Love &Peaceを理解するモノガタリ (黒井一)
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第1話

元々読み専でしたが、自分の頭の中の妄想全開で作成してみました。
今後どうなるかわかりませんが、よろしくお願い申し上げます!


〜深夜〜

謎の怪人と戦う半赤半青有。

彼は人知れず町を怪人から守る

正義の味方⁈である。

 

 

〜放課後・教室〜

○○「最悪だ!」

○○「何が最悪なの?おりじぃ」

○○「おりじぃじゃない。俺には『織字鳴』と言う

立派な名前があるぞ!」

彼の名は、『織字鳴』。一応この物語の主人公であり、

 

鳴「定時で上がろうと思ったら、緊急で職員会議入った。」

基本面倒くさがりである。

 

鳴「つか、何でここにいるんだよ!一(はじめ)!」

一「生徒会の交流」

彼は黒井一。織字鳴とは親戚?

生徒会には、強制加入させられたらしい。

 

一「そんな事より、会議出なくていいのか?おりじぃ」

鳴「ヤバい!」

走り出する鳴。会議には、何とか間に合った。

 

 

〜会議中〜

会議には、間に合ったが長々と話している教頭。

俺の貴重な時間返せ!

そんな中、教頭がある話を切り出す。

 

教師「近頃、謎の怪人が町に出没している件について、

生徒の安全を考えて、本日よりしばらくの間部活動を中止します。」

教師「何か確認事項等はありますか?特段無いようですので、

本日の会議は終了します。」

 

○○先生「織字先生ちゃんと聞いてましたか?」

鳴「スマホのアプリ弄りながら聞いていましたよ。

とりあえず、部活に来ている奴に話します。」

○○先生「とりあえずかぃ…」

織字は弓道部の幽霊部員ならぬ、幽霊顧問である。

 

鳴「弓道場行くか〜」

俺は重い腰を上げて、弓道場に向かう。

つか、重い腰って老人かよ!まだ10代だぞ!

 

 

〜移動中〜

途中の剣道場から奇怪?な掛け声が聞こえた。

?「ブシドー!」

 

 

〜剣道場に寄り道〜

鳴「若宮」

若宮「師匠!如何しましたか?!」

鳴「気合の入れ方は良いが、今日からしばらく

部活動中止だ。後師匠じゃない。先生と呼べ。」

若宮「お褒め頂き光栄です!」

鳴「そこじゃねぇよ!」

 

彼女は若宮イヴ。

日本人とフィンランド人のハーフで帰国子女。

旅行?先のフィンランドで、若宮一家にお世話に

なった頃から知り合った。

若宮「わかってますよ!部活動中止ですね!

同じ部活の子に教えておきますね!」

若宮「所でいつ剣道を教えてくれるのですか?」

 

鳴「…お前に剣は教えないよ。」

若宮「何故ですか?!」

鳴「…何となくだよ。所で部員に中止の話しなくていいのか?」

若宮「忘れてました!」

鳴「そこは忘れんといてよー!」

若宮「それでは御免!」

若宮は天真爛漫な奴だなぁ。

そろそろ弓道場行くか。

 

鳴(早く行かないと、五月蝿い風紀委員に

お小言言われてしまう!)

 

 

〜弓道場〜

着くと道場扉に「当面の間部活動中止」の大きく

丁寧な文字の張り紙が貼ってあった。

鳴「この文字は…」

?「やっと来ましたか。」

 

鳴「いたのか、氷川。」

氷川「いたのか、とは何ですか?」

彼女は氷川紗夜。生真面目で風紀委員。

真面目が具現化したヤツ。

氷川「真面目が具現化とは、非科学的な事言わないで下さい。」

鳴「俺の心読まれたよ!」

氷川「顔に書いてますよ。」

 

鳴「そんな事より、分かってるとは思うが…」

氷川「部活動中止ですよね。先程若宮さんから聞きました。」

鳴「若宮から聞いたのは分かった。

では何故お前さんは、道着を着ているのかね?」

氷川「張り紙だけでは、不安でしたし、少し練習したかったので」

 

鳴「張り紙した本人が中止しないとはなぁ」

鳴「もしかして、俺に道着姿見せたかったとか?」(ニヤニヤ)

氷川「えぇ、そうですよ。」

鳴「マジか!!」

氷川「ウソですよ。」

鳴「ウソかい!」

まさか氷川の口から、冗談が出るとは思わなかった。生真面目から真面目にクラスダウンが必要だな。

 

氷川「真面目にクラスダウンですか。ありがとうございます。」

鳴「また心読まれたよ!まぁ良い、道着姿見れたし。」

氷川(顔真っ赤)

鳴「どうした?顔赤いぞ。」

氷川「だ、大丈夫です!」

鳴「そ、そうか。では氷川に張り紙の内容の件は任せた!」

氷川「わかりました。」



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第2話

〜弓道場から移動後・職員室〜

数時間後

鳴(もう帰ったと思うが、見に行ってみるか。)

立ち上がると同時に、普段は鳴らない携帯が鳴った。

気まずいため、廊下に出る。

♪Be The One〜

鳴「もしもし…あぁ…なに!」

その時、聞き覚えのある声の悲鳴が聞こえた。

 

 

〜悲鳴の方へ移動〜

そこには、尻餅をついた氷川がヤツに襲われてそうになっていた。

鳴「ヤバイ!」

ヤツに向かって走る。

鳴はポケットに入っているモノ振ると、ヤツに拳を繰り出し仰反る。

 

鳴「氷川!大丈夫か!」

氷川「は、はい…」

 

氷川は震えている。

?(…正体は知られると面倒な事になる。特に…)

アイツはそう言っていた。何となく分かるが、後半の方は、よく分からなかったが。

リスクを考えると、正体を知られる事は避けたいが…

ここは教師として、安心させなくてはいけない。

 

鳴「後は任せろ。」

氷川「…任せろとは、何をするのですか?」

鳴「倒すんだよ。」

 

鳴は大きめの何かを出し、それを腰にに付けると

ベルト状に腰に巻きつく。

さらにポケットから、先程の振っていた

青く小さい何かと、赤い何かを出し左右で持ち、

鳴「さぁ、実験を始めようか。」

それを振り出す。

 

両手に持っているソレを振ると、様々な科学式が

浮かび上がり、腰の何かに装着する。

 

『ラビット!』 『タンク!』

『ベストマッチ!』

 

腰のレバーを回していると、様々なパイプや歯車が出てくる。

 

『Are you ready?』

鳴「変身!!」

 

『鋼のムーンサルト!ラビットタンク!』

『イエーイ!!』

 

鳴は半赤半青の怪人となった。

鳴「勝利の法則は決まった!」

 

右足に体重を乗せて、怪人の前に飛び距離を詰めると

拳の連打を浴びせる。

怪人が再び怯んだ所に、更に蹴りを入れる。

怪人がフラフラになっている。

 

鳴「意外と体力ないなぁ。まぁ良い。これでキメる!」

 

レバーを回す鳴。

『Ready go!』

『ボルテックフィニッシュ!』

『イエーイ!』

 

鳴「ちょーっと待って!」

 

そう言うと怪人に背を向けて走り出すし、

左足で地面を踏むといきなり陥没し、そこに落ちる鳴。

怪人が体勢を立て直すと、陥没部分から石柱が反り立ち、

その頂点に鳴がいる。

石柱が出たと同時に、グラフが出てきて、怪人を拘束する。

 

右足でジャンプし、グラフに沿って落下し、

左足で拘束されている怪人にキックをする。

 

怪人は派手に爆破した。

 

倒れている怪人から煙が出ている。

鳴は怪人に近づいて、腰の横に付いているボトル状の

物を怪人に近づける。

 

すると煙がボトルに吸い込まれていき、ボトルに絵が付いた。

さらに怪人は、うちの生徒になっていた!

 

鳴「これは…ゴリラか?」

そんな事より、多少の意思疎通出来そうだ。

 

鳴「手短に済ませたい。質問に答えてもらおうか。」

生徒(頷く)

鳴「お前を怪人にしたのは、誰か分かるか?」

生徒「…わかりません。ですが、声は聞き覚えがありました。それ以外は何も覚えていません。」

そう話すと生徒は気絶した。

特段外傷は見当たらないため、このまま寝かせて置くか。

 

 

〜怪人と戦闘終了後〜

俺はまだ尻餅付いている氷川に近づく。

鳴「氷川」

氷川「はっ、はい…」

鳴「色々説明したいが、すぐこの場から離れたい。

説明するから一緒に来てくれるか?」

氷川「…わかりました。所でその怪人?はいつ解除?するのですか。」

 

鳴「ビルドだ!」

氷川「え?」

鳴「仮面ライダービルド!この怪人体の名前。

『作る・形成する』のビルドから来ているらしい。」

 

氷川「らしい?そっ、そうですか。」

鳴「それじゃあ、ここから離れるか。氷川は高い所は大丈夫か?」

氷川「そう聞かれると、イヤな予感はしますが、

大丈夫と言っておきます。」

 

鳴「了解。それじゃあ…」

鳴はドライバーからボトルを外し、別のボトルを差し込む。

『タカ!』『ガトリング!』

『ベストマッチ!』

『Are you ready?』

鳴「ビルドアップ!」

『天空の暴れん坊! ホーク・ガトリング!!』

鳴は別の姿に変わった。

そして、背中には羽が生えている。

 

鳴「それじゃ、飛びますか!」

そう言うと、鳴は氷川を持ち上げると同時に飛ぶ。

俗に言うと、お姫様抱っこをしている状況だ。

まさか、俺がやる時が来るとはなぁ。

氷川「やっぱりですか!キャー‼︎」

 

鳴「氷川、景色見てみろよ。」

そこには、一面桜が満開だ。

上空から見たら、正に桜の絨毯のように見える。

氷川「…すごい綺麗ですね。」

鳴「圧感だなぁ。もう少し飛んでいたいが、目立つから降りるぞ。」

屋上に降りる鳴と氷川。

降りると鳴はドライバーから、ボトルを外し変身解除した。

 

 



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第3話

〜屋上にて〜

 

鳴「さて何処から話するかな。聞きたい事はあるか?」

氷川「聞きたい事だらけですが、まずあの怪人はなんですか?」

鳴「あれはスマッシュと呼んでる。

特殊なガスを打たれ者が、一定の確率でなる。

スマッシュになったら自我を失う。」

 

氷川「あなたの目的は何ですか?」

鳴「当然、この町の平和を守る事とにしておこう。」

氷川「しておこう?」

鳴「本当は、スマッシュを戦闘不能にするとスマッシュの体からガスが出てくる。そのガスをボトルで回収して新しいボトルにする事が目的なんだけどな。」

 

氷川「随分とあっさり話すのですね。」

鳴「ボトルの回収をする事で、結果的には前者の目的が達成されてるだけだよ。」

鳴(真の目的はその先なんだけどな)

鳴「そんな事より立てそうか?」

氷川「はい、落ち着きました。」

鳴「そうか、それじゃあ今日はもう下校しな。」

氷川「わかりました。」

 

鳴「あぁそうだ、氷川。」

氷川「はい?」

鳴「お前さんなら、出来て当然だけど進級おめでとさん。」

鳴「進級祝いはやれんがな。」

氷川「…もう貰っていますよ。桜の絨毯を見せていただき、ありがとうございます///」

鳴「…あの程度なら、また見せてやる。時期的に桜の絨毯は厳しいけどな」

 

氷川と少し話した後に下校させた。そういえば、少し顔が赤かったな。

まぁ明日には治ってるだろう。

 

鳴(それにしても、学園にスマッシュか。スマッシュになった生徒も言っていたが、声に聞き覚えある。もしかすると、学園内に黒幕いたりしてな。)

鳴(俺も戻るか。)

鳴は職員室に戻り、授業の準備をした後に定時で上がり帰宅した。

 

 

〜帰宅する鳴を見ている○○〜

○○「まさか、おりじぃがビルドとは。という事は、おりじぃがフルボトルを集めているな。恐らくあの宇宙人から、奪ったアレとセットで使うのだろうな。だったらしばらくは、様子見でいいか。精々俺の目的のために、集めておいて欲しいもんだね。」

○○「それに何かあれば、俺が出て行けば良い事だしな」

○○は錠前を開け閉めしながら、今後の事を考えていた。

?「○○くーん!帰るよー!」

先輩が呼んでる。俺も帰るか。

 

〜戦闘現場〜

?「せっかく別の世界に来たのに、この世界にもビルドがいるとは!」

?「ビルドがいると居ると言う事はアレもあるって事か…」

?「楽しくなって来たなぁ!問題はあの鎧武者にアイテムを奪われた事か。」

?「まぁいっか!アイツに預けておけば、面白い事になりそうだしな!」

?「これだから人間は面白い!」



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第4話

しばらく戦闘パートはない?と思います。


〜授業終了チャイム〜

鳴「本日の授業はこれまで。」

日直「起立…」

鳴「あー、今日は号令いいわぁ。腹減ったし。それじゃあ、昼休み入って。」

職員室行ったら、みんな昼飯中だし、屋上で時間潰すか。

 

 

〜屋上〜

本日は多少の雲があるので晴れだな。

丁度良い気温だ。

鳴「昼寝するには、良い天気ですなぁ」

全く給料日前の金欠週はツラい。

そろそろ、アレをして小金を稼ぎますかね。

そうと決まれば、まず空腹を紛らわすために寝ます…

『先生、こちらにいましたか。』

鳴「…なんだ氷川。これから俺は、午後の授業を効率良く進めるために仮眠を」

氷川「空腹を紛らわすためですよね?」

鳴「何で分かると!?」

 

氷川「そんな事よりも」

鳴「そんな事ですか…」

氷川「この間助けて頂いたお礼を、お持ちしました。お口に合えば良いのですが…//」

そう言うと弁当箱を鳴に渡す。

(見返りを期待したらそれは正義とは言わねえぞ)

アイツの言葉が頭に流れるが…

鳴「氷川様、この御恩生涯忘れません。」

空腹には勝てん。

 

鳴は弁当箱を開ける。

中身はバランス良く入っていて、味も俺好みの濃さになっている。

氷川「お味はどうですか?」

鳴「丁度良いよ。特にこのきんぴら?が白米とベストマッチ!だよ。」

氷川「それは良かったです。改善点があれば、教えてくれませんか?もっと上手くなりたいので。」

 

鳴「強いて言えば、きんぴらに人参なんて入っていると更に食欲湧くぞ。」

氷川「…人参ですか。」

鳴「どした?」

氷川「…人参は苦手なので」

鳴「ほう、君でも苦手な物あるんだな。」(ニヤニヤ)

鳴(可愛い所もあるんだな。)

氷川「…可愛いくないです!」

鳴「もう突っ込まないぞ!」

 

その後も弁当について、俺が思った事を話していった。氷川は熱心にメモをしている、真面目だなぁ。

鳴「そういえば、上手くなってどうするんだ?」

メモを中断して、こちらの顔を見ながら一言…

氷川「先生にもっと美味い物を食べてもらいたくて…//」

鳴「そ、そんな事を真っ赤になりながら言わないでくれ!」

鳴「恥ずかしいだろ!」

 

氷川「…そうですか。」

一気にシュンとしている。こんなに感情豊かな子だったか?

鳴「まぁそう落ち込むなよ。弁当作ってくれた事は、素直に嬉しいよ。ありがとうな。」

鳴「弁当ご馳走さま。弁当箱は洗って返すよ。」

氷川「いえ、洗うのも私が…」

 

鳴「そのくらいは、やらせてもらうよ。」

氷川の頭を撫でる。やっぱり顔が赤くなっている。

今日の氷川は大丈夫か?

鐘が鳴っている。いつの間にそんな時間になったんだ。

鳴「予鈴が鳴ってるな。戻るか。」

氷川「はい」

屋上を出る事にする。良い時間を過ごした。アレも良い成果が出そうだ。

 

 




作者は歩くのが趣味ですー!


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第5話

〜放課後・音楽室〜

俺は、アレをやるために音楽室にいた。

アレとは、アコギの弾き語りである。

元々歌うのが好きな俺は、ある日弾き語りを録画したものを、ネットに流すと、急上昇に乗ってしまっていた。

その結果、収益化に繋がり、今では食べるのに困らない程度になっている。

公務員の副業はダメだろと?まぁバレた時はバレた時だ。

 

もちろん、姿と名前は隠している。

仮面とポンチョで姿を隠し、「ゼロ」と言う名前で活動している。

〜♪〜

ゼロ(今日はこんなもんかな?)

今日は氷川から、弁当もらったお陰でいつも以上に良い演奏が出来た気がするが、なんでだろうなぁ。まぁ良い。誰も来ないうちに、撤収作業しますか。

 

 

〜撤収後・廊下〜

職員室まで戻る途中で、自分の視界を塞ぐ量のプリントの山を持っている生徒と出会す。

?「前が見えない…」

鳴「君、手伝うぞ。何処まで持っていく?」

そう言いながら、山の3分の2を取る。知らない顔だ。

 

?「ありがとうござ…」

鳴「ん?そんなにジロジロ見られても困るのだが」

?「一だ!久しぶり!」

言った途端にプリントの束を放り投げて、抱きついて来た!

鳴「うぉーい!とりあえず離れて!色々誤解されるから!」

 

鳴「つか、俺は一じゃないぞ!」

?「一は相変わらず面白い冗談言うね!」

鳴「冗談じゃないぞ!俺には…」

?「おたえー!何してるの?」

たえ「沙綾!」

 

たえ「沙綾!一がいた!」

沙綾「おたえ、その人は一じゃないよ。鳴君だよ。」

たえ「?。おかしいな、一だと思ったのに。」

とりあえず離れてくれた。まだ心臓が鳴っている。いつまで経っても慣れない。

鳴「やっと分かってくれたか。あと山吹、学校にいる時は、先生と…」

 

沙綾「分かってるよ!鳴君!」

鳴「分かってないよね!?」

彼女は山吹沙綾。両親は商店街でベーカリーを経営している。

俺は、昼飯で食べるフランスパンを金がある内は買いに行く。彼女は一応看板娘だ。

沙綾「一応は酷いなぁ。」

鳴「お前さんもかい!まぁ良い。そちらさんは?」

 

たえ「花園たえです!好きなものは兎です!夢は花園ランド建設です!」

鳴「花園ランド?…まぁ良い。改めて自己紹介を…」

たえ「一でしょ!」

鳴「だから違う!絶対ワザとだろ!織字鳴!一応この学園の教師!」

沙綾「ちなみに年齢は一つしか違わないよ。」

たえ「先生で後輩君だったとは…」

鳴「後輩じゃないし!一つ上なの!これでも、天才なんです!」

 

鳴「で、このプリントはどうしたんだ?尋常じゃない量を持っていたが。」

たえ「花園ランドについて、授業中色々ノートに書いてたのが○○先生にバレちゃって…」

鳴「なるほどねー。そりゃ花園が悪いな。職員室までなら、手伝うぞ。」

たえ「ホント!ありがとう一‼︎」

鳴「だから一じゃないし、抱きつくな!」

沙綾「アハハ…」

 

この後派手にばら撒いたプリントを拾って、職員室に運ぶのを手伝った。

ちなみに、一連の騒動を氷川に見られていたらしく、久々に顔を出した弓道部では、俺の顔を見るや終始ムっとした顔だった。なんでだろうな?

 

 




今日も頑張りますか!


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第6話

〜20時・学園廊下にて〜

鳴「最悪だ。なんで俺がこんな事を…」

突然だがただ今、学園内を見回りをしている。

事の発端は、学園内で物が無くなる・器物破損や損壊等の犯罪が起こった事から始まる。

犯罪ならば警察に任せれば良いのだが、一部の生徒が面白がってこの事を「怪談」と称して広めてしまったのだ。怪談はすぐ学園中に広まっていく。怪談を確かめるため、夜間に学園侵入をやらかす者も出る始末。

事態の収縮を図るため、「学園で対応する」と教頭が勝手に決めたのだ。

俺が見回りをしている理由は、単に『若いから』だからだそうだ。

クソ教頭め!いつか頭のカツラ盗ってやる!

 

鳴「…で、なんでいるんだ?花園。」

たえ「具合悪くて、保健室で寝てたんだよ。いや〜ぐっすりだったね!」

鳴「寝すぎだ!まぁそんだけ元気になったら具合は大丈夫だな。」

たえ「心配してくれたの?一。」

鳴「一じゃない!鳴だ!心配するのは当たり前だ、学園の生徒だからな。」

鳴「もう遅いから送っていく。とりあえず、保健室で帰る準備して待ってな。」

たえ「鳴君はどうするの?」

鳴「見回り終わったら迎えに来るよ。鍵は閉めておけよ。」

たえ「わかった!」

鳴「後、学校にいる間は先生と呼べ!」

たえ「わかんない!」

鳴「そこは分かってよ!」

花園と別れて見回りを再開する。階を上るにつれて、空気が冷たく鋭くなっていくが、これといって変わった事なく見回りは終わろうとしていた。

 

 

〜21時・廊下にて〜

おかしい、一向に保健室にたどり着かない。いや着いてはいるが、正確に言うと、保健室のドアはただの壁になっているのだ。まさか、最後の最後で怪談に遭遇するとは思わなかった。

その後も、保健室に入る為に色々ためすが特段の変化無し。花園の事が心配になってき…

〜♪〜

 

鳴「…こんな時になんだ?もしもし。」

??「スマッシュの反応だ!しかも、お前の目の前だ!」

鳴「壁しかないが?」

??「じゃあ壁そのものか、壁の向こう側に…」

鳴「かなり不思議なスマッシュだな。」

 

備あればなんとやらだ。俺は腰にビルドドライバーを装着し、ボトルをセットする。

 

『ラビット!』『タンク!』

『ベストマッチ!』『Are you ready?』

鳴「変身!!」

『鋼のムーンサルト!ラビットタンク!』

『イエーイ!!』

 

ビルドに変身するが、タンクフォーム側が壁に引っ張られる!

ビルド「なんだこりゃ!すごい力だ!とりあえず壁を攻撃しなくては!」

ビルドはドリル状の武器を出した瞬間に、武器は壁に刺さるような形で向かっていった。

そして、刺さった後の穴もろとも武器は壁に飲まれた。

ビルド「タンクフォームとドリルクラッシャーに、異常な反応する壁。もしかして…」

ビルド「だったらこうするまでだ!」

 

ビルドドライバーからボトルを外し、別のボトルをセットする。

『ゴリラ!』『ダイヤモンド!』

『ベストマッチ!』『Are you ready?』

ビルド「ビルドアップ!」

『輝きのデストロイヤー!ゴリラモンド!』

『イェイ…!』

 

新たなフォームに変わった途端に、壁に引っ張られる事がなくたった!

やっぱりな。あの壁は、磁力を持っているんだ。恐らく怪談発生時から、相当な鉄を吸収し硬度も手に入れているな。

見た目無害だと思う。放って置いても問題ないと思うが、そうもいかない。壁の向こうには、花園がいるのだ。という訳で…

 

ビルド「勝利の法則は決まった!」

レバーを回し必殺技を決める!

『ボルテックフィニッシュ‼︎』

 

自分の前にダイヤモンドの山を作り、ゴリラの腕で力一杯山に拳を入れる。山は砕けて、破片が壁に大量に当たる!すると、壁は砕けるのだった!砕けた壁の破片からガスが出ている。

ビルドは空のボトルを出して、ガスを吸収した。

ビルド「今度は磁石のボトルか?」

 

 

〜戦闘?後〜

たえ「何の音?爆音?」保健室のドアが開いていく。あっしまった⁉︎

たえ「廊下が瓦礫だらけだ!しかも変なゴリラがいる!」

ビルド「変なは余計だ!」

 

『ラビット!』『タンク!』

『ベストマッチ!』『Are you ready?』

『鋼のムーンサルト!ラビットタンク!』『イエーイ!!』

 

ビルド「俺は仮面ライダービルド。作る・形成す…」

たえ「今度は赤いウサギになった!」また抱きついて来た!

ビルド「またかよ!離れろ!」

たえ「また?」

ビルド「…まぁいい。それより、この学園の先生?から伝言だ。」

ビルド「準備出来たら、玄関にいるようにとのことだ。」

たえ「わかった!」良い返事だ。

 

たえ「ウサギさん、もしかしてコレ集めてる?」

ビルド「コレは…おばけのボトル?これは、どうしたんだ?」

たえ「保健室前で会った教頭先生にもらった!」

ビルド「…そうか。ありがたく貰うよ。」

ビルド「代わりにコレを。部屋にでも飾ってくれ。」

瓦礫の中から、ダイヤモンドの破片を見つける。それを近くにあった、ドリルクラッシャーで削って、ウサギの形状にして渡した。

たえ「‼︎ウサギだ!ありがとうウサギさん!」

ビルド「…早く行きな。先生待ってるぞ。」

たえ「うん!またねウサギさん‼︎」荷物を持って走っていく。

 

変身を解除した。

 

鳴「またね、か。またはもう無いよ。」

 

その後、何食わぬ顔で花園と合流して花園宅まで送って行った。送っている時は、終始笑顔だった。

 

〜翌日〜

教頭に怪談は終息するだろうと報告した。時期に報告通りになるだろう。

教頭「所で先生、保健室前の瓦礫について何か知りませんか?」

鳴「…さぁ?新しい怪談ではないでしょうか?」

 

 

 

 




久々の投稿でした。ちなみに作者は怪談大好きです!


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第7話

〜職員室〜

尾形「織字先生!今日こそ一緒に指導してもらいますよ!!」

こいつは尾形先生。剣道部の顧問で脳筋野郎、一度剣道で負かした時から剣道部指導の勧誘が始まった。何度も断ったが、翌日になると勧誘してくるのだ。これだから脳筋野郎は!

鳴「尾形先生、何度も話してますが嫌ですよ。今日も弓道部あるんで。」

尾形「弓道部?いつも話しているじゃないですか!貴方も私と一緒に剣道部で指導すべきです!」

尾形「貴方と私が組めば、日本一も夢じゃない!」

尾形「あんな弱小で何の価値のない、弓道部なんて辞めて私と…」

 

ブチン。頭の中で何かがキレた音がした気がする。

 

鳴「弓道部『なんて』?ですか。」

鳴「俺を貶すのは一向に構わない。対して顔も出さないしロクな指導もしてない『幽霊顧問』ですから。」

鳴「だが弓道部を貶すのは辞めろ。それにウチは、今年も全国出場してます。弱小じゃないですよ。」

鳴「指導勧誘するなら、もう少し頭を使った方がよろしいかと。」

鳴「あぁ、脳筋野郎じゃ無理ですよね!!」笑

鳴「昼食取るので失礼しますよ。」

何も反応ないので、さっさと職員室を退室する。これに懲りれば良いのだが。

尾形「…何故分かってくれないのだ!」

 

 

〜昼休み・剣道場前〜

鳴「さて、どこで食べるか…」

若宮「師匠!」

鳴「おぉ若宮か。本日も元気満点だな。ここで何してる?」

若宮「少し素振りをしようかと思いまして!」

若宮「師匠!素振りを見ていただけませんか?」

鳴「…普段なら断るが、いいだろう。ただし昼食取りながらで良ければだが。」

若宮「構いません!よろしくお願いします!」

鳴「後師匠じゃない。学園にいる間は先生と呼べ!」

若宮「わかりました!師匠!」

鳴「お前も分かってないよね!」

 

気合を入れて、竹刀を振る若宮を見ながら食事をする。ちなみに今日は、山吹ベーカリーで購入したフランスパンに野菜サラダを挟めた、サラダサンドだ。OLみたいな昼食だな。

 

若宮「師匠如何でしたか?」

鳴「…正直驚いた。最初に見た時から、随分と竹刀が振れてるな。気合の込め方も十分。」

鳴「後は足捌きに重点を置いて練習すれば、いい所まで行けると思うぞ。」

若宮「ホントですか!?ありがとうございます!」

鳴「初歩が出来れば、後の応用は自分で考えて練習しな。」

若宮「わかりました!」

鳴「じゃあ俺は戻るよ。若宮も次の授業遅れるなよ?」

若宮「次の授業は体育で剣道なんです!」

鳴「なるほど。だったら、遅れる心配ないな。」

諸々の後片付けをして、剣道場を出る。午後の授業はないので、音楽室で弾き語りしますか!




暑い日が続いておりますが、夏バテに負けず頑張りましょう!


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第8話

お気に入りに登録くださりありがとうございます!


〜音楽室〜

 

〜♪〜

 

本日も上出来でした。後は動画を編集してアップロードするだけ…

教師「誰かいるのか!」

音楽室の扉が開く直前に、おばけのボトル振って姿を透明にした。

教師「…気のせいか?」扉が閉まる。

鳴「危なかった〜。それにしても、このボトル面白いなぁ!」

鳴「このボトルをくれた花園に感謝かな?」

面白そうなんで、この状態で音楽室を出て見ることにした。なんか忘れていると思うがまぁいっか!そういえば、今は剣道場で若宮のクラスが授業中か、見に行って見ますか。

 

〜再び剣道場〜

若宮「ブシドー!メーン!!」

尾形「まだ気合が足りない!!」

確か若宮のクラスが、授業で剣道をしているが、明らかに授業や部活でやる指導を超えている。これ以上やると、若宮が怪我しかねない!

尾形「若宮ぁ、面はこうやってやるんだよ!!」

そう言って尾形は持っていた木刀を振り上げる!「やる」ってそっちかよ!しかもこの距離では、ラビットボトルを振って走っても間に合わない!仕方ない、アレしかないか。

鳴は時計のボトルを数回振る。すると、剣道場周辺の時間の流れが遅くなった。鳴の視界の色は赤が多くなる。

その間に尾形の木刀の前に立ち、受け止める体制に入ると同時に時間が通常の流れに戻った!時計のボトルの副作用で目から血が流れている。

 

尾形「!」

鳴「いけないねぇ。指導の域を超えてるぞ。」

尾形「黙れ!!私がどんな指導しようと、関係ない事だ!」

尾形「大体お前は誰だ!そんな仮面を被った奴は知らないぞ!」

鳴「はぁ?何言って…」

そこで自分の姿に気付く。鳴は弾き語りの時から、仮面にポンチョの「ゼロ」の姿をしていたのだ!

ゼロ「しまったー!!忘れてたのはコレか!!」

マズい状況だ。学園にゼロがいる事がバレたら、必ず正体を暴こうとする輩が出る。それらの相手をするのは面倒くさいが…

後ろの若宮の状況を見る。だいぶやられたんだな、体は恐怖から震えていた。

氷川や若宮といい、なんで最近俺の周りの奴が巻き込まれるんだ!

ゼロ「ハァ、最悪だ!」

尾形「?」

ゼロ「コホン。改めて自己紹介を。俺の名はゼロ、通りすがりの正義の味方さ。」

生徒たち「えっ!本物のゼロだ!」

あぁバラしてしまった。今後どうしようかな?

尾形「お前といい、織字先生といい、私の邪魔をするのか!」

尾形「腹が立つ、腹が立つ、腹が立つ!」

尾形が叫んだと同時に姿を変える!生徒たちが悲鳴をあげる。

ゼロ「スマッシュか!」

恐らくこいつからも、ボトルを回収出来るな!

ゼロ「君たちは逃げなさい!」

生徒たちを先に逃す。若宮は…気絶してるな、丁度良い。

ゼロはビルドドライバーを装着する。

ゼロ「さぁ実験を始めようか?」

 

 




歩くたびに靴下に穴空きます!


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第9話

〜剣道場〜

『タカ!』『ガトリング!』

『ベストマッチ!』『Are you ready?』

ゼロ「変身!」

『天空の暴れん坊!ホークガトリング!』

『イェーイ!!』

ホークガトリングフォームで戦闘に入る。

 

今回のスマッシュは素早い動きで攻撃を仕掛けてくる。1発の攻撃自体は大したことないが、段々と手数が増えている。

それにこちらが攻撃しようとすると、沢山の分身を出して回避後さらに攻撃の手数が増える。

ビルド「分身の数は、約20前後か。それなら…」

ビルドは翼を出して天井付近まで飛び、ガトリング型の銃・ホークガトリンガーを出し、ガトリング部分を5回回してスマッシュに打ち出す。

見る見るうちに分身が消えて、本体だけになり銃弾が当たる。

さらに、ガトリンガーを10回回して打ち出しスマッシュは倒れた!

 

スマッシュ「…腹が立つ!腹が立つ!腹が立つ!」

ビルド「スマッシュが自我を保ってるだと!!」

さらに、信じられない事が起こった。スマッシュの姿が変わったのだ!

変わったと同時に、ビルドに火球を飛ばしてビルドに当たる。

ビルド「グワァー!!」

ビルドは墜落して、体は床に叩きつけられる。すぐに立つがスマッシュは距離を詰めてきて、鋭い爪で連続攻撃をしてくる。こちらも、ホークガトリンガーて応戦するが、堅い皮膚になっており、まるで効いていない!

堅い皮膚を破る破壊力か。だったらアレだが、こちらの攻撃を確実に当てる必要があるな。

 

ビルドはドリルクラッシャーを出し、ドリル部分を反対に付け替えてガンモードにする。マグネットのボトルを振って、ソケット部分に装填して発射する。

 

『ボルテックブレイク!』

 

発射した光弾にスマッシュは当たった。大したダメージは受けていないが、段々と動きが遅くなる!

スマッシュ「な、なんだこれは!動かない!」

 

その間にビルドは『ゴリラ』と『ダイヤモンド』のボトルを極限まで振り続け、ドライバーに装着する。

『ゴリラ!』『ダイヤモンド!』

『ベストマッチ!』『Are you ready?』

ビルド「ビルドアップ!」

『輝きのデストロイヤー!ゴリラモンド!』

『イェイ…!』

ビルド「勝利の法則は決まった!」

ゴリラモンドフォームにビルドアップしレバーを回す!

 

『ボルテックフィニッシュ!』

『イェーイ!!』

ビルド「いい加減目ぇ覚ませー!!」

 

ゴリラの拳は、スマッシュの顔面に当たりその場に倒れ込む。

スマッシュの体からガスが出ている。空のボトルを出してガスを回収する。

ビルド「忍者か。ん?」

スマッシュからまだガスが出ているだと!またガスを回収し、スマッシュの姿から尾形に戻った。

ビルド「今度はドラゴンか!これが、あの異常なまでの怒りの原因だな。」

若宮の様子を見ると、まだ気絶してる。保健室に運ぶか。

 

 

〜保健室〜

若宮「…ん、ココは?」

鳴「お、起きたか。剣道場で倒れていたらしいぞ。」

若宮「師匠?」

鳴「外傷は軽度だが、最低2日は部活も仕事も休みなさい。」

鳴「必要なら俺が根回しして置くぞ。」

若宮「…わかりました。」

鳴「どうした?」

若宮「ワタシは尾形先生が…怖くてまともに竹刀を触れませんでした。竹刀を持ってはいましたが、立ち向かえませんでした。」

若宮「でも、思ったんです。ココでワタシがやられたら、ブシになれるのではと…」

鳴「…それは違うぞ。」

若宮「師匠?」

鳴「誠の武士とは、例え死にそうになっても生きて次に活かす人の事を言う。死を美徳と感じている様では、誠の武士にはなれないぞ。」

若宮「!」

鳴「生きてさえいれば、どっかでいい事あるだろうしな。」

若宮「…ワタシも誠の武士になれる様、強くなりたいです。」

鳴「…そうか。叶うと良いなお前の願い。」

若宮は泣き出した。泣けるなら、若宮はまだまだ強くなれるはずだ。

俺は静かに保健室を出る。女性の涙は見たくないからだ。

その足で職員室にいるハゲの所に向かい…

鳴「ハ…教頭先生ご相談があります。」

 

 

〜2日後剣道場にて〜

今日から部活動に復帰です!ちなみに尾形先生は、剣道場で倒れている所を発見されて即入院しましたが、心身喪失のためこのまま退職なさるそうです。

部活動の顧問については、一応決まっているそうですが、『余りアテにならない』と部長がおっしゃてました。誰なんでしょうか?

 

部員「あっ、顧問が来た。えっ、この人なの!」

若宮「師匠?どうしてこちらに?」

鳴「この度、退職された尾形の後任として配属された織字鳴だ。」

鳴「弓道部の顧問と掛け持ちになるし、基本面倒くさがりなのであまり顔は出さないと思うがよろしく。」

若宮「師匠!」

鳴「おぉ若宮、もう大丈夫なのか?」

若宮「ハイ!でも何故顧問を引き受けたのですか?」

鳴「…教えるのは苦手だが剣は好きだし、それに若宮言ってただろう?『強くなりたい』って。」

若宮「!」

鳴「いい事あっただろう?」

若宮「ハイ!」

師匠はきっとワタシの願いを叶えるために、顧問になってくれたのでしょう。それが堪らなく嬉しいです!アレ?なんだかドキドキします!なんでしょう?この気持ち確かめなくては!

鳴「いいお返事でよろしい!では早速…」

若宮「ハグしましょう//!」

鳴「そうだな、ハグ…って若宮さん?何故近づいて来る?」

若宮「このドキドキを確かめるため//…師匠逃げないで下さーい!」

鳴「恥ずかしいから嫌だー!部員たち!若宮を止めろ!」

部員たち(ハグ見たーい!)

鳴「誰も止めんのかいー!」




お盆が近づいてます!


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第10話

〜生徒会室〜

○○「それでね〜、一君がね〜」

鳴「なんでずっと一の話をしているんだ?氷川妹よ?」

日菜「んー、るんと来たからかな!」

日菜(本当は、お姉ちゃんが鳴君に惹かれている理由が知りたいんだけどね)

鳴「ちょっと何言ってるか分からない。」

 

俺は氷川妹こと氷川日菜に見つかり、彼此30分は一の話を聞かされている。一を含めてコイツらは定期的に、生徒会の交流会で来校するので、いつもは会わないように避けている。

避ける理由は、単純明快で日菜が苦手だからだ。日菜は俺の確信を突いて来る様な話し方をして来る。話を切り上げ早々に逃げたいのだが…

 

紗夜「日菜!」

日菜「あー!お姉ちゃん!どうしたの⁈」

紗夜「交流会は終わったのでしょう?」

日菜「うん!るんって来た!お姉ちゃん、一緒に帰ろう!」

紗夜「これから部活動があるから、先に帰りなさい。」

日菜「え〜!サボろうよ!一緒に帰ろうよ〜!」

鳴「こらこら、顧問の前でサボりを誘うなよ。」

紗夜「貴方もサボりの常習犯でしょ?」

鳴「何も言えません…」

 

紗夜「帰るなら、黒井君と帰ったら?」

日菜「あ!そうだね!一君がいるじゃん!」

一「僕がどうかしましたか?日菜先輩?」

鳴・紗夜「!」

日菜「あ!一君!」

氷川妹が一に飛びつく。一は、ハイハイといいながら受け止め、日菜の頭を撫でている。

 

一「相変わらず先輩は尻尾を振っている犬っぽいですね。」

日菜「そうかな//?もういいの?」

一「はい、こちらの教頭先生は面白い方でしたよ。」

鳴「一、教頭と何話したんだ?」

一「おりじぃの事かな?」

鳴「それマジ?」

一「いやウソ。話した内容は、他愛のない事だよ。」

一「そんな事より、おりじぃ剣道部の顧問もやってるんだって?」

鳴「何の因果か知らんが、やる事になったなぁ。」

一「どうせ若宮さん絡みだろ?おりじぃがまた剣道に戻る。若宮さんに感謝だな。」

一「今後一本やろうよ?」

鳴「…勝てない相手とはやらないよ。」

一「おりじぃが『勝たない』の間違えだろ?」

鳴「…」

 

日菜「ねぇ一君!私を構ってよ〜!」

一「…ホント先輩は犬みたいで可愛いですねぇ。」

日菜「//」

一「では帰りましょうか?おりじぃ近い内に道場行くから、その時よろしく。」

日菜「お姉ちゃん、鳴君!バイバーイ!またね〜!」

日菜「一君!寄り道して帰らない?」

一「放課後デートですね、良いですよ。嬉しいです。」

日菜「//」

 

やっと帰ったか、ドッと疲れた〜!そしたら…

鳴「氷川、俺たちも行くか?」

氷川「そうですね。では、ファーストフード店に…」

氷川「えっ!行くんですか//!?」

鳴「? 行きたくないのか?」

氷川「私と貴方は、教師と生徒の関係ですよ!!」

鳴「一応、分かってるつもりだが。」

氷川「じゃあどうして…」

鳴「久々にやる気になったんだが…部活。」

氷川「…部活?」

鳴「うん。弓道部。」

氷川「///」

氷川の顔が真っ赤だ。最近赤くなる事多い、ホント大丈夫なのか?

鳴「氷川、体調が悪いなら…」

氷川「貴方のせいですよ//」

 

 




お盆ですね!


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第11話

氷川が盛大な勘違いをした後に、弓道場に向かう。

そんなに俺とどっか行きたいのか?変わった奴だなぁ。

 

〜弓道場・練習中〜

弓道場に来ると、身が引き締まる。頭の中の考えも上手くまとまりそうだ。

鳴「そろそろ、部活終了か。それじゃあ、片付けを…」

片付けの指示を出そうとした時に、外から誰かを呼ぶ様に吠えている。

なんだか犬みたいな吠え方だなぁ。

氷川「外が騒がしいですね。」

鳴「そうだな。俺が見て来る。氷川は片付けの指示を頼むよ。」

 

 

〜道場外〜

道場の扉を開けて外に出ようと…

○○「行ってはダメですよ!」

○○「ヤベーあの犬元気過ぎじゃね〜の!」

子犬「ワン!」

鳴「どわぁ!な、何だコレ!」

子犬「ワン!ワン!」

扉を開けた瞬間に、犬が飛び付いてきたのだ!驚いて尻餅着くとその犬は、俺の顔を舐め出した!

鳴「ちょ!やめて!頼むから!」

○○「ハァ、ハァ、…だ、大丈夫ですか?」

○○「先生大丈夫ですか?」

うちの学園の生徒会コンビが走って来る。つか、体力無さ過ぎ!

鳴「白金、市ヶ谷!大丈夫じゃないから助けて!」

鳴「俺、犬苦手なんだよ!」

市ヶ谷「ほら、離れるぞ!」

子犬「ワン!」

市ヶ谷が声を掛けるが、全く離れる気配がない!誰か助けて…

氷川「先生騒がしい原因わかりましたか?」

鳴「氷川助けて!」

俺は氷川の後ろに隠れてる。氷川後は頼んだ…。

氷川「あら?この子は?」

子犬「ワン!ワン!」

氷川「…可愛いですね。」

氷川は躊躇わず犬の頭を撫でる。犬は気持ちいいのか、クンクンいって鳴いている。

氷川「フフッ。いい子ですね。」

白金「すごい…氷川さん。あの元気いっぱいの子犬を手懐けてる。」

 

鳴「大人しくなったか?」

子犬「ワン!」

鳴「うわぁ!」

犬は自分の首に巻いてあるスカーフを気にしている様だ。

氷川「スカーフが気になるのですか?」

子犬「ワン!」

氷川「そうですか。スカーフを取れば良いのですね。」

市ヶ谷・白金・鳴「すごい(げー)。動物と会話してる…」

氷川が子犬のスカーフを取ると、スカーフからフルボトルが落ちてきた!

市ヶ谷「何だコレ?何かの付録か?」

鳴「俺が集めてる付録だ!」

まさかコイツが持ってるとは…ちなみに出てきたのは、スマホのボトルだった。

 

鳴「俺に、コイツをくれるのか?」

子犬「ワン!!」

氷川「そうみたいです。」

鳴「氷川は、そいつの言ってる事わかるのか?」

氷川「何となくですが、分かりますよ。犬好きとしては当然です!」

氷川にしては、力強い回答だった。それにしても、氷川は犬好きだったのか。

鳴「この子犬、どっから入ってきたんだ?」

白金「…正面校門から入って来ました。まるで誰かを探してる様でした。」

白金「可愛いいのですが、学園内に入っているので、追い返そうとしたら…」

市ヶ谷「先程見たいに、走り出したんですよ。」

子犬「ワン…」

氷川「先生に会える喜びで理性が効かなかったようです。」

鳴「お前はバ○リ○ガルか…」

それにしても、この子犬といいスカーフといい、どっかで見たこと有るような無いような?

 

鳴「ところでコイツどうなるの?」

白金「…通常だと、保健所行きですかね。」

こんな小さな命も保健所に行けば、どうなるかはココにいる連中はわかっている。

氷川・白金・市ヶ谷「誰か引き取ってくれたら…」

じぃーとこちらに目線を向けて来る。

鳴「俺に面倒見ろと!?無理絶対!!犬苦手なの分かってるんだろ!」

鳴「白金と市ヶ谷はどうなんだ?」

白金「ウチは無理ですね…普段両親はいない事が多いですし…」

市ヶ谷「ウチも同じ様な感じですし、うるさいのも良く来ますし…」

鳴「氷川は?」

氷川「日菜の玩具になりそうなので…」

3人共それぞれ理由があるようだ。

鳴「…ハァ。最悪だ。」

子犬「?」

鳴「ココで会ったは何かの縁。ウチに来るか?」

子犬「ワン!」

 

氷川「嬉しいようですね。」

白金「…良かったね。」

市ヶ谷「じゃあ名前決めないとな。」

鳴「じゃあロクで」

市ヶ谷「何だかいい加減だな!」

鳴「そんな事ないぞ。」

市ヶ谷「じゃあ由来は?」

鳴「今が丁度18時だから!」

市ヶ谷「やっぱいい加減だな!」

氷川「でもこの子は、嬉しいみたいですよ。」

ロク「ワン!」

子犬改めロクは嬉しいみたいで、鳴に飛び付いて顔を舐め回す!

鳴「ちょ!やめて!氷川助けてくれよ!」

氷川「ロク君、もっとやりましょう。」

ロク「ワン!」

さらに舐め回しは激しさを増した!

鳴「誰か助けてくれー!」

 

市ヶ谷「あの2人と1匹、家族みたいですね。」

白金「フフッ、そうですね。」

 

こうして、我が家に新しい住民が増えた。アイツは犬好きだったかな?

それにしても、コイツどっかで見たことあるんだがなぁ?

 




新しい住民が追加されました。ちなみに作者は犬が苦手です。


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第12話

鳴「ロクよ、まだ起こすには早すぎるぞ…」

 

〜鳴自宅にて〜

ただ今、午前6時。早い!早すぎる!

子犬のロクを引き取ってから、毎日この時間に起こされる。この時間帯の散歩に付き添うのが、俺の日課になりつつある。

ロク「ワンワン!」

どうやらロクは早く行きたくて仕方ないようだ。

鳴「はいはい、分かったから少し待ってなさいよ。」

朝食をつまみ、諸々の準備をした後に自宅を出る。ロクは走っていつもの場所に行く。

鳴「こら、ロク!待ちやがれ!」

ロク「ワン!」

目的地は、近所の公園だ。

 

〜公園にて〜

ロクは一頻り公園内を散策した後に、池が見えるベンチに寝そべって日光浴をする。俺はその隣に座って、買ってきたコーヒーを飲む。

鳴「…美味い。」

鳴はコーヒー好きだ。普段は自分で豆を挽いて飲んでいる。

ロク「?」

興味深々そうにこちらを見ている。

鳴「お前には上げないよ。」

ロクの頭を撫でていると…

 

氷川「ロク君、先生、おはようございます。」

ロク「!」

ロクは、よっぽど氷川に会えたのが嬉しいのか飛び起き、尻尾をブンブンと振っている。

鳴「おぉ、氷川か。おはようさん。ここで何を?」

氷川「久々に思い出に浸ろうと思いまして。」

鳴「ほぅ。どんな思い出だい?」

氷川「…中学生の時に、ここで弾き語りをしている方を見ました。」

鳴「!」

氷川「ここでの経験がなければ、今の私はいないでしょう。」

氷川「格好は仮面にポンチョで怪しいの一言ですが、ギターも歌の技術も私の聞いた中では一流でした。直接教えて欲しかったのですが、キッパリ断られました。」

氷川「ただ、2つだけ教えてくれた事がありました。『歌は歌いたい時に、歌いたい歌を、歌いたい様に歌うもんだ』と。『ギターも似たようなもんだ』と。」

氷川「それがあったから、今までギターを弾いてこれました。」

氷川「その方が、学園に居ると聞いて探しましたが…」

鳴「見つからなかったと?」

氷川「…はい。」

鳴「…そんな変な格好した奴と会ってどうするんだ?」

氷川「…私のギターで歌ってもらいたい、それだけです。」

いつの間にか、氷川の膝の上にいるロクを撫でながらそう答えた。

氷川の表情はとても穏やかだ。見惚れるくらいに。

久々に叶える側に立ちましょうか。

 

鳴「叶うとい…!」

この話を閉めようとした時に、氷川に向かって斬撃を飛ばすモノがある。人ではない、明らかにスマッシュだ。

俺は咄嗟に亀のボトルを振って、氷川の前に立ち、左手を自分の前に出す。すると、俺の前に亀の甲羅が現れて斬撃を防ぐ。

鳴「氷川、大丈夫か?」

氷川「は、はい。ロク君も大丈夫です。この攻撃はもしかして、スマッシュ?ですか。」

鳴「十中八九そうだろな。」

氷川「!! 先生の手が!!」

鳴「まぁ落ち着け。まだ大丈夫だ。」

鳴の手は、先程の斬撃で血だらけになっていた。

 

ロク「! ワンワン!」

ロクの吠えている方を見ると、スマッシュがいる、狼みたいな姿だ。

鳴「このスマッシュは!」

氷川「…犬ですかね!」

鳴「どんだけ犬好きなんだよ!あれは明らか狼だろ!」

 

鳴はビルドドライバーを装着する。

「タートル!」「ダイヤモンド!」

「Are you ready?」

鳴「変身!」

変身と同時にスマッシュの斬撃が飛んでくる。再び亀の甲羅を出し斬撃を防ぐ。

ビルド「氷川、ロクを連れて逃げてくれ!」

氷川「わかりました!」

ビルドはスマッシュに攻撃しかけながら、話掛ける。

 

ビルド「お前なんでここにいるんだ!」

ビルド「それにそのボトルは、使うなと言っただろ!」

スマッシュは聞く耳を持たず、ビルドに対して爪の蓮撃を繰り出す。

ビルドは蓮撃を受けながら攻撃をする。

しかし徐々に、相手の攻撃が蓄積され、ビルドは攻撃から防戦一方になる。

ロク「ワン!」

氷川「ロク君!行ってはダメです!」

ロクは氷川から離れて、スマッシュに向かって行く!スマッシュはロクの存在に気づくと、斬撃をロクに向かって放つ!

 

ビルド「ロク!」

ロクの前に立ち、ビルドはレバーを回す。

「ボルテックフィニッシュ!」

ダイヤモンドの甲羅を出して、斬撃を防ごうとするが、甲羅はパワー負けして砕け、斬撃の直撃を受け変身が強制解除される!

スマッシュは満足したのか素の姿に戻る!目の前には、白狼がいた。

鳴「…やはりお前か。」

白狼「…」

白狼は俺の姿を見てどこかに走って行った。

 

走り去った後俺は倒れた。今日は病欠で休むか?

氷川「先生!しっかりしてください!」(お前さんに泣き顔は似合わんぞ。)

ロク「ワンワン!」(そー耳元で騒ぐなよ。ヤベー意識が…)

 

鳴「氷川…救急車…呼んどいてくれ…」

そこで鳴の目の前が暗くなった。

 

 

 




次回は鳴がアレになります?


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第13話

〜病院・ベッド内〜

鳴「…知らない天井だ。」

どっかで聞いた事があるセリフを発して起きる。

あー身体中痛え!よく見たら上半身は包帯でグルグル巻になっている。

○○「まるでミイラだなぁ。」

鳴「あんたか。何しに来た?」

○○「何があったか聞きに。」

鳴「…何年か前に、フィンランドに行った時あったろ?」

○○「あぁ、フルボトル回収に向かった奴だよな」

鳴「…その時スマッシュから助けた白狼が、スマッシュになって襲って来た。」

鳴「それに動揺して、攻撃出来なかった…」

 

○○「…そうか。それでどうする?」

鳴「倒せば、あの白狼は…それに、恐らくあいつはロクの親代わりだ。だから…」

○○「倒す事は出来ないと?」

鳴「…」

○○「お前の覚悟は、その程度だったか。」

鳴「…分かってるさ、どんな事をしても倒す。たとえ倒した事で恨まれようと。俺の目的は変わらない。」

○○「それを聞いて安心した。」○○は鳴にあるアイテムを渡す。

鳴「コイツは…」

○○「…今のお前に出来る事は、そのスマッシュが苦しまないように、一撃で倒してやる事なんじゃね?」

鳴「…礼は言わないぞ。」

○○「別にいいさ、じゃあ俺戻るわ。」

鳴「一つ聞きたい、誰が俺を病院に?」

○○「お前の横で座ってうつ伏せで寝ているお嬢さんが、救急車呼んだをだよ。」

そーいえば、寝息が聞こえる。横を見ると、氷川が寝ていた!

○○「そのお嬢さん、今日も学校あるはずなのに、『先生が起きるまで見ています。』なんて言ってぞ。」

○○「いや〜愛されてるねぇ〜!それじゃ後はごゆっくり!」

親父臭い事を言って、○○は病室を後にした。

愛されてるか。俺に『愛する』感情が欠落してるの知ってるくせに、よく言うよ。

 

 

〜○○退室後の病室〜

氷川もこうやって見ると、年相応の女の子なんだと思う。

普段は風紀委員・生徒会では堅物で、ギターに対しては自分の技術に慢心することなく常に上に行こうと努力を惜しまない。

だけどロクに触れている氷川は、穏やか顔をしている。最近では妹との蟠りも解決出来、時間は掛かるだろうが仲の良い姉妹になりつつある。

氷川を見てると、何故かわからんが『この身を賭けても守る!』と強く思ってしまう。何なんだろうねこの気持ち?

 

とにかくだ。

鳴「一度しか言わないぞ。」

鳴「…『紗夜』ありがとな。」

紗夜の頭を撫でる。一瞬ビクッとしたが、気持ち良さそうに寝ている。

もしかして、起きていたりして。まぁいっか!俺はしばらく紗夜の頭を撫でてやることにした。

 

時間は午前10時、始業には遅刻だが他の授業には十分間に合う。

もう少し寝顔を見ていたいが、ここは教師として起こしますか!

鳴「氷川、起きろー。」

氷川「…ん。」

鳴「氷川、おはようさん。」

氷川「おはようございます…」徐々に覚醒していく氷川。

氷川「先生!御加減は如何ですか?」覚醒したようだ。

鳴「全快とはいかないが、通常生活には支障はないかな?」

鳴「流石に激しい運動とかはキツいがな。」

氷川「そうですか…」氷川が泣きそうになってる。

鳴「何故そんな顔をしている?」

氷川「…先生が倒れた時、このまま起きて来ないのではと思いました。先生と色々な話をする時間がなくなるのではと思ったら、何故か悲しくなりました。」

氷川「起きてくれて良かったです…」氷川の目から涙が溢れている。

氷川「あれ?なんで涙が?止まらない…」

鳴「…心配掛けたな。スマン。」

氷川「ホントですよ!!責任取って下さい!」

責任って言ってもなー。何したらいいんですかね?

鳴「わかったよ、何して欲しい?」

氷川「…1日私に付き合ってもらいます。」

鳴「先生と言う立場上お断り…」

氷川「ダメです!」

こうなった氷川は、何を言っても聞かない。

鳴「…わかったよ。但し外に出掛けるのはダメだ。何処で誰が見てるかわからんからな。俺の自宅に招待するがそれで良いか?」

氷川「! わかりました!待ってます!」

一気に顔が明るくなる。全く現金な奴だなぁ。そろそろ俺のターンといきますか!

鳴「所で氷川学校はどうした?」

氷川「!」

鳴「俺は起きたんだ。早く登校しようね?」口は笑っているが目は笑ってない。

氷川「わかりました…行ってきます…。」

鳴「はい、行ってらっしゃい!」

 

氷川を送り出してから、もう一眠りと思った時携帯に着信が入る。

ここは病院なんだよなぁー。

鳴「なんだ?」

○○「早速出たぞ。」

鳴「ハァわかった。怪我を押して行きますか?」

鳴「それで何処だ?」

○○「学園だ。」

鳴「了解、向かうわ。」

俺は病室を出る。許可?そんなの通る訳ないので黙って出る。俗に言う脱走だ。

 




意外と病院パートが長くなりましたので、戦闘パートは次回に回します!


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第14話

〜学園・弓道場横〜

ロク「ワン…」

ロクは弓道場横にある犬小屋にいる。

ロクは基本鳴から離れる事はない。最初は付いて来る事を拒否した鳴だったが、幾ら言い聞かせてもいつの間にかいるロクに諦めたらしい。勿論学園にもついて行くが、流石に職員室や授業には連れて行けない事から、学園(教頭)に許可を貰い弓道場横に犬小屋を設置した。学園にいる時は、ここで待っている。

 

しかし今日のロクは、待っている相手が違う。前回鳴を負かしたスマッシュだ。

待っていると、ほぼ毎日嗅いでいる匂いが近づいて来る。

氷川「ロク君、いますか?」

ロク「ワン!」

氷川がロクを心配したのか見に来たようだ。ロクは嬉しくて飛び付いた!

氷川「キャ!ロク君は相変わらず元気ですね。」

ロク「ワン!」

氷川「聞いてください。先程先生が目覚めました。」

ロク「ワンワン!!」

氷川「そうですね。嬉しいですね。」

ほぼ毎日ロクを構っているせいか、今では普通にロクと会話?をしている。

とその時本来ロクが待っていた鉄のニオイが近づいて来る。

ロク「ウ〜、ワンワンワン!!」

氷川「ロク君?どうしましたか?」

氷川「!」

氷川の後ろに、スマッシュがいた。ロクは氷川から離れてスマッシュに吠えまくる!

氷川「ダメですよロク君!逃げて!」

ロク「ワンワンワン!!」

氷川の忠告を半ば無視する形でスマッシュに吠える。

するとスマッシュは、ロクに向かって爪で攻撃を仕掛ける!ロクは寸前で回避するが、着地に失敗して地面に倒れる!

スマッシュは、容赦なく倒れているロクに攻撃を仕掛けに行く。

氷川「ロク君!」

氷川はロクを庇うように、スマッシュの前に立つ!

スマッシュには、その行動は関係なく攻撃を仕掛ける。

スマッシュの攻撃が氷川を貫くまで、そう時間は掛からないだろう。氷川も分かっている。

氷川(あぁ、ここで終わりですか。もう少し日菜と仲良くなりたかった。Roseliaの仲間達と頂点に行きたかった。先生に…)

氷川「先生!!」

 

鳴「呼んだか?」

スマッシュに飛び蹴りを入れて、スマッシュを吹っ飛ばす!

氷川「先生!」

鳴「待たせたな。ロクを連れて離れてろ。」

鳴はビルドドライバーを装着しボトルを振る。

 

『おばけ!』『マグネット!』

『ベストマッチ!』

『Are you ready?』

鳴「変身!」

『彷徨える超引力! マグゴースト!』

『イエーイ!』

 

鳴はマグゴーストフォームに変身して、スマッシュと対峙する。

スマッシュはビルドに向かって突進するが、ビルドは段々透明になりやがて姿が消えた。

突進をやめ周辺を見回すスマッシュ。すると、スマッシュは何処から戸もなく打撃される。

ビルドは、ドリルクラッシャーを装備して打撃と斬撃を与える!

一見押している様に見えるが、スマッシュは反撃に出る。

見えない相手に斬撃を飛ばす!ビルドは紙一重で回避した。

 

ビルド「なぜだ!見えているのか?」

それもそのはず、このスマッシュは元々は狼。嗅覚でビルドを追っているのだ。

 

スマッシュは再度ビルドに突進する。ビルドは飛ばされて、透明化が解除される!

ビルド「だったら!」

ビルドは腕を前に出す。するとスマッシュに砂鉄が纏わり付き、スマッシュの動きを止める。

 

ビルド「思い出せ!フィンランドで会っただろ!」

ビルド「なんでそのボトルを…グッ!」

ビルドの身体に痛みが走る。その時、スマッシュに付いていた砂鉄の拘束力が弱まる。スマッシュは咆哮し、完全に砂鉄の拘束が解除される!

解除と同時に、斬撃を飛ばされビルドに直撃する。

ビルド「ガァー!!」

ビルドは、倒れて変身が解除される!

 

鳴「ハァ…ハァ…やっぱりダメか」

鳴「…仕方ない。やるしかないか。」

鳴「ロク…先に謝っておく。ごめんな。」

ロク「?」

 

スマッシュに青い火球が当たり後退する。

火球を出した正体は、病院で○○から受け取ったアイテムだった。

アイテムは鳴の手に乗る。鳴はボトルを振って、アイテムにセットし、ビルドドライバーに装填する!

 

『ウェイクアップ!』 『クローズドラゴン!』

『Are you ready?』 鳴の身体中に痛みが走る!

鳴「グゥ!! …変身!」

『Wake up burning! Get CROSS-Z DRAGON! 』

『Yeah!』

 

氷川「新しいビルド?」

クローズ「クローズ。仮面ライダークローズだ!」

クローズ「!!」

鳴は新しいライダーに変身した。しかし、身体中の痛みに耐えながらの変身。そう長く耐えられるはずはない。

鉄の匂いがする、視界が狭まる、鉄の味がする、意識が飛びそうだ。そうそうに決着を付ける!

クローズ「一撃で倒す!」

 

クローズはレバーを回す。するとクローズの背後に青龍が現れる。

『Ready go!』

『ドラゴニックフィニッシュ!』

青龍の吐く火球に乗り、蒼炎を足に纏わせ飛び蹴りを入れる!

スマッシュは、蹴りを当てられ爆散する!

爆散直後、スマッシュからガスが出る。ガスをクローズが回収し、変身解除する。ガスを回収するとスマッシュが元の白狼の姿に戻る。

 

 

〜戦闘後〜

鳴「やっぱりウルフのボトルか。」

白狼「…」

鳴「まさかこんな形で再会するとはな…」

白狼「…」

鳴「何かしたい事はあるか?」

白狼「…」首をゆっくり振った。

氷川「ロク君!」

ロク「ワンワン!」

氷川から離れてロクが近づいて吠える。それを見て白狼は安心したのか、白狼の身体は光の粒子になって消えた。

鳴「ロク」ロクの前にウルフのボトルを置く。

ロク「…」

鳴「俺は、お前の親代わりの白狼を殺した。お前には、復讐する権利がある。今やるなら、無抵抗でお前の復讐を受け入れるぞ。」

氷川「先生何を!!」

鳴「来るな!いいんだ。」

鳴「さぁロクどうするんだ⁈」

 

ロクはウルフのボトルを見つめて少し考える。ロクはボトルを咥えて鳴の足元に置く。

鳴「いいんだな。」

ロク「ワン」

ロクは白狼が倒れた場所に向かい咆哮をあげる。その咆哮の姿は少し白狼に似ていた。

 

氷川「悲しみが伝わる声ですね。」

鳴「自分の親代わりが目の前で殺されたんだ。当然だな…」

鳴「…あの白狼は、人以外で出来た初めての友だったんだよ。」

氷川「先生…」

鳴は静かに泣いている。

鳴「俺の目的のために、友を殺した。」

鳴「だけど俺は泣きながら前に進む。」

鳴「だから氷川、これ以上俺に関わるな。」

氷川「!」

鳴「じぁあな。身体痛いから、病院戻るわ」

 

氷川を置いて、鳴は病院に戻る。氷川は泣き崩れていた。

 

 




だいぶかかりました。後半グダグダになりました!


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第15話

〜病室にて〜

 スマッシュを倒してから数日たった。戻った途端に、医者に怒られ絶対安静と言われて、病室に監禁されている。そりゃそうだ、なんせ戻った時の格好が、入院前に比べて酷くなっていれば怒られるのも当然か。

 

 しかし暇にはならなかった。何故かほぼ毎日、見舞いに知り合いの学生が来る。花園は花園ランドの構想案、花園について来た山吹は商品アイディアの相談、市ヶ谷と白金は俺の担当科目じゃない授業の疑問点を聞きに、若宮に至っては素振りを見てほしいと木刀を振り出す始末、勘弁して欲しい。

 

 こんな感じで退屈する事なく、過ごしているが…

 

日菜「鳴く〜ん!お見舞いに来たよ〜!」

鳴「ハァ…遂に来たか」

 

 本日は我が天敵の日菜が見舞いに来た。入院してる事すら知らなかったが、若宮から入院している事を聞いたらしい、口封じ忘れてた!

 

日菜「もぉ〜酷いな鳴君!入院したなら教えて欲しかったなぁ!」

鳴「教えるまでもないだろ。たかが入院だぞ」

鳴「それに教えなくても来るだろ?」

日菜「まぁね!でも、お姉ちゃん誘ったけど『行かない』の一点張りなんだよ。お姉ちゃんと来たかったなぁ。」

 

 そうここには、日菜の姉の紗夜は来ていない。あの一見以来声すら聞いていないのだ。

 

鳴「…氷川の様子はどうだ?」

日菜「あたしはいつも通りだよ!一君といるとるん!とするんだ!」

鳴「お前の事はどうでもいい。姉の方の氷川だ」

日菜「ひど〜い!あたしも『氷川』なんだけど?」

鳴「…」

日菜「…もしかしてお姉ちゃんと何かあったの?」

鳴「…お前には関係のない事だよ」

日菜「あったんだね」

鳴「…」

日菜「黙っていても分からないから話してみてよ。」

鳴「お前に話して解決するのか?」

日菜「多分しないよ。それに実際に解決するのは鳴君だよ?」

鳴「!」

 

 確かにそうだ、原因は間違い無く俺にある。

 

鳴「『俺に関わるな』と言ってしまった。」

鳴「氷川姉を遠ざけた時、何故か激しく後悔した。なんでなんだろな。」

日菜「…鳴君はお姉ちゃんに『関わって』欲しいんだよ。」

鳴「それで俺の醜い部分を見る事になってもか?」

日菜「なってもだよ。」

鳴「言い切るな。どっからそんな根拠が出るんだ?」

日菜「鳴君はお姉ちゃんの事が『好き』なんだよ。」

日菜「好きな人には、綺麗な部分だけ見てもらいたいもんだよ。」

鳴「…面白い考察だな。お前と久々に『会話』した気がする。」

日菜「あたしは真剣に話したつもりなんだけど?」

鳴「そうか…氷川姉は今何処に?」

日菜「公園に行ってるよ。」

鳴「了解。じゃあ行きますか。」身支度をする。

日菜「入院は?」

鳴「今日が退院日。だから問題ない。」

日菜「え〜!明日も来たかったのに!」

鳴「残念だったな、氷川妹よ!」

 

 そう言って扉を開けて、公園に向かう鳴。

 

 

開きっぱなしの扉を見つめる日菜。

日菜「…やっぱり好きだよ、『一君』」

 

 

 




鳴は愛を知る事は出来るのでしょうか?


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第16話

〜公園〜

鳴「マジで居たよ。」

 

 退院してすぐ、初めて出会った公園に向かった。そこには、憂いを帯びた表情の氷川が池を見ていた。たまには、氷川妹と会話してみるもんだな。

 

鳴「さて行くか。」

腹括って氷川が座っているベンチに腰掛ける。

鳴「…」

氷川「…」しばらく沈黙が続く。

氷川「先生、私は…」

氷川「私は先生に『関わるな』と言われました。」

鳴「ああ、言ったな。」

氷川「何故そのような事を仰ったのですか?」

 

鳴「…俺の醜い部分を見られたくなかった。綺麗な部分だけ覚えておいてほし…」

氷川「ふざけないで!」

鳴「!」氷川が珍しく声を荒げる。

氷川「なんですか!いつか居なくなる見たいな発言じゃないですか!」

鳴「そうだよ。近い未来俺は、お前の前から居なくなる。」

氷川「ダメです!先生が居ない事なんて考えられません!」

氷川「私は先生の綺麗な部分も、醜い部分も見ていたいです!」

氷川「一生先生に『関わりたい』私に『関わって欲しい』です!」

 

 言い切った氷川の目には涙を溜めていた。

 

鳴「氷川…」俺は氷川の頭を撫でる。

鳴「約束するよ。これからも、俺はお前に関わり続けるよ」

氷川「先生!」今度は氷川が俺に抱きついて来る!

鳴「いだだ!」

氷川「す、すみません!大丈夫ですか?」

鳴「大丈夫かと聞くなら一旦離れようね?それに、こーゆー事は好きな人にしてあげなさい!」

氷川「//」

 

 何故そこで顔を赤くしながら黙っているんだ?

 

鳴「氷川、今日の予定は?」

氷川「特に予定はないですね。」

鳴「じゃあ今から自宅に招待するよ。この前の約束を果たそう。」

氷川「!!」

鳴「どした?」

氷川「心の準備が…!」

鳴「なんだそりゃ?まぁいい行くぞ?」

氷川「はい!」良いご返事で。

俺たちは公園を出る。少し食料を買い足してから、俺の自宅に向かう。

 

〜鳴の自宅〜

鳴「これが自宅だ。」

氷川「平家ですね。ご家族の方と住んでいるのですか?」

鳴「いや、俺の他に自称『天才物理学者』が1人と…」

ロク「ワンワンワン!!」ロクは氷川に近づく。

鳴「犬が1匹。ただいまロク。」

氷川「ロク君、こんにちは。」

ロク「ワン!」

氷川「はい、そうですね。私も嬉しいですよ。」ロクを撫でる氷川。

鳴「氷川、ロクの相手をしていてくれ。ロク、氷川を困らせるなよ。」

氷川「わかりました。」

ロク「ワン!」

 

鳴「氷川、飲み物用意したから少し休みな。」

 

 飲み物を用意している間、ロクの相手を全力でしていた。良かった、冷たいものを用意して。

 

氷川「ありがとうございます。…甘さと酸味のバランスが良いですね。」

鳴「お褒め頂き光栄ですね。」

○○「あれ?この前のお嬢さんじゃん!なんでココにいるの?」

氷川「先日の…えっと…」

○○「あぁ名前ねぇ!俺の名前は桐生戦兎!天っ才物理学者の桐生戦兎です!」

鳴「『自称』な」

戦兎「自称とは失礼な!ビルドドライバーを作ったのはこの俺だぞ!」

鳴「元の案は、お前の親父さんの立案だろうが!」

戦兎「そんな事より腹減ったなぁ。飯の支度をせい!」

鳴「あー!逃げた!?」

 

 都合の悪い事になると、逃げるのは相変わらずだな。まぁいい。

 

鳴「ハァ…最悪だ。まぁ俺も腹減ったし作りますか。」

氷川「お手伝いしますか?」

鳴「大変魅力的な提案だが、お客人に手伝いさせる訳にはいかん。また今度な」

鳴「悪いが今は、そこにいる自称天才物理学者の相手をしていてくれ」

戦兎「自称じゃない!」

鳴「ハイハイ…氷川任せたぞ」台所に向かう鳴。

氷川「わかりました」

 

〜氷川と戦兎〜

氷川「改めて自己紹介を、氷川紗夜と申します。よろしくお願いします、桐生さん。」

戦兎「もー堅いよ!名前で呼んでいいから!紗夜ちゃん!」

氷川「は、ハァ…」戦兎のテンションに圧倒される。

戦兎「なぁ紗夜ちゃん、アイツとはどんな関係なの?」

氷川「先生と生徒の関係ですが…」

戦兎「ほぅ!案外普通ですなぁ!」ニヤニヤ

氷川「なっ、なんですか!!」

戦兎「担当直入に聞こう!紗夜ちゃん、アイツの事どう思う?」

 

 何故そんな事を聞くのか、分かりませんが答える事にしました。

 

氷川「…一生先生に関わって行きたい・私に関わってもらいたいと思ってます//」

氷川「多分私は先生の事が…」

戦兎「まさかアイツがここまで思われるとは…君ならアイツを救えるかもしれない。」

氷川「救う?」

戦兎「紗夜ちゃん、1つお願いしたい事がある。」

氷川「なんでしょうか?」

戦兎「アイツに…」

 

〜茶の間〜

 一通り戦兎さんと話をしていると、先生に昼食が出来た旨呼ばれたので、茶の間に向かう。

鳴「本日は冷やし中華にしてみました。それでは皆さんご一緒に!」

鳴・戦兎・氷川「いただきます。」

戦兎「いや〜しかし美味いねぇ!」ズルズル

鳴「お前入院中何食ってたんだ?」ズルズル

戦兎「バランス栄養食」ズルズル

鳴「前にも言ったが、ちゃんとしたモノ食べないと…」ズルズル

戦兎「わかってるよー(棒)」ズルズル

鳴「分かってないだろ。」ズルズル

氷川「お二人とも、お行儀悪いですよ。」スルスル

鳴・戦兎「人の事言え(ん)ないだろ〜」

 

 冷やし中華大変美味しかったです。今度先生に料理を教えて貰いましょうか?

 

〜昼食後から帰宅まで〜

氷川「先生、ご馳走様でした。美味しかったです。」

鳴「お粗末様でした。」

氷川「先生は…」

鳴「氷川、今日は何曜日だ?」

氷川「? 土曜日ですが。」

鳴「正解、つまり今日は先生休日です。」

鳴「先生と呼ぶな。名前で呼んでくれ?」

氷川「//」

戦兎「きゅうしょにあたった!!」ニヤニヤ

鳴「どした?」

氷川「かっ、帰ります!」

鳴「そうか?また暇になったら来いよ。ロクも喜ぶ。」

 

氷川「お邪魔しました。」

鳴「あぁ。また学校でな。」

戦兎「またね〜」

氷川「また来ますね『鳴さん』」

鳴「//」

戦兎「こうかはばつぐんだ!」

 

 鳴さん宅から出て、桐生さんの最後の一言を思い出しながら、自宅に帰る事にする。

 

戦兎「アイツに…鳴に『愛する』感情を教えてほしい!」

 



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第17話

〜音楽室〜

今日は久々に動画投稿するため、弾き語りをしている。

ゼロ「さて次は久々続きでアレを…」ガラガラ

弾き語り直前に、誰かが扉を開く!

 

若宮「いましたよ!サヨさん!」

氷川「本当にいました…」

若宮と氷川と言う珍しいコンビと遭遇した。ここは正体がバレないようにしないと。

ゼロ「おや?この時間帯なら誰も来ないはずだが…」

若宮「仮面の方!先日は御助け頂きありがとうございました!」

ゼロ「先日?…あぁ!この前の剣道小町ちゃんか!その後どうだい?」

若宮「ハイ!あれから、部活動の顧問が師匠になりました!」

ゼロ「師匠?」

若宮「ハイ!ワタシの剣道の師匠で大切な人です!//」

ゼロ・氷川「!」

俺は心臓が飛び出そうになる。氷川はかなり動揺してるみたいだ。

 

ゼロ「コホン。そっちのお嬢さんは久々だね。」

氷川「覚えていて来れましたか!」

ゼロ「…もちろん覚えてるさ。」

織字鳴として出会った初めての人なんだから。

ゼロ「いましたと言う事は、俺を探していたのか?」

氷川「はい、実はお願いがありまして…私のギターで歌って欲しいのです。」

ゼロ「…いつかならいいぞ。」

氷川「本当ですか!ありがとうございましす!」

氷川は微笑んでいる。やはり、氷川にはその表情が似合っている。

 

若宮「良かったですね!サヨさん!」

氷川「そうですね!若宮さんのお陰です。」

若宮「お役に立てて光栄です!そういえば、もう一つお願いごとがあると話していませんでしたか?」

氷川「そうですね…もう一つお願いがあります。」

もう一つ?あぁギターを教えてほしいか?そっちは断ろ…

氷川「私たちのバンドの練習を見てほしいのです。」

ゼロ「バンド?確か君は…ロゼリアのギターだったよね?」

氷川「ご存知でしたか!?」

ゼロ「まぁね、注目されてるガールズバンドですからね。」

ゼロ「演奏の技術、ボーカルの歌唱力や世界観どれをとっても一流だと思うが何故俺に練習を?」

氷川「頂点を見たくありませんか?」

ゼロ「!」

こいつ、恐ろしい口説き文句を放つな。基本ゼロの時でも、面倒くさく事案は回避している。中身は織字鳴だからな。

だが、久々に音楽関係で心が動かされた。『頂点を見たくないか』だぞ。さも自分たちが、『頂点』かのような話ぶりだ。

ゼロ「面白い口説き文句だね〜。いいだろう、口説かれて上げよう。」

氷川「決まりですね!それでは日時を…」

若宮「アー!」

ゼロ・氷川「!」

ゼロ「どうした⁉︎」

若宮「お名前を聞くのと自己紹介を忘れてました!!」

ゼロ「今更かよ!」

氷川「確かにそうですね。」

ゼロ「冷静ですね!」

 

それぞれ自己紹介をした後に、見つかった記念として一曲弾き語りをする。聞いている2人の目は、輝いて見えたのは気のせいかなぁ?

 




次週戦闘回でしょう!


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第18話

〜剣道場にて〜

音楽室の一件後、若宮に会わないように剣道場に向かう。

剣道場に入った途端に若宮が嬉しかったのか、ハグしようと迫って来る。

若宮「師匠との久々の部活動ですね!まずはハグしましょう!」

鳴「だから嫌だー!」

若宮「逃げないで下さーい!」

 

走って逃げる俺!それを追いかける若宮!イチャイチャを見ようと追いかけて来る部員たち!これがあるから、あまり剣道部には近付かないようにしていたのだ!

これがある日は、この逃亡劇を部活動で行うランニング代わりにしている。俺は途中で隠れてやり過ごし、熱りが覚めた後に再度剣道場に向かうのだが…

 

花園「一、なんで追いかけられてるの?何したの?」

鳴「何もしてねぇよ、ただ部活の指導やろうとすると、大体あんな感じになる。後俺は一じゃない!」

潜伏先の空き教室に、何故か花園がいたのだ。しかも、ギターを持って。

 

〜空き教室にて〜

鳴「全く何度言えば…そう言えばなんで花園はここに?」

花園「ここでギター弾いてたら、誰か来ないかなぁと思って。」

鳴「ハァ…それで来たのが俺だったと?」

花園「うん!一が来てくれてうれしいよ!」(にぱぁ)

鳴「うぉ眩しい!」

花園「ねぇ聞いてよ一!おっちゃんがね〜」

しばらく花園の話を聞く事にする。こいつ花園ランドと兎の話をしてる時の顔は嬉しそうだなぁ。

鳴「そういえば、ギターはずっとやってるのか?」

花園「うん!小さい頃からやってるよ!一覚えてないの?」

鳴「いやだから、一じゃないし。昔弾き語りしてたから…」

花園「ホント!?なら弾いてみてよ!」

鳴「しばらく弾いてないから…」

花園「弾いてみてよ!」花園は目を輝かせている。

鳴「…少しだけだぞ。」

鳴「お前にいつ出会えるの〜」

花園「!」

 

〜弾き語り後〜

俺が弾き語りをしている間、花園は終始驚いていた。

鳴「ふぅ…ん?なんかミスしたか?」

花園「やっぱり一だったんだね!」花園は抱きついて来た!

鳴「何故そうなる!?離せ花園!」

花園「嫌!!離したら、またどっかに行っちゃうでしょ!?」

鳴「くどい!俺は一じゃない!!」怒気を強くして否定する。

花園「!!」

鳴「あの曲は、俺が一に教えた曲なんだ。俺が弾けて当然だ。」

鳴「もう一度言う。俺は一じゃない。わかったか?」

花園「…わかった。」今にも泣きそうだ。

鳴「怒鳴って悪かったな。」花園の頭を撫でる。

花園「…うん。」シュンとしている。

鳴「…じゃあそろそろ行くよ。」

花園「…部活見学してもいい?」

鳴「面白い事なんてないぞ。それに…」

花園「ジー」

鳴「ハァ…わかった。じゃあ行くか?」

花園「うん!」俺が先に教室を出る。

花園「一に会いたいよ…」

後ろからついて来る花園はそう呟き、目から涙が溢れた。

すまんな、花園。

 

〜剣道場〜

鳴「やってるか〜?」

花園「やってますよ〜?」

鳴「何故君が答える。」

花園「私に聞いたんじゃないの?」

鳴「君にじゃねぇよ!」

部員たち(若宮さんの恋のライバル来たー!)

なんだか部員たちが、キャーキャー言っている。集中力が足りないようだ。よし、今日はずっと素振りだな!

若宮「アッ!タエさん!今日は見学ですか?」

花園「うん!一の事を見学します!」

鳴「何度言えばわかるんだよ!俺は一じゃねぇよ!つか、俺の見学かよ!!」

若宮「ハジメさんとお知り合いなのですか?」

花園「私の幼なじみだよ!弾き語りが上手くて、私の…」ガラガラ

○○「たのもー!おりじぃいますか〜?」

アイツ、なんでこんな時に来やがる。

鳴「本日は見稽古を行う!部員たちは、入り口付近で離れて見てるように!」

 

〜剣道場・戦闘〜

一「おりじぃ、約束通り来たよ。」(ニコ)

俺は約束した覚えはないんだが。アイツがここまで来たからには、一本やるまで帰らないなぁ。ハァ最悪だ。

鳴「花園、アイツがお前の会いたがってた一だ。良かったな会えて。」

花園「はじめ〜!」花園は一に抱きつく!

一「うわ!だ、誰?って、花ちゃんかい!?抱きつき癖は相変わらずだねー!」一は花園を抱き返すが、花園は一から離れる。

花園は珍しく真剣な顔になって言葉を放つ。

花園「…違う。貴方は誰?」

一「…黒井一だよ?さっき自分で言ってたじゃないか?」

花園「…絶対一じゃない。貴方は誰ですか?」

一「…まぁいーや!今は、花ちゃんに構ってるヒマないからまた今度ね!」

鳴「感動の再会は済んだかい?」

一「感動かは分からないが済んだよ。」

鳴「なら、さっさと始めようか?花園、入り口付近まで離れてな。」

一「お!殺る気だね〜。」

鳴「さっさと終わらせたいだけだ。あと字が違う。」

一「え〜!こっちだと思ったのになぁ。じゃあいくよ!」

一が仕掛けに来る。俺は紙一重で回避して、面を打ち込むが剣で受け止められ、俗に言う鍔迫り合いの状態になる。

鳴「お前!それ真剣じゃねーか!」

一「いや〜?真剣に限りなく近い模造刀だよ〜?」

あながち嘘では無さそうだ。これが真剣なら、鍔迫り合いの時点で俺の体は…容易に想像が付く。

俺の竹刀は、少しずつだが一の模造刀に切断されている。あと数回で完全切断される所まで来ている。

鳴「そろそろ潮時か…小手ッ!!」鳴は一瞬の内に、自分の間合いに一を入れて小手を放つ。

これは回避出来まい。一の間合いのギリギリで、しかも面に見せかけての片手打ちの小手だ。

一「!」異常と言える反応速度で、一は小手の有効打突を外す。

外された直後、鳴の竹刀は完全切断された。

鳴「嘘だろ〜。アレを回避するか普通?と言う訳で参った!」

部員たち「織字先生が負けた…」

若宮・花園「師匠(一)…」

一「…勝つ気がない相手に勝ってもつまらない。アレをしない、おりじぃに勝っても意味がない。そこで、おりじぃがどうすればアレをやるか考えた!こうするんだよ!」

一は若宮・花園の立ち位置付近まで行き、模造刀を容赦無く振り下ろす!

鳴「そう熱くなるなよ?ステイ・クールだよ?」鳴は時計のボトルを振り、一時的に時間を止めて、若宮・花園の前に立つ!そしてそのまま模造刀に斬られる!

若宮・花園「師匠(一)!」

鳴「近づくな!!」

右肩か…どうやら花園を狙ったんだな。さっきの出来事が、コイツに応えたんだな。それにしても痛てー!多分ヒビ入ってんじゃね?目からは血も出てるし、最近傷負いやすくなったな。

一「ここまでやっても、アレをやらないんだね。」

一「じゃあいーや。興が冷めた、落ちろ。」

一がそう言うと、鳴が立っている床に突然ジッパーが現れる!

それは、開いて鳴はジッパーの裂け目に落ちて行く!

鳴「こんな終わり方ありかよー!!」

若宮・花園「師匠(一)!」

一「そこから出て来れたらまたやろうよー!」

一「今度は本気で。」一はフルーツの装飾が施された錠前を弄りながらそう言った。

 




お待たせ?致しまして誠に申し訳ございませんでした!
今回は生身の戦闘回でした!次回はあの森からの脱出劇だと思います!
では次回でお会いしましょう?


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第19話

〜ジッパーの世界〜

 ハァ…ハァ…ここどこなの?何か見たこと無い生き物居たし、見た途端に追いかけて来るしもう何なの!

 

謎の生き物「キシャー!!」

○○「また居た!逃げなきゃ!」

生き物から逃げるが、木の根に足を取られて転ぶ。

○○「もうダメ!!」

 

『ボルテックフィニッシュ!』『イエーイ!』

 

生き物に襲われそうになる寸前でビルドが生き物を倒す!

ビルド「下級のインベスなら倒せるんだな。大丈夫か?って、大丈夫じゃ無いか。」

○○「また変なのが出た!来ないで!!」そこら辺にある石を投げて来る。

ビルド「少し落ち着…」ゴンっ!!

ビルド「痛い!!落ち着け!大体日本語話してるだろ!」ビルドはドライバーを外して変身を解いた。

○○「あれ?一?」

ここでも一と誤解されるのか、もう否定するの面倒くさいなぁ。

鳴「俺は織字鳴。一とは親戚?見たいなもんだな。君のお名前は?」

今井さん「アタシは今井リサ。よろしくね鳴君?」

 

〜ジッパーの世界・2〜

鳴「よろしく今井さん、ところで怪我はないかい?」

今井さん「大丈夫だよ!ありがとう心配してくれて!」ニコ

 元気そうに見えるが、体は小刻みに震えている。空元気と言うやつか。

鳴「…頑張ったな。もう大丈夫だよ。」

 今井さんの頭を撫でると、今井さんは安心したのか、今まであった事を話し出す。

今井さん「…恐かったよ、気がついたらこんな所にいるし」

鳴「うん」

今井さん「訳分からないまま彷徨ってたら、変な生き物に追いかけられるし」

鳴「うん」

今井さん「生き物に襲われた時、このまま死んじゃうのかと思ったんだ。」

鳴「君はこんな所では死なないよ。この世界から脱出するまで、俺が君を守る。」

今井さん「…」グスッ

 耐えきれなくなった今井さんの目から、涙が溢れる。知人も居ない・全く知らない世界・しかも、襲われそうになったら、誰だって泣きたくもなる。現に俺も泣いた事あるし。

 今井さんが泣き止むまで、撫でる事にした。

 

〜ヘルヘイムの世界・3〜

鳴「落ち着いたかい?」

今井さん「…うん。ありがとう//」ニコッ!

 ホント笑顔が似合う子だな、氷川と対になる可愛さだな。ん?なんで、ここで氷川が出て来るんだ?

鳴「…どう致しまして、じゃあ行きますか?」

今井さん「何処にいくの?」

鳴「この世界、ヘルヘイムから出るんだよ。正確に言えば、ヘルヘイムから出る手段を持っている奴に『会いに行く』だけどね。」

鳴「さぁ立って、行くよ?」鳴が手を差し出す。

今井さん「ありがとう!」手を伸ばして立つが…

今井さん「ッ!」足の痛みに顔を歪ませる!

鳴「今井さん!」

今井さん「アハハ…さっき足を取られた時にやっちゃったみたい…」

今井さん「アタシここで待っ…」

鳴「『待ってる』なんて言わない事。」

今井さん「でも…」

鳴「今井さんは、ジェットコースターは好きかい?」

今井さん「えっ、嫌いではないかな?」

鳴「じゃあ大丈夫そうだね。」鳴はビルドドライバーを装着する。

今井さん「それは何?」

鳴「ビルドドライバー。このドライバーと」

 

『パンダ!』『ロケット!』

『ベストマッチ!!』

 

鳴「2本のフルボトルを装着して、レバーを回す事で仮面ライダービルドになる。」

 

『Are you ready?』

鳴「変身!!」

『ぶっ飛びモノトーン!ロケットパンダ!』

『イエーイ!!』

鳴「じゃあ行きますか!少し我慢してね?」

今井さん「ちょっ!キャー!!」

俺は今井さんを、抱っこして飛び立つ。目指すはヤツの所だ。

 

〜ヘルヘイムの世界・4〜

ビルド「到着〜。」

今井さん「…」ポカーン

あれ?ジェットコースター嫌いじゃないから、大丈夫だと思ったんだけど、やっぱダメだったか?とりあえず変身解除だ。

鳴「今井さん?大丈夫?…じゃないよね。」

今井さん「全然ジェットコースターじゃ無いじゃん!ジェットコースター以上だよ!怖かったんだよ!!」

今井さん「鳴君、正座!!」

 めちゃくちゃ怒ってる、タカのボトルがあればと悔いる。今日に限っていつも使っているフルボトルを忘れて来るとは…今の俺が出来ることと言えば… 今井さんの指示に素直に従う事だ。

鳴「ハイ…誠に申し訳ございません。」しばらくお叱りは続くのであった。

 

今井さん「…とにかく今後は気をつけてね!」

鳴「かしこまりました。」

今日初めてあったが、今井さんは怒ると怖い事がわかった。

今井さん「で?着いたの?」

鳴「あぁ。この辺にいるはずだが…」

?「騒がしいと思って出て来たら、珍しいお客さんだな。」

 

 

 



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第20話

〜ヘルヘイムの世界〜

?「お前は…あぁそう言う事か。」

 鳴の顔を見た瞬間で何かを悟る「?」

鳴「見つけたぞ。久々?と言っておこう。」

今井さん「この人がヘルヘイム?から出る手段を持っている人なの?」

鳴「そうだよ、コイツは葛葉紘汰。この世界の管理者にして、『始まりの男』」

今井さん「始まりの男?」

鳴「平たく言えば、神様だな。」

今井さん「神様?…まっ、またまた〜!」

葛葉「どうも神様です。」

今井さん「ノッて来た!随分ノリの良い神様ですね!」

 

葛葉「いや〜こんな所に来客なんて、久しぶりだからなぁ!嬉しくて!」

葛葉「お前も久しぶりだなぁ!前のせ…」

鳴「その話は、今はするつもりは無いよ。」

葛葉「そうか!!まぁ疲れただろ?今飲み物を…」

鳴「持って来られても、俺たちは『飲めない』だろ。」

葛葉「あー!そうだよな〜!」

鳴「あんたの頭は、相変わらずだな。」

鳴「あまり悠長にやってられないんだ。ヘルヘイムから…」

葛葉「所で君は誰だい?あっ!もしかして、コイツの奥さんかい!?」

鳴「ちょっと話聞いてよ!!」

今井さん「ア、アハハ…違いますよ〜!さっき会ったばかりですよ〜」

鳴「そうだぞ、大体こんな可愛い子が俺の事を好きになるわけないだろ!」

今井さん「かっ、かわ//」

 顔が赤い今井さん。動かない、どうやらフリーズしてる見たいだ。 少し放っておこう。

葛葉「お前、ホントそーゆー所は変わんねぇな〜。」

鳴「? そんな事より預けていた物を返して貰うぞ。」

 

葛葉「え〜!もう行くのか!?」

鳴「まぁな。出たらやる事があるからな。」

葛葉「渡してもいいけど、条件がある。お前の世界にある黒い錠前を回収して欲しい。」

葛葉「何処にあるか分らないけど、この条件を飲むなら、渡してもいいぞ⁉︎」

 あぁなるほど、一のあの感じは錠前の影響だったのか。

鳴「錠前の使用者に心当たりがあるからいいだろう。」

葛葉「契約完了!それじゃあコレを!」

 渡されたのは、ドライバーとオレンジの装飾がされた錠前を受け取る。

鳴「もう一つは?」

葛葉「あっちは、俺が使ってるからダメ!」

鳴「なんじゃそりゃ!?」

葛葉「まぁ落ち着けよ〜、ほら変わった。」

 鳴が持っていた錠前がオレンジ色のボトルになっていた!

鳴「! なんだこりゃ⁉︎見た事ないボトルだ!」

葛葉「それとお前が持ってるスマホがあれば、ここから出られるぞ?」

鳴「…そうか、感謝する。もう2つ頼みがある。この辺にある実持ってっても?」

葛葉「いいよ〜好きに持っていきな?で、もう一つは?」

鳴「オレンジの錠前頂戴?」

葛葉「欲張りだなぁ〜。ほらよ!」いつの間にか持っていた錠前を、鳴に投げる。

 

鳴「それじゃ行くよ。」

 スマホにオレンジのボトルを入れて宙に投げる。すると、スマホは巨大化しさらにバイクに変形した!

葛葉・今井さん「すごっ!どうなってるの!?」

鳴「自称天才物理学者の発明品だよ。」鳴は返して貰ったドライバーを装着して、近くにあった実を拾う。すると実はメロン装飾の錠前になる。

鳴「今井さん、どれでも良いから、近くになっている実を取ってくれないか?」

今井さん「わかったよ!えっと…じゃあコレ!!」

 今井さんが取った実を貰う。すると実はクルミ装飾の錠前になった!

この二つかぁ!随分と縁があるなぁ。鳴はドライバーを外す。

鳴「じゃあ行きますか。今井さん乗って?」今井さんを後ろに乗せる。

鳴「ではまた近い内に」

 葛葉にそう言ってバイクを発進させる。少し走った先に、ジッパーが現れてジッパーが開き、そこに迷いなく入る。

今井さん「わー!!すごーい!いけいけー!」今井さんは楽しそうだ。

 さぁ出たら、第2ラウンドだ!



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第21話

〜剣道場〜

鳴を落とした直後正座で座り、鳴を静かに待つ事にする。

一(早く戻ってこいよ鳴?)

若宮「ハジメさん、師匠を何処にやったのですか!」

一「ある世界に落ちてもらったよ。あんな腑抜けた鳴は見ていて虫唾が走る。」

一「アイツの全盛期は凄かったんだよ。向かって来る相手は、2対の刃で千切っては投げの繰り返し。アイツは無傷、正に完全無欠とはアイツのための言葉と言っても過言じゃない。」

一「俺はそんなアイツと一戦交えたかった。それなのにアイツは…。」

花園「一は戻って来るの?」

一「今目の前にいるんだけど、花ちゃんが言っている一は、必ず戻って来るよ。」

一「まぁ、戻って来るのを待ってようよ〜。君たちも飲むかい?お茶請けはないけど。」

 いつの間にか、一はお茶の準備をして飲み始める。

若宮「いつの間に!?もしやハジメさんはニンジャなのですか!?」

花園「じゃあ私、お茶請け探して来るよ!」

若宮「タエさん、私も行きます!ハジメさん、少し待っていて下さい!」と言って剣道場から出て行く。

一(さてそろそろか?)

 そう思った矢先、空間にジッパーが現れ開いた。開いた先から、ヘルヘイムの怪物が現れる。

一「インベスですか。まぁ準備運動に丁度良いな。」

 一は腰に、ドライバーを装着する。それは、鳴が葛葉から返して貰ったドライバーと同型の物だ。装着後に黒いオレンジの錠前を開錠する。

 

「オレンジ‼︎」

 

 一の頭上にジッパーが現れて開き、そこからオレンジの形状をした鎧が現れ、オレンジの錠前をドライバーに嵌め込む。

 

「Lock ON!」

 

一「変身」

 

 ドライバーに付いているブレードを倒し錠前が開く!

 

「ソイヤ!!」「オレンジアームズ!花道・オン・ステージ‼︎」

 

そこには、黒の鎧武者が立っていた。

 

鎧武者「今は俺のステージだ!」

 

そう言って、インベスに切り掛かっていったが、数分で決着が付く。

持っている刀に、オレンジの錠前をセットして真横に刀を振る。インベスは、爆散していったのだ!

 

鎧武者「つまらんな、この程度じゃ準備運動にも…」

 

と言いかけた時、鎧武者の後ろにジッパーが開き、中からインベス?が出て、鎧武者に攻撃する。

不意打ちを受け、倒れる鎧武者。立ち上がり、攻撃を仕掛けるが、まるで効いてない!インベスなのか、疑いを持った時インベス後ろの空間から、聞き覚えのある声がする!

 

鳴「ちょっとどいてー!」

今井さん「ワァーー!」

 

遅かった、鳴はバイクでインベス?を突き飛ばす!巻き添えをくらう鎧武者!インベスは倒れるが、インベスの体から煙が上がっている!

 

鳴「ふぅー。とりあえず着いたな!」

今井さん「インベスと一緒に鎧の人も轢いちゃってたよ!?」

鳴「まぁ、アレは大丈夫だよ。あの程度じゃ死なないから!」

今井さん「そう言う問題なの!?」

鳴「そーゆー問題かな?」

鳴は、インベスに空のボトルを向けて煙を回収する!ボトルは消しゴムのボトルになった!

鳴(まさかインベスから回収出来るとは…)

今井さん「ねぇ鳴君、アレはなんなの?」

鳴「アレはスマッシュ。平たく言うと市民の平和を脅かす悪いやつかな?」

鳴「そして俺はアイツから、平和を守るのが俺事『仮面ライダービルド』なのだ!」

今井さん「! まさか鳴君が!」

 

鎧武者「…痛いじゃないか。」鎧武者は起きて来る。

鳴「今ので痛がっていたら、これから持たないぞ?」

今井さん「あの鎧の人は?」

鳴「アレは鎧武。俺と同じ『仮面ライダー』だが、アレが守るのは、愛なんて言うよく分からないモンだけを守る。」

鳴「ちなみに正体は、親戚?の黒井一な。」

鎧武「説明ありがとう、準備はできてるよな?」

鳴「一応な。と言う訳で、今井さん離れてね?」

今井さん「わかったよ。」離れる間際に、

今井さん「鳴君!」

鳴「ん?」

今井さん「鎧武…一と何があったか分からないけど勝ってね!」

鳴「おう!」親指を立てながら答える。

 

鳴「お待たせ、ここからは第2ラウンドだ!」



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第22話

〜剣道場・2〜

『タートル!』『ウォッチ!』

『ベストマッチ!』『Are you ready?』

鳴「変身!!」

『時を掛ける甲冑!タートルウォッチ!』『イェイ!!』

ビルド「行くぞ!」

 

鎧武に接近するビルド、拳を繰り出すが片手で防がれ、刀で切られるが、タートルボトルの能力で作った盾で刀を受け流し拳を入れる!

 

鎧武「へぇー、やるじゃん。」

鎧武は刀に付いているトリガーを引くと弾丸が飛んでくる!

ビルドはウォッチボトルの能力で、自分の時間を早めて弾丸を回避する。

ビルド「うぉ!あぶねー、それ銃剣なの忘れてたわ!」

鎧武「あの近距離の弾丸を回避しただと!?」

鎧武(ん?忘れてただと?なんで鳴は無双セイバーの事知ってるんだ?)

 

ビルド「じゃあこのまま行きますよ!」

今度はドリルクラッシャーを出し、ウォッチボトルで再び加速し鎧武の装甲を削って行く!

鎧武「この!!」

鎧武はビルドの攻撃に合わせて、無双セイバーを乱暴に振り下ろすが、

タートルボトルの盾で流されて、また削り取られる!

 

鎧武「ぐぁ!」倒れる鎧武。

なんと倒れた鎧武から、ガスが出ている!

ビルド「ウソー!なんで!?」ビルドは空のボトルでガスを回収する。

ボトルはロックのボトルになった!

ビルド「ロックだと?何となく予想は出来たが…」

鎧武「まだだ!」鎧武は立ち上がった。

ビルド(相変わらず負けず嫌いなんだな。…決めた!)

 

ビルド「よく立ったな?」

鎧武「…負けるのは嫌いだ。」

ビルド「負けるつもりだったが合格だ!」

鎧武「どう言う事だ?」

ビルド「お前には1度負けてもらうよ。お前の知った姿で。」

 

ビルド「さぁ実験を始めようか?」

ビルドは、ヘルヘイムで手に入れた『オレンジボトル』と先程回収した『ロックボトル』を振ってビルドドライバーに装着する。

『オレンジ!』『錠前!』『ベストマッチ!』

ビルド「錠前!?まぁいっか?」

『Are you ready?』

ビルド「ビルドアップ!」

『ガイム!』『オレンジアームズ、花道・オンステージ!!』

ビルド「ここからは俺のステージだ!!」

何とビルドは鎧武にビルドアップした!

 

鎧武「! その姿は!!」

ビルド「勝利の法則は決まった!!」ドライバーのレバーを回す。

 

『ボルテックフィニッシュ!!』

 

鎧武をオレンジ型の球体で、拘束してドリルクラッシャーとオレンジ型の刀で両断した!!ビルドは自分で、鎧武は強制変身解除された。

 

一「ガハッ!」

鳴「はい、俺の勝ちだな?」一に近づく。

一「俺の戦極ドライバーが!!」誰がどう見てもドライバーは破損している。

鳴「あっ、少しやり過ぎたな。まぁ、新しいドライバーあるからいいけど、ほれこれ使え。そっちは回収させてもらうよ。」

鳴は、新しい戦極ドライバーとオレンジのロックシードを置く。

一「お前は何なんだ…」

鳴「俺は…」一は答えを聞く前に気絶した。

 

〜剣道場・3〜

鳴「戦闘はまだまだだなぁ。ここからの成長に期待かな?」

今井さん「鳴君!」外に出ていた今井さんが近づく。

鳴「待たせたね今井さん、言われた通り勝ったよ。」言い終わると同時に、その場に座り込んだ。

今井さん「鳴君!?」

鳴「あー、大丈夫、大丈夫。疲れただけだから!」ズボンのポケット内から、コーヒーキャラメルを出して食べる。

鳴「ん?」

 味が薄く?感じる、まぁ疲れてるからだろう。

鳴「そうだ今井さん、俺が仮面ライダーなのは秘密にしてほしい。」

今井さん「どうしてナイショなの?」

鳴「…色々あるんだよ。」

今井さん「うーん、ちょーっと気になるけど、わかったよ!」

鳴「ありがとう。2人の秘密な?」笑顔を作り、口の前に人差し指を立てる。

今井さん「!///」

鳴「顔が赤いがどうしたんだ?」

今井さん「なっ、何でもないよ!いやー暑いなぁ!」

鳴「? そうか?」

 その後は、お茶請けを探しに行っていた若宮・花園が帰って来たので、お茶した後に解散した。一は居なくなっていた。

 



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第23話

〜鳴宅〜

ロク「ワン!」

鳴「今帰った。」

戦兎「やぁー先生!今日の晩飯は…って、またボロボロですなぁ?」

鳴「まぁね。でもボトルは回収出来たから、良しとしようじゃないか。そんな事より、お前に頼みがある。」

戦兎「先生が俺に頼み?なんか気持ち悪いなぁ。」

鳴「…気持ち悪いとはなんだよ。まぁ良い、これの修復を頼む。」

 

 先程の戦闘で破損させた、戦極ドライバーを見せる。

 

戦兎「なんだそれ?」

鳴「戦極ドライバー、これとロックシードでアーマードライダーになれる。」

戦兎「アーマードライダー?まさか…」

鳴「今日俺の学園にビルド以外のライダーが出現した。」

鳴「しかも正体は一だった。」

戦兎「やっぱり、…だったのか。」

鳴「あぁ。アイツを俺の…にする。」

戦兎「そうか、俺は否定しないさ。」

戦兎「それにしても…コレでどうやって変身するんだ!?」

 

 戦兎は戦極ドライバーの全体を見ながら頭をかく。その顔は笑顔満点だ!

 

戦兎「もっと色々データなんかあれば、どうにかなるかもだが…」

鳴「そう言うと思ってまして」

 鳴は懐から、カメラのボトルを出す。

鳴「コレに鎧武の姿を、俺のビルドドライバーに、鎧武とインベスの戦闘データがある。恐らく戦極ドライバーにも、同様のデータがあるだろう。」

戦兎「おぉ!」

鳴「あとコレも。」オレンジのフルボトルも出す。

戦兎「こ、コレは!!見た事ないボトルだ!?」

戦兎「コレは何とベストマッチなんだ!?」

鳴「ロックボトルだ。」

戦兎「ロックボトルも置いていけ!」

鳴「ハイハイ」ボトルを渡す。

戦兎「では早速…」

 

 戦兎は鳴のビルドドライバーを装着する。

 

鳴「まて、いつも以上の副作用があるぞ。」

戦兎「え〜、副作用あるのかよ!ちなみに何?」

鳴「味覚障害。程度は不明。」

鳴「で、修復は可能か?」

戦兎「誰に聞いている?」

戦兎「この天ッ才物理学者にまかしぇんしゃい!!」

鳴「ハイハイ、スゴイネー(棒)」

 

 そう言うと戦兎は自室に篭り、早速作業を始めた。こうなると、こちらの声は一切届かない。

 

ロク「ワン!!」

鳴「ハイハイ、飯作りますか。」

 

 今日の献立は、戦兎の好きな物を作ろうか。

 

 

〜翌日〜

戦兎「ふあ〜」盛大な欠伸をしながら、部屋から出る戦兎。

戦兎「お〜い、先生〜飯は?」問い掛けに返答がない。

ロク「ワンワン!!」

戦兎「やぁ〜、先生は?」

ロク「ワン!」

戦兎「ん〜、何言ってるかわからないなぁ〜」

 

 戦兎はテーブルにあるメモに目を通す。

 

戦兎「なになに?『朝・昼食は各自で用意しろ』だと?」

 

 料理は基本しない、自分で作ったものを美味いと感じないからだ。

 

戦兎「たまには外行きますか。ロクはどうする?」

ロク「ワン!」尻尾をブンブン振っている。

戦兎「コレはわかるぞ。そいじゃ行きますか!」

 

 

〜道中〜

 今は商店街に向かって歩いている。あそこに行けば、食べる物には、困らない。寧ろ有り過ぎて困るくらいだ。

 

戦兎「さて、何食べるかなぁ。ロクは何食べたい?」

ロク「ワン!」

戦兎「やっぱり何言ってるかわからないなぁ〜」

ロク「ワン!」唸るロク。

戦兎「なんだ?」

ロク「ワンワン!」ロクが突然走っていった!

戦兎「ロク!待つんだ!」

 今日もロクは元気いっぱいだ。鳴が毎日散歩帰りに、死にそうになってるのも頷けるなぁ。

 

 

 



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第24話

〜道中〜

 走るロク、追いかける戦兎。今の戦兎はこう思っている。

 

戦兎(意外と走るの気持ちいいな!)

 

 距離が詰められない戦兎は、持っていたボトルを降り、一気に距離を詰める。ロクはいたが、そこには別の姿もあった。

 

戦兎「女性と…スマッシュ!?」

 

 女性は立ったまま固まっている。恐らく声も出ないし体も動かないのだろう。ロクは女性を庇うように、スマッシュに向かって吠えていた!

戦兎はボトルを降って、スマッシュにパンチを繰り出す。スマッシュは後退する!

 

戦兎「痛ってー!」ブンブン

戦兎「お嬢さん、大丈夫かい?」

女性「…!!」

 

 声はまだ出ないが、身振り等で大丈夫そうのが伝わった。

 

戦兎「そうか、良かった。あとは任せて何処かに隠れてな。」

女性「…!」

戦兎「ロクはお嬢さんに付いていてくれ。」

ロク「ワン!」

 

 ロクは女性と一緒に隠れる。当面の危機は過ぎた。じゃあ久々にやりますか!

 

 戦兎はビルドドライバーを装着する。

 

戦兎「さあ、実験を始めようか?」ボトルを振り出す。

 

『ラビット!』 『タンク!』

『ベストマッチ!』『Are you ready?』

 

戦兎「変身!!」

 

『鋼のムーンサルト!ラビットタンク!』

『イエーイ!!』

 

ビルド「勝利の法則は決まった!」

 

 戦兎はビルドに変身した。直後に左足に力を入れて、瞬時に距離を積め膝蹴りを入れる。その後は、連続でパンチを叩き込む。

 

ビルド「今腹減ってるから、さっさと決める!」

 

 ビルドはドリルクラッシャーを出して、ドライバーからラビットボトルを取り出し、ドリルクラッシャーに装着する。

 

 『ボルテックブレイク!』

 

 ドリルクラッシャーでスマッシュを削る。スマッシュは倒れた!

 

ビルド「ボトルを回収、回収。」

 

 ビルドは空のボトルを出して、スマッシュのガスを回収する。空のボトルは、ハリネズミのボトルになった!

 

ビルド「ハリネズミかぁ。何か縁を感じるなぁ〜。」

 

 しみじみ感じていると、スマッシュは起き上がりビルドに攻撃を仕掛ける!

 

ビルド「ウソー!グハァ!」攻撃を受けるビルド!

 そう言えば、鳴が言ってたな。『一体から2種類のボトルを回収出来るスマッシュに遭遇した』と。

 

ビルド「コイツがそうか…だったら回収だ!」

 ハリネズミのボトルを振って、ドライバーに装着する。

 

『ハリネズミ!』 『Are you ready?』

 

ビルド「ビルドアップ!」

 ビルドアップし、スマッシュに近づく。

 

スマッシュ「ウガー!!」

 スマッシュは攻撃を仕掛けるが、ハリネズミ側から針を出して、防御する。そしてその状態で、スマッシュに攻撃する!

 

ビルド「ほい、ほい!」

 ひたすら針で攻撃し、タンク側でアッパーを入れ、相手から距離を取り、ラビットボトルを振ってドライバーに装着する。

 

『ラビットタンク!』『イエーイ!!』

 

ビルド「今度こそ決める!」レバーを回す。

 

『ボルテックフィニッシュ!』

 

ビルド「ハァーーッ!!」

 スマッシュにキックをキメる!スマッシュは爆散した。

 

ビルド「今度こそ倒したな。」

 再度ガスを回収する。ボトルは消防車のボトルになった!

 

ビルド「消防車ですか。あー!久々に試したい!」俺もボトル回収するかなぁ?

 

ロク「ワン!」

ビルド「おー。ロク!」変身解除する。

 

戦兎「どうよ?本物のビルドを見た感想は!?」

ロク「ワンワン!!」

 

 相変わらず何言ってるかわからない!ドッグのボトルが有ればなぁ。

 

女性「あっ、あの〜」

戦兎「ん?忘れてた!君、大丈夫かい?」

女性「は、ハイ…」

女性「助けて頂きありがとうございます…」

戦兎「いえいえ、町の平和を守るのが仮面ライダーの仕事ですから!」

女性「仮面ライダー!? あ、あなたが町の伝説の!?」

戦兎「仮面ライダーの正体は内密にね?」

 何、町の伝説になってるのアイツ!?目立たない様に行動しろって言った筈なんだけどな!帰ってきたら問い詰めてやる!

 

女性「わかりました!所で何かお礼させて下さい!」

戦兎「お礼をされる事はしてないですよ。」

女性「そんな事ありません!!私を助けてくれましたから!」

戦兎「しかしですね…」グゥー

戦兎・女性「あっ…」

ロク「クゥン…」

 

 ロクよ、何やってるんだって顔で見ないでおくれ。

 

女性「フフッ、私の家喫茶店やっているので行きませんか?」

戦兎「…じゃあお言葉に甘えて。」

女性「わかりました!」ニコッ!

戦兎「俺は桐生戦兎、こっちはロク。」

ロク「ワン!」

戦兎「よろしく、えーっと…」

つぐみ「羽沢つぐみです!よろしくお願いします!桐生さん、ロク君!」

 

 羽沢さんの後について行く事にする。羽沢さんの笑顔は眩しかった。

今日はいい日になりそうだ。

 

 

 

その頃鳴はというと…

ゼロ「ゼーッ…ゼーット…ゼーットん…」

 

仮面を被ったまま、いつもの公園のベンチで寝ていたのであった。

 

 

 

 




大変遅くなり、申し訳有りませんでした。


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第25話

〜午前10時 いつもの公園内・ベンチ〜

 

ゼロ「ゼーット…」

 皆さまこんにちは、ゼロこと織字鳴です。初っ端から、寝ていて申し訳有りません。日頃の仕事、ボトル回収から来る疲れから寝てしまってます。

 

猫『ニャー」

 

ゼロ「ん…ふぁ〜。なんだ〜」

 

大きく背伸びと欠伸をしながら、本日2回目の「こんにちは」っと。

俺の真上から、猫の鳴き声が聞こえたと思ったなだが気のせいか?

 

猫『ミャー」

 

 やっぱり聞こえると思い、枝の方をよく見ると、降りれなくなっている子猫がいるではないですか!

 

ゼロ「はぁ……」

 

 実は寝ていたのには、別に理由があったのだ。0時から3時まで町の見回り、3時にはスマッシュの討伐、4時から授業の準備、5時からロクの散歩、8時からは部活の朝稽古が有り、昨日の5時から一睡もしていないのだ!

 そんな状態にも関わらず、この公園に到着しで寝るまでに、人助け3回、動物助け1回、スマッシュ・インベス討伐を各1回をやれば、必然的にこう言いたくなる。

 

ゼロ「なんて日だ!!」

ゼロ「わかった、わかりましたよ!!助けますよ!えぇ!」

 

 半ばやけクソになりかけていると、子猫を心配そうに見ている人を見つける。飼い主だろうか?近づいて話聞いてみるか。

 

ゼロ「あの子猫の飼い主さんですか?」

○○「いいえ…って仮面!?」

ゼロ「あぁ仮面の事は気にしないで、知っている子猫ですか?」

○○「はい、この辺で時々見かけて遊んだり、餌付けしたりしてましす…」

○○「私では登れないので、途方に暮れてました…」

ゼロ「そうですか…では僕が登って助けましょう」

 

 そういえば、どっかで見た事あるがまぁ良い。木登りは得意ではないが…よっと!

 

 

〜救助後〜

 

子猫「ミャー」

ゼロ「よく鳴きますなぁ。腹でも空いてるんでしょうか?」

○○「きっと感謝しているのでしょうね。フフッ。」

子猫「ニャー」

 

 この人に良く懐いてるな。餌付けの効果か?本来なら、野良猫に餌付けをするのは良くないが…

 

○○「にゃー。」

 

 余りにも良い絵になりすぎて、注意する気が失せた。今日はオフだし、まぁいっか!

 

○○「あの…この子を助けてくれてありがとう。」

ゼロ「お礼を言われる程では…当たり前?の事をしただけですよ」

ゼロ「コイツが野良で、この先生きるのに苦労が堪えなくても、一瞬でも良いから、明るく、希望を持って生きて欲しいと思っただけなので。」

○○「…そうね。」

 

 そう言うと、少し目元を潤ませる。その表情は、何処と無く氷川に似ている。

 

○○「そう言えば、貴方は何で公園に?」

ゼロ「人を待っているんです。もうそろそろ来ると思いますが…」

氷川「ゼロさん、お待たせしま…湊さん?」

湊「あら?紗夜じゃない。もしかして、今日紹介したい人と言うのは?」

氷川「はい。この人がRoseliaに良い影響を与えてくれる…かも知れない人です。」

ゼロ「『かも』ですかい!」

湊「『かも』じゃないわ。間違いなく、良い影響を与えてくれるわ。」

ゼロ「…随分と言い切りますね。根拠を聞いても?」

湊「猫を助けてくれた人に悪い人はいないからよ!」

ゼロ「そんな事でかい!!」

 

 ひょんな事から湊友希那と知り合いになる、ゼロこと織字鳴であった。

 



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第26話

〜道中〜

 

 子猫と別れ、氷川と湊の後について行っている。

 

ゼロ「氷川君、これから何処に?」

氷川「私たちが練習で使用している場所に向かっています。」

氷川「今日は残りのメンバーに貴方を紹介後、何曲か聞いて頂いて、感想を述べて貰う予定です。湊さん、それで良いですよね?」

湊「えぇ、問題ないわ。」

ゼロ「了解しましたよ。挨拶は大事ですからね!」

湊「どれだけ気合を入れているのよ?」

ゼロ「見た目がこんなんだから、いつも挨拶は丁寧にしてるのてすよ。

 そんな事を話しながら、練習場所に向かって行った。

 

〜練習場〜

今井さん「あ、きたきた。二人ともお遅かったね?」

氷川「遅くなりました。今日は、紹介したい人が居まして…」

白金「紹介したい…人ですか?」

あこ「誰ですか!」

今井さん「もしかして、どっちかの彼氏とか?」ニヤニヤ

4人「!!」

湊「違うわよ、ロゼリアが高みに行くための助っ人?になるかも知れない人よ。」

氷川「えぇ、そうです。」

湊「それに、私の彼氏ではなく紗夜の彼氏よ。」

 

何処をどう見たら、そんな風に見えるのだろう。

 

今井さん「えっ!マジ!!紗夜に春到来!?」

白金・あこ「おめでとうごさいます!!」

氷川「ちっ、違います!!//」

湊「違うのかしら?」

氷川「違います!それに私には心に決めた人が…//」

 

氷川が弄られている。こう見ると、氷川も年相応の女の子なんだな。

こんな氷川を見ることになるとは、何かあったかくなるなぁ。

 

氷川「コホン、では気を取り直して紹介しましょうか。どうぞ入っ…」

ゼロ「もう入っているよ〜」

3人「!」

白金(仮面…怖い!)ブルブル

あこ(仮面…チョーカッコいい!)キラキラ

ゼロ「はじめまして、ゼロと申します。以後お見知り置きを。」

ゼロ「こちら、つまらないものですが。自作のコーヒーキャラメルです。」

今井さん「ご丁寧にありがとうございます!」

白金・今井さん(この人どっかで見た事あるなぁ?)

今井さん(それにこのキャラメル…もしかして?)

あこ「あー!!『ゼロ』ってあの!?」

今井さん「何々、どうしたの!?」

あこ「動画サイトで話題になっているんだよ!ほらコレ!」

白金「この動画…私も見たよ…。綺麗な歌声だよね…」

 

あこのスマホには、先日投稿した俺の動画が流れている。なんだか、恥ずかしいな。

 

ゼロ「お褒め頂きありがとうございます、白金燐子さん」

白金「えっ、私の名前…どうして?」

ゼロ「助っ人?として、知っているのは当たり前かと。」

白金「そうなんですか?」

 

 彼女達は、自分たちが思っている以上に有名人である事を自覚していないようだ。

 

湊「そろそろ練習を始めたいのだけど?」

氷川「そうですね。では準備をしましょうか。」

 

 準備中に、改めてメンバーの自己紹介してもらい、何曲か聞いて見る。さすがRoselia、完成されている曲ばかりだ。アドバイス?必要あるか?

 

〜演奏後〜

湊「どうだったかしら?」

ゼロ「…正直驚いた。練習でこれ程のクオリティを出すとは…」

湊(ダメだったようね)

ゼロ「でも、まだまだ詰められると思う。」

5人「!!」

湊「聞かせて頂戴?貴方の感じた事を」

ゼロ「いいのかい?ではまず…」

氷川(皆んなに紹介して良かった…)

 

 感想を述べた。素人の感想を真剣に聞いて、それぞれが考えている。

彼女達は本気で上を目指している。何かいいなぁ、目指す物があって。

 

 俺には目標とする物も誇りもない、何もない。だから彼女達が眩しく見える、目を開けられない程に。これ程の光を放つRoselia、今後が楽しみだ。

 

湊「ゼロ、Roseliaに全てを賭ける覚悟はある?」

ゼロ「…君達の側で、君達が頂点になるのを見る事が出来るなら」

ゼロ「俺も全てを賭けよう。」

 

 こうして、Roseliaのサポーターとして、ゼロが付く事になった。




モチベが!


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第27話

〜個人練習中〜

 

あこ「ゼロさん!聞きたいことがあります!」

ゼロ「何ですか宇田川さん?」

あこ「もうすぐ夏なのに、その格好暑くないんですか?」

ゼロ「暑くないですよ、むしろ涼しいですね。涼しい理由はトンデモ化学?のお陰ですが、詳しくは秘密です。」

白金「…仮面を付けているのも?」

ゼロ「勿論秘密です。」

あこ「秘密と言われたら、知りたくなる!」

あこ「教えてください!!」

白金「あこちゃん…あまりしつこいのは…良くないよ。」

 

 うーむ、どうしたものか?つか、宇田川さんの眼差しが眩し過ぎる!ここは色々隠して…

 

ゼロ「大した理由じゃないですよ。俺の目的を達成するためと言って置きましょう?」

あこ・白金「目的?」

ゼロ「世界を…」

紗夜「2人とも手が止まってますよ。」

あこ・白金「す、すみません!」

 

湊「少し休憩にしましょう。集中力が切れてしまったわ。」

 

 

〜休憩〜

今井さん「このキャラメル美味しい!!」

紗夜「そうですね。甘味と苦味のバランスが良いですね。」

紗夜「お菓子作りが趣味なのですか?」

 

 今度はギター・ベース組に質問攻めをされている。ここは、鳴・ゼロで1番絡みがある。ボロを出さないように気をつけないと。

 

ゼロ「うーん、お菓子作りというか、料理が好き?なんですよ。料理って実験してるみたいで、面白いんですよね。」

今井さん「今度一緒にお菓子作ろうよ!」

ゼロ「いいですね、面白そうです。」

紗夜「ゼロさん、宜しければ私に料理も教えて貰えませんか?」

ゼロ「良いですよ。では2人の都合の良い時にでもやりましょう。場所はこちらで提供しますね。」

 

 2人とも嬉しそうだ。実を言うと俺も2人の料理の腕を見るのを楽しみにしてたりする。

 

 話を聞いていると、不意に足元がくすぐったい。

 

子猫「なー」

ゼロ「おや?君は先刻の子猫ではないか?」

湊「! にゃーんちゃんどうしたの!」

 

 さっき公園で会った子猫が、弱々しく鳴いている。

 

ゼロ「その子に水でも飲ませて上げて下さいな。」

湊「貴方はどうするの?」

ゼロ「俺は、その子を弱らせた元凶の所に…って、追ってきたか。」

 

 そう言うと、子猫を追って来た奴がゼロたちの前に現れた!

 

あこ「な、何あれ!?ちょっと、カッコいい!」

氷川・ゼロ「スマッシュです(だ)」

氷川「えっ、何故ゼロさんが知っているのですか!?」

ゼロ「…色々あるんだよ。兎に角下がって!」

 

 皆んなを下がらせると、ゼロはスマッシュに拳を出す。出すと同時にすごく強い風が吹いた。スマッシュは風で後退するが、再び子猫に向かって行く!

 

 ここで使うと、間違いなく氷川と今井さんに正体がバレるだろうが仕方がない…

 

ゼロ「ハァ…最悪だ。」

氷川(今の言葉は…)

 

 ゼロはビルドドライバーを装着する。

 

今井さん「アレは!」

今井さん(もしかしてゼロの正体は…)

 

『キリン!』『扇風機!』

『ベストマッチ!』『Are you ready?』

ゼロ「…」

『嵐を呼ぶ巨塔!キリンサイクロン!イエーイ!!』

 

 ゼロはキリンサイクロンフォームに変身した!

 

ビルド「それじゃ、行きますか!!」

 

 ビルドはスマッシュに左手を向ける。すると、先程の拳とは比べ物にならない程の強風を出す!スマッシュの動きは止まり、ゼロが近づくに連れて、少しずつ後退して行く。

 

 とりあえず距離は稼いだと…

 

ビルド「じゃあ今度は!」

 

 今度は強風でスマッシュをビルドに接近させ、右手側のキリン顔で攻撃を繰り出す!

 スマッシュに攻撃されそうになるが、左手で強風を出して距離を取る。それを何度か繰り返すが、おかしい…。

 少しずつだが、スマッシュが強風の中前進してくる。ドライバーの不調ではないな。もう来てしまったのか?

 

ビルド「さっさと決める!」

 

『Ready go!』『ボルテックフィニッシュ!』

『イエーイ!』

 

ビルド「爆散!」

 掛け声と同時に必殺技を繰り出し、スマッシュは爆散した!

 

 ビルドはスマッシュから、ガスを回収する。ボトルはヘリコプターのボトルになった!

 

ビルド「回収完了っと」

 変身解除すると、Roseliaメンバーが近づく。

 

ゼロ「皆さん怪我はないですか?」

 

あこ「大丈夫です!」

白金「…何ともありません。」ブルブル

ゼロ「…怖かったよな?もう大丈夫だよ。」白金の頭を撫でる。

白金(あれ?この感じ…懐かしいなぁ…)

 

ゼロ「湊さん、子猫はどうですか?」

湊「落ち着いたのか、眠っているわ。どうしようかしら?」

ゼロ「では日陰で寝かせて上げましょうか。」

 

ゼロ「おっ、そろそろ休憩時間も終わりますね。」

湊「そうね、戻りましょう。ゼロ、貴方はもう少し休んでいなさい。」

ゼロ「…そうさせて貰います。子猫の面倒はお任せを。」

 

 そう言うと、メンバーは練習場に戻って行く。宇田川さんに先程のスマッシュについて聞かれたが、氷川と今井さんが上手く撒いてくれた。

 

 それにしても熱い。あのフォームで、これだけ熱いなら他のフォームはどうなるのか、想像したくないな。

 俺はそのまま、テーブルに突っ伏す形で気絶した。

 

 

〜練習終了後〜

 

 サポーターとしての初仕事は、片付けの手伝いだった。それは良い、良いのだが…

 

今井さん「…」

 

 何故か2人きりで片付けている。みんなで片付けた方が、当然早いと氷川が進言する前に、今井さんはあこに入れ知恵を行い、氷川含め他のメンバーを外に連れ出したのだった。

 

 恐らく今井さんは何か話したいのだろう。人払いするほどの事なのだろうか?

 

今井さん「ゼロさんは、ギター以外の楽器は出来るの?」

ゼロ「どうでしょう、試してみますか?」

今井さん「じゃあコレ弾いてみて!」

 

 今井さんのベースを借りて適当に弾いてみる。目を丸くして弾いている所を見ていた。

 

今井さん「凄い!めちゃくちゃ上手いじゃん!!」

ゼロ「弾く分には、問題なさそうですね。」

今井さん「次の練習で色々教えてよ!鳴君!」

ゼロ「えぇ、問題な…」しまった!

 

今井さん「…やっぱり鳴君だったんだね。」

 

考えろ、クールになれ。この状況を切り抜けるために!

 

ゼロ「…誰かと勘違いしている見たいですよ?」

今井さん「とぼけないで!名前呼んだ時返事したでしょ!それにビルドに変身したでしょ!」

ゼロ「…あれはデータ収集を頼まれてな。今回は偶々ビルドドライバーを使ったが、これも頼まれてるんだよ。」戦極ドライバーを見せる。

今井さん「!」

ゼロ「データ収集の理由は言えないが、鳴のためなのは間違いないよ。」

ゼロ「だから俺は『鳴』じゃないよ」

今井さん「わかったよ…。」

 

 完全には納得してない見たいだがまぁ良しとしよう。

 

ゼロ「それにしても驚きました。『ビルド』の正体も知っているなんて。」

今井さん「最近助けてもらったんだよね」

ゼロ「なるほど、それでアイツにご執心なんだね。」

今井さん「//!!」

 

 今井さんの顔が、使っているベースの色と同じくらい真っ赤になった。



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