ダンボール戦機 絶対零度の闘士 (超甲形巡洋艦)
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河白スルガと改造集~季節の魔改造を添えて~

河白スルガ
彼は色々な物を作り出している。それを一興に公開するこの場所、面白いと思った改造を書き込んでいく場所だぜ!
正直解説が今更な気がする。あとネタバレ注意


河白スルガ ♂

天才で天災、役に立つが厄が立つルナ大好き爆弾魔

色々な物を作り出し、色々な物を改造してやべー物を作り出す。幼い頃に両親を無くしておりその折で入院した病院でルナと出会い仲を深めていく

憑依者として記憶の混同が激しく事故以前の記憶が曖昧である

 

─LBX本体─

【ウォーリアーD\ソルジャーD】

ナイトフレーム

メイン武装 霊刀クサナギ

      魔改造コマンドハンドガン

      ストームツインガトリング

 

他LBXと比べ拡張性が高いウォーリアーのレッグにタイヤをとり着けたもの。簡単に言うとドットフェイサーのレッグだ

バランス型ナイトフレームの割に高い速度、高い出力を両立されている本機、本気で走ればパンドラに迫る速度を発揮する。しかし実戦ではコーナー等が原因で戦闘でこの速度が発揮されることはない 

 

 

【ソルジャーD改】

刀を持たない左腕の装甲の強度を更に上げ加害範囲や射程、連射を犠牲にした代わりに高貫徹力を誇るボウガン(ワイヤーガンとしても利用可能)を追加装備。キラードロイド等とやりあう事も考え火器管制装置の更新等がされる

 

 

【ドライブシステム】

ストライダーフレーム、パンツァーフレーム以外のLBX全てに高速化の希望を与えるパーツ。しかし立体機動力ではストライダーには到底敵わない。制御の大半が手動なので使いこなすには腕前が必要とされる

タイニーオービットから商品化される際、各フレームごとに特徴が別れる

ナイトフレーム対応はある程度の整地での高速化

ブロウラーフレームオフロードタイヤのようになっており岩場等悪路での安定性

ワイルドフレームはオーベインのように履帯式の足回りで高反動武器を走行中でも安定して放てるようになっている

 

【3式機龍】絶対零度の闘志

ブロウラーフレーム

 

スルガが設計、コアスケルトンの製作をしたLBX

もとネタはいわずもがなゴジラ✕メカゴジラ、ゴジラ✕モスラ✕メカゴジラ 東京SOSに登場する対ゴジラ用ロボット3式機龍

アーマーフレーム、武装はタイニーオービットに製造委託し完成した本機は今までのLBXと一線を隠す性能を持つ。元ネタがゴジラとタイマン張るためのロボットだからね仕方ないね

武装は大まかに

口内に連装メーサー砲

胸部にアブソリュート・ゼロ

背部装着の誘導弾バックパック

両腕に連装メーサーブレード内蔵3式レールガンユニット

ハカイオー絶斗等パワー自慢のLBXと比べても力が強く頑丈だが普通に移動すると速度は遅い。しかし機体の各所に装備されているブースターを使えば高速機動戦、空中戦も可能である

また遠距離戦だけでなく近接戦闘にも十分対応可能、尻尾も交えた戦闘スタイルで敵を粉砕する。敵を掴んでゼロ距離メーサー照射は現状のLBXではまず耐えることはできない

しかしメーサーやレールガン、ブースターを多用すると直ぐにエネルギーが切れるため短期決戦向き

戦闘を繰り返す内に自我を獲得したらしい

 

3式機龍改

一部コアスケルトン、一部フレームを新造し機龍の性能アップを図った。腕部武装は4式レールガンユニットと交換右腕の4式対LBX用砕削機『スパイラルクロウ』へ肩の背部バックパックは右左独立し2つ装備、胸部武装は三連装ハイパーメーサーへ換装した

『CODE"G"』を機龍の気分次第だがいつでも発動出来るようになっている

 

 

【フルリンクシステム】

LBXに自分の意識を宿らせるシステム

原理は作った本人のスルガでさえ半分も分かっていないブラックボックスだが結城さんとの共同研究で極度の精神同調状態にあることが判明した

 

普段自動で制御されている物はなぜか強制的に無効化されLBXの制御をほぼ全て自分にのし掛かる。それがありフルリンクシステムを戦闘転用するのはかなりの時間と修練が必要と予測されている。使用機体の構造が人体と大きく変わるとまず動作しない 

 

アンリミテッドレギュレーション時はLBXが受けたダメージが痛覚となりフィードバックされる。簡単に言うと腕斬られたときのエヴァパイロットみたいなもの

精神同調の深度が上がることでLBXの性能も上がるが痛みのフィードバックも大きくなる模様。しかし見返りとしてオーバーセンスを発動させられる

 

海道義光の記憶や人格を無理矢理アンドロイドに移したシステムは別でスルガ曰くあれは劣化版

 

【シャルナック】(河白スルガ)

ストライダーフレーム

メイン武装

神刀『天叢雲』 未定

宇崎悠介の形見のLBXでありパンドラの強化発展型

スルガのカスタマイズとして割りと力重視の調整となっており加速力は随一

腰から後ろに伸びるジェットエンジンの用な部分に格納機能を持たせ、小型拳銃ならギリギリ4丁、大型なら二丁ほど仕舞える。後に鹵獲ビットを搭載する

 

 

 

【イプシロンUC(アーバンカモフラージュ)】

ナイトフレーム

山野博士がオーディーンの後継機として設計していた機体、イプシロンを外観にソルジャーと同じコアスケルトンを改造、ワンオフ機並の戦闘力を誇り単純性能はイカロスシリーズに肩を並べる

そしてようやく解析が終了したビット(ソード、シールド、単発レーザーガン)を再設計、少数生産し背中のブースター部分に左右合計6基、腰のブースターに4基

両腕、両足に1基ずつと合計14基のビットを装甲兼補助機動ユニットとして装備

 

ビットの一度の運用数は2~3基、操作に集中出来るのなら6基なら同時運用できる。後は推進ユニット兼予備。ただ、ソルジャー、シャルナック、機龍がビットの管制を担当すれば12基を同時展開可能、オールレンジ攻撃を振り撒きながらスルガが本気で襲ってくる

武器は震刃とルミナスシューター

 

 

 

【シャルナック・ムーン】(石森ルナ)

ストライダーフレーム

レイピア系武器『朔(さく)』 試作電磁機関銃

ネーメジスシールド

 

シャルナックをスルガが半年かけて改造したLBX

仙道兄妹、レックス、アミ等、著名だったり凄腕のストライダーフレーム使いに片っ端から声を掛けアドバイスを貰い作り出したストライダーフレームの一種の到達点ともされるLBX

早い速度はそのままにナイトメアにも劣らない機動力を付与した。そのためスルガの持つ全能力を結集しても長々完成せず最終的にはタイニーオービットの設備を使い完成させた

しかし完成してもレックスやジンですらまともに扱えずトライ&エラーを半年以上繰り返しやっとスルガが使える癖の強さまでこぎつけた

 

 

 

【A・アーサー】(コンゴウヒノ)

ナイトフレーム

聖剣エクスカリバー 聖槍ロンゴミニアド 

 

山野博士が作ったO・アーサーをスルガが少し弄った機体、と言ってもほぼそのままで違うのはカラーリング位のもの

 

code《Abyss》 code《Avalon》

対オーバーセンス用に開発された特殊モード、強大な闇と光、軽度のジャミングでLBXの感覚器官を狂わせオーバーセンスの未来視を不安定にさせる。単純に機体性能の一時的な底上げも行われていてこのcodeを発動したら長くても500秒、大体300秒で稼働限界が定められる

因みに作られていたのはムーンのAbyssだけ。予定外だったがAbyssをベースに改造してA・アーサー用のAvalonが作られた

 

 

【ヴァルキュリア】

ナイトフレーム

ラン向けのプロト・i改造機

イカロスシリーズと同様に高次元多関節機構を利用した大型武器への変形機構を有しており大型のレーザーキャノンへと変形

山野改造のイカロス二機と比べよりランのスタイルに合わせて設計されており地上での速度以外はオタクロスが考案していたミネルバ改を上回る。機体強度も非常に高く叩き付ける体術にも耐えられるよう手を加えられた

足回りがバルスパロスのような高速機動に適した設計に変更されている

 

 

【イプシロンΔ零】

ナイト、ストライダー複合機

ランが使う希望のLBX。原型機は勿論イプシロン、メインカラーはピンク、紺、白

フレームはナイトで脚のみストライダーフレーム 

動力は他二機と同じエターナルサイクラー

パンドラと肩を並べる素の速力とミネラルやヴァルキュリアから受け継がれた打撃力を更に強化、ランが花咲流空手で培った実力と技術で普通に素手で殴り飛ばすだけでもベクターを一撃で殴り抜く

アーマーフレームの内側にスタンフィールインゴットを仕込み、ストライダーフレームでも強度を出した。

更に二の腕や脛などにもスタンフィールインゴットやその他装甲材を多層配置、複合装甲とし上手く防御出来ればミゼルオーレギオンの我王砲にも耐えうるタフさを持つ

腰の前垂は稼働範囲確保のために面積縮小、代わり横と後ろのブースターの出力を上げてありホバー機動が可能、外観イメージはパンドラの脚先を持ったイプシロンといった感じ

補助推力がメインになるがシールド用ビットを足と手、腰に計6基装備。ある程度は自立行動が可能

このLBXのスタンフィールインゴットは機龍の壊れたコアスケルトンや予備から捻出された

 

 

【ハンター改】

ワイルドフレーム

メイン武装

ハンターライフル ストームツインガトリング

 

着脱可能索敵&誘導レーザーの追加(接続口はオーバードウェポンと同様)

スティンガーミサイルのアップグレード(誘導パターンと弾頭の種類増加)

無人行動プログラム実装、それにともない他LBXとのデータリンクを搭載した

射撃管制システムをフェンリルに準ずるものに更新

足パーツをワイルドフレーム基準のドライブシステム搭載

と言った改造がなされている

カスタマイズのコンセプトがオーディーンとフェンリルを狩る物であり遠~中距離戦ならばその二機とほぼ同等の戦闘力を発揮する

無人データリンクの使用を例えるとオーディーンが空からデクーを見つける。それをロックオンするとハンター改から何かしらの攻撃がそこに飛んでいく。と言った感じ

外付けレーダーと射撃管制システムで飛行してるオーディーンを撃墜するだけの対空能力も附与している

スティンガーミサイルの弾頭はスタングレネードにすることも出来当たり前のように対人制圧能力を備えている

スルガ「Mチップ?ああ、試し撃ちの的にしたよ」

 

 

【ルナティックジョーカー】

ストライダーフレーム

 

メンテナンスだけしてあまり使っていなかったルナのジョーカーを性能向上の大規模改造を施して自立戦闘システムを導入、機関銃二丁でシャルナック・ムーンのバックアップ用に作られた。 

 

 

【F/Aオーディーン】

ナイトフレーム

各所のブースターの出力強化、増設して一組翼を新造、その翼に一ヵ所づつウェポンベイを追加し色々載せれるようになった。そして増設したブースターと機龍に使われていた機体制御システムを元にした制御システムにより飛行形態にならずとも空中戦闘が可能になった。ついでにビームガーターも新造、リタイエイターにも改造が施されている詳細は後述

 

【オリオン・E(エクリプス)】

ナイトフレーム

 

大きな役割はライディングソーサーのようなもの。LBXの操作電波の中継、ハンター改のような自立稼働型と組み合わせると早期警戒管制機と同じような役割を果たしより効果的に戦闘を行うことができる。飛行形態が大きく改造されオレンジの装飾などは全廃。エクリプスに近い見た目とした。そしてその名に恥じぬステルス性能を有しており物理接触以外の索敵を余程近くない限り無力化する。しかしステルス、管制等の能力の代償に人型での自立戦闘力は低い(主人公ズ基準)

翼にウェポンベイを装備してあるので比較的多数or一発の破壊力の高い爆弾やガンポットを搭載可能

 

 

【灰従者】

ストライダーフレーム

コンバットソード(片手剣)

ワイヤー

 

グレイメイドのカスタマイズ品で後ろにスラッと延びたポニーテール

クノイチの後頭部のレーザー膜とビームガーターの技術を利用しロングスカートを纏うメイドさんを作ろうとしたら何か違うものが出来た。オタクロス曰くどちらかと言うと従者じゃのお。と言うことで従者となった。レーザー袴の色は濃いグレー

 

【ブルド改・支援型】

機龍やその他LBXにエネルギー、弾薬の補給を行う専用機。そのため大きなバックパックを背負っていたり肩にもバッテリーが取り付けられて居る。戦闘能力はほぼ皆無

 

【インビット・F(砲戦特化)】

ワイルドフレーム

肩から伸びるカメラを雑にバズーカに載せ変えた。インビットの機動力と装甲で高火力バズーカを振り回すので雑に強い

 

 

【マスターコマンダー】

ブロウラーフレーム

ショットガンSG4C×2

ジュピターキャノン

マスターコマンド改を改造し無人機を多数運用する際の指揮官機。頭部にDCオフェンサーやデクーカスタム監視型を彷彿とさせるディスプレイボードが追加されている。またハッキング能力も健在で処理能力の高いコンピューターと接続し擬似的なブレインジャックも起こそうと思えば起こせる

 

 

【ウォーリアーD(ドライブ)OW(オーバードウェポン)】

ナイトフレーム

 

オーバードウェポン運用特化、と言うより専用の量産機。オーバードウェポン接続口と大容量バッテリーを備える。自衛用としてオートマチックガンやブローソードを持たせることもあるが普通に弱い

基本的な運用方はオーバードウェポン発動用の固定砲台とする事

 

【ロビン・リッパー】

ストライダーフレーム

ジャックダガー

プレアー

ロビンHの奇襲戦特化カスタマイズ、全体的に艶消し、楠んだ色へのリペイント、そしてフード付きの濃緑の外套を纏っている

二本のダガー《ジャックダガー》と軽量のクロスボウ《プレアー》で奇襲やインファイトを得意とする。追加の装備にジャミング剤散布機が取り付けられているソルジャーD等が正面戦闘しているときに横槍を入れるのが運用方法

 

 

【ナガシノ】

ナイトフレーム

ムシャのカスタマイズ機でオレンジの部分を艶を消した濃紺で、肩の黄色のボルトは楠んだ黄色に塗装し、腕と足に中空装甲を作るため板を追加、短刀を納める鞘を腰に着けた

タイマン性能も高いが数を揃えればマスターコマンダー等指揮官がいる前提では攻撃、防御能力が飛躍的に上昇する

メイン武器は薙刀《鋼機》 両手単発銃《種ヶ島零式》 短刀《影狐》

 

 

【フレームアームズ(シーカー向け量産機)】

元ネタはフレームアームズの量産機

スルガが独自規格のコアスケルトンを完全新規設計した。なのでアーマーフレームの互換性は無いが一応まるごとパーツを組み換えれば既存のコアスケルトンとも接続は可能

 

【轟雷】ブロウラーフレーム

戦車や装甲車のような高い装甲と普段踵の上に格納された履帯で不整地踏破能力を持つ。肩に固有武装として滑腔砲を搭載する。備えられた武器管制システムによって対地機動戦でも高い攻撃精度を発揮し多数の武器、弾薬の搭載が可能。さらにスティレットに比べ構造が簡素で改造しやすく隊員が様々な改造を施せる汎用性の塊

 

【スティレット】ナイトフレーム

高出力のジェットエンジン型ブースターと各部の補助スラスターによって飛行中の戦闘能力を有する。

主兵装の片手ガトリングガン、背中の大型2連装ミサイルランチャーで対空対地問わず攻撃が可能。肩のスタビライザーは剣として手持ち可能

しかし飛行能力の為に武装が少なく戦闘継続能力も轟雷に比べ低い

 

 

【A・アーサー】ナイトフレーム

ディテクターが作ったO・アーサーをアルトリア色(青、金、銀)でリペイントした

細かい仕様は変わらないが山野博士の手によりユニオンシステムを搭載された

 

 

 

 

─武器─

【ストームツインガトリング】両手銃(ガトリング)系

二丁の高レートガトリングを縦に二つ並べ引っ付けたもの。ドットガトリングガンと形は似ているがドラム型弾倉二つが各々給弾する構造

発射レートは毎分2000発×2門の4000発

一秒間射撃があたったらだけでも66発の弾丸が着弾するやべー兵器

反動が凄まじいため軽量のLBXではまず撃てもしない。しかしドライブシステム込みで走り撃ちが出来るようになった

 

【魔改造コマンドハンドガン】片手銃

スルガがとあるソ連の拳銃(スチェッキン・マシンピストル)を見て作った一品

そこそこのレートでフルオート射撃が可能、しかし元がハンドガンであるが故に一度の射撃量が少ないのでリロードの隙が大きい。クサナギとこれで独特な戦法を取る

 

 

【オーバードウェポンシリーズ】規格外品

スルガが記憶だよりで製作した武装。大きさこそLBXサイズに落としてあるが攻撃性能は凶悪で狂悪、何者も抗えない絶対的な暴力

直撃は愚か攻撃軌道上近くに居ようものなら問答無用で巻き込み破壊する

機龍でも直撃を受ければ戦闘不能は避けられない

 

 

【神刀『天叢雲』】片手剣

タイニーオービット社、関の刀匠、スルガの共同制作品のLBXサイズの鞘つき日本刀

鬼のように切れ味が良い刀、スルガがシャルナックで盾を使わない事を前提で武器自体の防御力、重量のバランスが考えている  

 

 

【震斬(シンザン)】ダガー系

二本の一般的な片刃のダガーナイフ、全長はコダチより少し長い程度だが受けに使えるように頑丈で肉厚だ

刃が振動することで切削する高周波ナイフで高い攻撃力を誇る。銃剣にもなるが少し重い

 

 

【震刃(シンバ)】片手剣 

震斬と天叢雲をベースに作られた急造品の高周波ブレード。デザインは刀身のみの日本刀、本来抦を付ける部分が直接握る構造になっている。化け物みたいな切断力を持つ

 

 

 

【電磁拳銃】片手単発銃

総弾数10発、軽量て発射の反動と音が小さく奇襲にはうってつけ、しかし銃身の短かさから中、遠での精度は良くないが弾速は早いので近距離戦では無法の強さを見せ、震斬を着剣してのインファイトも想定されている

あとグリップが折り畳まれてシャルナックの収納スペースに優しい

 

 

【朔】レイピア系武器

スルガが半年の間のシャルナック・ムーンの息抜きに改良し続けた黄レーザー刃レイピア、特徴はすごく軽い事

貫通力は最早語らなくても良いだろう。切断力も他レイピア系の追随を許さない

名前は地球から太陽と月が同じ方向にある瞬間『朔』を由来としている

 

 

【試作電磁機関銃】両手銃(単発)系

機龍のレールガンユニットをベースに結城さんが製作したもの。軽量小型で一発一発の破壊力はあるがレートが1s/2発と低い上に短時間で十二発以上連射すると銃身加熱で引き金がロックされる

ぶっちゃけスルガからは狙撃銃じゃねえの?と言われている

 

 

【電磁機関銃】両手(単発)系

試作電磁機関銃の実戦データを元に改良を施した

射撃レートは据え置き、よりエネルギー効率を上げたので戦闘継続力と威力が増している

 

 

【電磁狙撃銃】狙撃銃

電磁機関銃で集めたデータを元に製作された。大部分の内部設計は共通で外観の違いは少し銃身が細く長くなった程度だが違いとして威力、射程の上昇がある。そのため連射性も低く六発で銃身冷却を挟むが最低限の連射性しか必要ない狙撃銃なので特に問題はない

 

 

【聖剣エクスカリバー】片手剣

O・アーサーの邪剣カリバーンをリペイントした物。基本スペックは変わっていない

専用必殺ファンクションでは何かエネルギーが集まってでっかい剣になって大抵の場合飲み込まれたら消える。準オーバードウェポン

見た目はfateシリーズ、アルトリアペンドラゴンの宝具

 

 

【聖槍ロンゴミニアド】槍

スルガがヒノとA・アーサー向けに作っていた聖剣エクスカリバーより格上の武装

穂先から複雑に織り込まれた槍で解くと織り方を知っているスルガ以外戻せない

織り込んである素材はエネルギーを溜め込む性質がある

普段の必殺ファンクションとしては織り込みから光りが漏れる程度だが全力を出すと巨大な光の槍となりパラダイスの外壁を単独でぶち抜く程の貫通力を誇る

 

 

【キビツヒコ】ダガーナックル

一番の特徴は凄く固い。それに尽きる

オーレギオン相手には下手な強度ではナックルやダガーが保たないためひたすら強度を上げた結果だ。イプシロンΔ零からエターナルサイクラーの余剰エネルギー供給を受けることでナックル本体のブースターを起動させ更に打撃力を向上させる事が出来る

そしてダガーとして高周波ブレードが付いており打撃、斬撃共に隙が少ない。ダークパンドラのダガーの形をベースにしている

 

 

【ハンターライフル魔改】両手(狙撃)系

ハンターライフルを対キラードロイド用にも使用出来るように改造した。発射方式を磁気火薬複合方式(ストーンヘンジと同じ加速方式)を取り初速の向上させ貫通力を向上させた 

 

 

【リタイエイター】

一応世界初のマルチギミックサックになる

槍、双剣、狙撃銃、片手散弾銃二丁の四タイプへの変形機構を要する

槍タイプ

原型そのまま

 

双剣タイプ

真ん中で二つに分割される。以上

 

狙撃タイプ

二つに別れて向きを揃えて再ドッキング►►みたいな感じ

レーザー発生装置に魔改造を施し棒の先端でエネルギーを集約し放つ

 

片手散弾銃タイプ

二つに分割され持ち手が曲がりグリップになる

どうしても一つにドッキングしないと出力不足で遠距離火力が不足したので近距離用にすっかと雑に作られた。レーザー固定化を悪用し弾の機動を自由自在に曲げられるので上手い奴が使うとマジで接近できなくなる

 

 

【ジャックダガー】ダガー

縦に細長くした斤の字のような装飾も付いていないシンプルなナイフで左面が刃で右下の垂直線が持ち手

 

 

【プレアー】クロスボウ(片手単発)

英語で祈りの意味を持つ

基本設計はソルジャーの腕に付いているものを大型しただけ。デザインはDishonoredの主人公、コルヴォが持っているクロスボウと同型で次発装填機構を持つ

 

 

【鋼機】薙刀

赤い石槌、長く黒い柄、銀色に鈍く輝く刃を持つ。一般向けに発売されている槍等の長物に比べ三割弱長いので相手の間合いに入らず一方的に斬り付けることが出来るがその分近すぎる距離での斬り合いは苦手

 

【影狐(かげきつね)】片手剣

紫色に怪しく刀身を持つ光る刀身を持つ

鍔等の装飾は着いていない武骨な短刀、鋼機では対応出来ない程の近距離で抜刀される

 

【種ヶ島零式】両手単発

モデルはかつての日本に伝来した種ヶ島銃

性能は電磁機関銃の完全下位互換

開発、生産に掛けられる時間と資源を相談した結果ボルトアクション化、射程と連射性が良くないが何より軽量で威力と射撃精度は結構良い。尚且つ単純な構造故に弾詰りなどの故障に強く、頑丈なので荒っぽく使っても壊れない

 

 

【LBX用外部接続飛行ユニット】

鹵獲したXF-05Bの肩パーツをメインに流用した飛行ユニット。馬力はあまり高くないためナイトフレームのLBXでギリギリ戦闘に耐えうる機動が取れるかな程度

宇宙空間では重さの制約からは解き放たれるのでどんなLBXでも宇宙での戦闘が可能

装着場所は背中を想定しているが装着場所は無重力環境ならわりと何処でも良い

 

 

code《Abyss》 code《Avalon》

対オーバーセンス用に開発された特殊モード、強大な闇と光、軽度のジャミングでLBXの感覚器官を狂わせオーバーセンスの未来視を不安定にさせる。単純に機体性能の一時的な底上げも行われていてこのcodeを発動したら長くても500秒、大体300秒で稼働限界が定められる

本来作られていたのはAbyssだけ。Abyssをベースに改造してA・アーサー用のAvalonが作られた

 

 

❰LBX以外❱

 

【キラードロイド《銀龍》】

 

バン達が撃破してきたキラードロイドのパーツを集めてスルガにより作られた対キラードロイド用キラードロイド。シルエットはワイバーンだが全体的に機龍の用なカラーリングにされている

三つ連なった目は一つの細長いゴーグルの用な目に変更(参考ウルトラセブンの目)

オレンジの発光体は緑へ

羽の形を二本の刀が背中合わせになったような形状へ

コア直下へ潜られる対応策として腹部に散弾銃を固定装備(初見殺し)

背中にオーバードウェポンコネクタを追加(オーバードウェポンに限らずコネクタに対応させれば色々つけれる) 

腕のビームガンをユニット換装式にする

 

 

【ビームガンユニット】

ビームガンユニットはちょっと改良して基本そのまま。

だと思ったか?エネルギーチャージ機能を搭載して一発ドデカイのも撃てるようにした

 

 

【レールガンユニット】

サイクルレールガンを実用レベルに落とし込んだ物を設計ベースにした対キラードロイド用大口径レールガンを主砲、副武装に小型レーザー機関銃を固定搭載したユニット。レールガンがエネルギーを喰うので機関銃は牽制程度しか出来ない。がレールガンはその分威力は高い。さすがに元より劣るが馬火力でレートは一秒1発

 

 

【ガトリングユニット】

ストームガトリングを片腕二丁(両腕合わせ合計4丁)を装着した小型目標掃討殲滅特化ユニット。弾幕はパワーだよ 

 

 

【ガンランチャーユニット】

これまた実用レベルに落とし込んだヒュージキャノンを設計ベースにした多目的ガンランチャー。縦に二門搭載しており弾種は豊富で市販品のバズーカ、ランチャーの弾なら大体使える 

 

 

【近接戦ユニット】

腕が震斬をベースに開発された高周波大剣が付けられたユニット。キラードロイドすら用意に切り裂く

 

 

【ノーマルアームユニット】

普段用の三本指のユニット、ものを持ったりする

 

 

 

 

─スルガ以外のやつ────

【LBXカスタムビルドファクトリー】

作者 結城(タイニーオービット)

元ネタは同名の玩具で結城が体を紛失したスルガの為に作ったらしい

しかし性能はガチガチでカスタマイズやメンテナンスがメイン機能である。しかしパンドラ並のLBXなら新造可能と言う頭のおかしい性能をしている

メンテナンスの際は頭、胴、右腕、左腕、足に分解or一部だけ分解したりしてメンテナンスを行う(ジン曰く完璧なメンテナンス)

カスタマイズ性能も下手な研究設備以上(スルガ曰く出来ないことは片手で数えるくらい)で異常に高い

道具等は別の白いトランクケースに入っている

 

 

【O・アーサー】ナイトフレーム

作者 ディテクター(???)

謎が多い機体、K・アーサーのスレイブプレイヤー向け改造機、武器は黒に赤線の両手剣《邪険カリバーン》

機体カラーが黒やかなり濃い紫で所々血のような塗装が施されている本機、目にはバイザーが付けられている

カスタムコンセプト(元ネタ)はセイバーオルタ

武器とバイザーのデザインはこれと同じ

また機体性能も向上している

 

 

【ユニオンシステム】

作者 山野博士

LBX同士のエネルギーを掛け合わせ爆発的なエネルギーを生み出し必殺ファンクションとしてぶっぱなす

限界のエネルギー合成は三機、増える事に特定の比率で威力が上がるが上がりすぎて制御が効かなくなる

後の合体必殺ファンクションやユニオンファンクションの前進

 

 

 

 

【トルークビルト】ストライダーフレーム

作者 不明(ワールドセイバー?)

ドイツ語で幻影と言う意味を持つこの機体。細身のファントムのようなLBX。開発経緯や細かいスペックなどは全て謎に包まれている。そもそもワールドセイバーが開発したのか、どこかで開発したのを強奪したのか定かではない。スルガはデザインからファントムの試験機もしくは前身機と推測している

 

武器はワイバーンブラストのような銃剣、単発銃

 

判明しているスペックでは仏空軍戦闘機を難なく撃墜可能

最大数かは不明だがシールド、ソードになるビットを16基同時使用可能

エデンと言う特殊モードで音速すら優に越える

 

 

 

 

 

【改造キラードロイド(仮称:セカンドキラー)】

作者 オメガダイン

設計コンセプト 主人公sのLBXを狩る

Dr.マミー考案のキラードロイドは大半が戦果を上げられず単純な火力のオーバードウェポンやNICSのLBXに弱点を付かれ続け敗れ去った

そのために確実に少数精鋭を狩るキラードロイド

 

共通するのは関節の強化

装甲の強化(尚オーバードウェポンには耐えられない(無情))

軽量の素材への変更による機動力、攻撃速度の向上

むき出し、装甲一つで守られていた(膝等)のケーブルを関節内部に格納

コアの防御強化

オーバーヒート対策として小さな隙間が開いている鱗状の装甲の採用

 

 

【ワイバーンII】

機動力で翻弄されていた腕のレーザー砲を威力据え置きで連射力を上げたレーザー連装機関砲へ、背中にミサイルを装備し遠距離への対応策、胴体四ヶ所に小型のレーザー機関銃を装備しより近寄られない用になった

 

 

 

【ミノタウロスII】

脆弱性の固まりであった脚部が大幅に強化されている。装甲強化の為にジャンプ力が下がったが腕の攻撃力は健在

腕はタイヤが破壊されれば直接コアが剥き出しになりダメージを受ける仕様だったがタイヤとは別に蜂の巣状の装甲を張りダメージを受けるリスクを減らした上、爪の部分にレーザー機関銃を装備した

背中の電気球は追尾性能は高かったが如何せん遅いので撤廃、背中に可動式のパルスキャノンが二列計10門積まれ後ろや上方、横への攻撃範囲を得た

 

 

 

【ヒドラII】

まずKフィールドの改良から着手された

皆様御用達の上の段を無くして完全な溶岩地帯に改良(地形の凹凸有り)

近接能力は元々申し分ないので据え置き

首の武装を半分、ワイバーンと同じレーザー機関銃に換装、狙撃銃への対応策を得た

 

 

 

 

【メカゴジラ(2021)】

作者 オメガダイン

モンスターヴァース、キング・オブ・モンスターズで登場したメカゴジラ。性能はほぼそのままキラードロイドサイズにスケールダウンしている。しかしゴジラとコングを圧倒した性能は健在

一番問題なのはスルガ転移してきた時間の関係上はこのメカゴジラを知らない

 

 

 



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小さなマシンの世界へ

性懲りもなく新作書き始めました。よろしく~


═病院════

元高校三年生の中学生、所詮転移者と言う存在なのだろう気がついたら病院らしき場所に居た特に何か人知を越えた存在が現れる訳でもなく、寝ておきたらダンボール戦機の世界に居たのだ

 

だが転移する前の世界の記憶がピンポイントは抜け落ちている。具体的には前世で見たダンボール戦機と言う世界の記憶はある。

前世の学校で習った事は覚えているのだが、とにかく前世のありとあらゆる人名が思い出せないのだ。(偉人除く)だが創作物であれば覚えている限り覚えている

そしてここはどこなのだろうか。ここがどんな世界なのかは直感的な何かで直ぐに理解できた

 

あ٠٠٠

 

声を出してみるが朧気に覚えている前世の声ではない

 

ここは?

 

回りを見渡すと壁はほとんど白で自分は大きなベッドに寝ている

 

「病院か・・・何で病院に?て言うか俺は誰だ?」

 

回りを細かく調べる。そしてベッドに書かれているを発見した『河白スルガ』これがこの体、俺の名前らしい

この名前を見た途端、別の記憶が流れ込んできて、そのまま意識を手放した

 

══════

 

翌日、普通の時間に目を覚ました俺は検査を受けた。後でわかった事でもうくっついているみたいだが左腕を骨折して、今まで昏睡状態だったらしい

 

「君にいくつか質問させてもらうよ。自分の名前、年齢は言えるかい?」

 

河白スルガで・・・11歳です

 

「ふむ、では次の質問だが・・・」

 

と質問は続いた。簡単な計算問題だったり、漢字だったりした。意図は記憶障害の度合いを計っているのだろうか、まあ、記憶障害どころか人格から変わってる可能性があるのだが

 

「さて、君に辛い現実を伝え無くてはならないんだ」

 

辛い現実?はて、なんだろうか

 

「君の両親は、事故で死亡が確認された」

 

事故?ああ、なんかバスに乗ってた所で記憶が途絶えていたな。取り敢えずうつむいておくか

 

「・・・」

 

ここから俺は黙ったままだった。医者も特に変に思われなかった

 

「まあ、そうなるのも無理はない。とにかく今はゆっくり体と心を休めてくれ」 

 

═翌日、病院の中庭════

さて、情報を整理しようか、俺は河白スルガである。そして河白スルガの両親が死んだ。待てよ、俺の両親って誰だったっけ・・・これは考えても仕方ないか。そして一番重要なのがここはダンボール戦機の世界であり、自分はこの世界の流れを知っている。それに青島カズヤと友達らしい。バンとも面識があるみたいなので

 

「うん、好き放題しようか。できる範囲で原作ぶち壊してやろ」

 

今は平日お昼時で中庭にいるは少ない。

ん?あれは٠٠٠石森姉妹?この病院に入院してたのか٠٠٠少し声かけてみるか

 

「こんにちはー」

 

「「こんにちは」」

 

二人して声をかけてくれた。それも笑顔で。正直心臓が止まるかと思った。まあ、挨拶程度で良いだろう

それはそれで俺はLBXを持ってたな。でも体の元の主がLBXを持ち歩いていたっぽいから事故で壊れてるだろうな

 

 

══════

 

 

病室に戻ると、担当の医者が黒いケースを持っていた

 

「君がいない間にお友達が来てこれを渡してくれって頼まれたよ。名前は青島って言ってたかな」

 

カズか?しかし何を持ってきたんだ?ゲームか?

 

「なにそれ」

 

「まあ、開けてみるといいんじゃないか?じゃあ私はこれで」

 

医者は去っていった。さて、中身はなんじゃろなっと

ケースを開けてみる。中にはくすんだ蒼銀で塗装されたウォーリアーが入っていた。武器はレイピアとコマンドハンドガン二丁だ。軽量アタッカーかな?

とりあえずアーマーフレーム取るか。コアパーツは何かなっと

 

 

══════

 

 

結論から言うなら短期決戦型だ。ちょっと良いモーターが2つセットされていて補助パーツの構成は攻撃をある程度なら耐えられる仕様だった。ウォーリアー自体のヘッド、ボディパーツにパテ盛りがされ、L,Rアームとレッグパーツには逆にニク抜きが施されている。ストライダーフレームには劣るが速度も悪く無さそうだ

少し動かしてみるか。説明書は・・・あるわけないか

 

ピッピッピッ

ガシャンガシャンガシャン

 

よし、問題なく動かせるな。戦闘も一応できそうではある。てか俺今どうやって動かした?正直携帯みたいなボタンしてるCCMで動かせる気がしなかったんだけど

とりあえず眠くなるまで動かす練習するか

 

ピッピッピッピッピッピッzzz...

 

始めて五分もしない内に寝たのはご愛嬌。椅子に座った状態で寝て翌日看護士さんからこっぴどく怒られたのだった



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月への勝利の方程式

スルガの目標、それはルナを越えることだった

そそて早速お気に入り登録してくれた人ありがとう。感謝感檄です


═病院════ 

看護師のお姉さんにこっぴどく叱られたのち暇になった。しかしやることがLBXの練習以外に無いな

 

「ねえ?」

 

「うん?」

 

暇でジオラマが置いてある屋上でウォーリアーを動かしていたら声をかけられた。声の主は、石森ルナだった。

 

「そのLBXって君の?」

 

「(な、な、なんで俺に声を?)そうだけど」

 

「暇なら私とバトルしない?」

 

「(まだあんまり慣れてないんだけどなぁ)いいよ、やろうか」

 

「じゃあ行くよ!」

 

ルナが投下したのはジョーカーだった。塗装はキレイだが普通、武器は妖精のレイピアと盾にトライアンギュラー

 

map 河川都市 ストリートレギュレーション

バトルスタート

 

(このフィールドなら橋で仕掛けるか?でもなー、普通に負けそ)

 

ゲームでも素で結構強い子なのだ。機体はジョーカーなので機動力では勝てない

武装をコマンドハンドガンに持ち替え射撃戦に誘い込む。確かルナは副武装に何かマシンガンを持っていたはず

と、橋の上で銃撃戦を仕掛けるつもりだったのだが対岸から弾が飛んできた。数発命中したが損害軽微

一瞬のブースト掛けて建物の後ろへ退避する。体制を整え建物の反対側から体を少し出してジョーカーの位置を確認する

隠れていたのだろうが銃口がひょっこりはんしていた

 

よし、爆弾投げよ。おもむろに体を出してグレネードSを投げた

当たってはないだろうが爆風でダメージ出てると・・・いいなぁ

 

「おっと危ない危ない。今度はこっちから行くよっ!」

 

レイピアに持ちかけてストライダーフレームの特徴である空中二段ダッシュで一気に距離を詰めてきた

サイドステップで回避したの拳銃を連射し弾幕を張る

 

「危ねっと」

 

それにしてもテンションゲージ管理無いのは感動物やな

撃ちながら少しずつ少しずつ下がるを繰り返す。こちらはシールドを持ってないのだ

一か八か賭けに出る、レイピアに持ち変え

 

「必殺ファンクション!」

 

アタックファンクション

ギロチンカッター

 

走る勢いのままに大回転、紫の軌道を描きながら斬撃を繰り出す

 

「行っけー!必殺ファンクション!」

 

アタックファンクション

テンペストブレイド

レイピアを中心に巨大なエネルギーの嵐が巻き起こる。

 

ウソォ、いきなりテンペストブレイド!?これは負けた

 

二つの技がぶつかり合う。立っていたのはジョーカーだった。スルガのウォーリアーは技の競り合いに負けブレイクオーバーした

 

「負けた」

 

「わーい、勝った勝ったー」

 

喜び方が凄い可愛い。無邪気な笑顔で喜んでる

 

「ルナ!」

 

とバトルを終えて直ぐに里奈さんが来た。だいぶ慌てているようだ

 

「駄目じゃないの。一人で出歩いたら!」

 

「あ、お姉ちゃん、ごめんなさい」

 

「こんにちは」

 

とりあえず挨拶しておこう。挨拶は大事、古事記にもそう書かれている

 

「こんにちは。君は?昨日挨拶してくれた子よね?」

 

笑ってはいるが警戒してるのがバレバレだ

 

「河白スルガ、よろしく」

 

「石森里奈よ。ごめんなさいね。いきなり叫んだりして」 

 

「平気、二人は・・・家族?」

 

慎重に言葉を選ばなければならない。この時点でイノベーターの事悟られたら面倒な事になる

 

「うん!私は石森ルナ、よろしく!」

 

「私達は姉妹なの」

 

「姉妹!?(知ってたけど)親子に見えた」

 

「そう見えるの?」

 

「うんそう見えた(初見マジで親子かと思った)」

 

「スルガ君って兄弟っているの?」

 

「居ない」 

 

「お母さん達はいい人?」

 

「(本来ならこの質問地雷だよな?)いい人だった」

 

「だった・・・ね」

 

ルナはともかく里奈さんは察してくれたようだ

 

「そっかー、羨ましいなー」

 

「それよりルナ、お医者さんが呼んでたわよ」

 

「はーい」

 

と、病室に戻って行った。そして去り際に「私に何かあったらルナに付き添ってあげて」と言われた。真意は勿論分かる。もうそろそろイノベーターの仕事(と言っていいのか)が忙しくなる頃なのか・・・待てよ、なら今の石森姉妹の支えてるのって、こりゃ後々何とかしないとヤバいかもな

 

═翌日、屋上═════

またまた屋上でLBXを動かす練習も兼ねて他の患者さんとかその辺の人とバトルを始めた。本格的に原作介入するなら機体弄る必要あるな。

とりあえずの目標はルナを越えること。それは今のウォーリアーじゃ難しい。装甲も機動力も中途半端なのだ。

どちらを上げるべきなのか・・・

 

「やあ、随分難儀しているようだね」

 

「何?」

 

主治医が来た。今はお昼と言うわけでも無い。仕事は大丈夫なのか

 

「こう見えてもLBXの構造には詳しいんだよ?私は」

 

「・・・機動力と装甲が中途半端」

 

「使ってるLBXは?」

 

「ウォーリアー」

 

「ふむ。なら思いきって装甲を削るかい?」

 

「それじゃ防御力が不足する」

 

「装甲を増やすと機動力が落ちる、か。今までのバトルを見てる限り機動力を重視したいんだね?」

 

「うん。良い案が思い付かない」

 

ストライダーフレームの軽量化で機動力増加は見込めない、それ以外の速度が出るLBXを浮かべる

クイーンのように一時的にホバリングしてオーディーンのようなブースターをつける手もある

ナイトフレームの高速LBXの代表はバル・スパロス系列の機体だろうか

 

「そうだねぇ、素体ウォーリアーに出来るだけ小規模の改造に留めたいだろう?」

 

「うん。あんまり構造複雑だと改造できない」

 

「ふむ、じゃあ人型を保ちつつ機動力を上げる改造か」

 

バル・スパロス、機動力

うん?何か出てきそうなんだけど、出てこんな

 

「そうだねぇ、普通ならレッグパーツを変えるんだろうけど、ストライダーとか、タイヤのついたブルド改レッグみたいな」

 

ん?ブルド改のレッグタイヤ、バル・スパロス・・・

あ、ドットフェイサーだ。足に小さいタイヤつければ良いじゃん

 

「ほう、それは思い付かなかった。と言うよりそれをするなら知るかぎり君が初めてだよ」 

 

それなら病室で図面書き上げるか。これでも元工業高校生で実技系の成績トップだったんだ。(筆記試験?聞くなよ。頭フライスかけるぞ)

 

「それなら素材はタイヤくらいか・・・機構自体はLBX足の駆動系の改造でなんとかなりそうだね。まあ病院にいる間はケガの治療に専念して貰うからそのつもりで」

 

「うん」

 

═数日後═════

俺は退院した。親の葬式の事やらその他諸々は祖母や親戚が進めていてくれたみたいだ。

そして俺、河白スルガは一人になった

 



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時は流れた

多分、恐らく、次回原作開始だと思う


═2050年・ミソラタウン・キタジマ模型店════

さて、原作が始まる年になった。今は新しいシステムの試験がてらバトルしよーぜ!とバン達とバトルをしている。武器を無印レイピアからバルキリーレイピアに交換している。盾は無い。結構高かった

 

「んじゃ店長、倒れるけど気にしないでね。俺は今からLBXになってくる。フルリンクシステム起動」

 

一瞬視界が暗転する。そしてふわふわと浮くように錯覚し、直ぐに視界が回復した。

 

(視界良好、動作問題無し。行くぞ)

 

そしてウォーリアーが白いオーラに包まれる

アミのCCMにバトル開始の合図を送る

 

「うそ!?なにそれ!?」

 

おもいっきりアミが驚いた。店長やバンも度肝を抜かれたようである。それもそうだろう。俺は今LBXだから

 

map 草原 ストリートレギュレーション

バトルスタート

 

═四ヶ月前═════

結果を言うならレッグパーツのドットフェイサー化は成功した。姿勢制御を行うプログラムをほぼ一から組み立てる事になり凄く面倒だったが。

名前をつけるならウォーリアーD(Driveかドットフェイサーの頭文字)

 

ウォーリアーのシルエットを一切崩さず高機動化、重装甲化した、代償にウォーリアーの踵にあたるパーツが無くなり、そこにタイヤが付いた。フィールドにあわせてタイヤコーカーン(CVクリス・ペプラー)して大体の地形に対応できる。

 

そしてもうひとつ、インスピレーションが沸いたからなんとなく作ってたらなぜか出来てしまった自分の意識をLBXに送り直接操作するFull Link Systemだ。ネーミングセンスは無いからそのまんまである

フルリンクシステムの開発経緯は

 

═いつかの病室═════

俺は退院しても週一から二でルナのお見舞い兼LBXバトルをしていた。体調的に毎回出来るわけではないが

そしてこんな会話があった

 

「ねえ、外ってどんななの?」

 

「外?突然どしたの?」

 

「いいから教えてよ」

 

「うーん、俺が知るかぎりではいい所、かな?いつまでたっても学ぶことが絶えない」

 

「そっかー、私も外を自由に動き回りたいなー」

 

「その病弱体質もいつか治るよ。きっと(海道ぶっとばしてオプティマ認可させてやるよ)」

 

スルガ自身は気付いていないがルナに対して恋心を抱いていた。それ故にルナを守りたいと考えていたのだ

 

「私もLBXみたいに動き回れたらなぁ」

 

「LBXみたいに・・・ね」

 

LBXを自分の体にしてるやつは居たな、ミゼルとか。ちょっと違う気もするけどセレディとか

しかしLBXみたいに動きまわる・・・LBCS・・・精神同調・・・なんか、やれる気がする(某魔王感)

 

本人に自覚は一切無いが彼は天才で役に立つが、天災で厄が立つのだ。つまり何をするかわからないし、元の祖父がイギリス人だった為紅茶をキメるのも習慣になっているので英国面にも堕ちている。退院して一人暮らしを始めてからそれが加速した

簡潔に言ってしまえばルナへの気持ちが暴走した。以上

 

さあ、実験を始めよう

そして一月後、そのシステムが完成したのだ。何回も試験を重ね、自分自身の戦闘力を上げるために体を鍛え 安全装置も厳重にセット。アンリミテッドだろうが安全性はなんとか保った。因みにまだルナには秘密にしてある

 

═キタジマ模型店═════

今俺はアミのクノイチと対峙している。そして本体は今意識をLBXに移してしまいぶっ倒れてる

 

クノイチは操作者が唖然としているため動いていない

 

そこに正面から挑み、レイピアで突く

咄嗟の反応でクノイチは回避した。距離を取られた為タイヤで走りながらコマンドハンドガンで追撃する

クノイチもかなりのスピードだがジオラマは障害物の少ない草原だ。平気でクノイチの速度に追い付ける

 

「ちょっと、まだ何が起こってるか分からないんだけど」

 

そしてアミのCCMに一言だけ『本気で来い』と送信した

 

「あーもうわかったわよ!」

 

クノイチが踵を返してこちらに切りかかってくる。

ウォーリアーDは速度と装甲が上がっているだけで他は大規模に改造していない。

それにフルリンクシステム使用中は全ての動作が自分に委ねられる。つまり自分で体を制御できないと負ける 

 

コダチの一撃をレイピアで反らしその勢いで攻撃を試みるがもう一本のコダチで対処さた。やっぱりレイピアは扱いづらいな。今度は別の片手剣にするか

アミに接近戦はちとリスクもあるから機動力で封殺するか

 

再度足のタイヤをブン回し撹乱を開始、ジオラマの上を常に滑るよう移動し続けクノイチに銃撃を加え続ける

狙い通りクノイチは思うように接近できない様子。こちとらクノイチを越えそうな機動力お化け(ルナのジョーカーカスタムしたのは里奈さん)と戦って来たんじゃ

 

「うっ、ここからどうすれば」

 

ウォーリアーの集音マイクでアミが何て言ってるかたまに聞こえてくる。

今の所不規則な機動をし続けながら銃撃を続けている。そろそろ決めるか。何故か習得したwarsの必殺ファンクション

 

アタックファンクション 

ボルトクロス

 

倒れている本体からCCMが鳴った

俺は一気にクノイチに近付き近距離から雷光弾を叩き込んだ。あれ?回避しないのか

 

そのままボルトクロスはクノイチに命中した。

 

クノイチ ブレイクオーバー

 

「ふう、いやぁそろそろ大丈夫かな?」

 

「ちょっと、今のなんなのよ!」

 

「いきなり倒れたから心配したぞ」

 

「スルガ、今のは?」

 

「fullLinkSystemって名前で自分の意識をLBXに送り込むんだ。俺も細かい仕組みは良く分からんけどLBXが自分の体になる。これ使えばLBX操作範囲バッテリーが続くかぎり∞だ」

 

「スゲー!そんなの作れたんだ!俺にも出来る?」

 

「さあ?自分以外で試したこと無いし知らん。でも設計上はできるぞ」

 

動かせるとは言っていないがな。

 

「あー、でも無理だ。自分のCCMの魔改造が必須だった。これ」

 

「なあスルガ、これなんのために作ったんだ?目的も無しに作るようなシステムでもないだろ、これ」

 

「ああ、これ本来LBXバトルに作ったシステムじゃ無いからな」

 

「バトルのために作ったんじゃないの?」

 

「言っとくけどこれさ、今設定で何ともないけど、初期型はLBXの関節が壊れて取れるとと腕が千切れたのと同じ痛みが襲ってくんだぞ?」

 

「襲ってくるって、スルガ、まさかお前このシステムここ以外で使ったのか!」

 

店長が凄く驚いてる。なんで?

 

「それの事が知れ渡って悪用されたりしたらお前が危険な目に会いかねないぞ」

 

「そうだよスルガ。だからあんまり見せびらかさない方がいいよ。それ」

 

北島夫妻からのありがたいご忠告だがこれくらい無いと正直イノベーターやら相手にできる気がしない

 

「店長、見せびらかすつもりは元々無い。なんならこれ病床から動けない人が外に行くために作ったシステムだから」

 

「そんな目的でつくったのか」

 

「お前にしちゃあマトモな理由だな」

 

「実際ろくでもない目的で作ったガラクタばっかりじゃない」

 

「おまえはぁ、あれらのぉ、価値も分からんのかぁ」

 

「なんだったか、六本のチェーンソーを一体化させてなんたらこうたらとか、もはや武器かどうかすら怪しいほぼ鉄の柱だったり、撃った反動でLBXの腕が吹き飛んだり、ろくなの作ってねえじゃねえか」

 

「よし分かった。俺の発明品の力見せてやろう。明日の放課後!バトルするぞ」

 

「やってやろうじゃねえか!」

 

あの野郎、最初はウォーリアー同士仲が良かったがぶっ飛ばしてやる

 




まあ、スルガが他になにを作っているのか、勘のいい人ならお気づきでしょう。しかしロボット本体は多分出てこない


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物語は動き出す

絶対零度の闘志はオーディーンと似たようなタイミングに出てきます

ウォーリアーD「もっと働くぞ~、バリバリ~」


═放課後、北島模型店═════

「あーあ、ぶっ壊れちゃった」

 

ウォーリアー相手に俺の発明品を使ったのだが負荷に武装が耐えられず木っ端みじんになってしまった

まあカズのウォーリアーをワンパンしたので大満足だ。ブースターで勢いつけた柱で胴体殴ったら四肢と頭がキレイに別れたけど 

 

「うわぁ威力がステキ(光悦)」

 

「俺から一つ言わせて貰う。それは間違いなくストリートレギュレーションで使って良いものじゃあない」

 

「でしょうね」

 

店長から言い切られてしまった。LBXのバッテリーを一回の発動で空にした挙げ句CCMから凄いエラーメッセージ出てたもんな。大会じゃアングラ以外で使えんわ。今更新造する気も無いけど

 

「うわぁ、これ治るかな」

 

「幸い、と言えば良いか俺の見立てでは関節パーツの交換で治りそうだ。明日までには直しといてやる」

 

「マジで?サンキュー店長」

 

「店長、後で請求回してくんろ。一応壊したの俺だし」

 

とりあえずその了承を取り付けた。金なら割とあるんだわ。(発明品の特許でいろいろ)それにランバトで練習がてら結構稼いでんのよ

 

「あと見せたい物があるんだ」

 

「見せたい物?なになに?」

 

この時点で店長が見せたい物ね。ってことはアキレスのアーマーフレームだな

 

「アキレスって言うんだ。カッコいいじゃない」 

 

「白ベースの騎士型か、ウォーリアーに似てるな」

 

「店長、これどうしたの?Lマガに載ってなかったけど」

 

「ああ、問屋が新製品だって言って回してきたんだが何処にも情報が載ってなくてな」

 

「ほーん」

 

今日の夕方かな?里奈さんの手助けに行きますか。とりあえず家の白衣とフード付きの服取りに行こ。後適当なケースに銀スプレー吹いてくか

 

「スゲー、つまり一点物?ほしいー」

 

「バン、どうせお前のお財布事情じゃ買えねえだろうし、それに親がLBXやること許してくれねえんだろ?」

 

「うっ」

 

「スルガ、これどうだ?」

 

えぇ、俺に話振るの?流石に要らんなぁ。今はウォーリアーDで十分だし、俺コアスケルトンも弄ったから入るかわかんね

流石にアキレスをバンが使う前に魔改造するわけにゃいかない

 

「そうか」

 

「ってもうこんな時間、もう帰らなきゃ」

 

「げ、俺もだ」

 

「そなの?じゃ俺も帰ろ」

 

═河川敷══════

急ぎで自転車を漕ぎ家に帰ってイノベーターのエージェント共を引っ掻き回す準備をし、河川敷の橋の下で潜伏しているnow

 

そしたら遠目に白顔のスーツが見えた。里奈さんがここら辺にいる証拠だろう。バンが河川敷通るのも一応裏付け済み

 

「・・・・・・来た」

 

通路の上で里奈さんの声がした。原作通り焦っているようだ。そして直ぐにこちらに来た

 

「やあ里奈さん」

 

「スルガ君!?」

 

おお、めっちゃ驚いてる。いいぞぉ~これ

 

「スルガ、この人と知り合いなの?」

 

「まあな。里奈さん、そんなに急いでどうしたんだい」

 

「これは一体?」

 

「そうね、あなた達にこれを託すわ。絶対に誰にも渡しちゃだめ。この中には希望と絶望の両方が入ってる」 

 

「・・・あ、そゆ事ね。さっきから追われてるのじゃあ里奈さんだったのか」

 

自転車は点検済み!銀スプレーも定着してる。さあ、後は派手に走り出すだけ

 

「んじゃバン、そのケース頼んだ。里奈さん、俺なにも知らない振りして追っ手引っ掻き回すわ」

 

「待ちなさい。危ないわ」

 

「へーきへーき、んじゃ。後ルナが会いたがってましたよっと」

 

わざとチリンと鳴らし全速力で走り去る。予想通り近くに居た二人組がうまい具合に食い付いた

 

「あ!居たっす!」

 

「待ちなさい!フードを被ってもバレバレですよ」 

 

たかが中学生に騙されてんだよなぁ。出来れば真野さんも釣りたいな   

 

─ピッポーッピッポーッ─────

 

真野さんと禿の赤眼鏡を二人追加で釣りつつ五分程度逃走したら交番に着いたのでフードを脱ぎつつ急ぎで駆け込む

 

「お巡りさん!さっきから白い仮面を付けた黒スーツの三人組が追っかけて来てるんです!」

 

都合の良いことに五人ほど警官が居た

 

「さー、追い詰めたっすよ」

 

「バカッ、そこは交番だよ!」

 

真野さんが止めるも時既にお寿司

警官からまず見えたのは真壁だった。追跡に手一杯で交番と気付かずもろに姿を晒してしまったからだ。そしてその格好はお分かりの通り怪しさの塊

 

「すみません、少しお話良いでしょうか?」

 

プロの連携というのだろうか?一人が少し圧をかけながら残りの人が退路を塞ぎ易くなるであろう位置に立つ

 

「え、えーと、ッ!?」

 

フードをとって白衣を脱いだ俺にやっと気が付いたらしい。そして交番に煙幕が投げ込まれる

 

「ウゴッホ、ゴホッ」

 

やばい、煙たい。と、持っていた銀スプレーを吹いただけのプラスチックケースが手から無理矢理離れた

煙幕が晴れるとそこには真壁の姿は無く、捜索していたであろう他のエージェントも消えていた

 

「君、大丈夫かい?」

 

「はい、でもなんで俺を・・・」

 

まあ自分で釣り上げた獲物達なんですけどね。流石にイノベーターの魔の手は警察組織の末端まで延びてなかったらしい

 

「今度危険な目にあったら直ぐに110してくれ。直ぐに駆けつけよう。それよりもさっきケースを持っていなかったかい?」

 

「あぁ、あれ中身ゴミしか入って無いですしケース自体も壊れかけの産廃なんで特に何かあるわけでもないですよ」

 

一応重さを誤魔化す為にLBX用のスタングレネード、スモークグレネードをありったけ入れておいた。嫌がらせには丁度いいだろう。

 

彼はそうして自転車で風を切りつつ帰路に着く。日はすっかり沈み住宅街を静寂の夜の中、一人 

その静寂を引き裂くように窓ガラスが割れる音がした

 

ん?奴らもうAX-00の在りか嗅ぎ付けやがったか。ちゃっちゃと殲滅しちゃいますか

 

公園に自転車を止め鍵の開いている玄関から侵入する。既におっ始めてるようだ。銃撃音や爆発音が聞こえる

 

「バン!大丈夫か!」

 

「スルガ?無事だったのか」

 

「あんなのに捕まる程落ちぶれちゃいねえよ。それよりもアレら、さっさと倒しちまうぞ?いいな?」

 

「俺も行く!」

 

「へっ?お前そのLBXは?」

 

AX-00ですね分かります。しかしこの数相手に押されてないとかマ?

 

「話は後だ!」

 

「ウォーリアーD!」

 

無印デクーが三機とデクーカスタム軽装型二機、デクーカスタムC(砲戦型)の合計六機の集団がバンの家を荒らしていた

 

═ちょっと外═

「あ!リーダー、あいつっすよ。さっき俺達を振り回してたガキ」

 

「そうなのかい?じゃあお礼参りと行こうじゃないか」

 

 

map バンの家のリビング アンリミテッドレギュレーション

バトルスタート

 

「バン、なんか浮いてるのと灰色のはこっちで貰うぞ」

 

「分かった!」

 

ウォーリアーDが高速で動き回る。デクーカスタム軽装型の武装は両方フルメタルナックルでそんなに怖くないがデクーカスタムC(砲戦型)の砲撃は食らうと大ダメージを食らう

 

うん、タイヤで機動戦だな。向こうの機体はこっちの速度には付いてこられるわけ無い

 

ギュルルルル ズダンズダンズダンズダン 

タイヤを全力回転させひとまず軽装型に向けて射撃を集中する。LBXの謎機能で弾の心配はいらない。砲戦型からの砲撃も飛んでくるが急な進路変更や机の足を盾にすることで対処する

 

そして弾丸をもろに受け続けた軽装型の一機の左腕がポロリと取れた。そこにグレネードMを起き去る。

もう一機は近くに居たせいで視界が一瞬無くなった。

そしてその一瞬が命取り、いつの間にか自分の間合いに接近していたウォーリアーD

バルキリーレイピアに持ち変えていたウォーリアーDが自分の速度と合わせた突きを放つ

突きはキレイにデクーシリーズの特徴的なヘッドパーツのど真ん中に突き刺さった。そして爆発に巻き込まれないよう大きくバックジャンプ。爆発を見届ける暇も無く次の砲戦型へ目標を付ける

 

「バン、そっちは大丈夫か?」

 

「あぁ、後一機だ」

 

「こっちもだ」

 

走りながら連射するが装甲が厚くコマンドハンドガン程度でダメージ通ってねえな。ってもあれに接近戦もなぁHP制って偉大やったんやなぁ

 

「うーん、接近して決めますか」

 

アタックファンクション

#9

 

8発の特殊弾をアクロバティックな動きで手、足の関節に撃ち込み、最後の9発目を頭に撃ち込む

この攻撃に耐えられず砲戦型は撃破された

 

「ふぅ、こっち終わったぞ」

 

「これで終わりだぁ!」

 

残り一体のデクーを鋼鉄棍で貫き、撃破した。それ殴り殺す系の武器だよね?

 

「勝った~!」

 

「しかし、奴ら何なんだ?チンピラの気まぐれにしちゃぁ変だな」

 

「・・・うわっ、こんなに散らかってる」

 

部屋は原作より酷い事になっていた(スルガが動き回りながら弾ばら蒔いたのが被害拡大の原因)

 

「母さんが帰ってくる前に片付けなきゃ」

 

知っていたとは言えこれは酷い。お手伝いするか

 

「ただいまー」

 

「「あ」」

 

「母さん、この惨状には訳が・・・」

 

バンの母さんは机の上のAX-00を見て表情が少し変わった

 

「バン、しっかり片付けておきなさいよ」

 

「・・・とりあえず片付けるか。バン、箒と塵取り何処にある?」

 

「今持ってくるから少し待ってて」

 

この後めちゃくちゃ掃除した

 




必殺ファンクションの時だけ色変えてるけど、見にくかったりする?


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スラムでD Slumming stage

うーん、書きたいけど思うように書けないジレンマ


═早朝、キタジマ模型店════

「ふぁー、おはようございまーす」

 

「ん?おはよースルガ」

 

「あれ?紗季さん一人?」

 

「旦那なら今ご飯食べてるよ。消耗品の買い足し?」

 

「うん、スタングレネードとスモークグレネードの買い足しに来た。昨日イタズラに何百個単位で使っちゃってさ」

 

「そんな大量にどうやって使ったのさ」

 

「いやぁ、昨日ひったくりが居たらしくてさ、それにわざと盗ませた感じ」

 

「何やってんの、あんたそのイタズラに対する行動力他のところに向けなよ」

 

「それだけはお断り。で?今在庫ある?」

 

「つい一週間前にこの店の在庫空にした奴が居るから無いよ」

 

「あー、そういえば買ったな。また入荷したら教えて」

 

「あいよ」

 

「後レイピアじゃない剣が欲しくて」

 

「ふーん、どんな?」

 

「斬属性の長めの剣」

 

「なら良いのが入ってるよ、霊刀クサナギだってさ」

 

クサナギか、確かにこれなら扱いやすいだろう。決めた。これ買おう

 

「えっと値段は?え?こんなにするの!?」

 

入荷の時に値段見なかったの?まあ多分出せる金額だと思うけど

 

「万は越えないけど結構するよ?」

 

「良いものには糸目はつけん」

 

さっさと支払ってしまう。本来今日キタジマに来たのはそろそろアキレスを偽造マネーで買う人が来るからだ

 

「邪魔するぜ」

 

入って来たのは予想どうり郷田君達だった

 

「邪魔すんねやったら帰って~」

 

「「「「あいよー」」」」

 

やはりこういうネタが通じる人達だな。嬉しい

 

「って何でだい!」

 

「あのぉ、後ろの三人ほんとに帰っちゃったよ?」

 

紗季さんがちょっと言いにくそうに言った。マジだ。リコの姉さんしか居ねえ

 

「ちょっとリーダー!?」

 

「いやぁ、通じてよかった。どうしたんですか?ハンゾウさん」

 

「お?スルガも居たのか」

 

「へえ知り合いなの?」

 

説明してやろう(謎の上から目線)

郷田ハンゾウと私河白スルガはフルリンクシステム関連でお世話になっているのだ。主にLBXでの師範的存在の一人であり、己も磨くと言うことで体を鍛える時のトレーナーでもある。おかげで生身の喧嘩も強くなったよ

 

「色々あったんです。でも珍しいですね。ハンゾウさんがここに来るなんて」

 

「新しいLBXが入ったって聞いてな」

 

「新しいLBX?あぁアキレスの事ですか?」

 

「おう」

 

「あ、そうなの?今出してくるね」

 

「・・・ハンゾウさん、少々変な事をお聞きしますが、手持ちあるんですか?まさかとは思いますが」

 

小声で釘を刺す

 

「・・・当たり前だろ」

 

よし、これで通貨偽造は起こらないだろう

 

「はい、出してきたよ。これだね?」

 

「あぁ、間違いねえ」

 

と、郷田さんは偽物のカードで無く、クレジットで支払いを済ませたのだった

 

「でも何でハンゾウさんがナイトフレームをご所望で?ブロウラーからの乗り換えですかい?」

 

「違えよ」

 

「なおさら何で?コレクターじゃ無かったと思うんですけど」

 

「頼まれたんだよ。ある人にな」

 

「ハンゾウさんにお使い頼めるって何者・・・」

 

はいはいラスボスラスボス

 

「んじゃな」

 

「はい、紗季さん、俺もそろそろ学校いきますわ」

 

═放課後、病院══════

今頃バンがアキレスの事で右往左往している頃だろう。さっき電話が掛かってきたがゲーセンのミカが居場所知ってると垂れ込んどいた。

まあ大丈夫だろう。最悪リュウのブルドとカズのウォーリアーが壊れるだけだから(屑)

 

それはそうと本日は医者の監視の元フルリンクシステムの起動を行う事になった。そうだ、怒られるの承知でここからスラム行くか

 

「んじゃ、行きまーす」

 

「おう、行ってこい」

 

「フルリンクシステム起動!」

 

そして視界が暗転し、体が行った浮く。そして気が付けば自分の体が見えていた 

 

「えーっと、試験メニューはスラム走り込み?」

 

その言葉と共にタイヤをブン回し窓から飛び出す。後は全速でスラムを目指す

 

「あ、待って!・・・行っちゃった」

 

「あいつマジか。まあこの画面でモニターできるし、見てようか」

 

 

リコの姉御達との戦闘には間に合わない。でもハンゾウさんとの戦闘には間に合うはず

 

═ミソラ二中、スラム════

とりあえず入口に着いた。扉の隙間から入り込む。そして最初に立ちはだかるのは大きく膨らんだ右カーブだがなんなくクリア。次は階段の横の坂になる部分を上り直ぐの右直角コーナー、少し膨らんだコース取りだが特に問題は無い

その後も順調に郷田三人衆と戦った所を走り抜ける。また階段からの左直角コーナーで今度は片手を地面につけ回る

そして長い階段を一気に駆け上がり右カーブを制したら例の扉が見えてきた

 

もうちょいDっぽく楽しめるかと思った。

 

そして隙間を探り当てた。そして入るとカズのウォーリアーが破壊される寸前だった。急げ急げ

 

「砕けちれェェェェ!」

 

「ウォーリアー!」

 

破我刃がカズのウォーリアーを砕く直前に救出する

そして青く光り行動不能になった

 

「このウォーリアーは!」

 

「スルガ!?」

 

ふう、間に合った。さあ、戦闘開始だ!

 

map 古代遺跡 アンリミテッドレギュレーション

バトルスタート

 

 



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地獄の破壊神VS主人公+爆弾魔

諸君、私は爆弾が好きだ
諸君、私は爆弾が好きだ
諸君、私は爆弾が大好きだ


取り敢えず一言、すげえ怖え

下手すればこのまま意識だけがなくなる可能性もあるのだ。クサナギもってきたけど射撃戦だな

 

とりあえず射撃掩護するんでヨロ、と。これで何するか分かるだろう。主人公だし

 

「済まねえバン、しくじった」

 

「バン、来るわよ!」

 

「"射撃掩護するんでヨロ"?よし、分かった」

 

お、バンもスイッチが入り直ったみたいだ

ハカイオーは破岩刃を連続で振り下ろすことでアキレスに攻撃、アキレスは回避と盾を利用し攻撃を最小限に留めている

俺も走行開始、側面からコマンドハンドガンとグレネードを投げまくることで嫌がらせ。銃撃は装甲で無力化されてる気がするのは気のせいだろう

そして郷田の意識がバンと俺にに向ききったであろうタイミングでアミが後ろから奇襲をかける直前でクノイチに破岩刃を叩きつけた。

 

わー機体軽いとあそこまで飛ぶのか。って凄い強さで柱叩きつけられたし、あれ足関節逝ったな

 

「クノイチ!」

 

案の定関節がイカれた模様

しかし決め手に欠けるな。前線出る?

俺の近接の手の内はほとんど郷田さんに知られてるし

ここはクサナギを信じますか。怖えけど

 

アキレスが攻撃回避で下がった瞬間にクサナギを持って突っ込む。狙いはほぼむき出しの関節部を切断にかかる

初撃で運良く右の肩関節にヒット

切断したかったがなんか関節がバチバチしてる。結構ダメージ入ったな。今度は足だ~

至近距離から最後のグレネードLを投げつける。距離は完全に自爆特攻

 

天皇陛下万歳!痛っっってええ。アンリミテッドだと痛みカットされねえの!?こりゃ我王砲食らったら・・・死ぬな(諦め)

 

再び距離を取り前線をアキレスに譲る(痛いのやだから押し付ける)

突然の事でバンが対応できず、少しごたついてしまった

 

「消し飛べェ!」 

 

アタックファンクション

我王砲

 

その隙にハカイオーが我王砲を発射

 

当たったら死ぬぞ(痛みで)ヤバい!ヤバい!

後ろから我王砲の極太ビーム(激痛の元)が迫ってくる

やばぃ!死ぬぅ!痛いのは嫌だぁ! 

 

死に物狂いでビームを遺跡の段差で回避、我王砲を撃った後の硬直時間を利用し、また右肩関節を切断試みる。

 

よし、必殺ファンクション

 

アタックファンクション

ブリッツフレイム

 

炎を纏った剣をX字に切りつける。が破岩刃で受け止められる。しかし武器は壊れる様子が無いが関節に負荷がかかったようで右肩が完全にイカれた。しかもさっきから爆弾を投げまくってたお陰で各部にダメージがたまり、滅茶苦茶鈍くなっている。やったぜ

さてメッセメッセ

 

「"決めろ"?」

 

「そうか!バン、ファイナルブレイクを狙え!」

 

「そうね、ファイナルブレイクすれば通常より多くのダメージを与えられるわ」

 

「分かった!必殺ファンクション」

 

アタックファンクション

ライトニングランス

 

アトラスランス回転する事で緩やかな螺旋の三本の青い光を纏う。

アキレスがその槍で必殺の突きを放つ

 

ダメージを受けきれなかったハカイオーは吹き飛ばされ爆発した

 

「やったー!勝ったぞー!」

 

「やったわね、バン」

 

「でもカズ、ウォーリアーが」

 

「首をつっこんだのは俺だ。それにこの損傷なら直せるかもしれねえしな」

 

あとで俺がウォーリアーの診断しますか

 

「約束通りそのアーマーフレームはお前のもんだ。お前ら、レックスに頭下げに行くぞ」

 

ハンゾウさんがどっか行った

さて、俺も帰りますか

 

═病院═════

バレないように自分が寝ている部屋に侵入し、フルリンクシステムを解除した

 

「ウクゥー!ハァー。試験結果はどうでした?」

 

「・・・さて、色々言いたいことがある」

 

─小一時間後─

滅茶苦茶怒られた。しかし体の健康状態等は良好だったらしい

アンリミテッドで戦わない限り大丈夫だろう。自分はどうでも良いがルナが使う分のシステムだけはダメージカット実装しなきゃ

 

「さて、結論から言わせて貰うと短時間の起動なら問題はない。だが長時間の稼働だと体が持たない」

 

「まあ、他の誰かの目がある前提で作ったシステムなんでそこは問題無いと思うんすけど」

 

「まあ確かに病院に体を置いておいて誰かがLBXに付き添えば問題も無いか」

 

「あとオルテガとかブルドみたいな奴らは上手く動かせませんでした。多分人形を逸脱したら動かすのが面倒になりそうです」

 

「使うなら安定性のあるナイト、ブロウラーって訳か」

 

「慣れればストライダーで高速機動もできそう。ルナ、使いたい?」

 

調べた結果だがブルドは下半身をまともに動かせなかった

オルテガは最初足関節二つの内一つしか制御できずワイルドフレームの特徴が死んだ

クノイチで試したがLBXはジャイロセンサーで傾きを感知し姿勢制御を行っている。

しかしフルリンクシステム起動中は自動制御が機能せず慣れるのにかなり時間がかかった

 

「うん!でも戦闘は嫌かな」

 

「だろうな。俺も今は慣れたけどすげえ恐かったもん」

 

「直ぐに使おうと思えば使えるのかい?」

 

「結論言えば使えるはず。ルナのCCMを改造さえすれば俺のウォーリアーDで行ける。材料あればルナ専用のシステム一式組んでも良いかもな」

 

「ねえスルガ」

 

「なに?」

 

「学校って、行けるかな?」

 

「学校?てっきり遊園地とか海とかその辺言うのかと」

 

「色んな人と会ってみたいんだ。沢山お話したいし」

 

「会話ならLBXの周音マイクと・・・CCM噛ませればできるかな」

 

「ふむ、学校か、君は確かミソラ二中だったかい?」

 

「そだよ」

 

「・・・試験場には最適かもね。君の知り合いはこのシステムの事を知っているのかい?」

 

「教えた奴は知ってる。だが」

 

「あまり知られたくない。だろう?なら十分だ。少し校長に話がしたい。適当にAI実験とでも銘打てばバレ無いだろう」

 

なんかこの医者胡散臭いな。まさかとは思うがイノベーターの関係者とかねえよな?・・・カマかけてみるか

 

「そういやルナの病弱体質ってどうやったら完治するんだ?と言うかまず治るのか?」

 

「治療は可能だ。けど・・・」

 

「ドナーが見つからんのか?」

 

「まあ、そんなところさ」

 

うーん、ちょっと分からんな。この人が敵だとかなりややこしい事になる・・・せや、こういう時の人脈か

こういうのに詳しそうな人が居るしな。その人に調べて貰お

 




LIN◯
スルガ『助けてオタレッド!』

オタレッド『愛と正義のLBXバトラー!オタレッド、見参!どうされました?』

スルガ『実はねぇ、君らの師匠に調べて欲しいことがありまして』

オタレッド『師匠にですか?なんでしょう?』

スルガ『調べて欲しいお医者さんが居てね。微妙にきな臭い』
 
オタレッド『うーん、その類いの連絡ちょっと、師匠に話は通しておくので直接相談されてください』

オタクロスが招待されました

オタクロスが参加しました

オタクロス『ユジン、どうしたデヨ?』

オタレッド『スルガ氏が頼み事があるようでして、私はパトロールに行くのでこの辺で』 

スルガ『実はカクカクシカジカ』

オタクロス『ふむ、可愛い女子を守る為ならなんでもするデヨ』

オタブルー『ん?』

オタイエロー『ん?』

オタブラック『今なんでもするって』 

オタピンク『言ったわね?』

スルガ『オタレンジャーの連携スゲー』


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世界四大文明ってメソポタミア、インダス、中国とどこだっけ

リュウのブルド君、出番欲しい?

ブルド改「マジすか?」




═翌日、キタジマ模型店════

俺と店長でカズとアミのLBXの診断をしていた。スラムのイベントで壊れたのはブルドだけ。まあ、二人の損傷その分酷いけど

  

「クノイチはと、これは脚部モーターの修理と再チューニングで元のパフォーマンス発揮するな」

 

「本当?よかった~」

 

アミは胸を撫で下ろしていた。まだ撫で下ろす胸もn(ソゴブ

 

「アミ!?」

 

「なんか失礼な事考えてたでしょ?」

 

なぜ分かった?とりあえずこれ以上殴られないためにカズのウォーリアーに集中しますか

 

「うわぁ、カズのLBXこりゃ酷いな。また関節総取っ替えで済めばいいが」

 

「そっすね。見た感じコアボックスの中身が一部駄目になってる。こりゃ各部アクチュエータやコアボックス外の電子部品もイカれてる奴ありますよこれ」 

 

「それに一部のアーマーフレームが割れてコアスケルトンの外装が凹んでる。修理と言うより新造に近いかもしれん」

 

「カズ、ごめん、おれのせいで」

 

「そんなくよくよすんな、完全に壊れた訳じゃねえんだろ?直る直る」

 

「カズ君や、このコアスケルトンはっきり言って質の悪いジャクンク品レベルやぞ、間違いなく買い直した方が安い」

 

「うぐっ、そんな金ねえしなぁ」

 

「何が出来るか分からない魔改造的修理なら大分安く請け負うが」

 

「・・・参考までにどうなるかもしれないか聞いていいか?」

 

「そうだねぇ、俺がウォーリアーに改造したときの余りとかをひたすら組み立てるから・・・」

 

あー、今あるパーツって?えっと、中途半端にパーツ取ったブルドレッグと、肩の車輪欲しさに買った究極ブルドの右腕二個と、フルリンクシステムの為の犠牲になった哀れなパーツ郡、数々の発明品()キラードロイドもビックリな兵器が出来上がりかねないな

 

「間違いなく原型は留めない。色々なパーツから構成されるキメラになることは覚悟して。まあ、最悪ゾイドになるだけやから」

 

興と狂が乗って未知のキラードロイドが出来上がるかも知れんがな

 

「お前には絶対預けない。絶対にだ」

 

「えー、世界初の四脚駆動とかやりたかったのに~、猫科動物の脚部再現して動き回るぜぇ?」

 

「それLBXじゃねえだろ」

 

「大丈夫だぁ。四輪が大丈夫なら四脚も許される(暴論)」

 

「それちゃんと人形になるの?」

 

紗季さんからの指摘そこに抜かりはない

 

「ケンタウルスにする。そしたら問題ない」

 

「問題しかねえよ!」

 

「ちぇー」

 

「しかし直すにしても時間がかかる。一日二日じゃ直らんぞ」

 

「そっか・・・分かった。とりあえず一回良く考えるよ。悪い、先帰るわ」

 

═河川敷═════

さて、エジプトに催眠術かけられたもやしが来るはずだが、っと、来た来た。今更だけどリュウも居る。リュウのブルド・・・駄目みたいですね(諦め)

 

お、始まった。ってリュウ砂地に突っ込んだし、アホだな。ブルドレッグならともかくブルド改の4輪は無茶やろ、案の定だ。機動力殺されてるし、アックスだから細かい動き出来てねえな

 

アタックファンクション

サミダレギリ

 

綺麗にきまりましたね。ブルド改は破壊された。ワロス

砂漠ジオラマの中にはブルド改のパーツが散乱している。なんかさっさとリュウ逃げたし、噛ませは噛ませなんやな 

 

そしてウォーリアーDに不整地対応のタイヤを履かせておく。砂地でも多少ましになるだろう。ルナからジョーカー借りとけば良かった

 

よし、少し待つk「そこに居るのは誰だ!」

な、なんだと!?この偽装がバレたのか!

E:強化ダンボール

 

「・・・なんだ、気のせいか?」

 

ダンボールが凄いのか催眠カズが無能なのか

 

「カズ!」

 

あ、バン来た。よーし、そろそろ出よう

 

「エジプトと勝負しろ」

 

と言ってさっきブルド改を細切れにしたエジプトを出した

 

「へぇ~、エジプトって言うんだ~。カッコいい」

 

「商品情報無かったけど、一点モノ?」

 

「そんな事はどうでもいい。勝負だ」

 

「いいぜ!やろうか」

 

「ちょっと待った、俺も混ぜて~。三つ巴しよーぜー」

 

とダンボールから出たらバンとアミが驚いている。ダンボールの中に居るのはそんなにおかしいだろうか?

 

「俺の目的はアキレスだけだ」

 

「え~?ビビってんちゃうん?」

 

「なんだと?」

 

「それにそのLBXも調べたいしね~。で?どうするのさ?やるの?やらないの?」

 

「いいだろう」

 

そしてバンがアキレス、スルガがウォーリアーD、カズがエジプトを投下した

 

map 砂漠 ストリートレギュレーション?

バトルスタート!

 




ブルド「話が違いますよ!」

主「破片として出番あったじゃんw」
──────────────
LI◯E
オタクロス『調べがついたデヨ』

スルガ『アザス。頼んでばっかで悪いですね』

オタクロス『かまわんゾイ。ホレ、情報じゃ受けとれい。観やすいように画像にしといたデヨ』

【画像】

スルガ『ありがたい』


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カズ、催眠にかけられて(エジプトが)乱暴される

アキレス(V)「オマエ⋅⋅⋅コワス」

エジプト「やめて、乱暴する気でしょう!エロ同人みたいに、エロ同人みたいに!」
 
ウォーリアーD「R-18Gなんだよなぁ、俺等にとって」


═河川敷═════

あー!思うように動けねえ。フルリンクに慣れ過ぎた!

 

しかも足元は砂地、走ろうにも走行しようにも思うように動くことが出来ない

 

「バン!中央のピラミッドに陣取るぞ。弾幕張って応戦だ」

 

「分かった」

 

アキレスはスルガのアドバイスでアサルトAR3を、ウォーリアーはコマンドハンドガンでエジプト相手に弾幕を張るが避ける、避ける、避ける

 

エジプトの野郎砂の上兎みたいに跳ね回りやがって!点が駄目なら面の攻撃だ!

 

「必殺ファンクション!」

 

アタックファンクション

メガショットシェル

 

何処からともなく巨大なショットガンの弾を取り出し、空中にぶん投げる。空中にあるショットガンの弾の信管に向け一発の弾丸をはなち起爆、大量の子弾がばら蒔かれた

 

砂漠と言うmapは上に障害物が無く、もろに子弾がふりそそいでくる

だがエジプトは弾の軌道が見えているかのように回避してみせた。キレそう

 

そしてエジプトは弾幕を突破してアキレスに斬りかった

vモードの事あるし別に止めなくていっか

クサナギに持ちかえアキレスを目の敵のように襲っているエジプトに横から『アキレスもろとも』斬りかかる

 

「バン、カズ、頑張って避けてね♪」

 

元々三つ巴、と言っておいたのだ。

 

「ちょっ、まって」

 

アタックファンクション

ブリッツフレイム

 

炎の刃が二機を襲う。アキレスは盾に当たるような位置取りから発動したがエジプトにはもろヒット。初めてまともなダメージが通った

 

なんかエジプトバチバチいってる

これはまさかVモード起動しないのでは?

 

ちょっと河川敷の上の道に目を向けるとそこには宇崎悠介、現タイニーオービット社社長が居る

めっちゃ堂々と見てるけど仕事大丈夫なのかな?

 

エジプトも足掻きはじめナイルブレードを振りかぶり、再びアキレスに突っ込む。先程に比べて動きがぎこちない。そして正面から突っ込んだ為槍でカウンターを貰った

突きの衝撃に耐えられず飛ばされるエジプト。が予想外に頑丈でまだ行動できるみたいだ

 

「クッ!これでも喰らえ!」

 

アタックファンクション

大真空斬 

 

よっし、逃げよ。余計なダメージ受けてメンテナンスの手間増やしたくない

 

黄色いエネルギーの刃が三連続でアキレスに襲い掛かる

ウォーリアーDはブースターを使い横に大ジャンプで攻撃圏外へ

 

「う、うわぁー!」

 

そして、爆発で砂が舞い上がる

 

一応ウォーリアーDに増設した赤外線センサでアキレスの存在は確認できているが?

 

砂埃が落ち着いてきた。そしてなんか金のオーラが見える

 

これはエジプトさん、アーメン

 

完全に晴れると、そこには黄金のオーラを纏い自身も黄金に輝くアキレスが立っていた。そしてバンのCCMが変形する。なんか横からにょきにょき生えてきたりディスプレイが空中投影されたりしてる

 

「なんだ!」

 

催眠状態のカズが驚いた。俺も知っていたとはいえ少し驚いたな。どうやってCCMの中にこれだけ納めたんだ?

 

「あれ?あれ!?コントロールが効かない!」

 

バンがCCMをぽちぽちしているがアキレスは反応していない。止まっていたと思ったら今まででは考えられない速度で動き出す。それは走ると言うより飛行機のようだった

そしてVモードを起動したアキレスがエジプトに殴りかかる。エジプトはあまりの速度に付いて行けてないよう

 

建物の影に隠れて┃ω・)見守る俺氏

あれ路面が好条件なウォーリアーDでギリギリ逃げれるか?

 

エジプトに対し殴り飛ばしてはその先で殴り飛ばすを繰り返すアキレス

 

「駄目だ、これ以上やったらエジプトを破壊してしまう」

 

後から何十機単位で破壊する事になるのよなぁ。イノベーター関連の施設に沢山いるし

 

「スルガ!止めてくれ!」

 

「え~、あんまり今の状態に関わりたくない」

 

あ、エジプトが死んだ

 

「うっ、」

 

催眠が強制的に切れたカズが倒れる

 

「カズ!」

 

「おーい?大丈夫か・・・駄目みたいですね」

 

「とにかく・・・どうしよう」

 

「とりあえず俺ん家運ぶか。足持って。俺手持つ」

 

後々これはカズの不の歴史になる。まだ下校中の生徒がいるうえに大きな橋の上を通ったから写真を取られてたのだ。面白かったから放置したが

 




カズ「なあ、俺の写真が出回ってるんだが」

スルガ「珍しい事もあるもんだな」 

═══════
「医者は完全に黒よりの灰だ。フルリンク関連の書類は重要事項を書いてないから大丈夫だとおもうが」


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狩人


前書きって思い付かないとき本当に思い付かんのよな



═ミソラ二中═════

「俺そんな事してたのか」 

 

結局あのあとカズを晒しつつ家に運んだ。二時間程放置してたら起きたのでさっさと家に返した。事情は話してない

 

「ねえ、エジプトだったっけ?それ何処で買ったのよ」

 

「えっと・・・良く覚えてないな。ゲーセン行った後ミソラ駅の方行った所までは覚えてるんだが」

 

「でも可笑しくなってたカズは妙にアキレスを狙ってたのよなぁ。そしてバンの家を襲撃してきたアキレスを狙う奴らとカズにエジプトを渡したの、少なくとも同一組織だろう」

 

「・・・何の話してるの?」

 

「カズの新しいLBXの話」

 

息を飲むように嘘を吐く、この詐欺師ぶりである

 

「え?カズ、次のLBXどうするのさ?」

 

「あ、そうだな、」 

 

「長い間ナイトフレームを使っていたんだし気分を変えてストライダーフレームなんてどうかしら?」

 

「うーん、」 

 

「また使い慣れたナイトフレームを使えば?」

 

「郷田さんと同じブロウラーフレーム」

 

「パンツァーフレーム使おうぜ!障害物を踏み出しながら進むのは超気持ちいいぜ!」

 

「俺の魔改造ウォーリアー」

 

「それだけは絶対にない」

 

「えー、折角図面引いてきたのにー」

 

「カズ、一応聞いてみれば?ワンチャンまともかも」

 

「えっと、まずこの間の四ky」

 

「却下」

 

「この間バンの家を襲撃してきたLBXの武器腕を着けて足を安定感出すために六輪に」

 

「却下」

 

「うーん?じゃあ足を巨大二輪にしてパンジャンドr」

 

「まて、やめろ、絶対やめろ」

 

「バン、これに期待するのが間違ってたわ」

 

「酷い!」

 

順当である

 

「こんなところでなやんでても仕方ねえや。キタジマ行って実物見に行くぞ」

 

═キタジマ模型店═════

放課後キタジマ模型店で集まった四人

昨日のカズの事を店長に話し、LBXを探しに来た

 

「もしかしたらアキレスを狙ってる奴が居るのかもね」

 

「その可能性は結構高め。じゃねえとわざわざ家を襲撃してきた意味がわからない」

 

とりあえずカズがLBXを見てる傍ら北島夫妻に相談がてら情報を整理する

うーん、考えが纏まらん今から珈琲飲みに行くかな

 

「こんにちは北島さん」

 

「檜山さん、こんにちは」

 

「マスターじゃん」

 

「いつ来てもここは賑やかですね」

 

「店長、この人だれ?」

 

スルガはレックス相手に多少面識を作っておいたのだ。まあ、週一でコーヒー飲みに行くだけだが

 

「この人は檜山さん。奥の喫茶店のマスターだ。LBXの話で気が合ってね、店を閉めた後珈琲を飲みに行くこともあるくらいだ」

 

「この人が煎れた珈琲は美味しいぞ。考え事したい時に最適だ」

 

まじで旨いんだよなぁ。元高校生の身であんまり珈琲飲まなかったけど一番旨い(語彙力)

そして苦難しているカズを見ると?

 

「LBX探してるのか?」

 

「え、あっはい」

 

「ならブルーキャッツに来い。良いもの見せてやる」 

 

═喫茶店blue cats═════ 

檜山蓮(テロリストの兄の方)に連れられホイホイブルーキャッツに来た四人、中には宇崎拓也(騙されやすい人)がハンターを用意して待っていた

そして原作通り財前総理暗殺の阻止に協力してくれと頼まれ、暗殺にはLBXが使われると伝えられた。カズには参加報酬にハンターを譲渡すると

 

「「「・・・」」」

 

「勿論命の危険が伴う。参加しなくても構わない」

 

スルガ以外の三人は黙り込んでいる。そりゃそうだろう。いきなり総理の暗殺とか言われて混乱するだろうからな。俺はどうなのかって?珈琲飲みながらのほほんとしてるよ

全く、山野博士の事だ。イノベーターへの対抗策としてバンの回りにいる俺らが使える事も計算済みなのだろう

 

「檜山さん、俺はやるよ。独り身で悲しむ人も少ないからね」

 

「俺もやる。父さんはそんなことのためにLBXを作ったんじゃない!」

 

バンの決意

 

「バンとスルガがやるなら、私がやらない訳にはいかないわね」

 

アミの決意

 

「ったく、しゃーねーな。やってやろうぜ!」 

 

カズの決意

 

「最後にもう一度聞いておく。本当にいいんだな?」

 

拓也さんが念を押した。

 

「「「「ああ/ええ/おう/ウム」」」」

 

「明日のパレードの開始時刻前までにこのポイントに来い。後は俺が忍ばせてるスパイからの情報も元に拓也がナビゲートする」

 

「一ついいっすか?」

 

「どうしたスルガ?」

 

「檜山さん・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 コーヒーに入れる砂糖変えた?」

 

めっちゃシリアスな雰囲気出しながらそんな質問したからレックスと拓也さん以外派手にづっこけた  

 

「おい、おい!」

 

カズから切れの悪いツッコミが入る

甘いな

 

「何で今その質問するのよ」

 

「あ、ああ。前までの砂糖が手に入らなくてな」

 

「そう・・・残念」

 

「さっきも言ったが今話した事は他言無用、話したら家族、友人にも危害が及ぶかもしれない事を肝に命じておいてくれ」

 

「檜山さん、珈琲おかわり」

 

「分かった、少し待ってろ」

 

「うわっ、もうこんな時間、門限過ぎそう」

 

「あ、私も」

 

「げっ、俺もだ」

 

「そう?んじゃまた明日、パレードストリートでね~」

 

そして他三人は家に帰っていった

 

「俺もやることがあるからそろそろ帰る。じゃあ頼んだぞ、河白」

 

「スルガでいいです。じゃあまた今度」

 

そして店内にはレックスと俺の二人になった。さてと、遊びましょうか。

 

「ほら、珈琲できたぞ」

 

「あんがと。しかし列強の国家元首が殺される時は狙撃されると相場でも有るのかね」

 

「さあな?あんまり夜更かしはするなよ?」

 

「分かってるって・・・それはそうとしてレックスは石森里奈って名前、知ってるはずだ」

 

「さあ?」

 

「とぼけるな。バンにアキレスのコアスケルトンを託したのは里奈さんだ。それを狙っているかの如くバンの家が襲撃されたりエジプトの一件もある。そんなタイミングでの総理大臣暗殺、関連性があると考えて然るべきだろう?」

 

「お見通しと言う訳か。俺達は拓也共々山野博士の助手をしていた」

 

「それで?この一連の事件の裏には何が動いてる?」

 

「・・・海道義光」

 

「うーん?確か財界の大物よな?」

 

「ああ、総理の暗殺は奴が糸を引いている」

 

「ふーん・・・ねえ、ちょっと頼み事があるのだけど」

 

「どうした?」

 

「イノベーター、シーカー、プラチナカプセル、エターナルサイクラー」

 

「なっ!どこでそれを!」

 

面白い程動揺してるな

同時に滅茶苦茶警戒されたけど、むしろ殺意向けられてるよな。当たり前だな

 

「里奈さんにうまく口を滑らせた」

 

「・・・・本当だな?」

 

嘘だけどね()

本当の事なんて言えねえよ。本当の事言っても信じて貰えねえだろうし

 

「逆にそこ以外情報源無いよ」

 

「そうか・・・そうか」

 

あ、すげえ困ってる。ワロス

 

「そこまで知っているのか、」

 

「うん♪情報って素晴らしいね。あ、でも俺はそのイノベーターじゃあないから安心して?」

 

「そこまで言うのなら信用するしかないか」

 

「んじゃ、珈琲飲み終わったし帰るわ」

 

「そうか、じゃあな」




シーカーボード
レックス
拓也、スルガの事なんだが

宇崎拓也
どうした?

レックス
エターナルサイクラーの事まで知っていた

宇崎拓也
冗談はよしてくれ

レックス
冗談じゃない。本当だ


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初めてにしては大仕事だなぁ


これ書くのが楽しすぎて他のやつに手が回らん


═パレードストリート═════

パレードストリートの入り口部に集まったバン、アミ、カズだが?

 

fromスルガ

道に迷ったんご。ヘルプみー 

 

「「「・・・」」」

 

肝心なところで何をやっているのだあの馬鹿野郎は

そしてバンのCCMに着信が入る

 

『揃ってるな?』

 

「すみません、スルガだけ道に迷って来ていないんです」 

 

『そうか・・・一応彼には直接向かうように指示しておく。それで暗殺者の位置だが、檜山からの情報では南ビルの三階に居るらしい。警備もある、注意して進んでくれ』

 

「分かりました。カズ、アミ、行くぞ」

 

「「おー!」」

 

═分かんない═════

嘘やん、マジで迷った

三人でも大丈夫だろうけど急が・・・あれ?あの人なんか見覚えがあるぞぉ?たしか名前は、ジャッカルとか言ったか?

 

目線の先に居たのは黒い丸サングラスを掛け、緑の小さな上着を羽織っている

早い話が暗殺用LBXアサシンを操る暗殺者だった

 

・・・どうする?あれ倒したら暗殺計画はこの時点で阻止できるか?アサシンは有人だったかな?ここでシバけば暗殺は阻止されるけど、別にいっか。プロの暗殺者とタイマン張って勝てるほど強くないし

 

「おい」

 

「はい?」

 

「お前が河白スルガか?」

 

「違いますよ?」

 

「嘘を付くな。一緒に来い、来ないなら・・・無理矢理にでも連れていく」

 

オルテガを取り出したジャッカル。面倒事には関わりたくないのだ

 

「あー、本当にちがうんですけど?」

 

そして生徒証(偽名と偽住所)を提示してみる

あ、良く見てる良く見てる。騙されてくれるかな?

 

「・・・悪いな。人違いだったようだ」

 

「いえいえ、良くあることですよ。それではこの辺で」

 

あっぶねぇ!ここで時間喰ったら増員も考えられたからな。運がよかった

さてと、北ビルを探しますか。今頃南ビルの三人衆とバトッてる頃だろう

そしてレックスから直接着信が入る

 

『スルガ、俺だ。敵LBXの場所で嘘をつかまされてた』

 

『何ですとぉ?本当の居場所は?』

 

『北ビルの何処か、と言うことしか分からん。今すぐ北ビルに向かえるのはお前だけだ』

 

バンが居るのは南ビルだろう。パレードの真っ最中に道を突っ切れと言うのは無理がある。まだカズも狙撃してないだろうし

 

『はー、マジすか』

 

迷った末に北ビルの近くに迷い込んで居たらしい。本当に偶然って怖い

 

『レックス、俺の位置分かる?』

 

『ああ、ナビゲートする。CCMにルートを表示しておいた』

 

『急いで向かいまーす』

 

さてとCCM確認・・・近ッ!! 

歩いても一分掛かるか?いや、掛からないな。

⊂二二二( ^ω^)二⊃ブーン   

 

パーン 

 

( ; ゚Д゚)ビクゥ

 

ん?銃声、ハンターかもしくは?

総理は撃たれて・・・ないな。カズがライフル破壊したんだろ。知っていたとはいえ銃声はビックリするな

 

『スルガ、今からバン君達がそちらに向かう。合流して北ビルの三階に向かってくれ』

 

『了解、拓也さん』

 

あ、バン来

 

「よお、バン」

 

「スルガ!このビルの三階に」

 

「すでにレックスから連絡受けてる。行くぞ」

 

「ああ!」

 

近くの非常階段を駆け上がり、三階に突入・・・しようとしたが鍵がかかっていた

 

「どうしよう、急がないと」

 

「心配すんなアミ、鍵かかってるなら扉諸々破壊すれば良いんだ。爆発は全てを解決するぅ!」

 

と、グレネードを蝶番の辺りにくっ付けた。そして?

 

「ちょ、スルガ!爆弾は不味いって」

 

「バン、時間が無いんだ!」 

 

ズドン!キャー ナンダナンダ 

 

扉の蝶番が壊れドアを蹴破る。派手に爆破したので当然バレた。これはもうタイムアタックだ

 

「よし!行くぞ!」

 

『おい、大丈夫か?爆発音がしたが』

 

『鍵掛かってた扉を爆破しました。今から暗殺LBXの所に突入しまする!』

 

『既に警察が動き始めている。急がないと捕まるぞ』

 

くそう、安全圏から急かしおって

 

『了解』

 

そしてアサシンがいる部屋に突入した

 

「あれが総理を狙っていたLBX」

 

「待って、予備のライフルを持ってる。まだ狙撃するきね」

 

「バン、アミ、止めるぞ。絶対に総理を死なせない。後味も悪いからな」

 

「ああ!\ええ!」

 

「いっけぇー!アキレス」

 

「行くわよ!クノイチ!」

 

「駆けろ、ウォーリアーD」

 

が、ここに居たのはアサシンだけではなかった。護衛についていたであろうデクーカスタム(監視型)がこちらを待ち構えていた。

先に襲って来たのはデクーカスタム(監視型)だ。アサシンはその間に総理を狙撃しようとしている

 

まず前方に出たのはクノイチとウォーリアーD、アキレスは遅くは無いがこの二機に比べると見劣りする

偶然ではあるが逆楔型となった。そのままデクーのライフルをクノイチは避け、ウォーリアーDはクサナギで衝撃を受け流す

そのまま二機はデクーに斬りかかる。

クノイチの攻撃は避けられ、ウォーリアーDの攻撃はライフルで防がれた。ただし銃身をひんまげたひん曲げた

そしてアミが仕掛けた方のデクーにアキレスが突きを繰り出す。小ジャンプの引き撃ちを繰り返すデクー

 

スルガの方のデクーはまともに使えなくなったライフルを鈍器として振り回している。

 

それをクサナギで受け流し、隙を伺う。そして振り下ろした所でデクーの首を切り飛ばした

 

ヒュー、流石クサナギの切れ味だ。なんともないね 

 

バンの方もとっくに

アタックファンクション

レーザーカッター

 

アキレスとクノイチは青色のレーザーを食らい吹っ飛ばされた。そこまでダメージは受けていなさそうだが

 

「お二人さん、大丈夫かい?」

 

「うぐ、少し危なかった」

 

ってアサシンこっち狙ってやがる。よーし、全力で疾走する俺を捉えられるかなぁ?

進路方向以外の方向にスモークグレネードを投げて撹乱する

真っ直ぐ進んでたらいきなり右へ左へUターン、唐突に擬似トリプルアクセルと言う、ふざけルのにも程がある

 

「バン、今のうちに決めるわよ」

 

「ああ!」

 

アキレスがウォーリアーDに夢中のアサシンに接近する。空中からアキレスは槍を突きだし突進。オマケとばかりにカズからの援護射撃でライフル破壊。わー、すっごい、これが主人公チームの力なのね

 

正直今の俺はウォーリアーDの魔改造とフルリンクシステムがあるからどうにかなってるな。オーディーン出てくるまでに次機の開発しなければな

と考え事をしてる間にアサシンは撃破されていた

 

「スルガ!スルガ!」パチーン

 

「痛ってえ!何すんだアミ」

 

「反応しなかったからしょうがないじゃない。それより逃げるわよ」

 

「あいあい」

 

しれっと紙を一枚おいていく。その紙には『ペスト隔離所』と印刷されていたのであった




本日のネタ
『ペスト隔離所』・・・キスカ島撤退作戦でググれ


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親について忘れそう。怖い


今のスルガは引っ掻き回そうと思ったら全てを引っ掻き回せる可能性がある



═ミソラ商店街、ブルーキャッツ════

「良くやってくれた。お前達は正真正銘、この国を救ったヒーローだ」

 

早速お褒めの言葉を頂いた。そして俺は早速珈琲を飲んでいる

 

「いやぁ、今更ごめんね?道に迷って。にしてもカズ、さすがだな」

 

「ああ、あの状況でライフルを破壊するとは俺の予想以上だ」

 

「カズ、レックスに誉められるとは流石じゃないの」

 

「レックス?スルガ、レックスって誰?」

 

「そこにいる人の事」

 

と、今珈琲を淹れている喫茶店のマスターを見た

 

「レックスって、あのネットで噂されてる伝説のLBXプレイヤーの事か!」

 

流石カズ、ネットサーフィンしてるだけあるわ。噂にビンビンやな

 

「そそ」

 

「それについての話はまた後でしよう。それより拓也」

 

「バン、君のお父さんの事だが、山野博士は生きている」

 

「ええ!?」 

 

「例の航空機墜落事故はとある組織によって計画されたんだ」

 

そしてここでバン、カズ、アミはイノベーター、海道義光の事を聞かされた

カットしすぎじゃないかって?細けえこたぁいいんだよ

 

「とにかくよかったわね、バン!」

 

「父さんが生きてる・・・」

 

俺の親も・・・親?

・・・・・・駄目だ。思い出せん、なんて言うんだ?記憶が混ざりあってる、最早顔すら思い出せない

だれだった?俺の親は

 

「おめでとう、バン!親父さん生きてて」

 

「うん!拓也さん、父さんはどこに居るんですか?」

 

「うっ、それは」

 

「済まない。まだそこまでは分かってないんだ」

 

やっぱり拓也さんって嘘苦手なんやな。レックスのフォローなかったら問い詰めようと思ったのに

 

「とにかく居場所が分かり次第連絡する。それまでは辛抱してくれ」

 

「分かりました」

 

アミが何かを怪しんでいる様子だ。拓也さんの隠し事に感づいたのだろう

そしてバン達は店を後にした。勿論俺は珈琲飲んでいく

 

「アミ、クノイチ忘れんなよ」

 

わざと置いていったクノイチに気付いたふりして釘をさす。ちょっと交渉したいのだ。聞かれるわけにゃいかねえのさ

 

「ええ、ありがとう」

 

ちょっと顔曇った。盗聴する気満々だったな

 

「・・・さて、拓也さん」

 

「俺も話があったところだ。率直に聞くが君はどこまで知っている」

 

「シーカーと言う組織名、イノベーターと言うテロリストがエターナルサイクラーでなんかしそう。エターナルサイクラーとか言うヤバいエネルギー生産装置がある。さっき説明受けたけどそのエターナルサイクラーの設計図らプラチナカプセルに入ってる。知ってるのはこのくらいですね」

 

「それは本当に里奈から聞いたのか?」

 

「・・・さすがに嘘は付けませんか。ある日里奈さんが持ってた日記を読んだんだ。最初は目を疑ったけど」 

 

「そうか、」

 

「ついでに人工臓器オプティマって知ってます?」

 

「知っている。彼女の妹はオプティマの技術で治す事が出来ることもな」

 

「オプティマの認可を止めているのも海道義光だ。奴は金の成る木を独占するつもりだ」

 

レックスからも教えてもらった。知ってるけど

どれもこれも現状全て海道義光って奴の仕業なんだ

おのれ海道義光ゆ"る"さ"ん"!

 

「そっか、早い話海道義光を物理or社会的にぶっ飛ばせばルナを治せるんだな。後この医者の経歴なんだけど」

 

オタクロスに調べて貰った情報を纏めた紙を渡す。その医者の経歴は状態怪しいとこばっかだった。むしろ怪しすぎて一週回って白く見えるくらいだ

 

「・・・拓也、完全に黒だ。おそらく」

 

「イノベーターが里奈の妹の監視に送り込んだんだろう」

 

「スルガ、絶対に一人で無茶はするなよ。死ぬぞ」

 

「そこは安心なされ。ルナに危険が及びかねないからやるつもりはないよ。でもどうすっかな」

 

ルナを人質にされることは容易に考えられる。というか半分人質にされている状態だ

 

「シーカーで保護、とかできない?」

 

「そこは答えかねる。シーカーの人手もギリギリでな」

 

「直ぐに里奈の妹を処分するとは思えん。暫くは大丈夫だろうが、手を打って置くに越した事はない。拓也、タイニーオービット社の息がかかった病院に移せないか?」

 

「今すぐは無理だが・・・兄さんに協力を仰げれば。と、スルガ、里奈の妹を気にかける気持ちは分かるが、とにかく休んでくれ」

 

「分かりました。ではこれで」

 

・・・・・・アミちゃん盗聴してないよな?

 

 



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信用失うのって一瞬なんやな

前回、知っている事の一部を吐き出し、ルナの安全を確保する算段が付きそうだったスルガ、
しかしそれはクノイチに盗聴されていた



═ミソラ二中════

「スルガ!ちょっと来なさい!」

 

「え、ちょっ!痛ってえ!HA☆NA☆SE」

 

遅刻しかけで登校したと思ったらアミから耳引きづられて廊下の端っこに連行されたナウ

あれ?バンとガス・・・じゃなかった。カズが居た

 

「ねえ、昨日の会話どう言うことかしら?」

 

「・・・」

 

こんの腹黒女狐盗聴してやがった!

 

わざわざ釘刺したってのによぉ!糞がよぉ!

 

「スルガ、里奈って人、俺にアキレスを渡してきた人だよね」

 

「ああ、この際だ。俺が知ってること全部吐き出してやるよ」

 

ここでこの三人の信頼と信用を失うのは凄く辛いのだ。まじでヤバい情報だけ隠して観念しよう

 

═放課後スルガの教室═════

学校が始まる直前に連行されてのでそんなに長い間は拘束されなかった

拓也さん、昨日俺が帰った後にエンジェルスターの事漏らしてねえよな?まあ原作的に漏らしてくれてないと困るんだよなぁ。参加する気無いけどアングラフラグも立たないしね 

 

「あー!エンジェルスターの・・・」

 

あ、このセリフは・・・

少しコソコソしますか

廊下から顔を出し双眼鏡で校庭の工事に来ている重機を覗いてみる

 

あー居ますね。リュウから話聞いてますね

ってことは知ってますね、エンジェルスターの事・・・あ、俺拓也さん達側sideに見られてるのね。昨日の会話が原因で懐疑の目で見られてる感じですか

 

「悲しいなぁ・・・下手に動けないのも事実なんだし」

 

と、校門から出ていくバン達を見送った

 

「さて、放っておくのも忍びないし、行きますか」

 

═ブルーキャッツ════

落ち着いた雰囲気の店には客は居なかった。珍しい事もあるもんだ

 

「いらっしゃい」

 

「やっほーレックス、少し小耳に挟んでおいてほしい話が」

 

「なんだ?ルナに関する事か?」

 

「昨日の夜の会話が盗聴されてた」

 

「なに本当か!?あいつらおかしな事はしてなかったか?」

 

予想ついてたけどこの反応、拓也さんエンジェルスターの事言っちゃったんですね

 

「・・・そいや何か唐突に学校に来てる重機を見てましたね。バンならともかくアミとカズまで」

 

「重機・・・それのメーカーは分かるか?」

 

「廊下でエンジェルスターのなんとかー!って叫んでる奴居たな」

 

「今お前だから言うが山野博士はそのエンジェルスターの地下に捕らわれているんだ。本当は計画を立てて救出する予定だったが」

 

レックスはCCMを取り出し拓也に連絡を取った

 

『拓也俺だ。不味い事になった』

 

『どうした?檜山』

 

『スルガからの情報だが、恐らくバンがカズとアミを連れてエンジェルスターに行った。今すぐ三人のLBXの反応を調べてくれ』

 

『なんだと!?分かった。直ぐに調べる・・・・・・檜山、今アキレスの反応がエンジェルスターの入り口付近で途切れた。恐らく施設に入ったんだろう。不味いぞ』

 

『分かった。今すぐ救出に向かう』

 

「・・・行くんですね?」

 

「ああ、最悪あの三人が死ぬかもしれん。急ぐぞ」

 

 




シーカーボード
スルガ『どうもシーカーの皆さん、河白スルガです。よろしくお願いします』

隊員『拓也さんから話は聞いてるよ。これからよろしく』

檜山『スルガ、ここはシーカーの連絡網の一つだ。わからない事を書き込んだら誰かが答えてくれる』

スルガ『じゃあレックスって強い酒のんだときに(自主規制)したって本当ですか?』

檜山『・・・』

隊員『・・・』

拓也『・・・』


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エンジェルスター救出劇

結局考えが甘かったスルガ君




═エンジェルスター地下 下水道════

薄暗い地下水道をレックスと進む。すでに日は落ちて居るだろう

 

「ねえレックス、これ罠じゃないよね?」

 

「確かに警備が居ないな。妙だ」

 

驚くほどに警備が居ねえ。

今のとこさっきデクーをやり過ごしたのが最初で最後の監視だったが

 

「それほどバンが派手にやってるのかもしれないな」

 

「・・・爆弾仕掛けて帰ろうかな」

 

「辞めとけ」

 

何故か妙な対抗心が沸いてきた。帰り際爆弾置いていこ(持ってるバックの中身はほぼグレネード)

明日の朝イチでキタジマでグレネード補充しよ

 

ズーン、ズーン、バチバチ!

まるで地響きの用な轟音が振動となり壁づたいに聞こえてくる。恐らくイジテウスとの戦闘が始まったのだろう

 

「レックス、明らかに音がLBXのそれじゃねーぞ」

 

「急ぐぞ!」

 

少し進み通気口をスルガが爆破した。そこからレックスと建物の中に侵入、しかし?

 

「・・・あー、レックス」

 

「やるしかないようだな!」

 

多数のデクー系列機、インビットが目の前に待ってましたと言わんばかりに整列していた

 

さてと、インビットは軽金属装甲、コマンドハンドガンじゃ抜けないな、たが関節部分なら十分破壊可能だろう

 

「Gレックス!」

「駆けろ!ウォーリアーD」

 

レックスが自分仕様に改造したサラマンダー、Gレックス

それの機動力は並みのストライダーフレームを越え打撃力は一撃でインパクトカイザーを無力化、防御力もパンツァーフレームを軽く越えるのだ。多分

そしてその辺のコンテナの影に身を隠す

 

「レックス、ちょっと任せた。フルリンクシステム起動」

 

いつもの浮遊感襲いかかり、気付くと視点が下がり目の前にはデクーが居た

手始めにクサナギで胴体を一閃する

 

 

 

さあ、素敵なパーティーしましょ?

 

 

 

いつも通りコマンドハンドガンに持ち替え走行開始

Gレックスも手頃な目標を探し襲いかかる。さすが伝説のLBXプレイヤーレックス一体一秒以内で撃破してる。化け物かよ

俺も負けじとコマンドハンドガンを乱射。そして集団の中にグレネードLを3つポイし大量のデクーを爆殺しそのまま走行、敵の集団内部に針に糸を通すように走り続けハンドガンで敵の数を減らす 

 

そしてウォーリアーDを捉えられずにスキャッターガン等の連射で同士討ちする機体ちらほら見え、あいつらやってんなと思う

 

そして立ちふさがったのはやはりインビットだった

止まったら他のデクーから袋叩きにされるので走行したままハンドガンの連射で肩部カメラの破壊を狙う。しかしすばしっこくなかなか当たらない。

 

スルガが苦労しているのに対しGレックスはその軽金属装甲を殴り通す、槍で突き通すなどでインビットを撃破している。凄い出力やなぁ

 

2人の大暴れによって敵LBXの数も減ってきた。

レックスとスルガは残りを殲滅するため必殺ファンクションを撃ち込む

 

「必殺ファンクション」

 

アタックファンクション

超プラズマバースト

 

必殺ファンクション!!

 

アタックファンクション

メガショットシェル

 

 

巨大なプラズマとデカイショットガンの弾の子弾が残りの敵LBXを襲う。インビットですら耐えきれずに爆破四散した

 

「ふぅやっぱり怖いなぁ。レックス、今の凄いのなに?」

 

フルリンクを解き体を伸ばすスルガ、既にレックスはフルリンクの事を伝えてある

 

「後からでも教えてやる、先に進むぞ」

 

「オッス」

 

進み始めたら今度は固いものに固いものが凄い勢いでぶつかった轟音がした。恐らくコンテナ落として止めを指したのだろう

 

═══════

 

急ぐと直ぐにバン達が戦っていた場所にたどり着く

 

「お前達!」

 

「檜山さん!?それにスルガまで」

 

「馬鹿かお前ら、死ぬ気か?」

 

「無茶しやがって、早くこっちに来い、逃げるぞ」

 

と、逃げる途中に追っ手のLBX、警備員にグレネードを投げつけつつ、扉を爆破したり通路を爆破していたりして追手を巻いた。追っ手の大半はスルガの爆弾に釣られてきたっぽいけど

 

ヒャッハー、汚物は爆発だ~!!




何で夏は終わりに入ってるのに気温上がるん?


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アングラビシダスの呼び声


夏休みが終わった人が大半でしょう。

湿気は4ねばいい



═地下通路════

「ここまで来れば追ってこないだろう」

 

「そだねー敵もこの通路使って追ってくることは暫く無理だからね」

 

イジテウスと戦闘した三人は息絶え絶え

だがさっき言った通り地下通路は使えない。何でかって?爆弾投げすぎてトンネルが一部崩落させたからだ。テヘッ

 

「スルガ、めちゃくちゃしすぎよ・・・」

 

「ギャハハハ、いいじゃん。面白かったからさ」

 

しっかし在庫切れたなー。またグロス単位の一気買いでキタジマのグレネードの在庫消せばいっか。それにスタグレも大分使っちまったな~

 

「檜山、待たせたな」

 

「拓也、すまん」

 

車で拓也さんが向かいに来た

そだそだ、知ってるけど何してたか聞いとこか

 

「バン、そ言えばエンジェルスターの中で何やってたのさ?滅茶苦茶デカイ音聞こえたけど」

 

「俺達、重機と戦ったんだ」

 

「重機?あー、あの後ろに見えてたデカイ奴ね」

 

「あ!拓也さん!実は」

 

「どうした?」

 

「あそこでスルガが来る前に父さんの居場所が知りたくば《アングラビシダス》で優勝しろって」

 

「アングラビシダスだと!?」

 

「ああ、俺も噂しか聞いたことなくて、ルール無用、何でもありの闇のLBX大会、2人なら何か知らないかって」

 

カズ、一応目上の人だからもう少し言葉を丁寧になさい

 

「その話は帰りながらにでもしよう」

 

「とにかく今すぐここを離れるぞ。直ぐに追っ手がくるかもしれん」

 

そして大人しく拓也さんの車に乗り込む。車種は目立たない大きめの普通車だ。いつぞやの高級車ではなかった。目立ちにくいのはいいが残念だ

 

═翌日════

さて、記憶では今日が《秒殺の皇帝》こと海道ジンが転校してくる日だろう。取り敢えずグレネード補充がてら武器とグレネード買いにいきましょ

 

対集団相手なら両手銃系の連射タイプだな。二丁拳銃で十分だと思ってたんだが見通しが甘かった

ドットフェイサーのガトリングが二つ付いたあれ作ろうかな

そして高威力の片手銃が欲しい

 

それにしても、朝ごはんが一人って今更だけど寂しいなぁ。たとえ一人でもインスタントとかには絶対しない

 

 

 

═商店街、キタジマ模型店═════

 

「おはよーございまーす」

 

「お、スルガか。おはようさん」

 

今日の朝番は北島店長だった。ではさっそく

 

「店長、S,M,L,スタングレネードの在庫使い果たしたから補充したいのと武器買いに来ましたー」

 

「なあ、お前昨日グレネードの在庫全部売ったって紗希から聞いたんだが」 

 

てことは今在庫無いんですね。まじかー

 

「あー、そういえばガロンで買った気がしますねー」

 

「それでどんな武器が欲しいんだ?」

 

「実はちょっとこれから多く一対多をする気がするので広範囲殲滅に向いた小型ガトリング砲二つが欲しいんすよ。後アングラビシダスに出るのでコマンドハンドガンじゃ火力不足気味になってきたのでもっと火力が素敵なのが欲しいっす」

 

「アングラビシダス!?また凄い大会に出るんだな」

 

店長は少し悩むと店の奥から二つの武器を出してきた

 

「こっちはマグナムキャノン、ガトリングの方はストームガトリングと言うんだ。ストームガトリングの方ら問屋からの話だと普通のガトリングより発射レートと初速が高いらしい」

 

店長が出してきたのはマグナムキャノンとストームガトリングと言うスルガは聞いたことない武器だった

普通のガトリング武器より銃身が多く、その見た目は全長を短くしたGAU-8(A-10の武装と言えば分かる人も多いのでは無いだろうか?)のようで発射機構と弾倉が分かれている

 

あれ?こんな六銃身ガトリングなんてあったか?まあいいや

 

「ほう、これら二つづつ貰っても?」

 

「毎度あり、マグナムキャノンへ分かるんだがガトリングはどうするんだ?武器腕でも作るのか?」

 

「さー、出来てからのお楽しみ。んじゃまた放課後バンが来ると思うからよろしくで」

 

 

 

═ミソラ二中════

 

「バカ、おはよー。昨日眠れたか?」

 

「スルガ、おはよう!」

 

「どーした?朝から珍しいな」

 

「スルガ実はよぉ今日転校生が来るらしいぜ」

 

「ふーん、別に驚くことか?」 

 

転校生事態はイベントではあるが珍しくは無いだろう(個人の見解)それにどこの誰が来るかも知ってるからな

 

「ノリワリーな、お前」

 

「それよりやりてーことあんだよ」

 

さっさと席についてさっき買ったストームガトリング採寸し、改造計画をたてる

 

「何だそれ?新しい武器か?」

 

「見たことないわ。何これ」

 

「あ、これ今週のLマガで新製品として出てたよ」

 

「ああ、ストームガトリングってらしい。ついでだお前ら、後でこれの試験に軽く付き合って貰うぞ」

 

「おう!」

 

キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン

 

「皆早く席に着きなさーい」

 

「せんせー!今日転校生が・・・」

 

と、回りをガン無視しつつ設計図をノートに書いていく。デジタルは何か書いた気がしないのよなぁ

でも無視しようと思ってもそろそろ?

 

その時、耳をつん裂く音が聞こえてきた。俺は窓側の席なのでふと目を移すと、何か飛んできている。さすが戦闘機早っ

 

「せ、戦闘機!?」

 

「ぶ、ぶつかるー!」

 

おー、バン達驚いてる。

うわっ!さすがに窓すれすれを飛んでいかれると怖いな

・・・てか衝撃波でよく窓割れなかったな

と、学校の窓に上手く戦闘機がホバリングしている。この戦闘機凄い性能だ

 

とまあこんな感じで、後は海道ジンが降りてきて

 

「君が、山野バンかい?」

 

と言っていた。そして

 

「河白スルガ、僕は君にも興味がある」

 

・・・・・・はい?



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タイトルって思い付かないときほんとに思い付かないわ

═ミソラ二中═════

 

「変な転校生ねー、先生や皆に質問されても特に答える事はありません。だもん」

 

「アミちゃんの事無視するなんて何様だよあいつ」 

 

※この発言は皆にスルーされました

 

「にしても海道ジンねぇ。そして海道と言う姓、果たして偶然なのか?」

 

「・・・ジンもイノベーターだって言うのか?」

 

「よく分からんが、警戒しておいても損はしないだろ」

 

「でも目先の課題はアングラビシダスだろ?」

 

「カズの言うとおり。ちょっと警戒しつつ腕を磨こうか」

 

「そうだな。皆でキタジマに行くぞ!」

 

「あ、でも今日お見舞い行くから、んじゃ俺はこの辺で」

 

さっさとルナに会いに行きますか

 

 

 

═ゲームセンター═════

 

病院に、病院に行くはずだったんだ!!

 

「あぁん?なんか文句あるか?」

 

病院行くときの駅前で仙道ニキに捕まりました。解せぬ

 

「無いなら着いてこい。良いもの見せてやるから」

 

三体同時操作でしょ?知ってる知ってる。くそうこっそり動画撮ってルナ経由で妹さんに送りつけてやる

 

「シスコン」ボソッ

 

「あ"ぁ"?」

 

「イイエナンデモナイデス」ヒエッ

 

「よう仙道、ってスルガなんでここに!」

 

「仙道ニキに連行されました!」ダッ

 

こんなところに居られっか、おれは逃げるぞオルルァ

 

しかし、まわりこまれてしまった

 

「逃げるな!」

 

「HA☆NA☆SE」

 

「分かった。これから郷田とバトルするんだ。それで郷田が勝ったら解放してやろう。だが俺が勝ったら」

 

「仙道ニキが勝ったら?」

 

「アングラビシダスに出てもう」

 

「はぁ!?」

 

待て待て、さすがにここでウォーリアーD壊されるわけにはいかんの!?資金的には作れるけど面倒くさいの!

 

「いやいやいや、なんで!?俺関係無くないですか!」

 

「心配すんなスルガ、俺が負けるわけねえだろ!」

 

負けるんだよぉ!だからこんなに必死なんだバーカ!でもワンチャン、ワンチャンあるかも知れない(淡い期待)

 

 

═══════

 

 

「俺の・・・ハカイオーが・・・」..orz

 

ですよね!知ってましたとも!ついでに録画したよ!いつの間にかルナが仙道キヨカと知り合いだったんだもん。お兄ちゃん大好きの妹にお兄ちゃんの勇姿()見せてあげなきゃね(陰湿)

 

「郷田・・・」

 

あ、バン来た。なんかバン煽ってる・・・今や!ダッ

 

「おい!」

 

「アングラの事は約束通り出ましょう、だがこれから予定があるんだ!逃げさせてもらう!」

 

ゲームセンターのドアを勢いよく開きミソラ駅に走った

 

 

═病院、ルナの病室═════

 

 

死に死にになりながら病院についたでござる

さらっとアングラビシダスの事を話した

 

「ふーん、大変だったんだね~」

 

「なかなかに大変だったよ」

 

「それはいいや、さっき言ってたアングラビシダスの練習しなきゃね!」

 

「うん!でももう少しだけ休ませて?」

 

「早く行くよー!」

 

ルナが飛び出す勢いで病室を出た

 

( ;´・ω・`)ソンナー

  

═病院、屋上═════

 

 

「さあ、早く早く!」

 

「あいあい、駆けろ!ウォーリアーD!」

 

「行けー、ジョーカー!」

 

MAP 河川都市 ストリートレギュレーション

バトルスタート

 

直ぐにスルガのウォーリアーDとルナのジョーカーが橋の上で対峙する。今日こそ勝つ!

最近ではルナとのバトルの勝率は五分五分まで成長している。LBXの腕前は今のバンとそう大差ないぞこの子

 

「いくよ!」

 

ウォーリアーDはクサナギを持ち、ジョーカーは妖精のレイピアを持つ

そして剣を打ち合う。正確に関節を狙ってくるレイピアの突き二、三回避けゲームのYボタン(□ボタン)四連撃でリズム良く攻撃した。最後Yボタン(□ボタン)+スティック前入れの攻撃で追撃、突き飛ばす 

よし、いいの入った

 

「キャア!やったわね~!」

 

「ふふん、俺も強くなってんのさ」

 

ルナからの反撃で機関銃の弾幕がウォーリアーを襲う

 

「うおっと、ヤバいヤバい」

 

とっさにタイヤを回し走行開始

平面機動力の暴力とジオラマを使って弾幕と追尾をかわし、裏取りしコマンドハンドガンで仕留めに掛かる

 

「ボルトクロス!」

アタックファンクション

ボルトクロス

 

十字の紫の雷光弾をジョーカーの真横から叩き込む

しかしジョーカーは盾を犠牲に無傷で乗りきった。そして至近距離からマシンガンを乱射する

 

「危ない危ない、今度はこっちからいくよ!」

 

ジョーカーは橋上から屋上へ、そこから壁キックで別の屋上へ、弾を吐き出しながら立体機動力でウォーリアーDに弾幕を浴びせながら移動、スルガは接近もできず、コマンドハンドガンで反撃にも転ずる事が出来ず走行して撒くことに徹する

 

「あびゃぁぁ、当たるぅ」

 

弾丸は大半は近くに当たって少し煙を上げるがちょいちょい直撃弾が出ている。運良くまだ致命傷には至っていないがいつ関節に直撃するか分かったもんじゃない 

 

ええい、一か八かだ!なるようになれ!

 

タイヤでその場で旋回、クサナギを腰の近くで抜刀の構えで持ちジョーカーに向けて全速力で突進する

ジョーカーもレイピアに持ち替え迎え撃つ構えばだ

 

「いっけー、必殺ファンクション!」

 

アタックファンクション

ドリルスラッシャー

 

ジョーカーのレイピアにエネルギーのドリルが形成され

突進するウォーリアーDを突き通さんとする

 

 

 

 

 

そして・・・最後に立っていたのはウォーリアーDだった

 

「ふぅ、あっぶねー」

 

「え?」

 

ウォーリアーDはドリルスラッシャーを超がつく程ギリギリでかわし、居合いの要領でジョーカーの腹部関節に一太刀入れたのだ

 

「あー、負けちゃった」

 

「勝った勝ったー!」

 

わーいわーい、

 

「スルガ!もっかい!もっかい!」

 

「おう!」

 

この後滅茶苦茶LBXバトルした



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アングラビシダスまでの長いかもしれない数日

就活つらいんご


═スルガ 自宅════

 

ルナのお見舞いから帰宅したのち、直ぐに作業机に向かう。作るのはドットガトリングガンのような、てかそれそのもの

キタジマで買ってきたストームガトリング二機を机に措く

 

「さーて、中身をみさせて貰いますよー」

 

ほぼ全てのパーツが外装がなく軽量化のために剥き出しで分解には手間取らない

 

「ふーん、こうなってんのか~。さてと合成開始だ」

 

取り敢えずストームガトリングのパーツを失くさないように小皿に分ける。大きく分けると銃身、発射機構、弾倉に別れた

 

さて、二つをどうやってくっ付けたものか

まず絶対必要なのは銃身だなでも重量的に銃身切り詰めなきゃいかんのよな

あとは発射機構が一番重い。銃身回転とか出来るところ一体化すっか

 

 

═くびき═════

 

 

「できたぁー」

 

見た目は弾倉が丸いドラム二つになっただけで完全にドットガトリングガンだ。カラーリングは基本塗装は銀で赤い部分だけ蒼く塗装してある

 

「さてと、試験試験♪」

 

さっそく庭にでてウォーリアーDで試験開始だ

 

「よーし、うてぇー!」

 

ブーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

元々が射撃レートが売りの武器二つを組み合わせたのとどっちかがリロード入ったらもう片方が撃つと言う機構にしたのでとにかく弾が途切れない。的にしていた鹵獲デクーは一瞬でみるも無惨な姿えと変わった

 

「おっほう♪素っ敵♪」

 

これがあれば並大抵のLBXは圧倒的弾幕で面制圧できるだろう

たとえイノベーターが大量のLBXを並べようが凪払ってくれるわ

 

「走りながら撃てるのかこれ?」

 

結構反動が大きい武器だ。停止して撃つことは簡単だがはたして

 

チッ タラー

 

走行して撃った瞬間反動制御が出来ずに暴走し、スルガの頬を掠め、出血した

 

「・・・これまでにしておこう。名前は・・・ストームツインガトリングでいっか」  

 

 

これ以上滅茶苦茶やったら死ぬ。そう思ったスルガであった。しかし懲りはしないだろう。彼のお遊び(危険物製造)はまだまだ続く

 

 

═キタジマ模型店外、ジオラマ前═════

 

「いくよスルガ!手加減無しだ!」

 

腕磨きついでに始めたランキングバトルで紗希さんと戦うでござる。それなりに頑張って俺氏現在96位、紗希さんは93位

 

「はい!紗希さん!こっちも手加減無しで行かせてもらいます!」

 

「スルガ、本当に大丈夫なんだよな?」

 

「店長、そんなに心配する必要無いですって。負ける気無いですから」

 

「ほほう、言ってくれるじゃない。ほらっ、さっさと

 

「駆けろ!ウォーリアーD!」

 

MAP 港湾都市 ストリートレギュレーション

バトルスタート

 

やっぱり緑のクノイチが薙刀片手に突っ込んできたぁ!

こっちも万歳突撃じゃぁ!

クノイチとウォーリアーDが急速にその距離を縮める

 

相手に突きだされたクサナギと薙刀・斬鉄が派手に衝突、カァン!と言う音と火花を上げた。ウォーリアーDは衝突の衝撃を姿勢制御でコントロールするがクノイチはそのままその先の建物に突っ込み、土?煙を上げる

 

「あっぶねー。するもんじゃないね。柄じゃないことはサ」

 

「もう一回だ!もう一回突っ込んでこい!」

 

「やなこった」

 

クノ真っ直ぐこちらを追ってくるクノイチとの速度勝負になる。海の方へ誘い込みクノイチの機動力を削ぐことを狙う

そして水に入る手前のタンクのクノイチの死角になる場所にサークルマインMを放って飛び込む

 

今更ながら持ち込み武器はクサナギとさっそくストームツインガトリング

や!紗希さんは性格上待ち伏せとかできないだろうし蜂の巣にしたらぁ!

 

と、水面越しに緑の影が見える。それに向かいガトリングを発射始め、水中なので銃身加熱にも気を遣うことなく連射する

 

═店長視点(観戦中)═════

 

スルガが海中に飛び込み紗希のクノイチも飛び込んだと思ったら大量の弾丸が海中から飛び出してきた。中の様子は見えない

 

═ウォーリアー視点═════

 

水中に入った事で機動性ががた落ちしたクノイチ相手に容赦の無い弾幕を浴びせかける

 

「やっぱり弾幕ってロマン、惚れる」

 

「ちいっ、面倒な事を!」

 

「さあ、俺がやられるのが先か、紗希さんがやるのが先か!二つに一つ!」

 

紗希さんクノイチは割りと頑丈だ。ハンドガンの弾直撃位でもピンピンしてるくらいには。そして俺の武器は威力がちょっと高いハンドガン程度しか無い

クノイチも戻ることは出来るが戻ったら仕掛けた地雷でタンクごとドカンだ

 

「うぉおおお!覚悟なさい!」

 

ストライダーフレーム特有の空中ブーストで一気に距離を詰めてくる

 

「貰うよ!必殺ファンクション!」

 

アタックファンクション

カゲヌイ

 

「やられるかっての。必殺ファンクション」

 

アタックファンクション

サンダーバースト

 

電気系の必殺技がぶつかり合う。しかしここは水中、巨大な電気がお互いのLBXを襲い重度のスタン状態となり仲良く一時的行動不能に陥るのであった

 

「あっやべ・・・あっぶねー」

 

クノイチもスタンしてなかったらやられるとこだったな。あぶないあぶない。後五秒程で・・・なんでもうクノイチ動いてんの?

 

「あんたが状態異常系のグレネード持ち込むと思ってたからね。対策済みだよ」

 

リペアキット持ち込んでたのか・・・これヤバくね?

 

水と言う抵抗があるので一回の攻撃はそんなに痛くないだろうが、さすがに後五秒はヤバい

 

 

 

 

 

 

 

══════ 

 

 

 

 

 

 

 

負けました。完膚なきまでに五秒で叩きのめされました。クノイチが水中で出していい攻撃速度じゃねえだろ

 

いやー、両腕切られた上に頭落とされちゃった。修理効きそうで良かったのかな

 

「ふぅ~、ひっさびさに全力だしたぁ~」

 

「うーん・・・てんちょー、ちょっと後で店の設備借りるね」

 

「分かったぞ。好きに使え」 

 

「ありがうございます」

 

ウォーリアーDの修理をしていると日が暮れていた。まあ学校と同時並行だし、そして

 

「よおぉ、スルガぁ」

 

ガチギレしてる仙道ニキに見つかったし、ちょっと、なんですか

 

「キヨカにあの動画送ったのオマエだろ?」

 

「送ってなんか無いですよ!(録画してないとh)録画したのはオマエなんだな?」はいっ!」

 

潔く認めよう。嘘ついても良いこと無いしね

 

「アングラビシダスでは覚悟しておけ(殺意)」

 

あ()オレ死んだわ



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アングラビシダスの?


次回、スルガに降りかかる自業自得とは?
   次回、ウォーリアーD死す。バトルスタンバイ




═ブルーキャッツ地下、アングラビシダス会場═══

 

さーてと、何かアングラビシダス開催されました(今更)

 

誰が優勝するかって言う賭け事が行われてた。

日本じゃこういうこと法律でダメなはずだけど、闇の大会ってこのなのか?これはやるしかない。

俺はバンの優勝に財産全てと花京院の魂を賭ける!

へっへっへっ、しかもバンまだ無名だからオッズ高えw

これで大金持ちだぜw

 

「スルガ、何やってるの?」

 

「汚いお金儲け」

 

「え?」

 

原作知識使ってるから汚いのには間違っちゃいない

 

「・・・あんたなにやってんのよ」

 

「おいおい、さすがにヤベェんじゃねえか?」

 

「大丈夫。バレん。そもそもアングラビシダス自体がそういう機関から黙認されてるようだし、こんなおおっぴらな賭け事あるってことはあくまでも自己責任って事でしょ」 

 

そんな会話をしてたら電気が消えた。真っ暗で候う

あ、スポットライトってことは。やっぱりだ。レックスの大会の前置きか・・・録画して妹さんに見せよ

 

諸君!アングラビシダスへようこそ!

 

俺はレックス! 

この大会を俺の名の下に開かれる事を光栄に思え!

 

アングラビシダスは破壊の祭典!

ルールが無いのがルールだ!

 

バトル形式はアンリミテッドレギュレーションのみ!

 

そして、今回は特別に

優勝者にはLBX世界大会

アルテミスへの特別出場枠を与えてやる!

 

最強のLBXプレイヤーを目指し

存分に腕を振るい、ぶっ壊してくれ!

 

さぁ、待ちに待ったアングラビシダスの開幕だ!

 

レックスが檜山蓮というのはスルガからのカミングアウトで知っていた三人だが知らない一面のレックスを見て困惑している。分かる。普段クールだもんね

あっやば、立ちくらみしてきた。人混み苦手なのに無理しt・・・

 

「ちょっスルガ大丈夫?」

 

バンによしかかる姿勢に成ってしまった。ヤバい、吐きそう

 

「人混み苦手、ちょっと上で休憩してくる・・・ウプッ」

 

「あ、あぁ。無理するなよ」

 

「嘔吐じゃなかった。おうよ」

 

═ブルーキャッツ═════

拓也さんからお冷貰って一服なう

 

「あ"~生き返るぅ~」

 

「気分はどうだ?」

 

「だいぶ楽になりました」

 

「今まであんな所には行ったことは無いだろう。無理はするなよ。俺は仕事があるからな。そろそろ行くよ」

 

「あいあい。お仕事頑張って下さいね」

 

「あぁ」

 

チリンチリン

 

拓也さんどっか行った。しかしここにお兄さん来てるの気付かなかったのか?

 

「河白スルガ」

 

うん?誰かと思えばジン君じゃないか。

 

「どしたん?誰にも関わろうとしない転校生が珍しいことも有るもんだ」

 

「君に聞きたいことがある」

 

「ふぅん。話って?」

 

「いや、君の一回戦の相手が君の名前を呪詛のように呟きながら、真っ黒なオーラを出していたから、少し気になっただけだ」

 

「ほーん。因みにそれ誰?」

 

「仙道ダイキだ」

 

ふーん、仙道ニキがね~。妹さんにあの動画送ったこと相当根にもって・・・うん?

 

「ごめん、さっきなんて言った?」

 

「仙道ダイキと」

 

「その前」

 

「君の名前を呪詛のように」

 

「もう少し前」

 

「君の一回戦の相手が」

 

「そうそこ。ちょっと大戦カード見せてくんない?」

 

「ああ、構わない」

 

一回戦第三試合、河白スルガ vs 仙道ダイキ

 

・・・・・・はい?マ?嘘でしょ?嘘だと言ってよ

 

 





ウォーリアーD「わて生き残れるん?生き残れると言ってよ主ィ!」

スルガ「すまん・・・すまん」


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激オコプンプン仙道ニキ(殺意の波動1000%)

.
ウォーリアーD「ダメそうですね(諦め)」
スルガ「駄目みたいですね(諦め)」



═ブルーキャッツ地下、会場═════

 

「「「「「・・・」」」」」

 

普段の雰囲気とは全く違う仙道ニキ、感じ取れるのは負の感情1000%しかない。他の観客も同じらしく何にも言わねえなぁ

歓声と野次で溢れていた先ほどとは空気が違う

何か下手な事を言うとこの仙道ニキの殺意が自分に向くように感じているのだろうか 

 

「・・・」

 

「あのぉ、仙道さん?」

 

あ、今更だけど目が見えない。黒い、めっちゃ黒い!

どんだけ怒ってんの?家で妹さんになに言われたの?

「お兄ちゃん嫌い!(CV川崎芽衣子)」って言われたの?

 

「・・・」シュッ

 

無言でタロット投げてきおっ・・・えっ?

 

そのタロットは・・・後ろのジオラマの強化ダンボールに『刺さって』いた

紙のカードで劇中最強の強化ダンボールを傷つける投擲が頬を掠めたスルガ、SANチェック(1d2/1d6)

 

あっ失敗の4減少

 

ヒエッ怖ぁい。んで飛んでったタロットは『死神』

正位置とか逆位置とか分かんないからあれだけどこれはあれか?処刑宣言か?

 

map 岩場 アンリミテッドレギュレーション

バトルスタート

 

 

 

 

 

 

═══════

 

 

 

 

 

 

 

 

 

負けましたぁ。完膚無きまでにやられましたぁ

 

ウォーリアーDはバトルスタートの合図と同時に首を狩られかけたけど、左手首より下を犠牲に避けたと思ったら後ろからもう二機きて首と胴体と足が同時にサヨナラしたでござる。しかも爆発する直前に攻撃いなされた正面のジョーカーがきりわけられたパーツを上から切りよったからな。その間0.2,3秒歯向かう術はないまさに魔術師

この機体足先以外新品買わなきゃなぁ。(;´д`)

 

「・・・ふん」

 

「仙道ニキ、ここまで怒るなんて、一体何言われたんですか」

 

「・・・ボソッ」

 

何をいわれたのか、結局スルガは仙道ニキか聞くことは無かった。しかし後からキヨカちゃんに確認したらスルガのことはあまり関係なかった。ただのとばっちりである

そして後にはスルガをぶっ飛ばし、少しだけ気分が晴れた仙道ニキがいた

 

 

═カズとアミの元へ════

 

「スルガ、LBX大丈夫か?」

 

「かなりひどいわ。これは買いかえものね」

 

「ま、そーだねー。足先にタイヤ追加したり各パーツ取り替えたりしてたけどもうこのコアスケルトンとアーマーフレームかれこれ六年以上使ってるからな。寿命だったんだろ」 

 

「確かに昔っから変わってねえが、そんなに長い間使ってたのか」

 

しかし困った。現在進行形で二機設計図製作してるけどまだ完成には程遠いのよなぁ。

しゃーねー、また新しいの買って改造すっか

 

「スルガ、ウォーリアー大丈夫?」

 

バンが戻ってきた。ウォーリアー自体は変えが効くから大丈夫。君が優勝すればたんまりマネーが入ってくるから

 

「大丈夫大丈夫、また新しいの買えばいいから」

 

「そうだ!バン、アキレスの腕なんとかしなきゃ」

 

アミが思い出して言う

 

「え?アキレスの腕もげたの?」

 

アキレスを見ると右腕がもげて、左腕も衝撃で故障したらしい

 

「うん・・・キタジマ行って直して貰うほど時間もなくて、どうしよう」

 

さーて、どっかに郷田ニキは・・・あ、こっち来てる

 

「バン、ハカイオーの腕使え」

 

郷田ニキがハカイオーの左腕のパーツをだしてくる。あれ?ここ右腕のパーツじゃなかったっけ?

 

「郷田・・・ありがとう!」

 

「おいおお、左腕だけじゃ駄目だろぉ。バン、ウォーリアーDの右腕持ってけ」

 

「え?いいの?」

 

「ああ、構わねえさ。右腕しか残ってねえし、ウォーリアーDの最後の花だ。アキレス寄越しな。腕移植するぞ」

 

カチャカチャドスッ!ドスッ!クルクルガコン!ブッピガン!

 

「ほーれ、完成」

 

アキレスC(カスタム)

左腕ハカイオー

右腕ウォーリアー

 

「サンキュー、スルガ、行ってくる!」

 

「おう、行ってこい」

 

さてと、俺はその間にアキレスの腕を修繕するとしますかね




ウォーリアーD「駄目だったねえ」 

スルガ「すまねえ、本当にすまねえ」

ウォーリアーD「良いってことよ。長い間大切にしてくれたんだから」


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米をオカズに米を食う

なんでバン達って海道の事何も調べなかったんだろうね



═バンvs仙道ニキのバトル中═════

しゃけしゃけ、バンの試合中にアキレスアーム直しまショーねー

 

BGM『3分クッキング』 

 

愛は工具箱から、河白スルガの提供で執筆いたします 

さーて、用意する材料はこちら

アキレスアームL,R

さっき壊れたウォーリアーアームR

さっき壊れたウォーリアーボディの比較的無事の関節

持ってた予備パーツ

 

まずガトーに切り落とされた右腕から行きましょー

 

まずはアーマーフレームを外し、コアスケルトンだけにします。遠慮なくひん剥いて下さいね

そして壊れた部分の診断をします。今はボディとつなぐ関節が大破してますねぇ

なのでウォーリアーの予備パーツを嵌め込みまーす。これで完成でーす

 

続いて故障した左腕の診断に取りかかりまーす

うーん、あった。衝撃で伝達ケーブルが断線してます

面倒なので手首から下が無いウォーリアーのケーブルを装備します

他に故障は・・・無さそうですね

 

「スルガ!あの時の!」

 

「んー?今忙しい・・・あ」

 

アキレスのVモードが起動している。さてさて、今シャッチョさんは何処だろなあっと、居た居た

まぁ、心配あるめえ

 

「ヤバイ、コントロールが効かない!」

 

あー、早く送ってあげて祐介さん

 

自分から動くことなく三機のジョーカーから攻撃を受け続ける黄金アキレス、とどめの言わんばかりに三機からの同時攻撃を受ける

 

 

 

 

 

 

 

かに思われたが、ジョーカーが鎌を振り下ろした所にはアキレスのアの字もなかった

 

「操作できる、これなら!」

 

バン 覚醒

祐介さんがプログラムやっと送ったんだな

 

「勝ったな。カズ、ハンターとccm貸して」

 

「え?何に使うんだ?」

 

「アキレスの両腕が修理出来てるか操作試験する」

 

「ああいいぞ。ほれ」

 

「サンキュー」

 

さーてと、こっちは点検の続きと行きましょうかね

ハンターの両腕を取ってアキレスの腕を着ける

なんか見た目が変だけど動くしいっか

 

腕の関節各部をグリングリン回し動くか検査、よし!

 

そしてハンターを元に戻す。せや、スティンガーミサイルを・・・

 

「バトル終了、勝者 山野バン」

 

とアナウンスが流れる

 

 

次は決勝戦、その相手は海道ジン

まあ心配無かろう

 

「お帰りバン。アキレスの腕直ったぞ」

 

「スルガ、ありがとう!」

 

「お安いご用よ。んで次は決勝だろ?行ってこい!」

 

「スルガ」

 

「なんだ?」

 

「結局イノベーターがおくりこんできた刺客って、誰なんだ?」

 

「刺客?ああ、そんなの居たなそいえば」

 

「スルガ、もしかして忘れてたとか言わないでしょうね」

 

「存在を忘れてた。まあ最初から目星はつけてたがな」

 

「へぇ?誰だと思うんだ?やっぱりガトーか?」

 

「カズ、あんな目立つ奴だと思うか?十中八九海道ジンだろうな。少し調べたら分かったことだが海道ジンは海道義光の養子らしい」

 

「そうなの!?」

 

「お前らさぁ、少しは自分で調べなよ」

 

ダメ元で海道義光でググってみたら出てきたよ?

あの橋の事故でジン君保護した事。めっちゃ善人みたいな事書かれてたし

 

「そうなの!?」

 

「へえ、そんな事をあったんだ」

 

「悪の組織のボスとは思えないな」

 

「多分根は悪い人じゃ無かったんだろう。イノベーターと言う組織を率いる内に・・・暗殺まで企てるようになった」

 

「なんか複雑だな」

 

「ええ」

 

「うん・・・」

 

「ま、あんまり気にすんな。殺人未遂してる時点でな。しかも俺らが直接手を下すんじゃなくて法の裁きにかけるのが目標らしいから。豚箱の中でゆっくり反省して貰いましょうや」

 

『決勝戦を行います。選手は中央に』

 

「皆、行ってくる!」

 

「おう、行ってこい」

「行ってらっしゃい、バン」

「勝ってこいよ!」

 

そしてバンは中央へ歩みを進める。

 

「ジン、お前が刺客なのか?」

 

「君が勝ったら君が欲しい情報を教えよう・・・ほんとうさ」

 

こんなにキザなキャラだったっけ?

スルガは人混みを避け、二階から見下ろしている。何故か隣には仙道ニキが

そして一階には郷田兄貴やミカ、その他色々居る

 

二人は強化ダンボールのフィールド越しに向かい合う。

そして決戦の時は来た

 

「ジ・エンペラー!」

 

「アキレス!」

 

白い騎士と黒き皇帝がフィールドに落とされる

 



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お金っていいね


やっぱ世の中金なんすよ



═bluecats地下、会場═════

 

MC『決勝戦 バトルスタート』 

 

MAP 城砦 アンリミテッドレギュレーション

バトルスタート

 

さーて、始まった始まった。そや、レックスのとこでも行くか。

 

═VIP席的な所═════

いつの間にか拓也さんも帰ってきてた。仕事早いな

 

「やっほーレックス」

 

「スルガ、見てなくて良いのか?」

 

「大丈夫だ。バンなら勝ってくるさ」

 

「スルガ、少しいいか?」

 

「はい?」

 

「お前のウォーリアーをゆずって譲ってくれないか?」

 

はい?フルリンクシステム狙いか?

それにしてもぶっ壊れてんすけど?お渡しできる状態じゃないんすけど

 

「えっと、原型留めてないですよ?」

 

「一回戦で瞬殺されてたからな。仙道ダイキとか言ったか 見事な早業だった」

 

レックスの講評、拓也さんは顔色を変えない

 

「アキレスの修理にウォーリアーDの無事な部位使ったからなぁ、渡すことは構わないのだけど」

 

「いや、足があればいい。TOの技術者にお前のウォーリアーの事を話したら興味を示してな」

 

「へぇ?そりゃどうして」

 

「ふむ、タイニーオービットでは今まで基本的に足かクイーンの用なホバリングLBXを発売してきたんだが、君のウォーリアーの足回りは機動性で今までストライダーフレームには一歩及ばなかったのを解消できる」

 

「なるほど」

 

フルリンク関連じゃないならいっか。それに拓也さんだし

 

「それにだ。その機構は改良すればナイトフレームだけじゃない。ブロウラー、ワイルドにも新たな可能性を差すことになる」

 

「立体機動はともかく、平面上ならどんなLBXにも機動力向上を期待できる。それに姿勢制御を上手くやれば絶大な力を発する。俺も是非体験してみたい」

 

「いいですよ。はい、これ」

 

ポケットに放り込んであった足首からしたのパーツを拓也さんに渡す

 

「お礼といってはなんだが、これを使ってくれ」

 

拓也さんはアタッシュケースからコアスケルトンを取り出す

 

「アキレスのAX-00の設計を元に今まで出ていたコアスケルトンを改良した試作品だ」

 

「ほう?」

 

「生憎アーマーフレームは無い。適当になにか用意してくれ。そこまで気が回らなくて済まない」

 

「いえ、ありがたいです。後その技術者殿にこれも渡してみてください」

 

ふむ、取り敢えずオーヴェインの足を自分なりに設計図に起こしたデータを転送する

 

「拓也、そろそろ決着だぞ」

 

お・・・ってあれ?エンペラー処理落ちの気配ありませんね

 

アタックファンクション

インパクトカイザー

 

アタックファンクション

ライトニングランス

 

地が割れていき溶岩がアキレスにせまる。逆にアキレスからは光の槍がエンペラーに突き進む

 

そして大爆発を起こす。フィールドには巨大な黒煙が長時間に渡り漂い続ける

 

最後に立っていたのは・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結論から言えばアキレス、エンペラー両者とも立っていた。しかしエンペラーはCPUのオーバーヒートで戦闘不能だった。つまり

 

「ジ・エンペラー、戦闘不能と見なします。勝者、山野バン!」

 

 

「さてと、閉会の挨拶に行ってくる」 

 

═閉会式中═════

 

「さーてと、幾らになるかなぁ?」

 

フッフッフッ大勝利大勝利

結構盛況の中オッズが夢のようなバンに何十万単位で賭けたからなぁ、小金持ちやでぇ

 

「フムフム・・・ウヒョョョウ↑テンションアガルゥ↗」

 

ギャンブルの換金したら今まで俺が見たこともないクレジットが表示されてるぅ↑

何百万単位で儲かりしたぁ。やったぜ

 

「なんだスルガ、気持ちわりいぞ・・・なんだこの金額!?」 

 

「おおカズ、皆呼んでくれ。打ち上げだぁ!全額俺の奢りでなぁ!」

 

「お、おう!」

 

奢りと言う言葉に釣られない奴はいない!さあ、存分に飲んで存分に喰らえ!

 

═大会後、bluecats═════

 

いやぁ、お金いっぱいで大満足

 

スルガはめっちゃホクホク顔でレックスのコーヒーを飲んでいる

 

「本当にそう言っていたのか」

 

「はい」

 

拓也さんがノートパソコンもカタカタする。

そして出てきた場所は黒い巨大な豪邸だった

 

「拓也、そこは」

 

「海道邸・・・厄介だな」

 

イノベーターの黒幕である野郎のハウス

 

「場所分かったなら直ぐにでも乗り込んでバンの親父さん助けようぜ!」

 

「カズ、気持ちは分かるがそうも言ってられない。仮にもエネルギー省だったかの大臣の家、今までに無いほど警備が厳重、下手したら俺らが死ぬぞ?」

 

「ここは海道義光の屋敷だ。警備LBXだけが敵じゃない。噂ではレーダーや対空ミサイルもあるらしい」

 

「え、そんなとこどうやって侵入すんだよ」

 

「ちょうど近々海道は政府の会合に行くらしい。その時なら警備の目が緩む筈だ。問題はどうやって入るかだが」

 

罠なんですがね。あ、里奈さん来た

 

「その心配は無いわ、今のところは」

 

「あ、里奈さん」

 

「里奈!」

 

「スルガ君、あの時はありがとう。助かったわ」

 

「いえいえ、でもいきなりどうしたんです?」

 

「里奈か!?」

 

「貴方が、石森里奈さん?」

 

アミとカズは初対面だった

 

「海道邸のデータなら、ここに」

 

「な!? 何処でそれを⁈」

 

「時間がないんでしょ? 作戦を練って、早く博士を救出しましょう」

 

「まず里奈さんどうやって脱走してきたの?イノベーターの研究所とやらはそんなにユルユルなの?」

 

前にAX-00持ち出されて、今回は罠だけど設計データ盗み出されて、山野博士が変装してアルテミス出場するとか警備ガバッガバッじゃないですかね?

 

「よし、これをあそこで解析しよう」

 

「ついに本格稼働か」

 

「あそこって?」

 

「スルガ、なんか聞いてっか?」

 

バンが疑問視、そりゃそうだろう。

まさか秘密基地があるなんて思ってもないだろうしな

 

「うん、俺は知ってるよ。これから行く場所」

 





スルガの残金は1000万近くになりました。いやー、これも一興一興、まだまだスルガには荒稼ぎして貰います



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シーカー本部(今回以降出番ほとんど無し)


即落ち2コマ



═トキオシアデパート═夜════

拓也さんの黒塗りの高級車で送って貰ったのはトキオシアデパート

夜のデパートって光っててなんか要塞みたいだよね

しかし大人三人子供四人が夜に来て搬入路に行くとか怪しすぎないですかね

 

「ここは、デパート?」

 

「夜のショッピングってわけでもなさそうだが」

 

「こっちだ。着いてきてくれ」

 

══════

 

搬入路から色々行ったら秘密基地についた

 

「ここは」

 

「へぇ、ここがシーカー本部か。知っては居たがデカイな」

 

ゲーム画面で見るより数倍は大きく感じる。下で何かの解析している人たちがいるところを含めると相当な広さだ

 

「ここはシーカー本部、イノベーターに対抗するために作った秘密基地だ」

 

「すっげー・・・」

「信じられない、これ現実よね?」

 

「これを頼む」

 

拓也さんはオペレーターの一人に里奈さんが持ってきたUSBメモリのようなものを渡す

 

「皆、解析には時間がかかるだろう。ゆっくり休んでくれ」

 

「拓也さん、俺上のデパート行って取り敢えずアーマーフレーム買ってきて良い?」

 

「確かここのデパートの模型屋はもうしまってるぞ」

 

「まじかー、レックス、なんか無い?」

 

「そう言われても・・・な。小規模だが一応ここの設備ならコアスケルトンからアーマーフレームまで一式製造するためのものは揃ってるが」

 

「マジで?ちょっと家帰って設計図と原材料持ってくる」

 

 

 

═══════

 

 

 

 

さーてと、解析終わって乗り込むのは数日後だから徹夜しまくって新機のコアスケルトン作りましょ 

 

「よっし、始めるか」

 

設備は十分。武装とかは作れないだろうがコアスケルトンと一部フレームなら十分作れるだろう

 

目の前に設計図(紙)を挟みパンツァー以外のコアスケルトン多数を用意して作業開始

ここからスルガのシーカー本部引きこもり製作期が始まった。

 

 

 

 

═三日くらいかな?══════

 

結論言おう。スルガは学校サボって三徹し、目的のコアスケルトンを完成させた。その結果、作業机の上で死んだ(ように惰眠を貪っている)

その隣には完成させたコアスケルトン。ナイト、ワイルド、ブロウラー、ストライダー、パンツァーどれとも違う異形のコアスケルトン、それの設計図にはMFSと言う名前が記されていた

 

═シーカー本部═════

海道が政府の会合で居なくなる(罠)の日の作戦会議。超眠い

 

「早速だがこれを見てくれ」

 

ディスプレイに写し出されたのは海道邸の設計図だ

一言言うなら迷宮だった。この迷宮のボスは皇帝とジジイなのだけれど

 

「まるで迷路ね」

 

「どうやって侵入すんだよ」

 

「ここよ。この隠しゲートから」

 

里奈さんがキーボードを叩き、一部を拡大する

 

「ここは?」

 

「海道邸の非常口の一つよ。グレースヒルズに繋がっているわ」

 

「グレースヒルズって、金持ちの町じゃねえか」

 

「こんなところに隠し扉を作るなんて・・・」

 

「浪漫あるねえ、まあそのおかげで俺らが入れるんだけど」

 

「この間も言った通り今夜海道は政府の会合でここを留守にする。その分警備も薄れる筈だ」 

 

「レックス、ちょっと頼み事があるんだけど」

 

「どうした?」

 

「眠すぎて体ろくに動かないからウォーリアーのアーマーフレーム買ってきてもらっていい?勿論金は出すから」

 

「あぁ、構わんぞ」

 

「バン、俺のバッグの中に拓也さんから貰ったコアスケルトンあるから装着しといて。俺はもっかい寝る。寝る(大事な事なので二回言いました)」

 

 

 

 

═══════

 

 

 

 

「スルガ、スルガ起きろ」

 

「んあ?」

 

シーカーの仮眠室でレックスに起こされたスルガ

うーん、よく寝たよく寝た。めっちゃ体ゴキゴキ言う

 

「そろそろ作戦開始時間だ。行くぞ」

 

「ウィッス」

 

起きて作業の後片付けして本部占拠コアスケルトンと設計データ回収してと、よし!これで大丈夫だな。ここに蓄えられてたグレネード系アイテム纏めてパチッたし

 

「・・・しばらくさよなら、シーカー本部」

 

ここに来るのは最初で最後になるだろう

 

 

 





やっと絶対零度の闘志の欠片を出せた


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海道邸危機一発!

危機一発(味方にとは言っていない)


═グレースヒルズ═════

 

「すっげー、ここが金持ちの町グレースヒルズかー」

 

すっかり忘れてたがそ言えばここから郷田ニキとかミカとかも参加するんやった。

 

「夜だぞ。騒ぐなリュウ」

 

「あ、わりい」

 

「里奈さん、どこに隠し扉があるんですか?」

 

「ここよ」

 

里奈さんが中央噴水の地面のスイッチを押す。ゴゴゴゴと音を立て床が引っ込み階段が現れる。なんでこんな所にこんな形で作っちゃったんですかね 

 

「これは、凄いな。男心がくすぐられる」

 

「レックスもこういうの好きなの?」

 

「嫌いじゃない」

 

「皆、行くぞ!」

 

バンは凄く気合いが入っているようだ。まあそれもそうだろう。拓也さんの予定と見立ての間違いと里奈さんの無自覚スパイと有自覚の裏切りが無ければお父さんを助けられるのだから。あれ?不安要素と言うか、イノベーターの手のひらの上で転がされすぎじゃね?

 

「ああ、さっさと親父さんを助けだしてやろうぜ」

 

「ここからは地下水道を二手に別れて進む。バン、アミ、カズ、スルガもう一チームは郷田、御影、リュウで進んでくれ」

 

「了解!」

 

═地下水路══════

一言言わせて貰う。臭っせえ。

非常口なのは分かるけどさ、もうちょい掃除とか害獣駆除とかやってくれても良かったんじゃない?ゴキ踏み潰しちゃったし、カズが

 

「ここからどうすればいいんだろう」 

 

「えっとね、そこにある高密度レーザーがあるじゃろ?それをな?俺が持ってきた梯子で横着して進むんじゃ」

 

「そこは解除していくんじゃねえのかよ」

 

「ん↑なわけねえだろ」

 

大体解除したら警備に気付いてくれって言ってるようなもんだしな

どう森のように壁に梯子を架けて登ったり降りたり水路の上に橋だけ架けたりして出来るだけ早く水路を駆け抜ける

 

「あれは警備LBX、倒して進もう!」

 

「いや、やり過ごそう。これまでで奴らの物量がとんでもないことは経験済み、一機撃破するまでに集まって手に終えなくなるかもぞ」 

 

「そうだけど、時間が」

 

「俺の梯子で時間は余裕がある。心配すんな。それにやるならこっそり一撃で決めるのみ」

 

壁に隠れて警備のデクーが過ぎ去るのを待つ

 

「よし、進もう」

 

その時、警報が鳴り響く

 

「なんだ!」

「なに!」

 

「俺達、じゃねえよな?」

 

「多分向こうだろ」

 

『バンすまねえ、警備ポットに見つかっちまった』 

『ヒィー、』

『リュウ、郷田さんに抱きつかないで』

 

「マジっすか」

 

『スルガ君、あなた達の近くに警報の管理端末があるわ。それを操作して警報をとめて頂戴』

 

CCMに管理端末の場所が送られる。うーん、地味に50m離れてんなぁ

 

「あいあい。三人とも、少し体預けるぞ。フルリンクシステム起動」

 

スルガはコアスケルトンを作る片手間でフルリンクシステムを移植していた。しかし今のLBXは普通のウォーリアー、何にも弄っていない

 

「うおっと、危ねえ」

 

倒れる体もうまくカズが受け止めてくれた。よし、行くか

 

マグナムキャノンとクサナギを携え警報を止めに行く

すげえなこのコアスケルトン、ほとんど音を立てててねえ。

あ、デクーが孤立してる。壊そ

後ろからこっそりこっそり近付きクサナギで首を落とす。爆発しそうになったから水に投げ込んで事なきを得る。そしてそのまま走り警報管理端末にたどり着いた 

 

えっと、これをこうして、このスイッチ押せば

 

鳴り響いていた警報が止まった。スルガも早急に戻った

 

「よし、これで良いだろう」

 

『スルガ君、ありがとう』

『助かったぜ、スルガ』

 

「よし、バン進むぞ」

 

歩みを進めたその瞬間だった

 

『シンニュウシャハッケンシンニュウシャハッケン』

 

やべっ警備ポットだ、めんどくせえ、せや、せーの!

 

「ヤバい、このままじゃ警報鳴らされっぞ」

 

「その前に止めるわよ!」

 

三人がLBXを出す。がスルガだけは違う行動をした。何を血迷ったのか三人の後ろから梯子(金属製)を振りかぶり、梯子の側面を警備ポットに『振り下ろした』

ガギィイィイン、ボスン、ヒュウゥゥ

強い衝撃で警備ポットは壊れたのだろう。煙を上げて浮遊すらしなくなった

 

「危ないよ、スルガ」

「なにやってんだ」

「いきなり梯子振り回さないでよ」

 

「筋肉は全てを解決する!」フンス!

 

「なんの自慢にもなってないよ!?」

 

「しかし警報鳴らさない変わりにちょっと音出しすぎたな。早く離れないと警備LBXが押し寄せてくるぞ」

 

四人共立ちはだかる警備LBXをアキレスが突き通し、クノイチが弱点を切り裂き、ハンターがデクーをハンターライフルの威力にものを言わせ二枚抜き。ウォーリアーはストームツインガトリングで敵を凪払う

 

「今更だけど対集団火力えげつねぇ」

 

弾の発射レートが高すぎて狙われたのが一秒以内でも十発以上が直撃しその機能に重大な影響をきたしている

 

「よし、今のうちに」

 

バンが先頭で走り出す。地下水路の出口は目と鼻の先だ

 

═海道低内部═════

なんか凄い(語彙力)

床カーペットだったのか。こりゃ凄い(語彙力)

 

「すっげーふっかふか。ちょっと惰眠を貪ってみたい」

 

「そんなことしてる暇 無 い わ よ 」

 

「はい・・・」(´・ω・`)

 

程無くして拓也さんと郷田ニキと合流した。

 

「皆無事だったようだな。君たちはここから例のセキュリティーが高い部屋に向かってくれ。俺達は警備室を押さえに行く」

 

「なあスルガ、お前ここ来るとき梯子なんて持ってたか?」

 

「ああ、ホームセンターにDキューブの技術応用したコンパクト梯子って言うの面白半分で買ったんですよ。こんな形で役に立つとは・・・でこれどうやって戻せば良いの?」

 

このあと拓也さんから戻し方教わって戻した

因みに梯子の他にスコップや鉄パイプ(用途が完全に限られてる)も買った模様




次回 海道邸、崩壊


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爆発!海道邸崩壊今夜!前夜じゃないぞ。今夜だ!

人類の可能性が起動する



═海道邸内部════

前衛と言うか、前を歩くのを主人公勢に任せて一番後ろを歩く。勿論悪巧みをしている

そして郷田ニキ達が加わったことにより道中襲ってくる警備LBXの処理スピードがえげつない事になってる

はえーすっごい

 

「楽勝だな!」

 

「数だけは多いのね」

 

「襲ってくるなら一気に数百単位で襲って来てくんねえかな。そしたらガトリングで掃除するのに」

 

デクーのパーツを拾いながらスルガはぼやく

 

「スルガ、そんなパーツ拾って使い道あるの?」

 

「確かにバン、こいつらは雑魚だ。一部規格に適合してないのもいる。しかし俺の調査ではデクーの一部が秋葉原に流れてそれなりにファンがいる」

 

「それって大丈夫なのかしら?」

 

「そこはしらんけどここならコアスケルトンごと手に入るし、その分高く売れるのよね」

 

今のスルガの財源のひとつである

しかしスルガは知らない。確かに製造されたデクーの一部が秋葉原に流れていたのは事実だが、本格的に流通し出したのはスルガが秋葉原に持ち込むようになってからだと

 

「因みにブロウラー使いの社長のご子息殿から見たらデクーってどうよ?」

 

ほぼ無傷のデクーを投げつける。郷田ニキフツーにキャッチするね。しぶしぶながら評価してくれる、ははーん、ツンデレ

 

「やめろ、その呼び方。そうだな・・・まず拡張性の高さはブロウラーでもトップクラスだろうな。構造も単純でコスパも良いだろうから量産性も高い。俺達が平気で撃破しているが決して性能が悪いわけじゃない。使い手とカスタマイズによっては大化けするぞ。まったくめんどくせーもん作ってくれやがったぜ」

 

そうだね。確かにデクーozくるもんね

そんな話をするうちに一つ目の警備が厳重な部屋、ジン君の部屋に来た

 

「ここに父さんが」

 

「さっさと助けてとんずらするぞ!」

 

ジン君の部屋なんですけどね

 

バンが扉を開ける。その部屋はなんかこう、色んな国の文化が混じりあってる。キモい(ド直球)

 

「待っていたよ。山野バン君」

 

「な、海道ジン!」

 

「ここはお前の部屋だったのか」

 

「息子の部屋が一番警備厳重とか、とんだ親バカだな」

 

寝室ならともかく素直にそう思うわ

 

「山野バン君、アングラビシダスでの決着をつけよう」

 

「え?」

 

「辞めろバン、バトルしてる間に警備員呼ばれるぞ」

 

「お待ちください!今通報すればこの袋小路、なす術失く捕まりますよ」

 

後ろから白髪の老人、ジンの執事が出てきた

ずっと眼鏡してて目見えてなかったけど生で見ると凄い目に力入ってるな。郷田ニキと襲いかかっても返り討ちにあいそうだな

 

「なら・・・受けて立つ」

 

═バンvsジン戦闘中═════

二人の勝負が終わるまで待つ暇潰しに執事さんと話でもしてみるか

 

「ドーモ、シツジ=サン。スルガデス」

 

「どうもどうも、ご丁寧にありがとうございます。紅茶でもお飲みになられますかな?」

 

「あ、わざわざありがとうございます。今紅茶どこから出したんですか・・・美味しい。このダージリンどうやって淹れたんですか?」

 

「秘密です。自分で技を磨くことも大切ですよ?」

 

といって執事のジイさんは優しく微笑む

やっぱりこの人聖人だ(確信)

 

「なあ、何で向こうあんなに馴染んでるんだ?」

 

「スルガも紅茶よく飲むらしいし、意気投合したんじゃない?」

 

「皆なんでそんな冷静なんだ?」 

 

怯えきったリュウの言葉は誰の耳にも届かない

 

「ぐぬぬぬ、じゃあ賭けをしましょう」

 

「賭けですかな?」

 

「バンが勝ったら淹れかた教えてください」

 

「ふふっ、いいでしょう。ではお坊っちゃまが勝ちましたら・・・イノベーターに来て貰う。というのはどうですかな」

 

「いいでしょう!(速攻で脱走するから)」

 

ん?なんか外からものすごい足音が・・・あ

コッチダーイタゾーイタゾー ツカマエロ!アミタンprpr チクワダイミョウジン ダレダイマノ?

 

やっべー?主にアミが。後オタクロス混じってたろ

 

「曲者め!」

 

そうですよね!扉の一番近くでのんきに執事さんと会話してたら真っ先に捕まえに来ますよね!え?

 

「な、何をする!」

 

「あら?申し訳ありません。つい癖で」

 

執事さんが俺を捕まえようとしたガタイの良いエージェントを背負い投げした。すっげぇ、あ。執事さん今ウインクしたってことはわざとですね?

 

「スルガ!今のうちだ。逃げるぞ」

 

「あ、はい!じゃあ賭けはドローってことで」

 

「はい、ではまたどこかで御会いしましょう」

 

「其処をどけェェェエエエ!」

 

「おるぁあ!」

 

郷田ニキと出口に立ち塞がるエージェントを殴り倒した。止めにスタングレネードを置いておきましょう。必ず一人ひとつまでにして置きます。じゃないと死にます

 

部屋から出次第スモークグレネードで視界を奪いつつ追い討ちスタングレネード

 

ボスン バチィ!ドサッドサッ

 

「よし。追っ手は・・・あと五人、意外と居るな」

 

床にグレネード置いてと、離れて起爆!

 

「スルガ、早く逃げないと」

 

「急かすなバン」

 

ズドーーン、ミシミシミシ、ズーン 

 

═???═════

 

ズドーーン

 

「なんだ!?私の爆弾は遠隔操作だったはず・・・いや、違うな。一体誰が」

 

 

 

═スルガ達══════

 

床の一部が崩壊し、大きな穴が穿たれる。左右に目を向ければギリギリ一人は通れるであろう幅だけが残ってる

数仕掛けたとは言えこれがオモチャ用アイテムってヤバいな

 

「よきかなよきかな」

 

「ぜんっぜん良くないわよ!?」

 

「ほら、もう追いかけてこれないみたいだし」

 

フォアーン フォアーン フォアーン 某ブレイドのような警報が鳴り響く

 

「・・・流石に大きい音出しすぎたか」

 

ピロリロリロリンピロリロリロリン

『拓也さん、警報が!』

 

バンが手短に何があったか説明する

 

『そうか、今の爆発はスルガがやったのか・・・』

 

『・・・』

 

なんかCCMの先から少しキリキリって音が聞こえる・・・終わったら拓也さんに胃薬買っておこう

 

『スルガ、終わったら二人で少し、話をしよう』

 

あっこれレックスからのお説教フラグですか

 

『とにかくもう1つの部屋に行く前にこの警報を解除してくれ。このままだと警察どころか対テロ用の特殊部隊が動き出しかねない』

 

『わかりました』

 

そうなったら俺は完全にイノベーターの研究者になるか爆弾魔として捕まるかの二択だろう。前者を取れればまだいいが

CCMに追加の情報が送られてきた

 

「よし、ここ目指してレッツゴー!」

 

 

═警備室═════

道中大量に押し寄せてくる敵LBXを凪払いながら警備室にたどり着いた

 

「えっと、このボタンを」

 

フォアーンフォアーンフォ

 

「よし」

 

「ん?・・・バン、後ろ見てみ」

 

バンが操作して警備は止まった。警報『は』止まった

しかし入ってきた扉の前には大量のデクーとその派生型そしてインビットが陣取っていた

 

「うわっ、いつのまに」

 

「やべえぞバン」

 

「なに言ってんだ。全部ぶっ壊せばいいんだろ?」

 

「郷田さん・・・カッコいい」 

 

「ここじゃガトリング下手に使ったら跳弾で死ぬな」

 

そして各々が自分のLBXを投下した

アキレス、ウォーリアー、ハカイオー、ブルド改で前線を張りクノイチ、アマゾネスは前線の四機に集中する敵を引っ掻き回す。ハンターは後方からライフルの連射で敵を撃破する

 

前線組は大立ち回りで敵を引き付ける。

アキレスは盾で銃撃を防ぎつつ一体一体槍で、ウォーリアーのマグナムキャノン乱射で、ハカイオーは次々破我刃で叩き潰し、ブルド改は完全に受けに回っている。遠距離攻撃手段を忘れたらしい。いかにデクーと言え接近されたら距離を取るくらいはするため完全にお荷物(特に影響なし)だ

 

クノイチとアマゾネスはストライダーフレームの強みを生かしクノイチはコダチで、アマゾネスはパルチザンで高速機動、一撃離脱に徹する。凄いときには二人でデクーを足場にしながら破壊、弾幕を回避する

 

ハンターは言わずもがな鮮やかな狙撃で二枚抜き

しかし数だけが多く、処理が間に合わない

 

「そうだカズ、前にハンターのスティンガーミサイルに細工したんだった。それ使え!」

 

「はぁ!?ハンターに何したんだ」

 

「まあ使って見ろって。一回限りの大きな花火だ」

 

「そこまで言うなら使ってやる!欠陥品だったら後で殴るからな」 

 

アタックファンクション

スティンガーミサイル

 

ハンターの背中から多数のミサイルが敵LBXの集団に向けて放たれる。そして敵集団の上で炸裂、花火と言った通り子弾がばら蒔かれ、多数のLBXを巻き込み爆発した

 

「ヒュー、すげえなこれ。珍しくまともじゃねえか」

 

「まあほんとに一発で終りなんだけどね」

 

「これで押し返せるぞ!必殺技ファンクション!」

 

アタックファンクション

ライトニングランス

 

「纏めてぶっ壊す!我王砲!」

 

アタックファンクション

我王砲

 

「じゃあ俺も。必殺ファンクション」

 

アタックファンクション

ブリッツフレイム

 

聖なる光の槍、全てを破壊する極太ビーム、X字状の炎の刃が纏めて集団に襲いかかる

デクー、インビットが文字通り消し飛んでいく。そしてアタックファンクション同士が衝突し大爆発を起こし残った敵LBXを撃破した。残党も速やかに掃討された

 

「やっと、終わったぁ」

 

「バン、もう一仕事だ。行くぞ」

 

郷田ニキが激励する。さあ、海道邸最後の仕事だ

 

═もう一個の部屋══════

 

「ここだな・・・うっ、開かないや」

 

目の前には大きな扉、バンが開けようとするが開かない

沢山さん達がロックを解除しているのは確かなのだが

 

「いくら鍵開いてても扉がおもすぎて動かねえか。力合わせっぞ。せーの」

 

皆で扉を押す。しかし動かない

 

「よし皆離れろ。発破するぞ」

 

「は、葉っぱ?」

 

リュウがアホ。絶対あいつ葉のことやと思っとるやろ 

 

「まてまて、また警報鳴らす気か?」

 

「うーんやっぱり頑張るしかないか。ファイトー!」

 

「「「イッパーツ」」」

 

リポD持ってこればよかったな

ズズズと音を立て扉を押し空けた

そして中に入るそこは長く大きな机がある部屋だった。二階部分へ向かう階段もある

 

「はっはっはっ待っておったよ」

 

「な、お前は」

 

「「「海道義光!?」」」

「海道義正だっけ?(すっとぼけ)」

 

「・・・今他人の名前を間違えた不届き者が居た気がするがよかろう」

 

「貴様、今日は留守の筈じゃ?」

 

「残念だったな、トリックだよ。とでも答えれば満足か?」

 

意外とそう言うの通じんのね。まさか答えて貰えるとは思ってなかったわ

 

「ふっふっふっ、連れてこい!」

 

そして後ろから捕まった拓也さん、里奈さん、レックスが警備員に連れられ入ってきた

 

「な!?海道!会合に行ってるはずじゃ」

 

「君たちは私の手の平の上なのだよ」

 

プルプルプルプルプル、プルプルプルプルプル

拓也さんのCCMから着信がなる。シーカー本部が落とされたんだ

 

「どうした?出なくて良いのかな?」

 

海道は煽りよんなぁ、これから自分の屋敷がどうなるかも知らずに

 

「もしもし」

 

「拓也さん!シーカー本部が襲撃を受けました!何者かの通報により事前に全員脱出しましたが」

 

「クッ」

「ころせ?」

 

バチン!

「真面目な話してるときにふざけないの!」

 

おもいっきりアミにひっぱたかれた( ;´・ω・`)

俺そんなに変なこと言った?

 

「君たちは所詮詰みと言うわけだよ」

 

海道義光が唐突に月光丸を出す

よっしゃ、俺の発明品(元ネタあり)を出そうか

 

「四人で掛かってくるがいい」

 

「カズ、アミ、スルガ、行くぞ!」

 

「「「りょーかい\ああ\ええ」」」

 

「いっけー!アキレス!」

「お願い、クノイチ」

「GO!ハンター」

「フルリンクシステム起動、ウォーリアー!」

 

map 机の上 アンリミテッドレギュレーション

バトルスタート

 

スルガのウォーリアーの背中にはほぼLBXと大きさの変わらないチェーンソーが六本束ねられたものを背負っている

だが今そんなこともどうでもいい

四機が月光丸と退治する

アキレス、クノイチが突っ込んでいく。ハンターとウォーリアーは支援する

アキレスが一番先に月光丸と衝突、槍で連続攻撃を仕掛ける。俺がバンに教えた□orY長押しの連続突きも器用に回避される

 

「後ろ貰ったわ!」

 

アタックファンクション

旋風

 

コダチを用いた連続攻撃をクノイチが繰り出す。だがこの攻撃は完全に防御された

 

さて、圧倒的弾幕、耐えきれるかな?

 

うまく側面に回りストームツインガトリングの射撃を開始、戦闘中チャットで弾幕のタイミングを知らせ月光丸に弾幕を浴びせかける

 

ヒャッハー!!あれ?完全に弾幕を見切りってこっち来てやがる!?さっさと捨ててタイマン張るか!

 

ストームツインガトリングをパージしクサナギを構え、一太刀目を受け止め、鍔迫り合いにもつれ込む

そこにすかさずハンターからの支援狙撃が放たれるがまるで見えていたかのように月光丸は回避

 

今度はこっちから行くぞ!右腕頂戴する!ウギォ、イッテェ!

 

カウンターをくらい左腕が切り落とされた。そしてスルガにはその激痛が走り、その勢いで机の上から跳ばされた

 

「子供のお遊びに付き合うのはお仕舞いだ」

 

アタックファンクション

月下乱舞

 

月の下から繰り出される桜色の斬撃、そしてその斬撃はアキレス、クノイチ、ハンターを襲い、行動不能にした

 

「ふん、他愛もない」

 

まだだ!まだ終わらんよ!

机に片手で登ってきたウォーリアー、左腕が無くなった以外損傷はほぼ無い

 

「わざわざ斬られに来たのかね。愚かな」

 

スルガのCCMから例のエラーメッセージが吐き出される。それに呼応するようにウォーリアーの背中のチェーンソーが展開、一部ケーブルが伸び斬れた左腕の関節部に接続、エネルギーを貪る

 

スルガCCM『不明なユニットが接続されました。システムに深刻な障害が発生しています。直ちに使用を停止してください』

 

「なんだ・・・あれ」

 

拓也さんの度肝を抜く

 

「確かスルガは・・・グラインドブレードと言っていたな。対イノベーター用規格外六連超振動突撃剣が正式名称らしい。文字通り規格外の攻撃力を誇るらしいが」

 

オーバードウェポン

グラインドブレード

 

展開し一束になった六本のチェーンソーの先が月光丸に向けられブースターが最高出力で機体を前進させ赤い炎の軌跡を残しながら月光丸に吶喊

回避に失敗し巻き込まれた月光丸は木っ端微塵まで行かなかったが機体の半分近くが消し飛んだ

 

「化け物だな」

 

「試験なしのぶっつけ本番でも何とかなるもんだな」

 

オーバードウェポンを使用したことでフルリンクシステムが何故か強制解除されてしまい起きたスルガが嬉しそうに言う

 

「月光丸が、信じられん。だがいい。貴様らには最後の栄光だろう」

 

月光丸を破壊されたことで一瞬体の力が抜けた瞬間を狙いレックスが海道に襲いかかり、首筋にビームナイフを突きつける

郷田ニキも自分の近くにいる警備員に殴りかかり、俺も拳とスタングレネードで参加するぜ!

 

そして、スルガに狙われた警備員は悲惨な目にあった。殴られた上に口のなかでスタングレネードを起爆されて三途の川が見えたと言う

 

「警備員、動ける奴だけ黙って退室しろ!海道がどうなっても良いのか!」

 

「ヒュー流石レックス!俺達に出来ないことを平然とやってのける!そこに痺れる!憧れるぅ!」

 

「だからふざけないの!」ドゴォ

 

「痛っでえ!アミィ本気で殴るこたぁねえだろ」

 

そんなコントのあいまに警備員(動ける人)は退室した

さてと、もう1つだな

 

「動かないで」

 

案の定里奈さんが拓也さんに拳銃を突き付けている

 

「檜山君、海道義光を解放して」

 

「海道を解放」ボソッ

 

「だからふざけない!」ボギィ

 

「ウギァァァァァ!左腕がぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

アミが厳しいの。左腕脱臼してら

 

「はっはっはっ彼女はスパイと言う奴だよ。勿論、彼女自身も知らないがね」

 

「海道っ、貴様!」

 

拓也が激昂する。そりゃそうだろうな

 

「里奈さん、こんな連中が本気でルナの事を救う気があるとお思いで?ついでにオプティマの事はレックスから聞きました」

 

「それに、頼らざる得ないの!例え海道がどんな人間であろうとも」

 

レックスがしぶしぶ海道から退く。そして警備員も再入室

 

「ふん、そろそろ頃合いか。山野博士を連れてこい」

 

部屋の奥から連れられてきたのは山野淳一郎、バンの父親だった

 

「父さん!」

 

「バン、大きくなったな。それにスルガ君も」

 

「あ、ありがとうございます」

 

そこでなぜ俺?山野博士とは面識無い筈だけど

 

「檜山君、私のことは気にするなと言った筈だが?」

 

「ですが・・・」

 

「しかしレックス、この状況どうするよ?下手したくてもプラチナカプセルはこちらのもの~とか言って山野博士ごと処理されるよ?」

 

「その心配はいらない。プラチナカプセルだけではなんの役にもたたないからだ」

 

「どういうことですか博士?」

 

「プラチナカプセルを解析するには解読コードが不可欠だ」

 

「ふん、ならばその解読コードを手に入れればいいだけの話だろう、何処にある!」

 

「アルテミスだ」

 

「アルテミスって、LBX世界大会のことですか」

 

「ほう、アミ君正解だ。性格にはアルテミスの優勝賞品メタナスGXに刻まれている」

 

「そんな話信じられるか」

 

「クリスターイングラム社のネットワークに侵入して解読コードが刻まれるようにプログラムした。そしてメタナスGXはアルテミス開催当日までオメガダインで厳重に保管される。いかにイノベーターでも簡単には手出しできまい」

 

オメガダインねえ、ここでは頼もしいんだけども・・・後で苦労することになるだろうからなぁ。複雑

 

「くっ、まあいい。イノベーターの力を持ってすればアルテミスでの優勝など容易いこと。どっちにしろ君たちは、ここで処分させて貰おう」

 

「果たしてそうは行くかな?」

 

「なんだと!」

 

「私は科学者だ。この研究所にある材料を使って爆弾を作るなど造作もない!」

 

ズドーン!

あっやべ、俺の奴誘爆しねえよな?

そのあとも音はしない。誘爆はしてなさそうだ

 

「海道先生、危険です。こちらへ」

 

「覚えていろ!」

 

そう吐き捨て海道義光は安全な所に退避していった

 

「皆、ここにいたら危険だ!急いで離れるぞ」

 

バンと親父さんがなんか話してる。よし!取り敢えず里奈さんをどうにか

 

「里奈さん、こっちに来い!」

 

「里奈さん!ルナの事なら俺達がどうにでもしてやる!だから!」

 

「ごめんなさい、私はまだやることがあるの」

 

と、里奈さんが去ってしまう

 

「拓也さん、里奈さんの事は無念でしょうが追々何とかしましょう」

 

「・・・ああ」

 

山野博士と親父さんの話も済んだみたいだ。さてさて、最後くらいデカイ花火やりますか

 

扉の直ぐ横に置いてある導火線にスルガは点火する

 

「皆ぁ、後五分程で大爆発おこすよー」

 

「ちょ、何してるの?」

 

「今まで爆弾蒔きながら来てたから、この区画ごと吹き飛ぶかもよ」

 

═地下水路═════

 

「さてと、そろそろ起爆が始まる頃かな?」

 

ズドーン、ズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズーーーン

 

「スルガ!お前一体いくつ撒いたんだ!」

 

「撒いた数はグロス単位だけど全部Sだからそんな破壊力ないと思うよ?」

 

「グロス・・・」

 

「いったいどこからそんな量調達したんだ」

 

「秋葉原の裏路地。安心して、足はつかないようにしてる」

 

═外══════

 

「ここまでこれば大丈夫だろう」

 

「父さん・・・」

 

「おー、一部綺麗に吹き飛んでら」

 

スルガが海道邸を見ると一部で火災が発生し煙が上がっている。そして所々中身が露出している。恐らくスルガのグレネードだろう

 

「皆、無念だが今日はここまでだ。これからの行動は追って連絡する。各々俺が送っていこう」




グラインドブレード
元ネタ アーマード・コアⅤ
正式名称 対警備局用規格外六連超振動突撃剣



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一時の休息(ただの行動不能)

今回今回今回今回今回今回今回今回今回今回今回今回今回今回今回今回今回今回今回今回今回今回今回今回今回今回今回今回今回今回今回今回今回今回今回今回今回今回今回今回今回今回今回今回今回今回今回今回今回今回今回今回令回今回今回今回今回今回今回今回今回今回今回今回今回今回今回今回今回今回今回今回今回今回今回今回今回今回今回今回今回今回今回今回今回今回今回今回今回今回今回今回今回今回


═病院、屋上════

俺はルナのお見舞いに来ている。なるようになるのは知っているが直面するとどうして良いのか分からないのが本音だ 

 

「よし、出来た」

 

アングラビシダスで儲けたクレジットと新しいコアスケルトンで早速D化している。渡したのはDの足回りだけで制御プログラムは渡していない。まあ何とかするだろうそしてこのウォーリアーも既に蒼銀に塗装されていた

 

「ねえスルガ、悩み事でもあるの?」

 

「分かるか?」

 

「うん、いつもと比べて暗いもん」

 

「そうか・・・なあ、全てが駄目になりそうなとき、お前ならどうする?」

 

「なりそうならまだなってないって事だよね?なら最後まで頑張る!」

 

最後まで頑張る、か。たしかに拓也さんはそうするために動いてる。諦めたらいけないか

 

「そうだな」

 

「よお、スルガ」

 

「なんでここに居るんですか仙道さん」

 

突如として 仙道ニキ が屋上に現れた!

 

「仙道・・・ってことはキヨカちゃんのお兄ちゃんってこの人?」

 

「そうだぞ」

 

「妹が言っていた石森ルナってのはお前の事か。いつも妹が世話になってる」

 

「いえいえ、こちらこそ」

 

やっぱり礼儀正しいな。普段が普段だけど

 

「仙道ニキ、いきなり病院に来てどうしたんですか?」

 

「ああ、その事でだ。スルガ、アルテミスに興味は無いか?」

 

「はい?」

 

═シスコン説明中═

 

仙道ニキの話を要約すると

元々出る予定だった奴ら(オルテガ使いの事だろう)が突然出られなくなり、代役(肉壁)を探していた。いくら壁でも弱いと困る。だからそこそこ強い俺に白刃の矢がたったらしい

 

「成る程ねぇ。分かりました。その話お受けしましょう」

 

「何を言ってる?お前に最初から拒否権は無い」

 

「アッハイシツレイシマシタ」

 

「凄いじゃんスルガ!アルテミスだよ!」

 

「ルナそろそろ戻らないと怒られるぞ」

 

「えー、まだバトルしてないよー」

 

「ちょうどいい。スルガとお前、俺とバトルしようじゃないか」

 

「え」

 

スルガの記憶が蘇る

強化ダンボールに刺さったタロットカード

何が起こったか分からない内に瞬殺された事等々

 

「お手柔らかにお願いします」

 

「ダイキさんはジョーカーの世界一の使い手だって聞いてます。楽しみです!」

 

あ、ルナが燃えてる。今までルナの回りでジョーカー使う人あんまり居なかったからな

 

map 河川都市 ストリートレギュレーション

バトルスタート

 

「何気にルナとタッグって始めてじゃねえの?」

 

「あ、そういえばそうだ」

 

今まで病院内でのバトルはルナとなら一対一しかしたことないな。意外だ

 

「来ないならこっちから行かせてもらおう」

 

ソウルを構えジョーカーが突っ込んでくる

 

ウォーリアーDは横にダッシュし、ルナジョーカー(仮面ライダーに非ず)は近くのビルの上で防御姿勢を取る。そして仙道ジョーカーはウォーリアーDに食い付いた

直ぐに後退走行しながらクサナギで防御する

 

正面からくるジョーカーがウォーリアーDに斬りかかろうとしたときルナジョーカーが仙道ジョーカーの横からレイピアで突く。

 

「貰いっ!」

 

だが仙道ジョーカーは攻撃が当たる瞬間消え、まるで最初からそこに居たかのようにルナジョーカーの後ろで鎌を振るっていた。ウォーリアーDが間一髪で攻撃を受け止めルナジョーカーが反転、レイピアで攻撃する

 

「その程度か?」

 

攻撃の直前でウォーリアーDを蹴り飛ばしルナジョーカーにカウンターを決めた。HPがガクッと減る

 

「うっ、どうしようかな」

 

「ほらほらどうした?」

 

「ヤバッ」

 

ウォーリアーDが至近距離からマグナムキャノンを発射

「残像だ」

影を残し仙道ジョーカーがまたも消える

警戒するウォーリアーDの正面に現れ鎌でカチ上げる。そして空中で横、縦、再カチ上げと三段攻撃、落下もあいまりウォーリアーDのHPがミリ残して消え去った

 

「ハアッ!」 

 

空中にいる仙道ジョーカーにルナジョーカーがレイピアの横殴りで地面に叩き落とした。初めてまともなダメージが通る

 

「へぇ?やるじゃないか。だがまだだ!」

 

素早い操作で体制を建て直し、空から突進してくるルナジョーカーを迎撃した。ルナジョーカー、戦闘不能

 

「ウソッ、もう動けるの!?」

 

「最後の足掻きだ!フルリンクシステム起動」

 

スルガの意識がウォーリアーDへ移る

行くぞぉ!

クサナギを構えて突進する。ジョーカーは迎え撃つ構えだ。そしてクサナギで攻撃する直前でクサナギを放しジョーカーにタイヤを使った回転エネルギーの全てを叩き込んだ渾身の蹴り、それはクサナギに意識が持っていかれていた仙道ニキの裏を掻きジョーカーの頭に直撃した

 

スルガCCM『インビジブルブレイド が使用可能になりました』

 

ん?確かこれって・・・試す価値はあるな

 

「なんだろうこの必殺ファンクション?」

 

アタックファンクション

インビジブルブレイド

 

放した剣を広い正面から斬りかかるウォーリアーDが突如として後ろに回り込む。そして姿を消した

 

「なに?」

 

仙道ニキなら影を見ぬかれかねないので空中からの突き。真正面からの攻撃は思ったより警戒されておらずこの一撃でジョーカーをブレイクオーバーにした。ついでに攻撃中でも透明化は解除されなかった

 

「はっ!やはりお前に声を掛けて正解だったよ!」

 

「お褒めの言葉恐縮です」

 

「ねえスルガ!私にもその技教えてよ!」

 

「後でCCMにデータ転送しとくよ」

 

「またなスルガ。アルテミス当日待ってるぞ」

 

「STAY…仙道ニキ、ちょっとそれは」

 

いま当日とか言ったか?流石に当日ぶっつけ本番はヤバいよね!?

 

「俺も強くなる、お前も勿論強くなる。文句ないだろ」

 

「アッハイソウデスネ」

 

「後これは秘密にしておけよ。特に郷田にはな」

 

そう言って仙道ダイキは病院を後にした

 

「アルテミスか・・・俺には縁がないと思ってたなぁ」

 

スルガCCM

fromバン

『スルガ、今からブルーキャッツに来れる?』

返信

『おk⊂二二二( ^ω^)二⊃ブーン』

 

「すまんなルナ、ちと呼ばれたわ」

 

「分かった、またね!」

 

「おう、またな」

 

═病院、ロビー═════

「河白君、少し君に付いていっても良いかな」

 

呼び掛けてきたのはルナの主治医、もといイノベーターが送り込んだルナの監視役の容疑者

 

「何の用ですか?」

 

「多分僕の正体と言うか、後ろに付いている組織の事既に知ってるんだよね?海道邸で随分ひどくやられた、いや、やったみたいじゃないか」

 

「・・・場所を変えましょう。庭でどうです?」

 

「ああ、そうだね」

 

═庭═════

人がそんなにいない端の方のベンチに移動してきた俺らしかしこの医者はどこまで知っているんだ?

 

「さて、どこから話したものか・・・」

 

「先に聞きますが貴方は『誰側』なんですか?」

 

「誰・・・とは?」

 

「イノベーターの海道義光、シーカーである俺達、後はそうだな・・・俺個人が一番ありがたいかな」

 

「形だけなら海道義光だろう。だが私は私なりの良心と腐っても医者としてのプライドと信念がある。治せるはずの患者を治せないのは何とも悔しい」

 

「つまりあれか?ルナに肩入れしていると?」

 

「そう・・・だな」

 

つまり俺目線少くとも敵じゃないってことか。下手しなければって条件があるけど、これでこの人が敵では無いのは相当動きやすくなったな

 

「だが私もイノベーター、上司からなにか言われたら、な」

 

「そうならない内に手を打つ。ルナを守るのが俺の戦いだ」

 

スルガは再度決意をする。ルナだけは何があっても守ると

 

「んじゃ仲間に呼ばれてたんでそろそろお暇します」

 

「では私も仕事に戻るとしよう。ルナちゃんの事、任せたぞ」

 

 




次回次回次回次回次回次回次回次回次回次回次回次回次回次回次回次回次回次回次回次回次回次回次回次回次回次回次回次回次回次回次回次回次回次回次回次回次回次回次回次回次回次回茨回次回次回次回次回次回次回次回次回次回次回次回次回次回次回次回次回次回次回次回次回次回次回次回次回次回次回次回次回次回次回次回次回次回次回次回次回次回次回次回次回次回次回次回次回次回次回次回次回次回次回次回次回次回次回次回次回次回


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LBX世界大会アルテミス、その準備?

═河川敷════

昨日ブルーキャッツでバンがアルテミスに出場すると言うことと超プラズマバーストをレックスに習ったとこを教えて貰って後レックスと郷田ニキにアルテミスに出ないか誘われたが丁寧にお断りした

郷田ニキ勧誘しつこい。ウザい

思わず仙道ニキといっしょにアルテミス出ることゲロりそうだったよ。レックスは何となく察してそうだったけど

 

「うーん、コアスケルトンだけじゃなぁ」

 

スルガの課題はこのコアスケルトンに被せるアーマーフレームの製作だった。

特殊な武装を造るのにダイアモンドを使うのだがそれもアングラビシダスで稼いだお金で買った。しかしそれをカットするのに技術的な部分が足りない

どう考えても人の手だけでどうにか出来るような物じゃな。拓也さん通じてTO社の研究設備使えないか交渉しようか。ウォーリアーDの足回りあげたし、回ってきた情報考えると商品化目指してるらしいからな

 

「ま、今出来ないこと考えても仕方ないか」

 

ベンチから立ち上がりミソラ駅へ、そこから秋葉原に向かう。海道邸で使ったグレネードの補充をするために

 

「そうだ、グレネード買ったらランバト潜るか」

 

現在のスルガのアキハバラ裏ランキング順位 96位

何気にアルテミス終わった後のバンより高けえんだな

 

══════

 

さて買うもの買ったし(リュック一杯の消耗品、大半はグレネード)職質捕まったら一貫の終わりだな

スルガCCM『電話ヤデッ』

 

「拓也さん?『もしもし?』

『もしもし、俺だ。今大丈夫か?』

『はい、暇ですがどうしました?』

『この間貰ったウォーリアーのレッグパーツの事で相談がある。少しタイニーオービット本社に来てくれないか?』

『了解でーす』

 

そうしてアキハバラ駅に足を進める。目的地はTO本社だ

 

電車で揺られること少し・・・なのだが

 

「「・・・」」

 

休暇中っぽい八神さんと鉢会わせちゃいました。この世界ではまだ面識は無いのだけど八神がすっげえ気まずそう

え?これどうすればいいの・・・スルーで良いか。まだ直接会ったことは無いからなぁ

 

═TO本社═════

八神さん、気まずそうなままだったなぁ。俺が降りると尾行しようか迷ってたっぽいけどしてこずにそのまま列車に乗ってどっかいった

まあいいや。困ることないし

 

「スルガ、いきなり呼び出して済まない」

 

「あ、拓也さん。仕事お疲れ様です」

 

「こんにちは。僕は技術課の結城だよ」

 

「初めまして結城さん、この間のレッグパーツの作者です。以後お見知り置きを。それで拓也さん、なんの相談ですかい?構造だけならここで解析出来ると思うんすけど」

 

「いや構造ではなくプログラム回りの相談だ。とりあえず中に入ろう。そこで詳しく話を聞こう」

 

═レベル4研究室════

 

「僕から率直に聞くとバトル中にこれどうやって制御してるんだい?」

 

「手作業」

「ゑ?」

「手作業」

 

確かにジャイロスコープとか搭載しているがあくまで角度検知とか補助とかその程度なのでほぼ事実なんだが

 

「えっと手作業?」

 

「うん、姿勢検知用にジャイロセンサーとか使ってるけど姿勢制御は基本手作業ですぜ。慣れるまで大変だっわー」

 

「確かに出来ないことは無いけど市販するなら・・・」

 

「一応俺が使ってる制御プログラム見ますか?」

 

「ああ、お願いするよ」

 

CCMから結城さんが見てる端末にコピぺして転送する

 

「・・・うわっ、本当に手作業なのか」 

 

「実は制御プログラム作ろうとしたことあったんですがバグ吐きまくって使い物に成らなかったんですよ」

 

嘘である。プログラム作るのが面倒で手制御でも以外と使い物になってしまったから作らなかっただけである

結論、面倒だから作らず頑張った

 

「実は僕達も制御プログラムに難儀していてね。しかし手動式だったのか」

 

「タイヤのモータートルク・・・姿勢制御・・・」

 

なんかスッゴいぶつぶつ言ってる

あっそうだ

 

「結城さん・・・結城さん!」

 

「はっ!ごめんごめん。どうしたんだい?」

 

「結城さん、さっき市販って言ってましたが少し交渉しましょう」

 

「なんだい?」

 

「このシステム回りの特許って既に取ってるんですよね。そこで相談なのですがこのシステム回りの特許結城さんに預ける?からこのアーマーフレームの製作に力を貸して貰えませんかね」

 

「どれどれ・・・これは!君が設計したのかい!?」

 

「はい。仮称はMFSです。こいつ用のコアスケルトンもここに」

 

「・・・こんなのを見せられちゃ技術者魂が黙って居られない。是非作らせて欲しい。とりあえず拓也さんに報告しないと」

 

結城さんが拓也さんと何か大人のお話をしている

 

「スルガ、このLBXが完成イノベーター相手に大きな切り札になるだろう。こちらで製作を受け持とう。だが問題はこのLBXが強すぎる可能性がある」

 

「拓也さん、一応伝えますがこいつは当分対イノベーター戦とかバン辺りのやべー奴との対戦でしか使うつもりは無いんで」

 

てかこんなもんアングラなら兎も角アルテミスみてえな公式大会で使えねえっての。しかもこいつの必殺技にはどんな基本的にどんな特殊装甲でも無力だしな

 

「そうしてくれ。このLBXが、特にこの胸部の武器が漏れたらどうなるか」

 

「大変な事になるでしょうね。特殊カットのダイヤモンド必須だからコスト馬鹿になら無いけど」

 

「スルガ君、コアスケルトンも預かって良いかい?こちらで改良しておこう」

 

「すいません拓也さん、頼みがあるんですが」

 

「なんだ?」

 

「MFSが完成したら設計データ完全削除して貰っても良いですか?と言うか武装部分のデータだけは絶対に削除して下さい」

 

後々面倒事が振りかかる可能性がある。ミゼルとかミゼルとかミゼルとか、後ミゼル

 

「そこまで言うなら・・・そうしよう。だがメンテナンスできるのか?」

 

「元々紙の設計図をデータに起こしたものなので心配無いです。何かあったらそれ元に直しますんで」

 

「分かった。作ってみるよ。でも二、三日はカチカチにかかりそうだ。恐ろしい程に工程と繊細な作業が多い」

 

「分かりました。完成楽しみにしてます」

 

═════



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アルテミスの変な1日 ひとつめ

今回開幕ぅ!LBX世界大会アルテミスッ!



═アルテミス会場═════

その辺の野球ドームより余裕でデカい会場に着いたスルガ。本来バン達と来るつもりだったのだが目的地と逆方向の列車に乗ると言う最早定番の遅刻理由だ

 

「ここがアルテミス会場、デカイと思っていたがこれ程までとは、凄いや」

 

「待たせやがって」

 

「仙道ニキ、遅れてすいやせん」

 

「スルガ、待ってたぞ」

 

拓也さんと仙道ニキが一緒に居た。ジョーカーはタイニーオービット社製だから何か聞いてたのかな?

 

「こいつがお前に用があるってよ」

 

仙道ニキは興味なさげだ

 

「スルガ、前に渡したコアスケルトンの本来のアーマーフレームが完成したんだ」

 

と、小型のアタッシュケースを開きその中身はウォーリアーに良く似ていたが違うフレーム

ナイトフレームだよな。ウォーリアー似の・・・これは

 

「コードネームはまだ無いウォーリアーの後継機だ。Dのお礼として受け取ってくれ。それと名前も頼むよ。開発部からでは良い名前が出てこなくてな」 

 

組み立て済みのフレームのヘッドパーツを取り出す

ほう、ソルジャーか。こいつぁグレートだぜ。おまけにDシステムが搭載出来るように改造されてら

 

「ウォーリアー(戦士)の後継機・・・ソルジャー(兵士)でどうでしょう?」

 

「ソルジャーねぇ、お前にしては良いセンスじゃないか」

 

「ソルジャーか・・・良い名だ。その名前を貰おう」

 

「こいつはDシステム搭載してるからソルジャーDか」

 

「俺はタイニーオービットで試合を見ているよ。何かあったら電話をくれ。終わる頃に迎えに来る」

 

そして俺は受付をすます。途中に受付の金髪の人人間か怪しいって言って仙道ニキから一蹴された

 

═選手控え室════

控え室でLBXの仙道ニキは最終メンテナンスを済ませ、スルガはソルジャーの装着とその調整を済ませる

 

「あれ?ジョーカーのカラーリング変えたんですか」

 

「変わったのはカラーリングだけじゃない。改修とチューニングをして性能が上がったジョーカーMk.2だ」

 

「そいや仙道ニキ、一回戦の相手タロット分かる?」

 

「さあな・・・まあ問題無い」

 

仙道ニキのタロット占い。大丈夫みたいだし、じゃあダイジョブだね

 

「んじゃ仙道ニキ、ちょっとバンに会いに行ってきます」

 

「分かった。時間には余裕があるからな。開始時間まで好きにしていろ」

 

═エントランス═════

大会開会式までの時間暇なのでマスクドJ(山野親子の黒歴史)やバンに会うことにしてみた

あ、おったおった山野博士

フツーに後ろから近づき、背中から声をかける

 

「おはようございます。山野博士?」

 

するとバッ!と振り返ってくる。そこですかさずしゃがんでマスクドJの正面に移動、振り返ったら居ないと言うイタズラを二、三度繰り返す

 

「何をやってるのだね若人よ」

 

「少しのイタズラですよ博士」

 

「第一私は山野では───」

 

「いやいやいや、さすがに気付きますって。むしろバリバリこてこての変装過ぎて気付いてくださいって言ってるようなもんですよ山野博士」 

 

実際バンもそんなまさか・・・みたいな顔してたもんな

 

「さっきバンに会って騙せたから問題無いと思っていたが」

 

「本気でやるなら変声機くらいつけてください。どうせ作れるでしょ。よりにもよって何故此処に?」

 

「それは秘密だ。私も準備があるのでそろそろ失礼するよ」

 

そしてマスクドJは去ってゆく。スルガはその後ろ姿も含め写真を残す。将来、バンと山野博士で遊ぶために

 

═他のとこ════

 

「よおバン」

 

「おはようスルガ、さっきメンバー表見たんだけど仙道と出てるなんて思わなかったよ」

 

「そりゃな。俺自身が一番驚いたわ。後郷田ニキとレックスは?」

 

「さあ?さっき郷田とは会場で会ったけど」 

 

「なあバン、あの人達って」

 

カズがある方向を指差す。そのさきにいるのはアジアチャンピオンでカズの憧れの人、使用LBX上俺も知っていた森上ケイタ君達だ

 

「カズ、知ってるの?」

 

「なんだお前ら、知らねえのかよ。アジアチャンピオンの森上ケイタ、全ウォーリアー使いの憧れの的だぜ」

 

「せやろか(疑問)、まあ俺はそんなに憧れてる訳じゃないんでそんなに深く知らんが一応名前くらいは」

↑一応こいつもウォーリアー使い

 

「やあ河白スルガ君」

 

「へぁっ!?」

 

あれ?なんで俺の名前しってんのこの子?今まで絶対面識無いハズなのに

 

「スルガ、知り合い?」 

 

「いや・・・会ってたらさすがに覚えてると思うんだが」

 

「驚かせてごめんね。こっちが一方的に知ってるだけだから気にしないで」

 

「なんで知ってんの?」

 

「君のウォーリアーの噂を聞いたんだ」

 

「Dシステムってそんなに有名なの?」

 

「知らぬは当人ばかりなりってよく言ったものだね。今日まで発表されているLBXの機動力格差を根底からひっくり返すってもっぱらの噂だよ」

 

へぇー、ちょっと時代先取りしちゃった結果大変な事になったわけだ。なるほどなるほど

しかしこの子の耳に入るほどまでとは思わなかったぜ

 

後はカズが興奮してカスタム聞いたりしてた

もれなくして大会開会式、めっちゃ凄かったです(小並感)なんであんな声出せんの

 

═Aブロック終了後═════

特に言うことが無い。原作通り。

あるとすればハンゾウさんが原作よりレックスに噛みついている事くらいだろう。宥めるこっちの身にも為ってくれよレックスゥ・・・

 

「だがよスルガ!」

 

「まあまあハンゾウさん、レックスの事だから何か考えがあるのかもしれませんよ。だから落ち着いてください」

 

「伝説のLBXプレイヤーも落ちたものだな」

 

「なんだと仙道!」

 

「煽るな仙道ニキ!黒歴史まとめて妹に送りつけるぞ!」

 

「・・・」

 

この人どんだけ妹にチクられるの嫌なんだよ

しかし仙道ニキの弱みを握っている現状、悪くない(暗黒微笑)

 

「レックスもどうしたのさ、わざと負けたなんて」

 

「わざとじゃないさ。海道ジンが予想より強かったんだ」

 

そしてちょっと郷田ニキの宥めに苦労してる内にバンが来た。煮え切らない様子のジンも合わさって状況はなかなかに悪くなる

 

「ええ!?レックスが!?」

 

「そんなことするとは思えねえんだが」

 

「そうよね。レックスがわざと負けたなんて」

 

興奮している郷田ニキとこういう所アホな以外はレックスには裏の目的があると思っているみたいだ

 

「とりあえず郷田ニキ、牛乳飲んで落ち着きましょう。深く息を吸ってー」

「吐いてー」「吐いてー」「吐いてー」

「ゲホッゴホッ吐いてばっかじゃねーか!」

 

「落ち着きましたか?」

 

「ああ、たしかに冷静にはなった。でもレックスがわざと負けるなんてこと」

 

「へたれて落ち込んだ時のバンみたいな弱音吐かないでくださいよ」

 

「ちょっ、スルガ?」

 

「とりあえずバン、お前は自分の試合のこと考えてろこっちはなんとかしとくから」

 

「ああ、分かった。頼んだぞ」

 

════

 

そのあと郷田ニキを落ち着かせ、無類の強さを発揮する山野博士をみたり、危なげながらに勝ち上がったバンを確認して俺らの出番となった。

一回戦の相手は全英チャンピオンのコンゴウ ヒノ

使用LBXはパーシブルF

この名前どっかで見たことある気がすんなぁ。なんだっけ

 

まあいいや。次回に続く

 




ちょっと解説
コンゴウ ヒノ
ゲーム、装甲娘に登場するキャラクターで使用LBCSはK・アーサー。アーサー王を目指す女の子
設定のなかに全英チャンピオン経験ありって書いてあったので出してみました


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アルテミスの変な1日 ふたつめ

アルテミス、一回戦目!

装甲娘K・アーサーことコンゴウヒノ


═アリーナ════ 

相手の顔と騎士の格好に不釣り合いなゴーグルみたら思い出した

この女の子考えられる未来でK・アーサーのLBCSを纏うことになる子じゃないか

 

「・・・スルガ、お前一人で出ろ」

 

仙道ニキがタロットカード引いてる

 

「いいんすか?」

 

「構わん。ただ正々堂々戦え」

 

仙道ニキの口から正々堂々なんて言葉が出てくるなんて思いもしなかった。明日の天気は鉄パイプのち鉄骨かな?

 

「僕はコンゴウヒノ!いいバトル、よろしくお願いするよ」

「河白スルガです。どうぞよろしく」

 

『Dブロック第三試合!全英チャンピオンコンゴウヒノvs仙道、河白チームぅー!果たして仙道、河白チームは全英チャンピオンにどう立ち向かうのかぁーー!』

 

「戦場を駆けろ!ソルジャーD」

「約束された勝利を!パーシヴァルF」

 

『河白選手ゥ!未知のLBXを繰り出してきたー!その姿はまさしく熟練の剣士のようだー!しかし相手はまさしくアーサー王の如く戦う獅子、この勝負には大きな期待が寄せられます!』

 

しかし俺一人で戦えねぇ・・・後で真意のほどを聞いておくか

 

『それではレディ! バトルスタァート!』

 

map 城塞 ゼネラルレギュレーション

バトルスタート

 

持ち込み武器は引き金を引いたままの状態で連射できる改修を施した魔改造コマンドハンドガン一丁と霊刀クサナギ 

E;右手クサナギ 左手魔改造コマンドハンドガン

 

さてと、パーシヴァルFの武装は名前が分からない大型両刃の両手剣、軽く刀身は10cmを越えてそうだ。かなりの重量がありそうで受け止められるか怪しいな

そしてパーシヴァルFは城塞の上で剣を地面に突き刺し、こちらを待っている様子

 

この状態で遠距離攻撃はさすがに印象悪いな。ブーイング必至

 

ソルジャーはクサナギを持ち城塞の上を歩いて近付き、間合いギリギリで止まる

しかしパーシヴァルFはいまだに不動を貫く

 

『これはまさしく王に挑戦する剣士だぁ!このような展開を誰が予想したでしょうか』

 

「かかってきな。全力でお相手しよう」

 

「あんまりこういうの得意じゃないんだけどなぁ。まあいいや。河白スルガ、推して参る」

 

スルガがクサナギを構え突進そのまま切りかかる。しかしパーシヴァルFは尚も不動

一部を除き観客誰しもが当たったと思った

 

だが一瞬で刺さっていた剣を抜き、そのまま巨大な刀身で斜め上段からの斬撃を防ぎきった。そして巨大な剣は横に振り抜かれソルジャーDを襲う 

しかしソルジャーは□(Y)+↓の攻撃技応用で回避、そのまま上から突きを放つ 

 

しかしパーシヴァルF前にダッシュし突きで地面に着地する寸前のソルジャーを狙う

 

やっべ、流石にあの大剣に殴られたら流石にただじゃすまん湖。やべえやべえ

 

降下中とっさに片手のコマンドハンドガンを剣に向けて連射、ワンマガジンだけだがそれでも軌道修正には十分で地面にぶち当てた。そこで機体を捻る

そして進撃の巨人の回転斬りの応用で高速で斬り下ろす

 

しかしパーシヴァルFは大剣なんか持っていないかのような動きで回避、軽快な動きでバックジャンプ

追撃で□×4 □+↑ □+↓

突きまで防ぎきったパーシヴァルだったが最後で空にカチ上げることに成功する

 

さて、今だ!

 

「必殺ファンクション!」

 

アタックファンクション

インビジブルブレイド

 

正面からするりとパーシヴァルFの脇をすり抜け後ろから斬ると同時に姿を消した

姿を消したのを確認して冷静に剣を構える

 

影を見抜かれないように空中ダッシュからのスモークグレネード空中散布から急降下攻撃、大抵は横か後ろから攻撃するだろう。じゃあ裏をかき正面から行くぞ~

 

「そこだッ!」

 

アタックファンクション

月華刃

 

金色の一閃が透明なソルジャーDを襲う。その衝撃でインビジブルも解けてしまった

 

嘘だろ!?結構広範囲でスモークばら蒔いて影すら見えない筈だぞ・・・いや、スモークの揺らめきか。ちょっと浅はかだったな

 

パーシヴァルFは上からの攻撃に大剣を振り下す。もろに攻撃を喰らい地面に叩き付けられた。即座に後ろに受け身を取った。しかし右腕が反応しない

更にパーシヴァルは大剣を振り上げる

 

「貰ったよ!」

 

「甘いッ!そうは問屋が卸すかよ!」

 

タイヤを回してその場で勢いよく回転、唯一動く手首と遠心力で右腕が上がり大剣を振り上げている無防備なパーシヴァルFの胴体にクリーンヒット

 

『おーっと!カウンターが決まったぁー!コンゴウ選手、これは痛い』

 

パーシヴァルFの胴体が少しビリビリしている。少しでもパフォーマンスが落ちろ落ちろ

すかさずコマンドハンドガンの連射で無理にでも距離を稼ぐ

 

「なかなかやるねぇ」

 

「やりますねぇ!」

 

この際仕方ねえ。次の隠し玉だ!

 

アタックファンクション

グラビティスフィア

 

重力の塊のような弾丸が撃ち出される。弾速は早くなくむしろ遅い。普通に回避するがパーシヴァルFの動きに異変が起こる。重力の中に引きずり込まれたのだ

 

「なんだこれっ、操作が!?」

 

「重力のお味は紅茶と比べいかがかな?」 

 

そして左手でグラビティスフィアにむけ大雑把にクサナギを出力の限りの力で投げる。クサナギも重力に引き寄せられパーシヴァルFに突き刺さった

 

「これでエンドマークだ!」

 

『パーシヴァルF!ブレイッオーバー!河白選手全英チャンピオンを打ち破ったぁー!』

 

「あー、勝った。右腕イカれたときにゃ負けたと思ったわ」

 

「まさか一回戦で負けるなんて・・・僕も修練が足りなかったか」

 

「奇策に奇策を塗り重ねたからな。ぶっちゃけもう隠し玉は無いよ・・・インビジブルブレイドはでは想定してたけどグラビティスフィア出したのは痛手だったなぁ」

 

バンにも言ってない切り札だったんだよなぁ。ここで切ったのは正直めっちゃ悔しい

 

「じゃあスルガ君、また縁があったら会おうじゃないか」

 

「おう、またいつかな」

 

═控え室════

次の試合の間時間、仙道ニキとお話をしていた。

なんで俺一人で全英チャンピオンとやりあわせたのか、と言う内容だ

 

「仙道ニキ、なんで俺だけで試合出したんですかい?」

 

「俺はああいう相手が苦手なんだ。それにお前の実力も見てみたかったからな」

 

「それだけじゃいまいち納得出来ないっす」

 

「めんどくさかっただけだ。それにお前なら勝ってくると思っていたしな」

 

「思い切りと言うか、無謀と言うか・・・後仙道ニキ、ちょっと右腕が変に壊れてるんで次の試合までに修復終わるか怪しいですわ」

 

「問題ない。次の相手なら俺一人で十分だ」

 

えーっと、ブルド改×2のレーザーバズーカの火力ゴリ押しの連中か。確かに仙道ニキが一番輝く相手だな

 

「じゃあ俺は行ってくる」

 

と仙道ニキは次の相手を倒しに行った

 

「さーてと、今度はどこが壊れてるのかなぁ?」

 

サクッと右腕をアーマーフレームごと外し

 

「スルガ氏、スルガ氏!」

 

「シュワット!!」ビクゥガタゴト

 

めちゃめちゃ驚いた・・・

 

「いきなり後ろから声かけないでくださいよ、ユジンさん」

 

「何回か声かけましたよ。作業に熱中するのも良いですがもうちょい回りを見てください」

 

「はい、すいません」

 

ユジンさんことオタレッドさん。お互い知らないがスルガとは遠い親戚で割りと長い付き合いである

初めて秋葉原に行ったときに会い、すっかり意気投合したのだ。彼が今話しかけてきたのはただ挨拶しに来ただけらしい

 

「それにしてもさっきの試合見てましたよ!全英チャンピオンコンゴウヒノ、彼女アルテミス優勝候補筆頭みたいで、凄いですね!」

 

「ありがとうございます。オタ・・・ユジンさんも中々じゃないですか」

 

「ありがとう、それじゃあ僕もこの辺で、君のパートナーの試合がもうそろそろ始まるよ」

 

═════

そしてレーザーキャノン?だったかな

を乱射する火力ゴリゴリ軍団、片方同士討ち、もう片方はデスサイズハリケーンで粉になった

いやー、あんだけ翻弄された上でぼろ負けするって見てる側からすると超面白いな

 

そして次の相手はオタレッド

しかしどうするかなぁ、ぶっちゃけこのまま行ったらジャッチからの破壊END貰いそうでなぁ



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アルテミスの変な1日 みっつめ

═会場、Dキューブ前════

俺は今スーツ姿のユジンさんと対峙していた

そして今は赤ジャージでビビンバードXの仮面を被ったオタレッドと対峙している。ユジンさん、なんでここで着替えたの?

 

そして高らかにオタレッドが悪の仙道ニキを倒すと宣言、しかし会場はシーン・・・としただけであった

 

「仙道ニキ、こんな人ですけどこの人滅茶苦茶強いですよ。おまけとばかりに対悪者特攻みたいなのがあって仙道ニキに対してなら炎タイプと水タイプに効果抜群だと思います」

 

「なんだそりゃ?まあ良い。お前がそこまで言うなら相当な実力者なんだろ」

 

『Dブロック決勝戦!ユジン選手こと秋葉原は俺が守る!愛と平和のスーパーヒーロー!オタレッドォ!』

『対するは箱の中の魔術師の異名を持つ仙道ダイキ、そして全英チャンピオンを打ち破った河白スルガだぁー!』

 

「そいや仙道ニキ、今までまともに作戦立てないで適当に勝ってきたけど大丈夫?」 

 

「高度な柔軟性を維持しつつ臨機応変に、だ」

 

「つまり行き当たりばったりですね。了解でーす」 

 

「行きますよスルガ君!ビビンバードX!」

「戦場を駆けろ、ソルジャーD!」

「行け!ジョーカーMarkⅡ」

 

『それではDブロック決勝戦!レディ!ファイトッ!』

 

スルガの持ち込み武器

霊刀クサナギ ストームツインガトリング(stg)

 

map 港湾都市 ゼネラルレギュレーション

バトルスタート

 

まずソルジャーが前衛、横凪で真っ先に首を落としにかかるがビビンバードXは後ろに小ジャンプを繰り返し攻撃を回避、一度大きく後ろに飛び、ビビンブラスターを連射してくる

 

ちっ、蜂の巣に出来なかったか

 

即建物の影に隠れクサナギからstgに持ち替え、弾幕勝負、ビビンバードXも建物の影に隠れて撃ち合いが始まる。しかし隠れた所でジョーカーがそこに先回りしていた無理矢理建物の影から追い出さる

 

「アザス仙道ニキ!おるぁ!蜂の巣になれやぁ!」

 

「ヒーローはこの程度でやられヤバい!ヤバい!」

 

Stgの弾幕がビビンバードXを襲う。

しかしギャグマンガの如く足と手をバタバタして全て避け、また別の建物に隠れる

 

「うせやん、毎分2000×2門のレートやぞ」

 

「チィ、仕留め損ねたか」

 

ソルジャーはクサナギとタイヤで機動戦を仕掛ける。このmapは幸い刀を振り回せる程度だ

 

ジョーカーはどこかなっと・・・この間合いなら挟撃できるかな?

 

「仙道ニキ、west street」

 

「ああ?俺に指図するな」

 

そう言いながら動き的に意図は汲んでくれる仙道ニキマジツンデレ

 

ソルジャーが真っ直ぐ、刀を防御率姿勢で構えて突っ込む。それに対応しビビンブラスターを連射するビビンバードX

エネルギーの塊の球をスルガは刀を傾け受ける、そして一部の球が装甲に直撃するが大したダメージでもない。

 

これもしかして対ビーム対策してあるのか?装甲焦げてる様子もないな。行ける!

 

「来なさい!スルガ氏」

 

「応よ。いっけぇ!・・・仙道ニキ!」

 

「終りだ!」

 

ソルジャーがビビンバードXに向けて捨て身タックルと同時にしがみつく

そしていつの間にか後方に現れたジョーカーMARK Ⅱ

 

決めろ仙道ニキ!

 

アタックファンクション

デスサイズハリケーン

 

死の大鎌から放たれるのは巨大な死の竜巻

それは全てを飲み込んで行く

 

ソルジャーは無理矢理タイヤを動かしビビンバードXを自分ごと竜巻の中心へ押しやる

 

そして竜巻が過ぎ去った後には、ビビンバードXが立っていた。勿論無傷では済む筈がない。全身に亀裂が走り左腕が欠損していた

ソルジャーは全身に亀裂が走り、形を保っているだけですでに死に体、ギリギリ動く程度である

 

「ヒーローは・・・こんなところで負けちゃいけないんだ!」

 

「この死に損ないが!」

 

「仙道ニキ、撃破判定無いけど動けね。あとよろしく」

 

ビビンバードXが最後の抵抗とばかりにビビンブラスターを連射、それを意に介さず止めを刺さんとするジョーカー

 

「今です!必殺ファンクション!」

 

あ、いつものクソ長い技名言う暇も無いのか

 

アタックファンクション

レインバレット

 

ビビンバードXが空を舞い、大量の弾丸の雨を降らせる

ただあまりの高速回転に装甲もポロポロ落ちていく

 

装甲が限界を迎えてブレイクオーバーするのが早いか仙道ニキが回避しきるのか?

 

「どうなる?」

 

キュン、キュンと数発ずつ命中していく弾丸、その辺で死に体になっているソルジャーにも球は命中、止めを刺された

ジョーカーは未だにそのパフォーマンスを落としていない

そして弾丸が晴れる

 

 

 

 

 

最後に立っていたのは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

═控え室═════

破損したアーマーフレームをウォーリアーDに取り換えるスルガ、ついでにコアスケルトンの中身の損傷も直してしまう

 

「いやー、惜しかったですね。仙道ニキ」

 

「チッ」

 

結果は引き分けだった。ビビンバードXが限界を迎えると同時にジョーカーも倒れたのだ

 

「まあそんなに気を張らずに、ってどこ行くんですか」

 

「帰る。いつか奴にリベンジだ」

 

「閉会式とかいいんすか?」

 

「別に良い」

 

仙道ニキ帰っちゃった・・・暇だな

レックス今何してんだろ。そろそろ人間海道殺してアンドロイド海道にした頃かな

暇潰しにレックスのお手伝いするか

 

『もしもし、レックス?』

 

『どうしたスルガ』

 

『いや、プラチナカプセルとメタナスGXの件でお話があって、レックスどこにいる?』

 

『今さっき会場来たところだ』

 

『オッケー、レックス実はね・・・』

 

ここでレックスに話したことを要約しとこう

・イノベーターがおとなしくしてるわけねーじゃん

 

『それは俺も予想していた。プラチナカプセルの強奪対策に会場に人員を配置して対策は取ってある』

 

『じゃあおればメタナスGXの方警戒しますわ』

 

ピッピッピッ

 

From スルガ

送信先 バン

負けたしちょっと腹減ったからコンビニ買い出し行ってくらぁ

 

これでバンが連絡してくることはしばらく無いだろう

確認ヨシ

さてと、メタナスGX、守りにいきますか

 

═結果═════

ミスった。結果として人命を守ることには成功した

しかし五人くらいスタングレネードで処したのと引き換えにメタナスGXを間違えて破壊してしまった。破片は回収されちゃったけど

 

フルリンクシステム解除

 

「・・・さて、どう言い訳したものかな」

 

バンッ・・・

 

『ただいま停電が発生しています。復旧までしばらくお待ちください』

 

今エンペラーが大爆発してプラチナカプセル盗まれた所かな

 

これでレックスの計画の一端のメタナスGXをイノベーターに持たせるってやつは未達成になるわけかな?




═次回═
レックスを翻弄して遊ぶスルガ、しかしルナに危機が迫る!次回、スルガ死す!さーて次回もサービスサービスゥ


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スルガ君がレックスで遊ぶようです

どのオーバードウェポンどこで出そーかなー?


═???═════

「スルガ、そっちは大丈夫だったか?」

 

「あ、レックスごめん。メタナスGX壊した上に破片回収されちゃった」

 

「そうか」

 

「プラチナカプセルはどう?なんか合ったっぽいけども、こっちで強奪あったからなんか合ったんんじゃない?」

 

「こっちも成果はあった。強奪されていたプラチナカプセルの奪還に成功した」

 

「メタナスGXが解読コード取り出し不能くらいなまでにぶっ壊れてると良いんだけど」

 

さてと、海道殺し気付いてること匂わせとくか?

取り敢えず遊んでみるか

 

「ねえレックス、一つ質問があるんだけど」

 

「どうした?メタナスGXの破壊ならとやかく言う気はないぞ」

 

バンへ会いに行く途中、少し遊び始める

 

「大型エネルギープラント崩壊事故、いや、事件。この責任者の檜山って人ってレックスと、檜山蓮と関係があるの?」

 

「・・・ああ、俺の親父だ」

 

「レックスがシーカーに居る理由もその辺があるの?」

 

「ああ、あの崩落の原因はそもそも」

 

「当時の海道義光の無理な工期によるもの・・・でしょ?フルリンクシステム使って直接インフィニティネット経由で色々潜ってかなりヤバい所まで調べたよ。お陰で色々分かったけど・・・ね」

 

「お前、LBX使って直接ネットに接続したのか」

 

「それは今どうでも良い。重要じゃない。レックスは一人で何をしでかそうとしてるの?シーカー、イノベーター、エターナルサイクラー、この三つを集めて何を?」

 

「イノベーターと海道義光の打倒、これで満足か?」

 

「・・・いまはそれで良いや。ただ、俺の敵になるなら容赦はしない」

 

スルガもレックスも互いの腹を探る。お互いがお互いに疑問を抱くことだけは確かだろう。しかしスルガは全てを知っている

 

さてと、レックスが俺を警戒してる。てかこれで警戒してなかったら無能越えてるわ。拓也さん超えるわ

 

 

═会場入口════

バンと合流した。バンはプラチナカプセルをレックスから受け取り、俺からはメタナスGXの破壊を伝えた。カズはよろこんでいたが、正直山野博士がどうやって解読コード仕込んだか分からないからデータ復旧されたらコードがバレる危険がある

 

「現状鍵はイノベーターが、金庫は俺達が持っている」

 

「俺達はまだ負けてないってことか?」

 

「俺はまだやることがある。また何か分かったら連絡する」

 

レックスだけがどっか行き、入れ替わりで拓也さんが来た。そして原作通りプラチナカプセルをタイニーオービット社で解析する流れとなる

 

═高速道路═════

拓也さんが乗ってきた黒塗りの高級車、その中でスルガはとあるイギリスのサイトを確認していた

 

「FOOOoooooooooo↑↑↑」

 

スルガが突然奇声を上げる

 

「うわぁ、どうしたのスルガ」

 

「うおっ、びびらせんじゃねえ」

 

「見ろよバン、表示されてるクレジットの単位」

 

「え?一・・・万・・・・・・に、二十億ぅ!?」

 

「ええ!?スルガ、貴方一体なにしたの!」

 

「なんだこれ・・・」

 

最早絶句している四人、もちろんスルガが不正にデータの書き換えなどをしたわけではない

 

「イギリスで行われてたギャンブルに参加してな?この間のアングラで稼いだ分も含め全財産バンの優勝に注ぎ込んで大儲けしただけや」

 

これで将来生きてたら遊んで暮らせるな。ついでにこれ元手に研究進めて・・・ウヘヘヘヘ

目指せ!戦艦大和再建造!

 

「スルガ・・・あまりギャンブルに傾倒してはいけないぞ。何かあったら一気に破綻するからな」

 

「はーい。ありがたい忠告受けておきます」 

 

因みに数千万が数十億に化けたのはちゃんとした理由がある。

一つは伝説のLBXプレイヤー、レックスにベットが集中したこと

他にも優勝な選手が多くそっちの方向にも賭けが流れたこと

アングラ出場枠は元々良く思われて無いからまずオッズが高かったことが上げられる

つまり大穴に全賭けしたのだ

 

「拓也さん、全て終わったらシーカーの人達全員連れて回らない寿司行きません?全額奢るので、俺が」

 

ふと後ろを見てみる。なんか俺が荒稼ぎした直後にこういうトラブルあるな、いい加減にしろよイノベーター!前も飯行けなかったんやぞ・・・ウォーリアーD出しとくか

 

「拓也さーん、後ろから来るトラック、怪しくないっすか?わざわざ運転席にミラー処理施してありますよ」

 

「後ろのトラック?・・・皆捕まれ!速度を上げるぞ!」

 

物体が加速したとき特有の衝撃が車内を襲う。

 

「カズ、ハンターで後ろのトラックのタイヤぶち抜けない?」

 

「ナイスアイデア、やってみるぜ」

 

「俺もガトリングで挑戦してみよ。ハンゾウさんも我王砲で参加しません?」

 

「おもしれえじゃねえか、やってやんよ」

 

精密射撃、一発火力、数の暴力が揃い、タイヤをパンクさせにかかる

 

しかし馬力負けしてるなこれは。少しずつ詰められてら

 

「フルリンクシステム・・・はいっか」

 

車の屋根に三機のLBXが並ぶ

 

ハンターが精密狙撃、ウォーリアーDが弾幕の暴力で、ハカイオーが我王砲でタイヤを狙う。しかし効果は薄かった。単純にいえばタイヤが思ったより固かったのだ

因みに我王砲だけが当たらなかった

 

そしてトラックに並ばれ包囲されちゃう黒塗りの高級車

次々とびこんでくるデクーエースしかもトラックの上にまだまだ居やがる

 

「私も今クノイチ出すわ!」

 

そして車の防衛戦が始まる。ハンターとウォーリアーDがトラックの上から撃ち下ろしてくるデクーエースを弾丸を使い資源ごみに作り替える作業に入る

 

「このデクー、強いわよ」

 

時々スルガも降りてきたデクーエースに対してガトリングを掃射、圧倒的弾幕で砕く

 

「しっかしイノベーターの物量パないな押しきられるぞ」

 

更にトラックの上の射撃デクーエースがウォーリアーDに集中し始める。

ヤバいヤバい避ける場所が無え 

 

車の屋根で右往左往し弾幕を回避するウォーリアーD

その時、不思議な事が起こった

左のトラックにいたデクーエースの列が纏めて爆発四散したのだ

そして列の横に居たのは白き影、作中LBXの中で作中ほぼ最速の名を譲らなかった高速LBX

土星の衛星、災厄を吐き出した箱の名を冠するLBX

パンドラ

 

「あれは、エンジェルスターで俺達を助けてくれたLBXだ!」

 

「え?バン知ってんの?」

 

「ああ、パンドラって言うLBXらしい。Vモードを制御できるプログラムをくれたのもパンドラなんだ」

 

パンドラが来て一転攻勢に出る。しかしトラックから次々とデクーエースが吐き出される

 

「ちょっち範囲殲滅するからウォーリアーさげるわ。三十秒程もたせてくれない?」

 

「分かったぜ!まだまだ行くぞ!ハカイオー」

 

クノイチもパンドラとは逆のトラックに乗り移りデクーエースを切り裂いて行く

ハンターもちょっと苦戦気味だ。といってもハカイオーがバックアップしてるから大丈夫だとは思うが

 

スルガはウォーリアーを回収、背中に新たな力を授ける。その武器は大量の扇子を背負っているかのようだった

 

「お待たせしました。それでは行きましょう!発動!オーバードウェポン!」

 

スルガCCM『不明なユニットが接続されました。システムに深刻な障害が発生しています。直ちに使用を停止してください』

 

その音声を鳴らしながら背中の大きな扇子のような部分ががこがこ動き、側面に一つずつ移動、ガチャンと音を立て一つ一つの棒が蠢き始める

 

「皆、LBX下げないと問答無用で壊れるよ!」

 

速やかに全員がLBXを回収した。明らかにLBXについてはいけないものがついているウォーリアーを見たのも原因の一つだろう

 

オーバードウェポン

マルチプルパルス

 

一瞬だけウォーリアーが光る

片面65門、両面合わせ130門から放たれる強力な緑のレーザー、それは自分達が乗っている車より上の全方位に対して破壊を振り撒く暴力

残りのデクーエースは一機残らず砕け散り、回りのトラックに大ダメージを与えた

 

あっ、パンドラの事考えて無かった。巻き込まれてないといいけど

 

と思ったらこちらの動きの意図を察っしたのかいつの間にやら車内に退避していた。アミの膝の上に乗ってら

そしてトラックも退却していく

因みに翌日のニュースで大破した自動運転のトラックが数台巻き込み大事故起こしたと言うニュースが流れるが関係無いと言うことにしておこう

 

「ハンゾウさん、ウォーリアーの回収お願いします」

 

「別にいいが、大丈夫か?近づいて」

 

「エネルギー残量0なんで問題無いと思います」

 

そうして、タイニーオービットへ向かう一行であった

 

「なあスルガ、今回のあの武器の名前なんて言うの?」

 

「マルチプルパルスって呼んでる。範囲殲滅力は見て貰った通りえげつないを通り越してるぞ。勿論LBXに無理矢理対応させた規格外品」

 

そしていつの間にパンドラも消えていた。そうだ、そろそろ八神さんが離反する頃だな




次回、絶対零度の闘志が起動する

因みに現状のルナちゃんは拓也さんが手を回してタイニーオービットの息がかかった病院に転院させる準備が進められている


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絶対零度の闘志 ルナへの危機アイン

.
人類最後の希望が起動する



═タイニーオービット═════

着いたら結城さんがお出迎えに来た。各々が結城さんにLBXを預ける

取り敢えず壊れたソルジャーのフレームとコアスケルトン(現在ウォーリアーD)を預ける

 

「スルガ君、君の頼んでいたLBX、完成したよ」

 

「まじで!?」

 

これでイノベーター産所かこれから出てくる超兵器群粉塵に還せるぜ、やったぁ

 

「スルガ君、僕は先にプラチナカプセルの解析を準備しておくから皆をレベル4研究室に案内してきてくれないかい?」

 

「分かりましたぁ!ついでに出来たLBXにも期待しておきます」

 

═レベル4研究室═════

いやぁ、白いしカズがうるさい

確かに始めて来たときは嬉しかったよ。でもうるさい

 

「スルガ君、出来ているよ。ただ」

 

「ただ?」

 

「ダイヤモンドの加工は終わってる。嵌め込みだけは君にして貰いたくてね」

 

「なるほど」

 

「ダイヤモンドを使うLBX?」

 

「といっても装飾じゃねえぞバン。とある武装を作るのにダイヤモンドの強度が必要だったんだ」

 

そして完成一歩手前の銀色のLBX 

胴体の装甲を展開して・・・ここをどかして、ダイヤモンドを嵌めて、装甲を閉じる

よし、完成だ

 

「これからよろしく頼むぞ・・・機龍」

 

「きりゅう?これがこのLBXの名前かい?」

 

「うん、3式機龍。機械で作られた龍ってことで機龍」

 

「なんだこれ?シルエットだけ見たらLBXには見えないな」

 

「そうだろうな。ギリギリ規格内では納めたけどLBXかと言われるとスゲーグレーゾーン。Mチップがスペース喰って邪魔で取っ払ったからアルテミスとかじゃ使えねえ」

 

組み上がったLBX、3式機龍を見る。

普通のLBXに比べ頭一つ突き抜けてデカイ 

今は武装バックパック、両手のレールガンユニットは付いていない

 

「だがこいつはここで終りじゃない。いわば3式機龍は高機動型。コアスケルトンを共有するもう一機、構想がある。ま、現段階じゃ無理だローな」

 

そして機龍談義をしているといつの間にか社長が居てアミがパンドラの事も看破していた。そして

 

「君か、DシステムとそのLBXの設計者は」

 

「はい!お初にお目に係ります社長、河白スルガです」

 

「若いのに大した物だ。特にDシステムには驚いたよ。その手があったか・・・とな。私も発想力は自信が合ったのだがね」

 

「いえいえそんなッ、危ない!」

 

クソッ、そいやインビットの襲撃有るんだった 

各々が操作端末に隠れている。祐介さんとアミが同じ場所にいる

パンドラの受け渡ししてるね。俺も機龍で初陣と行きますか!

侵入してきたインビットは合計10機、こいつなら余裕

 

「戦うぞ!機龍!」

「お願い、パンドラ!」

 

map レベル4研究室 アンリミテッドレギュレーション

バトルスタート

 

銀色の龍、パンドラがインビットに立ち向かう

 

まず先んじて機龍が咆哮、口から連装メーサー砲を放つ

びりびりと音を立て横に並ぶインビット三機を破壊した

 

「想像以上の威力だな。軽金属とは言えここまで簡単に破壊できるとは」

 

派手に機龍が派手に暴れまわりインビットは暴れる機龍最優先脅威と認める。そして射撃、接近攻撃をしかけてくる

カァン、カンカンカン

攻撃が機龍に当たるがその圧倒的な装甲は攻撃を寄せ付けない

 

「すげぇ、なんてLBXだ」

「うん、確かに凄いや」

 

そしてインビットが機龍に集中した結果一機爆散、パンドラがフリーとなった。その圧倒的機動力を最大限振り回し2機のインビットのメインカメラを破壊、無力化そして機龍が尻尾で破壊する

残り4機、射撃に徹していたので各所についているブースターを使い超加速、パンドラにも負けない速度でインビットに近づき一機に体当たり、近くのもう一機を捕まえ出力に任せ床に叩き付ける

そして残りの二機もパンドラが無力化していた

 

══════

 

「凄い性能だ・・・予測以上の力」

 

「こいつがあれば」

 

この後、オーディーンが出来たり、ジン君がリニア止めたりしてた。そしてジンも一緒に行動するすことになった

この二人の活躍が見たい?皆知ってると思うけど別の小説か本編、もしくはゲーム買って、どうぞ

 

══════ 

 

 

さて、俺は今機龍に乗り移り空の旅をしています。何だかって?

レックスも関知していなかったらしい所でルナの暗殺計画が動きやがりました

([∩∩])〈連中死にたいらしいな。殺してやるよ

 

さて、なんでスルガがこんなことをしているのか、それはリニア騒動が一段落した頃だ。拓也さんの元にはレックスから、スルガの元にルナの主治医からの通報が合ったからだ

 

 

 

═タイニーオービット════

 

『河白君、不味いことになった』

 

『お医者さん?何かあったんですか?』

 

『石森里奈の離反が確認されてそれに合わせて報復にルナちゃんの命を狙ってる!僕の元にも殺せと命令が来た。今はのらりくらりとしてるから大丈夫だが直ぐにでも』

 

『分かりました・・・今すぐ行きます』

「行くよ機龍。フルリンクシステム、起動」

 

機龍は適当な換気口に侵入し、外を目指す

 

「皆、詳しい事情は車で説明する。ついてきてくれ!」

 

「拓也、何かあったのか?」

 

「ああ、とても不味いことになった。里奈の妹の命が危ない!」

 

「え?里奈さんの妹ってスルガの」

 

「ああ、スルガ?」

 

拓也さんが声をかけた時にはすでにスルガはここに居るが居なかった

 

「バン君、里奈の妹がいる病院はここからそうはなれていない。コントロールポットを使ってオーディーンで追ってくれ」

 

「分かりました!」

 

「バン君、使い方は覚えているね?」

 

こうして、今に至る

 

═空═════

機龍は各所のブースターを使い飛行している。後ろには飛行形態のオーディーンの姿も確認できる

 

クソッ、こんなの原作に無かったぞ

俺が居て少しずつ影響が出てるのか?いや、今はそんなことどうでもいい。ルナを救う!

 

全力飛行を続けているとルナの入院している病院が見えてきた

 

チャット『バン、あそこだ』

 

『了解!スルガ、レックスからの伝言で止めれなくてごめんだって』

 

チャット『過ぎたことはどうでもいいって返しとけ』

 

『後襲撃してくるイノベーターはLBXが数機、それを操作している数人みたい』

 

チャット『状況によってLBXの方全部お前に投げるわ』

 

ノズルの角度を少し変えルナの病室の窓に突っ込む

バリンと派手な音を立て、病室に二機は着地した 

 

「ひっ、何!?」 

 

ルナCCM 『スルガだ。助けに来た』

 

「スルガ?ってことはそういうことか。新しいLBX?」

 

ルナCCM『せやで。取り敢えず話は後だ。逃げるぞ』

 

「逃げるって、何から?何処へ?」

 

ルナCCM『取り敢えず裏口行こっか。道、分かるでしょ?』

 

「うん!分かった!」

 

ルナは数回病院から脱走を企てていた。その度スルガが阻止したりしていたり参画してたりする

今回もそのルートで行くのだ

 

機龍とオーディションが先行する

病院自体は平常通り回っているためあまり派手なことは出来ない

ならばイノベーターも派手には動かないはず

 

チャット『バン、イノベーターのLBX、爆発させずに機能停止させること出来るか?』

 

『できると思うけど』

 

今のルナにはあまり無理をかけられないので歩いて移動する。幸い裏口とはそうはなれていない

 

チャット『バン、いやな予感がする。ルナの直衛任せた』

 

機龍だけが先行、裏口に向かう。防犯カメラも磁場爆弾を投げて無力化

しかし居眠りをしている警備のおっちゃん以外に特に何かあるわけではない・・・と思われたが、近くの木の上に見覚えがあるLBX、二機のアサシンが待ち構えて居た

 

あいつか・・・丁度良い、新作試しますか

 

腕のレールガンユニットをアサシンに向ける。射撃

初速がえげつない程早いレールガンの連射、の割には音も出ないので警備のおっちゃんも起きない

そしてアサシンにヒット、何発も貫通し機能停止

その射撃に気づいた方には背部バックパックからの誘導弾(弾頭は魔改造超強力スタングレネード)を御見舞い。地面スレスレを飛行させ真下からぶつけ撃破した

 

これで終りか?まだ居るだろう。もっと出してこいよ

 

そしてオーディーンに護衛されたルナが来る。一応警備のおっちゃんは起きていない

 

チャット『バン、アサシン二体処理したわ。まだまだ居るかも』

 

『こっちも病院の中でインビットを撃退したよ』

 

『二人とも、聞こえるか』

 

『はい!』

 

『付近のLBXの反応を探った。反応が弱く詳しい位置まではわからないが恐らく後三機程居ると思われる。里奈の妹を連れ出した後は車に収用してひとまずタイニーオービットへ逃げ込むぞ』 

 

ルナCCM『ルナ、どこに何が居るかわからない。少しここで身を隠して』

 

索敵開始、周辺の電波反応を探りましょーねー。二機はっけーん、でもさっき撃破されたの見てて隠れてやがんな・・・操縦者と言うか管制してる奴ら潰しにかかるか

 



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絶対零度の闘志 ルナへの危機ツヴァイ

ある意味スルガ君の真骨頂、卑怯な手を使った対人戦


═イノベーター指揮車════ 

「インビット全てやられました」

「アサシン二機反応lost!」

 

「ええい、シーカーのLBXは化け物か。残りはどうなってる」

 

化け物どす。間違えありまへん

この作戦の指揮官がイラついて愚痴る

 

「一応見えない位置で待機中です、あっ!銀色のLBXが何処かへ行きました!インビジブルで姿を消したようで居場所不明」

 

「配置中のLBX警戒せよ、クソッ、ガキ一人殺すのにここまで苦労するとは」

 

「諜報班より通信、シーカーの援軍が向かっていると」

 

「チッ撤退するぞ運転手!・・・おい!」

 

突如、指揮車に積んであるコンピューター全てが一斉に機能停止した

 

「シーカーの妨害か、撤収!爆破用意!」

 

「隊長、後部ハッチ、開きません!」

 

「なんだとォ!」

 

═お外════

機龍が天井にメーサーブレードを突き刺し、エネルギーを雑に流し込んで機器をショートさせていた

そしてその辺の木の枝を切り閂のようにセットしている

そして運転手は既にスタングレネードでビリビリされて気絶している 

 

あれ?もしかして俺LBXより対人制圧の方が得意なの?

 

メーサーブレードで空けた穴からスタングレネードを当たるか分からないので十個程投げ込む

バチッドサドサドサ

 

よし、残りはメーサーで直接ビリビリしましょ

 

穴から中に降り立つ。気付かれてはいないので取り敢えず人数確認

あら?後一人か。メーサー使う必要もない。よっと、えい!

後方に回り込み首の後ろを良い感じに尻尾で殴る

 

「クギュ、ゥ」

 

こいつ・・・既に釘宮病に侵されていたか。手を下すまでもなかったかもな

 

チャット『バーン、なんかLBX操作してたっぽい奴らお片付けたよ。拓也さんなんか言ってる?』

 

『えーっと・・・特になにも』

 

チャット『いつ頃着くか聞いてくんない?』 

 

『分かった。拓也さん、スルガがいつ頃着くか聞いてきてます』

 

『もう少しで着く。裏口だったな?』

 

『はい』

 

チャット『拓也さん、俺の体ってタイニーオービットに放置してある?』 

 

『いや、一応車に積んできた』 

 

チャット『りょ』

 

さて、後は車壊して待つだけやな

シーカーの人員が着くまで車のハンドル根元から切り落としたりブレーキペダル取ったり排気口に泥詰めたりタイヤパンクさせて遊んでたらシーカーの人達が来て気絶したイノベーターの人達を回収、トラックはブレーキ無いしハンドル無いので別で回収するのかなぁ

とにかく、ルナの所に戻りますか

 

═車═════

あったあった、俺の体

 

「ふぃー」

 

「あ、起きた」

 

「これが例のシステムか・・・興味深い」

 

あ、ジン君チスチス。さっきあんまり話せなかったな。そういえば

 

「スルガ、ありがとー!」

 

ドゴォ「ブベス!」

 

起きたと思ったらルナがロケットのごとく抱きついてきた

 

「ルナ、抱きついてくれるの嬉しいんだけど人目考えてくれない?」

 

「別にいいじゃん、減るものじゃ無いんだからさー」

「それにアミちゃんから聞いたよ。私のこと命をかけて助けてくれたって、前からそうだって」

 

「アミ?あんまり人に話しちゃ駄目じゃなかったっけ」

 

「ちょっとくらいいいじゃない」

 

「ヒューヒュー、お前もすみに置けねえな。こんなカワイイ女の子に好かれてるなんて。明日にゃ学校中の噂になってるだろうな」

 

めちゃくちゃ良い笑顔してやがるこいつ(^^;#ピキピキ

 

「辞めて、辞めて、じゃないとカズの黒歴史を仙道ニキ通じて一中にも流す(唐突な脅迫」

 

「分かったから辞めてくれ!」

 

「それで良い。しかし拓也さん、ルナの受け入れ先ってどこなの?」

 

「これから何もなければタイニーオービット社へ直接入って貰う。心配するな。カルテは貰っている」

 

なるほど、それでね・・・カルテ?部外者が見れるようなもんだったっけ

 

「ここに来る途中送られてきたんだ。スルガ、心当たりは無いか?」

 

「そういえば、ルナの主治医見てねえな。結局名前も知らないし」

 

「そうか、恐らくその主治医から送られたもので間違いなさそうだな」

 

「ま、あの野郎が死ぬとも思えねえんでほっといても良いとは思いますが」

 

ほんとにどっかで生きてんだろ

ま、生きてたら会うだろし

 

「とにかくここを離れよう。騒ぎは起きていないとはいえな」

 

「はーい」

 

・・・・・・

 

タイニーオービットへの移動中、ルナに膝枕を強要されているスルガ

あ~、幸せじゃぁ。頭ナデナデすると少しくすぐったそうに頭ごそごそするのも最ッ高

 

「なあスルガ、確かお前が前に言ってたじゃねえか『病床から動けない人が外に行くために作った』って。もしかしてフルリンクシステムはルナの為に作ったのか?」

 

「カズにしては良い勘してんじゃねえか。ご名答だよ」

 

「うん、私はまだ使ったこと無いけど・・・あ!」

 

「どうしたルナ?」

 

「CCMは持ってきたけどLBX置いてきちゃった」

 

「なら適当なタイミングで病院から回収してきてやるよ」

 

「そう?ありがとう」

 

「なんか今日のルナいつもより甘え方?凄くない?」

 

「なんでだろうね?私にも分かんないや」

 

といって更に体を密着させようとしてくるルナちゃん辞めて?俺のアレが反応しそうだから

しかしなんなんだ?いきなり、変なやつ

 

「ルナ君はスルガ君の事が好きなのかい?」

 

えーっとジン君?その質問・・・無自覚くせえな

 

「うーん・・・大好き!なのかなぁ?」

 

「スルガの事どう思ってるの?」

 

ちょっ、アミも?・・・なんで俺焦ってんだ?

 

「うーん、兄弟・・・なんか違うな。なんだろ」

 

あ、そういうことか、やっと分かった

 

「俺ルナの事が好きなのか」

 

なるほど、これで胸に引っ掛かりがとれたな

 

『『『・・・・・・・・・・・・・・・』』』

 

あれ?なんで皆唖然としてるの?なんでルナ顔赤くしてるの?・・・あ

 

「えっと・・・これからもよろしくお願いします」

 

熟れた林檎のように顔を真っ赤にしたルナ、服越しの太ももにも暑さが伝わって来る

タイニーオービットへの帰りの車内、一組のカップルが誕生した




═あとがき═
「ねえスルガ」
「どうしたルナ」
「あれって、告白・・・だよね?」
相変わらず顔は真っ赤だ
「うん、うん。そうなるな」
「えへへへ、スルガと恋人」


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フルリンクシステムの謎

ルナとのイチャイチャ第一段
しかしスルガはまだ距離を計りかねている様子


═タイニーオービット════

ちょっと気まずいです。いきなりあんな告白しちまって

しかも祐介さんが変な気を(いたずら心かもしれない)回してタイニーオービットの病室に二人きりにさせられてしまった。嬉しいんたけど・・・

 

「スルガって命をかけて戦ってきたんだよね」

 

「うん、そうだね」

 

こいつがやっていること、今思えば相当滅茶苦茶である

 

「・・・」

「・・・」

 

辛い。話が続かないのが辛い。現時点であんまり踏み込んだこと言えないから尚更

 

「ルナ、取り敢えず言っておこう。俺が戦ってる第一目的はお前の治療のためだ。だから応援、してくれ」

 

「うん」

 

「二人とも、取り込み中申し訳ない。プラチナカプセルからこんなメッセージが出てきてな」

 

出てきたメッセージ要約

プラチナカプセルは要するに解読コードがあれば良いだけでメタナスGXは必須じゃないよ

解読コードはインフィニティネットのなかのゴットゲートの先に置いてあるよ。やったね

 

そしてゴットゲートなんて突破できねえよバカ野郎

いや、心当たりが←今ここ

 

「結城がオタクロスと言う伝説のハッカーならあるいは、と」

 

「オタクロスさん?連絡取ってみますわ」

 

「知り合いなのか?」

 

「直接は連絡取れないのでその人のお弟子さん経由でですが」

 

═══

 

『もしもしユジンさん?』

 

『スルガ君、こんにちは』 

 

『こんにちはです。ユジンさん。早速で悪いんですけど、今からオタクロスに会うことって出来ますか?てか多分他の奴らがオタクロスさんの事秋葉原に探しにいくと思われ』

 

『師匠ですか・・・分かりました。僕の方から連絡だけしておきます。師匠なら知っていても可笑しくは無いですが』

 

『せやな』

 

よし、アポは取った。しかし直接会いに行っても良いけどそしたらオタクロス機嫌損ねそうだし・・・

 

「拓也さん、一応ユジンさん経由で連絡だけして貰いました。でもオタクロスさんの事なんで簡単には会えないと思いますよ」

 

「すまないな」

 

「ぶっちゃけ言いますとオタクロスに会うための試練的な何かを乗り越えられなけりゃ協力もしてくれねえでしょうし」

 

「スルガ、直接案内を頼めないか?」

 

「うーーーん、直接居場所まで行っても良いっちゃ良いんですけど、それはゲームで言うチートかグリッチに近いんで協力してくれないかもですよ」

 

スルガCCM『スルガ、ユジンに連絡を頼んだデヨ?』

 

突然着信音無しにスルガのCCMからオタクロスの声が流れる

 

「はい、ちょっと頼み事がありましてね」

 

『別にそれはヨイヨイ、頼み事も聞いてやらんこともない。ワシとおまんの仲じゃ。じゃが来るならスルガは置いてこいと言っておったと言え。直接ワシの所に来られたら堪ったもんじゃないデヨ』 

 

「えー、マジですか」

 

『おまんらが何をしようとしておるのか大体検討はついておる。ワシが用意した試練をクリアできなんだらその目的も到底ムリムリデヨー』

 

「なるほど。拓也さん、らしいです」

 

『なんじゃ?そこに誰か居るんか?』

 

「シーカーの宇崎拓也と申します。この度はご協力を仰ぎたく」

 

『堅苦しいのは無しじゃ。ワシの気が変わらんうちに来るがよいわ』

 

と、一方的に通話は切れた

 

「拓也さん、じゃあ俺はオタクロスの試練をクリアできた辺りで俺も連絡貰ったら秋葉原行きますんで」

 

あ、そう言えば仙道ニキ今何処に居るんだろう?秋葉原かな?てか秋葉原に居てくれ

 

「分かった。一応連絡だけは取れるようにしておいてくれ」

 

「はいはーい」

 

と、拓也さんは病室から出ていく。しかし今見ると凄い設備だな。それにしても素人目に見てもこれ一会社の医務室かって程の設備が揃ってる。過去に何かあったの?

 

「ルナ、フルリンクシステム、試してみる?」

 

「え?出来るの?」

 

「できるっちゃ出来るよ。後から調べたらCCMは俺のやつの設定弄ればいいし、でも今フルリンクシステムのリンク先が機龍しかないからソルジャーの修理待つしかないけど」

 

フルリンクシステムについては本気でスルガも良くわかっていない(n回目)

なので普段から研究、解析してないと分からないブラックボックスなのだ

 

「機龍じゃだめなの?」

 

「慣れてないとキツいと思うよ。いきなり関節の数と位置と体格が変わるから、初回なら人形のナイトフレームでやるのが一番違和感ない」

 

今まで結構な数のLBXで試したが、純人形のフレームが一番しっくり来たし、扱いやすい。足のタイヤ制御できるようになるまで時間かかったからな

 

「適当なナイトフレーム借りて試してみようか」

 

「動ける?車での移動で大分体力使ったみたいだけど」

 

「そ、それはスルガがいきなりあんな告白してくるからだよぉ」

 

そう言って頬を膨らませるルナにスルガは指でその頬をつついてみる。そして二人して大笑い

一時の幸せな時間が過ぎていく

 

═レベル4研究室═════

機龍とオーディーンが産声をあげた研究室

今はプラチナカプセルの解析が行われている

 

「ソルジャーかい?それならもう修理は終わっているよ」

 

「ありがとうございます」

 

「今からフルリンクシステムのテストをするんだろう?僕も微力ながら協力させて貰おう」

 

「ありがとうございます。取り敢えず分かってるのはここまでです」

 

そしてフルリンクシステムの判明している部分を開示した。スルガもぶっちゃけ半分くらいしか分かっていない

 

「ふむ、どうやってLBXに人の意識が宿るのかは良く分からないと」

 

「そっこが分かんないんですよねぇ、意識を送る途中何がどうなってるのやら、箱で電波的に遮断しても問題無く作動したし、ほんとなんなのこのシステム」

 

この男、自分を実験台にするのに躊躇いがない

と結城さんと少しだけ議論を交わす

そしてもう訳わかんねえからさっさとするか。と言う結論に至った

 

「ルナ、使い方は言った通りだ。最後に声紋ロックがあるからフルリンクシステム、起動って言ってね。じゃないと作動しないから」 

 

ソルジャーは通常の足に一時的に換装されて、その辺にあった机の上に置かれている

車椅子に座ったルナがスルガのCCMを操作する

 

「えっと、フルリンクシステム起動?」

 

ルナの体から力が抜ける

そして数秒後、ソルジャーが動き出した

 

「おーい、ルナ。特に異常無さそうなら右腕上げてくれ。駄目そうなら今すぐ解除して」

 

ソルジャーが右腕を上げた。問題は無いらしい

 

「そしたらちょっと机の上歩き回ってくれ」

 

特に問題なく歩く、走る、ジャンプ、起き上がる等、日常生活で使うような動きを思い付く限り試して貰った

 

「オッケールナ、そろそろ戻って」

 

ソルジャーが沈黙、車椅子に座った体が動き出す

 

「ルナ、体おかしくないか?」

 

「うん、ちょっとびっくりしただけ。でもあれが普段のLBXの視点かぁ」

 

「結城さん、特に問題無さそうですね」

 

「そうだね、スルガ君の連続使用時間の最長記録は16時間、それを考えると1日中動き回るのは可能か」

 

※こいつは病院ではなく自宅に体を放置しています

大変危険かもしれないので悪い子は絶対に真似しないでください。この警告聞いて実行する良い子は只の狂人なので気にしないでください 

 

「ここまで来てるなら俺の監視の元学校で実地試験できますかね?」 

 

「十分可能かな。近くでシステムを発動出来るといいから保健室のベッドを借りられると理想だね」

 

と、結城さんと計画を練る。まあ基本的にイノベーターを何とかしてからだが

 

「スルガ、近所に散歩に行くくらいなら良い?」

 

「うーん・・・別に良いんでない?何かあったらシステム強制解除出来っし」

 

「違う違う。二人でお散歩」 

 

「そこはカルテ見て判断かな~。車椅子使えば行けっか。普通に散歩してたし。ただ、いや、あんな被害出したんだ。これ以上なんもしてこねえだろ」

 

※ルナの症状は原作より多少緩和されています。姉である里奈とは別にスルガと言う精神的柱が居るので心に余裕があった。病は気からとでも納得してね?ね?

 

「結城さん、どっかに車椅子って置いてありますか?」

 

「病室に置いてあるはずだよ。あと車椅子を使うなら正面の階段じゃなくて横の搬入口から出たほうがいいよ」

 

═近所のカフェ════

ルナの興味で近くのカフェにきた。ぶっちゃけコーヒーはレックスがいれたやつが一番旨い

そして目の前には目を輝かせてパフェを見ているルナ。生まれて直接見て食べるのは初めてらしい

あと滅茶苦茶可愛い。来て良かった

 

「スルガ、ありがとう。連れてきてくれて」

 

「お礼なら結城さんに言いなって。ここ教えてくれたの結城さんだし」

 

俺は金しか出してないからな!

 

「これがパフェかぁ。甘くて、美味しい!」

 

あ~^^可愛ええ

 

「そうかそうか、旨いか~」

 

因みにスルガは紅茶を飲んでいる。あの執事さんが淹れたやつもう一回飲みたいな。と思いながら紅茶を啜る

 

「はいスルガ」

 

「ん~?」

 

「あーん」

 

ルナがクリームと少しのフルーツが載ったスプーンを差し出してきた

え?あー、そういうことね

頂きま~す

 

「美味しい?」

 

「甘い、頭使った作業の徹夜明けに食べたい味だな」 

 

「ププッ、なにそれ~」

 

スルガCCM

『fromバン

オタクロスの試練突破したぜ!』

 

ありゃりゃ、もうおしまいか

 

「ルナ、バン達が一区切り付いたみたいだ。タイニーオービットに戻るからさっさと食っちまえ」

 

「えー、勿体ない気がするなー」

 

「また近い内に連れてきてやるよ」

 

「約束だよ?」

 

「ああ、出来る約束しかしねえ主義だ」

 

 

 

 

═???═════

 

さあ皆さん、私こと河白スルガは今どこにいるでしょうかーー!(イモト感)

ヒントは回りにカラフルな球体とか上の方になんか金色のデカイ何かが見えまーす

 



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無限増殖電子海インフィニティ 神ノ門ヲ突破セヨ

なにやら変な所に入ったスルガ、さて、何処に居るのやら

そして装甲娘ストーリー二クール目二章でジン君が
『電脳に意識を移したら戻ることは出来ない』 
って言っちゃったんですよ。( ・ω・)∩シッツモーン 
スルガ君どうしよう(震え声)


═インフィニティネット═════

皆さーん!私は今!インフィニティネットの中、ゴットゲートの程近くにアクセスしていまーす

何?タイニーオービットに居るんじゃないかって?フルリンクシステム使ってLBXから直接意識ごと潜ってるから中にいるんだ!

 

そう!今のスルガの状態はフルリンクLBXを通じて意識『ごと』インフィニティネットに潜っているのだ。この状態では基本的に並のセキュリティなんぞ障子紙の如く突破できる

因みに最初は機龍でダイブしたからバーチャルLBXになると思ってたが生身(河白スルガの体)だった

 

ちな隣にオーディーンとハンターが居る。これからゴットゲートまでの道筋をこじ開けていくのだ

 

══════

 

さてと、道筋をこじ開けるのにも手順がいる

何個かの球体の中のセキュリティを撃破していかねばならないのだ

 

══════

 

シヌカトオモッタ,ホントシヌカトオモッタ

 

適当な武器アクティベートしてバーチャルLBXと戦ったは良いけど弾当たったら痛てえし、斬られたら腕切れるし痛いし殴られたら体凹むし痛いし

 

戦闘が終わったら体は元通りだけど、やらなきゃ良かった

 

そして、もうあと三回程死にかけ、一回死に、ゴットゲートにまでたどり着いた

 

オタクロスのアバターのLBXのヘッドパーツがゴットゲートへ吶喊、ハッキングを開始したのだろう

 

ゴットゲートをこじ開けましょうかねぇ!気持ち素手で!

この扉クッッッソ重たいんだけど!?

スルガが扉の隙間に手を突っ込み、全力でこじ開けにかかる

 

今だバン、カズ!行け

 

そしてゴットゲートが少し開いた隙にオーディーン、ハンターは飛び込んでいく。

よし、行ったぁ!痛ったぁ!

ゴットゲートが閉じた衝撃でインフィニティネットの何処かに吹き飛ばされた。吹き飛された先は・・・この小説のレーティングでは表せないサイト、とだけ言っておこう

 

═タイニーオービット═════

 

「痛ってー、なんで電子世界でダメージあんだよ」

 

「大丈夫かい!?モニタリングしてたけどかなり酷いことになってたよ!」

 

「うん、スッゴく痛かった。もう暫くやらん」

 

「スルガ本当に大丈夫?」 

 

「なんか、地味に痛みが残ってんだよな。少しずつ引いてはいるがこれが幻視痛ってやつなのか?」

 

斬れたとことか凹んだところが少し痛い。だが服を捲っても傷などはない

 

「人が電脳空間に入るとこうなるのか・・・人の意識をLBXに移すって時点で神の領域侵してそうだったが、全然だったわけだ。このシステム発展させて不死身になったらどうなることやら」

 

「ただゴットゲートだけはこじ開けてきた。後はあちら次第だ。さーて、とりあえず寝たい。すっごい疲れた」

 

「仮眠室の場所は知っているかい?」

 

「知ってます。じゃあ、少しおやすみなさい」

 

═翌朝══════

うっ?うう、良く寝た良く寝た

今は何時かなっと、あれ?腕が動かねえ

と、動かない方の腕を見る。神経イカれたか?と思いつつイカれたら機械の腕繋げりゃいっか、とも思ってる頭のイカれ狂い

しかし柔らかく暖かい何かに包まれているようだが?

・・・ルナ?

 

右腕にルナが抱き付いて眠りに着いていた

 

あー・・・うわっ、ほぼあれから丸1日寝てたのかよ、朝になってら

でCCMに着信か?

 

要約

解読コード獲得のためにアキハバラキングダムに出るよ

出るためにはランキングバトルで100位以内に入るぞ

お前倒しに行くから首洗って覚悟しとけよ

 

うっわ、標的にされてら。さーて、ここ3日潜って無いからな~、今の順位は・・・98位、で次の相手は・・・ルナ?

 

═少しあと════

 

「へー、そんなことがあったんだ」

 

「うゆ。他の奴らにランキング抜かれるのも癪なので一緒にランキングバトルに繰り出そうぜ」

 

幸いメタモ経由でランキングバトルには挑めるのだ。順位が近ければ共闘も一応可能だ

 

「いいよ。やろうやろう!」

 

「一週間くらいで二人でどこまで上がれるか、挑戦だ!」

 

 

 




短めですがここでおしまい

さてと、スルガをどうするべきか


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ランキングバトルゥ! アキハバラキングダムまでの一週間!

えー、三秒位の脳内協議の結果、スルガにはこのまま好き勝手させるということで決定しました

だって手後れ感が半端無いのよ


═メタモ!════

ランキングバトルとは?

なんか十位毎くらいにグループ分けされている。何十一位を倒すと次のランキングへ挑むことが出来る。スルガとルナが居るのは100位から91位までのグループである

 

「そうだなぁ、頑張って一気に80からのグループに戦闘吹っ掛けれるけど、どうする?」

 

「面白そうだねぇ」ニヤニヤ

 

ルナもルナでやる気満々ってことかい!

んじゃまあ一発、やってみますか

 

═夕方になった════

 

と、意気込んんでいた二人

順調に勝ち上がり直ぐに80位集団を突破、直ぐに70位集団に食い込むという破竹の勢いでランキングを上っていった。他の人らを見てみるとジン君がもうそろそろ百位以内に来そうだ。確か140位だったはずなのだけど化け物じゃねえか。ぜってえ最短距離で来ただろ

バンも120位まで来てる。早けりゃ明日にでも来るなこれ

 

「あ、スルガ、ソルジャーありがと」

 

「別にいいさ。暫く使ってろ。しかしルナのバックアップに徹して居るから良いが、ウォーリアーじゃ限界があるな」

 

さすがにソルジャーを使いたい。しかし

 

「ここに居た。二人とも探したよ」

 

「結城さん?」

 

「実はルナ君に渡したいものがあってね」

 

「私に?」

 

「最近試作、生産がされたジョーカーの後継モデルがあるから、それの試験を兼ねて使ってみて欲しいんだ」

 

と、結城さんが出したのは黄色のナイトメアだった

 

「結城さん、これ何て言うLBXなの?」 

 

「ナイトメアって言うんだ。ジョーカー以上にトリッキーな動きが得意なストライダーフレームだよ。けど癖が凄くて、製品化の前に上手いなジョーカーの使い手の人達に試用して貰ってるところなんだ」

 

「へぇ~、よしスルガ!やるよ!」

 

「今武器ねえだろうが」

 

ランキングバトル中もクサナギはちょっと取り回しが悪そうだった

 

「スルガ今あの・・・なんだっけ、ま、松岡修造レイピア持ってないの?」

 

「ああ、その手があったか・・・ほれ」

 

松岡修造レイピア。スルガがバルキリーレイピアを魔改造し火属性の効果を滅茶苦茶倍増させたもの

まともに運用すれば脆い盾や武器なら溶断出きる程。何が恐ろしいかって熱だからガチの耐熱加工以外無力化できるってとこ

固有必殺技は『もっともっと!熱くなれよぉー!』

レイピアの刀身から放たれる巨大な熱エネルギーが周囲の物を襲う。因みに準オーバードウェポンでほぼネタ武器

因みに海中mapでスルガが使ってみたら少しの水溜まりを残し水が全て蒸発したヤベー武器

一発で封印指定品となった。気軽に渡しすぎじゃない?この子

因みにルナは強いバルキリーレイピア程度にしか思っていない。なので下手にアタックファンクションを使うと?

 

「よっしスルガ、バトルだ!」

 

「・・・え?いや。そのレイピア持ったやつとタイマンとか絶対イヤ」

 

「なんで?」

 

「そのレイピア本当にヤベんだよ。そんじょそこらのLBXの装甲なんか溶断、下手したらコアスケルトンごと溶かすかも」

 

「え?そんなに危ないのこれ」

 

「スルガ君・・・またそんなもの作って」

↑スルガの魔改造癖は知っている結城さん

 

「まあ普通に使う分には大丈夫だよ?」

 

「ちょっと使うの嫌になってきた」

 

「まあランキングバトルなんかに繰り出す連中だ。これくらいじゃ文句言わねえだろ」

 

スルガCCM

from海道ジン

あしたの昼、バン君と共にバトルしに行く

 

・・・早ない?さっき100位侵入した所じゃ無かったっけ?昼ってことはそれまでに70位代まで登ってくる自信があるのか。やりかねんな。ジンもバンも

 

「ルナ、次の相手、情けも容赦も要らねえぞ。世界チャンピオンと秒殺の皇帝様方が挑戦しに来るらしい」

 

「え?バン君とジン君が来るの?」

 

「みたいだ・・・ソルジャーのメンテしとかないと、んじゃルナ、俺は一度家に帰る。かれこれ二日以上帰ってない気がするしな」

 

「えー、分かったー。明日も絶ッ対来てね!」

 

「ああ、最悪体調崩しても機龍使って這いずってでも来てやるよ」

 

═スルガのお家════

さーて、あの二人だから小手先の技術じゃ絶対に敵わんよな・・・マルチプルパルスみたいな広範囲殲滅攻撃も出来んことはないけど、出来れば機龍はそういう遠慮がいらない場所と戦闘限定で使いたいし

グレネードが警戒されてないわけが無いからなぁ

いや、連中もオーディーンとプロトゼノンって言う現状ワンオフ使ってるし機龍使っていいだろ

そうと決めれば誘導弾の弾頭はスモークとノーマルの2種で行きますか

 

「さーて夕飯はなにつくろうかなぁ~」



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MISSION 主人公と秒殺の皇帝を撃破せよ

明けましておめでとうございます

今年も何卒よろしくお願いいたします


═タイニーオービット社エントランス═════

さあ良くわからなくなって参りました

祐介さんの即興企画で暇をもて余した社員の前でバン、ジンと戦うことになりました

体よく社員のストレス発散の場所を提供したなぁ

そして見逃すまいと暇をも手余していないであろう社員とほかのシーカーの連中も来ている

 

「誰が相手でも負けないよ!」

「さてさて、機龍に勝てるかなぁ?」

 

「負けないぞぉ!」

「僕もだ。手加減無しで行かせて貰おう!」

 

各々準備とメンテナンスは完璧であろうLBXをとりだす

 

「行くよ、機龍!」

「頼んだよ、ナイトメア!」

 

あ、妖精のレイピアだ。ってことは松岡修造レイピア使わないのね・・・

 

「いっけー!オーディーン」

「プロトゼノン、起動!」

 

map 天空の城 ストリートレギュレーション

バトルスタート

 

スルガが偶然見つけ購入したこのDキューブ

最初はラ◯ュタかな?と期待し買ったがそうじゃなかった残念品(スルガがそう思っているだけ)

天空の城と言う名の通り空に浮かぶこの城には花びらが舞い足元を埋め尽くす

墜ちたら死ぬ。頑張ったら自力で復帰できる。頑張らなくても復帰できるLBXも居る

 

「わあ、綺麗なフィールド」

「足場花びら詰まってるから滑らせるなよ?」

「分かってるって。スルガ」

「ん?おまかせあれ」

 

瞬時にルナの目的を読み取ったスルガ

機龍がスモークグレネードの誘導弾をオーディーンとプロトゼノンの周囲で炸裂させる

 

「いっくよー!」

 

アタックファンクション

インビジブルブレイド

 

スモークの中にナイトメアが突っ込んでいく。そして中で透明化し、さらに磁場爆弾を使うことでレーダーからも姿を眩ました

 

「よっと」

「ふん!」

 

オーディーンがリタイエイターを、プロトゼノンがオベロンを振るいスモークを吹き飛した。しかしその直後から機龍が連射したレールガンがプロトゼノンを襲う。オーディーンがリタイエイターを高速で回転させ即席のシールドを形成、その隙にプロトゼノンが離脱

 

「さすがに反応されるよねぇ誘導弾サルヴォー」

 

レールガンの射撃を辞め背部バックパックからミサイルが一斉発射、機龍自身もはブースターを用い一気にオーディーンに急速接近。機龍の軌跡には大量の花びらが舞っている

 

リタイエイターは両刃のレーザー薙刀(らしい)なので至近距離で殴りかかってくる相手は辛かろう

 

バンもそれには気づき機龍と距離を取る動き

 

「やるなっ」

 

そしてプロトゼノンがオベロンを構え加速を続ける機龍に同じく背中のブースターを用いて突入していく

※参考はLBXゼノンのプラモパッケージ

突入するゼノンに機龍は加速停止、ゼノンに対して受けの構え

そしてオーディーンの背後から今まで姿を隠して居たナイトメアが花びらで影すら隠し通し出現、右側面から無防備な右肘の関節に突きを入れる

 

「えっ!?」

「へへ~ん、決まった」

「大方狙い通りかい?よかったよかった」

 

機龍もオベロンを力に任せ無理矢理受け止める。アンリミテッドでも普通のLBXならばここで戦闘不能だろう

 

「くっ!」

「あちゃ、半分持ってかれたな。んじゃ空の旅にご案内~」

 

そしてオベロンを掴んだまま飛翔、プロトゼノンと空中戦に突入

ナイトメアもオーディーンと戦闘に入る。

空中戦では体の各所にブースターがついて機敏に動ける機龍のほうが有利で尻尾で勢いよく地面に叩きつけ撃墜

ナイトメアは若干押され気味だが

しかしこれも作戦、技量で勝てないのなら自分の有利なフィールドに引きずりこむ

実際オーディーンも足のグリップが積もった花びらでうまく取れないようで壁も使い変幻自在に動き回るナイトメアを捉えれているがおもうようにダメージが出ていないみたいだ

これワンチャンあるでえ!

叩き落としたプロトゼノンに容赦なく誘導弾の雨を降らせるが難なく回避される

 

「ジン、大丈夫か?」

「問題無い・・・と言いたいが」

「こっちに隙が生まれれば」

 

そう、オーディーンなら機龍と空中で戦うことができる。しかしそれをナイトメアが許さない

 

「ルナ、そっちは大丈夫?」

「細かいダメージが蓄積してちょっとまずいかも」

「さてどうするか」

 

機龍の胸に秘める武装は色々理由がありマジで使えない

そしてプロトゼノンがナイトメアの方に向かった

 

「あっ"ジンがそっち行った。今すぐ行くわ」

 

機龍がダイブの姿勢にはいる(イメージゴジラ×メカゴジラ、空中で切り離した機龍)

 

「決めるッ!」

 

しかしそれはジンの策略で待ってましたと言わんばかりに空中から突入してきた機龍をバッティングのような形で殴り付けたのだ

 

「うわっ、ごっそり減ったぁ」

 

勿論それだけでは機龍の運動エネルギーを相殺することが出来ず制御を失いオーディーンとナイトメアが戦闘している場所に突っ込む

オーディーンがナイトメアにカウンターの突きを食らわせる。軽いナイトメアは簡単に吹き飛んでしまいオーディーンが機龍に狙いをつける

 

「来た!必殺ファンクション!」

 

アタックファンクション

グングニル

 

うわまじ?隙の無い二段構えとはこの事か。これ避けれねえな。ならば当たるのみよ!

軌道修正が出来ないので逆に加速してやった。それも折り込み済みと神槍の名を持つ尖った赤い塊は機龍の未来予測位置へ突き進む。

 

結論を言えば機龍はグングニルを耐えきり、運動エネルギーをほぼ失わないままオーディーンに突撃、スルガは壁とサンドイッチにして撃破する腹積もりだったが旨いこと飛行形態で脱出された

 

「ルナ~耐久どんだけある?おれ後1/4くらいだわ」

「私もそのくらい」

 

てかマジで機龍カチカチだなあんな勢いよくハンマーで殴られてグングニル直撃してようやく半分って

しかしバンとジンもそれなりにダメージは貰ってるはず

捕捉しておくと背部バックパックが盾となっている

 

「って背中壊れてんじゃん。パージパージ」

 

レールガン、背部ユニットがパージ、機龍の機動力が更に上がる

 

「さあ、仕切り直しだ!いくらワンオフ特別機とはいえ今の機龍についてこられるかな?」

 

機龍もワンオフであることは気にしてはいけない

 

「ルナ、後は小細工無しだ。好きにしろ」

「うん!」

 

機龍はまたプロトゼノンにインファイトに持ち込む

しかし同じ手は喰わないと言わんばかりに巧みに回避しキッチリ反撃を叩き込んでくる

ナイトメアも上手くオーディーンを翻弄出来ている。さっきの取っ組み合いで行動パターン読んだか?

俺もそろそろいいとこ見せんとな!

プロトゼノンの腕をひっ掴み無理矢理ゼロ距離に持ち込む。ブースターも使い抵抗するプロトゼノン

 

「これで終りだ」

 

機龍が咆哮し口から連装メーサー砲がプロトゼノンに照射される。少し耐えたもののすぐにブレイクオーバー

 

「ジン!」 

「くっ、やられたか」

 

「カッカッカッ、インファイトに対応出来なけりゃ機龍は倒せねえぞ」

 

ゼロ距離連装メーサー照射、どんなLBXでもこの攻撃を喰らってはただでは済まない

実験ではコンクリートブロックを縦に二十個位並べて貫通したので相当な威力がある(元が耐ゴジラ兵器だから仕方ないね)

 

「はぁっ!」

「うわっ、あー・・・」

 

トリッキーな動きをするナイトメアの一瞬を捉えリタイエイターを突き刺しブレイクオーバー

 

「タイマンか、機龍に勝てるかなぁ?」

「絶対に勝つ!」

「来いっ!・・・あれ?」

 

なぜか機龍が操作を受け付けない

あれえ?もしかして自我、宿っちゃった?さすがに早くないですか?でも動いてんなぁ

 

「まあいいや」

「?」

 

機龍の残りエネルギーは長時間激しい空中戦したりメーサー使ったりして残り少ないのだ

スルガの手を離れた機龍が一歩、一歩、とオーディーンに向かっていく

 

「っ!雰囲気が変わった?」

「気を付けろバン君、油断したらやられるぞ」

 

「あっはっはっ!」

「スルガ、大丈夫?」

「俺は何にも無いけど機龍が勝手に動いてら」

「え?」

「まあ、心配すんなって。最悪後30分弱待てばエネルギー切れるから」

 

今アブソリュート・ゼロ撃たれたらタイニーオービット社崩壊しかねないけど

 

オーディーンが攻め始めた。しかし機龍はリタイエイターの先端を掴み一気に自分の間合いに引きずりこむ。

そしてオーディーンが咄嗟にリタイエイターを放し距離を取る。そのままリタイエイターを掴んだままだったら機龍に捕まれそのままブレイクオーバーコースだっただろう

 

機龍はそのリタイエイターをその辺に突き刺す

オーディーンは接近しての殴り合いでは不利は目に見えずとも明らかで、サブウェポンのシューターSR33で一定の距離を保ち射撃

このままではジリ貧なのはバンも分かっているようで何とか槍を回収しようとする動き

 

「バーン、ちまちまやってるだけじゃ機龍は撃破出来ないぞ」

 

「どうすれば」

「バン君、恐らく機龍の遠距離攻撃は大量のエネルギーを消耗するはずだ。すでに長時間の飛行もしている。ならば」

「動きが止まった所で決める!」 

 

「スルガ、止めなくて本当に大丈夫なの?」

「良いんでないの?どうせもう少しで止まるし。燃費改善しとかんとな。継続戦闘能力に不安ありってとこか」

 

そいや病院まで飛んだときも結構エネルギー食ったからな。通常時の移動の分だけは減らしとかないと。サターンとかで長時間動かすとき辛い

 

そしてスルガがおもいっきり目を離した隙にオーディーンがリタイエイターを回収

 

機龍が咆哮を上げる。そしてエネルギーが尽きた

 

「今だバン君!」

「超プラズマバースト!」

 

アタックファンクション

超プラズマバースト

 

巨大なプラズマが空中に発生、跳んだオーディーンが別のプラズマを纏った槍を突き刺し、強大なエネルギーが機龍に襲いかかる

機龍は避けずに受け止める

 

そして、機龍ブレイクオーバー

 

バン&ジン WIN

 



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アキハバラでの一波乱

═アキハバラ═════

アキハバラ一番の大きさを誇る交差点の筈の場所に巨大なスタジアムが生えて来ていた。ちなみに俺は今ルナと観客として来ている。二人とも参加資格はあるのだけどね

ついでに昨日の深夜タイニーオービットに来客が、まあ言わないでも誰かは分かるだろ。ちなみにルナには伝えてない

 

「ルナ、分かってるとは思うが基本的にルナの健康第一。体調が崩れたらすぐに帰るからな」

「もー、それくらい言われなくても分かってるって」

「スルガ!」

「おっ、スルガじゃねえか!」

「やっほールナちゃん」

 

上からバン、郷田、アミ

 

「アミちゃーん!」

「いつの間にそんなに仲良くなってたの?」

「うん!LBXのチューニングの事教えて貰ってたの」

 

なんか指絡めて手合わせてるし

アミはLBXの潜在能力をその人その人に合わせて開放するのは並のプロより上手い

 

「スルガ氏、はじめましてじゃのう」

「オタクロスさん?はじめましてはじめまして。ルナ関連のことでだいぶ助かりました」

「それよりスルガ、あの後医者とは会ったデヨ?」

「いや、連絡すらついてないですね。どうせ生きてると思うから心配はしてないですけど」

「一応生きてはおる事だけ伝えておくゾイ。全く、ワシを便利屋扱いしおって」 

 

あの医者はオタクロスと知り合いだか。ってことは俺がオタクロス経由で調べて貰ったことも勘づいていたかもしれないな

 

「まあヨイ。今はルナたんと大会を楽しむべし!」

 

と、オタクロスはバンの方に行った

まあ高みの見物といきましょ

 

 

═その辺の服のお店════

あー、なんかオタピンクにルナもろとも連行された

曰く「こんなに可愛い子!着飾らなければ勿体無いじゃない!」と言う感じにスイッチが入ったらしく服屋を連れ回されている

ユジンさん曰く『一度暴走したら中々止まらないんです』と言っていた。更にブラックさんから聞いたが良いとこのお嬢様らしい

 

「スルガくーん?」

「うぅ、恥ずかしい・・・」

「・・・コフッ」

 

全く日焼けの無い白い肩を遠慮なく晒したノースリーブの白いワンピースを着ているルナ。胸の当たりには月の意匠も入っている。そして無言で尊死

 

「あらぁ?あんまりにもあなたが可愛くて倒れちゃったんじゃなぁい?」

「ボフッ」

 

ルナもルナで店ぐるみで着せ替え人形扱いされると言う事態になっている。しかしピンクの人も病弱なのは分かっているらしくフォロー入れている当たりしっかりしている

 

そして色々なとにかく『可愛い』ルナを見せられ、徐々に思考能力が下がっていった。その思考能力を取り戻したのはアキハバラキングダムが終り、オタクロスの部屋に来た頃だった

※服代はスルガ全持ち

 

═オタクロスの部屋═════

 

「スルガ!」

「おわっと・・・ガス?」

「カズだ!大丈夫かお前?さっきまで脳動いてなかったぞ」

「いや、なんか天国に居た」

「はぁ?」

 

ルナは先にタイニーオービットに帰っていった

カズとコントを繰り広げる合間にバンの命によりハッカー軍団がインフィニティネットに散らばった解読コードの欠片を集めている

 

「オタクロスー」

「なんじゃスルガ今忙しいんじゃが」

「俺も手伝うー」

 

と、がさつにLBX経由でインフィニティネットに潜り始めた。こいつは前どうなったか覚えていないのだろうか

 

═インフィニティネット════ 

さてと、探すなら痕跡を辿るんだったか?

スルガからの視点ではいくつかに光る線が残されていた

 

チャット

『オタクロス、これが解読コードの痕跡?』

『そうデヨ。それをたどれば見つかるはずじゃ』

 

らしい。行くか

そしてスルガも探索に参加した

と言っても痕跡を探して走り回るだけのお仕事で、たまーにセキュリティをこじ開けていたが

 

═一部の欠片がある場所═════

一つの線を辿り僕は今、多分NICSのサーバーにぶち当たってまーす。とりあえずこじ開けて・・・重ッッッッも

流石と言った所か

 

チャット

『helpオタクロス』

『どうしたデヨ?』

『アメリカにあるNICSのサーバーにあるっぽいんだけどセキュリティが固くて回収できん』

『わかったデヨ。今から支援しに行くデヨ』

 

 

 

═NICSside═════

 

「カイオス長官、何者かから強いハッキングを受けています」

「なんだと?」

「第一セキュリティ突破されました!」

「ハッキング元は・・・ここです!」

「なに?」

 

※今スルガの意識は丁度NICSのセキュリティの直前に置かれているため、コンピューターがそこからハッキングを受けていると誤認している。オタクロスはスルガを隠れ蓑にした

 

「第二セキュリティー突破されました!」

 

突然の変なハッキングに戸惑いを隠せない一同

 

═スルガside══════

 

うおおおおおおおお!さっさと開けぇぇぇぇぇ!

オタクロスゥゥゥゥゥ!

スルガがセキュリティゲートをこじ開けながら解読コードの痕跡を探す

 

あったぁぁ!さっさと回収してトンズラすんぞ

手ぇ延びろぉ!もう少しで、もう少しで!

よっしゃ取れたぁ!

 

チャット

『オタクロス、取れた。速やかにトンズラする』 

『了解デヨ』

 

あばよNICS、また会う日まで・・・俺逮捕やら暗殺されないといいけど

 

═オタクロスの部屋════

「これで完成じゃ!」

 

解読コード収集率100%と画面に表示される

 

「ういー、やっぱ硬いセキュリティー突破は重いなぁ」

「まったく、無茶をするでないわ」

「まさかあんなところにあるとは思わなかったんでな」



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はいどうもー!今日は、プラチナカプセルを開封&解析していこうと思いまーす

なんかスタングレネードを自重しろ、って友人から言われたんですが、駄目ですかね?


═タイニーオービットレベル4研究室════

アキハバラ駅前でイノベーターのエージェント襲われかけた。しかしイノベーターから離反した八神さん達に助けられ(※エージェントは後でスルガがバチバチしました)タイニーオービットまで護衛を受けた

 

「拓也さん、さっそくプラチナカプセルの解読に入ります。スルガ君、手伝ってくれるかい?」

「あいあい」

 

と、スルガもプラチナカプセルの解読のお手伝いをすることになった。その間にバン達は4機のコントロールポットと里奈さんに顔合わせに

 

「しかし拓也さん、イノベーターの奴ら俺らがプラチナカプセル開けてエターナルサイクラー作るの黙って見てますかね?」

「その心配なら問題はない。タイニーオービット社の回りは人目が多い。地下の資材搬入路も警備システムを貼ってある。例えステルスLBXが数機でも発見できる」

「一応警備システムの点検しといた方が良いんじゃないですか?俺なんかいやな予感がしますよ」

「スルガがそう言うなら・・・」 

 

特にまだ問題はないらしい。妙に鼻が赤いスパイの幹部も予め手を打っておければ良かったのだが『こいつイノベーターのスパイだから始末しました』って言っても駄目だろし、まずなんで知ってるんだ?って話になるし

 

「んじゃ拓也さん、体の方、その辺の隅に寄せ『河白君!大変だ』うおっ、お医者さん!?生きてたの?」

 

突如スルガのCCMに連絡が入る。イノベーターから派遣されていた医者からの連絡だった

 

『逆探知が怖いから手短に伝えるよ。今そっちに大量のLBXの軍団が向かってる!狙いは言わなくても分かるよね』

「あーあ、嫌な予感が的中しちまった」

 

と同時に拓也さんの方にもオタクロスからの連絡がありその辺でLBXのメンテナンスをしているバン達を緊急招集

 

「拓也さん、緊急事態って?」

「イノベーターと思われるLBXの大群がここに向かっている」

「目的は絶対エターナルサイクラー、奪取か破壊か知らねえが、阻止しないとまずい」

「防衛の総指揮は私、宇崎祐介が取る」

「んじゃ俺からブリーフィングを。拓也さんが全力でエターナルサイクラーを作るのを俺達が守る。単純だね」

「守るって、俺達だけでか!?」

「心配すんなカズ、俺の人脈とハッカー軍団が既に防衛線を構築済みだお前達はコントロールポットで出撃、最終防衛ラインを担当」

 

一応ルナも最終ラインとして配置するつもり。今は一人でも戦力が欲しい祐介さんの采配だ。バン、カズ、アミ、ルナがコントロールポットで俺がフルリンクで出る

 

「スルガはどうするの?」

「機龍と最前線で暴れさせて貰う。お前らの援護として固定砲台としてソルジャーを配備しておこう」

「伝達事項は以上だ。コントロールポットで出撃の準備をしてくれ」

 

 

═コントロールポットルーム════

里奈さんが来たお陰で量産された四機のコントロールポットに四人が搭乗、一人が立ったまま意識を手放し顔面から倒れこむ

己の操縦者を受け入れたLBXは持ち場に向かい迎撃準備を整える

 

「敵LBX集団、数、500...600...700...1000!いずれも増加中!」

 

3式機龍やハッカー軍団の大量のグレイメイド、スルガのコネで集まったハカイオー絶斗、ナイトメア等々多種多様なLBXが目の前に進撃してくるイノベーターのLBX集団を、

 

「総員、戦闘開始!」

 

祐介さんの号令が防衛メンバー全員に響き渡る。イノベーターのLBXは一斉にバズーカ、機関銃を撃ち始める

 

おっしゃぁぁあ!行くぞ機龍ゥ!

機龍が吼える。まるで己を知らしめ鼓舞しているかのようだ

背部バックパックから誘導弾が、両腕からレールガンが、頭部からメーサーが放たれる

 

メーサーで先頭集団丸ごと焼き払われ、続くレールガンの射撃は当たったLBXを貫通し後方まで加害、誘導弾はさらに後方、バズーカを構えている集団に突入破壊、更に持っている火器を誘爆させ付近を巻き込む大きな爆発が起こす

 

けっ、汚ねえ花火だ

おらおらぁん撃破していくぜぇ、おっとそこぉ!こっそり抜けようったって無理だぜ

 

そいつらにレールガンを御見舞いし、ハカイオー絶斗、、ナイトメア、レッドリボン等を中心とする近接戦闘組に混じってメーサーブレードを振るいはじめる

 

═最終防衛ラインsideルナ═════

地下から出てきた敵を止めるための防衛ライン、まだ到達してくる敵機はいない

 

チャット『見ろ!敵がゴミのようだ!』

 

スルガから写真付きで送られる緊張感ゼロのメッセージ

 

「げぇ、なんだこの数」

「これ全部LBXなの?」

『君たち、数機のLBXが防衛ラインを突破した。来るぞ』

「了解!」

「はい!」

 

各々武器を持ち待ち構える

一番先に出迎えるのはフェンリルの狙撃だ。スルガによってフェンリルと同期したソルジャーもストームツインガトリングの弾幕を張り敵を寄せ付けない

そして狙撃手に対応しようとするイノベーターのLBXにオーディーン、ナイトメア、パンドラが襲撃しフェンリルが撃ち漏らした敵を伐つ

 

「意外と少ないね。もっと来るかと思ってた」

「油断は禁物よ、ルナ」

『ルナ君、アミ君!近くの通気孔に敵が侵入してきた。機動力のある君たち迎撃して欲しい』

「祐介さん、俺達は?」

『そこで待機だ。その道が一番侵入を許しやすい』

「アミ!行くよ!」

「ええ」

 

向かった先で出くわしたのは移動中のデクーエース二機とインビット二機まだ捕捉されていない

 

「インビットの倒し方、覚えてるわね?」

「バッチリだよ!」

 

インビットは金属装甲で硬いうえに軽快に動くきやがる厄介な敵、気付かれて居ないなら奇襲で済ませるのが共通認識だ

ナイトメアとパンドラが奇襲、二機の早業でカメラユニットを破壊、即座にデクーエースの撃破にかかる

 

「よっ、ほっ、そりゃ!」

「えいっ!」

 

デクーエースの手斧の攻撃をパンドラは回避しカウンターで撃破、ナイトメアは手斧の攻撃の隙間を縫いレイピアで胴関節を貫く

 

「よっし、撃破だね!次々いこー」

「次々来るってことはスルガが劣勢ってことよ?」

「あ、そっか、向こう大丈夫かなぁ?」

 

═防衛ラインsideスルガ═════

待って多すぎない?弱いから良いけどかれこれもう単独で百機以上は殺ってるぞ

ちぃ、やっぱ次々壊しても次々来やがる。攻撃されてくすぐったいし、一気に数減らさんと落ち着く暇もない

 

と考える間にもその辺のデクーエースの角をへし折り、その角で撃破している

 

アタックファンクション

デスサイズハリケーン

 

お!仙道ニキがついに必殺ファンクション切ったか

 

アタックファンクション

超我王砲

 

と思ったら体掠めて極太ビーム飛んできたし、怖

 

一瞬だが前線のLBXが減る。出来た隙にもっかい全火器一斉発射更に数を減らしにかかる。更に機龍は最前線の一番前に居るので前方にむけてブッ放つ分にはフレンドリーファイアの心配もない

 

しかし障害物多くなってきたな。戦いにくいぞ ※自分で破壊した残骸の山です

で、もうそろそろくるかな?機龍の底力、こんなもんじゃないぜ




ついに始まったエターナルサイクラー製造、しかしそこにはイノベーターの魔の手が指し延びていた。頑張れスルガ、頑張れ皆、防衛は君たちの手にかかっているぞ
═次回、動く要塞══


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エターナルサイクラー防衛戦

═最前線════

うっはー、こいつらどんだけいるんだよ

さっきオペレーターさん撃破数全体で千機突破つってたぞ

しかしこれ敵の超兵器いつくるんだ?時間が経ったわけでもないから単純に到着してないだけなのか

 

スルガはその超兵器すら撃破する『切り札』をまだ隠し持っている。それを使い、ジンの見せ場すら出さずに撃破する腹づもりだ

そして誘導弾、レールガンの残弾も残り少ない。ハッカー軍団や他の人達も個々の技量で何とかなっているが如何せん物量に押されぎみ、全員がもう一度防衛体制を整える一手が必要だ

 

『祐介さん祐介さん、俺の鞄の中に入ってるウォリアーにオーバードウェポンって箱の中に入ってるもの2つとも無理矢理にでも付けて前線放り込んで下さい』

「了解した。少し待て」

 

よし、これで殲滅タイム確定演出だな

 

こうなったらもう追加ユニットはお荷物になりかけてるのでさっさと全弾ばらまいてパージ

オーバードウェポン到着まで攻撃を続行、まだまだ行けるよな?機龍!

 

他のLBXも奮戦してるなぁ。あのオレンジのブルド改、リュウか?あいつも装甲すげえな。重機関銃弾いてるし

それに仙道ニキのナイトメア、敵を足場にしながら戦ってら、あのメイスすら使ってねえし、もう足場にするときにデクーの頭少ない踏み抜きながら撃破してんのか、相変わらずの変t...魔術師っぷり

ハンゾウさんのハカイオー絶斗は単純に力押し。片手に持つチェーンソー、絶破我刃に捉えられてしまったLBXはチェーンソーの構造ゆえに逃げることが出来ず破壊されていく

 

 

═最終防衛ラインsideルナ═════

少しずつ、少しずつ防衛ラインを突破するLBXが増えてきた。本当に息つく暇もない

 

「うっわ、まだ居んのかよ?」

「集団はスルガのソルジャーが凪ぎ払ってくれてるから助かるね」

 

集団で来ルLBXはソルジャーのガトリングで文字通り灰塵に帰しているので物量では押されにくいのだ

撃ち漏らしも他の四人が早急に始末することでこの防衛線はまだ余力がある。そして

 

『ルナ、聞こえる?』

『どうしたのお姉ちゃん?』

『今からスルガ君のウォーリアーを前線まで運んで欲しいの。お願いできる?』

『お安いご用!』

『その間は私たちに任せなさい!』

 

ナイトメアはさっと身を隠しルナのコントロールポットが暗転、操作機が切り替わる。ウォーリアー里奈の手によって既に地下の入り口までは搬送されていた

 

「うわ、なにこれ動き難い」

 

背中に取り付けられた新兵器ヒュージキャノン、そして無理矢理くくりつけてあるマルチプルパルス、2つのオーバードウェポンの重さはとてもじゃないが戦闘に耐えうる機動などできないだろう

一応ドライブシステム搭載なので普通より早く移動できるのが救いか

 

『全部隊に通達、スルガ君がこの状況を覆す道具を出した。これを前線に輸送する。もう少しだ。持ちこたえてくれ』

『『『『『了解!』』』』』

 

ウォーリアーは地下に降り、前線を目指す。途中で敵LBXに襲われるが周辺の味方LBXの護衛を代わる代わる受けながら、最前線に到着した。そしてルナが見たのは屍(残骸)の山を築いている機龍だった

 

═最前線sideスルガ═════

あ、ウォーリアー来た来た

 

チャット『ありがとう。ウォーリアーの人』

『スルガ、なにするつもりなの?』

チャット『なんだルナか。素敵な花火だよ。ウォーリアーも使うから戻ってくれ』

『分かった。スルガも頑張ってね』

チャット『おう』

 

さあウォーリアーD、多分お前最後の仕事だ

ウォーリアーDに乗り移る。そして機龍の背中にマルチプルパルスを取り付けた

行くよ、ウォーリアーDオーバードウェポン発動、出力リミッター解除

 

そして起動しウォーリアーから追い出される

ヒュージキャノンが小さな爆発を起こしながら展開しエネルギーのチャージを開始、明らかに放っておいたらヤバいという雰囲気を醸し出しているウォーリアーD、敵LBXの目標が全てそこに向く

しかし機龍、ハッカー軍団、その他のLBXがそれを許さないとばかりに猛攻を掛ける

 

チャット『皆さーん、アレの前方に居たら巻き込まれまーすよー』

 

ウォーリアーの前方からの退避を促す。前方ががら空きになったことで攻撃がウォーリアーに集中するがもう止められないし止まらない

そしてウォーリアーDの持つ大砲が一際大きな衝撃波と光を発する

 

オーバードウェポン

ヒュージキャノン

 

青い閃光が放たれる。否!それは閃光ではなく、実弾、凝縮されたエネルギーを爆発させ砲弾を発射したのだ

勿論弾頭は核ではない。ただの徹甲弾

しかしその余波で射線上に居た敵は勿論、その近くに居た敵も余波で吹き飛ぶ。反動が押さえられずウォーリアーもどっかにぶっ飛んだ。そしてヒュージキャノンが一本の道を作る

 

次はお前の番だ、機龍行くぞ!

扇状に広げられたパルスキャノン130門がエネルギーのチャージを開始、機龍自身は残ったブースターでフル加速、ヒュージキャノンで撃ち開かれた道を進む

 

オーバードウェポン

マルチプルパルス

 

敵のど真ん中で強力な緑のレーザーが広がる。高速で移動しながら撃ったマルチプルパルスは破壊を振り撒き大量のLBXを飲み込んでいく

機龍の通った後稼働できる敵のLBXは残っていなかった

 

「なんだ・・・いまの・・・!」

「恐ろしい力デース・・・」

 

大量のLBXを一瞬にして焼き尽くした決して抗うことのできない圧倒的で、絶対的な暴力に言葉を失った

 

═指揮所═════

所々に設置されている監視カメラに映し出された2つのオーバードウェポンの戦果を確認していた

 

「撃破数、計測不能・・・ただ敵は壊滅しました!」

「い、いえ!何か来ます。この反応、LBXではありません!」

 

機龍が敵を壊滅させたことで更に後方の反応を探知することができた。そしてこの情報は防衛メンバーに共有される

 

 

═最前線sideスルガ═════

 

『防衛メンバーに通達、敵の新手だ。反応からして大型の兵器と思われる』

 

おいでなすったか。本来ならバンとジンの連携プレーで撃破するところだが、機龍なら破砕できる!

しかしエネルギーが足りないな。下がって少し分けて貰うか

 

チャット『あんな滅茶苦茶したから誰かエネルギー補給したいんだけど誰かバッテリーリペア持ってない?』

『俺のを分けてやるよ。こっちこい』

『俺ッチも持ってるよん』

 

マルチプルパルスを取り外し少しずつバッテリーを補給、残存エネルギーが5割強まで回復した。そしてその間に防衛ラインを再構築し万全の体制で待ち受ける

 

そしてその時は間もなくやって来た。第二波のLBX集団と共に大型の反応は現れた

 

『あ?・・・なんじゃありゃぁぁあ!』

『戦車・・・だと?』

 

戦車と共に大量のLBXも現れる。戦車の火力は尋常ではない。防衛ラインがすぐに混乱状態になってしまった

コンクリート程度なら少し破壊できるLBXの持つ武器の火力でも戦車に手も足も出ない

戦車の突破能力侮ってたなぁ。シールド貫通されてら

 

チャット『皆、戦車のweakpointを纏めてみた。転送するよん』

 

スルガは装甲の比較的薄そうなレーダー等の部位をピックアップしたデータを各々に転送する

 

そして即座にその装甲の薄そうな所に攻撃が集中する

 

『スルガ、待っててくれ。今からジンと戦車を止めに行く』

チャット『心配無用。俺の獲物だそっち守ってろ』

 

そして、壊れる箇所が出た。一ヶ所ずつに集中してアタックファンクションも混じった攻撃を受けレーダー等が機能を停止、露骨に射撃精度が落ちていく

 

そして機龍に近付いてくるLBXは居ない。そしてエネルギーの残存エネルギーは半分近く残っている

 

チャット『刮目せよ!これが機龍の最終兵装!』

 

胸部装甲展開、パスコード入力、最終安全装置及びリミッター解除。発射スタンバイ

さあ機龍、己が力開放しよう!

 

アタックファンクション

アブソリュート・ゼロ

 

胸部装甲Y字に開き内部があらわになる。腕を左右に開き展開した装甲の先端からエネルギーが放出、中央で赤い光球が作られる。

更にエネルギーは集まり色が変わり空色の絶対零度の光球となり更に成長、解き放たれる

解き放たれた絶対零度の全てを凍り付かす光球は内部に通じる一番大きな穴、要塞戦車バルドーマの主砲に入り込む

そして、全ての火器が一斉に停止、パキパキパキと音を立て内部から車体全体が分子レベルで凍ってしまった。いや凍らせた

そして残ったエネルギーを使い口からメーサーを照射、要塞戦車バルドーマは分子レベルでの崩壊を起こし冷たい砂粒となった

 

あぁ、戦車とは儚いものよのぉ(微笑)

しかし予想通り凶悪な武装だな。乱射してるだけでイノベーター滅ぼせそうだな。後残りエネルギーやべー。残り5%しかねえ。離脱しなきゃ

 

チャット『悠介さん、もうそろそろ動けなくなるんで離脱させてもらって良いですか?』

『了解だ。大量撃滅と敵戦車の撃破、よくやってくれた』

 

3式機龍 戦線離脱

 

═最終防衛ラインsideルナ═════

スルガからの口出しと静止でジンも防衛に参加した最終防衛ライン。バルドーマの影響で突破してくるLBXが増加したためここも忙しくなっている

 

『防衛部隊に通達、敵戦車は撃破された。繰り返す敵戦車は撃破された。残存する敵も残り少ない。もう一踏ん張りだ』

「まさか本当にスルガの野郎戦車まで撃破しやがったのか?」

「おそらく本当だろう。僕もイノベーターに居る中でスルガ君の戦闘映像を見たことがある。おそらくお爺様の月光丸を撃破した例のオーバードウェポンというやつだろう」

「うーん、多分違うかな?機龍の隠し玉って奴だと思うよ。機龍には対大型兵器用の隠し玉があるってスルガが言ってたんだ」

チャット『後で知りたいなら説明してやらんこともない』

 

機龍が最終防衛ラインまで下がってきた。そしてソルジャーを機龍で操作し、最終防衛ラインに参加し始める

 

総括として要塞戦車バルドーマに与えられた被害は少なくない。しかし機龍によって早期撃破、二度のオーバードウェポン発動によって敵は壊滅的ダメージを受けている。後は自然に掃討戦に移行していった

 

─エターナルサイクラー防衛線─────

進行してきた敵は殲滅、オーバードウェポンによって資材搬入地下トンネル一部損傷、防衛メンバーの三割のLBXが破壊された。

原型を留めている散らかったパーツは研究用に一部を残し河白スルガがまとめて回収、廃棄予定(秋葉原行き)

 



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バン凹む!スルガ暴れる!

そろそろ無印の終わりが見えてきました。そしてフルリンクシステムに新たなてこ入れをしようかと


═コントロールポットルーム════ 

 

フルリンクを解除し再び動き出したスルガの体

しかし倦怠感が半端ない

「んっ~、動けねえ」

「あ、スルガお帰り~」

「スルガ君、立てるかしら?」

「なんか力入りませんわ。フルリンク使ったままオーバードウェポンぶっぱなしたからかもしれん。ちと一休みしていくわ」

 

しかし不味いぞ。このまま体が言うこと聞かなけりゃ悠介さんが死んでまう!

フルリンクがブラックボックスすぎて何をしたらどうなるってのが分かんねえんだよ。もしかしたら特定の条件満たすと戻れなくなるかも知れないのか?

 

「それで里奈さん、エターナルサイクラーは?」

「もうそろそろ完成するわよ」

「良かった~、これでひと安心ね」

「これで地殻何とかのやベエ発電方法は止められるってわけだな」

 

と、休んでいるスルガを除いた六人がわいわいがやがやと話し込んでいるとエターナルサイクラーが完成したと報が届いた

 

「ふんっ!と。エターナルサイクラーとやらを拝見し二行くか」

「あぁ、父さんが俺に託してくれた物が世界を救うんだ」 

「バン君、油断は禁物だ。まだ諦めたわけではないだろう」

 

そして皆で拓也さんに会いに行く

 

「む?皆、防衛ご苦労だったな。スルガ君、君が撃破スコアトップだぞ。よくやってくれた」

「いやいや、機龍とオーバードウェポンのバ火力のお陰ですよ。作ったのは俺ですけど」

「ふっ、では私はサミットに向かう。拓也、後は頼んだぞ」

「あぁ任せてくれ」

 

と、研究室を出ていく悠介さん。そして結城さんが話をしたいと言ってきた

 

「スルガ君、ドライブシステムの事だけど」

「バグりましたか?」

「いや、違うよ。結局制御システムはほとんど人力になったんだ。それは置いといてとりあえずドライブシステム単体での発売時期が決まったんだ」

 

売り出す予定なのはナイトフレームの速度型、ブロウラーフレームの走破性型、ワイルドフレームの履帯安定型らしい

 

「発売日は大体一月後を予定しているよ。事前情報でシルエットを出してみたけど中々に食い付きは良いみたいだ」

「すげえなスルガ、お前が考えたもんが発売されるなんてよ」

「ストライダーフレーム向けのものは無いの?」

「ストライダーはこんなもん積まなくても十分速えよ」

 

ドライブシステムは割と重い。元々重量があるナイト、ブロウラー、ワイルドにつけるなら重さの割りには速いんじゃねえの?と軽さが命のストライダーフレームにそんなもん付けたら軽さが死ぬのだ

 

「ちなみにワイルドフレームの履帯式は他2つに比べて速度は落ちるけど走行中でも反動に強いんだ。バズーカとかガトリング見てえな武器だと射撃精度が・・・」

 

あれ?バンとジンどこ行った?・・・あ!祐介さんの事忘れてた!

 

「わりぃ。続きは後だ、嫌な予感がする」

「ちょ、ちょっとスルガ、どうしたの?」

「私たちも行こう。こう言うときのスルガの勘は昔からよく当たるんだよ」

「俺が車椅子押してってやる」

 

スルガはソルジャーを用意しながら走る。武装は回収して貰ったヒュージキャノンの榴弾、何かあれば逃げたトラックをぶち抜く構えだ

 

 

═タイニーオービット社前═════

 

スルガが外に出たとき、既に強化ダンボールを製作した霧島と言う人にエターナルサイクラーを巡り取っ組み合いになっていた。バンとジンが急いで階段を降りている

スルガは即座にヒュージキャノンを展開、エネルギーをチャージし発射体勢に入る。トラックが来ないようなら霧島さんに対しての威嚇射撃、トラックが来たなら当てに行く

 

「来た!」

 

そして、その時は来た。霧島さんが飛び出した瞬間

バーっと通ったトラックが霧島を庇った悠介さんを轢き飛ばし泣き叫ぶ。それを見たスルガは一瞬動揺したが逃げるトラックに狙いを付ける。ヒュージキャノンは撃った瞬間着弾する程弾速が速い。それなりには離れているが偏差はそんなに必要ないだろ! 

 

バンが唖然としているのが見える。しかし今はそんなの気にしてる暇はねえ!ソルジャーが引鉄を引いた

 

逃げるトラックの荷台を貫き内部で炸裂。目に見えた被害は無い

だがトラックは暫く走り続けたあと停止した

そして運転手だけが何処かに逃げる。その足取りはかなり奇妙なものであった

 

「チッ、狙いは運転席につけるべきだったか」

「スルガ!」

「皆来るな!アミ直ぐに警察と救急車!結城さん、AED!」

「あ、ああ直ぐに持ってくる」

「どうしたんだスル・・・」カズ、絶句

 

スルガは階段を駆け降りる。ジンが既に救命行動を開始していた。スルガもそこに混ざり止血を始める

大きな間接は全て曲がってはいけない方向に曲がっている。首、頭から大量の出血、スルガは内心これはもう助からないだろうと察していた

そして間も無く救急車が到着、拓也さんが付き添い病院に搬送された

 

 

═そして一週間後、ミソラ二中═════

 

タイニーオービット社社長の死は連日ニュースになっていた。原作との違いはスルガがトラックを破壊したことで八神さんが運転手を捕まえ直ぐに逮捕、しかし様子がおかしく病院に搬送、調べると違法な薬物を大量に投与されており、間も無く死亡が確認された

そしてエターナルサイクラーも祐介さんの救命処置をしているときに持ち出されてしまった

 

「これで一週間か」

「ええ、一向に出てくる気配は無いわ」

「スルガ、お前は大丈夫なのか?」

「んー、思ったよりって感じですね。これ言ったら殴られそうですが止血とかしてるとき祐介さんの目から光が失くなったんですよ。その時にこれもう手後れだなと覚悟してました」

「そうか・・・お前が祐介さん助けるために直ぐそばで色々してたからバン以上に駄目かと思ったんだが」

「そういったら間近で跳ねられるの見てたバンの方が心に来てますよ。あいつにとって身近な『死』ってのは初めてなんだから」

「でもジンが確かめたいことがあるってのは何なんだろうな」

「さあ、なにかしらね」

「んじゃ俺はこの辺で失礼するわ。俺も俺でやることがあるんでな」

 

と、教室を出ていくスルガ

行き先は自分の家、イノベーターの息の根を止める為の道具を取り行く為に、貯蔵してある大量のグレネード系アイテムを回収するために

 

 

 

═スルガ家═════

リビングでこれからの行動指針を決めるスルガ、下手を打って機龍がイノベーターの手に渡ってしまえばどうなるか分かったもんじゃない

よってアミらと神谷重工本社に潜入するのは論外だ。

 

ピンポーン

と、呼び鈴が鳴る

「はーい」

訪ねてきたのは里奈さんだった

なにか話があるようだ

 

「どうぞそちらに、ソファーとかお茶請けの菓子も無くてすいません」

 

スルガの家は割と古くからある家、部屋のほとんどが畳で座布団くらいしか座らせられるものが無いのだ

 

「それで話とは?」

「ルナから言われて貴方が何か重荷を抱え込んでいないかって聞きにきたの」

「重荷?」

「何度か言ったけどあの子は貴方と会って変わったわ。元々無理に明るく振る舞っていた節があったのだけどそれが心から明るくなった気がするのよ」

「まー、確かに時たま塞ぎこむも最近無いですね」

「それに貴方との付き合いもあの子は短いわけじゃ無いわ」

「やっぱり気付かれるか~。正直自分で助けようとしていた命が失われたらバン程では無いにせよ心にきますよ」

 

正直何回何回手を洗っても祐介さんの生暖かい血の感覚が抜けないんだよなぁ。生気の抜けた祐介さんの顔と一緒に油とかお湯に手突っ込んだときとか思い出すんだよ

 

「私も貴方みたいに強い心を持っていたらあの子にもう少し楽をさせてあげられたのかしら」

「さあ?それは知りませんがこれ少しの間機龍を里奈さんに預けときたいんです」

「別に良いけれど、何でなの?」

「この間のエターナルサイクラーの戦いです。こいつは少々所かかなり強すぎる。戦車なんて破壊出来たのがその証拠です」

 

まあ、後々のLBXは米軍空母打撃艦隊をたった一機で殲滅したり人工衛星の隔壁ぶち壊したりするんだけど

 

「ええ、それなら」

「緊急時だったら使っても構いませんよ。ただ胸の武装は使用不能にしてありますけど」

 

ま、ダイヤモンド抜いただけだけどな

フルリンクシステムもLBX側ならソルジャー、機龍両方に搭載した。機龍の構造により適した新しい方を突っ込んである

 

「あくまでも予想ですが敵か味方、そろそろ動きが合っても可笑しくない時間です。ここで判断を誤ると一気に負ける事も普通に考えられる。そのためにも機龍は温存しておきたい」

 

表面上の考えとしてはどんなに凄い兵器でも分子レベルで凍らせられるアブソリュート・ゼロで破壊出来ないものなど本当に僅かだ。なので最終兵器としたい

裏の考えは最終兵器としたい所は同じ。しかしアブソリュート・ゼロを見せてしまった為に神谷重工で奪われる可能性も十分あるのだ

 

「安心して。責任を持って預かっておくわ」

「お願いします・・・さてと、いつまでもうじうじしてる間抜けに喝いれるにゃどうすればいいか?海軍精神注入棒でも持ってくか?」

「あまり無理にするもの・・・」

「あの様子じゃ時間は当てにならないしいつ自殺まで行くか分かったもんじゃない」

「バン君、そんなに酷いの?」

「自殺・・・は言い過ぎかもしれませんが部屋に引きこもって段々食欲が落ちてるようなので、栄養失調あたりで倒れかねません」

 

と、そんな話をしているうちに新たな来客者だ

「お邪魔する」

「邪魔すんねやったら帰ってー」

ジンが来た

「スルガ君、手伝って欲しいことがある」 

あ、無視ですかそうですか

「どした?」

「バン君の事だ。気持ちは分かるがいつまでも立ち直らないのは間違っている」

「おっけー、さっき俺もその話してたとこだ。ついでに聞くけど、確かめたい事って何なの?」

「お爺様、海道義光の事だ。最近様子がおかしくてね。調べていたらこれだ」

 

と、隠し撮りされた海道義光の写真を見せられる。そしてその写真が一瞬科捜研の拡大鮮明化の時のような遷移をして超精巧なアンドロイドの姿が写し出された

 

「うっわなんだこれ」

「これは、アンドロイド?」

「ああ、僕の知らないうちにすり変わっていたらしい」

「こいつはアンドロイドになって永遠の命でも手に入れてんですか?銀河鉄道の主人公ですか?このヤロー」

 

ジンからの話でを纏めると

海道義光がアンドロイドになったよ

裏で何者かに操られてるっぽいよ

そしてこれからバンに喝入れるの手伝って欲しいよ

とのこと

 

まあ今そんなことどーでもいい。早速バンに喝入れに行こーう

 

═バンの家═════

里奈さんも連れてバンの家に来た。軽くバンのお母さんにうるさくなるかもしれない。家壊れたら直しにくる旨を伝えバンの部屋の前に向かう

 

「おーいバン、お前は完全に包囲されている。無駄な引きこもりはやめなさーい」

 

反応無し

以前ドアに鍵は掛かったまま

 

「しゃーないな。こーんーなーとーきーはー?テッテレテッテッテー↑テー↓テー↑、低威力ぐれね~ど~」

「スルガ君?」

「これはグレネードS更に火薬減らした一品だよぉその分音も押さえられててこういう局地破壊に最適なんだ」

「スルガ君!?」

 

と、度肝を抜かれている里奈さんを横目に粘土を使い蝶番、ドアノブに設置、皆をドアの側面に避難させピンポイント爆破、ドアを蹴破った

 

「え、え?」

 

わあ、めっちゃバン困惑してる。まいっか

男は殴れば治るって誰かが言ってた気がするし取り敢えず殴ってみるべ

 

「よーし、立って歯を食いしばれ」

「なにすん、ゴブッ」

 

普段からフルリンクシステムで戦闘しているスルガ、自身も鍛えている事もあり元々完璧な右フックが入った

 

「いつまでうじうじしてんだぁ?さっさと出てこいもやしぃ」

「スルガ!何すんだよ」

「お前がうじうじしてる間に更に人は死ぬぞ」

「・・・」

「何故それで動かない?今までのお前ならなんにも考えずに突っ込んで行っただろうよ」

「スルガは死ぬのが怖くないのか?このまま戦ってたらお前の大切な人まで死ぬかも知れないんだぞ」

「そんなのビビってて戦争なんか出来っかっての。大体なし崩しに入った俺らは置いといてシーカーの人たちは覚悟決まってる。俺等みたいなガキと一緒にすんな」

「!この野郎」

 

バンが逆に殴りかかってくる。しかしスルガは割と簡単に左拳で相殺、と見せかけてのクロスカウンターでもう一回殴り飛ばす

 

「俺はルナを守るために戦っている。じゃあ、お前は何の為に戦って来た?」

「父さん、皆を助けるためだ!」

「おう、しっかり分かってんじゃねえか!じゃあさっさと立ち直れよ。立ち上がれよ!そんなことも出来ねえ奴じゃねえだろ?チンコ付いてんだろ?」

「クッソォ!」

「オルァァ!」

 

お互い防御を捨てた殴り合いの喧嘩に発展

しかし途中でバン母が介入、バンもろとも正座で説教されることになった

 

「ジン、スルガ、悪かった」

「別にいいさぁ、で?立ち直ったか?」

「ああ!」

「はい・・・はい・・・分かりました!二人とも、アミ達が神谷重工本社に潜入、連絡が取れなくなったらしい」

「まーたアミか、エンジェルスターの時といいもう少し動きに慎重になって欲しいものだ。お前もろともな」

「うっ、痛いとこ付いてくるな」

「貴方達、行くの?」

「ああ!母さん、行ってくる!」

「行ってきなさい!バン!」



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神谷重工 

═神谷重工本社═════

里奈さんの車で神谷重工の近くの路地に送って貰ったバン御一行、潜入に際して里奈さんには待機

 

「さーて、何処から入るかな?うーん、正面玄関か」

「そこ以外無いだろう。建物の構造も十分に把握出来ていない」

「スタングレネード大放出だな!お前らも20個くらい持っとけ。一発ビリビリさせるだけで殺さず無力化できる優秀品ぞ」

「いや、いいよ」

「いざとなったら自分の身を護るのは自分だ。特に人間相手なら尚更な」

 

と、二人に無理矢理持たせる

死んで貰っちゃ困るのだ 

正面玄関に来るまでに、スルガとソルジャーの連携により警備員と監視システムを無力化しなが進む 

 

─工場内部─────

外周をつうろがまわり中央に巨大な溶鉱炉がある施設に入った

 

「うっわ暑っつ!こんなとこで溶けた金属扱うとか馬鹿じゃねえの?」

「確かにこれは、帰ったらシャワー浴びなきゃなぁ」

 

歩みを進めながら下層へのエレベーターへ。途中二、三名の警備員がスタン、襲いかかってくるLBXを蹴散らしていく

 

「おかしい、敵の数が少ない」

「確かに、俺ら罠に掛かっちゃった?」

「でもアミ達を助けなきゃ」

「そりゃ分かってるさ」

 

と、エレベーターで中層まで降りる。このエリアはL字のギミックがあるフロアだ。何回見てもなんでこんなギミック作ったのか、これが分からない

 

「道が繋がってない?」

「何処かにこの床を動かす端末があるはずだ。それを探そう」

「うーん、あれかな?」

 

バンがその辺にあった端末を指差す

 

「操作は任せろバリバリ~」

 

ガシャコンガシャコンブッピィンガァン!ゴーーーガシャァン

歯車が外れ噛み合い外れ噛み合う音が連続したのち床が動き目的のエレベーターがある道に繋がる

 

「よっしゃビンゴォ!」

「これで先に進める、行こう」

 

そして回転床の中央位まで足を進めた時に奴は来た

 

「何をしている?」

「おまえはッ!」

 

俺達が行こうとしていたエレベーターから出てきたのは海道義光改め海道ロイドだ 

うっわー生きてた時から見ても違和感ねぇー

 

「ジンよ、何をやっておるのだ?」

「お前は誰だ」

 

もう本物じゃないと分かっているらしくめっちゃ強気な態度、さて煽るか

 

「おい化け物、そこをどけ」

「貴様、一度倒したからといっていい気になど「うるせえ、お前なんか倒した覚えねえよクソザコ化け物が」

「その通りだ。そこを退いて貰おう」

「ジンよ、ワシはお前をそんな風に育てた覚えはないぞ」

「ジンもお前に育てられた覚え無いと思うぞ」

 

とスルガが合いの手もといただの要らん煽り、ひしひしと少しずつ回りの温度が下がる。上に溶けた鉄あるから結構暑いはずなのだが?

ちな冷気の原因は海道親子(?)

そして一機のLBX、カイザが海道の肩に乗る。なんか気持ち海老反りっぽいけと

 

「AX-02・・・!?」

「知っているのか海道」

「少し噂を聞いた。AX-00の改良型が作られていると」

「父さんが作ったLBXを!これ以上好きなようにさせない!」

「久々に遊んでほしいのか、良いだろう」

「ジン、俺も行くよ」

「ささ、新作オーバードウェポンの威力、見てみよっかな」

 

こいつまーたオーバードウェポン作ってるよ 

 

ソルジャーマントが取っ払われた背中には自身とほぼ同じサイズのトゲトゲの亀の甲羅に覆われた機械が付いている

 

「いっけー!オーディーン!」

「ゼノン、起動!」

「駆けろ、ソルジャーD」

 

一番先にソルジャーが斬りかかる、しかし気持ち悪い動きで素早く避けられる。間髪いれずオーディーン、ゼノンが追撃、しかし避けられる

 

「これ邪魔だな、パージ」

 

ガキン、ゴトン

新たなオーバードウェポンをパージ、一応オーバードウェポンは専用コネクタを後付けする必要があるのでこのバトルでは奪われても使えないだろう。それにカイザの一番の売りである機動力を殺すことになるし

 

二人の連携すげえなぁ、邪魔したら乱れるかもだしソルジャーは魔改造コマンドハンドガンで支援と洒落こみますか

 

カイザは高速で避けて攻撃して避けて攻撃して避けてを繰り返しオーディーン、ゼノン共に捉えきれていない

海道ロイドに今までの俺、バン、ジンの戦闘データインプットしてあるくせえな。面倒臭い

なら回避を制限するまでよ。攻撃はあの二人に任せればよろし!

一回噛みつかれたらなかなか離れんぞ。あの二人は

 

カイザの中心からオーディーン、ゼノンの直ぐ後方から射撃再開

スルガもバンやジン程ではないがそれなりに場を踏んでいるため、動きくらいなら制限できる

単発モードで射撃を開始、避ける先であろう所を逆読みしそこに銃弾を送り込む

 

「くっ、小癪な」

「鬱陶しいだろぉ?食らってくれてもええんやで?」

 

さぞやりにくかろう。着地点にももれなく射撃しとるからな。なんなら数発ゼノンとオーディーンに擦ってる気がするのは気のせいだろ

 

「今だ!」

 

バンが銃弾を回避したカイザを捉えた。カイザはかなり軽いため使い手のフォローがあってもオーディーンの攻撃で少しのけぞってしまう。そこにゼノンのハンマーでの追撃

 

「バン、ジン!捉えてるうちにやっちまえ」

「俺はもうこれ以上LBXで悲しむ人を増やさない!それが俺の覚悟だ!」

それに呼応するかのようにオーディーンが変わる

バンCCM『エクストリームモード

 

「オーディーンが変わった?なんか速くないですか?」

 

一応トランザム地味たものだと言うのは把握しているが正直ここまでだとは思ってなかったでござる。あ、そうだ。悪いこと思い付いた

 

カイザすら翻弄する速度でのオーディーンの連撃

ゼノンも負けじと攻撃していく

ソルジャーは再びヒュージブレードを接続、展開

 

スルガCCM『不明なユニットが接続されました。システムに深刻な障害が発生しています。直ちに使用を停止してください』

 

トゲトゲの亀の甲羅は左肩に移動、巨大な筒のようなものが右腕に接続される

そしてトゲの先端から青白い炎が、そして筒の先端から赤い炎がバーナーのように吹き出し待機状態に入る

 

「バン、決めるぞ」

「おう!」

 

アタックファンクション

グングニル

 

オーバードウェポン

ヒュージブレード

 

紅き巨大な神槍、そして超長い刀身もとい超高熱の巨体バーナーがカイザに襲いかかる。グングニルが貫いたカイザと後ろにいた海道ロイドごと切り払った

 

「スルガ・・・人を・・・!」

「ん?ああ、断面見てみろ。血ぃ出てねえぞ」

「バン君、こいつは海道義光の偽物だ」

「え?」

 

焼けた断面からは溶けたゴム、鉄、コード、謎の液体が垂れていた

 

「どこからかは知らねえが海道義光はロボットになってたらしーわ本物は既に死んでる」

「バン君、スルガ君、行こう」

 

特に気に止める様子もなく、と言うか意図的に反応を見せず進む

 

 

 

 

 

エレベーターに乗り更に下層へ、そして下層の探索をしていると扉をガンガン叩く音と怒号が

 

「出せェ!出しやがれ!」ガンガンガン

 

「・・・ハンゾウさん派手にやってんなぁ。探す手間省けていいが」

 

「皆!大丈夫?」

「その声、バン?助けに来てくれたのね」

「俺とジンも居るよ。さて、扉の前から退いて爆破するから」

 

さてと、扉の四隅にグレネードLを、と

 

ズドガーーーーーン

 

扉は数十個のグレネードに耐えられず捻れ飛び監禁されていた部屋の正面の壁にめり込んだ

 

══════

 

「うっわー、スルガやりすぎだってこれ」

「めり込んでんじゃねえかこれ。取れねえぞ」

 

郷田さんがめり込んだ扉を引っ張って剥がそうとしているがびくともしない

 

「ジン、アレ何かしら」

「僕もあれは見たことがない」

 

アミとジンの眼下には巨大な生産ラインが小さな大量の何かを作っている光景

 

「スルガ、なんかわかんねえか?」

「うーん、ちょっと小さすぎて分かんないですね。見た感じLBXみたいな小型機械って訳でも無さそうだし」

 

近くのコンソールを叩いて調べてみる。いやまあ知ってんだけども

 

「これかな?・・・ドングリっつうみたいですわ」

「ドングリ?」

「資料見る限りあれ一個一個が放射能の出ない戦術核クラスの爆弾みたいですね。欲しい」

 

全員が驚く。そんなものがあそこで大量生産されている物がそんなものなのかと言う顔だ

 

「十中八九エターナルサイクラーを悪用した結果であのサイズならどんなところでも仕掛け放題だ。なんならチョロQにつけて自爆兵器が作れるかもな。設計図でも見つけられねーかなー」

 

かるーく説明しながら設計データファイルを探す

 

「そんなものが作られていると言うことはここにエターナルなんとか言うのがあるってことだなスルガ」

「ああ、間違いないと思いますぜ仙道ニキ。お!あったあった。データ貰うぜイノベーター」

 

ウイルス対策として一時的にUSBメモリに物理的隔離保存をしておく

 

「それならこれ以上父さんが作ったものを悪用させるわけにはいかない。取り返さないと」

 

そして少年達は更に進んでいく



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進化するシステム

フルリンクシステムは次の段階へ



═最下層════

襲ってくるLBXを蹴散らしながらエレベーターで更に進みエターナルサイクラーを見つけた俺達

 

「あれは、エターナルサイクラー」

「よっしゃ。さっさと回収してとんずらするか」

 

と、エネルギーのバリアで保護されているエターナルサイクラーを取り出そうとするバン。しかし一機のLBXが目の前を突っ切った

 

「うわっ!なんだいまの」

「それをが欲しいのかい?」

 

と、中に何も着ていないし前も止めていない白いジャケットめっちゃダボダボの紫のズボン、そして眼帯をした人物が現れる

 

「あ!神谷(しんや)コウスケ!」

「かみやだ!なぜそこを間違える!」

「いやー・・・あんたの事は知ってんだけども漢字しか知らなくてな」

「スルガ、あいつの事しってんのか?」

「ええ、少しですが。凄い成績で凄い学校出て凄い事してる人です」

「なんだそりゃ?」

「大体合ってるでしょ?」

「まあそうだが・・・釈然としないッ!」

 

神谷コウスケ マサチューセッツ工科大学を好成績で卒業し、凄腕のLBXプレーヤーでもある

 

「まあいいや。前置きは無しだ。欲しいならお前を倒せばいいんだな?」

「何か色々言いたいがそうだ愚民共!」

「らしーぜバン、ジン。やるか」

「あ、あぁ」

「ゼノン起動!」

「いっけー!オーディーン!」 

「駆けろソルジャーD!」

「ルシファー!」

 

四機のLBXが対峙する

 

「河白スルガ、あの銀色のLBXは出さないのか」

「あれ使って実験してたら死にかけたから当分使わん」

「残念だ。あれと戦ってみたかったのたがな」

 

と言いつつスルガは斬りかかる

 

「うーん・・・フルリンクシステム起動」

 

と、スルガの身体が倒れ、ソルジャーが覚醒する

 

「ほう?それが例のシステムか」

 

ソルジャーが更に斬撃。しかし盾に阻まれ、避けられ四撃目にカウンターを食らった

 

アギャァス、痛ってー。攻撃喰らって痛いのひさしぶりか

 

交代でオーディーンそしてゼノンが攻撃する。しかしオーディーン攻撃を完全に回避し蹴り、ゼノンの攻撃とソルジャーが背後から攻撃するも完全に防がれる

ルシファーとソルジャーの鍔迫り合い、ソルジャーは出力重視のセットであるため両手での鍔迫り合いならばパワー勝ちしている。しかし神谷コウスケのテクニックがそれを許さない

 

「こんのぉ!」

 

バンが両手が塞がっているルシファーにリタイエイターでの斬撃、しかしゼノンをシールドバッシュのカウンターで引き剥がしオーディーンを蹴り飛ばす

 

そしてソルジャーを逆に力を弱めることで引き込み姿勢を崩したところに剣の柄で打撃、床に叩きつけられる

 

そこへ剣が振り下ろされるのをゼノンがハンマーで受け止め、その隙にソルジャーが体勢を建て直しタイヤを逆逆に回して腹を斬りにかかるが退かれ回避 

オーディーンが更に追撃を仕掛ける。初撃を当てるが反撃された。さらにゼノンの攻撃、一機一機次々絶え間なく攻撃を加え続けるが大半を捌かれ反撃を食らい、ダメージが一方的にたまっていく

 

「ジリ品だ。何か決定打があればいいのだが」

「ああ、でもあいつ強いぞ」

チャット『一か八か爆撃試してみるわ』

 

おもむろに爆弾をルシファーに向けバラまき始める

 

「愚民はこんな下品な物を使うのかい?」 

「何を言う!爆発だ!」

 

たまにスタングレネード、スモーカーグレネードを織り混ぜて視界とスタンでの嫌がらせ完全に視界が切れたのを確認して斬りかかる

 

いよっしゃ、そろそろ行くぞ

 

タイヤを回し出来るだけ静かに近づき斬りかかる。しかし斬りかかる直前で赤い刃がソルジャーに襲いかかった・・・・・・・・・かのように見えた

 

スルガは駄目元でバックジャンプ、しかしその斬撃が突然消える。そしてさっきまで居たところへ斬撃が空を切る

そしてスモークが晴れる

 

あれ?今の当たってないのか?

 

「避けられただと!?馬鹿な!」

 

なんか知らんけどラッキー

 

今度はルシファーの側から仕掛けてくる。しかし今度はしっかり攻撃が『視えた』 そしてその攻撃を次々回避する

 

なんだ!?なんだ!?スッゴい事が起こってるのはわかる!でもなんなのこれ!

 

ルシファーが少し赤く染まり二重に見えて次々の攻撃のモーションがスルガには視えてきたのだ

 

「何故だ!何故当たらない!」

「スルガ?」

「凄い・・・まるで攻撃が見えてるみたいだ」

 

いや、見えてんのよ。しかしこれなに?オーバーロード?いやなんか違うな・・・なんだっけか?なんか見覚えがあるぞこの感じ。まあいいか、ここでこんなことしてても考えは纏まらないな

 

スルガが別の考えを展開しながらルシファーの攻撃を回避していく。そして

 

アタックファンクション

ブリッツフレイム

 

攻撃時の一瞬の隙を突き繰り出されるX字の炎の刃。完璧にルシファーを捉え少なくないダメージを与える

全身がビリビリして動きが目に見えて鈍くなっている

突然だった。神谷コウスケのCCMの着信が鳴る

 

「少し失礼する『なんだいダディ?・・・分かった』

「ルシファーに手酷く傷を付けたのは君達が初めてだ。再戦を楽しみにしているよ」 

 

神谷コウスケはルシファーを回収して去っていった

 

「凄いじゃないスルガ!バンとジンでも苦戦した相手にあんな反撃するなんて」

 

フルリンクシステムを解除したスルガ、しかし疑問は残る。なぜルシファーの先の攻撃が見えたのか

回りの声をシャットアウトして思考を深める。ルシファーが謎の赤いぼやけを見せ攻撃のモーションが見える謎の現象が起きている事だ

しかしなんだったかあれ、なんか見覚えがあるんだ

 

「おい!いい加減戻ってこい!」

 

仙道ダイキがスルガの頬をひっぱたき思考の沼から引き戻す

 

「あ、すいません仙道さん」

「逃げるぞ。さっさとこい!」

 

そして帰還中にとある一つの言葉を思い出した。本来LBCSとの深くシンクロをすることで相手の精神感応が流れ込み、相手の次の手が見える現象。その名は・・・

『オーバーセンス』

 

 

 

 

 

 

 

═タイニーオービット社、シーカー本部═════

シーカーに帰還した面々、毎度の如く独断で行動したことを拓也さんに咎められ、そしてスルガとジンは神谷重工で見た情報を共有する

 

「まさか海道義光がアンドロイドだとは・・・」

「んで問題は量産されていたやベー爆弾だよ皆さん」

 

スルガがコピーし持ち出してきたドングリの設計データとその資料。シュミレーションでも凄い効果を発揮した

 

「一体イノベーターは・・・いや、海道義光の影に要る奴はこいつを使って何をするつもりなんだ?」

「鍵は資料に載っていた『フェアリーテイル計画』と言う単語のみ・・・か」

「直訳すると妖精の尻尾か。一体なんなのやら」

「それに関しては俺から説明させてもらう」

 

今は亡き祐介さんの後と意志と意思を継ぎ社長となった拓也さんからの説明がある

 

「檜山からの情報だが奴らはそのドングリをAX-03、フェアリーと呼ばれるLBXに搭載され太平洋上に存在するエネルギープラント、タイラントプレイスを襲撃するつもりだ。もしタイラントプレイスが破壊されれば世界は深刻なエネルギー不足に陥る」

「そこにエターナルサイクラーを持ち出して世界を支配するって訳か・・・とんでもねえ狸だな」

「そのフェアリーとか言うLBXはそんなに行動範囲が広いのか?」

 

仙道ニキの疑問、確かにサターンの話題出てないもんな

 

「いや、サターンと言う巨大ロケットがイノベーター研究所で建造されている。そいつに大量のフェアリーを搭載するらしい」

「おいおい、話がでかすぎねえか?信じらんねえぞ」

「いくらなんでもそんなこと出来るのかしら・・・」

 

各々が疑問をもつ。そして真野の姉御が端末を捜査、手頃な衛生をハッキングしイノベーター研究所を空撮、サターンの存在を示し、温度変化(液体酸素などの注入)で発射が近いこともしめされた

 

そしてイノベーター研究所への潜入作戦が決行されることとなる。夜も遅いし、次の任務は今までで命を落とす危険性が段違いの任務であり、各々一度帰宅するように伝えられた

 

「カズ、ハンターってこれから使う?」

「フェンリルがあるからあんまり使わないが・・・」

「ならカスタマイズさせて?思い付いたのあるんだわ」

 

と、カスタマイズの内容を提示する 

 

「まあこれならいいぜ!ほらよ」

「センキュー!フェンリルも狩れるLBXに仕立て上げてやるわ」

 

═タイニーオービット社、医務室════

里奈さんと共にルナに会いに来たスルガ。ルナに放せる限りの事実を話す

 

「それがスルガやお姉ちゃんがしてることなんだね」

「ええ、そうよ。ルナには昔から苦労をかけたわね」

「うんうん、大丈夫。お姉ちゃんも私を助けようとしてたって事はスルガから聞いたから」

「ルナ・・・ありがとう」

「俺は行くつもりだ。例えルナが止めようともな」

 

スルガはこの先を知っている。だからと言って命の危険が無い訳ではない。それは今までの事で痛感している。怖くない訳がない

 

「うん、分かってるよお姉ちゃん、スルガ、頑張って」

「ああ!」

「ええ!」

「あ、里奈さん、機龍預かって貰っててありがとうございました。次の任務は機龍を持っていくつもりです」

「分かったわ」

「スルガ、もう行くの?」

「なぁに、少しメンテナンスするだけさ。んじゃな」

 

さてと、ルナとは少し話したし、機龍の修理と改装するかな。省エネ化が課題だ

しっかし俺がオーバーセンスを習得することになるとはな・・・本気でおおっぴらにしにくくなってきたぞ

最悪というか、なんと言うかルナも使うつもり満々みたいだしな、戦闘での仕様だけ禁じることにするか?

 

しかし考えていても良い案は思い付かない。とりあえず現状オーバーセンスの事は胸の内に秘めておくことにした。お手軽に未来予知とか広まったら明らかにヤバいやつ

 

 

═レベル4研究室════

 

「やっほー結城さん」

「スルガ君、帰ってなかったのかい?」

「家戻ってもだーれも居ないからな。それなら空き時間も有効活用するのがいい。んで来たのはカズに貰ったハンターの改造と機龍の改良なんですが」

 

機龍のコアスケルトンからスルガの魔改造品で言ってしまえば有り合わせで作ったもの。エネルギー効率が悪いのだ。さらにそこにブースター、メーサー、アブソリュートゼロと言うエネルギーを爆食いする兵装がてんこ盛りと言う短期決戦型

 

「なるほどハンターの改造は何かコンセプトがあるのかい?」 

「ハンターの持つ潜在能力を全て解放して俺が与えられる能力を全て与えるつもりです」

「機龍の方は?」

「全体的にエネルギー効率をあげたいですね。エネルギーを爆食いする兵装が多いので・・・」

「成る程、それなら簡単だ」

「んじゃハンターの改装案なんですが、北欧神話でフェンリルがオーディーンを噛み殺したならハンターで撃墜してやろうかと」

「空を飛ぶオーディーンを撃墜・・・確かにハンターなら可能かも知れないけどかなり難しいね」

「なので徹底的に改造します。接近戦以外ならなんでもこなせる奴にするのでこんな改造を・・・」

 

はんたーのかいぞーないよー

・管制システムをフェンリルに準じた物へ更新

・スティンガーミサイルの追尾機能強化

・オーバードウェポン取り付け口追加

・着脱可能外部射撃管制レーダーを追加

・自立戦闘システムのインストール

・ワイルドフレーム向きのドライブシステム

 

「確かにこれならできる。自立戦闘も可能なら戦術の幅も大きく広がる」

「しかもデクー系列機にも空飛ぶのが居るのでレーダーも駆使してスティンガーミサイルをセミアクティブホーミングで叩き落とします」

 

そして、ハンターの改造と機龍の改良が始まる

 

「そうだ、こいつもバズーカ系とかスティンガーミサイルにスタングレネード付けて撃てば対人制圧も出来ますね」

「その発想はどうかと思うよ・・・それにMチップが」

「んなもん試験射撃の的にでも。どうせパンドラやフェンリル、オーディーン、機龍についてないんだし」



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つかの間の魔改造

═タイニーオービット社════

結城とスルガの魔改造的お遊びで爆誕した改造ハンターと改良された機龍、改造が終わった所で眠りにつき朝になった。またまた結城さんとスルガ、そして起きてきたルナとお話をしている

 

「そういえばハンターのカスタム名はあるのかい?」

「んー、無難にハンター改とでもしときましょうか」

 

と、性能について談義をしているとカズとバンが来た

 

「よお、元気か?」

「お!カズ、丁度良かった。ハンターの改造おわったぞ」

「お!どんな風に仕上がってんだ?」

 

ハンターの外見は大きく変化していない。変化と言えば腰辺りからアームが伸び、その先端に丸い板、レーダーが取り付けられている位のものだった

 

「そんな変わってないな」

「中身は別物だぞ。フェンリルとオーディーンを凌ぐポテンシャルを与えたからな」

「二人とも、凄いよこれ!確かにこれなら接近されない限り負けないかも」

「ルナがそんなに言うってことは相当なんだね。早速バトルしようぜ!」

「そう来ると思ってたぜバン」

 

map 港湾都市 ストリートレギュレーション

バトルスタート

 

スルガがハンター改、ルナがナイトメア、バンがオーディーン、カズがフェンリルを出す

 

ハンター改、ナイトメアはささっと姿を眩ます。フェンリルも狙撃地点を目指し、オーディーンも索敵しながら慎重に移動している。どこから攻撃が飛んでくるか分からない

突然後方からミサイルが飛んでくる。回避するがその弾頭はスタングレネードが炸裂、少しビリッとするが機能に問題はない

すぐにハンターを探すが見当たらない

 

「カズ、そっちから見つけられないか?」

「いや、見つかんねぇ。スティンガーミサイルの軌道パターン読んで見たが影も形もねえな」

 

ナイトメアは潜伏している。そしてハンター改は狙撃体勢を取っているフェンリルを捕捉した。フェンリルの様子からはバレている様子はない

 

「ルナ、フェンリルおったから狙うわ。位置情報だけ送っとく」

「分かったよ」

 

ハンターライフルを構えビルの上に隠れたフェンリルを撃つ。戦果を確認はせず、スティンガーミサイルを通常誘導で放ち即座に足の履帯で離脱

 

「バン!居たぞ。でも逃げた」

「こっちで追撃する」

 

そしてオーディーンが飛行形態に変形、飛び立つ

 

スルガはそれを狙っていた。レーダーが飛行するオーディーンに照射、ロックオンしてスティンガーミサイルを放つ。リアルタイムで精密誘導を受けオーディーンに襲いかかる

 

「ちょっ、まっ」

「バン、大丈夫か!」

 

フェンリルからの援護狙撃でいくつかのミサイルを撃墜しオーディーン自体も建物の隙間を縫って低空飛行、ハンター改からの誘導を切りミサイルを振り切る

 

ハンターは狙撃を警戒しまた姿を隠す。オーディーンはそれを追跡

ナイトメアはミサイルへの狙撃で割れたフェンリルを襲う

 

「うおっと、あっぶねー」

 

ダガーに素早く持ち替え対応するフェンリル、しかし近距離戦にはナイトメアに軍配が上がる

 

「カズ!今行く!」

「悪りぃ」

 

じわじわとフェンリルを追い詰めていくナイトメア、上手いこと避けてはいるが戦場は狭いビルの上だ

 

「いや、バン来るな!」

「え?」

 

屋上に向けジャンプしたオーディーンに大量の弾丸が降り注ぎ遅れてスティンガーミサイルがハンター改の射撃システムに支援されオーディーンの偏差先に投射される

遠距離からの攻撃で弾のバラけが多いがそれすらオーディーンを逃さない籠となっている

リタイエイターを回転させ致命傷は避けるがHPは減っていく。遅れてスティンガーミサイル二発が正面、残りが上下左右から向かってくる後ろはビルの壁で回避は出来ない

オーディーンは操作不能覚悟で各所の飛行用ブースターで速度で無理矢理突っ切り離脱したがハンター改からは間髪いれず対空狙撃、しかし偶然リタイエイターに当たり弾かれる

 

「チッ、運の良い奴め」

 

建物の間に落ちて狙撃不能そこでスティンガーミサイルの更に追撃、ハンター改の銃口はフェンリルに向く

 

「そろそろ限界じゃない?」

「まだまだぁ!」

 

このままナイトメアがフェンリルに張り付き続けていたらそのまま落とされる。しかしオーディーンが下手に動くとハンター改からの攻撃を貰う

 

ハンター改がフェンリルに狙撃、フェンリルがハンターからの狙撃を避けるために苦肉ので策ビルから降り地上戦、しかし周辺の建物の壁と言う足場を手に入れたナイトメア、立体機動力が更に上がる

 

「スルガ、行けそうだよ」

「あとは誘い込んでチェックメイト、やれるならやっても構わんぞ」

 

「バン、まだ行けそうか?」

「ああ!カズは?」

「残り僅かって所だな」

 

フェンリルは地上で防戦一方、しかし遠距離専門のカズは自身が特定の方向に移動していることに気づけなかった

その一方でハンター改はガトリングを引っ提げオーディーンにカチ込みをかける。咄嗟に障害物に隠れるがやはり弾幕が凄まじい。じわじわと後退を強いられる

 

「カズ、何とか合流しよう」

 

「ルナー、いつでもいい?」

「おっけー」

 

徐々に近付く4機。しかし向かう先はスルガが用意したリングであった

変化があったのはナイトメア、フェンリルからすれば何もない空中で縦横無尽に動き始めた

 

「んなっ!?」

「へへーん、これでもう逃がさないよ!」

 

いくらトリッキーな動きが得意なナイトメアとは言え空中で方向転換を繰り返すのは無理がある。カズも何か仕掛けがあると踏んだがそれを探す余裕がない

 

「バン、気を付けろ。何か仕掛けがあるぞ」

「どうしたの?」

「ナイトメアがあり得ねえ動きをしてやがる。まるで空中に足場があるみてえだ」

 

「ルナー、使い心地どう?」

「ぶっつけ本番でもなかなか使いやすいよこれ」

 

フェンリルが少し距離を取りよく観察する。そうすると何やら光るものが見えた。それを拡大すると細いワイヤーのようなものが張ってあるのが見えた

よく回りをみればワイヤーは色々な所に張ってある

ナイトメアはこれを足場にしているようだ

 

「あ、気づかれたっぽい。ワイヤー見てる」

「こっちも気付きおった、オーディーンがワイヤー切っとる」

「そろそろ決めなきゃね!」

 

ナイトメアが突きかかりフェンリルの姿勢を崩し、隙を作る

 

「行くよ!必殺ファンクション!」

 

アタックファンクション

ドリルスラッシャー

 

ワイヤーの張力までも利用して加速した高速ドリルスラッシャー、フェンリルを完全に捕らえ撃破

 

オーディーンもガトリングとスティンガーミサイルに苦しめられていた。接近しようにもガトリングで弾幕を張られる上に履帯で引き撃ちに徹せられる。裏から回ろうにもスティンガーミサイルのピンポイント爆撃が待っている

 

「もう一掃するか」

 

アタックファンクション

サンダーバースト

 

雷のレーザーが横凪にオーディーンか隠れている障害物ごと切断する

この辺一体が壊滅するが炙り出しに成功。そこに襲来するナイトメア

 

「一か八か、必殺ファンクション!」

 

アタックファンクション

グングニル

 

巨大な赤い神槍が形成されハンター改に来襲する。ハンター改は弾幕とスティンガーミサイルでグングニルの相殺を目論むが止められない

 

ハンター改、撃破

 

しかしただではやられない。撃ったスティンガーミサイルを一発、地面スレスレに飛行させハープーン対艦ミサイルのようにポップアップ、オーディーンを下から奇襲、撃破した

 

───────

 

「なんかあっけなく終わったね。でもこのデータがあればフェンリルも更に改修できそうだ」 

「ルナ、ワイヤートラップ兼足場どうよ?」

「うーんナイトメアやジョーカーみたいな変幻自在な機体じゃないと厳しいかも」

「うわー、本当に別もんに仕上がってんじゃねーか。機動力はフェンリル以上だぞ」

「だろー?ワイルドフレーム向きのドライブシステム付けてみた。引き撃ちもやり易くていいぞ。ストームツインガトリングで集団殲滅も御手の物だぞ」

 

ワイヤー戦術やハンター改の評価は続く

 

「ワイヤーには驚いたよ。でもレギュレーション大丈夫なの?」

「んーーー、グレーゾーンだな。爆発トラップにしたら絶対アウト。後はワイヤーで一帯を蜘蛛の巣の如く要塞化するとかしない限り大丈夫じゃね?」

「初見じゃかなり厄介な仕掛けだな。使い慣れたらジンも苦戦必至じゃないか?」

「仙道ニキは初見で速攻見抜いて使いこなしそうだ」

 

そして時は過ぎ夕刻、集合時間となる



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潜入作戦、イノベーター研究所

═タイニーオービット社════

作戦に参加する全員が作戦の概要を共有した所で唐突にスルガが口を開く

 

「ちょっちいいかい?皆さん」

「どうしたんだスルガ」

「この場に居ないレックスの過去のことなんだけど」

「レックスの・・・過去?」

「ああ、拓也さんか里奈さん聞いたこととか調べたことある?」

「いいや、そう言えば無い・・・」

「聞いたこと一応あるけど、はぐらかされたわね」

「なるほど、じゃあレックスの過去の話、無許可で伝えるね」

 

そしてスルガはレックスの過去、エネルギープラント崩落事故の事、そしてレックスの父親が責任者でいじめやら迫害で色々大変なことになったこと、裏で海道が無茶苦茶したことを話した。反応は三者三様十人十色、特に拓也さんと里奈さんの反応が顕著であった

ショックだったのだろう。仲間である自分たちにそれを打ち明けず抱え込んでいたことが

 

═ダム湖、獣道═════

タイニーオービットでミーティングと作戦説明を挟み早速潜入開始、巨大なダム湖を見下ろしつつ進む

既に完全武装警備員一個小隊をハンター改のスタングレネードとスティンガーミサイルの餌食にしている

 

「相変わらず手際が良いな。そっちの方が向いてんじゃないのか?」

「そうかも知れない。メタナスGXの時も制圧したし」

 

と、道中の警備LBXを蹴散らしながら進んでいくと古びた貨物トロッコの集積所に着く 

 

「湖だけじゃねえか。入り口なんてねえぞ?」

「この水は精巧なホログラムなの。入っても濡れないわ」

「へぇ?面白いもんだな」

 

仙道ニキがその辺の小石を数個水面に投げ込む。特に波紋も音も無い。この辺もう少し何とかならなかったのかな

 

「皆、行くぞ」

「「「おーーっ!」」」

 

 

 

═イノベーター研究所═════ 

ホログラムの水面をくぐり巨大な施設に出る

 

「すげ、湖の下にこんなもんがあんのか」

「ええ、信じられない」

「出来るだけ盛大に爆破してみたいねぇ」ジュルリ

 

そして先に進む

途中デクーシリーズ等に襲われるも即殺していく一行 俺以外敵処理速度が異常すぎる

基本的に一撃で葬り去ってるしさ。なんなのこいつら?  

あっ、また一機哀れなLBXが・・・(残骸選別中)

 

アニメやゲームにはいなかったけどたまーに人間が居るな。大体俺の獲物になってるけど ※スルガのハンター改が警備員の大半を無力化しています。その度カズが複雑な表情を見せる

 

「スルガがこんなじゃなかったら潜入にもっと時間がかかってたろうな」

「一撃で決める分嗜虐心丸出しで特に性格悪い時の仙道ニキよりマシでしょ」

「・・・」

「ぢょ!無言で顔じめないで、ぐるじぃ」

 

仙道ニキによる無言アイアンクロー

現在進行形で敵に襲われているのに相変わらずである

 

 

 

═研究所内通路════

サターン発射場、エクリプス発進基地、オペレータールームと繋がる通路、仙道ニキによる制裁アイアンクローは継続中である。そしてトラブルが起こる

 

「何かおかしくないか?」

「ジン、どうしたんだ」

「ここだけ警備が居ない。妙だ」

 

そしてバンの顔の前に一機の白とピンクのLBXが姿を表す

 

「うわっ!」

「なんだこいつ?」

「イノベーターの新型LBXフェアリーだ。行くよ機龍、フルリンクシステム起動」ゴトッ

 

フルリンクシステムを使用した途端仙道はスルガの顔から手を離す

 

「行け!オーディーン」

「ゼノン、起動」

「Go!フェンリル」

「お願い、パンドラ」

「行くぞ、ナイトメア」

「ぶち壊せ!ハカイオー絶斗」

 

各々がLBXを出す中機龍は咆哮、そしてフェアリーは一機では無く三機居た。纏めてインビジブルで姿を消す

赤外線カメラ起動っとフェアリーが隠れても丸分かり

自分がインビジブル使ってるから対応策も万全なのだ

 

フェアリーはインビジブルを用いた短機関銃での銃撃で味方を翻弄する。しかし機龍の赤外線カメラで透明化したフェアリーのシルエットを写し出す

 

チャット『場所の割り出しと支援に専念するから攻撃よろしく』

「助かるスルガ、みんな行くぞ」

 

機龍の赤外線カメラに捕捉したフェアリーの位置を共有、こうなってはインビジブルは意味がない。各々がフェアリーを追い詰める

 

map イノベーター研究所通路 アンリミテッドレギュレーション

バトルスタート

 

ナイトメア&ハカイオー絶斗コンビ

インビジブルを使用しているフェアリーに向けて絶・破我刃(チェーンソー)でのおおよそ近接広範囲&高威力斬撃 で炙り出す

 

「バレバレだ!」

 

仙道は影の事を誰よりも先に見抜き影の着地点をメイスで殴打、壁にぶつけ大幅な隙を作る。そこに機龍からのレールガン攻撃、フェアリーは体勢を直すことが出来ない

 

 

パンドラ&フェンリルコンビ

このペアは強い。パンドラの機動力がフェアリーを上回って居たのだ。そしてパンドラが取りついたところにフェンリルからの狙撃と言うパターンが出来上がり追い詰めていた

 

 

オーディーン&ゼノンコンビ

言うまでもなく強い。完璧な連携でフェアリーを完全に翻弄している

 

 

総評、インビジブルで隠れられなくなったフェアリーは数々の死線と強敵を打ち倒してきた歴戦の化け物共相手には不十分だった

 

わーすっごーい。皆完全にフェアリー蹂躙してる~

あ、やられた

 

「皆えげつねえな」

「多分透明で見えなかったら苦戦してたと思うわよ」

「ああ、機龍の赤外線カメラ様々だな」

「相手が見えるだけでも戦いやすい。助かったよスルガ」

「皆、コントロールルームはこの扉の向こうだ」

 

 

═コントロールルーム═════

さて、ここまで綺麗にレックスの罠に入った我々、しかしここからではサターン発射の管制が出来ないようにされている

 

「駄目、ここからじゃコントロールできない!」

「くっ、直ぐに別の場所を探すぞ!」

 

拓也さんがそう言って戻ろうとする。そして

ガシャン、カシン!

 

「なんだ!開かねえぞ!」

「閉じ込められちゃったか・・・どうすっかな?」

「どうにかして開けられないか?」

「ここで罠にかかるとはッ!」

 

里奈さん、ジンが扉の端末を操作するがうんともすんとも言わない。そして郷田ニキが力ずくで開けようとする

 

『罠? 違うな。これは俺からのサプライズだ』

 

大きなモニターにレックスの顔が写し出される

 

「レックス?」

「檜山・・・」

 

『まったく、まだ気付かないのか?お前らがそこに居るのも、今までしてきた事も、全て俺の予定通りなんだよ。海道の人形には、さぞかし驚いただろ?』

 

「やっぱりなんか企んでたんだねレックス、動機は大方エネルギープラント崩落事故でこの世界に恨みができたあたりか?」

『ほう?察しが良いな。 プラチナカプセルとメタナスGX。それをシーカーとイノベーターに持たせて、戦わせた。こんな腐った世界の運命とやらを巡って、駆けずり回るお前らの姿は愉快だったぜ?』

「レックスの計画はイノベーターの物と違うんだよね?勿論」

『ああ、あの男の計画か・・・俺には俺の計画がある』

「なぜ、何故だ檜山!」

『俺はこの世界に守る価値があるかを見定めたかったんだ』

「それでレックス、救う価値は・・・無かったみてえだな」

『そうだ。だから、世界には一度やり直してもらう。救うに値する価値を作る為のキッカケをな』

「レックス・・・」

 

バンが露骨に落ち込む。しかしレックスはそれに気を止めず

 

『もう少し話してやるつもりだったが、その様子だと俺がなんでこんなことをしようとしているのか、知っているみたいだな』

「ああ、スルガから聞いている」

 

と、その時だった

 

アタックファンクション

アブソリュート・ゼロ

 

「そーい」

 

なんということでしょう、スルガがロックのかかった扉を分子レベルで凍結し軽い掛け声で粉砕しているではありませんか

 

「レックス、この程度のロックは無力だぞ」

『ほう?しかし今からでは間に合わない。どちらにせよ諦めるんだな』

 

アナウンス<サターン発射最終カウントに入ります30...29...28...27...26...>

 

「俺達は諦めないよ、レックス」

「ああ、皆行くぞ!」

 

と、コントロールルームから駆けて出る

 

「なあ?檜山蓮俺達は心底諦めが悪いみたいでな。ぜってー止めるから覚悟しとけよ」

『分かった、止められるものなら止めてみろ』

 

と、スルガも最後にコントロールルームを出ていく

 

 

 

そういえば山野博士と会ってないな。ヤバくね?



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サターン追撃戦

═イノベーター研究所内════

手分けして発射コントロール施設を探すのはいいが残りのリミットは10秒程、発射止めるのは無理そうだ

 

「スルガ、そっちはなにか見つかった?」

「機龍でその辺手当たり次第壊してまわってるが見当たらん。多分駄目だ。次の手を考えたほうがいい」

「でもロケットを追いかけるなんて方法あるの?」

「しらん。戦闘機使えばいいんじゃねえの?」

 

アナウンス<10...9...8...7...6...>

 

「あーあーやばい。これなら直接サターンぶち壊しに行った方が良かったかもしれん」

 

スルガの回りの壁は大きめの穴だらけ(機龍とグレネードでやった)でショートカットの道がたくさん開いている

 

アナウンス<5...4...3...2...1...、サターンリフトオフ>

 

遠くから轟音が聞こえてくる。エンジンが点火されたのだろう。それに続いて地響きが伝わる

 

「おっと、飛び立ちやがったか。バン、一回皆と合流しよう」

「ああ、そうだな」

「バン!大丈夫か?」

 

と、遠くから声がする。声の主は山野淳一郎博士だ。元々レックスの行動で監禁されたのに気が付いてコントロールルームに向かっていたらしい。そこでコントロールルーム周辺が穴だらけで心配になり探し回っていたとのこと

 

そして暫くしてからコントロールルーム前に一度集合した

 

「皆、今からサターンを追いかけるぞ」

「私がイノベーターを離反するときに強奪したエクリプスを使用する。既に格納庫で待機しているこっちだ」

「私も同行しよう」

「父さん」

「元はと言えば私が蒔いた種だ」

 

═エクリプス発令所════

 

<総員、シートベルト着用を再確認、エクリプス発進>

 

エクリプス、大型のステルス機で赤外線、レーダー、光学観測などほぼ全ての探知を掻い潜ることの出来る凄い機体だ

 

離陸してすぐ高度を取りアフターバーナー的な加速装置で直ぐに音速を越える。暫くして

 

<安定飛行に入ったからベルトはずしていいよ>

 

と、自由時間だ

 

「ひゅー、あっとゆう間だな」

「ああ、これほどの飛行機が極秘建造されてるとか、ロマンあるねぇ」

 

と、ベルトを外して早速山野博士が口を開いた

 

「皆、檜山君の過去は知っているか?」

「うん、スルガから聞いたよ」

「エネルギープラント崩落事故責任者の子供でひどい目に合ってたのね・・・」

「山野博士、一応聞きますが檜山蓮の目的がエネルギープラントの破壊だと思いますかい?」

「いや、おそらく違う。だが予測は立てられる」

「八神さん、サターンの進路は?」

「依然エネルギープラントを目指して太平洋上を飛行中だ」

「真野の姉さん、サターンって長く飛べると思います?」

「いいや、あまり考えられないだろうね。いくら無限機関を持っているとはいえ飛行機でなくロケット、それにA国がある。太平洋と大陸横断が関の山だろうさ。ここで引き返したら私らに捕捉される」

「たしか明日、A国で世界各国のトップが集まるサミットが開催される・・・まさか!」

 

拓也さんが回答に気が付いた

 

「んまそう言うことだろ。サミットを目標にフェアリーテイルをするもしくは・・・自分が爆弾になるか」

「つまり何が起こるんだ?」

「カズ、世界のトップが纏めて死んだら俺にだって、誰もどうなるかわからんよ。もしかしたら何もないかもしれん、もしかしたら、第三次世界大戦の幕開けかも」

「絶対に檜山を止める。それが俺の使命だ」

 

══════

そして各々LBXのメンテナンスをしているとアナウンスが

 

『皆、サターンの制圧作戦の説明をする。発令所に集まってくれ』

 

「いよいよか」

「ええ、世界を壊させなんてさせないわ」

「レックス、絶対に止めて見せる」

 

─エクリプス発令所────

作戦の説明が始まった。まず攻略の大きな障害がサターン本体に設置されている無数の対空火器およびフェンスと言われる高密度高威力のマルチプルパルス染みた兵装だ。前者に関してはエクリプスに設置してあるコントロールポットでLBXで降下、的の小ささを生かし突破、口後者に関してだが

 

「フェンスに対してはオーディーンのビームガーターを応用したアンブレラと命名した特殊シールドを数は少ないが用意させて貰った。耐えられるかどうかは五分五分と言ったところだ」

「山野博士、これ機龍につけられないです。なんならソルジャーにも」

 

フルリンクシステムは割りとでかい。Mチップをとっぱらってやっと収まっている

 

「問題ない。そう言う作戦ポジションを用意する」

 

拓也さんからのフォローが入る

 

「それなら了解です」

 

そしてそれに際した更なる作戦説明、フェンス突破後も対空砲火を回避しつつサターンに取り付き浸入経路より潜入、対空火器及びフェンスの無力化、そしてコントロールルーム向かい自爆させる。と言う流れ、取るつもりは無いが万が一、スルガがいつの間にか製作していたドングリの複製品で吹き飛ばす事も念頭に入っている

 

「説明は以上だ。既にサターンは捕捉済み、あとは作戦のポジションに付くのみだ」 

 

そしてLBXにアンブレラと特殊ブースターを外接し降下作戦の実行の時が待たれる

 

──────

「スルガ、いつの間に言い逃れ出来ない爆弾作ったの?」

「昨日一晩でタイニーオービットの設備を使って試作したのよ。爆発威力の予測とかのために。それを持ってきただけ。信管は抜いてあるから心配なされんな」

「スルガいつか捕まるんじゃないの?」

「大丈夫大丈夫、言い逃れの準備は出来てる」

 

と、さらっとヤバイことをしつつ作戦準備

機龍の装備にグレネード系を満載、一応ソルジャーDとハンター改にも自律行動プログラムを仕込みある程度なら単独行動できるように改造した



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サターン降下制圧作戦

═エクリプス発令所下コントロールポット═════

先ほどサターンを完全に捕捉して全員が待機状態に入った。先ほどカズが格好つけてコントロールポットに飛び入り腰を強かに打ち付け苦しんでいる以外トラブルは無い

 

『総員、これより順次降下する。作戦開始だ!』 

 

さてと、俺はコントロールポットに乗り込んでいます。出すLBXはソルジャーD(機龍の戦闘エネルギー効率の悪さの不安を盾に押しきった)ソルジャーDじゃないとまだオーバーセンス使えないからね、しょうがないね。ついでに無断でフルリンクシステム使ってるよ

 

そして第一陣、オーディーンやパンドラ、ゼノン等を主力とするメンバーが降下、少し遅れてフェンリル、ソルジャーDを主体としたメンバーが降下

ソルジャーDには特殊降下ユニットと色々

 

『うわっ、すごい弾幕だ』

『安心しろバン、きっちり援護してやる』

チャット『確かに凄い攻撃だ。だが当たらなければどうということはない!』

 

小刻みに乱数回避を徹底し対空砲火を翻弄、そしてサターンの外周に高エネルギー反応がでる

 

『フェンス来るぞ!備えろ』

 

LBXからアンブレラが展開

サターンから無数の高密度レーザーが展開

その競り合いに入る。耐えれる確率は六割と少しと言うのがコンピューターのシュミレーション結果

 

何分、いや、実際は何秒の時間だったがそう感じる

フェンスに被撃墜は約三割と言ったところ、対空砲での撃墜が約一割なので残存戦力は残り六割程度、そしてオーディーン、パンドラの第一陣がサターンに取り付き着地地点を確保する

 

「うぉぉぉ!」

「はぁぁぁ!」

 

オーディーンとパンドラの連携で第二陣の着地地点が確保している

間も無く第二陣が着地、攻勢に入る。自動操作で降下していたハンター改のストームツインガトリングが敵集団を凪払い、そこからシーカーのLBXが雪崩れ込み防衛線を突破する

 

「あれ?スルガなんでさっきからチャットなの?」

チャット『フルリンクシステム使ってるからだぞ』

「拓也さんから使うなよ、いいな?絶対に使うなよっていわれてなかった?」

チャット『それって使えっていうフリじゃないの?』

「違うよ!?」

 

さらっと命令違反、こいつ息をするように無茶をする

 

さてと、もういっちょ行きますか!

 

ソルジャーDは高速移動を開始、前線に出て敵の攻撃を誘引し回避魔改造コマンドハンドガンとマグナムブラスターで穴を広げる

それから通路に侵入、LBX迎撃用の小型砲台をぶち壊しながら進む。段々シーカー側も戦力を削られ、フェンス制御室にたどり着く頃には主人公勢だけになっていた

 

「八神さん、制御室に到着しました」

『よし、フェンスの制御装置を破壊してくれ』

「任せとけ!」

「行くわよ!」

 

アタックファンクション

ホークアイドライブ

 

アタックファンクション

蒼拳乱擊

 

フェンリルのライフルから放たれる三発の高威力弾がフェンスの制御装置の壁を突き抜け、青いエネルギーの拳が何発も放たれ壁を破壊、両者の必殺ファンクションで制御装置は完全にその機能を失った

 

「やったわね」

「ああ、これでフェンスは使えねえ」

 

さてと、そろそろ神谷コウスケがくるはずだが・・・居ないな

 

いきなりソルジャーの目の前に赤い軌跡が浮かび上がりソルジャーは咄嗟にマスブレードで防御、攻撃が来るが完全に防ぎきった。その反動でマスブレードは一時パージ

 

攻撃してきたのはルシファー、つまり?

 

「仕留めそこねたか。まあいい」

 

神谷コウスケが待ち構えていた

 

「河白スルガ、山野バン、海道ジン!君たちと再び戦えるときを楽しみにしていたよ」

 

「神谷コウスケ!」

「くそっ、やるしかねえか」

「誰が来ようが関係ない。悪夢を見せてやる」

 

そして追手の無人LBXどもが追い付いてきた。とても数が多い

 

チャット『しゃーねー、俺とバンとジンであれの相手する。残りは大軍の方を』

「それがよさそうね、行くわよ!」

 

map サターンフェンス制御室 アンリミテッドレギュレーション

バトルスタート

 

オーバーセンスを習得したスルガがルシファーに斬りかかる。今は完全にルシファーの行動が見えているソルジャー、斬擊はシールドで防がれてもその範囲外の足首にコマンドハンドガンのフルオート射撃でダメージを与える

 

「小癪な!」

 

反撃に出ようとするルシファーに仕掛けるゼノン、これは回避するが背後からオーディーン

それの対応する隙と未来を視てグレネードを起きゼノンとソルジャーは撃ちながら少し距離を取る

ルシファーはオーディーンに対応しかしグレネードが起爆、大きく姿勢を崩す

 

「流石だスルガ君、凄いな」

チャット「今のは偶然だ。狙ってできるか」

 

オーディーンがそのままルシファーに食らい付き続ける。そこにゼノン、ソルジャーが乱入、数の利を生かしつつ攻め立てる

ソルジャーが攻撃を先視しルシファーの攻撃を的確にブロック、二機がアタック

 

「ちっ、やりづらい」

 

先ほどから全ての攻撃を最小限の行動で防がれ続けている神谷コウスケには苛立ちが積もっていた

 

アタックファンクション

デビルソード

 

突如飛び上り天から紫の刃を振り下ろし、三機を襲い攻撃が見えているスルガ以外はヒットしてしまう

あっぶねー、当たったら激痛必至だわ

 

「ふはははは!これがルシファーの力だ!」

「強い・・・だけど負けない!」

 

オーディーンとゼノンが空に浮遊するルシファーに襲撃

ソルジャーDはこそこそ何かをしている

 

さてワイヤー張って、後遠隔起爆装置仕込んで、地雷も蒔いとくか。よし、下準備おっけー

チャット『ワイヤー地帯用意した。上手く誘い込むぞ』

 

ソルジャーもルシファーへ攻撃に参加、初手からインビジブルブレイドで奇襲を仕掛ける。避けられはしたが姿を眩ます。だがルシファーは反撃に転じる

オーディーン、ゼノンをこれまでに無い攻撃精度で圧倒し始めた。ソルジャーは少し卑怯だがハンター改を遠隔操作、スティンガーミサイルと狙撃の精密火力投射を行いルシファーを一時的に引き剥がす

さらにソルジャーの追撃、攻撃を視て回避しつつ魔改造コマンドハンドガンを関節部狙いで銃撃、引きながらワイヤー地帯に誘い込む

 

「スルガ、凄い」

「ああ、あそこまで綺麗に攻撃を流すとは。攻撃がみえてるんじゃないか?」

 

そして全ての機体がソルジャーが構築したワイヤー地帯に侵入しソルジャーが透明化を解除、オーディーン、ゼノンも即興でワイヤーを利用しトリッキーな攻撃を繰り返す

空中で反転し短時間で襲いかかってくる三機と精密に狙ってくるハンター改に対して処理に限界が来たようだ。苛立ちから大きな隙を見せてしまう

 

「今だ!必殺ファンクション」

 

アタックファンクション

Ωエクスプロージョン

 

ゼノンが空中からゼノンハルバードを振り回しルシファーに叩きつけるが回避される。しかし振り下ろした地点からΩ型に地面が割れその衝撃に巻き込まれルシファーは大きな被害を受け壁に叩きつけられる

 

よっしゃ今だ。装甲パージして強くなる前に破壊する

 

オーバードウェポン

マスブレード

 

チャット『バン!今のうちに破壊するぞ!』

「分かった!必殺ファンクション」

 

アタックファンクション

グングニル

 

ブースターによりとんでもない速度で叩きつけられるめっちゃ硬くて強力なブースター付きの元柱の鋼材と赤い神槍が止めをささんと動かないルシファーに殺到、ルシファーは原型も留めず吹き飛んだ

 

いよっし、なんかセラフィックモードの発動前に倒せた。もう原型残っとらんし流石に大丈夫だろ

 

「そんな、ルシファーが・・・こんなものに・・・」

 

そう言って神谷コウスケは意識を失い落下していく

 

「あ!」

チャット「心配すんなバン、あの程度ではよほど運が悪くねえと死なねえよ」

 

「バン、凄い音がしたけど大丈夫?」

「こっちはまとめて破壊したぜ!」

「ふん、数はいるが弱かったな」

 

追いかけてきた警備LBXを駆逐し終えたカズらと合流、さらに先を目指そうとするがソルジャーD以外のLBXが突如行動停止

 

あ、ジャミング。チャットも・・・ダメそうだな。取り敢えずエクリプスから直接乗り込んでくるだろうし迎えに行くか。近づいてきたら通信も回復するだろうしな。一応警戒用にハンター改置いておこう

 

 



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ブッチギリ!!サターン大爆発 シーカー怒涛の殴り込み作戦

この話も終盤に差し掛かりました
しかし何かが変わるわけではない!スルガ君はいつも通りです


═サターン内部外側════

ソルジャーDはハンター改からスタングレネードを持てるだけ回収し完全武装の警備兵を制圧しながら換気口を通り微かな記憶を頼りながら進む

エクリプスの接近は勘づかれているようで各所に少人数の兵が即応できるよう待機、しかしそこをソルジャーDが襲撃し無力化、一応ジャミング装置は持っているようだが俺がLBXだから問題無い

 

さっきからLBXより人間の方が多いな

 

ズガーーーーーン

一帯に轟音が鳴り響く。おそらくエクリプスからの殴り込みのハープーンが撃ち込まれたのだろう

無力化した奴ら以外にも兵はまだ居るはずだし処理しに行かなくては

 

スルガは急いでいるが一応シーカーにも実働部隊は存在する。なんならLBXに対処する訓練を機龍が敵想定で数回行っているのだ。連度は十分であろうが武器弾薬は数が少ない、古いなど多少の問題を抱えている

制圧に関してはスルガがスタングレネードを使って大量に警備員を無力化した実績と前列があるためそれを生かした小型のグレネードランチャーのようなものが配備されている

 

そして道中も数人をバチバチしてハープーンが打ち込まれている地点まで到着した。ちょうどバンらが入ってきたところに出くわす

 

「良かった。無事だったんだスルガ」

チャット『俺が死ぬわけねえだろ。俺の体は?』

「君の体はコントロールポットに入ったままだ。全く無茶をする」

 

八神さんからのお褒めの言葉を頂き自分の体を取りに行く。先に降りたシーカー実働部隊が戦闘しているようだ。急がねば

 

═エクリプス、コントロールポット════

 

「ふぃー」

 

コントロールポットから出て固まった体を伸ばしほぐして一息つく。だがすぐ機龍を持ちオーバードウェポンと追加のスタングレネードを持ってサターンへ向かった

 

「覚悟しとけよレックスゥ!」

 

═サターン内部════

サターンの中の戦闘は若干ではあるがシーカー実働部隊が優勢であった。スルガがその辺の部隊を無力化したのが効いているのだろう

 

「スルガ、おせえぞ」

「良いじゃないですか。さてとまたまた行きますか。フルリンクシステム起動!」

 

機龍に乗り移りブースターでフル加速、シーカー実働部隊の横につく

 

チャット『こちら機龍、隊長さん、ここの制圧を支援する』

「助かる。頼んだ」

 

機龍のスタン弾頭誘導弾を一斉発射、障害物の裏に隠れる兵を狙う

バァチィ! グギャ ウギッ ドサドサドサ

 

何人か倒れる。さらに敵陣ど真ん中に躍り出てメーサーブレードを振るいスタンガンの容量でさらに気絶者を増産、混乱したところにシーカー実働部隊の突撃し制圧した

 

「見事な手際だ。こっちに来ないか?」

チャット『マジで爆弾魔に転向しそうなので遠慮しておきます』

 

機龍とシーカー実働部隊は後方にスルガの体を運ぶバン等を守りながら進撃、途中会敵したが連携戦術で短時間で制圧しフェンス制御室まで辿り着く

 

「拓也さん、フェンス制御室に到着しました。敵影は確認できません。ただ床に子供が倒れています」

『分かった。その子の保護と安全確保、よろしく頼む』

「了解」

チャット『隊長さん、こいつ生きてる?』

「ああ、気を失っているだけだと思う」

 

神谷コウスケを回収しエクリプスに収容する。各々のLBXも回収し山野博士がコンピューターをハッキング、サターン操縦室までの道を出来るだけ確保し扉を全てロック、敵兵を隔離した

 

「相変わらず対人制圧は早いなぁ」

「スルガ、この機会にホントに実働部隊に入っちゃえば?」

「アミ、流石に嫌だよ。死にたくねーもん」

 

体に戻りLBXの破片(ルシファーは念入りに)を回収するスルガ、詰めれる限り持ってきたバッグに詰めて残りとそれを実働部隊の隊長に押し付ける

 

「しかしハンター改を警戒に置いておいたとは言え敵の残骸が増えた気がしないな。俺がレックスなら間違いなく回収か破壊するが」

「おそらくそれをしなくても勝てると言う自信の現れだろう。私もイノベーター時代に似たようなことをした奴を見たことがある」

「なるほど、何もしなかった事後悔させてやろう」

 

八神さんとスバルの会話を尻目にバン達がこの後の予定を確認している

 

「拓也さん、これからどうするんですか?」

「山野博士が安全な道を作ったからそこを通って行く。ただ道中にその場所でしか操作できないロックがあるからそれを解除しつつだな」

「その場所でしか操作できない扉か、ゲームだったらアイテムを集めるとかしなきゃ行けないやつだな」

「そこまで複雑では無いらしいから安心してくれ。だがその分強固なものと考えていいだろう」

「どんな障害でも私たちで突破してみせるわ!」

 

 

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 

 

 

フェンス制御室を出て直ぐに少しの敵を蹴散らし正面に大きなエレベーター、その横に一回りほど小さなエレベーターがある部屋

 

第一の関門

起動していないエレベーター

 

「このエレベーターの制御端末はここから程近い場所に七ヶ所に分けて設置されている。私はここでこの先の作業をしなければならないから君達に任せることになってしまう」

「分かりましたぜ八神さん」

「そして七個の端末は同時に操作しなければいけないのを忘れるなよ?」

「子供だけで行かせてしまって済まないバン。兵士は居ないが警備LBXは巡回して居るはず、注意してくれ」

「じゃあ、行こう皆」

 

 

───────

 

直ぐに一つ目の端末に辿り着く。赤いモニターにはサターンの構造図が表示されている

 

「これだな。皆ここの端末は俺が残るわ」

「スルガ、一人で大丈夫なのか?」

「珍しく人の心配ですか仙道ニキ」

「たまにはいいだろう?」

 

そしてスルガがここに残り残りの端末への到着と一斉操作の時をまつ

バン等が部屋を出た途端通気孔からガシャンガシャンと音がする

 

「早速おいでなすったか。来い!戦ってやる。行くぞ機龍、ソルジャーD、ハンター改。フルリンクシステム起動、機龍!」

 

ソルジャーDはマグナムブラスター二丁、ハンターはSTGとを持ち戦闘開始

 

機龍からのターゲット指定でハンター改のスティンガーミサイルと機龍の誘導弾を敵の頭上に落とす

更に三機が各々の銃火器を掃射し敵を灰塵に帰す。

 

いや、これは戦闘と言うより一方的な蹂躙である

降りてきたLBXはガトリングやレールガン、マグナムの餌食になり降りてこなくても通気孔に留まり攻撃を加えてくる機体にはミサイルを叩き込み破壊

通気孔の攻撃射程外から撃たれる敵のランチャー系の攻撃はハンター改が迎撃する

敵の勢いが目に見えて衰えるころに機龍とソルジャーDが逆に通気孔に侵入し近接戦を繰り広げる。狭い所で戦闘しているソルジャーDと機龍を撃破せんと遠距離戦を仕掛けるLBXにはデータリンクでハンター改からのスティンガーミサイルを見舞う

 

敵集団、早々に撤退した敵を除き壊滅する

 

敵居なくなるのはっっっや

 

しかし音だけは聞こえる。おそらく不要になったフェアリーだろう

 

さてと、んじゃ機龍でフルリンク習得まで一対多しますか。付け焼き刃もいいところだろうがしないよりはマシ・・・あれ機龍の様子が?フルリンクシステム解除

 

「なんだこれ?」

 

顔や腕が動くだけだが機龍が自分だけで動き出す。ソルジャーDやハンター改に攻撃をする様子は無いがスルガの言うことを聞かない

 

「・・・おーい、機龍?」

 

声には反応した。しかしそれだけである

バンとジンと戦ったときに俺の制御を一度離れたがそれとは毛色が少し違うような

 

「なんか言いたいことあるなら通信で飛ばしてくれ」

 

特に反応は無い。一応CCMで再操作を試みる。今度は普通に操作を受け入れる機龍

 

「機龍、なんなんだお前」

 

そしてフルリンクシステムを起動、ソルジャーDとハンター改を相手に模擬戦を繰り返す。途中フェアリーの襲撃が合ったがここにいる機体は全て赤外線カメラを標準装着しているため一瞬で蹴散らした

さすがにそれだけではオーバーセンス習得まで行かなかった。と言うかそんな簡単に習得できたら色々困る 

 

修練している間に全員がエレベーター管理端末へ到着し準備完了

スルガも端末の前に立ち操作の準備を整える

 

『カウント行くぞ3...2...1!』

 

ポチっとな

 

画面『各端末の操作認証、エレベーター起動します』

 

こうしてエレベーターが動き出す。残る試練は後僅かである

 



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サターン制圧作戦 中編

装甲娘サービス終了ってマジ?

急ぎストーリーだけでも記録しとこ
一応スルガが少し関わるwars√とガッツリ関わるミゼレムクライシス√の構想があるんですよね


═エレベーター前═════

各々適当に敵LBXを撃退しエレベーターの前に再集合した皆、突然スルガが山野博士に「LBXって唐突に操作拒絶したり自立行動プログラム入ってないのに自分で動いたりする?」と聞いた

 

「いや、そんな事は無いはずだ。それが本当なら機龍には自我が宿っているのかも知れない」

「自我?確かに機龍のポテンシャルを引き出すために結構CPUとかはいいの積んだけど」

「いや、フルリンクシステムと言うイレギュラーのせいの可能性がある。調べないと詳しいことは言えないがフルリンクシステムを使ってる間に機龍の中にもう一人の人格が形成されていることも考えられる」

「別の人格・・・」

 

機龍が自我を持つねぇ・・・唐突に暴走してシナガワタウン一帯壊滅させたりしないといいんだけど

 

「まいいや。とりあえず先に進もうぜ」

 

エレベーターに乗り込み次の場所へ

 

─なんか小綺麗な場所────

大きなホールのような場所に出る

あ、ここは見覚えあるぞ。アイツが居るところだ

 

少し階段を上ると中央には強化ダンボールが設置されている。そしてそこにいる人物は?

 

「お前は・・・」

「うわぁ、なんかスッゴいゴツくてメカメカしくなってる」

「海道義光・・・なのか?」

 

全員が困惑している。スルガがヒュージブレードでぶった斬った継ぎ目と顔の左目周りが完全に機械で換装されている

 

「・・・」スッ

 

発声機能が壊れたままなのだろう。ひと言も発っさず月光丸を取り出す

 

「あー、前にぶった斬ったから完全に修復出来てないのね」

「バン君、スルガ君。これとは僕が決着をつける」

「俺も同行しよう。今度こそこいつを木っ端微塵に粉砕してやる。他の奴らは先行ってろ。フルリンクシステム起動」

 

そして海道ロイドは月光丸をフィールドに投下

ジンがゼノンを投下、機龍も戦闘体勢へ

 

map 火山遺跡 アンリミテッドレギュレーション

バトルスタート

 

いつもの通り動いたのはメーサーブレードを出した機龍、よくよく思い出せばこいついつも斬り込み役だな

しかし月光丸は機龍の攻撃をいなしながら関節部に攻撃を加えてくる。しかし機龍はかなりの重量と装甲を持ちこの程度では吹き飛ばされないためインファイトに持ち込もうとする機龍

入れ替りでゼノンが攻撃、しかし完全に動きが読まれており攻撃が当たらない。二撃、三撃と攻撃をかわされ背後から攻撃され吹き飛ばされる

そこにリカバーに機龍が入り追撃の隙を与えない

 

やっぱりゼノンの戦闘データは取り込まれてるな。明らかに動きが読まれてる。そして月光丸自体のスペックもグラインドブレードで壊した時修復ついでに上げたか?

 

しかし機龍のインファイトには乗ってこない。スルガはここで射撃戦にシフト、ゼノンが前衛を張る

機龍の誘導弾がゼノンを越え月光丸の上、横方向から襲いかかる

月光丸はこれを回避するためゼノンを斬りつけ回避、この時ゼノンの左腕の肘から下が失くなってしまう

 

「くっ、やはり過去のデータは取り込み済みか」

チャット『月光丸のスペックは間違いなく上がってるぞ。気を付けろ』

 

機龍が口部99式連装メーサーで凪ぎ払い。しかし回避される。それで立てた着弾煙が月光丸を隠してしまう。月光丸はそれを起点にした

 

アタックファンクション

月華乱舞

 

機龍に繰り出される桜の刃

こりゃ機龍のデータも把握されてるな?

まあエターナルサイクラー防衛で戦車破砕とか研究所破壊とかやってたらそうなるわな・・・

 

そして月光丸がゼノンに仕掛ける。防御も敵わず連続で攻撃を受けてしまう。機龍が介入を試みるがのらりくらりとかわされる

 

「そうか、そう言うことか!」

チャット『いきなり怖いぞ』

「突破口が見つかった!反撃にでるぞ!」

 

ゼノンが一撃を避ける、二撃を避ける

 

静かに海道ロイドが驚愕している。しかしそれを逃すジンではない

 

「腕を切り落とされた事が幸いした。重心が変わって挙動が変化した。もうゼノンの動きは読めまい!」

 

そしてゼノンも青く覚醒する

 

ジンCCM『オルタナティブモード

 

CCMが変化し紫のスクリーンが形成される

ゼノンの基礎能力ほぼ全てにブーストがかかり今まで以上の機動力を見せる。機龍もブースターの多様でこの速度についていく。そしてこのタイミングで『機龍』が動き出す 

 

「うぐっ!」

 

スルガが無理矢理追い出される。そして機龍が覚醒する

 

スルガCCM『MODE"G"

 

機龍の目が赤く光り黒いオーラを上げる。今まで以上に野性的な戦い方となり月光丸を追い立てて行く

ゼノンがゼノンハルバードを、機龍が予備動作ありきの尻尾を高速で叩きつけ打ち飛ばす

高い運動エネルギーを受けた月光丸は強化ダンボールから飛び出し海道ロイドに激突し共に倒れこむ

まだ暴走を続ける機龍、海道ロイドと共に倒れる月光丸に追撃。アブソリュート・ゼロ以外の火力を徹底して投射し月光丸の原型を無くし海道ロイドを半壊させた

 

「うっわぁ、極たまに操作拒絶するけどここまでするのは始めてみた」

 

機龍は再び沈黙、今は黒いオーラも放っていない

海道義光(仮)が完全に壊れたことについてジンは強い意思が籠った目で睨むだけで反応はあまり大きくない

 

「気になることではあるが詮索は後にしよう」

「ああ、バンに追い付かなきゃな」

 

機龍を回収しバンを追い掛ける

 

─なんかセキュリティの凄いとこ────

ここは四ヵ所のセキュリティをバーチャルLBXで撃破し突破する部屋、月光丸を撃破しているあいだに二ヶ所解除されていた

 

「ふーん、これならこれで済むぞ」

 

と、雑にアブソリュート・ゼロをぶっぱなしセキュリティのかかった扉を破砕する

 

「相変わらず出鱈目みたいな武器だな」

「俺たちが真面目に鍵解いてるのがバカみてえだ」

 

拓也さんとカズのコメントは特に気にせず進む。

 

「もえこれで予備バッテリーが無くなったのでこれで撃ち止めです」

 

燃費の問題は駆動部の効率化とメーサー等の威力リミッター設置(そのリミッターが掛かっているとは言っていない)で向上させたがやはり他LBXと比べて戦闘行動時間は短い。そのためスルガと結城は機龍専用のバッテリーを作ることでこれを解決、しかし他の必要物資の製造にリソースを裂いていたために充電含めて三つしか用意できなかった(1つはオーバードウェポンを使用したソルジャーに無理矢理使った)

 

エターナルサイクラー実用化したらチタンとスタンフィールインゴット使って行動半径理論上に無限にしねやろうかな

 

そしてスルガが破壊した扉の先には無駄に糞長い階段があり、この先にあるのはサターンの操縦室。すなわちレックスが待ち受ける部屋である

 

═階段の上═════

「なんて長い階段だよゼエゼェ」

「同意するハァハァ」

 

バン、ジン、郷田だけが息が整っている。こいつら化け物だろ

 

「この先にレックスが・・・!」

 

バンが他の制止を駆け出す。咄嗟にそれを追い掛けてしまうスルガ

 

「バン待て!」

 

ガタンゴーーーーーガション

 

大きくめっちゃ分厚い扉で完全に分断された二人

 

「あっ」

「え?」 

通信『バン、スルガ大丈夫か?』

「はい。バンも大丈夫です。レックスに隔離されましたね」

通信『いまそっちに向かうから待っていてくれ『おいスルガ、お前どうせこの程度の扉なら破壊できるだろ?』

「うーん、さすがにこの厚さはちょっと。これからレックスの相手って時に不確定で機龍のエネルギーを消耗したくない」

 

《艦内にお集まりのイノベーター及びシーカー諸君。本艦は当初の目的地であるタイラントプレイスからNシティに向けて飛行中

もう間も無く本艦は米軍の防空圏突破の為、出力の許す限り加速を続ける。それに伴い、脱出艇とポットのロックを解除した。命が惜しい奴はさっさと退去する事だ》

 

「父さん、俺レックスを止めてくる」

『・・・分かった。無事に帰ってこい。バン』

「スルガ、ついてきてくれるか?」

「おいおい、俺がここまで来て逃げる根性無しの薄情者だとおもってやがんのか?」

 

少年二人は歩みを進める。片や憎しみに駆られるレックスを止めるため、片や愛する恋人を守るために

 

 



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絶望と希望の狭間で少年は戦う

無印最終回

スルガはどんな決断を下しどのような結末を望むのか
それはこれから明らかになる


═サターン操縦室════ 

二人で最後のドアを開けてレックスが待ち受ける操縦室に入った。まず目に入るのはサターンの心臓、一際大きな謎の発光体が収まる巨大な装置『グラビティポンプ』

 

「あれは?」

「たしかあれは・・・」

 

「グラビティポンプ。エターナルサイクラーから生まれた悪魔の機関だ」

 

操作席によしかかり待っていたであろうレックス

 

「よく来たな。二人とも」

「・・・レックス」

「ああ、あの程度の障害じゃあ止められねえよ」

「レックス・・・なんで・・・信じてたのに!」

 

「1つ教えてやる。この世界に信じられるものなど無い」

 

「いや、ある!これまで戦って来た仲間やそれに楽しいことだってきっと」

「レックスの価値観なんぞ知らないし別にどうでもいいが信じるモノは自分が決めることだ。世界と心中なんか御免被るぜ」

 

「妹も親父も家族もみんなこの世に殺された。俺はこの世界の全てが信じられないんだ!だから在り方を根本から変えるメッセージとキッカケを与えてやる!俺自身の手で!」

 

説得失敗、レックスは鼻から戦闘するき満々のようだ

 

「バン、この際だ。力ずくで止めるぞ。砕け散るまで戦うよ機龍、フルリンクシステム起動!」

「ああ!」

 

オーディーンと機龍が戦闘体勢を取る 

そして檜山連は一機まだ見ぬLBXをくりだした

 

「そいつはイフリート、俺の中に沸き立つ憎しみと怒りの化身だ。止めれるものなら止めてみろ

 

  この世界の命運賭けた運命のラストバトルだ」

 

機龍が大きな咆哮を上げる

 

map サターン操縦室 アンリミテッドレギュレーション

バトルスタート

 

先に動いたのは炎の魔神の名を冠するイフリート

その拳を業火に包む

自機から発せられる熱で一部パーツが溶解する程の温度、それがレックスの憎悪の炎のようだ

 

オーディーンと一気に距離を詰めパンチ、オーディーンの咄嗟の対応でビームガータで防ぐ

そこに機龍の強襲、ブースターを用いたタックルでイフリートに攻撃、しかしそこは熟練で最強のLBXプレイヤーレックス、衝撃をほぼ殺し逆に機龍を殴り飛ばす

そこにリタイエイターの上段突き、しかしこれを握り止め引き込む。膝でしたから打撃。更に両手を組み振り下ろし地面に叩きつける

 

「オーディーン!」

「どうした?お前たちの実力はそんなものか?」

 

オーディーンと機龍は再び立ち上がる。機龍が誘導弾及びレールガンの射撃。オーディーンの攻撃を支援

 

機龍自身もある程度蒔いたら突撃、二機の代わる代わるの攻撃で少しずつ崩しに掛かる

オーディーンの突き、誘導弾、レールガンを回避しながら反撃の隙を伺うイフリート、しかし至近距離からレールガンの射撃が隙を打ち消す 

 

いかにイフリートでも並大抵のLBXを一撃で破壊する誘導弾、レールガンの直撃を受ければいかにイフリートでもダメージ必至だろう

 

機龍がオーディーンと変わりイフリートとのインファイトに突入

機龍は打撃を貰いながらも各所ブースターでの姿勢制御で飛ばされるのを防ぎながら戦闘

オーディーンも要所要所で横槍を入れる

しかし技量ではレックスに敵わない。尻尾の打ち合いで力負けし機龍が大きく姿勢を崩す。激しい痛みに耐えながら立て直すもその隙はレックスにとって十分であった

さらに大きな一撃を叩き込み隙広げる

 

「必殺ファンクション!」

 

アタックファンクション

ヴァルゾダース

 

イフリートの胸の窪みが光り肩から巨大な火炎が噴出、すぐに全身が血のような色のエネルギーに包まれ隙を見せる機龍に高速で突撃する

そのフォローでオーディーンが間に入りビームガーターで防御、しかし数秒でビームガーターは破壊される

だがその停止した短時間で機龍が口内連装メーサーをイフリートに向ける。盾を破壊したイフリートに攻撃を遮るものはなく、いくらイフリートと言えど避けられなかった

短時間と言えど連装メーサーの直撃を喰らったイフリート目に見えて怯んでしまう。しかし目に見えた被害が怯むだけなのも相当ヤバイ

 

「必殺ファンクション!」

 

アタックファンクション

グングニル

 

リタイエイターから創り出される巨大な紅い神槍が炎の魔神を貫かんと突き進みイフリートを爆煙で包み込んだ

機龍の赤外線カメラはめっちゃ温度を放つイフリートを認めている

爆煙が晴れると佇むイフリートが見えた

 

「そんな・・・」

「こいつはは全てを焼き尽くす。本番はこれからだ。 

焼き尽くせイフリート、インフェルノモード!」

 

レックスCCM『インフェルノモォォォォード!

 

レックスのCCMが展開し新たな画面を空中に投影する

突然イフリートが苦しみ、もがくように、ぎこちなく体の各所を動かす。そして体の周囲全体に紫の炎のようなオーラが覆い隠す

 

チャット『こいつ本当にLBXか?化け物の間違いじゃねえの?』

「なんだ・・・これ」

 

バンもスルガも今まで感じたことの無いドス黒いオーラを目の当たりにする

 

「そうさ!こいつはモンスター・・・俺の中に沸き立つ怒り、悲しみ、そして憎しみ・・・俺自身だ」

 

紫の炎が消えそこに残るのはインフェルノモードを発動してしまったイフリートが

 

「・・・まさか、そんな」

 

機龍も再び大きな咆哮を上げる

 

「さあ、第二ラウンドと行こうか」

 

イフリートはこれまでとは比べものになら無い性能を発揮した、五メートル以上は離れていた筈のオーディーンの真正面に瞬間移動の如く現れ空中にかち上げ、飛ばされているオーディーンを捕まえ天井を破りながらサターンの外壁を壊していく

 

うっわはっや、肉眼でギリギリ捉えられる速度か?

とにかく追いかけないと! 

 

 

═サターン外壁════

 

機龍もイフリートが開けた穴に飛び込みサターン外壁に出る。出た瞬間に更なる追撃を受けたオーディーンが機龍に衝突し二機まとめて外壁に叩きつけられた

 

メーサーブレードを展開した機龍が降りてきたイフリートに突進 

 

キシャァァァァァ!

グオォォォォォォ!

 

二機の咆哮、その戦いはもはやLBXではない

己の闘争本能に身を任せる生存競争、拳が機体の各所を抉っていく。イフリート、機龍両機ダメージが蓄積する

 

そしてエクストリームモードを発動し飛行形態にチェンジしたオーディーンが機首にエネルギーを集め高速で突っ込んでくる。JETストライカーを発動したのだろう

 

イフリートは機龍を押し飛ばしは正面からオーディーンを受け止める。機龍はイフリートに向け高温に耐えられず不調をきたした背部バックパックを射出

イフリートは尻尾で撃墜、しかしその爆煙の中からレールガンユニットも投棄し軽量化した機龍が機動力を上げてイフリートに挑む

 

オーディーンを投げ捨て機龍と対するイフリート

そして機龍が再び覚醒する。目が赤く光り黒いオーラに包まれた

 

今のスルガの体は近くにはない。そのため意識は機龍の中に残る。残ってしまう

 

なんだ・・・?

 

既に機体の制御はスルガに出来ない。暴走した機龍の中のでの感覚は異質だった

 

イフリートからは強い負の感情を感じるが機龍からは

『何も感じなかった』

 

おい機龍、聞いてるか?

・・・

まあいい。聞いてる前提で話すぞ

・・・

力を貸してくれ機龍。俺はルナを・・・たった一人の愛する人守りたい。

・・・

・・・機龍、頼む

・・・・・・・・・・・・

 

システム音『CODE"G"を解除します』

 

機龍、協力してくれるのか?

・・・!

行くぞ!機龍!

 

 

 

スルガが再び操作を取り戻す。その瞬間イフリートからの攻撃が視えた。

 

オーバーセンス!このタイミングとは!

 

さっきとは一転し機龍は白いエネルギーを纏い目を強い意思の篭った金色に輝かせる

 

イフリートからの打撃を逆につかみ穴の上に押し出し反撃の起点とする機龍、瞬時に意図を読み取ったであろうバン、オーディーンが攻撃準備を済ませた

オーディーンが前からリタイエイターを、機龍が後ろから回転し尻尾を叩きつける。イフリートはそのままの勢いで自分が開けた穴に落下、機龍とオーディーンがイフリートを掴みまそのまま操縦室まで落ちる

 

═サターン操縦室════

胸のど真ん中に小さな穴を穿たれイフリートは床にものすごく強く衝突し仰向けで沈黙した

 

「レックス・・・俺たちの勝ちだ。もうやめてくれ!」

チャット『ああ、これで仕舞いだ。レックス!』

「馬鹿な・・・イフリートが負けるだと?」

 

「ふざけるな!お前の力はこんなもんじゃ無い筈だ!

 もっとだ!もっとその身に絶望の炎を滾らせろ!」

 

その言葉に共鳴か呼応か、イフリートが目を開き強い光を放ち再び動き出す

再起動の衝撃だけでエクストリームモード、CODE"G"(仮称)が解除される

 

「そういう事か!クックックックッ・・・ハッハッハッハッハ!」

チャット『バン、今のイフリートは完全に暴走・・・いや自分の意思で動いてる』

「イフリートが、暴走?」

「いいや、違う。イフリートのCPUが完全に俺の感情を理解した!俺はとうとう本物の化け物を生み出してしまったようだな!」

 

アタックファンクション

プロミネンスレイド

 

イフリートがエネルギー集めを圧縮する

拳を打ち付けあいそこにエネルギーが集中する

胸の孔が一際光を強めた段階で打ち付けられた拳を無理矢理剥がす。行き場が無くなったエネルギーが大量の熱線として放射、辺り一帯に降り注ぐ

 

「ぐわっ」

「うわぁっ」

「おわっと」

 

急ぎフルリンクを解き熱線の回避、オーディーンが被弾しエクストリームモード解除、だが機龍には命中無し

レックスが避けようとした拍子に頭をぶつけ倒れこむ

 

「レックス!」

「もうイフリートは全てを焼き尽くす。誰にも止められない!」

「止めて見せる。あれがレックスそのものだって言うなら」

「フルリンクシステム起動。機龍、もう少し協力してくれよ」

 

グラビティポンプの前で待ち受けるイフリートに挑む二機、しかし攻撃を掻い潜られきれいに二機とも頭を捕まれグラビティポンプの中に連行される

 

 

 

═グラビティポンプ 炉心近く════

グラビティポンプの炉心近くに付いた途端別々の方向に投げられる

決戦のゴング代わりの火球の連続攻撃、二機とも防御したがイフリートはオーディーンを追撃、再び頭を掴み床に叩きつけ殴り飛ばす 

 

機龍はオーディーンに追撃しているイフリートに攻撃を敢行、尻尾を打ち合いそのまま顔に殴りかかる。

しかし右腕を噛み壊されゼロ距離から火球をぶつけられ、その間にオーディーンが体勢を建て直したところにイフリートが蹴りつけ壁に激突 

 

この時点で二機の機体各所には亀裂が走っているため長い間耐久出来るわけでもない

 

なんとかイフリートの正面を見せた状態で一時的にでも動きを止められたらバンが必殺ファンクションで何とかしてくれると信じて!

 

オーディーンが再びイフリートに挑む。その隙に機龍はホバー状態で高速移動しイフリートの背後に回る。次の行動を先視し攻撃を回避、機龍が背中に張り付きブースターで無理矢理その場に固定する

 

チャット『バン!』

 

アタックファンクション

ライトニングランス

 

リタイエイターを回転させる事で緩やかな螺旋の三本の青い光を纏いオーディーンはそれをイフリートに突き出す

 

機龍は当たるまでイフリートを固定しつづける

外壁での戦闘で空いた胸の穴に突き刺さり大きな悲鳴を上げる 

 

よし今だ!安全装置解除、胸部装甲展開用意

エネルギー充填準備開始

 

機龍を振り払いオーディーンにそのヘイトを向ける

だが即座に胸部装甲が展開されエネルギーが凝縮を開始し、空色の光球となる 

オーディーンはリタイエイターを回転させエネルギーを集め空中で電気の塊を作り出す

 

アタックファンクション

超プラズマバースト

 

アタックファンクション

アブソリュート・ゼロ

 

イフリートから最後の抵抗として必殺ファンクションを発動する二機に向け無数の火球を打ち出す

 

オーディーンは電気の塊に槍を打ち込み電気を纏いそのままの勢いで火球すら粉砕し突撃

絶対零度の光球は憎しみの火球を冷やし打ち消していく

 

光球が先に直撃し冷却、かなりの高温で体の中心から徐々に凍結していく。バンの超プラズマバーストがそこに突き刺さりイフリートは最後の咆哮を上げすべての機能が停止、欠片も残さず完全に破壊された

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

═サターン操縦室════

イフリートを撃破しそこに帰ってきた機龍とオーディーン、すでに満身創痍であった

 

「レックス、終わったよ」

「バン、さっさとサターンの自爆プログラム流してこい。レックスは俺が介抱しとくよ」

『二人とも、大丈夫か?』

「うん、父さん」

『では真ん中の操縦席にLBXを置いてくれ。自爆プログラムを流し込む。パスワードは『希望』だ』

 

バンは諸々の操作をしている

 

「レックス、今の気分はどうだ?」

「・・・逆にスッキリしたよ。とても満足感がある」

「そうか。んで聞くがレックス、死ぬ気はあるか?」

「ああ、こんなことをしちまったんだ。それに俺はもうこの世界に不要だ」

 

《サターン自爆カウントダウンを開始します》

 

『私は元イノベーターの八神だ。まもなくサターンは自爆し太平洋に沈む。エクリプスには君らを収容する準備がある。この際生き残るのにイノベーターもシーカーもない・・・無駄死にするな』

 

八神さんからの放送が入った

 

「レックス、帰ろう」

「俺にはもう生きてる価値はない。二人で逃げろ」

「レックス、俺は最初に言った。価値があるかは他人が決めるってな。他人がレックスの事を要らないと言っても俺やバンにはレックスが必要だ」

 

サターンの一部が崩壊を始める。地図を見ればもうそろそろA国の防空識別圏に入るところ。間違いなく墜とされる

 

「立てねえなら肩貸すぞ、バン、左側楽しむ」

「うん」

「心配ない。自分で歩ける」

「とか言ってふらふらじゃねえか。さっさと行くぞ」

 

═サターン通路═════

レックスに肩を貸しながら歩いていく。そろそろあの名言が聞ける頃かな?

 

「レックスが出そうとしてたメッセージって何だったの?」

「あ、確かに。キッカケは各国首脳の死だろうけど声明の方は予想出来ないな」

「そうか・・・」

 

 

「人は獣にあらず。人は神にあらず。人が人であるために今一度考えるのだ。人とは何かを・・・何をするべきかを・・・」

 

「人は何をするべきかを?」

 

「ああ。賢くなり過ぎた人間は、この世の全てを管理し支配しようとする。まるで神であるかのように。

 大きな力を手に入れた人間は弱者を喰らい、どんな残酷な行いもいとわない。まるで獣であるかのように。

 進歩しすぎた人は、人であることを、いつの間にか忘れてしまったんだ。俺は世界の人々に考えさせたかった。人はどうあるべきか、人が人である為の真実の姿を・・・」

 

「人は変われるさ。新しい世界はきっと作れる。レックスが望む世界だって」

「バンの言うとうりだ。可能性に百は無いがゼロは無い。バンが作ろうとしてる世界、見届けろよ。レックス」

 

と、ハープーンが突き刺さっている所まで来た

 

「バン、レックス連れて先行け」

「どうしたの?」

「いや、ドングリ作ったは良いけど使う場所無かったからここに仕掛けるだけよ。なあに、五秒で終わる」

 

さあレックス、ここで自害するなら俺を巻き込むことになるぜぇ?

 

ビニールテープを取りだしこれで誘爆すんだろと壁に雑に張り付ける。レックスが切断部以上奥に進んでいることを確認しハープーンに乗る

 

「たっくやさーん。全員乗ったよー」

『分かった。そこにベルトがついているから全員に巻け』

 

あ、安全装備ついてんのね。裏で口出ししといて良かった

 

「バン、レックス、これ巻け」

 

と、二人に安全ベルトを巻き付ける。レックスの動向に注意するのも忘れない 

 

『ハープーンを切り離す!』

 

エクリプスとサターンを固定していた数本のワイヤーとハープーン本体が切り離される。レックスは何もしていない。と言うか打ち所が悪かったのかちょい苦しそう

 

ふと外に目を写すと各所で爆発を起こしながら高度を下げていく。そしてその巨体は雲海に沈んで行った

 

朝日が昇る。それは新しい世界の幕開けとなるのだろうか

 

「終わったな」

「いいや、ここからが始まりさ。レックスの望む世界を俺たちの手で作るんだ」

「それは結構だが、テロは起こすなよ?」

 

 



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最終決戦の後、エンドロール

エンドローーーーーールゥ!


═エクリプス指令室═════

とりあえず結構ダメージを負っていたレックスをハンター改の監視付きで医務室に放り込んだ後皆の元に戻った 

 

「二人とも、檜山の事を止めてくれてありがとう。心の底から感謝する!」

 

拓也さんが一番に頭を下げてきた

 

そして他の子供達や暇なシーカーと事情を聴いたイノベーターの隊員にもみくちゃにされるバンとスルガ。それは十分以上続き疲弊していた二人をさらに疲れさせた

 

「んでとりあえず拓也さん、今後どうするんです?」

「シーカーなら活動を縮小しながら今後もこういう事態に備え継続するつもりだが」

「それもそうだけどレックスの事よ。こんなことやらかしたんだから無罪放免じゃまずいでしょ」

「だがこれを公表してイノベーターの事が露見するだけならまだいい。その技術力が露呈すれば不味いことに成りかねない。スルガ君はそこを心配しているのだね?」

 

山野博士が心配事を言い当てる。確かにそうだ。LBX類はスルガがとっくの昔に流出させたがドングリやサターン等面倒なものがたくさん作れるのがイノベーターの技術力、そんなものがバレたらどうなるのか、想像に固くない

 

「それはシーカーの方で何とかしよう。だがスルガ君、君の発想力を借りると思うから宜しく頼む」

「ういー」

 

エクリプスは日本に進路を取り帰路につく

人知れずに世界を救った一行なのであった

 

 

═日本、タイニーオービット社════

エクリプスでイノベーターの残した秘密空港に着陸し解散、各々帰宅していく。一応レックスは監視付きで病院に叩き込んでおくらしい

スルガは帰宅せずにタイニーオービット社に向かう。機龍の修理と、愛する人に会うために

 

「ただいま。ルナ」

「お帰り。スルガ」

 

二人は強い包容を交わす

 

「これで全部片付いた。後始末が少し残ってるがそれくらいだ」

「スルガ、無事に帰ってきてくれてありがとう。凄く心配してた」

「さてと、これでルナの体も治せる。暫く時間がかかるかも知れないが、来年辺りには治ってるだろ」

 

人工臓器オプティマの認可を止めていた海道義光はこの世から消えた。これでもう邪魔するものはない

 

「ねえスルガ、昨日の夜心配で寝れなかったし、一緒に寝てくれない?」

「ちょうど俺も疲れてた所だ。寝よっか」

「うん・・・お休み、スルガ」

「お休み、ルナ」

 

二人は仲良く夢の世界に旅立つのであった

 

 

 

 

 

═どっかの病院════

レックスは病院のベッドに片手をスルガ謹製手錠(鍵はないただの鉄の輪)で繋がれていて逃げられない

レックスはこれからの事を考えていた。これだけのテロを引き起こし海道義光を殺害した自分がこのまま放っておかれる訳が無いと

 

(スルガがどうするかだな)

「やっほーレックス、元気?」

「スルガ?俺なんかに構ってて良いのか?」

「うん、ルナに後でパフェ食べにつれてけって約束させられたがな。それで・・・レックスの処遇が決まったよ」

「そうか・・・!」パアン

 

と、スルガは無言で拳銃を取りだし迷いなくレックスに発砲した

 

「なんのつもりだ?」

 

銃口からは煙が上がっている

 

「安心しろ音だけだ。これで檜山蓮、伝説のLBXプレイヤーレックスは死んだ」

「まさか戸籍を偽造したのか?」

「うん!ちょこーーっとフルリンクで日本政府の戸籍管理してるとこに侵入してちょこーーっと弄ってきた」

「それで?」

「新しい名前はこっちで決めさせてもらったよ。不自然が無いようにね。んで新しい名前は河白蓮、戸籍上は養子関係にしてみた」

「は?」

「まあこれ知ってる連中からは多分呼び方変わんないと思うから」

「まて、どういう考えをしたらそうなった」

「いやー保護者いた方が便利かなって」

 

他にも檜山蓮が管理していた物らは全てスルガが買い上げると言う割と滅茶苦茶な事をしてそのまま残してある

 

「ね?処遇としてはまあまあ嫌でしょ?」

「ああ、結構効く」

「んじゃねー・・・後養子になってもなんか変わるかって言われたら変わんないからー」

 

とスルガは病室を出ていく

 

「・・・ま、悪くないか」

 

そう呟き、目を閉じる

 

 

これがスルガが選んだ結末であった。しかしこれは物語の序章に過ぎないかもしれない





次、番外編


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幕間、河白スルガのとある日常

番外編!W編行くまでに少し書きます


═タイニーオービット社会議室════

ルナが居たり機龍の大規模メンテナンスやドライブシステムの改良、その他諸々の理由でタイニーオービットに定期的に通っているスルガそしてなにやらタイニーオービットで重要な会議があるようす。スルガもそれに参加させられていた

 

「───以上の理由で河白君が開発したドライブシステムは大成功と言っていいでしょう」

「分かった。以上の事で何か質問のあるものは居るか?・・・特に無しだな。では本題に入ろう」

「拓也さん、何で俺がここに呼ばれたの?」

「1つはドライブシステムの今後の事、そしてこっちが本題でフルリンクシステムの事だ」

 

フルリンクシステムは元を辿れば病床のルナの外の景色を見ると言う願いを叶えるために作ったシステムなのだ

 

「拓也さーん、フルリンクシステムの事なんですけど仕組みは半分も分かってないですよ?重要な所は何一つ分かってないに等しいです。よく分からないまま計画進めたら最悪意識だけが喪失して植物状態よりひどくなりますよ?」

「君は問題無く使っているんだろう」

 

一人の重役からの質問

 

「正直このシステム自体深夜テンションで作れてしまった物でなぜ問題が無いのかすら分からないんですわ。後今さらながらこのシステムをおおっぴらにするのも腰が引けるんですよね」

「軍事転用、いや悪用全般を心配してるんだな?」

 

海道ロイドの一件があり下手すれば人的被害が極端に少ない軍隊が完成、世紀末と化する恐れもある

 

「そうです拓也さん。世に出すにしても自壊装置付きで定数作って貸し出しと言う形にしてほしい。俺に管理させてくれるのが一番ではあるけど」

「そこには十分配慮するつもりだ」

 

タイニーオービットの重役達もこの後の自分のフルリンクシステムの使用法やアンリミテッド状態での副作用等を説明、危険性についても十分納得していただいた。と言うか納得させた

とりあえず今の段階では世に出す方法までの結論は出なかった。一歩間違えた時の危険性がヤバすぎる為だ

 

「んでドライブシステムの方なんですが、タイニーオービット以外に提示するつもりも特許料を請求するつもりはありません。機龍作ってもらったりフルリンクシステムの解析させてもらってる恩があるので」

 

重役達が驚く。結構な利益をあげているみたいだし当然かな?

 

「それではあまりにもスルガが損をしていないか?」

「んなこと無いですよ。これから困ったときとやりたいことがあるとき存分に便りにさせて貰うつもりなんで」

 

イフリートに腕が噛み砕かれた機龍、元に治すと同時に別のパーツも追加で作る。新たなレールガンユニットと背部バックパック、そして新たな右腕だ。しかしまだ新型胸部武装は開発途中である

 

「河白君の機龍と言うLBXだが一般販売はしないのかね?」

「それだけはしません。理由は色々ありますがその代わり機龍の一部武装をベースに新型武器を考案させて貰っています。資料はそちらに」

「確かにこれは凄いが機龍も売り出した方が儲かるのでは?せめて理由を教えなさい」

 

と会議は続く。終わったときにはへとへとであった

 

═社長室═════

自分で勝手に淹れた紅茶を飲みながら突っ掛かってくる重役に対してぶつくさ言うスルガ、拓也さんと霧野秘書は苦笑い

 

「機龍は仕方ない。細かいデータ言ってないから、でもフルリンクシステムの危険性理解しねえのはどうなのよ・・・ブツブツ」

「そこまでにしてやってくれ。君の考えも分かるが彼らもタイニーオービットの事を考えているんだ」

「定数貸し出しは何がなんでも認めさせてやる。一般発売とか絶ッッッッ対にさせない」

「そこは私も裏から手を回しましょう。話を聞く限りそうした方が良さそうですし」

 

とりあえず文句を一区切りし紅茶を飲み干す

 

「すっるがー!」

「うおっと、どうした?」

 

社長室にルナが突貫してくる、度々突貫してくるがセキュリティはどうなってんだと聞いたところ霧野さんがその都度通してるらしい。黙って

 

「会議終わった?」

「おう、終わったぞ。んでどうした?」

「結城さんが呼んでたよ」

「分かったすぐ行く。そ言えば拓也さん、オプティマって認可どこまで進んでる?」

「あと一週間と言った所だろう。認可を止めていた連中が海道の失踪で勢いを失ったらしい」

「はっ!いい気味だ。んじゃあ拓也さん、また」

 

═レベル4研究室═════

オーディーンや機龍、フェンリルが生まれた研究室

今はエターナルサイクラーの実用化、フルリンクシステムの解析等がメインで行われている

 

「あ、スルガ君早速だけど聞いてもいいかい?」

「なんでしょ?」

「フルリンクシステムの作動履歴を解析していたんだけど主にカイザ、ルシファー、イフリート、その他戦闘でフルリンクシステムに不自然な動きがあったんだけど、何かおかしな事はあったかい?」

 

不自然な動き・・・やっべ、オーバーセンスって使いすぎるとバレるのか?

 

「さ、さあ?今まで以上にアンリミテッド状態でダメージ受けたからそのせいじゃないですか?痛みのフィードバックもありますし」

「うーん、そうなのかなぁ?明らかに精神同調の深度が上がってるんだよな。本当に何もないのかい?」

「特になにも」

 

やっべー・・・結城さんにだけオーバーセンスの事ゲロるか?いやしかし巡り巡って第三者には知られたくないし、シラきり通すか

 

「ますます謎だね」

「あ、そう言えば機龍がイフリートと月光丸との戦いで操作拒否して勝手に動きましたね」

「勝手に?自立戦闘システムを組み込んだのかい?」

「いや、んなもん組み込んでない。機龍が勝手に動いたんだ。山野博士曰く原因不明らしい。仮説としてはフルリンクシステム周りが怪しいとさ」

「じゃあその辺を先にしらべてみようか」

 

スルガも解析に回る。しかし機龍の自我の事はCPUや記憶装置を精査してもよく分からなかった

フルリンクシステム状態からアクセスしてもうんともすんとも言わない

結局、何も分からなかった

俺何でこんなもん作れたんだ?

 

═数日後═════

タイニーオービット内のカフェスペース、秘書の霧野さんに呼び出されたスルガとルナと里奈

 

「スルガ君、ルナちゃん、里奈さん朝早く呼び出してごめんなさいね」

「いえいえ、別に構いませんよ」

「ルナちゃん、最近体調はどうかしら?」

「絶好調・・・って訳でもないけど元気だよ」

「そう、それで話なんだけどルナちゃんが元の病院に戻ることになったわ」

「え?」

「ま、そうだろうな。イノベーターが力を失った今別に警戒すべき物は特に無いし、手術するためにも戻らなきゃいけない」

「社長の話によるとオプティマの認可までも秒読み段階みたいだから」

「よかったじゃないルナ!」

「うん!スルガ、お姉ちゃん、霧野さんありがとう!」

「手続きは私と社長がやっておくから準備しておいて下さい。後スルガ君、フルリンクシステムの解析を山野博士が手伝ってくれてるみたいですよ」

「山野博士が?もう少し家族の時間取った方が良いって突っぱねれない?」

 

山野博士が来るのはまずい。あいつが来るとオーバーセンスの事まで明かしかねん、どうするか・・・

 

「一応今日から出社してくることになってるからそれは無理です」

「嬉しいんだけどフルリンクシステムの事を詳しく知る人はこれ以上増やしたく無い」

 

この後オーバーセンスの事がバレかけた

 



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幕間 騎士王見習いの再挑戦+α

タイニーオービットで新機軸LBXの開発をしていたスルガ、そこに英国チャンピオン、コンゴウヒノが訪ねてくる


═アキハバラ裏路地════

スルガは何かと便利なアキハバラのキングのバンと記憶を頼りに裏路地にて悠介さんが遺したとあるLBXを探していた

 

「本当にこんなところにあるのか?」

「ああ。残してたデータを解析したらここに有るっぽいし多分おる」

 

さてとクエストの内容的にここにあいつがあるはずなんだが・・・どーこーだー

ガラクタの山となっている場所を漁りながら赤外線センサーを駆使しつつ探す

 

「うん?もしかしてこれかな」

 

バンが鍵付きの黒い箱を見つける。

 

「どれどれ・・・確かにこいつだな。手伝ってくれてありがとなバン」

「LBX?なにこれ」

「いずれ分かる。その時までお楽しみだ」

 

箱の中身は一機のLBXが入っていた。スルガはこれをタイニーオービットに持ち帰り結城さんと拓也さんに報告、そのLBXの解析を開始した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

═数日後タイニーオービット社、併設カフェ═════

ドライブシステムの新たな形として四脚のエヴァ仮設五号機のような足周りを研究し試作していたスルガに来客があった。すでにルナは病院に移り手術の日程も決まっている

 

「やあ河白スルガ君」

「君は確か・・・アルテミスで戦ったコンゴウさんでしたっけ?」

「僕のことはヒノでいいよ」

「んじゃあヒノ、本日はどのような要件で?」

「リベンジに来た」

 

話を要約すると野暮用で日本に来た。しかしその用事が無かったことになり急に暇になったらしい。そしてアキハバラにてアルテミスで同じチームを組んでいた仙道ダイキを発見しスルガへのリベンジのいい機会だと思ったらしい。その後にスルガの居場所を聞きタイニーオービットへ来たみたいだ

 

「河白君、さっそくやろうじゃないか」

「ならここで試作してる新しいDキューブが有るみたいだし試験も兼ねてそれ使おうぜ。俺もそのフィールドの詳細知らないし」

「いいね。お互い初見の場所か。楽しみだ」

 

この後結城さんにDキューブを出してきて貰い霧野さんの采配でまたエントランスに即興フィールドを作られまた(タイニーオービット社員の娯楽として)観衆の前で戦うことになった

 

map 月面 ストリートレギュレーション

バトルスタート

 

いつもより重力が小さく油断すると機体を動かしすぎてしまうmap、しかし重力操作とかどうやったんだタイニーオービット

 

「わっ、なんだこのフィールド」

「ドライブシステムが使えんなこれじゃ」

 

まず地面にグリップするだけに十分な重力も無い上に細く柔らかい砂地、悪条件にもほどがある

二人のLBXと武器はアルテミスと変えていない

 

スルガ

ソルジャーD クサナギ&魔改造コマンドハンドガン

パーシヴァルF 名も無き両手大剣

 

前回の決まり手はグラビティスフィアからのクサナギ投擲、グラビティスフィアは対策されているだろう

 

「君にはどんな隠し手がどれだけあるか分からないからね。今度はこっちから行かせて貰うよ!」

 

パーシヴァルFは軽やかな動きで大剣上からを振りかざす。重力が弱い環境でさらに凶悪な機動力を発揮

ソルジャーは落ち着き上から振りかざされる大剣にクサナギでの防御、逆に重力が弱い分衝撃思ってた割に少ない。上に居る状態ですぐには避けられないだろう

空いた片手で拳銃を取り出し

 

アタックファンクション

ボルトクロス

 

十字紫電の雷光球を撃ち込む

剣を咄嗟に放し回避、ソルジャーDはそのまま銃撃しパーシヴァルFを追撃する

しかし短剣2本を取り出し猫科動物のような素早くしなやかな動きでソルジャーDに再接近、そのまま飛び付きインファイト

 

長剣と拳銃をメイン武器とするソルジャーDは対応が遅れいい攻撃を受けてしまった。

直ぐにクサナギを放し拳銃の銃床の打撃で応戦、しかしそれが狙いであった

パーシヴァルFがクサナギを握る

 

アタックファンクション

月華刃

 

金色の一閃が至近距離のソルジャーDを切り裂いた

 

「んなっ!」

「ふぅ、負けた相手には二度負けないさ」

 

ソルジャーD ブレイクオーバー

 

勝者 コンゴウヒノ

 

周りから歓声が沸き上がる

 

「負けたかぁ・・・」

「リベンジ達成だ!河白君、いい勝負だったよ」

「今度は俺から挑ませてらうぜ」

「その時も返り討ちにしてあげよう」

 

と勝負はスルガの負けで幕を閉じた。しかしタイニーオービット社内でアラームが鳴る

 

アナウンス《研究フロアで解析中のLBXが暴走中、社員は退避してください。繰り返します───》

 

「まさか機龍が暴走したか?」

 

今は機龍をメンテナンス+フルリンクシステム解析のために結城さんに預けてある。嫌な予感

 

「河白さん、緊急事態です。悠介さんが残していたLBXが暴走しました」

「下手に弄ったらそうなるように仕組んであったのか・・・用意周到だな」

 

とLBXが暴走している研究室に向かおうとする

 

「待ってくれ河白君、僕も行くよ」

「ええ?霧野さん、部外者入れて良いの?」

「緊急事態ですので構いません」

「よし分かった、行くぞ」

「ああ!」

 

═研究室フロア═════

研究フロアで解析中のLBXがあるフロアに移動、しかし暴れていたのは解析中のLBXだけでは無かった。15機程タイニーオービットでは見慣れないLBXが稼働している

 

「あれは・・・バーサーカー!」

「明らかにタイニーオービットのLBXじゃあねえな。知ってるのか?」

「神谷重工から発売予定のLBX、なんでこんな所に」

「神谷・・・じゃあまとめて叩き壊しても構わんな。しかし結城さんはどこだ?」

「約束された勝利を!パーシヴァルF」

「駆けろ、撃て!ソルジャーD、ハンター改!」

 

ハンター改の射撃システムをパーシヴァルFとも同期し戦闘開始

 

クサナギ、大剣を振るいバーサーカーに斬りかかる二機、ソルジャーDからはそれ以外の敵をロック、そこにハンター改からの精密射撃

 

この二人は強い。ハンター改からの支援もありきであっと言う間にバーサーカーを殲滅した

 

「さてと、暴走中のLBXはと?」

 

そこら辺の研究室を覗き探し回る。そして結城さんに会った

 

「あ!スルガ君、良かった・・・解析中に君たちが倒したLBXの襲撃が合ってそれでそのLBXも勝手に」

「んでそいつどこよ?さっきバーサーカーだっけ?は二人で殲滅してきたけど」

「分からない。襲撃から逃れるように襲撃機を一機破壊してどこかに逃げたんだ。機龍は無事だよ」

「お!よしよし。んじゃそのうち出てくるかな?」

 

機龍を受け取り解析中のLBXを探す

 

「しかしどこ行ったー?話聞く感じ対襲撃用プログラムとして逃走システムが発動したように聞こえるが」

「LBXだからどこに逃げたか分からないね」

「うーーーん・・・社長室?」

「そんなところにかい?」

「前社長の置き土産だから可能性は」

 

═社長室════

エレベーターに上り社長室に急ぐ

 

「スルガか。解析中のLBXならここに来て沈黙したぞ」

「そうか・・・やっぱり」

「ここに来るようにプログラムされていたのだろう。兄さんの事だからな」

 

そしてあらかた何が起きてどうなったか説明をする

 

「なるほど、発売前の神谷のLBXが」

「うん、間違いない。カタログの写真と瓜二つだった」

「ま、解析中を狙った神谷の差し金でしょう」

「分かった。報告有り難う。それにコンゴウ君にも事態の終息の感謝する」

「構わないさ。困って居る人を助けるのが騎士道だから」

「それでなんだがスルガ、今解析しているこいつを使わないか?」

「こいつを?悠介さんの形見ですよ?」

「俺が持っているよりは上手く扱ってくれるだろう」

「そう言うことならまあ、有りがたく使わせて貰います」

 

そして警察にも事の経緯を説明する羽目になり今日中に帰れないのを知るのはまだまだ少し先の話である




次回からW編行きます


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W編~スルガの暴走は加速する~
LBXの反乱


イノベーターとレックスをぶっ飛ばしオプティマが無事認可されルナが手術を受けて回復し退院してから大体一年
フルリンクシステムもスルガが社外で管理しタイニーオービット名義での貸し出しと言う形で世に出た。これで拓也さんが失脚してもあの赤鼻クソ野郎にデータを漏らされる心配は無い。タイニーオービットとの契約でもそうなっている


═トキオシアデパート════

えー、本日トキオシアデパートにてタイニーオービット社の新製品発表もといW編開始の日となりました

俺もルナと一緒に招待されて今は時間潰しにルナとデート中です

 

「ねえ、こっちどう?」

「うーん、」

「スルガ!スルガ!」

「うっと、済まねえな」

「どうしたの?最近ずっと上の空だよね」

 

まあ理由は明確である。今日から山野博士がハッスルハッスルし始めるのだから

ヤマジュンを止めることは出来なかったよ・・・全く面倒臭い。この事件からどんどん面倒事が膨らんでいくんだ

ディテクター事件、ミゼル事変、もしかしたらミゼレムクライシス・・・

 

「どうも嫌な予感がするんだよ」

「それって新製品発表が失敗するとか?」

「なのかなぁ?」

「おーい!スルガ、ルナ!」

「お、バンだ」

 

ここ一年全員が成長した。より大人なりスルガもバンとためをはるくらいには背が伸びた

ルナもより体つきが姉に近付いている。どことは言わない・・・ね? 

 

「遅い三人とも。もう始まるぞ」

 

═発表場═════

さてと・・・新たな面倒事が行われる時間となってしまった。あ、拓也さん出てきた

 

「本日はお集まりいただきありがとうございます」

 

「始まったな、バン」

「拓也さんもスルガもどんなLBXなのか頑なに教えてくれなかったもんね」

「教えるわけねーだろ。一応社外秘だぞ。拓也さんならともかく俺が漏らすわけにゃ行かねえよ」

 

「タイニーオービット社では今まで様々なLBXを世に送り出してきました─────」

 

始まった。とりあえず被害を最小限に抑える公算を立て続ける

手っ取り早いのはアキレス・ディードの破壊、しかしそれは今の状況では叶わない。所詮詰みと言った状況

 

「そしてこれが我が社の新製品『アキレス・ディード』です!」

 

手前に運ばれてきた箱の真ん中が開きアキレス・ディードがせり上がってくる

 

「アキレス!?」

「基本性能はアキレスに準じる性能だが飛行能力でオーディーンのノウハウも詰め込まれてる。更に俺も手を入れた。あいつぁグレートだぜ」

「アキレスがみんなのものに・・・!」

「レプリカとして普通のアキレスやハンターも販売予定とか聞いてるぜ」

「あ、それ私も聞いたよ」

 

と発表会は無事終了した。そしてアキレス・ディードの目が怪しく光りそして飛び上がる

 

「え?」

 

そしてダークシューターで射撃、バンの頬を掠め床に着弾した

 

「なに?どうしたの?」

「拓也さん!」

 

アミとカズが拓也さんに何をしているのか訪ねるが特に拓也さんはなにもしていない

そしてありとあらゆる所から悲鳴が上がりLBXが独りでに集団となって暴れだす 

 

注釈・スルガのLBXには一機もMチップは入っていません、なんならルナの奴からも撤去済みです

 

「おいおいバン、LBXこっち来たぞ」

「やるか。どうせイノベーターの残党か何かだろ。纏めて壊すぞ」

 

バンらの元に来るLBXはフレームもメーカーも武器も統一感はない

 

「行け!オーディーン」

「お願い、パンドラ」

「GO!!!フェンリル!」

「行くよ機龍!ハンター改!」

「やるよ!ナイトメア!」

 

map トキオシアデパート五階

アンリミテッドレギュレーション

バトル?スタート

 

「カズ、ハンター改の制御は任せた」

「任されたぜ!」

「なんなのこいつら、イノベーターにしては違和感があるわね」

「またLBXが悪用されている・・・絶対に許さない!」

 

stgとスティンガーミサイルでハンター改が遠距離からフェンリルの支援も受け集団を纏めて薙ぎ倒す。

 

「機龍の新武装試してみますか。オールウェポンフルファイア!」

 

機龍の装備や外観は変化している。全体的に銀がくすんで小型ノズルが増えてバックパックが肩に一つ一つ独立した状態で2つついておりレールガンユニットもより銀の鋭角的デザインの物に変更されている。何より胸部武装がアブソリュート・ゼロより3連装ハイパーメーサーに変更されているのが一番大きい

 

誘導弾、レールガン、連装メーサー、三連装ハイパーメーサーが一斉に球をばら蒔き一気に大量の機体を破壊、最低でも戦闘不能にしていく

 

他の四人も数に押されながらも優勢、とりあえずこちらの敵は殲滅した

 

「皆、無事か!」  

「拓也さん、一体何が起こって」

「分からない。だがこのままでは避難もままならん。分担して敵のLBXの注意を引き付けてくれ。カズ、アミは上、スルガとルナは下、バンは中層で対処してくれ」

「「「「「了解!」」」」」

 

 

 

═トキオシアデパート一階════

混乱しながらも外へ逃げようとする客を護衛するために機龍とナイトメアとスルガが躍り狂い暴走LBXの目を惹く

 

「しかし数が多い・・・全員は守りきれないぞ」

 

何故かスルガは敵LBXのど真ん中で機龍の操作をしながらグレネードで格闘中だった。なにLBXの大軍相手に大立ち回りしているのか、コレガワカラナイ  

 

「スルガー!さすがに危ないって!」

 

ルナはハンター改の護衛を受けながら二階の安全な場所から操作中

 

「まだ駄目だ!逃げてる人が多い」

 

スルガを遠距離から狙うLBXはもれなくナイトメアのレイピアの餌食となる中スルガはそこを退こうとしない

 

「ッ!」キャシャン

 

顔の近くに来たデクー改を反射的に裏拳で弾きとばす

一応LBXと言えどイフリートとかやベーの除けば人の力で弾くくらいは出来るのだ

危っぶねー、見た感じ催眠スプレーもってたな。俺も容赦なく誘拐しにくるんだな

 

「くっそう!無駄に多い上に、地味に強いのが居る」

 

あまりカスタマイズされていないLBX、良くカスタマイズされているLBXが混ざっている。イノベーターのように規格がない。まあ機龍で蹂躙出来るが

 

「キャッ!」 

「ルナどうした!ルナ!」

 

呼び掛けへの返答がない。ナイトメアも沈黙し破壊されてしまった。すぐ機龍を後追いで急ぎ二階に上がろうとするが暴走LBXの統率の取れた妨害にあいその間にエスカレーターが破壊され二階に上がるには非常階段を使うしかない

山野ぉ、あいつまさかやりやがったなぁ?

 

LBXを無視し非常階段を駆け上がる。そしてルナが居たところにはまだルナは居た。眠らされているらしい

絶対に許さない

 

「機龍!」

 

ハンター改は別の集団の迎撃で手一杯であった為別方向からの接近を許してしまったのだろう

機龍でルナを守る。しかしその瞬間だった

 

プシュー

 

超スピードで接近してきたアキレス・ディードに睡眠薬を吹き掛けられてしまった

 

「なぁ・・・フルリンクシステム、起動!スヤァ」

 

意識を手放す瞬間に機龍に乗り移り戦闘継続

アキレス・ディードはダークシューターに持ち替え空中戦の構えだ。機龍は体を離れずまだ襲ってくる集団の対応、ハンター改に対空戦闘を任せ精密誘導スティンガーミサイル、stgの高密度弾幕で応戦させる

 

しかし流石は山野博士、ハンター改を早々に撃破してしまい全て機龍にのしかかる

 

これは数の不利がデカすぎるわ。でも守りきらなきゃこの体もヤバい

 

接近してくるインビットに対し右手が変形した4式対LBX用掘削機『スパイラルクロウ』が簡単に穴を穿つ

しかしアキレス・ディードの特攻紛いの突進に怯んでしまい幾多のランチャー、バズーカの至近距離での爆風に煽られ一階に落ちてしまった。

そこに更なるアキレス・ディードの追撃が入り中々二階に上がらせない

 

くそっ、このままじゃ体とルナが持ってかれちまう。どうにかしねえと

 

しかしそれをさせないために襲ってくる他LBX

常に降り掛かってくる火力に大体の武装の残弾が尽き防戦一方となってしまう

 

そして、アキレス・ディードは姿を消し暴れていたLBXは沈黙、スルガの脱け殻とルナは誘拐されてしまうのであった

 

山野淳一郎絶対殴ってやる。



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ディテクター・・・イッタイダレナンダロウナー

前回、体だけを盗まれてしまったスルガ君
ルナも連れ去られガチ切れモード


═トキオシアデパート正面外════

とりあえず暴走していたLBXは一旦全て沈黙してバンと合流することにしたスルガ(機龍)

 

「バンさん!まだ暴走してるLBXが!」

「ああ!ヒロ、そいつは違う!」

 

止める間もなくペルセウスが斬りかかってきた。しかしオーバーセンスを使うまでもなく単調な動きで軽く尻尾でベシッとしてやる 

 

「このLBX・・・強い」

「こいつは暴走してるLBXじゃねえのか?明らかに操縦者が居ねえぞ」

「スルガのLBXは特別な操作機能が備わってるんだ。とにかく出てきたら?」

チャット『俺の体とルナが盗られた。フルリンクシステムの解除不能』

「ええ!?」

「バンさん?さっきから誰と話してるんですか?」

 

そして軽ーくヒロとコブラにスルガの事とフルリンクシステムの事をバンが紹介した

 

「LBXに意識を移したぁ?本当かそれ」

「あ!確かテレビでそんな物が発表されたって言ってたような・・・」

「うん、でも体だけ盗まれたらどうなるの?」

チャット『生命維持してない限り死ぬ。真面目にヤバい』

 

そう、このまま機龍が破壊されればおそらく永遠植物状態、スルガの体が息絶えればスルガは一生を電脳世界で過ごすことになる。ある意味での不死身

 

「さっさと体見つけないと不味い事になるな」

チャット『んであんたら誰よ』

 

しってんだけどね。一応

そしてコブラとヒロの自己紹介を受ける。んで例の声明文が発せられた。その辺のモニター全てに写し出される

 

《世界中の人間に告ぐ。我々はディテクター、世界をこの手に頂くことにした》

 

「スルガとか言ったか?あいつが今回の敵、ディテクターだ」

 

《トキオシアデパート周辺一帯の惨状は現実を突きつけるためのデモンストレーションだ。トキオシティの都市機能と世界中のLBXは今や我々の手の中に》

 

と言い残し声明文は途切れた

 

─────

この後拓也さんも合流し、破壊されたオーディーンをバンは拓也さんに預け、エルシオンを受け取っていた

 

「父さんからの贈り物、よろしくな。エルシオン」

「そういえばコブラさん、こんなたくさんのLBXをどうやって制御していたんですか?」

「恐らく近くの処理能力の高いコンピューターを使っているらしい。便宜上指令コンピューターって言わせて貰うぜ。そしてそこからLBXに指令を送る。それをブレインジャックと呼んでいるぜ」

チャット『この辺一帯で処理能力の高いコンピューター・・・拓也さーん』

「ああ、恐らく旧シーカー本部だろうな」

 

そう。ここ一年間一切稼働していない旧シーカー本部である。表にも出ていないしそこならばLBXの制御も容易にできる

 

「そのしーかー?って」

「詳しくは後で説明しよう。今はコンピューターの制圧が先だ」

 

とりあえず旧シーカー本部に向かう流れとなる

 

「スルガはどうする?もし破壊されれば」

チャット『バッグの中に一機、残ってる。悠介さんの形見が。バン、先に俺のバッグの回収をお願い出来ないか?』

「分かった。ヒロ、行くよ」

「ハイ!バンさん!スルガさんもよろしくお願いします」

チャット『よろしく~』

 

═トキオシアデパート、非常階段════

ヒロにバッグを持って貰い機龍はバンの肩に乗る

 

「へー、スルガさんって凄い人なんですね」

「うん!機龍だってスルガがつくったんだ。他にも・・・」

チャット『照れ臭いからそろそろ辞めろし』

「スルガの彼女のルナって言う女の子が居るんだけど凄くLBXが強くてね、スルガはルナのために」

「守るために戦う・・・カッコいいです」

チャット『今回は、守りきれなかったがな・・・ディテクターめ、見つけ出したら氷像にしてやる』

「そう言えばスルガ、悠介さんの形見って何?」

 

あ、バンにも言ってなかったなそういえば。えっと機龍から操作するには・・・

ヒロの持つバッグから一機、パンドラ似のLBXが飛び出しヒロの肩に乗る

 

「これはパンドラ?」

チャット『LBXシャルナック、悠介さんが遺してたパンドラの後継機だ』

 

今のシャルナックの武装は神刀『天叢雲』

形は日本刀でクサナギ以上の切れ味を持つ。タイニーオービット、関の刀匠、スルガの共同開発の一品

 

「へぇー、つよそうですね~」

 

階段を降り地下駐車場へ出る

 

═トキオシアデパート地下駐車場════

駐車場に出るとLBXが出待ちしていた

 

「やるしかないみたいですね!ペルセウス!」

「時間がない、手早く片付けるぞ。エルシオン!」

 

ヒロの肩からシャルナックも飛び出す

相手はフライト・デクー十数機

神谷重工から発売された飛行機能を有するLBXだ

 

map トキオシアデパート地下駐車場

アンリミテッドレギュレーション

バトルスタート

 

シャルナックが二機よりはるかに早く動き飛び上がる前のフライト・デクーを縦に一刀両断、狙いを付けられる前に次の獲物を切り裂く

 

「凄い。いとも簡単に二機を撃破するなんて」

「今度はこっちの番だ!行くぞヒロ!」

「ハイ!」

 

エルシオンが銃撃をエルシオンガーターで防御、その後ろからペルセウスが跳び出し敵一機にペルセウスソードを突き立てる

更にもう一機天叢雲の餌食になりエルシオンハルバードも敵を捉え突き通す

 

アタックファンクション

ブリッツフレイム

 

神速から発せられる必殺ファンクションは五機のフライト・デクーを巻き込み残りもペルセウス、エルシオンの餌食となった 

 

「拓也さん、駐車場に着きました」

《よし分かったまずA-30と言う駐車スペースを探してくれ。そこにシーカーの緊急用通路のボタン隠してある》

《おいおい、よそ物が仕切らないでくれよ》

チャット『シーカーに関しては俺らのが詳しいからなグラサン』

《んだとお?》

 

とヒロがボタンを見つけた。

 

「凄いねヒロ!」

「こういうのにはパターンがあるんですよ」

 

・・・まってろよルナ、絶対助け出して山野淳一郎殴ってやるから

 




次回予告 
旧シーカー本部に突入したバン、ヒロ、機龍(スルガ)
しかし待ち受けていたのは以外な人物であった

次回、指令コンピューターの守り人


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指令コンピューターの守り人

あらすじ 山野博士が序盤からかっ飛ばしている


═旧シーカー本部════

非常避難口から入った二人と一機は信じられないものを目にしたのだった

 

指令コンピューターとして運用されている場所に二人の人間が立っている。しかし様子がおかしい

 

「なんでレックスがここに居るの?」

チャット『ルナ?』

 

案の定首には謎のチョーカーのような機械が付けられている

 

「俺達は指令コンピューターを守るガーディアン・・・ディテクターの邪魔をするものは叩き潰す」

「指令コンピューターに危害を加えるなら容赦はしない」

 

そしてレックスはGレックスをルナはナイトメアを取り出した

 

「レックス!どうしたんだよ!」

チャット『どうも様子がおかしいな。多分首の奴だ』

《三人ともよく聞け。あれはスレイブプレイヤー。ディテクターに洗脳されてんだ。もとに戻すには倒すしかねえぞ》

 

「つまり敵ですね!負けませんよ!」

 

山野博士、こちとらLBX初心者連れてるんですけど初っぱなから難易度狂ってませんかね。下手したら後から来る奴もまとめて食いかねないですよ

 

「ヒロ、絶対に油断するなよ。エルシオン!」

「分かりました!ペルセウス!」

チャット『ヒロくんマジで注意しなよ』

 

機龍が咆哮を上げ着地

 

map 旧シーカー本部 

アンリミテッドレギュレーション

バトルスタート

 

スレイブプレイヤーを一切無視し機龍が誘導弾で指令コンピューターを破壊しに掛かるがナイトメアが盾で防ぎきる

 

チャット『ヒロ君ちょっとナイトメアの相手してくれ。撃破に拘らなくて良い。バン、先にレックス倒すぞ』

「分かりました。やってみます」

「分かった!」

 

ペルセウスがナイトメアの意識を引き付ける間に機龍、エルシオンでGレックスと相対する。エルシオンが打撃を防御、機龍が横からスパイラルクロウで仕留めに掛かるが避けられる

 

ペルセウスはナイトメアの攻撃の回避に専念、少しだけちょっかいをかけるを繰り返し挑発している

しかしレックスは強い。イフリート程の性能はないが腕が全てをカバーしているし恐らく山野博士の知恵が入っており苦戦気味

 

だが苦戦している間に手斧がナイトメアに投げられダメージを与える

 

「!今のは?」

 

ヒロの疑問に答えるように深紅のデクー、デクーOZが現れた

 

「味方・・・なのか?」

 

ナイトメアと火蓋を切り防御戦をしているペルセウスの横合いから斬りかかる

 

『バン!俺達もさっさとレックス解放してやりますか』

「ああ!」

 

機龍が拳に見せかけタックルしGレックスを怯ませ尻尾を叩きつけ更にレールガンのゼロ距離射撃で動きを止める

ナイトメアもデクーOZとペルセウスからの攻撃をうけ限界寸前である

 

「ヒロ、一気に決めるぞ。ファイナルブレイクだ」

「ふぁいなるぶれいく?」

チャット『詳細は後、必殺技あるだろ』

「コスモスラッシュ、これか!」

「「行くぞ!/行きます!必殺ファンクション」」

 

アタックファンクション

ホーリーランス

 

アタックファンクション

コスモスラッシュ

 

エルシオンは舞い上がり翼を広げ十字架を作りペルセウスは剣を2つ天に揃えエネルギーを纏わせる

エルシオンハルバードに光を纏わせその十字架に突きたて巨大な槍としGレックスへ、ペルセウスソードが纏ったエネルギーは1つの剣となりそれをナイトメアに振り下ろす

それぞれ貫き、切り裂き機体を破壊した

 

「ウッ」カシャン

「あっ」カシャン

 

破壊した反動でチョーカーは外れ二人は倒れ込む

 

「あ、大丈夫でしょうか」

《二人共、早く指令コンピューターをなんとかしろ》

『俺に任せろ』

 

口部連装メーサーを長時間舐めるように照射し指令コンピューターを完全に破壊した 

そしていつの間にかもう一人、ここにいる。えらく猫背で不健康そうな少年

 

「へぇ、こんなのに苦戦するなんて世界一もあながち大したことないんだね」

 

あ、キリト君じゃん。と言うか君そこに倒れてるの誰か分かった上でいってんの?

 

「君は一体・・・」

「データは取れた。じゃあまた会おうじゃないか」

 

止めるまもなく入ってきた非常口から出ていった

 

「バンさん、アイツの事知ってます?」

「知らない。初めて会う相手だ。スルガは?」

チャット『知らん。アイツの事は置いといてレックスとルナの介抱しようや』

「そうだな」

《指令コンピューターの停止を確認した。二人ともその二人を連れて戻ってきてくれ》

「コブラ、それよりもあの少年は一体」

《俺も始めましてだよ。凄い腕前だ。検索しても出てこないとは相当な強者の予感がするせ》

チャット『使えねえサングラスだな』

《あん?》

チャット『おん?』

《二人ともそこまでだ。とにかく今は事態の終息に当たろう》

「レックス!起きて!」

「う・・・あ・・・バンか。ここはどこだ」

「トキオシアのシーカー本部だよ。レックスは操られてたんだ」

「そうか、また助けられたな」

「えっと、ルナさーん、起きてくださーい」

 

ヒロ呼びながらが肩を叩くとルナも目を覚ました

 

「あれ?私何して・・・あ!スルガは無事!?」

チャット『無事と言えば無事、無事じゃないと言えば無事ではない』

「スルガ?・・・あれ?」

チャット『体だけ盗られた』

「ええ!?」

チャット『歩けるか?とりあえずここを出るぞ』

 

─────

 

ここまでの経緯をレックスとルナに説明した。どうやらレックスは朝、店の仕込みをしていたところを何者かにより襲撃を受け眠らされたらしい

 

「なるほど、そんなことが」

「まさか檜山まで誘拐されていたとは」

チャット『今回レックスの仕業じゃないんだな?』

「今回は心当たりは無い」

「バンさん、この人って?」

「俺は檜山蓮、今は訳あって河白蓮だ。レックスと呼んでくれ」

「檜山?河白?・・・スルガさんの親戚ですか?」

チャット『んまあそんなところ』

 

簡単にレックスの紹介を済ませ、コブラに更に詳しい話を聞く

 

「山野博士はこの事態に備えていた。そしてディテクターに対抗するためにエルシオン、ペルセウス、もう一機のLBXを作り託したんだ」

「もう一機?まだ残ってるの?」

「ああ、そのLBXならもうすぐ三人目の元に届くだろう」

チャット『山野博士、事前に分かってたならなんで教えてくれなかったんだよ。巻き込むわけに行かないとか考えてるならわざわざエルシオン託さねえだろうし』

「確かに、そう言われると・・・」

 

その辺は山野博士も何か考えがあるのだろう。と言う考えに纏まった 

 

チャット『ルナとレックスはこの後どうする?』

「私も今回付いていっちゃ駄目かな?」

チャット『いや、さすがにこれは・・・』

「今までスルガは私の為に戦ってたんだよね?それなら今度は私がスルガを助ける番だよ」

「良いじゃないですかスルガさん!くぅー!暑い展開です!センシマンでも・・・」

チャット『分かった。拓也さん、ちょっとタイニーオービットに連れてって』

「分かった。檜山はどうする?」

「俺も付いていく・・・と言いたいが辞めておいた方が良さそうだ。俺は仮にも世界を壊しかけたテロリストだしな」

「「え?」」

 

事情を全く知らないヒロとコブラが驚愕する

 

═タイニーオービット社════

バン、ヒロ、コブラはシブヤ武道館へ向かった。三機目のLBX、ミネルバの使い手花咲ランを迎えに行くためだ

そこは置いといてアキレス・ディードの一件もあり拓也さんが社長の席にいられる時間も長くない。それ相応の準備をしておかなければクリスターイングラム社と名前も覚えてない赤鼻クソ野郎に機龍やフルリンクシステムのデータが盗まれるのを防ぐのだ

 

チャット『結城さん、アレってもう準備出来てる?』

「アレ?・・・ああ、もう調整出来てるよ。スルガ君の施したカスタマイズに合わせて機体を調整するのはここの設備を使っても苦労したよ。どうやったら人力であんな高バランスのカスタマイズを出来たんだい?」

チャット『ルナ、ちょっと渡したいものがある。ナイトメアは壊してしまったしそれの後継機だ。名前はシャルナック・ムーン』

 

結城さんが機械からだしたLBX、外観はシャルナックと変わって居ないがカラーリングは青verの青い部分を濃い紫で塗装、機体の数ヶ所に三日月の意匠を入れた一品

現状スルガが出来る最高のカスタマイズが施した

 

シャルナックは元々高速行動が得意でありルナのスタイルに会うものではない。しかしスルガはそれを承知の上で改造を実行、仙道兄妹やレックスなど本当に色々な人に頭を下げ協力を依頼しトライ&エラーを半年以上繰り返し高速機動とトリッキーな動きを高精度で取れるストライダーの最高到達点も言える機体が完成した

 

その辺のコンピューターに接続し電脳空間で体を構築しスピーカーから電子音を出す

『大分遅れてしまったが退院祝いだ。ギリギリのカスタマイズで癖が酷くなってしまったがルナなら使いこなせるだろう』

「うん、ありがとうスルガ!早速動かしてみていい?」

『自分が振り回されないようにな』

 

 



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いざ鎌・・・アメリカ!

═三日後、スルガ家════

昨日決まったことだが今日の昼頃ディテクターに対抗するためにアメリカに行くこととなった

シーカーでの解析でカズ、アミのCCMの反応が太平洋上で失探しアメリカに向かったのでは?と推測を立てた為だ

 

今はレックスとルナに手伝いを頼み家の整理をしているよ

昨日スルガはタイニーオービットからフルリンクのデータと機龍の全データを外部端末に移動し物理的隔離の後完全にデータを消滅させた

ついでにフルリンクもLBXの暴走と言う名目でレンタル停止(分解、分散保管中ブルーキャッツとかキタジマとか色んな所)核とも言える部分は持ち出す

そしてスルガの家のパソコンもデータバックアップをUSB、ディスク、紙で残し搬出、家の電子記憶媒体アブソリュート・ゼロで完全破壊と言う徹底ぶりだ

 

「スルガ、これで良いのか?」

チャット『うん、しばらく家の管理任せたよレックス』

「これ結構な量あるね、私だけで持ち運べないよ」

チャット『だからレックスを呼んだ。運搬よろしく』

「分かった。日本での事は諸々任せておけ」

 

レックスの運転する車でハネダ空港までルナと送って貰う。その車内では

 

チャット『ルナ、そう言えば最近レックスと仙道兄妹にみっちり修行うけたそうじゃないか』

「うん。でも成果は自分の中ではイマイチかな。私がシャルナックに振り回されてばかりだもん」

「そう凹むなルナ。使いこなせてるとまでは言えないが二日で仙道も驚くほどに成長している」

チャット『レックスからの太鼓判とはさすがだな』

「まだまだだよ。この子の能力はこんなものじゃないはずだから」 

チャット『あんまり気負い過ぎるなよ?』

 

 

═ハネダ空港════

空港でバン、ヒロ君、ラン、拓也さんと合流し初めましてのランとルナは軽めの自己紹介を交わす

 

「オッス!花咲ランです!これからよろしくお願いします!」 

「元気だね~私は石森ルナ、よろしく!」

「よお!もう集まってたか。早速機体を見てきたんだが流石世界のタイニーオービット社社長専用機だ。すんごいぜ。羨ましいなぁ」

「簡単に動かせるのでも無くてな。処理は霧野君に任せっきりだ」

チャット『後からでもちゃんと労ってあげなよ?拓也さん只でさえ鈍いんだから』

「うっ、そこを突かれると耳が痛いな・・・っと、そろそろ出発時間だな。俺は行けないが、頑張ってくれ」

「「「「はい!」」」」

チャット『いざ鎌倉!』

 

 

 

═太平洋上空════

搭乗してから間も無く離陸した機体、航路が安定し機内自由行動時間となった

 

「私飛行機なんて初めてだよ!綺麗な雲海だなー」

「ですね。僕も初めてです」

「私もー」

チャット『そう言えばコブラ、アメリカ行くのに何のアテも無い訳じゃないんだろ?と言うかアテ無しとか言ったらここから叩き出すぞ?』

「アテはあるから楽しみにしとけ。っても色々話し聞く限りスルガなら分かってんじゃねえか?」

チャット『おおよそ検討は付いてる。行くには気が引けるけど』

 

そう、スルガは一度NICSのサーバーをハッキングした経験があるのだ。バレてないと良いけど・・・

 

「そうだ!あのシャルナック完成してたんだって?」

チャット『ルナの為に頑張った甲斐があったぜ』 

「ねえスルガ、時間あるしヒロ君、練習がてらバトルしない?」

「いいですね!やりましょう!」

「あっ、ズルい。私もやりたーい」

「スルガはどうする?」

チャット『フィールド内で観戦させて貰うわ』

 

と言うことでルナ対ヒロ、ランの対決となった

 

「頼んだよ。シャルナック・ムーン」

「ペルセウスッ!」

「行くよ!ミネルバ!」

 

map 港湾都市(夜)

ストリートレギュレーション

バトルスタート

 

機龍は一番高いビルの上から観戦している

ミネルバがさっそくシャルナック・ムーン(以後ムーン)に仕掛ける。しかし真正面から来る相手の対処はムーンの得意範囲だ 

少し下がって一撃を避け近くのビルの壁を蹴り空中へ しかしそこにペルセウスの襲来

ムーンは衝撃を盾で受け流しペルセウスの姿勢を崩し無防備な背中に朔で斬り付け地面に落とす 

 

「うっ、流石です!ルナさん!」

 

そして狭いビルの屋上に着地、乗ってきたミネルバを素早い連続突きで屋上から退け上がってきたペルセウスを踏み台に高く跳躍、上空から試作電磁機関銃をペルセウスに向け二発射撃、防御を試みるも弾速が早く中途半端に受けた剣が弾き飛ばされた

 

更に連射、10発の連射で引き金ロック。

ペルセウスは弾かれた剣に向かい走りながら避けていたものの最後の当たり所は良かったが二発被弾し行き足が止まった

電磁機関銃を捨て朔を起動、向かってくるミネルバの迎撃にシフト、感で突きを避けミネルバクローがムーンに刺さる

 

「やっぱり上手く制御出来てない・・・振り回されてる」

「へへーん、どうよ」

 

全体的にルナにしては動きが大振りだな(オーバーセンス発動中)。レックスや仙道ニキの修練も合ったとはいえまだ使いこなせてない。と言うかムーンの癖に三日でここまで慣れるのも相当だろうけど

 

更にミネルバの追撃、しかし今度は対処する

 

「今かな!」

 

アタックファンクション

インビジブルブレイド

 

ミネルバの後ろに回り込み刺突、それと同時に姿を隠す

開けた場所に出て背中合わせになり回りを警戒する二機

 

「二人共、インビジブル姿は消えるけど影は消えない。攻撃の時に姿を見せるはずだ」

 

バンからのアドバイスが入る 

機龍は上から赤外線カメラでムーンの動きを見ているがバンのアドバイスが凶と出ると分かった

 

「影ですね。影・・・影・・・」

「どこだ?どこにいる?」

 

開けた場所で待ち受ける。しかしやって来たのは銃弾であった。遠距離からの亜音速の弾丸がミネルバに二発、三発と着弾

ミネルバ ブレイクオーバー

 

「どこから!」

 

近くを警戒していたが為遠くの建物の屋上から狙っていたムーン。ペルセウスは直ぐに近くの障害物の影に隠れ難を逃れる

 

へえ、インビジブルでの奇襲と見せかけた遠距離攻撃、俺が過去にやった手だな

 

「近接攻撃の警戒させて遠くからやったのか。しかも早いからすぐに回収できる。流石だよルナ」

「スルガの戦術だよ。何回嵌められたことか」

チャット『敵は絶体近付いて来る訳じゃ無いからな』

 

残弾で牽制し高速接近、ある程度で朔に持ち替え銃撃が止み出てきたペルセウスを突きかかる。だが機体の制御が遅れる

 

「あっ、遅かった!」 

 

加速が予想外に早く朔の突きだしが間に合わずぺるの横を掠め背の低い建物に激突しかける。そこはルナもきっちり対応しギリギリで建物を飛び越えた。しかし!

 

「今だ!必殺ファンクション」 

 

アタックファンクション

コスモスラッシュ

 

飛び越えた建物ごとコスモスラッシュが切断し後ろで着地したばかりのムーンに直撃、

シャルナック・ムーン ブレイクオーバー

 

──────

 

チャット『今回のバトルの総評、まずランから』

「押忍!」

『決まり手のインビジブル隠密射撃、ヒロ君にも言えるけどあれはもう少し射線を気にすること。あまり開けていると狙撃の餌食になる』

「でもどんな場所ならいいの?」

『理想は周りに射線を切る建物を用意する。狙撃は大抵上から来るから。警戒する方向を絞るとよいぞ。勿論逃走ルートの確保ができる場所だな』

「成る程、分かりました!」 

『ちょっとガツガツ行きすぎかな。正面戦闘が悪いわけではないけどもう少し動きを見るといい』

「動きを見る・・・」

 

「じゃあ俺はヒロの評価をさせて貰おうかな」

「はい!よろしくお願いします」

「そうだな・・・全体的にいい動きだったぞ。アドバイスは武器を落としたとき拾いに行ったよね?」

「はい、あれ以外武器が無いので・・・」

「そうか、持ってないのは仕方ないとして、あの距離で回収しに行くと相手の方が攻撃がはやかったら普通にやられてしまう。今回は二人いたからミネルバを頼るべきだったかな」

 

「じゃあ次わたしかな?そうだねぇ、自己分析するとムーンのスピードに付いていけてない。どうしても動きが大振りだったり最後見たいに動きが遅れちゃう」

チャット『今更言うのもあれだけど三段回リミッター有るよ』

「え?そんなのあるの?」

チャット『今回の結果視てその設定するつもりだったんだわ』

 

スルガは三段と言っているが実の所四段回ある

 

まず一段目はパーシヴァルF、ナイトメア程度。最低ライン

二段目はジョーカーX、パンドラ程度

三段目でこいつの全ての通常スペック解放

四段目は特殊モード、スルガも詳細不明

 

改造主として二段目と選択。四段目の特殊モードは伏せ   ておく

 

チャット『二段目程度でリミッター掛けとくわ』

 

と、機龍がムーンの調整をする中機体に衝撃が走る

 

『コブラさん、機体の制御が出来ません。乗っ取られました!どんどん機体の高度が下がってこのままだと海面に衝突します!』

「何だと!?」 

「「「「ええ!?」」」」

チャット『ハッキング?それともハイジャック?』

「どれどれ・・・」

 

コブラが機体を解析し原因と黙される謎の反応を二ヶ所見つけ出した。場所は機体中腹上部と前輪格納庫付近

 

チャット『バン、そう言えば前にもこんなん合ったよね。リニアだったけど』

「そう言えば確かに・・・ってことは」

「皆、謎の反応の正体はLBXだ。バン、ヒロ、ランは上の奴を、スルガとルナは前輪付近のを頼む」

「わかりました。ヒロ!ラン!行くぞ」

「スルガ、私達も!」

チャット『心得た』

 

─飛行機、前輪部─────

シャルナックとムーンはインビジブルを起動しながら反応の有る方へ

『インビットだ。恐らく近くにボスも居る』

「アレかな?前にタイニーオービットで撃破したこと有る奴だけど」

 

ムーンと赤外線カメラを共有、六個の熱源の中にインビットでは無い物が混じっている

 

『LBXマスターコマンド。リニアをジャックした奴だ』

「じゃあアレだね。どうする?多分見つかってないけど」

『凸るからボスに裏取りよろしく』

 

シャルナックが少しはなれたところからインビジブルを解除し手頃なインビットに正面から斬り込む

しかしインビットは軽快動きに天井の梁を掴み銃撃、それを回避し別のインビットへ、だが接近戦に乗ってこず遠距離攻撃に徹される。しかしシャルナックは撃破に拘らず時間とヘイトを稼ぐ

だがボスのマスターコマンドにはムーンの魔の手が伸びるままだ。気付いて居ない

シャルナックはスカートの部分からマグナムキャノンを二丁射出し装備

 

アタックファンクション

グラビティスフィア

 

遠距離から攻撃するインビットの近くに撃ち込み重力の弾に引きずり込む

 

そしてムーンもマスターコマンドに奇襲、目標をシャルナックに向けていた上に暗い空間で気付くことができず背後から朔でコアボックスを一突し機能停止 

 

『ルナ!』

「分かったよ!」

 

重力の中に引き込まれ身動きが取れないインビットに左右からの攻撃、この二機の腕の前では軽金属など無力で脆い胴間接を切断、三機程が爆発し二機はその爆風で重力の範囲外へ、しかしそこを逃すほど甘くはなかった

踵を返し二機ともに仕留める

立ち上がった所にシャルナックは首跳ね、ムーンは軽金属を貫き破壊した

 

═客席════

『操縦が回復しました!高度を上げてNシティに向かいます』

「五人とも、よくやったな。ふぅ、これで海のど真ん中で海水浴はしなくて済んだわけだ」

「助かった・・・ヘトヘトですぅ」

チャット『ヒロ君、疲れてるとこ追い討ちするけどこれからもっと凄い事になると思うで』

「何にせよこれで怪しい反応はもう無い。ゆっくり休んでくれ」 

 

コブラだけコックピットへ

 

「あ!スルガ」

チャット『どしたの?ラン?』

「さっきの戦闘記録見せて!」

「どうしたの?何か気になるとこでもあった?」

「だって私達と敵の数変わらなかったのに半分くらいしか時間かかってないじゃん」

「あ、確かに気になりますね」

チャット『あいよ。今CCMにうpしたよ』

 

─ヒロ、ラン、バン視聴中────

 

要約しよう。ランの言いたいことは『早すぎないか?』と。しかしバン曰くこの二人のコンビネーションはジンとでも真似できないぐらいには良い

スルガは論理と経験でルナの実力を把握しておりルナはスルガの実力を女の勘で把握して信じきっている

そのためにどこまで任せて良いか、どこまで手伝うかを瞬時に判断しているらしい

 

「これは正直真似できないよ。この二人の付き合いが生んだ物だからね」

「やっぱり経験かー!」

「でもお互いの信頼度半端無いですね」

チャット『そりゃそうよ。ルナとならバンとジンも下してやるわ』

 

そうやってワイワイやったあと一眠りした頃にNシティ上空に到着した

 



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NICS! 

═A国 Nシティ近郊空港════

空港に着陸しA国に脚を足踏み入れる、その時だった

機体から降りる階段の下に待っていた金髪の保安官の用な格好をした少女『ジェシカ・カイオス』

 

「山野バン!勝負よ!」

「え?」

 

説明無しの宣戦、バン困惑 

 

「すまない、そんなことしてる時間は無いんだ」

「あの子は・・・バン、別に良いじゃねえか」

チャット『サクッと捻ってやれバン』

「スルガまで言うなら・・・」

 

と、エルシオンVSジャンヌDの戦闘が始まる

その間スルガはルナの肩の上でゆったりしている

 

「スルガ、あの子の事知ってるの?」

チャット『前にアメリカのサーバーハッキングしたとき見た。名前はジェシカ・カイオス』

「ハッキングって・・・」

 

損な事を話している内に決着、勝者はバン

そしてジェシカからも自己紹介を受けた

 

「話は聞いてるわ。山野バン、大空ヒロ、花咲ラン、石森ルナ。あら?私が聞いているのは五人だけれど?」

「その辺の事情は移動中俺が説明するぜ」

「五人目、河白スルガはここに居るの?」

「居るけど居ない・・・かな?」

「?」

 

ジェシカの頭の上にクエスチョンマークが見える。と言うか何言ってんだこいつらは?という顔だろう

 

═移動中════

車での移動中にスルガの現状を説明した

 

「つまり今の河白スルガはLBXってこと?」

「そうなるな。俺もさっぱりだ」

チャット『体が無いといい加減不便だ』

「まあ、何とか分かったわ。あ!見えてきたわよ」 

 

着いたのは大きなアンテナが特徴的な大きな施設『NICS』

かつて解読コードの回収にスルガがハッキングしたところだ

 

「あれがNICSよ!今回の用な事件への対処の為に作られた組織でパパがここのリーダーをやってるの」

 

そして車はNICSへ入る

 

═NICS本部════

アメリカ特有の無駄にでかい建造物群を見ながらNICSの指令室に来た一行

 

「初めまして。私がNICSの長官をしている。ジェシカの父親だ。よろしく」

「よろしくお願いします。カイオス長官」

「こちらでもアミ君とカズ君の行方は全力で調査している。そちらのシーカーとも協力して指令コンピューターを直すためのワクチンプログラムも作成中だ」

チャット『すいませんカイオス長官、ちょいとここのコンピューターにアクセスしてもいいですか?』

「河白君だね?ジェシカから事情は聞いている。ここの設備は好きに・・・とまでは言えないが存分に使ってくれ」

 

機龍がLBX用端末の上に立ちスルガの意識がNICSサーバーに移す

 

『フィー、やっぱ音声の方が楽で良いわ~』

 

スルガの生身が電子の海に浮かぶ

 

「・・・・・・?長官、これを」

 

オペレーターの人が何かに気づいたらしい

 

「・・・河白君、君はNICSのサーバーにアクセスしたことはあるかね?具体的には一年程前」

『身に覚えが無いわけでも無い。だけどそんときは事情が事情で・・・』

「スルガがここにアクセスしたこと?・・・あ!」

 

「聞かせて貰えるかね?」

『話すと長いので文書化。他言無用でお願いします』

 

レックスの事を伏せイノベーター事件を文書化し要所要所バンとスルガで説明していく

カイオス長官も分かってくれたようでハッキングの事は不問で忘れてくれる事となった

 

そしてその矢先である。コンピューターが警報を発令しだす

 

『バン、またLBXの暴走だ。この辺一帯のブレインジャックが発生中。それと同時に何かの信号を受信したぞ』

「ここでもか!」

『とりあえず信号を流すぞ。どうせディテクターだろうが』

《A国の諸君、我々はディテクター》

 

と、行動と言っている事はトキオシティとそう変わっていない 

 

《我々の要求を伝える。A国大統領は即刻辞任せよ》

 

「大統領の辞任!?」

 

《考える時間を与えよう。午後6時までだ。それまでは破壊活動は停止する。ただしそれまでに回答が得られない場合、Nシティは灰燼に帰すだろう》

 

と、言い残し通信は切断された。形だけスルガが追いかけるも逃げ切られる

 

『ちっ、逃げられた・・・だが確認できる限りのLBXの停止を確認』

「皆、大統領からの緊急極秘任務だ。今すぐ指令コンピューターを捜索、停止させてくれ。タイムリミットは午後6時だ」

 

スルガがブレインジャックが起きた地点を表示、被害状況等も簡単に写し出す

 

『んじゃ俺から説明させてもらって良いですかね?カイオス長官』

「恐らく今は君が適任だろう。任せる」

『じゃあブレインジャックが起きたのはこの四、五箇所だ。しかしこうやって電子上から見てるとどうも妙でな?』

「妙?何か分かったのか?」

『結論から言わせて貰うと指令コンピューターは複数台もしくは移動している』

「え?指令コンピューターっていくつも用意できるものなんですか?」

『ウイルスさえ潜り込ませればな。その辺のタワーPCだってそうできる。話を戻そう。こいつを見てくれ。どう思う?』

 

スルガが表示したのは街の中でブレインジャックが起こった地点とその時間、そして暴走LBXの移動経路だ

 

「LBXが移動している?複数台や移動を言ったのはこう言うことね」

「つまり複数台が代わる代わる請け負ってるか移動する一つで管制するかってこと?」

 

ジェシカとルナの問答

 

『そそ。んで更に規模にあった処理能力を持ったコンピューターは結構ある。その辺都会のど真ん中だからな。ブレインジャック中なら電波で追跡できるが』

「つまり移動している方向やその近くを探せばあるんですね?」

『そう言うこと。後は君らで頑張って探して。ついでにルナとレックスの例があるからスレイブプレイヤーも注意してな』

「よし!複数台の可能性も考えてバンとランは自然公園辺りを、スルガとルナはオフィス街を、ヒロとジェシカは35番街の捜索を頼む」

「「「「分かりました!」」」」

『おっと、こいつを持っていけ。シーカーからの贈り物だ』

 

とスルガが各々のCCMにアクセスし捜索用電波探知アプリとワクチンプログラムとスルガの電子音声データをインストール

 

『んじゃまた機龍に戻るんでよろしく』

 

═オフィス街════

ルナの肩に乗り移動する機龍、停止しているLBXに注意しながらサーチする

 

「スルガ、こうやって移動してるだけで良いの?」

『ああ。問題無いはずだ』

 

各々の音声データを入れたのでわざわざ文字を打たなくて良くなり利便性が上がった

 

『しかし酷い有り様だな。一暴れだけでこうなるとは』

「スルガは前もこんなの見たの?」

『イノベーターは裏でこそこそしてたからここまでのは無いかなぁ。俺が建物の一部崩壊させたことはあれどこんな悲惨にはなってねえわ』

 

建物が崩壊しているわけではないがそこら中焦げだらけで車が壊れたりしている

とりあえず道なりに進む。現在午後4:30でタイムリミットまであと一時間半、スルガは回答を知っているが怪しまれないためわざと黙ってる

 

『しかしここまで反応がないなら複数の線は無さそうだな。移動と見るべきだ《カイオス長官、ここら辺で怪しい電波とか飛ばすトラックとかって映ってたりしない?》』

《いや、移動や複数と聞いて真っ先に調べたが見当たらなかった。ほかの二チームも今のところ収穫は無い》

『バン、ヒロ君やーいそっち怪しげな物も無しかい?』

《残念ですが何も・・・》

《こっちも何も無い》

『こりゃ多分移動の方だぜ。俺らに見つからねえように動いてんのか?』

《パパ、いまこの辺で動いてるものってあるかしら》 《住民は全員避難済みでジェシカ達だけだ。こちらでも確認してる》

《カイオス長官!こっちで反応が!》

 

バンとランの方で反応あり

 

《あれ?こっちにも反応が・・・あら?消えたわね》

 

ヒロ、ジェシカの方でも反応があったが直ぐに消えてしまった

 

ピッピッピッピッピ・・・

「スルガ、私も鳴ったけど直ぐに消えちゃった・・・」

『コブラ、何か無人でも動くようなドローンとか飛んでねえか?』

《そっちで気付かねえならねえな》

「スルガ、あれなに?」

『この街の地図だな。何かあったか?』

「うーん?何か・・・スルガ、CCMであれ撮影するからブレインジャックの移動表示できない?」

『任せな』

 

秒で発生場所とLBXの移動方向を表示する

ルナが気付いたか・・・ま、以外と勘いいし可愛いし賢いし(惚気)

 

「カイオス長官、分かりました多分地下鉄です」

《地下鉄?少しこちらでアクセスしてみよう》

『地下鉄なら移動できて指令コンピューターにするなら持ってこいね』

《ルナ君、正解だ。保線用のドクター車両ダイヤに無い動きで無人で動いている。他二チームの方の反応時間と照合したらドンピシャだ》

《凄いじゃないか!ルナ!》

『さすが俺の彼女!可愛いし賢い!んでどうすんの?列車追いかけてぶち壊せばいいか?』

《幸いポイント操作や列車の制御はこちらの方でも出来た。ヒロ君、ジェシカwest gate駅の待避線に停車させるので向かってくれ》

《分かりました/分かったわ》

 

さてと、後は何とでもなるだろう。最悪ジン君がなんとかするだろうし

 

『さてと、これで向こうに任せて大丈夫だろう。なんならここから一番遠いしな』

「大丈夫かなぁ?」

『なあに、心配あるまいて。ジンもどうせ来てるだろうし』 

「ジン君が?」

『知らないのか?あいついまこの辺の学校に留学してんぞ』

 

まあもう少し先で合流出来るだろう。ここから先は俺の出る幕無し。あるとすれば地下鉄を壊すくらい?

 



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CSX8888号と化した地下鉄

═Nシティ════

さてと、ここまでの流れを説明しよう

ルナが指令コンピューターの場所を推理し言い当て、ヒロ、ジェシカが止めに行った。 

スレイブプレイヤーの神谷コウスケを突破し指令コンピューターを停止させる。ここまでは良かった

突如列車暴走このままだとべつの駅に停車している電車に突っ込む←イマココ

 

まあ知ってた。言えないけどね

一応トラップくらい警戒してなと言っておいたが本人達が考えていたよりトラップの規模が大きかったのであたふたしてる

 

《スルガさん!何か止める方法は無いですか!》

『どっかにシステムから独立した非常ブレーキくらいあるだろ』

《それならとっくに探してるわよ!》

『ねえのか!?とりあえず編成の一番後ろに避難しな。先頭車両がいちばん危ないし』

《でもそれじゃ止めらないですよ!》

『今は止めるより生きることの方が重要だ馬鹿者!壊れたら直せばいい。命は直らねえんだ!』

 

スルガが珍しく本気で怒鳴る。向こうの様子はスルガから見られないがヒロはそうとう萎縮した

 

《分かったわ。少し熱くなってたみたい。ヒロ、一番後ろに行くわよ》

《待ってくださいジェシカさん、前に何か・・・うわっ!》

 

そうして通信は途切れる。こちらからではもう状況がわからないが大方ジンの救援が間に合ったのだろう。しかし良く列車を止める子だなぁ

 

─────

 

別視点ではジン君の操るトリトーンが地下鉄の線路内に凄い頑丈な蜘蛛の糸染みた物を張り付けながら縦横無尽に駆け回る

これに突っ込んだことが衝撃の正体で糸を引きちぎりながら少しずつ減速していく。

 

═べつの駅════

近かったので機龍だけ衝突される側の列車がある駅に訪れた。ルナは到着しても駅に絶対に近付かない事を約束して機龍だけホームに向かう

 

『こちら先回りしました。音は聞こえるけどまだ何にも・・・うん?』

《どうしたの?》

『蜘蛛の巣が出来てる。あれ?何かこっち来てね?』 

《なんだそれ!?地下鉄ってそんな緊急ブレーキも付いてんの?》

《ラン、さすがに違うよ》

《そんなブレーキは無い。恐らく第三者が》

『お、貼ってるのは・・・LBXだな。画像送るよーん』

 

ぶれているが写ったのはトリトーン

 

《俺も見たこと無いLBXだ。一体だれが?》

『ジンじゃね?あいつリニア止めた実績あっし地下鉄止めても可笑しく・・・おっ、地下鉄来た』

 

車体前面に糸が張り付きまくり真っ白になっている保線車両、しかし進行スピードが早すぎる

 

しゃあねえ。行くか。俺も電車停めてみたかったし

 

機龍が糸の切れるホームギリギリで車体前面に取り付き体中のブースターでプロトゼノンがやったことと同じ事をする。しかし力の掛かる時間が短すぎた

確かに速度は落ちたが機龍は挟まれる前に離脱

停車している所にぶつかってしまった。

 

『大丈夫だ。この程度の衝撃ならな。ちゃんとぶつかられた方の制動込みで止まったよ。中の二人は結構酷い衝撃に襲われてそうだけど』

 

 

 

 

 

 

═数分後═════

全員が合流した。地下鉄に乗っていた2人もスルガの警告通り後ろの車両に避難していて一、二ヶ所の軽い打撲で済んだらしい

 

「酷い目に会いました・・・」

「でもあの糸は一体」

『答えなら直ぐに分かる。出てこいよジン!どうせ居るんだろ?』

「バレていたのか・・・久し振りだなバン君」

「ジン!久し振り!」

「去年のアルテミスファイナリストの海道ジンじゃん!初めてみたー」

「スルガ君の話は彼から聞いている」

 

そう言って後ろから出てきたのはベージュの服に身を包み尻尾が生えた小柄な男『マングース』

 

「おいマングース!居るならさっさと出てこい!」

「嫌だね。ガキのおもりはお前の仕事だ。俺は帰る」

 

とコブラからの制止も聞かず帰ってしまった

 

「けっ、相変わらず愛想のねえ野郎だぜ」

「コブラにマングース、結構カワイイ名前じゃん」

「山野博士が付けたコードネームだ。全く」

「ジンさんもバンさんとスルガさんと知り合いなんですか?」

「うん!一緒に戦ってきた仲間なんだ」

『大体味方で時には敵だった仲だ。事情は話すと物凄く面倒だから割愛する』

 

 

 

═NICS═════

ジンも連れ帰投した。スルガは再びNICSのサーバーへ移動

 

「君が海道ジン君だね。ここのリーダーをしているカイオスだ。よろしく頼む」

「よろしくお願いします。カイオス長官」

「早速だが皆に会わせたい人が居る。ここから・・・」

 

とカイオス長官が俺達に会わせたい人が居るらしい

 

『へえ?しばらく出かけるって言ってたがここに居たとは驚いた』

 

スルガは事前に会わせたい人から長期間出掛けると聞いていたのだ

電子上を移動し言われた部屋のパソコンに侵入し他の奴らが来るのを・・・?

 

═オタクロスの部屋のパソコン════

さてと、とりあえずこ部屋のパソコンに侵入してみたは良いけどセキュリティに引っ掛かりましたね

何かバーチャルLBX「パーフェクトZX-3」が立ち塞がりました。めんどくせえなぁ。倒して突破するかグレネード生成行くぞオルァ!

 

 

 

──────

 

「ここはまさか・・・」

 

スルガがパーフェクトZX-3と電脳上で格闘しているなかNICSの中にあるオタクロスの部屋に来た一同

 

「おまんら!久し振りデヨ!初めて見る顔もおるのお」

「バンさん、この人だれなんです?」 

「私から説明するわ。この人はオタクロス。伝説のスーパーハッカーよ。今回の件を受けてNICSでスカウトしたの」

「でもどうしてこの部屋なの?」

「それはワシが出した条件だからデヨ。慣れた環境が一番落ち着くんじゃ。後の説明はこいつに任せるとするかの」

 

オタクロスが杖のボタンを押すとホログラムで一人の男が写し出された

 

「説明しよう!私はシブネキクゾウ。オタクロスが作った音声合成ソフトだ」

「わっ、喋りました!?」

「何こいつ?」

 

初見のヒロ、ランが困惑しながらはしゃぐ

 

「今回オタクロスがアメリカにいるのは・・・は・・・」

「なに?何か急に可笑しくなったけど」

「は・・・hhhh....プツン」

 

オタクロスが悲鳴を上げる。しかしルナはそんなこと気にせず

 

「ねえ、そう言えばスルガは?」

 

場が凍る。そう言えば居ない

 

「・・・ワシのコンピューターをハッキングしとるやからがおるのう・・・まさかあやつワシのセキュリティとやりあっておるのか!?」

 

慌ててパソコンを操作し画面にセキュリティの稼働状況を移すとパーフェクトZX-3と殺り合うスルガが、そして左腕はすでに無くなっていた

 

 

─────

はよ気付けやオタクロスゥ!こちとらもう左腕無いんやぞ!死にはしないが死ぬほど痛いんじゃ!

 

グレネードを駆使して渡り合いダメージを与えているがジリ貧でこのままでは押しきられる

 

アタックファンクション

メガサンダークロス

 

待って死ぬぞ(俺)ちくしょうまけるかぁ!

必殺技の貯め中にグレネードを武器に投げつけ無理矢理阻止、大きな隙を作り自爆覚悟で股下をスライディング、その直前にグレネード十数個を投げ上げパーフェクトZX-3を盾に起爆しダメージを与えたが撃破まで至らない。

その後も一定の距離を保ちグレネードを投げ続ける

しかしその時だった

 

アタックファンクション

テンペストブレイド

 

アタックファンクション

ホーリーランス

 

アタックファンクション

オーシャンブラスト

 

巨大な光の剣と光の槍、水の激流がパーフェクトZX-3に殺到し消滅させた

 

『あっぶねー助かったわ』 

『なんでこんな関係ない所で無茶してるのスルガ!今のスルガはどんなことで消えるか分かんないんだよ!』

『今回ばかりは逃げれなかったんだ。オタクロスのセキュリティが逃走も許してくれんかったし指令室からのアクセスにも反応するガバガバセキュリティ作るオタクロスが悪い!』

 

喧嘩が始まる。ルナはスルガの身?を案じて、スルガはそれに反発して

この大喧嘩(本人達にとって)はジンにこう言われる。これが惚気というものか・・・と

 

しかしそんな二人を置いて話は進む

 

 



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シャンハーイ!ハッシーン!

═NICS オタクロスの部屋════

スルガとルナの喧嘩(ほぼ惚気)の間オタクロスから聞かされた話は次のブレインジャックが起こる場所が分かったと言うものだ

 

「ずばり中国デヨ!」

「中国ですか?」

「どうして分かるの?」

「それはトキオシティとNシティの指令コンピューターを解析したからデヨ。そこに残された僅かなデータを頼ってディテクターの足取りを捜索したんじゃ」

「へぇー、ちょっと疑ってたけどすごいじゃんオタクロス!」

「ムフフ、ランたんもどんどんワシの事頼りにしてくれいいゾイ」

「でも中国なんてどうやって行くんです?今から準備したってブレインジャックまでに間に合うのかな」 

「それなら大丈夫よ!今から案内するわ!」

「そんでルナたんとスルガはいつまで惚気ておるんじゃ?それ以上やられるとワシの血糖値が上がりそうデヨ」

『「惚気て無い!」』

 

 

 

═NICS 屋上═════

とりあえず機龍に戻りジェシカに案内されるままヘリポートのような場所へ出た

すると突如ヘリポートが3つに開き床から一機、アヒルの飛行機がせり上がる

 

「紹介するわ!これはダックシャトル、NICSの誇る最新鋭の航空機よ!短距離はもちろん垂直離着陸、着水も出来るわ」

「おぉ!カッコいいです!」

「おまんら中を案内してやろう。さっさと乗るデヨ」

 

 

═ダックシャトル内部ミーティングルーム════

この機体を操るメタモや座席を確認した後下のミーティングルームに案内された

ここはLBXのカスタマイズや調整、会議やミーティングの部屋、更にいくつかの種類のDキューブが常備されておりカスタムしたLBXの試運転にも困らない

 

「そうじゃスルガ、こんなものが届いておるぞ」

 

とミーティングルームの机の上に置いてある三つの白い箱(一つは普通の紙段ボール残りはトランク)がある。宛はNICS オタクロス宛で送り主はタイニーオービット社結城

 

『ルナ、変わりに段ボール開けてくれ』

 

ルナが開封している間に機龍がトランクを開ける。2つのトランクの中にはLBXの改造や調整に必要な道具一式とスルガが愛用していた工具が入っている

 

「なにこれ?小さな工場みたい」

 

段ボールの中に入っていたのはLBXカスタムビルドファクトリーに良く似たものだった

とりあえず電子説明書を取り込み読み込む

 

「結城氏がスルガ用に開発した特殊カスタムベースのようデヨ。名前はLBXカスタムビルドファクトリーじゃ」

『こいつは凄い。材料さえ用意出来ればパンドラクラスのLBXの新造も出来るなこれ。それに調整修理やカスタマイズに関しては出来ない事はほとんど無いぞ』

 

基本機能は河白スルガの改造集にのけておく

 

早速ペルセウスを対象に試運転

ヒロに大規模メンテナンスの説明をするのも兼ねてシャドールシファー(スレイブ神谷コウスケ)と戦った際の損傷修復をする

 

ファクトリーの中央にペルセウスを設置

スルガがアクセスして所定の位置に開いたトランクを取り付けファクトリーが起動

 

さてと取り敢えずペルセウスを分解するか

ペルセウスの回りに小さなアームが数本出現し関節のロックを解除、胴体が真ん中に、頭が上に足が下に、腕がそれぞれ左右に移動した

 

「あ、ペルセウス・・・」

「大丈夫だ。彼の腕は信用できる」

 

それぞれ別れたパーツの近くからアームが伸びコアスケルトンとアーマーフレームに分けてメンテナンスを開始

と言っても装甲や内部に大きな損傷は無いので各部モーターの調整と油差しをしてペルセウスを再組立し関節を結合しメンテナンス終了

 

「これは凄いな。ヒロ、少しペルセウスを拝見してもいいか?」

「構いませんよ」

「ふむ・・・完璧だ」

『これでこいつの使い勝手は分かった。ジャンジャンバリバリ魔改造していくぜ』

「皆、そろそろ出発するわよ。席に座って」

 

═太平洋上════

サクッとシャルナックにフルリンクシステムを搭載する改造を施し更に数機の改造計画を立てたりしていたが(計画しただけで実行出来るわけではない。今は空の上だから)それを一通りやると暇になってしまった。

 

「スルガから聞いた話じゃが今回ワシらとディテクター以外の第三勢力がいる可能性が高いらしくての。旧シーカー本部での例の少年がその証拠じゃ」

「第三勢力・・・スルガ君、それは味方なのか?」

『いまんとこ不明、可能性は五分五分だな。その例の少年、風間キリトがデータは取れた。とか言ってたから単純にデータ収集が目的なのかもしれん。後風間キリトについて追加情報だ。彼はオメガダインのテストプレイヤーらしい』

「オメガダイン・・・Mチップの製造元ね。なら第三勢力はそのオメガダインってこと?」

『その可能性が高い。俺個人の考えだがオメガダインの背後には相当大きな物が着いてそうだ』

「大きな物?例えばなんですか?」

『オメガダインをイノベーターとするなら政治家の海道義光見てえな奴が居るかも知れないな』

「スルガ君の考えではディテクターとオメガダインは別物と言うことか?」

『何となくそんな気がするんだ。相変わらず確証は無いけど』

「うーん、話が難しくなってきた。結局2つともぶっ飛ばせばいいんでしょ!」

「ディテクターは兎も角オメガダインの方はまだまだ策が必要だね。スルガは何か思い付いてるんじゃないの?」

『ドングリ再製造してボヤ騒ぎを起こしてみる』

「スルガ!?絶対ボヤで済まないよね!?」

『その混乱の下でデータ盗んでハッカー軍団と共同で世界に拡散する』

 

やはり発想が斜め上におかしいスルガ

 

「そうだ!ジン、フィールドもあるし久し振りにバトルしないか?」

「確かに久々だ。手合わせしよう!」

 

早速草原フィールドにエルシオン、トリトーンが落とされる

《そろそろ日本上空を通過するモ》

そんなアナウンスを気に止め無いほどこのバトルは盛り上がった

あえてこの勝負の結果は書かないでおこう

 

 

═中国 上海════

到着時刻は夜で上海の夜の景色に目を輝かせる中オタクロスに呼び出された一同

 

『待ってたよ。皆懐かしい物を用意した』

「コントロールポット?ダックシャトルにも積んであったんだ」

「さっき最終調整が終わった所デヨ。そして見せたいものはコントロールポットだけではないゾイ」

 

とオタクロスは白と黒、二機の小型飛行ユニット『ライディングソーサー』を出してきた

 

「こいつはLBX用飛行ユニット『ライディングソーサー』じゃ。」

『見た目完全にオタクロスの趣味っぽいが、NICSから正式な依頼があったらしいな』

「ええ。LBXの行動半径を手軽に伸ばすためのツールとして依頼したわ」

「バンとジン、コントロールポットを使ってライディングソーサーのテスト飛行を頼むでよ」

『試験機だかな。不測の事態に備えて機龍で追従飛行と洒落混ませて貰おう』

「そう言うことじゃ。早速頼むゾイ」

 

バンとジンがLBXをライディングソーサーに乗せコントロールポットへ搭乗

ライディングソーサーはダックシャトルの機首、アヒルで言う口の部分から伸びる電磁カタパルトに乗せられ加速、射出した

機龍もカタパルト内でエンジン点火、急加速してきらびやかな上海夜の街に飛びこんだ 

 

機龍とライディングソーサーは夜の街を駆ける。ある時はビルすれすれに垂直飛行、またある時はほぼ限界高度へ、またある時は超低空飛行で人の間をすり抜ける。またある時はスルガがテスト(と言う理由)で放った誘導弾を回避させてみたりした。そして最後にこの辺で一番大きな建物『ドラゴンタワー』を垂直飛行で登る

 

これでテスト飛行は終了。機龍とライディングソーサーはダックシャトルへ帰投しスルガとオタクロス以外は1日を終えた 

 

─解散後、ミーティングルーム────

先の飛行で得たデータをスルガ、オタクロス、コブラが解析している。ライディングソーサーにもより広範囲で指令コンピューターを探知する装置を仕込んでおりその反応を元に指令コンピューターを捜索していた

 

「やはり繁華街の辺りが一番反応が強いな」

『この辺にあると見て間違いないですね。問題はどこにあるか、だけど』

「分かったゾイ。恐らく最後に行ったドラゴンタワーデヨ」

『あぁ、あの大きな塔を中心にした遊園地?』

 

スルガがドラゴンタワーを検索し様々な情報を見やすくまとめて表示する

 

「なるほど、遊具をまとめて一つのコンピューターで制御してんのか。確かに処理能力には困らなさそうだな」

『んじゃ今から俺がちゃちゃっと潜入して薬は注射より飲むのに限るぜ!してくるか?』

「それでも構わんのは構わんのじゃがもしディテクターがスレイブプレイヤーを用意していたとき処分することも考えられるデヨ?」

『あー、確かに不味いか。もしそれがカズとかアミだったら目も当てられんからな』

「アミたん・・・絶対ワシが助け出すデヨ!」

「しかし遊園地か・・・これ見る限り超人気でチケット取れんのか?」 

『それなら問題ない。俺の財産でどうにかしよう。てきとーに明日のチケットを・・・お!あったあった』 

 

えーっと?えっ十万?以外と安いな(感覚麻痺)

スルガの財産はフルリンクシステムの使用料や各種特許の使用料等が定期的に入り込み十億単位となっている

 

「待つデヨ。チケットならワシが持っとるデヨ」

『言うのが遅い。もう買っちまった』

「おいおい、子供の小遣い程度じゃキツくねえか?」

「スルガの資金力を子供にしたらいかん。スルガ、聞くがおまんの全財産今いくらデヨ?」

『五十』

「因みにそれはどの単位デヨ?」

『億』

「オイオイ、さすがに冗談キツイぜ?」

『ほらよ』

 

クレジット残高を表示してみる。このサイトの偽造はデザイン面でしかほぼ不能だ

 

「・・・マジかよ」

『ま、今この状態じゃまともに使えんけど。そや、改造の素材ポチっとこ』 

 

スルガは色々LBX数機とパーツ群をNICS宛で発注した

まあ中国での騒動が終われば届いてるだろう

 

「所でスルガ、おまんならディテクターの正体検討くらい突いてるデヨ?」

『えー、それ今聞く?』

「その反応をするっちゅうことは突いてるってことじゃな?」

『うんまあ・・・辺りは突けたけど、じゃあ語るね?』

 

っても答えを知ってるからなぁ・・・

 

『まずLBX関連企業やオメガダインは無い』 

「企業は分かるが何でオメガダインもなんだ?」

『風間キリトの一件で俺はディテクターとオメガダインは別物と考えた。それに今回の事、明らかにオメガダインの利益にならなさすぎる。むしろディテクターとオメガダインは敵対しているとすら思うね』

『二つ目はイノベーターの残党だがこれも無いとは言えないけど可能性は低いかな。主要メンバーは俺が居場所突き止めて全員ブタ箱に突っ込んだし』

「どこかの国家って可能性もあるよな?」 

『ああ。それも十分に考えられる。んで俺の中でもしかしたらって人が居るのよ』

「人?個人ってことか」

『うん。山野博士』

「お前なぁ、今回の事は山野博士が───」

「確かに考えられるデヨ」

「オタクロスまで言うのか」

 

『まず理由一つ目、ここ一年は物理的にも侵入した痕跡がない。なおかつ旧シーカー本部知ってる人間は少ないしここを指令コンピューターにするならまず旧シーカーの存在を知っている必要がある』

 

『二つ目、分かっていたなら山野博士ともあろう人がなぜ後手に対応することになった?少なくとも旧シーカー本部が指令コンピューターである事くらい分かっただろうに。それにヒロやランは兎も角バンやジンにならあらかじめ伝えても良かったはずだ。トキオシアでも言ったがそもそも巻き込みたくないならエルシオンを託さないはず』

 

『三つ目、まずこんだけ厳しいセキュリティ群を痕跡残さず突破した上でブレインジャックを引き起こす。その手腕だ。それこそ全盛期のオタクロスレベルじゃないと難しいだろ。更に仮にも安全装置であるMチップを操作転用しようと思い付き実行する。これは相当LBXの内部構造に詳しくないと無理だ』

 

『四つ目、今回神谷コウスケが使っていたLBX。あれほどのLBXを作り出す技術力は相当高い』

 

『とまあこんな感じだな。俺の中では黒よりのグレーだわ』

「スルガが言ってる事も確かだが、山野博士がそんなことを」

『気持ちは分かる。俺達は一年前グラサンとおんなじことを考えた。その結果、レックスが黒幕だと気が付けなかった。味方だからと言って安易に信じるのは危険だぞ』

 

スルガの言葉にも説得力があった。全てを知っているがその上でレックスを止められなかった過去がある

 

「分かった・・・俺も注意だけ払っておこう」

「ワシも解析を続けるデヨ。相手が誰にせよ一筋や二筋縄で行かないんじゃ」

 



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ドラゴンタワーの再開

徹夜で指令コンピューターの位置を解析してたりディテクターについて討論してたらいつの間にか朝だった


═中国、上海の繁華街════

昨夜飛行した繁華街に降り立った皆。ここにくる前にドラゴンタワーの事だけを共有してここに来た

 

「わあ、日本ともNシティとも違う街だ」

『さてと、ドラゴンタワーの入場チケットはもう買った。さっさと行くぞ』

「その前に少しこの辺見て回ったら駄目ですかね?お母さんに送るお土産とかも見たいですし」

「確かに、私も爺ちゃんと道場の皆に何か買っていきたいな」

「ならしばし自由行動とするデヨ?」

『大きく離れなければ良いんじゃね?ここじゃ日本語も英語も通じないの忘れんなよー』

 

と一時解散。ヒロとランにはジンが保護者として着いていった。バンとオタクロスは一緒に近くの模型屋巡り、ルナとジェシカはスルガが着き小物屋を見るらしい

 

═繁華街、ルナとジェシカ════

様々な民芸品やら軽食が置いてある出店が沢山並んでいる道で色々な物を見て回っていた

 

「ルナにはこれなんか似合うんじゃない?」

「うーん、太陽は私の趣味じゃ無いなぁ。あ、この簪お姉ちゃんに似合いそう」 

「私もパパへのお土産は・・・あら、このペンケースなんか良いわね。作りもしっかりしてるわ」

 

途中二人は気に入った物を数個買い満足したらしく集合場所に戻る

特にスリの用なトラブルも表面上(ルナのバッグの上でゆったりしてたらスルガが盗まれルナとジェシカの知らぬところで死なないであろう程度にボコボコにした以外)は無く他のメンバーと合流した

 

「いやー、見るもの見るもの新鮮だったわー」

「お母さんへのお土産も買えましたし満足です!」

「おまんたち、観光の後は指令コンピューター探しじゃ。早速ドラゴンタワーに向かうゾイ」

 

═ドラゴンタワー 最下層════

指令コンピューターがあるのは最上階、そこまでは業務用エレベーターを乗り継ぎながら向かうことになる 

ドラゴンタワーの入り口でスルガは見覚えのあるパンダを目撃、ランにここのパンフレットを渡していた

一応赤外線カメラで内部を覗く。確かに中に居るシルエットは恐らくアミだ 

 

「なんかマスコット?にしては不気味だった。まるで感情が無いみたい」

『あんなマスコット昨日調べたがあんなのドラゴンタワーには居ないはず』

「近くの出店のキャラクターじゃ無いですか?」

「あんまり疑い過ぎるのもよくねえんじゃねえか?」

『せやな。考えすぎか』

 

と、端っこの方にあるスタッフ用入り口に入り中層へ

 

═ドラゴンタワー 中層═════

エレベーターだけでなくいくつか階段を上ることもありあまり体力に余裕が無かったルナは結構疲れたようで少し中層で休むこととなった

 

「オタクロスさん、あの丸い筐体何ですか?日本では見たことが無いんですが」

「あれはLBXダンジョンバトルと言う最近稼働し始めたゲームじゃ。ルナたんももう少し休んだ方が良さそうじゃ。一回くらいなら問題無かろう」

「バンさん!一緒にやりませんか?」

「バン君、僕も少し興味がある」

「そうだね。やろうか!」

 

と、バン、ジン、ヒロがゲームで遊んでいる間にルナは休憩、ジェシカとランが飲み物を買ってきたりして女子会の雰囲気でスルガはコブラの頭の上に避難する

 

「うおっ、どうした」

『あの空間に居るのは気が引ける』

「お前もそう言うこと思うんだな」

 

 

 

═時系列戻ってタイニーオービット社════

今日本中・・・いや世界中のLBX関連企業が荒れに荒れている。と言うのもディテクターがLBXを用いたテロを起こすためだ

その中でも世界にLBXを送り出し、トキオシアのブレインジャックのど真ん中に居たタイニーオービットは冬の日本海の荒波の如き混乱だった

 

「社長、世界中から我が社を避難する声が押さえきれません!」

「売上もガタ落ちです。LBX不買運動まで起こっている始末です!」

「幸いスルガ君が残している技術があるのでギリギリ倒産はまぬがれそうですが・・・」

 

幸いと言うべきか、スルガが思いつきで作るだけ作って飽きてポイした機械や設計図は有効活用されておりLBXだけではない分野にまで進出していた。事業縮小は免れないだろうが何とか存続できるだろう 

 

「社長!どう責任を取るおつもりですか!」

「生憎だが、俺はもう社長では無い。明日からクリスターイングラム社の傘下に入る事となった。新しい社長が今日到着する」

 

と言っても来るのは元イノベータースパイ、赤鼻クソ野郎、正直名前を調べるのも面倒くさいのでこのまま赤鼻クソ野郎で通させて貰う。

 

「どうも?」

「お前は・・・!くっ」

「どうも、クリスターイングラム社から出向して参りました」

 

不服そうな態度を全面に押し出しながら重い足取りで社長室を出て行く

 

「貴方はもう社長ではありませんのでお見送りは致しません・・・・・・・・・あとの事はおまかせ下さい」

「!分かった」

 

 

 

═中国、ドラゴンタワー、中層═════

 

と、十五分程度休みを取った。そしてバン、ジン、ヒロはこのゲームで早速しばらくは抜かされないであろう世界記録を樹立しており景品のLBXを貰っていた

 

「ごめんね、皆」 

「長い間ずっと病院に居たんだ。体力が少いのは仕方無い事だろう」 

『ルナ、頼むからお前だけは無茶してくれるなよ?』

「それはスルガ次第、かな?」

『えー』

 

そんな事を話しながら更に上へ、しかし階段が崩落している箇所がある

 

「通れなさそうだな。仕方無い。迂回路を捜そう」

「へ~、通れないねぇ~」

 

ランが少し準備運動をし助走をつけ、壁を走り、階段の欠片を踏み切り上へ跳ね上がる

 

「へっへ~ん、どんなもんよ」

『俺も出来るぞ』

 

機龍のブースターを一瞬だけ全開にしてランの肩に着地した

 

「じゃあ私達で先に行ってるよー」

「ラン、見つけたら連絡してくれ」

「分かってるって」

『んじゃいってくるわー。監督はキッチリするんで安心なされ』

 

─ラン、スルガside────

更に上へ上へと登り屋上へ到達した

 

「指令コンピューターはこの辺のはず」

『ここの管制コンピューターはあのデカイパンダの腹の中だ。だがトキオシア、Nシティと続きスレイブプレイヤーが居るはず』

「どんな相手だって私とミネルバで突破しちゃうよ!」

『ハッハッハッ、自信が在るのはヨシ。ただ過度の自信は身を滅ぼすぞ?』

 

そして例の不気味な雰囲気のパンダが佇んでいる

 

「あれ?さっきのパンダ?」

『あのパンダがスレイブプレイヤーだ。間違いない』

 

無言でパンダはDキューブを展開、LBX『ダークパンドラ』を出してきた

 

『まさか・・・アミ?』

「このパンダと知り合いなの?」

『あのLBX、パンドラと酷似している。恐らくは』

「誰が相手でも私が倒す!」

『ああ。とりあえずバンにメール送信と。ラン、行くぞ』

「行くよ!ミネルバ!」 

 

スルガがアミだ!と正体を見抜くとパンダの着ぐるみを脱ぎ捨てた。中身はやはり洗脳された川村アミだ

相手にとって不足なし。機龍、頼むよ

 

map 王宮城内

アンリミテッドレギュレーション

バトルスタート

 

相手は4機の鬼クノイチ、そしてダークパンドラ

早速鬼クノイチ二機が機龍に立ち向かってきた

制止する暇もなくミネルバは鬼クノイチ二機とダークパンドラの所に突撃していく

せめてもと鬼クノイチへの対処の合間に誘導弾とレールガンでミネルバの突撃援護

 

ちっ、量産型でもやはり山淳のカスタマイズか。すばしっこくて鬱陶しい。こいつら相手ならマルチプルパルス持ち出したほうが良かったな

 

しかしオーバードウェポンとソルジャーDはバンのバッグに入っているのだ

 

いい加減対処が面倒になり外周の高所の通路に一時的に飛び移り、誘導弾一斉発射で撹乱し普通に押されているミネルバへの援護で連装メーサー砲の凪払い。一時的に距離を持たせる

 

チャット『ラン、相手の動きをよく見る、と言ったろう?そうすればこんなことも出来るぞ?』

 

オーバーセンス発動!

わざわざ下に下りる。今度は左右から鬼クノイチ二機に加え正面からダークパンドラがこちらへ突っ掛かってくる

しかしスルガは動かない。オーバーセンスで攻撃が見えるまでじっと耐える

 

・・・・・・ここだ!

 

そのまま軌道を見て鬼クノイチを尻尾で轢き飛ばしダークパンドラのエッジを口で受け止め、腕を掴みそのまま回転運動を開始、遠心力を限界まで高めた上で後ろの柱に投げつけた

 

『どうよ?』

 

しかし山野博士製LBXとアミのテクニック、うまく衝撃を逃がした。だが少しパフォーマンスは落ちているだろう

 

「凄い・・・私も出来るかな」

チャット『回転投げ以外なら出来るスペックはある。無理せずクノイチの方で試してみなされ』

 

尻尾で飛ばされダウンしていた鬼クノイチを連装メーサー砲で一機破壊

更にパンドラの意識がミネルバに向く隙間を与えずレールガンで畳み掛ける

 

─ミネルバside────

 

正面から向かってくるのは一機の鬼クノイチ、もう一機は機龍にちょっかいを掛けている

 

(相手をよく見る・・・)

 

構えたまま静止するミネルバ、そして鬼クノイチからコダチで攻撃が繰り出されるが

 

(これは本命じゃない?なら!)

 

ランは空手の日本チャンピオン。スルガがLBXを体とし戦ってきたならランは自身の体で試合に勝ち上がってきた。その都度幾多の強敵を打ち倒してきただろう

 

ミネルバが動く。正面からのフェイントを勘で察知し本命の攻撃を先読みしたのだ

 

アタックファンクション

炎崩し

 

炎崩しが完璧にクノイチを捉えた。一打目で相手の胸部装甲に穴を穿ち円型の炎が作り出され二打目、炎を纏った突きが貫通、クノイチを破壊した

 

「やった!」

『流石だ。さてどうする?』

「ラン!スルガ!」

 

ここでバン達が到着

 

『もう終わりかけだぜ。ランまだ油断するなよ?』

「分かってるって♪」

 

あらら。これはダメみたいですね。完全に調子乗ってますわ。あ、突撃してった。今の状態で行くと・・・あーあ

 

突撃の対処で鬼クノイチを投げつけてくる。行き足が止まった時だった

 

アタックファンクション

蒼拳乱撃

 

蒼いエネルギーの乱打、しかし全て正確にミネルバを捉えている

 

「間に合えデヨ!」

 

その間にシールドを構えたエルシオン、防御姿勢のパーフェクトZX-3が割り込んでくる

「バン!オタクロス!」

『ラン、クノイチまだ壊れてねえぞ!』

 

投げられたクノイチが動きだしミネルバに取りつく

しかし背後から機龍がスパイラルクロウでコアボックスを抉り機能停止

 

「アミがこんな戦いかたをするなんて・・・」

「ディテクターめ!絶対に許しておけんデヨ!」

『俺は撤退しますわ。バンとオタクロスが居るならもう大丈夫だろ』 

 

フィールドから全速離脱しルナの肩に飛び移り戦局を見守る

エルシオンとパーフェクトZX-3は蒼拳乱撃を耐え抜き反撃に出ていた

ランも先程とは表情を変えてダークパンドラと対峙し油断せず渡り合う。バンも援護しているしこれなら問題無かろう

 

アタックファンクション

ホーリーランス

 

「オタクロス!」

「任せるデヨ!」

 

アタックファンクション

メガサンダークロス

 

槍を回避したダークパンドラに巨大な放電がヒット、機体を駆け巡る電流で止めとなりダークパンドラはブレイクオーバー、アミの洗脳チョーカーが外れて倒れた

 

『ジェシカ、ヒロ指令コンピューターを頼む』

「任されました」

 

と、パンダに向けて走っていく

そしてこちらではアミの介抱、しかし反応があまり無くとりあえず近くの病院に叩き込むか?と対応してる内にウイルスは削除されて、ブレインジャックの危険性は無くなった

アミはバンが俗に言うお姫様抱っこで搬送中、目を覚まし、そのままホテル・・・ではなくダックシャトルに行くのであった

 

 

 

 



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?(ごめんタイトル思い付かない)

ごめんなさい。投稿遅れたのとタイトル思い付かなかったの、本当に、申し訳ない


═ダックシャトル、ミーティングルーム════

途中で目を覚ましたアミを連れダックシャトルへ帰還した。落ち着いたタイミングでアミから話を聞くも直ぐに眠らされ、首輪を付けられ相手の顔や声は分からない。と言うことが分かった

 

「でもアミが無事で良かったよ」

「そうじゃ。無事で良かったデヨ~」

「ごめんなさい。心配かけたみたいね」

『しかし敵の姿も分からないとなると・・・面倒くさいなぁ』

「スルガ、さっきからフルリンク解除しないの?」

『それがカクカクシカジカなのよ』

「体を盗られた!?大事じゃないの!」

 

とまあいつものやり取り。その後アミの体調も鑑みて日本で療養を受けることになる

 

 

 

═ダックシャトル ルナとスルガの寝室════ 

ハネダ空港までの間に休息を二人でとっていた。その間に原型を止めたまま回収したダークパンドラを解析にかけている

 

「やっぱり柔らかいベッドは良いねぇ」

『みたいだな』

「ねえ、日本にアミちゃんを送ったあとどうするの?」

『多分Mチップの危険性を探りに行くことになるんじゃないか?』

「て言うとオメガダインに行く?」

『そうなるだろう。次のブレインジャックがあればそちらに行く事になるな。ま、次の計画は俺や大人に任せとけ』

「・・・スルガ、私に何か隠し事てない?」

『俺がルナに隠してないと思うの?』

 

ルナがため息を吐く。確かにこいつはこう言う奴、それはルナが一番よく分かっている

 

「スルガが隠し事するときは言っても言わなくてもどうでもいいことか本当に言ったら不味いもの。それは分かるけど、彼女として心配になるなー。信用されてないんじゃないかって」

『むしろ信用してるからこそ言わねえんだぞ』

 

と、ダークパンドラの解析と修理が九割終了した

 

『ちょっとダークパンドラの調査終わったからオタクロスとコブラに共有してくるわ』

「ねえそれ私も行って良い?どうせ後から他の人にも言うんでしょ?」

『・・・まあ別にいいか』

 

 

 

═ミーティングルーム═════ 

 

コブラ、オタクロス、機龍、ルナが集まっている。そしてスルガが声を発した

 

『ダークパンドラの解析結果が出た。これはスレイブプレイヤーの製造にも関係する話もある』 

「もしかしたら戦わずともスレイブプレイヤーを元に戻せるのか?」

『いや、方法はあるけど演算結果はどれもLBXの破壊が安全かつ最短ルートだ。疑問点が一つ。スレイブプレイヤーはLBXと浅い精神同調を起こしてる』

「フルリンクシステム使ってるってこと?」

『んまあそゆ事。フルリンクシステムの内部構造と仕組みを知ってる上で劣化版だが製作できる奴は旧シーカー本部の存在を知ってる奴より少ない』

「だがフルリンクシステムはタイニーオービットで少数生産したと言っておらんかったか?」

『嘘に決まってんだろ。そうやって餌蒔いて食いついたら自動逆ハックで自己増殖系の害悪ウイルス流し込んでるからな』

 

ついでにこのトラップ、既に色々な組織、国家が引っ掛かっている。削除自体は簡単。しかしウイルスに感染すると速攻増殖して色々な所に転移しデータを片っ端から完全削除すると言う滅茶苦茶ヤバい代物だ

 

「まあそれはヨイ。結論を言え」

『犯人は山野博士、もしくは何かしら関わっている可能性が非常に高い』

「え?山野博士がそんなこと?」

『精神同調っても破壊されたら洗脳停止するだけの安全設計、劣化フルリンクシステムの製作、指令コンピューターの準備、これらの事が出来るのは山野博士くらいの物だろう』

 

オタクロスはどこか納得している様子でコブラは驚愕、ルナは今一ピンとこないと言う顔をしている

 

「お、オメガダインじゃ出来ないのか?」

『出来ない・・・わけでも無いだろう可能性には0と100は無いと言うのが俺の考えだ。だけど現実を見なコブラ』

「・・・あーもう分かったよ!俺も漢だ。覚悟決めてやる」 

「スルガ、この事他の皆に伝えるの?」

『いやぁ、事が事だし無用な混乱を招くのはよろしくない。この場五人だけの懸念事項としておくのが妥当な所では?』

「まあ、そこが落とし所じゃな。じゃが仮に山野博士がディテクターの正体として目的が分からんのお」

「確かにな。自分で起こして止めてくれってのもおかしな話じゃねえか?」

『そう、そこなのよ。犯行動機がまったく分からない』

 

分からないとは言ったが知らないとは言っていない

 

「うーーーん・・・スルガが言ってた第三勢力が関係してるんだろうけど」 

『多分第三勢力がオメガダインなんだろう。でもないとMチップなんて面倒くさいもの使わねえ』

「Mチップを調べろ・・・と言っておると考えるのが自然な流れじゃが、それじゃちと単純過ぎるデヨ」

「・・・もしかして指令コンピューターにも意味があるんじゃねえか?」

「確かに、山野博士からのメッセージ的な何かだとしたら共通点があるのかも!」

『調べるなら指令コンピューターってことだな・・・ただサンプルが少なすぎないか?』

「確かにトキオシティ、Nシティ、上海、確かに三つではちと精度に不安が残る。絞り込みくらいなら出きるじゃろ」

 

 

 

─────

 

 

改めてバン達がミーティングルームに集まった。事前に伝える内容はコブラからスルガに一任されている

 

『さてと、ダークパンドラの解析したが正直あまり分からないというのが結果だな。色んなメーカーの既製品のカスタマイズで腕が超一流と言うことしか分からなかった』

「スルガ君、本当に何も無かったのかい?」

『うん。外身以外は既製品のカスタム品、限定品とかでも無くここから特定は無理だな。砂漠の中から特定の砂粒探せって言われてるのと同じくらい面倒くさい』

「一応Mチップは入っていたのかしら?」

『無かったよ。まあ確定したのはディテクターとオメガダインは別物って事くらいかな』

「じゃあオメガダインは利用されてるだけってこと?」

「それだけでも無さそうデヨ。ディテクターとオメガダインは敵対しておることは明らか。するとディテクターの狙いはテロそのものではなく別のナニかである可能性が出てきたんじゃ」

「それってメッセージって事ですよね?わざわざディテクターがそんなことを?」

『ヒロ君、事は俺達が思ってるより底が深いようだ。ディテクター捕まえて終わり・・・とは思わないことだな』

 

皆が息を飲む音をマイクが拾う。ディテクターを倒すだけでは終わらないと言うのをジン、バンは勘づいていたらしい

 

「オタクロス、具体的な事は調べられてるの?例えばそうだなぁ・・・同じ物を使ってるとか?」

「とりあえず一連の事件の共通点をNICSとシーカーで解析中じゃ。結果は近くわかるデヨ」

『ジェシカ、何かパッとなんか思い付かね?』

「いきなり言われても・・・今は何も思い付かないわ」

 

と、解析情報の共有が終わる。ジンだけは何か懐疑的な様子であった

 

『あと一つ共有事項が、拓也さんが俺らと同行するってよ』

「拓也さんが?仕事は大丈夫なの?」

「タイニーオービット社の買収、だろう?」 

『やっぱり調べてた?クリスターイングラム社の傘下にいれられたみたいだ。だが少々厄介でな。血祭りに上げようとしてたの忘れてたんだわ。影も薄かったし』

 

今の赤鼻クソ社長が元イノベーターのスパイであることやそいつがいるからタイニーオービットからの協力は期待しない方が良い。むしろ期待するなと伝えた

 

「クリスターイングラム社、A国じゃLBX含めて電子部品のトップシェアを誇る企業ね。だけど怪しい話が絶えない企業でもあるわ」

『オメガダインとの繋がりも有りそうだな。インフィニティネット経由でハッキングしてみるわ』

 

そして機体はハネダ空港へ到着し、スルガはインフィニティネットの中からオメガダインとクリスターイングラムにハッキングして情報収集を開始

 

 

 

═ハネダ空港═════

 

「あ!お姉ちゃん!」

「元気そうでよかったわルナ。それに皆も元気そうね。スルガ君は居るかしら」

チャット『ほいほーい』

「どうなってるか話は聞いているわ。災難だったわね」

チャット『ま、終わったことだ。とりかえせばいいしな。駄目だったらインフィニティネットの住人にでもなるわ』

「スルガ君、今の状況で頼むのもアレだけど、またルナの事を守ってあげて」

チャット『無論、この生命に変えてもルナを護るよ。あとアミ、渡しとくものがある。バン、出してくれ』

 

バンがアミに渡したのはスルガが解析ついでに直したダークパンドラ。素のスペックはかなりの物でこれからアミの力になるだろう

 

「これ、大丈夫なの?」

『大丈夫だ。ウイルスの類いは駆逐済み。スペックも高い。使うと良いさ』

 

とりあえずターミナルでアミの迎えに来てくれた里奈さんにアミを任せた所で拓也さんも来た

 

「みんな、Nシティや中国でのブレインジャック阻止ご苦労だった」

「拓也さん・・・」

「スルガから話は聞いているだろう?まあそう言うことだ。俺は君たちのバックアップに着くことになった」

『拓也さん、もう一人連れてきてるって俺効いてるけど』

「ああ、紹介しよう。こっちに来てくれ」

 

植木の影から出てきたのは緑の上着を着ていて長い髪を後ろでまとめた中性的な顔ぶりの多分男

 

「・・・?」

「ユウヤ!」 

「久しぶりだね。バン君、ジン君」

「え?」

 

完全にバンは困惑している。そりゃそうだろう。無理もない

 

「ユウヤって・・・もしかして去年のアルテミスでバンと戦ってた灰原ユウヤ?」

「うん。あの時は僕を止めてくれてありがとう。バン君」

「えぇ!?」

「嘘!?去年のアルテミスファイナリストの灰原ユウヤ?雰囲気変わりすぎじゃない?」

チャット『Σ(・ω・ノ)ノ』

 

知っているはずのスルガさえ変わりように驚いた。一応来歴を説明しておこう。彼の名前は灰原ユウヤ(多分♂)イノベーターの刺客の一人で過去にフルリンクシステムの超劣化版の被験者となる

去年のアルテミスファイナルステージにてバンとジンと対戦しLBXとの同調を深められた結果暴走し死にかけた。止めるのには成功し、イノベーターからも切り捨てられた彼は入院生活を送っていた

その中でジンはよくお見舞いに行ってたらしい

イノベーターの実験台にされていたので知識に偏りがみられる

 

「今の僕はジン君やバン君が居たからここに居る。その恩返しをさせて欲しいな」

「勿論だよユウヤ!これからよろしく」

「うん!他の皆もよろしく!」

「くぅ~、去年のファイナリストが三人も!これで向かうところ敵無しだ!」

 

そうして、そろそろダックシャトルに戻る時間となり里奈とアミ、そして日本にまた一時の別れを告げてアヒルの翼はNシティへ

 

═ミーティングルーム════

スルガが個人的にユウヤと拓也を呼びつけた。と言っても目的は現情報の共有だ

 

『────って状況、そして大体の俺らの仮説、おーけい?』

「うん。なんとか」 

「ああ、問題ない」

「スルガ、シーカーとNICSからトキオシティ、Nシティ、上海での事件の共通点が送られてきたデヨ」

『おっ来たか。わりいな灰原、他の連中集めてくれるか?』

「うん、分かった」

 

ユウヤはミーティングルームを出ていく。スルガは1足先に送られてきたデータを読み込む

 

『結構あるね。絞り込まれてこれか』

「どれどれ・・・どれもピンと来ねえな」

「同じメーカーのこの機器、とかあるようじゃが、ここはあまり関係は無さそうじゃな」

 

とユウヤが皆を連れて戻ってきた

 

「皆おるデヨ?・・・早速じゃが話を始めるゾイ」

『シーカーとNICSに依頼してた共通点探しの結果が出たー。今表示するよん』

 

サクッと見やすくした一覧表を表示する

 

「こんなにあるんですか」

『案外多かったわ。もう一件くらいサンプルが欲しいところ』

「今は現状から探すしかないだろう。そうだな・・・」

「と言っても・・・ね。全部で200件以上」

『因みにこれ旧シーカー本部が無かったらざっと1000くらいいったらしーよ』

「千!?以外と世間って狭いんでしょうか」

『世界は広い、世間は狭い。んで各々なんか浮かんだ?』

「「「「「「「・・・」」」」」」」

「スルガ、いくらなんでも大雑把すぎるよ」

 

この日の結論、サンプル(ブレインジャック)もう一件見つかるまで保留!

 

『あはは、まあいいや。そうだ、暇だし皆のLBX調整しとくよ』

「・・・勝手にカスタマイズしないでね?」

『大丈夫大丈夫。NICSに改造素体沢山用意してあるから我慢する。弄くるにしても超小規模に留めるから』

 

と、皆のLBXを預かり整備開始、アメリカに着くまでには余裕で終わるだろう

 

danger! と 言 う の は 建 前 で danger!

 

さーてと、何処をどう弄くってやろうかなぐへへへへ

ムーンに関してはこれ以上弄る所ないしΣオービスも控えてるから大きく弄り回せない・・・せや、今の内にミネルバの後継機も考えとこ。後はトリトーンとリュウビ、ジャンヌDへの改造内容だけど、とりあえず各部のチューニングと強化だな。げへへへ楽しくなってきたぜ

 

═════

 

ファクトリーをフル稼働させ全機のメンテナンスとカスタマイズを完了させた。改造内容は小規模だが多岐に渡った

エルシオン、ペルセウス、リュウビ、トリトーンにはオーバードウェポン装着口を無断で追加(元に戻そうと思えば戻せる)

ミネルバにはと瞬発力を上げる調整を施してジャンヌDにはミサイルの飛行パターンの追加と射撃管制装置の更新した

そして新たなオーバードウェポンの設計図を引き作業を終える

 

═Nシティ NICS本部════

 

改造の結果、オーバードウェポンを知ってるバンとジンから怒られた。ギリギリ有用性があった為に残してはおくらしい。そしてヒロとユウヤにオーバードウェポンの説明をするとキラキラと目を輝かせていた

 

拓也さんとカイオス長官の顔合わせの中でスルガはネットで買ったLBXと素材群でファクトリー、NICSの設備フル稼働で改造に勤しむ。

今回のメイン素材のLBXはナイトメア、オリオン、インセクターとブルド、グレイメイドと後は飛行機の中で原型を留めたまま鹵獲したインビットだ

 

「お初にお目にかかります。宇崎拓也と申します」

「ここの長官をしているカイオスです。はじめましてミスターウザキ」

「よろしくお願いします。カイオス長官」

 

と挨拶を交わす。そして話は本題へ

シーカーで解析していたデータも追加され今後の対策会議へ。ランが早速口を開く

 

「直接乗り込んだら駄目なの?」

「それはできない。まだMチップの危険性を証明出来ないからだ」

『これがMチップの危険性が無いと主張するオメガダイン側の文書ね。面倒くさいから和訳はしない』

 

改造の片手間で資料を投げつけるを繰り返す

 

「急で済まないが今日の午後、オメガダインに潜入する」

「いきなりですね、大丈夫なんでしょうか・・・」

「策は練ってある。スルガと詰め作業も済んでいるので問題は無いだろう」

 

『おっしゃー、二機の改造終わったぁ。お、こっちも話し終わったっぽいね』

「スルガ、丁度いいタイミングだ。今からオメガダインに行くぞ」

『はーい・・・っと、そうは問屋が卸さないみてえだな。ブレインジャック、場所はエジプトの首都カイロ』

「このタイミングでか。ならば二手に別れるか」

 

バン、ジン、ユウヤ、スルガはオメガダインへ潜入

ヒロ、ルナ、ラン、ジェシカはカイロでブレインジャックの終息に当たる事となった

 

『ルナ、そっちにハンター改とカスタマイズしたジョーカー持ってけ。多数相手には強く出れるぞ。ジョーカーの仕様はCCMに転送しておく』

「ありがとうスルガ」

 

また改造内容はまた改造集の方へ載せておく

 

「皆、頼んだぞ!」

 

カイオス長官からの激励を背に全員が司令室を出た

 



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オメガダイン 潜入は変わった

やっぱりやるもんじゃないね。柄(2話同時作成)じゃないことはさ


═オメガダイン═════

今バン達はLシティに存在している無駄にデカイΩの形をした建築物に来ている。

潜入に子供向けのイベントを利用する手筈になっている

その為にスルガが職員を数名買収し事前に把握できるだけの監視員の配置と警備システムを事前入手すると言う徹底っぷりだ

 

「こんなに沢山の人が集まってるなんて、初めて見るよ」

チャット『見ろ!人がゴミのようだ!』

 

と、バンのバッグに隠れ某大佐のセリフを書き込みながら一行はオメガダインの中へ

 

「はーい、良い子のみんな~。こっちですよ~」

 

雰囲気が緩やかなお姉さんの案内員に誘導され施設内見学の前段階、シアタールームへ

 

「ここだ。列を離れるぞ」 

 

列の最後尾からサッと他の客達からの死角に入り近くの通路へ、そしてスルガが事前に構築した潜入ルートに入る

 

「スルガの細工有りとは聞いているがここまで警備がいないとは、そこまで徹底したのか」

『ああ。久々に金の暴力を人間に向けた甲斐があったわ。最短なおかつ安全なルートを用意したからな』

 

そして警備LBX4機と出くわした

 

『チッ、完全には目を潰せないか。シャルナック』

「エルシオン!」

「トリトーン、起動」

「行くよ!リュウビ!」

 

警備用LBX『XF-05』

設計コンセプトや見た目はインビットに近い。両肩のカメラが飛行ユニットとなってたり武器腕じゃなかったり頭部の目がスリット状になっている等より実用性と汎用性を求めた設計となっている

脚部パーツがインビットと共通ならXF-05B、クイーンのようなホバリングユニットならXF-05U(高機動型)と変わる

 

武器はAMBライフルの改造品だろう。凄い威力の攻撃だろう。つまり当たらなければどうと言うことはない!

 

シャルナックは天叢雲から魔改造コマンドハンドガンに持ち替え高速で動きつつ代わる代わる目標を変えて射撃し嫌がらせ

 

「今だ!」

 

エルシオンハルバード、シーホースアンカー、武の剣が敵に食らいつき接近戦へ。シャルナックは腰から伸びるスカートのような部分からマグナムキャノンを一丁射出しキャッチ、そのまま射撃しジリジリと追い詰める

エルシオン、トリトーン、リュウビも苦戦なく撃破した

 

『バン、解析したいから破片持って帰って?』

「分かった。有るだけ持っていく?」

『証拠隠滅も兼ねてな。数多くてもアキハバラに流せばいい。足は付かんよ』

 

予想以上にアキハバラは広く深い。過去スルガが大量にグレネードを仕入れたり大量にイノベーターのLBXを流しても結局バレていない点だ(公安に目をつけられていてもおかしくない)今さら100機200機出所不明LBXが増えたところで怒られる心配はないし誰も疑問に思わない

 

話を戻そう。作戦は順調だった。奴に出くわさなければ

 

「おまえらは・・・!」

 

あ やせいの かざまキリト があらわれた

 

「風摩キリト!」

「まあいい。そっちから来てくれるなら好都合だ。俺とバトルしろ!」

チャット『無力化するか?』

「おっと、怪しい動きはするなよ?俺はボタン一つでお前らの事を通報できるんだぜ?」

「バン君ジン君、ここは僕が戦うよ」

 

ユウヤ一歩が前に出る

 

「分かった。任せたぞ」

「頼んだ、ユウヤ」

 

と、バン、ジン、拓也は先に進む

ユウヤはリュウビを取り出し戦闘に備えた

 

「さあ、やろうか!ジョーカーKC(キリトカスタム)」

「行くよ、リュウビ!」

 

map 草原 ストリートレギュレーション

バトルスタート

 

「へぇ?リュウビか!」

 

ジョーカーKCはジョーカーの頭と足、マスターコマンドの腕とルシファーの胴体を組み合わせた物だ。高い機動性から繰り出される独特な鎌、クレセントムーンの攻撃が特徴

 

ジョーカーKCは鎌を振り上げリュウビの方へ、リュウビは一撃目をかわしにかかる。しかし

 

「ッ!早い!」

 

上半身パーツの重量からはあまり考えられない速度で距離を詰めてくるジョーカーKC。リュウビはとっさに回避から防御にシフト、鏡の盾で一撃目を受け止め二撃目を受け流し反撃に剣を振るう。しかし容易に回避され気付けば後ろは崖、ジョーカーKCが鎌を振り下ろす

だがリュウビも寸の所で横回りし回避した

 

しかし猛攻は続く。三撃目の攻撃をいなしきれず岩肌が露出している壁に叩きつけられた。間髪入れずに突撃、リュウビはそれを再び回避する

 

「こんな事でビビる灰原ユウヤじゃないよねぇ?」

 

その挑発に乗る形でリュウビは反撃に出る

 

 

 

═バン、ジン、拓也side════

 

ダクトの中、警備のXF-05B三機を相手取る

三機の持ち物はいずれもライフル銃。エルシオンが盾を傾けて構え攻撃を吸引、その隙にトリトーン、シャルナックが飛び出す

 

アタックファンクション

ヒートウイング

 

焔の翼を生やしたシャルナックは迎撃の射撃を掻い潜り一機を斬り飛ばし、焔の翼に巻かれ一機が損傷、そこにトリトーンのシーホースアンカーの打撃で一機葬りエルシオンがハルバードを投擲、シャルナックへ射撃しようとしていたとろを突き刺さし爆発

このダクトを突破した

 

「よし、順調だね」

 

しかし次の扉の近くにはダクトは付いておらず、これまた雑にアブソリュート・ゼロで破砕、次々と扉のロックを解除しながら(いくつかの扉はオーバードウェポンで溶けたりブチ抜かれたりした)足を進める

 

「まて、あそこ」

チャット『人間だな。じゃあ俺が行くわ』

ドガッ バギッ ゴズッ バチバチ! 

 

そして道中で職員を十数名スタングレネードと打撃で意識を飛ばし(多分死んでない)そこら辺のトイレに放り込みまだまだ先へ。

やがて、Mチップのデータが格納されているであろう扉に到着した

 

 

═ユウヤside════

リュウビが剣を振るう。上から振り下ろす、横に凪ぐ、斜めに斬り上げるの三連斬撃。しかしすべて避けられる

 

(動きが全て読まれている!それなら)

 

更に踏み込み一閃。ジョーカーは後ろに回避、次の斬撃、と見せかけてリュウビはタックル、機動力の為軽量なジョーカーは容易に飛ばされる。しかしそこは風摩キリトの力量。直ぐに姿勢を立て直した

リュウビはその隙を狙い更に追撃、大ダメージを狙った

だが刀を振り下ろせばそこにジョーカーは居なかった

 

「なに!」

 

ジョーカーKCはリュウビの後ろに回り込んでいた。顔のピエロのような造形も相まって全てを嘲笑っているよう。

「残念でしたぁ!」

そしてクレセントムーンを振り下ろす

リュウビにクリーンヒット。だがダメージを最小限に留め受け身を取り直ぐに剣を構える

 

「クククッ、そうでなくっちゃ。ジョーカーキリトカスタムはジョーカーをカスタマイズした俺の自信作だ。攻撃性運動、防御、全てのスペックを極限まで高めている!」

 

再びクレセントムーンを振るいリュウビを滅多打ちにする。次々の重い攻撃にリュウビは姿勢を正す隙すら与えられない

五撃、六撃と攻撃を受け続けた

 

「どうした?君の実力はこんなものじゃないはずだよ」

 

リュウビは近くの山の頂上へ。ジョーカーKCはリュウビを追いかけ武器を振り下ろす。それを回避するために別の山頂へ飛び写る

今度は逆にリュウビの攻撃。しかし機体を捻らせ回避、また別の山頂へ移動、武器同士の鍔迫り合いに発展する

 

「どうしたんだよ。もっと本気で来てくれないと意味がないんだよ」

(本気で?意味がない?)

 

キリトの発言に疑問を抱いたユウヤ

それは置いといて戦闘は続く。武器の打ち付け合いの応酬が続く

 

「いいねぇ、その調子だ」

 

鍔迫り合いが起こったらジョーカーKCは独特な形の鎌を生かしリュウビの背後に回り込む。リュウビはそれを回避、飛び込みジョーカーKCに斬りかかる。それを柄で防御した後蹴り飛ばし追撃でクレセントムーンを投げるジョーカーKC、リュウビはこれを遠くに弾き飛ばす

それすら折り込み済みと言わんばかりに赤色のホープエッジでリュウビに襲いかかる

不意を突いた。そう確信したキリト

 

「なにっ!?」

 

しかしユウヤは盾を犠牲にキッチリと防ぎきっていた

この一撃の凄さは鏡の盾に半分程斬り込まれて居ることが証明だろう

リュウビは固まるジョーカーKCをおもいっきり蹴飛ばした

 

「最高だ!これは面白い!」

 

決着までもう少し、その時だった

 

「そこまでだ。関係者以外は即刻退去して貰おう」

 

キリトが不機嫌に振り替えると黒服とオメガダイン総帥アラン・ウォーゼンに連れられたバン、ジン、拓也が居た

 

 

═オメガダインサーバー室?═════

 

スルガが扉の鍵を粉砕、オープンする

 

「これは・・・」 

 

ここはスルガと拓也が入手した設計図ではサーバー室の筈だった場所だ。しかし目の前にあるのは巨大なMチップの生産ライン

 

「クソッ、偽の情報だったか」

チャット『あちゃー。結構精査したんだけどな。ちょっくら探してくら』

 

機龍がインビジブルを起動、ダクトへ飛び込む

 

「拓也さん、直ぐにここを去るべきです。サーバー室はきっとある筈」

「ジンの言う通りだ。拓也さん、探しましょう!」

 

と、踵を返そうとしたその時

 

「おやおやこれはNICSの皆さん。ずいぶん手荒ですが本日はどのようなご要件で」

 

全員が振り返る。そこにいたのは武装した黒服を四名程連れたオメガダイン総帥、アラン・ウォーゼンだった

 

「アラン・ウォーゼン自らお出ましとは」

「先程の会話を聞きましたがここにはサーバー室なんてここにはありませんしMチップの安全性も事前に政府に提出した通りです。ここまでの蛮行(大小数十ヶ所に昇る扉や壁の破壊)は見なかった事にするのでお引き取りを」

「・・・分かりました(後はスルガ便りか)」

(頼んだぞ、スルガ/スルガ君)

 

 

 

═Lシティ、駅═════

結局、オメガダインへの潜入は無駄足に終わった。スルガには駅で集合と連絡をして現在スルガ待ち  

 

「結局何も無かったの?」

「ああ、サーバー室だと思われていた部屋は生産プラントだった。結果的に、罠に嵌められた形になったな。後はスルガがどうするかだが」

「上手く動いて居てくれていると良いが」

 

と、一抹の不安を覚える。警備システムを麻痺させているとは言え扉と壁を破壊しながら進むと言う事をするような奴だ。更なる破壊活動をしなければ良いが・・・

 

と、駅構内で軽めの食事をしながら待っていると突然ユウヤの肩の上にインビジブルを解除した機龍が到着した

 

チャット『ただいまー。サーバー室見つけたは良いけどプロテクト固すぎて何にも出来なかった。でも何か面白そうな物を見つけたぜ。話は列車の中でしよう』

「相当なセキュリティだな。スルガも戻ってきた所だ。次のリニアでNシティに戻ろう」

「スルガ君、一応聞くがそれは君基準での面白そうなものか?」

チャット『うん。とっても愉快な物を見たよ』

 

 

 

═リニア内════

拓也のパソコンにアクセスし持ち帰った情報を広げる

 

チャット『今は建物の内部とか置いといて盗んだデータを見ていこう』

 

スルガ持ち帰ったデータ、それはLBXや機械の設計図、風摩キリトの過去とオメガダインとの関係、そしてキラードロイドと呼称される怪物の事だった

 

チャット『まあLBXとかの方は後で見てもらうとして一番濃い内容なのは風摩キリトの過去だな。だからこっちから行こう』 

 

ファイルを展開する。ファイル名は『キラードロイド』

スルガは意図的に持ってきているデータの量を絞っている

 

「これは・・・設計図?」

「キラードロイド・・・設計者はレックス!?」

「まさか、レックスは日本に居る筈だ。スルガとシーカー、オタクロスの監視網を全て掻い潜るのはいくらなんでも難しいだろう」

チャット『ああ。レックスは日本に居るのは確認済みだ』

 

嗚呼、レックス

この世界でも妹は暴走しているようです。多分ブレーキ役でいつか連行するのでよろしくお願いします

 

バンは設計者の名前に驚くがジンは冷静に分析する

 

チャット『こいつ、設計者は置いといてかーなり強いぞ。対LBX用自動殲滅兵器、LBXだけを殺す化け物って所だな』

「スルガ君、今対抗策はあるの?」

チャット『一番単純明快なのはアブソリュート・ゼロ又はオーバードウェポンの直撃、つまるところ力こそパワーの頭悪い火力で粉砕ことだな。ま、弱点もハッキリしてそうだしなんとでも調理できそうだ』

「問題は檜山を語る謎の人物か」

チャット『そっちの情報は一切なし。レックスが関与してないのは確かだね・・・そう言えば皆、NICSの人らってレックス生きてること知ってたっけ?』

「トキオシアでのスレイブプレイヤーになってたし知ってると思うけど?」

チャット『あ、そっか』

「レックスを知っているものは多い。何者かが騙ってるだけの可能性もある」

チャット『ま、現状はあんまり変わってないね。じゃあ次、風摩キリトの話に行ってみよう。かなり重いから覚悟しとけよ?』

 

 

【風摩キリトの過去】

彼には愛するエイミーと言う彼女が居た。

とある雨の日、キリトは彼女との待ち合わせをしていた。だが元々時間にルーズな所があった彼は遅刻してしまう。そして遅刻した彼が見たものは、待ち合わせ場所に突っ込んだ大型トラックだった 

 

彼女は死んだ。その日、その瞬間から彼のあらゆる歯車が軋み、狂い始めた。事故から少し時間が立ち、キリトはエイミーの精巧なアンドロイドを作った

あの日、自分が遅刻しなければ彼女は死なずに済んだのでは無いか。その後悔を払拭するために

ただ一言、彼は謝りたかったのだ

 

──────

 

チャット『あいつの気持ちも分かる。俺もルナが死んだら狂う。自分のせいってなったら尚更な』

「大切な人の死・・・か」

 

それぞれ思うところがあるのだろう

特に今のスルガにはルナと言う愛する人が居るのだ

 

──────

 

いくら精巧なアンドロイドを作ったとは言えそれはアンドロイドだった。感情の無いただの人形はただプログラム通りの答えを返すだけ

いくら改良してもその繰り返しに彼の心は、壊れかけていた

自暴自棄で放心していた頃にオメガダイン総帥、アラン・ウォーゼンと出会った

サイクロップスAI、それを成長させれば感情を獲得するの唆されて、

 

──────

 

『それでテストプレイヤーになったって所だな』

「そんな経緯が・・・だから本気でやらないと意味が無いって言ってたんだ」

「彼の事、なんとかならないだろうか」

「スルガ、キリトの事を説得できないかな」

『うーん、現状無理じゃね?手立てがねえもん。それに風摩キリトは死んだ女に相当執着してる。AIの完成までは打つ手なしだな。代案は立てれるけど乗って来ねえだろうし』

 

そう。フルリンクシステムの利用だ。機龍には自我が宿った。ならばエイミーのアンドロイドでも自我を宿らせるのは可能なのでは?

しかしこの方法、アンドロイドを弄った上誰かがエイミーに入る必要がある。更に言えば宿った自我がエイミーに似ても似つかない可能性があるのだ。それを了承するとは思えない

 

「今は諦めるしかない・・・うん?拓也さん」

「どうしたバン?」

「LBX同士の戦いでAIを成長させるのは分かるんだけどそれで人の感情って宿るのかな?」

「あり得ない・・・とは言わないが相当歪んだ性格になると思う。なら何故彼はオメガダインに協力を?」

「案外気付いてない・・・のかもしれないね」

チャット『目先に取り憑かれたか。まあ後々現実を突き付けるしか無かろうて』

 

この後帰るまでの間リニアの中に列車の積み荷泥棒が出たがただのスルガ無双になった(全員戦うことなくスタングレネードやメーサー、打撃の餌食になった)

 

 

 

 



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エジプト首都カイロ 人気投票永遠の一位

═カイロ、市街地════

町の様子は惨状だった。人間は既に居らず破壊された建造物が散乱している

 

「酷い・・・」

「まだLBXが暴れてるわ。別れてこれ以上の暴走を止めるわよ!」

「ヒロ君、スルガから一応預かってるから渡しとくね」

 

と、ルナはヒロにマルチプルパルスを渡す

 

「ありがとうございます。借りていきます」

「行っくよー!ミネルバ!」

「ジャンヌD!Go!」 

「ペルセウスッ!」

「ムーン、行くよ」

 

各々が特に相談せず定めた方向へ身と共にLBXを進める

 

─sideルナ────

ルナは迷いなく一番暴れている機体が多い方に来ていた。そしてハンター改とルナティックジョーカーが起動

二機が銃弾をばら蒔きLBXの掃討を開始

ムーンも負けることなく朔で暴走LBXを次々屠る

 

「私のジョーカー、別物だ。スルガのカスタマイズは相変わらず凄い・・・」

 

ルナティックはムーンのバックアップ特化専用機、そこまでタイマン性能は高くない。しかしルナが操るムーンと合わさればかなり凶悪化する

 

的確にムーンの後方からこっそり近付くLBXを短機関銃二丁で蜂の巣、撃破出来ずとも足止め、その隙にムーンが処理すると言う戦術

更に対処仕切れない集団が表れてもハンター改が凪払うので特に苦戦はしない

 

そして間も無くLBXの大半はガラクタと化していた。散発的に出現する。そしておかしな騒音、ルナはこれがオーバードウェポン使用の音であることに感づいた

 

 

═ヒロside════

ルナと違ってこちらは単機、苦戦していた

幸い撃破されそうな数ではない

 

そして一時的に撃退、落ち着きを取り戻す

 

「ふぅ・・・ッ!」

 

一体近くの木箱に腰を下ろした時だった。突然目に浮かぶ、否、焼き付けられると言う表現が正しいかもしれない

『ここから先に足を進めると、高所から大量のLBXに待ち伏せされペルセウスが破壊される』映像を強く認識したのだ

 

「今のは?トキオシアの時と同じ・・・?」

 

嫌な予感を見たヒロ、そしてルナから渡されたオーバードウェポンの事をおもいだす

 

─回想─NICS───

スルガによるヒロとユウヤ向けオーバードウェポンの扱い方の授業を思い返す

 

『こいつがマルチプルパルス、真後ろ以外のほぼ全方向に必殺ファンクションレベルのレーザーをばら蒔く。こいつを使ったときの資料映像がこれだ』

 

高速道路で大量のデクーエース相手にぶっぱなしトラックをぼろぼろにした写真とエターナルサイクラー防衛戦での映像を見せた

 

「まさにMAP攻撃、ですね」

「一体何本レーザーを搭載してるんだい?」

『この付いてる一個一個の棒あるじゃない?』

「うん」

『これ全部パルスキャノン』

「馬鹿だ・・・」「うわぁ・・・」

『片舷65門、合計130門のパルスキャノンが短時間照射されるから機龍みたいなLBXだと無理やりブースターで高速移動しながらぶっ放したらその辺一帯焦土にできるぞ』

 

─回想終了───

 

それを思いだしマルチプルパルスをペルセウスにセットした

 

「確かこれらに共通して重いからLBXの運動能力が大きく下がる・・・でもこの状況を切り抜けるなら」

 

ヒロは待ち伏せの広場の手前まで行くとオーバードウェポンを起動、ペルセウスを広場の中央へ投げる

 

ヒロCCM『不明なユニットが接続されました。システムに深刻な障害が発生しています。直ちに使用を停止してください』

 

待ち伏せしていたLBXが姿を表し攻撃体勢を取るがもう遅い。緑のレーザーが放射されるのが早かった

 

オーバードウェポン

マルチプルパルス

 

LBXもろとも建物の砂岩を破壊していく。偶然直撃を免れたLBXも建物の崩壊にまきこまれ行動不能になった

 

「あわわ!どうしよう」

 

自分が思ってたより破壊範囲が広くたじろくヒロ、これ直すのに幾らするんだろうと、考えてしまった

(余談だがヒロがトキオシティでのブレインジャック時、服を一時的に借りた(そのまま今にいたる)服の代金は三万クレジット、それで泣きそうになっていた)

 

その時だった。ペルセウスの周辺に紫のエネルギー弾が着弾する

 

「!?アキレスディード!」

 

ヒロは反撃しようとペルセウスを操作する。しかし思ったように動かない

 

「なんで・・・あ、オーバードウェポンか!」

 

─────

『オーバードウェポンは種類によりけりだけど使ったらメンテナンスするまでまともに動けんくなるものが大半だから気をつけなよ』

─────

 

無慈悲にもアキレス・ディードは上空からダークシューターを撃ち下ろし続ける

(くっ、このままじゃ)

かろうじて致命傷には至っていないもののこのままではやられる。その時だった

 

突然別のLBXが間に割って入りペルセウスに直撃する射撃を二本の刀身が並んだブレードで弾き飛ばす

そのLBXは大きく跳躍し浮遊するアキレスディードに斬りかかる。しかしアキレス・ディードは更に上昇し姿を消した

 

「た、助かりました・・・一体誰が」

 

助けてくれたLBXをよく観察すると砂漠の砂のような色をメインにピエロのようにも見える古代エジプトが元であろうデザイン、そしてピラミッドのようなヘッドパーツが特徴的の『シン・エジプト』

 

アキレス・ディードを退けたシン・エジプトはヒロのヨコヲ飛び抜け後ろの人物の肩へ飛び乗る

 

「あ!助けて頂いてありがとうございました」

 

と、ヒロが頭を下げる

しかし一瞥しただけで直ぐに去って行こうとする

 

「あの、お名前を聞いてもいいでしょうか?」

 

と、その人物は去り際にCCMを操作、シン・エジプトから音声を出した

 

《M・ゴジョー クリスターイングラム社のテストプレイヤー》

 

「ヒロ!大丈夫!」

 

さっきのオーバードウェポン発動音を聞き付け敵の掃討を完了したジェシカとランが来る

 

「ヒロ、あの人は?」

「ゴジョーさんって言ってました。アキレス・ディードから助けてくれたんですが」

「Mr.ゴジョー、ヒロの事ありがとうございました。貴方は何故ここに?」

ピッピッピッ

《休暇で来ている》

「ちょっと待ちなさいよ!」

《子供はさっさと家に帰るんだな》

 

と、言葉を残し去っていった

 

「なにあいつ、感じ悪い」

「悪い人では無さそうですが・・・」

「クリスターイングラム、ちょうどオメガダインとの繋がりが噂されている所ね。彼の目的、本当に休暇なのかしら?」

 

「おーい、みんな大丈夫~」

 

気楽で緩い声と共にルナがひょっこり顔を出す

 

「ルナ、そっちLBX多かったけど、怪我とかしてないよね?」

「うん。やっぱりスルガのカスタマイズはスゴいや。大体の敵はスルガのLBXが片付けちゃった。それにオーバードウェポン使うなんてヒロも思いきったね」

「スルガさんの武器凄いですね!建物がこんなことに」

 

と、雑談はこれまでとして今起こった事の共有を済ませた所でオタクロスから通信が入る

 

《おまんら、指令コンピューターの位置が分かったデヨ!近くのホテルの管理コンピューターじゃ。先にコブラがホテルのオーナーと話を付けておるデヨ》

 

「オッケーオタクロス。早くコブラと合流するわ。皆、行きましょう!」

 

 

 

═カイロホテル════

近くのホテルに入りその大きさに圧倒されるヒロとラン

 

「凄く大きい建物だ・・・」

「家の道場何個分だろ、これ?」

 

「お前達!怪我とかしてないか?」

「うん、皆さん大丈夫です。街に居たLBXも倒しきりました」

「そうだ、ヒロ君これ使う?」

 

ルナが差し出したのはソルジャーDだ

 

「これって、スルガさんのLBX?」

「うん。さっきのでペルセウスの充電終わってないでしょ?」

 

そう、まだペルセウスは全力を発揮できない。尽きたエネルギーの充電が済んでない上メンテナンスが済んでいない

 

「確かに・・・ありがたく使わせて貰います」

「話は済んだみてえだな。早速だがこれからの事を説明するぜ。まずここの地下にある指令コンピューターの無力化のために従業員用通路を通って行ってもらう。問題は指令コンピューターを守るためにLBXが徘徊してる上一部扉にロックが掛けられててな。そこをクリアしてかなきゃならん」

「つまりLBXでダクトか何かを通って内側から開ければ良いってこと?」

「そう言うことだラン。だがダクトの中にもLBXが潜んでる筈だ。注意してくれよ?」

「「「了解!」」」

 

 

═従業員用通路════

 

大きな逆ピラミッドの空間に出た。下にも数本通路が見え、一際明るい一番下指令コンピューターのあるところ。ここを降りていくのだ

 

「ねえルナ、スルガとの馴れ初め聞かせてよ」

「スルガとの?確か入院してるときに私がLBXバトルに誘ったんだったかなぁ?懐かしいねぇ。もう五年も前のことか・・・」

「五年の付き合いかぁ」

「スルガが退院した後も結構お見舞いに来てくれてその度にバトルしたり思い出きいたりしてた」

「思い出?どんなことを聞いてたのかしら?」

 

ジェシカとランはこの手の話に興味津々らしい。ヒロも好奇心で話に乗ってくる

 

「その時は私はまだまだ外に出られなくてね。外の世界が知りたかったのと、若干依存してたんじゃないかな」

「依存・・・ですか?」

「その時は家族はお姉ちゃんしか居なかったし、あんまり高い頻度では会えなかったからさ。少なくともスルガが居なかったら私はここに居ないと思うよ」

「こんなこと言っちゃ駄目そうですけど、歪んでる気がしますね」

「まあ、当時は歪んでただろうねっと。この話は一体終わりにしよう」

 

指令コンピューター防衛のため巡回しているエジプト、ヌアビス合計五機と鉢合わせた。

各々がLBXを繰り出し戦闘開始

 

map 従業員用通路

アンリミテッドレギュレーション

バトルスタート

 

エジプトを先頭にナイルブレードで斬りかかってくるヌアビス。ソルジャーDは2本ある剣で確実に攻撃を受け止めムーンとミネルバは初撃に対してカウンター。

 

「いよっしゃ決まったぁ!」

「僕も行きますよ!」

 

ヒロの操るソルジャーDも受け止めた剣を弾きエジプトを蹴り飛ばす

 

「やりました!」

 

ジャンヌDはソルジャーに向かう二機を銃撃し足止め

ソルジャーDが走りだしエジプトを斬り上げる

 

「バックアップは任せて。思いっきりやりなさい!」

「私も援護するよ。好き勝手暴れて」

「「ハイッ!」」

 

ミネルバはカウンターをしたヌアビスに、ソルジャーDはエジプトに追撃をする

 

「ハァァァァァ!」

「おりァァァァ!」

 

ソルジャーD、ミネルバは一気に距離を詰め反撃を許さぬ猛攻を加える

双剣ならではの攻撃速度。一打一打気合いを入れた打撃

やがて蓄積ダメージは限界を向かえる

エジプト、ヌアビス一機 破壊

 

この二機に対応しようとする敵はムーンとジャンヌDが残りの三機を相手取る

ムーンが巧みに進路を塞ぎ一機のナイルブレードをぶった斬り、ジャンヌDからのスナップピストルが首関節を撃ち抜き破壊

 

「ナイスショット!まだまだ私も行くよー!よっ、ほっ!」

 

ムーンも横から斬り付けてくる斬撃を盾で受け止め背後に飛び込みコアボックスを貫いた

 

「決まった!」

「くっ、鬱陶しい」

「ジェシカさん。今助けます」ガチャ

「私が頂くよ!」

 

もう一機はジャンヌDに接近戦を仕掛けていたがスルガが鹵獲したのをヒロが譲り受けたペルセウスのキラーガトリングが追い払いミネルバクローを突き立てる

 

「へっへーん!私に掛かればこんなもんよ」

「ヒロ、良いカバーだったわ」

「ありがとうございます。ジェシカさん」

 

まだまだ道のりは遠い(雑な話切り)

 



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M・ゴジョー

═カイロ ホテル・従業員用通路ダクト内部════

降りていく途中ホテルのはずなのに落とし穴や坂を転がり迫る大岩などベタで古典的な罠に襲われながらさらに地下へ

最後の扉の鍵を開けるためにダクトに侵入したLBX。しかしダクトの中に降り注ぐ銃弾の雨。多種多様なLBXが超濃密な弾幕を形成しているので動けない

 

「ありゃりゃ、凄いね。普通には突破出来そうにないや」

「どうしますか?一か八かやってみます?」

「いや、辞めといた方が良いわよ。ここまでの弾幕相手なら遠距離から叩くのが手っ取り早いと思うけれど」

 

ムーンは試作電磁機関銃を持っているが狭く複雑な構造のダクトでは射程は生かしい辛いし回り込むことも叶わない

 

「そうだ。ヒロ君、確かオーバードウェポンってもう一個受け取ってたよね?」

「えっと、グラインドブレードですね。どうするんですか?」

「本当に最悪ソルジャーが壊れるかもしれないけど、それなら」

 

グラインドブレードの特徴の一つとして何か頑丈な障害物にぶつかるまで進み続けると言う物がある。つまるところ肉壁だろうが弾幕だろうが無理矢理突撃突破すると言うことだ

 

「・・・時間が惜しい私達に取れる手はそれしか無いわね。ヒロ、お願い出来るかしら」

「分かりました・・・でもソルジャーは」

「慰めになるか分からないけど、スルガなら残骸持ち帰れば直すと思うからそこは安心してね?」

 

そしてソルジャーDはグラインドブレードを装備して戻ってきた

 

「スルガさんすいません・・・行きますよ!グラインドブレード!」

 

オーバードウェポン

グラインドブレード

 

ヒロCCM『不明なユニットが接続されました。システムに深刻な障害が発生しています。直ちに使用を停止してください』

 

左腕が爆破パージされケーブルが引っ付きエネルギーを貪る。六本のチェーンソーが展開し右腕に装着、回転しながら一本の武器に変形、更に回転を強める

そしてブースターとタイヤが機体を激しく前に押し出し始めた

そのタイミングで再び弾幕の形成。しかし時既に遅し

突撃を始め速度が乗ってしまったグラインドブレードは止められないし止まらない

 

ズガーン!ギャガギャガギャガドーーーン

 

チェーンソーの刃が敵機を内側に引きずり込み回転しながら破砕していく。ソルジャーを狙い混乱した所に速度に自信ありのストライダーフレーム三機が突入。次々とLBXを撃破していく

 

「うっしゃあ!一気に決めるよ」

「オッケー!ヒロの作ったチャンス物にするわよ」

「いっくよぉ!」

 

アタックファンクション

炎崩し

 

アタックファンクション

サイドワインダー8

 

アタックファンクション

ドリルスラッシャー

 

焔の渦、8本のミサイル、高速のドリル。三つの必殺ファンクションが敵の群れに襲来し一掃していく

 

「ラスト一機、あたしが貰うよ!」

 

ミネルバクローがグラディエーターの胴体を貫いた。ミネルバはさっとクローを離し爆風から逃れる。そしてグラディエーターは爆発した

 

「わぁ、皆さん流石です!」

 

ソルジャーは壊れてないにしろ銃弾を浴び壁にぶつけた衝撃でかなりひどく損傷しており痛々しい

そしてキッチリ壁も粉々に破砕している辺りオーバードウェポンの破壊力がよくわかる

 

「待ってて。今扉を開けてくるわ」

「ランちゃん、ソルジャーの回収手伝ってくれない?」

「オッケー」

 

爆破パージした左腕、ソルジャーD本体、グラインドブレードを回収する

ソルジャーを破壊した壁から引っこ抜くとグラインドブレードは格納状態に復旧、ダクトから引きずりおろす

 

「うわっ、これスルガさんに怒られませんか?」

「怒らないと思うよ?グラインドブレード渡した時点でこうなることも折り込み済みだと思うし。でもスルガは大丈夫かなぁ?無茶してないと良いけど」

 

そして最下層への最後の扉のロックが解除された

ここを越えれば指令コンピューターのある場所に出る

 

 

 

 

 

═カイロホテル・最深部════

 

洞窟の中と言う環境に似せて建築されたコンピュータールーム。古代エジプト神殿をイメージした装飾の数々や黄金のヌアビス神の像。その足元にコンピューターが鎮座する

 

「ここが指令コンピューターの場所ですか」

「ええ。恐らくスレイブプレイヤーも居るはず。警戒して」

 

ゆっくりと歩みを進める。やはりと言うべきか、立ちふさがる人物がいた

 

頭にヌアビス神の仮面を被った人物。しかしヒロはその特徴的な服装で直ぐに正体を見抜いた

 

「まさか・・・」

 

過去色々な人気投票一位を総ナメにし挙げ句の果て殿堂入りした男。五条勝、もといM・ゴジョー

仮面が縦に2つに割れその尊顔が顕になる

 

「彼はクリスターイングラムの!」

「こいつがスレイブプレイヤーか」

「ゴジョーさんが、敵・・・」

「俺は指令コンピューターのガーディアン。ディテクターの障害となるものは排除する」

 

彼はDエッグを投げフィールドを展開する

 

「ペルセウスッ!」

「いっけー!ミネルバ!」

「ジャンヌD、GO!!!」

「行くよ、シャルナック・ムーン」

 

充電とメンテナンスを済ませたペルセウスが出撃していく。相手はシン・エジプト、ヌアビス4機だ

 

map 砂漠+オアシス複合フィールド

アンリミテッドレギュレーション

バトルスタート

 

中央に大きなピラミッド、それを囲うように倒れた柱や建築物が点々としその近くには大小さまざまな湖が存在する

 

シン・エジプトは中央のピラミッドで待ち受ける

 

「ゴジョーさん。必ず助けます!」

 

先んじてナイルブレードを持ったヌアビス二機が襲来するがミネルバとムーンが迎撃

 

「ヒロ!取り巻きを押さえてるうちに私達で」

「はい!」

 

ジャンヌDが軽機関銃を持ったヌアビスを牽制してペルセウスの道を開く。階段を駆け上がりペルセウスは左の剣で横凪ぎ一閃、次撃で右の振り下ろし。シン・エジプトは少し後退り攻撃を回避する

次はシン・エジプトの反撃。その速度と精度は洗脳され操られているにも関わらず一品級の剣速

双刃剣『王剣クフブレード』から激流の如く斬撃を繰り出し防御するペルセウスを斬りつけ後方へ吹き飛ばした

その後もピラミッドの舞台で斬り合いの一進一退の攻防が続く

 

一方の女子三人は 

 

「中々捕まんないなぁ」

 

ルナのぼやき

恐らくディテクター直々のカスタマイズが施されているヌアビスは砂漠と言う環境と機動力重視のカスタマイズで回避重視の戦い方をしてくるのでムーンやミネルバでも中々捉えられない。しかもパワーも高いと言う厄介仕様だ

と言うかストライダーフレームの足と砂漠の相性があまりよろしく無い

 

「くっ、ちょこまかと!」

 

砂漠の中でもクローの突きや踵落としなどの体術を次々素早く繰り出すミネルバだが防御されたり避けられたりで上手く一撃が決まらない

 

「ラン、焦ったら敵の思うつぼよ!」

 

ジャンヌDは軽機関銃持ち二機と戦闘しているが火力の差で押され気味だ

 

「でもここで私らが苦戦してたらヒロが!」

「何とか一網打尽にしたいねぇ」

 

ルナがフィールドにある物を見ながら少しニヤリする

まるでスルガのように

 

「ねえ二人とも、あそこに敵を誘導できない?多分スルガなら・・・」

「なるほどね。オッケー。誘導してみるわ」

「ああ!成る程。そう言うことか。これならどんな奴でも逃げられないね」

 

二人がムーンの持つアイテムを見て何をどうする気なのか納得する

 

 

 

─ヒロ君side─────

シン・エジプトとの剣の打ち合いは続く。ヒロも奮戦しておりほぼ互角と言うところか

 

(強い・・・けどゴジョーさんが!)

 

そんな事を考えた所でシン・エジプトが突然強烈な蹴りを繰り出し対応出来なかったペルセウスを後ろに飛ばす

更に追撃、シン・エジプトも飛び上がり落下エネルギーも乗せた剣を振り下ろす

しかしペルセウスも刃が当たる寸前で横に回転回避、その先の岩で十分踏み込みヒロから打って出る

 

初撃はヒット、胴体パーツに一発入れた。しかし次の攻撃からはキッチリ防いだ上で反撃の機会を伺う

その打ち合いの最中、ヒロの目が少し光る

それに呼応されたのだろうかペルセウスの攻撃速度が少し上がった気がする

 

二機は再びピラミッドの頂上で対峙し剣をかわす

戦闘は更にヒートアップ。応酬はより激しいものとなっていく

 

ヒロは先程見たカイロ市街の惨状と逃げ惑っていた人々、助けてくれたゴジョーさんの事などを思い出していた

 

「ゴジョーさんを助けるためにも、世界を救うためにも僕は負けられないんです!」

 

ペルセウスが剣の振り下ろしをペルセウスソードで受けたあと自分の方へ力を引き込みシン・エジプトのバランスを崩す。そして回し蹴りでピラミッドから蹴り落とした

ペルセウスは攻撃の手は緩めない

蹴り落としたシン・エジプトに向けて飛び降りる。その最中に剣を平行突き上げてエネルギーを纏わせた

 

アタックファンクション

コスモスラッシュ

 

空中で予備動作を済ませたペルセウス、後はエネルギーと一体化した剣を振り下ろすのみ

 

 

 

─ルナside─────

 

朔の連続突きでゆっくりと確実に誘導する。目指させる場所は点在するオアシスの一つ。既にいくつかのオアシスに仕込みは済ませたのでミネルバとジャンヌDも誘導出来ている。と言うかフィールドに慣れて放っておいても撃破してしまいそうだ

 

そして畔まで追い込んだヌアビスを出力任せのシールドバッシュで水面に落とす

そして秘策、スタングレネード数個の水中起爆。水を走る電流がヌアビスを逃がさない。しかも水は関節の奥や戦闘中に出来たパーツの隙間に侵入、それが回路となり一時的に完全停止してしまう

 

「いやったぁ!それじゃあ終わりにしよう」

 

アタックファンクション

テンペストブレイド

 

巨大な光の刀身が嵐を纏い形成される。ムーンは天に飛び上がりそれを水面のヌアビスに振り下ろす

 

見ればジャンヌDもスタンさせ行動が鈍ったところにサイドワインダー8を撃ち込み撃破

 

「mission complete!」

 

ミネルバは追い込む前にかかと落としで顔パーツを叩き壊した後炎崩しで完全に破壊している

 

「いよっしゃぁ!」

 

─ヒロ君side─────

 

「はああぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

地上に落ちたシン・エジプトにコスモスラッシュが振り下ろされる動く暇もなくエネルギーの刃が直撃し爆煙に包まれた

 

「やりましたか!?」

 

煙が晴れる。だがシン・エジプトは負けじとぎこちなく手を伸ばす。しかしダメージは限界だった。青い光を散らせてブレイクオーバー

 

機体の戦闘不能に合わせて首の洗脳チョーカーが外れる

 

「うぐっ」

 

洗脳が急に解けて一時的に気を失ったM・ゴジョー 

 

「ラン、ここはヒロとルナに任せて私達で指令コンピューターを!」

「分かった!」

 

と、二人はなかに駆け込んでいく。その中でM・ゴジョーも目を覚ました

 

「・・・ここは?」

「ゴジョーさん、あなたはディテクターに操られていたんです」

「ヒロ君が貴方の事を助けたんだよ?」

 

頭を押さえよろけながら立ち上がる

記憶を辿っているらしく納得した様子でシン・エジプトを回収し立ち去ろうとする

 

「ちょっと、何かないの?」

『ブレインジャックが終わったならここに用はない』

 

と立ち去ってしまった

 

「・・・」

「礼の一つも無し・・・か」

 

M・ゴジョーが立ち去った後に指令コンピューターにワクチンをぶちこんだ二人が戻る

 

「あら?スレイブプレイヤーは?」

「帰っちゃいました・・・」

「まあ、確かに終わったし戻ろうよ。コブラも待ってるだろうし」

 

 

 

═カイロホテル エントランス════

来た道をそのまま戻りエントランスまで戻ってきた四人

取り敢えずコブラに事を報告する

 

「そんで何も無く立ち去って彼処に居ると、そう言うことか」

「はい。大体そんなところだよ」

 

ヒロだけは何か上の空だ。そしてなにやら突然慌て始めた

 

「ヒロ、どうかしたの?」

「ランさん大変です!このホテル爆発します!」

「「ええ!?」」

「おいおい。指令コンピューターなら無力化したはずだぜ?」

「まさか指令コンピューターは一つじゃない?いや、それならオタクロスから何か連絡が・・・」

「オタクロス、なにかあるか?」

『少し待っておれ・・・・・・・・・・・・・・・た、大変じゃあ!』

「どうしたオタクロス!」

「ヒロの言うとうりじゃ!ブレインジャックで処理能力が下がったからかホテルのボイラーがオーバーヒート寸前じゃぁ!最悪貯蔵されている燃料に誘爆してホテルが崩落を起こすデヨ!」

「なんだって!?聞いたなお前たち!俺は今すぐホテルのオーナーに連絡する。避難誘導の手伝いをしてくれ!」

「「「了解!/オスッ!」」」

「・・・あれ?」

 

ヒロだけはどこかに向かうM・ゴジョーの後ろ姿を見ていた

 

 

 

─ルナside─────

ひとまずホテル側と避難誘導を開始して間も無くランがヒロが居ないのに気が付いた

 

『コブラ!そう言えばヒロは?』

『そう言や・・・あいつまさか』

「あはは、そのまさかじゃないかな?」

『一人でボイラーの暴走を止めに言ったの?!無茶よ!』

「じゃあ手伝いに行こうよ!スルガからこう言うときに使えそうなLBXを借りてるんだ」

 

と言ってバッグをごそごそあさり一機の黒いLBX。オーディーンと同じ飛行形態をもつLBX『オリオン』のカスタムLBXオリオン・E(エクリプス)

しかしオレンジのクリスタルが無いなど機体の持つ雰囲気はガラリと変わっている詳細は河白スルガの改造集に乗っている

 

「スルガの説明書だと自律行動して捜索電波を中継してくれるみたいだよ」

『分かったわ、すぐに合流しましょう』

 

と、ホテルのエントランスに集合しオリオン・EにLBXとCCMを接続、オリオン・E、ムーン、ミネルバ、ジャンヌDはサーバールームを目指し移動を開始した

コブラのオペレートの元LBXは移動する。幸いこの四機は機動力は高いので時間は掛からなかった

そして部屋に入るそこには何かを見下ろすアキレス・ディードだった

 

「あれがアキレス・ディード?」

「ええ。見るのは初めてなの?」

「うーん、多分?」

「そんなことよりあいつヒロと、あれ?なんであいつがこんな所に?」

 

取り敢えずアキレス・ディードにちょっかいをかけるムーン、その隙にヒロとM・ゴジョーがコンソールを操作してボイラーを緊急停止させようとしている

 

「あいつ逃げる気?」

「あまり手合わせする気はなさそうだね」

「逃げる前に倒しきるよ!」

 

ミネルバが大ジャンプして倒しにかかる。しかし飛び回ることで回避せれる。さらにムーンの試作電磁機関銃とジャンヌDのスナップピストルとサイドワインダーが対空弾幕を張る

 

しかし全力で逃げの姿勢のアキレス・ディードは捉えきれない。しかしオリオン・Eがステルス性を生かす形で奇襲、飛行形態のまま空対空ミサイルを二本発射する

 

アクティブレーダーホーミング方式で追尾するミサイルはアキレス・ディードと共にダクトに侵入

いずれミサイルからの信号は途絶えた。撃墜出来たかは不明

 

それと同時にM・ゴジョーとヒロの手によってボイラーは停止されていた

 

 

═エジプト カイロ市街 ダックシャトル═════

一時的に大きなヘリポートに着陸しているダックシャトル。既にアメリカへの撤収の準備がされている

 

「あ!ゴジョーさん。アメリカに帰るなら一緒に乗っていきませんか?」

「ありがたいがもう少しここに居るつもりだ」

「そうなんですか?」

「休暇中だ」

「ヒロー!モウイクヨー!」

「あ、また会いましょうゴジョーさん!」

「ああ。頑張れよ。ヒーロー」

 

ゴジョーはそう言い残し観光に赴くのだった 

 



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暗殺予告状

═NICS本部 指令室════

丁度おんなじような時間に再集合した少年少女に少しの間休息の時間が訪れた

 

『ルナー、大丈夫?怪我とかしてない?あとカスタムLBX役にたった?』

「大丈夫!とっても役に立ったよ!」

「スルガさんすいません・・・ソルジャーを」

『うん?ああ、グラインドブレード使ったのね了解了解、カスタムビルドファクトリーに突っ込んどいて。勝手に直すわ』

「後で個人的なご相談があるのですが」

『ん?聞ける限りなら聞いてやるぞ』

「オメガダインの方は何か収穫は合ったかしら?」

「いや、完全に一敗食わされたな。残念だがMチップの危険性を証明出来るものは手に入れられなかった」

「スルガ君が一人で持ち帰ってきた情報だけが収穫だね。かなり不気味な物だけど」

 

と互いの成果の話はこれくらいに終わりイチャつき始めるカップルと年相応の話に移り変わっていった

 

召集が掛かる。スルガの持ち帰った情報を整理して共有した

やはりヒロ君と女子三人は風摩キリトの過去を聞いたときの反応はバンやジンと似たような物だった

そして次はキラードロイドの件だ。LBXだけを壊す兵器と言うところに反応したがレックスと言うところには反応は余りなかった

 

「そう言えばレックスって本当に日本に居るのか?」

 

ふとしたジンの疑問。ブルーキャッツから姿を消したり出国したりしたらシーカーや北島夫妻からの通報があるはずだ

それにいくらレックスとは言えシーカーと近所の目と言う監視網から逃げられるとは思えない

 

『居るはずだよ。バン、電話してみれば?』

「そうだね・・・時差は大丈夫かな?」

『電話掛けて良い時間かどうかと言われるとダメな時間じゃないかな?メールだけ飛ばしとけ』

「君たちの言うレックスとは、檜山蓮の事で良いかね?」

「はい」

「彼が何をしていたかはこちらでも把握している。今回のこれは彼の仕業では無いんだね?」

「檜山は日本に居るはずです。設計図だけを見る限り図面が引かれたのはブレインジャックが起こる前です。今なら兎も角一緒な家に居たスルガが日本に居る時ならこれだけの物を設計して気付かないとは思えない」

『ああ。レックスとは同じパソコン使ってたから間違いねえと思う。1日2日で作れるような内容でも無さそうだし』

「Mr.宇崎、バン君、ジン君、スルガ君、他にレックスを名乗る可能性のある人物の検討は付くかね?」

「付けられないと言うのが解答だ。伝説のLBXプレイヤーレックスの名を知るものは多い」

『一応世間的には死んでるからな。名前悪用してるなら見つけ出してボコボコにするだけ。なんでそいつレックスの名を語るのか、多分そこが鍵に成るだろう』

「・・・・・・・・・スルガ、レックスの家族って今どこに居るの?」

 

バンは何かを深く考えた後にスルガへ質問

 

『さあ?母親はストレスに耐えかねて自殺。親父さんは事故の怪我で間も無く死亡、妹は音信不通の行方知れずらしい。離れて十年以上立ってるらしくて本気で居場所の検討が付かないだとか』

 

シーカーの力使って探したけど見つからなかったけどな、と補足して話は終わった

 

「長官!カイオス長官!ホワイトハウスから大統領暗殺予告状が!」

 

 

 

─────

 

 

 

突然のA国大統領暗殺予告、会議は混乱を極めた

 

「大統領暗殺!?一体どういう事かしら?」

「はい。こちらを」

 

情報を持ってきたNICS職員の指がコンソールを踊る

表示されたのはホワイトハウス宛に来た犯行予告状だった

 

『我々ディテクターの世界征服を阻むA国大統領クラウディア・レネト お前を平和記念演説の壇上にて暗殺することをここに宣言する』

「犯行声明か」

「ねえ、平和記念演説って?」

「A国大統領の就任一周年を記念して行われる演説の事よ。一週間後に平和記念公園で行われるの」

 

ジェシカによる解説が入る

 

『長官、今のホワイトハウスとかCIAあたりの反応は?』

「暗殺は不可能だ。と言うことだ。大量の完全武装の警備員や最新鋭の哨戒機やヘリ、戦闘機、海にはA国海軍の空母含む第七機動艦隊と第三機動艦隊が配置される

更に平和記念公園付近一帯にはこちらの指定した通信以外を遮断する妨害電波も出される予定だ。無論この妨害する電波の中には範囲内のCCMから出る操作電波も含まれている」

 

「ならディテクターはどうやって暗殺を?・・・まさかLBX?」

 

バンの疑問が入る。しかしLBXの操作は出来ないはすだ

 

「山野博士からの犯行予測を見る限りLBXの可能性が一番高いな」

「「「えぇ!?」」」

「マングースから送られてきた添付データにはそう書かれていた。暗殺者は丁度同じ日に行われるLBX世界大会アルテミスに暗殺者を送り込み、そこから操作、大統領の暗殺を狙うと言うのが、山野博士の予測だ」

『バン、俺らの初陣みてえだな。俺遅刻したけど』

「確かに・・・」

 

皆が慌てるなか一人、ルナは冷静にスルガに質問する

 

「スルガ、直球で聞くけど、スルガならできる?」

『多分殺せるぞ?なんなら機龍もフルリンクシステムも無しで』

 

場が凍りついた。そりゃ大統領の殺害可能宣言をされたのだから

 

「どうするの?」

『カイオス長官、さっきの電波遮断は範囲内のCCMからと言っていたな?』

「あ、ああ、だが電波遮断は違法改造を施されているCCMの操作距離を考えてセットされる」

『アルテミスは当然範囲外、でも今の俺なら殺れる』

「だがスルガ、CCMの操作範囲は改造有りでも200mを越えることはないぞ。それにコントロールポットの電波、スパークブロード通信も真っ先に遮断されるだろう」

『俺が改造したLBX、オリオン・EはCCMの操作中継をするLBXだ。警備体制見た外側からの電波は受け取りそうだしざっとアルテミス会場から平和記念公園まで2kmと言ったところ、予備と補給含めて五機か六機用意すれば?』

「操作距離は解決する。と言うことか。LBXのサイズなら捕捉されることも無いだろう」

『そそっ。それに飛行形態のオリオン・EはLBXとは比べ物になら無いステルス性を持つ。元ネタが元ネタだし。光学迷彩無しでも海上迷彩塗って低空飛行してればまず気付かれないだろうな』

 

思ったより堅実で実現性の高いプランを出され何も言えない

 

「ジン、ユウヤ、俺たちでアルテミスに出よう。暗殺者を探し出すんだ」

「「ああ!/うん!」」

 

前回大会のファイナリストであるこの三人は自動的に参加資格を持つのだ

 

『じゃあ俺はこの成りを生かして平和記念公園で直接操作と行かせて貰いましょうか』

「スルガが行くなら私も行くよ!」

「よし。これよりNICSは大統領暗殺阻止の為に作戦行動に入る。バン君、ジン君、ユウヤ君。アルテミス会場での警戒は任せる。私は大統領に中止を打診してこよう」

 

とりあえず方針は決まった。そのときランが口を開く

 

「ねえ!あたしたちは?」

 

あからさまに不満を抱えている

 

「それなら私達もアルテミスに出れば良いんじゃない?アルテミスの出場枠は一つにつき三人よ」

 

それを聞いたランは気分を良くした。その一方でヒロだけは表情に影を落とす

 

「どうしたの?ヒロ?」

「いえ、僕の実力はバンさん達に比べれば大きく見劣りします、今のままじゃアルテミスに出場所かこれからの戦いだって・・・」

 

「もっと強くないたい。デヨ?」

「「うわぁ!」」

 

突然ヒロとランの足元に現れ二人を驚かせた。スルガもある大会情報を持ちながら続く

 

『俺らはイノベーターとか言うテロリスト共をぶっ飛ばす過程でいくつもの死線と修羅場を潜り抜けてきた。実力と覚悟も相当な解離があるだろう』

「ならば!修行デヨ!」

 

と、電子上のスルガがとある情報を提示した

 

『これは俺とバン、ジンが潜ってきた関門の一つ。世界で一番クレイジーな大会!ルール?マナー?道徳?倫理?そんなもん知ったことか!その大会の名はアングラビシダス!強くなって実力みるなら御あつらえ向きだと思うぜ』

「ヒロ、ラン、ジェシカ、おまんら三人にはこのアングラビシダスで優勝しアルテミスの出場権をブンどって来いデヨ!」

「はぁ!何で私まで?それにルナは?」

「ルナたんはレックスと箱の中の魔術師からみっちり修行を受けているデヨ、それに実力はスルガとタメを張るから強さは十分じゃ」

「ジェシカ、皆と同じ体験をする事も経験の内だ」

「でもパパ!」

「これは命令だ。ジェシカ、参加しなさい」

「親バカ・・・」 

「修行か・・・燃えてきた!」

 

『んじゃ一回日本に行くことになるか。会場は去年に続きブルーキャッツ。主催者のレックスに連絡先入れて無理矢理参加枠に捩じ込んで貰うわ』←運営費の大半を担う者

「ついでにバンの師匠、伝説のLBXプレイヤーからの指導も受けるデヨ!!そしてバン、ジン、ユウヤ!おまんら三人がコーチとなって三人を鍛えるベシ!」

「私とスルガはどうすればいい~?」

「そうじゃなぁ、状況を見つつ高度な柔軟性を維持して臨機応変に。デヨ」

『ただの行き当たりばったりじゃねえか』

 

スルガの突っ込みを最後にしダックシャトルで日本に戻る。スルガはNICSで製作していたカスタムLBX群を回収した

 

 

 

═ダックシャトル 太平洋上═════

オタクロスが久々にさくら零号機を動かしそれぞれのコンビを決定したあといざ特訓、と言ったタイミングでスルガが待ったをかけた

 

「どうしたんじゃ?スルガ」

『いやぁ、暗殺の件ちょいと疑問がな』

「方法ならスルガが言ったじゃないか」

『違う違う。殺り方じゃなくて動機が気になってな』

「動機?犯行予告の通りじゃないの?」

『ディテクターが暗殺なんてするのかなと』

 

少し前にスルガはオメガダインとディテクターは敵対関係でディテクターは何か一つの目的を持っていると言った。わざわざブレインジャックとか言う面倒な事をしておいてなんで今さら暗殺?と思った(事にした)のだ

それにカイロの指令コンピューターも加えた今までの共通点とは掠りもしない

 

「確かに変と言われれば変に思える。そこでブレインジャックを起こす。なら分かるが暗殺となると」

「偶然、と言ってしまえばそれまでな気がするけど」

 

ジンとジェシカの反応、やはりどちらにせよ懐疑的。殺っても可笑しくなさそうだ。と思っている

 

『まあ俺の予想だしジェシカの言う通り偶然の考えすぎかもしれんしな』

「その可能性も考慮すべきじゃな。まあ今は余計なことは考えず修行に専念せい」

 

 

 

───────

 

 

 

各ペア(バン&ヒロ・ジン&ジェシカ・ユウヤ&ラン)修行に打ち込んでいる。ルナとスルガから見て全員筋は良い

しかしランの突撃癖とジェシカのプライドはやはり修行の障害となっているようだ

 

ランは突撃癖はユウヤの言うことを聞かない原因だしジェシカはそのプライドで自分には修行は要らないと思っている

 

『よし。ヒロ、ラン、ジェシカ、俺の作った無人機群と戦ってみろ。それくらい倒せないとアングラビシダスなんて到底勝てないぞ』

 

ハンター改、ルナティックジョーカー、オリオン・E、灰従者、ブルド改・支援型、インビット・F(砲戦型)、マスターコマンダーの計七機

例のごとく改造内容は河白スルガの改造集~季節の魔改造を添えて~に乗ってるので悪しからず

 

「へぇ?私達に無人機なんかで挑むの?」

『今のお前ら、特にランとジェシカならこのカスタマイズで辛め取れるぞ』

「言ってくれるじゃない。上等よ!」

「はい!負けませんよ!」

「ミネルバ!」

「ジャンヌD、GO!!!」

「行きます!ペルセウスッ!」

 

map 港湾都市

ストリートレギュレーション

バトルスタート

 

無人機七機と言ってもブルド改支援型は出ず無いので六機、さらに前線に出るのは四機程だ

早速光学迷彩を使用したオリオン・Eが飛行を開始、索敵とマスターコマンダーからの操作を中継する

ハンター改はさっと身を隠し灰従者、インビット・F、ルナティックジョーカーが前進していく

 

そして早速オリオン・Eがペルセウス、ミネルバ、ジャンヌDを捕捉した。これは直ぐにマスターコマンダーに送信され無人機は本格的に動き出す

 

 

─────

 

 

「スルガさんのカスタマイズ相手です。油断せず行きましょう」

「確かにそうだね」

「そうね。確実に行きましょう」

 

警戒しながらゆっくり進む。上空には光学迷彩を起動したオリオン・Eが三機を監視していた

 

「上よ!ミサイル!」

 

早速ハンターからのスティンガーミサイルが撃ち込まれる。建物の影に隠れ直撃と爆風を防ぐ

そこに灰従者、ルナティックジョーカー、インビット・Fが襲来、混戦となる

インビット・Fはペルセウス、灰従者はミネルバ、ルナティックジョーカーはジャンヌDと戦闘に入りハンター改は虎視眈々と隙を見せたのを狙う

 

ペルセウスは爪の攻撃を防御、しかし右肩のバズーカが火を吹いた。ゼロ距離発射だが身を落とす事で対応する。その返す刀で二本の剣を斬り上げる

インビットはその攻撃を避けようとバックジャンプ、しかしペルセウスの行動は早く命中した。ただ装甲のお蔭で大きなダメージは無い

 

灰従者はグレイメイドの魔改造品、武器はコンバットソードの逆手持ち一振とトラップ用ワイヤー

ミネルバはやはり正面から堂々戦うようだ。突きの一撃を避けるかコンバットソードで受け止めミネルバの足を払う。だがリアル格闘家のランはそれすら次撃への足係りとした

 

ルナティックジョーカー二丁の短機関銃をリロードを最小限にするためとジャンヌDからの射撃を回避するため交互に射撃している。単発火力はスナップピストルが上だが量はジョーカーの方が上

お互い射撃を回避しながら撃つために沼に嵌まっている

 

「くっ、こんのぉ!」

「強い、今までの無人機とは比べ物に成らないです!」

「チィッ!動きが読まれてるみたい」

 

「凄いな。この三人と渡り合うなんて」

「スルガが操作してるわけじゃ無いんだよね?全部LBXが判断してるの?」

『無人機だからな。俺の過去の戦略データを元に行動パターンを組んである。鼻っ柱をへし折るには丁度良いだろうよ

イノベーターみたいに頭数揃えて喪失前提じゃないから一機一機強いぞ?』

「スルガ君、どんな操作系統になってるの?」

『マスコマ改造のマスターコマンダーが基本的に全機管制しててオリオン・E受信、一括して命令を振り分けてる。だから通信能力にわざとリソースを裂いてないんだ』

 

マスターコマンダーとオリオン・Eを用いた無人機管制は処理能力の高いコンピューターと接続する事で操作機を増やすことが出来る

 

『参考にしたのはブレインジャックだ。そしてマスターコマンダーのハッキング能力は健在。だから無理矢理その辺のLBXの操作系統に割り込めば規模の小さいブレインジャックも起こせる』

 

数に任せた大量突撃ドクトリンも出来るっちゃ出来る

と言うか個々の性能を生かした高度な無人戦闘にはスルガがその戦闘を行うLBXに専用のカスタマイズを施すことが必須になるのだ

 

「スルガ、マスターコマンダーかオリオンが撃破されたら無人機の動きは止まらないの?」

『お?気付いたかバン。擬似ブレインジャックでその辺の奴を操ってるとか以外なら無人運用前提カスタマイズされてるLBX群だからな。今は出てないけど弾切れ対策に支援用も作ってあるし長時間の戦闘にも十分に対応可能!露払いの戦闘しつつ撤退くらいは出来るんだわ。俺が弄ったLBXだ。簡単に撃破できると思うなよ?』

 

と、戦闘に目を落とすとハンター改の狙撃でミネルバが大ダメージを追っていた。大方戦いに夢中で広い所に引き出されたのだろう。あれほど狙撃には警戒しろと常々言ってるのに(ルナと戦う時の被撃破要因は大体遠距離攻撃)

灰従者はHPが半分を切っているがこいつら相手なら上出来だな。おっと戦線離脱?成る程指揮官の直衛に回すのか。

 

戦況はややヒロ側が押されている。頭数が減ったのが効いているらしい

「ヒロ、ここは私達が纏めて時間を稼ぐわ。今のうちに指揮官機を!」

「はい!おまかせします!」 

 

ペルセウスが戦線離脱、マスターコマンダーを目指す

インビットが肩バズーカと武器腕のマシンガンでペルセウスの追撃を行うがミネルバがそれを妨害

 

レギュレーション的にレーダーにはマスターコマンダーが写っているため走る

しかし先ほど戦線離脱した灰従者がペルセウスを襲撃した。だがペルセウスは止まらない

 

「うぉぉぉ!」

 

アタックファンクション

パワースラッシュ

 

右の剣にエネルギーが集まる途中であったがペルセウスはそのまま走り抜ける刹那に斬撃を放つ

アタックファンクションとしては中途半端な一撃だが既にHPが半分切っていた灰従者には致命傷だった

 

灰従者ブレイクオーバー

 

 

 

ミネルバとジャンヌDはムーン譲りのトリッキーな動きと格闘戦に交えた至近距離バズーカに翻弄されていた

 

「凄いじゃないか!ヒロ!」

「ランの援護もよく効いてたね」

「ジェシカの判断と思い切りも流石だ。押されてる状況で指揮官を落とす判断を即決した」

『やっぱりこの中で単体戦闘力はインビットが飛び抜けてるな。当面の目標は無人機カスタマイズで強さと汎用性のこいつ越えか・・・割りと直ぐに作れそうだな』

 

「ここっ!必殺ファンクション!」

 

アタックファンクション

炎崩し

 

見るとミネルバがインビットに炎崩しをクリーンヒットさせ見事撃破、ルナティックジョーカーも数の優位を失い追い込まれている

 

ペルセウスもマスターコマンダーに斬撃を放つ。その時何かにぶつかり撥ね飛ばされた

 

「なんです!?」

 

ペルセウスに衝突したのは地形追従飛行で突撃してきたオリオン・Eだ。飛行形態を解くと光学迷彩が解除され迅速にシューターSR34Cの射撃でペルセウスに牽制、マスターコマンダーも大型散弾銃ジュピターキャノンでペルセウスを近付けない

 

「くっ、こうなると簡単には・・・あ」

 

ヒロは以前にサブウェポンの有無をスルガに指摘されていた。それ以降使うかは置いておき装備しておいたのだ

ペルセウスはバレルのスピンアップを済ましハイパワーガトリングを持ち飛び出した瞬間撃ち始める

 

(確かスルガさんは・・・)

 

『複数の相手にレートや一発の威力の低い機関銃を撃つ時その場に長時間留まったら殺られると思え』

 

ガトリングの短時間射撃、一回の射撃時間は三秒未満

撃ったら横へ転がり再射撃を数回繰り返しオリオン・Eを撃退、今度こそマスターコマンダーに迫る

 

アタックファンクション

コスモスラッシュ

 

二本の剣を合わせたエネルギーの斬撃が地面を伝播しマスターコマンダーを撃破した

撃退したオリオン・Eはマスターコマンダーの撃破を受けて撤退した

 

 

─────

 

 

「敵の大将落としました!」

「ナイスよヒロ!こっちも決めるわ」

 

アタックファンクション

サイドワインダー8

 

しかしこの攻撃は届かずジョーカーが逃げながら弾幕を張りハンター改からスティンガーミサイルとストームツインガトリングの迎撃を受け全弾撃墜or外れ

そのままの勢いでジョーカーとハンターも撤退を開始する

 

「やはりスルガ君のカスタマイズは強いな。この三人相手に自律稼働型だけでよく・・・」

『ここが引き際か。思ったよりいい線行ってて驚いた。ここまで善戦するとは・・・いや、まだ終わってないわ』

「え?指揮官機落ちたじゃん」

『どうやら撃破際に一個指令を飛ばしたみてえだ。場が大きく動くぞ』

 

「撤退した?」

「おぉらぁーーー!逃がすかぁ!」

 

ミネルバが撤退したジョーカーを追跡する。ジョーカーの逃走速度は素早い。しかしミネルバは付いてくる

 

だがそれこそ罠だった。高い建物で見通しの悪い交差点の中心に来た時にミネルバの周りで突然上から降ってきた四つのグレネードSが起爆

 

ミネルバ、ブレイクオーバー

 

「えっ?嘘、何が起きたの!?」

「爆撃よ!」

 

無人機ならではの正確な時間調整だ。トリックはジョーカーがオリオン・EのグレネードSを急降下爆撃、地面への到達時間の少し前に交差点を通過し付いてきたミネルバだけが爆撃に巻き込まれると言う寸法だ

 

オリオン・Eはそのままの経路で撤退していった

 

ジャンヌDは素早い判断で爆撃を警戒しながら建物を迂回して回り込み手頃な建物の屋上へ

 

「ここからなら!」

 

飛び上がりルナティックジョーカーを見据える。ジャンヌDの方は見ていないのを確認しながらスナップピストル二丁を構えて撃鉄を起こし照準を定めた

銃口に光が反射、引き金に指を掛ける

 

「終わりよ!」

 

そして銃口から弾が吐き出された。その弾丸は真っ直ぐ目標の未来位置へ進む

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『あーあ、終わったなジェシカ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハンター改の狙撃がジャンヌDの側頭部を直撃した

ジョーカーが居たのは高い建物の隙間、つまり襲撃路は必然的に決まってくる。一番確率の高い場所を狙えるように陣取っていたのだ

 

「なっ!?」

 

ジャンヌDを撃破したハンター改、ジョーカーはペルセウスからの追撃を避けるため早々に撤退した

 

バトル結果、ルール的には無人機の全機撤退でヒロ達側の勝利だ

 

 

 

 

─────

 

 

 

 

戦闘結果分析の時間、最初にスルガからの評価が入る

 

『戦果発表だ。ヒロ二機、ラン二機、内灰従者は共同戦果!ジェシカ・・・零。まず一言、ここまで酷いとは思わなかったよ』

 

後半は完全にマスターコマンダーの掌の上だった。実戦だったら間違いなくミネルバとジャンヌDは破壊されていただろう

 

『んで皆様、どう思うよ?』

「ああ、完全に動きかたと思考を読み取られていた」

「ジン君の言う通りだ。ヒロ君の動きは流石だけどそれを利用される形になったね。ブレイクジャックを見てきてラン君は指揮がなくなれば集団的な行動は出来ないと思った。違うかい?」

「ちょっと悪いけど、スルガのカスタマイズの強さを抜きにしてもこれは・・・」

 

「ルールに則ればヒロ達の勝ちじゃが、無人機側の損害は六機の内三機じゃ。普通に負けじゃな」

『因みにマスターコマンダーの脅威度評価は一番高いのがヒロ君だった。低いのはラン。大方突撃癖見抜かれて嵌めやすいと思われたんだろ』

 

情け容赦無くボロクソに酷評していく。三人、特にランとジェシカは結果が結果だけに反論が出来ずに唇を噛み続けていた

 

『とまあこんな感じなんで頑張ってねー。やることがあるんでここで失礼するよ』

 

と、スルガの意識はミーティングルームのPCからシャルナックに乗り移り部屋から去る

 

 

さてと、ボロンカスに言ったがどう転ぶかな?



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久々の日本 アングラビシダスの呼び声

═トキオシティ═════

ダックシャトルがナリタ空港に着陸したのち休息程度に少し空港ビルを見回った。その後アングラビシダスが終わるまでのホテルにチェックインして部屋に来ていた

ルナとスルガは同室である

 

「体戻らなかったらどうするつもりなの?」

『どうした突然』

「それくらい考えてるだろうなって」

『あー、一応考えてないことは無いよ。適当に俺の姿見似せたアンドロイドでも作るか永遠にインフィニティネットの住人になって人類史をトロールしながら見守っかなって思ってる』 

「あ、やっぱり退屈しのぎはするんだね」

『よく分かってんじゃねえか』

「私はそんなスルガを愛してるんだよ。こんな私にした責任はちゃんと取ってよね?」

『おう。ルナが望むなら一生添い遂げ守る。その程度の覚悟は決まってるよ』

「うん。末長くお願いします」

 

と、活動を終える。スルガだけはホテルからトキオシアの旧シーカー本部へ向かった

 

 

 

─旧シーカー本部─────

時刻は大体朝8時、他のメンバーは昼から活動開始だ

しかしスルガはここに来ていた

 

『お久しぶりです。シーカー本部の皆様』

「おう。久し振りだな。スルガ」

『ありゃ?隊長さんもここに居たんですか』

「俺も居るぞ」

『レックスも?』

「スルガがここに来ると聞いてな。俺の名を騙る奴が居るなら話をしたいんじゃ無いかと思ったんだ」

『なら話は早い。早速見て欲しい物がある。オメガダインで拾ってきたこの設計図なんだが』

「・・・対LBX用の兵器か。何処と無くイフリートに近いものを感じる」

 

やはりか。まあ妹さんが世界憎んで作ったもんの一つでしょうしイフリートとは近縁なのかな?

 

『んでレックス自身に自分の名前を騙ってこんなもの作る奴に心当たりはある?』

「・・・妹は俺と同じ境遇に居た。世界を憎み怨んでいても可笑しくはない」

「レックスの境遇は俺も聞いてる。だが妹さんは行方不明なんだよな?」

『行方不明だからこそ。だ』

「俺、檜山蓮は世間的には死んだことになって妹は俺と顔つきは似ている。あいつは俺以上に追い込まれてたからな。俺の死を知ったら」 

「唯一の肉親を奪った世界に対しての復讐か」

『復讐で済めば良いが・・・この事は今はここの人達だけの話にしといてくれ。指令コンピューターの共通点の一つに同じ通信衛星を使ってると言う物があってな』

「通信衛星・・・まさか衛星兵器か!?」

 

実働部隊隊長はさすが鋭い

 

『通信衛星パラダイス。噂を漁っていたら超出力レーザーを備える衛星兵器だ。と言う話が出てきたんだ

きな臭くてパラダイス外装と建造データ、そしてパラダイスを観測していたエネルギー計の変化を出来る限り解析した。するとこれだ』

 

パラダイスの外装には地球側に向く方に何か変な装飾が存在している

建造記録にカイオス長官の権限を勝手に利用しても閲覧できない部分がありそこが丁度謎の外装の所

エネルギー計が不定期的に通信衛星では観測されない高エネルギーを発している

それを地球上の物事と照合するとA国以外の軍事、エネルギー関連施設が消失しているのだ

 

「こいつは・・・楽園には似ても似つかねえな」

「恐らくスルガの読み通りだろう。だがどうする?アメリカと言う国家においてこれは相当な機密事項の筈だ。下手するとスルガ、お前が危ないぞ」

『そーなのよ。下手こいたら俺は兎も角ルナが危ない』

 

今これをカイオス長官に報告書上げて副大統領ガーダインの目にでも止まればどうなることか。スルガは犯人を知っている上でどう動くかを考えている。今は身体を代償にネット上での隠密行動が容易でこういう事がしやすい

 

『せめてオメガダインと繋がってるやつを特定したい。

ディテクターが伝えたいメッセージがこれだと仮定するとオメガダインはパラダイスを利用するのにその協力者が必須の筈、だからそいつを消せばオメガダインの計画は頓挫する筈だ』

 

スルガはこれはアメリカと関係の無い組織であるシーカーしか対応出来ないと付け足した

 

「分かった。一応拓也さんにも内密で調査しておこう」

『お願いします。それとレックス、近い内に俺等に同行して貰うことになると思うからその時はよろしく』

「ああ。心しておこう。後結城から伝言を頼まれてててな」

『結城さんから?』

「今の社長が泡吹いてたらしい。お前が自分の研究データを全部抜いて消したから思い通りに行かなかったらしくてな。それにスルガの罠にかかって親玉から雷が落ちたようだ」

『はっ!良い気味だ』

 

スルガのフルリンクシステムの罠、つまりウイルス拾ってクリスターイングラムのデータの一部をボロボロにしたのだろう

しかも今のスルガは知ってる人以外からの認識は行方不明者、文句は言われない

 

その後もこの先のスルガの計画を共有し打ち合わせを繰り返しレックスへの贈り物を渡し昼になる

 

スルガはホテルの機龍へ戻りルナの寝顔を短い時間だが堪能し最高画質で保存した

 

═トキオシティ・ミソラ商店街════

拓也、コブラ、オタクロスはトキオシアのシーカー本部へ、バンたちはお昼過ぎにささっと特急でミソラ駅へ。駅を出ればそこはすぐに商店街だ

 

「ここがミソラ商店街かぁ。随分賑やかな場所ですね」

「ここはバンのお膝元的な場所だからね。結構人が来るみたいだよ。あ、私スルガとお菓子食べてから行く」

『スイーツならブルーキャッツにもあるからそこで我慢して?』

 

と短い会話をする内にレックスの所へ

 

「久し振りに来るなぁ。ブルーキャッツ」

「え?こんなところでアングラビシダスって開催されるの!?」

「あ!レックスさん!お久しぶりです!」

「いらっしゃい・・・お前たちか。スルガから話は聞いている。プラカードをcloseにしておいてくれ。早速案内しよう」

 

とレックスは早速皆を連れてカンウターの横の扉を開ける。少し地下に降りると大きな喧騒が聞こえ階段の先の扉を開けるとかつてバンやスルガが戦ったアングラビシダスの会場が目に入った

 

 

═アングラビシダス会場═════

 

 

「わぁ、喫茶店の地下にこんなところが」

「懐かしい。バン君と初めて戦ったのもここだった」

「ああ。そうだったな」

 

『おい皆!前回大会の優勝者様と準優勝者様が居やがるぜ!』

 

誰か(スルガ)がそんなこと言ったから全員がバンとジンに注目した。あっという間にバンとジンはもみくちゃにされ中央の強化ダンボールへとよいしょされLBXバトルへと駆り出される

 

「前回大会決勝の続きを見せてくれぇ!」

「ド派手に頼むぜぇ!世界大会優勝者!」

「負けんじゃねえぞ秒殺の皇帝!」

 

全員が全員思い思いの言葉を投げつける。しかしいつものような狂暴な感じではなく爽快な笑顔だったりして玩具を貰った子どものような顔をしている

前回大会の決勝戦は観戦者たちにとっては不完全燃焼で終わっていた。そのためあの時の続きが観れるかもしれないとなったら黙っちゃいない

 

「バン君、全力で行かせて貰う!トリトーン!」

「こっちこそ!エルシオン!」

 

「レディ、スゥゥゥゥゥ、バトルゥ!スタァートォ!」

「「「ワァァァァァァァァァ!!!」」」

 

その辺に居た奴が高らかにバトル開始を宣言。観客から大きな歓声が上がる

 

『やっぱりだ。皆アレの続きに飢えてたんだな』

「ここまで沸き上がったのは歴代のアングラビシダスを見ても久し振りだな。そうだヒロ、これを受け取れ」

 

バンとジンがバトルしてる横でヒロがレックスから見覚えがあるタブレットを受け取っていた

 

「去年のバンにも渡したがそこには登録選手のデータが入っている。存分に使うと良い」

「ヒロ、早速見せてくれるかしら?」

「私も見せてー」

 

ジェシカが中心となり三人は対戦相手の情報を閲覧しユウヤが助言をしながら対策を立てている。

 

「スルガ、ルナ、今年は出ないのか?」

『こんな状態ではさすがになぁ。リベンジはしたいけれども』

「私も考えたけど今年はあの三人の修行も兼ねてるし遠慮しておこうかな」

「そうか。ルナはシャルナックムーンの扱う腕は上がったか?」

「少しは上がってると思うけど今はリミッター掛けて貰って扱えてる。檜山さん後でバトルしようよ」

「ほう。楽しみにしておこう」

 

と喧騒から離れて三人で話し込んでいると

「檜山蓮、話がある」

と、珍しい来客者が現れた

 

「お前は・・・風摩キリトか。トキオシアでの一件は聴いている。大会出場を希望か?」

 

風摩キリト、しかし様子が明らかに変だ

 

『風摩キリト、疑問を当てよう。当てられたらお前の持つ情報をくれ』

「ああ。いいぜその代わり・・・」

「私達が持つ情報も提供、でしょ?」

「ここでは人目が多い。上へ行こうか」

 

═ブルーキャッツ════

 

レックスに連れられスルガとキリト、ルナが喫茶店へ移動した。とりあえずカウンター席に並んで座る

 

『さてと、まずは自己紹介だ。俺は河白スルガ。訳あってLBXに入って行動してる』 

「お前の事はどうでもいい。答えを聞かせろ」

『今キリト視点ではレックスが二人居る。オメガダインとここに』

「・・・正解だ」

「聞かせてくれないか?オメガダインに居る俺について」

「ああ。最近、と言っても少し前だが車椅子に乗った男がオメガダインに急に現れたんだ」

『身体的特徴などあれば助かるんだが』

「特徴っつってもコートを羽織っていて全身に包帯を巻いてるから素顔もろくに分かりやしねえが髪の色と目元はここに居る檜山蓮に似てるな」

「ほう。声はどうだ?」

「大分掠れてる。最初は檜山蓮はどこかで死んだと言う話を聞いたからそれがデマだと思ってたよ。だがアングラビシダスがここであると聞き付けて来てみれば」

「レックスがもう一人居た。そんなところ?」

「ああ。あとそいつは普段Dr.マミーとi「待て!今マミと言ったか!?」

 

レックスがマミと言う名前に目に見えて反応を見せた。それは当たり前だろう。自分に似ていてマミと言う名前、レックスの妹だ

 

『レックス、マミって確か』

「檜山真美、それが妹の名だ」

「まさか、そんな!?・・・いや、確かに兄妹なら似てるのも説明が付く・・・じゃあオメガダインは・・・」

 

まじかー、ここでキリト君動いちゃたかー。いやまあアングラビシダスをレックス名義で開催したからなんかアクション有るかなとは思ってたけど、直接来るとは思ってなかったなー

でもこの時点で正体が檜山真美だと看破した訳で。慎重に動かないと駄目そうですね

 

スルガの中での一番の問題は風摩キリトの動向だ。

このままこいつを帰してこの事をブチ蒔かれようものなら大筋すら崩壊しかねない

 

『分かった。ありがとう風摩キリト。逆にこちらの情報を提供しよう。具体的にはどんな情報が欲しい?』

「ディテクターの正体とか檜山真美の目的なんか俺にはどうでもいい。檜山蓮!俺とバトルしろ」

「ああ。俺は構わないが」

「スルガ、これ大丈夫なの?」

『風摩キリト、Dr.マミーの正体しばらく胸に秘めててくんね?今気付かれたら俺ら含めて各々の思惑が複雑骨折しかねないぞ』

「それで構わない。俺としても面倒事が増えそうだからな」 

「ねえ、風摩君?一つ聞きたいんだけどね」

「なんだ?」

「スルガとか拓也さんが言ってたんだけど戦闘を積み重ねたAIでまともな人格が生まれるとは思えないって」

「ッ!?関係無い!良いから戦え!」

「戦うんだろ?下へ行くぞ」

 

おっとレックス意外と闘争心に火が付いてますね?久々に全力出せそうでワクワクしてますな。しかしルナぶっ混んだなぁ。風摩キリトも心のどこかで分かってるのか

 

 

═ブルーキャッツ地下・アングラビシダス会場═══

バンとジンのバトルは終盤に差し掛かっている。それに会わせて回りもヒートアップし歓声はより一層強くなった

 

「ソコだっ!」

 

トリトーンのシーホースアンカーがエルシオンシールドを引っ掛け防御を剥がし突きを放つ

ハルバードで不完全ではあるが防御し後ろに飛ばされた

 

「止めだ!必殺ファンクション!」

 

アタックファンクション

インパクトカイザー

 

シーホースアンカーが地面を叩き割り溶岩を噴出させながらエルシオンへ

モーション中にエルシオンは槍を地面に突き刺し機体に無理矢理ブレーキを掛け反撃に出た

 

アタックファンクション

ライトニングランス

 

槍を回転させながら突きの姿勢に入りエネルギーが十分貯まった瞬間に突き出した

しかしアタックファンクションを繰り出すまでの時間の差は覆せずジンは必殺技を放った後反撃に備えて居た為防御されてしまいインパクトカイザーはエルシオンに直撃する

今日。今この時、勝利を掴んだのは海道ジンだった

 

ワァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!

 

決着の刹那、より強く大きな歓声が上がる!

熱き魂のバトルを見せつけてくた二人に溢れんばかりの称賛を送る

 

そしてスルガの大衆誘導で俺らも負けてられないな的な空気にして各々がバトルで腕磨きに励む

その中でレックスと風摩キリトの手合わせも行われていた

 

「スルガ!私達も久々にハメ外そようよ」

『ここなら身体無いことも気にするような奴は居ないし大丈夫か。行くぜ』

 

バトルの波に飛び込む二人、この日はバン&ジンコンビも下して全戦全勝を掴みとった

 

  



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スルガの暗躍とイタズラはまだまだ続く

═タイニーオービット社═════

今クリスターイングラム社の傘下に入っているタイニーオービットはバン達からすれば敵の根拠地の一つであり現在アルテミスに向けてアングラビシダス優勝のための修行中なので基本的に近付くことはない。

しかし一機のLBXが空からダクトに侵入していた

 

スルガは事前に仕掛けるイタズラの為の小型機器をタイニーオービットに搬入される段ボール放り込んでいる

よーし、相変わらずセキュリティはガバガバなままだな(スルガinオリオン・E)とりあえず結城さんと霧野秘書を探さないと

 

オリオン・Eは光学迷彩を纏いながらダクトの中を低速飛行して研究室を目指していたがここでトラブル

 

なんか居るし。なんでタイニーオービットのダクトに警備LBX(ウォーリアー改造品)が・・・いや俺だわ。『俺がイノベーターが侵入来てこないとも限らないぞ☆キラッ』って言ったのが残ってんのかー。しかも撃破したらしたで異常事態のアラームを鳴らす使用である。面倒臭いね

 

スルガは突っ切ることを選ぶ。オリオン・Eは電子戦能力が当然のように具わっているので強力なジャミングを掛けながら高速飛行して通過しクリアした

 

そしてレベル4研究室のダクトの終端まで来た。一応スルガの知らぬ人物(クリスターイングラム社員の可能性考慮)の位置を把握、最後の最後まで光学迷彩を張り結城さんのデスクの上で光学迷彩を解除した

 

「ッ!?・・・スルガ君?」

 

頷くオリオン・E

CCMに昼休みに近くの廃工場・・・でなく居酒屋の個室に来るよう頼んでおいた

結城さんはその辺の紙切れに『分かった』と書きそれを見たオリオン・Eは頷いて再び姿を消す

 

─────

 

次は霧野秘書を探しにに社長室へ

研究室から社長室はダクト上ではそこまで離れていないのでさっさと移動し社長室の様子を伺う

都合の良いことに赤鼻クソ野郎は居らず堂々と霧野秘書のデスクに飛び降りた

 

「キャッ!!!スルガさん!?」

『凄い驚いてますね。録音してないことが悔やまれる』

「結城から送られてきたメッセージはこう言うことですか、ご用件は?」

『昼に結城さんと近くの居酒屋に来てください。個室を取ってあります』

 

店の場所をCCMに送信した

 

『んじゃ俺はちょっとイタズラの仕込みするから失礼する』

 

と、短時間の会話をしてオリオン・Eはまたダクトの中へ戻っていく

 

「データ全削除の上にウイルスで大きな傷痕を残したのに彼は何を・・・」

 

 

─────

 

 

霧野秘書が危惧していたが至ってくだらないものである

侵入前に荷物に紛れ込ませた小型機械を回収して再びダクトへ。この小型機械は指向性スピーカーとカメラがつけられており簡単に言うと赤鼻クソ野郎が社長室に居ると誰かに向けて放屁の音を飛ばす。と言う技術力の無駄遣い極まり無いものである

効果は至って単純でこいつ屁こいたな・・・と言う疑心を植え付けるただそれだけの嫌がらせ特化型。音のパターンは何気に20種以上と無駄に豪華な作りだ

これを社長室のもう使われていない監視カメラ内部を取り出して仕込み下準備を全て済ませた

 

よしよし、これでストレス与え続けて毛根チャーチルにしてやるよ。まだ計画はあるからなヒッヒッヒッヒッ覚悟しとけよぉ?

と、無造作に社長席のパソコンとオリオン・Eを接続しハッキングのバックドアをセットした。ついでに怪しいエ□サイトに潜ってウイルスに感染させる事も忘れない

 

行方不明と言う肩書きを悪用し一通り飽きるまでイタズラした後またダクトを通じてタイニーオービット社から大空に飛び立ち次はアキハバラへ

 

 

═アキハバラ、オタクロスの部屋═════

ここに来た目的はハッカー軍団のリーダー格であるヤマネコに会うため。そしてある依頼をしに来た

 

「俺っちが来たぜ。スルガ」

『こんなところに来てもらって悪いね。早速依頼内容を話しても良いかい?』

「ああ。今回の報酬金額はこちらの言い値、でいいんだろ?」

『その上で出来高付けてやるわ。んで依頼なんだけどシーカーと協力して指令コンピューターの事前捜索と共通点の炙り出し、日本にあるならついでに無力化とアメリカ政府内のオメガダインと通じてる奴を絞ってくれないか?』

「指令コンピューターの方は簡単だろうがオメガダインの協力者ねぇ。背景を聞かせろ」

『おーけー。簡単に言わせてもらうとオメガダインとディテクターは敵対してる。まだ仮説段階だがディテクターはA国政府一部とオメガダインが共謀して通信衛星パラダイスを使って悪いことしてる。と伝えたいんじゃ無いかとね』

「通信衛星パラダイス、あぁ、悪い噂があるあれか。分かったぜ。その依頼受けよう。A国の機密を調べるリスク含めて報酬は前金で1000万は欲しいなぁ?」

『了解。シーカーとの連携は前の通りだ。この身体じゃクレジットの受け渡しは出来んからシーカー経由で貰ってくれ』

「あいよ。これからもご贔屓に。あと頼まれてたバッテリーリペアもな」

『サンキュー。また頼りにさせて貰うぜ』

 

スルガは何度かハッカー軍団に依頼を出している。大半はフルリンクシステムデータ目的の輩を逆ハッキングで特定してくれやこいつの過去の経歴調べてくれ等が多い

 

とさっさと取引を済ませて今度はタイニーオービット社近くの居酒屋へ飛行する

 

 

 

═居酒屋════

またもや通気ダクトから侵入しスルガの予約した個室に入った。こう言う時にオリオン・Eのステルス機能と飛行形態は便利だ。気付かれずに色々裏工作ができる。日本にいる内に他にも済ませたいことがあるのだ

 

「あ、スルガ君かい?」

『お?二人とも御揃いで。最近タイニーオービットはどうですか?』

「クリスターイングラム社の傘下に入って一部の研究開発に制限が掛けられています。スルガ君の技術は法律の壁があって利用させてませんが」

「技術と研究データが持ってかれて技術部としても辛いよ。スルガ君が消してったデータ以外は抜かれたんじゃないかなぁ。オーディーンだって持ってかれかけたし持ち主がバン君じゃなきゃ危なかった」

『そっちはそっちで大変なんですね。所でオーディーンの修理は終わってるんです?』

「一応ね。データ収集の一環としてだけど」

『なら適当なタイミングでバンに回収頼んどきますわ。これ以上好き勝手させねえよ』

「スルガ様、ウイルスの被害なのですが」

『おっと?俺に請求くるの?』

「いえ、被害報告だけです。本社にも転送されてしまったウイルスはかなり深刻な損害を出したそうです。具体的には五年分の重要な研究データがまとめて消え去ったとか」

『ハッハッハッハ!!!』

 

クリスターイングラム程の大企業の五年分の研究データとか一体何クレジットの損害になるんやろなぁw

 

『社長禿げた?禿げた?』

「髪量は分かりかねますが先程自身のパソコンのウイルス駆除に躍起になっていました。それと本社では降格の検討されていると言う噂も聞きました」

『そっかーw今度は社長席の真上に徐毛液仕込んどくか。毎日少ーしずつ垂れるようにして円形脱毛症で通院させよ』

 

製作開始するのは帰ってすぐの話だ

 

「それでどうしたんだい?急に呼び出して」

『タイニーオービットでのクリスターイングラムの細かな動向と噂話的な物が知りたくて。最近結構情報が貯まってきてそろそろターニングポイントを迎えそうで一つでも多くの情報が欲しいんです。少しでも判断をミスする材料を減らしたい』

「分かりました。私も多くを知るわけではないので参考になるか分かりませんが知る限りお教えします」

「僕も協力するよ」

『有り難い限りです。クリスターイングラムに関してはあまり情報がないんですよね。どうやって関わっているのか分からないので本当に不気味。と言うか本当に関わっているのか、それが分からない』

 

アニメとかゲームでも具体的な話無かったからなー。この立場になって初めてまともに考えるけどもあいつら特に悪さして無くね?もしかしなくてもタイニーオービット買収したことが唯一の見せ場の可能性が・・・?

しかも俺のウイルスのせいで痛手しか被ってない?

 

そして霧野秘書から会社の現状とクリスターイングラムの噂話とタイニーオービットから持ち出された技術を一通り教えて貰った

しかし持ち出された技術を見てもまあ盗れる時に盗るよねってのばっかしで特に目ぼしい物はなかったと言っておこう

 

 



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二人のバトル

═2日後スルガ自宅═════

アングラビシダスまで丁度一週間後

ヒロ、ラン、ジェシカが修行に明け暮れている間にスルガはルナと帰宅していた。今は目的も特に無く、裏工作も思いの外順調に進んでいるので今はアポの関係で出来ることはない。今のスルガはソルジャーに入っている

 

後はジン経由の情報でサイバーランススルガに接触しようとしていたらしいので後々上手く利用してやろう程度・・・いや、ジン経由でクリスターイングラムの情報探らせるか。アングラビシダスが済んだら頼んどこう

 

後ホワイトハウスの動向も気になるな。特に副大統領に動きがバレてたら色々面倒なことになる。最悪一人でA国とサイバー戦争して一足先にミゼルになる覚悟だけしておくか

 

「スルガ、今何をたくらんでるの?」

『別に何も?皆に言った通りだけど?』

「じゃあ昨日どこに行ってたの?誰にもナイショで」

『・・・これを言ったらルナも危ない。身体が無い今だからこそ渡れる危ない綱で片足だけで渡ってる。動きを間違えば俺が世界の敵になりかねないんだ』

 

するとルナはソルジャーを両手で優しく包み胸へ寄せる

 

「私はこんな時にスルガが間違ったことをする事は無いだろうけどあんまり危ないと私も心配でどうにかなりそうになっちゃう」

『・・・今の俺の行動は決して誉められたものではない、むしろ貶されるべき行為。それが世界を守るためと言ってもだ。俺はルナ以外の大体全てを疑ってる。人として最低な野郎だよ』

 

スルガにも思うところはある。しかし後には退けないのだ

 

「私はどこまで行ってもスルガを信じるし着いていく。それが皆の幸せになると分かってるからね」

『そうか』

 

「ちょっと恥ずかしい話だけど私はスルガの事を太陽だと思ってる。それで私は月。二人で一緒に地球を照らす天体、昼も夜もね」

『おいおい、新月の時はどうするんだ?真っ暗だぞ』

「その時は私とスルガがお互いだけを見てる時間、それくらい合ったっていいじゃない」

 

それから暫く二人は何も言葉を発さず身を寄せていた

スルガにバトルを挑みに来たヒロが訪ねてくるまでそのまま。ヒロには肩を寄せ合う二人の姿が見えたと言う

 

 

 

──────

 

 

 

追加でラン、ジェシカ、レックスも訪ねてきた。コーチの姿は見えない。どうやらバンはタイニーオービットへオーディーンの回収、ジンはサイバーランスにトリトーンとゼノンのメンテナンス、ユウヤは分からない

 

三人の目的は率直に言うとリベンジだ。無人機群に蹴散らされたり普通にタイマン張って絡め取られて負けたりした

 

「お二人でゆったりしてるところごめんなさい」

『いやいや構わんよ。お前らの気持ちは分かってるつもりだから』

「うん。ちょっとしんみりした空気だったからちょうど良い口直しに」

「今度はあんな負け方しないわ!覚悟なさい!」

「私もリベンジだ!特訓の成果みせたげる!」

「スルガ、舐めてかかるとやられるぞ?」

 

レックスから聞くところによるとこの3日で大成長したらしく最初レックスとタイマンして最初20秒持たなかったのが一分は持ちこたえられるようになったらしい(黒星が無い当たりレックスは本気で強い)

無人機戦で鼻っ柱をへし折ったのがよっぽど効いたみたいだ

 

『おーけー、早速やろうか』

 

ソルジャーDのままレックスが投げたDキューブ内に飛び込む。オーバーロード持ちのヒロ君と殺り合うならオーバーセンスは必須だろう。レックスならオーバーロードもろとも正面から粉砕してそうだけど

 

「行くよ、ムーン!」

「ジャンヌD、GO!!!」

「やるよ!ミネルバ!」

「行きます!ペルセウスッ」

 

 

map 峡谷 ストリートレギュレーション

バトルスタート

 

ソルジャーDとムーンは二手に別れ谷間を移動。レーダー情報だと三機は離れずに谷の上を移動してソルジャーDの方に向かっている

 

三人側の考えはこうである。合流させたら終わりだと(最近コンビ戦でレックスも倒した)

ストライダーと高速型ナイトフレーム、逃げ足も少し劣る。しかも相手は崖上、一方的に撃ち下ろされてはたまったものではない

 

「見つけたわ!作戦通り行くわよ!」

「「分かりました/いよっしゃあ」」

 

ジェシカが指揮官ポジションなのは変わってないか。ルナとの合流は警戒してるはず、短期決戦で来たか

 

ジャンヌDが狙撃警戒で少し降りた谷の上部から牽制射撃、ミネルバとペルセウスはそのまま谷の中に降りて挟撃の姿勢をとった

 

「スルガ、行かなくて大丈夫?」

チャット『任せる。俺が負けても場を整えればルナは勝てるはずだ』

 

クサナギを構えてジャンヌD警戒でスモークグレネードを起爆、即座に赤外線カメラに切り替え戦闘開始

 

「ジェシカさん!」

「OK!その程度お見通しよ」

 

ジャンヌDがグレネードSを放り込み空中起爆、煙を爆風で掻き消した

 

『うおっ、まじか』

 

ソルジャーは片手の魔改造コマンドハンドガンでミネルバを牽制、まだオーバーセンスは使わずペルセウスの初撃を防御、押し返し接近してくるミネルバには至近距離の連射、上にはグレネード。ミネルバと場所を入れ換えたいスルガだが挟み撃ちの体制だけは崩そうとしない

 

チッそんなに簡単には行かないか。しかし予想以上に上からの攻撃が厄介だ。

 

「スルガ、今応援に行くね」

チャット『終わったのか?』

「いつでもいいよ」

チャット『ならそっちに少しずつ引き込む。上からの攻撃が鬱陶しいからお願い』

「分かった」

 

変わる変わるに攻撃を仕掛けてくる二機を流しながら銃撃を回避する

くっつかれたら銃撃は来ない?いや引っ付いない時に撃たれるだけ面倒か、上とられたの結構厄介だなぁ。少し被弾するし

まあオーバーセンス無しでもなんとか捌けるからルナが来るまでリズム乱しつつ耐久か

 

「スルガさん!負けません!」

『こい!若人よ』

「今度は負けないからね!」

 

かなり綿密に作戦を建ててきたようだ

ペルセウスの攻撃速度といやらしさはだいぶ上がっている。盾は無いのでクサナギで受けきらねば恐らくリズムに乗られやられるだろう

ミネルバの動きもとにかく攻め攻めでは無く、油断せず攻めてくるようになったので今までのいなし方が通用しなくなっている。時折ウォールマインを置いて起爆し即席の壁を作ることで凌げているがいつまで持つか

たまのスモークグレネードを投げても爆風で掻き消しされ反攻に出られない

とにかく攻めの連続に反撃の時間が無く防御と牽制にリソースをほぼ裂く。時々崖の壁面を一部崩落させ引っ掻き回した

 

「スルガ!使って!」

 

ムーンが自分の盾をソルジャーDに投げる

 

『おっ、サンキュー、そのまま頼むぜ?』

「任せて!」

 

ムーンは試作電磁機関銃でジャンヌDへ攻撃開始

 

「取らせるかっての!」

 

ミネルバが跳躍し空中の盾を蹴り飛ばそうとする

しかしソルジャーは取りに行く素振りを見せなかった

ペルセウス相手にウォールマインで壁を生成すると魔改造コマンドハンドガン二丁を構え全弾連射、すぐに捨ててペルセウスと対峙する

 

「うわっ!」

 

半分位がミネルバにヒットし空中で姿勢を崩して落下していく。挟み撃ちと上の心配が消え去りスルガは一転攻勢に出る

 

「なんの打ち合わせもなしにそんなコンビネーションを・・・さすがのお二人ですね」

 

ルナが盾を投げたのはスルガが盾を使うからではなく使うと思いソルジャーの手に渡ることへの阻止行動で一時的にでも挟撃を無くすのが目的だった

 

さらに至近距離でのウォールマイン炸裂で怯んでいたペルセウスにドライブ込みの凄まじい突きを放つ

 

「ぐっ!」

 

2本の剣を重ねてギリギリで軌道をそらしたが容赦なく次の斬撃がソルジャーから振り下ろされる

 

 

─────

 

 

ムーンは試作電磁機関銃の弾速と射程を生かしてスナップピストンの射程外からジャンヌDを翻弄、ジェシカは射程の関係で当たっても大したダメージにならず接近しようとするが立体機動で撒かれてしまう

 

ジェシカがこの二人を打ち破るために建てた作戦はスルガを立体的に包囲し封じ込めて撃破したあとルナを落とす物だったがスルガの抵抗が想定以上で作戦が崩れてしまった。見立てが甘いね

 

「もう少し、もう少し近付ければ」

「・・・あんまり近付こうとするのも良くないんじゃない?」

 

ムーンが放たれた銃弾の回避にスルガとは別の谷の中へ

ジャンヌDも追撃し降りていく

しかし降りた先はワイヤー地帯、ルナの舞台であった

 

スモークの掻き消しにグレネードは使ってもう吹き飛ばせる程の数は無くメイン武器が二丁拳銃のジャンヌDでは今ワイヤーを切る有用な手立ては無い

迷わず銃撃しながらワイヤー地帯からの離脱を試みるがワイヤー伝いで突然空中で機動を変えたり張力を利用して瞬間的にあり得ない速度で跳躍するムーン

逃げても逃げてもその先を押さえられ朔での刺突が飛んでくる。

 

「どんな事したらそんな足場でそんな戦い方出来るのよ!?」

「私のセンスとスルガの技術、かな?」

 

ワイヤー戦闘術自体は仙道ダイキ、レックスとシャルナックを使ったスルガも出来る。一応移動手段限定ならアミとジン、バンも出来ないこともない。それ程までに難しいものなのだ

しかしどうであろう、無重力空間であるかのように高速で、縦横無尽に飛び回っている。ルナだけワイヤー戦闘術の練度がおかしいのだ

 

ジャンヌDでは目視することが目一杯でそんな時に弾なんぞ無駄遣いにしかならずムーンは間も無く撃破に掛かる時だった

 

「おおりゃぁぁぁぁぁ!!」

 

崖上からミネルバのライダーキック、だがムーンはワイヤーを掴んで空中でワイヤーに立ち(!?)カブト式ライダーキックで地面に蹴り落とした。ちなみにスルガの入れ知恵である

 

「嘘ぉ!?」

 

ミネルバは受け身を取りダメージを最小限に抑える。しかし舞台に上がってしまった

 

「ラン、ここは彼女のフィールドよ。なんとか抜け出さないと」

「ワイヤーなんて、こうすればいいでしょ!」

 

ランは刺突武器のクローでワイヤーを引っ掛けて力ずくに壁から引き抜いた

 

「わお、スルガが結構頑丈に作ったのを引っこ抜くなんて」

 

ミネルバはジャンヌDの牽制の下次々ワイヤーを引き抜いていく。ムーンはその銃撃をかすらせもせず二機に接近しミネルバに朔を突き出す

 

「セイッ!」

 

ミネルバな回避、即座に反撃に出たが直ぐにワイヤーの中へムーンは退避する

 

(どうしようか、流石に接近戦でこの二人を相手にするのは大変だし・・・ワイヤーは移動手段だけじゃ無いか)

 

ムーンがまたワイヤーや壁を使い立体複雑機動を取り始める

 

「ジェシカ、来るよ!」

 

背中合わせでムーンの迎撃体勢を整えた。が

突然二機が強く衝突した。離れようとしても離れられ無い

 

「え?」

「ワイヤーは足場だけじゃ無いんだよ!」

「締め付けられてる!?」

 

ミネルバが引き千切ろうとするが引っこ抜くより数倍の力がいる行動。だが引き千切れたとしてもう遅い

 

アタックファンクション

テンペストブレイド

 

巨大な光の剣が振り下ろされる方が圧倒的に早かった

ワイヤーで締め付けられ身動きがまともに取れずエネルギーの塊に飲み込まれた

 

ジャンヌD、ミネルバ ブレイクオーバー

 



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限界の、その先へ

═バトル中════

「くっ、やられたわ」

「スルガ、援護いく?・・・スルガ?」

「ヒロ、後は頼ん・・・ヒロ?」

 

二人に声を掛けるも一切の返答がない。端から聞こえていないかのようだ

さて、なぜここまでヒートアップしてるのか、時を戻そう

 

─────

 

谷の中で斬り合う二機、片やオーバーロードを発動させそれに対応してオーバーセンスを発動、普通の人間では対応出来ないであろう次元の戦いにレックスすら息を飲む

 

ソルジャーの横凪を受け止めもう片方を上から振り下ろす クサナギで受け太刀の流れで下から一閃 ペルセウス少し退き剣で突きを放つ 左腕装甲で攻撃を貰い逆手持ちして首関節を狙う 身を屈めて回避しそのままサマーソルトキック 頭に直撃し怯むがタックルで返す 剣交差させ防御 防御外の所にクサナギが突き立てられる ペルセウスも仰け反るが上手く機体を捻りそのまま横回し蹴り ドライブシステムで後ろに走り込み左肘での打撃 ペルセウスは打撃で相殺し振り向き様に蹴り 右腕で受け止めて左でフック 仰け反り回避し双剣を振り下ろす 直撃覚悟で横凪の攻撃をくりだす 両者直撃し大きく怯む

 

攻撃したかと思えば防ぎ、防いだ瞬間に攻撃が繰り出されている。そんな事の連続だ

ソルジャーDからはLBXとの精神同調が深くなっていることを証明する白いオーラが漏れている

 

グッ、頭が可笑しくなりそうだ。オーバーセンスの未来予知が変化し続けてやがる!

 

(次々違う映像が頭の中にッ!)

 

二人共未来視に近い能力を使っている。攻撃側は防御を見て攻撃しようとすると同時に防御側も攻撃の先見をして防御か回避する。しかも対応を取れば相手がそれを見るので実際に攻撃するまでに外からでは分からない所、一瞬だけで精神上有に20回を超える戦いをしているのだ 

 

しかし、二人の身体と精神が耐えられても機体が煙と悲鳴を上げていた。連続した超高速稼働で駆動部や処理に莫大な負荷がかかり制御基盤などがオーバーヒートを起し各部から煙が上がる

 

お互い決着を急ぎ更に激化していく

生まれ持った力と後から手に入れた力。どちらが上なのか。機体の限界などは既に越えた。相手を打倒するため二機は最後の一手を打つ

 

アタックファンクション

コスモスラッシュ

 

アタックファンクション

ブリッツフレイム

 

ペルセウスはペルセウスソードを合わせ巨大なエネルギーの剣を作り出し振り下ろす

ソルジャーDは持つクサナギに通常より大きな炎を纏わせ機体を前に押し出し上から斜めに斬り上げる

 

「はァァァァァァァァァァァァァァァ!」

『終わりだァァァァァァァァァァァァ!』

 

巨大なエネルギーの剣は直接ソルジャーDへ

炎の刃は空気すら焦がしペルセウスへ

 

決着は・・・ 

 

 

 

═キタジマ模型店═════

レックスはブルーキャッツに戻り何気にメンバー全員集合したキタジマ模型店、先の戦闘でぶっ壊れたペルセウスとソルジャーDが持ち込まれる

 

「ヒロ、ペルセウス一体どうしたの?それにソルジャーも」

「この二人のバトルが激しすぎて壊れちゃったの」

「凄かったわよ。この二人」

「へえ。見たかったなぁ」

「戦闘記録は撮ってあるわ。見てよこれ」

 

ジェシカのCCMをキタジマ模型店の画面に繋ぎスルガとヒロの戦いが再生された

最後、アタックファンクションの撃ち合いを制したのはスルガとソルジャーDでコスモスラッシュが直撃する寸前にブリッツフレイムがクリティカルヒットしペルセウスを撃破した

 

「これは・・・俺やジンより動きが早い。スゴいじゃないかヒロ!ここまで強くなったなんて」

「まるでお互いの次の動きが見えているようだ。とても人間技には見えないな」

 

と見てない師匠三人が食い入るように見る中キタジマ店長はソルジャーとペルセウスの故障点を洗い出していた

 

「これは酷いな。二機ともアーマーフレームもコアスケルトンも歪んでて駆動部も焼き付いて完全に故障してる。全交換コースだな。それにソルジャーのCPUとバッテリーも溶けて使い物にならんな。何で動いてたのか気になるくらいだ」 

 

アーマーフレームの手や足の駆動部に近い部分は溶けてコアスケルトンに張り付いている

しかもコアスケルトンの中からも異臭が絶えない

 

「うわー、あたしも結構戦い方荒い方だけどここまで壊したことはないよ」

「なんとかなりませんか?」

「うーん、ソルジャーは総取っ替えで何とかなるかもしれんが、ペルセウスは山野博士製でコアスケルトンが特殊でな、俺じゃちょっと手が出せない、どうするか」

「バンのお父さんイギリスに居るんだよねぇ、修理頼んでもアングラビシダスまでに間に合うかどうか」

 

幸いと言うか、フルリンクシステム回りは無事であった

オーバーセンス使えるシステム喪失とかウルトラショック過ぎる

一応カスタムビルドファクトリーは持ってきている

ソルジャーDの修理は可能だがペルセウスとなるとコアスケルトンの大部分に手を入れる必要が有り無事直っても最悪Σオービスに成れなくなるかもしれないのだ。まあオーバードウェポンあるし無くても何とか成るっちゃ何とか成る

 

「スルガさん、一つだけ頼みたい事が有るんですが」

『うん?どしたの?』

「ペルセウスにもドライブシステムって付けれないですか?」

 

すいません博士、Σオービスは諦めた方が良いようです

 

『付けれるが操作の癖が強いぞ?アングラビシダスが控えてる現状あんまりオススメ出来ないけどな』

「だからこそです!今なら練習の時間が確保できます!」

『えー・・・まあ、分かった。だが最初は足先だけソルジャーDに換装してバンの判断でアングラビシダスまでに使いこなせそうならペルセウスも改造する』

「ありがとうございます!」

『ただ店長ぉー、ペルセウス直りますかね』

「うむ、そこなんだよなぁ。何時もならタイニーオービットへ持ち込むがそれが出来ないとなると」

『時間掛けても良いならファクトリーに叩き込めば徹夜の突貫作業で直すけど、店長、ソルジャーDの足回りの修理だけ任せたいんですが』

「それなら御安いご用だ」

『ヒロ君、今夜ペルセウス預かる。死ぬ気で直すわ。バン、修理おわるまでヒロにはオーディーンでも使わせとけ』

「そうだね。スルガよろしく頼むよ」

『店長、俺ここで徹夜するからよろしく。材料と修理費は後で纏めて払うよ』

「あいよ」

 

店長とスルガのやり取りの裏ではヒロが質問責めにあっていた

 

 

 

═キタジマ模型店════

時刻は11時を越えソルジャーDの足回りの修理を既に終わらせて店長は既に夢の中、店内でペルセウスのセットされたカスタムビルドファクトリーだけが稼働している

 

・・・・・・・・・やることが多いなぁ。応急措置で取り敢えずまた曲げ直してアーマーフレームだけ山野博士に注文掛けとかないと完全には直らん

しかしこうコアスケルトンの内部構造見ると変形ギミック修復の邪魔・・・丸一日は掛かりそうだな

 



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三人の修行と裏工作の結果

═キタジマ模型店════

結局ペルセウスの修理は合体機構が組み込まれるであろう所を残し直すのは至難の技であった

その事でバン、ヒロ、ランを呼び出したのだ

 

「ペルセウス、直りそうですか?」

『一応何とかなる。が一つ障害があってな』

「障害?俺とランにも関係するの?」

『ああ。どうも構造が妙でな。エルシオン、ミネルバの構造と比較したらドンピシャり、お前らの三機には恐らく合体機能が乗せられる』

「「「合体!?」」」

『説明するより見て貰った方が早いな。ほい』 

 

店内のモニターを借りて三機のコアスケルトンとアーマーフレームが電子上で作り出され装着される

そしてそれぞれパーツが分離、結合していき作り出されたのはΣオービスだ

 

『山野博士はこれを前提に三機を作ったんだろう。俺がこの機構を残しつつ修理するのはハッキリ言って至難の技で時間がかかる。付きっきりで二日って所だな』

「スルガ、この改造ってスルガにも出来る?」

『組み立てるだけなら。だけど戻せるか分からんから山野博士に丸投げしとくのが一番だな』

「合体LBX!カッコイイです!」

「なんだっけ?前言ってたキラードロイドへの対抗策ってやつ?」

「じゃないかな?父さんはそこまで予想してたんだ」

『予測してたかはともかく、三人の新しい力となるのは確実だろうよ。話しはここまでだ。ペルセウスの修理ももう少し時間が掛かりそうなんだよ、取り敢えずオーディーンにソルジャーDの足くっ付けるからバン、見極め頼んだぜ』

「うん。分かったよ」

 

 

 

═ブルーキャッツ地下═════

 

 

それでヒロの見極めの為にオーディーンの足先だけをソルジャーDのモノに換装し送り出し修理に付きっきりのスルガをおいて修行に来ている。それで今日はアミも来ていた

 

「ヒロ、オーディーンの操作は翼の重量移動も気にしながらするんだよ」

「分かりましたバンさん!」

 

ヒロの操るオーディーンはペルセウスソードを持ちタイヤでステージ内を走り回り逃げるエルシオンを追いかけてつつ仕留めにかかっている

 

 

「ハァ!セイッ!セリャ!」

 

ミネルバクローとミネルバの体術がリュウビに繰り出されリュウビは器用に盾で受け流す

 

「流石だねラン君。どんどん一撃の精度が上がってる」

「ありがとうございます!先生!」

 

 

「ここよ!」

 

ジャンヌDの銃弾がトリトーンを捉える。が全て回避

 

「前よりも予測しにくい機動を取っているな。だが連射で一点を狙うと避けられやすいぞ」

「OK!!」

 

と各々の修練は順調に進んでおりアングラビシダスまで一週間を切っている。事前にスルガの無人機でプライドをへし折ったので成長が早い

 

レックスやジン等により時折行われる作戦や戦術に関する座学にはその場に居合わせた一般人も参加しあーでもないこーでもないと議論を交わし最終的にLBXバトルで実証すると言う流れも出来て皆で高め合う良い空気が出来ている

 

「皆よくやってるね~」

「そうね。私も負けてられないわ。いつか私も合流するつもりだしそのときに笑われ無いようにしないと」

 

アングラビシダスにはアミもこれからのための準備体操を兼ねて参加予定らしい

 

「ああ。全体のレベルが上がって云い兆候だ」

「これもレックスの教え方がうまいからじゃない?さっきスルガにこの事送ったら俺も行きたい!!ってメッセージ来たよ」

 

しかし哀れ。スルガはまだペルセウスに付きっきりで動けない。伝説のLBXプレイヤーからの座学など超が付く程貴重なのだ

 

「皆LBXの事が好きなんだ・・・この人達のためにもディテクターを、その示す先を止めないと」

「お?気合いでも入ったか」

「ああ。俺、皆を笑顔にするLBXを取り戻すよ。そしてまた皆で楽しむんだ」

 

バンの決意を横目にルナはレックスの座学の実践をするために自分含めてバトルに明け暮れる皆を見て思いに更けた

(スルガが居なければここに自分は居なかっただろうし世界のために戦うこともしなかっただろうしこうして皆と笑い合うこともなかったのかな・・・もしかしたらまだ病院だったかもね)

 

大体一つのフィールドで20人が参加するバトルロワイヤル

ムーンを駆り相手を朔でブレイクオーバーに追い込みながらスルガに何が出来るのか考える

(スルガは大体の事一人でこなしちゃうし・・・)

 

試作電磁機関銃の遠距離狙撃でもう一機倒す

(料理の勉強して体を取り返したスルガに食べて貰おうかな♪)

 

ワイヤー足場で逃げて別の相手にぶつけて次の相手に向う

(スルガはどんな料理が好みかな?後で紗希さんとかに相談してみよう)

 

 

結局このバトルロワイヤルはバン対ジン対ルナの三つ巴となり漁夫の利を狙ったムーンは二機の返り討ちに合い三位、二人の決戦はバンが征した

撃破数トップはジン

 

 

═シーカー本部═════

 

スルガはまたオリオン・Eに乗り移りシーカー本部に訪れていた。早速ハッカー軍団とシーカーの捜査に進展が合ったみたいで直接伝えたいらしい

 

「お、スルガ来たか」

「ヨッス、スルガ。報酬分の情報はシッカリ確保して裏も取って来てやったぜ」

 

シーカーの実働部隊隊長とヤマネコだ

 

『ありがとうございます。それでどうでしたか?』

「まず指令コンピューターの共通点と通信衛星パラダイスの事だが、スルガ君の予想が的中した」

 

当時建造に関わっていた企業等にハッキングを掛け当時使われた資材やら設計図を調査したら出るわ出るわで軍事衛星だと言うのは確定した。知ってるけど

やはり過去にいくつかの施設を吹き飛ばしているらしくこれを公開するだけでA国に取ってかなりの痛手に成るだろう。だが今はA国の転覆が目的ではないので放置

 

「俺っちからはA国内部の協力者についてだな。オメガダインのありとあらゆる政府との繋がりを調査してったら一人の人物に当たった」

『一人の人物?』

「恐らくA国副大統領、アルベルト・ガーダインって奴っぽいぜ。過去の経歴調べた感想は未だに中二病拗らせてるおっさんだな」

 

過去、大学の論文や研究で歪んだ世界平和についてレポートを書いていた。力で集団を管理するとか、良く分かんねえ事言ってら。

ハッカー軍団が過去にアラン・ウォーゼンと密会した形跡を発見してきたみたいだ

 

『よくこんな思想持ってて副大統領まで登り詰めれれたな』

「俺っちが向こうの政治家ならこいつは早々にご退場願うね」

 

声が若干投げ槍だがまだヤマネコは話を続ける

 

「ここでなんだが、シーカーの人らと話してたんだがもし仮に軍事衛星パラダイスを使う気ならいくつか条件があってな、それについてだ」

「ああ、パラダイスを動かすには二つの手段がある。Lシティの国防基地にある場所で《大統領だけが知っている》コードを入力する事、普段は《future hope》と言う名の船が普段の管制を担当しているだ」

『成る程、しかし予想外に厄介だな。海の上と軍事基地ねぇ、最悪シーカーの実働部隊だけでカチコミ掛けれる?』

「おいおい冗談は止してくれ。お前が装備を強化、更新したとは言え最新鋭の兵器が揃う軍事基地か海上要塞の制圧なんざ御免だぜ」

「直接副大統領の首ザクッ(物理)したほうが早いんじゃねえの。なんか聞いたぜ?大統領の暗殺予告出てんだろ?それに罪着せて殺れば?」

 

さらっとヤマネコがとんでもない案を出してきた

 

『暗殺かぁ。一番単純明快で効果を得る手段の一つだな。だが進んで手を汚すのは気が乗らないし最終手段にしてえなぁ。出来るなら失脚からの社会的死・・・平和公園での演説中にイタズラしてやろ』

 

この後、アキハバラに立ち寄り超強力利尿剤、下剤、微弱な筋肉緩和薬を調達した。何をしようとするのか、聡明な読者諸君なら説明は不要だろう

今ここに最低最悪で色んな意味で凄く汚い無駄に壮大な計画が始動したのだった

 

「で、これは誰に伝えるんだ?」

『オタクロスとコブラまでかな。他の連中に言うと暴走か気付かれて消されかねない。それと次のブレインジャックの先とか分かる?』

「そっちはサッパリだ。世界中にパラダイスを利用してるコンピューターなんて五万とあるからな」

『そうか、こんだけ分かるとはやっぱりすげえよ。報酬は上乗せしとく』

「毎度あり。またよろしく頼むぜ」

 

さて、これで裏を全て掴んだ。

一応重要情報を整理しておこう。全員知ってる奴は省く

山野博士ディテクター容疑() コブラ、オタクロス、ルナ

パラダイスの闇 レックス、シーカー、ハッカー軍団、コブラ、オタクロス

オメガダインの檜山真美 風摩キリト、レックス、ルナ

アルベルト・ガーダインの暗躍 シーカー、ハッカー軍団 

 

これら辺りか。そいやセト50(核的な巨大爆弾)の事どうしようか?あれに関してはまだ疑問視する段階でも無いし・・・まあ、そこはなるようになるやろ



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無法大会アングラビシダス

諸君!アングラビシダスへようこそ!

 

俺はレックス!辺獄から這い上がって来た! 

再びこの大会が俺の名の下に開かれる事を、参加できる事を光栄に思え!

 

アングラビシダスは破壊の祭典!

ルールが無いのがルールだ!

 

バトル形式はアンリミテッドレギュレーションただ一つ!

 

そして、今回も

優勝者にはLBX世界大会

アルテミスへの特別出場枠をくれてやる!

 

最狂のLBXプレイヤーを目指し

存分に腕を振るい、ぶっ壊してくれ!

 

さぁ諸君、待ちに待ったアングラビシダスの開幕だ!

 

═ブルーキャッツ地下、アングラビシダス会場════

 

会場に選手全員が集合した時、レックスから前置きが放たれ会場が大きく盛り上がる

 

「ついに・・・始まりましたね」

「ええ。ここからは私達の戦いよ」

「おっしゃあ!燃えてきたぁ!」

 

既にペルセウスは修理を終えている。山野博士からの調達が間に合わず普変形したアーマーフレームを切って張って盛って削り無理矢理再使用したため少し装甲が厚くなり重くなったが、ドライブシステムの導入でどうにでもなった(何気に仮のドライブシステムを1日で使い慣れ3日で戦闘使用に耐えられる所まで持ってくあたり主人公の一人は凄い)

 

「今回は特殊な予選を展開する!全4ブロックに20人でのバトルロワイヤルだ!勿論そこにもルールなど無い。自分以外全てが敵だ!」

 

「「「はぁ!?」」」

 

三人が驚く。横ではルナが苦笑い

 

「えっとね、私もさっきスルガから聞いたんだけど今回の大会の参加人数を増やして予選を厳しくするって」

「去年と同じでは無い。ということか」

『因みにこの予選方法はトキオシア以前から決まってたよ』

「より多くのLBXの参加する乱戦になるからより高いレベルのLBXプレイヤーが本選に集まるのね?」

『んまそゆこと。んじゃ!頑張ってね!』

 

「そして予選では最後に生き残った二機ずつが本選に上がる!さあ、激闘を見せてみろ!」

 

─予選開始前─────

予選の振り分け方は(リアルで1D4振って)ヒロ、ジェシカが3ブロック ランが2ブロック アミが4ブロックだ

 

「ちょっとスルガ!知ってたなら何で教えてくれなかったのよ!」

『だって、聞かれなかったもん』

 

ジェシカから問い詰められるが全く反省してないし悪びれて居ない

 

『まあそう怒るなよ。こんくらいの事これからドサーッと来るだろうし』

「二十人抜きかぁ、良いねぇ。考えるだけで体が熱くなるよ」

「これからの戦い、予想外想定外は当たり前。と言うことですね・・・」

 

とまあ、勝手に納得したので放っておこう。いつもの仮面を被ったなぞの人物がAブロックが開始の案内を出した

 

《皆様、中央にご注目ください》

 

普段決勝が行われるDキューブの台から床が開き大きなフィールドがせり上がってくる

 

「あのフィールドは・・・なんだ?」

「神殿・・・?いや、都市?」

「おぞましい見た目だけど、あれは一体」

 

ジンとバンとユウヤが目にしたのは非ユークリッド幾何学に基づいてるような奇怪で冒涜的で異様な建物が存在するマップ、見てるだけで頭が可笑しくなりそだ

 

『そう!Aブロックのマップは一部水没してるけど浮上した海底都市ルルイエ!アングラビシダスだから当然のようにギミックがあるよ』

「スルガ、どんなギミックなの?」

『お前ら出ないからこっそり教えるけどたまに妨害電波流れるんだよね。それで一時的にLBXの動きが鈍くなる。あと見た目クトゥルフ神話モチーフだから精神が削られる。あと支配者が居る』

「スルガ、私あれ見てたくないから近くでパフェ食べに行かない?」

『ん、行くか。本選までには戻ってこような』

 

わりとフリーダムなカップルであった

 

 

 

═ミソラ商店街・ケーキ屋════

 

予選を見ることをせずデートに出てきた二人、ルナが幸せそうにパフェを頬張るのを見ながら機龍に居るスルガはカイオス長官から渡されている極秘の警備図を元に予測される侵入方法やその経路、暗殺方法は狙撃なので射撃地点の洗いだし、ガーダインへイタズラの仕込みを考えてる

 

(アサシンの狙撃地点の手掛かりは森の中以外無し。絞りこむと言ってもこれは広い)

 

日本での財前総理暗殺未遂の時使われたライフルの有効射程圏内800mが限界だ。さらに殺傷しようとすると弾丸自体のサイズもあり的確に頭もしくは心臓を撃ち抜くか必殺ファンクションの使用が最低条件でさらに距離が短くなる。つまり500mって所だろうか

 

「う~ん、やっぱりパフェは最ッ高だよ」

 

去年病院から脱走したときにスルガと食べた時から大好物となったみたいだ

 

『嬉しそうなルナが見れて何よりだよ。俺もさっさと体取り戻さんとな』

「でもディテクターが博士だとしてスルガの体って博士が持ってるの?」

『じゃねえの?現状こっちの方が裏工作しやすくて助かってるけど。と言うか俺の裏工作すら予想してるんじゃ無いかな』

「ふーん、甘~い」

 

あんまり興味なさげか

 

「ま~、私はスルガが居てくれればそれで良いけどねー」

『ほう?嬉しいこと言ってくれるじゃないの』

「だって一緒に居るだけで楽しいたった一人の私の恋人だもん。早くこんな事終わらせて、ゆっくり二人で過ごしたいね」

『ああ。そうだな』

「所でさぁ、昨日居なかったけど、どこで何をしていたのかな?」

『色々裏から情報収集を少しな。これで一連の事件の各々の思惑と真犯人が見えてきたぜ。だけど言うのはまだ時期尚早だな。一体どう対処したものか』

「スルガも色々大変なんだねぇ」

 

大方の事情を察したのかそこからは追及してこなかった当たり扱い方が良く分かってる

 

「なんとかなりそうなの?」

『現状五分五分ってところ。無理矢理動かれたらまじで命の消去しか対処法が無いかもしれない』

「スルガがそこまで言うって、本当にどうにもならないんだ」

『結局相手の出方次第なのは変わんねえな』

 

時間は過ぎていく。そろそろ予選も終わる頃だろうか?

 

「あ、ヤバッ、ゆっくりし過ぎたかも」

『おっと、この時間はヤバいかも』

 

クレジットを払い急いでブルーキャッツへ戻る

 

 

═アングラビシダス会場════

急ぎ地下に降りてきた二人、現在は本選第一回戦が始まる所であった。アミとその対戦相手だ

 

「セーフ!」

『バン!予選結果は?』

「えっと全員予選通ったよ。ただ、スルガ相当滅茶苦茶なフィールド作ったね・・・」

『だろ?』

 

Aブロック 海底都市ルルイエ(異常)

Bブロック 天空の城ラ○ュタ(異常)

Cブロック 安土城及び城下町(まだ普通)

Dブロック 第3新東京市(異常)

 

しかも発動条件を満たしてしまったいくつかのギミックが動き何機も撃破されたみたいだ。特に酷かったのは崩壊するラピュ○らしい

まさか原作と同じところで誰かがバルス完全再現するとはなぁ

個人的に楽しみだったのルルイエのクトゥルフ出現ギミックなんだけとなぁ(やってることはどちらかと言うとニャル寄り)

 

「あのフィールドってスルガさんが作ったんですか?」

『ギミック仕込むのとこんなのお願いしますって頼んだのは俺だけど建物とかを作るのは本職のデザイナーさんたちに依頼した』

「私戦ってたらいきなり変なロボット出てくるしフィールドが崩壊するしで大変だったよ・・・」 

『いやぁ、三分間だけ待ってやるからのバルスを完全再現する輩がこんなところに居るとは思わなかった』

「アミ君のフィールドが突然要塞になったのは驚いたぞ。大変なことになっていたが」

 

どうも第3新東京市の武装プログラムにバグが起きて全てのLBXを対象に全力攻撃を始めたようで「わー、すっごーい」と言う感想しか出てこなかったようだ。(それもそのはず。ここの兵装に最低オーバードウェポンクラスの威力がある)とどのつまり戦闘どころの話じゃなくなった

 




今回ちょっと中途半端でテキトーですが、次回本選行きます


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アングラビシダス本選 

前回、スルガが作ったフィールドギミックのせいで(大体七割弱)が撃破されどちらかと言うと運の良い連中が本選に進んだ。

今回はサクサク行きます!セリフとか戦闘描写書いたら長いのでハイライト集的な感じで読んでくださればいいと思われますわよ


═アングラビシダス会場════

第一試合

アミ対ジェシカ map 岩場

アミのLBXはスルガが修復したダークパンドラ

フィールド的には機動力に大きな差は無くパンドラが追いジャンヌDが逃げると言う流れとなる

ジェシカ側は接近されたら不利。ハンマーと言うサブウェポンも得たがインファイトを得意とするアミに対してはあまり期待出来ない為だ

 

ジャンヌDは命中弾を得ているがアミの機体捌きもありいずれも大きな損傷になっていない

しばらく沼に嵌まるが弾丸がアミの左手のエッジを撃ち飛ばしたことで試合が大きく動いた。攻め時と決断したジェシカが逃げを止めて攻め立てる

 

「拾わせないっ!」

「ちっ、」

 

パンドラは近くの大岩の影に身を潜めた。ダガー系、ナックル系の武器は基本的の2つでワンセット

振り回すことは出来るが発動できる必殺ファンクションが限られる。アミがメインで使う蒼拳乱撃や旋風もこれに該当する技でつかえない

 

「・・・これなら!」

 

ゆっくりと攻撃の手を緩めずにパンドラの隠れる岩に近付く。ある程度の所でサイドワインダー8、上左右から八発の誘導弾が迫る

パンドラは後ろに逃げて誘導されるミサイルを一直線に並べる。ジャンヌDも追いかけるために前進

 

アタックファンクション

紫電手裏剣

 

パンドラの右手に紫電が集まりLBXの半分くらいのサイズの手裏剣を形作った。そこで反転し手裏剣をミサイルに投げつけ破壊、大きく曲線軌道を書きながらそのまま飛び続けジャンヌDの左後ろから襲来、パンドラを注視しすぎていたからか手裏剣はヒット、機体は一時的なスタンを起こす

 

「嘘っ!?」

「貰ったわ!」

 

片方だけのダガーの持ち方を変え全身全霊で斬り裂いた

 

 

WINNER 川村アミ

 

 

第二試合

ラン対Aブロック勝者 map ピラミッド

相手のLBXはケートスD(ドライブ)で武器はコンゴウハンマー。操作妨害の中を勝ち残った猛者でイケイケ押せ押せな戦法?を取るがその実はワイルドフレーム特有の不整地踏破力や高いジャンプ力と取り付けられたドライブシステムの機動力から繰り出される強力ハンマーの一撃を得意とする人 

 

砂漠と言う地形はどちらかが大きく有利と言うけではない。機動力の差で 最初は翻弄されていたミネルバだったがここで賭けに出る。敵を狭い高所に誘導したのだ

防御をしてわざと攻撃を貰い地上に落ちた

その後駆動部の不具合で動きを止める演技をし、その高所から止めを刺さんとハンマーを振ろしてくるのを回避、ハンマーを砂に深くめり込ませその隙に炎崩しで撃破した

 

 

WINNER 花咲

 

 

第三試合 

ヒロ対Bブロック勝者 map 港湾都市

相手のLBXはフライトデクーCで頭、胴体がフライトデクーで両腕と足がデクーカスタム砲戦型の火力と防御力、高い飛行能力を持つ機体。Bブロックでも○ピュタの外側から一方的に撃っていたのでラピュ○の崩壊にも巻き込まれなかった

 

そしてヒロはこの相手をするためにリタイエイターとある物を使用させられた

それはLBX用外部接続飛行ユニット。オメガダインで鹵獲したXF-05Bの肩パーツをスルガが改造したもので大体のLBXならば空中戦が可能にする一品である

 

戦闘開始と同時にフライトデクーCは滞空。地上のペルセウスに右腕のバズーカを撃ち降ろしてくる。

しかしペルセウスは建物の間をドライブシステムも駆使してするする逃げる

それを追うフライトデクーC、速度はペルセウスの方が速い。見失ってしまった

 

さらに高度を取ってペルセウスの捜索をするが見つからない。それもそのはずだろう

突如後ろからの強い衝撃、これの正体は空を駆けるペルセウスが通り抜け様にリタイエイターで斬りつけたのだ。いきなりの事に機体はバランスを崩す

そこを逃すヒロではなかた。更にリタイエイターを投擲し追撃、リタイエイターを空中でふらついているフライトデクーを撃墜する

しかし重装甲のLBX、それだけでは壊れない

そのためペルセウスは空中のリタイエイターを拾い炎を纏わせ急降下する

 

アタックファンクション

クリムゾンスラッシュ

 

炎の刃をフライトデクーCに直接叩き付ける

ペルセウスは着地姿勢を取り地面を滑走し停止、それと同時に大ダメージを受けたフライトデクーCは爆発した

 

 

WINNER 大空ヒロ

 

 

第四試合

Aブロック勝者対Dブロック勝者

割愛

 

 

WINNER Aブロック勝者

 

 

準決勝第一試合

アミ対ラン map 水上岩場

ランにとってはドラゴンタワーでのリベンジ戦だ

だが今は操られているわけではなく全力100%、はるかに手強い

しかしランも強くなっている。簡単には行かない

繰り広げられるのは武器と体術の応酬。実力は互角の一進一退の攻防戦。ランが今まで通りのオラオラ戦法なら早々にやられていただろう

 

状況は三分間ほど動かなかった。その間行われる攻防に誰もが息を飲む

 

しかしランが先に大きく動く。本当に零距離まで飛び込んだのだ。インファイトの間合より更に近くで自分の武器もまともに振るえない所に、だ

アミも意表を突かれ距離を取ろうとするがミネルバはその大きな頭飾りを使い頭突き。小気味良い音を立ててパンドラは怯む。更にミネルバは武器を持ち変えた

ユウヤの持つ武の剣とおなじ系統の刀『霊刀クサナギ』修練のためスルガが貸していたものである

 

クサナギを怯むパンドラに投擲し直撃、アミに取っては想定外の連続、そのままミネルバクローを持ち更に加速する

 

アタックファンクション

気功弾

 

本来は飛び上がり上から落とす技だが、水色の波紋をクローに纏わせそのまま走り思い切りぶつけた

ぶつかった衝撃で波紋が混ざり合いパンドラを飲み込み吹っ飛ばす。しかしアミの機体制御術、寸前に後ろに飛びあがることでうまく衝撃を流し損害を少しでも押さえた

 

「へっへーん、どうよ?」

「やるわね。今度はこっちから行くわよ」

 

アタックファンクション

アクセルフォース

 

一定時間の速度ブースト。一瞬で距離を詰めラリアットをかましその後も速度と手数の暴力で押していく

 

アクセルフォースの効果が切れた後もまた攻防戦が続き両機ともダメージが蓄積、次の一手で勝負が決まる

 

アタックファンクション

炎崩し

 

アタックファンクション

旋風

 

決着の時、勝利を掴んだのは、ミネルバだった。旋風でダメージを受け続ける中先に致命傷の一撃を叩き込んだのだ

 

WINNER 花咲ラン

 

準決勝第二試合

ヒロ対Aブロック勝者 map 草原?

もう一人はアニメ本編でもヒロの相手だったジョーカー使い。金ベースのよりピエロの用なデザインが施されている。武器はスナップリボルバー二丁だ

戦い方はジョーカーの高い機動力で相手を翻弄して倒すもの

アニメでは苦戦していたが今のヒロにはあまり問題にならなかった

もっと高速で複雑な機動を書くヤベー奴ワイヤーを使ったルナが居るためこの程度慣れきっていたのだ

 

しかしここはアングラビシダスでフィールドを準備していたのはスルガ、フィールドに地雷を仕込んでいた(アミとランの時も水中に魚雷発射管を沈めていたが二機とも水に入ってこなかった)

地雷原に閉じ込められたがここでヒロの頭に疑問が浮かぶ『あのスルガがただ地雷埋めただけで満足するのか?』と。

ペルセウスは何か無いかを探す

するとなんと言う事でしょうdangerと書かれたあからさまに怪しいスイッチがあるではありませんか

 

『あ?マジか!?やべヒロ君、あのスイッチだけはまずい!』

「何のボタンなの?」

『フィールドに隠されてる俺の在庫処分も含めたばら蒔いたグレネードと爆弾と地雷が一斉に起爆するボタンだ。撤去しきったはずだが残ってた。多分フィールドごと更地になる。全員伏せろ!』

「皆!伏せてくれ!」

 

ジンの号令で全員が姿勢を低くする

ペルセウスはエルシオンハルバードとエルシオンガーターを装備、ハルバードをボタンに投げ直ぐ様盾で出来る限りの防御姿勢をとる

 

至るところで一瞬十字の閃光が浮かび次の瞬間轟音を轟かせた。会場所か商店街すら揺るがすほどの爆音、強化ダンボールの中でなかったらブルーキャッツ周辺の商店街を加害しただろう

しかし会場中酷い有り様、軽いものは散乱しドリンクが入ったビンやグラスは割れて中身が飛び散る。怪我人がいないのが奇跡だ

 

そんなフィールドの中は完全に更地、強化ダンボールが剥き出しになっている。至近距離に居た二人は爆破をもろに受け髪の毛が爆発、ちょっと咳き込んでいる

ジョーカーは吹き飛び跡形もない。しかし驚愕の事実が

なんとペルセウスだけは盾の全壊と装甲の焦げで耐え抜いていやがったのだ

 

「「「「「嘘だろ!?/でしょ!?/だ・・・」」」」」

『えー、なんで原型保ってるの』

 

ジョーカーは跡形もなく吹き飛んでいる

 

「ペルセウスってあんなに固いの?」

『いやぁ、えぇ?(困惑)』

 

もはや困惑しか浮かばない

ジョーカーが粉々に吹き飛んでいる以上ペルセウスも原型は保てないはずだ

 

と言うか決着のがこれでいいのか

 

「成る程、そう言う事か」

「レックス、何か分かったの?」

「恐らくだが偶然爆風同士が干渉するところに居たんじゃないか?」

「お互いに打ち消しあった場所に居たと言うことか。確かにそれなら無傷で済むかもしれないが・・・そうとしか考えられない」

 

まあ、運も実力の内と言う感じでヒロの勝利となる

しかし爆風により会場内の片付けが決勝戦前に行われることになった

 

 

WINNER 大空ヒロ

 

 

決戦戦

ラン対ヒロ map 城塞(無改造)

かつてバンとジンが激戦を繰り広げたフィールドでペルセウスとミネルバが対峙する。と言っても特段変化のある戦いではない。ペルセウスが時折タイヤを駆使した変則的な動きをするが二人とも小細工は苦手、実力は拮抗して正面から正々堂々とした戦いをするので手に汗握るバトルとなる

それはそうとして中々試合は動かない。時々攻撃は当たっているのでダメージレースを征する方が優勝するだろう

がしかしペルセウスに異常発生、先の爆発で点検では見えない損傷が合ったらしく動きがだんだん鈍く可笑しくなっている。だが互角に渡り合う

ヒロは多分オーバーロードで操作精度と速度をブーストしてんな・・・とんだバケモンじゃねえか!オーバーセンス込みの紙一重とは言えよく勝てたな

 

またペルセウスの各所から煙が上がる。スルガが突貫作業で問題無いレベルでは修復したがオーバーロードの負荷までは耐えられないらしい

あっモーター異常音までしてきた

と言うかオーバーヒートしてんじゃねえか(赤外線カメラ)後30秒も持たないぞ!

 

ペルセウスはミネルバが見せた普通なら反応出来ないような刹那の隙を突き最後の一手を打ちにかかった

 

アタックファンクション

ディメンション0

 

ペルセウスが宙に描く「0」の字。それを時空ごと切り裂く。その凄まじい衝撃波がミネルバを飲み込こんだ

 

そして最後に立っていたのは機体が限界を迎え自壊寸前で全機能が停止したペルセウスだ

会場からは一際大きな歓声が湧き上がり思い思いの言葉をヒロに投げ掛けヒロを祝った

 

 

WINNER 大空ヒロ

 

 

═大会閉幕式════

中央にレックスとヒロが並ぶ

 

「今回のアングラビシダス優勝者は大空ヒロとペルセウスだ!機体が壊れる程の熱いバトル、とても楽しいものだった!アルテミス出場権は大空ヒロ、貴様の物だ。ありがたく受け取るがいい!」

 

そしてヒロはお礼を言いながらアルテミス出場権を受け取った(この後ペルセウスはスルガの手に終えない程ブチ壊れており修理のため山野博士に託すことになった)

 




多分ペルセウスが万全の状態ならヒロ君のオーバーロードにも耐えることができたと思います

何が言いたいかと言うとこの段階でヒロ君のオバロ対応機体を合体機構込みで作る博士はヤバいと言うことです


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LBXの殺戮者 それを破壊する暴力

ささ、スルガ君のイタズラが本格的になっていきますよ


═ダックシャトル。ブリーフィング室════

ここにいるのは三人、コブラ、オタクロス、スルガ

ハッカー軍団とシーカーが集めて貰った情報を伝えるためだ

 

「成る程・・・よりにもよって副大統領とはな。こいつは厄介なことになるぜ畜生」

 

コブラが悪態をつく

 

「ただ相手が人工衛星となると下手に手出しは出来んゾイ。ただそのfuture hope号とやらを制圧できれば相手に王手を掛けれそうじゃな」

「確かにそうだな。スルガの話じゃ国防基地からの操作には大統領が必須。あの大統領がそれに加担するとは思えないしな」

『おそらくディテクターからのメッセージはこれで間違い無いだろう。問題はこれからどうするかだ』

「アメリカの大統領継承順位じゃと次の大統領はそのガーダイン。スルガが言っておったディテクターかどうか怪しいと言う話に信憑性が出てきたのぉ」

 

ここでパラダイスを自由に利用するためガーダインが大統領暗殺を目論むと言う動機が出来た

 

「とりあえず当面は暗殺阻止に全力を注げば良いんだな?」

『それで問題無いと思う。やつも政治家だ。この局面で表だった妨害はしてこないだろう』

「じゃがいささか想定外過ぎるデヨ。下手こいたらワシらも」

『間違い無く殺されるだろうな』

「スルガ、こっちから手を出す策は合ったりするのか?」

『今は大統領暗殺にかしこ付けて殺害か演説台でのイタズラで社会的抹殺を考えてる。でも殺害は最終手段で乗り気じゃない。やってることイノベーターと変わらんしな』

「スルガがスルガで安心したゾイ」

「平和記念演説でイタズラって何する気なんだよ?」

『強力利尿剤と強力下剤、微弱な筋肉緩和薬が前まで考えてた。更に勃起薬を追加する。既に調達済みだ』

「うっわ(ドン引き)」

「えげつない事を・・・呆れて叱る気も起きんわ」

 

大変汚い計画なので水に流して説明すると

第一段階 薬の効果が出る時間を考え数回に分けてオリオン・Eを使用しガーダインの飲食物に上記の薬物を仕込む

第二段階 暗殺阻止を目的に行動しつつ薬の効果が出るのを待つ

第三段階 ガーダインが民衆の前で勃起しながら大小を垂れ流す様を爆笑しながら見守る

第四段階 各方面の反応を楽しみつつ文字通り糞MADを作って投稿

 

某弁護士を越える民衆の前で脱◯させて一生残るネットの玩具に仕立て上げてやるからなぁ?覚悟しとけよガーダイン

あっ、そう言えばオメガダインの総帥って殺されるけど・・・面倒臭いし放置でいっか。そいやあいつ結局誰に殺されたんだ?

 

「まあ、それで進めるがヨイわ。ワシはなにも聞いとらんデヨ」 

『オーケー、じゃあ情報共有は以上だ』

「待ってくれスルガ、アルテミス以降はどうするか決めてんのか?」

『うーん、大筋は』

「細かくはディテクターの動き次第、デヨ?」

『まあそうだね。ディテクターが山野博士って仮説が間違っててパラダイスを指し示したのは偶然の一致の可能性も無いわけでは無いから』

「そう言えば宇崎氏には伝えないんデヨ?」

『要らん正義感で状況悪化させそうだし言わない』

 

と、そんな話をする中ヒロがスルガに訪ねてきた

 

「お話中すいません。ちょっと相談事何ですが」

『ペルセウスならアルテミスまでに間に合うと思うよ?ソルジャーの相談かい?』

「いえ・・・実は僕、少し先の未来が見えるんです」

『ほう?それで?』

「スルガさんなら何か知らないかな。と」

『未来が見える・・・いつ何をどのように?』

 

ヒロの話を纏める

トキオシアデパートでのブレインジャックの映像と旧シーカー本部でのルナ戦

エジプトでのホテル大爆発の予言とM・ゴジョー戦

この間のスルガ戦、しかし未来が連続して切り替わっていった

アングラビシダスでのミネルバ戦

 

結構先まで見えたり直近の未来が見えたり様々だ

 

「自覚してるのはこれだけです」

『成る程ねぇ、今文献を漁ってるがどれも都市伝説程度で信用に値するそれらしい記述は無い。火事場のバカ力みたいなものじゃないか?』

「人間の身体機能全般には本能的にリミッターが掛けられておるデヨ。特に脳は普段一割程度しか動いとらんらしいからの、じゃが・・・」

「トキオシアやカイロホテルの爆発はそれでは説明出来ねえだろ」

 

バンやジンが本気になると直感で次の手が頭に浮かんで来るとかは言ってたが

 

『それな。まじで分からん。とりあえず俺から言えることはヒロ君は普通のホモサピエンスかどうか分からないと言うことだけだな。イギリスに居るとか言うお前のお袋にも話を聞いてみたいところだ。とりあえずその力?の名前だけ決めとくか』

「こんなときに名前かよ」

「いえ、良いじゃないですか。技は名前が肝心です!」

「そうじゃな・・・オーバーロードなんてどうじゃ?」

「オーバーロード・・・カッコいい名前です!」

『しかし直近の未来ねぇ・・・ヒロ君、それはどんな風に見えるんだい?』

「えーっと・・・頭の中に映像が流れてくる感じなんです。パソコンのモニター二台って言ったら分かりやすいでしょうか?」

『あー・・・凄い分かりやすい。トキオシアとかホテルの時は?』

「突然頭に浮かんで来るんです」

『ふーん・・・結局良く分からんわ』

 

結局脳がおかしい方向に活性化したんじゃね?と結論付けた。病院とかに行った方が良いかと聞かれたが実験動物にされた上にオーバーロード悪用されても良いなら行けば?と言っておいた

結局現段階では秘匿しておくのが最良だ。下手したらどこぞの剣がちょっかい掛けてくるかも知れんしな・・・機龍の大規模改造と後継機だけでも構想と設計纏めとくか。最悪その剣と敵対してもへし折る事が出来るように

 

まあそんな結論が出たところでアルテミスまでは日本に滞在することになっている。アルテミスに向け引き続きレックス達による授業は続くみたいだ

 

なおペルセウスは山野博士の元に託し(修理丸投げ)

おおよそスルガの見立てではアルテミスまでには戻ってくるけど修理に一週間は掛かると予想していた。その間は完全に修理を終わらせたソルジャーDを使わせている

操作感は一番近い筈なので勘は鈍らないだろう

 

 

 

 

 

═アキハバラ オタクロスの部屋═════

 

アルテミスまでの中、スルガとオタクロス、コブラがオメガダインで盗んできたキラードロイドの設計図を元にワイバーン相手の模擬戦のソフトを製作していた。そして今、試験中だ

 

 

 

─────

 

 

 

リュウビが正面から頭に斬りかかるが尻尾で打ち飛ばされる。トリトーンとエルシオンが上から飛び掛かるが翼の刃で斬り飛ばされた

 

試験終了、システムは問題無く動作した

 

「これがキラードロイド・・・」

『一応カタログスペックを少し盛って再現した。今はキラードロイドの狙い目を表示してないからもう少し戦い易くなるよ

あとね、こいつ相手には近接武器は基本的に相性良くない。下手な攻撃じゃ無力化されるから単発火力の高い遠距離武器、大体ライフル系かバズーカ、ランチャー多分ここら辺が良い。足とかのコードに関しては誰が引き付けた隙に斬るか爆風で千切ればよろし』

「まあ、そういうことじゃ。こやつが出てきても問題無く対処出切るようにするデヨ!そのためにスルガのオーバードウェポンも新型の開発含めて増産したゾイ」

 

『ヒュージミサイル』 本来LBXには積めないサイズのミサイルを分解状態で搭載。発射時に組み立てれ発射するのでLBX本体にダメージはあまり残らない。相手は死ぬ

 

『グラインドブレイク』 チェーンソーではなく高速回転する岩石掘削機がついたグラインドブレード。相手は死ぬ

 

『ヒュージロケット』 40門もの砲身を搭載した拡散ロケット砲、大雑把に狙いを付けて集中投射する事も可能。相手は死ぬ。味方も死ぬ

 

『サイクルレールガン』 剥き出しの小型エターナルサイクラーを用いた三連装レールガン。一門の火力はヒュージキャノンに劣るが三連装で破壊目標が増えている。さすがに原子炉は使えなかった。相手は死ぬ

 

『バイラルレーダー』 超広範囲にジャミングを発する大型レーダー。相手は死・・・な無い

 

『ユナランチャー』 自分の周囲に大量のグレネードを射出して範囲殲滅。相手は死ぬ。味方も死ぬ。自分も死ぬ

 

『大和』 装甲を取り外し尾栓丸出しの戦艦を彷彿とさせる砲塔とミサイルブロックを計6つ搭載した。これを一方向もしくは周囲にばらまく。相手は死ぬ。味方も死ぬ

 

因みに増産したのはマスブレード。オーバードウェポンの中でも非常に安価で材料はコネクター、ブースター、その辺の柱(頑丈な物)なので高い技術も要らず製造しやすいのだ。とりあえず全員分は作った

他のオーバードウェポンはカスタムビルドファクトリーで作ったものになる

 

「いっぱい作ったね・・・と言うかスルガ、半分くらい味方巻き込まない?」

『範囲内に居たら巻き込むだろうね(即答)』

「スルガ君、攻撃性能一点特化、確かにキラードロイドなど目じゃないだろうが・・・これは行き過ぎた物じゃ無いのかい?」

『相手に対して何の策もしない。ってのは愚者がやることだろう?ジン』

「ジン君の言うことも確かだけどスルガ君の言うことも確か、だね。なにもしないより何かした方がいいのも確かだ。シュミレーション通りの強さなら下手な対策なら効果も無いかもしれない」

『まあ、オーバードウェポンは《確実》に破壊する手段なだけだ。奥の手でも良いだろうよ。しかしキラードロイドに対処する練習だけはおすすめするぞ』

 

それはそうだな。とあらかた同意を頂きワイバーン、ミノタウロス、ヒドラへの対処訓練も開始された。各々が得意な遠距離武器で狙い目を知った上での訓練、三人一組での参加だから撃破率はそこそこの筈だ

 

「あとスルガから聞いて山野博士からエルシオン、ペルセウス、ミネルバの合体状態の予測性能と操作感を送って貰ったぜ。」

 

バン、ヒロ、ランチームとジン、ユウヤ、ジェシカチームは損傷こそ負ったもののオーバードウェポンに頼らずミノタウロス、ヒドラを撃破した。

ミノタウロスの決まり手は両腕のタイヤを使わせたあとエルシオンが足のコードを切断し転ばせた隙に両腕のコアにペルセウスとミネルバのコスモスラッシュ、炎崩しでコアを破壊した

ヒドラの決まり手はアームを兼ねた頭を全て破壊されコアを露出させた瞬間にトリトーンがオーシャンブラストをぶちこみ破壊した

そして今度はスルガ、ルナ、アミチームがワイバーンに挑む

 

map 廃墟 Killer Droid《ワイバーン》

バトルスタート

 

スルガはハンター改での参戦、ストームツインガトリングとハンターライフルの改造品、ハンターライフル魔改(例のごとく説明は改造集参照)

ムーンはいつものでダークパンドラがフリーズライフル、カズのフェンリルが使ってた物の予備を持ち出してきた

 

バトル開始と同時にムーンとパンドラは左右に散開し射撃位置へ、ハンター改は履帯を回し飛び掛かるワイバーンの股下をすり抜け走行しながらガトリングの掃射を始めた。照準はウイングボルト

明らかに大量の弾丸を鬱陶しがりながらワイバーンはハンター改を追いかけてくるが時折地雷をセットしながら逃走、しびれを切らしたのか腕のエネルギー銃を乱射してきた。だが廃墟を間に潜り込み避けて瓦礫に隠れる

 

ハンターを探すワイバーンに対して二方向から狙撃、ムーンはダメージを負っていたレフトウイングボルトを破壊、パンドラはライトヒールケーブルの一部を撃ち斬った

 

「やったわ!」

「いよっし、スルガ!」

 

悲鳴を上げるワイバーン、更に下から隠れていたハンター改がハンターライフル魔改をヘッドアーマーに向けて近距離射撃、弾丸は装甲を貫徹し内部を加害した

ワイバーンは大きく仰け反る

 

『よっしゃ決まった』

 

ハンター改は走り去る。更に追撃で尻尾に対してはバーチカルマインを直下にセットし即起爆、テイルケーブルにダメージを与えた

 

「流石スルガだね。作りながら戦術練ってた?」

『当たり前じゃん。こいつは下が弱いのは直ぐに分かった』

「私も負けないわよ!」

「私だって!行くよアミ!」

 

ホープエッジと朔を持ち高速接近、援護にSTGの弾幕で牽制、ワイバーンのヘイトを分散を狙う

しかし巨大な翼で飛び上がり上からエネルギー銃を乱射してきた。建物も破壊しながら執拗に逃げながら弾幕を張るハンター改を狙う

 

だが他二機に取っては攻撃チャンス、ルナはライトウイングボルトを、パンドラはヘッドアーマーに射撃し一発ずつの命中弾を得た

ハンター改も避けてばかりでは無い。スティンガーミサイルを撃ち上げ攻撃だけは止めなかった

 

ライトウイングボルトがルナの射撃で破壊され地上に墜ちてきたワイバーン、足を滑らせ転倒した

そこにハンターからグレネードが投げ込まれ損害が拡大していく。そこにパンドラとムーンが来襲、ヒールケーブルを切り裂く。そしてハンター改はヘッドアーマーを狙撃、再び装甲を貫徹させる

 

倒れた状態で大きな悲鳴が上げるが慈悲など無かった

タイミングが悪く冷却の為にコアが露出。そこを逃すスルガ達では無い

 

アタックファンクション

フルビットバースト

 

アタックファンクション

テンペストブレイド

 

アタックファンクション

蒼拳乱撃

 

超必殺を三つも浴びせられコアは完全に原型を失った

 

大きな悲鳴を上げながら爆発、消失した

 

「やったあ!勝った!」

「やったわね!二人とも」

『やっぱしっかり対策練れば楽勝だな』

 

この後のオーバードウェポンでの試験をしたが大半は攻撃すらその暴力で無力化してコアを機体諸ともぶち抜いたり両断したり削りきったり爆殺したりした

 

(後日レックスにやらせたところバトルランスとバーンナックル持ちGレックス使用のヒント無しの初見で三抜きされた)

 



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大統領暗殺阻止作戦(建前) 副大統領威厳破壊計画(本音)

─スルガの計画が始動する─


アルテミスまで日本で修練を積みつつディテクターオメガダイン対策を続けてアルテミスと平和記念演説が行われる島に立つ1日前、スルガはルナやレックスとバン、ジン、アミ、卓也、オタクロス(リモート)平たく言えばイノベーターと戦っていた連中を自宅に集めた

 

『さて、話なんだが、この話はレックスからの方がいい?』

「そうだな・・・この間のアルテミスのためにお前達がブルーキャッツにきた日、風摩キリトが来たんだ。そこで俺が二人居る事に気付いた」

「うん。キラードロイドの設計図にもレックスの名前が合ったね」

「待って、どう言うことよ」

『アミは知らないか。率直に言うとオメガダインにレックスを名乗る奴が居るのよ。キラードロイドもそいつの開発品だ』

「更に俺を名乗ってる奴の正体も分かった。と言っても確証とするには弱いかも知れないが、正体は・・・俺の妹だ」

「レックスの!?」

「「「妹!?」」」

「檜山の妹!?今は行方不明と聞いていたが」

「確かに行方知れずならどこに居ても可笑しく無いデヨ」

「レックス、そう判断した理由はあるのか?」

「ああ。風摩キリトからの話ではDr.マミーと名乗ってるだけだが」

『あぁそうだ、俺のカスタマイズデータの一部と引き換えにDr.マミーの写真送って貰ってた』

 

と、レックスのCCMに写真を転送する

 

「・・・確かに体格や髪色は檜山に似ているが」

『まず、全身大怪我で包帯巻いてるなら何で髪の毛無事?なのかね』

「・・・駄目だ。月日が経ちすぎて判断出来ない」

「そうね・・・なにも知らずにレックスって言われたら納得しちゃうかも」

「ああ。全身に包帯を巻いてるから細かくは判断は出来ないがレックスと比べて若干体が細い気がする。スルガ君、これをどうする気だ?」

『そうだねぇ、まずオメガダイン総帥の情報網なら本物が生きてることくらい分かってるだろうよ。アングラビシダスにも出たしな』

「それならなぜDr.マミーはレックスが生きていることに気付かない?」

『オメガダインからすれば極秘の存在らしいからな。情報隠蔽くらいしてるんじゃね?どっちがどっちを利用してるか知らんけど』

「スルガ、一応聞くがヒロ達には伝えないのか?」

『ヒロ達に伝えないってよりNICS、A国に知らせたくないって言い方が正しいかな。正直まだ仮説の域をでないけどホワイトハウス辺りにオメガダインの手が伸びてる可能性があってな、裏切り者を疑ってる事をその裏切り者に知られれば・・・最悪全員《不慮の事故》で消されるぞ』

「スルガ君、そんなことあり得るのか?」

「ジン、考えてもみるデヨ?演説会場の警備はスルガの口出しも合ってステルスLBXであろうとも外部からの侵入はほぼ不可能に近くなった。じゃが内部から放つとなったら話は別じゃ。その方法で会場内に入れるなら裏切り者が存在する可能性はものすごーく高いデヨ」

「あまりNICSを頼りすぎてはいけないと言うことか・・・」

『別にそこまでは言わない。居ると仮定するならそいつの耳に入るのが不味いだけ』

 

そう言えば本史ならガーダインやアランウォーゼンは本物のレックスだと思ってたっぽいがアングラビシダスを開催したから流石に気付いてるだろ。むしろ気付いててくれ

まあ気付いててもガーダインは演説で死ぬ可能性あるけど

 

まあ、今回の情報共有はこんなところで終いにして明日はアルテミス会場、アロハロア島への移動だ

俺とルナはアルテミスに出場(しようと思えば出来る)せず平和公園へ、八神さんを筆頭にした元イノベーターエージェント三人組と暗殺LBXの捜索及び無力化を担当する事になっている

さてと、俺も計画の本格始動だな

 

 

 

 

 

═アロハロア島、平和記念公園════

現在スルガはオリオン・Eで副大統領の待機部屋に侵入していた。目的は勿論薬を仕込むためである

いずれの薬も成分調整でほぼ同時に効果が出る(勃起薬は多分壇上にいる間ずっと)用に改良か改悪か分からない事をしてカプセル2錠に纏めた。後は料理に仕込むだけだ

 

さーてと、なんか仕込めそうなのは、なんかオレオ見たいなクッキーあんじゃん。中身の粉これに入れとこ

あと尾行用にこいつ(オリオン・E)付けとくか

 

 

 

─────

 

 

 

警備員用待機スペースの一角でスルガとルナは八神さん真野さん、細井さん、矢壁さんと合流した

既に大半の警備員は配置に付いており今は演説の開始を待っている。

 

「河白スルガ君、久しぶりだな。石森ルナ君は初めましてかな?」

「うん。スルガから話は聞いてるよ。凄い人たちだって」

『久しぶりです。八神さん、それに真野さん達も、イノベーター事件以降探偵として名を馳せているようで』

「あたしらの手に掛かれば解けない謎は無いからね!スルガ、今日はよろしく頼むよ」

「スルガ君、恐らく君がLBXを捜索する最高戦力でしょう。頼りにしてますよ」

「バックアップも任せるっす!」

「挨拶はこれくらいにしておこう。ミーティングを始めたい」

『八神さん、お願いします』

「まずは他の警備員との連携だが────」

 

ミーティングが始まる。今回大統領暗殺阻止に動いているのは俺達だけではないのでLBXの捜索にも人海戦術が取られる事になった

それに際しスルガの口出しの一環で警備員にはMチップの変わりに別の緊急停止プログラムをインストールされた有線操縦LBXに改造もしくは支給されている(武装は片手銃と近接武器に限る)尚コードが斬られても戦闘開始さえ管理部に伝えれば10メートル以内と言う制限はあるが一定時間動ける

八神さんのジェネラルや真野さんのデクーエース、細井さんと矢壁さんのデクー改にもこの改造を施されている。事前連絡を受けてシャルナックムーンにも同様の改造を施した

 

「最後にスルガ君、君の存在は他の警備員には知らされていない。見つかれば暗殺LBXと間違えられると思え」

『ハイッ!』

「以上が伝達事項だ。では作戦を開始する!」

「「「『ラジャー!』」」」

 

さてと、やるか

注(スルガの音声は八神さん達にしか聞こえていない)

 

 

─────

 

 

 

少したって森の中、暗殺に使われるLBX《アサシン》の潜伏予測地点の一つだ。スルガは機龍(三連装ハイパーメーサー装備、銀のレールガンユニット、背部バックパック)でインビジブルを使用しながらの捜索だ

時折通りかかる別の警備員をやり過ごしながら探す作業である

 

『真野さん、アルテミス側の状況は?』

《今開会式が終わるところだね。向こうは郷田と仙道にも声をかけたみたいだよ》

『おっ、頼もしいですねぇ。こっちも気張らないと』

《スルガ、こっちの区域にはまだ居なさそう》

『こっちもまだ成果無し。大統領はまだ出てこないだろうからまだ暗殺LBXも定位置に付いてないのか?』

《それは十分に考えられる。だがこれだけの人数が巡回しているからな。圧力は掛かるだろう》

 

捜索は続くがどこもアサシンの目撃は無い

 

 

 

──────

 

 

 

予定通り状況が少し動いた。大統領が登壇する時間となったのだ。一層警備は厳しくなる

スルガも少し焦る。副大統領を何とかしても大統領が死ぬと流石に不味いし本史通りにバンとヒロがルーターLBXを撃破してくれる保証もない。電子戦で妨害電波飛ばせるオリオン・E持ってきた方が良かったか

 

《こちら細井、移動中のアサシンを発見しました。追跡中です》

《了解、あたしもそっちに急行するよ》

警備本部《F5地区警備部隊へ、囮や別動機も考えられる。追跡と撃破はMr.YAGAMIの部隊に任せた》

《私も向かいます!》

『予想進路プリーズ、先回り狙います』

《分かりました。お願いしますよ。一応まだバレては無さそうです》

《矢壁、私はスルガ君が逃がした後の後詰めに入る。ルナ君と合流して対処に向かってくれ》

《了解ッス!》

《あたしはスルガと合流するよ。とっくにやりあってるかも知れないけどね》

『その時は支援よろしくお願いします真野さん』

 

インビジブルを解除して木々の隙間を縫い一気に最高速まで加速、幸いそこまで離れていないので直ぐに到着するだろう

 

《変ですねぇ、あの動き・・・八神さん、あのアサシンは恐らくこちらの追跡に勘づいています》

《何?》

《勘ですが私に気付いていると言うより気付かれたことに気付いたような挙動に見えますねぇ》

《無線が傍受されているのか?》

《可能性はあるね。大統領なんて大物を狙うんだ。それ相応の準備はしてるだろうさ》

『細井さん、進路先に到着しました』

 

と予想進路の先に到着、細井さんと挟み撃ちを狙う

すでに細井さんのデクー改はアサシンと交戦中だ

 

《スルガ君、もう少し・・・》

『捕捉しました。一撃で決めます』

 

右手をスパイラルクロウに変形させインビジブルを再起動し直上から襲撃した

ギリギリでインビジブルを解き真上からのスパイラルクロウはアサシンの頭を破壊しコアボックスを掻き混ぜながら足の付け根まで装甲を壊しながら真っ二つに貫き通した

 

『コアボックスの破壊確認、アサシン撃破しました』

《私の出る幕も無かったですねえ。流石です》

《本部へ、こちら八神

暗殺LBXと思われるLBXを撃破した》

《本当か!?Mr.YAGAMI写真はあるか?》

『八神さん、転送しますよん』

《これだ。今送る》

《損傷が酷いが・・・ワイルドフレームのライフル持ち、間違い無さそうだ。全警備に通達する!YAGAMIの部隊が目標をやったぞ》

 

とりあえず暗殺は一時的に阻止でき、無線が大きく盛り上がった

 

《油断するなよ!LBXならまだ潜伏してるかも知れない。今一度気を引き締めろ!》

 

═アルテミス側════

大統領の演説が始まる少し前から暗殺者を捜索していた。こっちでは暗殺者が出す捜索電波を辿ることになったが対策されており同じ電波を発生させる装置を大量に設置されておりちんたら探していたのでは間に合わない

 

「くっ、これじゃあ!」

「スルガさんとルナさん達に任せるしか・・・」

「待って皆、確かスルガってアルテミスからLBXを操作するのに中継点があるって言ってなかったかしら?」

「成る程、通信を遮断できれば動かすことは出来ない。オタクロス、海の上で電波の発信点を特定出来ないか?」

「もうやっとるわ・・・・・・・・・見つけたデヨ!」

 

バンのCCMアロハロア島の全体図、そしてアルテミス会場と平和記念公園を結ぶ海上に2つ赤い点、操作電波を中継するルーターLBXが存在した

 

「よし、バン、ヒロ、ジン、ユウヤこっちからライティングソーサーで手前の方を叩くぞ。スルガ達が暗殺LBXを食い止められてる今の内だ」

「あれ?ライティングソーサーって二機しか無いんじゃ?」

「日本に居る間に山野博士にも依頼して四機増産しておいたデヨ。二機はまだ細かい調整が必要で使えんのじゃ」

 

コブラがライティングソーサー

 

 

──────

 

 

 

さっきから三回ほど他部隊からアサシンの撃破報告が上がる。ガーダインが持ち込んで居たのは一機では無かったのだ

 

《む?ルナ君、オタクロスからのメッセージだ。海上に操作電波を中継するLBXが居るらしい。これを撃破しに行くと》

《スルガの予想してたルーターLBX・・・こっちから行くの?》

『行かない。根本から操作を切ってくれるならこっちはその分の時間を稼ぐことに専念する』

 

更に更に結構見つけて撃破出来てるから暗殺者も後が無くて焦ってると見える。それにいくらガーダインでも怪しまれずに大量には持ち込めまい(悪い笑顔)

 

そして時は来た。来てしまった・・・

 

うっわ、顔色悪っる。細かく見えないな・・・でも苦しそうでいいね(サイコ)

 

スルガが機龍の望遠機能で演説台の後ろの方、ガーダインに目を向けるとなんか顔色が悪く唇を噛んでいる

恐らく今激しい尿意と便意に襲われながら勃○すると言う謎現象に苦しんでいるのだろう

 

さっきのアサシンのライフルであいつの頬掠めて追い撃ち・・・いや、自分の意思(薬)だけで漏らさせないと逃げ道作られるな

 

スルガの思考上そこまでは絶ッッッ対必要無いのは分かっているが反応見て遊ぶのが楽しいからやっている屑なだけだ

 

さてと、まだアサシンは居るかな?と言うかそろそろハンゾウさんと仙道ニキそろそろ暗殺者と戦ってるのか?

 

『真野の姉貴、大会の進行状況と海上のLBXは?』

《アルテミスの方はAブロック進行中で海の上はまだ移動中みたいだよ。もう少し掛かりそうだね》

《もう全部撃破したんすかね?》

《矢壁さん、油断は禁物ですよ》

 

居るならさっさと出てこないかなぁ?

 

《きゃあ!》

 

どんな言葉よりも先に機体が動く。インビジブルを解除し即効で燃費ガン無視ブースター全開で位置情報を頼りに飛ぶ

 

『ルナ?!大丈夫か!ルナ!』

《ルナ君!》

《こちら本部、何が合った?報告せよ》

《現状不明です。これから確認に向かいます》

 

無線は続くがスルガの耳に入ってこない

ただ理解しているのは悲鳴の前には何も聞こえなかったし続報も無いことだ

 

直ぐにルナの元へ付く

 

『ルナ!』

「スルガ、私なら大丈夫、暗殺LBXを追って」

 

そう言うルナは左腕から出血していた。撃たれた訳でなく斬り傷だ。恐らく暗殺LBXに襲撃されたのだろう

 

『誰か近くにいますか?ルナが暗殺LBXの攻撃を受けて負傷しました。救護をお願いします。俺はLBXを撃破しに行きます』

《大丈夫かい!?わたしが一番近いからあたしが行くよ。ルナ、絶対そこを動くんじゃないよ》

 

機龍がルナの指差す方向へ跳ぶ。そしてすでに木の上狙撃体勢に入っているアサシンを発見した

 

容赦無く後ろから尻尾で殴打、アサシンが立っていた場所に立ち口部連装メーサーの照射で完全破壊した

 

さてと、暗殺者の野郎帰って尋問の時覚悟しとけよ。町中で車に縛りつけてNシティ中引き回した後で頭の毛全部燃やしてやる

 

《本部、NICSからの報告だ。アルテミス側からの連絡で海上で操作を中継していたルーターLBXを予備含めて撃破したそうだ。もうこれで暗殺者は動けないらしい》

《了解した。全部隊に通達する。暗殺計画の阻止を確認した。繰り返す、暗殺計画の阻止を確認した!やったぞ!》

 

無線から、いやそこら中で歓声が上がる

スルガの見える範囲では無いが喜び方は様々、ガッツポーズやハイタッチをしている者も居るのだ

 

『向こうの連中に礼言っとかんとな。真野の姉貴、今ルナの様子は?』

《浅い切傷だけだから後も残らなさそうだ。早速彼女の心配とは、ルナちゃんは愛されてるね。ちょっと羨ましいよ》

 

その後、スルガ含めて警戒だけは続く。特に何も無く演説は締め括られた。さてと、何かイベントが一つ忘れてる気が・・・あ!ガーダイン!あいつ漏らす前に逃げやがった!

 

大統領暗殺計画を完全に阻止することに成功させた中スルガのガーダインの社会的抹殺計画だけは失敗に終わるのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

だがしかし!スルガが何もしなくても壇上から降りるガーダインの姿があまりにも挙動不審でおもしろく、勃起してることに気付かれ《大衆の前で便意に襲われ勃起した男》と言う不名誉な渾名も付けられネット民の玩具に堕とされることになる

 





因みにガーダインは三時間程トイレから出てこなかった


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作戦の後で

ちょっと真面目回


═警備本部════

大統領の演説が無事終了しオリオン・Eを回収

警備はとりあえず終わり処置を終えたルナの怪我の具合を聞いていた

 

『ルナ、大丈夫か?』

「うん。お医者さんも下手をしなければ傷は残らないだろうって」

『良かった・・・帰ったら暗殺者に色々O☆HA☆NA☆SIしないとな』

 

帰ったら依頼者のこと含めてキリキリ吐いて貰ったうえでキッチリ報復措置だ。あとガーダインのMADも急いで作らないと、すでに日本の匠達に遊ばれ始めているので急がなければこの祭りに乗り遅れてしまう!

 

「ルナ君、怪我の具合はどうだ?」

「大丈夫そうです。八神さん」

「そうか・・・ルナ君、すまない。本当なら『八神さん、その先は言わないで下さい。ルナは自分の意思でここに来てる』

 

少しの沈黙、それを打ち破ったのはルナのCCMへの着信だった

 

「あ、えっと、そろそろ向こうでバン君達の予選が始まるみたい」

「ならば私が会場まで送っていこう」

『んじゃあ俺は色々聞きたい事あるから真野の姉貴達と暗殺者の尋問に行ってくるわ。奴らのことだしどうせ勝つだろ』

「いいのかい?彼女とのデートに行かなくて」

『暗殺を依頼した奴が分かれば早急に動かないといけないかもしれないし、大統領暗殺なんてする奴だからな。その暗殺者が殺されちゃ意味がない』

「それなら僕たちで聞き出しますよ?」

『俺の我が儘だけど直接行きたいんだよ』

「スルガなら大丈夫だろうし、八神さん、じゃあこいつ連れていきますよ」

「ああ。よろしく頼む」

 

と、細井のバックに飛び乗り警察署への移動中にこんな話題が出た

 

「そういやスルガ、あんた去年の総理暗殺の時居たのかい?」

「あ、そう言えば戦ったのバン君とアミちゃんとカズ君だけっすね」

『あん時道迷って遅刻したからじゃない?バンと戦った後銃声の後爆発音聞こえなかった?』

「爆発・・・あぁ、君の仕業なんですかアレ」

『そそ。あの後お三方は何してたの?』

「特に何も?面倒事はごめんだからさっさと逃げたさ」

『後今回暗殺に使われたLBXって総理暗殺に使われたLBXと同じだったんだよね』

「今回も同一犯と言うことですか?」

『かもね。結局あんとき捕まえてないし』

ピロン♪

 

「八神さんから判明してる暗殺者の身分が送られてきたッス」

『見ーせて・・・あ!こいつ去年居ったぞ!』

「そうなのかい!?」

『ああ。その時は身分詐称で撒いたがなんか誘拐され掛けたわ』

「誘拐!?まあ聞きたい事は色々あるが取り敢えずそいつと間違い無いんだね?」

『そっすね。テキトーにカマ掛けたらゲロるんじゃね?もしかしたら交渉材料にも使えるかも』

 

機龍の中で尿意と便意に悶えるガーダインの隠し撮り映像をインフィニティネットの変な場所から流出させ各国に数多く潜む職人や匠達に新たな素材を提供した

 

 

 

 

 

 

 

─アロハロア島、警察署─────

 

さっきとっ捕まった暗殺者は割りと厳重な警備の下で近くの警察署の取調室的な場所に監禁されている

話を聞くのと頭髪を燃やすためその取調室へと来たそ

 

「失礼します。NICSの細井と申します」

「・・・」

 

暗殺者はだんまりを決め込んでおり何も話さない。誰が尋問しても同じようだ

 

『とにかく拷問だ!拷問に掛けろ!』

 

突然スルガが細井さんのCCMから叫ぶ。暗殺者が目を剥いた

 

「おっと失礼。携帯が鳴ってしまいました・・・所でですがイノベーター。と言う組織に聞き覚えはおありですよね?」

「ピクッ・・・」

「安心してください。録音等はしてませんから。取引をしましょう」

「何だ?逃がす訳じゃないだろう?」

 

暗殺者、もといジャッカルは始めて口を開く

 

「ええ。貴方の情報次第ではボヤ騒ぎくらいなら起きるかも知れませんよ?」

「ふん・・・」

「貴方がその気なら去年日本で起きた騒動含めて上に報告を上げますがよろしいのでしょうか?」

「・・・何が知りたい?」

「貴方の依頼者についてです。貴方程の大物スナイパーが依頼者を知らないと言うことは無さそうですから」

「だが俺も詳しくはs」パアン ピバリン

 

その時だった。銃声と同時に取り調べ室の窓が割れる

 

『狙撃か!?』

「口封じと言うわけか!」

 

流石は本職スナイパー、事前察知でもしたのか即座に窓の死角となる壁際に身を隠した。細井さんも机を盾にしている

スルガin機龍はすぐ弾道解析、狙撃手の方に飛びカウンタースタングレネードをキメに行く

 

オメガダインかガーダインか知らんが口封じと言うわけか。こいつも捕まえてガーダインを早々に締め上げてやるか

 

だがしかし弾道から大体の位置が分かるだけで発見には至らなかった。恐らく直ぐに一発撃って撤収したのだろう。スルガも無駄と思い早々に撤退した

 

 

─────

 

 

 

取り敢えず取調室に戻ったスルガ、暗殺者はおとなしくしており細井さんも警戒したままだった

 

『連絡、スナイパーは撤収した模様』

「はい。了解しました・・・さて、自分を殺そうとしてきた依頼者に気を遣う必要は?」

「分かった。推測を含むが全て教えよう」

「ありがとうございます」

 

なぜか二人で机と椅子を元の位置へ

 

「まず俺は匿名で雇われた。だが色々加味するとの経験上恐らく政治家だ」

「なるほど、それでこの暗殺予告状は貴方が出したものですか?」

 

例のディテクター名義の暗殺予告状、これについて知っているのかどうか?

 

「何?そんなものが出てたのか?」

「はい。なので私達も警備に当たっていました」

「依頼者からはそんなもの聞いていない。チッ、だからあんなに警備が分厚かったのか。しかし俺の勘だが今回はディテクターの依頼の可能性は低い。俺が依頼者について知ってるのはこれくらいだ」

「では次の質問に移りましょう。貴方のLBX操作法はすでに割れて居るので、どうやって会場にLBXを持ち込んだんですか?」

「知らん。俺はアルテミス会場から依頼者にカスタマイズを指定して操作電波を出していただけだ。海上のLBXを設置したのは聞かされていたが実際に設置したのは俺じゃない」

「つまり事前に持ち込まれていたと?」

「そういうことになる」

「ふむ・・・分かりました。情報感謝します。所でなんですが、貴方実銃の腕はどれ程で?」

「悪くは無いぞ」

「では貴方の身柄をNICSが預からせて貰います。その後シーカーにきてもらうので。後これを計画した人物からもう人は殺すな。と」

「は?・・・・・・これが情報の対価か?」

「はい。どうせこのまま裁判かけられて殺されるくらいならスカウトしたいと」

 

暗殺者は混乱している。無理は無いだろう。だって俺が勝手にNICSの権限と八神さんと共同で裏から『お願い』と手を回したから

恐らく逃げれないとこいつ司法に殺されるし、大統領や総理大臣暗殺なんて依頼受けて実行する奴だ。相当腕に自信があるかただのバカだけだろう。こいつは前者、経歴も割りと凄くて暗殺者になる前は凄腕の狙撃手として名の通った傭兵だった。こいつをうまく組み込めれば新たな狙撃手の配置でシーカーの実働部隊も大きく強化できる

 

スルガの思惑としてfuture hope号はシーカー実働部隊との合同作戦となりそうなので戦力を強化できるならしときたい。と言う事なのだ。因みに一連の行動、拓也には知らせていないスルガの独断である(スルガが拓也を信用していないわけではない)

 

「もちろんこれは断ってくれても構いません。あまりオススメしませんが」

「ありがたいがお断りしておこう」

『ほう?分かりました。では対価として最低限懲役刑で済むようカイオス長官にはたらきかけておきます』by細井ボイス

「む?話は終わりだ」

 

と、取り調べは回りの波乱の中終わった。暗殺者は間もなくA国本土に連行される

そしてスルガの情報もかなりの信憑性を得てきた。そろそろ動き出してもいい頃だろうか

 

この後、アルテミスチームはファイナリストが招待されるパーティーに出席するためこの島に一週間程滞在するようだ。

ルナも別のホテルを取りそこで寝泊まりしながら遊び回るつもりらしい。ナチュラルにスルガもそこにほうり込まれた

 

そして突然沸き出た一週間の猶予、スルガは旧シーカー本部、NICS本部、カスタムビルドファクトリーをフル稼動させLBXの改造や新造、武器の改良、シーカー用の量産LBXの設計製造に舵を切った

 



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一時の休息 

═アロハロア島、ルナと泊まるホテル════初日夜の部

さてと一週間の間は有効に活用しないと、(これからの下準備と裏工作)あと昼間はルナが遊び回りたいから一緒に来てと言われてっし、一週間は睡眠無しだな(今の体じゃ寝る必要はない)

 

「ねースルガ~」

『なーにー?』

「今思い付いたんだけど私もフルリンクシステム使えばスルガと遊べるんじゃない?」

『・・・・・・・・・・・・・・・天才か?』

 

え?・・・あっやばいまじで盲点だった・・・いやでも・・・いけるわ

 

『俺と同じコンピューターにフルリンクしたLBXで接続すれば出来る。よく思い付いたな』

「早速試して見ようよ!」

『ちょい待ち。一応確認作業と事前準備だけさせて。試すなら明日かな』

「むー、分かった。楽しみにしてるね」

 

やっばい。これからのモチベーションが沸いてきた!さっさと諸々準備すませるぞー

 

 

取り敢えずスルガの目標は現時点でのカスタマイズLBXの完成とシーカー向けのLBX、フレームアームズシリーズから轟雷とスティレットを量産し配備する予定だ

俺のカスタムデータと引き換えに風摩キリトから提供されるオメガダインの動向にも注視しつつ行動することになる。そして今、丁度キラードロイドが完成したと凶報が届いた

取り敢えず話を通すためダックシャトルの拓也の元に来た

 

『拓也さん、今お時間大丈夫ですか?』

「スルガか。構わないがどうした?」

『キラードロイドが完成しちゃったみたいなのと、シーカー向け量産機を考えてまいりました』

「そうか・・・キラードロイドが、分かった。そしてシーカー向け量産機と言うのは?」

『勝手に考えた物なんですがコアスケルトンレベルで新規設計してみました。これは完成独自規格《フレームアーキテクト》それにまとわせる《フレームアームズ》なので今までのアーマーフレームは互換性がありません。パーツ交換で普通に対応は出来ますが』

「ふむ・・・・・・・・・メインパーツを各部に振り分けてあるのか」

『大本はコアボックスですがね。最悪伝達ケーブルが斬れてもCCMからの信号で可動するように出来てます』

 

最悪腕だけでも、足だけでも動くよ。と言うことだ

 

フレームは轟雷がブロウラー、スティレットがナイトフレームで戦車と戦闘機のようなLBXか」

『はい。汎用性を重視して設計しました。轟雷は特にカスタムの幅が広いので装備次第で大体の敵に対応できます』

「性能は十分だが生産ラインはどうするつもりだ」

 

今はタイニーオービットの生産ラインは使えない。だがそのためのコアスケルトン、もといフレームアーキテクトの新規設計だ

 

『こいつは旧シーカー本部の設備と俺の家の機械も持ち込めば量産可能です』

「分かった。一応この轟雷とスティレットの見本品はあるか?」

 

この後見本品を渡し俺の案は無事通った。直ぐにでも量産体制に入るみたいだ

 

取り敢えずそれで今夜は終わり。ホテルに戻り(隠密侵入)ファクトリーにシャルナック・ムーンとオーディーンをセットして改造の予約をし終わる

そして持ち込みのパソコンで色々3Dmapを作るのであった

 

═二日目昼の部═════スルガin機龍

昨夜、バン達アルテミスチームは今回開催のアルテミスのファイナリスト達が招待されたパーティーで色々あったらしい。そして今朝はルナとスルガも誘われてホテル所有の貸し切りビーチに訪れていた。

 

「やっほー!みんな~」

「ルナ、凄く似合ってるじゃない!」

 

今ルナが着ているのは紫のパレオだ

 

「こんなのいつ買ったの?」

「さっきホテル近くの売店でスルガと買ったんだ。一番スルガの反応がよさそうなのを選んでみました」

 

女性陣がそんな会話を繰り広げる中スルガは男連中と話していた

 

『久しぶりです。ハンゾウさん。それに仙道ニキもルナの修行以来ですね』

「話は聞いてたが・・・本当に体を無くしたとは、災難だな」

『いえいえ、そんな悪いことばかりじゃないですよ。少なくとも一連の事件の其々の目的と黒幕が見えてきましたし』

「そうなのか!?じゃあ皆に言わないと」

『今休暇中に言うことじゃないからね。それに事が事だし近い内に共有するよ』

 

取り敢えずその場を流しお遊びモードに移行する

そしてスルガはルナに水際で海水を避け続ける遊びをしている

 

「やっぱりLBXに当てろって言うのは無茶だよー」

『やってやれないことはない!やってみせろ!冷ッ!』

 

低空飛行を続けていた為ちょっと高い波を被る

 

「あっはっは!スルガ大丈夫~」

『全然大丈夫だぁ、気にするな』

 

そのまま飛行を続けてルナの目の前へ、そして尻尾で海面を叩き逆にルナに水を掛けた

 

「キャッ、やったな~」

 

と、どこから出したのかバケツを持ち出してきた。そしていっぱいに海水を汲み近づいていた機龍にぶっかけた

 

『うわっぷ!』

「いやったぁ!」

 

海中に沈んだ機龍をルナは拾い上げてニシシとイタズラに笑う。そして誰に教わったのか妖艶な表情をすると?

 

「捕まえた♥️」

 

その一言でスルガは一時的に死んだ。これが生身だったなら即三途の川を駆け抜けて閻魔大王をぶっ飛ばし現世に帰還したであろう。イタズラや無駄に技術力は上がっているのにルナに対する防御力は紙のままだ

 

「ルナー!皆でビーチバレーやろー!」

「うん!今行くー!・・・あれ?スルガ?」

 

動かない機龍を手にビーチバレーに加わるルナ

ああ、俺の命は儚いものよ

 

 

 

═夜の部(夕刻)═════

 

場所はダックシャトルでフルリンクシステムの試験だ

話したら興味本位でユウヤとヒロも来た

特にユウヤは去年の事もあり余計気になるらしい

 

昨晩の突貫作業でムーンにフルリンクシステムを新造して搭載しパソコンと有線接続、さらに3Dマップも読み込ませ準備は完了した

 

「こっちも準備できたぜ。スルガ」

「モニタリング諸々の準備も出来たデヨ。強制解除の最終チェックも問題無いゾイ」

「ルナさん、ガンバってください」

「じゃあ行くよ。フルリンクシステム、起動」

 

椅子に座ったルナの体から力が抜けてムーンが動き出す

 

『ルナ、大丈夫?』

チャット『うん。大丈夫』

「よし、心拍数、脳波特に異常無し。行けるぜ」

『俺は先にアクセスしとく』

 

スルガの意識はパソコンに移動、何もないようでファイルとかが色々あるだだっ広い白い空間でプカプカ浮きながらファイルを探しプログラムを実行、大量の0と1が組み合わさり白い空間はミソラタウンの住宅街、スルガ家周辺が作り出された

 

よし、特にバグと不具合が起きてる様子も無いな

スルガは取り敢えず自分の家に入り縁側に座り込む

 

「こっちいつでもいーよー!家で待ってるー!」

 

何となく空に向かって叫ぶ。

 

チャット「じゃあ行くデヨ」

チャット『行くよー』

 

特に世界に異常は無い

 

「さて、成功してないと困るが果たして」

 

しばらく待っているとルナの声が聞こえてくる。どうやらルナも家に来たようだ

 

「えっとこっちかな?」

「お!来た来た」

 

電子上の体がおかしなことになってないかと思ったが杞憂だったみたいだ。そしてスルガを見るなり突っ込んでくる

 

「スルガー!!!!」

「ちょっまっ!ゴブッパァ」

 

な、懐かしい衝撃・・・でも成功した!取り敢えずルナのほっぺたぷにぷにしよ

 

「あー、この感触たまんねー」ムニムニ頬うにょーん

「フウア、くふくっはいほ」

「おっとすまんすまん」

 

頬を膨らませるので指でぷすーってしてやる。なにこれかわいい。そして二人で笑い合う

 

「はー、スルガと触れ合ったらやりたいこと忘れちゃった。ね、膝枕して」

「いいよ。おいで」

 

縁側に座ったままで膝を手でぽんぽんと叩く。頭を置いて二人で空を見上げる。ルナの頭を撫でることで時間は進む

 

「暖かいね。スルガは」

「お前もな、まさかこうして触れあえるとは思いもしなかった」

 

二人の間に言葉は多くない。そしてどれくらい時間が経っただろう、もしかしたらそんなに経って無いかもしれない

その内にルナとスルガが川の字に添い寝を始める。スルガが時刻設定を弄り夜へ、真っ暗な空のキャンバスに満点の星空を写し出した

 

「どうだ?超リアルなプラネタリウムは?」

「わぁ、凄く綺麗」

「これが俺とルナが出会った日、ミソラタウンから見た星空だそうだ」 

 

スルガは一晩で出来るだけその日の星の配列や出来事の資料をかき集めていたのだ

 

「その日の夜はこんな事があったんだな」

 

空に一筋の閃光

 

「流れ星・・・私これお姉ちゃんと見たなぁ」

「そうなの?」

「スルガは何してたの?」

「LBXの練習してたら寝落ちした。ルナは何を願ったの?」

「自由に生きてみたい。だったかな?でもその願いはもうスルガが叶えてくれた」

「ふうん。今の流れ星は何か叶えてくれるのかね?」

「じゃあスルガ・・・手、繋ごう?」

「喜んで」

 

それからぼうっと空を眺めていると突然空にオタクロスの顔が浮かんできた

 

「あん?おいオタクロス!どうした?」

 

この良い雰囲気ぶち壊すとか余程の用じゃねえと許さねえぞ?

 

「緊急事態じゃ!フランスの首都パリでブレインジャック発生デヨ!」

「なぜパ・・・いや、このタイミングで!?」

 

なんでパリで起こった。と言う言葉を飲み込み情報収集のためにインフィニティネット内に向かう

 

「ルナ、オタクロスの言った通りだ。直ぐに戻ってくれ。俺は情報収集を優先する」

 

ルナを見送りインフィニティネットへダイブ

 

しかし何故パリでブレインジャックが?次はロンドンじゃ無いのか?兎に角情報が欲しい。これを見誤ったらヤバいぞ・・・

 



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パリは燃えているか

═ダックシャトル、空中════

慌ただしく全員+郷田と仙道が集合し緊急離陸したダッグシャトルはパリに向けて燃料の持つ速度を保ち全力飛行中だ。スルガはインフィニティネットでギリギリまで情報収集に当たっている

 

《ダックシャトル安定飛行に入ったモ》

「いつもより凄い加速でしたね・・・」

「皆、早速ミーティングルームに集まってくれ。ミーティングをする」

 

 

──────

 

 

ミーティングルームに集まる一同オタクロスとコブラは解析に専念、そしてモニターに二人の人物が写される

 

《皆、時間が欲しい。早速始めよう》

《よう。アルテミスは見事だったな》

「レックス!」

「今回は規模が比べ物にならないため我々シーカーの部隊も出撃、共同作戦を取る。イギリスに居る山野博士も現地で合流するそうだ」

「父さんまで!?」

『戻りました。取り敢えず集められるだけかき集めてきました』

《ではスルガ君、頼む》

『はい』

 

要約させてもらう

・今回は今までのブレインジャックよりも規模や被害が甚大であり現時点でもう死傷者がでている

・すでに警察などの治安維持組織は麻痺しており一般人の避難誘導も満足に行えていない

・フランス政府はすでに軍の出動も検討しており時間の問題

・被害は拡大の一途を辿る

 

『パリ全域で一斉に暴れだしたからかなり酷い有り様だな』

「ついに死者が出てしまったか・・・」

「LBXが・・・LBXで人を!」

「落ち着いてください!バンさん!」

 

バンは机に拳を叩き付ける。そんな中仙道ニキはタロットを切る

 

「女教皇の逆位置、考えすぎも良くないか」

「仙道、こんな時に占いかよ」

 

 

「デ、デヨ~~~」

「マジかよ!」 

 

 

突然オタクロスとコブラが悲鳴を上げた。ジェシカが尋ねた

 

「ど、どうしたの?」

「指令コンピューターがとんでもない数検知されておるんじゃ!」

「規模から見て複数は想定してたが数十個単位とは聞いてねえぞ」

「今分かっておるだけで15箇所、少しずつ増えて場所は離れておる。全て制圧するのは時間がかかるデヨ」

 

と、オタクロスがパリの地図に指令コンピューターの場所と被害範囲を表示する。被害範囲は円形に近い。そしてスルガ、これを見て直ぐに気付いた

 

『オタクロス、この範囲ちょうどエッフェル塔が真ん中じゃねえの?』

《確かあれは電波塔・・・しかも規模を考えると複数のコンピューターで操作、一括してエッフェル塔から操作電波を発しているのか》

「・・・スルガの睨んだ通りだ。全ての操作電波はエッフェル塔から発信されているぜ」

 

結論は自然と出てきた

 

「つまりエッフェル塔を押さえることが出来れば」

「ブレインジャックは止められるって事だね」

 

ジンとユウヤが総括

 

『ならば作戦はSimple is Best!シーカー部隊がエクリプスを使ってるならばコントロールポットでカチコミかけて電撃戦と行こうじゃないか』

《スルガ君、エッフェル塔の無力化はどうするかね?》

『それなら電源のカットでよろしいかと。予備電源含めて送電ケーブルぶったぎってやりましょう』

「分かった、それで行こう。それぞれ出撃の準備をしてくれ」

「「「はい!」」」

 

 

軽い合同ミーティングを済ませてファクトリーも全力稼働し各々LBXのメンテナンスに取り掛かる。その中スルガと大人メンツシーカーの実働部隊隊長と最新情報の収集と作戦の詳細を煮詰めていた

 

「大まかな作戦は良いとしてどうやってLBXの群を突破するつもりデヨ?」

『LBX用外部接続飛行ユニットとライディングソーサー、自律飛行能力、あとはひたすら滑空装備をかき集めて───

 

作戦第一段階

全員エクリプスに乗り込みパリ上空を旋回、オリオン・Eで事前偵察を行いエッフェル塔近辺で敵機が少ない地点を見つけ出す

 

作戦第二段階

向けて飛行可能LBXと飛行用装備LBXの切り込み隊を編成、奇襲をかけて着地点を確保(この時頑丈な建物の屋上、屋根などが守りの都合がいい)

 

作戦第三段階

飛行部隊の援護の下エクリプス、ダックシャトルから他LBXの空挺降下

被撃破機以外の着地を確認次第戦力の再編成、エッフェル塔へ進撃

 

作戦第四段階

恐らく数に任せて全方向から襲ってくるLBXをオーバードウェポンの使用も考慮して突破

 

作戦最終段階

スレイブプレイヤーが居たら足止めして残りの機体でケーブルをカットし全ての電源を落とす

 

『こんな感じかな?』

《俺達もそれで構わないが着地地点の制圧に戦力が足りるのか?》

『一時的に押さえるだけなら十分だと思う』

 

 

しかし死者か・・・今までのブレインジャックでディテクターは死人は出してないし規模が異常すぎる。それに時間的に何らかの声明が出てるはず、それに山野博士が出張ってくるとすれば身に覚えが無いブレインジャックか?・・・犯人はオメガダインやガーダイン?いや今動いたならわざわざパリを狙う理由が分からん。となると別の第三者としか考えられないか?

と思考を回し続けているとNICS本部からの通信が届く

 

 

《会議中済まない。フランス政府の同行が届いた》

「カイオス長官、いったいどうしたんですかい?」

《軍の出動が決定された。目的は逃げ遅れた人の救助と、そして暴走LBXの鎮圧だ》

『鎮圧?仏軍はどうするつもりだ?』

《空爆するそうだ。我々がフランス政府に中止を働きかけたがこれ以上被害拡大を許すわけにいかないと》

『分かりました。オタクロス、エッフェル塔の件をフランスに伝えよう』

「そうじゃな。カイオス長官、ワシの解析データをフランスに渡して欲しいんじゃ。ワシらの見立てじゃがエッフェル塔をなんとかすればいいデヨ」

《うむ。分かった。確かに伝えよう。君たちも独自に作戦行動してくれ》

 

さてと、これでパリが燃える可能は低くなったか

 

『隊長さん、スティレットって生産できてる?』

《ああ。だが5機だけだ。一部隊員がクイーンやオリオンのような飛行可能なLBXを4機持っている》

『了解、スティレットの試作機が一機あるから後で渡す。んでこっちの戦力はライディングソーサーが6機、機龍とオーディーンそして外接飛行ユニットが2個ほど、合計22機、一時的制圧なら十分か』

「山野博士に頼んであるライディングソーサーも足せば後二機は増えるぜ」

「22機、結構な戦力じゃ。シーカーは何人動けるデヨ?」

《40人は行ける。コントロールポットの数も十分だ》

『因みに轟雷は何機あるの?』

《10機、思ったより作れたよ》

「陸上戦力も申し分無いな。頼もしいぜ」

 

 

会議は進みスルガもソルジャー、シャルナック、機龍のメンテナンスに力を入れる

しかし情報収集だけが芳しくない。いつものようには行かないし、相当警戒しとかんと

あ、バンにオーディーン弄った事伝えとかないと

 

『バン、話があるんだけど』

「どうしたの?」

『作戦の都合でな、フランスではオーディーンを使って欲しい』

「オーディーンを?良いけど」

『それで俺オーディーン少し改造したからその説明と最終試験』

「え?どんなカスタムしたの?」

 

バンが一抹の不安を覚える

改造内容は例の如く改造集を参照の事

 

『とまあこんな感じだ。翼変えればいつも通りよ』 

「相変わらず凄いね。新しいリタイエイター、俺に使いこなせるかな・・・」

『変形するから変えなければ良いだけって言ってしまえばそれだけ。早速やろうか』

 

map 天空の城 ストリートレギュレーション

バトルスタート

バンはオーディーン改めF/Aオーディーン、スルガはinシャルナック(飛行ユニット装着)でのバトルだ

 

「行け!オーディーン!」

 

二機は着地するなり空中へ、シャルナックは魔改造コマンドハンドガンを、オーディーンはマルチギミックサックに改造されたリタイエイターを片手散弾銃モードにし空中戦

シャルナックが回避機動を取り連射で弾幕を形成

オーディーンは散弾銃を撃ち、放たれた数本のレーザーは短時間ではあるもののシャルナックを追尾

バンの腕も込みで予想以上の厄介さを発揮し逃げで精一杯になるが急降下で速度を一気に稼ぎ城の下へ入り込む

それを追いかけてオーディーンも下へ来るが見失った。しかしシャルナックは上から生えている石の棒をつかみ外から見えない所に居た。今度は安定した状態でマグナムキャノンを発砲、しかし片手の固定では反動は殺しきれず外れてしまいマグナムキャノンを格納しつつスモークグレネードを起爆、飛行が安定するまでの時間を稼ぐ

オーディーンはリタイエイターを狙撃銃モードに変形、赤外線カメラでシャルナックを捉え狙撃する

 

シャルナックは落下で難を逃れ速度を稼ぎ飛行を安定、上方から今度は双剣モードで斬りかかってくる

天叢雲を抜刀、空中で縺れ合いながら二機は城内に墜落し勝負は仕切り直しだ

 

今度はスルガから仕掛ける。上段袈裟斬り、返す刀で横凪一閃

バンも双剣モードで防御し昇円斬で反撃、スルガはとっさにのけ反り間一髪回避したのちハンドガンで狙う

強化されたブースターにモノを言わせ射線からのがれリタイエイターの片方を散弾銃に切り替え再接近

いつもスルガがしている戦闘術をバンは即興でアレンジし実行した

変幻自在に曲がる散弾銃のレーザーを避けつつ銃弾を送り込むが当たらない。

そしてバンは外れたレーザーをUターンさせてシャルナックの背中にぶつけてブレイクオーバーした

 

 

─────

 

 

「凄い、今までのオーディーンとは思えないよ」

『改造素材が最高級品だったんでな。最高のカスタマイズを施したぜ。で皆さんどうよ?』

「この槍変形するんですね。知らなかったです」

『いやいや変形機能を追加したのよ。元々二つに分けれそうだなって考えてたし』

「機動が変わるショットガンか、相手にすると考えると恐ろしいな」

 

F/AオーディーンとMGS(マルチギミックサック)リタイエイターは概ね好評のようだ。

 

 

LBXのメンテナンスや会議している内にダックシャトルは北米大陸上空を飛行中、そして仏軍が動き出す

迫り来る仏軍戦闘機を見ながらエッフェル塔の頂上にはLBXを繰り出す不穏な人影が会った

 

 

 



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パリは燃えている

絶対的な破壊と抗えない暴力の祭典!オーバードウェポン祭りじゃあ!


═ダックシャトル、大西洋上飛行中════

作戦の準備を済ませた一向、これから詳細なミーティングをすると言うときにNICSから衝撃的なニュースが飛び込んできた

 

「墜落?間違いないのか!?」

《ああ。エッフェル塔を目標として作戦行動に当たっていたフランス空軍戦闘機は全て墜とされた》

「ディテクターが対空兵器を用意してたのか?」

《いや、戦闘機からの最後の映像に写ったのは小さな高速で移動する物体だけらしい》

 

フランスから写真の提供は無かったらしいが、小さな高速で移動する物体、十中八九敵のLBXだろう

 

『おい、ジンちょっち来て』

 

ジンに事情を伝えて情報を貰う

 

「フランス空軍の主力装備のスペックを考えると、敵のLBXはとんでもないスペックをしている。僕たちの機体性能だけでは歯が立たないだろう」

 

戦闘機ヲタクのジンがそう言いきる

仏軍の運用しているミサイルの速度、戦闘機自体の速度を考えるとそうとしか考えられないみたいだ

 

《スルガ君!着陸地点の選定が終わった。全員を集めてくれ、作戦の説明をする》

 

 

 

──────

 

 

 

シーカーの隊長さんの指令で全員をあつめ作戦説明がはじまった

 

《作戦説明は私から行わせてもらう。がその前にコブラ、フランスからの情報を話してくれ》

「おう。つい先程だがエッフェル塔を攻撃したフランス空軍の戦闘機と発射したミサイルが全て撃墜された」

「戦闘機って・・・たしか音より早いんじゃ」

「ああ。それに撃墜したのはたった一機のLBXだったらしい」

「LBXが飛行する戦闘機を、どんなLBXなんだよソイツは!」

「不明だ。情報が無さすぎて性能の推察もろくに出来てない」

《不明なLBXに対する情報はこれくらいだ。続いて作戦説明に移る。第一にこの作戦はコントロールポットからの遠隔操作で行う》

 

エッフェル塔無力化作戦『yellow red』

一旦シャルルド・ゴール国際空港で合流してステルス機であるエクリプスに搭乗する

塔の南西部2.5km以内、グルネル通り沿いの頑丈な建物の屋上に飛行可能LBXで先遣隊を派遣して襲撃して屋上の制圧

そこに残ったLBXを全て降下させ戦力の再編成を行い襲いかかってくるであろうLBXを蹴散らし塔に向けて川沿いを進撃

塔にたどり着いたら電源ケーブルを予備含めて切断し電波塔としての能力を奪う

LBXの暴走が沈静化すれば仏政府と協力、指令コンピューターにワクチンプログラムを注入していき事態を終息させる

 

《以上が作戦内容だ》

「続いてワシから先遣制圧部隊のメンバーを指名するデヨ。まずバン、おまんが部隊指揮官じゃ」

 

F/Aオーディーンとバン、スルガin機龍(改)

外接飛行ユニットで仙道ダイキとナイトメア、ヒロとペルセウス

ライディングソーサーで6機でレックス(Gレックス)とジン、ユウヤ、郷田、ジェシカ、ルナだ。山野博士に伝えるのが遅れライディングソーサーの当てが外れてしまった

だがシーカーからはスティレット6機とその他飛行LBX6機で合計20機、後詰の本隊はスルガの無人機含め30機強で計50機以上のLBXが参加する大作戦だ

 

「ねえ、思ったんだけどもっと近く、なんならエッフェル塔に直接降下したらだめなわけ?」

『ランよ、むしろなんでだめじゃないと思う?』

「戦闘機を撃墜したLBXの存在だね。全員がエクリプスに乗り込むのもそう言うことだよ」

《後10分程でシャルルド・ゴール国際空港に到着するモ。全員着席するモ》

「皆、着陸したら直ぐにエクリプスに乗り込んで発進する」

 

スルガが窓から滑走路を見ると先にエクリプスが滑走路脇で直ぐに離陸出来るよう待機している

 

ダックシャトルはエクリプスの直ぐ横に垂直着陸、着地を確認しだい全員が荷物片手にエクリプスに搭乗して緊急発進、一方でスルガは離陸前にオリオン・Eをグルネル通り沿いに派遣して効果地点の事前偵察をさせる

 

酷い有り様だった。リアルに燃えそうで燃えなかったこの都市が燃えている。まるで燃料のように燃えている

至るところから煙が上がり至るところで人が倒れるまさに地獄の様相だ

 

 

──────

 

 

 

═エクリプス═════

エクリプスが離陸し高度を取りながらパリ上空で旋回待機に入る少し前

 

「父さん!」

「バン、久しぶりだな」

 

別の所で準備していた山野博士とも無事合流できた

 

『お久しぶりです。山野博士』

「スルガ君も身体の件、災難だったな。私も調査しているがまだ発見には至って居ない」 

「貴方がバンさんのお父さんなんですね。初めまして、大空ヒロと言います!」

「私は花咲ラン!よろしくお願いします!」

「初めまして、山野淳一郎だ。二人の活躍はバンから聞いているよ。これから宜しく頼む」

 

「総員、コントロールポットに入って準備を整えてくれ。作戦red yellowを発動する」

 

隊長の号令でシーカーの隊員達はするすると、ヒロ達は戸惑いが強いみたいだがさっさとコントロールポットに乗り込んだ

 

[全部隊に連絡、地点はエッフェル塔南西1,9km地点の2階建て商業施設の屋上です。高い建物からの狙撃に警戒してください]

 

エクリプスからのオペレートで作戦の詳細が写し出される

[操作電波最終チェック問題無し]

[エクリプス、LBX投下地点まで残り30]

「よし!先遣制圧部隊及び武装コンテナ、投下用意!」

「皆、準備はいいな?」

 

サターン攻略にも使われた電磁カタパルトにライディングソーサーやLBX、コンテナグライダーがセットされる

 

[残り20...15...10.9.8.7.6.5.4.3.投下、初め!]

 

約30機のLBXが空中に躍り出た。各々の降下姿勢で重力も味方に付けながら目標地点に一気に降下

 

 

「わっ、凄いです!」

「まるで直接LBXに乗ってるみたいだわ」

「ジン君から聞いてはいたけど躍動感が凄いね」

 

コントロールポット初使用勢は感嘆しているが直ぐにそんな余裕は無くなるだろう

 

[先遣制圧部隊、全機正常に投下されました。各機異常無し]

[偵察映像では降下地点に敵LBXは数機程しか確認できていない]

[制圧部隊、高度100切った]

 

「よし、皆行くぞ!」

『「「「「「おう!ええ!うん!はい!」」」」」』

 

やはり下は地獄、煙が上がっていない場所が無い

スティレットのハンドガトリングの掃射で屋上の敵機はほぼ撃破、残った数機も降り立つ瞬間のオーディーンらに破壊された

 

[先遣制圧部隊着地確認、そちらに向かうLBXが確認できます。注意してください]

 

少し上空ではオリオン・Eが周回飛行し周辺の敵情を探る

建物の屋上に全機着地、だが直ぐに次の敵LBXが襲来する

 

『おらおら!死にたい奴らから前に出てこい!』

「先遣隊、バトル開始だ!」

 

 

機龍は真っ先に建物を登って来たLBXと一緒に外階段を爆破し、空からの敵はスティレットの弾幕やミサイルに追い回されたりオーディーンが切り飛ばしと連携して空から襲来する飛行型を迎撃に出る

Gレックスとペルセウス、ナイトメアは散発的に登ってくる敵を撃破、他LBXは狙撃、機関銃やランチャーを撃ち下ろしビル下の敵を掃討

 

[他エリアのLBXの動きが一気に活発化しました。被害が拡大しています!]

[ここに来るまでに私がブレインジャック対策の妨害電波を用意した。距離の問題でエッフェル塔周辺は効き目が薄いが遠くのLBXになら効くはず、エクリプスから出してくれ]

[分かりました。妨害電波、発信開始します]

『山野博士!オリオン・Eの管制権限使って妨害電波出させてください』

 

電子戦が開始された。その間地上制圧隊も着実に敵を撃破し数を減らしている、 

 

[周辺の敵、半減しました。本隊LBX降下準備に入ります]

[本隊降下地点まで高度40]

「速度を落とせ!本隊降下用意!」

 

 

─降下本隊──

サターンの時より時間的余裕が無く降下装備はただのパラシュート、落下速度が遅いため地上からの対空砲火の餌食になってしまう。なので事前に着地地点の制圧の必要があった

 

 

[残り20.....15.....10.....5.4順次降下!鳥になってこい!]

「ラン!行きます!」

 

開けれる場所を全て開けそこからLBXが飛び降りる。高度50mでパラシュート展開しビルの屋上に降りてそこから攻勢に出る予定だ

 

[停止していた敵LBX、行動再開!]

[なんだと!?]

[敵のECCMじゃ。用意周到なことデヨ]

[敵のLBX群が徐々にですがエッフェル塔へ集まっています]

[この動き・・・今までのブレインジャックとは違う戦略的な行動のようだ]

 

「バン君変だ。敵のLBXの襲撃が小出しすぎる」

「今までのブレインジャックならもっと一気に来てるはずだ」

「隊長、空から第二波です!」

「おい、まてよ、あれがパリで使われてるLBXの量なのか!?」

 

空を多い尽くさんとするクイーン、デクーカスタム砲戦型、フライトデクー、オリオン・・・100機所の話ではない。数多の飛行型が群れを成して襲ってきたのだ

 

『オーバードウェポンを使う!上空の味方機、巻き込まれるなよ!』

 

投下された予備武装コンテナの一つを開封しオーバードウェポン《ヒュージミサイル》を機龍にドッキング、適当に群の真ん中にロックオン

 

オーバードウェポン

ヒュージミサイル

 

システム音『不明なユニットが接続されました。システムに深刻な障害が発生しています。直ちに使用を停止してください』

 

「他機もスルガを援護しろ!」

 

ロックオンを済ませたら背中のコンテナが開き弾頭にドングリが使われた弾道ミサイルが組み立てられた

組み立てが終わった瞬間エンジン点火、初期加速用カタパルトに通電され発射態勢に

付近の敵LBXは全て撃破されているので心配する要素はない 

カタパルトがミサイル本体を加速させミサイルが空中に飛び出る。

機龍は空のミサイルコンテナをパージ、本体は集団の中心部で起爆巨大な火球を作り出し強烈な熱と破壊力で群の大半を飲み込み撃墜、撃破した

 

『ニ コ ニ コ 本 社』

 

後はスティレットとF/Aオーディーンに任せて大丈夫だろ、八割は殺ったっぽいし

 

[降下部隊、状況知らせ]

「全員無事だよ!もうそろそろパラシュート展開していいかな?」

[高度80.70.本隊パラシュート展開!]

 

一斉に落下傘が開く。飛びながら戦えるLBXが空中で護衛、敵のLBXや対空弾幕を無力化しつつ屋上へ続々着地、パラシュートを切り離し防衛戦に参加

 

[隊長、全機着地を確認しました]

「よし!着地地点を放棄、エッフェル塔への進撃を開始せよ!」

「「『「「「了解!」」」』」」

 

ランチャーやバズーカ、stgで道路のLBXを凪払い続々と道路に降りる

予備武装や弾が入ったコンテナはライディングソーサーが吊り上げ輸送

斬り込み隊(剣、槍、ナックル、ハンマー)、支援隊(両手機関銃、片手銃)、特火隊(両手単発、狙撃銃、バズーカランチャー系)巡での電撃戦、斬り込み隊が突っ込みそれを支援隊が銃撃で援護、特火隊はそれの更に後方へ火力を投射し数を減らす

この中でも大体の距離に対応可能で高い機動力を持つ轟雷は大きな戦果を上げる。滑腔砲で中~遠距離でも下手な武器より火力を発揮、スティレット共々最高の初陣となった

 

機龍はまたもや最前線、ムーンとコンビで次々敵LBXを薙ぎ倒しつつ前進する

襲ってきたLBXの頭を掴み道路に叩きつけ残骸を別のに投げつけ、尻尾で粉砕し、グレネードで爆破し、踏み潰し、殴り付けて装甲諸ともコアボックスを破壊、機龍を後ろから襲うLBXはムーンの朔が貫き通す

オーディーンは双剣と槍を使い分け、少しはなれた敵を 散弾銃モードで一度に4、5機を撃破、着実に戦果を重ねる

ジン、ユウヤは連携しお互い背中を預けながらLBXを殴打、斬り払い着実に進む

レックスは機龍よりも前で一人無双ゲーをやっている。なんか攻撃毎に7機吹き飛んでね?

ヒロとランは支援隊の援護の下で敵集団に潜り込み斬り、殴り倒しながら走り抜けていく

他機も支援隊や特火隊も多くの撃破を重ねる

 

[塔まで1.5kmを切りました]

[これは!?部隊より100m先に防御陣地を多数確認!]

 

防御陣地、と言っても瓦礫や土嚢を障害物にしてるくらいだがそれが短間隔で大量に置かれその後ろにLBXが隠れているだけで十分な脅威だ

 

「明らかに人間が指示を出しているか・・・よし!まとめて吹き飛ばせ!」

「じゃあ僕が行くよ!ヒュージロケット!」

「僕も行こう、サイクルレールガン!」

 

リュウビとトリトーンは背中に異質なものを背負っている。格納状態の40門の拡散ロケット砲と三連装レールガン

 

オーバードウェポン

ヒュージロケット

 

オーバードウェポン

サイクルレールガン

 

不明なユニットが接続されました。システムに深刻な障害が発生しています。直ちに使用を中止してください

 

リュウビの肩にレールが作られその上を大量のロケットが格納されたコンテナが移動、エネルギー供給に左腕が切断、照準を定め、トリトーンの腕に三門のレールガンが取り付けられ背中に背負った制御がろくにされてない剥き出しのエターナルサイクラーがエネルギーを吐き出しレールガンにエネルギーを供給する

 

先に撃ったのはトリトーン、三発のレールガンは土嚢や瓦礫、隠れていたLBXを破壊し瓦礫の破片でLBXを加害

続きリュウビからおびただしい数のロケットが発射され瓦礫を超えて上から飛来、LBX群は対空射撃をするが多勢に無勢、獲物の集団に殺意Max&嬉々と飛び込んでくるロケットになす術無く蹂躙され大半の防衛陣地は壊滅した

 

「ねえ!川の中から何か来る!」

 

防衛陣地を消し飛ばした矢先異変に気付いたランが叫んだ。

 

「水中戦闘型だ!皆気を付けろ!」 

「特火隊!あれを蒔いて川から離れろ!」

 

中身はナズー、リズー、シーサーペイント、マッドロブスター、ネレイド、ケートス

セーヌ川から奇襲、防御陣地相手に手こずっていたら全滅の危険すらある程危なかっただろう

しかしと言うべきか奇襲してした集団は迷わず特火隊を襲う

だが川沿いを進む以上これしきのこと規模以外は想定の範囲内。スルガ製指向性地雷をセットし両手単発組が足止めしながら後退、遠隔起爆装置など付けてないのでランチャーで誘爆させ大量加害、撃破には至らない事が多かったが動作に異常を発生させるには十分だ

 

 

「よっしゃ決まった!支援隊、殲滅するぞ」

「応!」

 

 

足を鈍らせた所に支援隊と特火隊が必殺ファンクションを混ぜた十字砲火クロスファイアで殲滅せんと一気に畳み掛けた

機龍も誘導弾、レールガンの一斉射でLBXを資源ゴミに加工していく

何機かはそのまま川に落ち難を逃れた用だが大半は行動不能に陥らせ奇襲してきた水中型は壊滅

更にスルガがグレネードを川に投げ込み爆発の激流と水圧の暴走を起こし追い討ちをかけた

部隊は進撃を再開する

 

 

[進路上に明確な障害物、今のところ確認できませんが散発的にLBXが待ち伏せしています]

[エッフェル塔に集結しているLBX、推定3000機を突破]

『エクリプスへ、予備武装と弾薬、ヒュージブレードをソルジャーDに付けてマルチプルパルス、後大和と機龍の予備バッテリーの投下準備、目標地点はエッフェル塔500m地点、こっちが600m地点くらいで投下、鹵獲防止でパラシュートの展開遅めでおなしゃす』

[了解、準備に入ります]

 

 

斬り込み隊ではオリオン・Eの誘導電波の下ランチャーや誘導弾で障害物を超えて敵を攻撃、出てきたところにレックスを初めとした歴戦の化物共が襲いかかる

最早進撃を止められるものは無いように思えた

 

[む?先程までこんなコンテナ・・・?]

 

山野博士が何かを見付けたようだ。オリオン・Eを向かわせて観察する

 

[何でしょうか、これ]

[ここ二、三分の間に出現した。箱の中に熱源反応、嫌な予感がする]

[地上へ 200mほど先、800m地点に1m四方のコンテナの用なものを確認しました。正体不明です。十分に注意を]

「スルガ、オーバードウェポンかアブソリュートゼロで吹き飛ばす?」

『それでもいいけど中身が気になる。ルナ、コンテナに銃弾ぶちこんでくれ。弾かれたら必殺ファンクション』

 

機龍とムーンが一時的戦線離脱、ビル伝いにコンテナの正体を確かめに行く

スルガが目にしたのは黒い箱、恐らく外装は強化ダンボールだろう。破壊は難しいか

 

『ふむ、確かに熱源がある。ルナ』

「おっけー、撃つね」

 

試作電磁機関銃が当たるが目立つ反応は無い。続きサンダーバーストを向けた

 

「うーん、反応なし?」

『山野博士、オリオン・Eから攻撃して』

「分かった」

 

上空を旋回しているオリオン・Eからミサイル攻撃

それでようやく箱が反応した。綺麗に箱が展開、中が露になる。がその中身は割りと嫌な物であった

 

「あれは・・・キラードロイド?」

『設計図に無い新型のキラードロイド、ワイバーン、ミノタウロス、ヒドラに続き空想の幻獣グリフォンがモデルか。あ、気づかれた』

「なんか溜めてるね。凄いの来そう」

『逃げるか殺るか?』

「ここで倒しちゃおうよ。二人なら行けるって」

 

コンテナから出てきたのは紫と黄金で塗装されたキラードロイド《グリフォン》だ。名前通りの飛行能力と放たれる強力な怪光線が武器の厄介な奴(デザインは大型ミゼレム参照)

さっそく口から怪光線を撃ってくるが距離があり二機は余裕の回避、グリフォンは飛翔して機龍を追ってくる

スルガも飛び上がりレールガンで牽制をしながら誘導弾で隙を作り連装メーサーを照射

 

単純にグリフォンより機龍の飛行能力のが高いな。オバセ使うまでも無い。あの光線も飛びながらなら精度クソだし遠距離武装がそれ以外無さげ・・・設計者無能か?

 

「スルガ、大丈夫か?」

『隊長大丈夫です。単純にこいつ機龍より弱いし一応増援にスティレット二機ほど回してくれると助かります』

「分かった。援護にスティレットを派遣する」

 

ムーンは戦況を見て下にワイヤー地帯を作りながら何かをまつ

機龍がグリフォンを翻弄しつつ足等部位破壊を徹底、少しずつ装甲を剥ぎ落とす

やがて増援のスティレットが到着、バルカンの射撃さらに狙いが分散され空中での動きが鈍くなる

機龍は連携して最後の部位、翼の破壊に取りかかる

 

『翼をへし折って落としてやる。牽制をお願いします』

「「了解」」

 

攻撃を翼の付け根に集中、メーサーの直撃や多数の誘導弾の命中には比較的弱い間接部は長く耐えられず片翼がもがれ地面に墜ちていく

勿論落下先はルナが作ったワイヤー地帯、糸に絡まり身動きが封じられ怪光線を乱射するもさらに複雑に絡み付きやがて動かなくなった

 

「スルガ、これどうする?」

『鹵獲したいからある程度壊して放置』

 

機龍は諦め悪くもがき続けるグリフォンの口をこじ開け上からメーサーを撃ち込み機能を停止させた

 

『よし終わり。向こうに合流しようか』

 

機龍がムーンを抱えて本隊に向け飛ぶ

 

[本隊、間もなく600m通過、コンテナ群投下します]

 

エクリプスからいくつもコンテナが投下、設定高度に到達するとパラシュートが開く仕組みだ

 

[敵LBX群、進路上に確認できません。潜伏もしくはエッフェル塔で待ち構えています]

[現在こちらは三機喪失、想定内の被害です]

「総員、エネルギーと武器弾薬の補給を、それが済み次第エッフェル塔に突入する」

『エッフェル塔の麓は障害物があまりないのであらかたオーバードウェポンで露払いをさせてもらうよ。誰かの轟雷にマルチプルパルスを取り付けさせて』

 

コンテナを開き交代交代で襲撃の警戒に当たりながら補給を開始、支援型の護衛を受けて随伴していたスルガ作無人機『ブルド改支援型』が機龍のアーマーフレームの一部を取り外しバッテリーパックの交換しグレネードも補充

弾の尽きたレールガンを銀色から青色の物にに換装、バックパックを下ろしオーバードウェポン《大和》を取り付ける

他の連中も他の支援型から弾薬補給と損傷箇所の応急処置を受けエッフェル塔突入の準備を整える

 

[現在周囲及び進路上に敵影無し、敵LBXはエッフェル塔で防衛態勢を敷いています。推定機数2800]

 

やはり大量に待ち構えて居るようで、オーバードウェポンをぶっ放すのが楽しみだ

 

そして準備は整う。全機補給は万全だ

 

「全機作戦伝達、エッフェル塔には大量の敵が待ち構えている。そこでオーバードウェポン同時投射で敵を削り全機突入、集団の突破を最優先にし到着次第手段を問わず送電ケーブルをぶった切れ」

 

残りの500mを走破しLBX群が待ち受ける場所の少し手前で一旦停止、オーバードウェポン機を切り離し一時的に護衛を付けて発動地点へ

 

『さあ、行くよ機龍』

 

別の場所のヒュージブレード装備のソルジャーDを遠隔操作しながら大和を展開

歯車激しく回転、エネルギーを伝達され6つのミサイルコンテナと三連装三基九門が組み上がり歯車が赤熱化、更に砲の射角を修正

別の所を見るとマルチプルパルスを待機状態にした轟雷も見えた

 

不明なユニットが接続されました。システムに深刻な障害が発生しています。直ちに使用を中止してください

 

オーバードウェポン

大和

 

オーバードウェポン

ヒュージブレード

 

オーバードウェポン

マルチプルパルス

 

 

機龍が咆哮を上げる。それに気が付いたLBXが銃口をこちらに向けるがもう遅い

 

「一斉発射ァ!」

 

マルチプルパルスを付けた轟雷がスティレットにより敵のど真ん中に投下され閃光を撒き散らしながら前進、バルスキャノンと姿を変え敵を飲み込む

ソルジャーDは限界を超えてエネルギーを注入したヒュージブレードを水平に振り刀身の範囲内全てを両断

大和は自分の前方全てに砲弾を爆速超連射、ミサイルを次々発射、砲身はその熱で直ぐに赤熱化しそれでも止まらず敵機に弾丸を撃ち込み続けLBXだったものを作り続ける。ミサイルも大量にばら蒔かれて着弾しLBXの破片の花を狂い咲かせた

 

『粉砕!玉砕!大喝采!ヌハハハハハ!』

「い、いままで以上に凄い」

 

集団殲滅向けのオーバードウェポン三基の同時発動

エッフェル塔にあつまっていたLBXの四割が完全破壊(蒸発含む)三割が破壊(原型有り)二割が戦闘不能

約九割、2400機程がオーバードウェポンの餌食になった

 

「うっわ・・・ぜ、全機突入せよ!」

 

あまりにもないえげつない攻撃力で実働部隊隊長もドン引きしている

 

機龍はそのまま支援型からバッテリーの交換、背中のを大和から青バックパックに載せ変えの作業に入る

さてと、戦況は・・・優勢所の話じゃねえな。もう足早いやつ中はいってるし

 

「こちら仙道、分電盤を見つけた。破壊する!」

 

あ、中から爆煙出てきた。デスサイズハリケーンでも撃ったか。ともあれケーブル切ったなら電源供給止まるはず

やがて外のLBXの動きが止まる

 

[エッフェル塔からの電波送信停止、周辺を見ているが・・・稼働しているのLBXは無い。作戦成功だ]

 

山野博士が様々な箇所の監視カメラをハッキング、諸々確認して稼働LBXが居ないことを確定させた

作戦に参加した隊員全員から歓声が上がる。しかしスルガだけは得体の分からない不安感を拭えていなかった

 

「実働部隊の隊員そしてスルガ君、どう見るかね?」

「まだ終わっていない、と思う。仏軍戦闘機を撃墜したLBXの事も分からない」

『同感です。今回のLBXの作戦的な動き、間違いなくリアルタイムで人の知恵が入っていました。まるで我々がこうして降下、エッフェル塔の制圧に乗り出し無力化する事も見透されてたような・・・』

「まだ要求、ましてや声明の一つもないのは異常デヨ」

 

その時だった。突如として停止していたLBXが動き出した

 

[塔周辺のLBXが活動を再開しました!全機破壊活動を行っています!]

[救助活動に当たっているフランス陸軍から救援要請です!]

「なんだと!稼働できる轟雷全機をフランス陸軍の救援に回せ」

『んだと!オタクロス!コブラ!電源は破壊したはずだ。どうなってやがる!?』

「塔の電源の大本は既に破壊されたはずじゃ」

「多分犯人が別の電源を用意していたんだ。塔周辺のLBXしか動いてないのを見る限りこの電源は限定的な物だろうが」

 

慌ててLBXの対応に当たるがさっきまでとは違い襲ってくる訳でもなく破壊活動に徹しているため別の意味で厄介だ

 

【ご苦労様だ。NICS、そしてシーカーとやらの諸君!】

 

「なんだ!?」

「この声は一体」

「犯人・・・かな?」

 

エッフェル塔の放送設備から何者かが呼び掛けてきた

 

【と言ってもこちらに声は聞こえないがね。君たちの疑問は何で電源を破壊してもLBXが止まらないのか?だろう?是非答えよう!】

【私が別のバッテリーを持ち込んでおいたからだ。持つのは三時間程度だろうがそれだけあるならこの花の都を焼くには十分だ】

【ついでに言っておこう。戦闘機を落としたのは私だ。まあこちらは重要では無いが】

【上の住居スペースで諸君らを待っているよ。盛大な歓迎の準備は整っているからね】

『隊長、飛べるやつで直ぐに向かっていいですか?』

「ああ!」

 

先の降下部隊でライディングソーサーやら色々使い塔の上に向かう

 

待ち受けるモノとは一体誰なのだろうか

 



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パリは燃えてしまった

 パ リ 三 段 活 用 


═エッフェル塔、上昇中═════

降下部隊のメンバーで塔の外から垂直上昇を始める

他の部隊は破壊活動に尽力するLBXを駆逐しに向かった

 

進撃に夢中で戦闘機落とした奴の事考えてなかったな・・・だが正体もよく分からん。いや予想はつくけど軒並み証拠が無い。放送して煽ってきた奴も

 

突然だった。剣が空を舞いスティレット二機のメインエンジンを破壊した

 

「なっ!」

「はっ?」

 

無力に落下するスティレット、全員臨戦態勢に

よく見ると八本の青い光剣、恐らくソードビットが飛び交っている

直ちに弾幕を張りソードビットの撃墜を狙う

 

「皆、気を抜いたら落とされるぞ!」

 

レックスの一喝、だが奮戦虚しくソードビットに一機、また一機と落とされていく。機動力や速度で大きく劣っているのだ

 

「これで戦闘機を撃墜したのか!?」

『いや違う。こいつらは多分武器だ。本体のLBXは別にいる!ルナ!』

「スルガッ!」

 

ルナ、シャルナック・ムーンの乗るライディングソーサーにソードビットが突き刺さり飛行能力を喪失させた

ムーンは咄嗟にワイヤーを機龍に飛ばし機龍がそれをキャッチ、ソードビットの迎撃をしながらワイヤーを巻き上げムーンを引き上げる

 

「クソッ!」

「やられた!畜生!」

「駄目だ、避けられない!」

「ユウヤ!」

「行って!ジン君!」

 

助けに入ろうとしたジンを制止してリュウビが墜ちた

しかし助けに行った隙に自分のライディングソーサーもソードビットが切り裂いていった

 

「なにッ!?」

「ジン!」

 

オーディーンが間一髪でトリトーンの拾い上げに成功する

 

「バン君、助かった」

「ジン、これを!」

 

リタイエイターの散弾銃モードを渡す。全力の回避運動を取りながらジンが弾幕を張る

 

「おわっと!すばしっけえなぁ!」

「くっ、これは」

 

郷田仙道コンビも何とかソードビットを退けているがかなり綱渡りだ

 

「頂上は後少しだ!もう一踏ん張れ!」

 

 

 

 

════

 

 

 

 

『ヨシッ!着いたぞ』

「何機残った?」

 

オーディーン、トリトーン、機龍、ムーン、ペルセウス、Gレックスの6機

 

「ふむ、以外と残ったようだね。銀の機体以外は破壊する積もりだったが君たちの力を侮っていたよ」

 

なっ、こいつの狙いは機龍(オレ)か!

 

「こんなに街をめちゃくちゃにして、何が目的なんですか!」

「目的?ああ、そこの銀のLBXとその中身《2つ》だよ。それ以外には興味ないね」

 

機龍とその中身2つ?・・・フルリンクと俺自身?いや、アブソリュートゼロ?

 

「私はね、河白スルガが作ったフルリンクシステムに可能性を感じているのだよ。オーバーロードにも負けない可能性を!」

「私はそれを持ってセレディを・・・!いや、君たちには関係の無い話か」

 

セレディ!?まさかこいつ、ワールドセイバー・・・

 

「おっと失敬、自己紹介が遅れてしまったね。私はリフィルス・クロウド、河白スルガ君、君とは長い付き合いに成ることを期待しているよ」 

『俺はこれ限りの付き合いにしてやるよ』

 

機龍で中指を立ててやる

 

「まあ、君以外を破壊して無理矢理連れていけばいい話だ。行け、トルークビルト」

 

繰り出したLBXの印象は細身で紫色のファントムだった。マントが無いからステルス能力の有無は分からない、恐らくストライダーフレームだろう。武器は紫の片手銃剣?形は紫一色にしたワイバーンブラストに似てる

ソードビットも更に増えて18本とどうやって管制してやがると言いたい

 

『皆、アレの目的は俺だ。俺が決着を付ける。俺が壊す。ルナ、露払いお願い出来るか?』

「飛んでる剣は任せて。スルガには触れさせないよ」

「大丈夫なのか?スルガ」

『大丈夫だレックス、俺と機龍なら問題ない。ルナが援護してくれるしな』

 

map エッフェル塔頂上

アンリミテッドレギュレーション

バトルスタート

 

トルークビルトがソードビットを差し向け機龍に銃剣を構える

機龍は飛んでくる剣と弾を完全に無視しブースターを焚いて一直線、一発タックルし押し飛ばす。避けようとしたようだが短距離の直線加速度なら負けていない。飛んだ先に誘導弾二発と口部メーサーで追撃

他機もソードビット三機の同時攻撃をうけているが援護しあって普通に捌けている。問題無さそうだ

 

おん?これ避けれないの見るとわざとじゃない限りこいつ腕はそこまで良くねえな?いや、ソードビットの管制に処理能力裂いてる?

 

しかしメーサーの到達寸前に飛び上がる。高速で動きながら銃剣の連射

機龍がスモーク、チャフグレネードとフレアをばら蒔いた

 

『鬱陶しいからアレやるぞ』

「ん」

 

アタックファンクション

インビジブル

 

アタックファンクション

インビジブルブレイド

 

二機の姿が消える。ムーンと機龍を付け狙っていた4機の

ソードビットも姿を光学的、レーダー上で見失ったようで迷走状態に陥っている

 

トルークビルトに誘導弾を八発、上、横それぞれ四発包囲発射、それ乗じて二機とも接近する

着弾直前に誘導弾を振り切って上昇、煙幕範囲外へ。着弾し爆風で煙が霧散する。勿論そこに二機の姿は無い

 

意表を着くため機龍が真っ正面に姿を表しソードビットが一直線に機龍へ、機龍は直ぐに投射できる武器(口部メーサー、誘導弾、レールガン)を全て一斉に発射

トルークビルトはビット三機を呼び戻しシールドを展開、攻撃を防ぐ態勢を作る

その後方至近距離に今度はムーンがインビジブルを解いた。既に試作電磁機関銃を片手に構えもう片手には朔が握られている

 

トルークビルトは銃剣を二丁ともムーンに向けようとしたが射撃はムーンの方が早い

機龍も誘導弾の一部をビットシールドの範囲外から撃ち込んだ

 

『貫けええええぇぇぇぇぇぇ!!!』

 

更にブースターフル稼働スパイラルクロウとメーサーブレードのダブルアタックでビットシールドの移動も阻止、もし仮に移動させようものならそのままトルークビルトにぶっ刺さるだろう

 

「ふん、詰めが甘いな」

 

だが選択はムーンへの近接攻撃、銃撃と誘導弾を急加速で回避しムーンを銃剣で斬り付ける。しかし機関銃をすぐに捨て盾を構えてダメージを押さえたが構えが崩れる

そこに銃撃、致命傷は避けたが数発被弾、墜落する

 

「危なかった!ヤバッ!」

「墜ちろ」

 

そのタイミングでビットシールドがソードになり機龍に刺ささろうとするが、機龍はその勢いのまま回避しムーンに射撃するルークビルトを強襲しかし巴投げの要領で地面に投げられソードビット二基が追い立てる

 

『マジかよ!ルナ!』

「不味い!制御できない!」

 

機龍は上手く姿勢制御し着地、メーサー凪ぎはらいでソードビットを退けるが飛行能力を持たないムーンは強く床に叩き付けられる。そこに飛来する二基のソードビット

 

チッ、こいつ相手にリミッター掛けたムーンじゃキツいか。今のルナなら行けるか?・・・いや、彼女を信じないでどうする!

 

『ルナ、ムーンのリミッターを解除する。今のお前なら出来る!』

「え?・・・うん、分かった。お願い!」

 

パスワード入力[code moon_]

リミッター第三段階解放

ルナCCM《リミッター解除》

 

ムーンの基本性能全てが解き放たれた。ムーンが起き上がりソードビットが機体を貫く

 

 

 

──────

 

 

 

こちらは12基のソードビットに襲われているバン達、しかし機動力故に苦戦しようと撃破されるようなタマではない

 

 

「ふん、ハァ!」

 

Gレックスが突っ込んでくるソードビット2基を捕まえぶつけて壊す

 

 

 

「読めた、ここだ!」

 

背後から接近するソードビットにシーホースアンカーをクリーンヒットさせ叩き飛ばし破壊

 

 

 

「行きます!」

 

ペルセウスソードでソードビットと打ち合い距離を取ろうとした1基を切り裂く

 

 

 

「そこっ!」

 

散弾銃二丁の変幻自在な弾道で完全にソードビットを包囲、全方位から一気に畳み掛け破壊した

 

「よし、なんとかなりそうですね」

 

更にまた1基と破壊され残り合計が8基を

 

キシャアアアアァァァァァ!

 

機龍が吼える──

 

 

 

══════

 

 

 

 

こちらは機龍とムーン、先ほどムーンが貫かれたはずだ

が、その場に残るのは斬り伏せられた1基のソードビットだった

 

「何!?あの間合いでソードビットを!?」

「行こう、ムーン」

 

キシャアアアアァァァァァ!

 

 

機龍が一際大きな咆哮を上げる。クロウドが機龍に目を向けてしまった。その隙にムーンが動く

 

トルークビルトの背後に出現し背中のブースターを貫いた

 

『よし、行けるね?』

「うん、問題ないよ!」

 

「ふふっ、ふはははははははははははは!!!」

「その紫のLBXも本領発揮か!宜しい!ならば私も本気を出すとしよう!」

 

トルークビルトが錆びた銅のような色に光りだす

 

「トルークビルト、モードエデン!」

 

 

コード『エデン』

 

 

発行部が赤から橙に変わりどこぞの擬似シン化形態のようだ。その刹那、全員が驚愕することになる

 

 

 

シュン!コツン・・・

 

 

 

トリトーンの頭パーツが床に転がり胴体から下が力無く膝から倒れる。その横には銃剣を振り抜いたトルークビルトが居た

 

 

「は?」

「ふふっ」

「嘘、見えなかった・・・」

『俺もほぼ分からなかったぞ、』

 

 

 

機龍とムーンが睨みを効かせて居た筈なのに動き出しすら機龍に搭載されているカメラではまとも捉えられなかった

 

は?嘘だろ・・・ほぼ肉眼で捉えれんレベルの加速度だと!?

 

スルガは迷い無くオーバーセンスを発動させる。トルークビルトの次の目標はGレックスだった

次の瞬間放たれる銃弾を回避し斬りかかって来たのを防ぎきった

 

「くっ!」

「ほう?流石伝説のLBXプレイヤーだな」

「レックス!」

「レックスさん!」

 

 

Gレックスの背後から迫るソードビットをペルセウスとオーディーンが撃退、2対の双剣が舞い二基のソードビットを切り落とす

 

『オラ!』

 

後ろから尻尾で殴打、だが不思議な動きで避けられ追加でグレネードを投げるがあっという間に効果範囲外に逃げ去る。そこにムーンの追撃、しかしビットシールドで阻まれ再度銃撃を受ける

即オーディーンがフォローに入るが先のダメージと合わせ戦闘機動に大きな制限を受けてしまった

 

Gレックス、ペルセウス、機龍で挟撃、ソードビット3基をオーディーンとムーンがひきつけている隙に本気で落としに行く

スモークグレネードを焚き機龍は上からメーサーとレールガンの集中投射、シールドビットが展開されている

トルークビルトを守るものは今無い

 

『ここだ!行け!』

 

スモークの中に二機が突入しインファイト、中でどのような戦闘が行われたのかはスルガからは確認出来なかったがスモークが晴れた時、Gレックスはペルセウスを庇ってコアボックスを撃ち抜かれていた

 

「レックスゥゥゥゥゥ!」

「後は頼んだぞ、お前達!」

 

しかしトルークビルトも装甲の数ヶ所に亀裂が走っている。レックス機体と共にグレネードLをトルークビルトに押し付けた。抵抗するがストライダーフレームの腕力ではブロウラーフレームに敵わない

グレネードが起爆し二機が爆炎に包まれる

 

『どこまでダメージ入った?』

 

煙が晴れると胴体装甲に亀裂が入り間接部からは少し異音が認めらる

 

「クソックソクソクソクソクソクソクソクソクソクソあははハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!」

『あ、壊れた』

 

理由は知ったことではないが急にクロウドが狂い始める

 

「ハハハハァ、こうなっては目標達成はもう無理かなぁ!せめてお前達も殺ってやるよぉ!」

 

 

なにこいつ変わりすぎだろ。怖いんだけど

 

再びトルークビルトが動き出した。レックスの意地で最高速が明らかに下がっている

 

『行くぞ!ヒロ君』

「はい!スルガさん!」

 

「バン、私たちでソードビットを引き受けよう」

「ああ」

 

機龍のメーサーブレードがトルークビルトの頬を掠めペルセウスの双剣が破損した右肩関節を斬りかかりスパイラルクロウでコアボックスを抉りに行く

ヒロとの即席コンビで主導権を握り攻め立てる。速度が落ちたとは言え早いのは変わら無いので攻撃の隙を与えない。恐らく攻めを許したらどちらかが落とされるだろう

 

チャット『ヒロ君、俺とのタイマンを思い出せ』

「あの戦いを・・・思い出す!」

 

 CODE"G"

 

機龍の体が黒のオーラに飲まれ目が赤く光る。が内側から白銀のオーラが沸きだし目が強い意思を込める金色に輝く

あらあら、機龍手伝ってくれるの?珍しい

・・・?

珍しいと言うか初めてじゃん。サターンの時から何にも音沙汰なかったじゃん

 

機龍も本気の力を出し始めた。ペルセウスも攻撃速度が上がっているのでオーバーロードを発揮しているだろう

つまりどう言うことか?

 

 

 

 

 

 

 

想定外(オーバーセンス&ロード)で相手は死ぬ

 

 

 

 

 

 

 

ビットシールド込みで捌いていたが攻撃速度が上がり僅かな反撃もオーバーセンスの先見で潰されてしまいもう抵抗が精一杯だ

 

ムーンとオーディーンもソードビットの撃退に成功している。まさに絶体絶命だ

 

こいつしぶといな。オバロとオバセン相手にここまでやるとは、そこそこ見直したぞ。あ、銃撃ちそう。弾こ

 

『そろそろ決めにかかるよ!』

 

二機同時タックルで大きな怯みを作り出す

 

「これで行きます!必殺ファンクション!」

『ッシャア!これでしまいだ!』

 

アタックファンクション

コスモスラッシュ

 

 

双剣が合わさった大きな空色の刃とブースターで全力の推力で支援されたスパイラルクロウがトルークビルトのコアボックスへ一直線

慌ててソードビットを呼び戻し2つのシールドを作成し二機の攻撃を受け止める。しかし長くは持たないだろう

 

「グゥッ!クソォ!コンナトコロデェ!!」

 

「「必殺ファンクション!」」

 

 

アタックファンクション

超プラズマバースト

 

アタックファンクション

テンペストブレイド

 

 

ソードビットを呼び戻したことで他二機が自由に動けるようになった。直ぐに大技を引っ提げてトルークビルトに押し掛けてきた

雷を纏った槍と剣が一直線にトルークビルトへ

到達する寸前に機龍のスパイラルクロウがシールドビットを貫きコアボックスを抉り壊す

制御装置を失ったビットは行動を停止、遮るものなく全て無くなり全ての必殺ファンクションがクリティカルヒット、大爆発を起こした

 

そして機龍はトルークビルトのコアボックスを抉った勢いそのままクロウドを襲撃する

 

「ヒッ!くるな!くるなぁ!」

『これで終いだ!』

 

顔面にスタングレネードを投げつける。しかしダメージを受けている様子は無い。のでそのまま尻尾で殴り飛ばすも当てた感覚も妙だ

 

うん?いまいち手応えが無い・・・こいつも海道義光とかセレディ的に人間辞めたのか? 

 

今度はグレネードを迷い無く顔に投げる

 

「あれは・・・ロボット?」

「おじいさまと同じか・・・」

『うん?あ!ヤバい!』 

 

リフィルスクロウドの体が異常な動きを見せた。即座にアブソリュート・ゼロの発射体制に入る

 

アタックファンクション

アブソリュート・ゼロ

 

「リフィルスクロウドの行動不能を確認、自爆プログラム作動します。5.4.3.2.」

 

水色の光球がヒットしクロウドの体が凍りつかせ自爆を許さず崩壊させた

 

『あっぶねぇ。全員吹き飛ぶかもしれんかった』

[皆さん、早くバッテリーを止めてください!]

「あれか!分かりました。」

 

オーディーンのリタイエイターがバッテリーから伸びる配線を切断、アンテナからの電波発信は完全に停止した

そして五分後、パリ全域でシーカー及びNICSのLBX以外の行動停止が確認されパリブレインジャックは終結、後は大量の指令コンピューターにワクチンプログラムをインストールするだけとなる

 



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世界の剣

═ダックシャトル════

今回のパリブレインジャック終結から一時間が立つ。スルガはLBXの回収を待ちながら今回のことを聞いていた

 

『んで結局最終的な被害はどんなもんよ?』

「先の報告とフランスからの情報を合わせると怪我人は沢山、そして死者は現在判明しているだけで300名を越える。フランス陸軍の救出部隊も21名の死者が出た。轟雷の到着がもう少し早ければ・・・」

 

途中フランス陸軍の救助部隊の援護に向かった轟雷隊、全速で移動しブレインジャック範囲外へ脱出するのを援護していたが、途中何両かの装甲車やトラックが何者かが設置した対戦車地雷を踏み大破したそうだ。ワールドセイバーはとことん暴れまわってくれたらしい

 

『予想以上の被害ですね。こっちの被害は?』

「シーカーのLBXは約半数が被撃破、そのなかでも最新鋭機スティレットの殲滅はかなりの痛手だ。NICSのLBXも大小損傷有りで、そこから見た建物の被害はどうだ?」

『そうだな・・・多分被害を被ってない建物は無い。いくつかは焼失したり倒壊してる。多分文化財もいくつか喪失してそうだし金銭換算だと幾らになるのか検討も付けれない』 

 

 

改めて見る眼下の街は悲惨そのものだった。古くからある保存建築物は既に焼失、いくつかビルが合ったであろう場所まで見受けられる。少しずつ消火活動や瓦礫の撤去等が始まった所だ

 

スルガが背後を見る

機龍の背後には解析するために集めたトルークビルトの欠片と残った三機、撃破されたGレックス、頭を落とされたトリトーン

 

『しかし収穫は確かにあった。あいつが繰り出したLBXと言動、戦闘機を撃墜してこの騒ぎを起こしたのはあいつで間違いない』

『それに奴のLBXの破片から未知の技術、空飛ぶ剣もこれはいくつか無傷で手に入れられたし、まあ人命に変えられるものでは無いけど』

「そうか・・・スルガ、これからどうする?」

『リフィルス・クロウドの身元と所属組織の洗い出し。こいつは多分オメガダインに次ぐ第四勢力、次こいつらが本気で暴れたら今までとは比になら無いくらいトンでもないことになる』

 

塔の麓を見るとジープが数台到着、中からNICSとシーカーの面々が降りてくる

 

さて、ワールドセイバー全体が動き出したのか、リフィルス・クロウドだけが動いたのか。これでこの後の動きが大きく変わるな

それにガーダインの行動も気になる。ホワイトハウスにも協力者を作れれば良かったんだけど、風摩キリト経由で色々探ってもらうしかない

もうここまできたらレックスと檜山真美を引き合わせて今まで集めた情報世界にばら蒔いて引っ掻き回すのも手かもしれんな

 

取り敢えずそこで一旦思考を辞める。上で戦っていた面々が一時的に復旧させたエレベーターで上がってきた

 

「スルガ、お疲れ様」

「お疲れスルガ」

 

ルナとレックスが機龍の近くで腰を下ろす。

 

『皆お疲れさん。早速で悪いがトルークビルトと空飛ぶ剣の回収をお願いしたい』

「スルガ、これって」

『あ?ああ、凍って崩壊した残骸だ』

 

分子レベルへの崩壊を起こし氷が溶けてスライムみたいになっている。一応こちらで処分しておいた方がいいだろうか。燃えないごみで良いのかな?

 

『シーカーの人、この残骸の回収お願い。ついでに日本で燃えないごみの日に出しといて欲しいんですが良いですか?』

「教官、解析しなくていいんですか?」

『これ分子の塊だし何も情報無いよ』

「教官!こちらの敵LBXはどうしましょう」

『LBXの欠片は全部シーカーに回して。空飛んでた剣もまるごと回収、後で修復可能の奴を取り分ける。なるべくフランス政府には情報を渡さないようにお願いします』

 

スルガ主導でエッフェル塔のお掃除(証拠隠滅&情報隠蔽)が進む中機体の回収も行われていた 

 

「うっ、後でスルガさんにペルセウスの点検お願いしなきゃ」

「オーディーンも修理しなきゃな」

「ムーンもスルガに直してもらおっと」

 

この三機は比較的損傷は少なく修理は短時間で終わるだろう・・・が、ムーンは多数被弾。スルガが高機動に耐えられるようなカスタムを

 

「トリトーン、済まない」

「無理をさせたな。Gレックス」

 

この二機は完全に壊れていた。トリトーンは首が斬られただけで時間はかかるだろうが修理は簡単だろう。しかしグレネード特攻をしたGレックスはトルークビルトが開けた穴に高温の爆風が侵入し内部損傷が酷い

 

「ジン・・・」

「僕の修練が足りなかっただけだ。先に戻っている」

 

トリトーンをバックに入れて先に降りていった。何か思うところがあるようだ

 

「ジン君・・・何かできれば良いんだけどね。スルガに相談してみるかな」

『よし、後は搬出した後お掃除お願いします。この体じゃ掃除も厳しいので』

 

よしこれで一段落・・・あれ?ジンどっか行った?

 

『レックス、ジンは?』

「LBXを持って先に出てったぞ。何か思い詰めていたようだが」

『あー、あの激速の時か。初見殺しにも程があるから仕方ねえって。あんな速度オーディーンの損傷ガン無視の最高速で出るか出ないかってとこやぞ。ましてやあんな精度で人間に操作出来るかっての』

 

取り敢えず塔の上の後始末を済ませ全員で下へ、下の広場も酷い有り様だった。木々が折れ花が燃え地面がぼっこぼこになっている(ここは大体オーバードウェポンが原因)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つい半日前まで花の都と謳われ人口200万の都市は僅かな時間で崩壊した。最終的な人的被害は死者約1400名、重軽傷者多数、行方不明約200名と言う悲惨な結果となった

パリ全域で起こった大規模ブレインジャックは更なるLBXの排斥運動等を加速させててしまった

 

だがオメガダインも肝心の暴走時に作動しないMチップの安全性や必要性自体に疑問を持たれ更に強い批判を浴びる。世界では一部の国がMチップは安全装置として信用出来ないと取り外し措置、特定場所以外でのLBXの使用及び起動等禁止を法的に制定するなどの対応に踏み切る事になる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

═ダックシャトル機内═════

事件終息から三時間、シーカーの面々は既にエクリプスで日本への帰路に着きチームNICSはミーティングルームで各々自身のLBXのメンテナンス作業をしている

後の処理をフランス政府に任せて山野博士のお誘いで今度はイギリス、グリニッジ天文台に向かうことになった

 

だが顔色や表情は良くない。特にヒロやランの用な荒事は始めての連中は尚更だった

そしてカイオス長官への報告を兼ねてスルガと大人達が会議をしている

 

《スルガ君、今回の犯人であるリフィルス・クロウドと名乗っていた人物は知り合いか?》

『知らない人ですね』

「今回の事件、本当にディテクターの犯行なのじゃろうか」

「突然の無予告大規模ブレインジャックと大量の死者を出した。だが今まではディテクターのテロでは死人を出していないし病院等の施設も積極的には襲わなかった。あくまで警告、混乱だけが目的のようだった。イノベーターとは別の薄気味悪さを感じる」

『大量の指令コンピューターとエッフェル塔のハッキング、そして道中突然出現したキラードロイド、そう言えばコブラ、あのグリフォンの解析進んでる?』

 

あの後ワイヤーに絡み取られていたグリフォン本体と切り落とした部位を秘密裏に回収、コブラに解析を依頼していた

 

「ああ。しっかし何も分からんかったぜ。記録媒体の中にもお前達との戦闘データしかなかった」

《手掛かり無し・・・か》

『いやぁ?無いわけでもない。クロウドが上でセレディとかオーバーロードとか言ってました。ここから調べれませんかね?』

「オーバーロード・・・スルガ、それは」

《オタクロス、何か心当たりがあるのか?》

「ネットの噂じゃ。ワシも詳細までは把握しておらんデヨ」

 

オタクロスが上手く誤魔化してくれた。ただ今回の件をどう収束させようか?直球で言っててみるか

 

『カイオス長官、今回の件はディテクターと別物と考えた方が良いかもしれません。今までと手口や手法、目的が違いすぎます』

《うむ。了解した。スルガ君後で詳細な報告書を纏めてくれ》

『了解』

 

カイオス長官は通話を切った。そこでオタクロスが口を開く

 

「さて、本題に入るゾイ。スルガ、おまんどこまで情報を把握しておる?」

 

おっと?オタクロス勘づいてる?

 

『・・・ワールドセイバー』

「まさか・・・スルガ君からその名前が出てくるとは思わなかった」

「博士、何か知っているんですか?」

「ああ。ネット上で存在が噂されている武装テロリスト集団だ。イノベーターに居たときに名前を聞いた覚えがある」

『成る程、じゃあ豚箱にぶちこんだ元イノベーターの連中から聞き取り調査を八神さんに依頼しておこう』

 

そう言えばセレディのオプティマもイノベーターからの供与品とかどっかで見た覚えが・・・

 

「俺達は同時に三つのテロリスト集団を相手取る事になるのか」

『いや?多くても2つだ。だろ?山野博士』

「ワールドセイバーはこれ以上の行動を起こさないと?」

 

突然スルガの元にチャットが届く。オタクロスからだ

 

オタクロス:スルガ氏、ここで言うんデヨ!?

スルガ:いや?鎌掛けただけだ気にするな

 

「スルガ、どう言うことだ?」

『悪魔で予想と言うか今までの結論だけどディテクターは手段が悪いだけで味方よりだと思う』

「味方?どういう事だ?」

 

山野博士が疑問を呈する。しかし表情を崩さない

 

『どっかでメッセージ出してんじゃね?って俺言ったよな。それについてハッカー軍団に調査を依頼してたんだがどうやら通信衛星パラダイスは大出力レーザー砲を備えた軍事衛星らしい。過去に他国の軍事基地やエネルギー施設等の消失事件。パラダイスが、A国が犯人だ。それを裏付ける証拠も隠してあるが確保してある。恐らくこいつがディテクターの示す点だ』

 

スルガが一気に畳み掛ける。山野博士がロンドンでのブレインジャックを起こさなければディテクターとしての目的は達成される事になるが果たしてどうする?

 

「成る程・・・下手したらA国を敵に回すことになる。スルガ君、どうする気かね?」

『オメガダインを隠れ蓑にしてる黒幕が居る。だから表舞台に引き摺り出してぶん殴り倒す。そしてルナと添い遂げる。以上』

 

スルガの目的はどこまでも単純明快だった



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ロンドン

═イギリスへの移動中═════

 

スルガと大人達が会議をしているのと同時刻、子供達とレックスも子供達でLBXのメンテとか色々している

 

「あの、檜山さん大丈夫ですか?」

「気にする事じゃない。ヒロも敵の大将撃破とはよくやったじゃないか」

 

ヒロはどうやらペルセウスを庇って壊れたGレックスの事を気にしているらしい。しかしレックスはそこまで気にしていないようだ

 

「長いこと使っていたからか所々ガタが来ていた。寿命と考えればこいつは良くやってくれた」

 

表面上修復したGレックスを眺め思いにふける

伝説のLBXプレイヤーに成る前からの付き合いで挑み挑まれ共に数多の強者を退けてきた戦友、それに伝説のLBXプレイヤーレックスは死んだ。こいつもそろそろ休ませても良いだろう

 

 

「そう言えばヒロ、お前の母さんイギリスに居るらしいじゃないか。連絡取ったのか?」

「それが・・・やっぱり連絡が付かなくて、珍しいことでは無いんですが、パリの件もあって心配です」

 

ヒロの母親、大空遥、今は多分パラダイス管制船でスーパーコンピューターで色々している所だろう

 

 

 

═グリニッジ天文台════

 

舞台は美食のフランスから、産廃のイギリスへ。グリニッジ天文台(元凶の潜伏先)に訪れた一同、目的はエルシオン、ペルセウス、ミネルバのΣオービスへの変形機構利用のため変異結合型電磁石の搭載改造だ

 

バン、ヒロ、ランはちょこちょこΣオービスの操作の練習を重ねているのでもう三人の喧嘩にならないだろう

 

その中スルガとルナはロンドン市街に繰り出していた

 

チャット『駄目だ。やっぱり連絡付かねえわ』inシャルナック

「あんなことがあった直後だし、大丈夫かなぁ?」

 

連絡相手はコンゴウヒノ、しかし電話もメールも反応が無い。先の一件もある。何もなければ良いが

 

パリの件から一日も経たない内には山野博士も事を起こさないだろ

 

しかしその考えはどこかからの爆発音で裏切られた

 

「今の・・・行こう!スルガ」

チャット『今度は何だ?機龍の修理中に間が悪い。取り敢えずコブラに連絡取っとくわ』

 

突然の事態に群衆が音から逃げ始める。パリの悲劇が合ったからかいつもよりも逃げの勢いが凄く流れに逆らうので一苦労だ

 

『ルナ、俺だけ先行ってる。無理はするなよ』

 

ルナのバックからシャルナックが飛び出し建物の僅かな出っ張りや街路樹を足場に利用して爆発音の大元へ急いだ

 

 

 

 

 

─────

 

 

 

 

 

さて、爆発音はこの方向からのはず

電柱の上から回りを観察する。すぐに分かるのは独りでに動く大量のLBXだ。山野の野郎昨日の今日で実行しやがった!

 

チャット『コブラ!ブレインジャックだ。動ける連中全員呼びつけろ』

《なんだと!分かった。今すぐ向かう!》

《スルガ!大丈夫デヨ?》

『機龍ならともかくシャルナックじゃちょっとヤバいかも、情報収集に徹する。早く指令コンピューター見つけてくれ』

 

電柱から送電線伝いに移動しながら色んな場所の様子を見る。被害範囲はそこまで広くなさそうだ

 

死人と怪我人は・・・今のところ居ない?つまり山野の仕業か

 

《コブラ、被害範囲はいつものブレインジャックとそう大差なさそうだ。怪我人とかも確認出来ない所見ると今度はディテクターの仕業っぽいな》

 

ん?待てよ?そいやヒノとさっきから連絡付いてない・・・まさかあいつが?ここのスレイブプレイヤーはケイタ君のはずじゃ

 

「スルガ、今どこに居る?」

『座標送ってくれ。一人じゃ怖いから迎えに行く』

 

取り敢えずルナのもとへ移動開始、そのタイミングでLBXの暴走が停止した。そして街中のモニターに仮面の男、ディテクターが写される

 

《諸君、我々はディテクター。ロンドンは我が手の中に》

《先のパリで起きた事件、あれは我々の知ると所ではない事だけ先に伝えておこう》

 

ここで否定してかかるか。いや確かに被害がトんでもないし気持ちは分かるけど

 

「スルガ、居た!」

『ルナ、怪我とかしてないか?』

「大丈夫、他の皆は?」

《ごめんスルガ、避難の人達で道路とかが完全に麻痺してる。二人とも、無理はするなよ》

『りょ。オタクロス、指令コンピューターは?』

《・・・合ったデヨ!ビッグ・ベンの時計制御コンピューターじゃ!》

「ビッグ・ベン・・・あれだね」

『時計塔か。時計塔・・・ルナ、行くか』

 

なんか嫌な予感がする

 

「ねえ、もしかしてスルガの友達のヒノさん、スレイブプレイヤーになってるんじゃ」

『可能性は凄くすごーく高い』

 

あの野郎・・・ルナだけでなくヒノにまで手に掛けるか、目的は知っているが万死に値する

 

 

取り敢えずビッグ・ベンへの移動、LBXの動きは無いのでスルー安定

時々ロックの掛かった扉を発破解錠してエレベーターに乗り込み最上部へ(多分ロック解除の回り道してたら滅茶苦茶時間掛かる)

 

 

 

 

 

═ビッグ・ベン塔最上部═════

 

時計の針へ動力を伝える巨大な歯車が剥き出しの部屋

しかし戦闘音が聞こえてくる。既にやりあってる連中が居るらしい

 

「誰だろ?」

『スレイブプレイヤーと誰か・・・多分ヒノじゃないかなぁ?』

 

短い階段を上がるとDエッグが展開されている。この隙にワクチンプログラムを撃ち込みに行けるが無粋な真似はしたくない

よし。スパイラルクロウでぶち抜いて乱入するか・・・って機龍無いんだった

 

「えっ?」

 

だがそんな事を気にする必要はなかった。ルナの背中が何者かに押されDエッグの中に入れられてしまったからだ

 

「お前は・・・石森ルナ」

『よお風摩キリト、暫く振りだな・・・そして懐かしいお顔がお二人とは』

 

片方は先にバトって居たのはアジアチャンピオン、森上ケイタ。ルナの背中を押してDエッグの中に押し込んだもう片方は英国チャンピオン、コンゴウヒノ

 

「予想が嫌な方向に当たっちゃったね」

『ねえ、手ぇ出して良いかい?』

「好きにしろ。だが俺はお前達の味方じゃない、それを忘れるな」

「我は指令コンピューターのガーディアン、ディテクターに逆らう者は蹴散らす!O・アーサー!」

 

O・アーサー、スレイブプレイヤー用のK・アーサー改造機

濃い紫ベースの塗装、そして血のような濃くくすんだ赤と黄金の線が機体の数ヶ所に走り顔にはセイバーオルタの仮面がバイザー代わりにつけられている

武器は邪剣カリバーン、黒に赤線の大剣だ

 

 

『なーんか既視感あるデザインだなぁ。行くか』

「行こう、ムーン」

 

 

ウォーリアーとハカイオーKCが戦っているフィールドにシャルナックとムーン、そしてO・アーサーが投下される

 

map 王宮城内

アンリミテッドレギュレーション

バトルスタート

 

シャルナックはフィールドの中央で天叢雲を構え階段の上、玉座らしき所で待つO・アーサーに挑みムーンはウォーリアーと戦っているハカイオーKCに加勢しに行く

 

シャルナックじゃソルジャー程重い一撃出せないし相手はわりと重装甲のLBX、オーバーセンスも無し。つまり攻撃速度と手数で勝負、機龍無しでどこまでやれるか

 

スルガは初っぱなで正面からのフェイントを仕掛け背後に天叢雲を突き立てる。しかし防がれた

今度はO・アーサーが大剣を振り下ろす。シャルナックは剣で受け、もう片手のハンドガンを足関節にワンマガジン連射、が装甲が思いの外堅牢で無力化されてしまう

 

チッ、パーシヴァルFがそのまま凄く固くなったか。しかし機動力は据え置きとは言えない?ならハンドガンで機動戦と行きますか

 

それを確認して腰の装飾からもう一丁のコマンドハンドガンを取り出した

 

 

 

 

─ルナside──────

 

一方こちらはウォーリアーの討伐を支援しようとした所、邪魔をするなと一蹴され尚且つ三つ巴の乱戦となってしまう

 

ハカイオーKCのドリルを盾で受け止めウォーリアーの水月棍を朔で絡め相殺し一時的に距離を取りウォーリアーにワイヤーを飛ばして動きを奪おうとしたが払い除けられて失敗する

 

 

「やっぱりワイヤー投げは成功しないなぁ」

「オラオラ、こんなものじゃないだろ」

 

 

今度はキリトがウォーリアーに突っ掛かる。ドリルを胴部に突き立てようとするが少し下がって片方のドリルを押さえ込み水月棍を叩き付けた。

しかしハカイオーとタイタンの厚い装甲で受け止められ反撃に頭突きを貰う

ウォーリアーが怯んだタイミングでムーンが電磁機関銃を持ち出した

それを見たハカイオーKCは不規則な動きで接近、ウォーリアーも盾を前に出した防御姿勢に、だが向かってきたのは弾丸では無くどこかからの破壊光線だ

 

 

 

 

─スルガside────

 

O・アーサーとシャルナックの斬り合いは続く。両者とも攻撃を当てているが大したダメージに成っていない

 

しっかしシャルナックで攻撃受けると痛てえなぁ。ソルジャー程装甲無いし、かといってコマンドハンドガンの威力じゃ狩り切れないし

 

今だ機動戦を続けるシャルナック、しかし有効打は与えられていない

 

・・・待てよ?普段の俺ら(スルガとヒノ)のアーマーフレームと逆、ならヒノの戦いを真似すれば良い?

 

拳銃二丁を腰に格納し天叢雲を抜刀、両手で持ち接近しO・アーサーの攻撃を受けに回る。隙をみてカウンターを狙う構えに移行した

 

上から振り下ろされたカリバーンを受け止める。受け流し。鍔迫り合いからヒノが引き面、それを速度で振り切りつつスルガは引き胴で返す

 

そして向かってくるO・アーサーに対してウォールマインで壁を生成、片手にマグナムキャノンを構える

 

が炎の向こうから紫の極太破壊光線が振り下ろされた

 

視線先には邪剣カリバーンを振り下ろした姿のO・アーサーがたたずむ

 

は?なにこれ完全にアレじゃん。宝具とか言うやつじゃん。直撃してねえのに体がピリピリしやがる

 

 

 

森上ケイタ以外が驚愕の表情を見せる。が驚きはそれだけでは終わらない

上から一匹の殺戮者が現れるのだった

 



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戦慄のLBXキラー(をデストロイ)

苦戦する理由も無し


═ロンドン・時計塔═════

突如としてDエッグの壁を破り黒いナニかが2つ現れる。ナニかはついでとばかりにウォーリアーを踏み壊してジオラマに降り立ち、軋むような咆哮を上げる

 

黒い片方はアキレス・ディード。そしてもう片方はキラードロイド、ワイバーンだ

 

「アキレス・ディード!キラードロイドに襲われてたの?」

『おいおい、ここでこんな乱入者かよ』

「こいつが何でここに!」

『何か知ってんだろ風摩キリト、ありゃ一体』

「詳しくは興味無いが・・・が俺のジョーカーはあいつに壊された」

 

ワイバーンはその牙をここにいる全ての機体に向ける

 

スルガとヒノにはレーザーキャノンを、ムーンとハカイオーKCには翼の刃を飛ばす

 

『おい!アキレス・ディード、この通信聞いてんなら何かアクション起こせ。一時休戦だ。あいつ何とかしないと全員喰われるぞ』

 

アキレス・ディードが頷いた。どうやら休戦は受け入れるらしい

 

「風摩キリト、皆でレイドボス討伐しない?」

「気に食わないが、あいつにジョーカーの借りをここで返してやる・・・!」

『全機へ、回線開け。キラードロイドの弱点を送る。参考程度にしてくれ』

 

 

各部の弱点や露出しているケーブルの位置をまとめたデータをばら蒔く

 

map 王宮城内 Killer Droid《ワイバーン》

 

バトルスタート

 

 

ムーンが電磁機関銃で翼に向け射撃、シャルナックはそのまま外周の高所を走り抜けながらケーブル切断の隙を伺い二丁のコマンドハンドガンでヘッドアーマー及び目を狙う

O・アーサーは正面から斬り掛かりアキレス・ディードがレーザーキャノン等に攻撃を仕掛けて突撃を支援するようだ

キリトは機動力で翻弄しながらドリルをニーアーマーに飛ばしアーマーを破壊しようと画策する

 

いきなり散開したLBX、ワイバーンは一番近くに居るO・アーサーとハカイオーに目を付ける。しかし遠距離から的確に弱点を攻撃してくる獲物達に早速警戒を覚えていた

 

『よーし、誰を殺るか迷ってるって、俺かい!』

 

ワイバーンに目を付けられたのは頭を攻撃しているシャルナックだ。レーザーキャノンが向けられた。銃撃を辞めて身を屈め通路の壁に潜み頑丈な柱の影に移動、グレネードを手に持ちエネルギー弾の嵐を防ぐ

 

そして銃撃を続けているムーンが右のウイングボルトを破壊、ワイバーンはその衝撃で前に倒れこみダウン

 

 

「今だね。やるよ!」

『行くぞお』

 

シャルナックが鬱憤晴らしに飛び出し顔に時限爆弾を数個放り付け左のヒールケーブルを、ムーンが右のヒールケーブルを切断する

キリトがここぞとばかりに左ニーアーマーにドリルを突き立て完全に破壊

アキレス・ディードとO・アーサーが共同でテイルケーブルを斬り飛ばす

 

ギイイイイィィィィィィイイイイイイ!!!

 

ほぼ同時に各所を破壊され悲鳴を上げて飛び起きるワイバーン、しかしスルガがセットした時限爆弾が起爆、ヘッドアーマーを消し飛ばし悲鳴すら掻き消した

 

 

「皆上手いね」

「ハッ!弱点が分かればこんなもんだ」

『以外と楽に狩れそうだ!』

 

 

ワイバーンが酷い恐怖を覚える。本史ではケーブルを攻撃されるだけで怯える様子を見せた。こんな事になったら覚える感情は何なのか、それは知るよしもないがこのままここにいたら撃破される(殺される)と思ったのだろう。迷わず羽ばたき逃走を図る

 

 

「あ!逃げちゃう!」

『逃がすか!』

 

 

アタックファンクション

ドラゴンインフェルノ

 

アタックファンクション

テンペストブレイド

 

アタックファンクション

ブラックストーム

 

 

 

シャルナックが高く飛び上がり巨大な業火を纏う炎の龍を、ムードが風纏う極太エネルギー剣を、黒い濁流のごとき嵐をアキレス・ディードが飛び去ろうとするワイバーンに撃ち込み地上という地獄に落とす

 

 

墜ちてくるワイバーンを睨みO・アーサーがカリバーンを掲げるように両手で振り上げた

そしてカリバーンが機体が持つエネルギーを吸収、光と替え収束、加速させる

 

 

アタックファンクション

エクスカリバー

 

 

黒い破壊の奔流がワイバーンと言う龍を切り裂かんと振り下ろされる。黒い奔流は龍を飲み込み蹂躙、その一撃で戦闘能力を喪失させた

 

 

「ジョーカーの借りだ、返すぜ。これで終わりだ!」

 

 

アタックファンクション

光速拳・一閃

 

 

右のドリルにエネルギーを集め真っ直ぐに一直線に光速で突撃し瀕死のワイバーンのコアを図体ごと貫き破壊

ワイバーンの全機能を完全に停止させた

 

 

 

 

『殺った?・・・ルナ、構えろ』

「え?あっうん!」

 

 

今度はまた三つ巴の乱戦か、そう思ったのも束の間だった。アキレス・ディードはいつの間にか姿を消しO・アーサーは剣を振り下ろしたまま動かない

 

 

「うッ、」カシャン

 

ヒノの洗脳首輪が外れ床に倒れた。さっきの攻撃でO・アーサーはエネルギーを使い果たしその役目を終えたのだろう

となるともう一人の動向だ

 

「・・・データは取れた。俺も帰る」

 

Dエッグが格納状態に戻り緑のエネルギー膜が消えた

風摩キリトはハカイオーKCを回収してエレベーターを降りていく。ルナもムーンを回収した

 

その後、反対方向からはたくさんの別の足音が近づいてくる。どうやら指令コンピューターの無力化は済ませたらしい

 

「大丈夫か!二人とも!」

『おいおめえら遅いぞ。キラードロイドまでぶっ飛ばす時間あった』

「とりあえずこの二人の介抱を手伝って」

「ケイタ君!?それにもう一人は」

「英国チャンピオン、もとい今年ヨーロッパのチャンピオンになったコンゴウヒノ、スルガ君が去年戦った相手だ」

「ヒノさんは私が担いでくよ」

 

ヒノをランが、ケイタをバンが背負って時計塔を降りる

 

『コブラ、卓也さん、ワイバーンの残骸とヒノが使ってたLBXの回収お願い。ちょっと山野博士から設備借りて内部メモリくらい解析しよ』

「しかしよく撃破できたな。風摩キリトも居たんだろ?」

『ああ。全員利害が一致してな。5対1のレイドバトルで破壊してやった。後で戦闘記録見せてやるよ』

「スルガ、何があった?」

『ここに居た連中で三つ巴やってたらアキレス・ディードとそれを追ってかワイバーンが降ってきて、そこから破壊と蹂躙の始まりよ』

 

まあ、大体あってる

 

「待て、アキレス・ディードがキラードロイドに追われていた?」

『間違いないね。この残骸を送り込んだのはオメガダイン、こりゃそろそろ本腰入れて動かなけりゃ駄目かもな』

 

ここで山野博士がゲロってくれれば楽なのよなぁ。オーストラリアのセト50の事教えられればシーカーの人と制圧乗り出せるし、最悪セト50だけでもアブソリュート・ゼロで破壊出来れば後々大きくなってお釣りになるからね

 

 

「こいつがキラードロイドか・・・」

『レックス、何か感じでもする?』

「イフリートに近いような、そうじゃないような、そんな感じがする」

『作り手に似るのかねぇ』

 

 

═グリニッジ天文台═════

ヒノとケイタを病院にお任せし騒動にケリを付けて戻ってきた一行ようやくΣオービスへの改造が始められる

 

「まさに三位一体のスーパーLBX、どうなるのか楽しみです!」

「今一私が防御担当ってのは癪だけど、これでまだ強くなれるね!」

「スルガから概要は聞いてるけど実物はどんなものなんだろう?」

 

ついでに山野博士は他のLBXも調整とメンテナンスをしてくれるそうだ。ありがたいが俺の手持ちLBXシャルナック以外今まともに稼働出来ないのよね。機龍は絶賛修理中、ソルジャーDはヒュージブレードの修理待ち、その他無人機群もオリオン・E、マスターコマンダー以外はパリで被撃破&修理待ち

後の事(天文台への襲撃)を考えると何にも準備出来てないな

 

唯一の橋に爆弾仕掛けてLBX来たら発破解体して諸とも水に落としてやろうかと思ったけど後処理色々めんどくさいし泳がれると効果あるか分からんしやめた

 

「スルガ君、頼みがある」

『ジンが頼み事とは珍しいな。どうした?トリトーンの処理速度向上なら俺にはどうこう出来ねえぞ』

「いや・・・僕にフルリンクシステムを使わせて貰えないか?」

『突然どうしたのさ?ゼノンでもトリトーンでも改造を施す事は出来るは出来るが』

「僕はパリで、何も出来ずにやられてしまった」

『OK、だけど肝心のシステム一式は予備も無いから今は無理だな』

「そうか、ついでに聞かせてほしいんだが、君には未来でも見えているのか?」

『んなの見えたら体持ってかれてねえっての』

 

 

 

 

──────

 

 

 

 

改造は順調に進む。ファクトリーでは機龍の修理も完了し入れ替わりでシャルナックのメンテを始める

このままなにもなければ良いが、と言うワイバーン壊したしΣオービスの出番も無いんじゃ

 

 

しかしそんな淡い期待はオタクロスからの通信と共に裏切られる

 

 

「おまんたち、ブレインジャックされたLBXがここに攻めてきとるデヨ!」

『マジで?』

「嘘でしょ、このタイミングで?山野博士、私達のLBXは?」

「今改造とメンテナンスの真っ最中だ。直ぐには戦闘出来ない。だがここにデータ収集用のLBXは何機か置いてある。あまりカスタマイズはされてないがそれなら直ぐに動かせる」

《山野博士、橋落とす?》

「それは最終手段にしてくれ。オタクロス、指令コンピューターの場所は?」

《探しとるんじゃが付近一帯には見当たらんデヨ》

『・・・オタクロス、パラダイスって一応通信衛星だよな?エッフェル塔で出来たなら』

《少し待つデヨ・・・・・・・・・・・・スルガ、ビンゴじゃ。こやつらパラダイスから管制されておる。それゆえ手出し出来んゾイ》

『電子戦だ。山野博士、ここのアンテナ使って妨害電波は出せるか?』

「いや、そこまでは無理だ」

「チッ、お前達、ここのLBXを使って防衛線を敷く。橋の上、玄関ホール、研究室手前を防衛線としてLBXを迎撃するぞ」

「「「『「了解!」』」」」

 

バン達のLBXは本史と同じ、ルナはジョーカー(装備は朔と電磁機関銃)、スルガは機龍で出陣する

 

 



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天文台襲撃事件(天文台損傷事件)

═グリニッジ天文台════

 

第一防衛ラインの橋の上にありったけの地雷と罠を仕掛けて更にグリニッジ天文台に居た一般人や研究員を動員して待ち受ける

そしてLBXの群れが押し掛けてきた

 

 

『おいでなすったぞ。全員戦闘開始、一機たりとも生きて返すなよ』

「皆、行くぞ!」

 

一斉に銃やバズーカを撃ち始める。爆風と銃弾で凪払う

スルガは機龍(改仕様)と玄関前に降り立ち1人無双ゲーを始まる。多分尻尾の一振で十機程吹き飛んでる

 

 

『データ送る。この辺足止めしてくれ』

「分かった。それッ」

 

 

何機かの攻撃がそこに集中し敵の足止め

少し敵が貯まったら罠を起動、爆弾でまとめて消し飛ばす。機龍で更に破壊を振り撒く

 

 

『このまま凌げると良いが』

「敵の大体がスルガに集中してこちらに攻撃の手が回ってこないか・・・スルガ君、下は大丈夫か?」

『俺の狩り漏らしも何とかしてくれてるし罠も残ってるからまだなんとかなりそう。罠で減らせなくなったらキツイかも・・・』

「まって、敵の動きかたが変わったわ!スルガを無視していく気よ!」

 

機龍の撃破は無理と悟ったのだろうか、敵のLBXが機龍を無視して数に任せて前進を続けていく

全ての罠を一斉起動、爆風だけでなくスタンやフリーズ、ヒート等デメリットを与えるグレネードまで爆発し一瞬橋がカラフルに彩られLBXの動きが鈍くなる

 

チッ、貯蓄してた爆弾尽きたな・・・対人分だけでもまた買わないと

 

「お前達、防衛ライン後退だ!水中からの別動隊に入られ、チッ、電線が斬られたか?」

 

突如施設の電源が喪失する

 

「博士、予備電源はありますか?」

「そこは問題ない・・・が電源も長くは持たない。全てのリソースをエルシオン、ペルセウス、ミネルバの改造に回す。拓也君!檜山君」

「「はい!」」 

 

 

ここにいる技術者の指がコンソールの上で踊り狂う

 

 

『よし、俺が殿を勤める。全員玉ばら蒔きながら玄関ホールに後退しろ』

 

機龍が三連装ハイパーメーサーで一気に敵を焼き払い後退を支援、自身も敵を破壊し足止めに徹する

 

 

「ヤバッ、思ったより中の敵多い」

「やるしかない!行くぞ」

 

どうやら後退は済んだようだ。機龍も玄関ホールへ向かう

 

 

 

 

 

 

 

 

玄関ホールでは有効な防衛線の構築に失敗、散発的防衛となり各々の連度が物を言うようになってしまった

 

 

「スルガさんすいません、ここも直ぐに突破されそうです!」

『弱音を吐くな!援護するからSTGでまとめて凪払え』

 

ヒロが繰るウォーリアーが構えスピンアップ、その間にヒロを襲うLBXを叩き潰し銃弾を受け止める

そしてストームツインガトリングが大量の弾丸を吐き出し始めLBXを薙ぎ倒して行き数が減っていく

 

 

『ラン、ヒロのカバー入って』

「おっけー任せて!ヒロには指一本触れさせないよ!」

 

 

クノイチのナックルが敵を屠った。機龍は先に進もうとする奴を誘導弾で阻止し各々の撃ち漏らしを処理したり全武装フル稼働で敵を蹴散らす

 

バンのブルドやジンのムシャ、ユウヤのデクーなどもジェシカの援護を受けながら供給されるLBXを続々と撃破、ルナも火力を蒔く機龍と背中を合わせ電磁機関銃でLBXを貫き撃破を重ねた

 

しかし乱戦であることは変わらずここも何とか維持できていたが外で異常状態を付与するグレネードや地雷により行動停止していたLBX諸とも押し寄せてきて防衛線に穴を作られ突破されてしまう

 

『チッ、突破されてる。下がれ!最終防衛ラインだ』

 

 

 

 

 

═研究室直前、広間════

 

さあここを抜けられたら絶賛LBX改造中の山野博士の研究室だ!まあ抜けられても研究室の中にラスボス居るから数機なら大丈夫かも知れないけどねっと、さっそくバチバチやってるなぁ

 

「くっそぉ!多い!」

『近くにLBXも作ってる工場あるみたいだし、そっから流れてきてのかもな』

 

回転しながらレールガンを乱れ撃ちし乱雑に敵を壊し口部連装メーサーで凪払う。しかし直ぐに新手がわらわらと出てくるためジリ貧

 

 

《おまんら!外から何か来るデヨ!》

 

 

おっ、新しい改造材料が来たな

 

 

 

 

 

 

═橋の上═════

 

主人公らが立て籠る天文台に向かうLBXたち、しかしそんな彼らに試練が降りかかる

突如後方から巨大なタイヤと多数の火球が襲ってきたのだ。抵抗する間も無く轢き潰され燃え付ける

 

 

残った機体がタイヤを飛ばした黄色い方に銃口を向けたが厚い装甲でむなしく跳弾、返しに電気球とオレンジの破壊光線で焼かれていく

 

あらかたLBXの破壊をし二機のキラードロイド、ミノタウロス、ヒドラが軋み咆哮を上げる

 

 

 

 

 

═中の人たち═════

 

「これがキラードロイド、それが二機も!?」

「あれは・・・ヒドラとミノタウロスね。分断して相手取れると良いけれど」

『余裕だろ。来るの分かってるなら範囲攻撃のオーバードウェポンで蹂躙してくれるわ。ってことで持ってくるから防衛よろしく』

 

機龍が一時的に戦線離脱

 

えっとメンテナンス待ちとかしてなくて今使える範囲攻撃オーバードウェポンは、ヒュージキャノンとユナランチャーだけか・・・流石にヤバい?まいっか

 

機龍の背中に二つのコンテナとジェネレータが接続される。そのまま最終防衛ラインまで戻り様子を見るがまだキラードロイドは到着していないようだ。キラードロイドが壊しながら来てるからかLBXも大分減っている模様

 

 

よしよし、後は部屋のど真ん中で罠に掛かるの待つだけだな

 

 

機龍が固定砲台となってレールガンとメーサーで他機を援護やがてLBXのおかわりも途絶え別の破壊音が近づいてくる。キラードロイドだ

 

 

『全員巻き込まれるから一旦下がれ。オーバードウェポンでお出迎えしてやる』

 

 

 

不明なユニットが接続されました。システムに深刻な障害が発生しています。直ちに使用を停止してください

 

 

 

機龍に外接された二つのジェネレータが臨界稼働を開始し赤熱化、そしてコンテナが左右上方に向け据えられてその中から計14基の機雷コンテナが出現、射出待機姿勢になった 

 

 

それを見た他の機体は操作者ごと身を隠して。ぽつんと機龍だけがその空間に取り残される

 

 

 

オーバードウェポン

ユナランチャー

 

 

 

空中に大量の浮遊機雷がばらまかれ部屋中に散らばりゆっくりと落ちながら漂う

 

間も無く奥から二匹、LBX破壊の申し子が現れる。スルガはオーバードウェポンをオーバーセンスも駆使して浮遊機雷を避けながら部屋の中心から退避

機龍が逃げるのを確認した二匹のキラードロイドは機龍の移動先に飛び込む

 

 

 

そう、跳び込んで、翔んでしまったのだ

 

 

 

浮遊機雷の中に突っ込んでしまい接触した機雷が次々と爆発、勢いは死なず次々と触発、連鎖的に全ての機雷が誘爆しキラードロイドを包み込む

 

 



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スルガの為すべき事

今回会話メインです


═グリニッジ天文台、研究室手前═════

 

浮遊機雷に突っ込んだ二機のキラードロイド、爆発音が収まった後にドシン、と床に落ちる音が聞こえた。全員再びLBXを繰り出し臨戦態勢をとる。そして割れた窓から外気が流れ込み煙が流れていく

 

 

「・・・動いてない」

 

 

耳を研ぎ澄ましたランが呟いた。確かに風音以外の音はしない

 

 

煙が晴れた。そこには装甲がボロボロで所々剥がれ落ちた二匹の怪物の姿が

ミノタウロスは右腕、右足を欠損、頭が半壊し動いていない

ヒドラは六つの首の中二つが欠損し残りの首はくっついているも動いて居ない。真ん中の大きな頭も下顎が無く二機ともピクリともしない

一応機龍がメーサーでコアを完全破壊する

 

 

『キラードロイド二匹の破壊を確認、さすがオーバードウェポンだ。なんともねえな』

 

二匹の怪物は何も許されず圧倒的な暴力によって捩じ伏せられた

 

 

 

 

 

 

 

─グリニッジ天文台防衛戦、終結──────

 

 

 

 

 

 

 

 

═研究室═════

 

「父さん!」

「バン、それに皆も良くやってくれた。エルシオン、ペルセウス、ミネルバの改造は無事終了した」

 

三人は自分のLBXを受けとる

 

「山野博士、僕たちのLBXは?」

「そっちはまだ調整が済んでいない。まず落とされた電源を復旧しなければ。マングース、原因箇所は特定できるか?」

「中央管理室のブレイカーが落とされました。直ぐ復旧に向かいます」

 

マングースが出ていくのを横目に山野博士が説明を続ける

 

「Σオービスへの改造の一環として三機にXモードのような特殊モードを搭載した。性能は個別で説明するが共通点として機体に掛かる負荷が大きい。使えるのはおおよそ1バトルに一回が限度だろう」

 

 

エルシオンにナイトモード(全攻撃無効化)

ペルセウスにストライクモード(スピードブースト)

ミネルバにバーニングモード(パワーブースト)

が搭載された

 

 

カスタムビルドファクトリーではシャルナックの修理が終わり続々無人機の修理を始める

 

ファクトリーがもう一個あったらもうちょい楽だけど、それは贅沢か・・・しかし最近は修理とメンテナンスの連続で新規改造が出来てなくて生身だったら禁断症状でそう

 

パリでの戦いでは四割程度の戦闘用無人機が撃破されてしまった。それの補填としても新たな無人LBXを作りたいがその時間も無い・・・そう言えばO・アーサーとウォーリアーの解析もしなきゃ、これは後回しだな。取り敢えずキラードロイドの解析を進めないと

 

とやることのリストアップをしてるうちに電源が復旧し山野博士が他機のメンテナンスを始めた

 

さて、どうしようか

多分山野博士が俺の体持ってんだよなぁ。トキオシアデパートでルナ回収しといて俺の体放っとく理由ないし

 

「スルガ、これからどうするの?」

『ん?うーん、あんまりうかんでない』

チャット《今から山野博士を問い詰める》

「ふーん、山野博士、そう言えばディテクターの正体って検討ついてるの?」

「そこはまだ・・・私なりに予想していたがパリでの話し合いで検討が外れてしまった」

「スルガ、何用デヨ?」

 

 

ダッグシャトルに居たオタクロスも呼び出した

 

よし、これで状況ヨシ!盗聴対策もまあここなら問題無いだろう。後は山野博士のメンテナンス待ちだな

 

 

『ちょっと待ち、すまんな』

「構わんでよ、で?」

『今後の事について少し』

「・・・分かったデヨ」

 

スルガの行動の意図を察したらしい。少し雑談で待ちを挟んで山野博士の作業が終わった

 

「皆のLBXの調整が終わった。カスタマイズで悩みがあるならいつでも声をかけてくれ」

『山野博士、ちょっといいか?後これからオレが話すのは門外不出、とっておきの極秘事項だ。もし外に漏れたら全員死ぬかもしれないから』

「スルガ、本当にいいんデヨ?」

『多分ここでいい・・・と思う。ってことで俺からディテクターの正体とその示す先、真の黒幕についてお話するぜ』

「黒幕・・・アロハロア島で言ってたやつですか?」

『うむ。単刀直入に聞く、いや吐かせる。トキオシア、Nシティ、未遂だけど中国、エジプト、そしてロンドンの一回目のブレインジャックの実行犯、そしてディテクターの正体はあんただな。山野淳一郎』

「なに!?」

「父さんが!?」

「スルガ君、一体どう言うことだ」

 

 

 

ジンやバンがなんか言ってるが気にせずに山野博士の反応を待つ

 

 

「スルガ君、何を言っているんだ?」 

『最初に違和感を覚えたのはエルシオン、ペルセウス、ミネルバを託した時系列。あそこでのLBXの暴走を予測できていたならヒロやランは兎も角、バンとかジンとか俺、ましてやシーカーに言わなかった?』

「まだ情報が確かじゃ無く不確実な事で巻き込みたくなかったんだ」

『巻き込みたくなかったは嘘だ。阻止行動くらい手は打てただろ。実際に現場にはコブラが来てエルシオンとペルセウスを渡しに来た。みすみすLBXの暴走を許した訳だろ?』

「確かに・・・博士、何であの時」

「コブラ君一人では阻止は厳しいと考えてバンやカズ君等と合流させるのが確実だと思ったからそうさせた」

『事前に手を打たなかったのは?』

「エルシオン、ペルセウス、ミネルバの設計と製造をしていたから『なら尚更だ。事前準備をしてたなら連絡の一つくらい寄越して俺らに対応させればいい』

「スルガ、俺達を巻き込みたくなかったからじゃないの?」

『バン《俺達》の範囲は?』

「えっと、俺も含めた子供って考えれば」

『それならシーカーを使えば良いだけだ。山野博士からの情報なら動かないはずがないし表立って動く必要も無い。それに子供巻き込みたくないならエルシオン、ペルセウス、ミネルバを託さない』

「おいガキンチョ、さっきから山野博士がディテクターであること前提の話じゃねえか。それにロンドンで声明が出された時俺達と一緒に居たぞ」

 

 

マングースが機嫌悪そうに反論を立てる。しかし

 

 

『んなもん時限式のプログラムと録画データか画像用意すれば良いだけの話だ。映像は動きがない上に合成音声ソフトで作ってるなら時間の問題は無いに等しい』

 

 

こう返した。更に追加の証拠を出す

 

 

『根拠も用意してる。まずMチップと言う曲がりなりにも安全装置を操作転用する発想、相当LBXの構造に詳しくないと実行すら出来ない』

 

『二つ目はトキオシアで旧シーカーを改造して指令コンピューターにした事、旧シーカー本部を知ってるやつは多くないし証拠を残さず別の機材を持ち込む手腕、レックスが居たブルーキャッツ周辺の監視カメラ映像もまとめて改竄されてた』

 

『三つ目、アミが使ってたLBXに廉価版とはいえフルリンクシステムが搭載されていた事、フルリンクシステムの内部構造を知ってるのはシーカーを知ってる人間より更に少ない。作れるの俺以外なら結城さんか山野博士くらいだろ』

 

「確かに、それが全部出来る人は非常に限られるが」

「父さん、本当なの?」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・ああ」

 

長い沈黙の後で山野博士はディテクターであることを認めた。少し待っていてくれと言葉を残し部屋を出る

 

 

「スルガ、何で、何で言ってくれなかったの、」

『下手に言っても混乱するだけだと思ったし、この話にはまだまだ続きがある。黒幕の事言ってないからな』

 

あくまでディテクターの正体暴きは真の黒幕を追い詰めるために必要な事だと補足した。そう。スルガここからの行動でガーダインの手足を、世界制圧の手段を全て奪うつもりなのだ

 

「山野博士はどうしてテロなんか起こしたんでしょう、目的は前にスルガさんが言ってたパラダイスの事ですよね?」

『おう、テロと言う忌み嫌われる手段を取らせた他の動機がある。そこが唯一分からない点だ』

 

「スルガはこれからどうする気なんだよ」

「恐らく勝負を決めに行くつもりデヨ。この一連の事件にピリオドを打つ気じゃ」

「ああ。平和にルナと暮らせる世界を取り戻すためにな」

「ねぇ何で驚いてないのよ?」

 

ランが言った時他の人も同調した。レックス達の答えは単純、事前にスルガから聞いていただけだ

そして部屋のドアが開く。入ってきたのは仮面の男、もとい山野淳一郎

 

「ディテクター・・・本当に山野博士が、信じられないわ」

「ああ。一連のブレインジャック、パリ以外は私が引き起こしたものだ」

 

 

山野博士が仮面を外して顔を露にし語り始めた

 

 

「私がディテクターとして活動していた動機はスルガ君が言っていた通り、オメガダインとパラダイスに『おっと、そこからも俺が説明させてもらおうか』

 

『パラダイスの事は・・・もう言わなくてもいいな。まずオメガダインと繋がっている人物がシーカーとハッカー軍団の共同作業で特定できた。証拠は持ち合わせないがシーカーに保管してある』 

「それは誰なの?すぐにパパに伝えてNICSで動かなきゃ」

『そう焦るな。こいつは大統領暗殺の依頼を出した奴でもある』

 

「分厚い警備の中に暗殺LBXを潜入させられる人?あの警備でそんな事が出来るの?」

『いや、中から解き放ったんだ』

「そうデヨユウヤ。スルガの無人機の映像を解析したら政府関係者のテントからそとへと外に続くLBXの移動痕が見られたんじゃ」

『大統領暗殺を企てたのがそいつだ。ここでジェシカ、一つ質問だ。A国では大統領が何らかの事情で政務が遂行できなくなった時、一時的に大統領の椅子に座るのは?』

「それなら副大統領だけど・・・まさか!」

『ああ。A国副大統領アルベルト・ガーダイン。こいつが黒幕だ。こいつの動機は説明を省くが軍事衛星パラダイスを動かす時には三つの方法がある』

 

偽装貨物船future hope号

Lシティの国防基地

パラダイス内部からの直接操作

 

「国防基地から動かす場合は大統領のみが知るパスワードが必要デヨ。じゃが今の大統領がそんな事に協力するとは思えん」

「だから大統領を暗殺しようとしたわけね」

『そう!で俺は大統領暗殺の裏で副大統領に下剤盛って社会的暗殺を企んだけど失敗しちゃった』

「あれはスルガ君の仕業だったのか・・・」

『んで山野博士、採点は?』

「凄い、その一言に尽きる。だが85点程だ。一つ調べられていない」

「博士、他に何か?」

「オーストラリアの首都キャンベル、水中ミュージアムの更に地下、そこにはセト50と言う超メガトン級の核弾道ミサイルが隠されている。威力はソ連が開発した水素爆弾以上の破壊力を誇ると推測している」

『まーじか・・・でも情報はパリの犯行以外出揃った。そこでここに居る奴らを巻き込んだ提案があるんだが』

「何?もう何言われても驚かない自信があるけど?」

『俺達は一時的にアメリカから離反する。と言っても裏切る訳じゃない。カイオス長官の知らぬ存ぜぬ所で大暴れしてやるだけだ』

 

全員が瞼を見開く。特に反発は無かった

 

「OK、とりあえず分かったけど、パパが怪しまないかしら?」

『ガン無視決め込んでやれ。とりあえず目先の目標はキャンベルのセト50の制圧及びアブソリュート・ゼロでの完全破壊。そしてfuture hope号の制圧もしくは撃沈』

「スルガ、おまん自分の身体の話をしとらんでよ」

「申し訳ないがスルガ君の身体はここには無い」

『だろーな。こんな人目がある場所に半分死体見てえな物置いとけるか。で?生命維持くらいはしてるんだろうな?』

「スルガ君の身体もオーストラリアだ。ルナ君の主治医だった医者が居る闇病院で匿ってもらって居る」

「あのお医者さんどこに居るのかと思ったらオーストラリアに・・・」

『よし、んで山野博士、次どこでブレインジャック起こすの?』

「え?もう場所が分かったならブレインジャックの必要は無いんじゃ無いんですか?」

『所が俺らの移動手段はダックシャトル、必然的にカイオス長官にA国に動きがだだ漏れになるわけよ』

「だからその場所に行くための嘘をでっち上げる必要がある。だろう?」

『さすがレックス、元テロリストは違うねえ。ってことで山野博士、ブレインジャックキャンベルで起こしてくんない?色々目的が捗るし』

 

 

さらっとテロの依頼をする辺りこの男も色々手遅れだ

 

 

「既に仕込みは済んでいる。が、本当に良いのか?」

『何を今更。忘れてたけどカズは?』

「彼も今オーストラリアだが」

『大体オーストラリア行ってからって事か』

「スルガ、いくらなんでもブレインジャックは無いと思うよ」

『手っ取り早いよ?』

「中国の時みたいに捜索して見つけたで良いんじゃないの?」

『それもそうか。ルナの案を採用しよう』

「スルガ、これからどうする?下手を打ったら逃げられるぞ」

『逃げる隙も与えませんぜ拓也さん。それとシーカーにも協力を頼みたいです。指令コンピューターの捜索のね』

「分かった。シーカーの方は任せてくれ」

『皆、これからの行動が俺の中で決まった。とりあえずもう少しイギリスに残ってパリで受けた傷を癒す事を優先したい。その後カイオス長官に嘘吹き込んでオーストラリアの指令コンピューターを無力化して・・・そう言えば何に仕込んだの?』

「水中ミュージアムの宣伝を兼ねている飛行船4隻にそれぞれ仕込んでいる」

『りょ。んじゃそこは何もしないでいっか。その後適当な理由付けて水中ミュージアムに行きセト50を無力化、その勢いでシーカーが捕捉してくれてるfuture hope号に殴り込みかける感じで行きますか』

 

 

トントン拍子で決めた今後の動き、果たしてこの通りに進行するのか?それは筆者しか知らない

 



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作戦前の準備

═アメリカ、NICS本部═════

 

あれから三日後、NICSではスルガの無人機含めLBXの修理が完了しスルガも設備を借りてカスタマイズLBXを数機新規製作&増産、新たな武器を生産した

シーカーも轟雷とスティレットを補充、配備出来たらしい。戦力も十分と言った所だろう。後は山野博士からシーカー経由でGOサインがくるのを待つだけだ

 

破壊したキラードロイドは記憶媒体のみNICSに渡しファクトリーではグリフォン含めた四機のパーツを使いイコイチ修理を進めている。しかしトルークビルト等ワールドセイバー関連技術の解析は依然として成果を見せていないのが現状だ

 

今は作業室でその解析の続きと武器等を作っている

 

 

「スルガさん、ペルセウスの事で相談が」

『おう?どうした?』

 

作業を続けながら意識を向ける。どうやらペルセウスに合体機構と特殊モードが同時実装されたせいでメンテナンスの難易度と複雑さが跳ね上がったらしい。

 

『成る程ねぇ・・・ペルセウスが一番変化大きいし仕方ねえか』

「はい。日常のメンテナンスで一々スルガさんに頼るのも申し訳なくて」

『分かった。ペルセウスの図面は貰ってるし後で良いならメンテナンスの方法纏めたメモでも作っとくよ』

「ありがとうございます!助かります」

 

 

─────

 

 

「スルガ、バトルしようぜ!」

『ん?作業の片手間で良いなら良いぞ。他は?』

「えっと、ルナとユウヤとラン、後拓也さん」

『拓也さんも?珍しいな』

「少しは鍛えとかないとなって」

『りょ。丁度試したいものもあるし』

 

シャルナックに意識を移して他のやつが集まっている所へ運んでもらう

 

 

「あ、スルガも来たんだ」

「イッちょやりますか!」

「バン君、チーム分けはどうするの?」

『六つ巴の勝ち残りで良いんじゃね?』

「いや、出来ればチーム戦でお願いしたい」

『じゃ俺とルナは敵同士で、久しぶりにルナとやりあってみたい』

「じゃあ、俺、拓也さん、ルナでスルガ、ユウヤ、ランで行こうか?」

「それでいいと思うよ」

「何気にスルガと戦うの久しぶりだね。負けないよ!」

「よっしゃぁ!燃えてきた」

 

 

map 港湾都市

ストリートレギュレーション

バトルスタート

 

 

拓也さんはホーネット、武器はゲパルトライフルとビクトリーエッジ、スルガはシャルナックで武器は天叢雲で新作の電磁狙撃銃、腰への格納状態でコマンドハンドガン二丁とこれまた新作、ジャックダガーを持ち込んだ

他の奴はいつも通りだ

 

『索敵行ってくるー』

「ラン君、警戒しながらスルガ君の後を着いていこう」

「りょーかい!」

『ワイヤー見つけたら近付くなよ。ルナに喰われるぞ』

 

さーて、蜘蛛の巣作られてたら面倒だが、まあリュウビとワイヤー斬り飛ばせばなんとかなるだろう

 

「スルガ、なんか居る?」

『いや、影もない。ルナがどっかでワイヤー張ってるな。エルシオンもその中で待ってるか誘い込みにくるんじゃないか?』

 

多分ワイヤーの中心辺りに拓也さんが狙撃銃構えてる。ルナが変態機動で撹乱しつつバンが正面戦闘って作戦か?

 

「ねえスルガの右の方、なんか光った」

『ルナのワイヤー陣だ。あの中だな?・・・あ?何か違和感あるな』

 

 

建物に張り付いて顔だけ少し出す。何か変な感覚を覚えるが?

電磁狙撃銃に持ち替えスコープで更に索敵、が突如としてミネルバが空中で体を反転させながら前に跳ぶ。跳んだ直後、ミネルバが居た場所に着弾跡が出来た

 

「何度も同じ手は食わないよ!」

 

そしてシャルナックの背後にも銃弾、そしてその銃弾を撃った張本人が舞い降りる

 

 

「ちょっと油断してたんじゃない?」

『マジかッ!』

 

 

銃撃の直ぐあとに持ち替えの隙を与えない朔の連続突き

銃口を向けようとするも斬った煙幕のような動きで消え去り別の場所から顕れる

伝説のLBXプレイヤーや箱の中の魔術師でやっとまともに扱える程の性能を持ったLBXが、不完全だが性能を引き出す石森ルナと言う少女に駆られ開発者に牙を向く

 

 

『ヤッバ!性能解放したらここまで厄介なんかッ!』

「スルガ君、今フォローに入るよ!」

 

 

ミネルバとリュウビがホーネットからの狙撃を警戒しながらムーンとシャルナックの方へ走る。しかし二機の行く先にエルシオンハルバードが突き刺さった

 

「バン君!」

「ここから先は通さないぞ!」

 

 

同じ所に着地してきたエルシオンがハルバードを引き抜き構えた。遠くには狙撃態勢を取ったホーネットの姿も見える

 

 

『よいさ!』

 

 

攻撃を掠めながらも避け、狙撃を警戒しながら電磁狙撃銃を適当に放り投げるスルガ、腰からジャックダガーを射出しキャッチ、上からの朔の攻撃を受け流す。逆手持ちをひっくり返しこっちからムーンにダイブしダガーを突き出す

 

 

「その動き・・・ヒノちゃんだね?」

『ご明察の通りで』

 

 

二本の短剣を獅子が獲物を仕留める爪をように鋭く振るい始める。防御もままならない至近距離に飛び込み関節部に刃を叩き込む 

 

 

以外と!扱い難しいな!ヒノから直接コツ聞いとくんだった(ただの見様見真似)

ヒノのようにフルアタックでなく左右で攻守を分けた保守的な戦闘スタイル、頻繁に攻守を入れ替えムーンを翻弄する

 

 

─────

 

 

こちらはユウヤとランの方、バンが防戦に徹しており時折拓也からの狙撃に悩まされて中々突破も撃退もかなわない

 

 

「ふん!セイッ!」

「ハァ!やぁ!」

 

 

ミネルバクローと武の剣がエルシオンに突き付けられるがバンは機体を少し後退、ミネルバクローをハルバードで引っ掛けて体勢を崩しシールドバッシュで押し飛ばす

 

そこにホーネットが狙撃、リュウビが鏡の盾で弾を弾き体勢を立て直したミネルバ

 

 

「ユウヤ!私拓也さんの所行く!」

「分かった。任せるよ」

『ほい。このmapの狙撃ポイント。活用して』

「ありがと!」

 

 

ミネルバがビルの間に消える。一瞬だけエルシオンが追跡の動きを見せたがリュウビが立ち塞がり諦めたようだ

 

 

─────

 

 

大胆ではあるが慎重に行く。スルガが用意したフィールドの狙撃ポイントデータを元に死角を縫いながら突き進みホーネットを見つけ出した

 

「見つかった・・・逃げられないか」

 

ホーネットがビクトリーエッジを構え飛び掛かりクローを受け止める。ランのテクニックとミネルバの出力で押されている

 

「ぶれて狙いが、定まらん!」

「おりゃおりゃ!」

 

防戦一方、ホバーLBXの弱点が露呈した結果となる

常に浮遊しているクイーンやガニメデのようなホバー機体の長所は悪路などの足場に左右されず安定して高い機動力を発揮出来るのが長所だ

しかし浮いているのが弱点なのだ。どんなに良い性能のスタビライザーを装備していても強く押す力の前では衝撃を相殺しきれず揺れ、動いてしまい照準諸々がずれてしまうのが短所になってしまう

 

そのため接近戦パワータイプのミネルバとは相性最悪だ

回し蹴りがホーネットの右肩に直撃、大きくよろめく

 

「今だ!必殺ファンクション!」

 

アタックファンクション

炎崩し

 

 

火炎の渦がホーネットを捉えミネルバは力を込めたクローで強烈な二打目を加えた

ホーネット、ブレイクオーバー

 

 

sideユウヤ

お互い有効打を与えられず泥沼化しているなか、事は突然起こった

 

 

『ユウヤ、援護行くぞ』

「スルガ君!?そっちは大丈夫なのかい?」

『うん。大丈夫』

 

 

既に高所ではシャルナックが狙撃態勢を整えていた。ムーンと戦っていたはずなのに、だ

そこそこの高層ビルの屋上で擬態にトタンみたいな板を被り腹這いになりながら電磁狙撃銃を構えている

自分の周囲、正面以外にむけた指向性地雷をセットしてある

 

 

ムーンは一時的に撒いただけだから撃てて三発、さーて、少しでもこっちに気を向けろや。そしたらユウヤがなんとかできるはず

いつもより慎重に照準を合わせる。狙いは急所だがエルシオンの動きが思ったより大きく激しい

 

『ユウヤ、鍔迫り合いみたいなのでいいから一瞬動き止めて』

「分かった。やってみるよ」

 

リュウビが斬りかかる。しかしルナからスルガを見失なった事を聞いているであろうし当然動きを止めるような事は中々しない

 

スルガが下を見るとムーンが自分の事を探しているのも見えた。

 

もう少し、もう一瞬で良い!

 

エルシオンが構えたシールドに対してリュウビもシールドをぶつけた。衝撃がお互いに伝わり体勢を崩した

 

ここだ!

 

シャルナックが引き金を引く。二発の弾丸が空中に躍り出た。直ぐに飛び降りてジャックダガーに持ち変えた

音速を越える弾丸はエルシオンシールドを後方から貫き大穴を穿つ。もう片方は足を掠めるも外れ

 

 

「今だ!剣を投げて!」

 

 

バンが動揺した。リュウビが武の剣を盾に穿たれた穴に差し込み胴関節を突く。そのまま武の剣を放し片手機関銃、四王スザクで牽制射撃

 

 

『そいやっさ!支援はここまでだ』

 

 

シャルナックが天叢雲を投擲、上から襲来したムーンの一撃を空中で受け止めようとしたが?

 

『待てや朔じゃないの!?』

 

電磁機関銃と拾ってきた電磁狙撃銃の至近距離射撃は防御できず、当然耐えられずブレイクオーバー

 

 

一方ではリュウビがフェイントをかけスルガが投げた天叢雲を回収、勝負を決めにかかった

 

 

「ありがとう。スルガ君!必殺ファンクション!」

 

アタックファンクション

白虎衝波斬

 

 

リュウビの回りに波が集まり白い虎を形成、吼える

そのまま走りだし白虎と共にエルシオンに突っ込んだ

 

 

しかし黙ってやられるバンではない

 

「一か八か、必殺ファンクション!!」

 

アタックファンクション

ライトスピア

 

剣の刺さった盾を放り捨て予備動作の少ないライトスピアでカウンターを狙う

 

キイィィン・・・

 

二機がぶつかり合う。エルシオンが膝を付いた

リュウビはそのまま立っている

 

ぶつかり合いを制したのはリュウビだ

エルシオンは胴関節に更なる攻撃を受け動けずに居る

が、リュウビの背中にレイピアが突き立てられた

インビジブルブレイドで接近してきていたムーンだ

 

 

「ユウヤ君、ごめんね。後が無いからさ」

「油断・・・してた」

 

リュウビ、ブレイクオーバー

 

「ふう、後は」

「あたしだけだね」

 

 

ムーンが電磁機関銃を撃ちながら後退する。ランは勘で避けながらダッシュ、朔とイージスシールドに持ちかえてミネルバを受け止めた

 

「技の精度が上がってる。でも私も強くなってるんだよ!」

 

ムーンがミネルバの体術に対してワイヤーを射出、足に絡み付き動作を制限、

 

「捕まった、あれを使えば!」

 

横にダッシュ、盾に刺さった武の剣でワイヤーを切断、しかし巻き付いたままなのは変わらない。が

ミネルバの前に何かが通過していく。エルシオンがハルバードを投げたのだ

 

 

「うえ?」

「貰ったよ!」

 

 

一瞬ハルバードが視界を塞ぐ間に朔が目の前まで迫っていた

 

ミネルバ、ブレイクオーバー

 

 

═════

 

 

 

 

「スルガ、隣良い?」

『どうした?ルナ』

「私ね、夢を見たんだ。スルガがスルガじゃ無くなっちゃう、不思議な夢」

『俺が俺じゃ無くなる?』

「うん。よく思い出せないけど凄く怖かった」

『ルナを悲しませるとは確かに俺じゃねえな。まあ、フルリンクシステムをこんだけ使ったのは初めてだし何が起こるかは分からない。ただ俺が俺で、河白スルガが河白スルガである限りルナの事は忘れない』

「うん・・・スルガ、居なくならないでね」

 

 



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ガーダイン無力化作戦前日

═アメリカ、NICS本部════

翌日、前回の戦闘で予想よりダガーが有用だったので一組シャルナック向けに新規製造することに、そして最近威力不足が目立ってきた魔改造コマンドハンドガンも更新してしまうか

 

機龍でファクトリーに設計図をアップロードし材料を置いて後は放置だ

 

 

「スルガー!」

『おう、ルナか。ちょうど手が空いた所だ。でどうした?』

 

ムーンのフルリンク経由で直接会いに来たルナ、スルガはハグで返し頭を撫でる

 

「むふふ~よいぞよいぞ~、あっそうそう、ジン君がフルリンクシステムの試させてくれないかって」

『チッ、諦めて無かったか・・・まあ良いか。後でジン呼んで実験といくか。とりあえず今はルナとイチャイチャしたい』

 

 

自宅のデータを構築し擬似的な月が照らす縁側に二人が寝そべる。この全てが0と1で構成された世界も案外捨てたものじゃない

とりあえずルナを自身の胸に抱き寄せながら物思いに耽る

 

 

「どうしたの?何か悩み?」

「あぁ、俺はルナがいなきゃ今頃どうなってたかってな」

 

 

イノベーターの時はオプティマのため、今回もルナと平穏に暮らすため、バンの用に世界を救うなんて目標一回目も持とうともしなかった野郎だ

それもかなりの気分屋、ルナがいなきゃバンと世界を救う旅にすら出てないかもしれなかった

 

 

「私が居なかったらか~・・・なんだかんだスルガは大丈夫じゃない?むしろ心配なのは私だよ。ずっと病院に居てさ、オプティマだってスルガが手配しなきゃもっと時間がかかっただろうし、今じゃ二年待ちが当たり前で私はまだベッドの上だったかも」

 

 

まあ、ルナのオプティマを手配する過程で色々したがそれはいまどうでも良いことだろう

 

 

『ある意味では共依存なのかもな・・・だからと言って離れるつもりは毛頭ないけど』

「私もだよ」

『ルナの隣に俺が居て』「スルガの横に私がいる」

 

 

コツン、と額を当てて二人が見つめ合う。

 

 

『ルナ、一通りの騒動が済んだら二人で一緒に何も気にせずゆったりと旅行に行かないか?』

「良いね~。二人なら何処までも行けそう。いっそずっと旅して過ごす?」

『いやぁ、せめて定住はしたいなぁ・・・』

 

 

特に意味があるわけでも無い会話が続く。やがて寝落ちし一日が過ぎていった

 

 

 

 

 

═翌日═════スルガinシャルナック

 

ファクトリーでの作業では一般的な片刃のダガーナイフ、これまた機龍のレールガンユニットをベースとしたハンドガンの製作、ムーンで得たデータを元にシャルナックの性能向上改造、そしてオリオン・Eのフルリンクシステムをトリトーンへの乗せ替えとCCMの改造(仮設の為外接)とが行われていた

 

『おっ、出来てる出来てる』

「スルガ君、終わったかい?」

「なになに?なにするの?」

 

 

ジンと興味本位で着いて来たであろう他全員、そしてカイオス長官とか一部NICS職員だ。何者かの手によって椅子など

 

『えー、なんかギャラリー多くない?』

「僕は気にしない。始めよう」

『コブラ、オタクロス、そっちの諸々』

『まあいいか。最後に聞いておく。出回ってるやつなら兎も角、本質はろくでも無いし副作用も何が起こるかも良くわからない。海道ジン、本当に良いんだな??』

「ああ。構わない」

『りょーかい。トリトーンとアプリ起動して、フルリンクシステム起動って言えば音声認証されるよ』

 

 

ジン机の上にトリトーンを起き椅子に座る。一呼吸して

 

「ありがとう。フルリンクシステム、起動!トリぃ!」

 

とりぃ?・・・あっ、ちょっと間に合わなかったのか。締まらねえなぁ

 

トリトーンが動き出した。野次馬のざわめく中、手をグーパーグーパーしたり機体の各部を頻りに動かしている

 

『気分はどうだ?』

チャットジン『不思議な感覚だ。LBXのとの一体感を感じたことは何度かあるが、そのどれよりも深い』

『そりゃそうだろうよ。で?事前説明以外の違和感はあるかい?』

チャットジン『いや、大丈夫だ』

『取り敢えず基礎動作を一通り、軽く鬼ごっこでもしてみるか?』

チャットルナ『私もやるー!』

 

 

ルナもフルリンクシステムを起動して乱入してきた。ムーンがぴょんぴょん跳ねている。シャルナックとムーンが部屋中を動き回る。そこにトリトーンも参加して追い駆けっこが始まるが、トリトーンが走り始めた途端いきなりスッ転んだ。やはり最初は上手く行かないか?

 

『ジン、まずは歩くことだけを考えろ』

チャット『分かった』

 

姿勢を起こし少しぎこちない動きだが歩き始めた

 

チャット『これ意外と歩くの難しいんだよねぇ。ムーンに慣れるのも丸1日掛かったし』

『タイニーオービットから貸し出されてるやつはナイトフレームで慣れるまで平均半日らしい。もうちょいつづけてみよー』

 

 

歩きから早歩き、早歩きから小走り、小走りから走り、そこから全力疾走と移動速度を早めていく

 

やがて人の肩から肩へ跳び移る事も出きるようになった。一時間程度で

 

 

『いくらなんでも早すぎだろ・・・まあいいや。武器持ったらバランス難しくなるからな。取り敢えずシーホースアンカー振り回してみ』

チャット『ふむ・・・』

 

 

シーホースアンカーを横振りをしたらトリトーンも人が重いバットを振った時のように大きく振られる。しかしジンもイノベーター時代に武術的なものを仕込まれておりすぐに慣れて自由自在に振り回せるようになっていた

 

そこで習うより慣れろ。と言う精神で軽く手合わせする

スルガはシャルナック、そして素手で、トリトーンはシーホースアンカーを装備してのバトルだ

 

 

map 草原

ストリートレギュレーション

バトルスタート

 

 

最初に動いたのはトリトーン、シャルナックは立ったまま動かずトリトーンのシーホースアンカーを振り下ろす。

シャルナックは逆に飛び込み武器を持つ右腕を左腕で掴み、胴体に右手を引っ掻けて空中に、地面に叩き付けた。背負い投げが綺麗に決まる。すかさず拳をトリトーンの顔に、寸止めした

 

 

海道ジン、硬直

 

 

『怖いだろ?』

 

 

郷田やレックスとの修行、シーカーの実働部隊との厳しい訓練の中ルナを守るために力を、技術を磨いていた

いつもならCCM越しか少し離れてしか見ない攻撃がLBXではなく、確かに自分に向けて振り下ろされるのだ。感じる恐怖は比にならない

トリトーンの手を引っ張り立たせ

 

 

『フルリンクシステム同士の戦いなら俺は強いぞ。で?これからどうする?フルリンクシステムを使い続けるか?それとも辞めるか?』

チャット『いや、辞めないさ。また手合わせ頼む』

 

 

再びシーホースアンカーを構える

どうやらやる気は十分らしい。これから暫く休みはなくなるだろうし、最後のお遊びだ

 



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八神の調査結果

═NICS本部、近所の裏道═════

 

更に二日程、山野博士からオーストラリアに到着したと言う合図を受け取った。後はハッカー軍団からの演技通報を待つのみ

そして八神さんからワールドセイバーについて元イノベーター構成員からの聴取を依頼していたのが情報が纏まったみたいなので報告があるらしい。アミを連れてくるついでにどうやら直接話したいようだが?

 

 

『それでわざわざ出向いてくれるとは、よほどヤバい情報が飛び出して来たんですか?』

「通信の傍受を警戒していた。それより航空券の手配、助かったよ」

『そいつはカイオス長官に言ってくれ。で?何が分かったんですか?』

「パリ事件での首謀者の男、リフィルス・クロウドやそいつが言っていたセレディと言う名前、それらを元に尋問していった結果がこれだ」

 

 

一枚の紙を出してきた。どうやら手書きらしい。相当警戒している

《調査報告書》

・ワールドセイバーについて

イノベーターと積極的な技術交換など合流は少なくかったが要注意の組織だった。

シーカーとの敵対中、当時私が黒の部隊(情報収集に特化した部隊)の指揮を取っていたときも全容は見えなかった

その構成員の一部は世界各国の政府や大企業等の巨大な組織に属して居ると推察されイノベーターの中にもその手は及んで居たであろう

技術力や情報収集能力も各所の構成員が盗んできたり最新兵器を自前で製造出来るなどイノベーターと同等以上のモノを持つ

その理念は戦争や紛争の根絶、しかし活動記録を見る限り過激派集団、その実態は世界征服、または自分たちがこの世界の支配権を握る事だと予想される

 

 

リフィルス・クロウド

詳細不明だが白の部隊(実験、研究など)の灰原ユウヤ君を検体とした操作システムに強い関心を寄せていたらしくその他の研究データを一部共有していたと言う

何人かに顔写真を見せたがこいつで間違いないと言うことである

その他経歴は一切不明

 

 

セレディ・クラウスラー

青髪赤目の老人か子供の用な小柄な姿らしい(何故か情報が二つに割れていた)こちらはイノベーターとはリフィルス・クロウド程交流が多くなかったらしいが人工臓器オプティマを提供していた。他にも優秀な人間が世界を支配すべき、と言う思想を持っているらしい

こちらも経歴不明

 

二人は組織の中でもトップに近いと思われる。お互いにどちらが組織の支配するか、理念を達成し世界を牛耳るかで対立していたと思われる

 

 

オーバーロード

不明。白の部隊の一部が研究していたようだが研究データは残されていなかった。しかしセレディ・クライスラーも同様の単語を言ったのを覚えていると言っているため何らかの特殊能力であることが推測される

 

 

『ふむふむ、成る程ねぇ。ありがとう八神さん。大分煮詰まったよ。オーバーロードに関してはNICSとシーカーでも解析して貰ってるけどネットの噂以上の情報が無いのが現状か・・・』

「噂を信じての推測だがオーバーロードは人が自分で身に付ける力だと思っている。そしてフルリンクシステムはLBXの、機械の力を借りる技術だ。そこがヒントにならないか?」

『天然の進化と人工の進化、だがフルリンクシステムにはそんなLBX以上の特殊能力は確認出来てない。ただ組織の片方はバックアップを用意してない限り俺が殺したし、組織としての動きがされやすくなったか』

 

 

本心二人で潰しあってくれたら消耗したところを入思いっきり殴り付けてやるだけで楽・・・何とかして争いを誘発させれないものか

 

 

『まあ、パリでの一件で多少なりとも混乱はあるだろうしもう少し後回しで良いかな』

「すまないな。あまり情報が集められなかった」

『いや、NICSですら影も捕らえられなかった、十分凄いですよ。しかしNICSにも手が伸びている可能性を考えると動きづらくて仕方ない・・・シーカーにももしかしたら』

「調査しておくか?」

『一応お願いします。シーカーだけで良いです・・・がワールドセイバーと戦う時はあまりNICSに頼らない方がいいかもしれませんね』

「推定される組織の規模から見てもどこに構成員が潜んでいるか分からない。警戒するに越したことは無いが、恐らく私が調査したことも気付かれているだろう」

『あー、それキッツいなー・・・いっそのことイノベーター再建した方が手っ取り早いかもしれん』

 

 

今は考えるだけ無駄、そう結論付けて次の行動に出ることに。八神さんは直近の航空便で帰路につく。ハッカー軍団からの通報は八神さんが日本に戻った時、もうすぐだ。上手くやれば面倒事が連鎖していくミゼル事変は起こさずこの戦いを制すことが出来る!

 

スルガの最終勝利条件

・遅くとも軍事基地でのアルベルト・ガーダイン、檜山真美の無力化

・futurehope号で死の恐怖を覚えたアダムとイブによるミゼルの誕生阻止

 

大きくこの二つに分けられる特に重視しているのは圧倒的に後者だ。理由は言わなくとも良いだろう

 

 

そして場面は移り同時刻、別の場所ではアミとの再開を喜んでいた

 

「リハビリや経過観察が意外と長かったわね。本当はもっと早く合流するつもりだったんだけど」

「仕方ないさ。洗脳状態でどんな異常があるか分からなかっただろうし、でもアミがきてくれて本当に心強いよ!」

「あ、そうそう。アミちゃん、真っ先にスルガが『今から全員を掌の上で転がすから宜しくね。ぴーす』だってさ」

「今一何か分からないけど・・・分かったわ。何かしてるのね?」

「ここでは話せないが、現地に着くまでに説明しよう」

「あれ?そう言えばスルガさんは?」

「あぁ、それなら八神さんと何処かに行ったけど、スルガが八神さんに何か頼んでたみたいね」

「パリの件かな?スルガ君はあれがディテクターの仕業でないと思っているらしい。だから元イノベーター構成員が何か知らないかの調査を依頼していたみたいだよ」

「ってなると、イノベーターの時以上に暗躍してるのね」

「スルガ、色々無茶しなきゃいいけど」

 

 

 

 

───────

═NICS本部、指令室═════

カイオス長官からの緊急招集が掛かる。集合前に確認したら八神さんが乗る航空機が日本に無事に到着している。つまりハッカー軍団からの通報だろう

 

 

「皆、シーカーを通じてハッカー軍団から通報があった。オーストラリアのキャンベルのサーバーにディテクターの痕跡を発見したらしい」

『まあ、やることはいつもと同じってこったろ?指令コンピューター探して無力化する』

「ああ。いつブレインジャックが始まるか分からない。直ちに急行してくれ」

 

 

次なる目的地はオーストラリア、待ち受ける障害達をまとめて粉砕するために子供達は飛び立った

 



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作戦行動開始

═オーストラリア、キャンベル═════

 

もう何度目だろうか、太平洋を横断しオーストラリアに降り立った

目的地は指令コンピューターである四機の飛行船、そこから水中ミュージアムを連想する必要があるので一筋縄では行かない

 

 

「よし、二人一組で行動してくれ。ペアはバンとヒロ、ジンとジェシカ、ユウヤとラン、スルガとルナとアミで指定されているポイントを回るようにして捜索、反応を拾えば後は電波の強弱から場所が特定が出来るだろうしな」

「おまんら、頑張るデヨ!」

 

 

拓也とコブラはNICS経由ですでにオーストラリア政府とコンタクトを取っており異常が無いかの調査を手伝わせている。しかし水中ミュージアムの飛行船は政府の管轄じゃないので宛になら無いだろう

 

 

『さてと、後はどうやって水中ミュージアムを絡ませるか、だな』

「ねえ、あんた今度は何しようっていうの?それに水中ミュージアムって?」

『ん?ああ、ここの指令コンピューターは今空飛んでる飛行船にあるのよ。それが水中ミュージアムの宣伝用だから。ここで始まるのは一連の、パリ以外の真犯人、裏で動いていた黒幕の手足を奪う作戦の前座に過ぎん』

「何で知ってるよ?それなら早く伝えないと!」

「皆知ってるよ?あとディテクターの正体も皆知ってるから大丈夫。知らないのはA国とNICSだけ。後この作戦の一部にはそのディテクターも絡んでるしね。あとは何が質問ある?」

「えっ?えっ?えっ?えっ?」

『おー、壊れた人形になった。仕事はしてくれよ』

「も、もうお腹いっぱいよ・・・後からゆっくり聞くわ」

 

 

さっきからルナのCCMが反応している。コブラから指定された目標地点までももう少しだ

 

 

『そうそう、ダークパンドラのその後どうよ?』

 

 

アミが使っているダークパンドラは原型そのままアミパンドラ色にリペイントされて使われている。因みにO・アーサーも青と銀と金、要するにアルトリア色にリペイントしてヒノの病室に置いてきた

 

 

「悔しいけど凄く使いやすいわ」

『なら良かった。少しクセがありそうだったが大丈夫なら良かったよ』

 

 

ピピッピピッピピッ

CCMからのコール、目標地点に到着したようだ

 

 

《よし、全員着いたな?オタクロス、やってくれ》

《任せるデヨ!こいつをこうして・・・こうじゃ!》

 

 

移動中に集めたデータと現在の観測地点から電波の強度を測定、建物、地形データと照らし合わせながら発信距離を特定、観測している四点を組み合わせると立体地図にはいくつかの点が交わる地点、すなわち飛行船の現在地が写し出されリアルタイムで移動している

 

 

「見つけたぞ!あの四隻の飛行船だな?」

「よし、檜山あれをハッキングして彼等の近くに着陸させよう」

「ならオーストラリア政府に語りかけて周辺の封鎖も徹底させるか」

 

 

拓也とレックスのコンビがオーストラリア政府に連絡を取り直ぐに警察が動く。どうやら政府はブレインジャック時に直ぐにでも避難誘導を開始できるように警官隊を各所で待機させていたらしい。快く協力してくれた(今回は珍しく裏工作をしてない)

 

 

《おまんたち、近くの広い場所に飛行船を強制着陸させるデヨ。乗り込む準備をするのじゃ》

 

 

十分も経たない内に警官隊によって着陸地点周辺が封鎖された。封鎖及び避難完了の連絡を受けて飛行船をハッキング、着陸させる

 

 

「ダックシャトル以上に大きいわね・・・」

『さてと、スレイブプレイヤーは誰かなっと?』

 

 

飛行船の扉を開けて中に入る。

中に居たのはコックピットに座ってスレイブプレイヤーが付けている首輪を指でくるくる回している仙道ダイキだった

 

 

「俺は指令コンピューターを守るガーディアン、おとなしく帰るなら見逃してやる」ニヤッ

『へぇ、相手にとって不足無し、全力で行かせて貰おうフルリンクシステム切替、シャルナック!』

「だね。師匠越えさせて貰うよ!ムーン!」

「(アドリブってこういう事!?)い、行くわよ、パンドラ!」

「悪夢を見せてやれ。ナイトメアフィアー!」

 

 

今頃他の人達も同じようなやり取りをしているだろう。しかし、今回は会話やLBXをモニタリングしているカイオス長官にも気づかれない用に八百長無しで本気で戦う手筈となっている

 

 

map 石油コンビナート

アンリミテッドレギュレーション

バトルスタート 

 

E 天叢雲  電磁狙撃銃

腰格納部 震斬、電磁拳銃

飛行ユニット装備

 

フィールドの小島に降りた三機は対岸に居るナイトメアフィアーを見据える。震斬、朔、デスペレイドエッジを構えて配管を伝いで対岸へ、スルガだけは水に飛び込み対岸へ向かうようだ

 

ナイトメアフィアーも配管の上に登ってきた。ムーンとダークパンドラは速度を上げ互いの距離が急激に縮まっていく。間合いに入る直前、ムーンがワイヤーを配管に引っかけ下からナイトメアの後方へ、そのままパンドラが斬りかかる

配管の上で体勢を建て直し配管を切り落としナイトメアとパンドラを水に落とした。自分はワイヤーにぶら下がり電磁機関銃を水面のナイトメアに向ける

 

そこに空中からスルガが天叢雲片手に突入してくる。突き立てられるのを間一髪掠らせながら回避、追撃はムーンの電磁機関銃が阻止、隙を付いてナイトメアは陸地に飛び一時的に退避した

 

 

「やっぱりだめか・・・」

『本気で仕留める気だったんだが』

 

スルガは水面のムーンとパンドラを掴むとブースター全開で飛びその勢いでナイトメアの方へを投げた

自分も姿勢を変えてダイブ、空中の二機を追い越しナイトメアへ刀を振り下ろす

いきなりの強攻撃をメイスで受けるが踏ん張り姿勢のまま大きく後ろにずり下がる

 

『超速度は破壊力!!』

 

更にエンジン出力を上げて押す

 

「グッ!」

 

シャルナックの攻撃中、後ろでムーンとパンドラが着地しダッシュ、最速を誇る機体がナイトメアに迫る

しかし、ナイトメアが三機に分身した。スルガと対する機はシャルナックを後ろに流し他の二機を迎撃する

 

スルガはエンジンを逆噴射、ブレーキをかけ停止、エンジンを再び最大出力でパージしナイトメアにぶつける。軽々とメイスで叩き落とすが爆煙で覆われた。天叢雲を持ち飛び込み横から斬り付ける

 

 

『シャアっ!』

「ふん、そんなものか」

 

 

ナイトメアがメイスを軸に蹴り、咄嗟に手をクロスさせ防御、二の腕に鈍痛を覚えるがこの程度の痛みは既に慣れたもの、直ぐに蹴りを払い反撃に出る

メイスで斬撃は防がれた。だが震斬を一本射出し左手に持つ

すぐさま右肩目掛け震斬を投擲、しかし狙いがずれて後方へ落下、地面に突き刺さる

だがナイトメアが少し回避したと同時に天叢雲を更に押し込み姿勢を崩す。すかさず電磁拳銃を二丁射出し射撃

普通の銃弾なら避けるだろうが電磁拳銃は弾速が違う

 

 

「なっ!」

『こいつは速いぞ!』

 

一丁格納しもう一丁に震斬を着剣、天叢雲を持つ超歪な二刀流

 

スルガは駆け出す。電磁拳銃で牽制しつつ接近する機動戦、と言うか今、ここに居る連中は全員機動戦を得意とする者達だ

 

ある程度近付いたらナイトメアも回避姿勢から攻撃体勢に移る。スルガも刀を構えてメイスに斬りかかった。するとどうでしょう?メイスの柄が斬れてしまったではありませんか

 

突然の事に反応出来なかったナイトメア、スルガの回し蹴りが胴体にクリーンヒットし大きく怯む

 

 

「馬鹿な!?」

『それがこいつの切れ味だよん。斬れぬものなど殆ど無い』

 

 

まあからくりを説明すると最初の一撃を斬り込んだ傷口をもう一撃、正確に斬り付けたのだ

更に追撃、着剣された震斬が胴体に突き立てられるが、やられっぱなしの仙道ダイキでは無い

斬れたメイスの上部で殴打、防御が遅れ顔に激痛が走る。そして足を払いメイスの下部で胴体を突き少し仰け反り後退、胴体に刺さっていたのを抜き電磁拳銃での近接射撃で畳み掛けられた。斬れたメイスを両手に追撃を掛ける

 

しかし激痛の中自分の回りにウォールマインを起爆、ナイトメアを阻み建て直しの時間を作った

 

死ぬ程痛てぇ、でも痛みが増してるなら精神同調の深度が上がってるはず、でもやっぱりシャルナックは装甲薄いし痛みもデカイか。損傷は・・・左カメラのレンズ破損で隻眼状態、腹は痛いけど問題無し、弾が当たった所は凄く痛いし右肩間接に引っ掛かりを感じるけど、動く。脚部、各部ブースターはオールグリーン、格納武器は拳銃一丁

後は電磁狙撃銃と天叢雲・・・劣勢だな。無理して新武器試した結末か

しかしメイスを斬れたのは中々、柄が短いだけで取り回しが大きく変わるはず、後は胴体の穴、それが狙い目か?何か攻撃出来ればダメージは直コアボックスに届くはず

逆に警戒してくる?なら避けきれない攻撃を・・・

 

 

この間1秒未満、スモークグレネードを周囲に展開、電磁狙撃銃を構えて、そしてウォールマインが効果を失うと同時にナイトメアを赤外線カメラで目視、胴体の若干温度が違う一点を狙い引鉄を引く

命中したかは不明

一発撃って銃を仕舞い拳銃のみを持ち正面にスモークグレネードを追加で投げてインビジブルブレイドで透明化、ナイトメアの死角になる後ろ側より煙幕から脱出

影すら認識させぬ速度で円を書くように走りナイトメアに接近

 

そのまま近距離に接近、時々グレネードを投げて時間差爆発を起こし気を散らせる。爆煙をそこらかしこに炊き上げる

 

片目が潰れてるから距離感が変だ。なるべく零距離から攻撃を。さぁ、出来るだけ混乱してくれ

 

爆煙の数が10ヶ所を越えた頃、スルガが仕掛けた

 

よっし、リミッター解錠!

 

アタックファンクション

グラビティスフィア

 

近距離に撃ち込みまれた超短期決戦出力の引力弾はハカイオーですら飲み込む引力だ。その塊は軽量のナイトメアフィアーならば用意に引きずり込む

 

「なに!?」

 

威力は弱いが確実に仕留めれる!

 

アタックファンクション

ボルトクロス

 

グラビティスフィアの引力を利用し限界を越え加速、傷口に電磁拳銃を震斬の傷口に押し付け引鉄を引く

銃口から吐き出される十字の雷光弾、コアボックスの内部を電流が破壊した

 

ナイトメアフィアー、破壊

同時にシャルナック、戦闘エネルギー切れ

 

他のムーン、パンドラも同様の戦果を得ていた。パンドラは駆動系を破壊し蒼拳乱撃止めの攻撃、ブレイクオーバー

ムーンは朔と鋼線術の組み合わせでメイスを絡めスピードと変幻自在な動きに任せてナイトメアフィアーに巻き付けテンペストブレイドでブレイクオーバー

「うっ・・・」

 

三機を撃破すると仙道ニキが呻き声を出す(演技)。後はコブラに連絡を入れて次を待つだけだ

 

 

 



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力の代償

═オーストラリア、キャンベル════

スルガの元に他の指令コンピューターを無力化したと言う連絡が来る。カイオス長官には指令コンピューター無力化の報告、観光をして帰る旨を伝え通話を切る。一応モニタリング対策はしておいたので大丈夫だろう

 

《よし、全ての指令コンピューターの無力化に成功したようだ。それにしても飛行船とは驚いたぜ》

『オタクロス、パラダイスと関係は?』

《飛行船の飛行経路の管制に使われていたようじゃ》

「でも妙な感じがするわね。さっき捜索中に色んな飛行船があったのに何で水中ミュージアムだけ?」

《成る程、調べてみよう・・・・・・飛行経路から大きく外れていた?拓也、皆これを見てくれ》

 

 

レックスのパソコンには正規の飛行ルートとは別、今飛行していたルートが写し出されている

一定間隔でキャンベル上空を一定のコースで飛び回るのが特定の四ヵ所で一隻一隻円を書くように飛行していたのだ

 

 

「これは、誰がどう見ても」

「正方形で真ん中は水中ミュージアム・・・ですよね?」

 

 

ジェシカとヒロの感想に全員の思いが込められていた

飛行していた円同士を結ぶとちょうど正方形になる。対角線を引いてみると交わる点にあるのは水中ミュージアムだ。ちょっと露骨すぎじゃないですかね山野博士

 

「コブラさん、水中ミュージアムの調査をしてみたいのですが、よろしいですか?」 

《下手に調査したいって言うと証拠隠されかねないし隠密潜入だな》

「じゃあ、閉館時間辺りに水中ミュージアムに集合ってことでいいかい?」

《そうだな。皆で観光でもしてくるといい。スルガ、水中ミュージアムは有名なデートスポットがいくつもあるらしい。ルナと行ってこれば良いんじゃないか?》

『そうだね、任務忘れて・・・ルナ、行こうか?』

「行ったこと無いし行く!」

チャット「おい、いつまで寝てればいいんだ?」

 

放置していて痺れを切らした仙道ニキから起きるタイミングの催促が来たので全員にもう大丈夫と送りシーカーの実働部隊がオーストラリアへの密入国に成功したとの暗号も受けた。俺の体を持ってる主治医の元で集合し俺達と同時に突入する手筈を整えてある

 

 

他の連中は知らないがスルガとルナは一足先に水中ミュージアムへ遊びに行く。さっと調べた限りでは水族館、海関係全般の博物館との複合施設のようだ

もう少しでイルカショーも始まる時間の用だし直ぐに向かいますか

 

最寄りのバス停に行き水中ミュージアムへ、これから少し、観光の時間だ

 

 

 

 

 

 

═オーストラリア東部標準時で夕方七時頃═════

 

ルナとのデートは閉館時間の案内で終わりを告げた。オリオン・Eで透明化しセキュリティを管理する場所に侵入した。管理装置にハッキングをして時限式のセキュリティ麻痺ウイルスを流しこみついでに建物の設計図を盗み見る

 

ふむ、やっぱり地下への入口はひとつじゃなさそうだ。監視カメラとかセンサーは全部麻痺させるし警備員は・・・スタグレ(動詞)してトイレにでも監禁しとけばいいだろ

これなら搬入口から侵入して最寄りの隠し扉一つ発破すれば最短ルートで入れそうかな?ただ地下の見取り図はこんなところに無い・・・つまりぶっつけ本番で迷宮突入かよ、ちょいと面倒だなぁ。館長室にも行ってみるか、後10分程、集められるだけ情報集めるとしますか

 

向かう先は館長室あたり。地下にあんなもん作って管理してるくらいだ。支配人か館長あたりの管理者が協力してるはず。そこつっついてガーダインのついでに共々地獄に叩き込んでやる

 

 

═閉館時間、三十分後════

 

スルガが水中ミュージアム中を駆け回りオメガダインやガーダインとの繋がりの証拠をいくつも抑え地獄に叩き落とす準備も出来たな。さてと、そろそろ人も捌けてきたろう、全員集合してるようだし警備麻痺ウイルスが作動するまでもう少し、入口の警備員無力化してから俺も合流しますか

 

 

 

─水中ミュージアム搬入口近く─────

 

大人子供漏れ無く全員集まっている

 

『やっほー、皆揃ってるね』

「遅いじゃねえかスルガ」

「ふん、人を待たせすぎだ」

「久しぶりだねスルガ君、このLBXありがとう!」

 

 

今回スレイブプレイヤー(役)を買って出てくれたのは郷田、仙道ニキ、ヤマネコ、ヒノだ。三人はこのまま旅に加わって貰う手筈となっている。ヤマネコだけは引き続き情報収集に徹して貰うため先に日本に帰国した

 

 

「で?スルガ君、僕は何も聞いてないんだけど?」

『まあ、一人くらい何も知らない奴が居てもリアクション新鮮で良いだろ?』

「スルガ今凄く悪い笑顔してるね」

 

ルナに現在の表情を完全に言い当てられ何も言えなくなってしまった

 

「本当にこんな所にそんな凄い爆弾があるんでしょうか・・・」

「ね。本当信じられないよ。」

「トキオシティの地下で兵器やら超巨大ロケット作ってるくらいだし、もうどこで何してても驚かないわ」

「ねえ、スルガ。最後に聞いておきたいんだけど本当にパパに黙ってするの?」

『ああ。情報が伝わるのを少しでも送らせるためにな。俺が麻痺させたのは水中ミュージアムの監視システムだけだ。事前に山野博士が侵入しているとは言えエリア51もビックリの秘密軍事施設、警備兵は居たら確実に撃ってくる』

 

 

最悪殺される可能性を考慮しスルガと実働部隊が先行してスタングレネード等をまき敵を無力化していく予定だ

 

「すまない、少し遅れたか?」

「あ!隊長さん」

「いや、大丈夫だ。作戦内容は聞いているな?」

「ああ。問題ない。全員に周知済みだ」

 

シーカーの実働部隊が来る。武装した精鋭二十名程がマイクロバスでここまで来ていた

 

「それでスルガ、潜入の手筈は整えたんだな?」

チャット『うん。さっき送った通り水中ミュージアムの地下には何かはある。山野博士が言ってた例の物の保管施設で間違いないと思う。監視麻痺まであと2分』

「よし、皆行くぞ」

「「「「『「「ハイ!」」』」」」」

 

 

═水中ミュージアム搬入口═════

既にスルガの手によって警備員は夢の中に押し込められ行く手を阻むものはない

 

 

「この壁だな?」

『皆離れて。発破するよ』

 

壁の周りを取り囲むように指向性グレネードがセットされている。最初からスルガの頭の中には鍵を探すと言う発想は無いようだ

 

ドンッ!

 

破壊された壁を吸盤で引きずり出すと出てきたのは大きめの部屋、恐らく貨物エレベーター、ボタンの類いは無い

 

 

「これ、ボタン無いですね」

『ふむ・・・えい!』

 

 

一部の壁を剥がし基盤を見つけハッキングし強制稼働、エレベーターが下降し始める

 

「ここから先は敵の拠点だ。何があるか分からない。絶対に勝手な行動はするな」

 

レックスからの念押しが入りエレベーターが停止、ドアが開く。即座に実働部隊が飛び出し左右に銃口を向けハンドサインでクリアと伝えた。人影は無いが耳を澄ますとLBXの足音が聞こえてくる

 

 

「LBXの相手は僕達の仕事だ。トリトーン!」

「そうだね。行くよ!リュウビ」

 

 

スルガ意外の子供メンバーがLBXを繰り出す。シーカーの部隊より先行し警備していたXF-05Bを攻撃し撃破する。しかしそこまで数も多くなく連携によって速やかに殲滅され人も居ない

 

 

『隊長さん、大型エレベーターの前、誰か居ますね。何体かキラードロイドも確認できます』

 

 

オリオン・Eに入り込み先行しているスルガが写真と共に連絡を入れる。写真には棒立ちしている誰かとワイバーンが数機認められた

 

 

『これは?』 

「この人僕とバンさんがアルテミスの決勝で戦った古城アスカって人ですよ!」

「ああ。間違いない。でも何でこんな所に」

「恐らくオメガダインだろう。セト50の守り人って所だろう。ただこの数のキラードロイド、厄介だな」

『何とかはなるでしょ。キラードロイドとか今まで負けたこと無いし・・・しかし何かの装置があるね』

 

置かれているのは全長50センチ程の黒い卵型の機械、表面に赤いライトが走っており良いものには見えない

 

「スルガ、少し待っていてくれ。皆で掛からないと厳しいぞ」

『そのつもり。ルナ、機龍用意しといて』

「おっけー」

 

 

 

─全員集合─────

 

 

 

スルガは機龍(三連装ハイパーメーサー、銀装備)でルナの肩に乗り古城アスカとキラードロイドの前に出た

 

「俺は指令コンピューターを守るガーディアン」

 

 

それだけ言ってヴァンパイアキャットを取り出す。ワイバーン二機ミノタウロス、ヒドラ、計四機も臨戦態勢だ

が、突如として卵型の機械が開きスルガ達、子供達だけが古城アスカ、ワイバーンと透明な障壁で閉じ込められる。良く見れば機械自体も障壁で覆われているようだ

 

「なんだ!?」

「これは一体?」

『多分Dエッグの応用品だ。下見てみろ、フィールドが形成されてる』

 

と言っても多少凹凸が出来ているだけだがLBXには十分のサイズだ

 

「やるしか無い見てえだな。バン、ヒロ!二人で古城アスカにリベンジしてこい!後は俺達に任せろ。ハカイオー絶斗!」

「キラードロイド、話は聞いてるがどの程度なのか興味があった所だ。ナイトメア!」

 

郷田がそう言って自信の胸を叩き、仙道ニキとが続く

 

 

『ルナ、俺達で一機貰おうか。行くよ機龍』

「二人なら大丈夫だね!行くよ、ムーン」

「いや、三人さ。僕も混ぜておくれよ。スルガ君から貰ったLBXなら僕は無敵だ。A・アーサー!」

 

 

「アミ!ジェシカ!女達の底力見せつけるよミネルバ!」

「ええ。女の子の強さ見せてあげましょう。行くわよ、ダークパンドラ!」

「私達の速度で目を回してやるわ。ジャンヌD,GO!!」

 

 

「ジン君、僕達も行こう!リュウビ!」

「ああ。トリトーン!」

 

二機の間にアキレス・ディードが降り立った。カズの姿は見えないので機体だけ何処かに隠れていたらしい

 

map 謎のフィールド

アンリミテッドレギュレーション

Killer Droid《ワイバーン/ヒドラ/ミノタウロス》

 

先んじて機龍が吶喊、キラードロイド四匹が立ち塞がりエネルギー銃で弾幕を張る。しかしオーバーセンス込みで全て回避、避けられないのは撃ち落として一匹の首根をひっ掴みブースター出力全開で投げ飛ばしそれを追う

 

機龍を追う残り三匹には他のLBXからの攻撃を受けてそちらに向かった

 

『さあ、獲物はこいつ。さあ、やるぞ』

「「うん!/ああ!」」

 

投げ飛ばしたワイバーンは空中で姿勢を正し綺麗に着地並んだ機龍、シャルナック・ムーン、A・アーサーと睨み合い、吼え合う

 

 

キシャァァァァァ!

ギイイイイィィィーー!!!

 

 

咆哮が戦いのゴングを鳴らす。機龍がウイングボルトを狙いに誘導弾を斉射

 

 

「ルナちゃん、行くよ!」

「え?!うん!」

 

 

A・アーサーが鳥のような飛行形態に変化しムーンを乗せて飛び上がり、機龍がインビジブルを起動、磁場爆弾でレーダーを無力化し完全にロスト

 

続いて誘導弾がウイングボルトに殺到、翼を振り回し叩き落とす。だが爆炎の向こうからムーンが飛び掛かった

ワイヤー用アンカーをワイバーンに撃ち込み固定する

振り回される翼を避け胴体に取り付いたムーンを振り落とそうとワイバーンが体を捩る

 

背中に張り付いているので仰向けに倒れれば自身の体重で押し潰せる。しかし今までの戦闘データを学習したキラードロイド達にとってそれは行方知れずの機龍にコアを晒すこと(死)になるのだ

そして低空から誘導弾が両側面から迫り足やレーザーガンユニットに次々ヒット、部位破壊までは行かなかったがワイバーンの注意を分散させ恐怖を植え付ける

暴れまわる所にワイヤーを射出、狙い通り羽が勝手に絡まりまともにうごかすことが出来なくなってしまう

気づかぬ内にA・アーサーが尻尾のケーブル付近に着地した

 

「これで狙いやすくなったね。いっくよー必殺ファンクション!」

「ああ!必殺ファンクション!」

 

 

アタックファンクション

ドリルスラッシャー

 

アタックファンクション

月華刃

 

 

ムーンは朔にドリル状のエネルギーを纏わせ、ウイングボルトに強烈な追撃を、A・アーサーはエクスカリバーに光を集め縦に振り下ろし、テイルケーブルごと尻尾の先端を切り落とした

 

ギイイイイイイイィィィィイイ『うるさい!!』グギャバドギン!

 

機龍はギリギリまで透明化を維持しながら急降下、そのまま力任せに殴り付けた

その言葉と同時にヘッドアーマーが叩き壊され勢いで顔面が床に打ち付けられカメラなどの機器がまとめて故障、盲目状態になる

ワイバーンが大きく半回転、レーザーガンをA・アーサーとムーンに向ける

 

『気を付けろ~、目を潰したから乱射してくるぞ』

 

ムーンとA・アーサーは逃走、黄色の破壊光線を放つ

 

「ねえ、スルガ本当に目見えてないの!?」

「狙いが、妙に正確じゃないか?」

『カメラは完全に壊した筈だ。索敵器官は頭に集中してる筈だ』

 

構造解析の結果胴体にレーダーとかを取り付けるスペースが無いのは判明しているし、だがどうやって?

 

誘導弾の弾道を磁場爆弾にしてキラードロイドの周辺に起爆させる。しかし狙いはずれてない

続いてムーンとA・アーサーの近くでスモークを焚く

 

『気を付けろ。視界が無くなるぞ』

 

すると狙いが散発的に、スモークの中全体に通常のエネルギー弾をばらまくようになった

 

やつの情報源は画像認証のカメラか・・・他のやつとデータリンクしてても他は他で掛かりっきりだしこちらを見る余裕は無い・・・なら他の目がある筈

 

機龍の索敵装備を総動員しフィールド内だけでなく部屋中を見回す。すると障壁の向こう側、部屋の五ヶ所のダクト口にLBX、XF-05Bが隠れてこちらを見ている。こいつらが観測者だ

 

『居た!隊長さん!ダクトの中のLBXを追っ払ってください!』

 

そう言い場所を送る

 

「任せろ!行くぞ轟雷!」

 

シーカーの轟雷、スティレットがむかっている事に気付き少し奥に隠れていた残りのXF-05Bが観測者を護るために迎撃に出てきた

 

「拓也、俺達も行くぞ!轟雷!」

「ああ。ホーネット!」

「ワシも久しぶりにやるデヨ!パーフェクトZX4!」

 

レックスが轟雷を借り受け出撃、敵の敗北が決定されてしまった

 

更にスルガはスモークグレネードを蒔いて自分たちとワイバーンを煙に包む。黄色の破壊光線が様々な方向に振り回されているのを見ると半狂乱状態だろうか?

 

『じわじわ削り倒してやろう。後は足周りだけだ!』

 

煙の中を動き周り足首辺りを狙いレールガン、誘導弾を発射、視界の悪い中で誤射しないよう(ワイヤーを切らないよう)細心の注意を払い蹂躙する

 

「いよっし、手応えあった。どっちか分かんないけど足首のケーブル切れた!」

「僕も膝の装甲を割った!」

『こっちもかなりの命中弾を得てる。ダメージは凄い筈だ』

 

キラードロイドも飛べないにせよ逃げ回っている。しかし逃げる先に煙を炊かれ襲撃され最早戦慄のLBXキラーとはなんだったのかと思うほどに手のひらの上で転がされている

そして、転んだ

 

『ヒノ、煙を払ってくれ。決める!』

「心得たストライク・エア!」

 

アタックファンクション

風王鉄槌

 

エクスカリバーが風を纏いA・アーサーがそれを一気に解放、突風は一瞬で煙を霧散させた

 

 

胸部装甲展開、リミッター解除

全武装へのエネルギー伝達回路解放よし。照準ワイバーンコアへ

全兵装一斉発射!

 

機龍が持つ全てがワイバーンを襲う。口部メーサーは足周りに照射され関節を完全に焼き壊しさらにレールガンが降り注ぐ

特にハイパーメーサーを照射された装甲は瞬時に融解し内部露出そこにムーンの電磁機関銃も合わさりどんどん破壊されている

そして胴体中央部が完全に破壊、逆にコアは無傷であったが動きを止めた。胴体内部のバッテリーを破壊したのだろう

 

『ふむ、オーバードウェポンに頼らずとも機龍でタイマン張れそうだったな』

 

他の連中も的確にキラードロイドを追い詰めている。郷田仙道コンビと戦っているヒドラは既にコアにメイスが突き立てられていた

ジンが戦っているワイバーンも既に満身創痍、いくつか部位破壊されておりコアが露出しており更に郷田が援護に入り、今しがたリュウビのサーペントドライブがコアに突撃している

アミ達は速度でミノタウロスを翻弄し主に足部に大きなダメージを与えていた。すでに左腕のコアは破壊されていて仙道ニキも援軍に向かっている。こちらも時間の問題だろう

バンヒロコンビもヴァンパイアキャット相手にもう一押しと言ったところだ、ヒロもオーバーロードを発動してそうだし援護は要らないだろう

 

 

「スルガ、他の所手伝う?」

『要らんだろ。他の敵に警戒しとこう』

 

外のLBXも気付いたら既に駆逐されている。おっ、ミノタウロス逝った

バンパイアキャットもコスモスラッシュ直撃して結構飛んだな・・・あ、バンホーリーランス予備動作済ませてる

 

外のLBX郡も既に大半が瓦礫と化している。大体レックスのせいだろう。チュドーンあ、終わった

 

ヴァンパイアキャットが撃破された。あの二人相手にスレイブ状態でここまで善戦するとは、さっすがアルテミス優勝者

 

 

「あれ?壁無くならない」

『どれどれ?十中八九あの機械だな。ちょっと待ってろすぐに解除する』

 

機械を守る障壁を叩き割ると勝手にフィールドが消え元の卵に戻に戻る。どっかに行く様子も無いし面白そうなので持ち帰ろう

 

「皆、大丈夫か?」

「うん。外も凄かったみたいだね」

『しかし古城アスカがこんなところに居たとは驚いた。誰か地上に連れてって。起きたら事情説明よろしく』

 

シーカーの隊員が担いで先に帰投、そして

 

「カズ・・・?」

「久しぶりだな。バン!」

「本当にカズなの?」

「ああ。まあ、色々あってな、鍛えたんだ」

「父さん、この先が」

「セト50の保管場所だ。それより先にスルガ君の体を返さねば」

 

えらく筋肉質になって帰ってきたカズ、バンとアミは軽く困惑している。後ろには山野博士と、棺桶を引いているルナの主治医だ

 

 

『おい!てめえ何でよりによってド○クエの棺桶なんだよ!』

「ここに持ってくるには剥き出しじゃいささか不味いと思ったのさ。何より運びやすいし、半分死んでるような物だろう?」

『こいつッ・・・』

「それとほら。君のCCMだ。久しぶりに戻れて良かったじゃないか」

『フルリンクシステム、解除』

 

 

主治医が棺桶を開けるとスルガの肉体が目を開けた

 

「結構肉落ちたな・・・それに関節が動かし辛いし頭痛い・・・」

「まあ、長期間の昏睡状態開けとほぼ変わらないからね」

「・・・あれ?スルガの目ってそんな色だっけ?なんか赤い気がするけど」

「うん?充血してるだけじゃね?まあ、こんだけ寝てたんだ。そのうち戻るだろっ・・・あー、駄目だ、誰か起こして」

 

拓也さんとレックスに肩を貸してもい何とか起き上がる。が足は動いているだけで体が歩き方を忘れまともに体重を支えられていない

 

「スルガ、大丈夫か?その要するになら古城アスカと戻ったほうが」

「いいや、もう少し進む。もうすぐ物語もフィナーレだ。脚本家としては最後まで見たいのさ」

 

 

それに少しずつだが体の痛みが増している。これも副作用だろう。そう結論付け先へ

 

「これが、全部そうなんですか、」

「いや、まだ製造が始まった段階で完成品は一つしかない」

「予想以上ね・・・」

「よしっ、じゃあ、後は隊長さん、施設の占拠よろしくお願いします。俺達はダックシャトルで管制船を制圧しに行ってきます」

「スルガ、本当に大丈夫か?全身なにかしらヤバいぞ」

「最悪またフルリンクシステム使うだけです・・・行きましょう!」

 

 

 

═ダックシャトル═════

後の事をシーカーに任せダックシャトルへ、主治医もスルガの体に何かあったらと付いてきた

そして離陸少し前、古城アスカの意識も覚醒、バンが事情と状況を話せる範囲話したらやられっぱなしじゃ終われない!と同行者が増えた

 

そしてスルガの体は即刻ベッドの上に置かれダックシャトルは進路を擬装しつつ太平洋上のfuturehope号へ進路を取るのだった

 

そしてカイオス長官には本編と全く同じ事が起きたとコブラがスルガが予め用意した嘘を教え全ての黒幕はオメガダインとアルベルト・ガーダインであると、パラダイスとかセト50はヤバいと伝えたのだった

 

《成る程・・・山野博士、いかに利用があるとは言えテロと言う手段を取った事は擁護出来ません》

「カイオス長官!ですが山野博士は誰一人死者は出してません!。パリのは山野博士の仕業じゃありません!」

「死人を出していなくとも私は世界を混乱に陥れたのは事実だ」

《私の権限でこの事件が終息するまで責任の追及は遅らせます。そしてスルガ君の容態は?》

「今は寝てるよ。私の主治医だった人とレックスが付きっきりで看護してるけど何が起きてるのか良く解らないって」

《そうか・・・我々NICSも行動を起こす。そちらの事はそちらに任せる。A国での事は任せてくれ》

「よろしくお願いします。長官。それと「大変だ!スルガの容態が急変した」

 

 



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苦悶の??? 二人の思い

ちょい短め


═ダックシャトル睡眠スペース═════

 

「あ"ア"ア"あ"ア"あ"あ"あア"あ"あ"」

 

レックスに連れられスルガの安置場所に行くと似合う言葉は《惨状》だった

もはや人間の物とすら思えない悲痛な叫びや呻きを吠えながら全身からの汗を噴かせ、口、さらに目や鼻、耳からも血を吐き出し体全体をバタバタと激しく動かし暴れている。部屋中が血まみれの光景にアスカとジェシカが口を押さえ外に出ていった

 

 

「その手袋して押さえるの手伝って!」

「ああ!」

「おう!スルガ大人しくしろ!」

「くっ、」

「うぐぐぐぐお“お“お“お“お“ーーー!!!」

 

拓也とレックス、郷田、カズ四人掛かりで力任せにベッドに血まみれの四肢を押さえつける。だが本当に昏睡状態から復帰した所かと思うほどに反発が強い

 

「くっ、コブラも頼む!」

「分かった!しっかりしろスルガ!」

「あ“あ“あ“あ“あ“う“う“う“う“う“う“う“があ"あ"あ"」

「鎮静剤を打つ!右の二の腕をガッチリ固定してくれ。動かれたら針で神経を傷けてしまう。ルナ、そこの鞄にある拘束具を!今の彼は自傷行為に走りかねない!」

「うん!分かった!」

 

主治医が鎮静剤を投与、徐々にスルガの暴れる力が弱まり二十分程でぐったりとした。しかし苦痛に歪んだ表情だけは変わらない

 

「もう大丈夫だろう・・・が鎮静剤が効くまでの時間がやけに長かった。彼に一体なにが?」

 

速やかにスルガの四肢がベッドの足に鎖とベルトで拘束される

次暴れてもある程度大丈夫だろうか

 

「先生、スルガは大丈夫なの?」

「分からない今のところ出血以外で死ぬ要因はない。予備の輸血液を持ってて正解だった・・・原因は間違い無くフルリンクシステムの長期間連続使用の副作用だろうが症状が未知すぎる」

 

室内は重い空気に包まれる。そこで山野博士が口を開いた

 

「私は医学にはそこまで詳しくない。が、思い付いたも一つ仮説がある。スルガ君はこの期間で戦闘を繰り返してきた。だからシンクロの深度が高くなりすぎて肉体を拒絶するようになったんじゃないか?」

「それって結局どういう事です?」 

 

ヒロが訪ねると山野博士は少し頭の中を整理するようひと息いれて、少しだけ重い雰囲気を醸し出す。スルガはLBXに慣れすぎてしまったのだ

 

「分かりやすく言えば自身の肉体よりもLBXの体に慣れてしまった。と言うことだ。そうでないにしろ突然意識を戻したから今までの記憶が一気に脳に流れ込み、一時的に処理しきれなくなっているのはほぼ確実。最悪、もう二度と目を覚まさない可能性もある」

「クソッ、こんなときに何にも出来ねえとは、情けねェ」

「今まで僕らは沢山スルガ君に助けられてきた。恩を返すことも出来ないとは・・・」

 

郷田とジンが声を漏らす。しかしルナが持っていたソルジャーDとシャルナックが突然動き出しスルガの頬をひっぱたく

 

「えっ、スルガのLBXが、動いた?」

 

機龍と同様、この二機も自我を獲得したのだろうか?そのまま全員に向かい合い、無言で見つめる

この二機はスルガの無事を信じているのだろう

 

「・・・そうだね。今からは私達が頑張らなきゃ起きたスルガに怒られちゃう。後の物語は私達が引き継いで紡でかなきゃ」

「ああ!僕が知ってるスルガは、こんな所で絶える人じゃない」

 

ルナとヒノが覚悟を決めたようだ

 

「そうさ。タロットを切るまでもなく分かる。スルガはどこからでも這い上がってくるさ」

「ああ。それにルナがピンチなら閻魔だろうが神だろうがぶっ飛ばして来るに違いねえ」

「確かにそうだ。昔バン君にスルガ君がうじうじするなって言ったのを思い出すな」

「ええ。スルガさんの無事を信じましょう!」

「スルガの事は任せてくれ。僕も最善を尽くす」

「皆、この戦い!勝つぞ!」

「「「「おー!!」」」」

 

 

futurehope号制圧の為に各自LBXのメンテナンスや鍛練に励む。スルガの容態は心臓は不規則で異常なリズムで鼓動しているのに何故か体は動いている。まさに意味不明で理解不明な症状だ

ただ一つ、全員がスルガの無事を信じている。それだけは揺るがなかった

 

 

 

═ミーティングルーム════

ルナとヒノ、レックス相手の手合わせ後で少しの休息を入れている所だ

 

「ふう。やっぱりレックスは強いや・・・」

「だね。最初あの人が伝説のLBXプレイヤーレックスだって聞いたとき驚いたし半信半疑だったけど、今戦って本物って確信したよ・・・はぁ」

「ヒノちゃんってスルガとの初邂逅は去年のアルテミスだったよね?」

「うん。僕がロンドンの、英国チャンピオンになってからアルテミスに出るまで無敗だったんだ。けどそれがまさかあんなところで負けるなんて・・・」

「スルガは強いからね。バンやジンみたいな正々堂々とした強さじゃなくて作戦を交えた搦め手だけど」

「あれは完敗だった・・・その時かな?他人に尊敬以上の感情を抱いたのは」

 

少しだけヒノの顔が赤い。この少女も同じ相手に同じ感情を抱いていると直感したのだ

 

「あ、やっぱりそうだったんだ。ヒノちゃんもスルガの事が好きなんだね?」

「うん。そのときはルナちゃんが居るとは知らなかった」

「因みに告白されたのあの日の夕方くらいだよ」

「へぇ?・・・挑発?」

「まさか。でとヒノちゃんなら良いかな?」

「なにが?」

 

本当に困惑している様子

 

「私もスルガが大好き。ヒノちゃんもスルガが大好き。でもお互い負けず嫌いで諦めるのは嫌・・・でしょ?」

「つまりアレかい?スルガを共有しようと?」

「まあ、それを決めるのはスルガだけどね。私は別に良いかな。多分それくらいでスルガは変わらないし」

「僕も・・・いや、遠慮しておこう。僕の目指す騎士王になるまでは。でも隙が会ったら掻っ払うから、そのつもりで覚悟しておくといい」

 

スルガが眠るなか、想いを募らせる少女二人

 

これを知ったスルガは何を思うのか

 



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懐かしき人

═太平洋上中央部═════

 

「皆揃っているな?・・・よし、作戦を説明する。まずライディングソーサーとコントロールポットを用いたLBXでの強襲だ。今のところ甲板にはダックシャトルに危険が及ぶ兵器は確認できていないが念には念を、だ。その後甲板を制圧してダックシャトルで強硬着船する。ここまでで質問はあるか?ジンだけか?」

「タンカーに着船して大丈夫なのか?後対空火器があった場合は?」

「そのときは管制レーダーや駆動部を破壊してくれ。弾薬が誘爆して沈没したら目も当てられん。それと船の強度と予備浮力には余裕がありそうだ」

「了解した」

「その後は船内に侵入、艦橋と船内二ヶ所にあるシステムが集中してる部屋を目指す。ここのどちらかがパラダイスの管制センターと思われる。目標はそこの制圧だ。説明はここまでだ。疑問点は・・・無さそうだな」 

《スルガの容態も説明しておこう。鎮静剤は効果が短いが一応脳波と脈動を初めとした機能も異常だが動いてはいて安定している・・・もっとも一定の不安定状態を維持しているのを安定と言っていいのなら。だけど体が死に向かう気配はしない。こいつは死んでも死なんな》

「じゃあ大丈夫ってことだね!皆!張り切っていこー!」

「「「「「おおー!」」」」」

 

「気合い十分だな。これより15分後futurehope号へ出撃する!各自LBXの最終チェックを済ませコントロールポットへ乗り込んでくれ」

「「「「「了解!」」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─sideルナ──────

 

よし、ちゃんとメンテナンスしたしこれで良いかな?

 

ムーンをライディングソーサーに乗せLBX射出カタパルトに乗せた。そんなときシャルナックがズボンの裾を引っ張ってきた

 

「シャルナック?どうしたの?」

 

指差してる・・・ライディングソーサー?

 

「付いてきてくれるの?」

 

シャルナックが頷いた。ライディングソーサーに飛び乗る

 

「あれ?ソルジャーはどこ?」

 

シャルナックの体が向く方向。その先を見るとソルジャーが飛行形態に変形しているA・アーサーに乗ってカタパルトに降りていく。共に出撃するのだろう

 

「よろしくねシャルナック」

 

ムーン共にカタパルトへ降りていく。私もコントロールポットに乗ろう

 

コントロールポットにCCMをセット、LBX視点の映像が写し出される。横を見ればカタパルト射出待機中の他の機体も、自分が出るのは一番最後のようだ

 

 

《これよりfuturehope号制圧作戦を実行する!各機出撃せよ!》

「行くぞ!エルシオン!」「ペルセウス!出ます!」「ミネルバ、行きます!」「トリトーン、出撃!」「出るよ、リュウビ!」「ジャンヌD!Go!」「行くわよ。ダークパンドラ!」「Go!アキレス・ディード」「行くぜ!ヴァンパイアキャット!」「行け!ハカイオー絶斗!」「行くぞ、ナイトメア!」「行くよ!ムーン、シャルナック!」「出撃だA・アーサー!頼むよソルジャーD!」

 

ダックシャトルの機首、口を開いて延びてきたカタパルトから次々射出、荒れた海上を飛行、ある程度編飛行するとfuturehope号を目視で確認、既にfuturehope号からはホバー仕様のXF-05(高機動型)が迎撃に出てきている

 

よし、落ち着け私。スルガは居ないけど、皆が居る。私は一人じゃない

 

電磁機関銃を持つムーンの手に力が入る。シャルナックが肩を叩き拳を向けてきた

拳をこつんと突き合わせることで返事を返す

 

《アレを突破しろ!》

「各機散開!行くぞ!」

「「「「「おう!」」」」」

 

シャルナックは電磁狙撃銃のスコープを覗いている。既に撃墜準備は整えているようだ

ムーンも電磁機関銃を構える。遠くではソルジャーDがstgを構えていた

こちらにくる敵は散開した事もありそこまで多くない

 

「シャルナック!無理矢理突破するよ!」

 

正面から向かってきたライフル持ちのXF-05(高機動型)を狙う。特に進路を変えず出力を絞らず真っ直ぐ一直線に飛ぶ

だが二機の武装は弾幕を張るのにはすこぶる向いていない。そのため一発の精度で近付けない事を意識する。近付けなければ後は速度で振り切れる

因みにスルガ、ライディングソーサーにスティレットの対空ミサイルとか超加速用の強力な固体燃料の大型ロケット(VOB)を搭載しよとしていた

 

 

 

「振り落とされないでねソルジャー!」

 

答えるようにストームツインガトリングをスピンアップ、えげつない弾幕を張り続ける。何気に無印序盤から使い続けられているこの武器、消耗品は交換されてるものの目立つ改良はされていない。射撃レートだけで一線級の性能を未だに保っているのだ

 

ヒノは逆に敵の集団の中に突っ込んで行く。ソルジャーはそこに向かって鉛弾をぶっ放つ。A・アーサーの飛ぶ道が作られ敵の中を飛び抜ける

ゼロ距離まで来た敵にはソルジャー左腕装備のボウガンのワイヤー付きの矢が突き刺しそのまま振り回して別の機体への激突を繰り返させ撃墜数を稼ぐ

 

二機の航路が交差する時シャルナックとソルジャーDが入れ替わる。ムーンのライディングソーサーにソルジャーが、A・アーサーの上に跳んだ

 

真っ直ぐライディングソーサーの上から存分にストームツインガトリングを敵機を弾幕に飲み込み撃墜

シャルナックは回避運動をするA・アーサーの上から正確な一撃で撃ち落とす

 

 

四機はそのまま敵機の群れを誰よりも先に飛び抜ける

そして最後XF-05(高機動型)が密集し文字通りの壁を作った。普通なら避けていくだろう。しかし主導権を握る二人は避けることを選ばなかった

 

「「行くよ!ソルジャー!/シャルナック!」」

 

 

ムーンが紫の光、A・アーサーが金色の光、ソルジャーが緑の光、シャルナックが赤き光をそれぞれ纏い始めた

 

「えっ何これ?」

「スルガ君仕込みの何か!?」

「そんな事一つも言ってなかったけど・・・スルガならやっててもおかしくないか」

《それは私の仕込みだ。一時的にLBXのエネルギー放出をブーストしt「御託は後で聞から。どうすればいいの?」

《二機で協力し放てば共鳴して大きなエネルギーを産み出すはずだ。試験はしていないがいきなり本番は得意だろう?》

 

紫と緑の光が練られ交じり合い増幅、白き光となりシャルナック・ムーンの朔とソルジャーDのクサナギのクサナギに集まった

 

また、赤き光と金色の光も混ざりあう。橙色の光に変わりA・アーサーの機首とシャルナックの天叢雲に集まる

 

「行ける!」

「突っ込むぞ!」

 

アタックファンクション

月光破斬突

 

アタックファンクション

ブレイズストライク

 

四機は敵機の壁に突撃する前に収束し増幅されるエネルギーを解放した

シャルナック・ムーンとソルジャーDは全てを斬り突く白い龍に、A・アーサーとシャルナックは全てを焼き付くす焔のドラゴンとなり突撃、二頭は何にも目をくれず敵機の壁に侵入する

そして壁を形成していたほぼ全ての敵機を斬り飛ばし刺し墜とし、炎が焼き付くした

 

 

最後の壁を突破した四機が誰よりも早く雨が打ち付けるfuturehope号の甲板に降り立つ

 

「いよっし、一番乗りだね」

「ここからが正念場だ!」

 

既に甲板上にはライフルやダガーを持ったXF-05Bが待ち構えていた

 

四機が動く。弾丸の嵐に晒される前に甲板上の窪みに潜りこんだ。その中で散開し敵の至近距離に飛び出したり、窪みの中を駆け回り敵をどんどん斬り伏せる

 

そして後から他の機体も続々着船、甲板中に散らばり時々必殺ファンクションを交えて敵機を撃破

事前情報通り対空兵装は無く敵機の総数も三割を切った。何機から船内に撤退していくのが確認できた

 

 

 

「拓也さん!甲板はほぼ制圧しました」

「よし、よくやってくれた。これからダックシャトルを強硬着船させる。引き続き警戒してくれ」

 

 

 

その後何事もなくダックシャトルが着船した。それぞれLBXを回収しそのまま艦橋へ直行、ソルジャーDとシャルナックが短時間で艦橋に居た人間をスタングレネードで無力化、ここは外れだ

 

続いて船内へ、しかし警備のLBXが大量に待ち伏せていた

 

LBXをバン達が相手取る。マスターコマンダーとオリオン・Eの合わせ技で敵機を操作し同士討ちを誘発させたり工夫を凝らしながら数を減らし船内を進む

 

 

 

 

 

───────

 

 

 

 

 

さらに船内奥深くに進む。途中核弾頭ミサイル等の、破壊力はセト50には及ばない大量破壊、殺戮兵器が保管されているのを発見

 

そこでミノタウロスと遭遇するも最早敵では無く一斉攻撃でコアを破壊しK.O.

XF-05Bの大群はまとめてマルチプルパルスで焼き払う

 

「キラードロイドって結構量産されてんだね」

「言われてみれば・・・でも難なく対処出来てるのもスルガさんのおかげです!」 

「それに俺達三人で組むのも久しぶりだな。なんかこう、ガッチリと歯車が噛み合ったみたいだ」

「そうね・・・でもカズ、あんた射撃の腕少し落ちたんじゃない?」

「そんなことねえって。なあ?バン」

「安心して。冗談よ」

 

 

そしてオタクロスから通信が入る

 

 

《おまんたち、そろそろ一つ目の部屋じゃ。準備はヨイか?》

「ああ。いつでも大丈夫だぜ」

「そういやレックス、何でいつもと違う格好してんだ?そんな拓也さんみたいな格好してよ」

「スルガの指示だ。どういう意図が合ったか今は知ることが出来ないが」

 

見た限りは普通の扉、マスターコマンダーが扉の電子錠をハッキングし解錠、LBXをすぐに出せる状態で中に入る

 

これって・・・サーバールーム?でもカップ麺のゴミ袋だ。こんなところにゴミなんて普通置かないと思うけど

あれなんだろう?

 

ルナの視線の先には空中に浮遊するナニか、粗の下にはそれと会話している?女の人あっ、振り向いた

 

 

「誰ッ!?」

「・・・母さん?」

「ヒロ!?どうしてここに!」

「母さんこそ、ロンドンに入るはずじゃ」

 

 

どうも感動の再開では無いみたいだけど・・・親子?

 

 

「初めまして、海道ジンです・・・早速で失礼ですが、あなたはここで何を?」

「何って・・・仕事だけど」

「仕事って・・・ここはオメガダインの船だよ」

「そうだけれど、それがどうかした?」

「そんな・・・母さん、全部知ってたの?」

 

どんどんヒロの表情が曇る。

 

「えっと、山野バンです。後ろの二つは一体、」

「私が開発した世界最高のAIコンピューター、アダムとイヴ。今は最終調整中よ」

「ふーん、ここでこのAIがパラダイスの管制をしてるの?あ、私は石森ルナ、よろしく」

「パラダイスのコントロールセンターはもう少し行ったところのCICよ。ここは地上からパラダイスのアダムとイヴ本体をメンテナンスする私のラボ」

「そんな事教えていいの?」

「今は姿が見えないけれど河白スルガだったかしら、彼の情報収集解析能力ならこの船の内部構造くらいとっくに把握してるでしょう」

「なら、俺から質問させて貰おう。そのアダムとイヴと言うAIはどんなものなんだ?」

「へぇ?話は聞いていたけれど生きていたのね。まあいいわ。アダムとイヴは男性の思考ルーチンと女性の思考ルーチンを組み合わせることによってこれまでのどんなコンピューターにもなに優れた演算技術を実現したコンピューター、それがアダムとイヴよ」

 

あれ?なんか少し自慢気だね。まあガーダインとかオメガダインはこのコンピューターを使ってパラダイス動かしたり色々ハッキングしたりするわけか

 

「お母さん!パラダイスは通信衛星なんかじゃない!色んな兵器を隠し持った軍事衛生n「だからなに?私の研究とは関係ないわ」

 

皆が絶句、大空遥は続ける

 

「アダムとイヴが完成すれば、人類にもたらされる恩恵は計り知れない。人類は更なるシンカを得られるのよ」

「確かに、それが正しく使われればそうなるかも知れない。でも間違った使われ方をすれば意味はない!」

 

 

ヒロがそう言いきった

 

 

「確かにそうかもしれない。でもより高度な物を作り出すのが科学者の務め。再三言うけど、どんな事に使われようと、私には関係ないわ!」

「それは違うだろう」

 

 

山野博士が遂に口を開く。かつて作ったエターナルサイクラー、それを想って

 

 

「確かに科学者が高度な物を作るのが科学者の役割だ。だがそれを正しく使われるよう導くのも科学者の役目だと私は思っている。私が作った物、それはようやく人類に福音をもたらそうとしている。だが今に至るまで、何度も破壊兵器として使用されかけてきた。自分が作った希望が、世界を壊す絶望になりかけていた。君がしていることは、人類への福音ではなく、破滅に向かわせる行為そのものだ!」

「創造の前には破壊が必要、違うかしら?」

「母さんなんて・・・今のお母さんは、科学者なんかじゃない!」

「ッ!?皆出ていって!作業の邪魔よ」

 

 

少しの間、部屋を静寂が支配する

 

 

「皆さん、管制室のあるCICに急ぎましょう!」

 

 

ヒロに続き続々と部屋を出る。残されたのは大空博士

ヒロの小学校入学式の写真に目を落とし思いに更ける

 

 

「科学の神と自分の息子、私はどちらを・・・」

 

 

フィロフォン【その質問は回答不能です】

 

 

「そうよね・・・あなた達、オメガダインの機密情報の全てとパラダイスの詳細設計図と稼働履歴、全て集めてきて。邪魔なプロテクトやセキュリティは全てブレイクして、あなた達ならできるでしょ?」

 

 

 

 

 

─CIC──────

ここに居るのは車イスに載ったDr.マミー、もとい正体はレックスの妹、檜山真美

そしてモニターに写るのはオメガダインの総帥アラン・ウォーゼンその人

 

《NICSに計画のほぼ全てが露呈した。その船は時間を稼げるだけ稼いで破棄、こちらではガーダインが行動を開始している。君はこちらに来るなりそこに残るなり好きにすると良い》

 

そう言い残して通信を切る。Dr.マミーは監視カメラに写るバン達を見てニヤリと笑う。変装しているレックスには気付いていないようだ。気付くときが楽しみだ

 

「・・・厳重警戒態勢」

 

船内の水密扉が全て閉じられる。そして船からの脱出準備を始めた

 

 

 

───────

 

 

 

 

 

ウィィィィン!ウィィィィン!

突如として警報が鳴り響く。そして前後の水密扉が降り始めた

 

「扉の下から離れろ!」

 

今居る通路に閉じ込められてしまった。

 

「チッ、今から開けるからちょっとまってろ」 

 

コブラがタブレット端末を電子錠に接続、ハッキングを始める

 

「ヒロのお母さんって、昔からあんなんなの?」

 

ルナが少し落ち込み気味のヒロに声をかける

 

「はい。昔から根っからの研究者で何かに没頭すると滅多に家に帰ってこないんです。さすがに一年以上帰ってこないのは初めてですけど」

「ヒロは今の母さんの事をどう思っているんだい?」

「そうですね・・・お母さんが夢中になれることがあるなら、その邪魔にならないようにしようって、そう思ってます。お母さんが好きだから」

「そうか、ヒロは偉いな。僕の両親はトキオブリッジ崩落で命を落とした。僕ならずっと一緒に居たいと、そう思う。ヒロのお母さんだってそう思っているはずだ」

 

ピロリロリロリン♪ピロリロリロリン♪

 

「あれ?お医者さんからだ。」Pi「スルガに何かあったの?」

《ルナか。さっき目を離した隙に機龍で拘束具を破壊してスルガが船内に侵入した!今追跡していたが扉が閉まって見失ってしまっている。どういう状態や目的か詳しく分からない。一つ言えるのは目線が途轍もなく冷たかった。十分気をつけてくれズガーン!・・・扉を壊してる音?何かあったら容赦なく拘束してくれ。鎮静剤は用意してある》

「分かった。皆、スルガが起きた・・・けどこの船の中で暴れてるみたい」

「スルガが?他には何か言っていたか?」

「目線が冷たかったって。扉を壊してるって言ってたし多分こっち来てるんじゃ無いかな?あっ、写真も来た」

 

ダックシャトルの監視カメラで取られた何枚かの写真、スルガは服に血が付いている以外は異常な箇所は無さそうだが・・・目が赤い。充血でも無く普通(?)の赤目、その瞳には何が写るのか

そして近くには機龍が飛んでいる。ただCCMは持っておらずフルリンクシステムも使ってなさそうだし自我を持ってる機龍が自発的に動いてるのか・・・?

ルナが悪寒とも言えない謎の予感を感じ取る

 

「凄く、駄目な予感がする。今の機龍にアブゼロが付いてないのが救いだね」

「おいコブラ、まだ開かねえのか?」

「急かすな郷田、今やってるが、思った以上にかてえんだよ」

 

コブラが扉を解析するもののセキュリティが固い。勿論コブラの能力は高いのだが

 

「あれ?お母さんからだ・・・」

《ヒロ、貴方に叱られるなんて思ってもいなかったわ。ずっと一人にして辛かったはずなのに、この世界のために頑張ってるのね。驚いた・・・アダムとイヴを止めるわ。諸々の準備をするから少し時間は掛かるけど》

「お母さん・・・」

《私が間違ってた。ごめんね、ヒロ》

「ありがとう。お母さん」

「ヒロの母さん、そこからパラダイスを停止させることはできないか?」

《ジン君だったかしら?アダムとイヴはパラダイス運用の支援コンピューター、機能停止はCICからでないと出来ない・・・けれど少し遅かった、この船からアダムとイヴ以外へのパラダイスに対するアクセスがロックされているわ》

「なんだって!?」

「こちらの計画が何処かから漏れたのか?」

 

拓也とコブラが少し頭を抱える。だが山野博士が通信設備に異常が無くロックされているだけなら何とか出来るかもしれないと言う。しかしユウヤが続いた

 

「でもそのCICまでの道の扉が閉まってて」

《ちょっと待って・・・これで良いかしら?》

 

ものの三秒程度で見える範囲の扉を全て解錠、警報も停止する

 

《CICまではもうすぐよ。でも船内に機能異常を起こしてる扉がいくつもあるの。何か変な事が起こってるのは間違いない。急いで》

「スルガだ・・・」

「扉破壊はいつもの事だけど(問題発言)ここまで乱暴なのは中々、」

「皆さん、急ぎましょう!」

 

更に奥へ奥へ、そしてCICの手前の周りの通路にはどこにそんな量を隠してたんだと想った程の大量のXF-05BとXF-05(高軌道型)だ

 

「流石にあの量を相手取るのはキツい・・・こんな時スルガ君ならどうするだろうか」

「オーバードウェポン一択じゃないかな?でも入り組んでる通路じゃ効果は薄いよ」

「バンとアミ君、カズとルナ君と檜山君を連れて私が侵入したい。少しの時間で良い。どこか一本、道を開いてくれ」

「分かりました。皆頼んだぞ」

「はい!しっかり守ります!」

「任せといて!」

 

五人が走る準備を整えた

他全員がLBXを出す。ここから一番近い入口、大空博士

のハッキングで扉のロックは無効化されている

 

全員のLBXとコブラ、レックス、拓也が持っているスルガの無人機も出撃、二手に別れ通路の角の先に敵LBXを後退させることを目的とする

 

map futurehope号CIC前通路

アンリミテッドレギュレーション

バトルスタート

 

スルガの無人機ケース(補給物を考えないなら一つ12機収納可能)から量産されたインビット・Fが34機、ルナティックジョーカーとハンター改が出撃する

 

「こう、インビットと肩を並べるとは、奇妙なもんだぜ」

「味方になると凄く頼もしいな」

 

敵の銃弾を自慢の装甲で弾きながらXF-05の集団にランチャーやバズーカを浴びせるトリトーンとハカイオー絶斗そしてインビット・F

インビット・Fは両腕の機関銃も撃ち続け着実に敵の撃破を重ねる

更にハンター改が普通のストームツインガトリングで、ソルジャーDがその直衛を買い敵を粉微塵に還す

 

一部の機体はナイトメアやペルセウス、A ・アーサー等と交じり敵集団に突入、弾丸と砲弾、武器腕の爪でXF-05を薙ぎ倒し着実に数を減らしていく

 

どちらも無人機同士の大規模戦、前にスルガが言った通り『ただ数で押すので無く質と連携の重視』と言う戦術の違いも現れたのだろう。マスターコマンダーをベースとした有人機との連携も上手く行っている。数機の被撃破はあるものの目の前の通路には敵機は見えない、後は少しの止めだ

 

「行くぞ!走れ!」

 

山野博士の合図でエルシオン、アキレス・ディード、パンドラ、シャルナック・ムーンを先頭に六人が走り出す

足止めから抜けてきたXF-05を走りながら撃破し扉に滑り込んだ

 

 

 

 

═futurehope号CIC═════

 

部屋の中はそこそこ広く機器や机に身を隠しながらパラダイスを管制しているコンピューターを探す。そして少し上の空間、ここがパラダイスの管制センターのようだ

 

「この上だ。何があるか分からない。慎重に行こう」

「・・・アレか?スルガの言ってたレックスの偽物は?」

「なんか、不気味な感じね」

 

 

アミとカズの目線の先には笑みを浮かべるDr.マミーが入る

 

 

「俺が行く。本当に妹なら、俺が止める」

「いいや、皆で行こう。あの人がレックスの妹なら皆で説得出来るかもしれない」

「そうだなバン・・・皆、よろしく頼む」

 

 

レックスは変装を解きいつものコートを羽織る。そして管制センターに上がる階段を昇り・・・Dr.マミーと対峙した。明らかDr.マミーの目が動揺を見せる

 

 

「俺は檜山蓮!お前は・・・真実か?」

「にいさ・・・ん?」

 

 

変声機を投げ捨て、車椅子を立つ。顔の包帯をとりながら弱々しく歩きだし目には大粒の涙が溢れている

 

 

「本当に、兄さんなの?」

「ああ。色々あって死んだことになってるが、確かに俺だ」

 

 

顔の包帯が取られ褐色の素肌が露になった。確かに檜山真実、その顔にはレックスの面影があり確かに兄妹だと認識させられる

 

 

「兄さんッ!兄さんッ!」

 

 

辛抱効かぬと言った感じで抱き付いた。ひどい涙声で何を言っているのか聞き取れない。レックスが頭を撫でながら時折慰めている

 

 

「父さん、今の内にパラダイスを!」

「ああ。メイン端末は・・・中央のアレか?」

 

 

山野博士は端末にマスターコマンダーを接続、ここと遠隔のオタクロスからのハッキングも準備を整えアクセスを開始、しかし通信設備が既に破壊されていた

 

《駄目じゃ。設備が壊れておる》

「予備回路も通じない・・・オタクロス、このLBXを通じてダックシャトルの通信設備を使えないか?」

《成る程。ちょいと待つデヨ・・・・・・・・・行けそうじゃ。山野博士、準備はヨイデヨ?》

「ああ。問題ない」

 

 

こちらではパラダイス管制権限の奪取が開始された。四人は一応部屋中を見回すも特に何もない

 

 

「・・・なんか、変に静かじゃない?」

「人が居ないならこんなもんじゃねえか?」

「いえ、確かに変よ。何でこんな広い部屋にレックスの妹しか居ないのかしら?」

「言われてみれば・・・警備のLBXも」

 

LBXを直ぐ出せる状態にして警戒を強める。四人は気付かない。否、気付けない

 

隠れていたキラードロイド、ワイバーンから音速を越える速度で放たれた弾丸が子供達の所に迫ることに

 

そしてその弾を叩き落とそうとCICのダクトから一機、音を越える速度でLBXが飛び出してきた事も

 

 

 



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理性のある化物

═futurehope号CIC══════

 

キィン!

 

四人の耳に飛び込んできた何かが弾かれる音、音をしたほうを見るが何もいない

 

三秒程後にワイバーンの悲鳴が聞こえてくる。それと同時に少し離れた場所に叩き付けられていた。そして鉄棒が飛来しそのままコアに突き刺さる

 

四人とも飛来した方向を見るも何も居ない

 

「一体何が起こったの?」

「キラードロイドを瞬殺しやがった・・・」

「誰がこれを?」

「多分、機龍とスルガだと思う。確証は無いけどそんな気がする」

 

 

ルナはCICの外へ出てXF-05との闘いに混じった。そして目にしたのは破壊を振り撒く赤い目をした化物だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─CIC前通路、同刻─────

 

XF-05の群れを徐々に削っていき残り4/3程

 

 

《ヒロ!聞こえる?》

「母さん、どうしたの?」

《警備の兵士がそっちに向かってる。逃げて!》

「なんだと!?」

 

 

前にはLBXの群、後ろには完全武装の兵士達

ほぼ袋小路だ

マスターコマンダーの指令でインビット・F9機が兵士の迎撃に向かう

 

 

「オーバードウェポンならこの通路崩落させられんじゃねえのか?」

「破壊に適したものはルナ君が持っている。それに無人機が人の迎撃に出た以上こちらも押し返されかねない!」

 

 

拓也とコブラが拳銃を取り出しいつでも撃てるように待機。そこら中から銃声やら破裂音が鳴り響く中、ついにインビット・Fが接敵し戦闘を開始した

 

 

が、オメガダイン側もいつまでもスルガとLBXにビリビリさせられている訳では無い。グレネードを織り込んだ投網を用意されインビット・Fが用意に突破を許してしまう

 

 

「コブラ、来るぞ!」

「ちくしょう!こんなことは専門外なんだがな!」

 

 

通路の奥から兵士が短機関銃を構えて出てくる。角に隠れながら拳銃で牽制、撃破を免れたインビット・F三機が残りの兵士相手に奮闘

 

 

そして兵士が突撃を仕掛けてくる。防弾チョッキなどを着こんだ兵士に対して拳銃では効果は薄かった

がしかし天井に亀裂が入り爆発、一部が崩落し突撃の足を止める

爆煙が晴れる暇無く次々打撃音と銃声、兵士の悲鳴や絶叫らしき声が聞こえてくる。立ち尽くすコブラと拓也

一体何が起こっているのだろうか?やがてすべての音が全て途切れる

 

 

 

 

═side???═════

何かが違う。だが今はそれで良い

 

 

「───君!!」

 

 

何か言ってる。けど今は関係ない。───には関係ない

───が拘束を切った。行かなければ

 

 

ダックシャトルの扉を開け機外に出る。雨が打ち付ける甲板に出る。───が慣れない───の体を駆りハッチから一人と一機が同時に船内に滑り込む。

 

 

 

──────

 

 

 

そして船内に飛び込んだ矢先に隔壁が閉じる。───が扉を破壊し少しづつ進む。そして兵士に出くわした

すかさず短機関銃を構える。───が誘導弾を発射し突撃、兵士が投網を投げるがメーサーブレードで切り裂き誘導弾を短機関銃に直撃させ破壊

 

 

敵、攻撃してくる。撃破して更に奥へ・・・殺すな、かどうすればいい・・・死なない程度

 

 

短機関銃を即座に捨て発砲された拳銃弾を視て避けながら───が走り出す

───が既に兵士の中で大暴れ、尻尾で殴り肋骨をへし折って意識を刈り取る

普通に顔面を殴り倒し後頭部を壁に打ち付けて脳震盪を引き起こす

各々の拳銃を狙い再び誘導弾を斉射し破壊

怯んだ奴の腕を尻尾で殴り粉砕骨折

 

──も兵士の顔をひっ掴み膝に顔面を勢い良くぶつけて鼻の骨を陥没させ次の兵士を殴り気絶

服の上から腕の一部を服ごと千切り腹を蹴り上げ壁に叩き付けて失神させる

拳銃を失いCQCを仕掛けてくる兵士の腕を引き込み背負い投げ、もう一人ぶつけて溝尾に踵落とし肋骨骨折、もう一人には口に含んだ血肉を吐き捨て足を踏み折り戦意喪失

 

 

こうして化物はたった二匹で完全武装の警備兵を無傷で撃破した。怪我人を連れて撤退するのには目をくれず先に進む

 

 

ガコォン・・・ウィィィィン

 

 

扉が開いた。障害物の無い二匹時折出てくる兵士を蹂躙しつつ進撃速度を上げる

 

 

船内を駆けずり回る内に下の階から二人の集音器官に戦闘音が聞こえた。何かを察知した───が誘導弾を三斉射し次々と床の一点に叩き付ける

その穴には入らずダクトへ、───はその穴に飛び込む

 

 

 

 

 

═futurehope号CIC═════

 

ダクト内を飛行中に何かが視えた。誰かが何かに貫かれる映像、急ぐ

 

 

自分の速度は音速を突破した。だが周りの景色はスローモーションのようにはっきり捕らえられる

 

 

ダクトから出るとゆっくり伸びる赤い軌跡が浮かぶ。弾道だ

赤い軌跡、先端の未来位置に飛翔、体を回して尻尾で弾き軌道を反らす。そして弾道から発射点を特定し空中で方向転換、そこに突っ込む

 

 

キラードロイド、そう認識した瞬間には勢いそのまま顔面を殴り付けていた

 

 

ワイバーンが悲鳴をあげる。その隙に尻尾を掴んで降り回しぶん投げた。その後近くの鉄棒を適度な長さに折ってキラードロイドに投擲、コアを貫いた

 

 

そして外での戦闘を察知しまたダクトに飛び込み外の敵LBXの掃除を始める

 

 

 

 

═CIC前、廊下════sideルナ

 

煙が晴れる。ルナの目に写ったのは床や壁に伏している兵士、天井からゆっくりと降りてくる赤目機龍、兵士の返り血に濡れたスルガだった

 

 

「スルガ・・・なの?」

 

 

ルナの目をスルガの冷徹な視線が貫く

 

 

「ルナ!心配なのは分かるが出てくるな。今のあいつは明らかにまともじゃねえ」

 

 

コブラの拳銃を握る手に力が入る。それを見てか機龍とは臨戦態勢にスルガは頬をひきつらせ歯を露出させた

 

 

「ッ!コブラ、今すぐ拳銃を置け。ゆっくりだ」

「宇崎の旦那・・・そう言うことか」

 

 

二人が拳銃を床に起き両手を頭の横へ上げる

 

 

「おい、あれはなんなんだ・・・」

「スルガ・・・なのか?」

「freaks・・・」

 

 

あまりの惨状にCICに居る奴以外が全員が息を飲んだ

 

 

「違う。アレらはスルガでも機龍でもない別のナニカだよ」 

 

 

こんな暴力に走る事は無い。機龍も様子がおかしい

それにあんな冷たいのはスルガじゃない。それだけははっきりと言える

 

 

「スルガでもねえ機龍でもねえってどう言うことだ?」

「少しファンタジックな話しになるけど別のナニカに取り憑かれてる気がするんだ。でもスルガはたしかに居るはず、なら」

 

 

河白スルガを引き摺り出せるかもしれない。だがどうすればいい?

 

言葉で説得?いや、今のアレに言葉が通じるか分かんない。なら、実力行使、でもどうする?・・・フルリンクシステム・・・同じコンピューターにアクセス出来たなら、スルガにコンタクト出来るかも、どこからアクセスする?それで私も無事で済むか・・・でも可能性があるなら

 

 

「皆、お願いがあるの。スルガを元に戻すのを手伝って」

「何とかなるのか?」

「うん。私もフルリンクシステムを使って直接スルガを引き摺り出す。私の呼び掛けなら絶対に答えてくれる」

「だがそれじゃあルナが危険過ぎるぞ。何かあったら俺は里奈に顔向け出来ない!」

「少しでも可能性があるなら、やる。だから手伝って」

「よし!良いだろう。俺達はどうすればいい?」

「ありがとう師匠。まず機龍を止めてほしい。スルガは今CCM無しで操作してる。そんなことが出来るのはフルリンクシステムくらいだよ。だから私も機龍を経由してスルガを起こす」

「き、機龍ってあの銀の奴だろ?さっきの見ただろ?あんな化物倒せるのか!」

「世界チャンピオンがうだうだ弱音吐くな!倒せる倒せねえの話しじゃねえ。倒すんだ!」

「はい!今度は僕達がスルガさんを助ける番です」

「ああ。行くぞ!」

 

 

シャルナックとソルジャーDがスルガの方に走り、こちらを向く

スルガは右手だけをこちらに付き出す。この二機もスルガのLBX、つまり、受けて立つのサイン

 

 

「スルガ!たたき起こしたげるから覚悟してね!」

 

 

 

 



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エクストリーム・治療

ふざけたタイトルからの真面目な話
この話かくのめっちゃ疲れた


═CIC前廊下═════第三者視点

 

戦闘が始まった。更にハンター改などここにある無人機達もスルガ側で乱入、13機対9機の決戦

 

 

スルガ(仮)は一切動かず戦いの後ろでただ戦況を視る

 

 

3式機龍 VS エルシオン、ペルセウス、トリトーン、リュウビ

シャルナック VS ムーン、ハカイオー絶斗

ソルジャーD VS A・アーサー、ナイトメア

残りの無人機 VS 残りの機体

 

 

以外だったのはルナやヒノが機龍と戦っていない所だ。真っ先に機龍に向かったのだがシャルナックとソルジャーDがそれを阻止、こうなった

 

 

 

ソルジャーD対シャルナック・ムーン、ナイトメア

 

「やっぱりスルガのLBXは強い」

「LBXだけの力なら、良かったんだがな」

 

 

先ほどまでとは違い戦い方に凶暴さが浮き出てきた

 

剣を交えているのはムーン、ナイトメアは隙を付きメイスを背後から叩き込む。しかし避けられた

 

 

なぜだ?いつものスルガならギリギリの回避か防御のどちらかだと踏んでいたが、少し見立てが甘かったか?

 

 

と追撃を辞めメイスを引きバックジャンプ、同時にGクイックリボルバーで牽制射撃、ムーンの片手間で左腕の装甲で弾かれる

 

 

「今までのスルガなら対応遅れそうだけど・・・完璧な対応だったね。まるで見えてるみたい」

「なら、避けられない攻撃をしてやるだけだ」

 

 

二人は戦い方をシフト、じわじわと攻め立て手足を奪う方向へ転換した。

 

ナイトメアが拳銃弾で牽制する間に、ムーンがインビジブルを発動、持ち武器をメイスに変え殴り掛かる。しかしソルジャーのワイヤーでメイスが絡め取られてしまった。単純な機体重量と出力ではナイトメアに勝ち目はなくメイスを離し後退

ソルジャーはメイスを回収、クサナギと共に歪だが二刀流の構えを取った

 

 

「それなら!」

 

 

電磁機関銃を撃ち込むムーン、しかしソルジャーがメイスを投げ飛ばしてきた

ムーンは難なく回避、ワイヤーを盾に結び付けて再び姿をくらます。この隙にナイトメアはメイスを回収、再襲撃

クサナギを防御姿勢で構えた途端に消えて後方から再出現しメイスを叩き込む。しかし振り向かれ上手く軌道を逸らされた

 

 

「いまだ!」

「仕込み終了!行くよ!」

 

 

ムーンがナイトメアの真後ろから襲来、隙間を縫って朔を突き入れた。狙いは最も動かし辛い胴体

少しだが刃が入った。無理してかわそうとしてナイトメアのメイスが振り下ろされる。これは左腕で受け止めておもいっきり床に叩きつけてナイトメアのバランスを崩しムーン諸とも蹴り飛ばした

 

 

「掛かった!」

 

 

戦闘で傷付いた床にシールドを引っ掛けてあったのだ

ムーンがワイヤー巻き取り装置をフル回転

ソルジャーDの周りのワイヤーが一気に締まり離脱が遅れたソルジャーDの右足を巻き込んだ

即座にクサナギでワイヤーカット、が既に電磁機関銃が放たれていた

回避行動をするが散布範囲を広めに撃たれた銃弾は一発が命中し左目を破壊

更にナイトメアの奇襲、だが防御モーション途中で放たれた左腕格納のボウガン、矢は吸い込まれるように左膝に突き刺さる

 

 

「何!?」

 

 

バランスを崩したナイトメア更にストームツインガトリングを至近距離から発砲

仙道は僅かなタイムラグを利用し離脱を図る

がコンマ数秒、たったそれだけだが胴体に被弾

二門合わせて約66発/sのガトリング銃、コンマ数秒でも数十発が命中して胴体のアーマーフレームに弾が食い込み、原型は留めるものの装甲としての能力を失った

ムーンが駆動系にダメージを追ったナイトメアを肩に抱えて更に銃弾の雨が振る前に後退

 

 

「機体は無事!?」

「いや、駆動系がほぼ動かん。それにコアボックスがほぼ丸見えに近い状態、普通ならここで撤退だが」

「良いの?」

「なに。壊れたら奴に直させれば良いだk!まずい!避けろ!」 

 

 

が後退中のムーンの背中に、高速で飛んできた盾がぶつかってきた。衝撃でナイトメアが投げ出される。

ソルジャーDがワイヤー付きの盾を振り回したのだのが命中してしまいコアボックスが揺れ大きなダメージとなる

 

だが不思議な事が起こった。損傷部から何か青黒いオーラが漏れ出しムーンを覆い尽くす

 

「え?なにこれ・・・」

 

ルナCCM『承認。全リミッター限定解除。稼働可能時間300秒』

 

code『Abyss

 

 

ムーンが深淵に包まれる

 

 

 

──────

 

 

 

シャルナック対A・アーサー、ハカイオー絶斗

 

正面から斬りかかる二機の攻撃を避けつつ格納武器を巧みに使い分けちょくちょく反撃に転じるシャルナック

だが一撃の威力と機体が単純に重い故に相性が悪い

 

 

「ちい!ちょこまかと、」

「明らかに動きが違う。ただ勝つための動きだ」

 

 

聖剣エクスカリバーを天叢雲で両手持ちで受け流して回し蹴り、振り下ろされた絶・破我刃を身を引くことで数回空振りさせ絶・破我刃を足場にハカイオー絶斗の胸部、我王砲の発射部に震斬を一本突き刺し顔を蹴りあげ怯まし少し距離を取る

 

 

「我王砲が!これじゃ撃てねえ!」

 

 

そして片手の電磁拳銃をA・アーサーに銃撃

色々な特殊能力込みでの正確無比な未来予測射撃は吸い込まれるように防御の外に大多数がヒット

運良く大きなダメージにはならなかったが、一つ彼女に確信を与えた

 

 

今の彼には正面からでしか勝てない。どんな攻撃も察知してくる。だから、避けられも防げもしない一撃を叩き込むしかない

 

 

「郷田君、今の彼にほぼ隙は無い。だから正々堂々打ち破ろう!」

「みてえだな。おうよ!任せとけ!」

 

 

ハカイオー絶斗の全速で接近、絶・破我刃を突きだす。シャルナックは少し斜め後ろに回避その先で今度は至近距離からA・アーサーが暴風の塊を飛ばす

 

 

アタックファンクション

風王鉄槌

 

 

不可視の風の弾、A・アーサーのモーションを見て避けようとしたが風に巻き込まれ大きく体勢を崩した。ストライクエアの発動姿勢そのまま飛行用ブースターで突撃

たが電磁拳銃を撃ち攻撃を止めようとしたがA・アーサーは損傷を機にせず聖剣エクスカリバーの剣先を前に前に突き出した

 

 

「貰った!」

「おかわりだぜッ!」

 

 

シャルナックが左腕で防御、完全に故障し動きを止めた

攻め手を緩めず追撃

今度はハカイオー絶斗が至近距離からバズーカをシャルナックに撃つ

しかし弾を天叢雲で斬り払い無傷で突破

A・アーサーが横薙ぎ一閃、続き上から振り下ろし返す刀で斬り上げる

だが機体を器用に動かして全て回避、逆に斬り込み鍔迫り合いに発展、左から絶・破我刃が振り下ろされた

 

 

「終わりだぁ!」

 

 

だが完全に近い形で不意を突きグレネードLを蹴り上げハカイオー絶斗を迎撃、鍔迫り合いの力を抜いて引き込む。A・アーサーは力が抜かれると直ぐ次の斬撃を繰り出す

シャルナックのカウンターアタック、エクスカリバーを振りかぶって無防備の胴体の左下から右上に天叢雲で斬り上げた。装甲に大きな傷が付く。そしてそこから光が漏れた

 

 

「これは一体・・・」

 

 

ヒノCCM『拘束解放』

 

code『Avalon

 

傷口から漏れた光、それをA・アーサーが纏う

 

 

 

─────

 

 

 

代わる代わる、時折四機同時に攻撃されるも優位に立ち続ける。何度も改良や改装を繰り返された機龍の性能は製造時と比べ物にならない程向上しているのも理由の一つだろう。そして何よりオーバーセンス、そして併発している別の能力に依る厄介さが増している

 

 

射撃兵装無しで四機の耐久が1/4程削られる。逆に機龍の参考耐久は1/10も減っていない

 

 

「くっ、手強い」

 

 

異能力でブーストされた機龍本来の性能

世界トップクラスのLBXプレイヤーとそれに合わせ作られ、カスタマイズされたLBX四機を完璧にあしらい返り討ちにしている

 

 

「全力の機龍がこんなに強いとは『機龍はこんなものじゃない』と言っていたのを聞いたが、予想外だ」

「今のスルガ君、去年の僕の用になってるのかな」

「スルガさん、あの時以上に早いし行動が鋭い。バンさんとジンさんの本気でも軽くあしらわれてる、なら!」

「エルシオン!ナイトモード!」

「ストライクモード!」

 

 

バンCCM『ナイトモード

ヒロCCM『ストライクモード

 

 

エルシオンが黄色く発光、六角形の黄色のエネルギーシールドに包まれ

ペルセウスは青く発光、青白いエネルギーが小さな翼を形作る

 

 

機龍の攻撃をエネルギーシールドが全て弾く。ペルセウスは目にも止まらぬ速さで疾走、機龍もそれに互角に渡り合う

エルシオンが機龍の攻撃を吸引しペルセウスが次々と斬りかかる。トリトーン、リュウビもペルセウスとタイミングを合わせ同時攻撃

 

 

機龍はエルシオンへの対処を防御だけに留め誘導弾を上から自機の周りに落としトリトーン、リュウビを一時的に引き剥がして斬りかかるペルセウスを尻尾で打ち飛ばしレールガンで追撃、ペルセウス何とか床に足を付け再加速しレールガンの軌道から逃れる

 

 

「完全に動きが読まれてます。うわっ!おっと」

 

 

エルシオンはミサイルの雨を強引に突破しレールガンを撃つ機龍にハルバードを突き出した。しかし手で握り取られた。引き込む機龍、咄嗟に手を離しシューターSR-33での近接射撃、だが機龍の装甲に阻まれた

 

 

二機の特殊モードに対応してか機龍も内側から黒い光に包まれる

 

 

「これが暴走状態の機龍・・・禍々しい。まるで怪獣みたい」

「おかしい。機龍の特殊モードは白か黒一色のはず」

 

 

今までと違い背中から尻尾にかけては水色のオーラがゆらゆらと揺れている。まさしく背鰭を光らせる怪獣のように。そして

 

 

ギシャァァァァァァ!グォォォォォゥン!

 

 

機龍が吼えた。そして青いオーラが電撃のようにバチバチと暴れながら口元で青い電の数個のリングを形成、口を開き連装メーサーを放つ

 

 

否!放たれたのはメーサーでは無かった。青い電撃とメーサーがぶつかり合った結果生み出された膨大な熱エネルギーがレーザーに姿を変えたのだ

 

 

予備動作が大きく四機は余裕を持って回避、しかし熱線が放たれた金属の床は直撃していないにも関わらず赤熱化し壁は綺麗に溶断されており、機龍の目の前の床は完全に液状化していた

 

 

「金属を一瞬で溶かしただと!?」

「一体何百度いや千?」

「いくらナイトモードでも、あれは耐えれない・・・どうすれば」

「バンさん、Σオービスならどうでしょう?」

「確かに・・・Σオービスでも厳しいかもしれないけど、食らい付けるかもしれない!」

「ランさん!大丈夫ですか?」

「こっちは大丈夫、いつでもそっち行ける!」

「実戦じゃ初めてですね・・・行きましょう!」

「おっし!鍛練の結果見せるよ!」

 

 

❰ドッキングシークエンス開始❱

❰プロセスワン❱

エルシオンとミネルバが各パーツが変形、分割されおおよその位置に展開、中心にペルセウスが入る

 

❰プロセスツー❱

ペルセウスが各パーツを連結するため変形、腕や足等が次々ドッキングしΣオービスが形作られる。最後に武器に変形したミネルバ(Σツインブラスター、Σガーター)を持ち、合体完了

 

完成 三機一体Σオービス!

 

初陣は暴走している機龍、まあ対処法が確立されてしまったワイバーンより良いだろう

 

 

「バン君、あの威力、恐らくアブソリュートゼロかそれ以上にエネルギーを消耗したはずだ」

「それにここまで来る過程でかなり色々壊したはずだ。水中ミュージアムの後メンテナンスしてないから残ってても二割程度のはずだよ」

「もう少しだ。皆、行くぞ!」

「任せてください!」

「よっし、気合い入れていくよ!」

 

 

初っぱなからアクセスベタ踏みだ。機龍が撃った誘導弾を背中に付けられたミネルバの両腕から拳状のエネルギー弾を連写し全てのミサイルを撃墜

機龍はスパイラルクロウで突撃してくる。だがΣオービスが金色のエネルギーシールドに包まれた

 

 

「借りるよバン!ナイトモード!」

 

ランCCM『ナイトモード

 

 

防御を司るランがナイトモードを発動し攻撃を受け止めた。これぞスルガの小細工の一つ、三機の特殊モードを任意でいつでも発動出来るのだ

次は赤い焔に包まれる

 

 

「借ります、バーニングモード!」

 

ヒロCCM『バーニングモード

 

 

Σツインブラスターから威力が強化された赤いレーザーを放つ。

キラードロイドに対しても有効打になる威力だ。機龍の装甲でも無傷では済まない

機龍は最小限の動きで全弾回避

機龍やソルジャー、シャルナックには全て視えているのだ。いや、《にも》と言う言葉が正しいだろう

 

対してΣツインブラスターにエネルギーソードを展開、今度は青く光る

 

 

「借りるよヒロ!ストライクモード!」

 

バンCCM『ストライクモード

 

 

Σオービスも機龍を追尾、レールガンはΣガーターで弾き誘導弾はストライクモードの機動力で翻弄し振り切る

機龍は反転、急速に縮まる距離にランは対応しきれず拳の直撃を受けた。その衝撃でストライクモードが解除

 

直ぐにバンが建て直しヒロが反撃、しかしΣツインブラスターは単純に大きい。機龍のインファイトをしてくる機龍にはやりづらい

 

 

「これなら、あっ!」

 

 

ランが気転を利かせ防御用のミネルバの両腕の拳のエネルギー弾を攻撃転用しようとした途端機龍が後ろに飛ぶ。すかさずヒロがΣツインブラスターで追撃、だが当たらない

 

 

「凄いな。これがΣオービスか」

「うん。機龍と互角に渡り合ってる」

 

 

逆に至近距離からレールガンと正面向きの誘導弾発射口を開く。誘導弾で防御を惑わせΣガーターでのカバー範囲外にレールガンを集中、脚部に少し亀裂が入る

 

機龍とΣオービスとの激突は戦闘ボルテージを加速させていく

 

 

 

 

─sideヒノ────

 

A・アーサーが光に包まれた。目視では最早シルエットすら見ることの出来ない程の光

ヒノのCCMに表示されている300sと言う文字は299...298とカウントダウンを始めていた

 

 

「これは」

「スルガが特殊モードを仕込んだのか?・・・ヒノ!今の状態なら互角にやりあえるかも知れねえぞ!」

 

 

グレネードLが至近距離で爆発したハカイオー絶斗は満身創痍だ。今からの戦闘に耐えられるかどうか分からない

 

 

シャルナックが天叢雲の剣先をA・アーサーに向ける

そしてA・アーサーが駆け出した。が、凄く早い

 

 

「早ッ!けどこれなら捉えて斬れる!」

 

 

天叢雲の剣先直前で踏み込みエクスカリバーを斜めに振り下ろす。シャルナックは右腕だけの力で受け太刀、力負けは目に見えているので衝撃を少し殺してから回避

 

するとヒノの心中にとある疑念が出てきた

受けると力負けするのは明らか。それにさっきまでならこれらを避けてたはずだ。と

 

そして攻防は続く

 

 

─sideルナ─────

 

闇に、深淵に呑み込まれた。深淵は光を遮断しシャルナック・ムーンの姿を隠す

 

 

「これって・・・スルガの仕込みだよね?・・・メッセージ?」

 

 

そのメッセージはただ一言 

 

 

《殺してくれ》

 

 

と書かれている。スルガは自分の暴走の可能性を危惧していた。機龍とオーバーセンスを持って暴れたらどんな被害をもたらすか分からなかったし、何よりオーバーセンスが明らかになるかも知れなかったからだ

 

そのためにオーバーセンスを無力化とは行かないものの対抗策を恋人と好敵手に託した

自分を犠牲に平穏を守る為に

 

 

「・・・ばか。絶対に止めてやる!死んだら私も後追うからね!スルガッ!」

 

 

闇が蠢きソルジャーDをも覆い尽した。全く視界が通らない中、時々見える不安定で不確定な未来視や音を便り反撃と防御、だが小さな傷が増えていく

 

 

─ヒロside────

Σオービスは三色の特殊モードの駆使と三人の連携操作、そしてトリトーンとリュウビの援護を受けて機龍と戦う。いや、機龍にとっては闘争本能を剥き出しにした殺し合いだ。しかし互角も互角。ジリ貧というやつだ

 

 

「バンさん、ランさん、攻撃速度上げていいですか?」

「分かった!」

「オッケー。任せとけ!」

 

 

あの時の感覚を思い出せ。スルガさんやパリでのバトルの、オーバーロードの感覚を

 

ヒロの目が光る。そして頭の中に浮かび上がる機龍の動きの映像、勿論現実の映像じゃ無い

オーバーロードの顕現に合わせてか機龍が少し離れて動きを止めた

 

 

グルルルルルゥゥゥ・・・

 

 

機龍が唸る

 

ッ!やっぱりだ。スルガさんと戦う時だけ未来が入れ替ってる・・・もしかして、スルガさんもオーバーロードを?

 

ヒロの答えは正解に近い。正確にはオーバーセンスとオーバーロードの併発が真実であり異常な強さの正体だ

勿論オーバーセンスが発動しているのは機龍、ソルジャーD、シャルナックのみ

しかしオーバーロードはフルリンクシステムを搭載しているオリオン・Eを通じ《全ての機体に適応》されている 

他のメンバーが無人機相手に大苦戦してるのは大体それが原因

 

「ヒロ、どうしたの?」

「スルガさん、小細工無しで正面からの実力勝負で挑むならそれに答えてくれる人ですよね?」

「・・・そうだね。余程実力差が無い限りは。スルガは搦め手を多用するけどそう言うところは正々堂々してる」

「じゃあ、一か八か」

「分かった。行こう!」

 

バンCCM『ストライクモード

 

 

Σツインブラスターを構える

 

先んじてリュウビが武の剣を、トリトーンがシーホースアンカーを構えた

 

「「必殺ファンクション!」」

 

 

アタックファンクション

オーシャンブラスト

 

 

アタックファンクション

白虎衝破斬

 

 

ヒロの攻撃の前に大技で牽制する。しかし攻撃命中の直前までΣオービスの動向を視るため機龍は動かなかった

直撃を避けるため空中へ

 

視えた!

 

Σオービスもブースターを焚いて飛び上がる。その間にΣツインブラスターにソードを展開ギリギリまで攻撃をせず引き付ける

 

機龍は誘導弾とレールガンを撃ってきた。しかしランがナイス反応を見せる

 

「突っ切る!」

 

ランCCM『ナイトモード

 

全ての弾を弾き返す。そして真っ直ぐ機龍に突っ込む

機龍自身もエネルギー残量が底を突きかけている。つまり後が無い。最後に大技で決めるつもりだ

ヒロにはそう視えている

 

 

「ヒロ!任せたぞ!」

 

 

バンCCM『ストライクモード

 

 

Σオービスが今まで以上の速度で機龍に迫る

確実に決める。それだけを考えろ

 

 

─sideヒノ─────

 

A・アーサーがシャルナックを圧倒する。今は知るよしもないがcode Abyss、Avalonの発動はスルガの頭脳に相当な負荷を掛けた

そこにヒロのオーバーロード発動も合わさり脳が処理落ち寸前となっている。立っているスルガの本体に目をやると汗がひどく目視出来る程の蒸気を放っていた

 

 

「ヒノ!行くぞ」

 

 

ダメージがあるがギリギリ動けるハカイオー絶斗がバズーカで攻撃し圧力をかける

 

シャルナックも反撃を伺うが管制しているスルガの脳がそこまで追い付いていないのだ

 

やがて限界が来る。鍔迫り合いで押しきられ天叢雲が右手から落ちた。直ぐ別の武器を持とうとするがそれを許さない

 

エクスカリバーが下から振り上げられシャルナックに大きなダメージをもたらす

 

 

「終わりだ。シャルナック!」

「決めろ!ヒノ!」

「我が魂よ、呼応せよ!」

 

 

聖剣エクスカリバーに星のような光が集まり、それは大きな奔流となり巨大な悪を討つ光となる

そこにAvalonの光も合わさり更に成長する

 

 

─sideルナ─────

 

深淵からソルジャーDが出てくる。致命的な傷は無い

しかしありとあらゆるところに攻撃の後があった

 

 

「終わらせよう、ソルジャー。必殺ファンクション!」

 

 

アタックファンクション

月光深斬

 

 

闇が朔に纏わりつき右腕に直接剣が生える

そして昼夜が反転、月明かりだけが周りを照らす深夜

新月を背景に浮かび上がり、いつの間にかソルジャーの背後に移動している。いや、最初から浮かんでる方はダミーなのだ

ソルジャーは防御が間に合わず後ろから切り裂かれた

 

 

ソルジャーD ブレイクオーバー

 

 

 

 

─sideヒノ─────

 

「エクスッ!カリバーァァァ!」

 

A・アーサーが聖剣エクスカリバーを振り下ろす

 

シャルナックは面制圧レベルの攻撃で回避に失敗、巨大な光の奔流に飲み込まれ一瞬で撃破された

 

シャルナック ブレイクオーバー

 

 

 

 

─sideヒロ─────

 

Σオービスが機龍にただ一直線に突進、ヒロには視えている。このまま行けば《相討ち》になる未来が

 

機龍が未来を視てるんだとしたら、決着を付けようとするはず。その一瞬を突ければ勝てる!

 

機龍の背中が再び青い電撃を暴れさせ口元に収束させる

口を開き熱線の体勢を整えた

 

 

「「「必殺ファンクション!」」」

 

 

アタックファンクション

Σドライブソード

 

 

Σツインブラスターの刀身が一際輝く

それと同時に機龍の口元も光る。熱線が出る直前だ

 

 

視えたッ!

 

 

その刹那、いやそれより遥かに短い時間。普通の人間の五感でもどんな機械でも観測できない領域でスルガとヒロの闘いが始まった

 

 

この間合いで、お互いの攻撃手段はほぼ一つ

確実に相手を倒すため、確実に相手を壊すため

 

お互いがお互いに掛けれる時間は0,1秒未満

 

その間に二人は百を越える闘いをした。そして制したのは

 

 

二機が空中ですれ違う。熱線は天井を溶かして直ぐに消え、Σオービスは振り返る。そして、機龍が床に落ちた

 

胸部装甲に大きな傷を付けられた。黒いオーラも霧散し目も黄色に戻る

 

キシャァァァ・・・

 

最後の咆哮、機龍が動きを止める

 

 

「ルナさん!これで良いですか!」

「ありがとう!必ず引っ張り出してくる!行くよムーン。フルリンクシステム起動!」

 

 

 

─機龍内部───── 

 

ルナがムーンを通じて機龍に侵入した。しかしそこに立っているのは、河白スルガでも無く、三式機龍でも無い機龍に良く似た一匹の黒い怪獣が居た。背丈は同じくらいだろう

 

「あなたが・・・機龍?」

 

そうであるとも言える

 

「ふうん。って喋った!?いや、ここはLBXの中だし・・・」

 

奴を探しているのだろう?

 

「うん。スルガを叩き起こしに来た」

 

ならば助力しよう

 

「ありがとう。で、スルガに会うのはどこに行けば良い?」

 

既に覚悟は出来てるのだな。我についてこい

 

 

黒い怪獣が振り向き歩き出す。ルナもそれに並んで歩くと、程なくして一つ、橋のような、トンネルのような物が形成された

 

 

「この先が・・・スルガに」

 

最後に聞く。本当にいいんだな?

 

「うん。スルガを連れ戻せるならなんだってやる」

 

よろしい。自分を忘れるな。強く持て。そして、全てを受け入れろ

 

「・・・分かった」

 

 

黒い怪獣の見送りを受けてルナはその道に踏み入る。その瞬間強く引きずり込まれた。無数の手に捕まれているような感覚を味わいながらその道を行く

 

 

 

 

─???sideルナ─────

 

道から吐き出される。その先にはスルガが居た

しかし目に光は無く、左右別方向になにもない空間を見つめて、別方向に手を伸ばしている

 

 

「ここがスルガの中」

 

 

触れようとすると何かに遮られる

 

 

「いざ来てみたけど、どうすればいいんだろ」

 

 

壁を解け。壊すのでなく解くのだ。そしてここには必ず大小意味がある

 

 

何かが頭の中に語り掛ける。声の主はさっきの黒い怪獣だろう

 

 

「解く・・・」

 

 

周りを良く見ると周りには無数の画面のようなものがあり映像が写されているのに気が付いた

 

 

「これって・・・全部スルガの記憶?」

 

 

映像の一つに病院のベッドでこちらを見て談笑している昔の自分が居た。他にもバンやレックスが出ている映像もある

ヒントを求めて他の映像も確認していく。

法則性にも気付く。どうやら記憶の順番で並んでいるらしい

一番新しい映像ではまた大人達に取り押さえられ鎮静剤を注射させられている

 

 

「まだ暴れてる・・・早く止めないと」

 

 

最新から過去に見て回る内に気がかりな映像がいくつか出てきた

 

 

「この映像ってフルリンクシステムの戦闘、何で相手が赤いんだろ」

 

 

類似する映像もいくつも出てきた。いずれも強敵達との戦いだ

 

 

「うーん、何なんだろこの赤いの・・・相手の動きを表してるのかこれ?これは記憶だから?いやでもそれなら他の記憶でも赤くないと行けない・・・シャルナックとソルジャーと機龍が共通点か」

 

 

更に遡る。イノベーターとの戦いの記憶のエリアに入った 

 

 

「これがイフリート・・・でも機龍なのに赤くない?其にしてもオーディーンも凄い・・・あっ、赤くなった・・・で、攻撃が視えるようになったと・・・スルガには未来が視えるんだ。信じられないけど機龍の受け入れろってこう言うことだよね」

 

 

オーバーセンスの事を知る。まだ昔へ

イノベーター事件へ関わり始めた頃、ミソラ二中に入学した頃、そしてルナと出会った頃

 

 

「・・・あれ?ここから変だな・・・」

 

 

ルナに出会った日の前日の夜からの映像が2つづつ並んでいる、片方には砂嵐の用な物で正確に見て取れずもう片方は人の顔や個人名が黒塗りされている

 

そして、背景の違和感に気が付いた

 

 

「・・・この建物大分昔?」 

 

 

記憶に映る物がやけに古いのだ。他の映像を見て行くと確かにあらゆる物が古い。そして、映像では新聞が手に取られた

 

 

「2020年、10月・・・三十年前の新聞、何でスルガの記憶にあるの?」

 

 

その新聞を良く観察したかったが直ぐに棚に戻された

 

 

「あっ・・・でも新聞が置かれてるし家じゃ無さそうだし、ここは図書館?」

 

 

そこから先からは一つの画面の連続に戻る

 

 

「まだまだある・・・」

 

 

更に遡る

そして一作のアニメーションが目に止まった

 

 

「これは・・・バン?それに皆だよね?」

 

 

記憶の映像のテレビ画面の中にバンやジン、そしてLBXが写っている

 

 

「・・・スルガってなんなの?」

 

 

疑問は尽きない。でもスルガを起こしたら纏めて問い詰めればいい

歩みを止めない。横目に映像を流し気になった所だけを細かくみる

 

そして歩く内に記憶の終わり、いや始まりに辿り着く

 

始まり、ここだけは唯一静画だった。顔に黒塗りされているもののスルガの母親と父親だ。近くの映像ではなにやらその二人が談笑している

 

 

「「────」」 

 

 

口の動きも分からないし声も聞こえなかった。けど確かに聞こえてくる

 

 

「今のがスルガの本当の名前・・・今の私凄い冷静、普段ならもっと慌てるはずなのに」

「スルガって何なんだろ・・・今までの記憶に三十年前の記憶、そういえば映像が二枚になってる所って」

 

 

そう思い立ちその二点の映像を細かく観察

片方は砂嵐だが目を凝らせば見えない事もない

やはり最初は病院だった。最後はバスだろうか?乗っている車が突如激しく揺れて、記憶はそこまでだった

もう片方の終わりは道路で子供を助けるために飛び出し子供を何処かに放り投げた直後まで

 

河白スルガと────が出逢うまでの二筋の軌跡

 

 

「スルガは多重人格?でもそんな素振り無かったし、片方の記憶の始まりは違う病院、で記憶の量に10年以上の違い・・・2つの事故と2つの記憶」

 

 

記憶から推理、そして出てきた一つの結論

 

 

「転生?でも・・・憑依なら納得できる。事故で何かが起きて二人が混ざったとしたら」

「スルガは、迷ってる?」

 

 

再びスルガを確認、さっきと変わっていない

そして、映像にも変化があった

一番新しい記憶の隣に2つの画像が流れている。

上はfuturehope号が爆発を起こし沈んでいる光景

下は何事もなくダックシャトルが飛び立つ光景

お互いを取り込み合うように蠢いているが画像自体にに変化はない

 

 

「スルガには未来が見えてる。ならこれは、」

「どうすればいい?・・・まって、2つ並んだ映像は別のスルガのやつだった。ならこれも別々のスルガの記憶?でも映像はさっきのまま」

 

一つ手前ではまだ暴れて取り押さえられている所だ。これが今なのだろう

 

 

「私が何かしたら、どちらかになる・・・そう言うことか」

 

 

もう一つ助言だ。選べ。奴は受け入れる

 

黒い怪獣の声だ

 

 

「選べ?・・・どう言う意味?記憶は見たから、後は、あのスルガか」

 

よく観察する。左右の目は相変わらず別々のものを見て腕が別々の方向に向いている

 

「・・・目線と腕の方向が同じ?」

 

目線と腕の先、そこにはさっきの2つの映像

 

「選べってどちらの未来をってこと?なら上だけど」

 

 

 

・・・・・・・・・・・・

 

 

「何にもない・・・選ぶものが違う?スルガ中で選べるものって」

 

同じ体の2つの人格、そしてフルリンクシステムの長期使用、何が起こるか、片方が押さえてたけど押さえが無くなってもう片方が出てきた・・・2つの人格?どちらかを選べ?

 

 

「つまり河白スルガか────を、でも記憶には最初以外スルガの名前にも黒塗りされてた・・・良し」

 

 

殻に閉じ籠るスルガに向かい合う

 

 

「スルガはスルガだ。私が知ってるのは河白スルガだけ。それ以上でも、それ以下でも無い」

 

 

殻が、解けていく。振り替えると次の2つの画像はダックシャトルが飛び立つ画像しか残っていなかった

 

「・・・・・・るな?」

「バカ、心配したんだよ」

 

そう言って優しく抱きつく

 

「すまんなぁ・・・結構迷っちまったよ。俺が何で何者なのか」

「早く帰るよ。皆も待ってるし、それに私と生涯一緒に居てくれるんでしょ?」

「ああ」

 

 

その返事を聞き届けた途端に、スルガから追い出された、気付けばそこは機龍の中だ

 

 

暴走する前に奴は言っていた。お主が何とかすると。信じていると

 

 

「・・・帰ったら殺してくれなんてメッセージ送ったことに説教しなきゃ」

 

 

戻れ。後は我が何とかしておこう

 

 

「ありがとう。機龍」

 

 

 

 

 

─sideスルガ─────

 

目覚めたときには知らない天井だった。そして、よく知ってる顔が目の前に出てくる

 

「おはよ。よく寝れた?」

「・・・ああ。とってもいい夢だった」

 




まさかの10000字超え・・・そりゃ時間掛かりますわ


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手足を失った哀れな元副大統領

═ダックシャトル════

 

気付けばそこは飛行中のダックシャトル

少し目が覚めた後、また直ぐに眠りについたようだ。ルナの膝枕の寝心地が良いのが悪い

 

「んんっ?あ“~」

「ん?起きたかい?」

「おっすおっす、何かすげ~久々に寝起き良いわ」

「そりゃ君、愛しの彼女の膝枕ならどんな所でも快適な寝室だろう?」

「ハハッ違いねえ。で、どうだ。俺の容態は?」

「全ての値が正常値・・・とは行かないけど、大体元に戻ったね・・・君人間かい?」

「さあ?寝てる間の事なんざ知らん」

「まあいいさ。取り敢えず君に何が合ったか伝えておこう。気になるだろ?」

「ああ。頼むぜ」

 

 

 

主治医説明中

 

 

 

「うっわ、相当滅茶苦茶したんだな」

「まあね。この回りについてる血全部君のだよ?」

「ふへぇ、しっかしよく生きてたわ。ルナに感謝だな。で?そのルナは?」

「ミーティング中だ。君も行くかい?」

「行く」

 

 

 

═ミーティングルーム════

 

 

「ヤッホー、河白スルガ完全ふっかーつ。で?状況はどう?」

「スルガ!寝てなくて大丈夫なの?」

「心配すんなルナ。ちょっと倦怠感が凄いが何ともねえよ」

「スルガ、本当に大丈夫デヨ?」

「ああ。動き回るのは兎も角として頭動かすなら大丈夫だ」

《スルガ君、不調なら直ぐに誰かに言うんだ。良いな?》

「はい。でカイオス長官、状況は?」

《アルベルト・ガーダインの行方はいまだ掴めていない。パラダイスの直接操作に乗り出されないようオメガダインやA国内にあるロケット打ち上げ施設にも警戒体勢を敷いたが》

「諦める以外の選択肢か・・・大統領の行方は?」

《大統領の行方は機密だそうだ。君達には教えられない。すまない》

「レックスがやったみたいなアンドロイドとすり替えマジックとか無いならそれでいい。一応聞いておく。Lシティの国防基地じゃ無いんだな?」

《ああ。安心してくれ。そこではない》

「なら良い。鍵を金庫の近くに置いとくバカは居ないか」

「でもどこに隠れてるんでしょう?」

「分からん。futurehope号は既に無力化したしセト50はシーカーが制圧してる。国防基地にも何かしらしてるだろうし、手足は既に無いと思うんだがなぁ。奴が取れる選択肢はパラダイスに乗り込んでの直接操作しか無い。でもそのためにはロケットやらを確保せにゃならん。A国内での確保は余程根回ししてない限りもう不可能だろ」

 

 

futurehope号の奪還を警戒しオタクロスと大空遥、山野淳一郎が作ったほぼハッキング不可能の自動航行プログラムでハワイに向かっている。航行途中に訓練のため近海に居たA国海軍の駆逐艦によって拿捕される予定だ

 

 

「と言うと、海外逃亡か?」

「それも無いんじゃね?そもそもパラダイスが軍事衛星だって、知ってる国は知ってるだろうし」

《なに?機密が漏れていたと言うことか?》

「自国の施設吹き飛ばされて原因調べない頭お花畑の馬鹿な国はなかなか無いだろ。つまり気付いてる国は絶対に居る。因みにオメガダインは?」

《そうだな。君にはまだ話していなかったな。オメガダインの上層部がガーダインとの関係、Nチップの脆弱性を隠していたのを認めた。だがアランウォーゼンと一部職員と風摩キリトの行方が分からない》

「じゃあ、後は大体詰め将棋か」

 

 

取り敢えずNICS本部に戻りガーダインの捜索に全てを費やすことでミーティングは終了し、カイオス長官との通信も切れた

 

 

「・・・で?見知らぬ人が二人増えてるけど誰?」

「紹介しておこう。俺の妹だ」

「檜山真実よ。これから宜しく」

「大空遥、ヒロの母親よ。宜しくね」

「何が合ったかは大体聞いた。皆、とんでもないことしたみたいで、すまなかった」

「スルガ、機龍から聞いたよ。私の事信じてるとか言ってたって。それなのに何で殺してくれなんて残したの?」

「だって、お前諦め悪いからこう言えば何とかすると思ったし」

「反省してる?」

 

ズイッと顔を近づけるルナ

 

「後悔はしてない。改めてただいま。ルナ」

「おかえり。スルガ」

 

と、抱き合う。

 

「あー、取り敢えず解散だ。お前達は見えないとこでイチャついてろ。こっちが胸焼けしちまうぜ」

「んじゃ、部屋行くか」

 

 

─ダックシャトル宿泊室sideスルガ────

 

ルナとアミ寝泊まりしていた宿泊室、人が増えて部屋割りが変わりルナとスルガが使う部屋になった

そして集まっているのは三人、スルガとルナとヒノ

 

「何でヒノがここに?」

「私が呼んだの。ちょっと話が合って」

「実はね・・・」

 

 

 

少女達説明中

 

 

俺ヒノからも惚れられてたのか。嬉しいけど複雑だな

 

 

「マジで?俺を好きになる物好きなんてルナくらいかと思ってた」

「それちょっと酷くない?」

「あはは・・・それで?どうしてくれるんだい?」

「あー・・・もちろんとびきりの美人に好かれてるのは嬉しいし誇りだ。それに俺が二人を養うのはそう難しくないし受け入れる。でもどうするかな?」

「何気にしてるの?」

「世間体」

「スルガに世間体気にする理性あったんだ」

「そりゃないぜぇ・・・」

 

 

へにゃ顔で落ち込む。直ぐに表情を直してさらに続けた。そして笑う

 

 

「まっ、取り敢えず命を賭けて守るものが増えちまったな」

 

 

そう言って、微笑む

 

そうと決めりゃこれからの策略も練らなきゃな

少なくともガーダインとっちめるまで油断は出来んし諦めてなければそれこそどんな手を使ってくるか分からないしな

 

 

「ありがとう。スルガ。僕はランちゃんとジェシカに呼ばれてるからここで失礼するよ」

 

 

と、ヒノが先に部屋を出ていった。そしてルナがスルガの肩を掴む

 

 

「後私からもう一つ、スルガってさ、何年生きてるの?」

「14年だぞ。何でそんなこと聞く?」

「うんうん、何でもない」

「・・・ま、いつか全てを話すよ」

 

 

ルナは俺の中で何を見た?何年生きてる・・・か。文字通り俺の全て、俺が河白スルガになる前も見たんだろうな・・・つまり、この世界ダンボール戦機を見たのか?

俺がここまで動けたカラクリもルナには筒抜けって訳ね

 

ヤバい本当にどうすっかな?放っておくわけにも行かないし。ここはルナを信じるしかないか

 

 

「さてと、俺は自分のLBXの修理に行ってくるわ。せめて一機は使えるようにしとかんとな」

 

 

取り敢えず機龍直すか。一番損傷酷いのシャルナックっぽいし

 

 

═NICS本部═════

 

特に何も起きずに本部に帰還できた一同、カイオス長官から集合をかけられた。しかしガーダインの行方は未だ不明、大統領は無事だそうだ

 

「ふむ・・・俺ならロケット発射施設にカチコミ掛けるけど」

「今のガーダインに味方はほぼ居ないだろう」 

「そうなんだけどねぇ、何となく・・・痛ッ」

 

 

突然強烈な頭痛と共にスルガの脳内に表れる一枚の写真

それは、ガーダインに銃口を頭に突きつけられているルナ、近くにはアランウォーゼンが居る

背景にあるのは何かの乗り物、この二人が揃う。背景の乗り物はロケットか?

 

 

「スルガ、大丈夫?」

「うっぐ、大丈夫だ。取り敢えず問題無い」

「これは・・・」

 

ヒロも何か見えたらしい。遥さんが少し心配そうだ

 

 

「ヒロ、どうかしたの?」

「いいえ、何でもないです」

「何が視えた?ヒロ。お前のその様子だと、何か視えたんだろ?」

「えっと、銃を持った黒い人たちが、多分どこかの基地を襲撃している映像が」

「・・・カイオス長官!Lシティの国防基地は?無事ですか?」

「いいや、何も連絡は入っていないが」

「ヒロは過去トキオシアでのブレインジャックとカイロのホテルでの爆発事故を謎の能力で言い当てた!つまり今回も何処かの基地が襲われるはずです。今すぐロケット打ち上げ能力を持つ軍事施設に連r「カイオス長官!サンフランシスコの海軍基地が謎の武装集団に襲撃されました!規模や損害は不明ですが現在交戦中!」

「なんだと!?」

「バンさん!直ぐに行かないと!」

「いや、今回の敵はLBXじゃない。今回ばかりは任せる方がいい」

「いや、多分陽動だろう。軍事基地なら戦闘機位あるだろ?打ち上げた瞬間落とされるのがオチだ」

 

 

仙道ニキが言う。バンも言う通り敵は全て武装した人間、今回はさすがに軍に任せておくのが最適解だろう

 

 

「カイオス長官、そのサンフランシスコの基地にロケット打ち上げ施設はありますか?」

「そんなところは無い。精々そこに停泊している艦がSLBMを撃つ程度だろう」

「なら何処ならロケットを打ち上げられます?」

「衛星軌道にと有人機を打ち上げれるのはヒューストンと・・・Lシティの国防基地、あとNICSがマスドライバー施設を持っている位だ。そのマスドライバーはダックシャトルに専用改装を施して使う。ここは考えなくて良いだろう」

「いざとなれば宇宙の果てまで追いかけられる訳ですね」

「よし、また二人に別れよう。片方はLシティの国防基地へ、もう片方はヒューストンだ」

「それなら全員でLシティで良いと思う」

「ほう?なぜ?」

「ヒューストン周辺には空軍基地が多い。侵入した時点で直ぐにスクランブルされて撃墜されるのが目に見えてる」

「それは国防基地でも同じではないか?」

「航空機位なら事前工作で細工出来るんじゃないか?それにオメガダインと近くて回りは山岳、秘密の通路の一つや二つあるかも知れないぜ?それに仮にヒューストンから飛べたとしても国防基地で操作権限を乗っ取られれば奴になす術はない。そこのコントロールシステムを破壊するだろう」

「そうか・・・よし、これよりNICSはLシティの国防基地に向かいガーダインを迎え撃つ。サンフランシスコのような事が無いとも限らないため現地に居る部隊と共に警備の強化に当たれ!」

「「「「「了解ッ!」」」」」

 

 

 

 

 

 

 



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カチコミ!国防基地

═ダックシャトル、ミーティングルーム═════

 

本部から飛び立って直ぐ、カイオス長官から衝撃の続報が入った

 

 

《軍からの情報だ。サンフランシスコを襲った武装集団は、シーカーを名乗っているそうだ》

「シーカーだと!?」

 

 

拓也さんが目を剥く。シーカーはオーストラリアでセト50の警備に当たっている。あり得ない

 

 

「おかしな話だ。シーカーの実働部隊はオーストラリアに居る。エクリプスも無しでこの短時間での移動は出来ないだろう」

「そうだよ。父さんの言う通りだ。」

「じゃがシーカーを名乗る連中とは、珍しい連中じゃな」

「Lシティの国防基地は?」

《今のところ何もトラブルの連絡は入っていない》

「分かりました。また何かあったら連絡してください」

《了解した》

 

 

さてと、シーカーを名乗るとは。まとめて血祭りにあげたいけどこればかりは軍に任せるしかない

 

 

《ダックシャトル、15分程で国防基地に到着するモ》

 

 

全員席に着席、ダックシャトルは滑走路に着陸した

 

 

 

 

 

 

 

═Lシティ 国防基地═════

 

ダックシャトルから降りた一同は近くの建物に案内された。そこに居るのは赤い特徴的な髪型をした人物

 

 

「君たちか?パリの英雄達と言うのは?」

「パリの英雄?」

 

ヒロの頭に?が浮かぶ

 

「NICS諸君、警備の協力感謝する。私はLBX実験部隊《ファイアースウィーツ》の隊長、ジャックジェラートだ。階級は中尉、宜しく頼む」

「宇崎拓也です。宜しくお願いします」

「それで、パリの英雄達ってどう言うことです?」

「知らぬは当人達ばかりか?フランス軍でもどうにもならなかった事態に正確な情報を掴んで黒幕を撃退して騒動を収束させた功績は軍人の間で噂になっているぞ」

 

 

ちなみに表向きの発表では仏軍戦闘機がエッフェル塔のアンテナを破壊し黒幕はその攻撃に巻き込まれ死亡、遺体ら損壊が激しく身元判別不能

となっている。NICSもシーカーの名も出ていない。一部見栄を気にして手柄を欲しがる現場を知らない政治家とか言う糞共から苦言を呈されたがスルガが脅迫して黙らせた。大国の機密事項握ってる奴が一個人の弱みを握る程度容易いのだ

 

 

「さて、まずは君たちの腕前を試させてもらおう」

 

 

ジャックジェラート中尉の命令で迅速にDキューブ(ジャングル)がセットされ隊員二名が両脇に立ちLBXバスターを取り出しフィールドに投下。中尉もLBXプロト・iを投下する

 

 

プロト・i コンバットナイフ アドバンスドライフル

バスター(1) ラグナナックル

バスター(2) アサルトAR5X

 

「そのLBX・・・なぜ君が?」

 

 

山野博士がプロト・iに反応を見せる

 

 

「その答えは勝負に勝ったらお聞かせしましょう!プロト・i」

 

 

代表としてバン、ヒロ、ランが相手取る運びに上手く誘導した。そのバトルを見つつ自身の体の異常について考える。さっき脳に焼き付けられた人質にされたルナの写真の事だ

 

 

明らかにオーバーセンスとは違う能力。もし仮にこの画像が現実の物になったら・・・俺はガーダインを殺す(唐突)じゃなくて、いやまあルナの扱い方次第では殺すけどそうじゃない。

現実になってしまったらこの能力はオーバーロード確定、またはそれに類似する力か

 

 

オーバーセンスだけでもワールドセイバーを引き付けた。そのうえオーバーロードと併発してると分かったらやつらに何をされるか・・・ヒロみたいに洗脳で済めば五体満足で無事の可能性があるが実験台にされたら堪ったもんじゃない

 

 

それにそんなこと明るみになってみろ。絶対狙ってくる組織はワールドセイバーだけじゃなくなる。大体の国家や組織が敵に回る可能性が高い

そんなことになったらインフィニティネット経由で敵対勢力全て滅ぼすか()

最悪ルナとヒノが無事ならそれ以外どうでもいいし。新世界の悪魔にでも成りますか・・・地球を将棋盤にしてミゼルと戦争するのも悪くない

 

 

「スルガ?」

「どうしたの?大丈夫?」

「ちょっと腹が減った。甘いものでも食べたい気分だ」

「ならこれ食べなよ」

「センキュ」

 

 

スルガがヒノから貰ったのは日本人に馴染み深いパインアメ、三粒もらい二粒を口の中に放り込む

 

 

「何かすげー旨い。ほんとにこれパインアメか?」

「そうだけど、そんなに美味しい?」

「てかお前イギリス住みだろ?どうやってこいつを?」

「普通に売ってるよ?」

「そうなのか・・・てか強いな中尉」

 

 

バトルの事を思い出しフィールドに目を落とす。バスターがバンとランを相手にしている。てっきり連携戦術を駆使してくる相手だと思ったが個々でバトルしてる

 

 

「以外だな。軍人なら連携を重視してくるかと」

「見ていなかったのか?」

「すまん。考え事しててな。ジン、勝負どんな推移してった?」

「最初は連携を取っていたがバン君の作戦がハマって上手く分散させた。が、少し劣勢だな。バスターは性能は中々だが量産機、僕らのLBX程の性能は無い」

「ラン君の戦闘術も精錬されて来ているけどあのバスターの方がより無駄の無い動きをしている

操作の腕はバン君の方が上だけど銃撃戦に持ち込まれた。相手はそれのプロ、位置取りや障害物の利用は本職の向こうの方が上手い」

「ヒロも善戦しているがあのプロト・iの特殊機構、高次元多関節機構の挙動に振り回されているようだ」

 

 

ジンとユウヤの解説で大まかな物事を把握し考えを巡らせる

 

 

「高次元多関節機構・・・あー、何かタイニーオービットでそんな文字列見た気がする」

「山野博士が開発していたがその動きを処理できるAIが無く当時は断念したそうだ」

「あの人がそれを使ってると・・・クリスターイングラムに情報盗まれたときか?」

 

 

そう言えば久しぶりに見たらクリスターイングラム社の株価が暴落してた。俺のウイルスでデータが飛んだ事が外部に漏れたらしくかなり痛い目を見たようだ

これを機に久しぶりに結城さんと連絡取ってみるか

 

 

「うっわ動き凄いな。でも胴体だけ180度回転とかこんな動き多用したらトリトーンの処理能力でも処理落ち起こすだろ?」

「ああ。これを解決するほどのAI、私も興味がある・・・が本来のLBXにはない動きだ。いつかはCPUがオーバーヒートを起すだろう」

 

 

プロト・iの高次元多関節機構に苦戦を強いられるペルセウス、近付きすぎたら予想外の動きで反撃されかといって離れればアドバンスドライフルが向けられる

 

 

原作ではΣオービスで有効打を与えられず耐久勝ちした相手だ。それに今回は部下も居る。かなり厳しい戦いだ

 

 

「しかし耐久も厳しいだろう。簡単な話をするとΣオービスならプロト・iの攻撃を耐えられるだろうが、そしたら三機からの同時攻撃を受けることになる。簡単には行かない」 

「レックスなら勝てる?」

「余裕とは行かないな・・・実際に手合わせしないと分からないが轟雷で10戦したら2・・・いや3くらい取られるかも知れないな」

「そこまで行くの?あ、そう言えばレックス、だいぶ前に渡した設計図、あれ作ったの?」

「いいや、作ってない。あれをベースに轟雷をカスタマイズさせてもらおうかと思ってる。あれは確かに凄い設計図だが俺の思いに合わなくてな」

「なるほど。イフリート改はお気に召しませんでしたか」

「ああ。あの怪物はもう眠りについた」

「そう。ならいいや。けどあれを使う日は来ると思うよ?いずれ・・・ね」

「いざというときの出し惜しみはしないさ」

 

 

再び勝負を見ると盤面が動いた。なんとランが隠し手である脚部レーザー砲(Σツインブラスターの応用品)で不意打ちしバスターに致命傷を与え炎崩しを叩き込み撃破した

そしてバンの援護に行く

 

 

「ほう。そっちに行くか?ランならより強いプロト・iの方に行くと思ったが」

「先にバン君を解放すればプロト・iに対して三人で連携するかΣオービスで畳み掛けられる。ヒロを信用している良い判断だ」

 

 

レックスからもそこそこ良い評価を下された。エルシオンが盾を構えてその場に留まりバスターの機関銃弾を弾く。そしてミネルバはバンの指示でこっそりと移動

狙撃警戒か少しずつ射撃地点を変えるバスターに近付きレーザー砲の再装填がてら潜伏した

 

と言うのもこの武装、改造に無理があり威力は申し分ない分基本的に足に一発づつしか込められないし射程も無い

更にΣツインブラスターの仕組みを流用する必要上エネルギーを伝達して装填するためには足をピンと伸ばして固定してやらねばならずその隙も致命傷レベルだ

相手によっては完全なる初見殺し、不意打ち、奇襲でないと中々決まらない

 

 

「奇襲の構えだな。ランが取る作戦としては珍しい」

「俺がランと戦うとき嫌がらせのように奇襲多用して止め刺しまくってるからじゃねえかな?」

「スルガには人の心無いの?」

「言うがよルナ、あいつ面白いくらい綺麗に罠はまるんだもん。やってて楽しいのが悪い」

 

 

少し話す内にバンが反撃に出る。エルシオンシールドはそのままにシューターSR-33で牽制射撃

バンの射撃の間を縫ってまた別の岩へ、しかし直ぐ近くの岩にミネルバが潜んでいる

バスターの銃声に音を隠して一気に接近、気付いたときには既に遅い。ミネルバのレックス直伝ガトリングバレットが炸裂しバスター戦闘不能

 

二機はペルセウスと戦うプロト・iに向かう

 

 

「ほう、教えたばかりだが随分上手いな」

「いつの間にガトリングバレット教えたんだ」

「ついさっき、な。さすがの吸収力だ」

 

 

そして、三人が合流しΣオービスに変形合体

高次元多関節機構の乱用を引き出して持久戦に持ち込む構えを取った。Σオービスの耐久の前ではさすがにCPUが悲鳴を上げる方が先である

 

プロト・i 行動不能 

 

 

 

 

 

───────

 

 

 

 

戦闘が終わり参加者が一息ついた。中尉は早速プロト・iの入手経緯を山野博士に説明する。

 

 

「なるほど、オメガダインか」

「基本的にファイアスウィーツのLBXはオメガダインから供給されていた。今後はどうなるか分からないが」

「ジェラート中尉、もしよろしければなのですが、ガーダインが宇宙に行く事があったらプロト・iを少々融通してくれないでしょうか?」

「よしいいだろう。もし逃がす事があれば予備機なら三機程融通しよう。無論ガーダインはここで捕まえる」

「ありがとうございます」

「なら俺達は二手に別れよう。片方は人工衛星のコントロールセンター、もう片方はロケット打ち上げ施設でどうだ?」

「うむ。君達を頼りにしている。だがサンフランシスコの用な武装勢力が来たなら直ぐに避難すること。それが私から付ける条件だ」

 

 

念を押される。確かに俺達は対LBX戦の専門家だ。対人戦は出来ないだろう

 



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基地警備

═Lシティ 国防基地═════

 

ロケット打ち上げ施設と人工衛星の制御センターの警戒に別れた。スルガはルナとヒノ、郷田仙道コンビとジェシカ、そして拓也がこっちの警備担当だ

 

山野博士、大空博士、オタクロスは警備室で異常事態やハッキングへの備えを整えている

そして檜山真美にもハッキング対策に参加してもらおうとしたらテロリストに片足突っ込んだ事もあり中尉がちょっと良くない顔をしたので(当たり前)NICS本部で生産したスティレットを渡して他のメンバーと制御センターの方を固めて貰った

 

恐らく制御センター側をLBXで突破するのはほぼ不可能だろうし、あの三人張ってるならハッキングは無理ゲーだろ

 

そして基地内外では警備の兵士だけでなく戦車含めた装甲戦力、対戦車、偵察ヘリと戦闘機等の航空戦力もスクランブル姿勢で待機していると来た

 

こっちはこっちでいざと言うときの為にアブソリュートゼロでのロケット破壊許可を得ている。つまりガーダイン絶対殺す網が張られた。突破出来るものなら突破してみろ。まじで

 

 

「突破する方法一つもまじで思い付かんな・・・ワンチャンオリオン・Eで侵入は出来るとは思うけどハッキングしようとしたらあの三人が待ってんだろ?機龍で正面突破してもバンとかレックスが待ち構えてるし」

「そうだな。ここまですれば余程の事がない限り直ぐに制圧されるだろう。心残りなのはサンフランシスコの武装勢力だ」

「オーストラリアに居ることは確認済み。あっちの偽シーカーは地獄への片道切符待つだけでしょ?」

 

 

未だ続報は入っていない。しかし近隣の基地から援軍も出ているそうなのでもうじき鎮圧されるだろう

 

 

「だが本当にここに来るのか?」

「ガーダインが諦めてなければここに来るしか選択肢は残ってないのは確かだ。まあ俺らとA国軍の精鋭達、王手は掛けた。後はアドリブ・・・俺も本気出しますか。お前ら行けるな?」

 

 

機龍、ソルジャーD、シャルナックがスルガの肩に飛び乗った。だがスルガは一切CCMは操作していない

 

 

「見てよ。俺のメイン三機ならもうCCM無しで動かせるようになっちゃった」

「え?自立して動いたんじゃないの?」

「凄いだろ?今脳波コントロールしてんの。原因は俺の暴走がフルリンクシステムに謎の動作を誘発、シンクロ深度が尋常じゃない深くなって脳とLBXが常に深々度シンクロ出来るっぽい。一応ディープシンクロって呼んでて、ちな俺の目線じゃ四つの映像が見えてる」

「あー、ならこう聞いてほしい?スルガは人間なの?」

「俺は人間だ。でも多分電子生命体的な物に片足突っ込んでるんじゃないかな?」

「1+1は?」

「フォーエバー(即答)」

「大丈夫。いつものスルガだ」

《警備全体に通達、サンフランシスコの襲撃は鎮圧された。襲撃の中にガーダインは確認出来ていない。以上》

「まあ、そうだろうな。特に何もコメントが無い」

「だとしてもちょっと不思議だよね」

「ヒノ?」

「いや、ガーダインが基地を陽動で攻め居るだけの戦力があるのなら最初からこことか打ち上げ施設を攻めればいいんじゃ?と思ったんだ」

「他に目を向けさせるのは戦いの常套句だぞ?」

「確かに、それなら陽動にしても打ち上げ施設を狙えば私達の目もそちらに向けられる」

「言われてみりゃあ不思議だな」

 

 

スルガは黙ったまま、考え込む

 

サンフランシスコ海軍基地に打ち上げ施設は無い。ならなんでそこを襲う必要が合った?ヒノの言う通り俺らを引き付けたいならヒューストン辺りを狙えばそこにすっ飛んだだろうしここを狙えばパラダイスの管制装置とロケットその両方が手に入れられる

 

じゃあサンフランシスコにあってここには無いもの・・・艦艇?いやそれなら近海に洋上退避した艦隊が遊弋してるだろうし海からの打ち上げは不可能じゃないにしろかなり大型の船が必要だ。それうなったならそれで速攻ダックシャトルで追いかけてぶっ飛ばすだけ

 

ここに来る前頭に焼き付いた画像、背景のロケットと俺らの守るロケットは同型と見て間違いない。どちらにせよガーダインはここに来るどういう方法かは分からねえが来たら来たで速攻叩きのめす

 

結論は出せず思考を回す中で基地中にサイレントが鳴り響く。そして山野博士から一斉通信が入った

 

 

《皆、この基地に正体不明の航空機が多数接近している。今情報収集をしているが無人機の可能性が高い。恐らくガーダインの隠し手だ。直ぐに避難しろ!》

「ガーダインめ。ここを焼きに来たか・・・他の皆は俺の体を持って避難してくれ。俺の無人機とメイン三機で警備を続ける」

「スルガ、ダメ。いっしょに逃げるよ」

「ガーダインが来るならこの混乱に乗じてこ可能性が高い。今防衛を辞めたら意味がなくなる。そもそもフルリンクシステムはこう言う時に使う物だ」

「じゃあ私も残る。ムーンにもフルリンクシステムは積んであるから」

「駄目だ。LBXの損壊はルナの死に直結する」

「スルガだって同じじゃん!うっ、」

 

 

スルガが素早く後ろに回り込み首トン、優しく気絶させ倒れる体を受け止める

 

 

「俺は決めた。ヒノ、暫くルナを頼む。機龍行くぞ。フルリンクシステム再始動」

 

 

スルガの全身から力が抜けて倒れる

体を拓也に託し機龍は他の無人機を残して飛び立つ。即座にオーバーセンスの領域へ、制空権を奪いに向かう

 

 

 

 

═国防基地上空═════

 

『ジェラート中尉、アレら半分は叩き落とすのでIFFとかレーダー情報、俺と共有出来ませんかね?』

《スルガ君?叩き落とすとは?》

『今LBXで飛んでます。相手が無人機なら一切躊躇も容赦も無く撃墜出来るし』

《分かった。AWACSに回線を開けさせる。少し待て》

 

 

機龍の上空には既に戦闘機が編隊を組んでおり眼下では更に離陸している

 

 

『今上がってるのは・・・20機か?』

《こちら空中管制機オーロット、一機で飛ぶLBX、応答せよ》

『あー、こちらスルガカワシロです。一応コードネームはキリュウ。オーロット、管制宜しくお願いします』

《君だね?パリの英雄は。頼りにしてるぞキリュウ。早速だが全体に通達。現在基地に接近している所属不明機高度1000を飛行中、こちらの警告を一切無視、無人機の可能性が高い。容赦なく撃墜しろ。キリュウは基地上空でこちらの撃ち漏らしの掃討を頼む》

『キリュウ了解。山野博士、敵機の情報とか無い?』

《少し待ってくれ。恐らく機種はこれだ。A国空軍でも採用されている多用途無人戦闘機だろう》

 

 

ふむ・・・最高速度は音速よりちょっと上か。ドッグファイトに持ち込めば小回りが効くこっちが有利だな、エンジンは単発のジェットエンジンね。何かB-2みたいだな。単発でバランス取れるのか

 

その場にホバリングし送られてきた色々情報を参照大体50機と言ったところだろう。

対してこちらは30機。そして続々と飛び込むエンゲージの報告、空戦が始まった

 

 

《こちら管制機オーロット キリュウ、早速だが二機抜け出したのが居る。基地からの対空射撃に注意して撃墜してくれ》

『了解。キリュウエンゲージ!FOX2』

 

 

あれだな?敵機の速度はちょっと音速越えるくらい。トルークビルトを倒した機龍の敵じゃない!

 

二機をロックオン、バックパックから誘導弾を発射する。だが敵機ブレイク、フレアとチャフで回避運動を取る。片方の機体に主翼に一本命中を得るが加害範囲の問題でダメージは小さい

 

チッ、やっぱ直接エンジンとか弱点狙わないと撃墜はキツい・・・

 

機龍は片方の機体の未来進路に飛び誘導弾を一斉発射、無人機は降下して降りきろうとしたがその正面に居るのは機龍だ。ブースターを焚きヘッドオン

 

こんだけの音速を優に越える相対速度、前の俺なら捉えられなかった。だけど今の俺なら墜とせる!

 

目標は機首一点、スパイラルクロウをフル回転して敵機内部に突入、全てを削り貫いてエンジンブロックを破壊し後ろから飛び出した。エンジンの排熱が若干気になったが一瞬の事で無問題

 

よっし一機撃墜、もう一機は直進してる?・・・爆撃進路乗ってやがる。やっべ!

 

直ぐに誘導弾発射、しかしエンジンへの命中させ撃墜

しかし直前に爆弾を投下した

機龍はその爆弾を追撃、口部連装メーサーで誘爆させ破壊更に続報が飛び込む

 

 

《管制機オーロットよりキリュウへ、悪い知らせだ。レーダーサイトが海上からの弾道ミサイルの発射を観測、追尾中だ。目標地点は不明だが・・・ここと推測される》

『おいおいマジか、弾道ミサイルはさすがに迎撃・・・するしかないか』

《キリュウは退避しろ。君は軍人ではない》

『いや、逃げない。ここには俺の守るべき人が居る。それに無人機も殲滅できたわけじゃない』

《チッ、オーロット!三機取り逃がした》

《・・・君の覚悟、受け取ろう。無線は聞こえたな?キリュウ、迎撃してくれ!》

『了解!』

 

 

基地ではSAMやCIWS、対空戦車が鎌首を上げている

さっきよりも基地に近いところでの戦闘、バンバン球が撃ち上げられててきた

機龍はその弾幕を背にして敵機に対しまたヘッドオン

二機が対空射撃で爆散、一機は左上に旋回し機龍はそれを追いかけた

 

旋回半径とオーバーセンスの未来視で着実に距離を積める。そして連装メーサー、エンジンを焼き潰しエンジン停止、誘導弾をぶつけて左翼を叩き折り撃墜

 

 

《こちら基地管制塔、先程捕捉された弾道ミサイルは海軍が破壊した。繰り返す。弾道ミサイルは海軍が破壊した》

『さすが世界最強の海軍だ。弾道ミサイルの一発程度何でもねえや』

《管制機オーロットより全機、敵機の殲滅を確認した。現在基地周辺に脅威は確認されていない。損傷の軽微な機体は念のため上空待機、管制塔の指示に補給に帰投せよ。以上》 

 

 

三機撃墜・・・悪くないな。戻るとしますか

 

 

『こちらキリュウ、基地の警備に戻ってよろしいか?』

《ああ。構わない。良くやってくれた》

『ありがとうございます。お疲れ様でした』

 

 

空域を離脱、ロケット発射施設に戻った。無人機は警備を続けている。マスターコマンダーから何の通信も無いので異常は無かったのだろう

 

後でルナに謝らなきゃな。そうだ。拓也さんに連絡を取ってどうするか聞かなきゃ

 

拓也に連絡を飛ばす。しかし一分、二分。コールだけが続き反応がない。拓也の性格ならスルーなどしないはずだが

 

・・・嫌な予感がするな

 

仙道ニキにもヒノにも連絡が付かない今度は山野博士に連絡をとる。こちらは直ぐに応答が会った

 

 

『山野博士、拓也さんと連絡が取れないんだけど何か通信妨害とかされてる?』

《いや、私と君の連絡が付いてる時点でそれはない。少し待ってくれ。拓也君の位置情報を探る・・・・・・・・・打ち上げ施設に向かっているようだが、連絡が取れないのは変だな・・・スルガ君、落ち着いて聞いてくれ。今大空博士が監視カメラで、ガーダインがルナを人質に取って移動しているらしい》

『何だと!?』

 

 

送られてきた映像ではルナの頭に拳銃を突き付けて移動しているガーダインとアランウォーゼン、風摩キリト、そして後ろを歩く拓也達が写っている

 

 

『大空博士、ここは何処のカメラだ!』

《待つデヨ!気持ちは痛いほど分かる。じゃが慌てて動いたらルナたんが危険な目にあうデヨ!》

『・・・そうだな。大空博士、移動先は?』

《このルートだと多分打ち上げ施設ね》

『了解、待ってます。それとジェラート中尉から何か連絡は?』

《すまないスルガ君・・・情報の整理に時間がかかった。ガーダインはちょうど君が空で戦っているときに君の恋人を人質に取りロケットの妨害をするなと言ってきた》

『野郎・・・』

 

チッ、ちょうどアブソリュートゼロは修理中、メーサーで焼けるけどノータイムじゃない。引き金を引く隙を見せる・・・三人まとめて気絶も出来るけどルナを巻き込まないとなると

そして今人質にしてるってことはロケットが撃ち上がっても撃墜されちゃ意味がない。多分ルナも連れてくだろう

何かfuturehope号越えた辺りから色々上手く居かねーしあそこで暗躍できなかったから結局このままだとミゼルも生まれそうだな・・・

 

《スルガ君?聞こえてるかしら?》

『聞こえてますよ大空博士、そう言えばコントロールセンターは無事ですか?』

《流れ弾が飛んできた程度で無事みたい。もう少しでガーダインがそこに着くわ》

『分かりました。無人機も下げとくか・・・そう言えばジェラート中尉、どうせスナイパー辺り配置してんでしょ?』

《気付いていたか。どうする?君の意見を聞きたい》

『ルナを危険に曝したくないのが本音・・・第三者視点からなら奴を逃がすよりかはここで始末できれば万々歳だろう。待機させておいて損はない』

《仮に君の恋人とロケットに乗ったとしよう。それを撃ち落とそうとするのを君は止めずに居られるか?》

『居られないでしょうね。俺の目的はルナとヒノを守ることだから』

 

 

機龍はダクトへ隠れて無人機も近くのダクトに撤退、ハンター改、シャルナック、ソルジャーDだけはそれぞれハンターライフル魔改、電磁拳銃、電磁狙撃銃を構えそれぞれ別の箇所で狙撃体勢を取る

 

 

 

『一応警戒体勢に付きました。隙見せたら何時でもドタマぶち抜いて地獄に撃ち込んで殺りますよ』

《何か君物騒になってないか?》

《暴走したいつものスルガ氏のデヨ》

 

 

野郎・・・ネットの玩具以下の存在に叩き落としてやるからな

 

 



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油断と慢心

ちょい駆け足&短めかも


═打ち上げ施設═════

スルガは今、気絶したルナを人質に取るガーダインと対峙していた。脇にはアランウォーゼンとビショップ、そして風摩キリトだ

ここで見たのは頭に浮かんだのと全く同じ光景、スルガの力もまたオーバーロードなのが確定してしまった

 

 

「よう。初めましてだなぁガーダイン?平和記念演説のお前は爆笑物だったぜ」

「お前が河白スルガか。貴様のお陰で計画が大きく狂った。だが、最後は私の勝ちだ。おっと、LBXはピタリとも動かすなよ?私が死ねばどちらにせよこの娘の命は無い」

 

 

ガーダインはゆっくりとルナの頭に拳銃を突き付けたまま後ずさり、ロケットの扉のほうへ、後ろではビショップがロケットの扉を開けていた

 

 

「貴様の事だ。第2第3の仕掛けが作動させられる前に行くとしよう」

「おいおい、大丈夫か?コントロールセンターは無傷だぜ?」

「その程度、今すぐ破壊出来る用意は出来ている」

 

 

アランウォーゼンがポケットから何かのスイッチを取り出し押し込む。こちらからは特に何も確認出来ないが?

 

 

「これでこの基地の管制能力は無くなった。これで別れだ」

 

 

ビショップがスモークを焚く。そして扉の閉まる音

 

 

「おいスルガ!お前ならあの扉位破壊出来んだろ?」

「出来る。けどやれない。今のガーダインには安堵の中にかなり焦りの表情が見えた。追い詰めたらルナが危ない。それにロケットなんて下手に壊したら中の固形燃料が爆発して全員まとめて御陀仏だ」

「ルナを守ると大口叩いた割には随分弱気じゃねえか?それでも河白スルガか!」

「それでルナが死んだら意味がない。それにルナの首、スレイブプレイヤーにつけられてるのと同じ首輪が付いてた。無理に取り返したらどうなるか分かったもんじゃない。それこそ廃人にでもなられたら・・・」

 

 

スルガなりに色々考えた。だが最後の最後でガーダインに出し抜かれてしまったのだ

だが考える時間はそう長く続かない。ロケットのメインエンジンが点火された。急いで離れなければ焼け死ぬ

 

 

「皆、一旦安全な所に逃げるぞ!」

 

 

近くに合った部屋に滑り込み何を逃れた。しかしスルガは諦めていない。再び機龍に移りエンジンの暴熱風の中、飛んでいくロケットを追跡する

 

 

『こちらキリュウ、オーロット!ガーダインが人質連れて高跳びしやがった!』

《なんだと!?・・・なに?ふざけるな!人質が・・・クソッ了解。こちら管制機オーロットより全機、あのロケットを・・・破壊せよ》

『はぁ!?オーロット、なに言ってる!』

《上からの命令だ・・・》

『我が身可愛いに保身に走るか。糞政治家共め・・・』

 

 

パラダイスが軍事衛星で、それがミスミステロリストに奪われれば世界的にA国の立場が無くなるからか・・・後で社会的に始末してやる!

 

機龍が加速中のロケットに追い付いた。しかし地上から打ち上げられたミサイルが複数迫っている

 

 

『ええいッ!』

 

機龍のレールガンがロケットに迫る対空ミサイルを破壊、迫る戦闘機には誘導弾で牽制し攻撃を妨害

 

 

《キリュウ!何をしている!》

『俺は世界の事なんざ、自分の事なんざどうでも良い!恋人を!ルナを守るのが俺の戦いだ!』

 

やがて機龍はロケットの加速に追い付けなくなり、ロケット大気圏を超えては飛び去った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

═国防基地内、どこか═════

スルガは今、監禁されていた

理由考えなくても明白だろう

 

 

「・・・・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─ロケット発射の後─────

 

 

「あっ、スルガ・・・あれ?ルナは?」

「人質としてガーダインに連れ去られた・・・完全にしてやられたよ」

「スルガさん・・・」

「檜山、コントロールセンターの方は?」

「管制のためのコンピューターが木っ端微塵に爆破された。全員外に居たから怪我人が居ないのが幸いだな」

 

 

みんなの表情は暗い

 

 

「コブラ、NICS本部に連絡を。ガーダインを追いかける」

「でも、何か手があるの?」

「アミ、思い出せカイオス長官が言ってた打ち上げ施設の中にNICSがマスドライバーがあると言ってたろ?ダックシャトルに専用の改造をして使うと言ってた奴。それを使えば追いかけられるんじゃないか?」

「つまり、僕達も宇宙に行くと言うことですね?」

「行ければ・・・な。最悪俺の意識と機龍とソルジャー、シャルナックだけでも打ち上げて貰えばパラダイスはのレーザー砲位は破壊できる」

《皆、聞こえているか?》

 

 

カイオス長官だ。早速とばかりに山野博士が話を進める

 

 

《ガーダインがルナ君を人質に宇宙へ逃げたか》

「ええ。今すぐ追いかければパラダイスに到着する前に追い付けるかもしれません」

《それは・・・無理だ。改造には3日は掛かる。今すぐは追いかけられない》

「ならば今すぐにでも取り掛かれますか?」

《ああ。今すぐ準備させる。それと、スルガ君だが》

「なんですか?」

《私もルナ君との関係は理解している・・・責任をなるだけ軽くなるよう働き掛けよう》

「いえ、構いませんよ・・・多分パラダイスの事を隠してた政治家共に揉み消されて終わりです。それにカイオス長官の立場も悪くなりかねない。全て終わった後じっくり強烈に面白可笑しくお返ししますよ」

 

 

ガーダインも取り逃がした。完全にしてやられた結果だ

情報共有を済ませた後中尉が口を開いた

 

 

「河白スルガ君、基地司令からの命令だ。君の身柄を拘束させてもらう。気持ちは察するがが君がしたことは私としても看破できない」

「でしょうね。で、どこに行く?刑務所?それとも・・・絞首台?」

「暫くこの基地で拘束する事になる。最終判断が下されるのは早くともこの事件に決着が付けられた後だろう」

「分かった。まだガーダインは捕まえてない。LBXを託すくらい良いだろ?」

「いや・・・それなら構わない」

 

 

スルガは自分のCCMやLBXの入ったバックをヒノに託す

 

 

「機龍まで?いいの?」

「そいつが俺の最強機だ。万が一没収されたら不味いし俺が外を出歩けるようになったら取りに行くよ。じゃあ暫しの別れだ」

 

 

スルガの手に手錠がかけられ、兵士に連行された。が最後、こちらから見えるギリギリの位置でヒノにスルガは悪い笑顔を見せた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─sideスルガ───────

 

この部屋は刑務所の牢屋が柵ではなく堅牢な壁かの違いしかない。最低限の洗面台と鉄パイプを組んで作られたベッド、洗面台、それとは別のところに付いている鏡はマジックミラー

 

四台の監視カメラが多数取り付けられ怪しい動きをすれば即座に警備が駆けつけてくるだろう

 

しかし目を閉じ顔を落とし壁に寄りかかって膝を片方立てた姿勢のまま座ったスルガは動かない。思わず監視担当が欠伸をするくらいには動かない

 

 

 

 

 

═NICS本部══════

─sideヒノ─────

 

今は本部の会議室に集まった。ダックシャトルは人を下ろし改造のためにマスドライバー施設へ回航されている

 

 

「スルガ君・・・」

 

 

本当に大丈夫だろうか、そんな思いがヒノの心を支配する。だが最後に見た悪い笑顔、間違いなくあれは大人しくする気の無い顔だ

 

 

 

「気持ちは分かるが、今は目先のことに集中しよう」

 

 

ジンの声で顔を上げる。そして、機龍がジンの目の前に浮遊する

 

 

「まさかスルガさん、その中に?」

「スルガなの?」

 

 

機龍は首を横に振る。そしてトリトーンを指差した

 

 

「トリトーン?」

「ジン!フルリンクシステムじゃない?スルガから何かメッセージを貰ってるのかも」

「成る程バン君、そう言うことか。トリトーン!フルリンクシステム起動」

 

 

トリトーンが動き出す。そして機龍もトリトーンの前に着地した

 

 

「十中八九あいつはこの状況で大人しく監禁されてる訳がねぇ。絶対ルナを助け出そうとするはずだ。なあ?仙道?」

「そうだが・・・郷田、奴は今LBXを持ってない。いくらあの船の時のような暴れっぷりを見せたとしても」

「生身一つで基地の警備を全て突破するのはいくらスルガ君とは言え不可能だ。今は我々でやることをならねばなるまい」

「でもパパ、彼はこういう時、常に私たちの考えの上にいた。きっと何か策を用意してるわよ」

「それはさて置き、だな。これからはダックシャトルの改造終了が終わり次第ガーダインの追跡にはいる。その間は情報収集と各自鍛練に励んでほしい。必ずルナ君を奪還しガーダインの計画を阻止するぞ!」

 

 

拓也が締めた。それから具体的な話を進めるなか、暫くしてジンが目を覚ます

 

 

「皆、スルガ君が伝言を残していた。『絶対に脱獄して共に行く』と、それと機龍本人?からスルガの存在は忘れても大丈夫、だそうだ。どうせ自分で脱獄してくると」

「機龍が?LBXがそう言っていたのか?」

「スルガのLBXは特別じゃ。それにしても放っておけとは信頼されておるのう」

「あと、自分は誰にも使われる気は無いそうだ。だが戦闘には参加してくれるらしい。頼もしい限りだ」

 

 

機龍もなんだかんだスルガ君の事信用してるのかな?

それにしてもあの悪い笑顔・・・まるでイタズラに成功した子供のような感じだったなぁ

 

会議は解散・・・がヒノだけジンに呼び止められた

 

「少し、外に行こう。気持ちの整理を付けるのも休息の内だ」

「うん。分かった」

 

 

 

 

 

 

═近くの公園══════

 

「いきなり済まないな」

「大丈夫さ。スルガ君は僕に何を言っていたんだい?」

「君にしか話すなと、機龍とスルガのメッセージに念を押されたよ。スルガ君はいつでも脱獄出来るらしい」

「え?そんなに早くかい?」

「どうもそのようだ。トリックは企業秘密らしいが・・・彼の事だ。もう僕らの回りに、もしかしたら宇宙に先回りして居るかもしれないな」

 

 

あの顔は脱獄手段を思い付いた顔だった?でも何か僕の勘が違うって言ってるんだよなぁ

 

 

「僕もバン君達もスルガ君が大人しくしているとは微塵とも思わない。むしろあの基地を破壊し尽くして出てきても可笑しくないと想っているよ」

「そうだね。彼はルナちゃんを助け出すまで滅茶苦茶するだろう」

「それと本部でとある怪物を作っていたらしい。それの使用権限は既に君のCCMに転送されているようだ」

「そんなの来たっけ?」

「僕からはこれで終わりだ。そうだ、近くでLBXの大会があるらしい。行かないか?」

 

 

 

外に出たついでにLBXのストリートバトルに飛び入り参加したヒノであった

 

 



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ガバ警戒

═NICS本部═════

 

本部の中は広く対テロ用に複雑な構造となっているので部屋の配置が把握しにくい

それにヒノが生まれ育ち慣れ親しんだイギリス英語ではなくアメリカ英語で案内が書かれている。それが余計に混乱を助長していた

 

 

「うーん、迷った」

「あれ?ヒノさんどうしてこんなところに?」

「いや、道に迷ってしまって」

「どこに行くんです?」

「えっと、スルガが工房として使ってた工作室なんだけど」

「それなら僕もペルセウスのメンテナンスをしに行こうとしてた所なので一緒に行きませんか?」

「ありがたいな」

 

 

二人が歩き出す

 

「そう言えばヒノさんとスルガさんとライバルなんですか?」

「うーん、そうなるね。去年のアルテミスで僕が負けて、少し後にリベンジしてその後は僕が日本に行かなかったから、イギリスでのブレインジャックが久しぶりになったね」

 

 

そんな他愛も無い会話をしている内に工作室へ付いた。中には山野博士と大空博士が何かを見て固まっている

 

 

「あれ?母さん何かあったの?」

「ひ、ヒロこれなにか知ってる?」

 

 

大空博士の指の先には・・・一機のワイバーンに酷似した銀色に黄色の羽を持ったキラードロイドが首と尻尾を丸めて猫のように丸まっていた

 

 

「キラードロイド!?何でこんなところに!」

 

 

ヒロがペルセウスを出撃させる。ヒノもA・アーサーを戦闘態勢にした。だが見向きもされない

 

 

「・・・何か変、まさかスルガの置き土産ってこれの事?」

「置き土産?これを作ったのはスルガ君なのか?」

「多分・・・僕のCCMに使用権限が送られてるらしいけど」

 

 

ヒノが近寄るとそのキラードロイドが目を覚ました。顔を動かしてヒノを見ると、起き上がる

 

ピロリン♪

 

「音声メッセージ?《よう。もう会ったみたいだな。ソイツは俺が破片集めて作った対キラードロイド用のキラードロイド『銀龍』だ。キー坊もとでも呼んでやってくれ。細かい説明は省くが今戦闘関係の指示は俺とルナ、ヒノの言うことしか聞かん。後よろしく~》・・・えっと、これからよろしく頼むよ。キー坊」

 

銀龍が翼を広げてヒノの前にひれ伏す。その後棚の前に移動した。そして羽を器用に取っ手に引っ掻けると扉を開けた。中には無人機やFA、そして一本の武器

 

 

「これは・・・槍か?」

 

 

それは螺旋構造の用なそうでないようなモノが複雑に織り込まれた槍

山野博士が手に取ろうとすると、あいだに銀龍が割り込む。そして羽でそれを上手く挟み、ヒノに差し出す

 

 

「僕に?」

 

 

《聖槍ロンゴミニアド。A・アーサー用に作った槍だ。最大火力はオーバードウェポンにも劣らない。趣味が合わないならバンにでも投げといてくれ。あと違えてもその織りを解くなよ?》

 

 

またCCMから音声メッセージが流れる

 

 

「貰ってばかりだね・・・ありがとうスルガ」

「ヒノ君、少しそれを見せて貰っても良いか?」

「はい。構いません」

「それにしてもキラードロイドまで作ってたなんて、どうやって制御してるのかしら?」

 

 

大空博士が銀龍を観察していると、銀龍がそれに気付き何か紙束の入ったファイルを運んでくる

 

 

「あら?中々可愛いじゃない。どれどれ・・・基本はキラードロイドの強化改良型か。でも制御装置はまるっと違うのね・・・・・・・・・へぇ?オリジナルの自己進化AIねぇ、キー坊、とか言ってたかしら?貴方ちょっとッ(ガシッ)解析させてくれない?」

 

 

銀龍が捕まった。じたばたしているが大空博士が離さない。諦めずに体を捻る銀龍しかし大空博士も諦めない

 

 

「母さん、結構嫌がってるけど・・・」

「そうみたいね。でも気になるのよ!」

 

 

大空博士が開き直った。それを聞いて銀龍が項垂れる

 

 

「と、取り敢えずこの子をみんなに紹介しようか?」

「そうね。解析はそれの後にするか・・・」

 

 

 

 

 

═司令室═════

取り敢えず今居る人達に合わせる。山野博士はそのまま工作室でLBXのメンテナンス作業をするそうだ

司令室に居たのはカイオス長官、オタクロス、ジェシカ、ユウヤ、ジン、檜山兄妹だ

 

「どうしたんだ?・・・それは!」

「キラードロイド!?」

 

 

ジンとユウヤが銀龍を見た途端戦闘態勢に入る。すぐにヒノが止めに入りスルガの作品であることを説明した

 

 

「これがあのこの子の作ったキラードロイド?・・・私のとは何か違う。敵意?でも悪意を感じない。なぜ?」

「おそらく、スルガのルナを守りたいと言う純粋な気持ちの現れだからだ。スルガらしいと言えばスルガらしい」

「キラードロイドまでここで作っていたのか・・・暴走等の危険性は?」

 

 

スルガ、他の人にキラードロイドを作ってる事を何も言ってなかった

 

 

「それに関しては大丈夫ね。制御装置は彼独自の物に変えられてたし設計図を見た限りでは問題無いと思うわ」

「スルガ君が作ったところに一抹の不安を憶えるけど・・・大空博士が言うなら大丈夫かな?」

「ふむ、よろしく頼む。銀龍」

 

 

差し出されたジンの手の平に顔を載せる事で答える。

 

そして、時は来てしまった。緊急回線にアラートが鳴り響き、司令室のオペレーターが口から捻り出すように呟やいた

 

 

「長官・・・が、消失しました」

「すまない、今なんと言った?」

「島が、消失しました」

「なん・・・だと?」 

 

 

送られてきたのは偶然近くを航行していたフリゲート艦で撮影され、送られてきた映像だ

 

現地はは夕刻、その映像には一筋の強い光に照らされた小さな島、すぐ後強い衝撃波が襲い掛かったのか船が海ごと大きく揺れカメラもブレ続け何も見えない

そしてカメラが安定、すると、何もない。ぐるッと回りを写すが何も無い。島ひとつが、消え去ったのだ

 

 

「これは・・・」

「十中八九パラダイスのエネルギー砲じゃな。ガーダインのパフォーマンスじゃろう。そろそろ何かしら言ってくるはずじゃ」

 

 

オタクロスの読み通り、全世界に向けての声明が出された。出しているのは仮面の男、ディテクターだ

 

《諸君、我々はディテクター、世界をこの手に頂くことにした。孤島を消し去ったのはほんのデモンストレーションだ》

 

「ディテクター!?」

「くっ、まだ宇宙に行く手立ても・・・」

 

《今から六時間以内に我々に服従するか、滅ぼされるか決める事だ。今の我々は君たちの手が出ないところに居る。六時間だ。懸命な決断をオススメする》

 

 

「・・・六時間、それがパラダイスが次のレーザーを撃てる時間と言うわけか」

「長官、マスドライバー施設からです。改造の九割が完了したと。後は最終点検と燃料充填だけです」

「な!?3日掛かると聞いていたが」

「それが、疲労を無視した突貫作業と、パラダイスの事が判明した時点でスルガ君から宇宙に逃げられたら追いかけるからよろしくと、現場で既に改造の準備を進めていたらしいです」

「また彼に助けられたか。全員に緊急招集だ!今すぐヘリでマスドライバー施設に送り届ける!」 

 

 

まさに用意周到

自分が、周りが何かミスをする。イレギュラーが発生することを前提に手を回せるだけ回して、それをもとに計画を立て、実行する。失敗したら即座に次の手を打ち、敵を討つ

スルガが介入を続けたせいでイレギュラーが起こり続けた事で身につけた能力だ

 

 

 

═マスドライバー施設══════

 

全員があわただしくマスドライバー施設に到着した。しかし休む時間など無い。すぐに宇宙服に着替えダックシャトルに乗り込む

 

「どっと疲れた・・・」

「スルガさん、捕まってなお僕たちを助けてくれるなんて」

「奴からすれば、打てる手を打った程度の事だろうがな。しかし良くここまで上手く事を運ばせたな」

「だが、宇宙で僕達が戦えるか、そこが不安だ。宇宙には当然重力が無い。慣性が原因で永遠に動くことになる」

 

 

慣性の法則、厄介な存在だ。しかし山野博士がそれを解決する手段を考えていた

 

 

「そこは問題ない。ジェラート中尉からプロト・iの予備機二機と試験機を譲り受けた。この機体を改造すれば宇宙空間での戦闘は問題なくこなせるだろう」

「後あやつが作っておった飛行ユニットが使えるデヨ。少しLBXの方を弄ってやれば問題ないゾイ。それにオーディーンやA・アーサー、アキレス・ディードは自律飛行能力を持つからなにもしなくても戦闘が可能じゃ」

 

 

問題解決だ。ただ1つヒノの中にはスルガが残る

 

 

「スルガ、ここに来れるのかな?」

「・・・自分で改造を促していたなら予測して脱獄していても不思議ではないが、さすがに身一つでLシティからここまで移動するのは難しくないか?」

 

 

しかし、ソルジャーDが机に立つ。そしてヒノのCCMから声が流れてきた

 

 

『お前らさぁ?俺が大人しく捕まるとか思ってたのか?』

 

 

聞き間違えるはずもないバカの声

 

 

「えっ?スルガ!?じゃあ、えっと、軍事基地に居るのは?」

『ふむ。俺の調べだけど人間は人格と言う制御装置かプログラム的なのが無いと心臓とか以外は自発的には動けない。なら俺に適合する代わりの人格を用意して俺の体に放り込めばいい』

「・・・なんと言うか、滅茶苦茶だな」

「何時入れ換えたんだ?それも気付かれずに」

『手錠掛けれた時だ。即席の策の割には完璧以上に上手く行ったもんだから思わず笑っちまったぜ?兵士の目玉は節穴で上官の脳は不在だって。それに監禁してる奴誰も疑ってねえんだもん』

 

 

スルガの大爆笑、銀龍がソルジャーに近づきそれを撫でる

 

 

「・・・じゃあ、今スルガの中に居るのは?」

 

 

ランが聞いてくる。恐る恐ると言う様子

 

 

『ソルジャーだ。あいつなら寡黙で大人しいからそうそう問題起こさんし大丈夫。それより早期警戒に出したオリオン・Eがこちらに接近するLBXの大群を捕捉した。写真じゃ大多数が爆弾を持ってる。ガーダインはマスドライバーをぶち壊す気だ』

「なんだって!?」

 

 

スルガが写真を全員に送る

 

 

「オタクロス、ブレインジャックだ!直ぐに司令コンピューターを!」

『無駄だ。パラダイスに付いてるマリオネットシステム、簡単に言うとブレインジャック発生システムを使ってる。さっさと殲滅するか逃げるかだな。コブラ、ここの管制塔に連絡、俺達が時間稼ぐから発射を少しでも急いでくれと』

「分かった。お前達、迎撃に出るぞ!」

『ヒノ、俺の無人機、持ってきてくれたか?』

「あっ、忘れてた」

「俺が持ってきた。いつの間にこんな数を用意したんだ?」

『よし。オタクロス、マスターコマンダーとパソコンを接続してくれ。数にはそれなりの数と質で抵抗だ』

 

 

数多に用意されたスルガ製無人機達、レックスが持ってこれるだけ持ってきたその総数は二百を越える。まだNICSにおいてある分を合わせれば五百は下らない

 

 

箱から次々に飛び出し、マスターコマンダーが命令、無人機達が防衛ラインを形成し迎え討つ姿勢を整える。銀龍も腕を殲滅特化のガトリングユニットに換装しヤル気満々だ

 

 

敵は全方位から迫りつつある。敵の総数は不明、だが皆なら突破できる。スルガもソルジャーから機龍に乗り換えて銀龍と共に一番機体が少ない北側の防衛線のに向かう

他のメンバーはジン、ジェシカ、ヒノ、そして初陣の銀龍だ。ハンター改など無人機の中でのワンオフもここに居る

この防衛線の戦力はナガシノ15機、インビット・F10機

上記四人、銀龍、ハンター改、ルナティックジョーカー、灰従者、ロビン・リッパー、計34機とキラードロイドだ

 

これで燃料充填完了まで堪え忍ぶ

 

 

マスドライバー防衛戦、開幕

 

 

 



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マスドライバー防衛線!祭りの準備

═マスドライバー施設 北部防衛線════

 

大きく分けて四方向から攻めてくるLBXの大群に対して機龍の誘導弾を上から落とす事でこちらから火蓋を切った

 

反撃を許す暇なく残りの機体が一斉に弾幕を張り始めた

 

銀龍は一番前で敵の攻撃を吸引、直衛の灰従者が接近してくる敵機を撃退

ナガシノは種子島零式の低レートを信長よろしく三段撃ちで補い火力を絶やさない。僅かな間もハンター改がストームツインガトリングやハンターライフル魔改で埋める

インビット・Fも持ち前の機動力を生かし遊撃に出る。か敵が隠れた各障害物に回り込みバズーカや腕の機関銃で単機で強襲し一撃離脱、マスドライバー破壊用の手持ち爆弾が誘爆すれば隠れてるLBXは纏めて吹き飛ぶ

 

無人機は正面方向に火線を集中している。そのため横から抜けてくる敵機を撃破するのが四人の役割だ。数もそれなりでこちらも忙しい

 

 

「一体どこからこんな数をかき集めてるのかしらね!」

『さあ?だがここを守り抜かねば後もない』

 

 

隙を見られて空を飛び抜けようとしたオリオン。だが見逃さなかったヒノとA・アーサーが斬り落とす

 

 

「ヒノ君、空の守りは任せた」 

「心得た!」

 

 

ジンはトリトーンの事前仕込みで粘着液でクモの巣を作り敵機を絡め取ったり足を止めをしたら機龍かジャンヌDの銃弾をプレゼント

 

 

《さすがに戦線が広すぎる少しずつ突破されてるぞ》

 

 

マスターコマンダーは突破した敵機の放置を下令した

 

 

『マスターコマンダーがほっとけってさ』

「大丈夫なの?」

「なるほど。今の最終防衛ラインはレックスとここにいた動ける人達だ。よほどこちらで大量に取り逃さない限り大丈夫だろう」

「それなら心配無いわね」

『そういやジェシカ、お前らはレックスに一勝でもしたのか?』

「うぐっ、痛いとこ付かれるわね・・・まだよ」

「僕も10戦しても三戦程しか勝てない。無理はないだろう」

『直弟子のバンでもGレックス相手だと勝率四割弱だろ?レックスまじで強いよな。ストリートだと機龍でようやく三割位だわ』

 

 

レックスの強さを改めて思い出しながら迫る敵を討つ

 

《敵の残存数残り八割を切った》

『残り八割?全体でか?』

《ああ。レーダーで反応を探った限りそう見える》

「妙だ。まだ二割しか撃破していないのか?」

「そんなに時間は経ってないけれど、本当に二割なの?」

『小出しされてる?舐めた真似を・・・』

「戦力の分散とは、愚行を」

《待ってください!これ時間稼ぎじゃないでしょうか?》

《どうしてそう思ったんデヨ?ヒロ》

《敵の狙いはマスドライバーかダックシャトルの破壊ですよね?ならその破壊のためにLBXは残しておかなきゃいけない。それに僕らは飛び立つ直前に自分達のLBXを戻ってこさせるじゃないですか。そこを一気に突くつもりじゃ?》

《そうなれば防戦一方は危険だな。スルガ、オーバードウェポンで全部まとめて撃破できるか?》

『可能ではありますが、ここまで包囲されてるとなると・・・攻撃性能特化のオーバードウェポンじゃ一方向に穴をあける程度です。それでいいならやりますが。どうします拓也さん?』

《・・・スルガ、ジャミング特化のオーバードウェポンが無かったか?》

『バイラルレーダーかぁ。拓也さん、それはちょっと諸刃の剣だ。俺達のスパークブロード通信も遮断される。無人機はある程度大丈夫だが、相手はアダムとイブとか言う高性能AI、対策を取られたら数に押し潰されて一貫の終わりだ』

《打つ手なし・・・か》

『取れる手は削れるだけ削り取って後は無人機に防衛を任せるだけだ。で?コブラ、この施設どれくらい頑丈?』

《こんだけのモン打ち上げ上げんだ。ぶっとい柱が無数にある。ちょっとやそっとじゃ壊れねえ。かなり持つとみて言いだろうよ》

《発射まで後20分だ。それまで防衛線を少しずつ後退して防衛の密度を上げる。LBXでも移動には時間が掛かる。奥に待機してるつもりなら引きずりだしてやればいい》

《敵の密度が上がった場所にスルガ君のオーバードウェポンを撃ち込めば効果もあがるだろう》

「スルガ!キラードロイドだ。それも10機や20機じゃない!」

 

 

飛んでいるA・アーサーが発見したのはワイバーンの集団だった。その数は20を優に越えるだろう

 

 

『博士、銀龍のレールガンユニットを・・・オーディーン辺りにくくりつけてこっちに持ってきてくれ。流石の俺達もこの数は相手取れん。殺戮者キラーの底力を見せて貰う』

《分かった。直ぐに用意させる。コブラ君、よろしく頼む》

《分かりました!》

 

 

「ヒノ君、距離は?」

「まだ遠いから時間はある」

『キラードロイドなら同士討ちしてないのか?』

「・・・してないね」

《私が作った行動パターンが改変されてる。普通ならここに居るLBX全てを目標にするはずだわ》

 

《こちらカズ、西のこっちもキラードロイドを見つけた。多分七機位だ》

《チィッ、南も捕捉した。こっちは六機だ。クソッタレ!》

「東は?」

《こちらヒロ、こっちは八機です!バンさんとランさんでΣオービスで戦います!》

 

 

一体どこにこんな数のキラードロイドを用意していたのか?で、数的に主力部隊、ここをぶち抜く気か

 

 

「防衛線を下げよう。そうすればキラードロイドの到着も遅らせられる」

『俺と銀龍で殿を勤める。その間に無人機連れて後退してくれ。場所はジンに任せる』

「分かった。頼んだぞ」

 

 

木の幹にメーサーを照射、巨木を倒して敵LBXを押し潰し即席の壁に、そうして敵の足を遅らせ誘導弾で敵を破壊、銀龍も弾幕を巧みに操り敵機を粉砕、しかし横から抜ける機体が多い

 

 

『ジン、思ったより抜けてく数が多い。もう全体で最終防衛ラインまで下がって戦力集中したほうが良いかもしれん』

「拓也さん、どうしますか?」

《難しいな・・・スルガ、大量のキラードロイドとLBXに同時に襲われても平気か?》

『面白いこと言いやがりますねぇ?ねぇ?殺って壊ろうじゃねえかそんくらい!』

《スルガ君、オーバードウェポンを借りたいんだけど?》

『いいぞ。ユウヤは西だな?コブラ、俺のとこにウォーリアーOWに大和を引っ付けて南と東にもお任せで派遣してパリ以上のオーバードウェポン祭りだ!』

 

 

まもなくコブラの手によってオーバードウェポンを装備したウォーリアーOWが六機解き放たれる

 

西にはヒュージブレード、ヒュージロケット

東にはヒュージキャノン、サイクルレールガン

南にはヒュージミサイル、ユナランチャー

 

各々が装備したオーバードウェポンはその武骨さの中に強烈な殺意を抱かせ出撃、これらが最高のパフォーマンスを十二分に発揮し思う存分被害をバラまけばこの辺一帯が敵味方のLBX諸とも火の海に飲まれることになるだろう

 

 

《スルガ、お届け物だぜ?》

『サンキュー。銀龍!』

 

銀龍がガトリングユニットを切り離した。

飛行するF/Aオーディーンからレールガンユニットが投下される。地面に突き刺さったそれに腕を接続した

銀龍はそれを引っこ抜き、二、三発試し撃ちし命中させたLBXは原型を残さず消し飛んだ。しかし球は貫通し更に後ろの巨木にめり込む

 

 

『素敵な威力だ。ジン!陣地の構築は?』

「そろそろ終わる。キラードロイドはスルガに任せる」

『心得た。行くぞ銀龍!』

 

 

一機と一匹は飛び立つ。直ぐにキラードロイドの集団を捕捉、数は40機だ。例えΣオービスやレックスでも無事では済まない数だ

 

二機の飛行音、その音に気づいたキラードロイド達はビームガンやら電気の球を打ち上げてくるが機龍は全て回避、銀龍の装甲にはLBX相手の兵装など問題にならなかった

 

そして二機の反撃、機龍が直線速度をひたすら上げて適当なミノタウロスの頭を殴り壊し、銀龍はヒドラを踏みつけ着地、そしてヒドラの真ん中の頭にレールガンの銃口を突きつけて射撃、ヘッドアーマーやコア諸とも貫き地面に着弾させた。そして、二匹はキラードロイド達を睨み付けて───吼える

 

 

キシャァァァァァ!!!

 

グギュァァァァァ!!!

 

 

 



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羽ばたけ戦士達

祝!!諸々含めて100話!!

ってことでリクエスト募集して俺が面白そうだと思ったのを書く!募集期間はガーダインがぶっ飛ばされる話が投稿されるまでだ。上限は設けん!

活動報告に場所作っとくんで、よろしく~


 

─マスドライバー施設 最終防衛ライン─────

 

威嚇から始まった戦闘、もとい39対2の殲滅戦

 

機龍は頭を破壊したミノタウロスが繰り出す右腕振り下ろしを握り止め、腕に銀龍の射撃が刺さった

弾は取り付けられたホイールを貫いて右コアに直撃し破砕、それに怯んだ隙に機龍は左腕のコアの裏にメーサーブレードを突き立てて放電、左コアをショートにより機能停止に追い込みまた1機破壊

 

その後スルガはキラードロイド達が作る弾幕を潜り抜けワイバーンの腹部に潜ると同時にスパイラルクロウでコアを守る装甲ごと貫き、ドリルでコアを掻き回す

 

銀龍も攻撃に去らされ続けるが対キラードロイドを念頭に設計された装甲は対LBX兵装には対して効果は無い

逆に銀龍のレールガンは当たれば当たったところは壊れる

 

 

《スルガ!直ぐに戻ってこい!》

『どうしたコブラ?今戻ったらこっちキラードロイド取り逃すぞ?』

《国防基地から宅配だ。お前の体を空輸してきたらしい》

『空輸!?分かった。ライディングソーサーにソルジャー乗っけて迎え飛ばしてくれ。ここは機龍にまかせる』

 

 

なんと驚くことにお咎め無しで解放されたのだ

というのも大統領が国防基地でのゴタゴタを知った途端激怒「我が国を、世界を救っている少年に何をしているのですか!彼は私の命を守ってくれた一人です。直ぐに解放して仲間と合流させなさい!」と、珍しく怒鳴ったようだ。スルガはそれを後から知ることになる。

 

 

スルガはキラードロイドのコアを壊しながら、迎えのソルジャーDに意識を移して、残りを機龍に任せてダックシャトルに戻る。上空を見ると緑の点が見える。あれがパラシュートだろう

 

 

《おまんら、打ち上げまで後7分デヨ。もう少しの辛抱じゃ》

《敵LBXの総数六割を下回った。以前戦力は小出しされている。このまま打ち上げられてもマスドライバーが持たないか》

 

 

 

 

 

 

─空中、輸送機─────

 

「よし、キリュウ。マスドライバー施設上空だ。世界を頼んだぜ!」

 

 

上空を飛ぶのはA国の固定翼輸送機、ソルジャーDの意識が入ったスルガの体は格納庫内部でパラシュートを付けて待機していた。そして国防基地での空戦を管制していたオーロットにサムズアップで送り出され機外へ踊り出す 

 

 

パラシュートを展開、速度を少しずつ落として、それでも出来るだけ早く降りる

 

 

最悪足一本くらい折っても奴は気にしないだろう。気にしないよな?

 

どんどんダックシャトルが大きくなり、マスドライバー上に着地、そのタイミングで何かが頭に入って来た

 

 

「済まんなソルジャー。体預かってもらって助かった」

構わない。もう戻らせて貰う

 

 

スルガの頭の中から意識が一つ抜け出して本来の機体へ戻る。そしてスルガはダックシャトルの中へ

 

 

「山野博士、発射まであとどんくらいだ?」

「スルガ君・・・後三分を切った。もうすぐLBXを撤退させる」

「了解。マスコマ、各所に配置したウォーリアーOWに下令、殲滅向けオーバードウェポンの発動タイミングを無人機以外の撤退後の大規模攻勢に開始に合わせ。ヒュージブレード、ヒュージキャノン、ヒュージミサイルはキラードロイド目標に今すぐぶっ放せ。コブラ、全体に通達を。オーバードウェポンの予測被害範囲から待避させろ。キラードロイドを消し飛ばす」

「おう。分かったぜ」

「無人機各機、もうすぐで俺達が宇宙に飛び立つ。そうなったら撤退。どちらにせよこのマスドライバーは増援を打ち上げるには復旧が間に合わん」

 

取り敢えずやることはない。今から出撃しても直ぐに撤退することになるから出てもそこまで戦局に影響はない

 

 

 

─各所のオーバードウェポン─────

西ではヒュージブレードが起動、右腕や武装各所から炎のようなエネルギーが吹き出し待機状態に、そしてアキレス・ディードとダークパンドラによって地上に留まるように誘導されたキラードロイド

そこでヒュージブレードが猛威を振るう。右腕のバーナーのような場所から青白いエネルギーが物凄い勢いで吐き出され、横凪一閃

超遠の刀身は敵LBXやその辺一帯の木々や草、大岩すらキラードロイド諸とも両断し上下に切り取られ大爆発を起こす

 

 

東はヒュージキャノンが金属を赤熱化させながらエネルギーを充填し発射待機

既にΣオービスに四機が撃破され残りの四機だ

そしてヒュージキャノンの予測弾道がバン、ヒロ、ランに転送、Σオービスがキラードロイドをそこに押し込み

ウォーリアーOWが引鉄を引いた。圧縮された大量のエネルギーが次々炸裂、徹甲弾を加速させ閃光と見紛う程の初速で打ち出された

徹甲弾はキラードロイド三機を全て貫通、ソニックブーム染みた衝撃波を発しながら更に奥へと飛び去った

 

 

南にはヒュージミサイルが装備されたウォーリアーOWが何時でも撃てるようにミサイル発射態勢を整えている

マスターコマンダーからの指示でドングリが弾頭に使われたミサイルが点火、発射用カタパルトに給電されバチバチと音を立て、発射された。

ミサイルはキラードロイドの群れ、その中心にいた機体に命中、爆風でキラードロイドは勿論爆心地近くでは木々の根ごと抉り出し吹き飛ばしそこそこの大きさのクレーターを作り出す

 

 

 

─ダックシャトル─────

 

「さぁー、キー坊はキラードロイドどれだけやっつけた?」

 

 

スルガがオリオン・Eを操作して北側の防衛線を見に行く

銀龍は損傷しているものの以前高い戦闘力を発揮していた。機龍もキラードロイドを翻弄し蹂躙する

既に8割以上のキラードロイドを破壊していて作ったスルガもこれには爆笑

 

「ヤバw・・・っと、上から戦場見てみよ」

 

オリオン・Eが通信に問題ない程度上昇しスルガは戦場を俯瞰、マスターコマンダーから、オーバードウェポン発動の命令が下される

 

北を除く場所のキラードロイドに鉄槌が撃ち込まれた。西では森の木々が大量に斬り倒され

東では閃光と衝撃波で一本道が作られ

南では巨大な爆炎が立ち上る

 

映像には捉えきれていないがキラードロイドは近くの敵LBXと共に破壊に呑み込まれたのは確実。やはり暴力 暴力は全てを解決する

 

「敵キラードロイド、全部消し飛ばしたぜ。撤退するなら今だ」

「全機撤退!回収後速やかに着席、その後我々は宇宙に飛び出すぞ」

 

LBXはライディングソーサーに乗せてカタパルト部にかっ詰める。取り敢えず入れとけば後から回収出来る

 

「やはりだ。このタイミングで全てのLBXが動き出した。来るぞ!」

「そのためのオーバードウェポンだ。敵の大群が近づいたら発動、タイミングは任せるぞ。オタクロス、マスターコマンダーとパソコンを切り離してくれ。マスコマ、地上の事は任せたぞ」

 

 

マスターコマンダーオタクロスのコンピューターと切り離され外に出た。

 

「私達もそろそろ座席に向かおう。機器のの固定はしっかりされてるな?」

「万全よ。データの保存も問題ないわ」

「こっちもOKデヨ。」

 

ズドゴーン!ズズズズズズズズズズズズゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!ドカーン!ズドーン!!!

 

次々外から聞こえる爆発音と破壊音

範囲殲滅特化オーバードウェポンの四基同時始動だ。外は間違い無く地獄絵図だろう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─外────

 

オーバードウェポンの四基同時火力投射に守られる形で増設、強化されたエンジンに点火されダックシャトルがマスドライバー上を滑り出し、電磁カタパルトの力も借り加速する

 

凄まじい重力を耐えながら坂に差し掛かる。そこまでの速度で既に第一宇宙速度を突破、角度は一気に上がりほぼ機体は垂直になる。そして、カタパルト上を滑るための台車を切り離してダックシャトルは、地球の引力に逆らう

やがて、大気圏を突破した

 

 

 

 



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成層圏を越えろ。胎動する翼達

今リクエスト募集してる
で俺が面白そうだと思ったのを書く!募集期間は変わらずガーダインがぶっ飛ばされる話が投稿されるまで。上限は無し!

活動報告に場所作ってあるんで、またまたよろしく~


─成層圏内─────

地球の重力を振り切り成層圏を飛行しているダックシャトル、軌道や重力諸々も安定し自由行動へ、取り敢えず発射口に詰め込んだLBXを回収

そしてバン、ヒロ、ランが山野博士に呼び出される

 

「早速で悪いが、三人のLBXを宇宙空間での戦闘に対応したLBXを用意する」

「確か、ジェラート中尉のプロト・iを改造するんだよね?」

「ああ。バンとヒロのはもう改造の用意は出来ている。がラン、君には2つの案が用意されていた」

「2つ?どんなのどんなの?」

「一つはワシが構想を纏めたミネルバ改とも言うべきものじゃ」

「もう一つは俺が設計したプロト・iの改良品、名前はまだ決めてない」

「細かいスペックの違いはここに纏めたデヨ。今はリソースの問題で2つは出来ん。」

「へーミネルバ改かバンやヒロと同じような機体か・・・」

「一応俺の利点としては高い汎用性と装甲と高次元多関節機構を利用した打撃力の強さだな。仮にオタクロスの方にするとΣオービスへの変形合体も出来なくなるんだよね」

「ワシはミネルバの大部分をそのままにブースターの増設や頑丈な武器腕への換装を予定しておるデヨ」

「ふむふむ・・・・・・・・・よし、決めた。スルガの奴お願い!」

 

 

頭を捻らせた後、スルガの改造案が選らばれた

 

 

「因みに選んだ理由は?」

「女の勘!」

「よろしい。結構だ!山野博士、ファクトリーはこっちで使っていいんですね?」

「ああ。こっちはこっちで用意している、それにNICS本部で準備も出来た」

「拓也さん、それでパラダイスに設置されているCIWSやら迎撃火器は?なんの策無く突っ込んだら蜂の巣にされますよ」

「心配要らんゾイ。ワシと遥たんで迎撃の回避プログラムを制作、メタモRにインストールして強行突破するデヨ」

「本来極秘のパラダイスの詳細なスペックを貰ったわ。これを元にして作る。ダックシャトルには一発たりとも掠めさせないわ」

「パラダイスに設置されている宇宙船の格納庫は頑丈な三重の壁に守られているらしい。それの突破策を練っているが・・・スルガ、アブソリュートゼロは連射出来るか?」

「最低30秒貰えれば。でライディングソーサーからも電源を取れば三発は行ける・・・が合計一分半、エネルギーが持っても攻撃に晒される機龍が持たん」

「そうか・・・それは追々考えよう。今は改造に専念する」

 

LBXカスタムビルドファクトリーと諸々をつなぎ合わせ、プロト・iの試作機と改造資材をセット

オタクロスが用意していた資材もつぎ込めることになったので予想以上の性能を発揮するかもしれない

 

シャルナックと意識を保ったままフルリンクシステムを始動してカスタムビルドファクトリーにアクセスし作業開始

と言ってもこの部屋の中に居ればシャルナックとのリンクは切れないので寝てようが飯食ってようが頭の中が動いてれば作業に支障はない

万が一なんかミスったらシャルナックがある程度補填してくれる

 

さて、後は機龍とソルジャーのメンテナンスだな

 

ファクトリーの横で機龍とソルジャーDのメンテナンスを開始しているとき、ヒノが来た

 

 

「スルガ君、いま大丈夫かい?」

「メンテナンスしながらで良いなら話聞くわ。どうしたヒノ?」

「スルガって、僕の事好き?」

「面倒臭えメンヘラ女みたいな事抜かすなよ面白くねえな。・・・ふむ、まだルナみたいに即答出来る訳じゃないが、お前の事は追々知ってくよ」

「そうか。あと、ロンゴミニアドの事なんだけど」

「あの槍か。上手く動作しなかったか?」

「いや、まだ使ってないんだけど、と言うか使えなかった」

「使えなかった?・・・あっ思い出した。作ったときパスワード設定したの忘れてた」

「パスワード?」

「うん。確か・・・聖槍抜錨だったはず。後概算だけど強化ダンボールすら貫ける性能出せるからダックシャトルの中じゃ間違えても使わないでね」

「いつもの事らしいけど恐ろしい物作るね」

「そうか?俺が作った中では優しい方だぞ。ってもオーバードウェポン辺りと比べてだけど」

「そう言えば、今なに作ってるんだい?危ないもの?」

「あれはランのミネルバの後継機だ。名前がまだ決まってないんだよねぇ」

「へえー?因みに山野博士が作ってる奴は?」

「バンとヒロのLBXだな。山野博士、イカロスって言ってたな」

「イカロスか・・・ならランちゃんの機体、ヴァルキュリアとかどう?」

「ヴァルキュリア、意味は戦乙女だっけ?」

「ちょっと違うけどどうかな?」

「よっし、それ採用。ささ、進捗も半分は進んだかなぁ?」

 

 

スルガが脳内で進捗を確認、特にトラブルも無く進行している

他の奴もLBXを回収してきてメンテナンスや試運転がてらバトルに興じているようだ

そしてもうすぐ成層圏を突破する。そのときであった

 

 

《ダックシャトル進路上に小型物体が多数浮かんでいるモ》

「小型物体?話題の宇宙ゴミか?・・・あれは!」

 

 

メタモRから放送が入りコブラが映像を解析すると、それはXF-05の大群だった。十中八九パラダイスからの差し金だろう

 

 

「スルガの飛行ユニットも増産してある。全員出れるな?」

「「「「「「ハイッ!」」」」」」

「今ダックシャトルが損傷を受ければ、作戦続行は不可能、それどころか地球に帰還できなくなるかもしれない。そうなればガーダインの思う壺だ」

「絶対にダックシャトルを守り通してみせますッ!」

「バン、オーディーンで出撃してくれ。機龍、ソルジャーDお前達も出撃だ。俺はプロト・iの改造を続ける」

「分かった」

 

 

各々が再びコントロールポットへ乗り込む。自律飛行能力を持たないLBXには外接飛行ユニットが装着され戦闘用意は完了、飛行ユニットは習うより慣れろ。実践訓練だ

 

各機、出撃

次なる防衛戦が幕を開けた

 

 

 



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ダックシャトル防衛戦 解放されし翼

ガーダインぶっ飛ばすまでのリクエスト受付中、詳しくは活動報告へ




─成層圏─────

 

一言で言おう。苦戦していた

 

元々取って付けてような飛行ユニットでは本格的に宇宙運用を考えて作られプログラムが組まれた機体の大群に劣勢を強いられている

既にスルガの手によって一度マルチプルパルスが発動され敵機は減ったがそれでも多い

 

 

「ジンさん!そっち行きました!」

「了解した。ヒロ!後ろだ!」

 

 

ペルセウスが三機の集団に飛び込み二機を斬り倒す。残った一機はトリトーンの方に逃走する

それを追尾して撃破しようとしたが、その間後ろと上、下方から弾丸が撃ち込まれる

逆にブースターを細かく調整しながら真後ろの敵機に突入、XF-05Uをスルガから拝借した魔改造コマンドハンドガンで撃ち抜く

 

 

「やりました!一機撃破です!」

 

 

ジンも癖の強い飛行ユニットを上手く裁きシーホースアンカーですれ違いざまに敵機を殴打し撃破

慣性が強い宇宙では飛行ユニットの挙動がかなり変わる

推進軸を少しずらして曲がる。逆噴射して減速、停止等々癖が強いのだ

 

「ハァァァァァッ!!」

 

途中二機同時に引っ掻けてそのまま引き投げ別の敵機にぶつけバズーカを撃ち込み撃破

そしてしたから襲撃してきた機体にもバズーカで撃破する

 

 

「ラン君!背中の下に居るよ!」

「オッケー!」

 

 

ミネルバクロー銃持ちの敵が大半の状況では使いづらく両手機関銃で、それと背あわせでリュウビが短機関銃で応戦している

敵の集団の中を飛び回りながら敵機を撃ち倒すが避け切れない程の弾幕に少しずつ被弾してしまう

 

「ユウヤ、そっち大丈夫?」

「なんとかなってるよ。けど長くは持たなさそうだ!」

 

近づいてきた敵機を武の剣でパワースラッシュで一閃し撃破、ミネルバもレーザーカッターで数機を切断して破壊する

 

 

「オルァ!死にてえ奴から掛かってこい!」

「ふん。こんなものか?」

 

 

ハカイオー怒愚魔は全力を出せずにいた。超・我王砲は下手に撃てば作用と反作用の法則で自分が吹っ飛んで行くため撃つことが出来ないでいたのだ。それでも襲ってきた敵機の弾幕を強引に突破、返り討ちにしている

その裏でナイトメアフィアーは身軽に敵機に接近、目立っているハカイオー怒愚魔を隠れ蓑に次々撃破を重ねる

 

 

「アスカ、そっち行ったわよ、ジェシカ、フォローお願い」

「オーケー。ファイア!」

「おりゃぁぁぁ!」

 

 

ダークパンドラとアミは敵の攻撃を避けてホープエッジで弱点一閃

流石の世界チャンピオンだ。早々飛行ユニットの癖を掴みヴァンパイアキャットが縦横無尽に駆け回り触れれば鬼をも殺すトリプルヘッドスピアーで次々撃破する 

ジェシカのジャンヌDもヴァンパイアキャットに着いていきスナップピストルで援護生き残りや死角から襲おうとする敵機を撃破する

 

 

「流石だわ、アスカ」

「ナイスフォローだぜ。ジェシカ。アミもサンキューな」

「フォローは任せなさい!」

 

 

蒼拳乱撃、デビルソウル、サイドワインダー8の同時発動で敵機を凪払う

 

しかしまだパラダイスの方から飛んでくる敵のLBX

 

機龍は反応はあるがどこで戦っているのか全く分からない

オーディーン、A・アーサー、アキレス・ディードは無重力下独特の挙動を克服し優位に立ち回るものの多勢に無勢だ

 

 

オーディーンはその機動力を最大限発揮、マルチギミックサックのリタイエイターを次々変形させ敵機を撃破していた

 

 

「とォッ、ハァ!」

 

 

自機から逃れるため集まった敵機をグングニルで蹂躙する

 

 

A・アーサーはアキレス・ディードと連携して外接ユニットで戦う機を援護、敵を斬り伏せ撃ち抜く

 

 

 

「山野博士!こっちは後二割くらいだ。そっちの進捗は?」

「片方は完成した。後はもう片方と、最低限三機合わせたリンクの試験だ」

「了解レックス、もうちょい作業巻いていくよ」

 

 

レックスの力も借りて既に大きな形は完成していた。後は細かな場所の改造が残る

 

 

『スルガ!まだ!?』

「後もうちょい堪えてくれ。三機とももう少しで送り出すからよ」

 

 

「博士、リンク試験は組み立てながら出来きますか?」

「可能だ。が人手が足りない」

「じゃあレックスは試験に専念して。フルリンクシステム起動」

 

 

ファクトリーのアーム類が激しく動来はじめる。

 

 

「ハァ!セイッ!」

「そこだ!」

 

 

エクスカリバーを振るい敵機を斬り伏せるA・アーサーとダークシューターでそれを援護するアキレス・ディード

しかし囲まれ全方位から銃撃されている。二機は何とか回避しつつ敵を削るがそろそろ限界が近かった

 

 

そして、この宇宙に三機の翼が解き放たれる

 

 

 

 

───────

 

 

 

ダックシャトルの内部ではヴァルキュリアを完成させフルリンクシステムを解除したスルガの第一声が響く

 

 

「よし!こっちは完了した。博士は?」

「チェック終わった!博士、問題無しです」

「こちらも終了した。よし。出すぞ」

「バン、ヒロ、ランたん。おまんたちの新しい翼が完成したデヨ。オーディーンとペルセウス、ミネルバを下げて再出撃じゃ」

「俺も行く。シャルナック、用意は良いか?」

 

 

そう言いスルガは頷くシャルナックを回収、四機を持ってコントロールポットルームへ、カタパルトに四機を乗せて自分もポットに乗り込む

 

 

「よし。三人とも、カタパルトに乗せた。バンの奴がイカロス・ゼロ、ヒロの機体がイカロス・フォース、そしてランのはヴァルキュリア、俺の作品だ。よろしく頼むぜ?ラン」

「おっけー、任せといて!頼んだよヴァルキュリア」

「よろしくな。イカロス・ゼロ」

「行きますよ!イカロス・フォース!」

 

 

スルガのポットに宇宙が写される。カタパルトから射出されたシャルナックの視点だ

 

 

 

───────

 

 

 

 

新たなLBXが飛び立つ。その小さな翼を広げ羽ばたき進路上の敵機を全て撃破しながら飛び回った

 

 

イカロス・ゼロは複雑な機動を描き敵機の弾を回避しながら正面に捉えた敵機をゼロランスでコアボックス等のLBXの弱点を一撃で仕留めていく

 

イカロス・フォースは二振りのフォース・セイバーを振るい弾を刀身で弾き飛ばしながらすれ違いざまに一刀の元に両断し次々斬り伏せる

 

ヴァルキュリアはヴァルナックルは自由自在に飛び回りながらミネルバを越える出力を発揮して次々殴り飛ばし、蹴り倒しながら突き進む

 

 

 

「これが新しい翼・・・凄いです!」

「うおーっ!テイヤッ!流石スルガのLBXだ」

《それだけではない。それぞれの機体が高次元多関節機構を利用した大型ウェポンに変形、絶大な力を持つ必殺ファンクションを発動できる。バン!ウェポンフォームだ。》 

「分かった。イカロス・ゼロ!ウェポンフォーム!」

 

 

バンの操作でイカロス・ゼロが変形、背中と腰の後ろの刀身が定位置にセットされ、腰で二分割、巨大の双剣がイカロス・フォースの手に渡る

 

 

『ラン、お前もウェポンフォームだ!』

「分かった!ヴァルキュリア、ウェポンフォーム!」

 

 

ランの操作でヴァルキュリアが変形、イカロス・フォースと同じような変形、巨大な連装ビーム砲となる

 

 

「バンさん、行きますよ!必殺ファンクション!」

『ラン、行くぜ?必殺ファンクション!』

 

アタックファンクション

00ソード

 

アタックファンクション

ヴァルショットキャノン

 

 

 

イカロス・フォースが双剣になったイカロス・ゼロで全ての方向の空間を斬りつけ幾多のエネルギーの刃を作る

 

シャルナックが大型銃のヴァルキュリアを構えると肩の翼から引き金と照準が展開、二機が赤き光を発する。エネルギーの充填に入った

 

 

最後の二振りが終わった時、空間をゆっくりと動いていた全てのエネルギーの刃が超加速、残心しているイカロス・フォースを中心に大量のXF-05を切断 

付近の敵を全て撃破した

 

 

『チャージ完了。モード散弾確認、撃て!』

 

 

エネルギーの充填が完了したヴァルキュリアの引鉄を引く。二つの砲口から赤い光を纏ったビームが螺旋状に絡まり打ち出されるのと同時に強烈な反動を殺すためヴァルキュリアに取り付けられた全てのブースターが一瞬限界を越えた推進力を発揮

やがて螺旋構造は途中で合わさり宇宙戦艦アンドロメダの拡散波動砲の用に拡散し大量の敵を葬り去った

 

 

 



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楽園への強襲

投稿空いてすいませんでした。金イクラ集めたりインクで敵ぶっとばしたりしてて忘れてました。


═ダックシャトル ミーティングルーム═════

 

「ラン、改めて紹介しよう。こいつはヴァルキュリア。命名はヒノだ。重力下での速度だけはちょい劣るけど大体の基本スペックはミネルバを上回る。イカロス・ゼロ、フォースと同じで高次元多関節機構を利用した大型銃への変形が出来る。概要は以上」

「へぇー・・・凄く格好いい!」

 

ゼロ、フォース、ヴァルキュリア、元がプロト・iの改造機で構造や外観に多きな相違はない。

一番分かりやすいのは一本角で紺はゼロ、二本角で空色はフォース、三本角でマゼンタはヴァルキュリアと角の本数や色だろう

ヴァルキュリアのみ高速仕様の足の構造が二機と違いバルスパロスのように早く走れるようになりランの戦闘スタイルに合わせるため腕や足の装甲がかなり強化されている

後二機と違うのはブースターの数だ。あの大砲のバカ反動を相殺するため更に追加の強力ブースターを腰に装備している

 

 

「そっちはイカロスゼロとフォースだな。武器に変形とは考えることは一緒でしたね。博士」

「博士、イカロス・フォースはどう変形するんですか?」

「大剣だ。この三機にもユニオンシステムを組み込み同じシステムを持っていたシンクロ出来る設計になっている」

「へぇ~、だからシャルナックでアレ撃てたんだ」

「よろしくな。イカロス・ゼロ」

「これから宜しくお願いします。イカロス・フォース」

「ならば早速訓練デヨ!イカロスとヴァルキュリアの強い癖に早く慣れるベシ!」

 

 

練習相手として機龍、A・アーサー、アキレス・ディードが選ばれた。宇宙でも問題無い所か遠慮なく暴れまわった連中だ

 

オタクロスが月面のDキューブを展開、バトルフィールドが作られる

 

「行くよ。機龍」

「約束された勝利を、A・アーサー!」

「出撃だ!アキレス・ディード!」

「行くぞ!イカロス・ゼロ」

「イカロス・フォース!行きまァァァす!」

「始めるよ!ヴァルキュリア!」

 

 

六機が空中で相対する

 

 

フィールド 月面

ストリートレギュレーション

バトルスタート

 

 

機龍とアキレス・ディードの銃撃で三機散開、ヒノが広さに、スルガがバンに突っ掛かる。カズのダークシューターがそれらを援護

フリーのランは機龍に突撃した

 

 

今の俺達がオーバーセンスとオーバーロード無しでどこまで行けるか、少し試してみるとするか。機龍!

 

バンが機龍の接近を悟るとシューターSR-33での二、三発牽制射撃。しかし難なく回避、そしてゼロランスとゼロシールドを構え機龍に接近

機龍はメーザーブレードで突き掛かる。しかし横からランの突撃

カズがダークシューターで迎撃、機龍はそのままゼロに突進

ただランは誘導弾を全て回避、ダークシューターの射撃を強化された腕部装甲で弾き飛ばす

 

 

「カズ、陽動するから援護よろしく」

「任せとけ!」

「ッ!?」

 

 

スルガが機龍の口を少し開き中を光らせた。至近距離からのメーサーを警戒したバンが距離を取る

すかさず横からダークシューターの射撃、ギリギリでゼロシールドで受けるが一発貰う。カズはそのまま足下に移動

 

 

「うぅぉぉぉりゃぁぁぁ!」

「甘いッ!」

 

 

その瞬間自らの間合いに飛び込むラン、機龍は尻尾で一打目の蹴りを受け止め片手のレールガンで応戦、誘導弾の直接照準で狙う

 

 

「クッ!」

「そらそら!」

 

 

機龍の誘導弾は空気抵抗を利用して進路を変える都合上宇宙空間では誘導機能が満足に機能しないのだ。なので直接狙う必要がある

 

 

「それくらい何でもないよ!」

「そうかいそうかい。これならどうだ?」

 

 

スルガが機龍の体を捻り尻尾で受け止めた拳を反らす

ランは少し下がりヴァルキュリアの姿勢を制御、次は拳を突き出すが握り止める。そして月面を正面に口部連装メーサーを照射

 

 

「月に墜ちろ。戦乙女!」

「うおっと、危ない危ない。けどヤバイ」

「悪いスルガ、取り逃した!」

 

 

 

ランが以前、バン等に聞いていた相手を捕まえてのゼロ距離メーサー照射、スルガの確殺技だ

捕まったら一貫の終わり。今のところ耐えられるLBXは無い

ランがヴァルキュリアの強力なブースターの出力に任せ機龍を巻き込み暴れ直撃を避けて、無理やり離れる。そしてカズを振り切ったバンが後方からゼロランスを振りかざした

スルガの指示を待たず機龍が反射的に推力偏向ノズルを操り下へ、そのまま尻尾でゼロを打ち飛ばそうとする

 

 

「うおっと、助かったぞ機龍」

「くっ、やっぱりスルガと機龍は強いね」

「うっそ、今の避けるの?」

 

 

手元を見ていたアスカが不思議がる

 

 

「あれ?今のスルガの手、動いてたか?」

「人が咄嗟に目を瞑るのと同じ、機龍自身の反射反応だ。回避プログラム程度では成し得ず、他の人では使えるはずの無い動き、スルガと機龍の絆の成す技だ」

「そんな事まで出来るんだ。僕たちにも習得出来るのかな?」

 

 

アスカとユウヤ、ジェシカが興味を持っている。でも習得しようと思って習得出来るものではない。ほぼ偶然の産物だ

 

 

「LBXと共に戦ってきたスルガ君だからこそ習得出来たんだろう」

 

 

フォースとA・アーサーは縦横無尽に飛び回りながら斬り合う

戦いの主導権はヒロとフォースが握る。軽量のフォースブレード二振りに身を任せ渓流のような鮮やかと激流のごとき力強さを持った剣撃を次々繰り出す

 

 

「流石ヒノさんです。ヨーロッパチャンピオンは強いですね」

「ありがとう。だが僕はもっと強くなる。スルガの隣に立つためにもね!」

 

 

ヒノが横凪一閃、しかしヒロは上方へ、凄い速度で飛び回りながら斬り結ぶ

 

「ここだっ!」

 

 

アタックファンクション

月華刃

 

 

金色の刃がイカロス・フォースを襲う。咄嗟にフォースブレードで受け止めたが剣自体の重量差で防御を突破、もろに攻撃を受けてしまった

だがすぐに態勢を立て直しフォースブレードを振り下ろす。しかし流れはA・アーサーの方に。そして不運にも機龍がばらまいていた誘導弾が背中に直撃してしまい大きな隙を作る。すかさず追撃、エクスカリバーに光を纏わせイカロス・フォース撃破

 

 

「うわっ!」

「狙い通りだ。」

 

 

一方スルガはイカロス・ゼロに突撃し肩を握りそのまま加速し続け月面に突っ込みクレーターを増やす

ヴァルキュリアも突撃してきたがカズのブラックストームで砂が焼き上げられ視界を奪う。そして機龍のサーモグラフィがヴァルキュリアを捕捉、口部連装メーサー、三連装ハイパーメーサーの同時照射で撃破、カズが動きかけていたイカロス・ゼロに銃撃し止めを指す

 

 

「いよっし。勝った勝った」

 

 

結果はスルガ達の勝利、全体的に運が良かったのと、バン達がまだイカロスに慣れきれていないのが勝因だろう

スルガを除き子供達がバトルの評価をする中、大人達の会話にスルガは入る

 

 

「卓也氏、メタモRへのアップデートプログラムが完成したデヨ。遥たんと真美たんとの自信作じゃ」

「ま、真美たん?」

「オタクロスのあだ名だ。気にする

「いつでもカチコミは掛けられる、と言うことだな」

 

 

オタクロスがミネルバの改造を行わなかった事、真美が補助に回ったことで早期に開発が終了した回避プログラム、後は作戦待ちだ

 

 

「もうパラダイスに行くのか?」

 

 

話からはなれてきたアスカが言い出す。やる気は十分のようだ

 

 

「だが問題点がいくつかある。そのうちはパラダイスにどう侵入するかだ。下手に穴を空ければパラダイスがどうなるか分からない」

「そこでだ。パラダイスの格納庫、そこにダックシャトルを滑り込ませる。しかし開閉部と言うことで壁の強度が他と段違い。それが三枚あるのが問題なんだ」

 

 

コブラが良い感じに纏めてくれた

 

 

「父さん、イカロス・ゼロとイカロス・フォースの必殺ファンクションで何とか出来ないかな?」

「恐らく、可能だ。だが一番固い外壁に対してはダックシャトルを入れるほどの穴を穿てない」

 

 

少しスルガが考え込む。そして答えを出した

 

 

「三枚ねぇ・・・よし、何とかなる。アブソリュート・ゼロを撃ち込んで崩壊させた外壁にヒノ、お前のロンゴミニアド、全力の一撃で貫け。うまく行けば二枚目も大破させられる」

「なるほど、心得た」

 

 

アブソリュート・ゼロで分子構造を崩壊させたところへ強化ダンボールを容易

「なら次は私だね。ヴァルキュリアとの大砲で二枚目を壊す!」

「それならわざわざ変形させなくても良いかも。オタクロスの改造案を一部実装してある。その中に凄いのがあった。そいつを使え」

「オッケー。分かった!」

 

 

ロンゴミニアドで傷を刻んだ壁に炎崩し・極での追い討ち、壊れない謂れはない

 

 

「バン、ヒロ、二人で最後の壁を撃ち破れ。イカロス・フォースのウェポンフォームを使えば十分可能だ」

「分かりました。山野博士、バンさん、よろしくお願いします」

「やってみるよ父さん。ヒロも頼んだぞ」

「ハイ!」

 

 

トリを飾るは二つの翼、流星を破壊する衝撃で最後の壁を撃ち壊す

この三段階でダックシャトルが通れる穴が作れないかつアドリブが失敗したらゲームセットだ

 

 

「メタモR、パラダイスまでは後どのくらい?」

『おおよそ二十分程だモ』

「後は俺たちで詳細を詰める」

「「「「了解!」」」」  

 

 

 

 

 

 

全員解散、各々最後のメンテナンス、スルガや山野博士の手で調整作業が行われる

その間イカロス・ゼロ、イカロス・フォース、ヴァルキュリア、A・アーサー、そして機龍はシュミレーションで訓練を開始する

 

残り時間は僅かだ

 



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戦慄のドアノッカー共

見よ。火力に任せたゴリ押しを


═パラダイス周辺════

スルガはコントロール・ポットに乗り込んでいる。それぞれの機体の背中にはLBXより長い四本のブースターとそれよりは小ぶりの八本の補助ブースター、早い話がVOBが取り付けられていた

機龍には追加のバッテリーが外接されている

 

 

 

─少し前─────

パラダイスの建造データを元に構築したシュミレーションで訓練をしている。結果的には扉の破壊に成功しているものの格納庫前まで到達するまでに二機戦闘不能という結果が大半であった

 

 

「こりゃちょっとヤバイなぁ」

「そうですね・・・これでもリタイアしてないスルガさん何者なんですか本当に」

 

 

大体オーバーセンスのお陰である

 

 

「サターンの時よりキツい・・・でも突破できないと壁が破壊出来なくなる」

「スルガのアブゼロで何とかなってるけど、それじゃあダックシャトルが帰還できなくなるかもなんだよねぇ・・・どうしたものか」

 

 

ランとバンが頭を捻っている

 

 

「・・・弾幕の回避に時間を掛けすぎてもいけない。もろにどうするべきか」

 

ダックシャトルはLBXより的が遥かに大きい。いくら回避プログラムがあるとはいえ弾幕に晒される時間は最低限にするべきだ

 

 

「あ、アレ使えるかも」

「アレ?・・・またろくでも無いものかい?」

「《VOB》ヴァンガードオーバーブースト、少し前開発した直線速度特化の特殊強襲用装備だ。パリの一件で直接敵の弱点を強襲出来れば・・・と思ってな。設計最高速度はトルークビルトも越える。無重力下で起動するとそれ以上の速度になるだろう」

「トルークビルトを越える速度・・・つまり音より」

「早いな。地球上での最高速度は大体マッハ2、ただしここは宇宙、空気抵抗が無いから速度はその比じゃないぞ」

「つまり・・・迎撃を速度で圧倒するってことだね?」

「ま、そんなところだな。」

 

まあ、その代わり少しでも切り離しと逆噴射のタイミングをミスれば即スペースデブリの仲間入り、と言葉を残した

 

その後、訓練では被弾こそ無いが壁に激突、調整ミスで宇宙のゴミになりまくった

 

 

そしてなんやかんや今に戻る

 

 

─今に戻る────

 

 

「スルガさん、コレ本当に大丈夫なんですか?」

「大丈夫大丈夫。切り離すタイミングさえ間違えなければ真っ直ぐ飛ぶだけだから」

 

 

作戦はLBXと補助ブースターで少しずつ進路を調整しながら圧倒的な速度をもってパラダイスの格納庫に向けて突撃するという超単純明快でゴリ押しの極みのようなもの

ブレーキに関しては止まれないのならそのままぶつかれば良いというトチ狂った発案を採用しギリギリで切り離さず移動、全てにおいてなるべく速度を落とさず格納庫の扉に着地することで突撃を成功させるという賭けに出た 

 

ダックシャトルは弾幕に晒される時間を最小限にするため俺達の格納庫扉破壊直前にパラダイスの対空火器の射程内に突入、そのまま弾幕を突破して格納庫に滑り込む算段だ

 

 

『皆、準備はいいか?』

「「「ハイッ!」」」

『よし。パラダイス制圧作戦を開始する!』

 

 

イカロス・ゼロ、イカロス・フォース、ヴァルキュリア、機龍、A・アーサーがカタパルトに下ろされる。レールに給電され加速準備が開始、ダックシャトル本体もエンジンの出力を上げる。そして射出へのカウントダウンが始まった

 

 

『コブラ、射出は任せた』

『了解だ。カウント5秒前4...3...』

 

 

カタパルトが発光し進路を照らす

 

 

『2...1...発ッ進!』

 

 

カタパルトが起動、そしてダックシャトルの外に出た瞬間、VOB全てのブースターが点火、今までとは比べ物にもならないパワーでLBXに与えながら更に速度を上げる

 

 

「えっ、嘘ッシュミレーションより早い!」

「コブラァ!今何キロォ!」

《とっくに音速は越えた!で、マッハ60、まだまだ加速中!》

「空気抵抗無いしもっと出せるな。他のは大丈夫か?まだまだ加速するぜ?」

「ハイッ!使いこなして見せます!」

「凄い・・・もうパラダイスがここまで」

 

 

出撃の時は豆粒のような大きさだったパラダイスが今ならハッキリ捉えられるどころかどんどん大きくなっている。それにコントロールポットに附属された速度計は数字と桁の上がり方が激しすぎてもはや数字が読めず機能していない。そして気付けばパラダイスは目の前だ

 

 

《マッハ200突破!》

 

「ようし、これがこいつのパワーか・・・もっと速度が出そうなのが名残惜しいが・・・エンジン停止用意、パージ用意」

 

 

既にパラダイスの至近距離に近付いている。こちらの接近を感知した迎撃火器が起動、パラダイスの周回を考えるとその10倍以上は出ている

その段階でパラダイスの内部に入り込む直前に五機のVOBが最期のブーストをかける

計器が対応しきれず計測不能だがこの瞬間世界で、宇宙で一番の速度を出したLBX達だろう

迎撃の弾やミサイルが飛んでくるが全て目論見通りパラダイスの迎撃は速度で振りきれている

本当に掠りもしない

 

 

「突っ込むぞ!」

 

 

バンの号令でブースターをパラダイス側に逆噴射、速度を殺す

そこで役目を終えたVOBは自壊した

どんどん近付いてくる壁に激突する恐怖にハラハラしながら、扉の上に着地に成功する。しかし一息とてつく暇はない

 

 

「よし、ヒノ行くぞ!」

「ああ!最初の一撃、頼んだ!」

「オッケー!私もいつでも行ける!」

「バンさん!僕たちも」

「行くよ。ヒロ!」

 

 

即刻扉の上から飛び立ち定位置についた

 

 

「胸部装甲展開、リミッター解除。エネルギー充填開始」

「聖槍・・・抜錨!」

 

 

機龍の胸部装甲が開き、エネルギーの充填が開始される。同時に細かくブースターを使い発射方向を調整

それと同時にA・アーサーが上げた右腕で聖槍ロンゴドミニアドが浮遊、槍の織り込みにエネルギーが収束していく

 

勿論パラダイスからの迎撃も止まらない。大半がダックシャトルに向けられる中、誘導弾が襲来するがまだ出番が先のゼロ、フォース、ヴァルキュリアが遊撃している

 

 

「照準よし、発射!」

 

 

アタックファンクション

アブソリュート・ゼロ

 

 

機龍から放たれた空色の光球を扉ど真ん中に直撃させた。表面に氷を浮かばせながら扉全体が凍結する

 

 

「ヒノ!」

「ロンゴォ・・・!」

 

槍の織り込みに収束したエネルギーが膨張、強大なエネルギーが巨大な光の槍を造り出した。そして右腕を少し引くとそれに合わせて槍も後退

 

 

「ミニアドォッ!!」

 

 

アタックファンクション

ロンゴミニアド 

 

 

A・アーサーの右腕を扉に向けて振り下ろし巨大なエネルギーを投擲した。アブソリュート・ゼロで凍り付いていた扉に対しては明かに過大な威力

突き立った槍は一枚目を破砕、二枚目の扉に突き刺さり大爆発を起こす

 

 

「よっし!次はあたしだね?行くよヴァルキュリア!」

 

 

扉を破砕する間にヴァルキュリアが位置についていた。攻撃を終えた機龍とA・アーサーはヴァルキュリアと入れ替りで迎撃に出る

 

 

アタックファンクション

炎崩し・極

 

 

そして、ヴァルキュリアの目の前に巨大な業火球が出現する。扉とは反対方向に飛び上がり火球に向け突撃、両腕を引き衝突寸前で両拳を火球に打ち込んだ

 

その衝撃波は火球全体を揺さぶり、一気に加速して業火球は扉に近付くとロンゴミニアドの煙を掻き消した

 

煙が晴れた一瞬をスルガは見たが、扉は二枚目が大破しており槍の先端が直撃したであろう場所らへんは三枚目の扉が露出していた

 

そこに炎崩し・極が襲来、火球は傷付いた二枚目の扉を熱と爆発で消し飛ばし三枚目の扉全体に亀裂が入る程の大きなダメージを与える

 

 

「バン!ヒロ!後頼んだ!」

「ヒロ、準備は良いな?」

「ハイ!何時でも行けます。リミッター解除。イカロス・フォース、ウェポンフォーム!」

 

 

突っ込むための加速分距離を取った二機、そしてイカロス・フォースがその姿を大剣へ変えた

イカロス・ゼロがその剣を握り、構えて二機のブースターでフル加速しながら刃にエネルギーを集中させる

 

 

アタックファンクション

メテオブレイカー

 

 

流星をもブレイクする一撃が振りかざされる

アブソリュート・ゼロで凍り付きロンゴミニアドが突き刺さり、炎崩し・極が直撃し満身創痍の扉に突撃、文通り粉砕した

 

 

ここはもう二度と格納庫としては使えないだろう

破壊した先で二機は格納庫内に着地残り三機も迎撃から逃れるため格納庫内へ。脳汁ドバドバで気付かなかったがダックシャトルはかなり揺れていた。外(LBX)から見れば旋回やバレルロールを繰り返し着実に格納庫に突っ込んでくるダックシャトル

 

それを眺めながら迎撃火器の掃除を開始、誘導弾やメーサーの直撃でいくつかは動きが止まる

 

そして、ダックシャトルが穿たれた格納庫に飛び込んで行くのを見て、体をコントロールポットの座席に押し付けた。その刹那更に前後上下左右に強烈な衝撃がポットを襲う

 

 

「・・・成功ですか?」

「みたいだな」

 

格納庫で機首を床に擦り付けながら停止。

 

 

『飛行システムに大きな障害無し。着陸に成功したモ』

 

何はともあれダックシャトルは無事で着地成功。この先に世界の命運と、ルナが待っている

必ず助け出す。その決意を胸にスルガはコントロールポットを出た

 



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カチコミ

時間かけた割に短め。許して


═ダックシャトル═════

パラダイスに乗り込む最終準備をしている最中の話

 

「おいスルガ、お前そういや宇宙服着ねえのか?」

「・・・あ」 

 

ハンゾウさんの言葉で俺は大前提に気が付く。探したがダックシャトルには俺が着られるサイズの予備の宇宙服は無いことに

あ~・・・俺の体あそこ空挺降下して突発的参戦したから宇宙服用意まで気が回って無かったんだな

 

 

「やべぇ・・・フルリンクシステムで付いてくしか無いか?」

「なら俺のをやるよ。どのみち誰かダックシャトルに残って俺達の帰る船を守らなきゃいけねえしな。お前はルナを救ってこい」

 

 

確かにそうだ。ダックシャトルが破壊されない保証は一つも無い。用心に越したことは無いだろう。ハンゾウさんが守りに立候補してくれた

 

 

「それなら俺も残ってやるよ。お前一人じゃ無事に帰れるか分かったもんじゃ無いからな」

 

 

いつも通りハンゾウさんを貶しつつ仙道ニキも守りに手を上げてくれる

 

 

「決まりだな。パラダイスにこれから乗り込む作戦は、まず外の通路に出て中央に向かう。中央部がアダムとイブの本体が存在する指令室があるエリアだ。中央に入ったら五班に別れてロックや障害を解除しながら最後、指令室で集合だ」

「ダックシャトルにはワシと郷田、仙道が残るデヨ」

「俺も妹と残らせて貰って良いか?」

「檜山もか?構わないがどうしてだ?」

「私がまだ信用されきって無いから?」

「それもあるが、かつての俺のような感覚がして心配なんだ。ただそれだけだ」

「まあ、レックスが言うなら・・・真美さんはそれで良い?俺殴るけど、直接ガーダイン殴らなくていい?」

 

 

スルガはいつも通りの異常運転、流れるような暴力宣言だ

 

 

「殴る事なら地球に帰るまででいくらでも出来るわ。なら私もオタクロスと管制に集中させて貰う。」

 

 

真美さんはキラードロイドの設計者なだけあってハッキング等も得意技だ。上には上(オタクロス、大空遥)が居るが

 

 

「決まりだな。残り全員で今からパラダイスに突入、目標はガーダイン達の逮捕とアダムとイブの完全シャットダウンによるパラダイスの無力化だ。質問は?・・・なさそうだな。これより、パラダイスに突入する!」

「「「「「了解!」」」」」

 

 

 

 

 

═パラダイス外周部 格納庫エリア════

 

ダックシャトルから降りたスルガ、格納庫から廊下に通じる気密扉横くらいに雑に作ったワイヤーガンを撃ち込み即興の手すりを作りだす

 

卓也さんのハンドサインでワイヤー伝いに気密扉へ。コブラがさくっとハッキングして解錠、扉の先にはまた別の気密扉、風除室のような構造になっていた。全員が入ったのを確認して格納庫側の扉を締める。そうすると自動的にその部屋が空気で満たされた。念のために風除室を出てから宇宙服のヘルメットを脱ぐ

 

 

「ふう、」

「行くか・・・待ってろルナ」

 

 

そのまま廊下を歩き、特に何もなくパラダイスの中心への通路に到着した。しかしスルガの頭に一枚の写真が焼き付く

 

 

「ウッ!」

 

 

その写真は今の場所、しかし自分の首をシャルナック・ムーンがカッ斬ろうとしている写真だった

瞬間的に機龍経由でフルリンクしてオーバーセンスを発動して赤い筋を探す

 

 

「どうしたの?スルガ」

「殺気を感じる」

 

 

赤い筋が浮かんだ途端にシャルナックを動かし肩の上でムーンの朔を天叢雲で防いだ。そして、通路の先からは・・・風摩キリト、そしてスレイブプレイヤーのしていたような黒色の首輪を嵌めてハイライトが無いルナだった

 

 

「おい、風摩キリト、どういう事か説明しろ。俺は今冷静さと理性を失おうとしている」

「スレイブプレイヤーと同じさ・・・唯一違うことは首輪の中に小型爆弾が仕込まれてるらしいぜ?」

「ふむ。それはガーダインの指示か?」

「ああ」

「殺す」(即答)

「スルガ、ステイ!」

「あともうひとつだけガーダインからの伝言だ。今その紫のLBXを壊せば、こいつは永久的に植物人間だとさ」

「・・・ムーンのフルリンクシステムに細工をしたか」

 

 

あの野郎、拳だけで済ませてやろうと思っていたが無限地獄に叩き込んでやる

 

 

「それにここから退いてくれる訳でも無いよな?」

「ああ。話が早くて助かる。俺とバトルしろ!買ったら通してやるぜ?」

「受けて立つ!」

「バン、ちょっと任せた。ソルジャー、体任せた。機龍、ちょっと皆に協力してやってくれ。行くぞシャルナック。フルリンクシステム、起動」

 

 

スルガの意識がシャルナックに移る

 

 

行くぞルナ・・・今度は俺の番だ、futurehope号でルナがしてくれた事、同じことを・・・そのあと機龍の威力を絞ったアブソリュート・ゼロで《首輪だけ》を無力化出来れば起爆もしない

しかしどの程度ルナがどの程度の深度でシンクロしてるのか、それも分からない

兎に角やるしかないか

 

風摩キリトがDエッグを投げる。緑の膜が広がり通路を塞ぐ。その中に入るのはバン、ヒロ、ラン、スルガ、ヒノだ

 

『ヒノ、ムーンを破壊しないように足止め、出来るか?』

「やってやれないことはないってね?約束された勝利を、A・アーサー!」

『結構だ。行くよ、シャルナック』

 

「キリトさん。聞かせてください。貴方は自分の彼女を作ってどうするつもり何ですか?」

「・・・勝ったら聞かせてやるよ!デクーOZ!」

 

他にもジョーカーKCとハカイオーKC、シャルナック・ムーンがフィールドに降り立つ

続けイカロス・ゼロ、フォース、ヴァルキュリア、シャルナック、A・アーサーが飛び込んだ。機龍はソルジャーが操るスルガの体を隠れ蓑に何時でもアブソリュート・ゼロを撃つ準備を整える

 

 

 

 

map 王宮城内 アンリミテッドレギュレーション

バトルスタート

 

 

先んじて二機のシャルナックが動いた。

 

 

アタックファンクション

インビジブルブレイド

 

 

二機は即透明化、スルガは地場爆弾を起爆してレーダーを狂わせる。次に動くのはキリトの三機

 

スルガは姿の見えないムーンを警戒しながら天叢雲でデクーOZを狙う。影の有無で判断されないよう電磁狙撃銃を構えた

 

よし。ムーンは回りに居ない。指向性地雷はダミーとして別の場所にセットしてある。影で見破られる対策に柱の影の中なので判別は出来ないだろうし万全だ

 

ハカイオーKCがヴァルキュリアと殴り合っている所に照準を合わせる

武器腕はともかく駆動系を破損させればランの負担も減る。ただ一発撃ったらムーンが即刻来るだろうな。ムーンがどこで何をしているか分からない以上、さっさと撃ってインビジブル同士の泥試合と行こうじゃねえの

 

ヴァルキュリアのヴァルナックルとハカイオーKCのドリルが正面からぶつかり合い動きを一瞬止めた

 

電磁狙撃銃の引き金を引く。着弾直前に動かれ駆動系には直撃を出せなかったが左のキャタピラーを破断させ一時的に動きを鈍らせた

すかさずヴァルキュリアの拳がハカイオーKCの顔面を捉えた

 

それを見ることなくスルガは指向性地雷を起爆、自分の位置を少しでも欺瞞、再びインビジブルで姿を消す 

オーバーセンス込みで回りを見る。すると頭上に赤い軌道が視えた

 

「ヒノッ!ここだ!」

 

直ぐにスモークグレネードを投げて横に回避、インビジブルでも実態は存在するので煙は揺れる。そこを確実に突く

 

 

そして、ヒノの方に向かい煙が移動、スルガは煙を巻き込まぬように駆け寄り震斬抜刀、そして振り下ろす。しかし空振り、だが赤い軌跡が後ろからシャルナックに突き刺さる。ので前に走り振り返り透明化し防御、確かな衝撃が震斬を通じて機体に伝わる

 

これまたガーダインの細工か?ムーンのインビジブルが攻撃の時にも解除されてねえ・・・なら俺も解除しないとくか。ってヒノが全く付いてこれてないな

 

A・アーサーは壁を背に警戒している

 

 

『ヒノ、影の位置からの解析情報を渡す。うまくやってくれ』

 

自機の位置と影から推察されたムーンの位置を共有化する。後は何とかしてもらうしかない

 

いくら原型が同じとはいえパワー重視のシャルナックより機動力重視のシャルナックムーンの方が早い

 

『ヒノ、ちょっと泥沼になってきた。三人の方援護してあげて』

「心得た。大丈夫だね?」

『問題ない。上手くやる』

 

シャルナックはこれ以上の泥沼を嫌い透明化を解く

右手の震斬を電磁拳銃に持ち替え牽制射撃

ムーンも透明化を解いた。電磁機関銃が手にされておりそれを発砲、スルガはオーバーセンスで回避、ムーンはあまり精度の高くない電磁拳銃の射線を見切り回避する

 

さてと、これも泥沼・・・正面から向き合うのがベストかな?しかしAbyssが厄介だな。オーバーセンス発動中下手に傷付ければ自動発動してしまうし・・・と言うかオーバーセンスを使うから駄目なのであって使わなければ大丈夫か

 

オーバーセンスを解除、二つの武器を格納し天叢雲抜刀。ムーンは朔を持って身を翻しスルガの方へ

 

 

 



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とある剣の盗品

═パラダイス外周通路════

A・アーサーはデクーOZと戦闘するイカロス・フォースの援護に入っている。ヒノはヒロとの連携も考えバンの戦い方を参考にしながら戦っていた

 

「ここはどうかな?」

 

ヒロの攻撃の隙間を縫いデクーOZにロンゴミニアドを突き出す。なるべく攻撃の隙を与えない、ヒロへの攻撃をカバーするように立ち回る

 

「ハァァァ!!!」

 

二振りのフォースブレードを合わせ振り下ろす。デクーOZは攻撃をOZシールドで受け裁きながらOZトマホークで反撃する

 

「もうすぐだ・・・もうすぐで完成する!」

 

まだサイクロップスAIは成長途上で本来の力を出していないにせよそんじょそこらの制御装置を遥かに上回る高性能AIだ。それに風摩キリトのテクニックが合わさり三機同時操作でこの猛者達を相手にしても一歩も引いていない

 

 

そしてバンの戦い方は危な気が無い。無理の無い攻めで確実に相手を崩しに行っている。定石的な戦い方だがイカロス・ゼロの性能とその性能を引き出す巧みな槍捌きでジョーカーKCに確かなダメージを蓄積させる

 

 

 

一方スルガはムーンと戦闘中、オーバーセンスは使わず己の技量のみで戦っている。二人はお互いをよく知っている。それもあって有効打がなかった

 

・・・今、風摩キリトもうすぐで完成とか言ってたな。サイクロップスAI強奪の警戒もしないと。出来ればゼウスは完成させたくねえし

 

朔と天叢雲で鍔迫り合い。しかし一瞬合わせただけでお互いに退く。鍔迫り合いを引き込んで別手で倒すのは二人が多用する戦術だからだ

 

やっぱ鍔迫り合いには乗ってこない。なら次の手を

 

シャルナックがグレネードSを投げて牽制、からの

 

アタックファンクション

ブリッツフレイム

 

二筋の火の刃をグレネードの爆炎の向こうへ振りかざす

 

アタックファンクション

ドリルスラッシャー

 

しかし、ムーンはグレネードの爆風をドリル状に形成されたエネルギーで身を守りながら突撃してきた。途中で起きる必殺ファンクションの衝突は相殺され制御から離れ行き場を失ったエネルギーは爆発へと変わる

 

スルガはその爆炎から距離を取った。ドリルスラッシャーと言う技の性質上ムーンは爆炎の中に居たはず・・・ヤバッ!?痛ッッ!!

 

シャルナックの後から朔が突き立てられかけた。ギリギリの回避で致命傷は避けたが左腕が根本から切断された。その痛みでスルガが大きく怯む。咄嗟にシャルナックが自立操作でスルガの怯みをカバー、そのままムーンと斬り結ぶ

 

 

傷口が熱いッ!!あっ!まずい制御が・・・シャルナックが肩代わりしてくれたか。グッ、済まねえ

 

心配無い。私もルナを見てきた。少し休んで居ろ

 

腕を切り落とされるなぞ久し振り。咄嗟のことでシンクロ深度を下げることも叶わず、更にオーバーセンス一歩手前で常時ディープシンクロを保っているスルガにとっては自分の腕が切り落とされた以上の激痛となる

 

その後はシャルナックは震斬に持ち変えて片手のみでムーンの攻撃を捌く。それを見たイカロス・フォースがデクーOZの相手をヒノに任せて援護に駆け付ける

一時的にムーンの相手をしてくれスルガはその隙に態勢を立て直す

 

「大丈夫ですか?スルガさん!」

『痛いけど平気だ。それより助かった』

「今のスルガさんは病み上がりも良いとこです。無理せず下がってください」

『・・・悪い。それは出来ない注文だ。ソルジャー!分取り品を投げ入れてくれ!』

 

シャルナックが背中の電磁拳銃二丁ともう一振の震斬を射出、格納スペースを空にした

 

そしてソルジャーがスルガの体でフィールドに黒い何かを投げ入れた。それは綺麗にシャルナックの格納庫に収まり、スルガはその四つの黒い物とシャルナックをリンクさせた

 

『さて、痛みも慣れた。仕切り直しだ!』

 

少し迷ったがオーバーセンスの領域までシャルナックとシンクロ、それに増して痛みも倍増するが気にも止めなかった

 

「退いてくれ!ヒロ」

 

少し助走をつけるシャルナック、イカロス・フォースの後から直前まで剣を交えていたムーンにジャンプ、回し蹴りを繰り出す

ムーンは回し蹴りを迎撃する姿勢、フォースブレードを投擲して迎撃を妨害

回し蹴りはムーンの胴体にクリーンヒット、両足と右手の三点着地、直ぐに間接を駆動させムーンに飛び掛かる

後に飛んで避けようとするムーン、スルガは飛距離が足りないことを視た

 

「スルガ!危ない!」

 

ん?ヒノ?・・・デクーOZか!

 

シャルナックが振り返ると丁度赤い軌跡が自分に振り下ろされる。咄嗟にその場から移動、ムーンに退避場所へと先回りされる。だが左腕が無くバランスの崩れた体を制御しながらムーンを紙一重で躱した

 

しかしシャルナックを歪な赤い球のようなエフェクトが包む

 

これの視え方はグレネードッ

 

左に飛ぶ。その瞬間ムーンがグレネードを投げた。しかも飛んだ先にOZトマホークが投げ込まれる

 

本気のヒノ捌きながらよく俺に構ってられるなッ

 

グレネードが起爆した。爆炎でOZトマホークの軌道も見えなくなるが既に回避できる位置には居る。次はムーンムーン次第だ

 

一瞬だけ少し元の体と繋がりフィールド全体を目視で把握するすると言う何気に高度でバレないズルを実行

 

ハカイオーKC対ヴァルキュリア

狙撃でキャタピラを切断したためヴァルキュリアが優勢のようだ

ジョーカーKC対イカロス・ゼロ

あの独特な鎌からダガーへと持ち変えていた。まあ相手がダガーならアミやヒノ相手に勝ち越してるし問題無かろう

そして問題はここから。デクーOZ、ムーン、イカロス・フォース、A・アーサーと自分の乱戦だ

それだけを把握してシャルナックに意識を全て移した

 

 

さて、震斬じゃちょっとこの乱戦はきついか。近くに電磁拳銃はと・・・あったあった

 

電磁拳銃を拾い上げて着剣、乱戦状態のフォースとA・アーサーへの援護射撃を始める

 

「取れてないデータはお前だけだ!河白スルガ!」 

 

キリトのターゲットがこちらに向く。確かに、この場に居てまともにバトルしていないのは後スルガだけである

 

そしてもうサイクロップスAIも完成に近いのだろう。キリトのLBXの動きの精度がさっきからどんどん上がっていた。その裏付けにオーバーセンスで視える攻撃の未来が一度に二つになる位には早くなっている

 

 

『チィッ!ヒノ、ちょっと正面戦闘任せたい。ッ痛!』

 

 

電磁拳銃を撃ちながら後退、しかし至近距離で単純に攻撃の回避が間に合わず今度は右腕が切り落とされた

 

「ごめん!間に合わなかった」

『痛いけど良い。まだ戦えるだけの力は残してある』

 

シャルナックの格納部が開く

 

 

「スルガさん!後ろ!」

 

 

振り返るとすぐ近くまでムーンが迫っていた。スルガにとれる選択肢はそう多くない

 

そして、朔が背中に突き立った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『シールドビット』 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ムーンの持つ朔が背中に突き立てられかけたその時、紫の三角の膜がシャルナックの背中を護ったのだ

 

「それって、パリの敵が使ってた・・・!」

 

『それ次だ。ソードビット!』

 

そしてデクーOZの背中に剣が突然出現、右膝裏に刺突し機動力を奪う。そして攻撃の運動エネルギーを失ったタイミングで盾を解除、ムーンを蹴り飛ばした

 

『ぶっつけ本場にしては上々か』

 

シャルナックの回りをソードビットが周回する

 

『ヒノ、ヒロ、援護する。存分に戦ってくれ』

 

シャルナックが踵を返して距離を取る。それを追尾しようとしたデクーOZだがヒロに阻まれ追撃不能

ムーンは蹴り飛ばされた後A・アーサーの攻撃を受ける。致命傷は与えていないがそろそろ拘束してルナを解放しないとムーンが壊れてしまうだろう

 

ひとまずデクーOZ、ムーンを見ながら四機のビットをリアルタイムで増減させる

 

デクーOZ相手にはその回りをうろちょろさせキリトの気を散らせる。積極的な攻撃に出ても良いが右膝裏の損傷しているし、何より今のキリトなら容易に叩き切れるだろうと言う判断だ

 

そしてムーンは戦いの主導権をA・アーサーに握られていた。ソードビットの妨害によりいつものような変幻自在な機動が阻まれているのだ。

それにA・アーサーは聖剣エクスカリバーではなくその辺に落ちてた震斬を使っているのもありムーンの動きに完璧に対応している

 

『ヒノ、ムーンを止めるぞ。何とか地面に倒してくれ』

「難しいね・・・心得た!」

 

シャルナックは高台に立ちビットの制御と戦況把握に徹する

 

『ラン、もうちょい力抜け。攻撃に夢中だと足とられるぞ。バン、もうちょいこっち寄って?そしたら俺からの支援範囲に入る』

 

 

他の二機にもソードビットを飛ばす。ハカイオーKCのもう片方のキャタピラ、ジョーカーKCの胴体を後ろから突き刺し装甲に傷をつけた

 

スルガがパリでリフィルス・クロウドのLBXトルークビルトから鹵獲した壊れていないソードビットを解析、修理や製作は出来ないものの使用するだけなら可能としたのだ

ビットは各機相手に猛威を振るう。オーバーセンスの未来視がまだ操作に慣れきっていないのが誤差でしかない

 

「スルガ、そろそろ決めるよ!」

『りょ。三人とも、一度援護外すぞ。どの程度ダメージ稼いだ?』

「かなり傷付いてる。あともう一押しで撃破できるかな?」

『了解』

 

ムーンの回りを四機のビットが飛び交う。A・アーサーへの攻撃をシールドビットで防ぎもう一本は常に攻撃に回る。少し制御に小馴れてきたスルガ、更に畳み掛ける

 

A・アーサーと攻撃タイミングを完璧に合わせて系六本の刃を同時にムーンに叩き付ける

 

同時攻撃の衝撃でムーンが地面に仰向けに倒れる。スルガはすかさず手の平と足先にソードビットを突き刺し地面に縫い付けた

 

 

『済まねえヒノ、後は俺の役目だ』

 

 

道を開けるA・アーサー、その横を通りすぎるほぼ満身創痍のシャルナック、地に膝を付き頭をムーンの胸元に近付ける

 

 

そして、この勝負を外から眺めてる視線には、知っているスルガ以外気が付くことも無かったのだ

 

 



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恩返し・・・の筈が?

シリアル注意


═パラダイス外周通路══════

スルガはムーンを通じてルナの脳へとダイブする

 

ここがムーンの中か・・・ルナの話じゃトンネルがあるとか行ってたが、あれか?

 

見つけた橋ともトンネルとも見えるモノ、どちらかと言えばワームホール?と言う印象を受ける

スルガは躊躇い無く体を突っ込む。そして何か無数の腕に捕まれた感覚を覚えながら引き吊り込まれるように吸い込まれた

 

 

 

 

 

─────────────────────────

 

 

 

 

 

 

吸い込まれたスルガが吐き出されたのは無数の映像が流れる空間?だった

 

 

「・・・ここがルナのナカか」

「あ、スルガ?入ってきたらなら挨拶の一つくらいしてよ」

「・・・ルナ?」

 

 

洗脳とか何にもされてなさそうな素のルナを見てスルガの頭を?が支配する

 

 

「お、お前、スレイブプレイヤーになったんじゃないのか?」

「あれ?スルガ聞いてない?アランさんとかビショップから連絡無かった?」

「今の俺は混乱している。なるべく詳しく説明してくれ」

「うーん・・・私、人質としてここに来たんだけど、その時、ガーダインの隙を見て洗脳解かれたんだよね」

「成る程?」

「あの二人曰くね、今のガーダインには付いていけない。ってことらしーよ」

「付いていけない?そらまたどうして」

「ガーダインの目的が世界のcontrolじゃなくてbreakになったって言ってた」

「支配から破壊に変わったわけね。そら話が違うってなるわな。大方の事情は把握した。で?なんでルナはスレイブプレイヤーの振りしてるわけ?」

「それが一番安全だから。実はガーダイン、私のこと結構滅茶苦茶な扱いするつもりらしくてさ。そんな中明確に敵対すればどうなるか、分かったもんじゃない」

「ほう・・・あいつ今度はネットのオモチャじゃ済まないからな。しかしならオメガダインのお三方は味方かい?」

「うーん、今のところガーダインを止めるっていう利害が一致してるだけかな?風摩キリトに関してはAIの・・・あ、スルガ!ガーダインは隠し球を持ってる!」

「まあ、あるやろな。で?どんなのか見たの?」

「うん。LBXゼウス、何かキラードロイドと連結したり雷を操って戦うらしいよ。その名に恥じぬ性能みたい」

「どっちかってとトール神みてえな機体だな。レックスとイフリートより強そう?」

「それはないと思うよ?あ、あの映像だ」

「ふむ・・・あれがゼウスか。まあいい。とりあえずお前の首輪を壊す。本当に爆発されたらたまったもんじゃねえ」

「爆発・・・ああ、それは小細工出来なかったって言ってた」

「お前自分の生死に関わることだぞ?」

「それはスルガには言われたくないなぁ?」

 

 

今一締まらない会話を交わして、とりあえずルナがスパイ的な立ち位置であるとこをとりあえず理解する

 

 

「とりあえず話は分かった。絶対首動かすなよ?」

「分かった。じゃあ、信じてるからね?」

「おう・・・で、どうやって出ればいい?」

「私の時は弾き出されたけど」

「・・・」

 

さっき入ってきたであろう場所に振り返る。しかし道はない

 

「・・・・・・やっべ」

「あのときは機龍の道案内もあったし何とかなったのかな?」

「ああ、ヤバい。もっと後の事しか考えてなかった」

「なんか私がハアッ!ってやったら戻らないかな?」

 

 

ルナが右手の中指と人差し指だけを立てどこぞの陰陽師のような不思議ポーズを取り、何かぶつぶつ呟く

 

 

「いやそれは流石に無「ハアッ!」・・・え!?」

 

 

その右手をスルガに突き出すとスルガの意識は一瞬暗転、気が付けばムーンの中に戻っていた

 

 

「・・・ますますワケわからんシステムだな。いやそのワケわからんシステムで更にワケわからん事塗り重ねてるのが悪いのか?」

 

 

ひとまず今考えても無駄と結論付けてシャルナックへと戻る。戦況は、悪化していた

 

 

『うわっ、ヒノ?大丈夫か?』

「何とかね・・・」

 

 

イカロス・ゼロ、フォース、ヴァルキュリアは苦戦していた。一言聞くとどうやらサイクロップスAIが完成してしまったらしい

 

 

『まじか・・・少しだけ待っててくれ。ルナを解放する』

 

さっきから体を微動だにさせないルナ、機龍がその首元、首輪に向けてルナを凍らさないよう弱めたアブソリュート・ゼロを放った

 

絞られた出力で放たれた光球はその首輪のみを掠め、光球本体はDエッグの壁に当たり、消失する

首輪は掠めた部分から一気に冷え固まり、ただの分子と成り果てその構造を保てなくなり崩壊した

スルガが危惧していたルナごと凍ると言うことも起こらなかった。スレイブプレイヤーの首輪は大部分が金属製で人肌との熱伝導率の違いや機龍の調整もあるだろう 

 

ルナはゆっくり目を閉じてその場に倒れ込む。それを支えるスルガ

 

 

「よし。成功だ・・・シャルナック、引くぞ。ソルジャー!出撃準備だ!全力で行くぞ!」

 

スルガの意識は自身の肉体、ソルジャーは自身の機体へと戻りシャルナックと入れ替りでフィールドに降りる

 

「さてと、風摩キリト、俺とソルジャー、お前とデクーOZ、どちらが強いかタイマン張ろうぜ?」

 

スルガの目が少し変化する

 

「良いぜ。お前のカスタマイズは興味深い。どちらが上か、ハッキリさせようじゃねえか」

「そう言うことだ。ヒロ、こいつは俺が止めを刺す」

「・・・分かりました。お任せします」

「ソルジャーD、リンク始動」

 

 

ソルジャーが白のオーラに包まれその視界がスルガの頭に流れ込む

サイクロップスAIが覚醒したデクーOZも黄金のオーラを纏っている

 

ソルジャーは落ちていた天叢雲を拾い上げる。そして二機がゆっくりと対峙、互いに腰を落とし抜刀の構え、手斧を構える

一瞬の静寂の直ぐ後、何かがぶつかる音を合図にデクーOZが動いた

覚醒したデクーOZはかなりの瞬発力とスピードを発揮する。しかしスルガもトルークビルトと言う高速LBXと渡り合い、勝利した経験と意地がある。更にはオーバーロードと言う新たな力を得ているのだ

 

風摩キリトの攻撃は並のLBXなら一撃のもとに切り伏せてしまうほどの強烈さを誇る

迎え打つスルガとソルジャーには既に攻撃の軌道は視えている。だがヒロに言った。止めを刺すと

故に、一撃で決める

デクーOZはヒロとヒノの戦いでかなりのダメージを貰っているだろう

 

距離が縮まる。天叢雲を持つ右手に少し力を込めた

狙うは攻撃が自分に当たるほんの少し前、守りが最も疎かになる瞬間に踏み込んで切り捨てる

ソルジャーの足部モーターが動こうとする。まだ早い。ブレーキで押さえ付ける

 

そして、OZトマホークが後5cm、4cmと近づく最早残された時間は一秒以下

 

3cm、2cm、ここで全ブレーキを解除、脚部タイヤと間接がロケットスタートを切った。

一瞬の速度はデクーOZは愚かパンドラよりも早い

 

まさに一閃

 

デクーOZに突っ込み、横にすり抜けた

 

そのすり抜け様に叢雲抜刀、刃はデクーOZの胴体と腰の付け根を恐ろしく正確に捉えた。少しずつ刃を引きながら更に斬り込みを広げていく

恐ろしい瞬間速度の中を居合の達人の如き刀捌きを実行するソルジャー。今までの激闘と、自我を獲得してからはスルガ無しで動くことも珍しく無かった

その積み重ねがこの神業だ

 

デクーOZの攻撃は前に出続ける事で回避。デクーOZは胴体と腰で両断した

 

刀を振り抜いて残心、上半身が落ちる音を聞いて振り向き、近づく

 

そして、放心していた風摩キリトがスルガの行動の意図に感づいた

 

「まさかっ・・・やめろ!それは、それがないとエイミーが!」

「お前もいい加減目を覚ませ!戦闘用AIに経験積ませたとこでまともな人格出きるわけねえだろ!」

「うるさい!想い人が生きてるお前に何が分かる!」

「分かる訳ねえからこうやって力業やってんだよ!阿呆か!?」

 

コアボックスの真上に天叢雲を当てて、振り上げる

 

「辞めろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」

 

ズドーーーーン!!

 

ソルジャーに向けて雷が落ちた。しかしソルジャー、余裕の回避だ

 

「何ッ!?」

 

音と閃光に驚いたルナが飛び起きる

 

「来たか・・・ゼウス!」

 

 




残念。ギャグでした!


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最高神(笑)降臨

═パラダイス外周通路═══════

 

突然落ちた雷にスルガ以外の動きが止まる。スルガは電磁狙撃銃を持ちコアボックスの中、サイクロップスAIを狙う。しかしその銃撃はデクーOZの装甲、そして白いLBXの手の平で止められた。LBXゼウスが降臨したのだ

 

 

「よお。平和記念演説の壇上で勃起しながらクソ垂れ流しかけた変態。気分は?その後どうだ?ケツ穴とチンコから糞尿垂れ流してないか?」

 

 

開幕で濃厚なド下ネタをぶっ込んできやがったぞこの男

 

 

「・・・まあいい。もう全てが終わるんだ。それにこれが完成したならもう貴様らなど問題にはならない」

 

 

「それを返せぇ!」

 

 

ジョーカーKCとハカイオーKC、ソルジャーがゼウスに向かう。それに合わせスルガの行動を把握したA・アーサー、少し遅れて残りの三機が動いた

 

 

「無駄だ」

 

アタックファンクション

GODネメシス

 

 

ゼウスの目が光る。空中で身体を大の字に開くと背中に白い雷のリングが現れた。やがて空は曇り背中の大きな二つの突起に巨大な雷が落ちる。その突起は雷の電気を完全に吸収、増幅して衝撃波と共に溜め込んだ電気を解放した

 

解き放たれた膨大な電気エネルギーは空気の絶縁破壊を引き起こしフィールド中に落ちる

 

やっべ!全速前進

 

動けないムーンを抱えて全力で雷と衝撃波から逃げる

回りを気にする余裕は流石に無く逃げることにリソースを全て注ぎ込んだ

 

電撃は直ぐに止む。しかし肝心のデクーOZの上半身は持ち去られた後だった

スルガが秘めていた全ての計画が失敗に終わる。恐らくミゼルの誕生が決定的になってしまった

 

「・・・お前ら無事か?」

「なんとか、ね」

「掠りましたけど無事です」

「あっぶなかった・・・」

「ガーダインはあんなLBXを隠していたのか」

「ムーンの事ありがと。スルガ」

「なんのなんの。何よりもお前が無事で良かった。ルナ」

 

いつの間にかDエッグも解除されている。そこに残されたLBX達、しかし風摩キリトのLBXは最後無策に突っ込んだのもあり至近距離で電撃を浴びたジョーカーKC、ハカイオーKCは身体の各所に電撃が命中して見た目だけでも装甲が黒焦げになっていた

 

 

「凄い音がしたが、大丈夫か?」

「一応無事、またガーダインの糞野郎に先を越されて完成したサイクロップスAIが盗られちまった」

「それにガーダインが使ってた未知のLBX、スルガゼウスって言ってたけど、何で知ってたの?」

「頭の中でルナに教えてもらった。詳しい話は歩きながら話そうでルナは体大丈夫か?」

「平気だよ。この通りピンピンしてるし」

「そんなこと言うならスルガの方が心配だよね。ずっと植物状態だったし」

「まあ、暴走して結構吹っ切れた感がある」

「スルガ君、ゼウスとは?」

「まずはその話だな。ルナ、よろしく」

「私の全部見たくせに丸投げは酷くない?」

「見た時の状況はルナがよく知ってるだろ?」

「うーん、それもそうか。LBXゼウス、雷を操る機能を持っててオメガダインが極秘で作った究極の機体みたい。私の主観だけどガーダインが使うこと考えたらレックスとイフリートよりはマシなんじゃないかなぁ?」

「ゼウスか・・・戦闘をモニタリングしていたがかなりの戦闘力を誇るだろう」

「サイクロップスAIを持ち去ったのを考えると・・・最初からあれはゼウスの為のCPUだったのね。完成させるために風摩キリトを利用した訳か」

 

 

大空博士の考察が呆然とする風摩キリトの心に止めを刺した。完全に騙され利用されていた。それ以上に彼女の事で頭が支配され、ぐちゃぐちゃになりその辺にへたりこんだ

 

 

「・・・駄目だな。完全に心閉ざしてら。しゃーない。帰り際に何かしよう」

「あ。やっぱり来るよね」

 

 

ルナが警備LBXの接近に勘づいた

 

「今度の道中の敵は僕たちが受け持とう。トリトーン!」

「少しはカッコいいとこ見せないとね!ジャンヌD!」

 

 

 

次々と出てくるXF-05系列、他のメンバーもLBXを出して迎撃に参戦し始めた

その間に卓也さんがダックシャトル側からの連絡を取る

 

 

「オタクロス、どうかしたか?」

《敵LBXに襲撃を受けたデヨ。じゃが郷田らが撃退してダックシャトルに傷は無いゾイ》

「分かった。そっちはよろしく頼む。それでこの先だが──」

 

「ねえスルガ、シャルナック大丈夫?」

「腕切られただけだし何とでも。それよりムーンは大丈夫だと思う。予備パーツはあるし」

 

 

駆動系や関節、各種予備パーツはある。が深く調整はしてない。少しパフォーマンスが変わるかもしれないがそこは上手くルナに頑張って貰うしかない

 

「ヒノ、アーサーは?」

「少しメンテナンスすれば全力出せるかな」

「オッケー。機龍、ソルジャー、お前らは?」

 

二機に肩を殴られる。大丈夫と言うことだろう

 

「痛ってえ!おとなしくCCMにメッセージでも飛ばしやがれよ。シャルナック、手に来い。とりあえず腕くっつけるぞ」

 

鞄から予備の関節パーツを取り出して腕をくっ付ける。その作業をしているうちに次のエリアに辿り着いたようだ

 

 

「皆、ここからは五組に分かれて進む。この上がパラダイスの司令室、つまりガーダインがいる場所だ」

《ここからはワシが説明するデヨ。このエレベーターの途中にレーザー網があってのう。人が触れればどうなるか考えたくは無いがの。LBXでその制御装置を計五ヶ所無力化する必要があるんじゃ》

 

とのこと。ルナ、ヒノ、スルガで一つのルートを攻略することになった

 

 

「じゃ、二人を守るためにいっちょ行きますか!」

「行こうか。スルガを守るためにね」

「僕にも守らせてよ。今までも世話になったしね」

「そんでそのついでに、勝手に世界が助かる。ま、助かった後自滅するかどうかは分かったもんじゃないけどな」

 

 

ガラス張りのエレベーターに乗り込む。それにしても入り口が狭い・・・

 

 

「うっわ、マジだ。上見てみろよ。確かにこのまま行ったら細切れ一直線だ」

「どれどれ・・・うわぁ、確かに」

「あれの中に入るの考えたくないね。それに動く何かも見える。警備も居るね」

「足場もあるし何とでもなるかな?」

「なら二人とも機龍」

 

 

途中でエレベーターは止まる。ここからもLBXの出番だ

 

「機龍、ソルジャー、周辺警戒任せた。行くぞシャルナック」

 

CCM無しの脳波操作だ。指が疲れないのでそこそこ気に入っている

 

 

「それ便利そうだよね」

「ろくでシステムの副産物としては中々だ」

 

シャルナック、ムーン、A・アーサーが電磁拳銃、電磁機関銃、電磁狙撃銃を持ってビットとワイヤー、その辺を足場にして制御装置に上る

 

そして最初の足場でいきなり発見された  

 

「弾幕張ってソードビット、二人ともビットに当てるなよ?」

「その時はテヘペロで済ますよ」

「僕もそうさせて貰おうかな」

「あぁ、もう二人とも可愛いなぁ。んじゃ頑張るか」

 

その状態の二人を想像して一基くらい壊してもいっかと思い始めた

 

射撃開始、近くの敵に電磁拳銃の集中射撃をお見舞い。別の足場やレーザーを障害物に遠距離攻撃に徹されていた

 

 

「やっぱり駄目か。レーザーで弾が溶けてる」

「ならソードビットで炙り出す。頼んだぜ」

 

 

シールドを形成している三基を残し攻撃に出た。弾幕を掻い潜り潜伏しているXF-05Uに攻撃、頭を出したところをA・アーサーの狙撃で撃ち抜かれた 

別の場所ではレーザーの裏に隠れている機体をそのままレーザーに押し込んで焼き消し、そこから離れた機体にムーンとシャルナックの弾幕が振りかかる

 

 

「ちょっと多勢に無勢かな?」

「だな。ルナ、手頃な足場に取っついてさっさと登っちまおう」

「うーん、ならあそこかな?結構高いけどワイヤーとシールドビットを足場にできれば普通に行けそう」

「そうだね。このLBXでもブースターを使えば届く範囲だ」

「決まりだね。スルガ、お願い」

「シールドビット。あの辺りで良いか?」

「大丈夫。先行ってみるね」

「気を付けてな」

 

ムーンが跳躍、シールドビット着盾?し再び跳躍、狙いの足場にワイヤーを射出して飛び乗った

 

「うん。行けそう。この辺りに敵は少ないし」

「分かった。ヒノ、先行け。殿勤める」

「じゃあお先に」

 

飛行用ブースターを焚いてシールドビットに飛び乗り、そこからは飛行形態で上の足場に着地する

 

 

「んじゃやりますか。二人でやってて。引き付けとソードビットの練習がてら相手してやるわ」

 

 

全てのビットを呼び戻しソードビットへ、そして四基の剣が躍り狂う

 

 

「分かった~。お願いね」

「任せたよ」

 

 

電磁拳銃で気を引いて後方斜め下からソードビットで突き通す。そしてそれを見て油断?した機体に残りのソードビットで推進ユニットに次々致命傷を与え地上に床に落とす。落ちた先に自分達が居るがレーザーで焼かれたり機龍とソルジャー適度に蹂躙しているので何も危険はなかった

 

 

「よっし、見つけた。壊せば良いのかな?」

「ん、どれどれ・・・よし。壊せ!念入りにな」

「じゃあ僕が行くよ」

 

 

月華刃が請求装置を両断するとレーザーの出力が目に見えて弱くなりやがて止まった

 

「これで先進めるかな?」

「だな。行くか」

 

 

エレベーターに乗り込む。さっきまでレーザーが張り巡らされた場所を登っていく。狩り残した数機のLBXが見えたがエレベーターは警戒しないようだ

 

 

「こっち撃ってこない。マジックミラーとかじゃ無かったよね?」

「設備イタズラに壊したら困るからエレベーター撃たないようにプログラムされてんのか?」

「影?二人とも、上に誰か居る」

 

 

上を見上げていたヒノが人影に気付く

 

その言葉でスルガは直ぐに二人の前に出てLBXと臨戦態勢を取る、三機のLBXとシンクロしてオーバーセンス、オーバーロードを発動、グレネードを構えた

が、激しい頭痛と共にスルガの頭に写真が焼き付く

 

 

「大丈夫そうだ。警戒だけしとこう」

 

安心したスルガ、そしてエレベーターは次のエレベーターがある中層で止まる

 

 



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裏切り者

═パラダイス中央部、中層═════

 

エレベーターを降りる。そこではアラン・ウォーゼンが待っていた

 

「来たか。少年達よ」

「出迎えどうも。ルナの事は助かりました。それで何用で?」

「少し話をしてみたくてな」

「時間稼ぎかい?」

「まあまあヒノ、ルナが無事なのはこの人が色々手を回したからだ。手短に済むなら」

「平和記念演説でのガーダインの奇行、あれはスルガ君、君の仕業だろう?」

「そうですね。色々な薬を気付かないよう投与しました」

「狂ったのはそこからだ。元々自分の信念を曲げない奴だったが、世界中から玩具にされて何がどう転んだのか世界に強い憎しみを抱くようになった」

「あれ?俺なんかやらかしてる?」

「ああ。何より詰めが甘かった。あの時ガーダインを無理にでも引き吊り下ろせば、future hope号を制圧した時点でここまで事は大きくならない事が確定しただろう」

「もっと容赦なく行くべきだったか」

 

 

なんか会話を聞いたヒノが若干引いているが直ぐに納得した様子を見せた

 

 

「ねえ、じゃあガーダイン以外にA国の基地を襲った連中は?」

「ワールドセイバーと言う巨大テロ組織だ。私も深くまでは知らないが・・・噂ではパラダイスは一度そいつらに奪われかけた事があるらしい」

「ここでもワールドセイバーね。パリのブレインジャックを起こした組織だな」

「最初は敵対していた筈だ。だが途中から協力関係を取るようになっていた」

「悪人同士の共通の敵、つまりは俺らを倒すために手を取った、いや、奴らの思想が手段に合わんな。利用しただけか?」

「良いように利用されたのだろう。ここで倒してくれれば御の字程度にな」

「奴らの科学力だ。パラダイスを破壊する手段は持ってるかもしれん。後さ、Dr.マミーの事流石に気付いた?」

「最初から怪しんでは居た。だがアングラビシダスが合ったからな。もう一度調べ直したら檜山蓮は日本で生きていた。貴様の父親となってな。だから一度職員をあの喫茶店に派遣してDNA鑑定した上で檜山蓮の回りを洗い直した。正体が檜山真美であるのはそこで気付いたよ」

「へぇ・・・因みにガーダインの方は?」

「流石に気付いている筈だ。報告は上げていないが」

 

 

その時スルガは思った。ガーダインは本編でこの人生かしとけば檜山真美に利用されること無かったのでは?と

 

 

「まあ良いや。で、話ってこれだけか?」

「最後に一つ忠告だ。君は頭は回る。それに思考の外の対応にも強いが、少々詰めが甘い所がある。事実、我々が飛び立つ前に止めることも出来るタイミングはいくらでもあっただろう」

「・・・それは耳が痛いですね」

「その少女達が大事なのは分かる。なら最初から危険な目に晒すような策では、三流だ」

「ご忠告ありがとうございました。肝に銘じておきます」

 

 

オメガダインと言う巨大組織のトップの言葉はスルガにとって重かった。アラン・ウォーゼンもこの座に登り詰めるまでには相当な苦労があっただろう

 

 

「老人の長話に付き合わせて悪かったな。行くと良い」

「これで目的が時間稼ぎならまんまと罠に嵌まったね」

「確かに、詰めが甘いって言われたもんな」

「先に君たちの飛行機へ行っている」

「分かった。連絡しとく」

 

「任せたぞ」

 

そう会話を残してアラン・ウォーゼンは乗ってきたエレベーターで下へ、スルガらは更に上に向かう

 

「さてと、任されたし止めますか。二人とも、LBXは?」

「ムーンは大丈夫。傷一つ無いよ」

「アーサーもいつでも全力を出せる」

「よし。待ってろよガーダイン!」

 

 

 

 

 

 

 

═パラダイス司令室 手前═════

 

エレベーターを登った先、バン、ヒロ、アスカ以外がすでに到着、LBXの最終メンテナンスをしている

 

「あら、四番目だったか~」

「そりゃ話してたらそうなるわ」

「遅えぞスルガ!」

「すまんすまん。ちょっとアラン・ウォーゼンと話し込んでな」

「アラン・ウォーゼンと!?」

「オメガダインの総帥と?何があったんだ?」

「いや、話したいって言ってたから・・・あ、ゼウスの事聞いとけばよかった。まあ、お説教みたいな物だったよ」

 

 

その会話をしているうちにバン達も上がってきた

 

 

「よし。全員揃ったな?行くぞ。最後の戦いだ」

「「「「「「ハイ!」」」」」」

 

 

階段を上る。一際目指すのは浮遊している橙と青を纏った多角形、アダムとイブ、そして待っていた、とばかりにゼウスと待っていたガーダインだ

 

 

「よく来たな」

「よう汚物。直接対面は初めてだな」

 

 

どんな空気でも、言うことはキッチリ言う。それがどんな言葉でも(空気を読んだ上での蛮行)

 

 

「ガーダイン、もうあなたの好きにはさせません!」

「お前が何で世界の支配を企んでるかは大体知ってる。それに時間もない。さっさと決着付けようぜ?孤独の王よ!」

「良いだろう。改良したキラードロイドとパーフェクトブレインを搭載したゼウスに勝てるならな!」

 

 

主人公sの前に立ち塞がる四匹のキラードロイド達、三匹はワイバーン、ミノタウロス、ヒドラ。しかし改造が施されているようで細部が少し違う

問題はもう一匹、機龍によく似たシルエットを持ったキラードロイド。否、メカゴジラだ

 

 

(あれはメカゴジラ?だけど見たこと無いな、随分ガタイが良い。このデザインは・・・モンスターバースの方のゴジラがモデルか?)

 

 

ゴジラとは真逆のような逆三角形のシルエット、腕も長く格闘能力が高そうだ

 

四匹が咆哮して飛びかかってくる。だがメカゴジラだけは一直線にスルガを襲撃してきた

 

「んなっ!?」

 

ギリギリ拳を回避する

 

「お前だけは絶対に許さんぞ!河白スルガぁ!」

「アイツッ・・・」

 

後ろを見ればすでにヒノとルナは別のキラードロイドのフィールドに閉じ込められている

 

そしてバン達が援護に入ろうとLBXを出した途端、Kフィールドを展開、スルガだけを閉じ込めた

更に狭くなった空間の中、ミサイルを発射して殺しに来た

 

 

「マジかッ!?クソッ機龍!ソルジャー!シャルナック!出撃だ!」

 

 

スルガの影から三機が飛び出しソルジャーDが電磁狙撃銃を、シャルナックがシールドビットでスルガへのミサイル攻撃を受け止めた。機龍がカウンター狙いでメーサー照射、しかしメカゴジラの装甲は少し焦げただけだった

装甲の隙間から赤い光を洩らしながら吠えると、スルガは三機とKフィールドに閉じ込められる

 

 

 

map 荒廃都市

killerDroid《メカゴジラ(2021)》

バトルスタート

 

全てが壊れ果て更地となったジオラマでメカゴジラと機龍が咆哮を上げる

 

 

「行くぞ、お前達、フルリンクシステム始動」

 

 

三機の目線から見たメカゴジラは相当な大きさだった。体長だけでミノタウロス二匹分はあるだろう

スルガはフルリンクシステムの深度を三機同時に限界点に堕とし、オーバーセンスとオーバーロードを発現させた

 

いきなり固まる三機にメカゴジラが口から赤い熱線を吐いた。しかしこのなら問題ない。別々の方向に逃げて撹乱し完全に回避

しかしこの攻撃をまともに食らえばひとたまりも無いことは理解した

 

メカゴジラは背中のブースターを点火、拳を青く光らせながら飛んで回避した機龍に殴り掛かる

更に上昇する。しかし肩からミサイルの追撃、下ではソルジャーが電磁狙撃銃を撃ったがまるで効果が見えない

 

シャルナックはソードビットを飛ばしてメカゴジラの気を引こうとする。しかし目もくれない。障害と思っていないようだ

 

かなりの強敵、スルガは死の覚悟すら決めた

 



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VS メカゴジラ

ギ、ギリギリ年内投稿(震え声)


═パラダイス司令室═════

 

逃げ回る機龍を執拗に狙うメカゴジラ、シャルナックとソルジャーDが必殺ファンクションを交えた攻撃を撃っているが大した効果が見られない

 

 

(目を狙えソルジャー。シャルナック、ソルジャーのバックアップを。ソードビットで嫌がらせ続けて)

 

 

連装メーサーでも駄目か手持ち一番の攻撃系オーバードウェポンはグラインドブレードかグラインドグラインダー・・・近接だけどこれなら物理エネルギーだけで大ダメージを狙える?ならユニオンシステムと併用すればオーバードウェポンだし(脳死)致命傷になり得るだろ

 

 

適当なタイミングで投げ入れると考えを締めて再びメカゴジラと相対する

ソードビットが飛び回り、電磁狙撃銃が目の周りに撃ち込まれているのは流石に鬱陶しいらしく漸く反応らしい反応らしい反応を示した

すかさず口部連装メーサーを照射、手で顔を覆うメカゴジラ、出来た隙を利用してシャルナックがビットを足場に跳躍、背鰭や身体の突起を足場にして背中を駆け上がる。しかし気付かれた

肩からロケットが展開しシャルナックに向く

回避不能と視て離脱、追撃で尻尾が振り下ろされるがまたビットを使い自分の軌道を変えてこれを避けた

 

 

チッ、スルガ、体にミサイルが埋め込まれてるのは厄介だ。登って目を斬ろうとしたがあれでは登りきれない。何か策があるか?

こっちも狙撃じゃ破壊は難しそうだ。どうする?

機龍、メーサーで装甲壊せそう?

・・・

難しいかぁ。現状何とか目潰ししてオーバードウェポンかアブソリュート・ゼロ叩き込むしか破壊手段は無いな。とりあえずユニオンシステムで火力底上げしたグラインドブレードとグラインドグラインダーをぶち込む腹積もりだ。射手はソルジャーを予定中、頼めるか?

うむ。心得た

シャルナック、ミサイル出させてくれ。ソルジャーで発射機の狙撃と破壊を試す

 

 

再びシャルナックが横から忍び寄る。依然としてメカゴジラの殺意は機龍に向けられ、残りの注意もソードビットやソルジャーの狙撃に向けられている。シャルナックはほぼノーマークだ

 

尻尾に注意しながら今度は股関節を狙い天叢雲を突き入れる。ガギンと音を立て突き立った天叢雲に気付いたメカゴジラは機龍にミサイルを撃つ。しかしその時、横から狙撃がミサイルポットを直撃した。しかし壊れない

 

メカゴジラが熱線を吐く。近くに居るシャルナックを薙ぎ、狙撃してきたソルジャーが居たであろう一帯を焼き払う

 

 

おい!無事かお前達!

何とか無事だ。舞い上がった瓦礫で掠り傷負った位だ

こっちも何とか。近かったから冷やひやした。だが至近距離での高熱で左腕に一部不具合が出てる。機動力とビットは全力を出せる

シャルナック、現状出せる予備もお前に託す。全部使い潰しても構わん。頼んだぞ

 

 

手持ちの鹵獲ビットを全て放出した。追加で三基が投げ込まれ七基が指揮者の操演で舞い踊り始める。それと同時に機龍の誘導弾が遂に、片目に直撃した

 

 

ギュウウァァァァァ!

 

 

═══════

 

 

他はと言うと大いに苦戦していた。各部の剥き出しケーブルは内部に埋め込まれ弱点の大部分が解消された強化改造キラードロイドに苦戦を強いられていた

 

今までなら弱点を集中攻撃して部位破壊を徹底することで楽では無いにせよキッチリと料理出来ていた

が、俊敏さも増してその部位破壊も厳しくなっている

 

 

「ヒノちゃん、大丈夫?」

「障害物が増えてるから何とか」

 

A・アーサーが飛行形態で飛び、その背中にムーンが乗って電磁機関銃でヒドラの背部ジェネレータアーマーを狙い撃ちにする。しかし装甲は凹むが貫通しない。柔よく剛を制されている

 

それにヒドラの首の武装の半分がレーザー機関銃に置き換えられていて元のレーザー砲と織り混ぜた対空射撃をしてきており回避運動だけでもそれなりに厳しい物がある

 

 

「やっぱり駄目か。必殺ファンクション!」

 

 

アタックファンクション

サンダーバースト

 

 

サンダーバーストは大体の障害物を全て切断してダメージを与える必殺ファンクション、しかし装甲に阻まれる

 

 

「駄目だ。やっぱり何とか飛び付いて斬り刻むしか無いかも。銃じゃ通らない」

「あれに近付くのは至難の技だよ。どうするか」

「インビジブルなら気付かれる前に近付けると思う。この溶岩の熱と光で影とか熱源探知は使えないだろうし」

 

 

ムーンがA・アーサーから飛び降りインビジブルブレイドで透明化、念のため地形を隠れ蓑にしつつ素早く近づく

 

 

═══════

 

目に直撃した機龍の誘導弾は目を破壊するまでは至らなかったが怯ませるには十分だった

 

即座にシャルナックが自らのエネルギーを練り、ソルジャーに託す

 

 

ユニオンファンクション

ブレイズカノン

 

 

二機のユニオンファンクション、凄まじいエネルギーを秘めた火炎弾を足元に撃ち込んだ。メカゴジラが立つ瓦礫の山を爆風で簡単に崩壊させ派手に転倒する

 

身体中のロケットブースターで転倒する前に姿勢を直す。しかしその直す時間で機龍は、アブソリュート・ゼロを撃つ用意を完全に終えた

 

 

「機龍、絶対零度発射。終わりだ!」

 

 

アタックファンクション

アブソリュート・ゼロ

 

 

それを視認したメカゴジラ、姿勢を立て直す間も無く熱線で絶対零度の光球を迎撃する

狙いがぶれる熱線を制御、光球は進路を変えずに突き進み、メカゴジラに命中した。しかしメカゴジラは凍ることが無い。口の中を冷却出来たくらいだ

 

 

「おいおい、アブソリュート・ゼロがほぼ無力化された?とんでも無い熱量してやがる。だが凍らないわけではない。なら、やりようはいくらでもあるな」

 

オーバードウェポン無しでの撃破を思いつき、それを実行に移す



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疲労と破壊

短いけど、許して


═パラダイス司令室════

アブソリュート・ゼロを撃ち終えた機龍に熱線を撃ち下ろす。横への全力飛行で逃走、しかしその偏差先にロケットが撃ち込まれているのが視えた

 

シャルナックがビットを六基飛ばして2つのシールドを作りロケットを受け止める。すかさずそこで垂直上昇 熱線がシールドビットに当たる寸前にシールドを解除して散る

 

 

お前達、リンク深度を限界まで上げる。着いてこいよ?

誰に言っているんだ?

無論だ。どれだけの付き合いだと思っている

・・・!!

 

 

三機と更にシンクロ深度を上げた。自分の目を更に酷使してオーバーセンスとオーバーロードの精度を上げる

 

 

「さあ、ここからが本気だ」

 

 

スルガCCM『CODE‘G‘』

 

 

機龍が内側から湧き出た黒いオーラに呑まれ赤目に、更に白いオーラを纏い金色の目を輝かせる  

ソルジャーDが緑の光、シャルナックが赤の光を纏う

 

機龍は兎も角ソルジャーにシャルナック・・・それがお前達の全力か?なら、アレを倒しきるぞ!

 

 

メカゴジラが再び熱線を吐く。今度の対象はソルジャーD、しかし速度と障害物を利用して逃走

更にシャルナックにロケット発射、接近してメーサーブレードの突き立てを狙っている機龍を豪腕を振り回す

 

全ての攻撃が回避されたメカゴジラは大きくバックジャンプ、三機をまとめて屠らんと熱線を吐いた

しかしほぼ完璧な未来視の三機と一人には当たらない

ソルジャーとシャルナックが飛び出して気を引く。その間に機龍は隠れて素早くバッテリーの交換を行う

 

二機はビットを足場にしながらミサイルや熱線を巧みに回避、近づく過程で一基が熱線で焼かれたが近付くことは出来た。更に尻尾を振り回して落とそうとするが当たらない

そして再びユニオンファンクションを使う

 

 

ユニオンファンクション

ブレイフリーズ

 

 

交差の瞬間にお互いのエネルギーを受け渡し、練り上げると霊刀クサナギは空気を凍り付かせるような凄まじい冷気を、天叢雲とソードビットが激しく青く燃え上がる炎を纏う

 

まずソルジャーが冷気を纏うクサナギで首から股を斬りつける。しかし斬りつけた場所が少し冷気を帯びる。大体氷点下100℃前後だろう

 

直ぐにシャルナックが動く。ソルジャーの陽動を隠れ蓑にして、胴体全体に青い炎を全て解き放った

大したダメージにはなっていないだろうが装甲が赤熱化一歩手前の温度に達している

 

 

シャルナックと同刻、遠方ではバッテリーを交換し終えた機龍がアブソリュート・ゼロの発射準備を整えていた

 

 

アタックファンクション

アブソリュート・ゼロ

 

 

 

遠距離から絶対零度の光球を撃ち放つ。二機の攻撃を耐えきったメカゴジラが機龍に気が付いた。迷わず光球に熱線を放た。シャルナックがシールドビットを二枚重ねて防御、だが数秒持たず突破され熱線は光球に直撃

どんどん光球は弱まる

 

アブソリュート・ゼロ迎撃に夢中になるメカゴジラの目をソルジャーがすかさず狙撃。直撃してメカゴジラが顔を押さえる。そしてアブソリュート・ゼロがメカゴジラの胴体中央に着弾、急激に冷却された装甲が悲鳴を上げ、各パーツに大きな亀裂が走る

 

これこそがスルガの狙いだった

 

 

 

 



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112話

══パラダイス司令室═════

メカゴジラの胴体装甲パーツ全体に亀裂が走る。メカゴジラは動揺したが直ぐに憎悪を露にする

 

スルガの狙いは急激な温度変化での金属疲労の誘発だ。熱による収縮→膨張→収縮をごく短時間で行い装甲を割ったのだ

 

 

よし、割れた。一気に畳み掛けるぞ!

 

 

機龍が一気にメカゴジラへと接近、メーサーを照射した 

今の胴体装甲はほぼ無いに等しい

腕で防御、しかし至近距離のシャルナックとソルジャーDとスルガから大量のグレネードが投げ込まれる

尻尾を振り体を大きく一回転させてグレネードの爆風を無効化する

 

その間もソルジャーからの狙撃とシャルナックからはソードビット、機龍からメーサー、レールガン、誘導弾が飛んでくる。更にルール無用とスルガもたまにグレネードを放り投げ入れる始末・・・

時折スルガを殺そうとメカゴジラが熱線やミサイルを撃っているが避けられ、迎撃され、全体の動きが防戦にシフトしている

 

メカゴジラの懐に飛び込んだ機龍はメーサーブレードを展開、しかし横から殴り付けられる。ダメージは最小限に抑えたが重量差だけは埋められずに飛ばされた

 

追撃にミサイルが撃ち込まれたがこれは撃ち落とし瓦礫の隙間に着地

 

ソルジャーが左腕格納のボウガンでアンカー付きワイヤーを射出、アンカーは割れた装甲に引っ掛かりソルジャーがそれを確認するとワイヤーの片側を崩れ去った建物の基礎に巻き付ける。

 

メカゴジラはワイヤーに気付かない。振り回される腕に回避行動を取らせながらソードビットで攻撃続行

五基を陽動に使い残りの一基で左目を突き刺す。三基が叩き飛ばされ二基とのリンクが途絶した

 

 

スルガ、左目を刺した。もう使えないだろう

ワイヤーもそろそろピン張りだ。そろそろ大きな隙を見せるぞ。逃がすなよスルガ、機龍

ああ。止めは頼んだぜ

 

 

機龍はメカゴジラの死角に入る為に透明化して右にダッシュで移動、メカゴジラは潰された左目を抑え体を震わせて、大きく吠える

だが直ぐに体制を建て直す。すかさず右目狙いの狙撃が撃ち込まれるがメカゴジラはこれを気に止めず機龍を探す。しかし直ぐには見つからない。左への視界を確保するため大きく首を振る。しかしその行動で体を捻る時漸くワイヤーが張り切りメカゴジラの動きが止まる

メカゴジラワは結び付けた基礎を踏み潰して破壊しワイヤーを体から取り除く

 

決めろ。連装メーサー出力最大!

 

動かした腕の影には、絶対零度砲以外の武装の全てを発射している機龍が居た

 

メカゴジラはあわてて防御するが既に手遅れ。出力リミッターが外された連装メーサー砲、多数の誘導弾、レールガンが割れた装甲に殺到

隙間からメーサー、爆風と破片、弾丸が装甲など等無い内部を蹂躙する

ケーブルが焼け切れ基盤がショートし煙が爆炎が更なる爆炎が掻き消していき、メカゴジラが苦痛に悶え大きく咆哮する。そして熱線のチャージを開始した

 

 

スルガCCM『不明なユニットが接続されました。システムに深刻な障害が発生しています。直ちに使用を停止してください』

 

 

ソルジャーの背中には機龍の攻撃寸前にスルガが投げ込んだグラインダーブレードが背負われていた

左腕がパージされエネルギーを貪る為のケーブルがセット、さらにシャルナックもそこに触れユニオンシステムを解放する

二機が持つ残存エネルギーを隙に貪り焔に包まれたグラインドブレードが今まで以上の殺意を露にして展開し稼働、六個のチェーンソーが円形にならび火花を散らす

 

 

オーバードウェポン

グラインドブレード・UNION

 

 

一直線に瓦礫を破砕しながら進むグラインドブレードを機龍が尻尾で殴り無理やり軌道変更、胴体のど真ん中狙いで空中に打ち上げる

 

焔を纏うグラインドブレードは丁度胸のど真ん中を捉え装甲を即座に粉砕しメカゴジラの体内に侵入、破壊の限りを尽くし背中から飛び出た

 

「行くよ。機龍止めだ」 

 

 

アタックファンクション

アブソリュート・ゼロ

 

 

機龍から三度目の光球が放たれる。胸に大穴を穿たれたメカゴジラは地に伏せ動きを止めている。

絶対零度の光球は、直撃。メカゴジラは分子崩壊を起こし、その姿を消した

 

そして、スルガとフィールドを覆っていたバリアも解除される。その瞬間、シャルナックムーンとA・アーサーがスルガの顔を掠めて床へと落ちていった

 

 



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終わりの始まり

═パラダイス司令室════

スルガの顔を掠めたシャルナックムーンとA・アーサー

 

「!?」

「スルガ君!大丈夫か?」

「俺は何ともない。ジン、何があった?」

「ゼウスがガーダインの手から離れて暴走した。いや、アダムとイブに乗っ取られた」

「乗っ取られた?じゃあ、あのエネルギーシールドの中には?」

「バン君とヒロ、ランが居る。僕らには手出し出来ない。それに、あのキラードロイドもだ」

 

ジンの指差す上を見る。そこに居るのは、目映い程の金色に耀く三つ首の竜。ロボットとなっているがその威厳は本物

『宇宙超怪獣』『超ドラゴン怪獣』『千年竜王』『恐怖の象徴』そして・・・『黄金の終焉』

 

 

「キング・・・ギドラ」

「キングギドラ?あれを知っているか?」

「少しだけ・・・確か神話上の生物だ。宇宙から飛来し、星を喰い尽くす。まさに、怪獣だよ」

「おい!動ける機体は何機ある?」

「僕たちのLBXは強化されたキラードロイドと相討ちになってしまった」

「僕のアーサーとムーンが動けるけど、かなり傷付いてる。長くは持たない」

「つまり・・・まともに戦えるのは俺だけか。二人とも、時間を少し稼いでくれ。機龍のバッテリーを交換したい」

「分かった」

「シャルナック、ソードビットで少しでも援護を」

 

心得た

 

スルガが機龍のアーマーフレームを取り外しバッテリーを交換、背部バックパックとレールガンを銀ユニットに換装しスパイラルクロウを装備、装甲を元に戻しロックして準備完了

この間僅か一分ほど

 

「良し。準備できた」

「キャアッ!」

「くっ、一撃で」

 

 

シャルナックムーンとA・アーサーが金色の稲妻のような光線、引力光線を浴びて一撃でブレイクオーバー、シャルナックもビットシールドを貼ったが意味をなさずブレイクオーバーした

 

そして、ギドラが降りてくる

 

『フルリンクシステム始動』

 

スルガCCM『CODE“G“』

 

白いオーラに包まれた機龍とスルガの目に再び闘志が宿る

 

 

ギシャァァァァァァァァァ

ギシャァァァァァァァァァ

ギシャァァァァァァァァァァァァァァァ

キシャァァァァァァァァァァァァァァァ

 

 

機龍は一気に距離を詰める。キングギドラ相手に遠距離戦は危険だ

キングギドラが一斉に機龍めがけて引力光線を吐く

ブースターでの横移動や急停止を繰り返して回避

胴体にタックルを食らわせ少しのけ反らせる

 

右の首が噛み付こうとする。しかしそれを受け止め上顎と下顎を脇にひっつかみ顎関節を壊しにかかる

そこに他の首が噛み付きに来た。左の首は尻尾で弾き真ん中の首には誘導弾をぶつけて対象、しかし時間稼ぎにしかならない。右の首も引力光線を吐きながら機龍を振り回すが機龍も放さない

 

左の首の再攻撃、パッと右の首を放し避け様にメーサー照射して迎撃、素早く背中に回り込み翼の付け根に誘導弾とレールガンの射撃を加える。だが目に見えた損害は無くピンピンしている

 

しかしスルガには何となくの確信が合った。メカゴジラは本来対ゴジラ兵器でキングギドラもゴジラと戦う怪獣、つまり相手は同等の怪獣、だが人サイズなら図体と火力で蹂躙できるだろうが、キラードロイドサイズに落とされている今、小さくて機動力のあるLBX相手は不得手なのでは無いかと

ゴジラが大量のメガニューラやデストロイヤ中間体に取り付かれたのが根拠の一つ。加えてギドラには体内放射のような技はなく、くっついてしまえば攻撃手段は限られるだろう

 

ギドラは飛翔、機龍も追撃と行きたかったがここで機体数ヶ所ブースターに異常発生、さっきからメンテナンス無しの連戦続き、地上の高速移動に問題は無いが飛行するとなると一直線しか難しそうだ

 

 

「こんな時に・・・連戦が祟ったか。ギドラ相手に対空戦・・・いや、アレと条件は同じ。ヤツに出来て機龍に出来ないことはない」

 

機龍と共に天を見上げて舐めたように見下してくるギドラを見据えた

 



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黄金の終焉

═パラダイス司令室════

機龍が飛翔するキングギドラに口部連装メーサーを撃つ。しかし目に見えた効果はない

引力光線が撃ち下ろされる。CODE-G-やオーバーセンス、オーバーロードの使用もあり掠り程度で済むがこちらからの有効打も・・・無いわけではないが乏しいのは確かだ

今度は誘導弾の一斉発射、大きく旋回させ全て翼に叩き付ける

避ける仕草も無く全てを受け止めたギドラは衝撃でバランスを崩して墜落してきた

 

墜落を確認してスパイラルクロウを突き出しながらブースターで突撃

 

墜落してきたギドラは巨大な翼で地面を打ち墜落の衝撃を少しでも和らげる。しかし右横腹に機龍のスパイラルクロウが突き刺さった

叫ぶギドラ。貫通はしなかったが中身を少し搔き回す

機龍が少し距離を取りメーサーを照射して傷口を抉る

ギドラの悲鳴、起き上がり右の首が引力光線を吐き、メーサーと拮抗、両者のエネルギーが暴走し爆発する

 

だが突如スルガが動いた。ギドラは爆煙でその姿は見えない。そして機龍を突撃させる

黒い煙が一瞬金色に光ると、機龍ではない別の方向に引力光線を吐いた

 

ほんの数瞬前にスルガの頭に焼き付いた一枚の画像、その未来はスルガにとっては最悪の未来だった

スルガは急停止してギドラと対面し腕をX字に組んだ

 

そして、スルガに引力光線が直撃する

 

 

「グゥッ!!」

 

 

直撃した場所の宇宙服は短時間で破損、筋肉が腐肉のように爛れ焼け血が流れ、辺りに嗅ぐに耐えない臭いを撒き散らし激痛が走る。だが避けるわけにはいかなかった。スルガの後ろには

 

 

「スルガ!」

 

 

ルナとヒノが居た

独りでに突撃していた機龍が左首を殴りつけ中央の頭に引力光線をぶち当て悲鳴を上げさせ引力光線を止めた

短時間でもギドラの光線を浴びたスルガ腕はボロボロで動かすのがやっと、そして外気に触れ激痛が続く

 

 

「大丈夫!?」

「あ、ああ。こんくらい今までに比べりゃどうってことはねえ・・・が、アイツは俺を怒らせた。機龍、もう一段だ」

 

 

機龍が吼える。スルガも宇宙服を脱ぎ捨て音にならない叫びを上げた

 

そして纏う機龍の白いオーラが反転、一気に黒に染まり背鰭はパチパチと青く光る

それと同時にスルガと機龍の目が赤くなった

 

 

ギシャァァァァァァ!グォォォォォゥン!

 

 

キングギドラが明らかな警戒体勢を取る。それを見た機龍がノータイムで熱線を撃つ

 

飛翔して熱線を回避、引力光線で打ち返してくる熱線で追尾、パラダイスが軍事衛星でなければこの熱線で至るところに穴が開いていただろう

 

そのまま熱線を上に向けてギドラを追撃、引力光線と熱線がぶつかり合い大爆発を起こす

 

 

今度はレールガンで集中射撃。いつもは牽制程度でもこの形態で使えばかなりの破壊力を発揮するようだ。球が青くなってる。しかし煙でどうなっているのか見えない

 

 

なので機龍は上を見据え、跳躍した。その直後ギドラが煙の中から急降下して居るのを先見して中央の首を尻尾で打ちにかかる

 

しかし、殴りかかる寸前で中央の首が尻尾に食らい付いた。それを視て避けられないと分かった瞬間誘導弾を発射、ギドラは機龍を振り回し何度も地面に叩き付ける

 

何度か叩き付けた所で撃っておいた誘導弾がギドラの背中に殺到し直撃、ギドラは大きな悲鳴を上げる

機龍が解放された。ダメージは少なくないがまだ余裕があった

 

「僕らとΣオービスで辛勝したあの機龍をあんな簡単にあしらうとは・・・」

 

機龍はギドラと徹底的に距離を詰め始めた。徹底的なインファイトと零距離熱線で殺しにかかる

 

最初の拳は翼で防御された。だが翼程度ては防げない

そのまま弾き首の付け根を殴り続けて尻尾の打撃、噛み付きを避けるために床に着地し右足にタックル

至近距離からの打撃にギドラが足元に引力光線を吐き機龍を攻撃、光線は床に乱反射して機龍に命中

 

オーラの下では当たった装甲が損傷、更に左肩のバックパックの弾薬とエネルギーが誘爆して結構なダメージを貰う。そして本能的に機体のバランスが狂うのを嫌い残り全ての誘導弾を発射し、ギドラに向けてパージした

 

 

 

 

─sideルナ────

 

「・・・スルガ」

 

スルガの体は常に蒸気を発する程の高熱を発している

少し触れただけで自分も燃えてしまいそうな、そんな気さえしてしまう

だけどそれは良い。一番心配なのはスルガだ。何もかも燃やし尽くして砕け散ってしまうのでないか

 

「今はスルガを信じるしかない」

「スルガもそうだけあっちもだ。バン君やヒロ君があの戦闘に巻き込まれないと良いが」

 

事実キラードロイドユニコーンが張ったKフィールドに少しずつ攻撃は命中している。引力光線や熱線が掠めてもかろうじて耐えていた

 

「ハッハッハッ!アレは!あのドラゴンはもう止められない。いくらあの規格外が相手でもだ!」

 

ガーダインのテンションもおかしくなってきた

機龍とギドラも未だ死闘を繰り広げており、戦況はギドラが優勢。機龍は熱線を数発当てているがギドラの装甲は突破出来ずにいた。比べてギドラの攻撃全てが機龍にとって致命傷になりうる

 

「頑張って、二人とも」

 

ルナとヒノの願いは裏切られた

機龍にトリプルトルネードが直撃、ダメージのフィードバックを受け止めきれずスルガ自身も痛みに叫ぶ

 

そしてギドラの両首が機龍の両腕に噛み付き、飛翔を始める。離れようと暴れるが無駄抵抗だった

 

 

「ムーン!少しでも良い!動いて!」

「彼を助けたいんだ。頼むA・アーサー!」

 

しかし、既にギドラによって蹂躙された二人のLBXは答えない

 

限界まで昇ったギドラは機龍に引力光線を吐き、落下速度を高めさせながら、機龍を墜とす

機龍も残ったブースターで抵抗するが更に強い力の前には堪えきれない

やがて機龍は床に叩き付けられた。機龍はピクリとしか動けない。同時にスルガも片膝を付く

 

 

「「スルガ!」」

 

 

倒れたスルガにルナとヒノが熱を堪えて抱きつく。ジンや他のメンバーも反応が無いスルガを呼び掛ける

 

 

「もう!もう良いよ!スルガが死んじゃう!」

 

 

無慈悲にもギドラは翼の各部から稲妻を出して倒れる機龍に纏めて叩き付ける。避けることも出来ない機龍は咆哮を上げたが直撃、二回目が撃たれ直撃、引力光線で止めを刺される

そして、スルガの全身から力と熱が抜けていく

 

10秒、20秒と少しずつ時間が流れる。しかし二人は動かなかった

 

「やった・・・ついにやったぞ!河白スルガ!お前だけは絶っ対に許さない!」

 

 

ガーダインが意識の無いスルガに近付いてきた。がジンとユウヤ、卓也が立ち塞がる

 

「ここからは通さない!」

「ふん。LBXが無いお前らに何が出来る?」

 

ギドラは動かない機龍のすぐ近くに降り立ち勝利の咆哮を上げた。ゆっくりスルガの方にやってくる

 

 

「まあいい。やれ!」

 

 

ギドラがガーダインの号令でエネルギーをチャージ。引力光線を吐いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガーダインに向けて

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「グオオオオオオオオオオオ!」

 

 

防弾チョッキを着ていた用だが無防備な背中に引力光線を吐き捨てられ、皮膚は見るも無惨に爛れ、肉は焼けて血によるコーティングをされると言う酷い姿になり果てた

そしてギドラは最初から主と認めていなかった(どうでも良かった)とばかりに意識を失ったガーダインの頭を踏みつけ、スルガを睨み付ける

そして、引力光線のチャージを開始した

 

ルナはスルガを抱え込み他のメンバーがスルガの前に立つ

 

が、ギドラの横に数発狙撃が飛んでくる。この攻撃をしているのは・・・ユニオンシステムとの併用でグラインドブレードを発動させると言う無茶苦茶をさせられ左腕を失い満身創痍のソルジャーだった

 

鬱陶しく思ったギドラはソルジャーを睨み付け引力光線を吐く。だがソルジャーは攻撃の手を緩めず走行を開始

床で乱反射する引力光線を避け続け、覚醒を信じて待つ

 

が、そう長くは持たない。激しい連戦も祟り引力光線が掠めたタイヤが破裂、バランスを崩して直撃を貰いソルジャーが止まった

 

その直後だ。ルナとヒノが抱えるスルガの心臓が鼓動のペースを上げる。そして再び体に熱を帯び始めた

 

 

「熱い・・・スルガ、今度は何をしようとしてるの?」

 

 

ソルジャーを撃破したキングギドラもスルガの異変に気付く。それと同時に機龍のこの世の物とは思えない異様なオーラにも

 

 

「あれは一体?」

「皆、あれ見て!シャルナックとソルジャーが動いてる!」

「それだけじゃない。俺達のLBXも動き出してる!?」

 

ムーンやA・アーサーを皮切りに他のLBXも再起動

 

その行動に驚く一同、そして、ムーン、A・アーサー、シャルナック、ソルジャーDのユニオンシステムが起動

この場のLBXから残ったエネルギーのオーラを受け取り練り上げる

 

 

「うっ、ぐっ!ガァァァ・・・」

 

 

そして、スルガがゆっくりと立ち上がる

 

 

機龍の中に再生する何かを恐れたキングギドラは引力光線を機龍に向けて吐いた。しかし機龍の中から涌き出て全身を覆い尽くした黒のオーラが受け止めた

更に引力光線を吐く。が、機龍には当たらず黒いオーラが飲み込み続ける

 

そして四機が練り上げた極彩色のオーラが機龍に向けて放出される

そのエネルギーを受け取った機龍は更に黒いオーラを増大させ、オーラの中でボロボロの機龍が再起動、立ち上がった

 

そして、機龍が纏うオーラも確かな形を持ち始めた

 

 

「ルナ・・・ヒノ・・・俺はゴフッ!ガハッ!大丈夫だ、ただ少しだけ・・・人間じゃ無くなる・・・言っただろ?帰ってくるってな!」

 

 

息も絶え絶えで無尽蔵に血を吐きながらルナとヒノの頬を撫でた

 

 

「分かった・・・それがスルガの覚悟なんだね」

「待ってるよ。スルガ」

「ああ。待っててくれ。行くぞ機龍ッ!これが俺と機龍の、俺『達』の力だぁッ!!!」

 

機龍から涌き出た黒いオーラはキングギドラと同サイズに成長、巨大な機龍を、否!怪獣の姿を作り出す

 

青白く発光する白い背鰭、その体重を支える太く頑丈な足、長く少し床に付いただけで地響きを発する尾、何物をも通さぬ頑強な胴体、キノコ雲の用な頭と鋭い牙、そして激しい闘志の宿った眼

その姿を見ただけで鳥肌が立つ

 

機龍から顕現した存在『水爆大怪獣』『破壊神』そして・・・

 

 

 

ゴグァァァァァァァァァァァ!グォォォォォゥン!

 

 

 

『怪獣王』ゴジラ

 

 

 

 



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怪獣王

══════

黒いオーラが作り出したゴジラ。そのサイズは人の腰ほどだが威圧感が段違いだ

 

 

「あれって・・・黒い機龍?」

「なんだろう、見るだけでも恐ろしい」

「絶望って、生き物にするとあんな感じなのか?」

『昔の日本に残され、忘れ去られた伝承の海神。怪獣の王、ゴジラ』

「怪獣王・・・ゴジラ」

 

 

スルガの体に熱は帯びて血を吐いているが表情には落ち着きと確かな自信が見られ、そして口角を上げる

ゴジラはギドラに向けて歩きだす。ギドラも翼を地面につけて走り出しす

二匹の怪獣は直ぐに衝突。強い衝撃波が空間を揺るがした

そしてギドラがゴジラを締め上げて噛み付く。そしてエネルギーを喰らい始め、ゴジラはその豪腕でギドラを剥がそうとするが剥がせない

そして、天に向かって吼えた。その咆哮と同時に体から鋭い光を発して密着していたキングギドラを二、三歩退かせて頭から突進、ギドラはバランスを崩す

更に尻尾で横殴りにし打ち倒す

 

 

「凄いパワー・・・あの金色をこうも容易く」

『まだだ。行くぞ!』

 

 

ゴジラが倒れたギドラの尻尾を掴み頭上に振り上げ床に叩き付ける。再び振り上げ強く床に叩き付ける。そして指令室のアダムとイブの球体型制御端末に投げつけた

 

投げつけたギドラを睨んで熱線のチャージ。確実に仕留めに掛かる

 

 

「駄目!それを傷つけたらアダムとイブを止められなくなる!!」

『止め指し損ねたか』

 

 

大空博士からの声で熱線を明後日の方向に吐き捨てる

ギドラも体勢を立て直して引力光線を吐き直撃してゴジラが怯んだ

 

 

「今の状態・・・前のような暴走ではない?」

 

 

卓也やコブラが考えるが明確な答えが一切見付からない。機龍とスルガの暴走、それで片付けてしまえばそれまでだが明らかに異様だ

卓也の思考が時々空転する間もゴジラとキングギドラは激突する

 

 

「今の彼、どうなってるのら・・・ねえ、彼から機龍の詳細なデータって貰ってないの?」

「製造したときのデータ位しかない。それに機龍には自我がある。スルガは人格の入れ換えなんて離れ業もやってのけた・・・もうどう変化しているか予想もつかない」

「いや、スルガはスルガのままだよ。少しずつ進化してるんだ」 

 

 

ルナにはスルガの記憶の中でゴジラと言う存在も知覚した。恐らくアレは機龍とスルガの思念体のようなものだとルナは予想していた

 

 

『まだ倒れないか。流石の耐久力』

 

 

ギドラは手数で勝りゴジラは一発の力で勝る

光線と熱線の撃ち合いや電撃、殴り合いでは相手を仕留めきれないとお互いが認識したとき、キングギドラが飛び上がり全身が眩く光輝き引力光線のエネルギーを貯め始める

 

 

『決着をつける』

 

 

ゴジラも対抗して右足、左足をしっかり床にめり込ませ尻尾を後ろに打ち付け床との接地面積を最大限増やし、背鰭をバチバチといっそう激しく光らせながら熱線をチャージ

 

二匹の間には一触即発、一撃必殺の力を貯めきった

その刹那、バンが居るペガサスが生成したKフィールドが解除されゼウスだけが飛び上がって来る

 

どうやらユニコーンの撃破際にうまく逃げたらしい。しかし、ゼウスが飛び上がった場所はゴジラとキングギドラを結ぶ一直線上の中心点、つまり・・・

 

 

《熱線と引力光線が衝突する座標》

 

 

ゴジラの口が強く輝き、キングギドラの三つ首が光る

 

二匹が気にも止めずお互いに止めを刺す一撃を放った

ゼウスは一切の抵抗を許されず熱線と引力光線を喰らい蒸発、だが互いに一切の減衰を見せず衝突

 

 

衝突した熱線と引力光線は拮抗、衝突点では行き場の無いエネルギーが膨張する

 

『グォアアアァァァァァァァァァァァァ!』

 

 

スルガの咆哮

 

 

「拮抗してる。もう一押しがあれば・・・バン!」

「そうだね。ヒロ!ランちゃん!」

「「スルガを援護して!」」

 

 

一瞬で状況を整理した山野博士を置いてきぼりの三人を動かす

 

 

「三人とも、ユニオンシステムだ!あの黒い機龍に残りのエネルギーを分け与える」

「ああ!/ハイッ!/オスッ!」

「「「ユニオンシステム、起動!」」」

 

 

ユニオンシステムによってイカロス・ゼロ、イカロス・フォース、ヴァルキュリアのエネルギーが練り混ぜられゴジラの背鰭に吸収される 

 

 

ゴォグァァァァァァァァァァァ!

 

『ゴォグァァァァァァァァァァァ!』

 

 

スルガとゴジラが共鳴する。そして、今受け取ったエネルギーを上乗せし、熱線の色が赤く変化

拮抗していた熱線が徐々に押し始め、拮抗し行き場を失っていたエネルギーすら上乗せしキングギドラの胴体に直撃、壁をギドラで破壊しながら宇宙空間へ放逐

やがて熱線は体を貫き、キングギドラを爆散させた 

 

 

 

 

ゴグァァァァァァァァァァァ!グォォォォォォン!

 

 

 

 

ゴジラが勝利の咆哮を上げる。それと同時にゴジラを形作っていたオーラは崩れゆっくりと霧散していった

 

 

「やったな・・・機龍」

 

 

そして、スルガは意識を手放した

 

 



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後始末

═昼頃、どこかの病院?════

 

「んん?・・・ここは?」

「おや?ようやくお目覚めか。もうこのまま起きないかと思ってたが」

「・・・主治医、ここは?」

「日本の元イノベーターの秘密病院さ。一応こうやって使える用にだけはされていた。今の君を匿うにはもってこいの場所だよ」

 

 

ベッドの上で軽く体を動かす。ぎこちなくはあるが普通に動く・・・が手足は長めの鎖でベッドに拘束されていた

 

 

「・・・この拘束は?」

「この間みたいに暴れられても困るから。おっと、それよりルナとヒノ君に連絡しよう。凄く心配していたからね」

「頼む。それと俺どんくらい寝てた?その間に何があった?」

「大体一週間だ。それにその腕の傷、随分治りが早いじゃないか。人工皮膚を張った訳でもないのに」

 

 

そう言えば引力光線で焼かれたな。そう思い腕を確認すると傷跡が残っているだけでほぼ完治している。そして主治医は内線でどこかに電話していた

 

 

「本格的に人間じゃあ無くなってきた。そんな所だろ」

「体の事はまあ良いや。もうどうなっても驚かない。で?寝てる間に何があった?」

「それはルナやヒノ君の方が詳しいからそっちに聞くと良い。僕が知ってる範囲ではガーダインの身柄は軍に引き渡されて、裁判が待っているようだ」

「ガーダイン、死刑は免れんだろうな。で、山野博士と檜山真美は?」

「山野博士は許可や監視付きでない出国を禁止された。まあ、日本国内に軟禁されたと考えてくれ。檜山真美の方はガーダインに騙されていたと言うことで懲役で済むだろう」

「アラン・ウォーゼンはどうなった?最後にガーダインを裏切ったが」

「日本で言う無期懲役が濃厚だそうだ。ついでに風摩キリトは騙されていたと言うことで無罪放免に近い扱いを受けている」

「オメガダインは?曲がりなりにもLBXの管理機構だろ?」

「オメガダインは無くなる・・・と言っても管理は必要、後進組織が出来上がるんじゃないか?」

「今は確か政府の管理下・・・また怪しいことに成らないと良いが。それで、A国の立場は?宇宙条約に喧嘩売るようなもん隠してたんだ。国際世論も黙っちゃいまい?」

「パラダイスがしたであろう事は全て開示された。潔い行動に少し驚かれつつ、被害者遺族が中心にA国の責任を追及、国家間の詳しい話し合いは水面下で繰り広げられるだろう」

 

 

主犯格達の末路はこんなもんらしい。まだスルガの裏工作の余地は残されていそうだ

 

 

「スルガ!」

「スルガ・・・良かった」

「ただいま。ルナ、ヒノ」

 

 

ベッドに飛び込んでくる二人を受け止めて抱き寄せる

 

 

「色々言いたいことある」

「説教は勘弁してくれ」

「僕も色々聞きたいことがある」

「だろうな」

「「おかえり。スルガ」」

「ありがとな。待っててくれて」

 

 

しばし本人達の心が休まる時間を過ごす。スルガは二人の頭と背中を撫でながら強く抱き締めて、唇を落とした

 

 

「さてと、余韻を壊すが二人とも俺がぶっ倒れた後どうなった?キングギドラを撃破したまでは覚えてるんだが」

「今度は唇同士でしてね?」

「ぼ、僕もそれがいいな。あの後は山野博士と大空博士がアダムとイブのシャットダウンして、ガーダイン拘束して特に何事も・・・スルガがパラダイスに穴開けた以外は何事もなく地球に戻ったよ」

「それは申し訳ない。でアダムとイブをシャットダウンしたってことは一連の事件は終息したってことだな」

「まあ、そうだね。後は?何を知りたい?」

「パラダイスを隠してたA国の立場とかガーダインがこんなこと企んでた事へのネットの反応とか政治的な事だしまた自分で調べとくよ」

「ねえ、スルガって起きたし退院でいいの?」

「一度精密検査はする。異常無しだったらそのまま帰ってもらって良いよ」

 

 

この後、特に異常が無かったので三人で帰宅した

 

 

「あ、そうそう、筋肉とかは落ちてるから暫く無理の無い範囲でリハビリしてね~」

 

 

 

═ミソラタウン 住宅街═════

久々の自宅、かれこれ半年程になるだろうか?だがそれにしては小綺麗だ

 

「ただいま~」

「いやー、帰ってきた帰ってきた」

「ん?なんか綺麗、埃とか積もって無い?」

「スルガがいつでも帰ってこれるように僕とルナで掃除したんだ」

「そんな所まで、色々とすまんな」

「ヒノちゃんどうする?今日からでもここ住んでも良いけど」

「さすがに一度イギリスに戻るよ。家族にも会いたいし、後スルガとルナの事を両親に紹介したいな」

「ならちょっとここに居れば?少しばかり三人で過ごそうぜ」

「ならその後でイギリス旅行だね。ヒノちゃんの両親に会いに行こー」

「そういやヒノ、お前名前的に日本人だろ?生まれは日本か?育ちはイギリスだろうけど」

「うん。生まれはイシカワシティのコマツタウンだよ。スルガは?」

「以外と近いな。俺はカナザワタウン産まれだ。生活した記憶ほぼないけど」

「そう言えばスルガって昔どんな事してたの?」

「んー・・・小学生の時の事故のせいかそれ以前の記憶がぼんやりして思い出せないんだ。あ、別に地雷踏み抜いたとか気にすんなよ?面倒臭いし」

「因みに私も両親の事ろくに知らないからね」

 

 

なんかヒノが少し居たたまれない表情をしているが特に気にしない二人であった

そしてスルガのCCMに着信、拓也からだ

 

 

「お二人さん、ちょっと失礼」

「拓也さんから?」

「うん。まだ起きたこと連絡してねえんだけど、どっから嗅ぎ付けたんだ?」

 

 

とりあえず自分の部屋に行き、拓也からの連絡を取る

 

 

『もしもし、おはようございます』

『スルガ、体は大丈夫か?』

『ええ。リハビリは必要ですがピンピンしてますよ。タイニーオービットの方はどうです?』

『君の置き土産のお陰でクリスターイングラムはタイニーオービットを手放した。沢村は脱税と汚職がバレて逮捕されたよ・・・これも君の仕業か?』

『いやぁ、多分霧野秘書の手腕ですね。俺はそっちの情報殆ど(スルガ基準)集めてないし。じゃあ拓也さん社長に戻ったんですか?』

『ああ。しかも君の技術に興味を持った一部クリスターイングラム社員も我が社に入社してきたよ』

『役に立ったなら何よりです。俺もまた頼りにさせて貰いますよ』

『また暇なときにでも顔を出してくれ。会いたがってる奴も多い』

『分かりました。またお邪魔させて貰います』

『じゃあ、お大事にな』

『また』pi

 

 

霧野秘書の行動には驚いたがタイニーオービットの方は丸く収まったようだ

 

 

「戻ったわ~」

「スルガおかえり~ヒノちゃんが話があるって」

「ん?」

「実は近々僕の両親が日本に来るらしくて、そのときにここに来たいって」

「そうなの?分かった。なんか菓子折りでも用意しとくか・・・そういや泊まり?」

「いや、コマツタウンの方で宿泊するみたいだしそこは気にしないでも良いよ」

 

 

大方の出来事は原作通り又は少しスルガの工作通りになった。ミゼルが産まれているであろう現状、それ相応の備えをしなければならないだろう

 

 

これから起こるミゼル事変と二つの未来、片方はスルガがおおっぴらに関わらないだろうがもう片方は大問題、結局ワールドセイバーの方戻る何も進展が無い

 

 

「結局全ては始まったってことか」

 

 

その言葉を二人は不思議そうに聞くのだった

 




ミゼル編のプロット忘れたから暫く番外編作らせて


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幕間 河白スルガとヒノの両親

═ブルーキャッツ════

コマツタウンから電車を使ってミソラタウンに、ヒノに会いに来る両親を迎えに来た三人は列車の到着時間までブルーキャッツで過ごしていた

 

 

「はぁ、いつかはこんなとこをしなければいけないと思っていたが、まさかこんなに早くとは」

「私はお姉ちゃんしかいなかったしねー」

 

 

そう今レックスの戸籍上の名前は河白蓮、養子関係でスルガの父親なのである。将来的に一緒になる気満々の三人なので顔を合わせないわけには行かないのだ

 

 

「まあ、これも含めて去年の精算、贖罪よ。よろしくね。お義父さん?」

 

 

レックスが苦虫を噛み潰したような顔をするがスルガは一切気にしない

やがてヒノ両親が乗ってくる列車の到着時間が近くなる

 

 

「そろそろ時間だね。行ってくるよ」

「だな。行くか」

「皆で行く?」

「レックスはここで待ってれば良いんじゃね?事前に喫茶店やってるのは伝えてあるし、ただ、ここコーヒーしか無いよな?」

「メニューはコーヒーだけだな。お前が使うから茶葉も用意してあるぞ」

「サンキュー。んじゃ行くか」

 

 

 

═ミソラ駅════

 

『まもなく二番線にイズタウン行きの急行が参ります。黄色い線の内側までお下がりください』

「間に合った間に合った。この列車だな?」

「うん。切符確認したから間違いないよ。乗り換えとか間違えてなければ来るはず」

 

 

ホームの中央辺りで待つ三人、列車がベッドライトを輝かせて入線し停車。扉が開く

 

どの車両に乗ってるかまでは知らないのでヒノが見回し両親を探す。だがスルガが後からの攻撃をオーバーロードが捉えた

直ぐに振り返り右手で拳を受け止める

 

 

「・・・貴様か?愛娘を誑かしたのは」

 

 

凄くドスの効いた声でヨーロッパ系の顔の男がスルガに拳を打ち込んでいた

 

 

「ヒノ、久しぶりね」

「パパ!ママ!久し振り!」

「いきなり拳とは、穏やかじゃ無いですね?」

「ヒノから話は聞いたぞ。既に伴侶を持ちながら愛娘に手を出すとはなんたることだ?」

 

 

もう片方の拳を打ち出す。今度スルガは左腕で拳を反ら・・・そうとしたところで、ヒノの母親から伸びてきた手が腕を掴む

 

 

「貴方?他の目もあるのよ。それくらいにしときなさい?」

 

 

その顔は微笑んでいる。しかし目が空いておらずスルガはとても笑っているだけには見えなかった。そしてスルガは悟る。この人には逆らわない方が身のためだと

 

 

「それでスルガ君とルナちゃんね?ヒノの母親です。これからもよろしくね」

「ハイ。よろしくお願いします」

「よろしくお願いします」

 

 

二人揃って頭を下げる。そして、ブルーキャッツに移動した

 

 

═ブルーキャッツ════

 

「いらっしゃ・・・戻ったか。スルガ、看板を裏返してくれ。どうも初めまして。河白蓮と言います」

「どうも。これはご丁寧に」

「ふぅん・・・貴方が伝説と言われた男なのね~」

「・・・人違いでは?」

 

 

ヒノの母親がいきなりぶっ込んだ

 

スルガがヒノを見るが黙って顔を横に振るだけだ

 

 

「あら?覚えてなさらない?昔貴方に挑んでコテンパンにされたのだけど」

「・・・申し訳無い」

 

 

レックスが伝説と言われるまでで山野博士に会う前、旅をしていたとか言っていた気がする。その道中の事だろうか?

 

 

「まあ、昔の事は良いんだけど」

「そうだ。お二人は何か飲まれます?」

「紅茶を。ダージリンがあればそれが良い」

「私はカフェオレを」

「じゃあレックス珈琲よろしく」

 

 

二人がカウンターの方に行き、ルナとヒノが四人かけのテーブルに座る

 

 

「さてと、石森ルナ、だったな。君から見て彼はどんな人間なんだ?」

「自分勝手・・・かな。スルガは色々してきたから用意周到で不測の事態にも強いけど、どこまでも自分勝手。興味の無いことにはとことん興味がない。私やヒノちゃんとその他全てを天秤に掛けての私達を取る。私の気も知らずに」

「恋人とは思えない評価ね?」

「間違ったことは止めるし悪い人、では絶対に・・・いや、私達の為なら世界の敵になるって公言してるしどうだろ?いざというときには手段を選ばないし、仲間も気にかけてるから悪ではない・・・かな?頭のネジは間違いなく何本か抜けてるけど」

「後彼の開発した物を見たが」

 

 

その後スルガとルナの出会いやヒノとの出会い、少しの雑談が続き、カウンターに行った二人がコーヒーと紅茶を持って戻ってきた

 

 

「はい。お待ちどう」

「どうも。そう言えば、お二人はどうして親子に?」

「俺の両親が死んで親戚にも拾われず一人で過ごしてたときレックスに拾われた(事にしとこ)。ぶっちゃけ親子らしい事は無いけどね。保護者無しじゃ色々不便だろって」

「それにお前は放っておくと何をしでかすか分かったものじゃ無かったからな」

「そう言えば、ルナちゃんのご家族は?」

「お姉ちゃん以外居ないよ。スルガが一応行方を知ってるみたいだけど特に興味ないし」

「な。まあ滅多なこと無い限り向こうから来るこたぁねえよ」

 

 

今頃戻ってきた所でスルガが先に追い返すか秘密裏に更なる社会の深淵に葬るだろう

 

 

「そのお姉さんは?」

「ちょっとどうしても外せない仕事みたいで、来られなかったみたい」

 

 

と、雑談が続く。好物や来歴、金銭面を答えたときにはドン引きしていた。そして最終的にスルガが両親に勝てば認めると言う事だったので、ちょっとソルジャーで蹂躙し無事ヒノとの結婚を前提にしたお付き合いは認められるのだった

 

 



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新たな始まり

═トキオシティ スルガ宅════

現在スルガはルナとヒノと縁側で川の字で寝転がり昼寝をしている。愛する二人に抱き付かれ囲まれるスルガはほくほく顔で空を見上げる。もうすぐ動き出すであろうミゼルの事も少し忘れて休みに更けていた

 

ディテクター事件が終結して色々合った。

さて、俺がミゼルと戦う前の下拵えの内容だけ先に語っておこう

 

・カイオス長官経由で政府直轄状態のオメガダインの資料全てを閲覧、しかしミゼルのMの字すら見られず、ミゼルが使用していたのと同タイプのアンドロイドが廃棄されていたと言う情報を入手、しかしスルガが裏から捜査してもアダムとイブの痕跡は発見出来なかった

 

・ワールドセイバーの方も調査は難航、パリの一件からワールドセイバーの噂話は大衆に広がったが、新たなめぼしい情報は得られなかった。しかしトルークビルトのビットの解析が終了した

 

・触れられるだけでOUTのゴーストジャックに対応するためにフルリンクシステムを登載しない高性能LBXを計画、山野博士が囚われていたエンジェルスターと解体待ちの海道邸、旧イノベーター研究所に泥棒に入りイプシロンの設計データを復旧、イプシロンUCを製作、この実戦データや世界中から集められるデータを利用して3機目の希望のLBXを作る予定 

 

まあ、こんなところだ。ミゼルに対応してる時にワールドセイバーに暴れられるのが糞程面倒だが流石のワールドセイバーも正面からミゼルの相手はしたくないだろうし、お互いの敵なら敵の敵は味方理論でワールドセイバーを粉砕できれば御の字だが

 

 

「「スゥ・・・」」

 

 

眠る二人の髪を撫でるとくすぐったそうに体を捩る。この二人だけはワールドセイバーとの戦いに巻き込みたくない。しかし否応にも巻き込む事になるだろう

とまあ、とりあえず目先はミゼル。とりあえずラジオに耳を傾けているが特にLBXが暴れだしたと言うニュースは無い

ふと頭を止めて両手を使い二人の顔をムニムニする

 

 

「うにゅ・・・くぅ」

 

 

かわいい(思考停止)

普段から良く手入れしている二人の肌はモチモチで至福の時間だ

 

「んん?しゅるが?くすぎゅったいよ」

「寝てる乙女にイタズラとはいただけないね?」

「別にいいじゃねえか。それに減るもんでも無いし」

 

 

そう言いつつ二人を完全に抱き寄せて笑う

 

 

「スルガあったかーい!」

「確かにポカポカする」

「あの暴走の後から体温少し上がったからなー」

 

 

一通り二人のことを堪能して、スルガは起き上がり

 

 

「よし。飯にすっか!」

 

 

と台所へ行った

 

 

─数日後 スルガ宅─────

夕刻も終わる頃に呼び鈴が鳴った。ルナが玄関を開けると居たのはレックス、少し息が上がっているようだ

 

 

「ルナか。スルガ、居るか?」

「あ、レックス。スルガなら自室で作業してるけど?スルガー!レックス来たよー!」

「どうしたんだい?そんなに慌てて」

 

 

ルナに返事を返して作業服姿のスルガが奥から出てくる

 

 

「どしたのレックス?」

「今さっきだが店にLBXが侵入してきてな。本格的に暴れる前に撃破はしたが妙な機能を持っていた」

「妙な機能?どんなLBX?」

「こいつなんだが・・・これに触れられたLBXが突然こいつの言いなりになるように暴走したんだ」

「・・・暴走したLBXのMチップは?」

「取り外されてた。こいつの解析を頼みたい」

 

 

レックスの手の中にあるのは黒いLBX、レックスと対峙したことで装甲が割れているがそのシルエットはスルガが見間違えることは無かった

LBXベクター、ミゼルの手下でダンボール戦機世界における『お前のような量産機がいるか』の代表だろう

 

 

「・・・成る程、わかった。二人とも、もしかしたら新しい事件かもしれない。レックスの言う触れられたLBXが暴走するなら俺達のLBXもあるいは」

「暴れるかも知れない・・・」

「とりあえず分解する。更に細かいことはシーカーかタイニーオービットへ持っててみねえと」

「頼んだ」

 

 

スルガが工具を持ち出して解体開始、襲撃や奪還対策として無人機による監視網を形成した

 

 

「・・・は?」

「アレ?なんでコアパーツが入ってないの?スルガ抜いてないよね?」

「抜いてない・・・自律稼働にしてもおかしい点しか無いな」

 

 

スルガが完全にアーマーフレームとコアスケルトンを分離。コアスケルトンはさっさと四肢を取り外し更に解析を続ける

 

「流石に駆動モーターとかは入ってるな。バッテリーや制御装置は散らして設置してある。一応整合は取れるが・・・」

「このLBX見たこと無いけど。スルガ、メーカーとか分かるかい?」

「いや、どれも市販品じゃねえ。間違いなくオーダーメイドだ。暴走のからくりは手先に付いてる謎のパーツだ。恐らくこれに触れられるとハッキングされるか、ウイルスを流し込まれるかで暴走する・・・が個人的に一番問題なのは量産されてるか否か?・・・コレ、1機だけだった?」

「いや、三機確認できた。二機は俺が大破させちまってな。他のパーツと混ざっちまって持ってこれなかった」

「OK。コレを大破させれるレックスは化け物だ。この数値をみろ」

 

 

スルガの手にあるのは硬度計

 

 

「この硬度だと並の攻撃じゃ傷一つ付けられないしコアスケルトンの強度も計算にいれると・・・多分グングニルの直撃でようやく撃破出来る位だな。だが大破までは追いやれん。それが三機有ったとすると」

「量産の可能性が高い・・・か?」

「まあ機龍のパワーなら大破させられると思うけど・・・」

 

 

こうやって実物ばらして解析したから分かるが徹底的な構造の無駄を省きつつ多少の拡張性があるときた。固い装甲にそこそこの足、それに結構なパワー。こちら側のワンオフ機と並ぶ性能、こいつが量産機とかふざけんなよマジで

 

 

「一体どこの誰がこんなものを・・・よし。取り敢えずトキオシアのシーカーに持ってってこいつの内部データの解析に入ろう。行動プログラムくらいなら分かるかも」

「今車を出す。急ぐぞ」

「新たな事件・・・バンやヒロには連絡しないのかい?」

「もうちょい詳細が分かってからでも遅くはない気がするけど・・・ルナ、一応オタクロスに一報入れといてくれ。自動的にNICSにも伝わるはずだ」

「大丈夫。もう入れてるよ。一応拓也さんにもね」

「流石俺の嫁さんだ。機龍、行くぞ。ソルジャー、シャルナック!留守任せた」

 

 

ベクターをパーツごとに箱詰めし万が一にも暴れられないようにしておく

自宅警備にはソルジャーとシャルナックが残る。奴らなら大丈夫だろう

 

 

 

 

═トキオシアデパート地下、シーカー本部═════

 

時間は深夜、シーカー本部に到着しベクターの解析を始めている。スルガがシーカーの技術者と色々している間、ルナとヒノは自身のLBXからフルリンクシステムを取り外していた

 

「駄目ですね。内部データは完全に消去されてます。この感じだとそもそも内部データなんて存在しなかったのかもしれません」

「行動プログラムの方は?」

「それらしいコードが残されていましたが改竄の痕跡を発見しました。恐らく機能停止前に自動で書き換えられたのかと」

「手掛かりなしですか?」

「一つだけ、内部にメッセージのようなものが」

「緑の《M》・・・作成者か、運用者の暗号ですかね?」

「これだけでは何とも、ですがLBXの暴走を引き起こす方法は判明しました。コレをみてください」

 

 

シーカーの技術者がディスプレイにベクターの手先を拡大、赤いライトのような部分に注釈を付ける

 

 

「ここから強い電磁波のような物を発していると思われます。仕組みを考えるとLBXどころかスーパーコンピュータまでハッキングが可能です」

「つまり有線通信でもこいつに見つかれば傍受されると言うことですか」

「ましてやLBXです。こいつがそこら中に居る可能性も考えられます。ここの設備でもこのLBXの侵入を完全に止めるのは難しいでしょう」

「成る程・・・仮にこいつが軍隊のようにこの辺を襲撃してきたら取り返しのつかないことになりますね」

「ええ。間違いなくです。現代、ほぼ全てがコンピューター制御、相当厄介な事になりますよ」 

「スルガ!バンから連絡!Nシティで原因不明のブレインジャックが起きたみたい」

「チッ、流石に遠い。奴らに任せるしかない。司令室に行きましょう。少しでも多くの情報を集めねば」

 

 

司令室に滑り込みむと既に拓也とカイオス長官との回線が開いていた

 

 

「長官!状況は?」

『Nシティ全域でLBXが暴れだし、それにいくつものコンピューターがザザザッ』

 

突然通信が途絶、再接続を試みるも弾かれた

 

「回線が切れた・・・妨害か?」

「駄目です。回線開きません!」

『何があった?』

「Nシティでのブレインジャック・・・にしては変、またパリの連中が暴れだしたのかもしれない」

『現地の監視カメラの映像は出せるか?』

 

 

シーカーオペレーターの手がコンソールの上を踊る。無情にエラーを表示するだけだ

 

 

「駄目です。Nシティとの通信自体出来ません!」

「エクリプス格納庫より連絡、エクリプスが独りでに離陸、姿を消しました!」

『なんだと!?』

「エクリプスが?何者かのハイジャックか?」

「報告では整備が終わった後に突然離陸。人が乗っているとは考えられないと」

 

 

A国の連中とは連絡途絶、向こうの事は向こうに任せるしかない。まあジンやユウヤも居る。ベクター含めて何とかするだろう。それよりはエクリプス、正直エクリプスの失踪をミゼルの行動開始の指標にしてたから読みを外しちまった

 

 

『Nシティでの件と関連があると見るべきだな』

「ええ・・・」

「通信途絶前にインフィニティネットに上げられた映像がいくつか収集出来ました」

「画面に出してください」

 

 

スルガはディスプレイの映像を見る。しかし逃げながらとったような映像ばかりで参考には成らなかった。がルナが一枚の写真を見つけ出す

 

 

「スルガ、この写真の黒いLBX、ぶれてるけどこのシルエット、レックスが撃破したあれじゃない?」

「確かにそう見えるね。レックスが言っていたLBXが暴走した。っていう情報も合わせると」

「さっきの解析情報とも辻褄が合う・・・エクリプスが姿を消した理由もこいつが原因と考えれば納得がいくな」

『そいつが檜山の店で暴れたと言うLBXか?解析はどうだ?』

「大体終わってるのでデータを送信します・・・いや、後で書面で届けます。この状況だ。どこでどう改竄されるか分からない」

『分かった。しかしどうする?情報を集めようにも通信自体が出来ないとなると』

「ええ。現地のバン達に任せるしか有りません。こっちはこっちでこれからの対策を練りましょう」

『よし。ならシーカーの機能をタイニーオービットに移し連携を強化しよう。同じ建物の中だ。最悪連絡出来ない・・・と言うことは無くなる』

「ですね。情報解析も機械の解析もやり易くなるし、防衛拠点が一つ減るのは大助かりです」

 

 

慌ただしく引っ越しが始まった。だが一時間程で荷物は纏まり後は搬出と移送だけ。普段の訓練の賜物だ 

 

 

「さてと、レックス、俺も一度家に戻ってデータを破壊しに行く」

「またやるのか?」

「バックアップはいつでも輸送できる体制にある。トラック付けて運び出せば終わりだ」

「分かった。車を回しておこう」

 

 

ミゼルが動き出し始めた。スルガも動き始める

 



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行動の裏で対策を

═移動中═════ 

 

またまた記憶媒体をアブソリュート・ゼロで完全破壊、流石のミゼルも分子レベルで崩壊しその辺に蒔く。砂になった物はミゼルでもハッキングも解析も出来ねえだろ

 

 

「これでよし。ルナ、ヒノ、Nシティの状況、何か続報は?」

「少しづつNシティの外経由でとられたっぽい写真や動画が上がってる位かな?」

「バンやヒロに送ったメールも届いてないね。何も出来ないとなると、歯痒い」

「向こうは向こうで何とかするだろ」

 

 

恐らくNシティではベクターが大暴れしてたはず、それにこっち(日本)のブルーキャッツに現れたところを見ると偶然初期消火に成功したか・・・それともレックスの実力を測る為の偵察かこちらの出方を見るための囮?どれも確証は持てない。ただ三機で次々LBXをゴーストジャックしていっても増える数より減る数の方が早そうな物だし、偵察や撹乱と見るのが自然か?

 

 

「スルガ、用意できたよ!ソルジャーとシャルナックとスルガの無人機も回収した」

「他のLBXも持った。準備完了だ」

「よし。俺達もタイニーオービットに向かうぞ」

 

 

レックスの車でタイニーオービットに向かう。その間で情報収集を続けたが散発的な被害写真が出てくるのみで具体的な被害状況は分からず、連絡途絶状態はバン達がゴーストジャックで暴れたLBXやベクターを掃討するまで終わらないかもしれない

 

 

「スルガ、これまでのことをどう見る?」

「かなり大規模な組織が動いてる。こんなLBXを製作して少なくともNシティであれだけの騒動を起こせる数を量産、どこかの大国っていうのもあり得るな。個人的には・・・パリの犯人が怪しいと睨んでる」

「パリって、あの犯人はスルガが・・・」

「あいつはいつかの海道と同じアンドロイドだった。バックアップがあっても不思議じゃない」

 

 

待っていればミゼルが向こうから出てきてくれるのでそれを待つ事にしよう

 

「ここでも同じこと、起きるかな?」

「レックスが撃破したから良かったものの、ここもNシティのようになる可能性も合った。まあレックスのとこに現れた辺り情報収集かも知れないけど。ただなんにせよ触れられたらゲームオーバーとか、どんなクソゲーだよ。レックスは触れられなかったの?」

「いや、触れられたがすぐに反撃した。一瞬では不十分なんだろう」

「まあ、普通そうだわな。あと手のひらじゃないと駄目だろうし」

「そう考えると・・・以外とやりようはある?」

「ハッキング狙ってくるなら隙生まれるだろうし、触れる間も無く殺ればいい」

「それか奇襲して頭落とすか、かな?」

「ムーンの戦い方ならそうなるな。でも制御機能が全身に散らされてる以上頭落としも動くかもな。まあ蒴と天叢雲なら間接狙えば切り捨て可能よ。エクスカリバーだと・・・ちょい切れ味足らないかな」 

 

 

切れ味や貫通力特化級の二振なら十分可能、それがスルガの解析結果だ。エクスカリバーでは刀身の厚みの関係で難しいだろう

そうこう会話する内にタイニーオービットへ到着、すでに大分の荷物は搬入された跡でスルガは先に研究室へ向かいベクターの更なる解析を結城さんに依頼、ハッキング能力の事も伝え外部ネットワークとは物理的にも隔絶された場所で解析が始められる

それを聞いてスルガもシーカー本部へ向かった

 

 

═タイニーオービット社 シーカー本部═════

既に拓也や霧野秘書によりシーカーの設備は既に再起動されており直ぐに再稼働を始めた

 

「拓也さん、早速で悪いんですが少し相談が」

「ん?どうした?」

「ちょっとレックスが撃破したLBXに対応するためのLBXを作りたくて」

「お前の見立てなら機龍やシャルナックでも大丈夫だと想うが?」

「まあ、強さはそうなんですが・・・何せフルリンクシステムを搭載したあの三機がハッキングされると自分になにが起こるのかちょっと予想も付けられず」

「成る程、設備を使う分には構わないが・・・まて、トリトーンにフルリンクシステムを搭載してなかったか?」

「いえ?トリトーンに常設するとサイバーランスに秘密が漏れる可能性があるので今はついてないです」

「ならいい。ならフルリンクシステムを取り外したら駄目なのか?」

「うーん、考えたんですがね。まず三機には明確な自我があるので取り外したらどういう動きをするか分からないのが一つ目、仮に別のバックアップを用意してそこに入れたとしても俺への危険性は変わらないし、奴らの自衛にも繋がるのが2つ目です」

「そうか。スルガ、例のLBXのハッキング対策は?」

「電磁波を遮断する特殊なコーティングを施すことで対応可能だとは思うのですが、そのコーティングをどうやって作れば良いのやら・・・ですね」

「これから考えることか」

 

 

スルガが開発室に足を向けようとした時だった

 

「NICSとの回線が回復しました!映像出ます!」

『良かった・・・カイオス長官、通信回復しました!』

『シーカーの諸君、現在Nシティの各地でLBXが停止、一時的だが落ち着きを取り戻した』

「カイオス長官、早速で悪いんですが他の連中は?」

『本部に居ますよ。日本は大丈夫ですか?』

「その声ヒロか?ああ。こっちは偶然だが初期消火に成功したっぽい。それでなんだが街中で黒に緑が入った黒いLBXを見なかったか?」

『これの事か?』

 

 

山野博士が映像越しでベクターを写す。間違いない。ベクターだ

 

 

「間違いない。同じだね」

「ああ。こっちはブルーキャッツに出てきてレックスが撃破した。妙なハッキング能力を持っていたろう?」

『日本にも出現したのか?』

「はい。スルガとシーカーの解析結果ですが、手の平の器官でコンピューター制御機器に触れるとハッキングすると」

『ああ。こちらでそのLBXをベクターと名付けた。その現象についてはゴーストジャックと呼んでいる』

「ベクター、蚊と同じか」

『スルガ、俺とヒロがベクターを使役していたような謎の少年と会ったんだ』

「謎の少年・・・名前は言ってたか?」

『ミゼルって』

「そいつの写真は?」

『スルガ君、君もオメガダインの資料を目にしたろう?それについていた廃棄予定のアンドロイドの写真も』

「ええ・・・まさか」

『そのまさかだ。その少年はそのアンドロイドに酷似していた。元となった人物、或いは裏で動いている何かがある』

「ミゼルか・・・またパリの連中が事件を起こしている可能性もあります。自分はシーカーとこっちで色々します。皆、そっちは任せたぞ」

『任せてくれ。こっちはこっちで何とかしてみせよう』

「ジンか?丁度いい。ゴーストジャックがどんな影響を及ぼすか分からん。お前フルリンクシステム使うなよ?積みもするなよ?」

『外したのは君だろう?』

「一応な。そっちはこれからどうする?」

『』

「了解、こっちで出来ることがあれば何なりと。それと皆、数時間前、パリで俺らが乗ったステルス司令母機、エクリプスが失踪した。恐らくミゼルの仕業と推測する」 

『エクリプスまで!?』

「ああ。飛行中のエクリプスを捕捉するのは至難の技、レーダー探知はほぼ不可能に近い。もしかしたらNシティに飛来してくるかも。カイオス長官、空軍の出動も打診してみてください・・・エクリプス相手にどこまで通じるか分かりませんが」

『分かった。軍に忠告しておこう』

 

 

これでA国の方は初動は終わりか。エクリプスって言う足が無い以上下手に日本からも出られないな。取り敢えず対ベクター用のLBXとハッキング対策のコーティングの開発に入るか。太平洋はさんで対岸の火事の内に対策を練らねば

 

 

 

 

═レベル4研究室════

 

「結城さん、ベクター、黒いLBXの解析どうですか?」

「君やシーカーが調べたこと以上は出てこなさそうだ。申し訳無い」

「いえいえ・・・バン達がNシティの奪還作戦を決行するそうです。その間に俺の新作とハッキング対策を形にせねば」

「ハッキング対策の方は検討をつけているのかい?」

「一応電磁波を遮断するようなフィルムもしくは塗装をすれば可能かと・・・ですが試作を盗られて対策されたら元も子も無いので慎重に行かねば」

「後スルガ君の新作と言うのは?LBXかい?」

「ええ。パリの犯人が使ってたビットの解析が終了、再設計まで可能になったのでそれを利用したLBXを製作します。後々の試作も兼ねてるのでこいつでハッキング対策の試験機としようかと」

「設計図はあるかい?」

「有ります。ですがコアスケルトンまで新設計からカスタマイズしてると時間かかるのでソルジャーと同型品の改造で済ませます。対策を盛り込むので一部素材は変更するでしょうが」

「これは・・・君の設計かい?」

「いえ、山野博士が設計していたオーディーンの後継機、イプシロンです。設計変更と改造を加えて新たなLBXとして誕生させます」

「でもこんなデータを何処から?」

「エンジェルスターと海道邸、旧イノベーター研究室に泥棒に入りまして、山野博士の研究データをいくつか頂戴してきました。いえーい」

「ええ・・・」

 

 

引き気味な結城さんを差し置いてスルガは改造の準備を開始する

 

 

「あ、そうそう。結城さん、これここの技術で作れる?」

「どれどれ・・・これは君が設計したのかい?」

「はい。こっちはパリの事件を起こした奴の武装をベースにして再設計しました。攻撃以外でも色々出来ますね」

「ハッキング対策を盛り込むと重さも増える。確かに良い案だね」

「後は素材ですが電磁波遮断シートをアーマーフレーム表面に塗布するような感覚で作れないかと」

「分かった。製作を開始しよう」

 

 

アーマーフレームを結城さんに任せスルガはカスタムビルドファクトリーを開きコアスケルトンの改造に着手していた。コアスケルトンにも外装はあるのでそこにもコーティングを施す

 

 

「へー、これが新しいLBX?」

「おう。LBXイプシロン、元は山野博士がバンの為に用意していたものだ。それを勝手に利用させてもらった」

「カラーリングは変えるんだね」

「どっちかってとハッキング対策の都合上な。試作兼試験機だから次々色々しなきゃいけない中で塗装はちょっとめんどくさいし塗料も黒、灰色だし、都市迷彩、UC( urban camouflage)とでも付けておこうか」

「こっちの色だと凄くスルガっぽい」

「確かに。ヒロイックさは無くなったけどその変わりに実用感が出てきて凄くスルガっぽくなったね」

「さてと、武器どうするかなんだよな。マルチギミックサックにしても良いけど強度が不安だし、普通に刀か。震斬ベースで高周波ブレード作ろ。サブは・・・無難に両手単発か狙撃銃かなぁ?あのLBX相手の固さならいっそバズーカでも」

「電磁狙撃銃もう一丁作れば?」

「それが無難か」

「それならオススメが有るよ。まだ試作段階だけど威力は保証する」

 

 

結城さんが声をかけてきた。手に持っていたのは黄色い狙撃銃だ

 

 

「これはルミナスシューター、貫通力重視の狙撃銃でまだテスト段階だけどこれならあの黒いLBXを余裕で貫徹できる」

「成る程、じゃあありがたく使わせていただきます。せっかくならこれ塗り替えるか。ちょっと黄色は浮くし」

 

 

スルガはコアスケルトンの加工をしながら結城さんと進捗とハッキング対策の話を続ける。専門用語や圧縮言語が飛び交いルナとヒノは完全に置いていかれる

 

 

「もうなに言ってるのか分かんないや」

「うん。本当に凄いね。僕らの彼氏は」

「スルガがここまで本腰入れてるの見ると、今回はディテクター以上に厄介だと思ってる。私達も何か出来ないかな?」

「二人ともー、それならちょっと売店で食べ物買ってきてー。兵站大事ー!」

「そう言えば日付変わるくらいから何も食べてないね」

「甘いものは必要かい?」

「二人の甘いキスがあればどこまででも行けるぜ~」

「要らないみたい。行こ、ヒノちゃん」

 

 

二人でタイニーオービット社内の売店へ、入れ替わりで入ってきたのは拓也さん

 

 

「お疲れ様だ。二人とも、進捗どうだ?」

「アーマーフレームは試行錯誤をしながらですが半分程進みました」

「コアスケルトンもちょうど五分くらい。後はあの武装がいつ終わるかだな。結城さん、どうです?」

「恐ろしく精密で、まだ6機しか作れていません。調整もまだです。これほどのものを製作していた組織が居たとは」

「そうか。ハッキング対策の方は?」

「二人で相談しながら試行錯誤してます。今は電磁波を遮断する特徴を持つ物質を配合した装甲を作りました。ですが既存のLBXに施す方はまだ時間とデータが足りません。鹵獲機の手を使って実験を繰り返していますがめぼしい成果はまだ」

「今のところ電磁波を弱めてハッキングの時間を伸ばす事は出来そうです。ただ完全遮断をしようとすると装甲を新造しないと厳しそうです」

「分かった。引き続き頼んだぞ」

 

 

その他細かいことを報告した後拓也が研究室から出る。LBXの製作は折り返し地点まで来たがハッキング対策はまだ時間がかかりそうだ

作業は続きルナとヒノが戻ってきた

 

 

「ただいまー。お握りとかサンドイッチとか買ってきたよー」

「お、ありがてぇ」

 

 

極て自然な事のようにルナが両手を忙しなく動かすスルガの口元にサンドイッチを持っていき、それを器用に口の動きだけで食べる

ここまでのイチャつきを見せられる他の社員の心情やいかに

Nシティでは奪還作戦が進行中、そして物事はもう一つ先へと動き出していた

 

 

 



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これからの指針

═タイニーオービット社 研究室════

それの情報はスルガにとっては予定通りで、他にとっては衝撃だった

まず襲来した大量のベクターを押さえきれずファイアースイーツを中心とした対LBX部隊が壊滅、更に陸海空軍共同の哨戒網をすり抜けてエクリプスがNシティに飛来、ミゼルが直接姿を見せ町中のモニターで

「この地球というシステムを最適化する。目標とするのは合理的でムダの無い世界、それが達成された時、世界はパーフェクトワールドに生まれ変わる」

と言う宣戦布告を行い、直接対面したバンとヒロには「これからベクターとミゼルトラウザーを使って世界の最適化を勧めていく」と宣言、エクリプスへと姿を変えたミゼルトラウザーと共に空の彼方へと飛び去ったと

研究室で手を止めず作業中で黙って聞いていたスルガの第一声がこちら

 

 

『世界の最適化ぁ?無理無理絶対無理。そんなもん馬鹿のやる事だ。こんな何十億単位の愚かなで阿呆な連中の管理とか頭可笑しくなる。むしろやれるもんならやってみろよ』

 

 

これである。人類単位の罵倒に一切の躊躇も躊躇いもない。因みにヒノやルナはシーカー本部に居る

 

 

「それで、エクリプス、ミゼルトラウザーは何処へ?」

『不明だ。軍のレーダーシステムの一部がベクターに侵されていて復旧がまだ済んでいない』

『エクリプスの追跡はレーダーじゃ多分無理でしょ。まともに探そうと思ったら人の目とか物理的接触くらい・・・あとは気流と温度変化?』

『スルガ、日本はまだ何も起きてないデヨ?』

『一応、タイニーオービットの中も機龍とソルジャー、シャルナック、銀龍が中心で緊急の警備システムを構築したが取り敢えずベクターは入ってきてない。こっちでゴーストジャックの方は対策を練ってる。だけどウイルス駆除の方法までは手が回ってない』

『それなら大丈夫だ。ゴーストジャックされたLBXの再起動を試したらウイルスプログラムは消滅していた』

『再起動で消滅、ワクチンプログラムも作れないか』

『再起動で何とか出来るのが分かってもこの世のコンピューターの数は膨大、全てを一つ一つ再起動するのは時間がかかりすぎる上に現実的ではない』

 

 

やがて現状の把握と対策の話からミゼルの話へと移る

 

 

『世界の最適化ってどんな物なんでしょう・・・』

『どうせ自分に従えってこったろうよ。逆らう奴は叩き潰すみたいなやつ』

『というか、元々エクリプスに変形機能なんてあったのかしら?』

「無い。恐らくミゼルが独自に改造したんだろう。日本政府からも先程ミゼルトラウザー調査の協力依頼が合った」

『スルガ君、エクリプス、ミゼルトラウザーの事なんだが』

『どうした?ジン?』

『ミゼルは着地の衝撃以外ではミゼルトラウザーを使っての破壊活動や攻撃を一切行っていない。それにベクターも破壊ではなくハッキングと言う手段を用いている』

『何が言いたい?ちょっと作業中で頭まわせないから結論からよろしく』

『ミゼルの目的は人類の支配、果ては制圧だと推測している』

「制圧ねぇ・・・成る程。ならやりようはいくらかある」

『対策があるのかい?』

『その声・・・風摩キリトか?』

『ああ。それよりも対策の方を聞こうじゃないか』

『人類の制圧が目的なら押さえるべきはライフライン、発電所とかだな。後反抗の芽を潰すのも兼ねて軍事施設とか。ミゼルも支配を保つための兵力を確保せにゃならんだろうから生産プラントなんかも押さえときたいはず、その生産プラントを動かすのにはエネルギーが必要不可欠だ。どちらにせよ多すぎるがな』

「ねえ、ミゼルって一人なの?」

「ここまで大規模だと組織もその分大きくなる。その尻尾が掴めないなんてあり得るのかな?」

 

 

ルナの疑問とヒノの疑問

 

 

『・・・確かに。隠蔽にも限度があるはず、全力のシーカーの追跡から逃れて尚且つエクリプスをこの短時間で改造するなんて、イノベーターですら出来るかどうか』

「いや、不可能だ」

 

 

シーカー本部に新たな来客、八神さんだ 

 

 

「エクリプスのメンテナンスは旧イノベーター研究所並の設備が必要だ」

『つまり現行技術では不可能に近い、それをミゼルはどうにか可能にしやがったと・・・数も質も圧倒的に向こうが上、一体どうしろと?』

『我々ファイアースイーツも隊員の被害は無いが大半のLBXを喪失してしまった。オメガダインが宛に出来ない以上直ぐには動けない』

『中尉、LBXの数が足りないならNICSの技術室倉庫に轟雷とスティレットが残ってるはずです。バスターには性能と汎用性では負けません。請求はA国政府宛に回しておくのでお使いください』

『分かった。遠慮無く使わせもらおう』

『良ければ正式採用しませんか?十分な性能と汎用性。手頃な整備性で高い拡張性、シーカーでの採用実績とパリ事件で上げた戦果もある。安くしときますよ?』

『部下の評判次第では上に進言してみよう。君のLBX、期待しているぞ?』

『ご期待には答えられると確信しますよ!』

 

 

轟雷とスティレットをファイアースイーツ提供する。ファイアースイーツ隊の練度ならベクター相手にワンサイドゲームにはなりにくいだろう

 

 

「そう言えばスルガ、LBXは?」

『もうちょいでコアスケルトンは完全に設計が終わる。それと現状の国際世論・・・と言うより国家間での論争はどうなってます?』

『今大統領が緊急の首脳会談を行っているが、我が国の立場は厳しいだろう』

『どーせお互いに責任押し付けあってミゼル対策の話ろくにしてねえんだろうなぁ・・・シャルナック、ちょっと作業引き継いで。設計図は有るから任せた。ソルジャー、ちょっと手伝って。フルリンクシステム起動・・・あー、シャルナック、会議を引き継ごう』

 

 

そして、スルガが一旦作業に区切りを付け体を置いてソルジャーと共に何処かに消える

 

 

「こう言うこと見るとスルガも人間かどうか怪しいよね。よろしくシャルナック」

『よろしく頼む。まったく、LBX使いの荒い奴です。先輩』

 

 

ルナの肩に乗る機龍が頷いた

 

 

「そんな関係性合ったんだ。驚いた」

「機龍はスルガの事どう思ってるの?」

『確か・・・頭は回るのに無茶しかしない馬鹿野郎って機龍先輩言ってました』

「ははは・・・毎度無茶してるからね。壊れては直し壊しては直し壊されては改造しての繰り返しだもん」

『もうスルガさんの奇行には驚きませんが、何か作ってるんですか?』

「うん。スルガが言うには時間が有るからベクター対策を盛り込んだ試験機を作るって。名前はイプシロンUC」

『イプシロン・・・いや、まさか』

「スルガがイノベーターの施設忍び込んで設計図探してきたって言ってた」

『緊急事態だ。なにも言うまい』

『父さん、イプシロンってどんなLBXなの?』

『私がオーディーンの後継機として設計していたものだ。設計思想はエルシオンに近い』

「スルガの設計図を見ましたが、あれの完成品や性能は山野博士もきっと驚きますよ」

 

 

細かいことを話し合い三十分程度たっただろうか?その時だった

カイオス長官がオペレーターからの耳打ちでフリーズしたのだ

 

 

「どうかしましたか?カイオス長官?」 

『い、いや、少し前、謎の声が首脳会議の回線に割り込み、世界各国のトップに喧嘩を売ったと』

「「謎の声・・・まさか?」」

 

 

ルナとヒノが先程消えた彼氏を第一容疑者に思い浮かべる

 

 

 

 

 

═A国会議室═════

 

首脳会議の場は醜い責任の押し付けあいや責任逃れの言葉に満ち満ちていた。そこにとある男が乱入してきてしまう

 

『あーあー聞こえてるかな自称トップのゴミ虫共』

 

この一文で、この会議は徹底的にスルガによって荒らし尽くされ対ミゼルの具体的な話し合いがなさせた。無論犯人の特定には至っていない(クラウディア大統領は感付いてる)

 

 



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幻の3機目

そう言えば序盤のスルガは完全に頭脳戦してます


═タイニーオービット社研究室═════

首脳会議の場を好き放題に荒らしたスルガはタイニーオービットに帰還した

 

「子供の説教が無いとまともに対策一つまともに話せないとか、どうかしてるぜ」

「やっぱりスルガの仕業だったのか」

「流石にやりすぎじゃない?大国のトップに喧嘩売ったんでしょ?」

「大丈夫だ。お前らがバラさない限りは見つからねえ。後あの会議、ミゼルの野郎覗いてたな」

「え?筒抜けってこと?」

「そうなる」

 

 

と、コアスケルトンの進捗を見ていた所で拓也が飛び込んできた

 

 

「スルガ!今回は流石にやりすぎだ!」

「こうしないとまともに話し合いすらしない向こうが悪いです。それと拓也さん、あの会議、ミゼルに聞かれてましたよ。まったく俺が突破できる程度のセキュリティじゃ当たり前だ」

「なに!?」

「それはどうでもいいです。今回は完全に後手後手の対応の連続でしょうし。所で結城さん、コアスケルトンと制御プログラムは出来上がりました。武装とアーマーフレームは?」

「アーマーフレームは全部出来てるよ。コアスケルトンをこっちに。武装は後調整だけだ」

 

試作のコーティングが施されたアーマーフレームを専用コアスケルトンに装着、イプシロングレイヴを細長い刀化し高周波ブレードと試作のルミナスシューターを装備、共に都市部迷彩が施されているこの二種の武器を装備したLBX、『イプシロンUC』

腕や足、腰の垂れや背中のブースターにはマウントラックが装備されているがここに付くものはまだ完成していない

 

 

「よろしくな。イプシロンUC」

 

 

スルガのCCMとイプシロンUCを接続、純粋なLBXを扱うのは久々だ

 

スルガはルミナスシューターの説明を受け後でカズにでも渡そうかと本気で悩んだ

威力はベクターを余裕で3機は貫徹するがチャージ40秒はいくらなんでも長すぎる

一機撃破出来ればいいし後でなんか改造しよう

 

「さてと・・・どうしたもんかなぁ。相手の拠点はエクリプス、改造される前のスペックと行動理念考えるとまだ太平洋上かヨーロッパ、南米大陸かもな。なんにせよエクリプスだけは次姿を表したときに飛行不能まで壊さないといつ何処に飛来するか分かったもんじゃない。ルナ、八神さんは?」

「財前総理から呼ばれたって出てったよ」

「りょーかい・・・駄目だな。現状ハッキング対策するくらいしかやることねえ」

 

 

突然スルガのCCMが鳴る。宛名はバンだ

 

 

「どしたの?多分電話なんて盗聴されてるからここで重要なこと喋らん方が良いけど?」

『そっか・・・えっと・・・今から皆日本に行く事になったよ』

「分かったー、後の事は日本で直接聞くわ」

 

 

と、短く電話を切る。まあこの時点でミゼルにバレてるだろうから無意味かもしれないがやらないよりかマシだろう

確かそろそろミゼルが世界中で動き出すはず。で、さっきのバンからの電話、恐らくAX-000、オーレギオンの設計図を回収しに行くと言う内容だったのだろう

一応言っておくとスルガはオーレギオンの建造に否定的だ。と言うのもスルガの介入で設計図への細工や製造途中のトラブルは消せるだろう。だがミゼルが最初から目を付けていたLBX、何とかして奪取しに来るのがスルガの中でほぼ確信しているからだ。だがミゼルに渡さないとどういう動きをするのか一切読めなくなってしまうのも確か

さて、どうしたもんかな 

 

 

「・・・スルガ、悩んでる?」

「ちょっとな」

 

 

ルナはスルガの頭のなかで物語を知ってしまった。だが敢えて何も言わないようにしていた。恐らくオーレギオンが、ミゼルどうなるのかも見ただろう。そして、これからも

 

 

「たまには何も考えずに流れに身を任せてみれば?」

「・・・それもいいか。ありがとな。ルナ」

「取り敢えずバンが日本に来るんだよね?」

「みてえだな。内容は聞いてないけど」

「なら、少しティータイムでも取らないかい?深夜からずっと頭を使い続けてるだろう?もうお昼過ぎだ」

「そう言うことなら頂こう」

 

 

三人で休憩スペースでお茶をしていたら飛び込んできた世界中でベクターが原因とみられる事件が同時多発的に発生した

取り敢えずバンとジン、山野博士だけが日本へ帰国し残りは事件の対処へ向かう

と連絡が入った。さすがに動かないわけにも行かずスルガも頭を抱える

 

 

 

═タイニーオービット シーカー本部════

 

「拓也さん、どうします?」

「それなら俺が郷田と仙道を連れて火消しに回るつもりだが?」

「檜山が居るとは言え三人だけでは少々不安が残る。スルガ、同行してくれないか?」

「それなら私達が行こーか?スルガはこっちで精一杯頑張ってハッキング対策完成させてほしいし」

「僕らのLBXは試作だけどスルガにハッキングを遅らせるコーティングを受けたから存分に戦える!」

「・・・分かった。スルガ、良いか?」

「自分の意思なら止めない。心配はするけど、二人なら大丈夫だ。それよりレックス、ハンゾウさんと仙道ニキ急いで呼んで。気休めだけどコーティング施そう」

「分かった。完全遮断は出来ないんだな?」

「今は遅延が限界、だけど三秒、いや五秒は保証する。後レックス、これ」

 

 

スルガがレックスに渡したのはくすみの有る赤い轟雷の装甲、ワイヤー巻き取り式のテイルブレードが用意されている

 

 

「レックス最近店忙しくて轟雷満足に弄れてないでしょ?試作品だけど使って。前から作ってたけど調整まで手が回ってないんだ」

「すまんな。何から何まで。後は俺が自分好みにするさ」

 

 

レックスが自分の轟雷を出して装甲や尻尾の取り付けるために作業スペースへ

 

 

「そう言えば拓也さん、バンとジン、山野博士が帰国してくるそうです。恐らく何かミゼルに対しての対抗策があると思われます」

「その対抗策、予測は付くか?」

「LBXでしょうけど、何をどうするかまでは」

「そうか・・・スルガ、結城とハッキング対策の研究を続けてくれ」

「了解です」

 

 

スルガも研究室へ戻る。取り敢えず今出来るのは研究を続けるだけ

本格的に俺が動くことになるのは三人が帰国してきた後だろう。ルナとヒノも心配だがレックスにあの二人が付いてる。心配は要らないだろう 

 

その後、ハカイオー怒愚魔、ナイトメアフィアー、レックスの轟雷に試作コーティングを施し、五人を送り出した

 

 



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去年の爪跡

═タイニーオービット════

ルナとヒノ、レックス達がNICSの別動隊として日本を発ち暫くして山野博士、バンとジンそれに付いてきてオタクロス、大空博士が日本に到着、タイニーオービットに戻ってきた

 

「へー、これがイプシロン?」

「まさか作ることはないと思っていたが、こうして日の目を見るとは」

「と言っても内部は似せた改造品だけど。後この形で完全に完成だ」

 

 

先ほどまで何もなかった各所のマウントラックには増加装甲に擬態したモノ、ビットが14基マウントされていた 

 

 

「このビットね、本体に装備したままなら補助推進装置になる。それにソード、レーザー、シールドの三モードを実装してあるのよ。恐ろしいほどコストかかる」

「重量問題はそれで解決か。操作の方は?全て同時に展開するの?それとも管制AIがあるのかしら?」

「無理無理。14基の同時展開とか普通の人間じゃまともに制御出来ん。専念して六基、戦闘中なら2機かなぁ?まあ、ソルジャーとシャルナック、機龍が管制してくれるなら全機同時展開出来るけど。自動制御は時間的に無理」

「これにハッキング対策が盛り込んでいるのか?」

「うん。装甲がこの色なのもそう言う塗料を使ったから。それにアーマーフレームやコアスケルトンの外装も電磁波遮断する素材配合したからこいつはベクターに触れられても平気、あ、そうそう。イカロス・ゼロとトリトーンを出せ。試作コーティングをするぞ」

「もう出来上がったンデヨ?」

「遅延が限界ですが、なにもしないよりかはマシでしょう」

 

 

スルガによりこの二機にもコーティングが施された。そして、山野博士から帰国の目的が語られる

 

 

「私がイノベーターで設計していたLBXの設計図を復旧しに行く。当時は技術力やイノベーターに利用される危険性を考えて削除したものだ」

「成る程・・・それがベクターに対する力になると。それで目的地は?旧イノベーター研究所?」

「ああ。話が早くて助かる」

「取り敢えずシーカー本部に行こう。あそこに行くなら八神さんや真野さんが居たら心強い。僕も、施設の全容を知っているわけではない」

「丁度来てる。行こうか」

 

 

═シーカー本部════

 

「拓也さん、到着しました。早速ですが目的地は旧イノベーター研究所です」

 

 

早速本題、山野博士が拓也と八神にも同じような説明をして急ぎ旧イノベーター研究所へ盗みに入る事になった

 

 

「あそこは今政府管理下の施設、それにベクターが表れて既に施設が制圧されているらしい」

「マジか・・・つまり扉開けようモノならベクターがすっ飛んでくると、あそこの設備考えるとマジの要塞に逆戻りしてるじゃねえか」

「ああ。真野と矢壁、細井が偵察しているが、ゴーストジャックされたと思われるLBXでサターンの時に使った湖面の入り口は警備が厳重すぎて使えない。思い付く限りの出入り口を見たがどこも同じような状態だった」

「いや、一つだけ心当たりがある。旧イノベーター研究所には一部幹部やお爺様しか知らない。システムに記載がない隠し通路がある。ベクターはハッキングをして施設を掌握したならそこは気付かないはずだ」

「・・・なるほど、高度な電子戦能力を持つが故の盲点か」

「それで行こう。それで侵入するのは?」

「私とバン、ジン、スルガ、八神くんで行こう。オタクロス、大空博士、遠隔から設計図の復元の補助をお願いしたい」

「任せるデヨ」

「準備が出来るまではスルガ君の変わりに私がハッキング対策の研究を続けておくわ。資料は?」

「研究室に紙ベースで置いてある。ベクターがハッキングを駆使している以上電子媒体での保管はするべきではありません。銀龍連れてくか。ならソルジャー、機龍、シャルナック、留守番よろしく」

 

 

キラードロイド銀龍、マスドライバー防衛戦にて初陣を切り大量のLBXとキラードロイドを撃破したスルガ製のキラードロイドだ。こいつの攻撃力ならベクターも撃破出来るだろう

 

さてと、これでタイニーオービットの防衛も少しはマシになるか?それにシーカーの実働部隊もここにいる。あそこのLBXにも順次コーティングしてく手筈は整えたし余程の事がない限りベクターに完全制圧されることはないはず

 

「ジン、その通路、道はあの時と同じか?」

「ああ。途中までは同じだ」

「なら行こう。ミゼルに気付かれるかもしれない」

 

 

言っておこう。手遅れである

 

 

「銀龍ー、そろそろコーティングおわってんだろ~。無理矢理したこといつまでも拗ねてないで出てこいよー」

 

 

部屋の隅の結城机の下に丸まって尻尾だけを揺らしている

 

 

「じゃないとお前大空博士に引き渡すぞ~それでも良いのか~」

 

 

地球に帰ってきた後、大空博士の興味を引いていた銀龍はタイニーオービットに来るなり大空博士と壮絶な鬼ごっこを繰り広げた。その時の諦めの悪さと恐怖心がどうやら銀龍のトラウマになっているようで渋々出てきた

 

 

「どちらにせよ大空博士にブレーキかけるのが居なくなるから下手したら捕まるぞ?」

 

 

少しうつむきスルガの頭に飛び乗ってくる

 

 

「本当に興味深いわ。どんなAI作ったらそんなに感情豊かになるのか。いつか解析させてもらうわよ?」

 

 

おっと、銀龍が諸に威嚇し出した。えっレールガンに電気流してる?

 

 

「もう良いか?」

「あっはい。行きましょ」 

 

 

 

═旧イノベーター研究所、山中════

日が落ちる頃

サターンへの襲撃に使った獣道的な道、少し前にスルガが通る時少し草を除去したがまた植え茂っている

 

「こうやっていくとあの時思い出すなー。サターン打ち上げ阻止しに行ったの」

「そうだね。良い思い出では無いけど、懐かしい」

「そうだな。だがエクリプスの事、残念だ」

「我々が管理していながら、不甲斐ない」

「今回ばかりはさすがに相手が悪すぎますよ。でも今度会うときには完全に破壊せにゃならんでしょうね。奪還ではなく」

「少し気になっては居たが、騒動が終わった後エクリプスを作る事は可能なのか?」

「いや、厳しいだろう。エクリプスの建造プロジェクトは秘匿性が高いプロジェクトだった。たとえトップでもエクリプスの全容を知っていたわけではない。それに既に技術者は散り散り、設計図も残されていない。我々も整備で手一杯だった」

「何とかシーカー用の翼を用意したいとこだけど、資金的は余裕でも保管場所とかの問題が付きまとうしなぁ。何とか出来ないものか」 

 

 

スルガも使い勝手が良く足が付きにくい緊急時の移動手段を考えていた。遠い将来にも向けて。いずれにせよミゼル事変が終わった後だ

そう考えているとジンが何かを発見、地面を見回す

 

 

「半分ほどが木に飲み込まれている石がある・・・あの木の下だ」

 

 

ジンが倒木に偽装されたスイッチボックスを開き中のレバーを操作すると地面の一部がせり上がり梯子の付いた縦穴が姿を表す

 

 

「この縦穴は指令室近くの通路に出る設計になっていたはずだ」

「そういや道中LBXの一機もいなかったな」

「確かに・・・ミゼルが余裕を見せているのか?動き全てが気付かれていない可能性は極僅か、つまり」

「ある程度気付いてなにもしてないか、歓迎してくれてるのかね?既に気付いてたとかありそうで怖いなぁ」

「引き返すわけにも行かない。行こう」

 

 

═旧イノベーター研究所═════

去年フェアリーと戦ったあの辺りに床の点検口の更にその中に出口は存在していた。監視カメラは当たり前に有る。指令室回りのカメラは打ち上げ三十秒前にスルガが大暴れしたせいで動いていないか壊れただろう

※スルガはサターン打ち上げ直前阻止手段を探すため壁や天井を破壊しまくっている

 

 

「さてと、指令室回りは思わぬ所から視界が良く通るから気を付けんとなー」(犯人)

「ああ、そう言えばスルガ滅茶苦茶してたね」

「穴だらけだったな」

「ひたすら爆破したからね。あの時」

 

 

スルガがゆっくりと点検口を開ける。壁の破片以外特に何も居ない。これは遊ばれてる

 

 

「なんも居ねえ・・・舐めやがって。後は時間勝負だな?」

「ああ。サーバールームはこっちだ」

 

 

この近くの監視カメラが無いからなのかそれとも・・・とにかくサーバールームに急ぐ。が、内部には居るよ。ベクターとかゴーストジャックされたLBX

 

「ベクターは俺に任せな。初陣だ。行くよ。イプシロンUC、ちょいと手伝えよ機龍?銀龍纏めて凪払え!」

「行くぞ、イカロス・ゼロ!」

「トリトーン、起動!」

「ジェネラル、出る!」

 

 

向かってくるイノベーター所属だったLBX達、イプシロンに向かってきたのは三機のデクーカスタム(監視型)だ。それぞれ手斧を持って斬りかかってきたが両手両足と腰から2基、スルガ制御の2基、機龍制御で4基のビットが展開、2基ずつのレーザービットがデクーカスタム(監視型)のコアボックスと頭を撃ち抜き撃破、イプシロンは後ろに居たインビットの一番固い胸部装甲を容易く両断、後ろにいたベクターに斬りかかった

 

ベクターはベクターソード振りかぶる。攻撃の衝突、少しの鍔迫り合いを弾きビットレーザーが追撃、間接部を狙うが避け装甲で防がれ再び斬りかかってきた。それをシールドビットが防御する

攻撃が止まった瞬間機龍がシールドビットを解除、スルガ配下のビットがレイピアのようなソードになり震刃と共に間接狙いで突き出した。だが、ベクターが空いた左手でイプシロンUCの腕をつかむ

 

「機龍!」

 

 

機龍がいつの間にかベクターの真横に移動、脇腹にスパイラルクロウを突き立て装甲を貫き内部を掻き回す。更にそこにメーサーを照射されベクターは耐えられず爆破、原型を止めず大破した

更にイプシロンUCは機龍、銀龍と連携、他の三機に襲いかかるベクターやゴーストジャックされたLBXを次々撃破、何度かゴーストジャックしようとした隙を付いて過半数を大破させるに至る

 

「凄いな。少しでも触れられたらアウトのハッキングをここまで弱体化させるとは」

「機龍も流石だ。ベクターを簡単に大破させるなんて」

「レックスは3対1で2機大破に追い込んで一機をかなり手酷く撃破だぞ?」

「先に急ごう。見つかった以上更に増援が来る」

 

 

そして横にある去年スルガが爆破した穴を見ると大量のLBXが押し寄せていた

 

 

「逃げるぞ!」

 

 

スルガは壁、天井にグレネードを投げて崩落を引き起こしLBXの行き足を妨害する。今さら穴が増えたところで気にすることでは無い。更に銀龍がスルガの頭の上から4丁のガトリングを振り撒き追手を返り討ちに合わせた

 

ベクターは弾幕の暴力で押し返す。装甲には細かい傷しか与えられないものの弾丸のもつ運動エネルギーは伊達ではなく、追撃前に損害を追ったり関節が破壊されたりと行動不能に陥いる事が多かった。やがてLBXの追手を完全に迎撃しサーバールームにたどり着く

 

 



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懐かしき場所(数日前に不法侵入済み)

═旧イノベーター研究所 サーバールーム════

扉を物理的にロックし取り敢えず追手を撒ききった

 

「取り敢えず大丈夫か?」

「早速復旧に取り掛かろう。スルガ、機龍を借りるぞ?」

「あいあい。機龍とソルジャーやシャルナック、機龍間の通信は俺も解析出来ん。安心して使えるだろうよ」

※機龍達が独自の言語を使ってるから。人間の脳から作られた自我と言うミゼルが持ち得ることがないコンピューターは色々異質なのだ

 

 

山野博士が作業の準備に取り掛かる。しかしそこに白い強化型キラードロイド『ユニコーン』、そして七機のベクターが襲来する

 

 

「キラードロイド!?」

「完全に来るの読まれてた臭いな。行くぞ機龍、銀龍、キラードロイド任せるぞ」

 

 

ここがサーバールームで無いのなら迷わずオーバードウェポンで焼き払っただろう

そしてベクター一機がゼウスと同じように搭乗、ユニコーンの体表に電子基板のような緑のラインが浮かび上がり咆哮を上げる

そのユニコーンが形成するKフィールドが全員を飲み込む

 

 

「イカロス・ゼロ、出撃だ!」

「トリトーン、起動!」

「ジェネラル、出陣する」

「出るよ!イプシロンUC」

 

 

フィールドに降り立つ五機と一匹、そして機龍が銀龍の背中に立ち銀龍から延びるケーブルが機龍の背中に接続され銀龍の目が輝く。銀龍の背中には他の戦闘ユニットがマウントされていた

 

 

キシャァァァァァ!!!

 

グギュァァァァァ!!!

 

 

map 廃墟 《killer DroidユニコーンII》

アンリミテッドレギュレーション

バトルスタート

 

銀龍のレールガンがユニコーンに放たれる

更に他の機体も動きベクターを迎撃、6対4、数的不利の中イプシロンUCが腰からビットを3基展開、シールドを形成しベクターガン持ちからの掩護射撃を防御、アックス持ちに斬りかかる

 

 

「このLBXを操ろうとするのは時間の無駄だぜ?」

 

 

イプシロンは振り下ろされたアックスを左腕のビットをマウントしたままソードモードにして攻撃を払い震刃で肩関節を斬り上げ機能不全を誘発、攻撃力を削ぎ左腕のビットをソードからと展開している3基をシールドからレーザーにチェンジ、ベクターガン持ちに射撃、ダメージは無いが鬱陶しいだろう

 

 

「スルガ!そっちにもう一機だ!」

「流石に三機同時はしんどい・・・アレ、使うか」

 

迫ってきたベクターはベクターソードの二刀流、軽快な動きでイプシロンの背中から斬りかかる。咄嗟に上にジャンプビットを補助推進力として姿勢制御、空中で縦に1回転しながら武器を持ち替え斬りかかってきたやつの後ろに付く。そして右手に持った黒灰に再塗装されたルミナスシューターの銃口をベクターの背中に押し付けた。そして、引き金を引く

 

 

ズギュゥゥゥゥゥン!!

 

 

ルミナスシューターからは凄まじい量のエネルギーが打ち出され双剣ベクターは勿論アックス持ちをも貫通しフィールドの壁やユニコーンが形成しているKフィールドに穴を穿った。その反動でイプシロンは後方に姿勢そのまま後退し右手の関節が異常をきたす

 

 

「・・・うっわ、接射とは言え頭おかしい」

 

 

もっと頭の可笑しい火力(オーバードウェポン)を振り撒く奴が何を言うのか

 

 

「何それ!?」

「タイニーオービットの試作品だ。詳細は後、八神さん、一時的にこいつよろしく」

 

 

アーチャーライフルでイカロス・ゼロとトリトーンの援護をしていたジェネラルにルミナスシューターを押し付ける。ジェネラルと八神さんならルミナスシューターの反動をうまく押さえられるだろう

 

 

「うむ。うまく扱って見せよう」

「狙い付けてる間のフォローはお任せください!」

 

 

すぐ撃てないことに八神が違和感を抱くがスルガのアイコンタクトで何かを察っしたようだ。直ぐにスコープを覗き狙撃体制を取る。更にイプシロンからビットが3基飛び出しジェネラルの前方でシールド展開、ベクターガンの射撃を防いだ

バンとジンと戦っていた三機のベクターの内ソード持ちに喧嘩を吹っ掛けタイマンに持ち込む。

そしてジェネラルはエネルギーの再充填を狙いを付けに偽装、ベクターの注意を反らす

 

 

─銀龍&機龍side─────

 

 

銀龍が着弾したレールガンが確実にユニコーンの装甲を貫いた

反撃のレーザーガンは出力が大幅に強化されているようで銀龍の装甲に傷が付く

瞬間出力や攻撃力はこちらが上だ

さらに機龍が搭乗するベクター狙いで誘導弾を発射し落としに掛かる。

ベクターはその身で受け止める。流石の装甲、表面的には無傷だ

 

 

銀龍とユニコーンの撃ち合いはダメージレースとなる。倒したとしても大ダメージを避けられないと考えた銀龍は一気に距離を詰めることを選ぶ。機龍共々姿勢を低く取りブースターを全開にし一気に距離を詰めユニコーンに下からのタックル

 

ユニコーンの図体は大きく上にカチ上げられ衝突の衝撃でお互いまともな照準は不可能になる。しかし銀龍の上に居る機龍は口部連装メーサー、三連装ハイパーメーサーをユニコーンのコアに叩き込んだ

 

更に衝撃を受けきっと銀龍は五門の高出力メーサー砲を受けてボロボロにされた装甲を持つコアにレールガンの銃口を突き立て射撃、完全にコアに止めを刺した

 

スルガにより作られた機龍により支援された銀龍はいとも容易くミゼルにより強化されたユニコーンを撃ち破る

 

 

しかし様子がおかしい。ユニコーンの装甲には緑のラインが再び浮かび上がった

 

 

銀龍が近接戦闘ユニットを装備、ユニコーンに斬りかかる

しかし飛び退かれレーザー砲の反撃を貰った

ユニコーンのコアは既に機能を停止している。今奴はベクターをコアにして動いているのだ

 

 

 

 

 

─スルガside──────

 

40秒のチャージが終わり再びルミナスシューターが猛威を振るう。八神さんとジェネラルはユニコーンの上に搭乗してジェネラルに注意を向けていなかったベクターを正確に射抜き、銀龍が機能を停止したユニコーンに止めを刺す

 

 

「流石だ八神さん。銀龍、これ付けてこっち手伝え」

フィールドに投げ込んだのはガンランチャーユニットだ

 

ジェネラルの防衛に振っていたビット3基を呼び戻し1基格納、2基のビットと目の前のソード持ちベクターを畳み掛ける 

斬りかかると同時に後方から足関節を狙い射撃、姿勢が崩れたところで顔を蹴り飛ばしそこに銀龍からの制圧砲撃が降り注いだ

 

 

バンやジンと戦っているベクターも銀龍の支援を受けた二人に劣勢を強いられ撃破は時間の問題だろう

 

 

砲撃でかなりの痛手を追ったベクター、対キラードロイド用兵装をまともに喰らい装甲が割れるだけで立ち上がるのは流石ベクターと言った所だろう。しかし関節にダメージを追ったのかその動きはぎこちない

 

 

「止めだ!」

「終わりだ!」

「とっておきを喰らいな!」

 

「「「必殺ファンクション!」」」

 

アタックファンクション

ホーリーランス

 

アタックファンクション

オーシャンブラスト

 

アタックファンクション

テンペストブレイド

 

それぞれのベクターが大技を喰らい装甲を叩き割られ大破

生き残ったもう一機は機龍と銀龍、ジェネラルのルミナスシューターの同時攻撃を喰らい木っ端微塵となった

 

 

 

 

 

═════

 

「よし、復旧作業を始めよう」

 

全ての敵を粉砕しAX-000の復旧作業が開始される

 

 

「よーしよしよし。銀龍、頑張ったな~帰ったら直してやるからな~」

 

 

甘えに来る銀龍を頭に乗せながらスルガもキーボードを叩き復旧作業と完全削除のお手伝い。その傍らここにあるであろう別のデータを探す

 

 

「ハッキング対策のコーティングでかなり戦いやすくなったね」

「ああ。少しでも触れられたら直ぐにハッキングされていた。時間がかかるようになっただけでも大きく違う。だが今度はこうは行かないだろう」

「うん。今は初見殺しみたいなものだったもんね・・・」

「よし。作業が終わった」

「ちょい待ち、俺ももう少しで・・・」

「何をしている?」

「多分これから使うであろう物を・・・ね。終わった終わった。トンズラしましょう」

 

 

しかし一連の動きを不敵な笑みをしながら見るミゼルが居る。当然スルガもミゼルの手のひらの上なのは気が付いておりどうやって裏を掻く考えつきこいつはこいつで笑うのであった

 

 

 



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タイニーオービット社奪還戦

═旧イノベーター研究所 道中═════

スルガが何のためにさっさと色々動いたか、ひとまず最初のタイニーオービット社侵攻を食い止めるためである

今タイニーオービット社に大量のベクターが襲来したと連絡が合った。しかし本編のようには行かない。すでにソルジャーやシャルナック、シーカーの実働部隊がいつ起こるか分からないゴーストジャックに即応出来る体制を整えており稼働機にはハッキング対策を施した。簡単には行くまい

 

 

「成る程、現状は?」

「分からない。現在シーカーの部隊が応戦中、ベクターによるハッキングを防ぐため社内の電源を落としたため内部との通信は叶わないらしい」

「シーカーのLBXは全てFAに更新済み、余程の事がないと大丈夫だとは思うが」

「早く戻ろう。今タイニーオービットが落ちればAX-000の製作にも影響が出るかも知れない」

「直ぐに行こう!」

 

 

バンに引っ張られる形でタイニーオービット社へ急ぐ。スルガは帰りの車の中でカスタムビルドファクトリーを開いた

 

 

「お前らメンテするからLBX借りるぞ。銀龍、袋の中に予備パーツあるから二人に頼んで交換作業手伝ってもらってくれ」

 

 

イカロス・ゼロとトリトーン、機龍、イプシロンUCをファクトリーに入れてメンテナンスを開始

 

 

いくらこいつら(世界トップ&マジキチ人外)が操縦者でも損傷が無いわけではない。LBXのメンテナンスは必要だ。タイニーオービット社への到着時間ギリギリで作業で終わるだろう

 

 

 

 

 

═タイニーオービット社 外═════

正面玄関口の階段下まで来た。足元には焦げたり真っ二つだったり溶けたり大破したベクターが落ちている

 

 

「・・・マルチプルパルスの跡だ。それに他のオーバードウェポンの跡もある。傷酷すぎてどれか分からんけど」

「オーバードウェポンが複数回発動されたのか?」

「間違いない・・・恐らく接近に気付いたソルジャーとシャルナックがやったんだろう・・・つまりオーバードウェポンを使う量の襲撃者が来たと言うこと。不味いぞ」

「河白君!」

「霧島さん?何か有りましたか?」

「中で君のLBXとシーカーの部隊がまだ戦闘中だ。それに結城君や拓也社長、まだ数人が避難出来ずに取り残されてしまっている」

「早く行かないと!」

「どうする?何処から侵入するか?」

「恐らくシーカーの部隊は研究室、隣接してるLBX保管庫、メインサーバールームで防衛戦を展開してるだろう。だから・・・搬入口から入ろう。運が良ければ襲撃者を挟み撃ちに出来るかも」

 

 

4人は内部構造を知り尽くしたスルガの手引きで内部に侵入、しかしここは荒れているもののベクターやゴーストジャックされたLBXは居ない

 

 

「電源落ちてるって言ってたから、非常階段から行こう・・・ここも居ない?シーカーとの戦闘に戦力振ってるのか?」

 

 

本来ならオーディーンと戦ったりするがオーディーンはとっくの昔に回収済みだ。特にベクターに悪用されそうなものは物理的に隔離したし無事のはず

 

 

非常階段で研究室等のあるフロアに到達、数フロア下に居た転から銃声や砲声が響いてきていた

 

 

「よし、開けるぞ?準備良いか?」

 

 

スルガがドアノブに手を掛け、機龍とイプシロンUCを待機させ、自身もグレネードを手にする

バン、ジン、八神もそれぞれのLBXを直ぐに出せるようにしていた

そしてスルガはそれを確認して一度頷き

手に力を込めて扉を少し開ける

ベクターやゴーストジャックされたであろうLBXが廊下の奥に向かっている。その先は研究室だ

 

 

(やはり研究室に向かってるな?このまま行けば挟み撃ちに出来る)

 

 

人差し指でハンドサインを出し扉の向こうへ。ここからは衝撃度合いで決める

 

機龍と銀龍が攻撃体制を取った。ジェネラルはルミナスシューターを構えイカロス・ゼロとトリトーン、イプシロンUCはユニオンファンクションの予備動作に入る

 

機龍と銀龍からはアブソリュート・ゼロを除く全ての火器を一斉射。ルミナスシューターがベクターを貫き混乱したところに機龍からの攻撃が着弾、さらに状況を混沌とさせる

その間に三機がエネルギーを練り上げ、深い青に染まった煌めく水のようなエネルギーがイカロス・ゼロに纏わり付き、そのままウェポンフォームへ変形、トリトーンが上半身、イプシロンが下半身を持ち、さらに刃にエネルギーを収束させる

 

 

 

ユニオンファンクション

ミルキーウェイフロウ

 

 

 

二人がイカロス・ゼロを振り下ろすと点々と輝く光を伴ったエネルギーの激流が繰り出されベクターやゴーストジャックされたLBX達を呑み込み翻弄し大ダメージを与える

 

「今のうちだ!突っ込め!」

 

 

全ての攻撃が終了せぬ内に八神の号令でLBXが銀龍を正面に集団に突貫

何機かのベクターが迎撃に出てきたが銀龍は問題なく攻撃を弾き飛ばし、続くLBX達が突入し撃破を重ねる。ジェネラルは銀龍の上に乗り込み時間を埋める形でアーチャーライフルを撃ち下ろす

そして機龍とイプシロンUCは最優先でベクターを無力化して行きながらさらに集団の中へ。鍔迫り合いで相手を固定し足関節をビットで破壊しその隙をついてベクターよ首を落とす。機龍は単純に力に任せて叩き潰していた。銀龍に寄ってった奴もしっほで叩かれたり踏み潰されたりと質量差で圧倒されている。特にベクターは念入りに踏みつけられていた

 

そうして前進していてスルガは見慣れた機体を目にする

 

 

「轟雷!スティレット!」

 

 

二種の機体の肩にはシーカー所属であることを示す水色のskの文字が刻まれている

足元には大量の残骸や撃破されたベクターが落ちている。全員でそこを駆け抜けシーカーの部隊が隠れている遮蔽物に滑り込む

 

 

「スルガ、大丈夫か?」

「状況は?」

「見ての通りだ。安定・・・までは行けないが何とか。それに結城の試作品もありったけ掻っ払ったからな」

 

 

後ろの研究室では結城さんや大空博士、オタクロスがまだ何かしているようだ

 

 

「サーバールームは?」

「そっちは残り人間とソルジャー、シャルナックが守ってる!だが避難出来てない人がまだ居る」

「よし。それなら俺達で救出に向かいます。銀龍、ここ頼んだ」

「バン、ジン、八神さん。社内のベクター掃除しながら救出に向かいましょう」

「恐らくコントロールポットルームと社長室だ」

「ならば二手に分かれるますか?」

「ベクターの集団に少数精鋭は危険だ。社内を掃討しながら固まって行くぞ!」

 

 

こちらから打って出る。銀龍の援護を受けて四人は飛び出しコントロールポットルームを目指す

 

 

 

═コントロールポットルーム════

道中数機現れたベクターを排除した四人はコントロールポットルームに飛び込み、扉を閉めた

 

「ふぅ・・・理奈さん、大丈夫でしたか?」

「ええ。ここは大丈夫よ。それよりも研究室やサーバールームの方は?」

「後から向かいます。理奈さん、避難を」

「分かったわ。けど一人じゃ」

「・・・ジン、騎士を頼んでも?研究室まで行けば大丈夫だ」

「謹んでお受けしよう。理奈さん、こちらへ」

「俺たちはサーバールーム寄ってから社長室へ向かおう」

 

 

═サーバールーム付近════

 

近付いただけで異臭がして来た

 

「酷い匂いだ・・・」 

「あの曲がり角の先だ。これは?」

 

 

八神の足元には行動を止めたウォーリアー、しかし少し違う。背中に異質なモノを背負っていたり、壁にめり込んでいたりする

 

 

「グラインドグラインダーにグラインドブレード」

「それにこの棒を持ったのは、マスブレードだったっけ?」

 

 

おびただしい数のオーバードウェポンが発動していた。そして角の向こうは惨状だった。主に原因はオーバードウェポンだろうが、マスブレードに殴られたであろうベクターは原型を留めていない

 

 

「うっわ、ひでえ」

 

 

すでに大半の敵を粉砕した後だ。恐らくベクターが複数機きたら迷わずオーバードウェポンをぶち込んだのだろう

 

 

「教官、ここは大丈夫です。それよりも研究室は?」

「まだLBXの襲撃があるようだ。俺らで社内のベクターを遊撃する。ソルジャー、シャルナック、やったなぁ・・・後で絶対怒られるじゃんこれ」

 

 

あまりの惨状には目を背けて次目指すは社長室、と思った所で研究室から放送が入る

 

《研究室への侵攻が威力を失ってきた。これより社内の掃討戦に移行する!防衛戦力を残しベクター共を根絶やしにしろ!》

 

「へぇ?よし。教官命令だ。6名を残し全員でベクターの捜索と掃討をする。奴らをこの会社から生かして返すな!」

「「「「「了解!」」」」」

「八神さん、俺らは社内の掃討に入ります。バンを連れて社長室へ」

「分かった!」

 

そして大空博士やオタクロス、山野博士の協力もありタイニーオービット内部に居る残りのベクターを炙り出し逆転した数の暴力と純粋な暴力(機龍銀龍オーバードウェポン)で叩き潰した

 

しかしスルガには得体の知れない気持ち悪さが残るのであった。目的云々ではなく、なぜミゼルがこのタイミングのこの状態のタイニーオービットに侵攻してきたのか?なぜシーカーの部隊に正面から喧嘩を吹っ掛けたのかだ

 

適当な所でゴーストジャックを起こせばシーカーの実働部隊はそちらに向かう。最低限の戦力は残るだろうがその程度ならベクターで対抗出来るだろう

それがスルガの思考を狂わせている

 

しかし次の面倒事はスルガは見えている。スタンフィールインゴット、そして二度目の侵攻だ。まだまだ序盤も良い所だ

 

 



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スタンフィールインゴットを手に入れろ

═タイニーオービット社════

ベクターに襲撃されながらもタイニーオービット社ではオーレギオン製造の準備が整えられていた。拓也さんは襲撃の最中でも社長室に引きこもり準備を進めていたのだ。何と言うか、覚悟が決まってる

しかし凶報、クリスターイングラム社やプロメテウス社、そして神谷重工もベクターに制圧されたらしい他二つはともかく神谷はヤバい。現状工場周辺の被害は無いので静観みたいだが、近くにベクターの製造工場が出来てしまった。ヤバい

 

 

「ほんとすげえな。上に立つだけあるわ」

 

 

時折拓也の正義感や行動力を邪魔に思うスルガもこの時は素直に尊敬していた

ハッキング対策の方はハッキングのプロフェッショナルの大空博士の参加によって大きく進行した。完全遮断までは後少しだ

 

 

「あら?ここまで上手く進んだのはスルガ君が基礎を既に作っていてくれたからよ?私の力なんて些細なもの」

「あの、心読むの辞めてもろて」

「別に本当の話よ。それより新型の危険性、だったかしら?それは山野博士に伝えたの?」

「伝えましたよ。けど今更引けないと」

「なら、こっちでミゼルの小細工が無いか探すだけね」

「ですねー」

 

 

気の無い返事。こうなったらミゼルの手に渡らないよう精一杯するだけだ。そして細部のチェック中、山野博士が声をかけてくる

 

 

「スルガ君、一つ相談があるんだが」

「ん?どうしました?」

「ジェネレータにエターナルサイクラーを用いる予定なのだが発熱量が予想以上なんだ。コアボックスに影響もあるが、空間にはこれ以上余裕も無い」

「成る程、なら素材かぁ・・・思い当たりも・・・ありそうだけど出てこない」

「それならスタンフィールインゴットなんてどうかしら?あれなら軽量だし頑丈よ?パラダイスや他の人工衛星にも使われているわ」

「スタンフィールインゴットか。そういや機龍にも使った使った。ここに在庫あるかな?」

「待って、スタンフィールインゴットはとても稀少で高価なの。スルガ君が機龍改造の時に用意出来るのが異常で普段は一般流通してないわ」

 

 

里奈さんが待ったを掛けた。どうやらスルガが割りと簡単に入手出来てるのが可笑しいらしい

因みに今の機龍のコアスケルトンは大体スタンフィールインゴット(財力の暴力)が使われている。機龍の暴力的な戦い方にコアスケルトンが耐えられていなかったのだ

そもそも機龍は製造当初から使われているパーツ等アブソリュート・ゼロのダイアモンド位で細かい改造やオーバーホールによって中身は最早別物に変容していた。大体理由はフルリンクシステムを使い続けるため

 

 

「一応中国の鉱山で産出してるわ」

「それなら僕とバン君で向かうか?」

「うーん・・・近場でゴーストジャックの対応してる奴居ないか?」

「まだ状況は落ち着いていないデヨ?潰せば別のが沸いてる状態じゃ」

 

 

八神から間接的に他が動けないことが語られる。本編だと少し状況は落ち着いていたはずだが・・・こちらが動かせる戦力も

多い分ミゼルも相応に動いてるのか?

 

 

「こっちから出向くしかないか?いやでも作り始めた以上ここが再襲撃受ける可能性が高い」

「スルガ!大変だ!」

 

 

突然騒動慌てた拓也が研究室に駆け込んでくる。何があった?

 

 

「今度はA国の通信センターが襲撃を受けた!その施設が落ちればA国内の通信網は勿論国際通信も維持が怪しくなる!」

「何でそんな重要なもん一つに纏めてやがんだ!少しは分散配置で影響少なくしろよ!」

 

 

スルガの渾身の叫び。しかしこちらはレアメタルで精一杯だ。そして拓也のCCMが鳴る

 

 

「俺だ。どうした?・・・分かった。それなら頼みたい事がある。確かロンドンに居るんだったな?・・・直ぐにA国に向かってほしい。詳細は後で伝達する。任せたぞ・・・・・・通信センターは問題ない。檜山達の手が空いたから向かわせた」

「流石レックス達だ。処理が早えな。間に合えば良いが」

「現在再編成を終えたファイアースイーツ隊が応戦しているらしい。ハッキング対策の試作コーティングのデータは既に渡してある。大丈夫だろう」

 

現在日本以外のアジア回りはヒロ、ラン、ユウヤ、キリトが

北米、南米大陸はカズ、アミ、ジェシカ、アスカが

アジア以外のユーラシア、アフリカ、ヨーロッパをレックス、ルナ、ヒノ、郷田、仙道が担当している

ヨーロッパチームが数と質を有しており一番広範囲を担当してベクターを駆逐していた。北米、南米大陸チームはNICSで、アジアチームは日本から届けられ既に試作コーティングをされていたため全体の処理力も少し上がっている

 

 

「鉱山でベクターが出る恐れもある。あんまり少数だとベクターが出たときに対処できんし・・・」

「スルガ、タイニーオービットなら既にシーカーの部隊や予備機を出して再侵攻に備えている。直ぐには落ちない」

「なら・・・行くしかないかぁ、三人と機龍で・・・いやでも・・・それしかないか」

 

 

バン、ジン、スルガ、機龍、そして後追いで来ているコブラが現地で落ち合う手筈となった。あとはアジア担当チームが今がおちつけば応援に来ると

 

 

 

═中国、鉱山════

八神さん経由で財前総理にお願いし小型で取り回しの良い政府専用機を動かしてもらった。既に(国際会議上のスルガの暴言のせい)で国際的なミゼル対抗の枠は出来ており他のチームが各国を回ったりしているので中国側の受け入れも迅速だった。更には内陸部までのヘリまで用意して貰っていた

 

 

「大空博士と里奈さんに貰った地図だと・・・あれだね」

「既にコブラが到着していると連絡があった」

「機長、下ろしてください。ありがとうございます。帰りもよろしくお願いします」

 

 

ヘリから降りて鉱山の管理事務所へ。玄関口でコブラと合流した。良くない情報と共に

 

 

「数日間出荷が停止していた?」

「原因は分からねえがな。来る途中で調べてたら、どうやらそうみてえだ。良くない予感がするぜ」

「・・・つまりNシティのゴーストジャックが起こる前からか?」

「つまりベクターは僕らが気付く前から動き出していたのか」

「それに中から喧嘩っぽい怒号がさっきから聞こえてきてる・・・トラブルがそれだけだと良いんだがな」

「まあ、行くかぁ」

 

 

事務所の受付を通り抜け、なにやら大声ばかりが響く会議室に通された

 

 

「完成している分だけでいいからスタンフィールインゴットを取ってこい!」

「暴走したLBXが待ち構える坑道に入るのは無茶だ!命がいくつあっても足りねえ!」

「そんなに欲しいなら自分で行け!」

「大体逃げる時になぜ持ってこなかった!」

「そんな余裕無かったって何回言えば気が済むんだ?あ?」

 

 

喧嘩であった。スーツの眼鏡と明らかな作業員達だった。男は竜玄社本社の人間らしくスタンフィールインゴットが欲しい

しかしベクターやLBXが暴れる中取りになんて行けないと作業員

 

怒声に紛れて聞こえづらかったが機龍の耳からも聞いているスルガには「本社に責任を問われる」という言葉を聞き逃さなかった

 

 

「で?お前らは誰だ?」

 

 

作業員の元締めであろう大男がこちらを睨んで聞いてくる

 

 

「俺達はNICSの者だ。少しスタンフィールインゴットを融通してもらえないかと訪ねてきた。勿論相応の対価は用意する」

「冗談じゃない!スタンフィールインゴットは全て本社に送られることになっているんだ!」

 

 

コブラと眼鏡スーツが交渉している間に作業員達が子供の方に興味を移す

 

 

「俺達としては分けてやりてえが謎の黒いLBX、ニュースじゃベクターとか言ったLBXがゴーストジャック・・・であってたな?」

「あい。それで鉱山作業してたLBXが暴走、誰も近づけねんだ」

「なら僕たちでベクターを倒してスタンフィールインゴットを取ってくる。って言うのは駄目でしょうか?」

 

 

ジンの交渉が始まった。普通の交渉ならジンの方が得意だろう

 

 

「いくらお前さん達がLBXのスペシャリストだとは言えな・・・」

「去年のアルテミス2トップのあんさんたちとは言え子供だろ?」

「スルガ君、ベクターを」

「ほい。」

 

 

スルガがバックの中からタイニーオービットで大破したベクターを数機取り出し、雑に床に放り投げる

 

 

「さっきその辺にいたのを狩ってきた。これでも駄目か?」

 

 

スルガの言葉で作業員達の目が大きく見開かれる。自分達では手が出なかったベクターをいとも簡単に倒した。そう思っているだろう。あながち間違いでは無いが

 

 

「坑道には崩落の可能性もある。戦闘なんてしたらどうなるか保証できねえし、何より助けに行けるかわかんねえ。そんなところに行かせるなんて」

「大丈夫です。俺達を信じてください」

 

 

バンが更に押す

 

 

「分かった!だがそこのスーツが許可を出すか?あいつから許可が降りねえとどのみち入れねえ」

「ねえねえ。そこのおニーサン?」

「なんだね?」

「俺達で取ってきて上げるって言ったら?」

「・・・は?寝言は寝て言え」

「でもさぁ?このまま出荷出来なかったら、飛ぶのは誰の首かなぁ?作業員達の替えは直ぐに効かない。職人芸だからな。なら会社ならどこを飛ばすかなぁ?」

 

 

スルガが得意なおぞましい交渉・・・ここまできたら脅迫だろうか?

 

 

「分かった!構わない好きにしろ!取ってこれたなら好きなだけやる!」

(おい機龍、今の言葉、記録しとけ)

「だが会社としては責任を一切持たない。これでもいいなら好きにしろ!」

「ありがとうございます!すいません、鉱山の地図ってありますか?」

「ああ。少し待ってろ。おい!持ってきてやれ。一応言っておくがこれは社外秘なんだ。漏らすなよ?」

 

 

スルガは言質を取って、凄く悪い笑い方をしていた

 

 

 



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スタンフィールインゴットを入手せよ 後

═鉱山════

坑道の地図を借りて作業員らに入口まで案内と内部を進むためのトロッコを用意して貰った

 

 

「ここまではLBXは居ない。あとこれを付けとけ。邪魔かもしれんがここのルールだ。顎紐しっかり締めろよ?」

 

 

渡されたのは黄色いヘルメットだ。

 

 

「はい。お借りします」

「ここで加速、ここでブレーキだ。制限速度は地図に載ってる。これ以上出すと脱線する可能性がグッとあがっちまう。普段は鉱石を積んで重いが今は軽荷だ。気を付けろ」 

 

 

コブラとスルガでトロッコの機関車の説明を受けていた。速度は余り出ないようだがいちばん頑丈なのを用意して貰った

 

 

「ヤバいと思ったら直ぐに逃げろ。それが採掘屋の俺達との約束だ。良いな?」

「ハイ!」

「済まねえな。本来なら俺達でしなけりゃいけねえことなんだが」

「緊急なので仕方ないです。何か合ったら《また》よろしくお願いします」

「おうよ。頑張れ」

 

 

負けるな!、安全にな!と言う言葉に背中を押されてスルガはトロッコを発車させた

 

「制限30、坑内進行~」

「結構揺れるね」

「余り線路も綺麗では無いからな」

「おい、スルガ前止まれ。岩だ」

「機龍」

 

 

機龍が機関車から飛び出しスパイラルクロウで大岩を砕く

 

 

「えーと?制限10、進行。多分LBXが出てくるのこの辺りからだな?復習しておこう。ここのLBXは採掘作業用にカスタマイズされている。作業員に聞くにはパワーや頑丈さが売りらしい。その辺の奴よりは固いだろう。武器はタイタンドリルみたいな武器腕やハンマー類がメインだと」

「おい、早速おいでなすったぜ」

「機龍、崩落を引き起こしかねないから遠距離攻撃は控えめでな」

 

 

機龍が飛び出しハンマーを持ったデクー数機を尻尾の一撃で壁に叩きつけブレイクオーバーに持ち込んだ

 

 

「あいつ手加減したな?」

「一撃で撃破して手加減してんのか!?」

「今の機龍なら本気で殴れば一発で胴体を叩き割って真っ二つだろうし。おっと制限15、精錬炉までもう少しだな。警備があれだけ?」

 

 

スルガが機関車を止めて皆で回りを観察、LBXに制圧されたにしては基数が少くないか?

 

 

「・・・これは、俺達を待ってるのか?」

「可能性が高い」

「もしかしたら俺達を生き埋めにしようとしてるのかもな」

「そんな縁起でもねえこと言うなよスルガ」

 

 

精錬炉も近くなってきた。緊急時に対応できるようにここからは徒歩で向かう

もしやさっきのLBXが哨戒でそれを機龍が速攻撃破したからまだバレて居ないのか?

 

取り敢えず最悪の事態を想定して動く。やがて巨大な炉にたどり着いた。怪しまれぬよう数機のLBXをやり過ごした程度でここまでこれたがこれからどうなるか

 

 

「大きい・・・アレじゃない?スタンフィールインゴットって」

 

隠れたバンが指差す先にはガラスケースに納められているスタンフィールインゴット、一本で大体一機作れるくらいの大きさが十何本置いてある

 

「ベクターはここにいると思うが・・・居た。あそこだ。他にも居る」

 

今度はジンが精錬炉の前に立つベクターを発見した。他にも数機が警戒に当たっているようだ

 

「見えるだけで・・・10機?」

「多分ほかの坑道で採掘作業してるか、見えてないだけでもっと居るだろう。スルガ、狙撃は出来るか?」

「やってみる。機龍、イプシロンを支えてくれ」

 

イプシロンUCがルミナスシューターを構え機龍がそれを後ろから支える

スルガはオーバーセンスとオーバーロードをフル活用し照準

 

 

「もうちょい右、下・・・照準よし」

 

 

今のところ行動する赤い軌跡は今のベクターとぴったり重なっている  

 

 

「撃ったら場所バレる・・・援護するからこっそり取りに行けないか?万が一ここが崩落すれば」

「・・・それもそうだな。よし。ジン、ここでスルガのカバーを。バン。行くぞ」 

 

バンとコブラがゆっくりとスタンフィールインゴットの安置場所まで近付き預けられた鍵を使い、ケースを開けた。ベクターは炉の方を向いていて気が付いていない

 

バンとコブラがそっとスタンフィールインゴットを一本一本回収、バンのカバンにありったけ詰め込んだ

 

 

そして、こちらに手を振る。しかし、ベクターが振り向いて、発見された

スルガがそれを認識した瞬間に引き金を引く。 

機龍により反動を吸収され弾は綺麗にベクターに吸い込まれるように頭をぶち抜く

 

明らかな異常に他のLBXとベクターが一斉にスルガの方に殺到した

 

 

「チッ、行くよ!イプシロンUC、機龍!」

「トリトーン、起動!」

 

 

機龍が迷わずメーサーで採掘用LBXの群れを凪払いベクターには誘導弾でのピンポイント爆撃をプレゼント、撃破まで至らないが少し足止め

 

 

「行けっ!イカロス・ゼロ!」

「早くこい!取り敢えず持って帰るぞ!掃除はそれからだ!」

 

 

バンとコブラ、イカロス・ゼロと合流して機関車まで急ぐ

しかし機関車の方にもLBXが迫ってきており、ただでは帰してくれないようだ

 

 

「くっそ、さては自分達では開けられなかったから誰かが開けるの待ってやがったな?乗れっ!」

 

 

機関車を発車させる。コブラに運転を丸投げして三人と機龍が機関車に近付く機体を撃退

 

 

「クソッ!前からも来やがった!」

「俺と機龍で前を殺る!誰だこんなときに連絡なんて・・・来たか!コブラ、アジアチームの合流だ。坑道に入ったらしい。機関車に乗った場所で合流して迎撃だ」

「分かったぜ!」

「この先急カーブ!」

「おう!・・・ブレーキが効かねえ!」

「「「ハァ!?」」」

「やつらこんな細工してやがった!ええい!機龍!」

 

機龍が機関車の連結器に取り付きブースターを調整しながら減速させる。前からのLBXは全て後ろに追われる形となり三人で全力で迎撃しているが如何せん量が多い

 

「何かに捕まれ!カーブに突っ込むぞ!」

 

 

ギギギギギギギギギギギギィィィィィィィィィィィィ!

 

車輪と線路が激しく擦れ大量の火花を散らす。しかし減速がまだ足りずに少しずつ片輪が浮き機関車が傾いていく

 

 

「二人とも!浮いてる方に寄れ!」

 

 

三人の体重を合わせて機関車の傾きが止まり、やがてカーブは終わり、もうすぐ機関車の待機場所だ。少し下り坂だったから50kmを越えかけている

 

 

「機龍!フルブレーキ!」

 

 

ガクン!と機関車の速度が落ちる。そして停車、機関車の火を落とす

 

 

「バンさん!」

「ヒロ!」

 

 

ヒロ、ラン、ユウヤ、キリトの四人と合流し全力の迎撃戦が始まる

スルガはルミナスシューターを構えベクターを狙う。しかしベクターはルミナスシューターを既に最重要脅威と認識しており狙いが付けられない。ので凸る事に

ビットを全て呼び戻し浮遊し機体のブースターで一気に距離を詰める

途中機龍の尻尾を打ち込まれ更に鋭い加速を受けてヒロと戦闘をしていたベクターと衝突、胴体にルミナスシューターを打ち付け銃口の先をもう一機別のベクターへ向け引き金を引く

 

余裕でベクター二機を貫通した上で周囲に被害を振り撒く 

 

 

「何ですかそれ!?」

「タイニーオービットの新型。さてと、近接戦だ!」

 

震刃に持ち替え手頃なタイタンのコアボックスを装甲ごと雑に両断、その後ろに居たベクターに斬りかかる

オーバーロードを発動させ機体を超精密制御、ベクターの首を切り落とす。即席の準備品とは言え震斬がベースの切断力特化の高周波ブレード、比較的脆い関節部なら天叢雲や朔含めて斬り捨て可能と言う頭の可笑しい性能をしている

 

 

「ソードビット!」

 

 

背中の二基を展開を展開、左右から襲ってくるデグーとドリューのコアボックスに突き刺し撃破

両腕のビットをレーザーガン変わりにしてリュウビの援護、同時に近付いてきたタイタンドリルを付けたクノイチを蹴り飛ばして撃破する

次はベクター、40秒のタイムラグが終わりルミナスシューターを引っ提げて再び突貫、

しかしベクターはイプシロンUCに近付こうとしなかった

そこでスルガ、とんでもないことを思い付く

 

 

(そういやこいつ正規品よりエネルギーの照射時間長いよな・・・凪払う用に撃ったらどうなんだ?)

 

大体射撃時間は二秒程、しかし反動はとんでもない

 

 

「よし。やってみるか。機龍、支えて。みんな、下がれ!」

 

 

イプシロンUCは腰でルミナスシューターを支える。更にそれを機龍が保持して横に降りながら引き金を引く

 

発信されたエネルギーは少しずつ広がりながら扇の形を取り何機かのベクターごと集団を焼き付くす

 

 

「ふむ・・・これもう近接武装に改造だな」

「そんなヤバいものいきなり振り回すな!」

 

 

思わず怒鳴る風摩キリト、素敵な火力だ。だがどうも取り回しが良くない。要改善だ。まあ、ミゼル相手にその時間があるとは思えないが・・・ほんまあいつふざけんなよ!少しは!疲れってモノを!見せろ!

ろくに備える時間も取れやしねぇ

 

だが全員の奮戦でLBXの数も減ってきた

 

 

「文句は後で聞く。あのベクターだ!風摩キリト!俺は前から!必殺ファンクション!」

「OK、気に食わないがやってやるよ。必殺ファンクション!」

 

 

アタックファンクション

ブリッツフレイム

 

アタックファンクション

Xブレイド

 

イプシロンは正面から炎の刃をベクターに振り下ろす。一撃目は防がれたが強引に防御を崩し、二撃目を斬り込んだ

同時に後ろからキリトのフェンリルフレアがXブレイドを無防備な背中に二連撃を叩き込む。しかしベクターまだ倒れずに反撃を試みようとしてくる

 

「次だ!」

 

アタックファンクション

ヒートウイング

 

アタックファンクション

ヒートウイング

 

 

二機の炎の翼が共にベクターを巻き込みそこへ前後両側から斬撃を加えた。ベクターもダメージの蓄積が激しく、撃破した

 

 

「よっしゃ」

「中々じゃないか。そのLBXも」

「機龍・・・えっぐ」

 

 

だがこれで全てのベクターを撃破、残りのLBXは動きを止めた

 

 

「よし。鉱山の中は大体片付いたか?ってマングース?いつの間に?」

「みてえだな・・・スルガ、本格的にスタンフィールインゴットの交渉に行く。付いてきてくれ。他のメンバーはそこのと鉱山の見回りをしてくれ」

「それならコブラが良い。事前交渉したのもコブラだし」

「・・・チッ、わーったよ。行くぞお前ら」 

 

 

マングースの引率で他のメンバーは再び坑道の中へ

 

 

「ケッ、相変わらずだな」

「バーン!スタンフィールインゴットだけ置いてってくれー!」

「あっ、ごめんごめん」 

 

 

バンから受け取ったスタンフィールインゴットを全てポケットに突っ込んで坑道を出て再び事務所へ

 

 

 

 

═鉱山事務所═════

 

「ただいま帰還しましたー。鉱山内部のベクターはほぼ殲滅、一応残りのメンバーが見回りしてます」

「お、無事だったか・・・良かったぜ」

「それよりスタンフィールインゴットは!?」

「ほらよ。この通りだ。炉の近くにあったやつで全部だな?」

「ああ、」

「よし。事前の約束通り少し買ってくぞ?」

「・・・」

「ん?」

「そんな契約・・・した覚えが無いが?」

 

 

その言葉を聞いた作業員達が一気に怒声を上げた。リーダー格の男が「もう邪魔するもんはなにもねえ!こいつ炉に放り込みに行くぞ!」とアップを始める

 

そしてスルガ、鉱山に入る前に機龍に録音させておいた音声を流した

『分かった!構わない好きにしろ!取ってこれたなら好きなだけやる!』

 

「事前の会話も録音してあります。記録もとってありますし、立派な契約では?」

 

そう言い嗤った

 

 

「確かにこんなこと言ってやがったな・・・おい!」

「は、はいっ!」

「良いな?」

「はい!でも全部は勘弁してください!」

「そこまで鬼じゃねえよ・・・取り敢えず必要量と予備分だけ購入していきますね」

 

 

眼鏡スーツは作業員のリーダーの圧に負けた。そしてスルガはスタンフィールインゴットの重量と時価を計算し支払いを済ませる

 

 

「もう少し待たせて貰っても良いですか?他のメンバーも待ちたいので。それとベクターにハッキングされた機器は再起動すれば正常に動作するのが確認されています。作業開始前に一度全て再起動を」

「おう分かったぜ!好きに過ごしな。お前ら!安全確認終わったら設備点検だ!」

「「「おう!」」」

 

 

作業員が会議室からぞろぞろと出ていく。作業の準備だろう

 

「何から何まで済まなかったな」

「いえいえ・・・ご協力ありがとうございます」

「また協力が欲しいならいつでも連絡してくれ。大半の鉱石なら送り届けてやるよ!」

「はい!またご縁があれば」

 

 

そういい作業員のリーダーはスルガの背中をバンバンと叩いた

 

「よっし、俺も作業再開の準備に行ってくる。帰るときは一声掛けてくれ。恩人相手に見送りもなしとはみっともねえからな」

 

 

イプシロンのUCの腕関節を予備パーツに交換したりメンテナンスをして十分程たった頃に他のメンバーが帰ってきて、作業員らの見送りを受けて全員がタイニーオービットへ。アジアの騒動は一通り制圧したらしい。ヨーロッパチームとアメリカチームも現在抱えてるゴーストジャックを鎮圧すれば一度日本に帰国するようだ

 

取り敢えずこれでAX-000の製造を開始できる。スルガは頭を巡らせる。もう一度あるタイニーオービット社襲撃をどう乗り切りその後どうやってオーレギオンの奪還阻止、もしくは破壊するか・・・だ

 



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つかの間の休息

ただし次の厄介事は直ぐに舞い込んでくる模様


═タイニーオービット社═════

既に空は暗くなっている頃

スタンフィールインゴットを持ち帰ってきたスルガ達、既に大空博士によって設計図や製造設備にミゼルによる細工の後が無いのは確認したらしい。社内設備も一通り再起動されておりゴーストジャックの痕跡が残っている可能性は極めて低いようだ

 

そしてソルジャー、シャルナックの二機による社内パトロールの結果ベクターの侵入も無いらしい。製造時は設備を外部ネットワークから物理的に遮断した状態で行う

念には念を入れ製造設備のHuBは全て新品未開封の予備品に交換したようだ

 

 

「製造までは24時間は掛かる。荒事続きだろう?スルガ、君も含めて皆一度休むんだ」

 

 

山野博士からもそう諭されスルガはタイニーオービットの仮眠室で睡眠を取る事に

 

他のメンバーは一度帰宅する。町を散策するなど休息やLBXのメンテナンスに入っていた。そしてスルガはソルジャーとシャルナック、機龍にLBXのメンテナンスを依頼した

 

「バン、ジン、お前らは?活動時間なら俺より長かったろ?」

「一度荷物を取りに行くために帰宅する。爺やにも無事を報告したい」

「俺も一回帰るかな。ヒロとミソラタウンを回る約束をしてたんだ」

「他の奴も一時帰宅だな?俺はここで寝る。何かあったら起こしてくれ」

 

 

そう言い残しスルガは仮眠室へと消えた

 

 

 

 

 

─翌朝─────

起きたスルガ、両腕と脚に重さと少しの痺れ、柔らかさと良い匂いを感じる

 

 

「・・・なんかこんな事、前もあったな」

 

 

首を倒せばルナとヒノがスルガの腕と脚を抱き枕にして眠っていた。動こうにも動けないし動きたくない・・・

 

 

(機龍~、ソルジャ~、シャルナック~聞こえてる~?)

ソ(どうした?)

シャ(何かありました?)

(動きたいけど幸せ空間を壊したくなーい)

ソ(スルガの惚気だ。捨て置け)

シャ(辛辣っすね。先輩)

ソ(いずれ分かる)

(で?作業進捗どーよ?)

シャ(例の新型LBXはまだまだ掛かりそうです)

ソ(LBXのメンテナンスは終了した。だが全員分のLBXの強化カスタマイズ、この期を逃して良いのか?)

(今は良い。皆がAX-000を希望の星に見てる。今はそっちにリソースが裂かれるからどちらにせよ手が付かないさ)

シャ(それでマスター、今までのデータ読んで後輩が持ってる試作ルミナスシューターの改良設計図書いてみたんすけど)

(どれどれ・・・お?サンキュー!これで取り回しも良くなる。だが重量と強度は?)

ソ(お前が掻っ払ってきた金属を少し拝借する。少し余分に貰って隠してきただろ?)

(あ、バレた?)

シャ(機龍先輩が言ってたです)

(それでソルジャー用の高周波ブレードも用意する積もりなんだわ。適当に震刃コピって後お任せして良い?)

シャ(分かりました~)

(てか機龍は意地でも喋らんのな)

ソ(理由は我々も知らん)

(ほーん・・・ソルジャー、それでタイニーオービット周辺の索敵は?) 

ソ(オリオン・Eとマスターコマンダーが中心に地下搬入路、陸空を哨戒している。現在発光信号は全て届いている。まだ襲撃の気配はない)

(了解、続けてくれ。少しの異常も見逃すなよ?おっと、2人が起きてきそうだ。ついでに時間は?)

ソ(朝7:00過ぎだ)

(ありがと。また後で)

 

 

仮眠室に朝日が射し込んだ。それに瞼をピクリとさせて二人が目を覚ます

 

 

「んんっ・・・あ、おはよースルガ」

「おはよう。スルガ」

「おはよう。二人とも無事で何よりだ。取り敢えず手と足離してくれないか?」

「「やだ」」

 

 

こう二人に否定されてしまうとスルガは強くは出られない。二人共分かって言っているのだろう

 

 

「「んっ///」」

 

 

なので上手く肘を動かし、二人の顎をすうっと撫で上げ、一瞬力が緩んだ時を見計らい腕を二人の中から抜き、逆に背中に手を回して抱き寄せる

 

 

「形勢逆転だな」

「そうかなぁ?」

「僕達もやられてばかりじゃないよ?」

 

 

そう言って二人はスルガにキスをした。頬等ではない、唇同士の紛れもないキスをする

スルガは固まる。二人の顔はほんのり赤い

 

 

「・・・一本取られた」

「二人いるから二本じゃないかな?」

「敗けっぱなしも気に食わないからね」 

「なら俺も反撃と行こうか?」

 

 

まずはルナを顔を引き寄せ口付けた

 

 

「ンムッ?!ムグッ?!・・・ンン///」

 

 

さらに舌で閉じた唇を抜け歯の隙間に捩じ込み口内を蹂躙、ピチャ、ネチャ・・・と淫靡な音が狭い室内に響く

ルナは離れようとしたが後頭部に手を回してそれを阻止

 

一通りルナを骨抜きにしてスルガは満足した。ようやくルナを放す。ルナは驚きと羞恥で完全にオーバーヒートしていた。それをベッドに倒して、軽いキスを落とす。そして、次はヒノを正面から見据える

 

空いた両の手をヒノの顔に伸ばす

 

「あ・・・///」

 

 

頬に手を添えて自分の顔を近付け、ルナにしたことと全く同じことを仕掛けた

 

 

「ん・・・///」

 

 

手を後頭部と腰に手を回す

ルナとは違いヒノは自分からも舌を入れてきた。少し驚いたがやることは変えない

ヒノの舌を弄び、体から力が抜けたのを確認して、軽いキスをしてゆっくりとベッドに寝かし付ける

 

完全に拘束を外すことに成功、二人の頭を数度撫でてから布団から抜け出して関節をぐるぐると回し研究室へと向かった

 

 

 

 

 

 

 

═タイニーオービット社レベル5研究室 ════

現在AX-000、オーレギオンの開発が行われているこの場所はLBXに関連する技術を取るなら世界トップクラスの研究室だ

現在レベル4研究室ではシャルナック、ソルジャーD、機龍がイプシロンの調整とアップデート、そして新武装や改造を施している

 

 

「おはようございます。山野博士」

「おはよう、まだ寝ていてもいいんだぞ?」

「一晩寝れば十分です。進捗はシャルナックから聞いています」

「スルガ、少し聞いてみたいことがある」

「なんでしょう?」

「AX-000の操作ラグ解消に操縦系統にフルリンクシステムの簡易版を積もうと考えている。安全性はどう思う?」

「どう・・・辞めといた方がいいでしょう。コーティングは完成しているとは言えハッキングの危険性は常に付きまといます。人体にどんな影響が出るか」

「そうか、ありがとう。後機龍の絶対零度砲を「駄目です。それだけは絶対に」・・・それはミゼルによる危険性を考えてか?」

「残弾無限のアブソリュート・ゼロがどんな破壊兵器になりえるか分からないわけがありますまい?それにミゼルにアブソリュート・ゼロの設計図が漏れたら・・・考えたくもない悪夢です」

「分かった。君の意見を尊重する」

「ありがとうございます」

 

 

短い会話を交わしてアーマーフレーム、オーレギオンの詳細設計が決定した。スルガの強力な技術は殆ど短期決戦仕様でワンオフ機ならば継戦能力が高い方がいいとスルガが言い原作通りの設計となる

 

 

「スルガ、少し良いか?」

「どしたのレックス?轟雷に何かあった?」 

 

 

スルガは悪戯が成功した子供のように笑う

 

 

「ああ・・・お前、インフェルノモードのデータどっから手に入れた?」

「ああ、それね。ただバーニングモードのデータコピって機龍が改造してたのを流用してみた。奴ら俺の改造見て受けてきたからもう御手の物だな」

 

 

特にシャルナックなんかは完全に技術者だ。ルミナスシューターの改善案を結城と作っていたらしい。今は試作ルミナスシューターを改造しているところだ

 

 

「それは置いておこう。あのワイヤーテイルブレードの具合は中々いいな」

 

 

レックスの轟雷のテイルブレード(イメージは鉄血のガンダムバルバトス)

 

 

「あれ高周波ブレードにも出来るけど、どうする?」

「いや、このままで良い」

「ん。ヨーロッパとA国のゴーストジャック、どうだった?」

「流石に厄介だったな。ベクター自体は数十機で少かったが如何せんゴーストジャックが厄介だった。だが、ベクターの数が意外と少いように思える。何か大きな事のために蓄えてるのかもな」

「この辺のLBXメーカーも制圧された。密偵を放ってはあるが報告がない。多分見付かってやられたよ。八神さん経由で日本政府が建物への電気供給をカットしたけど、発電機とか予備電源はあるだろうから、全く面倒臭い・・・」

「そうか。所でお前のフィアンセ二人はどうした?お前と寝てただろ?」

「二度寝中、悪戯されたから返り討ちにしてやった」

「相変わらずの仲だな」

「さてと、シャルナックは・・・任せて良いか」

 

 

スルガはレベル4研究室に入り、ここに配置しているスルガ製無人機達の元締め、マスターコマンダーにアクセスして配置を確認していた。迎撃戦闘の第一陣はスルガの無人機だ。

並の武装ではベクターに刃が立たないためトリモチランチャーや異常状態誘発グレネードなど妨害アイテムを中心に持たせてある。ハッキング対策のコーティングはされているので(スルガと大空博士のガチ研究により手頃に、更に短時間で出来るようになった。タイニーオービット社の塗装系協力会社にコーティング剤の増産を依頼済み。無論紙だ。いざというときは即刻燃やす手筈になっている)

 

 

「シャルナック、そっちどう?」

シャ(もう終わります。お楽しみに)

「分かったー」

 

 

今度はイプシロンの戦闘データを纏め始める。しかしと言うべきだろう。ミゼルの魔の手はタイニーオービットに迫っているのであった



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迎撃成功?

═タイニーオービット社═════

現在進行系で大量のベクターによる侵攻を受けている

だが既にタイニーオービット社ではAX-000を作る傍らシーカーとスルガの主導でミゼルの迎撃作戦が進行している

普通の電源系統とは別にエターナルサイクラーを用いた仮設発電機を用意し社内電源を再度シャットダウンしてもレベル5研究室では作業の継続が可能だ

 

その時社内ネットワークも落ちるので別のバッテリーと発電機を各所に用意して光ケーブルで仮設の有線ネットワークを構築した

ただの光は改竄もハッキング出来ない

一応廊下から見えない天井回しでの配線となっているので簡単には見つけら無いだろう。施工計画書はもう燃やした

 

 

迎撃作戦も立案済み、迎撃戦力もある程度配置して万全の体制でベクターを迎え撃っていた

 

 

 

まず硫黄島の空自基地から異常が発報され日本政府を通じてシーカーに通報を受けた。このタイミングの異常はミゼルによるオーレギオン製作の妨害もしくは奪取と断定

オリオン・Eを派遣し詳細な敵情に探りをいれる

 

タイニーオービットでは地上地下の索敵を継続しつつ対空迎撃戦闘の用意が進められる。タイニーオービット、外壁に欺瞞用に白い布を被せたウォーリアーOWを多数配置

 

作戦第一段階、目視距離にベクターが現れた時、ずらりと並べた長距離砲撃可能なオーバードウェポン『ヒュージキャノン』『ヒュージミサイル』でお出迎え。無論弾頭はドングリである

数の限りぶちこまれたオーバードウェポンはベクターの第一波の出鼻を完全に挫いた 

 

続き第二段階、他方向からの侵略に切り替えたベクターに対し次のオーバードウェポン『マルチプルパルス』『ユナランチャー』『ヒュージブレード』を十分引き付けけて順次発動、ノコノコと近付いてきたベクターを粉砕

 

いくらベクターが頑丈だろうがオーバードウェポンの前には紙同然

 

 

第三段階、LBXによる迎撃戦開始

まだ残るであろうオーバードウェポンを小出しにしながら防衛戦、社内掃討と外部迎撃に分けて当たっている←今ココ

 

スルガはヒノとルナでコンビを組んで内部迎撃に当たっていた三機とイプシロンUC、改造ルミナス・・・シューター?も片手に

 

シャルナックのが施したルミナスシューターの改造内容、それはマルチギミックサック化だった。エネルギーの照射時間、距離、密度を調整可能にして制限時間や反動はあれど銃剣同様の扱いが出来るようになった。ついでに六基のビットを取り付けると機動砲台となる。尚撃ったら反動でぶっ飛ぶ模様

 

因みに時間が許さなかったがビットを取り付けて性能をブーストさせる案もあった。完全にオーバードウェポンです本当にありがとうございました

 

 

「オラオラオラ!」

「ハァ!」

「セイッ!」 

 

 

やはり普通に相手にするのには凄く面倒臭い固さ、一纏まりに追い込んでオーバードウェポンやそれに準じる火力を持つK・アーサー、ルミナスシューターで一網打尽にしてはいるが数が多すぎる。お出迎え用のオーバードウェポンは全て尽きている。スルガが想定した以上にベクターの数が多かった

 

 

「ちぃっ、こんなことならもっとオーバードウェポン用意しとくんだった」

「これ以上用意する気かい!?」

「こんなに数居るの分かってたなら本気で用意した。しかしこんだけの数、近くで量産体制整えたか。こりゃ生産拠点無力化しないと大規模侵略が繰り返されるぞ・・・今作ってるのが出来次第にカチコミかけるか」

 

 

ベクターを一機六基のビットで包囲し震刃の突きと同タイミングで全力射撃させ撃破、直ぐ横ではシャルナックが床に倒しソルジャーが零距離からストームツインガトリングを乱射、いくら固くとも圧倒的な弾数の暴力にベクターが屈し頭と体がさようならしてしまう

ヒノは風王鉄槌でベクターを一ヶ所に追い込みルナはワイヤーで一纏まりに締め上げる。そこにマスブレードを携えた機龍が突貫、圧倒的な暴力で全てを殴り飛ばしまとめて撃破、即座にマスブレードを捨て別のベクターを殴り壊す

 

 

「スルガ、この辺のは一旦落ち着いたかも」

「・・・だな。近場の別の群れを襲撃しよう」

 

 

三人は移動、別の集団の掃討に向かう

 

他のメンバーも現在ベクターの掃討中、しかし外のオーバードウェポンはすべて使いきったので後は根気の勝負だ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──────

 

随分と、あっけなかった。ミゼルは何を思ったのかどうやら大半のベクターを一度にぶつけてきたようでその大半は既にオーバードウェポンで焼き払われていたようだ

オーバードウェポンでの迎撃を予測していなかったのだろうか?確かに攻撃性能特化だが防衛も出来ないことは・・・この話は置いておこう

オーレギオンが完成してバンの手により戦線に出てきた時には社内に侵入したベクターは数は居たが迎撃は十数ヶ所で行われ原作のように驚くような戦果は上げなかった。まあ、そうだろう。原作とはこちらの保有戦力が違う。機龍を始めとしたスルガの強力なLBXや大量のオーバードウェポン

シーカーの実働部隊とレックスを始めとした凄腕プレイヤー達、それが実質的にスルガの手駒となっている

 

 

 

═レベル5研究室═════

オーレギオンの御披露目が行われていた。それに合わせてスルガの警戒心はMaxまで登る。タイニーオービットの屋上ではソルジャーDがスルガとリンクしオーバーロードとオーバーセンスで全力の索敵を行いエクリプス、ミゼルトラウザーが飛来すればウォーリアーOWから多数のサイクルレールガンを即刻撃つ手筈を整えている。絶対に無傷では帰さない。ステルスの皮が剥がれるような火力を叩き付けて短時間でも追跡出来るように仕立て上てやる

 

 

「へぇー、これが希望のLBX・・・」

「俺の我王砲も付いてンだな」

「ハンターのスティンガーミサイルも」

「オーディーンの飛行能力も」

「ありとあらゆるLBXの長所を盛り込んだ究極のLBX、オーレギオン」

「究極のLBXねぇ・・・」

 

 

キリトだけは何か府に落ちていないようだ。まあ、こいつの性格上分からんでもない。カスタマイズで最強求めてるし、究極のプロトタイプとか嫌いだろ

 

 

「スルガ、このLBXと機龍、どっちが強い?」

「うーん・・・全力の瞬間火力と殴り合いなら余裕で機龍(code『G』)、機動力と継戦能力は向こうが上、防御力は・・・オーレギオンだな」

 

 

ルナはこれからオーレギオンがどうなるかを視ている。いつでも動ける

 

 

そして、その時は・・・来なかった。侵攻から10分経っても20分経ってもミゼルの接近やオーレギオンは暴走は起こらなかったのだ

 

(・・・何故だ?何故来ない?まさかオーレギオンの入手を諦めた?それとも設計図に仕込まれていた小細工を完全に始末出来ていたのか?)

 

 

スルガの思考が空回りを続ける

 

「スルガ!スルガ!」

「うおっ・・・悪ぃ、ちょっと考え事してた」

「考え事?これからの事かい?」

「いや・・・うん、まあ、そんなところだ。拓也さん、直ぐに準備を整えて日本でベクターに制圧されている場所を奪還もしくは無力化すべきです」

「確かに・・・放って置けば次が来るか」

「・・・スルガ、オーレギオンの事、まだ納得してない?」

「・・・・・・ああ。ミゼルは意地でも破壊か奪還を狙っていたと思っていただけに不気味でな」

「オーレギオンの強さにビビっちまったんじゃねえか?」

「力に屈した・・・それなら良いが更に別の切り札を用意してしまったとしたら」

「・・・運命の逆位置」

 

 

仙道がタロットを切った

 

 

「仙道ニキ、意味は?」

「この場合だと・・・束の間のチャンス、逆戻り、幸運の後の不幸辺りか?」

 

 

 



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更なる戦力強化案

今回短いです


═タイニーオービット社 シーカー本部═════

突如として飛び込んできた速報に一部を除き驚愕する

 

『ああ。太平洋上を輸送中セト50を輸送していた船団の消息が途絶えた』

「このタイミング・・・俺たちの目をタイニーオービットへ引き付けられた?」

『現在現場海域を調査中だ』

 

 

いくつかインド洋回りやいくつか偽の船団を用意していたようだがピンポイントでセト50の乗った船団が通信途絶、もう海の上には居ないだろう

 

 

『君たちは何か行動を起こす予定はあるか?』

「近くのベクターに制圧された工事等の奪還作戦を予定しています。ほうっておくと次がいつ来るか・・・」

『了解した。そしてファイアースイーツ隊の再編成が完全に終了した。スルガ君、LBXの提供感謝すると中尉が言っていたよ』

「現在は完熟訓練ですか?」

『ああ。それが終わり次第、ミゼルに制圧されたオメガダインに突入する』

 

 

と、会議は終わる。オーレギオンの変わりに大量破壊兵器を手に入れられた。他の人間からはこう見えるのだろうか?

 

 

「さてと・・・どーするよ?」

「え?」

「考えがあるのでは無かったのか?」

「全部オーレギオンが破壊されるか奪われるかでしか考えてなかったー」

「ならこのまま制圧に行けば良いんじゃねえか?むしろ戦力は増えただろ?」

 

 

と、カズは言う。こいついつの間にか完成品のルミナスシューターを受け取っていた

 

 

「・・・だな。今すぐ・・・動ける?」

「いや、全員のLBXが傷付いている。世界を飛び回った時から酷使の連続だ。ここで十分なメンテナンスをしないといつ動作不良を引き起こすか分からない」

 

 

結城さんから待ったが入った

 

 

「・・・なら、ここで全員のLBX強化&新装プラン、実装しちまうか。あんだけ壊したら流石に直ぐには動けねえだろ」

 

 

スルガは事前にある程度各々のLBXメーカーや設計者達に連絡を取り、自身の技術を交渉材料にしてジンらのLBXの強化案を立案していた

 

 

「強化案?それってどんなの?」

「悪いなラン、イカロスとバルキュリア、A・アーサーとムーンには十分な性能有りと判断して作ってないんだ。それに何人かも用意できてない」

「えー!私達もの作ってないの?」

「ユニオンファンクションで十分対応出来たし。で、各々のメーカーでやって貰うようになってるぜ。例えばジンならサイバーランスに持ってけばトリトーンの改造準備がととのえられてる筈だ」

「私のジャンヌDはどうするの?」

「ここでやる。十分な時間が取れたと言え流石に持ってく時間までは無いからな」

「僕のリュウビは?」

「竜源社は日本にも研究室がある。そこだ」

「その言い方、俺にも用意してあるのか?」

「あ、ごめんそこまで用意してない。あ、そうそうアスカ、お前の弟に託したから」

「別に良いさ。俺は俺のやり方で最強を目指す」

「分かったぜ。ありがとな!」

「まあ、と言うわけさ。一騎当千無双状態・・・とまでは行かないけど助けになってくれる筈だよ」

「後は誰のを用意してないの?」

「お前とカズ。少しダークパンドラとアキレス・ディードを弄る予定、後はレックス位かな?」

 

 

ダークパンドラとアキレス・ディードは基礎能力向上に留めた改造をタイニーオービットで施す予定だ。レックスの轟雷はあれでレックスに最適化してある。大丈夫だろ

 

 

「ってことで後は各々よろしく~」

「いつの間に用意していたの?時間は?」

「俺は指針と最終チェックしただけ。細かい調整はシャルナックが一晩でやってくれた。後は各社の技術者任せ」

 

 

清々しいほどの丸投げだ

 

 

「まっ、問題はあるまいて」

「いや、滅茶苦茶問題があるだろ。ベクターどうすんだよ!」

「いやー、それがね・・・奴ら神谷重工やエンジェルスターとか量産設備を持つ場所の防備を充実させたっぽくて研究室とかからベクターが姿消したらしいんだよね。それかさっきの騒動に回されたか」

「それなら大丈夫・・・なのか?」

「トキオシティでLBXの大量生産を行えるのは間違いなくイノベーターと繋がっていた神谷重工グループだろう。恐らくミゼルは生産の効率化を計っている」

 

 

各々のLBXが改修中は轟雷とスティレットを貸し出した。ジンはゼノンを使うようだ

 

 

「まあ、取り敢えず何班かに別れてこれらの施設の見回りと安全確認だな」

 

 

話をそう締めくくる。果たしてミゼルの本当の狙いとは・・・

 

 

 



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スルガとミゼル

═タイニーオービット社仮眠室══════

スルガは今一人だった。正確には機龍と一緒ではある

 

 

「フルリンクシステム、起動」

 

 

そう呟いて肉体から機龍の体へ、肉体はしばし機龍にお任せだ

 

 

『じゃ、言ってくる。留守をよろしくな』

『・・・』

 

そう言いスルガはインフィニティネットへダイブ、オメガダインのメインサーバーのファイアーウォール、ディスティニーゲートの入口へと向かった

 

 

═ディスティニーゲート入口════

 

さてと、どっかに呼び鈴でもあれば良いんだけど

 

 

『・・・君は馬鹿なのか?』

『お?ミゼルか、悪いな。出てきて貰って』

 

 

突然隣にミゼルのアバター?が生成される。呆れた表情を隠していなかった

 

 

『自分の意識が僕に乗っ取られるとは考えないのかい?』

『考えたさ。勿論だとも。そのリスクを犯してでも取りたい利益があるのさ』

『へぇ・・・何か知りたい?僕の正体とか?』 

 

 

ミゼルがスルガの行動に少し呆れながらも不敵に笑う

 

 

『いや、そんなもんどうでも良い。単刀直入に言う。停戦しないか?』

『はぁ?』

『ワールドセイバー、お前が知らないはず無いだろう?』 

 

 

スルガはこれを機にワールドセイバーを本気で根絶やしにしようとしていた。それを聞いたミゼルも少し考えて納得の表情を見せる

 

 

『成る程・・・つまりワールドセイバーに対抗するために手を組まないか、と?なら答えはNOだ』

『えー、やっぱりか~』

『さっさと帰りなよ。警告として受け取っておこう。今は細工もしないでおいてあげる』

『ちぇっ、じゃ、また会うときは敵同士だな』

『警告のお礼だ。僕はあのLBX、諦めてない』

『・・・全力で当たらせて貰う』

『こっちこそ、様子見はこれで終わりだよ』

 

 

スルガはまたインフィニティネットにダイブしてタイニーオービットへと戻った

やっぱりあの野郎オーレギオンを諦めてなかった。じゃあどうやって盗む気だ?オーレギオンにも当然ゴーストジャック対策のコーティングはしてあるし・・・気は抜けないか

 

 

═タイニーオービット社仮眠室═════

 

「・・・スルガ、何処に行ってたの?」

 

 

おっと、ルナの仁王立ち。結構怒ってる・・・機龍め、情報漏らしたな?

 

 

「ちょっと知り合いに会いに行ってた」

 

 

嘘では無い。相手も自分の事は知ってるし自分も相手の事を知っている

 

 

「へぇ?」

 

 

あっ、ヤバいこれ誤魔化せないやつだ

さてと、ここでどうするべきか

 

 

「降参だ・・・ちょっとミゼルに会ってた」

「前にも言ったよね?あんまり危ないことしないでって?」

「それくらいのリターンがある話だったんだよ。それに。奴がまだオーレギオンを狙ってることにも分かったし、それに小手調べも多分ここまで、次からは奴も本気で来る」

「得られた物は多かったみたいだね。その分私の怒りも大きいけど?」

 

 

ダメだ誤魔化せなかった。どう開き直る?

 

 

「分かった。こっちからミゼルに会うことはもうしない。危険なことは・・・約束しかねる」

「・・・はぁ、私も甘いよね」

「間違いないな。ヒノは?」

「オーレギオンの試験中だよ。スルガも行く?」

「行く。ついでにオーレギオンの実力、試すとするか。機龍?」

 

 

短く吼えて返事を返される。そしてスルガの肩に飛び乗り、レベル5研究室に向かった

 

 

═レベル5研究室════

現在ここ以外の設備でジャンヌDの改造やら色々な事が進行しており休む暇はない

 

 

「お?やっと来たぜ」

「どこほっつき歩いてた?」

 

 

郷田と仙道がオーレギオンと戦っていたようだ。やはり負けている

 

 

「バン、オーレギオンは万全か?」

「ああ!いつでも行ける!」

「なら、やろうぜ?ストリートレギュで良いよな?」

「うん。行けっ!オーレギオン!」

「行くよ、機龍」

 

 

Map 石油コンビナート 

ストリートレギュレーション

バトルスタート

 

機龍(改仕様)が近くの石油溜まりにレールガンを一発撃ち込み適当に大爆発を起こした

 

ほんの一瞬だけバンの気がそちらに向く。その隙に突撃開始、スモーク弾頭の誘導弾をバラまいた。疑似的に他方向からの同時突撃を作り出す

 

 

「見せて貰おうか。オーレギオンの性能とやらを!」

 

 

オーレギオンが腰を少し落とし構え、カウンターと防御の姿勢を取った。直接ぶつけてもそこまで大きなダメージにはならないだろう。スモークをオーレギオンの回りで起爆し煙に包み込む

 

機龍はその場にホバリング、次の誘導弾を一斉射、そして煙の僅かな揺れを見て急上昇、オーレギオンは飛行形態で機龍に向けて突進してくる。殴るか尻尾で打ち付けるか一瞬で判断

 

「いや加速エグッ!」

 

しかしオーレギオンの突撃速度が予想以上だった。間一髪で機首を受け止める。お互いの推力勝負、お互い全力で相手を押す。ただの突撃だけでベクターを屠る威力は凄まじい。製造初期の機龍の強度なら完全に壊れていただろう

 

全力で対抗しながら連装メーサーでオーレギオンの肩から背中に照射、スティンガーミサイルを誘爆させ使用不能に陥れる。しかし飛行形態の機首パーツによって防がれ本体に大きなダメージは追わせられなかった

 

 

「意外と行けるか?」

「くっ、まだ扱いきれてない」

 

 

メーサーを浴びながら飛行形態を解く。直ぐにスパイラルクロウ二変形させながらブースターを切った

直後レギオンランスを振り下ろされる。スパイラルクロウでそれを受け止め衝撃吸収と距離を取るのを兼ね瞬間的に自由落下

オーレギオンも追い掛けるが胸部装甲を展開、3連装ハイパーメーサーをちらつかせて少し時間稼ぎ

二度目に撃った誘導弾を機龍の横すれすれでオーレギオンにぶつける

 

 

「多彩な内蔵型武装の扱いや対策はこちらが上手だな?意外とタイマンなら器用貧乏?」

 

 

機龍とオーレギオンの武装配置はわりと似ている。こればかりは連度の差だ

 

 

「機龍も負けてないね~」

「機龍のアーマーフレームも大半がスタンフィールインゴット製に置き換えられている。強度は互角か・・・いや、タイマンなら機龍の方が固いかも」

 

 

結城さんは機龍押しのようだ。バトルの最中山野博士や大空博士らも入室してくる

 

 

「あ、山野博士、それに大空博士も」

「今スルガと機龍がオーレギオンとバトルしてるよ」

「流石俺の弟子だ。一歩も引かねえ所かあのオーレギオン相手に優位に立ってやがる」

「ほう?」

 

 

フィールドに目を落とすとその辺のパイプラインや構造物を鞭や棒のように振り回しオーレギオンに迫る機龍がある。たまにスルガ破片の飛び散り狙いでわざと外すため質が悪い。オーレギオンはそれに苦戦

機体は疑似石油にまみれていた

 

 

「・・・ここまで追い詰められるとは」

「あらら・・・少し遅かったか?・・・へぇ?面白い事になってるじゃないか」

 

 

今度来たのは風摩キリト、機龍とのバトルの話を聞いて急いできたようだ

 

ズドーーーン

 

Dエッグ内部から爆発音、皆がモニターに注視する。オーレギオンが炎に包まれていた。恐らく機体に付着した疑似石油が飛行形態のブースターで引火、爆発したのだろう。それでも機龍は既にバックパックとレールガンユニットをパージないし破壊されていた

 

 

「おらぁ!このレギュでこんな戦い方していいのか知らんけど!もっと行くぜ!」

 

 

未だ燃え落ちるオーレギオンにその辺の太い鉄パイプを片手に襲撃

バンはレギオンシールで鉄パイプを防ぐが突如鉄パイプが大炎上、攻撃の衝撃で発生した火花で着火したのだろう。それを更に振り回し機龍のパワーに振り回され鞭のようにしなり更に防御が難しくなる

 

 

「防戦一方だね。さすがにスルガ、容赦ない」

「それほどオーレギオンの事を舐めてなかったってこと?」

「聞いたぜ?機龍には自我があんだろ?つまり二人が衝突したときが隙になるんじゃ無いのか?」

「うーん・・・それは無いね。少なくとも私はあの二人が衝突したのを見たこと無い」

 

 

オーレギオンが再び飛行形態で空に退避、機龍は手当たり次第にその辺のものをぶん投げメーサーで対空射撃

 

オーレギオンがメーサーを弾きながら突っ込んでくる。今度は回避を選択、が横に抜ける寸前でオーレギオンが飛行形態を解除、スルガは不意を突かれてレギオンランスで機龍の腹を突きを入れる

 

 

「うおっ、」

「やられっぱなしじゃない!」

 

 

アタックファンクション

我王砲

 

 

機龍が怯んだ隙を付き短時間のチャージで我王砲を撃ち放つ。機龍も咄嗟に三連装ハイパーメーサーで相殺しようした。しかし自身に付いていた疑似石油に着火、炎に包まれ異常をきたしメーサーが止まってしまう。

装甲を開いたままの胸部に、まともにオーレギオンの我王砲を喰らってしまった

 

「機龍!」

 

 

反動で機龍も飛ばされ地面との衝突で大きく耐久が削られる。ストリートレギュレーションと言うルール上あともう一発喰らえば終わりだろう

 

幸い機龍が吹き飛んだ先は水の上、炎は水で掻き消される。機龍は水中で体勢を立て直した。ここの海は見通しが悪い。オーレギオンの索敵機器なら水中の機龍を見失う事はないだろうが逆に水中は身軽な機龍の方が強い。とにかく少し泳いで何処から不意を突いて強襲する

 

スルガが回りを確認すると機龍の少し後ろに船影がある。小さめの貨物船だろう

 

 

「お?いいのあんじゃーん」

 

 

その船を影にしてオーレギオンの位置を探る

 

「・・・あそこか。低空飛行してんな?引きずり込めるか?」

 

 

貨物船を適当に爆沈させ水中を引っ掻き回して姿を眩ませた。そしてオーレギオンの飛行ルートの近くに潜伏

 

「視界悪いけど・・・・・・」 

 

 

「機龍、何をするつもりだ?」 

「多分水に引きずり込もうとしてる。今の機龍は身軽だし海のなかでの取っ組み合いなら槍みたいな長物は扱い辛いんじゃない?」

 

 

一時的にオーバーロードに頼り感覚を研ぎ澄ませる。海面の揺れを・・・・・・・・・今っ!

 

 

機龍が水面から泳いで飛び出し、飛行形態のオーレギオンに飛び付く。そして、狙い通り海中に引き込んだ

水面から見ればパチパチと数度水中が光る

人型に戻ったオーレギオンの胸部にスパイラルクロウを突き立てる。そしてそれをアンカー代わりに尻尾と左手でひたすら攻撃、オーレギオンは大きな盾や飛行形態のために付いている背中のパーツが抵抗となり上手く動けていない

しかしバン、左腕をもぎ取られながら逆に飛行形態に変形し機龍と共に水中から脱出する。しかし、待っていたのは・・・屋上で警戒しているソルジャーDからの緊急アラームだった

 

 

先程の爆発とは比べ物にならない程の轟音がタイニーオービット社を揺さぶり、この部屋が外と繋がる

しかしDエッグの中のスルガは即応出来なかった

 

 

「何!?」

「なんだ!?」

 

 

Dエッグを解除する。そこには少し姿が変わったベクターとミゼルが立っていた

 

 

「さっきぶりだね。アレは貰うよ」

「やっべ!機龍!」

 

 

他のメンバーも既にLBXを戦闘態勢にしていたがベクターは背中に取り付けられたブースターでオーレギオンに殺到する。機龍との激闘で損耗した所を突かれた

 

 

「やべぇ!もぎ取った左腕からならゴーストジャックが出来るぞ!」

「そう言うことか!」 

 

 

キリトが叫んだ。機龍もダメージで思うように動けないがスパイラルクロウとフル加速で突っ込む。しかし取り巻きのベクター数機に阻まれた

 

 

「え?ムーンコントロールが効かない!」

「僕のアーサーも!?」

「機龍しか動かねえ・・・ECMかよ!バン!何とか出来ねえか?」

「駄目だ。コントロールを受け付けない・・・!」

 

 

口部連装メーサーを照射した。しかしこのベクターは思った以上に、異常に固い。メーサーでもブレイクオーバーするだけで他のベクターを捲き込めなかった

 

 

「屋上におっかないのが居るみたいだし、そろそろ退散かな」

(こいつ、気付いて!?ソルジャー!エクリプス逃がすなよ!)

(無理だ。奴が乗り込んできた手段が分からない。エクリプスの用な大型機は近くに居ない。恐らく少数のベクターと共にVOBの要領で突っ込んで来たんだろう・・・いやまて、小型機がかべにはりついてる)

(このタイミング、ミゼルだ!当たらなくても良い!ぶっぱなせ!)

(いいのか?死人が出るぞ?)

(・・・ぇえい!監視しといてくれ!)

 

 

その小型機はタイニーオービット社の外壁に近付くとホバリングした。ミゼルがオーレギオンを拾い上げてそこには向かう

 

 

「じゃあね。また会おう」

「おう!二度と来んじゃねえ!」

 

 

スルガはミゼルに走り出す。いつぞや使ったDエッグ脚立シリーズのスコップとグレネードを手に機龍経由でオーバーロードとオーバーセンスを全力発動しミゼルを殺りにかかる

 

 

「無駄だよ」

 

 

改造されたベクターがベクターガンの弾幕を張るがスルガは全てを避けきりミゼルに肉薄する。そして踵でノータイムの踏み込み、回避すら視てミゼルの頬に拳を叩き込んだ

 

 

「何が、無駄だって?」

 

 

思いっきりミゼルは怯む。直ぐに体勢を立て直したが目の前にスルガは既に居ない

今度は機龍がさっきのフィールドにあった疑似石油が詰まっているであろう巨大タンカーを持ち上げて、飛び上がっていた。オーレギオンを覆うベクター共に突撃する

 

 

「なんつー馬鹿力だよ・・・伏せろ!」

 

 

風摩キリトが近くのルナとヒノの頭を掴み伏せを促し、山野博士らも物陰に隠れた

 

 

タンカーはむなしく舵やスクリューを動かすが機龍によって船首からベクターの群れに突っ込まれた

 

ガギャィィン!

 

船首が潰れ変形しながら更に機龍は船体を押し込みやがてタンクがベクターの元へ到達、機龍が離脱、スルガはその辺の柱の影に飛び込んでいた

 

 

刹那、部屋が炎と煙で染まった。普段は強化ダンボールで遮断される爆風がミゼルを、ベクターの集団を襲う

 

 

「・・・どうなった?」

 

 

暴風が収まりスルガが顔を出す。そこには既にミゼルの姿はなく、爆心地には焦げたベクターしか無い

 

 

「クソッ!・・・完全にしてやられた!」

 

 

スルガが煤でコーティングされた床に拳を叩き付ける

バンが外を見たが、既にミゼルと思わしき小型機は姿を消していた

 

 

 



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託された希望の種

═シーカー本部═════

タンカーの爆心地からはオーレギオンは見付からなかった。爆風で吹き飛んだ事も考え周辺を捜索したがオーレギオンの反応はない。オーレギオンはミゼルに奪われた

 

 

各所にLBXの強化に向かっていた奴は騒動を聞き付けて直ぐに戻って来た

 

 

「─────以上が、俺の油断が招いた事態だ。だが幸い、かなぁ?オーレギオンは直ぐには全力では動けない」

「どう言うことだ?」

「機龍とのバトルで腕を片方捥いだから」

「ま、それが原因で盗まれたんだけどな」

 

 

ジンからの質問とキリトからのツッコミ 

 

 

「お前達のLBXはどうだ?スルガが手を回していたと聞いているが?」

「拓也さん、すげえぞ。コレ、見てくれよ。新しいヴァンパイアキャット・・・じゃねえ、ワータイガー!」

「問題ありません。トリトーンも終了しました。これが、キャプテントリトーンです」

「僕のリュウビホウオウも、流石スルガ君だね」

「私が最高のカスタマイズを施したジャンヌD、まだまだ上があったとはね。ジャンヌF(フォックス)よ」

 

 

全員改造は終了させた。基礎性能向上は全員に一応施した。オーレギオンが奪われた戦力差、少しは埋まるだろうか?

 

 

「拓也さん!」

「どうした?」

「トキオシティ各所で小規模なゴーストジャック発生!場所は・・・市街地!人口密集地ばかりです!」

「なんだと!?」

 

 

が、情報交換を行おうってときにトキオシティの各所で小規模なゴーストジャックが発生、ろくな情報交換も出来ず各所の火消しに回ることになった

 

 

「・・・シャルナック、ソルジャー、機龍を頼んだ。ルナ、ヒノ、俺らはミソラタウンに向かうぞ!」

 

 

═ミソラ商店街════

約二時間ほどだろう。最後のベクターを全てのビットで串刺しにしてここは終わり

十ヶ所を越える場所で起きたゴーストジャックは小規模と言う事もあり特に苦もなく対処完了

 

 

「・・・時間稼ぎだな」

「スルガ、流れ変わったね」

「ああ。ここからは全てアドリブだ。とにかく、新しい希望を作らない事には次には進まない」

「アドリブ、どうする?手伝えることがあれば遠慮なく言ってほしいな」

「現状は、特に無いな。流れ通りならそろそろA国でオメガダイン奪還が計画されてる頃だ。だが先に希望を作り出すのが先、ハッカー軍団にはそれとなく伝えたし大丈夫」

 

 

これからの歴史を思い出す。そしてアキレスD9、オーディーンMk.II、更にイプシロンをベースにしたもう一機をランに与えミゼルへの更なる対抗策に据える

 

 

「おーい、二人ともー!こっちはもう大丈夫だよー!」

「ヒノ、こっちも大丈夫だ。タイニーオービットへ戻るぞ」

「ねぇ、ヒノには言わないで良いの?」

「まだ・・・な。少なくとも事が済んでからだ。本来ならルナにも話さないつもりだったし」

「・・・?」

 

 

ヒノにはいつ言ったものか・・・

 

 

═タイニーオービット社════

戻ってきた三人、既に皆は戻っており研究室に集まっていた

 

「ミソラタウンの掃討終わりました」

「お疲れさん。拓也が改めて現状の整理と情報の共有をしたいようだ」

「了解」

「しかし、今回はあんま骨が無かったな」

「だな。ベクターの数も多くなかった」

「多分ミゼルがオーレギオン修理のための時間稼ぎをしたかったんじゃ無いですかね?ソルジャーからの解析結果何ですけど奴の小型機は旧イノベーター研究室の方に向かったことが分かりました」

「既に万全の状態にされていると言うことか・・・僕らのLBXの強化で穴が少しでも埋まると良いが」

「皆、集まっているな?・・・つい先程横須賀が襲撃を受けた。犯人は、オーレギオンだ」

「オーレギオンが!?」

「ああ。護衛艦やA国海軍の艦船の大半が大破、沈没したそうだ」

「・・・やベーもん渡しちまったな」

「それに再びベクターやオーレギオンは世界各国の軍事施設を襲撃、特にA国の被害が甚大だ。先程横須賀の事を鑑みてクラウディア大統領がオーレギオンの破壊命令を出した」

「無茶だ。オーレギオンやエクリプスの行方も掴めてないなら迎撃戦、相手は小型ロボット、普通の兵器が当たるとは思えん。核でも使えば当たるだろうが・・・二次被害が尋常じゃない。セト50が奪われてなきゃ、無理矢理撃墜してやるんだが」

 

実際もれなくなす術なく部隊は壊滅的被害を貰っている

 

 

「過ぎたことを悔やんでも仕方ない。博士、オーレギオンに対抗できるようなモノはあるんですか?」

「・・・オーレギオンにはオーレギオンで対抗するしかない。が、君の、スルガと機龍の全力ならば或いは」

「ねえ全力って、暴走した時の事言ってるの?」

「・・・ああ」

「それなら私はスルガを戦わせない。皆も知ってるよね?スルガが全力を出して、どうなったか」

「だが現状機龍しかn「ルナ、それしかないなら俺はそうするだけだ」

 

 

スルガは覚悟を決めた。元はと言えば自分の慢心が原因でオーレギオンが取られてしまったのだ。しかし喧騒のようなものは風摩キリトの言葉で絶ち斬られる

 

 

「なら、作れば良いじゃないか。オーレギオンを越える新しいLBXを」

「だが、スタンフィールインゴットはもう・・・」

「ああ。先程スタンフィールインゴットの取り扱い責任者に連絡を取ったが、取りに行った分を含めて全てミゼルに奪われたようだ。鉱山で産出している分を合わせても、足りない」

「誰がオーレギオンをもう一機作ると言った?越えるLBXを作れば良いって言ったんだぜ?」

「だな。機龍に越えられる可能性があるならオーレギオン以上のLBX、作れないわけがない。伝説は塗り替えるものだ」

「ああ。俺はお前達が言う最強クラスの強敵と戦い、倒してきた。それは全部経験値やカスタマイズの積み上げだ。それを積み重ねていけば作れないわけがない。俺は、そうやって最強を目指した。最強とは自分で掴み取る物だ!」

 

「・・・私が、LBXと言うものをいつの間にか忘れていたのかもしれない。最強の形は一つではない。オーレギオンが最強のプロトタイプならば現状最強のプロダクションモデルを作れば良い・・・」

「キリト、だがデータはどうする?ミゼルの妨害もある。今から集めても間に合うか」

「拓也さん、データの収集には既に手を打ちました。ハッカー軍団にお願いしたのでそろそろ効果が出るかと」

 

 

静かな会議室でジンのCCMが鳴る

 

「済まない。席を外す」

「いや、良い。相手は?」

「サイバーランスの西原だ────メッセージ?」

「・・・これもスルガの仕込みか?」

「俺はハッカー軍団に情報収集の依頼をしただけ。方法は向こう任せだから詳細は知らん」

 

 

ハッカー軍団はバンやヒロ、LBXトッププレイヤー達が世界を守るためにミゼルと戦い続けている事実を。世界中に協力を要請するメッセージと共にインフィニティネットに拡散したのだ。現に世界中を動かした

 

 

「────分かった。スルガ君、君はどこまで見えているんだい?」

「以外と全てお視通しかも?」

 

 

研究室に霧野秘書が駆け込んでくる

 

 

「社長!LBXメーカー各社、いえ、LBXメーカーだけじゃありません!国家企業個人問わず大量の設計、研究データ、戦闘データが送られてきました!」

「なに!?」

「よっしゃ。大空博士!オタクロス!直ぐにファイアーウォールを作るぞ!こんだけ目立つことすればミゼルも嗅ぎ付ける!世界中から託された希望を、絶望にさせてたまるかよ!」

 

 

スルガと大空博士やオタクロスが部屋を飛び出し、直ぐに研究員を纏め上げセキュリティの構築を始めた

 

 

「これが、LBXの紡いだ絆・・・」

「それだけじゃありません!世界を守りたい人達の心が一つになっているんです!」

「宇崎のダンナ、NICSから通信だ。繋ぐぜ」

『そちらも希望を掴んだようだな。早速本題に入る。ファイアースィーツとの共同作戦でオメガダインの奪還作戦の目処が付いた。それで』

「俺の記憶が欲しいのかい?」

『そうだ。オメガダインの内部を知っている人間が居れば作戦の成功率は大きく上がる』

「なら、キリト、ジェシカとカズ、ユウヤを連れて」

「なら、俺も向かおう」

「檜山・・・」

「あそこはミゼルの総本山なんだろ?なら俺が引率していこう。荒事は慣れっこだ。それにスルガやバンが居ればミゼルがまた攻めてきても大丈夫だ」

「分かった。頼んだぞ」

『伝説のLBXプレイヤーが一緒とは心強い限りだ。よろしく頼む』

「霧野君、竜源社に連絡を取って少しでもスタンフィールインゴットを調達できないかの交渉、任せて良いか?」

「分かりました。失礼します」

 

 

冷静さを取り戻した霧野秘書は研究員を出た。

 

 

「バン君、僕らは備えを整えよう」

「ああ!」

 

世界から希望となるモノを託された。その希望には当然ミゼルの魔の手が迫る。希望を絶望にしないための戦いが始まる

 

 

═シーカー本部════

「オタクロス、ファイアーウォールの構築は終わったわね?」

「終わったデヨ。全盛期のワシも突破出来るか怪しいほど強力じゃゾイ」

 

 

全盛期オタクロスでもそのレベル、スルガが少し抉じ開けようとしたがびくともしなかった。どんだけ頑丈なんだこれ

 

 

そしてスルガは三機やTO社員やシーカー隊員と協力してタイニーオービットへ送られたデータをネット上で仕分けしファイアーウォール内のファイルにひたすら整理している。既に3機目の構想と設計は山野博士に託していた

 

 

「なんかよく分かんないけど、凄いねコレ」

 

 

突貫作業で構築された作業スペース、ここにいるのはタイニーオービットの人間だけではない。サイバーランスの西原を始め別会社の人間も応援に来おり、そこには垣根など無い。世界を守る。その目的に集った者達だ

 

 

「山野博士、ファイアーウォールの構築終わったわ。後はリアルタイムでの対応になる」

「分かった。私もこれから材料選定等の試験作業に入る。そっちは任せた」

「任せて。託されたデータは必ず守る」

 

 

そして纏め作業も一段落して漸くスルガと三機も解放された。今はまだミゼルの痕跡は確認されていない

 

 

「あー、どっと疲れた・・・」

「お疲れ様、膝枕でも要る?」

「すげー欲しいけど今はその暇が無いのが悔しいなぁ」

「スルガ氏、仕分けは一通り済んだんデヨ?」

「あい。まだまだ送られてきてますが後は任せて大丈夫そうです」

「なら少し休んでおれ。ミゼルが来たら矢面に立つのはお前さんじゃ」

「なら、お言葉に甘えt「オタクロスさん!ミゼルからと思われるハッキングです!ファイアーウォールが少しずつ突破されています!」

「なんじゃと!?」

「ちぃっ、オタクロス」

「行くデヨ!」

 

 

スルガが三機とコンピューターを接続、オタクロスの指がキーボードの上を高速で舞い踊る

 

 

「くっそ強えぇ」

「スルガ!オタクロス!大丈夫!?」

「現状攻撃を受けてる。何とか凌ぐよ!」

「駄目じゃ・・・いつものように力が出んゾイ」

「「「「はぁ?」」」」

「美少女パワーが足りぬ・・・」

「・・・皆、頼む」

「なんだよそれ・・・いっけー!オタクロス!」

「・・・なんか違うのぉ」

「オタクロス!ガンバ!」

「お願い!オタクロス!」

「ぬぉぉぉぉ!パワーが湧いてきたデヨー!デーヨデヨデヨデヨデヨデヨデヨデヨォ!」

 

更に指の速度が上げた。スルガもファイアーウォールの壁から反転攻勢しオタクロスと共に見のハッキングを叩き返した

 

 

「いよっしゃ!」

「案外、大したことなかったのお・・・スルガ、間違いなく次が来るゾイ」

「次の手は・・・?ベクター?」

「ヴァーチャルLBX、何をする気だ?なんにせよオタクロス、仮想空間スキャナは?僕らもバーチャルLBXで反撃に出る」

「そこの棚の中に入っておるデヨ。バン、ジン、ヒロ、頼んだゾイ」

「待て!ありゃ・・・」

 

 

モニターを睨んでいたコブラが叫んだ

ベクターは元気玉よろしく仮想空間に小さなセト50を生成、ファイアーウォールに投げつける 

 

 

「ヤバい!データが!」

「行くわよ!」

 

 

ファイアーウォールの一部が損傷、データが流出していく。今度はスルガが大空博士と協力してセキュリティの再構築、データの流出を防ぐ

 

 

「次が来るぞ・・・なんて大きさを作ろうとしてやがる」

「させません!」

 

 

更に巨大なセト50を構築しているベクターにイカロス・フォースが斬りかかる。が炎の拳がその攻撃を跳ね返した

 

 

「イフリートが、なんで」

「ゼノンか・・・」

「あのLBX、確か去年のアルテミスで・・・ユウヤさんが使ってた」

 

 

立ちはだかったヴァーチャルLBX達は一斉にイカロス・ゼロ、フォース、キャプテントリトーンに攻撃を仕掛ける

『イフリート』がイカロス・ゼロと

『ゼノン』がキャプテントリトーンと

『ジャッジ』がイカロス・フォースと対面する

 

更にミゼルは『ゼウス』『ペガサスII』を送り込んできた

増援として機龍、ソルジャー、シャルナックが参戦、迎撃に当たる

 

仮想空間の上での戦闘が始まった。だがスルガは一人、何かの準備を始めたのだった

 

 



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希望を守れ。ファイアーウォール防衛戦

 

═仮想空間上═════

戦いは佳境に入る。バンとジンは気付いたのだ。本来の操縦者程の実力はないと

原作より酷い死線を潜り抜けた猛者を相手取るには少々力不足だったようだ

 

そしてゼウスとペガサスIIはスルガの三機と戦闘中、ソルジャーとシャルナックがゼウスと戦闘

機龍は火力と機動力で、ソルジャー、シャルナックはコンビネーションでゼウスを追い詰める

 

 

「ふむ・・・もしかして操作のリソース分散させてるから尚更実力発揮できてない?いやそれはな・・・ん?」

 

 

スルガはまだ何かの準備を進めている所で仮想空間のセト50の影に謎のデータがあった

 

 

「・・・フェンリル?皆、狙撃注意、フェンリルが狙ってる。この様子だとベクター落とそうとしたら撃ってくる?注意して」

「分かった」

「俺も準備まだだしな・・・ま、ガンバ。コブラ、仮想セト50の完成度は?」

「大体三割だ!」

「あれがぶつけられればファイアーウォールが持たないわ」

「大丈夫、その前に手を打てる」

 

 

そして、バン達がイフリートらを撃破、機龍もアブソリュート・ゼロをペガサスIIにぶつけて崩壊、ゼウスはソルジャー、シャルナックのユニオンファンクションで吹き飛び消去される

 

 

「残り四割!早くベクターをやっちまえ!」

「待てコブラ、なにか来る」

 

 

仮想空間の上にはまた新たなLBXが作り出される。

 

「あれは、シャドールシファー?」

「いや、白いからオリジナルのルシファーだ。強敵だぞ」

「プロト・i、オメガダインからデータを抜き取ったか」

「次は・・・Σオービス!?」

「なんでミゼルが使ってンのよ!」

「まて、もう一機・・・トルークビルトか。どこでデータを」

 

計4機、いずれもタイマンはキツい相手だ。早速トルークビルトがビットを放出、16基のビットが空間を自由に飛び回る

 

「二人ともΣオービスを頼む」

「行きますっ!」

「行くぞ、ヒロ!」

「ルシファーは僕がなんとかしよう」

「悪い。プロト・iとトルークビルトはこっちで対処する。頼んだぞ」

 

機龍がCODE『G』を発動、黒一色に染まり誘導弾をビットにロックオン、一斉発射

シャルナックも4基のソードビットを展開、それに加え電磁拳銃を構え対空射撃、更にビット同士の空中戦を繰り広げる

 

ソルジャーはプロト・iと対峙、アドバンドライフルの狙撃を回避しながら電磁狙撃銃で反撃、だが更にフェンリルからの横槍も入る

 

 

「・・・もう少し、もう少しなんだ」

「スルガ、一体何がもう少し・・・なにこれ?」

 

 

画面に写る半透明な紫のLBX?それをスルガは調整しているようだが、ルナやヒノには見覚えが無い

 

 

「これってh「おっと、ネタバレ禁止」

 

 

画面を見たアミがその正体に気が付いた

郷田と仙道もなんとなく察したらしい

 

 

再び仮想空間の中に視点を戻そう

トルークビルトのビットは以前全基健在だった。ミゼルは恐らくワールドセイバーよりもトルークビルトのポテンシャルをより高く引き出しているだろう。あまりの本体速度に機龍も翻弄されている

 

他も少し劣勢か互角、ジンとキャプテントリトーンはオーシャンブラストを直撃させたがセラフィックモードが発動したルシファーに苦戦を強いられる。装甲が一部破損し破損したが速度が上がる

 

ソルジャーとプロト・i、フェンリルは互角、遠距離からの狙撃し合いと言う泥展開、隙を見て震刃で接近戦を挑もうとするが乗ってこない。あくまでも時間稼ぎに使われてるのだろう

 

 

「もうセト50の完成度は七割程だ!急げ!」

「よし。調整終わり。後はダウンロードとインストールしてアップロード。さて、ミゼルよ。仮想空間と言うお前の舞台で舞い踊ろうじゃないか♪」

 

 

一転して楽しげな口調になりデータを仮想空間にアップロード、かつてバンとカズと戦った存在が、仮想空間上に紫の半透明なLBX、ヴァーチャルLBX『ハーデス』が出現する

 

 

「デヨ!そやつは!?」

「ちょっと改造してある。今は有人仕様だ!」

 

 

それに対してフェンリルが銃口を向け引き金を引いた

かつてと攻守は同じだが敵味方の関係性が逆転していることになにか縁を感じつつスルガは一気に決めにかかる

 

 

「行くぜ。ディメンションΣ!」

 

 

アタックファンクション

ディメンションΣ

 

 

突然ハーデスが三つに分裂しフェンリルの狙撃は外れた。別々の方向に移動しながらベクターに対してレーザーを飛ばす

しかしトルークビルトがシールドビットを差し向けレーザーは全て防がれた

 

 

「こっちにかまけて良いのかい?ミゼルよぉ」

 

 

しかし三方からの射撃にビットを九基も裂いたことで機龍やシャルナック、色々ちょっかいかけていた残りのビットが劣勢に転ずる

そして再結合し、空間座標を入力しフェンリルの後ろにテレポートし右腕を刈り取り狙撃を無力化、ダガーを取り出して反撃に転じてきたが体格差は歴然、頭を掴み足を掴み捻り上げてこの場から消去する

 

 

「解読コード集めの時のようには行かないぜ?」

 

 

ベクターを守るのは九基のビット、一斉にビームを撃ってくるが再びディメンションΣで分裂回避

オーバーロードを用い仮想空間で、純正なバーチャルLBXだからこそ出来る慣性を無視した挙動やトリッキーな動きを繰り返しビットを一基撃墜

再び三方向からベクターに射撃を集中、シールド二枚でカバー出来るのは二方向だ

 

逆に時折ベクターではなくビット本体を狙い更に数を減らす

減らした分トルークビルトがこちらに回すがその分機龍以下が更に暴れまわる結果を作る

 

 

「おい、時間がねえ!」

「削りは終わりか」

 

 

そして、ディメンションΣを解除しテレポートを利用してベクターの近くに瞬間移動して攻撃から庇いに来たトルークビルト諸とも斬り飛ばす

 

衝撃でセト50の作成は止まったがトルークビルトしか両断できなかった

が、シャルナックが吹き飛んだベクターをソードビット4基で丁重に達磨にし機龍がトドメに首根に連装メーサーを照射し完全にベクターを消し去る

 

 

そして手の空いた三機はそれぞれに増援に向かう

シャルナックはソルジャーDの元へ向かい四基のビットでオールレンジ攻撃をしながら接近戦を敢行、プロト・iはソルジャーの接近を許してしまい高次元多関節機構をフル活用しても対応できない量の攻撃を叩き込み対応が鈍った一瞬を突く

 

 

アタックファンクション

ブリッツフレイム

 

アタックファンクション

ブリッツフレイム

 

四基のソードビットで四肢を切られてからの前後からX字の焔焼かれたプロト・iは大きな傷を刻み込まれ消去される

 

 

ハーデスはセラフィックモードを発動し高速機動のルシファーをテレポートで追い回しキャプテントリトーンの方向へ追い込み首根っこを取っ捕まえた

攻撃して抵抗されるが力の差が大きく無駄な事

そしてキャプテントリトーンのが水を纏う

 

「決めてくれよ?ジン」

「ああ。終わらせる!」

 

アタックファンクション

オーシャンブラスト

 

シーロードアンカーで海をかき混ぜ、トリトーンが操る激流がルシファーを襲い胴体が粉砕されることで四肢が千切れ、消去された

 

 

機龍はΣオービスを強襲、初っぱな良い感じの右ストレートで殴り込みに成功する。その場で機体を捻りもう一発顔を尻尾で叩き付けて少し距離を取る

 

 

「ヒロ!」

「ハイッ!バンさん!」

 

 

間髪入れず今度はイカロス・ゼロ、イカロス・フォースが突入、援護に機龍は誘導弾とメーサーの同時攻撃を繰り出す

とっくにランに行動のタイムラグは見抜かれていたが二機では責めきれずに居たところに化け物が乱入、意図も容易く戦況をひっくり返した

そしてトドメにイカロス・フォースが大剣へと変形する。それをイカロス・ゼロが手にする。そして機龍がイカロス・ゼロの後ろに回りユニオンシステムでリンク、VOBを生成して自身に装備、三機全てのブースターを全力噴射、Σオービスへ突進する

 

 

アタックファンクション

メテオブレイカー

 

 

短時間で限界を超えた加速をしたため一時的に処理落ちし固まる。すかさずΣオービスが連装ビームガンで攻撃してきた

ただラグが酷いだけであり既にその場には居ない。表示が追い付いていないのだ

Σオービスの目の前に瞬間移動するような事になりレーザーを回避、防御姿勢も取れていない状態でメテオブレイカーで斬り込みを許してしまう

いくら頑丈なΣオービスと言えどまともに喰らえばただでは済まない

あまりの衝撃でイカロス・フォースも壊れ削除されてしまったがΣオービスは両断され、この空間から消え去った

 

 

とりあえずスルガらはミゼルが差し向けてきたヴァーチャルLBX達を撃退、データを守り通すことに成功したのだった



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ミゼルとスルガpart2

═タイニーオービット社════

世界中から集められたありとあらゆるデータをファイアーウォールの中でほぼ守り通した。現在ハーデスが警備中

 

現在バンとジン、ヒロがインフィニティネット上に最初の仮想セト50の攻撃によって流出したデータの回収に回っており所々でミゼルが回収兼妨害に差し向けるヴァーチャルLBXを撃破しながら収集中

 

更にファイアースイーツ隊が破壊もできない扉があると言うのでそれを開けるために日本からハッキングで開けるためオタクロスと大空博士がオメガダインへのメインサーバーハッキング、ディスティニーゲートの突破にはソルジャーD、シャルナック、機龍が向かっている

 

スルガは希望のLBXの設計作業に携わっていた。各社の技術者や山野博士が新たな素材や構造を次々と悪魔合体させ試験、とにかくトライ&エラーを高速で繰り返し少量のスタンフィールインゴットでオーレギオン以上のLBXを作り出そうとしている

装甲や武器は山野博士が監督している。一人では手が回りきらないとスルガは駆動系やコアスケルトンの監督をしていた

 

 

「やはりAX-000ベースのコアスケルトンではスタンフィールインゴットクラスの耐久力がなければ攻撃に耐えるどころかエターナルサイクラーの排熱もままなりません」

「コアスケルトンの新規設計は必須って訳か。試験班、成果は?」

「まだ山野博士から提示された強度を発揮できる組合せはまだ見付かってません。個人的に強度が増す組合せの法則性が分かってきた気がします」

「分かりました。定期的にその法則性を忘れて下さい」

「了解、引き続き試験を続けます」

「単一素材より複合素材で多層構造を作りしなりを重視する。これは間違えてないが」

「やはりエターナルサイクラー周りだけでもスタンフィールインゴットを使うべきだろう。悩みの種は確実に減るぞ?」

「装甲や武器に使う予定と合わせると・・・かなりギリギリだな。削りカスも捨てられない。霧野秘書のお手並み拝見、最悪自分の使ってる奴溶かすか」

 

 

機龍のコアスケルトンにもスタンフィールインゴットを使ってい。その予備を溶かせばいくらか出てくるだろう

 

「だがコアスケルトン内部の駆動系や通達系もかなりの頑丈さを出さなければいけません」

「内部の情報通達系はオーレギオンの設計をある程度流用出来るでしょう。これにサイバーランスとクリスターイングラムから持ち込まれた新たな伝達システムと制御システムを組み込んで更に対物理やゴーストジャック方面にも頑強に出来ます」

「なるほど、そうだ。メインカメラや各種観測機器はどうです?・・・と言ってもフレームが出来てないんで候補でしょうが、選定はどうです?」

「提示された基準で相性の良い組合せを多数作成済み。既存コアスケルトンに組み込んで試験中、さらに絞り込む」

「そちらは任せます。たまに常識をぶっ超えた組合せも試してみてください」

「分かった。作業に戻る」

「他は何か・・・特に無いようなら進捗確認を終わります。皆さん適度に休息を入れて下さいね」

 

 

軽い進捗確認を終わらせコーヒーを飲み一息付く

 

 

「河白君、君も休みなしだろう?少し休むべきだ。いつから着替えてない、服も髪も酷い臭いだぞ?」

「・・・なら、お言葉に甘えて一息いれてきます」

 

 

そう言われてスルガは研究室を後にした。とりあえず二人に会いに行こう。そう思いシーカー本部に足を向ける

 

 

═シーカー本部════

 

「お疲れ様、スルガ」

「現状、進んでるかい?」

「ほぼ各社の技術者任せだけどな。着実に前進してる」

「来たかスルガ、ちょうどよかった。オメガダインの制圧が終了したとカイオス長官から通信が入っている」

 

少し鈍くなった頭でモニターに顔を向ける

 

「どうもカイオス長官、こんな身格好で申し訳ない」

『構わない。早速だが「待った!ミゼルがここにハッキングを仕掛けてきたデヨ!」

「は?ハーデスは、いやシーカーは別ネットワークだったな。よし、迎え入れよう」

「「「「はぁっ!?」」」」

「どうせ時間の問題だ。引きずり込んで逃げ道塞いでやれ」

 

 

全員がスルガの言葉に驚愕したタイミングでミゼルが言葉を発してくる

 

 

『本当に出来ると思っているのかい?』

「よお、ミゼル」

 

 

シーカー本部の真ん中にある立体投影装置になんか白くなったミゼルが投影される

 

 

「残念だがデータの方はここに無いぜ?」

『今回はそれが目的ではないよ。それにしても、僕の正体、突き止めるのに結構時間が掛かったみたいだね。もっと早くバレると思ってた』

「大方アダムとイブの遺産。こんな所だろ?」

『・・・へぇ?驚いた』

 

 

ミゼルが驚きの表情を見せる。さらりと答えを言い当てたスルガは黙ってミゼルを睨み付けていた

 

 

「スルガ、いつから分かってたの?」

 

 

勘、とだけ答えてスルガは言葉を止めて大空博士の方に視線を向ける

 

 

「ミゼル、貴方の正体はアダムとイブが作成したウイルスプログラムね」

『正解だよ』

「フューチャーホープ号でアダムとイブをシャットダウンしたとき、あの子達の中で《死》と言う概念、そして恐怖が生まれた」

「アダムとイブは人工知能、常に考えて、成長するもの。その思考を止められるのはアダムとイブにとって死と同じ・・・と」

「拓也さん良い勘してますね。ついでに言うと存在否定にも繋がるのかな?」

「パラダイスであの子達をシャットダウンする刹那で貴方を、いや、貴方に繋がるモノを作った」

『そう。僕にとって大空遥はお母さん、いや、おばあちゃんかな?』

「要約すると死に損ないの置き土産ってこったろ。で?わざわざ何の用だ?」

 

 

大空博士が動揺していたのをぶった切って問いを投げつけた

 

 

『僕は世界の最適化を加速する』

 

ミゼルは言う、この世界を動かす規則、プログラムを守る、と。そんなプログラムがあるなら見てみたいね、とスルガ

 

このまま人間に任せていたらいずれ地球というシステムは崩壊する。地球は僕が完璧に管理する

 

 

「勝手なことを、言うなッ!」

 

バンが叫んだ。しかしミゼルは待ってましたとでも言うように言い返してくる

 

『なら聞くけど、ヒトが争わずに生きていくリソースは十分存在するのになぜ人間は争うのを辞めないんだい?』

『傷つけ、憎しみ合うことをなぜ辞めないんだい?人間にだって分かるハズだよ。争い戦うことによってどうなるのかは・・・それなのに、なぜ辞められないのかな?』

「それはっ・・・」

 

全員が言葉に詰まる。しかしただ一人だけは大笑いし出した。皆がスルガに注目する。ミゼルは不思議そうな顔をしていた

 

「所詮お前は0と1の集合体だ。人間と言う生命の愚かさを舐めてやがる」

『・・・は?』

「そもそも、この地球も完璧じゃない。お前が言う争い、戦いをするのは人間だけじゃない」

『食物連鎖の事を言ってるならそれも僕の管理下に置くつもりだけど?』

「へぇ?・・・争いを生まない人間、牙を捨てた生物など俺に言わせりゃ進化を捨てた不完全にすらならない木偶人形以下だ。戦争、その重ね合わせが今の地球史を作り上げてきた。戦いこそが生物の可能性、俺はそう考える」

『君の言う可能性を突き付けていくと、自滅するんじゃない?それじゃ愚かさを開き直っているだけじゃないか』

「そもそも俺の言葉の前提が違う・・・人間はどうしようもなく愚かだった。だからこそ今を生き抜いて、進化する。お前の目標は可能性の否定だ。そんな思考じゃ完璧など程遠い」

『君の言葉が理解できない』

「こんなことも理解できないならお前に一人一人何もかも違う数十億の人類を完璧に管理できるとは思えない。お前が管理するパーフェクトワールドにバグが起きたときはどうする?まさか物理的排除とか言わないよな?」

 

 

スルガはミゼルの発した言葉に明らかな嘲笑を持って反論した。まるで穴だらけの理論だとでも言うように

 

 

『ふむ・・・そもそも僕の理想に人間は必要無いのかもね』

「なんか落ち着いて言ってっけど子供の癇癪と同じじゃねえか。気に食わないオモチャがあるから遠ざける。それと同じだ」

 

 

完全にミゼルの表情が一転した

 

 

「そもそも俺は今のこの時を生きる人間を愚かだとは判断しない。未来を生きる者達が判断することだろう」

『そんな思考をするから争いが辞められないんじゃないか』

「じゃあ聞かせてもらうけどよ、お前の言うパーフェクトワールドとはなんだ?」

『この地球に存在する全ての無駄を省く』

「その基準は?」

『僕の判断』

「ただの独裁、聞くにも耐えないな。さっさと消え失せろ」

 

 

スルガは即近場にいたシャルナック経由でサーバー上に移動、そこに居たミゼルを殴り飛ばす

 

 

『なっ!?』

「この状態なら!お前のことぶん殴れるんだよぉ!」

 

 

口喧嘩に飽きたので暴力の反動でミゼルのデータをシーカーのネットワーク上から殴り追い出した

 

 

「はっ、ザマねえぜ」

 

 

長居は無用と生身に戻る。ルナとヒノ以外はスルガの行動と言動にドン引きしていた

 

 

『君、本当に人間かね?』

「俺はどこまで行っても人間ですよ。ルナとヒノが居る限り」

 

 

そう言いスルガは不敵な笑みを浮かべるのだった

 



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エネルギープラント防衛戦

═トキオシティ沖、エネルギープラント═════

山野博士が考案、設計試作した無限機関『エターナルサイクラー』を大型化したものを炉心にしたした新しいエネルギープラント。これが完成、計画通りに建造、運用が始まれば日本のエネルギー事情は大幅に解消、このプラントが上手く動き世界各地に建造されれば世界のエネルギー事情も解決に近付くだろう

 

だがそのプラントにミゼルの魔の手が伸びていた。近くで漁をしていた漁網にベクターが掛かったらしく海上保安庁に通報、そこから日本政府を通じ八神さんに情報が伝わり自分達が出撃、ゴーストジャックされた水中型LBXやベクターの迎撃に当たっている 

 

 

「さてと、もうそこまで来てるか。それならまとめて足止めだ。機龍、コードG第二段階・・・いい加減名前決めるか。リミッター解除。アブソリュート・ゼロ!」

 

 

アタックファンクション

アブソリュート・ゼロ

 

 

白いオーラを纏った機龍がライディングソーサーに外付けされた大容量バッテリーから給電を受けアブソリュート・ゼロを発射した。

プラントはまだ建造中、冷却水とかもまだ無いらしいので遠慮なく東西南北で海を凍らせ氷の中に敵LBX第一集団を封じ込める

 

機龍は続けて他の離れた海面にもアブソリュート・ゼロを撃ち込む。そして周囲は二百メートル程氷に包まれ、このプラントは氷の島に佇む要塞と化す

 

 

「相変わらず出鱈目具合だね」

「でも水中よりもずっと戦いやすくて良いんじゃない?」

「こっから先は氷上戦だ。皆さん、準備は大丈夫ですね?」

「「「万全です。教官」」」

 

スルガは機龍とリンクする一方でCCMからイプシロンUCの操作もする

施設外周にはソルジャー指揮のウォーリアーOWがオーバードウェポンの発射体制を構築中、しかし建造中と言うこともあり致命的な損傷を与えないよう配置しているため一部で少し時間がかかるようだ。ついでに銀龍は施設内部の巡回だ

 

 

「凄い数だね」

「だからといって退けない」

「LBXの倉庫的なとこ襲撃してまるっと手の内にしてここに投入したんだろう。ベクター以外は基本製造時のまま。数が多いだけだ。俺達なら容易に蹴散らせる」

「はい。轟雷の性能なら氷上でもなんのそのです」

「シーカーの三人には俺達のバックアップをメインでお願いします。何かあれば予備の轟雷を出してください」

 

 

かなりの数を氷付けにしたのだがその上で氷上を埋め尽くすほどLBXが居る

スルガとルナ、ヒノ、シーカー隊員三名(轟雷)は施設南の第一防衛線を担当、そして苛烈な迎撃戦が始まった

 

 

「景気づけの空爆だ!喰らいな!」

 

 

上空を飛ぶ三機の操作中継用ライディングソーサーをどうせならと積んだ大量のロケット弾が発射され集団の一部を凪払った。更にシーサーペイントやネレイドが持つランチャー系武器が誘爆、被害を拡大させる

 

 

が、そのロケットの雨をベクター、マッドロブスター、ケートスらが潜り抜けてくる

 

「行くか。ソルジャー、準備出来たら援護砲撃よろしく。援護の指揮は任せる。イプシロンUC、出る!」

「行くよ、ムーン!」

「約束された勝利を!A・アーサー!」

「「「轟雷出撃!」」」

 

A・アーサーが飛行形態に変形、それにムーンが飛び乗り氷上を飛翔、轟雷はキャタピラで走行開始、イプシロンUCはビットとヒュージミサイルを流用した簡易版のVOBに点火し一気に加速、A・アーサーを軽々と越える速度で突き進み集団手前でヒュージミサイルをパージ、集団に突っ込ませベクター諸とも焼き払う

イプシロンUCは速度そのまま震刃を刺突の構えで先頭近くのベクターに強襲、勢いそのままでベクターアックスによる防御ごとベクターの一番頑丈な胸部から背中まで完全に貫いた。その爆発を皮切りにA・アーサーとムーンも最前線に到着

 

東西南北で防衛線を構築、プラント外周ではソルジャーDを中枢とし、オーバードウェポンやロケット弾による支援砲撃体制が構築された

残っているライディングソーサーに大量のグレネード、ロケット弾を搭載させ航空支援に充当(スルガの脳内には対LBX攻撃能力を重視しLBX運搬能力は破棄、操作中継だけに対応した設計図がある。知ってる人はそれをA-10と言う)

取り敢えずこれで多数ベクターが出てきても凪払える

 

全ての方向で前線を少しづつ後退させながら敵を減らしつつ段々と防衛網の密度を上げていく

 

 

═数分後═════

第一防衛線は呆気なく崩壊した。海中に存在してしまったか、作られたか氷のトンネルを通り内部にベクターやらが侵入してきた

 

幸い銀龍と機龍の対処が間に合い事なきを得ていたがオーバードウェポンを大元にした火力支援に氷が耐えられず氷のフィールドはほぼ早々にまともに戦える地形では無くなる

今度は第二防衛線、施設への入り口の防衛だ。LBXがそこに集中する分戦闘はより激しく、苛烈を極める。

スルガは東側の防衛をしていたジン、アミ、アスカ、シーカー隊員三名らと合流、計12名で迎撃再開

 

 

「レッツゴー!ワータイガー!」

 

 

スルガが提供した材料や技術が古城タケルの手によりカスタマイズされ形となったワータイガー、全ての性能がヴァンパイアキャットを上回る

猫や虎のような俊敏な動きを目指し足周りを強化、トリプルヘッドスピアーも強度を上げられている。今までならベクターを全力で突いても槍が欠けてしまうが今度はそうは行かない

貫くまでは至らぬとも一突一突で確実なダメージを与える

 

 

「ソルジャーが削ってるとは言え数が多いな。こりゃ時間の問題だぞ」

「・・・さっきからベクターの割合が増えている気がするな」

「つまり、消耗させたとこで本命群を投入か。守りきれるか怪しいね」

「守りきらなきゃいけないんだ。どんなに困難な戦いでも退いてはけない」

「どうしたソル・・・オーレギオンが来てる?!」

 

そしてオーバーロードが突然発動し一秒未満の映像が頭に焼き付く

 

 

「伏せろ!」

 

 

スルガは隣ルナとヒノの頭を掴んで身を屈め、ジンとアミは言葉に素早く反応、アスカはシーカー隊員の一人に頭を押さえられる

 

その少し後、12人の頭上を破壊光線が通過した

 

 

『へぇ?今のに気付かれたんだ』

「やっとお出ましか。ミゼル!」

 

 

我王砲でこちらを狙った後、オーレギオンが姿を表す

 

 

(済まん。機龍こっちこれるか?)

(・・・)

(機龍の方も手一杯だ。俺が向かおう)

(頼んだ。こいつは全力で相手しないとヤバい)

 

「いきなり殺しにくるとは、手段を選ぶのを辞めたか?」

『少なくとも君は僕のパーフェクトワールドの癌になる。なら早めの切除をするだけだ』

「なら癌細胞らしく体の主を食らい付くして殺しきってやるよ!」

「ルナ!これを!」

「分かった!」

 

ムーンが聖剣を手にし、A・アーサーが聖槍を持つ

 

オーレギオンがイプシロンに向けて突撃してくる

スルガはオーバーロードを発動させビットを呼び戻し14基全てでオーレギオンにレーザーガンを発射

しかしその程度ではオーレギオンは止まらない。すぐさまルミナスシューターを持ちビットをマウント、発射反動の軽減をさせる

 

 

「聖剣・・・抜刀、」

「聖槍・・・抜錨、」

 

「エクスッ・・・カリバァァァー!」

「ロンゴォ・・・ミニアドォ!」

 

 

アタックファンクション

エクスカリバー

 

アタックファンクション

ロンゴミニアド

 

 

光の奔流と織り込まれた光の槍が、そしてイプシロンが火力重視でルミナスシューターを発射、聖剣と聖槍の威力は溜めが短く少し弱いが、だとしてもイフリートだろうがゼウスだろうがどれでもまともに喰らえば一撃で戦闘不能になる威力を持つ

そして、光がオーレギオンを、直線上に居た全てのLBXを飲み込んだ

 

 



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襲撃、オーレギオン

═トキオシティ沖、エネルギープラント═════

ルミナスシューターの自壊ギリギリの超火力、エクスカリバーの光の奔流、ロンゴミニアドの全てを貫く光の槍を受けてなお、盾を構えて立っていた

 

「無傷・・・だと・・・」

『さすが君達が作ったLBXだね』

「へっ、お褒め頂きありがとう、とは言わねえぞ」

 

 

まずい、イプシロンUCの腕が反動でイカれた・・・ソルジャー、まだか?

(済まない。もう少し掛かる)

分かった。イプシロンUCはもう持たない。なる早で頼む

 

 

『君達の持つLBXでオーレギオンと互角に戦えるのはあの銀のLBXだけ。それも別のところで手一杯。諦めたらどうだい?』

「それは出来ない相談だな」

『ふぅん・・・なら、消えなよ』

 

 

オーレギオンが動いた。それに続き攻撃の流れ弾で消し飛んだベクターの後も続いてくる。が、その時だった

 

ズドォン・・・

 

壁から飛び出したレーザーとも見える弾丸がオーレギオンシールドを貫き破壊する。露骨に驚きを見せたミゼル

 

 

『何?』

「ヒュージキャノン!ソルジャーか!」

 

しかしヒュージキャノンの直撃で盾しか壊せてない。思ったより頑丈だな

 

ヒュージキャノンが穿った穴からソルジャーDが飛び出してきた。スルガは即座にソルジャーDとリンク、オーバーロードとオーバーセンスを同時発動させた

 

 

「いくぞ、ソルジャー!」

 

 

オーレギオンとの戦闘が始まる。流石に性能差が大きく、オーバードウェポンを持たないソルジャーDの持つ火力では決定打は与えられない。そう、決定打は与えられないのだ

当然ミゼルもそれを承知しているだろう。ならば少しずつ時間稼ぎをしながら下がり時間稼ぎ、端から見れば互角だがルナとヒノは勘づいていた

 

スルガがそう考えているとき、オーレギオンに別の黄色い光線がヒット、しかし傷はない

 

 

「この狙撃・・・カズか!」

 

 

ジンが海上に目を向けると赤い轟雷が乗ったた1機のライディングソーサーと単体で飛ぶ黒いアキレスが急接近していた

 

 

『悪い!少し出遅れたぜ』

『スルガ、苦戦しているようだな』

 

レックスの赤い轟雷とアキレス・ディードが降り立つ

 

「頼もしいよ。レックス!」

『ミゼルとやら、俺も混ぜてくれよ』

 

レックスの轟雷がライディングソーサーからソルジャーDの隣へ飛び降りる。そしてナックルを構えた。スルガとレックス以外はベクターへの対処で手一杯だ

 

開幕一発、轟雷の滑腔砲が轟音を轟かせAPSFDSを発砲、オーレギオンが驚異の反応速度を見せ避けられるがオーバーセンスで避けた先にスルガがイプシロンUCに積まれている14基全てのビットで一斉射、当たりはするがダメージにはならない 

 

そしてソルジャーDは突貫、気が散ることもなくオーレギオンはレギオンランスを振りかぶる。ソルジャーDとスルガの狙いはただ一点、我王砲の発射口

だがミゼルもその程度は予想していたしスルガもそれを読んでいる。振り降ろされたレギオンランスを震刃で防ぐ。いかんせん急造品、耐えられず折れてしまったがまた作ればいい

今度は左腕を向ける。内蔵されたボウガンでもこの距離なら我王砲を使用不能させるくらいは可能。狙いを付けて、撃った。しかし空いた左手で矢を掴まれ、そのまま裏拳で殴り飛ばされた

 

「なんつー馬鹿げた反応速度だよ。だが」

 

だがオーレギオンの死角、ソルジャーDの真後ろにワイヤーが繋がれたナイフのような刃物、轟雷のテイルブレードがイプシロンUCのビットに導かれ我王砲の砲門に深々と突き刺さる

 

一歩調整を誤ればソルジャーDが串刺しになっていただろう。レックスの技術とスルガの能力を噛み合わせ、即興で編み出した初見殺しだ

 

 

『なかなかやるじゃないか』

「オーレギオンの弱点は我王砲の発射口、ここだけは装甲が薄い。カズ!」

「おう!任せろ!」

 

ソルジャーがオーレギオンの近くから退避

アキレス・ディードのルミナスシューターが我王砲の発射口に撃ち放たれた。

レギオンランスでこの攻撃を薙ぎ払ったが今度はソルジャーDが電磁狙撃銃を、轟雷がAPSFDSを発射口に撃ち込む

 

左腕でその攻撃を弾きオーレギオンが高速で動き出す

しかしそれをスルガが視て2手3手先を打つ。当然ミゼルも対応してくるがミゼルの予測演算よりも精度が良い未来予測を使っているので致命傷は受けない

 

 

「ソルジャーDと轟雷は重度の改造されてるけど性能はオーレギオンと天と地ほどの差があるんだけどさ?それでもここまで致命傷がないとオーレギオンの基礎設計に重要な欠陥がないか不安になるね!」

『チッ、小癪な』

「鬱陶しいよね?確かに目の前で羽虫がにチョロチョロされるのは小賢しい。けど今のお前はその羽虫すら潰せてないとか完璧主義が笑わせる!あ、ハエたたきとかあげようか?あ、でもホログラムの体じゃ持てないかw」

 

 

煽る余裕があるように見えるだろうがスルガ本人はソルジャーDの操作に能力を全振りしていてそんな余裕は欠片も無い。気を緩めようものなら一瞬で力負ける

 

スルガ(inソルジャー)の煽りに空中投影されたミゼルが露骨に顔を歪め、スティンガーミサイルでの面制圧で完全に逃げ場を無くしてきた

機体制御をソルジャーに任せイプシロンUCをスルガが遠隔操作、5基だけミサイルに弾幕を張らせ、残り9基を使い三角錐のシールドを形成

シールドへのミサイル直撃だけ避け爆風を防ぎ、ぐるッと周囲を視てオーレギオンの突撃を確認、グレネードを投げてドライブシステムで後退

しかし爆炎が晴れてもスルガの目にはオーレギオンの次が視えない

 

「視え・・・逃げる気か!」

 

真っ直ぐ上に飛行形態の赤い軌跡が視える。が、別の無数の赤い線がそれを遮っていく

 

その刹那飛び上がったオーレギオンに大量の弾丸とミサイルが襲いかかる。ミゼルは弾丸を少し掠らせながら弾幕を強引に突破、更に施設の奥へと侵入していった。速度が早すぎて追撃は難しいだろうが、青い機体が追跡していった

 

 

「F/Aオーディーン・・・タシャルナックからの遠隔操作?タイニーオービットから良くやったな。それにヒュージキャノンはハンター改か?良くやってくれた」

 

オーディーンがタイニーオービットからの遠隔操作でオーレギオンを追いかける。

 

 

「教官!もう一方のメンバーが最終防衛ラインを構築したと」

「ソルジャー、オーレギオンの連絡は終わってるな?・・・よし。少しずつ削りながら防衛ラインを下げて下さい。レックスと俺で向こうの救援とオーレギオンの追撃に向かいます。いくらバンが居るとはいえ・・・心配だ」

「分かった。後は僕たちに任せてくれ。1機たりとも通さない」

「ジン、任せた」

「行くぞ。スルガ」

 

防衛線はオーレギオンの襲撃で新たな局面を向かえた。アキレスD9の完成までもう少し時間が掛かるだろう。少しずつ変わる歴史の歯車はどう狂うのか?

それは、まだ分からない

 

 

 



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激闘 エネルギープラント

═最終防衛ライン═════

道すがらレックスが入れ替わりスルガと機龍が最終防衛ラインに到着した・・・が、既にイカロス・フォースとヴァルキュリアが大破レベルの傷を受け戦闘能力喪失、残った郷田や合流してきたユウヤ達はベクターへの対処で手一杯だった

 

 

「おいおいミゼル、喧嘩売ってきたなら最期まで付き合えよ」

『君以外がこんな状態で軽口叩ける余裕が本当にあるのかい?』

「スルガ!大丈夫だったの?!」

「煽ってレックスと返り討ちにしたら逃げよったわ。機龍もほぼ弾撃ち尽くしてるけど・・・いいハンデだろ」

シャ(スルガさん!新しいLBXがもう少しで送り届けれます)

(なる早で頼む。機龍、時間稼ぎだ)

「行くぞ。CODE`G`だ。人間が持つ闘争の可能性を奴に叩き込んでやる」

 

スルガの目が双眸が大きく開かれ、体から蒸気を沸き立たせる。機龍は黒、白、黒と変化、背鰭を青く炎のように煌めかせる

 

 

グォォァァァァァァ!グォォォォォゥン! 

 

 

「あの時の機龍じゃない。少し体格が違う?」

「なんかこう、どっしりしてる」

 

 

オーレギオンがほぼ瞬間移動に等しい速度で距離を詰めてくるがカウンターでタックルをかます

 

そして、青い火炎のような熱線を吐いた。オーレギオンは飛行形態で回避するがスルガは施設など知ったことかと熱線でそのまま追尾、操作コンソールや壁、ケーブルを焼き切る

 

スルガはどうせまだ炉は稼働してない。建物もちょっと焦げるくらいだろ。なんかあったらミゼルの仕業にしとけばバレねえだろ(既にコンソール類は大破し使用不能)と言う思考をしていた

 

 

アタックファンクション

JETストライカー

 

 

機龍の熱線放射を避けながらオーレギオンは旋回、機首にエネルギーを纏い突っ込んできた

オーレギオンは熱線と衝突、真っ正面から突っ込むことを選ぶ。膨大なエネルギーの衝突に両者は拮抗

更に全方位から大量のベクターが動かない機龍に殺到、バンのフォローも間に合わない。熱線の狙いを変えてベクター共をその熱量で次々撃破、突っ込んでくるオーレギオンはその剛力で受け止めた

推力勝負で拮抗、足を床にめり込ませ押し返す。が、オーレギオンは突然飛行形態を解除する

 

アタックファンクション

スティンガーミサイル

 

そして同時にレギオンランスで突きを放つ。音を置き去りにする速度に槍の穂先を受け止める。しかし次のスティンガーミサイルが襲いかかってきたが直撃寸前で体を高速で一回転させオーレギオンを尻尾で打ち飛ばしミサイルの破壊力を逃がす

 

仮称CODE`G`第3形態の黒いオーラはエネルギーを喰らい溜め込み、膨張する性質がスルガにより確認された

その能力が覚醒したのがパラダイスでのキングギドラ戦。スルガと共に死に体だった機龍とスルガの生への渇望と闘争本能が共鳴した結果、引力光線の膨大なエネルギーを喰らい尽くし、あの場のLBXからエネルギーを託されあの土壇場で進化したのだ

だが実弾や実体剣など物理的接触では喰えないらしい

故にスティンガーミサイルの直撃は痛い

 

 

『なかなかやるね』

「そっちこそ。ベクターじゃとっくの昔に塵屑だぜ?」

 

 

そう言い機龍とオーレギオンは施設を更に破壊しながら激戦を繰り広げる。機龍は黒いオーラに守られ満身創痍ではあるが戦闘可能

オーレギオンは機体の各所に熱線を浴び中破と言った所だ

 

そして、時は来る

 

 

 

─海上──────

冬でも、北海道近海でもない場所にどこかから流れてきた氷が浮かぶ。その海上を音より早くでシャルナックとアキレスD9がライディングソーサー(VOB2セットを無理矢理装備した急増品)で駆ける。さながら流れ星、あっと言う間にエネルギープラントが見えてきた。

 

 

(スルガさん!アキレスD9が現着します!俺も一緒です!)

(りょーかい!ソルジャー!お前今どこだ?)

(最終防衛ラインだ。全員そこに集合している。挟撃するか?)

(ここでオーレギオンを仕留めれるなら仕留めきるぞ)

 

 

シャルナックはライディングソーサーで一直線にミゼルと機龍が喧嘩をしている場所に、オーレギオンに向けて一直線に突っ込む

 

その直前に機龍、シャルナック、アキレスD9は離脱、アキレスD9を自立操作で最終防衛ラインへ送り出す

 

突っ込んだライデンソーサーはオーレギオンの至近距離で爆発炎上、直ぐにVOBの燃料に引火し更なる大爆発を起こしオーレギオンを炎と煙で覆い尽くす。オーレギオンも直ぐに爆心地から逃れようとしたが右腕付け根にシャルナックから4基のソードビットが突き立てられた

更に機龍が急接近、オーバーセンスとオーバーロードの第六感を駆使し細かい場所を特定、尻尾でぶん殴って爆煙の中に打ち返し熱線で追撃する

 

 

「どうだ?」

 

 

風で煙が流れると、そこにオーレギオンは居ない

 

 

「また逃げた・・・ッ!バン!」

 

 

自分の視界に意識を移すとオーレギオンがここに戻ってきているのが見えた。直ぐに機龍らを呼び戻すがオーレギオンとレギオンランスがスルガの目の前に迫る写真が脳に焼き付いた。が、写真の通りには行かなかった

 

 

「スルガ!」

 

 

最終防衛に殺到するベクターを全て切り伏せたアキレスD9がオーレギオンにバトルを挑む

 

「悪い。助かった。機龍も満身創痍だ。そいつの相手任せたぞ」

「任せて。行くぞ!アキレスD9!」

 

 

オートクレールとデュランダルの二振りから繰り出される美しく激しい剣撃がオーレギオンの装甲を確かな傷を多数残す。その後ろでは機龍がベクター共相手に熱線を吐き、取り逃がしはムーン、A・アーサーが逃がさない

 

 

「ッ!?・・・何が来る?」

 

 

今度焼き付くのはここに黒い塊が突っ込んでくる写真が焼き付く。シャルナックとオーバーセンス状態で外を視ると赤い軌跡が真っ直ぐにここへ延びてきていた

 

 

(何だこれ・・・ミサイル?)

 

 

機龍が海の方に向く。尻尾の先から顔の後にかけて背鰭を光らせ、短絡したようにパッと消える。それを繰り返す度に発光の頻度は高くなり、エネルギーは圧縮される

 

そして、スルガの目視距離に入った

 

(いや、タイニーオービットにカチコミ掛けてきた小型機か?)

 

 

そして溜め込まれたエネルギーは放たれた。青い火炎が蒼空に向けて一直線に伸びる。赤い軌跡が変則的に変化、小型機が回避行動をしているらしい。だが依然としてこちらに向かってくる

 

「墜ちろカトンボ」

 

全員が見える距離に近付いた。右へ左へ避けるが一瞬だけ直撃、目に見えてパフォーマンスが悪くなり直ぐに直撃、主翼を片方吹き飛ばし撃墜した

 

「いよっし・・・んー?まだなんかある?」

 

小型機から別の線が伸びる。そしてそのミサイルは分裂した軌跡を描いていた

 

「多弾頭ミサイル?ヤバイ!」

 

真っ直ぐ突っ込んでくるミサイルを落とすのは簡単だったが熱線の直撃寸前でミサイルは分裂、熱線で凪払うが全ては撃墜出来ない

 

「マジか!ちょっとベクター任せた」

 

シャルナック搭載の4基、イプシロンUC搭載の14基のビットが飛び出し一人と三機が操作、ミサイルに対してシールドビットが薄く広いシールドを六組形成、それにぶつけて起爆させる。が、上空に突然大きな影が現れる

 

 

「エクリプス!?」

『この施設を無力化する目的はもう達成した。最も君らのお陰だけどね』

 

 

突然ミゼルトラウザーが飛来した。アキレスD9の隙を付いてオーレギオンが離脱を狙う

 

『おっと、いいのかい?あの中にはセト50があるんだけど』

「チッ、今度はお前のbitを全て0で埋めてやるよ。バン、ここは互いの引き際だ」

「・・・分かった」

 

 

ミゼルトラウザーがエクリプスへと姿を変えて飛び去り、この場で撃破されていないベクターは動きを止める。脅威が完全に去ったことを確認して機龍も黒いオーラを霧散させた

 

「防衛は成功、だけどやり過ぎちまったなぁ」

 

スルガは見える限り施設を見渡す。熱線で焼ききった配線やコンソール、ここから見えないところで。大小いくつも壊れたところがあるだろうまあ致命的な物はスルガと機龍がやった

 

「さてと、言い訳考えとこ」

「改めてみると手酷くやったね~」

 

なんにせよ一度タイニーオービットに

帰還しよう



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胎動、新たな希望

══タイニーオービット社═════

 

一方的に疲労が貯まる中、スルガはまた爆睡していた。機龍とあそこまで無茶をしたので無理もない

帰ってきた所でルナとヒノに叩き起こされ寝ぼけながら報告会に参加する事になってしまった。そしてその眠気を用意に吹き飛ばす程の来客が来ていた

 

「む、八神君、その子達か?」

 

帰ってきた全員が目を疑った

 

「財前総理!?護衛もなしでなぜここに!」

 

防衛戦帰りの八神が驚愕している。と言うか全員驚いている。対応していたであろう拓也さんと霧野秘書はイタズラが成功したような笑みを浮かべた

 

「あのエネルギープラントは我が国の、世界の行く末を決めるもの。守ってくれた礼は直接言わねば私の気が済まない・・・君たち、良くやってくれた」

 

そう言い財前総理が深々と頭を下げる

 

「えっ・・・頭を上げてください総理」

「私達は当たり前の事をしただけですよ」

 

バンとアミが困惑半分で財前総理を止めにかかる

 

「それに、山野バン君、川村アミ君、青島カズヤ君、河白スルガ君、去年のパレードの事、八神君から話を聞いている。本来なら謝礼の1つでも贈りたいのだが・・・」

「そもそも非公式の事件ですし」

「別にそんなもん要らねえよ」

 

スルガとカズがそう返した

 

「あ、ならお礼の代わりに何かあったら御助力をお願いしたいですね。NICS、実質的なA国政府、そこに日本政府が加わってくれるなら凄く助かります」

「分かった。命の恩人達への協力は惜しまない」

「ありがとうございます。拓也さん、早速現状報告、共有と行きたいんですが?」

「カイオス長官とはもう通信が繋がっている。そしてクラウディア大統領もこの会議に参加したいそうだ」

「私も参加させてもらおう。世界から託され生まれた希望もこの目で見てみたい」

 

シーカーの隊員がコンソールを操作、ホワイトハウスに通信が繋がる。映像に写るのはカイオス長官とクラウディア大統領だ

 

「クラウディア大統領!ガーダイン追撃の時、解放してくれてありがとうございます。お蔭で愛するものをこの手で取り返せました」

『貴方が河白スルガ君ですね。貴方には私の命を守ってもらった恩があります。お礼は要りません』

『一刻も時間が惜しい。早速報告を頼視たい』

「はい。我々シーカーは小笠原諸島沖のエネルギープラントを銃撃してきたミゼルを迎撃、これを撃退しました」

「途中の推移とオチは俺から。率直に言わせてもらいますと・・・痛み分けと言った所でしょう。途中ミゼルは侵攻にオーレギオンを投入、俺とレックスの時間稼ぎで何とか持たせてましたが最終防衛ラインまで抜かれました。その後アキレスD9が到着、オーレギオンに手傷を負わせた所でミゼルがエクリプスを伴って飛来、こちらの損害とセト50の存在を考えて追撃を諦めました」

『希望のLBX、アキレスD9はミゼルに対抗出来た・・・』

 

スルガは更に話を続ける

 

「ですが、エクリプスがエネルギープラントに飛来したと言うことは奴は日本周辺に潜伏している可能性が高い。現在、奴にとっての一番の脅威はアキレスD9、誕生を待たれているもう二機の希望です。全て日本の、ここにある以上、狙われるでしょう」

「現在復旧した基地を中心にありとあらゆる手段で哨戒網を構築している。今のところエクリプスが日本列島に近づいていると言う報告は無い」

『それでMr.ウザキ、今後の方針は?』

「暫くは様子見になります。防衛戦でかなりの損傷と損害を受けました。それにもう二機の希望、短く見積もっても日本の日付が変わる頃になります」

「だけど、オーレギオンも直ぐには動かないと思います」

 

バンが口を開いた。オーレギオンはスルガ&レックス、スルガ&機龍(本気)、アキレスD9と連戦を続けたのだ

 

「バンがオーレギオンの右腕を切り落としました。大体前回半日で動き出したので次までに・・・丸1日は固いです。それに奴もアキレスD9に対抗できるようにカスタマイズしてくるでしょう。奴は博打は好みません。奴なりに100%勝てる機体に仕上げてくる。それにどれだけ時間がかかるかは分かりませんが少なくとも明日、この辺がラインだと考えます」

「スルガ君、その根拠はなんだい?」

「俺達がアキレスD9の設計、製造にかかる時間が丸二日、奴の常軌を逸した技術力を見ても1日は固いかと」

『そこまでに新たな防衛プランを練らねばいけないわけね?』

「防衛じゃありません・・・決戦に持ち込むべきです」

『決戦?』

「と言うかミゼルもそのつもりでしょう。このまま行ってもお互い泥沼化・・・てか、この会議もどおせ覗いてんだろ?出てこい」

『・・・やっぱりバレてたんだ。その様子だと国際会議の所から気付かれててたのかな?』

「ああ。お前からすれば滑稽で無駄な会議だったろ?」

 

ミゼルのアバターがシーカーの設備から投影される。ミゼルは財前総理とクラウディア大統領を一瞥しスルガの方に手を伸ばした

 

「なあミゼル、そろそろ決着付けようや?このまま争い続けたらリソースはどんどん減っていく。中途半端なスクラップ&ビルドはリソースを余計削るぜ?」

『・・・それは一理あるね。ふむ・・・それなら、終わりにしてあげよう。君たちが積み上げてきた希望を打ち壊す形でね』

「ああ。終わりにしよう。お前を0に還元してな」

 

スルガとミゼルはそう言い合いミゼルは姿を消した

 

「・・・次が決着の時、ですか。ですがスルガさん、僕たちは勝てるでしょうか?」

「うん。あんな傷だらけのミゼルに何も出来なかった」

 

ヒロとランが撃破されたイカロス・フォースとヴァルキュリアを見て不安を募らせる

 

「珍しく弱気だな。ヒーローは勝つんだろ?それにラン、戦いもせずに負けた気とはらしくねえなぁ?ま、見てなって。地球をチェス盤にした河白スルガとミゼルの勝負、その行く末を」

『河白スルガ君、わざわざ決戦を誘ったと言うことは策が有るのですね?』

「それについては・・・ミゼルに盗聴されてるのが証明されたのでお楽しみに」

 

スルガは笑っている。睡魔での頭の故障か、それとも内に存在する狂気か

 

「場所の予想は付いているのか?」

「あ~確かに、後で財前総理にはお伝えしましょう。ですがこれだけは言っておきます。これを実行するのには何もかもが足りない。とだけ」

『スルガ君、君は・・・何なんだ?宇宙に行くときも君が手を回していた。まるで未来でも見えていたかのように』

「・・・俺は、絶対に譲れない、守りたいものがあるだけです。俺にはバンやヒロのように真に世界を守るための戦いをしてこなかった。いつもルナとヒノを守るために戦ってきました。世界なんてどうなってもいいんですよ。俺はね」

 

 

会議の場を静寂が支配した

だがバンがスルガに、あの言葉をかける

 

 

「人は、神にあらず。人は、獣にあらず。スルガは力を手に入れても、神様みたいな傲慢さを持たなかった。獣のように弱いものを叩くこともして無いよ」

 

続いて、ジン

 

「スルガ君のやり方は王道ではない灰色ばかりだが、だからこそ僕らは君に助けられてきた」

 

続いて、アミ

 

「そうそう。あんたが私達の常識軽くぶち壊して思いもしないこと次々してくれたから今があるのよ」

 

続いて、カズ

 

「お前がとんでもないもの作ってとんでもないことしてくれたお蔭でいつも退屈しねえさ。ま、その分やらかしてたけどな」

 

 

四人の言葉を聞いたスルガ、少し笑ってこう返した。確かにスルガならこの答えになるのだろうが、国家元首二人が居るなかで言うべき言葉では無かったとだけ言っておこう

 

 

 

 

 

─時間は廻る──────

ルナとヒノは寝床に入りスルガはもう二機の希望、イプシロンをベースにしたLBXの製作、そしてエネルギープラント防衛戦で傷付いたLBXの修理をしていた

特にオーレギオンと長時間対面した機龍の損傷は特に激しく修理に時間を要していた。ぶっちゃけミゼルの再度侵攻に間に合うか分からない

 

 

「河白君、少し良いかい?」

「えっと、サイバーランスの西原さん、なんですか?」

「どうも現状だとオーレギオンの我王砲に戦闘能力を残して1発耐える・・・まで行きません。そもそも体術的な戦い方も厳しいです」

「あー・・・うーん・・・あ、なら戦闘で捥いだオーレギオンの左右の腕があります。そのコアスケルトンのスタンフィールインゴットを抜き出そう」

「それなら腕部は足りますが」

「ですが脚部の材料が足りません。特にストライダーフレームに近い構造になると・・・どうしても基礎材料にスタンフィールインゴットが必要です」

 

 

別の研究員が頭を捻らせながらやってくる。スルガも頭を回すがそんなに直ぐスタンフィールインゴットが纏まった量出るわけが・・・あった

 

「・・・出所不明のがあります。それを溶かして使いましょう。追求は無しでお願いします」

 

機龍の歪んで壊れたコアスケルトンを提供する。そこに居た二名はそれ以上を聞かず開発に戻っていった

 

「よし。これで完成までのピースは揃い新たな希望が胎動を始めた・・・見てろよミゼル、お前を欠片も残さず消し去ってやる」

 

 

═どこかの空域 エクリプス機内═════

 

会議を覗いてスルガによる宣戦布告を受け取った後、ミゼルも本格的に動き出していた

 

「やっぱり設計図は手に入らないか」

 

勿論そうだろう。設計に使うパソコンは物理的に外部ネットワークから隔絶されいる。侵入させたベクターも速やかに警備のシーカー実働部隊やシャルナックが始末している

 

「となると・・・」

 

修理中のオーレギオンに手を触れて自分のインストールを始めた。そしてオーレギオンもその姿を変えるのだった

 

 



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ここに誕生するは新たな希望

═タイニーオービット社、翌朝═════

「ふふふ・・・これも乗せよぉ」

 

スルガは眠気と疲れでぶっ壊れていた。なんと完成間近のオーディーンMarkIIにも無断で手を入れて山野博士を混乱させると言う奇行を行い現在完成した機体にも少し改造を施している

一切の妥協なく研究と改良を加えた結果イプシロンベースの希望、それもまもなく完成する

 

「よし、後は試運転か」

(機龍、居る?)

(・・・)

(ちょっと試運転付き合って)

(スルガさん、機龍先輩まだ治りきってないです)

(まじで?そこまで損傷酷かった?)

(はい。そっちの作業が忙しそうなんで報告は見送ったんですがオーバーホールした結果無視できない細かな傷や故障がかなり出てきまして)

(なら・・・ソルジャー、ヴァーチャル上でオーレギオンの操作お願いしたいんだけど)

(ああ。直ぐ行く)

 

 

スルガもLBXとの謎思考リンクの使い方に慣れてきた。

 

 

「西原さん、オーディーンMark.Ⅱも巻き込んでヴァーチャル上で試験しましょう。本試験はその後で」

「時間が無いなら実践試験で良いのでは?」

「単純にオーレギオンレベルのLBXが無いから奴相手にどこまでやれるか分かんないんですよね。最低限シュミレーション上くらいで勝てないと実物には勝てません」

 

そう言いオタクロスが持つヴァーチャルLBXの装置をブン取ってきてレベル5研究室のサーバーに繋ぎ急いで山野博士に声を掛ける

 

「山野博士、オーディーンMark.IIの試験って出来ます?」

「可能だ。しかしいつビットを作ったんだ?かなり時間がかかる物だろう?」

「機能を一つに絞ればなんとでも。それに特化させればその性能も上げれます。イプシロンUCのビットは汎用性が高いのは良いんですが如何せんベクター相手には力不足が否めなかったので」

 

 

そう言いながらオーディーンMark.IIとイプシロンをヴァーチャル化装置に置く

 

名前どうしよう・・・希望の三機目だしそれっぽい名前にしたい。それでも本来は生まれなかった可能性か

 

「このイプシロン、ストライダーフレームか?」

「足周りだけですが、ビットの制御込みの地上機動力ならオーレギオンを遥かに上回れます。勿論強度もあるのであしからず」

「ふむ・・・ビットも付いているんだな。それにこの配色、君が使うのか?」

「補助推力兼シールドで、使い手はランに任せようかと。癖の強いヴァルキュリアを使いこなせてるので多分行けますよ。おっ?ソルジャー来たか。宜しくな・・・オーディーンの操作どうしよ・・・」

(機龍、オーディーンMark.IIの遠隔操作お願いしたいんだけど)

(・・・)

(え?嫌?)

(スルガ、機龍先輩が操作するならオーレギオンの方が武装配置も同じ感じで良いと思いますよ)

(ああ、そ言うことね「ソルジャー、やっぱりオーディーンMark.IIの操作お願い。よっし、やりますか!」

 

map 草原

アンリミテッドレギュレーション

バトルスタート

 

三機が仮想空間に姿を表す

 

「そうだな・・・イプシロンΔ零!お前の力を見せてくれ」

 

イプシロンΔ零(デルタゼロ)は己の得物、キビツヒコをぶつけ合わせる

ソルジャーD操作のオーディーンMark.IIはリストレイターを振り回し、機龍操作のオーレギオン(設定で性能盛り)も準備運動は万端といった所

 

最初に仕掛けたのはイプシロンΔ零、ブースターで機体を少し浮かせ、姿勢を下げ、多くのストライダーフレームLBXから引き継がれた足を全力駆動、スルガが予想していたよりも更に速くあっという間にオーレギオンの横を通り過ぎる

 

「瞬間秒速・・・150mちょい、時速換算ざっくり500km?設計速度300kmの筈なんだけど・・・まあいいや。行くぜ!」

 

足とキビツヒコを地面にめり込ませて無理やり制動、反転しオーレギオンに突っ掛かる。オーバーロードの感覚には頼らず今までの経験値と直感でこのじゃじゃ馬の手綱を握りオーレギオンに拳を上げた

 

オーレギオンはスティンガーミサイルを放つが走って振り切られるのが目に見えた為レギオンシールドを構える

 

そしてそのままキビツヒコのブースターを起動、500kmを超えて加速、そのままレギオンシールドに殴り込み、盾を抉り、真っ二つに叩き割った

 

オーレギオンの視線が外れたときオーディーンMark.IIがリストレイターを地面に突き刺した

 

アタックファンクション

フレイムレイド

 

突如オーレギオンの足下から巨大な火柱が上がる。オーレギオンはその火柱の中からレギオンランスをイプシロンΔ零に投擲、しかしキビツヒコで弾き飛ばす

 

この調子で試験は続きやがて決着が付く

途中で機龍が完全に槍と盾を捨て素手の野性的な戦い方をし始め、イプシロンΔ零の左腕が欠損

オーディーンMark.IIのレーザービットではオーレギオン相手に牽制にしかならずイプシロンΔ零のシールドビットもスティンガーミサイルは受け止められるが本体からの攻撃を受けきるのは長時間は無理であった

 

 

「ソルジャー!決めるぞ。ユニオンファンクション!」

 

 

アタックファンクション

ダブルクロウウィング

 

イプシロンΔ零は飛行形態のオーディーンMark.IIに飛び乗り積乱雲に突入した。そして咆哮と共に積乱雲が一気に霧散、その中に長大な稲妻のドラゴンが誕生しており巨体を翻し、激闘で消耗したオーレギオンに突っ込んだ

 

オーレギオンが防御姿勢を取ったがドラゴンの中に飲まれ全身から雷を受けて損傷部から電撃が入り込みスタンフィールインゴットが導体となり身体中をショートさせた

 

続いてオーディーンMark.IIの突撃、オーラを纏った機首で交差させた腕に

衝撃で防御が崩れかなりのダメージを貰う

 

そしてオーディーンMark.IIの速度を乗せたイプシロンΔ零が拳に電撃を従わせ我王砲の発射口に全力の一撃を叩き込み、胸部アーマーフレームを叩き割り内部に強烈な振動を与えた

オーディーンMark.IIとイプシロンΔ零はオーレギオン突き抜け着地、オーレギオンは大破し爆発した

 

 

 

═試験終了═

 

 

 

戦闘をモニタリングしていた技術者一同は自分達が作り出した希望のLBXが希望に成り得るものだと、これならミゼルを打倒し人類の未来を切り開ける・・・と確信を持つ

 

 

 

══════

 

 

 

「ふう。手強かったわ・・・しかしイプシロンΔ零、思った以上のじゃじゃ馬だな」

 

基本的にスルガが想定していた性能よりも高くスルガの機龍で培われた野性的な戦闘スタイルでは真の強さは引き出せない。武道家であるラン専用機と言うのを実感する

 

 

「さてと、山野博士・・・どうです?」

「期待以上だ。これなら・・・」

「お?もうじきバン達来るみたいですよ。そこで御披露目と行きましょう」

「スルガ、少し良いか?」

「卓也さん?何かご相談ですか?」

「カイオス長官への報告と今後の計画を話し合う。スルガも来てくれ」

「了解。直ぐ行きます・・・あ、レックス、バンの回りのLBXプレイヤー召集しといて。渡したら即効慣れて貰わんと困る」

「分かった。腕利きに声を掛けておこう」

 

バン達の練習相手を確保してスルガはシーカー本部へ

 

 

 

 

 

═シーカー本部════

既にNICSとの通信回線は開かれておりこの報告会にはカイオス長官他卓也とコブラ、スルガとオタクロスだけだ

 

 

「カイオス長官、希望のLBXは三機とも完成しました。アキレスD9、オーディーンMark.IIイプシロンΔ零・・・いずれも単騎でオーレギオンに十分対抗できるLBXです」

『良くやってくれた・・・それでこれからミゼル相手に決戦を挑むと?』

「ええ。前に挑発してミゼルはそれに乗った。今あいつはオーレギオンの改造と俺達が破壊したベクターの補充。全力の拡充をしてます。間違いなく」

「決戦と言っても場所はどこじゃ?」

「ミゼルはこう言った『希望を打ち砕く』と。この場合、アキレスD9、オーディーンMark.II、イプシロンΔ零、後は既存のLBXで唯一オーレギオンにタイマン張れる機龍、この四機を破壊することでしょう」

「つまり、ここか?」

「と言うよりこの四機が揃う場所ですね。ただ、だからと言ってここから大きく動く事も出来ません。特に本州から出れませんね」

「何でデヨ?」

「仮に海を渡るとしましょう。飛行機なら撃墜するし船なら沈めてトンネルなら発破します。対した労力も掛けずに希望のLBX達とその操縦者を無力化できるなら俺がミゼルなら間違いなく殺る。まあ分散したらしたで各個撃破されてBADENDでしょう」

「ミゼルの戦力も考えると・・・予想される戦域は」

「俺たちがこのままここにいてミゼルが全ての戦力を一点投入するならトキオシティ全域がミゼルとのチェス盤になります。はっきり言って俺らだけでは対応できません。まあ賭けですが策はあります」

 

ほぼ原作と同じことになるだろうと予想している。もしかしたらもっと酷いことになるかもしれない

まあ、トキオシティ全域の戦闘は各地のLBXプレイヤーを挑発すれば頭数は揃うだろう

専門業者に頼んで対ゴーストジャック用コーティング材も増産してあるし、協力してくれるプレイヤーのLBXにコーティングする位の量は作ってある。念のためジャックジェラート中尉も呼んであるし

ルミナスシューターも量産されてシーカー実働部隊には配備して配る準備も出来ている

一応ハッカー軍団にトキオシティ全域のハッキング根回しは頼んだし・・・後は、神のみぞ知る

 



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決戦 前日

═タイニーオービット社════

スルガは他数人の技術者と共に熟睡している。なので視点を天に移そう

 

 

═ヴァーチャル上════

「はぁっ!」

「ふんっ!」

「なンのっ!これしきでッ!」

 

A・アーサー、ソルジャーD、リュウビが全力で攻め立てている

現在このマップには予めワイヤーが大量に張られており身軽なシャルナック、シャルナック・ムーンがそれを利用し死角から強襲を掛けていた

 

現在五対一でランのイプシロンΔ零の修練をしてる。感覚派っぽいランなら使い方を体にたたき込むのが一番だろう。ついでにバンとヒロも似たような事をしている

 

ランはイプシロンΔ零のパワーとスピードに振り回されながらも何とか応戦しているがシャルナックのビット4基が鬱陶しい

 

「よし、貰った・・・えぇ、これも防がれるの?」

 

二基のビット自動で動き◆のシールドを形成、朔の突きを受け止めた。同時に正面からのソルジャーとリュウビにカウンターで回し蹴りで震刃と武神の剣を蹴り払う

 

「ストライク・エア!」

 

 

アタックファンクション

風王鉄槌

 

 

風圧の砲弾がイプシロンΔ零に衝突する。これがエネルギー系の攻撃なら施された対ビームコーティングが威力を減衰させるがこれはただの風、浮遊するシールドビットの位置が乱れた

そこにシャルナックが電磁拳銃を撃ちながら天叢雲を構えワイヤーから突貫

ランそれぞれの攻撃を一番固い二の腕で弾きにかかるがムーンは電磁機関銃を撃ちながらワイヤーをイプシロンΔ零の足元に撃ち込み急接近、そのため直ぐその場から退避する。がその先に無数の氷の刃を纏った巨大な白虎がジオラマを薙ぎ倒し突進して来ていた

 

ユニオンファンクション

白虎氷斬波

 

「ルナこっち!」

 

ムーンは同士討ちを避けるためワイヤーを切り離脱、それをシャルナックのシールドビットが足場を作り援護、飛行形態のA・アーサーが上手く拾い上げる

 

ユニオンファンクション

燕返し・月華

 

A・アーサーが機首を中心にエネルギーを纏いその上でシャルナック・ムーンは朔を構え、二機を覆うように燕のような紺のオーラを纏い急降下する

 

上からと横からの攻撃、ランは氷の白虎に向けて走り出す

 

「行くよっ!リミッター解除!必殺ファンクション!」

 

 

アタックファンクション

炎崩し

 

 

イプシロンΔ零が白虎に飛び込む

エターナルサイクラーから吐き出させる無尽蔵のエネルギーをキビツヒコに集中、巨大な炎の渦を作り出し白虎の氷を全て溶かし尽くし、つづき右腕から繰り出される拳が炎の渦に撃ち込まれ迸る業火が大きな白虎をリュウビホウオウ、ソルジャーDごと消し去った

 

ランの意識は燕に向けられる。が、シャルナックが斬りかかりA・アーサーとシャルナック・ムーンへの防御やカウンターを許さない・・・が自身へのカウンター攻撃を受けた。シャルナックも防御したがその防御ごとコアボックスを打ち砕く

 

そしてホバー戦闘用のブースターとビットの推量で大跳躍し燕と対面、拳を蹴り出す。が、燕は突如宙返り、ランの攻撃は空を切る

 

すかさず燕の内部のA・アーサーが突っ込みイプシロンΔ零は左の拳を繰り出しA・アーサーの突撃を相殺、続いてシャルナック・ムーンが朔を構えて突入・・・が攻撃寸前で防がれた、その後刹那に斬撃を繰り出しイプシロンΔ零を一閃、そのまま二機まとめて突き抜ける

 

シャルナック・ムーンとA・アーサーが綺麗

に着地

そして朔の一撃で首を一閃されていたイプシロンΔ零は戦闘不能判定を受ける

 

ヴァーチャル上で行われていた死闘に決着が付いた

 

 

═タイニーオービット社 レベルファイブ研究室════

 

「やっぱり強すぎる出力が扱いきれない・・・」

「パワーもスピードもヴァルキュリアを遥かに超えてる。バン君とヒロ君も高すぎる性能に振り回されてるね」

「私も少し触ったけど確かにスルガはランちゃん用で作り上げてる。それは間違いないよ。これに比べればムーンの癖なんてまだマシな方だったんだ」

 

 

同じくスルガ製のカスタマイズ、LBXは誰でも使える程癖が少ない(フレームアームズ、その他無人機)か個人用の癖強(機龍とかムーンとか)が二極化している

 

 

「ん?どうしたのシャルナック」

CCM《次は機龍先輩がタイマン張りたいらしいです》

 

試験は続く。時に機龍とレックス、ジン、ユウヤを同時に相手にしたりと習熟のために手段は選んでいられなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

═仮眠室═════

 

眠っているスルガの体は仮眠室に運ばれていて、目を覚ました。結構長い時間を寝ていたようであるが、それはどうでも良い

トキオシティ全域の警備の管制をしていたマスターコマンダーからソルジャー経由で洋上で警戒していたオリオン・Eよりベクターの大軍を発見したと報告が頭に響く

 

 

「来たか」

(ソルジャー、機龍、シャルナック、準備は良いな?)

(愚問だな)

(何時でも行けます。機龍先輩もイプシロンUCも全力を発揮可能です)

(よし、シーカーで集合、俺のイプシロンも用意しといてくれ)

(了解です)

「決着の時だな」

 

 

スルガは着ていた白衣を脱ぎ捨て仮眠室を飛び出す。そしてシーカー指令室へ移動中にルナとヒノに合流した

 

 

「あ、スルガ!」

「事態は知ってる。ここに全員居るか?」

「うん。大体居るよ。規模とかはまだ分からないって」

「かなりの規模だ。100や1000所の話じゃない。万単位のベクターだ。俺が誘ったからな、ミゼルも出てくるぞ」

 

 

そして他数人と途中で合流しながら指令室に駆け込む。リアルタイムで送られている情報では現状エクリプスの接近は感知出来ていないくらいだ

 

 

「卓也さん!話は聞きました。オリオン・Eからは万単位のベクターがトキオシティに向けて進行中です」

「ああ。お前が言っていた決戦か」

「さらっと見ましたがここ2日ゴーストジャックは確認されていません。奴が出せる総戦力を出してきたと見て間違いありません」

「だがどうする?策はあると言っていたが」

「分の悪い賭けですがね。根回しは済んでます。お金が掛かりましたよ」

 

 

スルガは報告会にリモート参加している財前総理他官僚の方を見る

 

 

「すみません、俺が今からしでかす事、無罪放免でお願いします。バン、後はアキハバラのキングのお前の鶴の一声が必要だ。ヤマネコに《賽は投げられた》と送ってくれ。レックス、手筈通りに」

「了解した。全く、お前の蛮行には慣れたつもりだったんだがな」

 

レックスとバンがCCMを操作する

 

「?分かった」

「オタクロス、大空博士・・・色々の協力でトキオシティ全域、ありとあらゆるネットワークをここに集中させます。ご助力を」

「「「「『ハァ?』」」」」

『な、何を言っているんだ?』

「これが策の一つなんですよ。許してください!」

 

 

官僚達が何か言っているがスルガは意図的に耳をシャットアウトする。そしてガイナ立ちをした

そして、時は来る。オタクロスが無言でGOサインを出した。スルガは息を吸う

 

 

 

『今、ミゼルがこの町を蹂躙しようとしている。ヤツは人類の可能性を、力を否定した。確かに人間は愚かだ。だからこそ進化する。俺は人類の可能性を、進化の力を信じている。決して0と1では表せないモノを、人類の可能性をミゼルに叩き付けてやろう

手の平サイズの小さなロボットで世界は一つに繋がりミゼルに対抗する絆を、希望を手に入れた

この言葉が全ての人間に届くことを信じて、人の可能性を信じて頼みがある。ミゼルが言ったパーフェクトワールドではなく、俺達が自分達のカタチの世界を作り出す、己らの未来を切り開く為に!・・・愛する人を守るために』

 

『既にベクターのハッキングを無力化するための手段は確立した。協力してくれるのなら近くの模型店でハッキング対策は出来るよう手筈は整えてある。この町を守るために、この世界を救うために、手を貸してほしい』

 

 

そこで映像は途切れる。後はお祈りだ

 

 

「・・・打てる手は全て打った」

「スルガ!聞いてないぞ!」

「言ってないもん。今回の計画を知ってたのはレックスとハッカー軍団だけ。模型店への手回しはレックスにお願いした」

『スルガ君・・・今からでも協力出来ることは?』

「戦う意思を示さない者の避難と起こるであろう災害、怪我人への備えです。どこで何が起こるか分からない」

『分かった・・・・・・防衛隊にも出動の要請をする。人命が最優先だ』

『総理!良いのですか!子供の言いなりなど!』

「防衛大臣、万を超えるベクターを俺達と防衛隊だけで止められますか?たった三機の希望だけではとても守りきれません。ここまで来たなら行政も民間も関係ありません。ただトキオシティを守る、これに集中すべきでは?」

『怪我人が出たらどうする!責任は誰が取る!』

『何勝手なことをしているんだ!』

何か色々言っているが・・・スルガはキレた

 

 

「黙って聞いてりゃカス共、今までのブレインジャックとゴーストジャックを終息させてきたのは俺達だ。そんな中よぉ、日本で事が起きたとき、防衛隊は何をしていた?正面切ってLBXと渡り合ってたのは俺達だ。俺が調べた限りじゃぁ悠長に会議してたみてえじゃねえか。ほんと、お前ら見たらミゼルが人類を管理したいって言い出すのも無理ねえわw」

『何だと!?』

「それによぉ、ここまで俺は手を回せたんだぞ?てめえらの不祥事とか弱みになるもんも当然握ってんだ・・・まだ甘い蜜が吸いたいなら邪魔をするな。最後に言っておく、これは警告だ」

 

 

邪魔な官僚どもの喉元に情報と言う銃口を突き付けて黙らせる。

 

 

「あなた方に働いて貰うのは恐らくもう少し先の話です。その時は、よろしくお願いします」

 

 

そう言い今度は頭を下げた。官僚数名は驚いている様子、ミゼルの通信傍受を警戒し通信を切って、そしてトキオシティ全域のMAPに目を移す

 

 

「ベクターの大軍の中にオーレギオンが居ない所見るとミゼルの第一目標は戦力を削ぐのと・・・分散、混乱辺りだろう。奴にとっての作戦第一段階か」

「当然、次がある。それがオーレギオンの出撃か?」

「いや、決戦と銘打った以上・・・人類への降伏勧告、その最後通牒だ。来るのはオーレギオンだけじゃない。エクリプスも飛来する。何が起こるか推測すると・・・」

 

 

そう言いスルガは黙り込む。頭の中をフル回転させているらしい。そして興味をそそられたアスカがレックスに話を振った

 

 

「なあなあレックス、こいつに何頼まれてたんだ?」

「まずトキオシティ各地にあるLBX販売店への根回し。ハッキング対策のコーティング塗料の塗布委託と配布、そしてブルーキャッツに集まる連中への協力要請だ。ハッカー軍団の協力が合ったといえギリギリだったがな」

「そんなことまでしてたのね・・・」

「今回の事件、本当にこいつが居なけりゃもっと酷いことになってたな」

 

考えを纏めたスルガが顔を上げて口を開く

 

「・・・ミゼルはエクリプスの内部にセト50が有ることを全世界に向け公表するだろうな。攻撃したら地球全体に被害を与える代物、これで一切の遠距離攻撃を封じられ、その上で、滅ぶか従うか選べ

即決即断を求められるとその時点で詰む

タイムリミットが設定されれば・・・希望でミゼルトラウザーに殴り込む。勿論逃げられないようにしてからだが

理想的なパターンは何らかの攻撃で辺り一帯は廃墟になるけどその攻撃のエネルギーの充填のために動けなくなるパターン

山野博士、セト50対策の方は進んでるんですね?」

「ああ。問題点も多いが直ぐにでも実現させて見せる」

「数なら・・・そっちはミゼルの出方次第ですね。理想パターンに嵌まってくれりゃ準備的に楽でいいんですが」

「おい、スルガ、お前のバカに付き合ってくれる奴は大量らしいぜ?」

 

カズがネットニュースと掲示板を覗いていた。困惑が多いがベクターへの抵抗者は爆発的に増えたようだ。キタジマ模型店にも対ハッキング用コーティングの依頼でてんてこ舞いのようである

 

「ならば結構!手始めにベクター共を殲滅する!

俺達はベクターに制圧されたままのエンジェルスター、神谷重工、解体中の海道邸の奪還に動く。トキオシティ中のLBXプレイヤー達が大暴れてくれてる間に陥落させて後顧の憂いを絶つ!」

 

 

ついでに神谷重工相手の交渉材料も手に入る・・・よし

 

「だが俺はまだやらなければいけないことが山積みでな。各地の防衛と攻略はお前らと卓也さんに任せたい」

「分かった。攻略の指揮は任せろ」

「山野博士は引き続きセト50対策の方を、俺はここの防衛とこれからに備える」

 

ついに決戦の時、ミゼルとスルガの地球という名のチェス盤はトキオシティと言う狭いステージに限定された。だが互いの番外戦術はまだまだ飛び交う

 

 

次回、絶対零度の闘志

《決戦 トキオシティ》

 

「ハハ・・・想定通りだ!」

 

 

スルガの本領が、発揮される

 



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トキオシティ総力戦

═トキオシティ防衛戦════

スルガはあの後にオーバードウェポンを配ると言う蛮行に走る。街中のビルの屋上から時折緑の花が開花、枯れ際に大量の黒煙を残したり巨体の爆炎を出現させたりとベクターを木っ端微塵もしくは蒸発させているようだ

 

町中にはキラードロイドも放たれていたようだがルミナスシューターやオーバードウェポンを始めとする火力と数の暴力には敵わない

 

 

═タイニーオービット社頂上════

そこに立つのは三式機龍、数本のケーブルが刺さっており、その先にはアキレスD9、オーディーンMARK Ⅱ、イプシロンΔ零向けの試作エターナルサイクラーが直列に十基ちょいが繋がった物が二基並列接続されている。そして各地向けにオーバードウェポンを放出しタイニーオービットにはそこまでの数はない。だが、ここには奴が居る

 

 

「さ、CODE"G"。仮称第三段階、頼んだぜ、機龍」

 

 

機龍が黒いオーラと紫電を背鰭に纏い口元で紫電のリングを3つ作り出し、熱線を放つ

無限機関エターナルサイクラー、それも希望のLBXに搭載予定だった高出力化試作魔改造品から繰り出される莫大なエネルギーを黒いオーラが熱線のエネルギーに変換しつづけ、余波でベクターを焼き切れるほどの高熱と驚異の射程を発揮、熱線の色も紫色に染まる

 

それがスルガのオーバーセンスにより高い精度で支援され空中のベクターを焼き始めた

 

 

═タイニーオービット社内部═════

 

機龍が迎撃している間リンクの片手間で作業を続ける。スルガはクリスターイングラムと神谷重工から出向してきた技術者経由でとあるLBXを緊急で大量に発注を取り付け中だった。無論やることはこれだけではない。この前にもかなりの数の処理を平行していた

 

 

「少なくとも1000台の無人LBXを管制に必要なんです。最低でも110体ずつ欲言うと150体通信と指令処理で2機で1機の運用を想定してます。」

「成る程・・・具体案は?」

「確かに、今から設計して間に合うか」

「それなら過去に自分が設計したLBXの簡易版を提案させてもらいます」

 

 

現在発注しているのはスルガが作った無人機群の中核であるオリオン・Eとマスターコマンダーの能力を更に特化させいくつかの機能を廃した簡易版の設計をソルジャーに委託していた

 

「電子戦及び通信中継用のオリオン・AWCSと細かい指令をするフロントコマンドです。これには色々用途が見込めるので、これを撃墜時の予備含めて150づつ、行けますか?」 

 

技術者の顔が強張る

 

「分かった。上層部を説得しよう。奪還してくれたのは君の仲間達だ。我が社の威信を掛けても必ず用意する」

「用意したいが・・・今は家にLBXの生産ラインが無い、奪還してから再稼働でも100に届くかどうか」

「それなら、我が社・・・サイバーランスのラインを使ってください。あなた方程の生産能力は無いですが150なら・・・スルガ君、家から提供できるLBX、減るが大丈夫か?」

「大丈夫です。少し余裕は作ってるので補填は効かせます」

「分かった。神谷重工の方とそのフロントコマンドの設計図、貰っていって良いかい?」

「はい。神谷重工の会長には俺の名前をお出しください。ちょっと縁があるので快く引き受けてくれると思います。後制御プログラムはこいつを」

「分かった。行きましょう」

 

サイバーランスの西原と神谷重工の技術者が話を通しに退室する

 

「完成次第空輸するよ。必ず君に届ける」

「お願いします」

 

オリオン・AWCSの設計図と制御プログラムを渡して話を付けにクリスターイングラムの技術者も退室した

 

「よし。最低限はこれでOK、次は」

 

CCMから財前総理に直接電話を掛ける

 

『もしもし、度々すいません、河白です』

『スルガ君か。どうした?何かあったのか?』

『トキオシティにあるスパーコンピューターを借りる事になりそうでして、根回しをお願い出来ないかと』

『分かった。必要なら手を回しておこう。他に何かあるか?』

『今はこれだけです。何かあったら連絡させてもらいます』

『ああ。何でも頼りにしてくれ』

 

「こっちはこれでいい。ドームは山野博士に任せて・・・あとは護衛のLBX・・・はバンとヒロに丸投げしよ。全体システムの構築は・・・ソルジャー委託か。無人機の管制プログラムはシャルナック任せ・・・よし、出るか」

 

イプシロンUCを持ち、正面玄関から外に出る。ここでルナ、ヒノ、シーカー実働部隊、そしてスルガの無人機達が防衛戦をしていた

 

「あ、スルガ遅かったじゃん」

「準備はすんだのかい?」

「後は奴らに任せていい。行くぜベクター共!」

 

 

近くを飛び回りながらベクターに空中戦を仕掛けるスティレットに当てないようイプシロンUCの挨拶代わりのルミナスシューターで三枚抜き、近付いてきたベクターに震刃抜刀、首を斬り落とす

そしてビットを背中からソード三振を展開し集中攻撃、一機一機確実に仕留める

 

「ここにはあんまり寄ってきてない?」

「多分機龍が上であんなことしてるからだ。侵攻経路がほぼ陸路に限定されるから町中のLBXプレイヤーからの迎撃も受ける。機龍のエネルギーはほぼ無尽蔵、ここを落とすのはしんどいぞ?」

 

上では機龍の熱線が二本に増えている。尻尾からも熱線を放ってるらしい

そして機龍視点でVOBのようなユニットを背負ったベクターが超速で侵入を試みているが機龍は逃がさず全て撃墜している

 

 

「教官、フォローお願いします!」

「よっと、完成品のルミナスシューター、使いやすいみたいだな」

 

 

轟雷が持つFCSと高い反動吸収能力がルミナスシューターと良く噛み合うようだ

ビットを更に二基差し向けてベクターの攻撃を妨害、留めに魔改造ルミナスシューターでベクターを撃破

 

「滑腔砲は遠距離じゃベクターに通じない。至近距離から徹甲弾を顔に撃ち込め。運動エネルギーで首関節はもぎ吹き飛ばせる」

「了解」

 

轟雷4機はルミナスシューターと滑腔砲の組み合わせと手持ちのM.S.G.フリースタイルガンを組み合わせ空中で戦闘するスティレットの援護、ハンター改はハンターライフル魔改はルミナスシューターのように貫通は狙えないが撃破までなら十分な威力を秘めていた。各々の装填時間の隙間を上手く埋めて立ち回り、スティレットはハンドガトリングの至近距離掃射で撃破

戦闘は続く。弾薬はブルド改支援型から供給を受けながら継戦、損傷を受けたフレームアームズは予備機に交換し、徐々にベクターの数が減っていく

 

 

「結構・・・キツかったね」

「もう少し来るぞ。まだ気ぃ抜くなよ」

『スルガ、エンジェルスターと神谷重工本社のメインシステムを奪還したらしい。戦いの局面も変わってきたぞ』

「了解、後は殲滅戦・・・それは最初からか。卓也さん、各地のベクターはどうです?」

『順調に倒されているようだ』

「・・・呆気なさすぎる。そろそろ次が来ますよ」

 

 

スルガは空を見る。既にオリオン・Eからの情報ではベクターの増援は止まっているのが確認された

つまり、エクリプスが近付いてきている可能性が高い

原作通りのオーレギオンならば希望三機で確実に仕留められる。どう言う形か予想も付かないが更に強くなってる事だけは確実だし機龍も全力を出さなければ倒せないかもしれない

 

エクリプス・・・ミゼルトラウザー攻略作戦の方も立a

 

 

「おいでなすったか」

 

 

同時にオリオン・Eから巨大飛行体検知のアラートが全員に通達された。それと同時にスルガと機龍が深くリンク、攻撃態勢を取り背鰭に大量の赤い電撃を一層熱線のチャージを開始する

 

そして、スルガが音の方を機龍経由で確認すると黒い鳥が空中でミゼルトラウザーに変形、完全に変形を済ますとミゼルトラウザーは手に持った槍を地面に投擲する。だが機龍が赤く染めた熱線を吐いた

 

巨大な槍と細い熱線の衝突、しかし槍は大きすぎた。空中での威力減衰で特殊合金を焼き切る程度で内部加害は叶わなず槍は地面に突き刺さり・・・とんでもない轟音とともに馬鹿げた地震と衝撃波を発し半径2kmの巨大なクレーターを作り、半径5kmを廃墟と化させた

 

 

「おいおい、まじかよ」

「街が・・・一瞬で」

「あれが、セト50」

「いや、違う。あれはセト50の最小威力ですらない別の衝撃波だ。裏を返せばそれだけであの威力、連発されればひとたまりもない・・・あとに残るのは不毛の土地だけだ」

 

 

そしてスルガのCCMに、いや街中のありとあらゆるモニターが青か緑か、輝くオーレギオン、ミゼルオーレギオンの顔を映し出す

 

 

『全人類に告ぐ。僕に降伏せよ。24時間・・・24時間だけ待ってあげる。それがキミたちにあげる最後の猶予だ。ただし、時間内に降伏しなかった場合、地球を強制的にリセットする。勿論人間も一緒にね。言っておくけどミゼルトラウザーに攻撃を仕掛けられないのは分かっているよね?この中にはセト50が搭載されている。妙なことをすれば、全てが一瞬で消滅する・・・』

 

 

「あらら。好き勝手言ってくれるねぇ・・・おいミゼル、聞こえてんだろ?少しは強くなってるようじゃねか・・・で?そのオーレギオン、大方お前、フルリンクシステムと同じような事したな?」

『へぇ、分かっちゃうんだ』

『そう・・・このLBXは僕自身、ミゼルオーレギオンさ・・・人類の懸命な判断に期待するよ。ああ、一つ言っておくけど僕が求めるのは人類全体の降伏、一部の離反は認めないから』

 

 

 

言いたいことを言いたいだけ言って帰って行った

 

 

 

「拓也さん、怪我人は?」

『分からない。あの辺りは早期にベクターに抑えられて人は完全に避難したはずだがあの衝撃波だ。』

「財前総理に怪我人収容の手回しお願いします」

 

そしてこの状況でスルガは静かに笑う

 

「ハハ、想定通りだ」

 

 

 



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始動、ミゼルトラウザー蹂躙作戦

===タイニーオービット=========夕刻

 

ミゼルがトキオシティの中心部を帰してから30分もしない内に全員がタイニーオービットに集結する。だが顔色はすぐれない

 

「安心しろ。ヤツ自身が袋小路に飛び込んでくれた。それにこれは俺が言ったのにピッタリの状況だ」

「攻撃で辺り一帯は廃墟になるが攻撃のエネルギーの充填のために動けなくなる、だったか?これがどこをどう見れば理想的なパターンなんだ?」

 

ジンがとても信じられないものを見る目で問いかけてきた

 

 

「良く考えてみな。奴は動けず回りは既に廃墟、周りに何一つ気を配らなくて良いことだ。上下左右360°どこからでも攻め放題、セト50を誘爆させてミゼル諸共消し飛ばすことも容易なわけ」

「つまり、何でも出切ると?」

「そ。霧島さん、アレは出来てますか?」

「ああ。後は量産するだけだ」

「アレ?何か作ってたんですか?」

 

ヒロを始めに子供らは頭を傾げた

 

「そういや皆には言ってなかったな。セト50対策だ。霧島さん、説明よろしく」

「グランドスフィア、強化ダンボールから発展したモノです。Optical・Photon・Generator、略称OPG端末をLBXによりミゼルトラウザーの中心の円状に配置することで巨大なエネルギードームを形成、分かりやすく言うと巨大なDエッグを発生させると考えて下さい。このグランドスフィアはOPG端末を大きさに対して十分な数を設置すればエネルギードーム内外からのエネルギーや物理的衝撃を100%吸収出来ます」

「俺が更地になると助かると言ったのはこれが目的、奴は自分を閉じ込める檻、その基礎を自分で作っちまったって訳だ・・・ただ、無視できない問題が一つ。OPG端末を持つだけの無人LBXとその制御は出来そうだが」

「護衛が足りない。少なくとも1万機・・・それにベクターは強い。普通の無人機では戦闘力に不安が残る」

 

 

しかしランが言葉を漏らした

 

 

「そんな数、一体どうやって集めるのよ」

「つっても、集めるしかねえんだろ。でもどうすりゃ良いんだ」

「地道にやっていたのでは間に合わない。どうすれば」 

 

スルガは作戦の為の準備のため部屋を出る。拓也さんはメディアやマスコミに片っ端から声を掛け始める

 

 

「悪い。ちょっと今回は悪知恵を貸せなさそうだ。俺も俺の仕事がな。ただ、頼れるものは何でも頼れ」

「頼れるもの・・・」

 

 

部屋から出るスルガの背中を見て、考える。次に、仲間達を見た

 

 

「スルガじゃない。俺が、俺達自身がどうするべきか」

「スルガさんがやったことを、世界中にやれば・・・」

「スルガがやったこと?」

「スルガさんはトキオシティ中の人々を、その他大勢の人を動かしました。それを全世界に、僕らの言葉で届ければきっと」

 

バンは少し考え込む。というより迷っているようだ

 

「LBXを通じた絆をバン君は信じないのか?」

「確かに、LBXを信じる・・・オタクロス、世界中のインフィニティネットをここに集められないかな?」

「何をするデヨ?・・・いや、成る程のぉ。良かろう!一度、全世界規模のハッキングをやってみたかったんデヨ!」

 

バンの思いに答えオタクロスは早速準備を始める。それを見てルナは「バンらしい」と笑う。そしてヒノと共にスルガの元へ向かった

 

 

 

==レベル4研究室========

 

「やっぱ二人共こっち来たのね。あの馬鹿共と騒がなくても良いのかい?」

「私達はこっちが落ち着くんだよ」

「しかし思い切った事やったな。全世界インフィニティネット同時ハッキングとは恐れ入った。これは歴史の教科書にオタクロスの名が乗るぜ」

「なぁ、スルガ君はどこまで予想していたんだい?」

「今回のことか?」

「ディテクターのときも含めて、まるで未来が見えてるみたいに」

 

 

少しスルガは黙り、ルナは何となくスルガの迷っているのに気が付く

 

「ヒノにはもう話しといたほうがいいかな。ただ、これを言ったなら後戻りはさせないぞ?」

「うん。ヒノちゃんにとってもかなり衝撃的な事だからね。覚悟はある?」

 

ルナが表情から笑みを消して覚悟を問い掛けた

 

「・・・ある!」

「よろしい。スルガ、どうする?」

「ルナ、ヒノへの説明よろしく。俺は一回寝るわ。機龍、俺の意識落として。多分そうしないと俺がおかしくなる気がする」

 

その言葉を聞いた機龍が椅子に座っているスルガの顔を横から思いっ切り尻尾でぶん殴り、結構な痛みと共にスルガの意識を刈り取った。その衝撃でスルガの体は椅子から落とされる

 

 

「準備は出来た。ヒノちゃん、最後に聞くよ。準備は良い?」

「勿論!」

「「フルリンクシステム、起動!」」

 

 

 

 

 

 

==スルガの意識上=======

 

 

 

 

 

ヒノの意識がソルジャー経由、ルナの意識はシャルナック経由で機龍へ、そこで道案内を受けてスルガの中へと入り込む

 

 

「ここがスルガと機龍を繋ぐ場所、ここに入ればスルガのナカに入れる・・・行くよ」

「うん」

 

 

先にルナが繋ぐ場所に近付くとやはり無数の手に掴まれるような感覚で引き摺り込まれる。続いてヒノも覚悟を決めて飛び込んだ

そして一瞬二人の意識は暗転、一見何も無い真っ白な空間に出た

 

 

「ここがスルガの意識の中?」

「その辺スルガも良く調べられてないみたい。ただここに居ると思うんだけど・・・あ、居た居た」

 

 

ルナが指をさした先には体を少し丸めて眠るスルガ、いや、機龍に殴られた姿勢のまま伸びている。現実とリンクしているのか?

 

 

「あらら・・・あれじゃ話し聞けそうにないや」

「今の肉体と同調してるのかな?」

「まあいいや。ヒノちゃん、ここには文字通りスルガの全てがある」

「その割にはさっぱりしてるね。もっとごちゃっとしてるのかと思った」

「確かに・・・あれ?前より画面増えてる。あ、機龍達が見たものも混ざってるの?いや、所々おかしいな」

 

 

ずっと一枚だった映像が所々二個から四個に変動している

 

 

 

「まあ、それはいいかな。ヒノちゃんコレを見て」

 

ルナがスルガの記憶、イノベーター戦役時代の神谷重工でのルシファー戦、サターンでのイフリート戦、FuturHope号でのスルガ暴走戦、それぞれスルガのLBX達がオーバーセンスの域に達したバトルだ

 

 

「これがスルガ曰くフルリンクシステム最大の碌でもない能力、オーバーセンス」

「オーバーセンス?」

「相手が動く前に赤い軌跡の形で相手の次の手が分かるんだよ。詳しい仕組みは分かんないらしいけど一種の未来視だって言ってた」

「恐ろしい程の強さの秘訣がコレ・・・」

「それだけじゃないよ。次はここ、国防基地でのこの映像、ここだけ映像と映像の間に一枚写真が入ってる。これが、不完全らしいけど未来予知」

「未来予知・・・?これもオーバーセンス?」

「こっちはオーバーロードって言うみたい。スルガに聞いたらヒロも使えるんだってさ。多分能力の質はヒロの方が数段高い。って言ってた。スルガは写真で見えてヒロは映像、それと共通するのが五感の強化と反射神経とかが鋭くなるらしいよ」

「うわっ、何これ・・・」

 

FuturHope号でスルガが暴走中の映像の最後の方、Σオービス対3式機龍(CODE"G"仮称第3段階)との決着時の映像

 

視覚的には一瞬で大量の画像が切り替わるだけだが、それ全てがヒロとスルガの頭の中で繰り広げられた数百の戦闘の《映像》であり、そのすべてを直接覗いてしまった二人は一瞬でその全てが強制的に頭に押し込められて・・・理解してしまった

 

二人は体の力が一切入れれなくなりスルガの意識の中で倒れ込む・・・はずだったが、その体をソルジャーとシャルナックが受け止める

 

 

『こんなことになるとは・・・ちょっと僕も想定してなかったですね』

『気になることがある。なぜあのときのルナはこうならなかった?まだスルガに自覚が無かったからか?』

『それはあの時、石森ルナがスルガの馬鹿を救出するのに手一杯であったからであろう。単純だ』

 

 

黒い怪獣の姿を取った機龍も頭の中に登場する

今スルガの脳中には六人居る。一人は気絶してるが多重人格者もびっくりだ

 

 

『しかし、どうしましょうか、これ多分オーバーセンスとオーバーロードの戦闘流し込まれて気絶しましたよね?』

『間違いない。とにかく二人を元の身体に戻したほうが良さそうだ。兎に角、悪い事にならないと良いが』

 

2機に抱えられた二人は目を覚ました。

 

 

「あれ?シャルナック?」

「ソルジャー?何で僕ら抱えられてるの?」

『起きましたか。ヒロとスルガの戦いを無理矢理見せられて気絶しちゃってたんですよ』

『あんな情報量だ、無理もないだろう。スルガも心配する。一度戻ると良い』

「いや、後一つだけ説明しなきゃいけないのがあるの。それだけは絶対に伝えたい」

『・・・分かりました。お二人共動けますか?』

「うん。大丈夫」

「済まない。ソルジャー」

 

 

そうしてルナはヒノをスルガと出会う前日の記憶、2つの人間が交わる所へヒノを案内する

 

 

「これは・・・」

『ここが奴が今のスルガになった瞬間だ。ヒノ、奴は言っていただろう。昔の記憶が思い出せないと、それも恐らくこれが原因だ』

「ヒノちゃん、落ち着いて聞いて。スルガは元々この世界の人間じゃない」

「・・・えっ?」

「私も飲み込めて無いけどここを見て。ここの映像から先、映像が2つになってるでしょ?」

「うん、記憶にしては変じゃない?」

「それに関しては分かんないけど、多分上が元の世界のスルガでの記憶で・・・ここからだ」

 

 

ルナがヒノに見せた映像達、ダンボール戦機シリーズの記憶を見せる

 

 

「えっ、バンに、皆?テレビ画面にゲーム画面?」

『ダンボール戦機。奴が居た世界でこの世界はそうタイトル付けられた創作物だった』

 

 

ソルジャーとシャルナックが説明を変わる

 

 

「ダンボール戦機・・・」

『はい。スルガは元々この世界で何が起きるか、どう解決したら良いのか、そのダンボール戦機で大体全部知ってたんですよ』

「だからあれだけの手を打てたのか」

『でも全てが同じよう進んだ訳ではありません。スルガ自身がダンボール戦機という歴史に介入した結果、この世界独自の歴史が構築され進んでいる。パリでの大規模ブレインジャックそれが最たる例です』

「成る程・・・全く分かんない」

「そうだよね〜、でもスルガのお蔭で世界は少しづついい方向に転がってるんじゃないかな」

『分からない方が良いのだ。漠然と覚えていればそれでいい』  

 

 

機龍がそう締め括る。この世界は元々誰かの創作物かもしれないが、ここに空間があり時間が刻まれ続け人間達は生きている。この世界はこの世界、確かに存在する世界なのだ

 

 

「私が教えてもらったスルガの秘密はこれで全部、ここで話したことは外で口に出したら駄目」

「分かった。僕の騎士道に誓うよ」

「うん。じゃあ、スルガ起こそう。ソルジャー、機龍、シャルナック、帰りよろしくね」

『お任せを』

 

 

後ろで機龍が咆哮する。そうすると機龍のフルリンクシステムに繋がる橋というか、トンネルのようなものが形成されルナとヒノがそこに吸い込まれる。その後を追いソルジャーとシャルナックも穴に飛び込む

 

 

==タイニーオービット======

 

機龍が工業用精製水をスルガの顔にぶっ掛けて無理矢理起こす

 

 

「冷てっ!?首と頭痛えよ機龍!意識刈り取るならもっとスマートにやってくれ」

 

 

残りの水を掛けることでその文句に答える

 

 

「冷たッ!」

「ありゃりゃ、スルガずぶ濡れだ〜」

「・・・タオル持ってくるよ。少し待ってて」

 

 

このやり取りを見てヒノは深く考えないことにした。多分それが正解だろう。ソルジャーがヒノの肩に飛び乗る。どうやら面倒事に巻き込まれそうなので離れたいようだ

 

 

==夜=====

 

 

「分かりました!ありがとうございます!」

 

 

電話越しに帰国して制作指揮に当たっていたクリスターイングラムの技術者からオリオン・AWCSの量産を軌道に乗せ、もうすぐ定数が完成すると連絡が合った。出来上がり次第政府とA国空軍と協力し色々すっ飛ばして直ぐに速達してくれるらしい

 

 

「スルガ君、フロントコマンダーも生産中、予定数は渡せそうだ」

 

 

サイバーランスで生産しているフロントコマンダーも順調、少なくとも夜明けまでに数は揃う

 

 

「これで最低限の準備は整った・・・後はバンとヒロ達が上手く行ったかだな」

「スルガ君、LBXの調達はどうだ?」

「端末持ち無人機及び管制用LBXは大丈夫です。護衛の方は・・・バンを信じるしかありませんね」  

「ふっ、それなら心配要らないだろう。LBXで紡がれた絆は強固なものだ。必ず協力してくれるさ」

「で山野博士、端末の方はどうです?」

「そちらは霧島さん主体で行っている。順調に行けば心配は要らない。それと拓也が呼んでいたぞ」

「りょでふ・・・」

 

 

スルガが大きな欠伸を漏らす。色々やってる上常に3機とリンクしていた為体への負荷も大きいのだろう

 

 

「スルガ君、拓哉との話が終わったら寝たほうが良い。君も攻略作戦で動くつもりだろう?なら尚更だ」

「そうさせてもらいます。さっ、もうひと頑張りだ」

 

 

山野博士がグランドスフィア、その弱点を補うための準備を進める中スルガはシーカー本部へと向かう。

 

 

==シーカー本部=======

 

「はーい、河白スルガさーんじょう!」

「お、拓哉さん、スルガ来ました」

「スルガ、済まないな。疲れてるだろうに」

「いえいえ、ここで勝たねば人類に未来はありません。多少の無理など必要経費です・・・で、作戦実行可能な数の無人機は揃います。護衛の頭数は完全にバン任せですが後は作戦の確度を上げていきましょう。オペさん、ちょっと立体地図をお願いします」

「はい。こちらでよろしいでしょうか?」

 

 

シーカー本部中央の台上にミゼルトラウザーとその周辺が空中に投影される。ミゼルトラウザーの足元にはベクターを示す大量の赤い点が有る

 

 

「はい。これが今のミゼルトラウザー、オペさん、グランドスフィアの投影を」

 

 

ミゼルトラウザーから円上に青い点、こちらのLBXが陣取り、緑色の半球に覆われる

 

 

「恐らくここまではミゼルも様子を見るでしょう。何だかんだ慎重な奴、グランドスフィアの正体を確かめてから動くでしょう」

「もし動かれたら?」

「その時は護衛の開始時間がそこになるだけです」

「分かった。そこからは?」

「ミゼルトラウザーの手足をもぎ取りに行きます。これで奴は動けない。変形の映像解析と元のエクリプスの図面を照らし合わせて各関節の中枢部は見つけました。後は槍の破壊ですね。やらかしてもっかい地震を起こされるとグランドスフィアが崩壊するので」

 

 

トキオシティ中心部を更地にした衝撃波はグランドスフィアと大変に相性が悪い。LBXが展開する以上足場を崩されるのが一番怖い。それ以上に・・・

 

 

「ミゼルに逃げられると最悪だな」

「ま、逃げたら逃げたでその程度の奴だったと言う事です。俺が挑発してミゼルはこの決戦に応じた。そこから逃げる。それは明確な敗北です。そうなったら全人類で死ぬ程煽り倒してやりましょう」

 

 

スルガは笑う。それはミゼル自身のプライドが許さないだろうと

 

 

「まあ、元がエクリプスなんで電子戦が行われるのは確実、ジャミング対策はコントロールポットにはされてますが護衛の方はなんか山野博士が手があるらしいんで任せてます」

「ミゼルトラウザー本体の攻略はどうする?」

「さっき言った通り手足をもいで武器を壊し、アキレスD9、オーディーンMark.II、イプシロンΔ零をミゼルが取り憑いたオーレギオン・・・ミゼルオーレギオンにぶつけます」

「機龍はどうする?4機で当たったほうが確実じゃないか?」

「そりゃそうなんですが・・・ソルジャーとシャルナック、機龍は至近距離に着陸予定のダックシャトルの防衛と遊撃に充てます。いくらグランドスフィアとは言えLBXが通れる隙間くらいはどうしても出てきちゃうので」

「確かにミゼルオーレギオンが出張ってくる事も考えられるのか」

「一応最終手段、本当に最悪の場合グランドスフィアが維持できていたなら・・・機龍で無理矢理セト50を誘爆させます」

「・・・それも手の内」

「ミゼル諸共消し飛ばすということか」

「再三言いますけど本当に最悪の場合です」

「分かった。細かいところはこちらで詰めておく。スルガ、休め」

「あい。寝ます」

 

 

スルガはさっとシャワーを浴びる。その中ソルジャーと交信した

 

なあ、ヒノに記憶見せたけど大丈夫だった?

『なかなか衝撃を受けたみたいだ。後は二人がお前が暴走中の戦闘映像を見て少し気を失った。おそらくオーバーロードとオーバーセンスの戦闘をあの時と同じ時間間隔で流し込まれて処理落ちしたんだろう』

先に言えそれ!・・・ってもなんとも無さそうだしな

『それくらいだ。一応シャルナックと護衛兼様子見をしてるが体調も問題ない』

何かあったらすぐ連絡くれ

『分かった』

 

 

ソルジャーとの交信を切って空いていた個室仮眠室のベッドに入る。起きるとルナとヒノが隣で寝ていた

 

 

 



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決戦 前日

すみません。ちょっと言い訳させてください

サムライレムナントが面白すぎたのが悪い


==タイニーオービット========

夜明けの太陽と外の喧騒を聞いてスルガは目を覚ます。愛しの二人が右腕左腕を抱き枕にしてスルガをじっと見つめていた 

 

 

「おはよう、二人共」

「おはよ。バンの言葉に共感した人、沢山いるみたい」

「スルガの演説も世界中に拡散されたようだ。イギリスの友人からも絶対向かうとメッセージが届いたよ」

「そうか・・・想いは伝わったか」 

 

 

 

スルガは抱き枕にされた両腕を二人のお腹をツツーと撫で上げると可愛い悲鳴と共にすん?ぞ〜」

 

 

ふたりは笑いを堪えるためにスルガの手をより強く抱き込む

 

 

「お、それなら我慢比べだな」

 

 

スルガには時間を無駄にする余裕はないがこの時は三人だけの時間を過ごす

 

 

==シーカー本部========

「すみません、遅れました」

「珍しいな。寝坊か?」

「まあ、そんなもんです」 

 

 

現在、財前総理とNICS本部のクラウディア大統領、カイオス長官と通信が繋がっている

 

 

『スルガ君、君がクリスターイングラムに発注していたLBXは既に空に上がった。高い速度を誇る機体で被害の少ないナリタにもうすぐ届くだろう』

『我が国からもLBXを装備した部隊を派遣しました。指揮権はそちらに預けます』

「カイオス長官、クラウディア大統領、ご協力ありがとうございます」

『協力を申し出たLBXプレイヤーは現在LBXメーカーと日本政府が共同で受け入れ体制を構築している』

 

 

世界各国で協力を申し出をしてくれたLBXプレイヤー達は各国の臨時便や軍の輸送機で日本に集結しつつある。その数は容易に万人を超える見込みだ 

 

 

「これで漸くスタートライン、ミゼルに真っ向から喧嘩売れます」

『作戦の概要は聞いている。警察は分かるが自衛隊の派遣を求めるのはどういうことだ?それも治安出動なんて』

 

 

スルガは財前総理に警察や自衛隊の派遣を求めていた 

 

 

「陣地の構築とか怪我人対応とか色々、後は作戦区画のそれと火事場泥棒的な対策です」 

 

 

なんとも面倒な事にミゼルを信仰する新興宗教があるらしくいざという時その輩の対応も任せたい所だ

 

 

「作戦準備は少し遅れ気味ですが順調です。ベクターの物量に抵抗するだけのLBXプレイヤー達も当初の想定より多く頼もしい限りです」

『総人数は2万人を超える見込みだ。正直受け入れ体制のほうが間に合っていない』

「嬉しい悲鳴と受け取らせてもらいます・・・何かご質問は?」

『概要の説明はMr.ウザキから書類を受け取って』

突然、カイオス長官とクラウディア大統領の通信が途切れる

「ちっ、なにをやられた?」

 

 

そういやNICS本部が完全閉鎖されるとか合ったな。やっべー、完全に忘れてた

 

 

「駄目です。どの回線でもコンタクト出来ません」

「ジャミングか!?」

「いえ、それなら海底ケーブルの有線ネットが生きてるはずです。Lシティの国防基地への通信は?」

「少しお待ちを・・・繋がりました!」

『こちら国防基地、あなた方は』 

「NICSの実働隊です。早速で悪いんですがNICS本部と連絡が途絶しました」

『NICSと?分かった。少し待て。状況を確認する』

「山野博士、拓也さん、ここの確認はしておきますんで他をお願いします」

「頼んだ。GSの確認に入る」

「分かった。何かわかったらすぐに教えてくれ」

それから五分程経ちLシティの国防基地から連絡が入る

『現在NICSへの通信がほぼ出来ない状況だ。確認の部隊を派遣するらしい。事態が正確に把握できるのにはもう少し掛かりそうだ』

「ありがとうございます」

 

 

さてと、NICSと大統領が使えなくなった・・・ま、ここまでくればそこまで関係ないか

 

 

「さってと、俺が後やらなきゃいけないことは、無人LBXの受け取りと試験かな。財前総理、受け入れの方は引き続きよろしくお願いします」

『任せてくれ』

「あ、そうそう。近場のスパコンレンタルどうなってます?」

『急だがなんとかなった。いつでも使えるぞ』

「あざす!」

 

 

会議を終わらせる。既にサイバーランスのラインで製造されたフロントコマンダーは納品されているので手持ちの4機のオリオン・E、マスターコマンダーとの接続テスト、更にスーパーコンピューターとの接続テストは・・・人に任せるか

後は届き次第ここにフロントコマンドを混ぜるだけ。無人機も次々届いて数人で試験に入る

 

 

「ん?どしたシャルナック?」

オリオン・AWCSがもうすぐ届くらしいです

「え?いくらなんでも早すぎね?民間航路で10時間くらいだろ?」

 

 

大統領令で高速戦略爆撃機を稼働、A国空軍、航空自衛隊の空中給油機を何機かあらかじめ空中待機させる荒業で巡航速度を無視したみたいです

 

 

「なーるほど。中々目茶苦茶したな。なら試験時間も十分取れるな」

念話?をしながらシーカー本部からレベル5研究室へ移動、取り敢えずバンにダル絡みをしにいこう

 

 

 

 

 

==レベル5研究室=========

「皆お疲れさん。それにしてもバン、全世界同時ハッキングなんて思い切ったことしたねぇ」

「トキオシティ全域をハイジャックしたスルガが言う?」

「おっと手痛いカウンター。で?希望のLBXは使いこなせそうかい?」

「もうバッチリ!今ならスルガにも負けないよ!」

「お、頼もしいなぁラン、ヒロ、お前はどうだ?」

「だいぶ癖に慣れてきました。けど、完全に性能を引き出せてるわけじゃ無い気がします」

「まあ、ヒロなら使いこなせるよ。俺が保証するっと、こんなことに言いに来たんじゃないや。ジェシカ、さっきNICSと通信が途絶した」

「・・・え?」

 

 

ジェシカにさらりと言い放つ

 

 

「Lシティの国防基地と連絡が取れたんで現在状況の現地確認中、映像の途切れ際からして物理攻撃を受けたわけではなさそう」

「パパは無事なの!?」

「分からん。大統領も一緒に生死不明、タイミング的にミゼルの仕業だろうけど」

『正解だ』

 

 

突然スルガのCCMにミゼルの声が流れてくる

 

 

「おい突然来るな心臓に悪いだろ」

 

 

問題はそこではないが、スルガはささっととルナのCCMを壁際の机に置く

 

 

「どういうことよ!」

「でもよお、このタイミングで何の声明も出さないってのは、俺以外を動揺させるくらいしかないだろう?それにお前、俺はA国大統領くらいなら・・・後に美談扱いするに決まってんだろ」

 

 

ジェシカの心情に少し配慮しながらオブラートに包みさらっととんでもないことを言っているが、このくらいはいつものことだ

 

 

『別に君等に対したデモンストレーションじゃないよ』

「まあそうやろうな。A国大統領を監禁出来たということが重要、他国首脳らへのパフォーマンス。いつでも生殺与奪を握れるということの見せつけ、細かい意味もいくつかありそうだけど大体こんな所だろ。で?わざわざ答え合わせだけしに来たのか?」

『河白スルガ、君と僕は気が合いそうだ。僕と組まないかい?勿論君と石森ルナ、コンゴウヒノのこれからの安全は僕が保証しよう』

「は?今の今で裏切り提案?しかも皆が居る中で勧誘?お前のブレインイカれてんじゃねえの?それともあれか?裏切りの不和残したいとか?流石に状況選べよ」

 

 

あまりの謎行動にスルガも思考が空転しまくりまともに考えが出力出来ずにいる

 

 

『やっぱり駄目か・・・なら、君達の抵抗、少し楽しみにしてるよ』

 

 

そう言いミゼルは帰って行く

 

 

「えっ?ええ?」

 

 

依然として混乱中のスルガ、今更ミゼルに付く気など、毛頭ないが・・・

 

 

「おーい、スルガー」

 

 

ヒノがスルガの眼の前で手を振るが特に反応を返さない。心はここにあるが周りの情報が入っていない

 

 

「ありゃ珍しい。スルガがキャパオーバー起こしてる。こりゃ目覚めのキスじゃ駄目かもね。ちゃちゃっとビリビリしてみようか。機龍、お願い」

 

 

機龍が肩に乗り肩にメーサーブレードを突き刺し、問答無用で電気を流す

 

 

「アギャッ!?」

「あ、戻ってきた。大丈夫?スルガ」

「あー・・・大丈夫大丈夫。痛ってー。機龍お前直接刺して流したな?腕の痙攣止まんねえんだけど」

「あ、救急箱貰ってきます」

 

 

ヒロが医務室へ。機龍は動かなくても手足はあるだろと言い放つ

 

 

「しっかしミゼルのやつほんとに何がしたいんだ?まるで訳分からんぞ」

「意外と意味なんて無いんじゃない?スルガを混乱させるのが一番の目的とか」

「あー、確かに。ならもう忘れよう」

 

 

戯言として片付けても良いが一応頭の隅にだけ置いておこう。作戦発動までもあと少しだ

 

 

「皆、揃っているのか?」

「あレックス、どしたの?NICSならミゼルが閉鎖したとさ。ご丁寧に連絡入れてきたぜ」

「そうか。拓哉に報告しておく。スルガ、拓也から伝言だ。そろそろ本格的に休めと」

「えー、結構寝起きで体力もあるよ?」

「こなしてきたしでかしとこれからのやらかしに対して明らかに休息が少なすぎる。それにここ最近タイニーオービットに缶詰だろ?それに寝てる間もお前はLBXとリンクしてる。脳を休ませとけ」

「さすがに今休んでる余裕ないって。やる事あんのに」

「それくらいは俺達が回す。ルナ、ヒノ、こいつを休ませてくれ。方法は問わん」

「「はーい」」

「わーったよ。タイニーオービットの近場に居る。機龍、お前も来てくれ。護衛くらい欲しい。レックス、何かあったら連絡だけちょうだい」

 

 

ルナとヒノに手を引かれ

 

 

「取り敢えず甘い物食べに行こー。」

「じゃあいつものとこ・・・そもそもやってんの?」

「えっと・・・あら、お休みだ」

「無理もないよ。トキオシティ全域の戦いでライフラインも無事じゃ無いんだ」 

 

 

どうやらルナは甘味を諦められないようで何か色々探している

 

 

「ヒノ、中々のハードスケジュール続きだが体調大丈夫か?無理はしてないか?」

「スルガに比べれば全然さ。ルナもこの調子なら大丈夫だね」

「なら安心したよ。次、最後の戦いは無茶と無理の連続になる。多分今が最後の休息だ」

「あ、ヒノちゃん、スルガ、近くに開いてる喫茶店あるみたい。ココにしよー!」

「よく開いてる店あったな・・・鉱石喫茶?」

「個人の趣味の店みたい。評判も悪くないみたいだ」

「決まりだね。行こー!」

 

 

ルナに手を引かれて走り出す。目的の鉱石喫茶はタイニーオービットの程近くにあるらしい

 

 

==鉱石喫茶=========

こぢんまりとした店内にはアメジストのようなカットされた宝石やその原石、兎に角多種多様な鉱物が飾ってあり上品なカラーグラデーションを醸し出していた。テーブルも御影石などが使われていて家具には岩のような装飾が施されている

外とはシャットアウトされていてまるで洞窟の中のようだ

 

 

「いらっしゃいませ・・・3名様ですね?カウンターへどうぞ」

 

 

物静かな白髮白髭の初老の老人が店主のようだ胸には何か黒い宝石のブローチをしている

 

 

「すごい・・・あんなに大きなクリスタル」

「こんなにたくさんの種類が」

「すげえなぁ。マスターの前職は宝石商ですか?」

「いえ、現役ですよ。お店は趣味で始めました。お探しの石があれば気軽にご相談下さい。ご注文はお決まりですかな?」

「このアメジストパフェとカフェオレで!」

「僕は紅茶と・・・スコーンを」

「コーヒーとトースト軽食を。豆はオススメで」

「畏まりました」

 

 

探している鉱石・・・餅は餅屋か。創りたいのもあるし相談してみるか

マスターはテキパキと三人が注文した物を準備している。スルガの中には作りたいものは確固としてパーツは完成している。それと納得いくパーツになるものが見つけられていなかった。スルガにとって大切なものになる分、妥協する気はなく、けれど探す余裕とツテがない

 

 

「お待たせしました。ごゆっくりどうぞ」

「どうも」

「おお、食べるのが勿体無いくらい綺麗」

 

 

紫のゼリーやベリーが散りばめられたパフェをルナはどう食べ出す物か迷っているらしい

 

 

スルガも出されたトーストを齧りコーヒーを飲みながら、ミゼルから送り付けられてきていた映像を見ていた

 

 

「そう言えば、この映像、君ですね?」

 

 

そう言ってマスターに出されたのはトキオシティ全域に出した映像だった

 

 

「・・・えぇ。何でこんな事してるかは聞かないで下さい」

「君もこの街が好きなのですか?」

「いや、この二人が好きなんです。二人を守るついでに色々守る。それが俺のやり方なんで」

「でもスルガ、何だかんだ皆の事助けてるよね」

「まあな。眼の前で死なれるのも後味悪いし、放っておいたら後から面倒になるし、本当にそれだけだよ?それにある程度ゲリラ的抵抗は出ただろうよ。コーティングという対抗術を提供して、ある程度統率を取れば小さな抵抗もより大きな力になる。俺はその切っ掛けを作ったに過ぎん」

 

 

そう言い残ったトーストを口に放り込む。他愛のない雑談を交わしながら会計の時間

 

 

「ふたりとも先出てて。会計済ませるわ」

「自分の分は自分で出すよ?」

「構わん構わん」

「スルガが良いって言ってるし行こー」

 

 

ルナに連れられてヒノは店外へ

 

 

「マスター、探してる鉱石があるんですが・・・」

「ほう?」

 

 

宝石商と連絡先を交換して鉱石の見繕いをお願いする

 

 

「よろしくお願いします」

「はい。いいモノを見繕っておきます。ではご武運を祈っております」

 

 

 

スルガも店の外ヘ。その後も近所の公園でベクターと戦っていた戦士とバトルしたりしてレックスから帰還命令が下された

 

 

 

==タイニーオービット社 シーカー本部========

 

「戻りました〜。レックス、なんかあった?」

「ミゼルトラウザーから高いエネルギーが観測された。何が起こってるのかはわからないが」

「ふーん、ふむ?」

 

 

発生したエネルギーの強さや波形を見てスルガは少し考える。タイニーオービットでやったオーレギオンの起動試験、エターナルサイクラーの全力運転の形に近い

 

 

「あー・・・これ速攻カチコミかけたほうが良かったかもしれん」

「スルガ、どう言うこと?」

 

 

バンが首を傾げる。スルガも想定していた一つであった

 

 

「多分、波形似てるしオーレギオンのエターナルサイクラーの全力運転じゃね?ちょっと違うけど、もしかしたらミゼルオーレギオンは完全に完成してなかったかも」

「恐らくそれだけではない。同時に未知のエネルギー波形を検知した」

「どれどれ・・・なんだコレ?」

「分からない。新たな技術を作り出したのだと推測しているが」

「訳わかんねーのは今に始まった事じゃない。それで?作戦開始はいつ?」

「丁度4時間後だ。回答時間の1時間前、ここでお前が考えた人類存亡を掛けた作戦《希望》を発動する」

「さてと、最終準備までギリギリ間に合いそう。皆無理無茶苦茶したなぁ」

 

 

スルガは少し感慨に耽る。ほぼ無理矢理世界を一つに纏めて悪知恵をぶん回しながらここまで来た。そして拓也から作戦説明が始まる

 

 

「改めて作戦概要の説明をする。まず俺達は作戦前にGS予定地から少し離れた場所にダックシャトルで陣取る」

「俺から補足だ。防衛隊とかの協力で周辺に陣地を構築している。共に戦ってくれる戦士達と無人LBXはそこから出陣、以降の作戦行動に入る」

「そこから一斉に各LBXを展開、GSを構築する。正常動作が確認され次第ミゼルトラウザーの各関節中枢にコントロールポットとジャミング対策をした新型ライディングソーサーを用いて強襲、ミゼルトラウザーの動きを封じる」

「ここの段階でミゼルからGSに向けて大量のベクターや妨害電波とかありとあらゆる手段を使って邪魔してくるだろう。それはこちらで全て捻じ伏せる予定だ。お前達は気にしなくていい。攻略に専念してくれ」

「その後、胴体に確認された司令部に殴り込んでもららう」

「そこでミゼルぶっ飛ばしてエンディングって算段だ。細かい配置はまた後からな。一つ言っておこう。この作戦で命の保証は出来ない。最悪全員纏めて御陀仏の可能性もある。もう一度ゆっくり考えてくれ。それでも参加するかをな。逃げたかったら逃げても良い。その選択は誰も責めない」

 

 

そう言うと覚悟を問うかのようにスルガの目つきが鋭くなる。それを合図に会議は解散、スルガもLBXのメンテナンスを始めた

 

 

「機龍、ソルジャー、シャルナック、間違いなく今まで以上の激戦になる。どうする?」

(ここまで来たら泥船だろうと乗るだけだ)

(ええ。このために色々してきたんすから、最後で付き添ってもらいますよ?)

(・・・!)

「そうか。なら良かった。俺も遠慮なく戦える」

 

 

視界の端で扉が開き、入ってきたのはバンとヒロだった

 

 

「今、時間大丈夫?」

「ああ。どした?」

「スルガさん、僕らは全員ミゼルと戦います!」

「だろうな。わざわざそんなことを言いに来たのか?」

「それもそうなんですけど、それだけじゃなくて・・・実は機龍とスルガさんがミゼルオーレギオンに、その、殺される映像がさっき浮かんできたんです」

「ほう?俺ら死ぬんだってよ機龍。映像の前後は?」

「多分ミゼルトラウザーの司令部で、何か、結晶のようなものに・・・」

「串刺しか?」

「はい・・・」

「俺のことだから嘘かもしれんのが質悪い。まあわかった。頭の隅に置いとくよ」

 

 

ふむ、死か・・・それに結晶?俺の知らないミゼルオーレギオンの隠し手?あらたな力?

 

 

「結晶ねぇ?バン、どう思う?」

「うーん・・・ミゼルオーレギオンの武器かな?」

「そこは一致か。変形の武器のようなもの?ヒロ、どうだ?映像は?」

「えっと、オーレギオンは離れた位置に居たような気がします」

「ならビットのほうじゃない?」

「だな。ただ結晶ってことはある程度の形状変化くらいミゼルならしてきそうだし要警戒ってことで。バン、軽くランにも共有しといてくれ」

「分かった」

 

 

どう足掻こうが作戦発動まで時間は無い

まさに世界の命運を賭けた決戦、死合い。地球上を将棋盤にした二人の決着の時は直ぐそこに迫っていた



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発動、作戦《希望》





--作戦〈希望〉発動直前

 

全ての準備は整えた。既に参加するLBXは万全のメンテナンスをされいつでも全力を発揮可能

ダックシャトルの中に設けられた司令所にはシーカー、自衛隊、各国軍のオペレーターが拓也やスルガから降ってくる指示を各部へ振り分けが行われる場所だ

 

 

 

 

 

 

==数刻前========

 

ソルジャーらにメンテナンスを施しタイニーオービット社のシーカー本部にスルガは居た

続々と集まるいつもの面子の顔を一通り見て口を開く

 

 

「全員参加とは、お前ら命が惜しくないのか?」

「勿論怖いです。でも、ここで逃げたら一生後悔します!」

「ヒロらしいな。他も似たようなもんか」

「泥舟だろうと小さな艀だろうが乗りかかった船だ。ここまで来たら地獄の底まで付きやってやるよ」

「頼もしい言葉あざす仙道ニキ・・・なら、最後の作戦説明をします。拓也さん、全体を」

「まずはグランドスフィアを展開する。全てはそこからだ。大量の無人機にGS端末を持たせてミゼルトラウザーを包囲の後グランドスフィアを展開、内外からのベクターの侵攻阻止は協力を申し出てくれた戦士達に担当してもらう」

「ミゼルトラウザーの改造前はエクリプス、パリ全域に電子戦仕掛けたのは記憶にはまだ古くないだろ?妨害電波やらハッキング対策は脅h・・・人類のためにお願いして色々持ち込んだ」

 

 

全員の意見がスルガはまた悪い事してるで一致する

 

 

「まあ、お前達が全力を出せるようにに取り計らった。これが突破されたら各部撃破に妨害電波発信部の破壊が追加されるだけだ。気にするな」

 

 

シーカーの液晶画面に全体のmapを映し出される

ミゼルトラウザーを中心に様々な記号が記されている

 

「まず大まかに防衛ラインを東西南北に分けた。この全ての地域ないしある程度のベクターがグランドスフィア護衛と衝突したタイミングで」

「俺達の出番ってわけだな?」

 

 

カズが拳と手の平を強く突き合わせる

 

 

「そうだ。オタクロス、里奈君の知恵とスルガの技術を借りて新型ライディングソーサーを用意した。ミゼルからの妨害電波の中でも問題なく稼働できる」

 

 

今まで使ってきたライディングソーサーはシャルナックが魔改造

新たな名はライディングソーサーG型

LBX用の大型機関砲やらランチャーやらで武装させてグランドスフィア防衛用の近接航空支援機に仕立て上げた

 

 

「担当場所はこの通りだ」

 

 

右腕 海道ジン ジェシカ・カイオス 古城アスカ

左腕 灰原ユウヤ 川村アミ 青島カズヤ

右脚 風摩キリト 郷田ハンゾウ 仙道ダイキ

左脚 河白スルガ 石森ルナ コンゴウヒノ

 

 

「ライディングソーサーで各関節の侵入ポイントに向かい内部に侵入、関節の中枢部に向かってくれ」

 

 

モニターに各部の侵入ポイントが拡大される

 

 

「だが中枢部に至るルートは不鮮明だ。道中のベクターを撃破しながら捜索してくれ。飛行中枢部に到達したら追手のベクターとかを撃退しながら待機、同タイミングで中枢部を破壊、ミゼルトラウザーの動きを封じ込める。そして」

「バン、ヒロ、ラン、お前ら3人それぞれアキレスD9、オーディーンMark.II、イプシロンΔ零を駆ってミゼルオーレギオンをぶっ飛ばしてこい」

「あれ?スルガと機龍は行かないの?一番オーレギオンと戦ってるのもスルガじゃん」

「ぶっちゃけこの作戦の一番の問題点、何処かしらにミゼルオーレギオンが出張ってきた瞬間瓦解する。意外と薄氷の上なのよね。だから機龍はダックシャトルでミゼルオーレギオン又はそれに準じる戦力へのカウンター、撃破は叶わなくとも足止めは出来る。そのときはその時でお前らに全力で戻ってきてもらうだけだ」

 

 

本当は二機二機で分ければ良いのではないかという話は勿論出たが中途半端に戦力を二分するより片方に集中させた方が各個撃破のリスクが減るとの総合判断である

 

 

 

「勿論内部でミゼルオーレギオンと会敵したら状況が許せば機龍と一緒に駆けつけるさ」

 

 

 

これで作戦内容は大体共有した。細々とした質問に答えながらやがて作戦開始時刻となる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

==作戦開始前========

 

 

 

 

作戦立案者として、スルガはコントロールポットの中から発言した

 

 

「全体、良いか?」

「北方問題ありません」

「東方不備なし」

「南方いつでも」

「西方行けます」

「GS端末持ち無人LBXとAWCS機、前線指揮官機との通信、有線無線共にオールグリーン!」

「グランドスフィア防衛戦士達へのCCM情報リンク正常動作確認!」

『コントロールポット組、いつでも出れます!』

「ならば結構!拓也さん!」

 

 

各部異常なしの報告を受けて全体指揮の拓也が時計を覗く。少し待ち、ミゼルからの通告時刻の一時間を迎える

 

 

「これより希望を発動する。作戦第一段階、グランドスフィア展開用意!」

 

 

指令所に設置されたマスターコマンダーの目が細かく点滅、全体に司令を下す

オリオン・AWCSとフロントコマンドを経て司令は全体に一斉に伝達され瓦礫に隠れて居たメーカーもフレームもバラバラなLBXが一斉に移動を開始、ミゼルトラウザーを中心とした円上に整列し始める

 

 

「グランドスフィア展開LBX移動率87%、順調です」

「護衛の皆さんのご準備を、直ぐにでも展開します」

 

 

霧野秘書も各所と連携を取り拓也をフォローしていた

 

 

「全体移動率93、97、99、100%!」

「グランドスフィア、展開開始!」

 

 

山野博士が霧島さんや結城さん、残ってくれた技術者達とグランドスフィアの展開状況をリアルタイムで調整しながら空色のレーザー光線が端末から照射され、格子状に形作られ、徐々にミゼルトラウザーを薄い膜が取り囲んでいく

 

そして、ミゼルトラウザーがドームの中に収められる

 

 

「グランドスフィア、正常動作を確認、成功です!」

『そうじゃなきゃ困りますぜ』

「各部防衛戦開始!ある程度の指揮は各部に任せる。ベクターとの戦端が開かれ次第コントロールポット部隊を出撃させる」

 

 

ある程度内部に居るであろうベクターをグランドスフィアへの対応で外に出し、少しでも手薄にしたところでカチコミをかける

 

 

『スルガ、イプシロンで大丈夫なの?』

『ああ。ベクター相手なら問題ないしほぼ同一原型のコアスケルトンのソルジャーが時間稼ぎは出来た』

『慣れた機体の方がいいんじゃないかい?』

『別に通常操作系統でもバンとジンに張り合えるくらいは実力あるよ?それにお前らの前だからやる気とテンション天元突破よ』

 

 

ダックシャトルには襲撃対策にスルガのソルジャーD、シャルナックが直衛

一部シーカーの実働部隊と銀龍は苦戦を強いられている場所への増援勢力

そして機龍もグランドスフィア方面にミゼルオーレギオンが出てきた時のカウンターとして臨戦態勢で待機中

シーカー実働部隊の大半は防衛隊と在日A国軍の護衛をしている

 

 

「ミゼルトラウザーが動きを見せました!」

 

 

モニターには手持ちの槍を投げる姿勢で構えるミゼルトラウザー。そして、投げた

薄い膜に槍が衝突、地震を起こしたエネルギーを流し込もうとするが

 

 

「あの程度なら問題ありません。」

 

 

全てのエネルギーを吸収し跳ね返した

 

 

「西方ベクター確認、戦闘開始してください」

 

 

続々と出現するベクター、名乗りを上げた戦士達が盾を守るため、その隙に鉾を突き通すために戦い始めた

 

 

「いい感じです!ベクターを抑え込めています」

「・・・拓也、多分ミゼルは本気じゃないぞ」

 

 

レックスがスルガが用意した資料の一つ、ベクターの総数予想、ミゼル側の作戦予測を見る

 

 

「どこかのタイミングで本命をぶつけて来る・・・電波妨害のタイミングか・・・ならばこちらから打って出る。全方向でベクターとの戦闘が始まった。事前振り分けの通りミゼルトラウザーの四肢に強襲を仕掛ける」

『『『『『『了解!』』』』』』

 

 

「やはりというべきか、こちらに向かってくるベクターが多いな?シーカーの部隊の一部を差し向けろ」

「了解!新型FAの実力見せてやりますよ!」

 

 

シーカーに試験配備された新型FA、バーゼラルド

5機だけ作った対ベクターのエース用高機動フラッグモデル機だ

 

 

「コントロールポット部隊、出撃せよ!」

 

『一人でも良いってのによ・・・出るぞ、フェンリルフレア!』『そう言うなって。ぶっ壊すぜ!ハカイオー怒愚魔!』『遅れを取るなよ?悪夢を魅せてやれ。ナイトメア・フィアー』

 

『僕らは左腕だね。さあ、頼んだよ!リュウビホウオウ!』『カズ、ユウヤ宜しくね。行くわよ、パンドラ!』『おう!どれだけでも撃ち抜いてやるぜ!アキレス・ディード、出撃だ!』

 

 

『キャプテントリトーン、出撃する!』『ミゼル、貴方を倒してパパを・・・行くわよ、ジャンヌF!』『行っくぞー!ワータイガー!』

 

 

『スルガ、この戦いも勝つよ!シャルナック・ムーン!出るよ!』『A・アーサー、我が魂に掛けて約束をされた勝利を!』

 

 

そして、スルガ

 

 

『最早多くは言いません。勝ってこい!俺も勝つ。行くよ、イプシロンUC。この戦いに、ミゼルに終止符を打つ!』

 

 

新型ライディングソーサーが次々とカタパルトから射出される

グランドスフィアの隙間をくぐり抜け更に速度を上げ各々の侵入地点に向かい一直線、イプシロンUC、シャルナック・ムーン、A・アーサーは左足の股関節付近に着地した

 

 

『着地後は現地判断を優先してくれ。頼んだぞ』

『早速おいでなすったぜ。突破する!』

 

 

立ちはだかるベクターの集団に改造ルミナスシューターで薙ぎ払い各々の高速性を活かして突破、スルガはシールドビットを巧みに使い足場の構築とベクターの嫌がらせを行いA・アーサーとムーンが切り込みはじめる

 

 

そしてグランドスフィアを打ち破るためミゼルが動いた

 

 

『ミゼルからの妨害電波です!』

 

 

ミゼルトラウザーからのジャミング、それと同時にグランドスフィアを形成するLBXとの通信途絶、グランドスフィアが解除されてしまう

 

 

『予測の内デヨ。山野博士、遥たん、準備は良いデヨ?』

『ええ。他との連携も確認済みよ』

『バックアップの姿勢は万全だ。大人は大人の戦いをする!』

 

 

自衛隊と在日A国軍の通信車両と各所に配置されているオリオン・AWCSからECCMが発せられ再びグランドスフィアが形成され始める

 

オリオン・AWCSとフロントコマンドを大量に配置したのは原型がエクリプスであるミゼルトラウザーからの広域ジャミングなど分かりきっていた事であり知っていた事

 

原作では山野博士がミゼルトラウザーの足元でジャミングを相殺していた。

だが今は強いジャミングには数の暴力で抵抗、そして防衛隊と在日A国軍の協力もありガチ電子戦用装備を出せるだけ出してもらい更に強固な対ジャミング対応を構築、運用している

 

ミゼルトラウザーの中のミゼルもこれには舌打ち

 

これに対処しようにも自分は鳥籠の中、ベクターを派遣してもシーカーのフレームアームズが警備中、単機で混乱させようとしてくるベクター相手に手は打っている

 

 

ついでに全てを総括している指令所、ダックシャトルを襲撃しようとすればソルジャーD、シャルナック、機龍、レックスをなんとかしなければいけない。無理ゲーで草



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決戦、ミゼルの四肢をもぎ落とせ

==ミゼルトラウザー左足======

 

 

『ルナ、右から行くよ!』

『おっけースルガそっちは大丈夫?大分ベクター多くない?』

『その分手札も多いから大丈夫』

 

 

ビットを温存しつつも予定より早く進めている。時折追手のベクターを震刃で斬り伏せながら進み五分程で関節中枢に辿り着く

 

 

『スルガ、キラードロイドだ。多分改造されたワイバーンとベクター、でも姿が少し違う?』

『あれが中ボスね。二人共、準備は・・・聞くまでも無いか』

『私もムーンも絶好調だよ!』

『おうとも!行くよ!』

 

 

イプシロンUCが少しシルエットの違うベクターを狙撃、しかしベクターに当たる直前にエネルギーの塊が放射状に霧散する

 

 

『障壁?・・・指令所へ、ルミナスシューターを弾くベクターが居ます。これより交戦を開始、他のチームにも伝達を』

『分かりました。ご武運を』

『ヒノ、二人で前衛を張るぞ。あの障壁の性能を確かめる。ルナ、実弾ぶち込め!』

『分かった。行くよ!』

 

 

こちらに気が付いたワイバーンIIが胸のコアを輝かせてKフィールドを展開した

 

 

map 廃墟 KillerDroid《ワイバーンII》

アンリミテッドレギュレーション

バトルスタート

 

イプシロンが震刃を手にビット込みのホバリング高速機動でベクターとの距離を詰めにかかり

遅れてA・アーサーはワイバーンに挑む

 

障壁持ちの改造ベクターは六機、ムーンが電磁機関銃を構えて発砲、射撃はベクターの装甲に阻まれる

 

実弾は通った・・・対エネルギー武器用のシールドか?

 

つづいてワイバーンからの銃撃が降り注ぐ。イプシロUCは二枚ビットシールドで防ぎA・アーサーは空中に回避

 

両腕のビットから牽制射撃をばら撒き、射撃が防がれるかを見るが、障壁に阻まれた

 

 

『こいつらには物理攻撃しか通らねえか?司令室、こいつらには物理攻撃しか通りません。共有を』

『了解、全体へ―――』

 

 

一番近いベクターを襲撃、初撃は速度を乗せた震刃での突き・・・に見せかけ直前で手を離し貫手でベクターの首に掴み掛かり周りからの攻撃は四枚のビットシールドとルナの援護で退ける

掴んでいるベクターがベクターアックスで反撃を試みるが持っている方の腕のビットをソードモードにした

 

 

『零距離ならバリアは関係ないようだな』

 

 

伸びていくビームの刀身がベクターの顔面を焼き切る

やがて頭を貫きスルガはビットと共にその場から離脱する。一機撃破

 

 

『よし。ヒノ、そっちは?』

『大丈夫。アーサー王を目指す我が身、邪竜一匹程度、討ち取ってみせよう!』

『こっちでベクターを仕留める。ルナ、ヒノの援護を』

『分かったよ!』

 

 

イプシロンUCと対峙する残りの改造ベクター5機

ソード持ち二機とガン持ち三機それとビーム、レーザー無効ね・・・こりゃ骨が折れる

 

 

『ま、やるしか無いんだけどさ』

 

 

ソード持ちがイプシロンUCに接近、ガン持ちが散開し多方向からの銃撃でそれを援護してくる

 

それに対して腰と足、ビットを6基展開、シールドを二枚用意して二機からの射撃を防ぎ、今度は背中から2基を分離させソードビットとしてベクターからの攻撃を捌く

 

オーバーロードで脳の処理能力や五感、空間把握能力をブーストした狂気の8基同時管制、更にイプシロンUCの操作、ハッキリ言って人間技じゃない

 

これは流石にキツい・・・ソルジャー!シャルナック!どっちか手伝ってくれ!

シールドの操作は任せろ。シャルナック、周辺警戒任せた

 

更に右腕のビットが分離しソードビットが3基に増える

シールド二枚の操作権がソルジャーに移行されスルガの負担が減りイプシロンは更に攻めに掛かる

 

 

『よし、これで決める!』

 

4基のソードビットで片方のベクターを足止め。その隙にシールドを割いていないベクターからの射撃を避けながら戦闘、剣の打ち合いの途中に震刃に炎を纏わせる

 

 

アタックファンクション

ブリッツフレイム

 

 

全ての炎を一閃に集中させベクターの左肩から首を斬り上げた

だが飛び退かれて胸部装甲を傷つける程度に留まる

 

 

あの傷なら貫けるか?至近距離からの刺突なら行けそう。なら向こうからも来てもらうか

 

 

間合いを詰め続け仲間撃ちの誘発を狙う。そして唐突にグレネードL手に持ちそのまま落として軽く蹴り込むとベクターの股下をくぐり抜けそのまま起爆、イプシロンUCにはベクターが盾になり爆風はほぼ届かない

 

爆風に煽られたベクターはイプシロンの方に飛ばされてくる。そこそこ刀身のある震刃で貫きは間に合わないと即決しの左腕ビットの呼び戻しソードモードで先の傷口にアッパーを決める

 

障壁とソードビットでエネルギーがスパーク、しかし障壁作動範囲の内側に無理矢理押し込む

 

対エネルギー障壁に気づいた上で同じ手を使うと気取られ無かったようだ

 

ベクターソードを振り回してくるが足止めに使っている一基をこちらに回して特徴的な先割れの先端を引っ掛け一瞬動きを鈍らせる

 

やはり武器の先端までは障壁範囲外のようだ。ベクターがソードビットを振り払おうとした刹那を見切りソードモードを解除、刀身が消えて関係無い方向へすっぽ抜かせる

 

それだけで時間稼ぎは十二分、障壁の内側に腕のビットを押し込みコアボックスから突き入れ首関節を大破させる

力なく首が垂れブレイクオーバー

 

 

『次、鬱陶しいあいつか』

 

 

目標をガン持ちに定める

ソード2基を呼び戻し背中に再装着、イプシロンUCをホバリング、一瞬止まって数発貰うがルミナスシューター魔改を後ろに構え、反動を使いあり得ない速度でぶっ飛んだ

ぶっ飛びの軌道から離れようとしたが速度がそれを許さずブースターとビットで軌道を調整

震刃を構えるのが間に合わないのでそのまま蹴りかます

ベクター諸共後ろの廃墟にめり込ませ全身にかなりの衝撃を与える。イプシロンUCの右足もイカれたが背中から一機ビットを回し機動力を補助する

 

 

『お、いいダメージ入った。じゃあ生き埋めだ』

 

 

廃墟の中にグレネードLの残りを投げ込みビルの柱を爆破、ベクターを大量の瓦礫で埋め無力化する

 

 

『意外とルミナスブースター良いな。んで残り・・・3機、やるか』

 

 

次の獲物はもう一機の剣持ちベクターに目を付ける。少し障害物に身を隠しルミナスシューター魔改の冷却を待つ。シールドビットに回している6基をエネルギー補給のため交代、ソードビットを呼び戻す

 

(残り3機と冷却15秒)

 

流石にこれはじっとしてられない。キラードロイド狙っても良いが、ヒノが討ち取って見せると言ったなら任せるべきだな

 

震刃を握り装着中ビットの機動力援護を得てパンドラに迫る速度で駆け出した。加速は十分、その途中でインビジブルブレイドを発動、姿を晦ましホバー機動で大きく右に進路変更、銃持ちベクターはおおよその位置に射撃してくる

 

(ソルジャー、シールドビットで位置の撹乱、出来るか?)

(余裕だ。だが射撃を防ぎ続けるのもジリ貧だ。早く落としたほうがいい。残存バッテリーにも限りがある)

(了解、さっさと仕留める)

 

ソルジャーがシールドビットを操りベクターとイプシロンUCの間に陣取って居るのを逆利用しベクターの射撃をイプシロンUCに近付かないよう仕向ける

 

進路変更、ガン持ちベクターの一機に狙いを付ける

背の低い瓦礫の裏で踏み込み跳躍、剣持ちベクターも追ってきているがこっちの方が速い

 

 

『ごめんスルガ、ビット2基ほど借りれない?』

『少し待って』

 

 

空中でインビジブルを解除、滑空しながら円盤状のスタンマインを2枚フリスビーの用に投げつける

 

一枚は即座に迎撃されるが一枚がベクターの至近で起爆、空中放電に対エネルギー障壁が反応し視界のほぼ全てを奪いイプシロンUCはその隙に一気に加速

ベクターは弾幕を張り後退したがその程度想定内、それより速く距離を詰める

 

「逃がさん!必殺ファンクション」

 

 

アタックファンクション

パワースラッシュ

 

 

強化斬撃をでベクターを一閃、胴体に大ダメージを与える。だが手応えは薄い

 

ならば、次

 

ブースターで制御を失いながら距離を詰めビットの推力で姿勢制御、無理矢理攻撃体勢に入る

 

オーバーロードで引き伸ばされた反射神経と動体視力をフル活用、自機に起きた回転運動を利用する

 

 

「トドメ!」

 

 

アタックファンクション

月華刃

 

 

パワースラッシュで斬った所を輝く刃で一閃、エネルギー障壁の影響で少し威力が落ちたがコアボックスの表面まで刃は達する。纏わせた輝きがコアボックスの中を焼きベクターは動きを止めた

 

 

「よし」

(シャルナック、ビット2基でルナとヒノの援護頼んだ)

(了解っす)

 

 

後は剣と銃が1機ずつ。チラリとワイバーンを見ると既に片翼が欠損している。あれではもう飛べない

 

(このまま押し切るか?)

(ああ。流れに乗って全部叩き斬る。今からビットの防御を全て攻撃に回す。障壁に止められるが大きな目眩ましになるようだ。それに多数方向からの射撃は試してない。一方向にしか張れない可能性もあるからな。オールレンジ攻撃、任せたぞ)

(剣持ちが来るぞ。気を付けろ)

 

震刃とルミナスシューター魔改を持ち地面を蹴り出しホバー機動開始

ソルジャーDの操るシールドビットの4基をルミナスシューターにセットし追従させ2基の射撃支援を受けて次の銃持ちへ、だが距離を詰めた剣持ちベクターからの襲撃が来た

 

 

(折り込み済みよ!)

 

 

震刃を字面に突き刺し急制動、ベクターの進路を少し狂わせ左手に掴んだルミナスシューター魔改でカウンター射撃、射程と耐久性を捨てた破壊力特化でぶっ放す

射撃音は最早銃撃ではなく砲撃

抑えきれない凄まじい反動にルミナスシューター魔改が手から離れ左手に重大故障を残す

 

ベクターを飲み込んだ砲撃はエネルギー障壁を破壊、中途半端に止められたエネルギーがショットガンの用に炸裂しベクターの前半身を蹂躙する

 

 

『次で最後ぉ!』

『聖剣・・・抜刀!』

『スルガ!退いて!纏めて吹き飛ばすよ!』

『了解!』

『エクスッ!』

 

その場から大きく飛び上がり離脱する。チラリと目をやるとCODE『Abyss』CODE『Avalon』を発動していた2機が丁度ワイバーンの調理の仕上げに取り掛かるところだった。そしてA・アーサーが聖剣エクスカリバーを上段に構え剣の周りに光の奔流が辺りを吹き荒れ、巨大な刀身を作り出す

 

 

『カリバーァァァ!』

 

 

アタックファンクション

エクスカリバー

 

 

既に満身創痍の竜に光の巨剣が振り下ろされた。光の奔流はそれを容易く飲み込み更にガン持ちベクターをも飲み込もうとする

 

イプシロンUCがグレネードLを投げ足場を崩し回避を阻止、ベクターも飲み込む

 

光の奔流は天に登りワイバーンIIが展開していたKフィールドに穴を穿つ

ワイバーンIIとベクターが消し飛びKフィールドが解除された。だがスルガとの個人回線に指令所から通信が飛び込む

 

スルガが片隅で考えてはいたが多分無いだろうと思っていた可能性の一つ

 

 

『スルガさん!緊急事態です!オーレギオンが《複数機》ダックシャトルに接近中!』

「はぁ!?あれを量産しやがった!?悪い二人共、後任せた!」

『えっ?どうしたの?』

「考えていた中で最悪の事態だ。行くよ機龍!」

 

イプシロンUCのコントロールをソルジャーに投げコントロールポットから飛び出しカタパルトで待機していた機龍とリンク深度をガッツリ上げてスクランブル

その間に指令所に走る

 

(シャルナック、エネルギー波形とかの解析頼んだ)

(任せてください!)

 

 

「3人は待機してくれ。あれの迎撃は俺が引き受ける」

 

 

入室一発スルガは出撃しようとしていたバン達を止めた

 

 

「スルガ!いくらなんでも複数体のオーレギオン相手は足止めでも無茶だ!」

 

 

山野博士がスルガに強く諭した

 

 

「何、一人じゃない。ある程度時間を稼げば関節破壊した連中が増援に来てくれる。ここで希望に不必要な損傷を与えるのが面倒だ。最悪機龍を使い潰す覚悟は・・・奴も決まってる。だから気にすんな。っと会敵だな。拓也さん、ちょっと集中します。通信はシャルナック経由で」

 

スルガが意識の大半を機龍に写す

機龍の眼の前には確かにオーレギオンが四機居る

 

そして、黒に染まる機龍がオーレギオンに対して威嚇の咆哮を上げた

 

 

 



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