暗殺教室ともう一つの国家機密 (厨二病と妄想の不審者)
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プロローグ

書きたいものが書けてるか不安ですが、達成感があります。
では駄作の海にどうぞ〜〜


世界でテロや紛争を未然に防ごうとする組織がとある教室に行ってしまう物語

 

 

 

 

「久しぶりの国内の極秘任務ですか〜」

 

僕、丸尖り(がんとがり)はテロや紛争を未然に防ごうとする組織《レジスタンス》の日本科である。とは言っても日本ではテロや紛争が少ないからほとんどは海外に出張なんだけどね。

 

「そうだ、そして君を指名した長期間の依頼だ、詳しいことは知らされてないから外にいる防衛省の烏間という男に聞け。拒否権はないらしい」

「うぇ〜めちゃくちゃ面倒くさそうな依頼じゃないですか〜違う人に回して下さいよ〜まだ事務仕事とか残ってるんですから…」

「無理だ。拒否権はないと言っただろう?それにちゃんとした経路から来た国の依頼だ…事務関係は他のやつに回しておく」

「……はぁ〜わかりました…行ってきま〜す」

 

そう言いながら建物の外に向かう。だが少し違和感がある僕より優秀な人材は沢山いるのになんで僕を指名なんだろうと少し警戒しながら向かい、建物から出ると近くには20代後半と思われる人がいた。

 

「あの人っぽいな」

 

とその人に近づいて行くとその人も気づきこちらに近づいて来た

 

「君が丸尖り君だな、依頼の話は車内でするから入ってくれ」

 

まあ、ここで極秘任務の話なんてできないよなと思いながらも一様警戒して車内に乗り込む。

 

「まずは来てくれてありがとう。俺は防衛省の烏間だ」

「はい、僕はレジスタンスの日本科、丸尖りです。」

「ふむ、やはり若いな」

 

何を言ってるんだ?貴方も十分若いだろう

 

「まあいい、依頼の話をしよう」

 

何を言われてもいいように覚悟を決めておこう

 

「まずは1目はある中学に行ってもらい、そこにいる地球を破壊する生物を暗殺してほしい」

 

………頭をフル回転させる。地球を破壊する生物ってなんだ?!しかも暗殺?僕の得意分野でもないし何故?本当にそんな生物いるのか?いや最近月が7割消失したことと何か関係があるのか?

 

「月が7割消えたことと何か関係があるんですか?」

「ああ、その犯人がそいつで来年3月に地球を破壊すると言っている」

 

そう言って写真を見せてきた。そこに写っているのは2mほどの高さのあるクラゲのような生物が写っていた。

 

「軍や特務部は動いてないんですか?」

「動きたいが、動けばやつは地球を爆発させる日までマッハ20で逃げると脅されているんだ」

 

マッハ20って凄いな〜だけど…

 

「そんな奴どうやって暗殺するんですか?」

「それは奴が逃げ回らないことを条件に教師をすること提示したためだ。そこの生徒達にも暗殺を協力してもらっている」

 

マッハ20の生物が教師?そして生徒が暗殺って…

 

「生徒に危険はないんですか?」

「問題ない奴との契約で生徒に危害を加えたら教師を辞めさせる契約を交わしてる」

「地球を破壊するような奴が約束を守りますか?」

「今のところそのようなことはない、教師をする理由は分からないが教師を続けたいためそのような予兆はない」

「何故レジスタンスの僕なんでしょう?他にも優秀な人材は沢山いるはず」

「それは暗殺者を雇っていたのだが、ことごとく失敗している。そのため暗殺者がダメなら日頃から銃を使っているレジスタンスを来てもらうとしたんだ。」

「そして2つ目の依頼が、ターゲットを暗殺しようとする奴に生徒を巻き込み、危害を加える暗殺者から生徒を護るのが君の主な依頼だ、それにより生徒と比較的年齢が近く実績の優秀な君を推薦するように上から命令がきたんだ」

「なるほどわかりました。では達成報酬と詳しい任務場所などを教えて下さい。」

「暗殺場所は椚ヶ丘中学校3年E組。報酬は生徒の護衛に1億。暗殺達成で100億を用意している。生活場所や生活費についてもこちらで用意する」

 

100億って…国家の危機であり地球の危機ではあるが思い切ったな〜そして椚ヶ丘中学校って名門だけど当たりと外れが激しいって聞いたことがあるな〜でもそんなところに行くってテストや勉強面はどうしよう〜情報は取り入れるようにはしてるけど勉強方面はそんなにだから不安だな〜任務で留年とか笑い話にもならないよ〜…不安だな…

 

「学業に関してはターゲットが教えるから問題ないだろう」

「奴の教師としても実力はどれほどですか」

「俺が知る限り奴よりいい教師はいない」

 

なんか褒めてるよりかは事実を言っている感じだな〜まあ信じてみるか

と考えてると烏間さんが緑のゴムのような物を取り出した

 

「奴には実弾などの兵器は効かないがこの物質を使えば奴に効く。生徒にはこれが使われている。今は手元にはないがこれだけしかないが好きに使いたまえ、1週間後に迎えに来るため準備などは済ませてくれ」

「了解です。帯銃やナイフの所持などは大丈夫ですか?」

「ああ要人警護となっているため帯銃などの許可が出た。しかし生徒は防弾服などを着ていないので無闇に撃たないでくれ」

「はい、もちろんです」

「では1週間後に迎えに来る」

 

そこで烏間さんと別れた。椚ヶ丘中学校は優秀な生徒を出しているが、一定数無能や社会不適合者なども出している。しかもほぼ毎年一定数あまり気に留めていなかったためそこまで知らなかったが、自分の任務先だ流石に調べておこう。

 

 




初めての投稿なので緊張しました〜!
今後ともよろしくお願いします‼︎
では誤字探索に行ってきまーす。


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転入の時間

物語の時間軸は修学旅行の少し前です。
理由は自分はそっから好きだからです‼︎
ではどうぞ〜


依頼を受けてから色々準備して1週間後、僕は烏間さんに連れてられて自分の今後の拠点となる、あるマンションに着いて今その部屋にいる。烏間さんは、自分の受け持っている教科の授業があるらしく、僕をこの部屋に送るとすぐに学校に行った。あの人防衛省の仕事もあるだろうに生徒の授業までやっているのか…なんだか社畜的に親近感が湧きそうである。僕の登校は明日らしい。今日かと思ってて緊張して損した。

 

「よし、まずは安全面の確認かな」

 

烏間さんを警戒したくないが一応国の人だ。

煩わしいレジスタンスを消そうと消した後の事も考えずに行動を起こした馬鹿の罠かもしれない。

それに、いち早くレジスタンスの情報を得た暗殺者が自分の情報を得るために盗聴器やらを仕掛けてくる可能性がある。

最悪部屋に潜んでいる可能性があるため一応所持しているチーター※【作者には銃の知識がないので、何か質問されたり、難しそうな提案をしてもほぼ100%答えられません。】を構えて念入りに部屋を探索する。部屋は2〜3人は暮らせそうな広さで、家具や家電が揃っており、壁には防音仕様されている。おそらく金の出所は税金だろう、国家の危機で感覚が狂ったか?まあ使えるものは使うしかないので有り難く使わせて貰おう。結果的に盗聴器類や暗殺者らしいものはいなかったので、ひとまず安全だ。

 

「椚ヶ丘中学校の情報を確認しておこう」

 

パソコンカチカチしてフォルダを開く。

・学力でクラスが分けられて、今回行くE組は2年3学期から始まる特別強化クラスで落ちこぼれや素行不良者を集めている。

・E組のみ本校舎から1km離れた旧校舎にて劣悪な環境で授業が行われている、また本校舎組から教師生徒問わずE組への嫌がらせやいじめなどが堂々と行われており、通常エンドのE組と呼ばれている。意外と名前のセンスがいいのかもしれない

・この環境の差は物理・心理的な差別により本校舎側の学力向上を促している

・そして現在、烏間唯臣、最近では外国人教師としてイリーナ・イェラビッチが雇用されている。そしてここに黄色いクラゲがいるのであろう

 

「うーん、やっぱり暗殺者か軍人の人だよな〜」

 

烏間さんは国の人だが、このイリーナ・イェラビッチはどんな人か知らない。仲間になるんだし調べずに交流を深めようと考えてたからである。僕はこの選択を後で酷く後悔することを今の僕は知らない…

 

「よし、明日のためにもう寝るか」

 

 

 

起床後、早めに椚ヶ丘中学校の理事長に挨拶に行っている。

 

「失礼します。レジスタンス日本科副指揮官の丸尖りです。よろしくお願いします」

「初めまして尖り君、ようこそ椚ヶ丘中学校へ」

 

目の前にいるのが理事長の浅野學峯。笑みを浮かべてこちらを見透かそうとしている視線を感じる。別に初対面なんだから仲良くしようよ

 

「E組に行く目的も知ってる。少し前に中間テストは終わってるため、期末テストを楽しみにしてるよ。じゃあ私の生徒をよろしく頼むね」

「ええ、もちろん」

 

と空っぽな言葉を貰い、本校舎での発砲禁止などを言い渡された。

その後僕はE組に向かおうとするが、

 

「見せしめとはいえ本校舎か1kmとか酷すぎるだろ…」

 

とテンションがさらに下がって旧校舎に向かって行く。

 

「旧校舎ということはここを昔教室として使っていたということだよね…立地が悪すぎる…」

 

と愚痴をこぼしつつ山に登って行くと校舎が見えてきた。

 

「硝煙の臭いがしたため、念のため見にきましたが新しい転入生でしたか」

 

横から声がしたため振り向くとターゲットのクラゲがいた。

いつの間にいたんだこいつ…てか人の臭いを嗅がないで欲しい。

 

「国から依頼されて来ました、レジスタンスの丸尖りです。」

「レジスタンス…なるほど、なるほど〜、殺し屋がダメなら次はレジスタンスですが。私のことは殺せんせーと呼んでください。

せいぜい殺せるといいですね〜」

 

なんでこいつは国家機密であるレジスタンスを知っているんだろう?情報管理ちゃんとして欲しい。

そして、こいつは僕のことを嘗めているな。

なんだその縞模様は余計腹立つ。

今日は見透かそうとする奴と初対面で人を嘗める奴、ロクな奴に合わない…

 

「ははは、頑張りますね〜でも主な任務は護衛なので、あんまり暗殺に参加出来ないかもしれませんね」

「そうですか…」

 

なんで少し落ち込んでるんだろ?と思ってると始業のチャイムが鳴る

 

「では職員室に行きますので殺せんせーは先に教室に行って下さい」

「はい、わかりました。気をつけて来てくださいね」

 

といい猛スピードで校舎に行き、僕はさっさと職員室に向かった

 

「おはようございます烏間さん」

「ああ、おはよう尖り君」

「さて君のレジスタンスとしての身分は生徒に公開してもいい、とのことだ」

「は⁉︎一応国家機密ですよ⁉︎」

「国として生徒の護衛するにあって隠し事をしていては生徒の側にいることは困難だろと言う事と国家機密の一つや二つ増えたところで別に問題ないという事だ」

 

何を考えているんだ…

 

「生徒を護衛する旨を生徒に知らせなくてもいいでしょう」

「何故だ」

「これ以上生徒に不必要に情報の秘匿の負担を背負わせる事はないでしょう」

「レジスタンスの活動目的などいいですが、自分たちが何故護衛されなきゃいけないのかを知らせて下手に不安を煽り、今後の暗殺に支障が出る可能性があるからです」

 

ただの中学生に超生物の秘匿に暗殺、そんなことを親にも秘密にし続けなくてはならない。そんな事必ず後の精神的負担になってくるはず…

 

「…わかった政府には上手く伝えておこう」

「はい、ありがとうございます」

 

といい少し不機嫌になりながら職員室に出て教室に向かおうとする

 

『何故政府は一介の中学生に国家機密を下手に公開を促したのだろう…なんのメリットもないはず、それどころか思春期の彼らは今、国家機密の情報を守らなきゃいけないのに、自分がいつ暗殺に利用され傷つき最悪の場合死んでしまう可能性に気づかせて、下手に不安を煽ろうとしたのだろう…』など考えながら教室の前に来てまった。

 

「転入生が当然機嫌が悪そうだったら、嫌だよな…」

「よし!」

 

気持ちを切り替えて、教室に入る

 

「お、来ましたね。ではさっそく皆さんに自己紹介してください」

「はい、レジスタンス日本科の副指揮官、丸尖りです。」

 

これから僕の初めの学校生活が始まる…

僕はどのくらい楽しめるものなのかな…

 

 




そのまま進めるか、少し戻ってE組の様子を書くか迷ってます。感情の赴くままに書くって楽しいですね。読む専だったんでわからなかったのですが、この調子なら続けてられそうです。ここまで呼んでもらえてありがとうございました〜

追加
少し主人公のキャラがブレた気がしたので少し変えました。
そしてデザートイーグルは暗殺に向かない銃を知って変えました。


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自己紹介+日常の時間

前回の話は物語の流れ上、銃の種類と後半の烏間先生の会話を変えました。なんか主人公のキャラがブレちゃったなーと思ったのも理由です。おそらくそれを読んでないと少し混乱してしまう可能性かあるのでよかったら前回の話を読んでから読むことをお勧めします。僕の文才不足です本当にすみませんでした。
そして尖り君が教室に来る少し前から始めます。[]←はその人が語ってる感じです


[渚]

 

今日転校生が来るらしいので、みんな朝からソワソワしている。

 

「今日から来る転校生、可愛い女の子かな〜」

「俺は可愛かったら放課後誘おうかな〜」

 

岡島君と前原君は相変わらずだね…

 

「やっぱり、殺し屋かな〜」

 

性別はともかくこんなタイミングで来る転校生だ、普通の人じゃないはず…

 

「どうやらレジスタンスって言うらしいぜ」

 

事前に知っていた杉野が答えてくれた。

 

「レジスタンス?」

 

僕含めクラスの全員が知らないみたいだ

 

「レジスタンスって言うくらいだから、革命とか起こす所なのかも」

「でも革命を起こす人がこの教室にすることないでしょう?」

「んー…」

 

全くわからないけどそれは転校生が来てから聞けばいいかな?

と思ってると始業のチャイムが鳴り殺せんせーが入ってくる

 

「みなさん、おはようございます。知ってると思いますが今日は転校生が来ます。でも職員室で用事があるみたいなので今日は出席の前にホームルームを始めます」

 

と言ってホームを始めて少し経つと扉が開き1人の男の子がやってきた

 

「お、来ましたね。ではさっそく皆さんに自己紹介をしてください」

「はい、レジスタンスの日本科副指揮官丸尖りです。」

「みなさん約1年間よろしくお願いします」

 

そう言って軽く礼をしたこの人は銀髪以外は至って普通で凄腕の殺し屋みたいな雰囲気とかはなかった…

 

「思ったより普通の人きた…」

「めちゃくちゃ強い雰囲気の人とかだと思ってたなぁ」

「「なんだ男か」」

 

前原君と岡島君はもう興味をなくしたみたいだけど、だいたいみんなの印象はおそらく同じで、拍子抜けしている。

 

「では自分は自己紹介とか苦手なので、皆さん何か質問はありますか」

 

と礼儀正しく言った

 

「じゃあレジスタンスってなんですか?」

「レジスタンスは紛争やテロを未然に防ごうとする組織だよ。まあほとんどは起きちゃうからその対応だね」

 

僕の質問にしっかり答えてくれたが、テロや紛争のあたりで何人かは驚いた顔で見ていた、多分僕も驚いている。

 

「丸尖り君ってさ〜どんくらい強いの〜」

 

ってカルマ君が対殺せんせーナイフを投げながら言ったが、危なげなく尖り君はキャッチして…

 

「いきなり投げてくるなんて危ないだろ、そして僕はそんなに強くないよ」

「え〜でも今ちゃんとキャッチしたじゃん〜」

「今のだって動きが視界に入っていれば簡単だし、それに僕は仲間が居ないと何にもできないよ?」

「え〜じゃあなんで来たの〜」 

「それはレジスタンスに君たちと年齢が近い人がいなかったからだよ」

「ふ〜ん、まあ今はそれでいいやよろしくね」

「うん、よろしく」

 

少し他人行儀ぽいけど、あらかた自己紹介が終わり

 

「では尖り君。これ以降の暗殺は授業中以外なら、いつでも受け付けていますので。先生も手入れする気満々ですから、ヌルフフフフ」

「ええ、わかりました。お手柔らかにお願いしますね」

「はい、それではあちらの席でいいですか?黒板が見えにくいなど不都合がなければ交換しますが」

「了解です、問題ないです。あそこのままで大丈夫ですよ」

 

といい尖り君は自分の席に向かった…

 

※※※※※

[尖り]

 

自分の席に向かい横のナイフを投げて来た男の子に向かい

 

「ほら、ナイフ返すよ、えっと…」

「赤羽業だよ。よろしく、丸君」

「赤羽君。これからもよろしく」

「堅苦しくしなくでカルマでいいよ」

「そうなの?、じゃあカルマ君、僕も下の名前で気軽に呼んでくれると嬉しいな」

 

最初の印象からまたやばい奴かと思ったが、そこまでではないかもしれない。だかこの子なんか怖い気がする…まあ今日会った中で1番まともかもしれない

 

「もしかして尖り君ってさ、さっきの他にあのタコ殺させそうな必殺技とか持ってるの?」

「いいや、僕には何か特別な能力とかはないよ」

「そーなんだ。意外と普通だね〜」

 

まあ普通なのは認めよう

 

「それでは出欠をとります。呼ばれた人から元気に返事をして下さい」

 

殺せんせーの呼び方と同時にクラスの雰囲気が変わる、まるで緊張に渦巻いた不思議な空間だ。この変わり様に少し警戒してしまう

 

「起立!」

「あ、尖り君は今回は見学でいいですよ。目にBB弾が入らない様に気をつけてくださいね」

「は、はい」

「気をつけ‼︎」

 

なるほどこの子たちは

 

「れーーーい‼︎」

 

たった数ヶ月でこの異常な環境に対応しているんだ…落ちこぼれと揶揄されているがこの子たちはちゃんと強く生きているだ、この一瞬でも伝わってくるって考えてるけど、BB弾が当たってむず痒い肌が露出しているところとかは意外と痛い。

そして現状を確認してみると26対1で擦りもせず殺せんせーは避けている。

マッハ20っていうのは伊達ではないなでもソニックブームが出ていないことからしてスピードを調節しながら避けているっていうことか、やっぱり凄まじいな

 

「丸尖り君!」

「は、はい!」

 

 

※※※※※

[尖り]

 

時間は過ぎ授業を受けてみたが…想像以上だった…

 

「3時間目が終わりましたが、授業を終えてみてどうですか尖り君。暗殺に関しては参加してないんでわかりませんでしたが、勉強の方はノートを取るのに必死でしたね」

「はい、正直少しだけ嘗めていたかもしれません。でも殺せんせーの授業はわかりやすくて助かります。流石は人間離れしたハイスペックですね」

「そんなに褒めて頂けるとは!嬉しいですね〜」

「ははは、下の名前で読んでくれてありがとうございます、苗字で呼ばれることに慣れてなくて… そしてさっきの質問の答えですが、これで落ちこぼれって日本の殆どが落ちこぼれになっちゃうって感じでした。全く追いつきそうにありません」

「やはりそうですか…」

 

今のは謙遜などではなく率直な感想である。勉強に関してはかなり遅れ(ブランク)が出ている。

レジスタンス(こっち)では一般教養以外は戦闘・生き残る為のモノだったからだろう

 

「だからって簡単に勝ちを譲らせるほど僕は優しくないです。

泥臭く足掻いてみせましょうか」

「ほほぉ〜それは大きく出ましたね〜いい意気込みです‼︎〜それでは時間がある時に先生と勉強会などをしましょうか」

「おお、本当ですか!ありがとうございます、独学だと流石にキツイと思ってました」

 

よかった…こんなデカいことをって留年とか最悪だからね…この人と勉強したら流石に単位は取れるはず…

 

「それではこの件については後で連絡してくださいね」

「はい、よろしくお願いします‼︎」

「はい、ところで、次は体育は校庭で行いますから出来るだけ急いでくださいね。あと1分半で始まりますよ」

 

体操服には着替えていたが下駄箱で運動靴に履き替えて、校庭で整列すると考えるとかなり時間がない

 

「わかりました。それでは行ってきます。」

「ええ、どうぞE組の体育を楽しんでくださいね」

 

ペタペタと足音を立ててその場を後にした。

ナイフ投げてみたくなるがどうせ避けられるからやめておこう…

なんだか隙だらけの様だけど、この人はかなり強くそして優しい、接していて安心してしまう。そんな先生だ。不意にこの人を生徒は殺さなくてはならないのか…と考えてしまう。今日の三時間だけだが見ていてもちゃんとこの人と生徒とは絆ができている、そんな状態なのに暗殺をなくてはならない生徒を心配してしまった。この考えを持っていてはみんなとの暗殺に支障をきたしてしまう。頭を振ってこの考えを一旦追い出して僕は校庭に向かう

 

 

※※※※※

 

[尖り]

 

体育をしていてわかったことがある。それはエアガンと実銃とは全く違うと言うことである。本格的なハンドガンのだが、やっぱり本物とは重みも反動も違う。その違いで少しブレてしまっている。これは早急になんとかしなくては…

そして次はナイフ授業で何をするのかと言うと…

 

「次、尖り。手段は問わない。俺にナイフを当ててくれ」

「はい、わかりました」

「尖り君、見た感じ普通だけど戦闘になったら、雰囲気変わったりしてね」

「不破さん、それは漫画の読みすぎじゃない?」

「でも朝カルマ君のナイフ受け止めてたよね?」

「どうなんだろう?」

 

そんな話が聞こえてくるが集中しよう。相手は空挺部隊の精鋭だ、僕なんか全力でやらないと立ち打ちできないはずと考え、烏間先生のことを観る

 

「ではいきます」

「来い」

 

今回はお互いを認識している不意打ちなどはできない、ならどうすると考えながら早歩きで烏間先生に近づき、右手のナイフで攻撃しようとする、当然左腕を使って防御しようとするから、手を引っ込めながらしゃがみ足払いをしようとすると烏間先生は後ろに下がりながら跳躍する、それを追いかける様に接近してナイフを向けるが身体を掴まれそうになり、身体を捻らせて回避、だが甘くない、今度は烏間先生が足払いをするが、バク転で回避、その様な感じに攻撃を仕掛けようとしつつ回避を続ける、しかし烏間先生はかわし続けるが流石に余裕がなくなってくる頃だろう、間合いを維持してるようにみせて、悟られないように距離を縮める

 

「やっぱ、強いんだな」

「体全体を使って攻撃してる。暗殺者なくて戦闘みたいな読み合いしてる」

 

少し深めに踏み込み攻撃をして、それを避けるために烏間先生はバックステップを入れようとするがフェイントで蹴りを入れる、それを烏間先生が正面から受けるつもりだが蹴りを踏みにして瞬時に近づき右手のナイフで攻撃するが、烏間先生は防御しようする流石すぎる普通ならここで終わりなはずだ、だかそんなことわかっている、右手のナイフを左手に投げて、左手で取り、やっと右の脇腹に当てれた。

 

「おおお‼︎」

「これは…」

「すげー‼︎尖りがナイフ当てれたぞ‼︎」

 

しっかりと服にナイフが当たって刃の部分が曲がっていた。

 

「あ"〜頭蒸発しそう〜少し休んでいいですか?」

「ああ、少し休んでいるといい」

 

その場で座ってしまい、その言葉を聞き近くの日陰で休んでいた

 

※※※※※

そのあと何人かのクラスメートに話しかけられて仲良くなり、昼休みに一緒に昼食を食べることになり、昼休みになった。今一緒にいるのは杉野、渚、茅野さんの3人

 

「体育のときの、あの動きってどうやってるんだ?」

「うん、バク転までしゃって」

「日々の練習と経験かな?」

「でも僕の教官には、あと最低5通りの手段がない状態での勝利は勝ちではなく負けと思えって言われたよ」

「あの最後の投げ渡しがはたき落とされたり、左手の攻撃が防御されたらもう僕の負けだったよ」

「うあ〜その人厳しそうだね」

「うん、あれはもう二度ごめんだね」

「でもさ尖り君って副指揮官なんでしょう?なんでそんなに戦闘技術高めてるの?」

「まあ僕より強い人なんて沢山いるけど、指揮官が強くて護衛が要らなかったら、その分の人材を他に回せるでしょう?」

「なんか少しストイックな人みたいだね」

「そんなことはないよ、時間に余裕があれば娯楽やゲームとかもするよ」

「へ〜意外だな〜尖りって仕事人って印象あったんだけど」

「ははは、仕事なんて大っ嫌いだよ、ずっと遊んでいたいね」

「でもそれでその際で苦労する人がいるなら出来るだけ仕事はするよ」

「なんか優しいんだね」

「うむ、もっと褒めるんだ。僕は褒めて伸びるタイプだからね」

「あははは、なんかむかつくな〜」

 

烏間先生との戦闘により結構人が集まってきている。みんな明るく楽しく過ごしている。僕の想像ではもっと劣等感に溢れ、どんよりとした雰囲気を想像していた。でもそんなことはなくみんな前を向いて先に進んでいるようだった。

 

「ん?どうしたの周りを見回して」

「いや、少し考え事してただけだよ」

「尖り〜なんか可愛い子でも探してたのかよ〜」

「いやいや初日で探す人なんていないでしょ」

「じゃあ明日からするんだね〜」

「揚げ足取るなよ〜しないよそんなこと〜」

 

なんかこのクラスの人たちとはもっと仲良くなりたいし、よく知りたいと思ってしまう。

この初めての学校生活楽しく過ごしてみたいな

 

 

 

 




なんか書いてみて人との話しが多くなったと思いますが、頑張って読んでください何でもはしませんから。
おそらく次は修学旅行に入ると思います。
尖り君かなり超人ですけどレジスタンスってことで許してください。
あとレジスタンスのメンバーや教官の名前とか何にするか、どんなキャラにするが結構悩んでます。
最後まで読んでもらえてありがとうございました。


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修学旅行の時間

おそらく500人の方に読んでもらっているらしく、お気に入りが6件になりましたー‼︎ありがとうございます‼︎
趣味の投稿なので10人ぐらいに読んでもらえればよかったので驚きです‼︎
ヒロイン未定になっていますが、ただ簡単にわかったら悔しいと言う意地です。
推しはいるので出番の機会があれば露骨に登場させると思うのですぐわかると思います。

追記:ヒロイン未定の設定を完全に無視していたので書きました


[尖り]

 

「来週、修学旅行あるから班決まったら学級委員の私か磯貝君に報告してね」

「うん…」

 

修学旅行は京都に行くらしく、そこでも暗殺を行う為殺せんせーを誘導させるのが僕たちの仕事らしい。だがみんなとは仲良くなれそうだけどいきなり他のグループに入るって不安だから、割といつもいる杉野達に話しかけよう

 

「ねぇ?、よかったら杉野達の班に入らせてくれないかな?」

「ああ!もちろん今誘おうと思ってたぜ」

 

よかった〜これで断られたら僕はもう打つ手がなかったからめっちゃ緊張した〜

 

「ありがとう、メンバーはここにいるメンバー?」

「おう、俺、渚、茅野、カルマ、奥田さんに……」

「に?」

「クラスのマドンナ、神崎さん‼︎」

「お〜いい面子だね〜より楽しくなりそう」

 

かなりテンションが上がり、手元にあった修学旅行向けのガイドブックを取り出す。付箋や折り目が付いていることから、かなり僕は浮かれてるのだろう

 

「よし、尖りも入ったし早速どこ回るか決めようよ!」

 

茅野さんの一言で一気にプラン立てが始まった。暗殺も関わってるので逃げ道が少なかったりするところがいいらしい

 

「こことかいいんじゃない!」

「いいね、そこだったからここのお店が近いからついでに行こうよ」

 

茅野さんの一言からどんどん全体の観光暗殺コースの計画が決まっていく中、突然教室のドアが開き殺せんせーが一人一人に辞書の様な本を配っていく。修学旅行でも勉強しろってことかな?

 

「一人一冊です」

「ん?」

「修学旅行のしおりです」

 

クラスのみんなツッコミを入れていく。こんな分厚いしおりがあるかと叫んでいる。まあ折角の情報提供だ目を通しておこう

 

「ほー、有名どころしか知らなかったけど、こんなに良さそうな観光スポットがあるんだ。結構面白い」

「尖り…なんでそんなに熱心に読めるんだ…」

「あれは熱心というかバカ正直って感じが良さそうだけどね」

 

カルマ君が軽くおちょくって来るが、情報はあればあるだけいいと言いたいところだが今は情報収集が優先だ、集めれば集まるほど質が高まってくるしと思いながら読み進めてくると時間が気になって時計を見ようとしたら、何故か杉野が真剣に読んでいる…心境の変化かな?

 

「渚君…杉野どうしたの何かあった?」

「ん〜恋する者っていうか、男は単純というか〜」

 

渚君の言葉が理解できなかったが、殺せんせーのおかげでより良い修学旅行になる気がする

 

 

※※※※※

 

[尖り]

 

着替えの衣服などやその他の携帯でから生活必需品をスーツケースに詰めるが少し迷った…

 

「どっちにするか…」

 

手元に置いてあるチーターを持っていくことは確定なのだが常に持ち歩くかスーツケースに入れるか迷っていた。元々暗殺者が暗殺に来るから警戒して持っていくが、こちらの班は2日目だ1日目はないから所持しておくべきかと考える。

 

この前烏間先生の会話を思い出す…『発砲許可が下りるのは、暗殺者又はテロリストなどが生徒を危険に巻き込んだ手段をとった場合のみだ他に使いたい時があれば俺に言ってくれ』

 

「2日目だからって1日目何もしてこない確証はないか…」

 

と思い妥協案に新幹線の中ではスーツケースでそのあとは所持しようと決めた

 

※※※※※

 

[尖り]

 

爽やかな日、はしゃぎ騒ぐ生徒たち、そしていつものE組差別。初めて目の当たりにするけど、かなり程度が低く質が悪いと思う、そんなんじゃ自分を満足させられないだろうと考えながら生徒に近づきそうな暗殺者らしき人がいないか警戒する。E組だけグリーン車ではなくB組の生徒と先生がマウント取ってくるが、旅行はどれだけ楽しんだかで金額が全てではないだろうに…

 

 

新幹線に乗ってからトランプやUNOなどして遊んでいる

 

「はあ〜少し休憩するか〜」

「じゃあ私飲み物買ってくるね」

「私もいく〜」

「ちょっとあそこでミイラになってるビッチ先生と遊んでくる〜」

「いってらっしゃい〜」

 

何故ビッチ先生と言っているのかというと、最初の授業のときイェラビッチ先生と呼び。油断してディープキスをくらい、脳がシャットダウンしたからである。そのせいでレジスタンスなのに経験ないと言われたがしょうがない、そんな時間はなかったのだから。その際でビッチ先生と呼び、少し苦手意識を持っていたが、ある事がきっかけで少し見直しつつある

 

「ビッチ先生、気合の入った服脱がされて落ち込むのはわからないでもないですが、僕とトランプのスピードで遊びませんか」

 

落ち込んでいるビッチ先生が復活し、いつもの高飛車な態度に戻っていた

 

「スピード?言っとくけど私強いわよ?大人のスピードを見せて圧倒的な差を見せてあげるわ」

「いいでしょう、では負けた方が飲み物一本奢りで」

「私りんごジュース!」

「ほう、勝ち宣言ですか」

「私がアンタみたいなひよっ子に負けるわけないじゃない。ほら、さっさっとやるわよ」

 

とトランプを配りジュースをかけたスピードが始まった。それからおそらく最後の台札変えで、少しの差で勝てた

 

「アンタ凄いわね手も速いし、もしかして私の手札も把握してたでしょう?」

「はい21枚のカードなら覚えられますが、それをしないと勝てませんでした。」

「お前すげーじゃん‼︎」

「ほとんど目で追えなかったは…」

 

配り始めから見ていた杉野は仰天し、横の席にいた速水さんは驚いている。いや〜やっぱり勝つって最高だな〜

 

「尖り…なんかかなり満足げだな〜」

「だってビッチ先生凄く強くて、何度か負けそうになったもん」

「まじか…全然わからんかったは」

「やっぱりビッチ先生って強いんだね」

「ふふふーあったりまえじゃない、この私をなんだど思ってるのよ〜」

「ビッチ」

「幼稚」

「変態」

 

「あ"ーーんもうアンタ達もやるわよ‼︎ボッコボッコにしてやるは」

「ちゃんとジュース奢って下さいよ」

「わかってるわよ、はい」

 

僕はお金を渡されて自販機に行きちゃんと1番高いものを買っておいた、今はビッチ先生がみんなと勝負して楽しそうにいている。京都に着くまでしばらくやっていたが僕は脳の疲労で少し寝ることにした

 

 

※※※※※

[尖り]

 

「写真どうり凄い景色っすね〜京都。異世界に来たみたい」

「早く抹茶わらび餅食べたーい」

「僕も食べいなあ〜」

「ではそれに毒を盛ってはどうでしょう?」

「あーナルホドね〜。それもありかな?それだったら臭いとか味に相当気をつけなきゃだね」

「うん、名物毒殺か〜」

「問題は殺せんせーに効く毒があるかだけど…最悪対殺せんせー弾を粉末にして混入されるとかだけど、どうかな?」

「勿体無いよそんなの!美味しいものはちゃんと美味しく食べようよ〜‼︎」

 

などとノリの暗殺プランに茅野さんが大切なわらび餅持ちが汚されるのを阻止するために全身を使って反対している

 

「でも修学旅行の時ぐらい暗殺のことを忘れたかったな〜」

 

杉野は京都の美しい景色に魅了されているのか、すっかりバカンス気分。まあ確かにこの子達は普段から勉強と暗殺を両立ようと努力している、今日ぐらいは暗殺のことを忘れて楽しんで欲しい。でももう暗殺者を雇っているし後には引けないからどうしようもないのだけど…

 

「でも実際、京都は暗殺の名所なんだよ。坂本龍馬とか織田信長とか。世界を動かすビッグネームがここで殺されてる」

 

渚の言うとうり何十カ所も暗殺の跡地が存在するし、もしかしたらレジスタンスの暗殺場所になったらやだなー絶対僕第一号じゃんなどと考えながら進み続ける…

 

 

※※※※※

 

[尖り]

休憩したり、神社で写真を撮ったりを繰り返し、神崎さんの提案した暗殺スポットの裏通りに入った頃だった。空気がひんやりしていて不気味なところだ。

 

「暗くて人通りの少ない…確かにここならスナイパーさんも便利そうだね。さっすが神崎さんだ。完璧だよここ」

「じゃあここにしようか‼︎」

 

僕はここの雰囲気が苦手だったから反対したかったけど、他にいいところがないからどうしようもない。どうしよう…と考えながら全体の構造を把握して後は通り抜けるだけ。だが不意に少し大柄の制服の男達が現れる

 

「完璧だわお前ら…なーんでこんなに時間通りに来てくれるんだろうなぁ?」

 

誰だ?しかもこちらの行動を把握してある…どっから漏れた?いや神崎さんがメモ帳を落としたの言っていた…それを拾ったってことか?だか今はそんなこと関係ない。それよりも…

 

「野郎に興味はねえんだよ。女を置いてさっさと…グェっ!」

 

顔面を地面に強打され大柄の男は動かなくなった

 

「カルマ君、やり過ぎるなよ?」

「わかってるって〜ちゃんとしとくよ〜」

「ならいいけど」

 

カルマ君が先手を皮切りに襲いかかる不良たち。僕も重症を負わせないように撃破していく。

 

「やっぱやるね〜尖り君」

「褒めることじゃない」

「やめて!」

「離してよ!」

 

まずい後ろの警戒を怠った。その隙に杉野と渚はダウンさせられ、カルマ君の後ろにも不良が来て

 

「カルマ君‼︎」

 

とカルマ君の腕を引っ張り身代わりになったが、流石にその隙を逃さなかった不良はうなじのあたりを強打して。僕は倒れたがまだ意識はあった、カルマ君も数の暴力に屈してしまった。

 

「車を出せ‼︎」

 

落ちそうになりになる意識でちゃんと車の出る方向を確認して意識が落ちてしまった。

 

 

※※※※※

 

[尖り]

 

いち早く意識を取り戻して、慌てる奥田さんを見つける。よかった隠れてたんだね、正しい判断だ。

 

「奥田さん!今すぐ殺せんせーと烏間先生、ビッチ先生に報告!そしてみんなが起きたら今すぐここから離れて‼︎」

「はい!復唱‼︎」

「は、はい。殺せんせーと烏間先生、ビッチ先生に連絡してそれからそれから…」

「うん、落ち着いて、それからみんなが起きたら今すぐここから離れることいいね」

「はい」

「頼んだよ。行ってくる」

 

といい走って車行った方向を追いかけ、幸い今は人通りが少ないから、かなりのスピードで走ったらしくゴミや砂などが少し飛ばされているから道は今のところわかる…けど

 

「あ…もうここから人通りの多い交差点流石にわからないどうする、闇雲に探して時間をロスして彼女達に危険が…」

「ひとまずこの重いリュックを……重い?」

 

そんなに入っていないはず……あ!殺せんせーのしおり‼︎そういえば生徒が誘拐された時の対処法とか書いてあったはず!僕はしおりを取り出して潜伏区域を調べ

 

「よし先に2カ所あるけどもう一つは2つ人通りの多い道がある。運転してるのもそうだが、なるべく見つかりたくないはずだから…」

 

走って行き……ここか…来てみたら見張りのような人がいるさっきのやつらと同じ制服だ。あたりだな。見張りに気づかれないように近づき、締めて気絶させる…

 

 

※※※※※

 

[渚]

 

「ん……」

「起きたか!渚‼︎」

「うん大丈夫、まわりも大した怪我はしてないみたいだね」

 

身体を確認しながら残った班員を確認すると…

 

「あれ?尖り君は?」

「尖りのやつならいち早く意識を戻して、奥田さんに指示した後に、あいつらを追ったらしい」

 

本当に凄いな、烏間先生との戦闘で分かっていたけど…でも

 

「でも俺たちも連れて行って欲しかったけどな…」

「いや、仕方ないよ.あいつら相当犯罪慣れしてるし、時間かけてたら危険だって判断したんでしょ」

 

とかなりキレながらカルマ君が答えたけど、少し申し訳なさそうにしていた

 

「尖り君は俺を庇って気絶させられた、おそらく俺を見捨てればあの場は解決していたはずだよ」

「………」

「でも尖り君の指示は、先生達に連絡して、俺らが起きたらすぐにここから離れてっだってさ〜」

「ん?」

「だからさ、みんなで離れよっか〜」

「あ、」

 

 

※※※※※

 

[茅野]

 

「お前、やっぱり去年ゲーセンにいたこんの女だろ?」

 

と不良のリーダーらしい人の携帯から映っていたのが神崎さんだった。しかも今の神崎とは全く違う、毛は茶色く染め、カラーコンタクトに露出の多い服装。夜の町にふらつく人みたいだった

 

「お前は目をつけてたから、いつか攫ってやろうとしてたところ、突然居なくなってしまってなぁ」

「最っ低」

 

私が小言を漏らす

 

「あ"‼︎」

 

リーダー格はキレて、私のことを蹴り飛ばした。苦痛に眉を潜めている私を見て、笑い奥の席に座って仲間とトークを始めた

 

「大丈夫?茅野さん」

「うん、平気。所で…さっきの写真。ちょっと意外だった。いつも真面目な神崎さんにもああいう時期があったんだね」

「私の家は父親が少し厳しくて…学歴と肩書きを良くしようと躍起になってるの。私は毎日強制されるのが嫌で…エリートの肩書きから解放されたくて…髪も服装も変えて毎日隣町で遊んでたの。でも、その結果得た肩書きはエンドのE組だった。私は馬鹿だよね…」

「俺らも肩書きなんてぶっ殺せって主義でなぁ、エリートぶってる奴を自然体に戻してやるんだよ。俺らはそういうの慣れてるからな。すぐにお前らも同レベルまで落として込んでやるよ」

「ほんっと最低」

「お前さっきから生意気だなぁ‼︎」

 

二度抵抗を見せた私を、今度は自分より30cm以上もある不良に締め上げられる。

 

「どーせすぐお前らも下の下まで堕ちるんだよ。楽しもうぜ、台無しをよぉ〜」

「それはやめてほしいね」

 

不良たちのものとは違う声が聞こえ、出入り口のドアがいきなり開かれる。

 

 

※※※※※

 

[尖り]

 

僕は見張りを気絶させて、建物中に入る前に殺せんせーに連絡して、一様連絡してこないようにいっておく、そして中に入って声が聞こえてくる

 

「どーせすぐお前らも下の下まで堕ちるんだよ。楽しもうぜ、台無しをよぉ〜」

「それはやめて欲しいね」

 

といいドアを蹴り開ける

 

「彼女たちを返してもらう」

「はぁ?ふざけてんのか!、返せって言われて返すと思うのか?これから楽しくこいつらと台無しを楽しむんだよ」

 

といい神崎さんの頭を掴み、ぐしゃぐしゃに撫で回した。神崎は不快な様子で顔が引きつっている。

 

「ほぉ…」

 

胸ポケットからチーターを取り出し不良たちに向ける。それを見た不良達は全員笑い指差しでこう発した

 

「おもちゃの銃で何ができるw」

「脅しになんねぇぞ?それ〜」

「必死かよ」

 

必死ではあるが、本物だけど…と思ったけど茅野さんと神崎さんも対殺せんせー銃でどうするのかと言いたげだったから、威嚇を込めて銃を天井に向けて発砲、天井の粉が頭に付くが許容範囲内だろう。

 

「で、彼女たちを返してくれる?」

「…黙れガキが!やっちまえ‼︎」

 

流石に一般人に撃つのはやばい為チーターをしまい、バットを交わしてカウンターで鳩尾をし、苦しんだところを後頭部に踵落としをし気絶させる。そしてナイフを持って襲いかかってくる不良を投げて頭を蹴り気絶させていく。この調子でリーダー格だけが残ったが

 

「人を台無しにするのに、これだけかな?」

「後ろ!」

 

後ろから襲いにかかってくることはわかっていた為、回し蹴りで吹っ飛ばし鳩尾を決める

 

「もう君しか居ないけど、どうする?」

 

あれだけやったのに、リーダー格は立ち上がり叫ぶ

 

「どうせ俺たちのこと底辺高校だと思って見下してんだろ‼︎なめやがって」

「見下す?そんなことはしない」

 

リーダー格が突っ込んできたので投げて、仰向けにしてチーターを顔に向ける

 

「この子達は名門校と言われてはいるが落ちこぼれと言われ様々な差別と暴言を受けている。」

「それでも自分を折らず一生懸命に前を向いて突き進み、ある物事に取り組んでいる。貴様らみたいに横と下ばっか気にして上を見つけたら引きずり下ろすなんてことはしない。……学校や肩書きとか。そんなものどうだっていい。人は努力し真っ直ぐ前を見て、全力で突き進めば。人は強く美しく育つ。これは君たちも例外ではない‼︎まだ高校生だ自分の本当にやりたいことを磨き社会に出れば必ず必要としてくれる人は現れる‼︎」

「話は以上だ」

顔にスタンプを決め………ずに顔の横に放つ

 

(あ…狙う相手間違えたかもな…少し頑張ってみるか…)

 

極限状態による緊張なのかリーダー格は気絶している

 

「よし後は…」

 

直後、出入り口から殺せんせーと班員を連れて現場に到着した。付属品として2回戦になるはずだった人が殺せんせーによって手入れされて放置されている。ああいう手入れの仕方するんだな〜

 

「尖り君!大丈夫でしたか!?お怪我は?」

「問題ないです。まず2人を…」

 

とかけ寄ってロープを切る

 

「ありがとう、尖りー!助かった〜」

「尖り君ってやっぱり強いんだね」

「うん、それとね……これ一般人に向けたの黙っててほしいです…お願いします…」

 

懐のチーターを茅野さんと神崎さんだけ見せて、合掌してちょっと必死にお願いしてきた。さっきの冷静な対応で人を倒す雰囲気ではなく、少しずれてて、意外とほのぼのとしてそうな丸尖りだった

 

「はーい!」

「うん、わかったよ」

「って茅野さん⁉︎首怪我してるじゃん⁉︎」

「あーえっとえっと、湿布と消毒液と…そしてそして」

 

なぜか珍しくアワアワしている尖り君である

 

「てか君ら!離れろって言ったよねー‼︎」

「うん、知ってるよ〜指示に従ったじゃん」

 

と何故か煽り口調で話してくるカルマ君は…

 

()()()()離れてって言われたから襲われた所からは離れたよ〜」

「そんな屁理屈な…」

「え〜でも指揮官なのに曖昧な命令するのはいけないと思うな〜」

「うぐぐ」

 

と尻尾が生えてそうな幻覚をながら悔しそうにカルマ君を見ていたら真面目な顔になって…

 

「まあ、それは俺を庇ってくれたからなんだけどね、まあありがとね」

「結果助かってなかったけどね、でもどういたしまして」

「あ〜〜神崎さん髪の毛ぐちゃぐちゃだよ」

 

神崎さんの髪を手櫛で研いてあげて立ち上がるが

 

「尖り君、頭に粉ついてるよ」

 

神崎さんが頭の粉を払ってくれた

 

「ふふ、これでおあいこだね」

「んー等価交換出来てるかな〜?まあいいやみんな早く行こう!」

 

部屋を出る時杉野に睨まれたけど…

やっぱり危険な目にあわせたからだよね…

みんなで外に出て帰りの道の途中、殺せんせーが神崎さんの様子がいつもと違うと尋ねた…

僕は、そのいつもを知らないからわかんないんだけどね

 

「こんな状況に、混乱してもおかしくないのに何処か迷いが吹っ切れたような清々しい顔をしてますねぇ」

「はい、ありがとう尖り君」

「そんな特別なことはしてないけどね」

「フフフ〜今回は後5手以上残してたから僕の完全勝利だよ!」

 

ドヤ顔で勝利宣言をした僕を哀れんだのか、神崎さんもお淑やかに微笑んだ。

 

 

 

 

 




書いてみて文字数いったなーと思いました。
カルマ君なんですけど自分まだにわかなので、この段階で反省して感謝してくれるかわからなかったのですが、物語上、反省感謝?させました違っても殴らないでください。
最後の方が語っている人が少し混ざってます、少し読みにくいと思いますがどうか頑張ってください。
ここまで読んでくださりありがとうございました。
次の投稿は少し遅れるかとしれません


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修学旅行Part2の時間

かなり悩んで完結の部分を一様決めましたもしかしたら変わるかもしれませんが頑張って書いてみるので気長に読んでください。


[渚]

 

波乱万丈な修学旅行2日目の夜。生徒拉致の大きな事件があったが尖り君が解決してくれた、そのあと旅館に帰るとすぐに身体の疲れが出てきた僕ら(尖り君以外は)お風呂に直行した。なんでも拳銃使用の報告書と新たな武器の発注をしなくてはならないらしい。流石に生徒に見せられないらしいからので烏間先生の部屋でやってる。彼のフットワークの軽さは凄いと思う。

 

「うぉぉ‼︎どうやって避けてんのかまるで分かんねぇ‼︎」

「なんだか恥ずかしいな」

 

お風呂上がり。旅館のゲームコーナーで神崎さんの絶技が披露されていた。神崎さんはお淑やかに微笑んでいるけど、その手つきはプロの技である。

 

「凄く意外です。神崎さんがこんなにゲーム得意だったなんて」

「……黙っていたの。ゲーム(これ)が出来ても進学校(うち)じゃあ白い目で見られるだけだし…」

「だけどね。尖り君がね、努力して真っ直ぐ前を見て全力で突き進めば、人は美しく育つ。自分のやりたいことを磨けば必ず必要としてくれる人は現れると言ってくれたの」

「あ〜あれカッコ良かったよね〜敵だった相手も説教して更正させようとする感じでさ‼︎」

「うん、それで自分のやりたいことをやって自分を少しずつさらけ出していこうと思ったの。」

「これが最初の一歩って感じかな?」

 

なるほど、それで拐われた後なのに迷いが吹っ切れたような顔をしいてたんだ。あらかたゲームコーナーで遊んで部屋に戻った僕らだったがトイレに行きたくなって杉野と岡島君と共に共有トイレに行った。そこで男湯の前でコソコソしている中村さんと神崎さんがいた。

 

「中村さん達、何してんの?」

「しっ‼︎静かに」

 

声をかけると、中村さんから静かにするように言われる。本当に何をやっているんだろうか?と思ってると

「決まってんでしょ…覗きよ」

「覗き?それ男子(俺ら)仕事(ジョブ)だろ?」

 

いや仕事(ジョブ)ではないよね。まあ割合は女子じゃなくて男子の割合の方が多そうだけど

 

「…でも犯罪じゃないの?」

「いやいや、犯罪にはならないんだよ。だって覗くの人間じゃないから。あれを見て」

 

中村さんが示した先は、アカデミックドレスに三日月が刺繍され巨大なネクタイが置かれていた。ってことは今お風呂に入っているのは殺せんせーかな?これは犯罪にはならないし興味が出てきた。

 

「でも神崎さんもこういうの参加するとは思ってなかったは」

「前から首から下は触手なのか、胴体はなんなのか興味があったの、暗殺にも使えるかもしれないし思い切って参加してみたんだ」

 

と杉野の疑問に答えたが、結構思い切りが良くなってきてると思う

 

「……この世にこんな色気のない覗きがあったとは」

 

男としてそこは少し同感してしまっている。杉野も神崎さんの前だが同感してるような表情をしている。そうして中村さん先導の元、男湯に侵入して浴室のドアに手を掛けた。果たして殺せんせーの服の下は……音を立てないようにドアを開けたらそこには泡風呂に浸かった殺せんせーが触手()を持ち上げながら洗っている姿が。

 

「女子かっ‼︎」

 

覗き込んだ中村さんも思わずといった様子でツッコんでいた。それによって僕らに気づいた殺せんせーも顔をこっちに向けてくる

 

「おや、皆さん」

「なんで泡風呂入ってんだよ、入浴剤禁止だろ?」

 

呆れたように杉野が指摘していた。

 

「これは先生の粘液です。泡立ちの良い上にミクロの汚れも浮かせて落とすんですよ」

「ホント便利な身体だな‼︎」

「ええ、ですが。さっき尖り君には断られてしまいました…」

 

ここまで来ると殺せんせーって、何ができて何ができないのか、ほぼ万能だから可能不可能が絞り込めない……ん?

 

「殺せんせー、今尖り君に断られたって言いました?」

「はい、さっき粘液を勧めたら、汚いと言われました」

 

っていうことはもしかして……

 

「殺せんせーなんで言うんですか?言わなかったら気づかれなかったかもしれないのに……」

 

と洗い場の所に腰にタオルを巻いた尖り君がいた

 

 

※※※※※

 

[尖り]

 

「ふ〜〜終わった〜」

「ご苦労だったな、随分と長く書いていたが何を書いていたんだ?」

「レジスタンスの所に新たな武器の発注依頼の内応に苦戦してました……」

「今回はみたいに一般人相手だと迂闊に銃を出せないので、何か携帯しやすくて、すぐ使える武器が欲しかったんでその注文書みたいなものです」

「なるほど…だがもう遅い入浴時間は過ぎたが風呂に入って来るといい」

「は〜い、わかりました」

 

今回が素手で対処できる人だったから良かったが、相手が手練れで素手では対処できない相手だと銃で対応しなくてはならない…流石に殺したりしてはまずいので警棒的なものを注文したがどれくらいに届くだろう〜などと考えながら男湯につき服を脱ぎ浴室に入ったら、殺せんせーがいた

 

「あ、すみません殺せんせーがいたとは今出ますね」

「いえいえ、大丈夫ですよ。随分と遅い入浴ですね〜」

 

と殺せんせーが言ってくれたので、洗い場に行き頭や身体を洗う

 

「報告書と依頼書を作ってたので遅れちゃいました」

「なるほど〜なんの依頼なんでしょう?」

「もしかしたら暗殺に使うかもしれないので教えません」

「ヌルフフフ、それは残念、でも尖り君はなかなか暗殺しに来てくれないので心配だったのですがよかったです」

「最初から思ってたんですが、なぜ暗殺しないと殺せんせーは落ち込んだりするですか?」

「先生にとって暗殺は絆だからです。皆さんとの絆の発端は暗殺ですからそれを大事にしていこうと思っていただけですよ」

「なるほど、ではいい案が出たら僕たちの手で殺りにいきますね」

「ええ、楽しみにしてます。それとは別にこの粘液を使いますか?」

 

ん?どう言うこと?

 

「どういうことですか?」

「先生の粘液は泡立ちが良くミクロの汚れも浮かせるのでオススメですよ」

「いやですよ汚い。なんで人の体液で自分を洗わなきゃいけないんですか」

「にゅや?!そんな…汚いなんて…ひどい…」

「はぁ〜」

 

洗い終わったので出ようとすると殺せんせーが

 

「あれ尖り君は湯船に浸からないのですか?」

「僕は湯船に浸かると目眩が起こることがあるんで、あんまり好きじゃないですよ、すみません」

 

まあ正確にはちょっと違うんだけどね

 

「いえいえ、そう言うことなんですね……」

「なんですか?」

「尖り君は結構いい身体してますね〜」

「先生はゲイですか?」

 

と身体を隠しながら言う

 

「にゅや?!先生はちゃんと巨乳の女性が好きですよ‼︎」

 

大声で叫びながら言って来たがそんなに必死に弁解するのか…

 

「いえ、先生は尖り君のその強靭だけどスリムで動きやすさを重視した身体が尖り君にあっていていいと思ったんです」

「まあ現場の指揮官なんで鎧のような筋肉はいらないですからね」

「流石は【前線の司令塔】ですね〜」

「その二つ名好きじゃないんですよね」

「なんか自分は戦ってないって感じで…」

「そんなことはないですよ。本当に戦ってないならそんな二つ名は付きませんからね」

「………」

 

場が白けてしまったがまあいいもう出ようと思ったら…

 

 

ドアが開いて渚と杉野と岡島、中村さんと神崎さんがいたので咄嗟に隠れて気配を薄くし、やりすごそうと考えた

 

殺せんせーが意味深なことを言って僕の存在がバレそうだったから腰にタオルを巻いて

 

「殺せんせーなんで言うんですか?言わなかったら気づかれないかもしれなかったのに……」

「先生だって見られたんです。尖り君も見せなくてはと思いまして」

 

何故かニヤニヤしてるがまあいい

 

「君たち何故男湯に入って来ているんだ。女子でも覗きは犯罪なんだよ」

 

と少し強めに言ってみたが…

 

「え!すっご、めっちゃエロい身体してるんだね〜」

「からかいはいいから早く出てく!」

 

と渋々し出ていくが、岡島初めての覗きが僕でそんなに落ち込むな‼︎

 

「全く…ん?」

「どうしたの?神崎さんボーとして」

 

神崎さんだけ何故かぼーとしていたから話しかけたが、完全にこっちをガン見している…

 

「神崎さん、そんなに見られると流石に恥ずかしいから出てってくれるかな?」

「ん?!!?」

「ご、ご、ごめんなさい」

 

ボフっと効果が出てきたように赤面して、出て行った。

腰にタオルを巻いているとはいえ、女の子に裸を見られるのはかなり恥ずかしいな

 

「本当に何が目的だったんです?」

 

と振り向いたらもう先生はお湯ごと居なくなってた…

 

※※※※※

 

[尖り]

 

お風呂に上がり着替えて、部屋に戻ってると

 

「俺は奥田さんかな」

「だって彼女、クロロホルムとか怪しげな薬作れそーだし。俺の悪戯の幅が広がりそうじゃん」

「カルマ君なんの話してしてるの?」

「お、いい所にいたな尖り」

「今、クラスで気になる女子の投票してるんだってさ」

「みんな言ってんだ、尖りも言えよ」

 

んー気になる女の子か〜

 

「みんな魅力的な女の子達だと思うけど?」

「ん〜じゃあ全員で」

「いや絶対誰かいるだろ!」

 

いや、それ酷くない?

 

「何その語弊が生まれそうなやつ、しかもまだまだみんなのことを知らない事が沢山あるから、まだわからないよ」

「じゃあ神崎さんに裸見せたのはどうなんだよ」

「はぁ⁉︎それは岡島達が覗きに来たからだろ‼︎それに中村さんもいたし、僕は被害者だ!」

「な〜にが、被害者だ!堂々としてたじゃあねえか!本当は慣れてたんじゃねぇの?!」

「人を露出狂の変態にするな‼︎風穴開けんぞ‼︎」

 

切れた僕を見て、磯貝がため息をついつつ

 

「尖りが露出狂なのは置いておいて、これは男子だけの秘密な。知られたくない奴も多いだろうし、女子や先生には……」

 

置いとかないで否定してほしいかったけど、思ってると磯貝が窓を見て固まる。皆んなで振り返ると、メモを書いている殺せんせーがいた。マッハで逃げたけど。ちゃんと隠れたら?

 

「メモって逃げたぞ‼︎」

「殺せ‼︎」

 

そんな言葉が皮切りに僕以外は殺せんせーを追いかけに行った。

 

「叫んだら喉渇いたな〜」

 

※※※※※

 

[女子]

 

「え、好きな男子?」

 

中村さんの好きな男子を投票しようということで始まった

 

「はいはーい、私烏間先生〜」

 

倉橋さんの発言に「私もー」と言う女子が多数出てくる。まあ烏間先生はかっこいいよね。

 

「うちのクラスの男子でって話しでしょう。うちのクラスだと磯貝とか前原とか?」

「前原は女タラシだからなし」

「まあ前原は残念だけど、磯貝は優良物件じゃない?」

「顔だけならカルマ君も格好いいよね」

「顔だけ…なら…ね…」

 

悪魔の雰囲気を醸し出している残酷なカルマくんを想像して苦笑いをする

 

「尖り君は?」

「最初見たとき、顔は普通に見えたけどよく見るとかっこいいよね?…結構優しいし」

「うん、今日なんか襲って来た不良を説教して更正させようとしてたもん」

「しかも烏間先生との戦闘とか凄かったしね」

「まあ、あいつレジスタンスなんだし強いんじゃあない?」

「ああ〜後ね殺せんせー覗きに行った時にね尖りがいてさ〜身体めっちゃエロかったよねぇ?神崎さん?」

「えぇ⁉︎わ、私は…よくわかんない…かな?」

「な〜に言ってんの〜1番熱心に見てたじゃない〜」

「い、いやそんなつもりじゃあ…」

「あの引き締まった程よい筋肉に銀髪に〜」

「////」

 

((((これってもしかして))))

 

「ねぇねぇ神崎さん」

「もしかして気になる人とかいる?」

「え、え、え?気になる人なんていないかな?」

「ほほー、これはこれは気になりますね〜、4班の誰かかなー」

「4班の男子だと、渚君に杉野君、カルマ君に……尖り君(・・・)だね」

 

尖り君の名前を強調して言ったら、神崎さんの顔が真っ赤になった

 

「もう、これはもう決定だね」

「尖り君のこと、好きになっちゃったんでしょ?」

「ええ?!なんでわか…る…の…」

 

神崎さんが焦るが。しかし

 

「いや〜もうこの反応でね〜」

「尖り君か〜」

「いっそ告っちゃえば?絶対オッケーしてくれるでしょ」

「「「うんうん」」」

「うーん、それは難しいかな…だって、仕事とかが忙しいらしいし」

「まあ仕事一筋って感じの時もあるよね〜」

「でも前仕事なんて大っ嫌いだって言ってたよー」

「でも苦労する人なら働くって言ってたし…」

「でも好きな人には一途に思ってくれそうじゃない?」

「だから気長にアプローチし続ければ堕ちるんじゃない?」

 

そんな話しをしているとビッチ先生が入って来て、強制的にビッチ先生の話になった

 

「あれは私が17のとき」

「ふむふむ…」

「ってなんでアンタいるの?!」

「いいじゃないですか、先生だって恋愛話聞きたいんですよ」

「じゃあまずアンタから話したら始めましょう。巨乳好きなんだし片思いくらいあるでしょ?」

 

一瞬でその場からいなくなる殺せんせー…確実にいるな…

 

「逃げた!」

「捕らえて吐かせて殺すわよ‼︎」

 

ビッチ先生主導に男子と同じく全員で殺せんせーを追った

 

 

※※※※※

 

[尖り]

 

「いたぞ!あそこだー‼︎」

「見つけたわ‼︎殺すわよ‼︎」

 

角に追い込まれた殺せんせーはマッハで逃げ、男女全員で追いかける。そんなやりとりを見ながら僕はスポーツドリンクを飲んでいる。

 

「あーあ、烏間先生に怒られるぞ〜」

「はは、そうだね」

「大丈夫?今日色々あって疲れたでしょうに」

「う、うん。確かに今日色々あったね…」

 

なんか気まずそうにしている神崎さん、やっぱりお風呂の件まだ引きずってるのかな?

 

「お風呂の件は怒ってはいないから大丈夫だよ」

「そ、それは…」

「大丈夫誰でもやらかしちゃう事はあるから」

「そんなに引きずってたら楽しくなくなるぞ〜」

「うん、今日は色々ありがとう。助けてくれて」

「どういたしまして。顔赤いけど、本当に大丈夫?」

「う、うん。大丈夫だよ。ちゃんと気づいただけだから」

「何かに気付いて考えるのはいい事だけど、あまり気負わない様にね」

「うん、分かってるよ」

「答えは、いつか教えてあげるからね」

「それは光栄だね。卒業までには頼むね」

「じゃあ今日はもう寝て、明日は早いんだから、ね?」

「じゃあおやすみ」

「うん、おやすみなさい。尖り君」

 

軽く手を振って部屋に戻り、今日は寝た…




人の恋話って書くの本当難しいですね‼︎
めっちゃ迷いました‼︎
今週と来週は僕は試験があるので更新は再来週になると思います‼︎
それまで気長に待って頂けると幸いです。


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転校生の時間

今週の試験が終わったのでやっぱり投稿します。


[尖り]

 

今年1番物騒な修学旅行も終わり、今日からまた学校に通う日常に戻る。大概イベント事の後の学校は少し無気力な感じになるが、今回は違う。今日転校生が来るらしい。

 

「あーあ、今日から通常授業か〜」

「そーいやさ、昨日烏間先生からの一斉送信メール見た?」

「あ、うん。今日転校生来るんだってね」

「尖りってなんか知ってる?同じ転校生的にもレジスタンス的にも」

「いや、知らないよ。多分依頼された部署とか組織が違うんだと思う」

「まあ僕はレジスタンスのメンバーじゃあなければなんでもいいかな?メンバーが来たら僕は不登校になるね」

「レジスタンスって結構ヤバイ人多いのか?」

「そうだね、簡単に言うと変人とチートの塊って感じかな?」

 

明後日の方向を見ながら答えるが

 

「だから尖りも人間やめてるって感じなんだな」

「いや、あいつらと比べたら僕なんで一般人にみたいな者だよ」

「そんな所なのかレジスタンスって……」

「まあメンバーが来たとしても仲良くしてあげてほしい、決して悪い奴ではないからさ」

「だけど結局どんな転校生かわからないな〜」

 

杉野がガッカリした感じで言う

 

「まあ転校生って事だから、俺らと同年齢(タメ)なのか?」

「そうとは限らない、見た目の年齢が近ければ投入されるから一概には言えないね」

「ん?尖り君ってさそういえばいくつ?」

「僕は16だよ」

「「え?」」

「あれ?言ってなかった?」

「「言って(ない)(ねぇ)よ!」」

 

突然の告白に驚いてる渚と杉野だが、そこに岡島が入って来て

 

「尖りの年齢はどうでもいいとして、転校生の顔が気になったから烏間先生に顔写真とか無いんですかってメールしたのよ」

「そしたらこれが返ってきた」

 

3人で岡島のスマホを見たらそこには両サイドを長く伸ばし垂らした紫の髪に、宝石のような緋色の目でとても可愛らしい印象を持つが……

 

「あ、女子なんだ」

「なんだよ、ふつーにかわいいーじゃん‼︎殺し屋に見えねーな」

「……」

 

なんだか感情が欠落しているような感じに見えた、もしそうなら感情が消えるような訓練・任務を行なっていたと言うことになる。その場合他の生徒のことを考えずに暗殺を行う可能性がある…ちゃんと警戒しなくては

 

「どうしたんだよ尖り〜考え事か〜?」

「もう一目惚れしたか〜?」

「…そんな事はないよ。ちゃんとみんなと仲良くできるかな?って考えてた」

「大丈夫だって〜こんなに可愛いんだすぐに人気になるって」

「はは、そうだね」

 

と苦笑いをしながら答えて、杉野と岡島はテンションが上がり騒いでいた。

 

片岡さんと倉橋さんが後ろの方から登校してきていたがなんとも言えない疑問の視線を送っていていたので、軽くお辞儀をしておいた

 

 

 

※※※※※

 

[尖り]

 

校舎に着き教室に入ったら

 

「ーーーおはようございます」

「今日から転校してきた、自律思考固定砲台と申します。よろしくお願いします」

「「「そう来たか‼︎」」」

「うんよろしくね」

 

僕が言い終わる前に画面が切れたけどちゃんと聞こえたかな?

 

「なんで尖り驚いてないんだよー‼︎」

「まあ、超生物や防衛省、殺し屋が先生してるんだ。機械が生徒でもそこまでおかしくないでしょ」

 

みんな、まあ確かに…と納得してくれた…ひとまずは安心って事でいいかな?てか僕の横か…

 

「皆知ってるとは思うが…転校生を紹介する」

「ノルウェーから来た自律思考固定砲台さんだ」

「よろしくお願いします」

 

烏間先生が顔を引きつらせ紹介する

皆烏間先生も大変だな…などと思っていたら

 

「プーー、クスクス」

 

と殺せんせーが煽るような笑い方をする。その横でビッチ先生は哀れむような視線を烏間先生に向けている

 

「お前が笑うな、同じイロモノだろうが」

 

ツッコミを入れるが、ちゃんと切り替えて

 

「言っておくが"彼女"は思考能力(AI)と顔を持ち、れっきとした生徒として登録されている」

「あの場所からずっとお前に銃口を向けるが、お前は反撃できない」

「"生徒に危害を加える事は許されない"それがお前の教師としての契約だからな」

「…なるほどねぇ契約を逆手に取って…なりふり構わず、機械を生徒に仕立てたと」

 

生徒と教師の立場をうまく利用した、転校生暗殺機械少女。自律思考能力があるとはいえ、機械を生徒として導入するそんな独特な発想を…

 

「いいでしょう!自律思考固定砲台砲台、あなたをE組に歓迎します!」

 

殺せんせーはその事を関係なく受け入れてくれるが、果たして生徒のみんなは彼女を仲間として受け入れてくれるだろうか…

 

 

※※※※※

[尖り]

 

転校生の挨拶が終わり1時間目、授業は国語。殺せんせーが板書をしようと黒板を向いた時…

 

「やっぱり!」

「かっけぇ‼︎」

 

自律思考固定砲台が変形して武装する

 

「自律思考固定砲台さん、授業での暗殺は禁止だよ?ちゃんと生徒として来てるんだからルールは守らないと」

 

と言ってみたが構わず発砲。無視って結構心にくるな〜と一斉掃射が始まったので教科書で防御してやり過ごそうとする

 

「ショットガン4門、機関銃2門、濃密な弾幕です…がここの生徒は当たり前にやってますよ」

 

その武装を瞬時に分析し、弾幕の嵐を掻い潜り、殺せんせーは平然と告げる。

 

殺せんせーもすごいが自律思考固定砲台さんもすごい、これがレジスタンスの相手だとしたら流石に一度撤退して電磁パルスなどを浴びせて電子基板を焼き突入するしかないだろう。

 

「それと尖り君が言っていた通り、授業中の暗殺は禁止ですよ。」

「………」

「気をつけます。続けて攻撃に移ります。」

 

この子、気をつけますを知らないな〜?まあいい先ほどとほぼ同じ武装同じ軌道の射撃。ちょっとあからさますぎるのでは?まあ今の殺せんせーは嘗めて侮ってるから身をもって知ってもらおう

 

「「「「なっーーーー!?」」」」

 

その油断に隙を突かれて隠し弾(ブラインド)をしてきた、横から見ていたので増設した副砲に気づいたが、人を嘗めていた殺せんせーは気づかなかったようだ。これで初対面で人を嘗めるのはやめてくれるだろう

 

「右指先破壊、増設した副砲の効果が確認されました」

 

やっぱり自律思考というのは伊達ではないということだね。もしかしたらこの子が…

 

「次の射撃まで殺せる確率0.001%未満」

「次の次の射撃で殺せる確率0.003%未満」

「卒業までに殺せる確率90%以上」

 

訂正、この子では殺せんせーを殺せない、成長する事は自律思考固定砲台さんだけでないのにその計算を省いてしまってる…

 

「よろしくお願いします殺せんせー、続けて攻撃に移ります」

 

1時間の間は擦り傷などを与えていたが徐々に当たらなくなっていく、そして毎時間の休み時間にみんなで片付けをする。を繰り返して6時間目に

 

「しょうがないか…」

 

自律思考固定砲台さんの弾幕に僕も参加した、とは言っても直接狙いはしない。殺せんせーが避ける所を予測して打ち、逃げ場をなくし、自律思考固定砲台さんの銃撃で触手を3本撃ち抜く、それで僕は撃つをやめた

 

「毎時間片付けるのめんどくせ〜よ」

「今回は僕も参加したから、放課後僕が片付けておくよ」

「まじかお前、よくあの中で当てたな」

「まあ殺せんせーにしか向いてなかったからね」

「じゃあよろしくね〜」

「うん」

「手伝おうか?尖り君」

「いいや、大丈夫だよ神崎さん。少しやりたいこともあるしね」

 

最後の方は神崎さんにしか聞こえないように言ったが神崎さんはあまり理解していないようだった

 

 

放課後になり、散らばった球を片付けを終わらせると…

 

「何故ですか?」

 

と自律思考固定砲台さんが話しかけてた

 

「なんのことかな?」

「私の暗殺に何故協力したのですか」

「他の生徒は協力をしなかったはずです」

「そして何故あの1度で協力をやめたのでしょうか」

 

わからないことをちゃんと放置せず、人に聞く

…うん偉い、これ出来ない人意外と多いからね

 

「うーん、そうだね一つは君に協力することの重要性を教えたかったからかな?」

「協力する重要性ですか…」

 

画面の表情は変わらないがちゃんと声に疑問を含んでいる

 

「うん、1時間目とかは殺せんせーにダメージを与えていたけど、5時間目ぐらいから全く当たらなくなってきたじゃん」

「はい、目標の回避性能が計算より高かったため、回避されました」

「でも、僕が協力したら、なんと触手が3本も壊せました〜」

「それで今の自律思考固定砲台さんはこれができる?」

「今現在の性能では丸尖りさんの協力なしでは不可能かと」

「そうだね、でも協力すれば出来ることが広がるんだよ」

「そして僕があの1度で協力をやめたかというと自律思考固定砲台…ちょっと言いにくいから略して律でいいかな?」

 

なんか人の名前っていうか物の名前って感じがするしね

 

「はい問題ないです」

「うん律さんそれでね、僕は今の律さんの暗殺にメリット感じなかったからだよ」

「何故ですか。協力すれば賞金の100億円が手に入るはず…」

「僕はそこまでお金には困ってないし、100億円貰っても使う時間があまりないからね」

「そうなのですか」

「うん、レジスタンスはね、かなり忙しいんだよ。まあでも最近追加の仕事が来ないんだけどね」

「まあいい、そして他のみんなが暗殺に協力してくれなかったのは、おそらく律さんを仲間だと思っていなかったからだと思う」

「それはね、暗殺についていけないのもそうだけど、授業を邪魔されて勉強が出来ないんだよ」

「もし律さんが暗殺成功の確率を上げたければ、みんなとの協力が不可欠だと思うならみんな仲良くならなきゃならないんだよ」

「わかりました……ですが仲良くする方法がわかりません」

 

律さんは物事を少し固く捉えすぎているなぁ

 

「そんな正確な答えは人間にもわからない」

「手探りで探していくしかないんだよ」

「出来るでしょうか?」

 

不安そうな声で言ってくる、その様子がもう人にしか見えないね

 

「もちろんで出来る、僕の同僚で【科学で出来ないことはない、少しだけ難しいだけでね〜】って言っていたんだよ」

「本当に時間をかければなんでも出来るような奴だったから僕はその言葉信じるよ」

「今日の失敗だって、きっと大丈夫みんな優しいし器もデカいしね。」

「そうでしょうか…」

 

少し自信なさそうに答えるがやっぱり感情があるんだな

 

「一度くらいの失敗で引きずってたら成功なんて掴めないよ!」

「大丈夫僕だって微力ながら協力するからさ!」

「ってことで仲間第一号としてよろしくね」

「はい、よろしくお願いします」

「ひとまずは明日授業での暗殺はしないって事からでいい?」

「わかりました。頑張ってみます」

「うん、じゃあまた明日ね」

「はい、今日はありがとうございました」

 

まだ完全に感情が持ててないのか、棒読み気味だったが朝よりかは感情のようなものが入っていると感じた

 

 

 

 

 

 




暗殺教室を全巻買い直して、読んでいたらやっぱり書きたくなりました‼︎
やっぱり面白いですね!

昨日スーパーに行ってた時に女子高生らしいき人の2人組がここなんかゴキブリの臭いがする〜って言ってました。
その場に僕しかいなかったので真顔でその場から離れました。
人がゴキブリの臭いを醸し出すのって何の原因があるのでしょうか?


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自律の時間

前回のお話に尖り君と律の会話の部分に心理描写的なものを入れました。
おそらく読まなくても大丈夫だと思いますが、違和感を感じたらすみません。


[尖り]

 

律さんが転校してきてから翌日。悩みながら通学路(やまみち)を歩いていた

 

「ん〜、昨日話してみた感じ的に今日の暗殺はやめて、みんなと協力する道に行こうといているけど…」

 

昨日はああ言ったが、酷い目にあったみんながすんなりと許して受け入れてくれるだろうか。

 

「いや、律さんにはちゃんと感情が存在する。もし効率しか見ていなかったのなら僕だけに協力を求めるはず…」

 

そうだ彼女か努力するなら僕は仲間として全力で協力しよう

 

「え、何このガムテープ……」

 

教室に入ったら、昨日仲間になった律さんがガムテープで拘束されていた…

 

「俺がやっといたんだ、剥がすんじゃね〜ぞ!」

 

律さんを拘束したのは寺坂だったらしい。珍しく早く来ていたらしい寺坂の手にガムテープが握られていた。

 

しまった……行動を起こすにしても1時間目の前だと思っていた…考えが及ばなかった…

 

「昨日みてーにバカスカ撃たれたら堪んねえだろうが」

「いや昨日彼女と話してみんなと協力すると言ってくれていたんだ。今日の暗殺をしないと約束してくれたんだ。彼女を信じてあげてほしい…」

「あ〜⁉︎機械がそんなこと出来る訳ねーだろ、こんな常識はずれのポンコツによ〜‼︎」

 

昨日あった出来事を少し話したが寺坂が一蹴りする

 

「そんなことはない!彼女は僕と話し自分の中の疑問を投げかけ、解決しようと努力すると言った!」

「君たちの言いたいこともわかる。昨日あんなに授業を妨害され、片付けてをし、苦労したから不快に思うこともわかる」

「だが僕だけに協力するならまだしも、まだ律さんに自分の力を見せていない君たちにも協力しなくてはならないと考えてくれた」

「どうかみんな彼女にチャンスをあげて欲しい…」

 

クラスのみんなに深く頭を下げてお願いをすると

 

「もういいのです。尖りさん」

 

と返ってきたのは律さんだった

 

「これは私自身の問題です。尖りさんがそこまでする必要はありません…」

 

何を言っているんだ…

 

「私自身が考えを模索し、解決することです。まだ方法は見つかってませんが、尖りさんがクラスのみんなさんを説得しなくていいのです」

 

と思わぬ参入者に、教室の全員が律さんへと視線を向ける。諦めたような声をあげた律さんに僕は

 

「何故諦めようとしているだ…昨日の頑張ると言うのはうそだったのか…」

 

と少し怒りを含んだ声を上げた

 

「いえ、私が努力することであって尖りさんにそこまでしてもらうことはないと判断したんです」

「何故なんだ?」

「は、はい?」

 

すごい困惑している声だ…

 

「僕は律さんに仲間だと言った」

「はい、言いました」

「なら何故僕を協力して欲しいと願わない…」

「みんなと協力することは昨日の一件から難しいだろう…だがそれでもやると言うのはすごいと思う」

「なら何故仲間である僕に助けを求めない…」

「僕がそんなに頼りないか?」

「そんなことはありません…」

「じゃあ仲間を信用してくれ…仲間が差し伸べた手を振り払わないでくれ」

 

すごいびっくりしているのがわかる。さっきまで画面は変わらなかったのに目が完全に見開いている…

 

「わかりました…本当にすみません…」

「いいや問題ない、わかってくれたならね」

 

すごい後悔した声で謝ってくれた…やりすぎたかな?

 

寺坂に視線を向けると

 

「ケッ、勝手にしろ」

「寺坂もありがとう」

 

その視線で何が言いたい察して、ぶっきらぼうに答える

 

「え〜と、みんなはいい?」

 

寺坂には許可が下りたが、みんなはどうだろう…

 

「そんなに不安そうにしなくていいわよ、ここまで話を聞いてダメって言えないでしょ」

「ああ、俺たちもかまわないよ」

 

片岡さんと磯貝が言ったら、みんなも納得してくれた、まあまだ半信半疑だがしょうがない。結果で示さねば

 

「また射撃したら、尖り君が全責任を負うってことでいいよ〜」

「ああ、もちろん」

 

みんなから許可を得て、丁寧にガムテープを剥がしていく。

 

「修学旅行の時から思ってたけどさ〜敵味方関係なしに助けるのやめた方がいいんじゃない〜」

「そんなことはないよ、更生の余地があると判断した相手にしかしないし、僕は仲間を絶対に見捨てないからね」

「はは、判断は間違えないようにね…」

 

カルマ君が呆れてた表情と声で答えた。ちゃんとわかってるよ…

 

 

※※※※※

[尖り]

 

その日は銃撃はなく授業が行われて、少し律さんと話す人はいたがあまり話が続かず、そのまま、あまり進展せず放課後になり

 

「んーどうしようか〜律さん〜」

「はい、まだ答えは出ていません…」

 

放課後に作戦会議的なことをしていた…

 

「んーなんかいい案とかある?神崎さん…」

 

なぜか放課後に一緒に残ってくれた神崎さん、やっぱり律さんが心配なのか?律さんの仲間が増えて嬉しいよ

 

「んー、そうだね。え〜と律さん?」

「はい」

「律さんは元々協力と言うのはプログラムされてなかったんだよね?」

「はい、開発者(マスター)にはそう言った機能は与えられず単独でのプログラムしかありません」

「じゃあさ、協力する、みんなと仲良くするプログラムを作っちゃえばいいかなーって…」

 

……物凄い盲点だった、今ある機能でやろうとばかり思っていた

 

「あ〜‼︎なるほどねー‼︎無ければ造ればいいってことね!」

「その発想はありませんでした」

「えへへ、でもさ?」

 

困った表情して

 

「そんなプログラムって作れるの?」

「「あ」」

「どうですか?尖りさん」

「うん、僕の同僚にそう言うこと出来る人はいるけど今多分繁忙期だからすぐには無理そうだね」

「そうですか…」

 

残念そうにしていると

 

「ヌルフフフ、任せてください」

 

と殺せんせーが現れる

 

「そう言うことになると思って、すでに準備しておきました」

 

すごいな、この人本当になんでも出来るかもしれない…

どうやらもう改造を始めるらしく、危ないからともう遅いと言って僕らに帰宅することを勧めたので、ここは殺せんせーに任せて帰ることにした

 

「昨日の言ってたやりたいことって、このことだったんだね」

「うん、少し計画したんだけど、やっぱり律さんが優秀だったから結構スムーズに進んだんだよね〜」

「もしかしたら僕がいなくてももっといい結果になってたかもね」

 

純粋にそう思ったことを言ったみたら

 

「そんなことないよ、例えそうでも尖り君が頑張って、いい方向に持って行こうとしたことはみんなわかってるからね」

「そうだね、そうだと嬉しいな」

 

※※※※※

[尖り]

 

次の日になり、殺せんせーの改造が気になって教室に入ってみたら…

 

「なにあれ…」

「なんなんだろね…」

 

と電源がつき、満面の笑顔の律さんが映る

 

「おはようございます。尖りさん、神崎さん‼︎」

「う、うん。おはよう…」

 

殺せんせーが壊していないかどうか不安だったがそこは大丈夫らしい

 

「親近感を出すために全身表情液晶と体、制服のモデリングソフト、全て自作で8万円!!」

 

突然現れた殺せんせーが改造部分を説明し出した…

 

「豊かな表情と明るい会話術、それらを操る膨大なソフトと追加メモリ同じく12万円」

 

「先生の財布の残高……5円‼︎」

 

その説明を聞き、この変わりようやっぱり…

 

「ねぇ?神崎さん…」

「う、うん。ど、どうしたの」

 

神崎さんの肩に両手を置きその上に頭を置き

 

「僕ってやっぱり、いらない子かもしれない…」

「そ、そ、そんなことないよ‼︎少なくとも私は尖り君が必要だよ⁉︎」

 

神崎さんが真っ赤になって励ましてくれた…

 

「そうです。律さんを改良するにあってすんなりことが進んだのは紛れもなく尖り君、貴方のおかげです」

 

と殺せんせーがいってくれて…

 

「ヌルフフフ、それにしても神崎さんと尖り君は仲が良いですね〜」

 

殺せんせーが顔の色をピンクにして言ってきたため、ナイフを投げた

 

「おやおや〜恥ずかしかったんですか〜」

 

ほぉ、そうなんだ…

 

「ここまでサポートとしてくれたので、材料費を払おうと思ってましたが…要らないみたいですね…殺せんせー(・・・・)

 

と強調して言ってみたが慌てだし

 

「にゅや⁈、そうだったんですか‼︎」

「いえ、先生は要らないみたいですし、何より殺せんせーは生徒のサポートができて、それだけで幸せそうなんで辞めときました」

「そ、そんな…先生も頑張ったのでご褒美が欲しく……」

 

すごいブルブル震えてるな…

 

「生徒を冷やかしたりしない素晴らしい先生(・・・・・・・)なら快く報酬を与えれるのですが…」

 

一息置いて

 

「いらないみたいですね」

 

と言うと殺せんせーが土下座をして

「申し訳ありません‼︎なんか甘酸っぱい雰囲気になってるので先生も応援したかったんです‼︎」

 

試しに撃ってみたが回避された…まあいいや

 

「じゃあ、そのメモと交換でどうでしょう〜」

「にゅや⁈そんな…殺生な……」

 

「じゃあ今月は5円で頑張ってくださいね!」

「う、う、う、」

 

結果今月は5円になったがそれでいいのか…

 

「うん、神崎さん。ごめんね勘違いさせるような行動とっちゃって」

「い、いやそんな気にしてないよ…」

 

恥ずかしかったのかまだ赤面してるけど、まあ大丈夫そうだね。

 

「律さん調子はどう?」

「はい!絶好調です‼︎」

「それはよかった」

 

一様安心した別人とかになってたら、流石にどう接すればいいかわからない…

 

「ねぇねぇ尖り君、律ってなに?」

「そういえば昨日の時点で律って呼んでだけど…」

 

倉橋さんと片岡さんがそんな疑問を投げかけてきた

 

「それはね一昨日付けたんだよ、自律思考固定砲台って呼びにくいし物の名前って感じでしょ」

「はい!一昨日尖りさんに付けて頂きました」

 

疑問に答えると律さんは嬉しそうに笑った

 

「え〜、安直だよ〜」

「うん、安直じゃね?」

 

僕が付けた名前に不破さんや杉野に反対された、まあでもこれは本人の問題だから一様…

 

「じゃあ律さん、何か違うーー」

「いえ‼︎、私は尖りさんに貰ったこの名前がいいです‼︎」

 

なんか食い気味に提案を断って、画面に強調するよう、律という文字を表示した

 

「そ、そうなの?」

「はい!素敵なお名前ありがとうございます‼︎」

「そうか…気にってくれてありがとうね」

 

自分でもそれでいいのかと思っていたが律さんは喜んでくれているようだ

 

「皆さんも是非律とお呼びください‼︎」

「わかったわ、じゃあよろしくね律!」

「はい‼︎」

 

律さんの呼び名が決まり彼女はクラスに馴染んでいけそうだ…

 

「なに騙されてんだお前ら、全部あのタコが作ったプログラムだろ」

 

と律さんが馴染めそうになっているところ寺坂が…

 

「愛想ようても機械は機械、どうせ急に空気読まずに射撃すんだろポンコツ」

 

寺坂が毒を吐くのも仕方ない…実際一昨日は散々やられたからね…でも

 

「そんなことはないよ、律さんだってーー」

「いえ、いいのです尖りさん。おっしゃる気持ちもわかります…寺坂さん」

 

寺坂の言葉に心傷したのか声に悲しみが帯びていた。寺坂と向き合って話すために、大画面の液晶が向きを変えた。

 

「昨日までの私はそうでした…ポンコツ…そう言われても返す言葉もありません…」

 

律さんはそう言って以前の自分を悔やんでいるようだった。涙を流した謝罪に庇護欲がかき立ちそうだ

 

「あーあ、泣かせた」

「寺坂君が二次元の女の子泣かせた」

「なんか誤解される言い方やめろ‼︎」

 

律さんが泣く様子を見て、片岡さんと原さんが誤解しそうな言い回しで寺坂を責める

 

「いいじゃないか2D(にじけん)……Dを1つ失う所から女は始まる」

「「「竹林それお前の初セリフだぞいいのか⁉︎」」」

 

竹林の発言に杉野と岡島、前原がツッコム

 

「あーあ、泣かないで、律さんが頑張ってる所は僕が1番わかってるからさ」

 

と画面の頭の部分を撫でてみたら

 

「ひゃん⁉︎」

 

え、まじか、やばいかもしれない、殺せんせーが改造したことによって耐久性が変化し、触れただけで故障してるかもしれない…

 

「律さん大丈夫!システム的な不調とかはない⁈」

「はい、ありません。少し驚いただけです。心配して頂きありがとうございます」

「ですが、もう少し続けて欲しいです…」

 

上目遣いでねだってきたので、断ると可愛そうなので撫でてあげる

 

「まあいいけど…」

 

「え、まさか尖り君…」

「二次元の()墜としたの…」

「もしかしたら尖りのやつはDを奪う存在なのかもしれない」

 

竹林とかがおかしなことを言っているがいいだろう…

 

「尖り君。私も昨日頑張ったからやってほしいな…」

 

まあ昨日付き合ってくれたしそれぐらいなら…と撫でてみる

 

「くそ!なんで尖りのやつばっかり…」

「あいつもしかしてタラシなのか…」

「いや、あいつの場合100善意でやってるだろ…」

 

杉野がすごく悔しそうにしているが、嫌がってないから杉野もすれば?

そして前原の発言に磯貝はフォローしてくれてるけどフォローになってるかな?

 

「でも皆さん殺せんせーと尖りさんに諭されて…私は協調の大切さを学習しました」

「私の事を好きになって頂けるように努力し、皆さんの合意を得られるようになるまで…私単独での暗殺はしません‼︎」

 

にこやかな笑顔を見せて宣言する彼女は、もうただの機械には見えなかった…

 

「私を仲間だと思って頂ける様に、頑張ります‼︎」

 

その表情と声にはしっかりとした、意思表示の如く自分の意思と目標を告げた。

 

「そういうわけで仲良くしてあげて下さい。ああ勿論、先生は様々な改良を施しましたが、彼女の殺意には一切手をつけてません」

 

殺せんせーの説明と同時に律さんは身体から銃を構える。

こらこら急に出さないの、側にいた原さんがびっくりしてるでしょうがと言ったら。テヘってしていた…なんかあざといな…

 

「先生を殺したいなら、彼女は心強い仲間になるでしょう」

 

まあそれは初日で誰もがわかっているでしょう…

 

 

そして授業中

 

「では菅谷君、教科書を伏せて、網膜の細胞は細長い方の桿体細胞とあと一つ太い方は?」

「え、オレ?やばっえーっと…」

 

居眠りしていた菅谷が殺せんせーに指されて答えがわからず焦っていると律さんがスカートをたくしあげて露出した脚に答えを表示させていた…

 

「えーと…錐体細胞」

「こら律さん‼︎ズル、教えるんじゃありません‼︎」

 

と殺せんせーに怒られるが

 

「でも皆さんにどんどんサービスするようにプログラムを…」

「カンニングはサービスじゃない‼︎」

「そうだよ、もし教えるならヒントを教えないと、菅谷がなにも学べないじゃあないか」

「そして女の子が人前でスカートを上げないこと」

 

僕も注意すると、シュンとしてしまったため。撫でてあげる。

 

 

そして休み時間

 

「へぇーっ、こんなのまで体の中で作れるんだ!」

「はい、特殊なプラスチックを体内で自在に成型できます。設計図(データ)があれば銃以外も何にでも!」

「おもしろーい!じゃあさ、えーと…花とか作ってみて」

「わかりました、花の(データ)を学習しておきます。王手です、千葉君」

「3局でもう勝てなくなった……なんつー学習能力だ」

 

殺せんせーのバージョンアップにより律さんはすぐにくらすに馴染んでいた。

 

「思いのほか、大人気じゃん」

「1人で同時に色んな事こなせるし」

 

杉野と茅野さんが律さんの変わり様に驚きを隠せない様だったが本当に良かった律さんがクラスのみんなに仲間として認められそうで

 

「………しまった」

「?何が?」

 

殺せんせーが突然声を上げて渚が疑問に思うが…やっぱり何かの不調か…と思い咄嗟に律さんを観る…何か変わった様子はない

 

「先生とキャラが被る……!」

「被ってないよ、1ミリも‼︎」

 

全くそうではなく自分のクラスの位置が揺らいで焦っているだけだった…本気で殺そうかと思ってしまった…

 

「皆さん、皆さん‼︎先生だって人の顔ぐらい表示出来ますよ。皮膚の色を変えればこの通り」

「キモイわ‼︎」

 

と言われてしまって殺せんせーに深いダメージを受けたようだ……は!

 

「殺せんせーこの画像、顔に出来ますか?」

「はいはい、何ですか」

 

とスマホを見して自分の好きな怪獣の画像を見した

 

「はい、出来ますよほら」

「な、な、な、な、」

 

しっかりと再現されてしかも動いている……その様子を目を輝かせて観ていると

 

「尖りさん‼︎私ならこういう事も出来ますよ‼︎」

 

と律さんがプラスチックでできた、僕がさっき殺せんせーに見した画像の物が出てきたが…

 

「お〜、凄いじゃん‼︎」

「何で‼︎さっきと違うんですか‼︎」

 

と褒めたがお気に召さなかったらしい、だって……

 

「凄い忠実に作ってあるけど…色んな種類が混同しているし、それに色が付いてないから…」

 

と言うと律さんが「ガーン」と効果が付くようにショックを受けている

 

「じ、じゃあ明日までに、学習してきますので絶対に浮気してしないでくださいね‼︎」

「にゃあ?!唯一の理解者である尖り君を渡しませんよ‼︎」

 

と殺せんせーと律さんがバチバチに闘争心を燃やしている…仲良くやれば?とよくわからない物を見ていると

 

「上手くやっていけそうだね」

「んー、どうーだろ」

 

渚と杉野が安心する様な中カルマ君の発言に2人が「え?」と声を漏らす。やっぱり気づいたかな?

 

「寺坂の言う通り、殺せんせーのプログラム通りに動いてるだけでしょう。ねぇ?尖り君」

「まあそうだね、今の律さんはプログラム通り、塗り絵をしている状況だね。かなり感情は持てているけど、まだそれを完全に把握できていないからね。」

「あと一歩って言った所だね」

 

と多分カルマ君が言いたい事を言ってみると、渚と杉野が驚いている

 

「お前やっぱ凄いな」

「本当によく考えてるんだね」

 

と感心してくれるが

 

「あいつがこの先どうするかは、開発者(もちぬし)が決める事だよ」

 

不安を煽るように言うカルマ君だが

 

「まあそれは開発者が本当に優秀ならね」

「どう言う事?」

 

凄い疑問に思ってるね。確かに律さんを作った人は凄いだろうだか

「多分僕の予想では律さんの開発者(おや)は協力する事の重要性を理解してないと思うんだ。そしておそらく協力することに反対するはず」

「1人で作ったような天才ならともかく殺せんせーに改造されるような隙を与える開発者だ。多分中途半端の天才で自分が信じてる物しか信じない人だと思う」

「そういう人なら律さんが騙眩かすことができると思う。自分がこれで初期化できたと思わせて満足させて帰ってもらうとかが出来る人だと思う」

 

カルマ君も少し意外そうに聞いてるね

 

「だから律さんは選択するんだ殺せんせーが示した道か自分の開発者(おや)が示した道を自分で選択しなくてはならないんだよ」

「それが出来ればやっと律さんはスタートラインに自分で立って歩き出せる」

 

この様に説明して3人たちは納得したようだ

 

「尖り君ってさ〜やっぱり過保護でしょ?」

「うん、修学旅行とかもその片鱗は見せてたけどさ」

 

そんな評価を受けられそうだったのか…

 

「いやいや、僕は可能性があるなら心配するし、無いならしないよ」

「はは、またまた〜さっきだって殺せんせーが突然声を上げたとき心配そうにしてたじゃねぇか〜」

「えー、だって故障してる可能性があったからさ、勘違いしちゃってさ……」

 

 

そんな事をしているうちに時間が過ぎて放課後になりさっきカルマ君たちに言ったことを律さんに説明して「わかりました!任せてください‼︎」って言われたからもう心配はない…

 

※※※※※

[尖り]

 

翌日教室には以前の姿に戻った律さんがいた物凄く早いな…あと1週間後ぐらいだと思ってたのに…

 

クラスメイトも殺せんせーも唖然としている。

 

「"生徒に危害を加えない"という契約だが……"今後は改良行為も危害と見なす"と言ってきた」

 

殺せんせーはどう対処したものかと汗を掻いていた

 

「君たちもだ、"彼女"を縛って壊れでもしたら賠償を請求するそうだ」

 

寺坂のガムテープを取り上げて、開発者の警戒を伝えると

 

開発者(もちぬし)の意向だ、従うしかない」

開発者(もちぬし)とはこれまた厄介で……親より生徒の気持ちを尊重したいんですがねぇ」

 

烏間先生はため息を、殺せんせーは愚痴を溢しながら言う

 

「……攻撃を始めます。どうぞ授業に入って下さい、殺せんせー」

 

律さんが言い、皆んな警戒している。僕は彼女の勝利を信じるだけ…

 

そして身体から展開されたのが

 

 

 

 

「ーーーは、花……?」

 

花束を展開した。

 

「花を作る約束をしていました」

 

渚と杉野、カルマ君と僕以外は唖然としている中、律さんは花束を身体に仕舞うと

 

「殺せんせーは私のボディーに…計985点の改良を施しました。そのほとんどは…開発者(マスター)が"暗殺に不要"と判断し、削除・撤去・初期化してしまいましたが…」

 

さっきの初日みたいな音声ではなく感情を感じさせる声質で

 

「学習したE組の状況から私個人が本当に不可欠な要素として"協調能力"を消される前に関連ソフトをメモリの隅に隠しました」

 

チラッと僕の方を見て優しい笑みを浮かべる

 

「……素晴らしい‼︎つまり律さん、あなたは」

「はい!私の意思で産みの親(マスター)に逆らいました」

 

自分の髪を弄りながら可憐な笑顔で言うと

 

「殺せんせー、こういった行動を"反抗期"と言うのですよね、律は悪い子でしょうか?」

「とんでもない、中学3年生らしくて大いに結構です。」

 

律さんの問いに、殺せんせーは顔に○を浮かべて答えた

 

「律さん勝利をおめでとう‼︎」

「はい!尖りさんが言ってた通りチョロかったです‼︎」

「それとこれを…」

僕が勝利を称えると律さんが何かを出す

 

「昨日一晩研究しました」

 

と言い見せたのが、昨日画像を見した物が完全に忠実に出来ていて、しかも動いている。

 

「これは!!!!!………凄い…殺せんせーではこうはいかないな」

 

「にゅや⁉︎そんな…尖り君まで……」

「やったです‼︎2度と殺せんせーに浮気しないでくださいね?」

 

律さんが凄くよろんでいて、殺せんせーが絶望している

 

「何故浮気になるかわからないけど…律さんの方が凄いね‼︎」

「グハァ!」

 

殺せんせーにダメージが入ったがまあいい

 

こうしてE組の仲間が1人増えた

 

これからは、この27人で殺せんせーを暗殺するんだ

 

 

 

 

 

 




1番長かったです‼︎8000文字書くとは……でも満足感は半端ないです‼︎
途中から殺せんせーが律と呼びますがそれはそっちの方が気にってると思い殺せんせーが呼んでいたと解釈して下さい。


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湿気の時間

UAが1636になり、お気に入りが17件になりました‼︎
読んで頂きありがとうございます‼︎
見捨てられないように努力します‼︎(^-^)>


[渚]

 

雨の季節だ。梅雨の6月。殺せんせーの暗殺期限まで残り9か月‼︎雨が降るとアスファルトの変な臭いが立ち込める日々が続く、少し憂鬱な期間です。

 

化学の授業中……

 

(((なんか大きいぞ)))

「殺せんせー。33%巨大化した頭部についてご説明を」

 

と皆んなが思ってる疑問を律が聞いてくれた

 

「ああ、水分を吸ってふやけました。湿度が高いので」

「「「生米みてーだな‼︎」」」

「雨粒は全部避けて登校したんですが、湿気ばかりはどうにもなりません」

 

はは、本当になんでもありだな…

 

殺せんせーが顔を雑巾絞りをすると、バケツに沢山水が溜まってる

 

「……ま、E組のボロ校舎じゃ、しかねーな」

「エアコンでベスト湿度の本校舎が羨ましーわ」

 

色々な愚痴が溢れてくる

 

「先生帽子どうしたの?ちょっと浮いてるよ」

 

「よくぞ聞いてくれました。先生ついに生えて来たんです」

 

倉橋さんが先生に聞き、先生がよくわからない事を言う

 

「髪が」

「「「キノコだよ」」」

「ロクなキノコじゃなさそうですね」

「にゅや⁉︎栄養満点ですよ‼︎尖り君も食べてみてください!」

「ダメです。尖りさんにそんな得体の知れない物を与えるわけにはいきません」

 

尖り君が軽口を吐いたが殺せんせーと律が割とまじて反応してた

 

梅雨はじめじめ、人の心もちょっぴり湿るーー今回はそんな出来事

 

 

今僕は杉野と茅野、岡野さんと尖り君たちと言う珍しいメンバーで帰っている。特に尖り君は誘えば来るけど、ほとんど1人で帰っている。同年代で帰った方がいいと言う彼なりの配慮なのかも知れない

 

「なー、上に乗ってる苺くれよ」

「ダメ‼︎美味しいモノは、一番最後に食べるはなの‼︎」

 

杉野が茅野さんの逆鱗に触れるような事をしていると、前原君と知らない女の子と相合い傘をしていた

 

「一緒にいるのは確か……C組の土屋香穂だったはず」

「はっはー、相変わらずお盛んだね彼は」

 

そんな前原君を見つけていると

 

「前原君、駅前で相合い傘…と」

 

殺せんせーがいた

 

「相変わらず生徒のゴシップに目がねーな殺せんせー」

「ヌルフフフ、これも先生の務めです」

「3学期までに生徒全員の恋話をノンフィクション小説で出す予定です。第一章は杉野君の神崎さんへの届かぬ思い」

「…ぬー…出版前に何としても殺さねば」 

 

「大丈夫だよ杉野。神崎さんは人の思いを大切にしてくれる人だ」

「献身にアピールすれば思いは届くはずだよ」

 

尖り君が杉野にトドメを刺そうとしている…

 

「ヌルフフフ、二章は尖り君を書こうとしていますので、よろしくお願いしますよ……」

「よろしくにも何も相手が居ないので、ノンフィクションだと難しいかもしれませんね」

「ですが!約束して欲しいのですが、僕の組織の名前などは絶対に出さないように‼︎」

 

ちょっと鈍感なんじゃないかな?と思ってると

尖り君が殺せんせーにしっかりと釘を刺している

 

「にゅや⁈それだと序盤から書き直しです……」

「ほんっと、頼みますよ……」

 

そんな事を話していると前原君が本校舎組の人たちに散々な理不尽な暴力と暴言を吐かれ、理事長に利用された

 

「前原‼︎へーきか⁉︎」

「お前ら、見てたんかい…」

「上手いなあの理事長…事を荒立てずに、かといって差別を無くさず、絶妙に生徒を支配している…」

「そんなことより、君だ‼︎どこか痛む所はない⁈」

「ああ、ありがとう尖り…大丈夫だどこもそんなに痛む所はない」

「そうか良かった…さぁ早く立って濡れて身体が冷える」

 

手を出して前原君を引き上げる

 

「なんだよ‼︎あのとんでもねービッチだな‼︎」

「いやまぁ…ビッチならいるけどさ…」

「違うよ。ビッチ先生は職業(プロ)だから…ビッチをする意味も場所も知ってるけど…」

「彼女はそんな高尚なビッチじゃない」

 

僕が杉野に答えると

 

「いいんだよビッチでも…」

「好きな奴なんて変わるモンだしさ。気持ちが冷めたら振りゃあいい、俺だってそうしてる」

「中三でどんだけ達観してんのよ」

 

前原君がそう悟ってるように言う

 

「けどよ…さっきの彼女見たろ?一瞬だけ罪悪感で言い訳モードだったけど、その後すぐに攻撃モードになって、相手が弱者だから、なんだってやっていいって感じになってさ……」

「なんかさ、悲しいし怖えよ。ヒトって皆んなああなのかな、俺も相手が弱いと見たら…俺もああいう事をしちゃうかな?って」

「……」

 

僕も思ってた、E組じゃなかったら僕は…E組の皆んなにどう接してなんだろうと思ってたら

 

「そうだね」

 

尖り君が返事をして、その返事に皆んなびっくりしている

 

「前原が単なる中途半端な強者なら、そうしていたと思う」

「人が強者になっても弱者を貶さず、発奮を晴らさない者には2種類の特徴がある」

「一つは他人に興味がない人だ、他人に構っている暇があったら自分を磨き、自分のさらに上にあげるように努力するんだ」

「そして2つ、自分が弱者であった時があり、その苦しみを知ってるから、強者になった後でも、その行為に意味はないと気づける人だ」

「彼女達みたいな表面だけ強者にされてはいるが、本当の自分に満足してなく、他人を蹴飛ばし嘲笑う、そんな事をし自分を認めた気になっているんだ」

 

尖り君が前原君に優しくそして自信を持って言っている

 

「だが君たちは弱者であるE組を体験している、この教室で自分を磨き上げ、例え強者になっても、弱者を虐めたりしないと信じているよ」

 

ああ、やっぱり尖り君は強くて優しい、なんか憧れてしまうな…

 

「だかね。だからと言って彼女達を野放しにはしない。僕の仲間に手を出したんだ。きっちり代償を払って貰おう」

 

さっきと違ってかなりキレている尖り君…

 

「はい、そうです。仕返しです」

「ええそうですね、彼女達の存在を消そうと思いましたが、そんなんじゃあ緩いです」

 

なんか尖り君がかなり物騒な事を言っている

 

「はい、理不尽な屈辱を受けたんです。通常力なき者は泣き寝入りするしかないですが」

「君たちには力がある、気づかれず証拠も残さずに標的(ターゲット)を仕留める、暗殺者(アサシン)の力がある、屈辱には屈辱を、彼女達をとびっきり恥ずかしい目にあってもらいましょう」

 

その殺せんせーの言葉でE組の仕返しの時間が始まった

 

偽装担当:菅谷創介

見張り・連絡担当:杉野友人

交渉担当:倉橋陽菜乃、矢田桃花

化学担当:奥田愛美

射撃担当:速水凛香、千葉龍之介

撹乱担当:茅野カエデ、潮田渚

枝切り担当:岡野ひなた、磯貝悠馬、前原陽斗

作戦参謀担当:殺せんせー、丸尖り

 

作戦は向かいの民家を矢田さんと倉橋さんが抑えて、杉野が現場を連絡、僕と茅野さんが目標の注意を逸らし、奥田さんが作った弾で、千葉君と速水さんが狙撃し、目標に変化が出て、店から出たら、丁度いいタイミングで枝切り担当が枝を切って、切った枝を浴びせて、コンビニに駆け込ませ、醜態を晒させる。

 

結果は成功

 

「ま……少しはスッキリしましたねぇ」

「僕は不完全燃焼です…」

「いや、あれは流石にダメだって…」

 

尖り君が不貞腐れてるが、それは尖り君が提案したものが全て人格崩壊、人生が終わってしまうようなものだったので、殺せんせーが流石に止めて殺せんせーの案で実行した。

 

「でもだって…」

「でもじゃあ、ありません。皆さんに人の人生を狂わせるような事は先生としてさせれませんよ」

 

この計画も大概だとは思うけど、まあいいか…

 

「…えっと、なんつーか、ありがとうな、ここまで話を大きくしてくれて」

 

少し照れながら前原君が言った

 

「どうですか?まだ自分が弱い者を平気でいじめる人間だと思いますか?」

「……いや…今の皆んなを見たらそんな事をできないや」

「一見強そうに見えないけどさ、皆んなどこかに頼れる武器を隠し持っている。そこには俺にはない武器も沢山あって…」

「強い弱いは一目ではわからない」

「それに尖りが言ってたようにそんな事に意味はないってわかったんだ」

「そうです。それをE組で暗殺を通して学んだ君は…この先、弱者を簡単に蔑む事はないでしょう」

「…うんそう思うよ。殺せんせー」

 

殺せんせーに言われ前原君が爽やかに答える

 

「あ、やばっ。俺これから他校の女子と飯食いに行かねーと…じゃあ皆んなありがとな。また明日‼︎」

 

少し焦ったように前原君が言って去ってしまった…

 

「「「「………」」」」

「相変わらずだね彼、刺されなきゃいいけど」

 

皆んな真顔になってる中、尖り君は苦笑いしていた

 

 

 

 

 

翌日烏間先生から雷が落ちて、年長者であり、提案者の尖り君と殺せんせーが反省文を書くことになった……

 

 

 

※※※※※

 

[尖り]

 

 

明日に反省文を提出しなくてはならないので夜ちゃんと書いている 

 

「殺せんせーも書くってもすぐに書き終えてるんだろうな……」

「いえ、殺せんせーは一日中書くことを言われているので今も書いてますよ」

「そうなんだ、殺せんせーも大変だね………………」

 

家で本来聞かない筈の声が聞こえたもしかして……

 

「なんで律さんがいるのかな????」

「はい‼︎尖りさんのpcやスマホに私をインストールしました‼︎」

「ハッキングじゃないの?」

「いえ、インストールです!」

 

まああんまり変わらないかもしれないけど…

 

「ですが問題ないです。他の皆さんは私のコピーのモバイル律としてインストールしたのですが、尖りさんは私が直接サポートしたいので、尖りさんは私の本体をインストールしました‼︎」

 

コピーも本体も同じかと思ったが、スタートが同じなだけで道のりやゴールが違うから別物か……

 

「では早速ですが、服を脱いでください」

「…………は?」

 

唐突過ぎて理解が出来なかった………なんで?

 

「えっと………何故?」

「はい、中村さんから聞きました!修学旅行のとき中村さんと神崎さんに裸を見せたと」

「いやいやいや、僕が見せたんじゃなくて見られたの‼︎」

「じゃあ私も見たいです‼︎」

「なんでだよ‼︎てか普通はね生徒同士で裸を見せないの‼︎」

「何故ですか…中村さんと神崎さんは見たのに私はダメなんですか…」

 

すっごい落ち込んでいるけど、これは流石にダメだ‼︎

 

「私たちは仲間じゃあないんですか………」

「いや仲間だ!でも仲間でもやっちゃいけない事はあるんだ‼︎」

 

かなり悲しそうにしている……どうしよう……

 

「じゃあわかりました」

 

わかってくれたのか……

 

「じゃあ勝負をしましょう」

 

なんかわかってないかもしれない…

 

「このオセロで私が勝ったら全裸になってください。尖りさんが勝ったらもうそんな事は言いません。そして引き分けになったら絶対に録画・保存しないので上半身裸になって下さい、そして私に一つ命令する権利をあげます。」

 

なんか僕が勝つ以外のデメリットがデカ過ぎると思うが、これを受けるしか律さんを止められる方法がない…………よし‼︎

 

「いいでしょう。その勝負受けて勝ちましょう」

「わかりました。手加減しないので覚悟して下さいね」

 

もしかしたら僕の人生をかけた勝負かもしれない……

 

「流石に僕が不利だから持ち時間は無制限でいい?」

「はい、問題ありません」

 

よしこれでいける、デメリットなんて関係ない僕が勝てばいいんだ‼︎

 

 

 

 

 

 

8時間後……

 

「そろそろ諦めて下さい♪」

 

状況は僕が不利だから…二角取られたこの状況を切り返すには……これしか……

 

そして進めていく…本当に断腸の思いだが‼︎

 

「な⁈」

「ふぅ、気づかれなくてよかった…」

「な、な、な、な、な、なんでですか?」

 

律さんが理解出来ないようだったが

 

「もう二角取られたこの終盤…僕の勝利はないだろう……」

「だが‼︎まだ僕には希望がある‼︎この

 

 

 

 

 

 

 

 

 

引き分けにね‼︎」

 

もうこれしかなかった…相当頑張った…………

 

「はい、引き分けです。………ですので約束通り上半身裸になって下さい……絶対録画・保存はしないので………」

 

めちゃくちゃ落ち込んでるが勝負は勝負、僕も凄く恥ずかしいけど約束は守る…上着とシャツを脱いで画面の前に立つ……

 

「話の通りとても性的ですね……」

 

律さんが画面を乗り出すように見てくる……なんのプレイだよ……

 

「り、律さんもういいよね」

「いえ、まだ少し見たいです‼︎」

 

しまった…時間を設定するのを忘れてしまった……

 

「でも尖りさん凄く恥ずかしがっていますね、岡島さんに聞いたモバイル律の情報から、露出することには慣れていると言ってたのですが……その姿を見ていると、何かいけない事をさせているみたいでデータで表せない何かが目覚めてしまいそうです〜

 

岡島…明日絶対処刑する‼︎

 

なんか律さんが息荒くしてるし…

 

「僕はそんな露出狂じゃぁないよ⁉︎もう服着るからね‼︎」

 

と服を着て、律さんを見るかなり残念そうにしている

 

「じゃあ今度は僕の番だね。一つ命令する前に聞きたいことがある」

「はい!なんでしょう‼︎」

 

さっきと変わってテンションが高くなっている。切り替え早いな…

 

「うん、じゃあPCのレジスタンスのファイルやデータは開けた?」

「いいえ、開こうとしてみましたが、開けず……」

「それどころかスマホは簡単だったんですがPCに関してはセキュリティーが固く皆さんよりも5時間ほど遅れました……」

 

それでも5時間か……よし‼︎

 

「じゃあ命令ね、今後絶対レジスタンスのデータやファイルを開こうとしない特に本部とかね」

「何故ですか?」

 

不思議そうにしているな、まあ律さんの実力は優秀だからだと思うけど.だから危険なんだ…

「この程度のPCのセキュリティーに5時間かかってる時点でレジスタンスの本部のセキュリティーは破れないからだよ」

「そうなんですか?」

「うん、本部のセキュリティーにはこれ以上のものがかかっていて、律さんがそれに手を出したら、律さんが木っ端微塵になってしまうんだ」

「カウンターで律さんが死んでしまう……折角自由な暮らしが出来る様になったばかりなのにそんなの悲しいからやめてくれ」

 

これは本当だ。いつか律さんにこれを言わなきゃいけないと考えいた。ここまで律さん優秀だとは思ってなかったのでもっと先になると思っていた

 

「わかりました!その命令遵守しますね‼︎」

「うん、ありがとうね」

 

これで最近の悩みが1つ消えた

 

「ああ、でも正規のルートから行ったら律さんなら確実に大丈夫だと思うよ」

「なんでですか?」

「それはね、自称セキュリティー兼技術部門の人が機械や兵器みたいなものが大好きだからね」

「以前尖りさんがおしゃっていた『科学で出来ないことはない、少しだけ難しいだけでね〜』と言っていた方ですか?」

「うん、そうだよ」

 

あいつは機械の心がわかるって言うやつだ。きっと律さんとも仲良くなれるはず……

 

「うん、じゃあもう寝るね。流石にもう眠いや」

「はい!今日はありがとうございました」

 

本当に今日は色々あったな特に最後らへんに……

 

「じゃあおやすみ〜」

「はい、おやすみなさい尖りさん」

 

 

4時間ぐらいしか眠れなかったが律さんの命が守れたからいいでしょう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




前原が虐められる場面は胸糞が悪いので省きました。
律とモバイル律を別にしたのは今後の展開的に矛盾が生じるからです。


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LとRの時間

モバイル律は{}で話します今回出るかわからないですか…
律とモバイル律を区別するには僕の文才では無理そうだったので…


[尖り]

 

翌日、ちゃんと岡島を縛り上げて置いた。まあその際で昨日の出来事がほぼ晒されて、露出狂のレッテルが貼られそうだった…

 

ちなみにモバイル律は不破さんにより(おのず)と名付けた

 

 

 

「わかったでしょ?この動画のエロトークの中に難しい単語は1コもないわ」

 

英語の授業でエロトークを流すのは、どうかと思うが意外とわかりやすい

 

「日常会話なんて、どこの国でもそんなもんよ。周りに1人はいるでしょう?」

「マジすげぇとかマジやべえだけで会話を成立させるやつ」

 

それは語彙力が死んでるだけなのでは?

 

「そのマジでにあたるのがご存知really。木村言ってみなさい」

「…り、リアリー」

「はいダメー、LとRがゴチャゴチャよ。次尖り」

「really」

 

ちゃんと発音してみた、まあ仕事のほとんど海外だからちゃんと喋らないとまずいからね

 

「いい発音ね、でもそんな優しい発音じゃあ女を堕とすことは出来ないは、もっと情熱的に言いなさい」

 

1単語でそんなにわかるんだろうか?普通に言ったつもりなのに…

 

「LとRは発音の区別つくようになっとかなさい」

「相性が悪いものは逃げずに克服する‼︎次に発音を間違えてたら…公開ディープキスの刑よ」

 

最後がなければいい授業なのに……

 

 

 

放課後になり僕以外の生徒は残っていない、この前依頼した物が届くらしいからその時間や近況報告をしていたら遅くなった、早く帰ろうと下駄箱に向かおうとするとビッチ先生が浮いていた……

 

「ビッチ先生⁉︎」

 

素早く駆け寄って護身用のナイフでワイヤーを切る

 

「大丈夫ですが⁈」

 

少し咳き込んでるが問題ないようだが、絶対敵がいる…そして物音がした方向にチーターを構える

 

「何者ですか。こんなところに罠を仕掛けるなん」

「ほぉ突然の状況にも対応できる生徒…君がレジスタンスの者か」

「質問に答えてください。何者ですか」

 

先に仕掛けてきたんだまだ何かを仕掛けてくるかもしれない…

 

「そう警戒しなくていい、別に敵じゃない」

 

そう言われて警戒しない人はいないだろう

 

師匠(センセイ)‼︎」

「殺し屋屋ロヴロか」

 

ビッチ先生がその人に先生と呼び、烏間先生が来てその名前を言った。こんな罠を仕掛けるなんて生徒がかかったらどうするつもりなんだ…

 

「それで殺せんせーとやらはどこにいる?」

「今は上海に杏仁豆腐を食べに行っている。もうじき戻るだろう」

 

本当にすごいアクティブだなぁあの人…

 

「…フ。やはり噂通りの聞いてた通りの怪物のようだ。そして君のような実力者がいる上、目標の凶悪さがわかる。未熟者(イリーナ)、今日限りで撤収しろ」

 

少し体制を変えたな、コイツ何かする…

 

「…そんな、必ずやれます師匠(センセイ)‼︎」

「ほう、ならば…」

 

動いたか…ビッチ先生の後ろに回って拘束かな?では

 

「がっ…」

「こういう動きがお前にできるか、そして殺す気はないから、それを下ろしてくれないかな?」

 

ビッチ先生の側にいたこともあり、背後を取らせてもらった(・・・・・・・・)そしてチーターを頭に向ける

 

「少しでも引き金を引けば貴方は回し蹴りを喰らわせるでしょう、少し腰が下がってますよ」

「気づかれたかやはり優秀だな」

 

すごい上からだなぁこの人、殺す気がないらしいからチーターをしまう

 

「まあいい、正体を隠した潜入暗殺ならお前の才能は比類ない。だかもうこの現場は専門外だろう。教室(ここ)こそがお前にとって…LとRじゃあないのかね。コメディアンのコントを見ているようだったよ」

 

みかねて反論しようと思ったら、殺せんせーが来た

 

 

「半分正しく、半分は違いますねぇ」

「何しに来たウルトラクイズ」

 

ウルトラクイズ?

 

「ウルトラクイズってなんですか?」

「アメリカ横断のクイズ大会だ知らないのか?」

「知らないですね、ジェネレーションギャップですかね」

 

少し烏間先生が落ち込んでた…

 

「確かに彼女は暗殺者としては恐るるに足りません。クソです。尖り君の方が圧倒的に優れています」

「誰がクソよ‼︎」

 

得意分野が違うから比較にならないんじゃ…

 

「ですが彼女という暗殺者こそ、この教室に適任です。殺し比べてみれば分かりますよ」

「ルールは簡単。イリーナ先生とロヴロ氏のうち、烏間先生を殺した方が勝ち!審判は尖り君に勤めてもらいます。」

 

え?なんで…

 

「何故ですが?非常に面倒くさいんですけど」

 

普通に断って審判は殺せんせーにやって…

 

「報酬は尖り君に希望の物を一つ、私が腕によりをかけて作っーー」

「では、実際に殺すのではなくこの対先生ナイフを使用すること。そしてお互いの暗殺を妨害すること、生徒の授業や生徒自体に被害を与えることを禁止、破った場合その人は失格。期限は明日1日。でいいですね」

 

依頼された仕事はちゃんとこなさねば

 

「まあでも物理的に審判ができない場合があるのでその場合、殺せんせーお願いします」

「は、はい。もちろんです」

 

これで問題ないでしょう

 

「…なるほど模擬暗殺か、いいだろう余興として面白そうだ」

 

ロヴロさんは参加するそうだ、ビッチ先生は参加するしかない。そして烏間先生が呆れて出ていってしまった…

 

「フッフフ、殺せんせーなかなか出来るなあの男」

「それはもう、この私の監視役に選ばれる位ですから」

「あいつに刃を当てる事などお前には無理だイリーナ」

「お前に暗殺の全てを教えたのは、この俺だ。お前の得手不得手、俺が全て知っている」

「この暗殺ごっこでお前にそれを思い知らせ、この仕事から大人しく降りてもらう」

「そして、誰も殺れない殺せんせーよ、お前を殺す刺客を選び直して送ってやるさ」

 

ロヴロさんが去り、ビッチ先生が勘違いをしてるがやる気を出して出ていった

 

「尖り君はどちらが勝つと思いますか?」

「それはもちろん……」

 

 

※※※※※

 

[尖り]

 

翌日、ビッチ先生とロヴロさんの勝負が始まった。

 

「……というわけだ。迷惑な話だが君等の授業に影響を与えない。普段通り過ごしてくれ」

 

みんな烏間先生を哀れむような目で見ている

 

「尖り君なんかテンション高いね、どうしたの?」

「ん?ああ審判した報酬の事を考えてだんだよ」

 

神崎さんに報酬の事を教えたが、そんなに漏れてただろうか…なんか苦笑いされてるし

 

 

体育の授業が終わり、その直後ビッチ先生が仕掛けてきたが……

 

「カラスマ先生〜」

「おつかれさまでしたぁ〜ノド渇いたでしょ。ハイ冷たい飲み物‼︎」

 

………

 

「ホラ、グッといって、グッと‼︎美味しいわよ〜」

 

うん、なんか入ってるね

 

「おおかた筋弛緩剤だな、動かなくしてナイフを当てる」

 

図星を突かれたような仕草をしている…

 

「…言っておくがそもそも、間合いまで近寄らせないぞ」

「あ!ちょ待って、じゃここに置くから…」

 

そういう事じゃないでしょ…

 

今度はずっこけておぶってくれと喚き散らす……

 

 

 

エグいな

 

「僕はこれを一日中監視しなきゃいけないのか…」

「まあ頑張って尖り君……」

 

今回のビッチ先生の暗殺は失敗。ビッチ先生曰くキャバ嬢が父親を相手にしなくてはいけなくなった場合と同じらしい……

 

 

※※※※※

 

[尖り]

 

トイレから出たったときロヴロさんがいた

 

「どうしたんですか、烏間先生に仕掛けなくていいんですか?」

「ああ、もう仕掛けたよ、あの殺せんせーから聞いたが初日から烏間君にナイフを当てたと」

「はい、ほぼ全ての行動を予測してやっとです」

「やっぱりは優秀だ」

 

全くこの人は…

 

「おそらく殺せんせーに話を聞くようにと言われたんですね」

「ああ、そうだ」

「じゃあ、わかってるとは思いますが。勝利を掴みやすい相手の中で上から二番目は単なる弱者です」

 

ロヴロさんは何を言ってるのかわからない感じだね

 

「そして一番が相手を侮り、強者の余裕をみせている愚か者です。これは未熟者以下です」

 

お、びっくりしてるな

 

「そして最も厄介なのが、相手を格上と認め知力を尽くして挑んでくる弱者です」

「そう今のイリーナ先生のような」

 

 

指をさして、今ビッチ先生は再度烏間先生に挑んでいる

 

「まあ見ていてください。貴方の弟子の最後の模擬暗殺を」

「そうさせてもらおう、だが俺はあいつに高度な戦闘技術や君のような読み合い能力を教えてない」

「素人程度なら殺せるだろうがあの男には通用すらはずがない…」

 

まあロヴロさんが知っているビッチ先生だったらねと言おうとしたら

 

「ロヴロさん、イリーナ先生の授業を聞いていましたね?」

「苦手な発音からまず克服していくのが彼女の流儀、外国語を覚えるのは挑戦と克服の繰り返し、十ヶ国語を克服した彼女は…未経験だった教師の仕事すら臆せず挑んで克服しました」

 

まあ最初は酷かったらしいけど空気を読んで言わないでおこう…

 

「そんな挑戦と克服のエキスパートが…教室(ここ)に来てから何もしてない(・・・・・・)と思いますか?」

 

あーあ、僕が言おうとしたこと言われたよ…まあいいや

 

殺せんせーがロヴロさんにあるバックを差し出して

 

「‼︎…これは」

 

中身を見たロヴロさんわかったようだ

 

「彼女は私を殺すのに必要な技術を自分なりに考え、外国語と同じように挑戦と克服しているのです」

「あなたなら、このバックを見るだけで…彼女の見てない努力が見えるでしょう」

 

ロヴロさんが少し関心しているように見ている

 

「君はこれを知っていたのか…」

「はい、知っていました。努力し諦めずに挑戦する者にできないことはないです。時間が少しかかるだけで」

「そうです。苦手なものを克服していく彼女の姿を、生徒たちが見て挑戦を学べば1人1人の暗殺者としてのレベルに繋がります」

「だから私を殺すならば彼女が必要なのです」

 

ロヴロさんが少し考えているようだ

 

「ロヴロさん。僕はコメディアンのコントに何を見出すかは見る側次第だと思いますよ?」

「……フ」

 

少し笑ってビッチ先生のところに行った

 

師匠(センセイ)…」

「出来の悪い弟子だ。先生でもやってた方がまだマシだ。必ず殺れよイリーナ」

「…‼︎もちろんです師匠(センセイ)‼︎」

 

ビッチ先生がめっちゃガッツポーズとかして喜んでる…

 

「では先生約束の報酬はこれで」

「はい、もちろんですよ。では明日届けますね」

 

昨日かなり悩んで決めた画像を見せて、注文をする。明日までは絶対死なないでくれ

 

 

※※※※※

 

[尖り]

 

その日の夜、荷物の配送の時間になり、荷物を受け取った

 

少し小さいダンボールで届いてきた。開いて中身を見るとリストバンドのようなものと手紙のような物があった…

 

「これは…」

 

手紙を読むと『君の状況的に警棒は向いていないからこの盾を送るよ。警棒の代わりにナイフを鞘に括り付けて殴ればいい、だから君には防御力が必要だ。使い方は手首につけてボタンを押すのと音声入力でも展開されるから何か設定しておいてね。そしてあんな可愛い子を隠しておくなんて尖り君はひどいな〜律ちゃんにはいつでもおいでよって伝えといてね❤️ 技術部門(えだ) 一美(ひとみ)より』

 

 

隠してないし仲良くするように導いたんだが……

 

「てか律さんもう一美にあったんだ」

「はい!とても面白い人でした!」

 

まあ楽しかったならいいか…

 

「あの…それはなんですか?」

「これは盾なんだって」

「盾なんですか…」

 

疑問に思ったように首を傾けてる

 

「まあ見てて」

 

ボタンを押し、おそらく強化ガラスが出てきた…

 

「……これ質量保存の法則どうなってるんだろ?」

「私にもわからないです…」

 

律さんもわからない物を数十日で用意するって本当すごいな…

 

「まあ説明されてもわからないから、とりあえず使ってみるよ」

「はい!頑張って下さい!」

 

盾なんて数ヶ月ぶりだな…

 

「音声入力があるらしいけど無難に【シールド展開】でいいかな?」

「はい、短い方がいいですからね」

 

まあ何があるかわからないから早めに慣れておこう…

 

 

 

 

そして翌日、殺せんせーに報酬を貰った時に律さんが浮気がどうのとと言って、涙目で問い詰められて慰めるのにかなり苦労した……二度と殺せんせーに作って貰うことを禁止されて、律さんを頼ることを約束されてしまった……

 

 

女の子の涙目ってなんか逆らえる気がしなかった………

 

 




自は出すのは難しいのであんまり出ないと思います。
ほぼ律メインだと思います。
あと盾の件はご都合主義として受け取ってもらえらば幸いです。


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転校生Part2の時間

やっと試験が終わったーー‼︎


[尖り]

 

まだ梅雨の季節が過ぎてないようで、今日も雨が降って煩いだろう。

だがイヤホンをかけて寝ている僕ならそんなに関係ない。まだ朝のアラームが鳴っていないので寝ている

 

「尖りさ〜ん、起きてくださ〜い」

 

ゾワっとして起きた、まるで耳に息を吹き込まれながら囁かれたような声に…

 

「あ、あ、あ」

「あ、起きましたね。おはようございます、尖りさん」

 

意識がまだ、はっきりしていないが誰が犯人かはわかる

 

「どうして、律さんが起こしに来たのかな?アラームはかけていたはず…」

「それはですね…」

 

真面目な表情と声だったのでちゃんと聞かなければ

 

「尖りさんは、殆ど一人で何でも出来るからです‼︎」

 

ちょっと理解ができないが、まだ話の続きがあるらしい

 

「尖りさんをサポートすると言いましたが、尖りさんはサポートがいらないほどの私生活をおくっています。ですから、予定の確認や連絡など私が出来ることは私が行い、尖りさんの負担を減らそうと思います‼︎」

 

一人暮らしだったら、それくらいが普通なんじゃないか?

まあ断る理由はなくはないが、律さんがやりたいならそれでいいかな

 

「まあわかったけど、その裸ワイシャツ(格好)とさっきの起こし方は?」

「竹林さんに聞いたところ、男性はそのような格好や行動が夢であると言っていたので、尖りさんも喜ぶかと思いました」

 

竹林に聞かなくても、このような結果になってそうだから責めることは出来ないが

 

「おんにゃ…ゴホン、女の子が男の子にそんな事をしちゃダメだ」

 

寝起きで呂律が回らなかったがごまかせただろうか…

 

「もう一回言って貰えませんか?」

 

聞こえなかったのかな?

 

「女の子が男の子にそんな事をしちゃダメだよ」

「そっちじゃないです!おんにゃ…の方です‼︎」

「いやだ」

 

なんで噛んだ事を聞き返そうするんだ?と聞いたら

 

「その発言と少し恥ずかしがっている仕草を録画してなかったからです‼︎」

「人の恥ずかしい所を録画しようとしないでくれる⁈」

 

律さんが暴走気味になってきたけど時間が…

 

「そんな事より、もう支度しなきゃだからスマホから出てって欲しい」

「それは出来ません」

 

着替えにサポートもないだろう…説得する時間がないので仕方なくスマホをひっくり返して、着替えを行う。その間律さんから、先っぽだけとかの抗議の声が聞こえてくるが気にしないでおこう…

 

 

※※※※※

 

[尖り]

 

朝はちゃんと遅刻せずに登校したが、律さんが拗ねてしまった。

『ずるいですよ…』などと訳の分からない事を言っている。

慰めるにしても理由が理由だから僕には難しい…

 

「烏間先生から転校生が来ると聞いていますね?」

「あーうん、まあぶっちゃけ殺し屋だろうね」

 

律さんに続いて3人目の転校生がE組にやって来るらしい。前原の言う通り殺し屋だと思う

 

「律さんの時は少し甘く見て痛い目を見ましたからね。

先生も今回は油断しませんよ」

 

律さんの時は人を嘗めていた際で指をやられたからね。

もう初対面で人を嘗めないだろう。

そして僕らに仲間が増える事を喜んでいる

 

「そーいや律何か聞いてないの?あと尖り君も。同じ転校生暗殺者として」

「いや、律さんの時と同様に知らないかな」

「はい…私は少しだけ」

 

原さんの質問に律さんが少し悲しそうに答えた

 

「初期命令では…私と【彼】では同時投入の予定でした。」

「私が遠距離射撃、彼が肉迫攻撃。連携して殺せんせーを追い詰めると。ですが…2つの理由でその命令はキャンセルされました」

「一つは彼の調整に予定より時間がかかったからです」

「そして二つ目は私が彼より暗殺者として圧倒的に劣っていたからです」

「私の性能では…彼のサポートをつとめるには力不足だと」

 

なるほど…マッハ20を相手に肉弾戦をする暗殺者か…暗殺者で肉弾戦ってよくわからないけど。律さんはその人よりも弱いと言われたから落ち込んだんだね

 

「律さんがその人より弱くても気にすることはないよ」

「弱者が必ず敗者になるわけじゃないんだ。戦いに絶対の勝利なんてないからね」

「そうだよ。律は私達にとって大切な友達であり、重要な戦力なんだからさ、自信持って」

「尖りさん、原さん…ありがとうございます」

 

これで少し元気になっただろう…

でもそんな化け物のようなやつ大丈夫だろうか…この装備達を使わなきゃいいけど…

 

そして扉が開いて全身白装束の人が入ってきた。

そしてこちらに向くと片手を前に出して、鳩を出した。

…何がしたいんだ?と警戒したように僕は観察している

 

「ごめんごめん驚かせたね、転校生は僕じゃないよ。私は保護者…まぁ白しいシロとでも呼んでくれ」

 

保護者だけが先に来るってどう言う事だろう…

 

「そういえば殺せんせーは?」

 

渚の言葉で教壇にいないことがわかり僕らは教室を見渡す…結構目立つはずなのに見つからない…

 

渚が、天井に貼り付いた液状化した殺せんせーを発見した。みんなにビビりすぎだと言われてるが警戒するに越したことはないと思う

 

「皆いい子そうですなぁ。…これならあの子も馴染みやすそうだ」

 

少し見渡して一瞬僕の方を見て固まった…この人は僕の事を知らないはず…

 

「ちょっと性格とかが色々と特殊な子でね、私が紹介します。おーいイトナ‼︎入っておいで‼︎」

 

と言うと後ろの壁から音が聞こえた、まさか…と思い、盾を起動させて、椅子から立ち上がり、盾を構える…として、男の子が壁を突き抜けて入ってきた。皆んなに飛んでいく破片などを盾で弾く

 

「俺は…勝った。この教室のカベよりも強い事が証明された…それだけでいい…」

 

なんだこの子…

 

「堀部イトナだ、仲良くしてやってくれ」

 

シロさんはしばらくイトナ君を見守るらしい…そんな事をよりも…

 

「壁からではなく、扉から入ってくれ、イトナ君は大丈夫かもしれないが破片が皆に当たり危険だ。

そしてこの傷んだ壁に勝った所でなんの自慢にならないぞ」

 

こんな事レジスタンスのメンバーの殆どが出来るだろう、まぁやる意味がないからしないだろうけど

 

「ねぇイトナ君、外から手ぶらで入って来たよね。土砂降りの雨なのに…なんで一滴も濡れたないの?」

 

僕とカルマ君に言われたイトナ君は周りを見渡して、カルマ君の頭を撫でながら

 

「お前はこのクラスで二番目に強い…けど俺はお前より強いから殺さない…」

 

そして僕の前に来て

 

「お前は…一番強いだが俺より弱いだから殺さない…安心しろ…」

「それゃあどうも」

「俺が殺したいと思うのは俺より強いかもしれない奴だけ。ここでは殺せんせー、あんただけだ」

 

僕とカルマ君に弱いからの不殺宣言をした後殺せんせーに殺害宣言する

 

「強い弱いとはケンカの事ですかイトナ君?力比べでは先生と同じ次元には立てませんよ」

 

いやそんなことはないだろう…元々イトナ君は肉弾戦担当なんだから

 

「立てるさ」

 

 

「だって俺たち、血を分けた兄弟なんだから」

「「「兄弟⁉︎」」」

 

兄弟だと…とシロさんを睨みながら警戒する…

 

「小細工なんていらない、兄さん。放課後この教室で勝負だ。負けた方が死亡な」

 

※※※※※

 

[尖り]

 

シロさんと言う人は何を考えているんだ、兄弟で殺し合いをさせるなんて…いや本当に兄弟なのか?もし兄弟なら血を分けた(・・・)ではなく血が繋がった(・・・・)って言うはず…そのことから本当の兄弟ではなく、何か育ちや力の源…まさか殺せんせーと同じ何か…例えばあの身体だ。自然界にそんな物ないはずだから、必然的人工物…でもイトナ君は今現在外見は人間だ…ということは外見ではなく中身が違い、超人的な力を出すと言うことか…ちょっと待てよ…それだと殺せんせーは……

 

「…夫⁉︎尖り君‼︎」

「‼︎…ど、どうしたの…神崎さん…」

 

考えていると神崎さんが心配しているように揺さぶってきた

 

「あ、あのね…なんかすごい考え事してて心配だったんだけど、大丈夫?」

「…ちょっとね、イトナ君と殺せんせーの兄弟説について考えてなんだよ」

「そうなんだ、やっぱ気になるよね…」

 

心配させたようだ、まぁまだ情報が足りないからなんとも言えないかな…

 

 

 

 

そして放課後、教室で机の正方形のリングが出来てそこで暗殺者をすることになった…リングの外に足がついたら死刑・観客に危害を与えた場合も負けというルール付き。暗殺じゃなくて試合みたいだな。カルマ君が言うには、生徒の前で決められたルールを破ることは先生として(・・・・・)の信用が落ちるらしい。

 

さあイトナ君はどう殺るんだろうか…

 

上着を脱ぎ捨てて、身軽になった…武器などを持ってるように見えないさあどっちだ?ただの肉体改造か…それとも

 

「それでは暗殺…開始!」

 

《ザンッ!》

 

殺せんせーと同じ身体になるか、又は身体一部を持ってるかだか

 

答えは身体の一部、触手だった…

 

なるほど…本当の兄弟ではなく同じ力を持っている同種ということだろう。そして律さんが言っていた調整が必要と言うことだから触手を人に移植と言うのが最悪の答えだった…

 

「………こだ……」

「どこでそれを手に入れたッ‼︎その触手を‼︎」

 

殺せんせーがどす黒く顔を様で怒っている。殺せんせーが触手を持っていると言うことはその他の人も持てると言うことだろう…でも殺せんせーはそんなこと想定外という感じである。でも殺せんせーは自分だけが触手の力を持っていると過信するような愚か者ではないなら…

 

 

触手を持つ事を酷く嫌っている(・・・・・・・・・・・・・・)と言うことだろう、何か触手を持つことに対してトラウマのような物があるのではないか…

 

「……どうやら、あなたにも話を聞かなきゃいけないようだ」

「聞かないよ、死ぬからね」

 

シロさんの袖から強い光が放たれた瞬間殺せんせーの身体が硬直した

 

「この圧力光線を至近距離で照射すると君の細胞はダイラタント挙動を起こし、一瞬全身が硬直する」

「全部知ったんだよ、君の弱点は全部ね」

 

この高速戦闘に一瞬の硬直は致命的

 

「死ね、兄さん」

 

硬直から回避ができないターゲットにイトナ君の触手が刺さったように見えた

 

「殺ったか⁉︎」

「…いや、上だ」

 

寺坂の声で全員が顔を上げた。蛍光灯にしがみ付いて冷静になろうとしている殺せんせーがいた。イトナ君の攻撃は透明な皮を貫いていた。脱皮、殺せんせーの1ヶ月に一度の奥の手

 

「脱皮か…それにも弱点があるのは知ってるかい?」

 

どんどん殺せんせーが追い詰められていく…

 

「再生や脱皮にはエネルギーを消費する。そして触手は精神に左右される。これで現在どちらが優勢か、一目瞭然だろうねー」

 

皆が暗く悔しそうにしている。まぁこんな余所からきたよくわからない奴が殺せんせーを追い詰めているんだ、納得いかないだろう…よし

 

「ねぇ皆…これでままでいいの?」

 

僕の発言に皆が僕を見る

 

「こんな横取りのような形で殺せんせー殺らせていいの?」

「………」

「こんなのやだ」

 

最初に渚が言った

 

「じゃあどうしたい?」

「「「俺(僕)(私)たちで殺せんせーを殺したい」」」

 

「では、ここに手が空いているレジスタンスがいるんだけど…どうする…依頼する?」

 

皆がうなずいた

 

「よし、わかった。じゃあ言い出しっぺの渚君がジュース一本奢りでいいだろう〜」

「初回使用のサービスだよ?」

 

皆がくすっと笑った

 

では任務に移ろう。まずはシロさんの硬化ライトをチーターで壊す

 

「……何のマネかな?」

「いやいや、たった今(・・・・)依頼が入ってね。殺せんせーをイトナ君に殺させないって言う」

 

「正気なのかな?奴をここで殺せば、地球に平和が戻るんだよ?」

「いや、これは依頼だからね、そんなのどうでもいいよ」

 

シロさんは少し驚いているがすぐに元に戻る

 

「後ね、同じ獲物を狙ってるのに、邪魔されたら排除するのは当たり前だよ思うよっと」

 

僕はリングに入る

 

「イトナ君には教えてあげよう、強者が必ず勝者になるわけではないと」

「ッ!…邪魔だ‼︎」

 

やっぱり怒ったか…触手が襲ってくる前に盾を展開し、備える。横振りの触手を盾で受け流す、受け流したとはいえ腕に凄い反動がくる、腕を少し痛めて、少し頬に掠るけど問題ない、そして攻撃を弾かれて動揺してるイトナ君に近づき、吹っ飛ばす事を重視した蹴りを放ち、窓の外に吹っ飛ばした。

 

「これで二重の意味で負けだね。地面に足が付いているし、観客に危害を与えたしね。まぁ乱入者を観客と見なすかは置いといて」

 

少し煽るとイトナ君が触手や髪が黒く変化している

 

「勝てない…俺が、弱い……?」

「弱いから勝てないわけではない、勝ち筋を掴めなかったから勝てなかったんだ」

「うるさい‼︎俺は、強い。この触手で誰よりも強くなった。誰よりも……ガァッ‼︎」

 

感情任せに雄叫びを上げ突っ込んでくる、僕は構えて攻撃を躱すか受け流すかして回し蹴りを決めようとしたら、ピシュンッという音と共にイトナ君は気を失った

 

「すみませんね、丸尖り君。どうもこの子は…まだ登校できる精神状態ではなかったようだ。殺せんせー、しばらく休学させてもらいます」

 

シロさんが麻酔銃のような物でイトナ君を沈黙させた…イトナ君を担いで行ってしまう。殺せんせーも止めようとしたが、シロさんは対先生繊維で作られた服を着ていたので触れることは出来なかった

 

 

※※※※※

 

[尖り]

 

イトナ君の暗殺が終わり、皆は暗殺現場として使われていた机を並べ直して壊した窓の掃除などをして片付けをしていた。

 

僕は怪我の手当てをしよう、怪我の手当ては早急にしなくては、鞄から包帯と消毒液、湿布にガーゼを出した

 

「尖り君ってなんか沢山持ってるね」

「普段は最低限しか持ってきてないよ、転校生が来るから一様ね?」

 

神崎さんに答えて、さあ取り掛かろうとしたら道具を神崎さんと律さんに全部取られた…なんで?

 

「あの〜返して欲しいですけど?」

「ダメですよ、怪我人は安静にしないといけないんですよ?」

「そうだよ、無理に動くと治りが遅くなっちゃうよ?」

「だから私たちがやってあげます!」

「いや自分で出来るよ?」

 

ちゃんと一人で処置出来る様に教わってるし…

 

「こういう時は甘えた方がいいんだよ?」

「さあ上着を脱いで下さい」

 

まあ好意はちゃんと受け取っておかないと失礼か…

 

「わかった、お願いね」

 

そう言って上着を脱いで痛めた左肩を出す

 

「え〜と、主に肩のほうだから、肩の所に湿布を貼ってそして包帯で固定を……聞きてる?」

「あ!うん聞いてるよ。わかった肩ね」

 

なんかぼーとしたたけど大丈夫だよね?…

 

「じゃあ律さんは左頬の消毒とガーゼをお願い」

「はい!お任せを‼︎」

 

二人とも結構上手いな。そして処置が終わり上着を着る

 

「で、何してんの殺せんせー?」

「さぁ…さっきからああだけど」

 

何故か殺せんせーは教卓の椅子に座り、顔を両手で隠しながら「恥ずかしい、恥ずかしい」と言っている

 

「シリアスな展開に加担してしまったのが恥ずかしいのです。先生どっちかと言うとギャグキャラなのに…」

「自覚あるんだ‼︎」

 

そのキャラ計算してやってるんだ、疲れそうだね

 

「かっこ良く怒ったたね〜"どこで手に入れたッ‼︎" "その触手を‼︎"って」

「いやああ言わないで狭間さん‼︎確かに尖り君みたいに少し格好いいセリフ言ってみたかったんですが‼︎改めて自分で聞くと逃げ出したい‼︎」

 

え?ちょっと待って、それだと僕が恥ずかしいこと言ったみたいじゃん

 

「…でも驚いたわ。あのイトナって子、まさか触手を出すなんてね」

 

その言葉に殺せんせーがピタッと止まる。皆なの視線が殺せんせーに向いて

 

「…ねぇ殺せんせー、説明してよ。あの二人との関係を」

「先生の正体、いつも適当にはぐらかされてだけど…あんなの見たら聞かずにいられないぜ」

 

皆に問い詰められた殺せんせーは仕方なく言葉を発する

 

「……仕方ない、真実を話さなくなりませんねぇ。実は先生……」

 

皆緊張して聞いている

 

「実は先生…人工的に造り出された生物なんです‼︎」

 

皆が真顔になった

 

「だよね、で?」

「にゅやッ反応薄っ‼︎これ結構衝撃告白じゃないですか⁉︎」

 

皆そんなことわかっていたって感じである

 

「知りたいのはその先だよ殺せんせー、どうして怒ったの?イトナ君の触手を見て」

 

渚が皆が知りたいであろう事を聞く

 

「残念ですが、今それを話した所で無意味です。先生が地球を爆破すれば、皆さんが何を知ろうが全て塵になりますからねぇ」

 

やはりはぐらかしたか…少し答えは出ていたけどある仮説が僕の中で生まれる

 

「逆にもし君達が地球を救えば…君達は後でいくらでも真実を知る機会を得る。もうわかるでしょう…知りたいなら行動は一つ、殺してみなさい。暗殺者(アサシン)暗殺対象(ターゲット)それが先生と君達を結びつけた絆のはずです。先生の中の大事な答えを探すなら…君達は暗殺で聞くしかないのです」

「質問が無ければ、今日はここまで。また明日!」

 

最後まで恥ずかしいながら帰っていった……

 

そして皆で烏間先生の所に会いに行った。

 

「あの…もっと教えてくれませんか、暗殺の技術を」

「…?今以上か?」

 

磯貝の言葉に烏間先生が疑問を浮かべる

 

「今まではさ"結局律や尖り君とかの誰かがやるんだろう"ってどっか他人事みたいに思っていたけど」

「ああ、今回のイトナ暗殺や尖りに聞かれて思ったんだ」

「「「誰でもない俺らの手でやりたいって」」」

「だから限られた時間で殺れる限りの事は殺りたいんです」

「殺して、自分たちの手で答えを見つけたい」

 

皆な言葉を聞くと烏間先生は承諾して希望者は放課後に追加訓練をすることになった。駄目なのはわかってるけど…皆の訓練に参加したかった…

 

 

 

そして家に帰り、ある事を一美送った…少しして『オッケー、今度遊び一回でいいよ❤️』と返ってきた。本当に感謝してもしきれない…

 

 

 

 

 




なんかイトナ君が子供ぽくなってる感じですが、強さに執着しているって言う事で許して下さい。


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遊びの時間

ここで出したい設定を出そうと思ったのですが、物語的によく見たら時系列がおかしいと知りました…
ですがここで出さないと違和感が出でくるので、時系列はなんとか目を瞑って欲しいです、本当にすみません。


[尖り]

 

「うん、ありがとうな。その件に関しては夏休み序盤で頼む。」

「うん、球技大会と期末テストがあるんだ。…いや球技大会は部外者は立ち入り禁止だろう…」

 

一美とお詫びの件で電話をしている。時期が少し遠くて疑問に思ったらしく、その理由を言ったら球技大会行くとか言ってきたからちゃんと止めた。そして放課後に少し長く話してたから、もう学校に人は少なくなっていた…

 

「もう、帰らなきゃな…ん?」

 

荷物を取るために教室に入ったら神崎さんがいた…

 

何か覚悟を決めようとしてもしきれないような雰囲気だった

 

「神崎さんも残ってたんだね、もう帰るの?」

「う、うん、尖り君も?」

 

誤魔化すようにいつものような感じで話す…

 

「うん、そうだよ…一緒に帰らない?」

「え…」

 

嫌がってる感じではなく、意外そうに見ている

 

「あ、いや、うん。私も一緒に帰りたいな…」

 

少し動揺されたけど了承はされたので、一緒に学校を出る

 

 

「どうして、こんな時間まで残ってたの?」

「今日は帰り辛いと言うか…なんと言うか…うん、帰りたくないかも…」

 

落ち込んでて暗いと言うよりかは、必死に足掻こうとしてるけど、それ以上に不安が押し寄せている感じだった

 

「なるほど…」

「ごめんねこんな事話したってこまーー」

「よし、今から遊びに行かない?」

 

結構驚いてるな…

 

「今から帰るにしても少し早いし、神崎さんがよかったらなんだけど…どう?」

「時間的には大丈夫なんだけど…」

 

後少しか…

 

「行く所って言うとゲームセンターなんだけどさ」

「僕さゲームセンター行ったことないんだよ、時間なくて行けなかったんだけどさ…神崎さんが行かないなら一人で行くんだけど…流石に初めての場所は一人で行くのは厳しいというか…」 

「神崎さんが一緒に行ってくれるなら安心なんだけど…ダメ?」

 

なんかナンパみたいになってるけど…まあ受け取り側次第だ。ここで断られたらナンパ男になってしまいそうだが……

 

「うん!わかったよ、ゲームセンターというものを教えてあげるよ‼︎」

 

よかった、受け入れてくれたようだ

 

「ありがとう、じゃあお願いね?」

 

 

※※※※※

[神崎]

 

凄い驚いた…今まで尖り君は、自分から一緒に帰ろうと言わなかったし自分から何かを誘うなんてしてこなかった…やっぱり心配させちゃったんだろか。本当に尖り君には助けられっぱなしだ…まあゲームセンター初心者ならしいし、私が出来ることからお返しをしよう

 

 

私おすすめのゲームセンターに来た

 

「おおお、結構賑やかなんだね」

「うん、初めてだと少し煩いかもね」

 

尖り君は本当に初めてなんだろう、結構はしゃいでる

 

「ねぇ!あれ何!やってみようよ!」

 

指差したのがダンスゲームだった、それをやることになったが…

 

 

凄くうまいしかっこよくて、周りの人も見ているけど……振り付けが全く違う…なんか曲を聴いて思うがままに踊ってる感じだった…

 

「え?!19点?これ何点満点⁈」

「いや…これはね、画面の振り付けに合わせて踊るんだよ?」

「あ!そうなんだね‼︎まだ回数残ってるし画面を意識してやってみるよ」

「うん、頑張って…」

 

私の予想は的中して、画面を意識し過ぎて、動きがぎこちなくなっていて面白かった

 

そのあとシューティング、エアホッケー、戦略ゲーム、格ゲーをやった、戦略ゲームはかなりうまかった…最初で感覚を掴んでそのあと全敗させられたので、格ゲーで完封して仕返ししようと思ったけど…申し訳ないんだけどすっごく下手だった。

本人は下手だなんて思ってなさそうだけど、即死コンが気持ちいいぐらいに入り過ぎて、調子のってやり過ぎちゃった。

不機嫌になっちゃってたらどうしようって尖り君を見てみると。

悔しそうにしているけど、凄く楽しそうにしているなぁ〜とホッとした感じで見ていると

その奥に新しく出来たホラーのシューティングゲームをみつけた

 

「あ、ねぇ尖り君あれやらない?」

 

私がそれを指差して言うと尖り君が固まった…

 

「あれ?やっぱやめーー」

「いや、やろう!」

 

なんか覚悟を決めている顔だった…なんかカッコ良く見えてしまった

 

そしてホラーのシューティングゲームをやると…

 

「キャー‼︎なんで今現れるの‼︎どっから来た‼︎」

「ちょっと待って‼︎やばい無理‼︎んー⁉︎」

「もう来ない…よね…ヒィ‼︎」

「もう…これは…ウ"!」

 

すっごく怖かって涙目にというか少し泣いてない?……なんか…可愛い…

 

このゲームは最近出来たこともあり3ステージまでだった。

今2ステージの最後ぐらい、ここで死んで終わらせてもいいけどまだ見ていたい、もう少し尖り君の悲鳴を…もっと…いっぱい……ふふっ

 

「大丈夫だよ尖り君!私が着いてるから絶対死なないから‼︎」

「う、うん…絶対…だよ……」

 

凄い震えて涙目で答えてくれてる…ヤバイよ…いつもはカッコ良くて優しい尖り君が今!怯えて私を頼ってくれている…

 

 

ちゃんと3ステージまでクリアしてゲームから出ようとすると…

 

「ごめん…神崎さん…」

「ん?どうしたの?」

 

「腰が抜けたから、肩を貸して欲しい……」

「うん♪わかったよ!」

 

しっかり支えて外に出る

 

「本当に申し訳ない…」

「ううん、私も楽しかったよ?」

「そ、それなら、よかったよ…」

 

苦笑いしている…

 

「なんか…尖り君って苦手なことがない人だと思ってた」

「いやいや僕だって苦手な事は沢山あるよ?」

 

 

 

※※※※※

[尖り]

 

もう時間が遅くなって来ていたので帰ることになった。凄い恥ずかしい所を見られたな〜まあ今の神崎さんの顔が学校を出た時よりも格段に明るいからいいか

 

「今日はありがとうね、尖り君」

 

突然神崎さんが感謝を述べた

 

「元気付けてくれて…」

 

やっぱりバレてたよね…結構露骨だったもの

 

「いやいや、僕も楽しかったよ」

「それでもだよ、本当にありがとう…」

 

「私の所の親が厳しいの」

 

まあ僕の所も厳しいけど、そういう方向ではないだろう、黙って聞くことにした

 

「自分の認める、社会で地位の高い仕事じゃないと、認めないくらいに…」

 

やっぱり違う、僕の父親は厳しいけど、ちゃんと僕のやりたいことや長所を見てくれる

 

「だけど、私が就きたい仕事は親が求める仕事じゃない…これを話したらきっと反対される。もしかしたら、もう家族として見てくれないかもしれない…」

 

なるほどね…

 

「それが怖かった…家族に見捨てられる恐怖が…親の鎖が苦しくて痛かった…」

 

家族に見捨てられる恐怖…それは子供にとってそれ以上の恐怖はないだろう。黙って聞こうと思ってだけど…

 

「じゃあ神崎さん?聞いていい?」

「う、うん」

「神崎さんがE組に行ってから親御さんは干渉して来てる?」

「うん、結構最近はどうだ、頑張ってるかとか言ってくるよ…」

 

うん、ならば問題ない

 

「じゃあ、神崎さんが見捨てられる事はないだろう」

「え?」

 

疑問に思ってるね

 

「完璧を求める人そして自分の子供を見ていないなら、E組に入った時点で完璧ではない子供として見捨てる。そして家族として見なくなるだろう。だか神崎さんの親御さんは干渉をし続けている。少し曲がっているかもしれないが、ちゃんと愛を持って接している筈だ。子供に辛い目にあって欲しくないんだろう。まあそのせいで自分の子供が苦しんでるから本末転倒だけど…」

「そしてね、何も今の自分を維持しようとしなくていい」

「え…」

 

少し絶望している表情をしているね、勘違いしてるね

 

「そして過去の自分にもならなくてもいい、

肩書きを押し付けられた自分、

肩書きから逃げようとした自分、

前を向いて歩こうとしている自分、どれかにならなくてもいい」

 

少し明るくなったね、少しわかって来たかな?

 

「この全部の自分がいいと思った所をかいつまんで自分の要素にしてしまえばいい、他人が持ってる物でもいい、道に転がってる物でもいい、自分があれいいな〜って思う物を自分のものにすればいい」

「そして、やっぱいらないと思ったら捨ててしまえばいいし、捨ててやっぱいると思えば払えばいい、人生なんてそんなもんだ。他人、親がこれ持っとけって言った物でも、親が示した道でも、結構は持つのも、その道を歩くのも自分、そして失敗しても自分の責任、もちろん成功しても自分の責任だ、何せ自分で選んだんだから」

「自分の人生だ、親であろうが部外者である事は変わりない!」

「自分の人生にケチつける奴には中指でもたてて、『煩え私の人生だ!黙ってアドバイスだけしてろ!』ってね」

 

クスって笑ってくれた

 

「フフ、黙ってたらアドバイスできないよ」

「まあそれは問題じゃないけどね」

 

結構明るくなってるな

 

「そしてこの僕の価値観を全部無視してもいい、『煩えクソが、指図してんじゃね!』ってね」

「ハハハ」

 

結構笑ってるな…

 

「君は一人じゃない、僕ら仲間がいる、君が悩んで困ったらすぐ助けにきてくれる」

「だから、安心して壁にぶつかって来な」

 

神崎さんは今日一番の笑顔で

 

「うん、殺ってくるね!」

「健闘を祈る」

 

もう別れ道に来ていた

 

「じゃあまた明日!」

「うん!バイバイ‼︎」

 

 

そして家に帰った

 

「本当に尖りさんは優しいですね!」

「律さん…聞いてたんだ…」

 

家に帰ったらすぐに律さんが話しかけて来た

 

「はい!尖りさん達がゲームセンターに入ったぐらいから聞いてました‼︎」

 

ん?という事は…

 

「尖りさんってホラー苦手なんですねぇ」

 

やっぱりか…

 

「まあ誰にだって苦手なものぐらいあるよ…」

「はい!ですから克服しましょうね?」

 

……え?

 

「E組は苦手を克服する教室ですよ?大丈夫です‼︎私もちゃんと付き合いますから‼︎」

 

ヤバイ…これは…ヤバイ

 

「いや…そんな…」

「まあ、今日はクールダウンとしましょう」

 

まあその時説得すればいいか…な?

 

 

 

あとは寝るだけになったが全然眠れない…目を瞑ると今日のホラーのことが浮かんでしまう……

 

「ね、ねぇ律さん。いる?」

 

もしかしたらと思って言ってみた…

 

「はい、いますよ?」

 

出てきてくれた…

 

「ごめん、ちょっとお願いしたいんだけど………」

「なんでしょうか?」

「……僕が寝るまで……一緒にいてください…」

 

すっごい恥ずかしい……

 

「はい、いいですよ〜」

 

画面を見たらニヤニヤしている律さんがいた。畜生…悔しい…

 

 

寝るまでイヤホン越しで話してくれて、眠れてた…

 

 

 

その次の日、神崎さんから父親と進路について大喧嘩したらしく、僕の言った言葉をそのまんま言ったらしい……

 

 




オリ回で尖り君がキャラ崩壊したと思われる人がいるかもしれませんが、これは最初から決めてました。 
この家族喧嘩って原作の4巻の最初に書いてあったので、おそらく時系列的にはLとRの前でしょう……本当にすみませんでした…


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球技大会の時間

[尖り]

 

「やっと梅雨明けだ〜」

「アウトドアの季節ですな〜どっか野外で遊ばねー?」

「何しよっか」

 

夏に何をするか考えてみるけど…任務や仕事ばっかで何も浮かばない…いやでも、一美に連行されることがあるからそういう所か…?

 

「じゃ釣りとかどう?」

「いいね、今だと何が釣れるの?」

「今だと確か…川だと鮎とか岩魚とかで、海だとアオハタとかかな?」

「いやいや、尖り君〜夏はヤンキーが旬なんだ〜」

 

ん?どういうこと?

 

「渚君を釣って逆にお金巻き上げよう」

「……ほどほどにね?」

「いや!止めてよ!」

 

まあカルマ君も安全面には気をつけるでしょ

 

そんな感じに話してると、本校舎の野球部の練習が見える

 

「ん?なんだ、杉野じゃないか!ひさびさだな」

 

さっき投球していた人が杉野に話しかけていたが、杉野が少し困った表情をしている…

 

「お、おう」

 

杉野は元野球部で、E組に入ったことによって参加出来ないから気まずいのかな?

 

「来週の球技大会投げるんだろ?」

「お?そーいや決まってないけど投げたいな」

「楽しみにしてるぜ!」

 

いい感じに話してると

 

「E組だから毎日遊んでられるだろ?」

「俺ら勉強も部活もやんなきゃだからヘトヘトでさ」

 

少し嫌味を言われて、杉野が落ち込んでる。気にする事はないだろう、何せあの人たちは、僕たちが何をしてるか知らないのだから…

 

「よせ、傷つくだろ。進学校での文武両道、選ばれた人間じゃないならしなくても良い事なんだ」

「へーえ、すごいね。まるで自分らが選ばれた人間みたいじゃん」

「うんッそうだよ」

「ブハッ‼︎」

 

思わず吹き出してしまった、野球部の人がすっごい見ている…

 

「いや、ごめんね。不意打ちだったからさ…」

「何が可笑しかったんだ」

「いや何、大事なのは選ばれてからだと思うし、君らは誰に選ばれて僕たちは誰に選ばれなかったの?神様?」

 

とても苛ついてるね

 

「いや年相応でいいと思うけど…いや、中3だから長引き過ぎているのかな?」

「ダメだよ尖り君〜せっかく選ばれた人たち(厨二病)カッコ良く(黒歴史)決めてるんだから、暖かい目で見てないとさ」

 

僕とカルマ君によってブチギレそうになってる野球部たちだった

 

 

翌日

 

「クラス対抗球技大会大会…ですか、健康な心身をスポーツで養う。大いに結構!」

「…ただトーナメントに表にE組が入って無いのですか?」

 

トーナメント表を見て殺せんせーが戸惑っている

 

「殺せんせーちゃんと見て、下の方にエキシビションって書いてあるよ」

「エキシビション?」

 

エキシビションという建前で男子は野球部、女子はバスケ部と戦って、他の生徒の見せしめにならなくてはならないと

 

「…なるほどいつものやつですか」

「ええ、呆れますよね?」

 

本当に面倒くさいことを考えてるな

 

「でも安心して尖り君・殺せんせー、暗殺で基礎体力ついてるし、いい試合して全校生徒を盛り下げるよ、皆んな!」

 

片岡さんが皆んなの士気を上げて、勝負に挑もうとする

 

「お任せを片岡さん、ゴール率100%のボール射出機を製作しました」

 

律さんもやる気が出たのか、アームのような物を見せてきた

 

「いや、律さんと僕はダメでしょ…一緒に見学しよ?」

「そうなんですか…」

 

一応律さんも僕も国家機密だし

 

「いや尖り君は問題ないらしい、理事長が言うには『尖り君も生徒だ、球技大会を楽しみたまえ』と言っていた」

「え?そうなんですか……あ」

 

律さんの方を見たら、裏切り者を見る目で僕を見ている

 

「ウ"ー…」

「いや律さん…えっと…」

「律さんは皆んなの作戦立案をやってくれ、僕は野球をやったことがないから結構練習しなきゃいけないんだ、おそらく戦略を立てる余裕がないと思う、頼めないかな?」

「……わかりました…」

 

渋々納得してもらえた

 

「俺ら晒し者とかカンベンだわ、お前らで適当にやってくれ」

「寺坂!…ったく」

 

寺坂達は行ってしまった…彼らはガタイは良いから戦力になったと思うけど、無理強いは出来ないか…

 

「野球となれば頼れんのは杉野だけど、なんか勝つ秘策ねーの?」

「…無理だよ最低でも3年間野球してきたあいつらと…殆どが野球未験のE組(おれら)、勝つどころか勝負にならねーわ」

 

言っている事の割には闘いに行く人の顔だ

 

「……だけど勝ちたいんだ、殺せんせー。善戦じゃなくて勝ちたい。好きな野球で負けたくない、そして何よりE組(こいつら)とチーム組んで勝ちたい‼︎まあ無理かもしれねーけど…」

「まあ結構やってみなくちゃ、わからないからね。ね?殺せんせー」

 

殺せんせーがユニホームに着替えて、わくわくしている

 

「おっ…おう。殺せんせーも野球したいのはよく伝わった」

「先生一度スポ根モノの熱血コーチやりたかったんです。殴ったりできないんので、ちゃぶ台返しで代用します」

「「「なんでちゃぶ台⁉︎」」」

 

なんか威厳ないね

 

「最近の君たちは目的意識をはっきりと口にするようになりました。殺りたい。勝ちたい。どんな困難な目標に対しても揺るがずに。その心意気に応えて、殺監督が勝てる作戦とトレーニングを授けましょう‼︎」

 

 

※※※※※

 

[渚]

 

大会当日、E組の試合が始まりました

 

『E組対野球部選抜の余興試合(エキシビションマッチ)を行います』

 

野球部がすっごい気合入ってる

 

挨拶を終えてベンチに戻ってきた。すると菅谷君が疑問を口にした

 

「そーいや、殺監督どこだ?指揮するんじゃねーのかよ」

「あそこだよ。烏間先生に目立つなって言われてるから」

 

指差しで殺せんせーの位置を知らせる

 

「遠近法でボールに紛れてる。顔色とかでサインを出すんだって」

 

殺せんせーが色を変えて僕たちに指示をする

 

「何て言ってるの?」

「えーと、殺す気で勝てってさ」

「確かに俺らにはもっとデカい目標がいるんだ。奴ら程度に勝てなきゃあの先生殺さないな」

 

磯貝君の言葉に僕たちは闘志を奮い立たせて

 

「よっしゃ殺るか‼︎」

「「「おう‼︎」」」

 

試合が始まった

 

「やだやだ、どアウェイで学校のスター相手に先頭打者かよ」

「フン、まずは雑魚か」

 

一番打者は木村君だ。

1球目は噂通りの豪速球にバットを振らず見送る。

2球目は殺監督の指示通りバントを成功、木村君の俊足で一塁に到着

そして次は僕だ。ちゃんとバントを決めてノーアウト一二塁に

 

「何故あんなにバントを決めれるんだとか思ってるんだろうな」

「こちとら…アレ相手に練習してんだぜ」

 

そう、アレと比べたら可愛い方である

 

 

 

殺投手(ころピッチャー)は300kmの球を投げた‼︎」

 

殺投手(ピッチャー)が300kmの球を投げる!

 

そして分身の殺内野手(ころないやしゅ)の余裕の煽り!

 

「間に合うかな〜?」

「そちらがどうぞ」

「いえいえ、どうぞそちらがお捕りになって」

 

殺捕手(ころキャッチャー)はささやき戦術で集中を乱す!

 

「そういえば尖り君、この前…神崎さんをゲームセンターに誘ってホラーゲームをやって怖がり過ぎて腰抜かしましたよね?神崎さんに肩まで借りて…」

「そして最近律さんにホラー耐性をつけるためにほぼ毎日ホラーゲームや映画を一緒に観て、夜一人で眠れなくなって律さんと一緒に寝てますね〜」

 

なんかすごい事を言ってるけど流石にそれは本当なのかな……?

 

……尖り君が打席で石像のように固まっている

 

「………ている」

 

尖り君が小さく呟いた

 

「どこまで知っている‼︎クソクラゲ‼️」

 

真っ赤になってキャッチャーの殺せんせーにバットを振り下ろし、殺せんせーが横に避けるが、すぐに機動を横にずらして殺せんせーを追尾する

 

「にゅや⁈先生はクラゲじゃあありません‼︎タコですよ!そしてホラーをやってる時の尖り君が律さんに震え声で助けを求める所とかしか知りませんよ!」

「ほぼ全部じゃなないか‼️貴様何てクラゲで十分だ‼️」

 

対先生物質じゃないためちゃんとは避けてないみたいだが、かなり当たってる…

 

 

そんな感じの練習をしている、もうこれは野球の訓練じゃないよね…

 

「…この前見ないフリした、殺せんせーの変態ファンレター全部公開してやる…」

「ひいいッ⁉︎ま、まさかアレらを読んだんですか⁉︎」

「殺せんせーの事を考えて、内緒にしてたのに…先生として死ね」

 

尖り君が不貞腐れたように殺せんせーの秘密を暴露する…まあ尖り君にはその権利があるだろう

 

「ごめんなさい!尖り君!これも精神を鍛える訓練だったんです‼︎」

「煩い、バカ、死ね。律さんお願い」

「はい!もう流してました!大丈夫です、ちゃんと国家機密の部分だけ伏せて流したのでご安心を‼︎」

 

 

今度は殺せんせーが壊れたように倒れる…あの状況でも躱せるんだよね

 

「殺せんせー、偵察終わりました」

「お、ありがとうございます竹林君」

 

竹林君が来て殺せんせーが切り替える

 

「進藤の球速は140.5km。持ち球はストレートとカーブのみ、練習試合も9割方ストレートでした」

 

竹林君が持ってるノートパソコンの画面にエース進藤の投球と分析結果が表示されていた。

 

「ありがとうね竹林と律さん」

「…面倒でした」

「しっかりサポートさせていただきました‼︎」

 

尖り君もちゃんと切り替えている

 

「あの豪速球なら…中学レベルでストレート一本で勝てちゃうのよ」

「そう、逆を言えばストレートさえ見極めらばこっちのもんです」

「という訳で、ここからは先生が進藤君と同じフォームと球種で進藤君と同じとびきり遅く投げましょう」

 

マッハ野球に慣れた後で通常の野球に変われば、あの豪速球も止まって見えるらしい

 

「したがって、バントだけなら十分なレベルで修得できます」

「しかし…バントだけでは点は取りづらい…そこで打撃要員は杉野君以外にも必要です」

 

その通りだと思う。幾らバントが的確に出来ても、点を取るなら打撃が出来る人が必要。

 

「そこで、さっきの300km球を目で追っていた尖り君に打撃を練習してもらいます」

「はぁー、ちゃんとやりますよ…」

 

ため息を吐きながら了承した

 

 

 

 

磯貝君が終わりその次は杉野…最初からバントの構えをして投げさせて、打撃へと変えてボールを外野まで打った。ボールが戻る頃には杉野が三塁に到着。残りの僕らもホームに帰ってきて3点リード。このままいけると思ったけどそうはいかないらしい…監督が理事長(ラスボス)に変わったからである

 

 

※※※※※

[尖り]

 

自分の教育理念が乱れるからか監督が理事長になった…あの人野球も出来るんだ…

 

そして野球部を洗脳教育し始めた…モラル崩壊かな?

 

『こっこれは何だー⁉︎守備が全員内野に集まってきた‼︎こんな極端な前進守備は見たことない‼︎」

 

とうとうやってきたか…

 

「あんな至近距離で守備ってダメだろう‼︎バッターが集中出来ねぇよ‼︎」

「ルール上審判が容認すればどこ守っても自由だね、そして審判はあっち側だ、期待できない」

 

前川がバントをするが、打ち上げてしまいワンアウト。次は岡島の番になり、殺せんせーが打つ手なしの表情だ。そして三振でツーアウト、千葉君も何もできずにスリーアウト

 

そして守備になり、杉野が三者三振で交代させた。

 

「どうした?早く打席に入りなさい」

 

カルマ君の番だが打席に入らない

 

「ねーえ、これズルくない、理事長センセー?こんだけジャマな位置で守ってんのにさ。審判の先生、何にも注意しないの?」

一般生徒(おまえら)もおかしいと思わないの?あーそっかぁ。おまえらバカだから守備位置とか理解してないんだね」

 

カルマ君が抗議してから、観客を煽って怒らせる。

 

「「「小さい事でガタガタいうなE組が‼︎」」」

「「「たかだかエキシビションで守備にクレームつけてんじゃねーよ」」」

「「「文句あるならバットで結果出してみろや」」」

 

うわ〜醜いな〜…でもカルマ君煽るだけって感じだから何か考えがあるのかな?殺せんせーも顔に丸を表示してるし

カルマ君がアウトになりやっと僕の番

 

「やってくれよ尖り〜!」

「まあ程々に頑張るはー」

 

打席に向かった

 

「どうしたの?そんなに睨んで…なんか恨みでもかった?」

 

野球部員の誰かを煽ったが、単純だねすごい切れてる

 

『ストライク!』

 

一回流して…二投目!バットを思いっきり振り

 

『ホ、ホームラン!』

 

一周している間に理事長に手を振っておく、まだ澄まし顔だな〜

 

「わーい、皆んなただいまー!」

「お帰り〜」

「お前やるじゃん‼︎」

「だよね!皆んな打てなかったのに‼︎」

「やるじゃん」

 

フフー褒められるのは気持ちいいねーまあでも油断は出来ないけど…

 

理事長が進藤君を強化(凶化)している…

 

 

守備になり、E組の守備が弱さが露呈して、徐々に追い詰められていく。そして進藤君の打順になり横ストレートに飛んでくる

 

『バン!』

『は⁉︎…絶好調の進藤君の打撃が防がれた‼︎』

「よし、ワンバンしてないしアウトでしょ?」

 

皆んな驚いてるねー

 

「アイツやるじゃない…」

「ああ、彼なら敵の動きや視線が見えていれば、どこに誰に攻撃が来るか分かるのだろう。しかも防ぐ手段(グローブ)もあるから、彼にとってあの球はただ速いだけの球だろう」

 

少し取られて動揺してるけど、その程度ではまた洗脳されるだけだろう

 

現在4対2。2点取られて交代だ、しかし僕らは点が取れなかった…

三回裏

 

「橋本君。手本を見せてあげなさい」

 

何かを指示する理事長…僕からは少し遠くて聞こえない。何かをする気かな?

 

『あーっと!今度はE組が地獄を見る番だ‼︎』

 

バントで返されて、今度は僕らが翻弄される。

 

『あっという間に、ノーアウト満塁!ここで迎えるバッターは我が校が誇るスーパースター!進藤君だ‼︎』

「踏み潰してやる…杉野‼︎」

 

完全に凶戦士だ〜あの人なら狂信者も沢山作れそうだな

 

「尖り君〜殺監督からの指令〜」

「…何をするのかな?」

「それはね〜……」

「本気か?」

「まあ任せて〜」

 

まあ信じることも仲間の役目か……

 

「わかったよ」

「オッケ〜早く行こう〜」

 

 

『‼︎こっ…この守備は‼︎』

「明らかにバッターの集中を乱す行為だけど、先にやってきたのはそっちだよ?」

「そうだよ〜そっちがやった時、審判は何も言わなかったし文句ないよね理事長?」

 

まあ文句はあるだろうけど、言えないだろう

 

「ご自由に、選ばれた者は守備位置位で心を乱さない」

「ありがとうございます、それでは…」

「へーえ、言ったね?じゃ遠慮なく」

 

許可をもらったのでさらに前に出る

 

『ちっ…近い‼︎前進どころかゼロ距離守備‼︎振れば確実にバットが当たる距離だ!』

「………は?」

 

進藤君が真顔になってる…スポーツマンシップもクソもないよね?これ

 

「気にせず打てよスーパースター、ピッチャーの球はジャマしないからさ」

「うん、君なら出来るよ!何せ選ばれた勇者なんだからさ」

 

煽ってみたけど、それ以上に戸惑ってるな

 

「構わず降りなさい進藤君。骨を砕いても打撃妨害を取られるのはE組の方だ」

 

理事長はそう言っているけど…進藤君かなり動揺しているよ?まあ多分根は優しいんだろう…

杉野がボールを投げ、進藤君がバットを振る。僕とカルマ君は殆ど動かずギリギリで避ける

 

『ストライク!』

 

(マッハ20の私への暗殺で鍛えられた動体視力…カルマ君は度胸も動体視力もトップクラス。少しずるいですが、尖り君なら経験と実力でこんなバット躱すだけならバントより簡単でしょうねぇ)

 

「ほら、当てる気がないスイングじゃ、敵は倒せないよ?」

「次はさ、殺すつもりで振ってごらん」

 

僕とカルマ君の言葉で進藤君は理事長の洗脳に体がついていけなくなった

そんなチグハグの状態ではまともにバットを振れるはずもなく…ボールには当たったがその場でワンバンしカルマ君の方向に飛んで難なくキャチ

 

「渚君‼︎」

「サードランナーアウト!渚君!三塁に投げて!」

 

三塁に送球。ランナーが来る前にボールに行きツーアウト。

 

「木村君!次一塁!進藤君走ってないから、落ち着いてー」

 

木村君が一塁に送球し菅谷君がキャッチした

 

『ゲ…ゲームセット…‼︎…なんと…なんと…E組が野球部に勝ってしまった‼︎』

「お疲れカルマ君」

「いや〜結構いい煽りするね〜」

 

ハイタッチをした

 

「でもカルマ君、少し回避が遅かったよ?」

「あはは、わかっちゃうんだね〜」

「あと少しでつき飛ばそかと思ったよ」

 

本当にハラハラした…

 

「渚君もお疲れ」

「二人とももお疲れ。本当に至近距離でやるんだよもん。びっくりしたよ」

 

杉野が進藤君に近づいて…

 

「進藤!ゴメンな。ハチャメチャな野球やっちまって。でも野球選手としてお前は俺より全然強ぇ、これでお前に勝ったなんて思ってねーよ」

「……だったら…なんでここまでして勝ちに来た。結果を出して俺より強いと言いたかったんじゃないのか?」

 

進藤君の疑問に杉野が少し困った表情をして

 

「…んー…渚は俺の変化球練習にいつも付き合ってくれたし、カルマや尖りの反射神経とか皆んなのバントの上達ぶりとかすごかっただろ?」

「それに尖りのやつ数日前までサッカーのルールと混同させてたんだぜ?」

「でも結果を出さなきゃ上手くそれが伝わらない。…まあ要はさ」

 

照れ臭そうにして

 

「ちょっと自慢したかったんだ、昔の仲間に、今の俺のE組の事」

「どうだ!すごいだろう〜でも君のそれは自信にもなって君にプラスに働くだろう」

 

と僕が手を出して進藤君を引き上げる

 

「覚えておけよ杉野、次やる時は高校だ、そしてお前!俺は厨二病じゃねよ〜!」

「おうよ」

「はは、そうなんだ」

 

 

 

帰り道に

 

「疲れたね、惜しかったらしいじゃんそっち」

「うん、お疲れ尖り君、あと少しだったんだけどね?でも楽しかったよ」

「まあ楽しかったならいいよ」

「でも最後の危なかったんじゃない?」

「そうですよ!あと0.3秒遅かったら当たってたんですからね‼︎」

 

神崎さんと律さんが最後の回避の件について言っているんだろう

 

「そうだよね、カルマ君が少し回避が遅くて心配だったし、殺せんせーがそんな危険なことを指示するなんて…」

「カルマ君もだけど…尖り君だって危なかったんだよ?」

「そうですよ、怪我でもしたらどうすんですか‼︎」

 

あ〜僕の事も言ってたんだね…

 

「いや、僕は…」

「言い訳しないでください!」

「もう無茶したら駄目なんだからね?」

「まあ無茶して勝てる敵なんてたかが知れてるからね」

「殆ど無茶なんてしないよ」

 

まあ無茶して出来ることなんてそんなにないからね

 

「伝わってるかな〜?」

「わかりました!次無茶したらホラー体験させませますからね?」

「な!」

 

ヤバイ制約が出たけど、どこまでが無茶なのか…まあこれ以上抵抗するともっと酷い制約が出来そうだから受け入れるか…

 

「わ、わかったよ」

「「絶対(だからね)(ですからね)」」

 

 

まあそんなに無茶することはないだろう…




野球のルールよく理解してないので何か間違ってるかも知れません


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アートの時間

[尖り]

 

「7月1日、今日から夏服!肌色が眩しいねェ。健全な男子中学生にはつらい時期だぜ」

「ま、まぁね。岡島君」

 

半袖になっただけで、そんなに変わるかな?一美は喜びそうだけど…

 

「いけませんよ、露出の季節に平常心を乱しては」

「「「あんたが言うなエロダコ‼︎」」」

 

露出の季節関係なく読んでるだろ…年齢確認とかどうしているんだろ?

菅谷が教室に入ってきて…

 

「……ああ…今日から半袖なのは計算外だった」

「晒さなくなかったぜ、神々に封印されたこの左腕はよ……」

 

殺せんせーも皆んなも驚愕している…刺青一つでそんなに驚くことかな?

 

 

 

 

「へー、ペイントなんだこれ‼︎」

「メンヘンディアートっつってな。色素が定着したら、1週間ぐらい取れねーんだ」

 

 

倉橋さんや竹林などが関心しながら見ていて、菅谷が解説をした

 

「あーインドのやつでしょ」

「知ってんだ、カルマ君」

「うちの両親インドかぶれで旅行く度、描いて来るよ」

「よ、良かった…‼︎先生てっきり、うちのクラスから非行に走る生徒が出たかと…」

 

さっきまで読んでいたエロ本からカウンセリングの本や自己啓発本などを出して焦っていた

 

「…相変わらず、そういうとこチキンだよね」

「尖り君はこういう事、真っ先に止めそうなのになんで殺せんせーみたいに焦らなかったの?」

 

茅野さんが疑問に思っているみたいだけど、誰彼構わず構うわけじゃないよ?

 

「別に刺青一つでその人の人格が決まるわけじゃないし、刺青のデメリットが分かった上でやってるなら、僕が言うことは何もないよ」

「まぁ分かってないなら全力で止めてわからせてから、やらせるけどね」

「理解力のある過保護だね」

 

なんか矛盾してそうなことを言われたところで、菅谷がホイップチョコのような物を出した。塗料かな?

 

「よかったら、殺せんせーにも描いてやろうか?」

「にゅやッいいんですか?」

「楽しみですねぇ、先生こういう刺青みたいなの一度は描いてみたかったんで…」

 

殺せんせーが顔に塗料を塗った瞬間、殺せんせーの顔の側面が爛れ出して皆んなを驚かせながら暴れる

 

「なるほどね…対先生弾を粉末にして塗料の中に練り込んだんだ。まぁ全身に塗りたくらないと効果はないか…」

「アイディアは面白いのですが…効果は嫌がらせ程度です」

「…ていうか。先生、普通にカッコいい模様描いて欲しかったのに…」

「わ、悪かったよ!普通の塗料で描いてやるって」

 

クラスのほぼ全員がボディーアートを受けていたが、律さんが少し寂しそうにしている…まあ壊れたらヤバイもんね…そうだ!

 

「律さん僕の体に描く?」

「はい!いいんですか?」

「僕まだ描かれてないし、律さんの思うがままに描いてみたら?」

「ありがとうございます!では身体の隅々まで描いてあげますね♪」

「いや、腕だけだよ⁈」

 

僕の提案を受けて、機嫌よく僕の腕に描いていく…なんかハートとか花ばっかだけど…結構上手いな…

 

「私の色香に悲鳴を上げろオス達よ!おはよ…ギャーッ‼︎」

 

ビッチ先生が勢いよく入ってきて奇声を上げた

 

「なっ何、皆んなでバケモノメイクやってんのよ!アンタら‼︎」

「あー…皆んな見ているうちに描いて欲しくなったみたいで」

「しばらくすると塗料を剥がすと色素が程度してるんですって、楽しみで授業が手につきません」

 

そういえばもう授業だっけ?楽しんでたから時間の感覚が麻痺していた…というか殺せんせーの皮膚に定着するのかな?

 

ビッチ先生が床に落ちてた塗料を踏んで転んでしまい気絶して殺せんせー対菅谷のアート対決になった

 

「すごいですね菅谷君。いつもの教室がいつもの教室があっという間に彼色に染まっちゃった」

「うん…」

 

確かに彼は絵や造形がすごく上手いからこういう事は彼の十八番だろう

 

「俺さ、昔から芸術肌なだけにさっきみたいに目立ちすぎちゃう時があってさ…2年の時にそれが原因で素行不良扱いされたんだって」

 

はぁー全くあの学校は…本当に個人の個性を許さないな…

 

「それでさ、E組に入る前に担任に言われたんだけどさ、『ただ成績が悪い人間と成績が悪い上に求めてもない達者な絵を描いちゃう人間。社会に出たらどっちの方が悪い評価を受けると思う?それが君のE組行きの理由よ』ってさ…ま、正しいけどね」

 

生徒もそうだと教師もか…

 

「菅谷、そんなの気にする必要ないだろう…社会に出たらどうのって、教育の社会しか知らない分際で社会を完全に理解できる筈がない。第一何も持っていない、持とうとしない奴よりも尖った物を持っている奴の方が完全に使えるし必要とされる」

「尖りだけに、ですね!」

「……名前で洒落なんて言わないよ…」

 

やめろ!その微妙な反応!律さんが変な事を言っただけだ‼︎と言おうとしたら…殺せんせーがビッチ先生を魔改造している…菅谷のものと合わせてシュール感がすっごい出てるな…あ、ビッチ先生起きた…

 

「自分の現状を確認してるな」

「出て行った、意外と気に入ったか」

 

いや…僕の角度から見えたけど真顔だったよ?

そして…実弾銃両手に帰ってきた…まあ仕方ないよね?

 

「死ね‼️あんた達皆殺しにしてやるわ‼️」

 

盾を一様展開してるけど、殺せんせーが対処してるし盾だと跳弾が危ないからね。それに殺せんせーがほぼ100%悪いし殺せんせーに任せよう

 

「普通はさ、答案の裏に落書きしたらスルーされるか怒られるだろ?」

「だけどあのタコは、安っぽい絵を加筆して来る、むしろ嬉々としてさ」

「尖りも言ってたけど、当然だよな、落書き程度でマイナス評価になるわけがない。なんせ殺しに行ってもいいんだから」

「ちょっとぐらい異端な奴でもE組(ここ)じゃ普通だ。いいもんだな殺すって」

 

清々しい感じに殺せんせーとビッチ先生の攻防を見ている…

 

その後、殺せんせーとビッチ先生は烏間先生の雷を受けた…

 

 

 

 




アートの時間が短かったので訓練の時間とくっ付けようと思ったのですが、違和感が湧くと思いやめました


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訓練の時間

[烏間]

 

「視線を切らすな‼︎次に標的(ターゲット)がどう動くか予測しろ‼︎全員が予測すればそれだけ奴の逃げ道を塞ぐ事になる‼︎」

 

 

ーー暗殺訓練の中間報告ーー

 

四ヶ月目に入るあたり…『可能性』がありそうな生徒が増えてきた。

磯貝悠馬と前原陽斗は運動神経が良く、コンビネーションもいい。2人がかりなら…俺がナイフを当てられるケースも増えてきた。

 

赤羽業は一見のらりくらりとしているが、その目に強い悪戯心が宿っている。どこかで俺に赤っ恥をかかそうと考えている。

 

丸尖り、彼は紛争やテロの現場にも居たため戦闘能力が高く、そして心理戦・情報戦を交わらせればこのクラスでも飛び抜けて優秀だろう…だが俺にナイフを当てられる頻度が日によって変わり、戦闘スタイルも日によって変わる。

何故なのか彼に聞いてみた所『メンバーの闘い方で何か良いものがないか、改善点がないか模索してました。実験台にするような事になってしまいすみません』と言っていた。よく俺に訓練の助言や改善点などを言ってくれるが、時々彼が本当に16歳なのか疑問に思う事がある。

 

女子は体操部出身で動きができる岡野ひなたと男子並の体格(リーチ)と運動量を持つ片岡メグ

 

このあたりが近接攻撃(アタッカー)として非常に優秀だ。『そして殺せんせー彼こそ正に俺の理想の教師像だ、あんな人格者を殺すなんてとんでもない‼︎』

 

「人の思考を捏造するな、失せろ標的(ターゲット)

 

寺坂竜馬、吉田大成、村松拓哉は未だに訓練に対して積極性を感じられない。体格は良いだけに、彼等が本気を出せば大きな戦力になるのだが…

全体を見れば生徒の暗殺能力は格段に向上している…

 

「!!!」

 

滑りとした何かが仕留めようとする感覚に強く防御してしまった

 

…潮田渚。小柄ゆえに多少はすばしっこさがあるが、それ以外に特筆すべき身体能力はない温和な生徒。だが今、感じた得体の知れない気配は一体……

 

今日、本部長から伝えられた。この場に適任の男が来るらしい……

 

 

※※※※※

[尖り]

 

「やっ!俺の名前は鷹岡明‼︎今日から烏間を補佐してここで働く!よろしくなE組の皆!」

 

でかい図体の男性がやってくると、持っていた袋からブランド物のスイーツを出して皆と楽しく会話し優しそうに接していた……表面上では

 

職員室に向かいあの男の素性を聞きにいく

 

「君はいいのか?」

「はい、僕はあの人を信用できないと思います」

「何故だ?」

「あの人は、何か人を狂わせ私利私欲の為に操る教祖のような印象を受けました」

「……」

「あなた方が知っているあの男の情報を教えてはくれませんか?」

 

烏間先生と一緒にいた園川さんが口を開いた

 

「はい。尖りさんの言う通り、あの人は極めて危険な異常者です。鷹岡さんは烏間さんに強い対抗心があるそうです。同期としては劣っていた分…活路を見出したのが教官でした。家族のような距離感で接して暴力的な独裁体制で、短期間で忠実な精鋭を育てる事ができたそうです」

 

なるほど、今も奴の訓練中ということか…

 

「上からの命令の為、烏間さんがすぐには動けるかわからないのです。ですのでもしもの時はお願いします」

 

そう言って園川さんが頭を下げた

 

「はい、元よりそのつもりで聞きにきましたし僕に出来る範囲ならなんだってしますよ」

「俺も警戒しておくが君の方が近いだろうから頼んだ……すまない」

 

烏間先生が申し訳なさそうに言ってきた

 

「大丈夫ですよ、実力的にも権力的にも(・・・・・)僕たちの方が上ですから」

 

と言い職員室から出る

 

 

 

 

家で鷹岡さんの経歴や訓練内容などを律さんと調べた

 

「本格的にE組に要らないな…」

「そうですね、この内容では皆さんの身が危ないかも知れないですし」

「まあそれも大いにあるけど、本質はそこじゃないよ」

 

律さんが画面いっぱいに?を浮かべて僕に聞いてきたから、その詳細を説明して納得してもらった

 

「なるほど、わかりました…ですがもう遅いです、早く就寝してください!」

 

時計を見て今は2時ちょうどだった、そんなに時間だってたんだ…

 

「わかったよ、もう寝るね?」

「はい、おやすみなさい」

 

ベットに入り、目を瞑る、少し考える…鷹岡さんがE組に危害を加えた場合どれくらいの事をしていいんだろうか…

 

「早く寝てください…」

 

と呆れて声で律さんが話しかけてきた…なんでわかったんだろ?

 

 

 

 

翌日

 

「さて!訓練内容の一新を伴ってE組の時間割も変更になった。これを回してくれ」

 

時間割を渡された途端、皆が驚愕する…内容が3時間目までが普通授業で4時間目から10時間目までが訓練と書かれていた。

 

「このぐらいは当然さ、理事長にも話して承諾してもらった"地球の危機ならしょうがない"と言っていたぜ」

「お前らの能力は飛躍的に上がるでは早速スクワット100回3セットを…」

「ちょっ…待ってくれよ無理だぜ!こんなの‼︎」

 

前原が抗議をした、ヤバイ…情報通りなら…『シールド展開』…前原の前に盾を構えて蹴りを防ぐ

 

「ガン‼︎」

「ッーー」

 

鷹岡が盾の固さに耐えれなく膝を抱える、まあ当たり前だろう…使用者の事を考えなければ戦艦の砲台を耐えるという謳い文句だったからな…そんな事はどうでもいい…

 

「貴様…今何をしようとした…」

「と、尖り…」

「離れて」

 

前原を離れさせて

 

「酷いな〜父ちゃんそんな子に育てた覚えはないぞ〜」

「ほぉ、生徒に暴力を振るう奴が何を言っている…」

「ちゃんと手加減はしてるぜ?大事な俺の家族なんーー」

「違う、貴様の家族じゃない、僕の仲間だ」

 

軽く殺気を浴びせながら言う、こうすれば唯の学生とは思わないだろう

 

「お、お前が例のレジスタンスか…」

 

(本部長から『何をやってもいいがレジスタンスの連中だけは怒らせないでくれよ。頼んだからな』そう言われたから警戒していたがガキだったのか…ならば)

 

「俺の訓練が気に入らないのか?短時間であの超生物を殺さなくてはいけないんだ、厳しくなるのは当然だろ?それにレジスタンスの訓練はこれ以上に厳しいと聞く」

「そして抜けなくなった奴は抜けてもいいぞ?そん時は俺の権限で新しい生徒を補充する。俺が育てた屈強な兵士と入れ替わってもらう」

「なんだ?最初の威勢はどうした?何か言い返さないのか?」

 

(フっ、やっぱりガキか…)

 

「そうですね、まず。貴様のその非効率で目的を見失った訓練が気に入らない」

「…は?」

「それもそうでしょう?この訓練は中途半端な軍隊を教官が簡単に多く作る訓練メニューだ」

「軍隊に求められるのは個人の能力ではなく、群としての平均値。ですが、ここで求められるのは個人の長所にあった極限です」

「軍隊が殺せんせーを殺せるならここで教師なんてやっていなでしょう?それに個人の長所にあった訓練メニューや生徒のやる気を出させるのは教官の役目です」

「そして10時間まで訓練?その訓練メニューに座学や休憩の訓練が入っていれば話は別ですが」

 

と言うかそんな時間まで訓練していたら親御さんにバレるだろう

 

淡々と言っていく様に鷹岡が動揺しながら

 

「あ、当たり前だろう!座学や休憩になんの意味がある!」

「戦場では長く走った者ではなく、知識に優れ素早く復帰する奴が生き残る」

「で、レジスタンスの訓練は非常にハードです。だが意味の無い事は決してさせなかった、貴様とは違う」

「抜けたい奴は抜ければいいと言っていたが、この場の全員が抜けたら殺せんせーはいる意味がなくなりここから去ってしまうでしょう…その責任はどうするんでしょうか?」

 

殺せんせーは生徒が来るからここに来るんだ、生徒が来なかったらここにいる必要がなくなり、マッハ20の神出鬼没の化け物を暗殺しなくてはならなくなる

 

「ぐ…ぬ…」

「最後に力だけで人を支配しようとする者は、それ以上の力によって打ち滅ぼされるでしょう。貴方の場合だと……烏間先生ですかね?」

 

何も言い返せなくなったのか、僕に殴りかかろうとしたが

 

「やめろ鷹岡!それ以上はお前の立場が危うくなるだけだ」

 

と烏間先生が止めてハッと鷹岡が冷静になる…殴ってくれれば良かったのに…

 

そして気持ち悪いように高笑いをして僕らを見る

 

「確かに俺のやり方はここでは合わないのかもしれない。だが!それは烏間も同じだろう?お前らだって今までめぼしい結果を出していない!これは烏間の訓練方針が間違っている証拠じゃないか?」

 

この言葉に烏間先生が黙ってしまう

 

「いいや、確かに烏間先生の今の訓練は個々にあったものでは無い。

ですが、烏間先生に僕も助言し、先生なりに試行錯誤している。

鷹岡さん貴方のように今のやり方に固執し依存している貴方とは違う」

 

烏間先生が少し目を見開いて驚いている

 

クククと喉を鳴らして周りの生徒を見渡して

 

「まあお前らも、まだ俺を認めてないだろう。そこでこうしょう‼︎」

 

きたか!

 

「こいつで決めるんだ‼︎烏間、お前が育てたこいつらの中で一押しの生徒を一人選べ、だがこいつはダメだ。こいつはレジスタンス、お前の生徒じゃね」

 

内容は烏間先生に一人、僕以外の生徒を選ばせて、一度でもナイフを当てられたら、烏間先生に訓練を任せて、負ければ鷹岡に口出し無用と言うことだった…だが

 

「使うナイフはこれじゃない…」

 

やっぱりか…

 

「殺す相手は人間(オレ)なんだ使う刃物も本物じゃなくちゃなァ」

 

出してきたのは本物のナイフ、鷹岡の常套手段らしい

 

「よせ‼︎彼以外は人間を殺す訓練受けてないし、用意もしていない‼︎本物を持っても体がすくんで刺せやしないぞ‼︎」

「安心しな、寸止めでも当たった事にしてやるよ。俺は素手だし。これ以上無いハンデだろ?」

 

 

皆青ざめている…そして投げられて刺さった地面のナイフを抜いた烏間先生は迷わずにある人に近づいた…

 

「渚君。やる気はあるか?」

「…⁉︎」

 

皆、何故渚を?と思っている。しかしアレ(・・)が出来るのなら今回に限り、少ないが勝ち筋はある……

 

 

「選ばなくてはならないのは君だが返事の前に俺の考え方を聞いて欲しい」

「地球を救う暗殺任務を依頼した側として…俺は君たちとはプロ同士だと思っている。プロとして、君たちには最低限の報酬として、当たり前の中学生活を保障する事だと思ってる。だからこのナイフは無理に受け取る必要はない。その時は俺が鷹岡に頼んで…報酬の維持をしてもらえるように努力する」

 

まあそんな事しなくても、彼はもう退職してもらうけどね…

 

「やります」

 

渚が迷いなくナイフを受け取って、油断が丸わかりのやつの前に立つ

 

「どっちが勝つと思いますか?」

 

いつの間にか隣に来ていた殺せんせーが聞いてくる

 

「愚問、瞬殺でしょう」

「どちらがですかね〜」

「銃に手をかけてない時点でわかるでしょ?」

「ヌルフフフー、そうですね」

 

そんな事は言っても心臓がバックバックになってる…

 

そして試合が始まり

 

 

少し迷ってた渚が急に落ち着き、笑って通学路を友達と歩くように近づき、ナイフを振り、鷹岡が驚いて体勢を崩して、周りこんだ渚が見事に首にナイフを当てた。

 

僕と殺せんせー以外は声も出せないように驚いてる

 

「そこまで‼︎勝負ありですよね、烏間先生」

 

殺せんせーがナイフを取り上げてナイフを食べ始めると皆んなが渚に近づいて褒めちぎる

 

烏間先生が少し迷ってるみたいなので

 

「烏間先生、いいと思いますよ?」

「…?」

「極めた技術は応用力を持ちます、どこに行くかは本人次第なんで」

「今回は随分迷ってばかりいますねぇ〜貴方らしくない」

「悪いか」

 

僕の言葉に殺せんせーが煽りを入れる

 

「いえいえ…でもね烏間先生」

 

渚が鷹岡に意思表示をしてここから出てくように言う

 

「先生として一番嬉しい瞬間はね。迷いながら自分が与えた教えに…生徒がはっきり答えを出してくれた時です」

 

渚の言葉にピクピクとキレ出す鷹岡

 

「そして烏間先生、生徒がはっきり出した答えには先生もはっきり答えなくてはなりませんねぇ」

「烏間先生、出番ですよ?」

 

僕が烏間先生の肩をポンポンと叩くの瞬時に向かっていった

 

「ゴッ‼︎」

 

烏間先生が鷹岡の顎に肘を入れた

 

「…俺の身内が迷惑をかけてすまなかった。後の事は心配するな。俺一人で君たちの教官を務められるよう上に交渉しょう。いざとなれば銃で脅してでも許可をもらうさ」

「その必要はありませんよ、烏間先生。仲間の安全を保障するのもレジスタンスの役目です後処理はお任せください」

 

と言いった後、鷹岡が妨害しょうと先に掛け合おうとする…

 

「交渉の必要はありません」

 

校舎の入り口に理事長が立っていた

 

「……御用は?」

 

殺せんせーが聞いて爽やかに答える

 

「経営者として様子を見に来てみました。新任の先生の手腕に興味があったのでね」

 

理事長の教育理念から鷹岡を残す可能性があると思ったが、さっきから鷹岡に怒りを抱いている様に見える…

 

「でもね、鷹岡先生。貴方の授業はとてもつまらなかった」

「教育に恐怖は必要です。一流の教育者は恐怖を巧みに使いこなす。が暴力でしか恐怖を与える事ができないなら、その教師は三流以下だ。生徒の言葉に負け、あまつさえ自分より強い暴力にも負けた時点で、それの授業は説得力を完全に失う」

 

理事長がA4の紙に何かを書き、それを鷹岡ので口に入れた

 

「解雇通知です。以後貴方はここで教える事は出来ない」

「防衛省やレジスタンスはこの国ではトップですが、椚ヶ丘中(ここ)では全て私の支配下だと言う事をお忘れなく」

 

鷹岡が立ち上がり逃げるように去って行く

 

「「「よっしゃあ‼︎」」」

 

僕は渚に近づき

 

「え?尖り君?」

 

僕は渚を抱きしめて

 

「ほっとに!無事で良かった〜!」

「え?ちょっと!」

 

頭を撫でている、余裕ぶっこいてる振りしていたが、内心めっちゃ焦っていた…

 

「すまない、ちゃんと精神を潰しておかなかったばっかりに……渚に危険な目に合わせて」

「そんな事ないよ!尖り君があそこで前原君を守ってくれなかったり、鷹岡先生に言ってくれなかったら、きっともっと酷い目にあってたよ!」

 

真っ直ぐに言ってくれて、胸にくるものがある…あ、思うがままに抱きしめていたけど苦しいかもしれない…

 

「すまない、苦しくはなかったか?」

 

そう言って拘束を解除する、やばい少し顔が赤い…可愛いと思ってしまった

 

「いや、苦しくはなかったし、なんか尖り君って優しい兄ちゃんって感じでなんか安心しちゃった」

 

あ、ヤバイ。渚に恋しそう…

 

「ま、まあ僕は兄弟はいないから分からないけど、大抵の事は頼ってくれ」

「うん!」

 

ヤバイ、可愛い

 

「と、尖り君?」

 

語彙力を失いかけた時、神崎さんに声をかけられた

 

「私も怖かったから…あの…」

 

神崎さんは顔を真っ赤にしてもじもじしながら

 

「私も…抱きしめて…欲しい…な?」

 

この子何もされなかったような気がするけど…まああんなのが近くにいたら普通は怖いか……っていや待て‼︎

 

「いや、女子に抱きつくのはヤバイでしょ?」

「でも…渚君にはしたじゃん…」

「いや、渚は男の娘(男の子)じゃん?」

「ちょっと待って尖り君⁉︎今おかしくなかった⁉︎」

 

僕の発言に異をとなえる渚。いや君は男の娘だろ?

 

「でも律とは毎晩寝てるんでしょ?」

「ちょっと待って語弊が生まれるからやめて‼︎ホラーを見たりやったりした時に寝るまで一緒にいるだけだ!」

 

神崎さんが何かを思いついたようだ

 

「ふ〜ん、じゃあさ?今日無茶したよね?」

「え?」

「鷹岡先生に殴られそうな時何にもしてなかったよね?」

「あ、いや、その…」

「嘘つくの?」

「……してませんでした…」

「そっか〜烏間先生が止めにいかなかったら殴られていたね?」

 

その通りだけど…何が言いたいんだ?

 

「無茶したと言う事はお仕置きに…恐怖体験だね?」

 

………は!

 

「いや、あの、ごめんなさい‼︎それだけは…」

「じゃあ、わかるよね?」

「………はい」 

 

腕を広げてると神崎さんが飛び込んでくる…

 

「早く腕締めて頭撫でて」

 

罰の代わりだから仕方ないのか…ちゃんと抱きしめて頭を撫でる……セクハラや痴漢にならないよね?

 

「尖りのやつ……さっきあんなにカッコ良く論破してたのに…」

「尖り君って仲間には弱い感じ?」

「いや尻に敷かれるタイプかも…」

「神崎ちゃん、だいた〜ん。やる〜」

「ヌルフフフ、尖り君はネタが尽きませんね〜〜」

 

内心心配だったが…そんな事ない…かも?

 

 

そして、烏間先生の財布でお菓子を食べに行く事になり、皆んなと別れた…後始末をしなくては

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で、今日、貴方が寄越した人材に生徒に危害を加えようとする方が来ました」

「いや…その…それは…」

 

今は防衛省の所にいる、本当は落とし前つけて欲しいが、やって欲しい事がある

 

「鷹岡明と言う男性が、椚ヶ丘中学校のE組に来て、訳の分からない事をいい、生徒に危害を加えようとしてきました。その男なのですが…防衛省の特務部に所属していると言ってきたのですが、どうなんです?」 

「どう、とはどう言う事なんでしょうか…」

 

すっごい汗をかいてるな…キモ

 

「いえいえ、防衛省の特務部の本部長の貴方にどうするのかを聞きたいのですが…少し様子がおかしいですね?」

「まさか、そんな男性知らないと?」

「…え?」

「様子がおかしいと思ってましたが、もしかして防衛省の特務部にそんな男、存在しないのでは?」

「そ、そうなんだよ!君!私はそんな男知らないんだ‼︎」

 

すごいな自分の保身に精一杯なんだろうな

 

「そうでしたか〜通りで…本当は職員全員の名前を確認したい所なのですが…私は多忙な身でして…もう帰らなくては行けないのです。1週間後にまた来ますので、その時に職員全員の名前を拝見しますね?」

「は、はい。わかりました…」

 

ちょっとほっとしているな

 

「このような事がないように今後は烏間さんだけをE組の教官して下さいね?」

「わかってるとも…」

「ありがとうございます」

 

しっかり頭を下げて言う

 

「じ、じゃあ園川君、丸尖り君を送って行きなさい」

「は、はい」

「ありがとうございます」

 

と接待室から出て行く…園川さん、震えてるな…

 

「大丈夫ですよ、生徒に危害を加えようよしなきゃ何もしないですから」

「は、はい…それにしても凄いですね…ここまでするなんて…」

「言いましたよね?僕の出来る範囲でなんでもすると」

「言ってましたね…ありがとうございました」

「まあ任務ですし、いいですよ」

 

 

そう言って、建物に出て家に帰る…皆が守れるならなんだってするさ……

 




前原はなんか暴力に遭う事が多かった為誰も傷つかないルートにしました。
なんか鷹岡の訓練自体に言うのってそんなになかったと思うので書いちゃいました。


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夏の時間

[尖り]

 

1週間後にちゃんと防衛省の職員をチェックすると鷹岡の名前はなかった。

 

 

 

「あ"ッぢ〜」

「地獄だぜ…今日びクーラーのない教室とか…」

 

まだ本格的な夏の暑さはまだまだなんだが暑いものは暑い。僕もかなり汗をかいている

 

「凄い汗ですよ。どうぞ」

「あ、ありがとう…」

 

律さんがタオルを渡してくれた。タオル精製出来るようになってたんだ…

 

「律さんは大丈夫なの?」

「私はこのぐらいの気温なら、冷却出来てるので問題ないですよ」

「今日からプール開きなので、それまで頑張って下さい!」

 

それを聞いた大半の顔が暗くなる

 

「いや…そのプールが、E組(おれら)にとっちゃ地獄なんだよ」

「何故でしょうか?」

 

本校舎にしかプールは無く、炎天下のなか山道を移動し、特にプール疲れからの帰りが地獄ならしい

 

「うー…本校舎まで運んでくれよ〜殺せんせー」

「んもーしょーがないなぁ…」

 

前原の要望に殺せんせーが某青ダヌキのような返答をする

 

「…と言いたいですが。先生のスピードを当てにするんじゃありません‼︎いくらマッハ20でも出来ない事はあるんです‼︎」

 

まあ超生物が本校舎まで行っちゃダメだしね

 

「…ですが、気持ちはわかります。仕方ない全員水着に着替えてついて来なさい。裏山の小さな沢があったでしょう。そこで涼みましょう」

 

そう言って殺せんせーは教室を出ていたため、僕たちも着替える。着替える際に律さんと攻防戦が行なわれ、皆から哀れみの目を向けられた…解せぬ

 

「沢なんてあるんだね」

「…一応な、っつっても足首を冷やせる程度だぜ」

 

千葉がなんとも言えない表情で答えてくれた。まあ水が流れてるだけで少しは涼しいだろう…

 

「さて皆さん!さっきマッハでも出来ない事の一つは君たちをプールに連れて行く事、それは一日かかってしまいます」

 

プールに連れて行くのに1日ってどこまで連れて行く気なんだ?

 

「一日って本校舎のプールなんて歩いて20分…」

「おや誰が本校舎に行くと?」

 

皆の疑問を磯貝が尋ねたら、近くで水の音が聞こえて…

そのにはプールがあった

 

「小さな塞き止めたので、水が溜まるまで20時間!バッチリ25mコースの幅も確保。水を抜けばもと通り、水位を調整することも可能」

 

いや、本当に凄いな…

 

「制作に1日移動に1分、後は1秒あれば飛び込めますよ」

 

 

「「「い…いやっほぉう‼︎」」」

「おーい!飛び込むな〜!危ないぞ〜!全く…」

 

僕も上着を脱いでプールに入る

 

「あ"〜〜キモチイイ〜」

「フフ、なんかおじさんみたいだね」

「うるさいな〜丁度いい温度なんだもん」

 

僕はプールで漂っていると

 

「あんた…やっぱりエロいわね!」

 

中村さんがジロジロ見られる…なんか気持ち悪いな…

 

「はぁ〜全く…」

 

エロいって言われてどう言う反応すればいいんだろう…

 

潜水して逃げようとすると、神崎さんに捕まった…

 

「ほらほら〜逃げないで〜」

「ちょ⁉︎やめ!アヒャ!」

 

身体を触ってきて反応する度に神崎さんの息が荒くなってきてる…なんか最近怖いんだけど⁉︎

 

「ピピピッ‼︎」

「木村君!プールサイドを走っちゃいけません!転んだら危ないですよ!」

 

殺せんせーが監視台から注意をするが、飛び込みを強要した人が何を言っているんだろ?

 

「原さんに中村さん‼︎潜水遊びは程々に!長く潜っていると溺れたかと心配します!神崎さんと尖り君!イチャつかないで泳いで下さい‼︎」

 

潜水と溺水は見分けつくでしょう…まあお陰で拘束から離れたから感謝なんだけど…

 

「岡島君のカメラも没収です‼︎狭間さんも本ばかり読んでないで泳ぎなさい‼︎菅谷君‼︎ボディーアートは普通のプールなら入場禁止ですよ‼︎」

 

なんか鬱陶しいな…

 

「カタいこと言わないでよ殺せんせー、水かけちゃえ‼︎」

「きゃん!」

 

ほぉ…もしかして…

 

カルマ君が監視台を揺らして

 

「揺らさないで水に落ちる‼︎」

 

殺せんせー…水に弱いのか?

 

完全に肯定しているような言い訳をして皆確信したようだ

 

「あ、ヤバ!バランスが…うわっぷ‼︎」

 

あ、これ、溺れる…壁を蹴って加速して、茅野さんを身体の上に乗せて呼吸を確保させる

 

「大丈夫、安心して」

 

落ち着かせて、浅いところに向かう

 

「うん…ありがとう尖り君」

 

茅野さんが溺れそうになる時殺せんせーが焦って何も出来ていなかったからやっぱり水に弱いんだ…

 

 

 

放課後集まって作戦会議が始まった…

 

「まず殺せんせーが本当に泳げないのか」

「生徒の危機に動かなかったから、流石に泳げないんじゃない?…まあ誰も助けられない状況なら変わってくるかもだけど…」

「さっきの倉橋が水かけたところだけ、ふやけてた」

 

皆の考察の結果、全身が水でふやけたら、死ぬまではいかなくても、動きが遅くなり決定的な隙が出来るんじゃないかと言うものだった

 

「だからね、私の考える計画はこの夏の間、どこかのタイミングで殺せんせーを水の中に入れて、ふやけて動きが悪くなった隙に水中で待ち構えた、生徒がグサリと‼︎」

「でも高度な水中戦が出来るのが私と尖り君だけだろうだから、少しでも確率を上げるためにやるならもっと人数や連携を整えてからやろうと思う」

「まあでも僕のこれは生き残る為のものだから結構練習しないと」

「そうなのか?結構速かったと思うんだけど…」

 

さっきのは判断が速かっただけで泳ぎがうまい訳ではないってことを説明した

 

「まあ夏は長いわ!じっくりチャンスを狙ってこう!」

「「「おうっ‼︎」」」

 

片岡さん主導で作戦が組まれてた

 

 

 

 

そのあとプールで練習を始めた

 

「自、タイムは?」

{片岡さんは26秒08。尖りさんは26秒17です。尖りさんはわかりませんが片岡さんの50m自己記録には0.7秒届いていません}

「ブランクあるなぁ。やるって言った以上は万全に仕上げておかないとね」

 

少し気合を入れ直した片岡さん、見学者として渚、茅野さん、殺せんせー、計測係に自さん(律さんは一美の所に遊びに行っているらしい)

 

「やっぱり尖り君、速いね」

「まあ水中任務もなくはないからね」

 

でもやっぱりガチでやってた人には負けるな…

 

しばらく練習してると自が多川さんと言う人のメールが届いて読み上げる

 

{めぐめぐげんきぃ〜じつゎまたべんきょ教えて欲しんだ〜とりま駅前のファミレスしゅ〜ご〜いぇ〜}

「なんか頭も性格も悪い人っぽいね」

「こらこら」

 

要点をまとめて、分かり易く文を書けないのかな?

 

{はい、知能指数がやや劣る方だと推測します。このような方はあまり好きではないと…(マーザー)に報告ですね

「二人とも…」

 

僕と自の反応に苦笑いだが、二人も似たような印象を受けたようだ。

 

「『すぐいく』ってって返しとして。ごめん、ちょっと、用事ができちゃったから」

「片岡さん、大丈夫?」

「ん?」

「いや、なんでもないよ」

 

片岡さんは暗い顔で帰っていった

 

「気になりますよね、皆さん。少し様子を見に行きましょうか。皆に頼られる人は…自分の苦しみを一人で抱えてしまいがちですからね」

「………」

 

※※※※※

[渚]

 

その場にいた皆んなで駅前のファミレスに移動した

 

「ほら、そこの文法が違うんだってば、正しくは…」

「あーそっかぁ、繋がったぁ‼︎」

 

片岡さんと呼び出した人の会話を聞いている。なんか勉強会ってよりかは片岡さんが一方的に教えてる感じだった…そして一息ついたところ、片岡さんがその人に、『やりたいことがあるから、呼び出すのは控えてほしい』って言ったとき

 

「…ひどい、私の事を殺しかけたくせに。あなたのせいで私怖くて水にも入れないんだよ。支えてくれるよね?一生」

 

な、なんなんだあの娘⁉︎

 

横の尖り君は少し睨んだように見ている…

そしてその娘は友達の約束に遅れるということで、帰っていった…

 

「はぁ〜……で、そこの不審者4人組は何か御用?」

「「「ギクッ」」」

 

あはは、やっぱり気付いてたよね…

 

その後、片岡さんが何でこんな状況になったのか話してくれた

 

「…去年の夏にね。同じ組だったあの娘から泳ぎを教えてくれって頼まれたの。好きな男子含むグループで海に行く事になったらしくて、カッコ悪いとこ見せたくないって。1回目のトレーニングで…何とかプールで泳げる位には上達したんだけど…」

「なるほどね、海はプールと違って潮の流れが常に変わるから、プールとは難易度が違う…もしかしてそれで…」

「そう…尖り君が言った通り、海で泳ぐにはまだ危険だったから…その後何回か教える予定だったんだけどさ、彼女は反復練習が大っ嫌いな子だったから、練習に来なくなって…で案の定、海流に流されて溺れちゃって救助ざたに…」

「それ以来、ずっとあの調子。『死にかけた大恥かいてトラウマだ』『役に立たない泳ぎを教えた償いをしろ』って。テストの度に呼び出されて、私が苦手科目拗らせちゃってE組行きよ…」

 

そんな…片岡さんは全然悪くないのに…

 

「なんだ、それは。逆恨みにも甚だしい!個々の訓練と生徒のやる気を出させるのは教官の役目、でも片岡さんは教官ではないし、自分から出た慢心によって失敗したのを他人の責任にするなんて話にならない‼︎」 

「いいのよこういうのは慣れっこだから…」

「いいわけない‼︎」

 

尖り君が片岡さんの肩を掴んで真っ直ぐに見る

 

「君の面倒見の良さや責任感は美徳だ。でも責任がない事まで責任を背負うなんて間違ってる!それによって自分が潰れてしまっても、同情はされるかもしれないけど、そこに感謝や褒められるような事はない!」

 

(…………?)

 

違和感を持ったが、その時のE組(ぼくら)は彼が苦しんでいる事に気がつかなかった

 

「そうです片岡さん、しがみつかれる事に慣れてしまうと…いつか一緒に溺れてしまいますよ」

 

殺せんせーは紙芝居を片岡さんに見せた

 

ダメ男に振り回されて、一緒に落ちぶれる所までの最悪の未来が描かれていた。それは自分自身も依存される事に依存してしまう共依存というらしい

 

「時には相手の自立心を育てる事も必要です。"こいつなら、どんなにしがみついても沈まない"そう思うと人は自力で泳ぐ事をやめてしまう。それは彼女のためにもなりません」

「…どうすればいいのかな殺せんせー」

 

片岡さんが少し悩んだ顔で殺せんせーに聞いた

 

「決まっています、彼女が自力で泳げるようにすればいい。一人で背負わず先生や仲間に頼りなさい。このタコが魚も真っ青のマッハスイミングを教えてあげます」

 

(泳ぎを教えれるって事は…殺せんせーってやっぱり泳げるの⁉︎)

 

※※※※※

 

[尖り]

 

「…どこ…ここ…?」

「…ああ、夢か…」

 

多川心菜は起きて、現実逃避をし、夢と誤解させる事に成功した

 

「目覚めたみたいだね」

 

多川が振り返り、魚人の格好した人物がいた

 

「えーと、ここは魚の国‼︎さぁ私達と一緒に泳ごうよ!」

「…あんた、めぐめぐに似てない?」

「…違うし、めぐめぐとか知らないし…魚魚(うおうお)だし」

「何その居酒屋みたいな名前⁉︎」

 

堂々と魚を演じなさい、片岡さん夢の中だと思わせなければ我々ので行為は拉致監禁です

 

小声で片岡さんに注意する殺せんせー

 

「僕の名前は魚太(うおた)

「私の名前は魚子(うおこ)

「魚子は魚なのに浮き輪なの⁉︎」

「僕は海栗り(うにり) 、君を指導する善良な教官だよ」

「海栗なのに全然刺々してない!寧ろ髪とかサラサラしてるし⁉︎」

 

よし教官と名乗ったからには全力でやってやろう!

 

「私は(うお)キング…川を海を、自在に跳ねる水世界最強のタコです」

「タコかよ‼︎」

「素晴らしい連続ツッコミ、良い準備運動になってますね」

 

そう言って殺せんせーがストレッチと着替えをさせた。そして入水させて

 

「ぎゃあ‼︎みっ、水ゥ⁉︎」

 

水に入った多川がパニックになり、片岡さんが諭し指導に入ろうとすると

 

「い、今更いいわよ泳げなくて‼︎それを逆手に愛されキャラにーー」

「煩い!そんなので人間社会を生きられると思うな‼︎」

「では、まず歩け!それすらしないなら貴様を世間から消す!」

「は、はい、海栗り」

「僕を呼ぶときは教官だ‼︎愚か者!」

「はい!教官!」

 

そういい、歩かせて、体を温めさせる。そして殺せんせーが入ってきた

 

(え?殺せんせーは水が苦手じゃないの?いや、これは⁉︎)

 

殺せんせーが完全防水性の水着を着ていた、その状態でバタ足をし流れるプールにする

 

「ちょうどいい、海での泳ぎ方を教えよう。基本はプールと同じ。手のひらに負荷を感じながらクロール!そして自分の現在地が分からなくなりやすいから時々平泳ぎに変えて確認!またクロールに戻る!フッ、中々やるじゃないか…その調子だ!」

「は、はい!教官‼︎」

「と…海栗りって鬼教官みたいだね…」

 

片岡さんが鬼教官というがこんなの全然優しい方である…本当の鬼教官は人間扱いされないのである。

 

殺せんせーが今度は生身で入った…いや、高速で周りの水を掻き出している…やっぱり水に弱いんじゃないか…そして流れるプールから波のプールになる

 

「な、何これ‼︎波がこっちに来てんのに引きずり込まれる‼︎」

「落ち着いて行動しろ!泳ぐ方向こっちに変えるんだ!」

 

こっちに泳ぐ方向を変えて、流れが止まった事に気がつく

 

「離岸流って言ってね。岸に反射して沖に出ていく流れがあるの。前に心菜が溺れた原因はこれじゃないかな?」

「そういう時は無理に岸に向かわずに、岸と並行に泳いで流れから抜ける。とにかく絶対パニックにならない事!」

「魚魚〜」

 

片岡さんが優しく教えるから多川が目を輝かせてる…もっと厳しくでいいと思う

そうして、体力が尽きるまで練習させて、効率の良い休憩方法を教えて、練習をさせる。それを繰り返し行い、次の日の水泳の授業で多川が教師や生徒などに褒められるぐらいまで成長した。これで片岡さんの呪縛は解かれたようだ

 

「皆さんの察しの通り先生は泳げません。水を含むと殆ど身動きとれなくなります。弱点としては最大級と言えるでしょう」

 

水に浸かって膨張した触手を見せながら言った。まああんな露呈の仕方すれば誰でもわかるだろうからね

 

「とはいえ先生は大して警戒してない。落ちない自信がありますし、いかに水中でも片岡さんと尖り君の二人程度だったら相手に出来ます。ですから皆の自力も信じて、皆で泳ぎを鍛えて下さい。そのためにこのプールを作ったんですから」

 

 

こうして、夏のE組に専用プールがオープンした…それが大きな火種を呼ぶ結果になるとは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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寺坂の時間

[尖り]

 

 

「おい皆!来てくれ‼︎プールが大変だぞ‼︎」

 

岡島が焦ったように教室に入ってきた

 

「落ち着いて、プールがどう大変なの?」

「見ればわかる!早く来てくれて!」

 

そう言われたが、命に関わる事じゃなさそうなので、そのまま皆でプールに向かった

 

向かうと、プールが荒らされていた。

 

「ビッチ先生がセクシー水着を披露する機会を逃した‼︎」

 

ビッチ先生がこの有様を呆然としている…まあ頑張って!

 

「ゴミまで捨てて…酷い」

 

幾ら悪戯がしたいからってここまで労力を使うかな?と考えいると寺坂、村松、吉田の3人組がニヤニヤしながら遅れてやって来た

 

「あ〜あ〜…こりゃ大変だ」

「ま、いーんじゃね?プールとかめんどいし」

「……露骨すぎない?もうちょっと工夫しよ?」

「あ?んだと?尖り!俺らが犯人と言ってる見てぇじゃあねえか‼︎」

 

僕がダメ出しをすると寺坂が突っかかってきた

 

「まあ犯人とかどうでもいいよ、こんなの殺せんせー(製作者)にかかれば一瞬だし」

「そうです。犯人探しなんてどうでもいいのでやらなくていいです」

 

殺せんせーが来て、一瞬でプールを直した

 

「はい、これで元どおり‼︎」

「けど殺せんせー、プールの中にジュースの中身などが入ってたと思うけど…」

「問題ないですよ、私の粘液で汚水ごと固めて捨てましたから」

「粘液って汚いだけではないんですね…」

「そうです!今度尖り君も使ってみて下さい‼︎」

 

殺せんせーが気持ち悪いことを言ってきたので即答で拒否したら落ち込んだ……その粘液に誇りでも持ってるのかな?

 

「それでは皆さん、いつも通り遊んでください」

「「「はーい」」」

 

皆いい返事をして、遊びだすのを面白くなさそうに見ながら寺坂たちは帰っていった

 

「寺坂達…大丈夫かな…?」

「うん…元々あの3人は勉強も暗殺も積極的な方じゃなかったけどね…特に彼が苛立ってるっていうか…プール壊した主犯寺坂君だし」

 

僕の不安に渚が答えてくれた

 

「ほっとけって、いじめっ子で通してきた、あいつ的には面白くねーんだろ」

「殺していい教室なんて、楽しまない方がもったいないとは思うけどね〜」

 

教室に戻ったら、殺せんせーが木製のバイクに乗っていた…

 

「すげー⁉︎まるで本物じゃねーか‼︎」

 

吉田が興奮してみていた

 

「殺せんせー、これどうしたんですか?」

「はい、プールの廃材があったんで作ってみました。あとこれも」

 

と殺せんせーがとあるフィギュアを見してきたが……背中に銃口のような物を突きつけられる…犯人は恐らく…

 

「………………ごめん殺せんせー僕は約束は破れないよ…」

「そうですか……残念です」

 

銃口が離れたから犯人と思われる人物の方を見たら、律さんがニコニコしていた…

 

「誘惑に負けないでくれて嬉しいです‼︎」

 

まあ結構悩んだけど、やっぱ仲間との約束は破れないよね……

 

そんな中、寺坂が教室に入ってきた

 

「何してんだよ吉田…」

「寺坂、いやぁ…この前こいつとバイクの話で盛り上がっちまってよ。うちの学校こういうの興味ある奴いねーからさ」

「先生は大人な上に漢の中の漢、この手の趣味もひと通り齧ってます」

 

僕の趣味の話もしたが本当に齧っている感じだった。この前、楽しくなって語っていたら。殺せんせーと律さんに止められて停止させられた……

 

そんなのやりとりをしていたら、寺坂が急にバイクの模型を蹴り壊した。フィギュアの方は律さんが回収して技術を盗むらしい…そして殺せんせーが泣いてしまって…寺坂が皆からバッシングを受けていた

 

「ブンブン虫みてーにうるせーな。駆除してやるよ」

 

そういい、スプレー缶のような物を床に叩きつけた

 

「皆!目と鼻を塞いで!窓を開けろ‼︎」

 

皆に指示をして、僕は教室のドアを開けた

 

「寺坂君‼︎ヤンチャするにも限度ってものが……」

「さわんじゃねーよ、モンスター」

 

流石に説教をしょうと肩を掴んだ殺せんせーの触手を払う

 

「気持ち悪いんだよ。テメーも、モンスターに操られて仲良しこよしのE組(テメーら)も」

「それにしてもやり過ぎだ!失明する可能性もあるんだぞ‼︎」

「尖り…お前もだ、勝手に仲間ぶって説教してんじゃーー」

「何がそんなに嫌なのかねぇ…気に入らないなら殺しゃいいじゃん。人に当たってないでさ。せっかくそれが許可されてる教室なのに」

 

被せるように言ってくれたカルマ君に寺坂が詰め寄ってきたが、

カルマ君が片手で寺坂の口を塞ぎ力を入れる

 

「ダメだって寺坂。喧嘩するなら口より先に手ェ出さなきゃ」

「…ッ‼︎放せ!くだらねー‼︎」

 

無理やり引き剥がし、寺坂は去っていった

 

「意外だね、尖り君ってあんな言葉じゃあ傷つかないと思っていたけど」

「まあ誰だって傷つくことはあるよ、ありがとうね」

 

 

※※※※※

[寺坂]

 

暗殺のための自分磨きとか落ちこぼれからの脱出とか、正直な所どーでもいい。その日その日を楽して適当に生きたいだけだ…だから俺は…

 

「ご苦労様、プールの破壊、薬物散布、薬剤混入、君のおかげで効率良く準備ができたよ」

 

そう言われながらイトナの保護者のシロから10万の貰う。…こっちの(ほう)…居心地が良いな…

 

「…なんか変わったな…目とか髪型か?」

「その通りさ寺坂君、意外と繊細な所に目が行くね。前回の反省を活かし、綿密な育成計画を立てて、より強力にして完璧な作戦を立ててるんだよ、今度こそ邪魔が入らないようにね」

 

尖りのことか…あいつは前からムカついていた…E組(俺ら)がピンチの時に必死に守ろうとして強い奴なのかと思ったら…さっき、なんか本気で傷ついたような表情しやがって…本当に気にいらない

 

「…寺坂竜馬、私には君の気持ちがよくわかるよ。あのタコにイラつくあまり…君はクラスで孤立を深めている。だから君に声をかけて、協力を頼んだんだ。安心しなさい、私の計画通り動いてくれれば…すぐにでも奴を殺し奴が来る前のE組に戻してあげよう。その上、お小遣いももらえるし良い話だろ?」

 

ああ、確かにいい。俺はやっぱこんな風に楽に暮らせれば…

 

「な、なんだよ!」

「お前は…あのクラスの赤髪のやつより弱い、馬力も体格もあいつより勝るのに、何故かわかるか?」

 

何言ってやがる…

 

「お前の目にはビジョンが無い。勝利の意思も手段も情熱も無い」

 

俺の目蓋を広げてそう言ってくる

 

「目の前の草を漠然と喰っているノロマな牛は、牛を殺すビジョンを持った狼には勝てない……そして俺はあいつに証明する…強い奴が勝つってことを……」

 

それだけ言ってる去っていった……はぁ⁉︎

 

「なんなんだ、あの野郎相変わらず‼︎脳みそまで触手なんじゃねーのか⁉︎」

「ごめんごめん私の躾が行き届いてなくてね。仲良くしてくれ、なんせ我々は戦略的パートナーだ。クラスで浮きかけている今の君なら…不自然な行動も自然にできる。我々の計画を実行するのに適任なんだ」

 

俺の肩を触りながら言ってくる

 

「決着は…今日の放課後だ」

 

 

※※※※※

[尖り]

 

「ぐずっ…ぐずっ…」

「何よさっきから意味のなく、涙流して」

 

ビッチ先生が菓子パンを弄りながら泣く殺せんせーに鬱陶しくて聞いた

 

「いいえ、鼻なので、涙じゃなく鼻水です。目はこっちです」

「鼻水止まらないなら鼻栓したらどうです?」

「はい、尖り君。それはさっきして壁にティッシュが刺さりました」

 

もうスペック高いのかよくわからないな…

 

「どうも昨日から体の調子が少し変です。夏風邪ですかねぇ」

 

季節の変わり目は体調を崩しやすいけど、殺せんせーは当てはまるのかな?変わった事といえば……プールの悪戯処理かスプレー缶かな?

そんな事を考えてると寺坂が遅れて登校してきた

 

「おお寺坂君‼︎今日は登校しないのかと心配でした‼︎昨日君がキレた事などならご心配なく‼︎もう皆さん気にしてませんよね?ね?」

「…う、うん…汁まみれになっていく寺坂の顔の方が気になる……」

 

あれって…危害にならないのかな…寺坂は割と平気そうに殺せんせーのネクタイで顔を拭いた

 

「おいタコ、そろそろ本気でぶっ殺してやんよ。放課後プールへ来い、弱点なんだってな水が。てめーらも全員手伝え‼︎俺がこいつを水ン中に叩き落としてやっからよ」

「「「……」」」

「…寺坂、お前ずっと皆の暗殺には協力して来なかったよな。それを踏まえていきなりお前の都合で命令されて…皆が皆、ハイやりますって言うと思うか?」

 

皆の不満を代弁する様に前原が言う

 

「ケッ、別にいいぜ来なくても、そん時は俺が賞金100億独り占めだ」

 

そう言って寺坂が出てって、心配になった渚が後を追った

 

「皆はどうする?僕は行くけど…」

「お前⁉︎参加するのか!」

「うん、なんか今日の寺坂が…空っぽって言うか、危ういって言う感じで…」

「私行かなーい」

「俺も今回はパスかな?」

「同じく」

 

皆は拒否する感じだったがそっちの方がいいかもしれない…

 

「皆、行きましょうよぉ〜」

「うわ⁉︎粘液に固められて逃げられねぇ‼︎」

 

いつのまにか教室の床が殺せんせーの粘液だらけになって動けなくなっていた、その粘液って汎用性高いな…

 

「せっかく寺坂君が私を殺る気になったんです。皆で一緒に暗殺して気持ちよく仲直りです」

「「「まずアンタが気持ち悪い‼︎」」」

 

顔が見えなくなるくらい顔全体から粘液を出していた…確かにキモい

 

 

 

放課後になってカルマ君以外が全員来てプールに入った

 

「よーしそうだ‼︎そんなこと感じでプール全体に散らばっとけ‼︎」

「疑問だね僕は、君に他人を泳がせる器量なんてあるのかい?」

 

今の寺坂に計画を立てる能力はないからずっと疑問だったんだけど、それを竹林が言った。

 

「うるせー竹林とっとと入れ‼︎」

「うわっと!竹林大丈夫?」

 

寺坂に蹴飛ばされた竹林が僕の方に飛んできたのでキャッチした

 

「ああ、ありがとう。やっぱり律を任せられるのは君だけかもしれない」

「何を任せられるのか理解出来ないけど、無事ならいいよ」

 

周りからヒソヒソと「男も堕とすのか?」と聞こえるけど、それだけはやめてくれ…

 

「お前は水門の方行け!さっさとしろ‼︎」

 

指示されたから水門の方に行った

 

「なるほど、先生を水に落として皆に刺させる計画ですか」

 

皆の配置がほぼ完了すると、寺坂の後ろに殺せんせーがやってきた

 

「それで君はどうやって先生を落とすんです?ピストル一丁では先生を一歩すら動かせませんよ」

「……」

 

寺坂が拳銃を少し考えるように見て、殺せんせーに向ける

 

「……覚悟はできたかモンスター」

「もちろんできてます。鼻水も止まりましたし」

「ずっとテメーが嫌いだったんだ、消えて欲しくてしょうがなかった」

「ええ知ってます。暗殺(これ)の後でゆっくり2人で話しましょう」

 

殺せんせーの挑発と顔の嘗めた色に、寺坂が苛つきながら引き金を引いた

 

「ドグァッ‼︎」

 

プールの水門が爆破された。水門の前にいた僕は爆風を背中で受けてしまった…

 

(グッ…違和感もあった、何かあるって感じていたはず…いや後悔も後で幾らでも出来る今は!)

 

近くいた磯貝と神崎さんを掴んで近くの茂みや土の上に投げた…後で謝らなきゃ

 

どんどん流されていく皆を追って行く、殺せんせーも助けてるから、僕が少しでも救出すれば…

 

「尖り君!もう先生で出来ます‼︎そろそろ離脱してください‼︎」

「了解です!」

 

もう殺せんせーがほぼ終わらせたため、移動しようとしたら体が宙に浮いた…いや何かに腹を叩き上げられた

 

「にゅや⁉︎尖り君だいーー」

 

その後すぐに殺せんせーも水に叩きつけられた…イトナ君の触手によって

 

「はい、計画通り。久しぶりだね殺せんせー」

「前にも増して積み重ねた数々の計算、戦えばわかるよ」

「これで…証明する…強い奴が勝つって事を…」

「もう彼は君に負けたよ、もう動けない、爆風のダメージとさっきの攻撃でね」

 

「さあ次は兄さんだ、強いか改めて決めよう」

 

僕は吹っ飛ばされた、歯軋りしながら見ているしかなかった…

 

 

※※※※※

 

[尖り]

 

殺せんせーと僕が彼らを助け出して、後殺せんせーが吉田君を助けたあと、僕が吹っ飛ばされるように近くまで来ていた彼らの方に飛んで行き、殺せんせーの体が何かに叩きつけられた

 

「尖り!大丈夫か⁉︎今触手をおもいっきり当たったけど」

「だ、大丈夫…骨や内臓に被害はない、ただ今は動けないや」

 

磯貝が駆け寄ってきた、肩を貸して安全な所に連れて行ってもらった

 

「まじかよ…あの爆破はしくんでたとは」

「でも…押されすぎな気がする。あの程度の水のハンデはなんとかなるんじゃ…」

 

確かに殺せんせーならあの程度なんとかなりそうだと思うけど…

 

「水だけのせいじゃねー」

「寺坂…!」

「力が発揮できねーのは、お前らを助けたからだ。見ろタコの頭上」

 

森から出てきた寺坂が答えて、指を指した。殺せんせーの頭上には今にも落ちそうな原さんがいた

 

「原達がいる場所が触手の射程圏内にいるからあのタコは集中できない、シロのやつそこまで計算に入れたんだろうな」

「寺坂、マジで原達危険なんだぞ。何ーー」

「落ち着いて前原…焦っても解決しないよ」

「そうだけどよ、尖り…」

 

寺坂君の冷静な説明によって前原君が怒ったのを僕が落ち着かせた

 

「寺坂、何かする気?」

「俺みたいな、目的もビジョンも無ぇ短絡的な奴は…頭が良い奴に操られるのが運命なんだよ。だかよ操られる相手ぐらいは選びてぇ」

 

さっきの寺坂君とは違う覚悟を持った目だった

 

「カルマ、お前が俺を操ってみろや」

「へぇ〜尖り君じゃなくていいの〜?」

「今の尖りじゃあ俺を動かさない、あいつはムカつくぐらい優しいからな、だったらカルマ、お前の方が狡猾な作戦を考えられるだろ」

「だ、駄目だ!君にそんな事…」

「うるせー!黙って見てろ!仲間なんだったらちゃんと信じやがれ!」

「まあ良いけど…実行できんの俺の作戦?死ぬかもよ?」

「やってやんよ。こちとら実績持ってる実行犯だぜ」

「よし、じゃあ原さんは助けずに放っとこう!」

 

皆んな微妙な顔をしている

 

「おいカルマ、ふざけてんのか?一番原があぶねーだろが‼︎ふとましいから身動き取れないし、ヘヴィだから枝も折れそうだ‼︎」

 

寺坂…駄目だよ…女性に体重の話は…

 

「いや、寺坂…人質というものはいる事に意味がある。人質という盾は持ってるだけで相手に影響を与えれて、人質が死んでしまったらその盾は効果を失う。だからよっぽどのことがない限り攻撃されることはないよ」

「そういう事だから安心しな、悪いようにはならないから」

「わかったカルマ、早く指示よこせ」

 

カルマ君の指示で僕の盾をつけた寺坂がイトナ君の前に出る

 

「おいシロ‼︎イトナ‼︎テメェ俺とタイマ張れ‼︎」

 

そしてシャツを脱いで、僕の盾に被せる

 

「布キレ一枚とレジスタンス製の盾で、イトナの触手を防ごうとは健気だねぇ、でも君に尖り君のような盾を扱う技術はない。騙させろイトナ、殺せんせーに気をつけながらね」

 

イトナ君は寺坂に対して触手を振るう。そして寺坂は触手を受け止めることができたが、確実に腕を痛めた。そしてシャツを触手に巻きつけた

 

「よく耐えたねぇ、流石レジスタンス製の盾だ、でも今ので腕を痛めたね。もう一発だ」

 

だかそんな事はさせない、僕が対先生銃で触手の片方を撃ち抜いた。そしてイトナは激しいくしゃみを繰り返す。

 

「寺坂のシャツは昨日と同じって事は…昨日寺坂が教室に撒いた変なスプレー、アレを至近距離でたっぷり浴びた事だ。殺せんせーの粘液ダダ漏れにした成分でしょ?イトナだってタダで済むはずないし、隙を作れば殺せんせーが原さん助けてくれるでしょう?殺せんせーと弱点同じなんでしょう〜じゃあ同じ事やり返せば良いわけだ」

 

カルマ君が指示を出して僕とカルマ君以外の皆が高い所から水へと飛び込んでイトナ君に水を吸わせる。イトナ君の触手はだんだん膨らんできた

 

「だいぶ水吸っちゃったね、これでアンタらのハンデは少なくなった」

 

イトナだけでなくシロも動揺している

 

「で、どーすんの?俺らも賞金持ってかれんの嫌だったし。皆あんたの作戦で死にかけてるし、まだ続けるならこっちも全力で水遊びさせてもらうけど?」

 

皆がバケツやビニール袋に水を溜めて待機している

 

「…してやられたな。丁寧に積み上げて戦う力も奪った戦略が…たかが生徒の作戦と実行でメチャメチャにされてしまった。ここで引こう、皆殺しにしようものなら、あのモンスターがどう暴走するかわからないしね。帰るよイトナ」

 

歯軋りして怒りを隠せたないイトナ君は動こうとしない

 

「どうです、皆で楽しそうな学級でしょう。そろそろちゃんとクラスに来ませんか?」

「…フン」

 

殺せんせーの言葉に意地になったかのように去って行った

 

「おい!尖り!この盾スッゲェ丈夫だな、お陰で助かったぜ」

「うん、ちゃんと腕の手当てはするんだよ……後ろ…いいの…?」

 

寺坂から盾のリストバンドを返してもらい、後ろに振り向かせる

 

「寺坂君、さっき私の事さんざん言ったたね。ヘヴィとかふとましいとか」

 

あ〜、さっき体重の事を言ったから仕返しに合ってる……

 

「ねぇねぇ‼︎尖り君‼︎その盾私にも貸して〜‼︎」

「ごめんね不破さん、これは遊び道具じゃないから駄目だよ」

「ブ〜ケチ〜私もキャ◯テンアメ◯カみたいなことしたい〜」

「あはは、ごめんね」

 

なんとなく頭撫でてみた

 

「尖り君頭ナデナデ上手いね〜」

 

仕草が撫でられて喜ぶ犬みたいで愛嬌あるね……ゾクッ⁉︎殺気‼︎

 

「と、が、り、く、ん」

 

なんか神崎さんがニッコニコな笑顔でハイライトが一切ない表情で背後を取られた……何者⁉︎

 

「うん、助けてくれたのはありがとうなんだけどさ…これは…駄目だよ?」

「そ、そうだよね⁉︎女の子に気軽に触れちゃいけないよね⁉︎ごめんね不破さん⁉︎」

「あ、うん別にいいんだけど…ご、ごめんね神崎さん?」

 

なんで神崎さんに謝るかわからないけど…なんとかしなくては…

 

「というかごめんね、いきなり投げちゃって、怪我してない?」

「大丈夫だよ。尖り君こそ大丈夫…じゃないよね、手当てしにいくよ…」

「いや、ちょっとまっ…」

「い、く、よ」

「は、はい」

 

 

そう言われて神崎さんに腕を掴まれた

これは逆らっちゃ駄目だ、というか振り解けない。どこにそんな力があるんだ……救援は期待出来ない…皆カルマ君と寺坂の水上ファイトを観てるから…僕悔しい

 

 

 

翌日から授業で寺坂は殺せんせーに質問しならが勉強していた、やっとクラスに馴染みだしたみたいだ

 

 



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期末の時間

最初尖り君の能力的なもの、渚で言えば暗殺的な物を出します、かなり説明口調になって長くなってます


[渚]

 

椚ヶ丘中学校は成績が全てである。E組を恥じることもないクラスにすると計画している賞金首にとってこの期末テストは1学期の総仕上げ、決戦の場である

 

「ヌルフフフ、皆さん1学期の間に基礎がガッチリ出来てきました。この分なら、期末の成績はジャンプアップが期待できます」

「なぁタコ…俺はわかるんだけどよ…なんで尖りもNARUTOなんだ?」

 

中間テストと同様に殺せんせーによるマンツーマン?のテスト対策を僕らは受けていた。寺坂君と尖り君以外は苦手教科や得意教科などの鉢巻をつけている。寺坂君は苦手教科が多いうえ、今まで授業をまともに受けていなかったからわかるけど…尖り君は最初の方はあんまりだったけど、ここ最近は勉強が出来ていると思う

 

「それはですね、尖り君は色々な教科において少しだけ足りないんです。その理由は…尖り君いいでしょうか?」

「はい、特に問題ないですよ」

 

尖り君が色々と足りないってどういうことなんだろう…

 

「英語、彼は仕事で海外に出ていたためリスニングや英文は問題ないのですが、伝わる程度のスペルミスなどが目立ちます」

「国語、現代文はほぼ完璧なのですが、古典や古文といったものが苦手なんですね」

「社会、これが一番苦手と言えますかね。尖り君の仕事柄、政治や国の歴史や現在の一般公開されてない所まで正確に知っています。それ故に教科書に書いてあるものと違う真実(もの)と、混同してテストで間違えてしまうからです」

「まあテロや紛争の原因は国の闇だったりすることが主ですからね、それ知らないと未然に防ぐなんて無理ですからね。レジスタンスが国家機密である理由の一つですね。やろうと思えば国の機能を停止させることも出来ますから」

「実績ありますもんね!一美さんから聞きましたよ」

 

(((こっわ⁉︎)))

 

「さらっと情報漏洩しない!」

 

律の言葉に尖り君が少し強く注意して、律がテヘっとあざとく反応してた

 

そうだったんだ…だから社会の時間、尖り君はあまり発言しないし殺せんせーもあんまり当てないんだ……

 

「数学は単純な計算は持ち前の情報処理能力でとても速いんですが、公式などをあまり知らないのでそれさえ知れば完璧です、理科に関しては私が手をつける必要がないようですので」

 

尖り君が「同僚に叩き込まれたから当然です」と自慢げに言っている

 

「殺せんせー、僕が情報処理能力が高いってよく分かりましたね」

「ヌルフフフ、確信を持ったのはこの前のイトナ君への狙撃ですね、尖り君は単純な狙撃能力は中の上です、そして痛みで本調子が出せてませんでした。ですが難なく狙撃を成功させたのは、地形や敵の動き、風向きなどの瞬時に計算して実行しました。おそらく情報処理速度に関しては律さんを含めてダントツトップですね」

 

尖り君って凄い人だとは思ってたけど、そんなに凄い人だったんだ

 

「まあそこしか勝てる所はありませんし、負けてる所を上げればキリがありませんよ」

「人には得手不得手がありますからね、皆さんも得意な所は特に伸ばして苦手も克服させますよ」

 

内容は先生として素晴らしいんだけど……悪い顔しながら言われるとなんかあれなんだよね……

 

「あ、そういえば殺せんせー、また今回も全員50位以内を目標にするの?」

 

ふと、中間テストの時のあれはどうするのか気になったので聞いてみると

 

「いいえ、先生はあの時は総合点ばかり気にしていました。生徒それぞれに合うような目標を立てるべきです。そこで今回は…この暗殺教室にピッタリの目標を設定しました」

 

この教室にピッタリと言う言葉に皆が反応した

 

「さて、前にシロさんが言った通り、先生は触手を失うと動きが落ちます」

 

そういい、殺せんせーが対先生銃で触手の一本を撃ち抜いた

 

「一本減っても影響は出ます。ごらんなさい、全ての分身が維持しきれず、子供の分身が混ざってしまった」

(((分身ってそういう減り方するモンだっけ⁉︎)))

 

「さらに一本減らすと、子供の分身がさらに増え…親分身が家計のやりくりに苦しんでます」

 

なんか、切ない話になって来たな…

 

「もう一本減らすと…父親の分身が蒸発し、母親の分身は女手ひとつで子を養わなくてはいけません」

「「「重いわ‼︎」」」

 

何が言いたいんだよ⁉︎

 

「色々試してみた結果、触手一本につき先生が失う運動能力は…約20%!」

「そこで、テストについて本題です。今回の期末テストで教科ごとに学年一位を取った者には…返却時に触手を一本破壊する権利をあげましょう」

 

ーッ⁉︎それって‼︎

 

「チャンスの大きさがわかりましたね。総合と5教科全てでそれぞれ誰かがトップを取れば、6本もの触手の触手を破壊できます。これが暗殺教室の期末テストです。賞金百億に近づけるかどうは…皆さんの成績次第なのです」

 

この先生は…やる気にさせるのが、本当に上手い

 

 

 

 

 

 

※※※※※

[尖り]

 

 

6時間目になり、得意科目が同じ人同士で勉強会が行われていた

 

 

「それでね、ここなんだけど…」

「あ!そうなんですね‼︎やっと理解できました!」

 

僕と奥田さんと一緒に試験勉強していた。

 

「お、珍しく気合入ってんじゃん奥田さん」

「はい!カルマ君!理科だけなら私の大の得意ですし尖り君も分かりやすいので、必ず皆の役に立てるはずです!」

「うん、奥田さんは理解力が高いからこの調子なら問題ないと思うよ」

「そうだね、一教科限定なら上位ランカーはうちにも結構いるから…皆もかなり本気でトップを狙ってるね」

「後心配なのは…理事長の妨害かな?」

 

前回の中間テストは直前に範囲変更をしてきたらしいが、暗殺が関係してるし烏間先生あたりが釘を刺しに行っているだろう

 

杉野の携帯に着信がなり

 

「おう、進藤か」

「はは…相変わらずの上から目線で…うん?あ、ちょっと待ってスピーカーするぞ」

 

何か話をしたかと思ったら杉野がスピーカーに変えた

 

『E組脱出は不可能になりつつあるぞ。今会議室に…A組が集まって自主勉強会を開いてるんだ。こんなの初めて見る、音頭を取る中心メンバーは"五英傑"と言われる天才達…

 

中間テスト総合2位‼︎他を圧倒するマスコミ志望の社会知識‼︎

放送部部長、荒木鉄平‼︎

 

中間テスト総合3位‼︎人文系コンクールをそうナメにした鋭利な詩人‼︎

生徒会書記、榊原蓮‼︎

 

中間テスト総合5位‼︎4位を奪った赤羽への雪辱に燃える暗記の鬼

生物部部長、小山夏彦‼︎

 

中間テスト総合6位‼︎性格はともかく語学力は本物だ‼︎』

 

「え…ちょい待って進藤…そのナレーションお前が言ってんの?」

「杉野…こういうのは、暖かく見守るのかいいらしいよ」

『おい!お前もいたのかよ‼︎まあ…うん。一回やってみたかったんこういうの。

ゴホン、そして…俺達の学年で生徒の頂点に君臨するのが…

中間テストテスト1位・全国模試1位

支配者の遺伝子、生徒会長浅野学秀…あのひとり息子だ』

『浅野学秀、人望厚く成績はトップ。プライドのか高いA組の猛者達を纏め上げるカリスマ性、彼自身の指導力に加えて…全教科パーフェクトな浅野と各のスペシャリスト達それが…5人合わせて"五英傑"だ。教えることに関しては下手な教師よりも腕は上だ。ただでさえ優秀なA組がさらに伸びる』

 

なるほどね、全体の戦力を総上げして挑んでくるか…競って楽しい相手かな?

 

『このままだとトップ50はほぼA組で独占だ、奴等はE組(お前ら)を本校舎に復帰させないつもりなんだろう』

「ありがとうな進藤、口は悪いが心配してくれてんだろ?でも大丈夫、今の俺らは…E組を脱出する(でる)事が目標じゃないんだ、けど目標のためにはA組に負けないくらいの点数を取らなきゃなんない。まあ見ててくれ、頑張るからよ」

『…は!勝手にしろ、E組の頑張りなんて知ったことかよ』

 

ツンデレ発言をして電話を切った

 

 

 

 

 

放課後になり、帰ろうとしたら磯貝に声をかけられた

 

「あ、尖り。放課後空きなら本校舎の図書館でしないか?」

「…いいの?予約制って聞いたけど…」

「おう、この期末テストを狙ってずっと前から予約しといたんだよ。そこで確実に一位取れるように一緒に勉強しようぜ」

「…わかった、行こうかな?」

 

 

 

山道降りて本校舎の図書館で磯貝、渚、中村さん、奥田さん、神崎さんのメンバーで勉強してようとしている

 

「ねぇ尖り君、国語教えてあげるよ。古文と古典苦手なんでしょ?」

「いや、今回は各科目一位にあれが関わってるから、得意科目勉強した方がいいと思うんだけど…」

「殺せんせーが言ってたんだけど、今回総合1位狙えるのカルマ君と尖り君って言ってたから、苦手な物も勉強しなきゃだよ?」

 

なんか神崎さんが、しつこく国語の勉強を迫って来てるけど、そういうことか……でも奥田さんに理科を教えないと…奥田さんの方をチラッと見たら

 

「い、いえ!さっき教わった所を復習したいので暫くは問題ないですよ!」

「そ、そうなんだ、じゃあお願い出来るかな?」

「うん♪任せて♪」

 

奥田さんが焦りながらそう言ったので、復習の邪魔にならないように他の勉強しよう

 

「これって、あれだよね?」

「うん、多分さっき尖り君が奥田さんに付きっきりだったからね」

「寂しかったのかな?さっきの時間神崎さん、尖り君のことチラチラ見てたし」

「今の神崎さん、怖かったです」

 

 

暫く神崎さんに古典を教えてもらい、代わりに化学を教えていると

 

「おや、E組の皆さんじゃないか!勿体無い、君たちにはこの図書室は豚に真珠じゃないのかな?」

 

いきなり嫌味を言ってくる茶髪の男の子が来た

 

「どけよザコ供、そこ俺等の席だからとっとと帰れ」

 

なんだこの人…

 

「なっ何をぅ⁉︎参考書読んでんだから邪魔しないで‼︎」

 

茅野さんが反論するけど、それは参考書じゃなくてプリンの本だよ…まあ何を読んでても人の勝手だから問題ないんだけど…

 

「ここは俺達がちゃんと予約とった席だぞ」

「そーそー、クーラーの中で勉強するなんて久々でチョー天国〜」

「てか常識知らず(こんなの)を相手にしないで皆勉強しょ?」

 

僕たちは常識知らず(こんなの)を相手にしている場合ではない、殺せんせーの触手がかかってるんだから

 

「君たちは本当に記憶力ないなぁ〜この学校じゃE組はA組に逆らえないの!成績が悪いんだから」

「さっ…逆らえます‼︎」

 

僕が答える前に奥田さんが声を上げた

 

「何…?」

「私達は次のテストで全科目で1位取るのを狙ってるんです‼︎そしたら大きな顔させませんから‼︎」

「というかね、君たち。人の物を強引に奪ってはいけないって小学校の道徳で習うよ?」

 

まあ僕、小学校行った事ないけどね

 

「く、口答えすんな生意気な奴らだ」

 

意外と言い返してこないな

 

「腐すばかりでは見逃すよう小山、ご覧どんな掃き溜めにも鶴がいる。小間使いとして奉公にーー」

「やめて、触らないで。もう決めている人がいるんです」

 

髪型がハッサ○みたいな人が神崎さんの髪を触ろうしたら、神崎さんが手を払って、横の僕の腕を掴んだ……僕、神崎さんのポ○モンになった覚えないんだけど…「ピッピ◯チュウ」とか言えばいいの?

 

「なっ⁉︎……お前、名前は?」

「丸尖りですけど?覚えなくてもいいですよ?」

 

軽口吐いてみたら想像以上に苛ついてる

 

「丸尖り!彼女をかけて勝負だ!期末テストの総合でどっちが上か」

「いや、神崎さんは景品でも物でもない、そんな勝負をしても無駄だと思うけど?」

「なんだ?怖いのか?勝てばいいだけだろ?」

 

やっすい煽りだな、クソ餓鬼かよ…

 

「はぁ…君ねーー」

「受けるよ、尖り君は負けないから」

 

人身売買に興味があるの?とか言おうと思ったら、神崎さんが勝負を了承した…いいの⁉︎僕に委ねて⁉︎

 

「神崎さんってさ本当に男運ないよね」

「尖り君に男運使い果たした感じかな?」

「そして、肝心の尖り君は多分気付いてないし…」

 

 

「…いや待てよ、記憶を辿れば確か…一概に学力無しとは言い切れないな

神崎有希子、国語23位。磯貝悠馬、社会14位。中村莉緒、英語11位。奥田愛美、理科17位」

 

ケツアゴ眼鏡が記憶を掘り返している、そんなに他人に興味があるのかな?

 

「面白い、じゃあこういうのはどうだろう?俺等A組と君等E組、五教科でより多く学年トップを取ったクラスが…負けたクラスにどんなことでも命令できる。この条件でいいかな?榊原と丸は総合点で勝負と」

 

茶髪の眼鏡の人が言ってきた

 

「どうした?急に黙ってビビったか?自信があるのは口だけかザコ供」

 

さっき口で勝てなかったから悔しいのかな?

 

「なんならこっちは…()()()()()()()()()()()()()()

 

次の瞬間、渚は瀬尾、中村さんは小山、磯貝は荒木、神崎さんは榊原、の首元に指やシャーペンなどを向けた。あ〜あ、手を出したから僕たちが悪くなっちゃたよ…10:0で、あっちが悪くしようと考えてたのに…まあ、あいつらに言わないでおくけど

 

「命は…簡単に賭けない方がいいと思うよ」

 

渚が言ったけど…まあ命と問われたらそうしたくなるのはわかるけど…我慢してよ……

 

その4人はそんな勝ち筋なんて気付いてないように、びびって逃げていく

 

「はぁ〜全く…」

「ご、ごめんね?勝手に勝負を受けちゃって……」

「いや、そうじゃない。手を出さなかったら君等悪くなかったのに…」

「「「いや〜だってさ」」」

「まあ気持ちはわかるからいいよ、次から手は出さないこと」

「でも尖り君いいの?大丈夫?」

 

茅野さんが心配している事はわかる

 

「元より総合一位を取る気でいるけど……」

 

チラッと神崎さんをみて

 

「まあ、より気合を入れて勉強しなきゃだ。流石に負けるわけにはいかないからね」

「うん♪頑張ってね尖り君♪」

「だから、古典教えて下さい…」

「フフフ、わかってるよ」

 

 

まさか仲間の尊厳を守る戦いになるとは……

 

 

 




尖り君が鈍いのは一様理由はあります、結構しょうもないかも知れませんが


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期末Part2の時間

[尖り]

 

A組と期末テストで勝負をすることになった夜

 

「そうなんですねーA組と賭け事になって、しかも神崎さんを賭けて勝負ですかー大変でしたねー」

 

今日起きたことを律さんに勉強を教えてもらいながら、話した。そしたら不機嫌そうに口を尖らせた

 

「り、律さん?なんか怒ってる?」

「別に、怒ってませんよー」

 

律さんがプイッとそっぽを向いた。

 

「はぁ、こういう他人をかけたものって最低だって分かってるんだ。多分あの感じからして、発端は僕にあるんだと思うんだ……だから…」

「いえ、尖りさんは悪くないですよ、悪いのは吹っかけてきた人です!それに起きてしまった事はしょうがないです。返り討ちにしましょう‼︎」

 

罪悪感に落ち込んでる僕を励ますように律さんが諭してくれた。うん、今できる事やろうと気合を入れ直す

 

「そうだね、今はくよくよしてる場合じゃないよね!」

「あ、あのですね…尖りさん…」

 

なんかもじもじして、少し頬を赤くしながら聞いてきた

 

「この賭けが…も、もしですよ!例えばですよ!

私であったとしても……こんな感じに…悩んでくれますか?」

 

そんなことか…全く…

 

「律さんであっても変わらないよ。僕の仲間を傷つけようとするなら全力で叩き潰すよ」

「そ、そうですか…嬉しいです」

 

顔を真っ赤にして髪をクルクルしながら、照れている。不安だったのかな?

 

「でもさ、律さんってスマホの画面とか本体ぐらいしか見ることが出来ないから、手を出される事はあんまりないと思うけど?」

「フフフ〜それがですね、今一美さんと共同で私の体を作っているんです!」

 

え、それって、もしかして……

 

「いや……律さん……あんまり人の趣味にとやかくいうつもりはないんだけどさ………自分の体は大切にしよ?」

「はい?どういう事ですか?」

 

頭をコテンと傾けた、言わせるのか……

 

「だってさ………われ……があるんでしょう?」

「すみません、声がよく聞こえませんでした。もう一度いいですか?」

 

もう覚悟を決めて言ってやろう‼︎

 

「襲われ願望があるって事でしょ⁉︎」

 

僕がそう言った後、律さんがポカーンとしている

 

「………は!?なんでそういう事になるんですか⁉︎」

 

律さんが画面を乗り出すように訴えてくる

 

「だ、だって…手を出される事がないって言った後に体を作っている話って…」

「ちーがーいーまーすー!」

「確かにあのタイミングで言った私も悪いと思いますが‼︎その解釈はないと思います‼︎」

「私はただ‼︎最近皆さんは外での暗殺多かったり、体育の水泳などが羨ましいかったので、一美さんに相談して体を作ってもらってるんです‼︎」

 

凄い勢いで否定してきたから、違うんだろうな…よかった…

 

「そうだったんだ…ごめんね?」

「そうですよ!反省して下さい!」

「うん、ごめんなさい…」

「はぁ、理解してもらえたなら、いいですよ……まぁ尖りさんになら……

「ん?なんか言った?」

「いえ、なんでもいないですよ。それよりも勉強しますよ、ここの公式はですね…」

 

 

 

暫く勉強してて、ふと気づいた

 

「一美が体作ってるって言ってたけど、律さんの開発者はちゃんと知ってるんだよね?」

「はい、知ってますよ。一美さんが開発者(元マスター)に少し技術提供して私を買い取っちゃいました」

 

唖然としてしまった…本当になんでもありだな…というかあいつ、律さんが可愛いから買い取ったんだな……ん?

 

「元マスターって言ってたけど…もしかして今のマスターって…」

「はい!今のマスターは一美さんです‼︎」

「はぁ、まあいいや。いつぐらいに体出来上がるかわかる?」

「今の進捗的にまだ少しかかると言ってました、ですがある日には間に合うと言ってました!」

「ある日ってなんの日?」

「それは秘密です♪」

 

 

それから連日テスト勉強をして

 

 

 

 

試験当日!

 

 

「どう?尖り君、自信ある?」

「勿論ばっちり仕上げてきたよ。神崎さんは?」

「私は、少し不安だな…」

 

少し不安そうに俯いたから

ポンと頭に手を乗ってる

 

「そんなに気負う必要はないよ、今の自分の実力をテストにぶつければいい、気楽に行こう」

「うん!」

 

頭を触ってしまって少し死ぬ覚悟だったけど、許されたみたいだ

 

テスト会場になる教室に入ると、律さんの席位置に誰かがいた

 

「律役だ、流石に理事長から人工知能の参加は許されなくてな。ネット授業で律と自が教えた替え玉を使うことでなんとか決着した」

 

なるほど、あの日以降律さんと勉強してなかったけど、そういうことだったんだ。律さんも影で努力してたんだ、と思うとなんか嬉しくなってしまった

 

「交渉の時の理事長に"大変だなコイツも"…という哀れみの目を向けられた俺の気持ちが君達にわかるか」

 

色んな人が色んなところで努力してE組(彼ら)を支えようとしてくれていて凄く嬉しくなって

 

「僕たちのためにありがとうございます!」

 

考えるよりも先に感謝をした

 

「ああ、律と自に合わせて俺からも伝えておこう、頑張れよ」

「はい!」

 

 

そして席に着き、間もなくテストが始まる

 

 

キーンコーン、カーンコーン

 

 

試験(戦い)が始まった

 

 

 

 

英語

 

「な⁉︎嘘だろ!満点解答だろ!」

「お堅いねぇ力抜こうぜ優等生!」

「E組如きが…」

「まああれに比べならね……」

 

A組の誰か(興味がないので忘れてます)が間違えたのに対して、中村さんと渚は難なく正解した

 

 

 

 

「よしよし、可愛いねー」

『ワン!』

 

(((なんで手懐けてんの⁉︎)))

 

問題に普通に話かけてたら自然に懐いたなんでかな?お腹も見して完全に心を許してるね

 

 

満足したのか、光になって消えてってた、成仏かな?

 

 

 

理科

 

A組のメガネの人が暗記に間違えて、奥田さんが問題の鎧を自分で脱がしてどっかに行った、面白い戦い方するね

 

そう考えると後ろから問題が剣を振り下ろしてきたので杖でガード

 

「じゃあ一美直伝の理科を味合わせてあげよう」

 

杖で鎧ごと一発で叩き潰した、柔らかすぎないその鎧?

 

(((あいつのすっごい楽しそう…)))

 

 

 

社会

 

 

 

「あーこれね、この国の大統領がね替え玉使って旅行してたから本当はこの回数もっと少ないんだ、その現地でトラブル起こしそうだったから何回か止めたけどね……僕との秘密だよ?」

 

気付いたら戦車頭の問題がガクガクに震えてた…命乞いしてるけど、仲間の尊厳がかかってるからとどめを刺す

 

 

 

 

国語

 

 

なんか神崎さんに榊原(流石に勝負相手なので覚えてる)が何か言ってるみたいだけど全部無視されてる

 

「それで、ですね。これ、おかしいと思うんですよ………あの話逸らさないでもらえますか?そろそろ僕の質問答えてもらえませんか?さっき僕、貴方の質問全部答えたじゃないですか……いや謝ってほしいわけじゃないんですよ。質問に答えて欲しいんですよ。別に泣きたければ泣いてーー」

「と、尖り君…もうその辺にしてあげて、問題さんがもう限界だよ…」

 

神崎さんがやめるように言って来たけど、なんで?

 

「いやいや、僕はこの問題と楽しく会話してるだけだよ?ね?…あ、自害した…何も死ななくてもいいじゃん」

 

(((テストの時の尖りってやばいかも…神崎さんですら苦笑いしているし)))

 

(こういうの尖り君もいいかも…)

 

(((まじで⁉︎)))

 

 

 

数学

 

「カルマ君、余裕そうだね?」

「皆さ、目の色変えちゃて。勝つってそういうんじゃないんだよね、通常運転でサラっと買ってこその完全勝利なんだよ。このテストを生贄に皆に教えてやるよ」

「…そっか、頑張ってね」

 

カルマ君がリングに向かうのを少し遅れて見る

 

カルマ君が言ってた【それ】は最強の存在しか出来ないことである、確かにカルマ君は優秀だ、僕にはない才能を沢山持っていると思う。でもカルマ君は最強ではない、そんな人が嘗めて、勝てる相手ではない。このテストで学べたらいいけど…そう思って僕のリングに入った

 

 

スタタタータン

 

「痛った、一発食らっちゃた…反省だね」

 

 

 

 

 

 

期末ですが終わり、結果発表の日

 

 

「さて皆さん、全教科の採点が届きました」

 

殺せんせーが封筒の束から一つ開けて中身を取り

 

「では、発表します。まずは英語…E組の一位、そして学年一位‼︎中村莉緒‼︎完璧です、君はやる気はムラっ気があるので心配でしたが」

「うふふーん、なんせ賞金百億かかってっから触手一本忘れないでよ殺せんせー?」

「勿論です。渚君も尖り君も健闘ですが、肝心な所でスペルミスを犯しましたね」

「ははは、途中、問題に噛まれちゃいまして…」

 

(((噛まれるってなんだよ⁉︎)))

 

「さてしかし、一教科トップを取った所で潰せる触手はたった一本、それにA組との五教科対決もありますからね、喜ぶことが出来るのは全教科返した後ですよ」

 

 

殺せんせーは触手に破壊予定済と書かれた旗を1本立てた

 

「続けて国語…E組1位は…神崎有希子‼︎がしかし学年一位はA組浅野学秀‼︎」

「神崎さんも大躍進ですよ、十分です。そして尖り君、今のところ榊原君に勝ってますよ…どうです?」

「それはよかったです、でも気が抜けないですね」

 

あれだけ勉強したんだもん自信はあるけど、仲間がかかってるとなるとやっぱり怖い

 

「ごめんね、神崎さんが教えてくれたのに…」

「ううん、私も勉強になったから大丈夫だよ!次も一緒に頑張ろう!」

「うん、よろしくね」

 

テンション高く体を弾ませてるな…

 

「ヌルフフフ、やっぱり尖り君はネタが尽きませんね〜では続けて返します。社会!E組1位は磯貝悠馬‼︎そして学年では…おめでとう‼︎浅野君を抑えて学年一位‼︎」

「よしっ‼︎」

「マニアックな問題が多かった社会でよくぞこれだけ取りました!」

「これで2勝1敗!」

「次は理科……尖りと奥田か‼︎」

 

A組との勝負に勝ち越して、次の理科の結果に奥田も緊張している

 

「理科のE組1位は奥田愛美、丸尖り‼︎そして…素晴らしい!学年一位も奥田愛美、丸尖り!二人とも満点です‼︎」

 

「「「うぉー!!!」」」

「やりましたよ‼︎尖り君!ありがとうございました‼︎」

「いや、君の頑張りがあったからだ、誇りなさい」

 

あれからかなり教えたから自分の事のように、嬉しくなって奥田さんの頭をクシャクシャに撫でた

 

「尖り君もですよ、君もよく頑張りました!」

 

100点取れなかったら一美に悪いから、本気でやった甲斐があった…

 

「3勝1敗!」

「数学の結果を待たずしてE組が勝ち越した‼︎」

「いい仕事したな、奥田!尖り!」

 

答案を受け取り、自分の席に戻る奥田さんに様々な激励が飛び交う。

「あとは尖りの勝負だな‼︎」

「絶対負けんじゃねぇぞ!」

「うちのマドンナ渡すんじゃねぇぞ尖り〜」

 

もうテスト終わったからどうこう出来ないけど、そういうことじゃないんだろう

 

「ああ、任せて!叩き潰してくる!」

 

「ってことは賭けのあれもイタダキだな」

「楽しみー♪」

 

「あとは数学と総合ですね、数学のE組1位は……丸尖り!しかし残念学年1位は浅野学秀‼︎尖り君は開始20分で終わらせてましたね、でも少し詰めが甘かったですね〜」

「はは、1発貰っちゃいました…」

 

カルマ君が心配になって横を見たらと解答をもらうと同時にカルマ君が居なくなってた、仕方ないか…

 

「そして尖り君、心の準備はいいですか?」

「殺せんせー、速く安心させてください…」

 

殺せんせーが焦らして来るから怖いじゃん

 

「ではE組の総合1位は丸尖り!…ですが学年1位は浅野学秀!尖り君は2位です!上には浅野君しかいませんよ!」

「完全勝利だー‼︎」

「尖り君やったね!」

「うん、安心でどっと疲れたよ」

 

自分の席にもたれかかって座った

 

(英語99、国語95、社会96、理科100、数学99で総合2位か…もう少し頑張れた気がするな……正直少し嘗めてた…まだまだ未熟者だね僕も)

 

「尖りさんならこの調子なら次回のテストで総合1位になる確率は約96%以上です‼︎」

「ありがとう律さん、律さんも頑張ったね!」

「いえいえそんな〜」

 

画面の律さんが照れるように体をくねくねする、やっぱあざといね可愛いからいいけど

 

「神崎さんも頑張ったね!」

「うん♪」

 

神崎とハイタッチして、そのあと律さんともした。アームで出来るんだ…

 

気づくと殺せんせーが居なくなってて、おそらくカルマ君のフォローをしにいったのかな?

 

少しの間、皆が騒いでいるのを眺めてるとカルマ君と殺せんせーが帰ってきて、カルマ君がなんとも言えない表現しながら座ってる、まあ殺せんせーのことだから、ちゃんと指導したんだろう

 

「さて皆さん素晴らしい成績でした。5教科プラス総合点の6つ中、皆さんがトップは4つです、ですので触手の破壊権は4人の4本ですね」

「おい、待てよタコ、5教科のトップは3人じゃねーぞ」

 

殺せんせーが余裕そうに言うと、寺坂が待ったをかけた。何言ってるんだろ?

 

「5教科っつったら、国・英・社・理・()だろ?」

「プププ、ブッハハハハハハハ!」

 

久しぶりにお腹抱えて笑ってしまった

(本当に逞しすぎるでしょ⁉︎)

 

殺せんせーも予想外だったのか慌て出した

 

「ちょ待って‼︎家庭科のテストなんて()()()でしょ‼︎こんなの()()何本気で100点取ってるんです君たちは‼︎そして尖り君笑い過ぎです‼︎」

「ご、ごめんなさい…ちょっと…ブッハ」

「だーれも()()5教科とは言ってねーよな?」

「クックック、クラス全員でやりゃ良かったこの作戦」

 

寺坂達の作戦に皆少し顔が引きってる

 

「せっかく生徒が努力したんです、先生としてちゃんと評価しないとですよ〜!」

「カルマ君、GO!」

「…()()()とか家庭科さんに失礼じゃね殺せんせー?5教科の中じゃ最強と言われる家庭科さんにさ」

 

僕、カルマ君に続いて全員で殺せんせーを責めた結果8本になった

 

「それと殺せんせー、皆で相談したんですが、この暗殺に今回の()()()も使わせてもらいます」

 

(本当に逞しくて魅力溢れるクラスだ、だから…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

凄く辛い…)

 

 

 

 

期末の後は程なく1学期の終業式、僕は初めてなので少し楽しみである

 

 

「おお〜やっと来たぜ生徒会長サマがよ〜」

 

浅野を含めた五英傑に寺坂が上から目線で挑発した

 

「何かようかな?式の準備でE組に構う暇なんてないけど」

「おーう待て待て、何か忘れてんじゃねーのか?」

 

サラを切ろうとした、浅野君を寺坂が肩を掴んで止めた

 

「浅野、賭けてたよな、5教科を多く取ったクラスがひとつ要求できるって。要求はさっきメールで送信したけど、あれで構わないよな?」

「・・・・」

「まさか今更冗談とか言わねーよな?何ならよ、5教科の中に家庭科とか入れてもいいぜ?それでも勝つけどよ」

 

寺坂達が調子に乗りまくっているが、止める気はない。思う存分調子というウェーブに乗るといい…

 

僕にも仕事が残ってる。ある人に近づき

 

「榊原さん、もう神崎さんに近づかないで下さい」

「は、はぁ?お前と賭けてたのは彼女だが、お、お前が意味がないって言ったからむこーー」

 

榊原のネクタイを引っ張って鼻がくっ付くぐらいに近づける

 

「貴様いい加減にしろよ、人を物扱いした挙句勝負に負けて言い訳か、どうしょうもないな。ああ、そうだったな、この学校は成績がいい人には逆らえないんだったよね。じゃあ命令だ、二度とE組の皆に近づくな、破ったら今度こそ叩き潰すぞ」

 

と僕が今できるドスの効いた声で言って、ネクタイを離した

 

肝心の本人は茫然としている

 

「フン、じゃあ浅野君、E組との賭けの件納得でいいんだよね?」

「…ああ」

「じゃあ皆、行こ?」

 

といつも通りに切り替えて、無言で皆と体育館へ進み、暫くして

 

「皆、ごめん

 

 

 

 

 

 

 

手出しちゃった、テヘ」

 

そう言って頭にコツンと手を当てる

そして皆笑ってくれた

 

「私たちの時は注意したのにね〜」

「そうそう」

「尖り〜カッコよかったぜ!」

「尖り君って〜ドスの効いた声出せるんだね〜思わず録音しちゃった」

 

『貴様いい加減にしろよ……』

 

録音した僕の音声を聞かされた…僕の声ってこんなキモかった?

 

「カルマさん!その音声下さい‼︎」

「わ、私も!」

 

律さん、神崎さん……やめてくれ…こんなキモい声を…

 

「わかったよ〜あとでね〜」

 

今阻止しても、後で渡りそうだから諦めよう……

 

 

体育館につき、律さんが僕の胸ポケットのスマホいたから

 

「律さん、そろそろ始まるからニセ律さんの所に行きなさい」

「え、ここにいちゃいけないですか?」

 

涙目で言ってくる

 

「ダメ、ニセ律さんはちゃんと律さんも含まれてるんだから、そこはちゃんとしないとダメだよ」

「…はーい、わかりました…」

 

画面が消えたから後ろのニセ律さんの所に行ったんだろう

 

「なんか尖りさんって本物律さんのお兄さんみたいダスね」

「まあ実際、歳は離れてるからね。ニセ律さんも頑張ったね」

 

「…仁瀬さん、ダメですからね」

「わ、わかってるダス、私はそんなにちょろくないダス」

 

そして終業式が始まって、いつものE組いじりというものがぎこちない、まあE組がトップ争いして勝利したからね、E組の皆の顔に笑顔が見える

 

 

 

 

 

 

「1人一冊です」

「…出たよ恒例過剰しおり」

「アコーディオンみてーだな」

 

終業式が終わって、いつもの教室に戻ると、殺せんせーが厚すぎる夏休みのしおりを渡してきた

 

「これでも足りないぐらいです!夏の誘惑は枚挙にいとまがありませんから」

 

「さて、これより夏休みに入るわけですが、皆さんにはメインイベントがありますねぇ〜」

「ああ、賭けで奪ったコレのことね」

「本来は成績優秀クラス、つまりA組に与えられるはずだった特典ですが、今回の期末はトップ50の殆どをA組とE組で独占している。君達にだってもらう資格は充分あります」

 

パンフレットのあるページに海に囲まれた島が写ってた

 

「夏休み‼︎椚ヶ丘中学校特別夏季講習‼︎沖縄離島リゾート2泊3日‼︎」

「君達の希望だと触手を破壊する権利はこの離島の合宿中に行使するという事でしたね。触手8本の大ハンデでも満足せずに、四方を先生の苦手な水で囲まれたこの島を使い、万全に貪欲に命を狙う。…正直に認めましょう、君達は侮れない生徒になった。…親御さんに見せる通知表は先程渡しました。これは、標的(せんせい)への暗殺者(あなたたち)への通知表です‼︎」

 

殺せんせーが教室いっぱいに、二重丸が書かれた紙をばらまいた、果たして僕はこの通知表(評価)を貰う資格はあるのだろうか。こんな迷いを抱いた状態で…

 

「1学期で培った基礎を存分に活かし、夏休みも沢山遊び、沢山学び、そして沢山殺してましょう‼︎」

 

暗殺教室の1学期は終了して、皆下校した後殺せんせーは誰にも見つからないように…

 

(もう彼の心は限界が来ています、本当なら私が心の負担を取り除きたいのですが、こればっかりは私ではどうにも出来ません…彼の最後の一歩を踏み出させてくれるのは……)

 

校舎の天井から見下ろすように街を見ていた

 

 



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疑惑の時間

[尖り]

 

 

 

「何これ!しょうもなww」

「はぁ〜騒いで人に迷惑かけないでよね」

「まあまあいいじゃん、どうせ気にしてないよ」

「所で初めの学校生活楽しんでる?」

「うん、楽しませてもらってるよ」

「ふーん、友達とか出来た?」

「…まあ出来てると思う」

「ならよかった」

 

僕はある人とショッピングモールに出掛けていて、今は雑貨屋にいる

 

「うん、飽きたから違う所行こう!」

「了解、今度はどこ行くの?」

「…じゃあ服屋に行こう♪」

「はかっ…ん?」

 

今視線を感じた気がするけど、何なん…

 

「じゃあ行こっか…」

 

腕に抱きついてきて、思考が一瞬止まった………

 

 

 

 

 

[神崎]

 

 

夏休み入ってすぐある日、カルマ君がとある写真とメッセージが送信した

 

 

『これどう思う』

 

その写真には尖り君と小学生くらいの黒髪ロングの少女が写ってた

 

『事案じゃね?』

『妹なんじゃないの?』

{尖りさんに妹はいませんでした、戸籍上一人っ子です}

 

人の個人情報垂れ流す娘がいるんだけど…なんか尖り君の個人情報がなくなりそうな予感がしてきたよ…

 

『これっていつの?』

 

それから反応したのは中村さんが反応した

 

『今撮ったやつ、場所は学校の最寄り近くの◯◯ポート』

『なるほど…クラスL◯NE(ここ)で話したら、尖りにバレない?』

『そこは問題ないよ、自に頼んで尖り君の所には行かないようにしたいから』

{はい!どんな関係か探る必要がありますから‼︎}

 

自とカルマ君が凄いやる気になってるけど…

 

『あ』

 

カルマ君が何か呟いた

 

『どうしたの?』

『今その子尖り君に抱きついた…』

『本当?』

 

どういう事なの…

 

『うん、尖り君も仲良さそうにしてるけど』

『と言うか、この子誰か知ってる?既読結構付いてるけど』

 

中村さんがその子の情報を求めたら

 

『ここの周りにはいない子だと思う、こんな美少女いたら俺の耳にも入っているはず。岡島はどうだ?』

『いや俺も、見たことはない、俺の美少女センサーにも反応がなかったからな』

 

前原君と岡島君が知らないならここら辺の子ではないのかな?

 

『うーん、とりあえずロリコン2名追加ってことで』

『『なんでだよ!』』

『結局わからないから、まだ俺は尾行するけど、流石に俺1人だと面倒だから誰か来てよ』

『人のプライベートを探るのは不本意だけど、これは調査しないとね』

『お、委員長もやる気だね〜後は?』

 

 

 

 

そして尖り君のロリコン疑惑によって調査員が結成された

メンバーはカルマ君と中村さん、前原君と岡島君・片岡さんと私、渚君と茅野さん、そして自と……

 

「ヌルフフフ、生徒の性癖(趣味)。これは先生も調査しなくてはならないですねぇ〜」

 

殺せんせーも目立つような変装で参加している。カルマ君の情報から服屋に行くらしいから先回りしてると、2人が手を繋いで来た。

 

「自。あの会話、盗聴して」

{わかりました、もしマーザーや神崎さんの事を弄んでいたなら尖りさんには相応の覚悟をしてもらいます}

 

普段自は律に気を遣って尖り君の所には行かないようにしているらしい

そして自が「ゴゴゴ」という感じで言っている

 

『今日はどんな服買うの?』

『んー部屋着とか買いたいんだけど…尖り君が選んで欲しいな〜』

『…うん、わかったよ』

 

と話しならがら入っていった…

 

「なるほど、なるほど〜これはただならぬ関係ですね〜」

 

殺せんせーがニヤニヤしている。

……?

私たちは大勢で向かうとかえってバレやすいらしいから、二手に別れて尾行する

 

『これとかどう?』

『んーこれの方が肌触りいいよ〜』

『でも、こっちの方が長持ちすると思うけど』

『んーじゃあ試着してくるね〜』

 

女の子が選んだ物と尖り君が選んだものを持って試着室に向かった。その前で尖り君はスマホで何かして、ため息をついている

 

「これってどっちかな?」

「んーでも自分の服を選ばせるとかデートな感じするけど…」

「どっちも機能性重視な感じ?」

「ん〜気を遣わない感じからして仲は良さそうだね」

 

何故か彼らを見ているといい気持ちにはならないんだけど…いつも出てくるもやもやが出てこない…

 

『ほら〜どう〜可愛い〜?』

『うん、可愛いよ』

『えへへ〜可愛いなんて〜もう//』

 

尖り君が褒めると頬を赤らめて照れている

 

『でもそれで過ごすと肩痛いと思うよ』

『そうかな〜じゃあ沢山厳選しょう〜』

 

……

 

 

{あの神崎さん、私的にはギルティなんですけど、神崎さんはどう見えますか?}

「そうだね、正直なんだけどさ、ぎこちないような気がするんだよね」

「そうなの?」

「あの子は好意を向けている感じなんだけど…尖り君の方が少し引いてると言うがなんというか…」

「うん、僕も少しそう感じた。尖り君が頑張って合わせようとしている感じで」

 

渚君も同じような事を思ってたみたい

 

「はい、確かによくみると尖り君、少しだけ鳥肌が立ってます」

「と言うことは尖り君が何か弱みを握られているってことかな?」

 

殺せんせーに続いて片岡さんがそう答える

 

「全然情報がないからなんとも言えないけど…」

「でも尖り君がピンチなんだったら私たちで助けましょう」

 

そんな話しをしていると服屋から出てきた

 

『次はどこに行くの?』

『んー下着買いに行きたいな〜』

『え"…』

 

下着を買いに行きたいと言ったと時の尖り君の顔が完全に引きつっている。本当に弱みとかを握られているんじゃあないのかな、だったら私が守らないと…と決心した時女の子が尖り君に抱きついた…

 

『尖り君……私が…今…何を思っているか…分かる…?』

 

涙目で尖り君に抱きついて訴えてきてる…もしかして、尖り君の優しさにつけ込んで…意のままに利用する…そう言う事をしているのかな?

 

「か、神崎さん。怒りというか殺気がダダ漏れだよ…」

 

そして尖り君はその少女の目を見て

 

『うん、わかってるよ、一美の考えてることは大体は…それはね』

 

ニコッとした笑顔で尖り君が優しく諭すように言った……ん?ちょっと待って今…

 

『まあ、気配の消し方や目標の視界に自然と離れるなどは及第点としょう。でもさっきから視線や殺気、と言うか不自然さダダ漏れなんだよ!きみら‼︎』

 

と尖り君が振り返り、私達の方を見て言った…もしかして

 

「え〜やっぱり気付いてたのか〜何だーつまんないな〜い」

「いや、あんなに視線向けられたら嫌でも気づくでしょ…」

「まぁ一美が男に抱きついたりするなんて普通はやらない、ならそれをすることによって一美にとって面白い状況になると考えたからやったんだろ」

「尾行の練習にもなると思ったから、乗ってあげたけど…一美の彼氏役はすっごい違和感あったは…」

 

き、気付いてたんだ。

 

{これは弄んでたというよりかは……尖りさんの配慮…なんでしょうか}

「そうですよ…折角の同僚との時間を邪魔しないように私は席を外していたんですよ…これはお仕置き(教育)ですね」

{い、いえ、こ、これはマーザーの為に…}

「わかってますよーだからお仕置き(教育)なんじゃないですか…」

 

律がハイライトを消して自に迫っている…ハイライト消してる人ってこんなに怖いんだ…あ…連れてかれた…止めれるのは尖り君だけだけど…気付いてないよ〜

 

「まあ本当に私に惚れてくれたら奴隷にしてあげてもよかったけどね〜」

「一美の奴隷なんて5日保たないでしょ?」

「はぁ〜1週間は保たせます〜」

「1週間で壊すの間違いだろ…」

 

と仲良さ気に凄く物騒な会話をしながら、私達に近づいて…

 

「僕が同僚と出かけてるのってそんなに珍しかった?」

 

とジト目で聞いてきた。

 

「い、いや。そんな事はないよ?」

「えーと、尖り君?その人って…」

「ああ、そうだったね。この人は…」

「尖り君の同僚の條一美さ、いつも尖り君がお世話になってまーす!」

 

一美さんが元気良く挨拶してくれた

 

「あれこの前、一美さんって歳上って言ってたけど…」

「そうだよ〜私尖り君のおねーさんなのさ。まあ血は繋がってないけどね」

(((え⁉︎どう見てみても小学生にしか…)))

「ウッソだろ⁉︎どう見ても小学生にしかーーグハっ」

「21歳のお姉さんだよ?」

「「「は、はい!お姉さんにしか見えません‼︎」」」

 

私達が思った事を代弁した岡島君が一瞬で近づかれて、鳩尾を喰らって倒れてしまった…

 

「うんうん、ちゃんと分かる人には分かるんだよ!」

 

(((あれの後には言えない…)))

 

「あ、殺せんせー、大丈夫ですよ、一美は殺せんせーのこと知ってますから」

「にゃあ⁉︎なんでですか!教えたんですか⁉︎」

「フフフ〜殺せんせー君〜レジスタンスの情報網嘗めない方がいいよ〜」

「まあそれはどうでもいいとして!」

 

一美さんが私たち(女子)に近づいて

 

「尖り君!この子達⁉︎やっぱりレベル高くない!さっきはなるべく見ないようにしてたけど!めっちゃ可愛いよ!」

 

手をワキワキさせて、ジリジリ近づこうとして

 

「やめなさい」

 

尖り君が一美さんの頭を鷲掴みにして止めてくれた

 

「同級生に手を出そうとしない‼︎」

「え〜こんなに可愛いんだよ〜1人くらい…グヘヘ」

「やーめーろー!」

 

私たちを襲おうとする変態(一美)を必死に止める守護者(尖り)の攻防が少しの間繰り広げられた

 

 

 

 

「はぁ〜皆んな…一美と一緒に服を買うのをを付き合ってくれない?」

 

尖り君が凄い疲れた表情で少し意味のわからない事を言ってきた

 

「ん?どういうこと?もう買ったんじゃないの?」

「いや、一美は僕との買い物に関しては結構効率を求めるんだけど…さっきは一美は部屋着しか買わなかったから、私服とかを君達と買いたかったんだと思うだ…お願い出来ないかな?」

「うーん…」

 

さっきの見てから…一美さんの事少し苦手になってるんだよね…でもどうしょう…何か悪い人じゃなさそうだけど…やめとこうかな…

 

「一緒に行ってくれたら、尖り君の女装写真を見せてあげるよ」

「行きます!」

「ちょっと待って、何見せようとしてるんだ⁉︎」

 

撤回です!この人は完全にいい人です‼︎

 

「色々あるよ〜普通の女性服やドレス、あ、幼い時にチャイナ服も着たね〜ほら」

「ブハ…」

 

渚君みたいだけど、今の面影がある感じで…でも反抗的な目で…尊い…

 

「任務で仕方なく‼︎止むを得ず仕方なくだから‼︎というか神崎さん⁉︎鼻血大丈夫⁉︎ほらテッシュ」

 

真っ赤になって挽回してる…可愛い…

 

「まあ今だと筋肉とかあるから〜身体が隠せる服かな〜今する?」

「任務以外では絶対やらないからな‼︎」

 

フフフ、いつかしてもらうおうかな…

 

「ゾクッ⁉︎」

「まあ、私の観察眼だと…そこの赤髪の子と青髪の子がいいかな〜」

「いやいや〜俺よりもこの渚君の方がいいよ〜」

「身代わりにしないでくれる⁉︎」

「渚君って言うんだー君はー?」

「俺は赤羽業だよ、カルマって皆呼んでるからそれでいいよ」

「わかったよ、でも興味があればすぐに連絡頂戴!」

「ははは〜遠慮しとく〜」

 

この場が混沌になってきたので、尖り君が仲裁して皆で買い物をしたりして、L◯NEや連絡先を交換した。

 

その夜、涙目の自が尖り君に謝って尖り君が慰めて、律が機嫌が悪くなるというカオスな状況になった事は3人しか知らないらしい…

 

 

 

 

 

 

※※※※※

 

[一美]

 

「ねぇ青葉(あおば)〜明日椚ヶ丘行くよ〜」

「ん?どうしたのよヒトちゃん急に…」

「尖り君がかなり危ないかも」

あのモンスターうちのトガちゃんに何かしたのか

 

尖り君のことになるとすぐこうだな……

 

「恐らく違うは、尖り君の精神的な問題だよ」

「そういうことね、トガちゃんを虐める奴がいるってことね‼︎」

「違うよ、おそらく尖り君ね今…………恐らくそんな状態…」

「…それは私たちでは無理じゃない?」

「だから適任の人を探して助言しにいかなきゃ…尖り君が潰れてしまうは」

 

 

あんなに弱ってるとは思わなかったは…

 

 




オリキャラ2人を動かすのって超大変ですね…次は3人になるのか…もしかしたら今回の文章を変えるかもしれません、大幅に変える場合ちゃんと前書きに書いておくのでそれを参考にして貰えば問題ないと思います


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策謀の時間

[尖り]

 

皆で南の島での暗殺計画の詰めやその訓練をしていた

 

 

「まあまあガキ共、汗水流してご苦労な事ねぇ」

「ビッチ先生も訓練しろよ…射撃やナイフは俺等と大差ないだろうに」

「大人はズルいのよ。あんた達の作戦に乗じてオイシイとこだけ持ってくわ」

 

まあ戦術としては正しいと言えるけど、イラっときたので

 

「すみません、ビッチ先生。よく聞こえなかったので、後ろを見てからもう一度言ってもらえますか?」

「な〜に言って…」

「ほう…?私も聞こえなかったので、もう一度言ってもらえないかな?」

 

怒りダダ漏れのロヴロさんがいた

 

「夏休みの特別講師として、来てもらった1人だ、今回の作戦にプロの視点から助言をくれる」

「1日休めば指や腕は殺しを忘れる…落第が嫌ならさっさと着替えろ!」

「ヘイ、喜んで‼︎」

 

速攻で、その場から走り去り、校舎に入っていった…ヒールでよく走れるな…

 

「所で烏間君、私以外の講師役は誰なのかな?」

「ああ、それは尖り君がよく知る人物だ」

 

え……まさか……

 

「トガちゃん〜〜❤️会いたかったは〜〜」

 

殺気ではない、ドロドロとした視線を感じて、その方向に回し蹴りを喰らわせて吹っ飛ばす

 

「あ〜ん、久しぶりだわ…この感覚…」

 

その人物は身長190cmぐらいのガタイは良いが余計な筋肉は付いていない漢である…僕がここで1番会いたくない人物No.1である

 

「やっほ〜きちゃった☆」

 

もう1人の方も会いたくないが…これの比ではない…

 

「な、なんで…」

なんでいるんだー⁉︎お前らー⁉︎

 

本当に思考が働いていることに驚きを感じている…多分悩み事で少し麻痺しているからかな?

 

「どうしているんだ⁉︎任務はどうした⁉︎あるだろう⁉︎」

「フフフ〜今回の暗殺が重要と判断したらしく、君のお父さんが私たちを指導者として送り込んだのさ〜」

「そうよ、だからこれも任務なのよ❤️」

「任務中なら教官と言え‼︎お前らが情報漏洩してどうする⁉︎」

 

特大のため息をついた、だけど良かったかもしれない…射撃の腕も接近戦闘も僕より上だし、教えるのだって上手いから。

 

「と、尖り…この人たちは誰なんだ…いやこのしょ「あ"?]…女性の方はある程度知ってるんだけどこの……」

「あら、私のことに興味持ってくれてるのかしら?嬉しいわでもごめんなさい私、トガちゃん一筋なの」

 

杉野の質問に答えようとしたらこの怪物が返答して、怖がらせてしまった…しょうがないか、こんな巨漢がクネクネしながら喋りかけられたらそうなるに決まってる…気絶しなかっただけ凄いと思う

 

「はぁ〜この人は岩根(いわね)青葉(あおば)うちの組織のメンバーで僕と一緒の班員だ、そしてこの條一美も同様だよ」

「そうよ、皆よろしくね?」

「ビシバシ指導するから〜頑張ってね〜」

 

「なんか…尖り君が前言ってたことが少しわかった気がする…」

 

皆引きながら哀れみと同情の目を向けてくる…ロヴロさんですらかなり引いてるし

 

「まあこれでもレジスタンスの中ではかなり強い方だ、というか青葉の方はレジスタンス接近最強だ、教えるのも結構上手い」

 

そう伝えて訓練が始まったんだが、皆の指導している2人だが…

 

「もっと!肩の力抜いて撃ちなさい‼︎練習でガチガチだと本番で撃たないわよ‼︎」

 

と言いながら女子生徒の腕や腰を必要以上に触りまくる、一美

 

「もっと相手の動きを見なさい〜相手をこう絡めとる感じで…」

 

こっちも男子生徒の身体を必要以上にネットリと言う感じで触る青葉…

 

お前ら、ちゃんと指導しろ‼︎必要ないことまでするな‼︎

 

やり過ぎな事をしないように、あいつらの奇行を監視しながら僕は僕で訓練をする。でもあいつらが来てくれたおかげで少しだけ楽になれた気がする…

 

 

ロヴロさんも他生徒の指導をしながら今回の暗殺内容を聞いていた

 

「うちの生徒の射撃能力はどうだ…不安か?」

「いや、逆だ。素晴らしい、他の者も良いレベルに仕上がっている。そして特にあの千葉龍之介や速水凛香は素晴らしい。俺の教え子に欲しい位だ」

「そうだろう」

 

ロヴロさんに褒められて自慢気にしている烏間先生

 

「そしてあの2人…あれはとんでもないな…」

「ああ、それ俺も思う」

「あれはかなりの化け物だ特にあの漢…」

「あれは恐らく…俺の10倍は強いな」

 

(((そんなに強いのか…というかそんな人に蹴り入れた尖りって)))

 

まあ殺し合いになれば接近で青葉に勝てる奴なんて一握りだろうけど、戦いになれば烏間先生なら勝てると思う。腹筋でも少し見せれば隙を作ってそこを突いて勝てるでしょう

 

「ロヴロさん…あなたが知っている中で1番優れた殺し屋って誰ですか?」

 

渚が興味本意な感じで聞いて、ロヴロさんが少し驚いている…恐らく気づかなかったんだろう

 

「そうだな…1番優れた殺し屋そう呼べるのは1人…いや特定の条件では2人か……」

「2人…それも特定の条件って…」

「ああ、まず最高の殺し屋という括りなら"死神"を俺はあげる。神出鬼没、冷酷無比、夥しい数の屍を積み上げて死そのものと呼ばれるに至った男」

「僕も知ってます…大統領を自然死させたりする奴ですよね。怖いですよねそいつ」

「何を言っているんだか、私からしたら、その死神ですら避けると言われてるレジスタンス日本科の方が怖いよ」

「ハハハ、それ噂ですよ。信憑性皆無じゃないですか」

 

(((今日の出来事でなんか分かる気がする…)))

 

「そして2人目はジャック・ザ・リッパーと言われる者だ。これは君の方が知っているじゃあないかな?」

「…そうですね、ちゃんとした殺し屋という分野では死神でしょうが、奴は女性、特に子持ちを殺す割合が高いただの殺人鬼です。

そして証拠や目撃証言がなく殺したあとの手紙に書いてあったジャック・ザ・リッパーという名前しかわかってません…そしてレジスタンスの宿敵とも言えるでしょう…教官の奥さんと娘さんを殺した犯人なんですから」

 

淡々とそのジャックの事を話していた

 

「それって尖り君のお父さんって」

「うん僕の身内は全員血は繋がってないよ、まあ血は繋がってなくてもちゃんと心は繋がってるから幸せだよ。だから気にしないで…あいつらには内緒だよ?調子乗るからね」

 

なんか渚が羨ましいものを見る目で一瞬見たけど気のせいかな?

 

「だが、あまりジャック・ザ・リッパーの詮索に積極的ではないと聞いたことがあるんだが、どう言う事なんだ?」

「はい、確かにジャックは憎いですが、教官が深追いするなと言ってますし、僕たちの人生を賭けてまで追い回す価値はないと判断しました。それよりも仲間と過ごす時間の方が価値はあると考えたからです。まあ完全に野放しには決してしませんが…」

 

ロヴロさんが少し関心したように僕を見て

 

「フッやっぱりレジスタンスというものは恐ろしい」

 

どこら辺に恐ろしい要素があるのか聞いたら

 

「そんな誰もが憎しみに飲み込まれるような状況下であっても冷静に対処する君たちが恐ろしいんだよ。そして感情のないロボットにもならないと、本当に凄いな君達は」

 

僕自身は凄い人ではないんだけど…仲間が褒められてるととても嬉しい

 

そんな会話を人知れず少し暗い顔で聞いていた人がいた

 

「では少年よ、君には"必殺技"を教えよう…プロの殺し屋が直接教えるものだ」

 

 

こうして、この南の島での暗殺の訓練は1週間続いた

 

そして最後の訓練日の終わり際に

 

 

「ごめんね〜尖り君、これから神崎ちゃんと律ちゃん、青葉と女子会するから〜」

「フフ、これは男は入っちゃダメよ〜」

 

お前も男だろうが、と言いたかったけど、何故かそんな事を言う気にはなれなかった…

 

「わかった…でもちゃんとした時間に返すんだよ?」

 

一応釘を刺して僕は帰った…

 

 

 



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島の時間

[尖り]

 

とうとうのこの日がやって来た。皆が必死に訓練して、今出来る万全の準備整えてた。今は東京から約6時間の船旅を過ごしている

 

 

「はぁ、はぁ。結構きついな…」

 

船酔いには結構強かったとは思ったけど…まあしょうがないか…

 

「尖り君…大丈夫?」

「うん、大丈夫だよ。今日の暗殺に支障が出ないようにはするからさ」

「…そっか」

 

さっきから神崎さんが側にいてくれて、水で濡れたタオルとかをくれて介抱されている…でも何か必要以上に心配されている気がする…まあ僕のコンディション次第で触手一本がかかってるし、トドメの一撃の一つを任されてるからしょうがないか……

 

そしてもう1人僕と同じくグロッキー状態な人がいる

 

「にゅやァ…船はヤバい…船はマジでヤバい。先生頭の中身が全部まとめて飛び出そうです」

「あ!起きて起きて殺せんせー、尖り君‼︎見えてきたよ‼︎」

 

テンション高めで倉橋さんがナイフを振り、グロッキー状態だが当然避ける

 

「「「島だー!」」」

 

 

 

島につき、皆は涼しげなベンチで休んでる

 

「ようこそ、普久間島リゾートホテルへ、サービスのトロピカルジュースでございます」

「あ、すみません結構です」

「…はい、かしこまりました」

 

流石に酔いが残ってる状態で飲むものじゃない、ので断った

 

「ごめん…少し寝てくる」

「うん、ゆっくり休んで来て」

 

そう言って休憩スペースに行って、寝た

 

「尖りの奴大丈夫かな〜」

「うん、何か今日の尖り君すっごく弱ってる気がする…」

「まあ、あいつの事だから本番までには復活するんじゃね?」

 

 

 

暗殺は殺せんせーを船で酔わせて、観賞会をして殺せんせーの羞恥心を刺激して、満潮によって水を吸わせて僕たちの8人が触手を打ち抜く…

その瞬間にフライボードでの水の檻で囲う、殺せんせーは急な変化に弱いからである…そして律さんが浮上と同時に皆であえて殺せんせーを狙わないように弾幕を張り逃げ道をなくして、僕は律さんの支援の下で触手を破壊して…水圧の檻の一部が開かれた時に水中に潜んでいた速水さんと千葉で水上のトドメを、僕は陸上でのトドメの2段構えで……

 

 

 

 

 

殺せんせーの頭を吹き飛ばした………これで暗殺は成功である…

 

『これで君等の暗殺任務は終わりだ、今までありがとう。ご苦労だった』

『あーあ。本当にこんな複雑な計画を成功されるなんて、やるじゃない。おこぼれを狙う隙がなかったは…』

 

このような労いと感謝の言葉を沢山もらった。

だけど、心の何かが抜け落ちたような気がする…

そしてE組から烏間先生とビッチ先生がいなくなり、補充の先生が来た…だが僕はそのあとの彼らを知ることはできない。

いや、彼らがその後幸せであるかどうか知る権利すらないだろう

何故なら僕はE()()()()()()()()()()()()からである。

それは住んでた世界が違うのもそうだが、僕は彼らに必要以上に関わらないようにしていた…嫌いだからではない寧ろ好きだ、大切な存在だ。

 

でも僕は自分より実力が下の人(彼ら)の関わり方を知らない。

 

だからそんな人がE組(彼ら)の輪に入ってしまったら、拒絶されるのはまだいいだろう、彼らを知らずに傷つけることになってしまうんじゃないか、負担になってしまうじゃないか…そんな事を考えた結果僕は安全策としてE組(彼ら)の輪の外から見守る事にした。

 

それによりE組(彼ら)を傷つけようとする奴を見つけて排除しようと思った…だが僕はE組(彼ら)の魅力に惹かれて近づきたいと思ってしまい近づいた…その結果異変に気付かず、いや違和感は抱いていたはずなのに行動せず、あと少しの所で死人が出ていたかも知れないそんな事件が起きたのだ…

 

やっぱり僕は異物であるべき(輪の外にいるべき)だと思った。

 

だがE組(彼ら)の魅力はどんどん高まって僕はその輪に入りたい、一緒に過ごしたい、E組(彼ら)と一緒の歩幅で歩みたいなんて、身勝手な望みをより強く抱いてしまった。その結果あの事件が起きたのだ。

わかっている…E組(彼ら)の輪に僕はいらない。

そんな事わかっている…はずなのに‼︎僕は彼らと過ごしたいという欲がどんどん膨らんでいった…それを自覚はしている、だから今まで抑え込んで耐えていた…感情がないロボットになれたらどれだけ楽だったか…ここ最近よく眠れてない…律さんにバレないように、寝てはいた。バレてしまって自分達のせいで苦しめたなんて思って欲しくないし、自分の未熟を他人のせいにするなんて話にならない…どんどん身体が不調になっていくけど…これも臆病な僕の罰だ…受け入れるしかない…だがそれももう終わりである…

 

『まあ良かったんじゃない?いずれこうなってたし、速めに終わって良かったじゃん。尖り君だって辛かったんでしょ?向いてなかったんだよきっと』

『そんなことよりトガちゃん、次の任務よ』

 

僕の仲間の言葉に何も言えなかった…確かにそうだE組(彼ら)の一歩後ろで過ごしてとても辛かった…一歩踏み出せばよかったのか?「わからない…わからないんだ…僕はどうすればいいのか」…もしかしたら殺せんせーを殺すことも…

 

 

「……」

 

目を開けたら…休憩スペースの天井だった…

 

(夢か…)

 

スマホを見て律さんがいた

 

「ごめん律さん…どれくらい寝てた?」

「はい…4時間ほど寝ていました…あとは殺せんせーとの夕食のあと暗殺です…」

「そっか、皆に謝らなきゃね…準備を手伝えなかったから」

「いえ…もう体調はよろしいのですか?」

「うん、よく眠らせてもらったから万全だよ」

「そう…ですか」

「心配しないで、暗殺に支障はきたさないから」

「……はい、体調が良くなったなら…」

 

そう言って夕食の会場になる船の方に向かった…

 

律さんがずっと心配してそうな表情をしてくれていたが僕は気がつかなかった

 

 

 



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決行の時間

この回の後書きに皆さんにお願いがあります。
時間が余ってて、この小説に興味を持って頂いてくださってる方どうか協力お願いします…


追記:終了させて頂きました


[尖り]

 

船上レストランの会場になる船に着くと殺せんせーが真っ黒日焼けしていた

 

「おや、尖り君。体調はもうよろしいんですか?」

「はい、たっぷり寝かせてもらいましたから」

「そうですか。もしまた体調が悪くなったらこの暗殺を辞退して下さいね」

「わかってますよ、無理はしません」

 

体調的には無理はしていない、まあこの暗殺ぐらいは問題ないだろう

 

「では夕飯はこの貸し切り船上レストランで夜の海を堪能しながらゆっくり食べましょう」

「…まずはたっぷりと船に酔わせて戦力を削ごうというわけですか.」

「当然です、これも暗殺の基本ですから」

 

船酔いで判断能力を少しでも削ぐ作戦である

 

「なるほど…実に正しい。ですがそう上手く行くでしょうか?暗殺を前に気合の乗った先生に船酔いなど恐るるに足りません」

「「「黒いわ‼︎」」」

「…そんなに黒いですか?」

「表情どころか前も後ろもわかんないわ」

「ややこしいからなんとかしてよ」

「ヌルフフフ、お忘れですか皆さん?先生には脱皮がある事を…」

「それっておーーッ⁉︎」

 

今、僕何言おうとした⁉︎

脱皮は殺せんせーの奥の手である事を教えてやめさせようとした?

貴様は何を考えている⁉︎

E組(彼ら)の暗殺を邪魔する気か⁉︎

殺せんせーがその場の流れで脱皮してくれたから良いものの、しなかったらどうするつもりだったんだ⁉︎

 

「ーー丈夫?尖り君?」

「あ…うん大丈夫だよ。心配してくれてありがとう」

「うん、本当に何かあったら言ってね?」

 

余程ショックだったのか、神崎さんに心配をかけさせてしまった、さっきの夢の影響かもしれない…ちゃんと切り替えなくては…

 

 

 

夕食を終えて皆で水上パーティールームに向かった

 

「では殺せんせー、まずは三村が編集した動画を見てもらった後、触手を破壊する権利を持っている人たちが触手を破壊。それを合図に皆で一斉に暗殺を始める。それでいいですね殺せんせー?」

 

磯貝が大まかな内容を説明して、殺せんせーも了承。殺せんせーは余裕そうな言い草だったが小屋のあちこちを見て警戒していた

 

「殺せんせー、まずボディチェックを、いくら周囲が水とはいえあの水着持ってたら逃げられるしね」

「入念ですねぇそんなヤボはしませんよ」

 

ボディチェックをしたがあの完全防水の水着を持っていなかった

 

「じゃあ、上映(はじ)めるぜ」

 

岡島が電気を消した

触手破壊の権利を持っている8人は殺せんせーと一緒に動画を見ている。他の人たちは人数を把握させないように小屋を出入りしてる。

それにしても…このとある教師の生態って…

 

『…まずはご覧頂こう、我々の担任の恥ずべき姿を』

 

流れ出したのはトンボの帽子を被った殺せんせーがエロ本の絨毯の上でエロ本を読んでいる姿

 

『おわかり頂けただろうか、最近のマイブームは熟女OL全てこのタコがひとりで集めたエロ本である』

「違っ…ちょっ岡島君達!アイスで手をうったでしょ⁉︎」

 

えー生徒にバレた上に買収してたのか…

 

『お次はこれだ、女子限定のケーキバイキングに並ぶ巨影を…誰あろう、奴である。バレないはずがない。女装以前に人間じゃないとバレなかっただけ奇跡である』

 

国家機密である自覚はあるのだろうか…

その他色々な殺せんせーの黒歴史が晒された…結果

 

「…死んだ、もう先生は死にました。あんなの知られてもう生きていけません…」

 

しわしわになって背もたれにだらけきってる…本当にエグかった…

 

『さて秘蔵映像にお付き合い頂いたが何かお気づきでないだろうか殺せんせー?』

 

この言葉で気づいたようだ。満潮で触手が水を吸っている…

 

「俺等はまだなんにもしてねぇぜ、誰かが小屋の支柱を短くでもしたんだろう」

「船に酔って、恥ずかしい思いして、海水吸って。だいぶ動きが鈍ってきたよね」

 

席を立って僕ら8人は一斉に銃を構えて殺せんせーと向き合う

 

「さあ本番だ、約束だ避けんなよ」

 

寺坂の言葉の次で

 

「発砲!」

 

磯貝の言葉で僕らは射撃し、すぐに壁が取り壊される

 

「!!?」

 

急激な環境の変化に動揺してる間に、フライボートによる水圧の檻を作る。

 

「射撃を開始します。照準・殺せんせーの周囲1m」

 

そして律さんが浮上して、射撃開始とともに他の皆も一斉射撃を始めた

僕は律さんが作った隙を突いて発砲して触手を一本破壊に成功…皆の支援下と殺せんせーがかなり減速してるので行動を計算するのは容易であった

そして…殺せんせーの後ろの水圧の檻が開いた

 

 

()()()()()が殺せんせーに迫る

 

(よくぞ…ここまで)

 

 

[渚]

 

そして殺せんせーの全身が閃光と共に弾け飛んで、僕らは海へ吹き飛ばされた

 

「うぶっ…」

「わあッ」

「や……殺ったのか⁉︎」

 

殺せんせーが爆発して、その後には何も残されていない…

 

殺った手応え‼︎

 

「油断するな‼︎奴には再生能力もある片岡さんが中心になって水面を見張れ‼︎」

「はい‼︎」

 

烏間先生の指示に従い殺せんせーを警戒する僕たち

 

するとブクブクと何がが浮上しようとする、まさか殺せんせーかと思い、僕たちは銃を構える

 

そして出てきたのが…殺せんせーの頭が入った透明とオレンジの変な球体が浮かび上がってきた…

 

何アレ⁉︎

 

「これぞ、先生の奥の手中の奥の手、完全防御形態です‼︎」

 

浮かび上がってきた殺せんせーを見て皆が呆然にしていると殺せんせーが自慢げに完全防御形態について語り始めた

 

「外側の透明な部分は、高密度に凝縮されたエネルギーの結晶体です。肉体を思い切り小さく縮め、その余分になったエネルギーで…肉体の周囲をガッチリ固める。この形態になった先生はまさに無敵‼︎水も対先生物質もあらゆる攻撃を結晶の壁がはね返します」

 

あまりの事に僕らは唖然とする。そんなの…文字通り無敵じゃないか

 

「そんな…じゃ、ずっとその形態でいたら殺せないじゃん」

 

矢田さんが困ったように言葉を漏らす

 

「ところがそう上手くはいきません、このエネルギー結晶は…24時間ほどで自然崩壊します。その瞬間に先生は肉体をふくらませ、エネルギーを吸収して元の体に戻るわけです。裏を返せば結晶が崩壊するまでの24時間、先生は全く身動きが取れません」

 

ちゃんと弱点もあるみたいだ

 

「これは様々なリスクを伴います。最も恐れるのはその間に高速ロケットに積まれ宇宙の彼方まで飛ばされることですが、現在24時間以内に飛ばせるロケットが無いことは調べ済みです」

 

やられた…ここに来て殺せんせーの隠し技…その欠点までちゃんと計算尽くで…完敗だ…‼︎

 

殺せんせーの説明を聞き終えた寺坂君がレンチで殺せんせーを叩くけどビクともしない…核爆弾でも傷一つ、つかないらしい

 

そしてカルマ君が殺せんせーを渡すように言って、スマホを取り出して殺せんせーにさっきのビデオを見せた

 

「にゅやー‼︎やめてー‼︎手がないから顔が覆えないんです‼︎」

 

ウミウシを付けたり、色々な事をしようと企むけど…烏間先生が取り上げて、上層部の人と殺せんせーの事について考えるらしい。

だけど例えば対先生物質のプールに閉じ込めたとしてもエネルギーの一部を爆発させて、脱出するらしい

 

そのあと殺せんせーがいつものように僕らの暗殺を褒めてれたけど…皆の落胆は隠せなかった

 

「あれ、尖りは?」

「もう戻ったんじゃね?何か今日調子悪そうだったし」

完全防御形態(あの殺せんせー)の対策を考えてるのかもな」

 

尖り君はもうすでにいなかった、ホテルに帰ったのかな?

 

「自、ここ任せますね」

{はい…マーザー、御武運を…}

 

 

※※※※

 

[律]

 

先日一美さんと青葉さんに尖りさんが、今抱えてる苦しみについて教えてもらいました

 

それは尖りさんはE組(私たち)の輪に入りたいけど、尖りさんが入ることによって、私たちが傷つくと思ってしまい入れず輪の外で過ごしていると言うことでした。

 

『トガちゃんはね、今まで自分より実力が下の人(後輩)が出来たとこがないの、それでE組(あなた達)にどう関わればいいのかわからないの』

『そんな自分が君達に近づいたら、貴方たちが傷ついてしまうとか思って怯えてしまったんだと思う』

 

そんな言葉に私たちは否定したかったのですが、今思えばそのような様子がいくつもありました…

 

『それで、気づかれないように距離を置いて貴方達を守ろうとしたのね…きっとね』

『まあ尖り君は優しいから、自分の欲望よりも貴方達を優先したのね…』

 

確かに私たちは尖りさんよりも実力が低いかも知れません…ですが‼︎

 

『わかってるは、君達は一方的に守られるほど弱くないわ!』

『うん、この1週間観てきてよくわかったさ』

『そんなんじゃ本当の仲間にはなれないって本人がよくわかってると思う、そして本当の仲間になりたいだと強く思っているはず。じゃなきゃあんなに弱るはずがないさ』

『彼は貴方達の前では少し大人ぶってるけど、本当は結構子供っぽいのよ?心が弱い癖に抱え込んで一人で悩んじゃったり、本当は臆病でメガティブ目な性格なの』

『それでも仲間のために沢山努力して力をつけて、自分を奮い立たせて、仲間の力になりたいって必死に頑張ってるんだ、どうだ〜健気で可愛いだろ?』

 

凄い重い雰囲気だったですが、尖りさんの自慢し始めました。

聞いているうちに私たちも嬉しくなり、学校での尖りさんを話し始めました。

 

『意外と拗ねやすくて、すぐに一人で抱え込もうとしちゃう心配性な彼だけどさ』

『そんな面倒さい彼を見捨てないであげて欲しいの、これは貴方達にしか出来ないは、私たちは彼にとって実力が上の人って認識なんだもの』

『今の彼に本当の意味で言葉を届けてあげられるのは貴方達よ』

 

青葉さんも一美さんもとても悔しそうにして言いました、本当なら自分たちの手で彼を救いたいということなのでしょう。

 

私たちはとても嫉妬していました。

数ヶ月一緒に過ごした私たちが彼の苦しみに気づいてあげれなかったのに、この人達は数日で気づきました。

確かに尖りさんと過ごした時間は圧倒的にあちらの方がありますがそれでも悔しかった。

ですが悔しいのは私たちだけではないと知りました、なら今抱く気持ちは

 

『私達は尖り君に沢山助けられました。私が親の呪縛に苦しんでる時も彼が側に居てくれたから、その壁を乗り越えることができました』

『私は皆さんとの輪から外れてしまいました、ですが尖りさんが諦めずに私を導いてくれて、私の人生を始めさせてくれたから、今の私があるんです』

 

彼を助けたいという気持ちだけです

 

『『彼を見捨てるなんてことしません‼︎』』

 

お二人方は安心したような表情をした後、ニヤニヤとした表情で

 

『あ〜あ、尖り君も隅に置けないな〜こんな可愛い娘達に想って貰っちゃって』

『そうね、これからは仲間でありライバルでもあるわね』

『『はい!絶対負けません‼︎』』

 

ちょっと恥ずかしいですがちゃんと意思表示をしました

 

『フフ、それじゃあ、後はタイミングね。今トガちゃんは貴方達にバレてないって思ってるはずよ』

『そしてバレたと気づいた時、彼は恐れてE組から去ってしまうでしょう』

『チャンスは一度きりよ、慎重にお願いね』

 

 

 

神崎さんと話し合いこの離島での暗殺の後、緊張が少しほぐれた後

話し合おうと思っていましたが…

 

私は見てしまいました…彼が最後のトドメを撃てなかったのを

それはなんとなくわかってました…尖りさんは暗殺するのを迷っている様子もありました、ので予想はしていました。

ですがその時の尖りさんが今にも泣き出しそうで絶望をしている表情をしていました。

そして林の方へ行ってしまいました。

 

このままでは、彼は南の島にいる間に完全に精神が崩れてしまう。

 

そう思った私はあの場を自に任せて、尖りさんの下に向かった

 

 

 

 

 




この島編が終われば!やっと日常回が書ける‼︎
尖り、律、自、神崎のE組でのコードネームを考えてなかったので募集したいと思います…どうか…感想欄の方にお願いします
寛大な方、待ってます…

追記:勝手に始めて勝手に終了させました。本当にすみません。


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挫折の時間

今回結構短くなってます。
原作では挫折の時間は期末テスト後ですけど、尖り君にとっての挫折なのでこのザブタイトルにしました


[律]

 

尖りさんの所に行くと

 

「くぞが‼︎」

「なんなんだ貴様は‼︎」

E組(彼ら)の幸せが崩れるから撃たなかった?」

「違うだろ‼︎ただ!貴様が怖かっただけだ‼︎」

「それを!彼らのせいにして!自分が楽な道選んで‼︎」

 

尖りさんが木を殴ったり、頭を打つけたりして自分を傷つけている…自問自答しながら…心身共に傷つけようとしています…今はまだ拳や額から血が出ているだけですが、このままにしておくと…自殺してしまうじゃないかと思ってしまいました。そして何よりも…

 

「尖りさん‼︎もうやめて下さい‼︎」

 

凄く見てて辛いです…

 

「ッ⁉︎」

 

飛び退いて警戒しました…周りを警戒はしていたそうですけど…スマホの方には気を回していなかったみたいです…普段の尖りさんならすぐに気づいたと思います…わかっていましたがかなり判断能力が鈍っています

 

「ここです、スマホです」

「ああ、律さんか…」

 

そう言ってスマホを見て

 

「ごめん…今は一人にさせて欲しい…」

 

頑張って普段の表情をしようとしていますが、怯えた表情を隠せていません

 

「いやです、今の尖りさんを一人には出来ません」

「どうして?律さんなら知ってるでしょう?僕が撃てなかったこと」

「はい、暗殺が行われる前から…尖りさんは迷っているようでした…暗殺するかどうか迷っていたのですよね?」

「…そうだよ、でもこれは自業自得だ。君達の暗殺を邪魔した奴に構う必要はない」

「そんな事はないです、私たちには貴方がひつーー」

「そんな筈はないだろう‼︎」

「君達の暗殺を邪魔したんだぞ‼︎今回の暗殺は普段の暗殺とは規模も皆の力の入れようも全く違う!今回の暗殺がどれだけ重要だったかはわかるだろ‼︎」

「そんな皆の気持ちを僕は…踏みにじったんだぞ‼︎」

 

これは私に怒鳴ってはいますが、怒りは私には向いていません…矛先はおそらく…

 

「まともに皆を守るという事も出来ず‼︎あまつさえ皆の邪魔した‼︎そんな奴、仲間じゃない‼︎」

「仲間と言いながら!皆との輪に入らないで、皆を傷つけて、何が仲間だ‼︎」

「仲間なんて言ってはいたが、結局は貴様が満足したくて言っていただけの愚か者だ‼︎」

「そうでもなければ!こんな事にはなっていないだろう‼︎」

「傷つけることを恐れて関係を断ち、自分のエゴで君達の暗殺を邪魔をする…そんな奴…E組にはいるわけーー」

 

「いい加減にして下さい‼︎」

 

この人は私の大切な人を沢山愚弄し否定しようとした…そんな事…

本人であっても許すわけにはいきません‼︎

それに…気付いてないでしょうけど、さっきからとても辛そうな顔をしています

 

「さっきから聞いていれば‼︎」

「今回の暗殺を邪魔をしたと言いましたが邪魔になんてなっていません‼︎」

「尖りさんがあの時撃っていたとしても殺せんせーの完全防御形態は防げませんでした!」

「確かに尖りさんの考えは自分の願望が含まれています、ですが貴方は言いましたE組(彼ら)と…」

「貴方はちゃんと私たちを考えくれてますし、E組にちゃんと尖りさん、貴方も含まれています!」

 

必死に否定しようとしてますが

 

「一人でなんでも出来るって勘違いしてはいませんか?」

「出来ない…から…今…」

「何故諦めようとしているんですか‼︎自分一人で出来ないなら、なんで‼︎私に言ってくれないんですか⁉︎」

「そ…れ…は」

「私たちは仲間でしょう⁉︎そんなに私が頼りないですか?」

「そんな事は…ない」

「じゃあ仲間を信頼してください‼︎」

「仲間が差し伸べた手を振り払わないでください‼︎」

 

とても驚いてますね…あの時と逆ですね

 

「もし、いきなり皆さん全員を信頼出来ないのでしたら…」

「まず…私から信じてくれませんか?」

「今尖りさんは何がしたいんですか?」

 

一美さん達から聞きましたが、尖りさん本人の口から聞きたいです。

まだ尖りさん迷ってる様子なので

 

「大丈夫ですよ。私たちは貴方が思ってるほど弱くないですよ」

 

そういうと尖りさんが

 

「僕は…僕は………皆の輪に入りたい……皆と本当の仲間に……なりたい………」

 

ポタポタと涙を流しながらそう言ってくれました

 

「でも……わからない…僕は皆の関わり方がわからなんだ…僕はどうすればいいのか…わからないんだ…」

 

それは尖りさんの初めて私たちに言ってくれた、SOSなのでしょう。

今の私が送れる言葉は

 

「貴方が言っていたじゃないですか…そんな正確な答えはないって」

「手探りで探していくしかないんです」

「私も協力しますから、一緒に頑張ってみませんか?」

「いいの…?」

 

震えた声で返事をくれました

ずっと泣いてるのでスマホの画面が濡れて、素敵なお顔が見えなくなっちゃってますよ

 

「はい、尖りさんは仲間第一号なんですから!」

「……ごめんね…さっき怒鳴って……本当…ごめんなさい」

「気にしてませんよ、さぁ皆さんの所に帰りましょう。ちゃんと一緒に居ますから」

 

涙を拭って

 

「うん!よろしくね()

 

いきなり呼び捨てで言われたので、ドキッとしてしまいました。

こんなにチョロかったですかね私…

 

 

 

 



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異変の時間

症状が出始めるのが少し遅いは目を瞑って貰えるとありがたいです


[尖り]

 

律に怒られて、諭されてからホテルに戻ろうとするとクラスの半分ほどが異常に疲れて、机に突っ伏したりしていた

 

「何これ…皆…どうしたの?流石に疲れすぎてない?」

「うん、そうだよね尖り君…って⁉︎どうしたの⁉︎」

 

近くにいた渚に、この現状を聞いてみたら何故か驚かれた…

 

「なんでそんなに驚いてんの?」

「尖りさん、尖りさん。額の血の事だと思いますよ…」

 

ん?…あーなるほど…ね。さっき自傷行為してたからね…

 

「ごめん、今は転んだってことで納得して」

「え…わ、わかったけど…」

「うん、ありがとう。皆のこの状態なんかわかる?」

「いや…わかんないけど…皆疲れ過ぎてる気がする」

 

そう話していると、岡島が吐血した

 

「岡島⁉︎ッ!すみません⁉︎この島の病院又は医療関係者はどこにいますか!」

「え…いや。小さな診療所はありますが当直医は夜になるとよその島に帰ってしまうので…明日の十時にならないと…」

 

烏間先生のスマホが鳴った。異常過ぎる出来事に気を荒立ててはいるけど、瞬時に切り替えて通話に出る

 

「律!この通話を流して!平気な人は皆を寝かせて!」

「はい!」

 

『ククク…最近の先生は察しが良いな。人工的に作り出したウィルスだ感染力はやや低いが一度感染したら最後…潜伏期間や初期症状に誤差はあるが1週間もすれば全身の細胞がグズグズになって死ぬ』

 

変成器を通した声で盛られたウィルスの情報をくれた

 

そして治療薬と引き換えに殺せんせーを背の低い男女二人と銀髪の生徒に持ってくるように要求された…おかしい…けど今は

 

一美に電話をかけて、今わかってるウィルスの情報とその解析を依頼した。最悪の場合を考えて一美に作って貰えるように備えておく

 

『うん、わかったよ。律ちゃん、と頑張ってみるね。』

「はい、全力でサポートさせてもらいます」

『でも…尖り君、貴方はどうするの?』

 

目を閉じて少し考える…

 

「うん、これはかなりきな臭い…最善策として、潜入して治療薬を強奪する」

『ふ〜ん、誰が?』

()()でやってみるよ」

『そ、無事に帰ってきなさいよ。頑張って乗り越えなさい』

「ん?ちょっと待って……そういう事?…え⁉︎」

『私たちは助言しただけさ』

「あーなるほど…ありがとうね」

『それは彼女達に言いなさい、じゃあ頑張んなさい』

 

そう言って通話が終わった

 

少し疑問だったんだけど、どこでばれてたんだろうって思ってたんだけど…あそこでか…

 

そしてあのホテルの宿泊者を問い合わせていた園川さんがやってきた

 

「やはりダメです。政府として問い合わせましたが、プライバシーを繰り返すばかりで…」

「やはりか…警視庁の知人から聞いた話なんだがこの"普久間島"は別名"伏魔島"と呼ばれてる」

 

ちょっと待って普久間島って

 

「山頂のホテルは国内外のマフィア勢力やそれらと繋がってる財界人らが出入りしている聞く」

 

あのホテルは私兵の警備が置けて、違法な取引やドラックパーティーが連日開かれていると前に聞いた事がある…でも精神的に限界だったから気付かなかった…

そしてそんな話を聞いた一部が焦り出す

 

「どーすんスか⁉︎このままじゃいっぱい死んじまう‼︎」

「落ち着いて、今誰かに当たってもこの場が解決する訳じゃない」

「なんでそんなに尖りは冷静なんだ‼︎死ぬかもしれないんだぞ‼︎」

「吉田、緊急事態で最もやってはいけない事は焦って行動することだ。焦って考えた作戦で皆を助けるのはかなり難しい。それにこのウィルスは遅効性で治療手段が存在する。今は自分を落ち着かせて対策をたてるんだ」

「そうよ。そんな簡単に死なないから今はじっくり対策考えてよ」

「お、おお悪りぃな、尖り、原」

 

このやりとりであらかた落ち着いたかな?

 

「要求なんざシカトして、尖りの所の、チート科学者の所に連れてった方がいいんじゃねーのか?」

「いや人工に作ったウィルスが新型の場合、そう簡単に治療薬は作れないし、例え作れたとしても2〜3人死ぬ、副作用とか拒否反応などでね。一美なら数回の臨床試験で問題なくいけるだろうけど…誰をその2〜3人にするか決めなきゃいけない。だが決めたくないし決めさせない」

「じゃあどうすんだよ。要求通りに尖りとこのちんちくりんの3人で行くのか⁉︎人質増やすだけだろ‼︎」

「いや、それだけじゃないよ。竹林、対症療法での応急処置頼める?」

「問題ない、でも人数が多いから一人手伝いが欲しい」

「あ、じゃあ、私が手伝います」

「了解、竹林と奥田さんが患者の処置を任せる。自さん、山頂のホテルの内部の図面と警備の配置図、いける?」

{はい!すぐに始めます‼︎}

 

よし、後は…

 

「尖り君!もしや行く気か⁉︎」

「はい、そうです」

「危険だ!敵はどう考えてもプロだぞ‼︎」

「はい、わかってます…ですが、烏間先生は何か誤解してませんか?」

「誤解…?」

「まだ一人で行くとか、なんて言ってませんよ」

 

殺せんせーが「ほほ〜」と呟いた

 

「果たして安全策は僕たちが殺せんせーを引き渡すことでしょうか?」

「もしこの犯人が殺せんせーを手に入れる事だけが目的なら、背の低い女子生徒一人に来させるはずです」

「ですが、3人の生徒に持って来させると言いました。幾ら子供3人とはいえ同時に抵抗されたら非常に面倒くさいです。よって一人で持って来させるのが一番です。でもそれをしなかった。それは殺せんせーを手に入れる事以外にも何か目的があるんじゃないんですか?」

 

烏間先生が「確かに…」と言った

 

「そんな目的あると仮定したら、確実に薬を渡さずに持ってかれます」

「よって()()で潜入して治療薬を強奪するべきです」

「……理解した、今から準備してーー」

「メンバーは…烏間先生とビッチ先生、僕だけ……ではなくこの場の動ける希望者で行くべきです」

 

皆とても驚いている、どっちかな…

 

「このホテルはとても複雑で警備が厳重らしいです。とても僕たち3人では時間が足りないです」

「だが……」

「はいだから、希望者なんです。皆!相手の戦力もわからない、これは死ぬ可能性があるものだ‼︎もちろん拒否して貰っても構わない‼︎断るのも勇気がいる事だ‼︎誰も責めさせはしない‼︎」

 

後は…皆次第だ…今まで本当の意味で信じてなかった僕の言葉について来てくれるだろうか……

 

「俺は行くよ〜そんな面白い事参加しない訳ないじゃん」

「ケっ!カッコつけやがって心配しなくても行ってやら‼︎」

「こういう時の尖りの理責めはすげーな…納得するしかねよ」

 

と皆がやる気に満ちた目をしている…本当に魅力溢れる頼りがいのあるクラスだ…僕は本当にわかっていなかった

 

「まあこんな弱々しい姿のやつに言われちゃあな〜」

「え?あー血ね…後で落としてくるよ」

「それだけじゃないわよ、尖り君」

 

片岡さんに言われて頭を傾ける

 

「涙の後凄いよ…尖り君」

 

そう言われてボフッと効果音が出そうなほど、真っ赤になって顔を隠してしまった…だって…だって…

 

「本当にギャップが凄いよな…」

「これに二人は殺られたんだろうね、きっと」

 

その姿に皆に笑われてしまった…解せぬ

 

「さて、ここに15人の特殊部隊が揃いましたよ。さあ時間はないですよ?貴方ならどうしますか?」

 

殺せんせーの言葉に烏間先生が目を瞑って考えて

 

「…注目‼︎目標は山頂のホテル最上階‼︎隠密潜入から奇襲への連続ミッション‼︎ハンドサインや連携については訓練のものをそのまま使う‼︎いつもと違うのは目標(ターゲット)のみ‼︎自君がマップ手に入れ次第3分で叩きこめ‼︎動きやすい服装、武装を整え次第作戦を実行する‼︎」

 

「「「はい‼︎」」」

 

僕は準備する前に神崎さんの所に行き、しゃがんで

 

「一美から聞いたよ、こんな僕を心配してくれてたんだね」

「うん、律がやってくれたんだね」

「うん、たっぷり絞られたよ…」

「だから…ありがーー」

 

お礼を伝えようとしたら人差し指を口に押し付けられて、遮られた

 

「まだ、でしょう?尖り君」

 

そう言われて理解した

 

「わかった、絶対助けるから…後で……臆病な僕に……勇気をください」

「うん、わかったよ。頑張ってきてね」

「でも無茶はしないでね」

「…ごめん、今回は約束できないけど…ちゃんと生きて帰ってくるよ()()ね」

「フフ、じゃあ後でお仕置き…だね」

「お柔らかにお願いします」

 

頑張って笑顔で言ってくれるので僕も笑顔で答えた

 

「じゃあ行ってくるよ」

 

神崎さんの頭を撫でて準備に向かう

 

 

 

 

(まだ僕はE組(彼ら)との輪に入る資格はないと思う…

…だから不謹慎かもしれないけど…

…この潜入任務を…犯人を…踏み台にして…

…その資格を得てみせる…

…【前線の司令塔】の力をみせようか‼︎

…さあ任務開始(クエストスタート)だ‼︎)

 

 

 



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プロの時間

リアルが忙しくて投稿が遅れました!
すみませんでした!
修学旅行Part2の会話の一部を変更しました。
内容は尖り君の容姿を【普通】→【最初普通に見えるけどよく見るとイケメン】ということに変更しました。

尖り君の仕事モードが入り真面目な感じですが、彼もちゃんと変人なので無意識にふざけます


[尖り]

 

自さんによってマップと警備配置を知った僕らは、崖を登った所の通用口からホテルに侵入することになった

 

「置いてくよ〜」

「やっぱ身軽だな岡野は」

「あーこういう事やらせたらクラス1だ」

 

ちゃんと安全には気を遣ってる感じだったから何も言わないでおこう

 

「気になってたんだけどさ、尖り君なんでビッチ先生も連れてこうと思ったの?」

「この潜入任務ならビッチ先生はかなりの戦力になるからだよ」

 

敵陣営(ホテル側も込みで)の全員はおそらく僕たちの事をよく知らないはず、こういう状況ならビッチ先生の能力を存分に活用できるはず

 

「あれ見ても同じこと言える〜?」

 

カルマ君が下を指差して言ったので僕も下を見ると

 

「きゃー揺れる‼︎もっと静かに登りなさいよ‼︎カラスマ‼︎」

 

筋力が足りないビッチ先生が烏間先生にしがみついて、文句を言って、騒いでる

 

「んーちょっと不安かも…」

「あ"⁉︎ちょっとアンタ!どういうこーー」

「ビッチ先生、静かに。周りに警備が居ないとはいえ。騒ぎ過ぎると気づかれる可能性があります」

「わ、わかったわよ…」

 

皆登りきってホテルに入れたが

 

「警備が多くて、ロビーの突破は厳しいですね」

 

警備が10以上いる、正面突破で何人か黙らせるにも。

一般客もちらほらいるからそういう訳にはいかない。

 

「何よ、普通に通ればいいじゃない」

 

皆が突破口を考えてるとバカっぽく提案してきた…少しビッチ先生を観て考える

 

「何よ〜トガリ〜ジッと見つめて〜今更私の魅力に気づーー」

「ビッチ先生、ここ行けますか?」

「はぁ〜これじゃあ〜リツやユキコも苦労するわね…」

「ビッチ先生、今は時間がありません。ふざけてる場合ではありません。行けますか、行けませんか?」

 

何故か呆れたけど、行けるみたいだ

 

「なんでビッチ先生行かせたんだよ!」

「あんだけの数の警備、ビッチ先生だけじゃあ…」

 

菅谷と木村が抗議してくるけど

 

「まあ見てて」

 

ビッチ先生が酔ったふりで警備の一人にぶつかって

 

「あっ、ごめんなさい。部屋のお酒で悪酔いしちゃって」

 

その反応に警備の人が顔を赤くし照れる

 

「来週そこでピアノを弾かせて頂く者よ。早入りして観光してたの、酔い覚ましついでにね、ピアノの調律チェックしておきたいの」

「えっ…と、じゃあフロントに確認を…」

「いいじゃない、あなた達にも聴いて欲しいの。そして審査して」

「し、審査?」

「そ、私のことよく審査して、ダメなことがあったら叱って下さい」

 

そう言って警備の目を釘付けにする演奏を始めた

 

「め…めちゃくちゃ上手ぇ…」

 

皆これには、見とれてしまってる

 

(20分稼いであげる。行きなさい)

 

ハンドサインで合図を送られたため、素早く非常階段を進んだ

 

凄いな、ここまで完璧にこなしてくれるとは

 

ここでビッチ先生が脱落するのは少し痛いが、ここでビッチ先生というカードをきるべきでしょう

 

 

 

「さて、ここからはホテルの客のフリをしながら進んでくれ」

 

2階に上がったくらいで烏間先生が指示をした

 

「客ゥ?ヤバイ奴らが泊まるようなホテルで、中学の団体客なんているんスか?」

「聞いた限り結構いる、芸能人や金持ち連中の子供だ。王様のように甘やかされて育った彼等は…幼いうちから悪い遊びに手を染めているみたいだ」

 

「そう、だから君たちもそんな輩になったフリで…世の中をナメている感じで行きましょう」

 

その殺せんせーの言葉で皆がガン飛ばしたり、舌を出したりしている

 

「そうそう、その調子‼︎ホラ尖り君も」

「んーそうですね…」

 

世の中を嘗めているか…バカっぽくいくか

 

にぱっと笑顔で少し口を開けて笑ってみた、

これで完璧!

 

「…それは…嘗めているの…ですか…?」

「え…ダメですか…」

「なんというか…その…嘗めているって言うよりかは…かわいい?」

 

殺せんせーと茅野さんに言われて割とショックを受けた…嘘だろ…何故だ…

 

そう思ってると烏間先生に肩にポンと手を置かれて

 

「君はそのままで、周りを警戒しててくれ…」

 

そんなに駄目だったか…

 

「尖りってさ…最後までカッコつけれないよな…」

「うん、さっきは冷静に周りを観て指示してる感じでカッコ良かったのに…」

「今だってしょぼんとしてるし意外と天然?」

 

皆酷くない?確かにこういうことするのは初めてだけどさ…

 

 

そして、客のフリして進む途中、何人かの客とすれ違うが特にトラブルになることはなかった。そして3階の中広場にたどり着いた

 

今のところ問題なく進めて気が緩んだのか、寺坂と吉田が先に無警戒で走ってしまった

 

「待て!」

 

僕の静止も聞かずに進んでしまう

 

未知の状況下で無警戒で進んでしまうのはかなり危険だ

 

そして、奥から客らしい人が警戒や敵意を()()()()()()やってきた

 

「「寺坂(君)!そいつ危ない!(そいつから離れろ‼︎)」

 

僕と不破さんの言葉で寺坂達が足を止めてしまった

まずい‼︎相手は攻撃に入ろうとしてる‼︎撃ち抜くにも間に合わない‼︎

 

寺坂達が攻撃される前に烏間先生が近づき2人を投げる。だが烏間先生は避けきれずに相手の攻撃のガスを受けてしまった

 

「殺気を見せず、すれ違いざまに殺る。俺の十八番だったんだがな、何故わかったかな?」

「だっておじさん、ホテルでドリンク配ってた人でしょ?」

「「「…あっ!」」」

「そうなんだ…」

 

僕はドリンク配ってた人の顔までは見ていなかったから気づかなかった

 

「断定するには証拠が弱いぜ、ドリンクじゃなくても…ウィルスを盛る機会は沢山あるだろ?」

 

その証拠が弱くても、攻撃してきたのには変わりないのだから、もういいんじゃないかと思ったけど……なるほど……時間稼ぎをするか

 

「私達のみに感染したことから、感染源はおそらく飲食物よ。クラス全員が同じものを口にしたのは…あのドリンクと船上での夕食の時だけ、けど感染した人の中には夕食を食べずに動画編集していた人もいたわ、そうなるとドリンクに絞られる」

「犯人はあなたよおじさん君‼︎」

「ぬ…」

 

不破さんの推理に敵はかなり悔しそうな顔をした

 

「凄いよ不破さん‼︎なんか探偵みたい‼︎」

「ふふふ、普段から少年漫画読んでるとね、普通じゃない状況が来ても素早く適応できるのよ。そしてさっきの尖り君の推理もカッコ良かったから真似してみたかったし」

 

不破さんの推理に皆が褒め出す

 

「だがそこの銀髪のガキは何故わかったんだ?」

 

そこで僕に視線がきた

 

「そうですね、ここにくる途中、数名の人とすれ違いましたが、その人の全員が警戒や敵意の視線などを少なからず感じれた。

それは団体の中学生客はなんらかの視線を集めやすいのでしょう。

だがあなたにはそれらが露骨に一切感じなかった。

まるで不意打ちをしようと忍びよるように…次があるなら警戒している相手には少しはそういったものを向けておいた方がいい、じゃなきゃ逆に不自然だ」

「……ククク、この俺が指導されるとはな…まあ次の暗殺で参考にしよう」

 

そう言うと烏間先生が倒れてしまった

 

「「「‼︎」」」

「…ガス使い…いや、毒物使いですかね」

「その通り、俺特製の室内用麻酔ガスだ。一瞬吸えば象すら気絶し、外気に触れればすぐに分解して証拠も残らん」

「ウィルスの開発者もあなたですね、無駄に感染を広げない。取引向き…これはまた実用的だ」

 

殺せんせーの言った通りこの人がウィルスの制作者である可能性が高い

 

「さぁね、ただお前達に取引の意思が無い事はよくわかった。交渉決裂だ、ボスに報告するとしよう」

 

そう言って立ち去ろうとし振り向くと、磯貝や片岡さん達が退路を絶っていた

烏間先生はちゃんと敵と遭遇した場合の指示をちゃんとしていたのだ

 

「僕らを見た瞬間、あなたは攻撃せずに報告するべきでしたね」

「…フン、所詮はガキの集まり、おそらくリーダー格のお前さえ死ねば統制が取れずになす術がないだろうさ」

 

敵は僕に殺気を出しながら構える

あと少しかな?

僕はチーターを取り出して向ける

 

「ほう…その年で帯銃とその判断力…お前が例のレジスタンスか」

「さあどうでしょう?もしかしたら唯のいたいけな子供かも知れないですよ?」

「は!お前みたいのが、いたいけなんて寒気がする、だが撃てるのか?ウィルスの開発者だとしたら殺すことは出来ないだろう」

 

ニヤニヤしたように語りかけてくる…揺さぶりかな?

 

「いやいや殺さずに無力化する撃ち方は学んである、例えば足とか肩とか」

「フン、そんな事したら、後ろのガキに当たってしまうぜ〜?」

「そんな事計算に入れてないとでも?」

「チッ」

 

僕のブラフに敵が悔しそうにする

 

「ですがいいんですか?」

「何がだ?」

「僕だけに集中してて」

「は?」

 

「グシャッ」

 

倒れたフリをしていた烏間先生の膝蹴りで敵を沈めた。

よかった動けて…僕の(これ)には今特殊な弾が入っている、それを人に向けて撃ってしまったら、四股に撃ってしまった場合、骨でも余裕で貫通してしまう

今回チーター(これ)は相手を殺す為ではなく、皆を守る為に、あれをする為に持って来たのだから。

だが速いうちに気づいて良かった、後で普通の弾にすぐ替えられる用にしておこう

 

「どうですか?動けますか?」

「ああ、普通に歩くフリをするので精一杯だ。30分で戻るかどうか」

 

無理もない、象すら気絶させると言う謳い文句だったからかなりの効果なんだろう。

そして皆はビッチ先生や烏間先生には暫く頼れないと気づき緊張感を持ち直し始めた。これで気を引き締めなかったら、流石に叱ろうと思ってたけど…その必要はないみたいだ、これ以上の緊張感は重荷にしかならないし

 

僕らは気を引き締めて次の階へ進む

 

※※※※※

 

[律]

 

 

「うーん、あとは…」

 

治療薬の素材になりそうなモノを約9000種類

そしてその製造に使う機材を約500種類

 

それらをこの短時間に集めた一美さんは

やっぱり規格外としか言いようがないです

これでもかなり厳選している方らしいです

流石のレジスタンスでも世界全ての材料を集める事は時間的に不可能だと仰ってました…

時間をかければ可能って事ですよねそれ…

 

でも私達が相手をするのは未知のウィルス、のでどれだけ集めても足りないと言っていました

 

「今の所の症状として出てるのは、発熱・嘔吐・腹痛が主で、一部吐血・痙攣か…なんか食中毒な気がしてきたな〜どう?律ちゃん、敵陣営(あっち側)のウィルスの情報は?」

「はい、一美さんに言われた通り。自とは別ルートでのハッキングなどで探してはいるのですが…今の所は収穫なしです、すみません…」

「う〜ん、律ちゃんが見つけられないのだから、もしかしたらオフライン…紙媒体での情報の保管かも知れないね。どんな些細な事や疑問、違和感でもいいからあったら教えてね?」

「はい、わかりました!」

「うん、かわいい返事だ。私が貰いたいね☆」

「ごめんなさい、もう決めている人がいらっしゃるので…」

 

一美さんはかっこいいけど…私はやっぱり…

 

「尖り君に負けた〜」

 

ヘナ〜と効果が付きそうな様子で落ち込んでしまいました

 

「あ、あの!一美さんもかっこよくて憧れてはいますよ!えーと…」

「そんな必死にフォローしないで〜余計悲しくなるよ〜」

「ご、ごめんさない」

「まあわかってたし問題ないさ♪」

 

そう言って一瞬で切り替えて作業に取り掛かり始めました

 



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カルマの時間

[尖り]

 

(まずいな…)

 

皆、先生達を頼れない事にかなり緊張し過ぎている…

 

(緊張感を持つのはいい事だが、それによって皆の動きがぎこちなくなり始めてる…)

 

どうにかして過剰な緊張と不安を取り除かなければ、じゃないとこれからの戦いで命を落としてしまう…

 

「いやぁ〜いよいよ"夏休み"って感じですねぇ〜」

 

どうしようか考えてると、殺せんせーがお気楽発言をした

そして皆が白い目で

 

「何をお気楽な‼︎」

「ひとりだけ絶対安全な形態のくせに‼︎」

「渚、振り回して酔わせろ‼︎」

「にゅやーッ⁉︎」

 

皆からブーイングが飛び、殺せんせーを振り回した…

もしかして…

 

「殺せんせー、何でこれが夏休み?」

 

それで酔った殺せんせーに渚が質問をする

 

「先生と生徒は馴れ合いではありません。そして夏休みとは先生の保護が及ばない所で自立性を養う場でもあります。普段の体育で学んだ事にしっかりやれば…そうそう恐れる敵はいない。君達ならクリアできます。この暗殺夏休みを」

 

殺せんせーの言葉でだいぶ緊張と不安をが削がれて尚油断はしないという、いい感じに皆の意識が変わった

 

「殺せんせー、ありがとうございます」

「いえいえ、先生ですから。尖り君も一緒に頑張ってください」

「はい」

 

 

4階は何事もなく進めて5階の展望通路で、人がいた。

ハンドサインで待てと指示する

 

「…お、おいおい、めちゃくちゃ堂々と立ってやがる」

「…あの雰囲気」

「…ああ俺ら、でもわかるは、どう見ても"殺す"側の人間だ」

 

狭くて見通しがよく奇襲もできない。というかあの感じはおそらく

 

ビシッ‼︎

 

まあバレてるよね…

 

ほう、手の位置のガラスがヒビが入った。

という事は素手での戦闘が主なのか?

だが何故それを見せた?

見せなければ不意打ちも容易だろうに…

 

「もう気づいてるぬ。

足音を聞く限り、手強いと思える者が一人もいないと思ったぬが、俺も気付かない奴がいるとは…面白いぬ。

精鋭部隊出身の引率教師もいるはずなのぬ。

同時に相手をするのは、少し心配だったぬがそいつはスモッグのガスにやられたぬか…」

 

まあその程度で気づかれる様ではあいつらの支援なんて到底不可能だ。

だが…

 

「あなたはどこの部族なんですか?」

「どういう事だぬ」

「その訛りの様な口癖…あまり聞いたことがありません」

「そうだよね、おじさん"ぬ"多くね?」

 

(((言った‼︎カルマはわかるけど…尖り(君)は変な解釈していない…?)))

 

「俺はどこの部族でもないぬ。

"ぬ"をつけるとサムライっぽい口調になると小耳に挟んだ。

カッコ良さそうだから試してみたぬ。

間違ってるならそれでも良いぬ。この場の全員、殺してから"ぬ"を取れば恥にもならぬ」

 

手をゴキゴキと鳴らして、手を強調する様に前に構える

 

「素手…それがあなたの暗殺道具ですか」

「そうぬ。身体検査に引っかからず、近づきざまに頸椎を一捻り、利点が多いぬ。だが面白いモノでぬ、暗殺以外にも試したくなる。強い奴との闘い…殺し合いだ…俺はお前と殺し合いたいぬ」

「そうですか、でもあなたの相手をする程の余裕は僕らにはありません、のであなたの相手をしている隙に他の人は先に行かせます」

「ふむ、それはマズいぬ。この人数の雑魚は1人だと面倒だから仲間を呼んで皆殺しぬ」

 

携帯を取り出して仲間を呼ぼうとするが、カルマ君が観葉植物で携帯を叩きつけた

 

「ねぇおじさんぬ。尖り君と戦う前に俺と殺り合おうよ、サッサリとクラス最強に戦えるわけないじゃん?」

「尖り君、良いよね?」

 

一瞬止めようと思ったが…

そろそろ覚悟を決めろ!

お前は何のために来たんだ!

皆を信じるんだろ‼︎

だったら戦いにいく者に送る言葉は静止ではなく

 

「わかった…だが相手は手練れでプロだ、()()()()()()()

「オッケー」

 

背中を押す事だろ

 

「よせ無謀ーー」

「ストップです烏間先生…顎が引いている」

「…⁉︎」

「油断なく正面から相手の姿を観察しているようです。」

 

殺せんせーの言葉に烏間先生は納得はしてないが理解はしたようだ

 

「柔い、もっと良い武器を探すべきだぬ」

「必要ないね」

 

カルマ君の持っていた観葉植物(武器)が敵に破壊されたのと同時に戦いが始まった。敵が接近してきてラッシュを始めるがカルマ君はそれを素手で捌いている…あれは烏間先生がやっていた防御に近い

僕とは違い戦闘センスなどでやっているのか…凄いな

 

「…どうした?攻撃しなくては永久に倒せないぬ」

「攻撃だけが戦闘じゃないからね、おじさんの実力や戦法も分かったしここからは俺からいくよ」

「良い顔だぬ、少年戦士よ。お前ともやれそうぬ、暗殺稼業では味わえないフェアな戦いが」

 

そこからはカルマ君が攻めにまわり、カルマ君のラッシュが始まる

 

「くっ…」

 

敵のすねを蹴り相手に露骨な隙ができた

 

「背中を見せた‼︎」

「チャンス!」

 

トドメを決めるためにカルマ君が飛びかかるが、ガスのカウンターを喰らう

 

「一丁あがりぬ。長引きそうだったんで"スモッグ"の麻酔ガスを試してみる事にしたぬ」

「き…汚ねぇ。そんなモン隠し持っといてどこがフェアだよ」

「いや、戦場・殺し合いの場は騎士の一騎討ちではない。ブラフも裏切りも何でもありなんだ」

「フ、やはりお前はよくわかってるぬ。俺は一度も素手だけとは言ってないぬ。拘る事に拘り過ぎない。それもまたこの仕事を長くやってく秘訣だぬ」

「そうですね。ですが、何でもありなのはあなただけではないですよ?」

 

ブシュッ

 

その時敵は至近距離からガスを喰らってしまった

 

「な…なんだと」

「尖り君〜ダメだよ〜せっかく慢心した人(おじさん)のびっくりする反応見たかったのに〜」

「ごめんね、でも今の反応がかなりの隙だったでしょ?」

 

敵がガクガクしながらナイフを出して襲い掛かろうとするが

 

バン、カン

 

「なぬ⁉︎」

 

ナイフを撃ち抜いた事に驚愕しているうちにカルマ君が関節を決めて体重をかけて床に叩きつけた

 

「尖り君!」

「了解」

 

頭にかかと落としを喰らわして気絶させた

 

「皆、拘束!気絶してるとはいえ反射で掴んでくる可能性もある!手には触れない様に‼︎」

 

敵をガムテープで拘束して

 

「は!これは⁉︎」

「目覚めましたか、拘束させてもらいました。大丈夫です、僕らは殺しに来たわけではないのでご安心を」

「それは甘さなのか、信条なのか…まあいい、何故だ赤毛の少年、俺は素手しか見せてないのに何故ガス攻撃読めた…」

「とーぜんっしょ、素手以外の全部を警戒してたからね、尖り君にも言われていたし」

「…なっ⁉︎あの時か⁉︎」

「あんたが素手の闘いをしたかったのは本当だろうけど、この状況で素手に固執するようじゃあプロじゃない。プロならどんな手段でも使うべきだし、そんな人を俺たちは身近で観ていたからね」

 

視線を向けられてかなり恥ずかしくなる…

僕はそんな凄い人じゃない…

でもなんか嬉しいな…

 

「カルマ君…ちょっと変わったな良い感じに」

「大きな敗北を知らなかったカルマ君は…期末テストで敗者となって身をもって知ったでしょう。

敗者だって自分と同じ、色々考えて生きている人間なんだと。

それに気づいた者は必然的に…勝負の場で相手を見くびらなくなり、相手の能力や事情、挙動などを観る様になる。

それは相手に対して敬意を待って警戒できる人…戦場ではそういう人を…"隙がない"と言うのです」

 

僕は教官にそれを相当叩き込まれたな〜

人間は生きている間は未熟である

生きている間は成長し続けることができるって言われたな〜

 

「…大した奴だ少年戦士達よ…負けはしたが楽しい時間を過ごせたぬ」

「え、何言ってんの?楽しいのはこれからじゃん」

 

爽やかな表情でわさびとからしを持っている。

まさか…

 

「これ入れたら、専用のクリップで鼻塞いでぇ…口の中にブート・ジョロキアぶち込んで…その上から猿轡して処置完了」

 

…まあ死を意識させる拷問じゃないからいいか

 

「さぁおじさん、今こそプロの意地を見せる時だよ」

「…時間ないから素早くね?」

「りょ〜か〜い」

 

爽やかな笑顔で始めた

 

「尖り君!止めてくださいよ!」

「殺せんせー、まあ死を意識させる拷問じゃないんで、人生経験としてやらせましょう」

 

5階で男性の声にならない叫びが響いた

 

 

この光景は律や神崎さんには悪影響だから今だけはいなくてよかった…

 

 

 

 



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女装の時間

[尖り]

 

カルマ君の拷問が終わり、6階でまた問題が発生した

 

VIPフロアに続く階段はクラブの奥で裏口の鍵を開けなければならないのだが…

そのためにはクラブに侵入しなくてはならない

 

「こういうのは女子のチャックは甘いです。仕方ありません、女子の皆さんで潜入して鍵を開けてください」

「…いや、女子だけでは危険だ」

「そうですね。では二人ほど女装して潜入してもらいましょう。あそこに脱ぎ捨てられた服が2着ありますし」

 

だが誰を女装させるかと皆を観ていると

 

「じゃあ、渚君がいいんじゃない〜」

「え⁉︎僕⁉︎」

「ごめん、頼める?」

「尖り君…ううう…わかったよ…」

 

渚君が渋々着替えに行った

 

あと一人か…

 

「カルマ君、こことあっち、どっちがいい?」

「あ〜ここは任せてよ〜」

「わかった、じゃあもう一人は僕が行くよ」

 

まあカルマ君はさっきの戦闘で疲労もあるだろうからそっちの方がいいし、こっちの護りも少しはあった方がいい

 

「わかったは、これ」

「うん、ありがとう」

 

片岡さんに服をもらったけど…

黒のワンピース型のドレスに腕を隠す手袋のようなもの

…なんで都合よくこんな物があるんだ?

罠の可能性があるため、持ち主を特定したいけど

…そんな時間はない、これは賭けだな

 

上着とズボンを素早く脱いで、ドレスを着ようとする

 

「尖り君…着替えるの速度、速くない?」

「仕事で女装する場合もあるって同僚の人から聞いたけど…」

「ここで生着替えし始めるとは…」

{急いでマーザー呼んできます}

 

 

これで全部着たから…後は

 

「ん"ん"」咳払い

「これでどうですか?問題ないよね?」

 

皆に見せるようにくるっと回ってみる

任務(いつも)通りの感じで、やってみたけどどうかな?

 

「尖りさん!足りない物がありますよ‼︎」

 

一美の手伝いに行ったはずの律が何故か現れたけど…

 

「何処か変なとこでもあるかな?」

「いえ、とても素敵なのですが……下着が女性物ではありませんよ!」

「…下着は見られないからいいと思うんだけど…」

「いえ、何が起きるかわかりません。尖りさんに欲情したメスガ…女性が押し倒す可能性があります!」

 

なんか律が口悪くなってきてる気がする…

誰の影響だ…?

 

「いや、そんな状況になったら下着の有無関係なくバレるだろうから、したくない。それに渚君も戻って来たから行くよ」

「ぐぬぬぬぬ…仕方ありません…

すぐに戻ってくるように一美さんに言われているので…」

{大丈夫です!私がちゃんと撮影・録画しておきますので、ご安心を}

「頼みました!コンマ1秒も逃さないように!」

{お任せを!}

 

 

2人とも暴走気味ではあったが…無事に僕らはクラブに入るとこが出来た

 

 

「よし、まずは下見をするよ」

「そうね、尖りさん」

 

皆に指示を出して、店の奥まで向かおうとする

 

「ね、どっから来たの君ら?そっちで俺と酒飲まねー?金あるから何でも奢ってやんよ」

 

君らと言ってるが、完全に渚君をロックオンしている

どうするか…まだここを把握してないから荒事は避けたい

渚君には悪いが接待してもらおう

 

「渚ちゃん、その子の相手よろしくね?」

「え、ええ?」

「ここで断るとムキになって何かしてくる可能性がある。下見が終わるまで接待してて欲しい」

「わかった…あんまり遅いとボロが出るかもしれないから早めにお願い」

 

渚君を向かわせて、少し進むと

 

「ようお嬢達、女だけ?俺らとどーよ今夜」

「おお、銀髪の子俺めっちゃ好みなんだけど‼︎今夜空いてる?」

 

…世の中の男性って男が好きな人が多いのかな?

どうするか…先約がある事にするか?と考える

片岡さんが怒ろうとするが矢田さんが静止させて

 

「お兄さん達カッコいいから遊びたいけど、あいにく今日はパパ同伴なの、私たち。うちのパパちょっと怖いからやめとこ?」

「ひゃひゃひゃ、パパが怖くてナンパできっか…」

「じゃあパパに紹介する?」

 

矢田さんがヤクザの代紋を見せた…

あれって割と凶悪な組だったはず…

名前は忘れてしまった

そして、そんな奴らには勝てないと悟った男達がそそくさと帰っていった

 

「いくじなし、借り物に決まってるのにね」

「ビッチ先生に借りたの?」

「うん、そうだよ尖りさん。あの人、ヤクザ以外にも沢山のバッチ持ってたから、少し借りてみたんだ。」

「そういや矢田さんは一番熱心に聞いてるもんね。ビッチ先生の仕事の話」

「色仕掛けがしたいわけじゃないけど、尖りさんが来る前にね殺せんせーに言われたんだけどさ"第二の刃を持て"ってさ。接待術も交渉術も社会に出た時最高の刃になりそうじゃない」

 

暗殺を通して、そこまで考えてたのか…

 

「おお〜矢田さんはカッコいい大人になるね」

「そうね、だったら私の組織の連絡先は持っておくといいわ。

中堅どころは知らないから意味ないけど、トップの方には相当威嚇できるから」

「そ、そんなんだ、何かあったら使わせてもらうね?」

「まあ乱用はしないで欲しいけど、君たちならそんな心配はないかな?」

 

普通に生きてたらまず関わることはない組織だからね

 

「…巨乳なのに惚れざるを得ない」

 

茅野さんはそんなに自分の胸を気にしているのか…

でも身体の発育はだいたい中二ぐらいから止まりだすって聞いたことがあるけど…どうなんだろ?

 

「皆、店の奥までたどり着いたけど、やっぱりこっからが難しそうだよ」

「うん、持ち場を離れる様子はないから何がしないとね」

 

強行突破は避けたい、気絶させたらここでは隠す所がないし、交代の人が来たらバレる

 

「一旦渚君を呼んで策を練ろう。茅野さん行ける?」

「うん!」

 

だが本当にどうするか…撃ち殺すのは論外だし、奥にいるから他の客が声をかけることも少ないだろうし…

 

そう考えてると渚君が来たがおまけも付いて来た

 

「おう待てって彼女等、大サービスだ。俺の十八番のダンスを見せてやるよ」

 

ダンスを踊り始めた…

うーん20点、赤点だ

全く周りの曲にのれてない

基礎はある程度出来てるみたいだが人に披露できる程ではない

 

……そんなことより、この子どうするか…

この子気絶させて奥の人に連れてかせるか?

いや、そんなことで持ち場を離れるか?

普通、応援を呼んでそいつにやらせるだろう…

 

「おい、こらガキ。いい度胸だ。ちっと来い」

 

そんなことを考えてると少年がヤクザっぽい人に粗相をしたらしく胸倉を掴まれている

 

「尖り君、あの人一撃でやってほしいんだけど、できる?」

「…了解、誘導は任せた」

「うん」

 

矢田さんがやろうとしてることは、おそらくわかる。

賭けだがこれ以上の案はない。

ヤクザっぽい人に気づかれないように近づき、裏拳を決める。

完全に脳を揺らして、尚且つ跡は残さないように気絶させた

 

「すいませーん、お店の人〜あの人急に倒れたみたいで…運び出して看てあげてよ」

 

見張りの人が気絶した人を運ぶためにいなくなった

よし、上手くいった。後は

 

「早く裏口開けていくよ」

 

裏口の鍵を開けて、すぐに次の階に進んむ

 

「結局、今回尖り君と女子が全部やってくれたし、僕が女装した意味って…」

「面白いからに決まってんじゃん」

「撮らないでよカルマ君‼︎」

「まあ、あのデコイも役にたったし。何らかの縁や経験はできたでしょう」

「と、尖り君…結構口悪いよね?」

「…そんなことより、早く着替えよ。」

「その行けばいいのに勿体ないよ」

「いや磯貝、これ結構動きにくいからダメだ」

 

それにより行動が遅れちゃうからね

 

{沢山いいものが撮れました♪}

 

任務だからやったけど、任務以外では絶対やんないからね‼︎

 

 

そしてこの先はVIPフロアだ、もっと気を引き締めなければ

 

 



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武器の時間

[尖り]

 

VIPフロアはホテル側の警備以外でも私兵を設置することが出来る。

それによって階段前に見張りが2人いた。

同時に倒さなくてはその片方に連絡をさせてしまうので、同時に倒す方法を考えていると

 

「では、倒すには寺坂君の持っている武器が最適ですねぇ」

「…ケッ、透視能力でもあんのかテメーは、おい木村、あいつらここまでおびき出してくれ」

「俺が?どーやって?」

「知らねーよ、なんか怒らせる事言えばいいだろ」

 

ちょっと無計画すぎないか?

 

「じゃあこう言ってみ木村…」

 

カルマ君が木村に何かを吹き込んだ

 

「じゃあスタンガン(これで)あいつら気絶させっから、吉田行くぞ」

「おう」

「……いや僕と吉田で行くよ」

「あ?なんでだよ」

「重いリック背負ってて、疲労が溜まっているでしょう?

そんなんじゃ瞬時に動けない」

「今の体調の君ではさせられない、任せて欲しいお願いだ」

「……チッ、わーだよ。ほら」

「ありがとう」

 

今気づいたが寺坂が緊張しているにしても異常な汗をかいていた。

おそらく感染している。

意思を尊重して、任せて体力を使わせるわけにはいかない、途中で気絶してしまう

 

「じゃあ、吉田、手前は任せた」

「おう、任せろ」

 

準備は整えた

 

木村が見張りに近づき

 

「あっれぇ〜脳みそ君がいないァ〜こいつらは頭の中まで筋肉だし…人の形してんじゃねーよ豚肉どもが」

 

……嘘だろ⁉︎相手はおそらくプロだぞ⁉︎

そんな程度の低いの悪口じゃあ気を引くことは出来ても

持ち場を離れるなんて…

仕方ない…僕が眉間を撃ち抜いて即死させるしか…

 

「おい、待てコラ」

 

足音が三つ…マジか…本当馬鹿でよかった

こちらに来たので

体勢を低くしてバネのように飛び出し

速攻で首にスタンガン入れて気絶させる

吉田もちゃんと気絶させれたようだ

 

「すっげ‼︎今蛇みたいに飛び出して行かなかった⁉︎」

スタンガン(これ)があったおかげだよ。じゃなかったら撃ち殺すしかなかったかもしれない、ありがとう寺坂」

「タコに電気試そうと思って買ったんだが、人間でお披露目とは思わなかったぜ」

「…いい武器です寺坂君。ですがその2人の胸元を探って下さい。もっといい武器が手に入りますよ」

 

探ると実銃が出てきた

 

「千葉君、速水さん、この銃は君たちが持ちなさい。烏間先生はまだ、精密射撃ができる所まで回復してません」

「でも、殺せんせー。尖りが使えば…」

「僕のはあるよ?」

「いや、だけど…」

「最もそれを使えるのは君達2人です。ただし先生は殺す事は許しません」

「問題ないよ、君達の腕前なら殺さずに敵を倒すことができる。

レジスタンスは任務中においては『極力殺さない、殺されない』だからね

僕らもちゃんとサポートするからさ、肩の力抜いて気楽でいこ」

 

だが銃を少し眺めてかなり緊張しているようだ

 

「さて、行きましょう、ホテルの様子を見る限り…敵が大人数で陣取っている気配はない。雇った殺し屋もあとは1人か2人‼︎」

「おう‼︎さっさと行ってブチ殺そうぜ‼︎」

 

 

8階のコンサートホールで3人目の殺し屋がやってきた

 

「……14、いや15か?呼吸も若い、殆どが十代半ば…驚いたな動ける全員で乗り込んで来たのか…」

 

ズギュン

 

敵が後ろのライトを撃った。

なるほど、あの敵は射撃の腕が高いってことか…

装備はあれだけか…なら問題ない、弾を切り替える

 

「言っとくが、このホールは完全防音だ。お前ら全員殺すまで誰も助けに来ねぇって事だ。殺しの準備なんてしてねーだろ‼︎大人しくボスに頭下げとけや⁉︎」

 

バァン

 

まずい…おそらく位置的に速水さんだろうが、敵の銃を狙ったが外れてしまったようだ

 

「意外と美味ぇ仕事じゃねぇか‼︎」

 

敵が照明をつけて、速水さんの方を見た

 

(まあやるよね)

 

ドン、ダァン

 

速水さんの所行く前に敵の弾を撃ち抜いて威力を完全に殺した

…さあどう解釈する?そこが勝負の分かれ目だ

 

「いつからそこにいた⁉︎それに何しやがった‼︎」

 

すっごい動揺してる…

もう隠れてる意味はないから立ち上がる

 

「フン、僕を見つけられなかったのは、ただの実力不足では?

それに戦闘中に自分の戦法をベラベラ喋る人がいますか?」

「チッ!……な⁉︎俺の弾が貫かれていやがる…

ククク、ハッハー!最高だ!軍人時代でもそんな神業する奴いねーぞ‼︎」

「ほぉ元軍人ですか」

「そうだ、俺は幾多の経験の中で敵の位置の把握や銃の調子を味で確認する術を身につけたが、俺が察知できない奴がいるとはな!最高だぜお前‼︎」

 

めちゃくちゃ興奮してるな…戦闘凶かな?

 

「褒め言葉としてちゃんと受け取りますよ。

速水!敵は君の位置を記憶している!

身体を出さずに待機‼︎

千葉!まだ撃つな‼︎

殺せんせーの指示の下で最高のタイミングを作り上げる!

その時まで待機‼︎

殺せんせー!指示を‼︎

僕は防御にまわります!」

「わかりました。皆さんここからは先生の指示で動いて下さい」

「チッ…どっから喋って…」

 

殺せんせーは最前列で観察してもらっている

 

「プロの銃手を正面から相手取るんです。

これくらいは許容範囲内とさせてもらいましょう。

僕がいる限り、あなたは僕らの仲間に傷一つつけられると思わないように」

 

盾も展開する

 

「チッ、厄介な…」

 

ドン、ダァン、カン

 

撃ってくる銃弾を貫通させたり、盾で防ぎ

 

「木村君5列左へダッシュ!」

 

そっちの方に向かうとするが

ちゃんと敵の方にも撃ってるので回避に精一杯

 

「寺坂君、吉田君はそれぞれ左右に3列‼︎」

「グッ…狙えねぇ…」

(そんな隙与えれば俺が撃たれる…

そしてこっから動かないから

あいつは殺すようには撃たないんだろう…チッ‼︎)

 

そしてどんどん皆がシャッフルしていく

 

今は名前と位置を敵に知らせるとこになってる…

…だが

 

「出席番号12番‼︎右に一つで準備しつつそのまま待機!」

「へ?」

「4番と6番はイスの間から目標(ターゲット)を撮影‼︎自さんを通して舞台上の様子を千葉君に伝達‼︎」

「ポニーテールは左前列へ前進!バイク好きは左前に2列進めます!」

「竹林君一押しのメイド喫茶に興味本位で行ったらちょっとハマりそうだった尚且つさっきの尖り君の女装姿にガチで惚れそうだった人!撹乱のため大きな音を立てる‼︎」

「うるせー‼︎何で知ってんだテメー‼︎」

(((うわ…マジか…寺坂)))

 

……嘘だろ…寺坂…お前…

 

「ごめん!僕ら友達でいよう‼︎」

「勝手に振ってんじゃねー‼︎そんなじゃあねぇーよ‼︎」

「アッハハハ…‼︎もう最ッ高…‼︎」

 

寺坂の性癖暴露と僕が動揺して振ってしまった事に

カルマ君が大爆笑している

 

「人の失恋に大爆笑している期末テストで調子に乗って手を抜いて勝とうとしたらボロボロに負けた人!君も撹乱の為に大きな音を立てる!」

「なァ…⁉︎クッ…⁉︎チッ…!」

 

カルマ君が悔しそうに赤面しながら大きな音を立てている

 

「自さん撮ってるよね?」

{はい、もちろんバッチリですよ}

 

よしこれでいい…

 

「…さて、いよいよ狙撃です。千葉君。次の指示の後で、君のタイミングで撃ちなさい。速水さんは状況に合わせて彼の後をフォローを、敵の行動を封じる事が目標です。……ですがその前に、表情を表に出す事の少ない仕事人ふたりにアドバイスです。君達は先生への狙撃を外した事で…自分達の腕に迷いを生じている。言い訳や弱音を吐かない君達は…勝手な信頼や期待を押し付けらる事もあったでしょう。苦悩していても誰にも気付いてもらえない事もあったでしょう」

 

なるほど…そんな事が…

だからあんなに緊張していたのか

 

「でも大丈夫、君達1人でプレッシャーを抱える必要はない。外した時は人も銃もシャッフル、尖り君にも攻めにまわってもらいます。ここにいる皆が訓練と失敗を経験しているから出来る戦術です」

「そうだよ、君達の側には同じ経験をしてきた仲間がいる。安心して気楽に引き金を引くといい、ちゃんと僕らがサポートをするよ」

 

さあ僕らの力を見せてやろうか‼︎

 

「出席番号12番、立って狙撃‼︎」

 

ドン、ダァン

ドン、ダァン

ドン

 

「ビンゴ‼︎」

「はッ!俺の銃弾貫くのも計算済みで3発連続、3発目は保険だったが、本当化け物だなぁ!お前!…これで1人…人形⁉︎」

 

菅谷が作った人形の眉間に当たった

 

「千葉、打ち抜け」

「オーケー、尖り」

 

千葉が撃った弾は、敵には当たらず

 

「フ、へへ…へへへ、外したな。これで2人目も場所が…⁉︎」

 

吊り照明の金具に当たり、照明台がのしかかってくる

それでも敵は銃をしっかり握っている

 

「く…そが…」

 

だがその根性は虚しく、速水さんの撃った弾が銃に当たり敵の銃を吹き飛ばした、そこで糸が切れたように気絶する

 

そして皆が拘束に向かう

 

「グッ…」

 

ズキンッ、ズキンッ

 

「大丈夫ですか?脳の負担がかなりあったはずですが…」

「ええ、2分下さい…ちょっと休憩します」

 

その通り、あんなのずっとなんて今の僕には無理だ。

律によって幾らか精神的負担は削がれたが、

それでもここ最近の疲労は取れていない

そんな状態で高速計算で撃ち抜いていたんだ。

敵がこれを技術と勘違いしてくれたから出来た事である

気づかれて、無闇やたらに発砲しまくったらかなり危なかった…

 

いつも通りなら3発だろうと10発だろうと防いだが

今の僕じゃあ無理だった

 

 

座席に座って頭を休める

 

 

 

「よくこんな危険な戦いをやらせたな、尖り君だったら普通に倒せたんじゃないか?」

「確かに烏間先生の言う通り、おそらく今回の殺し屋全員、尖り君なら無力化、出来たでしょう。」

「だったら…」

「ですがそれはかなりのリスクが伴います。

今回の作戦よりも難易度が高いと思いますよ」

「どういう事だ…?」

「それはですね、彼の本来の得意とする戦い方とは違うからなんですよ

彼は主力で戦う者じゃあ、ありません。

仲間の力を100%近くまで引き出して、

仲間が歩きやすいように道を整える。

それが丸尖り、【前線の司令塔】の戦い方です。

そしてそれは仲間を完全に信頼してないと出来ません。

彼は今まで本当の意味でクラスの皆さんの事を信用していなかった。

ですが彼はクラスの皆さんの本当の仲間になろうと今頑張っています」

 

「どんな場所、どんな世界で生きている人間でも殻を破って大きく成長できるチャンスが何度かあります。

しかし1人ではそのチャンスを活かし切れません。

集中力を引き出すような強敵や経験を分かつ仲間に恵まれないと、だから私は用意できる教師でありたい。

生徒の成長の瞬間を見逃さず、高い壁を、良い仲間をすぐに揃えてあげたいんです」

「…なるほどな」

 

 

 

 

 

 

 




ちなみに尖り君が1人で乗り込んだ場合、ここでガストロ倒して疲労で気絶します


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黒幕の時間

[尖り]

 

ちゃんと2分で、ある程度復活させる

 

「ふうぅ〜…大分体が動くようになってきた、だがまだ力半分ってところか…」

「力半分ですでに俺らの倍強ぇ…」

「あの人と尖り君で侵入した方が良かったんじゃないかって思えてくるわ…」

「いやいや、あの時も言ったけど、僕と烏間先生の2人じゃあ時間が全く足りないし、君等がいてくれたからここまで無事に来れたんだ」

「そうね、IFの話してもしょうがないわよね。ありがとう尖り君」

 

皆が「よし」っていう感じに気合を入れ直した

 

「うん、自さん。上の状況わかる?」

{はい、パソコンカメラに侵入出来ました。確認できる限りこの男ただ1人です}

 

自さんによってスマホに映像が流れる。

そこにはガタイの良さそうな男が、タバコを吸いながら、苦しんでいる皆の姿を見ている様子だ…

 

「あのボスについてわかってきた事があります。黒幕の彼は殺し屋ではない。殺し屋の使い方を間違えてます」

 

確かにそうだ、殺し屋というものは本来、警備に使う存在ではない。

目標(ターゲット)に気づかれずに接近し、得意な戦法で仕留める。

だから僕はずっと周りを警戒していたのだが、そんな事をしようとする様子は全くなかった。

 

そして、黒幕の正体が少し見えてきた

僕を指名した

レジスタンスという脅威を知っていれば

こんな警備ザル同然…

と言うことは僕は知ってはいるが

レジスタンスの事はよく知らない人物で僕に恨みがある…

僕たちに恨みがある人は少なからずいるだろうが、

そのほぼ全ての奴は脅威は知っている。

浮かび上がってくる人物…それはおそらく

 

烏間先生もかなり勘付き始めたようだ

 

「烏間先生、おそらくそうでは?」

「…君もそう思うか」

「はい、確かなものはあまりないですが」

「……まあ時間がない、そいつは我々がエレベーターで来ると思ってるはずだが、交渉期限まで動きがなければ…流石に警戒を強めるだろう」

 

烏間先生がまだ皆に話すべきではないと判断したため僕も黙っておこう

 

烏間先生が役割を指示してから最上階の部屋に侵入した

 

部屋は遮蔽物が多いため、ナンバで移動して皆でギリギリまで忍びよろうと近づき、かなり近くなってきた時

 

「かゆい」

 

喋りだした…この声、やはりか

 

「思い出すとかゆくなる。でもそのせいかな?いつも傷口が空気に触れるから…感覚が鋭敏になってるんだ」

 

大量のリモコンをばら撒いた

 

「消息をたったのは3人の殺し屋の他にももう1人いる…防衛省から名前を消され、秘密保持の為に監視が置かれた人物…どういうつもりだ」

 

椅子を回転させて僕らに体を向ける

 

「鷹岡ァ‼︎」

 

僕らを暴力で従わせようとした男だ

 

「悪い子達だ…恩師に会うのに裏口から来る。父ちゃんはそんな子に教えたつもりはないぞ」

「家族でも教師でもないでしょう?唯の無職のおっさんだあなたは」

 

皆が刺激するなという目で見てくるがあいつはここでは爆破できない。

ここで爆破してしまえば烏間先生や僕に撃たれて目的が達成されないからだろう。

かと言って先に撃てば自暴になり爆破する可能性があるが

 

「相変わらず口が減らねぇガキだな〜お前は。カメラに写ってなかったからまさかと思ったが、ウイルスに感染してなかったか。まあいいお前にも後でたっぷり仕返ししてやるよ」

 

リモコンを見せつけ、イカれた表情で笑うと

 

「屋上へ行こう、俺の慈悲で生かされているんだよ、お前らは〜」

 

指示に従って屋上のヘリポートに向かった

 

「殺し屋を雇い、生徒達をウィルスで脅すこの凶行…‼︎気でも狂ったか鷹岡‼︎」

「おいおい、俺は至極まともだぜ!お前らは大人しく要求通りにしていればそれで良かったんだのになぁ〜俺の暗殺計画がスムーズに仕上がったのにな」

「その計画とはなんだ」

「ククク…それはな、茅野って言ったっか、その女の方を使う予定だった。部屋のバスタブに対先生弾がたっぷり入れてある。

そこに賞金首を抱いて入ってもらい、その上からセメントで生き埋めにする。

対先生弾に触れずに元の姿に戻るには…生徒ごと爆発しなきゃいけない…だが生徒思いの殺せんせーはそんな酷い事しないだろ?

大人しく溶かされてくれると思ってな」

 

皆が内容を聞いて、青ざめたり、口を押さえて怯えている

 

「ほぉ、それは随分と穴だらけな作戦ですねぇ。

もし殺せんせーにセメントをこじ開ける力あればどうしますか?

殺せんせーの能力はまだ未知数な所が多いです。

おそらく少しの間なら対先生弾プールで生存できるはずです。

そういった時の対処は?殺し屋ですか?たった3人で?無謀だと思いますが?」

 

腕を組んで淡々と言っていく

 

「チッ…権力でしかまともに戦える術がない卑怯者が‼︎俺に指図してんじゃねぇ‼︎クズが‼︎」

「まともに権力すら使いこなせないあなたよりはマシなのでご安心を」

「尖り君、気持ちはわかるがもうその辺にしてくれ…いつ爆破されるかわからん」

 

烏間先生からストップがかけられたので僕はもう何も言わないようにしよう

 

「俺は消えた評価は結果で戻す、受けた屈辱はそれ以上の屈辱で返す。潮田渚!丸尖り!お前らは俺の未来を汚した2人を絶対許さねぇ‼︎」

 

なるほど、だから背の低い男女だったのか

 

「へーつまり渚君と尖り君はあんたの恨み晴らすために呼ばれたわけ、その体格差で本気で勝って嬉しいわけ?俺ならもーちょっと楽しませられるし、あんたじゃあ尖り君には勝てないでしょう?」

「イカれやがって、テメーが作ったルールの中で渚に負けただけだろーが、尖りの事だって唯のしっぺ返しにあっただけだろーが」

 

カルマ君と寺坂の反論する

 

「ジャリ供の意見なんて聞いてねぇ‼︎俺の指先でジャリが半分減るって事忘れんな‼︎それに本気の俺がこんな卑怯者に負けるはずがねぇんだよ‼︎」

 

貴様程度の動き簡単にわかるはたわけと言ってやりたい…

 

「チビ!お前1人で登ってこい‼︎この上のヘリポートまで」

 

そう言って鷹岡は先にヘリポートに向かった

 

「渚、ダメ行ったら」

 

茅野さんが止めようとするが渚君が殺せんせーを渡して

 

「…行きたくないけど…行くよ。あれだけ興奮してたら何するかわからない。話を合わせて冷静にさせて治療薬を壊さないように渡してもらうから…尖り君、あんまり刺激しないでね?」

「わかってるよ、空気読んで黙っておきますよ。

でもおそらくアレがやりたい事はこの前の続きだと思う…何があっても冷静で、じゃなきゃ勝てるものも勝てない」

「うん、わかったよ。行ってくるね」

 

そう言って渚君はヘリポートに向かって行った

 

そして渚君が登りきると鷹岡が簡易的な階段を深い溝に落とした

 

「これでだーれも登って来れねぇ。足元のナイフで俺のやりたい事はわかるな?この前のリターンマッチだ」

「待ってください、鷹岡先生。闘いに来たわけじゃないんです」

「だろうなァ、この前みたいな卑怯な手はもう通じねぇ、一瞬でやられるのが目に見えてる」

 

渚君の戦闘能力では鷹岡に正面から勝つのはほぼ不可能だ

 

「だがな一瞬で終わっちゃ俺としても気が晴れない。やる事やって貰わなくちゃなぁ〜…謝罪しろ、土下座だ。実力がないから卑怯な手で奇襲した事について誠心誠意な」

 

こいつ…本当に幼稚だな、そんなので気が晴れるなんて、頭ん中空っぽかよ

渚君は言う通り、その場で正座した

 

「……僕はーー」

「それが土下座かァ⁉︎バカガキが‼︎頭擦り付けて謝んだよォ⁉︎」

「僕は実力が無いから卑怯な手で奇襲しました…ごめんなさい」

「そうだな〜その後、偉そうな口も叩いたよな?"出ていけ"とか。

ガキが大人に向かって、生徒が教師に向かってだぞ‼︎」

 

渚君の頭の踏みながら叫んでいるのをみて、目を細める。

 

「ガキのくせに、生徒のくせに、先生の生意気な口を叩いてしまい、すみませんでした」

「…よーし、やっと本心を言ってくれたな。父ちゃん嬉しいぞ。ご褒美に良いことを教えてやろう、あのウィルス、最終的に全身デキモノだらけ、顔面がブドウのように腫れ上がって死ぬんだぜ?スモッグの奴に見せてもらったがアレは笑えるぜ」

 

キャリーケースを掲げていた

やろうとする事に気付いて

スイッチを持っている手を撃ち抜こうとするが

 

ズキンッ、ズキンッ、ズキンッ

 

ここに来て、この頭痛か‼︎

さっきよりずっと酷い

咄嗟に頭を抑えてしまった

まずい‼︎

 

「見たいだろ?渚君」

「やッやめろーッ‼︎」

 

烏間先生の怒号が響いた同時に、キャリーケースが爆破した

 

 

ヤバイ…どうする…

いや、あいつの発言からするとあのウィルスの開発者はやっぱりあのスモッグという男なんだろう、製法や予備がある可能性に賭けるしかないか…

 

だがその前に彼をなんとかしなくては

 

「殺…してやる…殺してやる…よくも皆を…」

 

荒い呼吸で完全にキレて、殺気を放ちながら渚君がナイフを構えた

 

さっきの言葉なんてもう頭の中から吹き飛んでいるんだろう

 

まずは落ち着かせなくてはならない

 

だがどうする?真上に発砲したところで

少しの間注意を引けるだろうが

それだけだ気休めにもならない

どうすれば…

グッ…ダメだ、頭痛で思考がまとまらない

 

皆も渚君を落ち着かせる方法を焦りながら考えだし始めた

 

「渚君の頭を冷やして下さい、君にしかできません寺さーー」

 

殺せんせーが言い終わる前に

寺坂がスタンガンを渚君に向けて投げた

 

「チョーシこいてんじゃねーぞ渚ァ‼︎薬が爆破された時テメー俺を哀れむような目で見てただろう‼︎」

「………」

 

黙り込んだ渚君だったが、気付いていたのか…

 

「いっちょ前に他人の気遣いしてんじゃねーぞ!モヤシ野郎‼︎ウィルスなんざねてりゃ余裕で治せんだよ‼︎そんなクズでも殺せば殺人罪だ、テメーはその場の感情に任せて100億のチャンス手放すのか?」

 

そう言って座り込んでしまった。

ありがとう寺坂、君が作った勝機、絶対無駄にはしない

 

「寺坂君の言う通りです渚君。その男には何の価値もありません。

治療薬は下にいた毒使いの男に聞きましょう。こんな男は気絶程度で十分です」

「おいおい、余計な水差さんじゃねぇよ。本気で殺しに来させなきゃ意味ねぇんだ。このチビの本気の殺意を屈辱的に返り討ちにして…初めて俺の恥は消し去れる」

 

考えることはやめよう思っていることを言おう

 

「渚君!寺坂の言葉と鷹岡の言葉!

どっちが価値があるか考えろ!

君ならいける筈だ‼︎

何せ…僕らの自慢の仲間たちなんだから」

 

さあ叩き潰してこい

 

 

※※※※※

 

[渚]

 

ありがとう、寺坂君、殺せんせー、尖り君

 

僕は危うく道を踏み外すところだったよ、

僕たちの憧れの人の期待にも応えたい

 

スタンガンを拾ってベルトとズボンの間に挟んで、上着を脱いで、ナイフを構える

 

でもどうやってスタンガンの一撃を入れよう、おそらく今回の鷹岡先生は油断なんて一切しないでやってくる

 

「ナイフ使う気満々だな安心したぜスタンガンはお友達に義理立てして拾ってやったということか。良かったぜ」

 

鷹岡先生は勝手に勘違いしてくれた

 

「一応言っとくがここに3本の予備がある、渚君が本気で殺しに来なかったり、下の奴等が俺の邪魔をしようものならこいつも破壊する。これが最後の希望だぜ?」

 

深呼吸をする。

言っていたじゃないか、『何があっても冷静で』って彼はちゃんと助言をしてくれていた。

さっきは怒りと殺意で我を忘れていたけどもう大丈夫

 

だけど僕が暗殺に持ち込もうとしても

 

「あぐッ…がはッ…」

「おら、どうした?殺すんじゃなかったのか?」

 

近づこうとしても膝蹴り喰らわせられた

何度かナイフを振ったりしても尽く防がれて打ちのめされる

 

「へばるなよ、今までのは序の口だ。さぁてそろそろ俺もこいつを使うか」

 

鷹岡先生が置いてあった自分用のナイフを持った

 

「…手足を切り落として、標本にしてやる。ずっと手元に置いて愛でてやるよ」

 

どす黒い表情をしてナイフを向けてきた。

 

僕は冷静に考える。

この状況をひっくり返す方法は…ある!

 

ロブロさんに教えてもらった必殺技の条件は

 

1つ、武器を2本持っている事

2つ、敵が手練である事

3つ、敵が殺される恐怖を知っている事

 

(良かった、全部揃ってる…鷹岡先生、実験台になって下さい)

 

僕はあの時のような笑顔で近く

 

「この…クソガキィ」

 

鷹岡先生は怒ってはいるがかなり緊張している

 

(タイミングは、ナイフの間合いのわずかに外。敵は接近すればするほど、敵の意識はナイフに集まる。その意識ごと、ナイフを空中に置くように捨ててそのまま…)

 

パァン

 

多少大きい音が響きわたる、極限まで過敏になっていた鷹岡先生の全神経が音の爆弾によって破壊されたようだ。

 

「な、に、が…起、こ…」

 

反射的にのけぞってしまった隙を僕は逃さずスタンガン(2本目の刃)を鷹岡先生の脇に当てて電気を流す

 

「ギッ⁉︎」

 

崩れ落ちたように膝をつく鷹岡先生、予想外の事に2人を除いて固まる

 

「「トドメだ渚(君)、首に流せるば気絶する」」

 

彼らの言われた通り首にスタンガンを当てて、顎をスタンガンで上げて目線を合わせる

 

(…殺意を教わった。

抱いちゃいけない種類の殺意があるって事。

その殺意から引き戻してくれる友達の大事さも。

殴られる痛みを、実戦の恐怖を、この人から沢山の事を教わった。

酷いことした人だけど、それとは別に授業には感謝をしなきゃいけないと思った。

感謝を伝えるなら)

 

(やめろ…)

 

()()()()顔ですべきだと思ったから)

 

()()()で終わらせるのだけはやめてくれ…

もう一生()()()が悪夢の中から離れなくなる)

 

笑顔で

 

「鷹岡先生、ありがとうございました」

 

電気を流して、気絶させた

 

「「「よっしゃああ元凶撃破(ボス撃破)‼︎」」」

 

皆が歓喜の叫びを送る

 

「よくやってくれました渚君。今回ばかりはどうなるかと思いましたが…怪我も軽そうで安心しました」

「うん、僕は平気だけど…でも…どうしよう、みんなへの薬が…」

「…とにかくここを脱出する。ヘリを呼んだから君等は待機だ。俺が毒使いの男を連れてくる」

「その必要はないみたいですよ、烏間先生。」

 

そう言って尖り君が銃を構えて素早く後ろに振り返る

 

「フン、テメー等に薬なんぞ必要無えよ」

 

そこにいたのは下で倒した殺し屋たちが屋上の入り口付近に立っていた

 

「ガキ共、このまま生きて帰れるとでも思ったかい?」

 

殺気を出しながらそう言ってきた

3人揃うとかなりやばい感じしかしない

 

 

 

 

 

 



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大人の時間

[尖り]

 

「お前達の雇い主は既に倒した。

戦う理由はもう無いはずだ。

俺は充分回復したし生徒達も充分強い。

これ以上互いに被害が出る事はやめにしないか?」

「ん、いーよ」

 

烏間先生が警告し、戦いをやめるように言うと、

殺し屋の1人がそれを承諾した

 

何故だ?『薬は必要ない』それは僕らを皆殺しにする事じゃないのか?

大人しいフリして油断を誘うつもりなのか?

 

「"ボスの敵討ち"は俺等の契約にゃ含まれてねぇ

あんな奴、契約以上の事をしてやる価値もないしな」

「では何故、薬はいらないのでしょうか?」

「ああ、お前等にもったのは食中毒菌を改良したものだ。

あと3時間は猛威を振るうが、その後効果はなくなるものだ」

 

毒使いの"スモッグ"と言う男が手のひらサイズの瓶を見せながら説明して、次に試験管を見せた

 

「ボスが使えと依頼をしたのはこっちだ。これ使えばお前らマジでヤバかったがな」

 

殺し屋達の言葉に皆が驚く

自分たちがしていた事が

世界一危険な修学旅行

【殺し屋と命がけバトルツアー】

に成り果ててしまったからかな?

 

「使う前にこの3人で話し合ったぬ。ボス提示した交渉期限は1時間、だったらわざわざ殺すウィルスじゃなくても取引できるぬ」

「…でもそれって、鷹岡(あいつ)の命令に逆らったって事だよね?

金もらってるのにそんな事していいの?」

 

岡野さんが疑問をぶつけると

銃をおしゃぶり代わりにしている男が

 

「アホか、プロが何でも金で動くと思ったら大間違いだ。

もちろん依頼人(クライアント)の意に沿うように最善は尽くすが、ボスはハナから薬を渡すつもりは無かった。カタギの中学生を大量に殺した実行犯になるか、命令違反がバレてプロとしての評価を落とすか。

どちらが俺らの今後にリスクが高いか冷静に秤にかけただけよ」

 

なるほど、今後の仕事に影響が出てしまう範囲だったから

指示に従わなかったのか

 

「まあ、その判断も正解だったようだぜ」

 

僕の方を見て

 

「ヤバイと噂のレジスタンスに手を出して、怒らせてしまったら、流石に仕事どころじゃないからな」

「ああ、ボスにお前らの中にレジスタンスの奴がいるって聞かされたのが毒を仕込んだあとだったからマジで肝が冷えたぜ」

 

殺し屋達が身震いしたのを見て、

皆が唖然とした目で僕を見る

 

「まあなんだ、そんなワケでお前らは誰も死なねぇ。この栄養剤飲ませてやんな」

 

烏間先生に栄養剤を投げ渡した

 

「"倒れる前より元気になった"って感謝の手紙が届くほどの物だ」

「「「アフターケアも万全だ‼︎」」」

「信用するかは生徒達が回復したのを見てからだ、事情招集も行うためしばらく拘束させてもらうぞ」

「しゃーねーな、来週には次の仕事が入ってるからそれ以内にな」

 

烏間先生が呼んだヘリ到着して、鷹岡や部下達が拘束されて乗せられていく 

 

一美に報告かな

 

「敵は討伐・拘束しほぼ任務完了(クエストクリア)、ウィルスに関しては、食中毒菌の改良品だったらしく、命の危険はないそうだ」

『よかった〜やっぱり食中毒だったんだ〜じゃあこれの後始末と彼女たちの事はよろしくね〜』

「ん?ああ、わかったけど…」

 

どういう事だろ?

 

「おい」

 

考えていたら、銃を咥えた殺し屋が話しかけてきた

 

「どうしました?鉛のおしゃぶりさん」

「俺の名はガストロだ!そんな可笑しな名じゃねーよ‼︎」

「それいいぬ、今度から俺もそう呼ぶぬ」

「お前もかなりの変人だぜ、俺も呼ぶとするわ」

「テメーら‼︎ぶっ飛ばすぞ⁉︎」

 

この人たちノリいいな

 

「それより何の用ですか?」

「ああそうだったな、お前名はなんだ。」

「…丸尖りです。それ以外は教えませんよ?」

「ハハッハー!そやーいい、お前らの暗殺依頼がきたら全力で挑んでやるぜ」

 

やっぱり、宣戦布告だったか

 

「それ怖いですね、用心しておきますよ」

「ああ、首洗って待っとけよ」

 

そう言ったら僕の緊張が切れたのか気絶してしまった

 

「お、おい急にどうした!大丈夫か⁉︎」

 

ガストロが受け止めてくれた

 

「無理もないです、

極度の疲労状態での戦闘や警戒をしていたんですから」

「そうか、超生物。おい、烏間とやらこいつ頼んだぞ」

 

そう言って烏間先生に僕を預けて、ヘリに乗った

 

「ガキ共‼︎本気で殺しに来て欲しかったら偉くなれ!そん時ゃプロの本気(フルコース)を教えてやるよ」

 

銃弾をばら撒きながら、そう言って飛び去っていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(なんだろう…ここ…知らない所だ…)

 

視界がぼやけて全然見えないけど、どこかの部屋だ

 

 

『わ…は………てた…だけで…せ……』

 

上手く聞き取れない…女性の声かな?

 

『で…………ては……し……なれ…』

 

 

全く知らない人だと思うんだけど…

 

 

 

安心する声だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん"」

 

何か夢見てた気がするけど、何にも思い出せない…

まあ大体の夢なんてそんなもんだよね

 

それよりもなんだろう…

これ…後頭部に柔らかくて、甘い香りがする

…なんだろう?

()()()()()()()()()()()()()そんな気がする

それに顔をうずめてみる。めっちゃいい匂い…

 

「ひゃ…やめ…尖り君…くすぐったい…というか嗅がないでよ〜」

 

神崎さんの声だ…少し上の方から聞こえる…

ん?柔らかい感触に甘い香り…

そして少し上から神崎さんの声…

まさか

目を開けると黒い布だった

顔を上げると

 

「あ、おはよう」

「おはようございます‼︎」

 

神崎さんの顔があった

 

「あ…あの…いや…その…」

「尖り君って結構甘えん坊なんだね」

 

頬を薄ら紅く染めて言ってきた

 

「あだ、ふぁ、ひゅえ」

 

もう言葉にならないほど動揺して固まってしまった

 

「尖りさんってこういうのが好きなんですか?

随分と神崎さんの匂いを堪能していましたが!

 

律の言葉でトドメを刺され

 

「尖り君の…エッチ」

 

オーバーキルされた

 

「あばばばばば」

 

しばらくフリーズして

神崎さんと律に慰められて正気に戻った

 

「すみませんでした…」

「ううん、尖り君何にも悪くないよ。私が自分でやった事だし」

 

でも…

 

「どうして、膝枕なんかしたの?」

「あ…それは…ほ、ほら疲れた人にはそうすべきかな〜って思ったからだ、よ?」

 

そんなに赤面されるほどの重症に見えたのかな?

 

「ん?そういえば皆は?」

「起きて浜辺に行ったよ」

 

そうか、という事はそこで僕は…

わかっている、言わなきゃいけないのは…

でも…怖くなってしまって

身体が…動かない

 

「ほら、行こ?」

「大丈夫ですよ、私たちがそばにいますから」

 

手を握ってくれて、優しく諭してくれて

やっと身体が動くようになった

 

「うん」

 

手を引かれながら外へ出た



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仲間(真)の時間

大学が始まったので更新頻度が落ちます。
申し訳ありません…


[尖り]

 

浜辺に着いたら、皆がいて

巨大なコンクリートの塊を見ていた

 

「あれは…」

「烏間先生がダメ元で作った殺せんせー対策です」

「え…もしかして、ここに戻ってからずっとなの?」

「はい、不眠不休で指揮とってました」

 

部下に任せて、少しは休めば良かったのに…

 

そう考えてると爆音が鳴り響く

 

「爆発したぞ‼︎」

「殺れたか?」

 

そんな言葉がちらほら聞こえるが

結果は皆うすうすわかっていたみたいだ

 

「ヌルフフフ、先生の不甲斐なさから苦労させてしまいました。ですが皆さん、敵と戦い、ウィルスと戦い、本当によく頑張りました。」

 

「では皆さん旅行の続きを楽しみましょう」

 

どうしよう…どうやって話を切り出せば…

これを逃すと僕は…絶対…

 

「…と言いたいところですがその前に皆さん、聞かなきゃいけない事があります」

「「「聞く事?」」」

 

もしかしてこれって…

 

「尖り君、いいですよ」

 

殺せんせーにはバレてたのかな…

 

「はい、ありがとうございます」

 

皆の視線が僕に集まる

 

「僕は君達に謝らなくちゃいけない事が2つほどあるんだ…」

 

皆真面目に聞こうとしてくれている

 

心臓がバクバクしている

それを止めるように服の胸の所を両手で握りしめてた

 

「一つ目は昨日の暗殺で僕は、引き金を引けなかった…せっかく皆が考えて信頼してれたのに……ごめんなさい」

「はぁ〜尖りよぉ、勘違してるだろ」

 

寺坂が呆れたように

 

「どうせあれだろ?

自分のせいで暗殺が失敗したとか思ったんだろ?

お前だけの責任なわけねぇ〜だろうが。

大体なぁ〜この作戦が100%成功するなんて誰も思っちゃいねぇよ。

お前が撃てなかったんだ、俺等が撃てるわけがねぇんだよ。お前らそうだろ?」

 

「…ああ、寺坂の言う通りだ」

「そうよ、ていうかIFの話してもしょうがないじゃない」

「やってしまった事はしょうがないからね、気にする必要ないよ♪」

 

磯貝、片岡さん、茅野さんが続いて言ってくれた

 

「おう、あと一つはなんだ」

 

寺坂が諭すように言った

 

「うん、僕は今まで、君達の事をちゃんと信用していなかったんだ。

君達の実力を侮って、弱いって勝手に思ってて、僕が1人で守らなきゃって勝手に思ってたんだ。

でもそれは仲間が仲間にする事じゃない。

仲間の力を信頼する事が出来ないんじゃ、そんなの仲間じゃない。

だからこの事件を通して僕が君達の事を本当の意味で信用する事が出来る様になったと思う」

 

この後は

 

「図々しいお願いになるだけどさ…」

 

いいのか…

 

こんな事を思ってた僕が

 

彼らに何かお願いする事なんて

 

ほんの少しそう思ってしまった時、頭が真っ白になった

 

 

多分かなり息が荒くなってると思う

 

 

 

 

 

 

目の前が見えなくなり

 

 

 

 

 

思考が回らなくなり

 

 

 

 

 

 

 

あれ…

 

 

 

…僕

 

 

 

 

…何しようとしてたんだっけ?

 

 

 

ポン

 

 

服を握りしめていた手に何かが被さる

 

「頑張って」

 

横にいた神崎さんが前にきて両手で僕の手を包んでくれた

 

ここで頑張らないと僕はE組の仲間には絶対なれない

 

覚悟は決めたつもりで向かったけど、性根の臆病さは変わっていなかった

 

だがちゃんと皆に言うんだ‼︎

 

じゃなきゃ何も始まらない‼︎

 

「僕を仲間に……して……ください」

 

弱々しいけど、ちゃんと皆に声が通るように言った

 

目を瞑って、返事を待つ…

 

…覚悟は…決めた…つもり…

 

皆の返事は…

 

「なーんだ、そんな事だったんだ〜♪」

「もっとすげー事だと思ったぜ」

 

倉橋さん、前原が言った

 

やっぱり…僕は…E組には…

 

「なぁ〜に、絶望した表情してるの〜?」

「え…」

「俺等は元々仲間のつもりだったんだよ」

「元々仲間だと思ってた奴に仲間にしてくださいって言われてさ」

「断る人はいないわ、てか尖り君の事を仲間だと認めない人なんていないわよ」

 

カルマ君や杉野、磯貝に片岡さんに言われた

 

「皆…仲間として認めて…くれますか」

「「「おう(うん)(ええ)、よろしく(な)(ね)‼︎」」」

「尖り君は1人で抱え込み過ぎだったんだよ」

「そうですよ?悩みや辛い事があったら、今度からちゃんと私たちに言って下さいね?」

 

皆からちゃんと認められて

 

「皆…あり…がと、本当に今まで…ごめん…ごめんなさい…ごめんなさい」

 

嬉しいさや不安だったものが一気に溢れてきて、泣いてしまった

 

「もう1人で頑張んなくていいんだよ」

 

と神崎さんに首に手を回して抱きしめられた

 

「頑張ったね」

「えらいよ」

「1人何かじゃないよ」

 

僕が泣いている間

ずっと抱きしめてくれて、頭を撫でられて、

優しい言葉をずっとかけてくれた

 

3分ぐらいして涙が止まった

少し離れた時「あ…」と少し残念そうに見えたけど気のせいかな?

 

「ありがとうね神崎さん、さっきは」

「昨日約束したしね、勇気をあげるって」

 

あ…忘れてた、そうだったんだ

 

「ありがとう…でも覚えてくれてたんだ」

「うん、昨日の事だし、尖り君との約束だしね…でもさ」

 

少しもじもじして

 

「そろそろ…さ、私も律みたいに呼んでほしい…な」

 

こんなに付き合ってくれたし、何か…親しみを込めた呼び名か…

 

「あだ名とか付けるの下手だから…有希子…はダメかな?」

「う、ううん。ダメじゃあないよ。よろしくね絶対断らないし、嬉しいし、それに…そんなうるうるした目で見られたら…ずるいよ…それ

 

皆を見るとニヤニヤしていた……はッ‼︎

 

 

 

見られてしまった…

 

 

皆に…泣いている姿を……めっちゃ恥ずかしい‼︎

 

泣き跡を見られるのとは比較にならない‼︎

 

「いや〜まさか尖り君が泣くとはね〜ちゃんと写真撮っておいて良かったよ」

「あの涙跡と血の原因ってそうだったんだね」

「神崎さんもやるね〜絶対尖りの奴の好感度爆上がりでしょ〜?」

「ワンチャン堕ちたかもね?」

「あはは、そうかも…って杉野が白くなってる⁉︎」

「渚…あれにはもう勝てねぇ…よ」ガクッ

「杉野ー⁉︎戻ってきって!」

 

真っ赤になってあわあわしていたら殺せんせーが

 

「ヌルフフ、それでは旅行の続きを楽しみましょうか」

「…そうですね、でも明日の朝には帰りますよね?」

 

今は夕方だし、遊ぶにはそんなに時間がないのでは?

 

「なぁ〜に言ってるんですか!先生は殆ど完全防御形態でしたので遊びたりませんよ‼︎」

 

そう言って、殺せんせーが高速で遊び始めた。

それを見た皆(特に女子が)も遊びだした…皆元気だな…

 

「ね、ねぇ尖り君。下に水着着てきたんだけど…どうかな?」

「うん♪有希子に似合ってると思うよ」

 

小さくガッツポーズをしてるけど、結構自信がある水着だったんだね、褒めて良かったよ

 

「じゃあ!私たちも遊ぼうよ!ほら!」

 

手を引っ張られて海に向かう僕ら…

 

「いや、ちょっと待って‼︎」

「あ…もしかして私と遊ぶの嫌だった?」

 

少しシュンとしたような様子だけど…問題がある

 

「僕、水着じゃあないんだ。」

「あー確かにそうだね」

 

なんだろう有希子は周りが見えなくなる事があるのかな?

 

「ほら、僕最低限しか服用意してないから、これ濡れると下着とか今日の分がなくなっちゃうんだ。

僕に気にせず遊んできなさ…」

 

有希子が少し考えて、何かを思いついたようだ

 

「安心して!私は尖り君がノーパンでも気にしてないよ!

それに私の下着を貸すから大丈夫!問題ないって‼︎」

「問題しかない⁉︎

同級生のそれも異性の下着をつけるってどんな拷問だよ⁉︎」

「うーん、でも似合うと思うよ?」

「殺す気か⁉︎

それに僕は手とか額とか怪我してるから海入ったらヒリヒリしちゃうからね?ね?」

 

僕の社会的な生命の危機をなんとか回避しようとする

 

「うん、わかったよ。じゃあ貝殻探しとかして遊ぼう」

 

凄い残念そう…そんなに僕を魔改造したいのか…

怪我してて良かった気がする…

 

「私も一緒に探したいです‼︎」

「うん律、有希子、遊ぼっか」

 

皆楽しそうに遊んでるな〜って見たら、女子が遊んでいる様子を見て岡島が自分を抑えきれずに走りだした

…ちょっと待て…この挙動…まさかあいつ⁉︎

 

岡島がしようとする事が即座にわかった為

 

「きゃっ」

「え…どうしました?」

 

有希子の目を隠して、スマホの律の顔にあたる所を隠した

 

「ごめんね、ちょっと今岡島の全裸(世界の汚物)が現界したからちょっと目を瞑ろうか」

 

有希子と律は何がなんだかわからない様子だが

これは見せるわけにはいかない…教育に悪すぎる

 

「でも大丈夫だよ〜今女子達(討伐隊)が駆除してるからね、もう暫くの辛抱だからね〜」

 

それから殺せんせーが持ってきた花火をしたり(夕方だったから少し微妙だったけど)して一通り遊んで、もう夜になった。

もうお開きかな?って思ったら

殺せんせーが死装束の格好してストレッチし始めた

 

怖い格好するのやめてよ…

 

「ヌルフフ、後はこれですよぉ。真夏の夜にやる事は1つですねぇ」

 

ん?花火はやったしなんだろう…

だが殺せんせーの持ってる物を見て僕は硬直した

 

「それは肝試しです!唯の肝試しではなく暗殺OKの肝試しです!暗殺旅行の締めくくりにはピッタリでしょう」

 

今度は完全に僕の命に関わる事じゃないか…

 

 

なんとかして回避しなくては…

 

 

 



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肝試しの時間

密かに目標にしていたお気に入り50、突破‼︎
ここまで見てくださっている皆さん、本当にありがとうございます‼︎

[フリー]と書いてありますが
構成上1人の目線での語りでは難しかった為、このような形にしました。

出来るだけわかりやすく書くつもりですが、分かり辛かった場合感想欄にでも書いて頂けたら応答します。

恐らく今後の展開的にそのような表現を出す事があると思います。


[フリー]

 

「く、く、く、暗くて、ふ、ふ、雰囲気あって、た、楽しいね」

「フフ、そうだね。頼りにしてるからね♪」

「じゃあもっと雰囲気出す為に曲流しますね♪」

 

律が恐怖心を煽るような曲を流し始めた

 

何⁉︎僕恨まれる事した⁉︎謝るからやめて⁉︎

 

そして三線の音が聞こえくる。

 

「ここはーー」

「ピァー‼︎」

「にゅや⁉︎なんて悲鳴ですか⁉︎落ち着いてください⁉︎先生ですよ!」

「あ…なんだ、殺せんせーか…」

 

え…殺せんせーそのままだよ…

 

私も怖いと思ってたけど…

自分以上に怖がってる人がいるとそんなに怖く無くなってきた

 

「それでは…ここは血塗られた悲劇の洞窟、決して離れぬように…」

 

殺せんせーがそう言って消えた。少し気が緩んで

 

「1人になり、さまよえる魂にとり殺されなように…」

 

殺せんせーが背後に現れた

 

「ひゃー‼︎」

「わっ!」

 

驚いた尖り君が私の腕に抱きついた…

 

「ヌルフフ、いいですね〜その調子ですよ〜」

 

殺せんせーが何かを言って消えてしまった

 

(と、尖り君の息が顔に!顔が近い!

落ち着いて、落ち着いて…深呼吸して)

 

突然の事で少し混乱していると

 

「うう…ごめんね…ちょっとこのままで進んでいい?」

「う、うん。いいよ」

 

顔を真っ青にして涙目で訴えてきた…

なんか癖になっちゃうかも…いじめたい…

 

「でも尖りさんって怖がってる割には目を瞑らないんですよねー」

 

確かにそうかも…さっきも絶叫している時だって、目を逸らさずにちゃんと見てはいた。なんでなのか聞いてみると

 

「せ、折角の思い出だからね!

ちゃんと楽しまなきゃ勿体ないじゃあないかー」

「先程、相当拒否してた人が何言ちゃってるんですかね〜」

 

 

少し時を遡ると

 

 

 

「「「暗殺…肝試し?」」」

「ヌルフフ、そうです。お化け役は先生がやります。ペアは皆さんにお任せしますので決まったら、海底洞窟に入りにきてください」

 

皆、きゃっきゃっとペア決めをしようとすると

 

「殺せんせー‼︎やるべきではないと思います‼︎」

 

難色を示す人がいた

 

「肝試しなんて下らないし、海底洞窟なんて何が潜んでいるかわかりませんよ!」

「ご心配なく、先生がマッハで下見をして安全である事は確認済ですよ」

「で、ですが皆ここ数日の疲労があるはずです!そんな状態で暗い所に行ったら怪我をすると思います‼︎」

「ヌルフフ、皆さんの顔色を見た限り、元気いっぱいでしょう。それに怪我をした場合、先生が処置をし、先生が運び出すので安全です」

 

(((なんで尖り奴そんなに拒否してんだろ…

…あ…確かあいつって…)))

 

殺せんせーのハイスペックで尽く反論を許してしまっている

ぐぬぬ…

 

「皆でやることに下らない事なんてないですよ」

 

殺せんせーがなんかいい事言ってるけど…

 

「こんな茶番に付き合ってられません!僕は部屋に帰らせてもらいます!」

「んーいいのかな〜?」

「ど、どうしたの…」

 

有希子が悪戯をする子供みたいな表情で

何かよくわからない事を言ってきた

 

「この状況でその発言は死亡フラグだよ?」

「な⁉︎」

「このまま部屋に戻っちゃったら…尖り君、どうなっちゃうかな〜」

「色々なホラー映画やゲーム作品を観ましたがそういう発言をした人は真っ先に襲われる傾向がありますよ?」

 

流石にそれじゃ無理だろうという感じに皆が尖り君を見ると

 

「え…あ…ど、ど、ど、どうすれば…」

 

顔を青くしてガタガタと震えていた…あと少しかな?

 

「それは簡単だよ!」

「肝試しに参加すればいいだけです!」

 

少し(本人はかなり深く)考えて、何かを思いついたみたいです

 

「殺せんせー!ペアは誰でもいいんですよね?」

「はい、皆さんにお任せしたので自由に決めていいですよ」

「じゃあ‼︎行きましょう‼︎

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

烏間先生‼︎」

 

「「「……は?」」」

 

皆唖然としている…

 

(フフ〜烏間先生なら幽霊ぐらい素手で殴り倒しそうだし

※幽霊役が殺せんせーという事を忘れている※

何より烏間先生も肝試し自体に参加しない可能性が高い‼︎なら僕が不参加でも問題ないはず‼︎

フフフ〜完璧の布陣これに敵うものなし‼︎)

 

ニャ〜という悪い顔をしている

 

「ちょっとトガリ‼︎カラスマは私と行くんだから邪魔しないでちょうだい‼︎」

 

ビッチ先生を完全に忘れていた⁉︎

ヤバイどうしよう…ならば!

 

「わかりましたビッチ先生、ついででいいので一緒に行きましょう!」

「あ“⁉︎ついでってなによ‼︎」

 

まあ烏間先生が了承してくれればそれで…チラッと期待する目で見ると

 

「……生徒同士で楽しんでいなさい」

 

す、捨てられただと…何故だ…

 

「よっしゃ‼︎カラスマわかってるじゃない‼︎」

「こういうイベント事は生徒同士の方いいだけだ」

 

まあ尖り君には俺も世話になっている、

それにあんなに悩みを抱えていたとは俺も気付かなかった。

彼だってちゃんと子供だ、勝手に大人と勘違いしていた俺にも原因がある。折角の同級生との触れ合いの場だ、それを促す事だって教師の仕事(俺の仕事)だろう

 

「という事でペアは生徒間で決めてくれ」

「そ、そんな…」

 

捨てらてた子犬のように俺を見てくる、心が痛いな

 

「ヌルフフ、もうかなり皆決まっているみたいですよ〜

早く決めないと尖り君1人になってしまいますよ?」

 

流石に1人は絶対死ぬ‼︎

どうしようとまだ決まってない人を探そうとすると肩を叩かれて

 

「一緒に行こ?」

「レッツゴー♪ 」

「よろしくお願いします…」

 

このままでは1人になるところを彼女たちに救われた…

 

マジで感謝すぎる

 

 

 

 

 

 

 

少し進んで行くと殺せんせーが出てきて

 

「落ちのびた者の中には夫婦もいました。ですが追手が迫り…椅子の上で寄り添いながら自殺しました。それがこれです」

 

殺せんせーが指を指した方向にハートいっぱいの禍々しい(尖り目線)のベンチがあった

 

「琉球伝統のカップルベンチです、ここで2人でしばらく座ると呪いの扉が開きます。さあ座って!」

 

有希子が行こうとするから

 

「ダメだ!そんな自殺したベンチなんて座ったらなんかすごいヤバそうなことが起こるって‼︎」

 

腕を少し強めに抱きしめて、訴える

 

「大丈夫だって殺せんせーの作った設定だよ?」

「それにこういうのは設定に沿わないと動きをすると恐怖演出が発生しちゃうものですよ?」

 

そう言われて覚悟を決めて座った

 

「…ありがとうね、薬とか」

「それは僕だけじゃなくて皆が頑張ってくれたからだよ。それに有希子と律が助けてくれたから僕はちゃんと皆と助け合おうと思えたんだよ、本当にありがとうね」

「はい、尖りさんが困っていたら絶対助けてますよ、だからちゃんとその助けを受け入れてくださいね?」

 

ジト目で言われて、心に突き刺さるものがある…

 

「は、はい…すみません…」

「約束ですよ?」

 

そして有希子と律が深呼吸をして真面目な表情で僕を見てきた

 

「「尖り君(さん)お願いがあります」」

「どうしたの?そんなに改まって」

「「レジスタンスに入りたいんです」」

「………本気…なんだよね?…どういう仕事かわかってるんだよね?」

 

本気ではあるんだろう。

流石にこんな事を冗談で言わないだろうし彼女たちの表情からかなりの覚悟も感じ取れる。

だがこの仕事の本質をちゃんと理解してない人にはやって欲しくない…

絶対後悔するからである。

 

「うん、テロや紛争の発生を未然に防ぐのと」

「その鎮圧ですよね」

 

安心した笑みを浮かべて

よかった…これで心置きなく断れ…

 

「そして、それは色々な人の思いを諦めさせる事だよね」

「⁉︎」

 

目を見開いて驚愕する

 

「…誰から聞いた?…青葉?一美?それとも他のメンバー?」

「いいえ、誰にも聞いてませんよ」

「じゃあ何故…」

「殺せんせーの授業受けていたらわかるよ。

紛争やテロがそんな善悪の単純なものだけじゃないって」

 

確かに殺せんせーの社会の授業は結構ギリギリをせめて説明したりしている

何がきっかけで起きたか

その人達はどんな思いで立ち上がろうとしたかを

 

前に言った通り、テロや紛争は国家の闇による不満や理不尽が原因である場合がある。

ただの私利私欲のためのものならいざ知らず、

仲間や家族の為に立ち上がろうとした人を半強制的に座らせる

結果、その人の意志(思い)を踏みにじらなければならない…

 

「ですが、それは未然に防げるものは防いで、発生してしまったものは現地の民間人に被害が出ないように制圧しているように感じるました」

「…そうだね、ちゃんと何が原因かを調べて…彼らが納得する形で取引して事前に防いだり、暴走して暴れだす事で、罪のない関係無い民間人が犠牲にならないように対処するんだ…そしてこれはかなり難易度が高い。死ぬ可能性だって大いにある。

それに極力殺さないとなっているが殺す場合だってある…もちろん僕も殺ってる。

何故極力殺さないのかというと、犠牲を少なくする他に殺すよりも負傷させて、戦闘不能にした方が戦意喪失させやすいからだ。

じゃあどの場合殺すと思う?」

 

ちょっとした試験のつもりで聞いてみる

 

「負傷しても、負傷した仲間を見ても、

戦意を失わない人…それは」

「主謀者その幹部のような人物ですよね」

「そう、彼らは確固たる意思を持って行なっている。

仲間が死んだとしてもやめない、

いや後戻りが出来なくなってしまう…

そんな奴にはもう死んでもらうしかない…

そこまでわかっているなら、

ちゃんと覚悟をしているんだろう…

だが…」

 

もう一つの問題

それが

 

「進路…人生の選択の最終決定権が自分じゃなくなる…

それでもいいのか…?」

「「もちろんそんな覚悟はあるよ(あります)」」

「何故だ⁉︎君達はやっと自由…選択する自由を手に入れたのに…それを自ら捨てる気なのか⁉︎」

 

親の束縛から離れてやっと得た自由を手放す事にはなって欲しくない…

 

「捨ててなんかないよ、これが私達の選択だよ」

「私達の選択したものを意思を尊重してもらえないでしょうか?」

 

彼女らの覚悟や意思は伝わった…僕にも推薦する権利はある…

だがいいのか…危険な世界(こっち)に連れてきて…とかなり迷っていると

 

「神崎さん、律さんあなたたちが目指そうとしているものは心身共に困難な道でしょう。何故それを選んだかを教えていただけませんか?」

 

殺せんせーがいつの間にか前に来ていてそれを聞いた…

そういえば聞いていなかった

 

「尖りさんが自分の能力を誰かの為に使っている所を見て、

私も自分の力も誰かの為に使いたいと思ったからです」

「私も尖り君は完全な正義の味方じゃないけど、仲間の為に戦う姿がかっこよくて憧れちゃったのかな」

 

僕が正式にレジスタンスに入った切っ掛けは、僕も教官や一美たちの姿に憧れて、あの背中を追いたいと思ったからだ…

 

「尖り君、これほど強い意志や覚悟を持ってレジスタンスに入ろうとしています。どうか見守ってあげてくれませんか?」

 

これ以上は彼女たちの覚悟を汚す事になるか…それに

 

「大学は出ること」

「「え…それって…」」

「レジスタンスなんて言うなれば今からでも入れる、だが学生生活や青春はその時しか受けられないからね。

軽くしかレジスタンスの訓練はしない、流石に暗殺と勉強とレジスタンスの訓練はどっちつかずになるからね。それが納得出来ないなら推薦はしないよ」

「うん、充分だよ♪ありがとう」

「はい!よろしくお願いします‼︎」

 

理由もあって、本質もわかってる人に

僕が何か言う必要なんてないだろう

 

「では話は終わったようですので、先生は残りの人を驚かしてきますね」

 

 

そう言って殺せんせーが飛んでいき、扉が開いた

 

「じゃあ行こっか」

 

立ち上がって有希子の手を取って扉に進もうとすると

 

「ヒーーーー‼︎日本人形⁉︎」

 

殺せんせーが焦ったようにあらわれて有希子を見て日本人形と叫んで飛んで行った

 

「に…日本人形だった…の」

 

ガクガクに震えて有希子を見ると

有希子が満面の笑みで

 

「置いてくよ♪」

「ほんっとすみません‼︎一緒にいてください‼︎お願いします‼︎」

「あ…はひ」

 

頬を赤らめて曖昧な返事をされた…

ヤバイまじで怒らせたかもしれない

ここで1人は本当に不味い‼︎

 

ちゃんと謝って、一緒に来てくれる許可をちゃんと得て

ビビりながら出口に出ると

皆が殺せんせーを囲っていた

 

「要するに…怖がらせて吊り橋効果でカップル成立を狙ってたと」

「結果を急ぎすぎなんだよ」

「怖がらせる前にくっつける方に偏ってるから狙いがバレバレ‼︎」

 

そうだったのか…でもあんな怖いのでカップルは成立しないと思う…

 

「だ、だって見たかったんだもん‼︎手を繋いで照れる2人とか怖がる人とか見てニヤニヤしたいじゃないですか‼︎

それなのに尖り君しかまともに怖がらないし、尖り君は怖がり方が心配になるような怖がり方で先生全然楽しめませんでした‼︎」

「泣きギレ入った」

「ゲスい大人だ…」

「てか尖りのやつそこまでホラー苦手だったのか…」

「あれで怖がるって相当だな…」

「うるさい、誰にも苦手なものがあるんだよ」

 

そしたら中村さんが真面目に殺せんせーに言った

 

「殺せんせー、そー言うのはそっとしときなよ。うちら位だと色恋沙汰とかつっつかれるの嫌がる子多いんだから。皆が皆、ゲスいわけじゃないんだからさ」

「うう…わかりました」

 

殺せんせーが泣きながら反省の声を上げる

 

「あ、尖りさん、烏間先生達が戻ってきたみたいですよ?」

 

律の声で皆が気づいて、烏間先生とビッチ先生ペアを見ると、見ている僕達に気づいてそそくさに烏間先生から離れた。

 

「…なぁ、うすうす思ってだけどビッチ先生って…」

「ああ」

「そうだな」

「…どうする」

「明日の朝帰るまで時間あるし…」

 

(((くっつけちゃいますか?)))

 

皆の目を光らせてとても悪い表情をしていた

 

皆…それじゃあ殺せんせーと何も変わらないよ…

 

 




ベンチタイムがドチャクソ長いと思う人もいるでしょう…
僕も思いました。
ですが今後の展開的にここで出さないと訳わかんない事になるので時を遅くしました!


いや〜スマブラにアレが来るとは全く思いませんでしたよ〜
観てる時発狂して興奮してました(関係ない)


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殺白の時間

ヒロイン未定の設定が完全に死んでるのでもう書いちゃいます


[尖り]

 

ビッチ先生をホテルのロビーに召集して現状の確認をしようとしていた

 

「意外だよな〜あんだけ男を手玉に取れんのに…」

「自分の恋愛にはてんで奥手なのね」

「人は自分の事になると結構盲目になっちゃう所があるからね、仕方ないよ」

「「「あ〜確かに…」」」

 

何故僕を見て納得するんだ?

 

「てことはビッチ先生も不器用だったり?」

「違うわよ‼︎トガリと一緒にしないでちょうだい‼︎

あいつの堅物ぶりったら世界(ワールド)クラスだったのよ‼︎

仕方ないじゃない‼︎男をオトす技術(スキル)だって千を超えるは。

ムキになって本気にさせようとしている間に…そのうちこっちが…」

「「「う…」」」

(お〜やるじゃん。思わず僕もドキッとしたア"ダダダダダダ)

 

 

「あああ!痛いです!それは僕の頭です!握り潰す林檎じゃないです!」

「うん、知ってるよ」

 

有希子が笑顔(目の光りが消滅して)でいきなり僕の頭を鷲掴みにしてきた

 

「やめて下さい、僕の頭が頭になっちゃう‼︎」

「ならいいよね、頭になっちゃおうよ」

「少しの頭の変形ぐらいだったら

問題ないと思いますのでやっちゃって下さい!」

「ごめんなさい、訳わかんないこと言いました‼︎

僕は頭が潰れたら死んじゃう人間なのでやめて欲しいです、お願いします!」

 

まじで頭が破壊されそうになったけど、片岡さんなどに助けてもらって難を逃れた…僕一様君らの未来の先輩なんだからね?…全く

 

「…アレはどうするの?」

「ん〜なんだかんだ進んでるし…あそこは任せてもいいんじゃないか?」

「まあビッチ先生の方は俺等に任せろって、2人の為にセッティングしてやんぜ‼︎」

 

前原を筆頭に作戦が始まった。

 

「では恋愛コンサルタント3年E組の会議を始めます」

「…殺せんせー、ノリノリですね…」

 

殺せんせーが横分けサラリーマンのようなコスプレをしている

 

「ヌルフフ、女教師が男に溺れていく日々…甘酸っぱい純愛小説が描けそうです」

「「「明らかにエロ小説を構想してる‼︎」」」

 

ビッチ先生だと…R 18になりそう…

 

「ん〜尖り君さーなんかない?」

「人の好感度高める、いい感じなものとか」

 

僕的には誠実に接するしかないけど…あ、そうだ!

 

「その対象と普段から接触することがいいって聞いたことがあるよ?」

「それは何時もしてるじゃない…」

「接触って言っても触ることだけじゃあなくて、視界に入ることや名前を呼んでもらったりすることだけど…どうなんだろうね?」

 

あんまり深く聞いてないから少し誤解があるかもしれないし、信憑性あるかわからないけど…

 

「尖りさん、尖りさん。スマホを見てください」

 

なんだろうと思ってスマホを確認する

 

「えへへ〜」

「…どうしたの?何かあった?」

 

無邪気な笑顔だったけど、僕が何かあったのか聞くとプクーと頬を膨らませて

 

「う"〜効果はなしですかね?」

 

あーなるほどね。僕で試したと…

律は授業以外は僕のスマホやパソコンに常にいるし…どうなんだろ?

 

「じゃあまず、その服をどうにかしてみようよ、服の系統が悪いんだよ」

「そーそー露出しときゃいーや的な感じじゃん」

「烏間先生みたいなお堅い日本人の好みじゃないよきっと」

「もっと清楚で攻めないとさ」

 

確かにビッチ先生の清楚(そういう)系統の服見たことないかも知れない

 

「清楚って言ったら、やっぱり神崎ちゃんかな?昨日着ていたので乾いたら貸してくれない?」

 

(有希子って清楚…っていうよりかは、

秘められた凶暴性・眠った恐竜のような人な気がしてきてたけど…言ったら殺されそうだから自分の中にしまっておこう)

 

有希子が服を持って戻ってきた

そしてビッチ先生が着替える為に席を外した

 

僕はビッチ先生がどんな感じになるか想像しょうとしたけど…何故だろう…全く想像できない

…何かが足りないと思って有希子を観ていると

ある一点に目がいき気づいてしまった…

気づかれないように目を逸らして誤魔化す…

 

そして戻ってきたビッチ先生はアンノジョウだった…

 

「神崎さんがあんなエロい服着てーー」

 

スパーン

 

そばにあった電話帳で岡島の頭に最小限の衝撃を入れて気絶させた

 

「思っても言うんじゃない、失礼だろうが」

 

全く人の後輩になんて妄想を…

 

「と、尖り君だってさっき私の胸見てた癖に…」

「⁉︎⁉︎…ななななんでしょれを……」

 

有希子が顔を少し赤くして

両腕で胸元を隠す

 

「女の子はそういう目線には敏感なんだから…他の女の子のそういう所は見ちゃダメだよ?」

「あ…や…それは…でも…」

 

僕は申し訳なさと恥ずかしさで一気に有希子の顔が見れなくなり、ソファーに乗っているクッションで顔を隠した&体育座りのような形で

 

「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい」

 

呪文のように謝罪をする僕

 

「ほほ〜今の言い方だと神崎ちゃんのは見てもいいって言い方だね〜」

「中村さん⁉︎しょんなことはないよ⁉︎は、恥ずかしかったから…」

「ふ〜ん、じゃあな〜んで、さっき少しだけ胸張ってたのかな〜?」

「しょれは…しょの…」

「見て欲しかったんじゃあろう〜?むっつりめ〜」

「はわわわ…」

 

チラッとクッションから顔を出すと

有希子もクッションで顔を隠している

 

「撃墜された人と自滅しちゃた子は置いておいて、大切なのは乳よりも人間同士の相性よ‼︎」

 

岡野さんの発言に茅野さんが首が取れる勢いで首を縦に振る

 

「では烏間先生の好みの女性を知っている人は?」

「あ!この前このCMであの女の人をベタ褒めしてた‼︎“俺の理想のタイプだ“って‼︎」

 

矢田さんがテレビを指差して叫んで皆がその映像を見た

それは霊長類最強と言われている女性だった

 

「この人を見てね、顔つきも、体つきも理想的だ。おまけに3人もいるって」

「「「理想の戦力じゃねぇか⁉︎」」」

「いや…強い女が好きって線もあり得るけど、なおさらビッチ先生の筋肉じゃあ絶望的だね」

「うぬ…」

 

筋肉質なのが強さの全てではないけど、これは筋肉質の人が好きなようにも見えてしまう

 

「じ、じゃあ手料理とかどうですか?ビッチ先生の料理スキルで烏間先生の胃袋を鷲掴みにするとか?」

 

奥田さんの案は結構良さそう

 

「えーと、烏間先生の好物って…」

「ハンバーガーかカップ麺しか食ってんの見た事ないぞ?」

「そうだね、意外とハンバーガーは難易度高いよ?

中途半端にやったら形が崩れちゃったり、味が薄かったり、変に濃かったりして…」

「あれ?尖りって料理すんの?」

「一人暮らしだからね、レシピと機材が有ればある程度できるよ。流石に本職の人にはボロ負けするけどね」

 

皆頭を抱えて

 

「あの人まじで堅物すぎんだろう…」

「なんか烏間先生の方に原因があるように思えてきたぞ…」

「でしょでしょ?」

 

ビッチ先生が共感を求めて、殺せんせーもおふざけをスルーされた事を思い出して泣き始めた

 

「カップ麺とハンバーガーばっかりだと健康に悪いからって事でビッチ先生がお弁当でも作ってくるとかいいんじゃないですか?」

「そうですね、それは2学期の授業が始まる時期で開始しましょう。ではまず、ディナーまでに出来る事はしておきましょうか」

「「「はーい」」」

 

何故かダウンしている有希子にちゃんと謝らなくては

 

「有希子…本当にすみませんでした。…軽蔑したよね」

「そ、そんな事ないよ!えーと此方こそ、意地悪してごめんね…」

 

ちょっと湿った空気になってしまった。

ど、どうしよう…何か…明るくなるような何かを…

あわあわしてると

 

「フフ、じゃあ皆と準備しに行こうよ」

 

手を引っ張って先導されてしまう

 

…やっぱり…無理に気を遣わせたかな?

 

「尖りさんが思っている事じゃないと思いますよ?」

 

律が僕にしか聞こえないように言ったけど、どういう事か聞いても全く答えてくれなかった…

 

 

 

 

夕食の時間になり、烏間先生が会場に入ってきた

 

「…なんだ、これは?」

 

烏間先生の席が岡野さんと中村さんにより占領されていた

 

「先生方は邪魔なんで、外の席で食べてくださーい」

 

困惑しながら烏間先生が外の席に向かった

それを見る為に皆が覗きに行った

 

「あれ?尖りさんは行かなくていいんですか?」

「うん、ちょっと眠いや。律は興味があるなら行ってくるといいよ」

「はい、では終わったら起こしますね」

「うん、おやすみ」

 

そう言われて僕は仮眠を取る事にした

 

「…本当にお疲れ様でした。ゆっくりお休みください」

 

 

これでE組の暗殺旅行は幕を閉じた



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日常Part2の時間

以前E組のコードネームを募集させたいただいたのですが、勝手ながら終了したいと思います。
来なそうとだな〜って思ったのと意外と案が出てきたからです。
考えてくださった方がいたのなら申し訳ありません。


[尖り]

 

暗殺修学旅行が過ぎて普通の夏休みに戻った。

夏休みは惰眠を貪る人も

夏休みの余った時間でバイトや勉強にあてる人、

殺せんせーのようにアクティブなことをする人もいるらしい

 

普段は僕は夏休みと言われる時期は,ほぼ仕事や映画鑑賞しかしてこなかった。

 

が今回の夏休みは違う!

律と有希子(親友たち)に買い物に誘われたのだ!

 

同級生との、親友との買い物が初めてだったので、今の僕はウッキウキでかなり浮かれているのだろう。

 

お洒落して僕の好きな怪獣のパーカーやTシャツを着てこうとしたら律に『普通の格好で来てください』とジト目で言われてしまった…

やっぱり唯の買い物でそんなに気合入れられるのはみっともないと思われたのかな?

 

「そろそろ時間かな?」

 

時間の10分前には集合場所に着いていた。

暇つぶしのスマホをいじるのをやめて、顔をあげようとする

 

「⁉︎」

 

いきなり視界を塞がれた、敵かと思い、反撃しようとしたが

 

「だ〜れ〜だ♪」

 

小悪魔のような、耳がゾワゾワさせる囁きをする人だった…この声って…

 

「り、律?」

「せ〜い〜か〜い〜で〜す♪」

 

振り返ると

ニヒヒと悪戯が成功したような表情の律だった

 

「どう?尖り君?驚いたかな?」

 

ちゃんとニコニコと可愛い笑顔をした有希子が律の少し後ろで立っていた

 

「えーと…あ!そうか、完成したのかなるほどね。そういうことかこの買い物って」

 

一美が作っていた、律の身体が出来上がったのだろう…

はぁ…ちゃんと報告してほしい…

本部から椚ヶ丘(ここ)まで大体電車で2時間半ほど…

今の律が電車に長時間、乗車して何かあったらどうする気なんだ…

言ってくれれば迎えに行ったのに…

それを彼女らに伝えると

 

「大丈夫だよ私が一緒に付き添ったからね」

「ていうことは…本部(あの場所)も知ったって事だね」

「はい、一般人が絶対踏み込まないような所でした」

「うん、ちょっと不気味だったよね…」

 

本部の場所まで知られたのだ。

もう彼女たちはレジスタンスに入るまたは一生監視が付く人生のどちらかになってしまったのだが…

まあしょうがないだろう、ちゃんとわかっててやった事だろうし…

これが既成事実というものか…

 

「まあいいや、律の生活必需品を買うことなんでしょ?

結構買うものあるだろうし早く行こっか」

 

女の子の日用品は多いと聞いた事があるし、急がねば

一週間分の物ものを買って…

あとはネット注文などで…

…と頭の中で買い物チャートを建てていく

 

「殆どの生活用品は用意されているので、あとは服を買うだけなのでそんなに急がなくてもいいですよ?」

 

そこはちゃんとしてるんだな…

 

「てか律はどこで住むの?」

「尖り君の家なんだって…」

「月一のメンテナンスや連絡などは尖りさんの自宅の方がやりやすいからですね♪」

 

まあ幾ら一美だろうと不具合などがあるかもしれないしね、仕方ないか…

 

「ちゃんと戸籍も作ってもらえて名前が丸律になりました!尖りさんのことはお兄ちゃんと呼びたい所なのですが今まで通り尖りさんと呼ばせていただきますね?」

「まあそれは律に任せるけど…」

 

(尖りさんの家庭事情から安易にそう読んではいけませんしね…尖りさんのお父さんの事も考えると特に…)

 

「じゃあ行こっか2人とも、服だけとは言っても女の子の装備()は2人が思ってるよりも大量に必要なんだよ?時間の限り厳選するから早く行くよ♪」

 

有希子がやる気全開で先導してくれる、

部屋着なら機能性重視で僕でも選べるけど…

 

何故か僕は青葉や一美が選んだ服、組み合わせでしか外で着てはいけないらしい。

 

『トガちゃんは一つ一つのアイテムはいいのに奇跡的に噛み合わない服装になっちゃうのよね…』

『良くも悪くも見た目を気にしないから、こうなっちゃうのかな〜』

 

あんまりピンと来てないけど、

有希子と律が仲良く過ごせるなら、僕は荷物持ちにでも何でも引き受けよう〜

 

「「ん?今、何でもするって…」」

「言ってはいないし、人の思考をトレースしないで」

「何でもするって事自体は否定しないんだ〜」

「何をしてもらいましょうかね?神崎さん?」

「んーそうだね……あっ!そうだ!女装してもらおうよ」

「…なるほどいいですね!

暗殺旅行中ではあまり見れませんでしたからね‼︎」

 

んー何を言っているんだ⁇

 

「ちょっと待って!

本人の了解を得ずに何でそんな話が進もうとしてるの⁉︎」

「え〜いいじゃないですか〜別に減るものではないですし〜」

「あの写真見たんだけど、尖り君とっても美人から、ね?」

「ね?っじゃない!化け物爆誕させてどうする⁉︎

筋肉がついた女装男子なんて悪夢でしかないだろ⁉︎」

「大丈夫ですよ?

私の本体が作った服で尖りさんの身体を少し隠しながら魅力を引き出す服を今殺せんせーに運んでもらってるので」

 

あーそうだった…

律は繊維を作れるようになってたから服なんて簡単に作れるか…

てか殺せんせー何してるんだよ……ああ、来た…

 

「ヌルフフ、お待たせしました。これをどうぞ」

「はい♪ありがとうございます♪」

「所で律さん、その姿で学校に来るんですか?」

「はい!これからはこの体で登校します!」

「そうですか、それは良かったですね。

またの機会に皆さんに紹介しましょうか。

では楽しんでください3人とも

…にしても女装デートとはやりますね〜

 

最後殺せんせーは何かメモって帰っていった

 

「「じゃあ尖り君(さん)」」

「「お着替えしましょうか」」

 

頭のネジがぶっとんでる人達(こういう人達)の対応は慣れている

 

「はい…わかりました…」

「「やったー☆」」

 

有希子と律がハイタッチして喜んでいる…

 

無理だと察して、

これ以上抵抗したらもっと酷くなる判断したら

 

早めに要求を受け入れる…これが傷を浅く済ませるコツだ

 

律に銀髪のウィッグと赤の長袖ロングスカートのワンピースなどを受け取り

 

個室のトイレで着替えた…

着替え終わり、律と有希子がキラキラとした眼で

 

「計算どうり…いえ計算以上にお似合いです‼︎」

「うん!本当に美人だよ!」

「あ、はい。そうですか…」

 

そう言われて男としてどんな気持ちになればいいのか…

ブスと言われるよりかはいいんだろうが…

 

「……えい♪」

「わぁ⁉︎ちょっと⁉︎」

 

有希子がワンピースのスカートをめくりあげようとした。

周りに男だとバレてしまったら僕はオワル、死んでしまう…

 

必死にスカートを押さえる。

 

「有希子さん〜?なんのつもりかな〜⁇

僕を社会的に殺したいのかな⁇」

 

ピキピキと青筋をたてて

有希子の顎を右手で挟むように掴み(痛くないように)

頬をムニムニと揉む

 

「ごめんなひゃい〜だっへ下着がどうなってるか気になっひゃんだもん」

「下着は男性ものだわ⁉︎そこまで落ちてないわ⁉︎」

 

全く…よくわからない好奇心わかしてくれたな…

 

「尖りさん、どうですか?サイズあってましたか?」

「…うん、怖いぐらいぴったりだよ」

 

くるんと回転してみる

 

「それは良かったです♪…ですが下着はつけてくれなかったんですね」

 

律が「ムー」とあざと可愛いような声を上げて言ってきた

 

なんかあの下着…僕のアレにすっごいぴったりだったけど…

何故かを聞くのはヤバい…地雷源過ぎる…

 

「そうだね、じゃあ早く行こうか」

 

もう僕は考える事を諦めた…

 

というかこれ以上は周りの目を集めてしまう…

流石にこの状況をあまり人の目に写りたくない

 

そして、この今日のやりとりを殺せんせーに盗撮されて

高画質、高音質でL◯NEグループにあげられるまでがテンプレ

 

 

 

 

それから、3人で洋服屋に行き

有希子の言った通りかなりの量を買った

ランジェリーショップに行く際

 

『尖り君は今は女の子なんだから大丈夫だよ?入っても』

『尖りさんの意見も聞きたいです!』

 

そう言われたから機能性重視で選んであげたら、

何故か引いたような反応された…マジで理不尽過ぎる…

 

フードコートで昼食を取ることになったのだが

律は有機物などを摂取することによって

活動エネルギーを得ているらしい。

他にも五感や三大欲求なども搭載してるらしい

もう完全に人間じゃん…

てか自動修復とか、一美のやつ本気出し過ぎだろ…

 

それで律はオムライス、有希子はパスタ、

僕はカレーを食べている

 

「尖りさん、このオムライス美味しいですよ!

一口あげるんで尖りさんのもの下さい!」

 

律の本音はカレーが食べてみたいって顔を書いてある、

まあそうなると思ってたし

律には色々体験させてあげたいから全然いいだろう

 

「はい」

 

スプーンにすくって律に差し出す

 

「…!あ〜ん」

 

律が幸せそうな感じで味わっていた。

そんなにこのカレーが美味しいかったのかな?

 

「尖り君…ん。」

 

有希子に呼ばれてそっちの方を見ると

有希子が少し前屈みになって、口を少し開けてアピールしていた。

 

「?…ああ〜なるほどね」

 

察して律にやってあげたようにやってあげたら、

有希子も律同様な感じで味わっていた

 

「はい、尖りさん…あ〜ん」

 

律が一口サイズにすくったオムライスを差し出してきたので…髪(ウィッグ)に付かないように左手でどかすようにして食べた

 

((なんか…色っぽい…))

 

「と、尖り君!はい、あーん」

「ハム」

 

((ドキドキする…ちょっと悔しい…))

 

それから、律と有希子がドンドン、テンションが上がったように食べさせ合いっこをしていたら

 

「なんなの…あの…美人、美少女達の絡み…」

「やべー…なんだあの世界…尊すぎる…」

「あれは男が入ってはいけない…神聖な領域だ…」

 

周りの人達が触ってはいけない、

高次元のモノを見ているような感じで見守られていた

 

青葉や一美とはまた別種類のもので疲れたが

とても楽しい時間を過ごせたと思う

 

 

そしてL◯NEグループにあげられていた動画に気づいた律が殺せんせーの日頃の変態行動をネット上に公開して殺そうとしていた…的確に殺せんせーの弱点を突く攻撃に『悪魔だ…』と思ってしまった…

だが国家機密がバレてしまうため、L◯NEグループでの晒しで律の矛を収めてもらった…あの時の律、雰囲気がすっごい怖かった…

 

 

 

 



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酔いの時間

課題を追わねばならない日々…辛い…マジで時間が…

訓練の時間の烏間先生のセリフ?を少し追加しました、内容は尖り君が心理戦や情報戦が得意というものです。
他にも読み直してて修正したものがあるのですが、多すぎて把握出来てません…かなり勢いで書いていたんだな〜と思い知りました


[フリー]

 

迫害を受けた僕はフラフラと散歩していたら村松の実家が運営するラーメン屋の近くに来てしまった為入ってみる。

 

「どうしたんだ?元気ねぇみてぇじゃねえか」

 

無難にラーメンを注文して

村松がラーメンを作りながら疑問に思った事を聞いてきた

 

「……それがね…村松…

親友に嫌われてるかもしれない」

「…もしかして、その親友って…神崎と律の事か?」

「うん、そうだけど…どうした?」

 

村松が深い溜息ついた

 

「いや、まあなんだ…お前ら仲いいんじゃねぇのか?てかこいつの認識はまだ親友なのか…いや友達よりかはましか…

「…うん、でも…今日ね家を空けて欲しいって

家から出てけって遠回しに言われたんだよ」

 

なんか反抗期の娘に暴言を言われた

父親みたいに落ち込んでるじゃねぇか…

 

「…何があったんだ…お前何やらかした?」

「特に心辺りはないんだけど…

強いてあげるなら、この前の後処理の為に徹夜してそのまま2徹しようとしたら有希子と律にばれて縛り上げられてちゃんとした人間の生活してくれって、寝かされたりとか?」

「何やってんだよ…」

「いや、でもね!そのおかげで後処理の大半は終わったんだよ!

すごいでしよ⁉︎本当なら三ヶ月はかかる量だったんだよ?」

「それは自慢することか?……いやすげぇんだろうけどよ…」

「まあ、あとは…

『なんで‼︎数日で‼︎律がだらけきってるの⁉︎

なんでもしすぎだよ⁉︎駄目だよ⁉︎

ちゃんと自分の事は自分でやらせないと‼︎律の為にならないよ‼︎』

 

『お世話するつもりがお世話されてしまうなんて…あと少しでダメになってしまう所でした…この間の記憶(データ)は削除した方がいいのでしょうが…勿体ないような…』

 

まあ少し構い過ぎだったかもしれないけど…そんなにだったはずだよ?」

 

結果として、律はその間のデータ(記憶)削除(封印)して家事類は当番制になった

 

「……お前…AIである律を堕落させるとか…怖えよ、ほいラーメン」

 

出てきたラーメンを食べてみる

 

「うーん…なんかあれだね…食べれなくはないね」

「はっきり言っていいぜ、不味いだろ?」

「そうだね、わざわざこれを食べるんだったら、スーパーの袋麺を食べた方がいいね」

「お、おう…マジではっきり言うじゃあねぇか…」

「あはは、ごめんね。まあでも昔ながらの味を楽しみたい人が出てくるかもね……はぁ」

 

(あ〜あ、また落ち込み出したよこいつ…だが話聞く限りそんなに嫌われるような事してなさそうなんだが…

ん?家を空ける?……今日ってもしかすっと…)

 

「ちょっと待て、もしかして今日お前、たんーー」

{あああ、待ってください村松さん!ストップです!}

「…いやでもよ〜これ放置すんのか?」

{そう…ですね…すみません…なんとか準備が終わるまで時間稼ぎとか出来ませんか?}

「…はぁ全く、しゃあねえな…

俺のやり方でやっからよ、

なんかあっても文句言うんじゃねぇよ?」

{はい!よろしくお願いします}

 

ラーメンを食べ終わって、この後どうするか考えてると

 

「尖りよーこの後暇だったらゲームでもしねぇ?」

「ん?…うん、やる」

「おう、じゃあ家上がれや。

この前スマ◯ラ買ったんだわ、それやろうぜ」

 

村松に誘われて家に上がらせてもらい、

2人でゲームをやっていたのだが

 

「グフ〜何故だ…そんなに勝てないものなのか…」

「ま、まあ最近やり込んでるし?慣れさえすればいい勝負するじゃねぇ…か?」

 

いや、マジでクソ弱え…

最近覚えたコンボ数個だけでここまで勝てるものなのか?普通…

まあ本人は楽しんでるみてぇだからいいんだけどよ…問題は…

 

「ちょっと拓哉〜!

あんまり尖りくんをいじめんじゃないわよ〜」

「うるせぇ!ヤジ飛ばしてくんな⁉︎別にいじめてねぇわ⁉︎」

 

母親に尖りが気に入られたみたいで、

側から見てもボロクソにやられてる尖りを見かねて、文句を言ってきた

 

「そうですよ、村松のお母さん。

これは勝負です、手加減とかされる訳にはいきませんからね」

「まあ、かっこいい事言うのね。お母さん応援しちゃう♪」

「はい、ありがとうございます」

 

まあこいつは美形で礼儀正しいしな、

ジャニオタの母さんにぶっ刺さったんだろうな

最初は本当に友達なのかとか

なんか騙されてないかとか言われたが…あ、また勝った…

 

「ま、まあ思う存分やってやんよ」

「うん、絶対勝つ‼︎」

「おう、まずはだな。

キャラの操作感と基本的なコンボを…」

 

 

 

 

こう意気込んで、指導してもらい、

それからやり合ってをし続けて

もう夕方に差し当たって

 

 

「はぁ…はぁ…勝った」

 

何十回とやって、なんとか勝つ事ができた…

 

{村松さん、ありがとうございます。準備は整ったので…}

「あいよ…じゃあ尖り、こんな感じでやればいいからよ」

「うん、オッケー‼︎これで有希子に挑んでくる‼︎

前にフルボッコにされたからね!」

 

無邪気な笑顔をして途轍もなく喜び、

次の対戦相手に対しての闘志を燃やしていた

 

「お、おう…が、頑張れ、応援してるぜ‼︎」

「今の僕なら倒せるはず‼︎じゃあ今日はありがとう!」

「ああ、じゃあな」

 

そう言って尖りが昼間とは真逆に

テンション高く帰って行ったのを見て

 

(あいつ…初心者に毛が生えたような俺に、

やっと一勝できた程度で…

本気でプロゲーマーの神崎に

勝てるとでも思ってるのか?

…まあ、でも幾ら神崎とはいえ、

手加減くらい…

…する…よな?…わからん…)

 

 

 

 

 

 

 

自宅に帰り、勢いよく玄関を開け

 

「たっだいま〜‼︎唐突だけど勝負を……ってこれは…」

 

部屋を見て1番に目に写るのは、ペーパーチェーンやバルーンアートなどの装飾でtheパーティールームのような感じだった

 

「「「「尖り君(さん)(トガちゃん)、誕生日おめでとう〜」」」」

「え?そうだっけ?」

 

クラッカーを放たれて、

スマホを確認してみると今日は8月26日だった…ほんとだ〜

 

「も〜トガちゃんったら〜毎年忘れるんだから〜」

 

そういえば、もうそんな日だったのか…

時の流れはあっという間だな〜

 

「あ…ごめん、僕覚えてなかったから、何も準備できてないんだ…」

「いや、何故主役が準備するんですか…」

「じゃあ…よし、そうだ!

幾らか夕飯の用意は出来てるみたいだけど、

もう一品ぐらい作るね」

 

ガタっとキッチンに向かおうとする尖り君を止めとうとすると

 

「やらせてあげなよ〜

彼も祝えてもらえて舞い上がってるだけだからさ〜」

「そ、そうですね…まあ」

 

一美さんにストップがかけられてしまった

 

(尖り君の手料理食べてみたいから、いっかな?)

 

暫くたって出来た料理を持ってきた尖り君が

 

「あ、そうだった。ねぇみんな食べ終わったら、今日買ったスマ◯ラ(これ)やろうよ」

 

あ、これ私も前買ったやつだ、尖り君買ったんだね

 

「はい、じゃあチャッチャッと食べて皆さんで遊びましょうか」

 

 

みんなで賑やかに楽しく料理を食べていた時

ふと気付いた

 

「ねぇ、教官は来れないのか?」

「お義父さんだったら少し忙しくなるらしいけど、今日中には来れるはずよ?」

「そっか、夕飯は食べてく感じだった?」

「多分こっちで食べるじゃない?」

「じゃあ、幾らか取っておこうか」

 

別容器に一人前ぐらいの量を取り置いて冷蔵庫に入れた

 

そして食べ終わりとうとう僕の訓練成果を見せる時‼︎

 

 

 

 

 

の…はずだった…

 

 

 

「やっぱり尖り君ってさ」

「弱いですね」

 

ぐぬぬぬ…何故だ…村松の時は30秒ぐらいは堪えれたのに…彼女たち相手では10秒も持たずにやられるだと…

そして我がメンバーときたら…

 

「おおお……よし!見えた!」

「このプログラム的に…こうかな?」

 

青葉は男キャラの下着を見ようと躍起になってるし

一美はゲームのバグを粗探しし出してるし…

まあ期待はしていなかったけどさ…もう少しこう…

 

「でも尖り君なんか少し上手くなったよ?」

「はい、前見た時よりも動きがスムーズでした」

「ん?あーそれはね…ふふふ〜

実は午後に村松に教えてもらってね、

基本操作感をつけていたんだよ〜」

「…⁉︎」

 

なんか、律と有希子が衝撃を受けた表情をしていた

 

(そっか…そうだよね…

下手だったら教えてあげればよかったんだ…)

(尖りさんは何故かいじめたくなるのですが、失念していました…)

((村松君(さん)に先を越されてるとは…じゃあ))

 

「「尖りさん(君)!」」

「は、はい。なんでしょう?」

 

有希子と律に肩を掴まれて真剣な目で

 

「今日覚えてきた事全部忘れて」

「え?!?!なんで⁉︎」

「これは尖りさんにあったものではありません、ですので…」

「「私色に染め直す(教えてあげます)‼︎」」

 

問答無用でモノの基本を叩き込もうとされた

 

「よし、これでまずオンラインでやってみましょうか」

「うん、ちゃんと基本操作とコンボも教えたからね、やってみよっか」

「あ、うん。わかった」

 

オンラインに切り替えてやってみたら、

村松にはほんっとうにすまないが

短時間でかなり成長した感じがする…

 

そして、最初は順調に苦戦しながら戦えていたのだが…

とあるプレイヤーに当たった

 

『下手すぎw』

『もうこのゲームやめて働けw』

『雑魚乙』

 

などと言った暴言や煽りを繰り返すプレイをされ、

かなり一方的にやられてしまった

俗に言う害悪プレイヤーというのだろう…

 

まあ所詮ゲームでの出来事だから、

そうなんだけど…でもやっぱり…悲しくなるね…

 

「あ〜うん…違うゲームをやーー」

「ごめんね、尖り君、ちょっと替わるね」

「はい、フレンド申請が来てるのでお受けしましょう

…舐めたメッセージと共に」

 

有希子と律が目が血走っていて、無表情で

今にも人を殺し出しそうな様子だった

 

「んー国家機密が関わってる事を忘れなきゃいいよ〜何やっても」

「「はい‼︎絶対ぶっ殺します‼︎」」

 

一美の謎の助言で完全に殺る気マックスになってしまった

 

「いやいや‼︎止めろよ⁉︎

いや僕そんなに傷ついてないからね?よくある事だろうし…」

「「うるさい‼︎黙ってて‼︎」」

「えぇ…」

「まあ見ててあげなさいよ。乙女の力を、ね?」

 

青葉が謎の力を観察しろと言ってきたが…

まあ僕の為にやろうとしている事だから

嬉しくなかったと言えば嘘になるけど…よし

 

「うん、わかった。後は頼んだよ?」

「「うん、絶対仇を討つよ‼︎」」

「ほどほどにね…」

 

そこから

さっきの対戦相手を有希子がぐちゃぐちゃにしてから、

律がチャットでのやり取りで対戦相手の心をへし折り、住所特定までしだしたから流石にストップをかけて終わらせた

 

 

 

そんな事をしていて、

もう遅いから有希子を帰そうとしたら今日は泊まるから大丈夫だという事だった。

有希子と律がお風呂に入ろうとした時に

一美が一緒に入ろうとしていたのでちゃんと抑えつけておいた

みんな入ったぐらいで

 

玄関の扉が開き、スキンヘッドの平均男性ぐらいの身長の人が入ってきた

 

「お、すまんなお前ら遅れた」

「あ、おかえりなさい教官」

「ああ、誕生日おめでとう尖り」

「うん、来てくれてありがとう」

「そして今は任務外だ、お父さんと呼びなさい」

「あ、ごめん。お父さん…じゃあ上着脱いで」

 

上着を受け取り、消臭などをして玄関の所にかけておき

 

「どうする?夕飯取っておいたけど、先にお風呂にする?」

「そうだな…先に夕飯を頂こうとかな」

 

そう言われて、ご飯を温めてにいった

 

「…夫婦のやり取りみたいですね」

「そうだよね……でもなんか…」

「む?君たちは…確か…」

 

さっき尖り君と会話している時の優しそうな表情とは

打って変わって鷹のような目で私たちを観察している

 

「は、はい。えと…あの…は、初めまして

尖り君のクラスメートの神崎有希子です!」

「同じく、ク、クラスメートです後輩の丸律です!」

 

背筋をピーンと正して、ガチガチに緊張しながら自己紹介をする

 

「お義父さん、そんなに睨んじゃダメよ、怖がってるじゃない」

「おっと、すまんな、尖りから話は聞いていたのだが、

どんな子が来るのかと思ってな、すまない。

俺は丸義人(がんよしと)、尖りの父親だ。

いつも尖りが世話になってるな、律君と有希子君」

 

青葉さんにそう言われて、はっと気づいた様子で雰囲気を柔らかくする

 

「いえ、そのいつも助けてもらってます」

「全く〜尖り君の事になると怖くなるんだからこの親バカは〜」

 

(普段の生活から暗殺という黒い部分が急遽組み込まれたからか、度胸は十分か)

 

「まあいい…俺は尖りが提示した条件で我が組織に入ることは許可しょう」

「はい、ありがとうございます」

「……あ、あの…一つ聞いてもいいですか?」

「どうした?答えられる範囲ならいいが…」

「尖り君とは何かあったんですか?

仲がいいと聞いていたのですが、

何か少しだけ溝がある様に見えたのですか…」

「…まあ、なんだ…

尖りの奴は負い目があるのかもしれんな、

自分が妻と娘の代わりにはなってはいけないと、だが家族として受け入れてもらっているからには、ちゃんと接しなくては失礼、とも思っているから少し気まずいんだろうな」

「そう…なんですね…すみません…そんなこと聞いてしまって…」

 

そうだった…この家族は…

 

「そんな顔するんじゃない、

俺はこの関係でも充分幸せだし

空いてしまった溝を急いで埋めたとしても

仮初の関係しか築けないからな」

 

私の頭をポンと手を置いてニヤリと笑った

 

「ゆっくりでいいんだ、あいつの気持ちの整理ができた時で、な」

「そうですね、きっと来ますよ」

「彼そろそろくるよ、自分の誕生日でしんみりした

雰囲気になってたら可哀想だよ」

「そうですね、尖りさんそういうの敏感ですからね?」

「一人で生きていける様で生きていけない人だしね?」

 

(尖りから聞いている通りのいい子達なんだな)

 

 

「よーし、お父さん出来たよ〜……って何してんの?」

「ん、いやなんでもない。少し話をしていただけだ」

 

やっぱり、ちょっと奇妙に感じているみたいです

 

「大丈夫?なんか変なことでも言われた?」

 

尖りさんが心配した様している、よし

 

「ううん。大丈夫だよ」

「はい、特に何もなかったですよ?」

「ならいいけど…」

「じゃあ、さっきの続きするよ」

「そうですよ、もうあんな人に負けない様に

ならなくちゃならないんですからね⁉︎」

 

彼女たちの真剣そうな雰囲気に圧倒されて

 

「は、はい!わかりました!」

「うん、まず時間制でやろっか」

 

 

お父さんも最初は物珍しそうに観ていたが、

僕の負け具合に見るに堪えなくなり、

参戦したが共々散っていって、今お風呂に入っている

…本人は拗ねたわけではないと主張してはいたが…

 

 

(よし、トガちゃんをちゃんと支えてあげた

彼女たちにご褒美をあげちゃおう)

 

ある物をトガちゃんの飲み物に混ぜる

 

 

そして…

 

(あれ…なんかふわふわしてきた…)

 

そばにいた有希子の背中に顔を埋めてみた

 

「ふにゃぁ⁉︎…ど、ど、どうしたの?」

「な〜んか、やってみたくにゃっちゃった〜…ダメ?」

 

突然の奇行にびっくりしちゃって体を仰け反らせ困惑して、

トガちゃんの様子に撃ち抜かれたようね

 

「う…いいよ…その…やさしくね?」

「やっだぁ〜しぇなかやわらか〜い」

 

スリスリとユキちゃんに戯れるトガちゃん

 

その攻撃に必死にくすぐったさを堪えて、身悶えて

口に手を当てるユキちゃん

 

そしてそれを顔を真っ赤にしながら見ている…

 

「はわわわ、ど、どういう状況ですか⁉︎

エッチですよ⁉︎やらしいですよ⁉︎」

「これはお酒に酔って理性が外れたトガちゃんよ」

「そ、そうなんですか…でも尖りさんお酒なんて…」

「大丈夫よ、私が盛っただけだから」

「何にも大丈夫な要素が存在してませんよ⁉︎」

「ふふ、それよりもいいの?リツちゃんは混ざらなくて」

 

そう聞くとリツちゃんが指と指を合わせながらモジモジと

 

「凄く羨ましいですけど…その…心の準備が…」

 

凄く混ざりたいと思ってる人をどうすかと考えていたけど

 

「む〜〜りちゅー!そんなとこ、いないでこっちきてー!」

「ふぇぇ⁉︎ええっと、その…」

 

トガちゃんが促すように自分の側の所を手でポンポンと叩いて誘導している。

それでも、リツちゃんが決めかねていると…

 

「ん"〜〜〜なぁ〜んで!こないの〜!」

 

なかなか来ないリツちゃんに

痺れを切らしたトガちゃんが

サイレンの様な声を上げながら

バンバンと音を立てて不安を主張している

 

「は、はい。今、行きます!」

 

覚悟を決めて尖りさんの所に近づくと

ガバッと抱きついてきました。

お腹の部分に戯れて

なんか赤ちゃんみたいでかわいいです。

普段はこんな姿、絶対見せないから余計に…

 

「むむ、尖くーん。こっちおいで〜」

 

神崎さんが両手を広げて、誘惑しようとしています。

尖りさんがきょとんとしてそっちに行こうとするので

強く抱きしめて逃がさないようにする

 

「ダメでーす、行かせませーん」

「わわわ、ゆごげない…」

 

拘束して尖りさんを行かないようにしてると

神崎さんがほっぺを膨らませて、ハイハイの様に近づき

 

「さ〜きまでは、私にとっても恥ずかしいことしてくれたのにそういう事するんだ〜…えい」

「あっ、ずるいですよ」

 

神崎さんが飛びつき尖りさんに抱きついた。

一緒になってもみくちゃにしていると

 

(苦しい…喉乾いた…)

 

突然尖りさんが私たちを押し出して、机にあった自分の飲み物を一気に飲んで、ビシッと指を向いて

 

「りちゅとゆきひょは、しぇんぱいをにゃめ過ぎです!」

 

呂律を回っていない口調で

 

「僕をいじめるのも、いい加減にしなしゃい。

僕を除け者にしてぇ〜〜…寂しかったんだよ…嫌われたんじゃあないかって」

 

ズーンと悲しい雰囲気になって、話をしました。

確かに少し強引な感じだったかも知れませんけど、それ以外やり方を思いつかなかったのでそれで決行しましたがこんなに不安にさせてしまうなんて…

 

「あーなるほどね、帰ってきた時ほんの少しだけ暗かったけど…そゆことかね」

「ダメじゃない、トガちゃんは感性が少しずれてるんだから、

そんな事しゃちゃぁ…」

「「ご、ごめんなさい」」

 

一美さんと青葉さんに少し怒られて反省していると

 

「でーも、僕のためにやってくれた事だから許しちゃう♪」

 

るんるん気分に変わって蕩けた笑顔でそう言ってくれた

 

「だが!次からは僕も参加しゃせることだぞ?」

 

たとえ酔っていたとしても、優しい事には変わりないんだね。

ほんとうに…

 

「よし!」

 

突然尖り君が立ち上がって何かをしようとしている

 

「学校行く!ころしぇんしぇいを暗殺するんだ〜」

 

絶対さっきお酒を追加で飲んだからだー‼︎

もう顔が真っ赤っかだよ〜‼︎

尖り君って酔った姿がこんなに可愛いなんて…

…ってまずいまずい止めなきゃ

 

「ダメだよ!こんな時間にこんな状態で外でちゃあ駄目だよ⁉︎」

「そうです!それに今殺せんせーはアマゾンでピラニア釣りをしていますから学校に行っても殺せんせーはいませんよ⁉︎」

 

と玄関向かおうとしちゃうのを必死に止めようとする…

感動を返して欲しいな…

 

尖り君を止めるのに苦戦していると、

尖り君のお父さんが流れる様な手つきで

手刀で気絶させ、担ぎ

 

「はぁ全く…誰だ…尖りを酔わせたのは…

…またお前だな…青葉」

「い、いえお義父さま…あの子達の息抜きになればと…」

「それで暴走させた事が幾らあると思っている!

この前はあと少しで襲われそうだったんだぞ‼︎」

 

青葉さんが叱られている途中にちょっと気になる発言があった

 

尖り君が部屋に連れてかれてしまった、

多分寝かされたんじゃないかな?

 

「あの…尖りさんが襲われる寸前だったとは、

何があったんですか?」

「そうね、前の任務の打ち上げの時に襲われそうになったのよ…」

 

まあ気持ちは良くわかるな…襲ってやろうかと思ったもん

 

「あ、男によ?」

「えええ?!?男の人にですか⁉︎」

「まあ中身がめちゃくちゃ可愛いし、普段はそんな雰囲気あまり見せないけど、酔ったら甘えん坊状態になっちゃうから男心にもキュンキュンしちゃって、ほらギャップが凄いじゃない?

まあ女性人気を高いけど、男性人気の方が高いのよね〜」

 

そ、そうなんだ…

 

「あーそれとね、尖り君はね。

酔った時の前後の記憶が完全になくなるから、

深夜テンションでやった事も記憶から消えるから安心しなよ」

 

ちょっと興奮し過ぎちゃったから、

冷静になって、どうしようと思い始めてたから安心、かな?

 

「あの、質問です!」

「何かな律ちゃん君」

「尖りさんは未経験ですか?」

「ちょっ律⁉︎」

「いえ、記憶が消えてしまうなら自分は知らないだけで…」

 

確かに…さっきの尖り君は無防備すぎだったし…でも…

 

「大丈夫〜安心してよ、前も後ろも未経験だよ?」

「「後ろ?………あっ」」

 

想像が出来てしまって、顔が赤く染まってしまう

 

色々と妄想してしまう前に寝てしまう事にした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うう…」

 

いつの間にか寝ていたのかな?

起きたら朝だった

少し頭痛が残っているけど…何かしたかな?

記憶を探ってみるけど心当たりがない…

まあよくある事だから気にしなくていいかな?

 

「あ、おはよー、2人とも」

「あ、起きたんだね、おはよう」

「おはようございます!

ご飯、出来てますよ食べちゃいましょうよ」

 

2人が作ってくれた朝ご飯が並べられていたが

少し気になる所があった

 

「あれ?あいつらは?」

「青葉さん達なら朝早くから

仕事に行っちゃいましたよ?」

 

なるほど、やっぱりか…まあ多忙な身で

僕の誕生日を祝ってくれたんだ感謝しないと

 

そして、何故か律と有希子が両手を広げて受けの構えをしている

 

「何をしてるの?何の構え?それ」

「いえ、なんでもないです。」

 

何か、誤魔化すようにそそくさと

朝ご飯を催促されたのだが、その際に

 

『『私の居ないところで、絶対にお酒の席に行かない事飲まない事‼︎

わかった‼︎(わかりましたか‼︎)』』

 

と言われたけど、僕が寝ている間に何かあったんだろうか…

 

 

 

 




尖り君の酔いの甘々モードはその人に対しての好感度に批准して変化するモノという事でしょう…
…頑張って可愛く書いたつもりでしたがどうでしたかね?

後そして…

約2ヶ月!放置!すみませんでしたー‼︎

感想欄で僕が調子乗って宣った事…
…何卒セーフになりませんか?
…なりませんか…そうですか…
はい、すみませんでした…
本当に下手な事言わない方がいいと
よく分かりました…
リアルの方が忙しくなるので、更新はかなり空いてしまうのかな?


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夏祭りの時間

あけましておめでとうございます。
かなり期間が空いてしまっていたのですが、リアルも忙しかったのですがモチベが全く上がらなかったからです。
その対策としてあとがきにも書いてあるのですが他の作品を初めてみようかな?と思います。
まだ特に生身がないような感じでスタートになってしまうのですが出来上がったら投稿してみようと思います。

今回から地文に
三人称視点的なものを入れていこうと思います。
前回はなんか拘りすぎて気持ち悪くなってたと感じたので…
あと[]←なくしてみました。

また変更するかもしれませんが、その都度報告させたいただきます


「情報によると東南アジアの宗教団体の過激派が動きを見せたらしいです。今、情報源の裏どりや動機などの調査を行っていますが……」

 

今レジスタンスの本部で僕は資料を確認しながら、

情報共有(会議)している。

 

「なんかさ、機嫌いいよな?」

「うんうん、前まではピリピリしてたからね」

「前なんか、俺が資料持ってきた直後に淡々と誤字や情報の漏れを指摘してきたからな~、しかも同時に別の仕事もこなしながらだせ?」

 

丸尖りは私生活の時は普通に接してくれるが、

勤務中では仕事に集中力を注ぎ込んでいる、よって人への返答や接し方が最小限になっている。

圧倒的な情報処理能力なら仕事しながらでも普通に接することができると思われるが、彼はベテラン職員40人分程の仕事量を常に抱えていている。

それでも最小限のコミュニケーションがとれるのは優秀である証拠だろう

 

「あ〜あれね、仕事しながら怒られるのなんか怖いよね」

「私たちのなんか興味ない感じで、いつ見てもセカセカと仕事してたもん」

 

他の職員をおそろかにしている訳ではなく

単純にその仕事量が多すぎて職員とのコミュニケーションの方に手が回っていないだけである。

彼のメンバーや彼の私生活まで良く知っている人でないと分からない。

そもそも彼の私生活の様子を知っている人は少ない。

常に事務仕事ばかりで現地に向かうこともある。

そんなことをしているから、丸尖りの私生活を観る機会はあまりない。

 

「この前な、俺が作戦会議の時、日本政府の連中に情報の小出しで確認不足がなんたらでいちゃもん付けられそうになった時、サラッと連中黙らせたもん」

「マジでニッコニコで情報の小出しで起こりうる危険性をわかりやすく説明して、そいつの国家予算の横領とか知られちゃまずい秘密やらを本人のスマホに送ったりして警告出したりとかしてくれたんだぜ?」

「うっわエッグそぅ…」

「その場にいた俺も心臓キュッとなったわ」

 

ハードワーク時の彼の姿しか見ていない、

人には少し怖がられてしまっている。

 

「お前ら、そんな事言ってられるのも今のうちにだぞ…

飲み会の時の副指揮はやばいぞ…」

 

ボソリと1人が言った

 

「どんなどんな⁉︎」

「それはな〜」

 

ガン

 

この人達は話しに夢中で忘れていた…

今この場がどう言う場かを…

 

「ねぇ?君たち」

 

冷ややかな声で資料を叩きつけた丸尖りが目の前にいた

 

「会議中に話す余裕があるなら君たちが代わりにやる?」

「「「す、すみません!」」」

 

謝罪が来た後、すぐにプロジェクターの前に戻り

 

「後でこの会議の内容を送るからちゃんと確認する様に」

「「「はい‼︎申し訳ありません‼︎」」」

「はい、では続きに入ります。中東のクーデターをけしかける組織が徐々に活動をしている傾向がありますが、おそらく本格的に動きだすのは数年後程になると言うことで……」

 

この後、会議はちゃんと進み終わらせ

今日は業務は終わらせ、帰ろうとしていたが

 

(やっぱり、何か油断がありそれにより意識の緩みが生じているのかな…

…普久間のホテルもそうだった…セキュリティなどの設備は決して悪くはなかった。

だが警備の質やトラブルへの対応など全くなっていなかった)

 

普久間のホテル側の警備の対応が適切であるなら、17人という大人数が無事に潜入する事はほぼ不可能であったと思う

 

「いくらそこが厳重なセキュリティが組まれていてもそれを扱う人間が駄目なら一気に崩壊する」

 

そう、これはレジスタンスの本部も例外ではない。

さっきの会議中の雑談は油断があり、それにより慢心があるのかもしれない…

常にピリピリとした空気でいる必要はないが

締めるとこは締めてもらわないと本当に危険な状況に陥る可能性が…

 

「な〜〜に、難しいこと考えてんすか!」

「ひゃん‼︎」

 

思考が掻き消された。

臀部を触られることによって

 

さっき何かを呟いていた奴か…

 

「ウホ…いい揉み心地…」

「いい加減にしろ‼︎貴様‼︎」

「グェ‼︎」

 

変態の腹部に後ろ蹴りを喰らわせて引き剥がした

クソでかため息を漏らす

 

(ほんと、油断とかメリハリとかそんな事の前にセクハラ(これ)なんとかしなきゃいけない…)

 

ずっと前から色んな人から受けている…

律と有希子が入ってくる前になんとかしなければ…

 

(他の職員からの苦情とかは全く来ないがみんな何か対策あるのかな?特に女性職員とかどうしているんだろう…今度聞いてみよう)

 

 

 

 

 

それからあらかた仕事を終わらせて電車に乗り、駅から出るとなんだかいつもより人が多く感じる…まあいいか帰ろう

 

「帰らないでください⁉︎仕事お疲れ様です‼︎

こう、仕事疲れをパァーと発散しませんか⁉︎」

「ドウドウ…落ち着いて、あんまり騒がない」

 

いきなり現れた殺せんせーに止められ、焦ったように騒ぎ立てるので一旦落ち着かせる…ほんとに国家機密である自覚あるのかな?

 

「失礼しました…ゴホン、今夏祭りをやっておりまして

今日夏休み最終日ですし皆さんで遊べないかなと思っていたのですが…思いの他、断る人も多くて…ゔっぐ、ゔっぐ」

「あーなるほど、了解しました…」

 

そういうのは早めに誘わないと…

 

「じゃあ律に連絡して…」

「その点は問題ないです。

今神崎さん達と一緒に浴衣着て向かっているらしいので」

 

じゃあ問題ないかな?

 

「わかりました、では勧誘活動頑張ってくださいね?」

「なんか聞こえ悪いですが…では行ってきます」

 

そう言って殺せんせーはすぐに飛んでいった

 

「目立つなって言われてるだろうに…

まあいいや、えっとこっちかな?」

 

トコトコ歩いて行くと

スマホのアラームを鳴らしてオドオドとしているおばぁさんがいた。

周りはうざそうにしていて関わらないようにした。

 

「どうしましたか?大丈夫ですか?」

「あぁ、すみません。これの止め方はわかるんだけどこのぱすわーどが分からなくて」

 

貸してもらって、ロック画面が初期型ぽい、スマホの殆どの初期パスワードは大体

 

「あ、1234で開きましたよ」

「あぁ、ありがとうねぇ」

 

アラームを止めてあげてスマホを返してあげると

 

「それにしても人多いねぇ」

「はい、そうですね。夏祭りらしいのですので迷ったりしないでくださいね、では」

 

これで僕は行こうとする

 

「それでねぇ、孫もいるんだけどねぇ。遊んであげるんだけど難しい言葉をよく覚えてくるのよね」

「はい、そうですね。子供の頃の吸収力は凄いですもんね、では」

 

これで僕は行こうとする

 

「それでねぇ、孫が産まれてから娘達方も仕事ばっかであんまり会って話せないのよね」

「はい、そうですか。娘さんもそれぐらいの時期だとお仕事大変でしょうお孫さんを寂しがらせないであげてくださいね、では」

 

これで僕は行こうとする

 

「それでねぇ……」

 

あれ?

 

なんかおかしい

 

「それでねぇ…」

 

やばい…

 

どうしよう

 

完全に沼にハマっちゃった(おばぁさんの無限トークに捕まった)かもしれない…

悪意でかかってくるなら思う存分に叩き潰すところなんだけど…

 

このおばぁさん唯話がしたいだけで悪意なんて微塵も無さそうだし

なんか娘さん達と疎遠になってきてるとか聞かされて…どうしよう

 

「あ、尖り君どうしたのそんな所で」

「あ…えっとね」

 

有希子達がやってきてくれたけどどうやって説明しよう…

この無限会話地獄を…

そう困っていると察したように

 

「もう全く駄目じゃないですか。

知らない人に迷惑かけさせちゃダメですよ?

すみませんご迷惑をおかけしちゃいました☆」

「はい、そろそろ時間なので、お世話になりました」

 

律が僕をペシペシ叩き、有希子がしっかりとした謝罪をした

 

「そんな事ないわぁ…ありがとうねぇ、バイバイ」

「はい♪さようならおばぁちゃん!」

 

律と有希子の起点でこの場を脱することができた

 

「ほんとにありがとう…

完全に詰んでたんだよ…」

「あはは…何があったの?」

「ん〜人助けしたら引き際を間違えたって感じかな?」

「無限に話しそうな感じだったわね」

「まあ悪い人では無さそうだったからね」

 

ふっと心を落ち着かせると、片岡さんと倉橋さんが

 

「あ、ねぇねぇ〜尖りちゃんさ〜」

「はいはい、どしたの?」

「なんか言うことあるでしょ?」

 

ニヤニヤしながら律と有希子を指差している…

…ふむ……なるほど…

 

「律も有希子も似合ってるよ。

うん!かわいいね」

「えへへ〜ありがとうございます♪」

「う、うん。ありがとうね」

「そして片岡さんと倉橋さんも似合ってるよ」

「「………」」

 

片岡さんと倉橋さんも褒めると

律と有希子が両耳を引っ張ってきた

結構痛い

 

「あはは、まあこうなっちゃうとは思ったけどね…」

「やっぱりまだまだ道は遠いってことね」

 

ようやくお祭り現場にたどり着いた

 

「いやぁ、思いの外集まってくれて良かった良かった〜誰も来なかったら先生自殺しようかと思いました」

「なら来ない方が正解だったわね」

「そうですね、今から連絡して皆さんに帰ってもらうって事も…」

 

片岡さんと律がなんてブラックな事を…

 

「まあ来てしまったものはしょうがない。えっと…みんな夏祭りってどこから周るものなの?」

「そうだね、射的とか金魚すくいとかかな?」

「あっ!賛成〜!いこいこ」

 

4人で射的のお店に行き、

千葉と速水さんとも合流して6人でやると…

 

「お前さんら…もう来ないでくれ…なんでそんな取れんだよ…おかしいだろ、今時の若いのってみんなこうなのか?

 

6人で景品を狩り尽くしてしまった。

でも出禁ってことはないでしょうに…

まあもう景品ないから出禁でも状況は変わんないか…

 

「マッハで動き回らない的とかイージーすぎてなのよ」

「馬鹿みたいに取りすぎた」

 

E組のスナイパーもこれにはニッコリ(苦笑い)

それから金魚すくいに向かい、そこでも…

 

「やり過ぎました…金魚の動きが予測通りすぎまして」

「うん面白いように動きが読めちゃうから…同じヌルヌルなのにこの差はなんなんだろうね?」

 

僕たちは何故学習しない⁉︎

何故同じ過ちを犯す⁉︎

有希子は超生物と比較しないであげて、金魚がかわいそうだよ

 

「でもどうするか…」

 

流石にこの量は飼うにしてもほぼ確実に大半が死ぬだろうし…

そう悩んでいると磯貝来て

 

「あっ!いらないならくれないか⁉︎」

「え、いいけど…そんなに金魚持ってどうするつもりなのよ…」

 

片岡さんの言う通り貰ってくれるのはありがたいんだけど、

もうすでに袋一杯の金魚袋を二つ持っている。

 

「ん?ああ、うち貧乏だから金魚で食費浮かせようとしてたんだ」

「え?食べれるの⁉︎」

「結構うまいぞ。おろして味噌に漬けて食べるんだけど、金魚って食べる所少ないからさ、結構量いるだよ。頼む‼︎」

「まあそれは全然良いだけど…お腹壊さないようにしなさいよ」

 

みんな磯貝に渡して

 

「僕が獲ったこの金魚たちを名前つけて食べて」

「怖いこと言わないの」

「愛着わかして無に返そうとしないで普通に渡してください⁉︎」

 

料理は愛情がスパイスと言うしいいんじゃと思ったけど違うらしい。

流石に金魚の持ちすぎであったらしく片岡さんは磯貝について行った

 

それから殺せんせーが色々な屋台を出してたりして小遣い稼ぎしているのを目撃したり、そこで屋台のご飯食べたりしていると

 

ヒュルルルルル〜〜ドォン‼︎

 

1発目の花火が上がり、そして次々と打ち上がっていく

 

「わぁ〜綺麗〜」

「すごいなぁ」

「なんか打ち上げ花火観るとさ、夏が終わっちゃうな〜って思っちゃうんだよね」

「確かに打ち上げ花火の殆どの場合が夏休み期間の終盤ですもんね」

 

みんな感情に耽っている。

僕的にも仕事帰りに見かけた時はデカイ蚊柱程度にしか思ってなかったけど…誰かと楽しんだ後の打ち上げ花火に感動した

 

明日から夏休みも明け二学期になる。

また勉強も暗殺も次のステージに向かうだろう

ほぼ確実に何かは起こる、

ちゃんとそれにちゃんと対応しなくては……

 

 




モチベが全く上がらないので気分転換を兼ねて別に書いてみたかった作品に飛び付こうと思います。
この作品を読んでくださっている皆さんには本当に申し訳ありません。
確実に更新頻度が遅くなりますが、気長に待っていただけると幸いです。


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