【試作版】戦姫絶唱シンフォギアXD -孤独な影と運命に捧ぐ鎮魂歌-   (ヒモトラマン・ロープダーク)
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黒いウルトラマン Ⅰ

ジードシンフォギアから逃走して暫し…

性懲りもなくやるスタイル。


………赤い炎が揺らめいて

 

 

 

悲鳴も断末魔も、積み上げてきた文明の叡知が蹂躙されて

 

 

ただ、『闇』だけが人型を形にして僕達を見下ろす。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シンフォギア装者とウルトラマンたちとの共闘から月日が経ち、お互いの世界は幾つもの戦いを経てきた。またどちらも並行世界の存在との接触もがあった… シンフォギア側はガールズバンドからグリッドマン、並行世界の自分たちといった存在まで、ウルトラマン側はティガスーツを纏う異界のウルトラマンなどなど。実に多くの戦いをあった……その両者が再び交わろうとは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

並行世界M78ワールド 地球成層圏付近

 

 

 

 

 

遥か無限の彼方まで続く宇宙の暗黒の海から、眼前に青い惑星が視界の多くを占めていく。地球……かつて、ウルトラマンが数多の侵略者から護り抜き今も尚、その名を受け継ぐ者たちが悪事を働く異星人たちと戦いを繰り広げている舞台。星団評議会やその他諸々の者たちの思惑が絡み合うこの場所なら取材すれば多くの小説のネタにありつけるだろうと宇宙船の窓越しに眺めながら男は思う。まあ、残念ながら今回の来訪はそんな愉快なものではないのだが…

 

 

「先生、もうじき大気圏突入です! 結構、揺れますから席についてて下さい!あとシートベルトも忘れずに!」

 

「ああ…」

 

 

前方の運転席から着席を促す声。自分を『先生』と呼ぶ彼とも一時ながらそれなりの付き合いだ… 数日間にも及ぶ真っ暗な空間が続く小型貨物宇宙船の旅の中、彼等の他愛ない話のおかげで暇は十分に潰せた。そこはこの『危険な任務』にもかって出てくれたことも含めて感謝しなくてはならないだろう。

 

 

「はーあ、そろそろフクイデ先生との旅も終わりか。名残惜しいような、ほっとするような。あ、そうだ…例の約束、忘れないでくださいよ!」

 

「ああ、勿論だとも。サイン入りの新刊、まずは目的地に着いてからだ。」

 

 

何はともあれ、地球に着かなくては安心して腰をおろすこともままならない。運転手はヘルメットを被りなおし、明らかに地球の技術とは違うの奇怪な操作パネルやハンドルに触れて目的地へ目掛け宇宙船の舵をきる。目指すは地球に存在する星団評議会管理の極秘の宇宙施設…運転手は大事なVIPと荷物を受け渡すことが仕事…まあ、もうすぐ終わるのだが。

小型宇宙船はやがて地球側からの電波をキャッチして、船内操作をオートコントロールに切り替えて角度を変えつつ大気圏突入の準備にかかる。やがて、重力に引かれて揺れだす船内にすでに座席についていたもうひとりの『VIP』の顔が強ばりだす…… それに気がついた運転手が声をかける。

 

 

「そういえば、お嬢ちゃんは『ペガッサ星人』だっけ? もしかして、重力のある惑星ははじめてかい?」

 

「…」

 

「ああ。今回がはじめてでね。かなり緊張しているようだが気にせず君の仕事を続けてくれ。」

 

 

ペガッサ星人の少女…… 白いパーカーはともかく、黒髪といい随分と『地球人』に近いような外見な気もするが、運転手は元々のペガッサ星人を知らないことや、何よりも『先生』もペガッサ星人らしいので特に疑うことはない。

とりあえず、あとは機械に任せつつセンサーや各種設備に問題が無いようにチェックしていれば良い。この最後の一山さえ超えれば仕事なんて終わったような……

 

 

 

【警告、突入軌道上に正体不明の物体を確認。オートコントロールの解除を推奨します。】

 

 

「は?」

 

 

…空気を読まないな。なんだ、隕石か地球人側の人工衛星か? まさか、星団評議会の指定通りのスケジュールで進めてきたんだ、あり得ない。

 

ならば、なんだ? …嫌な予感が過ると、遠方にカメラは『人影』をとらえる……青い星を背に、鋭く刺々しいその姿は何処となく『ウルトラマン』に似ているメカニカルな銀のパワードスーツ。知っていた、奴の名は…

 

 

「べ、ベムラー!? な、なんで!?」

 

 

はじまりの敵<ベムラー>

 

 

正体不明・真意不明、神出鬼没のウルトラマンらしき者。時に地球のウルトラマンたちと戦ったと思いきや、ニューヨークの異星人テロでは共に手をとり事態の終息へ尽力したという謎の存在。敵か味方か、悪魔か救世主かは場合によりけりだが……このタイミングははっきり言って凶兆そのものだろう。同乗し、様子を伺っていた『先生』も予定外の乱入者に顔を曇らせる。

 

すると、通信が入る。

 

 

【聞こえるか、そこの宇宙船。私はベムラー…… すぐに積み荷と同乗者を引き渡せ。それは、危険な代物だ。】

 

「ベムラーからの通信!? しかも、こっちのことがバレてる!?」

 

 

ベムラー……奴からの要求は『先生』と同行者の『少女』。そして、積み荷。 どちらも星団評議会に無傷で届けるようにと言われている。もし、ここでむざむざと引き渡せばと考えたら…運転手は顔を青くする。

一方の『先生』も一考、まだ手札をきるには早いと思ったが仕方ないかもしれない。

 

 

【あと5秒以内に行動しろ。さもなくば、実力行使に移らせてもらう。】

 

 

やがて、業を煮やしたのか腕を十字に構えるベムラー。解る、あれはスペシウム光線の構え…奴がウルトラマンの系譜であることの証明であり、数多の強大な異星人を屠ってきた光の力がこちらへ向けられたということだ。この事実に運転手は狂ったように叫ぶ。

 

「一体、なんだっていうんだよ!? 今回の仕事がお前になんの関わりがあるっていうんだよ畜生!」

 

 

 

最早、悲鳴に似たそれにベムラーは淡々と答える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【お前たちの運ぶそれは、宇宙を揺るがす危険な存在だからだ。】

 

 

 

 

 

 

ベムラーの右手に収束するスペシウムの光… その時だった。

 

 

 

―バシュッ!!

 

 

 

「!?」

 

 

突然、死角から飛び込んできたスペシウムの奔流<ビーム>。咄嗟に構えを解いて、回避したベムラーは邪魔をした不届き者がいる方向を見据えた。こちらへ向かってくる小型宇宙船…その甲板には大方の独特なT字型の砲身を持つ兵器を抱えた赤いパワードスーツの存在を確認する。耳についた銀色の双角は見覚えがあった……

 

 

「ベムラーさん、何しているんですか!?」

 

「……タロウか。」

 

 

タロウ… ウルトラマンスーツを纏う地球のセブン、ジャック、エースに続く炎の戦士。ニューヨークや東京でも共闘したことがある。現在、彼は試作兵装ストリウムブラスターをチューブで船体に接続し、薬莢を排出するとスペシウムエネルギーをリチャージしながら尚もベムラーを狙う。しかし、狙いが定まらないのは足許の船体が揺れるからかそれとも彼の迷いからだろうか。

 

 

「あなたは味方ではないんですか!?」

 

「…少なくとも、星団評議会に与するつもりはないが今は問題が違う。邪魔をするな。」

 

 

続けて放たれるストリウムブラスターも当たらない。だが、ベムラーは回避のために貨物宇宙船から離れる…この隙を逃すまいと操作をマニュアルに入れた運転手。僅かな隙に悪魔の懐を掻い潜り、一気に大気圏突入を目指す。

無論、ベムラーも気がつくもタロウからのストリウムブラスターによる射撃でうまく近づけない。

 

 

「行かせるか!」

 

 

焦るベムラー。あの宇宙船に乗る男も荷物も地球どころか星団評議会にすら利益を与えるどころか、厄災をもたらすものである。

最早、時間は無いとストリウムブラスターの流星群を強引に突っ切り船体へ取りつこうと急く…

 

 

 

……これを察した『先生』は後ろの座席の『ペガッサ星人の少女』に強く命令した。

 

 

 

「ハッチを開けろ。『アイツ』を出せ。」

 

「で、でも!」

 

「スーツがある限り、『アイツ』は大気圏突入だって耐えうるさ。さっさとやれ!」

 

 

ペガッサ星人の少女は渋りながらも、ホログラムのキーワードを操作……船体の操縦システムにアクセスしハッチを開放。積み荷を放り出させる。コンテナから雑貨から何から、船体へあと一歩にきていたベムラーに一気に迫るが、右手に形成した光輪で両断し文字通り道を切り開……

 

 

「…!」

 

 

 

否! 切り裂きそびれた巨大な黒いキューブがその質量をもって牙を剥いた! コンテナにしては機械的かつ異質な物体はベムラーを巻き込み、一気に宇宙船から距離を離す。

一方、ベムラーも衝撃とグルグルされるシェイクに耐えながらも意地と言わんばかりにキューブを力任せに放り投げる。…すると、どうだろう。キューブは念力でも使われたようにひとりでに体勢を安定させると、鍵をあけるようにオレンジ色の紋様が駆動。

 

―ーそして、『ソレ』を勢いよく解き放った。

 

 

 

「黒い……ウルトラマン…?」

 

 

一足離れた位置で、タロウも地球の重力に引っ張られながら彼の姿を確認する。自分たちの科特隊のウルトラマンに似ていつつも圧倒的に禍々しいそのスーツを……

 

 

 

 

 

 




黒いウルトラマン… 一体、何者なんだ(すっとぼけ)

黒幕は一体、何イデ先生なんだ…


感想お待ちしてます。



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黒いウルトラマン Ⅱ

オリ設定(武装)

★ストリウムブラスター

名前的には本編特撮タロウの息子のほうだが、タロウスーツに簡易生命維持装置と共に装備されたスペシウム武装の試作長距離砲。レールガンのようなT字砲身が特徴的。スペシウムを実弾に高圧縮して放ち、その射程Ver7スーツのワイドショットを超えるらしい。
暗黒の星によるテロで投入された大型機械兵器や度重なる異世界からの脅威に対抗するため密かに開発が進められていたものだが試作兵器なため、ケーブル接続前提条件かつ大型のため取り回しは最悪な上に装填数は1発ずつとほぼ移動砲台くらいしか現状は使い道が無い。
アメリカにて研究開発が中心に進められており、本来はジャックスーツの武装になるべく想定をしていたがゴタゴタに紛れてジャックがアダドに横流ししたようだ。



簡単なキャラ紹介(原作キャラ)


★ベムラー

CMとかではじまりの敵と名乗っているウルトラマンスーツらしきものを纏っている人。漫画版の初登場からどんどんデザインが変わり、ウルトラマンに近くなっていく……そして、正体がULTRAMAN最大のキーパーソンのひとりでありネタバレ。時に敵、時に味方の謎が多い存在で進次郎やハヤタと戦ったり気にかけたりしている。
今回の小説冒頭である理由から貨物宇宙船を襲撃するも、『黒いウルトラマン』の逆襲にあり生死不明になってしまう。

…コラボイベントで作者が出てほしかったキャラでもある。



★アダド

クールなイケボ津田voiceのスーパーカッコいい縞の宇宙人。コイツの元ネタ…あのダダなんだぜ?コラボイベント未登場。
星団評議会のエージェントだが、自分を都合よくこき使う上司に嫌気がさし反逆…殺し屋まで差し向けられたものの何故か赦され生きている。本人はそれを疑問に思っているのだが…
ある事情から同じ異星人街の仲間であるレッドとタロウと特別任務にあたっていたが宇宙船を落とされてしまう。

……『ヤキトリ』が好きらしい





簡単なキャラ紹介(今作オリジナルキャラ)


★先生

貨物宇宙船の運転手にそう呼ばれているが…

…一体、何イデ先生なんだ…。諸星や北斗と同様に並行世界の同一人物かと思われるが自身をペガッサ星人と自称する。








キューブから、まるで檻から放たれた猛獣のように飛び出した黒いウルトラマン。猫背で鋭い背鰭のような頭から背の突起物はベムラーとは別ベクトルの異質さを醸し出す。追加で射出されたシャフト状の武装『ギガバトルナイザー』をキャッチすると展開、ベムラーへと鋭い眼で睨みを利かせる。

 

一方、タロウ側の宇宙船の操縦幹を握る白黒の縞と赤い鋭い眼をした宇宙人『アダド』はその姿を確認するとタロウへ通信を入れた。

 

 

「タロウ、あの黒いスーツが証拠です! 完全に破壊せず、こちらで確保を!」

 

「この状況でそんな無茶な!?」

 

 

タロウが無茶と言うのも無理は無い。そもそも、タロウは後天的に能力を目覚めた地球人で進次郎のようにウルトラマン因子を生来持つわけでもないので飛べない上に、タロウスーツはあくまで彼の異能である炎にから起こりうる二次災害を防ぐためのもの…実際は殆ど拘束具みたいなものだ。今回は宇宙での活動もあり、間に合わせの生命維持装置も付けられているが、体温維持は彼自身の燃焼によるもの。まだ慣れない試作兵器のストリウムブラスターの扱いもあって彼自身の消耗も馬鹿にならない。万一、力尽きて燃焼が止まれば宇宙の真空零度で身体の芯までカッチコチに凍結してしまうだろう。

 

一方、黒いウルトラマンとベムラーの戦いはお互いに地球の重力に引かれながら熾烈な近接格闘を繰り広げている。ギガバトルナイザーを片手で抑えながら、もう片方の手で光輪を形成し反撃しようとするベムラー…それを、蹴りとばして間合いを開いた黒いウルトラマンはギガバトルナイザーの矛先から光弾を放ち攻撃、ダメージを与える。

 

 

「…ぐっ」

 

 

咄嗟に防御したベムラー…その最中に考える。この厳しい環境において自分と同じほどまで戦える黒いウルトラマンは何者なのか。もし可能だとしたら、ウルトラマン因子を持つ者から自分と同じ『同胞』しかありえない。再び組みつきながら、その疑問の答を求め彼は問う。

 

 

「貴様、何者だ?」

 

「…」

 

 

その瞬間、マスクがフッと笑うように見えた……そして、黒い戦士は名乗る

 

 

 

 

 

 

 

「ーーベリアル、……『ウルトラマンベリアル』!!」

 

 

「…何っ!?」

 

 

まさか、その名前が出てくるとは思わなかった。地球では同名の悪魔がおり、ウルトラマンの故郷である光の国では歴史に名を遺した『反逆者』の名前。前者はともかく、後者は間違いなく宇宙牢獄に封印されているはず… しかし、この黒いウルトラマンは間違いなく『悪魔<ベリアル>』と名乗ったのだ。

 

 

あまりに動揺してしまったベムラー… がら空きになった懐にベリアルが左手の爪が一撃。3本線に引きさかれた白銀の装甲が赤黒いプラズマを洩らす……

 

 

 

「まさか、これは…… デスシウムか!」

 

 

まともに傷を負った途端、スーツの出力が落ち始める。宇宙空間、なおかつ大気圏突入間近でシステムにトラブルなど致命的だが対処する術は今のベムラーには無い。無慈悲にベリアルがギガバトルナイザーを投げ、先の自分と同じように両腕を交差…赤黒い光がバチバチと収束していきはじめる。

まずい…間違いなく、スペシウム光線の比ではない邪悪なあれを喰らったら間違いなく大気圏突入する前に消し飛ぶ…!

 

 

「しまっ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うおおあああああああああ!!!!!!!!」

 

 

 

 

 

その時だった。ベリアルを横からタロウが体当たりし、光線の発射を阻止。そのままストリウムブラスターのスペシウムを収束させず、バリアのように展開してベリアルに押しつけギガバトルナイザーを手離させベムラーと貨物宇宙船から引き離していく。

 

何とか逃れたベムラーはやがて、完全にスーツの制御を失いやがて地球の重力に引かれるまま一筋の流れ星に……

 

 

(すまない…… ハヤタ、進次郎、お前たちにこの後は任せるしかなさそうだ……。)

 

 

視界に映るのはタロウとベリアルの取っ組み合う姿。あと貨物宇宙船の窓から『誰か』が笑って見ているような気がしたが……もう彼はもう青い惑星の引力に身を任せるしかなかった。

 

 

 

 

 

★ ★ ★

 

 

 

 

 

「まあ、あの人のことですからまあ死にはしないでしょうが…」

 

「いや、大丈夫なのかよ本当に!?」

 

 

宇宙船の操作をしながら一部始終を見届けたアダド。まあ、今度はベムラーのに代わってタロウがあの黒いウルトラマンと戦っているのだが……多分、彼を庇ったことで敵とみなされたのか容赦なく黒い戦士はタロウを狙う。補助席に座る小さな目付きの悪い幼い少年がベムラーの安否とタロウの現状両方で慌てた様子で声を荒げるが、アダドは至って冷静であった。

 

 

「レッドさん、落ち着いてください。恐らく、あの黒いスーツこそ我々の求める証拠…… どの組織も所有していないウルトラマンですよ。しかも、以前の『TIGA』とは違う我々の存在する宇宙で産み出された物。本来なら起動する前に抑えたかったのですが……」

 

 

少年、レッドを嗜めながら状況を観察する。『証拠』をわざわざ手札として切った以上は本来の敵は自分たちを生かしてはおくまい……恐らく、この場にいる乱入者全員を口封じで殺すだろう。実際、ベリアルは今度の標的をタロウに変えている。

 

タロウにはストリウムブラスターがあるとはいえ、取り回しが悪い上にこちらの船体との接続チューブを切ったので間もなく使い物にならなくなるだろう。そうなるともう彼自身の炎しか武装が無くなるが、これから大気圏突入というところでそれを本気で使えばタロウスーツが灰になってもおかしくない。ならば、ここは強引に出るべきだろう。

 

 

「タロウ、聞こえますか!…ここは『証拠』だけでも確保します!」

 

【そんな、人質は!?】

 

「目の前のそれが敵の切り札ならば、後は我々でなくても対処は容易でしょう。タイミングをあわせて、 格納庫に入れたらレッドさんも一緒に対処にあたりますよ!」

 

 

苦渋の判断だが、ベムラーすら退けた相手をこの状態で相手をし続けるのは危険過ぎる。アダドは宇宙船をタロウとベリアルの軌道上に走らせ、上部のハッチを開く…このまま諸とも回収してしまえば証拠の確保とタロウの救助が両立可能だ。しかし、それに気がつかないベリアルではなく、なんとかタロウを引き剥がそうとしながら手離したギガバトルナイザーを念力で呼び寄せる。手元に戻るや、凪ぎ払いでストリウムブラスターを破壊しスペシウムのバリアを破壊し怯んだところを掴みかかり逆にアダドの宇宙船に乗り込む。

 

数秒後、宇宙船はバランスを崩したように揺れはじめエンジンから煙を吐き出しながら大気圏へ突入していく……

 

 

 

 

 

 

★ ★ ★

 

 

 

 

 

「えと、これどういう状況なんで…… うっ!?」

 

 

激痛。文字通り胸を貫かれた運転手は何が起きたかを理解することなく、息絶えた。『先生』は闇の刃を形成した右腕を操縦席から引き抜くと、つい先まで談笑していた男の死体を無表情でどかして後ろの貨物船へと蹴りとばす。その際、『少女』の近くにぶつかり彼女の小さな悲鳴があがったが、気にはしない。今度は自分が代わって操縦席につくと、薄気味悪く笑みながらマニュアル操縦に切り替え目的地を設定しなおす。

 

 

「…さあ、はじめよう。全てはここからだ。」

 

 

 

 

 

 

 

★ ★ ★

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小笠原諸島 近海 バース島

 

 

 

緑が生い茂る無人の孤島に一筋の流れ星が落ちる。そして、島の中心の外れに落ちたそれは激しく燃え上がり一帯を赤く、赤く、照らす…。

 

そして、炎と鉄屑になった宇宙船を背に悪魔は立つ。

 

 

 

 

「…」

 

 

物言わぬタロウスーツを片手に、ベリアルは星空を眺める…。これが地球の空…間もなく夜明けを迎える時刻で薄く明るい。

 

そして、雄叫びをあげる…… 全てのはじまりを告げるように。

 

 

 

 

 




次回はシンフォギアサイドから。


感想お待ちしてます。




※お知らせ(7/20)

わたくし、交通事故により骨折し執筆が困難になりました。利き手のケガのため更新は暫し遅れます。



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はじまりを告げるZERO Ⅰ

シンフォギア並行世界 セレナの世界…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…… ーー水が… 水が魚を喰ってる!?!?

 

 

 

「「…((((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル))」」

 

 

 

 

さて、並行世界の異常なんて露とも知らない少女たちは呑気にホラーっぽい映画の鑑賞の真っ最中である。マリアとクリスはソファーで抱き合い、顔を真っ青に…元々得意じゃないジャンルなのだから無理しなきゃ良いものをという話だがこの手の映画は観始めるとこれがまた目が離せないのである。一方、セレナは嬉々しながらポップコーン片手に頬張り鑑賞中。あと同行していた翼は『雪音やマリアのリアクションを見ているほうが面白い』と距離を置いている…余裕ぶっているが、直視出来ないチキン以外何者でもない。

 

 

「セレナ、入りますよ…… またこの手の映画ですか。」

 

「あ、マム。レポート読み終わったの?」

 

 

そんな時、ドアをノックして入ってくるナスターシャ教授。彼女の手には分厚いレポートの束…シンフォギア基本世界のS.O.N.G.から持ち込まれたものである。並行世界間の繋がりがある組織同士で行われている定期的な情報共有だ。まあ、殆どがS.O.N.G.が当たった事件の対処を各世界に伝えるというのが主だが、世界蛇といった並行世界を跨ぐ脅威があるのも事実。ならば、情報共有くらいは対策しておかねばならないだろう。

 

 まあ、情報を確認している間は装者たちは暇なのでこのようにちょっとした娯楽施設で時間を潰したりしている。大きな事件が無ければ、本当に平和そのものだ。 …そう、何もなければ

 

 

「さて、残念ながら映画鑑賞は中断ですよ。貴方達に早急に確認してもらわないといけないことがあります。今回の資料、気になる点がありまして…」

 

 

 ナスターシャ教授はテレビの映像を止めると、リモコンを操作してF.I.S.の機密情報のデータへとアクセスする。マリアは眉をひそめる…今回のデータはウルトラマンたちに関するものだったはず…他の並行世界関連の資料に関してはわざわざこんな急いて確認はしなかった彼女。一体、何が琴線に引っ掛かったのだろう?

 

 

「マム?」

 

「マリア、これから見せる映像をあなたには感想を聞かせてもらいたいわ。少なくとも、映画のように楽しいものではないけれど…」

 

 

 やがて、フォルダが開かれ映像が展開される。雑音混じりのドライブレコーダーのようなそれが録画していたのは戦闘の記録。ジャングルと戦車…青空を裂く戦闘機やヘリコプターが確認出来る。恐らくは米軍だろうか…だが、相手は?銃声、爆発音、怒号とどれも激しいが肝心の敵対勢力が見当たらない。

 

 

 ーー畜生、何処に行きやがった!?

 

 ーー何なんだよ、ありゃあ!? 戦車の砲弾すら通らねえって何なんだよ!

 

 ーー作戦本部、応答せよ…さくせ…ぎゃ

 

 

 不意に紫の光線がジャングルを両断し戦車部隊が融解して四散、そのまま空のヘリコプターがなぎはらわれてドォン!ドォ!!と続けて花火があがる。

 

 

 ーー撤退だ! 撤退‥ああこっちに来…!?

 

 

 映像の最後…人影のようなものが飛びかかってくるところで砂嵐になり終わり。悲鳴の主がどうなったか映っていないのは不幸か幸いか。この一部始終にはセレナや翼さえ顔を引つらせる中、ナスターシャ教授は続けて操作…映像を若干巻き戻して最後の襲いかかる『何か』が牙を剥く瞬間で一時停止。逆光になっているようだが、顔の部分とおぼしき場所に赤い光が窺える…

 

 

「…これは?」

 

「今から5日前、コスタリカの村々が何者かに襲撃される事件が起きました。死傷者及び物的損失も多数…コスタリカ政府は手に負えないと米軍をはじめとした各国政府に救援を求めたのですが… 急拵えの連合部隊は米軍だけでも、投入した戦力の実質8割を失う有様。各国部隊も被害は甚大…それも、『たったひとりの敵』に。」

 

 

 並列して映されるコスタリカの惨状。木々も人々も、何もかもが焼きはらわれて炭になったり熔けたりと直視に耐えない。これが、『たったひとりの敵』に行われたのだという… クリスは察す。

 

 

「暴走した聖遺物か?」

 

「それはまだわかりません…ですが… これに関しては見覚えがあるはず。」

 

 

敵の正体は不明…しかし、ナスターシャ教授は何か確信しているものがある様子で続けてリモコンを操作する。すると、『襲撃者』の影になっている部分がピックアップされて画像が鮮明に解像されていく。モザイクみたいだったそれは徐々に不定形な人型から、その輪郭を削り出されていくうちにマリアは引っかかりを覚え…やがて、7割方程が明らかになってきた時に自分の目を疑はじめる。

 

 

「……これ… 諸星のSEVEN!?」

 

 

 

 似ている…異世界で出逢ったウルトラマンに。しかも、その内の諸星弾が纏っていた『ver.7.2』にあまりに酷似しているのだ。赤いバイザーや各所なんとか掴める程度のシルエットから形は違いはある…それでも、これがウルトラマンスーツやそれに関係あるのではという印象を持たせるには充分過ぎた。

 驚くマリアに反応し、翼が話かける。

 

 

「マリア、どうかしたのか?」

 

「…これ似ているの。私が並行世界で出逢ったウルトラマンと。」

 

「ウルトラマン? 今回、報告書にあげていたアレか?」

 

「ええ。でも、彼らに並行世界を渡る技術は無かったはず…それに、こんな酷いことをする理由は科特隊には無い。これが本当に彼等のスーツなら…何故…。」

 

 

 パラレルM78ワールドで彼等が所属する科特隊とは当初…というか向こうの活動の大半は諍いが耐えなかった…。意見が相容れなかった故の対立だったが最終的には和解し事件の黒幕を討ち倒して、利用されていた無垢な命を共に救ったのだ。

 そんな彼等がわざわざこちらに、別の並行世界に手を出す理由が不明なのである。それに、マリアだって光の戦士たちがこんなことをするとは信じたくは無い。

 

 一気に緊張と複雑が高まる中、話を進めるナスターシャ教授。

 

 

「対象は未だに健在、目立ったダメージは無いようですが現在、活動を停止しています。そして、昨日…極秘で我々F.I.S.へアメリカ政府からこの敵対勢力の排除の依頼が届きました。」 

 

「まさか! セレナだけで対処しろと!?」

 

「落ち着きなさい、マリア。私も今回はセレナだけでは身に余るのは充分に承知…だからこそ、貴方達に協力を仰ごうとしていたところだった。その矢先にこの報告書が来て…確認せざらえなかったのよ。」

 

 

 敵対勢力が何にしろ、もう現代兵器ではどうにもならない相手だろう…ナンでもトンデモありのシンフォギア案件だ。もしこの敵が並行世界からの侵略者だったら、放ってはおけない。動いたのはクリスと翼だった。

 

 

「とりあえず、一旦はオッサンと話は通さねえと駄目だろ。状況を鑑みて、必要なら響〈バカ〉と仲良しコンビの力も借りねえとな。」

 

「なら、私が一旦帰って司令へ報告しよう。雪音とマリアは留まっていてくれ…万一、動きがあったら対処を頼む。」

 

「決まりだな。」

 

 

 事態は余談を許さない…それでも、様々な事件を乗り越えてきた彼女たちの行動は迅速である。連絡係を翼が担い一旦離脱。後方火力支援可能なクリスとウルトラマンに対して知識が多少なりともあるマリアが残るのも理にかなっている。

 

 

 だが、マリアは複雑な顔をしており、セレナもそんな割り切れない姉のことを察しながらも今はかける言葉が見つからなかった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ★ ★ ★ ★

 

 

 

 

 

 

 コスタリカ共和国 焼け野原になったジャングル…

 

 

 

 

 立ち尽くす『悪魔』はまだ炎が立ち昇る真っ黒な災禍の中心で何かを待つように動かない。不動、呼吸の息遣いさえ無い…まるで生身の中身が入っていないように。そ

 

 

 

 シンフォギアとも聖遺物とも違う異世界の技術の産物…ウルトラマンスーツ。守護者であるはずの鎧は硝煙と多くの焼けた血で濡れていた…。

 

 

 

 

 



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はじまりを告げるZERO Ⅱ

遅くなりましたッ!


 それから、2日後の早朝… コスタリカ共和国の漁村跡にベースキャンプにマリアたちの姿はある。焼き払われた漁村の荒屋や木々を押し退けて、緑のテントや多くの軍事車両や武装した人々が行き交い、キャタピラの轟音や激痛による叫び声など鳴り止むことはない。

 

 そして、その中で医療用キャンプの光景は凄惨なもので怪我をした何十人もの軍人たちが簡易ベッドを埋め尽くしうめき声が響き、炙れた重軽傷者は未だに血で濡れる包帯を握り蹲っていたりする…。更に隣では棺桶が整列して並べられていた。

 

 

 

「…っ」

 

「…」

 

 

 通りかかったセレナとクリスは顔を暗くし、自分たちが待機所とするテントへ歩く。残念ながら、歌でもシンフォギアでも彼等は癒せない。今は見守るしかないのだ…惨劇の空気も悔しさも一時は呑み込んで。

 

 

「大丈夫か?」

 

「平気です。…私たちが必要なのはこれからなんですから。」

 

 

 クリスの気遣いに平静を装うとするセレナ…。

 

 でも、平気というのは嘘だ。こんな光景、目を背けたい…助けられない自分があまりに無力だ。無論、クリスとしても承知でまた同じ…だから、お互いに声を掛け合い平静を保とうとしている。

 

 戦闘機の残骸を運ぶ大型トラックとすれ違い、やがて待機所のテントへ。出入口から入ると、ナスターシャ教授と椅子に座りうなだれるマリアの姿が…。出迎えの声をかけたのはナスターシャ教授。

 

 

「おかえりなさい、そちらは?」

 

「駄目だな。何もたついてるんだが、報せの一つもありゃしねえ。合流は厳しいだろうな。」 

 

 

 クリスは翼が基本世界から戻っていないことを伝える。丸1日経つが音沙汰ひとつ無く、ギリギリまで待っていたものの時間の猶予が無くなりマリアとクリスは追いついてくることを信じてF.I.S.と共にコスタリカ共和国に向かった。勿論、彼女を拾ってくる人員も残してきたのだが…

 

 まあ、いない人間は仕方ない…一方で深刻なのはマリア。この場で唯一のウルトラマンと接点を持つ彼女が故に、共に戦った彼等が敵にまわるかもしれない…この目を覆い耳を塞ぎたくなる惨状を作りだしたのか?

 

 

(進次郎… 諸星… 北斗… 本当に貴方達がやったの?)

 

 

 アクやクセが強い面々だったし、その信条のそれぞれが独特過ぎて当初は相容れなかった彼等。衝突することもあった…でも、お互いにその在り方と正義を理解してシンフォギアはウルトラマンスーツギアを発現させたはず。

 だからこそ、彼等がこんなことをするとは思えない…ウルトラマンは決して『侵略者』ではないからだ。それに、向こう側の世界に並行世界を渡る技術は無いはずだし、こんな侵略行為にはしる理由も検討もつかない。

 

 

「姉さん…やっぱり、気になる?」

 

「大丈夫よ、セレナ。例え知り合いでも、敵になるなら容赦はしないわ。」

 

「無理はすんなよ。感情の乱れは文字通り戦いのコンディションに影響するからな。」

 

 

 心配するセレナとクリス…シンフォギアは精神状態に強く依存する。感情の昂りからくるフォニックゲインが神にすら届く力になったり、逆に気分の落ち込みは全身にまとわりつく鉛のように枷にもなりうる。そこら辺は、科学の産物(といっても、地球外の技術もあるが)であるウルトラマンスーツと未知かる過去の遺産であるシンフォギアの違いだろう。

 されど、どちらも能力的には互いに退けをとらない。進次郎のウルトラマンスーツがリミッターを解除した状態ならシンフォギアのエクスドライブとだって殴りあえるだろう。そして、そんな存在が敵になりうる以上は生半可な気持ちで戦場に出るわけにはいかないのだ。

 

 …簡単に割り切れる問題じゃない だからこそ、気配りができるのが仲間でもある。

 

 

「なあに、事情があるにしろ何にしろ…殴りとばしてからでも時間はあるだろ? あのバカじゃねえが、話がどんな形でも出来ることに越したことはないからな。信じてるんだろ…そのウルトラマンって連中をさ。」

 

 

 クリスから彼女なりの不器用な励まし。理論が完全に取りあえず殴ってから対話路線が某・立花の影響を完全に受けている。否定しながらも真顔で話す彼女に思わず笑顔が枯れた地面から滲む水のように笑顔が溢れる。

 

 

「…ありがとう、クリス。そうね、クヨクヨはしてられないわ。それに、装者はこっちは3人…ウルトラマンひとり締め上げるのにも話しあいにしても充分過ぎる。相手が誰であろうとやってやるわ。」

 

「ね、姉さん…」

 

 

 立ち直ったようだが… 思考がゴリラのそれであると思ったが黙っていることにしたセレナ。いつか勢い余ってゴリスさんとか言いそうで心配である。

 さて、落ち着いたところで作戦会議だ。敵は単騎だが借りにも軍隊をねじ伏せている以上は聖遺物に相当する力を持っているだろう…無策では挑めない。 

 

 

「では、作戦会議をはじめましょう。こちらも戦力は限られていますから。」

 

 

 ナスターシャ教授に促され、キャンプ中心の机に集合する装者たち。机上の媒体は地図を含めて紙やプラスチックの駒でF.I.S.やS.O.N.G.の施設と打って代わってアナログな媒体だがここにハイテク機器を持ち込むのは厳しい故仕方ない。席につくと、彼女の舵取りの元作戦が練られる。

 

 

「まず情報から敵は単独のようです。他に伏兵や増援といった観測は無いですが、観測機器に時折奇妙な異常が確認されるそうなのですが…詳細は不明。取りあえず、目標を『仮称・ウルトラマン』としておきましょうか。」

 

(観測機器の異常? スペシウムの影響かしら…でも、解析の結果は特にそういったものは無かったはず。)

 

 

 マリアは違和感を覚える。一応、ギアに何かしら新しい形態変化等があった場合はエルフナインが本部でその度に解析してデータをおさめている。無論、ウルトラマンギアやその力であるスペシウムも然り… だが、通信等に異常をきたす等のデータは出なかったはず。

 

 それは一旦、置いておき対象『仮称・ウルトラマン』の攻略である。これにおいて、かなり渋い顔色をしたクリス。

 

 

「高機動・高火力・飛行能力…格闘戦もござれ。武器は何かしら刃物のようなものにスペシウム由来らしき光線技。一発でもまともに喰らったらアウトのオンパレード…攻めあぐねるなこれは。」

 

「そして、今までの法則で当て嵌めると有効打になりうるのは姉さんのウルトラマンギアだけ。なら、私とクリスさんで決定打を与える隙を作る必要がある。」

 

 

 難攻不落、対してこちらの切り札は今までの対応する並行世界由来の力でなくては対処出来ない法則からするに仮称・ウルトラマンに通じるのはマリアのウルトラマンギアだけだろう…折しも、セブンギアとエースギアを扱えるきりしらコンビが居ないのは痛手だ。

 加え、大火力で圧し切れないかつ速く動き回る相手はイチイバルは滅法相性が悪い。一応、取り回し重視の形態は出来るが今度は火力がかなり落ちてしまう。

 

 

「まあ、遠慮なくバラまくわけにはいかないよな。なら、狙撃かぁ…あんまり趣味じゃねえんだよなぁ。(…並行世界のアタシは得意みたいだったけど)」

 

「クリスにはこちらが間合いを詰めるまでの援護…それから、時と状況を見てフォロー。セレナは私と同行して可能な限り敵の動きを牽制。そして、私が目標を制圧する…概ね、こんな流れかしら?」

 

 

 まあ、そうなるな。頷く面々… 実際、3人でならここまでが限界だ。むしろ、後方支援等、しっかりと役割分担出来るだけマシか…全員、近接で単騎相手とかデカブツでもなきゃ下手をすれば足の引っ張りあいになりかねないのだから。

 

 

「作戦開始は正午…まだ時間はあります。入念に作戦を建てておきましょう。」

 

 

 ナスターシャ教授の言葉に頷く一同。

 

 

 本日の正午… それが、運命の幕開けになる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あー…だりぃ。」

 

 

 その頃、当の『仮称・ウルトラマン』は戦車の残骸に腰掛けてそらを見上げていた。スーツの赤いバイザーは青空を映さないが、色々と情報を教えてくれる。気温、現地時間、周りの生体反応から獲物の作戦会議の内容まで。まさか、一字一句まで筒抜けだとは思うまい…恨むなら、後進技術の地球文明を呪っておけ。

 

 

「…それにしてもなぁ。」

 

 

 なんで、よりにもよって『ウルトラマン』なんだ。

 

 ……自分をかつて、ぶち殺した存在と同質のモノを今は己自ら纏っている。最期に見た自分の愛着していたスーツごと肉を焼いたあのスペシウムの光はまだ忘れられないというのに。

 

 

「ま、準備運動には良い相手か。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……この『ダークロプスゼロ』にはな。」

 

 

 

 

 





 はじまりを告げる(ダークロプス)ZERO…


 ダークロプスゼロ/イメージCV.広田広明



 ダークロプスゼロスーツのキット化楽しみですねぇ。

 因みにビ・ウルトラは陛下もゼロもアグルも来ませんでした(白眼)


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星殺し

ごめん、短いけど戦闘描写あるから許してちょ。


 パラレル装者イベント、今回はきりしらみたいですね。きりちゃんアンドロイドに調博士、どんなキャラクターなのかわからん…(困惑)


 あと次回で試作版は完結です。恐らく…


 ーーKillter Ichaival tron…♪

 

 

 

 

 

 戦いの狼煙は少女の歌声。

 

 

 雪音クリスの詠唱に反応して、彼女の紅弓はペンダントの姿からシンフォギアのあるべき形へ展開される。真紅のスカートに額当てといった装甲… くるりとまわすハンドガンのアームドギア。

 

 

「ばーん♪」

 

 

 神すら射抜いた紅き銃『イチイバル』が纏われると歌声に応えるように次々と背部にミサイルポットを形成して、盛大に弾丸を撃ちあげる。

 

 

「一発、残らず持っていけぇ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「…やっときたか。…ん?」

 

 

 一方のダークロプスゼロも詠唱に反応して腰をあげると空にチカチカと光るそれらに気がついた。カメラの倍率を上げて確認すると正体は魚群が如きミサイルの潮流…なる程、まずは絨毯爆撃でこっちの足を鈍らせる気というわけか…。

 

 

「おいおい、そんなんじゃ蟲一匹落とせないぜ?」

 

 

 額に収束する紫のエネルギー… 瞬間、レーザー光線が一閃と空を裂き薙ぎ祓いであっという間に弾幕は硝煙と爆風だけの花火に早変わり。このダークロプスメイザーを実弾で突破なんぞ愚の極み…

 

 …いや、煙を突き抜けて何か

 

 

「はっ!」

 

「なにぃっ!?」

 

 

 先とは違う一回り大きいミサイルが来たと思ったら何か乗ってる!? ダークロプスゼロの意表を着いてミサイルサーフィンをして急接近してきたのはアガートラムを纏うセレナ。ぶつかる直前で足場を蹴り離脱すると、アームドギアから空中に無数の刃を形成して続けて剣の雨。しかし、ダークロプスゼロは鼻で嘲笑うと合間を残像すら残す速さでかいくぐり、一瞬で彼女を肉薄した。

 

 

「瞬間移動…!?」

 

「いや、滅茶苦茶速く動いてるだけなんですけど?」

 

 

 次の瞬間、華奢な少女の体に蹴りが炸裂し、残骸の山へと叩き込まれるセレナ。ダークロプスゼロは『あれ、前も言った気がする?』など呑気に着地していたが、そこへイチイバルからの砲撃が直撃し『ぐえ!?』と声をあげる。

 

 

「いってぇなぁ… 調子に乗るなよ!」

 

 

 大してダメージは無いが、怒らせるには充分…両腕でL字に構えて遠方にいるクリスを狙う。その途端、危機を察した彼女は砲撃用形態のイチイバルを格納して一目散で離れる……その数秒後にもならならいうちに真っ赤なビームが大地を抉った。ダークロプスゼロの必殺技のひとつだろうこの技は直撃したらシンフォギアでも粉微塵になりかねない威力。

 

 

 …だからこそ、ノックバックもそれなりに大きい。

 

 

 

「やれ、マリア!」

 

「姉さん!」

 

 

 

「…!」

 

 

 頭上ッ! 無防備な脳天に影とスペシウムの光が重なる…! ウルトラマンギアを発現させたマリアがスペシウム光輪を掲げ、振りおろそうとしていた。咄嗟に頭部のスラッガーを外して受け止めるダークロプスゼロ…しかし、体勢が不十分なため徐々に圧し負けはじめる…… 

 

 そして、マリアは問うた。

 

 

「お前は科特隊のウルトラマンなのか!?お前の目的なんだ…!?」

 

「…っ。スペシウムの装備、コイツが獲物か。」

 

 

 答えは返ってこない。だが、声はマリアの知る3人のウルトラマンの誰のものでもない気の抜けたようでいて冷たい男の声。戦の風向きすら気にかけない淡々とした調子は光の戦士たちの熱とはあまりに違う…いや、対局と言っても良い。

 

 

 彼等とは違う。

 

 そう感覚的に感じとったマリアだが、一瞬の隙をつき光輪ごとスラッガーではじきとばすダークロプスゼロ。空中の無防備な彼女目掛けて逆襲に……

 

 

「…お!?」

 

 

 入ろうとするも、右脚に何かが絡まって動かない…振り向けば、復帰したセレナがアームドギアを蛇状にしてこちらを絡めとっているではないか!

 

 

「テメェ!!」

 

「姉さん!」

 

 

 この決定的なタイミングを逃すわけにはいかなかった。即座に態勢を立て直したマリアが空を蹴って跳躍し、宙をクルクルと舞う光輪を掴みバランスを崩した敵目掛けて投げつける!

 

 

「これでぇぇ!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 爆発が起こった…雪音クリスは対戦車ライフル波に巨大化したアームドギアから固唾を呑んで見守る。あれだけの大技が至近距離からの直撃なら決着と見て間違いないだろうが…油断は出来ない。煙からマリアが離脱し着地し、ブーメランのように戻ってきた光輪をキャッチ…セレナも合流して立ち昇る黒煙の彼方を見据えていた。

 

 

 

「……姉さん…。」

 

「…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お前…さ、ウルトラマンがどうとか言ってたな…?」

 

 

 

 

「「「!」」」

 

 

 

 

 ゆらりと…チラチラと燃える炎に照らされながら立ち上がる影。赤いバイザーが不気味に輝き、カチリ…カチリ…とスーツが近づいてくる音に戦乙女たちは各々の獲物を握り直す。覚悟はしていた…でも、コイツは『強敵』なんて生易しいものじゃない。

 

 

「スーツだけとして見れば答えは『Yes』…よくは知らねえがゼロだがなんだががベースになってるんだらしい…忌々しいことにな。」

 

 

 晴れて現れた『悪魔』はスーツの煤をはらいながら悪態をついた。傷は目立ったものは見当たらない…やれやれと首をまわしてこちらを睨む。

 

 

「期待を込めて、ぶち殺す前に名乗らせてもらうぞ? 俺は殺し屋…

 

 ただの殺し屋じゃない。超一流の中の一流…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  ……星殺し、『メビウスキラー』様だッ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




北斗くん激おこ案件。

そして、シンフォギア側…実は被害が滅茶苦茶甚大だったりします。

 

謎のZ「なあ響、俺と一緒に師匠の弟子にならないですか!」

 

響「あーえと、師匠なら間に合ってます。」

 

謎のZ「まあまあ、そう言わず。若い女の子の弟子なら師匠もウルトラ喜ぶはず……」

 

 

 

謎のMIYAN●「ん…?翼、どうした? 何で刀もってこっちに…」

 


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最後のひとり


 中途半端になりますが、試作版はここまでにしようと思います。正式連載は構想をもうちっと練ってからにしたいと考えてます、はい。

 ニュージェネレーションと言いつつ、ニュージェネキャラがあんまり出てないぞ…(白眼)





「俺は殺し屋…

 

 

 

 それも、ただの殺し屋じゃない。超一流の中の一流……星殺し、『メビウスキラー』様だッ!!」

 

 

 

 メビウスキラー… ダークロプスゼロを纏う男は高らかに名乗りをあげた。戦乙女たちに全く遅れを取る気はないという絶対な自信所以か、歩き方など先より余裕が有るようない素振りを見せる。

 

 セレナとクリスが固唾を呑む中、マリアは再び問う。

 

 

「殺し屋…つまり、貴方は科特隊とは無関係ということかしら?」

 

「アァ? フン、まあ、因縁はそれなりに。気にすることはないぞ、すぐ会える…雇い主がお前たち含めて仲良くモルモットにしたいんだとよ?」

 

「…」

 

 

 そうか…事情はわからないが、知りたいことは知れた。微かにあった迷いも表情から消えていき、研ぎ澄まされた視線がメビウスキラーを見据える。

 

 

「…わかったわ。少なくとも、お前が科特隊に無関係の輩だと知れたなら充分…。あとは、全力で叩き潰して雇い主とやらの情報を吐いてもらうわ。」

 

「へぇ? 一応、言っておくけど…こうやってベラベラ喋るってことはお前たちに万一も勝ち目は無いってことだぞ? そこ理解してるかいお嬢ちゃん??」

 

「そっちこそ、理解しているかしら?思いが力になるのがシンフォギア… ウルトラマンを侮辱し、多くの罪の無い人間の命を奪った貴様への滾る怒りが力になる…。」

 

 

 その言葉に反応するように胸のカラータイマーがオレンジ色に点滅を始め、ウルトラマンギアが赤い色を帯びて輝きだす…。さながら、自爆寸前のような警告音を発する様に少し驚いた様子のメビウスキラー…。

 

 

「お前、それもう限界なんじゃねえのか? 地球人にスペシウムは手に余るぜ。」

 

「ご心配無用、これは…お前を全力で倒す合図だッ!」

 

 

 瞬間、両者が地を砕けるまで踏み抜き拳がぶつかり合う。あまりの衝撃にクリスとセレナは腕で庇う姿勢をとる中、戦いは音速の領域へ突入していく…。周囲に火花が散り、残像を追うのがやっとなほどの熾烈な格闘戦が繰り広げられアガートラムから放たれるスペシウムの潮流が乱舞する。メビウスキラーもスラッガーで応戦して、斬り裂かんとするが装甲を貫ききることが叶わず徐々に圧されはじめていた。

 

 

「ちっ。」

 

 

 口ほどにはまああるようだ。メビウスキラーはバッグ転して間合いをとりながら光線を放つがすかさずアームドギアをスペシウム光輪化させてシャワー状に弾きかえすマリア。思わぬカウンターにメビウスキラーは爆発で弾けとび、なんとか勢いを殺しながら着地するも鋭い横蹴りが顔面にクリーンヒットし瓦礫の山へ打ち込まれる。

 

 まだ猛追は終わらない。続けざまに体当たりをしかけ、瓦礫を粉砕しながら容赦なく地面を引きずりまわすと勢いのままに『おおおお!!!』と雄叫びをあげて投げ飛ばす。恐らく、真っ当な相手なら一たまりもないだろう。

 

 …真っ当な相手なら

 

 

「クソが!」

 

 

 しかし、敵は空中で姿勢を無理矢理にたてなおすやL字に構えてドス黒いビームを放つ。

 

 

「はあああっ!」

 

 

 マリアも対して、腕を十字に構えスペシウム光線で迎えうつ。マゼンタの光と黒い光がぶつかり合い、やがて膨張したエネルギーの塊がメビウスキラーに向かっていき炸裂。その衝撃をなんとか後方へ飛んで緩和しようとしたが、爆炎を斬り抜けて戦乙女が迫る!

 

 

「これでぇ!!」

 

 

 短剣形態にしたアームドギアにスペシウムを迸しらせ狙うがら空きの懐。刹那、太陽をバックにふたつの影が交錯してジャキン!と切断音が響いた。

 

 

 …数秒後、両者は着地。

 

 

「…勝った?」

 

 

 どちらも立っている… セレナは判断をしかねる。ダークロプスのスーツはマスクがひび割れ左腕も欠損しているが…一方のマリアも動く気配が無い。息を呑む空気が僅かの間だけ流れると、口を開いたのは…‥

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うん、地球人の割にはよくやったなお前。」

 

 

 

 

 

 勝利を告げるメビウスキラー。直後、マリアのアガートラムに赤黒い電流のようなものが走り彼女は悲鳴と身体の至る所から血飛沫をあげ崩れ落ちる…!馬鹿な、戦いはマリアのほうが圧倒していたはずなのに…!? そんな戸惑いを持つ者たちを他所に卑劣な殺し屋は地に付し血を吐き出す横顔を容赦なく踏みつける。

 

 

「ちょっとヒヤッとしたぞ。いくら未調整のスーツで遊んでたとはいえここまでやられるとは思わなんだ。意外と強いんだな地球人…見直したよ。ま、スペシウムを使った時点でお前の負けは確定してたんだ。」

 

「なん…で…!? 身体が、動…かない!?」

 

 

 おかしい。今までどんな相手も同じ系統の力を発動したギアなら対等に渡りあえた…つい先までそうだと思っていた。しかし、今はなんだ?シンフォギアは鉛の鎧を着重ねしたように重くなり、全身からは切り裂かれるような激痛に吐血と血涙が止まらない。

 

 

「お前ッ!」

 

「姉さんを離して!」

 

 

 すぐさま、救援に入るクリスとセレナ…だったが

 

 

「ま、スペシウムすら積んでないようなのは論外だがな。」

 

 

 風が吹いた瞬間、文字通りに撫で斬りにされたふたりの血が虚空を染めて、地面を濡らす。気がつけば、メビウスキラーはマリアから離れて背後で赤い雫が滴るスラッガーを手にクルクルとまわしている。

 

 

「大した傷じゃねえからそう簡単には死なねえから査定に問題無し。ま、他の5匹も確保したし、これで8匹か。よしよし、暫く良い飯が喰えそうだ。」

 

「…?」

 

 

 8…? どういうことだ?確保したというのは間違いなく流れから自分たち装者のことだろう。すると、メビウスキラーは嘲笑しながらその答を語る。

 

 

「このスーツはなぁ…ディメなんたらのおかげで並行世界を渡り歩く力がある。で、今回の俺の仕事は分断とお前らの生け捕り…… あ〜、そういえばお仲間の帰り遅くないかい?」

 

「!」

 

 

 まさか、翼が戻らなかったのは…!? そうだ、そもそもが並行世界から来た敵だというのだから次元移動の手段はあるのは当然だろう。そして、最初から狙いが自分たちだったならば…

 

 

「今頃、どうなってるだろうねぇ…?デスジウム改装された新世代〈ニュージェネレーション〉ウルトラマンと『陛下』相手に今頃、ボコボコにされている頃合いか。」

 

「ニュー…ジェネレーション…?」

 

「おっと、お喋りが過ぎたな。それじゃ、納品の時間といきましょうか。」

 

 

 パチン!とメビウスキラーが指を鳴らすと、何処からともなく棺桶のような半透明のカプセルが現れ、気怠げに動けないマリアを放り込んでロックをかける。続けて動けないクリス…セレナも同じく、別々のカプセルへぶちこんでいく。

 

 

「じゃあな。俺の特別ボーナスちゃんたち。」

 

「貴様ぁ!!!!」

 

 

 悔しさに吼えカプセルの壁を叩くマリア…されど、透明な薄いそれは全く傷つく気配すらない。やがて、カプセルはスイッチが入ったのかゴウンゴウンと音をたてはじめ、荷物を目的の場所へ転送しようと駆動する。もうどうすることも出来ない…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そこまでだ。」

 

 

 

 

「あ?」

 

 

 …誰だ? メビウスキラーは手をとめて背後からの声に振り向いた。…そこには青い瞳に黒髪サイドテールの少女、恐らくは響や未来とそう歳は変わらないと思われる姿。戦場に小綺麗な喪服を思わせるスカートに異様に落ち着いた喋りは異質…舌鼓みしていた獣も殺し屋としての本能に触れる臭いが鼻がつき、マスクの下の笑みを消して鋭く睨む。

 

 

「なんだお前?」

 

「グリ…いや…… 古き友は呼んだ…私を『美剣沙姫』とな。」

 

 

 美剣と少女は名乗ると臆せず、メビウスキラーに近づいていき手を翳す…すると、マリアたちを封じたカプセルに亀裂が走り、機能を停止。そのまま、サイコキネシスのような力で彼方へと吹っ飛ばす。メビウスキラーも煽りを受けよろけるが、獲物を横取りされた怒りに彼女へ牙を剥く!

 

 

「テメエ、一体なにしやがる!?」

 

「一流の殺し屋だと言ったな貴様? だが、私はお前程度の畜生などウンザリする程見てきた。借りにも一流を名乗るならとっとと失せろケダモノ…死ぬぞ?」

 

「ざけんな! 挽き肉にしてやんよ、クソガキぃ!!」

 

 

 

 一瞬で飛びかかる影が頭上から覆う… だが、美剣は動かず告げる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…吼えろ、『GRIGIO〈グルジオ〉』。」

 

 

 

 

 

 

 

「!」

 

 

 

 直後、メビウスキラーは反転して咄嗟に間合いをとった。同時に美剣は眩いスペシウムに似た光を発しながらその姿を少女からメカメカしい何かへと変貌させていった。割れたカプセル越しにそれを見ていたマリアは進次郎のウルトラマンスーツを纏う瞬間を彷彿していたが、彼女は人型のそれよりも二回り以上は大きくトカゲのような爬虫類地味たシルエットへと組みあがっていった。

 

 …一言で表すなら『怪獣』。

 

 

 真紅の装甲に刺々しい背中に巨大なブラスターを背負うウルトラマンスーツに似たテクノロジーらしき、機械の獣。『 MONSTER GEAR / GRIGIO 』それが、この力の銘。

 

 

 

 

 

「いくぞ、グルジオ! ニュージェネレーションチーム、最後の生き残りとして責任を果たすッ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 To be continued…?






 こ こ ま で だ よ (失速)


 はい、ニュージェネレーションからツルちゃんこと美剣サキ(R/B本編とは別)が登場。実は、ギリギリまでウルトラマンZにするかどうか悩んだけどZは令和扱いなので彼女を採用。オリジナルスーツ『モンスターギア/グルジオ』を駆り参戦…モチーフは勿論、怪獣グルジオボーンとグルジオキング。ウルトラマンスーツの技術で怪獣スーツ作ったみたいに思ってもらえればおkです。

 そして、ね…失速じゃよわし。シンフォギアとウルトラマンの熱いクロスオーバーを描きたいのに脳内構想が陛下もドン引きする程の闇のフクイデ先生祭りになってしまう…。ベリアルさまァ!

 教えてくれ、ゼロ…どうしたらいいんだ。進次郎のラッキースケベよりフクイデ先生の半裸変態発狂のほうしか思いつかない…悲しい人だ(自分が)。




 



 さて。真面目な流れの話。シンフォギア側の被害がXVと良い勝負な幕開けの今回、XDイベント同様に3人それぞれのウルトラマンに着眼点をあてた話になっていく予定。ジード関連に深く関わる進次郎、ゼロ関連に業の深い話になる諸星、因縁の相手に再び復讐に走る北斗、この3つの柱を中心にシンフォギア組は絡んでいくことになる予定。装者はアナザー以外は皆出します。奏さんに『よっ!諸星の旦那!』って言わせたい。

 未来もニュージェネレーションではないけど、あるウルトラマンと関わることに? 


 取りあえず、いつ正式にスタートするかわからないけどお待ちください更新を! 宜しくお願いしますZ!


 感想とか…お待ちしてます。
 

 


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