Re Start・My Life (特殊作戦群)
しおりを挟む

序章
プロローグ~英雄の条件~


誰かが判断を下さねばならなかった・・・「命を諦める」という判断を・・・


第二次朝鮮戦争開戦からXX日

 

北朝鮮 某所

 

自衛隊拉致被害者救出部隊タスクフォース・ゴースト

 

「バカ、早くいけ俺に構うな」

 

仲間であり友人の一人陸自特殊作戦群の加藤貴明三佐に肩を貸され、手榴弾の破片と撃たれ負傷した個所をかばいながら撤収ポイントまで移動するが

 

「저쪽이야, 빨리 쫓아라」{あっちだ、早く追え}

 

「단 한명도 놓치지 마라」{逃がすな、一人残らず殺せ}

 

騒いでいる北朝鮮人民軍の兵士らの迫る声が聞こえてくる俺は

 

「・・・・・・・」

 

ドンッ

 

加藤を押し

 

「行け、殿は引き受けた・・・それと皇と琴瀬に伝言頼む」

 

迫る北朝鮮軍をしり目にHk416に弾倉を装着しなおし

 

「「二人仲良く、末永く幸せにな」って」

 

加藤に言い

 

「バカ言うな、親友を戦友を見捨てるくらいなら共に戦って死ぬ」

 

それに

 

「言い争いしてる時間すら惜しいんだ、頼む・・・手負いの俺を連れてけば部隊は全滅するぞ、間違いなく。ここまできてそんな事出来ない。任務未遂行じゃ死んでも死に切れない・・・頼む」

 

俺は言い

 

「・・・・・・・・・・・・・・」

 

加藤は黙り

 

「反対です、一ノ瀬三佐を置いて行く事など・・・認められません」

 

俺の部下で俺や加藤の後輩にあたる高本二尉が反対意見を述べ

 

「俺もだ、生きるも一緒、死ぬ時も一緒お前が残るなら俺も・・・」

 

木村も言い

 

「オレモダ、ユウキヲミステルナンテデキナイッ」

 

共に作戦に参加している中国人民解放軍の少校{少佐}の張・英久も反対するが

 

「命令だッ高本」

「木村、張、頼む」

 

俺は激痛が走るのをこらえ筒言い、やがて

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

加藤はマガジンポーチから5.56㎜弾が装着されたマガジンを7本と拳銃の弾倉を5本そして手榴弾を4個俺の脇に置き

 

「今まで一緒に戦えて光栄だった、優希・・・ありがとう」

「お前の事絶対生涯忘れない・・・」

「ユウキ、アリガトウ」

 

泣きそうになっている加藤に張が言い俺も

 

「ああ、こちらこそ四人とも」

 

敬礼しながら言い

 

「先に靖国で待ってる」

 

俺は言い最後に

 

「行けッ」

 

そう言い匍匐の姿勢を取り迫る敵を迎え撃つ準備を取る

 

親友達と最後の別れを済ませ俺を残し部隊は拉致被害者らと共に撤収していく、それをしり目に不思議と死への恐怖感はわかなかった、国民を仲間を守る為に死ぬならむしろ名誉だとさえ思えた。そして

 

「最後の檜舞台だ、大暴れしてやる」

 

迫りくる朝鮮兵を射線に捉え照準器をのぞき込む。それが俺の、海上自衛官一ノ瀬優希の生前最後の言葉となる。

 

 

 

 

「・・・・・うん?!」

 

目を覚ますと周りは最後の北朝鮮兵と銃撃戦を展開していた場所ではなく靄が掛っていた

 

「・・・・・・死んだ・・・・か」

 

俺がつぶやいた時

 

「一ノ瀬優希 職業 海上自衛官 階級・・・死後特進含む三佐より海将補へ特別昇格並びに諸外国より勲章が送られる、中に名誉勲章相当含む」

 

後ろから声が聞こえ

 

「誰だッ」

 

振り向くとそこにはクリップボートに何やら資料が挟まれた物を持った女性?が居た

 

「ふぅ・・・お迎えに上がりました、一ノ瀬さんいえ少将とお呼びしたほうがよろしかったでしょうか?」

 

その女性は言い

 

「全て見ていました。本当に・・究極の決断だったと思います、自らの命を諦めると言う事は」

 

その女性は言い

 

「名乗りもせずに失礼しました、私はシルフィー、貴方の世界で言われている所の神様です」

 

女性は言い

 

「・・・・・・・・・・・」

 

俺は内心

 

{うさんくせぇ}

 

と思っていたが

 

「貴方は知りたくはありませんか?あの後どうなったかを」

 

神様?シルフィーさんは言い

 

俺も

 

「・・・・ああ」

 

気づけば、うなずいており

 

モニターのような物が俺の目の前に出てきた。モニターに映るは皇と琴瀬の再会のシーン互いに泣きながら抱きしめあっている、これを見て

 

「よかった・・・・本当によかった・・・・本当に・・・」

 

俺も気づけば泣いていた、自分の死が無駄死に・・犬死になったわけではないと言う事を見届けられそして次に映ったのは自分の葬式の光景だった

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

皇も琴瀬も共に戦った加藤や高本に木村それにわざわざ中国から駆けつけてくれた張も皆泣いている。祭壇に置かえている遺影は軍服姿の俺だった、その脇には同じ拉致被害者を抱えている国から贈られたであろう勲章が置かれていた、棺は自衛艦旗たる旭日旗にくるまれていた。その脇には最後の戦いを共にしたHk416がライフルスタンドに立てかけられていた。丁重に清掃された状態で・・・

 

「貴方は部隊の撤退支援の為に手負いの状況下にも関わらず残り鬼神の如く戦い敵兵69名を殺害、貴方に足止めされ朝鮮人民軍はまんまと撤退を許してしまった事になります、作戦損害は65名中15名が負傷そして死亡はあなた1人です。」

 

説明を受ける中モニターを見ていると

 

「あ・・・・・・・」

 

1人の女性が泣き崩れているのが見え周りの人たちに支えてもらいながら棺にしがみつきボロボロに泣いているその彼女もまた面識が・・いや一番深い関係にあった人だった。それを見抜いているかのように

 

「蒼川真珠さん、貴方の元恋人で年も同い年。職業画家」

 

紙を読み

 

「貴方、相当彼女に愛されていたのね、貴方が殉職したと報告がご家族・ご友人に上がっても頑として「彼の遺体が見つからない限り私は生存を信じてます」ってでも貴方の遺体が北朝鮮で発見され、帰国否が応でも「貴方の死」を受け入れなければならなくなった。しかし事はそれに収まらず、貴方の死後に貴方の職種が特殊部隊の指揮官であった事が露見し逆にショックも受けたようね、「そんなに信用なかったのか」と」

 

シルフィーの言いに

 

「言える訳ないだろッ、軍事機密なんだ、国防機密なんだぞッ」

 

大声をあげてしまうが

 

「落ち着いてください、」

 

言われ

 

「貴方は彼女との遠き日の約束をまだ覚えていますか?」

 

言われ

 

「言われなくとも、一時も忘れた事はない」

 

答え

 

「明日も未来もずっと、末永く一緒にいよう」

 

答え

 

「彼女蒼川さんも貴方の葬儀で言ってます「明日も未来もずっと、末永く一緒にいようって言ったのに・・・私を置いて先に逝くなんて・・・・」と」

 

それを言われると痛かった。

 

「・・・・・・何も言い返せない・・・・」

 

言っていると

 

「さてと、前置きが長くなりすぎましたが貴方はあちらでのお勤めを終えました。普通ならばあとは裁きを受け貴方の魂が天国へ行くのかはてまた地獄へ落ちるのかが決まります」

 

シルフィーは言い

 

「成る程な、じゃぁ言うまでもないだろ、俺は地獄送りだ。敵兵69人殺して最愛の人との約束を破り裏切った。もう決まりじゃないか一思いにやってくれ死んだ後も苦しみたくはないが」

 

答えると

 

「敵兵の殺傷については戦争ですからやむを得ないかとそれに約束を破った・裏切り行為だと言う事も軍事機密である以上口外は出来ない。そうすると判断材料が少ないのです。ですので、私から提案です」

 

シルフィーさんが言い

 

「転生しませんか?平行世界の日本国に」

 

言われ

 

「私が特権を行使し貴方を転生させます。もう一度人生を歩みそして全てが終わった時、また此処に来た時私がジャッジメントを下します。それと私からのプレゼントをさしあげます。」

 

シルフィーさんは言い以下の事を提示された

 

1 記憶・勉学などの能力はそのまま引き継き

 

2 身体能力も一定の年齢後に今の能力を開放

 

3 姓名は同姓同名

 

4 生まれる家も前世同様

 

 

などを提案され俺も内心

 

「{流石にまだ地獄に落ちたくはない・・・・}」

 

想い

 

「その後提案お受けいたします」

 

言い

 

「分かりました。それでは直ぐにでも」

 

シルフィーは言い

 

「では今度こそ天寿を全うして此処に来てください。」

 

言われ

 

「ハイ」

 

そう答えまた俺の視界は靄で覆われたのだった。




次回~想定外の始まり~を予定しております。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

一夜限りの奇跡の邂逅

優希の死から10ヶ月私は今だ立ち直れずにいた・・・・


優希の死から10ヶ月

 

20XX年8月某日

 

「・・・・・・・・・・・・・」

 

私は無気力になっていた。最愛の人を失うと言う事は此処まで堪えるのかと言う事を始めて知った。

 

「優希も・・・木村も、加藤も高本も・・・張も・・皆逝ってしまった。」

 

私は飾られている写真を見て言った。あの優希の葬儀後再び戦地に戻った矢先に木村がそして平壌攻防で加藤・高本・張の3人が死んだ。

 

「{良い人から神様は先に連れてくと言うけども本当なのね・・・}」

 

あれ以降何も描く気が起きず私は只々無気力で無意味な1日を過ごし続けていた。そんな日の夜だった。

 

 

 

真珠 アトリエ

 

「・・・・本当の事も言わずに・・・・なんで・・・」

 

気付けば私は泣いていた。よく言われる「失って初めて気づく」というのはあっていると思っていると

 

「色彩の女王がどうかと思って見に来てみれば・・・」

 

声が聞こえ振り返ると、そこには会いたくて会いたくて仕方がない人がいた。次第に涙が目にたまり

 

「な・・・なんで・・・」

 

私が言うと

 

「なんで・・・と聞かれると俺も「お盆だから?」としか答えようがない・・かな」

 

私の前にはあの葬儀の時のように海上自衛隊の制服姿の紛れもない「一ノ瀬優希」が若干の呆れ顔と共に立っていた。

 

そのまま私の隣に座り

 

「絵・・・描かなくなったんだな。」

 

まっさらなキャンバスを見て優希は言い

 

「描けるわけないでしょッ」

 

言い私は

 

「なんなの、防衛大学卒業してから私を捨ててからどこをどう踏み外せばあんな所に行きつくのッ」

 

優希を怒鳴り

 

「なぁ・・・真珠あの「豚野郎」がすんなりと返すと思うか?あそこまで俺達の祖国を舐めるような「豚野郎」が」

 

優希は言い

 

「それでも、私は貴方に生きていてほしかった。生きてさえいれば・・生きてさえいてくれれば・・・」

 

私はまた泣きだしてしまう。それに対し

 

「悪い事をしたとは思う、真珠を騙した事も、「特殊部隊」の事もでも道はそれしかなかった。「大の虫を生かすには小の犠牲はやむを得ない」という言葉があるだろう?」

 

優希は言ったが私は涙を拭きつつ首を振り

 

「私にとって貴方は全てだった。学生の時も「周り全部敵」の私にとって貴方は唯一の味方、ううん唯一の理解者・パートナーだった。いつも私を励まし私が間違えれば叱ってくれて、それでいて周りとの防波堤に何度もなってくれた。甘えていた自覚はあった、でも私にとって「貴方が絵を描く原動力になっていた」の、貴方に喜ばれたい、貴方が私の傍に居てくれれば何もいらないそう思っていたのに・・・・」

 

すべを吐き出した。優希は

 

「真珠はもう立派に一人でやってるじゃないか・・・いやひとりじゃない・・な。竹本先輩に小川さんに色々と真珠を見守り支えてくれる人は居る。俺の役目はとうにおわっていたんだよ。」

 

優しく笑い私に言い

 

「俺は最後のその瞬間まで自衛官であれたことに特殊部隊員であれたことに誇りを持ってる。多くの人を・家族を救う事が出来た。俺は後悔していない。自分が間違いを犯した自覚は十二分にある。最愛の人を偽り・裏切った。でもそうしてでもやらねばならぬ「任務」だった。」

 

優希は凛とした表情で言った。私は思った

 

「{ああ・・あの時優希は既にこうなる事を・・・自分の死を予感していたんだ}」

 

と感じてはいたが

 

「でも・・・私は思ったよりもダメな人間だったみたい。貴方が殉職してから10ヶ月筆をとっても何も書けない。インスピレーションもわかない・・・」

 

言い

 

「ねぇ、優希教えて、私は貴方の居ない世界でどう生きていけばいいの?何を生きがいにして生きていけばいいの?・・私・・わたし・・分からないよぉ・・・」

 

優希は私を見て

 

「今は確かに時間が必要かもしれない・・・「過去」と割り切るまでに。それにな真珠・・・」

 

優希はそのまま再び立ち上がり、アトリエの窓を開ける。

 

「人は生まれた時から既に「終わり」に向かって歩みだしてるものだ。それがいつ来るかわ誰にもわからない。神様くらいだろうな。その「命の終わり」が訪れるのを知るのは」

 

優希は振り返り言い

 

「お前はまだ生きている。お前の言葉を借りるが生きてさえいれば何でもできる、楽しい事もいっぱい待ってる。そして幸せも」

 

言った。

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

私はだまって聞き

 

「俺は真珠の・・お前の絵願わくば・・また見たいな。世界にその名が轟いた「色彩の女王」の絵を」

 

優希は言った。

 

「無責任だと思うけども俺は言うよ。俺は信じてる、こんな所で燻ぶるお前じゃない必ず立ち直る。また走り出せると」

 

私を励ますように言い、私も

 

「優希・・・私は確かにまだ「そっち」に行く事は出来ない。でも・・でも天命を全うしてそっちにいくまで「待っててくれるかな?」」

 

私は優希に言い

 

「本来なら、もう死んだ人間の事など忘れろと言いたいところだが・・・」

 

優希も私を見て

 

「俺みたいなやつが言える立場ではないのは重々承知してる、でもお前を待って居たい、次に来世があるなら、お前に許されるなら今度こそお前と共に一生を共にしたい」

 

優希は言ってくれ、

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

私の頬を涙が伝い

 

「あっちで浮気しないでね・・・気の遠くなるような時間かかるけど」

 

私は苦し紛れに言ったが

 

「俺に時間の概念はもう存在しない。気長に待ってるよ。それに時々見に来るよ。真珠にはもうこうして見えないかもしれないけどね」

 

優希は言い

 

「そろそろ時間だな・・・・・」

 

そう言うと。

 

「じゃぁ・・・な、「頑張れ、真珠」」

 

そう言い残して消えて言った。

 

 

翌日

 

「はッ!!」

 

目を覚ますと既にまた1日が始まっていた。しかし、何かが違う気がした。自分の中で決定的な何かが違うと感じた。起き上がり机を見た時「昨日の邂逅が幻ではない証拠」があった。たった一言だったが

 

「「頑張れ、真珠」」

 

その筆跡は紛れもない優希の物だった。最愛の人の筆跡を間違えるほど私も愚かではない。

 

「・・うん・・・がんばるよ・・・・私がんばるからね「優希」」

 

その時、私の脳裏に次の絵画のインスピレーションが沸いた。

 

「!」

 

これは優希が私の為に最後のプレゼントをくれたと思い私は10ヵ月ぶりにキャンバスにむかった。そしてのちにその絵画に作名を付けた時の名は一言「奇跡」と付けたのだった。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

本編~高校生編
第1話~運命の再会と新たな始まり~


この世界に生を受け数十年高校に入学するが思わぬ「運命の再会」を果たす事になる、生涯にわたって続く縁を・・・


無事に日本に転生し前世と同じ両親の間に生まれた優希だったが驚きの連続だった。

 

「ようやく高校まできたが・・参ったなぁ・・・」

 

俺は言った。俺が今年から通うのは五条館大付属学院。まぁ、レベルの高い学校だ。だが、今現在俺は危機に直面していた。遡る事数分前

 

「「ここが三年間世話になる花壇寮か・・・・・・ん・・」

 

よく目を凝らして見ると

 

「花壇女子寮」

 

と書かれており、自分の送られてきた紙を見るが

 

「ここ女子寮じゃんッ!!」

 

俺は慌てて学園の職員に抗議死に行くと

 

「ええ、女子寮ですね・・・それが問題でも?」

 

言われ

 

「あの・・・俺が女に見えますか?一度眼科に行ったほうがイイんじゃないですか?」

 

言うが

 

「これ以上はこちらもわかんないんで後は寮監の佐藤佳奈先生に聞いてください。」

 

言われ相手にしてもらえなかった。

 

「クソッ、いきなりホームレスとかんなのありかよ・・・」

 

毒付きながら仕方がなく花壇寮に行き

 

ピンポーン・・・ピンポーン・・・ピンポーン・・・ピンポーン

 

「あーーーーーーッ、もううっさいーーー一回鳴らせば分かる!!」

 

中からなんとも言い方は悪いがちびすけが出てきた。

 

「あの、すみません寮の件について寮監に聞けと言われてきたのですけれど・・」

 

俺は聞くと

 

「・・・・・・・・・あ~~お前か寮が満杯で溢れたラッキーボーイは」

 

そう言うと

 

「自己紹介がまだだったな私は佐藤佳奈この花壇寮の寮監だまぁ付いてこい」

 

わけがわからぬままに案内され着いたのは

 

「此処はまぁ簡単に言うと寮監の専用の管理棟だ。まぁこの一戸建てがお前の寮替わりになるんだが先客がいるから気を付けろよ・・・・・( ̄∀ ̄)」

 

なぜかにやけているのが気になったが

 

「分かりました、ご丁寧にありがとうございます。」

 

女子寮とは言え管理棟なら気が楽だし何よりVIP待遇みたいで良かったが、この時俺は聞いていなかった。「先客」の事について

 

「お邪魔しま~す」

 

中に入るしかし何も聞こえてこない。部屋一面を見ると

 

「ほーーーー、中々いい感じじゃん・・・・」

 

俺が思っていると

 

「優希・・・・」

 

名前を呼ばれ振り返るとそこには、忘れるはずのない顔があった。だが「彼女」にそれ以前の記憶があるはずもないと思い初対面を装った・・・違和感を感じつつ

 

「えっと、はじめまして一ノ瀬優希です」

 

握手を求め手を出すが

 

「はじめまして・・・・・・じゃないでしょ?」

 

そう言い握手の為に掴んだ俺の手を自分の所に引き寄せ俺を思いきり抱き締めた

 

「ずっと・・・・会いたかった・・・」

 

言われ、彼女は離れると

 

「いきなりこんな事言われると不気味に感じるかもしれないけど言わせて」

 

一旦区切り

 

「明日も未来もずっと、末永く一緒にいましょう」

 

「!!」

 

その一言に俺は確信した「彼女は俺の知る蒼川真珠だと」

 

「で・・でも・・・お・・お前なんで・・・・」

 

俺が言うより

 

「おいおいゆっくり今日の夜でも話しましょう」

 

彼女、真珠に言われ

 

「あ・・・ああ」

 

俺の思考回路は混乱気味だった。それを他所に

 

「優希、こっち貴方の部屋よ」

 

真珠に腕を取られ二階に行く。そして自分の部屋に入り驚く。

 

「ベットにミニ冷蔵庫にクローゼット、それにテレビまで・・・」

 

驚く俺をしり目に

 

「でしょ!」

 

真珠は言った。そのあと互いに部屋の整理を行い夕方・・・・

 

「夕食出来たよ、有り合わせだけど」

 

真珠に呼ばれ下に降りると相変わらずというかちゃんとした夕食が並んでいた。

 

「うまそうだな」

 

俺は言い、彼女も席に着き

 

「「頂きます」」

 

二人で夕食を食べる。そして食後、俺は蒼川の部屋に通され

 

「貴方が聞きたい事もあるだろうけど、私も言いたいことがあるいい?」

 

彼女の問いに

 

「分かった」

 

一言答え俺から切り込んだ

 

「なんでお前に「前」の記憶がある、そもなぜ「お前」が此処にいる?」

 

俺が聞くと

 

「・・・・・・やっぱり、それ聞くよね・・・・うん、全部話すよ・・全部」

 

彼女は語りだした、俺が逝った後の事を・・・俺が逝ったと知った時の事を話し始めた。

 

 

蒼川真珠 回想

 

 

当時の私は救出作戦が成功し帰国を果たした琴瀬伊織さんのお見舞いに来ていた。

 

「本当に良かった・・・・本当に」

 

私が言う中、伊織とその婚約者の同級生の皇令君の顔が暗かった

 

「蒼川さんに申しわけなく思ってる・・・さっき話を聞きに来た防衛省のスーツ連中の話を聞いてしまったんだ・・・その・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・」

 

伊織さんも気まずいようにしている

 

「ど・・・どうしたのよ二人とも」

 

私が言う中、令君は意を決したかのように

 

「聞いてしまったんだ・・・北朝鮮で・・・一ノ瀬が死んだ・・・殉職認定が下りたって・・・遺体はまだ見つかってないけど・・・なんでだよ・・・嘘だろ・・」

 

令君は泣き始め

 

「私のせい・・だ・・私が拉致されなかったら・・・一ノ瀬君死なずに済んだのかな・・・蒼川さんと幸せになれていたのかな・・・・」

 

伊織さんも今にも泣きそうになっていた、それよりも私のほうが驚いた

 

「ちょ・・ちょっと待ってよ、確かに私達別れたけど優希の仕事が自衛隊員?!初耳なんだけども」

 

死んだと言う事も言葉を失ったがそれよりも何でと言う事のほうがつよかった。

 

「蒼川さん、確かに居たの救出部隊に一ノ瀬君も木村君も高本君も加藤君それに留学生だった張君もいたでも迎えに来たオスプレイに乗った時一ノ瀬君はいなかった。それに私の耳にも聞こえるくらい激しい銃声が聞こえてた・・・」

 

彼女は・・伊織さんは泣きながらいっていた。さいしょから私は信じてはいなかったでも・・・・・

 

 

6日後

 

 

真珠 自室

 

「政府は先ほど、拉致被害者救出作戦に参加し現地の戦闘で行方が分からなくなっていた隊員の遺体を発見したと正式に発表しました」

 

自室でのテレビでレポーターが言い

 

「へ?!・・・・・・」

 

私は夕食に食べていたカレーのスプーンを落としてしまうもテレビ画面を見ると

 

 

「判明した遺体の身元は海上自衛隊 特殊部隊SBU所属 三等海佐 一ノ瀬優希さん28歳と断定されました。なおご遺体はアメリカ経由で帰国されるそうです」

 

テレビのリポーターが言ってることが分からなかった

 

「・・・優希が・・・し・・・死んだ・・海上自衛官?・・・特殊部隊?」

 

私が現実を受け入れる時間の余裕すらないままアッという間に葬式の日を迎えてしまった。遺体を見るまでは信じないそう思っていた・・・でも

 

 

「ゆ・・・・優希・・・・」

 

棺の中に納まっている遺体は間違いなく優希だった。葬儀には優希の防衛大学時代の同期生や私達高校の同期生などが何列していた、私はショックで涙が止まらなくなっていた。脳裏をよぎるのは在りし日の明日も続くと信じて疑わなかった幸せな日々の想い出、周りからも

 

「良い奴だったのに・・・こんなの残酷すぎる・・」

 

「立派な自衛官だった、人生これからという時に・・・」

 

「惜しい奴を亡くした・・・本当に残念だ・・・」

 

「最高の自衛官であって特殊部隊員だった・・・」

 

「また政治屋のバカ共のお陰で優秀な自衛官を仲間を失った」

 

「皆、一ノ瀬も自衛官として特殊部隊員として最後まで責務を任務を全うしたんだ、同期として胸張って見送ってやろう」

 

優希を知る人たちは口々に言っていた。優希はその後、二階級特進し三佐から一佐にそしてその後どういう経緯かわ分からないけども特別昇任が認められ海将補になっていた。

 

葬儀後

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・」

 

 

優希の遺影を前に皆が黙る中

 

「なぁ琴瀬・皇・・あいつから伝言預かってるんだ・・・」

 

加藤君が言い

 

「何かな・・・」

 

伊織さんが言い

 

「「二人仲良く、末永く幸せにな」と」

 

加藤君が言い

 

「ッ・・・」

 

伊織さんとご両親は泣き、令君も優希の遺影に

 

「なんで・・・なんでこんな報われない人生で幕を下ろさないといけないんだ、お前は俺の数少ない親友だった、友だったお前の幸せを俺も祝福したかった・・なのに・・なのに・・こんなのって・・・」

 

 

令君を見ていると気の毒になってきた、でも私の怒りは別の方向に向いてしまっていた

 

「ねぇ・・木村に加藤に高本に張・・・なんで此処に居るの?」

 

私は呟き

 

「え・・・・それ、どういう・・・」

 

言おうとした高本を遮り私は怒鳴り散らした

 

「優希は殉職したッ、戦死したのに何で貴方達は此処に居るのッ?仲間を見捨てるのが自衛隊の軍隊のする事なのッ!!」

 

私も泣きつつも怒鳴り散らしていた。そこに

 

「蒼川、そこら辺んで勘弁してやってくれ・・・皆つらいんだ、現場で戦う者も、帰還すると信じて待つことしかできない俺達も・・・・」

 

 

私を止めたのは私達の先輩にあたる藤崎智也先輩だった。

 

「一ノ瀬の最期は俺も報告で聞いてる・・・惜しい奴を亡くした、部隊の撤退を支援する為に一人残り69人の人民軍兵士を殺した。あいつの遺体の周りは空のマガジンと大量の薬莢そしあいつに殺された人民軍兵士の死体の山だった・・・・・あいつは負傷してるからこそ自分を無理に連れ帰ろうとする事によっていらぬ被害をさせるために・・・・自ら・・・殿を・・・・」

 

目元を抑えながら藤崎先輩は立ち上がると優希の遺影に

 

「良くやってくれた・・・さらばだ・・・友よ・・・」

 

一言言い敬礼をして去っていった。

 

「ごめん・・・・言い過ぎた・・・・」

 

私は四人に謝った、彼らが一番つらいのだ、この状況が

 

「いや、蒼川の言う通りだ、何が「特殊作戦群」だ優希を無理やりにでも連れ帰るべきだった俺達にいかなる損害が出ても」

 

加藤君は言い

 

「そうだ・・・俺は・・俺達はあいつを見捨てて・・・・・」

 

木村君も優希の遺影をみて呟き

 

「これは俺達4人死ぬまで・・・背負う「罪」だ・・・国籍なんて関係ない」

 

張君も言い

 

「俺も同罪です、先輩の大きな背中を追ってSBUの一員になったのに、先輩を守る所か先輩に守られっぱなしだった・・・情けない・・・」

 

高本君も言っている。そこに

 

「実は先輩から口止めされていたんですけども優希先輩、蒼川先輩の個展とかちゃんと見に行ってたんです、よく言ってました「良かった、ちゃんと成功を掴んだな」って、それと自衛隊では「特殊作戦要員」になる為には言い方が悪い事を最初に謝ります、一ノ瀬先輩は蒼川先輩と結婚するわけにはいかなかったんです。「妻帯者・妻子」が居ないものまたわ「長男でないもの」「離婚したもの」「扶養家族のいないもの」が選抜されやすいんです、言い方が悪ければ「使い捨ての駒」同然です。俺達の代わりは掃いて捨てるほどいると言う事です。」

 

高本君は言い

 

「でも、俺は言ってたんです先輩は自身の幸せを優先してほしい、琴瀬先輩らは俺達が必ず助け出します。ってでも一ノ瀬先輩は・・・・」

 

高本は優希の遺影を見て

 

「「俺だけ安全な所に居てお前らに何かあれば一生後悔する・・・なら俺は喜んで蒼川に恨まれよう」って言ってたんです。俺や皆がいくら説得してもダメでそのうちほんとに先輩と別れたと聞いたんです、一ノ瀬先輩はそこまでしてでも「特殊部隊」に固執していたんです。」

 

高本は言い

 

「どうして・・・・どうして優希はそこまで「特殊部隊」に固執したの?」

 

私が言うと

 

「拉致問題の軍事的な解決には特殊部隊が一番の近道だと考えたのかもしれません、今となってはもう答えを知る事は叶いませんが・・・・」

 

高本君は再び優希の遺影を見て

 

「最高の上官で理想の指揮官でした・・・本当に」

 

高本君は言った。私も彼の遺影を見て

 

「本当の事言ってほしかった、私を信じてくれているのなら「自衛官」・・「特殊部隊員」・・・例えそれが軍事機密でも最高機密でも・・・私と貴方の信頼関係ってそれ程度の物だったの?」

 

大事な人を最愛の人を失ってしまったショックからかそこから私は何をしようにも身が入らず、気分転換に外出した時に無差別殺傷事件に巻き込まれ優希の後を追うように死んでしまう事になったのだった・・・・

 

 

蒼川真珠 回想終わり

 

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

俺は言葉を失ってしまった、そこまで追い詰めてしまうとは思いってもいなかった。

 

「私と貴方の関係はそれほどなまでに信頼の無い関係だった?・・・違うでしょ?」

 

蒼川は言い

 

「事情を話してくれればあんな事しなくとも貴方を信じて待ってた。貴方を失った喪失感は計り知れなかった何をしても身が入らない、気づけば貴方が在りし日の事を思い出して泣く日々だった。」

 

話してくれた

 

「貴方はこの世界に生を受けてもう一度軍人の道を歩むつもりなの?また私を「置いてけぼり」にして

 

凄まれるが

 

「軍人の道に進むのは決めている。それでも真珠、お前を置いてけぼりになんてしない」

 

答えると

 

「言質はとったわよ・・・・」

 

そう言い

 

「お・・・おい」

 

俺が恐る恐る言うと

 

「今度こそ・・・貴方と添い遂げて見せる・・・例え貴方がもう一度軍服に袖を通す道を選んでも」

 

決意に満ち顔を上げ

 

「え?!」

 

驚く俺を他所に、今度は真剣な顔になり

 

「だから優希・・・貴方との未来予約させて・・・・・」

 

真珠は続けて

 

「明日も未来もずっと、末永く一緒にいましょう」

 

前に・・遠きあの日かわしたあの約束の言葉を言い俺も

 

「シルフィーに感謝すべきなのかな・・・・」

 

呟き、俺から真珠を抱きしめ

 

「今度こそ・・・明日も未来も、ずっと一緒にいよう・・・な・・・・」

 

彼女に、真珠に呟き

 

「うん」

 

彼女もうなずいた。そして

 

「浮気しないでよ・・・・ね」

 

真珠は言い

 

「しないよ、する理由がない。でもまた恋人をこうも早く持つともう別の恋愛はできないんだな・・・・」

 

感傷に浸ると

 

「さんざん私を泣かせた癖に??」

 

ジト目で言われそれを言われると

 

「ハイ、スミマセン」

 

直ぐに正座し土下座する。多分この世界で俺は真珠に頭が上がらないだろう。それをしり目に

 

「優希、この世界で最高の未来を描こうね」

 

ひまわりのような明るくきれいな笑顔に俺は

 

「えっと、最大限善処します」

 

答えた。そして

 

「語り明かしましょう、時間は一杯あるわ」

 

真珠は言い

 

「違いない」

 

時計を見て俺も頷くのだった。




次回~語り合う二人~を予定しています。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第2話~語り合う二人~

その日の夜、二人は寄り添い今までの時間を埋めるように語り合う、未来に向けて


真珠自室

 

「へぇー、そんなことが」

 

「うん、」

 

「まじか・・・・」

 

真珠の部屋で俺は話した。

 

「そうか・・・・令も伊織も幸せになったんだな・・・良かった・・本当に」

 

また泣きそうになる俺に

 

「二人とも、自分達の親や親戚を伴って貴方の殉職した命日にお墓を訪れて祈りをささげていたわ。お花を飾りずっと二人で言っていたわ、「その身を挺して守ってくれたから私の今はある生涯ずっと忘れない・・・」と伊織さんは言っていたわ。令君も貴方に語り掛けるように「そっちの飯はどうだ?まだ俺はそっちに行けないけど俺がそっちに逝ったら美味い飯作ってやるからその時まで・・その時までどうか待っててくれ」って二人とも涙流しながら言ってたわ。」

 

真珠は言い

 

「そっか、それはある意味では死にがいがあったというものだな」

 

俺は言うと

 

「・・・・・・・・・・」

 

真珠が怖い顔で睨み

 

「冗談でもそんなふざけたこと言わないで、次言ったら・・・「ワカルワヨネ」」

 

それに対し

 

「ハイ・・・スミマセン・・・」

 

直ぐに謝る俺

 

「それよかどうするんだ・・・この関係クラスの連中に不審がられるだろ。」

 

俺が言うと

 

「クスッ、そこは心配ないわ。」

 

真珠が笑いつつ言い

 

「貴方の協力も必要だけども?」

 

言われ

 

「どんな?」

 

聞くと真珠は次の事を言った

 

1 俺と真珠は中学時代から付き合っていたという事

 

2 互いに遠距離恋愛だった事

 

3 出会いは「絵画」関係だった事

 

それを聞き

 

「なるほどなぁ・・・・お前考えたなぁ」

 

俺は言い

 

「どう?」

 

真珠は尋ね

 

「オッケー、それで行こう。遠距離言うても学区少し違うだけだしな」

 

俺も言い

 

「うん」

 

彼女は言い俺もそれに合わせる事にした。

 

「一年生だとレクレーション多いわよね」

 

真珠は言いつつ渡された年間スケジュールに目を通し

 

「6月の林間学校とか10月の国内研修旅行とかいろいろあるわね」

 

言い

 

「んだな」

 

俺も言い

 

「しかしなぁ・・・また学生やり直しか・・・見た目は高校生中身は特殊部隊員なんかのアニメのキャッチフレーズだな・・・」

 

苦笑しつつ言い

 

「はぁ・・・それ私も同じよ・・・あの殺人鬼・・・ぶっ〇してさしあげたいくらいよ」

 

真珠も言い

 

「もう・・・絶対離れない・・・何があっても・・・」

 

俺の肩に頭を乗せ

 

「うん・・・俺も約束する・・・何があってもはなれないと・・・」

 

俺も真珠の頭に手を乗せる。そして

 

「明日さ、公園に行ってみて早朝に。あの習慣続けているんでしょ?」

 

真珠に言われ

 

「ああ、続けてるけども」

 

答え

 

「ならよかった。絶対よ」

 

言い

 

「分かった」

 

俺も答え

 

「今日も遅いしもう寝よう、じゃぁ俺自室に戻るからさ」

 

そう言いと

 

「え~・・・一緒に一晩明かそうよ」

 

言われるが

 

「またの機会にな」

 

俺は言い真珠の部屋を出るのだった。

 

「明日、早朝に公園か・・・・真珠の奴一体なんだろうな?」

 

俺は思いつつ自室に戻りベットにその身を委ねるのだった。




次回~再会する精鋭達~を予定しています。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第3話~再会する精鋭達~

翌日、日課の為のランニングに行く優希だったが、そこには「頼もしき精鋭」達が優希を待っていてくれた。


翌朝

 

「ふぁ・・・・」

 

枕もとの時計を見ると

 

「5時・・か、まぁランニングに最適な時間だな」

 

俺はベットから起き上がり運動用のジャージに着替え

 

「さてと、行きますか」

 

下の階に降りると

 

「おはよう、優希」

 

真珠が既にエプロンを付けて朝食の準備を始めていた。

 

「いや・・・起きるの相変わらず早いな・・・」

 

言うと

 

「そうでもないよ、私の場合絵を描いてい気分が乗ってくると時間忘れてそのまま描き続けてしますからさ」

 

恥ずかしそうに真珠は言い

 

「メニューは?」

 

尋ね

 

「シンプルよ、エノキの味噌汁にご飯、あとはおかずにベーコンエッグと鮭をいま焼いているわ」

 

真珠は慣れた手つきで料理をする。

 

「ほら、さっさとランニング行くならいった、ちゃんとご飯は作っておくから」

 

真珠に背中を押されるように強引に管理棟からほおりだされる。

 

「なんなんだよ全く・・・」

 

思いつつ俺は事前に調べておいた公園までランニングを楽しむ。

 

 

「ふぅ・・・ついた着いた」

 

公園に着き自販機に行こうとした時

 

「遅いぞ、相棒」

 

「全く、いつから時間にルーズになっちまったんだよ、幹部がそれじゃ下に示しが付かないだろ」

 

「精鋭たるもの完璧にこなさなければ」

 

振り返り俺は言葉を失った

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

あまりに突然の事で状況を飲み込めずにいると

 

「おいおい酷いな、優希俺だよ俺、哲郎だって」

 

「いつまで腑抜けてるんだ?相棒」

 

加藤がやれやれと言うように言い

 

「今度の休みに中華の美味しい所食べにいこうぜ、皆で」

 

張が言う。

 

「み・・・皆」

 

俺は泣きそうになった、もう会う事は叶わないと思っていた人に会えると言う事はこれほどうれしいのだと、今なら真珠の気持ちがはっきりと痛いほどに理解できる。

 

皆とベンチに座り

 

「お前が英雄として靖国に旅立った後に戦地に戻って最初に俺が死んでその後に皆だ」

 

木村が説明し

 

「でも、お前の報道は凄かったぞ、内外を問わずお前の事を悼む声が届いて一部の国内の左巻きの連中がお前を「ただの人殺しだ」なんていった日にはさぁ大変、左と右で大戦争が起こるし、飛び火して「売国党」の連中がそろって共謀罪で公安に捕まるしでヤバかった。」

 

加藤が言い

 

「でもまた皆でやり直せて本当に良かった、あの女神さまに感謝だ」

 

張が言うのだった。

 

「そうか、でもよかった、また皆と会えて」

 

俺は言い

 

「ああ、今度こそこの世界で「天命」を全うするぞ」

 

木村が言い

 

「おおーー」

 

俺達は言い

 

「おっと、そろそろ戻らないと男子寮の朝飯の時間だ。」

 

張は言い

 

「じゃぁ学校でな」

 

言うと3人は行ってしまった。

 

「ああ、学校で」

 

俺も言い管理棟に戻る・・・が

 

花壇遼管理棟

 

「え?!、なんで男子?!」

 

「ココ女子寮よね」

 

「先生どういうコト?!」

 

「え?えええ」

 

女子四人と

 

「えっと・・・朝食・・・二人分しか準備してないんだけど」

 

真珠も引き攣った顔をして言い

 

「どういう事ですか先生ッ」

 

直ぐに真珠は言い

 

「もう蒼川、耳元で喚くなってそもそも私が料理できると思う?」

 

先生は言い真珠と俺は

 

「「佐藤先生、それドヤ顔で言う事じゃない」」

 

先生と言って居ると

 

「えっと、私達先生が此処にくれば朝食と夕食は大丈夫だって言っていたので」

 

女子生徒の一人が言い

 

「先生、そんな勝手な事を言われてもこちらも準備があります」

 

真珠は言い、俺は冷蔵庫を見て

 

「まぁまぁ「真珠」そこまでキレる事ないだろ、飯なら急ごしらえだけども作れるから少し待って」

 

俺は言い冷蔵庫から食材を出し、卵焼き・サラダ・ウィンナーと大人数でもある程度は食べられるものを作り

 

「急ごしらえで申し訳ないけどもこれで我慢してくれ」

 

並べ

 

「「「「い、頂きます」」」」

 

「いっただきまーす」

 

空気の読めない先生も食べ始めるが

 

「なぁ、そう言えば一ノ瀬、お前蒼川の事「真珠」と呼び捨てにしていたが二人とも知り合いか?」

 

佐藤先生は言い、それに対し真珠がしれっと

 

「ええ、中学の時から付き合ってます、わかりやすく言えば「彼氏」です」

 

真珠は冷静にご飯を食べながら言い

 

「わぁっ、この卵焼き美味しい。腕上げたわね優希」

 

真珠が卵焼きをほめる中

 

「二人とも付き合ってるの?」

 

一緒に朝食を食べている女子生徒が言い

 

「ああ、ごめんなさい私は1-A牧瀬由希江、よろしくね」

 

牧瀬さんは言い、その問いに

 

「ええ、中学2年の時からだから今年で3年目ね優希との付き合いも」

 

真珠は答え

 

「次は私だね、私も1-Aの小川琴音よろしくね二人とも。でもなんで男子の一ノ瀬君が此処にいるの?」

 

小川さんが言い

 

「あっそれね」

 

佐藤先生が言い

 

「一ノ瀬はアンラッキーな奴でな男子寮で手違いがあってあぶれてしまったからうちの管理棟にまだ空きがあるからよろ頼むっていわれてね」」

 

佐藤先生は言い

 

「成る程、でしたら仕方ないですもんね」

 

小川さんが言い

 

「でもさぁ、こんなおいしい朝食作ってくれるなら私は此処で食べたいなぁ・・」

 

サラダを食べてる子が

 

「ごめんなさい、同じく1-Aの鏑木皐月です。突然押しかけてごめんなさい」

 

皐月さんは言い

 

「でも彼氏と一つ屋根の下・・か・・・いいなぁ・・・あっごめんなさい私は宮下沙希です」

 

宮下さんは言い

 

「言っておきますけど不純な事はしてませんからね」

 

俺はすかさず釘を刺しにかかり

 

「良いんだぞ、お前と蒼川が「キャッキャムフムフ」してても先生見逃してやるから」

 

佐藤先生は言ったが

 

「食事中に下品な事言わないで下さい」

 

真珠にピシャリと怒られる。

 

「ハイスミマセン」

 

佐藤先生は謝り

 

「それよりも、真珠どうする?皆で食べるのは良いけどさ流石に無償だと俺達の生活費もかっつかつになるぞ」

 

俺は言い

 

「そうね・・・・こんな感じでどうかしら」

 

真珠は金額を提示し

 

学生ワンコイン

 

残りは佐藤先生が負担

 

提示し

 

「ちょっと待った、私に残り全部押し付けるの?!」

 

佐藤先生は言ったが

 

「先生何か問題でも?まさかとは思いますが学生にたかろうなんて思ってませんよね」

 

真珠が言い

 

「わ・・・わかったわよ、先生が残り全部持つわ但し美味しいごはんを作る事良い?」

 

先生はしぶしぶ了承し

 

「これで良しと」

 

真珠は満足げに言い

 

「じゃぁ学校遅れないようになぁ~」

 

佐藤先生は言い

 

「「「「御馳走様でした」」」」

 

四人は言い

 

「じゃぁ二人ともまた学校で」

 

牧瀬さんが言いそのまま一旦解散し俺と真珠も学校に行くのだった。




次回~高校生活の始まり~を予定しています


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第4話~高校生活の始まり~

新たな人生の中の「2度目の高校生活」が始まる。


学園掲示板前

 

真珠や木村に加藤、張と合流し4人で登校しクラス分けを確認する

 

「えっと・・・・あった、私は1-Aね」

 

真珠が言い

 

「俺わ・・・・っと」

 

掲示板を見て

 

「お・・・俺も1-Aだ、真珠1年間よろしく」

 

言い

 

「うん、よろしくね!」

 

嬉しそうに言う傍ら

 

「俺も1-Aだ」

 

木村が言い

 

「俺もだ」

 

加藤も続き俺達の視線は張に

 

「・・・・ほっ・・・俺もだ」

 

張も安堵したかのように言い

 

「良かった、よかった見知ったやつで固まれて」

 

俺は言い

 

「そんな事よりも早く教室行きましょう」

 

真珠は皆に言い

 

「そだな」

 

頷き教室に行くのだった。その日のクラスでは簡単な自己紹介と勉強に関してのレクレーションなどが行われた。

 

 

放課後

 

殆ど学生が残っていない教室の一角に俺達は居た。

 

「あははは、昼の学食であ優希と蒼川が仲良く飯食ってる処見てクラスの男子気が抜けてたし、あ~おもろい」

 

木村が言い

 

「分かる、分かる。その後に教室で女子に囲まれた蒼川が早速というかなんというか言っちまってたもんな「え?一ノ瀬君、中学の時から付き合ってる私の彼氏だけども?」なんて言ってな」

 

張も苦笑しつつ言い

 

「お前、やっぱり大変かもなこれから先」

 

加藤が言い

 

「後で真珠に言っとかないとな、確かにクラスで悪目立ちはしたくないし」

 

俺は言い

 

「まぁまぁでもいいんじゃない、「2度目の青春」は此れからなんだからさ」

 

木村は言い

 

「そうだな」

 

俺は頷き

 

「さてとそろそろ帰ろうぜ」

 

加藤が言い

 

「ああ、じゃぁな」

 

俺も管理棟に帰る。

 

 

花壇遼管理棟

 

「ただいま~」

 

一応言い中に入り自室にいく。時計を確認し

 

「ああ、そうか夕食の準備しないとな・・・」

 

思い下に降り冷蔵庫を除く

 

「買い物は明日でイイか」

 

思い、残った食材で夕食を考えいると

 

「ただいまー」

 

真珠が帰ってきた

 

「お帰り」

 

俺が言うと

 

「あれ?優希夕食の準備してるの?」

 

言われ

 

「ああ、朝は真珠が作ってくれたからな。夜は俺が作ろうかと思って」

 

答えると

 

「分かったわ、優希のお手並み拝見ね。朝の時はドタバタして出せるものも少なかったけどもさ」

 

真珠は言い

 

「そいつはどうも」

 

俺は言ったのだった。

 

「ふーむ・・・まずサラダはあった方が良いな。メインは・・・おっ挽肉があるハンバーグを作るか・・・チーズもある。後はコンソメ・・・か」

 

まずはサラダ用の野菜を洗いそして食べやすいサイズに切り、ボールに入れて一旦冷蔵庫に保管そしてもう半分の野菜をあらかじめ準備しておいた沸騰したお湯が入った鍋に入れて柔らかくなるまで茹でる。その間にハンバーグの準備を行い

 

「おっと・・・そろそろ良いかな・・・」

 

鍋の中の野菜を確認し

 

「3個で言いかな・・・」

 

コンソメの素を投入しコンソメスープを作る。そして最後にハンバーグの準備をしハンバーグの生地を冷蔵庫に入れ、時間を確認し

 

「ふむ・・・勉強でもすっか・・・いや・・ゲームもあり?・・」

 

 

優希自室

 

「うーん・・・どうやら俺の頭はあの時のままだな・・・アホみたいに簡単だ」

 

教科書を開き問題を解いてみるが公式を見ずに問題を解ける。

 

「う~ん、最高だ。だが勉強はしないとな・・・」

 

妙に納得しつつも問題を解き

 

「時間的にも調理を始めるか」

 

勉強を終え下に行き、調理を始めそして夕食・・・・・

 

 

「ほんと美味しい」

 

牧瀬が言い

 

「料理上手って需要あるよ、モテると思うよ~~」

 

小川さんが言うが

 

「ダメだよ、琴音一ノ瀬君にはもう「彼女」が居るんだよ」

 

鏑木さんが小川さんに言い

 

「そうだよね、この事実知ったら周りの男子は嫉妬して女子は蒼川さんを羨ましがるわね」

 

ハンバーグを食べつつ宮下さんは頷き

 

「でもさ、蒼川さんもし一ノ瀬君が「浮気」したらどうする?」

 

宮下さんが意味深に言うと

 

「う~~ん」

 

真珠は考えるしぐさを見せそして笑顔で

 

「コ〇ス」

 

まじめに言い

 

「「「「・・・・・・・・・・・・・・・・」」」」

 

「暴力的彼女でオワタ・・・・」

 

俺はボソッと言い

 

「はははははは」

 

佐藤先生が爆笑しなんともカオスな中夕食は幕を閉じた。

 

食後に解散し蒼川が食器を洗う中

 

「あれマジか?!」

 

俺はお茶を飲みながら真珠に聞くと

 

「ええ、浮気したらコ〇ス・・・それ程貴方の事が好き・・・」

 

真顔で言うのだから怖い事この上ない。

 

「愛情の裏返しにしたって怖すぎるわ」

 

言うと

 

「うん、わかって言ってるから」

 

食器を洗い終え

 

「さぁてと・・・・もうお風呂入って寝るか・・・」

 

座ってるソファーから立ち上がると

 

「え・・・まだ19時30分よ?」

 

言われるが

 

「そくばっきーは・・・勘弁してくれ・・・」

 

自室に戻るのだった。自室のテレビで

 

「だハハハハハッ・・・ウケル・・・ワロス」

 

ペットボトルのお茶を飲みながら番組を見る・・・が

 

「はぁ・・・・」

 

ため息が漏れた、前世の記憶が・・・軍人だった自分の記憶が特殊部隊時代の血がDNAが戦いを望んでいるのかのように、今の平和な時代においてもう一度人生のやり直しが効くのに何が不満なのか・・・・

 

「アホらしい」

 

そう思いつつ洗面用具をもってお風呂に行き

 

「確か札裏返しにしておかないとな・・・」

 

手作り感満載の

 

「一ノ瀬入浴中、入室禁止」

 

の札を返し浴室に行きお風呂に入る

 

「はぁ~~~生き返る・・・・」

 

やはり風呂は心のオアシスだと思う。風呂を上がり二階の自室に戻る時

 

「あれ、お風呂上り?」

 

真珠と会い

 

「ああ、そっちは?」

 

尋ね

 

「こっちは今からお風呂」

 

答え

 

「そうか、じゃぁ俺はもう寝るよまた明日」

 

言い2階に上っていった。

 

 

「・・・・・もう・・・二人きりなんだから少しは構ってよ・・・・」

 

不満を言う真珠だった。




次回~夜の逢引~を予定しています。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第5話~夜の逢引~

違和感を感じ、夜中目を覚ますとそこには・・・・・・


花壇遼管理棟 

 

深夜 優希自室

 

「・・・・・・・・・?!」

 

違和感と妙な重みを感じて目を覚ますと

 

「起きた?」

 

俺の上にパジャマ姿の真珠が馬乗りになっていた

 

「真珠、どうした、眠れないのか?」

 

努めて冷静に切り返し

 

「・・・うん・・・なんか・・不安で」

 

言うと真珠は俺の上から下り、布団に入り込んでくる。

 

「全く」

 

苦笑しながらも真珠をそっと抱きしめ

 

「俺は此処に居る、ちゃんとお前の隣にいるよ」

 

安心させるように言ったが

 

「うん、わかってるんだけどね・・・夢見ちゃって・・・」

 

真珠自身が不安そうに言う。仕方がない事だ、俺がした事は到底許される事ではない普通ならば。軍務の為に、責務の為に愛する人を裏切り・切り捨てそして勝手に死んだ。普通なら「バカな自衛官が一人死んだ」で片が付くが真珠は全てを知ってしまった。「自衛隊特殊部隊」の存在をだからこそ苦しんでしまっていた。全部俺の責任だならばその責任を取らねばならない。

 

「しょうがないな・・・」

 

頭を撫でてやると

 

「このまま一緒に朝まで・・・ダメ?」

 

俺を見上げて言い

 

「分かった・・・・・イイよ」

 

言うとパァっと明るくなり、俺を抱き枕の如く抱きしめる。

 

「しょうがない奴だな」

 

しばらくして満足すると真珠は俺から少し離れ

 

「優希はまじめな人だってのは知っていたわ、聞いてもイイかしら?」

 

真珠は言い

 

「何をだ?」

 

俺も言うと

 

「私を捨ててまで選んだ「特殊部隊」の事を」

 

真珠は真剣な表情かつ皮肉を混ぜて俺に言い、俺も

 

「そうだな、俺は一度死んだ身だし今の俺は軍人でもないしな」

 

言い

 

「海上自衛隊に先駆けとして創設されたのが俺や木村そして高本が属していた部隊だよ正式名所「特別警備隊」だよ、通称[S.B.U.]ともいわれていた。」

 

真珠の顔を見ながら言い

 

 

「任務内容は表向きは不審船への対処、でも本当の任務は他国の海軍特殊部隊同様の任務内容が付与されてる「特殊偵察」[直接行動」「対テロ作戦」「要人救出」その逆もしかり、潜入方も「パラシュートによる空挺降下」海からの「洋上潜入」などその他の方法もあったよ」

 

言い

 

「そんな危険な事を優希はしてたんだ・・・私が失恋から立ち直る為にあれこれ絵を描いてる時に」

 

真珠の表情が曇る

 

「ちなみに特殊部隊の情報を漏洩させた場合はもれなく捕まる事になる。」

 

答え

 

「防衛大学を卒業後に分かれてからは幹部学校を出て3尉に任官し新人が参加する演習をえて艦隊配置で2年学びその後に特殊部隊選抜、ちょうど2尉の時だな。そこから一年間情報収集活動を陸自と合同で行い、琴瀬やその他の被害者の情報を入手した。後は真珠の知っての通りの結末だ。部隊を後退・撤退させるために残り敵兵69名殺害最後は相打ちで戦死。死んだ時の階級が3佐でそこから3階級特進で海将補らしい後は勲章ぽい物貰ったぽい」

 

答え

 

「俺はあの時、真珠と別れた瞬間に「現在も」「未来も」英雄と称賛される事のない、国家の影として生きる道を選んだのだからな」

 

皮肉を込めて言ったが、真珠は首を横に振り

 

「そんな事ない、真実は全て時の総理大臣が公表したわ、機密の指定を解除してまで貴方は私達国民にとっても国にとっても「英雄」として見送られた、そして自衛隊の社会的地位の更なる向上と「遺産」を自衛隊に残していってくれた。「憲法改正」と言う遺産を」

 

始めて聞き

 

「それは初耳だ」

 

言い

 

「ええ、皮肉だったわ・・・優希の死がきっかけで国民の「平和ボケ」の目が覚める第一歩になるなんて。」

 

言われ

 

「結果は?」

 

聞くと

 

「圧倒的大多数で憲法の改正が決まったわ、一部左翼や左翼系弁護士が気の狂ったように発狂していたけども自衛隊は半世紀の時をえて「正規軍」に返り咲いた。平和憲法なんてお花畑憲法ももちろん廃案、これで自衛隊をううん、「国防軍」を縛る物はなくなった。自衛隊に・・・国防軍にとっても貴方は英雄的存在」

 

真珠は暗い顔で言い

 

「やっぱり私は嫌な子だな・・・」

 

自己嫌悪に陥ったのか俺に顔をうずめ俺は何も言わずに真珠を優しく撫でる。

 

「真珠は何も悪くない、悪いのは全部俺だよ。傷つけてそして何も言わずに勝手に死んで、事実が公表されて余計に苦しめた。自己嫌悪する必要はないよ。」

 

言ったが

 

「ううん、違うの前は貴方に例え軍服を着る仕事についても添い遂げるって言ったくせに自分の中ではどうにかして貴方を「軍人」の仕事から遠ざける事は出来ないかなと考える自分がいるんだもの、嫌にもなるわ・・・」

 

言われ

 

「・・・・ありがとう、そこまで考えてくれて、想ってくれて・・・ほんとにありがとう」

 

素直に答え

 

「怒らないの?」

 

言われ

 

「怒れる訳ないよ。」

 

答え

 

片手で真珠を抱き寄せ片手で撫でる。

 

「未来は白紙と言うし俺も真珠もどんな未来を歩むかわは分からない、また軍人になるのかもしれないしそうでないのかもしれない。真珠もまた画家になるのかもしれないしそうでないのかもしれない。未来は誰にもわからない」

 

真珠に言い聞かせるように言い

 

「うん、でも貴方前は絵画の腕もピカイチだったから一緒の未来を歩くのも良いかなとも思ったのだけれども・・・・」

 

上目で言われ

 

「うーん・・・どうだろ、俺絵描いていたのは高校までだから錆び付いて使い物にならないかもよ?」

 

答えると

 

「もしそうなら私が付きっきりで鍛え直してげてあげようか?」

 

提案され

 

「「氷の悪魔」の復活は勘弁して下さい、素直にアサルトライフル握ってる方がまだマシですハイ」

 

言ってしまった。真珠は普段過ごすには問題はないが「絵画」がかかわるとそれが一変豹変し「氷の悪魔」と呼ばれるくらいいズゲズゲと容赦のない「無意識の言葉のナイフ」で相手のメンタルを砕く。だがその殆どは彼女の才能に嫉妬し喧嘩を売る輩にのみだが、その強烈な一言は相手のメンタルを砕きプライドも容赦なくへし折る。

 

それに対し

 

「むぅ・・・・・・」

 

真珠は案の定拗ねる。それと同時に枕もとの時計を見て

 

「ほれほれ、明日起きるのがつらくなるぞ今日はもう寝よう。」

 

会話を切りあげ

 

「お休み」

 

真珠に言い

 

「うん、お休みなさい」

 

互いに目を瞑り眠りに落ちていくのだった。

 

 

真珠side

 

私の横では規則正しい寝息を立てて優希は眠っている。一体私の知らない所でどれほどの死線を潜り抜けてきたのだろうか、ハイテク特殊部隊ともいわれていた精鋭部隊のエリート集団の中で部隊長を任せられ、どれほどの重圧に耐えてきたのだろうか?最後のあの瞬間に何を思ったのだろうか?

 

「せめて今世では・・・・ううん」

 

優希の寝顔を見て

 

「2人で幸せになろうね・・・」

 

優希に寄り添うように私も眠りに落ちて行ったのだった。




次回~部活勧誘~を予定しています。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第6話~部活勧誘~

新入生の部活動勧誘が始まる中皆は・・・・・


翌日教室

 

「今日からか」

 

俺は言い

 

「ああ、優希は決めたか入る部活動」

 

木村は言い

 

「うーん・・考えてる処」

 

言い

 

「まぁ、優希なら引く手あまただろ、数週間の間体験入部できるんだしそれで決めるのもアリだろ。」

 

加藤がパンを食いつつ言い

 

「そうだな」

 

言ってる中

 

「優希、ハイお昼の弁当」

 

真珠が机に置き

 

「ありがとう」

 

真珠に礼を言う中

 

「いいな、愛妻弁当は」

 

張が言い

 

「よせよ、茶化すなって」

 

俺は言い

 

「丁度良かった、真珠は部活動何処に入るか決めたか?」

 

聞くと

 

席に座り

 

「私は絵画しか取り柄ないし、「美術部」かな?」

 

それを聞くと木村、加藤、張が俺を掴み

 

「{ヤバいだろ、「氷の悪魔」が再誕しちまうぞ、あの「無意識言葉ナイフ攻撃」で何人被害者が出る事やら}」

 

「{お前も美術部で蒼川を監視したほうが良いんじゃないのか}」

 

「{「氷の悪魔}はヤバすぎるって、優希何とかしろ}」

 

三者三用に言うが

 

「{こればかりは俺にどうこうする権利も権限もない}」

 

俺は言い

 

「「「{ですよね~}」」」

 

三人は言い

 

「「「「はぁ~」」」」

 

四人でため息を付きつつ

 

「真珠らしくて良いんじゃないか」

 

俺は言い

 

「そういう優希はどうするの?、貴方なら「野球」「陸上」「剣道」「柔道」後はえっと「弓道」「銃剣道」どれもできるし「美術」でもいいだろうし家庭科部の料理研究会でもいいんじゃないかしら」

 

真珠に言われ

 

「まぁ、おいおい見つけるさ、でも帰宅部でもイイかなって思ってるんだよね」

 

真珠に言うと

 

「・・・・・・・・・」

 

無言でにらまれ

 

「ハイジョウダンデス・・スミマセン」

 

真珠の無言の圧力に屈すると

 

「ふふふ仲が良くていいわね、蒼川さんの尻に敷かれている未来が見えるわよ」

 

牧瀬さんが笑いながら言い

 

「おいおい優希、蒼川が居ながらほかの女に手を出したのか?!笑えんぞ」

 

加藤が言う中

 

「御目なさい、私は牧瀬由希江よろしくね、木村君に加藤君に張君」

 

牧瀬さんが言い

 

「なんの話してるの?」

 

宮下さんや

 

「何々?、私も混ぜて」

 

小川さんに

 

「何面白い話してるの?」

 

鏑木さんも混ざり

 

「成る程ね、部活か・・・・」

 

鏑木さんは言い

 

「ちなみに皆は何処に?」

 

宮下さんが言い

 

「「「「まだ未定」」」」

 

俺達は言い

 

「一応美術部」

 

真珠は答え

 

「男子は未定で、蒼川さんは美術部かぁ・・・」

 

宮下さんがうなずき

 

「うんうん、悩みどころよね」

 

言い

 

「私も考え中かな」

 

牧瀬さんも言い

 

「私は、家庭科部の料理研究が面白そうだなぁって」

 

小川さんは言い

 

「私も見ていかなぁ・・・」

 

鏑木さんも腕を組みながら言い

 

「放課後に見て回るしかないかぁ・・・」

 

鏑木さんもため息交じりに言う。

 

そんなこんなで今日も一日が始まり、色々な所で部活勧誘が行われている

 

 

昼休み

 

 

「優希、食堂で食べよっか」

 

真珠に誘われ

 

「おっけ」

 

弁当をもって学食の食堂に行くとき

 

「野球部で一緒に青春の汗を流そう、最高の青春の思い出になる事毎違いなし」

 

「心身を鍛え己を鍛えんとする者、柔道部に来たれ」

 

ビラ配りなどをやっている。

 

俺は一枚も受け取らずに食堂に行く。

 

「イイの?」

 

真珠に言われるが

 

「別に大丈夫だよ」

 

食堂に入り昼食を取る。

 

「まぁ優希ならどこででも通用すると思うけども無理はしないでね」

 

昼食を食べた後に言われ

 

「分かってるよ、真珠も・・・言わなくとも分かるよな」

 

一応念を押すように言い

 

「ハイ・・・ゼンショシマス」

 

「オイ」

 

真珠は顔をそらし俺も突っ込むしかなかった。そして午後の授業が始まり

 

「{どんな部活に入るかな・・・ありきたりとか面白くないしな・・・}」

 

ペンを回しながら考えて放課後までを過ごしていたのだった。

 

 

放課後

 

「あれ・・・皆早いな・・・・もう居ない」

 

俺と真珠を残し皆それぞれ気になる所の部活に行ってしまったようだ。

 

「じゃぁ私も行くから優希も頑張ってね「帰宅部」はダメだよ」

 

意味深な事を言い真珠は行ってしまった。

 

「はぁ・・・・無難にまずは見に行くか」

 

俺は野球部の練習してるグランドに行ってみた。

 

 

 

野球部練習グランド

 

「おっ!さっそく来てくれたみたいだぞ」

 

何やら周りが言い

 

「君が第一号だ見学でも体験でも歓迎だ」

 

監督さんに言われ

 

「1年A組の一ノ瀬優希ですよろしくお願いします」

 

頭を下げ

 

「よろしく、それで早速だけども野球の経験は?」

 

コーチに聞かれ

 

「一応一通りは、シニアでも少しかじってました。その他だと陸上や柔道やら剣道に柔剣道に弓道に趣味の延長で美術してましたし」

 

あれこれ言い

 

「ポジション経験は何処だ?」

 

聞かれ

 

「ピッチャーと外野全部行けます」

 

答え

 

「ふむ・・・練習参加してみるか?」

 

聞かれ

 

「ハイッ」

 

答え久しぶり野球を楽しむ事にした。{一応こっちでリトルやシニアで経験済み}

部員の人達に交じり念入りにウォーミングアップし

 

「硬球使うのは初めてじゃないな、じゃぁ投手陣に交じって感覚を思い出してくれ。」

 

指示を受け、

 

「ハイ、分かりました」

 

そのままブルペンに向かい

 

「よろしくお願いします」

 

受け取ってもらう捕手に挨拶をし

 

「お!サウスポーかうちは左投げは少ないからな、是非入部してほしいものだ」

 

言われつつ

 

「持ち球は?」

 

聞かれ

 

「フォーク・カーブ・スライダー・サークルチェンジですかね」

 

本当はもっとあるが

 

「よしよし、意外と落ちる球種を持ってるんだな」

 

言われ

 

「まずは真っ直ぐで何球か言ってみるか」

 

マスクを被り座る。さりげなく後ろで監督やコーチがスピードガンを構えている。

 

「{まぁ・・・いいか・・・}」

 

振りかぶりキャッチャーミットめがけて、一球目を投げる

 

バシーーンッ

 

いい音が聞こえ

 

「ナイスボール。」

 

ボールが返ってくる中後ろの監督とコーチは目が点になっているようだ、そのまま何球か真っすぐを投げ

 

「次、変化球」

 

サインを出されそれに従い投げる

 

「{スライダー}

 

「{カーブ}」

 

「{サークルチェンジ}」

 

「{サークルチェンジ}」

 

「{フォーク}」

 

「{スライダー}」

 

「{カーブ」」

 

「{フォーク}」

 

 

「ナイスボール」

 

ボールを受け取る。バックネットでは

 

「・・・・・この数字大丈夫か?」

 

「ええ、このスピードガン買ったばかりですし」

 

コーチも言い

 

「何㌔だった?」

 

監督は言い

 

「ストレートは151㎞出てます。正直一ノ瀬の出す球速は高校一年が投げるボールではないですね」

 

コーチは答え

 

「151㎞?!」

 

言い

 

「ええ、変化球もいいスピードとキレとコントロールもまるでエース級ですよ。実戦で一ノ瀬を投げさせてみないと何とも言えませんが」

 

コーチは言い

 

「このまま鍛えれば、とんでもない化け物に化ける可能性も有りますよ」

 

そんな事はお構いなしに次に打撃練習に参加し

 

「お、両打か・・・スイッチヒッターはいいな、相手に対して状況に応じて変えが効くからな」

 

周りが言う中

 

「結構飛ばすな、飛距離もいい距離でてるし・・・・ホームランだ・・・」

 

周りは言っている。そのまま守備練習やシートバッティングや走塁練習に参加し

 

「彼は使えるな、投手でも良し、外野手でも良し、足も速く見かけによらずパワーヒッターで守備範囲も広範囲、クリーンナップも任せられそうですね」

 

今日一日で優希の評価は大体固まりつつあった。

 

「うちのエース候補が見つかったんだ、何が何でも取に行きたい」

 

監督は言い

 

「ええ、そうですね」

 

コーチも語った。

 

練習が終わり

 

「一ノ瀬、今日一日参加してみてどうだったかな?、かなり光る物を持ってるようだね、このまま練習を積めばプロも夢ではないと思う。是非野球部に入部してほしいがどうだろうか?」

 

誘われるが

 

「お誘いありがとうございます、ですがほかにも興味がある所がありまして回ってみたいと思っています。すみません」

 

言い

 

「いや、まぁそうだな、全部回ってみてから野球部がよさそうなら来てくれ歓迎するよ」

 

言われ

 

「ありがとうございました」

 

頭を下げ、その日の部活動体験参加は幕を下ろした。

 

「ふぅ・・・・いい汗かいた、はよ管理棟に帰ってシャワーでも浴びたいわなぁ」

 

想いながらシニア時代の硬式用のグラブとスパイクを入れ、帰る準備をして管理棟に帰宅するのだった。




次回~遠き過去と現在~を予定しております。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第7話~遠き過去と現在~

夢を見る、「自らの最後の瞬間」の夢を。


「う・・・・うん?!」

 

目を覚ますとそこは前世の自分が最後を遂げた場所だった。迫る北朝鮮兵に対して自身が装備しているHk416アサルトライフルで銃撃を加え射殺する。回りの敵兵に反撃を喰らいつつも確実に敵兵の頭数を減らしていき、最後の一人を射殺する。そして傷だらけであちこちから出血している体を引きずり近くの木の根元まで来る

 

「ハァ・・・ハァ・・・ハァハァ・・ハァ・・・体が言う事をもう聞かない、モルヒネももうない・・・・此処が・・俺の死に場所かな・・・」

 

微かにしか見えない目を空に向け

 

「{大勢の命が・・・救われ・・た・・俺一人・・の命で救われるならば・・安いもの・・・だ}」

 

段々と気が遠くなる・・・目が見えなくなる・・・瞳が光を失う・・

 

「死」とはそういう事なのだ・・

 

今でも嫌な感じだと言う事はしっかり覚えている。「死に行く」とはこう言う事なんだと言う事を。出血に伴い血圧が低下していき、視界を失う。そして段々と体が冷たくなってくる、寒気を感じてくる。もうこのころには自身の意識などなかったに等しい。ただ任務をやり遂げた事に対する安堵感、責務を果たしたという思いそして自分の死は犬死にはならないという安心感、最後のあの瞬間はまごうことなく、間違いなく「誇りをもって死ぬ」事が出来た。そう思っているはずだったが・・・

 

「・・・・・き・・・・うき・・・・・優希ッ」

 

意識が覚醒していく

 

「・・・・・・真珠・・・か・・・どうした」

 

この日の夜も昨夜同様に「一緒に寝ましょう」と甘え枕を持参し部屋に来て一緒にベットで寝ていた真珠に起こされる。

 

「どうかした?じゃないわよ、いきなりうなされ始めるし、かと思ったら・・思ったら・・・・・・・」

 

真珠は泣きそうな顔をし

 

「あの時の、貴方が殉職した時の葬式の棺で見たような「オレはやり切った」ような安らかな笑顔を浮かべるんだもの冗談じゃないわよ」

 

言われる。体を起こし

 

「ごめん、少しうなされていたんだ「自分の最後の瞬間」を夢に見てな」

 

真珠に向き合い答え

 

「貴方の・・・優希の最後の瞬間・・・・・」

 

真珠は言い

 

「ああ、いつ思い出してもやなものだよ。」

 

言い内容を真珠に言う

 

「出血に伴い段々と意識レベルが低下していく。それを俺はモルヒネで誤魔化していたが最後の方には出血に伴う血圧の低下が一気に進んで体が言う事を聞かない上に視野も失っていった。末期には意識などあってもうないような物、極度の寒気に襲われてそのまま・・・・・・」

 

言うと

 

「もういい、聞きたくないよ・・・優希がそんな孤独に・・・死体の中で埋もれて死んで行ったなんてもうたくさん」

 

真珠は首を振りイヤイヤをするかのように言い

 

「ごめん、配慮が足りなかった」

 

俺は謝り

 

「・・・・・・・」

 

無言で真珠も再度ベットに横になり

 

「久しぶりに嫌な夢を見た。この世界に生を受けてからあまり見なくなってからどこかで油断していたんだと思う。」

 

言うと顔をこっちに向け

 

「・・・・・・」

 

無言でギュッと抱き着いてくる。

 

「下に行こうか、眠れそうにない。ホットミルクでも飲まないか?」

 

真珠の顔を見て言うと

 

・・・・・・・・・コクン

 

頷き

 

2人で下の階に降り、ホットミルクを作りテーブルを挟んで二人で飲む、そこに

 

「優希、貴方に言いたい事があるの」

 

真珠は十突に言い

 

「ん?なんだ」

 

聞くと

 

「貴方の葬儀の際に周りの連中が・・・政治家が言っていたわ「名誉の死」って口々に言っていたけど「死ぬ」事に名誉もヘチマもあるの?、私悔しかった、貴方の何を知って言ってるのって、どんな思いで自分の命を諦めたのかも何も知らない癖に」

 

真珠はカップを強く握りしめ言い

 

「まぁ、政治屋は軍事の事なんて何も知らないだろうしな。あいつらが言いそうな事だな」

 

カップを置き頷く。

 

「貴方、外国で「リア・アドミラル一ノ瀬」「旭日の護り人」「旭日の守護者」とも言われてたし貴方の叔父様や叔母様が亡くなった貴方の代わりに海外で勲章の叙勲式典に参加した際のその国でのニュースや新聞の一面に「英雄の両親来たる」とも出てたわ。」

 

それを聞くと流石に俺も引いてしまい

 

「流石に美化され過ぎじゃないか、それ「旭日の護り人」「旭日の守護者」って流石に死んだ俺が言うのもなんだが流石に引くわ・・・・」

 

俺自身もドン引きしてると

 

「まぁ・・・そう思うよね」

 

真珠は苦笑しつつも

 

「でも、「貴方の最後の瞬間」の話はもう金輪際やめて・・お願いよ、縁起でもないから」

 

言われ

 

「なんで・・・とは聞かないでおく」

 

俺も言い

 

「優希も木村達も死ぬ前は「自衛官・軍人」だった、だけど今のあなたは前世での知識や能力を持ってる「ただの高校生」選ぶ道は、可能性は無限にあるわ。」

 

言われ

 

「それはお前にも当てはまる、この世界でどういう未来を選択するのかわお前の自由だ」

 

言い返し

 

「ええ、だから選択したわどんな形であれ「貴方と添い遂げてみせる」と」

 

「俺が言えた事ではないが、はっきりと言うのは恥ずかしくないか?」

 

聞くが

 

「いいえ、今更よ「貴方は私の物」「私は貴方の物」違う?」

 

テーブルから身を乗り出し俺に問い

 

「ああ・・・そうだ・・な、浮気したら「コ〇ス」っていうくらいだものな、お前は」

 

苦笑し

 

「愛情の裏返しって解らないかな・・」

 

言われるも

 

「だからと言って「コ〇ス」はないだろ」

 

俺は言い返し

 

「只の一度の浮気もダメ、常識でしょそれとも「英雄色を好む」かしら」

 

頬に手を当てられ

 

「色は好まんよ、前世でも俺自身「女」は・・真珠、お前しか知らないし知ろうとも思わないよそれに、他の女に手を出した事はない」

 

マグカップを置き言うと

 

「優希のそう言う所・・・律儀?義理堅い?そういう所変わってないのね」

 

「英雄なら好き勝手していいのか?、違う、そんな事ない。」

 

頬に手を当てている真珠の手を取り言い

 

「「海軍士官は常に紳士たれ」、前世で死んだ親父が言っていた言葉だよ。俺にはお前が居る、それで十分だこれ以上を望めばバチが当たる。それに俺は前世で既に不義理をしている。それでも隣にいてくるお前に感謝しなきゃいけない」

 

俺は言い

 

「体が温まっているうちに今度こそ、寝ようか」

 

互いにマグカップを台所で洗い、そして二階の部屋に戻る為真珠に告げると

 

「クスッ」

 

彼女は途中で笑い

 

「優希から「寝ようか」なんて・・もう、「そっち」のお誘い?」

 

からかうように言われ

 

「好きなように解釈してくれ、と言うかお前もジョークを言うんだな」

 

真珠に言ったものの

 

「あら、なんなら今からこの世界で「1回戦」始めちゃう?」

 

露骨に言われるが

 

「俺の部屋の出入りを出禁にされたいのか?」

 

頭を抱えつつ言うと

 

「そう言う事を言うと、前世の時みたく寝込みを襲っちゃうわよ」

 

言われ

 

「なぁ・・・前世のトラウマをほじくり返すのやめてくれないか」

 

精一杯に言うも

 

「いやよ、前世でも遠回りしてせっかく恋人同士になれたのに優希ったら全然手を出してくれないんだものキス一回で済むとでも?それも私からだったわよね、したのは」

 

「うぐっ・・・・」

 

痛い所を付かれる。前世で真珠と恋人になった際に最初の真珠からのキスだけでろくに真珠に構わなかった結果、真珠自身が数少ない友人に口裏合わせを頼み泊まりで遊びに来た際に、しびれを切らした真珠に夜寝込みを襲われるという大失態を演じてしまったのだ。

 

「ふふふ、どうなるかしら・・・・ね、優希」

 

何か企むような笑みを浮かべ

 

「しってた?、私達まだこの世界で一度も「キス」すらしてないのよ」

 

今まで意識しないようにして来た事を真珠は言い途端に真剣な表情になり

 

「前世同様に・・・・・私は・・・行動するわ・・・後悔したくないもの・・」

 

「な・・・何を言って・・ンっ」

 

真珠は一歩踏み出し両手で俺の顔を抑えそのまま唇を重ねていた。何秒キスをしていたか分からなかったが、真珠は離れ

 

「今度こそ逃がさないから・・・他の女が寄り付かないように「貴方は私の物」マーキングさせてもらったわ、浮気は・・ダメよ・・・未来の旦那様」

 

真珠は微笑み、滅多に見せない真珠の笑顔に半分見とれ半分は情けない事に固まるしかなかったのだった。

 

「{この手の経験値が圧倒的に少ない俺にはある種の毒だな・・・全く・・}」

 

自分で思うより真珠に手を引かれ

 

「さ、もう寝ましょう。」

 

真珠は手を引きつつ言ったが、俺は大失態を思い出し・・警戒してしまうが

 

「大丈夫「襲ったり」しないから」

 

彼女は言い

 

「本当に頼む。襲わないでほしい・・・・」

 

情けない事この上ない一夜になった。




次回~部活巡り~を予定しています。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第8話~部活巡り~

翌日放課後、野球部以外にも優希は部活動を見て回る事に・・・・


教室

 

「え・・・お前ら部活決めちゃったの・・・」

 

俺は言い

 

「ああ、俺は柔道部だ」

 

加藤は言い

 

「確かに、お前なら重量級行けそうだもんな」

 

俺は言い

 

「木村は?」

 

聞き

 

「ラジコン部」

 

木村は答え

 

「またかよ相棒」

 

俺は笑いながら言い

 

「まぁな」

 

木村も返す

 

「張はどうよ?」

 

言い

 

「それなんだが、優希後で・・・最後でいいからさ見に来ないか?うちの部」

 

張は言い

 

「なんだよ、もったいぶらずに言えよwww」

 

張に俺は言ったが

 

「まぁまぁ、最後に楽しみは取っておくものだ。」

 

言われ

 

「分かった。」

 

それから加藤のいる柔道部・ラジコン部・弓道部・柔剣道部・等経験のあるものを見ていってみたが

 

「うーん・・・なんというか・・・新鮮味に欠けるな・・・・」

 

どれもかしこも新鮮味がなくなんだかんだで部活入部を保留にしている状態が続き

 

 

夜 花壇遼管理棟 

 

優希 自室

 

「え?!まだ部決めてないの?!」

 

一緒にその日の課題をしていた真珠に言われ

 

「ああ、なんというか・・・新鮮味に欠けてな・・・」

 

シャーペンを置き、テーブルに置いているコーヒーを飲み

 

「貴方の事、野球部でマネージャーやってる子に聞いたわプロも夢じゃないくらいの秘めた能力を持ってるって。」

 

真珠に言われるが

 

「たかだか151㎞のストレートと4球種程度の変化球でどうこうできるなら前世で軍人なんて仕事は選ばないよ」

 

皮肉を言ったが

 

「151㎞?!」

 

真珠は言い

 

「ああ、一応セーブして投げたつもりだったんだが、ちなみに前世の現役時代の高3の時は150オーバー・・162いったけっか・・くらいは出せたようなきがする」

 

言うと

 

「なら、野球部でもイイじゃない。将来の選択肢の一つにプロ選手もアリよ」

 

真珠は言ったが

 

「どうだろうな・・・・」

 

言い

 

「プロ選手になったら、お前の傍にいてやれない。年がら年中遠征だ、国際試合だなんだのかんだのでそういうのは嫌だ」

 

真珠に言い

 

「えっと、私の事を考えてくれるのはうれしいけれども優希の人生でもあるのよ」

 

言われ

 

「まぁ、せっかくの学生生活だしなんか面白そうな所に入るよ」

 

言い話を切り上げる

 

「今日は・・・ダメ?」

 

勉強が終わり部屋のかたずけを行う中ちゃっかりバックから枕を出す真珠だが

 

「自室で寝てくれ、俺だって自制してる方なんだ、それにお前に襲われたくないんだよ今わ・・・」

 

言い

 

「ぶぅ・・・優希のケチ・・・」

 

言われるが

 

「悪いな」

 

謝り、真珠を部屋から出し

 

「また明日」

 

「ええ、よい夢を」

 

皮肉を言われ

 

「ああ、うなされたらお前の所に添い寝でもしてくれって、俺から行くよ」

 

手をヒラヒラさせて言い

 

「カギは開けておくから、待ってるね」

 

ウィンクされ

 

「はいはい、じゃぁな」

 

ドアを閉め、自室のカギをかける。

 

「はぁ・・・そう言えば張の奴なんか言っていたな・・・明日にでも聞いてみるか」

 

そのまま、ベットに横になり身を委ね俺はそのまま眠りに落ちて行ったのだった。




次回~サバイバルゲーム部~を予定しています。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第9話~助っ人部~

部活が決まらずあちらこちらと渡り歩き、たどり着いたのは・・・・


教室

 

「{ふぅ・・・怖いったらありゃしない}」

 

教室に隠れる。あれからあれこれと部活の体験入部に参加する内に真珠の言う通り追い掛け回され

 

「野球部」にはエース候補が見つかった!!逃がさんと追い回され

 

「柔道部」でも加藤のような重量級相手にでも戦える人間は凄いと追い掛け回され

 

「弓道部」でも腕の経つ経験者は欲しいとの理由で追い掛け回され

 

「美術部」では貴方の「恋人」が暴走してるからストッパーになってと泣き着かれ

 

「剣道部」でも経験者かつ腕が経つ強者は大歓迎とストーキングされ中であり

 

「銃剣道部」もまた上記と同様

 

因みに「女子薙刀部」には睨まれている。理由は一つ、たまたま体験入部時に経験者と言う事で頭数に入れられてしまった俺は毎年恒例である剣道部対薙刀部の模擬戦において俺一人で[先鋒][次鋒][五将][中堅][三将][副将][大将]と一人で勝ち抜いてしまった。流石に本気を出してはいないがどうもそれが先方に見抜かれたらしくそれが「舐められた」と思ったようでそれ以降は犬猿と言ってもイイ状況だ。

 

更に女子寮の管理棟暮らしが「うっかり」で口を滑らせた小川さんが「「一ノ瀬君」の料理すごくおいしいんだよ!!」なんて言ってくれるものだから料理クラブにも追われている。

 

「俺に安息の地は管理棟だけなのか?」

 

思ってると

 

ガラガラ

 

教室のドアが開き

 

「ひッ」

 

つい過剰反応し怯えてしまうが

 

「あれ、優希・・・どうした・・・・って・・・ああそうか」

 

親友の張が言い

 

「そう言えば俺、紹介したい所あるって言ってけども、その様子だとお前まだ大丈夫そうだな・・・こいよ部室に」

 

張に言われ

 

「もう何でもいいから助けてくれ」

 

俺は泣き着き

 

張の案内でそこに行った。

 

「どうもっす・・・」

 

中に入ると

 

「すげぇ・・・・・」

 

アウトドア用品に交じり電動・ガス両方の銃が置かれていた。そんな中

 

「おっ、入部希望者かな、」

 

中にいる数人の先輩方に言われ

 

「えっと、見学できました、1年の一ノ瀬です」

 

挨拶し

 

「あ~、今運動部の連中が争奪戦を行ってるっていう」

 

言われ

 

「・・・・・・・・・・・・・・・」

 

黙ると

 

「おっとゴメン、おれは2年の藤田正幸だこの部の副部長だよ」

 

言われ

 

「おいおい、そこらで勘弁してやれ藤田副部長」

 

1人が言い

 

「すまんね、俺はこの助っ人部の部長の坂下悠、3年だよろしく」

 

言われ

 

「まぁ御覧の通り、助っ人部とは名ばかりで助っ人もやるがアウトドア全般やまぁそれを見たら分かるだろうけども「サバイバルゲーム」もやる簡単に言えば何でも部みたいなものだな」

 

言われ

 

「・・・・・おもしろそう・・・・」

 

ボソッと呟き

 

「えっと、一ノ瀬君君アウトドアは?」

 

聞かれ

 

「大好きです、釣りにキャンプにBBQも」

 

言い、藤田先輩は

 

「名をの事結構ですね坂下部長」

 

言い、

 

「サバイバルゲームはどうかい?」

 

聞かれ

 

「大大大好きです、有り金つぎ込んでもいいです」

 

答え

 

「ちなみに好きな銃は?」

 

聞かれ

 

「Hk416とSIG P226です」

 

答えると

 

「なる~海軍特殊部隊装備か・・・なおの事結構。」

 

言われ

 

「入部するかい?」

 

言われ

 

「はい!」

 

俺も言い、張も

 

「おー良かった俺一人かと思ったけども」

 

言われる中

 

「一ノ瀬君、一応この部は助っ人部扱いになってるから助っ人に派遣されるかもしれないけども得意・不得意ってあるかい?」

 

坂下部長に入部届を渡されながら聞き

 

「一応、運動全般と・・一部文化部くらいです」

 

答え

 

「分かったその都度聞く」

 

坂下部長は言い

 

「それ済まないが、自分の装備は自分で揃えてくれ。流石に部費を使う訳にもいかないからね」

 

言われ

 

「直ぐにでも揃えます」

 

俺は言い入部届を描き終え

 

「よろしくお願いします!!」

 

紙を出し

 

「ようこそ、「助っ人部」へ君を歓迎するよ」

 

坂下部長が言い、周りも

 

「これでまたサバゲー仲間が増えましたね」

 

「ウェルカム、戦場へ」

 

「FNGようこそ、戦場へ」

 

言われたのだった。

 

 

夜 管理棟

 

夕食時

 

「え!、優希「助っ人部」に入ったの?」

 

真珠に言われ

 

「ああ、面白うだったし」

 

答え

 

「勿体ないなぁ・・・・」

 

牧瀬さんは言い

 

「私、弓道経験者だけどもさ一ノ瀬君の腕は入部者全部を見ても太刀打ちできる人いないくらいの腕よ・・・「助っ人」で済むようなレベルじゃないわよ」

 

言い

 

「それを言うなら私もです、と言うか強すぎませんか一ノ瀬君も私女子薙刀部ですけども7人制の団体戦を一人で勝ち抜くとか、先輩方「打倒一ノ瀬」を合言葉に雪辱の機会を伺ってるわよ」

 

鏑木さんも言い

 

「それに関してはノーコメント」

 

俺は言った、そこで俺は思い出し

 

「おい、真珠お前「氷の悪魔」やめろって言っただろ、美術部の部長さんに泣きつかれたぞ「貴方の恋人の暴走を止めてくれと」」

 

真珠に言うと

 

「あぅ・・・意識はしてるんだけども・・・・ゴメン・・・」

 

小さくなり

 

「まぁまぁ一ノ瀬君も」

 

宮下さんが言いこの場は収まった。

 

「さぁて・・・今度の週末に装備品買いに行かないとな・・・・・」

 

俺は言いその日の事を考えているのだった。




次回~装備調達~を予定しています。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第10話~装備調達~

待ちに待った休日、俺は装備を調達すべくホビーショップにきていた


店のドアを開け

 

「いらっしゃい」

 

店主の声を聴き

 

「すいません、此処にHk416おいてますか?」

 

聞き

 

「ガスと電動あとはメーカーのご希望は?」

 

聞かれ

 

「一応ガスで後は・・・そうだなメーカーは海外で」

 

言うと

 

「あー・・・うち切らしてるなごめんな兄さん」

 

言われ

 

「いえいえありがとうございます」

 

割と大手の店らしく装備品を見て回り

 

「お!・・・」

 

アーマーベストのLBTシリーズを見つけ

 

「後はポーチと・・・インナープレートと・・・ヘルメット・・・と」

 

買える物は買える内にと思い

 

「後は迷彩服か・・・・」

 

店内を見て回り

 

「ネイビーブルーと後は・・・・・と」

 

自衛隊迷彩を選び会計に持ってき

 

「ごめんね、探してるものなくて」

 

言われるが

 

「いいえ、これだけの物を買えれば大儲けですよ」

 

言い荷物を持ち

 

次の店に行き

 

「えっと・・・・・・此処もダメか・・・」

 

店を何件か巡り

 

「ここでなければ通販・・・だな」

 

思いつつも中に入り

 

「いらっしゃいませ」

 

中に入ると

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

俺は言葉を失った。色々な銃が所狭しと置かれておりその修理用の部品等などもまた置かれており

 

「ここいい店かも・・・・」

 

店内を見て回ると

 

「お!あった・・・・・・・VFO製のHk416」

 

前世でも最後の俺の戦いを共に戦ってくれた頼もしい相棒のHk416がそこにあった。

 

「値段は・・・・・・嘘?!」

 

思わず言ってしまった。

 

殆どの店でも予約待ちで値段も5万円前後なのに

 

「43800円・・・・」

 

呟き

 

「すいません、これ見せてもらう事できますか?」

 

店主に聞き

 

「すこしまってね」

 

棚からおろしてもらい

 

「これ、Verは?」

 

聞くと

 

「最新のGen3モデルだよ兄さん」

 

店主の方は言い

 

「試し撃ちするかい?」

 

聞かれるが

 

「いいえ、結構です自分で調整も修理もしますんで」

 

言い

 

「アフターパーツもあるがどうする?」

 

聞かれ

 

「拝見させて下さい」

 

一通り見ると他店では殆どが品切れで次回入荷待ちの状態の部品が揃っており

 

「これ各部品1個づつ・・いやボルトとリリスボタンは2個下さい」

 

修理部品を確保し

 

「ハンドガンで226ありますか?」

 

尋ね

 

「置いてあるよ」

 

もってきてくれ

 

「416の弾倉と226の弾倉後は・・・照準器・・・ACOGとタクティカルライトにフォアグリップお願いします」

 

俺の望む物が全部あり

 

「これ全部買います!!」

 

かなり散財したが自分の望む装備品が買えたがかなりの量になり

 

「一人では持ち帰れない・・・・」

 

呟いていると

 

「兄さんやこれ一人ではもちかえれないだろう、配送手配してやるよ」

 

言われ

 

「じゃぁ・・・・お願いします」

 

配送サービスを利用し買っ物を花壇遼の管理棟宛に送る手配をするがまさかこの時この装備品がきっかけで真珠に大激怒されるとは夢にも思わなかったのだった




次回~真珠大激怒~を予定しています。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第11話~真珠大激怒~

購入した装備が届き確認する中、たまたま真珠に目撃されるが・・・・・


花壇遼 管理棟  

 

優希 自室

 

「お・・・おい真珠・・・落ち着けって」

 

「貴方こそふざけてるの?!、それとも私に対する嫌がらせ?」

 

真珠が本気で激怒している、正直な所なんで?と困惑する俺だった、遡る事数分前

 

優希自室

 

「届いた、届いた」

 

俺は昨日に購入した装備品が収まった箱を開封し

 

「まずはこいつだよな・・・・」

 

VFO製のHk416 Gen3を開封し

 

「うん、うん・・・・・」

 

1人納得しつつ銃身をテイクダウンし

 

「中は・・・・・・・・異常なし・・・」

 

部品の破損や組付け具合が甘くないかを確認し

 

「さぁてと・・・アクセサリーを装備するか」

 

エクステンションバレルを外し、フラッシュハイダーを外し直付けし外形を10.5インチモデルにして

 

「えっと・・・グリップと・・・タクティカルライト・・・後はACOG・・」

 

それぞれのパーツを組付け

 

「おしおし、懐かしささえ感じるな」

 

俺は一人で満足していた。後はアーマーベストの調整やヘルメットに迷彩服の確認を行い

 

「あとはベストにマグポーチを付けないとな」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

もくもくとマガジンポーチをモールシステムで組付けていった。

 

「・・・・・次買い行く機会があれば417アーリーバリアントでもいいしM24SWSでも構わないしな・・・・」

 

バカな事を考えつつも実際に装備を付けてみて

 

「現役時代を思い出すな・・・・・・・」

 

自身が最期を遂げた時と同じ格好をしているのにもなんか変だなと思っていたがそこに

 

「優希、はいる・・・・・・・・・よ」

 

ドアをあけて真珠は固まっていた

 

「・・・・・・・・・・・・・」

 

無言で俺を見て

 

「あ・・・・悪い、サバゲのコスプレの格好なんて見せて」

 

俺は言い

 

「!」

 

真珠の視線がHk416を向いていた。

 

「ねぇ・・・・優希、これどう言う事なの」

 

顔を見れば俺でも分かる、真珠は怒ってる・・・いや訂正、大激怒している

 

「おっ・・・おいどうしたんだ」

 

俺は言う中真珠は俺に歩み寄り一気に胸倉を掴み

 

「どういう事か説明してって言ってるのよッ、なんであの時の物がそのままあるのよッ、ねぇ、どういう事なの」

 

「落ち着けって、おいどうしたんだ」

 

俺は宥めようとする中

 

「貴方こそふざけてるのッ?!、それとも私に対する嫌がらせッ?」

 

いつもの冷静な真珠ではない事を感じとり

 

「おいッ、真珠ッ」

 

一言大声を出すと

 

「・・・・・・・・・・・・・・」

 

真珠は手を放し黙り込み・・・

 

「一体何があった・・・教えてくれなきゃ俺も分からない」

 

言うと

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

無言の後

 

「貴方の葬式の・・・時このライフルが貴方の棺の隣に立てかけられていたの。それにこのヘルメットだって・・ひび割れた状態の物が置かれていた、そんな物見せられたらいやでも思い出しちゃうよ、いやでも自分の最愛の人が死んだ時の事を」

 

真珠は言い

 

「あ・・・・・・・」

 

俺は、真珠に対する配慮が足りなかったと、だが俺が謝るよりも早く

 

「でも、ゴメン・・ヒステリックになって・・・」

 

言われるが

 

「すまん、配慮が足りなかった。そう言えばそうだよな・・・俺が殉職して葬式が会った時にライフルスタンドにこいつ立てかけられていたもんな。それにヘルメットも置かれていたよな、一番近くで見ている真珠にどれほどの苦痛があったかを思えば

配慮が足りなかった、済まない・・・・」

 

俺は謝るが

 

「ううん、ゴメンなさい。いきなり部屋に入るなりヒス起こして。謝るのは私の方」

 

真珠は言い

 

「でも、優希がまたこれを選んだと言う事は思い入れがあるからでしょ、この子の話聞かせてよ」

 

Hk416をさして言われ

 

「こいつのか?」

 

言い

 

「うん、このライフルや拳銃にそのベストや色々とある物」

 

蒼川も言い

 

「えっと・・・・こいつは・・・・・」

 

その後、落ち着きを取り戻した真珠を相手に延々と装備の詳細説明をする羽目になり、最後の方になると何かに気付いたような表情をして唐突に

 

「ねぇ、嫌な予感しかしないんだけどもさ優希、「これ」に一体いくらお金使ったの?」

 

気が付けば真珠は眉を引くつかせている、それもそのはずだ装備を買う時に前世での特別警備隊の装備を元に見境ないくお金を湯水の如くつぎ込み購入したのだからか、買った物の金額をざっと計算し

 

「・・・・・・・10万以上・・・・・・・」

 

真珠から目をそらしつつも観念したかのように俺は答え

 

「優希、アウト・・・・・私の部屋でお説教・・・・・」

 

真珠に言われ

 

「え?!」

 

今度はこっちが凍り付く羽目になり、立場が完全に逆転してしまう。

 

「心配しないで、貴方の言い訳はたっぷり聞いてあげるから・・・ね?」

 

真珠の顔は笑ってるが・・・・目は・・・俺と言う「獲物」を狙う狩人の目をしていやがる

 

「ハハハハハハ・・・・・・はぁ・・・・オワタ・・・」

 

その後、なんか「特殊部隊」のコスプレをした優希が真珠の手により引きずられて行く光景をたまたま目撃した鏑木さんは

 

「あ~あ、可哀そうに・・・散財した旦那様をシバキ倒す奥様って感じねあれじゃぁまるで」

 

そう呟いたそうな・・・・。




次回~林間学習準備~を予定しています。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第12話~林間学習準備~

イベントの1つ林間学習の準備に入るが・・・


学校 5時限目

 

「林間学習準備」

 

黒板に書かれ班決めが行われ見事に「俺達」は集った

 

林間学習 1年-A組 第6班

 

班長 一ノ瀬 優希

 

副班長 蒼川 真珠

 

班員 宮下 沙希

 

班員 木村 哲郎

 

班員 張 英久

 

班員 加藤 貴明

 

班員 牧瀬 由希江

 

7人が揃った。他の班では未だに班長・副班長を決めかねているが俺達の班は別だなぜなら「前世での軍務経験者」は全員が士官だからだ。自衛隊士官・人民解放軍士官これでもかと言うくらいに人員なら揃ってる。

 

「レンジャー」

 

加藤が言いだし

 

「頭大丈夫かお前?」

 

木村が言い

 

「クスクス・・・」

 

宮下さんが苦笑し

 

「次は昼食と夕食のメニュー決めだな・・・」

 

班長になった俺が仕切り

 

「何か、要望は?」

 

班員の顔を見て言い

 

「ハイ!」

 

加藤が反応し手を挙げるが

 

「「「「却下ッ」」」」

 

俺や真珠に木村に張がすかさず言い

 

「まだ何も言ってないのに・・・・」

 

言われるが

 

「言わなくとも分かるわ」

 

木村が言う中

 

「ねぇ、優希ベタだけども昼食は「チャーハン」夕食は「カレー」なんてどうかしら」

 

真珠は提案したが、それに今度は俺達が凍り付き

 

「「「「!」」」」

 

俺達は肩を組み、後ろに振り返り

 

「{や・・・ヤバイ、蒼川のスパイス調合地獄が始まるぞ}」

「{小隊長、何とかしてくれ・・・優希の「彼女」だろ}」

「{この危機的状況を回避するにはお前の「ビーフシチュー」しかないもう嫌だ、あのスパイス調合地獄は・・飯が食えなくなる}」

 

「{結論、ビーフシチューで対抗するしかない}」

 

即断即決し

 

「い・・いやぁ・・・流石に林間学習でカレー・・・はありきたりと言うか」

 

木村が言い

 

「そ・・・そうだな・・・俺は「優希が作る」「ビーフシチュー」気分だったが」

 

加藤が言い

 

「優希の料理は最高だ、だから俺は「ビーフシチュー」を所望する!!」

 

張も言う中

 

「なにムキになってるのよ、男子も・・一ノ瀬君の料理が美味しい事も分かるけどさねぇ?」

 

鏑木さんは言い

 

「うん、両方とも料理美味いから私達の立つ瀬がなくなっちゃうけども・・・」

 

宮下さんも言い

 

「カレーで良いんじゃないかな、シンプルだし」

 

鏑木さんが言い加藤と張が首を横に振り「オイお前なに余計な事を言ってるんだよ」と言うようにしていると真珠も気づいたのか

 

「あ~~あ、成る程・・・そう言う事ね分かった」

 

真珠は言い

 

「大丈夫よ、私流超本格カレー用のスパイスは事前に調合して準備するから」

 

言い

 

「本当に大丈夫なのか?」

 

俺は恐る恐る尋ねる、前世に置いて真珠の「私流超本格カレー」を食べた事がある俺達にとってしてみれば悪夢の再来だ、正直な事を言えばすごく美味しい、只それは調合できればの話でありでききなければカレー事態がご破算になるまさに博打のような飯だそうすれば最悪は昼食なしの空腹で夜までを過ごさねばならなくなる。前世に置いて特殊部隊出身の俺達にしてみれば2日3日であれば耐える事は出来るが宮下さんや鏑木さんはそうはいかない。

 

「はぁ~~」

 

ため息をつきつつ

 

「真珠、いいか「必ずスパイス調合」しておけよ、飯抜きは勘弁だぞ」

 

念を押すように言い

 

「任せなさいな」

 

真珠は言うが

 

「「「「・・・・・・・・」」」」

 

正直不安しか感じなく

 

「{最悪の事態に備えて戦闘糧食ポチっとこ}」

 

帰宅したら班人数分の軍用のコンバット・レーションの購入をさっそく決意する俺だった。

 

「まぁ、昼はカレーでいいとして夜は?」

 

再度聞くと

 

「優希のビーフシチューでイイと思うわ、かなり美味しいし」

 

真珠が今度はシチューを推し

 

「蒼川さんがそこまで推すなら私も食べてみたいかも」

 

鏑木さんは言い

 

「同感、私も食べてみたいなぁ」

 

宮下さんも頷きつつ言い

 

「最悪、昼抜きになっても夜が優希の作る飯ならまだ希望はある」

 

加藤がうっかり言ってしまい

 

「なにかしらぁ・・・当日の昼に本当にご飯抜きにされたいのかしら。加藤君?」

 

真珠は言い

 

「ひぃぃぃぃぃぃぃ・・・勘弁して下さい・・・・」

 

加藤の怯えるその姿に前世、日本版デルタ・フォースともいわれた特殊作戦群の隊員としてMINIMI軽機関銃やM84無反動砲を振り回していた歴戦の戦士とも言える面影は正直感じなかった。

 

「でもほんと勘弁だぞ、くどいようだけどもお前のカレー失敗して飯抜きになるのは」

 

俺も言うと

 

「ちょ、優希・・・いくら何でも酷くない」

 

真珠に言われるも

 

「釘は刺さないとな」

 

俺も言い返したのだった。こうして俺達6班の昼食はカレーに決まり夕食もビーフシチューで決まった。一応書類を提出し承認待ちとなるが担任曰く大丈夫との事だった。

 

 

 

その日の夜

 

 

花壇遼 管理棟

 

優希 自室

 

「・・・・・・どれもこれもヒートパック使っても時間が30分近くかかっちまうんだよなぁ、まぁ仕方がないか」

 

ネットの通販をチェックしつつ

 

「豚角煮と白米あとはポタージュスープか・・・丁度7個、値段は・・・」

 

個数を確認し

 

「値段は・・・・6000円・・・・まぁ・・・必要経費だな」

 

通販サイトの熱帯雨林で民生版をポチりそして

 

「デイトナックス・・か、確か米沿岸警備隊が採用してるんだったな。こいつも一箱買っておこう」

 

一緒に買い物カートに入れ更に、見て回り

 

「タクティカル・ナイフ・・・ねぇ」

 

説明だと熊も出る可能性も有る場所だと言われており

 

「ナイフに棒切れでも紐でつなげば簡易的な槍にもなるしなこいつもポチるか」

 

タクティカル・ナイフも買い物かごに入れそのまま注文する。

 

「配送は・・・・最短で」

 

配送や代金支払いをどうするかを選択し注文を完了する。

 

「後は届くのを待つだけ・・・かぁ」

 

呟き

 

「真珠のスパイス調合が成功しますように・・・・」

 

パソコンを閉じベットに大の字になり天井を見つつ呟くのだった・・・




次回~国際情勢~を予定しています。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第13話~国際情勢~

とある日の晩に自室で優希は真珠とテレビを見ていたが、ふと疑問におもう「この世界の情勢は?」と


 

花壇遼 管理棟

 

優希 自室

 

「優希相変わらず、勉強できるのね」

 

真珠は言い

 

「勉強が出来て困る事はないだろ」

 

言い

 

「そうだけどもさ・・・」

 

真珠が言った時

 

「本日、沖縄県尖閣諸島沖に台湾共産国海軍の艦艇が領海に侵入、これに対し付近を警備していた国防海軍イージス巡洋艦「はぐろ」同駆逐艦「はつづき」が警告を発し両国が一触即発の状況になりましたが、台湾側の艦艇が離脱し事なきを得たとの事です。この事態に際し西郷国防大臣は台湾共産国大使を召還し警告しました。」

 

 

「え~~~~~、台湾が共産国って・・・・」

 

真珠は呆れ

 

「なるほどな・・・・やはり俺達が知る日本とは違うわけだな」

 

頷きつつパソコンを机に置き調べる

 

「日本 国防組織 情勢」

 

すると出てくる

 

「日本国防軍」

 

4軍制であり、陸軍・海軍・空軍・海兵隊からなる4軍にて成り立つ。総正規兵力68万人、予備兵力5万人、国防予算28兆円と

 

「これ・・・私達の知る日本の総人口軽く超えてるよね・・・」

 

一緒に見る真珠も言い

 

「だな・・・正規兵力4軍合計が68万人とかありえねぇ、少なくとも総人口も1億2000以上はいるぞ」

 

俺も頷く。更に細かく調べ

 

「国防陸軍 総兵力28万人」

 

主力は普通歩兵連隊が主力となり、俺の知る事と違うのは「常設」のレンジャー部隊の存在であり「第64レンジャー部隊」がある事以外は陸自とあまり変わらなかった。

 

此処に

 

「ねぇ、優希「レンジャー部隊」って何?優希みたいに「特殊部隊」か何か?」

 

真珠から質問が飛び

 

「うーん、説明が難しいなぁ・・・「レンジャー」は特殊部隊ではいとは言われてるが「事実上の特殊部隊」かな」

 

答え

 

「どうして?」

 

聞かれ

 

「少数精鋭であり、有事の際には敵背後にパラ降下し補給網や通信の遮断等などの破壊工作や敵重要拠点への襲撃や救出作戦等など「名だけ」レンジャーでやってる事は特殊部隊だから曖昧な存在なんだよな・・・」

 

俺は答えた。次に

 

「国防海軍 総兵力15万人」

 

主力艦艇がイージス巡洋艦25隻、イージス駆逐艦40隻、汎用駆逐艦59隻、潜水艦79隻と俺の目が点になるほど海自とはけた違いであり空母も6隻ほど米海軍並みの装備だった。

 

「すごいね・・・・巡洋艦が25隻って・・・」

 

真珠も言い

 

「ああ、けた違いだ・・・わ・・・・」

 

俺も頷いた。日本は島国であるがゆえに海軍と空軍が強い傾向にある。別に陸軍が弱いわけではない、だがこれはとんでもない数の艦艇数だ。

 

国防海軍主力艦艇

 

「あたご」型イージス巡洋艦×25隻

「はつづき」型イージス駆逐艦×40隻

各汎用駆逐艦×59隻

各通常動力型潜水艦×79隻

「いぶき型准空母」×6隻

「1番艦「いぶき」」第5艦隊所属 配備先 舞鶴港

「2番艦「ほだか」」第6艦隊所属 配備先横 須賀港

「3番艦「ずいかく」」第7艦隊所属 配備先 在米日本国防海軍基地

「4番艦「しょうほう」」第8艦隊所属 配備先 在中日本国防海軍基地

「5番艦「ほうしょう」」第3艦隊所属 配備先 佐世保港

「6番艦「あかぎ」」 国内待機予備艦

 

 

納得しつつ、更に調べる

 

「国防空軍 総兵力13万人」

 

主力戦闘機は最新鋭の純国産のステルス戦闘機や同盟国アメリカから購入した同ステルス機が大多数配備されており一部は艦載機用にも確保されているようだ。

 

主力級戦闘機

 

F-3JAステルス戦闘機

F-3JBステルス戦闘機{艦載機用}

F-36JAステルス戦闘機{米国より輸入}

F-2A戦闘機

F-2B戦闘機

 

最新鋭のステルス機がこれでもかと言うくらいの数でアジア屈指の空軍能力ともいえるようだった。

 

次に調べたのは

 

「国防軍海兵隊 総兵力12万人」

 

これは全くの未知の領域だった。「水陸機動団」とは違い一言で言えば「ガチ」の殴り込み隊、海兵隊とも言える存在になっていた。

 

最後は「特殊作戦部隊」の規模だったが懐かしい名前と新たに知る名が記載されていた。

 

陸軍 特殊作戦群 10個戦闘中隊 展開地域 世界全域

海軍 特別警備隊 チーム1~チーム10 展開地域 世界全域

{チーム6は欠番扱い 対テロ部隊通称D-1チーム}

空軍 第45特殊戦術航空団

海兵隊 特殊潜入偵察隊 通称 特潜隊 展開地域 世界全域

 

「・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・やたらと特殊作戦能力が充実してやがる・・・」

 

呟き

 

「ねぇ・・・優希、「この日本」は何処を仮想敵国にしてるのかしら・・・」

 

真珠に言われ気付き

 

「そうだな、・・・・・・・」

 

調べてみると

 

「日本を取り巻く安全保障」

 

簡潔に調べてみると

 

同盟国

 

アメリカ・英国・中国

 

仮想敵国

 

北朝鮮・韓国・ロシア・台湾

 

大まかにしてみるとこのようになった。驚くべきは中国が同盟国と言う所である。俺の知る中国はザ・共産主義国とも言うべき国であったがこの世界での中国は丸っと逆である。民主主義による大統領制であり、日本の同盟友好国の一つになっている。その証拠に在日米軍基地は分かるが在日中国軍基地も置かれており逆に在中在米日本国防軍基地も存在する。互いを防衛しあうようにしている仕組みのようだった。

 

「私達の知る世界の情報はあまりないわね・・・軍事能力もけた違いで高いし兵力や装備面でも私達の知る自衛隊ではないわね」

 

蒼川は言い

 

「納得だ・・・・」

 

俺は頷き

 

「兵力もやたらとある上に装備も充実しているし、素人の私が見てもこれすごいよね」

 

真珠も言った。そして

 

「でもさ、韓国が敵国は納得ねあいつら物〇い国家?国って言って良いの?」

 

真珠は辛らつに言い

 

「氷の悪魔の正しい使いどころだよなそれwwwwww」

 

俺も笑い

 

「でも仮想敵国だし、戦争になるのかな?」

 

言い

 

「それは分からない、でもこの兵力と装備だったら勝てるんじゃないのか?この世界の韓国軍の装備を知らんが」

 

俺は言い

 

「優希ままた「海軍」希望?」

 

聞かれ

 

「うーん・・・・どうしようかな・・・陸軍の特戦群や海兵隊の特潜隊でもいいかなぁ」

 

悩むと

 

「あのさぁ・・・優希は「特殊部隊」しかないの?」

 

言われ

 

「やっぱりなんというか、「特殊部隊」は別格と言うか頼りになる存在と言うか自分もその一員になりたいと思うのは自然の摂理であって」

 

答え

 

「まぁ、しょうがないよね「優希」だもんねでも約束「どんな道」に進んでも「貴方の隣」にいさせて」

 

真珠が言い

 

「それは約束する。絶対に」

 

頷き

 

「そろそろいい時間だ」

 

言うと

 

「じゃーん」

 

真珠はまた枕を取り出し

 

「・・・・・・・・・・・・・・マジか」

 

俺は無言になるが

 

「まぁ・・・いいか、おいで」

 

その日の夜真珠とまた一緒に寝るのだった。




次回~買い物~を予定しています。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第14話~買い物~

林間学習に備え、優希と真珠は買い物に出かける。


翌日 午後

 

ホームセンター

 

「これと・・・あれとそれも・・・」

 

買い物カゴに商品を入れる。

 

「え?!・・・「対クマ用スプレー」って・・・1本9800円?!」

 

真珠は驚き

 

「なんだ、知らないのか。いい値段はするが効果は抜群だぞ、クマの鼻先にかましてやるとこれがまた効果抜群なんだ。クマ公もだえ苦しむぞ」

 

言いながら3本カゴに入れ

 

「後は火がつかない時の為に・・・着火剤かな。これは先公に見つからないように持ってく。どうせ、現場で火起こしさせられるんだしそれなら少しばかり楽させてもらおうや。」

 

真珠に言い

 

「え~~、バレても知らないわよ」

 

真珠は言うが

 

「俺がそんなヘマするように見えるか?」

 

言いつつも数個入れ

 

「後は手袋と虫よけスプレー・・・・っと」

 

買い物カゴに入れていき

 

「うわぁ・・・・優希、結構買い込むのね」

 

真珠は周りを、見ながら言い

 

「山岳レンジャー経験者から言わせてもらうと、「山舐めたら死ぬぞ」」

 

俺は真剣な表情をして言い

 

「あ・・・・あははははは・・・・それホント?!」

 

言う中

 

「ああ、レンジャー訓練でもけが人は当たり前最悪は死ぬ場合だってあり得る。山は時として人に牙をむく。山の大自然を前に人なんてちっぽけな存在だ。舐めてかかるとアッと言うまに「死体袋」送りだぞ」

 

真珠を脅し

 

「流石に・・・学校の行事でそれ程ヤバい状況になるかしら?」

 

疑問を抱くように真珠は言うが

 

「まぁ周りがどう思ってようと勝手だが俺にとっては「常に備えろ」「常在戦場」がモットーだからな。万が一周りに危害が及んでも対処できるように備えておくだけだよ」

 

俺は言った。常に備えておけば何時なん時も対処できる。そう思いつつも準備を進め

 

「さて、管理棟の冷蔵庫の食糧かっていくか」

 

ホームセンターでの買い物を済ませ次に真珠に付き合いスーパーに行く

 

「そう言えば、スパイスの方は大丈夫なんだろうな」

 

俺は真珠に問い

 

「うん、まだ準備してないけども、大丈夫今回はそこまでこだわるつもりないから」

 

言うが

 

「お前そのセリフ前も聞いたんだけども、それで俺たち凄惨な目にあってるんだけども」

 

真珠に突っ込み

 

「今回はほんとに大丈夫だって疑り深いわね」

 

言われ

 

「そりゃぁ、あんな目に合えば疑り深くもなるわ」

 

言い返し

 

「分かったわ、今日早速帰ったら試作のスパイス作ってそれでカレー作ってあげるから」

 

ルンルン気分の真珠は言うが

 

「・・・・・神よ・・・・」

 

天を仰ぐ俺に

 

「〆るわよ」

 

言う真珠に

 

「理不尽・・・・」

 

呟く俺に対し

 

「何が理不尽よ理不尽」

 

真珠は言い、食材を買い物カゴに詰め込んでいく。

 

「お米もそろそろだったわよね」

 

ポケットから紙を取り出し買う物を確認し

 

「うん・・・大体はそろったかしらね」

 

言い

 

「さっさと帰ろう、お前のスパイス調合でまたやらかされたらたまらんわ」

 

真珠に言い

 

「優希、また私の部屋で〆られたいのかしら?」

 

言われ真珠の顔は笑ってるが目は全然笑っていない。前のサバゲで使う銃に装備にで散在しまくり真珠の部屋で正座で4時間説教を喰らった事を思い出し

 

「{あ・・・・これ本気のパターン・・・だ・・・オワタ・・・}」

 

恐怖が脳裏によぎる中、会計をすまし、俺達は管理棟に戻るのだった。

 

 

 

花壇遼 管理棟

 

「おーい真珠、冷蔵庫に食品詰め込み終わったぞ」

 

言い

 

「あ、うんありがとう。優希、そろそろはじめちゃってもイイかな?」

 

真珠は言い

 

「ああ、じゃぁ俺は野菜の皮むきと肉の処理やっとくから。凝り過ぎるなよ?お前が凝り過ぎると皆が飯に困っちまうんだからな」

 

真珠に釘をさしつつも夕食の準備に乗り出す。

 

「{まぁ・・・真珠の事だろうからやたらと時間がかかるに違いなな。アイツ凝り過ぎると余裕で前が見えなくなるしな}」

 

思いつつも包丁を握り下準備を整えていく、その頃・・・・

 

 

真珠 自室

 

「・・・・・・・・違う・・・・わね」

 

「これを・・・少し足してみて・・・・」

 

スパイスの調合を行っていたが案の定と言うべきか

 

「・・・・・・・ダメね、これじゃぁ皆に振舞えるような物じゃないわ」

 

時間を忘れてしまっていた。

 

 

数時間後

 

「・・・・・・・・・・・・・」

 

下ごしらえを終え、時計を見ていた俺と

 

「蒼川さんまだ?」

 

「おなかすいたよぉ・・」

 

「げんかいだよぉ・・・・」

 

「おなか・・・・すいた・・・」

 

「だぁぁぁ、一ノ瀬、今すぐ蒼川を部屋からひっぱりだしてこい!!」

 

牧瀬さん、小川さん、鏑木さん、宮下さんそして、佐藤先生とやはり空腹が限界にきているようだった。

 

「部屋に籠ってから・・・・3時間・・・はぁ・・・こうなると思った。」

 

げんなりしつつ

 

「すいません、真珠呼んできます」

 

俺は2階に行き、真珠の部屋の前に立ち一応ノックし

 

「真珠、入るぞ」

 

一言入れてから部屋の中に入った時

 

「出来た~~~~ッッ」

 

真珠の声が部屋に響き

 

「今頃かよ?!」

 

思わず一言言い

 

「あれ?優希居たの?」

 

ケロンとした表情で言われ

 

「時計見てみ・・・・」

 

一言言い真珠はと時計を見て

 

「うそ・・・・・」

 

あれから数時間経ってしまっている事に愕然とし

 

「皆、発狂寸前だぞ佐藤先生はもう無理かもしれんけど」

 

俺は言い

 

「優希、準備は」

 

真珠は慌てて言い

 

「そんなこったろうと思っていたよ、付け合わせは作ってあるからあとはメインのカレーが出来れば少し遅めの夕食だ」

 

教え、部屋をちらりと見るとそこに作り置きされたスパイスもあり

 

「ごめん、林間学習時の時の為に事前に作ってたの。」

 

真珠は言い

 

「まずいいからはよ作らないと皆、気がふれちまう」

 

言い真珠を部屋から引っ張り出しキッチンに連れてきて真珠と共にカレーを作り

 

「イイ匂い・・・・」

 

「はぁ・・・・美味しそう」

 

「はやく食べたいよぉ・・・」

 

「は・・・早く・・・・・・」

 

皆匂いにつられているが

 

「後少しだからね」

 

真珠は言い

 

「優希、盛り付けの準備して」

 

言い

 

「もう出来てる」

 

答え

 

「あとは食べるだけね」

 

真珠は火を消しカレーを盛りつけ、その日遅めの夕食を皆で食べたが

 

「一ノ瀬君が言っていたのはこの事だったんだ・・・なんか心配になってきたかも」

 

宮下さんは言い

 

「大丈夫だよ、林間学習次用に準備もしてたみたいだから」

 

俺は助け舟を出し

 

「でもこのカレー美味しいね」

 

小川さんは言いスプーンを進め

 

「付け合わせもいい味出してるわ・・・美味しい!!」

 

鏑木さんも言う。

 

「ええ、美味しいわ、お代わり貰えるかしら」

 

牧瀬さんも言い

 

「あいよ」

 

牧瀬さんの皿にご飯を盛りつけカレーをかけて牧瀬さんに渡す。

 

「私もお代わり」

 

佐藤先生が良く食べる食べる

 

「もう、4皿目ですよ?」

 

俺は言い

 

「お前の未来の嫁のお陰でこちとら腹減ってるんだもっと食べさせろ」

 

「「「「ははははははははは」」」」

 

皆の笑いに包まれた夕食の時間を過ごす俺達だった・・・・




次回~林間学習~を予定しています。


目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。