ONE PUNCH MAN COSMIC~ワンパンヒーローと宇宙ヒーロー~ (ルオン)
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プロローグ:宇宙ヒーローの死
とある世界
雨が降る街中で、1人の青年が頭から血を流しながら立っていた。
そして青年の向かい側には、ドス黒いオーラを出した、紫色の怪物が立っていた。
『諦めろ2代目。貴様では我には勝てん』
「んなもん、やってみなきゃ分からねぇだろ?」
『諦めが悪い奴だな』
「生憎、諦めの悪さは、師匠たち譲りでな!!」
そう言った青年は腰にある物を巻きつけると、その姿を仮面の戦士へと変える。
そして姿を変えた青年の手には、剣が握られていた。
『今の貴様の状態では、充分なエネルギーは出んだろう。例え他の姿の力を加えても、俺を倒すことはできん』
「い~や出せる」
『バカな……どこにエネルギーが余っている?』
「あるじゃねぇか……ここにな!!」
そう言いながら、心臓部分を叩く青年。
『まさか貴様!?死ぬつもりか!?』
「テメエは、この世界を潰したら、別の世界も潰すって言ってたからな……俺の命を燃やさねぇと勝てねぇとおもった」
『何故だ!?何故そこまでして世界を守ろうとする!?』
「何故?決まってる…………ダチの為さ」
『ダチ?』
「俺には、自分の命に変えても守りてぇダチがいる…………そいつら守る為なら、この命惜しくねぇ!!」
『バカな……無駄だと分かってやるのか!?』
「無駄かどうかは…………やってみなきゃ分かんねぇさ!!」
青年はそう言うと、腰に巻きつけた物についているレバーを何回も動かす。
〈オーバーリミットブレイク〉
「うぉおおおおおおおお!!」
腰に巻きつけ物から音声が鳴り、青年が雄叫びをあげると、青年の体からものすごい量のオーラが放出され、剣の剣先からオーラの剣が形成される。
『バカな!?こんなこと……ありえない!!』
「ありえねぇ事をやってみせんのが……俺たちスーパーヒーローだ!!ライダー……超超銀河フィニッシュ!!」
青年はオーラで形成された剣を振り下ろす。
怪物は腕をクロスして、その剣を防いだ。
しかし、怪物はあまりの重さに耐えられず膝を崩してしまう。
『な、なんだこの重さは!?』
「この重さは俺の……ダチを想う想いの力だ!!」
『想いの……力……!?』
「いっけぇえええええ!!」
『ぐぅぅぅ…………がぁああああああ!?』
怪物は剣に耐えきれず斬られ、爆砕した。
それに合わせるかのように雨が止み、雲が晴れていく。
そして雲が晴れた事により出てきた太陽の光が、青年を照らした。
「……仇は討ったぜ?トワイ……お前のおかげで勝てた」
─ドサッ─
青年はこの戦いで亡くなってしまった友に礼を言った途端、仰向けに倒れた。
「はは……どうやら逝くみたいだな…………レイン、師匠達、先輩方……後を………頼……む……」
青年はそう言って、静かに瞳を閉じて息を引き取った。
数分後、青年の仲間が駆けつけ、青年は世界に英雄として語られる事となった。
こうして青年──|我望〈がもう〉|銀牙〈ぎんが〉の物語は幕を閉じた
しかしそれは、一時的なものであった。
真っ白な空間
そこに死んだ筈の我望 銀牙が横たわっていた。
「…………あれ?ここは?」
目を覚ました銀牙は体を起こし、辺りを見渡す。
「ここはいったい……俺は死んだ筈なのに…」
「そう、君は死んでしまったんだよ銀牙」
「(この声は!?)」
銀牙は突然聞こえてきた声に驚き、後ろを振り返る。
「アルマ!?」
「やぁ久しぶり銀牙♪」
そこにいたのは銀牙の友で、世界を見守る神の1人であるアルマであった。
「アルマがいるって事は……ここはあの世か?」
「正確には、生と死の狭間だよ。あの世と皆が生きる世界の通り道だと思ってくれればいいよ」
「そうなのか……俺はどうなるんだ?」
「それなんだけど、転生してみないかい?」
「転生?」
「別の世界に行って、生きることさ」
「ふむ……」
アルマに提案され、考えこむ銀牙。
「アルマ、転生を頼む」
「りょ~かい!!欲しい特典はあるかい?」
「特典か……俺が使っていた力を持っていけるようにしてもらってもいいか?」
「いいよ。他には?」
「ない……アルマ、頼みがある。─────頼めるか?」
「それくらい、御安いご用さ」
「頼んだ」
銀牙がそう言うと、銀牙の目の前に扉が現れる。
「そこを通れば、君は新しい世界に転生できるよ」
「分かった……色々ありがとな!!アルマ!!」
そう言った銀牙は扉を通り、転生する。
こうして、我望 銀牙の、仮面ライダーフォーゼの物語が再び動き出したのだった。
という事で、企画に参加するフォーゼとワンパンマンのクロス小説です!!
次回は銀牙の転生後の話なります。
次回も是非読んでください!!
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