緑谷出久は光と雪の守護者 (雷神 テンペスタ)
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プロローグ〜黒衣の死神と大空との出会い〜

皆さんすいません。マフィアでヒーローを書いている時に、リボーンの原作沿いを書いた後に書けばよかったと後悔して、リボーン原作沿いを書きたいと思います。

出久が並盛来る時期は獄寺が登場する時期になります。

始まりは、マフィアでヒーローと一緒です。
出久視点です。

【2021年2月28日追記】

爆豪を双子にしました。ヒロアカまで本人達は出ることはないですが、出久の口からは出ると思います!


《ひどいよ。こっこれいじょうはっ、ぼくがゆるしゃなへぞっ!》

 

《ムコセーのくせにヒーローきどりかよ!デク》

 

 

ジリリリリリリリリリリ!!

 

「ーーー夢か」

 

目覚まし時計で目が覚めた僕はそう呟いていた。あれは僕が4歳、個性がないと診断されてから1週間後の出来事。懐かしいような情けない夢だな。人は生まれながらにして平等じゃない齢4歳にして僕はそれを知った。無個性だとわかった瞬間のみんなの態度は目に見えるほどに変わっていった。それと幼馴染の双子(男女の)がいて、無個性とわかった途端に男子の方は僕をいじめるようになった。それがあの夢の子。

 

「…はぁ…」

 

ちなみに僕は中学1年の春休みで特別仲のいい友達は作れなかった。小さい頃にはいたけどね。幼馴染の双子の女子の方は、男子の策略によって今は話せていない。

 

「出久〜!お父さんが帰ってきたわよ!」

 

「わかった〜!」

 

だらだらしようと思ったら下からお母さんの声が聞こえ、下に行った。リビングに入るとそこにはお父さんの姿があった。僕のお父さんは単身赴任で海外に出張していた。何の仕事かは、教えて貰っていない。

 

「久々だなぁ。出久。元気だったか?」

 

「何とか元気だよ!」

 

「そうかそうか…。で、早速だが、話があるんだ。」

 

お父さんは、真剣な表情で僕に向けてそう言った。なんだろ?

 

「都心にある並盛町に、お前1人で引っ越してもらいたいんだ。」

 

「僕一人で?」

 

「あぁ…母さんにも話してある。急な話で悪いがいいか?」

 

本当に急な話だと思う。けど、さっきも言ったように僕には特別仲のいい友達もいないから別にいい。だから…

 

「いいよ。」

 

「本当にいいんだな?後悔しても遅いからな?」

 

「え?うん。」

 

この時お父さんのの言葉を深く受け止めておけばよかったんだ。僕はこの先のとんでもない戦いに巻き込まれていくと知らなかったーーー……

 

 

ーーーーーーー

 

そして時は過ぎて桜が舞っている4月になっていた。。僕は荷物を纏めて、並盛町に来ていた。お父さんが手配してくれたマンションは意外と広かった。お父さんの仕事がなんなのか、本当に気になるよ。

 

「お前が、久の一人息子だな。」

 

「え?…誰君!?」

 

僕の足元から甲高い声が聞こえ、そこを見たら、赤ん坊が黒いスーツを着て立っていた。

 

「俺はリボーンお前の家庭教師(カテキョー)だ」

 

「カテキョー?何言ってんの君。っていうか何で赤ん坊が喋れんの?」

 

「お前は俺のもう1人の生徒の守護者となって、マフィアになるんだ。」

 

質問無視された。って…え?この子今なんて言った?マフィアって言った?っていうか守護者?ヒーローと(ヴィラン)の二分されているこの世界にマフィアって極道のことだよな。あるのか?ていうかもう1人生徒がいるってどういう事?

 

「今から俺のもう1人の生徒に会いに行くぞ。来い」

 

「え?いきなり?ちょ!力強い!?」

 

僕はリボーンに手を引かれて、歩き出した。っていうか見た目に反してなんでこんなに力が強いわけ!?僕はそのまま外に出た。

 

ーーーーーーー

 

しばらく歩いていると、そこには一軒家があった。リボーンはそのまま入って行く。すると…

 

「リボーン!どこに行ってたんだよ!って誰その人!?」

 

「出久、こいつがもう1人の生徒の沢田綱吉。名前は男だが女だ。」

 

「いや説明しろよ!」

 

目の前にいる子は栗色の髪でツンツンとして、、目がクリっとしている。って女の子!?

 

「は、初めまして!ぼ、僕は緑谷出久です…!」

 

やばい、女の子と話すのって幼馴染以外でいないから緊張してる。

 

「あっうん、初めまして…オレは沢田綱吉皆からはツナって呼ばれてるからツナって呼んで…ってだから、リボーン!この人は!」

 

「こいつはお前の側近になるんだ。」

 

「は!?まさかまた無理やり言ったんじゃないだろうな!って俺はマフィアじゃなくて、ヒーローになるって言っただろ!」

 

「こいつはマフィアになる為にここに来たんだぞ。」

 

何それ!?初耳なんだけど!?お父さんに言われたからここにいるんだけど!?トントン拍子で話がどんどん進んでいくんだけど!?

 

「とにかく!オレはマフィアにならないから!出久くん!並盛中に転校するんだよね!同じ組だったらよろしくね!」

 

ツナさんは、そこまで言うと急いで外に出ていった。…っていうか今普通に女子と話してた!?

 

「喋ってなかったぞ。」

 

「え!?今声に出してた!?」

 

「俺は読心術を心得ている。」

 

リボーンはドヤ顔でそう言ってきた。…読心術かぁ。ちょっとマフィアがどんななのか興味が湧いてきた。

 

「…っていうか。ここ他人の家だし。マンションで話さない?色々聞きたいし。」

 

「俺やママンは別に気にしないぞ?」

 

「君が気にしないでも僕が気にするの!行くよ!」

 

僕はリボーンの手を掴んで、ツナさんの家から出たのだった。

 

「意外と強引なんだな。お前。」

 

僕はマンションにつくとリボーンにマフィアの事を聞いた。リボーン曰くヒーローと(ヴィラン)に二分するこの世界の裏で活躍する組織の事で日本では天然記念物となっているヤクザと同じらしい。そして僕はそのマフィアの中でも伝統・格式・規模・勢力すべてにおいて別格といわれるイタリアの最大手マフィア『ボンゴレファミリー』の幹部の予定らしい。

 

「…お父さんもその関係者ってこと?」

 

「それは然るべき時に教える。それとお前には死ぬ気になってもらう。」

 

「死ぬ気?何それ?」

 

「死ね」

 

リボーンがそう言った瞬間に僕の頭に何か当たったいや、これは銃弾…?…え?これで僕は死ぬの?僕は後悔したまだ沢田綱吉とまともに話してないのに…その瞬間だった。

 

復活(リ・ボーン)!!死ぬ気で沢田綱吉と話す!!」

 

一瞬死んだかと思ったけど、僕は何かが切れたようにツナさんと話す為にツナさんを探しに向かった。

 

「イッツ死ぬ気タイム」

 

ニヤついているリボーンがそう言っているのを知らずに…

 

ーーーーーーー

 

「どこだ!!沢田綱吉!!」

 

どうも、この状態になった僕は自分が止められなかった。というか本能的にツナさんを探していた。そして曲がり角にツナさんを見つけた。

 

「沢田綱吉がいた!」

 

「え?出久くん!?って死ぬ気モード!?」

 

「沢田綱吉!僕と話して!」

 

「後悔したのってそれ!?」

 

すると沸き立つ何かが収まった。…これは一体なんなんだ?

 

「出久くん大丈夫?」

 

ツナさんは僕に顔を近づけながら聞いてきた。男装してるけど僕はやっぱり緊張する。女子には本当に免疫がない。

 

「はひ!だ、大丈夫!って何この格好!?」

 

よく見たら僕はパンツ一丁になっていた。さっきまで服着ていたのに!?

 

「リボーンに死ぬ気弾を撃たれたんだよ。あいつまた説明もなしに撃ったんだな。」

 

「死ぬ気弾?」

 

「死ぬ気弾っていうのはね。って取り敢えず家に戻ろ?その格好じゃ恥ずかしいでしょ?」

 

「あっ、うん。」

 

ツナさんの家まで行った。恥ずかしかったなこの格好のままで歩くの…

 

 

ーーーーーーー

 

僕はツナさんの家で服を借りてから、死ぬ気弾の事を話してもらった。あれで撃たれた者は1度死んでから生き返るらしい。死ぬ気になる内容は死んだ時に後悔した事…。そして何も後悔なんてしていなかったらそのまま死んでしまうらしい。何その怖い弾。ツナさんもリボーンに最初に会った時にやられたみたいで、下着姿で並盛町を走ってしまったと聞いた。幸いな事に女子である事を隠し通せたと言っていた。…そういえば…

 

「ど、どうして、男装してるの?」

 

「…出久くんなら話してもいいか、綱吉って名前。オレの父さんが間違えて役所に出しちゃって、それでこの名前になったんだ。オレは女って事を隠して生きようって思って男装してるんだ。」

 

「…そっか…でもツナさん。笑顔可愛いのにもったいないね?」

 

「…え?か、可愛い…?

 

「…あっ!ぼ、僕!何言ってんだろ!ごめんね!ツナさん!あわわ!」

 

僕は本音を漏らしてしまい、慌てて謝った。

 

「ぷ…!はははは!!」

 

「つ、ツナさん?」

 

僕が必死に弁明しているとツナさんは笑いだした。

 

「出久くんが必死で謝ってるのがおかしくって!大丈夫気にしてないよ!可愛いって言ってくれたの出久くんが初めてだったし。」

 

ツナさんは、涙を拭きながらそう言ってくれた。

 

「だから…改めてオレの友達になってよ!『出久』」

 

ツナさんは、僕を呼び捨てにして呼んだ。いずく…幼馴染からはデクなんて呼ばれていた。それは僕が無個性で何も出来ない木偶の坊っていうのが由来らしい…いずくって呼ばれた事、友達が出来る事全部、引っ括めて僕は感極まって、涙が溢れ出した。

 

「ど、どうしたの!」

 

「…僕、無個性で友達もいなくて…!幼馴染からはデクって呼ばれてて!ツナさんからいずくって呼ばれて嬉しくて!」

 

「…そっか…出久は無個性なんだ。」

 

「…幻滅したでしょ。僕らの世代で個性がでてないなんて。」

 

「幻滅なんてしないよ、個性があろうが、無個性だろうが関係ないよ。オレは出久と友達になりたいと思ったから、言ったんだしさ。ほら、涙拭いて。」

 

「ありがとう。ツナさん。」

 

「…それ嫌。」

 

ツナさんはいきなり不機嫌そうな顔になった。え?何?

 

「ツナって呼んで?」

 

…ツナさんは首をこてんとさせながらそう言った。か、可愛い…

 

「つ、ツナ。」

 

「うん!よろしくな!出久!」

 

こうして僕はリボーンとツナと出会った。言ってなかったねこれは僕がマフィアになるまでの物語だ




雷神「はい…リボーン原作沿い始まりました!」

銀「マフィアでヒーローはどうすんだよ?」

雷神「これが終わってから、再開するつもり。」

銀「はぁ…まぁいいが。」

雷神「皆さんには混乱させてしまうかもしれませんがよろしくお願いします!


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標的1 獄寺颯は暗殺者。

はい…というわけで第1話になります!
長い間お待たせしました。獄寺の性格や過去を色々考えていたら、こんなにかかりました。

サブタイトル変えます!

視点は出久になります!

【2020年8月18日少し追加しました。】


僕が転入してから3日が経った。並盛中学や並盛町には驚かされた。それは風紀委員会だ、風紀委員長の雲雀恭弥さんは、並盛一帯の頂点に立つ人物で愛校心が人一倍強く、制服は学校指定のブレザーじゃなくて、旧服の学ランを肩に羽織り、その袖には風紀委員の腕章を付けている。ツナ曰く去年卒業したのにまたいるらしい。どういう事なのほんとに。僕はツナと同じ2年A組になり席はツナの隣なった。見知った人の隣だったから良かった。そして、考えてるうちに先生が入ってきた、でも先生は1人じゃなかった。

 

「えぇ…早速だがイタリアで留学していた。獄寺颯那さんだ」

 

「……よろしくお願いします」

 

「ちょ……あの子、人形みたいじゃね?」

 

「帰国子女だよな! 可愛い~」

 

見慣れぬ外国人の少女に、クラスはザワザワと浮きたつ。無表情の少女が真っ直ぐに僕とツナを見ている、刺すような視線だ。彼女は、誰かの言った通り、その小ささも相まって西洋人形のような整った顔立ち。キラキラとした銀髪も彼女の可愛さを際立たせる。名前は日本人のだけど。それに透き通るような声をしていた。いてっ!

 

「……見とれすぎ」

 

ツナに手をつねられ、そう言われた。ジト目が僕の目を突き刺す。えぇ…

 

「獄寺さんの席はあそこの……獄寺さん?」

 

ツナの方へ歩き出した。先生の困惑の声を、聞こえていないかのように無視して足を進めている。なんだろうと思ったけど、ツナの机の横に行くと…

 

「沢田綱吉“さん”私は、獄寺颯那。よろしく」

 

「う、うん」

 

彼女は少し微笑みながらそう言った。ツナは戸惑いながらも返事をしていた。…けど違和感を感じた。今の言い方は、ツナが女の子とわかって“さん”と言ったように感じた。気のせいかな…。そして獄寺さんは僕の方にも顔を向けた。

 

「…あなたも、よろしく。緑谷出久くん。」

 

「は、はい!」

 

僕にも微笑みながらそう言った。獄寺さんは先生に言われて席に座った。

 

「2人とも知り合いなんか?」

 

「僕は知らない。ツナは?」

 

「あんな美少女と会ってたら覚えないわけないだろ!」

 

「それもそうか、でも何か可愛いよな。」

 

名も知らぬクラスメイトにそう言われた。獄寺さんの席は、僕らより2席後ろだ。見てみると、目がかち合った。僕は驚いて、前を見た、何で僕を見てんの!?チャイムが鳴り、後ろからの目線に緊張してたせいで疲れていたから、机に突っ伏していた。

 

「ツナ!今日は頼むぜ!持田先輩を倒したお前ならやれるぜ!」

 

「なんの話し?」

 

「今日はバレー球技大会なんだ。1人、いないからオレが頼まれたんだ。」

 

僕はツナから聞いた話で、僕がこの街に来る前にこの学校のマドンナ…笹川京子に告白したらしい。その光景を見ていた先輩がツナに笹川さんの雪辱を晴らすための決闘をする事になったらしい。それとその先輩は、賞品は笹川さんと言っていたそうだ。ゲスな男。結果は、死ぬ気モードになったツナがその自称彼氏の髪全部を抜き去って、勝利を収めたらしい。まぁこの話を聞いて、ツナって女の子好きなのって聞いたら。

 

『ち、違うよ!ちゃんと異性が好きだよ!』

 

まっさきに否定した。まぁそれもそうか、そして驚いた事に笹川さんとは幼馴染であるらしい。

 

『俺が女って事も知ってるし、憧れなんだ!京ちゃんを賞品扱いしたあの先輩が許せななかった。でもオレって小心者で運動もダメのダメツナだから何も出来なかった。死ぬ気にしてくれたリボーンには感謝してるんだ。マフィアにはならないけど。……それに好きな人は出久だし。』

 

僕はその言葉を聞いて、ツナと僕は境遇が似ているな、って思った。幼馴染とはほぼ疎遠になってしまったけど、なんでも出来る双子の幼馴染…かっちゃんとなっちゃんに憧れていた。かっちゃんとの関係はズッタズタだけどね。ツナはリボーンに死ぬ気弾を撃ってもらうから先に行っていた。ツナは今日こそ、笹川さんにかっこいい所を見せたいみたいだ。僕は体育館に行く事にした。

 

ーーーーーーー

 

体育館に入ると、そこには獄寺さんがいた。いつの間に僕より先に?音もなかった気がするけど…。僕は適当な所に立って球技大会が始まるのを待っていた。ふと横を見たら僕のクラスメイトの1人で山本美奈さんがそこにいた。

 

「あっ!出久くん、どうも!」

 

「ど、どうも!山本さん!」

 

「美奈って呼んで言ってるのに〜」

 

彼女は、転校生の僕を優しくしてくれた。その時ツナの方を見たら少しムッとした顔になってたけど、なんだったんだろ?あと、山本さんも半年前に転校してきたらしい。それはいいとして、ツナが体育館にやってきた。その瞬間に体育館にいるみんなが湧き上がった。…過度に期待しすぎじゃない?ツナは死ぬ気モードじゃなかった、リボーンに撃ってもらえなかったのかな。ツナは暗い顔をして、バレーに臨んだ…けど。

 

「ぶ!!」

 

ツナにボールが来て、顔に思いっきり当たった。その瞬間周りの声が止んだ。

 

「ツナ!頑張れ!」

 

それでも僕は、応援した。静まり返った体育館に僕の声は響き渡り注目を集めていた。ツナは僕の方と他に別の方を見ていた。そっちの方を見たら…

 

「……」

 

笹川さんは、応援しているような顔をしていた。

 

「私も応援する!ツナ!頑張れ!」

 

山本さんも僕に合わせて、応援していた。ツナはバレーをし続けたけど、やはりエラーばかりを繰り返していた。そんな彼女を見ていたみんなは…

 

「やっぱ、あいつはダメツナだな。」

 

「期待して損した」

 

「下手すぎ」

 

…君らが過度に期待してたんだろ。そうこうしてるうちに、第1セットが終わった。第1セットの結果はA組が3点でC組が21点となっていた。ツナはバレーメンバーに怒られていた。いやツナは怒られながらも何かを考えていた、そしてコートの前に立ったけど、何故か倒れた。何でって思ったけど今何かが足に当たった。他の人に気付かれずに周りを見たらリボーンがライフル銃を持っていた。死ぬ気弾でも撃ったのかな?…でもツナは死ぬ気モードにならなかった。

 

「死ぬ気弾じゃないのか?死ぬ気弾を撃った場合、額に炎が出るはずだ。でもでないって事は、あれは死ぬ気弾じゃないってことになる。でも何でツナは倒れたんだ?足に撃ったという事は死ぬ気弾の亜種があるのか?そんな事はリボーンから聞いてないけど、いや、リボーンだからこそ言わなかったのか?」ブツブツブツブツ

 

「い、出久くん?出久くん!!」

 

「へぁ?」

 

「何ブツブツ言ってるの?第2セット終わったよ?」

 

山本さんに言われて、会場を見たら本当に終わっていた。やば、いつもの癖が出ちゃった。

 

「ご、ごめん、気にしないで。い、いつものくせだから!」

 

「そっか!それにしても、ツナすごいよね〜」

 

「美奈ちゃんもそう思う〜?」

 

僕と山本さんで話していたら、別の声が聞こえ、そこを見たら笹川さんがいた。ニコニコした笑顔でこちらを見ていた。

 

「あっ、京子ちゃん〜!うん!ツナって、やっぱ只者じゃないって感じ!」

 

「でしょ〜!ツナ君は昔からそうなんだよ!」

 

これもツナから聞いた話だけど、笹川さんとツナが幼馴染なのは皆に知られている。告白事件の際はみんなはやっとか、と思っていたそうだ。まぁ、笹川さんはツナが女の子って知ってるから冗談でしょ?って、真剣に心配されたらしい。

 

「あ、出久くん!ツナ君を応援してくれてありがとう!つーちゃんがあんなに頑張る姿見れて嬉しかった出久くんおかげだね。

 

笹川さんは小さな声でそう言ってくれた。…そうだといいけどなぁ。ツナは懸命にバレーをしていた、倒れながらもボールを落とさないように、他のみんなはさっきの発言を忘れたように応援していた。そして球技大会は、A組が優勝という形で幕を閉じた。次は表彰式だ。

 

「…あれが10代目候補か。あなたはマフィアに向かないね。」

 

後ろから声が聞こえ、そこを見ると獄寺さんが立っていた。…今10代目って言ってなかった?

 

「…表彰式が終わったら、学校の裏に来て、あの人も連れて。」

 

獄寺さんはそう言ったら、体育館から出ていった。…ツナに伝えなくちゃ。

 

「ねぇ。マフィアってなぁに?」

 

近くにいた笹川さんが聞いてきた。山本さんも聞いていたのか、こちらを見ていた。

 

「ご、ごめん!気にしないで!」

 

「まぁ、いいけど。ささ!表彰式行くよ!」

 

「笹川さん!?腕掴まないで!?」

 

笹川さんは僕の腕を掴んで、急いで行った。学校一の美少女に腕を掴まれるなんてぇぇぇぇ!!

 

「ははは…そっか…ツナがボンゴレ10代目だったんだ。それにリボーンもいるんだ。」

 

僕は知らなかった。山本さんが後ろでそんな事を言っていた事を…

 

ーーーーーーー

 

僕とツナは表彰式が終わり制服に着替えてから、学校の裏に急いでいた。

 

「獄寺さんが、マフィアの事知ってたって本当!?」

 

「10代目って言ってたから!」

 

裏にやってくると、獄寺さんが立っていた。僕らが来たのに気づいたのか、振り返った。

 

「獄寺さん!出久から聞いたけど、10代目。マフィアの事知ってるの!」

 

「知ってる。あなたがボンゴレファミリー10代目候補だという事も、そして緑谷出久くんが最初の部下だって事も。」

 

獄寺さんは、少し悲しそうな瞳で僕らを見ていた。一体なんだ?

 

「あなた達に恨みはないけど。私、獄寺颯は…」

 

彼女は名前を言った瞬間に、どこから出したのか、ダイナマイトを持っていた。って何でそんなものを!?

 

「沢田綱吉!あなたを殺しにやってきた。」

 

そう言った瞬間に彼女は走り出した。ダイナマイトはいきなり着火し始めた。ってどういう仕組み!?ダイナマイトの導火線はみるみるうちに短くなっていく、バカに冷静になった僕はツナを守るように前に出た。彼女の目的はツナだから!

 

「出久!?危ないよ!」

 

「危ないのはわかってる!けどツナは、僕の友達だから!」

 

「……出久」

 

シュパッ!ポト!

 

獄寺さんの持っているダイナマイトの導火線の部分が切れて、獄寺さんの足元に落ちた。

 

「暗殺者如きに情けねーな、ツナ。出久はよくツナを守ったぞ。」

 

リボーンが、浮きながら僕らを見ていた。ってどうやって浮いてるわけ!?いやその前にリボーンの言葉に疑問を感じた。

 

「暗殺者ってどういう事なの!?」

 

「ツナには見せたがお前には見せてなかったな。他の10代目候補はこいつ以外全員殺された。次はツナって事だ。」

 

「…戦闘(殺し)には参加しないのでは?…アルコバレーノ、リボーン」

 

彼女は、リボーンを恨めしそうな目で見てから、リボーンに言っていた。アルコバレーノってなに?

 

「こいつは、とある暗殺部隊のヒットマンだぞ。ダイナマイトを身体中から生成する個性で人間爆撃機って話だ。」

 

だから、ダイナマイトが出てきたのか!?リボーンはさらに獄寺さんの事を話した。彼女が通った後の戦場は肉塊しか残っていない、そしてその姿はまさに蝶が舞うようだと生き残った人は言っていたそうだ。その様子から……ーーー

 

「又の名を…『爆殺の舞鬼姫(ばくさつのまいきひめ)』だ」

 

「そんな…。彼女は女の子なのに!」

 

「そうだよ!それに彼女は鬼じゃないのに!」

 

僕とツナはリボーンに向けてそう言った。彼女は自分たちと一緒の年齢だ。そんな子が暗殺者だなんて、とてもじゃないけど、信じられない。

 

「…うるさい。」

 

小さな声で何かを呟いた彼女はその小さな掌に、新たなダイナマイトを握り込み、険しい顔になっていた、な、何か怒らせるようなこと言った!?

 

「んじゃ、殺し再開な」

 

リボーンは、そう言って僕らを助けようとしなかった。っていうことは、戦闘をしろって事?僕には戦う道具も個性ないし、それはツナも一緒でツナの個性は治癒らしいから戦闘には不向きだ。

 

「リボーン!オレ達を裏切るのか!?今までのは全部嘘だったのか!?」

 

「違うぞ。戦えって言ってんだ。」

 

「「は!?」」

 

って言われても僕らには、何も無いんだけど!ってツナが僕の手を掴み、冗談じゃないと叫び逃げようとしていた。けどそこには既にさっきより量が増えているダイナマイトを持っている獄寺さんがいた…。悲しそうな目をしながら…なんで…

 

「……死んで。」

 

「何でそんなに悲しそうな顔してんだよ!」

 

僕は彼女に向けて無意識に叫んでいた。僕も何故だか分からない。けど彼女の目を見て救けたいと思った。殺しに来たとは言っても、すぐには殺さなかった。暗殺者なら対象がいればいくらでもできると思うし。彼女の悲しそうな顔は見たくないと思った。

 

「悲しいという感情はもうない。」

 

ドンッ! ドンッ! ドッガァァンッ!!

 

しかし彼女は、否定し、ダイナマイトを投げてきた。周りは爆発する、けど僕達は火事場の馬鹿力なのか分からないけど全部を避けれていた。、自分でもこんなに動くなんて思わなかった。

 

「…へぇ、全部避けるなんて思わなかった。」

 

僕も思ってないから!っていうか周りが火の海になってるんだけど!?どうすんのこれ!?

 

「死ぬ気で戦え」

 

「え?……復活(リ・ボーン)!!死ぬ気で消火活動!!」

 

横にいるツナが、死ぬ気モードになった。…っていうかちゃんとサラシ巻いてるんだ。死ぬ気モードって下着は破れないらしいから、サラシも下着認定なんだ。リボーンが死ぬ気弾を撃ったみたい。って後悔したのが火を消す事!?いやまぁ、この光景を雲雀さんが見たら絶対噛み殺されるだろうから、そうだろうけど。

 

「……これが死ぬ気弾」

 

「消す!消す!消す!消す!消す!消す!消す!」

 

ツナはどんどんと、火を消していく。獄寺さんはそれを見て唖然としていた。まぁ、僕もこの光景には少しびっくりしてる初めてツナの死ぬ気モード見たし。

 

「消した!!!…はぁ、はぁ…あれ?オレ…」

 

「ツナ、死ぬ気モードになって、火を消したんだよ。」

 

「あっ、ほんとだ!」

 

ツナは死ぬ気モードになると、我を忘れると言っていた。何で僕は忘れてなかったんだろう?リボーンに聞いても教えて貰えなかったし。って今は獄寺さんだった、獄寺さんは未だに呆然としていたけど、すぐに我に返ったのかこちらを見ていた。

 

「…沢田綱吉は無理だった。…緑谷出久くん」

 

「な、何?」

 

にこやかに笑い僕に声をかける獄寺さんの声にキョドりながらも答えた…その瞬間柔らかい感触が身体中に広がった。彼女は僕に抱きついてきた。

 

「ちょ…な、なに!?」

 

「…沢田綱吉の暗殺は失敗した。その瞬間から、私は所属組織からの刺客がやってくる。殺しは私は私である為の…《証》…だから」

 

そう言った獄寺さんの胸元から再び、ダイナマイトが生成され、導火線にまた火が灯された。…これは…ッ!捨て身の特攻!?

 

「出久!」

 

「次はあなたを殺す…1番の部下を殺せば、沢田綱吉の心は死ぬも同然。私と…死んで。」

 

獄寺さんは綺麗な笑顔をしながらそう言った。僕は彼女の事を何一つ知らない…どうしてこんなに自分の存在価値を、過小評価しているのかも知らない…けど、彼女に言わないといけない。無個性でマフィアの事を知ったばかりの僕だけど、これだけは…

 

「獄寺さんがそんな価値ないとは僕は思わないよ。君は確かに戦場の為だけに生きてきたかもしれない、人間爆撃機って言われてるかもしれない。暗殺部隊の一員なのかもしれない。だけど!こんな形で死んでいいはずがないんだ。」

 

「…!!」

 

僕は、間に挟まっているダイナマイトの導火線の火を素手で消した…けど、不思議と熱さは感じなかった。

 

「…君も…生きている人間だ!僕らと一緒で人間なんだ!!個性があるかないかで決められるこの世界だけど!君も人間なんだ!」

 

「…」

 

「そ、そうだよ!獄寺さん!オレだってそう思ってる!オレや出久が君の生きる理由を一緒に探すよ!…あぁ!泣かないでよ!」

 

気がつくと、獄寺さんは僕の胸に顔を押し付けながら泣いていた。

 

「……私、生きていいの?あの暗闇から逃げ出してもいいの?私の手は血に濡れてる…そんな私が…いいの?」

 

…彼女の人生に何があったのかは僕達は知らない。これから知ればいい事だ。だからこそ、言わなくちゃいけないんだ。ツナも僕が言いたい事がわかったらしく、頷いてくれた。

 

「「当たり前だよ」」

 

僕とツナは、笑顔で優しく獄寺さんにそう言った。獄寺さんはまた涙を流した。僕とツナは小さくなり泣き続ける彼女を優しく抱きしめたのだった。

 

「これでファミリーもう1人ゲットだな。ツナ、出久」

 

リボーンがそんな事を言っていたのを知らずに…

 

ーーーー

 

 

それから獄寺さんは先に帰っていった。僕とツナは少ししてから、帰った。球技大会で学校は午前中までだったからね。…帰る途中ツナから怒られた。

 

『どうしてあんな無茶したんだよ!獄寺さんの顔を見てあんな事したんだろうし、仕方ないし、この火傷は治すけど!二度とあんな無茶しないでよ!』

 

「…それもそうか。」

 

僕は今はツナの治癒で治ったけど、火傷を負っていた手を見ながらそう呟いた。あーでもしないと獄寺さんは止まらなかったと思ったし。ツナとはさっき別れた。リボーンはいつの間にかいなくなっていたけど。そして僕の部屋に着いた。少し精神的に疲れたから、ちょっと寝よ。と思いつつドアを開けた。

 

「お帰りなさいませ。出久様。」

 

バタン!!

 

…少しと思ってたけど、相当疲れてたみたいだ。幻覚が見えるくらいに。玄関を開いたら銀髪の美少女が赤と白の巫女服姿をして見上げるなんて…。深呼吸、深呼吸。僕はもう一度玄関を開けた。

 

「…お帰りなさいませ。出久様。」

 

「何でいるの!?っていうか何でここにいて巫女服!?それに出久様って何!?」

 

幻覚でもなんでもなかった。僕は驚きのあまりに怒涛のツッコミを入れた。2回目に開けた時少し不機嫌そうだったのは、1回閉めてしまったからかもしれないけど、それはいいんだ!

 

「…任務を放棄したから、帰った私は十中八九殺される。それに出久様は私にここに居ていいと言った。マフィアの掟で負けた者は勝った者の部下になる。だから出久様。それと私は貴方の部下であると同時に10代目の部下でもある。」

 

…いや確かに僕が結果的に勝ったけどさ、僕はまだマフィアになるって言った覚えないんだけど。それはもうわかった。でももう1つの謎である巫女服だよ!

 

「巫女服は!?」

 

「リボーンがこの服だと出久様は喜ぶって…似合わなかった?」

 

彼女は首をこてんとさせながら、そう言った。…十分可愛い…ツナとは別のベクトルの可愛いさ。いやもうつっこむ気力もなくなった。

 

「…そっか…ってそれとどうやって入ったの?」

 

「ピッキング。」

 

「……何で僕の家?」

 

「住む場所がない。」

 

「oh......」

 

どんどんわかってきたなぁ、これもリボーンの仕業だな。はぁ、世間知らずな所もあるだろうし。もういいか。

 

「あと、私も名前で呼んで、10代目だけ名前を呼んでるのずるい。」

 

いやずるいって何!?…名前で呼ぶの得意じゃないしなぁ。

 

「う、うん…颯ちゃん」

 

「ちゃんなし。」

 

「…颯」

 

「うん、よろしくお願いします。出久様」

 

こうして、僕は颯と急な共同生活をする事になった。…これだけは言いたい…どうしてこうなった!?




雷神「てなわけで、1話目です。」

明「遅くない?」

雷神「練りに練ってたらこうなった。」

銀「もうちょい早くしろ。」

雷神「うっす。では次回もお楽しみ」



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標的2 もう1人の幼馴染

第2話になります!
原作の退学クライシスの後になります。



視点は出久、美奈、出久、第三者目線の順です!

光と雪の守護者初の他の視点になります!


『出久…おれ、引っ越す事になっちゃった。』

 

『たけしくん…どうして!』

 

『…父さんが言うには家の事情だって…約束しよう!出久!またどこかで再会しようぜ!」

 

『うん!約束だよ!たけしくん!』

 

『それと…勝己とは仲、元に戻しとけよな!鳴とも!』

 

『う、うん…』

 

懐かしい夢を見ていた。かっちゃんとなっちゃんとは別に幼稚園から一緒だったもう1人の幼馴染との約束…彼もどこかで元気にしてるだろうなぁ。彼は…山本武くんは僕とかっちゃんのギクシャクしていた仲を取り持とうとしてくれていたけど、かっちゃんは僕に話しかけようともしてくれなかった。結局かっちゃんとの関係性は何も発展しないままだった。…ここに引っ越す時もかっちゃんにもなっちゃんにも黙って行っちゃったしね。

 

「ーーーー出久様、おはようございます。」

 

「…は、颯那!?」

 

目を開けたら、颯の顔がどアップでそこにあった。近!?って僕の部屋鍵閉めてた筈…あぁ、彼女はピッキングが得意だったね。彼女がこの部屋に住み始めてもう2日が経った、一昨日颯と一緒に登校して、ツナと合流した時に何で一緒にいるのと聞かれて、颯が経緯を説明したら、急にツナの目に光がなくなって、脛をげしげし蹴ってきて、耳に口を近づけて…

 

『…獄寺さんに手を出さないでよ?』

 

と言われた。…意味がわからなかったよ…。そのあとは、普通になって、ツナは颯の事をはやちゃんと呼んでいた。そして学校に行った後だった。颯とツナの活躍によって、根津っていうイビリ教師が学歴詐称という事実がわかり、解任された。転校2日目でそんな出来事を起こした颯那はクラスメイトに質問攻めにされた。そんな颯那は僕の顔を見て…

 

『これはどうすればいいでしょう…出久様』

 

と困り顔で僕の事を様呼びで言うもんだから、今度は僕が颯との関係の事に聞かれた。その時は何とか切り抜けたけど、あれ以上の心労はなかったよ…

 

「…出久様?」

 

…それと僕の住んでるマンションには、1人では暮らすには多いけど部屋が3つある。颯は僕の部屋の前にある部屋になっている。…リボーンにははぐらかされたけど、お父さんはボンゴレファミリーのなんなんだろう?このマンションも高級そうだし。…静岡の方の家もこんなのにすればよかったのに…いやお母さんがこんな感じのマンションだったら萎縮するのか、それともお母さんにはマフィアの事を内緒にしてるのか分からないけど…

 

「……出久様、無視しないで。」

 

「……あ、ご、ごめん!」

 

「朝食できてる。早くしないと冷めるよ。」

 

「う、うん!」

 

「まだ、そんな喋り方なんだね。」

 

「…」

 

まだ女子と喋るのは慣れてないんだよ!…なんて言えるはずなく、僕は起き上がった。颯は即座に部屋から出ていった。そういう常識はあるのに何でピッキングとかするわけ?まぁ羞恥心があるだけいいか、羞恥心も常識外れだったらきつかったかも…女の子と1つ屋根の下で住んでる時点でもきついのに…

 

「出久様…冷めるよ。」

 

「わ、わかったよ!!」

 

やばい少し怒ってる!あと、ご飯は颯が作ってくれている。僕は一人暮らしを将来するだろうという理由で引越しする前からお母さんの特訓で作れるようにはなってるけど、颯が作る事になった。理由は部下だかららしい。別にいいって言ったんだけど、そこは譲らなかった。って言ってる場合じゃないか。僕は着替えてから急いで出てからリビングのドアを開けるとそこには朝食が置かれていた。今日の颯の朝食はシンプルに白ご飯と目玉焼きと味噌汁だ。僕は椅子に座って、目玉焼きを最初に食べた。口の中に入れたら半熟した黄身が口の中に広がって、うまさが広がった。

 

「颯の作った物はやっぱり美味しい。料理ってどこで教わったの?昨日聞けなかったけど。」

 

「向こうで教わってた。元隊長が、グルメで色々な料理をさせられた、あと元隊長は元王子?」

 

「情報が渋滞してるよ?そういえば、颯のイタリアにいた時の暗殺組織ってどんななの?」

 

「…そんな事より、早く食べて登校時間になる。」

 

誤魔化された。まぁ隠し事の一つや二つあるか、そう思いながら、僕は朝食をかっこんで、1回部屋に戻った。

 

「…言えない。ヴァリアーはボンゴレの直属なんて事」

 

颯が沈んだ表情でそんな事を言っていたと知らずに…

 

ーーーーー

 

僕と颯はマンションを出てから、昨日帰りにツナから一緒に登校しようと言われていて僕達はツナの家に向かっていた。

 

「あっ!出久と颯ちゃんだぁ!おはよぉ!」

 

声が聞こえ、後ろを振り返ったら山本さんが手を振りながらこっちに来ていた。

 

「お、おはよ。や、山本さん!」

 

「おはよ」

 

「美奈って呼んでってばぁ!今日も2人で登校なんだね!」

 

あれ?今日なんで山本さんここにいるんだろう?僕や颯、ツナは帰宅部だから登校は通常だけど、山本さんはテニス部に所属してるからこの時間帯にいるのって珍しい。テニス部は野球部とかと一緒で朝練があるって言ってたのに。なんで僕がそんなこと知ってるかって?山本さんが教えてくれたんだよ。学校の事を教えてくれたついでに。

 

「きょ、今日、山本さん部活は…?」

 

「!!…今日は休みだよ!」

 

ん?一瞬だけ、辛そうな顔になった?すぐにいつもの笑顔に戻ったから、気のせいなのかな?

 

「そ、そっか。」

 

「じゃ、私先行くね〜!」

 

そう言って、山本さんは走って行った。元気そうだからやっぱりさっきのは気のせいかな。

 

「…出久様行こ。」

 

「え、あ、うん」

 

山本さんが来てから妙に静かだった颯が言ってきた。そういえば山本さんと話したことなかった気がする。昨日の件も山本さんは家の事情で来てなかったし。それに颯は山本さんが走っていった方を見て睨んでるようにも見えるけど、なんなんだろう?

 

「…『蒼燕(そうえん)の剣士』がいたなんて。初日に気付くべきだった。」

 

「何か言った?」

 

「…言ってない。10代目の家行こう。」

 

小さな声で何かを呟いていたから聞いたら、また誤魔化された。…気にしなくていいのかな。僕と颯はツナの家へと向かった。

 

ーーーー

 

私は、走って学校の近くまで来ていた。出久にはああ言ったけど、本当は部活はある。でも私には他にやる事があるから、顧問に言って休んでいた。

 

「それで話って何?リボーン」

 

私は振り向きざまに私の後にやってきた人物に話しかけた。私の話し方が違う?あぁ…出久やツナの前にいる時は、あの性格の方が動きやすいからそうしてる。殺し屋である私を隠す為ってこともあるけど。

 

「流石は、蒼燕だな。」

 

「呼んだのはあんたでしょ?それで何?」

 

昨日家でくつろいでいたら、矢文が飛んで来たからびっくりした。この時代に矢文だよ?

 

「お前もヴァリアーからの刺客だろ?」

 

「……」

 

リボーンからの言葉に言葉を詰まらせた。当たってるからこそ何も言えない。アルコバレーノの名は伊達じゃないか。

 

「沈黙は肯定ととるぞ?」

 

「…そうよ。」

 

私は諦めたようにリボーンに言った。私の本業は暗殺部隊所属の殺し屋。幼い頃に父から教わった時雨蒼燕流という剣術と個性を駆使しながら戦ってる。それと出久には言ってないけど、私は、あの人の幼馴染でもある。まぁ出久は、私の事を男と思ってただろうけどね。武って名乗っちゃってたし。

 

「獄寺、気づいたみたいだぞ。お前の正体」

 

「舞鬼姫とは時々仕事で一緒だったしね。ヴァリアーとは一緒にはいたけどそんなに話さなかった。出久とツナに負けて部下になったのは驚いたけど。」

 

「お前もツナの命狙うんだろ?」

 

「まぁ、隊長の命令だし。」

 

「まさか、2人も刺客を来させるとは…、ザンザスも本気らしいな。」

 

「さぁ、私は何も教えてもらってないし、それも舞鬼姫も同じじゃない?ボスや幹部連中の考えなんて分からないわよ。」

 

「…そうか。それでお前は出久に言うのか?お前が殺し屋だって事を」

 

リボーンも分かりきってる事言うんだね。

 

「…言えるわけないじゃない?幼馴染の男の子が実は女の子でそれに殺し屋でしたって。ツナの暗殺が済んだら、さっさと帰るつもりだし。」

 

「……そうか」

 

ボルサリーノのソフト帽を下げ目を隠したリボーンは、そう言って、どこかに歩いて行った。…私の事もツナの守護者にするつもりだったの?あの様子はそうだと思うし。何で引いたのかは分からない。何か企んでるわけじゃないでしょうね。私はそう思いながらも、学校に向かって行った。

 

 

ーーーーー

 

 

あれから時は過ぎて、昼休み。ツナが山本さんに屋上に呼ばれ、ツナは向かって行った。

 

「颯…僕。ちょっと嫌な予感するから行ってくるね。」

 

「…わかった。けど、気をつけて。」

 

颯はそう言って笹川さんと黒川さんの元へ向かい。何かを話していた。僕はそれを見てからツナの後を気づかれないように追った。そしてツナは屋上に着き、屋上の入り口を開けた。僕はそっと見た。あれ?誰もいない?山本さん先に行ったはずなのに、どこにもいなかった。

 

「ツーナ。」

 

ツナがキョロキョロしてる時に山本さんの声が聞こえ、ツナは入り口の上を見ていた。ツナは驚いた顔をしていた。一体何を見たんだ?

 

「悪いんだけね〜。死んで?」

 

「え!?」

 

意味がわからないんだけど!?山本さんの姿が見えた。音もなく飛んでツナの少し遠い所に降りてきた。

 

「どうして!?」

 

「うーん?舞鬼姫も来たでしょ?理由はそれ。」

 

舞鬼姫!?それって颯那の通り名?まさか、山本さんも暗殺者!?

 

「ど、どうして君が!?君も半年前に転校して来たはずだよ!?」

 

「……」

 

山本さんは黙って、刀を両手で構えながらツナの方に走り出した。っていやいや!?いきなり開始なわけ!?颯那の時もそうだった気がするんだけど!?ツナは丸腰なのに!?僕は咄嗟に入り口から出てツナを庇って、ツナを退かした。そして前を見たら山本さんの刀は僕の顔の寸前に来ていた。危なかった!?

 

「出久!?」

 

「……やっぱり、来たんだ。出久」

 

山本さんは苦笑いしながらそう言ってきた。山本さんはわかってたの?僕がここに来るって。

 

「退いて」

 

「ど、退くわけないじゃないか!」

 

正直言うと、物凄く怖い。身体はガクガクしている。けどツナを守れて良かった。

 

「…はぁ、出久は変わってないなぁ。」

 

「え?」

 

「こっちの話…」

 

バキューン!!カキン!!

 

「とっとっと!いきなりね。リボーン?」

 

すると、音が聞こえ。山本さんが持っている刀に何かがぶつかった。山本さんは横を見てそう言っていた。僕はそっちを見たらリボーンがいた。

 

「相も変わらず、ツナは情けねーな。暗殺者如きに」

 

「リボーン!またお前の差し金だな!?」

 

「残念だが。山本の件は俺も今朝知ったばかりだ。」

 

ツナがリボーンにそう聞いたけど、リボーンは否定した。信じられないよ!?

 

「……リボーンの言う通りよ。私はリボーンに呼ばれてここに来たわけじゃない。それは舞鬼姫と同じさっきの答えになるけど。私は、10代目候補の顔を知らなかった。でも舞鬼姫が出久と話していたのを聞いて、私はツナが10代目とわかったの」

 

そういう事だったんだ。…でもそれなら疑問に残る事がある。

 

「何で今日にしたの!?」

 

「この2日は舞鬼姫がツナの傍にいたし、出久もいた。するタイミングがなかったけど昼休み前に私の所属してる隊長から連絡が来たの。今日中に消せって。だから今しか無かった。」

 

山本さんは、淡々とした口調で語った。事情はわかった。上司からの命令なら遂行しなくちゃいけない…けど!

 

「ツナを殺させる訳には行かないよ!!」

 

僕は山本さんに向かって、4歳の時にいじめっ子からいじめられっ子を守った時のように拳をあげながらそう言った。

 

「…出久ならそう言うと思ったよ。その構えあの時と一緒だなぁ。」

 

「さっきも言ってたけど。…僕と山本さんってどこかで会ったことあるの?」

 

「…気にしないで。」

 

そう言って山本さんは、向かって来た。って事は!?

 

「んじゃ、殺し再開な」

 

「「やっぱりね!?」」

 

デジャブなんだけど!?どうする!颯那の時みたいな事は出来なさそうだし!?刀に拳で立ち向かうのって、相当きついんだけど!?

 

「《時雨蒼燕流》“攻式一の型”車軸の雨!!」

 

山本さんは刀を両手で持ちながらこっちにどんどん近づいてくる!やばい!

 

「死ぬ気で戦え。」

 

バキューーーン

 

リボーンの声が聞こえ、僕の額には違和感を感じ、最初の時の切れたような感覚になった。

 

「死ぬ気でツナを守って山本美奈を倒す!!」

 

僕はそう宣言した後、向かって来た山本さんの刀を蹴り、山本さんが怯んだのを確認したら、後ろを振り返りツナをお姫様抱っこしてから、扉の近くにツナを置き、山本さんの方へと向かった。山本さんは再び刀を構えていた。

 

「死ぬ気で山本美奈を倒す!」

 

「…出久とは戦いたくないのに。」

 

山本さんは、何かを呟いていたけど、僕は気にせずに拳を叩きつけた…って!?僕、女の子になんて事してるんだよ!?でも、山本さんはそれを避けた。よく見ると刀を鞘に納めていた。いつの間に!?さらに僕は捲し立てるように拳を叩きつけた。それも山本さんは避けている。…すごい!?

 

「はぁ。はぁ。あっ、戻った。」

 

死ぬ気モードの時間が終わって僕は、元に戻った。

 

「死ぬ気モードは終わったみたいね。今度こそ。ツナを始末するわ。」

 

「ひぃぃぃ!!」

 

そう言って、山本さんはツナを見た。刀を再び構えていた。ゆっくり歩いて山本さんは歩いていた。そういう訳にはいかない!!僕は咄嗟に走って、ツナの前に出た。

 

「そんな事は僕が許さないぞ!!」

 

昔にもやった事がある。かっちゃんと他2人が弱い者いじめをしているのを見て、僕は咄嗟にその子を助けようとして、かっちゃんと他2人に立ち向かった。結果はズタボロにされたけどね。それでも昔も今も力はないけど、それでも守りたいモノはあるんだ!

 

「…そこをどいて。」

 

山本さんは何故か、悲痛な顔でそう告げてきた。

 

「退かない!」

 

「ツナが死ねば、あなたもボンゴレから解放されるのよ?」

 

「例えそうでも、退かない!」

 

僕がさらにそう言うと、山本さんは構えていた刀を下げ、さっきの悲痛な顔から怒りに満ちた顔になった。

 

「…何でよ。どうしてよ!出久はいっつもそう!!他人の事ばっかり考えて!自分の事は何も大事にしてない!!昔からそうだった!!」

 

山本さんは、そう叫んだ。…どういう事!?昔からって!?僕は山本さんに会った事は無いはずだし。そもそもなっちゃん以外(そのなっちゃんも今は疎遠中)の女の子と喋ったことはない。

 

「…あ。」

 

山本さんは、しまった。という顔をして、動きがフリーズした。フリーズした山本さんを横目に後ろのツナの方を見たら、気絶していた。とりあえず僕はツナを扉の近くの壁に置いて、まだフリーズしてる山本さんの前に立った。

 

「もう喋ってもいいんじゃねぇか?山本」

 

そして、黙っていたリボーンがフリーズしてる山本さんに話しかけた。山本さんは顔をふって、リボーンと僕の方をそれぞれ見始め、ため息を吐いた。

 

「…最初に謝っておくね。ごめん。…ふぅ、出久。山本武は、私なの。」

 

…山本さんが…武くん!?

 

「う、嘘だ!だって、武くんはちゃんとち「言わないで!!」とにかくあれは付いてたよ!!」

 

「…あれは幻覚でやってたの。」

 

「…妙な納得が…いやそれはいいんだ!!本当に君が武くんなの!?」

 

僕は妙に納得はした…それでも僕はさらに聞いた。再確認のために。

 

「本当なの!じゃあ昔の出久の事話そうか!?出久の初恋の相手がな「キミハホントウニタケシクンダネ」片言にならなくてもいいじゃない。」

 

僕の初恋の人を知ってるのは、武くんだけだし、武くんが人に言いふらす事しない事知ってる僕にとっては最大の証拠になってる。

 

「…こんな形だけど久々だね。出久」

 

「こんな再会の仕方だとは思わなかったけど…、どうして暗殺者に?」

 

僕は彼女に聞いた。彼女は少し沈んだような顔をして、考えているようだった。そして僕の方を見た。

 

「私がイタリアに引っ越した事覚えてるよね。」

 

「うん」

 

「その時に父から今の所属してる組織の事を聞いたの。父もその組織の一員だったみたいだし。つまりは成行きで殺し屋になったの。なんの話も理由もなくただひたすらに。今の隊長からはお前は生まれながらなの暗殺者だぁ!とか言われてるけど。」

 

僕は話を聞いて、なんとも言えない感情になった。だって彼女は何も感情のない表情で淡々と話していたからだ。すると僕の隣を何かが通った。

 

「…やっぱり来たのね。蒼燕の剣士。」

 

そこを見ると、颯那がサバイバルナイフを彼女の首元に寸前まで突き立てていた。ちょ!?

 

「やっぱ来たかぁ。舞鬼姫。ねぇこれどけてくれない?」

 

「…出久様や10代目を襲ったやつの言う事…聞くと思ってる?」

 

「それもそっかぁ…あぁー…でも私戦意喪失したから負けてるよ。」

 

「…ほんとに?」

 

颯那が訝しげに僕の方を見た。僕が頷くと、颯那は首元に突き立てていたサバイバルナイフを下ろした。

 

「んあぁ!舞鬼姫が負けた理由がわかった気がするなぁ。」

 

「……殺されたいの?」

 

「そんなに殺気立つとお肌に悪いわよ?」

 

「…殺す」

 

「ちょ!何で収まったと思ったらまた喧嘩してんの!?」

 

とツッコミを入れたのは、さっきまで気絶していたツナだった。いつの間に起きてたんだろ。

 

「ま!これで私も向こうに帰ったら殺されちゃうから、出久の部下になるから!」

 

「いやどっちかっていうと、ツナの部下じゃ…」

 

「そうだけど、戦意喪失させたのは出久でしょ。」

 

彼女の言う事も最もか…ってマフィアになるつもりないのに納得しちゃったよ。

 

「…うるさい鮫が怒るよ?」

 

「それを言うならあんたは王子が怒るよ?」

 

「……」

 

うるさい鮫?王子?王子は颯那が前の組織にいる時の上司だって聞いたけど。

 

「鮫って?」

 

「…リボーン、言ってもいいの?」

 

彼女はリボーンに確認を取った。けどリボーンは帽子で目を隠して。

 

「まだ時期じゃねぇ」

 

「って事でまだ言えない。いつか話す時が来るよ!」

 

またはぐらかされた。まぁ…いつか教えてもらうらしいし。いいか。

 

キーンコーンカーンコーン!

 

「「「「あっ」」」」

 

 

ーーーーーーーー

 

「ボス!颯と美奈が裏切ったというのは本当ですか!」

 

山本美奈が出久の部下になった。数週間後のイタリア郊外の鬱蒼とした森。その奥深くにひっそりと存在する、大きな古城にて。とある組織の8人の幹部とその首領の会議が開かれていた。しかし会議とは言っても、1人が動揺して、怒鳴り声を出してるだけで他の7人の幹部とその首領は平然としていた。

 

「……」

 

「ボスゥ!!」

 

なかなか答えない首領に男は痺れを切らして叫び出した。

 

「るっさいなぁ。あいつらからの定期通信が来てないからそういうことじゃん?」

 

「それか死んだのかもです」

 

ナイフを磨いていた金髪で目が隠れている少年がうるさく言う男に向けてそう言った。その向かい側にいる金髪でお下げをしている少女も口を挟んでいた。

 

「むぅ!貴様の部下だろ!!嵐部隊の長が何を言っている!」

 

「うししッ。知らねぇっつの、だってオレ、王子だし。」

 

少年は、ニヤニヤと受け流し、我関せずだった。

 

「貴様もだ!雨部隊の長は何も言わないのか!」

 

男は次に銀髪長髪の男に怒鳴り出した。しかし長髪の男はキレ顔になって。

 

「ヴォォォォイ!!さっきからしつけーんだよ!!」

 

そう叫ぶ長髪の男には刀がついており、それをさっきから叫んでいる男に向けて突き立てた。これでいよいよ本格的な戦闘の気配が、濃厚に漂い始めた…その時だった。

 

「るっせェ…カス共!!」

 

首領の男がそう叫ぶと、漂い始めていた戦闘の気配が飛散した。まさに鶴の一言。首領がゆっくりとその紅い目を開くその様子に、とある幹部は満足気に笑い、とある幹部は畏怖の念を込めた視線をむけた。

 

「……クソ爺への復讐の材料が揃っただけだ」

 

 何千、何百という流血のもとに輝くその目は、ひたすらに積年の憤怒と野望をのせて、ギラギラと光る。

 

「ザン様この事わかってたんですか?」

 

お下げの少女が驚いたように首領の男に向けて、そう言った

 

「……おい」

 

「うん、ボス。僕から説明するよ」

 

首領の男が幹部の1人である赤ん坊に一言かけると、赤ん坊は、話し始めた

 

「颯と美奈には、とある仕掛けがあってね。アイツらがジャッポーネの10代目候補の元にいる限り、そいつの情報はこちらに筒抜けなのさ。…アイツらが死なない限りね」

 

「そうなんですか。それは納得です」

 

「あ、そうなのねぇ!」

 

道理であの二人が始末されないんだなと長髪の男、金髪少年、うるさい男、赤ん坊以外の幹部は納得していた。

 

「しかし!颯那が死ねば意味はない!!」

 

しぶとく食い下がるうるさいの男に、それこそ笑える話だと、少年が白い歯をみせて笑った。

 

「アイツが、颯が死ぬわけねーじゃん。王子の部下だってこと、忘れんなよ……しししっ」

 

「美奈もだァ!!あいつは俺が育てた部下だァ!そう簡単に死ぬと思うな!!」

 

少年と長髪の男は、たとえ裏切られようと、自分の部下がそんなヤワじゃないと信じていたのだった。

 

 




雷神「てなわけで、ヒロアカ更新です!」

銀「次はドラえもんだな。」

雷神「YES!では次回もお楽しみに!」

【2021年3月3日追記】

雷神「えぇ突然の思いつきで、赤髪の少女からヒロアカキャラに変えました。」

銀「お前は忍術学園の学園長か!って誰になったんだ?」

雷神「ステ様大好きっ子です。」

銀「…あのイカレ女かよ!?」

雷神「ヒロアカ要素をちょっと混ぜないと出久だけになっちゃうしね。」

銀「ヴァリアー編まで長いだろうに。」

雷神「頑張りますっ!」


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標的3 電気子牛来る!

ランボ登場回です!サブタイにはありませんが、ビアンキもいます!何気にアニメを見たら、アニメと同じ進行になってて少し感動しましたw
アニメ沿いだからいいか
次回からはオリジナルを混ぜて行こうと思います。

第三者目線、出久、ツナの視点で行きます!


ここは空港、この日1人の牛の格好をした男の子がイタリアからこの日本にやってきていた。

 

 

ーーーーーーーー

 

 

美奈が仲間になってから3日が過ぎ、僕、颯、美奈は勉強をする為に、ツナの家に向かっていた。あっ、美奈呼びになってるのは、幼馴染なんだし、もう美奈って呼ばないと言われ、それもそうかと思い僕は呼び捨てで呼んでいる。僕はそういえばと思い、美奈にある事を聞いた。

 

「美奈はイタリア語喋れるの?」

 

「10年間向こうにいたからね。そこの姫も喋れるよ?」

 

「姫って呼ばないで。私はあんたの事まだ許してないから。」

 

美奈に話しかけられた颯は睨みつけるようにそう言っていた。……この2人はイタリアにいた時から反りが合わなかったらしく、3日前の事でさらに颯那が美奈に噛み付くようになっている。僕とツナはその度に止めてるんだけど。

 

「あら?まだ3日前の事気にしてるの?結構根に持つタイプなのね〜。シワ増えるわよ?」

 

「殺されたいの?」

 

さらに美奈は煽り、火に油を注ぐような事をするから颯那は牙をむく…この3日間はこんな感じが続いている、はぁ…

 

「ほらほら、喧嘩しないの。もうすぐツナの家に着くよ。」

 

「「ふん…」」

 

 

ーーーーーーーー

 

 

それからツナの家に着いた。インターホンを鳴らそうとしたその瞬間だった。

 

ドッッッカーン!!!

 

「何!?」

 

「出久様!上!」

 

爆発音に驚き、颯那の言葉で上を見たら、ツナの部屋がある場所からもくもくと黒い煙が出てきていた。リボーンは勉強教える時、正解を間違えると爆発させるという規格外な教え方なんだ。昨日僕にはそうやっていた。まさかツナにもやってんの!?僕達は慌てて中に入り、ツナの部屋を開くと…

 

「ちね!リボーン!!」

 

「ここではこの公式を使う。こうなるんだ。」

 

「なるほど、じゃなくて!!あいつ、お前の知り合いじゃないのかよ!」

 

そこには勉強をしているツナとリボーンの他に牛柄の服を来ている子供がそこにいる、というカオスな状況になっていた。ツナはさすがにつっこんでたけど、じゃなくて!

 

「ツナ!この状況は!?」

 

「オレも分からないんだよ!いきなりこの子供が来たと思ったら、手榴弾は投げてきて、リボーンがそれを打ち返して、その子に当たったんだよ!」

 

それがさっきの爆発音と黒い煙の正体だったのね!?

 

「お前らも来てたのか。早く勉強するぞ。」

 

「だからなんでそんなに落ち着いてんの!?」

 

リボーンは何事もなく、僕達を見ていた。未だに子牛くんは攻撃してるけど、リボーンは容赦なく投げ飛ばし、壁に激突させた。え、えげつない…

 

「あぁ…リボーンは格下は相手にしないタイプなんだよ。」

 

美奈は苦笑いしながら、そう教えてくれた。何その感じ。

 

「…かっけぇ」

 

「感心してる場合なの?10代目」

 

「ちょっとズレてるよね〜ツナって。」

 

「なっ!?」

 

2人にそう言われ、少しショックを受けているツナ。ごめん、僕も少しそう思っちゃった。

 

「ピギャァァァ!!!」

 

男の子は、リボーンに相手にされずに泣き出してしまった。それを見た颯那がすかさず近づいた。

 

「大丈夫?名前は?」

 

「…ら、ランボさん5歳だもんね!イタリアから来たボヴィーノファミリーのヒットマン!大好物はぶどうと飴玉!リボーンとは宿命のライバル!うわぁーん。」

 

そこまで言うと再び泣き出した。颯那はランボを抱きしめてあやしていた。意外と子供好きなんだな。颯って。

 

「…世界最強のヒットマンが相手する訳ないなぁやっぱ、ボヴィーノファミリーは中小ファミリーで知られてるし。」

 

美奈は苦笑いしながら言っていた。それを聞いて僕達も苦笑いせざるを得無かった。その後勉強してからその日は終わったのだった。

 

ーーーーーーーー

 

「行ってきます!」

 

「行ってらっしゃいつーくん!」

 

「ちゃんと授業受けろよ〜!」

 

オレは少し急いで学校に向かっていた。本当にリボーンが来てから、変な人ばっかり会うなぁ。でもそのおかげで出久に出会えたから良かったと言えばよかった。ちなみに出久は、今日日直で先に学校に行っていて、美奈ちゃんは朝練、はやちゃんは何か慌てた様子でどっかに行ったと出久が言っていた。

 

「ん?」

 

すると目の前に自転車が止まった。え?なんだろうと思いその人を見ると女の俺でも見惚れる綺麗な人が目の前にいた。その人はオレに向かってジュースを寄越してくれた。オレは突然そうされたので、受け取り損ね、缶を落としてしまった。ジュースはこぼれてしまった。

 

「めっちゃカッコわりー。なんでオレに?はぁ」

 

オレはそう思いながらも、その缶を取ろうとしたらそこから紫色の煙が出てきて、上にいたカラスが落ちてきた。

 

「…は!?なにこれェ!?」

 

オレは怖くなり、走ってその場を後にし、教室に入ろうとしてドアを開けようとした

 

「おはよ〜ツナ君!」

 

「おはよう沢田」

 

「おはよう、京ちゃん、黒川」

 

声が聞こえ、横を見ると黒川と京ちゃんがいた。うん、今日も京ちゃんは可愛い。

 

「それでその子、つーちゃんの弟?」

 

「え?…あっ。」

 

京ちゃんに言われ、下を見るとランボがオレの足に引っ付いていた。って何でなんでここに!?っていうかなんで泣きそうになってんの!?

 

「僕何歳?お名前は?」

 

京ちゃんは天然フルスロットルで名前を聞いていた。いやそれも癒しだけど!?

 

「まずいんじゃない?学校まで連れてきて。」

 

黒川に言われ、確かにそれはそうだ。あの人に見つかったら、確実に怒られる!

 

「綱吉。」

 

低い声が聞こえ、そしていつの間にかできていた人の集まりが蜘蛛の子を散らす様の分けられた方を見ると、そこにはこの学校の…いやこの町秩序で、それとオレのもう1人の幼馴染…恭弥さんが立っていた。や、やばい!?

 

「恭弥さん、すいません!!すぐに帰しますから!」

 

「いいよ。綱吉のなら許す。」

 

恭弥さんがそう言うと、周りが騒がしくなった。あのダメツナと雲雀恭弥が名前呼び?どういう関係だ?オレはこれ以上騒ぎになると思い…

 

「そ、そういう訳には行きません!!」

 

オレはそう言って、外に向かって行った。

 

「いいって言ったのに。それで?いつまで群れてるの?咬み殺すよ?」

 

ーーーーーーーー

 

オレは、少し離れた庭に来ていた。ランボを剥がして何故ここに来たのかを聞いたら、リボーンを探しにここに来たらしい。リボーンは家に居たはずなんだけど!?

 

「10代目。」

 

「うわ!はやちゃん!?いつ来てたの!?」

 

声がかかり、びっくりしてそこを見たらはやちゃんが立っていた。

 

「用事は済んだの?」

 

「見つからなかった。…何でランボがここに?」

 

「リボーンを探しに来たらしいんだ。確か家に居たはずなんだよな。リボーン」

 

ピキューン!

 

すると何かが開く音が聞こえそこを見ると、リボーンが椅子に座りながら話しかけてきた…って!?

 

「どっから出てきてんだ!?」

 

「学校中の秘密基地は秘密通路で繋がってるんだぞ」

 

リボーンは初日から学校に秘密基地を作ったらしく、オレはそれを最初に見た時にはもうツッコんだ。この学校は恭弥さんの所有物なのに、リボーンは素知らぬ顔で作ってたんだからね!

 

「勝手に作るなよ!」

 

「よいしょよいしょ!うっはっはっはーい!!掛かったなリボーン!今までのはお前を誘き寄せる為の演技だったのだ!」

 

ランボはオレの上に乗ってそう言った…って嘘つけ!!紛うことなき迷子になってたろ!ランボ!それに相変わらず無視されてんぞ!真正面でオレを見てたのにお前が来た瞬間逸れたんだぞ!

 

「覚悟!!リッボーン!!」

 

そう言いながら、どこから出したのかバズーカをリボーンに向けて放とうとした。ってだからどこから出したんだよ!!じゃなくて!ここでバズーカ放つなよ!?

 

「ランボ。めっ!」

 

「ピギャァァァ!」

 

「あ、威力間違えた。」

 

はやちゃんがランボを止めようとして、手を出したら思いの外力が入ってたらしく、バズーカ砲諸共土に埋まった。いやいやいや!!威力間違えて土埋まるって、ランボが弱いのか、はやちゃんが強いのか分からないんだけど!?

 

「うわぁーん!うわぁーん!」

 

「あぁ泣いちゃった…」

 

「あわわ…!」

 

珍しくはやちゃんが、慌ててる!?昨日すごく世話してたし、やっぱり子供好きなんだね!?

 

「うわぁーん!」

 

すると、ランボは頭から紫色のバズーカを出した…ってあの頭どうなってんだよ!?どうやって入れてんだよ!?四次元○ケットかよ!?

 

「ポット出して!ポット入る!!」

 

って言いながら、ランボはバズーカの中に入った!?いやいやいや!?なんなの!?

 

ドッカーーーン!!

 

バズーカは着弾して爆発した。ピンクのモヤが辺り一面を覆ってから、晴れると…

 

スタッ…スタッ…スタッ…

 

人影が歩いてきた。ランボ…?いや何か大人?

 

「はぁ…やれやれ全く。お久しぶり、若き“ドン”ボンゴレ10代目。」

 

「え?誰?」

 

「どこかで見た事ある牛柄のような…?」

 

はやちゃんが行ってるようにどこかで見た事ある牛柄のズボン?

 

「10年前の俺が世話になってます。10年前の泣き虫だったランボです」

 

10年前のランボが世話になってる?ってそれってまさか!!

 

「「10年後のランボ!?」」

 

「はいよろしくお願い致しま…?」

 

うん?何故か止まった。一点を集中して硬直してる?ランボ…いやこの場合大人ランボなのか?大人ランボはやちゃんを見て疑問に思ってるような顔になってる?

 

「どうしたの?」

 

「…いえなんでもないです。あなたは?」

 

獄寺颯(ごくでらはや)。知ってるはずだけど?」

 

大人ランボは、少し考えてから再びはやちゃんを見てた。

 

「…ははは。すいませんでした。そうでした颯さんですね。」

 

それから何事もなかったように振舞った。なんだったんだ?

 

「10年バズーカか。」

 

リボーンも今の出来事をなかったかのように振舞っていた。さっきのはもう無視しろって意味?まぁ、いいけど。

 

「10年バズーカって?」

 

「ボヴィーノファミリーに代々伝わるという武器だ。」

 

そしてランボからの説明は、この中には弾が入っており、そこに入って着弾すると10年後の自分と5分間だけ入れ替わるらしい。弾を取り出して投げる事も可能らしい。バズーカよりも弾の方が重要だからバズーカがなくても言いそうだ。何それドラ○もんの秘密道具!?

 

「うっそー、このカッコいいのがあのランボ!?」

 

「10年で何があったの?」

 

はやちゃんの言ってる事もごもっとも!本当に何があったの!?

 

「よう、リボーン見違えただろ。お前にシカトし続けられたランボ…あ」

 

大人ランボはリボーンに話しかける…けど相変わらず無視されてんだけど!?なおシカトなんだけど!?

 

「やれやれ、どうやら実力行使をしかないな。10年間で俺がどれだけ変わったのかを。。。」

 

ランボは不敵な笑みを浮かべながらそう言って、懐に手を入れた。そこからは角が出てきた。…ってあの角取り外し可能だったの!?そういえばなかったね!?

 

「サンダー!セット!」

 

そう言いながら、大人ランボは角を頭につけた。すると突然辺りが曇り空になり雷が鳴り出した。空を見たら曇天だった。そしてランボを見ると、電気が纏ってるような状態になっていた。ってどうなってんの!?

 

「俺の角は100万ボルトだ。」

 

100万ボルト!?人間が電気を纏うってだからどうなってんの!?

 

「…10代目、彼はどうやら電撃皮膚(エレットゥリコ・クオイオ)という生まれてすぐに何度も雷を受けることで体質が変化して生まれる特殊体質の持ち主みたい」

 

「何それ!?」

 

「要は電気を自分の力の変えてるって事」

 

「そっちの方がわかりやすい…」

 

「リボーン死ね!!電撃角(エレットゥリコ・コルナータ)!!」

 

大人ランボはそう叫びながら、リボーン突撃していった。

 

ニュルン!

 

「「あ。」」

 

けどそれはレオンが変わった杖によって止められた。いや弱いのは10年経っても変わんないのね!?よく見たらたんこぶが3個あるし!?いつ3回叩いたんだ!?

 

「が…ま…ん…うわぁーん!!」

 

そう泣き叫んで、大人ランボは走って行った…本当に10年経っても変わんない所はあるんだなぁ…。

 



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標的4 凪との出会い

今回はオリジナルの話になります。

クローム髑髏がまだ凪だった時に出久に出会ったらという展開です。ここからはアニメ原作共に違う展開(ドラえもんの方でもそうですが)になると思います。ですが、進みは多方アニメ一緒です





視点は、出久です。


一昨日は大変だった。ランボの件をツナや颯から屋上で聞かされた時にリボーンの愛人(何で赤ん坊の愛人って思ったけど)であるビアンキさんという女性がいきなりポイズンクッキングっていう毒料理を投げつけて来たんだ。体質で、作る料理は毒料理になってしまうらしい。そして驚いたことにビアンキさんは颯の姉らしく、昨日どこかに行っていたのはビアンキさんがここに来たから探していたらしい。まぁ色々あってビアンキさんはツナの家に居候する事になった(ツナは拒否ってたけど。)それとランボもね。

 

 

「今日はリボーンの勉強もないからのびのび遊べるぞ〜!」

 

「「「ははは…」」」

 

目が燃えてるツナはそう意気込んでいた。リボーンのスパルタさは僕も経験してるから気持ちはわかるな。リボーンは今日、イタリアに用事があって帰っている。それで今日は学校も休みでツナ、颯、美奈の黒曜の商店街に遊びに来ていた。いつもは並盛の商店街なんだけど、他の街にも行ってみない?って美奈が言って僕達は賛成して、やってきたんだ。僕も黒曜には用事があったから良かった。…僕以外女子っていう構図に慣れて来てるのがびっくりなんだけどね…

 

「はやちゃん!ちょっと向こうに欲しいものあるからきて!」

 

「うん、10代目。」

 

ツナは男のふりを(不本意みたいだけど)してるから、なかなかアクセサリーや可愛い物が買えなかったと前に言っていたし、颯と一緒に買う事で彼女に買ってあげる彼氏みたいになると考えついたみたい。それは確かにって思ったなぁ。

 

「最近ツナって、男装隠す気ないね。」

 

「名前もお父さんが勝手に決めたって言ってたしね。隠す理由もないし、僕達が知ってるからだと思う。」

 

「それもそうだね〜。じゃあ私も行ってくるね〜!」

 

美奈はそう言いながら、ツナ達の元へ走っていった。颯がとてつもなく、まぁ一緒に行くって時点から不機嫌になったけどね。って僕1人になっちゃった!?まぁいいか、みんなとは昼頃に集合するって決めてたし。僕は特に何もなかったから近くの公園に行く事にした。少し用事もあったからミルクを買ってある場所に向かった。

 

ーーーーーーー

 

僕は公園まで来ていた。実はここの隅には、捨て猫がいるんだ。前に並盛の他の街も探索してみたくなって、黒曜を歩いていたら、偶然見つけたんだ。僕の住んでるマンションは管理人が猫嫌いらしく猫は禁止。だから飼えない。ツナ達に頼めば飼ってくれるだろうけど…

 

「あれ?」

 

そんなことを考えてるうちに仔猫の近くに見たことがない人がいた。紫色の髪でロングヘアの少女だった。少し緊張するけど、颯と一緒に住んでから女子に対する免疫は多少ついた(と思いたい)から声をかける事にした。

 

「こ、こんにちは?」

 

「!!?…だ、誰?」

 

結局少ししどろもどろになった。驚いた少女に僕は罪悪感を感じて、ご、ごめんね!と慌てて謝ってから、仔猫の事が気になるのって聞いた。

 

「…寂しそうだったから気になって。」

 

「そ、そっか。あの…これこの子の為のミルクとご飯なんだけど。あ、あげてみる?」

 

「いいの?」

 

「も、もちろん!」

 

僕は家から持ってきた猫マンマのパックとさっき買ったミルクを入れた紙皿を彼女に見せた。

 

「…もらう。」

 

少女は少し考えてからそれらを受け取り仔猫にあげて、少女の顔は子猫の方を見ながら微笑んでいた。…あっ。

 

「お、遅くなったけど、僕の名前は緑谷出久!」

 

「…私は…凪。」

 

少女…凪さんは、名字を言わずに名前だけを教えてくれた。きっと言いたくない事情があるんだと思い、聞かなかった。すると、凪さんは立ち上がって、ミルクとご飯を僕に渡してくれた。改めて姿を見ると颯と美奈に負けない程の美貌の持ち主だった。

 

「ありがとう。出久。じゃあね」

 

彼女はそう言って、公園の入り口へ歩いていく。僕は咄嗟にこう言った。

 

「ま、またここに来る?凪さん!」

 

何故こう聞いたのかは分からないけど、彼女の様子を見てこう言わなきゃと思った。

 

「…来ると思う。」

 

凪さんは少し微笑んでそう答えてくれて、彼女は公園から出ていった。僕は少し晴れやかになって、子猫を撫でてからツナ達がいるであろう、商店街に戻って行った。

 

ーーーーー

 

それから4日がすぎて、僕は今日も黒曜の公園に来ている。あの日から毎日行ってるから日課になっていた。それと凪さんは来てくれている。正直嬉しかった。それに凪さんとはこの2日目で仲良くなっていた。そういえば…

 

「凪さんって学校とかどうしてるの?」

 

僕は学校帰りにここに来ている為、制服でここに来てるけど、凪は最初の時から白いワンピースだった。

 

「…私、学校が苦手で、行ってないの。」

 

「そうだったの?」

 

「うん、だからいずっくんやこの子に会えてよかったって思うの」

 

凪さんは仔猫を抱き締めて撫でながらそう言ってくれた。僕をここまで信用してくれるとは思ってなかったし。出会いも偶然だったけど、嬉しかった。ふと時計を見たらもう19時になっていた。

 

「あっ!ご、ごめん!凪さん!家の人にが心配するから帰るね!!」

 

「…そうなの?じゃあまた明日会いましょう。」

 

「うん!ごめんね!」

 

「大丈夫」

 

僕は断りを入れてから、急いで帰った。

 

 

ーーーーー

 

 

「…出久様?何で4日前からいつもいつも遅いわけ?」

 

急いで帰ると鬼の形相で睨んだ颯が仁王立ちで待っていた。そのまま正座をさせられていた。実はこの4日間遅くなっていた。いや仔猫の事話せばいいんだけど、問題は女の子と2人きりって知られるのがまずいんだ。何故だか知らないけど、笹川さんや黒川さん以外の女子と話すと颯を含めたツナ、美奈の3人は非常に不機嫌になるから。

 

「ご、ごめんね。颯。ちょっと用事で。」

 

「その用事でっていうのは4日間耳にタコができるくらい聞いた。こんなに遅くまでの用事なの?私には言えない事?」

 

「う…」

 

それを言われてしまうと何も言えなくなってしまう。でも話したらさらに颯を怒らせてしまうかもしれないし。なんて言うジレンマなんだよこれぇ

 

「別に話せばいいじゃねぇか。」

 

すると甲高い声が聞こえた。

 

「「リボーン?」」

 

「チャオっす。デク、颯。別にやましい事じゃねえんだゾ。ずっと黙ってたっていつかはわかるんだ。子猫の事。」

 

「…何で知ってるの」

 

「俺はおめえの家庭教師(カテキョー)だからな。」

 

それを聞くと妙な納得がある…

 

「出久様…話して。」

 

「…わかったよ」

 

僕は意を決して、凪さんや仔猫を話した。颯は特に横槍を入れずに聞いてくれていた。

 

「……それならそうと言ってくれたっていいのに。」

 

「女の子と2人きりで話すと怒るから言わないんじゃないか。」

 

「そ、それはそうだけど。…明日は私も行くから。それに10代目も。」

 

「…わかったよ」

 

まぁ…いつか凪さんに紹介したかったからいいか、ちなみにリボーンは、いつの間にかいなかった。ツナの家に帰ったんだと思う。明日は気にしてなかったけど休みだから朝から行けるね。

 

 

ーーーーーー

 

 

そして次の日、僕、颯、ツナそれと美奈もいた。仔猫の事を話したら、来た。颯は美奈が来るとわかったらまた不機嫌になっちゃってたけどね、僕達は公園の隅の方に行った。凪さんはいつものように座って仔猫に世話をしていた。

 

「凪さん!おはよう。」

 

「いずっく…だれ?その人達。」

 

凪さんは少し警戒して言ってきた。まぁ…そうなるよね。凪さんは人が苦手らしいし。

 

「ごめんね。凪さん、仔猫や君の事を話したらついて行くって言われて、嫌だった?」

 

「…そうなの?別に嫌じゃないけど。」

 

「ほっ…じゃあ紹介するね。」

 

「オレは沢田綱吉!よろしくな!」

 

「はじめまして!山本美奈!」

 

「獄寺颯。よろしく」

 

「…よろしく」

 

それからツナが女子だって事を聞いた凪さんは予想通り驚いていた。見た目男子で男口調だからしょうがないね。そして仔猫を挟んで楽しく話している女性陣を置いて僕は仔猫のミルクを買いに商店街に来ていた。流石に男1人であそこにいるのはキツかった免疫力ついたとは言ってもね。

 

「すいません!ミルクください!」

 

「お!いつものあんちゃんだな!ほらよ!120円でい!」

 

すっかり顔見知りになったミルク売りのおじさんにお金を渡して僕は公園に戻り、ツナだけで凪さん、颯の姿がなかった。

 

「あれみんなは?」

 

「はやちゃんは、電話があって向こうにいて、なぎっちゃんは御手洗!」

 

「そっか」

 

愛称を呼ぶまで仲良くなったみたい、やっぱり女子同士だと打ち解けるは早いのかな。

 

 

 

ーーーーー凪が危ない!!!

 

 

「え!?」

 

突然声が聞こえ後ろを振り返っても誰もいなかった。いや仔猫がいたけど…気のせいか?

 

「どうした?」

 

「いやなんでも…」

 

 

 

ーーー公園の入り口へ急いで!!!

 

 

 

 

いや気のせいじゃない!

 

「ツナ!公園の入り口に行こう!」

 

「え!?うん!」

 

ツナと一緒に急いで公園の入り口に走った。するとそこには凪さんと僕たちの知ってる仔猫とは違う猫が道路にいた。きっと凪さんはあの猫を助けようとしたんだ。

 

「出久!!トラックが来てる!」

 

「は!?」

 

見るとトラックが凪さんと猫の間近に来ていた。やばいあれじゃ引かれる!!

 

「出久!!」

 

僕はツナの声も聞かず脇目も振らずに凪さんと猫の元に走って行く。すると腕と足に何かが当たり軽くなった気がした。僕は凪さんを抱き寄せてから猫を手で持ち反対側の歩道まで来た。スピードを乗せすぎた為か壁に激突してしまった。

 

「はぁ…はぁ…」

 

「いずっくん!!」

 

凪さんは少しの怪我をしていたけど無事だった。猫は…ちゃんと助けれたか…

 

「無事で…良かった。」

 

僕の意識はそこで途切れてしまった。

 

 

ーーーーーー

 

夢を見ていた。辺りは真っ白で僕は1人だった。

 

『君のお陰で1つの歴史が変わった。』

 

声が聞こえた。さっき公園で聞いた声にも似ている。

 

『これから先、君には様々な出来事が起きる。きっと君なら乗り越えれる。』

 

「あなたは一体…」

 

『オレはーーーーーだよ。』

 

名前はノイズが走り、聞こえなかった。でも聞き覚えが少しあったような気がする。

 

『まだ聞こえないか…さぁ目が覚める時だよ。』

 

「また会えますか?」

 

『それは分からない。でも君が望むならばきっと会えるだろう。』

 

「はい…」

 

僕は返事をすると、途端に下に行くような感覚に落ちた。上を見るとさっき話した声の主であろう人物がいた。

 

 

その姿は…ツナに似ていた。

 

 

「……ん?」

 

「「「「出久(出久様)(いずっくん)!!」」」」

 

目が覚めるとツナ、凪さん、颯、美奈が心配そうな顔で僕を見ていた。周りを見るとどこかの病院の病室だった。

 

「うわっ!?…っつぅ」

 

驚いて起き上がると背中に痛みが走った。あっ、気絶する前に壁に当たったんだっけ。凪さんを見ると腕に包帯があるだけで、他は特に怪我はなかったみたいだった。

 

「凪さんが無事で良かった。」

 

「…良くない!私よりもいずっくんだよ!何で自分よりも私なわけ!?」

 

ほかの三人を押し退けて凪さんは涙を流しながら、そう言った。

 

「…凪さんに何かあればそれこそヒーローじゃない。見捨てるような事は僕はできない。何を言われようと、あの行動は後悔なんかしないから」

 

人1人救えないで何がヒーローになるだ。

 

「それでいずっくんが死んじゃったら、何もないじゃない!!」

 

凪さんは涙を流しながら、怒っていた。僕の為を思って怒ってるのはわかってる。凪さんはそのまま座り込んでしまい、ツナと颯は凪さんの頭を撫でていた。

 

「はぁ…出久が勝己に挑む時も思ったけど、自己犠牲は身を滅ぼすよ?」

 

美奈は呆れた顔で僕にそう言った。

 

「…わかってるよ。」

 

「これに懲りたら以後気を付けなさい。」

 

「…うん」

 

「本当にわかってる?」

 

「出久様わかってる?」

 

「いずっくん!ほんとにわかってる?」

 

「出久。」

 

「わ、わかってるよ!」

 

4人からジト目で再確認されたからしどろもどろになりながら、そう言った。

 

「今後出久が無茶しないように見張るから!」

 

美奈の一言で僕はこの日からツナ、美奈、颯の3人に無茶しないように見張られるのであった。えぇぇ…




雷神「はいということで、クローム髑髏はクローム髑髏になりません!」

銀「他にも変わるんか?」

雷神「時系列的にも変わってるね。凪が事故にあったのって黒曜編の後からヴァリアー編の間だろうからここから原作とアニメ版と変わっていく。」

銀「さぁ次回はどうなるか

雷神「次回は、ハルとイーピンが出てきます。次回の次回でディーノさんやサクラクラ病もだします!」

銀「次回もお楽しみにな!」


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