ガンダムビルドダイバーズΦ (ボルメテウスさん)
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キャラクター概要

大上 祐紀

本作の主人公でこれまでGBNにはまるで興味のなかった青年であり、特撮に命を懸けている特撮オタクである。

親友である紅の誘いもあって、GBNに興味を持った。

GBN内のプレイヤー名は『Φ』であり、アバターの見た目は乾巧を模したアバターとなっている。

バトルの実力は高く、彼自身が特撮を見た事による影響もあり、近接格闘の実力は高い。

その性格は無愛想で常にぶっきら棒な態度を取る事は多いが、礼儀は重んじている所がある。

また、GBNでのバトルの影響もあり、バトルジャンキーとなっている所がある。

また、困っている相手を助ける事には何の迷いもないが、助ける手段は過激な所が玉に瑕。

 

紅彩人

大上の親友。

一撃必殺の演出が好きな派手好きであり、ガンダムヴァーチェを始めとした機体を好んでいる。

その為か、GBNでもGNバズーカによる牽制や、多くの敵を一気に殲滅させるなどの活躍を見せる。

そんな一面があるが、大上が常識外れな行動を止める常識的な一面が大きい。

また本人の趣味もあってか、GBNでは【めぐみん】というダイバー名で活動しており、魔法使い風の女の恰好をしている。

その理由については、不明である。

また、以外とGBN内での顔は広い。

 

朝田詩乃

とある事件をきっかけに彼らと出会った少女。

ガンプラ作成技術は高く、GBNではシャフリアールと同等とされている。

その為かバルバトス・ファイズの改修など、ガンプラ関係で支える事が多い。

GBN内のプレイヤー名は【シノン】

 

 

ガンダムバルバトス・ファイズ

【武装】

ファイズエッジ

ファイズショット

ファイズポインター

ファイズ・バトルメイス

【概要】

バルバトスルプスを改造した大上の機体。

通常のバルバトスルプスの装甲にユニコーンガンダムのサイコフレームとなるクリアパーツを合わせて、仮面ライダー555を思わせる見た目へと改造する。

バルバトスにある阿修羅システムとユニコーンガンダムのサイコフレームが合わさった事によって、操縦者の動きをより反映させやすくなり、大上自身の特撮の知識も相まって、近接格闘に驚異的な戦闘能力を誇る。

また、仮面ライダー555の必殺技の再現を目的として、背中はガンダムレギルスのシールドを小型に改造して、装着されており、ユニコーンガンダムのサイコフレームによって、各武器にレギルスビットを凝縮し、仮面ライダー555の必殺技を再現する事ができる。

各必殺技は何百というビットのエネルギーを瞬時に開放し、放つ為、ブレイクデカールによって強化されたガンプラをも倒す事ができる威力を持つ。

当初はこの必殺技を放つだけでもエネルギー消費量が激しく、発動後に性能は大きく下がる。

その後は紅と共に作り上げたバックパック・オートバジンを装備する事によって、必殺技を放った後も問題なく活動する事ができ、連続で必殺技を発動する事も可能となる。

初期は大上の技術の低さもあって、通常形態でしか戦えなかったが朝田の指導もあり、より高い性能を発揮する事ができ、また、これまで555の武装を再現した武器の他にバルバトスルプスに搭載されていた武装を555の武器を再現したファイズシリーズを使い戦う事ができる。

また、改造された影響もあり、バルバトスルプスに搭載されているツイン・リアクターシステムとサイコフレームが共鳴する事によって、フル稼働させる事によって、TRANS-AM

にも似た現象を発動させる事ができる。

この状態になるとTRANS-AM以上のスピードでの活動する事ができ、スピードだけならばGBNでも上位に入っている。

ただし、その消費量もTRANS-AM以上な為、発動後はバルバトス・ファイズの性能はさらに下がる。

大上はこの現象を555に出てくるアクセルフォームへと似た現象という事もあって、本人は気に入っている。

 

ガンダム・ヴァーチェ・カスティーゴ

【武装】

GNビックキャノン

GNバズーカ×2

【概要】

めぐみんがヴェ―チェを改造した機体。

従来のヴェ―チェの火力向上を目的にしており、多彩な武装を装備しているが、威力が高い為、GNドライブが追いつけない所がある。

 

イチイバル・ウォーリアー

武装

ホーミングミサイル

マイクロミサイル

ビームガトリング

GNスナイパーライフル

【概要】

シノンがガナーザクウォーリアを改造した機体。

本来持っていたオルトロスの代わりにGNスナイパーライフルに変更する。

それ以外は大きな変更点はないが、ガンプラの出来はとても高く、様々な事に対応ができる。

 

ガンダムフラウロス・デルタ

朝田が開発したガンダム。

朝田が大上から見せられた仮面ライダー555で出てくる仮面ライダーデルタを参考にして作り上げた機体。

制作元となっているガンダムフラウロスの特徴的な装備である砲台を撤去し、代わりにガンダムナラティブBのパックを両肩に装備し、両腰にはV2ガンダムのミノスキードライブを装備している。

ミノスキードライブを装備した事により、本来の砲撃モード時でも高速移動を可能にしており、味方モビルスーツが乗り込む事で運搬も可能になっている。

また、B装備のミサイルを移動中に発射する事が可能になっている。

基本的な装備はショートバレルキャノンを使いながら、デルタと似た近接戦闘を行っていく。

必殺技としては有線式遠隔攻撃端末を使い、キャプチャー・フィールドによって再現されたルシファーズハンマー。

朝田から見て、デルタの装備の少なさを補う為に、デルタが劇中に乗っているジェットスライガーへの変形のアイディアとバルバトス・ファイズのクリムゾンスマッシュ以上の拘束と一撃必殺を目的に開発された。

 



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戦いの始まり

ガンダムSSという事で、皆様のガンプラ、募集しております。
皆様の応募、お待ちしています。
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=243553&uid=45956


「ガンプラを動かせるゲーム?」

 

俺はそう言いながら、手に持った本を持ちながら、目の前にいる親友に向けて俺は思わず言う。

 

「そうだよ、お前、知らないのかGBNを!」

 

そう言って、興奮を隠す様子もなく、叫んでいる。

 

「とりあえずは黙れ。

それで、そのなんだっけ、GBNは」

 

そう言いながら、俺はとりあえず親友の話に合わせるゆに、その内容を聞く事にした。

 

俺こと、 大上 祐紀は目の前にいる親友から勧められるまでガンダムという作品を全然知らなかった。

 

昔から特撮ばかり見ていた事もあって、アニメにはあまり興味を持てなかった。

 

だからこそ、目の前にいる親友である紅彩人がそんなに興味があるというガンダムに俺も付き合う形で一緒に行う事にした。

 

「ですが、その前に、やはり必要なのは、そう!

ガンプラです!!」

 

「ガンプラ?」

 

一応は言葉だけは知っているが、実際にゲームをプレイするのに必要になっていく物なのか疑問に思っているが

 

「えぇ、GBNを楽しむならば必須です。

だけど、大上に合う機体はなんでしょう」

 

そう言いながら、疑問に思うように頭を傾げる。

 

「別になんでも良いよ」

 

「よくないです!

初デビューのガンプラはやはり恰好良くないと!

この私の機体のように」

 

そう言いながら、懐から取り出したのは、俺がよく知っているガンダムよりも少し大きめのガンプラだった。

 

「これは?」

 

「私の相棒、ヴァーチェです!

まぁ、まだ改造とかはしていないですが。

ですが、それでも十分がぐらいの強さを持っております!」

 

「ふぅん」

 

そう言っている間にガンプラが置いている店に辿り着くと

 

「さぁ、今こそ、大上の相棒となる機体を選びましょう

 

「そうだな、そうだな」

 

そう言いながら、目を輝かせながら彩人は店の中のガンプラを見回っていた。

 

本当にガンプラの事になると周りが見えなくなるな。

 

「さて、相棒ねぇ」

 

そう言いながら、俺は彩人とは別にガンプラを見回っていた。

 

ふと、何か違和感を感じ、俺はゆっくりと近づく。

 

「なんだろう」

 

ゆっくりと、俺は見てみると、そこには一つのガンプラがあった。

 

何故、それに目を向けたのか分からないが、気になって仕方なかった。

 

「あぁ、駄目です。

なかなか良い機体がありません。

んっ」

 

俺のガンプラを見つける為に店中を見回っていた彩人が戻ってきた頃に、俺はそのガンプラを手に持って、見せる。

 

「俺、これにするよ」

 

そう言い、そのガンプラを見せる。

 

「これって、ガンダムバルバトスルプス?

確かに良い機体かもしれないけど、それだったらバルバトスの方が良いんじゃない?

それよりも上のバルバトスルプスレクスもあるけど」

 

「まぁ確かにそうかもしれなけど。

俺は、なんかこいつが良い気がしたんだ」

 

正直、直感みたいな物かもしれない。

 

けど、この直感に従うのも悪くない気がする。

 

「まぁ、乗るのは私じゃなくて、大上なので良いですけど。

それでは、私の華麗なテクニックを「あぁ、それは別に良いわ」なんですとぉ!」

 

俺はそう言いながら、とりあえずバルバトスルプスとニッパーなど必要な奴を買い揃えて、貸出スペースでバルバトスルプスを作る事にした。

 

「あれ、なんだか、手慣れていません?」

 

「ガンプラだけがプラモデルじゃないからな。

仮面ライダーのプラモデルがあるから、それで知っているからな」

 

そう言っている間にも、手早く作り上げたバルバトスルプスを見ながら、関心する。

 

「はっ早い。

なんというか」

 

「とりあえず、さっさと始めるぞ。

その、GBNだったか?」

 

「そうでしたね!

では、GBNにレッツゴー!」

 

その言葉に誘われるままに俺達はそのままGBNにログインした。

 

ログインして、初めての感想としては、本当にゲームの中の世界なのか疑問に思うぐらに広い空間だった。

 

周りを見渡しながら、俺はログイン前に彩人と約束していた場所にいると

 

「えっと、Φですよね」

 

「んっめぐみんか」

 

そうしていると、俺の目の前にいるのは魔法使いを思わせる恰好をした彩人ことめぐみんが立っていたが

 

「なんで、魔法使い、しかも女の服」

 

「べっ別に良いじゃないですか!!」

 

こいつはどういう訳か、中二病を爆発させたような恰好で女性の恰好をしていた。

 

現実でも女と間違えられそうな見た目をしているが、どういう訳か、こいつは好んでこの恰好をしていた。

 

「というか、あなただって、なんですか、その名前は!?

Φって、単語だけって」

 

「別に良いだろ、面白いから」

 

そう言いながら、俺は答えると共に

 

「さっさと任務だっけ?

やるぞ、えっと、これで良いでしょう」

 

そう言って、選ばれたのは無双ミッションだった。

 

「おい、これ初心者用じゃないミッションじゃないだろ」

 

「ふふっ、初めて、困難なミッションはなかなか面白いじゃないですか」

 

そう言っためぐみんは自慢そうに笑みを浮かべるが

 

「まぁ良いか」

 

俺自身も、なかなかに面白そうなので、そのままミッションに参加する事になった。

 

ミッションが開始すると同時に俺はバルバトスルプスは付属されているバスターソードを手に持ち、隣にはめぐみんが乗っているヴァーチェが同時に戦場に降り立つ。

 

「ほら、さっそく敵が現れましたよ」

 

その言葉を聞くと共に、周りを囲むように現れたのは一つ目のモビルスーツ、確か

 

「ザク」

 

「いや、ジンですよ。

なるほど、SEEDの任務ですよ!!」

 

その言葉と共に襲い掛かって来たジン達はその手に持った武器で襲い掛かってくる。

 

それに対して、俺はそのままバスターソードで近づいてきたジンを殴り飛ばす。

 

「うわぁ、いきなりとんでもないですね」

 

めぐみんが何やら言っているようだが、俺はそれに気にせず、そのままバスターソードでジンを次々と切っていく。

 

「なるほど、結構色々とできるな」

 

そう言いながら、俺はバスターソードを使って、何ができるのかどうかを確かめるように動いていく。

 

「なるほどっ、ですが」

 

その言葉と共に、めぐみんは手に持った武器を構えていた。

 

「高濃度圧縮粒子解放!」

 

「っ!!」

 

その言葉と共に俺はその場を離れると、目の前にいたジンは瞬く間に吹き飛ばされる。

 

「うわぁ、すごいな」

 

「どうですか、この威力はっ!

さて、まだまだっ」

 

そうしていると、ジンとは違う何かが接近してきたのに気付く。

 

俺達はそこに目を向けると同時にめぐみんの機体の手に持っている武器が撃ち抜かれる。

 

「なっ!?

まさか「ポイントを貰うぜぇ!!」乱入ですかっ!?」

 

その言葉と共に見えてきたのは、全身が青く、身体中に重火器を装備している機体だった。

 

「なんだ、あいつは」

 

「あれって、もしかしてブルーディスティニーの改造機!?」

 

「ぶっなんだ、それは」

 

聞いた事のない単語に俺は思わず答えてしまう。

 

「陸戦型ガンダムをベースに、地球連邦軍に亡命した元フラナガン機関所属の研究者、クルスト・モーゼスが開発したニュータイプ殲滅システム「EXAMシステム」を搭載した試作型モビルスーツですよ」

 

「いや、そんな早口で言われてもっ」

 

そう言っている間に、目の前にいる奴はこちらに向けてマシンガンで攻撃を仕掛けていく。

 

バルバトスルプスにあったソードメイスで攻撃を受け止めていく。

 

「ぐっ、武器があればっ」

 

そう言いながら、めぐみんの機体には既にない様子だ。

 

「さっさと、ポイントを貰うぞ!!」

 

そういいって、目の前にいる奴は襲い掛かってきた。

 

これ以上、攻撃を受け続ければ、負けてしまうのは確実だ。

 

「だったら、やるしかないよな!!」

 

その叫び声と共に、俺は手に持っていたソードメイスを勢いよく奴に向けて投げた。

 

「なっ武器を捨てたっ」

 

その事に驚いている様子だったが、俺はそのまま走り出し、ブルーディスティニーへと向かっていく。

 

「ちっ、わざわざ当たりに来たか!!」

 

そう言い、俺に向けて次々とマシンガンの弾丸が当たっていく。

 

バルバトスルプスは見るだけでもボロボロになっているが

 

「だからって、このまま負けるかよっ!!」

 

「なっしまっ」

 

叫び声と共に一気に近づくと同時に拳を奴の頭に向けて思いっきり殴りつけた。

 

驚いて、動けない間に俺はそのまま怒涛の攻撃を仕掛けていく。

 

「くっこいつっ」

 

そう言い、手に持ったビームサーベルで襲い掛かってきたが、俺は最小限の動きで避け、そのまま蹴り上げる。

 

「ぐっ」

 

「はああぁぁ!!」

 

俺はそのまま宙に舞いながら、背中にあるジェットパックを噴射させ、そのまま野郎に向けて蹴りあげる。

 

さすがにその質量に耐えきれなかったのか、奴の胸元はぽっかりと穴が開く。

 

「ふぅ」

 

よくやく勝負がついたと思った瞬間だった。

 

「まだ終わっていないですよ!!」

 

「っ!!」

 

見ると、奴はまだ立ち上がりながら、その手に持った武器をこちらに向けていた。

 

「初心者にっ負けてたまるかよっ」

 

そう言いながら、こちらに銃口を向けていた。

 

すぐに向かおうと思ったが、間に合わないっ!

 

そう冷や汗をかいた瞬間

 

「それはさすがにやりすぎですね」

 

「っ!!」

 

聞こえた声、同時に襲い掛かろうとしていた奴に向けて、俺が投げ捨てたバスターソードによって串刺しになった。

 

同時に爆散し、俺はそのまま睨みつける。

 

そこにいたのは、真っ赤なガンプラがそこに立っていた。

 

「あれはっ、ガンダムアスタロト」

 

「アスタロト?」

 

聞いた事のない名前に、俺は首を傾げるが

 

「ファイズの乗っているバルバトスルプスと同じガンダムフレームです。

だけど、あれはオリジンとは違うですが」

 

「ふむ、なるほど、面白い戦い方だなお前は。

戦ってみたいな」

 

そう言いながら、アスタロトの奴はこちらに向けて武器を構えたが

 

「だが、今は辞めておこう」

 

「それは、俺が弱いからか」

 

その言葉に俺は思わず言ってしまう。

 

「あぁ、弱い。

けど、面白いからね」

 

その言葉と共にアスタロトはそのままブルーディスティニーに刺されていたバスターソードをこちらに投げ返す。

 

俺はそれを受け止めると

 

「名前は」

 

「Φ」

 

「そうか、Φ。

楽しみにしているよ、君と戦える日を」

 

そう言い、今度こそアスタロトはその姿を消した。

 

「あいつは一体」

 

「噂で聞いた事があります。

フォースにも属さず、有名なプレイヤーを刈りまくる戦闘狂です。

まさか、こんな所で」

 

「なるほど、それは面白いな」

 

俺もまた、それに対して笑みを浮かべる。

 

「強くなってやろうじゃないかよ!!」

 

その言葉と共に、俺は拳を握りしめる。

 



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バルバトスの始まり

前回の戦いから、俺はすぐに改造に取り掛かる為に何をするべきかを考えていた。

 

GBNでは主に近接戦闘だけを行っていたので、銃を使った戦いがどのようにすれば良いのか分からない俺が下手な改造はどうなのか。

 

「だからと言って、このままじゃ」

 

同時に思い浮かぶなは俺の前に立ちふさがったアスタロト。

 

このまま俺が戦いに挑んでも、勝てる保証もないのは間違いない。

 

だからと言って、俺に合った改造があるのかどうか、疑問だ。

 

「あぁ、もう、気分転換でもするか」

 

そう言いながら、俺は本棚に入れているDVDを取り出す。

 

古いDVDで売られている特撮作品を地道に集めてきたおかげで、全話集まっている為、何時でも特撮を楽しめるのは良い事だ。

 

「さて、どれに」

 

そう俺は見ていると、ふと俺のダイバーネームにもなっている作品を見つめる。

 

「そうだ、確か」

 

それと共に、俺は思い出したようにスマホから取り出して、とあるガンダムを見る。

 

「これと、これを、バルバトスルプスに組み合わせれば!!」

 

同時に俺はそのままバルバトスルプスの改造を行った。

 

それは本編でも使われないような装備を追加させながら、改造を行っていく。

 

そうして、何日もかけて改造を行っていき、完成させたガンプラを持って、俺はそのままGBNにログインした。

 

「ついに完成したんですか、Φの機体が」

 

「まぁな。

あとは実際に戦ってみたいけどな」

 

俺はそう言いながら、ミッションを見ながら、お勧めなのがないかどうか見ていくが

 

「あら、君ってもしかして例のバルバトスの子かしら?」

 

「んっ?」

 

後ろからの声に俺達は振り返ると、見た目からして、オカマで間違いない人だけど

 

「あなたはもしかしてっマギーさんですか」

 

「まぎー?」

 

その名前にあまり聞き覚えがないので、俺は思わず首を傾げてしまう。

 

「この人はランキング12位のフォース・「アダムの林檎」のリーダーなんですよ!!」

 

「その通り」

 

「つまり、強いんだな」

 

俺は同時にマギーさんを見ると笑みを浮かべる。

 

「あら、意外と好戦的ね、嫌いじゃないわ」

 

「あっ、すいません、つい」

 

「ふふっ良いのよ。

礼儀が正しいのも良いわ。

それで、君、今は対戦相手を探しているのかしら?」

 

「もしかして!!」

 

俺はそのまま目を輝かせるが

 

「ごめんなさい。

でもあなたと戦ってみたい子がいるのよ」

 

そう言って、出てきたのは緑色のジャケットを来たダイバーが現れた。

 

「お前がバルバトス・ルプス使いだな」

 

「まぁ、バルバトス・ルプスを使っていたけどな」

 

その言葉を聞いて、笑みを浮かべると

 

「この子、あのブルーディスティニーのダイバーとは少し因縁があったの。

彼に勝った君に興味があったのだけど、いけるかしら?」

 

そう言ったマギーさんの言葉に

 

「勿論、俺もさっそく試してみたいと思った所ですから」

 

その言葉に応えるように、バトルを行う為の準備を行う。

 

俺はそのまま、新たな姿に変わったバルバトスへと乗り込む。

 

見た目は以前までのバルバトス・ルプスと比べると、青と黄色部分は銀色に塗装されており、関節部分も全て黒く塗装される。

 

だが、何よりも変わっているのは

 

「あれは、サイコフレームのっ」

 

その言葉通り、身体の各部にはユニコーンガンダムのサイコフレームを思わせる赤いクリアパーツを埋め込んでいる。

 

そのクリアパーツは身体全体に広がっており、俺はそのまま起動させる。

 

「さぁ、行くぜ、バルバトス・ファイズ!」

 

俺はそのまま新たな姿となった相棒であるバルバトス・ファイズを起動させる。

 

【Complete】

 

その音声と共に、バルバトス・ファイズの身体から赤いサイコフレームの光が溢れ出していく。

 

目は黄色く光ながら、俺はそのまま手をスナップさせながら、目の前にいる対戦相手を見つめる。

 

そこには、俺のバルバトスやあいつのアスタロトと似たガンプラだが

 

「あの子の機体はガンダムフラウロス・クルセイダー。

鉄血のオルフェンズの機体を組み合わせて、OOのGNドライブが組み合わさった機体よ。

だとしたら、なかなか面白い戦いになるわね」

 

「はい、どちらも鉄血のオルフェンズのガンダムに他の作品の特徴的な機能が追加していますからね」

 

そう言いながら俺達は、互いに睨み合っている。

 

「さぁ行くぜ!!」

 

その言葉と共にザンバスターを手に持ち、接近する。

 

それに対して、俺は手に持った赤いビームサーベルを手に持ち、対抗する。

 

バスターブレードとは違って、あまりにも軽すぎる一撃に戸惑いながらも、俺はそのまま後ろへと飛ぶ。

 

「ふんっ!!」

 

そのまま互いの武器を激突させながら、その場で何度もビームサーベルが激突していく。

 

一瞬でも油断すれば敗北してしまうだろうスリルに対して、俺は笑みを浮かべながら

 

「やっぱり、面白いなっ、ガンプラバトルはっ!!」

 

その言葉と共に俺は蹴り飛ばす。

 

「ぐっ」

 

俺の攻撃に一瞬、怯んだ様子を見せたフラウロスはそのまま両手に持ったGNツインビームライフルをこちらに向けて放っていく。

 

距離を離された事で、その攻撃を受けながら、俺はビームの嵐の中で

 

「試すにはもってこいだな」

 

その言葉と共に俺はバルバトス・ファイズの腰に装着されているパーツから一つの武器を取り出す。

 

「銃?

というには、あまりにも小さすぎる」

 

その武器はフラウロス・クルセイダーの持つGNツインビームライフルとはあまりにも小さすぎて、あるのは銃口だけしかない武器だった。

 

襲いかかるビームの中で、俺はその武器を起動させる。

 

【Ready】

 

「よし」

 

「んっ?

あの音声」

 

起動させると共に、俺はそのまま、その武器をバルバトス・ファイズの足に装着させる。

 

「さっきの音声、それにバルバトス・ファイズ。

あぁ!!」

 

【Exceed Charge】

 

「どうしたの、めぐみんちゃん?!」

 

何やら驚きを隠せない声で叫んでいたが、俺はそのまま宙を飛び、狙いをフラウロス・クルセイダーに向けた。

 

「これは、やばっ」

 

そう言い、逃げようとしたが、一瞬、足から出てきた紅いエネルギーがフラウロス・クルセイダーを貫通させた。

 

機体にはダメージがほとんどないが、引き金を弾く事もできなくなり、身動きが取れない状態になっていた。

 

同時にエネルギーは一瞬で円錐状の光に変わる。

 

「やっぱり、あの人は!?」

 

「えっなに、知っているの!?」

 

めぐみんはその改造について知っているのか、思わず叫んでしまう。

 

「なっなんだっ、この機体は

 

「はああぁぁぁ!!」

 

俺はそのまま放たれたエネルギーと共に、フラウロス・クルセイダーに向けて跳び蹴りを食らわせる。

 

ドリルのようになっているエネルギーがフラウロス・クルセイダーの装甲を削っていく。

 

「ぐっ」

 

全ての一撃を与えると同時に、俺のバルバトス・ファイズの身体が赤く光り、その一瞬でフラウロス・クルセイダーの背後へと回っていた。

 

「まっさかっ」

 

同時にΦという文字がフラウロス・クルセイダーが浮かび上がる。

 

「わぁお、これは凄いわね」

 

バトルが終え、俺はそのまま降り立つとめぐみんはすぐにこちらに駆け寄る。

 

「Φ、あなた、とんでもない改造をしましたね」

 

そう言いながらジト目でこちらを見ていた。

 

「凄いな、お前。

まさか、そんなバトルがあるとはな」

 

そう言いながら、対戦相手であるダイバーも挨拶してきれた。

 

「いや、偶然だったから。

本当に、これが初めてだからな」

 

「まぁ、クリムゾン・スマッシュなんて、ガンダムにはないですからね」

 

「あら、めぐみんちゃんは知っているの、あれを?」

 

マギーさんは疑問に思ったのかめぐみんに質問してきた。

 

「はい、Φは特撮が好きなんですよ。

最初はユニコーンとバルバトス・ルプスの合体だと思っていましたが、どうやらバルバトス・ルプスを仮面ライダー555のように改造しただけのようですね」

 

そう言いながら、呆れたようにめぐみんは言う。

 

「へぇ、なるほど。

つまりは自分の好きを組み合わせた機体なのね、これは今後が面白くなりそうね」



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マスダイバーの眠り

GBNを始めてから、2週間、俺は多くのダイバーと戦っていた。

 

マギーさんを始め、多くのダイバーとの戦いはこれまでにない興奮があり、テレビの中でしかなかった555が、新たな戦いを繰り広げているようで楽しんでいた。

 

「連戦ミッション?」

 

「はい」

 

その日もバルバトス・ファイズの新たな武器の製作したΦはそのままGBNにログインしていると、めぐみんから誘われていた。

 

「えぇ!!

GBNには様々なミッションが用意されています!

今回は私も好きなOOを模したミッションですので、ぜひ一緒に参加しましょう!!」

 

「まぁ、別に良いけど」

 

俺はそう言いながら、バルバトス・ファイズの新しい装備を確かめたいと思い、共に参加する事になった。

 

「あの、もしかして、その連戦ミッションって、やるんですか?」

 

「んっ?」

 

振り返ると、二人の男女が一緒にいるのだが

 

「誰だ?」

 

「あっ、俺はASです。

こっちは一緒にプレイしているロストです!!

 

「はっ初めまして」

 

そう言いながら、挨拶してきたプレイヤー二人を見ながら、俺達も

 

「始めまして、我が名はめぐみん!!

こっちは、変わり者のΦです」

 

「Φだ」

 

そう言いながら、挨拶を終えると

 

「それじゃあ、行くか」

 

「あっはい!!」

 

そう言いながら、俺はそのままバルバトス・ファイズに乗り込む。

 

「気にしないでください。

Φは元からあんな性格なので」

 

そう言いながら、めぐみん達も来ると

 

「赤いヴァーチェ?」

 

「その通り!

この紅のヴァーチェこそ、我が相棒、ヴァーチェ・カスティーゴです!!」

 

そう言いながら、自慢しながら言ったヴァーチェを見つめると、様々な武装が追加されており、全身が赤く塗装されている。

 

「凄いですね、俺達のとは違いますね」

 

「いや、これはこれで、凄いですね」

 

見つめた先には、エクシアとディスティニーの二機だったが、二機とも改造されていたのが一目で分かった。

 

二つの機体は翼が特徴的だが、エクシアはまるで堕天使、ディスティニーはハーピィを思わせる機体だった。

 

「パーツを交換したんですか?」

 

「はい、俺達、二人で一緒に始めたので、色々と改造したくて」

 

「そうか」

 

それだけ言うと同時にミッションが始まった。

 

戦場に降り立つと同時に空から無数に襲い掛かる敵機。

 

それに対して、ヴァーチェ・カスティーゴはその手に持ったバズーカを構える。

 

「この火力、GNバズーカの威力を見せてやりましょう!!」

 

その叫び声と共に、空を覆っていた敵機を瞬く間に消し去った。

 

「どうですか、この威力!

全てを吹きとばす、この威力!!」

 

「・・・けど、お前の後ろから出ている光、凄い減っているけど」

 

「いやぁ、これって、撃った後って、しばらくチャージするのに時間がかかるんですよね」

 

「俺のと一緒か。

けど、どうするか」

 

「どうしたんですか」

 

そう言いながら、見渡すと、未だにこちらに無数の敵機が構えていた。

 

その距離は先程までの空を覆う敵とは違い、地上で砲台を構えている敵だ。

 

「さすがにあの距離まで届く武器はないからな」

 

現状のバルバトス・ファイズではあそこまで一気に接近するのは難しい。

 

「だったら、俺達で」

 

「うんっ!!」

 

その言葉を聞くと同時にディスティニーはそのままエクシアが乗り込むと、そのまま接近した。

 

砲台から次々と弾が撃たれていくが、ディスティニーの操縦技術は上手く、全ての攻撃を翻しながら、瞬く間に接近する。

 

同時に降り立ったエクシアはそのまま両手に持った武器で次々と切り裂いていく。

 

「おぉ、エクシアのこれはっ!!

まさにっ原作再現じゃないですか!!」

 

何やら、興奮しているようだが、どういう事なのかさっぱり分からない俺はそのまま状況を見つめるしかなかった。

 

「んっ?」

 

そうして、無双しているのを見つめていると、何やら、違う反応が見えた。

 

「これは、別の機体?」

 

「たくっ、こういうのはあるのか」

 

そう言いながら、見つめた先には見た事のない機体が二つ。

 

その二機はそのまま手に持ったビームライフルの引き金を引くと、残りの敵を一気に倒した。

 

「なんだこいつらは?」

 

「ヘイズルに、ファントムガンダム。

ですが、このミッションはooのはず、つまりは」

 

「よう、ご苦労さん。

という事で、あとは俺達がやっておくから、さっさとリタイアしな」

 

「あぁ」

 

その言葉から、俺は思わず睨みつける。

 

「なっ、あなた達、何を言っているんですか!!」

 

「あぁ、決まっているだろ?

連戦ミッションのクリアをするのに、馬鹿真面目に行うのは面倒だろ」

 

「この人達はっ」

 

そう言うと共に、雰囲気が変化に気付いた。

 

「なんだ、これは」

 

気味の悪い感触に俺は思わず構えるが

 

「ぶっブレイクデカールっ!?」

 

「ブレイクデカール?」

 

聞いた事のない単語に思わず首を傾げるが

 

「使用するとガンプラの性能が格段に引きあがるチートです。

使う奴らの事はマスダイバーと呼んでいますが」

 

「っ」

 

「んっ」

 

そんな奴らを見つめていると、怯えているロストが見えた。

 

「おやぁ、そっちのは前に見た奴らじゃないかよ。

今回もポイントを貰わせてもらうぜ」

 

「あぁ、そういう事」

 

状況が理解できると同時に、俺は懐からファイズエッジを取り出す。

 

「お前、さっさと離れろ。

こいつらは俺が相手する」

 

「むっ無茶です!!

相手はマスダイバーですよ!!」

 

「マスダイバーだが、なんだか知らないがな、逃げるのは俺の性に合わないんだよ」

 

「生意気言うんじゃない!!」

 

そう言って、ヘイズルと呼ばれた機体が襲い掛かってきた。

 

その手に持ったビームサーベルで襲い掛かるが、ファイズエッジでその攻撃を受け止める。

 

火花を散らしながら、明らかに出力は向こうの方が高いのが分かる。

 

だが、力任せな攻め方をしているのが分かり、ここ最近、マギーさんを通して戦ったダイバー達の方が

 

「上手いんだよ!!」

 

「なっ」

 

俺はそのまま蹴り上げて、ヘイズルをそのまま吹き飛ばす。

 

同時に後ろからファントムガンダムが襲い掛かるが、ファイズエッジで攻撃を受け止めながら、考える。

 

目の前にいる奴らがどんなに強化されたとしても、必殺技を叩き込めば倒せる。

 

だが、さすがに二人同時に相手するのは難しい。

 

「こいつっ、本当に初心者なのかっ!!」

 

「あぁ、けど、こっちは数で勝っているんだ!!」

 

その言葉通りだ。

 

だが

 

「っ!!」

 

離れていたファントムガンダムに向けて、GNバズーカの一撃が掠れる。

 

「私がいるのを忘れてもらっては困りますよ」

 

「ってめぇら!!」

 

めぐみんからの挑発を受けて、ファントムガンダムはそちらの方へと向かって行った。

 

「お前らっ」

 

そちらの方を見てしまい、ヘイズルの攻撃が直接当たってしまう。

 

近くの岩場に激突してしまう。

 

同時に手に持っていたファイズエッジはそのまま吹き飛ばされてしまう。

 

「Φっ!!」

 

「っ!!」

 

その事で、3人が動揺をしていると、ファントムガンダムが瞬く間に吹き飛ばす。

 

「これでっ終わりだぁ!!」

 

それを見て、ヘイズルから余裕の声が聞こえてきたが

 

「あぁ、そうだな」

 

「ふぅ」

 

「っ!!」

 

最後の一撃を与える為に接近してきたヘイズルは俺の間近に近づくが、すぐに離される。

 

何が起きたのか分からなかった一同だが、ヘイズルの腹部にはビームによって、後ろまで吹き飛ばされていた。

 

「なっ、奴は近接戦闘特化型じゃなかったのか」

 

「誰もそんな事言っていないだろ」

 

そう言いながら、俺はその手に持っている小型銃を構えていた。

 

元々、原作再現だったら、ファイズフォンだと考えていたが、それはさすがに難しい為、妥当案として、それを模した小型銃を作成した。

 

「あぁ、よく考えたら、ファイズには普通に銃も使っていましたしね

 

ファイズの武装について思い出しためぐみんは笑みを浮かべながら、見つめる。

 

「ふざけるな!!」

 

そう言い、ヘイズルはそのままビームライフルを構えるが、俺は瞬時に銃口を変形させた。

 

【BURSTMODE】

 

その音声と共に引き金を引くと、そこから出てきたレーザーはヘイズルのビームライフルを容易く破壊された。

 

「なっ」

 

それによって、ビームライフルは爆破され、ヘイズルは怯んでしまう。

 

原作と動揺にシングルモードは敵に当て、牽制する為命中率を高くさせるのを重点にしたモード。

 

対して、バーストモードは敵の部位破壊を目的にした破壊力を持っている。

 

未だに射撃訓練を行っていないので、あまり遠くまで撃てないが、ここまで接近すれば、当てる事自体は容易だ。

 

「ふぅ」

 

【Ready】

 

その隙を逃さなかった俺はそのまま右手にあるナックル・ガードを装備させ、同時に

 

【Exceed Charge】

 

その音声が鳴り響くと、俺はゆっくりと構え、走り出す。

 

「はああぁ!!」

 

雄叫びと共に、目の前にいるヘイズルの懐を殴る。

 

「なっなっんだとっ」

 

同時にヘイズルの胴体にΦという文字が浮かび上がり、爆散する。

 

ファイズショットを再現する事は成功し、どうやらマスダイバーを相手にも通用する事が十分に証明できた。

 

「勝った、マスダイバーに」

 

その言葉に驚きを隠せなかったが

 

「ぐっ」

 

だが、俺は攻撃を終えると共に、その身体に纏っていた光が無くなる。

 

「えっ、これって」

 

「一発撃つと、こうなるのかよ」

 

そう言いながら、バルバトス・ファイズは立ち上がる事ができない状況だった。

 

やはり、必殺技の再現を行う事自体は成功したが、それでもエネルギーの消耗が激しい。

 

この問題を解決できていない状況で、次の技を放つのは難しい。

 

「この状況だったら、俺だって!!」

 

その言葉とファントムガンダムが俺に向けて襲い掛かろうとしていた。

 

「やらせるかっ!!」

 

「っ!!」

 

そこにはボロボロになっていたエクシアがGNソードでファントムガンダムの攻撃を受け止めていた。

 

「ASっ!!」

 

「この世界はっ、あいつが自由に歩ける世界なんだ!!

その世界をっお前らの勝手にさせてたまるかよ!!」

 

そう言い、エクシアがそのままファントムガンダムをそのまま吹き飛ばす。

 

「だけど、その程度で「えぇ、もう充分です!!」なっ」

 

ファントムガンダムは気付き、声の方向を見ると、デスティニーに背中を支えられているヴァーチェ・カスティーゴはその手に持ったGNバズーカを連結させて、構えた。

 

「さぁ、狙い撃ちますよ!!」

 

同時にヴァーチェ・カスティーゴから放たれた一撃がファントムガンダムはその光に包まれ、完全にその姿を消した。

 

「はぁはぁ」

 

激戦の中、4人はそのまま地面に倒れ込んでしまった。

 

「私達、マスダイバーに勝ったの」

 

先程までの戦いが未だに信じられないのかロストは驚きを隠せなかった。

 

「あぁ、勝てたんだっ!!」

 

その事に無償に笑みが浮かび上がる。

 

「あぁ」

 

ミッションが未だに終わっていないはずだが、それでも、俺達は確かな勝利に笑みを浮かべた。



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新たな555

「えっ、ガンダムにバイクってあるの」

 

「あら、知らなかったの?」

 

その日、俺はどうするか悩んでいると、マギーさんから驚きの事実を聞かされた。

 

ガンダムの作品内に、モビルスーツが乗るバイクの存在がある事に。

 

「まぁ、GBNのデータ限定だけど、マシンライダーというのがあるわ。

ダイバーポイントが溜まっていれば、いけると思うけど」

 

その事を聞いて、俺はすぐに自身のビルドコインとマギーさんに教えてもらったマシンライダーを見る。

 

現状、バトルに勝っている事もあって、溜まっているビルドコイン、そして理想とする改造に必要なポイントを合わせて、あともう少し。

 

「ふふっ、だったら、やってやるぜ」

 

「そうこなくちゃね。

さすがに仮面ライダーにバイクがないのは少し寂しいからね」

 

その言葉に俺も頷きながら、目を輝かしていた。

 

「だけど、今の対戦できる相手と言ったら、この人しかいないけど」

 

「誰でも良いですよ!!

一体」

 

そう言い、俺はマギーさんが指を指していたので、振り返り、そこにいたのは俺よりも巨体な奴が立っていた。

 

真っ黒なGが立っていた。

 

「・・・じょうじ」

 

「じょうじねぇ」

 

目の前にいる奴はそのままプロフィール画面が出てきて、そこにはじょうじと書かれていた。

 

「良いぜ、戦おうぜ、じょうじ!!」

 

その言葉と共に、俺はそのままバトルを承諾する。

 

同時に会場へと移動する。

 

「ある意味、凄いわね」

 

「アマゾンズで慣れたから」

 

「アマゾン?」

 

そう、特に気にせず俺はバルバトス・ファイズへと乗り込む。

 

同時にバトルがスタートすると共にバトルフィールドは寂れた町へと移動する。

 

「さて、どこから来るか」

 

そう言いながら、俺はすぐにバルバトス・ファイズの武器の一つであるファイズ・エッジを構える。

 

プロフィール画面で確認する限りでも、あのじょうじというダイバーは油断できない相手なのは知っている。

 

だからこそ、俺は最初からファイズエッジを装備しているが

 

「くっ」

 

ファイズエッジを構えながら、周りを動きまくる奴を睨みつける。

 

武器も何も持っていないが、その分、身軽なのか、姿を見る事ができない。

 

「じょうじ」

 

「っ!!」

 

聞こえてきた声に対して、すぐにファイズエッジで防御する事しかできないが、そのまま俺は吹き飛ばされてしまう。

 

「まったく、本当にゴキブリみたいな奴だな」

 

そう言いながら、壁に叩き込まれ、そのまま攻撃するように接近する奴に対して、俺はファイズポインターを取り出す。

 

だが、その脅威を知っているのか、すぐにファイズポインターに向けて岩が投げられ、ファイズポインターが吹き飛ばされる。

 

「ぐっ」

 

すぐに取りに行こうとするが、その先には奴が待ち構えていた。

 

罠だと分かり易いため、後ろに下がると同時にファイズポインターは踏みつぶされ、破壊される。

 

「やっぱり、知っているよな」

 

同時に見えた奴の姿はガンダムという形は残っているが、本当にゴキブリだと思わせるような機体だった。

 

こちらをまっすぐと見つめながら、すぐに走り出す。

 

「まったく、アクセルフォームはまだできていないってのに」

 

このような高速移動をする相手には有利になるアクセルフォームは、どのように再現すれば良いのか、まだ悩んでいる為に今は使えない。

 

だからこそ、今、この場で使えない事に悔しい思いがあるが、それでも諦めるのはまだ早い。

 

「こうなったら、賭けだな」

 

【Ready】

 

俺はそのまま右手にあるファイズショットを装備させ、同時に構えると、ガンダム・テラフォーマーズが襲い掛かる。

 

ナックル・ガードを装備している腕を引きちぎる為に力を籠める。

 

「だけどなぁ!!」

 

【Exceed Charge】

 

その音声と共に光り輝いたのはファイズショットではなく、ファイズエッジだった。

 

驚きを隠せないガンダム・テラフォーマーズはすぐに逃げ出そうとするが

 

「逃がすかぁ!!」

 

一瞬でも姿を見る事ができた以上、それを逃がさない。

 

俺はそのまま腕を振り上げるとファイズエッジから放つエネルギー波でそのままガンダム・テラフォーマーズを拘束する。

 

「じょっ!?」

 

拘束した事で、身動きを取れないガンダム・テラフォーマーズに対して、俺はすぐに走り出すと共に、振り上げる。

 

「はああぁぁぁ!!」

 

一閃と切り裂く。

 

それだけでも倒せないならば、何度も切り上げ、最後の一撃を放つように一回転。

 

「じょっじょう」

 

拘束が解除されると同時にΦという文字が刻み込まれ、同時に勝利の音が聞こえる。

 

勝利画面が出てくると共に目標であるビルドコインを確認する。

 

「よしっ」

 

同時に俺が浮かび上がる、新たなファイズの形が見えてきた。



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バイクなパック

「さて、どうしようか」

 

その日、さっそく新しい装備を作り出す事ができたが、めぐみんはGBNに参加する事ができなかった。

 

「だけど、今回の連戦ミッションはさすがに一人では難しいよな」

 

そう言いながら、俺はミッションの確認画面を見ながら、悩んでいる。

 

「はぁ、どうしよう」

 

そんな俺の声と重なるように聞こえてきた声。

 

そのまま俺は声が聞こえた方向を見ると、どうやら俺と同じように悩んでいるようだった。

 

「もしかしてだけど、この連戦ミッションに参加する予定」

 

「えっと、あなたも?」

 

「あぁ、だけど一緒に来る予定だったフレンドが急に来れなくなったんだ」

 

「実は俺もそうなんです」

 

「なるほど、だったら一緒にやる?」

 

「はい!!」

 

その言葉に頷くと共に、俺達はそのままミッション参加する事にした。

 

同時に出てきたプレイヤー名はリク、そしてガンプラの名前はガンダムダブルオーダイバーという名前だった。

 

「確か、ヴァーチェが出てくる作品のか」

 

確かめぐみんに作品を見せてくれたが、そのダブルオーに改造されているようだ。

 

様々な改造をしているようで、俺のとはまた違った改造だ。

 

「Φさんのはバルバトスとユニコーンが合体した機体ですか。

でも背中のバックパックは変わっていますね」

 

「あぁ、最近になって作ったけど、まぁこれが初実戦だけどな」

 

そう言いながら、見つめる先にはこれまでのバルバトス・ファイズにはなかったバックパックだ。

 

「なんというか、クロスボーンガンダムに似ているけど、車輪?」

 

「まぁ、楽しみに」

 

その言葉と共に、俺達はそのままミッションが始まった。

 

ミッションが開始すると同時にM1アストレイと呼ばれる機体が次々と現れる。

 

「さて、行くぜ!!」

 

「はい!!」

 

見る限り、最初は地上にいる敵を倒すミッションのようだ。

 

「ならば!」

 

同時に俺は背中にあるバックパックを外すと同時に変形し、その形は完全にバイク、オートバジンへと変形する。

 

「えっバックパックがバイクに!?」

 

「乗れ、リク!!」

 

「はい!!」

 

同時に俺はオートバジンのエンジンを唸らせながら、M1アストレイに向かって走り出す。

 

次々と放たれていくビームだが、オートバジンのスピードよりも遅く、避ける事は簡単に行う事ができる。

 

それに合わせて、リクのダブルオーダイバーは手に持ったGNソードⅡから次々とビームを放っていく。

 

攻撃を繰り広げながら、M1アストレイの集団の中央に龍と同時に、回転させながら全てのM1アストレイを全滅させた。

 

「凄い機動性だ!」

 

「まぁ、ライダーだからな」

 

「ライダー?」

 

「なんでもない、次は」

 

そう言うと共に空を見れば、既に次の敵であるムラサメが現れる。

 

同時に俺はオートバジンを変形させ、背中に装備させると共に空を飛ぶ。

 

劇中でもオートバジンが空を飛んでいる描写があった為、ロボットモードに変形できない代わりにこうしてバックパックにする事で、空中戦も可能になった。

 

「はあぁあ!!」

 

俺達は互いに背中を守りながら、襲い掛かってくるムラサメを戦っていく。

 

そうして戦っているうちにムラサメが一ヵ所に来たのを見ると、オートバジンから出てきたファイズエッジを構え

 

【Ready】

 

その音声と共にファイズエッジを構え

 

【Exceed Charge】

 

放った一撃でムラサメに向けて放つ。

 

そうして複数のムラサメが一ヵ所に拘束され、同時に俺はファイズエッジで切り裂く。

 

「今のは必殺技?」

 

「まぁ、似たような奴だ。

だけど、少し違う」

 

そう言い、俺はそのままファイズエッジを見せる。

 

「ビームビット?」

 

「あぁ、俺のフレンドから教えてもらって、それの応用だ」

 

バルバトス・ファイズを改造する際に一番注目したのは必殺技の再現だった。

 

555の劇中でもクリムゾンブラットを応用して放ったという必殺技もあったので、ファイズギアにビームピットを溜め込み、そのままユニコーンの能力の応用で必殺技を再現した。

 

だが、これは大きく集中し、バルバトス・ファイズにも負担が大きいのでこれまではチャージをする必要があったが

 

「よし、成功だな」

 

オートバジンに貯め込んでいるビームピットのおかげで必殺技を放ってもすぐに行動する事ができる。

 

「んっ」

 

「あれ」

 

俺達はそう休憩に入ろうとした時だった。

 

いきなり空から現れたのは巨大なガンダムだった。

 

多数の脚部を持っており、ドラゴンを思わせる腕が背中から生やしており、黄金に輝くガンダムがそこに立っていた。

 

「なんだ、あれは」

 

「アカツキデビルドラゴン!?

ボスはアカツキのはずなのに」

 

どうやら、本来のボスとは異なる奴が現れた。

 

「ブレイクデカールの影響が」

 

「あいつらのかっ」

 

同時に思いだすのはあの時に襲い掛かってきたマスダイバー達。

 

そいつらの影響が今、ここに出てくるとは

 

「だとしても」

 

「はい!!」

 

俺達は同時にオートバジンから二つのファイズエッジを構え、リクと共にアカツキデビルガンダムに向かっていく。

 

奴は背中から生やしたドラゴンファングでこちらに向けて襲い掛かってくる。

 

それで蹴り上げるが、まるで効いた様子が見られない。

 

「ちっ物理攻撃を防ぐのかっ」

 

「だけどアカツキにはビームではダメージが与えられないっ」

 

「そうなのか」

 

「はい、どうしたら

 

絶体絶命の危機。

 

「二つ揃ったら、確かに勝てないっ!

だったら」

 

一度にできる攻撃は一つだけ。

 

バルバトス・ファイズだけだったら、確実に勝てなかったかもしれない。

 

だったら

 

「やるしかないな」

 

俺はそのままファイズエッジをそのままオートバジンに戻し、同時に俺はオートバジンから取り出したファイズポインターを取り出す。

 

【Exceed Charge】

 

「リク!!」

 

俺はそのままリクに向けて叫ぶとファイズポインターにエネルギーが溜まるのを確認すると同時に片手に持っていたファイズエッジをリクに向けて投げた。

 

「これは」

 

にこちらを見つめると、俺は頷くとリク自身も分かったように頷いた。

 

「合わせます!!」

 

その一言と共にアカツキデビルドラゴンに向けて、ダブルオーダイバーエースはGNソードⅡをファイズエッジと一緒に構えて、振り上げる。

 

それによって、ファイズエッジから出てきたエネルギーはそのままアカツキデビルドラゴンに向けて放った。

 

放たれたエネルギーを防ぐ為にドラゴンファングでその攻撃を防いだが、ファイズエッジから放たれた赤い光波で目標を円柱状に拘束する。

 

「はあああぁぁ!!」

 

リクは雄叫びと共にダブルオーダイバーエースはそのままアカツキデビルドラゴンに急接近すると同時に次々と攻撃を行っていく。

 

両手に持った剣による連続攻撃はアカツキデビルドラゴンのドラゴンファングを全て切り落とした。

 

だが、最後にスパークエッジの拘束を解除されてしまう。

 

だが

 

「Φさん!!」

 

「あぁ!!」

 

完全に視線はダブルオーダイバーエースに向けられており、最大限までに溜まっているファイズポインターをアカツキデビルドラゴンに向けて放った。

 

アカツキデビルドラゴンの身体はすぐに防御しようとしたが、エネルギーはそのまま円錐状に展開する。

 

「「はああああぁぁぁ!!!」」

 

それに合わせるようにダブルオーダイバーエースの二つの剣を重ねて切り裂き、俺のクリムゾンスマッシュの攻撃が重なり

 

――STAGE CLEAR―

 

その音声と共にアカツキデビルガンダムを撃破する事ができた。

 

「よしっ!!」

 

「あぁ」

 

ステージをクリアする事を確認すると共に俺達はそのままホームへと戻ってきた。

 

「ありがとうございます!」

 

「こちらこそ。

なんというか、このミッション、多分一人じゃできなかった。

それに、おかげで俺も色々とアイディアが思い浮かんだ」

 

リクの戦い方は仮面ライダー555という作品に捕らわれていた所に、新たな戦いを思いつく事ができた。

 

「俺も、バルバトス・ファイズの戦い方、俺の今、考えているダブルオーを思いついたから」

 

その表情を見て、俺と同じように思ったようだ。

 

「だったら、今度会った時に戦うのが楽しみだな」

 

「戦う、えぇ!!」

 

どうやら、リク自身も自分が考えたダブルオー、そして俺の新たな555と戦う姿を想像し、俺達はそのまま握手する。

 



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ペルシア騒動

「はぁ、俺に護衛?」

 

この前のリクの影響もあって、新たな武器を作り出した俺はその日もミッションを受ける為に来た直前に、知らない二人が詰め寄ってきた。

 

 

「そもそも、お前ら、誰なんだ?」

 

「はい、私達はマウンテン・デュー、このGBNで二人だけのフォースをやっております」

 

「フォースがねぇ」

 

俺は首を傾げながら、見つめる。

 

「はい!

マスダイバーハンターで噂のΦさんに!」

 

「マスダイバーハンター?」

 

その言葉に首を傾げてしまうが

 

「なっなんですか、その恰好良い二つ名は!!

何時の間にそんな二つ名を持っているんですか!!」

 

そう言いながら、めぐみんはこちらに詰め寄ってきた。

 

「知らない知らない」

 

「何を言っているんですか。

この一ヶ月無名だったはずなのに、数々のマスダイバーを倒してきた期待のルーキーじゃないですか」

 

「なっ、Φは何時の間に」

 

「どうでも良いけど、それで護衛ってなにを?」

 

「実は、この最近、マスダイバーに狙われているのです。

だからこそ、今度の目的地に」

 

「目的地?」

 

「はい、ぺリシアに」

 

「ぺリシア?」

 

まるで聞いた事のない名前に俺は首を傾げるが

 

「なっ、何を言っているんですか。

Φはルーキー、しかもあそこはガンプラビルダーの聖地とされる中立エリアだから、ガンプラに乗る事は無理なはずですよ」

 

「ランクって、これぐらいでどうなんだ?」

 

その言葉と共に見せると

 

「なっなっ」

 

どうやら、俺のランクでも十分にペルシアで動かせるようだ。

 

「さすがは、マスダイバーハンター!」

 

「なんかミッションに参加して、マスダイバーをぶっ倒していたら、何時の間にか」

 

「マスダイバーはチート行為をしているから、ランクは結構上だから、結果的にとんでもない事になったんですね」

 

「???」

 

何を言っているのかさっぱり分からないが

 

「ようするに、ペルシアでは戦える訳だな」

 

「でっですが、ペルシアで戦う場合は可動部分への防塵処理が必要なんですよ。

Φは、できているんですか?」

 

「なんだそれ?」

 

「やっやっぱり」

 

俺の言葉にめぐみんは思わず肩を下げてしまう。

 

「まっまぁ、とりあえず向かいましょう」

 

「ちょっ何を」

 

俺達はそのままペルシアに連れて行かれる事になった。

 

ペルシアに辿り着くと共に、周りには多くのガンプラが多く飾っていた。

 

飾られているガンプラは一言で言うと

 

「凄いな、本当に」

 

ここ最近、バルバトス・ファイズを作っているからこそ、分かるが、ここに飾られているガンプラはどれも違う魅力があった。

 

これまで戦ってきたマスダイバー達はブレイクデカール頼みの機体だったからこそ、バルバトス・ファイズでも勝てたが、こうして見たら、まだまだな所が多いな。

 

「それでは、私達はここで仕事がありますので、この周辺の護衛をお願いします」

 

「仕事って」

 

何をするつもりか分からなかった。

 

そうしていると、俺は見つめると、その先には何か騒ぎがあったようだ。

 

「リク?」

 

そこにはこの前共闘したリクがいた。

 

そこで何か騒いでいるようだったが

 

「なんだぁ」

 

見ていると、面倒だ

 

「おい、何をしてんだ」

 

「ひっ!!」

 

リクを掴んでいた奴の手首を俺は掴みながら睨む。

 

「あっΦさん!!」

 

「よぅ、なんかトラブルか?」

 

「ふぁっΦだと?!

やっやばいっ」

 

「あぁ?」

 

俺の名前を聞いた瞬間、何やら騒ぎだして、そのまま逃げていった。

 

「なんだ、あいつら?」

 

「えっと、色々ありまして。

そういうΦさんはなんでここに」

 

「分からん。

なんか護衛とか言われていたけど、正直言って面倒なんだよな、やるとも言っていないし」

 

「護衛ですか?」

 

俺もよく分からず、首を傾げてしまうが

 

「たっ大変ですっ!!」

 

「んっ、めぐみん」

 

めぐみんの声が聞こえ、振り向くと

 

「あいつら、とんでもない奴らでしたよ!!」

 

「とんでもない?」

 

「あいつら、マスダイバーでした!!」

 



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理想の力

「これは、何の冗談だ」

 

めぐみんに呼ばれて、俺達が向かった先に立っていた存在。

 

その見た目には見覚えがあり、誰がどう見ても、確実に俺の作り上げたバルバトス・ファイズだった。

 

「ふふっ、どうやら、もう気づいたようですね」

 

「さて、どういうつもりなんだ?」

 

目の前にいるバルバトス・ファイズに乗り込んでいる相手であろうマウンテン・デューの2人に向けて質問する。

 

「簡単な事です。

私達はブレイクデカールを使うマスダイバー。

だからこそ、マスダイバー達と出会う確率もとても高い」

 

「けど、最近はあなたの活躍のせいで、マスダイバー同士の戦いも起きるようになったのでね。

だからこそ、潰しているあなたのガンプラのデータを貰いたくて、わざわざここまで来たんですよ」

 

その言葉と共に、俺はバルバトス・ファイズを起動させると共に

 

「だったら、倒されても文句は言えないよな!!」

 

俺はそのままバルバトス・ファイズで目の前にいる奴を蹴り上げる。

 

だが、奴はその攻撃に対して、軽々と受け止めると共に、目の輝きを黄色から紫へと変わった。

 

「さすがに正面から戦うのは危険ですからね!

最初から、全力でやらせてもらいますよ!!」

 

「うわっ!?」

 

バルバトス・ファイズはそのまま足を掴まれ、遠くへと吹き飛ばされる。

 

目の前にいるデータを盗んで作り上げたバルバトス・ファイズはその能力も完全にコピーしている。

 

その上でブレイクデカールを使って、その性能を確実に上げる。

 

「同じ機体ならば、さらに一つ強化する物があれば、十分に勝てる可能性があるという事ですよね!!」

 

その言葉と共にファイズフォンをこちらに向けて、引き金を弾く。

 

直感で危機を感じた俺はすぐにその場を走り上げると共に、あまりの威力に近くにあった砂漠の山は瞬く間に消し飛ばされていた。

 

「なっ、ビームマグナムですかあれはっ!?」

 

驚きを隠せないめぐみんの言葉を聞いている余裕はなく、俺はそのまま走りながら、考える。

 

操縦技術にどれだけの差があるのか分からないが、目の前にいる敵の性能は確実に俺よりも上位互換の存在。

 

これまでのように必殺技だけで倒せる相手ではない事は確実だ。

 

「凄いよ、さすがはマスダイバーハンターだね!

こんなのを持っていたなんて。

どんな頭をしたら、こんなのを思いつくのかっ!!」

 

「ファイズというのも意味が分からないけど、この多様性だけは認めてあげるよ!!」

 

「ちっ」

 

目の前にいる奴は俺がこのバルバトス・ファイズを作る際に参考にした仮面ライダー555の事ば馬鹿にしているようだ。

 

そんな奴に、このまま負ける事が許されるのか?

 

「だったら、見せてやろうよ、555の戦い方をな!!」

 

俺はそのまま言うと、懐から取り出したファイズポインターを構え、そのまま足に装填する。

 

「そんなの、こっちだってできるんだよ!!」

 

そう言って、奴らもまたファイズポインターを装填する。

 

【【Ready】】

 

重なる音、それを聞きながら、俺はそのまま走り抜けながら、目の前にいるバルバトス・ファイズに向かって飛ぶ。

 

【【Exceed Charge】】

 

聞こえる音声と共に、俺はそのままバルバトス・ファイズに向けると同時に互いに現れた光の渦が激突する。

 

「はあああぁ!!」

 

上空からそのまま跳び蹴りを行い、互いの必殺技であるクリムゾンスマッシュ同士の激突は激しかった。

 

だが、すぐに俺の方は瞬く間にヒビが割れ、そのまま上空へと飛び上がる。

 

「勝った!!」

 

その言葉と共に、そのままバルバトス・ファイズは貫通し、爆発が起きる。

 

勝利を確信した奴らはそのまま上を見上げると、そこにはクリムゾンスマッシュによって爆発した煙が上がっていた。

 

「感触は確かに【Exceed Charge】っ!?」

 

必殺技を発動し、勝利を確信した2人に聞こえてきたのはあり得ない音声だった。

 

「はぁ!!」

 

同時に爆煙の中から出てきた俺はそのまま手に装着されていたファイズショットで、目の前にいるバルバトス・ファイズにグランインパクトを叩き込む。

 

「なっ!?」

 

グランインパクトを叩き込まれた事により、目の前にいるバルバトス・ファイズの装甲は崩れ去り、完全な敗北となった。

 

「なんでっ、確実にっ!?

バックパックはっ!?」

 

「危なかったぜ、本当に」

 

クリムゾンスマッシュの激突、確実に負ける戦いにおいて、俺が取った選択肢。

 

それはバックパックであるオートバジンを踏み台にして、そのまま上空へと飛び上がる事。

 

それによって、オートバジンはそのままクリムゾンスマッシュを受けて、爆散したが、なんとか必殺技を撃てる状態の俺はそのまま奴らに叩き込む為にファイズショットを構えた。

 

仮面ライダー555において、クロコダイルオルフェノクとの最後の戦いで行った方法。

 

それを知っていたからこそ、行えた賭けだった。

 

「かっ勝ちました!!

本物が勝ちました!!」

 

その事にめぐみんは笑みを浮かべ、俺も安心したように息を吐く。

 

「まだです!!」

 

「なっ!!」

 

その隙を狙うように、俺を拘束したのは、これまで見たことのないガンダムだった。

 

「なっザクⅡ」

 

それは、どうやら、もう一人は何時の間にか脱出しており、そのまま俺を押さえつけた。

 

「ここで倒せば、まだ取り返せる!

お前をここで倒す!!」

 

「ぐっ」

 

身動きが完全に取れない、絶体絶命の状況。

 

俺はそのまま目の前の攻撃を避ける事ができず

 

「そういうのはつまらないよなぁ」

 

「っ!?」

 

「なっ」

 

聞こえてきた声、同時に目の前にいたザクⅡは完全に動きを止めた。

 

そこには、黄色のエネルギーネットによって、身動きが取れなくなっていたが同時に俺の上に乗っていたザクⅡは何かによって、×字に胴体が切り裂かれる。

 

「ぐっ!!」

 

回復したバルバトス・ファイズでそのまま蹴り上げると、ザクⅡはそのまま爆散する。

 

同時にその技をかけただろう相手を見つめる。

 

「黒いアスタロトっ!?

それに、あの見た目は」

 

「カイザ」

 

それは、仮面ライダー555に出てくる仮面ライダーの一人であり、ある意味、最も555と共に戦い、戦った相手である仮面ライダーカイザを思わせるガンダムだった。

 

「どうやら、あれから強くなって、俺は嬉しいよ」

 

「あの時のっ」

 

その声から、ブルーディスティニーとの戦いの時に現れたアスタロトである事は間違いなかった。

 

「君のアイディア、なかなかに面白いかたら、使わせて貰ったよ。

うん、良いよ、これ、本当に使い勝手が良くて、気に入ったよ」

 

「それはどうも」

 

目の前にいる奴に気に入られたのは正直気にくわないが、それでもその性能を見るだけでも、今の俺に勝てるかどうか分からない。

 

「あぁ、安心してくれ。

今、この場で君と戦うつもりはない。

力を最大限に発揮するバックパックもなく、ダメージも酷い君と戦っても、僕は全然楽しめないからね」

 

「それはどうも」

 

俺はそう言いながらも、目の前にいる奴がどうしても気にくわない。

 

「そう言えば、君に名乗り忘れていたね。

私の名はカイ、そしてこれこそ、私の新たな相棒、アスタロト・カイザだ。

君との戦いはまたいずれ」

 

その言葉と共に、アスタロト・カイザは完全に消した。

 

「Φ」

 

「気にするな、今は少し落ち着いている」

 

俺はそう言って、ゆっくりと息を吸う。

 

どうしても興奮してしまう俺の心を落ち着かせると共に

 

「カイ、てめぇを絶対に倒す」

 

倒すべき相手を見据える。



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ガンプラの守り人

その日も変わらずGBNをプレイする予定だった。

 

待ち合わせしていた紅と共に、俺はプレイする予定だったが、今は少し予定が変わって、向き合っていた。

 

「それで、これはどういう事ですか」

 

そう言いながら、紅が目を向けたのは、俺が連れてきたもう一人の人物だった。

 

普段からあまり接点のない人物であり、黒髪に眼鏡をかけている人物。

 

彼女の名前は朝田詩乃、とある理由でここまで一緒に来ていた。

 

俺はその理由を言うように

 

「だから、朝田と組んで、俺達で女神の円卓とか言う奴らをぶっ潰す」

 

「すいません、意味が分かりません」

 

そう言い、首を傾げる紅。

 

「とりあえず、1から説明するな」

 

そう言い、俺が思い出すのは学校から帰る前の事だった。

 

いつものようにGBNへと向かおうとした所、何か騒いでいるのが見えて、俺はすぐにそこに向かった。

 

『あなたが作ったガンプラのせいで、私のフォースが負けてしまったじゃないですか、どうしてくれるんですか』

 

『そんな事、言われたって』

 

そこは模型部だったのか、朝田と知らない女子が見つめ合っていた。

 

その女子の周りには集団ができており、朝田を取り囲むように睨んでいた。

 

『まったく、模型部の天才と言われているから、頼みましたのに、この程度しか作れないって、本当に使えないですね』

 

『あっ!?』

 

そう言って、彼女が作ったと思われるガンプラをそのまま地面に落として、そのまま踏みつける。

 

『こんなガンプラしか作れないような役立たずだったら、ガンプラ、作るのを辞めたらどうですか』

 

『っ!!』

 

そう言われた瞬間、朝田はそのまま目に涙を浮かべそうになっていた。

 

『はぁ、なにが負けただ。

負けた理由を人のせいにするんじゃねぇよ』

 

『なんですの』

 

俺の声が聞こえたのか、集団がそのまま俺を見つめる。

 

だが、俺はそれ以上にむかつき、奴らを睨むと、一瞬でその場を離れ、俺はそのまま奴の元へと行く。

 

『どけ』

 

『っ!!』

 

態度だけは大きいようだが、小心者だったのか、そのまま奴はどいた。

 

俺はそのまま奴が踏みつけたガンプラを見つめる。

 

あまりガンプラに詳しくない俺だが、紅が熱心に語っていたから覚えているが、サバーニャという機体だと見て分かる。

 

本来の武装とは変更されているが、それでも塗装や様々な所が丁寧に行われているが分かり、あのペルシアで見た機体と同等かそれ以上だと見て分かる。

 

『てめぇにこのガンプラを踏む資格も、ましてやこいつを作った奴を馬鹿にする権限なんてねぇよ。

てめぇこそ、自分のガンプラを作らず、人のせいにしているならファイター、辞めろ』

 

『言わせておけば!!』

 

そう言い、奴は俺を見つめると

 

『でしたら、勝負しませんか?

私が負けたら、素直に謝りましょう。

ですが、私が勝ったら、あなたは一生、私の奴隷ですわ』

 

『別に良いぞ』

 

『だっ駄目だよっ、そんな事っ』

 

そう言い、俺を止めようとしてくれた朝田。

 

だけどな

 

『大丈夫だ、俺は負けるつもりはない。

それで、勝負の方法は』

 

『一週間後、GBNにてフォース戦です。

私達、女神の円卓に12時に勝負を申し込みなさい』

 

『乗った』

 

「乗った、じゃないですよ、この馬鹿!!」

 

そう言いながら、紅は俺の首を掴みながら、振り回していた。

 

「相手がどんな奴か知っていますか!?

女神の円卓なんですよ」

 

「知らないよ、そんなの」

 

俺はそう言いながら、紅へと目を向ける。

 

「はぁ、女神の円卓は最近になって有名になったチームですよ。

フォースのリーダーであるクイーンを中心に様々な問題行動を行う事で有名なチームです。

運営も対応しているのですが、決定的な証拠もない為にGBNでも有名なチームです」

 

「へぇ、なるほど。

確かに気に入らない奴だったしな」

 

「それを、フォース戦って。

そもそも私達を含めてもたったの3人で、どうするんですか」

 

そう言い、紅はそのまま落ち込むように、目を臥せると

 

「・・・ごめんなさい、迷惑を掛けてしまって」

 

「朝田さん」

 

「私と関わらなければ、こんな事にならなかったのに」

 

「そっそれは」

 

朝田が困惑している様子を見て、紅もどうすれば良いのか目を回していた。

 

だが

 

「勝てば良いだけだ」

 

「大上」

 

「迷惑とか、そんなのどうでも良い。

だったら、今から、奴らに勝てれば良いだけの話だ」

 

「ですが、他にも噂では全員がマスダイバーで、それに私達は「メンバーはこれから集める」大上」

 

「メンバーを集めて、ガンプラも強くして、そして奴らに勝つ。

難しいけど、できない訳じゃないだろ」

 

そう言い、俺はそのまま紅を見つめる。

 

「まったく、お前はいつもそうだから。

あぁ、そうだな、やってやるよ!!」

 

そう言い、紅も立ち上がり、朝田さんを見る。

 

「朝田さん、俺も力になるよ!

だって、こいつにこのまま言われっぱなしなのも嫌だからな」

 

「そんな、私のせいで」

 

「お前のせいじゃない。

俺は、俺が奴らを倒したいからやるだけだ、お前の為じゃなく、俺の為にやっているだけだ」

 

そう言って、俺はそのまま朝田を見つめる。

 

「だから、お前はお前のやりたい事をやれ」

 

そう、俺は真っ直ぐと朝田を見つめる。

 

「・・・分かったわ」

 

そう言い、彼女はそのまま見つめる。

 

「私もこのままじゃ終わらせたくない。

あいつに、私のガンプラを馬鹿にしたツケを払って貰うわ」

 

「へっ、そうこなくちゃな」

 

そうと決まれば

 

「次はメンバーを集めなくては。

私達3人に加えて、2人を加えた5人チームにしたいのですが、朝田さんの機体はどんなのですか?」

 

「私?

私のはこれよ」

 

そう言い、朝田さんが取り出したのはザクだった。

 

「これは、ザクか?」

 

「えぇ、でもこれって、凄いですよ!!

これって、ガナーザクウォーリアの改造機ですよね!?

しかも、持っている武装はデュナメスのスナイパーライフルとか、なんですか、この機体は!?」

 

「イチイバル・ウォーリア、敵を殲滅する事に特化した機体。

邪魔な奴は焼き尽くして、ターゲットを打ち抜く機体よ」

 

「なっなんというか、色々ととんでもない機体ですね」

 

「あなた達の機体も見せて。

勝つからには、私も全力でやりたいから」

 

「ふふっ、良いでしょう」

 

「頼むぞ」

 

そう言い、俺達は互いのガンプラを出した。

 

「こっちのはヴァーチェね。

機体のコンセプトは分かるけど、もう少し塗装しないとトランザムも使えないでしょ」

 

「うっ、その通りです」

 

「んっ?

トランザム?」

 

いきなり出てきた言葉に俺は思わず首を傾げる。

 

「OOに出てくるシステムだよ。

一時的に性能を上げる切り札のようなシステムだよ」

 

「あなた、まさか知らないの」

 

「あぁ、まったく」

 

「大上は最近になって、初めたばかりなんで」

 

「そうなの、それは問題点が多そうね」

 

「まぁ、とりあえず、これが俺の機体だ」

 

そう言い、俺はそのままバルバトス・ファイズを朝田に見せた。

 

「これって、バルバトスルプスの改造?

色々な部分でユニコーンのクリアパーツが嵌められているし、背中にあるのはガンダムレギルスのビームビットの発生器?

どういうコンセプトで作られたガンダムなの?」

 

バルバトス・ファイズを見た瞬間、驚いたように見まわしていた。

 

「塗装も上手とは言えない。

素人が始めたばかりの機体改造ね」

 

「まぁ素人だからな」

 

「でも、この特徴って、もしかして、あなたΦなの!?」

 

「えっ、あぁ、そうだが」

 

俺がそう言うと、朝田は驚いたように目を見開いた。

 

「そう、なるほど。

ズルしていたマスダイバーに対抗できる素人ビルダーという事ね。

良いわ、燃えてきたじゃない」

 

そう言って、朝田が鞄から取り出したのはヤスリにニッパーなどガンプラを作るのに必須な物ばかりだった。

 

「私があんた達のガンプラを最高の物にしてやるわ」

 

「違うな、そこは俺達だ」

 

そう言い、俺も向き合う。

 

「これは全員で力を合わせる戦いだ。

だったら、手伝わせろ」

 

そう言うと、朝田は一瞬、ポカンした顔をしたが

 

「・・・そうね、分かったわ」

 

そう言い、俺達は向き合う。

 

「ならば、私はメンバーを集めるとしますか」

 

「本当に大丈夫なのか」

 

「何を失礼な事を!!

私の人脈があれば、フォースメンバーを集めるのは簡単です。

だから、あなた達はそのまま機体の調整をお願いします」

 

「・・・だったら、任せた」

 

「任されました!」

 

そう言い、俺達はハイタッチをして、そのまま離れる。

 

これから始まる、新たな戦いに備えて。



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加速する魂

あの約束から一週間、大上達は準備を重ねていた。

 

バルバトス・ファイズの改修、集まったメンバー達の作戦会議など、これまででは考えられない程のスケジュールだった。

 

そして、いよいよフォース戦が始まる時だった。

 

「さぁ、始めましょう、蹂躙の時を!」

 

その言葉と共にクイーンは笑みを浮かべながら、フォースのメンバーに号令する。

 

今回のフォース戦で行われる戦場は鉄血のオルフェンズの舞台となった火星の荒野だった。

 

その荒野の中で黄金に輝くガンダム、クイーンズ・ファントムに乗っているクイーンは見渡す。

 

「さて、圧倒的な勝利というのを見せてやりますよ」

 

だが、クイーンの呟きを言うのと同時だった。

 

彼方から見えた一筋の光が、クイーン達に襲い掛かった。

 

「なっ」

 

それに一番に気付いたのはクイーン達、フォースメンバーの一人であり、亀を思わせるモビルスーツ、グランドトータス乗っているダイバーだった。

 

彼女が前に出る事で、甲羅から出ていたIフィールドが、その光をクイーン達から守った。

 

「いきなり不意打ちとはね。

ですが、この程度なら」

 

「止まりましたかっ!?」

 

GNバズーカからの攻撃が終えるのを見計らうと同時に、クイーン達はすぐに行動に移る事にした。

 

「自分から居場所を晒すなんて、馬鹿な奴らですね!!」

 

そう言い、すぐに動き出そうとした彼女達だったが、次の瞬間、敵の接近を感知するアラートが鳴り響く。

 

「なに、敵がっどこにっ」

 

「っ!?」

 

そのアラートが鳴り響いた次の瞬間、グランドトータスはそのまま上空から降り注いだ存在によって、地面にめり込むと同時に爆散する。

 

「なっ、グランドタートスをたった一撃でっ!!」

 

煙の中から見える黄色の目は鋭くクイーン達を睨みつけられ、一瞬だけ後ろに下がる。

 

「まさかっあの女っ、あいつを雇ったとでも言うのっ!」

 

同時に煙が晴れると共に見せたバルバトス・ファイズの姿を見せた瞬間、クイーンは舌打ちと共に睨みつける。

 

「そっちがその気だったら、行くわよ!!」

 

それを合図に、クイーン達の機体が同時に黒いオーラを身に纏った。

 

「ブレイクデカール、お前ら、それに手を出していたのか」

 

「五月蠅いわねっ!

勝つ為ならば、どんな事でもするのよ!!」

 

「そうかよ、まさかここまでの奴とはなっ!

学校でも、お前にも、そういう事をしているとはな」

 

「学校っまさかっ!!」

 

その言葉と共にクイーンの脳裏に、思い浮かんだのは朝田と一緒にいた男子の事。

 

それが、偶然だったのか、バルバトス・ファイズである事は間違いなかった。

 

「だったら、ここで始末するだけ!」

 

その言葉と共にフリーダムを改造した機体であるブレイブフリーダムに乗るダイバー、ブルーブレイブがバルバトス・ファイズに襲い掛かろうとした。

 

「コアチェンジ・ドッキング・ゴー」

 

だが、そんなブルーブレイブの前に立ち塞いだのは赤いガンプラだった。

 

「なっ」

 

その言葉と共にブルーブレイブの前に現れたガンダムは2本の剣を手に持ち、ブルーブレイブを切り裂く。

 

「まさか、頼まれて来てみたら、まさかマスダイバーとはな。

だからっ、ここで倒す!」

 

「頼んだ、ヒロト」

 

「あぁ」

 

その言葉と共に、ヒロトが操るガンダム、マーズフォーガンダムは両手に持った剣を一つにすると同時に、目の前にいたブルーブレイブと戦っていく。

 

「へいへい、まだまだライブは終わっていないだろうがよぉ」

 

そう言い、ウィングガンダムゼロを改造した機体であるファイルノーツは、その手に持った戦闘用ギター『レクイエム』を構えようとするが

 

「まさか頼まれたフォース戦にマスダイバーがいるとはなぁ!!」

 

その言葉と共にファイルノーツに向けて、次々とビームが襲い掛かると、飛行形態からモビルスーツ形態に変わったガンダムシャイニングブレイクは、そのまま接近すると

 

「シャイニングフィンガー!!」

 

その雄叫び声と共に、ファイルノーツの持つレクイエムを掴み、破壊する。

 

「なっ、変形でっ、格闘ができるってっ!?」

 

そう言いながら、破壊されたレクイエムを手放し、そのままシャイニングブレイクとの戦いが続く。

 

「どうなっているのっ!

マスダイバーで、確かに強化されているのにっ!!」

 

そう言いながら、バルバトス・ファイズとクイーンとの戦闘は激化していく。

 

バルバトス・ファイズのその手に持っている朝田が考案した新たな武器、ファイズ・バトルメイスがクイーンズ・ファントムのフレイムソードを押していた。

 

「このバルバトス・ファイズはこれまでのバルバトス・ファイズじゃない。

これは俺と朝田が作り出した機体なんだよ!!」

 

そう言って、振り上げたファイズ・バトルメイスがフレイムソードを吹きとばす。

 

「朝田、朝田って、五月蠅いのよぉ!!」

 

その言葉と共にクイーンズ・ファントムを中心に黒い瘴気が覆う。

 

「クイーンズ・ファントムに変化がっ!?」

 

「これはまさかっ暴走っ!?」

 

そう言いながら、周りのフィールドを破壊させながら、その攻撃に対して、バルバトス・ファイズはそのまま地面にファイズ・バトルメイスを突き刺す。

 

同時にファイズ・バトルメイスから溢れ出る光の壁が攻撃を防ぐ。

 

「その程度の壁でぇ」

 

「十分だよ」

 

Φはバルバトス・ファイズにある新たなスイッチを押す。

 

【Complete】

 

その言葉と共にバルバトス・ファイズの胸の装甲が解放され、肩のアーマーが開き、そこから銀色の光が溢れ出す。

 

同時にバルバトス・ファイズの瞳は赤く光り輝き、サイコフレームも銀色に変化していた。

 

「なっなんですのっあれはっ!?」

 

そう言っている間にクイーンズ・ファントムは驚きを隠せない間に、その腕に装着されていたIフィールド・ビームバリアが破壊された。

 

「なっ」

 

「ここからは一方的な蹂躙よ」

 

同時に見えたのは、朝田が乗り込んでいたイチイバル・ウォーリアがヴァーチェ・カスティーゴのエネルギーのエネルギーを受けていた。

 

それによって、強化されたスナイパーライフルは、Iフィールド・ビームバリアを破壊した。

 

「くっ、だかっ」

 

すぐに反撃しようとした時だった。

 

【Start up!】

 

バルバトス・ファイズの姿はそこにはなかった。

 

「何が起きているのっ!?

なんでっ装甲がっ削れていくっ」

 

そうしている間に、クイーンズ・ファントムの周りには何時の間にか何十という円錐状の光が現れる。

 

「なっ何なのっ、これはっ」

 

「はああぁあ!!」

 

バルバトス・ファイズから聞こえた叫び声と共に、一斉にクイーンズ・ファントムは貫いた。

 

「あっあぁ」

 

【3...2...1...Time out!】

 

その叫び声を出す前に、クイーンズ・ファントムは爆散する。

 

「ふぅ」

 

同時に姿を現したバルバトス・ファイズは体内から溢れ出す蒸気と共に、バルバトス・ファイズは再び元の形態へと変わった。

 

「やっと、アクセルフォームもできたか、だけど」

 

Φは画面を見てみると、そこには全体の動力が大きく低下しているのが分かった。

 

未だに改良点が見られるが

 

「とりあえず、勝てたか」

 

同時にΦ達が勝利宣言がされた。



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女王の没落

「あなた達っ!!」

 

「んっ?」

 

その日の登校日、予想通りというべきか、俺達の前にクイーン達こと、女神の円卓のメンバー達が俺達の前に立っていた。

 

「なんの用だ?」

 

そう言いながら、俺は呆れた表情で見つめた。

 

「何の用とはっ!?

あなた達のせいで、私達のアカウントが停止になったのですよ!

せっかく、ここまでポイントを溜めていたのにっ」

 

その逆切れとも言える言葉に対して

 

「別にブレイクデカールを使っていたお前らが悪いだろ。

それに、それ以前の問題行動があったじゃないか」

 

「そんなの、どこに証拠があるんですかっ!!」

 

「あの時、一緒に参加してくれたアースさんのフォースって、マスダイバーを刈るフォースなんだよ。

そこで俺達の対戦から、判明したそうだよ」

 

「っそこまでっ」

 

「いや、偶然、偶然。

それで、俺達に文句を言われても、問題行為をしていたお前らが悪いだろ」

 

そう言いながら、未だに文句を言い続ける奴らに対して

 

「本当に心底むかつきますね。

ですが、私を敵に回したのだが、どういう意味か分かっていますの?」

 

「えっ、そうだな。

たぶん、好き勝手できなくなるんじゃないのか?」

 

「どういうっ」

 

そう言っていると奴のポケットから鳴り響き、その画面を見る。

 

「なっ、おっおっお父様!?」

 

何やら顔を青くさせているようだ。

 

「あんた、何をしたの」

 

何やら気になっているのか、朝田が話しかけたけど

 

「こういう奴にはスマホで情報を流せば、簡単に倒せるからな」

 

そう言い、朝田に対して言った数々の発言を動画で流していたら、どうやら親に見つかって、それがばれたそうだ。

 

「そっそっそんなっ!?

お父様にばれてしまったら」

 

「とりあえず、学校に行くとするか」

 

「・・・あんたって、以外とドライなんだね」

 

「別に、結構まともな人で本当に助かったよ」

 

そう言いながら、どうやら向こうではクイーン達は俺達に構っている余裕はないようだ。

 

「それにしても、バルバトスルプスとユニコーンの組み合わせにあんな事が起きるなんて」

 

「俺が作った時には、あんな事起きなかったけどな」

 

そう言いながら、クイーン達の事を無視して、思い出すのはアクセルフォームの再現だった。

 

「あれは私も驚きを隠せなかったわよ。

サイコフレームにエイハブ・リアクターのエネルギーが送り込まれる事でトランザムと似た現象を作り出せるなんて。

だけど、それは暴走と同じなのよ」

 

それには俺も賛同だった。

 

だけど

 

「それはそれで、面白いじゃないか」

 

「面白いの?」

 

「あぁ制限時間は10秒、丁度555のアクセルフォームと同じだからな」

 

「まったく、あんたの考えは色々と変なのね。

まぁ、ガンプラ作りにはそういう馬鹿も必要かもな」

 

 



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悪魔の覚醒

「レイドイベント?」

 

「はい、今回のミッションの一つで巨大モビルアーマーと戦う事になります!

私達以外にも様々な参加者がランダムで決まりますので、わくわくしますよね!!」

 

「レイドイベントねぇ」

 

そう言いながら、俺もめぐみんに誘われるままにレイドイベントに参加する事になった。

 

「それにしても、シノンは一緒に参加しないんですか」

 

「なんか新しいのを思いついたらしいから、今日はそっちの作業だって。

なんか、昨日、一緒に555を見てから、なんか思いついたらしいんだ」

 

「一緒にって、まぁ、別に良いとして」

 

そう言いながら、めぐみんは参加者を見て回る、

 

今回の参加メンバーとしては俺とめぐみんを含めて5人だが、大型の楯を持ったジムに青い一つ目のザクだった。

 

「なんというか、個性的な奴らだな」

 

「「「お前が言うか!?」」」

 

同時に合流したのか、二つの機体のダイバーが近づいてきた。

 

「そうか?」

 

「そうですよ。

えっと、お二人の機体は一体」

 

「聞きますか?

これはあのファルゲン・カスタムを再現させた機体なのよ!

これでも結構自慢の作品なのよ!」

 

「それだったら、私のジム・シールダーの防御力は鉄壁ですから、いざという時は任せてください」

 

そう言い二人は自慢げに話している間に最後のメンバーが来たようだ。

 

振り返ると

 

「お前はあの時のか」

 

そこにいたのは、女神の円卓のメンバーの中で見かけた奴だった。

 

最後まで戦闘に入らなかったが、他のメンバーとは違って、ブレイクデカールを使っていない事で印象的だった。

 

「久しぶりだなぁ、バルバトス・ファイズ!!」

 

そこにいたのは、女神の円卓に所属している奴の一人であるビーストだった。

 

「なんだ、またやるのか」

 

「ちっちっちっ、そういうのはちゃんとした場所じゃないと。

まぁ、俺のフォース無くなったけど」

 

「あっさりしていますね」

 

「元々は誘われただけだからな。

それにブレイクデカールにも興味なかったし」

 

「そっか、とりあえずはここでは頼む」

 

その言葉と共に俺達は握手する。

 

それを合図にステージへと移動すると、韓国の町を思わせる光景が広がっている。

 

「まさか、ボスというのは」

 

その言葉と共に現れたのは巨大な城だった。

 

だが、徐々にその城には形が変わっていき、そこに現れたのはこれまで見た事のないガンダムだった。

 

「なっ、サイコガンダムじゃない!?

なんなんですかっ、あいつは!?

 

「さっきのは、まさかブレイクデカールの暴走!?」

 

「ちっ、ここに来てかよっ」

 

その言葉と共に舌打ちをしながら、動かそうとした時だった。

 

「んっ?」

 

「どっどうかしましたか?」

 

「バルバトス・ファイズが動かない」

 

「はぁ!?

何をふざけた事を言っているですか?」

 

めぐみんは文句を言っているが、まるで言う事が効かない。

 

「だったら、ここは!」

 

ビーストが乗り込んでいるディノモンスターはそのまま謎のサイコガンダムに接近する。

 

やがて、サイコガンダムの名前としてギガンティスと表示され、同時に両手に持ったビームライフルで襲い掛かった。

 

その攻撃に対して、ジム・シールダーは俺の前に出て、その攻撃を防ぐ。

 

「味方をやられる訳にはいきませんからね」

 

「悪いな」

 

そう言っている間にファルゲルグマッフ・カスタムがギガンティスに対して牽制するように周りで攻撃を仕掛けていく。

 

そしてヴァーチェ・カスティーゴが手に持ったGNバズーカで、こちらから視線を変える。

 

「なんという硬さなんですかっ、Φ!?」

 

「ふぅ」

 

そうしている間にも、俺はゆっくりと息を整える。

 

なぜ、動かないのか分からないが

 

「バルバトス・ファイズ、このまま守りっぱなしで良いのかよ」

 

同時に、バルバトス・ファイズが僅かに動き始め

 

「余計な事を考えている暇なんて、もうないだろ!」

 

その叫びに合わせるように、バルバトス・ファイズの瞳は鋭く光る。

 

「バルバトスルプスにサイコガンダム。

あっ」

 

「何か気付きましたか?」

 

めぐみんの言葉にビーストはすぐに聞く。

 

「いえ、これって、もしかしてあの」

 

「あっ」

 

同時に全員が何かに気付いたようだが、そんなの、今は関係ない。

 

近くのビルの窓から見えたバルバトス・ファイズの瞳はアクセルフォームではないなのに赤く光っていた。

 

だが、それに合わせるようにサイコフレームも赤く光り輝く。

 

――――ガアアアァァァ

 

「行くぞ、バルバトス」

 

同時にバルバトス・ファイズは手を地面に置き、そのまま走り出す。

 

目の前にいるギガンティスに向けて、ファイズ・バトルメイスを振り下ろす。

 

振り下ろされた一撃はギガンティスにダメージを受けると、後ろに仰け反る。

 

仰け反ったギガンティスは、こちらに向けて腕を伸ばしてきたが、同時にヴァーチェ・カスティーゴがその腕を吹きとばした。

 

「Φ!」

 

「あぁ」

 

【Start up!】

 

その音声と共にバルバトス・ファイズはそのままアクセルフォームへと変形する。

 

同時に手に持っていたファイズ・バトルメイスのメイス部分が引き抜かれ、太刀へと変わり、薄いエネルギー刃が覆われるファイズ・セイバーへと変わる。

 

「一気に決める」

 

同時にバルバトス・ファイズはそのまま、ギガンティスに向かっていく。

 

このアクセルフォームの時はスピードはまさに劇中通りのスピードになるが、その反応速度は本当にこちらが対応しなければ、使い物にならない。

 

だから狙いは

 

「その関節の隙間!」

 

同時に走りながら、目の前にいるギガンティスの隙間を切り裂いていく。

 

最初は、まるでダメージがない状態だったが、何度も切り裂く事で腕は完全に破壊され内部のケーブルが剥き出しになっていた。

 

「今だぁ!!」

 

それを合図に全員が持つ武器の狙いを剥き出しになっている部分に攻撃を集中する。

 

先程まで僅かなダメージしか与えられなかったはずのギガンティスは徐々に壊れていき

 

【3...2...1】

 

その音声と共に、そのまま切り裂いていく。

 

【Time out!】

 

音声が鳴り響くと同時にバルバトス・ファイズのアクセルフォームは解除され、後ろを振り返ると、完全に撃墜されたギガンティスの姿だった。

 

「勝てたか」

 

「えぇ、なんとか。

それにしても、まさかモビルアーマーの設定も再現されるなんて」

 

「それって、もしかして鉄血のオルフェンズのガンダムフレームの設定ですか?

だけど、なんで?」

 

「どういう事なんだ?」

 

何を言っているのか、俺は分からず、思わず首を傾げる。

 

「えっ、知らないですか?

鉄血のオルフェンズでも名場面と言える、バルバトスルプスとモビルアーマーであるハシュマルとの対決を」

 

「まぁ」

 

ほとんどが仮面ライダーばかりを見ていたからな。

 

「とりあえずは勝てたから良いか」

 

俺はそう能天気な事を言いながらも、ボロボロになっているバルバトス・ファイズを見る。

 

未だに戦いの興奮を冷めないのか、赤い瞳が輝き続けていた。



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始まりの狼煙

数時間前、俺はGBNではなくゼロワンのBlu-rayを買いに来ていた。

 

毎回GBNだけではなく、仮面ライダーの方も楽しみにしていた。

 

だが

 

「あなたが、Φですね」

 

「誰だ?」

 

聞こえてきた声に振り返ってみると、そこには執事服を着ている女性がそこにいた。

 

「誰の事でしょうか?」

 

リアルバレは面倒という事で、れはそのまま知らないふりをしたが

 

「既に調べております。

何よりも、お嬢様のGBNの活動を邪魔した事を知っておりますので」

 

「お嬢様ねぇ」

 

その言葉を聞いて、俺には覚えが一つあり、そのまま見つめる。

 

「それで俺に何の用なんだ?」

 

「あえて言うならば、あなたにガンプラ勝負を申し込む為ですよ」

 

「はぁ?」

 

意味が分からないと思っていた。

 

「あのお嬢様のフォースを全滅させた貴方に興味がありましてね。

どうですか、フォース戦」

 

そう目の前の女性は言っていたが

 

「それで、敵討ちという訳か?」

 

「ふふっ、何の事ですか?」

 

俺の言葉に対して、気にしていないように笑っているが

 

「いや、だいたい目で分かるよ。

あんたは、そのお嬢様の敵討ちに目を燃やしている事にね」

 

「・・・ふぅ、油断できない人物だと思っていましたが、まさかここまでとは」

 

そう言い、明らかに俺に向けて、怒気を込めた目で見つめる。

 

「えぇ、その通りです。

これまで上手く隠蔽工作を行ってきたのに、貴方の下らない正義感で全てを台無しにされたのでね」

 

「ふぅん、でも直接はやらないんだ」

 

こういうのは、直接叩かれると思っていたが

 

「それではGBNでは敵わないから、直接叩き潰すという事になるでしょ。

そんな事、プライドが許さないわ」

 

「プライドねぇ」

 

ブレイクデカールを使った時点で、どうかと思ったが、それで助かったのならば良いか。

 

「それで、勝負の方法は?」

 

「数日後のGBNで。

ルールは前回と同じ、5対5」

 

「良いぜ、乗ってやるよ」

 

その言葉と共に俺はそのまま帰る事にした。

 

「楽しみにしているわ」

 

「あぁ、こっちこそ」

 

そうして、家に帰ると同時に

 

「という事があったんで、メンバー集め、手伝ってください」

 

「またですか!!」

 

そう言いながら紅に胸倉を掴まれながら、怒鳴られた。

 

そして現在、俺と紅に朝田の三人で買って来たゼロワンを見ていた。

 

「まさか、あいつが出てくるとはね」

 

「朝田さんも知っているの?」

 

「あいつの事をお嬢様なんて言っている奴で、一緒にGBNをやっている奴は結構知っているわ。。

それも、そこまで慕っている奴となるとね」

 

紅は朝田の発言が気になり、そのまま詰め寄る。

 

「えぇ、私が依頼された時に何度もね。

ただ、あいつは園崎とは違って、冷静な判断ができて、厄介なのよね」

 

「というと?」

 

気になった俺はそのままゼロワンを見ながら朝田の話を聞いた。

 

「あいつは園崎と違って、フォース、つまりは集団での戦いを主にしているの。

この前の戦いは個人が目立ちたいという奴らだったから、勝てたけど、今度の相手はおそらくは集団で攻め込んでいくわ。

その間に寄せ集めの私達で連携の取れた集団に勝つのは」

 

「不可能か?」

 

「えぇ」

 

そう言い、朝田はこれまでにない暗い表情で呟く。

 

俺はそれに対して

 

「勝てるかどうかなんて分からないよ。

けどな、そんな確率の低い戦いなんて当たり前なんだよ」

 

「だけど」

 

「ほら、良い場面だぞ」

 

そう言い、俺はゼロワンで映し出された画面を見せる。

 

ゼロワンシャインシステムを始めて発動させた所だった。

 

「勝利なんて、いつも分からないだろ。

仮面ライダーだろうと、ガンダムだろうとそれは変わらない」

 

「それは空想だけの話よ。

これは現実よ」

 

「変わりないよ。

空想だろうと、現実だろうと」

 

そう言い、俺は手に持ったバルバトス・ファイズを握りしめる。

 

「下手な理屈をこねて、やりたい事ができないよりも、頭を空っぽでもやりたい事をやる。

馬鹿みたいな事だけど、俺はこいつや、まだ作っていない奴らと一緒にGBNを楽しみたい。

それを邪魔する奴はぶっ潰す」

 

「・・・あんたがバルバトスを選んだ理由って、案外三日月と似ているからかもしれないわね」

 

「それにオルガも混じった感じですね」

 

「三日月って、鉄血のオルフェンズの主人公か?」

 

その言葉に疑問に思ってしまうが

 

「ならば、決まりましたね!

我々のフォース名を!」

 

「フォース名?」

 

それはこれまで結成するつもりはなかった紅は立ち上がる。

 

「鉄華団と仮面ライダー。

それが私達の象徴であり、それを合わせたフォース。

私達は特華団!

これまでにない特別な華を咲かせる集団、それこそ私達のフォースです」

 

「特華団ね、まぁ何もないよりも良いかもしれないな」

 

これまでにない何かを探すフォース。

 

それはそれで、面白いかもしれないな。

 

「だったら、最初の狼煙を上げないとな」

 

「えぇ」

 

同時に、俺達、特華団の戦いが迫った。



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純白の決意

特華団として、結成後、メンバー収集が終わった。

 

そして、特華団と執事であるナナミのアマザ艦隊のフォース戦が始まった。

 

特華団の作戦として、敵フラッグだと思われる存在に向かった真っすぐと進むA班と、それを援護するB班の二つに別れて行動していた。

 

そんなA班が向かう先には

 

「ここで奴らを倒す」

 

それは、かつて女神の円卓に所属していたブルーブレイブだった、

 

その機体も新しくなっており、彼はトゥルージャスティスガンダムと名付け、怒りに震えていた。

 

「あのような卑怯な奴らにっ、特にあのバルバトスの奴に負ける訳がないっ」

 

そう言いながら、既にブレイクデカールを発動させていたのか、機体からは溢れ出るような黒い瘴気が溢れ出していた。

 

「奴らを倒し、今度こそ正義を証明する!!」

 

そう言うと共に聞こえて来たのは敵が接近する音だった。

 

戦いの舞台となっているのが月面と言う事もあり、それを確認するのは簡単だった。

 

「既に接近しているか。

だけど」

 

そう言いながら、ブルーブレイブの警報の先を見つめる。

 

そこにいたのは今回の目的の相手でもあるバルバトス・ファイズが映し出されていた。

 

ただし、そのバルバトス・ファイズが乗り込んでいるのはこれまで見た事のない機体だった。

 

サイズはモビルスーツだったが、バルバトス・ファイズの後ろにあったのはV2ガンダムに搭載されているミノフスキー・ドライブであった。

 

「なんだ、あのバイクは?

まぁ、すぐに倒してやるよ!!」

 

その言葉と共にブルーブレイブが乗り込んでいるトゥルージャスティスガンダムはそのままバルバトス・ファイズに向かって接近する。

 

だが、バイクの先端から出てくるのは無数のミサイルだった。

 

「ミサイルぐらいっ」

 

その言葉と共にトゥルージャスティスガンダムはその手に持ったバルムンクで、そのミサイルを全て切り払った。

 

「そこだぁ!!」

 

その一言と共に、トゥルージャスティスガンダムはそのままバルバトス・ファイズに向かおうとした時だった。

 

「なっ?!」

 

トゥルージャスティスガンダムの目の前にまで迫っていたのは、先程までバルバトス・ファイズが乗っていたバイクだった。

 

目の前に迫っていたバイクに反応する事ができず、吹き飛ばされてしまう。

 

「ちっ!?」

 

バイクに吹き飛ばされた事によって、そのままバルバトス・ファイズの後を追う事ができなかった。

 

「バイク如きがっ」

 

「そんな油断しているから、あんたは負けたのよ」

 

「なっ!?」

 

バイクから聞こえてきた声に驚きを隠せなかったブルーブレイブだったがバイクはその前方は腕となって、トゥルージャスティスガンダムを吹きとばす。

 

「こいつっ、まさかっ!」

 

そのまま吹き飛ばされたトゥルージャスティスガンダムの目の前には変形すると共に露わになったのはガンダムだった。

 

見た目はガンダムフラウロスだった。

 

その装甲はピンク色の装甲ではなく、黒いボディには流動経路白いサイコフレームが埋め込まれていた。

 

それは、バルバトス・ファイズと同じ特徴を持つガンダムである事はブルーブレイブは分かり、聞こえてきた声には聞き覚えがあった。

 

「お前っ朝田っ!?」

 

「GBNでリアルの名前はどうかしらねっ!」

 

そう言い、シノンのガンダムはそのままトゥルージャスティスガンダムを吹きとばし、腰に持っていたマシンガンをトゥルージャスティスガンダムに放っていく。

 

「ぐっまさかっ貴様だとはなっ!」

 

「それは、どうも」

 

そう言いながら牽制を行いながら、腰のバーニアを吹かしながら、後ろへと下がっていく。

 

だが、それを追跡する為、トゥルージャスティスガンダムも追っていく。

 

「てめぇさえいなければっ!?」

 

「なに?

八つ当たりかしら?」

 

「違うなっ!

お前達を倒す事は、俺達の正義だ!!」

 

その言葉と共にトゥルージャスティスガンダムはそのままシノンに接近する。

 

「正義ねぇ。

あんたが正義の味方だったら、そうすると良いわ」

 

そう言いながら、マシンガンを放ちながら、体制を整え、バーニアを吹かして一気にトゥルージャスティスガンダムに接近する。

 

「なっ!」

 

突然の事に驚きを隠せなかったトゥルージャスティスガンダムに向けて、シノンのガンダムは殴り上げる

 

すぐに体制を整えようと行うも、トゥルージャスティスガンダムは手に武器を取ろうとするが、その前にシノンのガンダムが次々と攻撃を行っていく。

 

素手の攻撃から、足での追撃、ビームサーベルを避けると共に、腰のバーニアを吹かしながら、変形機能を利用した回し蹴り。

 

そうして、機体スペックの違いを感じさせない程に圧倒的にシノンはブルーブレイブを追い詰めていた。

 

なによりもこれまでの射撃での一撃必殺を目的にしたシノンからは想像できないような戦い方にブルーブレイブは驚きを隠せなかった。

 

「こんな事がっ」

 

そう言いながら、その手に持ったビームライフルをシノンに向けて放っていく。

 

「check」【exceed charge】

 

シノンの呟きと共に、バックパックにあった有線式遠隔攻撃端末が外れ、迫っていたビームライフルを前方で展開したキャプチャー・フィールドをシールド代わりになった。

 

同時にシノンはそのまま手に持ったマシンガンの狙いをトゥルージャスティスガンダムに向けて、引き金を放った。

 

「なっ!?」

 

マシンガンが激突すると同時に一瞬だけ動きを止め、片方の有線式遠隔攻撃端末から放たれるキャプチャー・フィールドによって強制的に動きを止められる。

 

同時にもう一つの有線式遠隔攻撃端末が展開し、その形は青い三角錐状の光となっていた。

 

「これが、私のっフラウロス・デルタだぁ!!」

 

その叫ぶと共に、シノンは、フラウロス・デルタは両足でその光の中へと蹴り上げる。

 

拘束され、サイコフィールドによって、身動きが取れないトゥルージャスティスガンダムそのままフラウロス・デルタの必殺技を受け

 

「くっそぉ!!!」

 

爆散し、その姿を消した。

 

「さて、私も急がないとね」

 

そう、シノンはブルーブレイブを倒したのを確認すると共に再びジェットスライガー形態に変わり、バルバトス・ファイズの元へと向かった。




シノンの新機体に関しては、キャラクター概要ににて書いております。
気になった方はぜひ


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軍団戦法

「まさか、ここまでとんでもない奴が相手とは」

 

そう言いながら、めぐみんは敵の姿をΦ達よりも早く辿り着く事ができた。

 

だが、その光景はこれまでのGBNでのバトルでは見た事のない光景だった。

 

「アドラステアですってっ!?」

 

目の前にあったのはめぐみんの乗るヴァーチェよりも遥かに巨大な戦艦であるアドラステアが彼の前に立ちはだかっていた。

 

「ですが、それは不可能なはず」

 

GBNにログインする為に必要なガンプラ。

 

そのスキャンを行う時にはガンプラを台の上に載せる必要はある。

 

だが彼女の目の前にあるアドラステアは台に載せる事ができない程の大きさだと、めぐみんは記憶していた。

 

「確かに通常の台では不可能でしょう。

ですが、個人用を持っていれば、問題ないはずです」

 

その言葉と共にめぐみんに話しかけてきたのは今回の対戦相手であるアマザ艦隊のリーダーであるナナミだった。

 

「金持ちですか!!」

 

「勝つ為ならば、どのような事でもするだけの話ですよ」

 

その言葉と共にアドラステアの格納庫のハッチが開くと共に、そこから現れたのは

 

「なっガンプラっ?!」

 

「戦艦に搭載していても、可笑しくないでしょう」

 

その言葉と共に出てきたのはブルッケング、ジャバコなどの様々なガンプラが現れた。

 

そのガンプラの数は参加人数を遥かに超えていた。

 

「GBNのルールを破っている?」

 

「違いますね。

このバトルではあくまでも5人での参加。

だけど、その全てを私が操れば良いだけの話ですから」

 

「そんな事がっ!?

まさかっカルロス・カイザーのような事をっ」

 

「えぇ、ですが、私の腕は既にそれを凌駕している!」

 

それを合図にナナミの操る機体が次々と襲い掛かってくる。

 

めぐみんは苦い顔をしながら、そのまま後ろへと跳びながら、その手に持ったGNバズーカでブルッケング達へとビームを放っていく。

 

だが、その攻撃は掠る程度で、ダメージを与えられていない。

 

「本当にたった一人で操っているんですかっ!?」

 

「さぁ、それはどうでしょうね」

 

そう言いながら、量産機から放たれていく攻撃に対して、GNフィールドで防御を行っていく。

 

「確かに硬いですね。

だけど」

 

「なっ!?」

 

周りを見ていると、量産機とは違う小さな何かがめぐみんを狙っていた。

 

「あれはドラグーン!?

しかも、なんですか、あの数は!?」

 

「さぁ、さっさと落ちなよ!!」

 

その言葉と共に現れたのはフリーダムガンダムを改造した機体であるガンダムフリーダムウィザードだった。

 

そこから放たれる無数のドラグーンと量産機の連携によって、めぐみんのGNフィールドを破りそうになる。

 

「どうですか、この力は!」

 

そう言いながら、ドラグーンを操るガンダムフリーダムウィザードのパイロットであるリューナが画面に現れる。

 

「この圧倒的な力量差に勝てる訳ないでしょう」

 

「確かに、私だけだったら負けてました。

えぇ、私だけならばね!」

 

「っ、離れなさい!!」

 

ナナミは何かを感じたのか、リューナに撤退するように指示を出す。

 

「何をっ!?」

 

ナナミの言葉にリューナは疑問に思い、顔を傾げると同時だった。

 

量産機達とドラグーンを襲うように無数のミサイルを襲い掛かる。

 

量産機は身構えていた事でダメージは武装を一部無くす、腕を無くす程度など被害を最低限に留めた。

 

だが、ドラグーンは、そのほとんどをミサイルによって撃墜されていた。

 

「今のミサイルはっ!」

 

リューナは疑問に思うと、上空から現れたのは一つの戦闘機だった。

 

先程までのミサイルが搭載されていたをパージすると共に

 

「行け、ファング」

 

その言葉と共に放たれた無数のファングは緑色の光と共にガンダムフリーダムウィザードの手足を貫いていく。

 

何が起きているのか分からない内に、その手に持ったGNソードライフルの攻撃によって、全身を打ち貫かれる。

 

「そっそんっ」

 

リューナは叫びながら、同時にロストする。

 

「ハマーンでもないのに、ドラグーンばかりに頼るからです」

 

ナナミは、そのままロストしたリューナに向けて冷たく言い放つ。

 

「仲間なのに、冷たい言い方ですね」

 

その発言に対して、思う所があったのか、めぐみんは思わず反論する。

 

だが

 

「所詮、囮ですから。

それにあなた達を倒せば、既に勝ったような奴ですから」

 

「まるでΦ達が負けるような言い方ね」

 

そう、めぐみんはナナミを睨みつけるが

 

「倒されますよ。

我らのエースならばね」

 

「ぐっ」

 

ナナミがそう宣言すると共に、再び量産機が襲い掛かってきた。



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怒りの悪魔

「見つけたよ、555擬き!」

 

「っ!!」

 

聞こえてきた声と共にバルバトス・ファイズはその場を跳ぶ。

 

同時にバルバトス・ファイズを追いかけるように次々とミサイルが放たれていく。

 

「いきなりミサイルとはな!」

 

そう言いながら、バルバトス・ファイズはその場を振り返りながら、ミサイルが降り注いだ存在に向けて、ファイズフォンでの攻撃を行っていく。

 

「残念ねー、ファイズ擬き」

 

そう言いながら、現れた機体を見つめながら、バルバトス・ファイズはそのまま見つめる。

 

「敵はお前か」

 

そこに立っていたのはブルッケングだった。

 

それも他のブルッケングに比べるとミサイルポットに頭には角が生えているなどの違いが見えた。

 

「悪いけど、ナナミ司令の所には行かせるつもりはないわ」

 

「そうか、だけどお前を倒せば、こっちも少しは有利になるだろ」

 

そう言いながら、手に持ったファイズエッジを構える。

 

「まったく、気に入らない武器ね!!」

 

「気に入らないだと」

 

その言葉に首を傾げながら、耳を傾ける。

 

「何が気に入らないのか分からないけど、いきなり酷いな」

 

「そんなの当たり前でしょ!!」

 

その言葉と共に、こちらに向かって近づくブルッケングがビームサーベルを手に、襲い掛かる。

 

互いに持つ武器が激突する度に火花を散らしながら激戦を繰り広げていた。

 

「やっぱり気に入らないっ!」

 

その言葉と共に手に持ったビームライフルを放っていく。

 

それに対しての防御する手段がない為、バルバトス・ファイズは紙一重でその攻撃を避ける事しかできなかった。

 

「何が気に入らないのか、俺には分からないけどな」

 

その言葉と共に再び対峙すると

 

「あんたのガンプラなんてっ、既存のガンプラにない機能ばかり使ってる奴なんて」

 

「何を言いたいんだ」

 

その言葉にΦは疑問に思い、その手に持ったファイズエッジを構えながら聞く。

 

「数多くのマスダイバーとしての行為が糾弾されるなら、そんなガンプラを公然と使ってるオマエの方が先に裁かれてないと筋が合わない!!解るかッ!?」

 

「だから、意味が分からないぞ」

 

「本当に理解力がないな。

ファイズエッジよ!ファイズフォン!なによりもクリムゾン・スマッシュよッ!!

既存ガンプラの組み合わせか改造で、どうやって其れを再現したってのよ!?

スクラッチするにしても既存のガンダム・シリーズに登場した兵装 以外を作成するのは禁止されてる筈だから、ブレイクデカールとか以前の問題でしょ!」

 

その言葉に対して俺は

 

「そんなの誰も決めていないぞ」

 

「何を言っているの!!」

 

それに対してΦは

 

「バルバトス・ファイズは俺が作り出した機体だ。

それにGBNは色々なガンプラを作って戦うのが面白いんだろ。

それに」

 

そう言いながら、Φはそのままその手に持ったファイズエッジでブルッケングへと向ける。

 

「既存とか言うけど、人の数だけガンプラの種類も多くなっている。

それをいちいち文句を言うなよ。

それに」

 

そう言ったΦはそのまま睨みつける。

 

「ブレイクデカール、使っているだろ」

 

「・・・なんの事」

 

Φはそのまま構えると

 

「お前、マスダイバーの事よりもって言うけどさ。

それって、お前がマスダイバーだから言ったんじゃないのか」

 

「そんな訳「まぁどうでも良いけどな」なっ」

 

「お前に何を言われようと関係ない。

ここでお前を倒すだけだ」

 

その言葉にブルッケングに乗っているリンは完全にキレた。

 

「そんな事を言ってるけどGBNはガンプラが戦うゲームだぞ!!

その癖、仮面ライダーで555を選ぶなんて、センスを疑うぞ」

 

「・・・今、なんて、言った」

 

その言葉と共に、Φはブルッケングを睨みつける。

 

こちらの言葉に反応した事にリンは笑みを浮かべるが、その時、Φの表情は見えなかった。

 

「当たり前だろ、仮面ライダーではクウガやアギト、それに響鬼とアマゾンズは認める。

ビルドもTHE FIRSTもまぁ認めるが、それ以外は「もう良い、喋るな」っ!」

 

その言葉を聞いた瞬間、Φはそのまま蹴り上げる。

 

ブルッケングに乗っていたリンは蹴り上げるまで、何が起きたのか分からず、困惑しているが、バルバトス・ファイズの変化は大きく変わっていた。

 

全身のサイコフレームは赤く輝いており、目は黄色から赤く変わっていた。

 

その姿は555というよりもバルバトスルプスが覚醒した姿、そしてユニコーンガンダムがNTDを発動していた状態に近かった。

 

「好き嫌いはあるだろうが、俺の前で、俺の好きな奴を侮辱するのは許さねぇ」

 

「そんなの知るかっ!」

 

同時にリンは一瞬でブレイクデカールを発動させる。

 

「調子に乗っているんじゃないよ!!」

 

その言葉と共に、目の前にいるΦに向けて威圧するように叫ぶ。

 

ブレイクデカールの効果により、自身から放つプレッシャーを直接伝える。

 

これまでにない効果で、相手の動きを封じる事ができたこの能力で、リンはこれまで何度も勝利を収めてきた。

 

だが

 

「っ!!」

 

プレッシャーを与えているはずが、バルバトス・ファイズから伝わってくる殺気。

 

まるで跳ね返すような殺気により、リンはその場を動けなくなった。

 

「なっなんで」

 

「・・・・」

 

何度も機体を動かそうとした。

 

【Ready】

 

だが、それ以上にバルバトス・ファイズから伝わってくる殺気に身体を動かす事ができなかった。

 

【Exceed Charge】

 

その音声と共に、ファイズ・バトルメイスは注ぎ込まれたエネルギーによって、炎のように燃え上がる。

 

「ひっ!」

 

その姿はまるで悪魔であり

 

「あっあくっ」

 

最後まで言葉が出る事ができず、バルバトス・ファイズはそのまま振り下ろす。

 

同時にブルッケングはそのまま爆散する。

 

「・・・幾ら何でも怒りすぎたか」

 

リンを倒した事で落ち着きを取り戻したΦだったが、そのまま次の目的地へと向かう事にした。

 

その表情は優れないままだった。



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555の砲台

「本当にっ、何なんですか、この数はっ」

 

そう言いながら、めぐみんは両手に持つGNバズーカを使いながら、迫っていたブルッケングやジャバコを倒していく。

 

同じくガンダムガルムディエルもまた武装を使って、次々とブルッケングを破壊していくが、その数に圧倒されていく。

 

その中でジャバコの4体がヴァーチェ・カスティーゴの両手両足をヒート・ロッドで拘束する。

 

「しまった」

 

拘束された事で、身動きが取れなくなっていく内に、ブルッケングは手に持ったビームサーベルがヴァーチェ・カスティーゴへと向かっていく。

 

だが、ブルッケングに一つのビームが貫いた。

 

「なっ」

 

「やっと来ました!!」

 

そうしている間にヴァーチェ・カスティーゴを拘束していたジャバコは次々と打ち抜かれていく。

 

同時にめぐみんが見た方向にいたのは遅れてやってきたバルバトス・ファイズとフラウロス・デルタの二つの機体だった。

 

「まったく、遅いんですよ、2人共!!」

 

「悪かった、少し面倒な相手と戦っていた」

 

そう言いながら、バルバトス・ファイズは迫り来るジャバコ達を吹き飛ばしながら、ヴァーチェ・カスティーゴは背中合わせに言う。

 

「なっなぜ、お前がっ!

リンはっどこにっ!?」

 

そう言いながら、ナナミはフィールドの状況を確認するも、そこにはリンを確認する事ができない。

 

「そんなの、倒したからに決まっているだろ」

 

「っ貴様っ!!」

 

そう言いながら、再びバルバトス・ファイズに向けて殺気を飛ばす。

 

「さて、この数は厄介だな。

めぐみん、あれをやるか」

 

「あれって、あれですね」

 

「あれなの」

 

「あの、少し手伝ってくれませんか!?」

 

Φの一言をきっかけにめぐみんとシノンが頷く。

 

だが、その間に相手をしていたガンダムガルムディエルに乗っているカガリは叫んでしまう。

 

「ごめん、すぐに助けるから。

めぐみん、あとは頼むよ」

 

「えぇ!!」

 

シノンからの声に頷くとめぐみんはすぐに構える。

 

同時にめぐみんのガンダム・ヴァーチェ・カスティーゴの装甲がパージし、ナドレへと変わる。

 

ナドレへと代わり、パージされたパーツはバルバトス・ファイズへと装着され、その姿を変える。

 

「なっ!?」

 

バルバトス・ファイズのその姿は巨大な銃だった。

 

「なっなんだ、あれはっ、ぐっ」

 

これまで見た事のない姿に驚きを隠せないナナミだったが、すぐに狙いをバルバトス・ファイズへと目を向ける。

 

そこには銃となったバルバトス・ファイズを手に取ったガンダムナドレが構えた。

 

「GN粒子圧縮チャージ開始」

 

「っ!!」

 

瞬間、バルバトス・ファイズの全身は赤く光始める。

 

ナナミはそこから感じるプレッシャーに操縦桿を強く握りしめなる。

 

「やらせるか!!」

 

その言葉と共にブルッケング達を操縦し、Φ達の元へと向かっていく。

 

だが

 

「やらせるかよぉ!!」

 

「くっ!!」

 

そんなバルバトス・ファイズ達の前に立ちはだかったのはフラウロス・デルタ、ガンダムガルムディエルそして

 

「いやっほー!!

不死身のコーラサワー、ただいま参上!!」

 

その言葉と共に現れたのは特華団の助っ人として参加したダイバーであるパトリックだった。

 

彼が乗るアクセルレイトジンクスは、そのまま宙を舞いながら次々とブルッケングをビームサーベルで切り裂いていく。

 

「こいつらっ!!」

 

すぐにでも向かいたいナナミだったが、目の前にいる彼らによって、Φ達の元へと向かう事ができなかった。

 

「FINALATTACKRIDE、555!!」

 

「っ!!」

 

同時に聞こえてきた声を見つめた先には銃口が光り輝いており、ナドレはその引き金を引く。

 

銃口から溢れ出るそのビームの大きさはライザーソードを思わせる超砲撃だった。

 

めぐみんの声が聞こえると同時に邪魔をしていたシノン達はその場を退き、ビームは真っすぐとナナミの方へと向かっていく。

 

「こんなのっ」

 

すぐに動き出したナナミだったが、ブルッケングの操縦に集中していた為、アドラステアの操縦が間に合わず、そのまま

 

「こんな巫山戯たのでっ」

 

そう言っている間にアドラステアはそのまま横へと大きく倒れ、そのまま爆散する。



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新たな機体

新たな活動報告です。
興味がある人はぜひお願いします。
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=245442&uid=45956


――大上Side

 

「GBNのポイント?」

 

「えぇ、そう言えばあんたはあんまり使っていなかったわね」

 

そう言いながら、朝田は取り出したスマホで、GBNのホームページを見せてくれた。

 

そこには普段から見ているガンプラだけではなく、何か設計図だと思われるガンプラの数々があったが

 

「これは一体?」

 

「GBNでは発売されているガンプラ以外でも、実際には発売していないガンプラや、改造用のパーツとか色々とあるよ」

 

「そう言えば」

 

その言葉と共に思い出す。

 

「大上も今度ブラスターフォーム用に改造する予定ですから、これを機に2号機を作りませんか!」

 

「そうだな、確かにバルバトス・ファイズ以外にも作りたいけど、何をしようか」

 

そう言いながら、ガンプラを見ていく。

 

ガンダムと仮面ライダーというのは基本的に見た目の共通点はあまりない。

 

バルバトス・ファイズの見た目もファイズのような配色と、レギルスビットで再現しているだけだ。

 

それでも、ライダーの魅力と合わさった機体を考えてみたい。

 

そう思いながら、見つめていると

 

「んっ、これは」

 

「どうかしましたか?」

 

俺はふと手に取ったガンプラと、スマホで見たとあるライダーの見た目を見比べる。

 

細かい所は違いがあるが、それでも似ている箇所も多い。

 

「なぁ朝田、少し相談なんだが」

 

「なに?

んっ、あぁなるほど」

 

「これが、あっ」

 

「決まりだな。

それと、確か、よし」

 

俺達はその後、すぐにガンプラを購入し、ガンプラを作り上げた。

 

作り上げた後に塗装を行い、GBNで手に入れたパーツで改造を行っていった。

 

そうして出来上がったガンプラを見て

 

「こうして実物を見ていると、なかなか」

 

「えぇ、この前見ただけあって」

 

そうして、改造して出来上がった機体を見つめ、さっそくGBNにログインを完了する。

 

「今日はなんというか、恰好が違うわね」

 

「なんとなく気分でね」

 

そう言っていると

 

「見つけたぞ、Φ」

 

「んっ」

 

俺がログインすると共に声が聞こえ、振り向くと見た事のない人物がこちらに指を指していた。

 

「知り合い」

 

「知らない」

 

俺はそう言うと首を傾げると

 

「貴様に勝負を申し込む。

貴様に倒された仲間達の為にも」

 

「いや、バトルにやられたからって、そんな、あっ」

 

そうまるでこちらを悪者のように扱う声と態度に俺はふと頭に思い浮かんだ人物。

 

そして、そいつらの雰囲気から見て

 

「俺はギルド!

ブルーブレイブの特攻隊長だ!!」

 

「あぁ」

 

その言葉と共に納得する。

 

その態度からも、察する事ができたが、果たして、どのような対応すれば

 

「まぁ良いかバトルすれば良いのか」

 

断ってもしつこく絡まれると考えた俺はすぐに承諾した。

 

「本当か!良いんだな!!」

 

「あぁ、場所を移すぞ」

 

そう言い、俺達は指定された場所へと向かった。

 

同時に俺は新たな機体に乗り込む。

 

「変身!」

 

その言葉と共に、俺は機体を動き出す。

 

―――三人称

 

ギルドが乗り込んだ機体、カラミティガンダムを改造した機体、カラミティ・ブレイクはその両手に持った武器を構えていた。

 

片手には巨大な刀、シュベルトゲベールとレンチメイスを構えた。

 

そうして、構えていると、そこに現れたのはΦの機体だった。

 

だが、その見た目はバルバトス・ファイズではなかった。

 

「あれはバルバトス・ファイズじゃない?!」

 

Φが操る機体の姿を確認すると、そこに映し出されていたのはバルバトス・ファイズではなかった。

 

カラミティ・ブレイクの目の前に立っていたのは見た目はGセルフをベースに黒と蛍光グリーンの二色が目立っていた。

 

ゆっくりとそのガンダムが歩いていくと、その瞳から輝く赤は真っ直ぐとカラミティ・ブレイクを見つめていた。

 

「なんだ、その機体は一体っ」

 

「これか?

こいつはバルバトス・ファイズとは違う俺の夢。

G-ゼロワンだ」

 

その言葉と共に、G-ゼロワンはその片手に装着されていたアタッシュカリバーを摸した武器、GNアタッシュカリバーを構える。

 

「さぁ行くぜ!!」

 

「新しい機体だからと言って、勝てると思うな!!」

 

その言葉と共に、手に持ったシュベルトゲベールを掲げて、そのままG-ゼロワンへと襲いかかる。

 

それに対して、G-ゼロワンもまた構え、走り出しすと、G-ゼロワンは残像を残して、その姿を消した。

 

「なっF91の奴なのっ」

 

カラミティ・ブレイクは突然の事で驚きを隠せなかったが、次の瞬間、G-ゼロワンはカラミティ・ブレイクの背後に回り込み、蹴り上げる。

 

「ぐっ!?」

 

すぐにシュベルトゲーベルで後ろを攻撃を仕掛けるが、その時には既にG-ゼロワンの姿は消えていた。

 

「このスピード、なんなんだっ」

 

そう言いながら、次の瞬間、目の前に現れたG-ゼロワンに対して、胸に埋め込まれていたスキュラを放った。

 

G-ゼロワンはその腕に装着されているGNアタッシュカリバーを構えて、その攻撃を防ぐ。

 

「おらぁ!!」

 

「おっと!」

 

その隙を見つけると共に、もう片方に持っていたレンチメイスをG-ゼロワンに叩き込む。

 

「お前の機体、確かにスピードがあるけど、それだけだ!

それさえ分かれば!!」

 

そう言いながら、次々と手に持った両手の武器でG-ゼロワンで攻撃を仕掛けていく。

 

そうしていく内に逃げ道を失ったG-ゼロワンに対して、再びスキュラを放とうとした。

 

「これで終わりだ!!」

 

「あぁやっぱり、少し慣れないな。

ヒロトから教えて貰ったけど、これはやっぱり難しいな」

 

「なにをっ!!」

 

そう言おうとした瞬間、カラミティ・ブレイクに襲ったのは鮫だった。

 

「さっ鮫!?」

 

透き通るような青い鮫を思わせるバックパック、バイティングパックがそのままカラミティ・ブレイクを吹きとばすと

 

「さて、見せてやるぜ。

バルバトス・ファイズではできなかった事をな」

 

【ファング】

 

その音声と共にバイティングパックはそのままG-ゼロワンの背中に装着すると共に、これまで緑色に輝いていた装甲は青く輝きに変わる。

 

【キリキリバイ!キリキリバイ!バイティングシャーク!

"Fangs that can chomp through concrete."】

 

同時にその腕には二つのビームサーベル、ビームバンカーが装着された。

 

「なっ」

 

「水中戦用の装備だけど、始めてのフォームチェンジはこれだな」

 

「ぐっ」

 

その言葉と共に構えると、G-ゼロワンは走り出し、ビームバンカーで攻撃を仕掛ける。

 

それに対して、カラミティ・ブレイクもまた反撃するように攻撃を行う。

 

重量のある武器を持つカラミティ・ブレイクとほとんど質量のないビームバンカーでは、その威力はカラミティ・ブレイクの方が上だった。

 

だが、G-ゼロワンはその身軽な攻撃と、両手のビームバンカーで攻撃を受け流しながら、カラミティ・ブレイクに攻撃を仕掛ける。

 

自在に大きさを変えられるビームバンカーによって、接近を行いながらも、カラミティ・ブレイクのパーツの隙間を切り裂いていく。

 

「っ!!」

 

「お前を倒せるのはただ一人、この俺だ!!」

 

その言葉と共にG-ゼロワンの瞳はより一層輝くと、ビームバンカーはまるで鮫の歯を思わせる形に変わり、そのまま振り下ろす。

 

【バイティングインパクト!】

 

「っ」

 

防御は間に合わなかったカラミティ・ブレイクはそのまま振り下ろされた一撃に真っ二つに切り裂かれる。

 

それにより、G-ゼロワンの勝利は確定した。

 

―――ΦSide

 

「よし、なかなかに良いな」

 

そう言いながら、G-ゼロワンを見る。

 

最初にG-セルフの顔や触覚を見た時にゼロワンに似ていた事もあって、ゼロワン風に改造したが、想像以上に良かった。

 

様々な事にも対応ができる。

 

さらには現実では無理だったが、GBNでログインをした後にバックパックを装着した時には、それに合わせて、G-ゼロワンの色も変わるのは嬉しかった。

 

全てを全て再現する事はできなかったが、それでも拘れる所は拘っていきたい。

 

「まさか、ここまでとはな。

どうやら、ブルーブレイブに勝てたのは卑怯な手を使っていないようだな」

 

「なんだか、少し違うな」

 

そう思い、首を傾げるが

 

「それは、目の前で戦えばな!」

 

「というか、ブレイクデカールは使わなかったんだな」

 

「えっ、だって、ブレイクデカールを使う時はリーダーの指示が必要なんだろ。

フォース戦専門のスキルかなんかだろ?」

 

「いやいや」

 

どうやら、こいつは馬鹿なだけで悪い奴ではなかったようだ。

 

「だって、運営からも文句は言われないんだぞ?

違法じゃないはずだけど」

 

「・・・うぅ~ん。

いや、あれ、違法だぞ」

 

「えっ、嘘!?」

 

色々と納得した俺はとりあえずは注意を促しながらも、今後のG-ゼロワンでの活躍を期待していた。

 



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成長の兆し

「はぁ、今日はどんな奴と戦えるか」

 

そう言いながら、今回の対戦相手を探しているΦ。

 

「なんだかご機嫌ね、Φ」

 

「まぁG-ゼロワンは新しいバックパックも出来ましたし、バルバトス・ファイズの改修も順調ですからね」

 

そう言いながら、めぐみんは頷いた。

 

「めぐみんの方はどうなんだ」

 

「勿論ですよ!

まぁ、私も二人の影響もあって、少しライダー風に改造していますが、シノンの力を借りて」

 

「ある意味、俺達って、シノンがいなかったら、ここまでできなかったな」

 

そう言いながら、対戦相手が決まった音が聞こえる。

 

「おっ対戦が決まったな。

今度こそはマスダイバーじゃなければ良いけどな」

 

そう言いながら、Φは呆れながら言う。

 

ここ最近になって、マスダイバーの動きも活発になり、ついこの前にベアッガイのイベント中に何が起きたと、リクから聞いた。

 

そんな話を思い出している間に、いよいよバトルが開始する事になった。

 

バトル開始と共にG-ゼロワンは既にバイティングパックを装備しており、その背後には新たなバックパックが浮かんでいた。

 

「さて、今回の対戦相手は」

 

「さて、待たせたな」

 

「んっ」

 

その言葉と共にユニコーンガンダム ユニコーンモードをモデルにした機体がそこに立っていた。

 

そこに表示されていたのはオリジンという名前だ。

 

「さて、勝負しようか、Φ」

 

「おぉ、良いぜ」

 

その言葉と共にビームバンカーを構えていると

 

「んっ?」

 

そうしている間に、瞬く間に緑色の装甲へと変わり、先程までなかったはずの狩り人を思わせる姿へと変わっていた。

 

「いや、どういう事」

 

俺が思わず言ってしまうのは無理ないと思うが

 

「さぁ、行くぜ」

 

同時に手に持っていたのは先程まで持っていたビームライフルが変形し、弓矢を思わせる武装に変わり、襲い掛かる。

 

「ぐっ」

 

突然の事で驚きを隠せなかったが、そのまま手に持ったビームバンカーでその攻撃を振り払いながら、そのまま走り出す。

 

その遠距離からの攻撃に対して、今回持ってきたバックパックに変われば、一気に接近する事ができれば、勝つ可能性はあるが

 

「俺は、戦いにおいて一切容赦も情けも慈悲も無く戦う。何故かって?.......そりゃ何時何時寝首をかかれるかわからねぇからな。だから俺は.......全てを完膚なきに滅殺する。」

 

「っ!!」

 

そう言いながら、目の前にいたオリジンの姿は瞬く間に変わり、.邪悪な騎士を思わす白と青を基調とした姿へと変わった。

 

 

「幾ら何でも可笑しい。

ガンプラの形がここまで変わるのは、まさかブレイクデカールか?」

 

「違う、これは俺が独自で開発したナノマシンだからな」

 

「・・・・」

 

その言葉を聞いて、俺は思わず冷めた目で見てしまう。

 

「これだけは覚えておけ、 『英雄(えいゆう)』は何千人何万人何億人と殺して『殺人鬼(えいゆう)』だ。『英雄(ヒーロー)』は何千人何万人何億人と倒して『英雄(ヒーロー)』だソコんところ履き違えるんじゃねぇゾ?....................ワカッタナ?」

 

「・・・いや、ゲームで何を言っているんだ」

 

その言葉と共にオリジンが目の前まで武器が迫っていたが、そのままΦは呆れてしまう。

 

「まったく、ブレイクデカールとか、そういうのがないと強くなれない奴らばかりなのか」

 

そう言いながら、G-ゼロワンはそのままオリジンを蹴り飛ばす。

 

「ズル?

何を言ってっ」

 

「ブレイクデカールと何が違うんだ?

自作したとか言っているけど、ナノマシンとか言っているけど、それ、違法だろ」

 

「ちっ屁理屈をっ!」

 

「いや、お前にだけは言われたくない。

まぁ、それに最初は驚いたが、なるほどな」

 

そう言いオリジンは向き直すと、そのままG―ゼロワンから分離したバイティングパックでそのまま吹き飛ばされる。

 

「この程度!!」

 

その言葉と共にオリジンはそのまま手に持った武器でバイティングパックを切り落とした。

 

【ウィング!】

 

それによって、バイティングパックは爆散するが、G-ゼロワンはそのまま背後から出てきた新たなバックパック、ウィングバックパックをそのまま装着する。

 

【Fly to the sky!フライングファルコン!

"Spread your wings and prepare for a force."】

 

その音声と共に、G-ゼロワンの色はピンク色へと変わる。

 

「バックパックが変わった所で」

 

それに対してオリジンはそのまま別のモードへと切り替わろうとした時だった。

 

そのウィングバックパックはG-セルフの宇宙用バックパックにシナンジュの推力偏向スラスターが追加した物となっていた。

 

その影響もあって、ウィングバックパックのスラスターに光が灯り、G-ゼロワンの姿は消える。

 

「ちっ、高速戦闘だがっ」

 

そう言いながら、オリジンは姿を変えていった。

 

だが、それに対抗する事ができなかった。

 

「なぜっ」

 

そのままオリジンは何度も姿を変え、武器を変えていったが、G-ゼロワンのスピードに対抗する事ができずにいた。

 

「お前、ガンプラとか作る技術やナノマシンを作っているようだけど、操縦技術全然できていないぞ!!」

 

「お前こそなんでっ、そんなスピードでそんな対応できるんだっ、お前こそ」

 

「俺は慣れているからな」

 

バルバトス・ファイズの時にアクセルフォームと比べれば、スピードは低いフライング・ファルコンだが、その分持続時間は長く、さらには様々な対応ができた。

 

何よりもオリジンはそれに対抗する為のモードはなく

 

「ぐっ、負けて」

 

「俺は別に英雄とかになるつもりはないよ。

それを偉そうに言う暇があったら」

 

その言葉と共にG-ゼロワンはそのまま構える。

 

同時にG-ゼロワンのバックパックは光の翼を生やして、そのままオリジンに飛びかかり、敵に組み付いて回転し投げ飛ばす。

 

「なっぐっ」

 

フライングインパクト

 

衝撃に耐えきれず、そのまま飛行して追撃し、超高速の跳び蹴りをオリジンに叩き込む。

 

「なっ、こんな事でっ」

 

そのままオリジンは爆散され、そのままWINという表示される。

 

「ふぅ、勝てたか」

 

そのままG-ゼロワンから降り立つと

 

「くそ、俺のガンプラが、負けるなんて」

 

「さて」

 

「何をしている」

 

そう言いながら、ナナシはこちらに尋ねてきたが

 

「いや、運営に報告している」

 

「何を」

 

「ナノマシンを」

 

「お前、何を」

 

その言葉と共に、運営が来たのか、そのままナナシは連れ去られていった。

 

「何が起きたんですか」

 

「いや、ナノマシンとか言っていたから、不正じゃないかと思ったけど」

 

「あぁ、なるほど」

 

その言葉で察して、シノンは冷めた目で見ていた。

 

「ブレイクデカールとほとんど変わらないな」

 

「あぁ」

 

そう思うのは無理なかったと思う。

 

「そう言えば、Φ、なんかメッセージが届いているわよ」

 

「メッセージ?

なんだ?」

 

そう思い、Φはメッセージを開くと

 

「???

なぁ、クジョウ・キョウヤって、誰?」

 

「ぶぅ!

そっそれ、チャンピオンですよ!!!」

 

「・・・チャンピオン!?」

 

俺はその名前を聞いた瞬間、俺は思わず叫んでしまったのは無理ないと思う。

 

 



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戦争前のタッグ

Φが呼び出されたのは上位ランカーを始めとする有望なダイバーたちを募った、「有志連合」を結成した。

 

その中で、決戦が何時になるか分からない中で偶然再会したリクを見つけたΦは

 

「まだまだ時間もあるし、少しバトルしないか」

 

「バトルですか?」

 

互いに特華団、ビルドダイバーズの中心人物となって、なかなか会う日が少なくなっていた。

 

そんな中で、お互いの全力を、そして他のメンバーの事についても知りたかった。

 

「それにしても他のフォースも巻き込むなんて」

 

「ブレイクデカールは未だに未知が多いからな。

色々と知っておいた方が良いと思ってな」

 

そう言いながら、集ったメンバーに確認するように言う。

 

「だからこそ、自分や他の奴らの戦いを知れば、連携も行いやすいからな」

 

「それが目的か。

まぁ俺もそれで良いがな」

 

その言葉と共に賛同したのはアスターと呼ばれる人物だった。

 

彼はダイバー・アカデミクスに所属しており、今回はブレイクデカールの研究の為に参加していた。

 

「敵が未知数な以上は、力を高めるのも一つの手だ」

 

「そうですね。

分かりました、せっかくの機会ですし」

 

その言葉と共に複数のフォースが合同でのタッグ戦を行う事になった。

 

フォース戦では時間がかかる事もあり、個人で戦うのでは連携の参考にならない。

 

だからこそ、今回は2対2のタッグ戦を行う事になった。

 

「噂のバルバトス・ファイズではないのか?」

 

「バルバトス・ファイズは今は少し改造中なので。

今はこいつが俺の相棒のG-ゼロワンです」

 

そう言いながら、G-ゼロワンの紹介を行う。

 

「それじゃあ、対戦カードはΦとアスターさんのコンビと、リク君とミカのコンビですか」

 

同時にG-ゼロワンと共に現れたのは前回のダブルオーダイバーよりも装備が豊富になった姿、リクのダブルオーダイバーエース。

 

そしてアスターが乗り込んでいる、デスティニーガンダムを改造して作り上げた機体、ラビットデスティニー。

 

そして

 

「というよりも」

 

そう言いながら、コーイチは互いに対峙している最後のガンプラ。

 

それはガンダムアストレイブルーフレームセカンドリバイを改造し、仮面ライダーエターナルレッドフレアを思わせる姿に改造したエターナルアストレイ・レッドフレアが立っていた。

 

「仮面ライダーをモデルにしている機体が二つもあるなんてね」

 

苦笑いをしながらも、これからどのような戦いが行われるのか見つめていた。

 

「それじゃ、始めるか!!」

 

その言葉と共に、G-ゼロワンはそのまま一気に加速し、ダブルオーダイバーエースに接近し、激突する。

 

「なんて速さだ!!」

 

「ここまで対応できるのか!」

 

G-ゼロワンの武器であるアタッシュカリバーと、ダブルオーダイバーエースのスーパーGNソードIIが互いに火花を散らしながらせめぎ合う。

 

両手に持った武装で手数の多さでダブルオーダイバーエースが有利に進めているが、G-ゼロワンはフライングファルコンの高速移動によって、その攻撃を避けていく。

 

「このままじゃ、だったら」

 

その言葉と共にG-ゼロワンとは別に用意した新たなバックパックが現れる。

 

「別のバックパックかっ」

 

「だけど、やらせない!!」

 

その言葉と共にエターナルアストレイ・レッドフレアのビームロッドがバックパックに襲い掛かる。

 

ビームロッドに絡まった事によって、空を飛んでいたバックパックはそのまま地面へと激突する。

 

「このまま破壊をっ」

 

その言葉を言い終える前に、ビームロッドは切り落とされる。

 

エターナルアストレイ・レッドフレアはすぐに横に振り向き、ビームソードを構える。

 

「悪いが、これは破壊させないよ」

 

そう言いながら、エターナルアストレイ・レッドフレアに攻撃を仕掛けているラピットデスティニーはプロミネンスブレイドで攻撃を仕掛ける。

 

「ナイス、来い、フレイミング!!」

 

その声に答えるように、虎の爪のように改造したドラゴンハング、タイガークローを備えたバックパックがそのままG-ゼロワンに装着される。

 

【Gigant flare!フレイミングタイガー!

"Explosive power of 100 bombs."】

 

「タイガさんと同じガンダムか」

 

「まぁバックパックのモデルは同じだけどな!!」

 

そう言い、再びダブルオーダイバーエースと再び戦い始める。

 

両手のタイガークロのリーチ事態は先程まで使っていたアタッシュカリバーと比べれば短い。

 

しかし、その分、攻撃速度は上がっていた。

 

「ぐっ」

 

リクはその攻撃に対して、両手に持つスーパーGNソードIIを両手に構えながら、その攻撃を防ぐ事しかできなかった。

 

「だけど」

 

怒涛の攻撃に対して、ダブルオーダイバーエースは腰からビームサーベルを投げて、牽制する。

 

「ミカさん!!」

 

その言葉と共に後ろから襲い掛かってきたのはタクティカルアームズⅡを持ったエターナルアストレイ・レッドフレアだった。

 

「危なっ!!」

 

そう言いながら、タイガークローで受け止める事ができたが、背中ががら空き状態になっていた。

 

その状態を見逃さず、ダブルオーダイバーエースは両手に持ったスーパーGNソードⅡで攻撃を仕掛けようとした時だった。

 

だが

 

「ところがぎっちょんか」

 

「っ!?」

 

ラピッドデスティニーが両手にもっていたプロミネンスブレイドとブライニクルブレイドの二つの剣でその攻撃を受け止める。

 

「ナイス」

 

G-ゼロワンは受け止めたタイガークローから炎を放出させ、エターナルアストレイ・レッドフレアを吹きとばす。

 

「一気に決める、アスター」

 

フレイミングインパクト

 

その言葉と共にタイガークローから炎を放出させながら、二人の機体に向けて振り上げる。

 

「うわっ!?」

 

「ちっ」

 

その攻撃を受け止め、そのまま二人の機体は爆散する。

 

それによって、二人の勝利は決まった。

 

「ふぅ、なんとか勝てた」

 

「それにしても、驚いた。

まさかストライクやAGEみたいに色々な形態に変える事できるなんて」

 

「仮面ライダーでは基本みたいだからな。

それにしても、リクも以前よりも腕が上げたじゃないか」

 

そう言いながら、互いの機体の変化を見つめる。

 

「今度のバルバトス・ファイズ、頼りにしてるよ

 

「そっちのダブルオーダイバーエースも」



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因縁の対決

「まさか、こんな戦いに、この子を出すとはね」

 

そう言いながら、私は改めて周りを見渡す。

 

周りには、昔の私だったら会う事もなかっただろうダイバー達と一緒に戦っていた。

 

それは今、まさにブレイクデカールに対する反撃の戦いであり、決着を付ける為の戦いだった。

 

あの頃では考えられなかった新たな機体であるスナイプガンダムデュナメス。

 

それは元から遠距離からの攻撃が得意だった私に合ったガンダムデュナメスと、仮面ライダーの中でも狙撃が得意とされる仮面ライダースナイプ。

 

この二つを組み合わせた機体であり、GNスナイパーライフルなどのデュナメスの標準装備を強化している。

 

さらに仮面ライダーシリーズで見られた連結する事によって強化される武器を参考に、GNビームピストルを改造し、連結できるように作り上げる。

 

その影響もあってか、今は前線で戦っているΦとめぐみんを援護しながら、私はビルドダイバーズのユッキーやコーイチと共に狙撃を行っていた。

 

「それにしても、本当に厄介」

 

そう言いながら、見つめる先には幾ら攻撃してもすぐに再生するマスダイバー達の機体に思わず舌打ちをする。

 

そうしている間に私に向かってくる反応が聞こえる。

 

「私を狙っている?」

 

真っ直ぐと、狙うような反応。

 

他の味方機を押しのけて、向かってくる事からそれは間違いないだろう。

 

「ごめん、なんか私に向かってくる機体がいるみたい。

少し離れるわ」

 

「えっシノンさん、待って!」

 

私を呼び止めようとする声が聞こえるが、これ以上作戦への影響を与える訳にはいかない。

 

すぐにその場を離れた私はこちらに向かってくる機体を見つめる。

 

「まさか、そんな所にいるとは思わなかったわ、シノン!!」

 

こちらに向けた通信。

 

その声には嫌なぐらいに聞き覚えがあった。

 

「へぇ、まさかこんな所で会えるとは思わなかったわ、園崎さん」

 

そう言いながら、私は手に持ったGNビームピストル改を構えながら、聞こえてきた声の方向を見る。

 

そこには見慣れたクイーンズ・ファントムがバロックのアーマーを装着している。

 

だがそれ以上にそのガンダムに乗り込んでいる人物は今はGBNでは入る事ができないはずの人物だった。

 

「どうやって、ここに入ってきたの?

確か、お父さんに怒られたんじゃないのかしら?」

 

「お父様には確かに叱られましたが、隠れてやるには十分ですわ。

ナナミの手にかかればね」

 

「あぁなるほど」

 

嫌なぐらいに想像ができた私はそのまま目の前にいる園崎に向けて、GNスナイパーライフルを構える。

 

「今の私はゴッデス。

そして、これが私の最強の機体、ゴッデス・バロックと私の元で従う騎士達ですわ」

 

その言葉と共にゴッデス・バロックの背後から現れたのは無数の機体だった。

 

その機体には見覚えがあり、その機体の名はノエル・レイスだとすぐに分かった。

 

「遠隔操作、モビルドールなんてGBNではあり得ないでしょ」

 

そう言いながら、さすがに数が多い相手に不利だと判断し、GNスナイパーライフルを仕舞い、そのまま襲い掛かってくるノエル・レイスに対して、GNビームピストル改で撃墜していく。

 

だが、幾ら破壊しても、ブレイクデカールの影響によって、瞬く間に再生され、再び襲い掛かる。

 

「がら空きですわ!!」

 

「っ!!」

 

その言葉と共に巨大な大剣が襲い掛かる。

 

それに対して、私はGNシールドを展開して、そのダメージを抑える。

 

だが、ダメージを完全に抑える事ができず、そのまま近くの隕石に激突する。

 

「ふふっ、この時を待っていましたわ。

まずは裏切り者であるシノン、あなたを倒してから、今度はあの憎きΦを倒して見せるわ」

 

「Φね。

今のあなたでは、絶対に戦えないわ」

 

「減らず口を」

 

「それはどうかしら」

 

そその言葉と共に私に向けてビームライフルを構えていたノエル・ノイスの合間をすり抜けて来た機体を見つける。

 

「あれは」

 

「第参戦術」

 

その言葉と共に向かってくる機体によって、隕石が破壊されると共に、GNシールドをパージさせる。

 

同時にこちらに向かってきたもう一つの機体、GNセファーを改造した機体、GNコンバットゲーマと連結する。

 

【ジェット!ジェット!イン・ザ・スカイ!

  ジェット!ジェット!ジェットコンバーット!】

 

「なっ!」

 

「さぁ乱れ撃つわよ!!」

 

その言葉と共に、備え付けていたGNビームマシンガンで周りに襲い掛かってくるノエル・ノイスに向けて放っていく。

 

「なっ、なんなのそれはっ!?」

 

「スナイプガンダムデュナメス・コンバットアーマーよ。」

 

「なっふざけた名前をっ!?」

 

「それも面白いでしょ」

 

そう言いながら、再生しているノエル・ノイスの隙をみつめながら、私はそのままGNビームピストル改を取り出す。

 

そして、GNビームマシンガンとGNビームピストル改と連結させ

 

「トランザム、いや、あいつ風に言えば、必殺技ね」

 

【キメワザ!ジェットクリティカルストライク!】

 

その音声と共にGNビームマシンガンから先程よりも巨大なビームが嵐のように降り注ぐ。

 

それは周りにいるノエル・ノイスも、そしてゴッデス・バロックの装甲も次々と撃ち抜いていく。

 

身に纏っていたパーツが抜け、本体であるクイーンズ・ファントムが現れる。

 

「くっこのまま終わる訳「いいえ、ここで終わるわ」っ!?

 

すぐに抜け出そうとしている彼女に対して、私はすぐにコックピットに向けて、ビームピストル改を突きつける。

 

「ブレイクデカールで強化されていてもコックピットを打ち抜けばなんとかなるかもね」

 

「辞めっ」

 

そう言い終える前に、私は引き金を引く。

 

それでようやく向こうからの声が聞こえなくなった。

 

周りのノエル・ノイスも動かなくなっていたのを見る限り、どんなに再生力があっても、コックピットを打ち抜けば問題なく倒せるようね。

 

「とにかく、合流しないとね」

 

その言葉と共に、私は次の目的地に向かう為に飛ぶ。

 



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撃つ破る殻

「まさか、こんなにマスダイバーがいるとは」

 

そう言いながら、周りを囲むように襲いかかるマスダイバーに舌打ちをしながら、めぐみんはGNバズーカで周りにいるマスダイバーの機体を撃ち落としていく。

 

だが、圧倒的な敵の数に苦戦を強いられていた。

 

「まずは一人!!」

 

「っ!?」

 

その言葉と共にめぐみんの背後から襲いかかって来たマスダイバーの一人がその手に持ったビームサーベルで襲いかかろうとした時だった。

 

「やらせるかっ!!」

 

しかし、その攻撃を受け止めるようにその攻撃を受け止めたのは味方のダイバーの一人だった。

 

そこにはメタリックブルーで塗装されているマスターガンダムがおり、その手に持っているのはガーベラストレートだった。

 

ビームサーベルを受け止めると同時に、そのままビームサーベルを押し返すと共に、一閃。

 

その間に100を超える斬撃がマスダイバーに襲い掛かり、そのまま爆散する。

 

「えっえぇ!?」

 

「無事か」

 

「うわ、犬?

といか、もしかして署長!?」

 

見てみると、顔がドーベルマンになっており、警察の制服を身に纏っているダイバー、署長がいた。

 

「ここは私がなんとかするから、君は向こうの援護を頼む」

 

「わっ分かりました!」

 

その言葉と共にめぐみんはそのまま離れると同時に次のマスダイバーに狙いを向けるが

 

「まさか、こんな所で合うなんて偶然ね」

 

「っ!?」

 

聞こえてきた声に、めぐみんは上を向くと、そこにはゴトラタンが迫ってきた。

 

「というか、その声はこの前、Φをブチ切れさせたマスダイバーですか!!」

 

「その件ではどうも。

だけど、オマエには用がないんだよ!!

 

その言葉と共にゴトラタンはその手に持ったビームライフルでめぐみんに向けて放っていく。

 

「厄介なのが来ましたか。

だけど」

 

その言葉と共にGNビックキャノンで牽制を行いながら、GNバズーカを構える。

 

「確かに火力は厄介ね。

だけど、スピードが全然ダメ!!」

 

「くっ」

 

ブレイクデカールの影響もあって、機体性能が大きく上がったゴトラタンはそのままヴァーチェ・カスティーゴに接近すると

 

「だから、こうして抑えれば良いのよ」

 

「なっ!?」

 

その言葉と共にゴトラタンの頭部からビームストリングスを放たれ、ヴァーチェ・カスティーゴは捕らわれてしまう。

 

それによって、ヴァーチェ・カスティーゴは身動きが取れなくなる。

 

「ぐっ」

 

「この前のフォース戦では屈辱を与えられたけど、今のこのゴトラタン改ならばあのバルバトス・ファイズを倒す事ができる!!」

 

「Φのっ」

 

そう言い、めぐみんはすぐに反応する。

 

「オマエは火力だけで、他はあまり役に立たない。

だけど、放っておくのも面倒だから、ここで始末するわ」

 

「っ」

 

その言葉と共に、めぐみんはその言葉を受けて、震える。

 

「確かに、Φは私よりも強くなりました。

だけど、だからこそ、私も強くなる!!」

 

「っ!?」

 

その言葉と共にヴァーチェ・カスティーゴの装甲が外れる。

 

オーバーライズ!レディーゴー!アサルトウルフ!

 

その音声と共にヴァーチェ・カスティーゴを捕らえていたビームストリングスは、パージされた装甲によって隙間ができる。

 

その隙間を通り抜けるように、新たな機体はそのままゴトラタン改に向けて、次々とビームマシンガンが襲いかかる。

 

「なっ!?」

 

「さぁ、ナドレ・アサルトウルフの初陣ですよ!!」

 

その言葉と共にパージされたバックパックからGNバズーカのモードを、GNアックスに変形させる。

 

「またっ改造ですかっ!!」

 

そう言いながら、ゴトラタン改もまたビームトンファーを展開させ、ナドレアサルトウルフへと接近する。

 

互いの武器が激突し、火花を散らしていく。

 

互いに武器が激突しながら、ナドレ・アサルトウルフは少し離れると肩に装着されているGNビームミサイルを放っていく。

 

「っ!!」

 

GNビームミサイルが放った時、すぐにビームシールドを展開し、その攻撃を受け止める。

 

ミサイルが激突した事によって、ゴトラタン改の周囲はGN粒子で視界を覆ってしまう。

 

だが、その中で強い光が見えたリンは

 

「そこっ!!」

 

その言葉と共にビームライフルの引き金を弾く。

 

ビームはそのまま真っ直ぐと光へと向かっていき、同時に爆発する。

 

アサルトチャージ

 

「っ!!」

 

音が聞こえ、リンはすぐに下に目を向けると、そこにはナドレ・アサルトウルフがGNバズーカを構えていた。

 

「これが、私の必殺技だぁ!!」

 

その叫びと共に、GNバズーカの引き金を弾くと共にGN粒子によって作り出された緑色のビームが狼の形となって、ゴトラタン改に襲いかかる。

 

「こんな事でっ」

 

そう言いながら、ゴトラタン改もまた、メガビームキャノンを構えて、引き金を弾く。

 

それによって、互いの一撃が激突し、攻め合う。

 

「「はあああぁぁぁぁ!!!!」」

 

互いの思いを叫ぶ。

 

やがて決着が突き、メガビームキャノンのビームは徐々に押され、ついにGNバズーカの狼はそのまま巨大な口を開きながら、ゴトラタン改を噛み砕く。

 

「あっあぁ」

 

マグネティックストームブラスト

 

噛み砕かれたゴトラタン改はそのまま爆散する。

 

「ふぅ、まさかこんなに早くナドレ・アサルトウルフを出すとは思いも寄りませんでした。

だけど」

 

その言葉の先では未だに戦い続けている戦場を見つめながら、めぐみんは

 

「あいつもまだまだ戦っているのに、休んでいられませんね!!」

 

その言葉と共に再び戦場へと戻っていく。



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最強の機体

「それにしても、これまで見た事のない戦場だな」

 

そう言いながら、周りで繰り広げられている有志連合軍とマスダイバー達の戦いは苛烈を極めていた。

 

既に作戦として、誘導部隊としての役割を担っているΦは、より囮になる為に必殺技を使いながら、マスダイバー達を引き寄せていた。

 

「それにしても、本当にとんでもない数だな

 

そう言いながら、改修したバルバトス・ファイズは周りを見渡す。

 

改修されたバルバトス・ファイズは、これまで背負っていたオートバジンの代わりにダブルエックスのツインサテライトキャノンを改造したファイズブラスターを背負いながら、戦っていた。

 

そうして戦っていく中で

 

「ようやく会えたな、Φ!!」

 

「またお前か、ブルーブレイブ!」

 

聞こえてきた声と共に、すぐに振り返るとそこには騎士ガンダムを思わせる見た目に改造したストライクガンダムが現れ、こちらにビームライフルを構えていた。

 

こちらに向けられた銃口に気付き、すぐにバルバトス・ファイズもまたその手に持ったファイズフォンを構えた。

 

互いに引き金を引いた瞬間、互いのビームが放たれ、激突する。

 

一瞬、激突するが、ファイズフォンのビームは瞬く間に散り、真っすぐとバルバトス・ファイズに向かっていく。

 

「っ!!」

 

迫りくるビームに対して、すぐに身を屈み、ビームの軌道からなんとか逃れる。

 

だがビームから出る爆風によってバルバトス・ファイズは吹き飛ばされる。

 

「ビームが掠っただけで、この威力っ!!」

 

それだけでも異常なのが分かり、そのまま構える。

 

「どうなっているんだ、こいつの威力」

 

「ははぁ!!

凄いよ、俺のストライク・ブレイブ!!

これこそ、俺の正義だ!!」

 

その言葉と共にビームライフルを仕舞い、剣を取り出し迫っていく。

 

手に持ったファイズ・バトルメイスを構え、その攻撃を受け止める。

 

だが、まるで紙を切るように簡単に真っ二つに切り裂かれ、ぎりぎりの所で避ける。

 

「やばすぎるだろっ、幾ら何でも」

 

その高すぎる攻撃力に驚きを隠せなかった。

 

だが、それでも真っ直ぐすぎる攻撃は避ける事は容易かった。

 

それでも早すぎる攻撃、一撃でも当たれば終わりな極限状態の中で

 

「もらったっ!!」

 

ストライク・ブレイブの攻撃が当たりそうになった時だった。

 

「危ないですねっ」

 

「っ!!」

 

だが、聞こえてきた声と共に、バルバトス・ファイズに襲い掛かるGと共に、ストライク・ブレイブから大きく離れる。

 

見ると、そこには身体の各部に多数のブースターを備えたガンダムがバルバトス・ファイズの手を握っていた。

 

「あんたは確か」

 

「アリシア・シィ。

今はそれよりも奴、とんでもない奴ね」

 

「あぁ、一撃でも当たれば、終わりだ」

 

「一撃でもですか。

それはそれで、なかなかに面白い相手ですわね。

だけど、このダイバーダウンラビットの動きを果たして追いつけるでしょうか?」

 

その言葉と共に、手を離し、ダイバーダウンラビットはその手と一体化しているジュリアンブレードでストライク・ブレイブに攻撃を仕掛けてきた。

 

ダイバーダウンラビットのスピードは速く、そして上手い。

 

ストライク・ブレイブの性能頼りの動きとは違い、正確に攻撃を行いながら、相手の攻撃を避けていた。

 

それでも、ストライク・ブレイブの防御力は桁違いに高く、先程から何度も攻撃を与えているがまるでダメージを通っている様子がない。

 

「だったら」

 

その言葉と共にバルバトス・ファイズは腰に装着されているファイズポインターを取り出す。

 

【Exceed Charge】

 

「離れろよ!!」

 

「っ!!」

 

その言葉と共に、ストライク・ブレイブに向けて、クリムゾンスマッシュを放った。

 

その一撃はストライク・ブレイブの盾に確かにストライク・ブレイブに激突するが

 

「そんなの、俺には効かないぜ!!」

 

その言葉と共に、バルバトス・ファイズは吹き飛ばされる。

 

ストライク・ブレイブはそのままビームライフルをバルバトス・ファイズに向ける。

 

だが、ダイバーダウンラビットがバルバトス・ファイズを回収した。

 

「なんですか、あの機体はっ!?

あれを受けて、無傷なんて」

 

「確かに」

 

「当たり前だ、俺の最強の機体に敵う訳ないだろ!」

 

「・・・・最強の機体、ねぇ」

 

目の前でブルーブレイブが操る機体は余りにも不可解すぎる。

 

俺の攻撃も戦っていた仲間達の攻撃もまるで効かない。

 

その防御力と兼ね備えて、さらには攻撃力。

 

未だに操作技術でカバーできているが、それでも可笑しすぎる。

 

だが、目の前でも、周りで戦っている相手がマスダイバーという事を忘れてはいけない。

 

常識に囚われてはいけない。

 

そして、ここはゲームの中、だとすれば

 

「無茶をやるしかなさそうだな!!」

 

「Φ!」

 

それを言い終えると共に、俺はバルバトス・ファイズは一気にストライク・ブレイブへと向かう。

 

「自分から負けに来たか、まぬけ!!」

 

そう言いながら、ストライク・ブレイブはビームライフルをこちらに向かって放っていく。

 

狙いも曖昧だが、ユニコーンガンダムのビームマグナムを思わせる威力で、僅かに掠るだけでも確実に負ける。

 

だからこそ、常にビームから離れて、近づく。

 

「ちっ、ここまで来たか、だが」

 

その言葉と共に、ストライク・ブレイブはそのままビームライフルを仕舞い、剣を取りだそうとする。

 

だが

 

「悪いが、これは使わせて貰うぜ」

 

「なっ!!」

 

だが、バルバトス・ファイズはストライク・ブレイブが取りだそうとした剣を奪い取る。

 

それに戸惑いを隠せない間に、バルバトス・ファイズはそのまま奪い取った剣をそのまま振り上げて、仕舞おうとしたビームライフルを切り裂く。

 

「俺のビームライフルがっ」

 

「やっぱりな」

 

そのままバルバトス・ファイズは後ろへと飛びながら、破損されたビームライフルを見つめる。

 

「ブレイクデカールもそうだけど、チートな性能で怪しいと思ったけど、この武器の数値、異常すぎるな」

 

そう言いながら手に持った武器の性能は限界値まで表示されていた。

 

「それが、どうしたっ!

これが、俺の正義だっ!!」

 

「そうかよ」

 

その言葉と共に手に持った剣を確認する。

 

「だったら、正義の味方を倒すとするか」

 

【Exceed Charge】

 

その音声が鳴り響くと共に、バルバトス・ファイズの背中に背負ったツインサテライトキャノンはレギルスビットを噴射させる。

 

本来ならば武器として使用するツインサテライトキャノンを移動に使用した。

 

そうした事によって、バルバトス・ファイズは一瞬でストライク・ブレイブに接近すると共に一閃

 

「っ!!」

 

ストライク・ブレイブはすぐに盾を前に出して、その攻撃を防ぐ。

 

だが、同じ攻撃力と防御力がぶつかれば、決着はつかない。

 

しかし、バルバトス・ファイズが加速したスピードが剣の攻撃力に加わり、本来ならば決着がつかない戦いに

 

「盾がっ」

 

「はぁ!!」

 

バルバトス・ファイズは勝利した。

 

盾を貫いた剣はそのまま真っすぐとストライク・ブレイブのコックピットを貫く。

 

バルバトス・ファイズはそのまま手に持った剣を突き刺したまま、ストライク・ブレイブを蹴り飛ばす。

 

吹き飛ばされたストライク・ブレイブはそのままノイズを放ちながら、爆散する。



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荒れ狂う555

「チャンピオン達は上手くいってるのか」

 

そう言いながら、作戦が始まって一時間程経ったのを確認する。

 

見ると、こちら側の戦力は減っており、敵の数はあまり減っていない。

 

無理はない、向こうはコックピットが無事ならば幾らでも再生する事ができる反則級の能力を持っている。

 

それでは、こちらの戦力が徐々に減るのは無理もない。

 

そう思っていると、アラートが鳴り響き、見て見ると、こちらに迫りくる機体が一つ。

 

「あれは、フリーダム」

 

「見つけたぜ、バルバトス・ファイズ!」

 

その言葉と共に、手に持った巨大ビームソードをこちらに振り下ろし、それに対抗するようにファイズ・バトルメイスで受け止める。

 

「お前は誰?」

 

「こうやって、顔を見せるのは初めてだな!!

俺はリューナ、悪いがブルーブレイブの仇を取らせてもらうぜ!!」

 

「またあいつの仲間かよ!!」

 

俺はそう言いながら、そのビームソードを切り払い、そのままファイズショットを構え

 

【Exceed Charge】

 

「お前の相手なんて、している場合じゃないんだよ!!」

 

その言葉と共に拳を振り上げる。

 

ファイズショットはそのままそいつの機体のコックピットに激突し、そのまま爆散する。

 

「次の所にっ!」

 

そう言おうとした時だった。

 

俺に襲い掛かる衝撃に驚きを隠せなかった。

 

「もう次の敵が」

 

そう思い、見るとそこには確かに倒したはずの奴が立っていた。

 

「その程度か、バルバトス・ファイズ!

それじゃあ、俺のエターナルフリーダムJには勝てないぜ!」

 

その言葉と共にバックパックから放たれるワイヤーが次々とバルバトス・ファイズに襲い掛かってくる。

 

そのワイヤーはそのままファイズ・バトルメイスを貫いた。

 

急いで俺はファイズ・バトルメイスを捨てると共に、爆散し、その爆炎から次々とワイヤーが襲い掛かる。

 

「くっ」

 

それに対して、手に持ったファイズエッジで対抗するが、想像以上に厄介で、すぐ目の前にエターナルフリーダムJが現れる。

 

「これでおしまいだぁ!」

 

「かもな!」

 

【Exceed Charge】

 

それに合わせるように、俺はすぐにファイズエッジを奴の胴体へと押し当て、先程よりも強い光を放つファイズエッジでそのまま胴体事切り裂く。

 

「はぁ!!」

 

その言葉と共に、エターナルフリーダムJは再び爆散する。

 

だが

 

「俺は不死身だぁ!!」

 

「ぐっ!!」

 

その爆炎から再び現れ、襲い掛かる。

 

3度目になって、確実に倒したはずの敵がどうやって復活するのか、俺は考える。

 

だが、そうしている間に別のアラート音が聞こえ、見ると

 

「なっエネルギーがっ!!」

 

それはほとんど無制限に作れるはずのエイハブ・リアクターが限界を迎えているアラート音だった。

 

これまで起こるはずのない現象に戸惑いを見せながら

 

「どうやら、必殺技は撃てないようだな!!

だったら、この一撃で沈めてやるぜ!!」

 

その言葉と共に巨大なビームソードをこちらに振り下ろす。

 

絶体絶命の危機の時だった。

 

「何を諦めているのよ、あんたっ!!」

 

その言葉が聞こえると共に、迫りくるエターナルフリーダムJに向けてビームの嵐が襲う。

 

同時に俺の横にいたのはシノンとめぐみんの二人の機体だった。

 

「二人共」

 

「ようやく合流できましたね。

それにしても、あなたが苦戦されるなんて珍しいですね」

 

「まぁね、何回倒しても、蘇るからな」

 

「何度もって、ブレイクデカールだから、それもあり得るのでは?」

 

「あぁ、けどコックピットを確実に潰したはずなのに」

 

そう言いながら、先程までの戦いを思い浮かべる。

 

「だったら、簡単な話ですよ」

 

そう言い、めぐみんはナドレ・アサルトウルフは銃口をしっかりと構える。

 

「機体をまるごと破壊すれば良いだけの話です」

 

「そうね、その方が手っ取り早いわ。

という事でΦ、いよいよお披露目よ」

 

「なるほどな、確かに」

 

この状況になって出すとは思わなかったが、確かにこの状況を打開するにはあれしかないな。

 

「何をするつもりだ?」

 

そう疑問に思っている奴だが、俺はそのまま構える。

 

同時に彼方から一つの光が真っすぐとバルバトス・ファイズに向かってくる。

 

「まさかっツインサテライトキャノンかよ!!」

 

俺のバックアップを見て、察したエターナルフリーダムJはそのままビームソードを振り上げて、こちらに向かっていく。

 

「邪魔はさせないわ」

 

「えぇ、せっかくのお披露目ですからね」

 

そう言いながら、牽制する二人だが、機体スピードの差か、避けながら、まっすぐと俺に向かっていく。

 

「これだけ近ければ撃てないだろ!!」

 

そう言い、手に持ったビームソードを振り下ろそうとした時だった。

 

「別に撃つ必要はない!!」

 

その言葉と共にバルバトス・ファイズは腕を振り上げた。

 

同時にバルバトス・ファイズに埋め込まれたサイコフレームが反応するように眩い赤い光を放っていく。

 

これまででは、考えられない程の光を放ちながら、バルバトス・ファイズはそのまま殴り返す。

 

「なっ、なんだこのパワーはっ!?」

 

「サテライトシステムはサテライトキャノンが目立って、一見それしか使えないシステムだと思われるけど、実際は違うわ」

 

「チャージしたエネルギーをサテライトキャノンとして発射せず、サーベルなど武装のエネルギーに回して通常の兵器とはケタ違いに大出力の兵器として使用することも可能。

それはブラスターフォームに変身する時と似ている。

つまりは」

 

「これが、バルバトス・ファイズのブラスターフォームだ!!」

 

そのまま迫ってきたエターナルフリーダムJを再び殴り返す。

 

その威力は先程放ったグランインパクト以上だった。

 

「ぐっ、しまっ!!」

 

その一撃によって、バックパックと機体が離れ、機体はそのまま爆散する。

 

だが、バックパックから機体が再生されていた。

 

「なるほど、これまで機体が本体だと思っていたけど、バックパックが本体だった訳ですか」

 

「やられる直前で離れて、そのままブレイクデカールで再生。

ある意味、ブレイクデカールを上手く使った仕掛けね」

 

「だけど」

 

その言葉と共にバルバトス・ファイズの射線に味方がいないか確認すると同時にファイズポインターを構える。

 

「行くぜ!!」

 

「っ!!」

 

背中から噴射されるレギルスビットの勢いと共に、ファイズポインターから出てきたエネルギーがそのままエターナルフリーダムJを捕らえる。

 

そのまま一瞬、エターナルフリーダムJを貫くように蹴る。

 

「ぐっ、まさかっここまでっ」

 

バックパックごと貫いた事によって、今度こそ再生されず、そのまま撃墜する。

 

「ブレイクデカールを前提にした仕掛けだけど、苦戦した」

 

そう言いながら、機体の調子を確認する。

 

サテライトシステムで取り込んだ余剰のエネルギーもあって、バルバトス・ファイズは危険な状態だ。

 

それでも未だに終わりの見えない戦いの為に

 

「行くとするか!!」

 

その言葉と共に、俺達は再び戦場へと戻っていく。



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555の限界

普段はめぐみんやシノンと一緒にログインしているΦは、一人、目の前にあるガンダムバルバトス・ファイズを見つめる。

 

「このままで良いのかなぁ」

 

そう言いながら思い出すのは、つい先日まで参加していた戦いの出来事だった。

 

GBN、全てを巻き込んだマスダイバー達との戦いが終わった。

 

Φ達がマスダイバーと戦っている間、リク達の活躍により、ブレイクデカールの使用が不可能になり、実質的にマスダイバーは全滅した。

 

それは、Φ達にとっても勝利であり、最後まで戦い抜けたのは、上位ランカーでも難しい事だった。

 

だが、その戦いで、Φが思ったのは

 

「バルバトス・ファイズ。

お前を強くするには、どうしたら良いんだろうなぁ」

 

強さへの衝動だった。

 

今のバルバトス・ファイズは、仮面ライダー555の最強の姿であるブラスターフォームを再現した姿である。

 

ダブルエックスのサテライトシステムを取り入れる事で、機体性能を大きく上げる事には成功し、まさに最強のバルバトス・ファイズと言っても良いだろう。

 

ブラスターフォームにあった飛行能力も必殺技の再現も行えた。、

 

しかし、マスダイバーとの戦いの中で、バルバトス・ファイズの必殺技が防がれる事があった。

 

通じない時もあった。

 

仲間の助けや、偶然がなければ、すぐにやられていた場面も多くあった。

 

それは果たして求めていた仮面ライダー555の姿だっただろうか。

 

しかし、Φは、それ以上に強くなる姿が思い浮かぶ事はできなかった。

 

「どうしたら良いんだろうなぁ」

 

そう思いながら、Φは鬱憤晴らしとばかりにミッションを探していたら

 

「バトローグミッション?」

 

その気になるタイトルに目を向けて、Φはそのままミッション画面を見る。

 

そこに書かれているのはガンダムビルドファイターズバトローグに出てきたシステムを再現して、歴代「ガンダムシリーズ」に登場するキャラクターのAIデータとバトルができるミッションだ。

 

 

機体もパイロットもランダムだが、参加するにもBランク以上が必要な高難易度ミッションである。

 

だが、その分、夢の戦いが実現する可能性もあり、多くのダイバー達が参加しているミッションである。

 

さらには噂では予想外なキャラクターが出る可能性もあり、人気の高いミッションである。

 

「なんだか、面白そうだな」

 

ミッションで戦うNPCとも、実際に戦うダイバーとも違う戦い。

 

それはバルバトス・ファイズを作り、仮面ライダー555で戦ってみたいΦにとっては興味深い内容だった。

 

「これは、参加するしかないよな」

 

その一言と共にΦはすぐにミッションカウンターへと歩きだした。



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その先に行く為に

ミッションが始まると共に広がる宇宙空間。

 

何度も戦ってきたはずの場所で、φは自然とコンソーラを握る力が強くなった。

 

同時にアラートが鳴り響くと共に見えたのは一つの機体だった。

 

全身が真っ赤に染められたその機体は、背中に巨大なジェットパックを背負いながら、こちらに接近していた。

 

そんな赤い機体の中で、一番に目立つ緑色のモノアイが真っ直ぐとこちらを見つめていた。

 

「君が対戦相手か。

良いだろ、相手になろう、このアメイジング・サザビーが!!」

 

その言葉と共に、アメイジング・サザビーはそのままさらに加速させながら、その手に持ったビームアックスで攻撃を仕掛ける。

 

それに対して、φもまた対抗するように、ファイズ・バトルメイスを手に取り、対抗する。

 

互いの武器がぶつかり合う事によって広がる火花の中で、アメイジング・サザビーの肩に装着されていた小さな機械が離れる。

 

「ファンネル」

 

「っ!!」

 

その言葉と共に、φはすぐにその場を離れる。

 

同時に襲いかかるビームの嵐に驚きを隠せずにいられなかった。

 

「これが、ファンネル」

 

これまでの戦いの中で、何度もファンネルを使う相手と戦ってきた。

 

小さな機体から放たれるビームというのは厄介なのは知っていたが、ギリギリに避ける程追い詰められたのは、φにとってはこれが初めてだった。

 

だが、その間にもアメイジング・サザビーは攻める手を緩める事なく、攻め続ける。

 

両手に持ったビームアックスと、無数のファンネルとの連携。

 

たった一機と戦っているはずが、目の前にいる相手はまるで数人、いや数十人と戦っているような感覚を襲われる程にφは追い詰められている。

 

「これが、アニメの中のキャラクターっ」

 

これまで戦ってきたダイバー達が憧れた姿であり、φ自身も多少は見ていた。

 

それでも、ここまで追い詰められるとは思ってもみなかった。

 

「君のガンプラは確かに素晴らしい。

君が理想としている姿が見える。

だが!!」

 

その言葉と共にアメイジング・サザビーが振り下ろしたビームアックスによって、バルバトス・ファイズの腕は切り落とされる。

 

「ぐっ」

 

その事に思わず苦渋に満ちた顔をするが、同時にアラートが鳴り響きながら、アメイジング・サザビーはそのままバルバトス・ファイズを蹴る。

 

「同時に君が限界を決めつけているようにも見える」

 

「限界を」

 

その言葉に俺は思わず目を向けてしまう。

 

「君は理想を未だに決めつけているだけだ。

未だに見ぬ可能性を、辿り着いた答えの一つに満足しているだけだ!!」

 

その言葉と共に俺は思わず目を見開く。

 

「君は知っているはずだ!

理想を超え、その先への道が!!」

 

その言葉と共に、俺は

 

「あえて言おう!

ガンプラに限界はない!!」

 

その言葉と共にバルバトス・ファイズは真っ二つに切り裂かれる。

 

その言葉と共に、バトルが終わる。

 

「限界はないか」

 

その言葉を聞いて、俺は

 

「・・・そうか、俺は仮面ライダーに対する理想を求めすぎたかもしれない」

 

バルバトス・ファイズは、いわば俺が仮面ライダー555をガンプラの形にした機体。

 

だが、仮面ライダー555の最終形態であるブラスターフォームの力の再現であるファイズブラスターパックを身に付けた事で満足していた。

 

だけど、俺はその理想を完成させたけど

 

「まだまだ、俺はその先を見てみたいんだ!」

 

仮面ライダー555の先を。

 

そして、バルバトス・ファイズの先に。

 

「とりあえずは、あいつらにも相談しないとな」

 

そう言い、俺はそのままログアウトして、その先を探す為に向かった。



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