東方十二天 (鋼翼の智天使)
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十二天〜1〜

 

 

秋の始め................とある幻想郷の果て。一人の少年が迷い込んだ。

「ここは....どこだ?」そこは彼岸花が真っ赤に咲き誇る花畑。薄らと道があるのが分かる。そんなことはどうでもいい。

とにかく道があるのは分かるがこの道を本当に進んでいいのか、とか不安になって考えるのは俺だけだろうか。

ましてや、こんな辺りを見渡してもあるのは彼岸花だらけだった。この際、進んだ方がいいと思った。

さて、なんでこんなところに来てしまったかと言うと約40分ぐらいのことを遡るだろう。

俺は14の時に肺がんを発病し、今は16だ。まぁ、あれだ。多分肺がん患者の中ではよく生き延びた方だろうか。それはさておき。

なぜ彼岸花の畑に迷い込んだかと言うと、自分にも分からない。恥ずかしい話だが、抗がん剤治療だの放射線治療とかにもう嫌気がさして逃げ出したのだ。もう死んでもいいという覚悟で病院を抜け出した。苦しみながらも病院のそばの山へ走ってかなりの距離を動いた。

そして、気付いたらこの彼岸花畑に来ていた。無我夢中だった俺はしばらく走っていた。

もう限界って所でやっと自分がさっきの場所とは違う場所にいることに気付いた。空は澄み渡るほどの蒼い空。雲一つない。

だが、それが逆に不安感を煽る。

なにせ、辺りはただ彼岸花が大量に地面を埋め尽くしていて、青空の青と彼岸花の赤の色合いがあまりにも不気味な程綺麗で、不気味な程静かだからだ。

そう、まるで絵の中にでも入り込んだかのような....。

心地よすぎてずっといたいぐらいの気分だった。そこから10分程絵のような風景を思わず眺めてしまっていた。

我にかえって、考え直す。

こんな所、どこにあっただろうか?

いや、俺死んだのか?

360度同じ光景が広がっている。

さっきまで走っていた山もなかった。思わず口に出してしまったが「やっぱり俺は死んだのかな........」とまぁ、これが約40分の間の話。なんとか手短に説明したつもりだ。

俺は折りたたみ式の携帯を開くと親に電話をかけてみようとかけると....ツーツーという音しか聞こえなかった。改めて画面を確認すると、「ここ、電波ないのかよ。参ったな。」と言いながら立ち尽くしていた。

「............他は、何もないか。しょうがない、なんとか出口でも探してみるか」

出口を探そうと考えた俺は道なり道を進んだ。心の中で自分の身体の心配をしながら歩いた。

しばらくして歩いてると、妙に周りから視線を感じるようになった。どうやら1人みたいだ。早歩きで歩いてみると、俺を追いかけているようだ。思い切って

「誰だ!隠れないで出てこい!」って言ってみた。そうしたら、意外にも素直に出てきた。

普通の大人の人だった。

「あー、えっと。えっと........誰ですか?」

「ただの旅人さ。」

「そうですか。あの、ここから出ることは出来ますか?」「いや、それは出来ない。」

「え?冗談ですよね?」

「お前はここで死ぬ。」

何言ってんだこいつ。なんかさっきからよだれ垂らしてるぞ。

「あのー?よだれ垂れてますよ?」

「あ、すまん。つい美味しそうだから。」

「何が?」

「それはね............君だよ。」

「ん?え?!」

「ふひひ........」

旅人の中から変な怪物が這い出てきた。「........................」

思わず言葉が出なかった。

とにかく全力でその怪物から逃げた。

「待てよ〜........喰わせろよぉ。」

怪物はにやけながら猛スピードで追ってきた。こっちも全力で走ってるっていうのにもう追いつかれそうな速さだ。「来んな!怪物!」

もう追いつかれると思ったとき。一瞬だけ目の前が真っ白になった。後ろを見ると怪物がただの肉片になっていた。ふと、前に気配を感じてを見てみると青色の見たことのない系統の服(?)をしたポニーテールらしき髪型をした女が微笑みながらこっちを見ていた。

怪物が肉片になったと思いきや、目の前に人かどうか分からないけどこちらを見ながら微笑んでいた。

特徴として、この彼岸花畑の青空の如く蒼い瞳。そして、胸に架かっている十字の金色のネックレス。

なぜか左下の方にだけ矢印が象られていた。

「まさか、お前も怪物........?」

「私は違うぞ。人間よ。」

「そんなの騙されないぞ。」

「私はここに住んでる人よ。いや、住んでるって言うのか?この場合。疑うのは無理ないけど、少しは落ち着きなさい。」

「へぇ、今度はそんな冗談で来るか。」

少し後ずさりしながら言った。

「どう見てもあっちの世界の人間ね。あなたの名前は?」少しずつ女も近付いてきた。

「得体の知れない者に教える必要はないだろ?」

いつでも逃げられるように体勢をとる。

「だから、私は妖怪じゃないって!」

「なるほど、あの怪物は妖怪なのか。そしてお前も。」「いい加減人間と認めないとさっきの妖怪みたいに肉片にするわよ。」

と言って胸ぐらを掴んできた。

「分かった!分かったから!」

と言いつつ、俺は心の中で「絶対認めない」と呟いた。

すると女は俺を離して腕組みをし、にやけ始めた。

「聞こえてるわよ。絶対認めないですって?」

その言葉に驚いた。

「今、心の中で喋ったのになんで分かったんだ?」

「ふふ、心を読んだだけよ。というより顔がもうそんな感じの顔だったからね。」

と言って物凄い上から目線で見てきた。これはもう認めざるを得ないな。と思いながら女って怖いなってことを思い知った。

「じゃ、もう一度聞くわよ。名前は?」

「い、灣光璽(いりえれいじ)だ。」

「なるほど、変な名前ね。」

「うるさい。で、あんたは?」

「村雨青霞(むらさめはるか)だよ。」

「なるほど、普通の名前か。」

「別にいいじゃない。」

「ところでさ、ここ出口とかあるの?」

「あるわよ。そこら中に。」

「え?結構歩いたのに出口なんか無かったぞ?」

「光璽の目が節穴だからじゃない?」

「いきなり呼び捨てかよ。」

なぜか背を向けて「ここから出たい?」と言ってきた。「もちろん。こんな彼岸花だらけの所はうんざりだ。」とため息をついて言った。

「ふふ♪」青霞はいきなり笑った。

「............俺、なんかおかしいこと言った?」

「いや、あなたは正しい意思の方向へ行ってるわ。」

「まったく分からないぞ?出たいのは普通だろ?」

今度は指さして来た。

「ここに来るとき、あなた。死んでもいいとか自暴自棄になったりしてなかった?」

「な、なんでそれを知ってるんだ............」

「ここに来る人は大体そんな感じの人ばかりだから。で、最終的に元の世界に戻りたいって言うけども、妖怪に食われて死ぬ。ここにきて生き残れる人はあまりいない。良かったね。私に見つけてもらって。感謝しなさいよ?」

「う、うん。今頃なんだ。それ言うの。」

言われてみれば、自分は最初自暴自棄だった。そして、いつの間にかここから出たいとか考えてた。

「ここの彼岸花には意味があって、自暴自棄、自殺志願者などでここに迷い込んだ人間は不思議ともう一度生きたいとか意志が湧いてくるのよ。」

「なるほど、死にたいとかの意志を正す場所なのか。」

「うん。そんな感じよ。でも、もう元の世界には戻れない。博麗の神社に行けばなんとかなるだろうけど。」

「んじゃあ、そこに行こうぜ。」

「................私も?」

青霞は物凄く嫌な顔をした。

「そんな顔すんなよ。」

「あぁ、そういえばここから出たかったのよね。ついてきなさい。」

「おう。」

手を差し延べてきた。

「ん?」

「ほら、私と手を繋ぎなさい。置いてくわよ。」

「どうして?」

「飛んだ方が早いからよ。」

「飛ぶの?!」

「もう、遅いわね。」

と言って、無理矢理腕を掴んで重力に逆らって浮いた。

「え?本当に飛ぶの?俺、高所恐怖症なんだぁぁぁ!!」

すでに高さは20mいっていた。

光璽は怯えながらしっかりと青霞の手を握り、青霞は光璽の姿に呆れながら飛ぶことに集中していた。

「ねえ、強く握りすぎよ。痛いわ。」

「しょしょしょ、しょうがないだろ?だ、だってこここんな高い所、命綱なしなんて................」

「正直、あなたの性格の変わり具合に引くわ。もうすぐだから我慢しなさいよ?」

「早く....してくれ。」

「ていうか、なんで目つぶってるの?」

「気にすんな!」

青霞と話をしてるうちに博麗神社に着いた。

 

...........................暇があったら次書く。

正直、読むのに疲れた。




初めて書いたから、慣れてないけども勇気を出して投稿してみた。読みにくいと思います。暇があったら次書き方を変えて投稿してみます。


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十二天〜2〜


キャラ紹介をしてみようと思います。

灣光璽(いりえれいじ)
幻想郷に迷い込んだ少年。肺がん患者。

叢雨青霞(むらさめはるか)
昔から幻想郷に住み着いてる女。年は、10代後半に見えるが300年以上も幻想郷にいる。

霊夢や紫などの他に出てくるキャラは崩壊注意です。


 

 

博麗神社に着いた青霞と光璽はいきなり面倒事に巻き込まれた。

博麗の巫女。博麗霊夢は境内の周りをうろうろしていた。

「あのー。そこの貧乏巫女?何してるの?」

霊夢は鋭い目つきで睨んできた。

「貧乏で悪かったわね。ていうかあんた、なんでここにいるのよ。」

「えーと・・・」

青霞は苦笑いしていた。

「あら?そこの子は?」

霊夢は何をしていいか分からなくなって固まって見ていた光璽を発見した。

「(うわ、こっち向いた。)」

「何その嫌そうな顔。あんたは幻想入りした子よね?」

「はい、そうです。貧乏巫女さん。」

「ぶっ殺すわよ?」

「ごめんなさい。」

「ちゃんと博麗霊夢って名前があんのよ。分かった?」

「はい、霊夢さん。」

「で、あんたの名前は?」

「灣光璽です。」

「ん〜。まあ、名前は普通かな?」

光璽と霊夢が会話してるところに青霞が割り込んできた。

「あのね、貧乏巫女?光璽があっちに戻りたいらしいわよ?」

青霞が(貧乏巫女)と言った瞬間に霊夢にげんこつをくらった。

「次言ったらぶっ殺すわよ?」

「痛ぁい・・・・・・」

青霞は苦笑いしながら頭を押さえていた。

「で?光璽は外界に戻りたい。と?」

「あ、そうです。」

「う〜ん。とにかく中入りましょう。ちょっと寒いし。」

「分かりました。」

霊夢は襖を開けて、中へ招いてくれた。

青霞は・・・・・・

「ねぇねぇ、私も入っていいでしょう?」

と笑顔で霊夢に頼んでいた。

「もちろんダメに決まってるでしょ?」

霊夢はそれを笑顔で拒否した。

「いいじゃない。別に。」

「ま、いいか。入りなさい。」

 

そして中に入ったはいいが、無駄に広い気がする。畳が16、7畳ぐらいだと思われる。

電気もないようだ。

「こんなところに一人でいるのか・・・」

「宴会とかになると狭くなるわよ?」

「貧乏なのに宴会とかやる金あるんだ。」

「む。それぐらい出来る金はあるに決まってるじゃない。」

「ですよね。」

青霞は仰向けで寝転がって

「ふはぁ〜♪畳のいい匂い〜♪ 」

畳の匂いを嗅いでいた。

「(青霞、霊夢が物凄い呆れ顔で見てるよ)」

霊夢の視線も気にせず、ゴロゴロと転がっている。

「・・・・・・あら?どうしたの?」

「あー、青霞?空気読んだら?」

「・・・失礼。」

1回咳払いして、目を逸らした。どうやらやっと気づいたらしい。

「光璽。あなたはもうちょっといた方がいいかもしれない。」

「え?」

突然の霊夢の発言に振り向く。

「いや、なんかスキマのおばさんが・・・・・・」

「???おばさん・・・?」

「間違えた。お姉さんだったわ。」

なぜか笑いを堪えている。

「どっかにいるの?そのおばさんって人。 」

おばさんって言った瞬間背筋に寒気が襲ってきた。

「おばさん・・・・・・か。幻想郷に迷いし少年よ。それは私に言ってるのかな?」

ありえない所からおばさ・・・じゃなくてお姉さんが出てきた。

「うわ!体が上半身しかない!何こいつ!」

「失礼ね〜。ちゃんと全身あるわ。ほら。」

謎のスキマから出てきた。

「あ、本当だ。」

霊夢はにやけながら紹介した。

「それはね。八雲紫って言うおばさんよ・・・・・・ぷっ・・・くく」

「そんな・・・霊夢までそんなことを言うの?ひどいわ。こんなに可愛い乙女を・・・」

「(何この人。怖い。)」

光璽は胡散臭い人が自分から可愛い乙女とか言ってるのにドン引きした。

「光璽・・・・・・というのね。ふむふむ。能力もあるにはあるけどギリギリって感じね。」

「の、能力?」

「その前に永遠亭にでも行ったら?そろそろ発作起きるわよ?」

「なんで病気のこと知って・・・・・・うぐっ!!」

その瞬間に吐血し、体中ひどい痛みが襲ってきた。そして、意識を失った。

「霊夢。ほら、この子は重病なのよ。連れていかないと死ぬかもよ?それと・・・」

紫は視点を変え、青霞が隠れている所に目を向ける。

青霞は目線がこちらにきていることに気づき、びくっと反応する。

「青霞・・・・・・確かあなたはあの場所から出ちゃいけないんじゃなかったかしら?」

「いや、まぁ人間をね。あの、博麗神社にでも置いていこうか。とか言ってみちゃったり?あはは・・・・・・」

「呆れた。あなたこれで何回目?今回は許すわ。まともなことをした訳だし。」

「じゃあ、私が光璽を永遠亭まで連れていくよ。」

この状況から逃げたいとばかりにその役を受け持ち、光璽を抱えて永遠亭へ向かった。

 

「ったく。特別な理由があるから生かしてるものの。脱走癖は治らないわね。」

「でも、人間は大切にするとかのことは身についてるしいいじゃない。」

霊夢は紫と目を合わせないように正面を見て話していた。

「ねぇ、紫。なんかしでかしそうな目でこっち見ないでくれない?」

「うふ♪ごめんごめん♪」

と言って、スキマの中に入り、消えた。

 

「あ、そうだ。魔理沙とめんどくさいきのこ狩り行くの忘れてた・・・・・・」

 

 

3に続く。




まだ、慣れてないので出来ればアドバイスとかお願いします。では、また暇があったら書きます。


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