 

陽乃「あ、雪乃ちゃん」

 

雪乃「あら?比企谷君と那須さん」

 

八幡「よお」

 

玲「あ、雪乃ちゃん。こんばんは」

 

雪乃「こんばんは」

 

雪ノ下も雪ノ下で浴衣姿である。ピンクに花の様な模様が入った浴衣である。

 

玲「雪乃ちゃん達も花火大会に来ているの?」

 

雪乃「いえ、私達は父の名代で来ているのよ」

 

玲「あ、そうなんだ」

 

雪乃「それで那須さんと比企谷君は…見ればわかるけれど、何をしているのかしら?」

 

八幡「いや、ちょっと花火を見るために場所を探しているだけだ」

 

雪乃「なるほどね」

 

陽乃「あ、じゃあ私達と一緒に見ない?」

 

と雪ノ下さんは誘ってくれる。正直ありがたいがオレは玲と一緒に見たいので。

 

八幡「誘ってくれるのはありがたいんですが、オレ達別のところで見るので大丈夫ですよ」

 

陽乃「そっか、わかった」

 

雪ノ下さんはオレが持っていたブルーシートを見て納得するように答える。

 

八幡「はい。ではオレ達は行きます」

 

陽乃「うん、わかった。じゃあね比企谷くん、那須ちゃん」

 

雪乃「さよなら。比企谷君、那須さんまた」

 

八幡「ああ、またな」

 

玲「またね雪乃ちゃん。失礼します雪ノ下さん」

 

オレと玲は雪ノ下と雪ノ下さんに手を振られながらこの場を後にした。少し移動して空いているスペースを見つけたので、そこに持ってきたブルーシートを引く。

 

八幡「ほれ玲」

 

玲「ありがとうハチくん」

 

そう言って座る玲。オレもその隣に座る。

 

玲「空いてて良かった〜。それにここ、かなり良い場所っぽいし」

 

八幡「そうだな」

 

玲の言う通りあまり人がいない場所を見つける事ができた。それに空を見上げればそんなに木々が邪魔をしていなくて、花火が普通の一般席よりも見やすい場所である。穴場かもしれないな。

 

 

 

 

そして今の時刻は19時40分、定刻より10分押しで花火大会の開幕を告げるアナウンスが流れた。空に、一輪の光り輝く大輪の花が咲いた。その後、続けて何発も花火が上がる。花火の明かりが、暗い丘を照らす。

 

玲「…綺麗」

 

玲がそう呟く。確かに綺麗だ。花火もそうだが玲の横顔も綺麗だ。綺麗なのは前から知っているが、こうやって玲が綺麗だと再確認する。そういえばこの花火大会では8000発の花火が続くらしい。いやはや多いな。

 

そんな時だった。玲の方を見ると玲もほぼ同じタイミングでオレの方を向く。お互いの目と目が逢い見つめ合う。そしてゆっくりと手絡めさせて握る。その後、オレと玲はお互いの顔がだんだんと近づいていく。その間にも夜空は火花が散る。花火は、夜空を満開の花畑のように彩る。錦冠が、流れ星のように夜空に降り注ぐ。そして徐々に近づいていくにつれて玲は瞼を閉じる。オレも同じように閉じ、お互いの距離がゼロになったとほぼ同時に夜空には大きな一輪の光り輝く大輪の花が咲いた。

 

 

 

 

 

 

 

数分続いたキスは2人が離れる頃には2人の間に銀色の糸が引かれた。離れた後、玲は「ふふっ」と小さく笑う。

 

八幡「な、なんだ?」

 

玲「嬉しくてつい」

 

八幡「嬉しい?」

 

玲「うん、ハチくんとキスができて嬉しいの」

 

八幡「そっか…オレも嬉しいぞ」

 

玲「ふふっ、そっか。ありがとう」

 

そしてまた2人は見つめ合い、徐々に近づいていきまた唇を重ね合う。離れては重ね、また離れては重ねの連続。そして気づけばお互い舌を絡ませ熱い口付けをしていた。そしてまた離れた時には銀色の糸が引かれた。人目もあるのに我を忘れていた。周りの人は花火に夢中だが、1人くらい見られているかもしれない。そう思うと恥ずかしくなってきて、顔がさらに熱くなってきているのがわかった。

 

八幡「れ、玲」

 

玲「なぁに?」

 

ダメだ玲の顔がトロンとしている。何この可愛い生き物。持ち帰りたい。って!何考えてんだオレは!やばいこのまま続けているとオレの理性が危ない。そう思い玲を落ち着かせるために肩に手を置きこう言う。

 

八幡「こ、これ以上やると流石に…な?それに人目もあるし…」

 

玲「え?……あっ!///」

 

玲はトロンとした顔で周りを見渡す。幸い周りの人は花火に夢中でこちらには気づいて無かったが、玲は恥ずかしくなったのか、どんどん顔が赤くなっていく。まるでリンゴのように赤く染まっていた。オレも多分玲と同じくらい赤くなっているのだろうな、と思いお互い顔の熱が冷めるのを待った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数分後、お互い顔の熱がほぼ冷める頃には花火は終わりに近づいていた。オレと玲は早めに会場を後にする。花火が終わった後に帰ると人で溢れかえるからそれを避ける為に早めに去る。だが同じ考えを持った者が多かったようで駅はそれなりに混雑していた。花火大会の影響か若干の遅れでホームへ電車が入ってきた。乗り込むと、ぎりぎり座れない程度の混みぐあいでオレと玲は扉の前に立った。でも今は玲の顔が直視できない。だって数分前まではあんな事していたのだから。

 

電車に揺られ待ち合わせしていた駅で降り、玲の家まで向かう。お互い無言だが、手はちゃんと絡ませていた。熱が冷めたといっても、まだ2人の顔には熱が残っていた。そんな無言の時間が数分続いた後、玲の家の前までついた。玲は手を離しオレの真正面に立つ。

 

玲「…お、送ってくれてありがとう」

 

八幡「…別に…気にするな。玲の事が心配だし」

 

玲「そ、そっか…ありがとう///」

 

八幡「…おう///」

 

やばいまた顔が熱くなってきやがった。

 

玲「きょ、今日はありがとう。すごく楽しかったよ」

 

八幡「ああ、オレも楽しかった」

 

玲「ぬいぐるみ、ありがとうね。大事にする」

 

八幡「どういたしまして」

 

玲「またどこかへ一緒に行こうねハチくん」

 

八幡「ああ、わかった」

 

玲「じゃあ、おやすみハチくん」

 

そう言って玲はあの時みたいに唇を重ねてくる。一瞬だったがオレの思考は一瞬停止する。離れた玲の顔はあの時みたく真っ赤だった。

 

玲「じゃ、じゃあまた明日ね///」

 

そう言って玲はくるっと回り自分の家へ入っていった。オレはというと、唇にまだ感覚が残っており、顔がますます熱くなってくる。そんな顔の熱を冷ましながら帰路へとついた。

 

 

 

 

 

 




いかがでしたか?これからまた投稿できるように頑張りますのでよろしくお願いします。ではまたお会いしましょう。


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第26話

どうもチャキです。第26話どうぞ!


八幡side

 

A級ランク戦最終戦も近づいてきている。どんな作戦を立てようか。相手は太刀川隊と冬島隊だからな。特に太刀川さんだよな。あの人マジで強いからな。風間さんみたいに道連れに出来たらいいんだが……そう簡単にうまくいくとは思えないし、どうするべきか。今シーズンはなんと全ての試合でステージ選択できる。こんなのは初めてだ。まぁ、そんなことよりもステージをどれにするかも重要だしな。あ、そうだ。個人ランク戦のブースに行ってみるか。運が良ければ太刀川さんがランク戦をしているのを見られるかもしれない。それを見て対策してみるか。よし、早速ブースに行くとするか。出水はもう戦いすぎてるから、対策は出来ると思う。唯我はもう大丈夫だ。移動しながら出水と唯我の対策のことも考えできるとランク戦のブースについた。そこにはC級やらB級やA級の隊員達がゴロゴロいる。さてと、太刀川さんいるか探してみるか。気配もないから誰かと対戦しているのか、それともいないのか分からないから、目視しないとな。そんな事思いながら太刀川さんがいるか探していると、横からオレがよく知る人の気配を感じ取った。そっちを見てみると予想通りの人がいた。

 

二宮「比企谷か」

 

八幡「どうも二宮さん」

 

No.1シューターでオレの師匠である二宮匡貴さんだった。A級だったが前に起きた鳩原の件によりB級に降格してしまった。

 

二宮「そろそろ最終戦だな」

 

八幡「そうですね」

 

二宮「わかってると思うが相手は強敵だぞ」

 

八幡「ええ、そうですね」

 

二宮「俺は解説じゃあないが見てるからな」

 

八幡「…はい」

 

いや、まぁ見られるとは思っていたが改めて言われると緊張してしまうな。頑張らないと絶対になんか言われるんだよな。

 

二宮「久しぶりに稽古をつけてやる。ブースに入れ」

 

う、まじか……。稽古と言いながらホントは肩慣らしとかじゃないんですか?と言いたいがそんな言える度胸があればもうとっくに言ってる。けれど言ったら言ったでオレが死ぬことになるからやめてこう。玲を置いて先に行くとか嫌だからな。

 

八幡「…わかりました」

 

二宮「じゃあ行くぞ」

 

八幡「…はい」

 

はぁ……やれるだけやってやる。重い気持ちを無理やり飲み込み、気合をいれる。でないと本気でただ蜂の巣にされて終わるだけになってしまう。一矢報いてでも勝ちに行かなくては確実にボロボロにされてしまう。出水や米屋、そして緑川と違った気持ちになる。あー、やばい……昔のことが脳裏に過ぎってくる。そんな事を思っていると転送される。オレはすぐさま移動をはじめる。すると二宮さんが隊服であるスーツ姿にポケットに手を突っ込んだ状態が視界に入る。やっぱいつ見てもすごいプレッシャーだな。

 

八幡「バイパー」

 

そんな事を思いながら二宮さんに向かってバイパーを飛ばす。だが二宮さんはそのバイパーを全てハウンドで相殺させる。やはりこれだけじゃあ倒せないことは知っている。なんてなって1体1なら最強だからな。そんな事を考えていると頭上から大量のハウンドの気配が察知する。オレは上にシールドを張りながら入り組んだ道へと入ってハウンドを躱したり、防いだりする。ここにいてもまたハウンドが降ってくるだけだ。そう思い建物の屋根に乗り、二宮さんの姿が見えたのですぐさまアステロイドを50分割にして半分だけ放ち、すぐさま横に走る。そして二宮さんはさっきのアステロイドをシールドで防いでいる。やっぱりあのシールド硬ぇな。そう思いながら右手でバイパーを生成させ弾道を設定して二宮さんに向かって放つ。それと同時に半分残していたアステロイドが遅れて二宮さんに向かっていく。これぞ1人時間差だ。だがそんな攻撃を難なく防いでいく二宮さん。アステロイドに対しては集中シールド、バイパーにはシールドを広げて防いでいる。今がチャンスだと思いギムレット作ろうと両手でアステロイドを出そうとするが、二宮さんの右手がスッと動いたまさか!?と思い周りを見るとそこにはいつ置いたのか知らないが置き弾が大量にあった。小さくて全然気づかなかった。そして二宮さんの置き弾は山を描くようにして飛んでくる。どうやらこの弾はハウンドのようだ。オレはそのハウンドを咄嗟に固定シールドで防ぐ。空いた方の手で牽制としてアステロイドを放つ。でないとどんどん攻められ、勝つことはできないのだ。アステロイドは防がれたが、こっちもハウンドを防ぐことができた。そしてすぐさま横に移動しながら、アステロイドを放つ。今度は全部まとめて放つ。だが二宮さんはこれも防ぎながらアステロイドを放ってくる。それを防ぎながら移動して建物の影に隠れる。

 

八幡「ふぅ」

 

と一息を着いたあと、レーダー頼りにバイパーを放つ。そして再び上に上がり二宮さんに向かってバイパーを放つが、二宮さんはそれをハウンドで相殺したと同時にアステロイドを放ってくる。それを躱している最中にハウンドも上からやってくる。頭上にシールドを張りながら走って移動していく。

 

二宮「ほう、流石だな。だが、これならどうだ」

 

そう言って二宮さんはさらに上にハウンドを放つ。これは降ってくるハウンドの時間差を使って、片手での二重射撃が狙いだろう。さっきオレがアステロイドで使ったような感じだな。これにより相手から射撃されてももう片方の手で攻撃を防げる。そしてオレは上から降ってくるハウンドに対してメテオラを放つ。メテオラの爆発を利用してハウンドの数を減らす作戦だ。分割せず1発丸ごと爆発させれば、多分ハウンドは無くなる。次にオレはアステロイドを作り出し細かく分割させて放つ。それと同時に上で爆発が起きる。オレが放ったメテオラがハウンドを巻き込んで爆発する。よしっ、これでハウンドは無くなった。そう思いオレは少し距離を縮めるため前に出て、アステロイドを放とうとした時だった。上から複数の弾丸の気配を察知した。オレは思わず立ち止まり上にシールドを張る。するとシールドには複数の弾丸達が降り注ぐ。なぜだ?確かハウンドはメテオラで相殺したはずだ。

…………まさか、撃ち上げたハウンドに高度の差をつけたのか。それでさらに時間差で降ってくる弾を作ったのか。そう思っていると、二宮さんはこっちにアステロイドを細かくして放ってくる。それをオレはシールドを広げて防ぐ。だが、それは悪手だと悟った。何故なら二宮さんの手元には大きく分割されたアステロイドの弾があったのだ。そしてすぐにアステロイドは放たれる。

 

八幡「あ、やば…」

 

思わずそう漏らしてしまう。そしてアステロイドはオレが広げて張ったシールドを貫通しオレの体を貫いた。

 

『戦闘体活動限界。ベイルアウト』

 

そんなアナウンスが聞こえたと同時にオレはベイルアウトした。僅かな浮遊感のあと、ベッドに叩きつけられる。思うけどこのベッドに叩きつけられた時、不快感があるな。もうちょっとふかふかにしてくれないだろうか。そう思いながら体を起こす。

 

二宮『まずは1本だな』

 

二宮さんから通信が入る。

 

二宮『まったく、お前は何をしている。お前は相手の守りを崩してから堕とすのが得意分野だろ。立ち止まったら意味がないだろう。まだまだ詰めが甘いな。まったく、そんな風に俺は教えた覚えはないぞ』

 

はい、仰る通りです。確かにオレは二宮さんから色々なことを教えてもらった。自分の強みを生かし、不利な部分では勝負しない事を教わった。確かに二宮さんの言う通りだな。

 

二宮『とにかく次行くぞ。もっとその身体に叩き込んでやる』

 

八幡「…うす」

 

うん、やっぱり今からでもこの対戦やめたいと思った。はぁ、二宮さんお手柔らかにお願いします。そう思いながら2本目を開始した。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

そして再びベッドに叩きつけられる。これで9本目が終わった。結果としては0勝9敗、はい、ボロボロです。ボッコボコです。叩き込まれました。やはり、まだこの人にはかなわない。さて、どうしたものか。そう色々と考え込んでしまう。

 

二宮『最後行くぞ』

 

八幡「了解です」

 

どうやら考えている暇が無さそうだ。やれるだけやるしかない。相打ちにしてもいいから1回くらいは堕としたい。そう思っていると転送される。最後やってやるか。

 

転送されたマップは市街地。いかにもシンプルなマップだ。そしてオレはすぐさま動き出すと同時にレーダー頼りにバイパーを放つと同時に上からハウンドが降ってくる。それをシールドで防ぎながら素早く移動していく中、オレはアステロイドを放つ。だがそれを簡単に防ぐ二宮さん。オレは屋根の上に上がり二宮さんの姿を確認して、すぐさまアステロイドを放つ。それをまたシールドで防いでいく二宮さん。その瞬間、オレは周りに置いてあった置き弾を二宮さんに向かって放つ。さっきまで移動した時に置いた置き弾である。置き弾は二宮さんの全体を囲むようにして向かっていく。それにより二宮さんはシールドをドーム状に広げている。だが、オレは二宮さんを狙っていない。狙うのは二宮さんが乗っている屋根を狙ったのだ。弾は狙い通り屋根にあたり家は崩れていく。足場を失った二宮さんは崩れる家と共に落ちていく。その隙を逃さないとオレはアステロイドを大きく分割し放つ。今覚えば二宮さんがトリオンキューブを分割する時って変わった形に分割するんだよな。まぁ、今はそんな事を考えている暇は無い。二宮さんはオレが放ったアステロイドを集中シールドで防いでいる。オレはすぐさまバイパーを細かく分割し放つ。それも防ごうとシールドを広げる。だが、バイパーはシールドに当たる直前曲がる。二宮さんはそれに一瞬驚きの表情になったが、すぐさまシールドをドーム状広げる。さすが対応が早い。だが、数発のバイパーがシールドを貫き二宮さんの足に直撃し、少しバランスを崩した。その瞬間オレは両手でトリオンキューブを作り出す。

 

八幡「アステロイド+アステロイド」

 

アステロイドとアステロイドを組み合わせて合成弾を作る。起動力が少し落ちた状態で避けるのは難しいだろう。そして合成が終わりオレは二宮さんに向かって放つ。

 

八幡「ギムレット」

 

二宮さんは2枚の集中シールドで防いでいたが、ギムレットは2枚の集中シールドを砕き、二宮さんのトリオン体を貫いた。そして二宮さんはベイルアウトしていった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

八幡「ふぅ…」

 

終わった〜。何とか1回だけだけど勝てた。はぁ…まだまだだな。そう思いブースを出る。すると二宮さんが声をかけてくる。

 

二宮「最後はしてやられたな」

 

まさか褒められるとは思ってなかった。

 

八幡「い、いや、まさかうまくいくとは思ってなくて。オレも正直驚いています」

 

二宮「それでもやられなのは事実だ。強くなったな」

 

八幡「ど、どもっす」

 

ここまで褒められたのは何時ぶりだろうか。下手したら初めてかもしれない。

 

二宮「だが、まだまだ詰めが甘い」

 

おっと、まさかのダメ出しですか。あれですか?上げて落とすというあれですか?そうですか。

 

二宮「比企谷、この後時間はあるか」

 

八幡「え、あ、はい」

 

二宮「なら、俺の隊室に来い。そこでもっと鍛え直してやる」

 

八幡「え、いや、そんな急に」

 

二宮「いいから行くぞ」

 

八幡「…うっす」

 

すごい圧で言われてしまい、拒否することができなかった。いやもうね、目とかもすごい圧だったよ。そしてオレは大人しく二宮さんの後をついて行き、二宮さんの隊室へと向かった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

あれからどれくらい時間が経ったのだろうか。それぐらい二宮さんに叩き込まれました。正直言うと死にそう……。オレの顔を見て辻は心配してくれた。優しいな、モテそうなのに女子が苦手だからな。そしてオレは二宮隊の隊室を出て歩き始める。マジであの人スパルタすぎてやばい。死にそうだよ。そう思いながらまた個人ランク戦のブースについた。するとそこには出水と米屋と緑川の姿があった。3人はオレに気づくと近づいてくる。

 

出水「よお、ハチ。どうしたんだその顔」

 

米屋「死んだ魚の目みたいだぞ」

 

八幡「うるせぇ。さっきまで二宮さんに鍛え直されてたんだ」

 

出水「あー、なるほどね」

 

米屋「そりゃ大変だな」

 

緑川「だね」

 

こいつら他人事のように言いやがって。……いや、実際に他人事だったな。あ、そういえば米屋とランク戦100本する予定だったな。

 

玲「あれ、ハチくん。それに出水くん達も」

 

呼ばれた方を見るとそこには玲の姿があった。

 

緑川「あ、那須先輩。こんにちは」

 

玲「ええ、こんにちは」

 

まさか玲もここにいたとはな。でも、玲の顔を見るとこの前の花火大会の事が脳裏に過ぎる。それにより顔が熱くなってきているのがわかった。

 

出水「ん?どうした?ハチ」

 

八幡「なんでもねぇよ。それよりも米屋。ボランティアでの約束。覚えているか?」

 

米屋「ボランティアでの約束?なんだっけ?」

 

どうやら米屋は忘れているみたいだ。米屋は一生懸命思い出そうと唸っているが、出水は思い出したようだ。

 

出水「あ、あれか」

 

そう口にする。

 

玲「あー、あれね。私も覚えているよ」

 

どうやら玲もわかったようだ。

 

米屋「え?なんだよ。お前らわかるのか?教えてくれよ」

 

ホント米屋は覚えていないようだ。それなら教えてやろう。オレ優しいからな。

 

八幡「教えてやるよ。その約束はお前とランク戦100本することだよ」

 

米屋「あ……」

 

どうやら思い出したようだ。それによりみるみる米屋の顔が青ざめていく。

 

八幡「出水、緑川。米屋を捕まえろ」

 

そう言うと出水と緑川はガッチリと米屋を両側から捕まえる。

 

米屋「は、離せ!弾バカ!緑川!」

 

出水「無理だな」

 

緑川「よくわかんないけど、約束したのなら守らなきゃダメだよよねやん先輩」

 

確かに緑川はあのボランティアに参加していなかったから分からない。でも、米屋を捕まえるのを手伝ってくれた。

 

八幡「よーし、サンキュ出水、緑川。玲、玲も手伝ってくれるだろう」

 

玲「当たり前だよ。約束したもん」

 

八幡「そうか、じゃあ付き合ってくれ」

 

玲「うん」

 

八幡「さぁ…始めようか」

 

八幡・玲「「米屋(君)」」

 

米屋「ひ、ひぃぃぃぃぃーーーー!!」

 

 

そんな米屋の叫び声がブース内に響いたのであった。

 

 

 

数時間後

 

その時には米屋の顔は死んだような顔になっていて、疲れ果てたのかブースにあった椅子にぐったりとしていた。

 

八幡「ふぅ、終わった終わった」

 

玲「お疲れ様」

 

八幡「玲もな」

 

出水「お前ら…鬼畜だな」

 

緑川「うん、凄かった」

 

八幡「そうか?」

 

出水・緑川「ああ(うん)」

 

そんなにか。自覚がない。オレはいつも通りにやったつもりなんだけどな。けど、半分二宮さんに叩き込まれたストレスをぶつけたかもしれない。

 

三輪「陽介」

 

米屋「しゅ、秀次!?」

 

三輪は何やら怒っている様子だ。一体米屋は何をしたんだろうか。

 

三輪「お前は夏休みの宿題をロクにせず、何をやっている」

 

米屋「い、いや…これは」

 

どうやら米屋は夏休みの宿題をやっていないのに遊んでいたので、三輪が探しに来たということか。そういうことなら何か悪いことしたな。

 

八幡「三輪」

 

三輪「なんだ?」

 

八幡「まさかこいつが宿題をやっていなかったとは思わずこいつとランク戦100本してしまった。悪いな」

 

三輪「100本?……ああ、あの時の」

 

八幡「ああ、丁度見つけたからさ。だから悪いな」

 

玲「ごめんね三輪君」

 

三輪「そういうことなら問題ない。比企谷達のおかげで今陽介は逃げることすらできない。捕まえるには丁度いい」

 

八幡「あー、なるほど。そういうことならもう良いぞ。ついさっき終わったところだから」

 

三輪「そうか。なら、遠慮なく連れていこう」

 

米屋「ちょっ、待ってくれ秀次!今俺疲れてるから」

 

三輪「そんな事知るか。宿題をやっていなかった陽介が悪いんだろ。ほら、行くぞ」

 

米屋「い、嫌だぁ〜!離してくれ〜!」

 

本日2回目の米屋の叫びがブースに響き渡った。

 

緑川「よねやん先輩災難だね」

 

出水「だな。けれどこれは米屋がまいた種だ。あいつが何とかするのが筋だろ」

 

八幡「そうだな」

 

玲「うん、そうだね」

 

ここにいた全員。米屋が悪いと決まった。

 

玲「じゃあ、私行くね」

 

八幡「おう、また明日な」

 

玲「うん、またね」

 

そう言って玲はブースを後にした。

 

八幡「さてと、オレは自分の隊室に行こうかな。二宮さんに叩き込まれて、米屋と100本したら疲れたわ」

 

出水「そりゃそうだろうな」

 

緑川「だね」

 

八幡「じゃあな」

 

出水「おう。そうだハチ」

 

八幡「なんだ?」

 

出水「今度のランク戦負けねぇからな」

 

八幡「それはこっちのセリフだ」

 

緑川「2人共頑張ってね」

 

八幡・出水「「ああ」」

 

八幡「それじゃあ、今度こそじゃあな」

 

出水「おう、またな」

 

緑川「バイバーイ」

 

オレは出水と緑川と別れて自分の隊室に着くとベッドに倒れ込み少しばかりの睡眠をとることにした。

 

 

 

 

 




いかがでしたか?ではまたお会いしましょう。


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