ラブライブ×イナイレGo~虹の彼方に~ (松浦果南の自称兄)
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第1章インターハイ(革命)編
第0話:伝説の残した栄光と異常(イレギュラー)


今更ですがプロローグの第0話です。

ではどうぞ。


今から22年前に開催された高校サッカー世界大会、「FFI(フットボールフロンティアインターナショナル)」で世界の強豪たちを破り優勝し、見事世界一の座に輝いた日本代表イナズマジャパン。

その影響で、日本国内でのサッカー人気は爆発的な物になりサッカー強豪校には入学希望者が殺到。一方で弱小校は生徒数の減少から経営が立ち行かなくなり廃校になる学校が出始め、サッカーにおける実力が、社会的地位まで決める様になってしまった。

 

その事態を打開すべくイナズマジャパンの優勝から10年後、サッカー協会はサッカー管理組織、「フィフスセクター」を設立。そしてその組織の立ち上げの集会に、

 

観客たち1:『『『フィフス! フィフス! フィフス! フィフス! フィフス! フィフス! フィフス! フィフス!』』』

 

観客たち2:『『『フィフス! フィフス! フィフス! フィフス! フィフス! フィフス! フィフス!』』』

 

観客たち3:『『『フィフス! フィフス! フィフス! フィフス! フィフス! フィフス! フィフス! フィフス! フィフス! フィフス!』』』

 

響木:「これは希望などでは無い。これから始まるサッカー暗黒時代への決起集会だ········」

 

久遠:「ええ」

 

そして中央の壇上に赤いスーツを着た長身の男性が立つ。

 

イシド:「今日この場に集まってくれた諸君。フィフスセクター聖帝、「イシド・シュウジ」だ。今やサッカーは、世界を動かす程の大きな力を持っている。その力を管理し、「サッカーの公正と平等の実現」という少年サッカー法第6条を守る事が、我々フィフスセクターの存在意義だ!!!」

 

 

それからフィフスセクターは各学校の試合スケジュール、そして勝敗や得点までも管理を始め勝利数を等しく分配。しかしそれは本来のサッカーの持つ熱さ、楽しさを失わせる行為であり、多くの選手たちが反抗。

 

しかしその事態を見越していたフィフスセクターは特別に訓練を受け、フィフスセクターに忠誠を誓う選手たち、「シード」を養成し反乱の目を摘み取り、反抗した学校はそのサッカー界における権力を使い、見せしめとして学校ごと幾つかの部を潰した。

 

 

それを目の当たりにすると反抗も沈静化し、徐々にフィフスセクターに従おうとする者たちが多くなり、フィフスセクターはサッカー界に君臨した。

 

しかしそこにはかつての皆が熱狂し、心を1つに勝利を目指すかつてのサッカーの面影は何処にも無かった。

 

 

 

 

そしてそこから更に12年の月日が流れ、故郷静岡県沼津市にある港町内浦を離れ、春にかつてのイナズマジャパンメンバー、「円堂守」、「豪炎寺修也」等を輩出した東京の名門、「雷門高校」に入学を控えた一人の少年がいた。

 

?:「行ってらっしゃい。体に気を付けてね」

 

?:「了解。親父と母さんもね。あとアイツにも宜しく言っておいて」

 

?:「ああ。思い切りやってこい!!」

 

そして少年を見送った両親は、リビングに飾られた、22年前のとある集合写真を見る。

 

?:「フィフスセクターが設立されて12年か······今年は荒れるぞ」

 

?:「うん。今のクソみたいなサッカーをぶち壊す為の戦いが起こるからね。」

 

?:「俺たちやアイツも忙しくなるな。····果南!!」

 

果南:「うん!! 龍也!!!」

 

この二人、世界一のイナズマジャパンのメンバー、旧姓「松浦果南」。今の名を「大海果南」と伝説のエースストライカー「大海龍也」の子供たちとその仲間たちが起こす、12年に渡るサッカーの闇の夜明けを願い、二人は自分たちと、金がかった茶髪の男の子と、青い髪をサイドテールに結った女の子の四人が写った写真を眺めていた。

 

 

― 次回から本編 ―




感想・評価宜しくお願いします。


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第1話:来たぜ稲妻町(いなずまちょう)!!

今作も宜しければご覧ください。


それではどうぞ!!


俺は今、電車で東京の稲妻町を目指していた。

 

?:「えっと、アパートの名前は「木枯(こが)らし(そう)」か」

 

おっと、自己紹介がまだだったね。俺の名前は「大海竜太(おうみりゅうた)」。今では伝説になっている初代イナズマジャパンのエースストライカー大海龍也(おうみりゅうや)と同じく初代イナズマジャパンのMFだった大海果南(おうみかなん)旧姓(きゅうせい)松浦果南(まつうらかなん)の息子だ。俺は今日から実家のある内浦を出て東京で一人暮らしを始める。

 

アナウンス:「稲妻町~、稲妻町~」

 

着いた様なので電車を降りて地図の通り河川敷側に出る。

 

竜太:「お~。河川敷(かせんじき)がサッカーグラウンドになってる!!!」

 

初めての独り暮らしに胸を踊らせつつこれからこの河川敷を時々自主練習に使わせて貰おうと思いながら土手から階段を降りてフィールドを見ると、母さんと同じ青い髪の俺より1、2才くらい歳上と言った見た目の女性がシュート練習をしていた。

 

竜太:(ヤバッ。スゴい綺麗でスタイルのいい人だな。モデルって言われても信じるぞ)

 

うちの母さんも39とは思えないスタイルの良さだが同い年位の時と比べるといい勝負何じゃないか?

転がっていたボールを拾い上げるとその女性がこちらに気づき話しかけてきた。

 

?:「あら? ひょっとしてゴール使いたかった?」

 

竜太:「あ、いえ。スミマセン見とれてました」

 

?:「え?」

 

ヤベッ初対面の人に何言ってんだ俺!?俺がやってしまったミスにあたふたしてると、

 

?:「クスッ。嬉しい事言ってくれるわね」

 

良かった。どうやら怒ってはいないみたいだ。

 

竜太:「スミマセン。一発シュートしたいんですが良いですか? ボール貸してください」

 

俺がそう言うと女性がボールを寄越してくれる。それをゴール目掛けてシュートする。ここはあの技にするか。

 

竜太:「[剣撃乱舞(けんげきらんぶ)]!!!」ドカドカドカドカアッ!!

 

ボールを軽く上に放り、ちょうどよい高さに落ちてきたボールに一瞬で18連撃の蹴りを叩き込む。するとレイピアのような鋭い弾道シュートがゴールに突き刺さった。

 

?:「!!」

 

女性はビックリした表情で俺を見たあと口を開き、

 

?:「貴方この辺じゃあ見ないけど何処の学校?」

 

竜太:「ああ、俺今年から高一で雷門に入るんです」

 

?:「へぇ? じゃあ私の後輩になるのね」

 

そう言うと青髪の女性が自己紹介をしてきた。

 

?:「私の名前は「朝香果林(あさかかりん)」雷門サッカー部のFWよ」

 

やっぱり先輩だったな。ここは敬語で挨拶を返して、

 

竜太:「宜しくお願いします。朝香先輩! 自分は大海竜太です」

 

果林:「ゴメンね。朝香先輩って呼ばれ慣れてないから果林先輩にしてくれないかしら」

 

竜太:「分かりました!果林先輩!!」

 

果林:「時間あったら少し一緒に練習しない?」

 

竜太:「良いですよ」

 

そしてしばらく果林先輩と一緒に練習したが、レベルの違いに戸惑(とまど)った。そう、果林先輩のレベルの低さに。雷門は去年のインターハイ全国準優勝と聞いていたが、果林先輩は全く俺の相手にならなかった。まぁ俺はあの両親の練習を物心(ものごころ)ついたときから耐えてきたためはっきり言って上手いとおもう。だがそれにしても........。

 

竜太:「あの、果林先輩ひょっとして2ぐ......」

 

果林:「失礼ね!! 一軍のエースストライカーよ!!」

 

しまった。先輩に対して失礼な事を言ってしまった。だってとても全国二位の学校の一軍レギュラーとは思えなかったんだもん!!だが悪いのは此方なので謝罪する。

 

竜太:「スミマセン! 失礼な事言って!! あの....! 痛いです」

 

(ほお)(ふく)らませた果林先輩が俺の頬を横に引っ張り縦に引っ張り(もてあそ)ぶ。先輩、かわいい......///

そして先輩を(なだ)めていると、結構な時間が経っている事に気づき、

 

竜太:「スミマセン。引っ越し先のアパートへの挨拶(あいさつ)がまだなんでこの辺で」

 

果林:「もう....、分かったわ。また学校でね?」

 

竜太:「はい!!」

 

果林:「後! 先輩に対して失礼な事は言わない事!!」

 

ごもっともです。いけないと分かってましたが間が指してしまいました。最後に注意を貰って先輩と別れた後、俺は新居のアパートを目指す。しばらく歩くと木造の三階建てアパートが見えてきて建物名の札を確認すると「木枯らし荘」と書いてあった。

 

竜太:「ここだな」

 

そして玄関の扉を開けると俺と同い年位の男の子が立っていた。

 

?:「あれ? 君は?」

 

竜太:「俺は大海竜太。今日からここでお世話になるんだけど...」

 

?:「君が!? 俺は松風天馬(まつかぜてんま)!! 今年から雷門の一年生なんだ!!」

 

竜太:「へぇ、(よろ)しく。君ってサッカーやる?」

 

天馬:「うん!俺サッカー大好きなんだ!! それとさ! 竜太って呼んで良い? 俺も天馬で良いから」

 

竜太:「分かった。宜しく! 天馬!!」

 

天馬:「宜しく! 竜太!!」

 

うん、何だか天馬とは良い友達になれそうだがちょっと声が大きいかな?。二人で話していると見た目30後半から40位の女性が話しかけてきた。

 

?:「あっ! ひょっとして大海竜太くん?」

 

竜太:「はい! 木野(きの)(あき)さんですか? 今日から宜しくお願いします」

 

秋:「はい宜しく。ところでお父さんとお母さんは元気でやってる?」

 

竜太:「息子の前で恥じらいも無くイチャイチャされて困ってます」

 

秋:「アハハ。あの二人らしいわね」

 

天馬:「秋ネェ、竜太の両親って? 昔の仲間って言ってたけど」

 

竜太:「あ~....誰にも言わないって約束できるか?」

 

天馬:「え? う、うん。分かった」

 

竜太:「初代イナズマジャパンの大海龍也と松浦果南だよ。名前くらいは知ってるだろ?」

 

天馬:「え...? ええ~~~!? 「ダイナックル!!」ぶふうっ!?」

 

ちょっとイラッときてまたしても大声を上げた天馬の頭にハリセンで格闘タイプのダイ○ックス技を叩き込み静かにさせる。うん、いい音だ。

 

天馬:「ちょっと! いきなりなにするのさ!!」

 

竜太:「近所迷惑でしょうが!! まだ七時でもお年寄りは布団に入っててもおかしくないんだよ!?」

 

天馬:「方法が乱暴過ぎない!?」

 

竜太:「ああん?」

 

天馬:「スミマセン。気を付けますからハリセン取り出さないで下さい」

 

即座に土下座を敢行する天馬。分かれば宜しい。

 

秋:「はいはい。じゃあ竜太君も来た事だし、歓迎会しましょうか」

 

そしてアパートの住人さんたちと秋さんが歓迎会を開いてくれて。夜11時頃布団(ふとん)に入った。

 

明日からいよいよ高校生だ!!!

 

 

~ 続く ~




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第2話:謎の少年、剣城(つるぎ)京介(きょうすけ)

高校の入学式の日の朝を迎え、俺は天馬と一緒にアパートの住民が使う共同食堂で朝食を取り、雷門高校に向かって歩いていた。

 

竜太:「へぇ。天馬MFなんだ」

 

天馬:「うう....まだ頭がヒリヒリする......。そう言う竜太はやっぱりFWなんだね」

 

痛そうに頭を擦る天馬。なぜかと言うと時間になって起こしにいってやっても起きない天馬に俺がぶちギレ、ハリセンで昨日と同じように「ダイナックル」を叩き込んでやったのだ。

 

そして雷門高に着き、

 

天馬・竜太:「「(つい)に来たぞ!!!」」

 

?:「あら? もしかして新入生の方ですか?」

 

後ろを振り返ると青い髪を腰元まで伸ばした大和撫子と言う言葉がピタリとはまるような女性教師が立っていた。

 

天馬:「はい!! 実は俺と竜太サッカー部に入部希望で......。部室を見てみたいなって!」

 

?:「ああ、それならあれですよ?」

 

俺と天馬は近くで見て絶句した。これサッカー部のためだけの建物なの?体育館の5~6倍の大きさはあるんだけど。

 

?:「私の名前は「園田海未(そのだうみ)」。サッカー部の顧問をしています」

 

天馬:「え...? そ、園田海未さんってもしかして初代イナズマジャパンの........?」

 

海未:「はい! その園田海未です。」

 

そして天馬は自己紹介を、俺は久しぶりに会った知人に向けての挨拶をする。

 

天馬:「俺! 松風天馬です!!」

 

竜太:「お久し振りです海未さん」

 

海未:「はい! 久しぶりですね竜太くん」

 

天馬:「ええ~~!? 竜太イナズマジャパンの園田海未さんと知り合......スミマセン。ハリセン取り出さないで下さい」

 

やれやれ、分かれば宜しい。

 

 

ドガアァァアアアアアン!!!

 

竜太:「な、なんだ!?」

 

音がした校門前のグラウンドに行ってみると、白と黄色をベースにしたユニフォームを着たサッカー部員が紫色の学ランを着た逆立てた藍色の髪の少年にやられていた。しかし俺の記憶では雷門一軍は青と黄色ベースのはず。と言うことは彼らは二軍なのだろう。昨日出会った一軍エースと言っていた果林先輩もいないし。

 

?:「ふん。雷門サッカー部もこの程度か」

 

?:「く、くそ......。お前、まさかフィ()()()()()()()の............」

 

?:「ご名答。そら、褒美だ」

 

そして少年がサッカーボールをキャプテンらしい男目掛けて本気で蹴ろうとする。その瞬間、

 

竜太:「[キョダイイチゲキ]」スパアァァアアアアアン!!

 

?:「ぐはあっ!?」

 

背後から天馬に喰らわせた[ダイナックル]の時よりも更に大きいハリセンによる伝説のポ○モン、ウー○オスのキョダイ○ックス技、[キョダイイチゲキ]叩き込まれ倒れ伏す紫学ラン。ふ~、久し振りにキレちまったぜ........

 

?:「な、何者だ...? ぐふっ.......」

 

ちっ、まだHPが残ってるのか。結構HPに努力値振ってるな。

 

?:「悪い、何の話!?」

 

竜太:「地の文読むの止めようか。お前こそボールは人を傷付けるためのものじゃないって習わなかったか? 小学生でも分かる事が分からない何ておバカちゃんでちゅね~ボクいくちゅでちゅか~?」

 

二軍:「プッ! ククククク」

 

俺が盛大に紫学ランを煽ると必死に笑いを堪える先輩方。紫学ランは青筋を浮かべながらこめかみをヒクヒクさせて今にもぶちギレ寸前だ。

 

これは俺が小さいときから両親に言われてきた事だがプレー中にボールが当たったならしょうがないが、決して故意に人目掛けてパス以外で蹴ってはならないと俺は教えられてきた。。シュート?あれは()()()()()()()だから良いんだ。

 

海未:「君! いったい何をしてるんですか!? クラスと名前は!!」

 

そこでなんとか落ち着こうと息を整えた紫学ラン。海未さんに名前を言う。

 

?:「1年、「剣城(つるぎ)京介(きょうすけ)」。クラスはしらん。それよりお前おれの遊び相手にしてやる。フィールドに下りろ」

 

竜太:「良いぜ?」

 

二軍:「不味い、お前死ぬぞ!?」

 

竜太:「大丈夫ですって」

 

ヘラヘラしながら堂々とそういう俺に紫学ラン.....剣城はとうとう堪忍袋の尾が切れた。

 

?:「その余裕をズタズタにしてやる!!」バッ!

 

剣城は俺からボールを奪い勝負を持ちかけてきた。内容は五分以内に剣城からボールを奪えばOK。ふむ、これは俺を舐めてるな。ちょっとお灸を据えてやるか。

 

様子を見に着た胡散臭(うさんくさ)い理事長、金山(きんざん)理事長?の承認を得て勝負開始。

 

俺がディフェンスに入ると剣城はボールをキープする。このレベルなら少しは本気出せそうだな。

 

校長:「宜しいのですか?」

 

理事長:「恐らく剣城くんはフィフスセクターから送られてきた「シード」なのでしょう。しかしあの一年生は一体? バッ! ........は?」

 

剣城はボールを取られたことに呆然としていた。

 

剣城:「貴様!? いったい何を!?」

 

竜太:「なにって? ただボールを奪っただけだけど?」

 

ビキッ!

 

剣城:「ふざけんなあぁぁああああ!!!」ドガアァァアアアアアッ!!

 

あっさりとボールを奪われたことに激怒した剣城が落ちていたボールを本気で俺に蹴る。しかし俺に当たる直前で何処(どこ)からか飛んできた別のボールに弾かれる。

 

?:「お前たち! 神聖なグラウンドで何を騒いでいる!!」

 

天馬:「あの人たちは!」

 

剣城:「現れたか」

 

竜太:「果林先輩!!」

 

果林:「やっほ! 危機一髪だったわね」

 

二軍:「神童!!」

 

神童:「俺が、雷門サッカー部キャプテン「神童(しんどう)拓人(たくと)」!! そして俺たちが、雷門イレブンだ!!!」

 

遂に現れた雷門一軍。果たしてどうなる?

 

 

― 続く ―




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第3話:フィフスセクター

二軍の先輩たちが襲われていた所に現れた一軍メンバー。するとキャプテンの神童さんが口を開いた。

 

神童:「一乃(いちの)、この二人はなんだ?」

 

一乃:「一言で言えば紫学ランが敵。そうでない方は俺たちを助けてくれた」

 

神童:「よくわかった」

 

簡潔かつとても分かりやすい説明ありがとうございます。すると校門の方から黒スーツに黒帽子と、とにかく黒尽くしの男が歩いてきた。

 

?:「雷門高サッカー部。今日をもって君たちは全員強制退部(きょうせいたいぶ)なのですよ。代わりに彼ら........」

 

すると黒いユニフォームを着た10人と剣城、合わせて11人が並び、

 

?:「彼ら、「(くろ)騎士団(きしだん)」が新たな雷門イレブンとなります」

 

神童:「誰だ貴様!!」

 

?:「私は黒木(くろき)。フィフスセクター所属、黒の騎士団の監督です。異論があるなら試合で決着をつけましょう」

 

はぁ? 何だこのおっさん? いきなり現れて「サッカー部乗っ取ります。」だと? ふざけるのも大概にしろよ?

 

久遠:「良いでしょう」

 

神童:「久遠監督!?」

 

この人が父さんと母さんたちを世界一に導いた久遠監督か。てか勝負承けるんだ?

 

久遠:「神童、彼らをサッカー棟へ」

 

そして雷門一軍と黒の騎士団の後を着いていった俺と天馬。驚いたのはあのばかでかい部室の中にロッカールーム、シャワー室、ミーティングルーム、そしてグラウンド全てが完備されていたことだ。他の部活との扱いの差がスゴいな...........

 

そして試合が始まる。

 

黒の騎士団

 

GK       鉄雄田

 

DF 柳   牛島  森川  大門

 

MF   天野  三定  伊勢屋

 

FW   貴崎  稲葉  剣城

 

雷門

 

FW     南沢  果林

 

MF せつ菜 歩夢  神童  浜野 

 

DF 彼方  天城  霧野  エマ

 

GK       三国

 

雷門のキックオフで試合開始。しかし、

 

剣城:「喰らえ!!」

 

歩夢:「キャアッ!!」

 

稲葉:「ほらッ!!」

 

天城:「だドッ!!」

 

雷門は黒の騎士団の乱暴なプレーによりぼろぼろにされていく。このままでは先輩たちが潰されてしまう。ふ~ん? そう言うことするんだ?

 

竜太:「あ~あ。堂々と勝負出来ないとか、如何にもぽっと出の雑魚がやりそうなことだよな!!

 

貴崎:「何だと! 俺たちが雑魚だと!?」

 

竜太::「あれ? 聞こえちゃった? うっかり本音が漏れちゃった~。テヘペロッ」

 

俺の物言いに黒の騎士団はぶちギレ寸前。

 

黒木:「そこまで言うなら貴方が見本を見せてくれるんでしょうね?」

 

竜太:「当たり前だ。行くぞ天馬!!」

 

天馬:「ああ!!」

 

果林:「竜太くん·····クッ、」

 

久遠:「お前たち、名前は?」

 

天馬:「松風天馬です!!」

 

竜太:「大海竜太です!!」

 

久遠:「そうか、お前が大海の.......。よし、選手交代!! 「上原(うえはら)歩夢(あゆむ)」に代わり松風天馬!! 「南沢(みなみさわ)篤志(あつし)」に代わり大海竜太!!」

 

先輩たちは戸惑っているがユニフォームを受け取りピッチに出る。

 

黒の騎士団ボールで試合再開。

 

伊勢屋のスローインを俺がカットして天馬にボールを預ける。すると天馬はドリブルで相手三人を(まと)めて抜き去り俺にパスを出す。

 

鉄雄田:「来い!!!」

 

俺がシュート体勢に入る。すると回りを水の竜巻が包みぐんぐん上昇。有る限りの水流エネルギー籠められたボールをゴール目掛けて叩きつけた。

 

竜太:「[激流(げきりゅう)ストーム・G2(ジーツー)]!!!」ドガアァァアアアアアン!!!

 

鉄雄田:「その程度の技!! [ラピッドウィップ]!!!」ドカッ バキッ バキャァアッ!!

 

鞭の様にしならせた腕を三連打でボールに叩きつけた相手キーパー。しかし、

 

ドッパアァァアアアン!!!

 

相手が最後の一撃を叩き込んだ瞬間盛大(せいだい)水飛沫(みずしぶき)が起こりキーパーともどもゴールの中へ押し込んだ。

 

剣城:「何だと!?」

 

竜太:「ふ~ん。やっぱり(·)(·)(·)(·)なのか」

 

果林:(今の技って........、それに昨日のシュート技.......)

 

浜野:「やるじゃん一年!!!」

 

黒の騎士団ボールで試合再開。

 

神童:「ハアッ!!」

 

稲葉:「ちっ!」

 

俺の一点で息を吹き返し始めた雷門イレブン。神童キャプテンがパスカットに成功したのでボールを要求した。

 

竜太:「スミマセンこっちに!!」

 

神童:「!? 何故ディフェンスラインまで下がってるんだ!?」

 

竜太:「お願いします早く!!」

 

神童キャプテンがパスをくれたのでロングシュート体勢に。左足を前に大きく振り上げると左足に大きな聖剣(せいけん)が出現。それを踵落(かかとお)としで降り下ろした。

 

エマ:「その技は!!」

 

竜太:「[エクスカリバー]!!!」ギシャアアアアアアアアンズドドドドドドドドド!!!

 

シュートは、相手キーパーが反応する事すら許さず、ゴールに突き刺さった。

 

鉄雄田:「バ、バカな.......」

 

竜太:「キーパーがこれじゃあ点取り放題だな」

 

黒木:「くっ! 一旦撤退です!!」

 

そして黒の騎士団は、そそくさと逃げていった。

 

竜太:「二度と来んなよ~」

 

歩夢:「あの子何者なの?」

 

神童:「いや、松風の方も、あのディフェンスを三人纏めて抜くなんて普通じゃないぞ」

 

先輩たちの視線が集まる中俺たちは、

 

竜太:「ヤベッ! 天馬、入学式!!」

 

天馬:「そうだった!! スミマセン先輩! 俺たちはこれで! ユニフォームここに置いておくんで!!」

 

果林:「ちょっ、ちょっと!!」

 

呆然と俺たちを見おくる先輩達であった。

 

 

― 続く ―




雷門一軍メンバー
☆神童拓人(しんどうたくと)
霧野蘭丸(きりのらんまる)
浜野海士(はまのかいじ)
上原歩夢(うえはらあゆむ)
優木せつ菜(ゆうきせつな)
南沢篤志(みなみさわあつし)
朝香果林(あさかかりん)
近江彼方(このえかなた)
エマ・ヴェルデ
天城大地(あまぎだいち)
三国太一(さんごくたいち)

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第4話:入部テスト

あの後で俺と天馬は入学式に出席。そこで先程の試合を観ていたと言うサッカー部入部希望の「西園(にしぞの)信介(しんすけ)」と「桜坂(おうさか)しずく」天使。「中須(なかす)かすみ」あざと可愛い。「天王寺(てんのうじ)璃奈(りな)」無表情だけど素材は悪くない。そして天馬の幼馴染でマネージャー志望の「空野(そらの)(あおい)」と出会った。

 

そして入学式が終了し、入学式の日から2週間の部活動入部期間の為サッカー部に入部するためにサッカー棟へ向かう。中に入ると二軍の先輩たちと一軍の先輩たちが言い争っていた。

 

石狩:「もう()めさせてくれ!! フィフスセクターに目をつけられて、サッカーなんかできねえよ!!!」

 

せつ菜:「石狩(いしかり)さん!! 逃げるんですか!?」

 

石狩:「何とでも言え。俺たちは抜けるぜ」

 

そう言って去ろうとする二軍の先輩たち。すると天馬が「辞めないでくれ!!」と立ち塞がるが......

 

神童:「良いよ。行かせてやれ」

 

天馬:「神童キャプテン.......」

 

石狩:「ありがとよ神童。行くぞ!!」

 

そして、二軍の先輩たちはサッカー部を辞め去って行った。何だ?あんな奴らが怖いのか?根性ねぇな。

 

エマ:「それであなたたち6人は?」

 

竜太:「俺たち6人ともサッカー部入部希望です」

 

先輩たちにそう告げると先輩たちは安堵したような表情になり、

 

三国:「本当か!!」

 

歩夢:「沈みかかった船に乗って来てくれるなんて」

 

そして神童キャプテンが監督が来たら入部テストを始めると言ったので、監督が来るまでの間に準備する。

 

テスト内容は、先輩たちがキーパー含む7人、俺たち6人で先輩たちオフェンス無しで俺たちが先輩たちから一点取ればOKと言うものだった。

 

竜太:「誰がどのポジションやる? 因に俺はFW。」

 

天馬:「俺はMFだね」

 

信介:「竜太のシュートと天馬のドリブル凄かったもんね!! あっ、僕DF」

 

しずく:「私はMFです」

 

璃奈:「私はDF.......」

 

かすみ:「かすみんはリベロで~す!!」

 

竜太:「じゃあ作戦は........」

 

そしてテストが始まるため位置につく。

 

一軍

 

GK      三国

 

DF  エマ  霧野  彼方

 

MF せつ菜  神童  歩夢

 

テスト生

 

FW      竜太

 

MF   天馬    しずく

 

       かすみ

 

DF  信介      璃奈

 

そして一年ボールでテスト開始。

 

()ずはかすみにボールを渡してDF以外全員上がる。するとせつ菜先輩と歩夢先輩がディフェンスに来た。

 

竜太:「掛かった!!」

 

その瞬間DFの信介と璃奈がオーバーラップしサイドからかけ上がる。するとサイドバックのエマ先輩と彼方先輩はサイドに意識(いしき)()らされ中が手薄になる。

 

かすみ:「竜太くん!!」

 

俺は即座にシュート(ノーマルシュート)をかなり手加減してゴール(すみ)に放ち、三国先輩にパンチングで弾かせる。

 

竜太:「今だしずく!!」

 

俺の背後から一気に距離を詰めてきていたしずくが三国先輩の体勢が整う前にゴールに押し込んだ。

 

霧野:「嘘だろ? こんな簡単に点を取られる何て........」

 

エマ:「ごめん。サイドバックのオーバーラップにかなり意識を持っていかれた」

 

彼方:「彼方ちゃんも~」

 

三国:「大海の奴最初から松風と桜坂に()らせるつもりだったな。おそらく俺がパンチングで左に弾いたら桜坂、右に弾いたら松風が()る予定だったんだろう」

 

果林:「凄いわね。今年の一年」

 

先輩たちは驚いていたが、逆に俺たちから言わせれば上手く行きすぎて引くレベルだ。昨日の果林先輩との一件もあるので口には出さないが本当に全国二位か疑いたくなるレベルだ。

そして全員久遠監督に招集されテスト結果を伝えられる。結果、全員合格だそうだ。さすがにあんなに見事な戦術と連携を見せられては文句は言えないと言われた。すると海未先生が三人の女生徒と一緒に入って来た。

 

海未:「皆さん、今年からこの三人がマネージャーとして雷門サッカー部に入ることになりました」

 

葵:「「空野葵」です。天馬とは幼馴染(おさななじみ)で高校生になったらマネージャーやるって決めてました!宜しくお願いします!!」

 

一人目は先程紹介した天馬の幼馴染の空野葵。青みがかったグレーの髪をショートカットにした活発そうな女の子だ。

 

?:「2年生の「山菜(やまな)(あかね)」です。シン様の為に頑張る! フンス」

 

二人目はベージュ色の髪を肩まで伸ばした大人しそうな女の子。てか、マネージャーやるんだったら神童キャプテン以外も頼むよ?

 

?:「同じく2年の「瀬戸(せと)水鳥(みどり)」だ。天馬と竜太って言ったか? お前ら中々見所があるじゃねえか!! 朝のワケ分かんねえ奴らとの試合見てたぞ!!」

 

竜太:「は、はあ........(この人スケバンってヤツか?)」

 

最後の三人目は赤色の髪を腰辺りまで伸ばしたヤンキー女子先輩。頼むから問題だけは起こさないでね?

 

神童:「よし! 練習始めるぞ。」

 

そして、サッカー部員として練習を始める俺たち一年。

 

 

剣城:「あいつ.....、まさか......」

 

その様子を、隠れて伺う剣城であった。

 

 

― 続く ―




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第5話:八百長(やおちょう)

俺たち一年が入部した次の日、自己紹介の後に俺たちにユニフォームが配られた。でもこれって·····、

 

天馬:「これって一軍のユニフォームですよね? 普通は二軍からなんじゃあ」

 

三国:「ああ。普通はそうなんだが、生憎二軍は昨日全員辞めてしまったからな。数が足りないんで暫定的に一軍に入ってもらうことになった」

 

エマ:「でも、私たちはまだあなたたちを一軍とは認めてないからしっかり練習頑張ってね?」

 

一年:「はい!!」

 

そして次の日、俺たちは「栄都学園(えいとがくえん)」との練習試合がきまった。しかし先輩たちは何か浮かない顔だ。何かあったのだろうか?

そんなで試合当日を迎えて俺たちは栄都学園のグラウンドに来ていた。

 

久遠:「それでは、スタートメンバーを発表する。が、大海、今日はお前は出番無しだ。インターハイ予選まで切り札として隠しておく」

 

竜太:「はい」

 

久遠:「それではスタメンは

 

FW   南沢  神童  果林

 

MF   せつ菜 松風  浜野

 

DF 西園  天城  霧野  エマ

 

GK       三国

 

以上の11名で行く」

 

雷門:「はい」

 

そして試合が始まる為、両チーム位置につく。

 

栄都学園

 

GK       影浦

 

DF 書崎  本多  三重内 阿久田川

 

MF 読矢  雪地  一筆  服呂

 

FW    近代知  冴渡

 

雷門

 

FW   南沢  神童  果林

 

MF   せつ菜 松風  浜野

 

DF 西園  天城  霧野  エマ

 

GK       三国

 

そして試合開始のホイッスルが鳴り、浜野先輩がボールを持って攻め上がる。

 

服呂:「[シーフ・アイ]!!」

 

相手は必殺技で浜野先輩の動きを読みボールを奪った。

 

竜太:(ん? あの位のディフェンス浜野先輩なら余裕で抜けたよな?)

 

そしてボールは栄都のキャプテン、「冴渡(さえわたり)」に渡る。しかし雷門のディフェンスリーダーである霧野先輩が立ち塞がる。

 

冴渡:「退いてもらいましょう。[フューチャー・アイ]!!」

 

相手は霧野先輩の動きを必殺技で読み突破した。

 

竜太:(まただ。何故あの程度のドリブルで霧野先輩が抜かれるんだ?)

 

そして相手はシュート体勢に入る。

 

冴渡:「[パーフェクトコース]!!」バシュッ!!

 

竜太:「良し止めた!! あの程度のシュートを三国先輩が止められないはずない!!」

 

歩夢:「・・・普通の試合だったらね」ボソッ

 

ん?何か今歩夢先輩が気になる事を言った様な......まぁ試合を見よう。

 

三国:「[バーニングキャッチ]!!」

 

三国先輩は右手に炎を纏わせる。そして炎の右手でボールに掴みかかり地面に押さえつける。が、

 

バスッ。

 

シュートは決まり1 ー 0。

 

竜太:「な、何で? 三国先輩今わざと入れた?」

 

彼方:「あ~やっぱり大海くんは気付いちゃったか~」

 

しずく:「先輩!? それどういうことですか!!」

 

かすみ:「まさかさっきの浜野センパイと霧野センパイはわざと!?」

 

歩夢:「そうだよ。本当なら栄都何か私たちが本気で闘えば一点もやらずに勝てる相手なんだよ」

 

璃奈:「まさか・・・センパイたち・・・・勝つ気がない?」

 

歩夢:「と言うより、この試合、「()()()()()()」なんだよ」

 

竜太・しずく・かすみ・璃奈:「「「「はあ!?」」」」

 

フィールドを見ると天馬が「まだ一点じゃないですか! 取り返しましょう!!」と言っていたが、先輩たちはそれを冷めた目で見ている。

 

雷門ボールで試合再開。せつ菜先輩がドリブルで上がるが、また同様にボールを奪われFWの近代知へパスが飛ぶ。が、

 

信介:「させるかあ!!!」バッ!!

 

栄都・雷門:「「!?」」

 

信介が驚異的(きょういてき)跳躍(ちょうやく)でボールを奪い天馬にパスをだす。そうだ。まだ天馬と信介がいる!!

 

竜太:「行けーーーーー!! 天馬!! そのまま持ち込め!!!」

 

歩夢:「ちょっ、何言って!?」

 

竜太:「やる気のない人はスッこんでろ!!!」

 

歩夢・彼方:「「!!」」

 

俺が若干キレ気味にいい放つと黙りこくる先輩二人。先輩相手だが悪いとは微塵も思わなかった。

 

だがDFの三重内にボールを奪われた天馬。ロングパスが冴渡に繋がる。

 

冴渡:「[パーフェクトコース]!!」ドシュッ!!

 

三国先輩は必殺技で応戦する様に見せてやはりわざとゴールに入れる。

 

雷門ボールで試合再開。

 

せつ菜先輩からボールを奪いMFの雪地が上がって行くが天馬がボールを奪いドリブルで上がる。一筆に奪い返されるが天馬は必死に食らい付く。

 

冴渡:「やれやれ、空気の読めない人がフィールドに二名居るようですね。」

 

しかしここで前半終了のホイッスルが鳴る。

 

ー 雷門ベンチ ー

 

かすみ:「神童キャプテン!! どういうことですか!? この試合、勝ったら駄目って!?」

 

神童:「そうか聞いたのか。言葉通りだ。この試合、雷門は3 ー 0で敗ける。そういう指示が出てるんだ。」

 

水鳥:「はぁ!? それ、八百長しろってことかよ!!」

 

この人たちそんなふざけた指示に従おうってのか?っていうかそんな指示出したの誰だ?

 

海未:「その通りです! ・・・・入学式の日に竜太くんと天馬くんが戦った彼らはフィフスセクターと呼ばれる現在の高校サッカーを管理してる連中です」

 

三国:「そして、練習試合や公式戦では、フィフスセクターから、()()()()がでる。何対何でどっちが勝てと言う風に。たまに出ないときもあるが、大体は出る。そしてその通りにしなければ、最悪学校ごと潰される。サッカーをすることすら奪われてしまうんだ!!」

 

水鳥:「な、なんだよ・・・それ.......」

 

成る程。色々合点がいった。それで二軍の先輩たちはあんなに怖がってたのか。自分たちが目をつけられたせいで、学校を潰されて全校生徒に迷惑をかけることと、受け継いできたサッカー部のバトンが途絶える事を恐れて........だが、

 

竜太:「要はそれで先輩たちはびびってる訳ですか」

 

せつ菜:「っ! 貴方に何が分かるんですか!? ついこの間入部したばかりで、私たちの気持ちも·····私たちがどんなに悔しい思いで従ってるか、貴方に分かるんですか!?」

 

うん。分からないし分かりたくもない。

 

竜太:「監督、後半の選手交代は?」

 

久遠:「無しだ」

 

竜太:「なら天馬、点はとらなくてもいいから、シュートをキーパーにぶちこんでやれ!!」

 

歩夢:「止めて!! もしはいっちゃったりしたら!!」

 

竜太:「俺も、一年全員、黙ってフィフスセクターに従うつもりは無いんで」

 

先輩:「っ!!」

 

ー 後半に続く ー




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第6話:バレた

栄都学園戦後半が始まり、栄都MFの服呂がドリブルで上がって来る。そこに浜野先輩がディフェンスに行くがわざと抜かれ冴渡にパスが繋がる。

 

冴渡:「[パーフェクトコース]!!」ドシュッ

 

三国:「(これで最後だ)[バーニングキャッチ]!!」

 

必殺技を使う三国先輩。しかしやはりわざとゴールに入れて0 ー 3。

 

歩夢:「後はこのまま試合を終わらせるだけだね」

 

竜太:「・・・・本当にそれで良いんですか?」

 

彼方:「・・・従うしかないんだよ」

 

竜太:「あまり天馬を、「サッカー馬鹿」を舐めない方が良いですよ?」

 

雷門ボールで試合再開。果林先輩がドリブルで上がるが阿久田川にボールを奪われる。しかし、

 

天馬:「させるかあっ!!」

 

天馬がボールを奪う。

 

せつ菜:「松風くん()めてください!!」

 

天馬:「嫌だ......!! 勝敗を決められてわざと敗けるなんて、本当のサッカーじゃない!! こんなサッカー、俺が憧れた雷門イレブンは、「イナズマイレブン」なら、絶対に認めたりしない!!」

 

神童:「っ!」

 

天馬:「俺たちは、円堂さんや豪炎寺さんたち、あの人たちの意思を受け継ぐ雷門イレブンなんだ!! だから俺は、絶対にサッカーを諦めない!!」

 

天馬はやっぱり俺が見込んだ通りのサッカーバカだった様だ。それでいい。

 

先輩:(そんなの・・・俺(私)たちだって、本当は........!!)

 

天馬:「神童キャプテン!!」パスッ

 

神童:「!!」

 

天馬:「お願いですキャプテン! サッカーを・・・諦めないでください!!」

 

霧野:「止めろ松風! そんなこと、神童が一番分かってる!! 「俺だって......」神童?」

 

神童:「俺だって・・・本当は!! だが俺はキャプテンだ! 雷門サッカー部を、守らなくちゃならないんだーーーーーーー!!!!!!!

 

神童キャプテンが叫んだ瞬間、神童キャプテンの背中に黒いモヤのような物が現れ、人のような姿を形作る。

 

歩夢:「化身(けしん)!?」

 

っ!? キャプテン、化身を宿してたのか!? だけどコントロールが出来てない。あれでは本来のパワーは出ないぞ。

 

霧野:「神童!! 落ち着け!!」

 

神童:「うあああああああ!!!」ドッガァァアアアアアン

 

神童先輩は化身を出した状態でシュートした。化身の効果で、ただのシュートもとてつもない威力になっており、

 

影浦:「うわあああああ!?」ザシュウッ!!

 

シュートはゴールに突き刺さった。

 

影浦:「0 ー 3じゃ無かったのかよ........」

 

せつ菜:「やってしまいました.......」

 

果林:「ど、どうするのよコレ!!」

 

そして試合終了のホイッスルが鳴り1 ー 3で雷門が負けた。

 

そしてその次の日、久遠監督の解任が発表された。その日から神童キャプテンは学校に来ておらず俺たち一年、特に俺と天馬と信介は部内で孤立気味になってしまった。そして新監督が来る日、

 

ー グラウンド ー

 

彼方:「ハァ~、これからどうなるんだろうね~」スヤピ~......

 

エマ:「少なくとも久遠監督はこんな状況でも、ある程度の私たちの自由を認めてくれてたけど......。彼方ちゃん?こんな所で寝ると風邪引くよ?」

 

霧野:「でも、それももう出来なくなるんですよね」

 

果林:「誰かさんたちのせいで........!!」

 

?:「そんなことは無いぞ!!」

 

すると一人の男性が現れる。あの人が新監督? って言うかあの人は!!

 

海未:「っ! お久しぶりです!!」

 

?:「おう。園田。これで全員か?」

 

霧野:「いえ、キャプテンが休みです」

 

?:「そうか」

 

そしてその人は自己紹介をした。

 

?:「今日から、雷門サッカー部の監督になった、「円堂(えんどう)(まもる)」だ!!」

 

天馬:「ええっ!? 円堂守って、あの、伝説のGKの!?」

 

果林:「嘘・・・マジ?」

 

円堂:「後は、竜太! 久しぶりだな!!」

 

竜太:「お久しぶりです! 円堂さん!!」

 

歩夢:「えっ!? 大海くんの知り合い!?」

 

円堂:「ああ。あともう一人コーチになった奴がいる。来い!!」

 

するともう一人男性が現れた。

 

竜太:「ゲッ!?」

 

?:「今日から雷門のコーチになった、「大海龍也」だ。宜しくな」

 

信介:「嘘!? 《完全無欠の模倣(パーフェクトコピー)》の大海龍也さん!?」

 

龍也:「よっ! 3週間振りだな竜太!」

 

みんなの視線が俺を向く。

 

竜太:「こんなとこまで何しに来やがった!! ·······親父(オヤジ)!!」

 

天馬、円堂、海未以外:「「え・・・・えぇぇええええええ!?!?......お父さん!?」」

 

秘密にしておくつもりだったのに、ついにバレてしまった。

 

ー 続く ー




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第7話:伝説(でんせつ)のプレイヤー

親父が雷門のコーチとして現れ、俺との親子関係が発覚し既に知っていた天馬、円堂さん、海未先生以外は驚愕の表情に包まれていた。

 

歩夢:「龍也さんが・・・・」

 

しずく:「竜太くんの・・・」

 

かすみ:「お父さん!?」

 

果林:「やっぱりね」

 

やっぱりと言う果林先輩。どうやら先輩は薄々感づいていたらしい。

 

果林:「[激流(げきりゅう)ストーム]や[エクスカリバー]、[剣撃乱舞(けんげきらんぶ)]が使えるからもしかしてと思ってたのよね。それに名字が「大海」だし」

 

エマ:「そうか! 何で気付かなかったんだろ?」

 

そう。初代イナズマジャパンが優勝した世界大会でイナズマジャパンや各国の選手たちが使っていた技はどれも強力で、もしひとつでも覚えられたらその子が所属するチームでは()()()()を受けることも珍しくない程なのだ。

 

皆がざわついていると円堂さんが手を叩き、

 

円堂:「よし! じゃあ、練習始めるぞ!!」

 

霧野:「え?」

 

龍也:「「え?」じゃねぇよ。勝つための練習するに決まってるだろ」

 

天城:「勝つためダド?」

 

歩夢:「まさかフィフスセクターに反旗を?」

 

南沢:「一抜けた」

 

彼方:「南沢くん?」

 

南沢:「フィフスセクターに歯向かう様なバカな真似俺はしねぇよ」

 

そして結局残ったのは一年だけだった。

 

円堂:「残ったのは一年だけか」

 

天馬:「夢みたいです!! 円堂さんと龍也さんにサッカー教えてもらえるなんて!!」

 

しずく:「私も・・・嬉しいです!!」

 

璃奈:「わたしも・・楽しみ」

 

信介:「竜太は何で龍也さんのことを秘密にしてたの?」

 

竜太:「・・・比べられるからだよ。でも親父も母さんも凄い選手で、サッカーには興味あったんだ。それで世界大会決勝の映像見て、「俺もサッカーしてみたい!!」って思っちまったんだよ」

 

だから秘密にしてたのに・・・、後でシメとかないと。

 

信介:「そっか。二世もいろいろ大変なんだね」

 

龍也:「よし、じゃあ、河川敷行くぞ!」

 

そして河川敷グラウンドに移動し始まった二人の練習。二人はどう蹴ればボールにパワーが乗るか、ドリブル、ディフェンス、パスのコツ等を教えてくれた。日本のサッカーを牽引してきた二人が教えてくれると言うことで、天馬たちは張り切って練習していた。

 

?:「・・・・・・・・・・・」

 

ん? 俺が視線を感じて振り返ると、先輩たちが見に来ていた。

 

天馬:「先輩!!」

 

果林:「勘違いしないで。フィフスセクターに逆らうと決めた訳じゃない。けど、円堂さんと龍也さんに教えてもらえる機会なんて、今逃したら多分一生無いから・・・・」

 

まぁ確かに今を逃したら一生無と思うけど、本当はサッカーやりたいだけの癖に。まったく、素直じゃ無いんだから。

 

先輩方:「・・・・・・・・・・」

 

じと目で睨んでくる先輩方。あれ? あの人たち心読めるの?

 

円堂:「よし、お前らゴール目掛けてシュート撃ってみろ! 大海がキーパーをやる」

 

龍也:「必殺技使って良いぞ~」

 

天馬:「あっ、じゃあ俺最初良いですか?」

 

南沢:「でしゃばるな一年。先ずは俺からだ」

 

龍也:「よし来い!!」

 

南沢:「[ソニックショット]!!」ドガァアアッ!!

 

必殺技を放つ南沢先輩。シュートは途中から急加速しゴール目掛けて飛んでいく。だがあの程度のスピードでは親父の動体視力は振りきれない。

 

龍也:「[(ばく)・ゴッドハンド]!!」ガシィイイイッ!!

 

予想通り親父はあっさり南沢先輩のシュートを止めた。

 

龍也:「スピードはあるがパワーが足りないな。下半身トレーニングして足の筋肉もっとつければ得点率は上がるぞ!!」

 

南沢:「はぁ.......」

 

ちゃんとアドバイスをくれる親父。結構ちゃんとコーチやる気なんだな。

 

果林:「次私行きます!!」

 

果林先輩は跳び上がり左足に輝く星のエネルギーを込めると、思い切りゴール目掛けて叩きつけた。

 

果林:「[きらきらスターダスト]!!!」ドガァアアアッ!!

 

キラキラと星屑を撒き散らしながら青い流れ星が飛んでいく。キレイなシュートや・・・。

 

龍也:「[爆・ゴッドハンド]!!!」ガシィイイイッ!!!

 

これも親父は呆気なく防いだ。

 

龍也:「パワーもスピードもいい感じだがキレが足りないな。とにかくシュートを撃ち続けて感覚を覚えること!!」

 

果林:「はい!!」

 

浜野:「次行きま~す。でりゃっ!!」ドカッ!

 

龍也:「ふん!!」バシィッ!!

 

彼方:「ふっ!!」ドカアッ

 

バシィ!

 

エマ:「えい!!」ドガッ!!

 

龍也:「ふんっ!!」バシィッ!!

 

天城:「ダドッ!!」ドガァっ!!

 

龍也:「せいっ!!」ガシィッ!!

 

歩夢:「はあっ!!」ドカアッ!!

 

ガシィイイッ!!

 

せつ菜:「やあっ!!」ドシュッ!!

 

龍也:「おりゃっ!!」バシィ!

 

三国:「でりゃっ!!」ドカアッ!!

 

バシィッ!!

 

天馬:「おりゃあっ!!」ドカァアッ!

 

龍也:「ふんっ!!」バシィ!!

 

信介:「えいっ!!」ドガッ!!

 

バシィイッ!!

 

かすみ:「行きます!! [メロディショット]!!」ドガァアアッ!!!

 

かすみがシュート体勢に入ると、ボールに音のエネルギーが集まる。そして蹴った瞬間エネルギーがバースト。凄いスピードでゴールに向かう。

 

龍也:「[爆・ゴッドハンド]!!!」ガシィイイイッ!!

 

親父はそんなシュートすらあっさり止めた。

 

龍也:「中々いいシュートだ! 技の熟練度を上げればかなり強くなるぞ!!」

 

璃奈:「次・・行きます。えいっ」ドカァアッ!

 

龍也:「ふっ!!」ガシィッ!!

 

しずく:「ふっ!」ドカァ!

 

龍也:「はあっ!!」ガシィッ!

 

竜太:「行くぞ親父!!(ここでシバく!!) [(しん)・オーディンソード]!!!」

 

ズギャァアアアアン!!!

 

エマ:「!? あれって「オルフェウス」の「フィディオ・アルデナ」さんのシュート技だよねぇ!?」

 

龍也:「[(ぜつ)・イジゲン・ザ・ハンド]!!!」

 

ガガァアッ!!

 

シュートはドーム状のバリアにぶつかり、その上を滑るようにクロスバーを越えて上に逸れていった。

 

竜太:「くそ!! まだダメか!!」

 

龍也:「そう簡単にはやられんよ。」

 

円堂:「お~い!! そこのお前も蹴って見ろ!!」

 

? この場にいないのは霧野先輩と神童キャプテンだけど........

俺たちが振り返ると、そこには剣城がいた。

 

剣城:「何ぃ?」

 

竜太:「円堂さん!? アイツは!!」

 

剣城:「良いだろう。[デスソード]!!!」ズギャァアアアアン!!!

 

黒い死の剣が親父を襲う。

 

龍也:「[ジ・エンド・A(エー)]!!!」

 

グニャァアアッ!! バシュン!!

 

ボールは異空間に消え去り親父の手に収まった。

 

龍也:「凄いな!! 文句なしだ!!」

 

剣城:「チッ」

 

ん? 何か今剣城嬉しそうだったような........?それは無いか。

 

円堂:「よし! 今日の練習はここまでだ」

 

竜太:「そう言えば親父コーチって言ったけどこれからどうすんの?」

 

龍也:「ん? 今から内浦に戻るぞ? 試合の日と週一で練習見に来ることになってる」

 

良かったーーー!! 一緒に住むとか言わなくて。もしそんなことになったら地獄に逆戻りだったぜ。

 

竜太:「そっかじゃあまた一週間後に」

 

龍也:「おう」

 

そしてその日は練習をお開きにして帰宅した。

 

 

― 続く ―




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第8話:キャプテンの苦悩

親父と円堂さんがサッカー部のコーチと監督として赴任してきた次の日、神童キャプテンがようやく学校に来たと思ったら、円堂さんに退部届を提出した。

 

天馬:「そんな! 何でキャプテン辞めちゃうんですか!?」

 

神童:「栄都との試合で指示を破ったのは俺だ。その俺が居なくなれば、恐らくフィフスセクターも何もしないだろ」

 

霧野:「待て神童! あれは元はと言えば........」

 

神童キャプテン以外の先輩たちが皆天馬を睨む。

 

円堂:「俺は認めないぞ神童!! 誰よりもサッカーが好きなお前が辞める何て!!」

 

キャプテンは、円堂さんにお辞儀をして去っていった。

 

竜太:「霧野先輩、神童キャプテンの家ってどこですか?」

 

果林:「行ってどうする気?」

 

竜太:「連れ戻します。キャプテンが辞める必要無いんで」

 

歩夢:「それはそうだけど、できるの?」

 

竜太:「やります」

 

そして俺、天馬、信介は先輩たちにキャプテンの家の場所を聞き向かったら物凄い洋式の大豪邸で驚いた。何でもキャプテンは神童財閥の社長の息子でお爺さんが会長をやっているらしい。神童財閥と言えば母さんの友達の鞠莉さんの実家である小原グループに匹敵する日本の幾つもの企業を統括する超大企業だ。

俺たちは少し緊張しながらチャイムを鳴らした。

 

~ 神童 side ~

 

家に帰った俺は自室でサッカーに関する物を処分しようとしていた。

 

神童:(何にも縛られずに思い切りサッカーしたかったが、それももう叶わないな)

 

執事:「拓人ぼっちゃま、部活の御友人が御見えです」

 

神童:「霧野か?」

 

執事:「いえ、大海様、松風様、西園様と言っておられました」

 

っ、あいつらが何の用だ.......

 

神童:「いい。追い返e.......「神童キャプテン!!」」

 

!? もう入って来てるじゃないか!!

 

神童:「おい!! どういうことだ!!」

 

執事:「申し訳ありません。御待ちいただく様申し上げたのですが、拓人ぼっちゃまに伝えたら100%追い返されるから入らせて貰うと大海様が」

 

神童:「はぁ、分かった。俺達だけにしてくれ」

 

執事:「畏まりました」

 

〜 神童 side out 〜

 

そして執事さんが出ていくと渋々「何の用だ」と口を開くキャプテン。

 

竜太:「単刀直入に聞きます。キャプテン、このままサッカー辞めて本当に後悔しませんか?」

 

神童:「(くっ、コイツ痛い所を........だが元はと言えば誰のせいだと思ってるんだ!!) ああ。しない.......」

 

ああ、間違いなく嘘だな。目元が涙ぐんでるも.......

 

天馬:「キャプテンほどサッカーが大好きな人に嫌いになられたら、サッカーが悲しみます!!

 

竜太:「[ダイナックル]」スパアァァアアアアアン!!

 

天馬:「ぶっ!?」

 

バタンと倒れこむ天馬。神童さんはポカンとした顔で俺たちを見ている。

 

天馬:「ちょっと!? 何すんだよ!!」

 

竜太:「やたらめったら大声を上げるな!!」

 

天馬:「だからやり方が強引過ぎるんだって!!」

 

竜太:「ああん?」

 

天馬:「すみませんでしたお願いですからもう一発は止めて下さい」

 

即座に土下座を敢行する天馬。失礼な、強引と言う言葉から最も離れた男だというのに。

 

神童:「いや、どこが!?」

 

サラッと地の文を読む神童さん。うん。そう言うのは止めよう?

 

神童:「松風、サッカーを人見たいに言うな。サッカーサッカーうるさいんだよ!! ・・・そりゃあ俺だって、もしフィフスセクターが存在しなくて、思い切りサッカー出来たらどんなにいいかと数えきれないほど思ったさ。俺たち2・3年に、そう思わなかった日など1日も無い!!」

 

西園:「キャプテン.........」

 

神童:「分かったらもう・・・「キャプテン、勝負しましょう」なに?」

 

竜太:「俺はディフェンス、キャプテンがオフェンスで5本勝負。俺は止めてキャプテンは抜く、キャプテンは1本でも抜ければ勝ちで良いです」

 

神童:「ふざけるな!! そんな勝負して何になると......」

 

竜太:「もしキャプテンが勝ったら、俺たちはこれ以上なにも言いません。キャプテンの好きなようにしてください。それとも、()()()が足りませんか?」

 

先輩に対して見下した態度を取るが仕方無い。ちょっとした荒療治だ。不遜な態度を取った事に関しては後でしっかりと謝罪会見させて頂こう。

 

神童:「っ! 大海さんの息子だからっていい気になるな!! 良いだろう、叩きのめしてやる!!!」

 

そして俺たちは河川敷に移動して俺とキャプテンの勝負が始まった。が、キャプテンは必殺技も使うがことごとく技を使()()()()()()俺に取られ4 ー 0。

 

竜太:「オラッ!!」バッ!

 

そこから最後の1本で俺がボールを奪い5-0。俺の勝ちだ。

 

神童:「くっ、くそぉおおっ!!」ガッ!

 

キャプテンは悔しさのあまり拳で地面を殴り付ける。

 

竜太:「キャプテン、もう諦めて下さい」

 

神童:「うるさい!! もう一本!!!」

 

竜太:「違う! ()()()()()()()()()()()()()って言ってるんだ!!」

 

天馬:「竜太!? タメ口はマズイって!!」

 

うん。分かってるから少し黙ろうか。

 

竜太:「キャプテンが本当にサッカーが嫌いならそもそもこんな勝負受ける必要無かった。それでも受けたのは、自分がサッカーに掛けてきた想いや時間を、後輩に舐められるのが耐えられ無かったから、それはつまりキャプテンが、()()()()()()()()だからでしょ!!」

 

神童:「っ! 知ったような口を聞くな!! 分かってるんだよそんなことは!! だから....、高校入ってからのサッカーがこんなにつまらなかったんだろ!!!」

 

やっと聞けた神童キャプテンの心からのサッカーへの想い。なら、

 

竜太:「だったら!! 俺たちがとにかく勝ち続けて、インターハイで実力で優勝して、フィフスセクターなんかぶっ潰してやれば良いじゃないですか!!」

 

神童:「簡単に言うな!! そんなこと出来るわけ.......」

 

竜太:「それを成し遂げる為に久遠さんの後任として、円堂さんと親父が来たんでしょ!? 誰よりもサッカーを知っていて、経験もある久遠さんをバックアップに回す為に!!」

 

それを聞いた神童キャプテン、天馬と信介も驚いた顔をしている。

 

竜太:「昨日親父を駅まで見送った時に聞いたんです。久遠さんは今、フィフスセクターの内部情報や対戦校の情報を探ってくれてるって」

 

神童:「久遠監督が..........」

 

とにかくキャプテンに分からせないといけないのだ久遠さんの想いを、残された俺たちが引き継ぐ事を放棄してはならないと。

 

竜太:「俺は諦めません。勝ち続けて、自由なサッカーを取り戻します!!」

 

天馬:「俺もです!!」

 

信介:「僕もです!!」

 

神童:「それがお前たちの、一年生たちの覚悟なんだな」

 

竜太・天馬・信介:「「「はい!!!」」」

 

神童:「分かった。俺も戦おう。サッカーを解放するために!!」

 

 

 

やっと自分の気持ちに素直になり、仲間になってくれた神童キャプテン。もうじき、インターハイ東京都予選が始まる。

 

 

― 続く ―




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第9話:葛藤(かっとう)

神童キャプテンが共に戦う事を決意してくれた次の日、グラウンドには神童キャプテンが帰ってきた。

 

歩夢:「神童くんお帰り!!」

 

せつ菜:「まさか本当に連れ戻すなんて.......」

 

先輩たちがキャプテンの元に集まり話していると、円堂さんがやって来た。

 

神童:「円堂監督! 昨日はすみませんでした」

 

円堂:「よし! 神童も帰ってきた事だし、練習始めるぞ」

 

そしてディフェンス陣を相手にしてのオフェンスの練習で、

 

霧野:「行かせるか!!」

 

天馬:「キャプテン!!」パスッ

 

天馬はキャプテンにパスし、ボールを受け取ったキャプテンは、しずくにパスをする。

ボールを受け取ったしずくに彼方先輩がディフェンスに来るが、しずくは必殺技、[ムーンサルト]で躱し、俺にセンタリングを上げる。

 

俺は跳び上がり右足に星のエネルギーを込めて空中でシュート体勢に。

 

果林:「ちょっと!? その技は私の!!」

 

竜太:「[きらきらスターダスト・Z(ゼット)]!!!」ドガァァアアアッ!!!

 

果林先輩とは比べ物にならない威力の流星が三国先輩に迫る。

 

三国:「[バーニングキャッチ]!!!」ガガァアアッ!!!

 

三国先輩が燃える右手でシュートを地面に押さえつける。

 

三国:「ぐぅぅうううう!!!」

 

ドガァァアアアン!!!!

 

シュートはバーニングキャッチを破りゴールに突き刺さった。そしたら果林先輩が俺に突っかかってきた。

 

果林:「ちょっと!! 何で貴方が私のシュート技を使えるのよ!!」

 

竜太:「ああ、俺親父の《完全無欠の模倣(パーフェクトコピー)》と母さんの《属性付与(エンチャント)》両方受け継いでるんで」

 

一同:「え.....、えぇぇええええ!?

 

それを聞いて驚きの叫び声を上げる皆。俺がハリセンを取り出すと天馬はトラウマになっていたのか即座に土下座を敢行。ほかの皆はよく分からない顔で天馬を見ている。

 

しずく:「天馬くん? どうしたんですか?」

 

よく分からないといった表情のしずくが天馬に聞くと、

 

天馬:「先輩たちも速く大声上げたこと謝って!!」

 

神童:「は? 何で・・・「もう遅い......」っ!?」

 

俺はニコッと笑い、

 

竜太:「[キョダイ○ンゲキ]!!!」スパパパパパパパアァァアアアアアン!!!!!!!!

 

頭に連撃を叩き込まれ全員地に倒れ伏す。ふ~。スッキリ!!

 

果林:「あ、貴方ねぇ......、先輩に向かって............」

 

竜太:「ああん?」

 

果林:「ごめんなさいもう止めて下さい」

 

即座に土下座する果林先輩。分かれば良いんだ。

 

天馬:「竜太は周りで大声を出したり起こしても起きなかったりキレたりするとハリセンが飛んでくるんです。お蔭で俺は何度ひどい目に遭ったか........」

 

神童:「だが先輩に対してあれは」

 

竜太:「なに言ってるんですか。たかだか1つ2つしか違わないでしょうに」

 

歩夢:「この子一体何なの?」

 

天馬:「聞いた話だと実家のある静岡に年上の幼馴染が何人かいて普通にタメ口でOKだったらしくてそこら辺の感覚がぶっ壊れてるらしいです。今はまだ呼ぶときに先輩ってつけるだけマシだって」

 

せつ菜:「これはどうにかする必要がありますね」

 

三国:「後で監督も交えて話はしておくよ」

 

そして練習が終わり、

 

~ 神童 side ~

 

神童:(やはり全力でやるサッカーは楽しいな........)

 

剣城:「よう。キャプテン?」

 

神童:「っ! 剣城(つるぎ)、何の用だ」

 

剣城:「フィフスセクターからの勝敗指示だ。東京都予選一回戦、「雷門」vs「天河原(てんがわら)」2対0で雷門の敗けだ」

 

神童:「っ!!」

 

そして剣城は去って行った。

 

~ 神童 side out ~

 

そして次の日、サッカー部はサッカー棟のミーティングルームに集まっていた。剣城はフィフスセクターからのシードなのでこいつもサッカー部員と言うことになっているため来ていた。

 

円堂:「インターハイ東京都予選、雷門の一回戦の相手は、天河原高校に決まった。神童、お前のキャプテンとしての状況判断が鍵になるぞ」

 

神童:「・・・・監督は、フィフスセクターからの指示を伝えられて無いんですか?」

 

三国:「なにっ!?」

 

歩夢:「どっちなの?」

 

竜太:「多分雷門の負けだろ? 理由は英都との試合の一点。違うか?」

 

剣城:「理解が速くて助かるな。その通り2 ー 0で雷門の敗けだ。理由もお前が言った通りだ」

 

それを聞いた先輩たちは困惑の表情で円堂監督を見る。

 

せつ菜:「な.....、何で・・・教えてくれなかったんですか...........?」

 

円堂:「伝える必要無いからだ」

 

剣城:「へぇ? こいつは驚いた。フィフスセクターの指示を無視するつもりだったのか」

 

エマ:「な、何でそんなことを.......」

 

円堂:「勝敗指示なんて聞く必要は無い。誰であろうと、試合をする前から結果を決めるなど許されないからな」

 

竜太:「まぁ俺も理由が分かった所で聞く気無いし」

 

三国:「・・・・・付き合いきれません!!」

 

そして先輩たちと剣城はミーティングルームを後にした。神童キャプテン以外は。

 

― 河川敷 ―

~ 天馬 side ~

 

天馬:「はぁ、本当に皆わざと敗けるつもりなのかな.......」

 

?:「あれ? 松風か?」

 

俺が振り返ると、そこにいたのは.....

 

天馬:「三国先輩.....、何でここに?」

 

三国:「夕飯の買い物の帰りだよ。どうした? 元気無いじゃないか」

 

天馬:「・・・ちょっと考え事してて」

 

三国:「・・・・・そうか。よし、松風! うちで夕飯喰ってけ!!」

 

天馬:「え!?」

 

三国:「ほら行くぞ!!」

 

三国先輩のお宅にお邪魔する事になりました。

 

 

― 続く ―




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第10話:予選開幕

~ 天馬 side ~

 

俺は急遽三国先輩の家で夕御飯をご馳走になる事になった。家に着くと三国先輩は買い物袋から食材を取り出して料理を始める。

 

天馬:「毎日三国先輩が作ってるんですか?」

 

三国:「ああ。ウチは母さん1人しか居ないからな。大体俺が作ってるよ」

 

天馬:「何か手伝いましょうか?」

 

三国:「良いよ。そこに座って待ってろ」

 

そして暫く待ち、出てきた料理は俺の大好物のカレーライスだった。

 

三国:「よし、喰って見ろ」

 

天馬:「美味しそう!! いただきます!!」

 

?:「ただいま~」

 

俺がカレーを喰おうとしたら、リビングに1人の女性が入って来た。この人が三国先輩のお母さん?

 

三国:「お帰り。母さん」

 

母:「あら、お友達?」

 

三国:「サッカー部の後輩だよ」

 

天馬:「俺、松風天馬です!! よろしくお願いします!!」

 

母:「よろしくね天馬くん」

 

そして荷物を置いた三国先輩のお母さんも一緒に夕飯を食べ始める。

 

母:「ねぇ? 天馬くんってどこのポジション?」

 

天馬:「MF(ミッドフィルダー)です」

 

母:「実はね、私も学生時代にサッカーやっててね? 私が憧れてた女子選手がいて、その人もMFだったのよ? ほら、初代イナズマジャパンの、えっと確か名前は・・・あっ、そうそう「松浦果南」だったわね」

 

天馬:「えっ? 竜太のお母さん?」

 

母:「えっ?」

 

三国:「あ~実はさ、今年サッカー部に「大海竜太」って一年生が入部してきてさ。大海龍也さんと松浦果南さんの息子なんだ」

 

母:「えっすごい!! ねぇ? その子に頼んでサインとか貰えないかしら!!」

 

天馬:「アハハ.....聞いてみます」

 

母:「ハァ、懐かしいわね。あっ、天馬くん、太一サッカー部でちゃんとやってる?」

 

天馬:「え.........」

 

三国:「母さん!!」

 

母:「この子高校入ってからサッカーの話しなくなっちゃって。試合も、「絶対に観に来るな!!」って」

 

それは、フィフスセクターのせいで.......

 

天馬:「三国先輩........」

 

三国:「悪い母さん。俺と松風俺の部屋にいるから後片付け宜しく」

 

母:「う、うん。分かった」

 

― 三国の部屋 ―

 

天馬:「三国先輩........」

 

三国:「悪いな、松風」

 

天馬:「やっぱり、わざと敗ける所を見られたくないんですよね」

 

三国:「・・・そうだ」

 

三国先輩は悔しそうに拳を握り締める。

 

三国:「天馬、俺たちだって、勝ちたくない訳じゃ無いんだ。出来ることなら勝ちたいし、実力の勝負で勝ち続けて頂点を取る夢だって、諦められないさ」

 

天馬:「だったら.......」

 

三国:「でも、それをしてしまえば雷門は潰される。円堂さんたちから受け継いできたサッカー部のバトンが途絶えてしまうんだ」

 

天馬:「っ!!」

 

三国:「フィフスセクターだって、毎回勝敗指示を出す訳じゃない。たまに実力同士の真剣勝負をさせてくれる時だってあるんだ。分かってくれ天馬」

 

天馬:「・・・・・・・」

 

俺は、三国先輩に何も言えなかった。

 

それから数日後、いよいよインターハイ予選開幕の日、

 

― アキバスタジアム ―

 

実況:「お待たせしました!! いよいよサッカー・インターハイ東京都予選開会式が、行われます!! ここ、東京ブロックは、前回の全国準優勝校雷門高校や、伝説の初代イナズマジャパンメンバーを輩出した音ノ木坂学院(おとのきざかがくいん)UTX学院(ユーティーエックスがくいん)帝国学園(ていこくがくえん)に加えて、海皇学園(かいおうがくえん)青葉学園(あおばがくえん)等の数多くの強豪が(ひし)めく激戦区!! 果たして本選出場を決めるのはどのチームなのか! 観客の熱気も最高潮です!!」

 

?:「円堂くん! 大海くん! 海未ちゃん!!」

 

円堂:「ん? 高坂!? 高坂か!!」

 

穂乃果:「うん! 久しぶり皆!!」

 

龍也:「そう言えば穂乃果は音ノ木坂の監督だったな」

 

穂乃果:「当たったら敗けないからね!!」

 

円堂:「俺たちだって敗けないさ」

 

~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

 

信介:「すごい! 監督たちと話してるの高坂穂乃果さんだ!!」

 

しずく:「後でサインを貰えないですかね?」

 

霧野:「監督、本当に勝つつもり何ですかね」

 

果林:「だとしたらどうかしてるわよ」

 

南沢:「監督がなんと言おうと、俺たちはフィフスセクターの指示通りやるだけだ」

 

かすみ:「やっぱり.....先輩たち敗けるつもりなんですね」

 

天馬:「うん.....」

 

俺たち一年が複雑な想いを抱える中、開会式が終了しいよいよ一回戦。vs天河原戦が始まる。

 

 

― 続く ―




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第11話:一回戦開始!vs天河原

― 天河原高校グラウンド ―

 

場所を天河原グラウンドに移し、いよいよ一回戦が始まる。

 

円堂:「じゃあスタメンを発表する。

 

FW   南沢  神童  果林

 

MF   せつ菜 松風  しずく

 

DF 西園  霧野  璃奈  彼方

 

GK       三国  以上だ」

 

竜太:「やったじゃんしずく! 璃奈! スタメンだぞ!!」

 

しずく:「はい! ありがとうございます!!」

 

璃奈:「頑張る!」フンスッ!

 

南沢:「一年たちにはボールを渡さない様にな」ボソボソ

 

せつ菜:「分かってます。果林さんも気をつけて」ボソッ

 

果林:「任せて」ボソボソ

 

そして選手整列し、チーム挨拶の時

 

安藤:「今日はよろしくお願いしますね雷門の皆さん? 精々場がシラケ無いように上手く敗けて下さいね」

 

相手の軽薄そうな選手の物言いに悔しさで唇を噛む先輩たち。そんなに悔しいならボコボコにしてやれば良いのに。

 

西野空:「絡むなよ安藤? 前回の全国準優勝の雷門に勝てるんだ。それだけで良しとしようぜ?」

 

な~んか嫌な奴らだな。こんな奴らがウチにいたら親父に胸ぐら掴まれてるぞ。

 

すると天河原のキャプテンである喜多(きた)がチームメイトに注意する。ふむ、キャプテンはまともそうだな。

 

喜多:「チームメイトが済まない。俺は、雷門とは本気の勝負がしたかったんだけどね」

 

そして選手全員が位置につく。

 

スターティングメンバー

 

天河原

 

GK       三波

 

DF   糸川  河崎  樫尾

 

MF 西野空 比嘉志 隼総  晴井

 

FW   星降  喜多  安藤

 

雷門

 

FW   南沢  神童  果林

 

MF   せつ菜 松風  しずく

 

DF 西園  霧野  璃奈  彼方 

 

GK       三国

 

ピィーーーーーッ!!

 

試合開始のホイッスルが鳴り果林先輩がボールを持って上がる。そこに相手のDF樫尾(かしお)がディフェンスに入りボールを奪う。

 

樫尾:「隼総(はやぶさ)!!」パスッ

 

パスはMFの隼総(はやぶさ)に渡りそのままドリブルで切り込んで来て、そこに天馬がディフェンスに入る。隼総の左右への揺さぶりや巧みなフェイントに天馬は何とか食い下がる。

 

隼総:「お前、頑張るな」

 

天馬:「頑張らなきゃサッカーじゃない」

 

隼総は走ってきた見方にパスをだし、まだ天馬に何か言おうとしたが天馬は無視してボールを追う

 

隼総:「おい! 無視すんな!!」

 

パスはそのまま喜多に渡りそうになった所を信介がインターセプト。天馬にパスを出す。

 

比嘉志:「ちっ!!」

 

天馬に対してMFの比嘉志(ひがし)がディフェンスに入るが天馬は必殺技の[そよ風ステップ]で抜き去る。

 

西野空:「ウザいんだよ!!!」ドガアッ!!

 

相手の激しいショルダータックルで天馬は吹き飛ばされボールを奪われる。あれでファールじゃないんだったら今回の主審は多少の接触は流すタイプと見た。

 

西野空:「お前らは敗けるの決まってるんだから大人しく敗けろよ!!」

 

神童:「それはどうかな?」バッ!

 

動きを止めていた相手の隙を突きキャプテンがインターセプト。そのまま天河原陣内へ切り込んで行く。

 

先輩方:『『『神童(神童くん)!?』』』

 

相手の最後のディフェンスを抜き去りキーパーと1vs1になったキャプテンはシュート体勢に入る。

 

キャプテンか構えると、ボールを中心とした円状に音楽の楽譜線が纏わりつく。そして音のパワーがチャージされ、ゴールめがけて蹴飛ばした。

 

神童:「[フォルテシモ]!!」

 

ドガアァァアアアッ!!

 

三波:「何だと!?」

 

ザシュウッ!

 

2 ー 0の勝敗指示で、まさかシュートが飛んでくるとはこれっぽっちも思っていなかった相手キーパーは完全に虚を突かれ反応できずにシュートはゴールに突き刺さった。

 

しずく・天馬・信介・璃奈:「「「「キャプテン!!」」」」

 

キャプテンは天馬たちに笑顔を向け、ベンチの俺にグーサインを出してきたので俺もグーサインを返す。

 

すると相手のキャプテンは神童さんに詰め寄る。

 

喜多:「神童くん、どういうことだ? 指示では2 ー 0でウチの勝ちだった筈だ。フィフスセクターの指示に逆らうつもりか?「そうだ」!?」

 

神童:「雷門のキャプテンとして、皆に言っておく。この試合、「()()()()()()()!!」」

 

全員:『『!?』』

 

天馬:「キャプテン!!」

 

全員が絶句し、キャプテンを見つめる。

 

喜多:「本気なんだな」

 

西野空:「フィフスセクターに歯向かうなんて馬鹿な奴等だ」

 

そして天河原ボールで試合再開。

 

安藤:「じゃあここからは遠慮なく全力で行かせて貰うぜぇ!!」

 

しずく:「行かせません!!」

 

安藤:「邪魔だ!! [マッドジャグラー]!!」

 

ディフェンスに入ったしずくの腹を、相手はボール越しに膝蹴りで何度も跳ね上げ、止めの蹴りを叩き込んだ。アイツ!! しずくは女の子だぞ!?

 

しずく:「うぅ・・・ゲホッ.......」

 

龍也:「・・・・竜太、準備しろ」

 

竜太:「分かっ、りました」

 

親子とは言え今は選手とコーチ。ため口は不味いと思い言い直す。

 

雷門ベンチが動くなか、ボールは隼総に渡る。

 

隼総:「お前たちに教えてやるよ。フィフスセクターに逆らっても無駄だってな!!」

 

そう言うと隼総の背中から黒いモヤが現れ鳥のような姿を形作る。

 

せつ菜:「化身(けしん)!?」

 

隼総の化身は青いボディに白い毛に覆われた頭部を持つ鷲のような化身だった。

 

隼総:「これが俺の化身【鳥人(ちょうじん)ファルコ】だ!! さて、行くぜ!!」

 

隼総はファルコと共に翔び上がる。そして空中からボールに翔び蹴りを放つとファルコが両腕の爪でクロスする様にボールを切り裂く。そしてファルコが咆哮を上げるとシュートはファルコの羽根を撒き散らし飛んでいく。

 

隼総:「[ ― ファルコ・ウィング ― ]!!!」

 

ドガアァァアアアアン!!

 

神童:「させるかぁっ!!」

 

キャプテンは自身も化身を発動しシュートブロックをしようと試みるがパワーを集めきれずに化身を出せずそのまま吹き飛ばされた。

 

三国:「くそっ!!」バッ

 

三国先輩はシュートに手を伸ばすが届かずにシュートはゴールに突き刺さり、前半終了のホイッスルが鳴った。意外といい展開じゃね?

 

 

雷門 1 ー 1 天河原

 

 

― 続く ―




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第12話:vs天河原、後半戦開始

ハーフタイムに入り控え室。

 

神童:「まさか相手が化身を......「当然だろ?」っ!」

 

その声で皆は剣城を見る。

 

剣城:「天河原高の隼総、奴も俺と同じ「()()()」だ」

 

それを聞いた皆は息を飲む。やはりシードだったか.......。

 

剣城:「奴は化身を自由自在に操縦す(あやつ)る事が出来る。キャプテン、アンタとは違うんだよ」

 

果林:「あなたたちも此で分かったでしょう!? フィフスセクターに逆らっても無駄なのよ!!」

 

剣城:「そのt.......[ダイナックル]ゴハアッ!?」

 

剣城の頭に一撃を叩き込み沈ませる。おお、頭から煙がでてる。

 

剣城:「貴様!! 今度は何だ!!」

 

竜太:「いや、「雷門の敗北は決まってる」って言いそうな気がしたから」

 

剣城:「分かってるならせめて言わせろ!! セリフすら奪いやがって!」

 

天馬:「竜太何で分かったの?」

 

皆がそのくらい想像つくだろと言う目で天馬を見る。

 

竜太:「俺の目にはゲームの未来が見えてしまうんですよ」

 

エマ:「どこのナッ○ュさん!?」

 

竜太:「残念。○司君です」

 

果林:「どっちでもいいから!!」

 

剣城:「貴様ら!! 無視するな!!」

 

剣城君が遂に激怒する。構って貰えなくて寂しくなったんだね。分かります。

 

剣城:「寂しがってなどないわぁあああ!!!」

 

わ~お地の文を読まれた。ここで円堂さんが「雷門の敗北は決まってる」と言うことに対して口を開く。

 

円堂:「そんなこと、誰が決めたんだ?」

 

剣城:「何ぃっ!?」

 

円堂:「三国、さっきの化身シュートをお前は止めようとしたな。敗けろと指示された試合で。それは何故だ?」

 

三国:「っ! それは.....」

 

龍也:「分からないなら教えてやる。それはお前たちの中にある、サッカー選手としての本能だよ。FWなら、絶対に決めて見せる。MFなら、どんなディフェンスだって抜いて見せる。DFなら、どんなドリブルも止めて見せる。GKなら、絶対に点はやらない。そうしたお前たちの心の奥底にある「()()()()」と言う本心がそうさせたんだ」

 

三国:「っ!」

 

円堂:「お前たちは、今のこの管理されたサッカーで、本当に満足なのか? 仕方無い、敗けても良いと、本当に!!」

 

金山:「何を言ってるのかね!!」バンッ!!

 

勢いよく扉を開け、雷門の理事長と校長が入ってきた。

 

冬海:「何も反省して居なかったのですね!?」

 

金山:「監督とコーチとして今一度言いたまえ! フィフスセクターの命令は絶対だ!! この試合何としても、確実に敗けるのだと!!」

 

龍也:「言うべき事は全て言いました。後はお前たちが自分で決めろ」

 

円堂:「フィールドで待ってるぞ」

 

金山:「ま、待ちたまえ円堂くん! 大海くん!!」

 

慌てて二人の後を追う金山(きんざん)理事長と冬海(ふゆかい)校長。あの二人は何とかして雷門から追い出さないとな。

 

そして後半戦のためフィールドに戻った俺たち。因みにケガをしたしずくに代わって俺が右サイドMFに入った。

 

そして両チーム位置につき後半戦開始のホイッスルが鳴った。

 

ピィーーーーーーーッ!!

 

キックオフ直後、ボールは隼総に渡る。

 

隼総:「安藤!!」パスッ

 

安藤へのパスを璃奈がインターセプト。そのまま俺にパスを出した。

 

竜太:「早速ウチのチームメイトの借りを返させて貰うぜ!!」

 

俺はハーフラインより手前からシュート体勢に入ったため天河原メンバーは「何やってんだコイツ?」と戸惑って見ていたが、距離が距離なので入らないだろうとたかをくくっていた。

 

俺がシュート体勢を執ると同時に左足を前方に大きく振り上げる。するとと長大な聖剣が左足に現れ、それを踵落としでボール目掛けて降り下ろした。

 

竜太:「[エクスカリバー・改]!!」

 

ギシャアアアアアアン! ズドドドドドドドドドドド!!

 

天河原:『『『何!?』』』

 

天河原は必死に[エクスカリバー]を止めようとする。が、衝撃波だけで一刀の元に斬り捨てられシュートはゴール目掛けて突き進み、キーパーが反応する事すら許さずゴールに突き刺さった。

 

星降:「今の技、何処かで見たような........」

 

喜多:「ああ。俺もだ」

 

うん。親父の試合を見たことがあれば知ってると思うよ。

 

試合再開。

 

河崎:「貰った!!」

 

果林先輩がボールを奪われゴール前の隼総にロングパスが飛ぶ。

 

三国:「どうすれば......「太一(たいち) ーーー!!!」っ! 母さん!?」

 

― 三国 side ―

 

俺は昔、興味本意で初代イナズマジャパンの世界大会決勝の映像を観たときから、サッカーが大好きになった。

 

俺は母さんに頼んで、近所のチームに入ってキーパーとしてレギュラーになった。

俺がファインセーブをすれば会場が湧き、味方も盛り上がり、それで勝てば母さんが褒めてくれて、サッカーが本当に楽しかった。

天馬たちは、あのサッカーを取り戻す為に必死に......

 

 

何で忘れちまってたのかな.......。あの気持ちを!!

 

― 三国 side out ―

 

隼総:「貰った!! 「うおぉぉおおおお!!」なにっ!?」

 

三国先輩が飛び出してきて隼総にボールが渡る前にキャッチした。

 

天馬:「三国先輩!!」

 

神童:「三国さん!!」

 

三国:「神童、天馬、大海、信介、天王寺、中須、桜坂!! ありがとう。お前たちのお陰で目が覚めたよ。ゴールは俺が守る!! 安心して攻めろ!! この試合勝つぞ!!」

 

天馬・竜太・信介・璃奈・神童:「「「「「はい!!!」」」」」

 

三国さん、分かってくれたのか。自分の気持ちに素直になれたんだな。

 

せつ菜:「どうしちゃったんですか三国さんまで!?」

 

三国:「天王寺!!」

 

璃奈:「天馬くん!!」パスッ

 

ボールを受け取った璃奈は天馬にパスし、天馬はドリブルで攻め上がる。

 

西野空:「行かせるか!!!」

 

天馬:「[そよ風ステップ]!!」ブワァッ!

 

天馬は風を纏った華麗なルーレットで西野空を抜き去り俺にパスを出す。しかしそれを隼総がインターセプト。

 

隼総:「ふざけるな!! お前たちが敗けるのは決まってるんだ!!」

 

隼総の背中に黒いモヤが発生し、自身の化身【鳥人(ちょうじん)ファルコ】を呼び出し化身シュートの体勢に。

 

隼総:「[ ― ファルコ・ウィング ― ]!!!」

 

ドガアァァアアアアッ!!

 

隼総の化身シュートが雷門ゴール目掛けて突き進む。

 

神童:「させるか!! はああああああ!!!」

 

キャプテンの背中から黒いモヤが発生し、四本腕の水色の髪をした指揮者の様な化身が姿を現す。

 

神童:「【奏者(そうしゃ)マエストロ】!! はあぁぁああああ!!!」ドガアァァァアアアアッ!!

 

キャプテンがシュートブロックし、【ファルコ】と【マエストロ】がぶつかり合う。しかしファルコの爪の一振りでマエストロは切り裂かれ消滅。キャプテンは吹き飛ばされた。

 

神童:「やはり・・・無理なのか.......? 「いや、シュートの威力は確かに弱まった!!」三国さん!!」

 

三国:「[バーニングキャッチ]!!」ガガアッ!!

 

三国さんが燃える右手で、シュートに掴みかかり地面に押さえつける。

 

バシイッ!!

 

隼総:「バ、バカな......! 化身のシュートを、ただの必殺技で!?」

 

三国さんはシュートを完璧に止めて見せた。

 

 

雷門 2 ― 1 天河原

 

― 続く ―




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第13話:決着!!一回戦

― 前回のお話 ―

 

後半戦から俺が入り、しずくの(かたき)と言わんばかりの[エクスカリバー]で2ー1と勢い付く俺たち。

そんななか三国先輩が覚醒し隼総へのセンタリングをカットする。

しかし相手校のシードである隼総はボールを奪い自身の化身【鳥人(ちょうじん)ファルコ】を召喚し化身シュート技、[ ― ファルコ・ウィング ― ]を放つ。

キャプテンも化身【奏者(そうしゃ)マエストロ】を召喚しシュートブロックを試みるも弾き飛ばされてしまう。

しかし、威力は確かに弱まっており、三国先輩は必殺技[バーニングキャッチ]を繰り出し見事に化身のシュートを止めたのだった。

 

― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―

 

隼総:「バ、バカな・・・化身のシュートを、ただの必殺技で」

 

三国:「行け信介!!」

 

ボールを受け取った信介は直ぐ様天馬にパスを出す。

 

天馬:「ナイス信介!!」

 

比嘉志:「させるかぁっ!!」

 

天馬は相手のディフェンスを躱してキャプテンにパスを出す。そこに天河原のキャプテン「喜多(きた)」がディフェンスに入る。

 

喜多:「何も変えられないぞ神童くん!! 君たちが足掻いた所で・・何も!!」

 

神童:「変えて・・・見せる!!」

 

キャプテン同士の意地と意地の1vs1は神童キャプテンに軍配が上がり喜多を抜き去った。

 

キャプテンは自身の化身【奏者(そうしゃ)マエストロ】を召喚。シュート体勢に入ると、化身が四本の腕でボールに音のエネルギーを何重(いくえ)もの層でコーティング。そのボールをキャプテンがシュートするのと同時に化身が自身の叫び声の衝撃波でボールを後押しする。

 

神童:「[ ― ハーモニクス ― ]!!!!」

 

ドガアァァァアアアアンッ!!

 

竜太:「オマケだ!!<チェイン[真・オーディンソード]>!!!」

 

ドガアァァァアアアアッ!!

 

(ただ)でさえ威力の高い化身のシュートを、シュートチェインで後押しして更に威力の高まったシュート。しかし隼総が立ち塞がる。

 

隼総:「お前ら何かに負けてたまるか!! 【鳥人(ちょうじん)ファルコ】!! でりゃああっ!!」

 

ドガアアアッ!!

 

隼総は化身を発動しシュートブロックを試みる。が、1vs1なら勝てていたファルコも流石にシュートチェインまでされては分が悪かった。しかもチェインに使った[オーディンソード]は日本(どころ)か世界レベルの技。【ファルコ】は呆気なく吹き飛ばされシュートは尚も突き進む。

 

三波:「くそッ!! [ラピッドウィップ]!!」ドカッ! バキッ! バキャアッ!!

 

キーパーは(むち)の様にしならせた腕を三連続で叩き込む。しかし当然止められる訳も無く、ゴールに押し込まれ、3 ー 1になった所で試合終了のホイッスルが鳴った。

 

天馬:「やった! 勝った!!」

 

竜太:「天馬! 信介! 璃奈!!」

 

パアァァアアアン!!

 

四人でハイタッチを交わして喜ぶ俺たちにキャプテンと三国先輩が寄って来た。

 

隼総:「バカな.....俺が負けた.........」ポンッ

 

呆然と崩れ落ちる隼総の肩に手を置く相手キャプテン。

 

喜多:「本気なんだな.........」

 

相手キャプテンが俺たちを見つめ呟くと、隼総も無言で俺たちを見つめていた。

 

そして試合が終わり、会場を出た所で........

 

?:「龍也ーーー!!! 竜太ーーー!!!」ズドドドドドドドドドドドドドド!!!!

 

一人の青髪の女性が、俺と親父の名前を呼びながらすごい勢いで突っ込んでくる。

 

歩夢:「な、何あの人!?」

 

浜野:「ちゅーかすごい勢いで突っ込んでくるんだけど!!」

 

彼方:「に、逃げた方が良くない........?」

 

果林:「あれ? でもあの人どこかで見たような?」

 

その女性は腕を大きく広げて俺と親父にダイブしてきた。

 

竜太:「身代わり!!」

 

竜太は身代わりを使った。身代わりのかすみが現れた!!

 

ムギュウッ

 

突っ込んできた女性は身代わりを抱き締める。ふう、助かった。

 

かすみ:「って人を勝手に身代わりにしないで下さーい!!」

 

竜太:「良いじゃないかウ○イんだもの。」

 

かすみ:「み○をかっ!!」

 

?:「まったく相変わらずだね。竜太! おめでとっ!!」スリスリ

 

竜太:「ったく......、恥ずかしいよ..........。()()()

 

龍也、円堂以外:「「「えええーーーーーー!! お母さん!?」」」

 

果林:「ってことは、初代イナズマジャパンの「松浦果南(まつうらかなん)」さん!?」

 

せつ菜:「嘘!? 本当に!?」

 

しずく:「さ、サインを・・・・あっ! 色紙(しきし)が無い!!」

 

皆が騒ぎ始めたのでハリセンを構えると全員黙る。すると母さんが俺に「そう言うことをしないの!」とたしなめ、皆に自己紹介した。

 

果南:「こんにちは!! 竜太の母の大海果南(おうみかなん)です。因みに旧姓は松浦果南(まつうらかなん)で、高校時代に龍也と円堂くんと一緒に世界一になったイナズマジャパンのメンバーです!!」

 

しずく:「やっぱり本物なんですね!?」

 

果南:「はい。桜坂(おうさか)しずくさんだよね? 試合見てたよ。ケガ大丈夫?」

 

しずく:「は、はい!! ちょっと痛みますけど大丈夫です!!」

 

果林:「あ、あのっ!!」

 

せつ菜:「果南さん!!」

 

母さんは二人をチラッと一瞥(いちべつ)すると無視して親父にハグで抱きついた。

 

果南:「龍也~~!」ハグゥ~

 

竜太:「あ~母さん先輩方に怒ってますね。試合という場でやる気の無い事を平然とやってたから」

 

まぁ母さんの性格からしたら当然だが、

 

果林:「そんなこと言われても........」

 

果南:「木枯らし荘で秋ちゃんと一緒にご飯作るから皆で食べよう?」

 

竜太:「母さん、天馬たちとキャプテンと三国先輩は?」

 

果南:「その人たちは良いよ? 他は駄目だけどね?」

 

先輩たちは母さんに何も言えずに黙って母さんを見つめていた。

 

三国:「果南さん、今日見に来てたウチの母親も良いですか? 母さん学生時代サッカーやってて果南さんの大ファン何ですよ」

 

果南:「へぇ? 嬉しいなぁ。もちろん良いよ?」

 

そして親父、母さん、俺、天馬、信介、しずく、璃奈、かすみ、キャプテン、三国先輩親子合計11人は秋さん、親父、母さん、三国先輩の四名が作った料理に舌鼓を打ち、暫く談笑したのち親父、母さん含めた皆は帰って行った。

 

 

三国先輩のお母さんが母さんからサインを貰って狂喜乱舞していて面白かったのは内緒。

 

 

― 続く ―




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第14話:近江(このえ)彼方(かなた)

天河原戦に勝利した次の日、グラウンドでの練習前。

 

歩夢:「神童くん、三国さん、本気でフィフスセクターに逆らうつもりなんですね?」

 

エマ:「何でそんなことを.......」

 

三国:「目が覚めたんだよ。あんなサッカーを認めて自分のサッカーに嘘をついてたけど、もう嫌なんだ」

 

神童:「俺たちは天馬たちと一緒に、サッカーの解放を目指します」

 

南沢:「そうか」

 

南沢先輩は、円堂さんに自身のサッカー部からの退部を申請し去っていった。根性無しめ......

 

果林:「南沢くん........」

 

去って行く南沢先輩の後ろ姿を、果林先輩は悲しそうに見つめていた。

 

そして練習終了後、帰ろうとする俺たちを先輩たちが呼び止めた。

 

果林:「神童くん、三国くん、考え直す気は無いのね?」

 

三国:「朝香、お前は今のサッカーが本当に正しいと思ってるのか?」

 

彼方:「彼方ちゃんだって正しくない事なんか分かってるよ····。でも····、しょうがないじゃん。もしサッカー部どころか···学校ごと潰されたら·······どうするのさ····」

 

せつ菜:「私たちだって、本当は何にも縛られずに思い切りサッカーしたいですよ!! そんなの決まってるじゃないですか!!!」

 

竜太:「だから俺たちは決めたんです。とにかく実力で勝ち続けて、フィフスセクターをぶっ潰すって」

 

天城:「そんなこと出来るわけ無いド! 中にはきっと「チームメンバー全員シード」とか言う頭のおかしいチームもあるかもしれないド!!」

 

チームメンバー全員シードか.........。下手をすればチームメンバー全員が化身使いなんてチームもあるかもな。言わんけど

 

霧野:「とにかく無謀すぎる!!」

 

竜太:「じゃあ先輩たちはこのまま逃げ続ければ良いです。行きましょう」

 

そして俺たち八人が部室を出ていくのを、先輩たちは黙って見つめていた。

 

― 次の日 ―

 

その日の放課後の練習前、俺たちは全員部室のミーティングルームに集められた。

 

円堂:「インターハイ予選二回戦の相手は、万能坂(まんのうざか)高に決まった。このチームは特徴として、とにかくラフプレーが多い。相手の動きに注意しながら試合を進めろ」

 

竜太:「ラフプレーか····。フィフスセクターなら、選手生命に関わる怪我を負わせる事も躊躇(ためら)わないだろうな」

 

冗談ではなく本気で潰しにかかってくるだろう。かと言ってやり返したら円堂さんが怒るし、う~む。

 

神童:「よし。練習始めるぞ!!」

 

するとミーティングルームの扉が開き、剣城が入ってきた。

 

竜太:「何の用だ?」

 

剣城:「監督さん? フィフスセクターからの指示だ。次の試合、俺を出して貰う」

 

それを聞きざわつく俺たち。すると円堂さんは、

 

円堂:「お前を? ·····良いだろう」

 

天馬:「監督!?」

 

神童:「監督!! 本当のサッカーを取り戻すんじゃなかったんですか!?」

 

エマ:「終わった······」

 

せつ菜:「それで勝敗指示はどうなんですか? フィフスセクターがそこまでするのに、まさか出て無いなんてことは有り得ないですよね?」

 

剣城:「察しが良いな。1 ー 0で万能坂の勝ちだ」

 

まぁ当然だな。それで指示が出ないのはあり得ない。

 

彼方:「じゃあ練習しても意味無いね~。お昼寝しよ~」スヤピ~

 

そして先輩たちは、ミーティングルームを後にした。

 

~ 竜太 side ~

 

竜太:「ったく、こんなときにスパイクの紐切れやがって」

 

練習中に俺のスパイクの紐が切れてしまい、練習後に天馬たちに「俺はスポーツショップに寄って帰る」と言い先に帰って貰い、俺も買い物を終えて帰り道の河川敷に出るとボールを蹴る音が聞こえてきた。

 

竜太:「彼方先輩?」

 

土手から階段を下りてグラウンドに出ると、彼方先輩が泣きながらボールを蹴っていた。

 

彼方:「グスッ····もう··どうしたら良いのか·····分かんないよ~~·····。「先輩?」っ! 大海くん!? ····何で此処に?」

 

竜太:「練習中にスパイクの紐が切れちゃって、買い物の帰りです」

 

彼方:「そっか~······」

 

先輩はバツが悪そうな顔をすると俺を手招きして近くのベンチに座った。

 

彼方:「練習しても無駄とか言ってたのに、情けない所見られちゃったね~」

 

竜太:「まったくですね羞恥に悶えろ」

 

彼方:「フォローする処かトドメ刺しにきた!?」

 

竜太:「まぁ二割のジョークはさておき」

 

彼方:「八割も本気なの~!? ジョークがブラック過ぎる気がするんだけど~?」

 

竜太:「まぁ前振りはここまでにして·····」

 

彼方:「うう···泣きそう」

 

竜太:「黙らっしゃい。やっぱり先輩の中にも、勝ちたいって気持ちはあるんですね」

 

彼方:「そりゃああるよ~無い訳ないじゃん。けど·····、」

 

竜太:「怖いんですね」

 

彼方:「そうだよ····」

 

彼方先輩は顔を伏せて啜り泣く。そこで話題を変える事にした。

 

竜太:「彼方先輩がサッカーを始めたキッカケって何ですか?」

 

彼方:「え~? 私がサッカーを始めたキッカケ?」

 

竜太:「ええ。差し支え無ければ教えてくれませんか?」

 

彼方:「う~ん、別に良いけどそんなに面白い物じゃ無いけどそれでも良い~?」

 

竜太:「大丈夫です。ちゃんと聞きますから」

 

彼方:「そうだねぇ~、6才のときに円堂監督や大海コーチの世界大会決勝の映像を観たことかな~? 皆本当に楽しそうにボールを追い掛けてて、それで思ったんだ~。「サッカーって凄い!」って」

 

竜太:「やっぱりそう言う人多いんですね」

 

彼方:「アハハ。そりゃあそうだよ~。大海君は良いよね。果南さんと龍也さんが両親なんて」

 

竜太:「·····よく言われますけど、そんなに良いものじゃ無いですよ? あの二人サッカーになると恐ろしいくらいスパルタで、正直言うと辞めようかと思ったこともあるんですから。それにいつも父さんや母さんと比べられるし」

 

彼方:「なるほどねぇ~」

 

竜太:「でも、小さいときから両親に、「人生一度きり何だから、後で後悔するようなことはするな」って耳が痛くなるほど言われてて。それに、やっぱり俺サッカー好きですからね」

 

彼方:「大海くんはフィフスセクターが怖くないの?」

 

竜太:「そりゃあサッカー出来なくなるのは怖いですよ。けどそれ以上に、自分の気持ちに嘘ついてやるサッカーに意味は無いと思ってるんで」

 

彼方:「そっかぁ·····(強いなぁこの子は。彼方ちゃんは、そんな勇気持てないよ·····)」

 

竜太:「先輩·····」ハグッ

 

俺が先輩を優しく抱き締めると先輩はビックリした顔で俺を見つめてくる。

 

竜太:「先輩、何か思い詰めた顔をしてたから。俺が小さいときに、俺が泣いてると母さんがこうやって慰めてくれて。こうすれば先輩も落ち着くかな? って」

 

彼方:「竜太くん·····もう、ヒドイのか優しいのか分からないよ~。でも、ありがとう。暫く貸して貰うね~?」

 

竜太:「どうぞ」

 

先輩は暫くの間、俺に身を(ゆだ)ねて嗚咽(おえつ)を漏らしながら泣いた。

 

 

― 続く ―




竜太、そこ代われ('言')

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第15話:二人の三年生

土曜日の万能坂戦までの毎日の練習後、俺は彼方先輩とボールを蹴って遊ぶのが日課となっていた。

 

彼方:「え~い!!」ドカッ!

 

彼方先輩のパスは中々に鋭い上に速く、そして正確で相手のディフェンスもパスカットに苦労しそうだなというのが受けた印象だった。

 

竜太:「彼方、パス鋭いな」

 

因みに先輩に二日前に自分の事を「下の名前で呼び捨てにして? 敬語も無しで」と何故か顔を赤らめながら言われ、流石に三年生にそれは.....と思ったのだが「先輩命令!!」と笑顔で言われ何も言えなかった。パワハラですよ?

そして先輩も俺を竜太と呼び捨てにしたいと言い出し俺は構わないので承諾した。

 

彼方:「うん~。小さいときから私はパワーがあまり無かったから、パススキルとテクニックを磨いてたんだ~」

 

なるほど。通りでこのパスか。

 

竜太:「彼方はサッカー好きか?」

 

彼方:「うん。大好きだよ~。けど·····」

 

竜太:「フィフスセクターのせいで思い切り出来なくて苦しいと」

 

彼方:「うん·····」

 

せんp····彼方はサッカーを大切に思ってるんだと感じた。ならば尚更フィフスセクターは潰さねばならない

 

彼方:「本当、三国くんたちも竜太くんも強いよ。彼方ちゃんはそこまで····強くなれない」

 

彼方は涙で濡れた目を擦り、俺に笑いかけようとする。

 

竜太:「彼方、強がらなくても良いよ」ハグッ

 

彼方:「っ! ········。////」

 

竜太:「悲しいなら、俺が側にいる。苦しいなら、俺が受け止めるから。だから彼方も正直になって良いよ」

 

我ながらクサい台詞を吐いてる自覚はある。仕方ねーだろ!? これしか思い浮かばなかったんだから!!

 

彼方:「っ! ·····も~、生意気だよ~、1年生?/////」

 

顔を紅潮させて笑う彼方。不覚にもドキッとしてしまう。

 

彼方:「でも、ありがとう。そんな風に言われたの彼方ちゃん初めてだよ~////」

 

竜太:「マジか。俺が先輩の初めて貰っちゃいましたか」

 

彼方:「その発言は誤解を招くから止めてくれない!?」

 

竜太:「え? だって俺が彼方の初めて何でしょ?」

 

彼方:「絶対分かってて言ってるよねぇ!?」

 

顔を真っ赤にして抗議してくる彼方。しかし今の体勢は俺が彼方を優しく抱き締めているため、彼方から漂ってくる女の子の薫りが鼻腔を擽り心拍数が急上昇する俺だった。

 

― エマ side ―

 

私は、数日前から彼方ちゃんに笑顔が戻り始めていたことを不思議に思い、今日彼方ちゃんの後をつけてみて驚いた。

彼方ちゃん、大海君とボール蹴ってるんだもん。あんなに楽しそうに。何か彼方ちゃんの顔が女の子の顔になってる気がするのは気のせいだよね?

話を戻すと「まさか彼方ちゃんまで?」と思って見ていたがどうやら少し違うみたいだ。

二人がしているのは練習というよりはボール遊びで、彼方ちゃんも自分や私たちの気持ちを時には口で、時にはボールに込め大海くんに蹴っていた。竜太くんはそれを嫌な顔ひとつせずに聞いてるし。

それでわかった。ここ最近彼方ちゃんに笑顔が戻ったのは、ボールを通じて大海くんに本音をぶつけた事で、ストレスが少し緩和されていたからだと。

 

エマ:「私もやりたいな」

 

私は、二人に声を掛けることにした。

 

― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―

 

エマ:「二人とも!!」

 

俺と先輩が声の方を振り向くと、エマ先輩が立っていた。

 

彼方:「エマちゃん······」

 

まずい。このままでは彼方が誤解される。

 

竜太:「エマ先輩! 違うんです!! 彼方先輩は·····」

 

エマ:「分かってるよ見てたから。ボール遊びで、彼方ちゃんのストレス発散に付き合ってくれてたんでしょ?」

 

ああ、なら話は早いな。

 

竜太:「見てたんですか。そうです」

 

エマ:「だったら彼方ちゃんばっかりズルいんじゃないかなぁ? 私だってフィフスセクターのせいで二年間もストレスが溜まりに溜まってるんだけど?」

 

竜太:「あっ、じゃあ一緒にやります? ボール遊び」

 

エマ:「うん!!」

 

そしてエマ先輩も加えボールを蹴る俺たち。

 

エマ:「ふっ!!」ドッ

 

エマ先輩のパスはどちらかと言うとパワー型で精度もあまり高くなく、トラップ技術が無いと取るのは大変そうだった。

 

竜太:「エマ先輩はサッカー好きですか?」パスッ

 

エマ:トッ「うん。小さいときからずっと好きだよ」パスッ

 

嘘の無い素直なボールだ。サッカーへの想いを感じる。

 

エマ:「本音を言うとね? 私だって出来るならフィフスセクターなんか潰してやりたい」

 

竜太:「じゃあそういう気持ちが無い訳じゃないんですね」パスッ

 

彼方:トッ「多分全員思ってるよ~。「フィフスセクターなんか消えればいいのに」って」パスッ

 

それを聞いて安心した。ちゃんと不満は持ってる。一応正常な思考は出来ていると。

 

竜太:トッ「でもそのせいでサッカー出来なくなったり失敗した時が怖いと」パスッ

 

エマ:トッ「うん。天城くんの言うとおり、中にはチーム全員がシードって言うチームも無いとは言い切れないし、そんなチームと当たった時に勝てるのかな? って」パスッ

 

竜太:トッ「まぁ、今のままじゃあ無理でしょうね。チームがひとつになって本気で練習しない限りは」パスッ

 

彼方:トッ「そうだよねぇ~」

 

彼方はボールを止めて俺に近づいてきた。エマ先輩を手招きして二人一緒に。

 

彼方:「竜太くん、前のやって~。エマちゃんも一緒に~」

 

竜太:「分かったよ彼方」

 

エマ:「えっ!? 呼び捨て!?」

 

竜太:「エマ先輩、セクハラって言わないで下さいね」

 

エマ:「えっ?」

 

俺は二人を同時にハグし、頭をよしよしと撫でる。エマ先輩はビックリしていたが段々と目がトロンとしてきて最後には二人とも俺の背中に手を回してハグしてきた。先輩方の豊満な胸が俺の身体に押し付けられフニョンと形を変える。イカンもっと堪能しな····そろっと離さないと後で何を言われるか分からん。

 

竜太:「先輩、そろそろ」

 

エマ:「あっ、ゴメン。あまりの包容力につい安心しちゃって/////」

 

彼方:「だよね~。彼方ちゃんも初めてやって貰った時から忘れられないんだよね~」

 

エマ:「彼方ちゃん! 今度して貰う時は膝枕何てどうかな?」

 

彼方:「さんせ~」

 

竜太:「ええ? あっ、あと1つ良いですか?」

 

彼方・エマ:「「?」」

 

竜太:「大きなおっぱいご馳走さまです」

 

彼方・エマ:「「っ!?///////」」ボグシャアアアアッ!!!

 

俺は先輩たちからダブルのストレートパンチを顔面に貰い気絶した。けど、大分先輩たちと打ち解けられた気がした。いよいよ明日、万能坂戦!!

 

彼方・エマ:「「うう·····/////お嫁に行けないよ~······///////」」

 

― 続く ―




竜太、ギルティ!!('言')

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第16話:開戦!!vs万能坂戦

― 万能坂グラウンド ―

 

俺たちはインターハイ予選二回戦の会場。万能坂高校に来ていた。

 

円堂:「よし。じゃあスタメンを発表する。

 

FW   剣城  神童  果林

 

MF   せつ菜 松風  歩夢

 

DF 西園  彼方  霧野  エマ

 

GK       三国  以上だ」

 

龍也:「他のメンバーもいつ呼ばれても良いように準備しておけよ?」

 

竜太・かすみ・璃奈:「「「はい!!!」」」

 

しずく:「私は天河原戦で怪我しちゃったからなぁ」

 

― 天馬 side ―

 

俺がグラウンドでスパイクの紐を結び準備していたら果林先輩が話しかけてきた。

 

果林:「あなたたちが勝とうとしたら、私が止める。私は、私のサッカーを守る」

 

天馬:「先輩·······」

 

― 天馬 side out ―

 

そして試合開始のため、両チーム位置につく。

 

スターティングメンバー

 

万能坂

 

GK        篠山

 

       大沢田 蒲石

DF  倉ノ院        永久

 

ボランチ      潮

 

MF     逆崎    毒島

 

    白都          光良

FW        磯崎

 

雷門

 

FW   剣城  神童  果林

 

MF   せつ菜 松風  歩夢

 

DF 西園  彼方  霧野  エマ

 

GK       三国

 

ピィーーーーーーーッ!!

 

試合開始のホイッスルが鳴り、果林先輩がボールを持った瞬間相手のキャプテンの磯崎(いそざき)がボールを奪る。そしてそのまま攻め上がろうとした瞬間、シードである筈の剣城が身体をぶつけてブロックして奪い返した。

 

磯崎:「剣城!! どういうつもりだ!!」

 

剣城は相手を躱すと自陣の雷門ゴール目掛けてシュートした。三国先輩はとっさのことに反応できず、結果オウンゴールという形で突き刺さった。

 

そうか。剣城がボールを奪ったのは、なるべく早く勝敗指示の万能坂の一点を入れて、俺たちを処刑する時間を長く残すために。

 

磯崎:「ったく、驚かすなよ」

 

雷門ボールで試合再開。ボールが歩夢先輩にわたると相手FWの光良(みつよし)が激しいスライディングタックルでボールを奪った。しかし相手はファウルにならないよう巧く仕掛けたため歩夢先輩が転倒したにも関わらず笛は鳴らなかった。

 

光良:「オラアッ!!」ドガァッ!!

 

相手の蹴ったボールはエマ先輩の横顔に当たり先輩は崩れ落ちる。跳ね返ったルーズボールを磯崎が振り向き様に天馬の腹に叩き込む。

 

天馬:「うわあっ!!」

 

こぼれ玉を拾ったのは万能坂のボランチの(うしお)。ソイツはせつ菜先輩に向かってドリブルし必殺技を繰り出す。

 

潮:「[ジャッジスルー]!!」ドガアアッ

 

相手は先輩が胸でトラップ出来る高さにわざとパスしボール越しにせつ菜先輩の腹にソバットキックを叩き込む。

 

せつ菜:「がっ·····、はっ·····」ドサアッ

 

竜太:「おい!! 今のファウルだろ!?」

 

龍也:「巧いな」

 

円堂:「ああ。味方が巧く審判から隠してる」

 

潮:「逆崎(さかざき)!!」

 

ボールは今度はMFの逆崎(さかざき)に渡りボールを彼方先輩目掛けて蹴り飛ばした。

 

ドカアアッ!!

 

彼方:「わぁぁああああっ!?」

 

逆崎:「ほら! お前もだ!!」

 

相手は跳ね返ったボールをダイレクトで今度は信介に叩き込む。

 

信介:「うわあぁぁあああああっ!!」

 

次々やられていく雷門メンバー。あっ、親父がキレそうだ。

 

逆崎:「永久(ながひさ)!!」

 

ボールをDFに戻す相手。しかしここで天馬がパスをインターセプトし、ドリブルで攻め上がる。

 

潮:「行かせるかよ!!」

 

天馬:「[そよ風ステップ]!!」ブワアッ!!

 

天馬が風を纏った綺麗なルーレットで相手を抜き去りキャプテンにパスを出す。

 

神童:「行くぞ!! [フォルテシモ]!!」ドガアアッ!!

 

キャプテンの必殺シュートが万能坂ゴールを襲う。しかし相手キーパー篠山の背後に凄く見覚えのある黒いモヤが発生し、ずんぐりした丸い姿を形作り、現れたのは、左肩と右肩それぞれに左右逆の半月形の鋼の盾を持った機械の化身だった。

 

篠山:「【機械兵(きかいへい)ガレウス】!!」

 

そして化身は半月形の盾を合わせて大きな円形の盾にする。

 

篠山:「[ ― ガーディアンシールド ― ]!!!」

 

ガガアアッ!! バチイィイイン!!

 

神童:「キーパーが化身を!?」

 

弾かれたボールを万能坂FWの白都(しらと)が押さえるが天馬が隙をついてボールを奪う。

 

磯崎:「あーウゼェ。そんなに死にたいなら死ねよ」

 

剣城:(っ! コイツまさか!!)

 

相手はボールではなく天馬の()目掛けてスライディング。おい!! あれどうみてもレッドカードだぞ!!

 

剣城:「松風!!」 ドカアアッ!!

 

間一髪の所で剣城が天馬をタックルで吹き飛ばしてくれたお陰で天馬は無事ですんだ。天馬を·····助けたのか?

 

磯崎:「テメェ!! 何故邪魔した剣城!!」

 

剣城:「何をやってるは此方の台詞だ!! 幾らなんでもあれはやり過ぎだ!! 下手したら、一生サッカー出来ない怪我を負っててもおかしくないプレーだぞ!!」

 

磯崎:「ハァ? それがどうした。そんな奴、一生サッカー出来なくなれば良いんだよ!!」

 

剣城:「·····そうか」

 

すると剣城の背中から黒いモヤが発生し剣を持った騎士のような姿を形作る。姿を表したのは、赤いマントを背に羽織った西洋の甲冑を着た騎士の化身だった。

 

剣城:「【剣聖(けんせい)ランスロット】!!」

 

すると剣城は化身シュートの体勢に入る。剣城がシュートするのと同時にランスロットが黒光りする自身の剣をシュートと一緒に突きだし、黒い刺突の剣が万能坂ゴールを襲う。

 

剣城:「[ ― ロストエンジェル ― ]!!!」

 

ドガアァァアアアアッ!!

 

篠山:「何っ!?」

 

ザシュウッ!!

 

シュートは万能坂ゴールに突き刺さった。

 

剣城:「本来なら、俺はここで雷門を負けさせないと駄目なんだが·····気が変わった。お前たちは、俺の逆鱗に触れた。ここで敗けるのはお前たちの方だ」

 

雷門・万能坂:『『!?』』

 

神童:(まさか監督たちは、剣城がこうなることが分かってて?)

 

 

 

雷門 1 ー 1 万能坂

 

 

ー 続く ―




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第17話:激闘!万能坂戦

1ー0の勝敗指示が出ているこの試合で、シードである筈の剣城がシュートを決め1-1になった上に、剣城の言葉に動揺する雷門イレブンと万能坂イレブン。

 

そして万能坂ボールで試合再開。ボールはボランチの潮が持ち、FWの光良への此方の選手の隙間を縫う綺麗なパスが通る。

 

光良:「どけっ!!」ドガアァアッ!!!

 

霧野:「うわあぁあああっ!!!」

 

光良が霧野先輩を吹き飛ばしフリーになり、光良の背後に黒いモヤが現れ人のような姿を形作り、その中から現れたのは童話に出てくる魔女のように鼻が長い「道化師(ピエロ)」のような化身だった。

 

光良:「【奇術魔(きじゅつま)ピューリム】!!!」

 

そして光良がシュートの為上に跳ぶとピューリムが八個の三角形の面を持つ箱を作り出す。そしてその箱に向けてシュートを撃ち込む光良。するとシュートが当たった箱の頂点からボールを中にしまう様に裏返り、箱の中から光が溢れだしたと思ったら、箱から紫色のオーラを纏った化身シュートが放たれた。

 

光良:「[― マジシャンズボックス ―]!!!」

 

ドガアァァアアアアッ!!

 

三国:「絶対に止めてやる!!![バーニング・・キャッチィイイイ]!!!!」

 

ガガガァァアアアアッ!!!

 

三国先輩が炎を纏った燃える右手で、化身シュートに掴み掛かり地面に押さえ付ける。

 

三国:「ぐうぅううぉおおああああ!!!!」

 

三国先輩は必死に押さえ付けるがあまりのパワーに吹き飛ばされシュートはゴールに突き刺さった。

 

三国:「くそおぉおおおおっ!!!」

 

光良:「ふんっ、自分たちの無力さを思いしったか」

 

雷門ボールで試合再開するがキャプテンがボールを奪われ、万能坂が剣城を取り囲み1vs6に。

 

磯崎:「剣城ぃぃいい!!!」ドガアァアアアッ!!

 

剣城:バキィッ!!「ぐあっ!!」

 

跳ね返ったボールを空かさず光良が撃つ。

 

光良:「この、裏切り者が!!!」ドカアアッ!!!

 

剣城:バキャアッ!!「ぐっ!!」

 

果林:「へぇ? フィフスセクター同士の潰し合いかぁ。今まで散々自分たちのサッカーを奪われてきた私たちにとっては最高の見世物ね」

 

白都:「喰らえ!! 「させるかぁっ!!」っ!!」

 

なんと天馬が包囲網の中に入り跳ね返ったボールをカット。ダイレクトでキャプテンにパスを出した。

 

磯崎:「なっ!? コイツ!!」

 

天馬:「へへっ。お前らなんかの好きにはさせないよ!!」

 

ボールを受け取ったキャプテンは自身の化身【奏者(そうしゃ)マエストロ】を召喚し、化身シュートの体勢に入る。

マエストロがボールに音エネルギーの層を幾重にもコーティング。それをキャプテンがゴール目掛けてぶっ放した。

 

神童:「[― ハーモニクス ―]!!!」

 

ドガアァァアアアアッ!!!

 

篠山:「させるかぁっ!! はあぁああああ!!!」

 

篠山は自身の化身【機械兵(きかいへい)ガレウス】を召喚し化身キーパー技の態勢に入る。

ガレウスが両肩のシールドアームを併せて巨大な盾を作り、シュートを迎え撃つ。

 

篠山:「[― ガーディアンシールド ―]!!!!」

 

ガガガァァアアアアッ!!!

 

篠山:「ぐっ、シードでも無いくせに、何なんだこのパワーは!?」

 

ガレウスの盾は、マエストロのシュートの音エネルギーが弾ける度に発生する衝撃波により、今にも開きそうだった。

 

神童:「行け!! マエストロ!!!」

 

マエストロはガレウスに突っ込み、ガレウスを殴り飛ばした。

 

篠山:「うわあぁぁあああああっ!?」

 

化身を吹き飛ばされた篠山は一緒に吹き飛ばされ、シュートはゴールに突き刺さった。

そしてここで前半戦終了のホイッスルが鳴り、2ー2の同点で折り返しとなった。

 

ー 雷門ベンチ ー

 

神童:「剣城、お前はシードだろう? なのになぜ勝敗指示に逆らったんだ? 本来なら、お前は万能坂側に付かないと駄目何じゃないのか?」

 

剣城:「勘違いするな。お前らの仲間になった訳じゃない。ただ、アイツらの()()()が個人的にムカついたからだ。だからこの試合だけは共闘してやる」

 

竜太:「一応剣城は嘘ついてないよ? 取り敢えずこの試合だけでも共闘しようぜ?」

 

神童:「何でわかるんだ?」

 

竜太:「俺の「嘘を見抜く」サイドエフェクトが発動したんですよ」

 

神童:「空閑○真!? だが、それだけでも心強いさ。ありがとう」

 

剣城:「ふん·······」

 

すると歩夢先輩や果林先輩、霧野先輩達が、キャプテンに聞いた。

 

歩夢:「神童くん、まだフィフスセクターに逆らうつもりなの?」

 

神童:「ああ。あのサッカーを取り戻すまでは」

 

歩夢:「・・・・勝手にして」

 

円堂:「せつ菜、竜太と交代だ」

 

せつ菜:「それは有りがたいですね」

 

龍也:「よし! 行ってこい!!」

 

― ― ― ― ― ― ― ― ― ―

 

そして後半戦開始の為俺たちが位置につくと、三国さん、キャプテン、信介、天馬、剣城、俺の六人はポジションにつくが、他の五人はサイドラインギリギリのところに突っ立って試合には関わらない気らしい。

 

逆崎:「まだ六人も残ってやがる」

 

磯崎:「構わん。全員潰せ」

 

ピィーーーーーッ

 

そして後半戦開始のホイッスルが鳴り、万能坂ボールで後半戦開始。

 

相手FWの磯崎がボールを持って攻め上がる。

 

磯崎:「どけぇえええっ!!!」

 

竜太:「させるかぁっ!! [超・スノーエンジェル]!!!」

 

ガキイィィイイイイイン!!!

 

俺が氷の舞を舞う。そして発生した冷気が、磯崎を大きな氷柱の中に氷漬けにしてボールを奪う。そして俺はドリブルで攻め上がる。

すると光良がスライディングタックルを仕掛けてきたのでジャンプで躱す。そして潮のディフェンスをアクロバティックな身体を捻りながらの前宙で躱し、シュート体勢に入る。

 

空中で両足でボールを挟む。身体ごと捻りボールに高速回転をかけて空気摩擦で着火。それを渾身のソバットキックでぶっ放した。

 

竜太:「[絶・デスファイア]!!!」

 

ドガアァァアアアアッ!!!!

 

赤黒い死の炎を纏ったシュートが万能坂ゴールを襲う。

 

篠山:「その程度の技!!」

 

篠山は化身を召喚し化身技の態勢に入る。

 

篠山:「[― ガーディアンシールド ―]!!!」

 

ドガアァァアアアアッ!!!!!!

 

篠山:「そ、そんなっ!? ただの必殺技で、何なんだこのとてつもない威力は!?」

 

ドガアァァァアアアアアン!!!!

 

篠山:「うわあぁぁあああああっ!!?」

 

ガレウスの鋼の盾は、デスファイアの死の炎をマトモに受けてドロドロに融解し、シュートはゴールに突き刺さった。

 

 

雷門 3 ー 2 万能坂

 

 

― 続く ―




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第18話:覚醒の雷門

竜太の必殺技、[デスファイア]により篠山の化身が破られた万能坂は動揺を隠しきれなかった。「化身に勝てるのは化身だけ。」それがシードの間では常識であり、当たり前だったのだ。故に彼らは、ただの必殺技で化身や化身技をぶち破る様な常識外れの力を持った者とは、シード養成訓練でも、一度たりとも戦った事は無かった。

 

光良:「う、嘘だろ?」

 

白都:「一体何者なんだ彼奴は?」

 

磯崎:(奴を放置したら間違いなく俺たちは敗ける!! 裏切り者を始末したいが後回しだ)

 

万能坂ボールで試合再開。

 

ボールをMFの毒島が持つと天馬とキャプテンが二人がかりで止めに入る。

 

毒島はボールを逆サイドの逆崎にパス。逆崎に俺がディフェンスに入る。

 

竜太:「行かせない!!!」

 

白都:「かかった!!」

 

逆崎:「喰らえ!!!」ドガアァァアアッ!!!

 

エマ・彼方:「「っ! 竜太くん避けて!!!」」

 

試合には関わらない態度を取っていたエマ先輩と彼方先輩が俺を案じて声を上げる。

しかし、俺が躱せない距離まで十分に引き付けてから蹴った逆崎。ボールはすごいスピードで俺の腹目掛けて飛んでくる。だが、

 

竜太:「おっと!!!」ドガアアッ!!!

 

俺は飛んできたボールを上に蹴り上げて軌道を変え、落ちてきた所をトラップする。

 

潮:「今だ!!!」

 

ボールを俺がトラップした一瞬の瞬間を狙い潮がボールをカットしドリブルで上がる。

 

竜太:「っ、やるな!!」

 

俺は急いで潮を追いかけるが潮は磯崎にパスを出す。

 

潮:「磯崎!!!」

 

ボールが飛んできた磯崎はダイレクトシュートで必殺技を放った。

 

磯崎:「喰らいやがれ!! [バウンド・フレイムッ]!!!!」ドンドンドンッ!!!

 

炎を纏ったボールが左右にジグザクな軌道を描きながら連続でバウンド。ゴールに迫る。

 

三国:「これ以上点は入れさせない!!! [バーニング、キャッチィィイイイ]!!!!!」

 

ガガアアッ!!!

 

三国先輩が炎を纏った燃える右手で、シュートに掴みかかり地面に押さえ付ける。

 

三国:「ぐうぅぅううううう!!!」

 

しかし磯崎のシュートは三国先輩の技を破りゴールに突き刺さった。

 

三国:「くそっ!! 次は絶対に止めてやる!!!」

 

彼方:「やっぱり・・・無理なんだよ.......」

 

エマ:「もう、止めて........っ!」

 

天馬・竜太:「「まだまだぁっ!! 試合はまだ終わってない!!!」」

 

神童:「ああ! 絶対に勝つぞ!!」

 

信介:「僕だって、敗けるもんか!!!」

 

彼方・エマ:((っ!! 何でそこまで......))

 

しずく・かすみ「「天馬くん! 竜太くん! 信介くん! キャプテン! 三国さん!! 頑張ってください!!!」」

 

せつ菜・浜野・天城:(((何でそんなにボロボロになってまで)))

 

雷門ボールで試合再開

 

キャプテンがボールを奪われ、磯崎が攻め上がる。その時、雷門ベンチから、マネージャーの水鳥さんの声が響いた

 

水鳥:「お前ら何をやってるんだ!!! フィフスセクターがどうとか、色々あるのは分かったよ。けど......、それでもアイツらは同じサッカー部の仲間じゃねぇのかよ!!?」

 

せつ菜:「っ!」

 

彼方:「仲間.......」

 

水鳥:「今まで一緒になって汗かいて、ボールを追い掛けて、一緒にやってきたんだろ!? その仲間が、必死になって雷門サッカーを守ろうとしてるんだぞ!! なのにお前ら、何にも感じねぇのかよ!!!」

 

先輩たち:『『『っ!!』』』

 

先輩たちの目は自然と俺達に集まっていた。

 

― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―

 

潮:「喰らいやがれ!!」

 

竜太:「させるかぁっ!! [イグナイトスティール・A]!!!」ボオォオオアアアッ!!!

 

俺が燃える炎のスライディングでボールを奪いキャプテンにパスを出す。

 

竜太:「キャプテン!!」

 

神童:「ドンピシャだ!! 喰らえ!! [フォルテシモ]!!!」ドガアァァアアアアッ!!!

 

俺のパスをキャプテンがダイレクトシュートで必殺技を放つが、

 

篠山:「[― ガーディアンシールド ―]」

 

ガキイィイイイン!!!

 

シュートは呆気なく弾かれボールは前線の磯崎に。

 

磯崎:「どけええっ!!!」

 

信介:「どくもんか!! 絶対に止めてやる!!!!」

 

信介が身体で止めようとするが、かなり小柄な体格の信介は呆気なく吹き飛ばされてしまう。

 

天馬:「三国さん!!」

 

三国:「何としても止めてやる!!!」

 

その時、

 

?:「やああ~~っ!!!」ズザァアアッ

 

磯崎:「何!!」

 

天馬:「な、何で.......()()()()!!!」

 

日より見を決め込んでいた彼方が相手のシュート中の隙をつきボールを奪った。

 

彼方:「ありがとう.......。瀬戸さん、皆。お陰でようやく長い悪夢から覚めたよ。彼方ちゃんも戦うよ~!! 絶対に勝とう!!」

 

エマ:「彼方ちゃんだけじゃないよ!!」

 

神童:「エマ先輩、霧野も」

 

霧野:「すまない神童、今まで」

 

歩夢:「フィフスセクターに私たちのサッカーを見せつけて、サッカーを取り戻そう!!!」

 

天馬:「先輩.......!!」

 

彼方:「一年生たちが付けてくれた革命の火、絶対に消させたりしない。勝つよ~!!」

 

先輩達の目には覚悟という名の炎が燃え上がっていた

 

雷門:「おう(はい)!!」

 

磯崎:「まだ諦めて無かったのか!!!」

 

彼方:「歩夢ちゃ~ん!」

 

ボールは歩夢先輩に渡り、歩夢先輩はドリブルで攻め上がる。

 

磯崎:「させるかぁっ!!」

 

磯崎がスライディングでボールを弾く。ボールは未だにサイドラインギリギリで突っ立って動かない果林先輩の方へ。

 

エマ・彼方:「「果林ちゃん!!」」

 

歩夢・霧野:「「果林先輩!!!」」

 

三国:「朝香!!!」

 

動かない果林先輩。果林先輩には届かないのか!?

 

光良:「どうやらお前だけは賢い様だな!! ボールを寄越せぇぇえええっ!!!」

 

しかし、光良がボールを取る寸前で、果林先輩はボールを前線に蹴り飛ばした。それは、俺へのパスだった。

 

果林:「竜太くん!! 絶対に決めなさい!!!!」

 

磯崎:「そいつにだけは絶対に撃たせるなぁぁああああっ!!!!」

 

竜太:「遅いんだよ!!」ギュンッ!!!

 

俺がシュート体勢に入ると足元に魔方陣が出現。俺は渾身の力で右足を振り抜く。魔方陣から黄金色の剣がゴール目掛けて飛んでいった。

 

竜太:「[爆・オーディンソォォオオオドッ]!!!」

 

ズギャアァァアアアアン!!!

 

土壇場で進化した俺のシュート。相手も化身で対抗しようとするが、

 

篠山:「【機械兵ガレ・・・「ギュンッ!!」は、速っ!?」

 

ドガアァァアアアアッ!!

 

シュートは圧倒的なスピードで、相手が化身を出す隙もなくゴールに突き刺さった。

 

ピッ、ピッ、ピィイイーーーッ!!!

 

ここで試合終了のホイッスルが鳴った。4ー3で俺たち雷門が勝ったんだ!!

 

天馬:「やった!! 勝ったぞ!!!」

 

その光景を、万能坂のシードである磯崎、光良、篠山の三人は茫然と見つめていた。

 

磯崎:「馬鹿な・・・シードが三人もいる俺たちが、たかだか雷門ごときに.......」

 

竜太:「先輩........」

 

果林:「やっと分かったわ。あなたたちがやろうとしていた事が」

 

歩夢・せつ菜:「「今までごめんなさい(スミマセンでした)!!」」

 

天馬:「そんな!? 頭を上げてください!!」

 

円堂:「よしお前たちに聞くぞ? 雷門は今のサッカー界に革命をおこす。それでいいな!!」

 

雷門:「はい!!!」

 

 

ついに全員の気持ちが1つになった雷門イレブン。ここからが、本当の始まりだ!!

 

 

― 続く ―




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第19話:練習だ!!

今回は短めですではどうぞ。


俺たち雷門が今の高校サッカーに革命を起こすと遂にチーム全員が心に決め、次の準決勝までの練習中、

 

竜太:「果林先輩!!」

 

デイフェンスの合間を縫い先輩に綺麗なノールックパスが通る。

 

果林:「ナイスパス!! 三国くん行くわよ!! [きらきらスターダスト・改]!!!」

 

ドガアァァアアアアッ!!!

 

果林先輩の星屑のエネルギーが込められたシュートがゴールに迫る。

 

三国:「止める!!! [バーニングキャッチ・改]!!!!」

 

ガガアアアアアッ!!!

 

果林先輩と三国先輩の技はこの2日間で進化し、強まった威力で押し押されを繰り返す。そして、

 

バシィイイッ

 

対決は三国先輩に軍配が上がり果林先輩のシュートを止めた。

 

円堂:「よし! ナイスキーパーだ三国!!」

 

三国:「はい!!」

 

円堂:「次!!」

 

天馬がドリブルで上がりそこにせつ菜先輩がディフェンスにはいる。

 

天馬:「[そよ風ステップ]!!!」

 

天馬の必殺技は進化までは行かないが最近キレを増して来ている。もうすぐ進化しそうだな。

 

天馬:「歩夢先輩!!!」

 

パスを受け取った歩夢先輩は右足でボールの左半分を上から踏み潰しボールに強烈なジャイロ回転をかけて上にあげ、そのボールを右足で振り抜いた。

 

歩夢:「[スパイラルショット]!!!」

 

ドガアァァアアアアッ!!!

 

三国:「[バーニングキャッチ・改]!!!」ガガアアアアアッ!!!

 

三国先輩が火力を増した炎を纏った燃える右手で、スパイラルショットに掴み掛かり地面に押さえつける。

 

バシィイイッ!!!

 

三国先輩は歩夢先輩の技を軽く防いで見せた。

 

円堂:「よし今日の練習はここまでだ。明日は練習は休みだから各自好きに過ごせ」

 

雷門:「はい!!!」

 

俺たち一年が用具を片付けていると果林先輩、歩夢先輩、せつ菜先輩が話しかけてきた。

 

果林:「竜太くん、ちょっといいかしら?」

 

竜太:「何ですか?」

 

歩夢:「ちょっと居残り練習に付き合って欲しくて。後出来れば何か技を教えてくれないかな?」

 

竜太:「技ですか?」

 

せつ菜:「先輩が後輩に頼むのは先輩の身としては恥ずかしいですけど、それを承知で言ってます。お願いできませんか?」

 

竜太:「う~ん。教えたいのは山々何ですけど、皆さんも知ってる通り、今まで見せた俺の技はどれも世界レベルの技で、身体への負担が大きいんですよね。先輩たちの今の身体能力で使おうとすれば、確実に身体を痛めます。なので先ずは基礎体力や身体能力強化を重点的にやった方が良いかと」

 

果林:「そうなのね......」

 

竜太:「皆さんの実力が十分なレベルまで上がったらちゃんと教えますから」

 

歩夢:「分かったよ。じゃあ私達の練習を観てくれないかな?」

 

竜太:「俺で良ければ喜んで」

 

彼方:「あっ、竜太くん残るの~? じゃあ私も~」

 

先輩たちが言うには、彼方は本来凄くおっとりした性格らしく、やっと最近本来の彼方が戻ってきたと先輩たちが言っていた。・・・なんか可愛い/////

 

エマ:「私も良いかな?」

 

エマ先輩も前は気を張り積めてピリピリしていたが、ここ最近になって昔のほんわかした優しい雰囲気のエマ先輩が戻ってきたとこの間三国さんが言っていた。

 

竜太:「じゃあ練習始めましょうか」

 

彼方:「というか竜太くんは自主練はどんなことしてるの~?」

 

竜太:「一通りやってから一眠りすればほぼ覚えられます」

 

歩夢:「「強化○眠記憶」!?」

 

竜太:「皆さん「ワールド○リガー」知ってるんですね」

 

せつ菜:「本当にそれで覚えてるんですか!?」

 

竜太:「そんなわけ無いでしょ。頭大丈夫?」

 

せつ菜:「腹立つ! この子腹立つ!!」

 

地団駄ふむせつ菜先輩。まったく、

 

竜太:「普通に毎日の積み重ねに決まってるでしょ? まぁ人より覚えは良い方だと思いますが」

 

先輩:「よかったぁ~」

 

そしてその日は暫く居残りで練習して、帰るために着替えていた。

 

― 女子更衣室 ―

― 彼方 side ―

 

練習を終えて、帰るために皆で着替えている時に、歩夢ちゃんが「竜太くんをどう思う?」と話題を振り、その流れでこの間のハグの事を話してみた。

 

彼方:「竜太にハグされると凄い気持ちいいんだよ~。今度皆もやってもらえば?」

 

果林:「ハ、ハグ!?」

 

歩夢:「エマさんやってもらったんですか?」

 

エマ:「私と彼方ちゃんはちょっと前にね。今思い出しても気持ちよかったな~。お日様に包まれてる見たいで。流石果南さんの息子だと思ったよ」

 

果林・歩夢・せつ菜:「「「ゴクリ」」」

 

せつ菜:「もしかして好きなんですか?」

 

彼方:「う~ん? よく分からない」

 

エマ:「私も。今まで恋ってしたことなかったからなぁ」

 

歩夢:「そ、そうですか(スゴい気になる)」

 

エマ:「そう言う皆はどうなの?」

 

歩夢:「私たちが勘違いしてただけで、良い子なのは分かりましたけど・・・まだよく分からないです」

 

せつ菜:「私も同じですね。でも、竜太くんとやるサッカーは楽しいです!! ハリセンでシバくのは止めて欲しいですけど........」

 

彼方:「私明日練習休みだから一緒に出掛けようって竜太と約束した~」

 

果林・歩夢・せつ菜・エマ:((((それってデート!?))))

 

女子がガールズトークで盛り上がるなか、この男は、

 

― 男子更衣室 ―

 

竜太:「ぶうぇっくしゅん!!(風邪か?)」

 

 

― 続く ―




次回、竜太と彼方のデート回。

代われ('言')

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第20話:彼方とのデート1

俺はこの間の月曜日に、今度の祝日に一緒に出掛けよう?と彼方から誘われたので家で準備していた。

 

竜太:「えっと、髪型と服装はこれで良いな。財布も持ったしスマホの充電も満タンと」

 

待ち合わせは「9:30に河川敷駅前の銅像前」で今は8:50分。歩いていっても9:05分には着く。

 

竜太:「女の子を待たせるよりは良いな。行ってきます」

 

木枯らし荘を出て待ち合わせ場所へ向かう俺。因みに天馬は葵とショッピングに行くらしい。まぁあの二人は幼馴染らしいからな。・・・リア充が。(お前が言うな(天の声))

 

― 駅前 ―

 

俺が待ち合わせ場所に着き15分ほど経つと彼方が走ってきた。

 

彼方:「ごめ~ん。お待たせ~」

 

竜太:「いや時間ぴったり......っ!?////」

 

彼方の服装は薄黄色のシャツにライトブルーのフレアスカートでシンプルな服装だが彼方のユルくウェーブのかかった長い栗色の髪も合わせて良いところのお嬢様見たいな雰囲気を醸し出していて破壊力がヤバかった。可愛い可愛い超かわいい////

 

竜太:「あ~先輩その服可愛いですね........。見とれてました」

 

彼方:「むーー!! 「先輩?」呼び捨てにしろって言ったよね~?」

 

竜太:「あっ、ゴメン()()

 

すると彼方は満面の笑顔を浮かべ俺の左腕に自身の腕を絡めてきた

 

彼方:「じゃあ行くよ~。ちょっと商店街に行きたいお店があるんだ~」

 

竜太:「っ!!お、OK......。じ、じゃあ・・・行くか」

 

そして俺と彼方が彼方のお目当ての店に向かうと、若いカップルがたくさん並んでいた。

 

爆ぜろリア充ども(←だからお前が言うな。)

 

彼方:「私ここのフルーツパフェ食べたかったんだけど男女ペアメニューの上に1人じゃあ来づらかったんだ~」

 

竜太:「ああ、それで俺を誘ったわけね。それだったら彼氏と来れば・・・彼方可愛いし美人何だから彼氏ぐらいいるだろ?」

 

彼方「(かっ、可愛い////)彼方ちゃん彼氏なんかいたこと無いよ~」テレテレ

 

竜太:「マジ? 周りの男共見る目無ぇな~」

 

彼方:「そんなこと言ってくれるの竜太くんだけだよ~。ねぇ? 良かったら付き合う?」

 

竜太:「マジか!? 宜しくおね・・「冗談だけどね~?」・・今度覚えておけよ」

 

彼方:(うわぁ~!! 私のバカ!! 何で冗談の一言で消し炭にしちゃうの~!?!?)

 

そして俺たちの番になり、店のなかに入って席に座り彼方が注文する。

 

彼方:「この「ミックスフルーツパフェ」下さい」

 

店員:「そちらは()()()()()()メニューとなりますので確認のためキスをお願いします」

 

竜太・彼方:「「き、ききき、キスーーーー!?」」

 

竜太:「あの、どうしてもやらなきゃダメですか?」

 

店員:「はい!! ルールですので。恥ずかしければ頬っぺでもOKですよ?」

 

彼方:「じゃあ竜太くん、頬っぺたに良いよ~//////」

 

そう言い俺に頬を向ける彼方

 

竜太:「い、良いのか?」

 

彼方:「う、うん。恥かしいけど」

 

くっ、女の子にここまで言わせてヘタレたら男が廃る!!

 

チュッ

 

俺は彼方の頬にキスした。すると彼方の顔は茹でだこのように真っ赤になっていた。

 

店員:「ハイ確かに。「ミックスフルーツパフェ」1個注文入りまーす」

 

そしてパフェが来るまで気まずかったのだが、

 

竜太:「ご、ごめんなさい。嫌だったよな?」

 

彼方:「う、ううん。嫌じゃ・・・・無かったよ?(やっぱり好きなんだ。私.......)」

 

竜太:(嫌じゃ無いって、彼方まさかキスくらいなら誰とでもする訳じゃ無いよな?)

 

先程彼方に冗談で「付き合うか?」と言われ、にも関わらずキスは嫌ではないと言われ彼方の気持ちも知らずに勘違いを拗らせる唐変木。

 

 

パフェを運んできた店員をうらめしげな顔で睨み彼方と二人でパフェを完食し、アーケードを抜けてスポーツショップに向かう。すると、

 

竜太:「あれ? 剣城?」

 

彼方:「えっ? あっ、本当だ~」

 

剣は稲妻総合病院へ入って行った

 

竜太:「悪い彼方、ちょっと後をつけて........ムンズ彼方?」

 

彼方:「私も行く~」

 

そして二人で剣城の後をつけるととある病室に入ったのを確認した。

 

竜太:「お見舞いか?」

 

すると剣城が部屋から出て来たのでその隙に病室を確認した

 

竜太:「剣城(つるぎ)優一(ゆういち)?」

 

?:「誰か居るのか?」

 

部屋の中から声が聞こえたのでおずおずと扉を開けた。

 

竜太:「スミマセン。病室の前で」

 

?:「君たちは?」

 

竜太:「俺は雷門サッカー部一年の大海竜太です」

 

彼方:「同じく三年の近江(このえ)彼方(かなた)です」

 

?:「ああ、京介のチームメイトか。俺は京介の兄の剣城優一だ。宜しく」

 

竜太:「どうも。・・・足ですか?」

 

優一:「ああ。昔事故に遭って動かなくなってしまってね。そう言えば大海って......、「お前ら!! 何やってる!!!」」

 

彼方:「っ!?」

 

やべっ! 気付かなかった!

 

優一:「京介。なに、ちょっと話し相手になってもらっただけだよ。1人で病室にいても暇だからね」

 

剣城:「兄さん・・・お前ら、今すぐ帰れ!!「京介!!チームメイトにその言い方は何だ!!!」っ!」

 

竜太:「大丈夫です。じゃあ俺たちは帰ります。「君たち・・・すまない」良いですよ。じゃあ俺たちはこれで」

 

そして俺と彼方は病院を後にした。

 

優一:「京介......」

 

剣城:「ゴメン、兄さん」

 

優一:「明日謝っておけよ?」

 

剣城:「ああ。分かったよ」

 

優一:「そう言えば、大海龍也さんが雷門のコーチになったって言ってたな?」

 

剣城:「アイツは龍也さんの息子だよ」

 

優一:「へぇ。スゴいな。京介にとっても良いライバル何じゃないか?何せ俺は豪炎寺(ごうえんじ)さんに、そして京介は、()()()()に憧れて、サッカーを始めたんだからな」

 

剣城:「・・・・・・・・」

 

― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―

 

病院を出た俺と彼方は近くの公園にやって来ていた。

 

竜太:「はい、オレンジジュース」

 

彼方:「ありがとう~。・・・・剣城くん、お兄さんに自分がシードだってこと言ってないのかな~。お兄さんの口振りだとそう感じたんだけど」

 

竜太:「だなぁ。お兄さんの口振りだとサッカー凄く好きそうだし、言えないんじゃないか?」

 

彼方:「かもね~」

 

俺が芝生に横になると、彼方が俺の頭を持ち上げて自分の膝を俺の頭の下にいれた。

これって膝枕!?///

 

彼方:「剣城くんのお兄さんの足、治るのかな~?」

 

竜太:「まぁ治らない怪我もあるけど、そうじゃないと良いな。後、彼方?」

 

彼方:「何~?」

 

竜太:「好きでもない男にこう言うことしない方が良いぞ?」

 

彼方:「・・・・分かってるよ~。心配しなくても心を許した人にしかしないよ~(はぁ、やっぱりあの告白を自分で消し炭にしちゃったのが悔やんでも悔やみきれないよ~.......)」

 

俺と彼方はお昼まで暫く公園でゆっくり過ごした。

 

竜太:(彼方、取り敢えず心を許したって言ってくれたしただの友達以上ってことで良いのかな? あと膝枕気持ち良い////)

 

 

 

― 続く ―




竜太羨まし罪でギルティ!!
裁判官判決を!!

裁判官:「被告人を紐無しバンジージャンプの刑に処す。('言')」

感想・評価宜しくお願いします。

竜太爆散しろ。(`Д´)ケッ。


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第21話:彼方とのデート2

今回はかなり短いです。


ではどうぞ。


俺と彼方はあの後近くのファミレスに入り昼ごはんを食べ、後は何をしようか?と話しているとやっぱりサッカーと言うことになったため、俺はサッカーボールを取りに、彼方は運動しやすい格好に着替える為、一旦家に戻った。

 

彼方:「竜太くん~、お待たせ~」

 

俺が先に河川敷グラウンドで待っていると、ジャージに着替えた彼方がやって来た。

 

竜太:「よし! じゃあやろっか!!」

 

俺と彼方の勝負が始まる。俺がドリブルで彼方を抜きにかかるが彼方も必死に食らい付く。

俺が左右への連続フェイントで彼方を揺さぶるが何とか付いてくる彼方。結構レベルアップしてるみたいだな。

 

竜太:「やるな!! けど、」

 

俺が素早くルーレットを仕掛けると彼方は反応しきれずに抜かれた。

 

彼方:「あ~もう、悔しいな~」

 

竜太:「じゃあ攻守交代な? 彼方オフェンス」

 

彼方:「うん~」

 

彼方が攻める番になり俺がディフェンスに入る。彼方はシザースから右(俺から見て)に切り返すがその程度で抜かれる俺ではない。そして彼方の動きが一瞬遅くなった瞬間カットした。

 

彼方:「また負けた~」

 

竜太:「大丈夫。焦らず少しずつ上手くなろう?」

 

彼方:「・・・・うん!」

 

竜太:「よし! じゃあ二本目行くぞー!!」

 

彼方:「よ~し! 来~い!!」

 

俺がドリブルで突っ込むと彼方は必殺技を使ってきた。どんな技でも俺は破る自信があったのだが、1度目でその考えを改めることになる

 

彼方:「[フェアリ~ゾ~ン~]!!!!」

 

彼方が桃色の光を帯びた両手を地面に叩きつけると彼方を中心に半径4メートル程の半球体状のピンク色のドームが広がり、その中に突っ込んだ俺は身体に力が入らなくなり地面に倒れふしボールを奪われた。

 

彼方:「やった~! 取った~~~!!!」

 

竜太:「やられた。彼方あんな技を使えたのか」

 

彼方:「えへへへ~。褒めて褒めて~」

 

竜太:「凄いよ。偉い偉い」ヨシヨシ

 

彼方が俺の背中に手を回してハグしてくる。ねぇ? さっきから俺ご褒美貰い過ぎちゃう? 明日死ぬとか勘弁だぞ?

 

そして夕方まで一緒に練習し、今日は帰ることになったのだが

 

彼方:「良かったらウチで夕飯食べて行かない?」

 

竜太:「えっ? 俺は良いけど.......」

 

彼方:「よ~し決まり~、じゃあ行こ~~!!」

 

うん。絶対に何かしっぺ返しがあるよ。だって普通に考えてこんなことある? 彼女だったら分かるよ? けど付き合って無いんだよ?

 

そして恐る恐る周囲を警戒しながら彼方の家に行き、彼方が夕飯を作ってくれることになった。道中彼方からは「何やってるの?」と変な目で見られたが命に関わる可能性があるのでスルーする。

 

彼方:「じゃあ作っちゃうね~」

 

俺が彼方の夕飯を待っていると誰かが入ってきた。

 

?:「ただいまー。えっ? あなた誰ですか?」

 

彼方:「お帰り~(はるか)ちゃん~。お姉ちゃんの部活の後輩だよ~? 今日一緒に出掛けるって言ってた人~。」

 

遥:「ふ~ん。貴方が。どうも、妹の近江遥(このえはるか)です」

 

竜太:「どうも。大海竜太です」

 

遥:「大海? 大海ってまさか........」

 

彼方:「うん。龍也さんの息子だよ~?」

 

遥:「本当に!? ってことは果南さんの息子でもあるよね!?」

 

竜太:「そ、そうだけど?」

 

なんだこの子!? 目が血走ってるんだけど!!

 

彼方:「ゴメンね~? 遥ちゃんは果南さんの熱狂的な大ファンでさ~」

 

聞くと妹さんは中学3年生で今年が中学サッカー最後の大会らしい。こんなところでも母さんのサッカーに携わる女性への人気は凄まじいのか........

 

竜太:「そうなんだ。良かったら母さんに今度サイン書いて貰おうか?」

 

遥:「本当に!? お姉ちゃん!! この人凄く好い人じゃない!! 付き合っちゃいなよ!!!」

 

竜太・彼方:「「っ!?////」」ボッ

 

そして妹さんも交えてご飯を食べて俺が帰ろうとすると彼方と妹さんが玄関先まで見送ってくれた。

 

竜太:「じゃあまた明日。彼方」

 

彼方:「また明日ね。竜太くん~」

 

遥:「呼び捨て!!?」

 

 

そして彼方との1日は終わった。

 

 

明日からまた練習だ!! けどさ、悪いこと本当に起きないよね? ああ......、なんか緊張で胃がキリキリする。

 

 

 

― 続く ―




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第22話:県予選準決勝に向けて

授業が終わりミーティングルームに集まった俺たち。土曜日は準決勝なのでおそらくその話だろう。

 

円堂:「皆も知ってる通り、雷門の準決勝の相手は「帝国学園(ていこくがくえん)」に決まった」

 

龍也:「帝国は厳しい訓練により(つちか)われた、攻守共に高いレベルで統率のとれた組織的なサッカーを得意としている。今の雷門で互角に渡り合えるのは竜太くらいだろうな」

 

親父がそう言うと全員の目が俺に集まる。そういう言い方止めてくれないかな

 

天馬:「帝国って、かつて40年間無敗で全国優勝し続けた全国屈指の超強豪ですよね!?」

 

円堂:「ああ。表向きはな」

 

神童:「表向き?」

 

龍也:「かつての帝国の総帥が勝つためには手段を選ばない卑怯なやつでな。サッカー部とは無関係の自校の生徒をけしかけて対戦相手の学校のサッカー部員ともめ事を起こさせて不戦勝を得たりな。そんなやり方を40年も続けてたんだ。もしあいつが今もいたら、絶対にフィフスセクターには従わないだろうな。「どんな形でも勝ちは勝ち」、「勝利こそ正義」って言う奴だったから」

 

歩夢:「そんな人が監督何だ」

 

円堂:「ん? 違うぞ。ソイツは22年前のFFIの最中にに海外で交通事故にあって亡くなった。今の帝国の監督は「鬼道(きどう)」だ」

 

それを聞いた瞬間、皆がザワついた。

 

せつ菜:「鬼道!? まさか、初代イナズマジャパンの天才ゲームメーカー「鬼道(きどう)有人(ゆうと)」さんですか!?」

 

海未:「その通りです。そしてコーチは「佐久間次郎(さくまじろう)」。私たちのイナズマジャパン時代の仲間です」

 

エマ:「てことはイナズマジャパンの二人が監督とコーチって事ですか?」

 

彼方:「なんか勝つ自信が無くなってきちゃった......」

 

竜太:「監督もコーチも元イナズマジャパン。雷門も一緒じゃん」

 

歩夢:「そうだよね。私たちだって伝説のイナズマジャパンの二人に教えて貰ってるんだもん。これからの練習次第で勝てるよ!!」

 

果林:「そうね。練習よ!!」

 

以前とは部内の空気が良い方向に大きく変わった。良いことだ

 

その日の練習は何と制限時間10分で俺たち15人(しずくは怪我が治っていないため除外)vs初代イナズマジャパンの親父、海未先生、円堂さんの3人の15vs3の変則ゲームだった。円堂さんと三国さんが其々キーパーに入る。

 

海未:「行きますよ。大海くん」

 

龍也:「おう」

 

ピィーーーーッ!!

 

マネージャーの葵が笛を吹きゲーム開始

 

それと同時に親父と海未先生がパスを回して攻め上がって来た

 

海未:「大海くん!!」

 

ボールを受け取った親父を果林先輩とキャプテンが二人がかりで止めに入る。

 

龍也:「[スプリントワープ・Gx(ジーエックス)]!!!」ビュンッ、ビュンッ、ビュンッ!

 

果林:「嘘!? 速っ!!」

 

天馬:「止める!!」

 

天馬がスライディングを仕掛けるが海未先生とのワンツーパスで抜き去る。

 

せつ菜・歩夢・かすみ:「「「行かせません!!」」」

 

せつ菜先輩達が三人でディフェンスに入るが、

 

龍也:「[ウルトラムーン・S]!!」

 

がら空きの上を綺麗な宙返りで躱して抜き去り、海未先生にパスを出す。

 

彼方:「エマちゃ~ん、浜野く~ん!」

 

今度は彼方とエマ先輩と浜野先輩が三人で海未先生を止めにかかるが、時には膝、時には頭、そして踵と足にボールが吸い付いてるかの様なトリッキーな動きに抜き去られた。

 

海未:「大海くん!!」

 

パスが親父に通り霧野先輩、天城先輩、璃奈、信介が今度は四人で止めに入る。

 

霧野:「止めて見せる!!」

 

親父が突っ込んで霧野先輩を高速ルーレットで抜き去った直後、天城先輩の必殺技が襲う。

 

天城:「[ビバ!万里の長城]!!!」

 

天城先輩が高く聳える万里の長城を呼び出しブロックを試みるが、あろうことか親父は万里の長城の壁を垂直にドリブルしながらかけ上がり上から抜き去った。

 

天城:「だド!?」

 

信介:「璃奈ちゃん!!」

 

璃奈:「オッケ~」

 

信介と璃奈が親父の着地直後を狙うが、親父は着地する前に空中で海未先生にパスを出す。

 

龍也:「園田!!」

 

竜太:「貰った!!」

 

海未先生へのパスをカットしようと足を伸ばすがボールには強烈なバックスピンがかかっており俺の足に触れる前に、着地を完了しゴール前へと走る親父の元へ戻った。

 

龍也:「[ひとりワン・ツー・A]!!!」

 

遂に、親父と三国先輩が1vs1になる。

 

三国:「俺に止められるのか.....?龍也さんのシュートが「三国!! 行くぞ!!」は、ハイ!!」

 

親父が跳ぶと背後に武士型のマジンが現れ親父がシュート体勢に入るとマジンが刀を振り上げ、親父が左足を振り抜くと同時に刀を降り下ろす。

 

龍也:「[スサノオブレード・Gx]!!!」

 

ドッゴオオォォォオオオオオオン!!!

 

三国:「くっ!! [バーニングキャッチ・改]!!!」

 

ガガァアアアアッ!!!

 

三国先輩が燃える右手でシュートに掴みかかるが、

 

三国:「(なっ!? 何だ!! この凄まじいパワーは!?)うわぁぁああああ!!?」

 

ザシュウッ!!

 

果林:「す、凄い......!!」

 

神童:「あれが伝説のシュート技・・・[スサノオブレード]!!」

 

龍也:「よし! まだまだ行くぞ!!」

 

雷門:「は、ハイ!!」

 

それから毎日みっちり練習し、いよいよ帝国戦の朝を向かえた。

 

 

― 続く ―




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第23話:開戦!vs帝国学園

俺達雷門イレブンはインターハイ東京都予選準決勝の為、対戦校である帝国学園にやって来た。

 

円堂:「よし、じゃあスタメンを発表する

 

FW      大海  果林

 

MF    松風  神童  浜野   

 

ボランチ      かすみ

 

DF  璃奈  彼方  霧野  エマ

 

GK        三国  で行く」

 

天馬:「竜太がスタメンかぁ」

 

浜野:「こりゃ勝ったも同然っしょ!!」

 

ん~?なんかチームの空気が宜しく無いな。間違いなく俺はボールに触れない程徹底的にマークされるって云うのに。

 

竜太:「そんな簡単な話じゃ無いですよ?」

 

龍也:「その通りだ。前の万能坂戦で竜太はただの必殺技で化身技を破っている。つまりそれはキーパーが化身を持たないチームにとって「竜太にシュートを撃たれたら即失点」を意味している。俺と円堂の予想では、鬼道なら恐らく竜太に三人は付けてくる。だから竜太をアテにしてたら、敗けるぞ?」

 

雷門:「っ!!」

 

円堂:「チーム全員で1つになってぶつかれば必ず勝てる。行ってこい!!」

 

雷門:「ハイ!!」

 

そしてスタートの為両チーム位置につく。

 

スターティングメンバー

 

帝国

 

GK        雅野

 

DF  五木  大瀧  龍崎  成田

 

ボランチ      飛鳥寺

 

MF    蒲田  佐々鬼 洞沢

 

FW      御門  逸見

 

雷門

 

FW      大海  果林

 

MF    天馬  神童  浜野

 

ボランチ      かすみ

 

DF  璃奈  彼方  霧野  エマ

 

GK        三国

 

ピィーーーーッ!!

 

そして雷門ボールで試合開始のホイッスルが鳴り、キャプテンにボールを預けて俺と果林先輩は攻め上がる。

 

鬼道:「(見せてもらうぞ円堂、大海、お前たちの育てる雷門を。 )五木! 大瀧! 飛鳥寺! 大海に三人で付け!! 徹底的に封じ込めろ!!」

 

五木・大瀧・飛鳥寺:「「「了解!!!」」」

 

龍也:「やはりそう来たか」

 

親父たちの予想通り帝国は俺に三人のマークを付けてきた

 

神童:「(大海には出せないか・・・なら!!)浜野!!」

 

ボールは右サイドの浜野先輩に渡り、相手MFの洞沢(ほらさわ)がディフェンスに来る。

 

浜野:「[波乗りピエロ・改]!!!」

 

浜野先輩はボールの上に玉乗り。そして水化したフィールドの上をザブザブと玉乗りしながら波乗り。洞沢を抜き去った。

 

成田:「そこだぁっ!!」

 

しかし洞沢の背後にDFが隠れており、技の終了直後の一番無防備な瞬間を狙いボールをかっ拐っていった

 

成田:「佐々鬼!!」

 

ボールは山なりに佐々鬼(ささき)に飛ぶ。が、

 

かすみ:「やらせませんよ~!!」

 

佐々鬼:「なにっ!?」

 

かすみは佐々鬼へのパスを空中でカットしドリブルで持ち込む。しかし、

 

蒲田:「やらせるかよ!! 洞沢!!!」

 

相手MFの蒲田(かばた)と洞沢がかすみの周りを左回りに高速で走り回る。かすみを中心に渦潮が発生し、中心にいたかすみは渦の中に引き摺り込まれボールを奪われた。

 

蒲田・洞沢:「「[サルガッソー]!!!」」

 

そしてボールを奪った相手は逆サイドのFWの逸見にパスを出し、ボールを受け取った逸見はシュート体勢に入る。

 

逸見が指笛を吹く。すると虹の七色のペンギンがボールに突っ込んで来て、ボールにオーラとして纏わりボールが七色に輝く。そのボールをシュートすると七色のペンギンに戻り、1匹1匹それぞれ違う角度でアーチを描きシュートとともに雷門ゴールに突っ込んで来る。

 

逸見:「[皇帝ペンギン7(セブン)]!!!」

 

しかしエマ先輩がタダでは通さないとシュートブロックに入る。

 

エマ:「やらせない!! [守護騎士の盾]!!!」ガガアアッ!!

 

!? あれはかつてのイギリス代表のシュートブロック技! エマ先輩あんな技使えたのか!!

 

そしてシュートは盾に弾かれボールはかすみが押さえた

 

かすみ:「今度はこっちの番です!!」

 

 

 

試合が白熱する中、とある場所で、

 

― 稲妻総合病院 ―

 

優一:「京介・・・行かなくて良いのか?」

 

剣城:「アイツらなら、俺がいなくても大丈夫だよ」

 

優一:「京介、だが・・・「俺、飲み物買ってくるよ」ああ」

 

 

 

 

ピッ、ガコンッ!

 

剣城:「? っ! 黒木さん」

 

黒木:「お前はなぜ試合に出ない? フィフスセクターのシードとしての役目、忘れた訳では有るまいな?」

 

剣城:「心配しなくても、雷門はここで負けますよ。帝国は元々の能力が高い上に、厳しい練習によりシードでない者もそれに近い力を持ってます。それに帝国には、シードが4()()いる。大海一人が頑張った所で、手も足も出ないでしょう」

 

黒木:「・・・だと、良いがな」

 

― 優一 side ―

 

とんでもない話を聞いてしまった。京介が、フィフスセクターのシード!? 一体なぜ・・・まさか?

 

黒木:「これでもしも雷門が勝つようなことが有れば、お前の兄の足の治療費の話は無いと思え」

 

優一:(!! やはり......)

 

そして俺は病室に戻った

 

剣城:「兄さん、戻ったよ。・・・兄さん?」

 

優一:「・・・お前、シードなのか?」

 

剣城:「っ!! な、何でそれを.......」

 

優一:「さっきお前が話してるのを聞いた」

 

剣城:「・・・そう」

 

優一:「勝敗を管理して、今までの心の奥から熱くなるあのサッカーを奪ってきた組織フィフスセクター。勝てば嬉しく、負ければ悔しいそんな当たり前のことで熱くなる、サッカーってそう言う物だろ!!」

 

剣城:「・・・・・・・・・」

 

優一:「お前は、治療費なんかの為に、俺が・・・・俺たちが大好きだったサッカーを裏切ったんだ!!! 二度と・・・来るな!!」

 

剣城:「分かったよ......」

 

そして京介は、部屋を出ていった。

 

優一:「すまない・・・・京介。俺に悪いと思うなら、雷門を勝たせてくれ!!」

 

扉の向こうから誰かが走っていく音がした。

 

― 続く ―




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第24話:激闘!vs帝国学園

白熱する雷門vs帝国戦。逸見の[皇帝ペンギン7]をエマ先輩が防ぎ、弾いたボールをかすみが押さえてドリブルで攻め上がる。

 

龍崎:「行かせるか!!」

 

かすみが左右にフェイントで揺さぶるが龍崎は全て着いていっている。そして一瞬の隙にボールを奪われる。

 

龍崎:「佐々鬼!!」

 

山なりの軌道でパスが佐々鬼に通り攻め上がってくる。

 

彼方:「行かせないよ~! [フェアリ~ゾ~ン]!!」

 

彼方は桃色の光を纏った両手を地面に叩き付ける。すると彼方を中心に桃色の半球体状のドームが広がる。その中に突っ込んだ佐々鬼は身体の力を奪われ膝を付き、彼方はその隙にボールを奪う。

 

ボールを奪った彼方が浜野先輩にパスを出すと、DFの成田がディフェンスに来る。それを浜野先輩はチェンジオブペースの急加速で抜き去った。

 

そして浜野先輩は果林先輩にパスを出す。

 

龍崎:「お前たちに見せてやる。来い! 我が化身、【龍騎士テディス】よ!!!」

 

龍崎の背から黒いモヤが発生し、龍のような人のような姿を形作り、その中から現れたのは緑色の、翼の生えたアーマーを見に纏い、持ち手の反対側にもブレードのついた、双刃の剣を持った騎士の化身だった。

 

龍崎:「[― ドラゴンストーム ―]!!!」

 

防御態勢に入ったテディスが剣を持ち手の部分を中心にグルグル回転させる。するとその風圧で竜巻が巻き起こり果林先輩を上空に吹き飛ばした。果林先輩は地面に落下し、

 

グキッ!!

 

果林:「っ!」

 

なんとか着地したが足を捻ってた様に見えた。大丈夫か?

 

竜太:「先輩!!」

 

果林:「だ、大丈夫」

 

ボールを奪った龍崎から、FWの御門への超ロングパスが通る。

 

御門:「来い! 我が化身、【黒き翼レイヴン】!!」

 

御門の背から黒いモヤが発生し鳥の様な姿を形作り、その中から現れたのは漆黒の体毛を持つカラスのような化身だった。

 

御門とレイヴンが飛び上がり、雷のオーラが込められたボールを御門がゴールめがけて撃ち下ろす。そしてレイヴンが右手の爪でボールを切り裂き、鋭い爪跡の様なシュートが雷門ゴールを襲う。

 

御門:「[― レイジングクロウ ―]」

 

エマ:「させない!! [守護騎士の盾]!!!」

 

ガガアアッ!!

 

エマ先輩が右手に鋼の盾を出現させ、勢いよく化身シュートに盾を付き出す。

 

ビキビキビキ

 

エマ:「ぐうぅぅううう!!!」

 

御門:「無駄だ!!」

 

レイヴンが左手の爪を一振りし、エマ先輩の盾を切り裂き、エマ先輩は吹き飛ばされた。

 

エマ:「キャァアアアアア!!!」

 

ガクッ!

 

エマ:(痛っ!)

 

三国:「絶対に止めてやる!! [バーニングキャッチ・改]!!!」

 

三国先輩が、以前よりもパワーを増した燃える右手でシュートに掴みかかり地面に押さえつける。

 

三国:「ぐうぅぅぉおおおおあああ!!!」

 

御門:「無駄だと言っている!!」

 

レイヴン:『ギャォォオオオ!!』ブォンッ!!

 

レイヴンが爪で三国先輩の技を切り裂き、シュートはゴールに突き刺さった。

 

ピッ、ピッ、ピィーーーッ!!!

 

ここで前半終了のホイッスルが鳴り、ベンチに戻る両チーム。

 

円堂:「朝香、ヴェルデ、足を見せてみろ」

 

果林:「だ、大丈夫です。このくら痛っ!!」

 

円堂さんが抵抗する果林先輩のソックスを無理矢理り捲ると果林先輩の足は真っ赤に腫れ上がっていた。やっぱり捻ってたのか。

 

円堂:「さっき地面に着地した時だな?」

 

果林:「・・・・はい」

 

円堂:「ヴェルデは?」

 

エマ:「さっきブロックしたときに引き摺られて、腫れてはいませんけど足に力が入りません」

 

円堂:「仕方ない。ヴェルデは信介と交代。FWは、「待ってくれ!!」?」

 

剣城が息を切らしてフィールドに駆け込んで来た。

 

剣城:「俺を試合に出してくれ!!」

 

果林:「はぁ!? 何言ってるの!? そんなこと出来るわけ無いでしょ!!」

 

剣城:「頼む!! ・・・(·)(·)(·)(·)!!」

 

ん?何か剣城の雰囲気が変わった気がする。親父たちもそれを感じ取っており、

 

龍也:「ふむ.......、前とは目が変わったな。良し。良いよな? 円堂?」

 

円堂:「ああ。何があったかは知らないが、今の剣城なら。剣城、朝香と交代だ。FWには入れ」

 

剣城:「っ! はい!!」

 

神童:「監督!?」

 

竜太:「大丈夫です。「大海(大海くん)?」今の剣城なら」

 

選手交代

 

朝香 out → in 剣城

 

ヴェルデ out → in 西園

 

フォーメーション

 

FW     大海  剣城

 

MF   天馬  神童  浜野     

 

ボランチ     中須

 

DF 天王寺 近江  霧野  西園

 

GK       三国

 

竜太:「帝国絶対ぶっ潰す」ボソッ

 

雷門:ゾクッ(何だ? この寒気は?)

 

龍也:「あ~帝国やっちまったな」

 

天馬:「何がですか?」

 

龍也:「竜太は俺と似て仲間が傷つけられるのは我慢ならないんだ。朝香とヴェルデがやられてここまで怒るって事は二人は竜太にとって大切なんだな」

 

果林・エマ:((っ!////))ボッ

 

円堂:「良し! 後半行くぞ!!」

 

剣城・雷門:「「はい!!」」

 

竜太を怒らせた帝国の運命は!?

 

 

― 続く ―




竜太?無自覚に女の子をドキッとさせるの止めろ。

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第25話:聖剣vs黒鳥

1ー0と雷門の1点ビハインドで迎えた後半戦。帝国ボールで試合再開。

 

ピィーーーーッ

 

審判が試合開始のホイッスルを吹くと同時に帝国はボールをMFの佐々鬼に渡して攻め上がってくる。

 

御門:「佐々鬼! 此方だ!!」

 

御門がボールを呼ぶと天馬とかすみが二人がかりでマークする。

 

剣城:「そこだあぁぁあああああっ!!!」

 

佐々鬼の動きが止まった一瞬の隙を狙って剣城がボールを奪い攻め上がる。

 

御門:「っ! ・・・これでハッキリしたな。剣城は完全にフィフスセクターを裏切った!!」

 

逸見:「ああ!!」

 

剣城がドリブルで次々相手ディフェンスを抜いて行くと、帝国のディフェンスリーダー龍崎がまたしても立ち塞がる。

 

龍崎:「お前にだけはやらせない!!【龍騎士テディ・・・「大海!!」何!?」

 

剣城が横から俺へのパスを出す。しかし俺には3人のマークが付いている。

 

飛鳥寺:「バカが! 貰っ......クンッ何!?」

 

ボールは飛鳥寺が触れる前にカーブし裏に走った俺の足元に。

 

大瀧:「しまっ!?」

 

竜太:「ドンピシャだぜ!! 喰らえ! と、見せかけて、剣城!!」

 

龍崎:「何!?」

 

帝国は俺が撃つと思い込んでおり虚を付かれ、ボールは剣城にフリーで渡った。

 

剣城:「このボール、絶対に決める!!」

 

剣城はシュート体勢に入ると、ボール下に鋭い蹴りを加えて高速回転をかける。そして返す刀のヒールでボールを上空へと上げる。最後に黒いオーラを纏ったボールをオーバーヘッドで撃ち出した。

 

剣城:「[デスドロップ]!!!」

 

ドガァァアアアアン!!!

 

雅野:「くっ!! [パワースパイク]!!!」

 

雅野は両手にエネルギーを込めて上空から急降下。上からボールを地面に殴り付けて押さえ込もうとする。しかし、

 

ドガァアアッ!!!

 

雅野:「うわあぁぁああああっ!!」

 

シュートはゴールに突き刺さり雷門は同点に追い付いた。

 

御門:「なっ!?」

 

龍崎:「剣城ぃぃいいいいい!!!!」

 

帝国ボールで試合再開。ボールを持った逸見がドリブルで攻め上がってくる。

 

霧野:「[ザ・ミスト]!!」

 

霧野先輩が深い霧を発生させて相手の視界を奪う。そして相手が足を止めた所でボールをかっ拐う。

 

神童:「大海! あれをやるぞ!!」

 

竜太:「了解!!!」

 

俺が突然自陣に走って戻ると相手3人は戸惑いマークを解いた。

 

大瀧:「何だ? 諦めたの「馬鹿!! 何をやっている!!」鬼道監督?」

 

五木:「で、でも!!」

 

鬼道:「大海は[エクスカリバー]を使えるんだぞ!! あのシュートは、距離が離れるほどパワーが()()!! その距離で撃たれたら確実に失点する!!」

 

飛鳥寺:「そ、そうだった!!」

 

相手3人が急いで俺を追いかけるがもう遅い。そもそも俺たちが狙ってるのは[エクスカリバー]じゃないしな。

 

キャプテンから浜野先輩、浜野先輩から天馬、天馬からかすみへとジグザグにダイレクトでパスを繋ぎボールに極大のイナズマをチャージする。そしてそのボールをかすみからのパスとして受け取った俺がダイレクトで相手のディフェンスラインへと蹴りこんだ。

 

竜太:「必殺タクティクス!! <アルティメットサンダー>!!!!」

 

相手陣内に着弾したボールは物凄い衝撃波を巻き起こし、相手DFを吹き飛ばした。

 

龍崎・成田:「「うわああぁぁぁああああっ!?」」

 

竜太:「決めろ剣城!!」

 

剣城:「はあぁぁああああっ!! 【剣聖ランスロット】!!!」

 

剣城がシュート体勢に入ると、黒光(くろびか)りするオーラがボールを包む。そして剣城のキックとともにランスロットが剣をつきだした。

 

剣城:「― ロストエンジェル ―」

 

ズギャアァァァアアアアン!!

 

雅野:「クソッ!! [パワースパイク]!!」

 

ガガアァァアアアアッ!!

 

雅野が上からシュートを叩き潰そうとするが、化身のシュートは止められずシュートはゴールに突き刺さった。

 

2-1雷門リードで帝国ボールで試合再開。

 

御門:「お前たちごときに負けてたまるかぁっ!! 来いっ!! 【黒き翼レイヴン】!!」

 

御門が化身を出すと俺は御門の前に立ち塞がる。

 

御門:「貴様ごとき一瞬で消し飛ばしてくれるわぁっ!! [― レイジングクロウ ―]!!!」

 

レイヴンの爪の一振りで爪痕のような鋭利なシュートが飛んでくる。

 

竜太:「前から試してみたかったんだよな」

 

俺がシュートの構えに入り左足を前方へ振り上げる。すると左足に長大な聖剣が出現。それを踵落としで化身シュート目掛けて振り下ろした。

 

竜太:「[エクスカリバー・改]!!!」

 

ギャリィィイイイイイン!!!

 

鋭い金属音が辺りに響き、俺の剣をレイヴンが爪で受け止める。

 

ビシ!!

 

御門:「!?」

 

ビシ、ビシ、ビキ、バキ

 

レイヴンの爪には次々亀裂が入っていき、

 

竜太:「果林さんとエマさんの仇、とらせてもらうぜぇぇええええええ!!!!」

 

ザンッ!!

 

エクスカリバーは、化身を真っ二つに斬り裂いた。

 

御門:「グワァアアアアアアアッ!!!!?」

 

化身のシュートとエクスカリバーの相乗効果ですさまじい威力になっている。そこに龍崎が【龍騎士テディス】を発動し立ち塞がるが風圧だけで吹き飛ばされ尚もシュートは進み、キーパーが反応する事すら許さずにゴールに突き刺さった。

 

竜太:「俺の仲間を傷付ける奴は絶対に許さん!!!」

 

エマ・果林:「「っ!//////」」

 

ピッ、ピッ、ピィーーーーーッ!!!

 

ここで試合終了のホイッスルが鳴り、3-1で雷門の勝利となった。

 

信介:「やったぁーーー!! 勝ったあーー!!」

 

かすみ:「まさか化身を斬っちゃうなんて思いませんでしたぁ······」

 

三国:「もう何を見ても驚かない自信がある」

 

そして会場を後にしようと帝国を出たところで、

 

果南:「龍也っ! 竜太!! おめでとう!!」ハギュ~~ッ!!

 

龍也:「ああ。何とか勝てたよ」

 

竜太:「母さん見に来てたんだ。後苦しい.......」

 

果林:「あ、あのっ!!」

 

果南:「ん? ・・・・この前とは違ったね。ようやくやる気出したんだ。全く.......」

 

すると母さんは果林先輩を抱き締めてヨシヨシと頭を撫で、

 

果南:「大丈夫! 絶対またちゃんとサッカー出来るから」

 

果林:「うっ....ウゥ...グスッ・・ヒッグ」

 

そして今日の試合で負傷した果林とエマ、あっ2人からもタメ口にしてくれとなぜか命令された。だからパワハラ······。

二人は病院に行き、診察結果は全治1週間とのことで決勝戦への出場は無理らしい。

 

そして母さんは決勝戦も見に来ると言い残して内浦に帰って行った。

 

 

― 続く ―




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第26話:朝香(あさか)果林(かりん)

果林推しの皆様の嫉妬を竜太がまとめ買いする26話。

始まります。


帝国戦の次の日の日曜日、俺は果林se・・果林に家に呼ばれて果林の家に向かっていた。

 

竜太:「このマンションか」

 

果林の家は駅前の八階建てマンションの三階にあるらしく、俺はエントランスのエレベーターから三階に向かった。

 

竜太:「ここだな」

 

聞いてた通り三階の部屋で表札には「朝香(ASAKA)」と書かれているので間違いないとインターホンを押すと中から果林が出てきた。

 

果林:「いらっしゃい。上がってちょうだい」

 

竜太:「お邪魔しま~す」

 

俺が恐る恐る中に入り果林の部屋に通されると飲み物用意するから少し待っていてくれと言われて暫く待つ。

悪いと思いながら果林の部屋を見渡すと女子選手のポスターが色々貼ってあり、その中に見覚えのある顔が。

 

果林:「あれ? 何やってたのかしら?」

 

竜太:「ああ。このポスター」

 

果林:「ああそれ?竜太のお母さん。「松浦果南」さんのプロ時代のポスターよ。私が一番憧れている選手ね」

 

竜太:「え? そうだったんですか?」

 

果林:「ええ。だから正直、天河原戦の後はショックだったのよね」

 

竜太:「それなら確かに」

 

そりゃ誰だって自分が憧れてる人からあんな対応されればショックに決まってるよな。

 

竜太:「というか母さんに憧れてサッカーやる女性多すぎません?」

 

果林:「知らないの? 龍也さんと果南さんの出会いからFFI優勝までを描いた二次創作の物語がいくつも出回るくらいあの二人は人気なのよ? 果南さんはまるで童話のお姫様みたいだって」

 

竜太:「お姫様!?(笑)」

 

果林:「そりゃ実際は違うかも知れないけど、周りからみたらそう見えるってこと!!」

 

竜太:「ふ~ん。で、果林は何で今日俺を呼んだの?」

 

果林:「何でだと思う?」

 

果林は四つん這いになり、自身の髪を捲り艶かしい口調でまるで誘惑するように俺に迫ってくる。果林は胸元がラフな服を着ている為先端のピ.......!? ブラ着けて無いの!?

 

竜太:「ちょっ、!! 止め、色々見えてるから!!!////////」

 

俺が顔を真っ赤にして慌てふためく姿を見て果林は、

 

果林:「プッ、フ、フフフ、アハハハ。可愛い」

 

果林は大爆笑して転げ回っている。コイツからかったな!!

なら、お返ししてやる!!!

 

俺は果林を力で押し倒して上に四つん這いでまたがる。

 

果林:「ち、ちょっ!!//////」

 

竜太:「果林がいけないんだぞ? そんな男を発情させるような格好で誘惑してくるから。襲われても自業自得だって忘れるなよ?」

 

果林:「そ、そんな.......//////で、でも、貴方なら.......ゴニョゴニョ」

 

ん? 何か変な感じの顔をしてる気がするが・・・まぁ良いか。

 

竜太:「プッ、アハハハ!!」

 

今度は俺が慌てる果林を見て笑い転げると察した果林が顔を真っ赤にして、

 

果林:「か、からかったわね!?」

 

竜太:「お返しだよ」

 

果林:「胸さわる位なら本当にやっても良かったのに.......ボソッ」

 

ん? やっぱり何か不満そうな顔をしてる気がする。まさかやってほしかったとか? 果林はム~ッと頬を膨らませて俺の胸をポカポカ叩いてくる。可愛い......。けど痛い。

 

竜太:「悪かったよ。で? 今日の目的は?」

 

果林:「へ? 練習出来なくてヒマだから話し相手になって貰おうと思って」

 

竜太:「それならエマか彼方に頼めよ」

 

果林:「あら? 私と二人は不服かしら?」

 

竜太:「そうじゃなくて、俺が男だって忘れてないか?」

 

果林:「そんなわけ無いじゃない頭大丈夫?」

 

竜太:「殴っていい?」

 

さすがに今のはイラッと来たぞ?

 

果林:クスッ「怖い怖い」

 

そして俺と果林が二人でベッドを背もたれに並んで座って話していると俺の肩に何かがコテンと当たり見てみると果林がすうすうと寝息を立てていた。

 

竜太:(ったく、彼方と言い果林と言い、好きでもない男にこんなことして勘違いされても知らねぇぞ)

 

果林に膝枕をしてやると幸せそうな寝顔になり、見ていたら親父と母さんを思い出した。

 

竜太:「これじゃああの二人と一緒だな」

 

それから数十分後、果林が目を覚まして状況を確認し顔を真っ赤に悶えたのを微笑ましい物を見る目で見ていた。

 

いや~役得役得。

 

そして聞くと果林は1人暮らしだと言うので俺が夕飯を作ってやり、二人で食べて洗い物までして俺は家に帰った。

帰り際果林から泊まっていけば良いのに~。と笑いながら言われたが100%からかってると思ったので遠慮しますといって帰路についた。

 

― 果林 side ―

 

果林:(ハァ。まさか後輩の男の子に膝枕してもらうなんて......。でも夕飯は美味しかったわね。本当に泊まって行っても良かったんだけど.......。まぁ明日学校だし、仕方無いわね)

 

― 果林 side out ―

 

そんな事を果林が思っていた事は知る由も無い。

 

 

― 続く ―




竜太・・・死ね。(°言°)

これでも喰らえ。(*´∀`)=⊃))'Д°):,:,グハッ!!

竜太とは作者の神の肉体言語でO☆HA☆NA☆SHIしておきます。

感想・評価宜しくお願いします。


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第27話:エマ・ヴェルデ

今回のお話でいいお知らせと悪いお知らせがあります。

悪いお知らせは今までのように竜太が美味しい思いをします。(`Д´)ケッ

そしていいお知らせは、

それら全てにたいして、竜太に天罰が下ります。"\"(º∀º)"/"ウォォオオオ!!


月曜日の練習中、剣城が俺にあることを聞いてきた。

 

竜太:「俺が化身を使えないのかって?」

 

剣城:「ああ。俺は今までシードとしての訓練で、化身を宿した人間、宿していない人間、化身をコントロール出来る人間できない人間をそれぞれ見てきた。当然実力が高いにも関わらず化身を持っていない人間もいた。が、俺にはお前が化身を宿していて尚且つコントロールも出来る側の人間に見える」

 

その言葉を聞いた皆は俺をジッと見つめる。

 

竜太:「使()()()よ」

 

剣城:「やはりか。でも、ならば何故使わないんだ?」

 

竜太:「あまりにも強力過ぎるんだよ。あれほどの力を使えるって知ったら、きっと俺に頼りきりになる。大丈夫だと確信出来るまでは使う気にはなれないな」

 

剣城:「そうか.......」

 

そして練習終了後、エマに一緒に帰ろうと誘われ一緒に下校中。

 

エマ:「ねぇ? 竜太くんは好きな人とかいないの?」

 

竜太:「えっ? 何突然?」

 

エマ:「いやあ~・・・ちょっと気になって。例えば果林ちゃんとか彼方ちゃんとか。アハハハ」

 

竜太:「まぁ二人とも結構仲良くなれた気はしますし一緒にいて楽しいですね。けど女の子としての好きか?って言われるとよくわからないというか。けどあの二人ちょっと無防備過ぎるんですよね。心を許してくれたのは分かるんですけど将来が心配です」

 

エマ:「そうなんだ。(まったく、好きでもない男の子に彼処までベッタリする訳無いのに.......)・・・・・じゃあ私の事はどう思ってるの?」

 

竜太:「発育の暴力」

 

エマ:「そっち!? 好きか嫌いかって意味なのに胸!?」

 

竜太:「いやあ~。つい」

 

エマ:「竜太くんは胸しか見てないの!?」

 

竜太:「そんなことはないです。でもエマと会った男はまず胸に視線を持っていかれると思う。だってデカすぎるんだもん男を誘惑するには十分だよ。そうならない男がいたらソイツはホモだと断言出来る」

 

エマは顔を真っ赤にして自分の胸を抱き抱えて俺を睨む。

 

竜太:「まぁ冗談はさておきエマのことも好きだよ。優しいし周りをよく見てるし、頼りになるって思います。けどやっぱり女の子としてか? って言われるとよくわからないですね。っていうかサッカー部の女性陣は皆そうですね」

 

エマ:「(っ!! もう。ズルいんだから)じゃあ歩夢ちゃんやしずくちゃんたちも仲間としては好きだけど女の子としての好きかは分からないってこと?」

 

竜太:「その通りです。けど皆かわいいし優しいから正直な話誰かを好きになってもおかしくないなと。でも何でそんな事を?」

 

エマ:「っ!/// ち、ちょっと気になっただけだから気にしないで?(これは私にもチャンスがあるのかな?)」

 

? 何でそんな事を気にしてたんだろ。まぁ良いか

 

帰り道を歩いていると辺りからミンミンとセミの鳴く音が聞こえる。

 

竜太:「もうすっかり夏ですね~。セミも鳴いてるし」

 

エマ:「う、うん......、そうだね。」

 

ん?何かエマ、キョドってる?

 

竜太:「うわ!()だ」

 

電灯柱の灯りに引き寄せられ飛んできた蛾に少し驚くと、

 

エマ:「!? 嫌ーーーー!!虫ーーーーーー!!」

 

ムギュウッ!!

 

竜太:「フゴオッ!!?//////」

 

エマは凄い力で俺に抱きついて離さない。

 

竜太:「フェンファイフフェファファフォフィーーーー!?////(先輩胸が顔にーーーー!?////)」

 

エマ:「嫌ーーーーー!?」

 

エマの巨大な双丘がこれでもかと俺の顔面に押し付けられる。引き離そうとするが下手に触るとセクハラと言われかねないのでそのままに······、しておくわけにはいかない。だんだん息が苦しく、あっ、意識が遠退く······。

 

ダラン

 

エマ:「? 竜太くん? 竜太く~ん!?」

 

ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー

 

俺が目を覚ますと、俺が気絶した場所の最寄りの公園のベンチでエマに膝枕されていた。

 

エマ:「あっ! 気が付いた? 良かった~」

 

竜太:「あれ? 俺何で?」

 

確かエマに一緒に帰ろうと誘われて、

 

竜太:「何も思い出せない。なぁ、何かあった?」

 

エマ:「ふぇ!?//// な、何も無いよ!!////」

 

ん~?俺は思い出そうとするが思い出せない。

 

竜太:「じゃあ帰るか」

 

エマ:「そうだ・・ね.....」

 

見ると俺の学ランにカナブンが止まっていた。なんかデジャブが。

 

エマ:「イヤァアアアアアアアア!?!?!!?!」

 

ドゴオォッ!!

 

竜太:「おぶうっ!?」

 

俺はエマに思い切り顔面を右ストレートでぶん殴られエマは逃げて行った。そして俺は、

 

竜太:(思い出した。エマのおっぱいで窒息死しかけたんだ)

 

薄れゆく意識の中全て思いだし、鼻血を吹きながら吹っ飛んでいた。

 

 

次の日、エマが何度も謝ってきた。エマは泣きそうな顔で何度も何度もさすがにいたたまれなくなり、「怒って無いから」と伝えてよしよしと頭を撫でてやり、少しくらい良いだろうと殴られたお返しに「おっぱいご馳走さま」とからかってやると、

 

エマ:「っ!?//////////」

 

スパァァアアアアアーーーン!!

 

顔を真っ赤にしたエマに平手打ちでひっ叩かれもう二度とエマをからかうのは止めようと心に誓いながら吹っ飛ぶおれなのだった。

 

エマ:(うぅぅ、恥ずかしい。/////竜太君に嫌われてないよね?)

 

― 続く ―




竜太・・・エマちゃんの胸に・・・羨ましい!!(°言°)

(**´∀`)=⊃))´Дº);;グハッ!

けどやっと痛い目に遭ってくれた!!ざまぁみろ!!\"(º∀º)"/ワーイ!!
だがまだ足りない!!もっと痛い目に遭え!!

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第28話:新たなコーチ

水曜日、決勝戦まであと3日となり今日は親父が来る日だ。俺たちが授業を終えてサッカー棟に行くと親父は既に来ており後もう一人。

 

天馬:「鬼道さん!!」

 

鬼道:「来たなお前たち」

 

歩夢:「何で鬼道さんがここに?」

 

円堂:「順をおって話す。皆が揃うまで待っててくれ」

 

そして5分後全員が揃い話を聞くと、帝国の表の顔はフィフスセクターの管理下に置かれた学校。しかし裏の顔はフィフスセクターへの「反逆者(レジスタンス)」なのだという。

 

鬼道:「この間の雷門vs帝国の試合、あの試合は帝国にとって、潜り込んだシードを炙り出す為のものでもあったんだ」

 

果林:「そうだったんですね。でも何故雷門に?」

 

龍也:「それは今日から鬼道も雷門のコーチに加わるからだ」

 

それをきいて俺たちは全員驚いた。帝国は佐久間さんに任せてきたので問題無いという。凄い信頼だな。

 

竜太:「それは分かりました。で、今日集まったのは決勝戦の話じゃないんですか?」

 

円堂:「その通りだ。決勝戦の相手は·····「音ノ木坂学院」だ」

 

剣城:「なっ!! 音ノ木坂!?」

 

しずく:「どうしたんですか剣城くん?」

 

剣城:「円堂さん、海皇はどうなったんですか?」

 

円堂:「準決勝で音ノ木坂に・・・3-0で敗れた」

 

剣城:「さ、3-0!?」

 

かすみ:「ねぇ、どういうことなんです? かすみんにも分かるように説明してくださいよ~」

 

そして開かれる剣城の口。そこから聞かされたのはとんでもない事実だったんだ。

 

剣城:「そもそも、海皇は()()()で、音ノ木坂は()()()だというのは知ってるな?」

 

彼方:「うん。素直に凄いと思うよ~」フワァ~ ネムイ.....

 

剣城:「だがそれだけじゃない。海皇は、控えを含めた全員がシードだ」

 

せつ菜:「えぇ!? 控えを含めた全員!?」

 

エマ:「やっぱりそんなチームがあったんだ」

 

剣城:「そして音ノ木坂にはシードは.......()()()()()()

 

全員:「!?」

 

三国:「う、ウソだろ!? それで音ノ木坂は、海皇を3-0で下したって言うのか!?」

 

歩夢:「ひょっとして勝敗指示?」

 

円堂:「それは違う。どうやらフィフスセクターも、全員シードの海皇が負けるとは微塵も思っていなかったらしく、出さなくても海皇が勝つとたかをくくって指示は出して無かったらしい。その結果がこれだ」

 

璃奈:「凄い.........」

 

龍也:「その件でこの映像を見てほしい」

 

そして映し出されのは、準決勝の海皇vs音ノ木坂の試合映像

 

ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー

 

浪川:「くそっ![フライングフィッシュ]!!」

 

海皇のキャプテンが必殺シュートを放つと無数のトビウオとともにボールが矢の様に向かって行く。しかし、

 

?:「希理歌先輩! 止めてください!!」

 

希理歌:「任せてな~。[マジン・ザ・ハンド]!!」ガシイィイイッ

 

東條は金色のマジンを呼び出し、片手であっさりとシュートを止めて見せた。

 

浪川:「っ!! 化身!?」

 

希理歌:「化身やないよ。マジンや!! すずめちゃん!!」

 

海皇の必殺技を止めた東條から、MFの南すずめにパスが渡る。

 

すずめ:「ナイスパスです!! 蘭ちゃん!!」

 

ボールは海皇ディフェンスの間を抜けて星空蘭に渡る。

 

蘭:「いっくにゃーーーー!!」ギュンッ!ギュンッ!

 

星空は超スピードで相手のディフェンスを掻い潜り攻め上がる。

 

湾田:「コイツら本当に女なのか!?」

 

蘭:「失礼だにゃ!! 桐穂さん!!」

 

そしてパスは、キャプテンの高坂桐穂に渡った。

 

桐穂:「ナイスパスだよ蘭ちゃん!! 行くよ!! [プロミネンスドライブ・Gx]!!」

 

ドガァアアアアッ!!

 

深見:「くそっ!! [ハイドロアンカー]!!」

 

海皇のキーパーが地面から船の錨を引き上げシュートを跳ね上げ様とするが、

 

ギャリィィイイイッ!! バゴオォォオオオオン!!

 

深見:「ぐあああああ!!」

 

シュートはそんなものは知らんと言わんばかりに突き進みゴールネットに吸い込まれた。

 

実況:「ゴーーーーール!!! 音ノ木坂3点目!!」

 

ピッ、ピッ、ピィーーーッ!!

 

実況:「ここで試合終了のホイッスル!! 3-0で音ノ木坂の勝利!! 決勝進出決定です!!」

 

ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー

 

浜野:「な、なんだよ・・・これ.....」

 

音ノ木坂は、選手一人一人の状況判断能力、身体能力、チーム連携レベルが桁外れに高かった。

 

龍也:「特筆すべきは3点目を決めたキャプテンで2年生の「高坂桐穂(こうさかきりほ)」。穂乃果の娘だ。竜太は知ってるよな? 幼馴染だし」

 

果林・彼方・エマ:「「「そうなの!?」」」

 

竜太:「あ、ああ。親繋がりで俺が東京に来たときはよく一緒に遊んでたし。っていうか音ノ木坂の選手に知り合いが結構いる。····なんか三人とも怖いんだけど?」

 

鬼道:「それではこれより練習に入る。だが三国は円堂と大海と一緒に特訓してもらう」

 

三国:「分かりました」

 

そして、各自分かれて練習に入る

 

― 三国 side ―

 

円堂:「三国、今のお前では、音ノ木坂のシュートは止められない。新技を身につけて貰うぞ」

 

三国:「新技ですか?」

 

龍也:「俺がプロ時代、チームの先輩が使っていた技がある。それを習得してもらう」

 

三国:「どんな技ですか?」

 

龍也:「それは、[(ほのお)鉄槌(てっつい)]だ」

 

三国:「[炎の鉄槌]........!! 木野夏人さんの技ですね」

 

龍也:「知ってるのか。そうだ。[バーニングキャッチ]という炎系の技を使えるお前なら、使えるんじゃないかと思ってな」

 

三国:「分かりました。指導宜しくお願いします!!」

 

― 三国 side out ―

 

― 竜太 side ―

 

そしてその日の練習が終わり俺が帰り支度をしていると、携帯が鳴った。高坂桐穂?

 

竜太:「どうした桐穂?」

 

桐穂:「竜太! 準決勝の試合映像観てくれた?」

 

竜太:「観たよ。すずめたちも凄く上手くなっててビックリしたよ」

 

桐穂:「・・・竜太は私たちの目標だからね。今度の試合、全力で挑ませてもらうよ!!」

 

竜太:「まぁ此方は俺以外がまだな」

 

桐穂:「本当になんでそんな学校行ったのさ? 理事長のすずめちゃんのお母さんに言えば多分竜太なら特例でウチに入れて貰えたのに。私やすずめちゃん達だって竜太と一緒にサッカー出来たら良いよねって中学生の時から話してたんだよ?」

 

すずめのお母さんとは元音ノ木坂の理事長だった母親の後を継ぎ今の音ノ木坂の理事長兼、ファッションデザイナーとして活躍している元イナズマジャパンの南ことりさんのことだ。ことりさんとはウチの両親がイナズマジャパンのチームメイトと言うことで小さい頃に何度か会った事がある。その際に桐穂やすずめ、蘭たちとも一緒に遊んだりしていた。

 

竜太:「いや、それ職権乱用。それに周りが全員女子の中に男子一人とか形見が狭い所じゃねぇよ。まぁこっちも試合楽しみにしてるからさ。試合で全力でぶつかろう」

 

桐穂:「もう、わかった。それじゃあ試合でね」

 

桐穂:(雷門に、竜太に勝てたら、竜太に私が小さいときから抱いてた恋心を告白するんだ!!)

 

 

そして三日間練習を積み土曜日、音ノ木坂戦を迎えた。

 

 

― 続く ―




どうやら穂乃果の娘も恋する乙女のようです。

竜太・・・お前の節操の無さはどうなってんだ。

始めに言っておきますが桐穂ちゃんはヒロイン候補の中には入っていません。あくまでも虹ヶ咲メンバーの中から選びます。
因みに桐穂ちゃんは瞳の色や髪型なんかに違いはありますが、お母さんである穂乃果似の美少女です。

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追憶編:桐穂の想い

彼との出会いは11年前。私が6才の時にママと一緒に親友のすずめちゃんの家に遊びにいった時だった。その日はママたちの高校時代のサッカー部のチームメイトが皆ですずめちゃんの家に集まっていた。

 

南ことりさんと娘の南すずめちゃん。

園田海未さんと娘の園田波未(そのだなみ)ちゃん。

西木野真姫さんと娘の西木野真理奈(にしきのまりな)ちゃん。

小泉花陽さんと娘の小泉春香(こいずみはるか)ちゃん。

星空凜さんと娘の星空蘭(ほしぞららん)ちゃん。

矢澤にこさんと娘の矢澤ここなさん。

東條希さんと娘の東條希理歌(とうじょうきりか)さん。

絢瀬絵里さんと娘の絢瀬理沙(あやせりさ)さん。

 

そして私とママを含めた9組が集まっていた。

 

ことり:「みんな? 今日もう一組ママたちの友達が親子で来るから仲良くしてね?」

 

すずめ:「ママ、女の子?」

 

海未:「違いますよ? 男の子です」

 

波未:「お.......、男の子ですか?」

 

蘭:「怖い子じゃないと良いな~」

 

春香:「う.......、うん」

 

凜:「蘭と春香ちゃんと真理奈ちゃんと同い年にゃ」

 

真理奈:「そ、そうなんだ」

 

真理奈ちゃんは興味無さそうにしているが嘘だとすぐにわかる。真理奈ちゃんが髪の毛を指でクルクルしてるのは誤魔化してる証拠なのだ。

 

私たちがどんな子なんだろうと思っているとチャイムが鳴り、

 

絵里:「あっ、ことり、来たみたいよ」

 

ことり:「うん。ちょっと出てくるね」

 

そしてことりさんが迎えに行き、しばらくして一組の夫婦と男の子が入って来た。

 

龍也:「皆久し振り。元気そうだな」

 

真姫:「龍也、果南、久し振り」

 

桐穂:「えっ? ひょっとして大海龍也さん?」

 

穂乃果:「そうだよ桐穂? 私たちのイナズマジャパン時代のチームメイトの大海龍也くんと松浦果南ちゃんだよ?」

 

絵里:「私はロシア代表だったけどこの二人にずいぶん苦しめられたわ」

 

そして私が視線を向けると、男の子は果南さんの影に隠れてしまった。

 

桐穂:「私、高坂桐穂!! 君は?」

 

竜太:「お、大海竜太です」

 

すずめ:「竜太くん、一緒にサッカーやらない?」

 

すると竜太くんはパアアと顔を輝かせて「する!」と言ってきたので皆でボールを持って庭にでた。

 

真理奈:「桐穂ちゃん!!」パスッ

 

桐穂:「ここなちゃん!!」パスッ

 

ここな:「理沙!!」パスッ

 

理沙:「すずめちゃん!!」パスッ

 

すずめ:「希理歌ちゃん!!」パスッ

 

希理歌:「竜太くん!!」パスッ

 

竜太くんにパスが行くと、竜太くんは爪先でボールを上げてリフティングを始めた。胸、膝、頭、踵とまるでボールが吸い付いてるかのようなボールタッチだ。

 

蘭:「凄いにゃ~」

 

竜太:「えっと、蘭さん!!」パスッ

 

蘭:「ナイスパスにゃ」

 

蘭ちゃんの足にピタリとパスが通り蘭ちゃんも驚いている。

 

蘭:「凄く捕りやすいにゃ」

 

桐穂:「ねぇ! せっかく10人いるんだしミニゲームやろうよ!!」

 

真理奈:「良いわね! やりましょう!!」

 

ここな:「じゃあふたりずつグーパーで分かれましょう。」

 

そしてチーム分けは

 

グーチーム

 

東條希理歌、園田波未、西木野真理奈、高坂桐穂、大海竜太

 

パーチーム

 

南すずめ、星空蘭、小泉春香、矢澤ここな、絢瀬理沙

 

 

倉庫からミニゴールを2つ取り出して設置しグーチームボールでゲームスタート。ボールは真理奈ちゃんに。

 

真理奈:「桐穂ちゃん!!」

 

私がボールを貰うとここなちゃんと春香ちゃんがディフェンスに来る。

 

ここな・春香:「「止めるわ(ます!!)!!」」

 

波未:「桐穂! 竜太が空いてます!!」

 

竜太くんはマークを振り切って絶好の位置に居たので竜太くんにパスを出した。

 

竜太:「ナイスパス!! やあぁぁああああ!!!」ドガァアアアアッ!!!

 

そのシュートは明らかに5才の子供が蹴るボールの威力じゃなかった。すずめちゃんは恐くてボールを避けてしまいそのままシュートはゴールに突き刺さった。

 

竜太:「あっ!? ご、ごめんなさい!!」ショボン

 

理沙:「な、何? 今の威力.......?」

 

すずめ:「こ、恐かった」グスッ

 

桐穂:「・・・・凄い!!

 

桐穂以外:「え?」

 

桐穂:「竜太くん凄いよ!! 何であんな球蹴れるの!?」

 

竜太:「れ、練習いっぱいしたから.......」

 

桐穂:「よ~し!! 私もいっぱい練習するぞ~!!」

 

私の夢は、またいつか開かれるかもしれない世界大会で、ママたちと同じ日本代表になって世界一になること。たとえ年下でもこの子を目標に頑張ろう!!

 

それからはゴールデンウィーク、夏休み、お正月の年に3回くらい私たち9人と竜太は会うと一緒に練習するようになった。それが何年も続き、

 

― 5ヶ月前 / 元旦 神田明神 ―

 

私は高1になり竜太は中3。今年の4月から竜太も高校サッカーに入ってくる。でも今の高校サッカーにはフィフスセクターというとんでもなく邪魔極まりない連中がいる。私は神奈川に住んでいるという竜太の父方のおばあちゃんの家に来ていた竜太を呼び出して一緒に初詣していた。

 

桐穂:「竜太はどこの学校にいくの?」

 

竜太:「俺? 東京の雷門に行こうと思ってる」

 

桐穂:「そっか。じゃあ何処かで闘えるかもね」

 

竜太:「もしそうなったら全力でやるからな?」

 

桐穂:「うん!!」

 

きっと、私は何年も前からこの年下の男の子に惚れてしまっていたんだと思う。彼に会う度、声を聞く度、胸がドキドキする。いつか絶対、想いを伝えるんだ!!

 

― 現在 / アキバスタジアム ―

 

実況:「お待たせしました!! これよりインターハイ東京都予選決勝戦、雷門高校vs音ノ木坂学院、選手入場です!!」

 

桐穂:「行くよ皆!!!」

 

音ノ木坂イレブン:「はい!!」

 

神童:「絶対勝つぞ!!」

 

雷門イレブン:「おう!!」

 

竜太:「皆......」

 

幼馴染たち:「竜太......」

 

竜太・幼馴染:「「勝負!!」」

 

遂に、試合が始まる。

 

 

― 続く ―




何度も言いますが桐穂ちゃんはヒロイン候補には入っていません。オリ主とオリヒロのカップルにしちゃうとこの物語の場合ラブライブ要素を入れる意味が無くなっちゃうので。

桐穂ちゃんゴメンね?

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第29話:幼馴染たちとの闘い

いよいよ音ノ木坂戦開始のため両チーム位置につく。

 

フォーメーション

 

音ノ木坂

 

GK       東條

 

DF 真島    小泉    咲良

 

ボランチ   西木野 矢澤 

 

MF   絢瀬   南   園田

 

FW     星空  高坂

 

雷門

 

FW   大海  神童  剣城

 

MF せつ菜 松風  しずく 浜野

 

DF   西園  霧野  天城

 

GK       三国

 

ピィイイーーーーッ!!

 

試合開始のホイッスルが鳴り、音ノ木坂ボールで試合開始。ボールはすずめが持ち、ゲームを組み立てる。

 

すずめ:「蘭ちゃん!!」

 

蘭:「任せるにゃ!!」

 

ボールは蘭に渡り、そのままドリブルで.....ギュンッ!!

 

蘭:「にゃっ!?」

 

竜太:「悪いな蘭。お前のスピードは厄介だからな、スピードに乗る前に奪わせてもらった」

 

蘭:「っ!!」

 

そのまま俺はクラウチングスタートの構えから猛ダッシュでドリブルしながら理沙とすずめを抜き去った。

 

理沙:「くっ!流石は竜太ね......」

 

すずめ:「速い......」

 

しかしそこに真理奈がディフェンスに来る。

 

真理奈:「絶対に通さないわ!![ブレードアタック・V4(ブイフォー)]!!」

 

真理奈が左足を地面に踏みつけると衝撃波が発生。鋭い(やいば)となって迫ってくる。

 

竜太:「甘い!!」

 

しかし、[ブレードアタック]は直線でしか技が来ないため横にスライドして躱す。

 

ここな:「そこっ!!」

 

しかし ここな に動きを読まれておりボールを奪われた。

 

ここな:「貴方が私たちの動きが分かる様に、私たちだって貴方の動きは手に取る様に分かるのよ。何年の付き合いだと思ってる訳?」

 

竜太:「やるじゃん」

 

ここな は波未にパスし、ボールを受け取った波未はすずめにパス。すずめから桐穂に渡る。

 

すずめ:「行って桐穂ちゃん!!」

 

桐穂:「任せて!!」

 

天馬:「止める!!」

 

すると天馬の周りに竜巻が纏わりつき、一瞬で桐穂に肉薄。桐穂を竜巻の中に呑み込み吹っ飛ばしてボールを奪った。

 

音ノ木坂イレブン:「!?」

 

竜太:「ナイス天馬!! 新技完成したんだな!!」

 

天馬:「うん! 俺の新技、[スパイラルドロー]だよ!!」

 

天馬はキャプテンにパスを出す。俺には真理奈と春香がマークについている。

 

神童:「剣城!!」

 

ボールは剣城に渡るが、プレッシャーが激しく化身を出す余裕がない。

 

剣城:「このっ!!」

 

剣城は咲良を躱してシュート体勢に入る。

 

剣城はボールの下部に矢の様な鋭い蹴りを加える。縦の高速回転をかけて返す刀でヒールでボールを上空に飛ばす。そしてボールに黒いオーラを纏わせてオーバーヘッドで撃ち出す。

 

剣城:「[デスドロップ]!!」

 

剣城のシュートが猛然と音ノ木坂ゴールに迫る。しかし東條は落ち着いて、

 

希理歌:「[マジン・ザ・ハンド・改]!!!」

 

ガシィイイッ!!

 

希理歌は金色のマジンを呼び出す。そして片手でシュートをガッチリとキャッチした。

 

剣城:「!?」

 

希理歌:「海皇戦の時も思ったけど、シードって()()()()なん? 春香ちゃん!!」

 

希理歌から春香へパスが渡り、キャプテンがディフェンスに行く。すると春香は咲良の名前を呼ぶ。

 

春香:「咲良さん!!」

 

しかし春香はノールックで逆サイドの真理奈にパスを出した。が、

 

竜太:「甘い!!」

 

春香:「っ! 読まれた!!」

 

竜太:「悪いな春香。お前が何か企んでる時の顔はよく覚えてるぜ」

 

春香:「っ!!」

 

そして俺はほぼ音ノ木坂の最終ラインでボールを奪ったためシュート体勢に

 

桐穂:「マズい!! 希理歌ちゃん止めてーーー!!!」

 

俺は空中でボールを両足で挟み込む。身体を捻って高速回転をかけて空気摩擦で着火。渾身のソバットキックでボールを撃ち出した。

 

竜太:「[絶・デスファイア]!!」

 

ボォガアァァアアアン!!!

 

希理歌:「くっ! [マジン・ザ・ハンド・改]!!!」

 

ガガアアアッ!!!

 

希理歌も金色のマジンを呼び出して必死に抗うが徐々に押されていき、そして·····、

 

希理歌:「くっ!! 駄目ッ!!」

 

ドガァアアアアッ!!

 

希理歌を吹き飛ばして、シュートはゴールに突き刺さった。

 

実況:「ゴォォォオオオオオオオル!! 先制点は雷門高校!!」

 

希理歌:「次は絶対に止めるやんね。」

 

竜太:「次も決めるさ。」

 

前半残り20分。雷門リード

 

 

― 続く ―




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第30話:執念

俺がシュートを決めて1-0で雷門リード。音ノ木坂ボールで試合再開し、ボールは波未に渡りしずくと浜野先輩がディフェンスに入る。

 

しずく・浜野:「「行かせません(ない!!)!!」」

 

すると波未は必殺技を使い、電光石火のスピードで一瞬で二人を抜き去った。

 

波未:「[ライトニングアクセル・V2(ブイツー)]!!!」

 

二人を抜いた波未は桐穂にパスを出す。

 

桐穂:(絶対に負けられない! 勝って竜太に堂々と告白するんだ!!)

 

桐穂がシュート体勢に入ると灼熱の炎がボールを包む。身体を捻ってボールにインパクトを叩き込み、シュートに回転をプラス。オーバーヘッドで撃ち出した。

 

桐穂:「[プロミネンスドライブ・Gx(ジーエックス)]!!!」

 

桐穂のシュートが雷門ゴールを強襲。しかし天城先輩が立ち塞がる。

 

天城:「通さないド!![ビバ!万里の長城・V2]!!!」

 

ガガァァアアアッ!!!

 

桐穂:「ムダだよ!!」

 

桐穂のシュートは、天城先輩が呼び出した城壁を粉々に破砕し尚も突き進む。

 

三国:「くっ!! [炎の鉄槌]!!」

 

三国先輩は左手に炎エネルギーを集めて炎のマジンを呼び出す。が、エネルギーを制御しきれずマジンは霧散。シュートはゴールに突き刺さった。

 

実況:「ゴォォォオオオオオオオル!! 音ノ木坂同点!!」

 

三国:「くそっ!! 何でできないんだ!!」

 

桐穂:「私は、負けられないんだよ!!」

 

竜太:(桐穂?)

 

1-1の同点で雷門ボールで試合再開。ボールは天馬に渡り、すずめと理沙がディフェンスに来る。

 

天馬:「くっ! 突破できない!!」

 

一瞬の隙をつかれて理沙にボールを奪われ、そのままボールは蘭に渡る。

 

蘭:「行くにゃ!! 桐穂ちゃん!!」

 

蘭がシュート体勢に入ると、背後に雄々しい虎のオーラが見えた。

 

蘭:「[タイガードライブ]!!」

 

しかし蘭のシュートは上に向かい、それに桐穂が併せる。

 

桐穂:「[プロミネンスドライブ]!!」

 

蘭・桐穂:「「[バーニングタイガー]!!!」」

 

ガォオオァアアア!!!

 

炎の虎がボールと共に突進してくる。天城先輩がシュートブロックに入るがあえなく吹き飛ばされシュートはゴールめがけて突き進む。

 

三国:「(使えない技にすがっても仕方無い!!) [真・バーニング、キャッチィィイイイ]!!!」

 

ガガァァアアアッ!!

 

三国先輩の技は進化して威力と火力を増し、[バーニングタイガー]を地面に押さえつけた。確かに天城先輩のシュートブロックにより威力は弱まっていたが、それでも止めるにはパワーが足りず、シュートはゴールに突き刺さった。

 

実況:「ゴォォォオオオオオオオル!! 音ノ木坂逆転!!」

 

三国:「くそおぉぉおおおおおっ!!!」

 

雷門ボールで試合再開。ボールはせつ菜先輩から俺に渡り理沙と真理奈がディフェンスに来る。

 

理沙:「[フローズンスティール・V3]!!」

 

理沙の氷のスライディングを横に躱すと間髪入れずに真理奈がディフェンスに来る。

 

真理奈:「[イグナイトスティール・V3]!!」

 

今度は炎のスライディングが襲ってくるがジャンプで躱しシュート態勢に入る。

 

竜太:「[真・エクスカリバー]!!!」

 

ギシャアアァァアアアアン!!!

 

進化して威力を増した聖剣が音ノ木坂ゴールを強襲。フィールドを裂きながらゴールに迫る。が、春香が立ち塞がる。

 

春香:「止めます!! [ハードプラント・G2]!!!」

 

春香が両手を地面に叩きつける。すると地面から巨大な木の根が何本も伸びてきてシュートを連続で叩きつけてブロック。しかし俺のシュートは威力を削がれながらも木の根を全て斬り裂き突破した。

 

希理歌:「止めるよ!! [マジン・ザ・ハンド・改]!!」

 

ガシィイイイッ!!

 

春香と希理歌の連携ディフェンスで、[エクスカリバー]は止められた。

 

神童:「大海の[エクスカリバー]が止められた!?」

 

せつ菜:「いったいどうやって点を取れば良いんですか.......」

 

希理歌:「ここっち!!」

 

希理歌からここなにパスが飛び、

 

天馬:「しずく!! 浜野先輩!! 止めますよ!!」

 

天馬としずく、浜野先輩が三人がかりでディフェンスに入るが、

 

ここな:「[スーパーエラシコ・V3]!!!」

 

ここなは空中での巧みな足捌きで三人を突破した。

 

ここな:「桐穂!!」

 

ここなから桐穂にパスが飛ぶ。が、

 

信介:「させるかあぁぁあああっ!!!」

 

信介がパスを空中でカットし、天馬にパスを出す。ボールを受け取った天馬はドリブルで上がるが真理奈がディフェンスに入る。

 

天馬:「絶対突破する!!」

 

すると天馬の背に黒いモヤが発生。しかしエネルギーが集まらず霧散し、ボールを奪われた。

 

あれは......、

 

ピッ、ピッ、ピィイイーーーッ!!!

 

ここで前半終了のホイッスルが鳴り、1-2の音ノ木坂リードで折り返しとなった。

 

― 観客席 ―

 

凛:「皆頑張ってるにゃ」

 

ことり:「竜太くんと闘えるって皆楽しみにしてたからね」

 

希:「せやね。希理歌も竜太くんのシュート絶対止めるって張り切ってたし」

 

花陽:「果南さんはどうですか?」

 

果南:「そうだねぇ。強いて言えば桐穂ちゃんの気迫がスゴいかな。まぁ、バレバレなのに竜太は未だに気付いてないからねぇ」

 

絵里:「まぁ後半戦を楽しみに待ちましょう」

 

 

― 続く ―




タイガードライブ × 爆熱ストーム = タイガーストーム

タイガードライブ × プロミネンスドライブ = バーニングタイガー

です。

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第31話:覚醒!!天馬の化身

セブンイレブンのキャンペーンのμ’sのクリアファイルことりちゃん以外コンプリートしたぞーーーー!!いやね?私がキャンペーンを知ったときには家の近くのセブンはすでにことりちゃんの残数は0に。

あーーー!!ことりちゃーーーーん!!!

ことり:「チュン、チュン。」

それでは始まります。


試合はハーフタイムに入り雷門ベンチ。

 

エマ:「えっ!? 天馬くんと三国くんのポジションチェンジですか!?」

 

つまり三国先輩がMF、天馬がGKに入るということか。

 

果林:「ちょっと待って下さい監督!! 雷門のGKは三go・・「監督の言う通りにしてみよう」三国くん!?」

 

三国:「今まで監督たちが言ったことに、意味の無い事なんかなかった。きっと何か意味があるんだ。ですよね監督?」

 

円堂:「勿論だ」

 

三国:「よし。空野! 代えのユニフォーム出してくれ」

 

葵:「は、ハイ!!」

 

エマ:「三国くん!!」

 

フォーメーションチェンジ

 

雷門

 

FW   大海  神童  剣城

 

MF 優木  三国  桜坂  浜野

 

DF   西園  霧野  天城

 

GK       松風

 

そして後半戦開始のためフィールドに出る。

 

桐穂:「えっ!? 松風くんがGK!?」

 

希理歌:「GKは、特に一朝一夕でできるポジションや無いのに」

 

穂乃果:「いや、円堂君たちのことだから何かあるのは間違いないよ。慎重に試合を進める事。良いね?」

 

音ノ木坂イレブン:「はい!!」

 

そして雷門ボールで後半戦開始。

 

ピィイイーーーーッ!!

 

開始のホイッスルが鳴ってボールはしずくに渡りしずくがドリブルで上がるとすずめと波未がディフェンスに来る。

 

すずめ・波未:「「[真・シューティングスター]!!!」」

 

波未を踏み台にして跳んだすずめが、ボールに向かって流星の様な鋭い跳び蹴りを放つ。衝撃でしずくを吹っ飛ばしてボールを奪う。

 

すずめ:「蘭ちゃん!!」

 

蘭:「行くにゃぁああああっ!!」

 

蘭の背中から黒いモヤが発生し、動物の様な姿を形作る。そのモヤが晴れ中から現れたのは、両肩に銅鏡を着けた白い虎の化身だった。

 

蘭:「【疾風(しっぷう)白虎(びゃっこ)弐式(にしき)】!!!」

 

蘭が化身を発動し、猛スピードで攻め上がってくる。霧野先輩がディフェンスに入るが、

 

蘭:「今の蘭は誰にも止められないにゃ!! [― 疾風迅雷(シップウジンライ) ―]!!!」

 

蘭が化身の背に乗る。白虎はボールを喰わえ、フィールドを疾風の如き速さと雷の如き鋭さで一瞬で駆け抜けて霧野先輩を抜き去る。そして蘭はシュート体勢に入る。

 

蘭:「喰らうにゃぁああああっ!!!」

 

ドガァァアアアアアッ!!!

 

ノーマルシュートではあるが蘭のシュートを化身が後押しする様にぶん殴り、物凄い勢いでシュートが飛んでいく。

 

天馬:「どうすれば.......!?」

 

龍也:「天馬!! 前に意識を集中しろ!!」

 

天馬:「前に意識を......、これでどうだぁぁああああっ!!」

 

すると天馬の背から黒いモヤが発生し、人のようなオーラを形作る。中から現れたのは、赤い翼と鬣を持った人型の魔神だった。

 

化身:「ウォオオオオオオオッ!!!」

 

天馬:「【魔神ペガサス】!!」

 

雄々しい雄叫びとともに、【魔神ペガサス】が降臨した。

 

天馬:「行けえぇぇええええええっ!!!」

 

ドガァァアアアアアッ!!!

 

天馬が蘭の化身シュートを蹴り飛ばそうと足をぶつける。ペガサスと白虎は激しい攻防を繰り広げるが、ペガサスにぶん殴られ白虎は吹き飛び消滅。そのままボールはサイドラインからピッチ外に出た。

 

果林:「天馬くんが化身を!?」

 

龍也:「天馬たちのプレーは、音ノ木坂の攻撃力に圧されて引きぎみになっていた。だが、天馬の化身を覚醒させるには、もう一歩前に踏み込む必要があった。GKは、前だけに意識を向けるのに最適なポジションだったって訳さ」

 

歩夢:「なるほど!!」

 

三国:「(やっぱり凄いよあの人たちは)監督!! 俺にもう一度、キーパーをやらせてくれませんか!!」

 

円堂:「もちろんだ!!」

 

フォーメーションチェンジ

 

雷門

 

FW   大海  神童  剣城

 

MF 優木  松風  桜坂  浜野

 

DF   西園  霧野  天城

 

GK       三国

 

音ノ木坂スローインで試合再開。理沙のスローインからボールは蘭に渡り、蘭は再度化身を呼び出す。

 

蘭:「今度は決めるにゃ!! 【疾風の白虎・弐式】!! 喰らうにゃぁああああっ!!!」

 

ドガァァアアアアアッ!!!

 

蘭の渾身の化身シュートが雷門ゴールを襲う。

 

― 三国 side ―

 

音ノ木坂の化身シュートが物凄い勢いで迫ってくる。

 

三国:「絶対に止めてやる!!! 「三国先輩!! 三国先輩のやり易い方の手でやればできます!!」やり易い方の手? ・・・そうか! 利き手か!!」

 

龍也さんに[炎の鉄槌]を見せてもらったとき、龍也さんは左手でエネルギーをコントロールしていた。だから俺も左手でやろうとしていた。だが、龍也さんが左利きなのに対して、俺は右利き。利き手が違うのに、同じ手で同じようになんてできるはずがない。

 

俺は()()に炎のエネルギーを集め、爆炎にして炎のマジンを呼び出す。そのマジンと共に、炎の右手でシュートを叩き潰した。

 

三国:「[炎の鉄槌]!!!」

 

ドグシャァアアアアッ!!

 

シュートは、黒焦げになり地面にめり込んで停止した。

 

三国:「やった.......。出来た!! 止めたぞーーーー!!!」

 

蘭:「そ、そんな!?」

 

三国:「行くぞ!! 反撃だぁぁぁあああああああ!!!」

 

いよいよ、雷門の反撃が始まる。

 

 

― 続く ―




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第32話:決着!!音ノ木坂戦

ふと思ったんですけどバンドリの美竹蘭ちゃんを年齢的に成長させて髪の毛をロングにしたら栞子ちゃんのお姉さんの薫子さんに容姿が似るんじゃないかと思ったんですけどどう思います?(今さら気付く)

始まります!!


三国先輩のゴールキックからボールは天馬に渡り、波未とここながディフェンスにくる。

 

天馬:「今度こそ突破する!! 来い!! 【魔神ペガサス】!!」

 

ペガサス:「ウォオオオオオオオ!!!」

 

天馬の背から黒いモヤが発生。中から赤い翼と鬣を持った化身。【魔神ペガサス】が雄叫びを上げて現れた。

 

天馬:「[― ペガサスブレイク ―]」

 

ドガァァアアアアアッ!!

 

ペガサスが空から落雷を二人に落とし、感電させた上に吹っ飛ばして突破した。

 

天馬:「キャプテン!!」

 

天馬はキャプテンにパスを出し、ボールを受け取ったキャプテンに春香がディフェンスにくる。

 

春香:「絶対に通しません!! [ハードプラント・G2]!!」

 

地面から巨大な木の根が何本も突き出て、一斉にキャプテンめがけて襲いかかる。

 

神童:「大海!!」

 

キャプテンからのパスが来たのでそれを直ぐ様逆サイドの剣城にダイレクトでリターン。

 

咲良:「しまっ!?」

 

俺に気を取られたDFの咲良は剣城のマークを外してしまっており、剣城は余裕を持って化身を発動する。

 

希理歌:「ウチやって負けないよ!!」

 

希理歌の背から黒いモヤが発生し、人のような姿を形作る。中から現れたのは、両手の指の間にサイコロを持った赤い人型の化身だった。

 

希理歌:「【灼熱のレッドダイス・参式(さんしき)】!!!」

 

ランスロットとレッドダイスが対峙する。そして剣城はシュート体勢に入る。

 

剣城がボールに黒光りするオーラを纏わせ、渾身の力でシュート。そのボールをランスロットが剣で突き押す。シュートは剣その物になり飛んでいく。

 

剣城:「[― ロストエンジェル ―]!!!」

 

剣城の化身シュートが音ノ木坂ゴールを強襲。希理歌は化身キーパー技の発動態勢に入る。

 

希理歌:「スピリチュアルパワー全開!! [― ラッキーダイス ―]!!!」

 

レッドダイスが6つのサイコロを同時に放る。出た目は5つが「6」最後の1つは····「1」!!

 

ドガァァアアアアアッ!!

 

ランスロットのシュートは、希理歌と化身を吹き飛ばしてゴールに突き刺さった。

 

実況:「ゴオォォオオオオオオオル!!! 雷門同点!!」

 

希理歌:「くっ.....、皆ゴメン」

 

ここな:「大丈夫。わたしたちが取り返すから」

 

音ノ木坂ボールで試合再開。ボールはすずめから理沙に渡り、理沙がドリブルで攻め上がってくる。

 

せつ菜:「止めます!!」

 

せつ菜先輩がディフェンスに入るが、理沙はまるで踊るような華麗なステップで抜き去る。

 

理沙:「行くわよ!!! ハアァァァアアアア!!!」

 

理沙の背から黒いモヤが発生し、人のような姿を形作る。中から現れたのは、黒い槍に黒のドレスの様なアーマーを纏った女性型の化身だった。

 

理沙:「【白銀の女王ゲルダ・参式】!!!」

 

理沙がシュート体勢に入ると急激に気温が低下。オーラが込められたボールが凍りつき、そのボールを理沙がシュートすると同時に、ゲルダが槍で打ち払った。

 

理沙:「[― アイシクルロード ―]!!!!」

 

ドゴオォォオオオオオン!!!

 

絶対零度の化身シュートが、雷門ゴールに迫る。

 

信介:「させない!! [ぶっとびジャンプ]!!!」

 

ドガァァアアッ!!

 

信介が必殺シュートでのカウンターブロックの態勢に入る。空中で両足の渾身の力でボールを踏み締めて蹴り返そうとする。

 

理沙:「ムダよ!!」

 

ドガァァアアアッ!!

 

信介を吹き飛ばし、尚もシュートは突き進む。

 

天城:「させないド!! [ビバ!万里の長城・V2]!!!」

 

ガカアァァアアアアッ!!!

 

今度は天城先輩が城壁を呼び出す。シュートブロックを試みるが城壁は音をたてて凍りつき砕かれた。

 

天城:「三国!! 頼んだド!!」

 

三国:「絶対に止める!! [炎の鉄槌]!!」

 

ドグシャァアアアアッ!!!

 

三国先輩が灼熱のマジンを呼び出し、渾身の力で右拳を叩きつける。

 

シュートは、黒焦げになり地面にめり込んで停止した。

 

理沙:「っ! 止められた!!」

 

三国:「せつ菜!!」

 

パスはせつ菜先輩に飛び、パスを受け取った先輩はキャプテンにパスを出す。

 

穂乃果:「皆!! ディフェンスラインを固めて!!」

 

音ノ木坂イレブン:「はい!!!」

 

神童:「行くぞ!! 必殺タクティクス<神のタクト>!!」

 

キャプテンが瞬時に敵、味方選手の位置から状況判断し、最適なパス・ドリブルコースを指示する。その指揮の通りに動くだけで面白い様にパスが繋がりボールは前線へ。

 

天馬:「竜太!!」

 

そしてボールは俺に繋がる。しかし希理歌には化身がある。気は進まないが俺も使うか。

 

竜太:「来い!! 【海皇龍(かいおうりゅう)ブルーヒドラ・伍式(ごしき)】!!!」

 

俺の背から一際巨大な黒いモヤが発生。中から現れたのは、蒼い翼と体に鱗を持つ3つ首の龍の化身だった。

 

天馬:「で、デカイ.......!!」

 

すずめ:「怖い......」

 

俺が化身シュートの体勢に入る。ブルーヒドラがボールに極大の水エネルギーをチャージし、3つのそれぞれの頭もブレスの発射体勢に入る。俺がボールをシュートすると、3つの頭全てから激流の如き水流がボールを後押しする様に放射。超越的な破壊力のシュートが突き進む。

 

竜太:「[― ハイドロブラスト ―]!!!!」

 

ドゴオオォォォォオオオオオオン!!!!!!

 

猛然と突き進む俺のシュート。しかし春香が立ち塞がる。

 

春香:「絶対に通さない!! [ハードプラント・G3]!!!」

 

春香の技は土壇場で進化。よりパワーを増した木の根を何度もシュートに打ち付ける。だが、シュートは全くと言って良い程パワーが落ちずに、ゴールめがけて突き進む。

 

希理歌:「くっ!! 【灼熱のレッドダイス・参式】!!!」

 

希理歌が化身を呼び出して化身技を放つ。

 

希理歌:「スピリチュアルパワー全力全開フルスロットル!! [― ラッキーダイス ―]!!!!!!」

 

レッドダイスが6つのサイコロを同時に放る。出た目は5つが「6」。最後の1つは・・・「1」。

 

俺のシュートは希理歌を化身諸とも押し流し、ゴールに突き刺さった。

 

実況:「ゴオォォオオオオオオオル!!! 雷門逆転!! 「ピッ、ピッ、ピィイイーーーッ!!」ここで試合終了のホイッスル!! 激闘の末インターハイ本選出場を決めたのは、雷門高校だーーーーーーっ!!」

 

理沙:「そ、そんな......」

 

すずめ:「負けた」

 

ここな:「希理歌? 希理歌! しっかりしなさい!!!」

 

希理歌:「ゴメン皆。ゴメン・・・ごめんなさい......」

 

パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ!!!

 

観客から、音ノ木坂の選手たちに惜しみ無い拍手が送られる。

 

桐穂:「あーーーーもう。まだ勝てないかぁ!!」

 

竜太:「桐穂、お前らは強かったよ。今まで必死になって練習してきたのが伝わってきた」

 

桐穂:「・・・そっか」

 

竜太:「だから言っとくぞ!()()()俺たちの勝ちだ。またやろうな」

 

桐穂:「っ!! うんっ!!」

 

審判:「3-2で雷門。礼!!」

 

両選手:「「ありがとうございました!!!!」」

 

 

いよいよ、全国大会が始まる。

 

 

― 続く ―




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第33話:転校生「三船(みふね)栞子(しおりこ)

― ? side ―

 

?:「ここが雷門ですね」

 

竜太:「天馬急げ!! 朝練遅刻するぞ!!」

 

天馬:「もーーー!! 何で目覚まし鳴らないんだよーーーーー!!!!」

 

竜太:「遅刻したら一人で[キョ○イレンゲキ]10発一度に受けて貰うからな?」

 

天馬:「ひええええ!? 嫌だああああ!!!」

 

騒がしい人たちですね。一年生でしょうか?

 

― ? side out ―

 

― 天馬 side ―

 

俺と竜太は案の定朝練に遅刻し、罰としてグラウンド10周を言い渡され走るハメになり、グラウンド10周が終わった時竜太はまだ少し余力があったが俺はゼェゼェと息を荒くしていた。

 

神童:「これに懲りたら気をつける様に」

 

竜太・天馬:「「はい......。すみませんでした」」

 

竜太:「天馬のせいだぞ。後で受けて貰うからな?」

 

俺と竜太は二人揃ってキャプテンに頭を下げるが、もとはといえば俺の寝坊が原因なので竜太に脇腹を小突かれる。

 

天馬:「うう.....はい」

 

そしてそのあとの朝練も終了し授業を受ける為に教室へ

 

クラスメイト:「おい聞いたか松風? このクラスに転校生が来るって話」

 

天馬:「へぇ? どんな人なの?」

 

クラスメイト:「俺少しだけ見たけど凄っごい美少女!! おまけにお淑やかな雰囲気でお嬢様見たいな!!」

 

天馬:「そ、そっか.....」

 

こいつが見たのは絶対少しじゃないでしょ。 軽く引くよ。

 

そんな話をしていると、先生が教室に入って来た。

 

先生:「お前ら席に着け~」

 

先生の言う通りに俺たちは席に着く。すると先生のあとから、黒髪を肩辺りまで伸ばした凄く綺麗な女の子が入って来た。その子を見て同じ女子ですら感嘆の声を漏らしている。

 

先生:「じゃあ自己紹介を」

 

?:「はい。「三船(みふね)栞子(しおりこ)」です。どうぞ宜しくお願い致します」

 

そう言って三船さんはペコリと頭を下げた。

 

先生:「じゃあ席は......、松風の隣が空いてるな。そこに座れ」

 

栞子:「はい」

 

先生に答えて三船さんは俺の隣に座る。俺が「宜しく」と挨拶すると、三船さんも「宜しくお願いします」と返してくれた。・・・男子の皆、そんな俺を嫉妬と怨みの籠った目で見ないでよ。なんか葵から嫌な視線を感じるんだけど。

 

先生:「それじゃあ朝のホームルームを始めるぞ」

 

その日1日、三船さんの机には人だかりが出来ていた。そして放課後、俺は三船さんに部活はするのかと聞いてみた。

 

栞子:「はい。サッカー部に入ろうと思ってます」

 

それを聞いた瞬間項垂れる他部の男子たち。女子はそんな男子たちを呆れた目で見ている

 

天馬:「そうなんだ。このクラスだと俺とかすみサッカー部なんだよ。葵はマネージャー」

 

栞子:「そうなんですね。ではサッカー部室に案内して頂けますか?」

 

天馬:「オッケー」

 

そして部室棟エリアで他の皆と合流して一年生全員と三船さんでサッカー棟に向かった。

 

天馬:「ここだよ」

 

栞子:「お、大きい.......。えっ、これサッカー部だけの部室ですか?」

 

竜太:「ハハッ。その気持ちはよくわかるよ。俺たちも初めて見たときは同じ感想を持ったからね」

 

そして中に入ると既に彼方先輩や三国先輩たち三年生が来ており、俺たちは先輩たちに挨拶する。すると果林先輩が三船さんに気付き、

 

果林:「あら? その子誰かしら?」

 

天馬:「今日一年生のクラスに転校してきた三船さんです。聞いたらサッカー部入部希望ということでしたので連れてきました」

 

そんな話をしていると、円堂さんと鬼道さんがやって来た。

 

円堂:「皆揃ってるか?」

 

天馬:「円堂監督! いえ、キャプテンたち二年生がまだです」

 

円堂:「そうか。ん? その子は誰だ?」

 

俺が監督に三船さんのことを説明すると円堂さんが三船さんに質問した。

 

円堂:「三船!! サッカーは好きか?」

 

栞子:「えっ.....はい! 大好きです!!」

 

それを聞くと円堂さんはニカッと笑い、

 

円堂:「よし! 入部を認める。サッカーをやりたいやつが入るのが、サッカー部だからな」

 

三国:「ふふ。円堂監督らしいな」

 

天馬:「そうですね」

 

そして二年生が来たので監督から三船さんにユニフォームとジャージが渡され、三船さんも俺たちも男子と女子それぞれの更衣室でユニフォームに着替えてグラウンドに出る。

 

竜太:「三船さんはどのポジションなの?」

 

栞子:「DFです。私結構腕に自信があるんですよ?」

 

竜太:「おっ、言うねぇ。じゃあちょっと勝負してみる?」

 

栞子:「良いですよ?」

 

そして三船さんと3本勝負することになり、

 

竜太:「行くよ!!」

 

俺がドリブルで高速で攻め上がると三船さんはディフェンス技の態勢に。

 

右手の平を開いて下から上へ振り縦の網を。そのまま右手を三船さんから見て左から右へと振り横の網を。二つ併せて格子状の網を作りだした。

 

栞子:「[ハンタアァァアアズ、ネット]!!!」

 

竜太:「うわっ!!」

 

三船さんは網で俺を絡めとりボールを奪った。この子強い!!!!

 

せつ菜:「竜太さんが奪われた!?」

 

円堂:「二本目開始!!」

 

俺がドリブルで上がると三船さんは、

 

栞子:「何度やっても同じ事です!![ハンタアァァアアアズ、ネット]!!!」

 

竜太:「同じじゃないぜ?[ウォーターベール・V4(ブイフォー)]!!!」

 

俺が地面にボールを両足で蹴りこむとその場から三船さん目掛けて水柱が発生していき、[ハンターズネット]を抜けて三船さんを吹っ飛ばした。

 

栞子:「キャアッ!!」

 

竜太:「大丈夫?」

 

俺が三船さんの手を掴んで立たせると三船さんは呆然とした顔で、

 

栞子:「初めて抜かれた.......」

 

円堂:「3本目するか?」

 

栞子:「いえ、いいです。私のディフェンス技は今のところ[ハンターズネット]しか無いので同じ様にされて私の負けです」

 

すると皆三船さんのもとへ集まってきて「竜太から初見でボールを取る何て凄い!!」とか、「普段どんな練習してるの?」等色々質問攻めにされていた。

 

竜太:「三船さ・・「栞子」へ?」

 

栞子:「皆さんのことは名前で呼んでるじゃないですか。私のことも名前で呼んで下さい」

 

竜太:「分かったよ。栞子(しおりこ)

 

栞子:「っ!!//// 必ず貴方に勝ちますから!!」

 

おっと、どうやらライバル認定された様だ。

 

新しい仲間、「三船栞子」を加えた俺たち雷門イレブン。いよいよ全国大会に向けた練習に入る。

 

彼方・エマ・果林・歩夢・せつ菜:「「「「「ライバルが増えた.......」」」」」

 

 

 

― 続く ―




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第34話:合同強化合宿

全員:「「「合同強化合宿!?」」」

 

龍也:「ああ。俺と円堂と鬼道と園田のツテで全国の反フィフス派の学校と2泊3日で静岡にな」

 

竜太:「静岡か・・・・もしかして」

 

円堂:「合同宿舎として使わせて頂くのは沼津市内浦にある「浦の星女学院」だ。グラウンドも浦の星を使わせて貰う」

 

それを聞いた天馬たちは、

 

天馬:「浦の星って元イナズマジャパンの竜太のお母さんや黒澤ダイヤさんに渡辺曜さん、高海千歌さんを輩出した上に何度も日本一になってる超名門じゃないですか!!」

 

竜太:「そうだよ.......」

 

栞子:「? 何故そんなにげんなりしてるんですか?」

 

円堂:「参加するのは沖縄代表の大海原(おうみはら)高、

    福岡代表の陽花戸(よかと)高、

    静岡代表の浦の星女学院、

    北海道予選で敗退はしたが全国有数の名門女子校、函館聖泉、

    そして東京からは音ノ木坂、UTX学院、雷門だ」

 

鬼道:「どのチームも俺たちのイナズマジャパン時代の仲間が監督とコーチをやっている。アドバイスを貰いたければ積極的に貰いに行くといい」

 

龍也:「サインを貰いたい奴は色紙を忘れんなよ~(笑)」

 

そして一週間後の出発当日、俺たちは3時間程バスに揺られ、内浦の浦の星女学院に到着した。

 

天馬:「ここが浦の星......!!」

 

龍也:「ああ。果南たちの学校だ」

 

?:「お久し振りです皆さん。長旅お疲れ様でした」

 

見ると黒髪ロングの美人な女性が立っていた。もしかして!!

 

円堂:「おう黒澤、久し振り」

 

曜:「私もいるよ~」

 

千歌:「私もね!!」

 

鬼道:「渡辺、高海、久し振りだな」

 

ダイヤ:「他の皆さんはもう集まってますよ?」

 

― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―

 

桐穂・?:「「竜太~~!!」」ハグウッ「「む?」」

 

竜太:「くっつくな桐穂!! あと美歌!!!」

 

この千歌さんと同じオレ·····「みかん色!!」の髪をポニーテールに纏めている彼女は俺の地元の幼馴染の「高海美歌(たかみみか)」。浦の星サッカー部の二年生でありキャプテン。千歌さんの娘である。

 

美歌:「もう!! あとって何さあとって!!」

 

竜太:「いや、美歌だしこれで良いかなって」

 

美歌:「酷い!!」

 

美歌は頬をプクッと膨らませて怒っているアピールしているが全く怖くない。寧ろ可愛い。

 

?:「竜太君久し振り!! ヨーソロー!!」

 

竜太:「ヨーソロー!!!」

 

この子薄いグレーの髪をショートカットにした活発な女の子は曜さんの娘で浦の星サッカー部一年生の「渡辺千夏(わたなべちなつ)」。ポジションはMFで驚くことに俺とほぼ同等のドリブル技術を持つ。

 

千夏:「それにしても竜太相変わらず美歌ちゃんの扱いぞんざいだね·····」

 

失礼な。こんなにも丁重に扱っていると言うのに。

 

千夏・美歌:「「どこが!?」」

 

ふむ。地の文を読まれ.....「竜太~!!シャイニー!!」 ムギュウッ

 

竜太:「ふぁいふぁん、ふぁふぁふぃふぇふふぁふぁい(舞さん離してください)」

 

舞:「あんっ! そんなとこで喋っちゃダ~メ」

 

竜太:「ふぉふぇふぃふぉふふぃふぉふぉ?(オレにどうしろと?)」

 

このナイスバディな金髪は浦の星の三年生でDFの「小原舞(おはらまい)」さん。母さんの親友で元イタリア代表オルフェウスの小原鞠莉さんの娘である。

 

?:「お兄ちゃん相変わらずだね」

 

竜太:「何だ、いたのか果北?」

 

果北:「「いたのか?」じゃないよ!!!」

 

この母さんと同じ青い髪をサイドテールにした子は俺の双子の妹の「大海果北(おうみかほ)」·····え? 初耳? 聞いてない? 今初めて言ったからなぁ!! 因みに特にブラコンだとかそんなことは無い普通の女の子だ。そして浦の星サッカー部の一年生であり、俺と同じくポジションはFWだ。

 

桐穂:「果北ちゃん久し振り!!」

 

果北:「桐穂さんお久し振りです」

 

彼方:「竜太く~ん!! ちょっとちょっと~」チョイチョイ

 

彼方先輩が手招きしてるので皆に断りを入れて彼方先輩たちのもとへ。

 

果林:「ちょっと! あの子達何なのよ!?」

 

竜太:「幼馴染と妹です。俺ここが地元なんで」

 

彼方:「竜太妹いたんだ~。っていうか双子だったんだね~」

 

天馬:「そう言えば竜太って静岡出身だったね」

 

そしたらエマ先輩は俺の音の木坂と浦の星の幼馴染たちを一瞥すると、

 

エマ:「竜太くん!!」ムギュウッ!!

 

幼馴染たち:「「ッ!?」」

 

エマ先輩は自身の胸に俺の顔を抱き込むようにハグしてきた。あの、人の目があるので......、

 

エマ:ニヤッ(θ ω θ☆)

 

幼馴染たち:ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ(º 言 º*)

 

円堂:「皆集合!!」

 

そして集まった選手たちに、監督たちは自己紹介をしていく。

 

円堂守、鬼道有人、大海龍也、高坂穂乃果、園田海未、矢澤にこ、綺羅ツバサ、優木あんじゅ、立向居勇気、鹿角聖良、綱海条介、高海千歌、渡辺曜、黒澤ダイヤ、松浦果南(旧姓)の計15人の元イナズマジャパンメンバーが集まった。ってか母さん来てたんだ。

 

龍也:「皆も知っての通り、ここに集まっているのは反フィフス派のサッカー解放戦士たちだ。これから全国に進んだ学校は、フィフスセクターとの全面戦争に身を投じる事になる。今回の合同合宿は、彼らのレベルアップとサッカーの素晴らしさを再確認することが目的だ。惜しくも県予選で敗退した学校は、君たちのレベルアップ、ひいては本当のサッカーを取り戻す為に協力を申し出てくれた。全員感謝の気持ちを忘れない様に!!」

 

全員:「「「「「「「はい!!!!!」」」」」」」

 

聖良:「それではこれより、各ポジション別に別れて練習に移ります。各自担当指導員の元に行ってください。

GKは円堂くんと立向居くん。

DFは私とあんじゅさん、綱海くん。

MFは鬼道くん、千歌さん、曜さん、にこさん、海未さん、果南さん。

FWは大海くん、ツバサさん、穂乃果さん、ダイヤさん。

それでは別れて下さい」

 

果林:「大海くん、剣城くん、行きましょう」

 

そして各自で別れてこれから伝説の、「世界一」のメンバーによる特訓が始まる。

 

 

― 続く ―




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第35話:メンバーミックス5vs5

浦の星と他の学校との合同合宿で静岡の浦の星女学院に来た俺たち。まずはポジション別に別れて各自の現時点での実力を見て監督たち主導のもと参加全校ミックスで5vs5のミニゲームをすることになった。俺はCチームに割り振られ、他のメンバーは、

 

園田波未(そのだなみ)(音ノ木坂)

新見真奈(にいみまな)(UTX)

祭田知一(まつりだともかず)(陽花戸)

津島善美(つしまよしみ)(浦の星)

 

となった。

 

竜太:「よろしく」

 

祭田:「宜しくな!」

 

善美:「ヨロシクね皆」

 

この黒髪を背中辺りまでストレートで伸ばしているのは浦の星サッカー部三年生の「津島善美」さん。津島善子さんの娘だが厨二病は患っておらず、お母さんと違いこみコミュニケーション能力も高い。因みに美人。簡単に言えば容姿はお母さん、性格はお父さん似ってことだな。

 

波未:「宜しくお願いします」

 

新見:「よろしく」

 

チーム内の挨拶が済んだ所で、

 

龍也:「じゃあそれぞれ別の1チームを選んで組んでくれ」

 

天馬:「竜太、俺たちと組もう?」

 

竜太:「OK」

 

そしてそれぞれ2チームずつに別れ、

 

穂乃果:「じゃあ組んだチーム相手にミニゲームを始めるよ~」

 

竜太:「天馬たちが相手か」

 

梨菜:「竜太君が相手か。負けないよ!!」

 

ワインレッドの髪を肩まで伸ばして緩いウェーブのかかったこの女の子は「桜内梨菜(さくらうちりな)」。浦の星の三年生であり、俺の母さんの後輩「桜内梨子」さんの娘だ。

 

Cチーム vs Eチーム

 

Cチーム

 

GK    津島

 

DF    祭田

 

MF 新見    園田

 

FW    大海(竜)

 

Eチーム

 

FW 深海(しんかい)    尾木(おぎ)

 

MF    桜内

 

DF    松風

 

GK    三国

 

龍也:「じゃあ全チーム準備は良いか? 始め!!」

 

ピィイイイーーーーッ!!

 

開始のホイッスルが鳴りCチームボールでキックオフ。ボールを新見さんに渡すと新見さんはドリブルで相手陣内へと切り込んでいく。するとそこへ相手FWで大海原の深海がディフェンスに入る。

 

新見:「園田さん!!」パスッ

 

波未:「っ!?」

 

しかしパスは合わずにボールはタッチラインを割った。

 

波未:「新見さん! もっと前に出して下さい」

 

Eチームボールのスローインからゲーム再開。

 

天馬:「桜内さん!!」

 

梨菜:「尾木くん!!」

 

天馬のスローインからボールを受け取った梨菜は尾木にパスを出すがボールは尾木のかなり前を転がりタッチラインを割った。

 

尾木:「桜内さん、もっと手前!!」

 

見ると他のコートもパスが合わずににタッチラインを割りまくっていた。·····!!なるほど。そう言うことか。

 

竜太:「皆よく聞け! 今のチームは、ほとんどが俺たちが普段一緒にやっているメンバーじゃない。同じようにやったら、合わなくて当然だ。一人一人がゲームを組み立てるつもりで味方とボールをコントロールして、尚且つ連携するんだ!!」

 

波未:「成る程、そう言うことですか」

 

新見:「結構な無茶振りね」

 

俺の言葉で意図を理解した他コートも何とかしようとプレーする。

 

― 他コート ―

 

神童:「高坂!!」

 

神童くんは私にパスを出す。今度は私の加速力も計算して·····

 

桐穂:パシッ「ほっ! ナイスパス!!」

 

― そのまた他コート ―

 

栞子:「果北さん!!」

 

果北:「ナイスパス!!」

 

― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―

 

祭田のスローインからゲームを再開。ボールは波未へ渡り、ボールを持った波未はドリブルで上がり新見へパスを出す。今度は新見の加速力を考慮に入れつつ、

 

新見:「ナイスパス!! 大海くん!!」

 

天馬:「止める!! [スパイラルドロー]!!!」

 

竜太:「甘い!! [スプリントワープ・Gx]!!!」

 

ビュンッ! ビュンッ! ビュンッ!!

 

俺は天馬を超加速で抜き去りシュート体勢にはいる。

 

俺は空中でボールを両足で挟む。身体ごと捻ってボールに高速回転をかけて空気摩擦で着火。一回転身体を回し、その勢いで渾身ソバットキックをぶちこんだ。

 

竜太:「[絶・デスファイア]!!!」

 

ボォガァアアアアン!!!!

 

三国:「[炎の鉄槌]!!!」

 

ガガァアアアッ!!!

 

三国先輩が炎の魔神を呼び出し、燃える右手でシュートを叩き潰そうとする。が、パワーが足りずにシュートはゴールに突き刺さった。

 

海未:「Cチーム vs Eチーム終了です」

 

そして俺たちが他のコートのゲームを見ていると、大海原のMF笹野(ささの)からのパスを果林が受け取りシュートを決め、陽花戸のFW間倉(まくら)のドリブルを彼方がブロックしたりと雷門メンバーもなんとかやれていた。

 

そして全てのチームが終了し、

 

ツバサ:「じゃあ次の練習は淡島で行うので全員ジャージに着替えて船乗り場へ向かいます」

 

そして俺たちを乗せた連絡船は淡島にやって来た。

 

 

 

― 続く ―




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第36話:淡島、地獄の階段ダッシュ

申し訳ありません。今回はかなり短いです。

それではどうぞ。


~ 淡島 ~

 

果南:「じゃあ次の練習はこの淡島神社への階段をダッシュで登って帰ってくること。頂上の(やしろ)に千歌が待ってるから証明貰ってきてね。じゃあ皆位置に着いて。スタート!!!」

 

全員:「うおぉぉおおおお!!!」

 

勢いよく上がって行く周りの選手たち。しかしこの階段は勾配が急な上に段差も高い。故にあんなペースで行ったら直ぐに足が悲鳴をあげるだろう。実際、俺が1/3を上ったときにはほぼ全員が歩いていた。

 

竜太:「うおぉぉおおおおお!!!」

 

俺はほとんどペースを落とさず2/3を通過。俺に着いてきてる者は····、

 

桐穂:「竜太速いね~」

 

果北:「まぁお兄ちゃんですから」

 

なんと果北は分かるとして桐穂まで涼しい顔でついてきている。そのすぐあとに浦の星の選手が続く。

 

舞:「Oh~。桐穂さん凄い体力デ~ス」

 

千夏:「さすが果北ちゃん····」

 

梨菜:「普段この階段で鍛えてる私達でもキツいのに·····」

 

ルリ:「桐穂さんには負けられませんわ!! 黒澤家に求められるのは勝利のみ!!」

 

サファ:「ルリちゃん、お母さんじゃ無いんだから」

 

前の方は赤い髪をストレートロングに伸ばした女の子「黒澤ルリ」浦の星の一年生。後の方は黒髪をツインテールにした「黒澤サファ」こちらは二年生でこの二人は従姉妹であり、ルリはルビィさんの、サファはダイヤさんの娘だ。

 

羽丸:「き、きついずらぁ~」

 

この方言のはいったゆるふわ雰囲気の女の子は「国木田羽丸(くにきだうまる)」国木田花丸さんの娘だ。因みに二年生。

 

善美:「あんたたち頑張りなさい。もう少しよ!!」

 

波未:「お、追い付きましたよ!!」

 

なんと波未が追い付いてきた。やるな.......。

 

竜太:「よし。じゃあギア上げよ」

 

ドンッ!!

 

果北:「ちょっ!? 嘘でしょ!?」

 

桐穂:「くっ! 負けない!!」

 

ダッ!

 

果北:「桐穂さんも!? ああ~! もうどうにでもなれ~!!」

 

ダッ!!

 

そして頂上の社に一番に着いた俺は千歌さんに証明を貰い下山する。降りる途中後4/5位のところで天馬たちとすれ違い皆に驚かれた。

 

― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―

 

竜太:「よし! 一番!!」

 

桐穂:「二番!」

 

果北:「さっ、三番!!」

 

龍也:「よし、船で先に学校戻っておけ。皆が次のプログラムの準備してるから。しっかり休めよ」

 

竜太・桐穂・果北:「「「はい!!!」」」

 

そして俺たち三人は先に船で浦女へ戻り一時間後、皆が戻って来た。

 

円堂:「よ~し。皆お疲れさん」

 

あんじゅ:「じゃあ次は学校対抗で試合をするわよ。今日はもう時間の都合上1試合しか出来ないからサクッと対戦カードを発表するわよ」

 

皆がワクワクしながら発表を待つ。

 

あんじゅ:「対戦カードは「浦の星女学院」vs「音ノ木坂学院」よ」

 

美歌:「桐穂ちゃん! 負けないからね!!」

 

桐穂:「私たちだって!!」

 

鬼道:「それでは試合を始める。黒澤、高坂、監督頼んだぞ」

 

ダイヤ・穂乃果:「「分かってます(る)」」

 

フォーメーション

 

音の木坂

 

GK       東條

 

DF 真島    小泉    咲良

 

ボランチ  西木野  矢澤

 

MF   絢瀬   南   園田 

 

FW     星空  高坂

 

浦の星

 

FW       大海(果)

 

MF  渡辺   高海   黒澤(ル)

 

ボランチ  桜内    黒澤(サ)

 

DF 小原  川瀬  永井  国木田

 

GK       津島

 

 

立向居:「試合開始!!」

 

ピイィイイーーーッ!!

 

― 続く ―




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第37話:浦の星vs音ノ木坂。幼馴染の闘い

ピイィイイーーーッ!!

 

音の木坂のキックオフで試合開始。ボールはすずめに渡り、そこに浦の星のFWの果北が前線からすずめにプレスをかける。

 

すずめ:「理沙ちゃん!!」

 

ボールは理沙に渡るがそれを直ぐ様千夏がカット。それを確認した果北はゴール前に向かって走る。

 

千夏:「果北ちゃん!!」

 

ロングパスが果北に飛ぶがそれを真理奈が空中でカットしてそのまますずめにパスを出す。

 

果北:「やるじゃない!!」

 

攻める音の木坂。波未が相手の裏を取る斜めのパスでボールは蘭に渡る。

 

蘭:「いくにゃ! 桐穂ちゃん!!」

 

蘭が[タイガードライブ]を真上に放ち、それを桐穂が[プロミネンスドライブ]で併せる。

 

蘭・桐穂:「「[バーニングタイガー・改]!!!」」

 

俺たちと戦ったときよりも進化した[バーニングタイガー]が浦の星ゴールを強襲。しかしGKの善美は落ち着いて、

 

善美:「止める!!」

 

善美が両手にオーラを籠めると善美の左に赤色、右に金色の魔神が一体出現。二体の魔神が片手ずつをシュートにつき出した。

 

善美:「[真・風神・雷神]!!!」

 

二体の魔神の力で善美は[バーニングタイガー]をあっさり止めてしまった。

 

善美:「こんなもん? サファ!!」

 

善美のゴールキックからボールはサファに渡る。すると波未とここなが二人がかりで止めに入る。するとサファはドリブルの方向を変えてフィールドの内側へ切り込み近くにいたすずめも一緒に引き付けて千夏にパスを出した。

 

真理奈・春香・真島:「「「止める(ます)!!!!」」」

 

千夏:「[スプリントワープ・Gx]!!!」

 

千夏は超加速で三人を纏めて抜き去り果北にバックぎみの横のパスを出す。

 

果北:「ほっ! ナイスパス!!!」

 

ボールを受け取った果北がシュート体勢に入る。フィールドの奥から背ビレを覗かせながら獰猛な巨大サメが泳いでくる。果北が右足にオーラを籠めて渾身のシュートをボールに叩き込むと、サメと共にシュートはキーパー目掛けて突っ込んでいく。

 

果北:「[絶・シャーク・ザ・ディープ]!!!」

 

希理歌:「止める!! [真・マジン・ザ・ハンド]!!!」

 

希理歌の[マジン・ザ・ハンド]も俺たちと戦ったときよりもパワーアップしており、果北のシュートを迎え撃つ。

 

ガガアアアアッ!!!

 

希理歌:「ぐううううううう!!!!?」

 

しかしどう見てもパワーは果北の方が上。希理歌はついに限界が来て吹き飛ばされ、シュートはゴールネットを揺らした。

 

桐穂:「っ! これが浦の星.....。サッカー女子高最強校.......」

 

果北:「桐穂さん、この程度じゃあ拍子抜け何ですけど」

 

桐穂:「っ!」

 

音ノ木坂ボールで試合再開。音の木坂はパスを細かく繋ぎボールは前線の桐穂へ渡る。桐穂がシュート体勢に入ると左足にとてつもない火力の爆炎が宿る。左足を後方に振り上げると炎が剣の形に変化。ボールを切り裂く様に、鋭く重い蹴りを叩き込んだ。

 

桐穂:「[超・マキシマムファイア]!!!」

 

ボォオガァアアアアアアアン!!!

 

シュートは、ブロックに入ろうとした永井と川瀬を炎の熱気で近寄らせずにゴール目掛けて突き進む。

 

善美:「[真・風神・雷神]!!!」

 

善美の左右に一体ずつ魔神が現れ片腕をシュートにつき出す。

 

ガガアアアアッ!!!

 

善美:「ぐ! ぅぅううううう!! 止め・・・る!!」

 

ドガアアアアアッ

 

善美:「キャアアアアアッ!!!」

 

しかし桐穂のシュートは善美を吹き飛ばしてゴールに突き刺さった。

 

果北:「そうでなくちゃ」

 

浦の星ボールで試合再開。ボールを持った梨菜は美歌、千夏とともにロングシュートの構えを取る。

 

梨菜と美歌と千夏の三人がボールを中心に三角形に立ち、ボールとともに黒いオーラで三角形を構成し回転しながら上昇。三人で左、右、下とボールに順番に蹴りを叩き込んだ。

 

梨菜・美歌・千夏:「「「[絶・デスゾーン]!!!!」」」

 

ドガァァアアアアアアン!!!

 

シュートは音の木坂ゴール目掛けて突き進みここで果北が、

 

果北:「チェイン!! [絶・シャーク・ザ・ディープ]!!!」

 

ドゴォォォオオオオオオオオン!!!!

 

更に威力を増したシュートが突き進む。

 

すずめ:「止める!!」

 

すずめがフィギュアスケートのスピンの様にクルクル回りスピンの遠心力を利用して右足を横凪ぎにフルスイング。風圧で竜巻を巻き起こしてシュートを巻き込む。

 

すずめ:「[シューティングカット・Z]!!!」

 

しかし威力を大分削がれた物のシュートはなおも突き進む。

 

波未:「ここなさん! 真理奈!!」

 

三人がシュートの前に立ち、三人同時に足を振り上げ地面に叩きつける。するとシュートを囲うように鉄格子が出現。シュートを閉じ込める。更にその内部に高重力の力場を発生させる。

 

波未・ここな・真理奈:「「「[超・グラビティケージ]!!!!」」」

 

ここでシュートは完全に勢いを失いボールは波未の元に。

 

波未:「蘭!!」

 

蘭:「いくにゃあああ!!! 【疾風の白虎・参式】!!!」

 

梨菜:「化身!?」

 

蘭:「行くにゃ!! [― 疾風迅雷 ―]!!!」

 

舞・川瀬:「「くっ!(速い!)」」

 

蘭:「喰らうにゃあああああ!!!」

 

ドガァァアアアアッ!!!

 

化身シュートが浦の星ゴール目掛けて突き進む。

 

善美:「絶対に点はやらない!! [真・風神・雷神]!!!」

 

ガガアアアアッ!!!

 

善美:「ぐううううううっ!!!」

 

引き摺られながらも必死に耐える善美。そしてシュートの威力を全て受けきり、化身シュートを止めて見せた。

 

ピッ、ピッ、ピィイイイーーーッ!!!

 

ここで前半終了のホイッスルが鳴った。

 

 

音ノ木坂 1 - 1 浦の星

 

 

― 続く ―




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第38話:決着!!音ノ木坂vs浦の星

音ノ木坂vs浦の星の練習試合、お互いに1点ずつで前半を終了し後半戦のキックオフ。

 

ピィイイイーーーッ!!

 

浦の星ボールで後半戦開始。ボールは千夏に渡り千夏はドリブルで音の木坂陣内に切り込んでいく。

 

理沙:「させない!! [フローズンスティール・V4]!!!」

 

通った後から地面を凍らせる氷のスライディングが千夏を襲うが、千夏はスライディングを横にずれて躱す。

 

真理奈:「そこっ!! [イグナイトスティール・V4]!!!」

 

今度は炎のスライディングが千夏に襲いかかる。が、千夏はそれをジャンプで避ける。しかし地面に着地した瞬間を狙って、

 

春香:「[ハードプラント・G3]!!!」

 

着地した瞬間何本もの木の根が襲いかかり、反応しきれなかった千夏。春香にボールを奪われそのままボールは前線のすずめに渡る。

 

すずめ:「蘭ちゃん、理沙ちゃん行くよ!!」

 

すずめがボールを雷雲の中に蹴りこむ。すると雷と闇のオーラを纏ったボールが落ちてくる。それを三人で3方向から同時シュート。

 

すずめ・蘭・理沙:「「「[イナズマブレイク・V4]!!!!」」」

 

善美:「そう何度も入れられてたまるもんですか!! [真・風神・雷神]!!!」

 

ガガアアアアッ!!!

 

善美は必死に耐えるが、パワーが足りずに引き摺られていき、ついに耐えきれずシュートはゴールに突き刺さった。

 

果北:「っ! 桐穂さん以外もやるじゃない!!」

 

2-1音の木坂リードの浦の星ボールで試合再開。

 

ボールを持った梨菜がドリブルで上がりハーフラインを越えた辺りでサファにパスを出す。

 

ここな:「止める!!!」

 

ここながスライディングで仕掛けるがサファはジャンプで躱して美歌にパスを出す。

 

美歌:「果北ちゃん!!!」

 

ボールは美歌から果北に渡り果北はドリブルで上がる。

 

春香:「止めます!!!」

 

果北:「無駄だよ!! [マーメイドダイブ・S]!!!」

 

果北が技をオフェンス技の発動体勢に入る。すると二人の回りが海中に変わる。果北は両足でボールを挟むと、美しいドルフィンキックによる水中での高速機動を展開。水中で上手く動けずにもがく春香を突破して最終ラインを抜けた。

 

果北:「決める!! [超・マキシマムファイア]!!!!!」

 

桐穂:「っ!! 私の技!!!」

 

希理歌:「点はやらない!! [正義の鉄拳・Gx]!!!!」

 

希理歌が左足を振り上げる。腰を入れながら思い切り左足を地面に踏みしめ、上体の動きと連動させて右拳を前につきだした。

すると背後からその動きに合わせて、オーラで構成された金色の巨大な鉄拳が高速回転しながらシュートに激突。真正面から迎え撃った。

 

ドゴォォォオオオオオオオオン!!!

 

希理歌:「ぐうううううう!!!!」

 

希理歌も粘るが[マキシマムファイア]は[正義の鉄拳]を粉々に粉砕してゴールに突き刺さった。

 

桐穂:「やっぱり・・・・果北ちゃんも..........」

 

果北:「うん。私もお兄ちゃんと同じくパパとママの力を受け継いでる。私のことはお兄ちゃんを相手にしてると思った方が良いよ?」

 

2-2、音ノ木坂ボールで試合再開。ボールはここなに渡るが果北が前線からここなにプレッシャーをかける。

 

ここな:「真理奈!!」

 

二人が跳ぶと上に魔方陣が現れる。跳んだ二人がクロスする様に魔方陣に向かってボールを蹴りこむ。すると魔方陣を通りX字のエネルギー波に変わったボールは着弾し、フィールドを抉り衝撃で果北を吹っ飛ばした。

 

ここな・真理奈:「「[ブリタニアクロス・V3]!!!」」

 

果北を抜いたここなはそのまますずめにパスを出す。

 

梨菜・サファ:「「止める(ます)!!」」

 

二人がすずめの左右の背後から前を巻き込む様にターン。起こした逆回転同士の風圧をぶつけて旋風を巻き起こしてすずめを吹っ飛ばした。

 

梨菜・サファ:「「[デュアルストーム・V4]!!!」」

 

梨菜:「美歌ちゃん!!」

 

ボールを受け取った美歌は果北とともにシュート体勢に入る

 

ボールを上に蹴り、左右から二人でボールに蹴りを乱打乱打で叩き込みエネルギーを蓄積。最後にシュートを叩き込んだ。

 

美歌・果北:「「[デュアルブレイカー・V3]!!!!」」

 

ドゴォォォオオオオオオオオン!!!

 

シュートは凄い勢いで突き進み、春香がシュートブロックに入る。

 

春香:「[ハードプラント・G3]!!!」

 

巨大な木の根がシュートを何度も打ち付けてブロックするも突き破り尚も進む。

 

希理歌:「絶対に止める!! [正義の鉄拳・Gx]!!!」

 

ガガアアアアッ!!!

 

シュートを真正面から鉄拳が迎え撃つ。しかしシュートは鉄拳を砕きゴールに吸い込まれ.....

 

咲良・真島:「「まだだあぁぁああああっ!!!!!」」

 

ガガアアアアッ!!!!!!!

 

何とDFの二人が希理歌が耐えてる間に後ろに走りゴールに入る寸前でブロック。[ハードプラント]と[正義の鉄拳]、そして二人のツインキックでシュートを蹴り飛ばした。

 

ピッ、ピッ、ピィイイイーーーーッ!!!

 

ここで試合終了のホイッスル。結果、2-2の引き分けで試合終了した。

 

真島:「咲良先輩、なんとか止めましたね.......」

 

咲良:「うん。良かっ..「二人ともーーーっ!!」キャアアアアッ!?」

 

桐穂:「二人ともありがとう! 危うく負ける所だったよ!!」

 

真理奈:「本当。美味しいところ全部持っていかれたわね」

 

真島:「へへ」

 

果北:「音ノ木坂の皆さん!!」

 

桐穂:「果北ちゃん!!」

 

美歌:「皆凄く強かった。今度またやろ? 次は勝つから!!」

 

桐穂:「私たちだって負けないよ!!!」

 

そして美歌と桐穂は握手を交わす。すると周りから大きな拍手が。

 

大海原:「いい試合だったぞーー!!」

 

陽花戸:「凄かった!!」

 

すると円堂さんが、

 

円堂:「これが本来あるべきサッカーだ。皆忘れるなよ!!」

 

全員:「はい!!!」

 

そして今日の練習は終了し後片付けをして宿舎の学校内に入った。

 

 

― 続く ―




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第39話:覗きと罰とガールズトーク

強化合宿一日目のメニューが終わり、あのあと皆で調理室を使わせて貰い皆でカレーを作り夕飯として美味しく頂きました。

いや~、ウチの女子には「料理が極端に苦手」って人が居なかったからとても旨かったです。中でも3年生組や歩夢先輩、しずくは普段から料理をしてるらしく手際が良かったです。

家庭的な女の子........良い!!!

 

そして夕飯が終わり部屋で暫くダラダラしたあとシャワーを浴びにシャワー室に向かっていると大海原と陽花戸の生徒が何やらこそこそしていた。

 

竜太:「何やってんだ、お前ら?」

 

大海原・陽花戸:ビクゥッ!「「・・・・何だお前たちか、驚かすなよ」」

 

天馬:「何をやってるの?」

 

陽花戸部員:「決まってるだろ? のぞきだよのぞき」

 

信介:「ええっ!? ダメだよそんなことしたら!!」

 

大海原:「何言ってんだ!! 浦の星や音の木坂の美女率の高さを見て何も思わないのか!?」

 

信介:「何で僕が怒られてるの!?」

 

ハァ、まったくコイツらは......

 

竜太:「俺パス。興味無......「そう言えば雷門も女子が美女ばかりだよな?」行かせて戴きます!!!」

 

天馬:「変わり身速っ!? ダメだよそんなことしたら!!! 女性陣に嫌われて幻滅されるよ!?」

 

くっ! 痛い所を....確かにそんなことしたら女性陣から死の一撃を貰うことは確定.....でもなぁっ!!

 

竜太:「悪いな天馬、男には死ぬと分かっててもやらねばならない時があるんだ!!」

 

天馬:「竜太ダメ~~~!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

天馬:「いや~竜太が思い止まってくれて良かったよ」

 

竜太:「・・・おう」

 

あのあと俺は結局引き返して来ました。人間そう簡単に死ぬ覚悟なんか出来るわけねぇだろ....。そこのヘタレって言ったやつ、俺に謝りなさい

 

 

prrrrrrrrr

 

神童:「大海、ケータイ鳴ってるぞ?」

 

竜太:「は~い」

 

ピッ

 

竜太:「もしもし?」

 

彼方:「あっ、竜太くん~? 今音ノ木坂と浦の星の皆と竜太の事話してたんだけど良かったら竜太も来る~? 見張りの監督たちに話は通しておくからさ~」

 

竜太:「行かせて戴きます!!!」

 

彼方:「良かった~。じゃあ後でね~?」

 

ピッ

 

俺は電話を切って飲み物を持って部屋を出る。

 

三国:「どこ行くんだ?」

 

竜太:「彼方たちに誘われたんで女子部屋行ってきます」

 

天城:「誘われた!?」

 

竜太:「女子の方から良いって言ってきたんだから良いんですぅ~~!! 悔しかったらそこまで親密になってみやがれ!! あばよとっつぁ~ん!!」

 

霧野:「おい大海......!」

 

霧野先輩が全て言い終わる前に俺は部屋から飛び出していった

 

― 女子部屋 ―

 

バンッ!!

 

竜太:「来たぞ~?」

 

果林:「あら竜太、いらっしゃい」

 

彼方:「待ってたよ~」スヤピ~.......

 

桐穂:「でね? 竜太も来た所で話を戻すけど、大海原と陽花戸の人たち私たちのシャワー浴びてる所を覗こうとしてたらしいんだよ」

 

歩夢:「うわ~ヤダ~」

 

すずめ:「竜太くんどう思う?」

 

竜太:「俺アイツらに誘われたよ?」

 

女子:「「「え!?」」」

 

女子たちが俺を疑いの目で見ている。しかしエマは、

 

エマ:「断ったでしょ?」

 

竜太:「ハハハハハ当たり前じゃないか。覗きなんて卑劣な真似しないよ」

 

果林や彼方たちの名前を出されて覗きに揺れた奴がどの口が言う。まぁ結果直前で止めたからノーカンって事で

 

せつ菜:「大丈夫ですよ。監督たちに言っておきましたから。今頃綱海さんと立向居さんに激怒されてる頃じゃないですかね?」

 

果北:「さすがに私も知らない人に裸見られるのはやだなぁ」

 

果北? その言い方だと知ってる人なら良いみたいだぞ?

 

エマ:「よしよし。断ってくれたんだね。ありがとう」

 

エマが俺をギュッと抱き締めてくれた拍子に俺の胸部に押し付けられムニュッと形を変えるエマのおっぱい。ねぇ? スゴいご褒美貰ってない? 覗きを実行しなくて本当良かったわ~

 

ここな:「その忌々しい脂肪の塊を削ぎ落としてやろうかしら?」

 

エマ:「やめて!?」

 

希理歌:「ここっちはお母さんのにこコーチと一緒で小さいもんね?」

 

ここな:「シバき倒すわよ!! このホルスタイン娘がああああああっ!!!」

 

千夏:「まぁまぁ。竜太は何で断ったの?」

 

コイツ、探りを入れてきやがったな!? ここはある程度正直に答えつつ大事なところはぼかす感じで行こう

 

竜太:「まぁぶっちゃけ興味はあったけど........」

 

波未:「私たちの裸にですか!?/////」

 

竜太:「健全な思春期高校生男子には仕方の無い事なの!! けど、それが原因で皆から嫌われたくなかったから誘いを断ったんだよ!! 悪い!?」

 

そう言うと皆笑顔を浮かべたり微笑んだ顔で俺を見てきた。え? なに?

 

 

蘭:「勘違いしてそうだから言うけど皆怒ってる訳じゃ無いよ?」

 

真理奈:「皆竜太が私たちの事を考えてくれたのが嬉しいのよ。それに嫌われたくないって事はそれだけ私たちを大切に思ってくれてるってことでしょ?」

 

竜太:「お、おう」

 

やべぇ、覗きに気持ちが傾いてたなんて死んでもバレる訳には行かなくなった。バレたらそれこそ二度と立ち直れない汚名を背負うことになる。

 

かすみ:「桐穂さんや美歌さんの知ってる昔の竜太くんってどんな感じなんですかぁ? 私たちも~雷門での竜太くんを教えると言うことで......どうです?」

 

桐穂・美歌:「「交渉成立!!」」

 

竜太:「なんか恥ずかしいな」

 

美歌:「じゃあ私たちからね。竜太って実はちょっと抜けてる所あるのは知ってる?」

 

桐穂:「私たち知ってる」

 

果林:「私は知らないわね」

 

しずく:「私たちも知りません」

 

美歌:「じゃあ言いますけどその前に確認を。皆さんの小学校って登校するとき靴で固定でしたよね?」

 

璃奈:「それ以外をOKの学校なんて無いと思うけど........」

 

果北:「でもお兄ちゃんサンダルで学校行ったことあるんです。それで学校でクラスメイトに指摘されて、「ああ、どうりで足がスースーすると思った」って。気づけよ!!って皆で突っ込みましたよ」

 

桐穂:「うわー! かわいー!!」

 

果林:「それは中々」

 

俺の顔はもう真っ赤になっていた。何? この公開処刑。/////

 

羽丸:「あの時はビックリしたズラ」

 

彼方:「じゃあ次は彼方ちゃんね~。竜太くんね~? 実は結構甘えん坊なの」

 

波未:「なんですかそれ!? 私たちは知りませんよ!?」

 

梨菜:「私も知らないわね」

 

果北:「なんと無くもしかしてとは思ってたけど確証は無かったかな。で? どんなエピソード何ですか?」

 

彼方:「前に二人でデートしたときに~「「デート!?」」う、うん」

 

竜太:「ねぇ? 何で桐穂たちはこんなに必死なの?」

 

果北:「それは私の口からは言えないかな(気づけよバカ!!)」

 

果林:「それで?」

 

彼方:「あ、うん。膝枕してあげたら~「「膝枕あああああ!?」」話が進まないんだけど」

 

栞子:「そ、それでどうなったんですか!?」

 

彼方:「身体を丸めて「彼方・・・・////」って。あんな竜太見たこと無かったからスゴく可愛くて新鮮だったなぁ~////」

 

俺の顔はもう茹でダコの様に真っ赤になってあまりの羞恥に爆発寸前

 

もうやめて~~!!!///////////

 

希理歌:「彼方ちゃん!!」

 

彼方:「な、なに~?」

 

希理歌:「ワシワシMAX!!」

 

モニュウッ!!

 

彼方:「いや~~.......!!」

 

彼方の大きな胸を背後から鷲掴みにする希理歌。おお眼p......、

 

春香:「竜太くんは見ちゃだめですっ!」

 

目隠しする春香。解せぬ。

 

桐穂:「まぁ彼方さんへのお仕置きは置いといて、「置いとかないで助けて~~!!!」次は私たち音の木坂の番だね」

 

果たして桐穂は何を語るのか。

 

 

― 続く ―




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第40話:合宿の夜

強化合宿1日目の夜、浦の星、音の木坂の幼馴染たちに加え雷門の女子メンバーと女の子たちにお呼ばれした俺は女子部屋で皆が俺のことを話しているのを顔を真っ赤にして聞いていた。

 

桐穂:「じゃあ次は私たちの番だね」

 

波未:「まず私たちはお母さん同士が高校の時のサッカー部の仲間で母親同士が集まる時に着いて行ってよく一緒に遊んでたんです」

 

すずめ:「それである日皆で集まってる時に龍也さんと果南さんが竜太くんを連れて遊びに来たんだよね」

 

理沙:「その時の竜太は気弱な男の子で果南さんの蔭に隠れてたわね」

 

竜太:「よく覚えてるな。そんな昔の話」

 

桐穂:「私たちと竜太が初めて会った日だよ? 忘れる訳無いじゃん!!」

 

果北:「へぇ~。私その時おじいちゃんとおばあちゃんと一緒に内浦でお留守番してたから行ってないんだよね」

 

真理奈:「それで桐穂の発案でミニサッカーやったんだけど」

 

果林:「何かあるの?」

 

春香:「その時から才能の片鱗が見えてたんだよね」

 

彼方たちがどういう事なのか気になっているとここなが口を開いた。

 

ここな:「蹴ったボールが、とてもじゃないけど5才の子供の蹴る威力じゃなかったのよ。今考えると、あれは普通だったら七・八才位の子の威力じゃ無いかしら」

 

それを聞いた雷門女子たちは「マジか.....」と驚いた顔をしていた。浦の星組はそれ以前から知っていたことなので驚きはしなかった。

 

栞子:「それを聞くと1つ疑問が。竜太さんもしかして普段手を抜いてませんか?」

 

栞子ちゃんの質問で皆黙ってしまう。以前から竜太くんはシードを含めたとしても日本トップレベルの実力者なのではと思ってはいたが、それを聞いてしまうと日本処か世界でもかなり上位の実力者の気がする。皆は竜太くんをじっと見つめる。竜太くんは「はぁ、」とため息をつき、

 

竜太:「確かに本気は出してないよ。本当の事を言えばゲーム風に言って皆の今のレベルが24~26前後だとすれば俺は87レベル位あるからね。本気をせば」

 

歩夢:「!? じゃあ何で本気を出さないの!? 貴方が革命の火を付けてくれたのに、その貴方が!!」

 

果北:「簡単な事ですよ」

 

せつ菜:「どういうことですか?」

 

桐穂:「雷門の皆を育て上げる為でしょ? 初めから全開にしてたら、頼りきって皆が育たないから」

 

竜太:「大正解です理由まで全て。まぁ危なくなったら状況に応じて解放するんで負ける事は無いかと」

 

歩夢:「そういうこと......私たちのレベルを上げるためか」

 

美歌:「早く追い付ける様に練習頑張りな? 全員が竜太レベルの力を持つチームなんて世界大会本選の決勝トーナメントレベルなんだから。フィフスセクターからしたら悪夢だよ」

 

希理歌:「この合宿でうちらも皆を鍛えてあげるから」

 

雷門女子:「お願いします!!」

 

かすみ:「じゃあ次の話題を振る前に....ごめんなさい、竜太くんは部屋に帰って下さ~い!!」

 

竜太:「え? 何で「良いから良いから」しずく!? せつ菜先輩!?」

 

俺は部屋から閉め出されてしまった。仕方無い、戻ろう。

 

― Girls side ―

 

かすみ:「で、この中に竜太くんを好きな人ってどのくらいいるんですかぁ?」

 

該当する人たちが手を上げる。手を上げたのは

 

桐穂ちゃん

すずめちゃん

波未ちゃん

希理歌ちゃん

美歌ちゃん

千夏ちゃん

羽丸ちゃん

果林ちゃん

私(彼方)

エマちゃん

歩夢ちゃん

せつ菜ちゃんの12人。ライバル多いな~。

 

かすみ:「へぇ意外。しず子とりな子は違うんだ。」

 

しずく:「正直よく分からないんですよね。ハッキリしてないから上げませんでした。」

 

と言うことはまだ増える可能性があるのか~。過酷な争いに身を投じてしまったな~·····。

 

桐穂:「手加減はしないからね!!」

 

美歌:「もちろん! 正々堂々奪い合おう!!」

 

果林:「私だって負けないわよ。竜太はスタイルの良い女性が好みみたいだしね?」

 

波未:「なっ!? そんな情報何処から!!」

 

歩夢:「ムムム、スタイルの良さでは果林さんが圧倒的かなぁ? モデルやってる位だし」

 

浦の星・音の木坂:「「モデルぅうううう!?」」

 

果林:「ええ。読モやってるの」

 

すずめ:「強力なライバル出現かも!!」

 

彼方:「彼方ちゃんも手加減しないよ~」

 

希理歌:「じゃあ汚い手は無しで真剣勝負や!!」

 

全員:「「「おおおーーーーー!!!」」」

 

今、恋の火花散る。

 

― 続く ―

 

 

 

 

果北:「お兄ちゃん大変だね。ハァ·····」




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第41話:合宿二日目、砂浜サッカー

合宿二日目の朝、俺は久しぶりに故郷内浦の海の砂浜を走っていた。

 

竜太:「ハッ、ハッ、ハッ、.........」

 

日差しが駿河湾の向こう、太平洋の水平線から顔を出す中俺は疲れた身体を休めるため砂浜に寝転ぶ。

 

竜太:「随分久し振りな気がするな「竜太く~ん!!」ん?」

 

声のした方を見るとせつ菜先輩と桐穂と果北が走って来ていた。

 

竜太:「三人ともどうした?」

 

果北:「お兄ちゃんが出ていくのが見えたから」

 

桐穂:「ちょうど私とせつ菜さんが起きてて果北ちゃんが行くっていうから一緒に追いかけてきたの」

 

エヘヘと太陽にも負けない輝く笑顔で笑うせつ菜先輩と桐穂。改めて見ると3人とも美少女なんだよなぁ。さすがに実の妹の果北を女の子として(·)(·)(·)(·)(·)(·)けども。

 

ケータイを見ると6:30近かったのでそろそろ戻ることにする。

 

竜太:「そろそろ戻るか」

 

せつ菜:「そうですね」

 

桐穂:「今日も1日頑張ろーーー!!!」

 

そして4人で宿舎に戻り、朝食後ユニフォームに着替えグラウンドに出る。

 

 

― ― ― ― ― ― ― ― ―

 

円堂:「よし、全員揃ってるな? では、今日の予定を伝える。

このあとから10:30まで砂浜にてフィジカルアップの特殊メニュー。

10:45から11:45まで学校裏の山の中でケードロと称したファルトレク。

12:00から昼御飯で13:30まで休憩。

それから17:30まで40分1本のハーフゲームを6本行う」

 

全員:「はい!!!」

 

綱海(父):「じゃあまず全員砂浜に集合な。ここから走れ!!」ピッ!!

 

綱海さんが笛を鳴らすと同時に校門を出て走って砂浜へ向かう俺たち。校門前の坂を下りて通りを海岸沿いにしばらく行くと砂浜へと降りる階段がある。そして俺が砂浜に入ると、既に父さん、母さん、鬼道コーチ、立向居さん、曜さん、千歌さん、穂乃果さん、にこさんたちが準備してくれていた。

 

果南:「おっ!! さすが果北と竜太、速いね」

 

そして皆も到着し、これから練習に入る。

 

天馬:「龍也さん、何でここにゴールが?」

 

龍也:「なに、簡単な事だ。お前たちにはこれからこの砂浜でサッカーしてもらう」

 

全員:「ええ!?」

 

桐穂:「こんな柔らかい砂の上でやったらいつもの倍は疲れるよ?」

 

神童:「ボールも転がらないし跳ねないだろうな」

 

龍也:「あともうひとつルールがある。全員、全ての必殺技を禁止する」

 

希理歌:「うわぁ、更に面倒な事を......」

 

鬼道:「では10分間1本でいつものメンバーでやるぞ。先ずは雷門 vs 陽花戸だ」

 

雷門・陽花戸:「「はい!!」」

 

龍也:「両チーム位置に着け」

 

陽花戸

 

フォーメーション

 

GK      立向居(子)

 

DF 新戸  国母 ☆戸田  祭田

 

MF   白霧  田所  名瀬

 

FW   角脇  尾木  間倉  

 

雷門

 

フォーメーション

 

FW     剣城  果林

 

MF  せつ菜 ☆神童  歩夢 

 

ボランチ     かすみ

 

DF 彼方  霧野  栞子  エマ

 

GK       三国

 

立向居(父):「それでは、開始!!」

 

ピィイイイーーーーッ!!

 

雷門のキックオフからゲームスタート。果林はボールをキャプテンにパスするが、

 

バフッ

 

果林:「転がらない!!」

 

竜太:「相手の身体目掛けて直接パスするんだよ!!」

 

フィールドの外から俺が声をかける。しかし果林のミスから尾木にボールを奪われ尾木はドリブルで上がろうとするが、

 

尾木:「ドリブルしづらいな。角脇!!」パスッ

 

直接相手の身体にパスし、それが通った所でせつ菜先輩がディフェンスに入るが、その前に次の人にパスアウトする。ボールは白霧に飛ぶが、

 

神童:「そこだあああああっ!!!」

 

キャプテンがパスカットに成功し、ツータッチで果林にパスを出す。

 

祭田:「行かせんたい!! 「剣城くん!!」!?」

 

ボールは裏に走っていた剣城の足元へ。剣城はシュート体勢に入る。

 

立向居(子):「もらっ........!?」

 

キーパーがシュートコースを読み飛ぶが剣城のそれはキックフェイントで、剣城は果林にリターンし、ボールを受け取った果林がシュートを決めた。

 

剣城:「ナイスシュートです果林さん!!」

 

果林:「剣城くんこそナイスパス!!」

 

1ー0、陽花戸ボールでゲーム再開。ボールは白霧に渡り、空中を通るダイレクトパスをFWに繋ぐ。

 

間倉:「ナイス!! 喰らえ!!」ドガアアアアアッ!!!

 

エマ・栞子:「「止める!!!」」

 

ガガアアアアアアッ!!

 

!?、一瞬二人の背後に鉄の鎖の網が見えた。二人はシュートをツインキックで蹴り返しボールは歩夢先輩へ。歩夢先輩はああ見えて俺と剣城を除けば部内で一番リフティングが上手い。すなわち精密なボールタッチが出来る。歩夢先輩は相手のディフェンスを足に吸い付く様なリフティングドリブルで抜き去り剣城にパスを出す。

 

剣城:「喰らえ!!」ドガアアアアアッ!!!

 

立向居(子):「止める!!!」ガガアアアアアアッ!!!!

 

ギャルルルルルルルルルル!!!!!!

 

立向居(子):「ぐうううううううう!!!」

 

バチィイイイン!!

 

立向居(子):「ぐわっ!?」

 

シュートがゴールに突き刺さり10分が経過しゲーム終了。

 

次は果たしてどのチームか?

 

 

― 続く ―




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第42話:砂浜練習 UTX vs 函館聖泉あとおまけ

砂浜での必殺技無し縛りの10分間ゲームの練習をしている俺たち。雷門vs陽花戸の次はUTXvs函館聖泉。両チーム位置につく。

 

UTX

 

フォーメーション

 

GK       田村

 

DF 田浦  優木  栗山  バルトシフト

 

MF   室戸  統堂  新見

 

FW   伊波 ☆綺羅  夕佐 

 

函館聖泉

 

フォーメーション

 

FW    鹿角(理) 渡

 

MF  氷室  北見  白戸    

 

ボランチ  冷見  人見

 

DF 国近  ☆鹿角(良)  川永 

 

GK      尾長

 

函館聖泉のF(·)W(·)の鹿角さん、フルネームは鹿角理香(かづのりか)さん。D(·)F(·)の鹿角さんは鹿角良子(かづのりょうこ)さん。聖良さんの娘であり、理香さんと良子さんは従姉妹で母親同士が姉妹らしい。

 

ピィイイイーーーーッ!!

 

UTXボールでゲーム開始。

 

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

 

彼方:「竜太くんはこのゲームどう見る~?」

 

竜太:「うーん、日頃の練習環境の気温とかの慣れで言ったらUTX有利な気もするけど、函館聖泉も冬は雪掻きで鍛えてるから不安定な足場には慣れてる気もするし」

 

エマ:「私は生まれがスイスの山岳地帯だから冬は毎年雪掻きやってたな~。結構鍛えられるんだよねあれ」

 

そう言ってる間に函館聖泉のMF北見さんがパスカットしてFWの鹿角(理)さんにパスを出す。

 

理香:「喰らいなさい!!!」ドガアアアアアッ!!!

 

結構威力あるな。けど、

 

竜太:「入らないな」

 

果林:「えっ?」

 

シュートはその言葉通りゴールの枠を逸れていった。

 

歩夢:「!? 竜太くん何で分かったの!?」

 

竜太:「俺のトリオン能力が高過ぎて「未来視」のサイドエフェクトが働いてしまったんですよ」

 

果林:「どこの迅○一!? 本気で言ってる!!?」

 

竜太:「そんな訳無いでしょ。頭大丈夫ですか?」

 

果林:「腹立つ!! この子腹立つ!!!」

 

地団駄踏む果林先輩。情緒不安定だなぁ。

 

エマ:「誰のせいだと思ってるの!?」

 

おっと心を読まれた。まあここでネタバラシ。

 

竜太:「さっき鹿角さんがシュートしたとき重心がズレてただろ? つまり崩れた体勢で撃ったから入らないなって」

 

しずく:「普通重心のズレなんて分からないと思いますよ?」

 

竜太:「いや~ちょっと前に遊びで「不可侵のシュート(バリアジャンパー)」習得したら重心の変化に敏感になっちゃって」テヘッ

 

かすみ:「今度は黒子のバ○ケ!? ちょいちょいネタ挟むの止めて!!」

 

ゼェゼェと息を切らすかすみ。疲れるならツッコまなきゃ良いのに。

 

栞子:「誰のせいだと思ってるんですか!?」

 

わ~お、また心を読まれたでござる。怖いんだけどおちおち考え事も出来ないぞ。

 

彼方:「アハハ.......。まぁ今は試合を見ようよ」

 

そして視線をゲームに戻す。現在5分が経過し残り5分。

 

玲奈:「アスナ!!」

 

英玲奈さんの娘の玲奈さんからツバサさんの娘のアスナさんにパスが繋がる。

 

アスナ:「喰らええええええっ!!!」

 

ドガアアアアアッ!!!

 

中々の威力のシュートが迫るがキーパー正面。しかしGKの尾長はシュートの威力に押され、砂の足元で踏ん張りが利かずシュートはゴールに突き刺さった。

 

アスナ:「よし!!」

 

尾長:「次は止めます!!」

 

函館聖泉ボールでゲーム再開。地面をボールが転がらずドリブルもしづらいのでパスを直接相手の身体に渡しループパスで攻め上がる。

 

あんな・栗山:「「止める!!」」

 

あんじゅさんの娘のあんなさんと三年生の栗山さんが二人がかりで理香さんに対してディフェンスに入る。

 

理香さんは逆サイドの白戸さんにパスを出すが新見さんと海外からの留学生バルトシフトさんに阻まれる。

 

白戸:「渡さん!!」

 

DFが揃いきる前に前線の渡さんにパスし、渡さんはダイレクトでシュートをゴールの右上隅に放つ。

 

田村:「止める!!!」バッ

 

GKの田村さんはジャンプでシュートに飛び付くが足元がユルい砂のせいで踏み切りが甘くなりたいして跳べずにシュートはゴールに突き刺さった。

 

ピッ、ピッ、ピィイイイーーーーッ

 

ツバサ:「ゲーム終了!! 次、音ノ木坂vs大海原!!」

 

すずめ:「覗きさんたちかぁ。セクハラされたらどうしよう」

 

竜太:「安心しろーーー!! お前らに手ぇ出したら後で殺しておいてやるから!!」

 

桐穂:「ありがとー竜太ーー!!」

 

二海:「ぐぅぅうううう!!! あんな美女軍団と幼馴染なんて羨ましいぃぃいいいいい!!!!!!!」

 

理沙:「でも竜太に頼りきりも良くないわ。ちょっとお仕置きしてあげましょう?」ニコリ

 

大海原:「ヒィィイイイイイ!? 背後に阿修羅が見える!!!」

 

そしてゲームが始まり大海原は5ー0でボコボコにされました。怒りに燃える桐穂たちに手も足も出ずに得点ラッシュを許した大海原。桐穂たち凄いな。ASベース残りBって感じで仲間のサポート様に全員が「てだすけ」を覚えてる見たいな

 

桐穂:「それポ○モンだよねぇ!?」

 

竜太:「おお桐穂お疲れ」

 

桐穂:「あっ、ありがと.......。じゃなくて!! 相変わらずネタ挟むの好きだねぇ」

 

円堂:「おい! 次のゲーム始めるぞ!!」

 

 

― 続く ―




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第43話:砂浜練習UTXvs浦の星!!

今回は短いです。

それではどうぞ!!


砂浜での10分間ゲームも4戦目、組み合わせはUTXvs浦の星。両校位置につく。

 

UTX

 

フォーメーション

 

GK       田村

 

DF 田浦  優木  栗山  バルトシフト

 

MF   室戸  統堂  新見

 

FW   伊波 ☆綺羅  夕佐

 

浦の星

 

フォーメーション

 

FW       大海(果)

 

MF  渡辺   高海   黒澤(ル)

 

ボランチ  桜内    黒澤(サ)

 

DF 小原  川瀬  永井  国木田

 

GK       津島

 

ピィイイイーーーッ!!!

 

主審の穂乃果さんが開始のホイッスルを吹きUTXボールでゲームスタート。笛と同時にFW3人はゴール前に上がり、ボールはゲームメイカーの統堂玲奈(とうどうれいな)さんに渡り、玲奈さんは室戸さん経由でボールを前線に運ぼうとする。

 

梨菜:「千夏ちゃん!!」

 

ボールを持った室戸さんを前後で挟みボールを奪った梨菜と千夏。そのあとボールは千夏に渡り、千夏はなんと走りながらのリフティングドリブルでボールを前線に運ぶ。

 

田浦:「今っ!!」

 

千夏に一瞬隙が出来そこを狙う田浦さん。しかし、

 

千夏:「掛かったね!! 果北ちゃん!!」

 

その隙は、千夏が敢えて作った罠であり、釣られたUTXディフェンスの裏を取った果北に綺麗なパスが繋がった。

 

あんな:「しまっ!?」

 

果北:「行くよぉぉおおおおお!!!」ドガァァアアアアン!!!!

 

シュートはゴールの左下隅にすごい勢いで飛んで行き、GKの田村さんがジャンプして必死に手を伸ばすが、ボールはゴールに突き刺さった。

 

果北:「よぉし!!」

 

美歌:「ナイシュ果北ちゃん!!」

 

UTXボールでゲーム再開。ボールは新見さんに渡り、ルリがディフェンスに入る。

 

新見:「右!!」

 

新見さんがパスをトラップした流れで右に躱すとルリは左を読んでおり躱される。

 

新見:(よし! やっ......!?)

 

しかしルリの背後から右目掛けてサファが来ており、一瞬のことで焦る新見さんからボールを奪った。

 

ルリ:「私たち黒澤家のコンビネーションは誰にも破れませんわ!!!」

 

サファ:「美歌ちゃん!!」

 

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

 

璃奈:「今の凄い。あれならどっちに来ても止められる」

 

歩夢:「でもぴったり息が合わないと出来ないね」

 

竜太:「「疑似・天○の眼」みたいだったな」

 

せつ菜:「黒子のバ○ケですか?」

 

竜太:「よく知ってますねせつ菜先輩」

 

果林:「せつ菜はアニメとか少年マンガ大好きなのよ」

 

せつ菜:「だって展開が熱くてカッコいいんですもん」

 

しずく:「へ~」

 

三国:「おい、ちゃんとゲーム見ろ!!」

 

俺たちがゲームに視線を戻すと果北がフリーでシュートチャンスを迎えていた。

 

栗山:「この!!」

 

果北:「甘いです!!」ドガァァアアアアン!!

 

栗山さんがブロックしようと足を伸ばすが届かず、そのままボールはキーパーの反応すら許さずゴールネットを揺らした。

 

ピッ、ピッ、ピィイイイーーーッ!!

 

ここでゲーム終了のホイッスルが鳴り、次の組み合わせは雷門vs函館聖泉だ。

 

良子:「雷門が相手ですか.......」

 

聖良:「どうしました? 良子?」

 

理香:「良子姉さんどうしたの?」

 

良子:「・・・ハァ、神童くん/////」

 

聖良・理香:「「えっ!?」」

 

国近:「ちょっと!? キャプテンの目が女の子の目になってますよ!?」

 

聖良:「ハァ.......。良子!!」

 

良子:「は、はい!!」

 

聖良:「全力でやって活躍すれば、神童くんに良いところを見せるチャンスですよ?」

 

良子:「っ!?」メラメラメラ

 

理香:「おお流石監督!! 姉さんがやる気になった!!」

 

良子:「皆さん行きますよ!!」

 

函館聖泉:「お、おお~

 

良子:「声が小さい!!」

 

函館聖泉:「おおおおーーー!!!」

 

神童:「なんだ?」

 

茜:「シン様は渡さない」

 

歩夢:「茜ちゃん!? 目が怖いよ!!?」

 

 

― 続く ―




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第44話:砂浜練習、雷門vs函館聖泉

今回も短いです。

スミマセン。


砂浜練習の第5ゲーム。雷門vs函館聖泉のゲームが始まる。

 

函館聖泉

 

フォーメーション

 

GK      尾永

 

DF 川永  ☆鹿角(良)  国近

 

ボランチ   人見  冷見 

 

MF  白戸  北見  氷室

 

FW    渡   鹿角(理)

 

雷門

 

フォーメーション

 

FW     大海  朝香

 

MF  浜野   松風   桜坂

 

ボランチ     ☆神童

 

DF 西園  天城  霧野  天王寺

 

GK       三国

 

ピィイイイーーーッ!!!

 

雷門ボールのキックオフでゲーム開始。ボールは神童キャプテンに渡り、

 

神童:「必殺タクティクス!! <ルート・オブ・スカイ>!!!」

 

神童キャプテンが浮き玉でしずくにパスを出し、しずくはそれをダイレクトで逆サイドの浜野先輩に繋ぐ。

 

浜野:「天馬!!」

 

浜野先輩もパスボールをダイレクトで、今度は天馬に繋ぎ、天馬もダイレクトでパスを繋ぎ、ボールは俺に渡る。

 

良子:「止める!!」

 

ディフェンスが前に出てきたので俺は身体を左にスライドし、右から裏に走ってきた果林にノールックでパスを出す。

 

果林:「ナイスパス!! 喰らいなさい!!!」ドガァァアアアアン!!!

 

以前よりも格段に威力、スピード、共に向上した果林のシュートは、物凄い勢いでゴール右へ飛んで行く。

 

尾永:「やらせない!!」

 

キーパーがジャンプし、果林のシュートに触れる。しかし、

 

バチィイイン!!

 

果林のシュートはキーパーの手を弾いてそのままゴールに突き刺さった。

 

果林:「よし!! 決まったわ!!」

 

竜太:「ナイス果林!!!」

 

函館聖泉ボールでゲーム再開。するとFWの理香さんがキックオフシュートを放ってきた。

 

三国:「止める!!!」ガシィイイイッ!!!

 

ギャルルルルルルル!!!

 

三国:「ぐぅぅううぉぉおおお!!!!」

 

足腰に力を込めて少し前屈みになり全体重、身体全部を使って止めようとする三国先輩。シュートは徐々に回転が弱まっていき、三国先輩の手の中で停止した。

 

三国:「よし!! 止めたぞ!!」

 

理香:「くっ! 入ると思ったのに!!!」

 

三国:「信介!!」

 

三国先輩からボールを受け取った信介は神童キャプテンにパスを出し、キャプテンはしずくにパスを出す。

 

神童:「桜坂!!」

 

パスを受け取ったしずくは膝で1回トラップし、そのままシュートを放った。

 

尾永:「なっ!? くっ!!」

 

相手キーパーが腕を伸ばすもシュートは正確にゴール左上隅を射抜き、サイドネットの内側のゴール内に突き刺さった。

 

ピッ、ピッ、ピィイイイーーーッ!!!

 

ここでゲーム終了のホイッスルが鳴り、両校速やかに外に出る。

 

龍也:「時間的に次で最後だ。対戦カードは、浦の星vs陽花戸だ」

 

美歌:「よ~し!! 覗きさんたちにお仕置きだー!!」

 

浦の星:「おおおおーーーーー!!!!!!」

 

戸田:「そう簡単に負けてたまるか!! 行くぞ皆!!」

 

陽花戸:「ォォオオオオオ!!!」

 

そして両校位置につく。

 

桐穂:「頑張れーー! 美歌ちゃん!! 果北ちゃ~ん!!!」

 

彼方:「浦の星頑張れ~.......。」スヤスヤ

 

エマ:「彼方ちゃんこんな所で寝ると熱中症になるよ?」

 

そして始まった最後のゲーム。それは蹂躙という言葉がにあうほどに陽花戸が浦の星にボコボコにされて終わり、砂浜での練習を終了し学校に戻った。

 

 

 

 

― 続く ―




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第45話:ファルトレク

砂浜での練習を終えた俺たちは浦の星に一旦戻り、それから次の練習場所である学校裏の裏山の入り口に来た。

 

円堂:「よし、次はこの山でケードロを行う。まず鬼はUTX、浦の星、大海原のメンバー。逃げる側は雷門、函館聖泉、音ノ木坂、陽花戸だ」

 

全員:「「「「「「「はい!!!!!!!」」」」」」」

 

鬼道:「では逃げるメンバーが逃げた20秒後に鬼がスタートする。負けた方は終わった後昼飯前に外周3周な」

 

竜太:「あっ、1つ聞いて良いですか?」

 

龍也:「なんだ?」

 

竜太:「鬼は黒スーツにサングラスじゃなくていいんですか?」

 

果林:「ハンター!?」

 

竜太:「えっ? 「逃走中」じゃないの?」

 

エマ:「違うから!! 練習だから!!」

 

周りのメンバーもクスクス笑っている。中には必死に堪えている者も。

 

円堂:「まぁ分かりやすい様に鬼にはビブスを着て貰う」

 

そしてメンバー全員が用意を完了し、

 

穂乃果:「始め!!」

 

ピッ!!

 

笛と同時に逃げる雷門、音ノ木坂、函館聖泉、陽花戸のメンバー。木々をかき分け山の奥へと逃げていく。

 

穂乃果:「鬼スタート!!」

 

ピッ!!

 

20秒経ち、逃走者を追いかけるハンター()たち、中でも一際厄介なのが果北だ。

果北は小さい頃から俺と一緒に両親の練習を耐え抜き、毎日欠かさずに淡島神社の階段ダッシュをやっていたので、女の子ながら身体能力は俺と同等の物を持っている。

そんなことを思っている間に、開始の笛と同時にスタートダッシュで飛び出した果北がいきなり一人陽花戸の部員を捕らえた。

 

果北:「先ずは一人!!」

 

白霧:「なにあの子!! 速すぎるんだけど!?」

 

戸田:「くっ!! 全員全力で逃げろーーー!!!」

 

必死に逃げる陽花戸メンバー。しかし果北に瞬く間に蹂躙され、開始5分で全滅した。

 

ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー

 

良子:「ここまで来れば.......」

 

ガサッ!!

 

良子:「っ!?」

 

奥の茂みがガサッと音を立てる。な、何?

 

ガサガサ

 

神童:「ふ~。あれ? 鹿角さん?」

 

良子:「し、しししし神童くんんんんん!?」

 

どうしよう心の準備が!!

 

ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー

 

理沙:「大分奥まで来たわね。」

 

ガサッ

 

理沙:「キャアッ!!」

 

?・?:「キャッ!」、「なんですかぁっ!?」

 

そこにいたのは、雷門の・・・確か......、

 

理沙:「ごめんなさい、ちょっと驚いちゃって。桜坂しずくさんに中須かすみさんよね?」

 

しずく:「はい! えっと・・・絢瀬さん!!」

 

かすみ:「も~! かすみんビックリしましたよ~。」

 

理沙:「ごめんなさいね。良かったら三人で行動しない? バラけてると危ないかもだし。」

 

しずく:「良いですよ?」

 

かすみ:「かすみんもオッケーで~す!」

 

ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー

 

璃奈:「桐穂さん、すずめさん、波未さん足・・早いですね」

 

桐穂:「まったく・・果北ちゃん速すぎる.......」ハァ、ハァ

 

すずめ:「璃奈ちゃん・・・何で・・息切れて・・・・ハァ無いの.......?」ゼェ、ゼェ

 

璃奈:「私、足はそんなに速くないけど、スタミナには・・自信がある」フンスッ!

 

璃奈ちゃんがエヘンと胸を張る。何かカワイイ。

 

桐穂:「波未ちゃんは足も早い上にスタミナもあるからね~。ッハァ.......」

 

波未:「まったく! だらしないですよ二人とも!! そんなことでどうするんですか!!」

 

璃奈:「・・・・身体能力おばけ。」

 

ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー

 

竜太:「追ってきて無いな。栞子、大丈夫か?」

 

栞子:「ええ。問題無いです」

 

俺と栞子は先程一人で山の中を彷徨いてる時にバッタリ会い、そのまま一緒に行動している。

 

栞子:「でも、この練習遭難する危険無いんでしょうか?」

 

竜太:「周りに他の山無いしあまり大きい山じゃないから大丈夫だと思うよ?」

 

栞子:「だと良いですが」

 

竜太:「何ならここらで少し下るか?」

 

栞子:「その方が良いと思います」

 

そして俺と栞子は来た道を戻りながら話をしていた。

 

竜太:「へぇ、栞子の家って日本舞踊の家元の家系なんだ」

 

栞子:「はい。本来は姉が継ぐ筈だったんですが.....その、少し問題がありまして」

 

竜太:「・・・ヤンキーとか?」

 

栞子:「違います。そんなだったら勘当されてますよ」

 

栞子は少し寂しそうな顔で話してくれた。お姉さんもサッカーをやっていたのだが、のめり込み過ぎて日舞の稽古を疎かにし、跡継ぎとして問題ありと判断されたため栞子に期待が重くのし掛かり、今は何とかサッカーを認めてくれてはいるが高校サッカーを最後にしなければならないと決まっていること。

 

栞子:「本当は私はプロの選手になりたかったんです。でも、私のサッカーは高校で終わるんです」

 

俺は、どうにかしてやりたいと思った。けど、俺にはそんな権限も力も無い。だからせめて、この子が最後だと言う高校サッカーを一生心に残る最高の思い出にしてやりたいと思った。

 

才能があっても、家庭の事情で諦めなければならない人もいる。俺は目の前の女の子を、複雑な心境で見つめていた。

 

 

― 続く ―




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第46話:神童&彼方Twin side おまけで天馬

合宿2日目、俺たちはその日最初のメニューの砂浜練習を終えて次のメニューのファルトレクを行う為浦の星の学校裏の裏山に行き、今まさにファルトレクと称した「逃走中(鬼ごっこ)」の真っ最中だった。

 

~ 神童 Side ~

 

俺は鬼から逃げている最中に函館聖泉の鹿角良子さんと出くわし、二人で一緒に行動していた。だがさっきから鹿角さんは顔を赤くしソワソワと落ち着きが無い。どうしたのか。

 

神童:「鹿角さん?」

 

良子:「な、何かな!? 神童くん!?/////」

 

物凄い慌てようだ。何だ?

 

神童:「どうしてそんなに落ち着きが無いんですか?」

 

良子:「ええっ!? 態度に出てた!?」

 

神童:「寧ろ何であれで出てないと思ったんですか····」

 

良子:「そ、そう.......。(うわ~!!! 最悪だよ~~!!!! 神童君に変な子だって思われるーーーー!!!)」

 

神童:「もしかして男子と二人きりが本当は嫌とか「違う!!!」そ、そうですか.....」

 

すごい勢いで否定してきた鹿角さん。ならなぜ?

 

良子:「は、恥ずかしいんです.....。/////私、男の子と二人なんて今まで一度もなかったから.......///////」

 

神童:ッ!!「そ、そうですか。(危ない......今の上目遣いで危うくハートを持っていかれる所だった....)」

 

良子:「神童君はモテそうだし女の子慣れしてそうですよね」

 

神童:「人を女たらし見たいに言わないで下さい」

 

良子:「え? 違うの?」

 

神童:「ヒドい!!!」

 

俺が心に大ダメージを受けていると鹿角さんはクスッと笑い

 

良子:「ゴメンゴメン。たらしてるのは神童君じゃなくて大海君でしょ? 分かってるよ」

 

神童:「からかうのは止め「居たぞ!!!」まずい! 逃げますよ!!」

 

良子:「う、うん!!」

 

俺は鹿角さんの手を引き、山の中を駆け抜けて行った。

 

~ 神童 Side out ~

 

~ 彼方 Side ~

 

やっほ~、彼方ちゃんだよ~。今はファルトレクのトレーニング中何だけど竜太くんどこ行ったのかな~?

 

ガサッ!!

 

!? な、何かな~......?

 

蘭:「春香ちゃ~んどこ行ったにゃ~?」

 

彼方:「音ノ木坂の......」

 

蘭:「にゃ? 雷門の....」

 

偶々会った私たちは、二人で行動することにした。

 

~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

 

蘭:「まったく!! 本っ当竜太はたらしだにゃ!!」

 

彼方:「蘭ちゃんは竜太にそういう気持ち無いの~?」

 

蘭:「まぁ悪い奴だとは思ってないにゃ。でもたまに人をからかってくるのはムカつくにゃ!! けどまぁ何だかんだ楽しいし、「悪友」って感じじゃないかにゃ」

 

彼方:「そっか~」

 

蘭:「・・・・・・・・」ジーーーーッ

 

彼方:「蘭ちゃん? 何で彼方ちゃんの胸を凝視してるのかな?/////」

 

蘭:「雷門の三年生は皆大きいから羨ましいにゃ......。蘭小さいし...

 

ん~確かに女の子にはデリケートな問題だもんね~。友達にも中々言える事じゃないし。

 

彼方:「蘭ちゃんひょっとして好きな人いるの~?」

 

蘭:「居ませんけど、でも恋愛願望はあるんです。男の人は大きい方が良いって言うし......」

 

彼方:「でも大きいと男からジロジロスケベな目で見られて大変何だよ~? 彼方ちゃんもそういう目で見られた事あるし」

 

蘭:「うわ~キモいにゃ~。」

 

彼方:「そうだよ~? それに胸に釣られて寄って来た様なひとなんて本当に自分を見てくれてるのかな~。彼方ちゃんはそうは思わないな~」

 

蘭:「確かに・・・愛されてるのは胸だけで他は愛されてないなんて悲しいにゃ......」

 

彼方:「大丈夫だよ~? 蘭ちゃん可愛いし良い子なんだから蘭ちゃんの内面まで見て好きになってくれる人はきっといると彼方ちゃんは思うな~」

 

蘭:「ありがとうございました!! なんか元気でたにゃ!!」

 

彼方:「いやいや、良かった良かった」

 

蘭:「決めたにゃ!! 桐穂ちゃんたちよりも、蘭は彼方さんを応援するにゃ!!」

 

彼方:「良いの? 桐穂ちゃんたちに何か言われない?」

 

蘭:「何を言われてもいいにゃ!! 彼方さんにはそれだけの恩ができたにゃ!!」

 

彼方:「ありがとう。うれしいよ~」

 

~ 彼方 Side out ~

 

~ 天馬 Side ~

 

アスナ:「もう!! どこ行ったの!?」

 

玲奈:「向こうを捜そう」

 

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

 

天馬:「はぁ、警察に追われる犯人ってこんな気持ちなのかな.......?」

 

ガサッ!!

 

天馬:「!? しまっ!!」

 

千夏:「居たよ!!」

 

天馬:「あーーーもう!! 何でこうなるんだよーーーーーー!!?!?!??!!?」

 

千夏・アスナ・玲奈:「「「待てーーーーー!!!!」」」

 

さて、このあと天馬はどうなったのか。

 

次回へ続く




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第47話:ファルトレク終了。勝利チームは?

ファルトレク開始から30分が経過し、残り時間は後半分。まだ残っている逃走者は良子さんと神童さん、璃奈と桐穂と波未とすずめ、栞子と俺、理沙とかすみとしずく、蘭と彼方、果林とエマ、ここな、あと・・・・「雷門、「松風天馬」捕獲。残り16名」おっと天馬が捕獲された様だ。後は今言った16人だな。

 

栞子:「だいぶ減ったみたいですね」

 

竜太:「そうだ・・「音ノ木坂、「矢澤ここな」捕獲。残り15名」だってさ」

 

どうやらここなが捕まったらしい。(ハンター)もやるな。

 

栞子:「捕まえたのは誰だと思いますか?」

 

竜太:「ん~.......、果北じゃねぇかな? つーかほとんど捕まえたのは果北だろ」

 

ガサガサッ!!

 

栞子:「っ! 誰!?」

 

蘭:「あれ? 竜太と三船さんだにゃ」

 

彼方:「二人一緒だったんだね~」

 

果林:「もう、私をほったらかして他の女とイチャついてたのかしら?」

 

竜太:「誤解の上に尾ひれ付いてるから。それとそう言うこと恋愛的に好きでもない男に言わん方が良いぞ? バカな男は勘違いす・・・・「バシィイイイン!!!」痛ってぇ!! 急に何だよ!? いきなり平手打ちしやがって!!」

 

果林:「うっさい!! アンタが馬鹿なのが悪いんでしょ!!! この女たらし!!!」

 

竜太:「はぁ? 何なんだよ.....って皆も同じ顔してる!?」

 

彼方:「・・・たらし」

 

エマ:「最低」

 

蘭:「最低だにゃ」

 

栞子:「流石にあれは無いです」

 

竜太:「何で!?」

 

どうやらここに俺の見方はいないらしい。俺変なこと言ったかなぁ?

 

 

 

 

 

 

そして合流した俺たち6人で行動することになったが、その間女子の冷たい視線が俺に針の様にブスリブスリと刺さっていた。泣きそうになるが警戒しながら森のなかを進む。

 

竜太:(!! 皆、ストップ)

 

果林:(どうしたの?)

 

竜太:(あそこ見てみろ)

 

皆が目をやった方向には、

 

梨菜:「ん~? いないわね」

 

彼方:(あの子は浦の星の......てことは鬼だね)

 

栞子:(そう言うことですね。向こうに行きましょう)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

竜太:「いないか?」

 

エマ:「うん。大丈夫みたいだよ?」

 

すると、またアナウンスが流れた。

 

「函館聖泉、「鹿角良子」雷門、「神童拓人」捕獲。残り13名。残り時間15分」

 

蘭:「函館聖泉も全滅かにゃ?」

 

果林:「神童くんも一緒にってことは二人一緒に行動してたのかしら?」

 

竜太:「だろうな.......」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてしばらく茂みの裏に潜伏し身体を休めているとまたアナウンスが鳴った。

 

「音ノ木坂、「絢瀬理沙」雷門、「中須かすみ」、「桜坂しずく」の3名捕獲。残り10名。残り時間5分」

 

そして茂みの上から顔を出し辺りを見回す。鬼はいない。

 

竜太:「このままいけるかな?」

 

果林:「ちょっ!! 竜太それフラグ!!」

 

果北:「見つけたぁぁあああああ!!!!!

 

ズドドドドドドドドドド!!!!

 

前方から果北がもの凄い勢いで走ってくる。ヤバい見つかった!?

 

竜太:「散開っ!!」

 

俺たちは一人一人全くの別方向に逃げる。これなら果北は一人しか追いかけられない。誰を追う? って.........

 

竜太:「俺かよぉおおおお!!?

 

果北:「何言ってんの!! 当たり前でしょうが!! お兄ちゃんが一番厄介なんだから!! やっと見つけた!! 絶対捕まえる!! 大人しく捕まりなさい!!!」

 

竜太:「誰が捕まってたまるか!! 逃げ切ってやる!!!」

 

俺と(果北)が必死の逃走と追跡を繰り広げるなか、アナウンスが鳴り、

 

「音ノ木坂、「星空蘭」雷門、「近江彼方」、「エマ・ヴェルデ」の3名捕獲。残り時間1分」

 

果北:「待てーーーーーー!!!!」ズドドドドドド!!!

 

竜太:「待つかぁあああああ!!!」ズドドドドドド!!!

 

幸い果林は捕まってない。逃げ切れたか身を隠す事が出来たのだろう。

 

千夏:「あっ!! いた!!」

 

竜太:「よりにもよって今度は千夏かぁぁあああああっ!!?」

 

俺は伸びる千夏の手をヒラリと躱して逃げる逃げる。しかしそろっと約5分間の全力ダッシュになるため息が.........

 

美歌:「いたーーーー!!!」

 

千夏:「美歌ちゃんそっち塞いで!!!」

 

竜太:「くそっ!!」

 

前後を塞がれたがここは山のなか。左右には逃げられるため右に折れて逃げる。すると、

 

「音ノ木坂、「南すずめ」、「園田波未」雷門、「天王寺璃奈」、「三船栞子」の4名捕獲。残り3名。残り20秒」

 

果北・美歌・千夏:「「「待てぇええええ!!!」」」

 

竜太:「待つかぁあああああ!!!」

 

必死の逃走劇を繰り広げる俺。そして、

 

「終了です。逃走成功者、雷門、「朝香果林」、「大海竜太」音ノ木坂、「高坂桐穂」。以上の三名です」

 

竜太:「や・・やった......!!」ゼー、ハー....ゼー..ハー.......

 

果北:「クソーーー! 外周かーーー!!」

 

千夏:「竜太速すぎ」

 

美歌:「戻ろうか?」

 

そして俺たちが皆の所へ戻るとすでに桐穂と果林がいて皆と話していた。全員いるか確認したところ全員いた。遭難者ゼロ。

 

そして(ハンター)組は外周を走らされ、終えた所で全員で昼食となった。

 

 

― 続く ―




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第48話:合宿二日目、午後

合同強化合宿二日目の午前練習が終わり、昼食の時間となった。あ~腹減った。

 

円堂:「昼飯は黒澤の家の漁師さんが捕ってきてくれた魚を高海の家の旅館の料理人さんが調理してくれた焼き魚弁当だ。希望者には刺し身もあるぞ」

 

全員:「ありがとうございます!!!」

 

そして俺たちは弁当を受け取り食べ始めた。

 

桐穂:「美味しーーーー!!」

 

波未:「そうですね。お魚も新鮮で......」モグモグ

 

美歌:「でしょ? 内浦で捕れる魚は美味しいんだ!!」

 

さっそく音ノ木坂と浦の星の俺の幼馴染たちは仲良くなったらしい。良いことだ。

 

蘭:「蘭は生魚は苦手だから焼き魚で良かったにゃ」

 

彼方:「蘭ちゃんお刺身駄目なんだ。美味しいのに」

 

蘭:「生臭くてどうも好きになれないんだにゃ」

 

 

 

 

 

エマ・栞子:「「合体ディフェンス技!?」」

 

竜太:「陽花戸との試合で相手のシュートを二人でブロックしたとき、俺には背後に鋼鉄の鎖の網が見えたんだ。エマの[守護騎士の盾]と、栞子の[ハンターズネット]を併せた技を作れないかと思ってさ」

 

エマ:「面白そう!! やってみようよ栞子ちゃん!!」

 

栞子:「はい!! 分かりました!!」

 

こちらは新必殺技の案を出し、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

霧野:「神童、この合宿どう思う?」

 

神童:「ああ。合宿前より格段にパワーアップしてるのが分かるよ」

 

歩夢:「キツイけど、私たちが潰れないように考えられてるのが分かるしね」

 

せつ菜:「歩夢さん!! このあと二人で連携技作りませんか?」

 

歩夢:「うん!! やろうよせつ菜ちゃん!! あっ!? そうだ・・皆に相談したいことがあるんですけど」

 

果林:「何かしら?」

 

歩夢:「雷門に帰ったら、サッカー部に入ってほしい子がいるんです。私の幼馴染なんですけど、昔から恐ろしいくらいサッカーが上手くて、実力的には本気の竜太くんに迫る位だと思います」

 

神童:「そんな奴が雷門に!?」

 

歩夢:「うん。浜野くんが同じクラスだよ? 「え?」それで、「私が本気出したら面白くなくなるし、もうサッカーに()()()()()()()()から辞める」って。でも、今は竜太くんがいるから、退屈させずに済むんじゃないかと。それなら入ってくれるんじゃないかと思って」

 

果林:「で、誰なの?」

 

歩夢:「浜野くんと同じ2-Bの「高咲(たかさき)(ゆう)」って子です」

 

浜野:「高咲ってそんなサッカー上手いの!?」

 

三国:「なるほどな。上原、その子に打診を頼めるか?」

 

歩夢:「やってみます」

 

こっちは何やら画策しており、

 

 

 

 

 

 

 

かすみ:「しず子~、りな子~、三人技とか作れないかな?」

 

しずく:「わたしは良いですよ?」

 

璃奈:「私もやる。楽しそう」

 

かすみ:「じゃあ技のコンセプトは~、」

 

こちらは一年生三人で何やら計画を練っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして昼食を食べ終わり皆で休憩していると、

 

龍也:「お前ら、午後の第一ゲーム雷門vsUTXに決まったから準備しておけよ? 必殺技や化身は普通に使って良いからな?」

 

神童:「分かりました」

 

第一ゲームか。相手はUTX。俺たちがどれだけ強くなったか試すには絶好の相手だ。皆に伝えに行こう。

 

PM2:00

 

円堂:「よし、午後2時になったため練習を始める。今日の始めに言った通り、40分一本のゲームを全6試合行う。必殺技や化身ありの通常ルールなので思い切りやってほしい」

 

全員:「はい!!」

 

円堂:「じゃあまずは雷門vsUTX。両チーム位置につけ」

 

フォーメーション

 

UTX

 

GK       田村

 

DF 田浦  優木(あ) 栗山  バルトシフト

 

MF   室戸  統堂  新見

 

FW   伊波  綺羅  夕佐

 

雷門

 

FW     剣城  朝香

 

MF  松風   優木(せ)  上原

 

ボランチ      神童

 

DF 近江  霧野  三船  ヴェルデ

 

GK       三国

 

龍也:「ゲーム開始!!」

 

ピィイイイーーーッ!!

 

― 続く ―




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第49話:開戦!雷門vsUTX

UTXボールでゲーム開始。ボールはUTXの司令塔である玲奈さんに渡り新見さん、アスナさんとパスを繋ぐ。そこに歩夢先輩がディフェンスに入る。

 

歩夢:「止める!!」ギュンッ!!

 

アスナ:「!?」

 

・・・・・・へ? 何? 今のスピード....?前までの歩夢先輩からしたら考えられないスピードだぞ。

 

歩夢:「あ、あれ? 取れちゃった」

 

歩夢先輩は力強い踏み込みから親指の付け根に力を集約し猛スピードで一瞬でアスナさんに肉薄しボールを奪った。

 

歩夢:「せ、せつ菜さん!!」

 

歩夢先輩は簡単に取れた事に逆に焦ってしまい、せつ菜先輩にパスを出すが前すぎる。あれはさすがに届かないだろう。

 

せつ菜:「ちょっ!? 歩夢さん!!」ダンッ!!

 

パシッ!

 

・・・・・・・へ?

 

なんとせつ菜先輩のスピードは歩夢先輩以上に上がっており届かないと思ったボールに届いてしまった。そう言えばせつ菜先輩は俺と剣城を覗けば部内一の駿足だったっけ。

 

バルトシフト:「と、止める!!」ギュンッ!?

 

しかし当然身体能力が向上しているのが雷門だけの筈は無く、DFのバルトシフトさんが更に増したスピードでせつ菜先輩に突っ込んで来る。

 

せつ菜:「(っ! 速っ!!)果林さん!!」

 

せつ菜先輩は奪われる直前で果林にパスを出しパスが通る。

 

果林:「行くわよ!!」ドッ、ゴォォオオオオオン

 

合宿前の果林だったら必殺技クラスのノーマルシュートがUTXゴールを襲う。

 

田村:「止める!! [パワーシールド・V2]!!!」

 

ドガァアアアアッ!!! バリィィイイイイイン!!!

 

シュートがバリアに当たると、バリアは一瞬ボールを受け止めたが直ぐに粉砕されてゴールに突き刺さった。

 

田村:「そ、そんな........」

 

果林:「あ、入っちゃった」

 

1-0雷門リードのUTXボールでゲーム再開。ボールは伊波さんに渡りドリブルで上がって来る。

 

伊波:「絶対に取り返す!!」

 

天馬:「行かせない!!」

 

グッ、.....ドンッ!!!!

 

伊波さんはディフェンスに入った天馬をドリブルしながらダッシュで抜き去り振り切った。

 

天馬:「っ!? 速い!!」

 

伊波さんからボールはアスナさんに渡り、アスナさんはシュート体勢に入る。

 

アスナ:「[流星ブレード・V3]!!!」

 

赤紫色に光る極太の流星が雷門ゴールに迫る。

 

三国:「止める!! [炎の鉄槌・V2]!!!」

 

三国先輩は右手に燃え上がる炎の力を集約。炎のマジンを呼び出し、そのマジンと共に右手でシュートを思い切り叩き潰した。

 

ドグシャァアアアアアアアッ

 

ボールは黒焦げになり、地面にめり込んで停止した。

 

アスナ:「っ!? やるわね!!」

 

三国先輩のゴールキックから彼方にパスが通り室戸がディフェンスに入る。

 

彼方:「・・・・・・・」

 

グッ ダン ギュルンッ!!!

 

以前の少し動きが遅かった彼方からは想像もつかない高速ターンで相手を躱してキャプテンにパスを出す。

 

神童:「天馬!!」

 

ボールは天馬に渡り田浦がディフェンスに来る。

 

天馬:「[そよ風ステップ・V3]!!!」

 

天馬はとてもそよ風とは言えないほど速いスピードと風のルーレットで、田浦を抜き去りシュート体勢に入る。

 

天馬:「[マッハウィンド・改]!!!」 ドゴォオオオオオオン!!!

 

天馬は超スピードでドリブルし、ボールを蹴るたびにどんどんボールに風のエネルギーをチャージ。十分なエネルギーが溜まると右足で渾身のボレーシュート。シュートは竜巻の弾道を引きながら一直線にゴールめがけて飛んでいく。

 

田村:「これ以上点はやらない!! [ハイビーストファング・G3]!!!」

 

ガブゥッ!!!

 

田村の背後に現れた野獣がシュートに思い切り食らい付く。田村はシュートをガッチリとキャッチしあんなさんにパスを出す。

 

あんな:「玲奈!! アスナ!!」

 

ボールはロングパスで前線の二人へと繋がりDFたちが止めに入る。

 

玲奈:「[スーパーエラシコ・V2]!!!」

 

空中での巧みな足裁きで霧野先輩と栞子を抜いた玲奈さんはアスナさんと一緒に連携シュートの構えに入る。

 

玲奈さんが青白い、アスナさんが赤白い光をそれぞれ纏う。ボールと共にDNAの二重螺旋を描きながら上昇。二人同時にボールに飛び蹴りを放つと、ボールは赤と青二色の弾道を引きながら雷門ゴールめがけて落ちてくる。

 

アスナ・玲奈:「「[ザ・バース・V3]!!!」」

 

三国:「絶対に入れさせない!! [炎の鉄槌・V3]!!!」

 

進化した三国先輩のマジンは、三国先輩と共に[ザ・バース]を叩き潰そうとする。が、パワーが足りずに吹き飛ばされシュートはゴールに突き刺さった。

 

1-1雷門ボールでゲーム再開。ボールはキャプテンに渡り必殺タクティクス<神のタクト>を発動する。パスを繋いで相手のディフェンスを次々躱してボールは前線の剣城に。

 

剣城:「決める!! [デスドロップ・G3]!!!」

 

剣城は矢のような左足の鋭い蹴りをボール下部に加え高速回転をかける。返す刀のヒールでボールを上空へと上げる。そしてボールに黒いエネルギーをチャージし、跳んだ剣城はボールをオーバーヘッドで撃ち出す。

 

田村:「止める!!! [ハイビーストファング・G4]!!!」

 

ガブゥウウッ!!!

 

進化してよりパワーを増した野獣の牙がボールに突き立てられる。しかし[デスドロップ]は野獣の牙をへし折り、田村を吹き飛ばしてゴールのなかに吸い込まれた。

 

 

2-1雷門リード 残り時間15分。

 

― 続く ―




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第50話:決着!雷門vsUTX

今回は短めです。

ではどうぞ。


剣城の[デスドロップ]が決まり2-1。雷門リードのUTXボールでゲーム再開。

 

ピィイイイイーーーッ!!!

 

ボールは玲奈さんに渡り剣城と果林が二人がかりでディフェンスに入る。

 

玲奈:「あんな!!」

 

玲奈さんがあんなさんへノールックでヒールでのバックパス。ボールを受け取ったあんなさんは、玲奈さんが剣城と果林の二人を通り過ぎてから浮き玉でのパスでボールを玲奈さんに戻す。

 

玲奈:「新見!!」

 

ボールは新見さんに渡りせつ菜先輩がディフェンスに入る。

 

グッ、ドンッ!!!

 

新見さんは力強い踏み込みから超スピードでせつ菜先輩を抜き去る。

 

せつ菜:(っ! やっぱり速い!!)

 

新見:「夕佐ちゃん!!!」

 

ボールは夕佐に渡り、夕佐はシュート体勢に入る。

 

夕佐が右足でボールに高速サイドスピンをかけると、周囲の重力を巻き取り黒い重力場の塊へとかわる。それを夕佐は渾身の力でシュートした。

 

夕佐:「[アストロゲート・V3]!!!」

 

重力場の塊を纏ったシュートが、フィールドを削り取りながら一直線に雷門ゴールへと突き進む。

 

エマ:「行くよ栞子ちゃん!!」

 

栞子:「はい!!」

 

エマが両手を上に上げて直径1m程の鋼エネルギーの球体を作り出し、そこに栞子が[ハンターズネット]のエネルギーを撃ち込む。すると網は鋼へと変質する。成功したかと思ったが突風とともに鋼の網は消滅。二人は吹き飛ばされてしまい、シュートの侵攻を許してしまう。

 

三国:「[炎の鉄槌・V3]!!!」

 

ドグシャァアアアアアッ!!!

 

三国先輩が炎のエネルギーを右手に凝縮。すると背後に炎のマジンが出現。三国先輩はそのマジンと共に右手でシュートを思い切り叩き潰した。

ボールは黒焦げになり、地面にめり込んで停止した。

 

栞子:「何が足りないんでしょう......」

 

エマ:「タイミングは合ってる筈なんだけど.........」

 

ボールは三国先輩からキャプテンに渡り、キャプテンは歩夢先輩にパスを出す。そこに玲奈さんがディフェンスに入り、歩夢先輩は左右に揺さぶりディフェンスを崩そうとするが一向に崩れない。するとそこへ、

 

せつ菜:「歩夢さん!!」

 

ボールに歩夢先輩とせつ菜先輩が、二人で挟み込む様にダブルインパクト。特大の衝撃波が発生し、ディフェンスの玲奈さんを吹き飛ばす。しかしエネルギーを制御出来ずに二人も吹き飛ばされた。

 

せつ菜:「くっ、[キラーフィールズ]は無理なんでしょうか.......」

 

ルーズボールは天馬が押さえ、果林にパスを出す。

 

果林:「行くわよ!! [真・きらきらスターダスト]!!!」

 

ドガァァアアアアアン!!!

 

果林のシュートが、青白い星屑を撒きながらUTXゴールめがけて飛んでいく。

 

田村:「止める!! [ハイビーストファング・G4]!!!」

 

ガブゥウウッ!!!

 

鋭利な野獣の牙が果林のシュートにつきたてられる。しかし果林のシュートは牙を砕き、キーパー諸ともゴールに吸い込まれた。

 

果林:「よし!!」

 

3-1雷門リード。UTXボールでゲーム再開......と同時にゲーム終了のホイッスルが鳴った。皆がフィールドから戻って来ると、

 

竜太:「皆すごい身体能力上がってたな!!」

 

歩夢:「う、うん。自分でもビックリしたというか.........」

 

せつ菜:「私も驚きました」

 

天馬:「俺も前はあんなに早く動けなかったのに.......」

 

彼方:「でも~、一番凄いのは果林ちゃんじゃない? ノーマルシュートで必殺技破ったし~」

 

果林:「私が一番驚いたわよ。それより彼方、何よあのターンのスピード。断然速くなってるじゃない」

 

俺たちが話していると次の対戦カードが発表された。

 

龍也:「次は大海原vs陽花戸だ。準備しろ」

 

そしてゲームが始まると、やはり此方の2チームも大幅に身体能力が向上していたが、実力が拮抗しており点数が入らず0-0の引き分けで終わった。

 

残り4ゲーム。

 

― 続く ―




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第51話:幼馴染たちのリベンジマッチ。雷門vs音ノ木坂!!

第2ゲームの大海原vs陽花戸が終わり、次の第3ゲームの組み合わせが発表される。

 

ツバサ:「次は音ノ木坂vs雷門よ。準備して」

 

桐穂:「竜太たちとか。この間の決勝戦のリベンジさせて貰うからね!!」

 

竜太:「俺たちだって負けねーよ」

 

フォーメーション

 

音ノ木坂

 

GK      東條

 

DF 真島   小泉   咲良

 

ボランチ  西木野  矢澤

 

MF  絢瀬   南   園田

 

FW     高坂 星空 

 

雷門

 

FW   剣城  大海  朝香

 

MF 上原  優木  松風  桜坂 

 

DF   近江  霧野  天王寺

 

GK       三国

 

 

 

ツバサ:「準備はいい? 始め!!」

 

 

ピィイイイーーーーッ!!!

 

 

雷門ボールでゲームスタート。ボールはせつ菜先輩に渡り、先輩から剣城へ。剣城はドリブルで上がって行き、それを真島と春香が二人がかりで止めに入る

 

真島・春香:「「止め.....「良いよ撃たせて!!」希理歌先輩? 分かりました!!」」

 

希理歌の声でディフェンスを止めてコースを開ける二人。

 

剣城:「っ! ナメるな!! 決勝戦の時は遅れをとったが、二度は無い!!」

 

剣城は、矢の様な鋭い蹴りをボール下部に加えて縦の高速回転をかける。そして返す刀のヒールでボールを上空へと上げ、黒いエネルギーを纏わせる。

 

剣城:「絶対に決めてやる!!」

 

跳んだ剣城は、それを渾身のオーバーヘッドで撃ち出す。

 

剣城:「[デスドロップ・G4]!!!」

 

ドゴォオオォオオオン!!!

 

決勝戦の時とは比べ物にならない威力までパワーアップした[デスドロップ]が音ノ木坂ゴールを強襲。それを希理歌が迎え撃つ。

 

希理歌:「行くでぇ~!! [爆・マジン・ザ・ハンド]!!!」

 

ドガァアアアアアッ!!!

 

ギャルルルルルルル!!!!!

 

希理歌:「ぐううううううううっ!!!!!!」

 

希理歌の方もだいぶパワーが上がってはいるが以前とは違いシュートのパワーがなかなかおさまらない。決勝戦の時はあっさり止められていた事を考えれば凄い進歩だ。

 

希理歌:「決められる訳には......いかないんやーーーー!!!」

 

ドゴォオオォオオオン!!!

 

エネルギーの激突で爆発が起こり、ゴールは白煙に包まれる。煙が晴れると、シュートを掴み、ゴールラインぎりぎりで堪える希理歌の姿があった。

 

希理歌:「ハァ、ハァ、と...止めた......」

 

剣城:「っ! クソッ!! だが確かなパワーアップが分かった。次は必ず決める!!」

 

希理歌のゴールキックからボールは真理奈へ。そこへ歩夢先輩とせつ菜先輩が二人がかりでディフェンスに入る。

 

真理奈:「押し通るわ!! [フレイムベール・V4]!!!」

 

真理奈が両足でボールを地面に踏み込む。そこから火柱が二人めがけて順番に発生して迫って行く。最後に特大の炎で二人を吹き飛ばし突破する。

 

真理奈:「理沙!!!」

 

ボールが理沙に渡ると理沙は化身を発動。黒いドレスを纏った氷の化身、【白銀の女王ゲルダ】が降臨した。

 

理沙:「行くわよ!!」ドンッ!!

 

理沙が化身を出したまま以前よりも増したスピードで、ドリブルしながら突っ込んでくる。しかし不用意にも、彼方のパワードレイン系ディフェンス技、[フェアリーゾーン]の有効射程距離内に接近。

 

彼方:「[フェアリーゾーン・V3]!!!」

 

彼方の相手の力を奪い取る支配領域が展開され、中にいる理沙はどんどん化身パワーを奪われる。

 

理沙:「ぐぅううううっ!! 負けるかぁああああっ!!!」

 

ドガァアアアアアッ!!!

 

彼方:「うわぁああ~!?」

 

残った力を振り絞り強引に彼方を突破した理沙。シュートを放とうとするが、化身技[― アイシクルロード ―]を放てるパワーは残っておらず、化身ノーマルシュートを放つと、理沙は化身パワーを使いきり、【白銀の女王ゲルダ】は解除された。

 

三国:「絶対に止める!! [炎の鉄槌・V3]!!!」

 

ドグシャァアアアアアッ!!!

 

三国先輩は右手に炎のエネルギーを凝縮し、炎のマジンを呼び出す。そしてマジンと共に跳び上がり右拳で思い切りシュートを叩き潰した。

 

シュートは黒焦げになり、完全に停止した。

 

三国:「天馬!!」

 

波未:「させません!!」

 

三国先輩のゴールキックからボールは天馬に飛ぶ。しかし直前で波未にボールを奪われボールは蘭へ。しかし璃奈がディフェンスに入る。

 

蘭:「行くにゃ璃奈ちゃん!!」

 

璃奈:「止めるっ! [サイバース・・ロジックッ]!!!」

 

二人の周囲が電脳空間に変わり、蘭の周囲全方向360度に、ある程度の間隔を空けて璃奈の分身であるデータ体が現れる。そして本物の璃奈の合図で分身たちが一斉にボールめがけてスライディング。蘭は堪らず吹き飛ばされボールを奪われる。

 

ここな:「ちょっと!? 何よあの技!!」

 

ボールは璃奈からしずくに渡り、ここながディフェンスに来る。しずくはチェンジオブペースの緩急でここなを抜き去り、俺にパスを出す。

 

春香:「と、止めます!!」

 

竜太:「行くぜぇっ!! [マーメイドダイブ・S]!!!」

 

俺は母さんの技である水中高速軌道を展開。身動きの取りずらい相手を嘲笑う様に楽々突破した。

一応俺と果北は両親の技を継承してるから使えるんだよね。[ラストリゾート]と[ラストリゾートD]は実力的にまだ無理だけど。

 

春香を抜いた俺は跳び上がりシュート体勢に入る。すると背後に武士型のマジンが現れる。俺が左足を振り上げると同時にマジンが刀を振り上げ、足を振り抜くと同時にマジンがボールに一太刀の斬撃を加える。

 

竜太:「[スサノオブレード・Gx]!!!」

 

ドゴォオオォオオオン!!!

 

親父の物より威力は劣るが、それでも高校生からしたらとんでもないパワーのシュートが音ノ木坂ゴールに迫る。

 

希理歌:「止める!!! [正義の鉄拳・Gx]!!!」

 

希理歌が左足を振り上げ、力強く踏み込み腰を入れ上体と下半身の動きを連動させて右拳を突き出す。すると背後から黄金色に輝く巨大な拳が高速回転しながらシュートに直撃。[スサノオブレード]を迎え撃つ。

 

ガガァアアッ!!!

 

希理歌:「ぐぅううううううっ!!!!」

 

希理歌も粘るが、やはり耐えきれずに吹き飛ばされ鉄拳は粉々に粉砕されシュートはゴールに突き刺さった。

 

 

雷門1-0音ノ木坂 残り時間24分。

 

 

― 続く ―




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第52話:激闘リベンジマッチ!!雷門vs音ノ木坂

1-0の雷門リード、音ノ木坂ボールでゲーム再開。

 

ピィイイイイーーーーッ!!!!

 

ボールはすずめから蘭に渡り、蘭は更に磨きのかかったスピードでドリブルしながら突っ込んでくる。

 

天馬:「止める!!」

 

天馬がディフェンスに入るが左右の高速ターンであっという間に躱して更に前線へと侵入してくる。

 

霧野:「止める!! [ザ・ミス「遅いにゃ!!」!?」

 

霧野先輩が技の発動体勢に入っている間に蘭は脇を通り抜けてキーパーの三国先輩と1vs1に。

 

蘭がシュート体勢に入ると蘭の周囲に七本の剣が出現。蘭が足を振り上げると同時に、その切っ先をキーパーへと向ける。

 

蘭:「にゃぁぁああああっ!!! [真・グラディウスアーチ]!!!!」

 

ドゴォオオォオオオン!!!!

 

蘭がシュートを放つと、ボールと共に剣が尖端をこちらに向け、ボールの回りをグルグル回転しながら飛んでくる。

 

三国:「絶対に止めてやる!! [炎の鉄槌・V4!!!]」

 

三国先輩は右手に炎のエネルギーを凝縮し炎のマジンを呼び出す。そしてマジンと共に跳び上がり右拳を振りかぶると、思い切りシュートに叩きつけた。

 

ドグシャァアアアアアッ!!!!!

 

シュートは地面にめり込み完全に停止した。

 

蘭:「にゃぁぁああああっ!!! 止められたにゃぁぁああああ!!!」

 

三国:「そう簡単に点はやらん!! せつ菜!!」

 

三国さんからのゴールキックでボールはせつ菜先輩に渡り、すずめがディフェンスに来る。

 

すずめ:「行かせない!! [スピニングカット・V3]!!!!」

 

すずめが右足にエネルギーを纏わせて横凪ぎにフルスイング。するとエネルギー波がせつ菜先輩の足元の地面めがけて飛んでいく。そして地面に着弾した瞬間、壁の様にエネルギーが競りだしせつ菜先輩をシャットアウト。ボールを奪った。

 

歩夢:「そこだぁぁあああっ!!!!」

 

すずめ:「!!」

 

奪った直後の一番油断するタイミングを狙いスライディングでボールをカットする歩夢先輩。そのままドリブルで攻め上がる。

 

せつ菜:「ありがとうございます歩夢さん!」

 

真理奈・理沙:「「甘い!!」」

 

真理奈と理沙が前後から挟んでボールを持つ歩夢先輩を狙う。パスターゲットを探すが全員ピッタリとマークに付かれてパスは出せない。

 

せつ菜:「歩夢さん! あれを!!」

 

歩夢:「でもあれはまだ完成して「今はそれしかありません!! 速く!!」わ、分かりました!!」

 

歩夢先輩とせつ菜先輩は二人で挟み込むように同時にボールに蹴りを叩き込む。今度は、二人の動き、インパクトのタイミング、全てが綺麗にシンクロしていた。

 

ドゴォオオォオオオン!!!!!

 

真理奈・理沙:「「キャァァアアアアアアアッ!?!?」」

 

今までよりも更に激しい衝撃波が発生し、理沙と真理奈を吹き飛ばす。しかしそれを起こした歩夢先輩とせつ菜先輩はまったくの無傷で無事だった。

 

歩夢:「あ、あれ? で、出来た?」

 

せつ菜:「そうか.....分かりましたよ歩夢さん!! タイミングです!! 二人の動きと蹴るタイミングが、まったくの同時じゃないとダメなんです!!」

 

歩夢:「!! そう言うことだったんだ!!」

 

せつ菜:「行きますよ歩夢さん!!」

 

歩夢:「うん!!」

 

二人で一緒に前線へと上がる二人に、真島さんと春香が立ち塞がる。

 

春香:「これ以上は進ませません!!」

 

真島:「止める!!!」

 

歩夢・せつ菜:「「[キラーフィールズ]!!!!」」

 

ドゴォオオォオオオン!!!

 

二人の同時蹴りで極大の衝撃波が発生。春香と真島さんを吹き飛ばした。

 

歩夢:「果林さん!!!」

 

ボールは果林に渡り、受け取った果林はシュート体勢に入る。

 

果林がボールを両足で挟みながらアクロバティックなダンスで回転をかけたボールを空中へと放る。するとボールを()()炎が包みその中から青い炎の鳥(フェニックス)が顕現する。

 

果林:「行くわよ!! [Fire Bird(ファイアーバード)]!!!」

 

青い炎を纏ったボールを果林がオーバーヘッドで打ち出すと、青い火の鳥(フェニックス)がボールと共に音ノ木坂ゴールめがけて飛翔する。

 

希理歌:「点はやらない!! [爆・マジン・ザ・ハンド]!!!」

 

ガガァアアッ!!!

 

希理歌が呼び出したマジンが右手を突きだし[Fire Bird]を掴み取ろうとする。しかし明らかに押されているのは希理歌の方。マジンは耐えきれず消滅。シュートはゴールに突き刺さった。

 

雷門2-0音ノ木坂 残り時間10分

 

 

― 続く ―




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第53話:リベンジマッチの決着

先週、今週の投稿分を書けなかったので今週はこのお話のみです。この作品を見てくださっている数少ない皆様、申し訳ありません。

おまけに少し短いです。それではどうぞ。


2-0雷門リード。残り時間10分。音ノ木坂ボールでゲーム再開。

 

ボールはすずめに渡り、すずめは波未にパスを出す。しかし果林、しずく、天馬が三人がかりで止めに入る。

 

果林:「囲いこみなさい!!」

 

しずく・天馬:「「はい!!」」

 

三人が波未を囲いこみ他のメンバーはパスコースを潰す。これで波未は自分一人で何とかするしかなくなった。

 

果林:「行くわよ二人とも!!」

 

しずく・天馬:「「はい!!」」

 

三人が一斉に波未のボールを奪いにかかる。

 

波未:「絶対に渡しません!! [生々流転]!!!」

 

波未の回りに水の流れが発生。その流れに身を任せ、時に激しく、時に静かに。あらゆる形に変化する水の様な変幻自在のドリブルで三人の包囲を突破した。

 

フム、波未は水の○吸を会得していると。

 

すると波未はそこからロングシュートの体勢に入る。すると波未の周囲に超強力な電磁場が発生しボールが宙に浮く。それに波未はボレーシュートを思い切り叩き込んだ。

 

波未:「[超電磁砲(レールガン)]!!!」

 

ドッギュゥウウウーーーーンン!!!

 

シュートは、大体音速の三倍の速さで誰の反応も許さずゴールに突き刺さった。

 

どこぞの学○都市女子中学生かアイツは。まさか音ノ木坂に瞬間移動能力者(テレポーター)いないよね?

 

 

 

2-1雷門リードの雷門ボールでゲーム再開。

 

キックオフからボールは天馬に渡り、それを桐穂が奪いに来る。

 

天馬:「[そよ風ステ「遅い!!」!?」

 

天馬のドリブルからボールを奪った桐穂。そのままドリブルで上がる。

 

霧野:「止め「無駄!!」っ!」

 

桐穂はあっという間に霧野先輩を抜き去りシュート体勢に入る。すると桐穂の両足が燃え上がり、軽く宙に浮かせたボールに二発の蹴りを叩き込む。

 

桐穂:「[ブレイズキック・改]!!!」

 

ボォガァアアアアアン!!!

 

おっと。桐穂が一瞬バ○ャーモに見えた。

 

桐穂:「蘭ちゃん!! シュートチェイン宜しく!! 「任せるにゃ!!」」

 

蘭は右足に雷を纏わせて桐穂のシュートを後押しする様にボレーシュート。

 

蘭:「[雷鳴蹴(らいめいげ)り]!!!」

 

ドガァァアアアアアアン!!!

 

蘭が蹴ると同時に雷鳴が鳴り響き、シュートはゴールめがけて猛進する。

 

シュートは、三国先輩に技を出す(ヒマ)も与えずにゴールに突き刺さった。

 

蘭はガ○ル○ンダーの技......これもう俺もパクって良いよね?

 

 

 

2ー2の同点。残り時間後僅かで雷門ボールでゲーム再開。ボールは俺が持ちドリブルで上がる。そこに蘭、すずめ、桐穂の三人が止めに入る。

 

桐穂:「行かせないよ!!」

 

蘭:「にゃああああああっ!!!」

 

蘭が突っ込んで来て桐穂がフォロー。すずめが指示だしとコントロールか。

 

竜太:「[霹靂一閃]!!!」シュンッ!!

 

蘭・すずめ・桐穂:「「「!?」」」

 

俺は、一瞬で三人を置き去りにしていた。

 

桐穂:(速いとかそんなレベルじゃない!!まるでお母さんの《加速世界(アクセルワールド)》見たいな速さだった!?)

 

ここな:「くっ! 止めるわよ真理奈!!」

 

真理奈:「ええ! 行くわよここなちゃん!!」

 

竜太:「[霹靂一閃]!!」シュンッ

 

ここな・真理奈:「「!? 嘘でしょ!?既に抜かれてる!?」」

 

そして俺はシュートの体勢に入る。ボールを中心に俺を巻き込む巨大竜巻が発生。俺がボールをシュートすると、竜巻はボールと共に風の道を作り、地面を抉りながらゴールめがけて一直線に伸びていく。

 

竜太:「[巨大風撃(キョダイフウゲキ)・S]」

 

桐穂:「キョダ○○ックスアー○ー○ア!?」

 

希理歌:「くっ、止め.....キャァァアアアアアアッ!!!」

 

希理歌は竜巻の旋風に巻き込まれて宙を舞い、その間にシュートはゴールに叩き込まれた。

 

そしてそこでゲーム終了のホイッスル。3-2で雷門の勝利だった。

 

竜太:「果林新技スゲエじゃん。[Fire Bird]。かなりの威力だったぞ。」

 

果林:「竜太も音ノ木の子達も他作品の技パクり過ぎでしょう。ポ○モンに鬼○の刃にとある○学に。」

 

桐穂:「もう~! また勝てなかったーーー!!」

 

竜太:「水の○吸、電○娘wwww」

 

波未:「何か?」ニコニコ

 

竜太:「いえなんでも無いです(怖えぇ~)」

 

龍也:「お~い! 次のゲーム始めんぞ~?」

 

円堂:「次の第4ゲームは浦の星vs陽花戸だ。準備しろ」

 

 

 

 

~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

 

 

 

 

 

 

そして始まったゲームは5-0の大差で浦の星の勝利。

 

次のゲームは......

 

 

 

― 続く ―




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第54話:北と南の戦士たち

今回は函館聖泉vs大海原です。暑さと寒さ、真逆の環境で日々鍛える両校の激突をお楽しみ下さい。

尚、試合は今回だけでは終わりません。

それではどうぞ。


第4ゲームの「浦の星vs陽花戸」戦が終了し、円堂監督の声で第5ゲームの対戦校である「函館聖泉」と「大海原」がフィールドで位置につく。

 

フォーメーション

 

函館聖泉

 

GK      尾永

 

DF 川永  ☆鹿角(良)  国近

 

ボランチ   人見  冷見

 

MF  白戸  北見  氷室

 

FW     渡  鹿角(理)

 

大海原

 

FW     深海  青根

 

MF   笹野  土方  二海

 

ボランチ     ☆音村

 

DF 綱海  来間  村上  香取

 

GK       首里

 

奇しくも日本の最北端と最南端の県の勝負になった。冬が近づけば雪のフィールドや雪掻きで足腰や体幹を鍛える函館聖泉、太陽照りつける常夏の暑さで体力を鍛える大海原。これは少し面白い勝負かもしれない。

 

ピィイイイーーーッ!!!

 

ゲーム開始のホイッスルが鳴り、大海原ボールでゲームスタート。

 

ボールはMFの土方に渡り、そのままドリブルで攻め上がってくる。そこに北見さんがディフェンスに入る。

 

北見:「行かせへん!! [フローズンスティール・V2]!!」

 

ん、関西弁? 気になったがそれは後回し。土方は[フローズンスティール]を横にスライドして躱す。しかし躱した所を氷室さんに狙われボールを奪われる。

 

ボールは氷室さんからのロングパスで理香さんに渡る。そこに村上と香取がディフェンスに来るが理香さんは「キタキツネ」や「エゾシカ」といった野性動物の様に軽快な左右のステップで二人を抜き去りシュート体勢に入る。

 

フィールドが極寒の大地に変わり、空には北極圏や南極圏でしか観られない自然現象「オーロラ」が現れる。

ボールは瞬く間に凍りつき、それを理香さんが渾身の力でソバットキック。

 

理香:「喰らいなさい!! [ノーザン、インパクトッ・G2ッ]!!!」

 

ドゴォオオオオン!!

 

絶対零度の白銀のシュートが、ダイヤモンドダストを撒き散らしながら一直線に大海原ゴールを強襲。

 

首里:「止める!! ハァァアアアアア!!!」

 

大海原のGK首里の背後に黒いモヤ...化身オーラが現れ、槍を持った人の様な姿を形作る。中から現れたのは、先端が三叉に分かれた槍を持った荒々しい風貌の男性型の化身だった。

 

首里:「【海の狩人ダイブマン・弐式】!!!」

 

出現させた化身と共に、首里が大きく右腕を振りかぶる。すると化身も槍を持った右腕を振りかぶる。

 

首里:「[― トライデント ―]!!!」

 

首里が振りかぶった右腕を何かを投げる様にフルスイング。それと同じ動きで、化身は槍をシュート目掛けてぶん投げる。シュートは串刺しになって勢いを失い、キーパーの足元に転がった。

 

理香:「なっ!?」

 

首里:「これが俺の化身、【海の狩人ダイブマン】の技、[― トライデント ―]だ。音村!!」

 

首里のゴールキックからボールは音村へ。音村から二海、二海から青根へとパスが繋がる。

 

国近:「止めるよ!! [真・アイスグ「遅い!!」ギュンッ!! っ!? 速い!!」

 

国近さんを抜いた青根はフリーでシュート体勢に入る。

 

フィールドが大海原(おおうなばら)へと変わり、青根はボールと共に海の底へと沈む。そして暗い深海へと辿り着くと、縦に一回転して水流を生み出す。その勢いのまま、ボールをシュートする。水流を纏ったボールは、海面目掛けてぐんぐん上昇、地上へと飛び出す。そして槍のような鋭い水流を纏ったまま、ゴール目掛けて急降下する。

 

青根:「[真・シンカイジャベリン]!!!」

 

尾永:「なっ! 何よこのシュ....キャァァアアアッ!!」

 

ザシュウッ!!

 

シュートは、函館聖泉ゴールに突き刺さった。

 

1-0、大海原(おうみはら)リードの函館聖泉ボールでゲーム再開。開始のホイッスルと同時にボールは北見さんへと渡り、北見さんはそのままドリブルで上がる。

 

しかしそこにFWの深海と青根がディフェンスにくる。奪われる直前で北見さんは白戸さんにパスを出し、それが通る。白戸さんはディフェンスに来た笹野と来間をドリブルで抜き去り、理香さんにセンタリングを上げる。

 

首里:「何度やっても同じ事だ! 来い! 【海の狩人ダイブマン・弐式】!!」

 

理香:「同じじゃないわ!! 来なさい私の化身! 【氷虎アイビス・参式】!!!」

 

理香さんの背後に化身オーラが発生。四足獣の様な姿を形作る。中から現れたのは、肩、背中、尻尾に鋭利な氷柱を生やした、白銀の虎の化身だった。

 

【氷虎アイビス】と【海の狩人ダイブマン】が対峙する。理香さんは、センタリングを上げられ空中にあるボールに向けて跳びあがる。すると化身が自身の冷気でボールを凍らせ、理香さんのボールに対する蹴りの乱打と同じタイミングで、自身の爪による斬撃をボールに叩き込む。

 

理香:「[― ブリザードクロー ―]

 

化身:『ゴァァアアアアッ!!!』

 

ドゴォオオオオン!!!

 

化身の雄叫びによる衝撃波で更に威力を後押しされ、ボールは一直線に大海原(おうみはら)ゴール目掛けて飛んでいく。

 

シュートに対し、化身を発動させた首里は、化身と共に右腕を大きく振りかぶる。

 

首里:「止める!! [― トライデント ―]!!!」

 

化身が三叉の槍をぶん投げ、[― ブリザードクロー ―]に激突。力は拮抗し、辺りに緊張が走る。

 

理香:「ぐぅぅううう!!」

 

首里:「うぉおおおおっ!!」

 

ピキ....

 

首里:「!?」

 

[― トライデント ―]は、音を立てて凍りはじめる。そして穂先が完全に凍りつき、

 

理香:「行けぇえええっ!!!!」

 

化身:『ゴァァアアアアッ!!!』

 

【アイビス】が【ダイブマン】を自身の爪で切り裂き、ダイブマンは消滅。首里は叫びながら吹き飛ばされ、シュートはゴールに突き刺さった。

 

 

函館聖泉(はこだてせいせん)1-1大海原(おうみはら)

 

 

― 続く ―




【海の狩人ダイブマン】ですが、文中の描写では【海王ポセイドン】や、【海帝ネプチューン】と似た見た目なのかと思われるかもしれません。
説明しますと、武器はまぁほぼ同じと思って頂いて良いです。しかし化身の方は、下がダイビングスーツを着て、上半身裸(身体に多数の傷有り)の人間に近い感じの見た目をしており、【ポセイドン】や【ネプチューン】の様なアーマーは一切着けておりません。

ダイブマン:『己の肉体こそ最高の鎧なんじゃ!!』

はい、まぁという感じで今回も見て頂きありがとうございます。

よろしければ感想・評価の方宜しくお願いします。


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第55話:白熱の第5ゲーム

今回のお話で、ある2つの技を混ぜたような一人技が登場します。(シュート技)

登場人物たちの反応とともにお楽しみ下さい。


函館聖泉vs大海原(おうみはら)の試合は1-1の同点になり、大海原ボールでゲーム再開。

 

ホイッスルと共にボールはボランチの音村へと渡る。そこに函館聖泉のツートップ、理香さんと渡さんが前線からプレッシャーをかけにいく。

 

音村:「土方!!」

 

パスはディフェンス二人の間を綺麗に抜き土方に繋がる。しかしそれを北見さんが待ち構える。

 

北見:「今度こそ止めるで!! [ブリザードダンスッ・V3ィイイ]!!!」

 

北見さんのアクロバティックな舞を吹雪が包み込み、冷気で土方の足元を凍らせ動けなくなったところを北見さんはボールをかっ拐っていった。

 

北見:「氷室っち!!」

 

北見さんからのパスを受け取りドリブルで上がる氷室さん。大海原(おうみはら)MFの二海が正面からスライディングを仕掛けるがジャンプで躱す。

 

更にDFの香取も止めに入るが、氷室さんは自身のテクニックを生かしてヒールリフトでキレイに抜き去る。

 

氷室:「理香ちゃん!!」

 

そして、氷室さんと理香さんは二人でシュート体勢に入る。

 

二人はコンビネーションで交互にボールに冷気と回転をかけていく。するとボールは氷の竜巻に包まれ上昇。それを左右からツインボレーで蹴飛ばした。

 

氷室:「[爆・ホワイト....」

 

理香:「...ダブル...」

 

氷室・理香:「「インパクトッ]!!」」

 

ドッゴォォオオォオオオン!!!

 

荒れ狂う猛吹雪(ブリザード)が、地面を()てつかせながら大海原ゴールに襲いかかる。

 

首里:「これ以上点はやらん!! 【海の狩人ダイブマン・弐式】!!!」

 

首里は化身を発動。化身の、槍を持った右腕と共に、自身の右腕を振りかぶる。

 

首里:「[― トライデント ―]!!!

 

ぶん投げられた三叉の槍が、[ホワイトダブルインパクト]に正面から激突。ボールを串刺しにしようとする。が、[― トライデント ―]はパキパキと音を立てて凍りつき、遂にへし折られる。

 

首里:「なんだと!? ぐわぁぁああああっ!!!!!」

 

二人の()()()は、首里の()()()を破り、ゴールに叩き込まれた。

 

 

~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ 

~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

 

 

果林:「凄い.....。必殺技で化身技を破ったわ.....」

 

彼方:「てことは~、ムニャムニャあの技は竜太の[デスファイア]位の...ヒツジさん....ムニャムニャ、スヤピ」

 

栞子:「彼方先輩また寝てる....。でも、[デスファイア]が一人技に対して[ホワイトダブルインパクト]は二人技ですから、一人のキック(りょく)と言う意味では竜太さんのほうが凄いです」

 

天城:「ダド」

 

せつ菜:「でも、「必殺技で化身技を破った。」この事実自体が凄いと思いますよ?」

 

歩夢:「......皆の基準がどんどんおかしくなってる気がするのは私だけかな?」

 

 

~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ 

~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

 

2-1、函館聖泉リードの大海原ボールでゲーム再開。ホイッスルと同時にボールは土方に渡り、土方は笹野にパスを出す。

しかし笹野に対して渡さんと白戸さんがディフェンスに入る。

 

笹野:「行くぜぇぇええええっ!!! イィヤッホォォゥウウ!!」

 

フィールドが荒れる海へと変わり、ボールも平べったい楕円形、まるでサーフボードの様になる。笹野はサーフボードの様に変化したボールに乗り、波を乗りこなす。

 

笹野:「[サーフィンライド・V2]!!!」

 

笹野が二人を抜いた瞬間、高波が二人を打ち付け、二人はフィールドに叩きつけられた。

 

渡:「ガハッ!! ウゥ...ゲホッ......」

 

白戸:「い、痛い.....」

 

笹野は更にドリブルで中へと侵入。人見さんと良子さんがディフェンスにくる。

 

笹野:「まだまだぁあっ!! [マーメイドダイブ・V2]!!!」

 

良子・人見:「「!?」」

 

笹野と二人の周りが海の中へと変わり、ボールを両足で挟んだ笹野は、そのままドルフィンキックの水中高速機動で、上手く身動きの取れない二人を抜き去った。

 

~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

 

 

果北:「お兄ちゃん!! あれ私たちとお母さんの技だよ!?」

 

竜太:「大海原(おうみはら)のある沖縄は海に囲まれた島の県だからな。[マーメイドダイブ]を成功させるのに必要な要素を考えれば、できる人がいてもおかしくない。だけどこの技は、あの親父でも、見ただけじゃ出来なかったらしいのにな。」

 

[マーメイドダイブ]は、並大抵の努力では出来ない「水」への理解と、水中での的確な身のこなし、そして大量の空気を肺に留める肺活量が揃うことが前提の上で、練習を積む必要があるのだ。

 

母さんは産まれたときから家がダイビングショップを営んでおり、幼い頃から海で遊んでいたため高校入学の頃には、前提の3つを無意識の内だが揃える事が出来た。そんな母さんでも約10年かかったのだ。

俺と果北はそんな母さんの経験を元に効率よく教えられたため約7年でその3つが揃った。

 

お分かりだろうか? これだけの好条件が揃ったとしても、《完全無欠の模倣(パーフェクトコピー)》を持ち、天才的な飲み込みの速さを持ってもそれだけかかるハズなのだ。

 

 

果北:「まぁ沖縄ならサーフィンとかダイビングやってる人多いんだろうけど、なんか

ムカつく。」

 

竜太:「確かに。」

 

~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

 

 

二人を抜いた笹野はシュート体勢に入る。すると、水の流れが笹野を包み、回転しながら上昇していく。

 

竜太:「おい!? あれまさか!!」

 

果北:「[激流ストーム]!?」

 

水流エネルギーが込められたボール。しかし笹野の物は更に回転が強烈になり、身体を捻りながら蹴ることにより、回転力がプラスされていた。

 

笹野:「[激流()()リュ()()]!!!!!」

 

激流ストームに更に回転力という要素がプラスされたそのシュートは、函館聖泉ゴールに突き刺さった。

 

~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

 

美歌:「な、何? 今のシュート......?」

 

果南:「恐らく私の[激流ストーム]と、豪炎寺くんの[爆熱スクリュー]を元にして編み出された技だろうね。多分使い手の能力を抜きにして技だけの威力で見れば、今の[激流スクリュー]は[激流ストーム]や[爆熱スクリュー]よりも高いよ。」

 

雷門・音ノ木坂・浦の星:「「「!?」」」

 

果北:「お兄ちゃん、私アイツ嫌い」

 

竜太:「俺も」

 

 

函館聖泉2-2大海原

 

― 続く ―




混ぜられた2つの技とは、
果南ちゃんの[激流ストーム]と、
豪炎寺くんの[爆熱スクリュー]でした。

実を言うと前作で果南ちゃんのシュート技名を[激流ストーム]にした時から[激流スクリュー]の存在は頭に有りました。

2年を経て、ようやく出せました。マンゾク!!

果北ちゃんと竜太に嫌われた笹野くん、メンゴ☆テヘッ!

はいイラッときましたね。

よろしければ感想及び評価の方宜しくお願いします。


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第56話:決着!大海原vs函館聖泉!!

今回で大海原vs函館聖泉戦決着です。はたしてどのような結末を迎えるのか、

始まります。


大海原のMF笹野の必殺シュート、[激流スクリュー]が決まり2-2の同点に追いついた大海原。

 

函館聖泉ボールでゲーム再開。

 

ホイッスルが鳴ると同時にボールは冷見さんへ。そこにFWの青根とMFの土方がディフェンスに入る。

 

土方:「行かせねぇ!!!」

 

大柄な身体を生かして進路を塞ぐ土方。しかし、空いた足元を股抜きで抜かれ、残った青根がフォローに入るも青根の足がボールに触れる直前で、冷見さんは北見さんへパスを出す。

 

北見さんから渡さんへのロングパスが飛ぶが、大海原DF来間がジャンプして空中でパスカット。そのまま音村へとパスを出す。

しかしそれをすかさず理香さんが奪い返すと、DFの村上と香取が止めに入る。

 

一進一退の攻防が続き、時間は刻一刻と過ぎていく。そして大海原の二海がボールを奪い、二海から青根へとボールが繋がる。

 

良子:「あのシュートが来ます!! 構えて下さい!!!」

 

青根:「行くぜぇっ!!」

 

青根がシュート体勢に入ると、フィールドが大海原(おおうなばら)へと変わり、青根はボールと共に海の底へと沈む。そして暗い深海へとたどり着くと、縦に一回転して水流を生み出す。その勢いのまま、青根はボールに蹴りを叩き込む。すると、水流を纏ったボールが海面目掛けてぐんぐん上昇。地上へと飛び出す。そして槍の様な鋭い水流を纏ったシュートはゴール目掛けて急降下。函館聖泉ゴールを脅かす。

 

青根:「[真・シンカイジャベリン]!!!」

 

ドゴォォオオオォォオン!!!!

 

そこにまず国近がシュートブロックに入る。国近がディフェンス技を発動すると、分厚い氷の壁が現れ、シュートを迎え撃つ。

 

国近:「[真・アイスウォール]!!!」

 

ガキィイイイイン!!!

 

[アイスウォール]の冷気が、[シンカイジャベリン]の水流を凍らせていき、パワーを奪う。しかしシュートは[アイスウォール]を砕き、尚も突き進む。

 

良子:「させません!!!!」

 

ドガァアアアアッ!!!!

 

良子さんが[シンカイジャベリン]を蹴り返そうと足をぶつける。威力は弱まっていたが、それでもノーマルキックではブロックしきれずに良子さんは吹き飛ばされたが、確実にシュートのパワーを奪った。

 

良子:「くっ!! 尾永さん! お願いします!!」

 

尾永:「はいキャプテン!! うぉおおおおお!!!」

 

尾永さんの右手に、凄まじい冷気が凝縮される。その右手で、シュートを思い切り殴り付けた。

 

尾永:「[真・アイスブロック]!!!」

 

ガキィイイッ!!!

 

シュートは凍結し、勢いを完全に失い停止した。

 

ピッ、ピッ、ピィイイイーーーッ!!!

 

ここでゲーム終了のホイッスルが鳴り、結果は2-2の引き分け。大海原(おうみはら)って、必殺技や化身有りの通常ルールだとこんなに強いのか......。

 

円堂:「よし。じゃあ次で最後のゲームだ。組み合わせは.....「雷門vs浦の星」だ」

 

全員:「!?」

 

皆、薄々思っていたかもしれない。この合宿中、未だに「負け」だけは無い浦の星と、全勝で勝ってきた雷門はどちらが強いのかと。

 

そして何より、日本最強のストライカーと呼ばれた大海龍也と、日本史上最高の女性MFと呼ばれた松浦果南。この二人の遺伝子を受け継ぐ兄妹、大海竜太と大海果北の二人が闘ったら、どちらが強いのかと。

 

二人とも、父親の龍也の特殊技能《完全無欠の模倣(パーフェクトコピー)》と、母親の果南の特殊技能《属性付与(エンチャント)》の両方を受け継ぎ、幼い頃から共に互いを高めあって来た兄妹二人が闘ったらどちらが勝つのかと。

 

龍也:「よし。準備しろ」

 

雷門・浦の星:「「は、はい!!」」

 

 

果北:「お兄ちゃんが相手か.......」

 

美歌:「果北ちゃん?」

 

 

竜太:「果北が相手か.......」

 

神童:「大海?」

 

竜太・果北:「「「お兄ちゃん相手だと、」「果北相手だと、」確実に勝てるなんて言えない。負けたらすいません」」

 

つまり、二人の実力はほぼ互角だと言うこと。こうなると問題はこの二人以外のメンバーの実力だろう。合宿前は、浦の星の方が基礎能力は高かった。しかし雷門もどんどん成長してきた。今ではほぼ分からないだろう。

 

果南:「位置について?」

 

フォーメーション

 

浦の星

 

GK        津島

 

DF 国木田  永井  川瀬   小原

 

ボランチ   黒澤(サ)    桜内

 

MF  黒澤(ル) ☆高海  渡辺 

 

FW        大海(果)

 

雷門

 

FW     剣城  大海(竜)

 

MF 上原  優木 ☆神童  桜坂

 

DF 近江  霧野  三船  ヴェルデ

 

GK       三国

 

龍也:「準備はいいか?(竜太、果北、今のお前たちの実力を、父さんと母さんに見せてくれ。).....では、始め!!」

 

ピィイイイーーーッ!!

 

そして、ゲーム開始のホイッスルが鳴った。

 

 

ー 続く ー




大海原vs函館聖泉戦は引き分けでしたね。

意外と大海原が強いと思った人も多いんじゃないでしょうか?(まぁ腐っても沖縄代表として全国に出てきたチームですからね。)

さて、いよいよこの合宿で作者が一番書きたかった雷門vs浦の星戦です。

果たして兄妹の激突はどちらが勝つのか。お楽しみに。

宜しければ感想・評価宜しくお願いします。


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第57話:激闘開始!雷門vs浦の星

いよいよ雷門vs浦の星戦開始です。

合宿で一番書きたかった話です。

お楽しみください。


ゲーム開始のホイッスルが鳴り、雷門ボールのキックオフからスタート。

 

ボールは神童キャプテンに渡り、さっそく必殺タクティクス〈神のタクト〉を発動する。

 

神童:「出し惜しみして勝てる相手じゃない。最初から全力で行くぞ!! 必殺タクティクス〈神のタクト〉!!! 優木!!」

 

ボールはキャプテンからせつ菜先輩に渡り、せつ菜先輩はドリブルで上がる。

 

神童:「上原! 3m右だ!!」

 

せつ菜:「歩夢さん!!」

 

パスは繋がり、今度は歩夢先輩にボールが渡る。

 

神童:「桜坂! 左に6m!! そのままドリブルで上がれ!!」

 

しずく:「「しずくちゃん!!」 はい!!」

 

歩夢先輩からのパスがしずくに繋がり、そのまましずくはキャプテンに指揮されたコースをドリブルでかけ上がる。そこに梨菜と川瀬さんが二人がかりで止めに入る。

 

川瀬:「行かせな「大海! 空いたスペース!!」「大海くん!!」っ! しまっ、釣られた!!」

 

神童キャプテンの指揮で空いたスペースへと走りこんだ俺にパスが繋がる。そしてフリーでボールを受け取った俺はシュート体勢に入る。

 

俺の背後に武士型のマジンが出現し、俺は跳びあがる。俺が左足を振りかぶると、マジンも刀を振りかぶる。そしてボールを思い切り蹴り抜くと同時にマジンがボールに一太刀を浴びせる。

 

竜太:「[スサノオブレード・Gx]!!!」

 

ドッ、ゴォォオオオォオオン!!!!

 

赤い極太の斬撃が、一本の流星となり浦の星ゴールに襲いかかる。

 

善美:「止める!! [絶・風神・雷神]!!!」

 

善美の左に金色、みぎに赤色のマジンが一体ずつ現れ、それぞれ片腕をつき出す。

 

ガガァアアアッ!!!

 

善美:「ぐううおおおおああああ!!!!」

 

善美は必死に堪えるが明らかに押されている。そして、善美は耐えきれずに吹き飛ばされシュートはゴールへ

 

果北:「まだだよ!!」

 

ガガァアアアッ!!!

 

何と前線から果北がゴール前まで戻って来ており、ゴールに入る寸前でブロック。そして...、

 

果北:「ハァァアアアアアッ!!!」

 

ドガァアアアアッ!!!

 

何と[スサノオブレード]を蹴り返した。クリアされたボールは大きな弧を描き美歌に渡る。

 

美歌:「行くよ!!」

 

美歌が猛然とドリブルで上がって来る。そこに栞子がディフェンスに入る。

 

栞子:「[ハンタァアアズ、ネットッ・V3ィイイイ]!!!!」

 

栞子の技が美歌を絡めとる寸前で美歌は千夏にパス。ボールが繋がる。

 

千夏:「ほっ!! 美歌ちゃんナイ「止める!! [月下雷鳴]!!」!?」

 

エマのディフェンス技により、辺りが月に照らされる夜へと変わる。そして雲が月を隠し始め、空から千夏目掛けて雷が落ちる。

 

千夏:「甘いよ!! [スプリントワープ・Gx]!!」

 

[スプリントワープ]の高速移動で次々雷を避けていく千夏。そして最後の雷を躱し、

 

千夏:「よし! 行くよ美歌ちゃん梨菜ちゃん!! 「そこだあっ!!」 なっ!?」

 

一瞬油断したところを霧野先輩に奪われボールは雷門に。霧野先輩は左サイドのせつ菜先輩にパスを出すが黒澤従姉妹が止めに来る。

 

彼方:「せつ菜ちゃんこっち!!」

 

せつ菜:「お願いします!!」

 

左サイドバックの彼方先輩が前線へとオーバーラップ。ボールを受け取ってドリブルで上がり、剣城にセンタリングを上げる。

 

剣城:「ナイスです彼方先輩!! ハァァアアアアアッ!! [デスドロップ・G4]!!!」

 

剣城が右足に黒いオーラを纏わせてクロスボールにダイレクトで併せてシュートした。

 

善美:「やらせないわ!! [絶・風神・雷神]!!!」

 

ガガァアアアッ!!!

 

2体のマジンを呼び出し、両手でボールに掴み掛かる善美。しかしなかなか[デスドロップ]の回転が収まらない。そして善美はパワーに負けて吹き飛ばされる。が、寸前でボールに下から上へのパンチを入れ、軌道を変えることに成功。シュートはクロスバーに激突し弾かれる。

 

舞:「こぼれ球「貰いっ!!」 !?」

 

弾かれたボールを俺がダイビングヘッドで押し込み雷門先制。

 

川瀬:「スイマセン!! マーク外しちゃったから......」

 

舞:「仕方無いわ。失敗は次に生かせばいいのよ」

 

川瀬:「っ! はい!!」

 

 

1-0、雷門リード

 

 

ー 続く ー




雷門が先制しましたが、このまま終わる筈は当然有りません。

浦の星の反撃をお楽しみに。

宜しければ感想・評価の方宜しくお願いします。


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第58話:失敗

俺が剣城のシュートを弾いた善美のこぼれ球をダイビングヘッドで押し込み雷門が先制し1-0。浦の星ボールでゲーム再開。

 

再開のホイッスルが鳴ると果北がボールを美歌に戻し、美歌がドリブルで上がって来る。そこに剣城がディフェンスに入る。

 

美歌:「突破する!! [ライトニングアクセル・V4]!!!」

 

まるで閃光。剣城を一瞬で抜き去る美歌。そこに神童キャプテンが素早くヘルプに入るが、キャプテンの足がボールに触れる寸前で千夏にパスを出す。

 

ボールを受け取った千夏にしずく、栞子、エマの三人が三方向から同時ブロックをかける。これにはさすがに千夏でも対処出来ずにエマにボールを奪われる。

 

エマ:「神童く「貰います!!!」 っ!?」

 

しかし千夏が奪われる事を察知していたのかすかさず果北がボールを奪い返す。最悪な事にゴール前で果北にボールを奪われてしまった。

 

竜太:「千夏じゃなく、エマたちの方を信じたっちゅうんか!?」

 

美歌:「いや、どこの今○さん!? 果北ちゃん黒○じゃないよ!?」

 

そんなボケは置いておいて、栞子がすかさずフォローに入る。[ハンターズネット]で果北を絡めとろうとするが、以前の俺の様に[ウォーターベール]を発動する果北。[ハンターズネット]では、水の様な無形物(むけいぶつ)は網の隙間から溢れて通してしまい、栞子は吹き飛ばされる。

 

霧野:「行かせるかぁぁああっ!! [ザ・ミス「遅いよ!!」 っ!?」

 

果北を霧が包む直前で果北はシュート体勢に入る。

 

果北の背後に武士の様なマジンが出現。果北が跳び上がり()()を振り上げると同時にマジンも刀を振り上げる。果北が足を振り抜くと同時にマジンも刀を降り下ろす。

 

果北:「[スサノオブレード・Gx]!!!」

 

ドッ、ゴオォォオオオン!!!

 

紅い光の斬激が、雷門ゴールに迫る。

 

三国:「くっ! 絶対に止めてやる!!! [炎の鉄槌・V4]!!!!」

 

ドグシャァアアアッ!!! ギャルルルルルル!!!!!!

 

三国:「ぐぅぅううぉぉおおおっ!!!」

 

三国先輩渾身の右拳が、シュートの上から叩きつけられる。三国先輩は地面まで抑え込むが、中々パワーと回転が収まらない。

 

バチィィイイイイイン!!!!

 

三国:「グワァァアアアアアッ!!!」

 

大きな衝撃音とともに三国さんは()ね飛ばされ、シュートはゴールに突き刺さった。

 

せつ菜:「まさか...[スサノオブレード]を女の子が「何を言ってるの? 私もパパとママの子なんだから当然でしょ?」 っ!.....」

 

雷門ボールでゲーム再開。ボールはせつ菜先輩に渡り、ルリが止めに入る。

 

せつ菜・歩夢:「「[キラーフィールズ]!!!」」

 

完全にシンクロした二人の動きから繰り出される、ボールに対する左右対称の挟み込む一撃。発生した衝撃波がルリを吹き飛ばしてせつ菜先輩が突破する。

 

そこにサファと梨菜が止めに入る。

 

サファ・梨菜:「「[デュアルスト「神童くん!!!」 っ!?」」

 

二人が[デュアルストーム]の発動体勢に入ってからキャプテンにパスするせつ菜先輩。ボールを手放して既に持っていない相手に技を喰らわせなどしたら最悪レッドカードになるため急いで技を中断する二人。ボールは神童キャプテンに渡る。

 

神童:「行くぞ!! はぁぁあああああっ!!!」

 

キャプテンの背後に化身オーラが発生。人のような姿を形作ると中から四本腕の指揮者の化身、【奏者マエストロ】が顕現した。

 

神童:「行くぞ!! 【奏者マエストロ】!!」

 

マエストロが何重にもボールに音のエネルギーをコーティング。そのボールをキャプテンがボレーシュートで思い切り撃ち出す。

 

神童:「[― ハーモニクス ―]!!!!

 

ドッ、ゴオォォオオォォオン!!!

 

しかし[― ハーモニクス ―]はゴールではなく剣城に向かって飛んで行く。すると剣城も化身オーラを解放。【剣聖ランスロット】を呼び出す。

 

剣城:「[― ロストエンジェル ―]!!!!!

 

ドガァァアアアァァアアアアンッ!!!!

 

化身シュートを化身シュートでチェインするという荒業を見せた二人。それを俺が止めの、

 

竜太:「[爆・エクスカリバァァァァアアアアアッ]!!!!」

 

ギシャァァァアアアアアアアンッ!!!!

 

ズドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!!!!!!!

 

2つの化身シュートの重ねがけに更に[エクスカリバー]まで併せるというキーパー殺しの所業を行う俺たち。親父たちが何か騒いでる気がするが気にしない。

 

川瀬・永井:「「ヒィッ!? で、でも止める!!! [ロックウォールダム・V3リィィィイイイイイッ]!!!!」」

 

ドガァァアアアァァアアアアンッ!!!

 

川瀬・永井:「「キャァァァアアアアアアアッ!!!!!」」

 

岩の巨壁が現れシュートブロック。しかし止めたのはほんの一瞬。次の瞬間には粉々に破壊され二人は吹き飛び、シュートは尚も突き進む。

 

善美:「っ! 止める!! [爆・イジゲン・ザ・ハンド]!!!!!」

 

ドガァァアアァァアアアッ!!!!!

 

[イジゲン・ザ・ハンド]のバリアにシュートが激突!!しかしバリアは一瞬で割られシュートはゴールに突き刺さった。

 

善美:「ぐっ、ぅぅ.......」

 

永井:「ゲホッ、.....くっ」

 

川瀬:「イタタタ......」

 

何と三人はあのシュートを受けて立ち上がった。中々タフだ「バカ野郎!!!!」

 

ゴチィィイイイーーーン!!!

 

竜太:「痛ぇぇええええっ!!?」

 

審判をやっていた親父から俺に拳骨が落ちる。みると完全にキレている親父が、そんなに怒ると血圧上がりますよ?

 

龍也:「誰のせいだ誰の!!!!」

 

ゴッチィィイイイーーーン!!!!!

 

竜太:「痛てぇえええっ!?」

 

Oh、親父にまで地の文を読まれた。

 

龍也:「ったく。津島さん、永井さん、川瀬さん大丈夫?」

 

川瀬:「は、はい。何とか」

 

永井:「痛かったですけど怪我はしてないです。擦り傷位は有りますけどこのくらいは怪我の内に入りません」

 

善美:「怖かった.....」ブルブル

 

果南:「全く、化身シュートを化身シュートでチェインするのだけは禁止だからね!!!」

 

神童・剣城・竜太:「「「は、はい!!!」」」

 

果北:ポンッ「お兄ちゃん?」ニコニコ

 

竜太:「ん?なん....ヒィッ!!」

 

果北はニコニコと笑顔を浮かべていた。が、なんというか今の果北の笑顔は、()()。見るものに恐怖を与える笑顔だった。

 

果北:「よくも私の仲間を酷い目に遭わせてくれたね? もう容赦しないから」ニコォッ

 

竜太:「は、はい......」ガクブル

 

 

2-1雷門リード。

 

― 続く ―




作者の一言:「果北ちゃん怖ぇぇええええ!!!!」

はい、さすが龍也と果南の娘と言うべきか。竜太くん?君も大海家の人間なんだからこうなることを予想出来なかったのかな?

宜しければ感想・評価よろしくお願いします。



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第59話:果北の実力

2-1、雷門リードの浦の星ボールでゲーム再開。しかし最悪な事に先ほどのシュートで結果的に浦の星の選手三人を痛め付ける形になってしまい、「仲間を傷つけられた。」と果北を怒らせてしまった。

 

ホイッスルが鳴るとボールは梨菜に渡る。そこに俺がプレスをかけるが梨菜は千夏にパスし躱す。

 

パスを受け取った千夏にしずくがディフェンスに入る。しずくは正面からスライディングを仕掛けるがジャンプで躱され、千夏は空中で果北にパスを出す。

 

千夏:「果北ちゃん!!!」

 

パスは果北に渡る。果北に対して剣城と神童キャプテンが前後から挟む様にアタックを仕掛けるが、果北の左右のステップであっさり躱される。

 

霧野:「行かせるか!!!」

 

霧野先輩がディフェンスに入るが、霧野先輩から見て左に躱される。しかし霧野先輩は咄嗟に右足の下段回し蹴りでボールをブロックする。

 

果北:「甘いよ!!」

 

しかし果北はそれすらも看破しており霧野先輩のブロックの力のポイントをずらして上から突破する。

 

果北:「行くよ!!」

 

そして果北の背中から化身オーラが溢れ出る。そのオーラは人のような姿を形作り、中から現れたのは、母さんや果北みたいな海のように青い髪をした、女性型の美しい人魚の化身だった。

 

果北:「【海神(ワダツミ)の歌姫セイレーン・伍式】!!!」

 

そして果北はシュート体勢に入る。

 

果北がボールをヒールで上空に上げると同時にセイレーンが唄い始める。すると何処からか大量の水がボールに纏わりつき渦ををまく水の玉となる。するとそれが七色に光り輝くと同時に果北がオーバーヘッドで撃ち出す。同時にセイレーンが耳を裂く様な高音で唄い終える。

 

果北:「[― 海神(ワダツミ)のシンフォニア ―]!!!!

 

ドッ、ゴォォオオオォォオオオン!!!!!

 

三国:「っ!? 止めっ、ぐぁぁああああああっ!!?」

 

ドゴォォオオォォオオン!!!

 

シュートは轟音とともにゴールに突き刺さった。

 

2-2、雷門ボールでゲーム再開。ボールは俺が持ちドリブルで上がると果北が止めに来る。

 

果北:「行かせないよお兄ちゃん!!!」

 

俺はシザースからの逆方向にダブルダッチ、ルーレット等の様々な複合フェイントを仕掛けるが果北のディフェンスは一向に崩れない。

まぁ俺と果北はキック力は同じ位だけどオフェンス(りょく)ディフェンス(りょく)はオフェンスは俺が実力は上だけどディフェンスは果北の方が上だったからな。

 

竜太:「《属性付与(エンチャント)(サンダー)》[スプリントワープ《(サンダー)》・Gx]!!!」

 

雷の力が付与され、光の如く速さへとスピードアップする[スプリントワープ]。しかし、

 

果北:「《属性付与・(ウィンド)》!! [タイフーンダンス《(ウィンド)》・S]!!!」

 

果北は風の必殺技に風の属性を重ねて更にその力を強化する。風速は40mを越え、俺は上空に吹き飛ばされボールを奪われる。

 

ボールを奪いドリブルで上がる果北。今度はキャプテン、せつ菜先輩、剣城が三人で同時攻撃を仕掛けるがノーマルフェイントで簡単に躱されてしまう。

 

彼方:「[フェアリ~ゾ~ン・V4~]!!!」

 

彼方が相手の力を奪う支配領域を展開するが、果北は寸前でコースを変えて技の効果範囲外に出る。

 

霧野:「そこだぁあああっ!!!」

 

スライディングを仕掛ける霧野先輩。しかし果北はジャンプで躱し、空中で上がってきていた梨菜にパスを出す。

 

梨菜:「行くわよ美歌ちゃん、千夏ちゃん!!!」

 

三人がボールを三角形に囲むフォーメーションでドリブルで上がる。梨菜が上空へボールを蹴り上げると三人も跳ぶ。そして千夏、美歌、梨菜の順にボールに左、右、下と順番に蹴りを叩き込む。

 

梨菜・千夏・美歌:「「「[絶・デスゾーン]!!!」」」

 

ドッ、ゴォォオオオォォオオオン!!!

 

栞子:「やらせません!!!」

 

しかし三人がシュートを撃つ間に栞子がシュートコースに入る。

 

栞子:「[ハンタァァアアズ、ネットッ・V3リィィイイイッ]!!!!」

 

ガギャルルルルルル!!!!

 

栞子の網が[デスゾーン]を絡めとろうとするが、[ハンターズネット]は破られ、尚もシュートは進む。

 

三国:「止める!! [炎の鉄槌・V4]!!!」

 

ドグシャァァアアアアッ!!!

 

三国先輩が右手に炎のエネルギーを凝縮し爆熱のマジンを呼び出す。そして跳び上がり渾身の力でマジンと共に右拳をシュートに叩きつける。

[炎の鉄槌]と[デスゾーン]が激突。三国先輩も必死に抗うが[デスゾーン]のパワーに耐えきれず弾き飛ばされ、シュートはゴールに突き刺さった。

 

三国:「く、クソォッ.......」

 

2-3、浦の星に逆転され、雷門ボールでゲーム再開。ボールはキャプテンに渡り、キャプテンはしずくにパスする。そこに果北と千夏が止めにかかる。

 

しずく:「大海くん!!!」

 

二人の間を抜いたパスが俺に繋がり俺はロングシュートの体勢に入る。

 

空中で縦に一回転し左足を前方に振り上げ、回転の勢いを利用して思い切りボールに踵落としを叩き込んだ。

 

竜太:「[爆・エクスカリバー]!!!」

 

ギシャァァァアアアアアアアン!!!

 

ズドドドドドドドドドドドドドドッ!!!

 

放たれた[エクスカリバー]を止めようと浦の星がディフェンスに入る。

 

梨菜・サファ:「「[イナズマ1号・V4]!!!!」」

 

ドガァァアアアアアッ!!!!

 

二人のツインシュートでシュートブロック。しかし二人は撥ね飛ばされ尚もシュートは進む。

 

川瀬:「[アクアウォール・改]!!!」

 

川瀬さんがバク宙で後方に一回転する。跳ぶ時に地面を蹴った瞬間、回転する足の高さに合わせて地面から水の壁が競り出しシュートをブロック。しかし水の壁は両断され尚もシュートは進む。

 

善美:「後は任せて!! [爆・イジゲン・ザ・ハンド]!!!」

 

ガガァアアアッ!!! シュルルルル

 

シュートは、バリアを上に滑りながら、ゴールの枠外へと逸れて行った。

 

 

2-3浦の星リード

 

― 続く ―




果北ちゃんヤバいっす。上手すぎます。

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第60話:vs浦の星、試合終了

浦の星戦、決着です。


俺の[エクスカリバー]を止められ、浦の星のゴールキックから試合再開。

 

善美のゴールキックからボールは千夏に飛び、エマと空中での競り合いになる。

 

エマ:「やぁっ!!」

 

千夏:「っ!」

 

身長で勝るエマがヘディングでクリア。ボールはしずくに渡る。

 

美歌:「行かせないよ!! 梨菜ちゃん!!!」

 

美歌と梨菜がしずくを挟み込む様にアタックを仕掛ける。しかし、

 

しずく:「[木の葉の舞・V2]!!!」

 

しずくの回りを風に乗った木の葉が渦を巻き、それが一斉に美歌と梨菜に吹き荒れる。視界を奪われた二人をしずくは悠然と突破した。そしてしずくはキャプテンにパスを出す。

 

竜太:「キャプテンこっ「させません!!!」っ!」

 

川瀬さんが俺にピッタリとマークで張り付く。舞もいざというときの為のフォローに備える。

 

神童キャプテンがドリブルで上がる。そこに永井さんが止めに来る。空いたスペースと剣城は羽丸がカバーする。

 

神童:「絶対に決める!! ハァァアアアアッ!!!」

 

キャプテンの背後から化身オーラが現れ、キャプテンは化身を出現させた。

 

神童:「【奏者マエストロ・弐式】!!!」

 

キャプテンがシュート体勢に入る。マエストロが何重にもボールに音のエネルギーをコーティング。それをキャプテンがボレーシュートで蹴り飛ばした。

 

神童:「[― ハーモニクス ―]!!!!

 

ドガァァアアアアアッ!!!!

 

キャプテン渾身の化身シュートが浦の星ゴールを襲う。

 

善美:「絶対に止めてやる!! [爆・イジゲン・ザ・ハンド]!!!!」

 

ガガァアアアッ!!!

 

シュートが[イジゲン・ザ・ハンド]に激突。しかし[イジゲン・ザ・ハンド]は叩き割られシュートはゴールに突き刺さった。

 

神童:「よしっ!!」

 

果北:「っ! もう1点もやらないつもりだったんだけどなぁ......」

 

3-3の同点。浦の星ボールでゲーム再開。ボールは一旦美歌に戻され、すぐに果北にリターンされる。

 

神童:「マズイ止めろ!!!」

 

雷門は全員ディフェンスで果北を止めに入るが、皆次々躱されていく。

 

美歌:「果北ちゃん! 残り時間後20秒!!!」

 

果北:「了解!!」

 

最後のディフェンス、栞子を抜いた果北は化身を発動する。

 

果北:「【海神(ワダツミ)の歌姫セイレ「まだだあっ!!!」ーン・伍式】!!!」

 

果北が化身を出している間に俺もゴール前まで戻り化身を発動する。

 

竜太:「来い!! 【海皇龍ブルーヒドラ・伍式】!!!」

 

果北とセイレーンがシュート体勢に入る。その間に俺もブルーヒドラに化身シュートの発射体勢に入らせる。

 

果北:「[― 海神(ワダツミ)のシンフォニア ―]!!!

 

竜太:「[― ハイドロブラスト ―]!!!

 

ドッ!! ―  ・・・   ・・― !!!

 

2つの超破壊力の化身シュートが、真正面から激突する。

 

とてつもない衝撃波と破壊音が辺り一帯を包む。音に至ってはもはやデカすぎて逆に聞こえないレベルだ。

 

ビリビリビリビリビリビリビリビリ!!!!!

 

果北:「ーーっ! ーーー!!!」

 

竜太:「ーっーーー!! ー!!」

 

バチィィイイイイィィィイイイイイイイイン!!!!

 

二人は上空で撥ね飛ばされ、地面に向けて落下。そこで試合終了のホイッスルが鳴った。

 

ドシャァアアァアアアッ!!!!

 

竜太:「ガハッ!! っつ、痛ててて.......」

 

果北:「グッ!! 痛~~~~っ!!」

 

地面に叩きつけられて暫く身動きの取れない俺たち。そこに皆が駆け寄る。

 

美歌:「果北ちゃん! 竜太! 大丈夫!?」

 

彼方:「二人とも、だ、大丈夫......?」オロオロ

 

果北:「そうだ試合は!?」

 

千夏:「終わったよ。3-3で引き分け」

 

果北:「引き分けかぁ~」

 

竜太:「勝てないか~」

 

龍也:「二人とも大丈夫か!?」

 

親父と母さんが走って来た。

 

果南:「二人とも大丈夫!? ケガしてない!?」

 

果北:「大丈夫だよママ」

 

竜太:「身体痛いけど何とか」

 

果南:「良かったぁ~。本当に無茶して!!」

 

龍也:「二人とも頭とか打ってないか?」

 

竜太:「大丈夫。打ってない」

 

果北:「打ってないよパパ」

 

果南:「良かった....。もう、あなたたちが地面に叩きつけられたの見て危うく心臓止まりかけたよ!!」

 

母さんは俺と果北を抱き締める。父さんも「心配したぞ」と言う目で俺たちを見ている。

 

ニヤニヤニヤニヤニヤニヤニヤニヤ

 

おい周りィイイ!!その目をヤメロォオオ!!!

 

 

そして、二日目の練習メニューが全て終了した。

 

― 続く ―




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第61話:告白 for エマ・ヴェルデ

合同強化合宿2日目の練習が終わり、宿舎に戻り夕飯の時間。今日の夕飯は監督たちが作ってくれた野菜と肉たっぷりのチャーハンとサラダ、中華スープの3品。それは良いのだがチャーハンの量がどう見ても一人前500gはありそうな量だった。・・・女子食べきれるのかな?

 

穂乃果:「お腹減ってるだろうなと思って多目にしておいたよ。」

 

桐穂・美歌:「「わ~い!! 頂きま~す!!!」」

 

波未:「桐穂? はしたないですよ?」

 

サファ:「美歌ちゃんも急いで食べると身体に悪いよ?」

 

音ノ木坂と浦の星の、名家の娘組が其々のキャプテンに注意する。おいキャプテン、それで良いのか?

 

羽丸:「ハムハムもぐもぐ!!」

 

羽丸は思い切りがっついていた。相当腹減ってたんだな。

 

波未:「国木田さん凄い食欲ですね.....」

 

竜太:「さすが3代目「食い意地はる女子選手」だな。」

 

羽丸:「そんな不名誉な称号は要らないズラ!! あと初代と2代目は誰ズラ!?」

 

竜太:「小泉花陽さんと国木田花丸さん」

 

春香・羽丸:「「ママに何てこと言うの(ズラ)!?」」

 

まぁ羽丸弄りはこれくらいにして俺たちも喰おう。

 

量が多いと思ったチャーハンを、意外と皆ペロリとたいらげていた。俺が食ってる最中、エマがチラチラと俺の方を見てきて少し気になったが.....。そして「ご馳走さま」をし、全員各チーム、更に男女別に部屋に戻りしばらく過ごしていた。

 

竜太:「すいません。ちょっと飲み物買って来ます」

 

俺はキャプテンに断りを入れて、渡り廊下の所にある自販機に向かった。

 

ガコンッ

 

飲み物を買い、俺が部屋に戻ろうとすると、

 

?:「あれ? 竜太くん?」

 

誰かに呼ばれ、声のした方を見ると、

 

竜太:「エマ?」

 

エマが立っていた。エマは此方に駆け寄って来て、

 

エマ:「飲み物を買いに来たの?」

 

竜太:「そうだけど......」

 

しばらくお互いに無言が続く。な、何?この雰囲気?間が持たない.....。そして意を決して俺が話しかけようとすると、

 

竜太:「なぁ「ねぇ?」 な、何?」

 

エマ:「屋上行かない? 少し話したい事があるの。」

 

見るとエマの頬は紅くそまり、儚げな雰囲気に変わっている。

 

竜太:「わ、分かった」

 

それから俺とエマは、宿舎として使われておらず、見張りの監督たちの居ない西校舎の屋上へ向かった。

 

屋上への扉を開け外に出ると、(そら)には満天の星空が広がっていた。それを、エマと二人で眺めていると、エマが語りかけてきた。

 

エマ:「綺麗な星空だね.....。私の故郷では見れたけど、東京では見れないね.......」

 

竜太:「エマの故郷はスイスの、しかも山岳地帯なんだろ? そりゃあ此処よりもっと綺麗な星空が見えるだろ?」

 

エマ:「うん........」

 

竜太:「......エ「私ね? 好きな男の子がいるの」 ? そうなんだ。スイスに?」

 

エマは少し頬を膨らませたかと思ったら苦笑し、首を横に振る。

 

エマ:「私の好きな人は一年生で、ずっとフィフスセクターに怯えてビクビクしながらサッカーしてた私たち2・3年生に、勇気と希望を見せてくれた」

 

?、天馬か信介か?剣城はそんときはバリバリのフィフス側だから違うし、俺も違うだろうな。......俺モテないし。

 

エマ:「その人のプレーは、一つ一つが力強く洗練されてて、完全に魅了されたの。それと同時に本心では思ってたの。先輩として負けたくないって」

 

? 天馬か? でもアイツそこまでのレベルだったっけ?

 

エマ:「その人は帝国戦で私と果林ちゃんがケガさせられたとき、本気で怒ってくれて、「俺の仲間を傷付ける奴は絶対に許さん!!」って。すごい仲間思いの優しい人なんだなって。それに一緒に帰ったときも、私のことを優しい人だとか、仲間をよく見ててくれるとか、一緒に居て頼りになるって言ってくれて、心の中で私にもチャンスがあるのかな? って思ったの。」

 

!? そんなのもう1人しか、

 

竜太:「まさ...か......」

 

エマ:「うん、そうだよ」

 

エマはしっかりと俺の目を見据えて、頬を紅くし懸命に伝えてきた。

 

エマ:「竜太くん!! 私は....貴方の事が好きです!!!!///////」

 

エマは自身の純粋な想いを、しっかりと俺に叩きつけてきた。俺は声も出なかった。

 

エマ:「だから、私と......付き合って下さい!!//////」

 

竜太:「......ゴメン「っ、そう....」」

 

エマは、今にも泣きそうな顔になる。

 

竜太:「今は、まだ「今?」」

 

「今」その言葉を聞いた瞬間、エマの目に光が戻る。

 

竜太:「俺、今まで女の子に告白されたこと一度も無かったし、恋愛的な意味で好きになった女子も居なかったから、そもそも人を好きになるって言うのがどう言うことか分からないんだ。だから、俺がエマの事をどう思ってるのかハッキリするまで.....、俺の気持ちの整理がつくまで、返事は待って貰えないかな......」

 

エマ:「.....分かった。ちゃんと返事してね?」

 

竜太:「それは当然。このままインターハイを勝ち進んで、決勝が終わったら答えを出すよ。それまでは......悪い」

 

エマ:「うん。楽しみにしてるね? でもライバル多いからなぁ」

 

ん? ライバル多い? その言葉に俺は違和感を覚える。

 

竜太:「ライバル多い?」

 

エマ:「竜太くんは物凄く、呆れるほど鈍感だから言っておくけど、竜太くんモテるんだよ? 「はぁ? そんな訳....」もしも今まで告白されたことが無いんだったら、それは女の子が告白する勇気が出なかっただけだから。結構いるよ? 貴方の幼馴染たちや雷門の中にも竜太君を狙ってる人」

 

竜太:「っ、........../////////」

 

俺の顔は茹でダコの様に真っ赤になってる事だろう。幸い今は夜、暗闇のせいで分からないとは思うが、

 

エマ:「じゃあ私は戻るね?」

 

そう言ったエマはすれ違い様に、

 

チュッ

 

竜太:「!?!?//////////」

 

エマは俺の頬にキスして、屋上から去っていった。

 

俺は心臓をバクバク言わせて、顔を真っ赤にしながらしばらくその場で呆然としていた。

 

 

 

― 続く ―




竜太ギルティ(° 言°)


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第62話:決戦!イナズマレジェンドジャパン

竜太:「.........はぁ、/////」

 

今日で強化合宿最終日。昨日の夜にエマから告白され、俺はドキドキして一睡も出来なかった。

 

さて、今日は合宿中に行ったあらゆるゲームの結果を総合し、最も成績のよかったチームが監督たちと試合するらしいけど、

 

龍也:「皆、昨日までの2日間お疲れ様。今日は俺たち元イナズマジャパンと、合宿中で最も成績の良かったチームで試合を行う。が、時間の都合上、全てのチームが総当たりは出来なかった。よって、やっていない試合数分は、どのチームも全て勝ちとカウントする。では発表する。そのチームは、」

 

全員が固唾を飲んで発表を待つ。でも恐らく.......

 

龍也:「そのチームは、雷門だ。雷門は合宿成績負け0、引き分け1だったため監督・コーチの満場一致で決まった。二位は浦の星で負けは0だったんだが引き分けが2だったため不合格となった。だが惜しかったのは事実だ」

 

理由まで説明されると皆納得した様だ。

 

龍也:「それでは始めるぞ。皆位置につけ。後この試合は監督無しだ。自分たちの状況判断で闘う事。審判は音ノ木坂の高坂、園田、南に任せる」

 

桐穂・波未・すずめ:「「「はい!!!」」」

 

そして全員が位置につく。

 

イナズマレジェンドジャパン

フォーメーション

 

GK         立向井

 

DF 円堂   鹿角(聖)  綱海   優木(あ)

 

MF   大海(南) 鬼道    矢澤

 

FW   黒澤    大海(龍) 高坂

 

雷門

フォーメーション

 

FW      大海(竜) 剣城

 

MF   上原    神童    松風

 

ボランチ       中須

 

DF  近江   霧野  三船   エマ

 

GK         三国

 

龍也:「俺たちも本気で行くからな!! お前たちも全力でかかってこい!!」

 

かすみ:「かすみん勝つ自信無いです」

 

歩夢:「心配しないでかすみちゃん。皆そうだから」

 

神童:「そうだな。でも初めから負けてもしょうがないなんて思うなよ、多分監督たちに拳骨喰らうから」

 

桐穂:「では始めますよ? 始め!!」

 

ピィイイイーーーッ!!!

 

試合開始のホイッスルが鳴り、ボールはキャプテンに渡る。そこにダイヤさんがディフェンスに入る。

 

神童:「天馬! 「甘いよ!!」何っ!?」

 

キャプテンが出したパスは穂乃果さんにカットされてしまう。これは.....

 

竜太:「キャプテン!! 釣られたんです!」

 

神童:「!? どう言うことだ!!」

 

穂乃果:「ダイヤちゃんがプレスに行ったとき、私たちは()()()逆サイドを手薄にしてたんだよ。抜け道が有るのなら、普通はそちらにパスを出す。そうやって誘導して後は追い付くスピードがあれば簡単にとれる。」

 

神童:「っ!?」

 

穂乃果:「大海くん!!」

 

穂乃果さんから親父にパスが繋がり、親父の後ろから母さんが走って来る。

 

龍也:「行くぞ果南!!」

 

果南:「うん!!」

 

歩夢:「まさかハーフラインからシュート!? どれだけパワーが落ちると思ってるの!?」

 

親父と母さんの二人を激流の竜巻が包み上空へと急上昇。そして水流が龍の形へと変化する。それを親父と母さんのツインボレーで撃ち出す。

 

龍也・果南:「「[海龍の咆哮・Gx]!!!」」

 

ドッ、ゴオォォオオオォォオオオオン!!!!!

 

かすみ:「と、止めます!! [真空魔]!!!」

 

かすみが新たな必殺技でシュートブロック。しかしほとんどパワーは落ちずにかすみは吹き飛ばされてしまう。

 

栞子:「止めます!! [ハンタァァアアズ、ネットッ・V3リィィイイイイ]!!!!」

 

栞子は[ハンターズネット]でシュートを絡めとろうとするがこれも呆気なく破られる。

 

霧野:「まだだあぁぁああああっ!!!」

 

ドガァァアアアアアッ!!!

 

霧野先輩が[海龍の咆哮]に足をぶつけて蹴り返そうとする。が、やはり吹き飛ばされ残りはキーパーのみ。しかし半分位はパワーを奪えた筈だ。

 

三国:「絶対に止める!! [炎の鉄槌・V4オォォオオオオッ]!!!」

 

ドグシャァアアアアアアッ!!!

 

三国先輩が右手に炎のエネルギーを集めて凝縮し、炎のマジンを呼び出す。そしてマジンとともに右拳でシュートを思い切り叩き潰す。しかし、

 

ギャルルルルルルルルッ!!!

 

三国:「そんなっ....!? あれだけ距離があって、ブロックしたのに!? うわあああああっ!!!」

 

ドゴオォォオオオン!!!

 

シュートは、轟音とともにゴールに突き刺さった。

 

龍也:「ほらどうした? まだいくぞ!!」

 

神童:「これが、かつて世界一に輝いた、伝説の日本代表.......」

 

エマ:「勝てる訳無いよ.....」

 

竜太:「どうしたんだ皆!! 勝てないとしても、やられっぱなしはシャクでしょう!? せめて一点位は取ってやりましょうよ!!」

 

天馬:「竜太.....、うん!! そうだね!!」

 

竜太:「今度は俺たちの番だ!! 反撃いくぞおおおお!!!!」

 

 

レジェンドジャパン1-0雷門

 

 

― 続く ―




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第63話:本気の監督たち1

親父と母さんに[海龍の咆哮]を決められて1-0。雷門ボールで試合再開。

 

ピィイイイーーーーッ!!!

 

再開のホイッスルが鳴りボールは天馬に。そこに穂乃果さんがディフェンスに入る。

 

すると天馬の背中から化身オーラが発生。化身を呼び出す。

 

天馬:「来い!! 【魔神ペガサス・弐式】!!!」

 

ペガサス:『ウォォオオオオオッ!!!』

 

荒々しい雄叫びとともに、【魔神ペガサス】が降臨した。

 

天馬:「[― ペガサスブレ「甘いよ!! [ダンス・オブ・サラマンダー・Gx]!!!」 っ!?」

 

天馬の化身技を、穂乃果さんの炎の舞が焼き付くしボールを奪った。

 

ボールを奪った穂乃果さんがそのままドリブルで攻め上がる。そこにかすみ、栞子、エマが三人がかりでディフェンスに入る。

 

穂乃果:「まだまだ!! 《加速世界(アクセルワールド)》!!!」 シュンッ!!!

 

穂乃果さんに流れる時間の速さが何倍にも上昇。こちらが1秒間に動く間に、穂乃果さんは1秒間に常人の15秒分に相当する動きが出来る。

 

三人が気付いた時には既に抜かれており、穂乃果さんはシュート体勢に入っていた。

 

穂乃果:「行くよ!! [プロミネンスドライブ・Gx]!!!!」

 

ドガァァアアアアアンッ!!!

 

穂乃果さんの「太陽」のような灼熱の炎を纏ったシュートが三国さんを襲う。

 

三国:「絶対に止めてやる!! [炎の鉄槌・Zエェェエエエット]!!!!」

 

ドグシャァアアアアアアッり!!!

 

三国先輩の技は最終進化し、さらに破壊力を増した。しかしそれでも、[プロミネンスドライブ]のパワーと回転が収まらない。

 

バチィイイイインッ!!!

 

三国:「ぐあっ!? くそっ!!」ドガァッ

 

ボールに弾き飛ばされた三国先輩ではあるが、ゴールに入る寸前でボールにアッパーを加えてコースを変える事に成功。何とか凌いで見せた。

 

穂乃果:「うそ!? 中々やるじゃない!!」

 

レジェンドジャパンのコーナーキック。キッカーは鬼道さんだ。

 

鬼道:「ふっ!!」

 

ドガァッ!!

 

ファーサイドに上がったボール。しかし彼方がヘディングでクリアし、ボールは歩夢先輩へ。そのまま歩夢先輩はドリブルで上がるが、母さんが後ろから追いかけ、前からは聖良さんが挟み込む様にディフェンスに入る。

 

歩夢:「剣城くん!! 竜太くん!!」

 

俺たち二人にセンタリングが上がり、俺と剣城は二人とも化身を発動する。

 

剣城:「【剣聖ランスロット・参式】!!」

 

竜太:「【海皇龍ブルーヒドラ・伍式】!!」

 

まず剣城がシュート体勢に入るとボールを黒いオーラが包む。それを剣城がボレーシュート。同時に【ランスロット】が剣を思い切り突き出す。

 

剣城:「[― ロストエンジェル ―]!!!

 

しかし剣城のロストエンジェルは俺に向かって来て、

 

竜太:「[― ハイドロブラスト ―]!!!!!

 

化身シュートを化身シュートでチェインし、[― ロストエンジェル ―]と[― ハイドロブラスト ―]が混ざり合ったシュートが飛んで行く。

 

立向居:「止めてやる!! うおぉぉおおおおっ!! [魔王・ザ・ハンド・Gx]!!!!」

 

ドガギャルルルルルルルルッ!!!! バシィィイイイイイッ!!!

 

 

・・・・・・・・・・・は?

 

剣城:「う、嘘だろ?」

 

何と俺と剣城の化身と化身のチェインシュートが、()()()であっさり止められてしまった。

 

鬼道:「立向居!! こっちだ!!」

 

竜太:「!? 戻れ!! カウンターだ!!」

 

ボールは鬼道さんに渡りそこからダイヤさんに渡る。すると親父と二人でシュート体勢に入る。

 

ダイヤさんが「光」、親父が「闇」のオーラを纏い、二人で左右からボレーシュート。ボールに「光」と「闇」のエネルギーをそれぞれ注ぎ込む。

 

ダイヤ・龍也:「「[ゼロマグナム・Gx]!!!」」

 

ドッギュゥウォォオオオォォオオオン!!!!

 

栞子:「エマさん!!!」

 

エマが頭上に鋼のエネルギーを集めてエネルギーの球体を作り、栞子がそこに[ハンターズネット]を撃ち込む。すると[ハンターズネット]が鋼の網へと変化し、シュートを押さえとろうとする。が、

 

[ゼロマグナム]が網に触れた瞬間、網は突風とともに霧散し、二人は吹き飛ばされる。

 

三国:「何としても止めてやる!! [炎の鉄槌・Zエェェエエエット]!!!」

 

ドグシャァアアアアアアッ!!!

 

三国先輩も必死に押さえるがパワーの差は明らか。三国先輩は吹き飛ばされシュートはゴールに突き刺さった。

 

三国:「くそっ!!」

 

ダイヤ:「まだまだ行きますわよ!!!」

 

 

~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

 

果北:「パパたちやり過ぎなんじゃ......」

 

美歌:「これ、闘わない方が良かったかも。」

 

桐穂:「立向居さん、あのシュートを必殺技で止めるとかヤバすぎる......」

 

 

 

― 続く ―




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第64話:本気の監督たち2

2-0のレジェンドジャパンリードで雷門ボールで試合再開。しかしここでダイヤさんがツバサさんと交代した。

 

再開のホイッスルが鳴り、ボールはキャプテンから俺に。そこに母さんがディフェンスに入る。

 

果南:「行かせないよ竜太!!」

 

俺が必殺技で抜こうとしても、瞬時に出そうとしている技を見極められモーションに入った瞬間先手を打たれて潰される。母さんの先読みの技術は、引退して17年経った今なお健在のようだ。

 

剣城:「こっちだ!!」

 

竜太:「っ! 剣城!!」

 

俺は剣城にパスを出す。が、ボールを受け取った剣城に、にこさんがディフェンスに入る。

 

にこさんのディフェンスは粘り強く、おまけにわざと誘う様な動きを時折見せる。剣城も慎重に仕掛けるが、一向にディフェンスが崩れない。

 

にこ:「そこっ!!」

 

剣城:「っ!?」

 

にこさんにボールを奪われ、鬼道さんとツバサさんの三人で、ハーフライン付近からシュート体勢に入った。まさかあの技を出す気か?いくらイナズマジャパンの中で最もパワーやフィジカルに恵まれ()かっ()()にこさんのシュートでも、三国先輩タダじゃ済まないぞ?

 

ツバサさんと鬼道さんが順番にボールにスピンをかけながら上に上げる。そしてにこさんが踵落としで下に落とす。ボールには今にも大爆発を起こしそうなエネルギーがチャージされ、それを三人でトリプルシュート。

 

にこ・ツバサ・鬼道:「「「[ビッグバン・Gx]!!!!」」」

 

ドッ、ゴオォォオオオォォオオォォオオオン!!!

 

宇宙の誕生を思わせる必殺シュートが、雷門ゴールを襲う。

 

天馬:「させない!! 【魔神ペガサス・弐式】!!!」

 

天馬は化身を出し、[ビッグバン]を蹴り返そうと渾身の力で足をぶつける。

 

ドガアァァアアアアアアッ!!!!メキメキメキ!!!

 

天馬:「ぐうぅぅうううっ!! ダ、ダメ...だ......。うわあああああっ!!!」

 

天馬は呆気なく吹き飛ばされ、今度はキャプテンが化身を出す。

 

神童:「【奏者マエストロ・参式】!!!! はあぁぁぁああああっ!!!」

 

ドガアァァアアアアアアッ!!ギュルルルルル

 

キャプテンも渾身の力で足をぶつけて蹴り返そうとするがやはり吹き飛ばされる。

 

かすみ:「これだけブロックすれば!! [真空魔]!!!」

 

かすみの蹴りのフルスイングで足が通った後に真空が発生。シュートを吸い込み威力を削ごうとするがこれも破られシュートは進む。

 

栞子:「後は任せて下さい!! [ハンタアァァアアアズ、ネットッ・V3リイィィイイイッ]!!!!」

 

ドギヤルルルルルルルル.....シュルルルル

 

2体がかりの化身のブロックとかすみの[真空魔]、そして栞子の[ハンターズネット]の4重のディフェンスで何とか[ビッグバン]を止めた。

 

栞子:「よし!!」

 

にこ:「へぇ? やるじゃない。けどロココはこれを一人で止めてたけどね」

 

ロココと言うのは、親父たちがFFI世界大会決勝戦で闘ったコトアール代表の「ロココ・ウルパ」さんだろう。あの人と比べないで欲しいな。

 

止めて安心したのも束の間。栞子に親父が迫る。

 

彼方:「栞子ちゃん!! こっち!!!」

 

栞子:「っ! 彼方先パ「貰い!!」っ!?」

 

彼方へのパスをツバサさんがカットし、シュート体勢に入る。

 

ツバサさんはボールとともに天高くジャンプし、遥か上空からゴールめがけてシュートを蹴り落とした。

 

ツバサ:「[超・天空落としいいぃぃいいいっ]!!!!!」

 

その瞬間、宇宙(そら)が降って来た。ボールは凄まじい勢いで落下。三国先輩が反応する事も許さずゴールに突き刺さった。

 

 

 

3-0、レジェンドジャパンリードの雷門ボールで試合再開。

 

ボールはかすみに渡り、かすみは天馬にパスを出すが、《加速世界(アクセルワールド)》を発動した穂乃果さんに一瞬で奪われてしまい、穂乃果さんは親父にパスを出す。

 

龍也:「円堂! 高坂! 来い!!!」

 

三人がハーフラインよりも手前からシュート体勢に入る。三人はボールの周りを右回りにダッシュでぐるぐると回る。すると風圧で上昇気流の竜巻が発生。ボールが浮き上がる。それを三人が3方向から同時シュート。

 

円堂・穂乃果:「「[ジェット........!!」」

 

龍也:「.......ストリイィィイイイイムッ・Gxックスゥゥウウウッ]!!!」

 

撃ち出されたボールは、竜巻の目を沿い、どんどん威力を増しながらゴールめがけて突き進む。

 

三国:「っ! 止める!! 「まだだ(ですっ)!!!」っ! 霧野! 三船!」

 

霧野先輩と栞子が、[ジェットストリーム]に立ち向かう。二人はツインボレーを思い切りぶつけて押し返そうとする。しかし呆気なく吹き飛ばされてしまう。

 

三国:「くそっ!! [炎の鉄槌・Zエェェエエエット]!!!」

 

三国先輩が右手に炎のエネルギーを集めてマジンを呼び出す。そのマジンとともに、シュートに右拳を思い切り叩きつける。

 

ドグシャアァァアアアアアッ!!!!

 

しかしその程度で日本最強のシュート技を止められる筈もなく、三国先輩は吹き飛ばされる。

 

 

ドゴオォォオオォォオオオォォオオン!!!

 

シュートは凄まじい轟音とともに、ゴールネットに突き刺さった。

 

そしてここで、前半終了のホイッスルが鳴った。

 

レジェンドジャパン4-0雷門

 

― 続く ―




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第65話:レジェンドジャパン戦決着!!

ハーフタイムに入りそれぞれ休息を取る。しかし俺たちは一方的にやられ、俺と剣城の化身と化身のチェインシュートまであっさりと止められてしまった。このままでは1点も取れずに負けてしまう可能性が非常に高い。

 

竜太:「どうする? 俺と剣城の化身チェインシュートも、立向居さんには通用しなかったぞ

.......。どうやって点を取る?」

 

神童:「.........1つだけ手がある」

 

それを聞いた俺たちは、キャプテンの方を向く。

 

神童:「だが、それにはまず化身シュートを放てるまで持っていく必要がある。そして、この方法は一度見せたら二度と通用しない。特に監督たち位のレベルの選手には。そしてこれがダメならもう無理だと思った方がいい。方法は......」

 

......!! 確かに、それなら行けるかも!!

 

そしてハーフタイムが終わり、後半戦の為に位置につく。

 

桐穂:「準備は良いですか? 始め!!」

 

ピィイイイーーーーッ!!!

 

後半戦開始のホイッスルが鳴り、レジェンドジャパンが攻めこんでくる。ボールは鬼道さんに渡り、鬼道さんがドリブルで上がってくる。そこに剣城がディフェンスに入る。

 

鬼道:「止めてみろ!! [超・イリュージョンボール]!!!」

 

ボールが分身し、ディフェンスを惑わす。そして剣城が抜かれ、ボールが1つに戻った瞬間、

 

竜太:「そこだぁっ!!!」

 

鬼道:「っ!! ほう?」

 

俺はほんの一瞬の隙を突き、鬼道さんからボールを奪うことに成功。そのままドリブルで上がる。

 

聖良・綱海:「「行かせません(ねぇよ)!!!」」

 

聖良さんと綱海さんが二人がかりでディフェンスにくる。俺は二人を最大まで引き付けて、

 

竜太:「剣城!!」

 

剣城にパスを出した。剣城は余裕を持って化身を発動し、シュート体勢に入る、

 

剣城:「[― ロストエンジェル ―]!!!!

 

ドガァァアアアァァアアン!!!

 

剣城の化身シュートが一直線にゴールを強襲。しかし立向居さんは落ち着いて必殺技の構えに入る。

 

立向居:「[魔王・ザ・ハン「クンッ!!」なにっ!? くっ!!」

 

しかし[― ロストエンジェル ―]は寸前でゴール左下目掛けて急カーブ。[魔王・ザ・ハンド]の守備範囲の外に出た。

 

立向居さんは急いで[魔王・ザ・ハンド]をキャンセルして跳ぶ。だがボールはゴールの横枠に当たり跳ね返る。

 

立向居:「危なかった。ミスしたの「いいや? 狙い通りですよっ!!」 なにっ!?」

 

跳ね返ったボールは全てが計算づくの俺へのパス。俺はボールをダイレクトで立向居さんとは逆方向目掛けて思い切り叩き込んだ。

 

ザシュウッ!!!

 

竜太:「いよっしゃぁぁあああああああああああっ!!!!!!」

 

エマ:「やった!! 1点取った!!」

 

天馬:「でもまさか化身を囮に使うって聞いたときは耳を疑いましたけど」

 

神童:「監督たちも、まさか化身が囮だとは思わないと思ったんだ」

 

1点を取り喜ぶ俺たち。一方で、

 

果南:「嘘でしょ!? もーーーー!!」

 

円堂:「悪い。ヘルプ遅れた」

 

龍也:「切り替えろ!! それにあいつらも、今の手はもう通じないって分かってる筈だ。」

 

ついに1点をもぎ取り4-1。レジェンドジャパンボールでゲーム再開。しかし点を取られた事でレジェンドジャパンは只でさえ手強かったのが更に手強くなり、そのまま5点を奪われてしまい終了間際、

 

果南:「龍也!!!」

 

竜太:「ハァ、ハァ、行かせねぇっ! 「残念だが今のお前じゃ無理だ」っ! くそぉぉおおおおおっ!!!」

 

俺は親父に抜かれ、親父はシュート体勢に入る。世界大会で数々の強豪を破ったあのシュートの。

 

龍也:「[ラストリゾートD(ドラゴン)・Gx]!!!!!!!

 

親父の足から放たれた邪龍は、俺たちが反応することも出来ずに、ゴールに突き刺さった。

 

ここで試合終了のホイッスルが鳴り、俺たちは、

 

「10-1」で敗北した。

 

歩夢:「つ、強すぎる......!!」

 

剣城:「これが....世界のレベル。」

 

神童:「だが、1つ皆気づいたんじゃないか?」

 

栞子:「はい。監督たちは、「化身」を一度も使って来ませんでした。使わなかったのか、そもそも宿して無いのかは分かりませんが。それでも、こちらは化身を使ったのに、必殺技を破れませんでした。つまり、化身を持ってない人でも、練習次第で化身使い以上に闘えると証明してくれたんです。ですよね?」

 

鬼道:「さすがだな三船。俺たちの中には、円堂以外は化身使いは居ない。今回円堂はDFだったのに対して、円堂の化身はGKタイプだからそこまで威力がでない。しかし他のメンバーも円堂も、血の滲むような練習を積み重ねて世界一になったんだ。お前たちが同様に練習を積み重ねて行けば、きっと俺たちを越えられるさ」

 

雷門:『っ! はい!!!!!』

 

竜太:「.....................」

 

そして昼飯で強化合宿終了を祝い、監督たちの奢りでバーベキューをしている。

 

竜太:「親父........」

 

龍也:「ん? どうした? 真剣な話の様だが」

 

果北:(ん? お兄ちゃん?)

 

彼方:(竜太くん? どうしたんだろ~?)

 

竜太:「俺に、[()()()()ゾー()()]を教えてくれ」

 

果北・彼方:「「!?」」

 

それは俺の、今の限界への挑戦だった。

 

 

― 続く ―




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第66話:告白 for 近江彼方 そして新たな出会い

今回は短いです。すいません。


合宿終了を祝うバーベキューの最中、俺は親父にある頼みをした。それは、

 

龍也:「[ラストリゾート]を教えて欲しい?」

 

それを聞いた親父は「フム.......」と考え込み、

 

龍也:「良いだろう。だが厳しいぞ。覚悟は出来てるんだろうな?」

 

竜太:「ああ。勿論だ!!」

 

そしてバーベキューも終わり、各校バスに乗り、それぞれの学校へと戻って行った。俺たち雷門のバスもそろそろ出る。

 

果南:「竜太しっかりね? きちんと練習するんだよ?」

 

竜太:「分かってるよ」

 

円堂:「おい竜太!! そろそろ出発するぞ!!」

 

竜太:「はい今行きます!! それじゃあ母さん、果北、皆、行ってきます!!!」

 

果南:「行ってらっしゃい!! 身体に気を付けてね?」

 

美歌:「インターハイを勝ち上がって、絶対()ろうね!!」

 

竜太:「ああ!! 次は決着着けてやる!!!」

 

そして俺はバスに乗り、雷門の仲間と共に、東京へと戻って行った。

 

 

~ 帰りのバスの中 ~

 

エマ:スゥ、スゥ.....

 

バスに乗るとき、エマは自然と俺の隣に座り、スゥスゥ寝息を立てていた。....余程疲れたんだな。見ると、他の皆もぐっすり眠っていた。

 

彼方:「竜太くん? 起きてる~?」

 

竜太:「彼方? 珍しいな起きてるなんて」

 

彼方:「む~!! 竜太くんは彼方ちゃんをなんだと思ってるのかな~?」

 

竜太:「睡眠大好き爆睡娘」

 

彼方:「否定できないのがつらいな~」

 

竜太:「悪い悪い。けど、本当に疲れてないのか?」

 

彼方:「疲れたけど楽しかったな~って」

 

竜太:「そうだな.......」

 

そして俺が難しい顔に戻ると、

 

彼方:「.......[ラストリゾート]のこと?」

 

竜太:「.......聞いてたのか。」

 

彼方:「たまたまね~」

 

俺が[ラストリゾート]を習得出来れば、そこらのシードなら6人がかりで来られても恐らく負けないだろう。と言うか吹き飛ばせるだろう。しかし、

 

彼方:「大丈夫だよ~。合宿で皆成長したし、それに「竜太くんに任せて自分はいいや」なんて人は、雷門には居ないよ」

 

竜太:「見抜かれてたか......」

 

さすが三年生だな......

 

彼方:「ふっふ~。お姉さんを甘く見ないで欲しいな~」

 

フフンと胸を張る彼方。2つの大きなメロンが揺れる揺れる。おお、眼福

 

竜太:「悪い。メッチャ甘く見てた」

 

彼方:「酷い!!」

 

少しからかってやると頬を膨らませて拗ねる。やれやれ、

 

竜太:「でも、ありがとう」

 

彼方:「........ううん。好きな人のためなら...何でもないよ」

 

竜太:「えっ!?」

 

彼方:「エマちゃんに聞いたんでしょ~? 竜太くんを狙ってる女子多いって」

 

聞いたけど冗談だとばかり思ってた。

 

彼方:「彼方ちゃんが泣いてた時、竜太くんは優しく抱き締めてくれたでしょ? その時からかな。意識し始めたのは。デートの時だってそうだよ? 普通好きでもない男の子に、頬っぺとはいえキスを許したり、膝枕してあげようなんて女の子は居ないよ~?」

 

竜太:「そう、だったんだ......」

 

彼方:「彼方ちゃんは、竜太くんの事が、遥ちゃんと同じ位大切で大好き!! 彼方ちゃんじゃあ.....ダメかな?」

 

竜太:「そっか....そんな風に思っててくれてたんだな。ありがとう。....でも...、悪いけど、まだ答えは出せない。実はエマにも告白されて保留にしてるんだ。だから悪いけど、俺の気持ちが固まるまで待って欲しい」

 

彼方:「うん....。分かった。返事をくれるときは、竜太くんの正直な気持ちを聞かせて? エマちゃんを選ぶにしても、彼方ちゃんを選ぶにしても、他の誰かを選ぶにしても」

 

竜太:「分かった」

 

~ 次の日・早朝~

― 河川敷 ―

 

竜太:「よし! 自主練始め「あれ? こんな時間に人がいる」ん?」

 

見るとそこには、サッカーボールを持った髪の毛の毛先が緑の黒髪ツインテール...の.....、

 

竜太:「~~~~っ!?!?!!?!///////」

 

その瞬間、俺の身体に電流が走った。なんだこの女の子!? メチャクチャかわいい!!!

 

これが俺と、「高咲(たかさき)(ゆう)」の出会いだった。

 

 

― 続く ―




まさかの竜太くん侑ちゃんに一目惚れで初恋!?
おいテメェ!!エマちゃんと彼方ちゃんの告白の返事を忘れてねぇだろうな!!!

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第67話:高咲(たかさき)(ゆう)

竜太:「・・・・・・・・・///////」

 

合宿が終わり稲妻町に帰ってきた次の日、俺が早朝の河川敷で自主練を始めようとしていたら、後ろから女の子に声をかけられた。そして俺は、その子に目を奪われてしまった。世間的に見れば、もっとかわいい子はたくさん居るだろう。しかし目の前の女の子は、俺の好みド直球だった。

 

?:「君も練習?」

 

竜太:「はっ、、ひゃいっ!!」

 

しまったぁぁあああああっ!!! 噛んじまったぁぁぁあああああっ!!

変な奴だと思われ、

 

?:「どうしたの?」

 

女の子はキョトンとした顔で俺を見ていた。その反応されるとかえって恥ずかしいです。

 

?:「ねぇ? 良かったら一緒に練習しない?」

 

わぉ、随分フレンドリーな人だな。俺としては嬉しい限りだしOKしとくか。

 

竜太:「良いですよ? 俺は大海竜太です。宜しくお願いします」

 

?:「そっか、君が歩夢が言ってた....、私は「高咲(たかさき)(ゆう)」。宜しくね?」

 

竜太:「宜しくお願いします。あっ、その前に1つ良いですか?」

 

侑:「何かな?」

 

竜太:「高咲さん学校と学年は「雷門の2年生だよ?」 あっ、そうだったんですね。すみません」

 

先輩だったんだ。一応敬語使ってて良かった。

 

竜太:「分かりました。じゃあ高咲先輩! 練習宜しくお願いします!!!」

 

そこから俺と高咲先輩は一緒に練習を始めたんだが、なにこの人!!上手すぎるんだけど!!合宿でパワーアップした皆や元シードの剣城よりも断然上手い。これ俺が全力でやっても勝負になるんじゃあ......

 

侑:「行くよっ!! [ライトニングアクセル・A]!!!」

 

高咲先輩が必殺技で俺を抜きにかかる。しかし俺も[スプリントワープ]を応用して高咲先輩のスピードに着いていく。

 

侑:「っ! やるね!! ならシュートだよっ!!」

 

高咲先輩は両足でボールを挟み空高くバク宙。空中でボールを放し、ボールが落下し始めた所にバク宙の勢いのまま蹴りを叩き込んだ。

 

侑:「[極・ペガサスショット]!!!!」

 

ドガァァアアァァアアアン!!!

 

ボールと共に、ペガサスが天を駆け向かってくる。

 

竜太:「させるかぁああああっ!!!! [真空魔・Z]!!!!」

 

俺はかすみから[真空魔]を《完全無欠の模倣(パーフェクトコピー)》で借りて最終進化で放つ。お互いの必殺技は互角のパワーで激突したが、ギリギリで押さえ込む事に成功しボールは俺の足元に。

 

侑:「凄い!! 今まで私のシュートを止められた人居なかったのに!!!」

 

竜太:「いや.....、高咲先輩パワー有りすぎでしょ。止められないかと思いましたよ」

 

侑:「だから普通は止められないんだって!! 久し振りに楽しいなぁ.....。大海くんのサッカー、私トキメいちゃったかも!!!」

 

っ!! トキメっ!? いや、俺じゃなくて俺のサッカーに対してか。.....ハァ。

 

侑:「決めた!! 私もサッカー部に入る!! 大海くんとなら面白くなりそうだし!!」

 

竜太:「そ、そうで「侑ちゃーーん!!!」 ? 歩夢先輩?」

 

声のした方を見ると、歩夢先輩が走って来ていた。

 

歩夢:「侑ちゃんもう来てたんだね。って竜太くん? 何でここに?」

 

竜太:「自主練です。って言うかお二人は知り合いだったんですか?」

 

侑:「うん。同じマンションのとなりの部屋に住んでる幼稚園からの幼馴染だよ?」

 

幼馴染!?まじかぁ......

 

侑:「それより歩夢! なにこの子!! こんな上手い人が入ったなんて聞いてないよ!?」

 

歩夢:「侑ちゃん落ち着いて? 話そうとしたけど侑ちゃんが聞いてくれなかったんだよぉ...。「えっ!? あ~その...ゴメン。」まぁ良いけど」

 

高咲先輩は少し気まずそうにし、

 

歩夢:「それで侑ちゃんにお願いがあるの。「あっ、私もサッカー部に入るから」えぇっ!? 何で? 前にもうトキメかないって.....。と言うより何で私の言おうとしてたことが分かったの?」

 

侑:「なんと無く」

 

なにこの人、怖い。

 

侑:「大海くんが居るんだったら面白くなりそうだから入る」

 

竜太:「そう言えば歩夢先輩、今何時ですか?」

 

歩夢:「えっ? えっと、7時に家を出たから、多分7時20分位かなぁ?」

 

竜太:「ありがとうございます。じゃあ俺はそろっと帰りますね」

 

歩夢:「うん。分かった!! じゃあね」

 

侑:「明日からサッカー部入るから宜しくねー!!」

 

竜太:「はい!! お疲れ様でした!!」

 

そして俺は家に帰り二人は、

 

歩夢:「侑ちゃんどうだった? 竜太くんは?」

 

侑:「うん。基本能力は私とタメ張れるくらいあるね。ハッキリ言って凄いし、天才といっても差し支えないと思う。けど、私が《眼》を使ったら、分からないかな......」

 

歩夢:「侑ちゃん......」

 

侑:「けど、大海くんには期待して良いって私の勘が言ってるから、多分」

 

歩夢:「外れたこと無いもんね? 侑ちゃんの勘」

 

二人がそんな話をしてるとき、当の本人は、

 

竜太:「高咲先輩可愛かったなぁ。////けど、エマと彼方の告白を保留にしてる最中に他の人をって、エマと彼方に失礼だよなぁ....。ハァ」

 

 

― 続く ―




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第68話:新たな仲間

高咲先輩と出会った次の日の月曜日。俺と天馬が朝練のために学校に向かっていると、前に歩夢先輩と高咲先輩が。

 

天馬:「おはようございます歩夢先輩!! と...えっと、」

 

侑:「あっ私は高咲侑だよ。宜しくね? えっと、「侑ちゃん、その子は松風天馬くんだよ?」 ああこの子が。宜しくね天馬くん!!」

 

天馬:「あっ、宜しくお願いします高咲先輩!!」

 

高咲先輩はフフッと笑い、今度は俺に挨拶してくれた。

 

侑:「おはよ大海くん! 今日から宜しくね?」ニコッ

 

竜太:「はっ、ハイ!! 宜しくお願いします高咲先輩!!!」

 

高咲先輩が笑う。かわいい.....。

 

天馬:「今日から? もしかして.......」

 

歩夢:「うん。侑ちゃん今日からサッカー部に入るんだ」

 

天馬:「そうだったんですね。宜しくお願いします高咲先輩!!」

 

侑:「うん!! 宜しく天馬くん!!」

 

そして挨拶を終えた俺たちは、四人で仲良く学校に向かった。

 

― 雷門・サッカー棟 ―

 

そして俺たちが練習をしていると、高咲先輩を海未先生がつれてきていったん集合の合図がかけられた。

 

海未:「え~、今日から雷門サッカー部の一員に加わる事になった「高咲侑」さんです。宜しくお願いしますね」

 

雷門メンバー:『はい!!!』

 

神童:「宜しくな高咲」

 

侑:「宜しくね神童くん」

 

しずく:「侑さんはポジションはどこなんですか?」

 

侑:「FWやMFが多かったかなぁ。やろうと思えばDFも出来るけど、ただしGKだけは無理」

 

円堂:「ではとりあえず高咲の実力を見せて貰う。三国、霧野、近江、神童、桜坂、相手を頼む。竜太は高咲の味方に入れ。ただし必要最小限のフォローのみでな」

 

六人:『はい!!!』

 

そして高咲先輩と俺の二人チームvsキャプテンたちとなった。まぁ高咲先輩一人で大丈夫な気がするが。そして俺たちは位置につく

 

円堂:「準備はいいか? 始め!!」

 

ピッ!!

 

円堂さんが開始のホイッスルを吹くと、霧野先輩としずくがディフェンスに入る。しかし、

 

侑:「そんなディフェンスじゃあ私は止められないよ!! [ライトニングアクセル・A]!!!!」 シュバンッ

 

しずく・霧野:「「!?」」

 

まさに電光石火。高咲先輩は一瞬で二人を抜き去り、更にドリブルで上がる。

 

神童:「っ! 止め「大海くん!!!」 なにっ!?」

 

高咲先輩と俺はワン・ツーパスで神童キャプテンを抜き去り残るは三国さんと彼方のみ。

 

彼方:「行かせないよ~! [フェアリ~ゾ~ン・V3~]!!」

 

彼方の相手の自由を奪う支配領域が展開される。しかし、

 

侑:「甘いですっ!!」ダンッ!!

 

高咲先輩は空高くジャンプして[フェアリーゾーン]を躱して空中でシュート体勢に。

 

侑:「[極・ペガサス・・ショットォォオオオッ]!!!」

 

ドガァァアアァァアアアン!!!

 

高咲先輩の超強力な必殺シュートが炸裂。三国先輩に迫る。

 

三国:「そう簡単には入れさせない!!! [炎の鉄槌・Zェェエエエット]!!!!」

 

ドグシャァァアアアァァアアッ!!!

 

三国先輩が炎のマジンと共に右拳で思い切りシュートを叩き潰す。が、

 

三国:「なっ!? なんだこのパ......うわぁぁああああっ!!?」

 

ズドォォオオオン!!!シュート、凄まじい勢いでゴールに突き刺さった。

 

竜太:「ナイスシュートです高咲先輩!!」

 

鬼道:「凄いな」

 

円堂:「ああ。雷門にこんな選手が居たのか」

 

海未:「私は教師なので、彼女のことは知ってましたが、サッカーがここまで上手い事は知らなかったですね」

 

そんなとき、

 

葵:「皆さ~ん!! インハイの一回戦の相手が決まりましたよ!!」

 

かすみ:「えっ!? どこですかぁ!!」

 

葵:「一回戦の相手は、山形県代表の「月山国光(がっさんくにみつ)」です」

 

円堂:「じゃあ俺と鬼道は放課後まで月山国光の情報収集。放課後になったら、ミーティングを行う。解散!!」

 

雷門メンバー:『お疲れ様でした!!!』

 

そして各自着替えて、教室に向かった。

 

― 続く ―




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第69話:インターハイ開幕

今回は短いです。

すいません。


高咲先輩が入部した日の放課後、皆で1週間後の月山国光戦に向けたミーティングをしていた。

 

円堂:「月山国光は帝国以上に高い統率力を使った超組織的とも言えるサッカーを得意としている。そしてフィフスセクターは確実に反フィフス派を潰そうとしてくるだろう」

 

鬼道:「神童、お前がゲームメーカーとして如何に冷静な判断が出来るかが大事になってくる」

 

神童:「はい!!!」

 

円堂:「では、1週間後の月山国光戦に向けた練習を開始する」

 

雷門:『はい!!!!』

 

そして練習が終わり、俺たちが更衣室で着替えていると、

 

三国:「南沢も戻って来れば良かったのに......」

 

天城:「ダド。転校なんて........」

 

天馬:「えっ!? 南沢先輩転校したんですか!?」

 

これには俺も驚いた。そうか、南沢先輩転校したのか。

 

神童:「仕方無いですよ。じゃあ俺はこれで」

 

一年生:『お疲れ様でした!!!』

 

そして俺たちも自分の家に帰った。

 

― 1週間後・インターハイ本選開幕日 ―

~ アマノミカドスタジアム ~

 

実況:「皆さんお待たせしました!! これより、全国高等学校サッカー大会、インターハイ開幕式を行います!!!」

 

そして俺たち選手が入場し、お偉いさんの挨拶で、

 

司会:「では、フィフスセクター聖帝(せいてい)、「イシド・シュウジ」様、お願いします」

 

竜太:「キャプテン、何者です?」

 

神童:「フィフスセクターの親玉だ」

 

ふ~ん。そして入場してきた人を見て、俺は既視感を覚えた。ん? あの人、俺、まさか会ったことがある?

 

そして「イシド・シュウジ」の挨拶が終わり、俺たちは一回戦がおこなわれる、この<アマノミカドスタジアム>のある中央エリアの外周に5つ存在する<ロシアンルーレットスタジアム>に向かうための電車乗り場、「ホーリーライナーステーション」にやって来た。ここから対戦校同士がガラス越しに同じ電車でスタジアムに向かうことになる。

 

俺たちがホーリーライナーに乗ると、月山国光の選手が既に乗っており、その中に、

 

神童:「っ!? 南沢さん!?」

 

何と、1週間前に転校したと聞いていた元雷門メンバー、南沢さんが居たのだ。

 

南沢:「久し振りだな。お前ら」

 

果林:「南沢くん!! 何でっ!?」

 

果林に動揺が走る。果林にとって南沢さんは、一年生の頃から雷門のツートップとして切磋琢磨し共にやって来た相棒と言っても差し支えが無かった存在だ。その南沢さんが敵として目の前に居るのだ。ショックは大きいだろう。

 

南沢:「何故って、そんなの決まってるだろ? 雷門を叩き潰す為だよ。」

 

雷門:『!!!!』

 

三国:「南沢!? お前自分が言ってること分かってるのか!?」

 

南沢:「分かってるさ。だから転校したんだ。お前らに現実って物を教える為にな」

 

彼方・エマ:「「!!!!」」

 

月山監督(以下・近藤):「南沢は実に物分かりのいい選手です。それに実力も申し分無い。おかげで我々月山国光は、更にパワーアップ出来ましたよ」

 

鬼道:「お前が月山の監督か」

 

近藤:「ええ。それよりスタジアムに行きましょう。開始時間が迫ってますよ?」

 

そしてホーリーライナーは出発し「風の道駅」に到着。そして俺たちは5つあるロシアンルーレットスタジアムの1つ、<サイクロンスタジアム>に足を踏み入れるのだった。

 

竜太:(何だこのスタジアム? 天井と観客席の上に、飛行機のエンジンみたいな巨大送風機が........)

 

監督たちも違和感に気付いた様だった。

 

鬼道:「円堂....」

 

円堂:「ああ。これは一筋縄じゃ行かなそうだな」

 

 

 

― 続く ―




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第70話:サイクロンスタジアムの恐怖

円堂さんが月山国光戦のスターティングメンバーを発表する。

 

円堂:「GKは三国

    DFは天城、三船、霧野、エマ

    MFは浜野、神童、天馬、しずく

    FWは竜太と剣「私に行かせて下さい!!」朝香?」

 

果林:「お願いします!! 南沢くんと戦わせて下さい!!!」

 

円堂:「・・・・よし!! 分かった。FWは竜太と朝香でいく。」

 

雷門:『『はい!!!』』

 

そして両校位置に着く。

 

フォーメーション

 

月山国光

 

GK       兵頭

 

DF 小早川 長船  金平  蜂須賀

 

MF   甲斐  月島  正宗

 

FW   一文字 南沢  柴田

 

雷門

 

FW     大海  朝香

 

MF 浜野  神童  松風  桜坂

 

DF 天城  三船  霧野  ヴェルデ

 

GK       三国

 

 

実況:「これよりインターハイ一回戦、「雷門」vs「月山国光」の試合が始まります!!」

 

そして審判が左手を上に挙げ、

 

ピィイイイイーーーーーーッ!!!

 

試合開始のホイッスルが鳴り、雷門ボールで試合開始。ボールをキャプテンに戻し、パスを繋いでボールは俺に渡る。

 

兵頭:「壱の構え!!」

 

竜太:「っ!! なんだぁ!?」

 

何と月山ディフェンスはサイドに避けて中央をがら空きにしてきた。これでは幾らでもドリブルし放題だ。

 

竜太:「舐めてるの「ゴオォォオオオオオッ!!!」っ!? 何だ!? この風!?」

 

上を見ると天井の巨大旋風機が回転し月山が空けた中央に竜巻が発生。俺はモロに竜巻に呑まれ上空に舞上げられる。

 

ドシャアッ!!!

 

竜太:「ガハッ!! 痛ってぇ~~!!」

 

旋風機が止まり竜巻が収まり俺は地面に落下。叩きつけられる。

 

果林:「竜太!! 大丈夫!?」

 

竜太:「ああ.....。何とか...」

 

その間にボールは奪われ、今度は月山国光の攻撃。ボールは月島に渡り、キャプテンと天馬が止めに入る。

 

月島:「その程度のディフェンス!! [クレイモア]!!!」

 

月島がボールを地面に蹴り込むとボールが剣山の様に鋭く何本も地面から突き出てきて二人をズタズタにして突破する。

 

月島:「南沢!!」

 

ボールは南沢さんに渡り、南沢さんはシュート体勢に入る。

 

南沢:「[真・ソニックショット]!!!」

 

南沢さんの蹴ったボールが途中から急加速して三国さんに迫る。しかし三国さんは落ち着いて......、

 

三国:「[極・バーニングキャッチ]!!!」

 

ガガァァアアアアッ!!!

 

三国さんが燃える右手でシュートに掴みかかり地面に押さえつける。三国さんは[ソニックショット]をあっさりと止めた。

 

南沢:「へぇ? 少しはやるようになったな」

 

三国:「神童!!」

 

三国さんのゴールキックからボールはキャプテンに渡る。しかし....、

 

金平:「長船!!」

 

長船:「おう!!」

 

月山DFの二人がキャプテンの背後から追い掛け並走。力強い踏み込みから土煙を巻き起こして蹴りの乱打でキャプテンを吹き飛ばす。

 

金平・長船:「「[ツインミキサー]!!!」」

 

ボールを奪われ月山のカウンター。月山はパスを繋ぎボールはまたしても南沢さんに渡り、南沢さんはシュート体勢に入る。

 

南沢:「[真・ソニック「弐の構え!!」ショット!!!]」

 

南沢さんのシュートと同時に今度は雷門ゴール前に竜巻が発生。その風圧で、南沢さんのシュートのコースをねじ曲げ、三国さんは逆を突かれる。

 

三国:「何っ!?」

 

ザシュウッ!!!

 

シュートは、雷門ゴールに突き刺さった。

 

実況:「ゴォォオオォォオオル!!! 先制点は月山国光!!」

 

 

竜太:「キャプテン.......、」

 

神童:「ああ。月山国光はいつどこに竜巻が発生するのか分かってる」

 

しずく:「そんな・・・じゃあどうすれば........」

 

果林:「簡単でしょ? 月山国光も、まさか味方を吹き飛ばしたりはしないはずよ。月山国光が大きくスペースを空けた所に、竜巻が発生するんじゃないかしら?」

 

神童:「そうですね。全員、相手の動きをよく見ろ!!」

 

雷門:『『はい!!!』』

 

 

そして雷門ボールで試合再開。ボールは天馬に渡りドリブルで攻め上がる。

 

正宗:「その程度のディフェンス!! 「[そよ風ステップ・V4]!!!」なっ!?」

 

天馬は正宗を抜き去りシュート体勢に入る。

 

天馬:「[真・マッハウィンド]!!!」

 

ドゴオォオオォォオオン!!!

 

天馬の必殺シュートが、月山国光ゴールに迫る。

 

兵頭:「そんなもの!! ハァァアアアアアアッ!!!」

 

相手GK兵頭の背後に化身オーラが発生。ゴーレムの様なゴツゴツした姿を形作る。

 

兵頭:「【巨神ギガンテス】!!! [― ギガンティックボム ―]!!!」

 

兵頭の化身が両拳でボールを左右から挟み圧力をかける。[マッハウィンド]は、力ずくで捩じ伏せられた。

 

兵頭:「ふん、この程度か......」

 

 

雷門 0 - 1 月山国光

 

 

― 続く ―




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第71話:vs月山国光 前半終了

天馬の必殺シュートが止められ、月山国光のゴールキックから試合再開。

 

ボールは長船に渡り、低重心で力強い戦車の様なドリブルで上がってくる。

 

浜野:「行かせない!! 「邪魔だ!!」ドガアッ ぐあっ!?」

 

浜野先輩が吹き飛ばされボールは甲斐に渡り、天城先輩と栞子がディフェンスに入る。

 

甲斐:「()くぞ者共!! 必殺タクティクス!! <タクティクスサイクル>!!」

 

月山国光のMF三人と南沢さんがひし形の四角形のフォーメーションで上がってくる。二人はそれに対応しようとしたが、その瞬間フォーメーションが変化。縦一直線になって猛スピードで攻め上がり二人は突破される。

 

栞子:「くっ!?」

 

南沢:「柴田!!」

 

ボールは柴田に渡り、柴田の背後に化身オーラが発生し鳥の様な姿を形作る。中から現れたのは、以前帝国戦で戦った【黒き翼レイヴン】と色違いの青い鳥の化身だった。

 

柴田:「【蒼きリューク】!! ()くぞ!!!」

 

柴田が化身シュートの体勢に入る。雷のオーラを纏ったボールに、【リューク】が鋭い鉤爪による一振り...と同時に柴田がボレーシュートを叩き込む。

 

柴田:「[― レイジングクロウ ―]!!!」

 

鋭い爪痕の様な化身シュートが、雷門ゴールに襲いかかる。

 

エマ:「させない!! [真・守護騎士の盾]!!!」

 

ドガァアアァァアアアッ!!!

 

エマの盾に化身シュートが激突!! エマも必死に耐えるがやはり吹き飛ばされる。しかし威力は確実に弱まった。

 

三国:「[炎の鉄槌・Zェエエエット]!!!」

 

ドグシャァァアアァァアアアッ!!!

 

三国先輩は炎のマジンを呼び出してシュートを叩き潰す。しかしパワーが足りずにゴールに押し込まれた。

 

実況:「ゴオォォオオォォオオオル!!! 月山国光追加点!!!」

 

三国:「くそ!!二点目か.....「もう諦めたらどうだ?」なに!?」

 

南沢:「こんなバカなことして何になるって言うんだ?良いじゃないか今のサッカーで。こんな苦しいサッカー楽しいのか?」

 

天城:「? ・・・苦しくなんかないド」

 

南沢:「っ! 何?」

 

三国:「ああ! 俺もだ!! 見てろ、今度は止めてやる!!」

 

南沢:「っ! ・・・そうか。なら遠慮なく叩き潰してやる!!」

 

 

雷門ボールで試合再開。ボールはキャプテンに渡り攻め上がる。

 

神童:「果林さん!!」

 

蜂須賀:「甘い!!」

 

キャプテンが果林にセンタリングを上げるが相手DFにカットされる。月山国光は直ぐ様反撃に転じてボールは月島に。

 

月島:「必殺タクティクス! <タクティクスサイクル>!!!」

 

月山MF三人と南沢さんがひし形のフォーメーションで攻め上がり、ディフェンスが近づいた瞬間縦一列にフォーメーションを変えて一点突破を図る。しかし霧野先輩が<タクティクスサイクル>に正面から突っ込む。

 

霧野:(このタクティクスは最終的に最後尾の選手がボールを持つ。スピードがあるから横からプレスは掛けづらいが正面からなら!!)

 

霧野先輩は選手を避けようと足でステップを掛けるが<タクティクスサイクル>のスピードに着いていけずバランスを崩し吹き飛ばされる。

 

ドガァアアァァアアアッ!!

 

霧野:「ぐわあっ!?」

 

しずく:「霧野さん大丈夫ですか!?」

 

霧野:「ああ....何とか(俺のボディバランスでは無理だ。うちのDFでボディバランスに定評があるのは......そうだ! 三船なら!)」

 

甲斐:「南沢!!」

 

パスは南沢さんに渡り、南沢さんはシュート体勢に入る。

 

南沢:「[真・ソニック..「弐の構え!!」..ショットッ]!!!」

 

南沢さんが必殺シュートを放つと同時に雷門ゴール前に竜巻が発生。シュートの軌道を曲げる。が、今度は三国先輩も冷静に対処し、最終進化の[バーニングキャッチ]で止めて見せた。

 

三国:「桜坂!!」

 

三国先輩のゴールキックからボールはしずくに。相手MFと競り合いになるがそこはボールのトラップ力が高いしずく。巧く体を相手と入れ替えて前にボールを前に落として落として抜き去った。

 

しずく:「果林さん!!」

 

果林:「ホッ! ナイスパス!! 行くわよぉ!「壱の構え!!」っ!」

 

月山国光が端により中央を空ける。果林が急いでドリブルをストップすると案の定ゴール前に竜巻が発生。あのまま行ってたら呑まれてたな。

 

果林:「ならシュートよ!!」

 

果林がシュート体勢に入る。ボールを両足で挟み、アクロバティックなダンスでボールを上に放り高速回転をかける。空気摩擦でボールに着火。中から青いフェニックスが現れる。それを跳んだ果林がオーバーヘッドで蹴り飛ばす。

 

果林:「[Fire Bird]!!!」

 

ボォガァアアァァアアアンッ!!!

 

果林が合宿で編み出した青い炎の必殺シュートが月山国光ゴールに襲いかかる。

 

兵頭:「ゴールは割らせぬ!! 【巨神ギガンテス】!! [―ギガンティ....!?」

 

しかし竜巻に飛び込んだ[Fire Bird]は、兵頭も予想外のコースにねじ曲げられ、不意を突き月山国光ゴールに押し込まれた。

 

南沢:「何っ!?」

 

実況:「ゴオォォオオォォオオオル!! 雷門1点を返したーーーー!!!」

 

果林:「どう? 南沢くん。私だって成長したのよ?」

 

南沢:「ぐっ、朝香ぁぁああああっ!!!!」

 

 

霧野:「三船、ちょっと」

 

栞子:「何ですか、霧野さん?」

 

霧野:「あの必殺タクティクスを破るには、お前の安定したボディバランスが必要なんだ。てを貸してくれ。」

 

栞子:「·····分かりました。」

 

 

月山国光ボールで試合再開。ボールは月島に渡り、

 

月島:「必殺タクティクス!! <タクティクスサイクル>!!!」

 

月山MFと南沢さんがひし形四角形のフォーメーションで攻め上がる。そして縦一直線になった瞬間、

 

霧野:「今だ三船!!」

 

栞子は合図と共に<タクティクスサイクル>に突っ込み、前の三人の間を縫うステップで躱して最後尾のボールを持つ甲斐にプレッシャーをかける。

 

甲斐:「くっ! お前などに渡すものか!!」

 

霧野:「させない!!」

 

甲斐のパスを霧野先輩がカット。<タクティクスサイクル>を打ち破った。

 

実況:「<タクティクスサイクル>を打ち破ったぁああああっ!!霧野と三船の見事な連携!!!」

 

霧野:「天馬!!」

 

パスは天馬に繋がり、天馬は化身を発動する。

 

天馬:「【魔神ペガサス・参式】!!! いっけぇえええええっ!!!」

 

ドガァアアァァアアアンッ!!!!

 

天馬の渾身のシュートを化身が殴りつけて威力を後押しし、シュートは猛スピードで月山国光ゴールに襲いかかる。

 

兵頭:「その程度のシュートで、我が化身【ギガンテス】の守るゴールを破れるものか!!

[― ギガンティックボム ―]!!!」

 

ドガァアアァァアアアッ!!!

 

兵頭の化身と天馬の化身が激突。威力は拮抗しているかに見えたが、

 

天馬:「行けぇええぇええええっ!!!!」

 

ペガサス:『ウオォォオオォォオオオッ!!!!』

 

ペガサスがシュートの対応で両手の塞がった【ギガンテス】を殴りつける。【ギガンテス】は吹き飛ばされ、シュートはゴールに突き刺さった。

 

実況:「ゴオォォオオォォオオオル!! 雷門同点!! 「ピッ、ピッ、ピィイイイーーーッ!!」ここで前半終了のホイッスル!! 試合は2-2の同点で後半戦に突入だーーーー!!!」

 

南沢:「バカな......。同点だと!?」

 

天城:「見たド? 南沢!! これが俺たちのサッカーだド!!」

 

南沢:「っ! (何が俺たちのサッカーだ!! 俺は認めない!! お前たちのサッカーなど!!)」

 

 

雷門 2 - 2 月山国光

 

 

― 続く ―




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第72話:甦れ!!俺たちのサッカー!!!

試合はハーフタイムに入りそれぞれ休息をとる。

 

龍也:「やはり月山国光が大きくスペースを空けた所に竜巻が発生するという認識で合ってるみたいだな」

 

鬼道:「その様だな。各自相手の動きを良く見て注意して動け」

 

雷門:『『はい!!!』』

 

円堂:「よし! 後半行ってこい!!」

 

雷門:『『はい!!!』』

 

そして両校が位置につき、審判が笛を吹く。

 

ピィイイイーーーッ!!!

 

月山国光ボールで後半戦が始まった。ボールは甲斐に渡り、浜野先輩が奪いにかかる。

 

浜野:「もらいっ!!」ギュンッ!

 

ボールは浜野先輩があっさり奪った。

 

南沢:(っ!? あの程度のディフェンスで?)

 

月島:「あり得ぬ....我らの力が通じぬなど.....

 

見ると、月山国光の選手は黙りこくっていた。

 

南沢:(っ!? まさかこいつら、<タクティクスサイクル>と、兵頭の化身が破られた事で!!)

 

 

 

鬼道:「管理サッカーの(モロ)さが、こんな形で出るとはな.......」

 

せつ菜:「えっ? どういうことですか?」

 

円堂:「確かに月山国光は、強いチームだ。だが、今まで勝敗を決められた試合ばかりだったことと、そうでない試合も、素の実力があるせいで、今まで本当の意味での逆境に立たされたことが無かった。」

 

璃奈:「それが逆境にたたされた......!!」

 

鬼道:「チームの真価が問われるのは、"逆境"に立たされた時!!」

 

歩夢:「っ!! 勝てますよね!! この試合!!」

 

侑:「うん! このままなら間違いなく!!」

 

 

 

浜野:「果林さん!!」

 

南沢:(コイツらに頼ってたんじゃ、勝てる試合も勝てやしない!! 俺一人でも戦ってやる!!)バッ!

 

浜野先輩から果林へのセンタリングを、前線から戻ってきた南沢さんがカット。そのままドリブルで雷門陣内へ切り込んでいく。

 

天城:「通さないド!![ビバ!万里の長城・V2]!!」

 

南沢:「ぐあっ!?」

 

天城先輩がブロックに成功。こぼれ球をエマが押さえる。

 

南沢:「くっ! させるかっ!!」

 

エマ:「きゃあっ!?」

 

ブロックされた直後、直ぐ様南沢さんは立ち直りエマからスライディングでボールを奪い返す。

 

神童:「三船!!」

 

栞子:「はい!!」

 

キャプテンと栞子が二人がかりでディフェンスをかけるが、南沢さんはたった一人で果敢にボールを死守する。

 

兵頭:「南沢.......」

 

月山国光:『・・・・・・・・』

 

霧野:「させない!!」

 

霧野先輩が南沢さんからスライディングでボールを奪い月山国光陣内へ切り込んでいく。

 

金平:「っ!? 長船!!」

 

長船:「おう!!」

 

月山DFの二人が霧野先輩を背後から追いかける。

 

金平・長船:「「[ツインミキサー]!!!」」

 

二人は力強い踏み込みから土煙を巻き起こし、蹴りの乱打で霧野先輩からボールを奪い返す。

 

南沢:「っ!? 長船、金平.....」

 

長船:「南沢! 我らも共に戦うぞ!!」

 

金平:「御主のプレーで目が覚めたわ!!」

 

兵頭:「皆の者!!この試合、必ず勝つ!!!」

 

金平:「上がれぇええええええっ!!」ドガァアアアッ!!

 

金平からのロングパスで今度は月山国光の攻撃。ボールは月島に渡る。

 

 

 

 

 

かすみ:「なんですか!? 急にあいつらの動きが戻りましたよ!?「南沢だ!」っ!」

 

円堂:「南沢のプレーが、チームを1つにしたんだ」

 

彼方:「南沢くんのプレーが.......」

 

 

 

 

正宗:(南沢、そなたの想い、無駄にはせぬ!!)

 

そこからは雷門、月山国光共に一進一退の攻防が続き試合時間は刻一刻と無くなって行く。

 

 

 

真田:「くっ! 攻めきれぬか!!」

 

竹中:「監督!! 何か指示を!! 「指示は不要だ」っ!? ですがこのままでは!!」

 

近藤:「お前たちには見えぬのか!! 今!! 目の前で何が起こっているのかが!!」

 

月山控え:『? ・・・・・・・っ!?』

 

 

 

甲斐:(この試合、負けはせぬ!!)

 

金平:(必ず勝つ!!)

 

兵頭:(さぁ、来い!!!)

 

 

 

鬼道:「円堂.....「ああ!」」

 

円堂:「「勝ちたい」って気持ちが、全力でぶつかり合ってる。“これがサッカーだ!!”」

 

 

 

月島:「一文字!!」

 

ボールはFWの一文字に渡り、一文字は化身を発動する。

 

一文字:「【紅きメガホーク】!! 我らの力、止められる物なら止めてみよ!!

[― ファルコ・ウィング ―]!!!!」

 

ドガァアアァァアアアン!!!

 

雷門ゴールに一文字の化身シュートが襲い掛かる。しかし天城先輩がブロックに入る。

 

天城:「通さないド!! [ビバ!万里の長城・V2]!!!」

 

ドガァアアァァアアアァァアアアッ!!!

 

必死に耐える天城先輩。しかしついに吹き飛ばされ、尚もシュートは進む。

 

栞子:「ナイスです天城先輩!![ハンタァァアアアズ、ネットッ・V3リィィイイイッ]!!!」

 

ギャルルルルルルルルルルル!!!

 

続いて栞子もブロックに入る。しかし【メガホーク】の爪の一振りで[ハンターズネット]は切り裂かれてしまう。

 

栞子:「くっ!! 三国先輩! 後は頼みます!!」

 

三国:「任せろ!![炎の鉄槌・Zエェェエエエット]!!!!」

 

ドグシャァアアァアアァァアアアッ!!!

 

三国先輩は、炎のマジンと共に化身シュートをねじ伏せた。

 

一文字:「バカな.....我が化身のシュートを、必殺技で.....」

 

三国:「神童!!」

 

三国先輩からのゴールキックでボールはキャプテンに渡り、甲斐と小早川がディフェンスに来る。

 

神童:「大海!!」

 

そしてボールは、俺へと繋がる。

 

実況:「ここでボールは大海に繋がったーーーーー!!」

 

竜太:「絶対に決めてやる!! ハァァアアアアアアッ!!! 【海皇龍ブルーヒドラ・伍式】!!!」

 

そして俺は化身シュートの体勢に入る。

 

竜太:「[― ハイドロ・・ブラストオォォオオオッ ―]!!!!!」

 

ドッゴオォォオオォォオオオォオオン!!!!

 

シュートが月山国光ゴールを強襲。兵頭も化身を発動する。

 

兵頭:「ゴールは割らせぬ!! 【巨神ギガンテス】!! [― ギガンティックボム ―]!!!」

 

ドガァアアァァアアアッ!!!

 

兵頭:「ぐぅぅうぉおおあああああっ!!!」

 

竜太:「ぐっ、行っけぇええええええっ!!!」

 

ドゴオォォオオオォオオン!!!

 

シュートは【ギガンテス】を押し流し、ゴールに突き刺さった。

 

ピッ、ピッ、ピィイイイーーーーーッ!!!!

 

実況:「ここで試合終了のホイッスル!! 3-2で、二回戦進出を決めたのは、雷門だぁぁあああっ!!!」

 

南沢:「負けた........」

 

近藤:「..........顔を上げろ!!」

 

月山国光:「っ!」

 

近藤:「確かに試合には負けた。だがお前たちは全力を出しきった。お前たちは今日、初めて本当の意味でサッカーと向き合ったんだ。ボールに全てをぶつける事によって。」

 

南沢:「ボールに全てを......っ!!」

 

近藤:「私は、お前たちのお陰で、長らく忘れていたサッカーを思い出したよ。」

 

南沢:「監督.........」

 

そして、南沢さんはキャプテンと果林に、

 

南沢:「やっと分かったよ。お前たちがやろうとしてる事が........。次も頑張れよ? 天馬! 大海! 朝香!「「「っ!! はい(もちろん)!!」」」」

 

果林:「南沢くん!! 南沢くんは、月山国光に必要な選手なのかもしれない。けど私たちは、南沢くんがいつ帰って来ても良いように、ずっと待ってるから!!」

 

南沢:「っ!! .........ありがとう!!」

 

近藤:「よし! 行くぞ!!」

 

実況:「惜しみ無い拍手に見送られて、月山国光が、ここ<サイクロンスタジアム>を後にして行きます!!」

 

近藤:(フッ....私は、もうフィフスセクターには戻らん!!)

 

 

 

 

円堂:「.....よし!! 撤収するぞ。鬼道、皆を連れて雷門に戻っててくれ。俺は行くところがある。」

 

鬼道:「? 分かった。」

 

 

 

― フィフスセクター・本部 ―

 

イシド:「円堂守.....来ると思っていたよ」

 

円堂:「........やっぱりお前だったんだな.....()()()!!!」

 

 

 

― 続く ―




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第73話:新入部員

諸事情により今週はこのお話だけです。こんなお話でもよんでくださっている皆様、申し訳ありません。

では、始まります。


月山国光戦に勝利し二回戦進出を決めた俺たち雷門。二回戦の相手が北海道代表の白恋高校に決まり、次の日の月曜放課後、授業が終わりサッカー棟に向かう俺と天馬に一人の男子生徒が声を掛けてきた。

 

?:「あっ、あの!! 大海君と松風君だよね? サッカー部の.......」

 

天馬:「そうだけど君は?」

 

?:「実は·····僕もサッカーやりたいなって···。それで、その·····部室に連れていってくれないかな........?」

 

天馬:「本当に!? もちろん大歓迎だよ!! 君、名前は?」

 

?:「あっ···、えっと······「(ひかる)」」

 

天馬:「そっか!! よろしくね輝!! じゃあ行こう!!」

 

竜太:(んん?)

 

そして俺たちがサッカー棟に入ると、監督たちや親父、先輩方やしずくたちは既に来ていた。

 

三国:「遅いぞ天馬、竜太」

 

天馬:「スミマセン皆さん。それであの····この子がサッカー部入りたいらしいんですけど」

 

天馬の背後からおずおずと輝が出てきて皆に「こんにちは」と挨拶をする。

 

円堂:「ほう? 名前は?」

 

輝:「えっ、えっと···(ひかる)です」

 

龍也:「輝か。名字は?」

 

輝:「っ!! そ、それは.....」

 

鬼道:「? 何だ? 言えない理由でもあるのか?」

 

輝:「か··········「影山(かげやま) (ひかる)」です.....」

 

カシャーン

 

海未先生が記録ノートを落とした。親父たちも「影山」と言う名字を聞いて愕然としている。俺もビックリしてるよ。影山って言ったら、親父や母さんから話を聞いたことがあるアイツしか思い浮かばない。

 

円堂:「か·······影山!? 影山って、あの影山か?」

 

輝:「は···、はい·····。「影山零治」は······僕の叔父です.......」

 

鬼道:「っ!? ·······そうか。だが何故隠そうとした?」

 

輝:「それは······、叔父は、かつてのイナズマジャパンや雷門イレブンの皆さんに、多大な迷惑を掛けたと聞いています。そんな人の甥っ子だなんて知られたら、間違いなく追い出されると......」

 

成る程な。それでか······でも、その事でちゃんと思い悩める時点で、輝はサッカー部に入れても大丈夫だと思うんだが。

 

輝:「やっぱり····駄目ですよね·······。········お邪魔しました」

 

天馬:「あっ······」

 

輝が悲しそうにとぼとぼ出口に歩いていく。しかし、

 

龍也:「待て!! 影山 輝!!!」

 

輝:ビクッ「は、はい。何ですか?」

 

龍也:「お前、サッカー好きか?」

 

輝は「えっ?」と一瞬戸惑ったが、直ぐに口を開いた。

 

輝:「はい!!大好きです!!」

 

すると円堂さんと鬼道さん、親父と海未先生は顔を見合せてクスリと笑い、

 

円堂:「だったら、何も迷う事は無い」

 

鬼道:「確かに、あの人がやったことは許される事じゃない。だが、間違いなくサッカーを愛していた。俺たちと同じ位にな」

 

海未:「円堂君と鬼道くんの言う通りですよ?貴方は影山零治じゃない。「影山 輝」何ですからそんなことを気にする必要はありません」

 

龍也:「全くだ。俺たちを甘く見るな。影山のやったことは確かに許されないが、だからといって甥っ子のお前まで同罪だなんてそんな馬鹿な話はない。お前はお前だ。そんなこと分かってるさ。」

 

輝:「あっ··········」ポロポロ

 

見ると、輝は涙を流していた。まぁ身内にどんな人が居ても、親父の言う通り自分は自分だしな。そんな理由で反対しないとは思ったよ。

 

龍也:「影山 輝!!今日からお前も雷門サッカー部の一員だ。練習厳しいから覚悟しておけよ」

 

輝:っ! ゴシゴシ「はいっ!! 精一杯やらせていただきます!! 皆さん宜しくお願いします!!」

 

天馬:「宜しく輝!!」

 

輝:「うん!!宜しく天馬君!!」

 

 

 

 

鬼道:「円堂、大海、アイツを立派な選手に育ててやらないとな。」

 

円堂:「ああ。俺がこんなこと言う日が来るとは思わなかったが、影山の為にもな。オルフェウス戦を闘った俺たちなら分かる。やり方は間違えてたけど、あいつもサッカーが好きな人間だったんだって。」

 

龍也:「ミスターKの甥っ子か。どんな選手になるか楽しみだな。園田もいざというときは助けてくれな?」

 

海未:「分かってます♪」

 

 

 

信介:「輝はサッカー歴どのくらいなの?」

 

輝:「実はボールを蹴り始めてまだ3週間でして........」

 

歩夢:「たったの3週間!?」

 

かすみ:「なぁんだ、初心者じゃないですかぁ。」

 

霧野:「誰だって初めは初心者だろ?」

 

輝:「はい···。あっ、でも、格好良くゴールを決めたいです!!!」

 

竜太:「それならポジションはFWだな」

 

神童:「よし!じゃあ練習始めるぞ!!」

 

そしてドリブルの練習を始めたが輝はあらぬ方向にボールを蹴ってしまったりボールタッチの力加減をミスして慌てたりと間違うことない初心者だった。剣城は「あれじゃあ戦力にはなりそうもないな」と、····酷くない?そして極めつけは「ドリブルするときはボールを見るんです」とかすみに騙され前が見えずにゴールポストに激突したり.......あなたたち輝になにか恨みでもあるの?だが、霧野先輩が正しいやり方を教えると直ぐに出来るようになった。·····飲み込み速いな。

 

三国:「よし! 輝、撃ってみろ!!」

 

輝:「は、はい!! シュートは····こうやって、こう!!!」

 

ドガァアアァァアアアァァアアンッ!!

 

三国:「何っ!?」

 

バシィイイイイッ!! ギャルルルルルルルルルル!!! シュウウゥゥ········

 

かすみ:「う、嘘·······」

 

天馬:「す、凄い!!」

 

龍也:「輝! もう一度撃ってみろ!!」

 

輝にボールをパスする天馬。しかし輝はトラップミスしてボールはあらぬ方向に。

 

かすみ:「なぁんだ、やっぱりマグレじゃないですかぁ。」

 

せつ菜:「かすみさん?さっき輝くんを騙したお仕置きまだ足りないですか?」

 

かすみ:「ゴ、ゴメンなさいせつ菜先輩!!」

 

 

 

?:「・・・・・・・・・・・・」

 

 

輝:「い、行きます!!えいっ!!」

 

ドゴォオオォォオオッ!!!

 

しかしシュートはとんでもない方向に。っておい!?人が居るぞ!!!

 

天馬:「危ない!!」

 

?:「フッ····」トッ

 

しかしその人はとてもきれいなトラップでシュートの威力をいなして止めた。

 

円堂:「·····吹雪?吹雪じゃないか!!」

 

吹雪:「久しぶりだね。皆」

 

― 続く ―




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UA15,000突破記念:セクシーand天然な誘惑にご注意を

今回は記念の番外編です。ではどうぞ!!


とある部活休みの土曜日、俺は果林とエマに「デートしよう?」と誘われ·····と言うか騙されて二人のショッピングの荷物もちをさせられていた。周囲からは「あんな美女二人と·····」、「死ねば良いのに······」等、男共の様々な恨みの籠った声が聞こえる。

確かに果林とエマが美少女なのは認めるけど俺ただの荷物もちだからね? こき使われてるだけだからね?

 

エマ:「ねぇ果林ちゃん、今度サッカー部の皆を誘ってプール行かない?」

 

果林:「良いわね。じゃあ次は新しい水着買いに行きましょうか?」

 

!? まだ買うの!? もう両腕が限界なんだけど!!

 

果林:「ほら! 行くわよ竜太!!」

 

竜太:「はい......」ハァ.....

 

そして水着屋に行きエマと果林が二人であーでもないこーでもないと水着を選び始める。その間俺は店のなかで待たされていたのだが此処は女性の水着屋。他のお客さんからの好奇の視線が痛かった。すると一人の店員が話しかけてきて、「大変ですね....」とコーヒーをくれた。

どうやらこの大量の荷物と店に入った時に二人と一緒だったのを見て事情を察してくれたらしい。この店員さんの優しさが凄く心に染みた。

 

 

エマ:「これ良いかも」

 

果林:「ふふっ♪ エマのイメージにピッタリで凄く可愛らしいと思うわよ? でも同じ柄でもう少しサイズの大きいの探したら? そのサイズだと小さくて胸がこぼれちゃうわよ? それとも狙ってる?」クスッ

 

エマ:「ね、狙って無いよ!!!////// じゃあもう少し大きいサイズで探すね」

 

///////あの人たち······男と一緒に来てることを忘れているんだろうか? 会話が聞こえてくるせいでどうしても想像しちゃうんだけど·······

 

エマ:「·····あった! じゃあ試着してくるね」

 

果林:「じゃあ私はこれにするわね」

 

そして二人が試着室に入り数分後·····まずエマが出てきた。するとエマは水着のまま俺の前に堂々と姿をさらし、

 

エマ:「ど、どう? ····似合ってる?//////」

 

黄緑色の花柄のワンピースタイプの水着を着たエマ。エマの優しい雰囲気にぴったりだな。そして俺の視線が段々下から上へ·····

 

竜太:「!?!!?!?!??!~~~~///////」

 

ブシャアアアッ!!

 

俺はエマの巨乳を目撃し、盛大に鼻血を吹いて両膝をつき、右手を床につき左手でドクドクと出血する鼻を押さえる。

 

エマ:「ちょっと! 大丈夫!?」

 

エマが俺の脇にしゃがんで背中を擦ってくれる。ああ、ちょっと楽になってきた······

 

竜太:「ありが····と········」

 

俺が礼を言いエマの方を見ると直ぐ眼前にはエマのBIGなおっぱ·····

 

ブッシャァアアアアアアッ

 

先程よりも盛大な鼻血の血飛沫をあげてぶっ倒れる俺。俺は意識が朦朧となり、意識を手放したのだった。

 

·····太 パシンッ 竜太 パシンッ  竜太!!

 

ハッ!?

 

果林:「あっ、やっと起きた。」

 

竜太:「えーと果林さん? その振りかぶった右手は何なんでしょうか?」

 

果林:「あんまり起きないから100発位ぶっ叩いたわよ」

 

竜太:「100発!?」

 

果林:「冗談よ。一割は」

 

竜太:「9割本気!? それって100発までは行かなくても90発はぶっ叩いてるってことだよねぇ!?」

 

果林:「冗談よ♪ 私が貴方にそんなことする訳無いじゃない」

 

竜太:「そ、そうだよね」

 

竜太・果林:「「アハハハハハハハハハハハハ!!」」

 

エマ:(果林ちゃん意外とゲスいな~。軽く見ても200発はぶっ叩いてたと思うけど······)

 

ん~何か頬が痛い気がするけど倒れたときに打ったんだろうな。

 

 

 

果林:「じゃあそろっと帰りましょう? 竜太の体力も限界だろうし」

 

あぁ一応考えてくれてたのね····全く考えて無いと思ってた。

 

そして帰り道、今度は二人とも最低限の荷物は自分で持ってくれたので大分歩きやすかった。そしてまずはエマの家にエマを送り届けてエマの荷物を渡して次は果林の番。

 

竜太:「ふ~。大分手が楽になった······」

 

果林:「全く、男の子なのにだらしないわよ?」

 

いやいや、あの量は流石にキツいから!! 妥当な反応だから!!

 

そして果林の部屋に着き、荷物を置いて帰ろうとすると、

 

果林:「待って、ちょっと私の部屋で待っててくれない?」

 

竜太:「? 分かった」

 

もしかして飲み物でもくれるのかな? 俺が果林の部屋で待っていると下着····に一瞬見えたが違う。ビキニの水着を着た果林が入ってきた。

 

竜太:「ちょっ!? 果林なにやって!!/////」

 

俺は必死に頭から身体に目をそらせと指令を送るが身体は正直で果林を凝視して動かない。すると果林はゆっくり近づいてきて俺の頬に両手で触れ、俺にキスしてきた。俺の身体はまるで金縛りにあったかのように動かない。そして果林は俺の顔を自身の胸に埋めるようにハグしてくる。当然俺の心拍数は急上昇。顔も物凄く熱くなり、

 

ブハッ!! ドサッ

 

俺は血を吐いて倒れ気絶。意識が戻った時には朝を迎えており、隣にはパジャマ姿の果林が寝ていた。

 

竜太:(えっ!? まさか····えっ? えっ?)

 

着衣の乱れは······無い。そのあと起きた果林を問い詰めたら「変なことはしてないからそこは心配しなくて大丈夫よ。」と言われた。

 

今の俺には、それを信じる他無かった。それと同時に、「果林ってひょっとして恥女?」と思う俺なのだった。

 

 

― 完 ―




竜太くたばれ(º 言º)

(^ v ^*)=⊃))´ Д`);·;.グハッ

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番外編:侑先輩とお出かけ

前回に引き続き少し筆休めの番外編です。

ではどうぞ!!


ある日の夜、明日は学校の創立記念日で学校も練習も休み。俺は手に持った映画のチケットを眺めながら高咲先輩にL○NEを送った。内容は······

 

 

竜太:『高咲先輩、お疲れ様です。夜分すみません。実は映画のチケット(鬼○の刃)二枚手に入ったので宜しければ一緒に行きませんか?』

 

侑:『ゴメン返信遅れて···お風呂入ってて。私は別に良いけど私で良いの?』

 

竜太:『はい! できれば』

 

侑:『分かった。じゃあ明日の朝10時に稲妻町駅前の銅像前に集合ね? 後高咲先輩じゃなくて侑でいいよ?』

 

竜太:『はい分かりました! 宜しくお願いします侑先輩!! それではおやすみなさい』

 

そして俺はスマホの電源を切った。ヤベェ···これデートだよね?///// 彼方とデートしたときもドキドキしたけど、自分から誘うとそれ以上にドキドキするな······///////

 

竜太:「取り敢えず明日に備えて早く寝よう」

 

そしてその日は就寝した。

 

 

~ 次の日 ~

 

俺は楽しみで約束の一時間前から待っていた。これ、変な奴だと思われるかな······そして30分が経ち、約束時刻の30分前.....

 

侑:「あれ? 竜太くんもう来てたの?」

 

竜太:「侑先輩? 早いですね」

 

侑:「それは此方のセリフだよ。まだ30分前だよ? 何でこんな早くから?」

 

竜太:「楽しみだったのもあるんですけど女の子を待たせるのは男としてどうかと思いまして......。侑先輩は?」

 

侑:「私は···その、先輩が後輩を待たせるのはどうかなと思って」

 

しばらく二人の間が沈黙し、

 

竜太・侑:「「プッ クスクス アハハハ····」」

 

侑:「二人して似た様なこと考えてたね。じゃあ行こっか?」

 

そうして歩き出そうとすると侑先輩が

 

侑:「こ~ら、こう言う時男の子は優しく女の子の手を握る物じゃないの?」

 

竜太:「いや、でもまだ知り合って3日だし、そういうことするのは失礼かと思いまして····」

 

侑:「ふ~ん? しょうがないなぁ····」

 

キュッ

 

侑先輩は俺の手を握り、

 

侑:「行こっか?」

 

竜太:「は、はい·····/////」

 

駄目だな俺。こう言うことは男からしないといけないのに女の子からやらせてしまった····

 

そして電車で都心の方まで行き、映画館に入る。やはり話題になっているだけあって映画館は満員だった。

 

侑:「やっぱりすごい人だね~。」

 

竜太:「そうですね~。行きましょうか?」

 

そして上映室に入り映画を堪能した俺たちは近くのワックに入りお昼をたべながら談笑していた。

 

侑:「面白かったね。原作読んでたからあそこで○獄さんが死んじゃうのは知ってたけど、映像になるとああなるんだねぇ······」

 

竜太:「はい。て言うか○豆子の声彼方に凄い似てませんでした? 俺正直彼方が声優やったんじゃないかと思ったんですけど」

 

侑:「あっ、それ分かる!」

 

そして暫く話をしていると、

 

侑:「変な事聞くけどさ、竜太くんはかわいい女の子なら誰でもいい感じ?」

 

竜太:ブッ!「なに言ってんですか!? そんなわけないでしょ·····確かに約二名から告白されてますけど、ちゃんとどうするか考えてますよ。二股三股なんて許されないんですから······」

 

侑:「それが分かってるなら良かったよ。でも気を付けてね? 女の子に優しいのは良いけどあまりやり過ぎると大勢から勘違いされてるなんて事になりかねないから」

 

竜太:「·····肝に命じます」

 

そして俺と侑先輩は稲妻町に帰り、河川敷で少し練習することにした。

 

 

 

 

侑:「竜太くん·····貴方には先に見せておこうと思う。私の····《特殊技能》を」

 

竜太:「!? 侑先輩、特殊技能持ちだったんですか?」

 

侑:「うん。取り敢えず見せるからディフェンスお願い。」

 

竜太:「分かりました。」

 

そして1(ワン) vs(オン) 1(ワン)が始まり侑先輩がドリブルで攻め、俺がディフェンスに入る。侑先輩が右に抜こうとしたので俺もそちら側へステップ····した瞬間切り返され俺はアンクルブレイクを起こして転んでしまう。

 

竜太:「な、何が···」

 

侑:「もう一回やってみようか?」

 

また侑先輩のドリブル。今度は左に抜こうとしたので俺もそちらにステップ。した瞬間切り返され俺はまたアンクルブレイクを起こして転んでしまう。

 

竜太:「アンクルブレイクを、こんなにあっさりと·····」

 

侑:「じゃあ攻守交代ね?竜太くんオフェンスお願い。」

 

そして今度は俺が攻め、侑先輩のディフェンス。しかし俺がフェイントをかけようとしても、モーションに入った瞬間カットされる。それが何回も。

 

 

 

竜太:「ヤベェな·····」

 

侑:「私の「眼」は、相手の身体の細かい動きから、相手の次の動きを100%の精度で予知する。《天帝の眼(エンペラーアイ)》これが私の特殊技能だよ」

 

まさか予知とは····てことはいくら裏をかこうとしても無駄ってことか。

 

侑:「この「眼」があるから、誰も私に勝てなくて面白くなくてサッカーを辞めたの。でも、今になって、キミが現れた。歩夢の話を聞いても半信半疑だったけど、実際にあって納得した。ねぇ、()()!貴方しか可能性がある人は居ないと思う。だから、私の···ライバルになって!!」

 

竜太:「·······分かった!! 同じチーム内に競争相手(ライバル)がいるのもアリだな。

「《仲間》だけど《ライバル》。《ライバル》だけど、《仲間》!!」」

 

侑:「うん!! 楽しみにしてるよ!!」

 

 

 

天帝の眼(エンペラーアイ)》か、今の俺じゃあ太刀打ちは出来ない。けど、何時だったか親父が話してくれた、

完全無欠の模倣(パーフェクトコピー)》の最終形態。特殊技能すらコピーする、究極の《完全無欠の模倣(パーフェクトコピー)》なら、なんとかなるかもしれない。

 

 

よし!!やるぞ!!

 

 

 

 

― 完 ―




さて、侑ちゃんが天帝の眼(エンペラーアイ)持ちだと発覚したのですが、ぶっちゃけると
天帝の眼(エンペラーアイ)は身体の出せる限界速度は変わらないのでハッキリ言って穂乃果の加速世界(アクセルワールド)の、眼で追うことすら困難な圧倒的スピードで完封できます。
世界編で書いた通り、加速世界(アクセルワールド)発動中は、周囲の時間が止まって見えます。
(当然天帝の眼(エンペラーアイ)持ちであろうとも。)
その間に抜けばいい話です。

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第74話:新たなタクティクス

一年生の「影山(かげやま) (ひかる)」が新たに入部してきて練習をしていた俺たち。輝が三国さんに初心者とは思えない強烈なシュートを撃ったのを見た親父が「もう一度撃ってみろ」と言い、シュートを再度放つ輝。しかしシュートはゴールバーを越えてグラウンド外に立っていた人に激突しそうになる。しかしその人は美しく柔らかいトラップでシュートの威力を殺した。その人は·······

 

円堂:「······吹雪? 吹雪じゃないか!!」

 

吹雪:「久しぶり。キャプテン、鬼道くん、大海くん、園田さん」

 

天馬:「ええっ!? 吹雪って、初代イナズマジャパンのストライカー、「吹雪(ふぶき) 士郎(しろう)」さんですか!?」

 

吹雪:「うん。皆宜しく」

 

皆キラキラした目で吹雪さんを見ている。あの世界一のイナズマジャパンのメンバーで、ディフェンス、オフェンス、シュート、スピードどれを取っても超一流。オマケにあの爽やかなルックスに性格も良いときてる。モテたんだろうな~、因に俺と吹雪さんは一応面識はある。俺が小学校低学年の頃に親父が代表に選ばれたW杯(ワールドカップ)で一緒に代表だったからな。俺と母さんと果北が日本代表の泊まってるホテルの親父の部屋を訪ねたときに吹雪さんが来ていて仲良くなった。覚えててくれてるかな?

 

吹雪:「あっ、久しぶり竜太くん。大きくなったね。」

 

竜太:「っ! はい! 覚えててくれたんですね······」

 

吹雪:「そりゃあ忘れないよ。果北ちゃんは元気?」

 

竜太:「はい! 元気にやってます!!」

 

俺と吹雪さんが話してると、背筋にゾクッと悪寒が走った。恐る恐る振り返ると、皆「羨ましい·····」と嫉妬の籠った目で俺を見ていた。そう言う目は止めなさい。

 

鬼道:「心配していたんだぞ吹雪。白恋高サッカー部のコーチを解任されたと聞いていたからな·····」

 

それを聞いた皆は『えっ!?』と吹雪さんを見る。すると吹雪さんは悔しそうな顔で口を開いた。

 

吹雪:「白恋は····フィフスセクターの手に堕ちた」

 

それを聞いた皆は驚愕の顔をしている。それはそうだ。二回戦の相手が白恋に決まり、白恋のコーチの名前に吹雪さんの名前を見たとき、久し振りになんの策略も無い真剣勝負のサッカーが出来るかもしれないと喜んでいた矢先だったのだ。

 

吹雪:「お願いだ、雷門の皆。白恋を、フィフスセクターの手から解放してほしい。」

 

吹雪さんほどの人が、俺たちに頭を下げて頼んでいる。そんなこと言われるまでもない!!

 

神童:「もちろんです! 必ず勝って、白恋を解放して見せます!!」

 

吹雪:「皆、ありがとう!! ····でも、」

 

海未:「まだ何かあるんですか?」

 

吹雪:「今の雷門では、白恋に勝つことは難しいと思う。あの<絶対障壁(ぜったいしょうへき)>を破らない限り·····」

 

龍也:「<絶対障壁(ぜったいしょうへき)>?」

 

そして俺たちはミーティングルームに移動し吹雪さんの説明を聞くことになった。

 

吹雪:「<絶対障壁>は、まず中央に、自陣ゴール側を頂点とした三角形に選手を6人配置して固めて、相手がどこから攻めてきても、六人がフォーメーションを維持したまま移動して常に相手の正面からブロックする防御型必殺タクティクスだ。君たちの<アルティメットサンダー>も、恐らく通用しない。けど、対処法が無い訳じゃない」

 

鬼道:「ああ。中央に選手を配置する分、両サイドが手薄になる。その隙に、両サイドから同時に攻める事が出来れば。····だが、」

 

吹雪:「うん。<絶対障壁>を振り切る駿足と、確実に決める決定力を持った選手が、()()必要なんだ。」

 

果林:「剣城くんと竜太、なんなら天馬くんもいるじゃない。この三人は足も早いし、何より化身が使えるじゃない。」

 

龍也:「いや、恐らく竜太は駄目だ。」

 

全員:『えっ?』

 

龍也:「<絶対障壁>は、選手が全員で動いて正面からブロックするタクティクス。だから両サイドから攻める二人は、直前まで高速でパスを繋いでどちらがボールを持っているか分からなくしなくてはならないため、パススピードも重要になってくる。でも竜太のパススピードは、部内の平均をやや上回る程度でそんなに早くない。だから剣城と天馬が適任だと思う。」

 

天馬:「分かりました!! 俺やります!! 新しい必殺タクティクス、必ず成功させます!!」

 

円堂:「よし! 早速練習だ!!」

 

雷門:『はい!!!』

 

そして俺たちが練習するなかで、

 

 

 

 

 

吹雪:「変わらないね····雷門は」

 

円堂:「俺たちもああやって夢中でボールを追いかけてたよな。」

 

吹雪:「うん······」

 

龍也:「まぁ元気だせよ。久し振りに一勝負するか?」

 

吹雪:クスッ「ありがとう。大海くん」

 

輝:「あの!!」

 

鬼道:「どうした?」

 

輝:「僕も雷門の戦力になりたいんです。だから····僕を鍛えてくれませんか?」

 

円堂:「ほう?」

 

吹雪:「キャプテン、この子は?」

 

円堂:「影山 輝。影山の甥っ子だ。」

 

吹雪:「影山の?」

 

輝:「僕だって、サッカー部に入ったからには試合に出たいし·····けど、今の僕では皆の足手纏いになることも分かってます。だからお願いします!! 僕を強くしてください!! 皆の力になれる様に!!」

 

龍也:「·······よし!!良いだろう。輝、お前は今日から試合の日まで俺と一緒に来い。県外にも行く。親御さんに話すから家に連れて行ってくれ。」

 

輝:「は、はい!! やった!龍也さんに教えてもらえる

 

 

 

 

~ 輝の家 ~

 

母:「ちゃんとやって来るのよ? 大海さんに迷惑かけたら駄目だからね?」

 

輝:「分かってるよ母さん!!」

 

父:「大海さん、輝のこと宜しくお願いします。」

 

龍也:「分かってます。責任をもって預からせて頂きます」

 

 

 

そして親父による、輝の特訓が始まった。

 

 

― 完 ―




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正月特別編:内浦での年越し

今は大晦日の午後11時。俺は東京から静岡に帰省して家族と過ごしていた。

 

竜太:「今年ももうすぐ終わりか·······」

 

果北:「あっという間だったねぇ·······」

 

果南:「皆~? 年越し蕎麦出来たよ~?」

 

龍也:「分かった~!! 今運ぶの手伝いに行く~!」

 

そして親父が蕎麦をお盆に乗せ運びリビングに入ってくる。そして蕎麦を俺、果北、じいちゃん、ばあちゃん、母さん、親父と配り

 

じいちゃん:「じゃあ頂くか。頂きます」

 

全員:「「「「「頂きます!!!」」」」」

 

そして俺たちはテレビを観て蕎麦を食べながら談笑し、いよいよ午前0時が近づいてくる。

 

龍也:「よし、そろそろでかけるか」

 

果南:「そうだね」

 

竜太:「果北、俺たちもそろそろ」

 

果北:「分かってる」

 

ピ~ンポ~ン!!

 

ん?来たかな?

 

美歌・千夏・梨菜:「「「明けましておめでとうございま~すっ!!!」」」

 

果北:「まだ明けてないよ~?」

 

千夏:「こう言うのはノリであります!!」

 

竜太:「じゃあ親父、母さん、俺達先に行ってるから」

 

龍也:「気を付けてな?」

 

そして俺たちは近くの神社に向かう。そこには既に皆が集まっていた。

 

ルリ:「こんばんわ皆さん」

 

サファ:「こんばんわ」

 

竜太:「こんばんわ」

 

舞:「竜太~!!」ハグゥッ!!

 

竜太:「ふぁふぁふぃふぇふふぁふぁい······(離してください······)」

 

舞:「あんっ♪ そんなトコで喋っちゃダ~メッ♪」

 

竜太:「ふぉふぇふぃふぉうふぃふぉふぉ?(俺にどうしろと?)」

 

まったくこの人は······

 

羽丸:「でも良かったズラ。竜太くんも一緒に過ごせて」

 

竜太:「まぁ正月位は···本当なら選手権に出てる予定だったんだけど予選で音ノ木坂に負けちゃったからさぁ····」

 

あの時の桐穂たちの喜びようはハンパじゃなかったな。そのあとで桐穂から告白されたけどもう彼女居るって言ったら絶望した表情になって泣いちゃったんだよな····ちゃんと言うべきだった。

 

え? 彼女は誰だって? それはこれからの物語のお楽しみだよ。

 

千夏:「メタ発言だよ竜太くん?」

 

竜太:「うん。サラッと心を読むの辞めてくれる?」

 

本当に何で女の子って人の考えてる事が分かるの? エスパーなの? まさかニュータ○プか!? いや○ノベイターと言う可能性も!!

 

まぁ、今ここに居る皆にも先日帰ってきたときに「あっ、俺彼女できたから」と言ったら目のハイライトが無くなった人が多数。

 

 

 

ゴーン···· ゴーン···· ゴーン····

 

竜太:「もうじきだな。」

 

果北:「今23時59分だよ?」

 

そして周囲でカウントダウンが始まり俺たちも声を上げる。

 

善美・梨菜・舞:「「「3、!!!」」」

 

美歌・羽丸・サファ:「「「2、!!!」」」

 

竜太・果北・千夏・ルリ:「「「「1、!!!!」」」」

 

全員:『『『0!!!!!!!!!!』』』

 

全員:『『『明けましておめでとう!!!!!!!!!!』』』

 

すると俺たちを呼ぶ声が。

 

龍也:「お~い!!」

 

千夏:「あっ、ママ!!」

 

美歌:「お母さん!!」

 

曜:「千夏、明けましておめでとう!!」

 

千歌:「美歌、明けましておめでとうっ!!」

 

龍也:「今年もビシバシ特訓するからな?」

 

竜太:「うへぇ~、今年もかぁ~····」

 

新年が幕を開ける!!

 

 

 

 

 

竜太&雷門&音ノ木坂&浦の星サッカー部:『『『『今年も応援宜しくお願いします!!』』』』

 

HAPPY NEW YEAR!!




本編から5か月程未来のお話でした。

今年も宜しくお願いします!!

感想・評価宜しくお願いします

余談ですがアニヶ咲の璃奈の友達三人の中の歩夢推しの子、SAOアリシゼーションのロニエに似てません?


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第75話:手紙

次の白恋戦までの間、輝と親父が輝の修行に出て2日。円堂さんの話だと今二人は沖縄に居るらしい。この時期の太陽照りつける沖縄の砂浜でサッカーして足腰と体力を鍛えているらしい。まぁ砂浜見たいな足元不安定な場所でリフティングとかしてるだけでボールの扱いや体感鍛えられるしな。そして俺たちは······

 

歩夢:「竜太くん!!」

 

パスを受け取りドリブルで攻めこむ俺をせつ菜先輩と侑先輩が止めに来る。

俺は侑先輩のディフェンス射程距離に入る前に技を発動する。《天帝の眼(エンペラーアイ)》を使われる前に抜いてしまおうと言う訳だ。

 

竜太:「[スプリントワープ・Gx]!!!」ビュンッ ビュンッ ビュンッ!!!

 

侑:「甘いよ!![ライトニングアクセル・A]!!」シュバッ!!!!

 

せつ菜先輩は抜いたが侑先輩が高速移動のドリブル技を応用して俺を追う。侑先輩に追い付かれるがスピードに乗った勢いで一気に抜き去ろうとする。が····、

 

キィイイイイン ガキィッ!!

 

侑先輩の眼が、俺がモーションに入った瞬間カットする。しかしカットされるのは想定内だ。俺はボールを奪いオフェンスに切り替わった侑先輩の視界から俺が消えた瞬間ボールのやや上段目掛けて下段回し蹴りをボールにぶつけてブロック。が、やはり以前の果北と同じ様に力のポイントをずらされ上から突破される。

 

竜太:「っ! くっそ!! 無理か···」

 

侑:「でも今の動きは中々良いと思うよ?」

 

歩夢:(侑ちゃん、眼をつかってるんだ····それはつまり、竜太くんをライバルとして認めたってこと·····侑ちゃんすっごく楽しそう。良かったね侑ちゃん。)

 

竜太:「侑先輩!! もう一本お願いします!!」

 

侑:「OK!! 何本でもやるよ!!」

 

 

一年生女子三人は····、

 

かすみ:「しず子、りな子、行くよ!!」

 

しずく:「はい!! いよいよお披露目です!!」

 

璃奈:「三国先輩·····行きます」

 

三国:「よし! 来い!!」

 

かすみが上空にボールを上げ、三人は三角形のフォーメーションを維持して回転したままジャンプで上昇。黒い三角形のオーラがボールを包みその三角形を一気に肥大化させボールを黒い球体のオーラで包み三人の同時シュート。

 

かすみ・しずく・璃奈:「「「[デスゾーン(ツー)]!!」」」

 

ドッゴオォォオオオォォオオオン!!!

 

三国:「[炎の鉄槌・Z]!!!!」

 

ドグシャァアアアアアッ!!

 

三国先輩が、炎のマジンとともにシュートを叩き潰す。しかし明らかにパワー負けしており、[デスゾーン2]はゴールに突き刺さった。

 

三国:「やるじゃないか!! 中須、桜坂、天王寺!!」

 

かすみ:「えっへん!! かすみんに掛かれば当然ですっ♪」

 

しずく:「璃奈さんのデータシミュレーションも大きかったですよね」

 

璃奈:「····成功して良かった」

 

円堂:「よし! 今日の練習はここまでだ!!」

 

部員:『『『ありがとうございました!!!!!!』』』

 

そして用具を片付けていると侑が···、

 

侑:「竜太っ♪ この後河川敷寄って行くでしょ?」

 

竜太:「ああ。勿論。」

 

歩夢:「ねぇ、私も行って良いかな?」

 

 

 

葵:「先輩方ーーーー!!!」

 

神童:「どうした空野?」

 

葵:「先輩方に、イタリアから国際郵便で手紙が届いたんですけど」

 

霧野:「イタリア? ····神童、もしかして!!」

 

神童:「ああ! 手紙は?」

 

葵:「これです」

 

神童:「差出人は·····やっぱり宮下だ!!」

 

竜太:「宮下? 誰です?」

 

彼方:「雷門サッカー部の仲間で、去年からイタリアにサッカー留学してるんだよ~」

 

天馬:「留学!? 凄い!!」

 

神童:「手紙読むぞ?」

 

『― 拝啓 ―

 やっほー!! サッカー部の皆ーー! 愛さんだよーー!! イタリアでも気「愛」(きあい)

 入れて練習してるよ! 「愛」だけにっ♪

 それで留学期間が終わって近い内に雷門に戻るからまた宜しくね~♪

 

 ― 追伸 ―

 りなり~はサッカー部入った? 一緒にやれるの楽しみにしてるね!!

                                 宮下 愛』

 

 

 

・・・・・・・・・皆暫く沈黙する

 

天馬:「なんと言うか····個性的な人ですね」

 

三国:「天王寺、宮下と知り合いなのか?」

 

璃奈:「はい。中学の時の先輩。凄くお世話になって、愛さんが雷門に行ったから私も来た」

 

せつ菜:「そう言えば愛さんシュート力ありましたし、足も速かったですよね」

 

エマ:「愛ちゃんが居れば、今やってるタクティクスも完成したのかな······」

 

神童:「居ない奴の事を言っても仕方無い。ほら、今日はもう帰るぞ」

 

そして下校し、俺、侑先輩、歩夢先輩の三人は暫く河川敷で自主練し、二人をマンションまで送り届けて家に帰った。

 

 

― 続く ―




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番外編:噂と真相

これは合宿前、栞子が転校してくる前のお話。

 

 

ある日の昼休み、俺たちは剣城以外のサッカー部一年で中庭で談笑していた。するとかすみが気になる事を言ってきた。

 

かすみ:「ねぇ? あのウワサ知ってる?」

 

天馬:「ウワサ?」

 

ウワサと聞いても俺は思い当たる事が無い。なんだろう?

 

かすみ:「じゃあ聞くけど·····部活の時()()でせつ菜先輩を見かけた事ある人居ますか?」

 

竜太:「俺は·····無いな」

 

天馬:「俺も無い」

 

信介:「僕も無い」

 

かすみ:「だから雷門でウワサになってるの!! かすみんたちもせつ菜先輩は普通科って言ってたから普通科2年の教室をぜ~んぶ覗いたのに、せつ菜先輩なんかどこにも居なかったんですよ·····?」

 

は? いくらなんでもそれはおかしい。校内で誰も見たことが無いなんて、

 

しずく:「それで今はウワサに尾ひれが付いて、座敷わらしだとか、正体は先生とか色々な説が飛び交っている状態です」

 

竜太:「ハァ? んな訳ねぇだろ·····バカかそいつ?」

 

璃奈:「そもそも、本当にこの学校の生徒なのかな?」

 

確かに。考えたくは無いがこの状況ではそれが一番有力な説だろう。でも、せつ菜先輩からは本当にサッカーが大好きなのが伝わってくるし、何度も雷門の勝利に貢献している。他校のスパイでは無いと思うがそうなると生徒の誰も見たことが無い事の説明が付かない。

 

?:「皆さん? そろそろ授業が始まりますよ? 教室に戻ってください」

 

声のした方を見ると、ロングの黒髪に眼鏡の女の子が立っていた。リボンの色はピンク。つまり二年生か·····と言うか今の声って·······

 

璃奈:「あっ、生徒会長······」

 

?:「はい。生徒会長の中川奈々(なかがわなな)です。情報処理学科1年、天王寺璃奈さん、普通科1年、中須かすみさん、松風天馬くん、ライフデザイン学科フードデザイン専攻1年、西園信介くん、国際交流学科1年、桜坂しずくさん、アスリート育成学科サッカー専攻1年、大海竜太くん」

 

しずく:「えっ!? 何で私たちの事を!!」

 

奈々:「生徒会長たるもの当然で···「はぁ、そう言うことか」? 何がです?」

 

竜太:「全く、何してるんですか? ······()()()()()?」

 

奈々・1年:「『 !? 』」

 

俺の言葉を聞いた天馬たちは生徒会長の髪の色・長さを確認し身長を確かめる。そして声色を思いだし、一方生徒会長は冷や汗をダラダラと流している。

 

天馬:「あーーー!! 言われて見れば!! せつ菜先輩!?」

 

奈々:「·······ハァ、竜太くんには敵いませんね」

 

奈々:「はい。私が優木せつ菜です」

 

そう言うと生徒会長は眼鏡を外し、何時も髪をピンで止めている様に手で押さえて見せた。

 

かすみ:「ああーーーっ!!! せつ菜先パ ムグッ!?」

 

竜太:「声がデケェよバカすみん!!!」

 

しずく:「ちょっと! 竜太さん!?」

 

竜太:「ただサッカー部に居るだけなのに正体を隠さなきゃいけなかったってことは、何か理由があるんでしょ?」

 

せつ菜:「竜太くんにはお見通しですね。·····だって、」

 

1年:『だって?』

 

せつ菜:「正体不明の正義の味方みたいで、カッコいいじゃないですか!!」目キラキラ

 

竜太:「皆さーーーーん!! ここに優木せつ菜が居ますよーーーー?」

 

せつ菜:「ちょっ!? 止めてください!!」

 

竜太:「うるせぇ!! きっと何か深い事情があるんだと思ったらなんだその小学生見たいな理由!? このやるせない気持ちをどうしてくれるんじゃああああああああ!!!「ムグーッ! ムグーッ!」」

 

しずく:「竜太さん! かすみさんが!!! 「あっ、忘れてた パッ」」

 

かすみ:「プハー!ハー····、し、死ぬかと思った·····」

 

竜太:「わ、悪い」

 

かすみ:「もーーーー!! ひどいですう!!」

 

するとせつ菜先輩が口を開き、

 

せつ菜:「それでその····皆さん、出来ればこの事は秘密にしていただけると····」

 

しずく:「分かりました。「しずく(子)!?」それでこの事を知ってるのは私たちの他には?」

 

せつ菜:「居ません。歩夢さんや三国さん、キャプテンの神童くんですら知りません。」

 

竜太:「なんで気付かないのあの人たち? ·····バカなの?」

 

信介:「竜太先輩に対して言い過ぎ」

 

いやだってさぁ、そう言いたくなる気持ち分かるでしょ?

 

せつ菜:「それにしても、1年以上一緒にやってきた三国さんや歩夢さんたちにバレないのに、2ヶ月ちょっとしかやってない竜太くんにバレるとは思いませんでした。」

 

竜太:「観察力には自信があるんで。って言うか「声」聞きゃ一発なのに···」

 

信介:「竜太の《完全無欠の模倣(パーフェクトコピー)》は人並み外れた観察眼が大前提だからじゃない?」

 

竜太:「そういうこと」

 

そしてせつ菜先輩は眼鏡をかけ直して髪を戻して生徒会長モードに戻り、

 

奈々:「それじゃあ皆さん、早く教室に戻って下さいね?」

 

1年:「はーい!!」

 

竜太:「戻るか」

 

天馬:「そうだね」

 

かすみ:「にっひっひ、せつ菜先輩の弱みを握れましたよ~」

 

しずく・璃奈:「「最低」」

 

かすみ:「ちょっと!?」

 

そして各自教室に戻り、午後の授業が始まった

 

 

 

― 完 ―




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第76話:近江家におじゃまします

前期の中間テストが終わり、テストが返却されて今日から夏休み。でも俺たちは夏休みも毎日練習だ。そしてその日の放課後、今日も練習だ。白恋戦まであと二日だから気合い入れて練習しないとな。

 

剣城:「行くぞ天馬!!」

 

天馬:「うん!!」

 

剣城と天馬がパスを繋ぎながら両サイドから攻め上がる。結構それらしい形にはなってきたな。

 

剣城・天馬:「「<ダブルウィング>!!!」」

 

霧野:「天馬にディフェンスを!!」

 

栞子・彼方・エマ:「「「了解!!」」」

 

ドガァァアアアアッ!!!

 

天馬:「うわあっ!?」

 

四人がかりのディフェンスが天馬に襲いかかる。ボールは天馬が持っており、<ダブルウィング>は不発におわる。

フィールドの外から円堂監督がタクティクス組に「もっとお互いの最高速度でパスを回せ」と声をかける。しかしパスを連続で、お互いに全力疾走した状態で繋ぎ続けるって簡単じゃないぞ·······

 

 

 

侑:「竜太も気になる?」

 

竜太:「まぁ、そりゃあね······」

 

歩夢:「でも竜太くんがパスが苦手だったなんて意外だったなぁ」

 

竜太:「どうしても力加減が分からなくて。全力で蹴るシュートや、あまり力を入れなくていいドリブルなら得意なんだけど適度に力を入れろって言われると加減が······」

 

侑:「じゃあパスの練習しようか」

 

苦手を放置するのは良くないな。やるか·····

 

竜太:「はい!頼みます!!」

 

 

 

 

 

竜太:「ほっ!」パスッ

 

侑:トッ「もうちょっと強く!!」ドッ

 

竜太:バシィ「もう少し強めにっ!!」ドゴォオッ

 

侑:「うわ!? 強すぎるよ!!」

 

竜太:「スミマセン!!」

 

ん~····やっぱり加減がな········

 

侑:「最初のと今の中間位のつよさで!」ドッ

 

竜太:バシィ「この位ですかっ!?」ドッ

 

侑:「!?」バシィ

 

侑:「そう!! 今の感じだよ!! 忘れない内にもう一回!!」

 

竜太:「はい!!」

 

そこからさっきの感じでパスをする。たまに力加減をミスするがその度に侑先輩が分かりやすく教えてくれる。

 

歩夢:「竜太くん凄く良くなったね!」

 

侑:「今の感じで練習していこう!!」

 

竜太:「はい!!」

 

そして部員の各自の練習が一段落つき、休憩中

 

彼方:「竜太くんお疲れ~」

 

竜太:「お疲れ。エマもお疲れ」

 

エマ:「お疲れ様」

 

各自しっかり水分を取り15分後、練習再開

 

竜太:「ふっ!」ドッ

 

歩夢:「ほっ!」バシィ

 

侑:「ナイスパス! じゃあ次は連続でやってみようか」

 

竜太:「はい!!」

 

侑:「行くよ!!」

 

そこから侑先輩と連続してパスをし合う。しかし連続でやるとだんだん力加減が乱れてくる。

 

侑:「竜太少し強くなってる! さっきのを思い出して!!」

 

竜太:「は、はい!!」

 

冷静に冷静に、さっきの感じを思い出して·····

 

侑:「そう! それ!!」

 

そして練習を続けて今日は終了。今日は彼方の家にお呼ばれしてるんだよね·····

 

 

 

~ 近江家 ~

 

彼方:「ゆっくりしててね~」

 

竜太:「いや、手伝うよ」

 

彼方:「大丈夫だから。それより遥ちゃんに渡すものがあるんでしょ?」

 

竜太:「ああ、そうそ「ただいま~····? 男性の靴? お姉ちゃん!? バンッ」あっ、遥ちゃん、お邪魔してます。」

 

遥:「あっ、なんだ、竜太さんだったんだ」

 

彼方:「遥ちゃんお帰り~竜太今日晩御飯食べていくから宜しく」

 

遥:「あっ、うんわかった「あっ、そうだ遥さんこれ。」? なんです····!? 果南さんのサイン!? あと龍也さんのも!!」

 

竜太:「親父のはついでだから要らなければ捨ててもらっても「捨てるなんてとんでもない!! 大事にします!!」そ、そう····」

 

そして彼方の作ってくれた夕飯を三人で食べて俺は帰宅。

 

彼方の家を出る際、サインが嬉しかったのか遥さんが狂喜乱舞していて面白かった。

 

 

― 続く ―




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番外編:雷門の日常

この話の時系列は白恋戦後です。

ではどうぞ!!


夏休みのある日の午後、俺は歩夢先輩、せつ菜先輩、愛さん、侑先輩の2年女子ズに誘われて河川敷で練習していた。

 

せつ菜:「愛さん、歩夢さん! 囲いこんで下さい!!」

 

竜太:(うわっ、プレスきっつ!!)

 

何とかボールをキープする俺。しかしライン際に追い込まれた。

 

竜太:(愛さんプレスのかけかた上手過ぎんだろ?!)

 

侑:「竜太こっち!!」

 

ライン際すれすれの大外から侑先輩が上がって来る。

 

竜太:「(来たーーーーー!!)頼みます!!」

 

侑先輩にパスを出し、ボールを受け取った侑先輩はそのままオーバーラップ。それをせつ菜先輩が自慢の俊足で追いかける。

 

せつ菜:「中に入った竜太さんへのセンタリングをケアしてください!!」

 

愛:「「(あい)」よ!! 愛だけにっ!!」

 

竜太:「・・・・・・・・・」ダン バッ!!

 

歩夢:「(!? トップスピードからのバックステップ!?)愛ちゃん後ろ!!」

 

侑:「竜太!!」

 

竜太:「ナイスパス!!」ドガァアアアッ!!!

 

ザシュウッ

 

愛:「あ~! やられた~!」

 

せつ菜:「竜太さんと侑さん、お二人のコンビネーションが凄いですね.....」

 

侑:「時々竜太って私の心を読んでるんじゃないかと思うんだよね~」

 

竜太:「侑先輩こそ俺が欲しいタイミングで欲しいパスをくれるじゃないですか。さっきもフォロー欲しいって思ったタイミングで来てくれたし」

 

せつ菜:「お二人は状況に対したプレーの思考が似てるのかもしれませんね」

 

なるほど。お互いに考えることが似てるから「自分ならこうして欲しい」と思った事を相手も考えててしてくれると。確かにそれもあるかも····

 

愛:「ちょっと休憩しようか」

 

そして俺たちはベンチに座りドリンクを飲みながら談笑する。すると愛さんが、

 

愛:「はい、塩分補給」

 

竜太:「ぬ、ぬか漬け?」

 

愛:「このぬか漬け、食べて行か「ぬか」? なんつって~」

 

せつ菜:「愛さん本当にダジャレが好きですね~。あっ、ぬか漬け貰います」

 

侑:「うん。美味しい」

 

竜太:「ん~·····おっ本当だ。美味い」

 

愛:「でしょ~? おばあちゃんのぬか漬けは絶品なんだ♪」

 

しっかし改めて皆見ると良い体してるよな~。出る所は出てて引っ込む所は引っ込んでる女の子の体だ·····

 

竜太:「っ·····//////」

 

ヤバい、意識したら顔が熱くなってきた。

 

愛:「よし、今度はゆうゆうとせっつーのオフェンスね!!」

 

そして勝負が始まり、

 

侑:「せつ菜ちゃん!!」

 

せつ菜:「ナイスパス!!」

 

竜太:「おっと! 行かせませんよ!!」

 

せつ菜:「っ!」ガッ! グイグイ

 

ちょっ!? そんな背中で当たってこられると、一緒にお尻まで当たるんですけどぉおおお!? しかも高さ的に俺の股間の辺りに····/////言っておくがわざとじゃないからな?

 

せつ菜:(? やけにプレッシャーが弱い····と言うか全くと言って良い程無い様な、なら!!)

 

クルッ!!

 

竜太:(っ、しまっ!)

 

せつ菜先輩は反転して前を向き俺を躱して侑先輩に浮き球のパスを出す。

 

侑:「ナイスパスせつ菜ちゃん!!」

 

愛:「歩夢! 囲んで!!」

 

完全にシュートコースを塞いだ。あれなら撃てない!!

 

侑:「・・・・・・・チロッ」ドッ! バンッ!

 

ザシュウッ!!

 

竜太:「・・・・・は?」

 

空中のボールをボレーで歩夢先輩の股下の地面に叩きつけてバウンドさせてねじこんだ?

 

せつ菜:「な、ナイスシュートです侑さん。でも私が竜太さんを抜ける何て···」

 

愛:「? どうしたの?」

 

竜太:「も、黙秘権を行使します····」

 

歩夢:「何か変な事考えてた?」

 

侑:「あっ!!」

 

ヤバい、気づかれた?

 

侑:「はぁ、せつ菜ちゃん? 女の子何だから気をつけてないとダメだよ····?」

 

せつ菜:「はい?」

 

あっ、バレましたねこれ。

 

侑:「竜太も男の子だからしょうがないかもしれないけど、変な事考えない!!」

 

竜太:「はい! すみません!!」

 

何か自然と背筋が伸びてしまった。何か侑先輩ってこういう時有無を言わさぬ迫力があるんだよな~。

 

せつ菜:「???」

 

侑:「さっきせつ菜ちゃん、竜太にお尻押し付けてたよ?」

 

せつ菜:「へっ? ······っ!?///// 竜太さんっ!!/////」

 

竜太:「す、スミマセン!!」

 

せつ菜:「プレッシャーがやけに弱いと思ったら、そう言うことだったんですね!?」

 

竜太:「俺は少しでも()()()()()()しようと!!」

 

せつ菜:「問答無用!! 覚悟ーーーー!!」

 

竜太:「何でこうなるんだーーーーー!?」

 

 

 

愛:「····悪いのせっつーだよね?」

 

歩夢:「あ、アハハハ·····」

 

 

― 続く ―




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第77話:白恋戦前日

明日はいよいよ白恋戦。輝と親父が特訓から戻ってきてチームで併せる最終調整をしていた。

 

せつ菜:「輝さん!!」

 

パスを受け取った輝がドリブルで上がる。そこに栞子がディフェンスに入る。

 

輝:「せつ菜先輩! 「輝さん!」」パスッ パスッ

 

せつ菜先輩とのキレイなワンツーパスで栞子を抜いた輝に今度はエマがタックルで身体をぶつける。

 

エマ:(っ! 倒れない!?)

 

そのまま輝はエマを振り切ってシュートを放つ。シュートは三国先輩の正面に飛んでいく

 

三国:「正面だ!!」バシィイイッ

 

三国先輩が両腕でシュートをキャッチするがシュートの勢いとスピンが収まらない

 

バチィイイイン!!

 

三国先輩はシュートに弾かれ、ボールはゴールネットに吸い込まれて行った。

 

円堂:「ふむ。これなら白恋戦で輝を使えるかも知れないな······」

 

それにしても驚いたな。エマは女の子ながら雷門のD()F()()()でNo.2のフィジカルを持つ。そのエマにぶつかられて輝の身体はほとんどブレなかった。体幹がしっかりしてる証拠だ。

 

龍也:「次、オフェンスは侑と竜太。必殺技禁止、ディフェンスは霧野と彼方と璃奈。必殺技あり。」

 

竜太:「よし、行きましょう侑先輩!!」

 

侑:「オッケー!!」

 

龍也:「開始!!」

 

ピィーーーッ

 

霧野:「彼方先輩は高咲、天王寺はフォロー!!」

 

彼方・璃奈:「「分かった(りました)!!!」」

 

そして霧野先輩は俺に突っ込んでくる。そして必殺技を発動する。

 

霧野:「[ザ・ミスト・S]!!!」

 

最終進化した霧野先輩の技が俺を包む。しかし俺はそんなものは構わずに突っ込み霧の中を走り抜け突破した。しかしすかさず璃奈がフォローに入る。

 

璃奈:「もらう!」

 

璃奈が自身の身体を挟んでブロック。しかし俺も腕を使って(掴んではいない)身体を入れ換える。しかしそれも仕方無い。

璃奈の身長は149cm。対して俺は178cmそこには明らかなフィジカルの····パワーの差がある。

 

璃奈:「っ!」

 

侑:「竜太こっち!! 「侑先輩!!」」

 

俺は侑先輩にグラウンダーのセンタリングを入れる。

 

三国:「近江! 左に切れ!」

 

彼方:「分かった!」

 

彼方がゴール左側(オフェンスから見て右側)のシュートコースを塞ぐ。しかし、

 

侑:「竜太!!」

 

三国:「なに!?」

 

ダイレクトで俺へのリターン。それを俺は頭から飛び込んでヘディングで併せる。

 

ザシュウッ!

 

俺のダイビングヘッドから放たれたボールはゴールネットを揺らした。

 

侑:「竜太ナイシュ!!」

 

竜太:「侑先輩こそナイスパスです。よく見てましたね」

 

侑:「えへへへ」

 

くっはぁ! 可愛い過ぎんぜこの笑顔!! でも彼方とエマにちゃんと返事するまでは我慢だ。

 

龍也:「次、オフェンスしずくと歩夢。ディフェンス天城と信介」

 

4人:「「「「はい!!!!」」」」

 

 

 

 

 

 

 

円堂:「よし、今日の練習はここまでだ。明日の白恋戦に向けて皆ゆっくり休んでくれ」

 

雷門:『『『はい!!!』』』

 

神童:「よし、道具を片付けるぞ」

 

竜太:「それにしても、タクティクス完成して良かったよな」

 

輝:「・・・・・・・・・」

 

竜太:「どうした輝?」

 

輝:「いや、「あれで完成なのかな」って」

 

竜太:「? どういう意味だ?」

 

その日俺たちは真っ直ぐ家へ帰り、その夜雷門グラウンド

 

~ 吹雪 side ~

 

吹雪:「······雪村」

 

ー ー ー ー ー ー ー

 

雪村:「[エターナル、ブリザァアアドッ]!!!」

 

ザシュウッ

 

雪村:「出来た······出来ましたよ!! 吹雪センパイ!!」

 

吹雪:「やったじゃないか雪村!!」

 

雪村:「ありがとうございます吹雪センパイ!! 次は[ウルフレジェンド]を教えてください!!」

 

ー ー ー ー ー ー ー

 

?:「ここに居たんですか。探しましたよ吹雪コーチ?」

 

吹雪:「白咲·······、シードが何の様だ」

 

白咲:「どうしても貴方に会いたいと言うメンバーが居たのでね。さぁ、」

 

そして白咲の背後から出てきたのは、

 

吹雪:「雪村!! まさか君も、フィフスセクターに···「触るな!!」っ!」

 

雪村:「あんたは白恋を裏切り、俺を裏切って雷門についた! 絶対に許さない!!」

 

違う、僕は自分の意思で白恋を離れた訳じゃない。フィフスセクターに追い出されたんだ

 

吹雪:「それはちが···「おっと、ここから先は試合で。吹雪コーチ? 雷門が無様に負ける様を、その目に焼き付けると良いですよ」っ! グッ」

 

 

雷門の皆、絶対に勝ってくれ·······

 

― 続く ―




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第78話:白恋戦キックオフ!!

今日はいよいよ白恋戦。雷門サッカー部の移動用バス、「イナズマキャラバン」でアマノミカドスタジアムへ向かう。一方その1時間前、

 

~ 東京大江戸国際空港 ~

 

?:「着いた~! 久しぶりの日本だね。皆はもうスタジアムに向かってるかな? 私も向かおっ!!」

 

 

 

~ 雷門 side ~

 

そして30分バスに揺られ、スタジアムに到着した俺たち。そこからさらにホーリーライナーに乗り、今回の<ロシアンルーレットスタジアム>に向かう。間違いなく<サイクロンスタジアム>ではないと思うが一体今回はどんな仕掛けが····

 

そして雷門と白恋を乗せたホーリーライナーは、「雪の道駅」に到着した。

 

竜太:「雪······」

 

円堂:「よし、スタジアムに··「わ~!? 退いて退いて~!!」っ! 何だあっ?」

 

見ると、ブレーキが効かずに雪道を自転車で下ってくるギャルと言った見た目の金髪の女の子が突っ込んで来ていた「愛ちゃん!?」「宮下!?」え?

 

ドッシーーーーン!!!

 

愛:「痛たたた····間に合った~」

 

龍也:「こ、これが···宮下 愛···」

 

そして一年間イタリアで修行してきた宮下先輩が、雷門サッカー部に戻って来た。

 

 

 

璃奈:「愛さん····お帰りなさい!!」

 

愛:「ただいまっ! りなり~!!」

 

せつ菜:「愛さんお帰りなさい。」

 

愛:「せっつー! ただいま!!」

 

先輩方が宮下先輩を囲んでお帰りの挨拶をしているが璃奈以外の1年生は置いてきぼりを喰らっている。

 

天馬:「こ、こんにちは!! 宮下先輩!!」

 

愛:「こんにちは! えっと··「天馬くん」そっか。宜しく天馬くん!!あと私の事は愛さんって呼んで? 名字呼びと先輩呼びは好きじゃないから」

 

天馬:「分かりました!! 愛さん宜しくお願いします!!」

 

円堂:「宮下、早速で悪いが今日の試合出てもらうぞ。」

 

愛:「はい! お任せあれ!!」

 

 

 

 

 

実況:「お待たせしました!! インターハイ二回戦、雷門vs白恋戦は、ここ<スノーランドスタジアム>からお届けします!!」

 

竜太:「何だよこのフィールド·····グラウンドがスケートリンク見たいにツルツルじゃねぇか。これじゃあ雷門も白恋も、ドリブルはおろか走る事さえマトモに出来ねぇぞ·····」

 

円堂:「よし、スターティングメンバーを発表する。

 

FW   剣城  大海  高咲

 

MF 宮下  神童  松風  桜坂

 

ボランチ     中須

 

DF    三船    天王寺

 

GK       三国    で行く」

 

雷門:『『『はい!!!』』』

 

そして試合開始時間の為、両校位置につく。

 

フォーメーション

 

白恋

 

GK       白咲

 

DF  真狩        小樽

DF     伊富  北厳

 

MF 氷里    射月    洞爺

MF    留萌    木瀧

 

FW       雪村

 

雷門

 

FW   剣城  大海  高咲

 

MF 宮下  神童  松風  桜坂

 

ボランチ     中須

 

DF    三船    天王寺

 

GK       三国

 

そして審判が片手を上に挙げ、

 

ピィイイーーーーッ!!!

 

白恋ボールでゲームが始まった。ボールは射月に渡り、そこからパスを回して攻めこんで来る。

 

氷里:「留萌!!」

 

留萌:「木瀧!!」

 

神童:「かすみ! 璃奈! プレスをかけろ!!」

 

かすみ・璃奈:「「了解です(ラジャー)!!」」

 

ツルッ!

 

かすみ:「うわわわっ!!」ドッシーーン!!

 

璃奈:「へぶっ!?」

 

やはりこのフィールドではマトモに走れないか。でも、なら妙だ。何故白恋は滑らずにプレーが出来るんだ·····

 

ボールは木瀧からFWの雪村に繋がり雪村はシュート体勢に入る。

 

雪村:「喰らえ!![パンサァアアア、ブリザァアアアドッ]!!!」

 

獰猛なる雪ヒョウの雄叫びとともに、氷の弾丸シュートが雷門ゴールを襲う。

 

三国:「止める!![炎の鉄槌・Zエェェエエット]!!!」

 

ドグシャァアアアッ!!!

 

三国先輩が炎のマジンとともにシュートを叩き潰す。しかし予想以上にシュートの威力が高く三国先輩は弾かれる。が、ボールはクロスバーに当たり、跳ね返ったセカンドボールを栞子が押さえて前線へとクリアする。

 

神童:「よし!」ツルッ!

 

神童:「うおっ!? くっ! 天馬!!」

 

足を滑らせ体勢を崩したキャプテン。その隙に白恋ディフェンスがボールを奪おうとするが、キャプテンも執念で天馬にパスを出す。

 

真狩:「必殺タクティクス<絶対障壁>!!」

 

竜太:「来た!!」

 

天馬:「剣城!! 必殺タクティクス!!」

 

天馬・剣城:「「<ダブルウィング>!!」」

 

剣城と天馬。全速力で走る。···凍ったフィールドを。

 

ツルッ!

 

ドガァアアアアッ!!!

 

剣城・天馬:「「ぐっ、(うわあっ)!?」」

 

当然二人とも盛大にコケてボールを奪われる。ボールは真狩から伊富に渡り伊富はドリブルで上がる。だからなんでドリブル出来んの!?

 

伊富:「雪村!「させないっ!」!?」

 

璃奈が雪村へのボールを空中でカット。そのまま天馬にパスを出す。

 

神童:「よし!もう一度だ!!」

 

天馬・剣城:「「<ダブルウィング>!!」

 

しかしやはり足を滑らせ盛大に体を打ち付ける二人。ボールは伊富が押さえる。

 

真狩:「雪村!!」

 

ボールを奪った真狩から、前線の雪村へのロングボールが入る。しかし、

 

かすみ:「そこだぁああっ!!!」

 

雪村のトラップの瞬間を狙い、滑るフィールドを利用してかすみが高速スライディングを仕掛ける。

 

雪村:「なにっ!? くっ!」

 

慌ててジャンプで回避する雪村。しかし咄嗟の事で少し足を滑らせ体勢が崩れ一瞬の隙ができる。

 

栞子:「そこっ!!」

 

栞子が横からのスライディングでボールを弾き、ボールはタッチラインを割り外に出る。

 

 

このフィールドをどう攻略するかな····

 

 

― 続く ―




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第79話:氷のフィールドを攻略せよ!!

白恋ボールの洞爺のスローインで試合再開。ボールは木瀧が押さえてそのままドリブルで上がって来る。何でこんな凍りついたフィールドでドリブル出来るんだ····アイツらの足元に何か秘密が?

 

木瀧:「射月!!」シャアッ

 

竜太:(? 何だ今の音?)

 

射月:シャアアッ「任せろ!!」ジャッ

 

!! そうか····分かったぞ!!

 

竜太:「皆! スパイクの底の(ふち)を使ってスケート見たいにフィールドを滑るんだ!! そうすれば今よりはスムーズに動ける!!」

 

射月:「あ~あ、バレちまったか···思ったより早かったな。まっ、カンケー無いけどねっ!!」

 

射月がドリブルで上がって来る。そこにかすみがディフェンスに入る。

 

かすみ:「ボールは貰います!![真空魔・V2]!!」

 

フィールドの攻略法により動きが戻ってきた雷門。かすみの鋭い蹴りにより足が通った所に真空が発生。ボールを吸い込みカットした。

 

かすみ:ジャッ「愛先輩!!」

 

かすみのパスは愛さんの足元にドンピシャに繋がった。

 

愛:「おおっ!! ナイスじゃ「ナイッス」か!? かすかす!!「かすかすじゃなくてかすみんですぅ~!!」」

 

愛さんがドリブルで上がると伊富がディフェンスに入る。

 

伊富:「ウチのディフェンスは<絶対障壁>だけじゃねぇ!! [アイスグランド]!!」

 

相手の必殺技が愛さんを襲うが愛さんはジャンプして空中に躱わす。

 

愛:「リュウ!!」

 

愛さんからのパスは俺へと繋がる。

 

竜太:シャアッ ジャッ「ナイスパス!! 喰らぇぇええええっ!!!」ドガァアアアアッ!!!

 

白咲:「ノーマルシュートだと!? 舐める·····!?」

 

白咲は俺の放ったシュートを止めようとシュートの正面で構えるが途中でグラグラと軌道がブレてゴール右下目掛けて曲がった。

 

雪村:「無回転!?」

 

白咲:「クソッ!!」バッ!!

 

白咲は急いで左足を伸ばして何とかシュートを弾くことに成功。セカンドボールを···

 

侑:シャアァァッ「やあああああっ!!!」

 

白咲:「高咲!?」

 

弾かれたセカンドボールを突っ込んできた侑が直接左足でのボレーで併せ、

 

ザシュウッ!!!

 

 

実況:「・・・・ゴ・、ゴォォオオオオル!!!飛距離40mは有ろうかと言う大海の無回転シュートは弾かれたが、こぼれ球を高咲が押し込み雷門先制ーーーー!!!」

 

天馬:「やった!!ナイスシュートです高咲先輩!!」

 

竜太:「侑先輩助かりました。」

 

侑:「一応私へのパスの可能性も考えて走ったけど···正解だったね。」

 

 

 

白咲:「くそっ、まさか無回転とは······!!」

 

 

1-0、雷門リードの白恋ボールで試合再開。ボールは木瀧に渡り、木瀧の背後に化身オーラが発生する。

 

木瀧:「【精鋭兵ポーンw】!!」

 

神童:「化身!?」

 

木瀧は化身と共に、猛スピードで攻め上がる。そこにかすみと璃奈が二人がかりでディフェンスに入る。

 

かすみ:「[真空魔・V2]!!」

 

璃奈:「[サイバースロジック・改]!!!」

 

二人の必殺技が同時に化身を襲う。しかし、

 

木瀧:「そんな物!![― マシンガンビート ―]!!!」ドガガガガガドガアッ!!

 

木瀧の化身が目にも止まらぬスピードで連続パンチを放ち、璃奈とかすみを殴り飛ばして突破。そしてボールは雪村に渡る。

 

雪村:「来い!!【豪雪のサイア】!!!」

 

雪村の背後に化身オーラが発生する。そして中から雪の様に白い純白のドレスの様なアーマーを身に纏った一本の槍を持つ女性型の化身が現れた。そして雪村がシュート体勢に入ると同時にボールはパキパキと音をたてて凍りつき、雪村のシュートと同時に化身が槍で打ち払った。

 

雪村:「[― アイシクルロード ―]!!!」

 

ドガァアアアアッ!!!!

 

絶対零度の氷のシュートが雷門ゴールを襲う。しかしそこに栞子が立ち塞がる。

 

栞子:「やらせません!![ハンタァアアズ、ネットッ・V4ォォオオッ]!!!」

 

進化した栞子の網が化身シュートを絡めとる。しかし栞子の技は引きちぎられ栞子は吹き飛び尚もシュートは進む。

 

かすみ:「しお子!!」

 

栞子:「くっ、でも威力は弱まった筈です!! 三国さんお願いします!!」

 

三国:「任せろ!![炎の鉄槌・Zェェエエット]!!!」

 

ドグシャァァアアアアッ!!

 

三国先輩が炎のマジンと共に渾身の力でシュートを叩き潰す。しかし栞子のシュートブロックを挟んでもそれでもパワー負けして、シュートは雷門ゴールに突き刺さった。

 

三国:「くそっ!! スマン····」

 

神童:「大丈夫です。俺たちが取り返します」

 

1-1同点。試合はまだまだこれからだ。

 

 

― 続く ―




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第80話:交代

1-1の同点。雷門ボールで試合再開。ボールはキャプテンに渡り、留萌がディフェンスに入る。

 

神童:「俺たちは、負ける訳には行かない!! [プレストターン]!!」

 

神童キャプテンは左右の高速ターンの必殺技で留萌を突破する。そしてボールを剣城に預ける。

 

真狩:「無駄だ!! 必殺タクティクス!!」

 

白恋DF:『<絶対障壁>!!』

 

白恋の分厚い氷の壁が行く手を阻む。しかし此方も先程とは違いフィールドの問題は解決している。

 

剣城:「行くぞ松風!! 必殺タクティクス!!」

 

剣城・天馬:「「<ダブルウィング>!!!」」

 

両サイドからパスを回して剣城と天馬がかけ上がる。両者は白光のオーラを纏いボールも姿も見えなくなる。

 

真狩:「・・・・・・・左だ」

 

ドガァアアアアッ!!

 

<絶対障壁>は右サイドの天馬をブロック。ボールは天馬が持っておりボールを奪われてしまう。

 

神童:「何!?」

 

真狩:「射月!!」

 

真狩からのロングパスが射月に入り、射月から洞爺に渡る。そこへしずくがディフェンスに入る。

 

しずく:「止めます!! [ザ・ミュージカル]!!」

 

しずくと洞爺の周りがステージに代わりしずくは華麗なダンスステップで相手を翻弄。戸惑う相手に肉薄しボールを奪った。

 

しずく:「天馬くん!!」

 

ボールは再度天馬に渡り、天馬はドリブルでかけ上がる。しかしまたしても白恋のタクティクスが立ち塞がる。

 

真狩:「必殺タクティクス!!」

 

白恋DF:『<絶対障壁>!!』

 

天馬:「剣城行くよ! 必殺タクティクス!!」

 

剣城・天馬:「「<ダブルウィング>!!!」」

 

再び<絶対障壁>の両サイドから剣城と天馬がかけ上がる。しかし、

 

真狩:「・・・・・・右だ」

 

今度は左サイドの剣城に氷壁が激突。ボールは剣城が持っており剣城は吹き飛ばされてボールを奪われる。

 

 

 

鬼道:「そうか! 確かに竜太よりは早くても、それでも天馬ではパススピードが足りないんだ。<ダブルウィング>は完成していない」

 

輝:「・・・・・・・・・」

 

 

 

真狩:「木瀧!!」

 

真狩から今度は木瀧にロングパスが入り、木瀧は化身を発動する。

 

木瀧:「ハアアアアアアッ!!! 【精鋭兵ポーンw】!!」

 

神童:「止める!! 【奏者マエストロ・参式】!!」

 

キャプテンも化身を発動し木瀧のブロックに入る。しかし、

 

木瀧:「[― マシンガンビート ―]!!!」ドガガガガドガアッ!!

 

キャプテンは【マエストロ】ごと【ポーンw】に殴り飛ばされ突破される。そして木瀧から雪村へのパスが通る。

 

雪村:「ナイスだ木瀧!! 【豪雪のサイア】!!」

 

パスを受け取った雪村は化身を発動し、シュート体勢に入る。ボールはパキパキと音を立てて凍りつき、雪村のシュートと共に【サイア】が槍で打ち払う。

 

雪村:「[― アイシクルロード ―]!!!」

 

雪村の化身シュートが、再び雷門ゴールを襲う。しかしまた栞子がシュートブロックに入る。

 

栞子:「[ハンターズネット・V4]!!!」

 

栞子の張った網が、化身シュートを絡めとる。が、先程同様少しパワーを奪った程度で網は引きちぎられる。

 

三国:「何としても止めないと···「まだだ!!」大海!!」

 

俺は栞子が[ハンターズネット]でシュートを足止めしている間にゴール前まで戻り、シュートブロックする。

 

竜太:「[スサノオブレード・Gx]!!!」

 

ドガァアアアアッ!!

 

[― アイシクルロード ―]と[スサノオブレード]が激突。俺は必死に蹴り返そうとするが、勢いに圧されて吹き飛ばされる。が、[― アイシクルロード ―]はクロスバーの上を越えて逸れて行った。

 

ズキッ

 

竜太:(っ!)

 

三国:「ナイス大海!! 助かった!!」

 

しずく:「でもどうします?<絶対障壁>がまだ破れてませんよ?」

 

ピーーーーー!!

 

審判の笛が鳴りそちらを見ると、

 

審判:「雷門、メンバーチェンジです! 11番out、17番入ります!!」

 

竜太:「11番って・・・・・・俺ぇぇええええっ!?!?」

 

雷門:『『『ええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええっっっっっっっ!?!?!?!?!?』』』

 

 

― 続く ―




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第81話:高咲侑 実力の片鱗

時は少し戻り····

 

~ 雷門ベンチ ~

 

果林:「どうするの? <ダブルウィング>が完成していないんじゃあ·····」

 

円堂:「どうするかな··「監督!!」何だ輝?」

 

輝:「僕、多分アレできます」

 

エマ:「えっ!?」

 

果林:「何言ってんの!? 初心者ができる訳···「いや、確かに輝ならできるかもしれない。」大海コーチ!?」

 

龍也:「円堂」

 

円堂:「よし! 交代だ。輝行ってこい!!」

 

 

 

 

 

そして今に至る

 

雷門 大海 out → in 影山

 

天馬:「ちょっ、えぇっ!? 竜太を下げる!?」

 

はぁ、まぁ何ともないとは思うけど悪化する前に下がった方が良いか···

 

そして俺はグラウンドの外に向かう。

 

侑:「竜太、「ん?」··············

 

そして輝との交代際に、

 

竜太:「輝、チェック厳しいから判断早めにな」

 

輝:「う、うん!」

 

 

 

果林:「監督!! 何で竜太が交代なんですか!?」

 

彼方:「彼方ちゃんもこの状況なら天馬くんだと思った」

 

円堂:「竜太、足は大丈夫か?」

 

ベンチメンバー:『『『えっ!!』』』

 

皆驚いた顔をしている。本当にこの人たちには嘘つけねぇな。

 

竜太:「化身シュートを蹴り返そうとしたとき、思ったより威力があったせいか、弾くことは出来たけど代わりに足首が少しズキズキします」

 

歩夢:「足首······」

 

信介:「まったく分からなかった·····」

 

水鳥:「竜太、テーピングしてやるからこっち来い」

 

竜太:「お願いします」

 

そして試合に目を戻した皆は、

 

エマ:「でも、竜太くん居ないとキツく無い? 「心配無ぇよ」えっ?」

 

竜太:「だって今あのフィールドには······」

 

 

 

小樽:「北厳!!」

 

北厳:「オーラ···「ガガッ!!」くっ! 何だコイツ!?」

 

ー ー ー ー ー ー ー ー

 

侑:「竜太、「ん?」足をやっちゃったからだね。後は任せて」

 

ー ー ー ー ー ー ー ー

 

侑:「アアアアアアッ!!!」ドガァアアアアッ!!

 

竜太:「「()() ()」が居るから····」

 

 

 

状況:「取ったーーーー!! FW高咲、体格差をものともせずボールを奪ったーーー!!」

 

真狩:「させるか!! 必殺タクティクス!!」

 

白恋DF:『<絶対障壁>!! 「輝くん!!」』

 

侑先輩からノールックでパスが輝に通り、輝と剣城は必殺タクティクスを発動する。

 

剣城:「足を引っ張るなよ!! 必殺タクティクス!!」

 

剣城・輝:「「<ダブルウィング>!!!」」

 

輝と剣城は連続でパスを繋ぎ、<絶対障壁>の両サイドから攻め上がる。その速度は、明らかに天馬の時より数段早い。二人は白光するオーラを纏い、姿とボールが見えなくなる。

 

真狩:「なっ!? どっちだ···「ギュオンッ!!」『うわあああああっ!?』」

 

<ダブルウィング>は絶対障壁を振り切り、ゴール前でフリーになった輝は、真上にボールを思い切り蹴り上げた。

 

白咲:「なんだぁ? ミスか?「いいえ!! ナイスパスです!!」!?」

 

輝の陰から、しずく、かすみ、璃奈の三人が上がって来ており、三人共ジャンプしてシュート体勢に入る。

 

かすみ・しずく・璃奈:「「「[デスゾーン2]!!!」」」

 

ドゴォオオォォオオオォォオオオン!!!

 

3人の連携シュートが、白恋ゴールを強襲。

 

白咲:「そんな技!!! [クリスタルバリア]!!!」

 

ガキィィイイイイッ!!! パキパキ

 

白咲の氷の盾にぶつかったボールは、音を立てて凍りついていく。だが、

 

ビシ!! ビシビシ!

 

氷に次々と亀裂が入っていき、シュートは氷を砕き、白咲を吹き飛ばし、ゴールに突き刺さった。

 

白咲:「バ、馬鹿な····」

 

かすみ:「やった!! 決まった!!」

 

しずく:「やりました····!」

 

璃奈:「やった····!」

 

抱き合う三人にフィールドメンバーが駆け寄る。

 

愛:「三人共ーーーー!!!」

 

璃奈:「っ! 愛さん····」

 

愛:「りなり~凄いよ!! よく頑張ったね!! かすかすも「かすかすじゃなくてかすみんだって何度言ったら分かるんですかー!!」しずくも三人とも凄い!!」

 

神童:「ああ。よく決めてくれた!!」

 

剣城:「よし! もう1点取るぞ!!」

 

雷門:『『『おおーーーーっ』』』

 

2-1、雷門リードの白恋ボールでゲーム再開。

 

雪村:「前半の内に絶対に追い付いてやる!!」

 

雪村が一人で強引にドリブルで突っ込んで来る。そこへかすみがディフェンスに入る。

 

かすみ:「ここから先は通行止めですっ!![真空魔・V2]!!!」

 

かすみがボールを奪いボールは侑先輩に。小樽と北厳が前後から挟み撃ちでディフェンスをかけるが、侑先輩は後ろの北厳を()()()()にサイドステップで躱して前の小樽をヒールリフトで抜き去った。

 

北厳・小樽:「「馬鹿な(何)!?」」

 

白咲:「くっ、お前のシュートなど····!!!」

 

侑:(《天帝の眼(エンペラーアイ)》!!!)キィイイイイン

 

侑先輩は、ゴール左上隅にノーマルシュートを放つ。

 

白咲:「左っ!? 右だと!?」

 

ザシュウッ!!

 

シュートはゴールに呆気なく吸い込まれた。

 

白咲:「くそっ!!(この俺が、あんな簡単に逆を突かれる何て!!)」

 

 

竜太:「侑先輩、使ったな。《天帝の眼(エンペラーアイ)》····」

 

せつ菜:「凄いですね。キーパー何も出来ませんでしたよ。」

 

 

ピッ、ピッ、ピィイイーーーーッ!!!

 

 

3-1、雷門リードでハーフタイムに入る。

 

 

― 続く ―




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第82話:決着! 二回戦!!

3-1の雷門リードで前半を終えてハーフタイム。そして後半戦開始のため皆フィールドに戻り位置に着くが、白恋は1人メンバーを代えてきた。

 

白恋 留萌 out → in 石

 

実況:「ここで白恋はMFの留萌を下げてFWの(せき) 岩次郎(がんじろう)を投入してきました。果たしてどんな意図があるんでしょうか」

 

そして雷門ボールで後半戦開始のホイッスルが鳴り、ボールがキャプテンに渡った所に石が突っ込んで来る。

 

ドガァアアアッ!!

 

神童:「かっ····はっ、」ドサッ

 

石にタックルされたキャプテンは(うずくま)り立ち上がれない。

 

 

 

龍也:「見たか?」

 

鬼道:「ああ。鳩尾に肘を入れていた。審判からは見えない様に」

 

 

そのままドリブルで上がる石。今度は栞子が止めに入る。

 

栞子:「止めます!! [ハンターズ···「馬鹿!! 行くな!!」えっ?」

 

何と相手チームの雪村が栞子に逃げるように叫ぶ。しかし、

 

石:「遅いなぁっ!!」ドガァアアアッ!!

 

栞子:「きゃあああああっ!!」

 

栞子も石のタックルに吹き飛ばされ、栞子は足を押さえている。

 

実況:「おっと、今度は三船が倒された! ファールは無いが少し荒っぽいか?」

 

竜太:(少し処じゃねぇだろ····)

 

石:「喰らえ!! [ヘッドバズーカ]!!」

 

ドゴオオオッ!!

 

石の必殺シュートが雷門ゴールに迫る。が、

 

三国:「[極・バーニングキャッチ]!!!」

 

ガシィイイイイッ!!

 

三国先輩は燃える右手でシュートに掴みかかり地面に押さえつけて完ペキに止めた。

 

三国:(何だ? このシュート力は?)

 

 

ここでプレーが中断し、審判が踞るキャプテンと栞子の元へ。

 

雪村:「おい石!! お前何やってんだ!!」

 

石:「ああ!? フィフスのサッカーをするっていうのはこう言うことだろ?」

 

真狩:(っ!? フィフスセクターはこんな卑怯な手まで使うのか····)

 

侑:「ねぇ?」

 

雪村:「? 何だ?」

 

侑:「あなたたちはあの乱暴者をどう思ってるの?」

 

木瀧:「白恋の恥さらしだよ。まさか女の子にまであんな事するほど落ちぶれてるとは流石に思わなかったけどな」

 

射月:「石は、相手にケガをさせることに喜びを感じる異常者何だよ。俺たちはアイツを仲間だとは思ってない。監督と白咲はフィフスセクターの人間だから別だけどな」

 

雪村:「さっきは悪かった。俺がもっと早く気づいていたら·····」

 

白恋の雰囲気が暗くなる。どうやら話は本当みたいだね。

 

侑:「じゃあアイツをフィールドから追い出しても文句無いよね?」

 

氷里:「文句どころか、願っても無いはなしだよ。」

 

侑:「そっか。分かった。」

 

 

 

侑が白恋の選手と話している間、

 

円堂:「優木、神童と交代だ。天城は三船と代われ。」

 

せつ菜・天城:「「分かりました(ったド)!!」」

 

実況:「おっと、ここで負傷した神童に代わり優木、三船に代わり天城が入ります。」

 

 

そして三国先輩のゴールキックから試合再開。ボールは侑先輩に渡り、侑先輩に石が突っ込んで来る。

 

天馬:「侑先輩!!」

 

侑先輩は静かに石を見据える。しかしここで雷門に思いがけない事が起きた。

 

侑:「私さ、怒るのって好きじゃないから出来るだけ許してあげようとは思ってるんだよ···。でもさ、仲間を傷つけられるのは我慢できないよね!!!

 

すると侑先輩は向かって来る石を引き付けて····

 

侑:「はあああああっ!!!」ドガァアアアッ!!

 

バキイイイイイッ!!!

 

石:「グガァッ!?」

 

侑先輩のキック力から放たれボールは石のアゴに直撃し、その衝撃で白目を剥いた石がゆっくり後ろに倒れていく。

 

ドサァッ!!

 

石は眼を回してピクリとも動かない。審判が駆け寄るが反応がなく、石は担架で外に運ばれ選手交代でMFの日高が入る。

 

 

白咲:「ふざけるな!! 退場だ退場!! 「そうか? 当然の報いだと思うけどな」何!?」

 

真狩の放った言葉に白咲が詰め寄る。

 

白咲:「貴様ら·····フィフスセクターのやり方を否定する気か!!」

 

雪村:「悪いが、フィールドの誰ももうフィフスに従う奴は居ないと思うぜ? 石の事は寧ろ清々したけどな」

 

白咲:「き、貴様らあああああ!!!」

 

 

 

竜太:「ははっ、やるな~侑先輩。痛そ~」

 

龍也:「竜太、笑い事じゃねぇぞ」

 

竜太:「いや? 俺でも同じことしたね」

 

円堂:「お前なぁ····」

 

 

 

白恋のキックで試合再開。ボールは雪村に渡り、雪村はシュート体勢に入る。

 

雪村:「[パンサーブリザード・V2]!!!」

 

進化した雪村のシュートが雷門ゴールを襲うが、天城先輩が立ち塞がる。

 

天城:「[ビバ!!万里の長城・V4]!!!」ドガァアアアッ

 

天城先輩のシュートブロックで威力は大きく減衰。それを三国先輩が[炎の鉄槌]で叩き潰し、ゴールキックからボールは剣城に渡る。

 

真狩:「必殺タクティクス!!」

 

白恋DF:「<絶対障壁>!!!」

 

剣城:「行くぞ輝!! 必殺タクティクス!!」

 

剣城・輝:「<ダブルウィング>!!!」

 

ディフェンスの両サイドからFW二人がかけ上がる。<絶対障壁>の核を担う真狩はどちらがボールを持っているか判断出来ずに突破される。

 

ボールは剣城が持ち、剣城は化身を発動する。

 

剣城:「【剣聖ランスロット・参式】!!!」

 

剣城がシュート体勢に入るとボールが黒いオーラに包まれ、剣城はそれをボレーシュート···と同時に【ランスロット】が剣を突きだし、ボールは鋭い剣となり飛んでいく。

 

白咲:「くっ! [クリスタルバリア]!!」

 

ガキィイイイッ バリィイイイインッ!!

 

白咲の氷の盾は呆気なく叩き割られ4-1

 

 

白恋ボールで試合再開。刻一刻と時間が過ぎていく中、侑先輩がボールを奪いドリブル突破を計る。

 

白咲:「っ! 囲め!!」

 

DFの北厳、小樽、伊富がシュートコースを塞ぐ。しかし侑先輩はジャンプしてシュート体勢に入る。

 

侑:「[極・ペガサスショット]!!!」

 

白咲:「我々は負ける事は許されないんだ!![クリスタルバリアァァアアアアッ]!!!」

 

ドガァアアアッ!!

 

白咲の盾が侑先輩のシュートを迎え撃つ。が、シュートが当たった瞬間その強大なパワーに叩き割られ、白咲諸ともシュートはゴールに突き刺さった。

 

そして、

 

ピッ、ピッ、ピィイイーーーッ!!

 

ここで試合終了のホイッスルが鳴り、蓋を開ければ5-1と雷門の圧勝で二回戦は幕を閉じた。

 

 

― 続く ―




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<中須かすみ>誕生日特別編:~ if かすみルート ~

もしも、竜太と付き合い始めたのがかすみだったら、

ifルートです。ではどうぞ!!!


あれから4年が過ぎ、俺たち1年生組も高校を卒業。そして俺は現在プロサッカー選手となりプロ2年目だ。そして今は東京で彼女と同棲している。その彼女とは······

 

かすみ:「リュウ~!! 早くしないと置いて行きますよ~!!!」

 

竜太:「か、かすみ待て·····!!おまっ、ちょっとは自分の荷物くらい持とうって気は無い訳!?」

 

かすみ:「え~? こ~んなカワイイ彼女に持たせる気なんですか~?」ニヤニヤ

 

こう言われるとなにも言えねぇ。くそ、今だけはこの笑顔が憎たらしい!!

 

でもコイツ腹は黒いけど根っこはいいやつだからイマイチ嫌いになれないんだよな~。まぁそこもカワイイんだけども·····

 

そう。俺の彼女とは、通称かすみんこと、中須かすみ。俺は現在かすみと付き合っている。

 

高1の時のインターハイ終了後、俺は当時好きだった侑先輩に告白するも見事玉砕。しばらく立ち直れない日々を送っていた。

そんな時、俺を元気づけてくれたのがかすみだったんだ。

かすみはいつも笑顔で話しかけてきてくれて、大事な所ではふざけずにちゃんと話を聴いてくれたり、イタズラに激辛コッペパン食わされて追い掛け回したり····まぁそれはいい気分転換になったし。(後で聞いたら俺の気分を変えさせるのが目的だったらしい。)本当に厄介な()を好きになったもんだよ····。

 

俺は今はプロ2年目だと言ったが、かすみは現在大学2年生。正直な話かすみは容姿はスゴく可愛らしい為言い寄って来る男も多いんだとか。しかし黒い一面を知った途端に逃げていくらしく、かすみ曰く「このくらいで掌を返す男なんかこっちから願い下げです!!」だそうだ。

 

 

かすみ:「今日はショッピング付き合ってくれるって言いましたよねぇ? もっと買いますからね!!」

 

竜太:「·······自分で金出せよ?」

 

コイツに限って無いとは思うが俺をATMか何かだと思って無いよな?一応俺の今年の年俸は2,500万。ある程度はお金に余裕があるため彼女に何か奢るのはやぶさかでは無いが高額品をおごらせ続けられるのは勘弁してもらいたい。

 

かすみ:「言われなくても分かってます~!! 私そこまで悪い女じゃないです~!!」

 

竜太:「良かった。じゃあ安心した所だけど、昼飯位は奢らせてくれよ「本当ですか!?」お、おう」

 

目をキラキラさせながら俺を見るかすみ。まぁその位は出してやらないとな。今日は特に。

 

 

かすみ:「じゃあ今日はイタリアンのお店が良いです!!」

 

竜太:「了解。じゃあ後30分位買い物したら行くか。」

 

かすみ:「は~い!!(何だかんだ言っても付き合ってくれるんですもんね)」

 

そして雑貨屋に行きかすみと一緒に小物などを見ていると、とあるヘアピンが目に留まった。

 

竜太:(これプレゼントに良いかも)

 

そしてこっそりそれを買い、ラッピングしてもらい上着のポケットに入れる。そしてかすみの所に戻り、

 

かすみ:「もうっ! かすみん放ってドコ行ってたんですか!! 「わ、悪い。ちょっとトイレに」全く····あらかた見ましたからお昼ご飯行きましょう」

 

竜太:「分かった」

 

そしてイタリア料理のお店に入り早速注文する。かすみは「トマトと蟹のクリームパスタ」。俺は「カルボナーラとマルゲリータのハーフ&ハーフセット」にした。

そして料理が来て食べているとかすみが、

 

かすみ:「ムム····、ピザ美味しそう」

 

竜太:「はぁ、ほら」

 

俺は小皿にピザを一切れ取り分けてかすみに差し出す。

 

かすみ:「良いの?」

 

竜太:「良いよ。食え「わ~い! いただきま~す!!」おう」

 

この笑顔を見ると甘やかしたくなっちまうんだよなぁ···。本当は甘やかし過ぎは良くないんだけどピザ一切れ位はいいかな。

 

かすみ:「あっ、リュウ頬っぺたにピザのソース付いてるよ?取ってあげるっ!!」

 

そう言ってかすみは指で俺の頬を拭いパクッと。

 

竜太:「・・・・・・////////」

 

本っ当、あざとい。しかも自分がカワイイって分かっててやってるから余計にたちが悪い。これで外見ブスならグーパンだがかすみはドコから見ても美少女なので文句すら言えない。

 

そして昼飯を食べ終えた俺たちは今度は服屋にやって来た。

 

かすみ:「ねぇリュウ、コレとコレどっちが似合うと思います?」

 

竜太:「ん~、俺的には左のイエローかな? カワイイかすみんが一層映えるんじゃね?」

 

ちょっと俺がからかって見るとかすみは、

 

かすみ:「・・・・・・・///////」ボシュ~

 

顔を真っ赤にして俯いていた。

 

かすみ:「そ、そっか···じ、じゃあ··こっちにしますね··////「お、おう···」」

 

ちょっとやり過ぎたかな?

 

竜太:「かすみ! 待て!!」

 

かすみ:「っ!?」

 

竜太:「ちょっとからかい過ぎたみたいだからお詫び。買ってやるよ。」

 

かすみ:「からかっ!? じ、じゃあうs··「あっ、カワイイと思ったのは本当だぞ?」そ、そっか···/////」

 

かすみがニヘラと物凄く緩んだ顔になる。まぁ今は良いか。

 

その後も色々ショッピングを続けて夕方になり、

 

かすみ:「リュウ~そろそろ帰ろ~?」

 

竜太:「あっ、ちょっと待って」

 

俺は、先ほど雑貨屋で買った三日月を象ったヘアピンを取りだし、

 

かすみ:「わぁ~! 何ですかコレ!! カワイイ!!」

 

竜太:「かすみに似合うとと思って買ったんだ。誕生日プレゼント」

 

かすみ:「リュウ···ありがとっ!! リュウはもうかすみんにメロメロですね~?」ニヤニヤ

 

竜太:「当たり前だろ? 誰にも渡さねぇよ」

 

かすみ:「っ!!//////(もう~! そう言うこと恥ずかしげも無く言えるんだからリュウはズルい!!)」

 

竜太:「かすみ、いつもありがとう。大好きだ」

 

かすみ:「も~。かすみんも大好きですっ!! リュウ♪」

 

 

― かすみ Happy Birthday ―




もしもかすみと竜太が付き合ったら?
ifルートいかがでしたでしょうか。
感想・評価宜しくお願いします。

かすみちゃん誕生日おめでとう!!


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第83話:せつ菜先輩とお出かけ

白恋戦の翌日の、今日は練習オフで俺は先輩と出かける約束をして待ち合わせをしていた。

結局あの試合の後、吹雪さんと雪村の誤解は解けるて元の師弟関係に戻ったと言う。本当に良かった。

さて、今日俺が待っている先輩はと言うと、

 

せつ菜:「あっ、竜太さんお待たせしました」

 

竜太:「いや、俺も今来た所です」

 

そう。待ち合わせの相手とはせつ菜先輩。今日は先輩に一緒に出掛けようと誘われているのだ。

 

せつ菜:「じゃあ行きましょうか!!」

 

竜太:「そうですね。あっ先輩、服似合ってますよ。かわいいです」

 

するとせつ菜先輩は顔を赤くし、

 

せつ菜:「あ、ありがとうございます······//////3年生に負けてられませんからね·····

 

? ちょっと聞き取れなかったな。難聴系主人公じゃない筈なんだが全く聴こえん

 

せつ菜:「じゃあ行きましょうか!!」

 

そしてせつ菜先輩と向かった先は、

 

竜太:「ゲー○ーズ?」

 

せつ菜:「はい!! 今日新刊の発売日なんで!!」

 

せつ菜先輩の鼻息が荒い。そんなに面白いのか?

 

竜太:「へぇ····俺も試しに何か読んでみようかな。先輩のオススメって何か···「それならコレなんてどうですか!!」 [ブレードアート・オンライン]? 聞いたことある気がする」

 

せつ菜:「はい!! 本編だけでなくスピンオフ的な外伝までアニメ化されてる超人気作品です!! あと私の個人的には[八畳間の侵略者!?]なんかも好きですね」

 

竜太:「へぇ。じゃあその2つの最初の5巻ずつ買ってみようかな。せつ菜先輩は何を買うんですか?」

 

せつ菜:「[デート・オア・アライブ]です!!」

 

そして俺とせつ菜先輩は買い物を済ませて次は「ダイバーシティ」にやって来た。

 

~ ? side ~

 

?:「ちょっと押さないでよ!!」

 

?:「我慢して天馬!!騒ぐと見つかるから!!」

 

?:「むむむ···かすみんをさしおいて竜太くんとデートなんて~」

 

たまたま街中で二人を見かけてコソコソと後を着けてくる不審者が三人いた。

 

~ ? side out ~

 

せつ菜:「そろそろお昼にしましょうか」

 

竜太:「はい。フードコートで良いですよね?」

 

そして三階のフードコートに移動し、せつ菜先輩はラーメンを、俺は美味そうなカレー屋があり、そこにすることにした。俺がベルを押すと、外国人の店主が出てきた。

 

店主:「ハイ、ナンニシマスカ?」

 

竜太:「バターチキンカレーとグリーンカレーのナンセットで」

 

店主:「ハイヨ。チョットマッテテナ」

 

そして3分後、出来たカレーを受け取り席に戻りせつ菜先輩と食事を取っているとせつ菜先輩が、

 

せつ菜:「竜太さん、少しカレーを貰っても良いですか?」

 

竜太:「どうぞ。ナンも少し要ります?」

 

せつ菜:「あっ、ありがとうございます」

 

そう言うとせつ菜先輩はあーっと口を開けて止まる。これはつまり····

俺はグリーンカレーをナンに浸けてせつ菜先輩の口にあ~んした。

 

竜太:「あ~ん···/////」

 

せつ菜:「あ~んっ♪ ん、美味しいです!!」

 

竜太:「それは良かったです」

 

そして食べ終わった俺はトレイと皿をさっきのカレー屋に持って行くと、

 

店主:「ハイ、アリガトサン。オニイサンワカイネー」ニヤニヤ

 

っ!! この人さては全部見てやがったな····そしてその後もしばらく2人で辺りを歩いて雑貨屋に入ったりクレープを食べたりしてそろそろ帰ろうと言う時、

 

竜太:「あっ、ちょっと良いですか先輩?」

 

せつ菜:「? 何ですか?」

 

俺は後ろの道の門にある花屋さんの方を見て、

 

竜太:「そこに隠れてる3人、出てこい!!」

 

?・?・?:「「「!?」」」

 

そして物陰から出てきたのは、

 

せつ菜:「天馬くん!? 信介くん!? かすみさん!? 3人揃って覗き見ですか!?(怒)」

 

信介・かすみ:「「こんな面白そうなの見逃せる訳ないでしょ!?」」

 

せつ菜:「逆ギレしないでください!!!!」

 

竜太:「天馬、信介、かすみ、そこに並べ」

 

かすみ:「へ? 何で··「並べ(º 言º)ゴゴゴ」は、はい!!!!」

 

3人は一瞬で地面にSE☆I☆ZAする。

 

竜太:「よし、じゃあ久々の···」

 

天馬:「ま、まさか····」サァーッ

 

天馬たちの顔が青ざめ俺はハリセンを取りだし、3人をしばいた。

 

竜太:「[水流○打]!!!」

 

スパパパァアアアーーーーーン!!!

 

天馬・信介・かすみ:「「「いやあああああああああああっ!!!!!!!」」」

 

そしてその日のお出かけは終了した。

 

 

― 続く ―




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第84話:宮下 愛

ちょっと愛さんが怖めの先輩になってます。後家がもんじゃ焼き屋ではなくスポーツショップに変わっています。

ではどうぞ!!


バンッ!!

 

部室の扉が勢いよく開き、そっちを見ると愛さんが怖い顔をしていた。

 

天馬:「あっ、愛さ··「このレガース···誰の?」」

 

しずく:「あっ··私の···です。すみません忘れる所で···「道具は大事にしろって言ったよね?(º 言º)ゴゴゴ」は、はい! スミマセン!!!」

 

愛:「まったく!! 道具くらい大事にしてよね!!」

 

そして愛さんはグラウンドに戻って行った。

 

信介:「怖~」ブルッ

 

しずく:「こ、殺されるかと思った···」ブルブル

 

剣城:「俺もこの間スパイク忘れて同じ思いしたな」ガクブル

 

竜太:「でも、怒らせたり道具を雑に扱ったりしなきゃ優しい良い先輩じゃん」

 

璃奈:「愛さん、昔からそう言うことには厳しいから」

 

そして今日も練習が終わり皆部室で帰り支度をしている時、俺は自分の荷物のあることに気づいた。

 

竜太:「危なっ!! 俺のレガースヒビ入ってんじゃねぇか!!」

 

天馬:「ええっ!? 良かったね。事故になる前に気づけて」

 

竜太:「天馬、俺スポーツショップ寄ってから帰るから先に帰っててくれ。秋さんには遅くならない内に帰るから晩飯お願いしますって伝えてくれ」

 

天馬:「わかった」

 

そして校門の所で天馬と別れて俺は商店街のスポーツショップに向かった。

 

竜太:(そう言えばここ「ミヤシタスポーツ」って···まさかな)

 

ピロリロー

 

?:「いらっしゃいませ~。」

 

ん? 今の声って····

 

竜太:「愛さん!?」

 

愛:「ん? お~リュウじゃん。どったの?」

 

竜太:「ああ、買い物に···って愛さん、何やってるんですか? バイトですか?」

 

愛:「いや? ここアタシの家だけど。何を買いに来たの?」

 

竜太:「そうだったんですね。レガースにヒビ入っちゃってて、新しいの買いに来ました。」

 

愛:「レガースならそこの奥にあるよ」

 

俺は愛さんに言われた場所に行き、サイズの丁度良さそうなものを選びレジへ。

 

愛:「ん~っと500円ね。」

 

俺は財布から500円玉を取りだし会計を済ませる。

 

愛:「まいど~。あっ、リュウちょっとコンビニでアイス買って来て。私店番あるから。」

 

竜太:「あっ、はい。分かりました。」

 

俺は愛さんから1,000円を受け取り近くのコンビニで愛さんと()()()アイスを買って店に戻ると

 

愛:「何自分のまで買ってんの!?」

 

そして俺は家に帰った。

 

~ 愛 side ~

 

愛:「まったく·····ん? リュウの奴スパイク忘れてんじゃん!! あれほど道具は大切にしろって·····あれ? この間の白恋戦の時まだリュウのスパイクピカピカだったよね? まだあれから3日だよ? なんでこんなにボロボロなの? 革もスゴく使われて柔らかくなってるし。でも、ちゃんと手入れするとこはしてある······私も子供のころよくスパイク履き潰したっけなぁ·······あ~っもう!! しょうがないなぁ···忘れてった事には文句言いたいけど、こんな明らかに大事にされてるスパイク見せられたらそんな気も薄れるよ····」

 

― 次の日 ―

 

竜太:「あっ、愛さん。」

 

1年生:『『ビクゥッ!!!』』

 

竜太:「すみません。俺昨日スパイクお店に忘れてしまったみたいで。「ほら」あっ、ありがとうございま···うわ、ピカピカ!! 新品みたい!!」

 

愛:「手入れの仕方はまだ少し甘かったけど、それでも大事にしてるのが見てるだけで伝わってきたよ。そのスパイク、良いスパイクだよ。これからも大事にしてあげてね。あっ、それと今度ちゃんとしたメンテナンスのやり方教えてあげるよ」

 

そこでアタシは自然と笑顔になった。

 

かすみ:(愛センパイが褒めた!?)

 

他の1年は皆凄く驚いた顔をしている。まったく失礼な後輩たちだなぁ·····

 

竜太:「はい! 教えてください!」

 

愛:「うん! あっ、後父さんから聞いたけど、リュウはスパイクの紐切れたりするとウチの店で買ってくれてるんだってね····。これからもサッカー用品買うときはウチで買ってね。生活あるから安くは出来ないけど。」

 

竜太:「はい!!贔屓にさせて貰います!!」

 

愛:「よろしい♪ ん? こら1年生!! 練習の準備しな。手が止まってる!!」

 

1年生:『『は、はい!!!』』

 

~ 愛 side out ~

 

円堂:「よし! じゃあまずは二人一組で練習してもらう。」

 

よし、誰と組もうかな···

 

愛・侑:「「リュウ(竜太)組も~? ムッ!!」」

 

あっ、何か嫌な予感。

 

侑:「愛ちゃん? 竜太は私と練習するんだよ?(私が唯一本気でやれる竜太を取られる訳には行かない!!)」

 

愛:「それは聞き捨てならないねゆうゆう。リュウは私と特訓するんだけど。(このチームで道具を大切にしてくれて尚且つ実力もあるリュウとやるのが一番良い。絶対譲らない!!)」

 

竜太:「ちょっ、先輩方落ち着··「竜太(リュウ)!! どっちと練習するの!!!」 ええ···じゃあ1vs1で勝った方で。」

 

侑:「よし!! 早速始めるよ!!」

 

愛:「挑むところ!!」

 

竜太:「何か変な事になってしまった····」

 

そして皆グラウンドを開けて、

 

円堂:「準備はいいな? 始め!!」

 

監督の合図と共に、スピードで勝る侑先輩が一気にボールを奪いそのまま攻め上がる。

 

愛:「させるか!!」

 

侑:(《天帝のm··(エンペラーア··)ドガッ!! っつ!!)

 

今度はパワーで勝る愛さんが小細工無しで正面から力強(ちからず)くでボールを奪いカウンターを仕掛ける。しかし侑先輩も負けてはいない。スピードで一気に追い付き、《眼》を使ってボールを奪う。

 

愛:「くっ!!」

 

攻守交代し今度は侑先輩がオフェンス。愛さんは何とか追い付きドカドカ身体をぶつけて侑先輩の体勢をぐらつかせてその隙にボールを奪う。

 

竜太:(そうか!!《天帝の眼(エンペラーアイ)》はスピードやテクニックが武器の相手には敵無しの強さだけど、とくに自分がオフェンスの時はシンプルなパワーには弱いんだ!!)

 

これがもしもバスケ等の接触プレー禁止の競技であれば話は違うがこれはサッカー。タックル有りならスライディングも有り。いくら《眼》を持ってても、身体でぶつかられれば相手に対抗できるだけのフィジカルが無ければ間違いなく力で押しきられる。

意外な《天帝の眼(エンペラーアイ)》の弱点だった。

 

侑:(っつ!! 私の《眼》が通用しない!?)

 

愛:「悪いねゆうゆう!! テクニックやスピードならゆうゆうには敵わないけど、純粋なパワー、フィジカルなら話は別だよ!!」

 

侑先輩は急いで愛さんを追いかけタックルをしかけるが、単純な力負けで吹き飛ばされ、そのまま愛さんが勝利した。

 

歩夢:「まさか···侑ちゃんが負けるなんて····」

 

愛:「アタシはプレッシングとフィジカルには自信あるけど、テクニックはイマイチなんだよね~。でもゆうゆうはスピードやテクニック、キック力は凄いけど競り合いで勝つためのフィジカルが足りなかった。お互いに相性みたいなのが有ったのかもね」

 

侑:「っ!!」ダッ

 

歩夢:「侑ちゃん!!」

 

竜太:「侑センパイ!!」ダッ!!

 

俺は急いで侑先輩を追いかけた。

 

 

・・・・・・・・・・

 

愛:「あれ? アタシの練習は?」ポツーン

 

 

― 続く ―




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第85話:侑の弱さ

先ほど、愛さんと侑先輩は、俺の練習パートナーをめぐって勝負し、侑先輩は敗北した。

負けたのがそんなにショックだったのか、先輩は勝負が終わった瞬間逃げた。そのままにする事も出来ずに、俺は侑先輩を追いかけている。

 

侑:ハァ、ハァ····

 

竜太:「待ってください先輩!!」ハァハァ

 

必死に先輩を追いかけていると、先輩は校舎裏で止まり、

 

竜太:「や···やっと止まってくれた······ハァハァ」

 

侑:「·····何で追いかけてきてくれるの?」

 

竜太:「何でって、泣いて走ってったらそりゃあ心配になりますよ····」

 

侑:「こんな情けない私を、何で心配してくれるの?」

 

は? 情けない? 何が?

 

竜太:「な、情けない? 何で? ただ勝負して負けたってだけでしょ?」

 

侑:「だって····私、今まで《眼》も含めて本気でやって負けたことなんて一度も無かったんだもん·····なのに·····」

 

竜太:「は? 何それ? 本気の先輩に勝てない俺への嫌味ですか? 「ち、違っ···」何が違うんですか? 「今まで負けたこと無い」? だから負けたのがショック? 当たり前だろうが!! 負ければ悔しいのも、勝負して負ける事があるのも、そんなもん当たり前なんだよ!!」

 

侑:「っつ!!」

 

俺は少しばかり、いや、かなりカチンときていた。厳しい様だがハッキリと言ってやる。

 

竜太:「このくらいでそんなにショックなら、この先どうせやっていけねぇからサッカー部辞めちまえ!!!」

 

侑:「っ!!」ポロポロ

 

先輩は大粒の涙をながす。必死に拭うが涙が止まらない。

 

竜太:「俺は練習に戻ります。辞めるのか、悔しいのをバネにしてリベンジするのかは先輩に任せます。」

 

そう言って俺はグラウンドに戻ろうとする。

 

侑:「っつ·······あ····「あ、1つ良いですか?」っ?」

 

竜太:「俺はまだ、()とまだ一緒にサッカーやりたいんだからな。まだ勝ててねぇし。「っ!?」 じゃ、俺は戻るんで。」

 

そして俺はグラウンドに戻り練習を始める。愛さんには不機嫌な顔で文句を言われたが、「今度埋め合わせはする」と機嫌を取り敢えず直してもらいしばらくすると侑先輩が戻って来た。

 

円堂:「戻ったか高咲」

 

侑:「監督!! さっきはスミマセンでした!! 練習に参加させてください!!」

 

うん。なんかふっ切れた顔してる。気持ちの整理、付いたみたいだな。

 

円堂:「······よし! 良いだろう。全員、次のメニューは走り込みだ。ジャージに着替えて外履きに履き替えて校門前に集まれ。」

 

そして男子と女子それぞれ更衣室で着替えて靴をスパイクから履き替えて校門前に集まる。

 

円堂:「よし。では外周を走って一周2分半で戻って来い。戻って来られなかったら連帯責任で全員もう一周な」

 

皆あからさまに嫌そうな顔をしている。この中で一番足が遅いのは·······チラッ

 

天城:フイッ

 

天城先輩が顔を背ける。いや待てよ?天城先輩は足は遅いがスタミナは高い。同じペースで走り続けられれば間に合う。ならばこの中でもっともスタミナが低いのは······チラッ

 

かすみ:フイッ

 

皆同じ結論になったらしく一斉にかすみを見る。すると視線から逃れる様に目を背けるかすみ。

 

円堂:「準備は良いな? 始め!!」

 

サッカー部:『『『うぉぉおおぉぉおおおおおお!!!』』』ズドドドドドドドドドドドドド!!!

 

俺たちは一斉に走る。先頭は愛さん、俺、侑先輩。後続に剣城、果林、天馬、キャプテン、エマ、栞子、せつ菜先輩の順で続く。

 

竜太:「愛さん速ぇえ!!」

 

侑:「でもっ···こんなペースで····持つの?」ハァハァ

 

そのまま走り俺は1分49秒でゴール。その他のメンバーも帰って来るが、

 

円堂:「天城、2分29秒。····かすみ、2分32秒!!」

 

サッカー部:『『『ゲッ!?』』』

 

円堂:「もう一周ダッシュ!!」

 

サッカー部:『『『はいいいいいいいい!!?!?』』』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

竜太:「ゼェ ゼェ ハァ ハァ····」

 

愛:「つ、疲れた·····ハァ ハァ···」

 

結局あの後かすみと天城先輩が足を引っ張り合計で10周以上は確実に走った。

 

かすみ:「す·····スミマ···せん······ゼー·· ハー·· ゼー·· ハー····」

 

天城:「だ、ダド····ウップ····」

 

三国:「天城!? ここで吐くな!!」

 

しずく:「かすみさん? これから毎日練習終わりに走り込みしましょうね?」ニコッ

 

かすみ:「ヒィッ!! かすみん死んじゃいますう!!」

 

果林:「ッ····ハー ハー 天城くん?」

 

天城:「ダド?」

 

果林:「痩せなさい!!」

 

天城:「ダド!?」

 

かすみ:「ち、因みに拒否権は····」

 

サッカー部:『『『あると思うか?』』』

 

かすみ・天城:「は、はい····分かりました。」

 

その日は皆疲れ果てて帰った。

 

 

― 続く ―




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第86話:それぞれの秘密の特訓

今日も練習が終わり帰り支度をしていると侑先輩が一緒に帰ろうと誘って来た。俺は断る理由は無いので承ける事にし、帰宅途中·····

 

侑:「竜太っ♪/////」ギュッ

 

先輩は俺の左腕にギュッと抱きついてくる。嬉しいけど少し痛い。

 

竜太:「あの···先輩、少し痛··「ムスウ」先輩?」

 

侑:「先輩呼びは嫌!! 敬語も嫌!!」

 

竜太:「ええっ!? いや···先パ「ムスッ」···ハァ、分かった。···(ゆう)。「っ! エヘヘヘ/////」」

 

侑先パ「今先輩って」心を読まれた。侑は顔をほんのりと赤らめて抱きつく力を強めてくる。そして侑の柔らかい双丘に俺の左腕はサンドイッチされる。

 

竜太:「········//////」

 

侑:「あれ? あれ愛ちゃんじゃあ····」

 

前方を見ると、愛さんが路地裏に入って行くのが見えた。気になるな····

 

竜太:「追い掛けてみよう」

 

侑:「うん」

 

そして愛さんにバレないように後をつけると、少し大きめの広場の様な場所に出た。路地裏の奥にこんな場所が有ったのか····

すると愛さんは持っていたサッカーボールに一ヶ所絵の具を付着させて反対側の壁に描かれていた的目掛けてボールを蹴る。

 

ドガァアアアッ バァアアン!!!

 

ボールは的の中心に当たった。しかし付着させた絵の具は中心からはズレた位置に付着していた。

 

愛:「やっぱりまだダメかぁ···」

 

侑:(まさか···絵の具の部分を的の中心に当てる気なの?)

 

竜太:(みたいですね。相当難しいですよ····アレ。)

 

そしてしばらく愛さんの練習を見て俺と侑は帰る事にした。

 

― 次の日・早朝 ―

 

俺は部活前に河川敷で1人で自主練をしていた。

 

竜太:「クソッ、もう一度だ!!」

 

俺はエネルギーの塊を纏わせたボールをオーバーヘッドで下に落とす。そして先回りして左足の足払いでボールの回転を強化し風の膜でコーティングしオーラを練り上げる。そしてそのボールを左足で思い切りぶっ放つ!!

 

竜太:「[ラストリゾート]!!!」

 

シュートは大地の欠片を集めてゴール目掛けて飛ぶ。しかし途中でオーラは霧散し力を失ったボールは枠外へと逸れていく。

 

竜太:「クソッ! ダメか····」

 

また失敗だ。内浦での合同合宿後から俺は密かに[ラストリゾート]を練習している。親父にやり方と言うか形は教えてもらったが、自分の力で完成させた方が自信に繋がるからとそれ以上は教えてくれなかった。インハイ決勝までには完成させたいが今のままでは間に合うか分からない。

 

竜太:「そろそろ部活の時間か····」

 

俺はコンビニでスポーツドリンク、おにぎり、チューブタイプのプロテインを買い、喰いながら学校に向かった。

 

 

 

 

剣城:(アイツ····龍也さんの[ラストリゾート]を継承するつもりなのか····)

 

俺は、剣城に見られていた事に気付かなかった。

 

そして練習中、

 

竜太:「侑セ、侑!!」パスッ

 

俺は侑にパスを出し、受け取った侑はドリブルで上がる。

 

侑:「また「先輩」って言おうとしたでしょ!!」

 

侑は文句を言いながらドリブルでかけ上がる。そこにエマと彼方が止めに入る。

 

エマ:「行かせないよ侑ちゃん!!」

 

エマがプレスをかけて彼方が抜かれた際のフォローに入る。だが侑は素早い連続フェイントで二人を抜き去る。しかし、

 

愛:「貰いっ!!」ドガッ

 

愛さんの力強いタックルが侑に直撃。吹っ飛ばされたかと思いきや、何と侑は堪えていた。

 

愛:「えっ!?」

 

侑:「ぐぐっ···相性が悪いからって、負けてたまるか····(す、凄い力··押しきられ「侑!! こっちだ!!」来た!!)お願い!!!」

 

三国:「来い!! 竜太!!」

 

侑からのパスを受け取った俺はシュート体勢に入る。すると辺りが極寒の大地に変わりボールが氷漬けになる。そのボールを、俺は渾身のソバットキックで蹴り飛ばした。

 

竜太:「[ノーザンインパクト・Gx]!!!」

 

ドゴォォオオオオン!!!

 

三国:「[炎の鉄槌・Z]!!!」

 

ドグシャァアアアッ!!!

 

三国先輩が炎のマジンと共にシュートを叩き潰す。しかしパワーが足りずにシュートはゴールに吸い込まれた。

 

円堂:「よし、そこまで!! 全員用具を片付けてミーティングルームに来い。去年の「雷門vs木戸川」戦のビデオを見る。」

 

全員:『『『はい!!』』』

 

 

― 続く ―




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番外編:侑先輩が風邪!?

それはある日の練習中だった。

 

竜太:「そっか····侑先輩カゼひいちゃったんだ」

 

歩夢:「うん····。それでね? 練習終わったらお見舞いに行ってあげてくれないかなぁ?」

 

竜太:「え? 俺で良いんですか? カゼひいてる時に男が行ったら嫌がるんじゃ···「普通ならね。けど侑ちゃんにとっては竜太君なら大丈夫だから。むしろ喜ぶと思うよ?」マジ?」

 

う~ん···気は進まないが行ってみるか。これで文句言われたら歩夢先輩に責任取らせれば良いし。

 

歩夢:「なんか物騒なこと考えてない!?」

 

はい毎度お馴染みの「女子はエスパー」疑惑。本当に何で考えてる事が分かるんだろう····。そして練習終了後、俺は侑先輩の家に向かった。

 

 

 

ピンポーン

 

チャイムを押したが応答が無い。今家の人居ないのかな····?「はーい···」あっ、

 

竜太:「侑先輩? 大海です。「竜太くん!? 何で····」歩夢先輩から行ってあげてくれと言われて「歩夢~!! 私は大丈夫だからうつると悪いし帰って」えっと、先輩今日家の人居ます?」

 

侑:「····居ない。」

 

竜太:「先輩、俺は大丈夫ですから。身体が弱ると心も弱って人恋しくなりますから側に居させて下さい」

 

侑:「·····今日、お父さんもお母さんも帰り遅いらしくて、本当は心細かったの。来てくれてありがとう·····/// 今開けるね」

 

ガチャ

 

ドアのカギが解錠される音がしてドアを開けると侑先輩が一緒に倒れてきた。俺は咄嗟に抱き留める。どうやらドアにもたれ掛かっていたらしい。

 

侑:「·····ゴメン////」ハア ハア

 

うっ、何か色っぽい。ってイカン!! 病人にこんなこと思ったら·····

 

竜太:「侑先輩、とにかく部屋に戻りましょう。歩くのがツラければおんぶしますけど····「お願い···ハァ ハァ」分かりました。」

 

俺は先輩をおんぶし、ドアのカギを閉めると家の中に入る。

 

侑:「ありがとう···////」ギュッ

 

っ!?//// 背中に侑先輩の2つの大きくて柔らかい物があたる。ってダメだダメだ!!鋼の理性を、紳士の心を持たないと!!

 

そして先輩を部屋まで運びベッドに寝かしつける。

 

竜太:「もう昼過ぎですけど何か食べますか?」

 

侑:「出来ればうどんとか食べたいけど作れな··「作れますよ?」えっ、本当に?」

 

竜太:「ええ。一応親父と母さんから家事と自炊は一通り教わってるんで。「そうなんだ···」じゃあパパッと作っちゃいますね。」

 

 

 

 

 

竜太:「出来ました。[かき卵うどん]です。少しでも栄養をと思いまして。「美味しそう···」熱いんでゆっくり食べ「熱っ」ほら言わんこっちゃない····」

 

先輩は今度はしっかりフーフーと冷ましてから食べる。味は大丈夫だと思うけど、

 

侑:「~~ッ♪」

 

スッゴい笑顔。どうやら美味しい様だ。良かった。

 

侑:「グスッ スゴく心に染みる優しい味····「あっ、食べたら薬飲んでくださいね? ここにあるんで。後何かやって欲しい事あります?」じゃあ·····食べて着替え終わったら、寝るまで手握って一緒に居てくれる?「そんなことで良ければ幾らでも」ありがとう····////」

 

そして先輩はうどんを完食し薬を飲むと俺は一旦部屋から出て先輩は着替える。その間に俺は体温計を用意する。

 

竜太:「終わりましたか~?」

 

侑:『終わったよ~』

 

部屋の中から返事が聞こえてきたので中に入る。

 

竜太:「先輩、熱計ってください。「分かった。」」

 

熱を計ると体温は38.7℃かなりの高熱だった。

 

竜太:「隣に居ますから。ゆっくり休んでくださいね」

 

侑:「ありがとう·····////」ハァ ハァ

 

そして先輩は眠りにつき、俺は先輩の寝顔をまじまじと見ていた。

 

竜太:(可愛い···///)

 

すると俺も眠くなり意識を手放した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目が覚めると夕方6時。窓から茜色の光が差し込んでくる。俺は部屋を出てキッチンを借りてお粥を作るとラップをかけて薬と水も一緒にお盆に乗っけて先輩のベッド脇にメモと一緒に置くと、先輩のお母さんが帰って来たので事情を説明して俺は帰った。

 

 

 

 

侑:「う~ん? あれ? 竜太くん? さすがにもう帰ったかな? ガチャ 「侑? 起きた?」お母さん? 早いかったね」

 

侑ママ:「娘があんなツラそうな顔をしてたら心配にもなるわよ。けど、心配いらなかった見たいね?」

 

侑:「もしかしてお母さん竜太くんと「会ったわよ? 少し話したけど良い子だったわよ? あとお昼のうどんとかの洗い物もしてくれたのね。助かっちゃった。」そっか。」

 

侑ママ:「ふふ。侑スッゴく嬉しそうな顔をしてるわよ? 言い換えれば恋する乙女の顔ってやつ? 「っ!?」ふふ、ウチの娘にも春が来たかしらね?」

 

侑:「うるさい!!」

 

― 次の日 ―

 

侑:「治ったーーーー!!!」

 

カゼが治り、スッキリして気分が良い。そして今日は練習休みだと聞いていたので竜太に電話をかける。

 

侑:「あっ、竜太? 昨日はありがとね?」

 

竜太:『元気になったんですね。良かったです。今日はゆっくり休んで下さいね?』

 

侑:「うん!! ありがとっ♪」

 

さて、今日は何しようかな

 

 

― 続く ―




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第87話:竜太の特訓

インターハイ3回戦[木戸川清修]戦を明日に控えた俺たちは、全員で去年のインターハイ決勝戦、[ 雷門 vs 木戸川清修 ]のビデオを観ていた。

 

天馬:「この試合、凄くいい試合だと思ったんだけどなぁ·····」

 

しずく:「どちらも全力で闘ってる様に見えたんですけどね···」

 

海未:「それはそうですよ。だって本気で闘ってますし」

 

海未先生が口を開いた。本気でって、もしかしてこの試合····

 

竜太:「ひょっとしてこの試合指示が出てなかったんですか?」

 

三国:「ああそうだ。その試合は、聖帝選挙の結果が既に決まっていて、勝敗指示は出ていなかったんだ。」

 

せつ菜:「つまり私たちは。本気の実力勝負で負けたんです」

 

1年生は皆驚いた。先輩達よりも実力で勝っていたチームが相手。しかし今年の雷門は実力で勝利し続け地力も去年とは雲泥の差だろう。

しかし木戸川も練習を怠る事はしていない筈なので今の実力は恐らく互角くらいなのではないだろうか。

 

円堂:「よし、じゃあ今日の練習は終了だ。明日に備えて皆ゆっくり休んでくれ」

 

全員:『『『はい!!!』』』

 

竜太:「じゃあお先に。」

 

天馬:「お疲れ様でした。」

 

 

 

 

 

1年生たちが帰った後、先輩たちは····

 

歩夢:「絶対に負けられないね·····」

 

果林:「ええ。去年の二の舞はゴメンよ」

 

神童:「あれから俺たちもレベルアップしました。全力でぶつかればきっと」

 

彼方:「なんか神童くん、天馬くんや竜太みたいになってきたね」

 

神童:「えっ? そうですか?」

 

せつ菜:「今の私たちは、去年からしたら想像出来ませんもんね」

 

エマ:「あの2人が私達を変えてくれたんだよね······」

 

三国:「ああ。今年は絶対に優勝するぞ!!」

 

2・3年:『『オオーー!!!』』

 

 

 

 

 

俺と天馬は河川敷に来ていた。そして俺は朝の練習の続きを始める。

 

竜太:「[ラストリゾート]!! ぜぇあああああっ!!!」

 

ドガァアアアアン

 

ボールがエネルギーの塊に包まれ、龍の形を執った岩に囲まれて飛んで行く。しかし途中でシュートは力を失い、力の無いボールがコロコロ転がりゴールに入った。

 

竜太:「駄目か·····」

 

天馬:「途中まではいい感じだったんだけどね」

 

竜太:「何が足りないんだ····」

 

天馬:「最初のエネルギーが大きすぎるとかじゃないの?」

 

竜太:「いや、親父の高校生の時の映像見たけど、もっとでかいオーラで成功させてた。」

 

何が足りないんだ·····

 

竜太:「天馬、動画撮っててくれたか?」

 

天馬:「うん。スマホで撮ってたよ?」

 

竜太:「帰って見比べてみるか····」

 

そして俺の部屋に行きテレビを2台起動して1つをスマホ、もう1つを親父の映像に接続して見比べる。

 

龍也・竜太:『『[ラストリゾート(・G5)]!!!』』

 

ドガァアアアアン!!!

 

ザシュッ!·····ズバァアアアン!!

 

ん?

 

竜太:「天馬、今の映像、技の開始は同時だったよな?」

 

天馬:「え? うん。そうだけど····」

 

竜太:「なら何で失敗の俺の方がゴールまでの到達が早いんだ?」

 

もう一度見返してみると、

 

天馬:「あれ?「どうした?」いや、足払いでボールのエネルギーを練り上げる時間が龍也さんの方が長い気がして····」

 

え? 俺はもう一度観てみる。すると···

 

竜太:「マジだ···」

 

天馬:「ちょっと時間計ってみようか」

 

天馬と俺はそれぞれのスマホのストップウォッチアプリを起動して時間を計る。すると俺のオーラ練り上げの時間は約1.8秒。親父はおよそ3.5秒。親父の方が倍近く長かった。

 

竜太:「天馬、もう一度河川敷行って良いか? ちょっと試してみたい。」

 

天馬:「良いよ。付き合うよ。」

 

そして河川敷、

 

竜太:「ハァアアアアアッ!!! [ラストリゾート]!!!」

 

ドガァァアアァアアン!!!

 

最初は良い。しかし違うのはここから。足払いで回転を強化し、オーラの練り上げと風の膜のコーティングを時間をかけてじっくりと行う。

 

その結果、

 

ドガアアアアン!! ドガアアアアン!! ドガアアアアン!!

 

シュートは地面を破壊しながら突き進む。しかしここで、

 

ガァァアアアアン!!!

 

シュートは逸れてクロスバーに直撃した。

 

天馬:「今の、凄くいい感じだった····」

 

竜太:「ああ。だけど、オーラが大きくなりすぎて、コントロール出来なくなった。オーラの練り上げのちょうどいい時間を探さないとだな。」

 

天馬:「でも、大きな前進だよね!!」

 

竜太:「ああ。まさかオーラを練り上げる時間が足りなかったとはなぁ·····でも、完成しそうな気がする。」

 

天馬:「うん!! 取り敢えず今は明日に備えて休もう?」

 

竜太:「そうだな。」

 

明日、いよいよ3回戦。vs木戸川清修

 

 

 

― 続く ―




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<エマ・ヴェルデ>誕生日特別編:~ if エマルート ~

俺が高校を卒業して6年が過ぎた。高校卒業後、俺はプロサッカー選手になり、毎日先輩方や仲間に揉まれながら新たな技術を会得するため必死に練習しトライ&エラー時々成功の繰り返し。

毎日大変だがとても充実している。そして、今の俺の隣には·····

 

エマ:「あなた~起きて~」

 

竜太:「ん~····後5分····」ムニャムニャ

 

エマ:「ダメだよ!! 一昨日あなたが言ってくれたんでしょ!! 「明後日俺久々にオフだからデートしよう」って。私凄く楽しみにしてたんだよ?」

 

竜太:「····そうだった!!」ガバッ

 

現在俺とエマは結婚し、日本で暮らしている。高1の時、俺は侑先輩が好きでインターハイ終了後、告白されていたエマと彼方をフッて侑先輩に告白。しかし侑先輩に俺は見事にフラれてしまい、落ち込んでいた俺を励ましてくれたのは、なんと俺がフッてしまった筈のエマだったんだ。

「俺はエマのことをフッたのに、何でここまでしてくれるんだ?」と訊ねると、「フラれはしたけど、自分が好きになった人にそんな顔をしてほしくない」と言われ、その大きな優しさに俺の心は大きく動かされ、そこから少し関係が進展していき、紆余曲折あり一度エマをフッてしまった負い目もあったが、恥を忍んで俺はエマに告白。そこから交際がスタートした。

しかし3月になり、3年生のエマは卒業。スイスへと帰国した。しかしその間も連絡は取っており、エマの声を聞くのが俺の楽しみになっていた。そして2年後、俺も高校を卒業し、スイスのエマの実家へと向かいエマの家族に御挨拶し、エマにプロポーズ。そして結婚し、2年後に娘が産まれて今に至る。

 

そして今は家族3人で毎日幸せに暮らしている。因みにエマが結婚するときに、自分の実家の名前を残したいと言ったため、俺はミドルネームとして名乗ったらどうかと提案。エマもそれに賛同し、今のエマの名前は「大海・V(ヴェルデ)・エマ」となっており、娘は「大海・V・アリス」と言う。

 

そして話を最初に戻すと、今日はエマの誕生日。慌ててリビングに向かう。

 

アリス:「あっ! パパおはよ~!!」ギュ~ッ

 

竜太:「アリスおはよう」

 

愛する娘が俺の足元に駆け寄ってきて笑顔を見せる。この笑顔を守る為なら、俺とエマはなんだってできる。

 

果林:「もう、寝坊助なんだから····」

 

竜太:「あれ? 果林さん何でここに?」

 

果林:「アナタが頼んで来たんでしょ!? 今日エマと二人で出かけるから、アリスちゃんの面倒見てくれって」

 

竜太:「あっ、そうだった」

 

そして現在果林さんは俺の所属するチームの先輩、つまりプロとして活躍している。

 

エマ:「あなた~、早くしないと」

 

竜太:「分かった~。じゃあ果林さん、アリスのこと宜しくお願いしますね?」

 

果林:「任せて」

 

そして俺とエマは電車に乗り上野にやって来た。と言うのも、エマが前から動物園に行きたいと言っていたからだ。

 

エマ:「うわ~ ここが上野動物園か~」

 

竜太:「エマはここ初めて?」

 

エマ:「うん。竜太は?」

 

竜太:「中3の時の修学旅行が東京でその時に一度。」

 

そしてそれから動物たちを見て回りお昼時になり、

 

竜太:「そろそろ何か食べるか?」

 

エマ:「わたしお弁当作って来たから食べよう?」

 

竜太:「へ? いつの間に···「朝なのにいつまでも寝てたのは誰だったっけ?」あっ、寝てる間に作ってたのね····スミマセン········」

 

エマ:クスッ「しょうがないから許してあげるっ♪ 食べよ?」

 

そして二人仲良くお弁当タイム。エマの作ったお弁当はどれも俺の好みの味付けでとても美味しかった。

 

そしてしばらく動物を見た俺たちは動物園を出て、台場地区で屋台を食べ歩きして夕方6時頃家に帰った。

 

アリス:「パパ~! ママ~! お帰り~!!」ギュッ

 

エマ:「ただいまアリス」

 

竜太:「ただいま」

 

果林:「お帰りなさい」

 

竜太:「あっ、果林さんありがとうございました。アリス良い子にしてました?」

 

果林:「終始元気いっぱいだったけど、凄く良い子で手は掛からなかったわ」

 

エマ:「そっか。アリス良い子にしてたんだね。」

 

アリス:「えへへ~♪」

 

そして果林さんは帰って行き、三人で少し遅めの夕食を食べて風呂に入りアリスを寝かしつけて夫婦の寝室へ行く。

 

竜太:「エマ、アリスぐっすり寝たよ。よっぽど疲れてたんだな」

 

エマ:「うん。ねぇ、誕生日プレゼントなんだけどさ?」

 

竜太:「ああ、何が欲しいか決まった?」

 

エマ:「······そろそろ、二人目が欲しいかな?って//////」

 

竜太:「マジか·····良いよ。おいでエマ」

 

そして、俺とエマは身体を重ね合わせた。

 

エマ:「竜太、Ti amo(貴方を愛してます)!!」

 

 

― エマ Happy Birthday ―




エマifルートでした!!

エマちゃん誕生日おめでとう

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第88話:3回戦、木戸川清修戦開始!!

~ 3回戦当日 ~

― 大江戸国際空港 ―

 

?:「イタリアから日本はやっぱり遠いな~。果南と龍也さんの結婚式に呼ばれた以来だっけ····それよりも、弟子の活躍を師匠として見届けなくちゃね」

 

 

 

 

その頃俺たちは今回のロシアンルーレットスタジアムに向かう為、ホーリーライナーステーションにやって来ていた。ここから対戦校の木戸川清修と対面で乗り込みスタジアムに向かう。すると、なんと木戸川の監督は·····

 

円堂:「ア、アフロディ!?」

 

天馬:「監督たちの知ってる人なんですか?」

 

他にも知らない人が何人か居る様だ。皆FFI()()()()()()()の映像は見てないのか?

 

龍也:「FFIアジア予選決勝で闘った韓国代表[ファイアードラゴン]のFWだった奴だよ」

 

神童:「と言うことは選手としても世界レベル!?」

 

龍也:「ああ。間違いなくな」

 

皆が驚いているとアフロディさんはクスッと笑い、俺たちに驚きの話を告げる。

 

アフロディ:「雷門の皆は今までの試合でスタジアムの仕掛けを知らなかったんだよね?」

 

鬼道:「ああ。そうだが····」

 

アフロディ:「実は今回は僕たちも知らないんだ。と言うか教えてくれるって言うのを断った」

 

雷門:『『『『!?』』』』

 

皆だけでなく、円堂さんや親父たちも驚いている。断った? 一体何で····

 

円堂:「な、何で····」

 

アフロディ:「まだ僕たちが中学生だったとき、僕は言った筈だよ?「これからは正々堂々闘う」と。君たちが知らないのに僕たちが知ってたらフェアじゃないからね。僕が世宇子(ゼウス)中だったとき、円堂君たちが僕たちを負かして教えてくれた事だよ。」

 

円堂:「!! アフロディ····!!」

 

円堂さん嬉しそうだな。当然か。昔悪者だったけど自分たちと闘って改心した人が何年経ってもその事を覚えてくれていたんだから。

まぁそんな間に、ホーリーライナーは「水の道駅」に到着した。

 

実況:「お待たせしました!! インターハイ3回戦、[雷門 vs 木戸川清修]はここ、<ウォーターワールドスタジアム>からお届けします!!」

 

エマ:「なにこれ? イカダのフィールド?」

 

彼方:「でも、それ以外は普通ってかんじがするよ?」

 

竜太:「でも、それはあり得ないでしょうね」

 

円堂:「よし、先発メンバーを発表するぞ!!

 

FW 剣城 大海 朝香

MF 宮下 松風 高咲 上原

DF 西園 近江 ヴェルデ

GK 三国  で行く!!」

 

雷門:『『『はい!!!』』』

 

神童:「白恋戦で俺と三船はケガしたからな。頼んだぞ」

 

円堂:「今日は臨時でキャプテンマークは三国に付けて貰う」

 

三国:「俺ですか? 分かりました」

 

審判:「それでは、選手整列してください!」

 

フォーメーション

 

木戸川清修

 

GK       硬山

 

DF 湖沼  石川  大磯川 山裂

 

ボランチ      清水

 

MF    跳沢    和泉

 

FW   河宮  貴志部 滝(総)

 

雷門

 

FW   剣城  大海  朝香

 

MF 宮下  松風  高咲  上原

 

DF   西園  近江  ヴェルデ

 

GK       三国

 

そして、選手全員が位置に着く

 

ピィイイイーーーッ!!!

 

試合開始のホイッスルが鳴り、雷門ボールで試合開始。ボールは侑に渡り、ドリブルで攻め上がる。

 

貴志部:「行かせるか!!」

 

木戸川のキャプテン「貴志部(きしべ)」がディフェンスに入る。侑は左右に鋭い高速フェイントを連続でかけるが全て着いていく。

 

侑:(やるね····なら、《天帝の眼(エンペラーアイ)》!!)キィイイイン

 

発動された侑の《眼》が相手の動きの未来を見透す。貴志部の右足に体重が乗った瞬間逆方向にクイックで切り返し、<アンクルブレイク>を起こさせる。

 

ガクッ!!

 

貴志部:(っ!?)

 

貴志部を抜いた侑が更に中へと侵入。すると跳沢、和泉、清水の三人がトリプルチームで止めにかかる。

 

侑:「果林さん!!」

 

敵を引き付けて間を通して果林にパスをだす侑。

 

パスは繋がり果林がシュート体勢に入ろうとする。すると、

 

ウゥゥウウゥゥウウウウウ!!!

 

謎のサイレンが鳴り「何だ?」と皆が動きを止める。すると果林の足元を含む横一列のフィールドが一斉に水没する。

 

円堂・アフロディ:「「何っ!?」」

 

実況:「おおーーーっと!!これがこの<ウォーターワールドスタジアム>のギミック、[ピッチダウン]だーーー!!!」

 

円堂:「安心したよ。どうやら木戸川も知らないって言うのは本当みたいだな·····」

 

みると、木戸川のDFである石川と湖沼も、ピッチダウンに巻き込まれていた。

 

 

― 続く ―




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第89話:激闘!!!木戸川清修

ランダムで特定の箇所が沈み、水没するギミック[ピッチダウン]に阻まれシュートを撃てなかった果林。

このスタジアムではボールがピッチダウンに巻き込まれた場合、相手チームのキックから試合再開らしい。そして、選手が巻き込まれてもボールは巻き込まれなかった場合はそのままスルーして続行らしい。

よって木戸川のキックから試合再開。

 

山裂:「和泉!!」

 

ボールはMFの和泉に飛ぶ。しかし、

 

滝:「どけッ!!」

 

なんとFWの「(たき) 総介(そうすけ)」が見方のボールを無理矢理奪い取りそのままドリブルで上がる。

 

貴志部:「総介!! チームで連携しろ!!」

 

滝(以下:総介):「うるさい!! こんな奴ら俺一人で十分だ!! 俺に全部寄越せ!!」

 

そのまま滝は強行突破を謀る。しかし侑と歩夢先輩の二人が立ち塞がる。

 

侑・歩夢:「「[真・ダブルサイクロン]!!!」」

 

幼なじみ同士ピッタリと息の合った連携技でボールを奪った二人。しかしここでまたしても先程のサイレンが鳴る。

 

侑:「ヤバッ!? 竜太!!」

 

自分の所が沈むのではないかと直感的に感じたのか、侑は俺に急いでパスを出し、ボールを避難させる。すると案の定侑と歩夢先輩の足元含む横の列が一気に水没。

侑と歩夢先輩、そして木戸川の清水と河宮が巻き込まれた。しかしボールは無事なのでそのまま続行。ボールを受け取っていた俺はドリブルで攻め上がる。するとDFの石川と大磯川が二人がかりで止めに来る。

 

石川・大磯川:「「[ビッグシザース]!!!」」

 

二人が左右からハサミの様に鋭いスライディングを仕掛けて来る。しかし俺はジャンプで躱してそのままシュート体勢に入る。

 

空中でボールを両足で挟んで身体ごとボールを捻りスピンをかけて空気摩擦で着火。その勢いのままボールに渾身のソバットキックを放つ。

 

竜太:「[絶・デスファイア]!!!」

 

シュートは超高温の炎を纏いゴールまで一直線。しかし木戸川GK硬山は化身を発動する。

 

硬山:「【重機兵バロン】!!」

 

硬山が地区予選で戦った「万能坂」のGK篠山の化身と色違いの金色の機械の化身を発動。技を放つ。

 

硬山:「[― ガーディアンシールド ―]!!!」

 

ドガガガガガガ!!!!!

 

シュートは【バロン】の盾に激突。しかしシュートは弾かれてそのままボールは跳沢に飛ぶ。

 

果林:「そんな!! あの技は「万能坂」のキーパーの化身と同じ技でしょ!? だったら破れるハズよ!!!」

 

硬山:「なに、地力の差だ。」

 

ボールを受け取った跳沢は河宮にパスを出す。しかし、

 

愛:「させるか!!!」

 

愛さんがパスをインターセプト。そのままドリブルでかけ上がると湖沼がディフェンスに入る。

 

湖沼:「[クイックドロウ・改]!!!」

 

湖沼が一瞬で愛さんに肉薄。ボールに足を伸ばす。

 

愛:「甘いよ!!」クルッ タンッ!!

 

愛さんはボールごとバク宙し湖沼を躱す。そしてゴール左隅にシュートを放つ。

 

硬山:「そんなもの!![カウンタードライブ]!!!」

 

硬山がシュートに強烈なアッパーカットを加えてボールに凄まじいバックスピンをかける。

そしてボールは地面に落ちる。しかしシュートの勢いでゴールに向かうが、加えられたスピンのせいで勢いはどんどん弱まっていく。そしてボールはゴールに入る直前で止まった。

 

愛:「くっ、止められた!!」

 

 

?:『・・・・・・・・・』

 

 

硬山:「そんなシュートで破れると思ったか? 総介!!」

 

ゴールキックからボールは滝に渡る。すると滝は化身を発動する。

 

総介:「来い!! 【鉄騎兵ナイトw】!!!」

 

まるでチェスの「ナイト」の駒の様な馬の頭を持った騎兵の化身が姿を表す。そして化身は発動者である滝のドリブルと共に猛進。そこにエマがディフェンスに入る。

 

エマ:「止める!! [ボルケイノカット・V2]!!!」

 

総介:「邪魔だ!!」

 

しかし滝はエマのディフェンスを強行突破。エマは勢いに圧されて吹き飛ばされる。

 

歩夢:「エマさん!!!」

 

エマ:「だ、大丈夫!!」

 

そしてエマを突破した滝はシュート体勢に入る。

【ナイト】の右腕の砲身から滝とシュートと共に光線と化したシュートが撃ち出される。彼方がシュートブロックに入るが、

 

彼方:「[ダークトルネード・改]!!!」

 

ドガァァアアアアッ!!!

 

彼方がシュートの必殺技でブロックする。少し堪えるがやはり吹き飛ばされる。しかし威力は確かに弱まった。

 

三国:「止める!!! [炎の鉄槌・Z]!!!」

 

ドグシャァアアアアアッ!!!!

 

三国先輩が炎のマジンを呼び出し、燃える右拳でシュートを思い切り叩き潰す。しかし威力を完全に殺しきるには程遠く、シュートはゴールに突き刺さった。

 

 

 

雷門 0 - 1 木戸川清修

 

 

― 続く ―




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第90話:白熱の3回戦

木戸川のFW、滝の化身シュートが決まり1 - 0の木戸川リードで試合再開。

審判のホイッスルと共にボールを侑に戻す。そこに滝が突っ込んで来る。

 

総介:「ボールをよこせええええっ!!!」

 

侑:「・・・・・・・・」クルッ

 

侑はヒラリとターンであっさりと躱しドリブルで攻め上がる。

 

侑:「そんな単調なディフェンスじゃあ私は止められないよ!! 愛ちゃん!!」

 

右サイドの侑から逆サイドの愛さんへ大きなサイドチェンジのパスが飛ぶ。それにDFの湖沼が反応してトラップの瞬間を狙う。しかし愛さんは来たボールをダイレクトで前線の剣城へ縦のパスを繋ぐ。

 

剣城:「ナイスパス!! 来い!!【剣聖ランスロット・参式】!!!」

 

剣城が自身の騎士の化身を発動。シュート体勢に入る。

 

剣城:「[― ロストエンジェル ―]!!!」

 

ドガァァアアァァアアアアンッ!!!!

 

剣城のシュートと共に【ランスロット】が剣を突き出す。黒光りする鋭い刺突のシュートが木戸川ゴールを強襲。

しかしDFの石川がシュートブロックに入る。

 

石川:「[スピニングカット]!!!」

 

ガガァアアアアッ!!!

 

石川の蹴りのフルスイングから放たれた衝撃波が壁となり[ロストエンジェル]の行く手を阻む。ブロックは難なく破れたが僅かにパワーが下がり、

 

硬山:「【重機兵バロン】!! [― ガーディアンシールド ―]!!!」

 

ガガァアアアアッ!!!

 

硬山も化身を発動して技を放つ。[ロストエンジェル]と[ガーディアンシールド]が激突。先程のブロックで威力が下がっていた剣城のシュートは弾き返されボールは清水へ。

 

天馬:「行かせない!!」

 

清水:「押し通る!! [イリュージョンボール]!!!」

 

ボールが3つに分身して天馬を惑わす。天馬が戸惑っている隙に清水は突破して貴志部にパスを出す。

 

貴志部:「よし···「ウゥゥウゥウウ!!!」っ!!」

 

またしてもサイレンが鳴り[ピッチダウン]が起こる。[ピッチダウン]は木戸川のFW勢や歩夢先輩、エマを巻き込む。

ボールをが巻き込まれたため雷門のキックから試合再開。

 

彼方:「天馬くん!!」

 

彼方からのパスが天馬に飛ぶ。受け取った天馬がそのままドリブルで上がるとそこに貴志部と河宮がディフェンスに入る。

 

貴志部・河宮:「「[ビッグシザース]!!!」」

 

ズギャァアアアン!!!

 

二人が左右から挟み込む様な鋭利なスライディングを放ち天馬を吹き飛ばしてボールを奪う。そして貴志部がドリブルで上がろうとすると、

 

総介:「寄越せ!!」

 

味方にタックルしてボールを奪う滝。チームプレーの欠片も無いな····。

 

総介:「雷門なんか全員俺の化身で吹き飛ばしてやる!! 来い!!【鉄騎兵ナイトw】!!!」

 

化身を発動した滝がシュート体勢に入る。滝のシュートと共にナイトの右腕の砲身から光線と化したシュートが放たれる。

 

総介:「[― ギャロップバスター ―]!!!」

 

ドガァァアアァァアアアアン!!!

 

シュートはゴール目掛けて一直線。そこにエマと彼方がブロックに入る。

 

エマ:「[ボルケイノカット・V2]!!!」

 

ガガァアアアアッ!!!

 

エマの蹴りのフルスイングから放たれた炎が壁となりシュートをブロック。技は破られるが僅かに威力は弱まる。

 

彼方:「[ダークトルネード・改]!!!」

 

ドガァァアアアアッ!!!

 

今度は彼方がシュートの必殺技でブロックに入る。多少は堪えたが蹴り返す事は出来ずに吹き飛ばされる。しかし確かに威力は弱まった。

 

三国:「[炎の鉄槌・Z]!!!」

 

ドグシャァアアアアアッ!!!

 

三国先輩が炎のマジンと共にシュートを思い切り叩き潰す。しかし、二度のシュートブロックと言う援護を受けてもシュートの方がパワーで勝り三国先輩ははね飛ばされる。ボールはゆっくりゴールに吸い込まれ·····

 

信介:「させるかぁっ!!」

 

ドガッ!!!

 

全員:『『!?!?』』

 

信介がゴールに入りそうだったボールをヘディングでクリアする。ボールはサイドラインを割って外へ。

 

信介ナイス!! 何とか失点の危機は防いだな。

 

 

― 続く ―




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第91話:ハーフタイム。そして龍也、旧友との再会

木戸川清修、清水のスローインから試合再開。ボールは和泉に飛ぶがエマが身体を張ってブロック。

フィジカルとパワーを使い背中で相手を外側に閉め出してボールに触らせないエマ。しっかし男の力と女の子のエマでエマからボールを奪えないって凄いな····。

そこに大外から歩夢先輩が走る。

 

エマ:「(来た!!) 歩夢ちゃん!!!」

 

パスを受け取りそのままドリブルで攻め上がる歩夢先輩。そこに山裂、大磯川、清水が3人がかりで止めに入る。

 

山裂・大磯川・清水:「「「[ハリケーンアロー]!!!」」」

 

3人が歩夢先輩の周囲をぐるぐると回る。すると風圧で竜巻が発生。歩夢先輩は身動きが取れなくなり、そこに矢の様な鋭い山連続の蹴りが襲いかかりボールを奪われる。

 

山裂:「和泉!!」

 

ボールは和泉に飛ぶがここで前半終了のホイッスルが鳴り、両チームベンチに戻る。

 

円堂:「やっぱり強いな木戸川は·····」

 

ザッ、ザッ、ザッ、ザッ

 

水鳥:「誰?」

 

円堂:「ん?」

 

見ると女性用のスーツと帽子を被った長い銀髪の女性が入って来ていた。

 

?:「愛? 「えっ? ···し、師匠!?」」

 

神童:「師匠?」

 

海未:「あの!! ここは関係者以外立ち入り禁止何ですが·····」

 

?:「ああゴメンなさい。用が済んだら直ぐに出ていくから。って言うかやっぱり分からない? 海未」

 

海未:「え?」

 

そう言って女性は深く被っていた帽子を取った。

 

龍也:「システィ!!」

 

円堂・鬼道:「「フィーベル!?!?」」

 

海未:「システィーナさん!!?」

 

? 親父たちの知り合いなのか?

 

龍也:「何でシスティが日本に?」

 

システィ:「弟子が頑張ってるのを見届けに来たの。愛?」

 

愛:「はっ、はい!!」

 

システィ:「龍也さん、ボールを1つ貸して」

 

龍也:「おう。ほら」

 

するとシスティーナさんはボールに一ヶ所インクを付着させるとフィールド外の水面から顔を出して立っている木の棒を指して、

 

システィ:「あそこに向かって蹴ってみなさい。」

 

愛:「はい!! フッ!!」

 

ドガァァアアアアッ!! バチィイイイン!!

 

ボールはシスティーナさんが指した木の棒に直撃し、インクは木の目の丸い窪みの部分にピタリと重なり付着していた。

 

愛:「や、やった!!」

 

システィ:「ちゃんと言った通りの練習はしてたみたいね。今の貴女なら大丈夫!! 後は仲間を信じて思いっきりやって来なさい!!」

 

愛:「は、はい!!」

 

すると今更ながら天馬が口を開き、

 

天馬:「あ、あの····この人誰何ですか? 監督たちの知り合いみたいですけど····」

 

円堂:「俺たちがFFI世界大会で戦ったイタリア代表[オルフェウス]のDFだった「システィーナ・フィーベル」···今は結婚して「システィーナ・アルデナ」だったか?」

 

龍也:「そう言えばシスティはフィディオと結婚したんだったな。それにしてもまさか宮下の師匠だとは思わなかったが。」

 

システィ:「はい!! 龍也さん、お久しぶりです」

 

龍也:「久しぶり!! この試合果南も見に来てるらしいから後で久しぶりに話さないか?」

 

システィ:「実は今日フィディオも一緒に来てるんです。さっき果南と合流したってLINEが来ました。」

 

円堂・鬼道・海未・雷門:「「「「フィディオ(さん)が来てる!?」」」」

 

おいおい、フィディオさんって言ったら親父や円堂さんたちと同格とされる伝説のプレイヤーの1人じゃないか····会いてぇ!!

 

彼方:「あの~、大海コーチとシスティーナさん随分仲が良いみたいですけど····」

 

海未:「ああ、果南とシスティーナさんは当時龍也の恋人の座を奪い合った恋のライバルなんです。もし何かが違ったら、龍也と結婚していたのはシスティーナさんだったかもしれなかったですね。」

 

雷門:『『『!?』』』

 

全員に動揺が走る。俺も物凄い複雑な気持ちなんだけど。そう言えば母さん前にイタリアには友達でありライバルが居るって言ってたけどこの人の事だったのか。

 

審判:「後半戦始めます!!」

 

円堂:「よし!! 行ってこい!!」

 

雷門:「はい!!」

 

龍也:「システィはここで見てて良いぞ。宮下を見るのに特等席だろ?」

 

システィ:「ありがとうございます。愛! しっかりね? 竜太くんも」

 

竜太:「あっ、はい·····」

 

システィ:(果南と龍也さんの血を受け継ぐあなたの力、見せてもらうわ)

 

いよいよ後半戦が始まる。

 

 

― 続く ―




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第92話:宮下 愛、真の力

木戸川ボールで後半戦開始。ボールが清水に渡るとそのままドリブルで攻め上がる。

 

清水:「跳沢!!」

 

ボールは跳沢に飛ぶがトラップの瞬間を狙い愛さんがカットする。そのままドリブルで持ち込む愛さんに石川がディフェンスに入る。

 

石川:「行かせるか!!」

 

愛:「リュウ!!」パスッ

 

竜太:「愛さん!!」パスッ

 

俺と愛さんのキレイなワンツーパスで石川を抜き去り愛さんはさらにゴール前まで侵入すると背後に化身オーラが発生。人のような姿を形作る。

 

愛:「師匠と出会って学んだ事全部出しきる!! 来て!!【楽しいの天才サイコウ】!!」

 

中から現れたのは、黄金色のアーマーを纏ったゲームキャラの様なコミカルな顔をした化身だった。

何とも言えないネーミングセンスの化身、【サイコウ】を発動。そしてシュート体勢に入る。

愛さんがボールを上に蹴り上げると【サイコウ】の周りにあらゆるスポーツ、ゲーム、音楽等と言った娯楽、はたまたエンターテイメントの用具が出現。無数に出現したそれらが光に変わりボールに集まってくる。それを愛さんが【サイコウ】の一撃と共に渾身のボレーシュート。

 

愛:「[― サイコーハート ―]!!!」

 

ドガァアアァァアアアアンッ!!!

 

愛さんの化身シュートはオレンジ色のエネルギーを纏いゴール目掛けて一直線。硬山も化身を発動して迎撃体勢に入る。

 

硬山:「そんな技!! [― ガーディアンシールド ―]!!!」

 

ドガァァアアアアッ!!

 

[サイコーハート]と[ガーディアンシールド]が激突。しかし硬山はシュートのパワーに徐々に圧されていき、

 

硬山:「くっ!! 何なんだこのパワーは!?」

 

愛:「決まれぇぇええええええっ!!!!!」

 

ドガァァアアアアンッ!!!

 

シュートは【バロン】の盾を打ち砕き、ゴールネットに吸い込まれた。

 

実況:「ゴォォオォオオオル!! 雷門同点に追い付いたーーーーー!!!!」

 

円堂:「よし!!」

 

璃奈:「愛さん、化身を宿してたんだ·····」

 

システィ:「愛はね、元々化身を出せる力はあったの。けど、イタリアに留学してきた時の愛は自分への自信を失いかけてた。そのせいで、自身の持つ化身に気付かないままにその力に蓋をしてしまっていた。だから愛の実力なら難しすぎず、かといって普通でもなく、練習を積めば達成出来るあの練習を教えたの。失いかけた自信を取り戻せれば、何だって良かったから」

 

龍也:「そうだったのか·····サンキュ。システィ」

 

システィ:「役に立てたなら良かったです。」

 

 

 

そしてフィールドでは、

 

総介:「何やってんだお前ら!! 俺が折角決めてやったのに台無しにしやがって!! 全部俺に寄越せって言っただろ!!!」

 

貴志部:「総介!! いい加減にしろ!!「うるせぇ!!!」」

 

― 木戸川ベンチ ―

 

滝弟(以下:快彦):「監督!! 兄さんを交代してください! このままじゃあ試合が滅茶苦茶になっちゃいます!!!」

 

アフロディ:「いや、総介は代えないよ。代わりに快彦、河宮と交代だ。」

 

快彦:「僕が!?」

 

 

 

 

ピピッ!

 

ここで木戸川は選手交代の様だ。FWの河宮に代わり「滝 快彦(よしひこ)」が入る。

 

総介:「なんでお前が入るんだ!! 役立たずのお前が!!「総介!!」」

 

貴志部:「快彦、監督からの指示は?」

 

快彦:「はい、「その時その場面で一番シュートを撃たせるべきだと思うヤツにボールを預けろ」と言ってました」

 

総介:「なんだそりゃ? 意味分かんねぇ」

 

貴志部:「分かった。よし、行くぞ!!」

 

木戸川ボールで試合再開。パスを回してボールは前線の貴志部へ。

 

貴志部:「(この位置、相手のマーク····ボールを預けるのは、)快彦!!」

 

総介:「っ!? おい貴志部!! 何で俺じゃないんだ!!」

 

貴志部:「総介はマークが3人ついてただろ? 快彦は1人だったからな。」

 

滝弟はボールを受け取るとシュート体勢に入る。[ファイアトルネード]とは逆回転の跳躍で青い炎を纏いゴール目掛けてボールに回転踵落としを叩き込む。

 

快彦:「[バックトルネード]!!!」

 

ドガァァアアアアッ!!!

 

シュートは雷門ゴール目掛けて急降下。三国先輩も必殺技で応戦する。

 

三国:「[炎の鉄槌・Z]!!!!」

 

ドグシャァァアアァァアアアッ!!!

 

三国先輩は、[バックトルネード]を完璧に防いで見せた。

 

 

 

― 続く ―




因みに愛ちゃんの化身、【楽しいの天才サイコウ】のモデルは仮面ライダーエグゼイドのハイパームテキです。

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第93話:逆襲の雷門

遅くなりまして申し訳ありません。

始まります。


三国先輩が滝弟の[バックトルネード]を完璧に防ぎ、雷門のゴールキックから試合再開。ボールは天馬に飛び、そこに貴志部がディフェンスに入り化身を発動する。

 

貴志部:「行かせない!!【獣王レオン】!!!」

 

貴志部が荒々しい獅子の化身を発動。天馬を迎え撃つ。しかし天馬も負けじと化身で応戦する。

 

天馬:「負けるもんか!!【魔神ペガサス・参式】!!!」

 

ペガサス:『オォォオオォォオオオオッ!!!』

 

雄叫びと共に、深紅の翼を持った魔神の化身が降臨。【レオン】と対峙する。

 

天馬:「[― ペガサスブレイク ―]!!!!」

 

ドガアァァアアァァアアアアンッ

 

ペガサスが(そら)からイナズマを落とし、貴志部を【レオン】諸とも感電させて吹き飛ばす。すると左サイドから愛さんがかけ上がり天馬を呼びボールを要求。天馬は愛さんにパスを出し、ボールは愛さんに。

 

愛:「来てっ!!【楽しいの天才サイコウ】!!!」

 

愛さんは化身を発動するとそのまま木戸川の中盤ラインを力付くで強行突破。そしてシュート体勢に入る。

【サイコウ】の周りにあらゆる娯楽・エンターテイメントの用具が出現。それが光の粒子に変わりボールに集まる。そして【サイコウ】の一撃と共に愛さん渾身のボレーシュートが炸裂する。

 

愛:「[― サイコーハート ―]!!!」

 

ドガァァアアァァアアアンッ!!!

 

シュートはゴール目掛けて一直線。そこにDFの石川がシュートブロックに入る。

 

石川:「[スピニングカット]!!!」

 

 

ガカァアアァアアアッ!!

 

石川の蹴りのフルスイングから放たれた衝撃波が壁となりシュートをブロック。しかし愛さんのシュートはブロックを貫通し尚も進む。しかし今ので少し威力を奪われた。

 

硬山:「ナイスだ石川!! 来い!!【重機兵バロン】!!!」

 

硬山が化身を発動し、化身技を放つ。

 

硬山:「[― ガーディアンシールド ―]!!!」

 

ガガァアアァアアアッ!!!!!

 

再び[― サイコーハート ―]と[― ガーディアンシールド ―]が激突。しかしブロックが有ったにもかかわらず[― サイコーハート ―]の方が圧している。

 

硬山:「ぐっ、ぐうぉおおぉぉおおおおっ!!!」

 

愛:「行けぇえええええええええっ!!!」

 

シュートと共に【サイコウ】が【バロン】を殴り飛ばし、シュートはゴールに突き刺さった。

 

愛:「よしっ!!!」

 

総介:「馬鹿な······こんなやつらに逆転されただと?」

 

快彦:「兄さんまだ分からないの? 雷門は強い。チーム全員の力を併せなきゃ勝てないって「うるせえっ!!」兄さん!!」

 

木戸川ボールで試合再開。

 

ボールは和泉に飛ぶが滝兄がカット。無理矢理自分のボールにする。

 

貴志部・快彦:「「総介(兄さん)!!!!」」

 

総介:「うるせぇ····うるせぇ、うるせぇっ!! こんなやつらに負ける筈が無いんだ!! 来い!!【鉄騎兵ナイトw】!!!」

 

滝兄の背から化身が発生。そのままドリブルで攻め上がる。

 

竜太:「侑!! 歩夢先輩!!!」

 

侑・歩夢:「「OK!!!」」

 

俺、侑、歩夢先輩の三人が三角形に囲う様に滝兄を包囲する。そして三人同時に片足をフルスイングし突風を巻き起こす。3つの突風(サイクロン)は1つになり、とてつもない暴風が滝兄を包む。

 

竜太・侑・歩夢:「「「[トリプルサイクロン・改]!!!」」」

 

そして暴風は滝兄を巻き上げて吹き飛ばし、落下の衝撃で【ナイト】は消滅する。

 

総介:「く、くそっ······」

 

そしてボールを奪った俺は自陣のほぼゴール前のラインからロングシュートを放つ。この技久し振りな気がする。

 

竜太:「[爆・エクスカリバー]!!!!!」

 

ギシャァァアアアアアン!!! ズドドドドドドドドドド!!!!

 

巨大な斬撃がゴール目掛けて一直線。木戸川は全員で止めに入るが、斬撃の余波だけで近づくことすら出来ずに弾き飛ばされていく。

 

硬山:「くっ!!【重機兵バロン】!! [― ガーディアンシールド ―]!!!」

 

ドガァァアアアアッ

 

シュートが【バロン】の盾に激突。しかし[エクスカリバー]はシュートレンジが長ければ長いほど飛んでいく間にどんどんパワーが上がっていくシュート。そんなシュートを自陣ゴール前から撃てば·····

 

硬山:「そんなっ!? 化身技でもないのに、何なんだこの異常なパワーは···ぐっ、うぁああああああっ!!!!」

 

シュートは、木戸川ゴールに突き刺さった。

 

 

雷門 3 - 1 木戸川

 

 

― 続く ―




[エクスカリバー]久しぶりに使った気がするわ·····

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第94話:決着!!3回戦!!

俺の[エクスカリバー]が決まり3-1と雷門追加点。雷門が完全に勢い付く。

 

 

 

システィ:「今の技は[エクスカリバー]·····と言うことは、」

 

龍也:「ああ。アイツも、双子の妹も、俺の《完全無欠の模倣(パーフェクトコピー)》と果南の《属性付与(エンチャント)》を両方とも受け継いでる」

 

システィ:「ハァ····、凄いですね」

 

 

 

総介:「嘘だ···、3-1だと?」

 

アフロディ:「総介!!!「っ! 監督····」君はこの試合、勝ちたくないのかい? 雷門に負けてやるつもりなのかい?」

 

総介:「そんな訳!!「だったら、どうするべきか分かるだろう?」っ!!」

 

 

 

木戸川ボールで試合再開。ボールは滝兄に渡り、そのままドリブルで上がる。

 

総介:「・・・・・・・・」

 

 

 

アフロディ:『勝ちたくないのかい?』

 

 

 

 

竜太:「侑!! 歩夢先輩!!」

 

侑・歩夢:「「OK!!!」」

 

総介:(俺だって······)

 

竜太・侑・歩夢:「「「[トリプル·····

 

総介:「(俺だって····)“勝ちたいに決まってんだろ!!!”」パスッ

 

竜太:「何っ!?」

 

さっきまでチームプレーの欠片も無かったコイツがパス!?

ボールは貴志部に渡る。

 

彼方:「っ!! 行かせないよ~!!」

 

貴志部:「来い!!【獣王レオン】!!!」

 

貴志部は化身を発動し、ドリブルの化身技を放つ。

 

貴志部:「[― スクラッチレイド ―]!!!」

 

ズギャァアアアアン!!!!

 

【レオン】の爪の一振りから放たれる衝撃波がディフェンスに入った彼方を吹き飛ばし、貴志部は尚も攻め上がる。しかしそこにすかさずエマがフォローに行く。

 

貴志部:「(スペースが空いた!)総介!!!」

 

貴志部からのパスが滝兄に繋がる。完全にフリーだ。

 

総介:「来いっ!!【鉄騎兵ナイトw】!!」

 

滝兄がシュート体勢に入る。【ナイト】の砲身から光線と化したシュートが打ち出される。

 

総介:「[― ギャロップバスター ―]!!!!」

 

ドガァアアァァアアアン!!!

 

三国:「くっ!! [炎の鉄槌・Z]!!!!」

 

ドグシャァアアアアッ!!!

 

三国先輩が炎のマジンを呼び出し、燃える右拳で思い切りシュートを叩き潰す。しかしあっさりと弾き飛ばされシュートはゴールに突き刺さった。

 

実況:「ゴォォオオォォオオォオオル!!!! 木戸川必死に追い縋る!!!」

 

 

3 - 2、雷門ボールで試合再開。ボールは天馬に渡りそのままドリブルで攻め上がる。するとサイレンが鳴り、天馬のいる場所を含めた縦の列が一斉に水没。巻き込まれたのは木戸川の石川、跳沢。そして雷門の俺、天馬、信介だ。うぅ、ビショ濡れだ····

 

ボールが巻き込まれた為木戸川キックで試合再開。ボールは跳沢渡り、天馬と愛さんが二人がかりで止めにはいる。

 

天馬がスライディングでボールを上に跳ね上げて上に跳んでいた愛さんがカットする。

 

愛・天馬:「「[ブロックサーカス]!!!」」

 

ボールを取った愛さんは俺にパスを出す。

 

清水:「させるか!!!」

 

俺に飛んだボールをジャンプした清水が空中でカット。そのままドリブルで攻め上がる。

 

 

残り時間は後僅だ···

 

 

 

清水:「総介!!!」

 

ボールは滝兄に飛び、滝兄は化身を発動。シュート体勢に入る。

 

総介:「[― ギャロップバスター ―]!!!」

 

ドガァアアァァアアアン!!!

 

滝兄渾身の化身シュートがゴールに迫る中、エマが立ち塞がる。

 

エマ:「少しでも多くパワーを奪う!! [爆・守護騎士の盾]!!!」

 

ドガァアアァァアアアッ!!!

 

進化してより強度を増した鋼の盾を呼び出したエマ。それを思い切りシュートにぶつける。しかし、エマも必死に堪えるが徐々にパワーに圧されていく。

 

ドガァアアァアアッ!!

 

ついに撥ね飛ばされたエマ。しかし気合いと根性で3割程のパワーを奪うことに成功した。そして尚も進むシュートに今度は彼方がブロックに入る。

 

彼方:「行くよ~!!! [真・ダークトルネード]!!!」

 

ドガァアアァァアアアッ!!!

 

シュート技をぶつけてブロックする彼方。しかしやはり弾き飛ばされてしまう·····が、先程のエマのブロックと合わせて6割程のパワーを奪った。

 

三国:「絶対に止めてやる!!! [炎の鉄槌・Z]!!!!」

 

ドグシャァアアアアッ!!!!

 

三国先輩は炎のマジンを呼び出し、共に燃える炎の右拳でシュートを叩き潰す。シュートは黒焦げになり、地面にめり込んで停止した。

 

ピッ、ピッ、ピィイイイーーーーッ!!!!

 

実況:「ここで試合終了のホイッスル!!3-2で、勝ったのは雷門!! 準々決勝進出だーーーー!!!」

 

総介:「負けた······」

 

アフロディ:「顔を上げろ!!! 確かに試合には負けた。けどこの試合、君たちには確かに得るものがあった筈だ。雷門には、冬の選手権でリベンジしよう!!」

 

木戸川:『『『はい!!!!』』』

 

 

 

愛:「師匠!! 勝ちました!!」

 

システィ:「うん。よくやったわね!! その力を、これからチームのために役立ててね?」

 

愛:「はい!!!」

 

?:「お~い!! マモル~! リュウヤ~! キドウ~! ウミ~!」

 

果南:「龍也~!!」

 

龍也・円堂・鬼道・海未:「「「「フィディオ(さん)!!!····と果南(松浦)」」」」

 

 

― 続く ―




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第95話:木戸川戦後

システィ:「果南!!」

 

果南:「システィ!!」

 

ハグッ!!

 

母さんとシスティーナさんが久々の再開を喜んでいると、母さんの隣から外国人の男性が親父たちに声をかけた。

 

フィディオ:「マモル、リュウヤ、キドウ、ウミ、久しぶり。」

 

龍也:「おう。久しぶりだなフィディオ!!」

 

円堂:「俺たちの引退前の最後のW杯(ワールドカップ)で闘って以来か?」

 

親父たちもフィディオさんとの再開を喜んでいる。この人が<イタリアの白い流星>、フィディオ・アルデナさん。メッチャイケメンなんだけど·····

 

竜太:「あの!! フィディオさん!!」

 

俺は意を決してフィディオさんに話しかける。するとフィディオさんはクスッと笑って「そんなに畏まらなくていいよ」と普通に対応してくれた。

 

フィディオ:「竜太くん、試合観てたよ。[エクスカリバー]が使えるなんて凄いじゃないか」

 

フィディオさんに褒められた!! ただその後に「エドガーが知ったらどう思うかな····」と遠い目をしていたのを忘れない。

 

するとフィディオさんは剣城、天馬、愛さん、侑、信介、エマ。そして試合に出ていなかったメンバーから神童キャプテンと栞子、璃奈を手招きしてメモ帳の切れ端を渡してきた。

 

鬼道:「それは?」

 

フィディオ:「今皆を見て、竜太を覗いたこのメンバーはすごい秘めた才能を感じたんだ。けど、まだそれが完全には発揮されて無いから個人の練習メニューを考えてみたんだ。」

 

円堂:「えっ? 今日試合出てないメンバーまでどうやって····「あっ、この間俺がデータ送った」大海····」

 

龍也:「まぁまさか来るとは思わなかったけどな」

 

フィディオ:「イタリアに留学してきた愛からシスティを通じてフィフスセクターの話を聞いたとき、正直キレそうになったよ。

そんなことをしたら、日本のレベルはどんどん下がってしまう。僕たちの認めたライバルがそんなことになったら嫌だからね。

この前エドガーやテレス、マークやロニージョにフロイ、ロココたちにもメッセ飛ばしたら皆カンカンっぽかったよ?

後、皆揃って『協力出来ることがあれば惜しまないからいつでも言え』って。多分ディランやイチノセ、ドモンもマークから聞いてると思うよ?」

 

うわ~、伝説の選手の名前がポンポン出てくるよ。こうしてみるとやっぱり親父たちって凄いんだなと実感する。

 

円堂:「ありがとうフィディオ、フィーベル。今日はこの後俺たちは学校に戻って解散なんだけどその後皆で一杯どうだ?」

 

龍也:「おっ! 良いね。二人とも予定は大丈夫か?」

 

フィディオ:「うん。と言うかインハイが終わるまでは日本にいるつもりだよ」

 

龍也:「マジで? じゃあ皆の練習に付き合って貰っても大丈夫か?」

 

システィ:「私たちで良ければ」

 

マジか!? フィディオさんに教えてもらえるなんて····見ると皆目を輝かせている。

 

円堂:「よし。じゃあ学校戻るぞ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

― 雷門サッカー棟 ―

 

システィ:「こ、これサッカー部だけの部室!?」

 

フィディオ:「凄いね·······」

 

円堂:「俺たちも初めそう思った。」

 

そして皆で荷物を倉庫に運びその日はお開きになった。

 

 

 

 

 

 

竜太:「よし。練習始めるか。」

 

皆が帰った後、俺はコッソリとサッカー棟に戻り、フィールドで練習を始める。

 

 

竜太:「フッ!!」

 

ゴォォオオォォオオオッ!!

 

俺はボールに極大のオーラの塊を纏わせてオーバーヘッドで下に落とす。そして先回りして左足の足払いでボールの回転を強化。オーラを時間をかけてゆっくりと練り上げる。今回は大体3.3秒位か。

 

竜太:「[ラストリゾート]!!!」

 

ドガァアアァァアアアン!!

 

シュートはフィールドを破壊しながらゴールめがけて飛んでいくが、途中で軌道が逸れてゴール後方の壁にぶち当たり凄まじい音がする。

 

竜太:「ヤベッ!!」

 

フィディオ:「へぇ? [ラストリゾート]か「っ!? ·····フィディオさん!! 親父たちと飲みに行った筈では!?」ああ、君がサッカー棟に入るのが見えてね。マモルたちには後で追い掛けるって言ってあるから大丈夫」

 

するとフィディオさんは俺に座る様に促し、俺が座ると自身も俺の横に腰を下ろす。

 

フィディオ:「[ラストリゾート]を龍也から受け継ぐつもりなんだね。「はい···」」

 

するとフィディオさんは少し考え込み、「じゃああの三人に相談してみようか」と言うとスマホを取りだし誰かにメッセをとばす。

 

あの三人?

 

フィディオ:「シュートのことはFWに聞くのが一番だからね。龍也とライバルとして闘い、そして共に闘い世界を救った人たちだよ」

 

竜太:「?」

 

まさか、10日後の準々決勝四日前にあんな人たちが来るなんてさすがに予想外だった。

 

 

― 続く ―




ヒント:英・米・王国

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劇場番編1:孤島、ゴッドエデン

木戸川戦の次の日、俺たち雷門イレブンが練習をしていると、金山理事長と冬海校長の二人が来た。出来ればコイツらとは会いたくなかったんだけどな····

 

円堂:「練習試合? どういう事ですか?」

 

金山:「行けば分かります」

 

龍也:「すみませんが断らせて···「あなた方は今音ノ木坂とUTX、函館聖泉がどうなっているか知ってますか?」っ!?」

 

は? まさか····俺は急いで桐穂に電話をかけるが「電波の届かない所にいるか電源が入ってない」と流れて繋がらない。キャプテンも函館聖泉の鹿角さんに電話をかけるが結果は同じだった。

 

竜太:「駄目だ。繋がらない····」

 

龍也:「なっ!!」

 

金山:「これで理解して貰えましたかな?」

 

竜太:「テメェ!!!」

 

俺がこの男に殴りかかろうとするのを急いで先輩たちが止める。

 

竜太:「離せ!! 離してくれ!!」

 

侑:「落ち着いて!! 殴ったりしたらそれこそコイツらの思うつぼだよ!!」

 

っ!! 俺は少しずつ冷静さを取り戻してきた。しかしそれでも腹のなかは煮えくり返っていたが。

 

円堂:「分かりました。出発はいつですか?「一時間後です」分かりました」

 

そして一時間後、バスが到着しバスに乗り込む。そして出発から10分後、

 

 

 

 

グワンッ

 

 

竜太:(っ!?)

 

俺は急な目眩がして周りを見ると皆スヤスヤと眠っていた。

 

竜太:(っ!? 催眠ガス···か···)ガクッ

 

そして俺は、静かに意識を手放した。

 

 

 

 

 

 

 

 

神童:「お···!! ··きろ!! 起きろ!!」

 

竜太:ハッ!!

 

俺が目を覚ますと、俺たちは全員草原の様な場所にいた。しかし監督たちの姿が見当たらない。

 

三国:「一体何処なんだここは····」

 

剣城:「まさか·····ここは」

 

しずく:「剣城くん何か知ってるんですか?」

 

剣城:「ここは、いや、この島は通称<ゴッドエデン>。「神々の楽園」の名を持つ、“地獄”だ」

 

せつ菜:「剣城くんが知ってると言うことはやはりフィフスセクターの施設なんですね?」

 

剣城:「そうだ。俺がこの島にいたのはほんの3週間程だったが、それでもこの島の訓練は異常なレベルだった。もしあんな訓練を耐え抜けるシードがいたら、間違いなく今の俺たちでは歯が立たないだろう」

 

?:「その通りだ」

 

竜太:「っ! 誰だ!!」

 

すると森の方から数台のトラックが走ってくる。そしてその内の一台のトラックの上にピンク色の軍隊服を着た厳ついオッサンが立っていた。

 

竜太:「なんだ? あの派手なオッサン?」

 

?:「オッサンではない!! 教官と呼べ!!!」

 

かすみ:「ダメですよ竜太くん! あんな厳ついブッサイクな顔してあんな派手な色の服着て似合いもしないのにどうせ「俺カッコいいな」なんて幸せな勘違いしてるんですからそのままにしておいてあげないと。真実は時として残酷ですから·····」

 

あの教官を名乗る男の額には青筋が浮かび今にもぶちギレ寸前。しかし何とか理性はある様なので本題を切り出す。

 

竜太:「で? その教官サマが何の様だ?」

 

?:「私の事は牙山(きばやま)教官と言え!! まぁそれは今はいい。君たち雷門イレブンはフィフスセクターの指示に逆らい勝利し続けている。これは決して許されない事だ。よって、君たちには教育を施す事になった。」

 

竜太:「んなことはどうでもいい!! 桐穂たちは無事なんだろうな!!!」

 

雷門:『『『あっ!!』』』

 

お前ら忘れてたのかよ····俺の考えが正しければ全員ここにいる筈だ。

 

牙山:「ああ、彼女たちか。あの娘たちはとても女子とは思えない素晴らしい才能、そして実力の持ち主だ。よって使える者はフィフスセクター初の女子シードになって貰うことにしたよ。」

 

竜太:「はっ! 残念だったな!! アイツらがお前らなんかに手を貸す訳ねぇんだよ!! あと実力が劣る人たちはどうする気だ!!!」

 

牙山:「なに、この島の練習システムの実験台になってもらうだけだ。まぁ選手生命の保証は出来んがな」

 

コイツ····狂ってる!!

 

牙山:「まぁ今の問題は君たちだ。来い!!!」

 

するとトラックの荷台が開き、中から白いユニフォームを着た選手が11人出てきた。

 

剣城:「!! 白竜(はくりゅう)!!!」

 

白竜:「久し振りだな剣城」

 

天馬:「知り合いなの?」

 

剣城:「ああ。ヤツは恐ろしく強い····油断するなよ」

 

牙山:「君たちには彼らと戦ってもらう。我がフィフスセクターが所有する「究極の光」のチーム、「アンリミテッドシャイニング」と!!!」

 

白竜:「まぁお前たちでは相手にならないと思うがな」

 

竜太:「面白れぇ!! 絶対に勝ってやる!!」

 

絶対に勝って、皆を救い出す!!!

 

 

― 続く ―




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劇場番編2:せまり来る無限の(アンリミテッド)閃光(シャイニング)

フィフスセクターの施設、「ゴッドエデン島」に連れてこられた俺たち。いよいよ「究極の光」を名乗るアンリミテッドシャイニングとの試合が始まる。

 

フォーメーション

アンリミテッドシャイニング

 

GK      蛇野

 

DF  鬼塚  佐喜  江島

 

ボランチ   新田  藤木

 

MF 笹山   青銅   銀座宮

 

FW    帆田  白竜

 

雷門

 

FW     剣城  大海

 

MF   上原  神童  松風

 

ボランチ      中須

 

DF 近江  霧野  三船  ヴェルデ

 

GK       三国

 

そして試合開始のホイッスルが鳴り、雷門ボールでキックオフ。

 

開始直後から剣城にボールが渡りドリブルで攻め上がる。しかしどういう訳かアンリミテッドシャイニングはその場から一歩も動かない。まるで「どうぞ攻めて下さい」と言ってる様だ。

 

剣城:「ナメるな!! [デスドロッ····」

 

剣城がシュート体勢に入った瞬間、

 

佐喜:「・・・・・・・・」グッ ギュンッ

 

目にも留まらぬ速さで一瞬で剣城に肉薄。ボールを奪う。

 

剣城・神童:「「なにッ!?」」

 

竜太:「っ! させるか!!」

 

ドガァアアアアッ!!!

 

佐喜:「!?」

 

反応した俺は思い切り身体をぶつけて奪い返す。コイツ!! 身体強えぇ···!!

 

牙山:「ほう? 使えそうな者もいるではないか」

 

蛇野:「ふん。いい! 撃たせろ!!」

 

キーパーがそう言うとディフェンスを止める相手チーム。だったら全力で行かせて貰う!!!

 

俺は空中で両足でボールを挟み身体ごと捻りボールに高速回転をかけて空気摩擦で着火。渾身のソバットキックで撃ち出した。

 

竜太:「[絶・デスファイア]!!!」

 

俺のシュートがゴールを襲う。そしてGK蛇野は()()()で応戦してきた。

 

歩夢:「竜太くんのシュートに必殺技!? 今までのシードたちは化身でも止められなかったんだよ!?」

 

蛇野:「[サーペントファング]!!!」

 

ガブリュゥウッ!!!

 

巨大な白蛇がシュートにかぶり付く。蛇野は両手で上と下から挟み込む様に力を加えて止めにかかる。

 

蛇野:「ぐっ!! うぉおおあああ!!」

 

バシィイイイッ!! シュルルルルル·····

 

 

・・・・は?

 

栞子:「う、うそです······止められた?」

 

蛇野:「お前なかなかやるじゃないか。危うく決められる所だったぞ」

 

牙山:「ふむ。大海竜太はランクSと····」

 

竜太:「っ!! 戻れ!! カウンターだ!!!」

 

俺がそう言うと同時に蛇野は前線の白竜までボールをロングスロー。60m以上ある距離をノーバウンドで白竜の足元に。

 

かすみ:「なっ!? あのキーパー一体どんな肩してるんですか!?」

 

ボールを受け取った白竜はシュート体勢に入る。すると辺りが曇り出し吹き荒れる強風がボールに纏わりつく。するとボールは白く光り輝き天へと上昇。それを跳んだ白竜が渾身のシュート。

 

白竜:「[ホワイトハリケーン]!!!!」

 

ズドォオオォォオオオン!!!

 

竜太:「嘘だろ!? なんだこの威力!?」

 

眩く輝く光りの嵐が雷門ゴールを強襲。かすみがブロックに入るが、俺には分かってしまった。今のかすみがあんなシュートを受けたらどうなるかが。

 

かすみ:「少しでも威力を!![真空···「バカ!! 逃げろかすみ!!!」」

 

ドガァアアァァアアアンッ!!!

 

かすみ:「キャァアアァァアアアッ!!!」

 

シュートはかすみを吹き飛ばし、フィールドを抉り、三国先輩が反応する事すら赦さずゴールに突き刺さった。

 

竜太:「大丈夫かかすみ!! かすみ!!!」

 

かすみ:「う···、うぅ·····」

 

彼方:「嘘でしょ? なんなの今の威力·····?」

 

竜太:「俺がボランチに入ります。果林FWを頼む」

 

果林:「分かったわ」

 

エマ:「それにしたって、技を出す間もないなんて····「技を出す間?」」

 

白竜:「では技さえ出せれば·····“止められる”とでも言うのか?」

 

帆田:「そんなお粗末なサッカーじゃ無理だ」

 

雷門ボールで試合再会。ボールは俺に渡り、一か八かあのシュートを放つ。

 

白竜:「ロングシュート? ムダなことを。」

 

俺がシュート体勢に入り左足を前方に振り上げると長大な聖剣が出現。それをボール目掛けて踵落としで思い切り降り下ろした。

 

竜太:「[爆・エクスカリバー]!!!!」

 

ギシャァァアアアアアアン ズドドドドドドドドドドドドドド!!!!

 

鋭い斬げきは衝撃波となり、フィールドを切り裂きながら爆進する。

 

白竜:「なに!?」

 

蛇野:「っ!![サーペントファング]!!!」

 

ガブリュゥウッ!!!

 

再び巨大な白蛇がシュートにかぶり付く。しかし聖剣は大蛇を一刀両断し、ゴールに突き刺さった。

 

白竜:「バカな!?」

 

牙山:「ほう。ますます気に入った」

 

しかし今の一撃で完全に相手を怒らせてしまい、そのまま一気に9点を奪われ前半終了となった。が、もうすでに皆試合続行は不可能だった。

 

白竜:「格の違いを分かって貰えたかな? この3流シードが」

 

剣城:「くっ、くそっ······」ハァ、ハァ

 

牙山:「連れていけ」

 

フィフス職員:『『『はっ!!!』』』

 

捕まる。そう思った瞬間、俺たちのところに何処からか何かが投げ込まれ爆発。砂ぼこりを巻き起こして辺りの視界を奪う。

 

牙山:「な、何事だ!?」

 

タッタッタッ

 

竜太:(あれは·····?)

 

薄れゆく意識の中、俺たちは土煙に紛れて現れた人たちによって担がれ、その場から逃げられた様だった··········

 

 

― 続く ―




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劇場番編3:いにしえの(エンシャント)(ダーク)

うぅ·······、俺が意識を取り戻すと雷門全員何処かの森の中に横たわっていた。俺が起き上がると同じく意識を取り戻した天馬信介が起き上がる。

 

竜太:「二人とも大丈夫か?」

 

天馬:「うん。皆も無事みたいだね······」

 

信介:「でも、誰が僕たちを助けてくれたんだろう······」

 

そして俺たちは少しその場を離れ、辺りを探索した。するとあるものを発見した。

 

竜太:「これ·····、お地蔵様か?」

 

信介:「でも頭に球みたいなの乗せてるよ?」

 

天馬:「じゃあサッカーの神様なんじゃないかな?」

 

竜太:「ハハッ、天馬らしいな。戻ろうぜ?」

 

俺たちが皆の所に戻ると、既に皆目を覚ましていた。

 

神童:「お前たち何処へ行ってたんだ?心配したんだぞ」

 

三国:「無事で良かったけど、気を付けろよ?」

 

俺たちは皆にスミマセンと頭を下げる。そして本題を切り出したのは歩夢先輩。

 

歩夢:「でも、誰が助けてくれたんだろう?」

 

?:「お、起きたか」

 

!? 俺たちが声のした方を振り向くと、親父や円堂さんたちともう二人、男性が立っていた。

 

竜太:「か、風丸さん!? 不動さん!?」

 

雷門:『『『ええっ!?』』』

 

円堂:「風丸と不動が俺たちを助けてくれたらしい」

 

天馬:「監督!!」

 

風丸:「俺たちは、久遠監督と響木さんに言われて、この島を調査してたんだ」

 

不動:「そしたら円堂たちが奴らに運ばれていく所だったから隙を見てそいつらブッ飛ばして円堂たちを助け出した後、円堂たちが起きてからあのチームに負けたお前らを助け出したって訳だ」

 

 

 

そうだ·····俺たちは·······

 

竜太:「くそっ!!」

 

龍也:「強くなる為の方法は今も昔も1つしかない」

 

円堂・天馬:「「特訓だ!!!」」

 

せつ菜:「そうと決まれば····「ドガァアアアアッ」!?」

 

円堂:「優木!!」バッ

 

何処からか飛んできたボールを円堂監督がキャッチする。ボールの飛んできた方向を見ると、先程の「アンリミテッドシャイニング」の白いユニフォームとは真逆の深い闇のような黒いユニフォームを着た奴らが立っていた。

 

?:「ここは僕たち「エンシャントダーク」の森だ!! 君たちは出ていってくれ!!」

 

天馬:「ねぇ!! 俺たちにこの森を使わせて貰えないかな? 特訓したいんだ!!」

 

ピクッ

 

?:「君たちが? ·······良いよ。ただし僕たちと試合して勝てたらね。僕の名前はシュウ。このチームのキャプテンだ」

 

天馬:「よし!! じゃあフィールドに連れていってよ」

 

シュウ:(このサッカーに対する輝く眼差し···気に入らないな)

 

 

そしてフィールドに着き、各々準備する。

 

円堂:「この試合、かすみは欠場だ」

 

かすみ:「すみません皆さん····」

 

三国:「大丈夫だ。まずはケガを治せ「はい···」」

 

フォーメーション

 

エンシャントダーク

 

GK       芦矢

 

DF 木屋  路野  元乃  枝木

 

ボランチ    悠木  林音

 

MF   野谷  シュウ  久雲

 

FW       カイ

 

雷門

 

FW   剣城  大海  影山

 

MF 宮下  優木  高咲  桜坂

 

DF   西園  天城  天王寺

 

GK       三国

 

試合開始のホイッスルが鳴り、雷門ボールでキックオフ。全員で攻めるが、このチームは「アンリミテッドシャイニング」とは対極のトリッキーな動きとテクニックで相手を翻弄するチームだった。

 

愛:「くっ!! 攻めきれない!!」

 

シュウ:「元乃!! 10番にボールを渡して」

 

っ!? 俺に? どういうつもりだ?

 

シュウ:「見たところ君と15番の彼女···高咲だっけ?が一番強いんでしょ? 撃ってみてよ。」

 

竜太:「っ! ならお望み通り!!」

 

俺を水の竜巻が包みぐんぐん上昇。水のエネルギーがボールに集まり、それをゴールめがけて渾身の力で蹴り落とす。

 

竜太:「[激流ストーム・Gx]!!!」

 

ズドォオオオォォオオオン!!!

 

シュートはキーパーめがけて一直線。キーパーは必殺技を放つ

 

しずく:「あの人も必殺技で!?」

 

芦矢:「[キルブリッジ]!!!」

 

キーパーの前にオーラで構成されたアーチ橋が出現。シュートはそれにぶつかるとアーチを滑りながらキーパーの手元に行きキャッチ。····した瞬間、

 

ドッパァアアァァアアアアン!!!!

 

膨大な水エネルギーがスプラッシュ。芦矢諸ともゴールに押し込んだ。

 

シュウ:「へぇ·····あの子やるなぁ」

 

エンシャントダークボールで試合再開。そしたら今度は侑にボールを渡してきた。

 

侑:「一回ずつ撃てってこと? なら!!」

 

侑はゴール前まで上がりシュート体勢に入る。

 

侑:「[極・ペガサスショット]!!!」

 

シュートは天馬(ペガサス)とともにフィールドを駆け、ゴールめがけて突き進む。

 

芦矢:「[キルブリッジ]!!!」

 

ドガァアアアアアッ!!! バシィッ!!

 

芦矢:「ふ~んこんなもんか (危ねーーーー!!! 何あの子!? 女の子の蹴るパワーじゃないんだけど!!!)」

 

シュウ:「うん。 まぁ合格ってことにしてあげるよ」

 

竜太:「合格?」

 

シュウ:「森を使っていいよ」

 

カイ:「おいシュウ!? ···ったく」

 

シュウ:「ただし荒らす様なことはしないでね? 動物たちが困るから」

 

竜太:「わかった」

 

そして試験試合? だったのかは終了し、森を使わせて貰える事になった。

 

 

― 続く ―




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劇場番編4:ゴッドエデン島の昔話

エンシャントダークと戦い、森を貸してもらえる事になった俺たち。全員で自然を相手にハードな特訓を続け6日後の夜。皆で焚き火を囲んで夕飯を食べた後で俺と天馬はシュウに連れられて一面の星空を一望できる小高い丘の上にやって来ていた。

 

天馬:「綺麗な満月だね。東京じゃあこんなの見れないよ······」

 

シュウ:「そう?」

 

竜太:「多分空気が澄んでてキレイなんだろうな」

 

俺がそう言うとシュウは少し嬉しそうな顔をしてこの島に伝わる昔話を話し始めた。

 

シュウ:「今から約300年前この島には人が住んでて、2つの集落があったんだ」

 

天馬:「へぇ~。よく知ってるね」

 

シュウ:「そしてある年の夏、酷い干ばつがあって雨が降らずに作物が育たなくなった。このままではマズイと思った2つの村の長たちは話し合い、それぞれの村の一人の若い娘のどちらかを生け贄として神に捧げようとした。そしてその娘を決める方法として、今で言うサッカーを使ったんだ」

 

竜太:「300年も前だったらそう考える所もあるか。でもそんなことを決める手段がサッカーっておかしくない?」

 

なんか頭のネジが数本イっちゃってる気がする。

 

シュウ:「でも、片方の村の生け贄にされる予定だった娘には、兄がいたんだ。妹が生け贄にされると知った兄は、相手の村の選手に金を渡して、勝ちを買った。どうしても妹を守りたかったんだ」

 

竜太:「確かにもし俺がその立場で、確実に勝てる保証が無ければそうしてしまうかも知れないな。俺にも妹がいるから、何となくわかる」

 

もしも果北の命が懸かってて金なんかで解決できるならそうしてしまうかもしれない。

 

シュウ:「でも、結局村の人にその事がバレて兄は処刑。妹は生け贄にされた」

 

天馬:「悲惨な話だね······」

 

シュウ:「僕はこの話を知った時感じたよ。もしかしたらサッカーは、“呪われてる”のかもしれないって」

 

天馬:「シュウ·······。サッカーは人を呪ったりしないよ」

 

竜太:「さっきの話し、その兄に力があれば···イカサマなんかしなくても勝てるだけの力があれば、誰にも文句を言わせずに妹を救えたのにな」

 

シュウ:「竜太、その通りなんだよ······。強くなければ、価値が無いんだ!!!」

 

そして翌日の朝、

 

侑:「よし! 今日も練習···· ピー···ガガガ ?」

 

その時、島に設置されたスピーカーから声が聴こえてきた。

 

牙山:『雷門イレブンの諸君、我々は君たちを島の中央にある<ゴッドエデンスタジアム>で待っている。来なければ音ノ木坂やUTX、函館聖泉の彼女たちがどうなるかな? 『竜太!! 来ちゃダメ!!』』ガガッ

 

そして放送は終わった。

 

竜太:「今の声·····」

 

天馬:「うん。桐穂さんの声だよね?」

 

しずく:「だったらやることは1つです。助けに行きましょう!!」

 

雷門:『『『おう!!!』』』

 

そして俺たちはゴッドエデンスタジアムに向かった。

 

 

 

鬼道:「ここだな」

 

不動:「行こうぜ」

 

円堂:「よし! 行くぞ皆!!」

 

そして俺たちがスタジアムの中に入ると、観客席には2000人を越えるであろう人の数が。

こいつらまさか全員シード訓練生か?

 

牙山:「ほう? 逃げずによく来たね「当たり前だ!!」」

 

そしてフィールドの反対側を見ると巨大な鉄檻が置いてあり、その中には桐穂やアスナさん、そして良子さんなど、連れ去られた仲間たちが押し込まれていた。

 

桐穂:「竜太!! 何で来たの!?」

 

すずめ:「皆逃げて!!」

 

良子:「私たちは良いですから早く!!」

 

アスナ:「あなたたちでもコイツらには勝てないわ!!」

 

ったく、見え見えのやせ我慢しやがって、震えてるじゃねぇか·····

 

穂乃果:「円堂くん! 海未ちゃん!!」

 

円堂・海未:「「高坂(穂乃果)!?」」

 

ツバサ・聖良:「「ゴメン。しくじったわ(りました)。」」

 

龍也・鬼道:「「綺羅!! 鹿角!!」」

 

あーもうキレたわ。

 

俺はボールを1つ取り出すと[激流ストーム]を檻目掛けてシュートした。

 

竜太:「皆伏せろ!!!」

 

捕まってる皆は一斉に伏せる。そしてボールが檻に激突。そして、

 

竜太:「吹っ飛べ!!」

 

ドッパァアアァァアアアァァアアアアン!!!

 

膨大な水エネルギーがスプラッシュ。その衝撃と水圧で、鉄檻はバラバラに吹っ飛んだ。

 

牙山:「何!? 鉄の檻だぞ!?」

 

檻が壊れ、捕まってた皆は俺たちのもとへと走って来る。

 

 

桐穂:「竜太っ!! 竜太ぁっ!! 怖かったよぉ!!! グスッ」

 

竜太:「もう大丈夫だ。さて、オッサン、俺の仲間をこんな目に遭わせた借はきっちり返させてもらうぞ。」

 

牙山:「ほう? 勝てる気かね?」

 

侑:「当たり前だよ!! もう前までの私たちじゃない!!!」

 

愛:「皆を傷つけたこと、絶対に許さない!!」

 

雷門・フィフス:『『勝負だ!!!』』

 

 

音ノ木:(((あの二人誰? まさかまたライバル増えた?)))

 

 

― 続く ―




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劇場番編5:融合する光と闇(ゼロ)

「究極の光」を名乗るアンリミテッドシャイニングと、「究極の闇」を名乗るエンシャントダークの精鋭たちが集められた混成チーム。「ゼロ」との試合が始まる。

 

フォーメーション

 

ゼロ

 

GK       蛇野

 

DF 木屋  江島  佐喜  鬼塚

 

MF 悠木  青銅  林音  カイ

 

FW     シュウ 白竜

 

雷門

 

FW  剣城   大海   高咲

 

MF   宮下  神童  松風

 

DF 天王寺 霧野  三船  ヴェルデ

 

GK       三国

 

 

円堂:「今持てるウチの最大火力をぶつける。行ってこい!!」

 

雷門:『『『はい!!!』』』

 

そして、各自ポジションに着く

 

ピィイイイーーーーッ!!!!

 

試合開始のホイッスルが鳴り雷門ボールでキックオフ。ボールは愛さんに渡りドリブルで上がる。

 

悠木・青銅:「「その程度のドリブル!!!」」

 

ゼロの二人が止めに入る。しかしそこから愛さんは急加速。相手のディフェンス連携が整う前に突破し振り切った。

 

悠木・青銅:「「なっ!?(速い!?)」」

 

そこにすかさずDFの木屋がヘルプに入る。しかしここで愛さんは必殺技を使う。

 

愛:「[アクロバットキープ・S]!!!」

 

鮮やかな空中での身体捌きで木屋を抜き去る愛さん。そして剣城にパスを出す。

 

ボールを受け取った剣城はシュート体勢に入る。ボール下部に矢のような鋭い蹴りを加えて高速回転をかける。そして返す刀のヒールでボールを上空へと蹴りあげる。そして剣城も跳び上がりオーバーヘッドで思い切り撃ち出す。

 

剣城:「[デスドロップ・Gx]!!!」

 

ズドォオオォォオオオン!!!

 

前より遥かに威力が上昇した剣城のシュートがゴールを襲う。キーパー蛇野も必殺技を発動し、

 

蛇野:「[サーペントファング・G2]!!!」

 

ガブリュウッ!!!

 

巨大な白蛇がシュートにかぶり付く。しかし中々[デスドロップ]の回転が納まらずに蛇野もやや引き摺られる。なんとか止める事には成功したが相手のキーパーグローブから摩擦熱で焦げた様な匂いがした。

 

白竜:「ほう? 少しはやる様になった様だな。なら少しばかり遊んでやる。蛇野!!!」

 

キーパーのスローからのロングボールが白竜に繋がる。そして白竜はシュート体勢に入る。

 

白竜:「[ホワイトハリケーン・G2]!!!」

 

かすみに怪我を負わせた強烈なシュートが雷門ゴールを襲う。しかしここで霧野先輩がブロックに入る。

 

霧野:「[ディープミスト]!!!」

 

霧野先輩の新技で発生した[ザ・ミスト]よりも更に深い霧がシュートに絡み付き威力を奪う。これで少しシュートの威力を奪う事に成功。そして尚もシュートは進む。

 

三国:「絶対に止める!![無頼(ぶらい)ハンド]!!!」

 

三国先輩の両手にそれぞれ赤黒い[ゴッドハンド]が現れシュートを迎え撃つ。三国先輩は少し威力に圧されはしたが難なくシュートを止めて見せた。

 

白竜:「なっ!? 馬鹿な!! 俺のシュートを止めただと!?」

 

三国:「神童!!」

 

三国先輩のゴールキックから神童キャプテンにボールが渡る。そこに青銅がディフェンスに入る。前回の戦いでは全く歯が立たなかった相手と互角に渡り合うキャプテン。一瞬の隙を突き、俺へのパスを通す。

 

竜太:「ナイスパスです!!」

 

ボールを受け取った俺はシュート体勢に入る。俺を激しい水の竜巻が包み上昇。溢れる水流エネルギーを内包したボールをゴール目掛けて蹴り落とした。

 

竜太:「[激流ストーム・Gx]!!!」

 

ズドォオオォォオオオォォオオオン!!!!!

 

 

シュートはゴール目掛けて急降下。蛇野も必殺技を発動する。

 

蛇野:「[サーペントファング・G2]!!!」

 

ガブリュウッ!!!

 

白蛇がシュートにかぶり付く。しかしその瞬間水のエネルギーが弾けて蛇野を洗い流し、シュートはゴールに突き刺さった。

 

白竜:「なにっ!?」

 

 

 

ゼロボールで試合再開。ボールは白竜に渡り、白竜は化身を発動する。

 

白竜:「来い!!【聖獣シャイニングドラゴン】!!!」

 

白い光り輝く龍の化身を呼び出した白竜はシュート体勢に入る。

 

白竜:「[― ホワイトブレス ―!!!!]」

 

 

白い光りの奔流がゴール目掛けて一直線。しかし栞子と霧野先輩が立ち塞がる。

 

栞子:「[グラビティバインド]!!!」

 

栞子の新たな必殺技で発生した高重力の力場がシュートを地面に押さえつける。しかしシュートは突き破りなおも進むがかなりのパワーを奪われた様だ。

 

霧野:「[ディープミスト]!!!」

 

霧野先輩が深い霧を発生させシュートの威力を減衰させる。しかしまだ完全にブロックは出来なかった。

 

三国:「止める!![無頼ハンド]!!!!」

 

ドガァアアァァアアアッ!!! バシィイイィィイイイッ!!! シュルルル

 

白竜:「!? 俺の化身シュートまでも防いだだと!?」

 

三国先輩のスローからボールは霧野先輩へ。しかしここでシュウがブロックに入る。

 

シュウ:「[バニシングカット・G2]!!!!」

 

瞬間移動を繰り返し、一瞬でボールを奪ったシュウはフリーでシュート体勢に入る。

 

シュウ:「[ブラックアッシュ・G2]!!!」

 

深い闇を帯びたシュートが雷門ゴールを襲う。

 

三国:「[無頼ハンド]!!!」

 

三国先輩は必死に堪えるが、シュートブロック無しではさすがに厳しくシュートはゴールに突き刺さった。

 

 

雷門 1 - 1 ゼロ

 

 

― 続く ―




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劇場番編6:化身大戦

1-1の同点で雷門ボールで試合再開しボールは俺が持つ。

 

白竜:「お前たちの実力は大体分かった。ここからは本気で相手をしてやろう。来い!!【聖獣シャイニングドラゴン】!!!」

 

シュウ:「【暗黒神ダークエクソダス】!!!」

 

カイ:「【番人の塔ルークB】!!!」

 

林音:「【鉄騎兵ナイトB】!!!」

 

悠木:「【魔宰相ビショプB】!!!」

 

青銅:「【精鋭兵ポーンB】!!!」

 

ゼロは一気に6体の化身を発動し、一斉にボールを奪おうと襲いかかってくる。ならば此方も!!!

 

竜太:「皆!! 行くぞ!!!【海皇竜ブルーヒドラ・零式】!!!」

 

剣城:「【剣聖ランスロット・伍式】!!!」

 

神童:「【奏者マエストロ・伍式】!!!」

 

天馬:「【魔神ペガサス・伍式】!!!」

 

愛:「【楽しいの天才サイコウ・弐式】!!!」

 

侑:「私ももう出し惜しみはしない!! 来てっ!!【戦場の女神ジャンヌ・零式】!!!」

 

此方の化身使いも全員が化身を発動する。っていうか侑化身使えたんだ。

 

6 vs 6の化身が激突する。【ポーン】と【ペガサス】が拳で組あい、

そこに【ナイト】が砲身を向け隙を見せたところを【マエストロ】が殴り飛ばし、

【ビショプ】の錫杖を【サイコウ】が白羽取りで受け止め、

【ランスロット】の剣の一振りを【ルーク】がガードし、

【ダークエクソダス】の斧の一撃を【ジャンヌ】が盾でガードし、

【ブルーヒドラ】が2つの頭で【シャイニングドラゴン】に噛みつき拘束したところで、残った1つの頭と【シャイニングドラゴン】のブレス対決になり、

 

化身同士の激戦にスタジアムが揺れる。ボールが目まぐるしく動くなか、俺は一瞬の綻びを見つけ、包囲網を突破した。

 

白竜・シュウ:「「なっ!? 行かせるか!!」」

 

愛:「あなたたちの相手は····」

 

侑:「私たちだよ!!!」

 

白竜とシュウに、愛さんと侑が立ち塞がる。

 

悠木・青銅・カイ:「「「なら俺たちが!!」」」

 

神童:「お前たちの相手は····」

 

天馬・剣城:「「俺たちだ!!!」」

 

悠木、青銅、カイの三人には、キャプテン、天馬、剣城の三人が立ち塞がる。

 

林音:「なら俺が!!!」

 

しかし残った【ナイト】の使い手林音が急いで俺を追う。

 

霧野:「行かせるか!! 三船!!!」

 

栞子:「はい!! 化身が無くても、やれることはあります!!!」

 

霧野:「[ディープミスト]!!!」

 

栞子:「[グラビティバインド]!!!」

 

二人の必殺技が【ナイト】を押さえつける。栞子の高重力の力場が【ナイト】をフィールドに押さえつけ、霧野先輩の身体に纏わりつくほどの深い霧が更に【ナイト】の自由を奪う。

 

江島:「くっ!! 行かせるか!!!」

 

竜太:「[スプリントワープ・Gx]!!!」

 

高速移動でDFラインを突破。シュート体勢に入る。

 

竜太:「[― ハイドロブラスト ―]!!!」

 

ズドォオオォォオオオォォオオオン!!!!!

 

とてつもない激流のブレスが蛇野を襲う。そして蛇野は必殺技の構えに。やっぱりコイツ化身を持ってないんだ!!!

 

蛇野:「[サーペントファング・G3]!!!」

 

ガブリュウッ!!!!

 

更に巨大になった白蛇がシュートにかぶり付く。しかしそんな物で止まるほど俺の化身シュートは甘くはなく、シュートはゴールに突き刺さった。

 

2-1雷門リード。ゼロボールで試合再開。

 

白竜:「まさかお前たちがここまでやる様になっていたとは、予想外だったな。ならば奥の手だ!! 行くぞシュウ!!!」

 

シュウ:「ああ。分かった。」

 

すると白竜の化身とシュウの化身がオーラの状態へと戻り、2つの化身オーラが混ざりあい、1つへと融け合う。

 

そして出来た巨大な化身オーラが発生。中から白と黒の二色の色の一体の騎士の化身が現れた。

 

白竜:「これがフィフスセクター最強の化身、【聖騎士アーサー】だ!! 行くぞ!!!」

 

俺たちの本能が、この化身はヤバいと告げている。すると白竜とシュウはセンターラインから化身シュートを放ってきた。

 

白竜・シュウ:「「[― ソードエクスカリバー ―]!!!!」」

 

ズギャァアアァァアアアァァアアアン!!!!

 

【アーサー】の剣の一振りをが雷門ゴールを襲う。雷門の化身使いは全員化身を発動してブロックを試みるが、

 

 

ザンッ!!

 

 

俺たちの化身は容易く一刀両断され、シュートはゴール目掛けて一直線。三国先輩も反応できずにシュートはゴールに吸い込まれた。

 

2-2、雷門ボールで試合再開。しかし【アーサー】の圧倒的な力の前に瞬く間に三点目を奪われ前半終了となった。

 

 

 

 

― 続く ―




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劇場番編7:伝説の出陣

2-3の雷門ビハインドでハーフタイムに入る。

 

せつ菜:「皆さん凄いです!! 前とは比べ物にならない位戦えてます!!」

 

神童:「ああ···。けど【アーサー】をどうにかしないとな······」

 

竜太:「ええ···「何をやっておるか貴様ら!!!」」

 

ゼロのベンチを見ると、牙山のヤローがゼロの選手にキレていた。

 

牙山:「あの程度の者たちに前半3点しか取れん上に2点の失点!! ふざけてるのか貴様ら!! この試合は我らの聖帝様もご覧になられておるのだぞ!!!」

 

え? 俺がスタジアムの観客席の上の方を見ると、ガラス越しにフィールドを見る事のできる部屋があり、「イシド・シュウジ」が此方を見下ろしていた。やっぱりあの人どっかで見た気がするんだよなぁ·····

 

牙山:「ここは教官自ら手本を見せてやる」

 

そう言うと六人の教官たちは着ていた服を投げ捨てる。すると奴等はなんと下にゼロのユニフォームを着ていた。まさかあいつら大人と交代する気か!?

 

鬼道:「ふざけるな!!! そんなことが認められるか!!!」

 

牙山:「あなた方はもう少し自分たちの立場を自覚するべきでは?」

 

そしてハーフタイムが終わり、フィールドに入る時、

 

桐穂:「竜太!! 皆!!!」

 

桐穂の声に俺と雷門の仲間たちは振り向く。

 

桐穂:「絶対に勝って···無事に帰ってきてね····」

 

見ると、音ノ木坂、UTX、函館聖泉の皆が俺たち雷門イレブンを見つめている。

 

雷門:『『『······行ってくる(きます)!!!!』』』

 

ゼロ:フォーメーションチェンジ

 

GK       六塔

 

DF 五条  江島  林野  鬼塚

 

MF   火北  青銅  牙山

 

FW   シュウ 大風谷 白竜

 

そしてゼロボールで後半戦開始。ボールはゴッドエデン教官、火北(ひきた)に渡る。それを璃奈が止めに入る。

 

火北:「大人の怖さを見せてやる!!![真・ジャッジスルー2]!!!!」

 

火北はボール越しに璃奈の腹に何発も何発も蹴りの乱打を叩き込み止めの両足蹴りで璃奈を吹き飛ばした。

 

愛:「りなりー!!!」

 

璃奈:「うっ、うぅ····ゲボッ···オェッ···」

 

霧野:「この!! よくも天王寺を!![ディープミスト]!!!」

 

霧野先輩の技で深い霧が発生。ボールを奪った霧野先輩は前線の侑にロングボールを入れる。

 

林野:「そのボール没収します!!![ディメンションカット・V3]!!!」

 

女性教官林野の足が異空間へのワープホールから侑の足元に伸びてボールを奪う。そしてボールは火北に渡る

 

愛:「この!! りなりーの仇!!」

 

火北:「無駄だ!!![真・エンドレスサマー]!!!」

 

火北はボール越しに今度は愛さんの顎を大車輪の様に連続で蹴りあげ突破する。

 

火北:「大風谷!!!」

 

今度は巨漢の教官、大風谷(おおかぜや)にボールが渡る。身体が大きいので足はそこまで速くない····と、思ったら、

 

大風谷:「ふんっ!!」ギュンッ!!

 

メチャクチャ速かった。そのままディフェンスに入った栞子を吹き飛ばし、シュート体勢に入る。

 

大風谷:「[バリスタショット・V3]!!!」

 

ドガァアアアアン!!!

 

バリスタの様な速く鋭いシュートが三国先輩を襲う。必殺技で応戦しようとするがあまりのスピードに技を出すまもなくシュートはゴールに突き刺さった。

 

三国:「くそっ!!」

 

璃奈:「うぅ···」

 

栞子:「ゲホッ····」

 

愛:「痛つつ···」

 

侑:「くっ····」

 

エマ:「どうすれば····」オロオロ

 

鬼道:「円堂·····」

 

円堂:「ああ!!!」

 

鬼道:「三国! ヴェルデ! 天王寺! 三船! 宮下! 高咲!! 一時交代だ!! 戻れ!!」

 

歩夢:「ええっ!? 代わりは誰なんですか!? 「居るだろここに。鹿角!!」」

 

聖良:「はい!!」

 

鬼道:「そちらと同じ六人の選手交代だ!! 認めてもらうぞ!!!」

 

牙山:「ぐっ····」

 

そう言うと親父、円堂監督、鬼道コーチ、風丸さん、不動さん、聖良さんの六人が立つそして三国さんたちがフィールドから出ると同時に親父たちがフィールドに入る。

 

するとなにが起こったのか、親父たちの服が雷門ユニフォームへと姿を変え、高校生の時の姿へと変貌する。えっ!? どういうこと!?

 

龍也:「高咲、体力を回復しておけ。またすぐに出てもらうぞ」

 

侑:「は、はい!!!」

 

円堂:「三国も今は休んでおけ」

 

三国:「はい····お願いします···」

 

風丸:「お前の闘志、ひとまず俺が預かる」

 

璃奈:「風丸さん····」

 

不動:「お前根性あるじゃねぇか。今は休め体力を回復しな」

 

栞子:「お願いします不動さん」

 

聖良:「エマさん交代です。また出て貰いますから私たちのプレーを見ててください」

 

エマ:「は、はい!!」

 

鬼道:「宮下、ひとまず交代だ。休んでおけ。」

 

愛:「はい!!」

 

雷門:メンバーチェンジ

 

FW  剣城  大海(竜) 大海(龍)

 

MF   鬼道  神童  松風

 

DF 風丸  霧野  不動  鹿角(聖)

 

GK       円堂

 

 

雷門 2 - 4 ゼロ

 

― 続く ―




感想:評価宜しくお願いします。


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<上原歩夢>誕生日編:~ if 歩夢ルート ~あなたを見つめて

今回のお話は歩夢ちゃん視点で話が進みます。

では誕生日短編、行ってみよーー!!!


果林さんたち3年生が卒業し、私や神童くんたち2年生組は新3年生に、竜太くんや天馬くんたち1年生組は新2年生にそれぞれ無事進級が決まり、今日は春休み中の3月1日。

私たちサッカー部は今日も練習をしていた。

 

それ以外に変わった事と言えば・・・・・

 

竜太:「歩夢、後ろから神童先輩来てる!!」

 

歩夢:「竜太!! パスッ あっ、ゴメン!! 前に流れた!!」

 

私と竜太くんが付き合い始めてお互いに名前で敬語無しで話すようになったことかなぁ···////

 

去年竜太くんは私の幼馴染の侑ちゃんが好きだったんだけど告白してフラれちゃったんだよね。それで私は「竜太くんは侑ちゃんが好きだと分かっていたから言えなかったけど、私はあなたが好きだった」と告白。それから少しずつ進展を重ねながら共に歩み今ようやくここまで来た。まぁ皆から「焦れったい」とか「とっととキスまで行け」とか言われたけどね····

 

それからは二人で自主練したりデートに行ったりして楽しい日々をおくれている。後サッカー部関連では、

 

竜太:「行くぞ信介!![剣撃乱舞・Z]!!」

 

信介:「止める!!【護星神タイタニアス・零式】!!!」

 

信介くんが化身使いで三国さんの後の雷門の正GKになったこと。しかもかなり強力な化身で竜太くんの[デスファイア]を余力を残して楽々止める力を持っている。今は頼りになる雷門の守護神だよ。

 

信介:「[― マジン・ザ・ハンド ―]!!!!」

 

ガシィイイイイッ!!!

 

天馬:「よし! じゃあ今日はここまでにしよう」

 

そして雷門のキャプテンが天馬くんになった。神童くんはキャプテン兼ゲームメイカーだったけどゲームメイクに専念出来るようになった。

 

 

そして練習が終わり私と竜太くんはそのままデートへと繰り出した。実は部活バックの中に今日着るつもりの私服を入れておいて男子と女子で着替えるときにジャージではなく私服に着替えてそのままデートと。

 

二人でまずは稲妻町駅から台場駅の方への電車に乗り台場地区を目指す。私が竜太くんに寄りかかると竜太くんは私の頭を優しく撫でてくれた。この一時も私のささやかな楽しみなの。

 

そして電車は台場駅に到着。そこから大型ショッピングモール「Diver City Tokyo」の中へ。竜太くんとお揃いでパスケースやペンダントを買い外のコッペパンの屋台で買い食い&食べさせ合いっこしたり、

 

歩夢:(幸せだなぁ····///)

 

竜太:「歩夢、次どこ行く?」

 

歩夢:「私の家に来てくれない? ママに紹介したいから」

 

竜太:「えっ、·····わ、分かった·······」

 

 

そして家に帰るとママが居て竜太くん、いや竜太を紹介したら凄くニヤニヤされた。挙げ句の果てには「ウチの子にもようやく春が!!」とか、「男の気配が無かった」とか凄く余計なお世話だった。そりゃあ気配がしないように細心の注意を払ってたもん。パパに知られると絶対に面倒なことになるから。

 

後これは余談だが私のパパは元プロサッカー選手で私が生まれる前は沼津でプレーしていた。去年私たちがまだフィフスセクターに怯えていた頃、龍也さんが雷門のコーチになったとき龍也さんも沼津に居たことを思い出してパパに話したら懐かしいと笑っていたが「まぁ俺はアイツのシュートだけは一度も止められ無かったんだよな」とぼやいていた。

 

 

 

歩夢:「じゃあ私たちは部屋に居るからね」

 

母:「ごゆっくり~」

 

そして私の部屋で二人で私のベッドに座り談笑する。すると竜太が、

 

竜太:「歩夢、これ誕生日プレゼント。俺の手作りだから出来はあまりだけど···」

 

歩夢:「えっ? 何····ミサンガ?」

 

竜太:「ん。 ほら、お揃いになってんだ。悩んだ結果これにし····「ガバッ」どわぁっ!?」

 

私は嬉しくて竜太を押し倒して抱きついた。私の大好きな人が私のために作ってくれたんだ。ヘタなものを渡されるより100倍嬉しい。

 

歩夢:「ありがとう竜太。大事にするね・・・?」

 

竜太:「うん」

 

そしてついに私は理性の(たが)が外れ上に着ていたシャツを脱いだ。私の下着があらわになり竜太はそれを直視してしまい顔を真っ赤にして目と顔を背ける。

 

うう····恥ずかしい///// けど·····

 

竜太:「ちょっ!! なにやっ···「フニョン」!!?!??!!?」

 

私は竜太の左手握って、を自分の胸に押し付ける。

 

歩夢:「······どう?//////」

 

竜太:「えっ、えっと····柔らかい···です//////////////」

 

もう♡/////

 

歩夢:「ふふっ。エッチ・・♡」チュッ

 

 

そして私は竜太の唇にキスした。そして竜太が帰った後、お母さんに一部始終を覗かれていた事を知り、羞恥に悶える私なのだった。

 

母:「歩夢ってば~、好きな子の前だとあんなに大胆になるのね~? お母さん知らなかった~」ニヤニヤ

 

歩夢:「うっさい!!!///////////」

 

 

― 歩夢ちゃん Happy Birthday ―




歩夢ちゃん誕生日おめでとう!!

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劇場番編8:雷門魂

2-4。チームゼロリードの雷門ボールで試合再開。ボールは天馬に渡るが牙山の荒々しいタックルでボールを奪われてしまう。そこに聖良さんがディフェンスに入る。

 

牙山:「小娘に奪われる私ではないわ!!!」

 

聖良:「それはどうですかねっ!![超・スノーエンジェル]!!!」

 

ガキィイイイン!!!

 

聖良さんは牙山を氷漬けにしてあっさりボールを奪った。

 

牙山:「っ! こんな古い技に!?」

 

聖良:「完全進化した[スノーエンジェル]です!! 元プロリーグの意地を見せます!! 風丸くん!!」

 

ボールは風丸さんに渡り、パスを出した聖良さんも前線へと上がって行く。そこに火北がディフェンスに入る。

 

火北:「そのボール没収する!!」

 

風丸:「[超・疾風ダッシュ]!! 鹿角!!」

 

風丸さんは疾風の如き電光石火のスピードで火北を抜き去り前線に上がっていた聖良さんにボールを戻し、自身は鬼道さんの元へと走る。

 

聖良:「そっちは大人が1点決めてるんですからこっちも決めても文句は無いですよねっ?」

 

そう言うと聖良さんはシュート体勢に入る。ボールが凍結し、吹雪がボールの周りを吹き荒れる。そのボールを聖良さんは思い切りシュートした。

 

聖良:「[エターナル···ブリザァアァアアアドッ・Z]エェット!!!」

 

氷の弾丸シュートがゴール目掛けて飛んでいく。

 

聖良:「鬼道くん!! シュートチェインです!!」

 

鬼道:「任せろ!! ピュィィイイイッ!!」

 

鬼道さんが指笛を鳴らすと地面から五匹のペンギンが競り出してくる。そして[エターナルブリザード]を後押しする様にシュートするとペンギンも一緒に飛んでいき前を走っていた不動さんと風丸さんがツインシュート。

 

鬼道:「[皇帝ペンギン····」

 

風丸・不動:「···2号・Z]!!!!!」

 

さらに勢いを増したシュートが、親父目掛けて飛んでいく。

 

不動:「大海!! もう一発行け!!」

 

龍也:「おう!![剣撃乱舞···・Z]エェット!!! おらぁああああああっ!!!」

 

ドゴォオオォォオオオンッ!!!

 

親父が更にだめ押しのダブルチェインを叩き込む。シュートはゴール目掛けて一直線。

 

六塔:「[グラビティポイント・V3]!!!」

 

GKの教官六塔の必殺技で発生した重力場がシュートを押さえ付けようとする。が、そんな物1秒も持たずにシュートはゴールに突き刺さった。

 

 

せつ菜:「凄いです!! あれが監督たちの力なんですね!!」

 

愛:「凄い連携レベル····あの頃から衰えてない!!」

 

 

3-4。ゼロボールで試合再開。すると牙山にボールが渡り、教官4人の連携シュートを撃ってきた。

 

大風谷:「[風!!」

 

林野:「林!!」

 

火北:「火!!」

 

牙山:「山!!デストロイヤー]!!!!」

 

ドゴォオオォォオオオンッ!!!

 

教官たちの4つの属性が込められたシュートが円堂さんを襲う。

 

円堂:「止める!!」バッ!!

 

 

 

三国:「あれは[マジン・ザ・ハンド]!?」

 

海未:「いいえ。違います」

 

 

すると円堂さんの背後に黄金色の、Vの字の様な翼の様なオーラが現れ円堂さんは右手をつき出す。

 

円堂:「[絶・ゴッドハンドV]!!!」

 

ガガァアアァアアアッ!! バシィッ!!

 

円堂さんは[風林火山デストロイヤー]を苦もなくあっさりと止めた。

 

円堂:「霧野!!」

 

ボールは霧野先輩に渡る。

 

聖良:「霧野くん! どんな攻めも、ボールが無い事には始められない。ボールを奪うディフェンスこそ、最初のオフェンス。良い体勢で取れれば、良いオフェンスに繋がる事を忘れないで下さい!!」

 

霧野:「はい!! 神童!!!」

 

今度はキャプテンにボールが渡る。

 

鬼道:「神童、ゲームメイカーは常に冷静でなければならない。相手と見方の位置、その時その時の状況、試合中のあらゆる要素を使って、相手の動きをコントロールするんだ!!」

 

神童:「はい!! 必殺タクティクス!!<神のタクト>!! 天馬!!」

 

ボールは次に天馬に繋がる。

 

風丸:「天馬、お前はサッカーへの熱い思いと、攻めの素質を持っている。自分を信じて後一歩前に踏み出せ!! お前ならやれる。自信を持って行け!!」

 

天馬:「はい!!」

 

牙山:「行かせるものか!! 」

 

天馬:「[そよ風ステップ・V4]!!!」

 

天馬は牙山を抜き去り剣城にパスを出す。

 

不動:「剣城、時に守り、自分の背中を預けられるのが仲間だ!!まぁもっともそんな事お前はとうに気がついてるだろうけどな」

 

剣城:「そんな事、キャプテン!! 手を貸してください!!」

 

剣城とキャプテンはシュート体勢に入る。ボールを次々に蹴りあげながらエネルギーをチャージし、とどめに二人同時に蹴り落とす。

 

剣城・神童:「「[ジョーカーレインズ]!!! 大海!! シュートチェインだ!!」」

 

龍也:「竜太、今のアイツらは、力を併せてお前に着いてこられる力を持っている。エースの役割は、チームを勝たせる事!! お前は前だけ見て思い切りやれ!!」

 

竜太:「分かった親父!![剣撃乱舞・V4]!!!!」

 

ドゴォオオォォオオオンッ!!!!

 

六塔:「これ以上はやらせん!![グラビティポイント・V3]!!」

 

六塔の必殺技がシュートを押さえ付ける。しかしそれでも勢いは止まらずにゴールに突き刺さった。

 

4 - 4。

 

牙山:「こ、こんな馬鹿な···· ピリリリリッ!! っ!? もしもし、イシド様」

 

イシド:『下がれ。「は?」下がれと言っている。これ以上私を失望させるな』

 

牙山:「は、はい!!! 良いな白竜! 何としても勝て!! 負けたらお前たちに存在する意味は無いのだからな!!!」

 

白竜:「!! はい!!」

 

そして相手の教官たちが元々のゼロの選手と戻った事で親父たちも交代し、元の勝負に戻った。

 

天馬:「監督!! ありがとうございました!!!」

 

円堂:「お前たちは、俺たちの意思を受け継ぐ雷門イレブンなんだ。正々堂々、力の限り思い切りやってこい!!」

 

雷門:「「「はい!!!!!」」」

 

海未:(私たちの意思は、天馬君たちの世代にしっかり受け継がれています。だから、きっと大丈夫です)

 

フォーメーションチェンジ

 

ゼロ

 

GK       蛇野

 

DF 木屋  江島  佐喜  鬼塚

 

MF 悠木  青銅  林音  カイ

 

FW     シュウ 白竜

 

雷門

 

FW  剣城   大海   高咲 

 

MF   宮下  神童  松風

 

DF 天王寺 霧野  三船  ヴェルデ

 

GK       三国

 

 

 

― 続く ―




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劇場番編9:天より高く

4-4。ゼロボールで試合再開。するとホイッスルと同時に白竜が化身を発動して突っ込んで来た。そこに侑も化身を発動してディフェンスに入る。

 

侑:「私が行く!!【戦場の女神ジャンヌ・零式】!!」

 

【ジャンヌ】が盾を使って【シャイニングドラゴン】を押さえ込む。しかし【シャイニングドラゴン】のブレスに呑まれて【ジャンヌ】は消滅。侑は吹き飛ばされ白竜と【シャイニングドラゴン】は尚も爆走する。

 

天馬:「侑先輩!! なら俺が!!【魔神ペガサス・伍式】!!!」

 

天馬と白竜がボール越しに蹴りあう。【ペガサス】と【シャイニングドラゴン】は両手で組み合うが、【シャイニングドラゴン】のくちばしの一突きが【ペガサス】の人間で言う心臓付近に突き刺さり、苦悶の声を上げながら【ペガサス】も消滅。天馬までも吹き飛ばされ白竜と【シャイニングドラゴン】は突き進む。

 

エマ:「これだけ化身を動かせば!! 栞子ちゃん!!」

 

エマ・栞子:「「[ランサーレインズ]!!!」」

 

天井にエマが[守護騎士の盾]を応用して作った鋭い鉄槍が何本も現れる。そこに栞子が[グラビティバインド]を応用して地面へと力をかける。

すると鉄槍が高重力により凄まじい勢いで真下の【シャイニングドラゴン】へと突き刺さる。

通常であればこのクラスの化身はこの位はね飛ばせるが、化身はそもそも出してからの時間経過と動かせば動かすほどどんどんパワーは落ちていくもの。

天馬と侑の足止めで弱っていた【シャイニングドラゴン】の身体を何本も鉄槍が貫通し、【シャイニングドラゴン】は解除された。

 

白竜:「ぐっ·····!!」

 

ボールを奪ったエマから天馬にパスが飛ぶ。そこにシュウがディフェンスに入る。

 

シュウ:「天馬!! サッカーは人の価値を決める物だ!! 君たちみたいな甘い奴らに、ボクたちが負けるはずがない!! 来い!!【暗黒神ダークエクソダス】!!!」

 

シュウが巨大な戦斧を持った漆黒の化身を呼び出す。あの化身にはペガサスでは勝てないぞ。

 

天馬:「違う!! 確かに、サッカーをしていれば辛いことや苦しいことも確かにある。でも····決してそんな、残酷な物じゃない!!! "天まで届けっ!!!"【魔神ペガサス()()()】!!!!」

 

何と天馬の化身【ペガサス】が、純白の翼をもつ化身、【魔神ペガサスアーク】へと進化した。

 

ペガサスアーク:『ウォオオォォオオオッ!!!』

 

ドガァアアァァアアアッ!!

 

【ペガサスアーク】は【ダークエクソダス】の斧の斬撃を掻い潜り拳で【ダークエクソダス】をぶん殴る。吹き飛ばされた【ダークエクソダス】は消滅し、天馬はシュウを突破した。

 

天馬:「シュウ!! これが俺たちの、"雷門サッカー"だ!!!」

 

その声と共に天馬と【ペガサスアーク】はシュート体勢に入る。天馬と【ペガサスアーク】は空高く飛翔。天馬の右足ボレーと同時に【ペガサスアーク】はボールを思い切りぶん殴る。すると光輝く羽を撒きながら、シュートはゴールめがけて急降下。

 

天馬:「[― ジャスティスウィング ―]!!!」

 

シュートが迫る中、蛇野も必殺技の体勢に入る。白い大蛇を呼び出し、シュートをブロック。

 

蛇野:「[サーペントファング・G2]!!!」

 

蛇野も必死に耐えるが、天馬のシュートは止まらずゴールに突き刺さり5-4。

 

 

 

白竜:「俺たちが····逆転されただと······?」

 

シュウ:「雷門はボクたちが思ったよりも強かった。それだけだよ」

 

白竜:「確かに奴らは強い!! だが俺たちは究極になるために、その為だけに、どんな辛い練習にも耐えてきたんだ!!!」

 

シュウ:「こうなったら全部ぶつけよう。ボクたちの全てを·····!!!」

 

 

 

ゼロボールで試合再開。すると白竜とシュウは同時に化身を発動し、【聖騎士アーサー】を出してきた。

 

栞子:「皆さん!! 化身を使える時間は限られてます!! ここを乗り切れば勝てます!!!」

 

雷門:『『『おう!!!』』』

 

シュウ:「乗り切る? 果たして出来るかな? 行くよ白竜!!!」

 

シュウ・白竜:「「[― ソードエクスカリバー ―]!!!」」

 

【アーサー】の渾身の力を込めた剣の一振りで、超越的な破壊力のシュートが襲いかかる。

 

剣城:「来い!!【剣聖ランスロット・伍式】!!!」

 

【ランスロット】を呼び出した剣城が[― ソードエクスカリバー ―]を蹴り返そうと足をぶつける。すると【ランスロット】が剣で【アーサー】に斬りかかる。剣と剣がぶつかり合うが、【アーサー】のパワーの前に【ランスロット】はかきけされ、剣城は吹き飛ばされる。

 

侑:「来て!!【戦場の女神ジャンヌ・零式】!!!」

 

今度は侑が【ジャンヌ】を呼び出し鋼の盾をぶつける。しかし【ジャンヌ】は盾ごと切り裂かれ、侑も吹き飛ばされるが少し【アーサー】の剣が刃こぼれした。

 

竜太:「まだだ!!!【海皇龍ブルーヒドラ・零式】!!!!」

 

俺も化身を呼び出し足をぶつける。【ブルーヒドラ】の3つの頭それぞれから放射される激流のブレスが【アーサー】の剣を押し戻す。しかしそれでも【アーサー】の方が力が上で【ブルーヒドラ】は切り裂かれた。

 

天馬:「これだけブロックすれば!!【魔神ペガサスアーク】!! 行けええええええ!!!」

 

天馬が足をぶつけてシュートブロック。【ペガサスアーク】が【アーサー】に殴りかかり、【アーサー】はそれを剣で受け止める。すると侑の【ジャンヌ】がつけた刃こぼれの箇所から剣にヒビが入りついに粉砕。ボールはタッチラインを割り外に出た。

 

白竜:「ほう?【アーサー】のシュートを防いだか」

 

竜太:「俺たちが化身を出せるのは後一回位か······」

 

天馬:「キャプテン、剣城、もしもまだ相手が【アーサー】を出してきたら、俺の合図で同時に化身を出してください。できるか分からないけど、合体化身には合体化身で対抗します。」

 

剣城:「一か八かだが····」

 

神童:「それしかないか······」

 

竜太:「ならその他の化身は俺たちがやる。愛さん、侑、頼む。」

 

侑・愛:「「分かった(ガッテン)!!!」」

 

 

― 続く ―




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劇場番編10:変化

ゼロボールのスローインから試合再開。しかしゼロはもうかなりの数化身を出している。もう力はほとんど残ってないとおもうが·····嫌な予感がする。

 

カイのスローインからボールは白竜へ。すると白竜とシュウはまだ化身を出し、【聖騎士アーサー】を降臨させる。

 

栞子:「そんな!? 化身を使える時間は限られ·······!?」

 

見ると、悠木、青銅、林音、カイの化身使い4人から化身オーラが立ち上ぼり、それがシュウと白竜に流れ込んでいた。

 

竜太:「まさか!! 化身の力を、白竜とシュウに分け与えているのか!?」

 

白竜:「そうだ。これが、半永久的に化身を持続させる、《化身ドローイング》だ!!!」

 

天馬:「止める!! 剣城!! キャプテン!!」

 

三人は化身を同時に発動して天馬を先頭に縦ならびで突っ込む。

 

神童:「【聖騎士アーサー】が二体の化身の並列繋ぎなら、」

 

剣城:「こっちは三体の化身の直列繋ぎだ!!!」

 

天馬:「3つの化身よ!! 1つになれ!!!」

 

すると三人の化身がオーラに戻り1つへと融合。そしてオーラの色が漆黒から灼熱の赤色へと変わっていき、中からオレンジ色のアーマーと鷲の様な頭部鎧を身につけた魔神が姿をあらわした。

 

天馬・剣城・神童:「「「【魔帝グリフォン】!!!!」」」

 

【グリフォン】と【アーサー】が熾烈な空中戦を始める。【アーサー】の剣城を【グリフォン】が両腕に装着されたクローで受け止め、カウンターで【アーサー】に斬りかかる。【アーサー】も応戦するが二体合体と三体合体の差なのか【グリフォン】が圧している。

 

悠木:「させるか!! 白竜たちの援護だ····「お前らの相手は俺たちだ!!!」」

 

そして4体の化身を出してきたゼロに対して俺、侑、愛さんも三人同時に化身を発動する。

 

竜太:「俺たちの化身よ!! 1つになれ!!!」

 

そして俺たちの化身もオーラに戻り1つへと融合。そしてオーラの色が漆黒から更に深い闇色へとかわり、中から凄まじい威厳と威圧感を持った、"王龍"が姿をあらわす。

 

竜太・侑・愛:「「「【覇王龍バハムート・零式】!!!」」」

 

カイ:「な、なんだ!? この化身は!!」

 

林音:「俺たちの化身が、怯えている?」

 

竜太:「行くぞ!! 【バハムート】!!」

 

【バハムート】が自身の翼を軽く羽ばたかせただけで暴風が発生。青銅たちを飲み込み吹き飛ばすと、衝撃で化身は消滅。完全に化身パワーが切れた。

 

竜太:「俺たちに出来るのはここまでだ。天馬!!【アーサー】を倒せ!!!」

 

そして度重なる化身の発動と【バハムート】という強大な力を持った合体化身を出したことで俺たち三人の化身パワーも切れた。

 

そして空中では【グリフォン】と【アーサー】、天馬とシュウが戦っている。

 

天馬:「シュウ!! サッカーは人の価値を計る物なんかじゃない!! 元気をくれたり、仲間の大切さを教えてくれる、絶対楽しい物なんだ!!」

 

シュウ:「っ! 違う!! ボクは···「なら取り戻す」っ!」

 

天馬:「シュウのサッカーを、取り戻す。「ボクの···サッカー····」」

 

そして天馬の想いに呼応してパワーをました【グリフォン】が【アーサー】を切り裂いた。そして白竜とシュウも化身パワーが切れ、天馬たちは残りの化身パワー全てをこの【グリフォン】の一撃に注ぎ込む。

 

神童:「[― ソード······」

 

剣城:「····オブ····!!」

 

天馬:「ファイアアアアアアアッ ―]!!!!」

 

【グリフォン】が化身シュート技[― ソード・オブ・ファイア ―]を放つと同時に、天馬たちの化身パワーも切れる。

 

蛇野:「これだけは絶対に止めてやる!! [サーペントファング・G3]!!!」

 

進化し更にデカくなった大蛇がシュートにかぶりつく。しかしそんなものは一瞬で灰塵と化し、シュートはゴールに吸い込まれた。

 

白竜:「そんな·····俺では究極になれないと言うのか!!!!」

 

神童:「今のお前たちでは、本当の強さが何なのかを知ることは出来ない」

 

白竜:「っ! どういう意味だ!!」

 

神童:「勝てば嬉しく負ければ悔しい、負けたくないから勝とうと努力して、心と身体が強くなり、共に闘う仲間の大切さを教えてくれる。それがサッカーの素晴らしさなんだ!!!」

 

白竜:「くだらん!!」

 

剣城:「白竜、おれはこの島を出てからずっとお前に伝えたかったことがある。俺は雷門にいって、自分を高めあえるライバルと出会えた。でも、俺の一番最初のライバルは白竜、お前なんだ。お前と競いあって、上手くなろうと切磋琢磨した日々は、本当に楽しかったよ」

 

白竜:「剣城·····」

 

シュウ:「白竜、ボクたちは究極と言う言葉に拘り過ぎてたのかもしれないね」

 

白竜:「シュウ·····」

 

青銅:「白竜、俺は雷門に負けたくない。全力で戦って勝ちたい」

 

江島:「俺もだ。」

 

鬼塚:「俺も!!」

 

白竜:「お前たち、やってくれるのか?」

 

シュウ:「皆!! 全力で楽しんで、天馬たちに勝とう!!!」

 

ゼロ:『『『おう!!!』』』

 

天馬:「さあ! 思い切りサッカーやろう!!」

 

 

ここから、本当のサッカーで激突する。

 

 

 

雷門 6 - 4 ゼロ

 

 

― 続く ―




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劇場番編 終 :決着!!

試合時間もあとわずか。6-4雷門リード、お互いに極限まで消耗し雷門もゼロもお互いに化身は残っていない。

 

そしてゼロボールで試合再開。

 

青銅:「悠木!!」パスッ

 

ボールを受け取った青銅から悠木にパスが飛ぶ。しかし、

 

悠木:「オーラ···「させるか!!」っ!?」

 

青銅のパスを愛さんがカットしてドリブルで上がって行く。そこに木屋、江島、青銅が三人で囲いこんでディフェンスをかける。

 

すると愛さんはボールを地面に残して自分だけ跳ぶ。三人はあっけにとられたが、地面に残っているボールを取ろうと走る。

 

木屋・江島・青銅:「「「もらっ····!?」」」

 

するとボールの真下の地面から赤い龍がボールをくわえて飛翔。三人を吹き飛ばして愛さんの元へ。

 

愛:「[昇り龍]!! 剣城くん!!」

 

愛さんからのパスが剣城に渡り剣城はシュート体勢に入る。すると剣城の背に漆黒の炎の翼が生え、そのエネルギーをボールにチャージして思い切りシュートした。

 

剣城:「[デビルバースト]!!! ハァアアァアアアッ!!!!!」

 

蛇野:「これ以上点はやらん!! [サーペントファング・G3]!!!!」

 

蛇野はまたしても白い大蛇を呼び出してシュートをガード。しかし今度はがっちりとキャッチした。

 

蛇野:「カイ!!」

 

蛇野のロングスローからボールはカイへ。

 

カイ:「ほっ!! シュウ! 白竜!!」

 

ボールを胸でトラップしたカイはそのままボールを前線の二人に蹴る。するとシュウが闇、白竜が光のオーラを足に込めてシュート体勢に入る。

 

シュウ・白竜:「「[ゼロマグナム]!!!」」

 

二人のツインシュートが雷門ゴールに襲いかかる。しかし三国先輩も必殺技で迎え撃つ。

 

三国:「止める!! [無頼ハンド・改]!! はぁああぁあああっ!!!」

 

進化した三国先輩の必殺技が[ゼロマグナム]をしっかりと受けきり止めて見せた。

 

三国:「いいシュートだ!!」

 

白竜:「ふっ、やるな!」

 

カイ:「次は決められるさ!」

 

白竜・シュウ:「「ああ!!!」」

 

三国先輩のゴールキックからボールは天馬に渡り天馬はドリブルで上がる。

 

鬼塚:「行かせるか!!」

 

天馬:「甘い!! 剣城!! キャプテン!!」

 

鬼塚のスライディングをジャンプで躱した天馬はそのままシュート体勢に入る。ボールを上に蹴りあげ、それを二人が[ジョーカーレインズ]で落とし、それを天馬が[マッハウィンド]でボレーシュート。

 

天馬・神童・剣城:「「「[エボリューション]!!!!!」」」

 

三人の連携必殺技にたいして蛇野はやはり[サーペントファング]で対抗する。が、少し粘ったものの吹き飛ばされてボールはゴールへ·····

 

白竜:「まだだ!!」

 

シュウ:「[ゼロ····」

 

白竜・シュウ:「「·····マグナム]!!!」」

 

ゴールに入りかけたボールを二人がシュートブロックし何とか弾くことに成功。そしてボールに向かって、選手が必死に走る。

 

今この瞬間、両チームともただ必死にボールを追いかけていた。

 

 

 

 

 

 

ピッ、ピッ、ピィイイイーーーーッ!!!

 

ここで試合終了のホイッスル。結果は6-4。雷門の勝利だったが、お互いにヘトヘトでフィールドに大の字になって寝転んでいた。

 

天馬:「シュウ······」ハァハァ

 

シュウ:「天馬······」ゼェゼェ

 

天馬:「楽しかったね·····!!」

 

シュウ:「·····うん!!」

 

白竜:「負けたか·····」

 

剣城:「白竜····」

 

白竜:「剣城···ありがとう」

 

そして雷門もゼロもチーム関係なくお互いにてを貸して立ち上がる。皆笑顔だった。

 

するとスタンドから歓声が聞こえてきた。全員シードの筈だが、ゼロコールだけでなく、雷門コールもなりやまない。

 

白竜:「これは、俺たちの勝負を称えているのか?」

 

音ノ木幼馴染:「「「「「「「「「竜太~!!!!!」」」」」」」」」

 

竜太:「へっ!? ちょっ! 潰れ·····」

 

ドッシーーーーーーン!!!!!

 

桐穂:「竜太~!! 凄かった!!!」

 

すずめ:「絶対に勝つって信じてた!!」

 

ここな:「あんたはもう、こんな大きい男になっちゃって····」

 

希理歌:「そうやよ竜太くん。ここっちは未だに小さいのに」

 

ここな:「希理歌!! 今茶化す所じゃない!!!」

 

希理歌:「分かってるよ、けど···そうでもしないと涙が止まらないんやもん」

 

波未:「希理歌····竜太、よく勝ってくれましたね」

 

蘭:「蘭は信じてたにゃー!!」

 

竜太:「ありがとう」

 

 

 

 

 

― 特別観覧席 ―

 

牙山:「今回は負けましたが、ゼロを鍛え直して必ず!! 「次は無い」は?」

 

イシド:「聞こえなかったか? 次は無いと言っている。我々は今日見てしまったんだ。"革命"を。後、お前が拐わせた雷門と音ノ木坂、UTX、函館聖泉を家に帰してやれ。「えっ!? それは」いいな?」

 

牙山:「は、はい」

 

 

 

そしてその後俺たちは帰る為の船に乗るために船着き場へやって来たらシュウが見送りに来てくれた。

 

シュウ:「天馬、君たちと出会えて本当に良かった!!」

 

天馬:「俺もだよ!! またいつか一緒にサッカーやろうね!!」

 

シュウ:「うん」

 

竜太:「天馬~! 帰るってよ~!!」

 

天馬:「分かった!! じゃあねシュウ!!」

 

そして、俺たち四校を乗せた船はゴッドエデンを後にした。

 

 

 

 

 

シュウ:「天馬····ありがとう」

 

女の子:「お兄ちゃん」

 

そして、どこからともなく現れた女の子とシュウの身体が、まるで初めから()()かっ()()かのように、光の粒子に溶けて消滅していったことを、俺たちは誰も知らなかったんだ········

 

― ゴッドエデン編・完 ―

 

本編へ続く




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第96話:世界トップのFWたち

俺たちがゴッドエデンへと拐われた事件の翌日、俺たちは雷門のサッカー棟で練習していた。

 

あの後フィディオさんとシスティーナさんから「8日間も何処へ行っていたんだ!!」とか、「いくら連絡しても繋がらなくてどれだけ心配したと思ってるの!!」と皆物凄く怒られた。しかし親父たちが事情を説明するとお二人のフィフスへの怒りが爆発。練習なにかやれることがあれば何でも言えと言ってくれた。

 

そして、

 

歩夢:「おはようございます·····」

 

龍也:「遅いぞ歩夢、もう練習始まって······」

 

?:「話には聞いてたけど、これが雷門のサッカー棟か」

 

見ると親父たちと同じかちょっと上位の見た目のおじさんが歩夢先輩と一緒に入ってきた。て言うかウチの親父固まってんだけど·····

 

侑:「一輝おじさん!!」

 

歩夢:「パパに私たちがフィフスセクターに拐われてたこと話したらぶちギレしちゃって、私が無事に帰ってこられて監督たちとちょっと話したいって言うから·····」

 

するとウチの親父が急に歩夢先輩のお父さんに頭を下げた。

 

龍也:「上原先輩ご無沙汰してます!! この度は申し訳ありませんでした!!!」

 

侑:「え? 先輩?」

 

龍也:「ああ。俺がプロ時代沼○でプレーしてたのは知ってるよな? その時の先輩でGKだった人だ。って言うか歩夢お前先輩の娘だったのか?」

 

歩夢:「はい。実はそうなんです·····」

 

すると歩夢先輩のお父さんは首を横に振り、

 

一輝:「いや、事情は歩夢から全部聞いた。俺はな、歩夢には「仲間と友達は何よりも大事にしろ」って教えて育ててきたんだ。なのに友達が人質に取られて自分は行かないなんて言ってたら多分俺は歩夢を見損なってただろう。無事に帰ってきただけで満足だ。」

 

龍也:「先輩·····」

 

システィ:「いいお父さんね。歩夢ちゃん」

 

歩夢:「ちょっと鬱陶しいときはありますけどね」

 

すると歩夢先輩のお父さんは驚愕の顔になり、

 

一輝:「「イタリアの白い流星」フィディオ・アルデナ!? 何でここに!?」

 

フィディオ:「ああ、リュウヤやマモルとFFI繋がりで」

 

すると先輩のお父さんは娘を凄く羨ましそうに見つめ、その日は一輝さんにも練習を見てもらった。

 

― 龍也 side ―

~ 居酒屋 ~

 

一輝:「ほれ、大海も一杯」

 

龍也:「すみません頂きます」

 

ゴクゴク

 

一輝・龍也:「「プハーーー!!!」」

 

そして唐揚げ等の料理が来たので食いながら今までの色々を話した。昔歩夢がサッカーボールを持って一輝さんに「パパ! サッカー教えて!」と笑顔でお願いしてきてその笑顔があまりにも可愛らしく、天使かと思った。や、歩夢は小さい頃本当に楽しそうにボールを蹴る子だった。とか、実の娘にノロケてるのか、とすこし思う。

 

そして話は今へ

 

一輝:「でもなぁ、歩夢が高校生になってからサッカーで笑顔を見せる事が無くなっちまってなぁ····」

 

龍也:「ああ·····」

 

一輝:「聞いたよ。雷門のやろうとしてること。俺たちの頃のあのサッカーを取り戻そうとしてるんだろ?最近の歩夢は全力でサッカーやれてるみたいでまた笑う様になったんだ。だから····ありがとう」

 

龍也:「そんな·····」

 

一輝:「まぁ今日は飲もうや」

 

龍也:「はい。頂きます」

 

 

― 龍也 side out ―

 

そして翌日、俺が朝一番でサッカー棟で練習していると、

 

竜太:「[ラストリゾート]!!!」

 

今回はエネルギーを練り上げる時間を体感で3.4秒程で撃ち出す。シュートはフィールドを破壊しながら突き進みクロスバーに当たり跳ね返る。

 

竜太:「あ~っ! くそ!! 惜しい···「へぇ? なかなかやるじゃないか。」ん? っ!!?」

 

見ると、そこには三人の外国人の男性が立っていた。

 

?:「フィディオが来てくれと言うから来てみたが····中々面白いじゃないか」

 

?:「今のシュート、未完成だったけどミーのハートにギンギンに熱さが伝わってきたよ!!」

 

?:「けどまだ、俺たちと戦り合ってたころのリュウヤには及ばないな」

 

は? 嘘だろ? この人たちは·····!!

 

竜太:「「エドガー・バルチナス」さん!?

    「ディラン・キース」さん!?

    「マック・ロニージョ」さん!?」

 

エドガー:「君が龍也の息子だね」

 

ディラン:「フィディオに話を聞いてミーたちも駆けつけたよ!!!」

 

ロニージョ:「日本は俺たち「ザ・キングダム」の恩人だ。そのサッカーが廃れて逝くのを黙って見ているなど出来ないからな」

 

ヤバい·····!!! 凄い事になりそうだ!!!!

 

 

 

― 続く ―




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第97話:集結するFFIの選手たち

俺がエドガーさんたちと出会い驚愕していると扉が開いて円堂さんと親父が入ってきた。

 

円堂:「おう竜太!! 早いな····って、ぇええええっ!?」

 

龍也:「お前らどうしてここに!?」

 

ディラン:「フィディオからメッセ貰ったんだよ。」

 

ロニージョ:「水臭いぞエンドウ、オオミ、こんなことになってるのに何故言わない」

 

円堂:「いや、さすがに俺たちの問題に巻き込むのは気が引けて·····」

 

エドガー:「何を言ってるんだ君らしくもない。昔の勢いは何処へ行ったんだ?」

 

円堂:「いやあの頃は俺も「若かった」と言うか·····」

 

円堂さん恥ずかしそうだな。まぁ後先考えずに突っ走るタイプだったらしいからな。

 

 

すると時間になっていたのか皆が入ってきた。

 

剣城:「大海、早いな·····は!?」

 

果林:「エドガーさん、ディランさん、ロニージョさん!? どうしてここに!?」

 

龍也:「お前らを鍛えに来てくれたんだってよ。」

 

エドガー:「リュウヤ、私たちだけではないよ。」

 

?:「そうだぜエンドウ!! オオミ!!」

 

扉が開き、5人の男性が入ってきた。

 

テレス:「俺とドモンでDFを鍛えるぜ!!」

 

フロイ:「ボクとマークはMFだね」

 

円堂:「テレスに土門!! マークにフロイまで!!」

 

フロイ:「あとGKと言ったら、彼しかいないよね?」

 

そして4人の後ろから一人の男性が出てくる。円堂さんよりすこし高い身長、特徴的なヘアスタイルの青髪。あの人は····!!

 

円堂・龍也:「「ロココ!?」」

 

ロココ:「久しぶりだね。マモル、リュウヤ」

 

まさかの世界トップレベル選手大集合だった。

 

するとまた扉が開き、今度は誰だ? と思ったら、

 

吹雪:「キャプテン、高坂さんたちがゴッドエデンのことで····って、えぇっ!?なんで!?」

 

穂乃果:「吹雪くんどうしたの?」

 

ツバサ:「早く入ってよ!!」

 

聖良:「どうしたんです····か·····」

 

穂乃果・ツバサ・聖良:「「「ええぇぇええぇええっ!?」」」

 

そこからすこしの間大人組の再会の挨拶や近況報告、そして現雷門メンバーの質問タイムになったが、そろっと練習を始める。

 

 

 

 

 

 

 

テレス:「ほら! キリノ、アマギ、ニシゾノ、もっと身体で行け!! 足だけで行こうとするな!!」

 

霧野・信介・天城:「「「はい(ド)!!!」」」

 

土門:「彼方ちゃん、エマちゃん、栞子ちゃん、璃奈ちゃん遠慮しすぎ!! DFだからと言って守る意識けじゃあ勝てないよ!!!」

 

彼方・エマ・栞子・璃奈:「「「「はい!!!!」」」」

 

 

 

 

マーク:「テンマくんとアユムちゃんはいい感じだよ。セツナちゃんちょっと前のめりになりすぎ!! 味方のポジショニングのバランスを考えて!!」

 

天馬・歩夢・せつ菜:「「「はい!!!」」」

 

フロイ:「シンドウくん、カスミちゃん、シズクちゃん、アイちゃんはは常に味方の位置を確認しつついつでもボールを奪われた時と奪った時を想定して素早く攻守の切り替えを!!」

 

神童・しずく・かすみ・愛:「「「「分かりました!!!!」」」」

 

 

 

 

 

 

ロココ:「行くよ!!!」

 

ロココさんは三国先輩めがけてシュートする。

 

三国:「[無頼ハンド・改]!!!」

 

三国先輩の必殺技がロココさんのシュートを迎え撃つ。しかしノーマルシュートであっさりと破られてしまう。

 

マジか····[無頼ハンド・改]は、白竜とシュウの[ゼロマグナム]を止めた技だぞ·····

 

ロココ:「ヘソの下に力を入れて、そこから下半身に力を流し込む感覚で踏ん張るんだ!! キーパーのキャッチングの基本だよ!!」

 

三国:「はい!!!」

 

 

 

 

 

果林:「[Fire Bird・V2]!!!」

 

進化した果林先輩のシュートがゴールに突き刺さる。

 

フィディオ:「オッケー! ボールにスピンをかける時にもう少し身体の軸を意識すると安定して威力が増すよ!!」

 

果林:「はい!!」

 

侑:「行きます!! [極・ペガサスショット]!!!」

 

フィディオ:「うん。一回転するスピードをボールにもっと乗せられればもっと強力になるよ!!」

 

侑:「はい!!!」

 

輝:「行きます!! [エクステンドゾーン]!!!」

 

シュートはゴール右下に突き刺さる。

 

フィディオ:「君はパワーは凄いけどコントロールが弱いね。毎日リフティングを続けてみな。」

 

輝:「はい!!」

 

剣城:「[デビルバースト]!!!」

 

シュートは轟音とともにゴールに突き刺さる。

 

フィディオ:「凄いな!! 文句なしだ!! 君はコントロールも良いしとにかくキック力upの練習を」

 

剣城:「はい!!!」

 

 

 

 

 

そして俺は······

 

 

 

竜太:「[ラストリゾート]!!!」

 

フィールドを破壊しながらシュートが突き進む。ここまで完成していた事に皆驚いていたがクロスバーに当たり弾かれると「あぁ~····」という顔になった。

 

 

ディラン:「ミー分かったかもしれない。完成しない理由」

 

エドガー:「ああ。私たちが今まで見てきたリュウヤの[ラストリゾート]と比べると、それしか考えられない」

 

ロニージョ:「多分あれだな」

 

竜太:「っ! 何ですか!!」

 

 

果たして完成しない理由とは?

 

 

― 続く ―




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3/5日:<高咲 侑>誕生日編:~ if 侑ルート ~

本当は3月5日に投稿したかった侑ちゃんの誕生日短編です。

正確には侑ちゃんの誕生日は不明ですが、このさい"侑ちゃんの声優をやっている矢野さんの誕生日が侑ちゃんの誕生日ってことでいっか。"

って訳で、始まります!!


俺が高校を卒業し2年が過ぎた。俺が高1の頃のインターハイ終了後に俺は前に告白されて返事を保留にしていたエマと彼方を「ゴメン····」と振って侑に告白。

すると侑からも実は俺の事が好きだったとなんとOKの返事が。晴れて俺たちは付き合う事になりそこから今日までの4年ちょっとの間順調に交際が続いている。

 

 

現在俺はプロ2年目で、一年先輩の侑は侑が高3のインターハイの時にプロのスカウトから声がかかりそのまま卒業と同時にプロ入り。そして俺は侑と同じチームで後輩としてプレーしている。

 

 

そして今日は3月5日、侑の誕生日だ。今日の練習は午前中あがりの予定なので午後から二人きりでデートの予定となっている。

 

 

― ― 練習中 ― ―

 

先輩選手からのセンタリングが上がると、俺と侑は連携シュートの体勢に入る。

 

侑:「竜太!!」

 

竜太:「侑!!」

 

竜太・侑:「「[グレートブラスター・Gx]!!!!!」」

 

[ゼロマグナム]よりも更に眩い光と深い暗黒が1つになり、それを二人でツインシュート。物凄い勢いでゴールに向かう。

 

男性先輩1:「止める!! [キルブリッジ・Gx]!!!!!」

 

アーチ状の橋の様な形のオーラが形成され、そこにぶつかったシュートはアーチを添いながら徐々に威力を殺されながらキーパーの手元に。しかしうけとめきれずに弾かれてシュートはゴールネットに突き刺さる。

 

監督:「よし!! 今日の練習はこれまで。後片付けして解散。お疲れ様」

 

メンバー:『『『『お疲れ様でした!!!!!!!』』』』

 

そして片付けを始める俺たち。すると女子の先輩が俺と侑に話し掛けてきた。

 

女性先輩1:「侑と竜太くん息ピッタリだね!!!」

 

男性先輩2:「なぁ? 正直すげぇと思うわ」

 

女性先輩2:「で? 今日は大海さんと高咲さんはデートですか?」ニヤニヤ

 

女性陣から「キャーーー!!」と黄色い声が上がる。因みに先輩たちは俺と侑が恋仲であることを知っているため度々こうしてイジられる。

そしてそれぞれ別々のシャワー室で汗を流して着替えた後、俺と侑は先輩たちに「お疲れ様でした」とあいさつしてから街にデートに繰り出した。しかしまずは練習後でお腹が減っている為近所の穴場の隠れ家風イタリアレストランで昼食を取る。

 

 

 

 

竜太:「俺は·····「若鶏のチキンステーキポン酢ソースがけ」と「ライス&スープバーセット」で。」

 

侑:「私は「ベーコンと春野菜のクリームパスタ」と「サラダ&スープバーセット」で。」

 

店員:「畏まりました。」

 

そして暫く談笑していると料理が運ばれてきたので二人で食べて会計を済ませて店を出る。因みに俺が奢った。侑は私が先輩だから私が出すと言ったが彼女の誕生日のデートて彼女に奢らせては末代までの恥!! キッパリ断って奢らせて頂いた。 

 

 

 

竜太:「次は何処行く?」

 

侑:「ん~····雑貨屋行きたいかなぁ。何か掘り出し物があるかもしれないし。」

 

そして俺たちは近くの雑貨屋に行き色々眺めていると良さそうな手帳を見つけた。

 

竜太:「これなんかどうだ?」

 

侑:「ん~···いまいちトキメキが足りないかなぁ?」

 

たまに思うけど侑のトキメキって基準がよくわからない時があるんだよなぁ·····

 

 

 

そして暫く見ていると青色のパスケースと若草色のパスケースを見つけ、「若草色の方は侑に良いのでは?」と思い侑が他の物を見るのに夢中になっている隙に会計を済ませてバッグに突っ込んだ。

 

そして雑貨屋を出ると目の前の服屋のショーウィンドウが目に留まり、なかにピンク色のウサ耳フードのパーカーの小さい女の子向けの服が飾ってあった。

 

侑:「こういう服小さいとき歩夢が好きでよく着てたんだよねぇ···」

 

竜太:「へぇ、可愛いですね········侑やってくれない?」

 

侑:「何を?」

 

竜太:「侑ピョン」

 

侑:「はぁ? やだよ。似合わな···「え~? 絶対に可愛いのに····」······例えそうだとしても歩夢には負けるから」

 

そして夕方まで街をぶらつきケーキ屋でケーキを3つ買い家に帰る。いい忘れてたけど俺と侑同棲してるんだよね。

 

因みに何故ケーキが3つなのかと言うと現在大学生の歩夢先輩が遊びに来るからだ。侑の誕生日と言ったら歩夢先輩は外せないでしょう?(断言)

 

 

 

そして家で二人で晩御飯を作っているとインターホンが鳴り、侑が出ると歩夢先輩だったので家に入れる。

 

歩夢:「こんばんは~。侑ちゃん、竜太くん。」

 

竜太:「こんばんは、歩夢先輩。さっ、夕飯出来ましたよ?」

 

そして三人で食卓を囲みケーキを食べて暫く話した後侑と歩夢先輩が風呂に入る。あっ、歩夢先輩今日ウチに泊まります。

 

そして俺も風呂に入った後で侑にプレゼントの先ほど買ったパスケースを渡す。侑はすごく喜んでくれて俺としても嬉しかったが何か侑の様子がおかしい。何か恥ずかしがってる見たいな。

 

 

侑:「あの····竜太、歩夢、ぜ~~ったいに笑わないでね?」

 

竜太・歩夢:「「? 何が?」」

 

すると侑は自分の両手を頭の上に持ってきて、

 

侑:「ゆ···侑ピョンだピョン/////」

 

竜太・歩夢:「「··························」」サッ カシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャ

 

あまりの可愛さに目にも留まらぬ速さでスマホを取りだし連写でシャッターをきる俺と歩夢先輩。

 

ヤバい超可愛い。

 

 

侑:「や、やっぱりへ···「「変じゃない!! むしろメチャクチャ(物凄く)可愛いから!!!」」そ、そう? 竜太も歩夢もちょっと怖いよ?」

 

竜太・歩夢:「「あ、ごめん」」

 

竜太:「侑、それ俺以外の男に見せるなよ? 見た男に殺意が芽生えるレベルでやきもち妬くから。」

 

歩夢:「同じく」

 

侑:「そ、そんなに可愛かった?」

 

そして今日は疲れたので就寝にした。

 

 

― 侑ちゃん Happy Birthday ―




はいありがとうございました。

おそらく侑ちゃんはAーRISEと一緒で誕生日不明で通される気がしたので中の人と同じ誕生日と言うことにしました。

もしかしたら公式に発表されるかは分かりませんがね·····

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第98話:完成!!雷門の最終兵器

エドガーさんたちに俺の[ラストリゾート]を見てもらったら完成しない理由が分かったって····いったいどうすれば完成出来るんだ?

 

ロニージョ:「リュウタ、君は今[ラストリゾート]を撃つときに、ボールがゴールの枠から外れない様に、すこし上から被せてやや地面に叩きつけ気味に蹴ってないかい?」

 

竜太:「はい。前にボールへのエネルギーの上手い纏わせかたが分からなかったときに、真正面から蹴ったら暴発してあらぬ方向へ飛んでたのでコントロールするために」

 

ディラン:「じゃあエネルギーのコーティングから練り上げはもうできてるからそのまま真正面から蹴ってみなよ」

 

? 今のまま正面から? コントロール出来なかったら危険だぞ?

 

竜太:「分かりました·····」

 

そして俺はもう一度[ラストリゾート]の体勢に入る。ボールにエネルギーの塊を纏わせてオーバーヘッドで下に落として先回りからの左足払いで約3.4秒オーラを練り上げ、今度は真正面からボールを蹴り飛ばす。

 

竜太:「[ラストリゾート]!!!」

 

今度は叩きつけ気味に蹴っていないので、先程より2メートル程ゴールに近い位置でファーストバウンド。そのままフィールドを破壊しながら突き進み、そして·····

 

ドゴォオオォオオォォオオオン!!!

 

シュートは轟音を響かせながらゴールネットに突き刺さった。

 

竜太:「え? で、出来た·····?」

 

あまりにもあっさりと成功して俺が驚いていると、それを見ていた皆が駆け寄ってきた。

 

信介:「竜太スゴい!! あの伝説の技を完成させるなんて!!」

 

歩夢:「うん!! 竜太くん凄い!!」

 

竜太:「え··あ···う、うん·····」

 

自分が一番驚いてるよ。でもなんで·····

 

ロニージョ:「結論を言うとね、君の[ラストリゾート]は既に完成してたんだ。俺たちはコントロールのやり方を少し変えさせただけ」

 

竜太:「え? それってどういう·····」

 

エドガー:「君が以前暴発していた時は、蹴り方は間違って無かったんだ。ただ、エネルギーの練り上げが不十分で、エネルギーが不安定だったせいで暴発してただけなんだよ」

 

ディラン:「でも今はしっかりと安定させて蹴ることが出来ている。それを被せて蹴ってたら、ただでさえ強くなったバウンドがより強くなってしまい、ゴールから外れやすくなる。だから俺たちは本来の蹴り方に戻しただけさ」

 

そう言うことだったのか······

 

天馬:「これで準々決勝で使えるね!!!」

 

せつ菜:「はい! 確か相手は······」

 

竜太:「ええ。()()()()()()です。」

 

すると果林とエマが、

 

果林:「あの···ディランさん、マークさん·····」

 

エマ:「私と果林ちゃんに、[ユニコーンブースト]を教えてください!!!」

 

ディラン:「ワッツ? [ユニコーンブースト]を? ······オーケイ!! 間に合うかは分からないけど、ジャパンには「思い立ったが吉日」っていう言葉もあるしね! ミーとマークで出来る限り教えるよ」

 

マーク:「ああ。恐らく化身使いのキーパーにもある程度は通用するだろう。駆け足ぎみにはなるが、しっかり着いてこいよ?」

 

果林・エマ:「「はい!!!」」

 

彼方:「彼方ちゃんはディフェンスの技術を鍛えたいかなぁ?」

 

栞子:「私もです」

 

テレス:「オーケー、みっちり鍛えてやるよ。と、その前に···カナタ、お前はパワーはそこまで無いが相手の動きの読みかたが上手いからそれに相性が良いディフェンス技を教えてやるよ」

 

彼方:「えっ!? なんですか!!」

 

テレス:「その技は、[ジグザグフレイム]だ」

 

彼方:「分かりました。教えてください」

 

 

 

そしてチーム練習でオフェンス3人、ディフェンスキーパー入れて4人でハーフコートの練習に入る。先ずはオフェンス神童キャプテン、天馬、俺の3人vsディフェンス璃奈、天城先輩、彼方、ゴールキーパー三国先輩の4人。

 

神童:「天馬!!」

 

キャプテンからのパスが天馬に通り、そこに璃奈がディフェンスに行く。

 

璃奈:「行かせない···![真・サイバー···「竜太!!」っ!」

 

璃奈が必殺技の体勢に入った瞬間天馬はパスアウトしボールは俺に。俺がロングシュートの体勢に入ると彼方と天城先輩がシュートコースの間に入りブロックの構えを取る

 

竜太:「[超・エクスカリバー]!!!」

 

ザンッ!!! ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!

 

エドガー:「!?」

 

彼方:「行かせないよ~! [爆・ダークトルネード]!!!」

 

進化した彼方の必殺シュート技が最終進化した[エクスカリバー]をブロック。しかしあっさりと斬り捨てられシュートは尚も突き進む。

 

天城:「俺だってゴッドエデンで特訓して強くなったんダド!! [アトランティスウォール]!!!」

 

天城先輩が海中から古代遺跡を呼び出して神秘のエネルギーでシュートをブロック。彼方のブロックがあったとは言え、最終進化した[エクスカリバー]を止めて見せた。

 

テレス:「へぇ? アイツ[エクスカリバー]も使えるのか······ん? どうしたエドガー?」

 

チラッとエドガーさんを一瞥すると、エドガーさんはどこか遠い目をして茫然としていた。

 

 

 

― 続く ―




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第99話(竜太side):病床の少年、雨宮(あめみや)太陽(たいよう)

エドガーさんたちにアドバイスを貰い俺が[ラストリゾート]を完成させ、その日の練習は全て終了し皆が帰り仕度をしているとき、

 

竜太:「剣城、今日って優一さんの所行く予定あるか? 久し振りに会いたいんだけど」

 

天馬:「剣城ってお兄さん居たんだ。俺も行っても良いかな?」

 

剣城:「ああ、良いぞ? 兄さんも俺を変えてくれた二人に会いたいって言ってたからな」

 

竜太:「分かった。スミマセンお疲れ様でした」

 

そして俺たち3人で病院に向かった。

 

 

 

そして優一さんの病室に着き、剣城を先頭に俺、天馬と続いて入る。

 

優一:「京介、練習終わったのか? ·····あっ、竜太くん久し振り。それと君は····?」

 

天馬:「俺、松風天馬って言います! 同じサッカー部の1年です」

 

優一:「ああ君が····。竜太くん、天馬くん、改めて言わせてくれ。京介を受け入れてくれてありがとう」

 

天馬:「いえ、そんな·····でも、前から気になってたんだけど、剣城は何でシードになったの?」

 

剣城:「ああ、それは······」

 

そして剣城は天馬に全部を話した。そして何故帝国戦から味方になったのかを。

 

天馬:「そうだったんだ····。お兄さんの足の治療費の為に·····」

 

剣城:「兄さんの足のケガは、俺のせいなんだ。11年前、二人で公園でサッカーしているときに俺が誤ってボールを木の上に上げてしまってな。取ろうとして木に登って落ちた俺を助ける為に兄さんが下敷きになって足を····」

 

優一:「京介、何度も言ってるがそれは京介のせいじゃない。偶々運が悪かっただけだ」

 

天馬:「いいお兄さんだね。剣城」

 

剣城:「ああ俺の大切な家族だからな」

 

竜太:「まぁちょっと俺らは席を外しますよ。二人で話したい事もあるでしょうし。行くぞ天馬」

 

天馬:「あっうん。後で戻ります」

 

剣城:「悪いな、気を使わせて。ありがとう」

 

 

 

 

 

 

そして俺と天馬が病院の中を歩いて中庭に出るとこっちにサッカーボールが転がってきた。

 

?:「すみませーん!!! こっちです!!」

 

天馬が病服を着たオレンジ髪の俺たちと同い年くらいの少年にボールを蹴り返してやると子どもたちが「お兄ちゃんたちもいっしょにやろ~」と誘ってきたので一緒にやることにした。

 

竜太:「俺は大海竜太。よろしく」

 

天馬:「俺は松風天馬。」

 

?:「僕は雨宮(あめみや)太陽(たいよう)。よろしく」

 

竜太:「ルールはどうする?」

 

太陽:「じゃあ僕と竜太のペアから"天馬と子どもたちでボールを奪う"でどう?」

 

天馬:「分かった。皆も良い?」

 

子どもたち:『『は~い!!!』』

 

そして出会った太陽と一緒に子どもたちとボール遊びをしていると太陽が少し疲れたと言うので休憩をとる。

 

天馬:「太陽すごく上手いよ!! でも、何処が悪くて入院してるの?」

 

太陽:「肺の病気なんだ。普通にしてる分には問題無いんだけど、走ったり心拍数が高くなる運動をすると、酸素を上手く身体に送れなくて体力が長く続かないらしい」

 

天馬:「そっか····」

 

太陽:「でも、手術して成功すれば術後3週間くらいで完治するらしいんだけど····成功率がね」

 

竜太:「低いのか」

 

太陽:「うん。珍しい病気らしくて」

 

竜太:「そっか····。あっ、天馬、そろそろ剣城の所戻ろうぜ」

 

天馬:「うん、じゃあね太陽。また来るからその時はまた一緒にやろう?」

 

太陽:「うん!! 待ってるよ」

 

そして俺と天馬は優一さんの病室に戻り、剣城兄弟に声をかけて家に帰った。

 

 

 

 

~ 監督 side に続く ~




感想・評価宜しくお願いします。


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第99話(監督side):フィフスの深淵

おっす!! 龍也だ。今日は本当にビックリしたなぁ。

 

練習の為にサッカー棟に行ったらエドガーやディラン、ロニージョが居るんだもんなぁ·····。

 

皆フィディオが呼んでくれたらしいけど、来てくれたのは三人だけじゃなかった。テレスやマーク、フロイに土門まで来てくれた。そして何よりも俺たちが一番驚いたのはロココだ。

 

ロココはFFIで俺のシュートを何度も軽々止めて見せた世界最強のGKだ。引退前のW杯予選リーグで一緒になり、日本とコトアール戦は引き分けでお互いに決勝トーナメントには進出したが日本は2位通過だった。

 

でもそんな凄いやつらが日本のサッカーの為に手を貸してくれるんだから俺たちのサッカーは無駄ではなかったと実感できる。

 

 

さて、今は······

 

 

土門:「豪炎寺が敵の親玉!?」

 

テレス:「マジかよ······」

 

フィディオ:「マモルやリュウヤ達がこの間連れていかれたゴッドエデンの件もそうだけど···」

 

聖良:「はい。あれは誘拐と言われても反論できません」

 

フロイ:「まさかゴウエンジが犯罪に手を染めるなんて······」

 

しかし、そこで間を割ったのが吹雪だった。

 

吹雪:「その事なんだけど、久遠さんと響木さんの指示で僕と風丸くんと高坂さん、静岡の高海さんと渡辺さんで、ちょっと調べて見たんだけど、ちょっと気になる情報があったんだ。」

 

鬼道:「気になる情報?」

 

穂乃果:「うん。フィフスセクターの本当のトップは、「イシド・シュウジ」、つまり豪炎寺君ではないかもしれないの」

 

全員:『『『『 !? 』』』』

 

システィ:「穂乃果さん、どういうこと?」

 

吹雪:「表のトップは豪炎寺君だけど、本当はその裏にいる強大な何かに操られているだけかもしれないんだ」

 

強大な何か····?

 

龍也:「じゃあ、今までサッカーを管理したり、皆をゴッドエデンへ拐わせたのもソイツなのか?」

 

穂乃果:「多分。でもゴッドエデンの件は牙山の独断だと思う。あのあと島に残った風丸君たちから連絡があって、豪炎寺君が牙山に私たちを家に帰せって命令したらしいから」

 

俺たちが帰れたのは、豪炎寺の助力があったからなのか····。豪炎寺·····お前はたった一人で何を背負ってるんだ·····何が目的なんだ·····?

 

吹雪:「それで更に詳しく調べてみたら、フィフスセクターは銀行のある口座に毎月巨額の金を送ってるんだけど、その口座の持ち主のイニシャルが「S・D」。おそらくコイツが真の黒幕だよ」

 

S・D、どこの誰なんだ······。

 

穂乃果:「後、最後にもうひとつ。フィフスセクター最強のチームは「ゼロ」じゃない事も分かった。」

 

海未:「なっ! ゼロはあんなにも強かったじゃないですか!! まだ更に強いチームが居るんですか!?」

 

穂乃果:「そのチームもコードネームしか分からなかった。それは、「D・L」。他は今調査中」

 

フィフスセクター真の黒幕「S・D」

フィフスセクター最強のチーム「D・L」

 

·····どんな奴らなんだ。

 

 

 

龍也:「竜太は前から懸念(けねん)してたけど、こりゃあいよいよ最悪の事態を想定した練習をした方が良さそうだな。まぁ、他のメンバーも薄々考えてたとは思うが」

 

フロイ:「相手チームの"選手全員が化身使い"だった場合だね」

 

マーク:「ああ。俺とディランはカリンとエマに[ユニコーンブースト]を教えるのと平行してドモンと[グランフェンリル]を教える事にする。今日見た感じでは、セツナ、カスミ、ツルギが良いと思う」

 

土門・ディラン:「「分かった(オーケイ)!!」」

 

龍也:「穂乃果、円堂、俺たちも[ジェットストリーム]を教えておこう。メンバーは竜太、侑、愛が良いと思う」

 

ツバサ:「なら私達もにこちゃんに連絡して鬼道君と三人で[ビッグバン]を教えるわ。メンバーはそうねぇ·····しずくちゃん、歩夢ちゃん天馬君かしら」

 

円堂:「よし、明日から皆頼む。テレスたちは他のメンバーのスキルアップをお願いしていいか?」

 

テレス:「言われなくても!」

 

エドガー:「ああ。フィールドの公正さと神聖さを(そこな)おうとする者は許せないからね」

 

フィディオ:「喜んで協力するよ」

 

 

皆·····ありがとう!!!

 

 

浦の星戦まで、後二日。

 

 

― 続く ―




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第100話:準々決勝前日

剣城に着いて優一さんに会いに行った日の翌日。いよいよ明日「浦の星女学院」戦を控える俺たちは今日の練習を早めに切り上げて明日に備えて休む事になり、俺と天馬の帰り道·····

 

竜太:「いよいよ明日果北たちと戦るのか····」

 

天馬:「果北ちゃんも龍也さんと果南さんの娘なだけあって凄く上手いもんね」

 

竜太:「あぁ·····「お~い!! そこの二人!!」 ??」

 

見るとすぐ脇の公園からボールが転がって来て、子供たちと一緒にサッカーをしていたらしいおじさんが手を振っている。

 

?:「悪いがそこのボールを取ってくれないかな?」

 

俺はその人の手元に優しくボールを蹴り返すと、その人は「良かったら君たちもどうだい?」と言い、子供たちも「お兄ちゃんたちも一緒にやろ~?」と言うのでせっかくだしお言葉に甘える事にした。俺と天馬もおじさんとお互いに自己紹介をする。このおじさんは「千宮路(せんぐうじ)」さんと言うらしい。

 

 

 

 

 

 

 

子供:「天馬お兄ちゃん!!」

 

天馬:「ナイス!! オーラ····「よっと!!」あっ!! 竜太!!」

 

竜太:「へっへ~ん!! 千宮路さん!!」

 

千宮路:「おぉ!! ナイスパス!!「取れーーーーー!!!」 !?」

 

天馬チームの子供が千宮路さんの持つボールを取ろうと群がる。

 

千宮路:「おぉっ!? おっと!!」

 

子供:「おじさんこっち!!」

 

千宮路:「おお、ほっ!!」

 

千宮路さんからのパスが俺のチームの子供に渡る。

 

子供:「竜太兄ちゃん!!」

 

そして飛んできたボールを俺は胸でトラップし、足で数回リフティングした後頭に上げてそのままキープ。そして後ろに落としたボールをヒールで前に送り膝でトラップと自在にボールを操る。すると天馬も含めた子供たちが「スゲー···」とポカンとしていた。

 

千宮路:「おぉ!? 上手いね。よし、ちょっと休憩しようか」

 

子供:「僕たちはまだやってるね!!」

 

そして子供たちはまだ生き生きとボールを相手に走り回っていた。

 

竜太:「元気だな····やっぱり子供は笑顔が一番だな」

 

千宮路:「その通り。子供たちの笑顔は国の宝だからね」

 

 

この人凄く優しい人なんだな。子供たちがなつくのも頷ける。

 

千宮路:「やはりサッカーは楽しい。しかし、様々な理由で、ボールを持つ事すら叶わない者も居る。」

 

竜太:「はい。アフリカや中東諸国とか、紛争や貧困が深刻な地域では特に。それ以外の地域も全く無い訳ではないですし」

 

千宮路:「よく勉強しているね。その通り。だから私は、そう言う「サッカーを()()()()()()()()()子供たち」を支援する活動をしているんだ」

 

竜太:「へぇ? それは素晴らしいと思います」

 

千宮路:「しかしその一方で、22年前のFFIを皮切りに、サッカーは世界をも動かす大きな力を持った。誰かがその強大な力を適切にコントロールしなければ、楽しく、皆が笑顔になれる筈のサッカーで、不幸な思いをしてしまう者も出てくるかもしれない」

 

竜太:「そう言われると確かに難しい問題ですね。「()()()ロー()()()()な強大な力」と「()()()()な小さい力」じゃあ、例え力は小さくても、後者の方が危険ですからね·····。それが「()()()()()()()()()()()()」じゃあ最悪の事態ですよ」

 

千宮路:「君たちはちゃんと分かってくれるんだね。······おっと、そろそろ時間だ。私はこれで失礼するよ」

 

天馬:「はい!! 機会があったら、またやりましょう!!」

 

千宮路:「えっ? 良いのかい?」

 

竜太:「えぇ。サッカー好きな人は大歓迎です」

 

千宮路:「ははっ、ありがとう。それではね。」

 

そして千宮路さんは去って行った。

 

竜太:「帰るか」

 

天馬:「そうだね」

 

そして俺と天馬は帰路についた。

 

 

 

いよいよ明日、浦の星女学院戦!!!

 

― 続く ―




イナイレGoゲーム風各キャラのパラメータです。
パラメータはLv99時の架空のものです。
今回は主人公、大海竜太です。

学校 雷門(東京)
名前 大海竜太  学年 1年生  ♂
属性 風  選手タイプ FW

スペシャルスキル:完全無欠の模倣(パーフェクトコピー)
         属性強化(エンチャント)

化身 海皇龍ブルーヒドラ 零式  属性 風
   KP 230 ATTACK 130
   化身技 ハイドロブラスト 風 KP95 シュート
   化身スキル 風の雄叫び(風属性技の威力+30)

必殺技

TP 0    こんしん!          スキル
TP 55 山 剣撃乱舞     V4 SC   シュート
TP 70 風 エクスカリバー  超 LS/SB シュート 
TP 50 風 激流ストーム   Gx     シュート
TP 70 火 ラストリゾート  V4     シュート
TP 50 無 スプリントワープ Gx     ドリブル


GP 156  TP 195
キック 195
ドリブル 123
ブロック 114
キャッチ 53
テクニック 152
スピード 137
スタミナ 64
ラッキー 48
伸びしろ 62
   |
極限育成するとこんな感じ
   ↓
キック 408
ドリブル 236
ブロック 1
キャッチ 100
テクニック 1
スピード 200
スタミナ 1
ラッキー 1

更にここにオリジナル装備品補正
「アディZEROシューズ」でドリブル+45/スピード+75
「アディZEROグローブ」でキャッチ+45/テクニック+75
が加算される···化け物すね

感想・評価宜しくお願いします。


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第101話:浦の星戦 戦慄!!ピンボールスタジアム

今日は準々決勝当日。俺たち雷門イレブンは「イナズマキャラバン」に乗り込み、アマノミカドスタジアム正面ゲートのホーリーライナーステーションに到着する。

 

ステーションのホームに入ると、対面側に美歌や千夏、浦の星の皆が居た。

 

竜太:「美歌·······」

 

美歌:「···············」

 

そしてホーリーライナーに乗り込み俺たちは、「遊戯(ゆうぎ)の道駅」に到着した。そしてスタジアムに俺たちが足を踏み入れると········

 

実況:「お待たせしました!! インターハイ準々決勝第3試合、「雷門高校」vs「浦の星女学院」の一戦はここ、<ピンボールスタジアム>よりお届けします!!!」

 

千夏:「<ピンボールスタジアム>······?」

 

果林:「なにこれ? フィールドにピンボール板みたいな反射の円柱と変なマークがたくさん······」

 

ダイヤ:「私たちも雷門も共に反フィフス派ですから私たちもこのスタジアムの仕掛けは知らないですし······」

 

竜太:「まぁ正々堂々戦るだけだ。負けないからな!!」

 

果北:「此方こそね。お兄ちゃん♪」

 

 

そして各チームのベンチに入り、

 

円堂:「よし。じゃあスタメンを発表する。

    FW 剣城、高咲、朝香

    MF 宮下、神童、松風、桜坂

    DF 天城、大海、西園

    GK 三国   で行く」

 

雷門:『『『はい!!!!』』』

 

審判:「それでは試合を始めます。両チーム整列してください」

 

そして選手整列。審判と共にフィールドに入る。

 

審判:「それでは此より、準々決勝第3試合、「雷門」vs「浦の星」の試合を始めます!! 礼!!!」

 

雷門・浦の星:『『お願いします!!!』』

 

そして各チーム選手位置につく。

 

フォーメーション

 

浦の星

 

GK       津島

 

DF 国木田 永井  川瀬  小原

 

ボランチ   黒澤(サ)  桜内

 

MF  黒澤(ル) 高海   渡辺

 

FW       大海(北)

 

雷門

 

FW   剣城   高咲   朝香

 

MF 宮下  神童    松風  桜坂

 

DF   天城   大海(竜)  西園 

 

GK        三国

 

 

そして審判が左手を挙げ、

 

 

ピィイイイーーーーッ!!!

 

試合開始のホイッスルが鳴り、雷門ボール試合開始。ボールはまずキャプテンに渡り、そこに果北とルリがプレスを掛ける。

 

神童:「宮下!!」

 

キャプテンは二人を引き付けてから愛さんにパスアウト。それをルリと果北は追い掛け、更に追加でサファも加わり、三人がかりで奪いにかかる。

 

 

すると愛さんはボールだけを地面に残してジャンプ。三人は一瞬呆気にとられるがすぐにボールを奪いに行く。しかし三人が近づいた瞬間ボール下の地面が盛り上がりボールをくわえて赤い竜が飛翔。三人を吹き飛ばして愛さんの元へ。

 

愛:「[昇り龍]!! 剣城くん!!!」

 

ボールは剣城に渡り、剣城はシュート体勢に入る。剣城の背に翼の様な漆黒のオーラが現れ、それを全てボールに注ぎ込み渾身のボレーシュートを放つ。

 

剣城:「[デビルバァァアアアストッ]!!!!」

 

剣城のシュートが浦の星ゴールに迫る。しかし羽丸がブロックに入る。が、

 

羽丸:「[旋風じ····ドゴォオオオッ!!! ずらぁあああああっ!?!?」

 

羽丸の背後のフィールドに描かれているマークからピンボールのボールを飛ばすバーが出現。羽丸諸ともボールを弾き返し、羽丸は背中から強打し地面に倒れこむ。

 

竜太・美歌:「「羽丸(ちゃん)!!!」」

 

弾かれたボールは千夏が拾ったが千夏はボールを外に出してプレーを切り羽丸の元へと向かう。

 

美歌:「羽丸ちゃん大丈夫!?」

 

羽丸:「い····痛かったずら·······」

 

竜太:「このフィールドひょっとして両方の左右のゴール前にあるこのマークは今羽丸がかかった反射バーで、あの円柱は当たった物を弾いて、あそこの矢印は上を通った物のスピードを矢印の方向に上げるんじゃあ·······」

 

果北:「どうやらそう考えるのが妥当みたいだね」

 

仕掛けの有効範囲の外でボールを繋がなきゃいけないのか·····かなり制限されるな。

 

審判:「試合を再開します」

 

神童:「大海、今は試合だ。」

 

竜太:「はい······」

 

竜太・果北:((このフィールド、一歩間違えればお互いに怪我をする。ここで俺(私)たちを同時に潰す気みたいだな(ね)))

 

 

― 続く ―




ゲーム風キャラパラメータ
今回は侑ちゃんです。

学校 雷門(東京)
名前 高咲侑  学年 2年生  ♀
属性 林  選手タイプ MF

スペシャルスキル:
天帝の眼(エンペラーアイ)
虹の統率者(この選手がフィールドに出ている場合に、フィールド上の他の虹学メンバーの全ステータス値に2.5倍の倍率補正を掛ける。)

化身 戦場の女神ジャンヌ 零式  属性 林
KP 200 ATTACK 110
化身技 ヴァルキリ―ロード 林 KP95 シュート
化身スキル 女神のエール(チームの女性選手全員のベースパワーへ+30)

必殺技

TP  0   火の心得       スキル
TP 60 林 ペガサスショット 極 シュート
TP 50 火 ライトニングアクセル A ドリブル
TP  0   こんしん!! スキル

GP 172 TP 174
キック 152
ドリブル 182
ブロック 143
キャッチ 43
テクニック 141
スピード 134
スタミナ 72
ラッキー 28
伸びしろ 42
   |
極限育成するとこんな感じ
   ↓
キック 236
ドリブル 322
ブロック 170
キャッチ 1
テクニック 1
スピード 205
スタミナ 1
ラッキー 1
更にここに装備品補正、
「トキメキシューズ」でキック+25/ドリブル+25/スピード+25
「トキメキグローブ」でキャッチ+80/テクニック+40
が加算される。

感想評価宜しくお願いします。


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第102話:激闘開始!!

いよいよ始まった浦の星戦。スタジアムの仕掛けによるアクシデントはあったが、雷門のスローインから試合再開。

 

しずくのスローインからボールは果林へ飛ぶがそのボールを空中で千夏がカット。そのまま美歌にパスを出す。

 

美歌:「よし! 行くよ皆!!」

 

キャプテンの美歌の指示の下、DFの四人を残して全員攻撃を仕掛ける浦の星。どうやらなんとしても先制点を取るつもりみたいだ。

 

そしてドリブルで上がってくる美歌に対し、天馬とキャプテンがディフェンスに入る。

 

神童:「行かせるか!!」

 

すると美歌はドリブルでボールを蹴る度にボールにイナズマをチャージ。そのまま竜巻を纏いながら回転して跳び上がる。

 

美歌:「[スパークウィンド・V2]!!!」

 

二人を必殺技で吹き飛ばした美歌からボールは果北へと飛ぶ。ボールは果北に渡り、果北は化身を発動する。果北のオーラから、青い長髪の人魚の化身が現れる。

 

果北:「【海神(ワダツミ)の歌姫セイレーン・零式】!!!」

 

そして果北がシュート体勢に入ると【セイレーン】が聴く者を虜にする美しい歌声で歌い始める。するとボールにどこからか大量の水が集まりエネルギーが凝縮されていく。

そして果北の渾身のボレーシュートとともに【セイレーン】が最後を歌いあげる。するとボールはその凶悪な破壊力を纏いながら雷門ゴールに突っ込んでくる。

 

果北:「[― 海神(ワダツミ)のシンフォニア ―!!!!!]」

 

果北のシュートが襲いかかる。しかしそこに天城先輩がブロックに入る。

 

天城:「通さないド!! [アトランティスウォール]!!!」

 

天城先輩が海中から古代遺跡を呼び出し、神秘の力でシュートをブロック。やはり[アトランティスウォール]は破られるが、想像以上にパワーを奪った。

 

竜太:「ナイスです先輩!! [ディープミスト・S]!!!!」

 

今度は俺が霧野先輩から技を借りてシュートブロック。止められはしなかったがかなりのパワーを奪った。

 

三国:「止める!! [無頼ハンド・改]!!!」

 

三国先輩の必殺技が化身シュートを迎え撃つ。2度の強力な化身シュートを挟んだこともあり、三国さんは果北の化身シュートを止めて見せた。

 

果北:「へぇ? やるようになったね!!」

 

三国:「今度はこっちの番だ!! 神童!!」

 

神童:「·················」

 

三国先輩のゴールキックからボールを受け取ったキャプテンはそのままドリブルで上がる。そこに梨菜とサファが止めに入る。

 

サファ・梨菜:「「[デュアル····「高咲!! そこを動くな!!」 !?」」

 

キャプテンは反射の円柱目掛けてボールを蹴る。そして反射柱に当たったボールは角度を変えて侑に渡った。

 

雷門・浦の星:『『 !? 』』

 

神童:「やっぱり思った通りだ·····。鬼道コーチが言っていた、あらゆる要素を使えと。このフィールド、うまく使えば今までよりも高度な戦術が組めるかもしれない!!」

 

ボールはフリーで侑に渡り、絶好のシュートチャンス。

 

果北:「マズイよ!? 善美ちゃん止めて!!!」

 

侑:「遅いよ!!!」

 

侑はシュート体勢に入り、ボールを両足で挟んだまま高くバク宙する。そしてボールが一番てっぺんに来た瞬間離し、落ちてきたボールをバク宙の勢いのままシュート。

 

侑:「[極・ペガサスショット]!!!」

 

侑のシュートと共に、青いペガサスがフィールドを駆ける。

 

善美:「止める!! [絶・イジゲン・ザ・ハンド]!!!」

 

[ペガサスショット]は善美のオーラの壁に激突。シュートはドーム状のオーラを上へと滑り、枠外へと逸れていった。

 

侑:「っ!! 止められた······!!!」

 

善美:「(何なのこの子!? 凄いパワー····)梨菜ちゃん!!」

 

ボールは梨菜に飛び、梨菜からルリに渡る。

 

ルリ:「行きますわよ!!!」

 

ルリがドリブルで上がろうと前を向いた瞬間天城先輩がディフェンスに入り、ルリが一瞬動きを止めた瞬間俺がスライディングでボールを外に弾き出した。

 

 

0 - 0 前半残り32分。

 

 

― 続く ―




キャラパラメータ紹介。
今回は幼馴染の桐穂ちゃんです。

学校 音ノ木坂学院(東京)
名前 高坂桐穂  学年 2年生  ♀
属性 火  選手タイプ FW

化身 無し

必殺技

TP60 火 プロミネンスドライブ Gx LS シュート
TP70 火 マキシマムファイア 超 SC シュート
TP 0   オフェンスフォース スキル
TP 0   ぞくせいきょうか!! スキル

GP142  TP200
キック 154
ドリブル 132
ブロック 89
キャッチ 68
テクニック 135
スピード 148
スタミナ 76
ラッキー 64
伸びしろ 86
   |
極限育成するとこんな感じ
   ↓
キック 374
ドリブル 220
ブロック 1
キャッチ 131
テクニック 1
スピード 223
スタミナ 1
ラッキー 1

更に此処に装備品
「音ノ木シューズ」でキック+25
「音ノ木グローブ」でキャッチ+25
が加算される。

オリキャラや虹学キャラのパラメータは時々載せますがこのキャラを見たいと言うのがありましたら感想にお願いします。

感想・評価宜しくお願いします。


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第103話:雷門の成長

白熱する浦の星戦。浦の星、黒澤ルリのスローインから試合再開。

ボールは美歌に渡る。が、直ぐ様愛さんと剣城、キャプテンが三人がかりで囲い混みディフェンスをかける。

そしてボールを奪うことに成功したキャプテンは果林にパスを出し、ボールを受け取った果林はドリブルで攻め上がる。

 

梨菜:「止めます!!」

 

直ぐ様ディフェンスに入る梨菜。しかし果林のパワーアップしたスピードを生かした鋭い左右の連続フェイントの揺さぶりに体勢を崩されそのまま突破される。

 

川瀬:「舞センパイ!! 止めますよ!!!」

 

川瀬・舞:「「[ハーヴェスト・V4]!!!!」」

 

二人の同時スライディングによる必殺技が果林に迫る。しかし果林は冷静に二人をジャンプで躱してシュート体勢に入る。

 

果林のアクロバティックなダンスからボールを空高くに放る。するとボールは青い炎おを纏って燃え上がり、中から蒼い不死鳥が現れる。

そして果林も天高く飛び上がり、ボールを渾身のオーバーヘッドキックで蹴り落とす。

 

果林:「[Fire Bird・V3]!!!!」

 

以前よりも遥かに基礎的なパワーを増した上に技自体のレベルも上がり技の威力も上がった果林のシュート。因みにこのシュートは空から撃ち落とす技の為ゴール前のフリッパーの上からゴールに一直線。これは入るか?

 

善美:「止めるわ!! [風神・雷神・ゴー()()()・改]!!!!」

 

善美の背後に以前見たときとは違う3体目のマジンが現れ三体がかりのキャッチ。[Fire Bird]を止めて見せた。

 

天馬:「!? な、何今の技!?」

 

善美:「あれから成長したのはそっちだけじゃあないってことよ!!」

 

ああ····。確かにあれはかなり強力な技だ。生半可なシュートじゃあ絶対に破れない。

 

果北:「驚いたでしょ? 皆あれから更に成長したよ。特に顕著なのは善美ちゃん。新しく覚えたあの技、[風神・雷神・ゴースト]は、私の[激流ストーム]を軽々止めるパワーがあるんだよ?」

 

マジか·····、[激流ストーム]に限れば、果北のは俺のよりもパワーがあるんだぞ。

 

善美:「今度はこっちの番よ!! 果北ちゃん!!!」

 

善美のゴールキックからボールは果北に飛ぶ。しかしすかさずそこに俺がディフェンスに入る。

 

竜太:「行かせねぇ!!!」

 

果北:「お兄ちゃんには負けたくない!! だから私の全力を持って叩き潰す!!! 《属性付与(エンチャント):(サンダー)》!!! [マーメイドダイブ《(サンダー)》・S]!!!」

 

果北の[マーメイドダイブ]の水中軌道がイナズマの様により早く、より鋭くパワーアップ。そして俺を抜いた瞬間、高圧電流の放電(スパーク)。俺を突破した果北は、フリーでシュート体勢に入る。

 

三国:「っ!! 絶対に止めてやる!!!」

 

果北:「あなたじゃあ私の()()()すら止められないよ!!! [激流ストーム・Gx]!!!!!!」

 

空から果北の水を纏った弾丸シュートが襲いかかる。それを三国先輩は必殺技で迎え撃つ。

 

三国:「うぉおおぉおおおっ!!! [()・無頼ハンド]!!!!」

 

ドッパァアアアァァアアアンッ!!!

 

三国先輩がキャッチした瞬間、大量の水が弾ける。ゴール前に暫く水が降り注ぎ、霧で暫く見えなくなる。それが晴れるとそこには·····

 

[激流ストーム]をキャッチし、ゴール寸前で堪える三国先輩の姿があった。

 

果北:「う、嘘!! 止められた!?」

 

三国:「このくらい、白竜とシュウの[ゼロマグナム]に比べればどうってことない!!! 神童!!!」

 

今度は雷門のカウンター。ボールはキャプテンに飛び、ボールを受け取ったキャプテンはドリブルで攻め上がる。

 

神童:「剣城!! 右斜め前20度へ10m!!」

 

キャプテンは剣城に

指示を出すと近くの反射柱にボールをあてる。すると勢いよく反射したボールは浦の星ディフェンスの合間を縫い、剣城に繋がった。

 

千夏:(っ!! 神童さん、このフィールドを使いこなし始めてる!!)

 

そしてボールを受け取った剣城とキャプテンはシュート体勢に入る。二人が空中で交互に次々ボールを蹴りあげエネルギーをチャージし、止めの二人のツインキックで蹴り落とした。

 

剣城・神童:「「[ジョーカーレインズ]!!!」」

 

善美:「止める!!! [風神・雷神・ゴースト・改]!!!」

 

善美が三体のマジンを呼び出しキャッチを試みる。しかしパワーに圧され、ボールはゴールに吸い込まれた。

 

果北:「そんな!? 善美ちゃんの[風神・雷神・ゴースト]が破られた!?」

 

神童:「よし!! まだまだ行くぞ!!」

 

雷門:『『『おう!!!!』』』

 

前半残り19分

 

雷門 1 - 0 浦の星

 

 

 

― 続く ―




キャラパラメータ紹介
今回は竜太の妹果北ちゃんです。

学校 浦の星女学院(静岡)
名前 大海果北  学年 1年生  ♀
属性 風  選手タイプ FW

スペシャルスキル:属性付与(エンチャント)
         完全無欠の模倣(パーフェクトコピー)

化身  海神の歌姫セイレーン・零式
    KP230 ATTACK90
化身技 海神のシンフォニア KP95 風 シュート
スキル 化身サポーター(味方全員の化身技の発動によるKP消費量を-25)

必殺技

TP  0   超技!         スキル
TP 50 風 激流ストーム   Gx  シュート
TP  0   シュートプラス     スキル
TP 50 風 マーメイドダイブ S  ドリブル
TP 60 風 シャーク・ザ・ディープ シュート

GP142 TP155
キック 168
ドリブル 111
ブロック 128
キャッチ 68 
テクニック 131
スピード 143
スタミナ 71
ラッキー 43
伸びしろ 77
   |
育成するとこんな感じ
   ↓
キック 375
ドリブル 238
ブロック 1
キャッチ 110
テクニック 1
スピード 213
スタミナ 1
ラッキー 1

更にここに
「浦女スパイク」でキック+42
「浦女グローブ」でキャッチ+42

感想・評価宜しくお願いします。


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第104話:浦の星の波状攻撃

剣城とキャプテンが[ジョーカーレインズ]を浦の星ゴールにぶちこみ、1-0で雷門がリード。そして浦の星ボールのキックから試合再開。

 

ボールは千夏に渡りしずくがディフェンスに入る。しかし千夏は[スプリントワープ]を使いしずくを抜き去る。

 

千夏:「美歌ちゃん!!!」

 

ボールは美歌に渡り、千夏と梨菜と共に三人でシュート体勢に入る。美歌がボールを天高く蹴り上げ美歌・梨菜・千夏は三人共三角形のフォーメーションを保ちながら黒いトライアングルを形成。三人のツインキックを放つ。

 

美歌・千夏・梨菜:「「「[絶・デスゾーン]!!!」」」

 

三人のシュートはゴールではなく前線へと走っていた果北に飛び、果北はシュートチェインを挟む。

 

果北:「《完全無欠の模倣(パーフェクトコピー):シャーク・ザ・ディープ》!!! チェイン!! [絶・シャーク・ザ・ディープ]!!!!」

 

果北のシュートで更に加速したシュートが雷門ゴールに迫る。しかしそこに天城先輩がブロックに入る。

 

天城:「止めてやるド!!! [アトランティスウォール]!!!」

 

天城先輩の必殺技にシュートが激突。力はやや天城先輩が圧され気味だが何とか堪えている。しかしそこはやはり果北のシュートが挟まれているだけあり天城先輩は吹き飛ばされる。

 

天城:「っ!? 三国!! 頼んだド!!!」

 

三国:「任せろ!! [極・バーニングキャッチ]!!!」

 

三国先輩が燃える右手でシュートに掴みかかり地面に押さえつける。三国先輩はシュートを完璧に防いで見せた。

 

梨菜:「!? 止めた!?」

 

三国:「天馬!!」

 

三国先輩のゴールキックからボールは天馬に。しかし戻っていた果北との競り合いに負けてボールを奪われる天馬。

 

そして果北はシュート体勢に入る。

 

「《二重解放(ダブル)!!》――《完全無欠の模倣(パーフェクトコピー):マキシマムファイア》!!《属性付与(エンチャント):《(フレイム)》》!!!!」

 

!? 2つの特殊技能の同時発動!? 消耗が激しい筈だが····大丈夫なのか····?

 

果北:「[超・マキシマムファイア《(フレイム)》]!!!!!」

 

ただでさえ強い[マキシマムファイアの]炎の火力が《属性付与(エンチャント)》により更に強化された爆炎のシュートが雷門ゴールに迫る。

 

竜太:「ここは俺が!! 《完全無欠の模倣(パーフェクトコピー):グラビティバインド》!!!」

 

竜太:「[超・グラビティバインド]!!!!」

 

本家の栞子の物よりも遥かに強力な高重力力場が発生しシュートを地面に押さえつける。しかしさすがに同時発動までされたら止めきれず、シュートは進む。

 

三国:「充分だ大海!! [炎の鉄槌・Z]!!!!」

 

三国先輩は炎のマジンと共に燃える拳でシュートを叩き潰して完璧に防いだ。

 

果北:「くっ!! お兄ちゃん余計なことを!!(でもどういう事? ビデオで見た雷門vs木戸川の時よりも雷門のレベルが桁外れに上がってる!! さっきの私の[激流ストーム]も、前は余裕で決まってたのに!!)」

 

そして、三国先輩のゴールキックからボールは俺に。そして俺はロングシュートの体勢に入る。

 

竜太:「[超・エクスカリバー]!!!!!」

 

俺の聖剣から放たれた斬撃がフィールドを切り裂きながら突き進む。そしてボールはスピードupの矢印の上を通りスピードと威力を更に加速させる。

 

梨菜・サファ:「[イナズマ1号・S]!!!!」

 

二人が合同合宿の時よりも更に威力を増した[イナズマ1号]でシュートブロック。しかし簡単に吹き飛ばされてしまいシュートは尚も突き進む。

 

川瀬・永井:「「止める!! [ロックウォールダム・A]!!!!」」

 

これもやはり以前よりもパワーアップした二人の連携ディフェンス技が行く手を阻む。これはさすがに威力をかなり持っていかれたが突き破り、残すはキーパーのみ。

 

善美:「止めてやるわ!! [風神・雷神・ゴースト・改]!!!!」

 

斬撃と三体のマジンが激突。しかし二度とのブロックを受けた事もあり、[エクスカリバー]は止められた。

 

しずく:「そんな!! アレを止めるなんて!!」

 

侑:「これは本当に一点勝負になるかも。先制点を取れて良かったよ。」

 

前半残り5分強

 

雷門 1 - 0 浦の星

 

 

― 続く ―




ゲーム風キャラステータス紹介。

今回はアニメ虹学のスクールアイドルの主役、上原歩夢ちゃんです
※ステータスはLv99時の物です。

学校 雷門(東京)
名前 上原歩夢  学年 2年生  ♀
属性 火  選手タイプ MF

スペシャルスキル:無し

化身 無し

必殺技
TP20 風 スパイラルショット 極 シュート
TP50 林 キラーフィールズ S ドリブル(2人)
TP45 風 ダブルサイクロン 超 ブロック(2人) 
TP 0   ネバーギブアップ!! スキル
TP70 火 ビッグバン Gx シュート(3人)

GP132 TP186
  キック 109
 ドリブル 152
 ブロック 113
 キャッチ 82
テクニック 115
 スピード 106
 スタミナ 102
 ラッキー 99
 伸びしろ 150
    |
  育成すると···
    ↓
  キック 340
 ドリブル 266
 ブロック 211
 キャッチ 1
テクニック 1
 スピード 207
 スタミナ 1
 ラッキー 1

ステータスはあまりぱっとしませんが
伸びしろは作品中全キャラNo.1の150。
そして属性一致で火属性最強シュート
[ビッグバン]を習得し、
不一致ではありますが林属性最強のドリブル技
[キラーフィールズ]を覚えるので
使い道が無くは無いかな?
という感じです。
(因みにシュートを考えずに伸びしろをドリブル
に限界まで振るとその値は脅威の416になり
ます。)

感想・評価宜しくお願いします。


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第105話:浦の星戦、ハーフタイム

俺のエクスカリバーを5人がかりのディフェンスで防いだ浦の星。そして善美のゴールキックから試合を再開しボールはサファに飛ぶ。

 

侑:「させない!!」

 

サファと空中で競り合う侑。しかし相手が男子ならともかく、女の子同士の場合サファが競り合いとかの空中戦で負けた所を、俺の知る限りでは一度も見たこと無いんだよなぁ······。

 

サファ:「はぁあああっ!!!」

 

侑:「ぐっ!?」

 

案の定競り負けた侑。ボールは千夏に飛ぶが、直ぐにしずくがディフェンスに入る。

 

しずく:「止めます!!! [ザ・ミュージカル・V3]!!!!」

 

千夏としずくの周囲が舞台のステージに変わり、しずくは踊るような華麗なステップでボールを掠めとる。

しかし直ぐに梨菜が千夏のヘルプに入りしずくにスライディングを仕掛ける。しずくはとっさの事で対応できずにボールを奪われそのままボールは美歌に繋がる。

 

 

ダイヤ:「美歌さん!!! ラスト20秒ですわ!!!」

 

美歌:「はい!! 果北ちゃん!!」

 

そして美歌と果北は二人でシュート体勢に入る。二人で空中のボールを左右から蹴りの乱打でエネルギーをチャージし、それをツインボレーで打ち出した。

 

美歌・果北:「「[デュアルブレイカー・A]!!!!」」

 

二人の超絶威力の必殺シュートがゴールに迫る。しかしすかさず今度は信介がシュートブロックに入る。

 

信介:「させるもんか!!! [真・ぶっとびジャンプ]!!!」

 

信介がシュートに対し、両足で思い切り踏み締めて蹴り返そうとする。しかしやはりパワーが足りずに信介は吹き飛ばされてしまう。しかし確実にパワーは奪った。

 

三国:「止める!! [真・無頼ハンド]!!!!」

 

三国先輩の赤黒いオーラの両手がシュートを迎え撃つ。そして三国先輩はシュートをがっちりキャッチした。

 

ここで前半終了のホイッスル。得点は雷門の1点リードだが、全く安心など出来ない。

 

 

― 雷門ベンチ ―

 

竜太:「三国先輩ナイスセービングです。今日調子良いですね」

 

三国:「ああ。大海も信介も天城もシュートブロックありがとうな」

 

円堂:「よし、後半のメンバーチェンジは無しだ。だがベンチメンバーもいつでも行ける様に準備はしておけよ?」

 

雷門:『『『はい!!!!!』』』

 

 

 

― 浦の星ベンチ―

 

羽丸:「どうするズラ? まさか果北ちゃんのシュートが止められるなんて思わなかったズラ·······」

 

美歌:「私だって····いや、多分全員思って無かったと思うよ。まさか雷門のキーパーがあそこまで強くなってるなんて·····」

 

ダイヤ:「キーパーだけではありませんわ」

 

浦の星:『『『っ····』』』

 

ダイヤ:「皆さん気づいてるでしょう? 雷門のレベルの上昇の大きさに」

 

美歌:「はい。私たち三人の[デスゾーン]から果北ちゃんの[シャーク・ザ・ディープ]の流れを、合宿の時はほとんどモブだった天城さんにほとんどパワーを持っていかれてしまいました」

 

善美:「私も果林さんの[Fire Bird]を止めた後しばらく手が痺れてたわ」

 

ルリ:「一体何があったんでしょう·····練習で実力が上がるのは分かりますが、上がり方が以上ですわ」

 

ダイヤ:「皆さん分かってますわね? 後半、何としても早い時間帯で追い付かないとダメですわ」

 

浦の星:『『『はいっ!!!!』』』

 

審判:「後半戦始めます!!」

 

ダイヤ:「皆さん!! 行ってきなさい!!」

 

浦の星:『『『はい!!!!!』』』

 

 

― 続く ―




キャラパラメータ紹介、
今回はかすみんこと、中須かすみちゃんです。

学校 雷門(東京)
名前 中須かすみ  学年 1年生  ♀
属性 山  選手タイプ MF(能力上昇タイプはDF)

スペシャルスキル:悪戯小悪魔(自分がコマンドバトルで負けた時、相手が必殺技を使用していた場合にファール率+40%のデバフを相手に与える)

化身 無し

必殺技
TP24 林 メロディショット SC 極 シュート
TP 0   みんなイケイケ!! スキル
TP50 風 真空魔 SB Z ブロック
TP60 林 デスゾーン2 Gx シュート(3人)
TP70 林 グランフェンリル Gx シュート(3人)
TP 0   セツヤク! スキル

GP103 TP249
  キック  98
 ドリブル 162 
 ブロック 153
 キャッチ 101
テクニック  99
 スピード 130
 スタミナ  84
 ラッキー  77
 伸びしろ 112
   |
 育成すると
   ↓
  キック 310
 ドリブル 238
 ブロック   1
 キャッチ   1
テクニック 252    
 スピード 213
 スタミナ   1
 ラッキー   1

かすみは能力上昇タイプはDFですがキックが98とDF
にしては高めなのと、伸びしろが高めで強力なシュート技
を習得するのでFWにコンバートすれば高いキックと
ドリブル、テクニックから驚異的なシュート&オフェンス技
成功率を叩き出せるかも。

TPがヤバいのとセツヤク!!を同時に覚えるのも◎

装備品はゼロシューズやゼログローブにすると良いかも
「ゼロシューズ」キック+100
「ゼログローブ」キャッチ+100

感想・評価宜しくお願いします。


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第106話:後半戦開始

ハーフタイムが終わりいよいよ後半戦。浦の星のキックオフで開始。

 

ピィイイイーーーーーッ!!!!!

 

審判のホイッスルと共にボールはルリに渡りそこから美歌、千夏、果北と此方の選手の間をパスで繋ぎあっという間に攻め混んでくる。

 

天馬・信介・竜太:「「「止める!!!!」」」

 

俺たち三人で果北に対して三方向からの同時ディフェンスをかける。しかし寸前で果北は美歌にボールを戻す。

 

美歌:「ナイス!! ルリちゃん!!!」

 

美歌から左サイドのルリに天城先輩と愛さんの間を通す斜めのスルーパスが通る。天城先輩がディフェンスに向かうが天城先輩は足が遅く追い付けずにゴール前のファーサイドへのセンタリングを許してしまう。

 

ゴール前で俺vs美歌&千夏の[ 1 vs 2 ]の競り合いになる。さすがに二対一では分が悪く美歌はヘディングでシュート!!!····と思ったらヘッドで地面に落とした。そこに·····

 

 

果北:「ナイスパス!!!」

 

竜太:「果北!?」

 

落ちてきたボールに果北は頭から飛び込みダイビングヘッド。ボールは三国先輩の脇を通り抜けゴールに突き刺さった。

 

実況:「ゴーーーーーール!!! 浦の星同点!! ····ん?」

 

果北:「やった!! 同て·····え!?」

 

実況:「ああっと!? オフサイドフラッグが揚がっています!! 今のゴールは無得点!!!」

 

千夏:「信介くんだ······。私たちの競り合いの後ろで、美歌ちゃんがパスする可能性も考えて、ディフェンスラインを上げてたんだ!!!」

 

三国:「助かったぞ信介!!」

 

信介:「はい!!」

 

浦の星は忌々しそうな目で信介を見つめている。

 

ダイヤ:「皆さん早く切り替えなさい!! 次決めれば良いですわ!!」

 

そして雷門のキックから試合再開。三国先輩のキックからボールは天馬に渡り天馬から剣城に渡る。

 

しかし、

 

剣城:「よ····「バァアアァアアアン!!!」ぐわぁっ!?」

 

天馬のパスがやや大きすぎた為にフリッパーが作動し剣城諸ともボールを跳ね返す。

 

剣城痛そ~······

 

そして跳ね返ったボールはフリーだったルリに飛んでしまう。

 

天城:「しまっ!?」

 

ルリ:「ラッキーですわ!!!」

 

天城先輩は咄嗟にルリの方向へ身体を向け、急いで追う。しかし、

 

ビキィッ!!!

 

天城:(!?)

 

天城先輩は足が縺れ、ルリを後ろから巻き込み転倒してしまう。

 

竜太:「天城先輩!?」

 

天城:「ぐっ、う··うぅ、あぁあアアあアあ~~っッ!!!!」

 

愛:「不味いよ。肉離れ起こしてる!!!」

 

すると審判が近寄ってきて懐に手を伸ばす。

 

侑:「待ってください!! この状況見れば分かるでしょ!? 故意じゃないです!!!」

 

しかし、無情にも出されたのは······

 

審判:「3番!! バックチャージ!!!」

 

サッカー選手の誰もが見たくない赤いカード。天城先輩の一発退場だった。

 

しずく:「どうするんですか? しかもここペナルティエリア内····つまりPKですよ!?」

 

円堂:「朝香!! 近江と交代だ!!フォーメーションを

    FW 剣城 高咲

    MF 宮下 神童 松風 桜坂

    DF 近江 大海 西園

    GK 三国

            に変更!!」

 

そして、浦の星のPKキッカーは勿論······

 

竜太:(やっぱり果北か·····)

 

果北:「·········」

 

そして審判の笛と同時に蹴られたボールは、ゴールの隅に突き刺さり同点になった。

 

 

 

雷門 10人 vs 浦の星11人

 

1-1同点

 

後半残り28分

 

― 続く ―




キャラパラメータ紹介、
今回はエマ・ヴェルデちゃんです。
どうぞ!!

学校 雷門(東京)
名前 エマ・ヴェルデ(国籍:スイス)
学年 3年生  ♀
属性 山  選手タイプ DF

スペシャルスキル:無し

化身 無し

必殺技
TP 0   トラップ上手 スキル
TP36 山 守護騎士の盾 SB 絶 ブロック
TP45 林 月下雷鳴 極 ブロック 
TP50 山 ランサーレインズ 極 ブロック(2人)
TP 0   ディフェンスフォース

GP165 TP158

  キック 110
 ドリブル  95
 ブロック 163
 キャッチ 102
テクニック 128
 スピード 113
 スタミナ  81
 ラッキー 124
 伸びしろ  89
   |
 育成すると
   ↓
  キック   1
 ドリブル 218
 ブロック 379
 キャッチ 211
テクニック   1
 スピード 193
 スタミナ   1
 ラッキー   1

と言った感じですかね。装備品の
「シューズ」でスピードを
「ミサンガ」でテクニック
を少し上げてやればかなり
使えるキャラだと思います。

[ランサーレインズ]がTP50
の最強技なことに加えて二人
技なので通常のTP50技より
も強いんですよね。
(おまけに属性一致と言う
※但しSBは付いてない)

感想・評価宜しくお願いします。


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第107話:(逆境)をぶち破れ!!

後半がまだ半分以上残っている状況で同点な上に天城先輩のレッドカードにより10人vs11人。

 

大変不味い事になった·······

 

雷門のキックから試合再開。すると浦の星はGK以外、DFも全員含めて攻勢を掛けてきた。

 

神童:「っ!! パワープレイ狙いか!!」

 

 

―― ―― ―― ―― ―― ―― ―― ―― ――

 

 

円堂:「1人少ない状況を考えれば当然だ。しかし以前のダイヤならDFを1人は残してたんだが········」

 

皆が試合を見守る中、天城先輩はタオルを頭にかけ、項垂れていた。

 

天城:(俺の·····俺のせいで····、もしこれで負けたら········)

 

ハァ、仕方の無い先輩ですね·····。

 

栞子:「天城先輩!! ビクッ!? この状況は先輩が招いてしまった事です。どんなに悔やもうと、それは変わりません」

 

せつ菜:「ちょっ!? 栞子さん!?」

 

栞子:「でも!! だからこそ、今先輩はいつまでも俯いていてはいけません!!」

 

天城:「······そうだド。だからこそ、皆を応援しないと·····ありがとうダド。三船····」

 

かすみ:「しお子·····」

 

そうだド····!! 俺が招いてしまったピンチを、皆はどうにかしようとしてるんだド。それなのに、いつまでも俺が目を背けてる訳には行かないド!!!!

 

天城:「三国!! 近江!! 頼んだド!!!」

 

 

―― ―― ―― ―― ―― ―― ―― ―― ――

 

 

 

ボールを奪われた雷門。最悪なことにボールは果北に渡ってしまう。しかし彼方がディフェンスに入る。

 

彼方:「(天城くんの想い、絶対にムダになんかさせないよ~!!)止める!! [スリーピィサンクチュアリ]!!!」

 

彼方の新たなディフェンス技が発動される。彼方の足元を中心に、[フェアリーゾーン]の約2倍の直径を持つ魔方陣が展開される。すると魔方陣の中に入った相手(味方には影響無し)、が突然膝を突き、何かを振り払うかのように頭を振る。

 

果北:(な、何····コレ?)

 

美歌:(頭が····ボ~ッとする·······!!)

 

ルリ:(ね、眠······い····)

 

彼方:「今だぁ~~っ!!」

 

果北:「し、しまっ!? グワンッ !?」ガクッ

 

果北がボールを奪い返そうとするが、走り出そうとした瞬間目眩を起こした様に膝をつく。

 

美歌:「果北ちゃん!?(まさか精神干渉型の必殺技なんて·····)」

 

そして彼方からボールはカウンターで一気に天馬、剣城、キャプテンの3人に繋がる。

 

千夏:「不味いよ!! 早く戻って!!!」

 

神童:「遅い!! 行くぞ2人共!!」

 

剣城とキャプテンが跳び上がり[ジョーカーレインズ]を真下に落とす。そしてそれを天馬がダイレクトで[マッハウィンド]で併せる。

 

天馬・剣城・神童:「「「[エボリューション]!!!!」」」

 

合同合宿の時の雷門からは考えられない威力のシュートが浦の星ゴールに襲いかかる。

 

善美:「絶対に止めてやるわ!! [風神・雷神・ゴースト・改]!!!!」

 

善美の必殺技と天馬たちのシュートが激突する。善美は必死に抗うが、[ジョーカーレインズ]を止められなかったのでは当然[エボリューション]など尚更無理で、シュートはゴールに突き刺さった。

 

実況:「ゴォォオオォォオオオル!!!!! 雷門勝ち越しに成功ーーーー!!!」

 

舞:「ォ····Oh···何デ~スか····? 今のシュート·····」

 

羽丸:「あんなの····止められないズラ·······」

 

果北:(マズイ····皆の雰囲気が·····)

 

美歌:「皆諦めちゃダメ!! まだ試合は終わってない!!」

 

千夏:「美歌ちゃん·····」

 

美歌:「確かに竜太くん以外の選手が、あんな技を使える位にレベルアップしたことには驚いた!! けどあの時からレベルアップしたのはこっちだって同じ!! 全力でぶつかれば、きっと勝てる!!!」

 

梨菜:「······そうね!! 諦めるなんて私たちらしく無いわよね!! やってやりましょう!!!」

 

浦の星:『『『オオーーーーッ!!!!』』』

 

竜太:(今ので折れてくれれば良かったんだが、そう(うま)くはいかないか······)

 

 

雷門 2 - 1 浦の星

 

 

― 続く ―




選手データ紹介、
今回は「優木せつ菜」ちゃんです!!
ではどうぞ!!

学校 雷門(東京)
名前 優木せつ菜(中川菜々)
学年 2年生  ♀
属性 林  選手タイプ MF

スペシャルスキル:大好きの大爆発!!(自分の必殺技が失敗する度に、次の必殺技発動時の勝利確率判定に+80%)

化身 無し

必殺技
TP 0   瞬発力 スキル
TP 0   スピードフォース スキル
TP50 林 キラーフィールズ(2人) S ドリブル
TP70 林 グランフェンリル(3人) Gx シュート

GP143 TP193
  キック 123
 ドリブル 178
 ブロック  89
 キャッチ  97
テクニック 121
 スピード 186
 スタミナ  99
 ラッキー  67
 伸びしろ 134
   |
 育成すると
   ↓
  キック 353
 ドリブル 298
 ブロック 155
 キャッチ   1
テクニック   1
 スピード 284
 スタミナ   1
 ラッキー   1

となります。因みにせつ菜ちゃんは
レジェンドジャパンメンバーを除け
ばこの小説中No.1の駿足です。

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第108話:白熱する準々決勝

天馬たちの[エボリューション]がゴールに突き刺さり2-1で雷門リード。このままリードを守り切れればいいが·····

 

浦の星ボールで試合再開。ボールは千夏に飛び千夏がドリブルで上がる。

 

そこにしずくがディフェンスに入るが······、

 

しずく:「行かせません!! [ザ・ミュージ·····「遅いよ!! [スプリントワープ・Gx]!!!!」っ!?」

 

しずくの技の発動よりも速く、千夏がフィールドを駆け抜ける。すると千夏がしずくを突破したのを見て果北が化身を発動する。

 

果北:「【海神の歌姫セイレーン・零式】!!!」

 

しかしそれを見て、果北には俺と彼方がダブルチームでマークに付く。

 

 

ボールが来た瞬間カットしてやる!!!!

 

 

そして果北のディフェンスを振り切ろうとする動きにあわせて千夏から低空のパスが飛ぶ。しかしこのまま行けばボールに触った瞬間に取れる!!

 

しかし果北は千夏の、自身の左側からのボールを右足のアウトサイドで押し、パスを取らなかった。そして、

 

ルリ:「果北さんナイスパスですわ!!!」

 

ルリが完全にフリーでボールを受け取る。

 

彼方:「やばっ!!」

 

ダブルチームを解いて急いで彼方がルリを止めに向かう。俺の注意もルリの方に向く。

 

果北:「················」コクッ

 

ルリ:「コクッ ·············」トンッ

 

しかしルリは絶好のシュートチャンスにも関わらずパス。そのターゲットは·····

 

竜太:「果北!? (マズイ!! ルリに焦って、果北の存在を忘れていた!!!)」

 

果北:「ナイスパス!! [― 海神のシンフォニア ―]!!!!!」

 

果北はパスボールをそのままダイレクトでシュートを放つ。果北のシュートが雷門ゴールを強襲!! 三国先輩は必殺技で応戦する。

 

三国:「止めてやる!!! [真・無頼ハンド]!!!!」

 

三国先輩の両手が、化身シュートに掴み掛かる。しかしシュートの回転と勢いは多少は弱まった物の止まらずに三国先輩は弾き飛ばされる。

 

信介:「まだだぁあぁあああっ!!!」

 

しかしゴールに入りかけたボールを信介がヘディングでブロック。三国先輩の技で威力が弱まっていたのと、ボールに対する当たり所が良かった為、シュートは軌道を変えて逸れていった。

 

果北:「あ~~っ、もう!! また決められなかった!!!」

 

美歌:「今日の信介くん凄いね······」

 

三国:「ありがとう信介!! 助かった!! (今の動き····もしかして信介には······)」

 

竜太:「サンキュー信介!! 助かった」

 

信介:「へへっ」

 

そして浦の星のコーナーキックから試合再開。キッカーはルリだ。

 

ルリ:「行きますわよ!!! <ザ・チューブ>!!!」

 

ルリの蹴ったボールは急な弧を描き、直接ゴールへ

 

竜太:「カーブボールで直接!? 三国先輩!!」

 

三国:「任せろ!! [真・無頼ハンド]!!!」

 

三国先輩が<ザ・チューブ>を抑え込む。しかしそれほど苦もなく三国先輩はアッサリとキャッチした。

 

ルリ:「!! やりますわね」

 

三国:「速攻!!!」

 

三国先輩のデカいスローからボールは前線に飛ぶ。そこにはキャプテンと剣城が走っていた。

 

果北:「っ!! マズイ!!」

 

神童:「行くぞ剣城!!!」

 

神童・剣城:「「[ジョーカーレインズ]!!!!」」

 

2人の必殺シュートが浦の星ゴールを脅かす。善美の技では[ジョーカーレインズ]を止められない。雷門メンバーは全員入ったと思った。

 

善美:「これ以上入れさせないわ!! 今ここで、私は私を越える!! [()・風神・雷神・ゴースト]!!!!!」

 

この土壇場で進化し威力を増した[風神・雷神・ゴースト]。威力を増した技で、[ジョーカーレインズ]を止めて見せた。

 

剣城:「な、何!?」

 

善美:「絶対に勝つ!!」

 

 

雷門2-1浦の星

 

 

後半残り8分

 

 

― 続く ―




今回のデータ紹介は「桜坂しずく」ちゃん
です。それではどうぞ!!

学校 雷門(東京)
名前 桜坂しずく
学年 1年生  ♀
属性 風  選手タイプ MF

スペシャルスキル:フィールドの演劇姫(コマンドバトルの相手のドリブル、ブロック値と、自身の値を比べて、コマンドバトルの種類に応じて自動で相手のステータス値をコピーしてバトルする。)
例:こちらがオフェンスで相手ディフェンス時に相手がオフェンスだった場合のベースパワーが自分の物よりも高ければ、相手のオフェンスベースパワーを自分のものとして使う。


化身 無し

必殺技
TP 0   林の心得 スキル
TP32 林 木の葉の舞 絶 ドリブル
TP36 風 ザ・ミュージカル A ブロック
TP60 林 デスゾーン2(3人) Gx シュート

GP135 TP162
  キック 102
 ドリブル 165
 ブロック 134
 キャッチ  99
テクニック 171
 スピード 120
 スタミナ  76
 ラッキー  82
 伸びしろ 100
   |
 育成すると
   ↓
  キック 300
 ドリブル 335
 ブロック 215
 キャッチ   1
テクニック   1
 スピード 195
 スタミナ   1
 ラッキー   1

何か毎回書いててレベル99で育成
すると竜太よりも虹学メンバーの方
が強い気がしてきたんですけど。

感想・評価宜しくお願いします。


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第109話:決着!!準々決勝!!!

進化した[風神・雷神・ゴースト]でキャプテンと剣城の[ジョーカーレインズ]を止めて見せた善美。そこから善美のゴールキックからカウンターでボールは梨菜に飛ぶ。

 

梨菜:「ホッ!! ルリちゃん!!」

 

ルリ:「任されましたわ「させるか!!」っ!!」

 

ルリへのパスを愛さんがカット。そして化身を発動する。

 

愛:「来て!! 【楽しいの天才サイコウ・参式】!!!」

 

そして愛さんがドリブルで攻め上がり、そこにサファがディフェンスに入る。

 

サファ:「止めますわ!! [スピニングカット・V4]!!!」

 

サファの右足のフルスイングから放たれた衝撃波が壁となり、愛さんの行く手を阻む。

 

愛:「ぐっ·····!! 負けるかぁああぁあああぁぁああああっっ!!!!!!!!」

 

しかし愛さんは【サイコウ】と共に[スピニングカット]を突き破り、ゴール目掛けて突き進む。

 

羽丸:「止めるズラ!! [天への(いざな)い・改]!!!!!」

 

羽丸の背に天使の様な美しい翼が生え浮かび上がる。すると空から神々しい光が差し込み、それを浴びた愛さんは動きを止める。その隙に羽丸は翼を羽ばたかせて滑空。ボールを奪った。

 

愛:「なっ!?」

 

美歌:「ナイス羽丸ちゃん!! こっち!!!」

 

羽丸からロングでのパスが美歌に飛ぶ。しかし天馬と美歌の競り合いになる。

 

天馬:「ぐっ!!」

 

美歌:「負けるかぁっ!!!!」

 

勝負は美歌に軍配が上がり、ボールは千夏に。そこに信介がスライディングを仕掛けてボールを弾く。しかしこぼれ球を梨菜が押さえる。

 

 

 

―― ―― ―― ―― ―― ―― ―― ―― ―― ――

 

 

ダイヤ:「(残り時間は····後4分。勝負を掛けるしかありませんわね)皆さん!! ディフェンスはもういいです!! キーパーの善美さんも全員上がって総攻撃をかけます!!!」

 

 

浦の星:『『『はいっ!!!!』』』

 

―― ―― ―― ―― ―― ―― ―― ―― ―― ――

 

そして浦の星はキーパーも全員上がっての攻撃を掛けてきた。

 

くそっ、此方は10人で体力的にも数的にもギリギリなのに!!!

 

 

梨菜:「千夏ちゃん!!!」

 

ボールは千夏に渡り、ディフェンスが来る前にパスを回す。数的有利を生かして、数の有利とコンビネーションであっという間にゴール前でボールは果北に。

 

彼方:「行かせないよ~!!! [スリーピィサンクチュアリ]!!!!」

 

彼方の広域ディフェンス技が発動される。中に居た浦の星選手は全員ひどい眠気に襲われてよろける。

 

竜太:「今だ!!」

 

彼方が相手の動きを止めている隙にボールを奪う俺。善美は彼方が技を発動した瞬間にこの事態を察知し、既に自陣ゴールへと走っている。

 

川瀬・永井:「「行かせない!!」」

 

竜太:「甘い!! 《属性付与(エンチャント)(ライト)》!!! [スプリントワープ《光》・Gx]!!!!」

 

スプリントワープが人間の目ではとても追いきれない光の様な速さにスピードアップ。二人を一瞬で抜き去った。

 

竜太:「行くぜ善美!!!」

 

俺はボールに極大のオーラを纏わせてオーバーヘッドで下に落として左の足払いで回転を強化。オーラを練り上げる(その間3.4秒)そしてそれを左足ボレーでボールの真後ろから、練習通りに蹴り飛ばした。

 

竜太:「[ラストリゾート]!!!!」

 

ドガァアァアアァアアアンッ!!

 

ドガァアアァアアアァァアアアンッ!!!

 

ドガアァアアァァアアアァァアアアアンッッ!!!!!

 

ボールは勢いを増しながらフィールドを破壊して進み、善美を襲う。

 

善美:「絶対に止めてやる!!! [真・風神・雷神・ゴースト]!!!!!」

 

3体のマジンと[ラストリゾート]が激突する。しかしマジン3体がかりでも[ラストリゾート]を抑えきる事は出来ずに、シュートはゴールに突き刺さった。

 

ピッ、ピッ、ピィイイイーーーーッ!!!!

 

その瞬間試合終了のホイッスルが鳴った。

 

 

 

実況:「ここで試合終了のホイッスル!! 3-1で買ったのは雷門だぁああああっ!!!!」

 

果北:「負けた·······」

 

舞:「善美·····」ポンッ

 

善美:「ゴメン···みん··な·····ゴメっ·····なさい」ヒグッ エグッ

 

そして選手整列。

 

審判:「3-1で雷門。礼!!」

 

雷門・浦の星:『『『『『『ありがとうございました!!!』』』』』』

 

そして撤収してスタジアムを出る時、

 

果北:「お兄ちゃん!!」

 

振り向くと、目に涙を浮かべた皆が、

 

果北:「浦の星のサッカーは、お兄ちゃんたちに託したから。フィフスセクターなんかに負けたら、絶対に許さないから!!!!!」

 

竜太:「ああ。分かった!!!!」

 

そして、<ピンボールスタジアム>を後にした。

 

 

 

― 続く ―




キャラ紹介「近江彼方」ちゃん。
行ってみよー!!


学校 雷門(東京)
名前 近江(このえ)彼方
学年 3年生  ♀
属性 林  選手タイプ DF

スペシャルスキル:眠り姫(この選手がディフェンスでのコマンドバトル時に相手のベースパワーに0.85倍の倍率補正を掛ける。シュートブロックにこの選手がさんか出来る位置にいる場合相手のシュート時にベースパワー×0.85補正)

化身 無し

必殺技
TP36 林 フェアリーゾーン S ブロック
TP 0   シュートフォース スキル
TP40 林 ダークトルネード 絶 SB シュート
TP50 火 スリーピィサンクチュアリ Gx ブロック

GP162 TP164
  キック  78
 ドリブル 121
 ブロック 168
 キャッチ  80
テクニック 175
 スピード 132
 スタミナ  89
 ラッキー  91
 伸びしろ  98
   |
 育成すると
   ↓
  キック   1
 ドリブル 211
 ブロック 440
 キャッチ 155
テクニック   1
 スピード 220
 スタミナ   1
 ラッキー   1

彼方ちゃんも中々の強キャラですね。
苦手属性とは言えこのブロック値から
繰り出される火属性最強のブロック技
を破るのは苦労しそうです。

感想・評価宜しくお願いします。


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4/3日<桜坂しずく>誕生日編:青春時代の仲間と

2日遅れでスミマセン


俺が高校を卒業して5年の月日が流れた。今の俺は神奈川のプロチームに所属し、親父の実家に父方のばあちゃんと俺の奥さんと一緒に神奈川で3人で暮らしている。

最初は俺も「ばあちゃんが一緒だと奥さんが色々嫌がるかなぁ···」と思ったが、蓋を開ければそんなことは全くなく、二人共実の家族の様に仲が良い。本当に良かった。

 

しずく:「アナタ、今日のFC○京戦、日産スタジアムまで応援に行くからね? かすみさんや璃奈さんと栞子さん、天馬くんと信介君とも一緒に観戦しようって約束してるから」

 

竜太:「マジか····FC○京には果林と侑が居るけど·····絶対に勝つからな」

 

そう。俺の妻とはしずく。しずくとは高1の冬休みから付き合い初め、しずくが大学を卒業してすぐに結婚した。え? 侑はどうした? 聞くんじゃねぇよバカ野郎。

 

俺は現在横○F○リノスに所属しており、しずくは大学2年の時にオーディションに合格し芸能界デビュー。一躍人気女優へと上り詰めた。まぁしずくは性格は良い、顔も可愛い、そしてドラマ撮影のときの演技力も凄まじいと正直周りが嫉妬してもおかしくないしな。

 

そして今日はしずくの誕生日にかつての仲間とぶつかる。······絶対勝たねぇとな。

 

 

 

― 日産スタジアム ―

 

そして試合開始時間が迫る中、横○側のベンチに果林と侑が俺を訪ねてきた。

 

侑:「竜太!! 今日は負けないからね!!」

 

果林:「しずくの誕生日に負けられないのは分かってるけど、私たちも何度も負けたくないから」

 

竜太:「はっ、上等っすよ。あ、そう言えばかすみや璃奈や栞子の一年組が今日来てるの知ってます?」

 

侑:「うん。昨日私のスマホに今日観に来るってせつ菜ちゃんと愛ちゃん、歩夢から連絡来たし」

 

果林:「私のところにも彼方から連絡来たわよ? エマはスイスだから来られないけど皆に宜しくって」

 

竜太:「そうですか、あっ、ベンチに戻って下さい。始まりますから。」

 

そして二人は自軍ベンチに戻り、そして両チームスタメンがフィールドに出て試合開始。結果は、

 

 横○   vs   ○京

  1   1st   2

  3   2nd   1

  4   Total   3

 

何とか4-3で勝てた。危ね~····自分の奥さんの誕生日に負けられるかっての

 

そして試合終了後、皆との待ち合わせ場所に行くと、

 

かすみ:「久し振りっ!!」

 

歩夢:「竜太くんさすがに今日だけは負けられないもんね?」

 

彼方:「彼方ちゃんもはらはらしてスヤピする暇無かったぜ~~····」

 

天馬:「うん!! 高校のときを思い出してまた一緒にやりたくなったよ!!」

 

せつ菜:「今から近くのフットサル場行きませんか? 多分皆さん靴持ってきてますよね?」

 

愛:「トーゼンじゃん!! 絶対やりたくなると思ったから!! 皆は?」

 

璃奈:「私も持ってきてた」

 

信介:「僕も!!」

 

果林:「結局皆考える事は同じなのよねぇ····あっ、フットサルでさっそくさっきのリベンジさせてもらうから」

 

彼方:「果林ちゃん····負けず嫌いは相変わらずだね~~。勿論彼方ちゃんもあるよ~?」

 

栞子:「じゃあ皆さん行きましょうか」

 

そして皆で高校時代の様に皆でボールを追いかけた。神童さんや三国先輩たちは来られなくてちょっと残念だ。

 

そして時間目一杯やって皆で夕飯に焼き肉を喰いに行った。お金は現在プロの俺、侑、果林、天馬、信介、愛さん、せつ菜先輩が割り勘で出した。

 

そしてその帰り道、俺としずくが仲良く家に帰る帰り道で、

 

 

竜太:「しずく······」

 

しずく:「竜太·····//」

 

竜太:「誕生日おめでとう。しずくに出会えて、俺は幸せ者だよ」

 

しずく:「私もです。アナタと出会えて、幸せです。····ねぇ?」

 

竜太:「ん?」

 

しずく:「私、そろそろ欲しいかな?って/////」

 

竜太:「っ//// そう···だな。俺も欲しい」

 

そしてその日の夜は·····皆様のご想像にお任せします。

 

 

― しずく Happy Birthday ―




感想、評価宜しくお願いします。


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番外編:普段温厚な人ほど怒ると怖い

今日はせつ菜先輩とアニ○イトにラノベを買いに来た。何でも先輩のかなり好きなジャンルらしく、俺も内浦に居たときアニメ放送を見ていたのでその分の内容は知っている。

 

せつ菜:「竜太くん、付き合ってくれてありがとうございます!!」

 

竜太:「俺もアニメは見てたんで。今どんな話になってるのか気になってましたから」

 

そして少しの間公園で休むことにし、ベンチに座っていると、

 

子供1:「行くよ!! それっ!」ポンッ

 

子供2:「うわっ!? ヘタクソ~!!「ゴメ~ン!!」」タッタッタッ

 

そしてボールは俺たちの所に転がってきて、

 

子供2:「スミマセ~ン、ボール取って下さい」

 

せつ菜:「分かりました! 行きますよ~? それっ!!」

 

先輩は子供に優しくループのボールを蹴ってやりボールは子供の手元へ。

 

子供1・3:「「お姉ちゃんありがとう!!」」

 

子供たちのサッカーを俺と先輩は微笑ましそうに見ていた。すると公園に如何にもワルと言った見た目の3人組が入って来た。

 

不良1:「あぁ? おいガキ共、誰に断ってここでサッカーしてんだ?」

 

不良2:「楽しかった?」ニヤニヤ

 

気味の悪い笑みを浮かべる不良2。やな感じだな·····

 

子供3::「こ、公園はみんなのものなんだぞ!!!」

 

勇気のある子供だな。でもそんな事を言えば当然·····

 

不良1:「うるせぇ! 舐めたガキだな。おい!!」

 

仲間の不良2と3がその子に近づく。その時俺の足元に子供たちが使っていたボールが転がってきた。そして俺はここで見て見ぬふりするような奴ではない。

 

竜太:「フンッ!!!」

 

ドガアァァアアアンッ!!!!

 

不良1:「あん? ドガァアアッ!!! フグウッ!?」バタッ

 

俺の蹴ったボールは、音で此方を振り向いた不良1の顔面にクリーンヒット。子供たちも不良2・3も呆然と此方を見ていた。

 

竜太:「その子供たちの方が正しい。お前らが出ていけ!!」

 

そう不良にいい放つ俺。ボールを顔面に受けた不良が手で鼻を押さえながら此方を睨んでくる。

 

竜太:「なんならサッカーで決めるか? そっちは3人全員で良いぜ。かかってきな!!」

 

不良1:「舐めやがってぇええ·····!! お前ら!! コイツを叩きのめすぞ!!」

 

不良2:「了解」

 

不良3:「ん? おい、こいつ良い女連れてるじゃねぇか。ちょうど良い、俺らが勝ったらあの子で楽しもうぜ?」

 

ブチッ

 

ん? 今の音言っとくが俺じゃないぞ? 何かがキレた様な······恐る恐る振り向くと、顔に陰が差し、目のハイライトを完全に失いぶちギレたせつ菜先輩が居た。

 

せつ菜:「·······大海くん?「はっ、はい!!」? 私も一緒にその馬鹿三人と()っても良いですか? そういう奴らヘドが出ます。」

 

竜太:「は、はい。勿論です····」

 

竜太・不良1・2・3:((((怖ぇええぇぇええええっ!!!))))

 

不良3:「よ、よし。じゃあそこのコートでやろうぜ? ちょうどゴールあるし····」

 

竜太:「よ、よし。先輩····」

 

そして子供たちが見守るなか、俺たち2人と不良3人のサッカーバトルが始まる。

 

竜太:「先輩、さっき買ったラノベ風に言って良いですか?」

 

せつ菜:「どうぞ?」

 

竜太:『ここから先は、第四真祖(オレ)戦い(ケンカ)だ!!!』

 

せつ菜:『いいえ先輩、私たちの戦い(ケンカ)です!!!』

 

そして子供のホイッスルと同時に不良が攻める。しかし·····

 

せつ菜・竜太:「「[キラーフィールズ・V3]!!!」」

 

竜太:「[超・エクスカリバー]!!!」

 

不良2:「くそっ!![クレイモ····「[超・グラビティバインド]!!!」っ!?」

 

竜太:「[絶・デスファイア]!!!」

 

 

 

 

 

結果は・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

不良1・2・3:チ~ン·····

 

子供1・2・3:「「「しゅ、瞬殺······」」」

 

子供1:「お兄ちゃんとお姉ちゃん凄い!!!」

 

せつ菜:「悪者はお姉ちゃんたちが成敗しましたからね。いっぱいサッカー楽しんで下さいね?」

 

子供3:「うん!! ありがとうお姉ちゃん!!」

 

そして子供たちに別れを告げて公園を後にしたのちオレの家で先輩のアニメDVDを観賞し、先輩が帰る時に家まで送った後で俺もUターンして家に帰った。

 

 

 

― 続く ―




せつ菜先輩が買ったラノベ、分かる人は分かりますよね?

ではまた次回で!!


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第110話:幕間

浦の星との準々決勝に勝利した俺たち。次はいよいよ準決勝。鳥取の新雲学園とぶつかる。あと2つ勝てば優勝だけあって皆いつにも増して張り切っている。

 

ディラン:「ほら二人とも!!」

 

後ろからセンタリングが縦に入る。それを果林とエマが、

 

果林:「エマ!!」

 

果林・エマ:「「[ユニコーンブースト]!!!!」」

 

果林とエマのツインシュートと共にユニコーンがフィールドを駆け抜ける。しかし途中でユニコーンのオーラは霧散し、シュートは枠の外へと逸れて行った。

 

エマ:「う~ん·····また失敗か~」

 

マーク:「やっぱりまだ二人のタイミングがずれてるな。だが、確かに進歩はしてるから焦らなくて良い」

 

DF組は、

 

テレス:「ほらキリノ、アマギ、もっとお互いに動き方を理解した上で連携して相手を追い詰めろ!!!」

 

霧野・天城:「「はいっ!!(ダド!!)」」

 

テレス:「ほら! フィーベル!!」

 

ボールはシスティーナさんに渡る。

 

システィ「私は今はアルデナですよ!!」

 

彼方:「取る!! [スリ~ピィサンクチュアリ~]!!!!」

 

彼方の足元から半径8m程の円形の魔方陣が展開されシスティーナさんとテレスさんを夢の世界へと誘惑する。

 

システィ:「ぐっ·····ま、ける··かぁあああああっ!!!!」

 

彼方:「うわぁあああ~~っ!?」

 

彼方の眠りの領域をシスティーナさんが精神力で跳ね返した。スゲー·····

 

システィ:「三船さん、天王寺さんボーッとしない!!早くフォローする!!」

 

栞子・璃奈:「「はっ、ハイ!!!!!」」

 

MF、[ビッグバン]継承組は、

 

にこ:「歩夢!!!」

 

歩夢:「天馬くん、しずくちゃん、行くよ!!!!」

 

三人が次々ボールにエネルギーをチャージしながら蹴り上げていき、歩夢先輩が踵落としで下に落とす。ボールに凄まじいエネルギーが集束され、

 

歩夢・天馬・しずく:「[ビッグバン]!!!!!」

 

三人のトリプルシュートから、爆発的な火力を纏ったボールが撃ち出される。しかし勢いは失速し、力の無いボールがゴールネットを揺らした。

 

鬼道:「三人の息が合ってないな。天馬は少し早いし、しずくは逆に遅い」

 

ツバサ:「同感ね。二人とも、今言われた事を意識して。」

 

天馬・しずく:「「はい!!!」」

 

そして信介と三国先輩は、

 

信介:「えっ!? ぼ、ボクがキーパーですか?」

 

三国:「ああ。浦の星戦の時のお前を見て思ったんだ。お前は、キーパーに向いてるかもしれないって。勿論ちゃんと出来るまでは俺と円堂監督で教える。どうだ? やってみないか?」

 

信介:「ぼ、ボクに出来るんでしょうか······」

 

三国:「ああ。俺は信介、お前しか居ないと思ってる。お前がやってくれれば、俺は安心して卒業出来る。頼む!!!」

 

信介:「三国先輩·······分かりました!! ボク、キーパーやります!!!」

 

三国:「よし! じゃあさっそく練習だ!!」

 

信介:「はい!!!」

 

信介がキーパーか、確かに向いてるかもな。信介は反射神経凄く良いし。

 

そして剣城たちは、

 

せつ菜:「剣城くん、かすみさん行きますよ!!」

 

三人の背後に月明かりに照らされ悠然と構える魔狼が出現する。そして剣城とかすみがダッシュで前に走り、二人の間目掛けてせつ菜先輩がボールを蹴る。そして二人がツインキックでボールを上に蹴り上げ、跳んだせつ菜先輩がボレーシュート。

 

せつ菜・かすみ・剣城:「「「[グランフェンリル]!!!!!」」」

 

ボールと共に魔狼が駆ける。しかし途中で魔狼は消滅。力の無いボールがゴールネットを揺らした。

 

せつ菜:「失敗ですか····」

 

剣城:「やはり難しいですね·····。世界最高レベルの技は·····。」

 

マーク:「問題はセツナちゃんだな。ツルギくんとカスミちゃんはタイミングあってる。セツナちゃんが最初のパスをぴったり二人の真ん中に蹴れてないからさっきカスミちゃんがすこし詰まった。」

 

せつ菜:「分かりました。」

 

この三人は何とか形にはなりそうだな。

 

そして俺たちは、

 

竜太・侑・愛:「「「[ジェット··ストリィィイイイムッ]!!!!!!」」」

 

シュートは竜巻の目に沿い加速しながら飛んで行く。そして、

 

ガァアアァアアアァァアアアアンッ!!!!!!

 

ボールはクロスバーに激突し跳ね返る。

 

愛:「ごめ~ん。また愛さんだ。タイミングまだ遅いのかぁ·····」

 

·····ふむ。

 

竜太:「侑、愛さんを基準にしてやってみようぜ?」

 

侑:「そうだね。」

 

愛:「へ? どういう·····「愛さん、もう一度。今度はこっちを考えなくていいから愛さんのペースでやってみて?」え? うん···分かった」

 

そして三人でボールの周りをぐるぐると走り回る。俺と侑はそれぞれの特殊技能を支える一番の要素、《観察眼》を用いて完璧に()()()()()()()()()に併せる。

 

愛・竜太・侑:「「「[ジェット··ストリィィイイイムッ]!!!!!」」」

 

シュートはぐんぐん加速し、轟音と共にゴールネットに突き刺さった。

 

愛:「やった!!」

 

竜太:「よし、これで行くか。」

 

侑:「そうだね。」

 

愛:「だからどういうこと?」

 

竜太・侑:「「自分で考えなさい!!」」

 

愛:「ええ~~~っ!?」

 

 

そんなこんなで、練習に励む俺たちだった。

 

新雲学園戦まで後5日。

 

 

― 続く ―




今回の紹介は虹学メンバー最後の2年
生、"宮下愛"ちゃんです。

宮下愛 性別 女

学校 雷門(東京) 2年生
ポジション MF 属性 山

スペシャルスキル:無し

化身 楽しいの天才サイコウ FW型
属性 山
KP180 化身ATTACK120
化身技 サイコーハート KP75 山
化身スキル:スーパーバーニング(見方の必殺技の元の威力を1.25倍する。技が進化していれば、1.25の倍率が掛かった後に進化によるパワーアップ計算を行う。"化身技にも適用")

必殺技
TP55 火 爆熱スクリュー   超 SC シュート
TP36 山 アクロバットキープ S    ドリブル
TP0    こんしん!          スキル
TP45 山 昇り龍       絶    ドリブル

レベル99時ステータス
GP175 TP143

キック   148
ドリブル  182
ブロック  87
キャッチ  69
テクニック 170
スピード  134
スタミナ  108
ラッキー  43
伸びしろ  102

極限育成すると、

キック   336
ドリブル  351
ブロック  129
キャッチ  1
テクニック 1
スピード  241
スタミナ  1
ラッキー  1

グローブをキャッチ値上昇最強のゼログローブを装備して、
キック値をゼロシューズ、
ドリブル値を破壊神ペンダント
ラッキー値を天使のミサンガで強化すると強いかも。

(ただし、コマンドバトルのシステムはシャイン・ダーク版を
使用)

感想・評価宜しくお願いします。


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第111話:聖帝の正体

新雲学園戦まで後3日。今日は部の練習は休みなので俺、天馬、信介の3人で河川敷で軽~くボールを蹴っていた。

 

竜太:「ほら! 天馬行ったぞ!!」

 

天馬:「竜太大きすぎるって!! あっ、すみません!!」

 

ボールはピンク色の髪を三つ編みにした女性の足元に転がって行き、その女性はボールを拾い天馬に渡してくれた。

 

天馬:「ありがとうございます!!」

 

?:「大海竜太くん、松風天馬くん、西園信介くんね?」

 

えっ? 何で俺たちの名前を······?

 

?:「ああ、TVでインターハイでの雷門の闘いを観てたから。それに雷門の学校がこの近くでしょう?」

 

成る程。それでか······

 

?:「いきなりで悪いんだけど3人に今から会って欲しい人が居るの。今ここに呼んでも良いかしら?」

 

会って欲しい人? 初対面でそんなこと言うなんてまさかこの人不し·····

 

?:「不審者じゃないからポケットからスマホを取り出すのを止めて貰えるかな? 少し話をしてくれるだけで良いの」

 

竜太:「どうする?」

 

天馬:「少し話をするだけなら良いんじゃない?」

 

信介:「少し話すだけで良いんですよね?」

 

?:「ええ。そうよ」

 

天馬:「なら·····OKと言う事で」

 

?:「ありがとう。ちょっと待っててね?」

 

謎の女性はスマホから番号を入力し通話をする。そして通話終了し、

 

?:「今来るって·····ほら、彼処」

 

俺たちが女性の指差した方を振り向くと·······!?

 

竜太:「イシド····シュウジ!?」

 

天馬:「ど、どういうこと!?」

 

俺たちが女性の方を向き直ると、女性は「何も変な事はしないし何も無いから落ち着いて···」と、宥められる。って言ってもなぁ·····

 

イシド:「ありがとう。夕香」

 

どうやらこの女性は夕香さんと言うらしい。

 

夕香:「全く···お兄ちゃんは人使いが荒いんだから·····」

 

信介:「お兄ちゃん!?」

 

この人、イシド・シュウジの妹だったのか······。

 

イシド:「さて、君たち3人に聞きたいことがあるんだ」

 

信介:「·······何ですか?」

 

信介が警戒心剥き出しで返答する。イシドさんは「そう警戒するな····」と言うがそれは無理と言うものだろう。

 

イシド:「私は君たちに1つだけ聞いて確認したいだけなんだ。君たちの個人的な考えと意見で構わない。君たちは、「今の管理サッカー」をどう思う?」

 

今のサッカーを? そんなもの決まってるだろ······

 

天馬:「勝ち負けを決められたサッカー何て、何も楽しくないです」

 

信介:「僕もです」

 

竜太:「俺は小さい頃から、嫌なことがあるとただひたすらにボールを蹴ってました。そうしてると、ボールが全部受け止めてくれてる気がして、嫌なことも忘れられて····恐らくほとんどの選手は、皆サッカーに救われて来てると思います。····けど、管理サッカーでは、誰も救うことは出来ないと、俺は思います」

 

イシド:「やはりそうだよな······サッカーと言う物は······」ボソッ

 

?、今、何て·····

 

竜太:「イシドさん、貴方は··「キャーーーッ!! ひったくりよーーーーー!!!」っ!?」

 

俺たちが一斉に土手の方を振り向くと、男が女性の鞄を奪って逃げる所だった。

 

竜太:「っ!! 待ちやがれ!!」ダッ

 

天馬:「あっ!! 竜太!?」

 

俺は急いで土手の階段を駆け登り泥棒を追いかけて後ろからタックルをかます。男はバランスを崩し、前のめりになって転倒。鞄をを離した。

 

男:「クソッ!! このクソガキが!! ぶっ殺してやる!!!!」

 

男が懐からナイフを取り出す。一瞬怯んだ俺に男はナイフを手に迫って来る。

 

天馬:「竜太!!」

 

イシド:「ボールを貸せ!!「えっ?」」

 

ドガァアアアアアッ!!!!

 

天馬:「!?(今のフォームは·····)」

 

イシド・シュウジの蹴ったボールは、一直線に男の(よこ)(つら)に吸い込まれ男は気絶。そして俺のもとに天馬たちとイシドさんの兄妹が駆け寄ってきた。

 

イシド:「夕香、警察に連絡を」

 

夕香:「うん!!」

 

天馬:「竜太何やってんのさ!? 幾らなんでも無茶だよ!!!」

 

竜太:「悪い·······」

 

イシド:「ケガは無いか?「はい。ありがとうございます」聞きたいことは聞けたから、私は此で失礼するよ。「待って下さい!!」?」

 

天馬?

 

天馬:「イシドさん、貴方何ですね····? 13年前の沖縄で、サッカーボールで俺の命を助けてくれたのは········!!」

 

13年前って言うと·······

 

竜太:「ウチのアパートでお前が世話してる犬、サスケを助けようとしたお前に倒れてきた木材を、ボールで吹き飛ばして助けてくれたっていうあの話か?」

 

天馬は頷く。

 

イシド:「·················」

 

天馬:「教えてくださいイシドさん!! 貴方は一体!!」

 

イシド:「今はまだ話すべき時ではない。ただ、この先も君たちが勝ち続け、革命を成し遂げた先で、明らかになるはずだ。」

 

え? 今の言い方······この人は革命が成功して欲しいのか?

 

イシド:「ではな·····「待って下さい!!」」

 

しかしそこに、俺たち以外の、第三者の声が響く。

 

イシド:「······誰···剣城か」

 

そこには、いつの間にか剣城が立っていた。

 

剣城:「さっきの大海を助けたあのシュートを見てましたが、俺は別の意味で衝撃を受けました。俺はかつてあのフォームからシュートを放つストライカーを観たことがあります。兄さんが憧れ、俺も映像をテープが擦りきれる位観ました。俺が間違える筈ありません!!」

 

イシド:「················」

 

剣城:「イシド・シュウジ·······いや、貴方の本名は、「豪炎寺修也」ですね!!」

 

!?!?

 

俺たちはイシド・シュウジの顔を見る。言われて見れば!!!

 

竜太:「そうか·····何処かで会ったことがある様な気がしてたんだ······昔のW杯で、親父と一緒にプレーしてたときに一緒に写真を撮って貰って·······その時に会ってたんだ!!!」

 

イシド:「·········少し予定が早まったが、まぁ許容範囲か。剣城、松風、新雲戦に勝利したらここへ来い。2人に教えておきたい技がある。ああ、後····()()を信じてやってくれ」

 

!? 何で···栞子の名前が·····?

 

そして、イシド・シュウジは帰って行った。

 

 

 

 

― 続く ―




今回は、1年生の天王寺璃奈ちゃんです。どうぞ!!

天王寺璃奈 女

学校:雷門(東京) 属性 風
学年1年生 ポジションDF

スペシャルスキル:無し

化身:無し

必殺技

TP45 風 サイバースロジック Z ブロック
TP0    ブロックプラス20   スキル
TP0    こんしん!       スキル
TP      ? ? ?     (まだ不明)

レベル99時のステータス

GP124 TP185

キック   56
ドリブル  101
ブロック  182(202)
キャッチ   90
テクニック 137
スピード  123
スタミナ  119
ラッキー   99
伸びしろ  114

極限育成すると、

キック     1
ドリブル   156
ブロック   432(452)
キャッチ   188
テクニック   1
スピード   241
スタミナ    1
ラッキー    1

・・・・・・・・ぶっちゃけこれにもしもミキシ
マックスが加わったらと想像すると恐ろし
いです。誰も突破出来ないんじゃね?

感想・評価宜しくお願いします。


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第112話:仲間

俺、天馬、信介の3人(後から来た剣城を入れて4人)が聖帝と話した翌日、俺たちは皆に昨日あったことを話していた。

 

かすみ:「ええぇっ!? 聖帝が····イシド・シュウジの正体が豪炎寺修也さん!?」

 

しずく:「そんな······っ、何で·····」

 

そう。それが俺たちが気になっている事だ。聖帝が豪炎寺さんなら、こんな管理サッカーなんかを推し進めようとする筈が無い。それは親父たちが一番よく分かってる。

 

竜太:「ところで監督や親父たちは、イシド・シュウジが豪炎寺さんだって気づいてたんですか?」

 

皆が一斉に監督たちの方を向く

 

円堂:「······ああ。気づいてた」

 

龍也:「お前たちが動揺して試合に集中出来なくなると悪いから言えなかったんだ」

 

確かに、聞かされてたらショックで試合どころじゃなかったかもな·······。でも、気になる事はもうひとつあるんだ。

 

竜太:「後もうひとつ、聖帝はこうも言ってた。"栞子を信じてやってくれ"って。何で聖帝の口からお前の名前が出たんだ?」

 

エマ:「っ、栞子ちゃん·····どういうこと?」

 

かすみ:「しお子·····!!」

 

栞子:「·······はぁ、···聖帝が話したと言うことは、そういう時期が来たということ何でしょうね·····私は、剣城くんたちみたいなフィフス本部のシードとは別系列の、聖帝がフィフスセクターに知られぬ様に秘密裏に育成した、特殊な()()()です」

 

全員:『『『っ!?』』』

 

全員が息を飲む。

 

せつ菜:「栞子さんが·····シード!?」

 

歩夢:「う、嘘だよね·····?」

 

栞子:「本当です」

 

皆が茫然と栞子を見つめる中で、俺だけは冷静だった。

 

竜太:「栞子···今、聖帝がフィフスセクターには秘密で育てたって言ったな? って事は、他のシードもフィフス本部の連中も、お前の存在を知らないって事か?」

 

栞子:「その通りです。知っているのは、今はフィフスに居る元イナズマジャパンの、豪炎寺さんと野坂さん2人だけです。」

 

龍也:「野坂が!?」

 

竜太:「秘密ってことは、フィフスには知られたらマズイ類いの任務を遂行する····言い換えれば、フィフスにとって不都合な工作を行うって言う、"シードで有りながら反フィフス"と言う立ち位置が推測出来るんだが·····合ってるか?」

 

栞子:「その通りです。私は、雷門が革命の闘いを始めたのを確認した聖帝から、たった1つだけ指示を受けて、雷門に転校してきました」

 

彼方:「何? その指示って·····」

 

皆の注目が栞子に集まる。

 

栞子:「私が受けた任務、それは···雷門とフィフスセクターの戦いで、雷門を()()()()事」

 

!? 皆の顔が驚愕の色に染まる。

 

愛:「ちょっ、ちょっと待ってよ!! 雷門を勝たせるって、そんなのフィフスセクターのボスの人の言うことじゃあ無いよ!!」

 

栞子:「全ては、聖帝の真の目的の為です」

 

果林:「真の目的?」

 

栞子は頷く。

 

栞子:「その目的とは、フィフスセクターを操る真の黒幕を倒して、本来あるべきサッカーを取り戻すこと。聖帝は·····豪炎寺さんは、フィフスセクターが設立される当初に敵の懐に潜り込んで、ずっと機会を伺ってたんです。かつての仲間が監督やコーチに選ばれ、その息子や娘たちが一同に介すこの時期を!!」

 

円堂:「じゃあ、やっぱり豪炎寺はたった1人で、歯を食いしばって汚名を被って戦ってたのか?」

 

栞子:「"やっぱり"と言うことは、監督たちは気づいてたんですね·····」

 

鬼道:「あんのバカ········」

 

龍也:「全部終わったら一発ぶん殴ってやる····俺たち仲間だろ·······1人で抱え込みやがって······」

 

栞子:「皆さんに今まで言わなかったのは、豪炎寺さんからの指示なのもありますが、早い段階で話していたら、シードと言うことが邪魔をして信じて貰えないと思ったからです。でも、今なら····今まで一緒に戦って私のやったプレーのひとつひとつが信用材料になると判断しました。ですが····皆さんに黙っていたことは事実です。信用するかどうかは、皆さんが決めてください」

 

かすみ:「っ·····、そんなの···「信じるよ」っ、天馬くん····」

 

竜太:「俺も信じる」

 

しずく:「私も信じます」

 

璃奈:「私もっ!!」

 

神童:「俺もだ」

 

三国:「俺も」

 

信介:「ボクも!!」

 

歩夢:「わっ、私も!!」

 

せつ菜:「私も信じます!!!」

 

エマ:「私も信じるよ·····栞子ちゃんの想いは、プレーでい~っぱい伝わって来たもん!!」

 

皆栞子の元へと集まってくる。ただ1人を除いて····

 

かすみ:「待ってよっ!!!!」

 

かすみ······

 

かすみ:「言えなかった理由は分かったよ。理解もした。けど、何で自分から言おうとしてくれなかったの!? かすみんはしお子の事、友達だって思ってたのに·····、しお子はそう思って無かったの!? 信じてたのはかすみんの···私の一方通行だったの!?」

 

栞子:「私だって、皆さんを仲間だと、心の底から思いたかったです····けど、私はただ、目的が同じだけで·····そんな私が、皆さんを仲間だなんて言う資格があるのかって······」

 

かすみ:「どんな理由だって、同じ目的を持って一緒に闘えば、それは仲間なんだよ!! だから····そんな事、気にしないで良かったんだよ·····?」

 

かすみは栞子の手を取り、必死に訴えかける。"しお子は私たちの仲間だ。だからしお子も私たちを仲間だと思って!! 私たちを信じて!!"と····

 

かすみ·····やっぱ····スゲェわ、お前······

 

栞子:「うっ、ウゥ·····うゥ·····」

 

泣きじゃくる栞子の頭に、俺はポンッと手を置き、ワシャワシャと撫でる。

 

竜太:「栞子·····こっからは隠し事無しの、本当の意味での仲間だ。良いな?」

 

栞子:「っ·····、はいっ!! 皆さん、改めて宜しくお願いします!!」

 

こうして、栞子と俺たちの心は真に1つになった。

 

 

 

新雲戦まであと2日

 

 

― 続く ―




今回は虹学メンバーのセクシー&おバカ担当
朝香果林さんです。

朝香果林 女
学校:雷門(東京) 3年生
属性 火 ポジション FW

スペシャルスキル:無し

化身:無し

必殺技

TP29 火 きらきらスターダスト Z LS シュート
TP55 火 Fire Bird      A   シュート
TP0    属性強化           スキル
TP70 火 ユニコーンブースト  極 SC シュート

レベル99時のステータス

GP155 TP162

キック   175
ドリブル  143
ブロック   89
キャッチ   67
テクニック 144
スピード  121
スタミナ  100
ラッキー   72
伸びしろ  101

極限育成すると、

キック   418
ドリブル  231
ブロック   1
キャッチ  138
テクニック  1
スピード  220
スタミナ   1
ラッキー   1

同じレベルにさえなれれば、果林先輩はゲーム版の
剣城とタメを張れる位の潜在能力はありますね。
(寧ろ覚える技を見ると果林の方が強いかも)

感想・評価宜しくお願いします。


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第113話:覚醒!! 信介の化身

栞子の話を聞いた後、俺たちは早速今日の練習に励んでいた。

 

かすみ:「しお子!!」

 

栞子:「任せてください!!」トッ

 

かすみからの強めのパスを柔らかいトラップで殺して取る栞子。そこに天馬と歩夢先輩がディフェンスに入る。

先ずは先頭で来た天馬を左に躱す栞子。すると天馬の背後から歩夢先輩がスライディングでブロックに入る。しかし栞子はそれを即座にジャンプで躱してドリブルする。

 

 

 

円堂:「栞子、動きが凄く良くなったな·······」

 

龍也:「胸の痞が取れたからじゃね?」

 

海未:「だと思います。精神面はパフォーマンスに大きく影響しますから····」

 

テレス:「でもアイツ一応シードって扱いなんだろ? アイツらはそれで良いのか?」

 

エドガー:「君は本当に無粋だな······。良いから今も一緒にやってるんじゃないか」

 

 

 

 

竜太:「栞子!!」

 

俺からのセンタリングに対して、栞子がボレーでのシュート体勢に入る。

 

栞子:「はぁああぁあああっ!!!」

 

ドガァアアアアッ!!!!

 

信介:「止める!!」

 

信介が栞子のシュートを両腕で押さえ付ける。しかし弾かれてしまいシュートはゴールに突き刺さった。

 

ロココ:「シンスケくん、もっと臍の下に力を込めて踏ん張るんだ!! 君は小柄だから気を抜くと簡単に持っていかれるよ!!!」

 

信介:「はい!! 「次! セツナさん!!」」

 

せつ菜:「やぁああぁあああっ!!!」

 

今度はせつ菜先輩のシュートが信介に迫る。今度は信介も下腹部に思い切り力を込めて両腕でのキャッチング。勢いに押されるが何とか受けきり止めて見せた。

 

ロココ:「よし! 次は必殺シュートだ!!」

 

信介:「っ! はい!!!」

 

まずは歩夢先輩の必殺シュート。威力はあまり高くない入門編だ。

 

歩夢:「行くよ!!」

 

歩夢先輩がボールのサイドを思い切り踏みつけてボールにジャイロ回転を掛けて上に上げる。それを歩夢先輩はボレーで思い切り振り抜いた。

 

歩夢:「[極・スパイラルショット]!!!」

 

歩夢先輩のシュートがゴールに迫る。信介は正面から両腕でのキャッチングを試みる。

 

ガシィイイイッ!! ギャルルルルルルルルッ!!!

 

中々に力強いキャッチング。だがシュートの回転を押さえきれずに弾かれてしまいシュートはゴールに突き刺さった。

 

ロココ:「次、カスミさん!!」

 

かすみ:「はい!!」

 

かすみがシュート体勢に入るとボールに音のエネルギーが凝縮。かすみのキックと共にエネルギーがバーストし超速でゴールへと向かう。

 

かすみ:「[極・メロディショット]!!!」

 

信介:「今度こそ!! うぉおおおおおっ!!!!」

 

ガシィイイィイイイイッ!!!

 

先程より力強さを増したキャッチング。だがスピードに押されてシュートはゴールへと突き刺さる。

 

信介:「くっ·······」

 

ロココ:「シンスケくん、初めの内は誰だってそんなものだよ。寧ろ僕の最初の頃よりずっと上手いよ」

 

信介:「ロココさんでも下手くそな時があったんですか?」

 

ロココ:「そりゃああったさ。練習しても中々上手くならなくてね。でも、"諦めなかった。"その結果が今のボクだよ」

 

信介:「·······ロココさん、ボク、まだやります!!」

 

ロココ:「よし! 次はカリンさん」

 

果林:「はい!!」

 

果林がシュート体勢に入りジャンプする。するとボールに青白い光が集まり、そのボールを果林が蹴り落とした。

 

果林:「[きらきらスターダスト・Z]!!!!」

 

信介:「絶対に止めてやる!! ボクだって諦めるもんかーーーーー!!!」

 

すると一瞬信介の背に化身オーラが発生。果林のシュートを押さえ込む。が、オーラは実体化せずに消滅。シュートはゴールに突き刺さった。

 

ロココ:「(今のは·······)ツルギくん、····化身シュートで行け」

 

剣城:「!! はい!! 来い!【剣聖ランスロット・零式】!!」

 

天馬:「化身!?」

 

葵:「幾らなんでも無茶よ!! 必殺シュートもまだ止められないのに!!」

 

信介:「む、無理だよ·····今のボクには止められないよ······」

 

そして、剣城がシュート体勢に入る。

 

剣城:「[― ロストエンジェル ―]!!!」

 

ランスロットの剣が信介を襲う。

 

ロココ:「シンスケくん!! 諦めるな!! 君なら止められる!!!」

 

信介:「っ!! うぁあああああっ!!!」

 

すると信介の背に先程よりも巨大な化身オーラが溢れ出る。信介のキャッチと共にオーラはシュートを呑み込む。すると一瞬化身が実体化した。

 

バシィイイイイイッ!!!

 

信介は、剣城の化身シュートを止めて見せた。

 

信介:「と·····とめ··た?」

 

すると皆が一斉に信介の元へと集まってくる。

 

天馬:「信介!! 凄いよ!! 剣城のシュートを止めたんだよ!?」

 

信介:「ボクが····止めた·····っ! やったーーーー!!!」

 

三国:「信介!! やったじゃないか!!」

 

侑:「うん!! 凄い!!」

 

こうして、雷門に2人目のキーパーが生まれた。

 

― 続く ―




今回、雷門最後の虹学メンバー
三船栞子ちゃんの紹介です。どうぞ!

名前 三船栞子 性別 ♀

学校:雷門(東京) 1年生
属性 林  ポジション DF

スペシャルスキル:適性見抜き(選手のステータスポジションと実際に試合で行うポジションが一致している場合そのポジションに応じたコマンドバトル時にベースパワー1.25倍補正)

化身:無し

必殺技

TP36 林 ハンターズネット  S SB ブロック
TP50 林 ランサーレインズ  極    ブロック(2人)
TP45 山 グラビティバインド Gx SB ブロック
TP 0   テクニックプラス20     スキル

レベル99時のステータス

GP166 TP175

キック87
ドリブル121
ブロック174
キャッチ100
テクニック156(176)
スピード103
スタミナ121
ラッキー72
伸びしろ97

極限育成するとこんな感じ。

キック     1
ドリブル  192
ブロック  426
キャッチ  186
テクニック   1(21)
スピード  223
スタミナ    1
ラッキー    1

こんな感じです。栞子とエマのランサーレインズが属性違いなのはデスタとセインの[シャドウ・レイ]や、ガゼルとバーンの[ファイアブリザード]と同じです。

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第114話:お見舞い

今回は短いです。すいません

ではどうぞ!!


栞子の件の翌日、俺と天馬は剣城と共に入院中の優一さんの元を訪れていた。

 

優一:「いよいよ明日が準決勝か。頑張れよ、3人共」

 

竜太・天馬:「「はい!!!」」

 

剣城:「絶対勝つよ。兄さん」

 

因みに優一さんには豪炎寺さんの事を伝えた。ショックを受けてはいたが、栞子の話を一緒に伝えたら納得し安堵の息を漏らしていた。

 

優一:「それにしても、豪炎寺さんを裏で操る黒幕って誰なんだ·······」

 

天馬:「そこまでは栞子も知らない見たいです。ですが相手が誰であろうと勝つだけです」

 

天馬·······、お前言うようになったな。

 

優一:「そうだな。頼んだよ天馬くん、竜太くん」

 

竜太:「はい。じゃあ俺たちは他に会いたい奴が居るんでこの辺で失礼します」

 

優一:「ああ。今日はありがとう」

 

そして優一さんの病室を出た俺たちは以前に出会った「雨宮太陽」の病室へ向かう。

 

天馬:「確か西棟の3階の316号室って言ってたよね?」

 

竜太:「そうだな。ここは東棟の4階だからまずは中央棟に行かないとな。」

 

そして俺たちは中央棟からエレベーターで3階へと降りてから、西棟への廊下を歩く。

 

天馬:「314、315、316あった此処だ。」

 

竜太:「あれ?でもネームプレートに名前が無いぞ?」

 

?:「あら? あなたたちどうした······って竜太じゃない。久し振りね」

 

見ると赤髪を肩口まで伸ばした綺麗な女医さ·······って、

 

竜太:「真姫さん。お久し振りです。」

 

天馬:「えっ? 竜太の知り合い?」

 

竜太:「ほら、音ノ木坂のボランチに「西木野真理奈」って居ただろ? アイツのお母さん。俺にとっては幼馴染の母親だから昔から知ってる人。」

 

真姫:「貴方が天馬くんね? はじめまして。真理奈の母の「西木野真姫」です。一応穂乃果の一年後輩の音ノ木坂サッカー部OGよ。海未に言えば分かる筈よ」

 

天馬:「はじめまして。それでその·····太陽は····?」

 

真姫:「ああ、雨宮くん退院したのよ。昨日」

 

竜太:「じゃあ手術を受けたんですか?」

 

真姫:「受けてないわよ? まったく·····」ブツブツ

 

真姫さんがぶつぶつと呟き、「これは長くなるな」と思ったため俺たちが退散しようとすると、

 

真理奈:「ママ!! って竜太!! どうしたの? 雷門明日準決勝でしょ? まさか何処か悪いの?」

 

竜太:「違うって。唯のお見舞い。こんなときにケガなんかしてられるかよ」

 

真理奈:「そうよね。ならいいわ」

 

真姫:「真理奈、どうしたの?」

 

真理奈:「おじいちゃ···院長が呼んできてって。まったく孫使いが荒いんだから····」

 

真姫:「わかったわ。竜太くん、天馬くん、ゆっくりしてってね?」

 

そう言って去っていく真姫さん。ゆっくりしていけって、ここ病院·····

 

真理奈:「ちょっと1階のカフェで3人で話しましょ? 一杯ドリンク奢るから」

 

竜太:「了解。行くか」

 

天馬:「うん」

 

そして3人でサッカーの事やお互いの学校生活などの世間話をして、家に帰った。

 

いよいよ明日、新雲学園戦

 

 

 

― 続く ―




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第115話:再会、そして決戦

いよいよ準決勝当日。俺たちはステーションでホーリーライナーを待っていた。

 

せつ菜:「いよいよですね······」

 

果林:「ええ。〈10年に1人の天才〉ってどんな選手なのかしら·····?」

 

そう。ミーティングの時に判った事だが、新雲には〈10年に1人の天才〉と言われるFWが居るらしい。しかしその容姿、名前、共に不明と謎に包まれているのだ。

 

神童:「だが、ここで敗ける訳には行かない。気を引き締めて行くぞ!!!」

 

雷門:『『『はい!!!!』』』

 

すると反対側の乗り場に、新雲の選手が入って来た。しかもその中に······

 

竜太・天馬:「「た·····太陽!?」」

 

太陽:「天馬、竜太、ゴメン。黙ってて」

 

竜太:「いや····、そんな事は良いけどお前·····」

 

すると歩夢先輩が俺の袖口を引っ張った。

 

歩夢:「2人共、あの子と知り合いなの?」

 

天馬:「前に剣城のお兄さんのお見舞いに行った時に知り合って·····そう言えば昨日太陽の病室へ行ったら退院したって·····」

 

太陽:「ああ、来てくれたんだ。ゴメン、一言も言えずに。どうしても天馬たちと闘いたくて無理を言ったんだ」

 

竜太:「太陽·····お前、手術受けてないんだってな。もしもの事が在ったらどうする気だ?」

 

歩夢:「手術?」

 

歩夢先輩が聞いてくる。

 

竜太:「太陽は、肺に病を患ってるんです。激しい運動をすると、肺が呼吸を処理しきれなくなって、身体に酸素を上手く送れずに体力が持たないって·····」

 

剣城:「そんな身体でサッカーを······」

 

太陽:「そうだよ。でも、この試合が終わったら、勝っても敗けても手術を受けるよ。でも、前に話した通り成功率が低い。だから完全に僕のサッカーが絶たれる前に思い残す事が無い様にって。」

 

円堂:(こいつ·····一之瀬みたいな奴だな·····)

 

竜太:「·····分かった。手加減はしない。全力で相手をしてやる。自分の最後が賭かった試合で、手を抜かれて嬉しい奴なんか居ないからな」

 

天馬:「竜太·····うん!!!」

 

太陽:「ありがとう。天馬たちならそう言ってくれると思ってた」

 

すると電車が到着し、両校共に乗り込む。俺たちを乗せた電車は、最後のロシアンルーレットスタジアムがある、「砂の道駅」に到着した。

 

~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

 

実況:「お待たせしました!! インターハイもいよいよ準決勝!! この「雷門vs新雲」の勝者が、決勝戦へと駒を進めます!!! 果たして決勝進出を決めるのはどちらのチームか!! 試合はここ、<デザートスタジアム>よりお送りします!!!」

 

龍也:「この試合のスタメンは

    FW 剣城 大海

    MF 優木 上原 神童 天馬

    ボランチ 中須

    DF 三船 近江 霧野

    GK 三国

         で行く。」

 

雷門:『『『はい!!!!!!』』』

 

そして両校位置につく。

 

フォーメーション

新雲

 

GK       佐田

 

DF   武雲  浦野  安森    

 

ボランチ    牧里  古戸

 

MF 樹田 真住    根淵 雛野

 

FW       太陽

 

雷門

 

FW    剣城    大海

 

MF 優木  上原  神童  松風

 

ボランチ      中須

 

DF   三船  近江  霧野

 

GK       三国

 

太陽:「全力で行くよ!!!」

 

竜太:「絶対に勝つ!!!」

 

ピィイイイーーーーーッ!!!!

 

そして、試合開始のホイッスルが鳴った。

 

 

― 続く ―




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第116話:開戦準決勝!! vs新雲学園

ホイッスルと共に剣城がドリブルで攻め上がる。するとそこに太陽がディフェンスに来る。

 

太陽:「行かせないよ!!!」

 

剣城が左右にフェイントを掛けて揺さぶるが太陽は全て付いていく。そして一瞬の隙を突かれて剣城はボールを奪われた。

 

剣城:「何っ!?」

 

ドリブルで攻め上がる太陽。そこに歩夢先輩とキャプテンが2人掛りで止めに入る。

 

歩夢:「止める!!」

 

歩夢先輩が正面からスライディングを仕掛けるがジャンプで躱す太陽。着地の瞬間を狙いキャプテンが横から体をぶつけるが太陽は巧く力を逃がして突破。

 

神童:「なっ!?」

 

かすみ:「止めます!! [真空魔・V4]!!!!」

 

かすみの蹴りのフルスイングで通り道に真空空間が発生。ボールを吸い込みかすみはボールを獲った。

 

かすみ:「どんなもんです!! せつ菜先輩!!!」

 

今度は雷門のカウンター。かすみからのパスを受け取ったせつ菜先輩がドリブルで攻め上がる。しかしそれを樹田と真住が止めに入る。

 

せつ菜:「遅いです!!!」ギュオンッ!!!

 

樹田・真住:「「!?」」

 

その速さ、まるで疾風。2人をスピードで一気に抜き去ったせつ菜先輩。更にドリブルで前線へと進むが牧里と武雲がヘルプに入る。

 

せつ菜:「歩夢さん!!!」

 

せつ菜・歩夢:「「[キラーフィールズ・V3]!!!!」」

 

2人の綺麗にシンクロした動きから、ボールに対して挟み込む様に加えられたインパクトにより極大の衝撃波が発生。牧里と武雲を吹き飛ばす。

 

せつ菜:「剣·····!?」

 

しかし、足元の砂のフィールドの砂が突如センター方向に向けて流れだし、ボールは流され古戸に渡る。

 

実況:「出たーーーーっ!! これがこの<デザートスタジアム>の仕掛け(ギミック)、「流砂」だーーーっ!!!」

 

流砂か······厄介だな······。

 

古戸:「根淵!!」

 

ボールは古戸から根淵に渡る。すると根淵の背に化身オーラが溢れ出る。

 

根淵:「【海帝ネプチューン】!!!」

 

そしてネプチューンを発動したままドリブルで攻め上がる根淵。しかしそこに天馬が化身で対抗してディフェンスに入る。

 

天馬:「はぁああぁあああっ!!! 【魔神ペガサスアーク・弐式】!!!!」

 

ペガサスアークとネプチューンのバトルが始まる。ネプチューンが手に持った三叉槍でペガサスアークを突き刺そうとするが、ペガサスアークは全て避けきりネプチューンを殴り飛ばした。

 

竜太:「ナイス天馬!!」

 

ボールを奪った天馬。そのままドリブルで····

 

太陽:「させない!!」

 

しかし天馬の死角から走ってきた太陽にボールを奪われてしまう。そして太陽も化身を発動する。

 

太陽:「ハァアアァアアアアッ!!! 【太陽神アポロ】!!!」

 

栞子:「化身を!?」

 

太陽:「これが僕の化身、【太陽神アポロ】だ。行くよ!!!」

 

太陽がドリブルで走る。すると太陽を後押しする様な流れで流砂が発生。此方にとっては向かい風ならぬ向かい波だ。

 

霧野:「くっ、動きづらい!! [ディープミスト・V2]!!!!」

 

霧野先輩の深い霧が太陽を包む。しかし太陽はそんなもの知らんと言わんばかりにダッシュで霧を突き抜けた。

 

彼方:「彼方ちゃんも行くよ~!! [スリ~ピィサンクチュアリ~]!!!」

 

彼方の催眠領域が太陽の意識を拘束する。しかし太陽は気力で撥ね飛ばし突破した。

 

太陽:「っ···、ハァ···ハァ·····ハ···ァッ、行くよ!!!!」

 

太陽の化身がシュート体勢に入る。アポロの4本の腕全てから炎の奔流がボールに流れて纏わりつき、太陽の様な灼熱の球体を作り上げる。

 

太陽:「[― サンシャインフォース ―]!!!!!」

 

太陽のキックから灼熱の化身シュートが放たれる。しかし栞子がシュートブロックに入る。

 

栞子:「少しでも威力を!!! [グラビティバインド]!!!!!」

 

栞子の高重力力場がシュートを地面に圧し潰す。しかし大分威力は削がれた物の、シュートは尚も進む。

 

三国:「止める!! [真・無頼ハンド]!!!!」

 

三国先輩が化身シュートを迎え撃つ。栞子の強力なシュートブロックもあり、三国先輩は化身のシュートを止めて見せた。

 

三国:(っ!!)ビリビリ

 

 

闘いはまだまだこれからだ!!!

 

― 続く ―




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第117話:信介のキーパーデビュー

太陽の化身シュートを栞子との連繋ディフェンスで止めた三国先輩のゴールキックから試合再開。

ボールは天馬に飛ぶが、近くに居た雛野との競り合いになる。

 

天馬:「やぁああぁああああっ!!!!」

 

雛野:「ぐっ!?」

 

天馬が競り合いに勝ち、一旦ヘディングでキャプテンに落としてからのリターンでボールを受け取った天馬はドリブルで攻め上がる。そこに古戸がプレスを掛けてきた為、天馬は横の大きいパス1本でサイドチェンジし、ボールはせつ菜先輩へ。

 

せつ菜:「ナイスです天馬くん!! 剣城くん、かすみさん!! 行きますよ!!!」

 

3人がシュートの構えに入ると、崖の上で月明かりに照らされた魔狼が出現する。剣城、かすみの2人が前方に駆け出すと同時に、せつ菜先輩が思い切りボールを2人の間に蹴る。すると2人はツインキックで真上へとボールを蹴り上げ、跳んでいたせつ菜先輩の渾身のシュートが炸裂する。

 

せつ菜・かすみ・剣城:「「「[グランフェンリル]!!!!」」」

 

ボールと共に、魔狼が()()()()突き進む。そう。[グランフェンリル]はマークさんとディランさんの指導のおかげで昨日の練習終了間際、ギリギリのタイミングで完成していたのだ。

 

佐田:「何っ!? 【鉄壁のギガドーン】!!!」

 

しかしキーパー佐田は化身を発動。[グランフェンリル]を迎え撃つ。

 

佐田:「[― ギガンティックボム ―]!!!!!」

 

ギガドーンが両拳でシュートを挟み潰す。しかし明らかにギガドーンが、化身が押されている。

 

佐田:「なっ····何だ!? このパワーは!!?」

 

せつ菜:「決まれぇええぇぇえええぇええええっ!!!!!!」

 

そして3人の連繋シュートは化身の防御を突き破り、ゴールに突き刺さった。

 

実況:「ゴオォオオオォオオオル!!!! 何と雷門、大海抜きで、必殺技で化身を捩じ伏せた!!! 使用した技はかつてのアメリカ代表の「究極奥義」、[グランフェンリル]だぁあああぁぁああっ!!!!」

 

会場が一気に沸き上がる。だがやられた新雲からしてみたら堪った物ではない。特にキーパーの落ち込みが凄い。

 

佐田:「俺の【鉄壁のギガドーン】が、只の必殺技で······」

 

いや只の必殺技じゃ無いから。究極奥義だから。

 

新雲のキックから試合再開。ボールは真住に渡りドリブルで攻め上がって来る。

 

歩夢:「行かせない!!」

 

真住:「邪魔だ!! [エンドレスサマー]!!!!」

 

炎を纏った大車輪の様な蹴りをボール越しに歩夢先輩の顎に6連撃で叩き込み突破した真住。そして太陽にパスが通る。

 

太陽:「··っ、行くよ!!」

 

太陽がドリブルで攻め上がりながら化身を発動する。そこにかすみがブロックに入る。

 

かすみ:「行かせません!! [真空···「邪魔だ!!」っ!?」

 

しかし化身の力で強引にかすみを突破する太陽。そこにすかさず彼方がヘルプに入る。

 

彼方:「行かせないよ~!! [スリ~ピィサンクチュアリ]!!」

 

彼方の催眠領域が再び太陽の意識を拘束する。しかしまたしても気力で撥ね飛ばし突破に成功。三国先輩と1vs1になる。

 

太陽:「行くよ!! [― サンシャインフォース ―]!!!!」

 

太陽の化身シュートが三国先輩を襲う。三国先輩は化身を使えない為、必殺技で押さえにかかる。

 

三国:「[真・無頼ハンド]!!!」

 

三国先輩の必殺技が化身シュートに掴み掛かる。しかしやはりブロック無しではパワー負けし、シュートはゴールに突き刺さった。

 

実況:「ゴオォオオオォオオオル!! 新雲同点!! ·····ん? 雷門の三国、腕を押さえていますね·····?」

 

円堂:「三国!!」

 

皆が集まって三国先輩の腕を診ると、赤く腫れ上がっていた。

 

龍也:「円堂······」

 

円堂:「ああ。選手交代!! キーパー三国に代えて、西園信介!!」

 

そして、信介のキーパーとしての試合デビューとなった。

 

雷門 1 - 1 新雲

 

― 続く ―




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第118話:雷門vs新雲 前半戦

雷門vs新雲も前半戦の中盤辺りに差し掛かった所で三国先輩が腕を負傷し信介と交代。信介がフィールドに入る。

 

雷門

三国 out → 西園 in

 

竜太:「信介ーー!! しっかりな!!」

 

信介:「うん!!」

 

そして審判の笛と共に雷門ボールで試合再開。ボールはキャプテンに渡りドリブルで攻め上がる。そこに根淵と古戸が2人掛かりでディフェンスに入る。

 

神童:「[オリンポスハーモニー]!!!」

 

神童先輩の背後に雲の上に聳える美しく神々しい神殿が出現。あまりの美しさに見とれている相手をよそにキャプテンは2人を突破した。

 

神童:「大海!!」

 

パスは俺に繋がりドリブル突破を仕掛けると浦野と安守がプレスに来たため剣城とのワン・ツーパスで綺麗に抜き去る。

 

佐田:「来い!!」

 

竜太:「行くぞ!!」

 

俺はシュート体勢に入りボールを軽く上に放り落ちてきた所に鋭い18連撃の蹴りを叩き込む。

 

竜太:「[剣撃乱舞・Z]!!!!」

 

遂に最終進化した俺の[剣撃乱舞]。シュートは一直線にゴールへと向かう。しかし佐田は化身を発動。シュートを迎え撃つ。

 

佐田:「[― ギガンティックボム ―]!!!!!」

 

ギガドーンの両拳がシュートを挟み潰す。多少押されはしたものの、[剣撃乱舞]は止められた。

 

竜太:(やっぱり[剣撃乱舞]じゃ無理か·····)

 

そして佐田のゴールキックからボールは牧里へ。そして歩夢先輩との競り合いになる。·····が、

 

歩夢:(っ!? 高い!!)

 

牧里はジャンプ力が非常に高く、歩夢先輩はあっさりと上をとられて牧里のヘディングからボールは古戸へ。そこにキャプテンがディフェンスに入る。

 

古戸:「[メロディウェイブ]!!!!」

 

古戸のドリブル技で突破されるキャプテン。まぁキャプテンはブロック技を持っていないからなぁ······

 

古戸:「根淵!!」

 

ボールは根淵に渡り、根淵は化身を発動して突っ込んで来る。

 

かすみ:「止めてやります!! [真空魔・V4]!!!!」

 

かすみのディフェンス技が根淵と【ネプチューン】を襲う。しかし化身の力で捩じ伏せられてかすみは突破される。

 

根淵:「行くぞ!!」

 

根淵がシュート体勢に入ると辺りが大海原へと変わりネプチューンが槍を構える。そして根淵のシュートと共にネプチューンは槍を雷門ゴールへとぶん投げた。

 

根淵:「[― ヘヴィアクアランス ―]!!!!」

 

シュートは雷門ゴール目掛けて一直線。しかし彼方がシュートブロックを挟む、

 

彼方:「[爆・ダークトルネード]!!!!」

 

ブロックにより少し威力は落ちたが尚もシュートは進む。すると信介は化身を発動してシュートを迎え撃つ。

 

根淵:「化身だと!?」

 

青と金色のボディを持ち、蒼き電流迸る魔神の化身が降臨した。

 

信介:「【護星神タイタニアス】!!!」

 

そして信介は、化身と共に右腕をシュートに突き出した。

 

信介:「[― マジン・ザ・ハンド ―]!!!!」

 

信介は多少押されたが根淵のシュートをがっちりとキャッチ。止めて見せた。

 

根淵:「ば、バカな!?」

 

信介:「歩夢先輩!!」

 

ボールは歩夢先輩に飛び、歩夢先輩がボールを受け取った所に牧里がプレスをかける。

 

歩夢:「(来た!!)竜太くん!!!」

 

しかし牧里が動いた事で新雲ディフェンスラインの裏へと綺麗なパスルートが空く。歩夢先輩の斜めのスルーパスと同時に飛び出し、ボールを受けとる。

 

そして俺はシュート体勢に入る。水の竜巻が俺を包みぐんぐん上昇。そして莫大な水流エネルギーが込められたボールを、思い切りゴール目掛けて蹴り落とした。

 

竜太:「[激流ストーム・Gx]!!!!!」

 

水を帯びた弾丸シュートが降ってくる。佐田は化身を呼び出し防御体勢を取る。

 

佐田:「[― ギガンティックボム ―]!!!!」

 

佐田の化身の両拳がシュートを挟みこむ。しかし圧を加えた瞬間水流エネルギーが弾けてギガドーン諸とも佐田を押し流し、シュートはゴールに突き刺さった。

 

佐田:「クソッ!!」

 

 

前半残り8分

 

雷門 2 - 1 新雲

 

― 続く ―




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第119話:新雲戦 前半終了

俺の[激流ストーム]が決まり2-1と雷門リード。

新雲のキックオフから試合再開。ボールは根淵に渡り根淵は自身の化身、【海帝ネプチューン】を出現させそのままドリブルで攻め上がる。

 

神童:「させるか!! 【奏者マエストロ・零式】!!!」

 

今度はキャプテンの化身と根淵の化身のバトルが始まる。マエストロが4本の腕を巧みに使いネプチューンの槍をいなす。しかし手数の多さとパワーに圧倒され、マエストロは槍で刺し貫かれてしまい消滅。突破を許してしまう。

 

かすみ:「今度こそ止めて見せます!! [真空魔・V4]!!!!」

 

かすみの必殺技がネプチューンの行く手を阻む。キャプテンとの化身バトルで消耗しパワーが落ちていたものの、かすみの必殺技は化身の力で再び捩じ伏せられてしまい突破される。

 

かすみ:「っ! そんな·····っ!」

 

根淵:「太陽!!」

 

根淵から太陽へのパスが通りドリブルで攻め上がる太陽。しかし彼方と栞子が2人で協力してディフェンスを掛ける。

 

彼方:「[スリ~ピィサンクチュアリ]!!!!」

 

栞子:「[グラビティバインド]!!!!!」

 

彼方の催眠領域で意識を削られ力が上手く入らなくなっている所に栞子の高重力力場が選手をフィールドに圧し潰す。

 

あれ·····、はまっちまったら突破無理だろ·····。

 

ボールを奪った彼方からせつ菜先輩にパスが飛ぶ。しかし空中で牧里にカットされてしまう。やっぱアイツのジャンプ力ヤベェな·····。

 

牧里:「真住!!!」

 

ボールを受け取った真住が攻め上がる。そこにかすみがディフェンスに入る。

 

真住:「どけえっ!!! [エンドレスサマー]!!!」

 

炎を纏った大車輪の様な蹴りを、ボール越しでかすみの顎に6連撃で叩き込みかすみを突破する真住。そこに彼方と栞子がディフェンスに入る。

 

彼方:「[スリ~ピィ·····

 

栞子:「[グラビティ····

 

竜太:「彼方、栞子!! そいつは囮だ!! 左サイドの裏に太陽が走ってる!!!」

 

栞子:「えっ!?」

 

真住:「太陽!!!」

 

真住から太陽へのパスが綺麗に通る。そして太陽は化身を発動してシュート体勢に入る。

 

太陽:「[― サンシャインフォース ―]!!!!」

 

太陽の様に熱く輝くシュートがゴールを襲う。しかし信介も化身で対抗する。

 

信介:「【護星神タイタニアス】!!!

     [―マジン・ザ・ハンド ―]!!!!!」

 

信介と共にタイタニアスがシュートに右腕を突き出す。しかしなかなか[― サンシャインフォース ―]の勢いは止まらない。

 

信介:(ロココさんと三国先輩に教えてもらったこと·····ヘソの下に力を込めて、思い切り踏ん張る!!!)

 

するとシュートに押されるのは止まった。しかし勢いはまだ衰えない。そして信介はシュートに弾かれてしまう。が、シュートも軌道が変わり上へと逸れ、クロスバーに直撃し跳ね返る。そのボールは霧野先輩が押さえて前線へとクリアする。

 

クリアされたボールは俺に飛ぶが安守と古戸がディフェンスに入ったのでダイレクトの右足のアウトサイドで外側にパスを出す。

 

天馬:「竜太ナイスパス!!」

 

ボールを受け取った天馬はそのままサイドからドリブルで攻め上がり、ゴール前へとセンタリングを上げる。

 

武雲:「剣城だ!!」

 

ボールは剣城に。しかし剣城はヘディングでボールをおとす。そこに走って来たのは·····

 

佐田:「上原!?」

 

歩夢:「はぁああぁああぁあああっ!!!!」

 

歩夢先輩のシュートがゴール右下に進む。しかし佐田にダイビングキャッチでファインセーブされ、得点には成らずそこで前半終了のホイッスルが鳴った。

 

 

 

前半終了

 

雷門 2 - 1 新雲

 

― 続く ―




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第120話:ハーフタイム、そして後半戦開始

雷門vs新雲の試合は2-1の雷門リードでハーフタイムに入る。一応リードはしているがやはり新雲は強いな······。

 

~ 太陽 side ~

 

― 新雲学園控え室 ―

 

根淵:「やはりここまで実力で勝ち続けてきただけあって強いな雷門は·····」

 

根淵がスポーツドリンクを飲みながら呟く。

 

佐田:「俺の【鉄壁のギガドーン】が2度も破られるなど·····しかも化身ならともかく必殺技で·······」

 

佐田も自身のグローブを見ながら呟く。見るとグローブが摩擦で少し焦げていた。

 

太陽:「ゼッ···ハァ··ハッ····ッア··」

 

真住:「太陽、大丈夫か?」

 

太陽:「うん····絶対にもたせるから······」

 

~ 太陽 side out ~

 

― 雷門控え室 ―

 

円堂:「前半は中々いい感じだった。後半もこの調子でガンガン攻めて行け!!」

 

雷門:『『『はい!!!!』』』

 

鬼道:「後半はせつ菜が宮下、上原が桜坂、霧野はエマと交代だ。そして栞子をセンターバックにして彼方が左サイドバックに入れ。」

 

雷門:『『『はい!!!!』』』

 

天馬:「でも太陽、体力大丈夫かな······?」

 

竜太:「心配はあるが手は抜くなよ? 新雲は強い。そんな気で挑めば、あっという間にやられるぞ。」

 

皆が頷く。そして俺たちはフィールドベンチに戻り後半戦の準備をする。

 

竜太:「太陽·········」

 

太陽:「···············」

 

そして両校の後半メンバーがフィールドに出る。

 

フォーメーションチェンジ

雷門

 

FW    剣城    大海

 

MF 宮下  桜坂  神童  松風

 

ボランチ      中須

 

DF   近江  三船  ヴェルデ

 

GK       三国

 

そして両校の選手が位置に着く。そして審判のホイッスルと共に新雲のキックオフで後半戦開始。

 

ボールは樹田に渡り樹田はそのままドリブルで上がる。しかしそこにしずくがディフェンスに入る。が、

 

ザァアアアアアッ!!!

 

しずく:「っ!? ここで流砂!!」

 

しずくの行く手を阻む様に砂で戻されるしずく。その間に突破した樹田は太陽にパスを出す。

 

太陽:「ナイス!!」

 

自身の化身、【太陽神アポロ】を発動して攻め上がる太陽。しかし栞子とエマが2人掛かりでディフェンスを掛ける。

 

エマ・栞子:「「[ランサーレインズ]!!!!」」

 

太陽の頭上に数本の鉄槍が発生。それが栞子の重力場で地面に引き寄せられる様に一気に落ちてくる。鉄槍はアポロの両腕、そして心臓部を貫通し、アポロは甚大なダメージを受けて消滅。太陽は吹き飛ばされる。

 

エマ:「しずくちゃん!!!」

 

エマからしずくへとパスが飛び、飛んできたボールをしずくはダイレクトで縦のパスを剣城に入れる。

 

剣城:「行くぞ!! 【剣聖ランスロット・零式】!!!」

 

ボールを受け取った剣城は化身を発動してシュート体勢に入る。

 

剣城:「[― ロストエンジェル ―]!!!!!」

 

剣城の化身シュートは一直線に新雲ゴールめがけて飛んで行く。しかし佐田も負けじと化身を発動して対抗する。

 

佐田:「[― ギガンティックボム ―]!!!!」

 

ギガドーンが両拳でシュートを挟み潰す。そして多少押されはしたものの剣城の化身シュートは止められた。

 

 

 

 

雷門 2 - 1 新雲

 

― 続く ―




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第121話:芸術のフリーキック

新雲のゴールキックから試合再開。ボールは放物線を描きながら牧里に飛び、しずくとの競り合いになる。しかしやはり牧里の跳躍力は凄まじく、しずくも簡単に上を取られてヘディングからボールは樹田に渡る。しかしそこに愛さんがディフェンスに入る。

 

愛:「逝かせるよ!! [絶・キラースライド]!!」

 

愛さんの連続蹴りを放ちながらのスライディングで樹田を吹っ飛ばしてボールを奪った愛さん。ん····? 逝かせる? 行かせないだよね? それだと殺してるからね?

 

ボールを奪った愛さんからキャプテンにパスが飛ぶ。が、小柄ですばしっこい古戸にカットされ、ボールは古戸から太陽へと飛ぶ。

 

太陽:「ハァ···ハァ、···ッ、決め··るっ!!!」

 

太陽は化身を発動。シュート体勢に入る。アポロの4本の腕から流れ出した炎の奔流がボールを包み、巨大な火球となる。

 

太陽:「[― サンシャインフォオオオオオスッ ―]!!!!!!!」

 

太陽の渾身の化身シュートがゴールに迫る。信介も自身の化身、【護星神タイタニアス】を発動して迎撃体勢に入る。

 

信介:「[― マジン・ザ・ハンドォオオオオッ ―]!!!!!」

 

[― マジン・ザ・ハンド ―]と[― サンシャインフォース ―]がぶつかり合う。しかし今度は完璧に太陽に軍配が上がりシュートはゴールに突き刺さった。

 

竜太:「同点か·······」

 

天馬:「あんなに化身を発動して太陽の身体は大丈夫なの····?」

 

神童:「雨宮にボールが渡る前にカットするしかないな」

 

全員が頷く。試合再開だ。

 

雷門のキックオフからボールはしずくへ。しずくがドリブルを仕掛けると、しずくを後押しする様に流砂が発生した。

 

しずく:(っ!?)

 

しずくは急に上がった自身のスピードに対応仕切れずに転倒。そこに真住が漁夫の利を得ようとボールを奪いにかかる。

 

しずく:「っ! キャプテン!!」

 

なんとか気合いで足を伸ばしてキャプテンにボールを繋いだしずく。ナイスガッツ!!!

そしてボールを受け取ったキャプテンから天馬にボールが行き、天馬はドリブル突破を図る。

 

古戸:「行かせるか!!」

 

しかし古戸がディフェンスに入り足を伸ばす。

 

ガッ!!!

 

天馬・古戸:((!?))

 

古戸の膝が天馬の足を遮り二人はクラッシュ。ここで審判が笛を吹く。しかし古戸も天馬も直ぐにお互いに手を貸して立ち上がった。ケガは無さそうだな。

そして審判が来て、

 

審判:「雷門、フリーキック!!!」

 

ゴール前絶好の位置で雷門がフリーキックを獲得。

 

右足のキッカーの愛さんがボール左、左足キッカーの俺がボール右に立つ。

 

 

 

観客:「右なら宮下、左なら大海か!!」

 

観客:「角度的には左だな····」

 

 

 

 

愛:「しずく、天馬、ちょっと」

 

しずく・天馬:「「?」」

 

 

 

観客:「なんだ? 松風と桜坂がボールの前あんな近くに·······」

 

観客:「二人が壁になってゴール見えねぇぞ。後ろには新雲の壁だってあるのに」

 

 

 

観客ザワついてるな。俺も正直ビックリしてるしな。だがここは愛さんに任せよう。

 

佐田:「(浅はかだな雷門。どうせ蹴る直前に壁が動いて、ギリギリまでコースを読ませない単純なサインプレーだ)惑わされるな!! あいつら動くぞ!!」

 

審判の笛と共にまず俺がボールに向かって走りボールを蹴·······らずにスルーし、間髪入れずに愛さんが右足を振るう。

 

天馬:(愛さん、本当に良いんですね。俺、信じますよ? 俺、()()()ここから()()()()ですよ!!)

 

愛さんの右足から放たれたフリーキックは、天馬の顔面の脇を通りゴールの枠外へ。しかしそこから尋常ではない程に大きくカーブし枠内へ。

キーパーは壁が動かなかった事による戸惑いが焦りとなり咄嗟の反応が出来ずに、愛さんの芸術的とも言えるフリーキックは、綺麗に新雲ゴールに吸い込まれた。

 

 

 

観客:「何だ今の!? あり得ねぇ位曲がったぞ!?」

 

観客:「サッカーボールってあんなに曲がる物なのか!?」

 

 

 

佐田:「くそっ!!(何だ今のは!! あんなのどうしろって言うんだ!!)」

 

根淵:「気にするな佐田。今のはしょうがない。俺たちが取り返す。」

 

佐田:「····頼む」

 

 

後半残り20分

 

雷門 3 - 2 新雲

 

― 続く ―




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第122話:合体化身技

今回短いです。

スミマセン。

それでは始まります!!


愛さんのスーパーフリーキックが決まり3-2と雷門が再び突き放す。そして新雲のキックオフから試合再開し、ボールは根淵に渡りそのままドリブルで攻め上がる。

 

天馬:「行かせない!!」

 

天馬がディフェンスに入り必殺技の構えをとる。

 

天馬:「[スパイラルドロー・V4]!!!!」

 

天馬に風が纏わりつき、一気に根淵に急接近。根淵を竜巻の中に引き込み、風圧で吹っ飛ばしてボールを奪った。

 

天馬:「キャプテン!!」

 

ボールはキャプテンに渡り、そこに牧里と古戸がディフェンスに入る。

 

神童:「[オリンポスハーモニー]!!!」

 

キャプテンの背後に、天に聳える神々しい神殿が出現。相手が動きを止めている間にキャプテンはドリブルで2人を突破する。

 

神童:「剣城!! 行くぞ!!!」

 

そしてキャプテンと剣城はシュート体勢に入る。2人がボールにエネルギーをチャージしながら交互にボールを蹴り上げて行き、十分な高さに達した所でツインシュートで蹴り落とした。

 

神童・剣城:「「[ジョーカーレインズ]!!!!」」

 

2人のシュートが新雲ゴールを強襲。佐田は化身を発動、迎撃体勢に入る。

 

佐田:「[― ギガンティックボム ―]!!!!」

 

ギガドーンが両拳でシュートを挟み潰す。シュートは止められはしたが佐田をやや引き摺るパワーがあった。

 

佐田:「ハァ、ハァ、何てパワーだ······」

 

佐田のゴールキックからボールは一気に前線の太陽へと飛ぶ。しかしかすみが[真空魔]を上に向けて放ち上空のボールを引き寄せて奪い取った。

 

全員:『『 !? 』』

 

かすみ:「あまりかすみんを舐めないで下さい!!! しず子!!」

 

ボールはしずくに渡り、しずくから俺へと縦のセンタリングが上がる。しかし新雲DFの安守にカットされそこからボールは古戸へ。

 

根淵:「古戸!! こっちだ!!!」

 

古戸:「根淵!!!」

 

ボールを受け取った根淵は化身、【海帝ネプチューン】を発動。ドリブルで上がる。

 

根淵:「太陽!! 行くぞ!!」

 

すると太陽も【太陽神アポロ】を発動。2人でシュート体勢に入る。

 

まずアポロがボールに炎を纏わせて巨大な火球を作りだす。そこに太陽と根淵が2人でシュートを放ち、蹴るタイミングにピタリと合わせてネプチューンが槍を火球に投げ込む。するとシュートと共に燃える太陽の力を得た槍が雷門ゴールを襲う。

 

太陽・根淵:「「[― サンシャイン・ランス ―]!!!!!」」

 

竜太:「合体化身技だと!?」

 

信介も自身の化身、【護星神タイタニアス】を発動。防御体勢に入る。

 

信介:「[― マジン・ザ・ハンド ―]!!!!」

 

タイタニアスとアポロ&ネプチューンが激突。さすがに化身1体に対して2体掛かりで来られては勝てる筈も無く、シュートはゴールに轟音と共に突き刺さった。

 

竜太:「信介!? 大丈夫か?」

 

信介:「なんなのあのシュート······? あんなの止められないよ····!!」

 

円堂:「信介!! ちょっと来い!!」

 

 

 

 

円堂:「信介、お前はお前の化身の本当の力を引き出せていない」

 

信介:「本当の力····?」

 

円堂:「ああ。」

 

 

 

········? 何を話してるんだ?

 

 

円堂:「よし! 行ってこい!!」

 

信介:「はい!!」

 

そして信介がゴールに戻り、

 

信介:「ゴメン皆。もう大丈夫。次は絶対に点はやらないから!!」

 

竜太:「······分かった、信じるぞ。信介」

 

信介:「うん!!」

 

 

後半残り14分

 

雷門 3 - 3 新雲

 

― 続く ―




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第122話:二番目の化身技

新雲の化身2体による合体化身技が決まり3-3と同点に追い付かれた雷門。雷門のキックオフで試合再開。

 

ボールはしずくに渡りしずくからかすみ、かすみからキャプテン、キャプテンから剣城とパスを繋ぐ。が、前線でボールを受け取った剣城が前を向いた瞬間DFの浦野の横からのタックルにより剣城は弾き飛ばされボールを奪われる。

そしてボールは根淵に飛び、根淵は今日いったい何度目か、化身を発動する。

 

しかしそこにかすみがディフェンスに入る。

 

かすみ:「これ以上好きにはさせません!!!」

 

根淵:「無駄だ!! お前に俺の化身は止められない!!!」

 

確かにこの試合、かすみの[真空魔]はことごとく敗れている。しかし、中須かすみという少女はそう言う状況でも決して諦めないと言うことを、俺たちは知っている。

 

竜太:「かすみ!! お前の力見せてやれ!!」

 

しずく:「かすみさんならやれます!!!」

 

愛:「かすかす行けーーーーー!!!」

 

かすみ:「絶対に止めます!! 後······かすかすって言うなぁああああああああああッ!!!!!  [真空魔・Z()]!!!!!

 

ここでかすみの必殺技は最終進化。かすみの放ったこれまでを遥かに超える規模の真空空間は、ボールは愚か化身までも吸い込み化身は無へと還り消滅。かすみがボールを奪った。

 

根淵:「何!?(度重なる召喚でネプチューンが弱っていたとは言えここまでの!?)」

 

かすみ:「キャプテン!!」

 

かすみからキャプテンにボールが渡り今度は雷門のカウンター。キャプテン、剣城、天馬は3人同時に化身を発動し、ボールは天馬に。

 

天馬:「来い!! 【魔帝グリフォン・弐式】!!!!」

 

ここで合体化身、グリフォンを呼びだした3人。そして天馬はシュート体勢に入る。

 

天馬:「[― ソード・オブ・ファイヤァアアアアッ ―]!!!!」

 

グリフォンの炎の剣の一振りと同時に天馬が渾身の右足ボレーを叩き込み、シュートは凄まじい勢いで新雲ゴール目掛けて飛んで行く。佐田も化身を発動し、

 

佐田:「[― ギガンティックボム ―]!!!!」

 

ギガドーンによる両拳の挟撃により押し潰されるシュート。しかしそんなことでグリフォンが止まる筈も無く、佐田を吹き飛ばしてシュートはゴールに突き刺さった。

 

実況:「ゴォオオオオオル!!! 雷門三度突き放す!!!」

 

佐田:「くそっ!!」

 

新雲のキックオフから試合再開。ボールは古戸に渡り、そこに俺がプレスを掛ける。

 

古戸:「雛野!!!」

 

ボールは雛野に渡りそのままドリブルで上がる。そして天馬がチェックに入るが根淵にパスを通され、根淵に通った事を確認して太陽が寄って来る。

 

竜太:「マズイ!! あのシュートが来るぞ!!!」

 

かすみ・栞子:「「カバーに入ります(っ)!!!」」

 

根淵:「行くぞ太陽!!!」

 

アポロが巨大火球を作り、それを2人がツインシュートと同時にネプチューンが槍を火球に投げ込み、シュートと共に太陽の槍が雷門ゴールを襲う。

 

太陽・根淵:「「[― サンシャイン・ランス ―]!!!!!」」

 

かすみ:「させません!! [真空魔・Z]!!!!」

 

かすみの放った真空空間がシュートを吸い込む。しかしあっさりと破られてしまいシュートは突き進む。

 

栞子:「[グラビティバインド・G2]!!!」

 

今度は栞子が高重力力場でシュートを圧さえつける。しかしやはり化身2体分のパワーは凄まじく、簡単に破られてしまう。

 

信介:「·········【護星神タイタニアス】!!!」

 

信介も化身を発動して化身技の構えを·····ん? 何か違う

 

今までの垂れ流されていた信介の化身オーラが全て余すこと無く完璧にコントロールされてタイタニアスへと集まる。するとタイタニアスが黄金色に輝き、信介と共に両腕を突き出す。

 

 

 

 

円堂:「垂れ流されてる化身オーラを、全てタイタニアスに凝縮するんだ。片手でのコントロールが難しいなら両手で、両手が駄目なら全身でコントロールするんだ」

 

 

 

信介:「[― ゴッドキャッチ ―]!!!!!」

 

信介は化身2体掛かりのシュートを、"完璧にコントロールされた化身()()"の力で止めて見せた。

 

 

後半残り6分

 

雷門 4 - 3 新雲

 

― 続く ―




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第123話:準決勝決着!! そして勝利の代償

新雲の連携化身シュートを、信介は円堂監督の最強のキーパー技[― ゴッドキャッチ ―]で見事止めて見せ、会場は静まりかえった。

 

竜太:「ゴ、ゴッド····キャッチ·····?」

 

しずく:「信介くんが·······」

 

実況:「············ハッ!? 新雲の連携化身シュートが止められたーーーーーーー!!!!! 新雲、ゴールならず!!! 雷門リードのままだーーーー!!!!」

 

信介:「かすみ!!!」

 

信介のゴールキックからボールはかすみへ飛び、一気にカウンターを仕掛ける雷門。新雲も急いで戻り守備を固めるが、それよりも速く電光石火のスピードで突き崩す。

 

かすみ:「キャプテン!!!」

 

神童:(このまま勢いに乗って一気に勝負を決める!!!!)

 

キャプテンがジャンプして空中でのトラップを試みる。が、

 

太陽:「させるかぁあああああああああああっ!!!!!!!」

 

急いで戻って来た太陽との競り合いになる。

 

 

ガキィッ!!!

 

 

神童・太陽:((っ!!?))

 

 

しかし気が焦って変に勢いの付いてしまった太陽は空中でキャプテンと交錯。バランスを崩した両者は地面に落下。

 

ゴキッ!!

 

神童:(っつ!?)

 

 

 

 

せつ菜:「ちょっ、今神童くん頭を打ちませんでしたか!?」

 

円堂:「浜野!! 交代だ準備しろ!!」

 

浜野:「はい!!!」

 

 

 

 

フィールドでは審判がキャプテンに駆け寄り状況を確認する。しかしキャプテンの試合続行は不可能の様だ。 

 

かすみ:「っ!! ふざけないでください!!! わざとやりましたね!!」

 

竜太:「止めろかすみ!! お前だって見てただろ。今のはわざとじゃない!! 気持ちが急いて起こった只の事故だ!!!」

 

太陽:「········ゴメン」

 

太陽はとんでもない事をしてしまったと自覚した暗い顔をしていた。ここで太陽にはイエローカードが出されてキャプテンは浜野先輩と交代し、そのまま病院に搬送。そして臨時のキャプテンは愛さんが務める事になった。

 

雷門のキックから試合再開。だがそこからお互いに点が入らず、後味の悪い結末で雷門の決勝進出が決まった。

 

龍也:「すぐに神童がはこばれた病院へ行くぞ!!」

 

そして病院に直行した俺たち。医師に話を聞くと、足の骨にヒビが入っていることと、落下の際に頭を強く打った為、手術の後、1ケ月の療養と経過観察が必要らしい。決勝戦は、とてもではないが無理との事だった。

 

歩夢:「どうするの·······? キャプテンの神童くん抜きで決勝なんて·······」

 

龍也:「·····新しいキャプテンを決めるしかない」

 

せつ菜:「コーチ!? 雷門のキャプテンは·····「俺もコーチに賛成だ。」····っ!?」

 

声のした方を見ると、これから手術でストレッチャーに乗せられて運ばれてきたキャプテンが。

 

神童:「すみません先生、すこしだけ。」

 

天馬:「キャプテン······」

 

神童:「悪いな······こんなことになって」

 

竜太:「キャプテン、安静にしてた方が······」

 

神童:「ああ。伝えることを伝えたら、直ぐに手術を受ける。天馬、竜太、これからはお前たちが、2人で1つのキャプテンをやるんだ。」

 

雷門:『『『え!?』』』

 

神童:「天馬がメンバーの心に寄り添い、竜太がプレーでチームを引っ張る。このチームは、多分それが一番強い。」

 

医師:「神童くん、そろそろ」

 

そして、キャプテンは手術室に運ばれていった。

 

竜太:「キャプテン·····「良いんじゃないか?」っ!?」

 

三国:「俺たちが今こうしていられるのは、入学式の日に、天馬と竜太と出会えたお陰なんだ。あの日、俺たちの止まっていた歯車は動き出したんだ」

 

天城:「そうだド!!! このチームで神童の代わりにキャプテンが出来るのは、二人しかいないド!!!」

 

彼方:「彼方ちゃんもそう思う」

 

エマ:「私も!!」

 

果林:「そうね。この二人なら、きっと決勝も勝てるわ!!」

 

円堂:「どうするんだ? 二人共?」

 

親父に問われ、顔を見合わせる俺たち。答えなど、もう決まっていた。

 

天馬・竜太:「「俺たち、キャプテンやります!!!」」

 

 

― 続く ―




感想・評価宜しくお願いします。

ps:作者名変更しました。これからも宜しくお願いします。


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第124話:突き動かされた心 雷門一軍vs雷門二軍

新雲戦で俺と天馬が後任のキャプテンに任命された次の日、俺と天馬は、試合でのそれぞれの役目を見直す為練習していたが中々上手くいかない。

 

天馬:「っ!····けっこう難しいな」

 

竜太:「ああ。キャプテンはこんなことを毎試合やらなければならないんだ」

 

天馬:「竜太ひょっとしてキャプテンの経験が?」

 

竜太:「ああ。沼津に居た小・中と俺がサッカー部でキャプテンだったからな。内浦の大海兄妹って全国でも有名だったんだが·····」

 

せつ菜:「竜太くんと果北さんの2トップを相手にするって·····ちょっと考えたくないですね」

 

雷門:『『『確かに!!!』』』

 

龍也:「やはり天馬は実戦形式の練習相手がいた方が良いか·······「あ、あの!!」····ん?」

 

声のした方を見ると、そこには以前サッカー部を辞めてしまった元2軍の先輩たちが勢揃いしていた。

 

歩夢:「········何の用?」

 

歩夢先輩······やっぱりまだ少し怒ってるのか······。

 

青山:「俺たち、神童や三国先輩たちがフィフスセクターと戦ってるって聞いて······しかも後一歩ので、サッカーを取り戻せる所まで来てるって知って、いてもたってもいられなくて·····」

 

石狩:「でも、キャプテンの神童がケガして、神童抜きで決勝を闘わないとならないんだろ?」

 

一乃:「だったら実戦練習の相手が必要だろうって皆で話し合って、監督!! 今更だけど、俺たちを使ってください!! 俺たちを、大海と松風の練習のサンドバッグにしてください!! 俺たち幾らでもやりますから!!!」

 

竜太:「先輩·········」

 

円堂:「こっちとしてはありがたい話だ。是非頼む。」

 

2軍先輩:『はい!!!!!!!』

 

そして、30分一本の試合形式での練習が行われる。

 

フォーメーション

2軍

★はキャプテン

 

GK       虻山

 

DF 星野  森杉  向坂  桃山

 

MF   茂日  青山  梨巣野

 

FW   吉良 ★一乃  石狩

 

1軍

 

FW    剣城   ★大海

 

MF  優木  ★松風   桜坂

 

ボランチ      中須

 

DF 三船  霧野  天王寺 近江

 

GK       西園

 

審判の鬼道コーチのホイッスルで練習開始。ボールはまず天馬に渡り、天馬からせつ菜先輩にパスが入る。

 

天馬:「せつ菜先輩!! そのままドリブルで持ち込んで下さい!!!」

 

せつ菜:「了解です!!!」

 

せつ菜先輩が自慢の駿足を生かした爆速ドリブルでかけ上がる。吉良先輩、茂日先輩を一気に抜き去る。しかしそこに森杉先輩と星野先輩が止めに入る。

まず星野先輩が正面からディフェンスに入る。それをルーレットで躱したせつ菜先輩が正面を向いた瞬間スライディングでボールを森杉先輩に奪われてしまう。。

 

天馬:「かすみ!! 止めに入っ·····「バカか天馬!! んなことしたら中の青山先輩がフリーになって起点にされる!! お前が行け!!」わ、分かった竜太!!」

 

俺の指示で急いでディフェンスに入る天馬。[スパイラルドロー]で奪い返すが俺、剣城、せつ菜先輩はガッチリマークされている。

 

天馬:「しずく!!「おい!? しずくが空いてるのは誘導だ!! 梨巣野先輩が狙ってるぞ!!」!?」

 

しずくに飛んだパスは、俺の言葉通りに梨巣野先輩に奪われてしまい呆然とする天馬。そしてボールを奪い、一気に攻める2軍の先輩たち。

 

梨巣野:「一乃!!」

 

梨巣野先輩からのパスを受け取った一乃先輩。だが璃奈がディフェンスに入る。

 

璃奈:「止める!! [サイバースロジック・V3]!!!!」

 

璃奈が必殺技でボールを取り返すがすぐそこに石狩先輩が迫っている。

 

竜太:「璃奈! しずくにパスだ!!」

 

璃奈:「分かった!!」

 

パスはしずくに通り、そのままドリブルで持ち込むしずく。しかし梨巣野先輩が止めに入る。

 

竜太:「しずく、必殺技で抜け!! 抜いたら剣城にパスだ!! 6歩先!!」

 

しずく:「分かりました!! [真・木の葉の舞]!!! 剣城くん!!」

 

梨巣野先輩を突破したしずくから剣城に斜めのパスが通る。完全に相手のディフェンスラインの裏を取り、フリーでボールを受け取った剣城はそのままシュート体勢に入る。

 

虻山:「来い!!」

 

剣城:「決める!! [デビルバースト・G2]!!!」

 

闇のオーラをまとった剣城の必殺シュートが2軍ゴールを襲う。虻山先輩も防御体勢に入り、

 

虻山:「[ラピッドウィップ・V2]!!!!!」

 

鞭の様にしならせた腕を三連続でシュートに叩きつける虻山先輩。しかしシュートは先輩を吹き飛ばし、ゴールに突き刺さった。

 

 

 

一軍 1 - 0 二軍

 

― 続く ―




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第125話:2人のキャプテン それぞれの役割

一軍が1点を先制し二軍のキックオフから練習再開。ボールは青山先輩に渡りドリブルで攻め上がってくる。

 

竜太:「せつ菜先輩は吉良先輩、天馬は一乃先輩、しずくは石狩先輩をマーク!! かすみは一歩引いた位置から3人のヘルプ! 霧野先輩と璃奈は中のケア、栞子と彼方はサイドバック

オーバーラップを警戒!!!」

 

一軍:『『『 了解!!! 』』』

 

FW3人にMF3人使いガッチリマーク。そしてかすみに一歩引いた位置から3の内のマークを外された際に誰にでも援護に行けるように配置。万が一突破されてもDFに警戒を取らせる。

 

青山:「くそっ! パスが出せない!!」

 

竜太:「剣城!! 茂日先輩にマーク入れ!!」

 

剣城:「分かった!!」

 

そして俺は梨巣野先輩へのパスコースを消しながらボールを奪いに掛かる。青山先輩はパスが出せないのでドリブル突破を仕掛けるが中央の天馬がプレスを掛ける。

 

青山:「(一乃が空いた!!)一乃!!····!?」

 

しかし一乃先輩へとパスがでた瞬間、引いた位置で守っていたかすみが一気に近付きインターセプト。ボールを奪い一軍は一気に攻勢に出る。

 

竜太:「かすみ、天馬にパス!! 天馬は受け取ったらせつ菜先輩にまわせ!! せつ菜先輩は剣城とかすみの3人でシュートの準備!!」

 

天馬・せつ菜・かすみ・剣城:「「「「分かった(りました)!!」」」」

 

かすみからのパスを受け取った天馬はせつ菜先輩へとパスを出す。そしてせつ菜先輩、かすみ、剣城の3人はシュート体勢に入る。

3人が構えを取ると月明かりに照らされ、崖の上に佇む魔狼が出現。そして剣城とかすみが前方へとダッシュ。せつ菜先輩は2人の間へとボールを蹴りこむ。剣城とかすみはツインキックでボールを真上に蹴り上げ、それを跳んでいたせつ菜先輩が魔狼の咆哮と共に渾身のシュート。

 

せつ菜・かすみ・剣城:「「「[グランフェンリル]!!!!」」」

 

3人の連携シュートと共に、雄叫びを上げながら魔狼がフィールドを駆ける。二軍の先輩たちがシュートブロックに入る暇もなくシュートはゴールに到達。虻山先輩は迎撃体勢に入る。

 

虻山:「[ラピッドウィップ・V2]!!!!!」

 

鞭の様にしならせた腕を3連続でシュートに叩きつける先輩。しかし当然止められる筈もなく、シュートはゴールに突き刺さった。

 

竜太:「3人共ナイスシュート!!」

 

せつ菜・かすみ・剣城:「「「おう(はい)!!」」」

 

 

――― 天馬視点 ―――

 

天馬:「(竜太はしっかり役目を果たしてる······。なのに俺は····「····ま!! 天馬!!」)っ、な、何?」

 

竜太:「いや、何か落ち込んでるから。」

 

天馬:「竜太はちゃんとやってるのに、俺は何もできないなって·····」

 

俺が俯くと竜太は、

 

竜太:「ダイ○ックル」

 

天馬:「ごはぁっ!?」

 

ハリセンで頭をぶっ叩かれた俺。うう····痛い

 

竜太:「お前がウジウジしてると調子出ねぇんだよ。」

 

天馬:「でも······「ああん?」ごめんなさい止めてください」

 

即座に土下座する俺。周りも引いてるよ。

 

竜太:「天馬、俺はゲームメイクでチームを動かすことも出来る。でも、お前に求められてるのはそれじゃあ無いだろ?」

 

竜太の言葉の意味が分からない俺。そしたら、

 

彼方:「彼方ちゃんたちが天馬くんに求めてるのは"チームを引っ張るリーダー"じゃなくて"チームを支えるキャプテン"だよ?」

 

霧野:「ああ、俺たちはお前に何度も助けられてきた。お前はお前のままでいるだけでキャプテンの役割を果たせてたんだ。竜太の言う通り、"ゲームメイカー"だったら大海の方が向いてるみたいだしな」

 

天馬:「俺は····俺のままで良い·····」

 

しずく:「そうですよ天馬くん!!」

 

天馬:「分かりました!! 俺、やってみます!!」

 

そして話は終わり二軍のキックオフから練習再開。ボールは石狩先輩に渡り先輩がドリブルで攻め上がる

 

竜太:「しずく、かすみ! 連携してディフェンスを掛けろ!!」

 

しずく・かすみ:「「分かりました!!」」

 

2人共竜太の指示の下ディフェンスに入る。普段から仲の良い2人の息の合ったコンビネーションに石狩先輩も攻めあぐねる。

 

かすみ:「そこだぁっ!!!」

 

石狩:「何!?」

 

ボールを奪ったかすみからボールは俺に。しかしそこに青山先輩がディフェンスに来る。

 

青山:「行かせるか!!」

 

天馬:「絶対にやってみせる!! [そよ風ステップ・S]!!!!」

 

俺は最終進化したドリブル技で青山先輩を抜き去り、竜太にパスを出した。

 

 

――― 竜太視点 ―――

 

竜太:「何だ、やりゃあ出来るじゃん」

 

そしてシュート体勢に入った俺はボールを軽く上げて一瞬でボールに18連撃の蹴りを叩き込む。

 

竜太:「[剣撃乱舞・Z]!!!!」

 

シュートは超スピードで一直線にゴール目掛けて突き進み、キーパーが反応する間もなくゴールに突き刺さり3-0になった所で終了の笛が鳴った。

 

 

 

一軍 3 - 0 二軍

 

ゲーム終了

 

― 続く ―




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第126話:始まりか最後の日常

今回短いです。スミマセン

ではどうぞ!!


二軍の先輩たちとの実戦形式の練習を終了し、サッカー棟移動。決勝戦へ向けてのミーティングを始める。

 

円堂:「決勝戦の相手は聖堂山(せいどうざん)高校に決まった。そして聖堂山の監督はイシド・シュウジ、つまり豪炎寺だ。そしてさすがと言うべきか、聖堂山に隙らしい隙は全く無い。そして、チームメンバー全員がエースストライカーと言える程の驚異的な得点能力を誇っている。」

 

しずく:「確かに、もうひとつの準決勝の「聖堂山vs千羽山(せんばやま)」の試合も、「12-0」と、サッカーとは思えない点差で勝利していました。」

 

鬼道:「そてしそんな中でも最も注意が必要なのが聖堂山のキャプテン「黒裂真命(くろさきまこと)」。サッカーの神の申し子の異名を持つ程の選手だ。」

 

サッカーの神の申し子······確かにヤバそうだな。

 

龍也:「とにかく!! ここで勝てばこの管理されるサッカーとはサヨナラだ。決勝戦まで気合い入れて練習するぞ!!」

 

雷門:『『『おう!!!』』』

 

円堂:「今日の練習はこれで終わりだが、残って練習したい者は8時までなら大丈夫だ。では解散!!」

 

天馬:「よし、剣城行こう」

 

剣城:「ああ。だが、豪炎寺さんが俺たちに教えたい技ってなんだ·······?」

 

竜太:「侑、愛さん、俺たちも練習していこうぜ。」

 

侑:「勿論!!」

 

愛:「決勝戦近いし愛さんもテンアゲだよ~!! [ジェットストリーム]の練習だよね?」

 

竜太:「はい!! じゃあやりましょう!!!」

 

他のメンバーも自主練を始め、サッカー棟にボールを蹴る音が響く。そしてその頃、

 

―― 天馬視点 ――

 

俺と剣城は約束した河川敷へと向かい、河川敷に着くともう豪炎寺さんが待っていた。

 

イシド(豪炎寺):「来たな。二人共」

 

天馬:「豪炎寺さん、俺たちに教えたい技って·····」

 

イシド(豪炎寺):「それにはまず、お前たち二人が左右から[ファイアトルネード]を撃てる様になる必要がある。まずは[ファイアトルネード]を習得するんだ。」

 

剣城・天馬:「「はい!!!」」

 

そして豪炎寺さんの指導の下練習を始める俺と剣城。そして暫くして辺りが暗くなり、時計を見ると8時25分でさすがに時間が時間なので今日は家に帰った。

 

―― 竜太視点 ――

 

俺たち三人も時間になり練習を切り上げ、俺としずくたちが一軍部室で帰り支度をしていると、

 

バンッ!!

 

愛:「この脛当て誰の·····?(^ 言 ^)」

 

すごく怖い笑顔をした愛さんが入ってきた

 

輝:「あっ、僕のです。すみませんありがとうございま······「道具は大切にしなさいよ···?(º 言º)ゴゴゴゴ」はっ、はい!! 以後気を付けます!!」

 

愛:「全く·····「あっ愛さん」ん? 何?竜太?」

 

竜太:「スパイクの紐ボロボロなんでこれからご自宅のお店に伺っても大丈夫ですか? 閉まってますかね?」

 

愛:「あ~もう閉まってるね。でもまぁ私の知り合いだし、父さんに言えば少しだけ開けてくれると思うよ? 頼んで上げるよ」

 

竜太:「ありがとうございます。助かります」

 

そして愛さんと二人で店に向かいお店を開けてもらってスパイクの紐を買って帰り、家に着いた頃にほぼ同じタイミングで天馬が帰ってきた。

 

 

 

― 続く ―




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第127話:全ての真相

3日後に決勝戦を控えた日の早朝、俺は自主練。と天馬、剣城は豪炎寺さんから部活の練習が始まる前に指導を受け、[ファイアトルネード]を習得しようとしていた。

 

―― 天馬視点 ――

 

剣城がシュート体勢に入り、回転しながら跳び上がる。すると剣城を炎の竜巻が包み込み、その炎を纏った()()でシュートした。

 

剣城:「[ファイアトルネード]!!!」

 

しかしボールに掛けられた回転が足りずに炎は霧散。シュートはクロスバーに当たり跳ね返った。

 

イシド(豪炎寺):「剣城、跳び上がる時の回転数をもう少し多くしろ。その方がスピンを掛け易い」

 

剣城:「はい」

 

イシド(豪炎寺):「次は天馬だ。」

 

豪炎寺さんに言われて俺はシュートの構えに入る。俺は剣城とは逆回転しながら炎を纏って跳び上がり、右足で思い切りシュートした。

 

天馬:「[ファイアトルネード]!!!」

 

俺のシュートは回転数も十分にあり、炎は霧散しなかった。が、蹴るときにボールに対して足を当てるポイントがズレてしまい、ゴールの枠から外れて飛んで行ってしまった。

 

天馬:「ああ·····またズレた」

 

イシド(豪炎寺):「天馬はボールを蹴る瞬間にゴールの位置を確認するのではなく、蹴る前に横目で確認しておいて蹴る瞬間はボールを見ていてみろ。」

 

天馬:「はい!!」

 

イシド(豪炎寺):「だが、2人共たった1日でかなり良くなっている。ちゃんとイメージはしてきた様だな。」

 

剣城:「豪炎寺さんの高校やプロの時の試合映像を何度も見返して来ました」

 

天馬:「俺もです」

 

イシド(豪炎寺):「そうか·····竜太は何をしてる·····」

 

俺たちが視線を竜太に向ける。視線の先には、今まさにシュートを放とうとしている竜太の姿があった。

 

竜太:「ハァアアアアアアッ!!! [ラストリゾート・V()2()]!!!」

 

竜太の左足から放たれた岩石の竜がフィールドを破壊しながら突き進む。そして轟音とともに、シュートはゴールに突き刺さった。

 

また威力上がってる······と言うか進化してる·····一体いつそんなに練習してるんだろう····?

 

イシド(豪炎寺):「このシュートならあのチームからも点を取れるかもしれない·····」

 

竜太:「あのチーム?」

 

いつの間にか近くに来ていた竜太が豪炎寺さんに問いかけると豪炎寺さんは口を開く。

 

イシド(豪炎寺):「フィフスセクター最強のチームだ。「D・L」というコードネームで聞いてるんじゃないか?」

 

天馬:「「D・L」····!!」

 

竜太:「聞いてます。俺の予想では恐らく選手全員が化身使いだと睨んでます」

 

イシド(豪炎寺):「そこまで予想がついていたか····「D・L」、正式な名前は·····、「ドラゴンリンク」。フィフスセクターの黒幕、「千宮路大悟」の率いるチームだ」

 

竜太:「はぁ!? 千宮路さんが!?」

 

天馬:「そんな·····あんなに良い人が·····」

 

剣城:「お前ら会った事があるのか!?」

 

竜太:「ああ。前に天馬と二人で帰っているときに公園でその人が子供たちとサッカーをしていてな。ボールを拾って上げたら「一緒にどうだい?」って誘われて·····あの人、サッカーをしたくても様々な理由によって出来ない子供たちを支援する活動をしているって言ってたけど····」

 

天馬:「うん。「子供たちの笑顔は宝物だ。」って言う人だよ? 信じられない····」

 

イシド(豪炎寺):「そうか。1つ言っておくが、その人の言っていることは本当だ。あの人はサッカーを愛しているし、幼少期にサッカーをしたくても出来ない境遇にあり、自分と同じ思いをしてほしくなくてそういった境遇にある子供たちを支援する活動をしている事も本当だ」

 

天馬:「だったらどうして······」

 

竜太:「やり方を間違えてしまったんですね····?」

 

豪炎寺さんは頷く。

 

イシド(豪炎寺):「ああ。あの人の活動によって、その境遇にある子供たちは大幅に減った。だが、スポーツをやる者なら、誰もが「勝ちたい」と想う。だが、この世界には生まれ持った環境や、才能という大きな壁がある。だったら、「誰もが平等に勝てる様にすれば良いのではないか?」という考えを持ってしまったんだ。」

 

天馬:「そんな·····」

 

イシド(豪炎寺):「あの人は気付いていないんだ。自分の力で手にした訳ではない勝利など、誰も嬉しくないという、一番初歩的な事が。自分が出来なかったから、気付く時間すら無かったんだ。」

 

竜太:「······俺たちが勝って、千宮路さんに教えます!! 本気でやるサッカーは、こんなにも胸が踊って楽しいんだと!!」

 

イシド(豪炎寺):「それにはまず聖堂山に勝たないとな。強いぞ? 聖堂山は」

 

竜太・天馬・剣城:「「「挑むところです!!」」」

 

すると、8時を知らせる時報が鳴る。確か今日の練習開始は8:30だったな。

 

竜太:「では俺たちは時間なので失礼します。」

 

イシド(豪炎寺):「ああ。頑張ってくれ」

 

そして俺たちは学校に向かい、途中コンビニで朝飯を買って食べながら歩き雷門のサッカー棟に向かう。

 

―― 竜太視点 ――

 

円堂:「おう。来たな·····どうした?」

 

天馬:「円堂監督、練習前に皆を集めてください。伝えたいことがあります」

 

そして俺たちは、豪炎寺さんに聞いた話を全て話した。

 

歩夢:「選手全員化身使いのチーム、「ドラゴンリンク」······」

 

彼方:「そんなチームと戦わないといけないの····?」

 

鬼道:「ああ。俺たちが優勢にでもなれば、例え選手を全員交代させてでも出てくるだろう」

 

果林:「っていうか竜太たちがその千宮路って人と会った事があることの方が驚いたわよ」

 

天馬:「俺たちも驚いてますよ······」

 

龍也:「千宮路····哀れな男だ」

 

せつ菜:「サッカーをやりたくても出来ないですか·····辛いですよね。絶対·····」

 

チームの雰囲気が暗くなる。しかし、

 

かすみ:「先輩たちも監督たちも暗いですよ!! つまりかすみんたちが勝ってその千宮路って人に、「サッカーの楽しさ」を教えてやれば良いだけじゃないですか!! やること変わらないです!!」

 

···········プッ、本っ当にコイツ凄ぇわ。

 

竜太:「かすみの言う通りだな。」

 

愛:「本っ当にかすかすってたまに私たちと同じ高校生か疑いたくなる時あるよね」

 

全員:『『『確かに!!!』』』

 

かすみ:「む~っ!! バカにしてますかぁ!?」

 

栞子:「褒めてるんですよかすみさん」

 

侑:「かすみちゃんの言う通りだね。絶対に勝とう!!」

 

雷門:『『『『おう!!!!!!』』』』

 

チームメンバー全員が全ての真相を知り、各々の想いを全部ぶつけて勝ってやる!! 待ってろよドラゴンリンク!! そして千宮路さんを、闇の中から引っ張り上げる!! 

 

 

 

― 続く ―




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第128話:vs女子革命選抜!!

千宮路さんの事をミーティングで皆に伝え、聖堂山とドラゴンリンクに勝つために必死に練習に励む俺たち。そして昼飯休みに入る直前についに剣城と天馬がそれぞれ[ファイアトルネード]を習得した。

 

天馬:「で·····出来た!!」

 

剣城:「よし·····!!」

 

龍也:「豪炎寺が二人に左右逆同士の[ファイアトルネード]を覚えさせたと言うことは、本当の狙いはあの技だな······」

 

うん。俺も思い返したけどアレしか思い浮かばない。

 

天馬:「あの技って?」

 

龍也:「[ファイアトルネードDD(ダブルドライブ)]だ」

 

そう。あの技は二人の選手が完全にシンクロした動きからタイミングをピッタリ合わせて同時に[ファイアトルネード]を叩き込む事で威力を爆発的に引き上げる必殺シュート。

豪炎寺さんがプロ時代にW杯決勝のイタリア戦で親父と共にたった一度だけ放った幻の必殺技だ。っていうか天馬知らねぇの?

 

竜太:「天馬、15年前のアメリカW杯の決勝の日本vsイタリア戦観てみろ。出てるから」

 

俺たちが皆で昼飯を食いながら話していると部室の扉が開き、大勢人が入って来た。お前らは·····!!!

 

竜太:「桐穂!? それに果北!! 他の皆も、何でここに!?」

 

果北:「お兄ちゃんたち3日後に決勝でしょ? 何か手伝えないかと思って」

 

ここな:「私たちも練習相手ぐらいしてあげるって言ってんの!! それに、あなたたちを応援してるのは私たちだけじゃない。今まで苦しみながらサッカーやって来た日本中のシード以外のプレーヤーは皆応援してるのよ」

 

希理歌:「そういうこと。ウチらにも手伝わせてほしいな」

 

そうだ·····。俺たちは俺たちだけじゃない。日本中の皆の想いを背負ってるんだ。

 

竜太:「わかった、じゃあ頼むよ。良いですよね円堂さん?」

 

円堂:「ああ!! 勿論だ!!」

 

鬼道:「では午後は試合形式でやろう。お前たちは音ノ木坂と浦の星が順番にでるのか?」

 

穂乃果:「ふっふっふー!! 違うよ?」

 

ダイヤ:「皆さんの相手は私たち浦の星と音ノ木坂の混成チーム、「女子革命選抜」が相手をします」

 

龍也:「ほう? 音ノ木坂と浦の星の混成チームか。それは手強そうだ」

 

果北:「本気の私たちに勝てないようじゃあ聖堂山になんか勝てないから最初から全力で行くよ!!」

 

果林:「面白いじゃない!! 上等よ!!」

 

せつ菜:「絶対に負けません!!」

 

かすみ:「かすみんたちがコテンパンにしてやります!!」

 

しずく:「はい!!」

 

そして昼休憩が終わり皆グラウンドで準備する。

 

フォーメーション

女子革命選抜

F-レジスタンス

(4-3-1-2)

 

GK       津島

 

DF 国木田 西木野 矢澤  小原

 

MF   絢瀬  園田  渡辺

MF       星空

 

FW   ★大海(果)  高坂

 

雷門

F-ライトニング

(4-1-3-2)

 

FW     剣城  朝香

 

MF   優木 ★松風  桜坂

 

ボランチ      中須

 

DF 天王寺 霧野  三船  ヴェルデ

 

GK       西園

 

果北:「えっ!? お兄ちゃんが控え!?」

 

理沙:「何かあるのかしら?」

 

桐穂:「引きずり出せば良いよ。行くよ皆!!」

 

女子革命選抜:『『『『『『おおーーーーーっ!!!』』』』』』

 

竜太:「前半は頼んだぞ天馬」

 

天馬:「うん!!」

 

 

 

― 続く ―




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第129話:女子の底力

―― 竜太視点 ――

 

女子革命選抜チームとの練習試合が始まる。一応俺は後半から出る事になり、前半のキャプテンは天馬一人に任せる。両チーム選手はポジションにつき、審判の円堂さんが笛を吹く、

 

雷門ボールのキックオフから試合開始。ボールは天馬に渡り、そこからせつ菜先輩にパスが繋がる。が、そこに理沙がディフェンスに入る。

 

せつ菜:「抜きます!!」ギュンッ!!

 

せつ菜先輩が自慢の瞬発力を生かして一気に加速して抜きに掛かる。入学式の時と比べて、せつ菜先輩のスプリント力は驚異的に上昇した。スピードなら誰にも負けないハズ!!

 

しかし······、

 

理沙:「悪いわね!! 私もスピードには自信があるの····よっ!!!」ドギュンッ!!!!

 

マジか·····せつ菜先輩のスピードでも理沙を降りきれない。でもボール無しの勝負ならせつ菜先輩の方が速いな。

 

理沙:「ボールは渡してもらうわ!! [超・スノーエンジェル]!!!」ガキィイイインッ!!!

 

理沙のディフェンス技で巨大な氷柱の中に氷漬けにされた先輩。ボールを奪われる。

 

理沙:「蘭!!!」

 

ボールは理沙から蘭へと渡り、蘭も50m6秒台前半の脚力を使い一気にスピードに乗り上がって来る。そこにかすみがディフェンスに入るが·····、

 

かすみ:「調子に乗らないで下さい!! [真空····「遅いにゃっ!!!」ギュオンッ!! っ!? 速すぎます!!」

 

かすみが必殺技を発動る()に抜き去った蘭。真後ろからFWの二人へとセンタリングを上げる。

 

桐穂:「行くよ果北ちゃん!!」

 

果北:「OKです!!」

 

果北・桐穂:「「[極・レボリューションV(ブイ)]!!!!」」

 

二人が同時に跳び上がり、ボールに対して左右からVの字になるように跳び蹴りを放つ。ボールは激しく回転しながらゴール目掛けて堕ちて行く。しかしそこに霧野先輩がブロックに入る。

 

霧野:「[ディープミスト・V2]!!!」

 

霧野先輩が発生させた深い霧との空気摩擦でシュートの威力は大きく減衰。しかしシュートは尚も進む。

 

信介:「止める!! 【護星神タイタニアス】!!!!」

 

信介は化身を発動し、化身ノーマルキャッチで止めに掛かる。霧野先輩のブロックで威力が落ちていた事もあり、信介は楽々シュートを止めて見せた。

 

果北:「やるね!!」

 

信介:「今度はこっちの番だ!! 天馬!!」

 

信介のゴールキックから、山なりの軌道でボールは天馬に飛ぶ。波未との競り合いになる。

 

ガッ!! ガッ!! グイ ガッ!

 

天馬:(身体強っ!! 本当に女の子!?)

 

しかし何とか天馬は競り合いを制し、ヘディングでボールをしずくに回す。しかし今度はしずくに対して千夏がディフェンスに入る。

 

千夏:「行かせないでありますしずくちゃん!!!」

 

しずく:「なら······力づくで通ります!! [爆・木の葉の舞]!!!」

 

しずくの周りを葉っぱが嵐の様に吹き荒れる。そして、葉に紛れて姿を眩ませたしずく。ディフェンス対象を見失ってあわてふためく千夏をよそに突破した。そしてしずくの背後から、エマが前線の果林の元へと走る。

 

しずく:「果林さん!! エマさん!!」

 

二人の真後ろからセンタリングが上がり、二人は完全にシンクロした動きからツインキックを叩き込む。

 

果林・エマ:「「[ユニコーンブースト]!!!」」

 

二人のキックから放たれたシュートと共に、ユニコーンがフィールドを駆け抜ける。革命選抜チームはブロックが間に合わず、善美が素で受ける事になってしまった。

 

善美:「止めるわ!! [絶・イジゲン・ザ・ハンド]!!!」

 

善美の地面へのパンチから発生した衝撃波が、善美自身のオーラと混ざりあい球体状のドームを作り出す。シュートはそこに激突し、善美は力を受け流して方向を逸らそうとする。

 

善美:「ぐぅううううううううっ!!!!!!」

 

しかし善美も必死に耐えるが、明らかに押されているのは善美の方。そしてシュートはドームを突き破り、ゴールネットに突き刺さった。

 

果林:「ぃよっし!!!」

 

エマ:「や、やったぁ!!」

 

善美:「やられたわね······」

 

果北:「まだまだ!! これからだよ!!!」

 

 

 

雷門 1 - 0 女子革命選抜

 

 

― 続く ―




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第130話:2校の連携

―― 天馬視点 ――

 

果林先輩とエマ先輩の[ユニコーンブースト]が決まり1-0と俺たちが先制する。そして女子チームのキックオフから試合再開。

 

果北ちゃんからボールは蘭さんに渡り、蘭さんはドリブルでの中央突破を図る。が、俺が必殺技でのディフェンスに入る。

 

天馬:「[スパイラルドロー・S]!!!!」

 

俺を竜巻が包み、そのまま蘭さん目掛けて急接近。しかし······、

 

蘭:「ナメるにゃああああああっ!!! 【疾風の白虎・零式】!!!」

 

蘭さんが化身を発動する。っていうか零式!?

 

蘭:「[― 疾風迅雷(シップウジンライ) ―]!!!!!」

 

蘭さんは白虎に跳び乗り、白虎はボールをくわえて風の速さで駆け抜ける。俺は気付いた時には既に抜かれており、終わり(フィニッシュ)放電(スパーク)を喰らい膝をつく。

 

蘭:「果北ちゃん!! 桐穂ちゃん!!」

 

蘭さんからボールは果北ちゃんと桐穂さんに飛び、ボールを持った果北ちゃんは化身を発動する。

 

果北:「【海神(ワダツミ)の歌姫セイレーン・零式】!!!」

 

そして果北ちゃんがシュート体勢に入ると、セイレーンの歌声と共にボールに大量の水が集まってくる。そのボールを果北ちゃんのキックと同時に、桐穂さんが[プロミネンスドライブ]で併せる。すると水球に爆炎が混じりあい、水と炎の2つの属性を持つシュートへと変貌を遂げる。

 

果北・桐穂:「「[― 海と太陽の円舞曲(ワルツ) ―]!!!」」

 

二人の連携化身シュートが雷門ゴールを襲う。しかし、此方もかすみ、霧野先輩、栞子の三人がシュートブロックに入る。

 

かすみ:「たとえ止められなくても!! [真空魔・Z]!!!!!」

 

かすみの蹴りのフルスイングから発生した真空空間が空気と共にシュートを吸い込む。しかし殆ど威力を奪えずにかすみは吹き飛ばされる。

 

霧野:「威力を弱められれば十分だ!! [ディープミスト・V2]!!!」

 

今度は霧野先輩のブロック。密度の高い霧との空気摩擦でシュートの威力は僅かに減衰。しかし当然止めるまでには至らずシュートは突き進む。

 

栞子:「ここで仕留めます!! [グラビティバインド・G2]!!!」

 

最後のシュートブロックとして栞子の高重力力場がシュートを圧し潰す。しかし····、

 

栞子:「そんな!? 2回も強力なブロック技を挟んだのにっ!!」

 

栞子も必死に耐えるが、シュートは全進を続けて[グラビティバインド]を突き破った。

 

信介:「何としても止めてやる!! 【護星神タイタニアス】!!!!」

 

信介も化身を発動。技の体勢に入る。

 

信介:「([― マジン・ザ・ハンド ―]じゃ駄目だ!! なら····!!) [― ゴッドキャッチ ―]!!!!」

 

垂れ流されていた化身オーラが無駄無く全て【タイタニアス】に集約され、【タイタニアス】が金色に輝く。そして渾身の力で両腕をシュートに突き出した。

 

信介:「ぐぅううううううっ!!! (あれだけブロックしたのにまだこんなっ!? でも····!!) うぉおおおおおおおっ!!!」

 

信介は力を振り絞り、果北ちゃんと桐穂さんのシュートを止めた。

 

果北:「っ!? (これが[― ゴッドキャッチ ―]!! すごい!!)」

 

信介:「(なんて威力だ····1つでもブロックが欠けてたら決められてた········)かすみ!!」

 

信介のゴールキックからボールはかすみへ。そこに蘭さんと波未さんが止めに入る。

 

かすみ:「(もっと····! もっと引き付けて····! 今!!) せつ菜先輩!!!」

 

ボールはせつ菜先輩に渡り、再び理沙さんとの1vs1になる。

 

せつ菜:「行きますっ!!」ギュンッ!!!

 

せつ菜先輩が再びトップスピードで抜きに掛かるが理沙さんは全て着いて行ってる。なら····!!

 

天馬:「せつ菜先輩!!」

 

せつ菜:「天馬くん!? ·····そう言うことですね!!」

 

俺はせつ菜先輩と完全に動きをシンクロさせて、ボールに対して二人全く同時に蹴りを叩き込んだ。

 

せつ菜・天馬:「「[キラーフィールズ・V4]!!!!!」」

 

発生した極大の衝撃波で理沙さんを吹き飛ばしドリブルで攻め上がるせつ菜先輩。剣城、かすみと共にシュート体勢に入る。

 

剣城とかすみが前方へとダッシュし、二人の間にせつ菜先輩がボールを放つ。二人はそれをツインキックで真上へと蹴り上げ、跳んでいたせつ菜先輩が止めの一撃。

 

せつ菜・かすみ・剣城:「「「[グランフェンリル]!!!」」」

 

三人のシュートと共に、魔狼(フェンリル)がフィールドを駆け抜ける。

 

善美:「止めるわ!! 真理奈さん!!!」

 

善美さんと真理奈さんはゴールの前に仁王立ちし、勢いよく左右に別れてゴールをがら空きにする。そしてシュートが近づくと、左右から勢いをつけてボールに思いきり跳び蹴りを見舞い挟み込む。

 

善美・真理奈:「「[デュアルスマッシュ・A]!!!!!」」

 

しかしシュートは二人を吹き飛ばし、ゴールネットを揺らした。

 

 

 

雷門 2 - 0 女子革命選抜

 

― 続く ―




次回、女子革命選抜チームの逆襲!!!!

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第131話:vs女子革命選抜 前半終了

―― 天馬視点 ――

 

せつ菜先輩たちの[グランフェンリル]が決まり2-0と雷門が更にリードを広げる。女子チームのキックオフから試合再開。

 

ボールは蘭さんに渡り、蘭さんは自身の化身【疾風の白虎】を発動。そのままドリブルで攻め上がる。しかし、俺とかすみが二人掛かりでディフェンスに入る。

 

そう簡単には進ませない!!!

 

天馬:「止める!! [スパイラルドロー・S]!!!!」

 

かすみ:「ここで止めます!! [真空魔・Z]!!!!」

 

俺達のディフェンス技が、同時に蘭さんと蘭さんの化身に襲いかかる。しかし······、

 

蘭:「そんな物!! [― 疾風迅雷(シップウジンライ) ―]!!!!!」

 

蘭さんの化身はボールをくわえてその背に蘭さんを乗せると風の速さで駆け抜けて俺達の技を掻い潜る。そして俺達はフィニッシュの放電(スパーク)を浴びせられ膝をつく。

 

蘭:「理沙ちゃん!!!」

 

蘭さんは理沙さんにパスを出し、それを受け取った理沙さんも自身の化身【白銀の女王ゲルダ】(こちらもちゃっかり零式まで進化していた)を発動しドリブルで攻め上がる。しかしそこに璃奈が止めに入る。

 

璃奈:「行かせない·····!!! [サイバースロジック・V4]!!!!」

 

璃奈の分身が一斉に理沙さんに襲いかかる。が、

 

理沙:「邪魔よ!!!」

 

理沙さんは化身パワーで力付くで強引に璃奈を突破。シュート体勢に入る。

 

理沙:「[― アイシクルロード ―]!!!!!」

 

【ゲルダ】が理沙さんのシュートと共に、氷漬けになったボールを槍で打ち払う。そして更に·····、

 

果北:「はぁあああああっ!!! 【海神(ワダツミ)の歌姫セイレーン・零式】!!!!」

 

果北ちゃんが化身を発動し、化身シュートを化身シュートでチェインする。

 

果北:「チェイン!! [― 海神(ワダツミ)のシンフォニア ―]!!!!」

 

2つの化身シュートのパワーが合わさり、凄まじい破壊力になったシュートが雷門ゴールを襲う。しかしそこに霧野先輩がブロックに入る。

 

霧野:「たとえ止められなくても!!! [ディープミスト・V2]!!!!」

 

霧野先輩が発生させた密度の濃い霧との空気摩擦でシュートの威力は僅かに減衰。しかしそれで止まる筈も無くシュートは更に突き進む。

 

信介:「絶対に止めてやる!!! 【護星神タイタニアス】!!!」

 

しかし負けじと信介も化身を発動し、キーパー技の体勢に入る。

 

信介:「はぁああああああっ!!!!! [― ゴッドキャッチ ―]!!!!」

 

信介と共に、金色に輝く【タイタニアス】がシュートに両手を突き出す。しかしあまりの威力に信介はあっさり吹き飛ばされてシュートはゴールに突き刺さった。

 

理沙・果北:「「よし!!!!」」

 

天馬:「大丈夫だよ信介!! 俺達が取り返すから!!」

 

信介:「ゴメン!! 頼んだ!!!」

 

雷門ボールのキックオフから試合再開。ボールは俺が持った····所に化身を発動した果北ちゃんと蘭さんが襲いかかってくる。さすがに化身2体掛かりで来られては勝つことなど出来ず、俺はボールを奪われてしまった。そしてボールは桐穂さんに繋がる。

 

かすみ:「止めます!! [真空····「遅いよ!! [ライトニングアクセル・A]!!!!」っ、速っ!!?」

 

あっという間に突破されるかすみ。好かさず栞子がディフェンスに入る。

 

栞子:「もう進ませません!!! [グラビティバイ·····「果北ちゃん!!!」っ!?」

 

寸前で果北ちゃんにパスを出した桐穂さん。パスを受け取った果北ちゃんは化身シュートの体勢に入る。

 

【セイレーン】の歌声と共にボールに大量の水が集中。それを果·····

 

桐穂:「私も!!」

 

····北ちゃんと桐穂さんがキックを同時に合わせる。ボールに炎のエネルギーが混ざる。

 

果北・桐穂:「「[― 海と太陽の円舞曲(ワルツ) ―]!!!!」」

 

ブロックを躱されたせいで直接シュートが信介に迫る。信介が化身で応戦する間もなく、シュートはゴールに突き刺さったところで前半戦終了のホイッスルが鳴った。

 

 

 

雷門 2 - 2 女子革命選抜

 

― 続く ―




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第132話:vs女子革命選抜 後半戦開始

―― 竜太視点 ――

 

女子革命選抜との試合は2-2の同点で折り返しハーフタイムを迎えた。せっかく2点を先制したのにその後、前半終了間際に立て続けに点を入れられ同点。これにはさすがの円堂さんたちもガックリ来ており、ベンチに戻って来た皆に「お言葉」が入る。

 

円堂:「お前たち!!!!」

 

雷門:『『『は、ハイ!!!』』』

 

円堂:「練習試合だから良い様なものの、これが本番の決勝戦だったらどういう状況か分かるよな·····?」ハァ···

 

天馬:「すみません·····」

 

試合に出ていたメンバーの顔が暗くなる。しかしそこに「パァン!!」と音が鳴り、そっちを見ると親父が手を叩いてみんなの目線を集めて口を開いた。

 

龍也:「まぁ、なっちまったもんはしょうがない。後半はメンツを変えるぞ。まずフォーメーションを3-4-3に変更。

FWは左から剣城、竜太、高咲

MFは同様に宮下、上原、松風、桜坂

DFも左から近江、霧野、ヴェルデ

GKは信介で行く。」

 

雷門:『『『はい!!!!』』』

 

龍也:「三国もいつでも出られる様に準備しておく様に」

 

三国:「はい!!!」

 

そしてハーフタイムが終了し、後半戦のメンバーがフィールドに出る。

 

女子革命選抜

フォーメーション&メンバーチェンジ

無し

 

雷門

フォーメーション&メンバーチェンジ

F-ミルキーウェイ

3-4-3

 

FW   剣城  大海  高咲

 

MF 宮下  上原  松風  桜坂

 

DF   近江  霧野  ヴェルデ

 

GK       西園

 

そして女子革命選抜のキックオフで後半戦開始。ボールは蘭渡り、蘭は自身の化身、【疾風の白虎】と共に攻め上がって来る。

 

蘭:「行くにゃぁあああああっ!!! 「侑!! 奪え!!」 !!」

 

侑は蘭に対してディフェンスに入る。蘭は化身の力に任せて強行突破の構えだ。

 

侑:(《天帝の眼(エンペラーアイ)》!!!)キィイイイイン

 

蘭のスピードも、侑の常識はずれの観察眼による未来視(みらいし)には勝てずにあっさりとボールを奪われた。

 

蘭:「にゃっ!?」

 

そのままドリブルで駆け上がる侑。そこに波未と千夏がディフェンスに入る。

 

波未:「千夏さん!!」

 

千夏:「ヨーソロー!! 行くであります波未ちゃん!!」

 

ジャンプした千夏の足を波未が更に両手で放り上げ、上空へと跳んだ千夏がボールに対して一直線に急降下。流星の様な蹴りを見舞う。

 

千夏・波未:「「[絶・シューティングスター]!!!!」」

 

千夏の攻撃が侑に迫る。が、

 

侑:(《天帝の眼》!!!)

 

侑は完全に千夏の動きを見切りヒラリと身を躱して突破。残るディフェンスは舞、真理奈、ここなだ。

 

侑:「行くよ!! 【戦場の女神ジャンヌ・零色】!!!!」

 

勇猛な女騎士の化身を発動した侑。そのまま化身シュートの体勢に入る。

 

侑:「[― ヴァルキリーロード ―]!!!!!」

 

侑の化身シュートがゴールを襲う。しかし舞、ここな、真理奈の3人が立ち塞がる。

 

真理奈・ここな・舞:「「「[超・グラビティケージ]!!!!」」」

 

3人のシュートブロックがシュートを箱の中に閉じ込め、内部に重力場を発生させる。しかし侑のシュートは箱を突き破り尚も進む。

 

善美:「止める!! [絶・風神・雷神・ゴースト]!!!!!」

 

善美がマジン3体掛かりのキャッチでシュートを迎え撃つ。しかし3体ともシュートと共に突っ込んできたジャンヌの剣で切り裂かれて消滅。善美を吹き飛ばし、シュートはゴールに突き刺さった。

 

 

 

 

雷門 3 - 2 女子革命選抜

 

― 続く ―




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第133話:vs女子革命選抜 激闘の後半戦!!!

―― 竜太視点 ――

 

後半戦開始直後、侑の《天帝の眼(エンペラーアイ)》と化身で再びリードする俺たち雷門。革命選抜チームのキックオフから試合を再開し、ボールは波未へ。

 

ドリブルで駆け上がる波未。そこに俺と剣城が二人掛かりでディフェンスを掛ける。

 

波未:「押し通ります!! [極・清々流転]!!!!」

 

以前の沼津での合同合宿の時に見せたとある漫画のパクり技(ちゃっかり最終進化)·····を発動する波未。水の様に変幻自在に変化する不規則な足運びのドリブルで俺たち二人を抜き去り、蘭にパスを出す。

 

蘭:「任せるにゃ!!!」

 

自慢の俊足でボールに追い付き、しっかりと受け取った蘭。するとまたしても蘭は化身を発動する。

 

竜太:(発動回数から考えてこれが最後だろうな·······)

 

そして化身と共にドリブルで駆け上がる蘭。しかし歩夢先輩と天馬がダブルチームでプレスを掛ける。

 

蘭:「邪魔にゃぁあああああっ!!!! [― 疾風迅雷(シップウジンライ) ―]!!!!!」

 

風の速さで一瞬で間を駆け抜けて二人を置き去りにする蘭。そして止めの放電(スパーク)を喰らわせた。

 

蘭:「果北ちゃん!! 桐穂ちゃん!!!」

 

蘭から二人目掛けて山なりの軌道で縦のセンタリングが入る。が、

 

霧野:「させるか!!!」

 

空中で霧野先輩がインターセプトしてカット。そのまま歩夢先輩にパスを出す。

 

歩夢:「ナイス霧野くん!!」

 

ボールを受け取った歩夢先輩の周りに天馬としずくが集まり、三人でシュート体勢に入る。

 

天馬としずくが交互にボールを上空へと蹴り上げエネルギーをチャージし、それを歩夢先輩が踵落(かかとお)としで下に落とす。今にも大爆発を起こしそうなボールを、三人同時のトリプルシュート。

 

歩夢・しずく・天馬:「「「[ビッグバン]!!!!!」」」

 

3人のシュートがゴール目掛けて迫る。そこへ更に、

 

竜太:「"チェイン!!" [極・オーディンソード]!!!!」

 

[ビッグバン]を更に[オーディンソード]でチェイン。超破壊力のシュートがゴールを襲う。······しかしそこに波未とDF4人が立ち塞がる。

 

波未:「止めます!!! [エアーバレット・V3]!!!!」

 

波未が手で空気を練り上げ風の球を作り出し、それをシュートしボールにぶつける。しかし全くと言って良いほど威力を奪えず、シュートは更に前進する。

 

真理奈:「ここなちゃん止めるわよ!!」

 

ここな:「ええ!! 行くわよ真理奈!!」

 

真理奈がフィギュアスケートのスピンの様に超高速で回転。すると風圧で大きめの竜巻が発生。そこに、

 

ここな:「ふんぬぁあああっ!!!」ブォンッ!!!

 

ここなが左足のフルスイングで突風を巻き起こし、真理奈の竜巻と風同士を融合させ、巨大竜巻へと変貌させる。

 

真理奈・ここな:「「[究極暴風撃(アルティメットストーム)・G3]!!!!!!」」

 

シュートは巨大竜巻に飲み込まれる。ボールに対して、ボールの回転方向とは逆回転の旋風に飲まれたり、ボールの進行方向に真正面からぶつかる突風にぶち当たったりとかなりの威力を削がれたがそれでもシュートは突き進む。

 

舞:「ここでShut outデ~ス!! [フラッシュダスト・S]!!!!」

 

舞が跳び上がりフィールドにキラキラ輝く粒子を撒き散らす。そこに突っ込んだシュートは、空気中の粒子との摩擦で威力が更に減衰。しかしそれでも完全には止められなかった。

 

羽丸:「ここで墜ちるズラ!!! [裁きの鉄槌・A]!!!!!」

 

空が光ったかと思うと、天から透き通った黄金色の巨大な足が降ってきてシュートを踏み潰し、シュートは完全に停止した。

 

羽丸:「千夏ちゃん!!」

 

シュートを止めた羽丸からボールは千夏へ。そのままドリブルで攻め上がるが、そこにエマがディフェンスに入る。

 

エマ:「行かせない!! [絶・守護騎····「甘いであります!! [スプリントワープ・Gx]!!!!」っ!?」

 

高速移動の必殺技で置き去りにされたエマ。そして千夏はゴール前の桐穂と果北にセンタリングを上げる。それを桐穂が単独で合わせる。

 

桐穂:「[プロミネンスドライブ・Gx]!!!!!」

 

桐穂のシュートが雷門ゴール目掛けて急降下。しかし彼方がブロックに入る。

 

彼方:「やらせないよ~っ!!! [絶・ダークトルネード]!!!」

 

彼方のシュートブロックて大きく威力は落ちたもののまだシュートは進み続ける。

 

信介:「うぉおおおおっ!! [ぶっとびジャンプ・改]!!!」

 

信介にはキーパーの化身はあるが必殺技は無いのでヒヤリとしたがシュートブロックの属性を持つシュート技をぶつけて軌道を変えて凌いで見せた。そして上から降って来たボールを高くジャンプしてキャッチ。

 

ナイスセービング!!

 

 

 

雷門 3 - 2 女子革命選抜

 

― 続く ―




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第134話:後半戦中盤

―― 天馬視点 ――

 

彼方先輩のシュートブロックと、自身のシュート技の応用で桐穂さんの必殺技を止めた信介。そしてゴールキックからボールは愛先輩に飛ぶ。しかし理沙さんとの競り合いになる。が、そこはフィジカルの強い愛先輩。空中で理沙さんに身体をぶつけて弾き飛ばしてボールを確保する。

 

愛:「いただきっ!!!」

 

理沙:「くっ! やるわね!!」

 

そのまま愛先輩がドリブルで攻め上がる。しかしそこに波未さんと羽丸さんが二人掛かりでディフェンスに入る。

 

波未・羽丸:「「止めます(るズラ)!!! [絶・ハーヴェスト]!!!!」」

 

波未さんと羽丸さんが二人同時のスライディングを仕掛ける。が、愛先輩はそれを見切ってジャンプで躱す。そして着地と同時に化身を発動する。

 

愛:「来てっ!! 【楽しいの天才サイコウ・参式】!!!!!」

 

化身を呼び出してシュート体勢に入る。【サイコウ】の周囲に様々なスポーツや娯楽の用具が出現し、それがオレンジ色の光に変わりボールに集まる。

 

愛:「[― サイコーハート ―]!!!!!」

 

愛先輩のシュートが革命選抜ゴールに迫る。しかし真理奈さんとここなさんがブロックに入る。

 

真理奈・ここな:「「[究極暴風撃(アルティメットストーム)・G3]!!!!」」

 

巨大な暴風がシュートを飲み込む。ボールの回転方向とは逆回転の旋風に飲まれたり、ボールの進行方向に真正面からぶつかる突風にぶつかったりとパワーをごっそりと持っていかれたがそれでもシュートは突き進む。

 

善美:「止めるわ!! [絶・風神・雷神・ゴースト]!!!!!」

 

善美さんの背後に三体のマジンが出現。[究極暴風撃]とマジン三体掛かりのディフェンスで、[― サイコーハート ―]は止められた。

 

愛:「あちゃ~、止められたか~····中々やるじゃん!!」

 

善美:「真理奈さん、ここなさん、助かりました!!」

 

真理奈:「御安い御用よ!!」

 

ここな:「感謝しなさい?」

 

そして善美さんのゴールキックからボールは千夏さんへ。しずくとの競り合いになるが今度は逆にこちらがフィジカルで負けている。

 

千夏:「ふっ!!」ドガァッ!!

 

しずく:「くっ!」

 

空中で千夏さんに弾き飛ばされてボールを()ることに失敗したしずく。しかしそれでも直ぐ立て直して果敢に向かって行く。

 

千夏:「っ!! しっつこい····!!!」

 

抜かれても抜かれても執拗なディフェンスで粘るしずく。そして焦れた千夏さんが必殺技で一気に抜いて距離を離そうとした·····瞬間!!

 

千夏:「[スプリント····「今っ!! バッ」っ! しまった!?」

 

必殺技を発動する直前に発生する僅かな隙。その瞬間を狙い、しずくはボールをかっ拐った。そして竜太にパスが飛ぶ。

 

―― 竜太視点 ――

 

竜太:「ナイスだしずく····」

 

しっかりとボールを受け取った俺。これは不味いと言わんばかりに理沙、波未、舞たちDF陣が一斉に襲い掛かって来る。

 

竜太:「邪魔だぁああああっ!!! [超・ヒートタックル]!!!!」

 

炎を纏ったタックルで次々ディフェンスを吹き飛ばす俺。そしてついにキーパーと1vs1になり、シュート体勢に入る。

 

ボールに極大のオーラを纏わせてオーバーヘッドで下に落としてオーラを練り上げる。そして渾身の力で左足をぶつける。

 

竜太:「[ラストリゾート・V2]!!!!!」

 

岩石の竜がフィールドを破壊しながら突き進む。善美も止めようと技の体勢に入る。

 

善美:「[絶・イジゲン・ザ・ハンド]!!!!」

 

善美の技で、半球体状のドームが発生。そこに激突したシュートを逸らそうとする。しかし[ラストリゾート]の圧倒的なパワーの前に[イジゲン・ザ・ハンド]は砕け散り、シュートはゴールに突き刺さった。

 

 

 

雷門 4 - 2 女子革命選抜

 

― 続く ―




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第135話:革命選抜戦決着!! そして······

―― 竜太視点 ――

 

俺の[ラストリゾート]が決まり4-2と雷門がリード。そして試合終了まであと僅かだ。

 

女子チームのキックオフから試合再開。ボールは千夏に渡る。

 

竜太:「ボールを奪え!! 止め刺すぞ!!」

 

天馬:「えっ!? でも2点リードだよ? 引いて守った方が····「お前桐穂たちの攻撃力舐めてるのか!? コイツらはボールさえ持てれば残り時間で勝てなくても同点終了にするぐらいの攻撃力はあるんだぞ!?」えっ!?」

 

竜太:「サッカーっていうスポーツは、ボールが持てなきゃ攻撃できないスポーツなんだよ!! とにかくボールをキープしつつ攻め続けろ!! 「わ、分かった!!」」

 

ったく、相手の力量が分かってないって致命的だな。コイツらとはあれだけ一緒にサッカーやったっていうのに····

 

俺の声でディフェンスを掛ける侑。当然千夏に対して《眼》を使う。

 

侑:「(シザースからターンして····)右っ!!」

 

千夏:「っ!! 読まれてる!!」

 

侑の《眼》の力で完全に動きを読まれていた千夏。あっさりとボールを奪われ、ボールを()った侑はそのままドリブルで上がる。

 

舞:「止めマ~ス!! [超・フォトンフラァアアアッシュ]!!!!」

 

跳んだ舞が必殺技を放つと、眩い閃光が皆の視界を奪う。····が、

 

舞:「ボールはもらっ····What!? ボールはどこ!?」

 

いつの間にか侑はボールを持っておらず、全員何が起こったか分からない。侑と····もう一人を除いて·····。

 

善美:「!!? 皆!! 竜太が持ってる!!!!!」

 

全員:『『『『『『!?!?』』』』』』

 

竜太:「ナイスパス!!!」

 

実は、閃光発生の0コンマ数秒前、相手が見方の閃光に巻き込まれぬ様に目を瞑った隙に侑は俺とアイコンタクトで相手の裏、それも俺が舞を視界に入れなくてすむ位置にパスを出し、それを俺はダッシュで受け取った訳だ。

この時間、僅か0.03秒。侑の《天帝の眼(エンペラーアイ)》と、強固な信頼が揃わなければ、決して不可能な事だった。

 

そして俺は、完全にフリーでシュートを放つ。

 

竜太:「いくぜ!! [極・オーディンソォオオオオオドッ]!!!!!」

 

俺の渾身のキックと共に、魔方陣から黄金色の剣となったボールが飛んで行く。そしてシュートブロック無しで直接善美まで届き、

 

善美:「くっ!! [絶・イジゲ·····きゃぁあああああっ!!!!」

 

善美が技を使うまもなく、シュートはゴールに突き刺さった。

 

そしてここで試合終了のホイッスル。5-2で、俺たち雷門の勝利だ。

 

桐穂:「あ~····負けたか~·······」

 

果北:「やっぱり強いね雷門は······」

 

果林:「いや貴女たちだって強かったわよ? 混成チームなのに凄い連携力だったわ」

 

千夏:「いっぱい合わせる練習しましたから!! 浦の星が敗退してから、雷門が必ず決勝まで進むと信じて!!」

 

俺たちがひとしきりお互いの健闘を讃え合い、感謝していると円堂さんが、

 

円堂:「よし、今日の練習は終了だ。明日は午前練習の後午後からは休み。前日は完全オフだ。疲れを決勝に残さない様にな。解散!!!」

 

そして俺は果北と桐穂と少し話し、二人が帰るとある二人に声を掛けた。

 

竜太:「彼方、エマ!!」

 

彼方・エマ:「「どうしたの(~)?」」

 

竜太:「明日練習終わったら一緒に出掛けね? 久し振りに····「「行く!!!」」そうか。じゃあ明日練習終わったら一旦家で着替えて支度したら駅前の銅像前でな」

 

彼方:「うん!! 楽しみ~!」

 

エマ:「楽しみだなぁ」

 

竜太:(初めて侑に会ったとき、すげぇかわいい人だなと思ったし、一緒にやってていい人だってのも分かった······けど、何となくだけど、違う。侑は恋人っていうより、"相棒"っていうか、"悪友"っていう感じだったんだよな。じゃあ俺も、そろそろ大会の閉会式後に約束した·····俺の事を"好き"って言ってくれたこの二人に対する答えを見つけないとな········)

 

 

― 続く ―




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第136話:決断する為の彼方とエマとのデート

翌日、決勝戦前の最後の練習を終えた俺たち。俺は約束があるため一旦家に帰りシャワーを浴びて汗を洗い流して昼食をとった後、身支度をして駅前の銅像前に向かった。

 

― 俺が到着して30分後 ―

 

竜太:「やっぱり女の子は支度が大変なんだろうな········」

 

― ぼやきながら更に45分 ―

 

エマ:「ゴメ~ン!! 待った?」

 

エマが到着し「対して待ってない」と返す。

 

竜太:「エマ····服可愛いな。凄い優しそうな雰囲気を後押しする様な·····」

 

エマ:「そ、そうかな? //////」

 

そして、彼方が着くまでしばらく話していたのだが、

 

エマ:「ねぇ? 彼方ちゃん遅くない? 何かあったのかな?」

 

エマが到着してから30分経っている。部活が終わって家に帰ってからの時間を考えると不安になってきた。俺が彼方に電話を掛けようとしたら、

 

彼方:「お、遅れてゴメ~ン!!」ハァハァ

 

向こうから彼方が走ってきた。何もなかったなら良かった。

 

竜太:「随分時間掛かったけど何かあったのか?」

 

エマ:「ちょっと心配してたんだよ?」

 

すると彼方は少しばつが悪そうな顔をして口を開いた。

 

彼方:「ううぅ~····服を選んでたら時間が掛かってしまったのだよ~····」

 

竜太:「そっか。どうりで何時もより可愛い服だと思った。まぁ何事も無くて良かったよ」

 

彼方:「うん!! (必死に選んだ甲斐があったよ~)」

 

エマ:「じゃあ行こうか? どこ行く?」

 

彼方:「あっ! 彼方ちゃん最近隣町に出来た遊園地に行きたい!!」

 

竜太:「了解。行こうぜ?」

 

そして電車に乗り、そこから歩いて10分。遊園地に到着。3人でどれから乗るか決めていると、

 

エマ:「ねぇ? コーヒーカップ乗らない?」

 

竜太:「俺は良いよ?「彼方ちゃんもオッケーだよ~?」」

 

そしてコーヒーカップのアトラクションに乗った俺たち。しかし、これが間違いだった。

 

エマ:「アハハハハハハハハハハハハ!!!!」ギュオン ギュオン ギュオン ギュン ギュン!!

 

彼方・竜太:「「ぎぃやぁあああああああああっ!!!!」」

 

満面の笑みでカップをベイ●レード並みに爆転させるエマ。俺と彼方にはエマの笑い顔が悪魔の笑みに見えていた。

 

ヤベェ·····吐きそう!!

 

そしてアトラクションが終了し、「楽しかった~!!!」とご満悦のエマ。しかし俺たち二人は、

 

彼方:「おぉおおおお~っ······目がグワングワンするぜぇええ~·········」

 

竜太:「や、ヤベェ·······吐きそう」オエッ

 

エマ:「あれ? 二人共どうしたの?」

 

俺と彼方は「マジかコイツ····」と言う目でエマを見ていたが全く気付かない。

 

エマ:「次はどれ乗る?」

 

竜太:「ち、ちょっと休ませて·······」

 

彼方:「か、彼方ちゃんも······」ウップ

 

エマ:「え~っ!? 二人共だらしないなぁ······」

 

いや、あれは当たり前だから·······

 

そして20分程休み、次は彼方の提案でゴーカートに乗る事に。彼方が「3人でレースしようぜ~」なんて言い出したが係員の人に止められた。当たり前だろ·······

 

そしてコーヒーカップの酔いも落ち着いた所で次はジェットコースターに乗った。ここのジェットコースターは一列に3人が座れたので、真ん中に俺が座り、両サイドに二人が座る。

 

竜太・彼方・エマ:「「「うぉおおおおおおっ(きゃぁあああああっ)!! ♪」」」

 

そしてジェットコースターも終了し、彼方もエマも「「楽しかった!!」」とゴキゲンだ。

 

エマ:「ねぇ? もう一回コーヒ·····「「絶対ダメ!!!」」ハモり!?」

 

俺と彼方の声が綺麗にハモる。当たり前だ······あんなのまたやられたら今度こそ吐く!!!

 

次は彼方の提案でメリーゴーランドに乗る事になった俺は少々恥ずかしいので待ってようとしたが二人に無理やり拘束されて一緒に乗せられた。そしてメリーゴーランドも終了し、今度はエマがバイキングに乗ろうと言い出す。

貴女意外に絶叫系好きなんですね······コーヒーカップは無理やり絶叫系に変えられたけど····

 

さすがにバイキングは俺も彼方も耐えられた。(ジェットコースターが大丈夫なら余裕)そして辺りも夕焼けに包まれてきたので電車で稲妻町に帰り、二人を家まで送り届けて俺も帰った。

 

 

― 木枯らし荘・竜太の部屋 ―

 

竜太:「う~ん·····改めて二人を知ろうと一緒に出掛けたけど、二人共一緒にいて楽しいんだよなぁ······。よし! 参考になるかは分からないけど、明日も休みだし信介と輝(何故かこの二人が思い浮かんだ)にちょっと相談してみるか」

 

そして俺は二人に電話を掛けた。

 

 

― 続く ―




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第137話:見つけた答え

エマ、彼方とのデートの翌日。明日はいよいよインターハイの決勝戦だ。だが、俺にはその後に闘い(?)が待っている。

 

因みに天馬は今剣城と一緒に河川敷で[ファイアトルネードD(ダブル)D(ドライブ)]の練習。恐らくかすみ、しずく、璃奈も練習してるんだと思う。俺は一応? 考えなきゃならないことあるから休むけど、

 

そして今俺の前に信介と輝がいる。昨日電話を掛けたら話は聞いてくれると言ったので来てもらった。

 

信介:「で? 恋愛相談って?」

 

竜太:「あ~、実は俺沼津の合同合宿の時に彼方とエマから告白されててさ······明日の決勝戦で勝ったら返事をする約束してるんだ。」

 

輝:「まさか二股しないよね? 「する訳無ぇだろ!?!?」 良かった。そう言うクズ野郎だったらどうしようかと思ったよ」

 

竜太:「辛辣(しんらつ)!?」

 

おい······輝ってこんな奴だったっけ? あの純粋だった輝はどこへ行ったんだ······?

 

信介:「で? どうするの?」

 

竜太:「それで昨日改めて二人をちゃんと見ようと一緒に出掛けたんだけど·····「余計に分からなくなったと?」·····はい」

 

確かに遊園地でのエマはヤバかったがもしあれが動物園とかだったらきっと動物たちに対するエマの優しさに心がポカポカしたことだろう。たまたま昨日は遊園地でその時に彼方と気が合ったがゴーカートでレースとか言い出したし

 

竜太:「もし二人だったら、"複数の女の子から告白されてその子たちに差が見つけられない"ってなったらどうする?」

 

信介:「なるほど。中々難しいね。あと思ったより真面目な話だった」

 

竜太:「酷いなお前ら!! 人のこと何だと思ってたんだ!!」

 

信介・輝:「「天然女たらしの唐変木」」

 

竜太:「··············泣いていい?」

 

コイツらそんな風に思ってやがったのか······

 

竜太:「まぁそんな感じ何だよ。お前らだったらどうする?」

 

信介:「普通にポイント制で良いんじゃない?」

 

竜太:「そんなの真っ先に試したわ!! でも二人共同点な上に3回結婚してお釣が来たんだぞ!?」

 

信介:「そっか。じゃあこれは無しだね······」

 

竜太:「輝は? 何かあるか?」

 

輝:「う~ん······例えばさぁ、自分に何か凄く良いことがあったとするじゃない? それを誰かに伝えたいと思った時に真っ先に誰の顔が浮かぶか? とかどう?」

 

竜太:「どちらの顔が先·······」

 

俺の脳裏には、1人の顔しか浮かばなかった。

 

竜太:「そっか·······サンキュ輝!! 答え出たわ!!」

 

輝:「ええっ!? そんな簡単で良いの? 僕も何となくで言ったんだけど······」

 

竜太:「いや、寧ろこれしかねえ!! お前らに相談して正解だったわ。信介は役に立ったか微妙だけど。」

 

信介:「呼びつけといて酷くない!?」

 

竜太:「まぁ信介もありがとな? 今度二人に何か奢るよ」

 

信介・輝:「「じゃあ焼き肉で!!!」」

 

竜太:「わ、分かった。けど加減はしろよ? 予算オーバーしたらオーバーしたぶんは割り勘だかんな?」

 

信介:「因みにいくら位?」

 

竜太:「·····35.000円位?」

 

輝:「じゅうぶんでしょ·····」

 

俺の部屋に笑い声が響く。いよいよ明日、全国大会決勝戦!!!

 

 

― 続く ―




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<宮下 愛>誕生日編:俺の彼女はコミュ力お化け

愛さんの誕生日短編です。

因みにこの小説の愛ちゃんの雰囲気はアニガサキです。(スクスタの愛さんではありません。)

ではどうぞ!!


俺たちがインターハイで優勝し、フィフスセクターの管理を終わらせた年の翌年の5月30日、今日は練習が休みなので俺は彼女とデートすることになっていた。

 

その相手とは········

 

愛:「リュウ~!! ゴメン待った?」

 

竜太:「いや、俺も今きたとこ」

 

そう、俺の彼女とは愛さんだ。去年、俺は侑の事が好きだった。だが、それで告白したら清々しい程に見事玉砕。落ち込んでいたところを愛さんが慰めてくれた。そして段々愛さんが気になってきたとある日に、愛さんに校舎裏に呼び出された俺。そしたらなんと愛さんから告白。

そして付き合うことになった。愛さんは見た目は今風のギャルだが優しく気配りのできる女性だ。

 

そして先程言ったが今日は5月30日。愛さんの誕生日なのだ。つまり彼女の誕生日デートだな。

 

竜太:「愛さんやっぱりそう言う清楚系の服もバッチリ似合うよな······可愛い」

 

愛:「えへへ~!!//// ありがとっ!!」ニコッ

 

愛さんのちょっと照れながらのスマイル。······ハッ!? 危うく昇天する所だった······

 

そして電車で今日の目的地であるお台場、「Diver City Tokyo」に到着。何か色々見て回りたいらしい。

 

愛:「まず服屋行こっか!!」

 

竜太:「オッケー」

 

そして服屋に来た俺たち。······だが、

 

愛:「リュウ!! これなんかどう? あっ、でもこっちも捨てがたいなぁ······」

 

竜太:「············//////」

 

何故俺が赤面して黙っているかと言うと、愛さんの選ぶ服に理由がある。何しろかなり露出の高い服ばかり選ぶんだもん。胸元、ヘソだしなど当たり前だ。

愛さんはこの間卒業した果林程ではないがそれでも抜群のプロポーションを誇る。そんな愛さんがそんな露出の高い服なんか着たて夜道などを歩いた日にはそこらの(ケダモノ)に襲われるぞ·······まぁ逆に返り討ちにしそうな気がしなくもないが······

 

愛:「ちょっとリュウ!! 黙ってたらわかんないじゃん!!」

 

竜太:「わ、悪い····その服着てる所をイメージしたら効果抜群すぎて·····可愛いけど止めといたh····「本当!! じゃあこれにする!!」ちょっと!?」

 

そう言ってレジへ走って行く愛さん。大丈夫かなぁ·······

 

そして服屋を出て次は雑貨屋に向かう。その道中、

 

竜太:「愛さん良いですか!? その服絶対に!! "一人で出掛ける時"には着ないで下さいね!? バカな男が寄って来ますから!!!」

 

愛:「わかった·····リュウと出掛ける時だけにするよ。·····守ってくれるんでしょ?」

 

竜太:「はい!! 分かったなら良いです」

 

そして雑貨屋に到着。色々な小物や便利グッズ等を見て回る。

 

愛:「リュウ? このマグカップ良くない?」

 

見ると愛さんはオレンジ色のマグカップと青色のマグカップを持って、青色の方を俺に差し出していた。

 

竜太:「おっ····良いかも!! ·····買おっか?」

 

愛:「うん!!」

 

そして俺が二人分の会計を済ませてそろそろお腹がすいたのでフードコートに向かう。俺と愛さんはワックのハンバーガーをポテトドリンクセットで頼み(ハンバーガーを追加で頼みバーガーは全部で6つあった)、完食すると、次はこの近くの科学館へプラネタリウムを観に行く事にした。

 

そして科学館に到着。入場券と観賞券を買い、プラネタリウムの部屋に入る。

 

愛:「う~ん·····プラ()()リウムだけに何かネタを思い付くかと思ったけど全然だな~······」

 

竜太:「(ダジャレ······)愛さんってダジャレ好きですよね?」

 

愛:「うん!! 竜太もさ、最っ"高に"サッカー好きだよね? 高2だけにっ!!」

 

竜太:「まぁ俺今は高2ですけど·····」

 

そしてプラネタリウムも終わり帰宅途中、愛さんが「せっかくだしウチで夕飯食べて行きなよ!!」と言うのでお邪魔することに。

 

宮下家の食卓には愛さんのお姉さんやお祖母さん、お母さんとお父さんが揃っていた。

 

うぅ·····緊張する·····。

 

しかし愛さんの家族は皆さんフレンドリーで直ぐに打ち解ける事ができた。そしてご飯を頂いた後、しばらく皆さんと談笑し、そろそろ俺が帰宅しようとすると愛さんが家の玄関先まで見送りに来てくれた。

 

愛:「リュウ!! 今日はありがとっ!! 楽しかった!!」

 

竜太:「俺も楽しかったよ」

 

そして別れ際に、

 

竜太:「じゃ····「あっ、待って!!」ん?」

 

愛:チュッ

 

竜太:「!?!?」

 

よく考えたら初めての唇同士のキス。お互いに顔が真っ赤になり·····

 

愛:「お休みっ!!////////」

 

俺はしばらく呆然としていた。

 

 

 

― 愛ちゃん Happy Birthday ―




愛ちゃん誕生日おめでとう!!!

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第138話:決勝戦!!<アマノミカドスタジアム>!!!

いよいよ決勝戦です。因みに雷門のユニフォームが、アウェイ用の青のユニフォームになっています。

アニメだと両方ホームのユニフォームだったじゃないですか?けどユニフォームの色、
雷門は黄色で聖堂山はオレンジですよ?

普通ならどちらかが色を変えると思ったので雷門を青のアウェイユニフォームにしました。

それではどうぞ!!!


いよいよ今日は決勝戦。俺たちは決勝の舞台、<アマノミカドスタジアム>に到着した。

 

せつ菜:「いよいよですね·······」

 

円堂:「全員、準備は良いな? この試合で、サッカーの命運が決まる。 行くぞ!!!」

 

雷門:『『『はい!!!!!!!!!!!』』』

 

そして俺たちはスタジアムに入り、選手控え室でユニフォームに着替え(もちろん男女別)て選手入場口に向かう。すると既に聖堂山の選手は整列していた。

 

黒裂:「君たちが雷門のキャプテンかい?」

 

天馬:「あっ、はい!!!」

 

黒裂:「聖堂山高校キャプテン、黒裂真命(くろさきまこと)だ。俺たちは、雷門を決勝戦にふさわしい最強の相手だと認めている。今日はお互いの信じる物の為、正々堂々と闘おう」

 

竜太・天馬:「「っ!! はい!!!」」

 

さすが「サッカーの神の申し子」なんて呼ばれているだけあるな。テレビで見て身体と技術が高いのは分かっていたが、どうやら「心」も一流みたいだ。

 

実況:「それでは、選手の入場です!! この映えある決勝戦の実況は(わたくし)、「角馬王将(かくまおうしょう)(以下:王将)」がお送りします!!!!」

 

そして、観客の大歓声と共に入場する雷門と聖堂山。そして決勝戦の開始に先立ち、両チームスタメン選手の紹介が行われる。

 

アナウンス:「まず、黄色のユニフォーム、聖堂山高校、

      1番、GK、征木(まさき) 帝矢(ていや)

      2番、DF、宗森(むねもり) 秀年(ひでとし)

      3番、DF、呉井(くれい) 雄大(ゆうだい)

      4番、MF、伊矢部(いやべ) 敏志(さとし)

      5番、MF、穂積(ほづみ) 信平(しんぺい)

      6番、MF、天瀬(あませ) 玲亜(れいあ)

      7番、MF、日向(ひゅうが) 理恩(りおん)

      8番、FW、黒裂(くろさき) 真命(まこと)

      9番、FW、桶川(おけがわ) 之森(ゆきもり)

      10番、FW、恋崎(こいざき) 伊雄(いお)

      11番、FW、堤美(つつみ) (とも)

 

      以上の11名です。」

 

聖堂山は準決勝と同じ編成で決勝戦を闘うらしい。続いて雷門の紹介だ。

 

アナウンス:「続きまして、青のユニフォーム、雷門高校、

      1番、GK、三国 太一」

 

俺たちが入学するまでの2年間燻っていた三国先輩。革命を心に決めてからはメキメキと実力を伸ばした雷門の裏のキャプテン。今の三国先輩の実力は、以前とは雲泥の差·····どころではないだろう。

 

アナウンス:「3番、DF、霧野 蘭丸」

 

雷門のディフェンスリーダーの霧野先輩。ケガで決勝の舞台に立てない親友(神童さん)の分まで力を発揮できるか。

 

アナウンス:「4番、DF、近江 彼方」

 

うちに秘めたサッカーへの想いをずっと押さえつけていた彼方。彼女の精神干渉型の必殺技が、聖堂山にどこまで通用するのか。

 

アナウンス:「14番、DF、三船 栞子」

 

聖帝、豪炎寺さんの指示で雷門に来た特殊なシード。しかし目的は雷門の革命を助ける為であり、言葉も行動も終始一貫していた。俺たちの立派な仲間だ。

 

アナウンス:「5番、DF、エマ・ヴェルデ」

 

スイスからの留学生。そして雷門で男女合わせてNo.2のフィジカルを誇る女子DF。エマがどれだけ聖堂山の攻撃を止められるか期待がかかる。

 

アナウンス:「20番、MF、高咲 侑」

 

一時はサッカーから離れていたが、俺と出会いサッカーに復帰した歩夢先輩の幼馴染。侑の《眼》が、試合をどこまで見透かせるか。

 

アナウンス:「8番、MF、松風 天馬」

 

俺と共に、この革命の中心になった天馬。新たに習得した剣城との連携シュートで、聖堂山ゴールを抉じ開けられるか。

 

アナウンス:「6番、MF、上原 歩夢」

 

熱い思いを持ちながらも、必死にそれを抑えてきた歩夢先輩。先輩の()いできた(やいば)が、フィフスセクターの首に届くのか。

 

アナウンス:「13番、MF、桜坂 しずく」

 

一年生組の中では最も才能に恵まれず、それでも必死に努力を積み重ね、この決勝のスタメンに抜擢されたしずく。凄まじい根性と底力の持ち主だ。

 

アナウンス:「10番、FW、剣城 京介」

 

元々はフィフスセクターのシードとして、雷門を潰す為に送り込まれた剣城。しかし兄の願いを聞き、県予選準決勝の帝国戦でフィフスセクターとは袂を別った剣城。今では頼れる雷門のストライカーとなった。

 

アナウンス:「18番、FW、大海竜太」

 

以上の11人が決勝のスタメンだ。俺たちがチームベンチに向かうと、

 

?:「久し振りだな円堂!!」

 

円堂:「お前!! 砂木沼!!!」

 

砂木沼:「いかにも!! 聖堂山高校コーチ、砂木沼 治だ。円堂、再びお前と合間見える事ができたこと、嬉しく思うぞ。だがこの試合、我々聖堂山が勝たせてもらう!!!」

 

龍也:「やれるものならな!!!」

 

砂木沼:「ふっ、ではな」

 

海未:「まさか砂木沼さんが······」

 

龍也:「俺たちのアジア予選前、園田は砂木沼とネオジャパンのチームメイトだったもんな·····」

 

海未:「はい·······」

 

すると、

 

?・?:「「円堂!!」」

 

円堂:「!! 久遠監督!! 響木監督!!」

 

ソコには前任の久遠監督に、円堂さんたちの高校時代の雷門の監督にして、俺たちが新たな聖帝に据えてフィフスセクターの管理を終わらせる為のキーパーソン。元サッカー協会会長、響木正剛(ひびきせいごう)さんがいた。

 

久遠:「この試合、私と響木さんも雷門のベンチに入らせてもらう」

 

三国:「歴代の雷門の名監督が集結した訳ですか。心強いです」

 

龍也:「よし!! いよいよ決勝戦だ!! おもいっきり、試合を楽しんでこい!!」

 

雷門:『『『えっ!?』』』

 

鬼道:「この試合はサッカーの運命を賭けた試合だが、日本一を決める試合でもある。緊張し過ぎるなということだ」

 

円堂:「よし!! 天馬! 竜太! キャプテンとして何か一言。」

 

竜太:「じゃあ、皆肩を組んで円陣。」

 

男子も女子も、皆混ざって肩を組む。当たり前だ。皆ここまで一緒に闘ってきた仲間なんだから

 

天馬:「絶対日本一になるぞぉおおぉぉおおおおおおっ!!!!!

 

雷門:『『『オォオオォォオオオーーーーーッ!!!!!!!!!!』』』

 

そして、スタメン選手がフィールドにでる。

 

フォーメーション

聖堂山

2-4-4

F-セイクリッド

 

GK       征木

 

DF     呉井  宗森

 

MF       伊矢部

MF    天瀬    穂積

MF       日向

 

FW 堤美  桶川 ★黒裂  恋崎

 

雷門

4-1-3-2

F-ライモン

 

FW    剣城   ★大海

 

MF   上原 ★松風  桜坂

 

ボランチ      高咲

 

DF 近江  霧野  三船  ヴェルデ

 

GK       三国

 

 

そして、試合開始のホイッスルが鳴った。

 

 

 

― 続く ―




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第139話:開戦!! 聖堂山!!!!

試合開始のホイッスルが鳴り、雷門ボールのキックオフから試合開始。まずボールは侑に渡り、侑はボールをディフェンスラインの彼方に預ける。

すると聖堂山のFW堤美が前線からプレッシャーを掛けてくる。しかし前のがら空きのスペースに走っていた歩夢先輩に縦のロングパスを入れる。

 

天瀬:「行かせるか!!」

 

すかさずディフェンスに入る天瀬。すると歩夢先輩は一旦ボールを中の天馬に渡し、それを天馬はダイレクトで前線の剣城へとパスする。

 

呉井:「やらせるか!!!」

 

聖堂山DF呉井のスライディングでボールを奪われた剣城。すると聖堂山は必殺タクティクスを使用してくる。

 

聖堂山:『『『必殺タクティクス!! <ヘルアンドヘブン>!!!』』』 

 

すると聖堂山の選手のみが聖なる光に包まれ、逆に雷門の選手には漆黒の雷が落ちる。するとどういう訳か聖堂山の選手全員のスピードが上昇した上にこちらのスピードは遅くなる。

 

呉井:「日向!!」

 

ボールはMFの日向に渡り、そこからFWの桶川にパスが通る。すると桶川はシュート体勢に入る。

 

桶川:「まず1点だ!! [バリスタショット]!!!」

 

桶川の背後に固定砲台式の巨大ボウガンが出現。桶川のシュートと共に、鋭い矢の様なシュートが飛んでいく。

 

三国:「させるか!! [極・無頼ハンド]!!!!」

 

最終進化した三国先輩の必殺技がシュートを迎え撃つ。赤黒いオーラの巨大な両手で、三国先輩はシュートをガッチリと止めて見せた。

 

桶川:「な! 何だと!?」

 

王将:「止めたーーーーーー!!! 雷門GK三国、聖堂山のシュートを完璧に止めましたーーーーーっ!!!」

 

と、ここで<ヘルアンドヘブン>の効果が終了したのかスピードが元に戻る。

 

三国:「しずく!!!」

 

三国先輩のゴールキックからボールはしずくに飛び、そこに日向がディフェンスに入る。

 

しずく:「行きます!! [爆・木の葉の舞]!!!」

 

しずくは必殺技で日向を抜き去る。が、後ろからフォローに来ていた穂積にボールを奪われる。しかし·····、

 

侑:「させない!!!」

 

王将:「しかし高咲がすかさず取り返したぁあああああっ!!!」

 

観客:『『『『『ドワァアアァアアアァァアアアアアアッ!!!!!!!』』』』』

 

最強の"自由なサッカー"対最強の"管理サッカー"の激突に、観客のボルテージは最初から最高潮だ。

 

伊矢部:「行かせるか!!」

 

侑:「《天帝の眼(エンペラーアイ)》!!!」キィイイイイン

 

侑の《眼》がディフェンスの動きを見透かしあっさりと突破。そして剣城へとパスが飛ぶ。

 

侑:「剣城くん!!」

 

ボールを受け取った剣城はシュート体勢に入る。

 

剣城:「ハァアアアアアッ!!! [デス··ドロップッ・Gx]!!!!!」

 

剣城のシュートが聖堂山ゴールに迫る。しかし聖堂山GK征木も技の体勢に入る。

 

征木:「止めてやる!! [シュート··ブレィクゥッ]!!!!」

 

シュートに対し、蹴りやパンチを超乱打する征木。そして止めにボールを上空へと蹴り上げると、ダメージに耐えきれずボールは破裂。[デスドロップ]は止められた。(しかしどういう訳か破裂したはずのボールはキーパーが破裂していない状態で持っていた。)

 

征木:「天瀬!!」

 

征木のゴールキックからボールは天瀬へ。そして歩夢先輩との競り合いになる。

 

ガッ! グィッ! ガッ!!

 

歩夢:「(っ! 私····だってっ!!)負けない!!」ドガァッ!!

 

天瀬:「なにっ!?」

 

歩夢先輩は競り合いに打ち勝ち、ドリブルで攻め上がる。しかしそこに呉井と伊矢部が止めに来る。

 

歩夢:「剣城くん!!」

 

パスは剣城へと再び繋がり、剣城はシュート体勢に入る。

 

剣城:「今度は決める!! [デビル···バァアアアアストッ・G2]!!!!」

 

再び剣城のシュートが聖堂山ゴールを強襲。キーパー征木も迎撃体勢に入る。

 

征木:「止める!! [シュートブレイクゥッ]!!!」

 

征木の蹴りやパンチの乱打がボールに叩き込まれる。そして上空へと蹴り上げられたボール。しかし今度のシュートはそれでも勢いを失わず、ゴール目掛けて飛び込み、ゴールネットに突き刺さった。

 

王将:「ゴォオオォォオオオオオルッ!!!! 大方の予想を覆し、先制点は雷門高校!!!」

 

剣城:「よぉおおおっし!!!!」

 

竜太:「剣城ナイシュ!!」

 

 

雷門 1 - 0 聖堂山

 

― 続く ―




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第140話:白熱の聖堂山戦

1-0と雷門が先制点を奪う事に成功し、聖堂山のキックオフから試合再開。

 

聖堂山はこちらのディフェンスの合間を巧くパスで繋ぎ、ボールが黒裂に渡ると、黒裂は化身を発動してくる。

 

黒裂:「まだまだこれからだ!! 来いっ!! 【炎魔ガザード】!!!!」

 

黒裂が魔神の様な炎の化身を発動。そのままドリブル突破を仕掛ける。が、そこにエマと栞子がディフェンスに入る。

 

エマ:「止めるよ栞子ちゃん!!!」

 

エマ・栞子:「「[ランサーレインズ・G2]!!!!!」」

 

進化しつより鋭さを増し、数も増えた鉄槍の雨が【ガザード】目掛けて降り注ぎ、何本も突き刺さる。しかし消滅するまでには至らず、何とか突破するが、見るからに【ガザード】は虫の息だ。

 

黒裂:「くっ!! [― 爆熱ストーム ―]!!!!

 

黒裂の化身シュートが雷門ゴールに襲いかかる。だが栞子とエマのブロックで、【ガザード】自体のパワーが大きく下がっていたためそこまでのパワーは出ていない。

 

霧野:「止める!! [ディープミスト・V2]!!!!」

 

霧野先輩が発生させた深い霧との空気摩擦で今度はシュートのパワーを下げる。しかしそれでも化身技だけあり、シュートは尚も突き進む。

 

三国:「後は任せろ!! [極・無頼ハンド]!!!!」

 

三国先輩の必殺技がシュートを迎え撃つ。だが今の[― 爆熱ストーム ―]は平均的な威力の必殺技位の威力まで落ちており、三国先輩は楽々シュートを止めて見せた。

 

三国:「今度はこっちの番だ!! 天馬!!」

 

三国先輩のゴールキックからボールは天馬へ。しかし日向との競り合いになる。

 

日向:「甘い!!」

 

天馬:「くっ!?」

 

天馬は日向に弾き飛ばされてボールを奪われる。そしてそのままドリブルを仕掛けようとした日向に·····

 

侑:「もらった!!」

 

王将:「高咲ボールを奪ったぁあああああっ!!!」

 

侑:「天馬くん!!」

 

天馬:「スミマセンありがとうございます!!!!!」

 

ボールを受け取った天馬は化身を発動する。

 

天馬:「来いっ!! 【魔神ペガサスアーク・零式】!!!!」

 

雄叫びと共に、【ペガサスアーク】が降臨し、天馬はそのままドリブルで駆け上がる。しかしそこに天瀬がディフェンスに入る。

 

天瀬:「ここで止める!! 【魅惑のダラマンローズ】!!!!」

 

天瀬も化身を発動し、【ペガサスアーク】と対峙する。そして両者一気に距離を詰めると同時に化身同士のバトルが始まる。

しかし【ダラマンローズ】は【ペガサスアーク】にぶん殴られ、吹っ飛んで消滅。天馬は天瀬を突破した。

 

宗森:「天瀬!? この!! [エアーバレット]!!!」

 

宗森が両手で空気を練り上げて風の弾丸を生成。それを天馬に思い切り蹴ってぶつけてボールを奪う。

 

宗森:「よし!! 穂づ···「いただき!!」 何っ!?」

 

王将:「ここで大海がインターセプト!!! 雷門またしてもチャンスだぁあああっ!!!!」

 

竜太:「行くぜ!!!」

 

俺がシュート体勢に入ると背後に大型の両手剣を持った武神型のマジンが出現。俺が左足を振り抜くと同時にマジンは重い斬撃を叩き込み、太いレーザーの様な鋭いシュートが飛んで行く。

 

竜太:「[スサノオブレード・Gx]!!!!!」

 

聖堂山ゴール目掛けて迫るシュート。キーパー征木もキーパー技の体勢に入る。

 

征木:「[シュートブレイク]!!!!」

 

征木がボールに蹴りやパンチを乱打する。そして蹴り上げの足をぶつける。が····

 

ズバァアアアアアアアアンッ!!!!

 

征木:「なにっ!? ぐっ、ぁああぁああああっ!!!」

 

征木は技ごと斬り捨てられ、シュートはゴールに突き刺さった。

 

 

 

雷門 2 ー 0 聖堂山

 

― 続く ―




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第141話:意地

俺が[スサノオブレード]を聖堂山ゴールに叩き込み2-0と雷門がさらにリード。伝説のシュート技、[スサノオブレード]の発動に、会場は大きく盛り上がった。

 

王将:「決まったぁああああああああっ!!!!!! 雷門がさらにリード!! 決まったのは伝説のストライカー「大海龍也」の代名詞、[スサノオブレード]だぁあああああああっ!!!!!!」

 

天馬:「ナイス竜太!!」

 

竜太:「おう!! だが·····これで向こうも本格的に牙を剥くだろうな········」

 

そして聖堂山のキックオフから試合再開。ボールは日向に渡り、日向は化身を発動する。

 

日向:「来いっ!! 【光速のマキシム】!!!」

 

日向の化身、【マキシム】が現れると、ディフェンスに入った剣城、天馬も両者化身を発動して対抗する。

 

剣城:「はぁあああああああっ!!!! 【剣聖ランスロット・零式】!!!」

 

天馬:「来いっ!! 【魔神ペガサスアーク・零式】!!!!」

 

2vs1で化身が対峙する。しかし日向は【マキシム】の化身ドリブル技を発動する。

 

日向:「[― オーバードライブ ―]!!!!

 

【マキシム】と共に日向は圧倒的な速さで駆け抜け、【ランスロット】と【ペガサスアーク】を置き去りに。二人は突破される。化身2体掛かりで負けるとかマジか······

 

侑:「止める!!!」

 

しかし今度は《眼》を持つ侑がディフェンスに入る。しかし·····

 

日向:「[― オーバードライブ ―]!!!!

 

侑の《眼》の有効射程距離の外で化身技を発動されて突破される侑。すかさず、霧野先輩と栞子がフォローに入る。が、

 

日向:「黒裂!!!」

 

こちらのディフェンスの裏を取られて黒裂にボールが渡る。そして黒裂は化身を発動する。

 

黒裂:「来い!!! 【炎魔ガザード】!!!」

 

再び黒裂の炎の化身が現れ、シュート体勢に入る。

 

【ガザード】がボールごと黒裂を上空へと放り上げ、回転しながら跳び上がる黒裂。そして炎を纏った左足のボレーシュートと共に【ガザード】がボールをぶん殴る。

 

黒裂:「[― 爆熱ストーム ―]!!!!

 

黒裂の、今度は100%全開の化身シュートが雷門ゴールに襲い掛かる。三国先輩も必殺技で対抗する。

 

三国:「なんとしても止めてやる!!! [極・無頼ハンド]!!!!」

 

三国先輩の赤黒いオーラの両手が、化身シュートを迎え撃つ。しかし、三国先輩も必死に耐えるが、受け止めきれず弾かれてボールはゆっくりとゴールへ·······

 

エマ:「まだだよっ!!!」

 

三国先輩が耐えている間にゴールへと走っていたエマ。ゴールに入りかけていたボールを前線へと思い切り蹴り飛ばしてクリアした。

 

聖堂山:『『『なにっ!?!?』』』

 

ボールはしずくへと飛び、受け取ったしずくに穂積と伊矢部が二人掛かりでディフェンスに入る。

 

穂積・伊矢部:「「行かせねぇ!!!」」

 

しずく:「なら·····力付くで通ります!! [絶・木の葉の舞]!!!」

 

しずくの必殺技はこのタイミングで最終進化。吹き荒れる木の葉が相手の視界を遮り、しずくは突破に成功する。そして天馬へとボールを繋ぐ。

 

天馬:「このボールは絶対に決める!!! [超・マッハウィンド]!!!!」

 

天馬の風を纏った音速のシュートが聖堂山ゴールに迫るが征木も必殺技で対抗する。

 

征木:「これ以上入れさせるか!! [シュートブレイク・V2]!!!!」

 

ここで相手の技も進化し、[マッハウィンド]は止められ、そのままボールは堤美に飛ぶ。

 

堤美:「よし!! 行·····「止める!!」····ほう?」

 

しかし堤美に彼方がマークに付く。堤美は鋭い左右の連続フェイントで彼方を抜こうとするが全く彼方を降りきれない。

 

彼方:(確かに早いけど、これなら竜太の方が断然早い!!!)

 

堤美:(クソッ!! コイツどうなって······)

 

彼方:「今だ!! [スリ~ピィサンクチュアリ・G2]!!!!」

 

油断した堤美を、彼方の催眠領域が包み込む。

 

ガクッ!!!

 

堤美:(ぐっ!! 何だ·····コレ····!! い、意識が·····)

 

彼方:「もらった~!!」

 

ボールを奪い、そのままドリブルで攻め上がる彼方。しかし天瀬のスライディングでボールを弾かれて、ボールはタッチラインを割って外に出た。

 

 

雷門 2 - 0 聖堂山

 

 

― 続く ―




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第142話:最後のチーム、ドラゴンリンク

白熱する決勝戦にわき上がる歓声の中、雷門のスローインから試合再開。歩夢先輩のスローインからボールは天馬飛ぶが、後ろから天瀬がガツガツとプレッシングを掛ける。

 

天馬:「っ!! 侑先輩!!」ガスッ

 

天馬は足を必死に伸ばして侑へとボールを弾くが、勢いが弱すぎたため日向にボールを奪われた。

 

日向:「行くぞ!! 【光速のマキシム】!!!」

 

日向は化身を発動してドリブルで攻め上がる。しかしそこに侑が化身を出してディフェンスに入る。

 

侑:「はぁああああああっ!!! 【戦場の女神ジャンヌ・零式】!!!!」

 

【マキシム】と【ジャンヌ】が対峙する。が、日向は化身技を発動する。

 

日向:「[― オーバードライブ ―]!!!!

 

侑:「っ!! させない!!!」

 

日向が技のモーションに入った瞬間マズイと思った侑は【ジャンヌ】を操り【マキシム】に斬りかからせる。しかし【マキシム】はそれを上回る速さで一気に侑を突破した。

 

栞子:「!? 侑さんが抜かれた!?」

 

霧野:「止めるぞ三船!!!」

 

すかさず二人でディフェンスに入る霧野先輩と栞子。しかし、

 

日向:「黒裂!!」

 

栞子:「しまっ·····!!! (また同じミスを····!!!)」

 

空いたスペースへと走りこんで来た黒裂にパスが繋がり、黒裂はシュート体勢に入る。

 

黒裂:「ハァアアアアアアッ!!! [バリスタショット・V2]!!!!!!」

 

黒裂の背後に固定砲台式の巨大ボウガンが出現。黒裂のシュートと共に鋭い矢の様なシュートが飛んで行く。

 

三国:「止めてやる!!! [極・無頼ハンド]!!!!!」

 

三国先輩の必殺技が、黒裂の必殺シュートを迎え撃つ。だがあまりのパワーに三国先輩は受け止めきれずにシュートはゴールに突き刺さった。

 

王将:「ゴォオオオオオオルッ!!! 聖堂山一点を返したぁああああっ!!! おっと、ここで前半終了のホイッスル!! 2-1の雷門リードで折り返しです!!!」

 

― 聖堂山ベンチ ―

 

千宮路:「·····どうなっている? 最強の聖堂山が押されるなど·····」

 

イシド:「これが現実です。確かに聖堂山は、フィフスセクターの全てが叩き込まれた最強のチーム。しかし雷門もまた、"自由なサッカー"の意思を持った最強のチームと言うことです」

 

千宮路:「それで実力が互角だと言うのか? ·········やはり噂は本当だった様だな。雷門を始めとしたこの一連の革命の動きを裏でコントロールしている者がいると·····それはお前だな? イシド・シュウジ·····、いや、豪炎寺修也」

 

豪炎寺:「私はずっと考えて来ました。サッカーの価値が膨れ上がった今の世で、どちらの道に進むのがサッカーの為になるのか·····"最強の自由なサッカー"と"最強の管理サッカー"、相反する2つのサッカーの戦いの果てに、正しい道が見える」

 

千宮路:「サッカーの進む正しい道? そんな物は分かりきっている!! ······イシド・シュウジ、監督を解任する。審判!! 聖堂山は選手を交代する!! 監督も選手も()()な!!!」

 

会場:『『『『『『!?!?』』』』』』

 

王将:「何とーーーーー!!! 聖堂山はまさかの選手全員交代という暴挙に出たーーーーーっ!! 波乱を呼ぶ決勝戦、一体どうなってしまうのかーーーーーっ!!!!」

 

砂木沼:「どういうことだ!! 選手全員交代など認められんぞ!!」

 

千宮路:「"フィフスセクターによるルールの変更は可能である。"少年サッカー法第5条をご存知ないのですかな?」

 

砂木沼:「ぐぅうううううっ!!!」

 

 

― 雷門ベンチ ―

 

千宮路さんの選手全員交代の宣言を聞き、俺たちも多少の動揺はしたがあまり驚きはしなかった。何故なら前情報で真の最強チーム、「ドラゴンリンク」の話を聞いていたからだ。恐らく後半はドラゴンリンクが出てくるだろうと思ったら、入場口から紫と白のユニフォームを着た16人が姿を現した。

 

?:「観客もよく聞け!! 俺たちはドラゴンリンク!! サッカー界の王、千宮路大悟に仕える究極のチームだ!!」

 

先頭に立つ恐らくキャプテンの男が高らかにそう宣言する。会場はざわめきが止まらない。

 

しずく:「フィフスセクターも無茶苦茶しますね·······」

 

?:「お前たちが雷門か······」

 

先ほど会場に宣言したキャプテンの男が俺たちに話し掛けてきた。

 

竜太:「誰だ?」

 

?:「俺の名は「千宮路大和(せんぐうじやまと)」。お前らが後半戦うチームのキャプテンだ。あと······大海竜太、松風天馬、以前親父と会ったそうだな? そして親父の活動に理解を示してくれたと聞いたぞ。それについては、一応礼を言っておく」

 

天馬:「だって"何かをやりたいのに事情があって出来ない子供たちを支援する。"なんて寧ろどこに問題があるのか分からないし」

 

大和:「フッ、だからこそ、今こうしている事が残念だ。何なら、お前たちだけはウチに来ないか? ここだけの話、親父はお前ら2人だけは気に入ってるんだ。こんな分かりきった試合するだけ無駄だと思うが?」

 

雷門:『『『『!?!?』』』』

 

まさかのスカウト。だが·····

 

竜太:「せっかくのスカウトだが遠慮しておく。その子供たちの支援活動は喜んで応援させて貰うが、管理サッカーは話が別だ!!」

 

天馬:「俺も!! 勝敗はおろか点数まで決められたサッカーなんてサッカーじゃない!! こんなの·····"サッカーが泣いてるよ!!!"」

 

大和:「そうか······なら遠慮はしない。容赦なく本気で叩き潰してやる」

 

 

 

いよいよ後半戦、最終決戦が始まる!!!

 

雷門2-1聖堂山→ドラゴンリンク

 

― 続く ―




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第143話:最終決戦!!

後半戦、雷門とドラゴンリンクの両チームがスタートポジションに着く。

 

フォーメーション

 

ドラゴンリンク

2-4-4

F-サウザンド

 

GK       千宮路

 

DF     郷石  護巻

 

MF 神山  合川  猪狩  五味

 

FW 御戸  後藤  伍代  聖城

 

雷門

4-1-3-2

F-ライトニング

 

FW     剣城  大海

 

MF   上原  松風  桜坂

 

ボランチ      高咲

 

DF 近江  霧野  三船  ヴェルデ

 

GK       三国

 

観客が見守る中、審判のホイッスルと共に後半戦が始まった。しかしドラゴンリンクの力はやはり凄まじく、開始5分であっという間に3点を奪われ2-4と逆転されてしまったんだ···。

 

そして雷門2点ビハインドで雷門ボールのキックオフから試合再開。ボールは侑渡り、ドリブルで攻め上がる。

 

後藤・伍代:「「【精鋭兵ポーンw】!!!!」」

 

FWの二人が化身を発動してディフェンスに入る。二人は化身を操り、侑に拳の連打の雨で攻撃し吹き飛ばしてボールを奪おうとする。·····しかし、

 

侑:「同じ手で3点取られちゃったからね······4度目はっ、無いよ!!!!!」

 

侑はこのディフェンスを完璧に見切り拳をスルスルと掻い潜り二人を突破した。

 

後藤:「っ!! ほう?」

 

伍代:「中々やるなアイツ·····」

 

侑:「天馬くん!!!」

 

そして侑は前線の天馬へと縦のセンタリングを入れる。ボールは天馬に渡り、受け取った天馬はシュート体勢に入る。

 

天馬:「[超・マッハウィンド]!!! 行けぇえええええっ!!!!」

 

天馬の風を纏った音速の弾丸シュートがドラゴンリンクゴールに迫る。しかし·····

 

大和:「来い!! 【賢王キングバーンw】!!!!!」

 

千宮路大和は化身を発動。そして、

 

大和:「[― キングファイア ―]!!!!!

 

【キングバーン】の両手から放出された大火炎がシュートを消し炭にして完璧に止めた。

 

大和:「ハハハハッ!!! これが俺の化身、【賢王キングバーンw】だ!!!」

 

天馬:「何てパワーだ······あの技を破るには··「松風!! あの技を使うぞ!!!」··っ!! 分かった!!!!」

 

竜太:「皆!! 天馬と剣城にボールを集めるぞ!!!」

 

雷門:『『『了解!!!!』』』

 

大和:「何をしようとムダだ!! 神山!!!」

 

千宮路のゴールキックからボールは神山に飛び、歩夢先輩との競り合いになる。が、明らかに歩夢先輩がパワー負けしている。

 

神山:「どうしたぁ? 押し返して足止めで精一杯かぁ? そんなんで競り合いに勝てるかよ!!!」

 

歩夢:「ううん。私()勝つ必要は無いの······」

 

神山:「? ·····っ!?」

 

天馬:「歩夢先輩!!!」

 

神山:「松風!? くっ····「させないよっ!!!」この女!! 俺を足止めする為だけに全力を!?」

 

歩夢:「私が勝つ必要なんかどこにもない!! 勝つのは·····私()()だよっ!!!」

 

ボールは天馬が取り、そのままドリブルで上がる。そこに郷石がスライディングを仕掛ける。

 

郷石:「貰った!!!」

 

天馬:「っ!! 剣城!!!」

 

天馬はスライディングをジャンプで躱して剣城にパスを出す。

 

剣城:「行くぞ松風!!!!」

 

天馬:「うん!!!」

 

剣城・天馬:「「[ファイアトルネードDD]!!!!!!」」

 

天馬と剣城の完璧にシンクロした動きから繰り出された必殺シュートがドラゴンリンクゴールを襲う。

 

大和:「ムダだ!! 【賢王キングバーンw】!!!!!」

 

千宮路は化身を呼び出し技を放つ。

 

大和:「[― キングファイア ―]!!!!!

 

【キングバーン】の大火炎がシュートを飲み込む。が、

 

大和:「······? ···っ!? 何!?」

 

[ファイアトルネードDD]の圧倒的な回転力が巻き起こす旋風が、[― キングファイア ―]の炎を巻き取り自身の炎に吸収していく。[ファイアトルネードDD]の威力は[― キングファイア ―]を受けるほど逆にどんどん威力が上昇していき、

 

大和:「ぐっ!! うわぁあああああっ!?」

 

ドラゴンリンク:『『『なっ!!?』』』

 

千宮路を吹き飛ばし、シュートはゴールに突き刺さった。

 

王将:「なんとーーーーー!! ここで[ファイアトルネードDD]の発動だぁああああっ!!! あの豪炎寺修也が日本代表の試合で、大海龍也とともにたった一度だけ放った幻の必殺シュート!! 高校サッカーで、この技を使える者がいるとは驚きだーーーーー!!!!」

 

円堂:「[ファイアトルネードDD]は、二人同時に[ファイアトルネード]を撃つ事で、回転力と威力を極限まで高めて爆発力を引き上げる必殺シュート。パートナーとの呼吸が完璧に合わないと決して成功しないレベルの高い技なんだ」

 

鬼道:「天馬と剣城、二人がお互いの動きを完璧に理解し、合わせることのできる身体能力に達していたから出来た芸当だ」

 

海未:「いつの間にか、あそこまでのレベルになっていたんですね······」

 

― ドラゴンリンク(聖堂山)ベンチ ―

 

千宮路:「やっと分かったよ。お前が以前、何故サッカー界での己の地位を全て投げ捨て、私の配下になったか。お前はフィフスセクターからサッカーを守る為に私に近づいて機会伺い、この革命を仕組んだんだな」

 

イシド(豪炎寺):「······サッカーは私の恩人なんです。サッカーが無ければ、今の私はありません!!! 私だけじゃない·····あの頃の俺たちは、皆サッカーに救われたんです。······だが今のサッカーでは、誰も救う事は出来ない!!!! だから私は、全てを投げうってでも、サッカーを取り戻すと決めた!!!!!」

 

千宮路:「お前·····そこまで······」

 

野坂:「豪炎寺さん、サッカーを辞めるつもりではありませんよね? そんなことは許しませんよ、僕も、円堂さんも、大海さんも、それにあの天馬くんと竜太くんだって······雷門は必ず勝ちます。勝って本当のサッカーを取り戻してくれる筈です」

 

 

雷門 3 - 4 ドラゴンリンク

 

― 続く  ―




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第144話:逆襲!!

天馬と剣城の必殺シュート、[ファイアトルネードDD]が千宮路の化身技を撃ち破り3-4と点差が縮まり沸く会場。しかしドラゴンリンクからしたらたまった物では無い。

 

大和:「クソッ·····!!!! まさか俺の【賢王キングバーン】が破られるなんて·····!!!!!」

 

神山:「切り換えろ大和、あの二人にシュートを撃たせなければ済む話だ」

 

そしてドラゴンリンクボールのキックオフから試合再開。ボールは聖城に渡り、FW4人が全員化身を発動する。

 

御戸・後藤・伍代・聖城:「「「「【精鋭兵ポーンw】!!!!!!!」」」」

 

4人全員まったく同じ化身を発動。同じチーム内でここまで化身が被るか普通?

 

そして聖城は化身を発動したままドリブルで攻め上がる。しかしそこにしずくがディフェンスに入る。

 

しずく:「止めます!! [ザ・ミュー······「邪魔だ!! [― マシンガンビート ―]!!!」っ!! きゃぁあああああっ!!!」

 

竜太:「しずく!!!!」

 

聖城の化身の拳の連打を喰らい吹っ飛ぶしずく。しかし何とか立ち上がる。

 

エマ:「止めるよ栞子ちゃん!!!」

 

エマ・栞子:「「[ランサーレインズ・G2]!!!!!」」

 

聖城:「そんな技!!! [― マシンガンビート ―]!!!!

 

【ポーン】の拳の連打で降ってくる鉄槍を次々と弾き飛ばしていく聖城。しかし全て防ぎきる事が出来ずに一本の槍が【ポーン】の胴体を貫通し【ポーン】は消滅。エマはボールを奪った。

 

エマ:「侑ちゃん!!!」

 

ボールは侑に渡り、合川と猪狩が化身を発動して止めに入る。

 

合川・猪狩:「「【鉄騎兵ナイトw】!!!!!」」

 

またしても化身が被ってるし·····ってあの化身、木戸川清修の滝兄と同じ化身····そう言えばFWが発動した【ポーン】は白恋の木瀧と同じ化身だ。

 

そして侑が【ナイト】2体に化身を発動せずに生身で突っ込む。しかしやはり侑に心配など要らず、

 

侑:「《天帝の眼(エンペラーアイ)》!!!!!」

 

侑の眼は化身のディフェンスの動きを読みきり、あっさりと突破した。

 

侑:「歩夢!!!!」

 

そしてボールは歩夢先輩に渡る。

 

歩夢:「天馬くん!! しずくちゃん!! 行くよ!!!!」

 

天馬・しずく:「「はい!!!」」

 

郷石:「(ん? 剣城が行かない····と言うことは)大丈夫だ!!! [ファイアトルネードDD]じゃない!!!」

 

郷石の言葉にドラゴンリンクの警戒が僅かに緩む。否、()()()()まっ()()

 

3人が同時に跳び上がり、天馬としずくが交互にボールを蹴り上げてエネルギーをチャージし、それを歩夢先輩が踵落としで下に落とす。ボールには今にも大爆発を起こしそうなエネルギーがチャージされ、それを3人のトリプルシュート

 

歩夢・天馬・しずく:「「「[ビッグバン・G2]!!!!!」」」

 

しずく:(痛っ!!)

 

ドラゴンリンク:『『『なっ!?』』』

 

3人のシュートが千宮路に襲い掛かる。千宮路は化身で対抗する。

 

大和:「これ以上入れさせるか!!! 【賢王キングバーンw】!!!!!」

 

【キングバーン】を発動。化身技の体勢に入る。

 

大和:「[― キングファイア ―]!!!!!

 

【キングバーン】の両手から放出される大火炎がシュートを飲み込む。しかし[ビッグバン]の爆発力が[― キングファイア ―]の火力を上回りシュートはゴールに突き刺さった。

 

観客が静まりかえる。しかし次第にポツポツと声が上がり、それが一気に大歓声に変わる。

 

王将:「ゴォオオオオオオオルッ!!! 雷門追い付いたーーーーっ!! しかも今のシュート技は、22年前の伝説のイナズマジャパンメンバー、「矢澤にこ」、「鬼道有人」、「綺羅ツバサ」が世界大会決勝でゴールを奪った究極奥義、[ビッグバン]だーーーーー!!!」

 

まだ鳴り止まない歓声。観客たちは、"生で凄い物を見てしまった"、"今日スタジアムに来なかったヤツ絶対損だ"と大興奮。

 

竜太:「ナイシュ3人共!!」

 

歩夢・天馬:「「うん!!」」

 

アナウンス:「選手の交代をお知らせします。雷門高校、

6番、上原歩夢さんに代わりまして、16番、宮下愛さん。

13番、桜坂しずくさんに変わりまして、11番、朝香果林さんが入ります。」

 

しずく:「後は頼みます果林さん·····」

 

果林:「任せて。しずくちゃんの想いは私が引き継ぐわ!!」

 

歩夢:「愛ちゃん頼んだよ!!」

 

愛:「りょ~かい!!! 4-4の同点で残り時間13分、これ以上無い燃えるシチュエーションだね!!!」

 

雷門

 

フォーメーションチェンジ

 

FW   剣城  大海  朝香

 

MF   宮下  松風  高咲

 

DF 近江  霧野  三船  ヴェルデ

 

GK       三国

 

 

 

雷門 4 - 4 ドラゴンリンク

 

― 続く ―




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第145話:あの"親"にしてこの"子"あり

ついに雷門が同点に追いつき焦るドラゴンリンク。ドラゴンリンクボールのキックオフから試合を再開し、ボールは後藤へ渡る。すると後藤は自身の化身、【精鋭兵ポーンw】を発動。ドリブルで攻め上がる。しかしそこに天馬と愛さんが2人掛かりでディフェンスに入る。

 

天馬:「来いっ!! 【魔神ペガサスアーク・零式】!!!!」

 

愛:「【楽しいの天才サイコウ・四式】!!!!」

 

2vs1で化身が対峙する。後藤は【ポーン】の化身技、[― マシンガンビート ―]で突破を図るが天馬と愛さんは左右の2手に別れて挟み撃ちで同時攻撃を掛ける。

【ポーン】は【ペガサスアーク】を殴り飛ばしたが、背後から【サイコウ】の一撃を喰らい消滅。愛さんがボールを奪いドリブルで攻め上がる。

 

神山:「行かせるかよ!!! 【魔宰相ビショップw】!!!!」

 

ディフェンスに入った神山が化身を発動。化身技を放つ。

 

神山:「[― ダークスペース ―]!!!!

 

暗闇に呑まれてボールを奪われる愛さん。神山からボールは御戸に飛び、受け取った御戸はドリブルで攻め上がる。しかし彼方が止めに入る。

 

御戸:「後藤!!!」

 

彼方:「絶対に行かせないよ~っ!!!!」

 

しかし、ここでドラゴンリンクはかつての親父にとって、―― 今も ――最悪の思い出の技を放つ。かつての世界大会決勝の前に、母さんに大怪我を負わせた技·····

 

彼方:「[スリ~ピぃ····

 

御戸・後藤:「「[地獄車]!!!!」」

 

バキャァアアアアアアッ!!!

 

吹き飛ばされた彼方は、意識はあるが、足を押さえてピクリとも動かない。いや、動けない。

 

竜太:「っ······つぁ·····あっ······か····彼方ァァアアアアああああああああああああああああああああっっ!!!!!!!!!!!!

 

審判が笛を吹き彼方の様子をチェックする。ベンチから皆も出てきて彼方に声を掛ける。

 

審判:「足が腫れ上がってる·····これではこの子に試合続行は無理ですね·······」

 

円堂:「仕方ない、天城!! 近江と交代だ!! 準備しろ!!」

 

天城:「は、はい!!!」

 

そして彼方は担架でフィールドの外へ運ばれ、代わりに天城先輩が入る。

 

アナウンス:「選手の交代をお知らせします。雷門高校、

4番、近江彼方さんに代わりまして、2番、天城大地くんが入りました。」

 

龍也:(竜太········大丈夫か?)

 

審判の再開の笛で雷門のキックから試合再開。ボールは天馬に渡るが、合川と猪狩が止めに入る。

 

天馬:「(っ!! 寄せが速い!!)「天馬!! 寄越せ!!」っ!! 竜太!!!」

 

俺にボールが渡り護巻がディフェンスに入る。

 

護巻:「行かせるか!!! ·······? っ!! ボールは何処だ!?」

 

護巻が気付いたときには既にボールは俺の足元には無かった。ボールは――――――

 

ボグシャァアアアッ!!!!

 

護巻:「かっ···はっ····オヴェエエエエッ!!!」

 

――――ボールは護巻の鳩尾に直撃。護巻の肺の中から一気に空気を追い出し、膝を付き吐く護巻。転がったボールは再び俺の足元に。

 

猪狩:「護巻!? 野郎!!!!」

 

猪狩が目を血走らせてボールを奪いに来る。

 

竜太:「·········死ね。ボソッ [極・ジャッジスルー]!!!!」

 

猪狩:「ガぁっ!!!」

 

審判からは陰に隠れるように猪狩の腹にボール越しに蹴りを叩き込む俺。観客はザワついてるがまぁ良いさ。

 

合川:「っ!! このっ!!!」

 

次は合川が向かって来る。だが、

 

グシャアッ!!!

 

合川:「ぐあぁあああああっ!!!!」

 

ボールは合川の顎に直撃し倒れる合川。しかし俺の頭は罪悪感など認識していなかった。

 

果林:「竜太止めなさい!!! 試合がメチャクチャになるわ!!!」

 

―― 雷門ベンチ ――

― 彼方side ―

 

彼方:「うっ·····うぅぅ······竜太···くん··」

 

足が痛くて意識が朦朧とする····周りの声で理解できる。竜太が、私がやられて復讐を始めたんだって······。

 

グググッ

 

何とか上体を起こしてフィールドを見る。1人、また1人と、ドラゴンリンクの選手が竜太によって倒されていく。このままじゃあ········

 

彼方:「くっ····、痛っ!!」

 

せつ菜:「彼方さん!? 安静にしてないと!!! 「平気····」でも·····」

 

フィールドを見ると、竜太が、大暴れしていた。あんなの、竜太じゃないよ。私が今····すべきことは!!!

 

彼方:スゥウウウウウ「竜太ぁああぁぁああああぁぁぁあああああああああああああああああ!!!!!!!!

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――

 

竜太:ピクッ

 

俺は彼方の声が耳に入り雷門ベンチを見る。彼方は目に涙を浮かべて首を横に振る。彼方の眼は、"私はそんなこと望んで無い。いつもの彼方ちゃんが大好きな、優しい竜太に戻って!!!"と言っていた。その瞬間、俺の炎は鎮火し、頭が冷える。

 

天馬:「竜太······?」

 

恐る恐る天馬が俺の名を呼ぶ。

 

竜太:「············スッ」

 

俺は右手をグーにして俺の頭の横に持ってきて·······

 

ボグシャァアアアッ!!!!!!

 

雷門・ドラゴンリンク・観客:『『『!? !? !? !?』』』

 

自分の顔を思い切り殴った。そして天馬や皆に頭を下げる。

 

竜太:「スミマセン······頭冷えました」

 

果林:「全く!! 何をやってるの貴方は!!! (彼方が叫んで無かったら今頃······)」

 

果林がベンチの方をチラッと見る。はぁ、俺何やってたんだろ······

 

侑:「雷門のサッカーは"正々堂々全力勝負"!!!! 忘れてないよね!?」

 

竜太:「スミマセン·······」

 

愛:「よし!! 竜太も元に戻ったし、残り時間も少ないし、決勝点取って絶対優勝するよ!!!」

 

雷門:『『『おう!!!!』』』

 

 

 

 

護巻:「ぐっ、あの野郎·····」

 

神山:「ったく、御戸と後藤のせいでえらい目に遭ったぜ·····」

 

後藤:「んだと!? 俺たちのせいだってのか!? アイツが仲間を傷つけられるのが我慢出来ないのはデータで分かってたが、まさか雷門の選手が彼処までするなんて思わねぇだろ!!!」

 

大和:「止めろ!!!!」

 

郷石:「っ!! 大和·······」

 

大和:「俺たちは負ける訳には行かねぇんだ!! 仲間割れしてる場合じゃねぇ!!! 必ず勝つぞ!!!!」

 

ドラゴンリンク:『『『っ!! おう!!!!!』』』

 

 

 

雷門 4 - 4 ドラゴンリンク

 

― 続く ―




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第146話:決勝戦決着!!!

俺が暴走したせいで混乱しかけた試合会場だが何とか落ち着きを取り戻し、センターサークル付近からドラゴンリンクのキックで試合再開。合川のキックからボールは後藤へと飛び、愛さんとの競り合いになる。

 

ガッ! グイッ! ガキッ!!!

 

後藤:(っ!! コイツ本当に女なのか!?)

 

愛:「やぁああああああっ!!!!」

 

ドガァアアアアッ!!!!!

 

愛さんは空中で後藤に身体をぶつけて弾き飛ばし、ボールを奪取しドリブルで攻め上がる。

 

合川:「行かせるか!!! 【鉄騎兵ナイトw】!!!!!」

 

ディフェンスに入った合川が化身を発動。しかし愛さんも化身で対抗する。

 

愛:「はぁあああああっ!!!! 【楽しいの天才サイコウ・四式】!!!!」

 

【ナイト】と【サイコウ】の化身バトルが発生。【ナイト】が右腕の砲身からレーザーを連射するが、【サイコウ】はそれを全て掻い潜りがら空きの懐に飛び込み左拳で【ナイト】のボディをアッパーで突き上げる様にぶん殴る。合川は【ナイト】と共に吹き飛ばされ、愛さんは突破に成功。

 

大和:「ディフェンスラインを固めろ!!!」

 

ドラゴンリンク:『『『おう!!!!!』』』

 

千宮路の指示で神山、郷石、護巻、猪狩の4人がディフェンスを固めて4人共化身を発動する。

 

神山:「【魔宰相ビショップw】!!!!!」

 

郷石:「【番人の塔ルークw】!!!!!」

 

護巻:「【魔女クイーンレディアw】!!!!」

 

猪狩:「【鉄騎兵ナイトw】!!!!!!」

 

4体の化身が愛さんの進路に立ち塞がるがそこに俺と侑も合流。残り時間は·····後1分!!!

 

大和:「止めてカウンターだ!! 気を抜くなよ!!!!」

 

愛:「私たちは絶対に勝つ!!! 勝ってサッカーを取り戻す!!! 行くよリュウ!! ゆうゆう!!」

 

俺、愛さん、侑が3人でシュート体勢に入り、ボールの周りを反時計回りにグルグルと走り回り風圧で竜巻が起きボールが浮かび上がる。

 

竜太・侑:「「[ジェット·······

 

愛:·····ストリィイイイイムッ・G2]!!!!!!」

 

3人の3方向からの同時キックでボールをシュートする。ボールはゴールまで伸びた竜巻の目に沿いながらどんどん威力を増して突き進んで行く。しかし化身を発動した4人が止めに入る。·····が、

 

[ジェットストリーム]の威力、勢い、風圧に4人共呆気なく吹き飛ばされ地面に叩きつけられた衝撃で化身は消滅した。

 

大和:「お前ら!! くそっ!!! 【賢王キングバーンw】!!!!!!」

 

千宮路も化身を発動。化身技を発動する。

 

大和:「何としても止めてやる!!! [― キング···ファイアアアッ ―]!!!

 

【キングバーン】の大火炎がシュートを飲み込む。しかし[ジェットストリーム]と[― キングファイア ―]の威力は、完全に拮抗。そしてお互いに技の威力が下がり始める。が、必殺技である分、[ジェットストリーム]の方が威力の下降が大きい。

 

大和:(よしっ!! 止めた!!!!)

 

千宮路が勝ちを確信したその瞬間、

 

ギュゥウウウウ······ドゴォオオオオオオオッ!!!!!!!!

 

大和:「なっ!? 急にパワーが!?」

 

元の威力を超える程の爆風を纏い復活した[ジェットストリーム]。時間経過により威力が衰え始めていた[― キングファイア ―]では止められる筈もなく、シュートはゴールに轟音と共に突き刺さった。

 

観客は一気に沸き上がり場内騒然。そりゃそうだ。だってこの技は·······

 

王将:「ゴォオオオオオオルッ!!!! 何と雷門、[ファイアトルネードDD]、[ビッグバン]に続き、[ジェットストリーム]までも発動!!! 日本を世界一に輝かせた伝説のシュート技の数々を、まさか高校生が使えるとはーーーーーーっ!!!!」

 

そして、

 

ピッ、ピッ、ピィイイイーーーーーッ!!!!!

 

ここで、決勝戦終了のホイッスルが鳴った。

 

 

 

雷門 5 - 4 ドラゴンリンク

 

― 試合終了 ―

 

― 続く ―




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革命編完結まで、後2話。


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第147話:閉会式

ピッ、ピッ、ピィイイイーーーーーッ!!!!

 

試合終了のホイッスルがスタジアムに鳴り響き、俺たちは得点板を見る。

 

〔雷門 5 - 4 ドラゴンリンク〕

 

竜太:「··············勝った·····~~っ!!! 勝ったぞぉおおおおおおおおおおっ!!!!!!!!

 

俺の雄叫びと共に、スタジアムが大歓声に包まれ、ベンチから皆が飛び出して来る。

 

しずく:「竜太くん!! 天馬くん!!! 私たちが勝ったんですよ!!!!!」

 

せつ菜:「アナタたち最高です!!!!!」

 

果林:「勝ったのよ!! 私たちが·····サッカーを取り戻したのよ!!!!」

 

俺たちが喜びに沸く中······

 

 

― ドラゴンリンクベンチ ―

 

千宮路:「敗けたか········」

 

大和:「すまねぇ·····親父·····っ!!!」

 

千宮路:「·······いや、謝るのは私の方だ。私は今まで勝てるならどんな物でも嬉しいだろうと思っていた。だが私は、今の彼らの様な、純粋な····心からの笑顔を···奪ってしまっていたんだな········」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドラゴンリンクのベンチを見ると、選手と千宮路さんが俺たちの方を見ている事に気付き、俺と天馬は千宮路さんに駆け寄る。

 

天馬:「千宮路さん······」

 

千宮路:フッ「敗けたよ。おめでとう。私は····君たちから·····「あっ、そういうのは良いんで」え?」

 

竜太:「千宮路さんだって、自分なりにサッカーが好きだからフィフスセクターを作ろうと思ったんでしょ? "サッカーが好き"って気持ちがあるんだから、これからどうサッカーと向き合うか考えて下さい。」

 

千宮路:「フッ、ははははははははは!!!! サッカーは、本当に幸せ者だな。これ程多くの人々や、君たちの様な子供たちに、愛されて来たのだからな········」

 

天馬:「千宮路さんだって、サッカー好きなんでしょ? その気持ちは、ずっと大切にしてくださいね!!!」

 

大和:「お前ら·······」

 

竜太:「な~にもう終わった見たいな顔してんだ? またやろうぜ、いつでも相手してやっから。千宮路さん、前に俺たち言いましたよね。一緒にサッカーするんだったら、"サッカー好きな人は大歓迎"って」

 

千宮路:「·····君たちには敵わないな。ありがとう。なら、今度やるときは、ウチが勝たせてもらうぞ?」

 

天馬・竜太:「「挑むところです!!!」」

 

かすみ:「天馬く~ん!! 竜太く~ん!! 何してるんですかぁ?」

 

せつ菜:「閉会式始まりますよ~?」

 

千宮路:「ほら、仲間が呼んでるよ? 行ってきなさい」

 

竜太・天馬:「「はい!!!!」」

 

 

 

 

神山:「何か、完璧に敗けた感じだな」

 

大和:「ああ」

 

 

 

 

そして俺たちは、共に闘った仲間たちと言葉を交わす。

 

――――3年生

 

天城:「俺たちが、サッカーを取り戻したんダド!! 諦めないで頑張ってきて、本当に良かったド!!!」

 

エマ:「私、このチームでサッカーが出来たこと、絶対に忘れない!!! 日本に来て本当に良かった!!!」

 

果林:「泣いてないわよバカ!!! けど、これで思い切りサッカーできるのね·······」

 

三国:「天馬!! 竜太!! ありがとう!!! お前たちは本当に最高だ!!!!!」

 

 

――――2年生

 

霧野:「これでもう、管理されるサッカーは終まいだ!! 天馬、竜太!! ありがとう!!」

 

浜野:「ちゅーか、これで皆で笑ってサッカーできるんだよな!? それって最高じゃん!!!」

 

歩夢:「私、諦めずに頑張ってきて、本当に良かった!!!」

 

侑:「歩夢、やったね!!」

 

愛:「皆~!!! ざいごうだよ~~!! ズビッ(号泣)」

 

せつ菜:「愛さん·····でも····私も本当に嬉しいですぅうううううっ!!!!(号泣)」

 

そして――――1年生

 

剣城:「フッ、どうやらお前たちは俺が思っていた以上にとんでもない奴らだった様だ」

 

栞子:「私の役目も終わりましたし、これでお役ゴメンですかね······「何言ってんだ!! 寧ろこれから俺たちのサッカーの始まりだろうが!! これからも宜しくな!! 栞子!!」っ······どうやら、まだ終わらないみたいですね フフッ (竜太さん、ありがとうございます)」

 

輝:「天国には居ないかもしれないけど·····叔父さん、見ててくれたかな······」

 

しずく:「私の努力、無駄にならなくて済みました····これからももっと努力して、絶対にもう一度日本一になります!!!」

 

かすみ:「ムゥ·····決勝戦出られませんでしたぁ·····でも、これはここに至るまでの試合に出場した皆で勝ち取った物ですからね。かすみんも日本一のチームのメンバーであることは変わりません!!」

 

璃奈:「私、雷門に入って良かった!! 皆と出会えたこと、私の一生の宝物!!!」

 

信介:「僕も!! 天馬!! 竜太!! やったね!!!」

 

そしていよいよ、閉会式が始まる。

 

王将:「それではこれより、インターハイ閉会式を始めます!! 聖帝選挙の結果により、新たな聖帝となられました、「響木正剛」氏より、挨拶をいただきます。どうぞ」

 

会場中が見守る中、響木さんが壇上に上がる。

 

響木:「えーーコホン。サッカーは、平等な物などではありません」

 

観客:『『『『『『え!?!?!?』』』』』』

 

会場中がざわつくが、これまでの試合を全力で戦って勝ち抜いてきた俺たちには意味が分かっていた。

 

響木:「必死に練習を積み重ね、本番で力を発揮できた者が勝利を手にし、力を出しきれなかった者は敗北に涙する。そこにあるのは、平等などではない。非常にシビアで、辛い現実である。しかし、だからこそ皆、勝利を目指し必死に練習し、その過程で心と身体が強くなり、共に戦う仲間の大切さに気付くことができる。本来サッカーとはそういうものです」

 

会場の人たちは静かに話を聴いている。かつてのサッカーを思い出す様に。

 

響木:「ここに、フィフスセクターの解散を宣言します!! 少年少女たちよ、サッカーを自由にプレーしてください!!!!」

 

そして、割れんばかりの拍手に包まれ閉会式は終了し、俺は帰りのバスに乗る前、彼方とエマを、スタジアム裏に呼び出した。

 

― 次回、第1章最終話 ―

 

 

― 続く ―




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第1章最終話:戦いの終わりと新たな始まり

決勝戦に勝利し、見事日本一の栄冠を手にした俺たち雷門。閉会式も終了し、後はバスで学校に戻るだけなのだが、俺は彼方とエマをスタジアム裏に呼び出していた。因みに足をケガしている彼方は車椅子を借りて使っている。千宮路さんがそのくらいはさせてくれと言ってくれたのでお言葉に甘える事にした。

 

竜太:「悪い、時間とらせて········」

 

彼方:「大丈夫だよ~? じゃあ·····返事聞かせて?」

 

エマ:「·························」

 

エマは黙って俺を見つめている。俺が意を決して口を開くと、

 

エマ:「待って······」

 

? 出鼻を挫かれ俺が戸惑ってエマを見ると、

 

エマ:「竜太くんは、彼方ちゃんが好きなんでしょ?」

 

!!!

 

竜太:「な、何で······」

 

エマ:「さっきの試合見てたら、事情を知ってたら誰だって気付くよ·····。気付きたく無かったけど、気付いちゃった········」

 

エマの目から、一筋の涙が流れる。俺は、声をかけることが出来なかった。

 

竜太:「··················」

 

エマ:「あ~あ·····私の初恋·····終わっ···ちゃった······」ヒッグ グスッ

 

竜太:「ごめん······」

 

するとエマは、涙を流して俺に抱き付いて来た。

 

竜太:「っ!?」

 

エマ:「ゴメン······少しだけ···このままでいさせて?」

 

竜太:「うん」

 

エマは俺の胸に顔を埋めて泣く。彼方は無言でエマを見つめていた。俺は、エマを抱き締める様な残酷な事はせず、ただそのまま胸を貸して突っ立ってる。そして5分程たち、

 

エマ:「ありがとう······ゴメンね?」

 

竜太:「良いって。エマは何も悪いことしてないだろ?」

 

エマ:「アハハハハハ。それじゃあ、これからは普通に先輩後輩だね?」

 

竜太:「はい·····先輩!!」

 

エマ:「呼び方は今まで通りが良い!!!」

 

竜太:「ええっ!? さすがにもう····「そうしてあげて?」····彼方···分かった。エマ!!」

 

エマ:「ありがとっ!! じゃ私は戻るね」

 

そしてエマは皆の元へと戻り、俺と彼方だけが残る。

 

竜太:「悪い·····ずっと待たせて」

 

彼方:「ううん。寧ろちゃんと答えを出してくれて良かったよ~。エマちゃんのことも、あれならまぁ及第点かな?」

 

良かった。一応合格貰えたみたいだ。

 

竜太:「じゃあ改めて······彼方、俺の····彼女になって下さい!!!」

 

彼方:「アハハ·····やっぱり···照れるな~//// はい····。こちらこそ、宜しくね?」

 

そして俺は、車椅子に座る彼方を抱き締める。彼方も抱き締め返してきて、そっと唇を重ねた。

 

 

 

 

 

?:「ちょっと押すなって!!!」

 

?:「三国くん退きなさいよ!!」

 

?:「俺も見たいんだよ!!!」

 

ん?

 

霧野:「あっ、気付かれた!!!」

 

見ると皆が勢揃いして覗いていた。

 

彼方:「っ//////」ボシュ~~ッ

 

竜太:「皆さん揃って覗き見ですか!?(怒)」

 

かすみ・愛:「「こんなビッグイベント見過ごせる訳ないでしょ!?」」

 

竜太:「逆ギレすんな!!!!」

 

葵:「まぁまぁ、竜太くん、彼方先輩、おめでとうございます」

 

水鳥:「幸せにな!!」

 

茜:「写真にしっかり収めた」

 

竜太:「おいいいいいいいいっ!? 今すぐ消去しろぉおおおおおおおおっ!??!」

 

天馬:「じゃあそろそろ帰ろ····「ポンッ」な、何? 竜太?」

 

竜太:「逃がすか!! お前も空野に告白しろ!!!」

 

葵:「っ/////////」

 

天馬:「え、え~っと·····」ダッシュ

 

天馬はそっと後退りしてダッシュで逃げた。

 

せつ菜:「私から逃げきれると思ってるんですか!?」ダッシュ

 

侑:「行けーー!! せつ菜さん捕まえろーーーーー!!!」

 

彼方:「アハハハハハッ!!! じゃあ彼方ちゃんもしっかり足を治して、冬の選手権に向けて練習だぜ~~っ!!!」

 

竜太:「おう!!!」

 

剣城:「おい、帰るぞ」

 

竜太・彼方:「「おう(うん)!!!!」」

 

こうして、ここから新たな日々が幕を開ける。

 

 

― 第1章 インターハイ編・完 ―

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

200年後、某所

 

?:「議長、これが本来の歴史です。」

 

?:「ふむ、円堂守と大海龍也、そして松風天馬と大海竜太。この4人がサッカーの歴史を担ったのか·······。それではこれより、修正を開始する。」

 

 

 

新たな暗雲が、立ち塞がろうとしていた。

 

― 第2章 クロノ・ストーン編 ―

 

―― 続く ――




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第2章:クロノ・ストーン編
第1話:サッカーが消えた!!


―― 天馬視点 ――

 

俺たち雷門がインターハイを制して1ヶ月。俺たち雷門のメンバーはすっかり心を改めた千宮路さんの依頼で、日本各地の小学校にサッカー特派員として一人一人バラバラに配属され、子供たちにサッカーの楽しさを教えていた。そして俺が配属されたのは·········

 

子供1:「おーい!! 天馬さーん!!!」

 

子供2:「こっちこっち!!」

 

天馬:「うん!! 今行く!!」

 

俺が配属されたのは俺が小さい頃に住んでいた沖縄。そして今日が最終日で明日の船で東京に帰る。

 

?:「天馬くん!!」

 

天馬:「あっ!! 花林(はなばやし)先生!!」

 

花林:「早いものね·····天馬君が来てくれてもう1ヶ月か。明日の船で帰るのよね?」

 

天馬:「はい!! 俺も楽しかったです」

 

この1ヶ月、子供たちとサッカーしててつくづく俺たちが管理サッカーを終わらせて良かったと思った。これでこの子達が高校生になった時、苦しまずに済むから。

 

子供1:「天馬さーん!!」

 

天馬:「よし!! サッカーやろう!!」

 

そして期間を終えた俺は、船で稲妻町に帰ってきた。

 

 

―― 雷門高校 ――

 

天馬:「着いた!! 久し振りの雷門だ!!!」

 

しかし、俺が学校に入ると、すぐに異変に気付いた。

 

天馬:「あれ? グラウンドが野球のグラウンドになってる·······もしかしてサッカー部の場所変わったのかな?」

 

そして俺が円堂監督たちの時代に使われていた「旧サッカー部室」の脇を通ると、

 

天馬:「あれ!? 部室の看板が無い!! まぁぼろぼろだったし、修理にでも出したのかな?」

 

そして俺は校舎を抜けてサッカー棟に入り、練習場のドアを開ける。

 

天馬:「皆ただいま!! ってあれ!? バスケのコートになってる!!」

 

俺はおかしいと思ったが、事情を把握する為に近くのバスケ部員に声を掛けた。

 

天馬:「あの、すみません」

 

バスケ部員:「ん? 何だお前?」

 

天馬:「サッカー部場所変わったんですか?」

 

バスケ部員:「は? サッカー部? 何言ってんだ? 雷門にサッカー部なんか()()だろ?」

 

天馬:「え? 何言ってるんですか····? 1ヶ月前に雷門のサッカー部インターハイで優勝したじゃないですか!!」

 

バスケ部員:「だからサッカー部なんか無えって!!!」

 

俺は、訳が分からなくなってとりあえず外に出る。するとピアノの音が聞こえてきた。

 

天馬:「この曲!! 神童キャプテンが弾いてた曲だ!!!!」

 

俺は急いで音楽室に向かった。

 

― 音楽室 ―

 

やはりキャプテンがピアノを弾いていた。キャプテンなら何か知ってるかも!!!

 

天馬:「神童キャプテン!!」

 

神童:「? キャプテン? 俺がか?」

 

天馬:「あっ、そういえば今は俺と竜太がキャプテンでしたね·····。それより、サッカー部に何かあったんですか?」

 

神童:「何かあるもなにも、雷門には、サッカー部なんか無いじゃないか。「えっ? じ、冗談ですよね?」俺は、「()()()」の神童拓人だが?」

 

天馬:「う、嘘ですよね?」

 

神童:「転入生なのか? 残念だが、サッカーがやりたいなら他の学校に行くしか無いな。」

 

俺は······一体なにが起こってるのか分からず、サッカー部の皆の所に向かった。

 

 

 

霧野:「悪い、サッカー興味ないんだ」

 

天城:「ダド」

 

 

 

 

 

浜野:「サッカー? 俺は釣りの方が好きだけど····」

 

 

 

 

 

輝:「サッカー部? 知らないけど」

 

 

 

 

三国:「部活なら相撲部に来い!! いつでも入れてやる!!」

 

 

― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―

 

天馬:「一体どうなってるんだ? 皆がおかしいだけじゃない····果林先輩やしずくたち女子メンバーがどこにもいない······ん? あっ!! 信介!!!」

 

信介が走って行くのを見かけ、俺は急いで追いかけた。が、

 

 

信介:「僕、卓球部の西園信介!! 君1年だよね!? 卓球部に入らない!?」

 

 

ええええええええええっ!?!?!?

 

 

俺はとりあえず校門から外に出ると、

 

生徒1:「なぁ!! 駅前で虹ヶ咲のスクールアイドルがライブやってるんだってよ!!」

 

生徒2:「マジか!! うぉおおおお!! せつ菜ちゃーーーん!!!」

 

天馬:「せつ菜先輩!? いや、でも虹ヶ咲って······」

 

 

 

俺がその人たちを追いかけると、駅前でアイドルの様な衣装を着た

歩夢先輩、愛先輩、せつ菜先輩、果林先輩、彼方先輩、エマ先輩、

そしてかすみ、しずく、璃奈、栞子の10人が歌って踊っていた。しかもカメラをまわしてるの侑先輩!!!

 

 

天馬:「あ、あの!!」

 

観客:「ん? なに?」

 

天馬:「あの人たちって······」

 

観客:「知らないの? お台場にある虹ヶ咲学園って学校のスクールアイドル同好会だよ。皆かわいいよな!!」

 

天馬:「えっ!? あの人たち学校雷門じゃ·····」

 

観客:「は? 違うよ?」

 

天馬:「そうですか·····スミマセン」

 

そして俺は駅のロータリーを抜けて河川敷の土手に座り込む。

 

天馬:「どうなってるんだ·····皆、サッカーの事を忘れてる·····何でだよ!!! 皆あんなにサッカー好きだったのに!! しずくたちに至っては、学校すら違うことになってるし!! ·······"サッカーが···()()()"······」

 

 

 

 

― 続く ―




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第2話:消えたサッカー!! 時を越えた天馬!!!

―― 天馬視点 ――

 

サッカーが消えた·····俺が絶望にうちひしがれていると、

 

?:「ノー。サッカーは消えていない」

 

!? 俺が驚いて振り返ると、俺と同い年くらいの紫髪の男が立っていた。

 

天馬:「っ!? 誰!?」

 

?:「私の名は「アルファ」。我が使命はサッカーの消去。よって松風天馬、これより、お前からもサッカーを消去する」

 

天馬:「サッカーを消去だって·····? まさか···お前のせいなのか!? 雷門の皆がおかしくなったのは!!」

 

アルファ:「イエス。直にお前もそうなる」

 

その言葉を聞いた瞬間、俺の怒りは爆発した。

 

天馬:「許せない·····サッカーを···皆を元に戻せ!!!!」

 

アルファ:「ノー。私の目的はその逆。サッカーの完全消去だ」

 

するとアルファは、足で踏んでいたボールみたいな球体の青い部分を踏む。

 

 

《タイムワープモード》

 

謎の電子音声が鳴り、その球が光を放つ。その光に飲まれた俺とアルファは、()()()()()()()()()()

 

 

― 13年前・沖縄 ―

 

天馬:「う、う~ん·····っ!!!」ガバッ

 

俺が飛び起きると、河川敷ではない場所にいた。ここは·····おれがしばらく辺りを回ると、海岸に出た。

 

天馬母:「天馬~、走ると危ないわよ~?」

 

子供天馬:「大丈夫だよ~!!」

 

天馬:「あれは!! 母さん!! それにあの子は、小さい頃の俺!?」

 

子犬:「クゥ~ン」

 

子供天馬:「あっ!! ワンちゃん!!」

 

天馬母:「危ないわよ天馬!!!」

 

天馬:「夢なんかじゃ無い·····ここは、13年前の沖縄だ。俺が、サッカーと出会った日の·····そんなバカな!!!」

 

アルファ:「理解しなくともよい。受け止めるのだ」

 

っ!! いつの間にか後ろにアルファが立っていた。そして、運命の時がやって来る。

 

天馬母:「天馬!!」

 

子犬だった頃のサスケを助けた俺に、大きな木材が倒れてくる。

 

天馬:(そうだ。ここで豪炎寺さんが助けてくれて····俺のサッカーは始まったんだ!!)

 

 

《ストライクモード》

 

 

今度はオレンジ色のボタンを踏んだアルファは、俺を助けようとするボールを、自分の球で弾き飛ばし、結果、俺は木材の下敷きになった。

 

天馬:「なっ!?」

 

アルファ:「安心しろ。死んではいない。全治3ヶ月、そんなところだ。だが、これでお前のサッカーは消滅した」

 

天馬:「何っ!?」ビキィ

 

突然おれは激しい頭痛に襲われる。まるで頭の中をかき混ぜられてぐちゃぐちゃにされる様な·······っ!!!

 

アルファ:「頭の中から不必要な物が無くなる。それだけの事だ」

 

天馬:「待てよ·····クッ、」

 

アルファ:「?」

 

天馬:「サッカーは·····必要だ!!!」

 

アルファ:「!?」

 

 

 

― 200年後 某所 ―

 

議員:「一体どうなってるんだ!?」

 

議長:「見ての通りだ。松風天馬はインタラプト修正によっても変化しない。彼の潜在意識は、修正された現実と戦っている」

 

議員:「バカな!! そんなことが有り得るのですか!? トウドウ議長!!!」

 

トウドウ:「面白いじゃないか······もう少し、観察を続けよう」

 

― 沖縄 ―

 

耳に付けたインカムの様な物でどこかと連絡を取るアルファ。一体何を····

 

アルファ:「イエス。ではその様に。喜べ。ここからは、お前の好きなサッカーの時間となる」

 

すると、アルファと同じ服を着た10人の男女が現れる。

 

《ムーブモード》

 

今度は緑色のボタンを踏んだアルファ。すると俺は浜辺にあるグラウンドに移動し、アルファを含めた11人が俺を取り囲む。

 

天馬:「お前たちはサッカープレイヤーなのか·····?」

 

アルファ:「そんな次元の低い存在ではない。我々は、歴史に介入する事を許された、「ルートエージェント」。さて、始めるぞ」

 

《ストライクモード》

 

アルファ:「はぁあああああっ!!!」

 

アルファの蹴った球が俺の脇腹に当たり横に跳ね返る。

 

女性エージェント:「はぁああっ!!」

 

天馬:「ぐぁあああっ!!」

 

男性エージェント:「おらっ!!」

 

天馬:「があっ!!」

 

俺は膝を付き倒れる。

 

アルファ:「理解したか?」

 

天馬:「さ、サッカーは·····」

 

そして、アルファが俺に止めを刺そうとした瞬間!!

 

?:「サッカーは必要だ!!!」

 

天馬・アルファたち:「『!?』」

 

突如現れた緑髪の少年が、アルファから球を奪い取った。

 

?:「「サッカーは必要だ」これは君の言葉だよ天馬」

 

天馬:「えっ!? 誰?」

 

アルファ:「何者だ!!」

 

?:「ボクの名前は「フェイ・ルーン」。天馬と同じ、サッカーを必要とする者さ!! そんな大勢で一人をいたぶって楽しい? やるなら試合やろうよ」

 

するとアルファは先ほどの様にどこかと連絡を取り、

 

アルファ:「イエス。了解しました。良いだろうだがそちらは二人だけの様だが?」

 

天馬:「っ!! そうだよ!! メンバーどうするの!!」

 

フェイ:「·······スッ」パチン!!

 

フェイが指を鳴らすと、フェイと同系色の髪をした9人の男女が現れる。

 

天馬:「えええっ!?」

 

フェイ:「これで11人だよ」

 

アルファ:「良いだろう」

 

天馬:「ちょっと、フェイだっけ?君は一体·····」

 

フェイ:「詳しい事は後でちゃんと話すから、今はまずあいつらを追い払おう」

 

天馬:「わ、分かった·····」

 

 

― 続く ―




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第3話:最初の試合 vsプロトコル・オメガ

―――あらすじ―――

謎の男アルファに、13年前の沖縄に連れて来られサッカーを奪われかけた俺。しかし突如現れた、これまた同年代くらいの少年、フェイによって助けられ、その流れでアルファたちと試合をすることになった。

一体何がどうなってるんだ!?

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

アルファは持っていた球の、今度は赤いボタンを踏む。

 

《フィールドメイクモード》

 

すると何も無い砂浜に5秒も掛からずにサッカーグラウンドが形成される。

 

アルファ:「我々は「プロトコル・オメガ」と言うチーム名を登録した。お前たちは何だ?」

 

フェイ:「あっ、そうか。即席チームだから名前が無いんだ。······じゃあ、「テンマーズ」だ!!」

 

天馬:「ええっ!? テンマーズ!?」

 

アルファ:「了解。チーム登録「テンマーズ」····登録完了」

 

フェイ:「じゃあはい、コレ。」

 

天馬:「キャプテンマーク?」

 

フェイ:「君はキャプテン何だろ?」

 

一体フェイが何者なのかは気になるが、とりあえずフェイの持っている赤いユニフォームに着替える。

 

アルファ:「················」

 

《タイムワープモード》

 

―― 現代・沖縄 ――

 

女将さん:「あんたーー!! もうすぐ店開けるわよーーーー!!」

 

矢島:「了解!! ちゃちゃっと·····」

 

バシュウン

 

女将さん:「あんたーー!! そろっと·····っていない!? どこ行ったの!?」

 

― 13年前・沖縄 浜辺のグラウンド ―

 

バシュウン

 

矢島:「っ!? あれ!? 店で焼きそば焼いて·····ん? マイク?  ピーーーー  さぁ!! ここ、沖縄の砂浜グラウンドで、テンマーズvsプロトコル・オメガの一戦、まもなくキックオフだーーーーー!!!」

 

アルファ:「この男の頭に選手データをインプットした。実況はサッカーになくてはならない物だと聞いている」

 

矢島:「任しとけぃ!!」

 

天馬:「そ、そうなんだ·····(何か凄い勘違いしてるな·····)」

 

アルファ:「それでは開始する。」

 

フォーメーション

プロトコル・オメガ

3-4-3

F-アルファ

 

GK         ザノウ

 

DF    クオル  メダム  ガウラ

 

MF クオース ネタン  ジーニー ネイラ

 

FW    エイナム レイザ  アルファ

 

テンマーズ

4-1-3-2

F-ライモン

 

FW      キモロ  フェイ

 

MF    チビット  天馬  マント

 

ボランチ        ドリル

 

DF デブーン ストロウ スマイル ウォーリー

 

GK        マッチョス

 

 

そしてアルファの持っていた球(どういう原理かは分からないがフィールド上空に浮いている。)からホイッスル音が鳴りプロトコル・オメガボールで試合開始。

しかし彼らの動きは、俺の知るサッカーとはまったく違う物だったんだ······。

 

クオース:「エイナム!!!」

 

エイナム:「レイザ!!!」

 

地上、空中と立体的にパスを繋げて攻め上がってくるプロトコル・オメガ。俺が混乱していると、

 

フェイ:「大丈夫だよ天馬!! 目が馴れてないだけさ」

 

天馬:「わ、分かった」

 

レイザ:「アルファ様!!!」

 

ボールがアルファに渡り、アルファはシュート体勢に入る。

 

アルファ:「"シュートコマンド01"!!!  [スピニングトランザム]」

 

アルファの旋風を纏ったシュートが上空から蹴り落とされる。キーパー止められるかな···?

 

マッチョス:「[エクセレントブレスト]!!!!」

 

マッチョスは空気を思い切り吸い込み、肺と胸筋を肥大化させて胸でシュートを受け止める。シュートの回転は次第に衰え、完全に停止した。

 

矢島:「止めたーーーーっ!! キーパーマッチョス!! ナイスセーブだーーーっ!!!」

 

フェイ:「天馬にパスだ!!!」

 

マッチョス:「了解!!!」

 

マッチョスのゴールキックからボールは俺に渡ると、プロトコル・オメガのMFジーニーがディフェンスに入る。

 

ジーニー:「その程度!!!」

 

天馬:「この試合必ず勝つ!!! 勝って皆を元に戻す!!! [そよ風ステップ・S]!!!!」

 

俺は必殺技でジーニーを抜き去る。

 

アルファ:「松風天馬の実力····データ通り。メダム!!!」

 

メダム:「はっ!! "ディフェンスコマンド03"!!!  [コイルアッパー]」

 

長身のDFメダムにボールを奪われてしまう。諦めるもんか!!!

 

天馬:「うぉおおおおおおっ!!!!!」

 

俺がメダムに向かって行くと背後に残像が浮かぶ。そしてジャンプして相手の注意を上に引く。すると空中で俺の姿は煙の様にかき消え、メダムが気づいた時にはスライディングでボールを奪っていた。

 

天馬:「[ワンダートラップ]!!!!」

 

ボールを奪い返し攻め上がる俺。しかし今度は巨漢のDFガウラが止めに入る。

 

ガウラ:「調子に乗るな!!!!」

 

俺は心臓の鼓動(ビート)を加速させて高速移動で相手を抜き去る。

 

天馬:「[アグレッシブビート]!!!!」

 

矢島:「おおーーっと松風!!! ここで新必殺技2連発だぁあああああっ!!!!!」

 

そしてキーパーと1vs1になり、俺は化身を発動する。

 

天馬:「よくわからないけど、化身の力ならなんとかなるさ!!! 【魔神ペガサスアーク・零式】!!!!」

 

フェイ:「零式!? ····そうか!! 本来の歴史では、インターハイの決勝の時点で、雷門の皆の化身は宮下愛さんと西園信介くん以外は零式になってたんだっけ······」

 

そして俺はシュート体勢に入る。

 

天馬:「喰らえ!! [― ジャスティスウィング ―]!!!!!

 

俺のキックと同時に、【ペガサスアーク】がボールをぶん殴り、純白の羽を撒き散らしながらシュートは飛んで行く。

 

ザノウ:「"キーパーコマンド03"!!!  [ドーンシャウト]」

 

キーパーの叫び声で発生した音の壁がシュートを阻む。しかしシュートは壁を突き破り、ゴールに突き刺さった。

 

天馬:「よし!!」

 

 

 

テンマーズ 1 - 0 プロトコル・オメガ

 

― 続く ―



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第4話:化身の新たなステージ"化身アームド"

―― 天馬視点 ――

 

俺の化身シュートが決まり、1-0とテンマーズがリード。プロトコル・オメガのキックオフから試合が再開し、ボールはいきなりアルファに渡る。

 

アルファ:「化身など、私の敵ではない。······来い!! 【天空の支配者鳳凰】!!!!」

 

アルファは自身の化身を発動。化身なんか敵じゃないと言いつつお前も使うの化身なのか···。だがここで、俺の知らない事が起こる。

 

アルファ:「"アームド"!!!!」

 

すると【鳳凰】がオーラに戻りアルファの身体に纏わりつき、アルファは【鳳凰】を()として身に纏う。

 

天馬:「っ!! 何アレ!!?」

 

フェイ:「"化身アームド"さ」

 

天馬:「化身···アームド·····?」

 

フェイ:「化身の力を凝縮して鎧として身に纏う事で、化身のままの時よりも大きい力を発揮出来るんだ」

 

天馬:「そんな事が····「行くぞ」····っ!?」

 

アルファが猛然と攻め上がってくる。そのスピードは先程とは比べ物にならないくらいに上がっている。

 

フェイ:「スマイル!! マント!! ドリル!! 止めろ!!!」

 

スマイル・マント・ドリル:「「「[フラクタルハ·····「邪魔だ!!!」···っ!!!!!」」」

 

アルファは三人掛かりの連携ディフェンス技をただのドリブルで力づくの強行突破。そしてアルファはシュート体勢に入る。

 

アルファ:「"シュートコマンド01"!!!  [スピニングトランザム]」

 

化身の力が必殺技の威力に上乗せされているのか先程とは比較にならない威力のシュートが飛んでくる。マッチョスも必殺技で迎え撃つが、

 

マッチョス:「[エクセレントブレスト]!!!!」

 

マッチョスが胸筋でシュートを受け止める。しかしあっさりと吹き飛ばされシュートはゴールに突き刺さった。

 

矢島:「ゴーーーール!!! プロトコル・オメガ同点に追いついたーーーーっ!!!!」

 

アルファ:「クッ···ハァ、ハッ」バシュウン

 

天馬:「あれ? アルファのアームドが消えた····」

 

天馬:「化身アームドは、化身の力を凝縮して身に纏うから、身体への負担が大きい上に、化身のまま以上に長持ちしないんだ。ただパワーは飛躍的に上がるけどね」

 

天馬:「なるほど·····」

 

そしてテンマーズボールのキックオフで試合再開。ボールはマントに渡り、そこにネイラが止めに入る。

 

ネイラ:「行かせないわ!!!」

 

マント:「[イリュージョンボール]!!!!」

 

マントの足元でボールが3つに分身して相手を惑わし、抜いたタイミングで元に戻る。

 

マント:「キャプテン!!!!」

 

マントからのパスを受け取った俺にメダムがディフェンスに入る。

 

メダム:「今度は止める!!! "ディフェンスコマンド03"!!!  [コイルアッパー]」

 

メダムの必殺技が俺を襲う。しかし、

 

天馬:「[アグレッシブビート]!!!!」

 

俺は先程の新技で再びメダムを抜き去りシュート体勢に入る。

 

天馬:「[超・マッハウィンド]!!! 行けぇええええええっ!!!!」

 

ザノウ:「止める!! "キーパーコマンド03"!!!  [ドーンシャウト]」

 

しかし俺のシュートは相手の音の壁を突き破り、ゴールネットを揺らした。

 

そしてここで前半終了のホイッスルが鳴った。

 

フェイ:「··········」パチン

 

シュゥウウウン

 

天馬:「えっ!? 皆が消えた!?」

 

フェイ:「彼らは僕の化身の一種で、"デュプリ"と呼ばれる代行選手たちさ。彼らはいつでも出すことは出来るけど、基本は試合とサッカーバトルの時しか出さないね」

 

天馬:「じゃあ、現実に存在する"人"じゃないんだ」

 

フェイ:「うん。それより、そろそろ来るよ。3、2、1···」

 

すると突然空に穴が空き、俺の知る雷門サッカー部のバス、イナズマキャラバンに酷似したデザインのバスが空を飛び現れた。そして運転席の窓が空き、

 

?:「おう、天馬くん!! グッモーニン! おはようさん!!」

 

天馬:「えぇっ!? クマのぬいぐるみ!!? しかもしゃべった!!!」

 

フェイ:「ワンダバ!! 時間ピッタリ!!!」

 

お、俺····やっぱり夢を見てるのかな·······?

 

 

 

― 続く ―




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第5話:新たな力"ミキシマックス"

プロトコル・オメガとの試合もハーフタイムに入る。すると突然空に開いた穴から現れたイナズマキャラバン(?)。着陸するとドアが開き、中から青いクマのぬいぐるみ(?)が出てきた。

 

天馬:「ぬ、ぬいぐるみ······?」

 

?:「違ーーーーう!!! 私は大監督、「クラーク・ワンダバット」だ!! ワンダバと呼んでくれ!!!」

 

天馬:「わ、ワンダバ······」

 

俺が戸惑っていると、

 

ワンダバ:「フェイ!! 状況はどんな感じだ!!」

 

フェイ:「う~ん····一応得点はリードしてるけど押され気味」

 

ワンダバ:「まったく!! やっぱり私が居ないと駄目だな!! 頼まれてたもの、取ってきてやったぞ?」

 

? 頼まれてたもの?

 

フェイ:「本当!? じゃあ早速頼むよ!!」

 

ワンダバ:「了解だ!! しっかし命懸けだったんだぞ? 感謝しろよ?」

 

するとワンダバは背中に背負った赤いリュックの様な物からケーブルに繋がり伸びた「-」のマークが入った銃と「+」のマークが入った銃を手に取り、まずは「-」の銃の引き金を引く。すると銃からオレンジ色の光が伸び、その中に大型の肉食恐竜が現れる。

 

天馬:「えぇっ!? 恐竜!?」

 

フェイ:「凄ぇ!! "ティラノサウルス"じゃん!!」

 

ワンダバ:「準備は良いなフェイ!! 行くぞ!! "ミキシマックス"!!!!」

 

すると今度は「+」のマークが入った銃を、フェイ目掛けて引き金を引く。光がフェイに当たると、フェイの気配とオーラの大きさが膨れ上がる。

 

フェイ:「ウゥウォオオオオオオッ!!!!」

 

ワンダバ:「ミキシマックス!! コンプリート!!!」

 

そして光が収まると、緑色だったフェイの瞳と髪は赤系統の色へと変貌。肌の色もやや色黒になり、優しげだった雰囲気も荒々しそうに変わった。

 

天馬:「何これ!? 姿が変わった!!!」

 

ワンダバ:「そう!! "ミキシマックス"だ!!」

 

天馬:「"ミキシマックス"······?」

 

ワンダバ:「フェイのオーラに、ティラノサウルスのオーラを融合したんだ。これでフェイは、"ティラノサウルスの力を得てパワーアップ出来る"!!!」

 

天馬:「そんな事まで出来るの······?」

 

フェイ(ティラノMix):「天馬、後半始まるよ」

 

天馬:「う、うん。(そうだ。今は試合に集中しよう)」

 

そして後半、テンマーズボールのキックオフで後半戦開始。するといきなりフェイにボールが渡った。そこにプロトコル・オメガの選手が立て続けに止めに入る。が、

 

ディフェンスに入ったレイザをミキシマックスで得た強靭なフィジカルで吹き飛ばし、スライディングを仕掛けてきたジーニーをジャンプで躱し、フィールドを爆走する。

 

メダム:「行かせるか!!」

 

メダムが身体で当たって止めに入るが、パワードリブルで押し返し、フェイはフリーでシュート体勢に入る。

 

フェイの背後にティラノサウルスが現れ、フェイのシュートと共に大口を開けて雄叫びを上げる。するとボールの周囲にティラノの牙の様に鋭利な紅いエネルギーが発生。ゴール目掛けて飛んで行く。

 

フェイ(ティラノMix):「[古代の牙]!!!」

 

ザノウ:「"キーパーコマンド03"!!!  [ドーンシャウト]」

 

しかしシュートはザノウを吹き飛ばし、ゴールに突き刺さった。

 

アルファ:「っ······ ピピッ はい。こちらアルファ····え? 分かりました。直ぐ戻ります」

 

エイナム:「どうされました?」

 

アルファ:「先程、松風天馬に行ったインタラプト修正が無効果されたらしい」

 

レイザ:「っ!? 誰がその様な···」

 

アルファ:「恐らく奴らだ。この試合、中止とする」

 

プロトコル・オメガ:『了解!!!』

 

フェイ:「試合放棄かい? それじゃあボクたちの勝ちだね」

 

ゴォオオオオオオッ!!

 

ん? なんの音? 俺が空を見上げると、

 

UFO(?):ゴォオオオオオオッ

 

天馬:「UFO!?」

 

フェイ:「違うよ。"ルートクラフト"さ」

 

そのルートクラフトなるものは、アルファたちを回収し、13年前の沖縄から姿を消した。

 

フェイ:「よし!! じゃあ天馬、今起きている事を説明するね」

 

天馬:「うん。お願い」

 

いよいよ、今何が起こっているのかが明かされる。

 

 

 

― 続く ―




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第6話:異変の真相

謎の少年、フェイと共にアルファたちを退(しりぞ)けた俺。そして、一体今何が起こっているのかを、事情を知っているらしいフェイに説明を求める。

 

天馬:「フェイ、一体今何が起こってるの? アルファたちは一体何者なの?」

 

フェイ:「それを説明するためには、まずアルファたちが何者なのかを話さないといけない。彼らは、天馬たちの時代から200年後の、世界意思決定機関"エルドラド"のエージェントさ」

 

天馬:「200年後の·····未来!?」

 

フェイ:「そう。彼らは、今自分たちの時代で起きている問題を解決する為に、その問題の発生源となったサッカーという概念を、歴史から消そうとしてるんだ」

 

!? サッカーを消さなきゃならない問題って····一体何?

 

ワンダバ:「実は、未来では戦争が起こってるんだ。サッカーが産み出した恐るべき力を持った子供たちと世界の間でな」

 

 

 

 

―― 200年後・エルドラド ――

 

議員:「アルファよ、分かっているのだろうな? サッカーを消さねば、世界が滅ぶかも知れぬのだぞ!!」

 

トウドウ:「サッカーが産み出した恐るべき力を持った子供たち、"セカンドステージチルドレン"。彼らの身体は生身で銃弾を弾き、超能力と呼ばれる力を一通り持っている。彼らは自分たちの存在を認めず、化け物呼ばわりした世界と大人へ戦争を起こしてきた。そして、その力の発生源となったのはサッカーに置ける"化身"の力。サッカーが彼らを産んだのだ」

 

アルファ:「全て、理解しています」

 

トウドウ:「ならば必ずやサッカーを消去しろ。世界の未来の為に」

 

アルファ:「イエス。マスター」

 

 

 

―― 13年前の沖縄 ――

 

天馬:「未来でそんなことが·····でも1つ気になったんだけど、その"セカンドステージチルドレン"だっけ? その子達の両親は····「親も一緒だよ。実の子供を化け物呼ばわりさ」····それってさ、自業自得じゃない? 何で俺たちの歴史にしわ寄せが来るわけ?」

 

フェイ:「天馬はそう言う考えなんだ。でも未来の人間はそう思ってない」

 

天馬:「フェイは未来の人なのに何で味方してくれるの?」

 

フェイ:「未来にだって、サッカーを好きな人はいるんだよ」

 

そっか。それを聞いて少し安心·····でも、これからどうしようか·····

 

天馬:「フェイ、これからどうすれば良いの?」

 

フェイ:「まずは天馬たちの時代に戻って、23年前の、円堂守の高校入学の日に飛ぼう。エルドラドはその時代で円堂守にサッカー部を作られない様に歴史を変えた。その結果·····」

 

天馬:「そうか!! 雷門サッカー部は円堂監督が始まり!! その円堂監督がサッカー部を作れなければ、今の雷門にもサッカー部は存在しない!!!」

 

ワンダバ:「それだけではない。円堂守がサッカーをやらなければ、世界制覇したイナズマジャパンの戦力もガタ落ちだ。とてもではないが世界大会優勝などできないだろう」

 

そう言われて、俺はあることに気づく。

 

天馬:「そういえばサッカー部の皆は世界大会決勝の試合が切っ掛けでサッカーを始めたって言ってた!!! その試合が無くなれば、皆がサッカーを始める未来も無くなるってこと!?」

 

フェイ:「その通り。でもそれだけじゃない。大海龍也さんと松浦果南さんは、世界大会で()()したら交際しようと約束していた。でも優勝出来なければ、」

 

天馬:「龍也さんと果南さんが結ばれない!!! つまり、竜太と果北ちゃんが産まれることがない!!!」

 

そうか!! だからおかしくなってから、竜太と一度も会わなかったんだ!!!

 

フェイ:「そう。でも、それは円堂守がサッカー部を作る本来のルートを守れば解決する」

 

天馬:「どうすれば23年前に行けるの?」

 

フェイ:「まずはこの、"イナズマT(タイム)M(マシン)キャラバン"で元の時代に戻って、円堂守の"アーティファクト"を探そう」

 

アーティファクト? 俺が首を傾げると、

 

フェイ:「アーティファクトって言うのは、その時代の人の強い思いが宿った物のことさ。それがあれば、アーティファクトに宿った残留思念をたどってその時代にタイムジャンプできる」

 

うーんよくわからない。

 

フェイ:「様は円堂守に深く関わってる物の事だよ。とりあえず現代に戻ろう」

 

俺とフェイはTMキャラバンに乗り込み、ワンダバが運転席に座る。

 

ワンダバ:「よし!! では出発だ!!」

 

するとTMキャラバンは垂直に離陸し、タイヤ部分が変形する。

 

ワンダバ:「いざ現代へ!! タイムジャ~ンプ!!!」

 

そして空に開いた穴に飛び込み、俺は元の時代へ帰ってきた。

 

 

 

― 続く ―




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<朝香果林>誕生日編:~if ルート~果林の1日マネージャー

俺たちがインターハイを制した翌年の6月29日、俺昨日の夜3月に卒業した果林に「今日(29日)の朝9時に駅前に来てくれ」と呼び出され、駅前で待っていた。

 

竜太:「もうじき約束の時間か」

 

俺が待っていると、正面の道路に見馴れた青髪が見えた。来たな····

 

果林:「ゴメンなさい。待たせちゃったかしら?」

 

竜太:「いえ? たいして待ってないので大丈夫ですよ?」

 

そして俺は今日は何故呼び出されたのかを聞くと、プロの選手兼モデルとしてサッカー雑誌に載る写真を撮影するので1日マネージャーをして欲しいらしい。

今まではエマがやってくれていたらしいがエマは卒業してスイスに帰国したのでボディーガードも兼ねて俺にしたらしい。

 

竜太:(けど果林のことだから撮影スタジオの場所が分からないって理由もあるよな絶対·······。)

 

そう。果林はいわゆる離島民であり、極端に方向音痴なのだ。

 

竜太:「じゃあ早速行きましょうか。場所は分かるんですか?」

 

果林:「えーと·····此処なんだけど分かるかしら?」

 

果林はスマホの地図アプリを表示して見せてくる。あれ? ここって······

 

竜太:「ここ愛さん家のすぐ裏ですね」

 

果林:「えっ!? そうなの!?」

 

竜太:「まぁ、場所知ってますし行きましょうか」

 

そして順調に撮影スタジオに到着。中に入ると、果林は馴れた手つきで受付を済ませる。そして果林は「関係者パス」を俺に手渡してきたので首から掛ける。

 

果林:「じゃあ行きましょうか」

 

そしてマネージャー(一応)の俺は先にスタジオに通されカメラマンさんやアシスタントさんから注意事項を聞く。するとスタジオの扉が開き、バッチリメイクした果林が入ってくる。

 

竜太:(っ!!)

 

綺麗·····いや、普段も美人なんだけども

 

アシスタント(以下:A):「朝香さん入られます!!!!!」

 

果林:「お願いします!!」

 

カメラマン(以下:C)・A:「「お願いします!!!!」」

 

そして撮影が始まる。果林はカメラマンの注文通りに少しずつポージングを変えて黙々と撮影をこなしていく。

 

A:「凄いでしょう?」

 

竜太:「はい。初めて見ましたけどいつもこんななんですか?」

 

A:「ええ。ボクも初めて見たとき見とれちゃいましたよ」

 

そりゃあ見とれるよこれは······。そして撮影が終了し、

 

C:「終了でーす!!!」

 

果林:「お疲れ様でした!!!」

 

撮影が終わった様なので果林に駆け寄りドリンクを手渡す。

 

果林:「ありがとう」

 

果林は俺の差し出したペットボトルを受け取るとゴクゴクと飲む。んだけど、飲む姿ひとつとってもなんか誘惑的と言うか妖艶というか····そして飲み終わった果林からボトルを受け取る。

 

果林:「じゃあお昼ご飯食べて帰りましょうか? 今日は私が奢るわ。私が頼んだ訳だし」

 

そして俺と果林は近くのファミレスで昼食を取る。·····んだけど、なんか周りの、多分高校生だと思うんだけど、女の子たちがチラチラとこっち見てるんだけど········。

 

すると1人の女の子が俺達の席の横に立ち、

 

女の子:「あ、あの!! 朝香果林さんですか!?」

 

果林:「ええ。そうよ?」

 

女の子:「す、スミマセン······その····さ、サインを下さい!!!!」

 

女の子は手に持った色紙を差し出す。なんで色紙常備してんの?

 

果林:「良いわよ?」

 

果林は色紙を受け取るとすらすらとサインを書き女の子に手渡す。

 

女の子:「あ、ありがとうございますっ!!!!!! あの····この男性は彼氏さんですか?」

 

ぶっ!! ゴホッ!!

 

竜太:「か、彼氏!?」

 

果林:「ええ。そうよ?」

 

!? なに言ってんの!?

 

女の子:「そうなんですね。彼氏さん!! 果林さんをちゃんと守って下さいね!! 「いや、ちょっと待っ」それでは!!」

 

女の子は行ってしまった。

 

果林:「アララ·····♪ 竜太私の彼氏になっちゃったわね?」

 

竜太:「笑い事かよ·····どうすんだよ?」

 

果林:「本当に付き合えば良いじゃない。去年侑にフラれてから好きな人も居ないんでしょ?」

 

竜太:「俺はともかく果林は····「私は良いわよ?」」

 

そう言うと、果林は微笑んで俺のおでこに人差し指を当てる。

 

果林:「高校の時に私のハートを奪ったんだから、必ず私にメロメロにしてア・ゲ・ル♪」

 

 

― 果林ちゃん Happy Birthday ―




果林ちゃん誕生日おめでとう!!

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第7話:伝説の始まった時代

現代に戻ってきた俺たち。まずは円堂監督のアーティファクトを手に入れなければならないんだけど·····

 

フェイ:「何か心当たりは無い?」

 

天馬:「う~ん····そうだ!! 旧サッカー部室だ!! あそこは円堂監督が高校生の時に使ってたって言ってた!! ねぇ? 部室の看板とかアーティファクトにならないかな? 一応円堂監督の頃から使われていたらしいんだけど」

 

ワンダバ:「ああ!! それなら問題無い。早速探そう」

 

そして旧サッカー部室の扉を開けて看板を探す。完全に物置になってる。ホコリっぽい·····

 

天馬:「あっ!! あった!!」

 

フェイ:「よし!! これで早速円堂守の時代に飛ぼう!!」

 

そしてTMキャラバンの"タイムスキャナー"にアーティファクトをセットする。するとフロントガラスに23年前の日付が表示される。

 

ワンダバ:「よし!! 出発するぞ!!!」

 

そしてTMキャラバンは離陸。変形する。

 

ワンダバ:「いざ!! 円堂守の高校時代へ!!! タイムジャ~ンプ!!!!!」

 

―― 23年前・雷門高校入学式の日 ――

 

天馬:「ここが、昔の雷門·····!!!」

 

フェイ:「もうじき円堂守が来る筈だけど·····」

 

すると、向こうからオレンジ色のバンダナを巻いた男子生徒が走ってきた。

 

円堂(高1):「~~っ!! ついに来たぞ!!!」

 

天馬:「昔の円堂監督だ!!!」

 

フェイ:「この時はまだ監督でもサッカー部員でもないよ。」

 

天馬:「でも、円堂監督は中2の時に豪炎寺さんや鬼道コーチと出会って高校卒業まで一緒だったって聞いたけど。」

 

フェイ:「二人はもう中にいるんじゃない?」

 

 

 

―― 職員室 ――

 

先生:「君たち、雷門()()のサッカー部だった円堂くんと、豪炎寺くん、鬼道くんと風丸くんだね? 悪いが同じ雷門系列ではあるんだが高校にはサッカー部は無いんだ」

 

円堂(高1):「無いなら中学の時と同じ様に作ります!!!」

 

先生:「はぁ、では使われていない部室に案内しますね」

 

そして若い頃の円堂監督たちは部室を片付け始めて行く。

 

天馬:「こうして雷門高校サッカー部が出来たんだね」

 

フェイ:「ねぇ? 天馬の知ってる範囲で円堂守のことを教えてくれない?」

 

天馬:「えっと、確か中1で雷門中サッカー部を作ったけど部員が集まらなくて、

中2で豪炎寺さんや鬼道さんと出会って「世宇子中」事件と「エイリア学園事件」が起こって、中3で全国大会連覇。

それで高1の時に日本一。高2のインターハイ決勝で浦の星女学院に負けてその年の8月にFFI召集だった筈だけど」

 

フェイ:「やっぱり凄いんだ···あっ、終わった見たい」

 

豪炎寺(高1):「まさか高校でも作る事になるとはな」

 

円堂(高1):「ああ!! 雷門高校サッカー部、始動だ!! 「サッカー部はできない」っ!? 誰だ?」

 

天馬:(アルファ!!)

 

アルファ:「サッカー部はできない。確実に」

 

鬼道(高1):「ほう? 何故そう言いきれる!!」

 

アルファ:「お前たちは直にサッカーを嫌いになる」

 

するとアルファはあの謎の球(フェイに聞いたら"スフィアデバイス"と言うらしい)のボタンを踏む。

 

《ムーブモード》

 

天馬:「ああっ!! 行っちゃう!!」

 

フェイ:「行こう天馬!!」

 

そして俺たちはデバイスの光に飛び込んだ。

 

―― フットボールフロンティアスタジアム ――

 

天馬:「ここは、アキバスタジアム?」

 

フェイ:「この時代の呼び名はフットボールフロンティアスタジアム。歴史では、円堂守が日本一を賭けて何度も戦うことになる場所だ。」

 

風丸(高1):「ここは、フットボールフロンティアスタジアム!! コイツ何者だ!?」

 

アルファ:「これより、任務を開始する「そうはさせるか!!」?」

 

円堂(高1):「っ!? お前誰だ?」

 

鬼道(高1):「その制服、雷門の制服に似てるが」

 

天馬:「ああ、それはですね····」

 

― 説明中 ―

 

風丸(高1):「えぇっ!? 23年後の俺たちの後輩!?」

 

天馬:「はい!! だから俺、何としても円堂さんたちにサッカー部を作って欲しいんです!! 大好きなサッカーが消されるなんて嫌なんです!!!」

 

豪炎寺(高1):「どうする円堂?」

 

円堂(高1):「よし!! サッカーが好きだって言えるやつの言うことは信じる。 誰だって自分の好きな物には嘘をつけないからな!!」

 

天馬・フェイ:「「はい!!」」

 

アルファ:ピピッ「了解では試合を始める。」

 

《タイムワープモード》

 

― 沖縄 ―

 

女将さん:「お客さんいっぱい並んでるから大至急ね!!」

 

矢島:「了か···

 

バシュウン

 

女将さん:「あん····居ない!?」

 

― 23年前・フットボールフロンティアスタジアム ―

 

バシュウン

 

矢島:「おーーーっと気づいたら何処かのサッカー場だーーーー!!!」

 

アルファ:「実況はこの男にしてもらう」

 

天馬:「う、うん」

 

フォーメーション

プロトコル・オメガ

3-4-3

F-アルファ

 

GK         ザノウ

 

DF    クオル  メダム  ガウラ

 

MF クオース ネタン  ジーニー ネイラ

 

FW    エイナム レイザ  アルファ

 

テンマーズ

 

FW     豪炎寺  フェイ

 

MF  チビット  天馬  マント

 

ボランチ       鬼道

 

DF 風丸 ストロウ スマイル ウォーリー

 

GK        円堂  

 

そして、試合開始のホイッスルが鳴った。

 

 

― 続く ―




前作と繋がりますが、前作のネオジャパン戦の時に書いた通り、世宇子事件とエイリア学園事件は原作イナイレ同様円堂が中2の時に起こります。
それから二年間は平和になり、円堂高2の時にFFI代表召集されて龍也と出会います。
代表候補紹介の時に浦の星がその年のインターハイ優勝校と言いましたしね。

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第8話:時空を越えて来た乱入者(味方)

テンマーズボールのキックオフから試合開始。ボールはまず俺が持つが相手FWエイナムにスライディングで奪われる。

 

エイナム:「喰らええっ!!」

 

チビット:「があっ!?」

 

エイナムの反則すれすれのショルダーチャージで吹き飛ばされるチビット。ボールは次にレイザに渡り、

 

レイザ:「はぁっ!!」

 

女性のシュートとは思えない威力のレイザの弾丸シュートがストロウの腹に当たる。

 

フェイ:「くそっ!! デュプリたちが!!!」

 

だけど、こんなサッカーを認められる円堂さんじゃない

 

円堂:「待てよ·······サッカーは······サッカーは!! そんなんじゃないぞ!!!」

 

天馬:「そうだ!! サッカーが悲しんでる!!!」

 

円堂:「おっ!! お前良いこと言うな!!!」

 

天馬:「アルファ!! お前がやってるのはサッカーじゃない!! ボールは人を傷つける為の物じゃない!!」

 

俺と円堂さんが二人してキレる。プロトコル・オメガはボールをキープして前線でアルファにボールを渡す。そして受け取ったアルファは跳び上がりシュート体勢に入る。

 

アルファ:「"シュートコマンド01"!!!  [スピニングトランザム]」

 

アルファの旋風を纏ったシュートが蹴り落とされる。

 

円堂:「止める·····!!! サッカーが滅んでたまるかぁああああああああああっ!!!!!!」

 

すると円堂さんの背後に金色のマジンが現れ、右手を振りかざして跳び上がる。

 

円堂:「[怒りの鉄槌]!!!!」

 

ドグシャァアアアアアアアアアッ!!!!!!

 

円堂さんは右拳でシュートを思い切り叩き潰した。

 

天馬:「でたぁっ!! [怒りの鉄槌]!!! アジア予選決勝で[カオスブレイク]を止めた技!!!!」

 

フェイ:「でも、あの技は確か······」

 

 

 

 

 

 

トウドウ:「アルファ、"時空の共鳴現象"だ。円堂守のインタラプトを起点に複数のパラレルワールドが生まれ、それぞれの円堂守が共鳴し合い、力を高め合っている。注意しろ、この円堂守は、これまでのデータにはない!!!」

 

円堂:「豪炎寺!!!」

 

アルファのシュートを止めた円堂さんから豪炎寺さんにロングキックのパスが飛ぶ。

 

クオル:「行かせると思うかしら!!!」

 

豪炎寺:「退けぇえええええっ!!! [ヒートタックル・改]!!!!!」

 

クオルを必殺技で吹っ飛ばしてディフェンスラインを突破した豪炎寺さん。そしてシュート体勢に入る。

 

豪炎寺:「このボール絶対に決める!!! [爆熱スクリュー]!!!!!」

 

豪炎寺さんの爆炎のシュートがプロトコル・オメガゴールに迫る。

 

ザノウ:「何ぃっ!? "キーパーコ···· グワァアアアアアアッ!!?!?!!」

 

反応が遅れたザノウを吹き飛ばし、シュートはゴールに突き刺さった。

 

フェイ:「今の技はアジア予選のオーストラリア戦で覚える技!? まさか豪炎寺さんにも共鳴現象が!?」

 

プロトコル・オメガボールで試合再開。ボールはアルファに渡り、ウォーリーが止めに入る。

 

アルファ:「"オフェンスコマンド04"!!!  [スピニングアッパー]」

 

アルファが高速で縦回転を掛けたボールをウォーリーに軽く蹴る。するとウォーリーは回転に巻き込まれて大車輪の様にグルグルと回り吹き飛ばされる。そしてアルファは化身を呼び出す。

 

アルファ:「【天空の支配者鳳凰】!!!」

 

そしてアルファはアームドせずにそのまま化身シュートを放って来る。

 

アルファ:「[― "シュートコマンドK01" ―]!!! [― 鳳凰烈火 ―]」

 

アルファの化身シュートが円堂さんを襲う。

 

円堂:「今度も止める!!! はぁあああああっ!!!」

 

すると円堂さんの背後に化身オーラが溢れ、金色の()()が姿を現す。

 

円堂:「[― グレイト・ザ・ハンド ―]!!!!

 

円堂さんの化身は、アルファのシュートを完璧にがっちりとキャッチした。

 

アルファ:「っ!?」

 

円堂:「風丸!!!」

 

ボールは風丸さんに渡る。するとエイナムがディフェンスに入る。

 

エイナム:「行かせるか!!!」

 

風丸:「負けてたまるか!!! [風神の舞]!!!!」

 

風丸さんは必殺技でエイナムを突破した。

 

フェイ:「あの技もアジア予選の!! 共鳴現象が3人!?」

 

風丸:「松風!!!」

 

そしてボールは俺に渡る。

 

ネタン・ジーニー:「「行かせるか!!!」」

 

天馬:「[そよ風ステップ・S]!!!!!」

 

俺は必殺技で二人を抜き去り化身を発動する。

 

天馬:「はぁああああああっ!!!! 【魔神ペガサスアーク・零式】!!!!!」

 

そしてシュート体勢に入る。

 

天馬:「[― ジャスティスウィング ―]!!!! 行けぇええええええっ!!!」

 

俺のシュートがゴールを襲う。しかし相手のGKザノウも化身を発動する。

 

ザノウ:「はぁあああああっ!!!! 【重機兵バロン】!!! [ー "キーパーコマンドK03" ー]!!! [ー ガーディアンシールド ー]」

 

化身同士の技が激突する。しかし俺のシュートはギリギリのところで弾かれてしまいボールはスタンドへ入ってしまう。しかし、

 

アルファ:「?」パシッ

 

鬼道:「戻って来た?」

 

?:「おーい!!! この試合、俺も入れてくれ!!!」

 

すると観客席から一人の人影が階段を降りてきて、フィールドへの柵を飛び越えた。あれは!!

 

天馬:「剣城!! 来てくれ·····あれ?」

 

?:「俺は、君の知ってる京介じゃない。京介の兄、剣城優一だ」

 

 

― 続く ―




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第9話:天馬の化身アームド

突然現れた乱入者。それはなんと·······

 

天馬:「優一さん·····もう···歩けるんですか·····?」

 

優一:「ああ。だがその話をする前に、まずは奴らを片付けよう」

 

天馬:「っ!! はいっ!!! 俺······嬉しいです!!! 優一さんとサッカー出来るなんて!!!」

 

優一:「俺もだよ。それに、あの円堂さんたちと一緒にやれるなんてな」

 

一方で、優一さんを知らない円堂さんたちは、

 

風丸:「フェイ、あの人誰だ?」

 

フェイ:「剣城優一。パラレルワールドから駆け付けてくれた、心強い味方だよ」

 

そしてテンマーズのメンバーチェンジ。DFのストロウが外れて優一さんが入り、陣形を3ー4ー3に変更する。

 

フォーメーションチェンジ

Fーミルキーウェイ

 

FW    優一  豪炎寺  フェイ

 

MF チビット  天馬  鬼道  マント

 

DF    風丸  スマイル ウォーリー

 

GK         円堂

 

そしてテンマーズボールのスローインから試合を再開し、マントのスローからボールはフェイに飛ぶ。しかし後ろから巨漢のガウラがガツガツと身体で当たってくる。

 

フェイ:(確かにパワーは凄いけどっ!!)

 

フェイは敢えて競り合わずに身体を入れ換えて反転し、ガウラを躱してボールを持ち、優一さんにパスを出す。

 

優一:「ナイスパス!!!」

 

優一さんがドリブルでフィールドをかけ上がる。しかしアルファが止めに入る。

 

アルファ:「お前は再修正される」

 

優一:「それはどうかな!! はぁああああああっ!!!」

 

すると優一さんの背後に化身オーラが発生。中から禍々しい漆黒の鎧を纏った暗黒騎士の化身が現れる。そして、

 

優一:「【魔戦士ペンドラゴン・零式】!!! アァアアアムドッ!!!!」

 

すると優一さんは化身アームドを発動し、黒い鎧を身に纏う。

 

天馬:「えぇっ!? 優一さんが化身アームドを!? 「天馬くん、君にも出来るよ!!」 えっ? 俺にも出来る?」

 

そして【ペンドラゴン】をアームドした優一さんとアルファがやり合うが勝負は一瞬で着いた。

 

優一:「[疾風ダッシュ]!!!!」

 

優一さんは風の如き速さでアルファを抜き去りシュート体勢に入る。優一さんが空に向かって思い切りボールを蹴ると、鋭い槍の様にボールが変形。尖端から次々分裂し何百もの雨の様なシュートが放たれる。

 

優一:「[サウザンド···アロォオオオオオッ]!!!!!!!」

 

優一さんのシュートがプロトコル・オメガのゴールに襲い掛かる。ザノウはあまりの数に対処しきれず、シュートはゴールに突き刺さった所で優一さんの化身アームドは解除された。

 

矢島:「ゴォオオオオオオオルッ!!!! テンマーズ追加点!!!」

 

アルファ:「っ!!」

 

プロトコル・オメガボールのキックオフから試合再開。ボールはアルファに渡る。

 

アルファ:「【天空の支配者鳳凰】!! アームド!!!」

 

そしてアルファは化身を発動。アームドを完了して攻め上がる。そこに俺が正面から突っ込む。

 

天馬:「俺にも出来る!! 化身アームド出来る!!! ハァアアアアアッ!!! 【魔神ペガサスアーク・零式】!!! アァアアムドッ!!!!」

 

そしてペガサスアークはオーラに戻って俺の身体に纏わりつき、俺は純白の鎧を身に纏う。

 

天馬:「うわ!? 本当に出来た!!!」

 

フェイ:「どう? 初めての化身アームドの感想は」

 

天馬:「身体の中から力が湧いてくる!! 今の俺、何でも出来るって感じだ!!!」

 

アルファ:「くっ!! 調子に乗るな!!!」

 

そしてアルファが攻め上がってくる。

 

天馬:「絶対に止めてやる!!! [ワンダートラップ]!!!!」

 

俺は必殺技でアルファからボールを奪い返す。すると前線で豪炎寺さんと鬼道さんがパスを要求してきたので俺は二人に縦のセンタリングを上げる。

 

ボールに合わせて豪炎寺さんと鬼道さんが走り二人で跳びあがる。するとどこからかボールに神々しい純白の光が集まってくる。そしてその光が爆発的に輝くと、二人はツインボレーを思い切り叩き込む。

 

鬼道・豪炎寺:「「[プライムレジェンド・Gx]!!!!!!!」」

 

見たことのない二人のシュートがザノウに襲い掛かり、ザノウは化身を発動して迎撃体勢に入る。

 

ザノウ:「[― "キーパーコマンドK03" ―]!!!!! [ー ガーディアンシールド ー]」

 

[プライムレジェンド]と[― ガーディアンシールド ―]が激突する。しかし[プライムレジェンド]は[― ガーディアンシールド ―]をぶち破りゴールに突き刺さった。そしてこのタイミングで俺のアームドは解除と同時に前半戦終了のホイッスルが鳴った。

 

 

テンマーズ 3 - 0 プロトコル・オメガ

 

― 続く ―




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第10話:雷門サッカー部誕生へ向かう歴史

ハーフタイムに入り給水し、いよいよ後半戦が始まる。

 

ピィイイイーーーーッ!!!!

 

後半戦開始のホイッスルが鳴りプロトコル・オメガボールのキックオフで開始。ボールはレイザに渡るが、そこに豪炎寺さんがプレッシャーを掛ける。

 

レイザ:「その程度!! "オフェンスコマンド02"!!!  [リニアドライブ]」

 

磁力の反発と引き合いの力を利用した必殺技の超加速で豪炎寺さんを抜き去るレイザ。そして左サイドのエイナムに斜めのボールが入る。

 

鬼道:「させん!!!」バッ

 

鬼道さんがジャンプして空中でボールをカット。そしてボールは俺に渡るが、そこにジーニーがディフェンスに入る。

 

ジーニー:「これ以上やらせる物か!!!」

 

突っ込んで来るジーニー。しかし俺は化身を発動し、

 

天馬:「アァアアアムドッ!!!!!!」

 

化身アームドを発動。力づくでジーニーを強行突破する。

 

しかしそこにクオル、メダムがダブルチームでディフェンスを掛けてきた。

 

天馬:「フェイ!!!」

 

俺はパスコースが空いていたフェイにパスを出す。ボールはフェイの足元にぴったりと繋がる。

 

ガウラ:「ええい!! 行かせるか!!!」

 

フェイ:「ミキシトランス!!! "ティラノ"!!!!」

 

フェイはワンダバの"ミキシマックスガン"により自身の魂に格納されていたティラノサウルスのオーラを使用。ミキシマックスする。

 

フェイ(ティラノMix):「邪魔だ!!!」

 

ドガァアアアアアアアアアッ!!!!

 

フェイはティラノの強靭なフィジカルでガウラを吹き飛ばしてシュート体勢に入る。

 

フェイ(ティラノMix):「[古代の牙]!!!!」

 

ティラノの牙の様な鋭利なシュートがキーパーを強襲。ザノウは化身を発動し、

 

ザノウ:「[― "キーパーコマンドK03" ―]!!! [ー ガーディアンシールド ー]」

 

フェイのミキシシュートとザノウの化身技が激突する。しかしフェイのシュートはあと一歩の所で弾かれてしまい、弾かれたルーズボールはそのまま前線のエイナムへ。そしてここで俺のアームドは解除される。

 

エイナム:「"シュートコマンド06"!!!  [プラズマボール]」

 

高圧電流を纏ったシュートが今度は円堂さんを襲う。しかし風丸さんがシュートブロックに入る。

 

風丸:「[エアーバレット・V2]!!!!」

 

風丸さんの風の弾丸を受けて威力が減衰。それを円堂さんが、

 

円堂:「[怒りの鉄槌]!!!」

 

思い切り叩き潰して完璧に止める。そして円堂さんのゴールキックからボールは俺に。しかし、

 

アルファ:「させるか!!!」

 

アルファに横からスライディングでボールを奪われ、ボールを持ったアルファは化身を出す。

 

アルファ:「【天空の支配者鳳凰】!!! アームド!!!」

 

アルファは化身アームドを発動し、全速力のドリブルで攻め上がる。

 

フェイ:「っ!! スマイル!! ウォーリー!! 止めろ!!!」

 

フェイはデュプリに指示を出すが、アルファのスピードに追い付けず振りきられる。そしてアルファはシュート体勢に入る。

 

アルファが天高く跳躍。風の渦を纏った弾丸シュートを蹴り落とす。

 

アルファ:「"シュートコマンド01"!!!  [スピニングトランザム]」

 

円堂:「止める!! 【魔神グレイト】!!! [― グレイト・ザ・ハンド ―]!!!!

 

アルファのアームド必殺シュートと円堂さんの化身技が激突する。円堂さんも粘るがパワーで押しきられシュートはゴールに突き刺さる。

 

円堂:「痛ってぇ~····良いシュートじゃねぇか」

 

3-1、テンマーズボールで試合再開するが、ここから試合は膠着状態に入り、お互いに点が入らずに試合時間が経過。そして

 

ピッ、ピッ、ピーーーー!!

 

矢島:「ここで試合終了のホイッスル!!! 試合を制したのは、テンマーズだぁああああっ!!」

 

アルファ:「くっ·······」

 

トウドウ:「無様だなアルファ······。撤退せよ」

 

アルファ:「···········了解」

 

そして、プロトコル・オメガは撤退して行った。

 

フェイ:「やったよ天馬!!! 円堂守がサッカー部を作るルートを、ボクたちは守ったんだよ!!」

 

天馬:「ってことは、これで雷門の皆は元通りだよね!? 竜太の存在も帰って来るよね!? やったー!!!!!」

 

円堂:「何が何やら······」

 

豪炎寺:「円堂、これでサッカー部が始められるな」

 

ワンダバ:「天馬、フェイ、まだ1つ疑問があるぞ。何故優一君がこの時代に居るのか。」

 

フェイ:「あっ、」

 

優一:「これから話すよ」

 

そして優一さんの口から語られたのは、驚きの内容だったんだ。

 

 

 

― 続く ―




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第11話:戻ってきた仲間と戻らない剣城

円堂さんたちの時代で戦っていた俺たちの所に、未来から優一さんが援軍に駆け付けてくれてプロトコル・オメガを退ける事が出来た俺たち。しかし、何故優一さんがこの時代に来る事が出来たのかを聞かないといけない。

 

天馬:「それで、どうやって優一さんはこの時代に?」

 

優一:「それを説明する前に····天馬くんの知る俺は、俺が9才、京介が5才の時に、俺が事故で足が動かなくなって二度とサッカーが出来なくなったということだったよね?」

 

そう。それが俺の知る優一さんの歴史。俺が頷き肯定の意を示すと······

 

優一:「あの事故は······()()()かっ()()

 

天馬:「えっ!?」

 

俺は驚いたが、優一さんは話を続ける。

 

優一:「その結果、俺も京介も、サッカーを続ける事が出来た。そして、二人共にかなりの実力になったんだ」

 

う~ん······それなら寧ろなにも問題無い様な·····理想的な結果だと思うけど·····。

 

優一:「そして俺たち二人に、海外へのサッカー留学の話が来たんだ。「留学!? 凄い!!」···だが····」

 

― 2年前・剣城家 ―

 

剣城母(以下:母):「留学なんてありがたい話よね。何とか二人を行かせてあげたいわ」

 

剣城父(以下:父):「でも、ウチのお金では二人は無理だ。·····行けて一人だ」

 

母:「そんな······二人は無理なの?」

 

父:「私だって出来ることなら二人共行かせてやりたい。才能があると認められたんだ···「京介を行かせてやってよ」···っ!? 二人共聞いてたのか?」

 

剣城:「俺は良いから兄さんが行けよ「京介!?」···俺もう、サッカー飽きたからさ·····」

 

― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―

 

優一:「それから京介は、自身のサッカーに関わる物を全て処分して、二度とボールを蹴る事は無かった·····」

 

そんな······そんなのって······

 

天馬:「嘘ですよ····そんなの·····。剣城は、サッカーに飽きたりしない!!」

 

優一:「その通りだ。····俺は、それがアイツなりの優しさだと分かっていた。だから俺は留学に行くことにした。しかし俺の前にも、奴等が現れた」

 

ワンダバ:「そうか!! 新たな歴史の中で、君は多くの人間に影響を与えてしまった。だから狙われた」

 

優一:「なんとか退けたが、これからどうするかと考えていた俺のところに、"支援者X"と名乗る男が現れたんだ」

 

フェイ:「支援者X····?」

 

優一:「ああ。その人は、サッカーにおける次世代の才能を持った子供たちを発掘していると言い、俺にこの"タイムブレスレット"をくれた」

 

ワンダバ:「タイムブレスレットだと!?」

 

優一:「これがあれば、時間を越える事が出来る上に、歴史改編の影響も受けずに済む」

 

フェイ:「そうか。それを使って優一さんはこの時代に·····」

 

優一:「天馬くんも知っている通り、京介は本当にサッカーが好きなんだ。·····俺以上に。だからこそ俺は、京介にサッカーを返したいんだ。例え今の俺の存在が·····消える事になっても·····」

 

天馬:「優一さん·····」

 

優一さんの····剣城()への深い愛情に、俺は何も言えずに黙る事しか出来なかった。すると、

 

円堂:「難しい事は良く分からないけど、天馬たちはサッカーを守る為に戦ってるのか?」

 

天馬:「はい。そうです!!」

 

円堂:「その戦い、俺も手伝いたいぞ!!」

 

秋:「円堂くんの役目は、サッカー部を作る事じゃないかしら? それが結果的に、サッカーを守る事に繋がるんじゃない?」

 

天馬:「そうです。円堂さんたちが雷門サッカー部を作ってくれたら、サッカーも喜びます!!」

 

俺がそう言うと円堂さんはクスッと笑い、

 

円堂:「お前面白い奴だな·····分かった。雷門サッカー部の事は俺に任せろ!! 何としても作ってやる!!」

 

フェイ:「よし!! じゃあ現代に戻ろうか」

 

そして俺、フェイ、優一さんはTMキャラバンに乗り込み、ワンダバは運転席に座る。

 

ワンダバ:「では行くぞ!! いざ現代へ!! タイムジャ~ンプ!!!!!」

 

 

 

― 現代・雷門高校 ―

 

現代へと戻って来た俺たちは、サッカー棟の前で立ち止まっていた。

 

フェイ:「入らないの?」

 

天馬:「いや····もし皆が戻っていなかったらと想像したら怖くて····」

 

フェイ:「もし戻って無かったらもう一度タイムジャンプして歴史を正さないとね」

 

天馬:「うん·····。よし···行こう!!」

 

そして、俺がサッカー棟に入ると、

 

信介:「あっ!! 天馬やっと来た!!」

 

果林:「キャプテンなのに遅いわよ?」

 

歩夢:「確かに天馬くんなら一番最初に来そうですもんね?」

 

!!! 歩夢先輩たちが戻ってる!!!

 

天馬:「あの~? つかぬことをお聞きしますがしずくたち女性陣は学校は虹学じゃ無いよね?」

 

しずく:「はぁ? 寝ぼけてるんですか? ()()に決まってるじゃないですか。仲間の顔を忘れたとか言いませんよね?」

 

ってことは····!!!

 

天馬:「やったーーーーーーー!!!! 皆が元に戻ったぁああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

皆がポカンとする中、男子更衣室の扉が開き、

 

竜太:「やっと来たのか天馬。遅ぇよ」

 

天馬:「っ!!! 竜太ぁああああああああああああああっ!!!!」

 

竜太:「うわ何だ!? 離れろ鬱陶しい!!!」

 

彼方:「え~っと·····天馬くん一体どうしたのかな~······?」

 

フェイ:「天馬ってば·····」フフッ

 

ワンダバ:「まぁ今はそっとしておこう」

 

葵:「あの~? 貴方たちは?」

 

フェイ:「あっ、ボクはフェイ・ルーンって言います」

 

ワンダバ:「私はテンマーズの大監督、クラーク・ワンダバットだ!! ワンダバと呼んでくれ!!」

 

璃奈:「クマのぬいぐるみがしゃべった·····ロボット?」

 

かすみ:「天馬くんどういうことですかぁ!?」

 

天馬:「今から話すよ」

 

········説明めんどくさそう

 

 

 

― 次回に続く ―




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第12話:兄弟のサッカー

円堂さんたちの時代から帰還した俺たち。すると、剣城()()のメンバーは元に戻っていた。

 

優一:「失礼。おじゃまするよ」

 

エマ:「あっ!? 剣城センパ~イ!!!」

 

優一:「エマちゃん久し振り」

 

あれ? エマ先輩と優一さんって······

 

フェイ:「そういうことみたいだね·····

 

かすみ:「あの~この人誰なんですかぁ?」

 

かすみがそう言い、しずくたちも頷く。すると、三国先輩が説明してくれた。

 

三国:「剣城先輩は、俺たちが1年生だった頃の3年生で、かつての雷門のエースストライカーだったんだ」

 

歩夢:「私たちの入学と入れ替わりで卒業して、でもたまに遊びに来てくれてたの」

 

天馬:「あの!! じゃあ剣城は····「天馬くん呼び捨てなんて失礼よ!!」」

 

果林先輩が咎めるが、俺が言ってるのは優一さんの事じゃない。

 

天馬:「そうじゃなくて、剣城京介!! 優一さんの弟の!!!」

 

俺はそう言うが、皆首を捻り明らかに知らない様子だった。

 

天馬:「やっぱり優一さんの言う通り·····」

 

フェイ:「みたいだね。皆にも事情を説明しよう。今まで起きていた異変を······」

 

フェイの言葉を聞き、皆の頭のなかには「?」マークが一杯になる。そして俺とフェイは今まであった事を説明した。200年後の未来から来た敵とフェイの事、改編された歴史、その中で皆は今までサッカーを忘れていた事。やはり皆信じられ無かったので、ワンダバにTMキャラバンをサッカー棟フィールドにワープして入ってきてもらった。皆空を飛び突如室内に現れたキャラバンに呆然としていた。

 

せつ菜:「では····私や愛さん、女性陣は全員、虹ヶ咲学園の生徒としてスクールアイドルをやっていたと······」

 

果林:「にわかには信じられないけど······」

 

天馬:「本当に大変だったんですよ? 霧野先輩や天城先輩たちは「サッカー興味無い」って言うし、三国先輩は「部活なら相撲部に来い」って言うし、信介は「卓球部に入らない?」って誘ってくるし、しずくたちは学校自体が違う事になってるし、竜太に至っては存在そのものを消されてるし、元に戻すのがどれだけ大変だったか!!!」

 

竜太・彼方:「「ちょっと待て(って)!! 今とんでもないこと言ったよね!?」」

 

天馬:「ああ、歴史を改編されたせいでイナズマジャパンがFFIで優勝出来なかった事になってさ、竜太は産まれてすらこないことにされてたんだよ」

 

すると竜太と彼方先輩は土下座してありがとうと言ってくる。

 

優一:「とにかく、皆には京介の歴史を元に戻すのを手伝って欲しいんだ。そしてそれは、君たちが本来の雷門サッカー部に戻る事を意味する」

 

輝:「でも、今なら二人共やろうと思えばいつでもサッカー出来るんですよね? なら直さない方が良いんじゃ·····」

 

愛:「確かにそっちの方がお得な感じするよね~?」

 

優一:「ありがとう。でも、それはやっちゃいけないことだと思うんだ」

 

フェイ:「じゃあアーティファクト見つけて早速タイムジャンプを·····「それなら1日待ってくれないか?」え?」

 

優一:「今のうちに、どうしてもやっておきたい事があるんだ。アーティファクトについては心当たりがあるから明日持ってくるよ」

 

天馬:「分かりました」

 

そう言い、優一さんはサッカー棟から出ていった。

 

フェイ:「何だろう?」

 

しずく:「フェイさん····でしたっけ? 私たちよりも事情を知ってるのに分からないんですか?」

 

侑:「私は説明聞いてる時点でやりたいだろうなって分かったよ」

 

フェイ:「ええ!?」

 

竜太:「助けてもらってなんだけどさ、フェイってひょっとしてバカ?」

 

フェイ:「皆分かるの!?」

 

竜太:「まぁいいや。天馬、優一さん追いかけるぞ。俺は忘れちまってるんだろうから覚えてるお前がいた方が良いかもしれない」

 

天馬:「よし!! 行こう竜太」

 

フェイ:「ボクも行く」

 

そして俺と竜太、フェイは優一さんを追いかけ、商店街に向かった

 

― 商店街・ゲームセンター ―

 

優一さんと合流した俺たちは、剣城を探していた。するとゲーム機でゲームをしている剣城がいた。

 

天馬:「つる···「待った天馬くん」?」

 

優一:「俺に任せてくれ。今の京介は君の事を知らないんだから」

 

そして優一さんは剣城に話し掛ける。剣城は驚いた顔で優一さんと話していた。

 

優一:「ちょっとだけ、一緒にサッカー付き合ってくれないか?」

 

剣城:「········兄さん一人でやれよ」

 

優一:「······河川敷で待ってる」

 

優一さんは浮かない顔で戻ってくる。

 

フェイ:「京介くんと最後にもう一度サッカーしたかったんですか?」

 

優一:「ああ。もう····叶わないのかな」

 

そう言い、優一さんはゲームセンターから出ていった。

 

天馬:「····················」

 

竜太:「天馬?」

 

天馬:「剣城·····」

 

剣城:「あ? 誰だお前···「本当に分からないんだね·····」あ? 何訳の分からない事を」

 

天馬:「何で優一さんの誘いを断ったんだ!!! 剣城はサッカーに飽きる様な奴じゃない!! まだサッカー好きなんだろ!?」

 

剣城:「っ!! 知った様な口をきくな!!!」

 

剣城は俺に怒鳴ると、ゲームセンターを出ようとする。

 

天馬:「剣城!! 優一さんはきっと、河川敷で待ってる!!!」

 

剣城は一瞬足を止めたが、直ぐに歩き出し、ゲームセンターから出ていった。

 

 

― 河川敷 ―

 

優一:「··········っ! 来たか京介!!」

 

剣城:「でも俺、上手くやれるか分からないぜ? ずっと·····やって無かったから」

 

優一:「別にそれでも構わないよ。お前とやりたかったんだから。ほら、」

 

剣城:「っ! 兄さん!!」

 

優一:「ちゃんと蹴れるじゃないか。やってなくても、好きだったんだろ?」

 

それから優一さんと剣城は、かつての様にボールをただ、無我夢中で追い掛けた。

 

天馬:「良かったですね。優一さん·····」

 

そんな二人を、俺と竜太とフェイは微笑ましそうに見つめていた。

 

 

― 続く ―




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第13話:vsプロトコル・オメガ 剣城京介インタラプト編

翌朝、俺たちは剣城のタイムルートを元に戻すべくタイムジャンプする為、TMキャラバンでまだ来ない皆を待っていた。

 

因みに既に来ているメンバーは俺、フェイ、優一さん、神童先輩、信介、竜太、そして彼方先輩だ。昨日はフェイとワンダバは木枯らし荘の俺の部屋に泊まった。フェイたちは未来の人間だからこの時代に家は無いからね。

 

そして俺とフェイ、優一さんとワンダバが一番乗りで待っていたら、二番目についこの間(本当の歴史で)恋人同士になった竜太と彼方先輩が腕を組ながら桃色空間を発しながら来た。聞いたらこのルートでも恋人らしい。······もうちょっと真面目な空気になる場面だよね今。

 

そしてその後10分程で先ほど言ったメンバーが到着したんだ。

 

ワンダバ:「むむっ!! ワームホールの振幅が不安定になっている。悪いが今すぐ出発するぞ!!」

 

天馬:「えっ!? 皆を待たないの?」

 

ワンダバ:「そんな暇は無い。急がないと歴史を元に戻せなくなるぞ!!!」

 

優一:「それは不味い。直ぐに出発しよう」

 

そして優一さんは持って来ていたアーティファクト···――小さい頃に兄弟でサッカーをしていた思い出のボール――···を、タイムスキャナーにセットする。するとTMキャラバンのフロントガラスに11年前の日付が表示される。

 

ワンダバ:「よし。では行くぞ!!」

 

そしてTMキャラバンは離陸しタイヤ部分が変形。11年前の時代へと繋がるワームホールを作り出す。

 

ワンダバ:「いざ!! 過去の稲妻町へ!! タイムジャ~ンプ!!!!」

 

そして俺たちは、現代から過去の世界へと向かった。

 

 

――― 竜太視点 ―――

 

―― 11年前・稲妻町公園 ――

 

ワームホールを抜けて外の世界に出ると真下に大きな公園があった。

 

彼方:「あっ、この公園休みの日に彼方ちゃんが遥ちゃんと一緒に練習にくる公園だ~。でも、ここ過去の世界なの~?」

 

優一:「ああ。このどこかに子供の頃の俺と京介が居る筈だ」

 

 

そして俺たちは公園を見て回る。すると広場の端っこでボールを蹴る優一さんと剣城京介がいた。

 

神童:「あれは·····間違いない。剣城先輩」

 

信介:「凄いよ!! 僕たち本当に時間を遡ったんだ!!!」

 

フェイ:「でも、エルドラドが邪魔しに来る筈だ。」

 

しばらく俺たちは二人の様子を見守る。本当に楽しそうにボールを蹴ってるな·····。

 

ワンダバ:「本当に良いのか? 歴史を元に戻せば、君の足は動かなくなるんだぞ·····?」

 

優一:「それが真実なら、受け入れるさ。その上で、必ず乗り越えて見せる」

 

ワンダバ:「·············」

 

 

 

しかし、話に聞いた運命の時がやって来る。

 

優一(子供):「ファイアトルネードッ!!」ポーンッ

 

剣城(子供):「スサノオブレードッ! ガスッ あっ」

 

そしてボールは木の枝にひっ·····

 

 

 

ピシィイイイイーーーンッ

 

 

彼方:「な、なにっ?」

 

竜太:「時間が·····止まった!?」

 

フェイ:「っ!! 見て!!」

 

フェイの視線の先には、赤紫色の髪をした男が立っていた。

 

アルファ:「これより、インタラプトを修正···「止めろ!!」?」

 

優一さんが両手を広げて二人を庇うように立ち塞がる。

 

優一:「手を出すな!!」

 

優一さんに俺たちも続く。

 

神童:「こいつが、戦う相手なのか?」

 

天馬:「そうです。プロトコル・オメガのアルファです!!」

 

フェイ:「また会ったな」

 

俺は覚えて無いけど、俺と彼方を引き裂いた罪は重い!! 叩きのめしてやる!!!

 

 

アルファ:「·······ピピッ。 情報取得完了。理解した。我々の邪魔をする者は排除する!!」

 

《ムーブモード》

 

アルファはサッカーボールに似た球(恐らく何らかのデバイス)のボタンを踏むと音声が鳴り、光を放つ。

 

― 雷門サッカー棟・グラウンド ―

 

光が収まると俺たちは見慣れた場所に居た。

 

竜太:「ここは······」

 

神童:「雷門のサッカー棟じゃないか·····」

 

《タイムワープモード》

 

するとアルファは先程とは別の色のボタンを踏む。すると先程とは別の音声が鳴る。

 

― 現代・沖縄 ―

 

女将さん:「あんたー!! カレーライス3つ大至急!!」

 

矢島:「あいよ!! 後はルーを掛けて···」

 

バシュウン

 

女将さん:「あんたー!! でき····また居ない!?」

 

― 雷門サッカー棟・グラウンド ―

 

バシュウン

 

矢島:「おーーっと!! いきなり呼び出されたと思ったら、何処かのサッカー場だーーー!!」

 

アルファ:「実況は無くてはならない物だと聞いているが、騒がしい物だな」

 

は? 何言ってんのコイツ。何か勘違いしてない?俺たちが全員苦笑いしている中、ふと優一さんを見ると優一さんは険しい様な、今一度覚悟を決めた様な、そんな顔をしていた。

 

天馬:「優一さん。何としても勝ちましょう!!!」

 

優一:「ああ。勿論だ!!!」

 

そして両チーム位置に着く

 

フォーメーション

 

プロトコル・オメガ

3-4-3

F-アルファ

 

GK         ザノウ

 

DF    クオル  メダム  ガウラ

 

MF クオース ネタン  ジーニー ネイラ

 

FW    エイナム レイザ  アルファ

 

雷門

4-1-3-2

F-ライモン

 

FW        優一    竜太

 

MF    マント    天馬    フェイ

 

ボランチ          神童

 

DF デブーン   彼方   ストロウ  スマイル

 

GK           信介

 

 

そして、試合開始のホイッスルが鳴った。

 

 

― 続く ―




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第14話:俺たち(雷門)のエースストライカー

今回から基本竜太目線に戻ります。

それではどうぞ!!!


ホイッスルと共に雷門ボールのキックオフから試合開始。ボールはまずは神童先輩に渡り、ゲームを組み立てる。

 

神童:「フェイ!!」

 

神童先輩から左サイドのフェイにパスが飛ぶ。フェイを走らせて前方でボールを受け取らせると、白髪の巨漢MFジーニーが横からプレッシングを掛ける。

 

フェイ:「竜太くん!!」

 

フェイはボールを縦に蹴りジーニーを躱して俺にパスを繋ぎ、受け取った俺はドリブルで攻め上がる。しかし、

 

アルファ:「大海竜太···どれ程の者か見せてもらおう」

 

アルファがディフェンスを仕掛けてきて少しの攻防が始まる。だが·····、

 

竜太:「ふ~ん····。()()()()か?」

 

俺はがら空きのアルファの股したにボールを転がして横からアルファを抜き去る。股抜きと言う初歩的なテクニックだ。

 

アルファ:「ッ!?」

 

しかし体格の良いDF、ガウラが突っ込んでくる。

 

ガウラ:「この!! "ディフェンスコマンド03"!!!  [コイルアッパー]」

 

相手は必殺技を発動。しかし、

 

竜太:「[ウォーターベール・S]!!!!」

 

俺が空中から地面にボールを両足で踏み込む。するとその場から水柱が発生し、相手に向かって迫って行く。

 

バッシャァアアアアアンッ!!!!

 

ガウラ:「うわあっ!?」

 

そして水柱が相手の足元に到達した瞬間盛大にスプラッシュ。ガウラを吹っ飛ばした。そして俺は更にゴール前へと切り込みシュート体勢に入る。

 

竜太:「行くぜえっ!! [剣撃乱舞・Z]!!!!!!」

 

俺はボールに対して一瞬で18連撃の蹴りを叩き込む。シュートはレイピアの様に鋭い弾道でゴールに襲い掛かる。しかし相手キーパーも化身を発動して迎撃体勢に入る。

 

ザノウ:「はぁあああああっ!!! 【重機兵バロン】!!! アームド!!!」

 

()()()()、相手がそう叫ぶと化身はオーラに戻りザノウの身体に装備され、ザノウは金色の金属質の鎧を身に纏う。

 

ザノウ:「"キーパーコマンド03"!!!  [ドーンシャウト]」

 

相手キーパーの力強い雄叫びと共に音の壁が発生。シュートの威力をいなし、[剣撃乱舞]は止められた····ところでザノウのアームドとやらは解除された。

 

竜太:「なっ!? 何だアレ!!」

 

フェイ:「化身アームドだよ。前に戦ったときは使って無かったのに·····」

 

化身アームド····良く分からないが、俺たちの時代では知られていない化身の力ってことか。

 

ザノウ:「レイザ!!」

 

プロトコル・オメガのゴールキックから前線へロングキックが入る。こちらのDF、ストロウが競り合うが、

 

レイザ:「デュプリごときに負ける訳無いでしょ!?」ドガァッ!!!

 

ストロウ:「ぐあっ!!」

 

競り合いに打ち勝ち、ボールをキープしながら攻め上がるレイザ。しかしここで彼女がディフェンスに入る。

 

彼方:「あなたたちのやったこと、彼方ちゃん怒ってるんだからね~!!! [スリ~ピィサンクチュアリ・G3~]!!!」

 

彼方の催眠領域が展開される。その中にモロに突っ込んでしまったレイザは酷い睡魔に襲われ膝をつく。

 

レイザ:「ぐっ····くぅうううっ(寝てる場合じゃないのに····(まぶた)が重い····!!!)」

 

そしてその隙に彼方はボールを奪い取り、天馬にパスを出す。

 

天馬:「ナイスです彼方先輩!! 竜太!!」

 

そこからボールは俺に飛ぶ。しかし危機を察知したアルファが前線から戻りディフェンスに入る。

 

アルファ:「行かせん!! 【天空の支配者鳳凰】!! アームドッ!!!!!」

 

アルファは化身アームドを発動。先程と同じ轍は踏まないと注意を払いディフェンスを仕掛けてくる。

 

竜太:「負けてたまるか!! ここでお前らの精神的支柱をへし折ってやる!!!」

 

俺が力強く左右に足を踏み込むとそれぞれの足にバチッと電流が走る。そして俺が一瞬光ったかと思ったら次の瞬間には既にアルファを抜いていた。

 

竜太:「[ライトニングワープ]!!!!」

 

俺の[スプリントワープ]や波未たちが使う[ライトニングアクセル]のスピードを遥かに越える超爆速移動により突風が発生。アルファを風圧で吹き飛ばした。

 

アルファ:「ぐっ!? ぐぁあああああっ!!!」

 

プロトコル・オメガ:『!? アルファ様!!!』

 

矢島:「出たーーーーっ!!! 大海竜太の新必殺技だーーーっ!!!」

 

エキサイトする実況のオッチャン。そして俺はシュート体勢に入る。

 

空中で両足を使いボールを挟み、身体ごと足を捻ってボールに回転を掛けて空気摩擦で着火。その勢いのまま渾身のソバットキックをボールに叩き込む。

 

竜太:「[絶・デスファイア]!!!!!」

 

赤黒い死の炎を纏ったシュートがキーパーに襲い掛かる。

 

ザノウ:「【重機兵バロン】!!! アームド!!!」

 

キーパーは再び化身アームドを発動。必殺技の体勢に入る。

 

ザノウ:「"キーパーコマンド03"!!!  [ドーンシャウト]」

 

音の壁がシュートを阻む。しかし俺の必殺シュートはザノウのアームド必殺技を貫通し、ゴールネットに突き刺さった。

 

 

雷門 1 - 0 プロトコル・オメガ

 

 

― 続く ―




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第15話:前半終了

俺のシュートが決まり唖然とするプロトコル・オメガ。そりゃそうだよね。だって······

 

フェイ:「ま··まさかアームドした必殺技を唯の必殺技で·····」

 

フェイやプロトコル・オメガたち未来組と優一さんは驚きを隠せなかったが、雷門のチームメイト組は「竜太ならやると思った····」って顔をしている。

 

そしてプロトコル・オメガのキックオフから試合再開。ボールはクオースに渡ると、クオースは化身を発動する。

 

クオース:「ハァアアアアッ!!! 【音速のバリウス】!!!」

 

そして化身を発動したままドリブルで攻め上がるクオース。しかし神童先輩も自身の化身、【奏者マエストロ】を発動。マントと共にダブルチームでディフェンスを掛ける。

 

クオース:「[― "オフェンスコマンドK01" ―]!!!! [ー オーバードライブ ー]」

 

しかしクオースは化身ドリブル技を発動。高速ドリブルで二人を抜き去る。そして【バリウス】を化身アームドする。

 

クオース:「喰らえっ!!!」

 

クオースのアームドシュートがゴールを襲う。しかし彼方がシュートブロックに入る。

 

彼方:「うぉおおお~っ! [絶・ダークトルネ~ドッ]!!!!」

 

彼方がアームドシュートを蹴り返そうと足をぶつける。

 

彼方:「くっ、うぉおおお~っ!!」

 

彼方も必死に耐えるがやはり吹き飛ばされてしまう。しかしかなりのパワーを奪うことに成功した。

 

信介:「止める!! [真・バーニングハンド]!!!」

 

信介の右手に爆炎が宿り、その手を思い切り前に突き出すと巨大な燃える右手がシュートを抑え込む。そしてシュートは勢いを焼き尽くされ、黒焦げになって停止した。

 

矢島:「なんとーーーー!! 今度は西園信介の新必殺技だーーーーっ!!!!」

 

信介:「優一さん!!!」

 

信介のゴールキックからボールは優一さんへ。ドリブルを仕掛けようとするがDFのクオルがディフェンスに入る。

 

クオル:「行かせないわ!!!」

 

優一:「押し通る!! [疾風ダッシュ・改]!!!」

 

優一さんは疾風の如きスピードで一気にディフェンスラインを突破。シュート体勢に入る。

 

優一:「[サウザンドアロー]!!!」

 

相手キーパーに、千の矢の雨が降り注ぐ。ザノウは化身を発動し、

 

ザノウ:「【重機兵バロン】!!! [― "キーパーコマンドK03" ―]!! [ー ガーディアンシールド ー]」

 

優一さんの必殺シュートとザノウの化身技が激突する。しかしシュートは弾かれてしまい、そのままボールは前線のアルファに飛ぶ。

 

アルファ:「ハァアアアアッ!!! 【天空の支配者鳳凰】!!! アームド!!」

 

アルファは鳳凰を鎧として身に纏うとそのままドリブルで攻め上がる。

 

フェイ:「っ!! ストロウ、スマイル、止めろ!!!」

 

フェイが指示を出し、デュプリの二人がディフェンスに入る。しかしアルファは二人を歯牙にも掛けずに強引に力技で突破。シュート体勢に入る。

 

アルファはボールと共に空高く跳び上がると、高速回転するボールに強烈なインパクトを叩き込む。

 

アルファ:「"シュートコマンド01"!!!  [スピニングトランザム]」

 

天から旋風を纏ったアームド必殺シュートが蹴り落とされる。信介は化身を発動する。

 

信介:「はぁああああああっ!!! 【護星神タイタニアス・参式】!!! [― マジン・ザ・ハンド ―]!!!!

 

タイタニアスと信介が右腕をシュートに突き出す。しかし信介はアルファのシュートに押されて吹き飛ばされてしまい、シュートはゴールに突き刺さった。

 

信介:「く、くそっ!!!」

 

同点になり雷門ボールで試合再開。ボールが神童先輩に渡ると、レイザがディフェンスに入る。

 

神童:「[オリンポスハーモニー・G3]!!!」

 

神童先輩の背後に美しい神殿が出現。相手が見とれている間に突破。俺は先程のシュートで徹底的にマークされパスが出せないので優一さんにパスを出す。

 

メダム:「行かせん!!」

 

すかさずメダムがチェックに入るが、優一さんは天馬とのワン・ツーパスで突破する。

 

優一:「来い!! 【魔戦士ペンドラゴン・零式】!!!」

 

優一さんは化身を発動。シュート体勢に入る。

 

優一:「[― ソウル・ブリンガー ―]!!!

 

【ペンドラゴン】の剣の一振りと共に暗黒のシュートが飛んで行く。キーパーザノウは化身を発動。アームドする。

 

ザノウ:「"キーパーコマンド03"!!!  [ドーンシャウト]」

 

ザノウのアームド必殺技と優一さんの化身シュートが激突する。しかし優一さんのシュートは止められてしまい、ここで前半終了のホイッスルが鳴った。

 

 

雷門 1 - 1 プロトコル・オメガ

 

 

― 続く ―




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第16話:兄弟の想い。 剣城兄弟の必殺シュート

1-1の同点で迎えたハーフタイム。ゴールを決めてから俺は徹底マークに遭い、とてもボールには触れそうにない。一方で、優一さんもあと一歩の所で決めきれない。だが、

 

ワンダバ:「優一くん、こんなこともあろうかと、私は昨日あの後で京介くんのオーラを取ってきた。兄弟だから相性はバッチリの筈だ!!」

 

天馬:「優一さんと剣城のミキシマックスってこと?」

 

ミキシマックス·····聞いたことがない言葉に俺と彼方が二人して首を捻ると、フェイが説明してくれた。選手と選手のオーラを掛け合わせてパワーアップさせる·····そんなことが出来るのか·····

 

フェイ:「でも京介くんはずっとサッカーやってなかったんでしょ? 本来のパワーが出るのかな······「やる!! 俺は···アイツのサッカーへの想いを信じる」優一さん····」

 

ワンダバ:「よし!! では行くぞ!!」

 

するとワンダバは「-」のマークが入った銃と「+」のマークが入った銃を構える。

 

ワンダバ:「行くぞ!! ミキシマ~~ックス!!!!」

 

ワンダバが「-」の銃のトリガーを引くと、先端からレーザーが射出され、中に剣城京介が現れる。

 

剣城(オーラ):「はぁああああああっ!!!」

 

するとワンダバは優一さん目掛けて「+」の銃のトリガーを引く。射出されたレーザーは優一さんに当たり、優一さんのオーラが一気に膨れ上がる。

 

優一:「うぅぉおおおおおぁあああああっ!!!!!」

 

レーザーが消えると、髪が逆立ち、目元が鋭く変化した優一さんが姿を現した。

 

ワンダバ:「ミキシマックス!! コンプリーーート!!!!」

 

彼方:「す、スゴい。さっきとは雰囲気が全然違う!!!」

 

優一(剣城Mix):「よし! 後半行くぞ!!!」

 

そして選手がフィールドに戻り位置につく。そして後半開始のホイッスルが鳴り、プロトコル・オメガのキックオフから後半開始。

 

アルファ:「たとえパワーアップしようと同じことだ。「それはどうかな!!!」」

 

ボールを持っているネタンに、上昇した瞬発力を使い一気に距離を詰める優一さん。ネタンは咄嗟に反応出来ずにボールを奪われる。

 

おいおい、滅茶苦茶パワーアップしてるぞ·····

 

アルファ:「っ!! クオル、メダム!! ファールで良い。止めろ!!!」

 

クオル・メダム:「「了解!!!」」

 

相手二人が優一さんの行く手に待ち構える。しかし、

 

優一(剣城Mix):「その程度!! [疾風ダッシュ・改]!!!」

 

疾風のごとき素早さで、二人の合間を縫い一気に突破する優一さん。あっさりとディフェンスラインを突破しシュート体勢に入る。

 

優一(剣城Mix):「京介····行くぞ!!」

 

優一さんがしゃがんで両手を大きく広げると、背中に漆黒の翼が出現。ボールと共に跳び上がる。すると翼のオーラがボールに纏わりつき、それを優一さんは右足で思い切り振り抜いた。

 

優一(剣城Mix):「[デビル・バァアアアアストッ・G3]!!!!!」

 

剣城兄弟の必殺シュートがプロトコル・オメガゴールに襲い掛かる。キーパーザノウも迎撃体勢に入る。

 

ザノウ:「これ以上は入れさせん!! 【重機兵バロン】!!! アァアアムドッ!!!!」

 

ザノウは化身を発動しアームド。金属質の金色の鎧を身に纏う。

 

ザノウ:「"キーパーコマンド03"!!!!  [ドーンシャウト]」

 

ザノウの技で発生した音の壁····衝撃波がシュートを迎え撃つ。しかし優一さんの、兄弟二人の想いが込められた強烈なシュートを止めることは出来ず、シュートばゴールネットに突き刺さった。

 

矢島:「ゴォオオオオオオルッ!!! 雷門勝ち越しだぁああああああっ!!!!」

 

プロトコル・オメガ:『っ!!?』

 

優一(剣城Mix):「よし!!!!」

 

 

 

プロトコル・オメガのキックオフから試合再開。プロトコル・オメガは此方の合間を縫いパスを回してボールを前線に運び、ボールはアルファに渡る。

 

アルファ:「我々は敗ける訳にはいかないんだ!!! 来いっ!! 【天空の支配者鳳凰】!!! アァアアアアムドッ!!!!」

 

アルファは化身を発動しアームド。シュート体勢に入る。

 

アルファがボールと共に回転しながら跳びあがる。そして渦巻く風を纏ったボールに、強烈なインパクトを叩き込む。

 

アルファ:「"シュートコマンド01"!!!!  [スピニングトランザム]」

 

アルファの旋風を纏った渾身のシュートが上空から落とされる。しかし彼方がシュートブロックに入る。

 

彼方:「止めるよ~~っ!!!! [絶・ダーク・トルネェエエエエドッ]!!!!」

 

ドガァアアアアアアアンッ!!!!! ビリビリ

 

彼方渾身のシュートブロックが、アルファのアームド必殺シュートに激突する。僅かにアルファのシュートの威力を削ぐ事は出来たが、彼方は吹っ飛ばされてしまい、シュートは雷門ゴール目掛けて突き進む。

 

信介:「止める!!! 【護星神タイタニアス・参式】!!!!」

 

信介は化身を発動。化身技の体勢に入る。

 

信介の化身オーラが余すことなく【タイタニアス】に集約される。溢れるエネルギーの影響で、【タイタニアス】が金色に輝きだす。そして信介と【タイタニアス】は、両腕をシュートに突き出す。

 

信介:「うぉおおおおおっ!!! [― ゴッドキャッチ ―]!!!!

 

信介の化身技とアルファのアームド必殺シュートが激突する。そして信介はアルファのシュートを完全に抑え込み、止めて見せた。

 

 

雷門 2 - 1 プロトコル・オメガ

 

― 続く ―




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第17話:決着。さらば、剣城優一

彼方のシュートブロック込みでアルファのアームド必殺シュートを止めた信介。そして信介のゴールキックからボールは神童先輩に飛ぶ。

 

ネタン:「させるか!!」

 

神童先輩とネタンが競り合いになる。しかし神童先輩は空中で身体をぶつけてネタンを弾き、マントにヘディングでボールを落とす。

 

クオース:「もらった!!」

 

しかし空かさずディフェンスを掛けるクオース。しかしマントはまだ距離がある内に天馬へとパスアウトした。

 

天馬:「ナイス!!」

 

ボールを受け取った天馬はドリブルで攻め上がる。しかしそこにメダムがディフェンスに入る。

 

メダム:「これ以上好きにはさせん!!! "ディフェンスコマンド03"!!!  [コイルアッパー]」

 

メダムのディフェンス技が天馬に襲い掛かる。が、

 

天馬:「負けるもんか!!! [アグレッシブ・ビィイイイイトッ]!!!!」

 

天馬はメダムの技が発動し切るよりも速く駆け抜けてディフェンスラインを突破した。

 

天馬:「来いっ!!! 【魔神ペガサスアーク・零式】!!!」

 

天馬は化身を発動。【ペガサスアーク】が降臨する。そして天馬はシュート体勢に入る。

 

天馬が【ペガサスアーク】と共に上空へと飛翔。純白の翼が舞う中、【ペガサスアーク】の一撃と共に天馬のシュートが炸裂する。

 

天馬:「[― ジャスティスウィング ―]!!!!

 

強烈なシュートがプロトコル・オメガのゴール目掛けて突き進む。キーパーザノウも化身を発動して迎え撃つ。

 

ザノウ:「ハァアアアアアッ!!! 【重機兵バロン】!! アァアアアアムドッ!!!」

 

ザノウは更に化身アームドを発動。必殺技の構えに入る。

 

ザノウ:「"キーパーコマンド03"!!!!  [ドーンシャウト]」

 

ザノウの雄叫びと共に音の壁が発生。シュートの勢いを殺す。ザノウは[― ジャスティスウィング ―]を止めきれずに後退。シュートは軌道を変えてクロスバーに直撃し跳ね返る。

 

優一(剣城Mix):「もらっ···「させるか!!」」

 

優一さんがルーズボールを押し込もうとした所をギリギリでクオルにクリアされる。ボールはそのままクオースに渡りクオースは化身を発動する。

 

クオース:「来い、【音速のバリウス】!! アァアアムドッ!!!」

 

クオースは更に化身アームドを発動。ドリブルで攻め上がる。マントがディフェンスに入るが、

 

クオース:「"オフェンスコマンド04"!!!!  [スピニングアッパー]」

 

クオースの、化身アームドによりパワーアップした必殺ドリブルで吹き飛ばされるマント。

 

しかし彼方がディフェンスに入る。

 

彼方:「これ以上進ませないよ~~っ!!! [スリ~ピィサンクチュアリ・G3]ッ!!!」

 

彼方の催眠領域が展開される。クオースは領域内に入ってしまい、酷い睡魔に襲われる。必死に振り払おうとするが足元がよろけ、その隙に彼方はボールを奪った。

 

彼方:「フェイく~ん!!」

 

彼方からフェイへとパスが飛ぶ。しかしネイラに空中でカットされてしまう。

 

フェイ:「ストロウ、スマイル!!」

 

フェイはデュプリの二人に指示を出し、ネイラにディフェンスを掛けさせる。ネイラはジーニーにパスするが、それを今度は神童先輩がカットする。

 

そこから試合はお互いに攻めて攻められ、パスをカットしカットされ、完全に膠着状態になり、残り時間はどんどんなくなって行く。

 

神童:「フェイ!!」

 

ボールはフェイに渡り、フェイがドリブルで攻め上がる。

 

アルファ:「(ここで入れられたら逆転は絶望的····!!)ファールでいい!! 確実に止めろ!!!」

 

アルファの指示で、ガウラ、ネイラ、ジーニー、レイザの四人が一斉にフェイに突っ込む。そして俺からマークが剥がれたのを、俺もフェイも見逃さなかった。

 

フェイ:「竜太くん!!」

 

プロトコル・オメガ:『っ!?』

 

しまったと思った時にはもう遅い。フェイからのボールを受け取った俺はドリブルでゴール前へと斬り込む。しかしそこにメダムがカバーに入る。

 

メダム:「何としても止める!!! "ディフェンスコマンド06"!!!!  [マグネットドロー]」

 

メダムの新たな必殺技が発動される。しかし、

 

竜太:「うぉおおぁあああっ!!! [ライトニング・ワァアアアアアプッ]!!!!」

 

メダムの必殺技の発動スピードよりも圧倒的な速さで駆け抜けて突破。俺は化身を発動する。

 

竜太:「はぁあああああっ!!! 【海皇龍ブルーヒドラ・零式】!!!!」

 

そしてシュートの発射体勢に入ると【ブルーヒドラ】の3つの頭それぞれの口に溢れんばかりの水エネルギーが溜まる。

 

竜太:「[― ハイドロ・ブラストォオオオオオオッ ―]!!!!!!

 

俺のシュートと共に、3つの口から激流の如き水流が放射されシュートを後押しする。ザノウは化身アームドを発動。必殺技を放つ。

 

ザノウ:「"キーパーコマンド03"!!!!  [ドーンシャウト]」

 

しかし俺のシュートはザノウのアームド必殺キーパー技をあっさり突き破り、ゴールに突き刺さった。そして、

 

ピッ、ピッ、ピィイイイーーーッ!!!!

 

矢島:「ここで試合終了のホイッスル!!! 3-1で、雷門の勝利だぁああああああっ!!!!」

 

天馬:「やった!! 勝ったぞ!!!」

 

竜太:「彼方!!」

 

彼方:「竜太!!」

 

ガシィッ!!

 

竜太:「やったな!!!」

 

アルファ:「敗けた·····我々が······」

 

トウドウ:『アルファよ、撤退しろ』

 

アルファ:「イエス····何だ? この胸の奥に疼く、刺の様な感覚は·····」

 

そしてプロトコル・オメガは撤退していった。

 

そして·····

 

優一:「っ!! ·······時間の様だな」

 

天馬:「っ!! 優一さん!!!」

 

見ると、優一さんの身体は足から順に光の粒子へと還り、消滅していく。

 

ワンダバ:「タイムルートが正しい歴史に戻された。彼は、この偽りの歴史と世界と共に···消滅するんだ」

 

そしてどんどん優一さんの身体は消えていき、そして、

 

優一:「皆····ありがとう」

 

その言葉を遺して、パラレルワールドの剣城優一は·····この世界から、完全に消滅した。

 

 

― 続く ―




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第18話:雷門イレブン再結成

プロトコル・オメガを退け、剣城京介のインタラプトを守った俺たち。しかし、パラレルワールドの存在である優一さんは消滅してしまった。

 

天馬:「こんな····こんなのってないよ!! どうにかならなかったの!?」

 

ワンダバ:「それが、時空の定めなんだ」

 

フェイ:「彼は言ってたよ? 例え足が動かなくなっても、自分の力で乗り越えてみせるって」

 

天馬:「···············」

 

ワンダバ:「よし、現代に戻ろう」

 

そして俺たちはTMキャラバンに乗り込む。だが、彼方も神童先輩も、皆元気が無かった。

 

ワンダバ:「では行くぞ!! タイムジャ~ンプ!!!」

 

 

やるせない想いで現代に帰って来た俺たち。剣城が戻っているかを確認するためサッカー棟に入ると、

 

果林:「あら、天馬くんたち遅いわよ?」

 

剣城:「今日休みかと思ったぞ」

 

天馬:「剣城!! あっ··ねぇ、最近優一さんの具合はどう?」

 

剣城:「ん? ああ、手術も成功したし、ちゃんと良くなってるよ。もう松葉杖で歩けるくらいには回復してる」

 

天馬:「良かった~······」

 

剣城:「?」

 

するとサッカー棟のドアが開き、新校長となった火来校長が血相を変えて飛び込んで来た。

 

火来:「皆さん、大変です!!!」

 

歩夢:「校長先生どうしたんですか?」

 

火来:「先程、国会で"サッカー禁止令"が可決されてしまったんです!!!」

 

果林:「サッカー禁止令ですって!?」

 

皆が驚いている中、俺たちタイムジャンプしていた組はピンと来ていない。いや驚いてはいるんだけど·····

 

火来:「はい。サッカーをすることが、法律で禁止されてしまったんです。残念ながら雷門サッカー部は、本日を持って廃部です」

 

雷門イレブン:『『『ええーーーーーっ!?』』』

 

 

 

― 200年後・エルドラド ―

 

トウドウ:「サッカー禁止令とは、良くやった。「プロトコル・オメガ2.0」。アルファとは、レベルが違う様だな」

 

?:「ふふっ♪ ありがとうございますっ」

 

 

― 現代 ―

 

彼方:「な、何でそんな法律が?」

 

園田:「仕方無いのかもしれません。国際試合であんなことをしてしまったんですから」

 

竜太:「あんなこと?」

 

三国:「1ヶ月前の、「日本vsアメリカ」の国際親善試合だよ」

 

侑:「あんなのサッカーじゃないよ。ただの日本の恥さらしだよ!!」

 

?、そんな試合だったっけ?

 

天馬:「えっ? その試合なら俺もTVで観ましたけど、いい試合だったような······」

 

竜太:「俺も彼方の家で遥ちゃんと彼方と三人で観てたけど、おかしな所無かったぞ?」

 

彼方:「うん。彼方ちゃんも遥ちゃんも夢中で観てたもん」

 

聞くと神童先輩と信介も試合におかしな所は無かったと言う。? タイムジャンプ組だけだな·····

 

園田:「あなたたち何か他の試合と勘違いしてるんじゃないですか? あれがいい試合だったなんて······」

 

フェイ:「ワンダバ、もしかして·····」

 

ワンダバ:「恐らくプロトコル・オメガの仕業だ!! 油断も隙も無い奴らだ!!」

 

園田:「あの、あなたたちは······」

 

竜太:「ああ、海未先生たちは初めてでしたっけ? 実は·····」

 

 

― 状況説明中 ―

 

 

園田:「200年後の未来から来た!?」

 

龍也:「マジかよ······」

 

円堂:「········思い出した!! 俺も過去を変えられそうになったんだ!! 23年前に天馬たちが来てくれ無かったら、今頃雷門サッカー部は存在していない!!!」

 

天馬:「はい!! 高校生のときの円堂監督や豪炎寺さんに鬼道さんや風丸さんと一緒にプレー出来て楽しかったなぁ·····」

 

園田:「そうなんですか·····天馬くん、後ろ気を付けて」

 

天馬:「え? ······ヒィッ!?」

 

後ろを振り替えると、般若見たいに怖い顔をした皆が睨んでいた。まるで呪詛のようにブツブツと「ウラヤマシイ」と言っている。

 

フェイ:「まぁハッキリさせよう。天馬、竜太、君たちが観た日米親善試合の結果は?」

 

天馬・竜太:「「3-2で日本の勝ち!!」」

 

せつ菜:「全然違います····10-0で迎えた後半戦、日本代表の暴力行為で試合は中止になったんですよ」

 

円堂:「あの試合なら確か録画があった筈だ。見てみよう」

 

 

― ミーティングルーム ―

 

 

俺たちがビデオを再生すると、そこに映っていたのは、

 

クオース:「オラッ!!」

 

アメリカ選手:「グァアアアッ!!」

 

王将:「おっと日本またしてもレッドカード!! ん?! どうしたことだ!! 日本構わず試合を続けているぞ!!!」

 

審判:「レッドカードが見えないのか!! 止まりなさい!!!」

 

そこで映像は途切れた。

 

 

彼方:「彼方ちゃんたちが観たのと違うよ······」

 

天馬:「あれは·····プロトコル・オメガだ!!」

 

歩夢:「でも、何で天馬くんたちと私たちの記憶が違うんだろう?」

 

?:「ホーッ、ホッ、ホッ。それは歴史干渉の中にいたか、外にいたかの違いじゃよ。」

 

フェイ:「!! アルノ博士!!」

 

アルノ:「クロスワード・アルノ博士じゃ!! よろしくな!!」

 

なんかハイテンションなじいさん来た·····

 

 

― 続く ―




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第19話:Ver.up プロトコル・オメガ2.0

俺たちがミーティングルームで日米親善試合のビデオを見ていたらハイテンションなじいさんが現れた。フェイの知り合いみたいだけど何者?

 

フェイ:「アルノ博士!!」

 

ワンダバ:「皆に紹介しよう。この方はクロスワード・アルノ博士。"多重時間理論"の第一人者にして、"タイムマシンの発明者"だ!!!」

 

!? この人がタイムマシンを作ったの!?

 

フェイ:「アルノ博士、何かあったんですか?」

 

アルノ:「な~に、ちっとエルドラドが追手を出してきたので時空を越えて少しRun away。逃げて来たんじゃよ」

 

栞子:「そ、そんなタイムスリップをお出掛けや遠足みたいにホイホイと·······」

 

アルノ:「なに、この儂に抜りなどあるものか。今頃追手はワームホールで迷子になっとる頃じゃろうて」

 

愛:「なんか凄いおじいちゃんだね·····」

 

同感·······。

 

アルノ:「どれ、話は聞かせてもらったが、この儂自ら君達の記憶違いについて説明してやろう」

 

 

―― ―― ―― ―― ―― ―― ―― ―― ―― ―― ―― ――

 

時間の流れとは普段は一本の線の様なもの。それに沿って歴史は進んで行く。

 

 

しかし過去のある地点に変化が起きると、それ以降の歴史が変わってくる。そして本来の歴史とで枝分かれし、パラレルワールドが生まれる。

 

 

パラレルワールドは一度に複数生まれる場合もある。そしてそれらの枝分かれした世界は弾いた弦の様なもの。一本の歴史に統一し戻ろうとする。

 

 

そして、今回のサッカー禁止令の分岐点、インタラプトが修正された時に京介くんの修正無効化の為に他の時間軸にいた天馬くんたちは分岐点から禁止令までの期間の外にいた為、歴史改変の影響を受けていない。本来の親善試合の記憶を持っているのじゃ。

 

 

―― ―― ―― ―― ―― ―― ―― ―― ―― ―― ――

 

アルノ:「······とまぁこんな感じじゃ。理解できたかの?」

 

かすみ:「駄目です·····サッパリ分かりません」

 

果林:「ごめんなさい。私も分からないわ」

 

璃奈:「私はなんと無くだけど分かった。つまりサッカー禁止令の歴史が本来の歴史として定着する前に、その試合の改変を無効化すれば良いと言うこと?」

 

アルノ:「その通り!! お嬢さんなかなか賢いのぉ」

 

龍也:「じゃあ、どうすれば親善試合の日に行けるんだ?」

 

フェイ:「タイムジャンプするには、その時間に関わるアーティファクトが必要なんです。何かその親善試合に関わる物が」

 

すると天城先輩が何かに気付きポケットからある紙切れを取り出す。

 

天城:「これはどうだド? あの試合のチケットの半券だド。俺は途中で嫌になって帰ったんだけどスタジアムに観に行ってたんだド」

 

フェイ:「これなら行けます!! TMキャラバンでタイムジャンプしましょう!!!」

 

そして、海未先生はこの時間に残り、俺たちと円堂監督、親父のメンバーでタイムジャンプした。

 

 

― 1ヶ月前・アキバスタジアム ―

 

果林:「ここが本当に1ヶ月前なの·····?」

 

するとスタジアムから叫び声が聞こえてきた。

 

しずく:「って、もう試合始まってるじゃないですか!!!」

 

ワンダバ:「あっ、細かい時間設定間違った······」

 

竜太:「と、とにかく急いでスタジアムに入ろう」

 

― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―

 

ドガァッ!!!

 

ピピーーーッ!!!

 

王将:「おぉっと!! 日本またしてもレッドカード!!!」

 

かすみ:「ひ、ヒドイ·······」

 

せつ菜:「明らかにおかしいのに、何で誰も気付かないんですか!?」

 

フェイ:「······っ!! アレだ!!」

 

フェイが指指した上空には、空中で止まり黄色の光の波を発するスフィアデバイスがあった。

 

フェイ:「あれで皆を洗脳してるんだ!!」

 

エマ:「それでこんなヒドイ試合でも誰も気付かないの!?」

 

?:「やっぱり来ちゃったんですね·····」

 

天馬:「プロトコル・オメガ!! あれ?」

 

?:「私はベータ。新しいプロトコル・オメガ、「プロトコル・オメガ2.0」のキャプテンです。よろしくねっ♪」

 

あ? 何だコイツ? ただのぶりッ子じゃねぇか。

 

ベータ:「そんなパワーアップした私たちと、あなたたちは無謀にも戦っちゃうんですかぁ?」

 

歩夢:「勝てるかどうかなんて、やってみなきゃ分からないでしょ!?」

 

エマ:「サッカーを消すなんて、絶対にそんなことはさせない!!!」

 

ベータ:「う~ん、まぁやるまでも無いと思いますがとりあえずやってみましょうか。あなた方はアメリカ代表として審判と観客にインプットしましたから問題無く始められますよ?」

 

フォーメーション

プロトコル・オメガ2.0

3-4-3

F-ベータ

 

GK       ザノウ

 

DF ウォード  メダム   ガウラ

 

ボランチ      オルカ

MF  クオース      ネイラ

MF       ドリム

 

FW エイナム  ベータ   レイザ

 

雷門

4-3-3

F-ライモン

 

FW   剣城  竜太  フェイ

 

MF   愛   神童  天馬

 

DF 彼方  霧野  栞子  エマ

 

GK       三国

 

そして、試合開始のホイッスルが鳴った。

 

 

― 続く ―




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第20話:力と豹変

前半戦は到着時に既に終了しており、俺達のキックオフから10点のビハインドの中後半戦開始。ボールは先ず愛さんに渡る。

 

愛:「行くよ!! 「ふんっ!!」ドガァッ ぐっ!!」

 

愛さんがドリブルを仕掛けようとした所で、MFドリムが仕掛けた反則スレスレのラフプレーが愛さんを吹き飛ばす。ボールを奪われた。

 

ドリム:「リーダー!!」

 

ベータ:「ナイスですわドリム」

 

しかし、そこにすかさず栞子が止めに入る。

 

栞子:「通しません!!! [グラビティバインド・G3]!!!!」

 

高重力の力場がベータを圧さえつけてその隙に栞子はボールを奪った。

 

ベータ:「あら? 少しはできる子も居るんですね」

 

栞子:「剣城くん!!!」

 

そして栞子からのロングパスが剣城に繋がる。が、相手のDFは全く動かず、「撃ってみろ」と云わんばかりだった。

 

剣城:「ナメるな!!! [デビルバァアアアアストッ・G3]!!!!!」

 

剣城の漆黒のシュートがプロトコル・オメガのゴールに襲い掛かる。

 

ザノウ:「【重機兵バロン】!!! アームド!!!!!」

 

雷門:『『『!?』』』

 

ザノウが化身アームドを使う。初めて化身アームドを見た皆は驚いている。

 

ザノウ:「"キーパーコマンド03!!!!"  [ドーンシャウト]」

 

そして、ザノウのアームド必殺技により、剣城のシュートは止められた。

 

 

― 雷門ベンチ ―

 

歩夢:「嘘でしょ····? あんなのどうやったら····」

 

ワンダバ:「一応、天馬も化身アームドを身に付けている」

 

せつ菜:「本当ですか!? なら!! 「身に付けてはいるんだが·····」?」

 

円堂:「何かあるのか?」

 

ワンダバ:「うむ。 果たして、「本当の意味で身に付けた」のか·····」

 

かすみ:「え?」

 

― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―

 

そしてザノウのゴールキックからボールはボランチのオルカに。しかし直ぐに天馬がディフェンスに入る。

 

天馬:「[ワンダートラップ]!!!」

 

天馬がボールを奪い返す。天馬の新技を始めて見た人たちは驚いていた。

 

天馬:「化身アームドには化身アームドで対抗だ!!!」

 

ベータ:「ふふっ、出来るのかしら」

 

天馬:「【魔神ペガサスアーク・零式】!!! アームド!!!」

 

【ペガサスアーク】がオーラに戻り天馬の身体を包み込む。しかし化身は霧散し消滅してしまう。

 

天馬:「ええっ!? アームドできない!?」

 

フェイ:「くっ、やっぱりか·····」

 

竜太:「天馬ボールよこせ!! 俺が決める!!」

 

天馬:「そうだ!! 竜太ならきっと!! 竜太!!」

 

俺はボールを受け取り、化身を発動する。

 

竜太:「【海皇龍ブルーヒドラ・零式】!!!! アァアアアムドッ!!!」

 

【ブルーヒドラ】がオーラに戻り俺の身体に纏わりつく。しかし【ブルーヒドラ】は霧散し消滅した。

 

竜太:「くそっ!! 失敗か!!」

 

剣城:「【剣聖ランスロット・零式】!!!」

 

神童:「【奏者マエストロ・零式】!!!」

 

愛:「【楽しいの天才サイコウ・参式】!!!」

 

剣城・神童・愛:「「「アームドッ!!!!」」」

 

三者三様に化身アームドを試みるが、全員が失敗した。

 

ベータ:「あらあら、化身アームドすらできないなんて······ハッ、ザコが!! 手本を見せてやるよ!!!」

 

するとベータはいきなり豹変し、力づくで俺からボールを奪うと、ドリブルで攻め上がる。

 

神童:「っ!! 止めろ!!」

 

ベータ:「無理に決まってんだろぉ? 来い!! 【虚空の女神アテナ】!!! アームド!!!」

 

そしてベータは化身アームドを易々と成功させ、白いドレスを纏った様な姿になり、シュート体勢に入る。

 

ボールを思い切り踏みつけて2つに分裂させ、上に昇った2つのボールに両足で同時にオーバーヘッドキックを叩き込む。

 

ベータ:「"シュートコマンド07"!!!!  [ダブルショット]」

 

そして放たれたボールは途中で1つに戻り、単純計算で二倍の威力になる。

 

エマ:「絶対に通さない!! [絶・守護騎士の盾]!!!」

 

エマの鋼の盾がシュートをブロック。しかしアッサリと盾は砕かれシュートは進む。

 

エマ:「きゃぁあああああっ!!? ぐっ、うぅ····」

 

栞子:「エマさん!!! この!! [グラビティバインドッ・G3ィイイイッ]!!!!」

 

栞子の最大パワーから放たれる重力波がシュートを圧し潰す。威力を削ぐことはできたが、あまりのパワーに栞子も吹き飛ばされる。

 

栞子:「うぅ····霧野先輩!! 彼方先輩!!! 三国先輩!!! 止めてください!!!!!!!!」

 

霧野:「絶対に点はやらない!!!! [ディープミスト・V3]!!!!!」

 

霧野先輩の発生させた深い霧との空気摩擦で威力は減衰。しかし霧野先輩も吹き飛ばされる。

 

霧野:「ぐぁあああっ!!! っ!! 彼方先輩!!!」

 

彼方:「彼方ちゃんの全力見せるよ~っ!!! [絶・ダークトルネェエエエエエドッ]!!!!!!」

 

彼方がシュート技によるシュートブロックで真正面から蹴り返しを試みる。が、

 

彼方:「(っ!? あれだけ皆がブロックしたのに!!) 負けるかぁ~っ!!!!」

 

彼方のシュートが少しベータのシュートを押し返した。が、力尽きた彼方は吹き飛ばされ、シュートは進む。

 

彼方:「もう····無理」

 

シュートは三国さんに襲い掛かる。三国さんも必殺技を放つ。

 

三国:「皆の想い無駄にはしない!!! [極・無頼ハンド]!!!!!」

 

最後に三国先輩のキャッチが入る。あれだけブロックしたにも関わらず凄まじいパワーが残るベータのシュート。しかし三国さんはギリギリ止めて見せた。しかし、その代償は大きかった。

 

円堂:「近江!! 霧野!! 三船!! エマ!! くそっ、交代だ!! 天城、天王寺、西園、DFに入れ!! 高咲はMFに入れ」

 

天城・璃奈・信介・侑:「「「「はい!!!」」」」

 

ベータ:「ちっ、くそ生意気にも止めやがったか·····だがあの程度なら二度目でおしまいだ」

 

― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―

 

天馬:「何で化身アームド出来なかったんだ······」

 

フェイ:「多分、前の様な"時空の共鳴現象"が起きてないんだと思う。今までは、複数のパラレルワールドの天馬が共鳴してお互いに力を高めあってたんだけど、時間の経過でその世界線の振幅が治まって、世界線が統合されてしまったんだよ。ほら、弾いた弦見たいな物って言ってたでしょ?」

 

天馬:「そんな·····このタイミングで?」

 

そして三国先輩からゴールキックでボールは侑に飛ぶ。そして侑は化身を発動する。

 

侑:「【戦場の女神ジャンヌ・零式】!!!! アームドッ!!!!」

 

【ジャンヌ】が侑の身体を包み込むが、やはり霧散し失敗してしまう。

 

侑:「っ!!!」

 

そこにドリムがタックルを仕掛けるが、間一髪《天帝の眼》を使い躱す。そしてボールは俺に繋がる。

 

ベータ:「ハッ、何をしようと無駄だ!! 化身アームドは破れない!!!」

 

竜太:「だったら根こそぎ凪ぎ払う!!!」

 

俺はシュート体勢に入り、ボールに巨大なオーラを纏わせる。それをオーバーヘッドで下に落とし、左の足払いでボールに空気の膜をコーティング。渾身の左足ボレーをぶっ放つ。

 

竜太:「[ラストリゾート・V3]!!!!」

 

岩石の龍がフィールドを破壊しながら突き進む。プロトコル・オメガのディフェンスは、次々に吹き飛ばされていく。

 

ベータ:「なっ!? 何だこのシュートは!!」

 

ザノウ:「っ!! 【重機兵バロン】!!! アームド!!!!」

 

ザノウは化身アームドを発動。必殺技の構えに入る。

 

ザノウ:「"キーパーコマンド03"!!!  [ドーンシャウト]」

 

音の壁がシュートを阻む。しかし、[ラストリゾート]の空気の膜がバリアとなり、シュートはゴールに突き刺さった。

 

ベータ:「ば、バカな!!」

 

竜太:「よしっ!!!」

 

     日本   10 ― 1 アメリカ  

(プロトコル・オメガ2.0)     (雷門)

 

 

― 続く ―




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第21話:離別

俺の個人最強シュート技、[ラストリゾート]がゴールに突き刺さり1点を返した俺たち。しかし今ので間違いなく俺はターゲットにされるだろう。

 

ベータ:「大海竜太さん、やはり彼は危険ですね·······」

 

トウドウ:『ベータ、指示を伝える。大海竜太を()()

 

ベータ:「イエス。マスター」

 

そして相手のキックオフから試合再開しボールはレイザへ。そして相手は露骨に俺に向かって来る。

 

レイザ:「二度とサッカーなんかできない身体にしてやるわ!!!」

 

相手が肩を突き出して真正面からショルダーチャージで突っ込んでくる。しかし、

 

竜太:「甘めぇ!!!」

 

俺はルーレットの様に身体を反転、そして回転させて躱す。そのついでにボールを巻き取る様に掠めとる。

 

レイザ:「っ!?」

 

俺がドリブルを仕掛けるとドリムがスパイクの裏の突起を俺の足にむけてスライディングしてくる。しかしジャンプで難なく躱すと、オルカが身体をぶつけてくる。

 

竜太:「(っ!! コイツ身体の重心移動が上手い)負けっか!!」ドガァッ!!!

 

オルカ:「っ!?」

 

危ね。何とか弾き返した俺にDFの三人が纏めて襲い掛かる。DFが全員巨漢、巨漢、長身って·········

 

竜太:「まぁ、カンケーないけどねっ!!!」

 

俺が足を踏み込む度に電流が走る。そして一瞬の弱いフラッシュが起こった時には既にディフェンスは突破していた。

 

竜太:「[ライトニングワープ]!!!!!」

 

俺のほぼ瞬間移動に近い速さの爆速移動。そして遅れて突風が吹き荒れ、三人を吹っ飛ばした。そしてキーパーと1vs1。俺は化身を発動する。

 

竜太:「ハァアアアアアッ!!!! 【海皇龍ブルーヒドラ・零式】!!!!」

 

多分アームドは無理なのでそのまま化身シュートを放つ。

 

竜太:「うぉおおおおおっ!!!! [― ハイドロ・ブラストォオオオオオッ ―]!!!!

 

【ブルーヒドラ】の3つの口から、激流の様な水流が放たれる。ザノウは化身アームドを発動。必殺技を放つ。

 

ザノウ:「"キーパーコマンド03"!!!!  [ドーンシャウト]」

 

化身の力がプラスされパワーアップしている[ドーンシャウト]。しかし【ブルーヒドラ】

のブレスは構わずザノウごと洗い流し、ゴールに突き刺さった。

 

ベータ:「っ!! ふざけんじゃねぇっ!!!」

 

すると、プロトコル・オメガは試合など構わずに強行手段にでる。皆に片っ端からラフプレーを叩き込み、皆は次々試合続行が難しい怪我を負わされていく。

 

竜太:「皆!! 試合をぶち壊しに来やがったか!!!」

 

フェイ:「くそっ!! 何とかしないと····「フェイさん、やっとお話できますね」っ!!!」

 

ベータ:「貴方は、エルドラドが保有するあらゆる時間の人物のデータベースにも、一切の記録が無い。·····貴方は何者です? 「っ、············」お答えなさい!!! 貴方は誰です!! 何故私たちの邪魔をするのですか!!!!」

 

フェイ:「·····僕はフェイ!!! フェイ・ルーン!!! 僕はお前たちから、サッカーを守りたいだけだ!!!」

 

ベータ:「あら、まだ抵抗するんですか? 周りの状況分かってます?」

 

フェイ:「何っ!?」

 

フェイが気づいた時には、俺とフェイ以外のメンバーは全員ズタズタにされて転がっていた。

 

竜太:「皆!!」

 

天馬:「く、くそ······」

 

ベータ:「うふふっ♪」

 

するとベータはスフィアデバイスを操作する。

 

《マインドコントロールモード》

 

するとスフィアデバイスから黄色く波打つ光線が放たれる。

 

天馬:「な、何だ? この光」

 

神童:「くっ、貴様····一体··何をした」

 

ベータ:「じきに分かります。それと、フェイさん、大海竜太さん、あなたたちは我々にとって危険すぎます。なのでその存在、封印しますねっ♪」

 

《封印モード》

 

すると俺とフェイを吸い込む様に、デバイスが吸引を始める。

 

竜太:「何だコレっ!!!」

 

フェイ:「くっ!!!」

 

天馬:「竜太!! フェイ!!!」

 

龍也・円堂:「「させるかっ!!! [絶・ゴッドハンドV]!!!!!!!」」

 

すると親父と円堂監督が俺とフェイを庇うように[ゴッドハンドV]を放ち壁をつくる。

 

円堂:「皆、ここは引くぞ!!! これ以上は無理だ!!!」

 

ワンダバ:「皆!! 早く乗れ!!!」

 

するとフィールドにTMキャラバンが着陸し、肩を貸し合いながら乗り込む。

 

オルカ:「どうするのリーダー? このままじゃ逃げられるよ?」

 

ベータ:「ぶぅ·····『ベータ、目標変更だ。円堂守と大海龍也を封印せよ』イエス。マスター」

 

天馬:「監督!! コーチ!! 皆乗りました!!! 速く!!!!」

 

龍也:「よし·····ぐっ!?」

 

円堂・龍也:「「うわぁああああああああああっ!!!!」」

 

竜太:「親父!!! 離せワンダバ!!」

 

ワンダバ:「止めろ竜太!! 龍也の想いを無駄にするな!!!」

 

フェイ:「ワンダバ!! 急いで!!」

 

ワンダバ:「タイムジャ~ンプ!!!!」

 

そして、俺たちは現代へと戻った。

 

 

― 稲妻町・鉄塔 ―

 

竜太:「っ、·····親父····」

 

剣城:「大海·····っ」

 

神童:「ワンダバ、監督とコーチを助け出す方法は無いのか?」

 

フェイ:「1つあるよ。一番シンプルかつ、分かりやすい方法が。ちゃんとした戦いで、プロトコル・オメガ2.0を倒せば良いんだよ」

 

愛:「今ボロボロにされたばっかりだよ!?」

 

侑:「愛ちゃん、強くなる方法は1つしかないよ」

 

天馬:「はい!! 特訓しましょう!!! 絶対に監督たちを取り戻しましょう!! 「やるなら、あなたたちだけでやって」えっ!?」

 

歩夢:「私は、もうサッカーなんかやらないから」

 

侑:「歩夢!? どうしちゃったの!!」

 

かすみ:「かすみん何でサッカーなんかやってたんでしょう」

 

璃奈:「家帰ってゲームしよ」

 

竜太:「う、嘘だろ!? 彼方!! エマ!!」

 

彼方:「なんか彼方ちゃん馬鹿らしくなっちゃった」

 

エマ:「果林ちゃん、明日遊びに行こう?」

 

果林:「そうね」

 

そして、皆は去って行った。残ったメンバーに、喪失感を残して。

 

ワンダバ:「そうか!! あの光線は"マインドコントロール波"だったんだ!!!」

 

天馬:「マインドコントロール波?」

 

ワンダバ:「うむ。人間の考え方の根本を、無理矢理変えてしまう力を持っているんだ。」

 

愛:「じゃあ、それで皆サッカーへの想いを無くしちゃったの!?」

 

ワンダバ:「そんな生ぬるい物ではあるまい。恐らく、皆サッカーが嫌いになってしまったハズだ」

 

信介:「でも、あの光線はボクたちも浴びたよ? 何でボクたちだけ···「化身じゃ」っ、アルノ博士」

 

いつから居たんだ、神出鬼没なじいさんだな

 

アルノ:「化身とは、"人の心の強さが形になった物"それが障壁となり、光線を防いだんじゃ。だが化身を持たない者は、それをダイレクトで浴びてしまった」

 

剣城:「······卑劣な手を!!!」

 

竜太:「例え俺1人になっても、俺は諦めねえぞ!!! 必ず親父たちは取り返す!!!」

 

化身使い:『『ああ!! やるぞ!!!』』

 

 

― 続く ―




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第22話:見つけた練習場所

プロトコル・オメガ2.0戦の翌日、俺たち残ったメンバーがサッカー棟に向かうと、建物が工事のバリケードが張られ入れなくなっていた。

 

神童:「他の生徒に聞いたら、ここは野球部のグラウンドになるそうだ」

 

愛:「サッカーに関わる物がどんどん無くなっていくよ······」

 

園田:「皆さん、どうしました?」

 

竜太:「海未先生······」

 

園田:「やはり元気がないですね。まさか円堂さんと龍也さんがこんなに早く亡くなるなんて私も予想してませんでしたから······」

 

え? 今変な言葉が聞こえたぞ。

 

竜太:「えっ、海未先生、亡くなったって······」

 

園田:「えっ、この間皆でお葬式行ったじゃないですか。竜太くん覚えてるでしょ? 果南さんが泣き叫んで大変だったじゃないですか」

 

は? いや、親父と監督は俺たちの目の前で·····

 

フェイ:「海未さん、僕たちのことは分かりますか?」

 

園田:「フェイくんとワンダバさんですよね? 未来から来た」

 

フェイ:「僕たちのことは覚えてる」

 

ワンダバ:「これは、歴史がつじつま合わせをしているぞ」

 

愛:「はい!? 歴史がつじつま合わせ!?」

 

ワンダバ:「うむ。本当は二人は死んでない。しかしこの時代から存在その物を消されてしまい、居るはずなのに居ないと矛盾ができてしまった。だから時間の防衛機能が、二人を死んだと言うことにしたんだ」

 

天馬:「そんな····どうすれば」

 

フェイ:「昨日も言ったけど、一刻も速くプロトコル・オメガ2.0を倒すしかない。でないと、二人が死んだと言う歴史が、本当の歴史として定着してしまう」

 

竜太:「なんだと!?」

 

すると話を聞いていた海未先生が口を開いた。

 

海未:「あの、もしかしてお二人は生きてるんですか!?」

 

竜太:「はい!! 二人は死んでません!!!」

 

すると、天馬のケータイにメールが入った。

 

 

from:豪炎寺修也

〔雷門イレブンの皆、今すぐ鉄塔に来てくれ〕

 

 

ワンダバ:「おお!! 豪炎寺修也!! 円堂と大海と共に戦った伝説のストライカー。高校時代で会ったな」

 

天馬:「そうだ。豪炎寺さんなら····「どうだろうね」え?」

 

フェイ:「豪炎寺さんはずっと異なる時間を過ごしてきた。最悪、彼もサッカーを嫌いになっている可能性がある」

 

侑:「そんな······」

 

そして、俺たちは鉄塔に向かい、豪炎寺さんを探すと、池の脇の人気のない場所にいた。

 

 

 

豪炎寺:「来たか皆。だが····これだけか」

 

天馬:「豪炎寺さん····「皆に話があるんだ。」」

 

まさか······

 

豪炎寺:「·····円堂と大海を助け出す手伝いをしたい。」

 

皆:『『!!?』』

 

豪炎寺:「これ以上、エルドラドによる歴史介入を許す訳にはいかない!!!!!」

 

フェイ:「何故それを、それに、歴史改変の影響を受けていないんですか!? 「恐らくこれのせいだ」 っ!! それは····"タイムブレスレット"!!!」

 

アルノ:「確かにタイムブレスレットの様じゃの」

 

また出てきた······

 

豪炎寺:「アルノ博士ですね」

 

アルノ:「うむ。しかしお前さん、それをどこで手に入れたんじゃ?」

 

豪炎寺:「これは、1ヶ月前に支援者Xと名乗る男が送りつけて来たんです。奇妙なメッセージと共に。」

 

天馬:「一体どんな」

 

豪炎寺:「「これを肌身離さず身に付けていろ。それがサッカーを守る事に繋がる」と。そしてそれから直ぐに、今回の事件が起こった」

 

フェイ:「支援者X·····」

 

豪炎寺:「俺がフィフスセクターの聖帝だった頃、千宮路は支援者Xから莫大な支援を受けていた。サッカーにおける次世代の才能を持つ子供たち、"セカンドステージチルドレン"と呼ばれる者たちを発掘するためだと。天馬や竜太、雷門以外では、白竜や雨宮、そして果北ちゃんや桐穂ちゃんも候補に上がっていたんだ」

 

フェイ:「セカンドステージチルドレン·····」

 

天馬:「豪炎寺さん!! 俺たちなんとしても監督たちを助けたいんです!! でも練習ができない。八方塞がりなんですよ」

 

豪炎寺:「分かっている。一ヶ所だけ、自由にサッカーを出来る場所がある。そこに行くといい」

 

っ!! どこだ? 世界のどこにもそんな場所·····

 

豪炎寺:「······"ゴッドエデン"だ」

 

竜太:「ゴッドエデン!?」

 

豪炎寺:「ああ。海に浮かぶ、絶海の孤島。外部から完全に遮断されたあの島なら、思う存分特訓できる。天馬たちとゼロの闘いの後、俺がゴッドエデンを封鎖した。ボールもそのまま残っている」

 

俺たちの行く手に、僅かな光が差し込む。

 

竜太:「よし!! ゴッドエデンへ行くぞ!!!」

 

そして、俺たちはTMキャラバンでワープしゴッドエデンへ向かった。

 

 

― 豪炎寺 side ―

 

天馬たちを見送ってから半日後、俺は北海道の鹿角聖良、理亞姉妹、元音ノ木坂サッカー部の穂乃果や希、絵理に凛、にこたち9人と、元浦の星サッカー部の果南を含めた9人。そして俺たちの同世代だった雷門OB、立向居に綱海、野坂に不動、佐久間など、旧イナズマジャパンメンバーと、そのメンバーと関わりの深いメンバーを集めた。園田にはすでに話してある。

 

鬼道:「なんだ豪炎寺、このメンバーを集めて、」

 

真姫:「そうよ。あんなことがあったばかりなのに」

 

果南:「っ!!」

 

立向居:「真姫さん「ご、ごめんなさい」」

 

豪炎寺:「皆に聞く。二人を助け出したくないか?」

 

理亞:「はぁ? 死んでしまった二人を?」

 

豪炎寺:「ああ。連れ戻すんだ。間違った時間の流れからな」

 

ルビィ:「ど、どういうことですか?」

 

ツバサ:「意味がわからないんだけど」

 

豪炎寺:「今から見せる。今世界に何が起こっているのか。そして、天馬たちが戦っている敵について」

 

そして俺は、タイムブレスレットの再生ボタンを押す。

 

全員:『『『ええぇえええええええーーーーーーっ!!?!??!!!?』』』

 

果南:(竜太·····仲間と頑張ってたんだ。プロトコル・オメガ!!! 絶対に許さない!!!!!)

 

 

― 続く ―




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第23話:ゴッドエデンでの再開

火曜日は投稿予定だったんですが時間が無く投稿出来ず
大変申し訳ありません。orz

それでは始まります。


天馬たちがゴッドエデンへと向かった頃······

 

ー 200年後・エルドラド本部 ー

 

場所と時代は変わり、エルドラドの建物のとある一室

 

エイナム:「来てくれたか。レイザ、クオース、ガウラ、ザノウ」

 

ザノウ:「奴らが動いたのか?」

 

エイナム:「ああ·····。我々のリーダーはアルファだ!! 行くぞ!!」

 

― そして現代 ―

 

TMキャラバンは、ゴッドエデンの港の遺跡に着陸する。

 

竜太:「またこの島に来る事になるとはな·······」

 

天馬:「うん。つい2ヶ月前なのに、凄く懐かしく感じるよ·····」

 

剣城:「練習環境があるのは"ゴッドエデンスタジアム"だろう。行くぞ」

 

そして俺たちは、初めてゴッドエデンに来たフェイとワンダバを案内しながら、島の中央にあるかつての激戦の舞台、ゴッドエデンスタジアムを目指す。すると滝が流れるエリアに入った所で、

 

?:「見つけたぞ!!!!」

 

すると、エルドラドの5人のエージェントがワープしてきた。

 

侑:「エルドラドっ!! こんな所にまで」

 

エイナム:「エイナム!!!」ビシィッ!!

 

レイザ:「レイザ!!!」ズガァン!!

 

クオース:「クオース!!!」ガキィン!!

 

ガウラ:「ガウラ!!!」バシィッ!!

 

ザノウ:「ザノウ!!」ビシッ!!

 

なんか5人が1人1人名乗る毎におかしなポーズを決め出した

 

エイナム:「我らアルファに従う者、"チームA5"だ!!!!」ズギャァアアアン!!!

 

・・・・・・・なんかさ、彼らの脳内では決めの「ビシィッ」とか言う類いの効果音が流れたんだろうけどさ、痛々しいことこの上無いんだけど。どこぞの宇宙の帝王一味の特戦隊ですか? 数も丁度5人だし。

 

ワンダバ:「精鋭5人と言う訳だな!!」

 

エイナム:「この島で特訓して化身アームドを身に付けようとは笑わせる。出来るとは思わんが力をつけられては面倒だ。ここでお前たちにも、仲間と同じように素直になってもらおう」

 

竜太:「5 vs 5 のサッカーバトルか·····」

 

侑:「メンバーはど····「リュウ、ゆうゆう、愛さんたちにやらせてくれない?」····分かった。頼むよ愛ちゃん!!」

 

そして雷門からは、天馬、剣城、信介、神童先輩、愛さん、の5人が出る事になった。

 

チームA5

GK    ザノウ

 

DF    ガウラ

 

MF    クオース

 

FW レイザ   エイナム

 

雷門

 

FW   剣城

 

MF 愛   天馬

 

DF   神童

 

GK   信介

 

そして、雷門ボールでサッカーバトルが始まった。

 

エイナム:「この試合は、歴史改変にはあたらない。よって共鳴現象は起きないんだよ!!!」

 

天馬:「例えそれでも負けるもんか!!!」

 

ボールは天馬に渡り、ドリブルで攻め上がる天馬。そして化身を発動する。

 

天馬:「来い!! 【魔神ペガサスアーク・零式】!!! アームド!!!」

 

天馬は化身アームドを発動。しかし【ペガサスアーク】は霧散。消滅する。

 

天馬:「くそっ!! 「天馬、寄越せ!!」っ!! 剣城!!」

 

天馬は剣城にパスを出す。受け取った剣城は化身を発動する。

 

剣城:「ハァアアアアッ!!! 【剣聖ランスロット・零式】!!! アァアアアアムドッ!!!」

 

今度は剣城が化身アームドを試みる。しかしランスロットも消滅する。

 

剣城:「くそ、ダメか······」

 

エイナム:「もらった!! 「しまっ!?」」

 

ボールをエイナムに奪われ、そのまま持ち込まれる。

 

エイナム:「お前たちとの戦いで、我らのリーダーは去った!!! その"怒り"を知るといい!!!」

 

神童:「怒り?」

 

愛:「(ここで決められたら負け!!) 来てっ!! 【楽しいの天才サイコウ・参式】!!!」

 

愛さんは化身アームドをあえて試さずに、通常の化身発動による確実なパワーアップ選択してエイナムに突っ込む。

 

エイナム:「そんなもの!!!」

 

しかしエイナムはノーマルタックルで、化身によりパワーアップしている愛さんを倒し、シュート体勢に入る。

 

エイナム:「終わりだ!!! "シュートコマンド06"!!!! [プラズマボール]」

 

フェイ:「マズイ!! これが入ったら!!!」

 

しかし、

 

足元に黒い影が伸び、その影の中から巨大な戦斧を持った、かつて敵として戦ったあの少年が宿していた暗黒神が現れ、シュートを防ぐ。

 

エイナム:「な!? なんだ!! あの化身は!!!!」

 

天馬:「あれは!!」

 

竜太:「【暗黒神ダークエクソダス】!!! ってことは!!!」

 

するとダークエクソダスは斧を振りかざし、A5を吹き飛ばした。そこで、突然俺たちは意識を失った。

 

― 数分後・旧エンシャントダークの森 ―

 

竜太:「天馬!! 起きろ!!」

 

天馬:「う、う~ん····あれ? ここって····」

 

剣城:「気がついたか?」

 

天馬:「あっ!! このお地蔵さん、サッカーの神様だ!!!」

 

葵:「神様?」

 

そしてそこに、明らかに俺たちのものでは無い声が響く。

 

?:「ふふっ···サッカーの神様かぁ····」

 

すると、お地蔵さんの影から現れたのは、

 

雷門メンバー:『シュウ(くん)!!!!』

 

シュウ:「久しぶり皆!! また会えて嬉しいよ!!!」

 

かつて激戦を繰り広げたゼロのメンバーにして、究極の闇の名を冠するチーム、エンシャントダークのキャプテンであり、今の俺と天馬の友達、シュウだった。

 

 

― 続く ―




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第24話:化身アームドを身に付けろ!!

ゴッドエデンでシュウと再会した俺たち。フェイとワンダバは初対面なので、シュウの事を紹介する。

 

天馬:「フェイ、彼は以前この島で出会ったサッカー仲間のシュウだよ」

 

フェイ:「そうなんだ。よろしく!!」

 

シュウ:「よろしく。天馬、僕は君たちに伝えたいことがあって来たんだ。「伝えたいこと?」化身アームドのことだ」

 

!! まさか現代の人間であるシュウが化身アームドを知ってるとは思わなかった。どこかで見たのか?

 

シュウ:「今度の敵と戦うには、化身アームドが絶対に必要だ。「ちょっと待て。エルドラドの事を知ってるのか?」まあね。そして君たちは幸い全員が化身使いだ。なんとか切っ掛けを掴んで行って欲しい。サッカーの神様が、力を貸してくれる筈だよ」

 

侑:「凄いよシュウくん!! 何でも知ってるんだね!!!」

 

信介:「シュウがサッカーの神様だったりして!! 「まさか····」」

 

信介の言葉にシュウは苦笑し、俺たちはゴッドエデンスタジアムへと向かった。

 

 

― ゴッドエデンスタジアム ―

 

場所をゴッドエデンスタジアムへと移し、いよいよ化身アームドの練習を始める。

 

シュウ:「・・・・・・・・・・・」

 

天馬:「あの、シュウ? 目をつぶって何を····「静かに。僕の言う通りにして? やりたいんだろ? 化身アームド」」

 

そして俺たちは言われた通り目をつむる。

 

シュウ:「皆そのまま聞いて欲しい。まず、心の中で化身を出した自分を想像して向き合う。·····そして、自分の中の大切な物、守りたい物を想い画く」

 

俺たちは、心の中で各々の化身と向き合い、"サッカーを守りたい"と願う。

 

シュウ:「その二つを溶け合わせて、自身と1つに重ねる。······ほら、風が来てる。この島の風は、君たちと1つになりたがってるよ? 風を纏う様に、化身を身に纏う姿を思い浮かべて·······」

 

竜太:「天馬、感じるか?」

 

天馬:「うん。感じる!! 【ペガサスアーク】の力を。ずっと近くに····」

 

剣城:「俺もだ。【ランスロット】が歩み寄ってくる」

 

シュウ:「その高まった化身の力を、一気に解き放つイメージだ」

 

神童:「よし。やってみよう」

 

全員が目をつむり意識を集中させて化身を呼び出す。現れた俺達の7体の化身。俺は、【ブルーヒドラ】の力を今までよりも遥かに近くに感じていた。そしてそれは他の6人も同様だった。

 

雷門:『『アームドッ!!!!』』

 

全員が化身アームドを試す。·····

 

パァンッ!!

 

雷門:『!?』

 

全員失敗した。だが、直ぐに消滅したとは言え一瞬だけアームドできた。

 

愛:「今····一瞬!!」

 

シュウ:「そう。今の感覚と心の熱さを、ずっとキープするんだ!!!」

 

そして、俺たちは各自で練習を始める。

 

フェイ:「風と1つになる何て、いいアドバイスの表現だね」

 

シュウ:「化身と1つになることは、風と1つになることと似てるんじゃないかと思ったんだ。······っ!!」

 

天馬:「······っ!! 風が、変わった!!」

 

エイナム:「見つけたぞ!!」

 

クオース:「まだ終わってないんだよね。サッカーバトル」

 

エイナム:「さっきの化身はお前だな? 今度は邪魔するなよ?」

 

シュウ:「・・・・・・・・」

 

そして、サッカーバトルが始まる。

 

チームA5

GK    ザノウ

 

DF    ガウラ

 

MF    クオース

 

FW レイザ   エイナム

 

雷門

 

FW    剣城

 

MF 天馬    愛

 

DF    神童

 

GK    信介

 

そして雷門ボールで試合開始。しかし、

 

剣城:「【剣聖ランスロット・零式】!!! アァアアムドッ!!!」

 

しかし【ランスロット】は一瞬アームドしたが直ぐに砕け散った

 

エイナム:(先程までのアームドとは全く違う? 今成功しかけていた)

 

しかしエイナムは直ぐにボールを奪い攻め上がってくる。

 

シュウ:「・・・・・ワンダバ!! 僕と天馬を1つにして!! 「何だって!? それはミキシマックスってことか!?」」

 

フェイ:「君はミキシマックスまで知ってるの!? 「うん。天馬たちの高まった気持ちを、押し上げてやりたいんだ」」

 

ワンダバ:「わかった!!」

 

そしてワンダバはミキシマックスガンを取り出す。

 

ワンダバ:「天馬行くぞ!! ミキシマーーーックス!!!」

 

それぞれの銃口から放たれた2対のレーザーがシュウと天馬を直撃する。

 

レイザ:「余計なことを!!!」

 

天馬:「うおぉおおおおおおおおおっ!!!!!!!」

 

そして、レーザーが晴れると、シュウの様な黒髪に変わり、莫大なオーラを宿した、友情のミキシマックスが完成した。

 

ワンダバ:「ミキシマックス、コンプリート!!!」

 

― 続く ―




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第25話:母と子の想い、大人の責任

シュウとミキシマックスした天馬。直ぐ様ボールを奪い返し、ドリブルで攻め上がる。

 

クオース:「させるか!!」

 

クオースがディフェンスに入る。が、天馬から化身のエネルギーが溢れる。天馬は、化身を発動していないにも関わらず、遥かにパワーを増した力で、クオースをあっさりと突破した。

 

天馬(シュウMix):「凄い····!! 化身の力が溢れてくる。さっきよりも更に近くに感じられる!! ······今なら!!」

 

シュウ:「天馬!! 君自身の力を発揮するんだ!! 「わかった!!」」

 

そして天馬はミキシマックスを解除。化身を発動する。

 

天馬:「はぁあああああっ!!! 【魔神ペガサスアーク・零式】!!! アァアアムドッ!!!」

 

そしてついに、天馬の化身アームドは成功した。

 

天馬:「で、出来た!! よし、行くぞ!!!」

 

そして、天馬はシュート体勢に入る。

 

天馬:「うおぉおおおおおっ!!!! [超・マッハウィンド]!!!!」

 

天馬の風を纏った弾丸アームドシュートがゴールを強襲。ザノウも必殺技を出そうとするが、そんな間もなくシュートはゴールに叩き込まれた。

 

天馬:「やった!! 勝ったぞ!!!」

 

フェイ:「うん!!!」

 

竜太:「·······自力でのアームド第一号は、取られちまったな」

 

エイナム:「くっ、仕方ない。撤退する」

 

A5:「了解····」

 

そしてA5は撤退していった。そして、俺たちも帰る為にTMキャラバンに戻って来た。

 

天馬:「シュウ、ありがとう!!!」

 

シュウ:「こっちこそ。力になれて良かったよ」

 

竜太:「なぁシュウ、一緒に戦ってくれないか? チームに入って欲しい!!!」

 

愛:「確かに!! シュウの実力はよく知ってるし、仲間になってくれたら100人力だよ!!」

 

すると、シュウは少し暗い顔をして、

 

シュウ:「ゴメン。僕は行けない······。僕は、この島を守らないといけないんだ。僕にとっては、本当に大事なことなんだ」

 

侑:「そうなんだ。まぁ無理は言えないね」

 

シュウ:「その代わりと言っては何だけど、特訓したくなったら何時でもおいでよ。君たちなら歓迎するから」

 

天馬:「うん!!」

 

すると、スマホにラインが入った。

 

from:園田海未

〔サッカー棟の取り壊しが決まってしまいました。急いで戻って来てください!!〕

 

愛:「サッカー棟の取り壊し!?」

 

神童:「皆、急いで戻ろう」

 

そして俺たちは、TMキャラバンで稲妻町にワープした。

 

― 雷門高校・サッカー棟 ―

 

俺たちが中に入ると、私物を持って帰る時間を与えてくれているのか、一応中には入れる様になっていた。

 

海未:「一応、豪炎寺さんたちが何とか引き延ばしてくれてるんですけど······」

 

フェイ:「? 豪炎寺さん()()?」

 

?:『『俺(私)たちだよ!!!』』

 

すると、サッカー棟の奥から出てきたのは、

 

神童:「穂乃果さん、ことりさん、凜さん、真姫さん、花陽さん、希さん、にこさん、絵里さん!?」

 

愛:「綺羅ツバサさん、統堂英玲奈さん、優木あんじゅさん!!」

 

侑:「鹿角聖良さん、鹿角理亞さんも!!」

 

剣城:「風丸さん、鬼道さん、吹雪さん、綱海さん、不動さん、立向居さんまで!!」

 

天馬:「千歌さん、曜さん、梨子さん、ルビィさん、善子さん、花丸さん、ダイヤさん、鞠莉さん!?」

 

竜太:「っ!! 母さん······」

 

果南:「竜太····本当に···あなただけでも無事でいてくれて良かった·····」

 

竜太:「っ!! 何が·····何が良かったんだよ!! 海未さんたちも、何で言ったんですか!? 今、世間のサッカーに対する見方がどうなってるか知ってるでしょ!? それなのにこんな表立って動いたら皆さんの家族、桐穂や美歌たちにまで被害がでるかもしれないんですよ!? だから"危険を犯すのは俺たちだけで良い"と黙ってたのに!!!! そもそもあの親善試合の時に俺が勝ててれば、上手くやれてたら親父は···」

 

竜太······やっぱり責任感じてたんだ······

 

竜太:「いっそのこと、親父じゃなくて俺がやられてたほうが「パァンッ!!!」っ!!」

 

殴られた····母さんに、見ると母さんは目に涙を浮かべ、他の皆さんも呆れた様な目で見てくる

 

果南:「バカな事言わないでよ!!!! 確かに龍也が居なくなって悲しいよ。けど、例え本当に死んでなくても、自分の子供が自分たちよりも先に死んだなんてことにされて平気な親がいる訳ないでしょ!?」

 

竜太:「··········」

 

穂乃果:「別に竜太君たちに任せて守って貰おうなんて思わないよ」

 

ダイヤ:「ええ。立場を履き違えないで欲しいですわね。子供を守るのが大人の役目です」

 

鬼道:「大海と円堂のことは、お前たちのせいじゃない。むしろ悪かった!! 何も知らず、子供のお前たちにばかりこんな危険な戦いを強いてしまって」

 

天馬:「·········」

 

ルビィ:「力になれるか分からないけど、これからはルビィたちもサポートするよ!!」

 

果南:「辛い時は、たまにはお母さんを·····私を···頼ってよ·····」

 

母さんが優しくハグしてくる。俺はずっと胸の内に押し殺していた恐怖・責任・悲しみ・怒り、それらを堪えきれず、母さんの腕なかで俺は、人目も憚らず泣いた。

 

― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―

 

竜太:「はぁ、泣いた·······」

 

豪炎寺:「よし、じゃあ落ち着いた所で、これからの話をしよう」

 

フェイ:「1つ案があります。化身アームド出来るのが天馬1人の今の状況では、プロトコル・オメガ2.0には勝てません。なので、僕たちの時代にある、"覇者の聖典"を狙おうと思います」

 

ことり:「やっぱり未来から来たって言うのは本当なんだね」

 

真姫:「で? その覇者の聖典ってどんなものなの?」

 

フェイ:「覇者の聖典は僕たちの時代から200年前、つまりおおよそこの時代に書かれた、"最強の12人"について記されていると言われる本です。おそらく余りの1は控えではないかと」

 

ワンダバ:「ああ。マスターDと呼ばれる伝説のサッカープレイヤーが残したということは分かってるんだが、詳細は今も解っていないんだ。内容が暗号化されてて誰も読めなくてな」

 

あんじゅ:「じゃあ、エルドラドですら内容を知らないってこと?」

 

フェイ:「はい。もし分かってたら、とっくにそれを使ってチームを作っている筈ですから。今、覇者の聖典はサッカー記念博物館に展示されてるんです」

 

絵里:「展示品なの?」

 

フェイ:「はい!! だから未来にタイムジャンプして、"覇者の聖典"を()()出します!!」

 

・・・・・・は?

 

全員:『『『ぬ、盗むーーーーーーっ!!?』』』

 

 

― 続く ―




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第26話:遥か未来!! vsサッカーロボッツ

次の目的はフェイたちの時代にある"覇者の聖典"と云われる本。しかし、

 

曜:「ち、ちょっと待ってよ······」

 

理亞:「盗むって·····」

 

大人たちはやはり反対の様だ。当たり前、"盗みは犯罪"小学生でも知っている。だけど····!!

 

竜太:「俺は行くぞ。親父たちは俺とフェイの為に····だから俺は行く!!!」

 

ことり:「竜太くん·····」

 

ことりさんは現在音ノ木坂の理事長。教育者として止めねばならない立場。しかし、ことりさんもまた、親父と円堂さんを助けたいという気持ちも本心。複雑な心境なのは間違いない。

 

竜太:「大丈夫ですよ。無くなるとしても200年後の物。この時代ではまだ書かれていないか盗まれてないから、現代の警察には立証出来ない。捕まる事は無いですよ」

 

ダイヤ:「そうかもしれませんが·····!!」

 

竜太:「まぁそうは言っても、盗みは盗み。怖ければ天馬たちは来なくて良いぞ。俺とフェイとワンダバで行くから」

 

愛:「何言ってんの!! リュウ1人にそんなことさせられないよ!! 愛さんも行く!!」

 

信介:「円堂監督たちを助けたいのは僕たちだって同じなんだから僕たちだって行くよ!!!」

 

そして、俺、フェイ、天馬、信介、神童さん、剣城、侑、愛さん、ワンダバはTMキャラバンに行こうとする。すると、

 

果南:「待って!! ·····私も行く!! 子供たちだけに、そんなことさせられない!!」

 

竜太:「母さん·····」

 

果南:「それに、私だって龍也を助けたい!! 最低でも試合が出来るだけのメンバーで行こう? 竜太たちは八人だから、私を含めて9人。後二人誰か来てくれない?」

 

聖良:「····まったく、今の9人では、DFが居ませんよね? なので私と風丸くん、綱海くんとあんじゅさんも行きます」

 

立向居:「なら控えキーパーとして僕が」

 

鬼道:「俺も行こう」

 

穂乃果:「なら16人目は私が入る」

 

ことり:「穂乃果ちゃん······」

 

海未:「止めても聞きそうにありませんね」

 

そして、未来へ行くメンバーは、

 

FW 剣城 竜太 フェイ 穂乃果

 

MF 愛さん 侑 天馬 神童さん 果南 鬼道さん

 

DF 聖良さん 風丸さん 綱海さん あんじゅさん

 

GK 信介 立向居さん

 

の合計16人となった。

 

ワンダバ:「よし!! では行くぞ!!」

 

そしてTMキャラバンは離陸し変形。ワームホールを作り出す。

 

ワンダバ:「いざ!! 200年後の未来へ!! タイムジャーーンプ!!!!」

 

そして俺たちは、まだ見ぬ未来へと旅立った。

 

― 200年後・サッカー記念博物館 ―

〔深夜1:00〕

 

ワンダバ:「着いたぞ」

 

穂乃果:「ここが200年後······」

 

ワンダバ:「よし、私がここから遠隔操作でコンピューターにアクセスしてロックを外す。まずは中に入れそうな場所を探してくれ」

 

そして博物館の外を調べる俺たち。すると愛さんが建物の下から潜り中に入れそうな、通路を見つけた。

 

フェイ:「よし。行こう!!」

 

途中、梯子等もあったが、通路をどんどん奥へと進む俺たち。すると少し開けた行き止まりに出た。

 

天馬:「あれ? 道が無い!!」

 

フェイ:「ワンダバ「了解だ!!」」

 

通信機の向こうからワンダバがコンパネを操作する音が聞こえてくる。すると梯子が降りてきて上へと進む道が出来た。そして梯子を登り、すぐそこにある扉を開けると、

 

竜太:「やった!! 中に入れた!!」

 

ワンダバ:「"覇者の聖典"は第三展示室だ。そこから真っ直ぐ行って最初の角を左だ」

 

そして、俺たちは第三展示室へと入る。

 

フェイ:「あれだよ」

 

果南:「凄い厳重に警備されてるね······」

 

赤い光が動きながら辺りを照らしている。恐らくあの光に当たると反応するんだろう。

 

天馬:「あれ? ごめん、俺に取りに行かせてくれる?」

 

剣城:「確かに、天馬のドリブルほ技術を応用すればいけるかもしれない」

 

風丸:「分かった。任せるぞ天馬」

 

そして天馬は光の間を縫い、覇者の聖典へとたどり着く。そして同じように戻ってくる。

 

愛:「やった!!」

 

しかし、

 

ウーーッ、ウーーッ、ウーーッ!!

 

侵入者アリ!! 侵入者アリ!!

 

神童:「なっ!? ライトには当たってないぞ!?」

 

綱海:「おい早く逃げるぞ!!!」

 

俺たちは急いでもと来た道を戻るが

 

竜太:「っ!! 扉がロックされてる!?」

 

フェイ:「仕方ない。正面玄関から行くよ」

 

そして正面玄関へ向かうと、

 

天馬:「何だコレ? サッカーフィールド? 「ボサッとすんな良いから行くぞ!! っ!?」」

 

周りを11体のロボットに囲まれてしまった。

 

果南:「囲まれ······?」

 

ロボ:「ヨウコソ!! サッカー体験ルームへ!!」

 

あんじゅ:「は? サッカー体験ルーム?」

 

神童:「もしかして、ここから出たければこのロボットたちと試合して勝てって事ですかね?」

 

果南:「みたいだね。行くよ皆!!」

 

フォーメーション

サッカーロボッツ

Fーマモリノジンケイ

GK          ロボ1

 

DF       ロボ5   ロボ3

 

ボランチ   ロボ6   ロボ4   ロボ2 

 

MF ロボ10  ロボ9   ロボ8   ロボ7

 

FW          ロボ11

 

雷門

Fーライモン

 

FW   剣城京介   大海竜太   フェイ・ルーン

 

MF    神童拓人  松風天馬  大海果南 

 

DF 綱海条介  風丸一郎太 鹿角聖良  優木あんじゅ

 

GK          西園信介

 

そして、試合開始のホイッスルが鳴った。

 

 

 

― 続く ―




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第27話:竜太の化身アームド

雷門ボールのキックオフから試合開始。ボールは天馬に渡るが、直ぐロボ9、8がダブルチームでディフェンスに入る。

 

ロボ9:「ブロックニ入リマス」

 

ロボがお互いの動きを通信して教え合い、欠点をカバーし合う無駄の無いディフェンスを見せる。

 

天馬:「っ!! [そよ風ステップ・S]!!!」

 

しかし何とか天馬は二体を突破。しかし、

 

ロボ4:「モライマス」

 

突破直後の最も無防備な瞬間を突かれボールを奪われる天馬。そしてボールは右サイドのロボ7へ。しかし相手は分かっているのだろうか? そのポジションを守っているのが誰なのか。

 

竜太:「おいおい正気か? 開ければデカイけどオススメしないぞ。·······そこは鬼門だぜ?」

 

そして、サッカーロボと、最強の母親(果南)が対峙する。しかし、決着は一瞬で付いた。ロボ7がフェイントで抜こうとしたら、足元の技術であっさりボールを奪い去った。

 

フェイ:「凄い!! 何だあの動き!?」

 

そして母さんはドリブルで攻め上がる。すると今度はロボ2、3がダブルチームを掛けてくる。

 

果南:「そんな手は食わないよ!!! [マーメイドダイブ・S]!!!!」

 

俺と果北も一応使えるが、本家本元、世界を相手に闘った母さんの[マーメイドダイブ]は技のキレ、スピード、テクニック、全てにおいて俺たちとは次元が違う。10年以上前に引退したとはいえ毎朝日課の走り込みは続けていた。世界一の元日本代表メンバーの肩書きは伊達ではない。

 

果南:「剣城くん!!!」

 

そして母さんは剣城にセンタリングを上げる。剣城はしっかりと受け取りシュート体勢に入る。

 

剣城:「決める!!! [デスドロップ・Gx]!!!!!」

 

剣城の漆黒のオーバーヘッドシュートがゴールに迫る。が、

 

ロボ1:「ピピッ、[ビームこぶし]」

 

ロボ1の右手から高温のレーザーが放たれる。ボールはレーザーに当たり、高温で内部の空気が一気に膨張。ボールは破裂し止められた。

 

剣城:「っ!? スミマセン!!!」

 

風丸:「ドンマイ。次決めれば良いさ」

 

そしてロボ1のゴールキックからボールはロボ10に。そこに神童先輩がディフェンスに入るが、

 

ロボ10:「[トランスムーブ]」

 

ロボと神童先輩の頭上に転送装置が出現。位置を入れ換えられそのまま突破される。

 

ロボ10:「コノママシュート「させるか!!!」」

 

すると綱海さんと風丸さんが、両者半時計回りにロボの周りを走る。すると渦潮が発生し、ロボを飲み込みボールを奪う。

 

綱海・風丸:「「[サルガッソー・S]!!!!」」

 

そして綱海さんのパスは天馬に繋がる。しかし直ぐロボ9、4がディフェンスに入る。

 

天馬:「っ!! 竜太!!」

 

そしてパスは俺に繋がる。すると心の奥底から沸き上がる、〈俺の物では無い激しい闘気〉。しかし、俺は直ぐそれが誰なのかが分かった。そしておれは、己の闘志を高めてその何者かの闘気と合わせ、"サッカーを守る"という心を解放して思い切り奴を呼び出した。

 

竜太:「っ!! ·····来やがれ!!! 【海皇竜ブルーヒドラ・零式】!!!!!」

 

現れたブルーヒドラ。今まで以上に強大な力を感じる。

 

竜太:「アァアアアアムドッ!!!!!」

 

そして俺の体に装備される【ブルーヒドラ】。化身アームドが成功した。

 

竜太:「よっしゃ!! 出来た!!!」

 

神童:「大海が化身アームドを!!」

 

果南:「あれが化身アームド·····」

 

そして俺は一気にドリブルで攻め上がる。5体のロボが止めに来たが、ただの力任せのノーマルタックルであっという間に粉砕。フリーでシュート体勢に入る。

 

竜太:「[極・オーディンソォオオオオドッ]!!!!」

 

魔方陣から黄金色の剣が打ち出される。ロボ1はあまりのパワーとスピードに反応する事すら許されず、硬直したままシュートはゴールに突き刺さった。

 

 

雷門 1 - 0 サッカーロボッツ

 

― 続く ―




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<優木せつ菜>誕生日特別編:~ ifルート ~現在(いま)から未来へ、紡ぐ物語

せつ菜ちゃん誕生日回です。

始まります!!


俺が高校を卒業して4年が過ぎた。俺は現在、東京のプロチームに所属し、同じチームで高校の先輩のせつ菜と付き合っている。

しかし皆さん恐らくご存知の通り高校生までのせつ菜は料理が壊滅的に下手。なので手料理をご馳走になる際は顔に出さぬように必死に食べて夜自宅で死んでいた。

しかしある日デートの約束をして待っていたらいつまで経ってもせつ菜が来ない。心配になって家に行ったら、お弁当を作る際に自分で味見をしてしまい、自分の料理のあまりの不味さにショックを受けてしまい愕然としたまま時間が過ぎていたらしい。

 

いやぁ····あれは悲惨な事件だったぜ。

 

それから先輩は料理を必死に学び今ではすっかり料理上手になり、その腕は彼方先輩から太鼓判を押された位だ。

 

そして今日は8月8日。せつ菜の23才の誕生日。今日のデートの最後に俺は男を見せる。因みに現在、近くの映画館で昔のアニメ映画のリバイバル上映キャンペーンをやっており、せつ菜が見たい映画があると言うので、大型ショッピングモールに併設された映画館に居る。

 

せつ菜:「うぅ·····●シャス許せません····!! セ●ビィ可哀想です·····」

 

隣で号泣するせつ菜。今ので大半の人が分かっただろう。俺たちが観ていたのは

「ポ●ット●ンスター・セ●ビィ時を越●た出会い」。若い頃のオ●キド博士が時空を越えて主人公と出会い共に悪者と戦う物語だ。

 

竜太:「まさかせつ菜がポ●モン好きだったとは······まぁアニメもゲームも色々見てるし不思議では無いな。でもせつ菜、他のポ●モンだって可哀想だよ。ほら、バン●ラスとか」

 

そう。此方も恐らくご存知。ゲームに同じ名前のボールはあるが、全くの別物。性能も見た目も、そしてポ●モンへ影響を与えるあの邪悪なボールだ。

 

せつ菜:「でも最後に皆に成敗されてスカッとしました!! やはり悪は滅びるんです!!」

 

竜太:「せつ菜、話は代わるけどそろそろ昼だぞ?」

 

せつ菜:「ああ、ならお弁当食べましょう。ここではなんですからフードコートへ行きましょう」

 

高校の時は自分の彼女の手料理とはいえ地獄だったお弁当も今ではすっかり楽しみの1つになった。せつ菜の努力が一目で分かる位に。

 

そしてお弁当を食べていたら高校生位の男子が俺たちに話し掛けて来た。

 

男子:「あの!! 元雷門高校サッカー部出身の大海竜太さんと優木せつ菜さんですか?」

 

せつ菜:「? はい。そうですよ?」

 

せつ菜が答えるとその子は顔を輝かせて、

 

男子:「実は自分今の雷門サッカー部の一年生なんです。お二人の学年の先輩たちと当時の最上級生の先輩方は今の自由なサッカー界を取り戻した伝説の世代として今でも有名なんです」

 

どうやら俺たちの後輩らしい。俺たちの残した実績を知っており、その一翼を担った二人が居たのでいてもたってもいられず声を掛けたらしい。

 

竜太:「それにしてもよく顔が分かったな。」

 

男子:「あっ、すみません。自己紹介してませんでしたね。自分「霧野良太」と言います。兄から聞いてました」

 

せつ菜:「霧野!? まさか、霧野蘭丸くんの!?」

 

良太:「はい!! 兄から聞かされてました」

 

竜太:「そっか!! 先輩元気でやってる?」

 

それから3人で暫く話していると、映画の午後の部が始まる時間が近づいて来た為、良太君と別れて映画館に戻った。

 

・・・・・・・・・・・・

 

そして映画が終わり二人で帰路につく前に、お台場海浜公園に寄る事にした。

 

せつ菜:「綺麗な夕陽ですね·····!!!」

 

竜太:「うん·····」

 

せつ菜:「竜太さん?」

 

そして俺はズボンの右ポケットに手を突っ込む。

 

竜太:「せつ·····菜々!!!」

 

菜々:「!? そ、そんな行きなり本名で呼ばれたらドキドキするじゃないですか·····」

 

竜太:「······ゴメン。俺、ムードとか考えるの苦手だから····もう直球で行く。」

 

俺はポケットから小さい箱を取り出して菜々に差し出して箱を開ける。

 

竜太:「菜々、俺と結婚してください!!!」

 

箱の中には、ルビーのエンゲージリングが煌めいていた。

 

 

   ~ 3年後 ~

 

竜太:「ん~·····「もう!! 起きてください!! ご飯も冷めますし練習も遅刻しますよ!?」」

 

菜々:「こうなったら強行手段です!!!」

 

布団を剥ぎ取る菜々

 

竜太:「うぅ、嫁がいじめる····」

 

菜々:「なっ!? いじめてなんか···「ゴメン。冗談だよ。からかっただけ」っ!! もう····いっつもそうですね!! 昨日の夜もあんなに激し····っ//////」

 

竜太:「激し····?」ニヤニヤ

 

菜々:「何でも無いです!! 早く起きてください!!!」

 

竜太:「着替えたら行くよ」

 

そして素早く着替えてリビングに向かう俺。そして寝室に掛かった写真に目をやる。

 

写真には純白のウエディングドレスを来た菜々と俺、そして天馬や神童先輩、歩夢先輩たちに果北に桐穂、かつての仲間や幼なじみ達が写っていた。

 

 

― せつ菜ちゃん Happy Birthday ―




せつ菜ちゃん誕生日おめでとう!!

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第28:伝説の力と技

サッカーロボッツのキックオフから試合再開。ボールはロボ8に渡りドリブルで攻め上がって来る。しかしそこに母さんがディフェンスに入る。

 

ロボ8:「ピピッ、[トランスムーブ]」

 

しかしロボ8は母さんを抜いた。さすがに初めて対戦する技には直ぐには対応できないか····そしてロボ8はミドルレンジからのシュートを放つ。

 

ロボ8:「[ギアドライブ]」

 

すると空中に回転する歯車が無数に出現。そこにボールを蹴り込むと、回転に巻き込まれて勢いを増したボールが別の歯車に飛び、更に勢いを増しまた別のという風に反射反射を繰り返し、不規則な弾道でシュートが飛んでくる。しかし······、

 

聖良:「ふ~ん。でもそのシュート、ただの[リフレクトバスター]のパクリですよね?」

 

すると、辺りの気温が急激に低下し、聖良さんはブロック技を発動する。

 

聖良:「[スノーマウンテン・A]!!!!!」

 

聖良さんの呼び出した巨大な雪山にシュートが激突。シュートは音を立てて凍り漬き、完全に停止した。

 

聖良:「天馬くん!!!」

 

聖良さんから天馬にパスが通る。するとロボ4が必殺技で止めに入る。

 

ロボ4:「ディフェンス実行[ブリッツブリッジ]」

 

ロボが右足を振り上げて地面に叩きつけると、そこから電流がアーチ状に連続バウンドしながら天馬に直撃。感電させてボールを奪う。

 

剣城:「させるか!!!」

 

しかし直ぐに剣城がスライディングで奪い返す。

 

竜太:「なぁ剣城、炎を纏いながら走って右足で炎ボレーシュートってできないか?」

 

剣城:「? できるが····必殺技にはならないがそれでも威力は出るはずだ。」

 

竜太:「なら俺と同時に合わせろ!!! ツインボレーの2属性シュートだ!!」

 

そして攻め上がる俺と剣城。ロボもディフェンスに入るが、ワン・ツーパスであっという間に抜き去る。

 

そして剣城は[ファイアトルネード]を応用し、炎の右足。

 

俺は以前習得した[エターナルブリザード]を応用、氷の左足。

 

二人で同時にシュートを放つ。

 

竜太・剣城:「「[クロスファイア]!!!!」」

 

炎と氷のツインボレーがゴールを襲う。ロボ1も[ビームこぶし]で対抗するが、そんなの意にも返さず突き破り、シュートはゴールに突き刺さった。

 

2-0。サッカーロボッツのキックオフから試合再開。もうすぐ前半終了で久し振りの試合に我慢出来なくなったのか、母さんがロボ11からボールを奪い取ってかけ上がる。

 

剣城:「果南さんこっち····「良いよ。好きにやらせてやれ」大海?」

 

竜太:「テンション上がって我慢出来なくなったんだろ? ほら、もうシュートだ」

 

目をやると、母さんがシュート体勢に入っていた。母さんを水の竜巻が包みぐんぐん上昇。そして莫大な水流エネルギーが込められたボールを思い切り蹴り落とした。

 

果南:「[激流ストーム・Gx]!!!!」

 

世界を相手に激戦を繰り広げてきたシュートが放たれる。信介も、愛さんも、侑も全員この技を知っているだけに「生で見れた」と大興奮。

 

ロボ1も必殺技の体勢に入るが、シュートのキレが桁外れで技を出す前にロボの胴体に直撃。水が弾けて吹っ飛ばし、ゴールに叩き込まれた所で前半終了。

 

両者ハーフタイムの為休憩。

 

穂乃果:「むーーっ!! 果南さんずるい!!! 私も出る!!!」

 

果南:「良いけど誰と? 私は高咲さんと代わるよ?」

 

穂乃果:「剣城くん代わって!!!」

 

剣城:「分かりました。勉強させて貰います」

 

フォーメーションチェンジ

雷門

 

FW   穂乃果 竜太  フェイ

 

MF   神童  天馬  侑

 

DF 綱海  風丸  聖良  あんじゅ

 

GK       信介

 

 

そして後半が始まる。

 

― 続く ―




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第29話:マスターDの正体

ハーフタイムを終えてピッチに出る俺たち。此方は剣城と穂乃果さんが、母さんと侑がそれぞれ交代する。

そして後半開始のホイッスルが鳴り、ボールが渡ったロボ10が攻め上がる。しかしそこに穂乃果さんがディフェンスに入る。

 

穂乃果:「止めるよ!! [ダンス・オブ・サラマンダー・Gx]!!!!!」

 

荒れ狂う炎の舞がロボを焼きボールを奪い取る穂乃果さん。しかしロボ4、5、6が三体掛かりのディフェンスで止めに入る。

 

穂乃果さんにはいくら数を増やしたところでサッカーのフィールド人数を考えれば無駄なのに·····

 

穂乃果:「ふふっ、行くよ!! 《加速世界(アクセルワールド)》、展開!!!!」

 

その瞬間、穂乃果さんに流れる時間が何十倍にも加速。周囲の時間の流れとのラグで穂乃果さんの眼には敵も味方も止まって見えている。その間に三体を突破した穂乃果さんは《加速世界》を解除。シュート体勢に入る。

 

ロボ4・5・6:「「「!?」」」

 

ロボたちにはいきなり姿が消えた様に見えている事だろう。後ろにいるよ······

 

穂乃果:「[プロミネンスドライブ・Gx]!!!!」

 

穂乃果さんのシュートはすごい勢いで急降下。ロボ1は咄嗟に反応できず、シュートはネットを揺らした。

 

穂乃果:「よしっ!!!」

 

サッカーロボッツボールのキックオフから試合再開。ロボ11が苦し紛れに単独突破を狙うが、俺がディフェンスに入る。

 

竜太:「[イグナイトスティール・A]!!!!」

 

燃える炎のスライディングでボールを奪い取る俺。そして化身を発動する。

 

竜太:「はぁあああああっ!!!! 【海皇竜ブルーヒドラ・零式】!!!! アァアアアムドッ!!!」

 

俺は化身アームドを完了し、ロングシュートを放とうとすると、天間たちが慌てる。良いじゃん。相手は人間じゃないんだから······

 

俺はアームド状態で渾身のシュートを放つ。そのシュートは·····

 

竜太:「[ラストリゾート・V4]!!!!!!」

 

ロボ目掛けて放たれる超破壊シュート。仲間が危ないと思ったのか、ロボ11体は全員ゴールに集結する。しかし、

 

ロボッツ:『止メルッ····「ドガァアアアアアアアアアアンッ!!!!」

 

ゴール前で大爆発が起こり爆風が来る。煙が晴れると、()()()()()()()()()()11()()の残骸が辺りに転がっていた······

 

竜太:「あ、アレ? やり過ぎた?」

 

侑・愛:「「え、えぇえええええええええええっ!!!!」」

 

フェイ:「皆さん試合続行は無理です!! 今は逃げましょう!! 今の状況を忘れないで!!!」

 

果南:「わ、分かった。とりあえずお説教は後で!!!」

 

そしてTMキャラバンで現代へと戻った。

 

― 現代・雷門サッカー棟 ―

 

たっぷり母さんたちからの説教を貰い、覇者の聖典を開封する。すると中からこの時代によく使われている大学ノートが入っていた。

 

竜太:「開けるぞ?」

 

そして母さんたちも注目する中ノートを開く。すると中にはミミズがはい回った様な絵にも見えるし記号にも文字にも見える変な物が書かれていた。

 

愛:「な、何こ·····「こ、このノートは!!!」え?」

 

見ると、イナズマジャパンメンバーの皆さんがひどく驚いていた。

 

豪炎寺:「っ!! おいフェイ、確か覇者の聖典を書いたのは····「マスターDです」"D"···」

 

曜:「うん!! この字に"D"!! 間違いないよ!!!」

 

竜太:「どういう事ですか!?」

 

海未:「このノートを書いた人を、私たちは知ってます。間違いないでしょう」

 

神童:「誰何ですか!?」

 

豪炎寺:「これを書いたのは、円堂の祖父、"円堂大介"だ!!!」

 

雷門:「えぇえええええええっ!!!?!?」

 

― 続く ―




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第30話:マスターD、円堂大介

フェイ:「ま、マスターDの正体が、円堂さんのおじいさん!?」

 

愛:「じゃあ、マスターDのDって······、大介の頭文字の"D"!!!」

 

ワンダバ:「~~っ!! 円堂のじいさんがサッカーの神様マスターDだったのか!! まさに灯台元暗しだな!!」

 

驚いたな·····大介さんがマスターDだったとは·····

 

ことり:「円堂くんは、子供の時からおじいさんの残したノートを読みながら特訓してたんだって。だから円堂くんならそのノートを読めるよ!!」

 

フェイ:「円堂さんには会えないよ。生まれてから封印されるまでの時間、円堂さんは厳重に監視されている。近付けば円堂さんを危険に晒してしまう」

 

愛:「そんな·····じゃあどうすれば·······」

 

フェイ:「方法はあるよ。書いた本人に直接教えて貰えば良いんだよ。」

 

真姫:「でも大介さんは14年前に既に亡くなってるわよ?」

 

竜太:「だったら生きている時の時間にタイムジャンプすれば良いじゃん」

 

千歌:「確かにそれなら!!」

 

そして方針が決まり、今回は鬼道さんとダイヤさんが着いてくる様だ。

 

そして覇者の聖典をアーティファクトにして、大介さんの生前へとタイムジャンプした。

 

― 大介生前・トンガットル共和国 ―

 

信介:「あ、暑い·····」

 

ワンダバ:「ここは常夏の国トンガットル共和国だ。データでは円堂大介は此所の病院に入院している」

 

侑:「入院? どこか悪いのかな?」

 

竜太:「とにかく行ってみましょう。」

 

そして病院に入り受付で大介さんの病室の場所を聞き、大介さんの病室へ向かう。

 

ダイヤ:「あなたたちはここで待ってて下さい。大介さんはあなたたちを知りませんから、混乱させない様に私と鬼道さんで行ってきます」

 

そして、ダイヤさんと鬼道さんが大介さんの病室へ入って行った。

 

― 大介の病室 ―

 

鬼道:「大介さん·····」

 

大介:「ん? おぉ!! お前さんたちもしかして鬼道有人と黒澤ダイヤか? ははっ、わざわざこんな遠くまで見舞いに来てくれたのか?」

 

ダイヤ:「お久し振りです。お元気そうで安心しました」

 

大介:「ハハッ、年は取りたくないな。色々とガタが来てな」

 

ここで鬼道さんが本題に入る。

 

鬼道:「大介さん、此を見てくれませんか?」

 

大介:「!? お前が何故此を? 「やはり貴方が書いた物だったんですね·····」ああ。大分古びてはいるが、これはわしが守に渡した遺言ノートだ。これを何故お前が? 守がお前に渡したのか?」

 

鬼道・ダイヤ:「「っ!! ·············」」

 

大介:「まさか······死んだのか?」

 

鬼道:「今はそう言うことになってます。ですが、救う方法があるんです。今俺達が戦ってる敵によって作られた、円堂と大海が死んだと言う誤りの歴史から二人を救う方法が!!!」

 

ダイヤ:「このノートには、最強のチームの秘密が書かれていると聞きました。どうか内容を教えて下さい!!!」

 

大介:「·······駄目だ。そもそも内容を知ってもどうにもならん。絶対に集めるのが不可能なメンバーだからな。「集めるのが不可能?」」

 

ダイヤ:「大介さん!! このままでは、私たちが愛したサッカーそのものが失われてしまうんです!! 私たちは負ける訳にはいかないんです!!!」

 

大介:「黒澤·····サッカーにおいて勝ち負けは結果に過ぎん。切磋琢磨し努力するその過程が大事なんだ。そのくらい分かっていると思っていたが?」

 

鬼道・ダイヤ:「「··············」」

 

 

 

そして鬼道さんとダイヤさんが戻って来ると、

 

愛:「何で教えてくれないのさ~っ!!!」

 

竜太:「こうなったら自力で···「無駄ですよ?」っ!! プロトコル・オメガ!!!」

 

ベータ:「覇者の聖典、返してくれます?」

 

侑:「絶対に渡さない!!」

 

ベータ:「やはり抵抗を選びますか。ではサッカーで決めましょう。この先のグラウンドで待ってますね?」

 

天馬:「皆!! 行こう!!」

 

そして俺たちはグラウンドへ向かう。

 

葵:「······今、私に出来ることは、」

 

そして、葵は大介さんの病室へ向かった。

 

 

― 続く ―




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第31話:FFI選手たちの残した置き土産(ブラジル)

竜太くんがクロノ・ストーン編で初めてあれを解禁します。
インハイ編では出たけど2章では初めてです。

後、雷門がやばいです。いくら使ってた人に教えられてもそんな簡単に出来ねえだろ普通。

それではどうぞ。


― 病院・大介の部屋 ―

 

葵:「あの!!」

 

大介:「ん? 誰だお嬢ちゃん?」

 

葵:「私は空野葵と言います。雷門で、円堂守監督と大海龍也コーチの元でサッカー部のマネージャーをしています」

 

大介:「監督? コーチ? お嬢ちゃん、嘘はいかんよ。あの二人は今も現役だ」

 

葵:「それは·····信じられないかもしれませんが、私たちは、この時代から少し未来から来たんです。「馬鹿馬鹿しい····」嘘じゃありません!! お二人はいつも私たちを正しい道に導いてくれました。そのおかげで私たちは日本一になれたんです!!!!」

 

大介:「そりゃあワシの孫とワシが認めた男だからな······っと、イカンイカン。そんなことを言っても騙されんぞ「そんなんじゃありません!!! お二人はいつも言ってました。監督とコーチにとって一番大事なのは、勝たせることではなく、チームを···選手たちを護る事だと」っ!? ······何故それを·····」

 

葵:「お願いします!!! 私たち、円堂監督も大海コーチも失いたくないんです!!!!」

 

外から何やらざわざわと声がする。

 

大介:「ん? 何やら騒がしいな。」

 

葵:「もう試合が始まるんだわ·····「試合だと?」」

 

看護師:「大介さん? 診察の時間ですよ。もしかしてまた抜けだそうとしてました?」

 

大介:「ん? あぁ、もうそんな時間か。分かった。いま行きます。····お嬢ちゃん、先に行ってなさい。ワシも後から行く

 

葵:「っ!! はい!!!」

 

 

― トンガットルグラウンド ―

 

ダイヤ:「皆さん、ここで必ず奴らを倒します!! 行きますわよ!!」

 

雷門:『はい!!!』

 

ベータ:「うふふっ。無駄なことを。『ベータ、大丈夫だとは思うが油断だけはするなよ? 必ず"覇者の聖典"を回収しろ』イエス。マスター」

 

竜太:「絶対に親父と円堂さんは返してもらう!!!」

 

天馬:「うん!! 皆行くよ!!」

 

雷門:『おう!!!』

 

 

フォーメーション

プロトコル・オメガ2.0

Fーベータ

 

GK      ザノウ

 

DF ウォード メダム  ガウラ

 

ボランチ     オルカ

MF クオース      ネイラ

MF      ドリム

 

FW エイナム ベータ  レイザ

 

雷門

Fー

 

FW   剣城  竜太  フェイ

 

MF   愛   天馬  侑

 

ボランチ      神童

 

DF ストロウ スマイル ウォーリー

 

GK       信介

 

そして試合開始のホイッスルが鳴雷門ボールで試合開始。ボールは天馬に渡るが、ベータが高速スプリントで急接近し、あっという間にボールを奪った。

 

ベータ:「うふふっ。早速行きますわよ。ハァアアアアアアアッ!!! 【虚空の女神アテナ】!!!! アームド!!!!」

 

ベータはいきなり化身アームドを発動。ロングシュートを放つ。

 

ベータ:「"シュートコマンド07"!!!! [ダブルショット]」

 

ベータのアームドシュートが凄まじい威力でゴールに迫る。が、忘れてるのだろうか。化身アームドは隙が大きく、アームド中に選手が戻るには十分だと言うことを。

 

竜太:「させるか!!!」

 

俺は必殺技でのシュートブロックに入る。完全に本気、パワー全開で。

 

竜太:「《属性付与(エンチャント):(フレイム)》!!! [アスタリスクロック《炎》・Gx]!!!!!」

 

母さんから受け継いだ力、属性付与で強化された[アスタリスクロック]はベータのアームドシュートをあっさりと押し潰し、完璧に止めた。

 

ベータ:「な、何だと!?」

 

竜太:「お前らに見せてやるよ!! インハイの時にフィディオさんたちに教えて貰ったのは、必殺技だけじゃねぇ!!! 鍵になる神童先輩が居なかったから出せなかっただけだ!! 神童先輩!!!」

 

ボールは神童先輩に渡ると、元々の雷門のメンバーが横一列の隊列を組む。

 

神童:「行くぞ!!!」

 

そして全員一斉に攻め上がる。前衛、後衛を走りながらスピード調節で細かくチェンジを繰り返す。

 

エイナム:「な、何だいったい!?」

 

神童:「必殺タクティクス!!〈アマゾンリバーウェーブ〉!!!!」

 

すると俺たちの背後から凄まじい激流が流れ、プロトコル・オメガの選手を全て洗い流す。奴等はなにもできずにアマゾン川に飲み込まれた。

 

プロトコル・オメガ:『うわぁああああああああっ!!!』

 

神童:「大海!!!!」

 

そしてボールは俺に繋がる。

 

竜太:「《双属性付与(ダブルエンチャント):《(ウィンド)》・《(ライト)》》!!! [極・オーディンソード《風》・《光》]」

 

俺の放ったシュートは、蹴った瞬間·····()()()

 

ザノウ:(おい、まてよ。何でボールが既にゴールに入ってるんだ? 嘘だろ? 全く見えなかったぞ)

 

俺の放ったシュートは、蹴りとほぼ同時に、ゴールに突き刺さっていた。

 

雷門 1 ― 0 プロトコル・オメガ2.0

 

― 続く ―




竜太、ついに属性付与(エンチャント)解禁。

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第32話:伝説の名監督

ベータ:(くそ!!・・・・まさか俺のシュートがあんな簡単に止められるなんて・・・。気に入らねえがアイツは避けながら攻めるしか無いか)

 

プロトコル・オメガ2.0ボールで試合再開。ボールはドリムに渡りそこに俺がディフェンスに・・・・・・

 

ドリム:「レイザ!!」

 

俺が迫った瞬間にパスを出したドリム。 ?・・・・

 

レイザが攻め上がる。だが侑がディフェンスに入る。

 

侑:「行かせない!! 《天帝の眼(エンペラーアイ)》!!」

 

侑の《眼》が、相手の動きの未来を見透かす。侑はレイザからボールを奪い取る。が・・・

 

竜太:「っつ!! この!!」

 

何とプロトコル・オメガは俺一人に三人のマークを付けてきた。これじゃボールに触れ無い。!!

 

侑:「フェイ君!!」

 

ボールはフェイに飛び、フェイはミキシマックスを発動する。

 

フェイ:「"ミキシトランス・ティラノ"!!!」

 

そしてボールを受けとったフェイはシュート体勢に入る。背後にティラノサウルスが現れ、シュートと共に咆哮を上げる。

 

フェイ(ティラノMix):「[古代の牙]!!!」

 

フェイのシュートと共に赤い鋭利なオーラを纏い、[古代の牙]はプロトコル・オメガゴールを強襲。

 

ザノウ:「ハアアアアアアアッ!! 【重機兵バロン】!! "キーパーコマンドK03"!! [ー ガーディアンシールド ー]

 

ザノウの発動した化身にシュートはあっさりと弾き返されてしまい、跳ね返ったボールはそのまま前線のベータに飛ぶ。

 

ベータ:「ナイスですザノウ。行くぜええッ!! 【虚空の女神アテナ】!!! アームド!!!」

 

そしてベータは化身アームドを発動。俺はガッチリとマークされており、今度はディフェンスに入れなかった。

 

ベータ:「"シュートコマンド07"!! [ダブルショット]」

 

ベータのアームドシュートが信介に襲い掛かる。信介も負け時と化身で対抗する。

 

信介:「はああああっ!!! 【護星神タイタニアス・参式】!!!」

 

信介は【タイタニアス】を発動。そしてオーラを満遍なくコントロールしn、無駄なく【タイタニアス】に集約する。すると【タイタニアス】は金色に輝き出す。

 

信介:「[ー ゴッドキャッチ ー]!!!」

 

【タイタニアス】が両腕をシュートに突き出す。しかしシュートの威力の方が僅かに上で、信介は吹き飛ばされシュートはゴールに突き刺さった。

 

信介:「くそっ!!」

 

ベータ:「ハッ!! 俺達に勝てるとでも・・・・・「何だ何だ、暗い顔しおって・・・・」?」

 

鬼道:「大介さん!!」

 

フェイ:「と言うことは、この人が"マスターD"!!」

 

大介:「マスターDか・・・・未来じゃワシはそう呼ばれとるのか?」

 

ダイヤ:「!? 私たちを信じてくれるんですか!? 「無論だ」」

 

そう言って大介さんは俺達を見る。

 

大介:「ふむ。皆悪くは無いな。・・・・・良し、この試合ワシがお前達の監督になる!!」

 

フェイ:「ええっ!? マスターDが監督!?」

 

大介:「指示を伝える。勝利の鍵は"3D"だ!!」

 

天馬:「えっ!? 3・・・・D・・・・・?」

 

そして雷門のキックオフから試合再開。ボールは剣城へ。

 

剣城:「3D・・・・飛び出すもの、化身の事なのか? はああああっ【剣聖ランスロット・零式】!! アームドッ!!!」

 

剣城は化身アームドを試みるが失敗してしまう。

 

剣城:「ダメか・・・・・・」

 

大介:「ほう。化身と一体化するつもりなのか。」

 

剣城はDFのウォードにボールを奪われ、そのままボールは前線のドリムへ飛ぶ。

 

神童:「させるか!!」

 

しかし神童先輩がインターセプト。ドリブルで攻め上がる。

 

神童:「3D・・・・・立体、パスを立体的に繋げと言うことか? <神のタクト>!! 宮下!!!」

 

神童先輩は<神のタクト>を発動。ボールは愛さんに渡る。

 

愛:「良し行くよ!!! "大胆に" "ドーンと" "出たとこ勝負"!! 頭文字にDが3つで3Dだよ!!!」

 

愛さんの言葉に俺達もプロトコル・オメガも全員ずっこけた。んな訳ねぇだろ・・・・・・・

 

エイナム:「おい、神童拓人」

 

神童:「何だ?」

 

エイナム:「あの女馬鹿なのか?」

 

神童:「・・・・・・いや、学校の成績は悪くなかった・・・筈だ」

 

何かプロトコル・オメガのFWに同情されてるんだけど・・・・・・

 

愛:「剣城くん!! ガスッ ありゃ?」

 

愛さんは剣城へとパスを出そうとするが、ミスしてボールを真上に蹴ってしまった。

 

メダム:「っ!? クッ!!」

 

神童:「?」

 

天馬:「俺が行きます!!」

 

天馬は跳び上がりボールを神童先輩に戻す。危なかった・・・・・・

 

鬼道:「今、敵の反応が一瞬遅れた? ボールが想定外の動きをしたからか・・・・3D・・・・立体・・・・・そうか!!! 皆!! フィールドの全てを立体的に使うんだ!! 選手と選手の間のスペースだけでは無く、空も含めてフィールドのあらゆる空間を使うんだ!!」

 

神童:「空中も含めた全ての空間・・・・・そうか!! 行くぞ皆!! 必殺タクティクス!! <3D・リフレクター>!!!」

 

すると皆が高低差を付けて跳び上がり、空間をフルに使いパスを立体的に繋ぐ。プロトコル・オメガは不規則に乱れ飛ぶパスを追い切れずに俺へのパスを許してしまう。

 

ベータ:「っ!! 止めろおおおおおおおおおっ!!!」

 

竜太:「行くぜ!! ハアアアアッ!!! 【海皇竜ブルーヒドラ・零式】!! アームドッ!!!」

 

そして俺は化身アームドを発動。シュート体勢に入る。

 

竜太:「《属性付与(エンチャント)(フレイム)》!!! [ラストリゾート《炎》・V4]!!!!」

 

サッカーロボをぶっ壊した[ラストリゾート]をさらに《属性付与(エンチャント)》で強化した俺。シュートはフィールドを破壊しながら、ノーブロックでキーパーに襲い掛かる。

 

ザノウ:「ッツ!! 何だこのシュートは!? 【重機兵バロン】!! アームドッ!! "キーパーコマンド03"!! [ドーンシャウト]」

 

ザノウの化身アームドによって強化された必殺技が行く手を遮る。しかしそんな物は悪あがきに過ぎず、ザノウを簡単に吹き飛ばし、シュートはゴールネットに轟音と共に突き刺さった。

 

 

雷門 2 ー 1 プロトコル・オメガ2.0

 

ー 続く ー




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第33話:三番目の化身アームド成功者

大介さんの指示の下編み出された必殺タクティクス、<3D・リフレクター>によりパスを繋いで2-1と勝ち越した俺達。プロトコル・オメガボールで試合再開。

 

 

ー 雷門ベンチ ー

 

鬼道:「新たな必殺タクティクスのヒントだったんですね・・・・・・・」

 

大介:「な~に、お前さん達が自分で見つけた物が正解だ。あいつらは強敵を前に畏縮し本来の力に蓋をしてしまっていた。自分に自信が取り戻せれば言葉等何でも良かったんだ」

 

ダイヤ:(やはり凄いですわこの人・・・・・・・)

 

ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー

 

フィールドに視点を戻し、ボールはクオースに渡り、そこに愛さんがディフェンスに入る。

 

愛:「これ以上は進ませないよ!!」

 

クオース:「ハッ、無駄だ!! 【音速のバリウス】!!! "オフェンスコマンドK01"!! [ー オーバードライブ ー]!!!」

 

クオースが化身技で愛さんを抜き去り、ゴール前にセンタリングを上げる。エイナムとストロウが競り合うが、ストロウは弾き返されてしまい絶好のシュートチャンスを作られてしまう。

 

エイナム:「ナイスだクオース!! 喰らえ!! "シュートコマンド06"!! [プラズマボール]」

 

エイナムのシュートが信介に襲い掛かる。とてもではないが化身を出す時間は無い。

 

信介:「止める!! [真・バーニングハンド]!!!」

 

信介のキーパー技が[プラズマボール]を押さえ込む。しかしパワーに耐え切れず、信介はボールに引きずられたまま一緒にゴールの中へと吹っ飛ばされた。

 

竜太:「くっ!! 同点か・・・・」

 

そしてここで前半終了のホイッスルが鳴った。

 

剣城:「くそ!! どうやれば化身アームド出来るんだ!!」

 

大介:「おい、とんがり小僧!! どうにもならんのなら、化身を食ってしまえ!! 「!? 化身を・・・・・・食う?」 美味いか不味いか腹を壊すかな?」

 

剣城:「・・・・・・・・・・・?」

 

そして後半戦の為に両チームフィールドに出る。そしてプロトコル・オメガボールで後半戦開始。

相変わらずプロトコル・オメガは俺一人に三人のマークを付けており、何が何でも俺にシュートを撃たせない気らしい。

そしてボールはレイザがまず持ち、パスを細かく繋いで攻め上がりボールはネイラに渡ってそこに侑がディフェンスに入る。

 

ネイラ:「そんなディフェンス・・・・・・・"オフェンスコマn・・「《天帝の眼(エンペラーアイ)》!!!」ッ!! そんな、何なのこの子!?」

 

天帝の眼(エンペラーアイ)》でボールを奪った侑。しかし俺にパスは出せない。

 

侑:「剣城くん!!」

 

パスは剣城に繋がり、剣城は化身アームドを試みる。

 

剣城:「ハアアアアアアアッ!!! 【剣聖ランスロット・零式】!! アームドッ!!!」

 

しかしランスロットは霧散してしまい、ウォードにタックルを喰らいボールを奪われる。

 

剣城:「くそっ!! 何でだ!!」

 

大介:「・・・・・・・・・・・・」

 

そしてウォードから前線のベータへとパスが飛ぶ。

 

ベータ:「ウォード、ナイスパ・・・・「させるか!!」っ!?」

 

しかし空中で神童先輩がインターセプト。剣城へとボールを戻す。

 

剣城:「神童先輩!? 「剣城、お前なら出来る!! もう一度やって見ろ!!」 っ、ハイ!!」

 

剣城:「(といってもこのままでは・・・・・・・化身を食うって・・・・・・・・?・・・・・!! そうか、俺は化身を外側に纏う事ばかり考えてた。だがそれではダメだ。化身を俺の中に取り込まなくては!!)大切な物を守る為、俺は・・・・化身と一つになる!! 【剣聖ランスロット・零式】!! アァアアアムドッ!!」

 

そして剣城は化身アームドを発動し、見事成功した。

 

天馬:「やったな剣城!!」

 

剣城:「ああ!! 行くぞ!!」

 

そして剣城はシュート体勢に入る。背中に漆黒の翼を生やし、そのオーラを全てボールに注ぎ込み、闇の力が込められたシュートを放つ。

 

剣城:「[デビルバースト・G3]!!」

 

剣城のアームド必殺シュートがゴールを襲う。ザノウも化身アームドを発動し、対抗する。

 

ザノウ:「【重機兵バロン】!! アームドッ!! "キーパーコマンド03"!! [ドーンシャウト]」

 

ザノウのアームド必殺技がシュートを阻む。しかし剣城のシュートはそんな物では止まらずにゴールに突き刺さった。

 

葵:「やった決まった!!」

 

水鳥:「良し!! これで勝ちは決まったな!!」

 

ベータ:「っ!! ふっざけんじゃねぇ!!」

 

 

 

雷門 3 - 2 プロトコル・オメガ2.0

 

ー 続く ー




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第34話:明かされる最強イレブンの条件

剣城がついに化身アームドを成功させ、アームドシュートで再び勝ち越す俺達。プロトコル・オメガボールのキックオフから試合再開し、ボールはベータへ。

 

ベータ:「まさかお前らがここまでやるとはな・・・・・しょうがねぇ、なら奥の手だ!! 行くぞお前らぁっ!! "ゴーストミキシマックス"!!」

 

するとベータから漆黒のオーラが溢れ、プロトコル・オメガメンバー全員に注がれて行く。

 

神童:「これは・・・・・・ベータが仲間に力を分け与えてるのか!?」

 

ベータ:「行けっ!!」

 

プロトコル・オメガ2.0:『『イエス!!』』

 

するとプロトコル・オメガのメンバーは先程までとは比べものにならないくらいに強くなり、怒涛の如く攻撃され一気に3点を奪われてしまい3-5と逆転される。終了間際に侑が何とかボールを奪い化身シュートを放つが、ザノウにただの必殺技で止められてしまいそこで試合終了のホイッスルが鳴った。

 

天馬:「く、くそ!!」

 

ベータ:「フフッ」

 

するとベータは大介さんに目をやる。

 

大介:「ん?」

 

ベータはスフィアデバイスに手を翳す。

 

"封印モード"

 

フェイ:「あれは、円堂さんの時と同じ!! まさかマスターDを封印するつもりなのか!?」

 

大介:「何っ!?」

 

そしてスフィアデバイスは凄い勢いで吸引を始める。

 

大介:「ぐっ!! こんなものに・・・・・・負けるかーーーーーー!!!」

 

すると大介さんの周囲にオーラのバリアが実体化する。

 

ワンダバ:「まさか!! 精神力で跳ね返そうとしているのか!?」

 

スフィアデバイスの封印しようとする力と存在を消されまいとする大介さんの意思の力が激突する。すると大介さんの身体が突如として光り輝き、光が止むと大介さんはオレンジ色の結晶状の小さな石に変わってしまった。

 

鬼道:「大介さんが・・・・・石に・・・・・・」

 

ベータ:「これでサッカーはお終まいです。 覇者の聖典は返して貰いますね?」

 

葵:「あっ!!」

 

そして目的を達成したプロトコル・オメガは撤退して行った。

 

竜太:「大介さんが石に・・・・・・」

 

フェイ:「これは・・・・・"クロノ・ストーン現象"!?」

 

天馬:「何なのそれ?」

 

アルノ:「そう、極めて珍しいことじゃ。」

 

ワンダバ:「アルノ博士!! いらしてたんですか!?」

 

アルノ:「うむ。その石はクロノ・ストーン。スフィアデバイスの封印しようとする力と円堂大介の存在を消されまいとする意思の力がぶつかり合い、それが時空の矛盾点となり、円堂大介の存在がまるごと凝縮されクロノ・ストーンと言う石になったんじゃ」

 

天馬:「こんなのって無いですよ!! 何とかならないんですか!?」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

愛:「また居なくなったんだけど、何考えてるのあのおじいちゃん!!」

 

?:「全くだ。無責任極まりない男だな!!」

 

天馬:「うわっ!?」

 

クロノ・ストーン(大介?):「あっ、こら!! 歳よりは丁重に扱え!!」

 

竜太:「えぇっ!? 喋れるんですか!?」

 

大介:「うむ。何か変な感じだがな」

 

フェイ:「これも・・・・・マスターDの精神力が成せる技って事か・・・驚いたね・・・・・」

 

竜太:「大介さん!! 俺達、何としてもあいつらを倒して親父と円堂さんを、サッカーを守りたいんです!! お願いします、あのノートの内容を教えて下さい!!」

 

大介:「あのノートの内容は、ワシが描いた究極の夢だ。メンバーが揃うことは無い。それでも知りたいか?」

 

雷門:『『ハイ!! 教えて下さい!!』』

 

大介:「分かった。では、

 

1の力、人を見抜き大局を見抜く。静と動を併せ持つ、真実のゲームメーカー

 

2の力、仲間の勇気を奮い立たせ鉄壁の守りに変える、カリスマDF

 

3の力、大国を治める力。揺るぎない意思と強靭な実行力を持つ、鉄壁のキーパー

 

4の力、未来をも見通す状況推理能力で敵の急所を突く、正確無比MF

 

5の力、稲妻の様に切り込む速さ。電光石火の、スピードストライカー

 

6の力、海の様に広い心で、攻守を繋ぐ掛橋となる、スーパートリッキーMF

 

7の力、太古の力を宿し、その牙の力は海を割る。ダイナミックMF

 

8の力、自由自在に空間を生かす。空を制する、フライングDF

 

9の力、絶対的な勇気と、揺るぎない実行力で、大地をも味方にする、キング・オブ・MF

 

10の力、野獣の獰猛さと、賢者の頭脳を持つ、ファンタジックリベロ

 

11の力、灼熱の熱風と、激震する雷鳴の力で、全てを貫くオールラウンドプレイヤー

 

12の力、時代の英雄たちの力を束ね、己の力とする、クロノ・キングFW

 

以上が、ワシの考えた最強のチームの条件だ」

 

雷門:「・・・・・・・・・・・・・」

 

ワンダバ:「内容そのものが暗号の様だ。どんな選手なのか見当もつかん。」

 

天馬:「でも必ずどこかの時代に居るはずだ。その条件に当てはまる選手を見つけ出すんだ!!」

 

竜太:「大介さん、例えるなら誰みたいなのは無いんですか?」

 

大介:「ん? そうじゃな・・・・・1の力は例えるなら・・・・・・そうだ!! "織田信長"だ!!」

 

水鳥:「信長ぁっ!?それサッカー選手じゃないだろ!!」

 

神童:「いや、信長は大胆かと思えば非常に計算された狡猾な作戦を用いて、数々の敵将を凪ぎ払った戦国時代のカリスマだ。彼がもし現代のサッカー選手だったら、サッカー界の中心人物になっていたでしょうね」

 

水鳥:「でもよ、信長を連れてきてサッカーやらせろってか!?」

 

大介:「だから無理だと・・・・「出来るよ。ミキシマックスガンがあれば出来る。その人物が生きていた時代にタイムジャンプして、直接オーラを頂くんだ!!」 何!? 本当に出来るのかそんな事が!!」

 

フェイ:「ハイ!!」

 

愛:「そうなったら、"時空最強イレブン"だね!!」

 

大介:「時空最強イレブン・・・・・まさしくそうだな。はぁ・・・・実現するのか・・・・・年甲斐もなくワクワクしてきたわい!!」

 

フェイ:「よし、まずは現代に戻って織田信長の時代に繋がるアーティファクトを探そう!!」

 

そして、僅かな希望を抱き、大介さんと共に俺達は現代に帰還した。

 

 

ー 続く ー




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第35話:来たぞ信長の町!! 時空最強イレブンを手に入れろ

TMキャラバンで現代に戻って来た俺達は、早速学校の図書室で織田信長について調べる事にした。

 

神童:「"織田信長"、西暦1534年6月23日に尾張の国(現在の愛知県)に生まれ、西暦1582年6月21日に家臣の明智光秀に謀反を起こされ本能寺の変で亡くなった。信長は幼少期はうつけものと呼ばれていたが、ある日を境に積極的に政治に取り組み城下町を平定し、楽市・楽座の制度を作り誰でも自由に商売が出来る様にした。戦においては最も早くに銃を取り入れ、多くの敵を撃ち破った戦国最強の武将だ」

 

葵:「本当に凄い人だったんですね・・・・・・・」

 

フェイ:「アーティファクトにするために、その信長の時代の物を手に入れなければならないんだけど・・・・・」

 

竜太:「そんな貴重な物が転がってる訳・・・・「あ、アタシ信長の刀を見たことあるぞ?」はぁ!?」

 

嘘だろ!? こんな都合よく?

 

穂乃果:「どこで見たの?」

 

水鳥:「商店街の骨董品屋だよ」

 

信介:「えぇ? 本当に?」

 

竜太:「まぁ他に手がかり無いし行ってみるか」

 

そして商店街の骨董品屋に向かった俺達。店主さんが店番していたので水鳥さんが話しかける。

 

水鳥:「こんちはオッチャン!! なぁ? ちょっと信長の刀を見せてくれよ」

 

店主:「ほっほっ、水鳥ちゃんも物好きじゃのう。ちょっとまっておれ」

 

そしておじさんが店の奥から刀を持ってきた。

 

店主:「これが信長の刀じゃ」

 

天馬:「これ・・・本物何ですか?」

 

竜太:「確かに、スゲー雑に置いてあったし・・・・・」

 

愛:「ひょっとしておじいさんも本物だと思って無いんじゃ・・・・・」

 

店主:「ギクゥッ!! な、何を言うか!! この刀は本物の信長の刀じゃ!!」

 

すると刀をじっと見ていた神童さんが口を開いた。

 

神童:「いや、そうとも限らないぞ。この刀、俺の父が所蔵している戦国時代の刀と作りが似ている」

 

店主:「む?」

 

神童:「それに、鞘の装飾がとても精巧だ。価値のある物かもしれない」

 

店主:「むむっ?」

 

天馬:「本当ですか!? ならおじいさん、その刀下さい!! 「ダメじゃ」えぇ~っ!? 何でですか!!」

 

店主:「そんな貴重な物をやるわけないじゃろう!! そうじゃなぁ、店がすこしばかり埃を被ってきてしまったからのう・・・・掃除してくれたらやることはできんが、貸してやる位は良いぞ?」

 

天馬:「・・・・・・やります」

 

そして母さんや鬼道さん達にも手伝って貰い30分でピカピカになった。

 

店主:「おぉ!! 綺麗になったわい、見違える様じゃ。約束じゃから貸してやろう。必ず返しに来るんじゃぞ?」

 

雷門:「ハイ!!」

 

そしてTMキャラバンに乗り込みタイムスキャナーに"信長の刀"をセットする。

 

今回は曜さんと梨子さん、ことりさんと吹雪さんがついて来てくれるらしい。

 

鬼道:「四人共、子供達を頼んだぞ?」

 

海未:「吹雪さん、ことり、曜さん、梨子さん、宜しくお願いしますね?」

 

四人:「「「「任せて!!」」」」

 

ワンダバ:「では行くぞ!!」

 

そしてTMキャラバンは離陸し変形。ワームホールを作り出す。

 

ワンダバ:「いざ!! 戦国時代の尾張の国へ!! タイムジャ~ンプ!!!」

 

そしてワームホールを抜けた俺達は・・・・・・・

 

ー 西暦1563年・戦国時代 尾張の国 ー

 

ワンダバ:「着いたぞ。間違いなく戦国時代の尾張の国だ」

 

愛:「マジ? あの刀まさかの本物だったの・・・・・・?」

 

そして俺達はTMキャラバンを地蔵堂と呼ばれるお堂の陰に隠し、お堂の中を、会議所として勝手に使わせてもらうことにした。

 

ー 続く ー




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第36話:探索!! 尾張の国

戦国時代へのアーティファクトで無事に尾張の国にタイムジャンプした俺達。だが俺達の今の格好はタイムジャンプ前の未来の物。この時代では不自然過ぎる。曜さんがそれを指摘すると・・・・・・

 

ワンダバ:「私に任せろ!! ワンダバスイッチON!!」

 

ワンダバが手に持ったスイッチを押すと、俺達の服は着物に変化した。

 

梨子:「うわぁ!! 可愛い!!!」

 

ことり:「曜ちゃんも梨子ちゃんも凄く似合ってるよ!!」

 

曜:「ことりさんこそ凄く綺麗であります!!」

 

引率の大人女性組がキャアキャアはしゃぐ。気持ちは分かるけどあなたたち自分の仕事忘れて無いよね?

 

神童:「でもこの格好微妙に江戸時代が混ざって無いか?」

 

ワンダバ:「細かいことは良い。とにかく町に出てどうやれば信長に会えるか聞き込みだ!!」

 

そして俺達は地蔵堂を出て田園風景が広がる畦道を通り城下町にやってきた。

 

そして各自でいろんな人に聞き込みするが有力な情報は得られず、時代劇に出てくるような木製のアーチ状の橋を渡った所で・・・・・・・

 

バシャアッ!!

 

神童:「うわっ!?」

 

家の軒先で水を撒いていた少女の放った水が神童先輩にかかってしまい、少女は慌てて頭を下げてきた。

 

?:「あっ!! すみません!! 私ったらボーッとしてて・・・・、着物を乾かすので中に入って下さい!!」

 

神童:「いや・・・・良いよ。急いでるから・・・「ダメです!! 風邪を引いてしまいます!!」」

 

そしてその女の子に神童先輩は家の中に連れて行かれたので外から、基地で待ってると伝えて来た道を戻ると・・・・・・

 

?:「ほら!! そっち行ったぞ!!」

 

?:「任せろ!! 市正!!」

 

市正と呼ばれた少年:「オッケーこっちこっち!!」

 

見ると五人の男の子達が玉の様な物を蹴っていた。

 

天馬:「あれってサッカー!?・・・・「いや、この時代はまだ日本にはサッカーという概念は伝わって無い筈だ。恐らくあれは平安時代の蹴毬を元にして彼らが考えたんだろう」へーーー」

 

ことり:「竜太くんは昔から頭良いんだよねぇ・・・・・・」

 

すると玉を蹴っていた少年達の一人がこちらに気付いて声を掛けて来た。

 

?:「ん? おい!! お前らこっちをジロジロ見てどうした?」

 

竜太:「あっ、いや・・・・楽しそうだなと思って。その遊び自分たちで考えたの?」

 

?:「おう!! そうだぜ? やりたいならお前らもやって見るか?」

 

天馬:「良いの!? やる!!」

 

天馬は飛んでいってしまった。

 

愛:「まあいっか、愛さん達も行こう?」

 

そして少年達の下へ向かう俺達。お互いに自己紹介をする。この五人は、太助、獅子丸、市正、仁悟、五郎太と言うらしい。

 

そして暫く一緒にボールを蹴っていると、

 

獅子丸:「おらっ!! あっやべっ!!」

 

仁悟:「獅子丸どこ蹴ってるんだよ~」

 

五郎太:「俺が取りに行って来るよ」

 

そして五郎太が玉を取りに行ってくれた・・・・・のだが、

 

竜太:「なあ、ただ取りに行っただけで遅すぎないか?」

 

太助:「確かに・・・」

 

五郎太:「助けてーーーーーーっ!!!」

 

全員:『『『!?』』』

 

見ると五郎太が簀巻きにされて二人組の男に連れ去られる所だった。

 

太助:「人さらいだ!!」

 

天馬:「人さらいーーーーっ!?」

 

嘘だろ!? 戦国時代ってそんな凶悪犯罪が平気で起きるのか!? すると愛さんが急いで転がっている玉の元に向かい、思い切り人さらい目掛けてシュートした。

 

愛:「喰らえぇえええええーーーーーっ!!!!」

 

愛さんのシュートは男たちにクリーンヒット。五郎太を落としてしまい、その間に脱出しこちらに逃げて来る。

 

愛:「大丈夫?」

 

五郎太:「あ、ありがとう・・・・・・・」

 

しかし今ので男たちはぶちギレて懐から刃物を取り出す。

 

?:「このガキ!! 女のくせに舐めたマネしやがって!! 大人を怒らせるとどうなるか教えて・・・「お役人様!! こっちです!!」!?」

 

?:「何!? 役人を呼ばれると面倒だ!! ずらかるぞ!!!」

 

そして男たちは逃げて行った。するとそれを見届けた様に、木の陰から一人の男性が現れた。

 

?:「お前達!! いくらなんでも無茶じゃぞ!!」

 

竜太:「す、すみません。あなたが役人を呼んでくれたんですか?」

 

?:「い~や? 役人など呼んどらんよ。あれはただの出まかせじゃ。ああ言えばあの類の輩は簡単に逃げるからの」

 

侑:「この人頭良い~!! えっと・・・・」

 

?:「ああ、ワシか? ワシは木下藤吉郎じゃ」

 

天馬:「木下藤吉郎・・・・・? どこかで聞いたような・・・・」

 

吹雪:「って南さんこの人まさか!?」

 

ことり:「・・・・っ!?」

 

葵:「天馬!!」

 

雷門:『『『豊臣秀吉ーーーーーーっ!?!?!?!?』』』

 

藤吉郎:「なっ、何じゃ・・・・?」

 

俺達を助けてくれたのは、戦国時代の終わりに天下統一を成し遂げる、後の豊臣秀吉だった。

 

ー 続く ー




男たちの台詞で「女のくせに」と言う差別発言がありますが、それは戦国時代当事の時代背景的にその言葉が適していただけですのでご了承下さい。

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第37話:探索!! 尾張の国 神童Side

天馬達が太助達と出会った頃、この男は・・・・・・

 

ー 神童 Side ー

 

?:「弟の着物で悪いんですけど乾くまで我慢してください・・・・・・」

 

神童:「あ、あぁ。分かりました・・・・・・・・・えっと・・・・・」

 

?:「あぁ、私は(かつ)と言います。貴方は・・・・・」

 

神童:「俺はs・・・・・・・っ!!」

 

神童、そう言いかけた所で俺は気付いた。この時代はまだ一般の人が苗字を持つことを許されていない。ではどう言うか・・・・・

 

神童:「俺は、拓斗だ。」

 

勝:「拓斗様と仰るんですね・・・・・・あの、拓斗様は、この国の人ではありませんよね? 髪とか変わってますし・・・・・あと着物も」

 

神童:「ああ、色々な所を旅してるんだ。」

 

勝:「なるほど・・・・・あっ、じゃあどうしても見て貰いたい所があるんですけど良いですか? ここから歩いて二分程の所なので」

 

そしてお勝さんの家を出て、直ぐ脇の小路を歩き小高い丘の上に登った。すると・・・・・・

 

神童:「っ!?」

 

尾張の国の城下町を一望し、そびえ立つ名古屋城が見える絶景が広がっていた。

 

神童:「キレイだ・・・・・・・」

 

勝:「私、ここからの景色が好き何です。尾張の国が見渡せるから・・・・・・」

 

神童:「確かに、俺の元いた所では、こんな美しい景色は見られない。でもそこには俺にっとて・・・・・とても大切な物があったんだ」

 

勝:「大切な物・・・・それって、好きなh・・・・・っ!? 何でもありません///// それより、そろそろ着物も乾いてますよね? 戻りましょうか」

 

そしてお勝さんの家である豆腐屋に戻る。豆腐屋は現代でも朝が得に早い仕事として知られている。この時代だともっと早いんだろうな・・・・・・。

 

そして元の着物に着替えた俺は天馬達の待つ地蔵堂へ向かうと、途中の畦道広場に全員揃っていた。なんかこの時代の子供達五人と大人の男性が一人居るが・・・・・

 

ー 神童 Side out ー

 

神童:「皆!!」

 

信介:「あっ、神童先輩!!」

 

藤吉郎:「ん? お前達の友達か?」

 

天馬:「はい、そうです」

 

すると神童先輩が俺を手招きして「あの人は誰だ?」と聞いてきたので、「木下藤吉郎さん。後の豊臣秀吉です」と答えたら凄く驚いていた。

 

藤吉郎:「話を戻すが、お前んさんらの言うサッカーっちゅうのは、そんなに大事な物なんか?」

 

侑:「はい!! 対戦相手として戦った人も、試合が終わればもう友達になってる、人の心と心をつなげてくれる私たちの大好きな物です!!」

 

藤吉郎:「ほう、それは凄いな!! 玉を蹴って点を取り合う遊技じゃと言うから戦と違って命を取り合う訳では無いというのは分かったが、敵だった相手とも分かりあえるなど聞いたこと無いぞ」

 

竜太:「それがサッカーの不思議な所であり、面白い所です」

 

藤吉郎:「ははっ、何であっても好きな物があるっちゅうのは良いことじゃ!!」

 

天馬:「藤吉郎さんの好きな物って・・・・・・「信長様じゃ!!」!!」

 

藤吉郎:「あのお方からは、とてもこの世の者とは思えん程の凄みを感じるんじゃ!! だからワシは偉ろぅなる!! 必ずあの方に近付くんじゃ!!」

 

そして暫く藤吉郎さんから信長の話を聞いたあと、その日はお開きにして地蔵堂に戻った。

 

竜太:「でもさ、信長のオーラは誰が受けとるんだ?」

 

大介:「心配無用じゃ!!ワシが考えてある。」

 

吹雪:「大介さん・・・・・」

 

大介:「信長のオーラを受けとるのは神童拓斗、お前じゃ」

 

神童:「俺が!?」

 

大介:「ワシはこの姿になった副産物なのか、その選手の持つ潜在能力が分かるようになった。信長のオーラを受け取れるのは、ゲームメイカーとして類い稀な才能を持つお前しかいない!!」

 

神童:「俺が・・・・・「良いんじゃ無いですか? 雷門のゲームメイカーは神童先輩ですし」っ、大海・・・・・」

 

侑:「私も賛成だよ」

 

愛:「愛さんもさんせー」

 

天馬:「俺もです」

 

剣城:「俺も」

 

信介:「僕も!!」

 

どうやら満場一致みたいだ。

 

神童:「分かりました!! 俺、やります!!!!」

 

 

 

ー 次の日 ー

 

愛:「ぐぉ~~っ・・・・・・」

 

ワンダバ:「ンがっ・・・・」

 

竜太:「愛さんマジでいびきうるせぇ・・・・・」

 

愛さんの意外な一面を見たな・・・・・・・・するとそこに情報収集に出ていた神童先輩と剣城が帰って来た。

 

剣城:「宮下先輩、いつまで寝てるんですか・・・・・・?」

 

神童:「直ぐに出かけるぞ。信長が城下町に武者行列で出てくるらしい。」

 

天馬:「分かりました。」

 

水鳥:「いつまで寝てんだ!! 起きろ!!!」ドンッ

 

愛・ワンダバ:「「うわわわっ!?」」

 

そして俺達は畦道を抜けて、城下町に向かった。

 

 

ー 続く ー




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第38話:織田信長

城下町に向かった俺達。俺達が到着すると、今まさに向こうから馬に乗った武将と鎧甲を身につけた侍達が歩いて来る所だった。

 

天馬:「あれが!!」

 

剣城:「織田信長だ!!」

 

すると通行人達は急いで道を空けてひざまずき、中には献上品を差し出す人もいた。すると信長は馬から下りると、献上品を差し出している一人の女性の持つ餅を口にする。

 

信長:「ふむ・・・・・・・」

 

町の女性:「信長様が召し上がって下さった・・・・・!!」

 

信長:「女、面を上げよ。この餅米は貴様が作った物か?」

 

町の女性:「は、はい!! 作用でございます!!」

 

信長:「これは良いものである。よくぞ作ったな。これからも精進せよ」

 

町の女性:「あ、ありがとうございます!!!!」

 

凄ぇ迫力・・・・・物凄いオーラを感じる。

 

信長:「ん? そこの貴様らはこの国の者では無いようだが・・・・・・・まさか、今川の手の者か?」

 

天馬:「えっ、違っ・・・・「そんな事はありません!! 私たちはただの旅人です!!」」

 

信長:「・・・・・・・・・・」

 

神童:(まるでこちらの心を見透かす様な眼力だ・・・・・でも、堂々としてれば!!)

 

信長:「・・・ふっ、「敵か?」等と聞いてハイそうです等と答える者が居るはず無いか・・・・我ながら愚問であった。まぁ、今日の所は信じよう。貴様らの眼は、曇ってはいない様だしな」

 

はぁーーーーーーっ、助かったぁああああ!! 話も聞かずに「斬れ!!」とか言う人だったら100%OUTだったぞ。すると、

 

町人:「あ、暴れ馬だーーーーーっ!!!」

 

全員:『『『!?』』』

 

すると一頭の馬がこちらに向かって突っ込んで来ていた。

 

丹羽・前田:「「信長様!!」」

 

織田家の家臣、丹羽長秀(にわながひで)前田利家(まえだとしいえ)が信長を守るように前に出る。しかし人間たった二人の力で暴れる馬を押さえ込めるとは思えない。

 

信長:「退けっ!!」

 

丹羽・前田:「「信長様!?」」

 

暴れて突っ込んで来る馬の前に自ら進み出た信長。すると右腕を渾身の気迫を放ちながら突き出すと、信長から凄まじいオーラが溢れる。馬は逆に自分が危険だと思ったのか、くるりと方向転換して逃げて行った。

 

信長:「ははっ!! 暴れ馬如き、この織田信長の前では造作も無いわ!!!」

 

 

?:「ぶ~~・・・・・・」

 

するとワンダバがその隙に、信長の背後から・・・

 

ワンダバ:「今がチャンスだ!! ミキシマ~ックス!!」

 

ワンダバはミキシマックスガンのトリガーを信長に向けて放つ。すると光線は信長に当たる瞬間弾かれた様に霧散した。

 

ワンダバ:「なぬっ!?」

 

すると違和感に気付いたのか信長が振り返り、

 

信長:「んんっ!!!」

 

ワンダバ:「あわわわわわわわ」ガクガク

 

信長:「それは何だ? 鉄砲の様にも見えるが・・・・・・」

 

ワンダバ:「こ、これは花火鉄砲と言いまして、信長様に是非見て貰いたく・・・・「花火鉄砲? 祭用か?」へ、へい!! そんな所です!!」

 

信長:「ふむ。では次の祭の機会にじっくりと見せてもおう。精進せよ、花火職人「へ、へい!! 喜んで!!」」

 

そして信長は帰って行った。

 

水鳥:「馬鹿野郎!!! 本気で暗殺者だと思われたらどうすんだ!!」

 

フェイ:「でも、何でオーラが取れなかったの?」

 

ワンダバ:「分からん。こんなことは初めてだ・・・・・「器の大きさの問題じゃ」アルノ博士!?」

 

本当に神出鬼没な爺さんだな・・・・・・

 

アルノ:「神童拓斗と言う器に織田信長のオーラは大きすぎて入り切らない。コップ一杯に1リットルの水を入れようとしても入らん様にな。」

 

フェイ:「でも、僕は恐竜のオーラとは・・・・・・ってまさか!?」

 

アルノ:「そう。信長のオーラは恐竜のオーラよりも遥かに大きい。故にミキシマックスガンのメモリー内にも入り切らない。だからその場で直接受けとる必要がある」

 

竜太:「でも器の大きさが・・・・・」

 

アルノ:「特訓するしか無いの。信長という人物を理解し、それを己の中に取り込むイメージを持つんじゃ。ミキシマックスとは、命と命の融合何じゃからな」

 

神童:「命と命の融合・・・・・・・それがミキシマックス・・・・」

 

剣城:「取り合えず今日はもう地蔵堂に戻りませんか?」

 

竜太:「そうだな」

 

そして地蔵堂に戻り次の作戦を練る事にした。

 

 

ー 続く ー




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第39話:対決!! 白鹿組

俺達が地蔵堂で作戦会議をしていると、昨日の豆腐屋の女の子が血相を変えて飛び込んできた。

 

勝:「拓斗様!!」

 

神童:「お勝さん? そんなに慌ててどうしたんですか?」

 

勝:「太助が・・・・弟が変な男たちに連れて行かれるのを見たって町の人が!!」

 

それを聞いて俺達は昨日の五郎太を連れ去ろうとした男たちを思い出した。

 

天馬:「まさか昨日の!? 逆恨みに遭ったんじゃ・・・・!! と言うか姉弟だったんだ」

 

竜太:「すいません、そいつらがどっちの方に向かったとか情報あります?」

 

勝:「西の方の森に入って行ったと・・・・・」

 

天馬:「急いで助けに行こう!!」

 

神童:「そうだな。俺達に任せて下さい」

 

そして俺達は森に向かい、奥へと進んで行った。

 

信介:「暗い森だね・・・・・なんか出そう」

 

愛・侑:「「ちょっと!! 信介くん怖いこと言わないで!!」」

 

愛さんが少し涙目になっていると、近くの茂みが揺れた。

 

侑・愛:「「ヒィッ!?」」

 

すると、

 

藤吉郎:「ん!? お前達こんな所で何してるんじゃ?」

 

天馬:「藤吉郎さん!? はぁぁああよかったああああ・・・・・・」

 

俺達は藤吉郎さんにこの森に来た理由を説明する。

 

藤吉郎:「何!? 太助くん達が!? それで助けに来たと・・・・」

 

竜太:「はい・・・・」

 

愛:「ぷッ、()()・・・・()()に・・・・」

 

竜太:「愛さん? ダジャレっぽくはなってますけど不謹慎ですよ?」

 

愛:「ゴ、ゴメン・・・・・・」

 

軽く愛さんに注意する。藤吉郎さんは話を続け、

 

藤吉郎:「あいつらはな、「白鹿組(しろしかぐみ)」と言うんじゃ。子供を攫ってはよその国に売り飛ばしてるんじゃ。」

 

愛:「何それ!? そんなの許されるわけない!!!」

 

剣城:「何故子供を?」

 

藤吉郎:「戦い方を教えて兵隊として使うためじゃ。今はどこの国も戦で人手不足じゃからな・・・・・」

 

ことり:「子供は親にとっての宝物だよ!? それを攫っただけでなく・・・・・金儲けの為なんかに・・・・」

 

あっ、ことりさんキレた。ことりさんは音ノ木坂の理事長であり一人の子を持つ母親。教育者としても母親としてもそんな事は絶対に許容出来ない。勿論曜さんも梨子さんも子供を持つ母親としてご立腹だ。

 

竜太:「絶対に助け出さないと・・・・・・」

 

すると事情を汲んでくれた藤吉郎さんは一緒に行こうと申し出てくれたので一緒に白鹿組のアジトに向かった。

 

 

ー 白鹿組アジト ー

 

?:「今日も大量だったな俄然」

 

俄然:「ああ、大安。さっさと売り飛ばしちまおう・・・・・ってん!? 何だお前ら!!」

 

竜太:「太助達を返せ!!」

 

太助:「あっ!! 天馬、竜太!!助けに来てくれたのか!?」

 

獅子丸:「悪い、俺達・・・・攫われた他の皆を助けようとしたんだけどしくじっちまった」

 

?:「あら? 何事ですか?」

 

大安:「紅菊の姐御!!」

 

竜太:「テメエ!! ベータ!!!」

 

ベータ。その言葉を聞いた瞬間ことりさん達の怒りは沸騰した。

 

ことり:「貴女が円堂くんと龍也くんを!!」

 

曜:「許せない!! 子供達と二人を返せ!!!」

 

ベータ:「あらら、残念ですけどそれは無理ですね。どうしてもというならサッカーで決めません? あなたたちと、私の僕白鹿組で。」

 

吹雪:「なっ!!・・・・・「良いぜやってやるよ!!」竜太くん!?」

 

竜太:「そんな奴らひねりつぶしてお前らを引きずり出してやる!!!」

 

ベータ:「ハッ、威勢だけは良いなぁ? その余裕がいつまで持つかな? ・・・・・では私達は畦道広場で待ってますので。逃げないで下さいね?」

 

竜太:「太助、お前達もやってくれるか?」

 

太助:「当たり前だ!! 俺達も戦う!!」

 

そして太助、獅子丸、市正、仁悟、五郎太の五人を仲間に加えて畦道広場に向かった。

 

 

ー 畦道広場 ー

 

ベータ:「じゃあ始めますね?」

 

《フィールドメイクモード》

 

すると畦道広場に一瞬でサッカーフィールドが形成される。始めてみたことりさん達は驚いている。そして選手がフィールドに出る。

 

白鹿組

Fーシカノツノ

3-3-2-2

 

GK         俄然

 

DF    矢部   足黒   北上 

 

ボランチ  浅間    落村     加納

 

MF     工党     山鉄

 

FW       前林 大安

 

雷門

Fーライモン

4-3-3

 

FW  剣城   神童   フェイ

 

MF   獅子丸 天馬  侑

 

DF 太助  五郎太 仁悟  市正

 

GK       信介

 

 

そして試合開始のホイッスルが鳴った。

 

ー 続く ー



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第40話:劣勢。そして前半終了

ベータにマインドコントロールされた白鹿組との試合は雷門のキックオフから試合開始。しかしここで重大な事に気づく。

 

竜太:「あっ!? 太助、五郎太、仁悟、市正、獅子丸、お前らサッカーのルール知ってるか!?」

 

太助:「知らないよ!! こんな物初めてだもん!!」

 

天馬達も気付いた。太助達はこの時代の人間そしてこの時代はそもそもサッカーという概念すら日本には伝わって無い。ルール等分かる筈も無かった。

 

大安:「何だ? そっちは素人か? なら遠慮なく行くぜぇえええっ!!」

 

侑にタックルを仕掛けてボールを奪おうとする大安。侑はフィジカル負けして吹っ飛ばされてしまう。

 

天馬:「!? 侑先輩が取られた!?」

 

侑:「くっ・・・・・(何今のパワー?)」

 

ボールを持った大安がドリブルで攻め上がって来る。

 

市正:「く、来るぞ!!」

 

竜太:「市正、仁悟ディフェンスだ!! 手を使わずに足と身体だけでボールを奪うんだ!!」

 

市正:「手を使わずに!? ならこうだ!!」

 

市正が大安の正面からブロックするが、右にズレた大安にあっさりと躱されてしまう。

 

侑:「仁悟くん行ったよ!! 相手の動きをよく見て!!」

 

仁悟:「う、動きを見る!!」

 

しかし見る事にばかり気を取られてしまい肝心の身体が動かずに大安のタックルを無防備に受けて吹き飛ばされてしまう。

 

仁悟:「うわあっ!?」

 

大安:「ふん、たわいもないな!! 前林!! 行くぞ!!」

 

すると前林と大安が連携シュートの構えに入る。

 

前林が飛び上がり、右足を前方に真っすぐ伸ばしてボールを足首で挟んで固定。そこに大安が火の粉を纏わせた踵落としでボールを打ち出す。

 

前林・大安:「「[火縄バレット]!!!

 

火縄銃から弾丸のシュートが撃ち出される。信介も化身で対抗する。

 

信介:「うぉおおおおおおっ!!! 【護星神タイタニアス・四式】!!!」

 

そして信介は化身技を放つ。

 

信介:「[ー マジン・ザ・ハンド ー]!!!

 

信介と共に[タイタニアス]がシュートを迎え撃つ。しかしただの必殺シュートにも関わらず[ー マジン・ザ・ハンド ー]は破られ、シュートはゴールに突き刺さってしまう。

 

剣城:「やはり白鹿組は、ベータにサッカーの知識と強化された身体能力を与えられている・・・・・」

 

天馬:「そんな・・・・」

 

するとベンチから、

 

曜:「コラーーーー!! この程度で下を向くな!! インターハイの時に、もっと辛い逆境を君達は味わって来たでしょうが!!」

 

・・・・・・そうだ!! まだ1点だ、このくらい何とかなる!!

 

天馬:「よし!! まずは1点!! 取ってくぞ!!」

 

雷門:「おおおーーーーっ!!」

 

 

 

藤吉郎:「お前さん、女なのに中々言うの・・・・じゃが効果は絶大だったようじゃ」

 

曜:「日本一のチームのあの子達がこの程度な訳無いですから」

 

藤吉郎:「ん? 日本一?」

 

 

 

雷門ボールで試合再開。ボールは天馬に渡るとそこにMFの工党と山鉄がディフェンスに来る。

 

天馬:「こんな所で負けてたまるかあっ!! 【魔神ペガサスアーク・零式】!!! アームドッ!!!」

 

天馬は化身アームドを発動して必殺技を発動する。

 

天馬:「[アグレッシブビート]!!!」

 

天馬は一気にディフェンスを突破。するとボランチの落村が止めに入る。が、

 

天馬:「[そよ風ステップ・S]!!!」

 

天馬は綺麗なルーレットで落村も躱すさすがにまずいと思ったのかDFの足黒と北上もダブルチームで止めに入る。しかしこれでフェイへのパスコースが開いた。

 

天馬:「フェイ!!」

 

フェイにパスが繋がり、フェイはミキシトランス《ティラノ》を発動し、シュート体勢に入る。

 

フェイ(ティラノMix):「[古代の牙]!!」

 

フェイのミキシシュートが白鹿組のゴールに迫るが、

 

俄然:「ふんっ、はぁあああああっ!! 【勝負師ダイスマン】!!」

 

何と相手は化身を発動。化身技の体勢に入る。

 

俄然:「[ー ラッキーダイス ー]!!!

 

六つのサイコロが転がり、出た目はすべて6。[古代の牙]は止められてしまった。

 

天馬:「そんな!? ミキシマックスが止められた!?」

 

俄然:「ふん、この程度か? 工党!!」

 

俄然のゴールキックからボールが工党に飛び、受け取った工党はそのままドリブルで攻め上がる。

 

竜太:「太助、五郎太!! 止めろ!!」

 

ベンチから俺が声を掛けるが太助達はガチガチで聞こえていない。そして工党から前林と大安に縦のセンタリングが入る。

 

前林:「これで決めてやる!!」

 

前林・大安:「「[火縄バレット]!!」」

 

信介:「絶対に止める!! 【護星神タイタニアス・四式】!!」

 

そして信介は化身のオーラを余すことなく完璧に【タイタニアス】に集約。化身技を放つ。

 

信介:「[ー ゴッドキャッチ ー]!!!

 

【タイタニアス】がシュートに対して今度は両腕を突き出す。信介は必死に堪えたが、何と[ー ゴッドキャッチ ー]までも破られ、シュートはゴールに突き刺さった。

 

 

そして前半終了のホイッスルが鳴った。

 

雷門 0 ー 2 白鹿組

 

ー 続く ー




藤吉郎さんが曜ちゃんに「女なのに」と差別とも取れる発言をしていますが、戦国時代当時の歴史背景に合わせただけですのでご了承ください。

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第41話:天下取りの英知

0-2と白鹿組に2点リードされてハーフタイムに入る。白鹿組が意外に強くてビックリしてるよ・・・・・

 

太助:「ゴメン天馬。俺達が足を引っ張っちゃって・・・・・」

 

天馬:「大丈夫だよ。初めて何だからそんな物だって・・・・「いや、確かにコイツラが足を引っ張っちょる」・・・藤吉郎さん・・・」

 

藤吉郎:「太助、五郎太、獅子丸、仁悟、市正、勝ちたいか?」

 

太助:「はい!! 勝って皆を救い出したいです!!」

 

藤吉郎:「よし、ではフォーメーションを変えよう。わしの見立てが正しければこれで上手く行く筈じゃ」

 

雷門フォーメーションチェンジ

Fーマモリノジンケイ

 

FW       剣城

 

MF フェイ 神童  天馬  侑

 

ボランチ  市正  太助  仁悟

 

DF     五郎太 獅子丸

 

GK       信介

 

梨子:「藤吉郎さんもサッカー初めて見る筈なのに分かるのかな?」

 

 

そして両チームフィールドに出て白鹿組ボールで後半戦開始。ボールは大安に渡りドリブルで突っ込んで来る。

 

剣城:「行ったぞ!!」

 

藤吉郎:「お前ら、作戦通りに行け!!」

 

仁悟:「よし、行くぞぉおおおおっ!!」

 

まずは仁悟が突っ込む。しかし当然タックルで吹っ飛ばされる。しかし、

 

太助:「次は俺だぁあああああっ!!」

 

大安:「何っ!? くっ!!」

 

仁悟を抜いた後の体勢が整う前にディフェンスを掛ける太助。大安は辛うじてルーレットで抜き去るが、

 

獅子丸:「今だぁあああああっ!!」

 

度重なる連続ディフェンスにより完全に体勢を崩されてしまった大安。獅子丸にスライディングでボールを奪われた。

 

大安:「なっ!! 何だと!?」

 

獅子丸:「やった!! 取ったぞ!! 行け天馬!!」

 

そしてボールは天馬に渡る。

 

 

曜:「あんなに上手く行くなんて・・・・」

 

藤吉郎:「見た感じ球を蹴りながら相手を躱すにはバランスが必要じゃ。一回一回は小さくとも、体勢が整う前に連続で来られては身体のバランスを維持できない。そこを突いたんじゃ。それに白鹿組は攻撃は得意そうじゃが守りは脆そうじゃったしの」

 

吹雪:「サッカーを初めて見るのに、そこまで理解を・・・・・」

 

ことり:(この人が天下を取れた理由が分かったかも・・・)

 

 

 

 

天馬はボールを受け取り、

 

 

天馬:「行くよ剣城!!」

 

剣城:「行くぞ!!」

 

天馬:「【魔神ペガサスアーク・零式】・・・・

 

剣城:「【剣聖ランスロット・零式】・・・・

 

天馬・剣城:「「アームドッ!!」」

 

天馬と剣城が二人同時に化身アームドを発動。そのまま一気に攻め上がる。

 

DFの足黒と北上がディフェンスに来るが、二人の息の合ったパスワークであっという間に抜かれ二人はシュート体勢に入る。

 

剣城・天馬:「「[ファイアトルネードDD・改]!!!」」

 

二人共に化身アームド状態での連携シュートが白鹿組ゴールに襲いかかる。俄然は化身を発動するが、

 

俄然:「【勝負師ダイスマン】!!! [ー ラッキーダイス ー]!!

 

俄然は化身技を発動。サイコロ六つの内五つは6。残り一つは・・・・・1。化身アームド二人分の威力のアームドシュートは、【ダイスマン】を吹き飛ばしてゴールに突き刺さった。

 

大安:「な、何だと!?」

 

1-2。白鹿組ボールで試合再開。すると・・・・・

 

大安:「ここからは本気で叩き潰してやる!! 来い!! 【妖鬼カマイタチ】!!」

 

すると大安は何と化身を発動。太助達をあっさりと吹き飛ばしてシュート体勢に入る。

 

大安:「喰らえぇえええっ!!」

 

ノーマルとは言え化身シュートが信介に襲い掛かる。

 

剣城:「西園止めろ!!」

 

神童:「信介!!」

 

天馬:「信介!!」

 

信介:「・・・・・太助達は、友達や仲間を守る為に必死になって守ってくれた。僕だって守りたい物があるんだ!! 諦めてたまるか!!【護星神タイタニアス・四式】!! アァアアムドッ!!」

 

信介の身体に【タイタニアス】が装備され、化身アームドは成功した。

 

侑:「信介くんが・・・・・」

 

神童:「化身アームドを・・・・・」

 

信介:「行くぞ!! [爆・バーニングハンド]!!!」

 

化身アームドした信介の右手から炎の右手がシュートを掴み、完璧に止めた。

 

大安:「な、何だと!?」

 

信介:「今度はこっちの番だ!! フェイ!!」

 

信介のゴールキックからボールはフェイに飛び、トラップした所に浅間がディフェンスに来る。

 

フェイ:「ミキシトランス《ティラノ》!!」

 

フェイは《ティラノ》のオーラを使いミキシトランス。パワーアップしたフィジカルで浅間を抜き去りシュート体勢に入る。

 

俄然:「無駄だ!! お前のシュートでは破れん!!」

 

フェイ(ティラノMix):「どうかな? [古代の牙・()]!!」

 

進化して威力を増したフェイのミキシシュートがゴールに迫る。俄然は化身を発動。化身技の体勢に入る。

 

俄然:「[ー ラッキーダイス ー]!!!

 

【ダイスマン】が三度サイコロを振る。出た目は五つが6。残り一つは・・・1。

 

ドガァアアアアッ!!!

 

シュートは俄然を吹き飛ばし、ゴールネットに突き刺さった。

 

 

 

雷門 2 - 2 白鹿組

 

ー 続く ー




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第42話:決着! 白鹿組!!

フェイのパワーアップした[古代の牙]がゴールネットを揺らし、同点に追いつく俺達。そこで俺と剣城が交代。白鹿組ボールで試合再開だが、白鹿組は自分たちの予想していなかった事態に集中力が切れ、動きも散漫になっていた。

 

大安:「くそっ!!」

 

点を取ろうと攻め上がっても、

 

仁悟・太助・獅子丸:「「「そこだぁあああああっ!!!!!」」」

 

太助達の連続ブロックでボールを奪われ、

 

獅子丸:「拓斗さん!!」

 

神童:「よし!! 大海!!」

 

ここでボールは俺に渡り、そこに加納がディフェンスに来るが・・・・・・

 

大海:「はんっ、その程度か? [スーパーエラシコ・S]!!!」

 

<ザ・キングダム>のドリブル技をコピーしてあっさりと抜き去る。

 

竜太:「その程度で俺が止められるかよ!!」

 

そのままドリブルで攻め上がる俺。DFの北上がチェックに入るが・・・・・

 

竜太:「ほいっと!!!」

 

相手を左右に振り回して体勢を崩させてあっさりと抜き去る俺。藤吉郎さんも言ってたけどディフェンスは脆いって本当だな。

 

ガクンッ!!

 

北上:「ッ!?」

 

抜かれた北上はアンクルブレイクを起こして尻餅を着き、そのまま突破する俺。そして化身を呼び出す。

 

竜太:「はぁあああああっ!! 【海皇竜ブルーヒドラ・零式】!! アームドッ!!」

 

そして俺は化身アームドしてシュートの体勢に入る。俺が指笛を吹くと地面から黒いペンギンが5羽顔を出し、それが一斉に空中を飛び回る。そして足を振り上げた俺の蹴る足に次々に噛み付くと俺のキックとともに凄い勢いで飛んでいき、ペンギンがさらに後ろからボールを後押しし、凄まじい破壊力のシュートが飛んでいく。

 

竜太:「[皇帝ペンギンX・A]!!!」

 

親父達がかつて戦った、<究極の皇帝ペンギン>がが白鹿組ゴールに襲い掛かる。キーパー俄然も化身を発動するが、

 

俄然:「くそっ!! [ー ラッキーダイス ー]!!!」

 

 

【ダイスマン】がサイコロを振る。しかし眼が出揃う前にシュートは【ダイスマン】を突き破り、ゴールに突き刺さった。どうやら勝負以前の問題だったらしい。

 

竜太:「ふぅ、やっぱこんなもんか」

 

五郎太:「何なのあいつ?」

 

市正:「この中で1番パワーあるんじゃねぇか? 何で初めから出なかったんだ?」

 

竜太:「いや、俺だって出たかったよ。でも藤吉郎さんが「お前が強いのは見ただけで何となく分かるからちょっと他の奴らのじつりょくを見せてくれ」って言うから」

 

藤吉郎:「いやな? 竜太が出れば一発じゃという事は分かっとったんじゃが・・・・・ちょっと余裕があったんで遊んでしもうた。いや、まさか前半でリードされた時は驚きはしたがあれだけの指示で何とかなる相手で良かったわ。竜太が「出せ!!」とうるさかったからのぅ」

 

全員:「えぇ~・・・・・」

 

3-2とついに逆転。白鹿組はもうどうしたら良いか分からなかった。

 

大安:「紅菊の姐御!! 俺達はどうしたら良いんだ!?」

 

紅菊(ベータ):「あら、逆転された位で戦意喪失なんて情けないこと・・・・・やはり力を与えても雑魚は雑魚だったようですね。あんた達は勝手に負けちゃいなさい」

 

そしてベータはどこかへ行ってしまった。

 

大安:「姐御!? 待ってくれ!! 俺達はどうしたら良いんだ!?」

 

そこからはもう一方的だった。次々にボールを奪い取り、面白いようにゴールが決まって行き、試合終了間際・・・・・・

 

竜太:「勝ちは決まったし、アームドせずに撃って見るか・・・・俺が前に遊びで作った技だけど」

 

そして俺はシュート体勢に入る。俺はスピンしながらボールと共に跳び上がる。すると俺の周りを水の竜巻が渦を巻き、左足に纏わり付く。

 

竜太:「[超・アクアトルネード]!!!」

 

豪炎寺さんの[ファイアトルネード]をパk・・・・・・リスペクトした必殺技を放つ。ちなみにこの技は俺の必殺技の中では威力はかなり低い。正直入るか分からない。

 

俄然:「はぁ、はぁ・・・・・【勝負師ダイスマン】!!」

 

俄然は【ダイスマン】を発言。もう化身技を出せるほどのエネルギーは残っておらず、化身キャッチで止めに掛かる。

 

俄然:「ぐぅおおおおおおっ!!」

 

は? 何でこの程度の技にあんなに手こずってる訳?俺が不思議に思っている間に俄然は吹き飛ばされ、シュートはゴールネットを揺らした。・・・・嘘でしょ?

 

そして7-2の大差で試合は終了した。

 

藤吉郎:「さて、白鹿組!! 攫った子供達を何処へやったか聞かせてもらおうか!!」

 

 

ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー

 

大安:「今川のお殿様に言われたんだ・・・・近々京に上がるから兵隊として使える子供を攫って来いって・・・・・・」

 

ことり:「と言うことは、首謀者は今川義元だね・・・・・・許せない!!」

 

そして、攫われていた太助達の友達は助け出され、白鹿組は藤吉郎さんに任せて俺達は地蔵堂に戻った。

 

 

 

ー 神童 Side ー

 

神童:(信介も化身アームドを成功させた・・・・もう一年生は全員だ。なのに先輩の俺達が・・・・・)

 

愛:「あれ、神童くん? 「宮下・・・・練習か?」うん。今日試合でれなかったからボール蹴りたいなって「そうか・・・・・」悔しいよね? 先輩なのに後輩に先を越されてさ?」

 

宮下も同じ気持ちだったのか。

 

?:「本当だよね?」

 

神童・愛:「「高咲(ゆうゆう)・・・・」」

 

侑:「私たち三人ともおいて行かれた気分だけど・・・・・・このまま黙ってるつもりは無いよね?」

 

愛:「あったりまえじゃん!! 絶対に化身アームドできるようになってやるし!!」

 

侑:「私だって!!」

 

神童:「俺もだ!!」

 

果たして二年生で1番最初に化身アームドを身につけるのは誰なのか?

 

ー 続く ー




竜太が出なかったのは藤吉郎さんの指示だったんですね。フイッ(目逸らし)

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第43話:潜入、花見の宴。そして大ピンチ

白鹿組との戦いが終わり、マネージャーの水鳥さん、茜さん、葵はワンダバと一緒に、城下街に夕飯の買い出しに出た。この時代のお金を持ってるのか? と思ったが、未来の技術で複製できるらしいのでそれを使うという。・・・・・・偽金じゃねえの? そして俺達は各自練習したり中で休んだりしていた。

 

神童:「何故できないんだ・・・・・・・」

 

神童先輩は化身アームドを試す。

 

神童:「【奏者マエストロ・零式】!! アァアアームドッ!!」

 

【マエストロ】はオーラに戻り神童先輩の身体に纏わり付くが、アームド状態にはならずに霧散してしまう。

 

神童:「何が足りないんだ・・・・・・・っ!! 「拓斗様?」? お勝さん、太助」

 

太助:「今日の事で皆にお礼を言いに来たんだ」

 

勝:「皆さん、弟と他の子供達を助けてくれてありがとうございます!!」

 

頭をこれでもかと言う勢いで下げて来るお勝さん。改まってお礼を言われると照れ臭いな・・・・・・・

 

勝:「あの、拓斗様は信長様にお会いしたいんですか? 「ハイ。そうですね・・・・・」 信長様に会われたら、拓斗様は行ってしまわれるんですか?」

 

神童:「え?」

 

勝:「いえ、そんな気がしたんです・・・・・「皆ーーーっ! 帰ったぞーーー。食事の時間だーー!!!」あっ、皆さん帰って来られましたねそれでは」

 

神童:「はい」

 

そして太助とお勝さんは帰って行き、食事を取ってその日は就寝した。

 

 

ー 翌朝 ー

 

ワンダバ:「よし、ではどうすれば信長に会えるか今日も作戦を・・・・・「拓斗様!!」 おわっ!?」

 

お勝さんが凄い勢いで地蔵堂に飛び込んできた。

 

神童:「お勝さん? 何かあった・・・・「会えるかもしれません!! 信長様に!!」 !? どういう事ですか?」

 

勝:「私、信長様が毎年この時期に開かれる"花見の宴"の料理を運ぶ役に選ばれたんです!! この祭には毎年大勢のお客様が来られますのでもしかしたら!!」

 

ワンダバ:「それだーーーーーーっ!! その花見の宴で信長にアタックだ!!」

 

勝:「あたっく?」

 

あっ、そうか。俺達は自然と使うけどこの時代の日本人にとって英語は馴染みが無いもんな。ゲームとかも無いから使う機会がそもそもゼロだし。

 

愛:「とにかく前進だよ!! かっちゃんありがとっ!!」

 

勝:「かっちゃん? 「あだ名!!」 ああ、なるほど・・・・」

 

そしてお勝さんは帰って行き、俺達は具体的にどのように入り込むかを考える事にした。

 

愛:「こーいうのは堂々と正面突破で良いんじゃない?」

 

剣城:「いや、止められるでしょう・・・」

 

竜太:「この時代の祭かぁ・・・・・・・"踊り"とか?」

 

ことり:「あっ、それ良いかも!! 踊り自体は紀元前からあるくらいだし。この時代の日本も当然あるよ?」

 

侑:「じゃあどんな踊りにする?」

 

愛:「信長って新しい物好きだったんでしょ? ここは現代流行りのアーティストの曲を!!」

 

フェイ:「いや、あまり派手過ぎない方が良いんじゃないかな? あまり大きな衝撃を残しちゃうと後々の歴史が変わって来る恐れがあるよ」

 

梨子:「となると、盆踊りとかじゃないかしら?」

 

神童:「俺もそれが良いと思います」

 

そして盆踊りを披露する踊り子という事にして、宴に潜り込む為に城下街へと向かった。

 

 

 

ー 城下街 北側 ー

 

信長の開く"花見の宴"に入る為に会場の入口へとやってきた。だが、

 

門番:「帰れ!! ここは子供の来る所では無い!!」

 

天馬:「どうしよう・・・・・」

 

竜太:「まさか門前払いとはな・・・・・」

 

するとそこへ・・・・・

 

藤吉郎:「んっ!? そこにおられるのは松風家の天馬様に大海家の竜太様では無いですか!! 「「へ(はっ)!?」」まさか宴に入れないと申すのですか!? 朝廷も認めた両家の踊りを見損ねたと知ったら信長様がどんなにがっかりするか・・・・・」

 

門番:「ま、待て!! そういう事なら話は別だ!! 通れ」

 

よっしゃ!!!

 

そして藤吉郎さんと会場に入った俺達。

 

藤吉郎:「いやー、どう入ろうか悩んどったんじゃが、お前達のお陰で怪しまれずに入れたわ」

 

竜太:「藤吉郎さんも信長様に? 「ああ。一目見たくてなじゃあここらへんでな」ありがとうございました!!」

 

藤吉郎さんにお礼を言い、信長を探す。すると少し高台になっている所の東屋の様な場所で威厳と威圧感を振り撒きながら佇んでいた。

 

天馬:「よし、行こう!!」

 

そして信長の家来達の目を何とかやり過ごしながら、何とかミキシマックスガンの射程距離まで近付づき、

 

ワンダバ:「よし、行くぞ!! ミキシマ~ックス!!」

 

ワンダバがミキシマックスガンで信長と神童先輩を撃つ。ミキシマックスガンは信長のオーラを吸い取って神童先輩に送るが、先に神童先輩の許容量に限界が来てオーラは霧散。失敗する。

 

竜太:「失敗・・・・・」

 

その時異変を感じた信長が振り向くと同時に家来が飛んできた。

 

前田:「曲者だ!!!」

 

丹羽:「鉄砲で親方様を狙うとは!!」

 

竜太:「お、おい!! まずいぞ!?」

 

すると背後でいつの間にか信長の家来に変装したベータがワンダバを捕らえており、

 

ベータ:「親方様ーーー、こいつら暗殺者です!! この銃が証拠でーす♪」

 

信長:「ぬぅっ!?」

 

や、ヤバい・・・・・・どうすんだこれ!?

 

 

 

ー 続く ー




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第44話:誤解からの裁判

・・・・・・・大変マズイ事になった。完全に誤解ではあるものの状況は完全に俺達が暗殺者だと言っているためどうすれば良いか分からない。このままじゃここで死ぬ事になる。

 

家来:「それではこれより詮議を始める」

 

信長:「うむ。貴様ら、面を上げよ」

 

信長に言われて俺達全員頭を上げる。信長はゆっくりと口を開き、

 

信長:「貴様らはワシを暗殺に来たのか? やはり今川の手の者だったのか? 「ち、違います!! 暗殺だなんてそんな!!」 では、一度目は花火職人として近付き、二度目はこうして宴に忍び込んだ。それはどう説明する?」

 

天馬:「そ、それは・・・・・・」

 

素直に「あなたの力を借りる為です」って言えれば1番楽かもしれないんだが、信じては貰えないだろうしな・・・・・・

 

信長:「言い訳も出来ぬか・・・・・・」

 

すると神童先輩が立ち上がり口を開く。

 

神童:「俺達は、今川義元とは関係ありません。なぜなら俺達はこの時代よりももっと先の世から来たからです」

 

愛:「神童くん!?」

 

信長:「何?」

 

信長の興味が剃れたのを感じた。しかし、

 

家来:「ふん、もっとマシな嘘をつくんだな!! お館様、この様な者共判決を下すまでもありません!! 即刻死罪と致しましょう!!」

 

吹雪:「ちょっ、つまり死刑ってこと!?」

 

信長の家来達が手を刀に掛ける。

 

信長:「待て!!」

 

すると信長が止め、神童先輩に話しかける。

 

信長:「神童と言ったな。先の世とはどういうことだ? 分かりやすく話せ」

 

信長:「分かる様にですか? それは、この時代からおよそ458年の時が流れた、この時代よりももっと発展した日本の事でございます。 「何!?」 俺達は、船で川を渡る様に、時の流れを渡ってこの時代にやってきたのです」

 

 

 

 

勝:「拓斗様、では・・・・・遠い所というのは・・・・・・!!」

 

 

 

家来:「馬鹿な、そんな事ができるわけ、「待て、それでどうなっておる? 未来の日本は?」」

 

神童:「まだ住民の小さな犯罪などはありますが、地域同士の戦や、海の向こうの国々との戦は完全に無くなり、誰もが住みやすい平和な世になっています。得に未来の日本はこの星の中にある国々の中で1番治安が良いとまで言われています」

 

信長:「ほう? 日本は良くなっているのだな? それは良いことだ」

 

すると信長の顔に一瞬だけ笑顔が見えた。やはり天下を狙うものとして、日本が良くなるというのは嬉しいのかもしれない。もしくは日本を良くしたくて天下を狙っていたのか・・・・・。

 

そしてここで信長は自分にとって1番気になることを聞いてくる。

 

信長:「神童、そなたらは自分たちが未来から来たと言ったな? では、これから起こることも分かるのか?」

 

神童:「この時代の、後世にまで伝わる様な大きな出来事ならば言い当てる事ができます」

 

信長:「そうか。では聞く・・・・・ワシは、「織田信長」は、天下を取れるのか?」

 

天馬:「そ、それは・・・・・・」

 

1番答えにくい質問じゃねぇか!! だって歴史では・・・・・・

 

神童:「・・・・残念ながら、信長様が・・・・天下を取られる事はありません!!」

 

しかし神童先輩は信長の目をしっかりと見据えて真実を話す。

 

侑:「ちょっ、そんな事言ったら!?」

 

信長は顔が一気に険しくなる。家来が今の言葉にキレて神童先輩につかみ掛かろうとするが、それを止めたのはなんと信長だったんだ。

 

信長:「そうか・・・・それは残念だ。お前達、手を掛けている刀を離せ『『!? 宜しいのですか?』』構わん」

 

ことり:「あ、あれ?」

 

竜太:「俺達助かったのか?」

 

ベータ:「スミマセン良いですか? 「な、何者だ貴様ら!!」」

 

天馬:「プロトコル・オメガ!!」

 

ベータ:「私たちは今川義元の家臣。信長殿に書状を持って参りましたので読み上げます。エイナム?」

 

エイナム:「はっ!!

 

『信長殿、マロは今「蹴毬戦」という遊戯に嵌まっているでおじゃる。この競技の持つ戦略性や互いの身体能力の勝負等正に人間の力を計るに相応しい。してここで提案なのじゃが、戦をづるづる続けても無駄に兵を労するばかり。ここは一つこの競技でマロの軍と勝負してみないでおじゃるか?それとも戦しか脳の無い信長殿には難しい話だったかのう?』

 

以上です」

 

 

家来:「い、今川め、無礼な!! 構わぬ!! そこの使者共を斬って捨てよ!! 「お待ち下さい!!」」

 

 

ここで神童先輩が声を上げる。

 

神童:「信長様!! その勝負、俺達にやらせて下さい!! その「蹴毬戦」いう競技は、俺達が最も得意とする物なのです。信長様の為に戦います!!」

 

すると話を聞いていた藤吉郎さんが走って来て、

 

藤吉郎:「指揮官は私がやります!! 必ずや織田を勝利に導いて見せます!!」

 

家来:「ふざけるな!! 誰が貴様ら等に「待て!!」っ、親方様?」

 

信長:「お前達は我が織田の名を背負って戦うのだ。無様な勝負は許さんぞ」

 

神童:「はい!! 必ず勝ちます!!」

 

ベータ:「では勝負は一週間後の「うつけ祭り」の日に行います」

 

天馬:「よし、皆!! 勝負の日まで特訓だ!!」

 

雷門:「おおーーーっ!!」

 

そして俺達は練習に向かった。

 

 

ー 信長 Side ー

 

利家:「お館様は、あの者達の話を信じるのですか?「だったら?」」

 

信長:「天下は取れぬか・・・・・・面白い」

 

 

ー 続く ー




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第45話:うつけ祭りの決戦

神童先輩の機転により無事解放された俺達は、"うつけ祭り"を戦うメンバーとして、既に面識のあった太助達五人に声を掛けた。

 

市正:「お、俺達が信長様の軍として戦う・・・・?」

 

仁悟:「むちゃだよ・・・・・・・・」

 

さすがに自分の国の殿様のメンツが掛かってるからな・・・・・怖じけづくのも無理は無い。

 

太助:「・・・・・その前にさ天馬達が先の世から来たってどういうことなのか教えてくれる?」

 

竜太:「そうだな。一緒に戦ってもらう以上隠し事は無しにしよう。良いよなフェイ?」

 

フェイ:「この状況じゃダメなんて言えないよ。でも、これから見ることは秘密にしてくれる?」

 

太助達は「わかった」と了承し、俺達は太助達にTMキャラバンを見せ、そしてこの時代にやって来た目的を告げた。

自分達の時代で起こった問題を解決する為に信長の力が必要で、信長に力の一部を分けて貰いに来たこと。

ミキシマックスガンは戦で使う武器の鉄砲では無く、力の一部を吸い取り、他の者にそれを分け与える為のものである事。

 

全部話した。

 

太助:「・・・・・・す、」

 

侑・愛:「「す?」」

 

太助:「スゲーーーーー!!! 俺そんな人に初めて会ったよ!!」

 

うん。まあ普通はそうだよ・・・・・・・

 

神童:「それで協力してくれるか?」

 

太助:「俺は協力するよ!!」

 

獅子丸:「俺もだ。天馬達には「白鹿組」の時に世話になったからな」

 

市正:「俺もやるよ」

 

五朗太:「こ、怖いけどボクも!!」

 

仁悟:「オ、オイラもやる!!」

 

竜太:「皆ありがとう!!」

 

すると話が纏まった所で、吹雪さん達と話していた藤吉郎さんが纏める。

 

藤吉郎:「よし、ではこれより"うつけ祭り"の日まで練習じゃ。今この人達に聞いたんじゃが、この大人達は女性も含めて日本はおろか、世界を制覇した日本の代表だったらしい。ワシも男を差し置いて代表に選ばれる実力のある女性が他にも何人もいると聞いて正直驚いたわ。そして天馬達は未来で日本一の座を掴んだ実力のあるチームらしい。女性が二人いるが、その二人はチーム内でも上位の実力を持つ主力メンバーだったらしい」

 

太助:「確かに。宮下さんは「白鹿組」との試合に出て無かったけど、侑さんははっきり言って俺達じゃあ足元にも及ばない位に上手かった・・・・・」

 

藤吉郎:「よって当日の試合メンバーは総合的にバランスを判断して決める。女子に負けたく無かったら死ぬ気で練習せい!!」

 

太助達五人:「「「「「はい!!!!」」」」」

 

藤吉郎:「それとお前達に言っておくが、信長様が天下を取れん等ワシは信じぬからな!! 信長様で無いのなら誰が取るんじゃ? 今川か? 武田か? まさか上杉か? ほら、答えられんじゃろ」

 

いや、あなたです・・・・・・・・

 

皆に顔をやると全員者のみごとに苦笑いしていた。

 

そして、その日から"うつけ祭り"の日まで練習が始まった。練習は厳しかったけど、太助達も必死に食らい付いてきてメキメキと実力を上げて行ったんだ。そして"うつけ祭り"の二日前、

 

天馬・竜太:「「太助達に連携ディフェンス技!?」」

 

ワンダバ:「かぁーーーーーっ!! これだから素人は!! たった二日で出来る訳無いだろう!!」

 

藤吉郎:「何故じゃ? 必要とあらば、一晩で城も建てる。名付けて[一夜城]じゃ!!」

 

竜太:「それって"墨俣の一夜城"の事?」

 

茜:「こっちが先」

 

藤吉郎:「太助達の粘り強い足腰があれば出来る。やれるな?」

 

太助達:「「「「「はい!!」」」」」

 

そして、太助達はディフェンス技の練習に入り、

 

神童:「【奏者マエストロ・零式】!!アーーームドッ!!」

 

神童先輩は化身アームドを練習するがうまくいかない。

 

神童:「く、何が足りないんだ!!」

 

 

 

 

勝:「拓斗様にとってサッカーがいかに大事な物なのか良く分かりました。なら、この時代にいる間だけでも、力にならせて頂きます」

 

そして次の日、驚くことにたったの一日で[一夜城]はだいぶ形になり、

 

フェイ:「行くよ!!」

 

フェイが太助達にシュートを放つ。

 

太助・仁悟・五朗太:「「「[一夜城]!!」」」

 

しかし技で作り出された城は呆気なく崩れ去り、[一夜城]は失敗した。

 

太助:「くそ!!」

 

天馬:「太助、大丈夫だよ。ここ一週間あんなに必死に頑張って来たじゃないか。自分を信じて全てをぶつければ、きっとサッカーは応えてくれるよ!!」

 

太助:「・・・・・・うん。分かったもう一度お願い!!」

 

そして今度は剣城がノーマルシュートを放つ。

 

太助:「負けるもんか!! 必死にやれば、きっと何とかなる!!」

 

太助・仁悟・五朗太:「「「[一夜城]!!!!」」」

 

すると今度はしっかりと技が発動され、剣城のシュートをブロック。[一夜城]は成功した。

 

太助:「やった・・・ヤッターーーー!!!」

 

仁悟:「オイラ達出来たんだ!!」

 

五朗太:「頑張って良かった・・・・・・グスツ」

 

続いて太助・市正・獅子丸の三人で試したが、此方も成功した。

 

葵:「凄い皆!!」

 

水鳥:「やるじゃねぇか!!」

 

ワンダバ:「はへーーーー、で、出来ちゃった・・・・」

 

そして、"うつけ祭り"当日。会場には大勢の観客が詰めかけていた。

 

そしてフィールドを見渡せる高台にある二つの東屋には

 

剣城:「あれが「今川義元」・・・・・」

 

信介:「武士ってよりも貴族だね」

 

義元:「楽しみにしているでおじゃるぞ? 我が今川軍が勝ちどきを上げ、信長殿が麿に平伏す姿を」

 

 

ーーーー信長様だ!!ーーーーー

 

藤吉郎:「信長様!! 必ずや織田軍を勝利に導いて見せます!!」

 

信長:「うむ」

 

フォーメーション

今川軍

Fーベータ

 

GK      ザノウ

 

DF ウォード メダム  ガウラ

 

ボランチ     オルカ

 

MF クオース      ネイラ

 

MF      ドリム

 

FW エイナム ベータ  レイザ

 

織田軍

 

FW    剣城  竜太

 

MF  天馬   神童  愛

 

ボランチ   仁悟  市正

 

DF 獅子丸  太助   五朗太

 

GK      信介

 

ベータ:「では始めますか」

 

《タイムワープモード》

 

ー 現代 沖縄 ー

 

女将さん:「あんたーー、お好み焼き大至急!!」

 

矢島:「はいよ」バシュウン!!

 

女将さん:「あん・・・・もう!! どこ行ったの!?」

 

ー 戦国時代 花吹雪広場スタジアム ー

 

バシュウン!!

 

矢島:「ん!? ピピツ さあ、今日はここ戦国時代から、今川軍vs織田軍の蹴毬戦をお届けするぞーーーっ!!」

 

トウドウ:『分かっているなベータ。雷門を潰せ!!』

 

ベータ:「イエス。マスター」

 

天馬:「皆、絶対に勝つぞ!!」

 

雷門:『『『オオーーーーーッ!!』』』

 

そして、試合開始のホイッスルが鳴った。

 

ー 続く ー




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第46話:vs今川軍 試合開始

戦国時代での、雷門(織田軍)vsプロトコル・オメガ2.0(今川軍)の試合の幕は雷門ボールのキックオフで切って落とされた。すると、

 

ベータ:「最初から全開で叩き潰してやるぜ!! テメェら行くぞ!! "ゴーストミキシマックス"!!!」

 

矢島:『おーーーっと!! 今川軍いきなりゴーストミキシマックスを発動!! 試合開始早々に勝負を決めに来たかーー!?』

 

ベータはいきなりゴーストミキシマックスを発動。これによりプロトコル・オメガのメンバー全員がパワーアップする。

するとクオースが剣城からボールを奪い取り、そこから強化された身体能力を駆使し、スピードを生かして素早く攻め込みボールはエイナムに渡りシュート体勢に入る。

 

エイナム:「まずは1点だ。"シュートコマンド06"!! [プラズマボール]」

 

竜太:「仁悟、五朗太、太助!! 行ったぞ!!」

 

太助:「行くぞ二人とも!!」

 

そして三人の連携ディフェンス技が発動される。

 

太助・五朗太・仁悟:「「「[一夜城]!!!」」」

 

三人の息の合った動きから日本風の城が現れシュートを完全にどシャット。止めて見せた。

 

プロトコル・オメガ2.0:『『『何(馬鹿な)!?』』』

 

完全にザコと侮っていた太助達に強化状態での必殺シュートを防がれてしまい動揺するプロトコル・オメガ。そこからボールは天馬に渡り、天馬から神童先輩へとパスが繋がる。

 

そして神童先輩は化身アームドを試みる。

 

神童:「はぁああああああっ!! 【奏者マエストロ・零式】!! アームドッ!!」

 

しかし神童先輩の【マエストロ】は霧散し失敗に終わる。

 

するとサッカーというものを知らず、化身を見たことはおろか、聞いたことも無いこの時代の人間である観客達は全員ザワつく。

 

 

あれはなんだ?

 

あの子が出したように見えたぞ?

 

しかしその間にドリムにボールを奪われ前線のベータへと蹴ろうとした・・・・・瞬間!!

 

竜太:「させるかよ!!」

 

前線から一気に戻った俺が両足でブロック。そして俺は愛さんにパスを出す。

 

すると愛さんが女の子だと気付いたこの時代のオッサンが女が何戦ってるんだとヤジを入れる。

・・・・・・それはこの時代、過去の話なんだよ!! 現代でんな事言ったら男女差別で叩かれるわ!!

 

愛さんもその言葉が聞こえてイラッときたのか、化身を発動する。

 

愛:「女、女、煩いよ!!! 【楽しいの天才サイコウ・伍式】!!!」

 

愛さんは化身を発動。会場はそれだけでどういう訳か静かになった。愛さんは【サイコウ】を発動したままドリブルで攻め上がりディフェンスのガウラを躱して化身シュートを放つ。

 

愛:「[ー サイコーハート ー]!!!

 

見るだけでパワーの大きさが伝わって来る化身シュートがプロトコル・オメガゴールに襲いかかる。しかし、

 

ザノウ:「"キーパーコマンド03"!! [ドーンシャウト]」

 

矢島:『おっとキーパーザノウ、宮下の化身シュートをただの必殺技であっさり止めたーーー!!』

 

すると愛さんの化身シュートはただの必殺技で止められてしまった。そしてゴールキックから前線へのロングパス。ボールはクオースに渡りそうになるが、競り合いで天馬がカットして外に弾き出し、プロトコル・オメガボールのスローイン。

 

実力はほぼ拮抗しているかに見え会場は次第に沸き上がる。そこへ、

 

藤吉郎:「おい、お前達来い。」

 

 

ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー

 

そしてクオースがスローインでボールをウォードに入れる。

 

矢島:『おっと? 織田軍、今川軍の選手から一定の距離を取りはじめたぞ?』

 

ベータ:「パスカットでも狙うつもりかしら?浅知恵ですわね」

 

 

信長:「ほう? やはりその手で来たか。あの指揮官やるではないか」

 

プロトコル・オメガは完全にパスカット狙いだと踏んだのかドリブルで攻め上がって来る。それが罠だとも知らずに。

 

ボールはドリムに渡りドリブルで攻め上がる。そして此方の合間を抜い、抜けた先には、

 

太助・仁悟・市正:「「「[一夜城]!!」」」

 

ドリム:「ぐわっ!!」

 

プロトコル・オメガ2.0:『『『何!?』』』

 

 

 

藤吉郎:「ディフェンス陣には、中盤と前線が敵を誘導して来るから出口で仕留めろと指示を出した。あんな露骨に距離を取れば、球を回した所をカットするつもりだろうと思考が一方通行になるのではないかと思ったんじゃ」

 

 

 

そしてパスは俺に繋がるが、今度は俺達が「白鹿組」に使った体勢が整う前の連続ディフェンスの意趣返しでボールを奪われボールはベータへ。

 

ベータ:「よし、行くぜぇえええっ!! 【虚空の女神アテナ】!! 「化身アームドはさせない!! 【奏者マエストロ・零式】!!」 はん!! なら化身のまま撃ってやるよ!! "シュートコマンドK02"!! [ー アテナ・アサルト ー]」

 

ベータの化身シュートが襲い掛かる。神童先輩は【マエストロ】でのブロックを試みるが呆気なく吹き飛ばされ、

 

五朗太・太助・獅子丸:「「「[一夜城]!!」」」

 

太助達もシュートブロックに入ってくれるが当然止められる筈もなく

 

信介:「絶対に止めてやる!! 【護星神タイタニアス・四式】!! アームドッ!!」

 

そして信介は化身アームドを発動。アームドノーマルキャッチで押さえ込むが、

 

信介:「ぐぐぐ・・・、うわぁああああっ!?」

 

シュートはゴールに突き刺さり0-1。

 

 

織田軍 0 - 1 今川軍

 

ー 続く ー




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第47話:織田vs今川 前半終了

ベータの化身シュートが織田軍ゴールに突き刺さり、0-1と今川軍リード。会場から溜息が漏れるが、そんな事は気にせずに試合再開。

キックオフからボールは神童先輩に渡り、そこから愛さんに渡る。

 

ネイラ:「そのボール貰うわ!!」

 

愛:「やる訳無いでしょ!! [真・昇り龍]!!!」

 

愛さんが跳び上がると、地面からボールをくわえて赤い龍が飛翔。愛さんを背に乗せて滑空し、ネイラを突破した。

 

ベータ:「ちっ、おい!! 「大海竜太」へのパスコースを塞げ!!」

 

ガウラ・メダム:「「了解!!」」

 

そしてディフェンスの二人がボールと俺の間に立ってコースを塞ぐ。

 

竜太:(愛さん・・・・・・)チラッ

 

愛:(コクッ)

 

すると愛さんはそれでも俺にパスを出す。会場は「何をやっているんだ!?」と大慌て。しかし、愛さんのパスの瞬間、俺はディフェンスに気付かれぬようにゴール前のど真ん中に走っていた。

 

ベータ:「いや違う!! これは!!」

 

すると愛さんの蹴ったボールが二人に到達する前に急カーブし、ボールはピタリと俺の足元に。そのたった一本のパスで会場がどよめく。

 

ザノウ:「来い!!」

 

そして俺は化身を発動する。

 

竜太:「はぁああああっ!! 【海皇竜ブルーヒドラ・零式】!! アームドッ!!」

 

そして俺は更に化身アームドも発動して、アームドノーマルシュートを渾身の力で放つ。

 

竜太:「喰らえぇええええええええっ!!!!!!!」

 

ドガァアアアアアアンッ!!!

 

放たれたシュートは凄まじい勢いでゴールに突っ込み、

 

ザノウ:「"キーパーコマンド03"!! [ドーンシャウト]」

 

ザノウの気迫の壁がシュートを阻む。しかし、

 

ドガァアアアアアッ!!

 

ザノウ:「ぐわぁああああっ!!」

 

シュートはザノウを吹き飛ばして今川軍ゴールに突き刺さった。

 

矢島:『ゴーーーーール!! 織田軍同点に追い付いたーーーーっ!!』

 

 

 

義元:「な、何たる事でおじゃる!!」

 

 

 

信長:「うむ。見事!!」

 

 

織田軍が追い付いた事で沸く会場の雰囲気。そんな中今川軍ボールで試合再開。

 

 

ベータ:「くそ!! エイナム!! ボールを寄越せ!!」

 

ベータへのパスが飛ぶが、

 

竜太:「させるかよ!! [ライトニングカット!!]」

 

俺は雷光のき鋭い動きと電光石火のスピードで空中のボールをカット。神童先輩にパスを出す。

 

矢島:『出たーーーっ!! 「大海竜太」の新必殺技だーーーーっ!!!』

 

神童:「ナイスだ大海!! はぁああああっ!! 【奏者マエストロ・零式】!! アームドッ!!」

 

神童先輩は再び化身アームドを試すが失敗に終わり、その隙にオルカに奪われる。

 

オルカ:「リーダー!!」

 

オルカから前線のベータへとパスが飛ぶ。しかし此方も仁悟と五朗太が二人纏めて身体をぶつけてベータを押し止める。

 

ベータ:「なっ、コイツら!!」

 

仁悟:「い、行かせるか・・・・・!!(な、何なのこのパワー!?)」

 

市正:「負けてたまるか!!(お、押し切られ、)」

 

太助:「まだだぁああああっ!!」

 

そこへ更に助走をつけて走った太助がタックルで仁悟と市正を援護。瞬間的な一気の負荷の上昇に、ベータの身体は着いていけずにベータは三人掛かりでの太助達の執念のブロックで吹き飛ばされた。

 

ベータ:「ぐあっ!? 何だと!?」

 

太助:「剣城さん!!」

 

そしてボールは前線の剣城へと繋がる。

 

剣城:「このボールは絶対に決める!! 【剣聖ランスロット・零式】!! アームドッ!!」

 

そして剣城は化身アームドを発動し、必殺シュートの体勢に入る。

 

剣城:「[デビルバースト・G3]!!」

 

剣の個人最大火力の必殺シュートがアームドで更に強化されて襲い掛かる。ザノウは今度は化身を発動し、アームドも行う。

 

ザノウ:「はぁああああっ!! 【重機兵バロン】!! アームドッ!!」

 

ザノウが金色の機械質の鎧を纏い、必殺技の体勢に入る。

 

ザノウ:「"キーパーコマンド03"!! [ドーンシャウト]」

 

ザノウの強化された気迫の壁が、剣城のアームド必殺シュートを阻む。

 

ザノウ:「ぐ、何だこのp・・・・ぐわぁああああっ!?」

 

しかし剣城のシュートはザノウを吹き飛ばし、今川軍ゴールに突き刺さった。

 

 

義元:「な、何でおじゃると!?」

 

 

利家:「おお、やりましたな信長様。我が軍が取り返して先行しましたぞ!!」

 

信長:「うむ・・・・・」

 

長秀:「? 何か気になる事でも?」

 

信長:「あの神童と言う者・・・・・」

 

そして今川軍ボールで試合再開。しかし相手はディフェンダーと、キーパーのみを残して全員で攻勢を掛けて来た。さすがにこれは予想しておらず完全に虚を突かれた俺達。今川軍は次々とパスを繋いでゴール前でボールはベータに。

 

ベータ:「マグレ当たりもここまでだ!! 【虚空の女神アテナ】!! アームドッ!!」

 

ベータは化身アームドを発動し、必殺シュートの体勢に入る。

 

ベータ:「"シュートコマンド07"!! [ダブルショット]」

 

ベータのアームド必殺シュートが織田軍ゴールを守る信介に襲い掛かる。信介は化身を発動し、アームドも行う。

 

信介:「【護星神タイタニアス・四式】!! アームドッ!!」

 

信介は【タイタニアス】を身体に装備。必殺技の体勢に入る。

 

信介:「[真・バーニングハンド]!!」

 

信介の炎の右手がシュートを掴み、押さえ込む。しかしそれでも止め切れずにシュートはゴールに突き刺さった。

 

矢島:『ゴーーーーール!! 今川軍同点に追い付いたーーーーっ!!』

 

 

 

義元:「あまり麿をひやひやさせないで欲しいでおじゃる」

 

 

長秀:「く、取り返えされたか。」

 

信長:「ふむ、この蹴毬戦、彼らは何と呼んでいたか?」

 

利家:「確か彼らはサッカーと呼んでいました」

 

信長:「サッカーか・・・・・」

 

そして、

 

矢島:『おーーーっと、ここで前半終了のホイッスル!! 勝負の行方は後半戦に託されたーーー!!!』

 

同点か・・・・・このまま行けば勝てるかもしれない。いや、絶対に勝つ!!

 

 

ー 続く ー

 




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第48話:ミキシマックス成功!! 信長×神童拓斗!!

前半を2-2の同点で折り返しハーフタイムに入る。太助達が俺達の予想以上に奮闘してくれているおかげでだいぶ戦い易い。

 

藤吉郎:「よし。前半は良い出来だったと言って良いじゃろう。だが勝負はこれからじゃ油断するなよ?」

 

織田軍:『『『はい!!』』』

 

ー 今川軍ベンチ ー

 

ベータ:「くそ!! あんな奴らに前半同点だと!?」

 

オルカ:「リーダー・・・・・・・」

 

エイナム:「正直予想外でしたよ。リーダーの"ゴーストミキシマックス"でパワーアップした状態の必殺シュートが、松風天馬たち以外に止められてしまうなんて・・・・・」

 

レイザ:「なら、後半はリーダーにボールを集めましょう」

 

ベータ:「そうだな。俺達は負けられねぇんだ!! 行くぞ!!」

 

今川軍:『『『おおっ!!』』』

 

 

そしてハーフタイムが終わり両チームポジションに着く。

 

矢島:『両チームポジションに着いた。間もなく後半戦開始です』

 

そして後半開始のホイッスルが鳴り、今川軍ボールで試合再開。ボールはまずはドリムに渡り、そこからパスを繋いでボールはベータへ・・・・だが、

 

市正:「貰った!!」

 

今川軍:『『『何!』』』

 

この時代の人間である筈の市正に取られてしまい動揺する今川軍。

 

市正:「やっぱり竜太さんが言ってた通りだ」

 

ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー

 

竜太:「前半で決まったシュートを撃ったのは2本ともベータだ。そしてそれ以外の奴のシュートは太助達に完璧に止められてるから後半奴らは必ずベータにボールを集める。見逃すなよ?」

 

ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー

 

 

そしてパスをカットした市正から神童先輩にパスが通る。そして神童先輩は化身アームドを試みる。

 

神童:「【奏者マエストロ・零式】!! アームドッ!!」

 

しかしそれも虚しく神童先輩の化身アームドは不発に終わってしまう。

 

神童:「くそ!! 何が足りないんだ!!」

 

 

 

信長:「ッ!!」

 

そしてその隙にクオースにボールを奪われてしまい、クオースは化身を発動する。

 

クオース:「【音速のバリウス】!! アームドッ!!」

 

クオースはアッサリと化身アームドを成功させて攻め上がって来る。獅子丸、太助が二人掛かりでディフェンスを掛けるが、ただのパワードリブルで力任せに抜かれ、ディフェンスラインを突破したクオースはそのままシュート体勢に入る。

 

クオース:「オラァアアアアッ!!」

 

ドガァアアアアッ!!

 

クオースのアームドシュートが織田軍ゴールに迫る。信介も化身を呼びだし、

 

信介:「【護星神タイタニアス・四式】!! アアアアムドッ!!」

 

信介も化身アームドを発動。必殺技の体勢に入る。

 

信介:「[真・バーニングハンド]!!」

 

信介の炎の右手がシュートを握り潰す。そしてシュートの勢いを完全に押さえ込んで止めて見せた。

 

信介:「神童先輩!!」

 

信介から神童先輩にパスが飛ぶ。神童先輩が再び化身アームドを試みるも霧散し失敗。ボールをネイラに奪われた所を、愛さんがスライディングで弾いて外に出して試合を切る。

 

神童:(くそ、何が足りないんだ、「お、お館様、お待ち下さい!!」 ?)

 

俺達が声の方を見ると、信長が手に刀を持って近付いて来ていた。

 

藤吉郎:「の、信長様!? 「神童拓斗、ここに参れ」」

 

急いで神童先輩が信長の前に向かう。

 

信長:「神童拓斗、貴様の戦ぶりは何じゃ!! 我が軍が押され気味なのは貴様のせいじゃ!! このまま軍勢の足を引っ張るなら、控えに下がるが良い!!」

 

神童:「っ!!・・・・・・申し訳ありません」

 

神童先輩の気持ちが折れ掛けた、その時・・・・・

 

勝:「お待ち下さい!! 拓斗様に試合を続けさせてあげてください!!」

 

信長:「神童を庇うか・・・・「拓斗様は、毎日真剣に練習を続けておいででです!! それこそ、昼も夜も」」

 

神童:「お勝さん・・・・」

 

信長:「フッ、案ずるな娘。神童、貴様は何故動く必要の無い所で動く? 貴様は動きすぎじゃ」

 

神童:「俺が、動きすぎている・・・・?」

 

信長:「静と動の使い分けこそ、戦術の極意!!貴様の役割は、攻めと守りの間で傭兵の要を担う事では無いのか!!」

 

神童:「ッ!!!」

 

信長:「貴様のやっている事は、誤りでは無いものの、敵に読まれやすいのだ」

 

 

たった一度、初めて見るはずのサッカーを見ただけで神童先輩の雷門での役割を言い当ててしまった・・・・

 

 

 

大介:「"人を見抜き大局を見抜く。静と動を併せ持つ真実のゲームメイカー"」

 

 

神童:「(間違いない・・・・・・この人しかいない!!)しかと、承りました!!」

 

藤吉郎:「神童、ワシにはお前がボールに触れることがそんなに重要だとは思えんのじゃ。今の信長様のお言葉を受けて、少し考えて見てはどうじゃ?」

 

神童:「はい・・・・・・」

 

そして今川軍ボールのスローインから試合再開し、ボールが飛んだオルカにプレスを掛ける俺達。そして天馬がボールを奪うことに成功して攻め上がる。それを今川軍が追いかける。

 

神童:(プレイに関わらないだけで、こんなにもフィールドを見渡せるのか・・・)

 

すると、天馬、俺、愛さん、剣城の四人が今川軍に包囲される。

 

ウォード:「進退窮まったな・・・・・・」

 

そしてその包囲の外側にいる神童先輩がここぞとばかりにパスを要求する。

 

天馬:「神童先輩!!」

 

ウォード:「ええいくそ!!」

 

ディフェンダーのウォードが神童先輩に突っ込む。しかし神童先輩はいきなり急停止し立ち止まる。急にリズムが変わり対応出来なかったウォードはそのまま神童先輩をスルーしてしまい、そして神童先輩はドリブルを再開してあっという間にゴール前だ。

 

神童:「(静と動、音楽のように、所々でリズムを変え、そして全体を調和させる・・・・・)【奏者マエストロ・零式】!! アアアアムドッ!!」

 

そして神童先輩は化身アームドを発動。そして見事成功した。

 

天馬:「やった出来た!!」

 

神童:「喰らえぇえええっ!!」

 

ドガァアアアアアアンッ!!!

 

神童先輩のアームドシュートがザノウに襲い掛かる。ザノウは必殺技を発動し、

 

ザノウ:「"キーパーコマンド03"!! [ドーンシャウト]」

 

ザノウの気迫の壁がシュートをブロックするがあっさり貫通し、シュートはゴールに突き刺さった。

 

信長:「うむ!! 見事!!」

 

ワンダバ:「うぉおおおおっ!! 神童!! 今のお前ならきっと行けるぞ!! 信長様!!お願いがあります!!」

 

信長:「申してみよ「実は・・・・・・」」

 

 

 

 

信長:「"ミキシマックス"、だと?」

 

ワンダバ:「貴方の力を、分け与えて頂きたいのです。未来の為に」

 

信長:「その鉄砲の様なからくりで、ワシと神童を撃つと言うのか?」

 

ワンダバ:「はい。そもそもこれは信長様達が戦で使う武器の鉄砲ではありません。信長様の力の一部を、神童に送る為の道具なのです。「ワシの力を、神童に・・・・・面白い。やって見せよ!!」感謝する!!」

 

ワンダバ:「神童ーーーっ!! 行くぞ!! ミキシマ~ックス!!」

 

そしてワンダバがミキシマックスガンのトリガーを引き、レーザーが信長と神童先輩を包み込む。

 

信長:「ぬぉおおおおおおおっ!!」

 

神童:「はぁああああっ!!!」

 

そしてレーザーが晴れると、赤っぽく髪と瞳の色が変わり、後ろ髪を侍の様に結った姿へと変わり、ミキシマックスは成功した。

 

勝:「拓斗様!!」

 

茜:「シン様、ワイルド」

 

信長:「うむ。良き面構えじゃ!!」

 

藤吉郎:「やったな神童!! 信長様の力を得たお前は天下無敵!! 今川を蹴散らせえっ!!」

 

ベータ:「ば、馬鹿な・・・・成功しただと!?」

 

神童:「さあ行くぞ!! プロトコル・オメガ!!」

 

織田軍の進撃が始まる。

 

 

 

織田軍 3 - 2 今川軍

 

ー 続く ー




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第49話:さらば戦国時代!!

神童先輩と信長のミキシマックスがついに成功。予想外の状況に焦り始めるプロトコル・オメガ。

そしてプロトコル・オメガボールのキックオフから試合再開。プロトコル・オメガは、的確にパスを繋いでボールはFWのレイザに渡る。しかしパスコースから誰へのパスルートかを逆算した愛さんがレイザにすぐさまプレッシングを掛けてドカドカと身体をぶつける。

 

レイザ:「くっ、(この女、身体が強い!!)」

 

愛:「貰ったーーーーーっ!!」

 

そして愛さんはボールを奪い取り、ミキシマックス状態の神童先輩にボールを託す。すると、プロトコル・オメガのディフェンス四人が一斉に神童先輩に襲い掛かる。しかし、

 

神童(信長Mix):「・・・・・・・・・・・」ユラァッ

 

ギュンッ!! ギュンッ! ギュンッ!! ギュンッ!

 

選手同士の合間を、変幻自在にドリブルリズムを変化させて相手の予想を狂わせる動きで一気に相手ディフェンス四人を突破。ゴールキーパーと1vs1でシュート体勢に入る。

 

神童(信長Mix):「信長様、貴方の力・・・・・使わせて頂きます!!!」

 

すると神童先輩は急停止し、ボールを前方に蹴り、先回りし逆方向へ蹴り、また先回りし逆方向へ蹴りを四回繰り返しボールにエネルギーをチャージする。

 

神童(信長Mix):「[刹那ブースト]!!!」

 

そしてエネルギーが溜まったボールをソバットキックで思い切り撃ち放った。神童先輩のシュートは、これまでの神童先輩のシュートからは到底考えられない威力が出ている。ザノウは化身で対抗しようとした、が、

 

ベータ:「まだだ!!」

 

マズイと思ったのか、前線からベータがディフェンスラインへと戻って来ており、急いで化身を発動する。

 

ベータ:「【虚空の女神アテナ】!! アームドッ!!」

 

そして化身アームドを発動したベータは、[刹那ブースト]を蹴り返そうと試みる。

 

ベータ:「ぐぅうううううううっ・・・・・!! この・・・くらい・・・・!!」

 

しかしベータは勢いに負けてシュートに巻き込まれて、キーパーごと二人も纏めてボールはゴールの中に突き刺さった。

 

矢島:『ゴール!! 織田軍4点目!! 今川軍を突き放した!! 「ピッ、ピッ、ピーーー!!!」 ここで試合終了のホイッスル!! 4-2で、勝ったのは織田軍だーーーーっ!!』

 

すると試合の観覧をしていた観客から盛大な歓声が上がる。自国の軍の勝利を喜んでいた。一方の今川義元にとってはこれ程屈辱的な物は無い。ただの遊戯とは言え、領土も軍の量も圧倒的に織田よりも勝っている今川にとって、格下と思っていた織田に負けたのは屈辱以外の何物でもない。

 

ベータ:「信じられない・・・・私たちが負けちゃうなんて・・・・」

 

フェイ:「雷門の皆を元に戻してもらうよ!!」

 

ベータ:「くっ」

 

《マインドコントロールモード解除》

 

するとスフィアデバイスに黄色い光が収まっていく。これで彼方たちは戻ったのか?

 

天馬:「円堂監督と大海コーチを返せ!!」

 

剣城:「その中に閉じ込められた筈だ!!」

 

ベータ:「もうここにはいないわ」

 

愛:「え!?」

 

ベータ:「怪しければ調べたら?」

 

そしてベータが大人しくデバイスを渡して来たのでフェイに調べて貰う。

 

フェイ:「本当だ!! この中にはいない!!」

 

侑:「そんな!?」

 

ベータ:「っ・・・・・・・・「情けないな。ベータ? それでもエルドラドに選ばれた管理者かい?」っ、ガンマ!?」

 

見ると、白髪を逆立てた以下にもナルシストっぽい男が現れた。

 

ベータ:「な、何しに来ちゃったの!?」

 

トウドウ:『手筈通りベータを回収しろ』

 

ガンマ:「スマート!!」

 

あーーーー、っぽいじゃなくてマジモンのナルシだったわ。しかもかなりの。

 

ガンマ:「プロトコル・オメガ2.0もこれまでだね 「くっ」行こうか? マスターがお待ちだよ?」

 

そして新たな敵、ガンマとともにプロトコル・オメガ2.0は撤退していった。

 

 

 

 

そしてその日の夜、俺達は信長様に城に招かれて食事を頂いていた。

 

信長:「あっぱれな戦であった!!」

 

長秀:「それにしても、今川義元のあの悔しそうな顔と言ったら・・・」

 

利家:「胸がスゥーっとし申した」

 

竜太:「『ムッキーー!! 覚えているでおじゃる!!』どうでした? 似てました?」

 

すると織田家の家臣の皆さんと侑が大爆笑。この時代はモノマネと言う文化がまだ無いから家臣の方々は分かるけど侑まで?

 

神童:「ああ、前に上原から聞いたんだが高咲は笑いのツボが赤ちゃんらしい」

 

信長:「フフッ、・・・・神童拓斗、貴様には我が力を分け与えたのだ。蹴毬戦・・・貴様らの時代ではサッカーだったな。心して精進せよ」

 

神童:「はっ。信長様より受けた御恩、しかとこの身に刻み精進を重ねて参ります」

 

信長:「うむ。・・・・・・・時に神童、ワシには天下は取れぬと申したな?」

 

長秀:「お館様はこの者の言うことを信じるのですか!?」

 

信長:「恐らく、この者の言った事は全て事実であろう。もしあの時言い逃れをするつもりならば、ワシが天下を取ると迷わず言っていた筈だ。しかしこの者は、畏れを抱きながらも真実を伝えようとしていた。・・・・・それにしても、この織田信長に天下は取れぬと言い切るとは、大胆不敵な男よ」

 

神童:「申し訳ありません・・・・・・」

 

信長:「一つだけ聞かせてくれ。・・・・歴史は変えられるのか?」

 

神童:「俺には・・・・・分かりません「分からぬか・・・・・・。天下はワシの夢なのだ。ワシは、その夢を失う事になるのか・・・・・・・」ですが信長様は、日本の歴史を大きく動かした!! いえ、動かすお方です!! 信長様になら歴史さえも、人の運命すらも、変えてしまう力があるのかもしれません!!」

 

信長:「ワシにはあるか? 運命を変える力が・・・・・・」

 

神童:「私どもの様な未熟者にすら、運命に抗おうと、立ち向かう力があるのです。信長様にも、きっと出来ます!!」

 

信長:「・・・・・・フッ、天下の夢、しばし見るとしよう」

 

 

 

 

大介:("人を見抜き大局を見抜く。静と動を併せ持つ真実のゲームメイカー"まさしく、ワシが求めた1の力だ)

 

ー その日の夜 ー

 

信長:「不思議な少年たちであった・・・・・・」

 

利家:「未だに信じられませぬ・・・・・・」

 

信長:「ふ、藤吉郎!! こ度の戦、あっぱれであった。」

 

藤吉郎:「ははーーーーっ!!」

 

信長:「貴様を試したくなった。今後は、ワシに仕えるがよい「!? 信長様!! ありがたき幸せにございまする!!」」

 

 

 

 

ー 次の日・地蔵堂 ー

 

天馬:「じゃあね太助。元気で」

 

太助:「俺、天馬たちに会えて良かった。・・・・・俺、旅に出ようと思うんだ。「えっ!?」俺、尾張の国しか知らないから、いろんな所を見て回りたい。それで本気で豆腐屋になりたいって思えたら、俺、天下一の豆腐屋になれると思うんだ!!」

 

竜太:「応援してるぞ、太助!!」

 

 

 

 

勝:「行ってしまわれるんですね・・・・・「俺は、この時代の人間じゃないから・・・・」分かっていました。想いが届かないことは・・・・・せめてこれを」

 

中を見ると、真っ白な綺麗な豆腐が入っていた。

 

神童:「ありがとうございます。それでは・・・・「私もっ!!・・・・・何でもありません」お勝さん、俺、必ず取り返して見せるよ。失ってはならない、大事な物を」

 

ワンダバ:「それではそろそろ帰るぞ」

 

そして全員TMキャラバンに乗り込みTMキャラバンは離陸する。

 

ワンダバ:「いざ現代へ!! タイムジャ~ンプ!!」

 

 

ー その頃、名古屋城 ー

 

信長:「時に藤吉郎、貴様は彼らに聞かなかったのか?」

 

藤吉郎:「? 何をでございます?」

 

信長:「決まっておろう貴様の行く末じゃ」

 

藤吉郎:「私の・・・・でございますか?」

 

信長:「フッ、まあいい。出かけるぞ。藤吉郎草履を持てい!!」

 

藤吉郎:「ははーーーーーっ!!」

 

 

 

 

そして俺達を乗せたTMキャラバンは現代へと帰って来た。皆元に戻ってるかな・・・・?

 

 

ー 続く ー




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第50話:皆が帰って来た

現代へと帰って来た俺達。皆が元に戻っているかを確かめる為にサッカー棟に向かう。

 

天馬:「開けるよ?」

 

そして扉を開けると、

 

果林:「あら? あなたたち遅いわよ?」

 

果林先輩!! そして中から《マインドコントロール》されていた筈の皆が全員出てきた。その中には勿論あの子も。

 

竜太:「彼方!! エマも!、良かった・・・・皆元に戻ったんだな!!」

 

彼方:「ゴメン竜太・・・・・彼方ちゃん、何か変だったよね?」

 

エマ:「私たちもずっと心に引っ掛かってる物があったんだけど、昨日急にサッカーを思い出したの」

 

フェイ:「天馬達がプロトコル・オメガ2.0を倒したからだね」

 

栞子:「あんなに強かった奴等を倒したんですか!?」

 

竜太:「戦国時代でな。現地時代の人の力も借りて倒したよ」

 

璃奈:「凄い・・・・・」

 

神童:「天馬、キャプテンとして一言」

 

天馬:「え、え~っと・・・"サッカーは好きかーーーー?"」

 

雷門:『『『おおおおおおおっ!!』』』

 

天馬:「間違いない!! 皆戻ってきたーーー!!!」

 

するとサッカー棟の扉が開き、雷門のユニフォームを着た見たことの無い女の子が入って来た。

 

?:「あっ、キャプテンお帰りなさい!! 他の皆もお帰りなさい!!」

 

竜太:「えっ? 誰?」

 

彼方:「竜太く~ん? 仲間の顔を忘れるのは感心しないぞ~っ?」

 

フェイ:「またタイムパラドックスが起こっている?」

 

天馬:「え、えっと、取り合えず自己紹介してくれる?」

 

?:「ああ、は~い!! 「菜花黄名子(なのばなきなこ)」宜しくやんねっ!!」

 

侑:「えっと、黄名子ちゃんは選手なのかな?」

 

歩夢:「侑ちゃん何言ってるの? この間ストライカー対決で黄名子ちゃん剣城くんに勝って背番号の11番を奪ったじゃない」

 

剣城:「!?」

 

嘘だろ? 剣城が負けた!?

 

三国:「それよりもお前たちはどれくらい強くなったんだ?」

 

竜太:「今から見せますよ」

 

そして俺達は室内グラウンドに移動する。

 

竜太:「はぁああああっ!! 【海皇龍ブルーヒドラ・零式】!! アームドッ!!」

 

そして俺は化身アームドを発動し、成功を見せる。

 

彼方・エマ:「「おおっ!!」」

 

剣城:「【剣聖ランスロット・零式】!! アームドッ!!」

 

信介:「【護星神タイタニアス・四式】!! アームドッ!!」

 

今度は信介と剣城が化身アームドを成功させる。

 

果林・栞子:「「凄い(です)!!」」

 

三国:「信介やったな!!」

 

かすみ:「かすみんも負けてられません!!」

 

続いて天馬と神童先輩が化身アームドを行い成功させる。

 

しずく・璃奈:「「天馬くん凄い(です)!!」」

 

歩夢・せつ菜:「「やっ(りまし)たね神童くん!!」」

 

神童:「驚くのはまだ速い」

 

そして神童先輩は化身アームドを解除し、

 

神童:「"ミキシトランス《信長》"!!」

 

全員:『『『おおおおおおおっ!!!』』』

 

そして神童先輩は必殺シュートを放つ。

 

神童:「[刹那ブースト]!!」

 

神童先輩のシュートがゴールに突き刺さる。全員が感嘆の声を零す中、

 

霧野:「っ!!」

 

栞子:「?」

 

大介:「よしお前たち、時空最強イレブン次の力へ進むぞ? 舞台は中世フランス。ターゲットは「ジャンヌ・ダルク」だ!!」

 

竜太:「あっ、そういえばなんかの本で読んだかも。ジャンヌ・ダルクは神の声を聞く力を持っていて大群で攻め込んできたイングランド軍を数で劣るフランス軍を支えて鼓舞し、歴史的な勝利を上げたって」

 

愛:「まさに"仲間の勇気を奮い立たせて、鉄壁の守りに変えるカリスマディフェンダー"だね。これはディフェンダー陣の出番じゃない?」

 

大介:「アーティファクトは明後日豪炎寺が持ってくる手筈となっている。よって出発は明後日、明日は休みとする」

 

竜太:「取り合えず俺ゆっくり休むわ・・・・ドッと疲れた・・・・」

 

せつ菜:「あ、あの~、申し訳ないんですが明日私たちの練習を見てくれませんか? 口でアドバイスするだけでいいので・・・・・・」

 

彼方:「彼方ちゃんからもお願いだよ」

 

ハア、仕方ないな・・・・

 

竜太:「分かりました・・・・・」

 

彼方:「ありがと~!! そうだ!! 竜太今日彼方ちゃんの家で夕飯食べて行きなよ? 何なら泊まってっても良いから!!」

 

竜太:「俺と彼方は状況分かってるから良いけど遥ちゃんはサッカー嫌いになったりしてないか?」

 

彼方:「ううん? むしろ禁止令のせいでへこんでるよ。だから状況説明してあげて?」

 

竜太:「よしっ、じゃあ行こうかな?」

 

彼方:「彼方ちゃん竜太とイチャイチャ出来なくて寂しかったな~。今日は思いっきり甘えても良いかね?////////」

 

彼方が顔を赤く染めながら上目遣いに聞いてくる。

 

竜太:「勿論!!」

 

そして、彼方の家に二人で向かった。

 

 

せつ菜:「あっ、男女の宿泊は不純異性交遊なのでダメですからね?」

 

 

なっ!?

 

ー 続く ー




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第51話:かつての敵からの支援

皆が仲間に戻った翌日、俺は皆のトレーナー役として練習に付き合う為に時折大欠伸をしながら雷門に向かっていた。

そして河川敷駅の構内で彼方と調度会い、二人で雷門に向かう。・・・・・・・こういう時間久しぶりだなぁ・・・・・・。

それは彼方も感じていた様で、彼方はそっと俺の右腕に自分の腕を絡めてくる。

 

彼方:「えへへ~//////」

 

戸惑う俺に彼方が上目遣いに笑いかける。ヤバい尊い・・・・・尊死しそう。

 

俺と彼方が幸せな空間を振り撒きながら雷門に到着し、サッカー棟の中に入る。因みに駅から校門までの道のりで通行人の方々に凄く睨まれました。

 

ふははははは!! 恋人のいない人間の嫉妬は醜いぞぉ?

 

しずく:「大海くん分かりやすく調子に乗ってますね・・・・・・「あっ、しずくおはよう」おはようございます」

 

かすみ:「おっはよーございまーす!! そりゃあそうですよね~? だって大海くんインターハイ終わって彼方先輩と付き合い始めてからこうやって二人で学校来てサッカーしてゆっくりするってゴタゴタがあるせいで今日が初めてですもんね~?」

 

竜太:「・・・・・・・・・・そうだよ」

 

マジでエルドラド許さん!! 時空最強の力が揃ったら完分無きまでに叩きのめして2度と俺達に逆らえ無いようにしてやる!!

 

璃奈:「じゃあ私達も練習着に着替えて来るからグラウンドで待ってて?」

 

竜太:「了解」

 

そしてサッカー棟グラウンドで待っていると扉が開き、歩夢先輩、せつ菜先輩、侑、果林先輩、エマ、彼方、天城先輩、三国先輩、しずく、璃奈、かすみ、栞子が入って来た。

 

竜太:「それでは、今日僭越ながらコーチとトレーナーを勤めさせて頂く、大海竜太と、」

 

侑:「高咲侑です。宜しくお願いしま~す!!」

 

メンバー:『『『『宜しくお願いします!!』』』』

 

竜太:「取り合えず今から言う練習をやって貰おうかな? しずく、かすみ、果林先輩、エマ、歩夢先輩、せつ菜先輩達はこのメモに書かれた必殺技を覚える練習をしてください。因みに全て個人技です。」

 

 

そして渡したメモには、

 

ーーー 練習メモ ーーー

 

朝香果林 → [天空落とし]

エマ・ヴェルデ → [ザ・マウンテン]

優木せつ菜 → [風神の舞]

上原歩夢 → [ラウンドスパーク]

桜坂しずく → [ディメンションカット]

中須かすみ → [デビルボール]

 

ーーーーーーーーーーーー

 

と、書かれていた。

 

果林:「これは・・・・相当難しいわね・・・・」

 

竜太:「そうですか? 果林先輩は[きらきらスターダスト]のイメージが凄く近いと思ったからですし、せつ菜先輩は足が速いからそのスピードを最大限に生かせばできると思ったんですけど」

 

かすみ:「ちょっとーーっ!! 何でかすみんが"デビル"何ですかーー!?」

 

竜太:「・・・・・腹が黒いから「酷い!?」」

 

璃奈:「侑さん、私たちは?」

 

侑:「これね」

 

ーー 練習メモ 2 ーー

 

天王寺璃奈 → [受け流すフィジカルのアップ」]

三船栞子 → [スタミナup]

天城大地 → [スピードup]

三国太一 → [キャッチングパワーup]

 

ーーーーーーーーーーーー

 

そして俺と侑の二人でコツを教えながら練習すること3時間。お昼になり、三国先輩と女性陣が作って来てくれたお弁当を頂いたのだが、

 

目を離した隙に誤ってせつ菜先輩の作った料理を食べてしまった天城先輩が急に青い顔をしてぶっ倒れ、せつ菜先輩は戸惑っていた。

 

せつ菜:「えっ!? 天城先輩何で急に?」

 

竜太:「大丈夫ですせつ菜先輩。せつ菜先輩の料理が美味しくて感動して倒れただけですから」

 

歩夢:「いや、それは流石に無理が・・・・「何だそうだったんですか!! 良かったです」ど天然!?」

 

そして1時間の休憩を挟み練習を再開する。するとサッカー棟の扉が開き、何とフィフスセクターの親玉だった千宮司さんが入って来た。まぁ一人だったけど。

 

竜太:「千宮司さん!?」

 

俺が疑問に想いながらも急いで駆け寄ると、千宮司さんは口を開き、

 

千宮司:「イシド・・・・・いや、豪炎寺くんから、今君達が戦っていることを聞いたんだ。そしたら監督とコーチの訃報のニュースを思い出してね。役にたつか分からないが、これを君達に」

 

竜太:「これ・・・・・練習メニューですか?」

 

千宮司:「ああ。ゴッドエデン島の「ゼロ」そして我が「ドラゴンリンク」を作り上げた練習メニューだ。指導してくれていた人が居ないならもしかしたら役に立つんじゃ無いかと思ってね。」

 

竜太:「こんな物を・・・・良いんですか?」

 

千宮司:「構わん。負の遺産とも言えるフィフスの練習メニューが、サッカーを奪い返す光に変われるのなら、これ程嬉しいことは無い。是非使ってくれ!!」

 

雷門:『『『ありがとうございます!!』』』

 

そして、その練習メニューを参考に練習を再開する俺達。そのメニューは、さすがサッカーを支配していた組織といえるほどに緻密に練られたトレーニングメニューで、誰に何をさせれば良いかが直ぐに分かり凄く練習が捗った。

 

そして次の日、いよいよ今日、中世フランスの「ジャンヌ・ダルク」の時代に出発する。

 

 

 

ー 続く ー




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第52話:来たぜフランス!! 革命の少女「ジャンヌ・ダルク」

皆が帰って来た二日後、いよいよ今日中世フランスの「ジャンヌ・ダルク」の時代へ出発する。

 

"仲間の勇気を奮い立たせ、鉄壁の守りに変えるカリスマディフェンダー"どんな凄い女性何だろう。

するとサッカー棟の扉が開き、豪炎寺さんと、希さん、絵里さん、鬼道さん、風丸さんが入って来た。

 

豪炎寺:「大介さんお待たせしました。これが「ジャンヌ・ダルク」のアーティファクト、"勇気(ゆうき)(かぶと)"です。」

 

フェイ:「よし、じゃあ早速タイムジャンプを、「その前に・・・」?」

 

希:「今回は私たち四人が着いて行くよ~?」

 

絵里:「宜しくね?」

 

大介:「よし。因みにここで発表がある。これからワシらは様々な時代に行くことになる。そして与えてしまう影響を最小限にするために、必要最低限の数で行く事とする。では、今回のメンバーを発表する。

 

大海竜太、松風天馬、剣城京介、神童拓斗、宮下愛、高咲侑、フェイ・ルーン、三船栞子、エマ・ヴェルデ、近江彼方、、西園信介、朝香果林、上原歩夢、優木せつ菜、菜花黄名子、中須かすみ

 

以上!!」

 

霧野:「待って下さい!! 俺も行きたいんです連れていって下さい!!」

 

大介:「ん? しかしこれは決定で・・・・・「あの~?」ん? どうした栞子?」

 

栞子:「私、朝からちょっと体調が悪くて・・・・・・代わって貰えるなら助かるんですけど「むぅ、では仕方ないな。霧野!! 代わりに入れ」」

 

霧野:「!! はい!!」

 

俺はそっと栞子に近付くと耳元で

 

竜太:「前から知ってたけど、お前本当良い奴だな」ボソッ

 

栞子:「私たちのリーダーはあの人ですからね」

 

そしてメンバーと、希さん、絵里さん、風丸さん、鬼道さんの合計20人とワンダバを乗せたTMキャラバンは垂直離陸し、「ジャンヌ・ダルク」の時代へとタイムジャンプした。

 

 

 

ー 200年後・エルドラド ー

 

トウドウ:「行け! プロトコル・オメガ3.0。あの忌まわしい雷門を倒せ!!」

 

ガンマ:「スマート!!」

 

そしてプロトコル・オメガ3.0も「ジャンヌ・ダルク」の時代へとタイムジャンプした。

 

トウドウ:「ふう・・・・・、「た、大変です!!」 どうした?」

 

議員:「先ほどムゲン牢獄に収容されていたS級犯罪者「ザナーク・アバロニク」が脱獄しました!!」

 

トウドウ:「何だと!?」

 

 

その頃、その「ザナーク」という男とエルドラドの看守のルートクラフトに乗ってのカーチェイスが繰り広げられていた。

 

看守:「待てーーー!! 逃げられんぞ!!」

 

するとザナークは自身のバイク型ルートクラフトを急旋回させて追ってをクラッシュさせる。

 

ザナーク:「これがエルドラドのジジイ共が遂行しているミッションか」

 

そしてザナークのルートクラフトは変形し、「ジャンヌ・ダルク」の時代へとタイムジャンプした。

 

 

 

ー 1428年フランス・ヴォークルール ー

 

?:「神よ・・・・・フランスをお救い下さい・・・・・」

 

その時、少女の目線の先の空の一点が光った

 

?:「!? あれは!!」

 

 

 

ー ヴォークルール付近 ー

 

俺達がTMキャラバンから降りると辺りは荒廃した土地だった。

 

侑:「何ここ・・・・・?」

 

フェイ:「ここは1428年のフランス、ヴォークルールの町付近だよ。その町にジャンヌ達の拠点があるんだ」

 

果林:「ちょっと皆こっちに来て!!」

 

俺達がそっちに行くと崖下の荒野で黒い甲冑を着た兵士と、白い甲冑を着た兵士が様々な武器で殺しあっていた。

 

天馬:「これは・・・・・・」

 

剣城:「本物の戦争だ・・・・・・」

 

竜太:「ソードにランスにシールドに・・・・・・まるっきりゲームの世界じゃねぇか・・・・・」

 

信介:「じゃあ防御力はどのくらい?」

 

?:「誰だ!! そこで何をしている!!」

 

!?

 

背後を見ると、白い甲冑を着た兵士が剣を手に此方に注意深く視線を送っていた。

 

神童:「すみません。戦いから逃げているうちに道が分からなくなってしまいまして。ヴォークルールという町に行きたいのですがご存知ですか?」

 

兵士:「何? 異国の者か?」

 

神童:「まぁそうなりますね・・・・」

 

兵士:「ふむ、今の状況で堂々と異国の者と言えると言うことは間者では無いのかもしれんが一応念の為だ上の者の質問に答えて貰う。取り合えず此方に来い。流れ弾が当たったら死ぬぞ?」

 

雷門:「あ、はい。ありがとうございます」

 

そして俺達は近くの塔の中に入れられて、

 

兵士:「今上の者を呼んで来るからここで待っている様に」

 

そして兵士は扉に鍵をかけて出て行った。

 

 

その頃、

 

ガンマ率いるプロトコル・オメガ3.0も「ジャンヌ・ダルク」の時代に到着していた。

 

ガンマ:「よし、ではこれよりミッションを「ブオオオオオオン」 ん?」

 

ガンマが上を見ると、明らかにエルドラドの物では無いルートクラフトが旋回しており、ガンマ達の脇に着陸した。

 

ガンマ:「何者だ?」

 

ザナーク:「何者だ? そう言うと思ったぜ。「お前は誰だ?」「何故そんなにカッコイイ?」そう言いたいんだろう?」

 

ガンマ:「貴様!!!!」

 

ザナーク:「俺は「ザナーク・アバロニク」名も無き小市民だ」

 

エイナム:「聞いたことがあります。確か奴は1万8000クライムポイントの罪を犯したS級犯罪者です。確かムゲン牢獄のディープスイートに収監されていた筈ですが・・・・」

 

ガンマ:「面白い。ならこの僕が倒す」

 

するとプロトコル・オメガ3.0のメンバーがザナークを包囲。

 

《ストライクモード》

 

スフィアデバイスを蹴り飛ばし、次々にザナークにありとあらゆる角度から思い切りぶつけるが、ザナークは全く、意にも返さない。

 

ガンマ:「っ!! 墜ちろ!! 下等な犯罪者が!! "シュートコマンド13"!! [ガンマストライク]」

 

しかし次の瞬間、

 

ザナーク:「カァアアアアアアアッ!!!!

 

ザナークが口から青色の謎の光線を吐きプロトコル・オメガ3.0は一撃で戦闘不能にされてしまう。

 

ガンマ:「くっ、うぅぅ・・・・・・き、キサマ・・・・・」

 

ザナーク:「おい、エルドラドのジジイ共、俺を監視しているんだろう?」

 

議員:『『『!?』』』

 

ザナーク:「取引だ。今お前たちがてこづっている奴らを俺が倒したら俺の罪はチャラ。でどうだ?」

 

議員:『犯罪者からの取引など、受けてはなりません!!』

 

トウドウ:『良かろう』

 

議員:『『『!!』』』

 

ザナーク:「そう言うと思ったぜ。よし、お前ら起きろ。」

 

するとプロトコル・オメガのメンバーがザナークの光線と同じ青色の光に包まれ、肌の色と風貌を大きく変化させて立ち上がった。

 

ザナーク:「どうだ? すんげぇパワーを実感するか? するな!!」

 

ガンマ:「スマート!! ザナーク様の力を与えられた我々が負ける理由がありません!!」

 

ザナーク:「クックック・・・・・・・そう言うと思ったぜ」

 

 

その頃、

 

かすみ:「いつまで待ってれば・・・・「ガチャ」あっ、」

 

すると、長髪のプラチナブロンドの眼鏡をかけた女性が護衛を二人つけて入って来・・・・

 

ガタッ

 

?:「キャアッ!!」バターン

 

盛大にすっ転んだ。

 

護衛:「ジャンヌ大丈夫か?」

 

竜太:「え?」

 

神童:「この人が・・・・・」

 

霧野:「ジャンヌ・ダルク・・・・・?」

 

 

 

何かイメージと違う・・・・・・

 

ー 続く ー




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第53話:眠る力

俺達はたった今目の前で盛大にすっ転んだ眼鏡っ娘を呆然と見ていた。この人が・・・ジャンヌ・ダルク?

 

黄名子:「チィーッス!! こんにちはーー!!」

 

菜花がジャンヌにたった一歩近付いたら、

 

兵士:「ジャンヌ危ない!!」

 

兵士が剣を抜いて威嚇してきた。

 

竜太:「何だ? 挨拶しただけで大袈裟すぎんだろ。あんたらひょっとして馬鹿なの?」

 

天馬:「ちょっ!? 竜太そんなハッキリ言ったら!!」

 

俺の物言いに兵士は額に青筋を浮かべる。

 

兵士:「俺達が馬鹿だと・・・・・?」

 

竜太:「馬鹿じゃん。普通に考えて「こんにちは」って挨拶しただけで剣をむけるか? 非常識も良いところだろ」

 

兵士:「キサっ・・・・!「待って下さい!! 彼の言う通りです。貴方がただ早とちりしただけです」ぐっ・・・」

 

ジャンヌ:「すみません。皆さんちょっと気が立ってて。それで貴方達は・・・・・」

 

天馬:「ああ、俺達は未ら・・・・「待って!!」モガッ!?」

 

フェイ:「正直に言うのはこの時代はまずい!!」

 

ワンダバ:「不思議な出来事は悪魔の仕業だと信じられていた時代だぞ。まずいことになりかねん」

 

ジャンヌ:「んん?」

 

霧野:「な、何?」

 

黄名子:「あの眼鏡ひょっとして度が合ってないんじゃあ・・・・」

 

ジャンヌ:「あっ、そうだ! これどうぞ」

 

霧野:「キャンディー? え? 今食べろってこと?」

 

ジャンヌ:「はい!!」

 

黄名子:「あっ、ズルイウチも欲しいやんね!!」

 

ジャンヌ:「はい。皆さんどうぞ」

 

そして全員キャンディーを口の中に放り込む。すると、

 

雷門:『『『美味しい!!』』』

 

果林:「凄い優しい味ね」

 

その様子を見ていた兵士が声を上げる。

 

兵士:「ジャンヌ!! 早くコイツらをどうするか決めてくれ!!」

 

ジャンヌ:「えっと、取り合えずここにずっと居ても仕方ないのでヴォークルールに行きましょうか」

 

そして俺達は兵士に囲まれながらヴォークルールのジャンヌ達の拠点がある建物内の一室に入れられた。

 

ジャンヌ:「これから皆さんの処遇を決めるのでここで待っててもらえますか?」

 

竜太:「すみません。あそこの扉って何ですか?」

 

俺が部屋の奥にある別の扉を指差して聞く。

 

ジャンヌ:「あの先は私たちの訓練場です。興味があれば見てても構いませんよ?」

 

竜太:「分かりました。ありがとうございます」

 

歩夢:「で、どうする?」

 

天馬:「訓練場でちょっとボール蹴って練習しませんか? 間違いなく今度の相手はベータよりも強い筈ですから」

 

せつ菜:「そうですね。練習しましょう!!」

 

そして訓練場に出てボールを蹴る俺達。皆それぞれで練習する。

 

 

 

剣城:「菜花、お前の力見せて貰う」

 

黄名子:「ふっふーー!! 負けないやんね!!」

 

 

 

彼方:「よし、来~いっ!!」

 

竜太:「行くぞ!!」

 

 

 

神童:「行くぞ霧野!!」

 

霧野:「止める!!」

 

しかし神童先輩に霧野先輩はあっさりと抜かれてしまう。

 

霧野:「っ!!」

 

すると音を聞き付けてきたのか、ジャンヌが訓練場に入って来た。

 

ジャンヌ:「皆さん、それは何ですか?」

 

天馬:「サッカーです」

 

ジャンヌ:「サッカー?」

 

竜太:「初めて見ますもんね。今ご覧に入れます」

 

俺達は攻撃組と防御組に分かれる。

 

天馬から歩夢先輩にパスが通りそこにエマが止めに入る。

 

エマ:「通さないよ~?」

 

歩夢:「せつ菜ちゃん!!」

 

歩夢・せつ菜:「「[キラーフィールズ・S]!!」」

 

歩夢先輩がエマ先輩を突破して俺にパスを出す。そこに霧野先輩と彼方がディフェンスに来る。

 

竜太:「[ライトニングワープ]!!」

 

俺の超超高速移動で一瞬で二人を抜いて果林先輩にパスを出す。

 

果林:「ナイス!! 喰らいなさい!! [Fire Bird・V3]!!」

 

果林先輩の青い炎の必殺シュートが信介を襲う。

 

信介:「止める!! [真・バーニングハンド]!!」

 

信介の炎を纏った右手がシュートを抑え込み完璧に止めた。

 

竜太:「とまあこんな感じです」

 

ジャンヌ:「ふわぁあああっ!!」キラキラ

 

ジャンヌさんは興奮の入り混じった目でサッカーを見ていた。

 

ワンダバ:「むっ!! もしやチャンス?」

 

ワンダバはミキシマックスガンを構えてジャンヌ目掛けてマイナスのトリガーを引く。

 

するとジャンヌさんにレーザーが当たる。しかし、ミキシマックスガンに何も変化が起こらずに終了した。

 

ワンダバ:「へ?」

 

水鳥:「馬鹿!! 見られたらどうすんだ!!」

 

ジャンヌ:「?」

 

大介:「やはり・・・・・」

 

ジャンヌ:「皆さんをどうするかが決まりましたので取り合えず出てきてもらえますか?」

 

ジャンヌさんが出て行き、俺達はワンダバに詰め寄る。

 

竜太:「何やってんだワンダバ!!」

 

ワンダバ:「・・・・・・オーラが取れなかった『は?』」

 

大介:「やはりな。彼女はワシらの知っているジャンヌでは無い。まだ力が目覚めておらんのだ」

 

神童:「信長様の時と逆ってことか」

 

竜太:「取り合えず出ません?」

 

そして部屋を出てジャンヌさんの元へ向かう。

 

兵士:「ジャンヌ、決まったか?」

 

ジャンヌ:「はい。この人達を自由にしてください『「ええっ!?」』この人達は敵では無いと思います」

 

兵士:「何故そう言いきれる!!」

 

ジャンヌ:「そうですね。話してても嫌な感じが全くしませんでしたし。それにこの人達が現れるほんの数分前に、空の一点が光るのを見たんです。もしかしたら、この人達は神が遣わせたのかも」

 

兵士・雷門:「『ええっ!?!?』」

 

そして兵士とジャンヌは部屋に入ってしまった。

 

竜太:「なぁ? ジャンヌさんにだけでも、本当のこと言った方が良くないか?」

 

剣城:「ああ。このままだともっとややこしい事になるぞ」

 

神童:「そうだな」

 

そしてしばらくしてジャンヌさんが一人になったのを見計らって声をかけた。

 

 

 

神童:「ジャンヌさん、君が見た光は、確かに俺達だ。でも、君の言う神の意思とは関係ないんだ」

 

ジャンヌ:「っ、ではあなたたちは一体、」

 

神童:「俺達は、この時代からおよそ600年後の未来からきたんだ」

 

ジャンヌ:「未来!?」

 

竜太:「うん。俺達の時代に問題が起こっててそれを解決するために君の力が必要何だ。だから君の持つ力の一部を分けてもらいに来たんだ」

 

ジャンヌ:「私の力がそんなに大きいの? オルレアンの街を守れるかも分からないのに・・・・・」

 

天馬:「オルレアン?」

 

ジャンヌ:「はい。ここから北に250km程の所にある大きな街で現在イングランド軍に占領されているんです。私は明日、シノン城に居る"シャルル王太子"に援軍を頼みに行かねばなりません」

 

霧野:「そうか・・・・」

 

ジャンヌ:「では、もしも私が援軍を連れてオルレアンを解放出来たら、あなた方に力を貸しましょう」

 

竜太:「シノン城までの護衛としてついて来いってこと?」

 

ジャンヌ:「・・・・・はい」

 

霧野:「わかったやるよ。でも、さすがに馬車か何かでしょ?そうすると定員があると思うんだけど」

 

ジャンヌ:「はい。定員は5名です」

 

神童:「わかった。至急メンバーを決めるよ」

 

そして俺達は大部屋に集まってメンバー決めをする。その結果メンバーは

 

俺、天馬、霧野先輩、信介、黄名子の5人になった。

 

そして不安と緊張に包まれ、その日は就寝した。




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第54話:シャルル王太子

次の日ーーーーーーー

 

俺、天馬、黄名子、霧野先輩、信介の5人はジャンヌさんと一緒にシノン城に居るシャルル王太子に援軍を頼みに行く為に馬車に乗り込もうとしていた。

 

彼方:「竜太・・・・・気をつけてね・・・・・?」

 

竜太:「ああ。皆は先にオルレアンに行っててくれ。必ず成功させて来るから」

 

せつ菜:「・・・・・おもいっきり戦争映画でよく見る死亡フラグに見えるの私だけでしょうか?」

 

果林:「安心しなさいせつ菜。私にも見えるわ」

 

おい!! 怖いこと言うな!!

 

霧野:「行ってくるよ」

 

神童:「お前が居てくれると思うと心強いよ。頼んだぞ」

 

ジャンヌ:「では皆さん、そろそろ出発します。乗って下さい」

 

そして馬車に乗り込む俺達5人とジャンヌさん。そして、合計6人を乗せた馬車は遥か西にあるシノン城に向けて出発した。

 

ーーーー 道中は特に何も無かったので割愛!! ーーーー

 

そして四日後、俺達はシャルル王太子の住まうシノン城に到着した。

 

門番:「止まれ!! 此処は王太子様の住まうシノン城だ!! 子供の来る所では無い!!」

 

ジャンヌ:「あっ、え・・・・えっと・・・・「ジャンヌ、大丈夫だ」蘭丸・・・・っ、"ドン・レミ村"のジャンヌ・ダルク!! シャルル様にお願いしたい事があり参上致しました!!」

 

門番:「ジャンヌ・ダルク!? 神の言葉を聴いたと、ヴォークルールに現れたという娘か!!」

 

ー シノン城内 ー

 

兵士:「ご報告します!! ジャンヌ・ダルクがこの城に来ております!!」

 

ラ・イール:「何!? ジャンヌ・ダルクだと!! 追い返しましょう。神の言葉を聴いたなどと、嘘に決まってます!!」

 

ジル・ドレ:「しかし兵士達の中には本当にジャンヌを神の使いだと信じる者も居るのだぞ? 下手に追い払ったら兵士の士気が下がりかねん」

 

ラ・イール:「む、いかが致しますか? シャルル様」

 

シャルル:「・・・・・私に考えがある。ジャンヌとやらの言っていることが本当かどうか見極めてやろう」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

霧野:「遅いな・・・・・・」

 

ジャンヌ:「やはり私は疑われてるんですね・・・・「おい、ジャンヌ・ダルク、シャルル様のお許しが出たぞ。中に入れ」あっ、はい!!」

 

そして俺達5人も入ろうとすると、

 

兵士:「待て、中に入るのはジャンヌ1人だ」

 

天馬:「えっ!?」

 

霧野:「お願いします!! 俺も入れて下さい!!」

 

兵士:「むっ、・・・・・まぁお前1人だけなら良いだろう」

 

霧野:「ありがとうございます。行ってくる」

 

竜太:「任せましたよ霧野先輩」

 

ー 霧野Side ー

 

そして謁見の間に行くと、2人の騎士が立っていた。

 

ラ・イール:「ほう? キサマがジャンヌ・ダルクか。騎士顔負けの戦上手と聞いていたが、随分と頼りないな」

 

ジャンヌ:「それは多分噂に尾鰭が付いたのかと・・・・・」

 

ジル・ドレ:「で、シャルル様に何をお願いしたいんだ?」

 

ジャンヌ:「そ、それはシャルル様でなければ言えません!!「無礼は許さんぞ!!」ひぅっ!!」

 

ジル・ドレ:「待てラ・イール。ではシャルル様にお会いすると良い。だが、くれぐれも無礼は無い様にな?」

 

ジャンヌ:「は、はいっ!!」

 

そして広間の奥へと進むと、玉座に腰掛けた男性がおり、俺とジャンヌはひざまずく。

 

シャルル:「私がシャルルである。面を上げよ」

 

俺とジャンヌが顔を上げる。

 

ジャンヌ:「あっ!!」

 

ラ・イール:「どうした? 言いたいことがあるんじゃ無いのか?」

 

ジャンヌ:「で、でも・・・・・・」

 

霧野:「ジャンヌ、君の言いたいことを正直に言えば良いんだ「蘭丸・・・・・・っ!!」」

 

ジャンヌは意を決したように口を開く。

 

ジャンヌ:「この方はシャルル様ではありません!!!

 

ラ・イール/ジル・ドレ:「「何と!!」」

 

シャルル?:「なっ!? ぶ、無礼な!! 良いだろう私が偽者だというならば本物を連れて参れ!!」

 

ー その頃・竜太 Side ー

 

俺達がサッカーボールを蹴って練習していたら1人の(服装からして恐らく召使い)が興味を示し、ルールを軽く説明して一緒にやっていた。

 

召使い:「球を寄越せ!!」

 

竜太:「おっと!!」

 

俺はクイックで左右に連続ターンして召使いさんを抜き去る。

 

召使い:「むっ!!「行かせないやんね!!」おお、確かナノバナと言ったな!! 球を奪え!!」

 

黄名子:「任せるやんね!! [もちもち黄粉餅]!!」

 

黄名子が伸びるお餅を振り回し、ボールを吸着して奪い取る。何だあのディフェンス技!?

 

黄名子:「えっと・・・はい!!」

 

黄名子からのパスが召使いさんに渡る。

 

召使い:「良くやった!! 褒めてつかわす!!」

 

そして召使いさんは思いっきりボールに蹴りを叩き込んだ。

 

召使い:「おりゃぁぁあああぁっ!!!」

 

竜太:「まずい天馬!!」

 

天馬:「無理だよ俺キーパーじゃ無いんだから!?」

 

天馬が必死に腕を伸ばすも、シュートは抜けてゴールに指定していた柱と柱の間を通った。

 

黄名子:「やったやんね!! 勝ったよ!!」

 

召使い:「フハハハハハ!! 私に不可能は無い!!」

 

勝負に勝ち、サッカーを気に入ったのかエキサイトする召使いさん。そこに、霧野先輩とジャンヌさんが戻ってきた。すると、召使いさんを見たジャンヌさんは突然顔色を変えて走り、召使いさんに跪いた。

 

ジャンヌ:「お会いできて光栄です!! シャルル殿下!!」

 

ラ・イール:「何と!!」

 

ジル・ドレ:「シャルル様の変装を見抜いたか!!」

 

竜太:「え、えーーーーっ!? この人が・・・・シャルル王子ーーーーっ!?」

 

シャルル:「うむ。驚かせてしまったな。どうやらお前の噂は本当だったらしい・・・・遠い所を良く来たな。ジャンヌ・ダルクよ」

 

 

ー 続く ー




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第55話:オルレアン到着!!

まさかの一緒にサッカーをした召使いさんがシャルル王子だったという事実。俺達は今度はシャルル王子に正式に認められ謁見の間でシャルル王子に合い対していた。

 

シャルル:「余を即位させる?」

 

ジャンヌ:「はい・・・・・・」

 

シャルル:「既に我がフランスはパリの都を初め多くの都市がイングランドに占領された・・・・・。その状況でどうやって余を即位させると言うのだ・・・・・?」

 

多くの都市が占領・・・・・そんな事になってるのか・・・・・・。

 

ジャンヌ:「はい、確かにその通りです。ですがイングランド軍はせっかく占領した都市が奪還されないように兵力の大部分をその街に残したままにしてるため、一箇所一箇所は兵力が分散しているんです。そして、他の街から離れている都市である"オルレアンの街"を解放すれば一気に形勢は傾きます!! 「神がそう言ったのか?」 はい!!」

 

シャルル:「ふむ・・・・・・ジル・ドレ!! ラ・イール!!」

 

ジル・ドレ/ラ・イール:「「ハッ!!!」」

 

シャルル:「今すぐに手勢を率いてオルレアンに向かえ!! 何としてもオルレアンを解放しろ!!」

 

ジル・ドレ/ラ・イール:「「ハッ!!」」

 

ジャンヌ:「シャルル様!!」

 

シャルル:「ジャンヌ、そなたのフランスへの思い・・・信じるぞ? 「っ! ゴシゴシ ハイッ!!」」

 

そして俺達は、今動かせる最大人数である7000人の軍と共に、6日掛けてオルレアンに向かった。

 

 

 

ーーーーー 道中割愛!! ーーーーー

 

ー オルレアン ー

 

俺達がオルレアンに到着すると、そこには無残に町並みが破壊され、火の手が上がる場所もある崩壊寸前の光景が広がっていた。

 

竜太:「なっ・・・・・・何だよコレ・・・・・・」

 

天馬:「幾ら何でもひど過ぎない?」

 

霧野:「街の人を見ろ・・・・凄く痩せ細ってる。きっともう何日も食べて無いんだ」

 

信介:「あんな小さな子供まで・・・・」

 

信介の目線の方を見ると、5歳位の女の子がグッタリしながらお母さんに抱かれていた。

 

ジャンヌ:「皆さん!! お待たせして申し訳ありません!! シャルル王子が援軍を出して下さいました。今日ここで、イングランドを追い出します!!」

 

 

ージャンヌ・ダルクだ・・・・・

 

ー凄い数の援軍・・・・・・

 

ー俺達助かったのか・・・・?

 

長老:「ジャンヌ様!! 良く・・・・良く援軍を連れて来て下さいました!!」

 

ジャンヌ:「辛かったでしょう・・・・・でもそれももう終わりです!!」

 

長老:「あ、ありがとうございます!!」

 

神童:「皆ーーーーーっ!!」

 

霧野:「神童!! 良かった。ちゃんと到着してたんだな」

 

竜太:「彼方!! ・・・・・・ただいま!!」

 

彼方:グスッ「良かった無事で・・・・・お帰りっ!!」

 

俺が両手を広げると、彼方は俺に飛びついて首に腕を回してハグで抱きしめてきた。そのままお互い見つめあい距離が・・・・・・

 

果林:「あーーー、何か無償にブラックコーヒーが飲みたくなってきたわ」

 

せつ菜:「奇遇ですね。私もです」

 

竜太・彼方:「「ッ!!」」

 

ハッと我に帰った。そうだ皆の目の前だった・・・・・・。

 

エマ:「見てると胸焼けしそうだから向こうでやってくれる?」

 

竜太・彼方:「「エマ(エマちゃん)!? そんな辛辣な事言う子だったっけ!?」」

 

ジャンヌ:「あの~? 夫婦漫才はもういいですか?」

 

竜太・彼方:「「まだ夫婦じゃ無い!! でも・・・・ゆくゆくは・・・・/////」」

 

剣城:「この二人は無視して言いです」

 

竜太:「おい・・・・「ではこれより砦に篭っているイングランド軍に総攻撃を掛けます!!」」

 

ジャンヌさん・・・・・アナタまで無視ですかさいですか・・・・・。

 

ジル・ドレ:「待て、シノン城から此処までどれだけ距離があると思っている? 先ずは旅の疲れを癒すのが先というもの」

 

ジャンヌ:「で、ですが!! 「それとも、それも神のお告げか?」っ・・・・・」

 

そしてジル・ドレとラ・イールは行ってしまった。

 

霧野:「悪い!! 俺ジャンヌを見てくる!!」

 

ジャンヌは、"ロワール川"という大きな川を橋で繋いで砦が見渡せる見張り塔の上にいた。

 

ー 霧野 Side ー

 

霧野:「ジャンヌ・・・・・・」

 

ジャンヌ:「今動かなければ、オルレアンを解放する時を失ってしまう。なのに・・・・私ではあの人達を動かせないの?」

 

霧野:「ジャンヌ・・・・君は怖いのか? 戦いが・・・「っ!!」 それなのに、どうして皆を導く?」

 

ジャンヌ:「神の声を聴いたから・・・・「本当に聴いたのか?」 嘘じゃありません!! 私は、神に導き手だと告げられたんです!!」

 

霧野:「それが、君の戦う理由?」

 

ジャンヌ:「しょうがないじゃないですか!!!

 

ジャンヌは声を荒げて怒鳴った。

 

ジャンヌ:「そう言われた以上、私がやらなければ・・・・・フランスの人々の苦しみは終わらない・・・・だから、私がやるしか・・・・」

 

霧野:「ジャンヌは強いよ。「えっ・・・?」ジャンヌ、君はフランスの人々を救いたいという一心で、神の声を信じたんだろ? そんなにも他者を思いやれる優しさと、不思議な声を信じる純粋さ、だから神様は、君にしか出来ないと思ったんじゃないかな・・・・」

 

ジャンヌ:「私にしか・・・・・」

 

霧野:「俺も、俺にしか出来ないこと、あると良いんだけど・・・・・」

 

そして俺は塔を降りてジル・ドレさん達の所に向かった。

 

天馬:「お願いします!! 今すぐに戦って下さい!!」

 

ラ・イール:「くどいぞ!! 戦は騎士の仕事だ!! 下がれ!! 「騎士は誇り高いと聞いていましたが、どうやら違うみたいですね」何だと!?」

 

霧野:「敵が目の前に居るのに、あなたたちは戦おうとしない!!」

 

ラ・イール:「だから休んで万全の状態で・・・「じゃあ休んでいる間に向こうにも援軍が来たらどうするんですか!?」そ、それは・・・・・・」

 

二人共口をつぐむ。理由は単純・・・・・"答えられない"から。

 

兵士:「報告します!! 「何だ!?」 ジャンヌ様が、一部の味方を率いて砦に突撃しました!! 皆が後に続くのを待つと・・・・・」

 

ラ・イール:「!! あいつ勝手な!! 「何を言っておるか!!」 誰っ・・・・シャルル様!?」

 

嘘でしょ!? 何で居るの!?

 

シャルル:「ジャンヌに遅れを取るな!! 我らフランス騎士の底力を、イングランドの奴らに見せつけてやれ!!」

 

ジル・ドレ/ラ・イール:「「ハハッ!!」」

 

竜太:「俺達も行くぞ!!」

 

そして砦への門が開く。

 

ラ・イール:「全軍突撃ーーーー!!!

 

兵士:『『『『『ウォオオオオオオオオオォォォォオオオオオオォォッ!!!!!!!!!』』』』』

 

?:「残念だがそうは行かねぇぜ?」

 

ジル・ドレ:「な、何者だ!!」

 

すると空からタイヤの無いバイクの様な乗り物に乗った男が颯爽と現れた。

 

竜太:「なっ、誰だお前?」

 

ザナーク:「誰だ? そう言うと思ったぜ。俺はザナーク・アバロニク。名も無き小市民だ。」

 

果林:「はぁ? 名前あるじゃない。」

 

ザナーク:「まあ良い。お前らは此処を通りたいんだよなぁ? だったらこいつらに勝って貰おうか」

 

シュンシュンッ!!

 

天馬:「プロトコル・オメガ!!」

 

竜太:「待て天馬!! 何か様子がおかしい・・・・・」

 

そう、以前戦国時代で邂逅した時と、"ガンマ"の姿が変わり果てていたのだ。

 

 

ー 続く ー




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<三船栞子> 誕生日特別編:ifルート 翡翠色の想い

栞子ちゃんの誕生日短編です。

説明としてこの話では彼方ちゃんとは付き合ってません。
そして時系列は高校2年の4月ですが、最後の方で時間が飛んで10月5日にあることが起きます。

因みに栞子ちゃん少しヤンデレ要素が入ってます。

初の試みなので生暖かい目で見守って下さい。

それでは始まります!!


俺達が2年生に進級した日の生徒総会。雷門ではこの日に新しい生徒会長が発表になり、新生徒会長が副会長を指名する制度らしい。因みに指名された人間には拒否権など無い。

 

どうなってんだ・・・理不尽過ぎんだろ・・・・・・・。補足だが新3年生は今年大学受験や就活生なので指名しないという暗黙のルールがある。

 

って言うか新1年生は入ったばっかだからその人の特徴や性格も把握出来ないし実質新2年生からだな。しかも1番の謎は書記と会計は3年生がやっても良い事だ。恐らく1番責任の少ない役職何だろう・・・・だってそうで無ければ・・・・ねぇ?

 

そして去年の秋に新しく就任した火来校長が新しい生徒会長を発表する。言っておくが俺じゃないぞ?

 

火来:「それでは、今年度生徒会長。"三船栞子"さん、お願いします。「はい!!!」

 

は?

 

サッカー部員:『『『え、ええぇぇええええええぇぇぇぇええええぇぇっっ!!?!??!!?』』』

 

先生:「サッカー部!! うるさいぞ!!」

 

教師達に睨まれ慌てて口を閉じる。いや、だって驚いたんだもん。全く聞いて無かったし・・・・・。

 

そんな中せつ菜先輩、もとい中川菜々元生徒会長はクスッと笑う。あっ、そういえば新生徒会長は現職の生徒会長が指名する決まりだった・・・・・って事は・・・せつ菜先輩お仕置きだな。

 

せつ菜:ゾクッ「ッツ!? 今寒気が・・・・・?」

 

そうこうと言ってる間に栞子の就任挨拶が終了。新副会長を指名する。誰だ?

 

栞子:「私は、"アスリート育成学科サッカー選考"2年、「大海竜太」君を指名します。」

 

その瞬間辺りが静寂に包まれる。

 

・・・・・・・・・・・・・・は?

 

2年生:『『『『『『やったーーーーー!!!』』』』』』

 

竜太:「ちょっと待っ!! 何で俺!?」

 

火来:「それでは今期の生徒会役員は

   生徒会長   三船栞子

   生徒会副会長 大海竜太

   生徒会書記  中原左月

   生徒会会計  中原右月

            さんの4人です。

 

   宜しくお願いします」

 

そしてその日の放課後、俺が部活に行こうとしていたら・・・・・、

 

栞子:「大海くんどこに行くんですか!?」

 

竜太:「え? 部活だけど・・・・・・・?」

 

栞子:「生徒会の仕事は今日からです!! ほら来る!!」

 

竜太:「嫌だーーーーーーっ!!」ズルズル

 

俺は栞子に首根っこを捕まれて生徒会室に連行された。

 

 

ー 生徒会室 ー

 

栞子:「それでは役員は自己紹介を。」

 

右月:「はい。生徒会会計を務めさせて頂きます。3年の中原右月です」

 

左月:「生徒会書記を務めさせて頂きます。同じく3年の中原左月です。」

 

この人達絶対双子だよね? 髪の色が同じダークグリーンで眼鏡かけてて、でも右月先輩は相手から見たときにサイドの三つ編みが右に。左月先輩は左に来ている。こうやって見分ければ良いのか。

 

栞子:「次は竜太さんですよ?」

 

竜太:「はぁ、面倒くさ・・・・「ギロッ」生徒会副会長をさせて頂きます。大海竜太です。会長のしりに敷かれそうですが宜しくお願いします」

 

栞子:「竜太さん。後でO☆HA☆NA☆SHIがあります。えー、生徒会長を務めさせて頂きます。三船栞子です。宜しくお願いします。早速ですが今日から仕事があります。でも今日は初日ですので軽めに、机の上にあるのを片付けた方から帰って言いです」

 

机の上を見ると・・・・・・!?

 

竜太:「何これ!? 三人の分を合わせても俺の3分の2も無いじゃん!!」

 

栞子:「文句言わずにやりなさい!!」

 

竜太:(俺・・・・サッカー出来なくなるかも・・・・・・・)

 

俺は絶望した顔になっていたため・・・・・・・、

 

栞子:(この時間だけは、この人を独り占めです//////)

 

栞子の顔が、ほんのり朱に染まっていることに気付かなかった。

 

右月・左月:((あれ? 会長ひょっとして・・・・・・?))

 

 

 

それから一週間が経ち、毎日毎日生徒会の激務に追い回され心身共に疲弊していた。

 

天馬:「竜太大丈夫・・・・・?」

 

竜太:「大丈夫・・・・・・に見えるか?」ゲッソリ

 

俺はもう目の下にくまが出来ていた。

 

かすみ:「一週間サッカーしてないだけでこうなっちゃうなんて・・・・・・・ああ、指名されなくて良かった」

 

璃奈:「大丈夫。そもそもかすみちゃんの頭じゃ無理」

 

かすみ:「りな子!? 「「同感」」しず子!? 大海くん!?」

 

 

そしてその日の放課後・・・・・・

 

竜太:「よっしゃ、今月締め切りの仕事はこの俺に対するイジメとも思える目茶苦茶なハイペースのおかげで昨日終わったし今日は心置きなく・・・・・・・・「竜太さん、生徒会室行きますよ?」っ!? ダッ!!!」

 

栞子:「あっ!! 逃げないで下さい!!」

 

はあ、はあ・・・・・何でだよ・・・・昨日終わっただろ・・・・・・!!

 

栞子:「見つけましたよ!!」

 

竜太:「何で!?」

 

栞子:「私はもう竜太さんの事なら何でも知ってるんですよ? さあ、生徒会室へ・・・・・」

 

竜太:「嫌だーーーーーーーーっ!!!」

 

そして、目のハイライトが消えかかった栞子に、生徒会室へ連行された。

 

 

 

ーーその頃、サッカー棟

 

神童:「大海と三船は今日も休みなのか? インターハイ予選だって近いって言うのに・・・・」

 

愛:「本当だよ!! いい加減練習来て欲しいんだけど!!」

 

歩夢:「おかげで大海くんとの時間が減っちゃったよ・・・。」

 

せつ菜:「すみません・・・・・・私が指名したばっかりに・・・・・」

 

璃奈:「・・・・・・・さっき気になる会話を聴いた。もう今月末が締め切りの仕事は全て終わったって大海くんがぼやいてたって」

 

霧野:「え!?」

 

侑:「・・・・・・ちょっと調べてみない?」

 

 

次の日の校舎裏ーーーーー

 

俺は連日の作業でグッタリして授業をサボって昼寝をしていた。

 

竜太:(はぁ・・・・堕t・・・・「・・・・・!?・・・は・・・!!」ん? 何だ?)

 

 

かすみ:「しお子いい加減にして!! 練習に来てよ!!」

 

栞子:「すみません。仕事が中々片付かなくて・・・・・」

 

竜太:(ん? 皆の声?)

 

俺がサッカー部の皆の声だと気付き、茂みの後ろから聞き耳を立てる。

 

 

神童:「嘘を言うな三船。もう今月締め切りの作業はすべて終わったと昨日の夜に大海から電話で聞いたぞ?」

 

栞子:「なっ!!」

 

霧野:「その反応、本当だったみたいだな。言っておくが大海に電話は誰もしてないぞ?」

 

竜太:(?)

 

栞子:「そ、それは・・・・・・」

 

歩夢:「まさか竜太くんを独り占めするための口実に使った?」

 

栞子:「っ!?」

 

歩夢:「その反応・・・・・、やっぱり!!」

 

せつ菜:「そんな!! 栞子さんはそんな人では無いと思っていたのに!!」

 

栞子:「・・・・・・せつ菜さん。女性というのは恋をすると幾らでも変わってしまうんですよ」

 

そして、栞子の目は・・・・闇に染まった様に真っ黒だった。

 

栞子:「知ったからにh・・・・・「どういう事だ?」なっ!? 竜太さん!? 何故ここに!!」

 

竜太:「昼寝してた・・・っと、そんな事はどうでもいい。何でこんなことをした?」

 

全員息をのむ音が聞こえた。そりゃそうだ、俺今メチャクチャ怒ってるからな。

 

栞子:「・・・・・・・たかったから・・・・・

 

竜太:「あ?」

 

栞子:「好きな人を独り占めしたい、すこしでも長く一緒にいたい、自分だけを見て欲しいと想うのがそんなにおかしい事ですか!?

 

竜太:「は、はぁっ!?」

 

栞子:「だって・・・・・、去年の秋に私の誕生日の日に一緒に出かけてくれた時から今日まであれだけアピールしたのに一向に気付いてくれないじゃ無いですか!!」

 

竜太:「は? ・・・・・皆、してた?」

 

かすみ:「あれで気付かないんですか!? メチャクチャしてたじゃないですか!!」

 

せつ菜:「してましたね・・・・・・・・」

 

璃奈:「・・・・・鈍感」

 

竜太:「ゴフッ!!」

 

女性陣からのトリプルアタックを喰らい精神的に膝を付く俺。そうか・・・・・それが栞子を苦しめてしまっていたんだな・・・・・・。

 

栞子:「だから私h・・・・・・「ゴメン!!」ぇ・・・・・」

 

栞子の口から掠れた声が漏れる。

 

竜太:「栞子の気持ちを分かって無かった・・・・。俺が鈍感なせいで、栞子を苦しめてたんだな・・・・ゴメン!!」

 

栞子:「わ・・・私・は・・・・「ギュッ!!」!?」

 

俺は栞子をおもいっきり抱きしめた。栞子は次第に瞳に涙を溜め、ギュッと俺を抱きしめ返す。

 

栞子:「ゴメ・・・・・ごめんなさい・・・・・・っ!!」

 

竜太:「俺こそごめん・・・・・あのさ、今はまだ小さいことしか出来ないけどさ、これからお昼ご飯・・・・学校では毎日一緒に食べよう? 俺、栞子の事知らな過ぎだからさ、教えてほしい」

 

栞子:「ッ////// ・・・・・・もう、仕方ないですねっ!! なら、いっぱい教えてあげます!!//////」

 

今の栞子の瞳は、まるで太陽の様に輝いていた。

 

 

 

そしてこの日を境に俺と栞子はいろいろなことを共にするようになり、そのまま栞子は大学に進学。俺はプロリーグに入り、栞子の家族に許可を貰って栞子の実家で一緒に暮らしている。まあ結構固い感じなのかと最初は思ったけどね・・・・・。

 

 

そしてそれから6年の月日が流れ・・・・・

 

今は今年2歳になる、翡翠色の髪をした息子と妻のと三人で、息子が産まれるときに立てたマイホームで、幸せに暮らしていた。因みに結婚式をあげたのが10月5日。栞子の誕生日だった。あの時の栞子は本当号泣してたからな・・・・・・・。

 

「この家族を、俺は絶対に守って見せる!!」そう改めて決意した俺の横で、幸せそうな寝顔で寝ている息子と栞子の頭を、俺は優しく撫でるのだった。

 

 

ー 栞子ちゃん Happy birthday ー




栞子ちゃん誕生日おめでとう!!

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第56話:オルレアン解放 vsプロトコル・オメガ3.0

突如として俺達の前に現れたザナークという男。すると見た目が以前とは大きく変貌したプロトコル・オメガが、まるで付き従うかの様に現れた。

 

ガンマ:「僕たちはザナーク様に力を与えられ、"プロトコル・オメガ3.0Z"となった。お前達などに負ける筈が無い!!」

 

竜太:「は・・・・・・!! まさか洗脳か!?」

 

ザナーク:「ほう? 中々鋭いじゃないか・・・・・・で、早くしないと肝心のジャンヌ・ダルクが戦死しちまうぜ? 戦わないなら泳いで行くしかないぜ? 最も泳いだら邪魔するがな」

 

霧野:「・・・・・・分かった。その勝負受けてやる!!」

 

ザナーク:「クックック、そう言うと思ったぜ」

 

《フィールドメイクモード》

 

するとオルレアン橋を分断する様にフィールドが形成される。

 

《タイムワープモード》

 

 

ー 現代・沖縄 ー

 

女将さん:「あんたーー!! お好み焼き3人前!!」

 

矢島:「ハイy・・・・」

 

カラン

 

女将さん:「あん・・・・居ない・・・・」

 

 

 

ー フランス・オルレアン橋フィールド ー

 

バシュウン

 

矢島:「おーーっと!! 今回はここ、オルレアン橋フィールドより、雷門vsプロトコル・オメガ3.0Zの試合をお届けするぞーーーっ!! 歴史に名高いオルレアン解放戦を舞台に、勝つのはどっちだーーーーっ!!」

 

竜太:「絵里さん、監督をお願いします」

 

絵里:「分かっ・・・「監督とは何だ?」」

 

黄名子:「監督っていうのはチームの指導者。指揮官みたいなものやんね」

 

シャルル:「おお!! つまり"王"という訳だな!! ならば私が監督をやろう!!」

 

雷門:『『『ええーーーっ!?』』』

 

 

フォーメーション

 

プロトコル・オメガ3.0Z

2-3-2-3

GK        ルジク

 

DF    ウォード   メダム

 

ボランチ クオース ガリング  オルカ

 

MF     ダーナ  バハムス

 

FW  エイナム  ガンマ  レイザ

 

雷門

2-1-4-3

 

FW    剣城  竜太  果林

 

MF せつ菜  天馬  神童  侑

 

ボランチ      かすみ

 

DF      霧野  エマ

 

GK        信介

 

そして試合開始のホイッスルが鳴り、雷門ボールで試合開始。ボールが天馬に渡ると天馬がドリブルで一気に攻め上がる。

 

ダーナ:「ハッ!! その程度のドリブル!!」

 

すると相手MFのダーナは今までのプロトコル・オメガからは考えられないスピードで一気に接近。ノーマルスライディングで天馬からボールを奪った。

 

ダーナ:「エイナム!!」

 

ボールはここでエイナムに渡り、ロングシュートの体勢に入る。

 

エイナム:「"シュートコマンド06"!! [プラズマボール]」

 

前よりもとてつもなく威力を増したシュートが襲い掛かる。そこにかすみが立ち塞がる。

 

かすみ:「もう、サッカーを嫌いになってたまるかーーーーっ!! [真空連魔]!!!」

 

かすみが[真空魔]を連続で虚空に放つと、空間が切り取られて異空間への穴が開きボールはそこに吸い込まれる。そしてかすみの足元に小さな穴が開き、威力が完全に殺されたボールが転がった。

 

エイナム:「何っ!?」

 

かすみ:「竜太くん!!」

 

かすみからのロングパスが俺に繋がると、メダムとウォードが2人掛かりでディフェンスに来る。

 

竜太:「[ライトニングワープ]!!」

 

俺は高速移動の必殺技で一気に二人を抜き去りシュート体勢に。俺の周りを水の竜巻が包み一気に上昇。ありったけの水流エネルギーが込められたボールをゴール目掛けて蹴り落とした。

 

竜太:「[激流ストーム・Gx]!!」

 

俺のシュートが一気に急降下してキーパーを襲う。

 

ルジク:「"キーパーコマンド07"!! [ジャイロセービング]」

 

ルジクの周囲に輪っかが二つ現れ、シュートを巻き込むように高速回転する。俺のシュートは勢いを吸収されて止められた。

 

エマ:「嘘でしょ!?」

 

せつ菜:「竜太くんの[激流ストーム]が・・・・・・止められた・・・・?」

 

ルジク:「ふん、この程度か!! クオース!!」

 

ルジクのゴールキックからボールはクオースへ。

 

せつ菜:「行かせません!! 「邪魔だ!! ドガァッ!!」 ぐっ・・・・」

 

せつ菜先輩は抜かれてしまい、ガンマへのセンタリングが入る。

 

霧野:「やらせるか!!」

 

しかし霧野先輩が空中でインターセプトして攻め上がる。

 

霧野:「スペースが空いてる!!」

 

ガンマ:「ふん、隙だらけだ」

 

しかし霧野先輩はガンマのタックルを受けて転倒。ボールを奪われてしまう。

 

竜太:「まずいディフェンスラインががら空きだぞ!?」

 

ガンマ:「貰っ・・「させるか!!」ッ! 余計な事を・・・・・」

 

間一髪戻っていた神童先輩が弾いて外にだして試合を切る。

 

霧野:「スマン神童・・・・・」

 

神童:「チャンスだと思ったから攻めたんだろう? だったら信じるさ「っ! ・・・・・・。」」

 

 

シャルル:「ふむ、だいたい分かった。お前達、集合!!」

 

ん? 何だ?

 

俺達がベンチ前に集まると、

 

シャルル:「この試合、私が良いというまで相手の持つボールを片っ端から弾いて外に出せ。仮に奪ってもすぐに出すこと。以上」

 

果林:「はぁ!?」

 

シャルル:「大丈夫だ。私は勝つつもりで言ってるんだ」

 

絵里:「シャルル王子どういう・・・・」

 

シャルル:「実際にやって見れば分かるさ」

 

竜太:「? 分かりました」

 

 

一体どんな作戦が?

 

 

ー 続く ー




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第57話:意外な策士

神童先輩がボールを弾いてタッチラインを割った事によりプロトコル・オメガのスローインから試合再開。ダーナの投げたボールはショートでエイナムへ。しかしすかさず天馬が弾いてスローイン。

 

エイナム:「ちっ・・・・・」

 

今度はクオースのスローイン。ボールは高く放物線を描いてガンマへと飛ぶ。しかしボールが届く寸前でせつ菜先輩がカット。位置が自陣ゴールの近くだったので大きく左斜め前方に蹴りだし、相手ディフェンスの上を通って相手陣内のタッチラインを割スローイン。

 

三度プロトコル・オメガのスローイン。今度はウォードがガリングに投げるが俺が身体を入れてカット。逆サイドのタッチラインから外にだす。

 

こちらの、勝つ気がないとも取れる余りにも消極的なプレーにプロトコル・オメガのメンバーにイライラが募る。

 

ガンマ:「貴様らやる気が無いのか!!」

 

しかし、フィールドの外から冷静に見ていたベンチメンバーにはプロトコル・オメガのプレーの変化に気付いていた。

 

愛:「どういうこと? 何か相手のプレーにキレが無くなって来たよ?」

 

歩夢:「分からないよ。何で?」

 

絵里:(・・・・・・・・まさか、そう言う事なの?)

 

絵里さんがシャルル王子を見ると、シャルル王子は不敵に笑っていた。

 

 

メダムのスローイン。ボールはバハムスへと飛ぶが、果林がヘディングで弾いてまたしても外に出る。もうプロトコル・オメガのイライラは最高潮だ。

 

バハムスのスローイン。ボールはレイザへ・・・・・・・

 

シャルル:「今だ!! 総攻撃だ!!」

 

侑:「っ!! やっとか・・・・《天帝の眼(エンペラーアイ)》!!」

 

侑先輩が《天帝の眼》でパスをカットしてドリブルで上がる。そこへガリングが止めに入るが、

 

スルッ!!

 

ガリング:「何っ!?」

 

侑:(え?)

 

侑先輩はただのノーマルドリブルであっさりとガリングを突破。するとサイドからエマが果林の元へとオーバーラップ。そこへ真後ろから侑が二人にセンタリングを上げる。

 

果林:「行くわよエマ!!」

 

エマ:「うん!! 果林ちゃん!!!」

 

果林・エマ:「「[ユニコーンブースト・改]!!」」

 

果林とエマのツインシュートと共にユニコーンがフィールドを駆け抜けてゴールに突き進む。キーパールジクは必殺技で対抗する。

 

ルジク:「"キーパーコマンド07"!! [ジャイロセービング]」

 

ジャイロ回転する2つの輪っかにシュートが巻き込まれてユニコーンを閉じ込める。しかし、ユニコーンの角の一突きで輪っかがネジ曲がりシュートはそのままルジクを吹き飛ばしてゴールに突き刺さった。

 

果林:「や、やった!!」

 

エマ:「私たちが決めたんだ!!」

 

ガンマ:「ば、馬鹿な・・・・・」

 

 

 

絵里:「相手の冷静な判断力を奪う為だったんですね」

 

シャルル:「その通りだ。良く気づいたな」

 

歩夢:「でも・・・・ちょっとズルイ気が・・・・・」

 

 

プロトコル・オメガボールで試合再開。キックオフと共にプロトコル・オメガはパスを素早く繋いで攻め上がって来る。ボールはガンマへ。

 

霧野:「止める!!」

 

ガンマ:「無駄だ!! 【迅狼リュカオン】!!」

 

するとガンマは化身を発動して化身技を放つ。

 

ガンマ:「"オフェンスコマンドK06" [ー 疾風迅雷 ー]」

 

ボールを喰えてガンマを背に乗せたリュカオンが電光石火のスピードでフィールドを駆け抜けて霧野先輩を抜き去る。そして、

 

ガンマ:「アームド!!」

 

ガンマは【リュカオン】をアームド。シュート体勢に入る。

 

ガンマ:「"シュートコマンド13"!! [ガンマストライク]」

 

ガンマの必殺シュートが信介に襲い掛かる。信介も負けじと化身を発動し、

 

信介:「【護星神タイタニアス・四式】!! アームドッ!!」

 

そして化身アームドも発動し、必殺技で迎え撃つ。

 

信介:「[真・バーニングハンド]!!!」

 

信介の燃える右手がシュートを押さえ込む。しかしガンマのシュートに軍配が上がり、信介を吹き飛ばしシュートはゴールに突き刺さった。

 

雷門 1 - 1 プロトコル・オメガ3.0Z

 

ー 続く ー




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番外編:学生の闘い

月日はもうじき一年の内の前期の終わり。そうなると全国の学生を悩ませるあの行事がある。それは、

 

ー しずくの家 ー

 

かすみ:「あーーーーーっ!! もう!! 何でテスト何かあるんですかーーっ!?」

 

天馬:「しょうがないよ。勉強しよう?」

 

栞子:「因みに皆さん前期の中間テストはどうだったんですか?」

 

璃奈:「かすみちゃんが追試になった」

 

剣城:「一応最低限の学力は身につけておけよ・・・・・」

 

するとかすみはムスッとした顔になり、

 

かすみ:「じゃあ皆はどうだったんですかーー?」

 

そして皆が前回の答案用紙を見せる。栞子は転校して来る前だったのでパス。

 

 

 

璃奈:国語70 数学99 社会68 理科100 英語62 合計399

 

しずく:国語94 数学55 社会82 理科56 英語95 合計382

 

剣城:国語75 数学76 社会80 理科86 英語63 合計380

 

信介:国語66 数学59 社会78 理科41 英語55 合計299

 

天馬:国語53 数学44 社会70 理科45 英語61 合計273

 

そして俺は・・・・

 

竜太:国語92 数学100 社会87 理科94 英語100 合計473

 

皆呆然としていた。

 

天馬:「・・・・・・竜太って、馬鹿じゃ無かったんだ」

 

よし。後でコ○す。

 

かすみ:「そ、そんな・・・・きっと大海くんはサッカーだけの人だと思ってたのに・・・・」

 

かすみが絶望して床に手を付く。そんな意外か?

 

竜太:「何いってんだかすみ。学生の内は勉強が本分だろうが?」

 

全員:『『何か腹立つ!!』』

 

栞子::「まぁ皆さんの学力も分かったところで勉強会を始めましょうか」

 

そして基本は俺と栞子で教えて文系科目はしずく、理系科目は璃奈がという風に教える面子を変えながら皆で勉強した。今週一週間はテスト期間で部活動禁止の為放課後は学校の図書室でやって、いよいよテスト当日。

 

 

 

それぞれの教室でテストが配られる。勿論先輩方も今受けている。

 

先生:「始め!!」

 

第一科目 国語 

大問1

問1:次の漢字の読みを書きなさい。

(1)いきおいを相殺する。

 

桜坂しずくの回答

 

そうさい

 

 

天王寺璃奈の回答

 

そうさつ

 

 

中須かすみの回答

 

あいさつ

 

 

 

 

第三科目 社会

大問3

問2

・娘を天皇の嫁にして伯父として権力を得て政治を行う政治を何と言うか。また、それを行った人を書きなさい。

 

大海竜太の回答

摂関政治

藤原道長

 

 

剣城京介の回答

摂関政治

藤原道長

 

 

中須かすみの回答

折檻政治

何ちゃらの道長

 

 

 

 

 

第四科目 理科

大問4

問2

(1)水を電気分解すると何と言う気体が発生するか答えなさい。

 

西園信介の回答

水素

窒素

 

 

三船栞子の回答

水素

酸素

 

 

松風天馬の回答

気合

根性

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

そして三日後、採点されたテストが返却された。

 

竜太:国語100 数学100 社会98 理科92 英語99 合計489

 

栞子:国語98 数学82 社会96 理科83 英語95 合計454

 

璃奈:国語67 数学100 社会72 理科99 英語61 合計399

 

しずく:国語91 数学54 社会82 理科61 英語92 合計380

 

剣城:国語75 数学74 社会76 理科82 英語73 合計380

 

信介:国語67 数学71 社会70 理科42 英語54 合計304

 

天馬:国語55 数学43 社会61 理科48 英語60 合計267

 

かすみ:国語17 数学20 社会25 理科11 英語15 合計88

 

 

かすみの、全教科追試が決定した。

 

そして正面ロビーに全学科、学年のベスト10が張り出される。

 

1位、大海竜太

 

5位、三船栞子

6位、中川菜々

 

8位、神童拓斗

 

10位、近江彼方

 

 

すでに先輩方が見に来ており、結果を見た開口1番・・・・

 

先輩方:『『『大海って、馬鹿じゃなかったんだ・・・・・・・』』』

 

 

よし、シバく!!

 

 

ー 続く ー




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第58話:ミキシマックス!! 霧野×ジャンヌ!!

ガンマのシュートが決まり1-1の同点で、雷門ボールのキックオフから試合再開。前半は後すこしで終了だ。

 

キックオフからボールは天馬に渡り、そこへ先ほど同様にダーナがディフェンスに入る。

 

天馬:「今度こそ!! [アグレッシブビート]!!」

 

天馬は心臓の鼓動を加速させて血流量を上げて運動機能を一気に引き上げてスピードを底上げして抜き去る。

 

天馬:「せつ菜先輩!!」

 

天馬はボールをせつ菜先輩に託す。時間的にこれがラストプレーだろう。

 

ボールを受け取ったせつ菜先輩がドリブルで攻め上がる。そこへ剣城、かすみも走って来る。

 

せつ菜:「行きますよ剣城くん、かすみさん!!」

 

三人が構えると剣城とかすみが前方へ猛ダッシュ。その間へせつ菜先輩がボールを蹴り込み、2人がそれをツインキックで上へと上げる。それをジャンプしていたせつ菜先輩が右足をおもいっきり振り貫いた。

 

せつ菜・剣城・かすみ:「「「[グランフェンリル・G2]!!!」」」

 

せつ菜先輩の連携シュートと共に、漆黒の魔狼がフィールドを駆け抜けてゴールに突き進む。

 

ルジク:「もうさっきの手は通じない!! 来い! 【幸運のラストベガ】!!」

 

ルジクは化身を発動。化身技を放つ。

 

ルジク:「"キーパーコマンドK07" [ー ラッキーダイス ー]」

 

今度はしっかりとセーブされ止められた。そしてここで前半終了のホイッスルが鳴る。

 

 

 

ー ジャンヌ Side ー

 

ジャンヌ:「私たちは、勝てる筈何です!! 皆さん、オルレアンを守りましょう!!」

 

すると敵の兵士が私に剣を振り上げる。

 

兵士:「ジャンヌ危ない!!」

 

味方の兵士さんが剣で受け太刀してカウンターで切り伏せるが、ゼエゼエと肩で息をしていた。

 

兵士:「ジャンヌ教えてくれ!! 何故神は、俺達にこんな試練を与えるんだ!?」

 

ジャンヌ:「そ、それは・・・・」

 

兵士:「お前を信じて、本当に良かったのか・・・・?」

 

ジャンヌ:「本当に聞こえたんです私には!! 本当に・・・・・・・・」

 

ー ジャンヌ Side out ー

 

霧野:(くそ、俺が足を引っ張ってるじゃないか・・・・・!!)

 

霧野先輩の様子が気になっていた俺は、思い切って聞いてみた。

 

竜太:「霧野先輩、何か神童先輩に対しておかしいですよ?」

 

霧野:「おかしい? 俺がか?」

 

霧野先輩は一瞬焦った様な顔をした。分かりやすいなあ。

 

竜太:「「神童先輩は化身を使える上に化身アームドまで出来る。おまけに信長のオーラを受け入れられるまでの男にもなった。差がつきすぎてしまった」大方こんな所ですか?」

 

霧野:「違う!! 変な詮索はやめろ!!」

 

神童:「おい、やめろ」

 

シャルル:「まあ良い。後半に向けての交代は無しだ。行ってこい」

 

雷門:『『『ハイ!!』』』

 

矢島:『さあ! 両チームポジションにつき、いよいよ後半戦の開始です!!』

 

そしてプロトコル・オメガボールのキックオフから後半戦開始。ボールはバハムスへ渡る。しかしそこに侑がディフェンスに入る。

 

バハムス:「そんなディフェンス・・・「《天帝の眼(エンペラーアイ)》!!」っ!!」

 

侑と対峙したバハムスがドリブルのモーションに入った瞬間にカットされた事に驚くバハムス。ボールを奪った侑がそのままドリブルで攻め上がると俺へのロングボールを入れる。

 

メダム:「させるか!!」

 

しかしボールが空中に在る内にメダムがジャンプしてカット。そのまま前線のガンマへのロングパスを飛ばす。

 

ガンマ:「ナイスだよメダム!!」

 

霧野:「(大海の言う通りだ。俺は嫉妬していたんだ・・・常に俺の前を行く神童に・・・・・)聴こえるかジャンヌ!!」

 

ジャンヌ:「!!」

 

霧野:「俺は気付いたんだ!! 自分のやるべき事に!!」

 

ジャンヌ:「やるべき・・・・・事」

 

霧野:「俺の役目は、前に出る事じゃない、神童達が安心して攻められる様にチームを後ろから支える事だ!! ウオオオオオッ!! 【旗騎士ブリュンヒルデ】!!」

 

すると霧野先輩から、戦旗を持った女性型の人型化身が現れる。

 

天馬:「化身!?」

 

霧野:「[ー ヴァルキリーフラッグ ー]!!!

 

霧野先輩の化身はガンマをアッサリと止めてボールを奪った。

 

ジャンヌ:「凄い・・・・」

 

霧野:「ジャンヌ、君にもある筈だ!! 君にしか出来ない事が!!」

 

ジャンヌ:「でも、私がいてもどうにもなりません!! 神の声だって、本当かどうか・・」

 

霧野:「自分を信じるんだ!! 必ずある。君にしか出来ない事が!! だからジャンヌ!! 君が選ばれたんじゃ無いのか!?」

 

ジャンヌ:「っ!? ・・・・・・私、弱気になってた。自分の事すら、信じられなくなっていた。私の役目は、剣を取り皆と戦う事じゃない。神の声を聞き、それを伝えて皆を勇気付けること!!」

 

その瞬間、ジャンヌは持っていた剣を投げ捨て、転がっていたフランス軍の軍旗を手に取った。

 

ジャンヌ:「"聞けーーッ!! 同士達よ!! 勝利を信じ、その命を燃やし尽くすのだ!!! さすれば神は、必ずやその勇気に答えてくださる!! 私は今この旗に、我らの勝利を約束しよう!!!!"

 

フランス騎士:『『『『うおおおおおおおおおおおおッ!!!!!!!』』』』

 

霧野:「ジャンヌ!!」

 

大介:「むっ!! 今なら行ける!! 霧野とジャンヌを、ミキシマックスだ!!」

 

ワンダバ:「何!? 霧野か?」

 

大介:「うむ!! 霧野しかいない!!」

 

ワンダバ:「分かった!! 行くぞ霧野!! ミキシマ~ックス!!」

 

そして一方のレーザーがジャンヌに当たりオーラの一部を吸い取る。

 

ジャンヌ:「うおおおおおおおおっ!!」

 

そしてもう一方のレーザーが霧野先輩に直撃する。

 

霧野:「ああああああああああっ!!!!!!」

 

そしてレーザーが晴れると、髪の毛がジャンヌと同じプラチナブロンドにかわり、黒渕の丸眼鏡をかけて髪をサイドで二つ結んだ姿に変化した霧野先輩が立っていた。

 

ワンダバ:「ミキシマックス、コンプリート!!!!」

 

 

雷門 1 - 1 プロトコル・オメガ3.0Z

 

ー 続く ー




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第59話:決着!! プロトコル・オメガ3.0

ついに霧野先輩がジャンヌさんとミキシマックスを成功させる。これで雷門のディフェンスは桁外れに固くなった。

そしてボールを奪った霧野先輩からパスが天馬に飛ぶ。

 

ボールを受け取った天馬がドリブルで攻め上がると、そこにガリングがディフェンスに入る。すると天馬は化身アームドを発動。必殺ドリブル技を放つ。

 

天馬:「うぉおおおおおおっ!! [アグレッシブビート・改]!!」

 

天馬の技の進化がここで起こり、更にスピードが上がる。ガリングは身体が大きいせいでスピードに着いて行けずに置き去りにされた。

 

ガリング:「何だと!?」

 

ここで天馬からパスがせつ菜先輩に入る。

 

天馬:「やられっぱなしはシャクでしょう? しっかりとやり返して下さい!!」

 

せつ菜:「天馬くん!! 後で何か奢らせて貰いますね!!」

 

そしてせつ菜先輩が自慢のスピードを生かして突破を仕掛ける。DFのウォードが止めに入るが、左右の細かなフェイントで相手の足を()()()()空いた所へ股抜きを決めて抜き去った。

 

ウォード:「何っ!?」

 

そこへ剣城とかすみが合流。[グランフェンリル]の体勢に入る。が、

 

剣城:「はぁあああああっ!! 【剣聖ランスロット・零式】!! アァアアアムドッ!!」

 

剣城が化身アームドを発動し、間接的に[グランフェンリル]の威力を引き上げる。そして剣城とかすみが、前方へ猛ダッシュ。そしてせつ菜先輩が二人の間へボールを蹴り込むと、二人はツインキックでボールを上空へと蹴り上げる。

 

せつ菜・剣城・かすみ:「「「[グランフェンリル・G3]!!」」」

 

それを止めにせつ菜先輩が渾身のシュートを放つ。漆黒の魔狼と共にシュートが相手ゴールに襲い掛かる。しかも今度は技が進化してパワーが上がっている上に、メンバー一人の化身アームドで更にパワーが上乗せされている。キーパールジクは化身を発動し、

 

ルジク:「はぁあああああっ! 【幸運のラストベガ】!! アームドッ!!」

 

ルジクは化身アームドを発動。必殺技を放つ。

 

ルジク:「"キーパーコマンド07"!! [ジャイロセービング]」

 

ルジクのアームド必殺技とせつ菜先輩の強化[グランフェンリル]が激突する。しかし勝負は一瞬で着き、ルジクは吹き飛ばされてゴールにボールは吸い込まれた。

 

ガンマ:「ば、バカな・・・・・・・」

 

2-1雷門リードのプロトコル・オメガボールで試合再開。ボールはガンマへと渡り、ガンマが化身を発動して攻め上がって来る。

 

ガンマ:「【迅狼リュカオン】!! [ー 疾風迅雷 ー]!!!

 

ガンマが化身技で一気に此方のディフェンスをかい潜り攻め上がる。そこへミキシマックス状態の霧野先輩が止めに入る。

 

霧野(ジャンヌMix):「ジャンヌ、君の力・・・・・使わせて貰う!!! はぁあああああっ!!」

 

すると霧野先輩の周りが炎の渦巻く火炎地獄に変わり、その炎を霧野先輩は操り、炎で壁を作り出してガンマをどシャット。ボールを奪った。

 

霧野(ジャンヌMix):「[ラ・フラム]!!!」

 

ガンマを焼いてボールを奪い取った霧野先輩からボールは神童先輩へ。ここで神童先輩もミキシマックスを発動する。

そこへプロトコル・オメガのディフェンス三人が襲い掛かるが、

 

神童(信長Mix):「・・・・・・・・・・・・・・・」ユラアツ

 

ギュン ギュン ギュンツ!!

 

一瞬で包囲の隙を突き突破した神童先輩。ここで俺が完全にフリーになる。

 

神童(信長Mix):「大海!!」

 

ボールを受け取った俺は化身を呼び出してアームドを実行する。

 

竜太:「【海皇龍ブルーヒドラ・零式】!! アームドッ!!!」

 

ルジク:「入れさせるか!! 【幸運のラストベガ】!! アームドッ!!」

 

両者共に化身アームド状態で1vs1。そして俺はシュート体勢に入る。

 

ボールに極大のオーラを纏わせてオーバーヘッドで下に落とす。そこへ左の足払いで更に回転を追加して空気の膜をコーティングする。そのボールを俺は思いっ切りぶっ放した。

 

竜太:「[ラストリゾート・V4]!!」

 

俺のシュートと共に岩石の竜がフィールドを破壊しながらルジク目掛けて突き進む。ルジクは必殺技の構えに入る。

 

ルジク:「"キーパーコマンド07"!! [ジャイロセービング]」

 

ルジクのジャイロ回転する2対のリングがシュートを巻き取ろうとするが、シュートが触れた瞬間に吹き飛び、シュートは轟音と共にゴールに突き刺さった。

 

そして、

 

矢島:「ここで試合終了のホイッスル!! 3-1で、雷門がプロトコル・オメガ3.0を下したーーーーーっ!!!」

 

その瞬間に橋を覆っていた壁が消えてラ・イール達がジャンヌさんの元へと救援に向かう。それを見たイングランド兵士は一気に撤退していった。

 

ジャンヌ:「フランスに勝利を!!!」

 

フランス軍兵士:『『『『ウォオオオオオオオオッ!!!』』』』

 

霧野:「ジャンヌ!! やったな・・・・・」

 

 

 

ザナーク:「役立たずが・・・・・・・」

 

ガンマ:「ぐっ、ザナークゥゥゥゥッ!!! よくも・・・よくもこの僕を!!!」

 

ザナーク:「失せろ。ザコに様は無ぇ」

 

そして、プロトコル・オメガ3.0は撤退していった。

 

ザナーク:「雷門か。しばらく遊び相手には困らなそうだぜ」

 

 

 

ー 続く ー




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第60話:さらばフランス。少女との別れ

ー 200年後・エルドラド ー

 

エルドラドの会議室で、議院達はザナークに洗脳されたガンマ達がやられるのを見ていた。

 

議院1:「ザナークめ! プロトコル・オメガを玩具(オモチャ)にしおって!!」

 

議院2:「だから私は犯罪者との取引など反対だったのです!! どうするおつもりですかトウドウ議長!!」

 

トウドウ:「ふむ、ここはザナークにあの2つの内の此方を持たせて見るか。」

 

トウドウは、海の様に澄んだ青色の"クロノ・ストーン"を取り出した。

 

議院3:「そのクロノ・ストーンは・・・・・・大海龍也ですか?」

 

トウドウ:「奴らはミキシマックスで力を増すつもりらしい。そしてクロノ・ストーンは、魂の力を高める性質を持つ。奴らがこれまでに格の高い信長とジャンヌ・ダルクのオーラをミキシマックス出来たのは、円堂大介のクロノ・ストーンの影響と見て間違いないだろう。ならば、此方もやらせて貰わねば不公平だろう?」

 

 

 

ーー 中世フランス ーー

 

オルレアンの解放に成功し、この時代での歴史は守られた。そして、シャルル王子は俺達の功績を認め、シノン城に俺達全員を招いてくれた。

 

ー シノン城・謁見の間 ー

 

ラ・イール:「こ度の活躍、見事だったぞ」

 

シャルル:「ああ。そなた達の事は気に入った。・・・・・時に、また旅立つと言うのは本当か?」

 

天馬:「はい。俺達は俺達の時代に、未来へ帰ります」

 

因みにシャルル王子やジル・ドレさん、ラ・イールさんの3人には俺達が未来人だとあの後で伝えた。ビックリはしていたが、フランスの為にあそこまで身体を張った俺達を誰も悪魔の仲間だとは考えなかった。

 

・・・・・・・・やっぱり行動で示すって大事だね。

 

シャルル:「もしも、またお前達がこの時代に来ることがあったら、その時は余の率いるチームとサッカー勝負だ。度肝を抜く作戦を見せてやるからな?」

 

天馬・竜太:「「はい!! 俺達も負けません!!」」

 

シャルル:「うむ。近くに来たら何時でも寄ると良い。そなた達なら歓迎しよう」

 

神童:「ありがとうございます。それでは失礼します」

 

雷門:『『『ありがとうございました!!』』』

 

そしてシャルル王子達にお礼の言葉を述べ、俺達はTMキャラバンが止めてあるヴォークルールの街に向かった。

 

 

ー ヴォークルール町はずれ ー

 

ジャンヌ:「蘭丸、行くの?」

 

霧野:「ああ。俺は、この時代の人間じゃないから」

 

ジャンヌ:「私の力は、貴方に貰った様なものですから・・・・・」

 

霧野:「違うよ。俺は、君の中に元々眠っていた物を起こしただけだ。・・・・・・その力の一部を貰った以上、必ず役立てて見せるよ」

 

ジャンヌ:「自分でも信じられません。こんな私の力が役に立つなんて・・・・・・・蘭丸、せめて、これを持って行ってくれませんか?」

 

ジャンヌは、綺麗な衣裳が施されたペンダントを渡そうとしてくる。しかし、これはジャンヌにとってとても大切な物だと聞いた。そんな物を受けとる訳にはいかない。

 

霧野:「受け取れないよ「でも・・・・・・」じゃあさ、あのキャンディをくれないか? 君の優しさが詰まった、あのキャンディを・・・・・・」

 

ジャンヌ:「っ!、・・・・・・//////」

 

そしてジャンヌは俺にキャンディを渡してくれたので、俺はジャンヌの見てる前で食べる。

 

霧野:「じゃあね」

 

そして、霧野先輩がTMキャラバンに乗り、扉が閉まる直前で、

 

ジャンヌ:「蘭丸っ!!///////」

 

霧野:「えっ、 チュッ !?」

 

そして、扉が閉まる前にジャンヌは外に戻り、扉が閉まる。

 

今、ジャンヌに・・・・・・・

 

歩夢:「頬っぺとは言えキスされてたね」

 

せつ菜:「されてましたね」

 

果林:「されてたわねぇ?」

 

そこの3人うるさい!!

 

そしてTMキャラバンは離陸し、現代へとタイムジャンプした。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ジャンヌ:「たとえ・・・・・・数百年の時の流れに・・隔てられても・・・・・私の初めてのこの想いは、貴方と共に!!!

 

その声は、もう霧野には聞こえてはいない。けれどジャンヌ・ダルクという一人の少女は、たとえもう会えないとしても、恩人の、初恋の人のこれからの無事を、祈らずにはいられなかった。

 

ー 中世フランス編・完 ー

 

ー 続く ー




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第61話:英雄達の時代。いざ三国志へ!!

中世フランスから、現代に帰還した俺達。すると早速大介さんが次のターゲットを発表する。まあ出発は明日らしいが。

 

大介:「全員いるな。では次の時代で狙うターゲットは2人いる」

 

璃奈:「同じ時代に2人って事ですか?」

 

大介:「そうだ!! そして行くのは"三国志"だ!!! そしてターゲットは劉備こと「劉玄徳」、そして「諸葛孔明」のオーラを頂く!!」

 

しずく:「三国志!! 私そういう歴史物の物語好きなんですよね!!」

 

竜太:「どういう物語何だ?」

 

しずく:「知らないんですか!? なら私が説明します。

 

三国志と言うのは、紀元前のまだ中国が統一される前、魏・呉・蜀の三国が天下の覇権を争っていた頃の物語です。魏には曹操、呉には孫権、そして蜀の王が3の力の所に出てきた劉備で、彼に軍司として仕えたのが諸葛孔明何です。

 

劉備はとても義理堅い義の人で、民の為に必死に戦いました。そしてとある戦いで負けて逃げる時に彼を慕った民衆が着いてきたんです。こんなに大勢いては逃げきれないと、民を見捨てる意見を出した人もいました。でも劉備は民の気持ちを優先して全員連れて行ったんです」

 

大介:「しずく良く知ってるな。そして劉備のオーラを受けとるのは西園信介、そして諸葛孔明のオーラを受けとるのは高咲侑!! お前だ」

 

侑:「わ、私!?」

 

大介:「うむ。諸葛孔明のオーラを受け取れるのは、《天帝の眼》を持つお前が相性が1番良い」

 

侑:「分かりました」

 

大介:「アーティファクトは明日高坂が持って来る。皆今日はゆっくり休め」

 

そしてその日は解散し、各自家に戻ってゆっくりと休んだ。そして次の日、いよいよ三国志時代の中国に出発する。

 

ー サッカー棟 ー

 

大介:「よし、揃ったな。では今回のメンバーを発表する。

大海竜太、剣城京介、宮下愛、松風天馬、高咲侑、フェイ・ルーン、神童拓斗、霧野蘭丸、

菜花黄名子、近江彼方、西園信介、桜坂しずく、三船栞子、天王寺璃奈、エマ・ヴェルデ

影山輝。以上の16名だ」

 

そしてサッカー棟の扉が開いて穂乃果さんと母さんが入って来た。

 

穂乃果:「大介さん、これが三国志のアーティファクト、〔孔明の書〕です。そして今回は私たち2人が着いて行きます」

 

天馬:「よし、じゃあ早速タイムジャンプしましょう」

 

そしてメンバー16人とワンダバ、穂乃果さん、母さんを乗せたTMキャラバンは、孔明の書を使い、三国時代の中国へタイムジャンプした。

 

ー 三国時代中国 ー

 

俺達を乗せたTMキャラバンは無事に三国時代へ到着した。

 

しずく:「ここが三国志の時代・・・・・・!!!」

 

フェイ・ルーン:「うん。この近くに孔明の屋敷がある筈だよ。行って見よう」

 

そして道なりに進み孔明の屋敷を目指す俺達。すると、道端に何やら鼻歌を歌っている叔父さんがいた。

 

璃奈:「誰だろう?」

 

果南:「関わらない方g・・・「スミマセ~ン何してるんですか~?」ちょっと愛ちゃん!?」

 

さすがコミュ力オバケ、俺達が愛さんの後を追うと、

 

おじさん:「危ない避けろーーーー!!」

 

天馬:「えっ!?」

 

侑:「大砲!?」

 

皆ビックリして腰を抜かすが、一向に何も起こらない。するとおじさんは「ガッハッハ」と豪快に笑い、

 

おじさん:「冗談だ冗談。コイツは大砲に見えるが捕獲機何だ。中にでっかい網が入っててな。そいつで捕まえるんだ」

 

ビックリした~。ここ時代ではこの位の冗談はセーフ何だろうな。

 

竜太:「で、なにを捕まえるんですか?」

 

おじさん:「亀を捕まえるんだ」

 

天馬・信介:「「亀ーーー!?」」

 

おじさん:「ガッハッハ、冗談だ冗談。そんなデカイ亀が居るはず無いだろう。」

 

栞子:「何なんですかこの人・・・・・・・・?」

 

おじさん:「本当はな、龍を捕まえるんだ」

 

しずく:「冗談・・・・ですよね?」

 

おじさん:「いや本当だ」

 

天馬・信介:「「本当なの!?」」

 

?・?:「「兄者ーーーー!!」」

 

すると、俺達が来た方向から武器を振り回した2人の男が突っ込んできた。

 

おじさん:「関羽(かんう)張飛(ちょうひ)

 

しずく:「えっ!!?」

 

今のあの2人の名前を聞いた瞬間しずくが驚愕の声を上げる。

 

しずく:「関羽さんと張飛さん・・・・その2人が兄者って呼んだって事はまさかこの人!?」

 

すると俺達とおじさんの間に割って入った2人は武器を俺達に向けて、

 

関羽:「貴様ら何者だ!!」

 

張飛:「怪しい奴め!! 叩っ切ってやる!!」

 

おじさん:「待て張飛、慌てるな」

 

張飛:「おおそうだ!慌ててはイカン!!」

 

関羽:「しかし兄者、この者達かなり怪しい」

 

神童:「待って下さい!! 怪しい者ではありません。俺達は、「劉玄徳」と「諸葛孔明」に会いに来ただけです」

 

おじさん:「え? ワシに?」

 

竜太:「ワシ?」

 

おじさん:「ああ。「劉玄徳」は、このワシだが?」

 

全員:『『『えぇえぇえぇえぇえぇーーーーーーっ!?』』』

 

天馬:「この人が、あの劉備ーーー!?」

 

 

ー 続く ー



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第62話:新たな敵

こ、この人が・・・・・・・あの劉備!?

 

俺達全員驚愕している。すると、事情を知らない劉備さんは不思議そうな顔になり・・・・

 

劉備:「ん? 何を驚いてるんだ?」

 

竜太:「いや、だって・・・・・・」

 

しずく:「イメージと全然違う・・・・・」

 

劉備:「?」

 

まあこんな話をしていても仕方ない。本題に入ろう。

 

竜太:「所で劉備さん達は何故こんな所に?」

 

劉備:「お前さん達と同じで孔明を訪ねて来たんだ。所がアイツは気難しい奴でな、もう3回も出向いてるのに屋敷に入れてすらくれんのだ」

 

ー~ 回想 ~ー

ー 一回目 ー

 

劉備:「お~い孔明、面白い冗談を考えて来たんだ!! "()()番頑張るっ()()"」

 

関羽・張飛:「「・・・・・・・・・・・・・・(^-^;)」」

 

 

ー 二回目 ー

 

劉備:「おい孔明、もっと面白い冗談考えて来たんだ!! "河童(カッパ)()()らった"」

 

関羽・張飛:「「・・・・・・・・・・・・・・・・・(^-^;)」」

 

ー 三回目 ー

 

劉備:「孔明!! また面白い冗談考えて来たんだ!! "花瓶(かびん)の装飾に過敏(かびん)になる!!"」

 

関羽・張飛:「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(^-^;)」」

 

 

ー 回想終了 ー

 

劉備:「とまあこんな感じでな」

 

俺達はあきれて声が出なかった。ただ侑は爆笑し、愛さんは目を輝かせていたが・・・・・・・

 

栞子:「ま、まさかそれがあの"三顧の礼"の正体・・・・・・?」

 

劉備:「お前達も孔明に会うなら一緒に行くか?」

 

天馬:「あっ、お願いします」

 

 

 

 

栞子:「大介さん、本当にあの人とミキシマックスして最強のメンバーになれるんですか?」

 

大介:「・・・・・・・・・・ぐぅ」

 

栞子:「おい、寝たフリしてんじゃねえよ」メキメキ

 

大介:「イダダダダダダダダダ!!!!?!?」

 

歩夢:「栞子ちゃんキャラ変わってるよ!? あとそれ以上は駄目!!」

 

そして道なりに進み孔明の屋敷の前に到着した。

 

劉備:「おーい孔明、出て来てくれ!!」

 

関羽:「兄者、やはり他に入口があるのでは無いか?」

 

張飛:「えーい、面倒だ!! 扉を壊してやる!!」

 

劉備:「待て!! そんな事をしたら孔明がへそを曲げて会ってくれなくなるぞ?」

 

すると、信介が何かに気付いた。

 

信介:「あの、扉の下に手を引っ掛ける様な凹みがあるんですけど、誰かこの扉を持ち上げて見てくれませんか?」

 

関羽:「何? ・・・・・・っ! 本当だ。気付かなかった・・・・・・」

 

張飛:「よし、俺に任せろ!!」

 

すると張飛さんが扉を力任せに持ち上げる。すると扉は簡単に開き、入口が顔を見せた。

 

関羽:「何と!! まさか上に持ち上げる扉だったとは・・・・・・・」

 

劉備:「お前さん素晴らしい視野の広さだな!! 名前は?」

 

信介:「信介です!!」

 

劉備:「信介か。良い名だ。さて、入るとするか「兄者、捕獲機は俺達が運んでおくぜ!!」ああ。任せたぞ・・・・・・ドッゴォオオオォォォオオオォォオン!!!!?」

 

すると上から巨大な鉄球が降って来て劉備さんの捕獲機はペチャンコの粉々に砕け散ってしまった。

 

劉備:「ワ・・・ワシの捕獲機がぁぁああああぁあぁあぁあっ!!!!

 

あーあ・・・・・・まあしゃ~無いね。

 

劉備:「これは是が非でも仲間にしてやる!!」メラメラ

 

おお、劉備さん燃えてる。

 

劉備:「よし、では行くぞ。しんがりは張飛と関羽が勤めてくれ」

 

張飛・関羽:「「承知した(心得た)!!」」

 

 

その様子を、一人の男が見ていた。

 

"マインドコントロールモード"

 

ザナーク:「オラッ!!」

 

張飛・関羽:「「っ!? ぐわぁぁあああああっ!?」」

 

そのまま孔明の屋敷の中を上へと進む俺達。すると、2回から3階に上がる扉の前に3人の男が立っていた。

 

竜太:「お前ら何者だ!!」

 

?:「ハッ、お前らに言う必要ねえよ。さあ、サッカーバトルだ」

 

天馬:「サッカーバトル? そっちは3しか・・・・・関羽さん? 張飛さん?」

 

まさか・・・・・・

 

関羽・張飛:「「ここから先へは行かせない!!」」

 

劉備:「2人共!? まさか妖術に掛けられたか!?」

 

竜太:「間違いない。マインドコントロールだ!! 行くぞ!! 「待て!!」 劉備さん?」

 

劉備:「ワシもやる。」

 

雷門:『『『えぇっ!?』』』

 

劉備:「関羽と張飛はワシの義兄弟だ!! ワシもやる!!」

 

竜太:「えっと、じゃあ劉備さんはキーパーをお願いします」

 

そして劉備さんにサッカーのルールと、キーパーの役目を教えてポジションに着く。

 

 

洗脳された張飛と関羽

 

GK    シュテン

 

DF    関羽

 

MF    エンギル

 

FW ラセツ   張飛

 

雷門

 

FW    竜太

 

MF 天馬    侑

 

DF    黄名子

 

GK    劉備

 

 

 

:次回キックオフ

 

ー 続く ー



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第63話:vsからくり兵馬俑

劉備さんがキーパーに入りサッカーバトル開始。ボールは張飛さん達のキックオフから開始する。

 

張飛:「行くぞーーーっ!!」

 

洗脳された張飛さんがドリブルで攻め上がって来る。そこに侑先輩がディフェンスに入る。

 

侑:「《天帝の眼(エンペラーアイ)》!!」

 

侑先輩が天帝の眼を発動して止めに入る。しかし、

 

張飛:「邪魔だぁあぁあぁあっ!!」

 

しかしフィジカルに任せて力付くで強引に突破して来る。さすがに大の大人の男、しかも巨漢の張飛さんのタックルをまともに喰らってしまった侑先輩は吹っ飛び突破される。

 

侑:「きゃあっ!?」

 

竜太:「侑先輩!!」

 

黄名子:「ウチに任せるやんねっ!! [もちもち黄粉餅]!!」

 

すかさず黄名子が必殺技で奪い取る。

 

危なかった・・・・そうだ。インターハイの時に分かってた筈なのに。天帝の眼は、パワープレイで強引に来る選手には力が半減するって・・・・・。

 

黄名子:「天馬キャプテン!!」

 

黄名子から天馬にパスが飛ぶ。すると、

 

劉備:「こっちだ!!」

 

竜太:「劉備さん!? って事は・・・・・・・・・」

 

俺は恐る恐るゴールを見る。

 

雷門:『『『ゴールががら空きーーーーーっ!?』』』

 

天馬:「劉備さん戻って下さい!!」

 

劉備:「何故だ? 多くの人間がいた方が数的有利に立てるだろう?」

 

竜太:「この隙に入れられたら負け何ですよ!? 「ボールを寄越せ!!」 っ!?」

 

天馬がラセツにボールを奪われる。するとキーパーが居ないことでそこからすぐさま必殺シュートを放って来る。

 

ラセツ:「[オーガブレード]!!

 

侑:「マズイ!!」

 

黄名子:「させないやんねっ!! [もちもち黄粉餅]!!」

 

黄名子が必殺技でシュートブロックに入るが、[オーガブレード]に斬り裂かれて突破されてしまう。

 

天馬:「このままじゃ!!」

 

シュートは尚も無情にゴールに突き進む。

 

竜太:「まだだぁっ!!」

 

しかしそこに俺が割って入り、カウンターシュートを放つ。

 

ボールがまばゆい光の嵐に包まれ、天候が荒れる。そして上昇したボールを思い切り蹴り返した。

 

竜太:「白竜、技を借りるぜ!! [ホワイトハリケーン・Gx]!!」

 

俺は《完全無欠の模倣(パーフェクトコピー)》で以前戦った"ゼロ"の白竜の技をコピーして使う。凄まじい光の嵐がフィールドをえぐり、削り取りながらゴールに進む。

 

関羽:「通さん!! ドガァアアアッ!! グワアアアッ!!」

 

シュートは関羽さんをあっさりと吹き飛ばしてゴールキーパーを襲う。

 

シュテン:「[サンドカッター]!!」

 

シュテンの両手に磁場が発生し、砂鉄が渦巻き纏わり付く。そして、全ての磁場を上に掲げた右手に移して、高速回転する砂鉄ののこぎりをボールにぶつける。

 

しかし[ホワイトハリケーン]の暴風は砂鉄を巻き上げて霧散させ、ゴールに突き刺さった。

 

竜太:「よし!!」

 

ラセツ:「ちっ、一旦退却だ」

 

関羽:「ん?」

 

張飛:「あれ? 俺達何をしてたんだ?」

 

劉備:「関羽、張飛、元に戻ったのか。良かった」

 

訳が分からなくなっている2人に何があったかを説明する。

 

関羽:「何だと!?」

 

張飛:「スマン兄者!! 義兄弟の契りを交わした俺達が兄者の敵にまわるなど・・・・・!!」

 

劉備:「もう過ぎた事だ。気にするな」

 

関羽・張飛:「「兄者・・・・・・・・」」

 

するとそこへ、

 

信介:「劉備さん。」

 

劉備:「ん? どうした?」

 

信介:「さっきの劉備さんは、キーパー失格です。」

 

関羽・張飛:「「!?」」

 

劉備:「ふむ?」

 

信介:「キーパーって言うのは、その人が突破されたら失点が確定する最後の砦何です。それにサッカーの試合では、1点が勝負を分ける事も珍しく無いんです。それなのにあんな事したら、点を取ってくれと言っている様な物です」

 

劉備:「ふむ、なるほど。分かった」

 

張飛:「アイツ!! 兄者に向かって無礼では無いのか?」

 

そしてそのまま劉備さん達と孔明の屋敷を上へと上がって行くと、何やら広い部屋に出た。

 

果南:「何これ? 土で出来た人形?」

 

劉備:「これは・・・・・兵馬俑だ」

 

しずく:「何か気味悪いですね。さっさと先に進みませんか?」

 

しずくの言う通り気味が悪い。無視して進もう。しかし、

 

天馬:「あれ!? 扉に鍵が掛かってるよ!?」

 

ギギギ

 

竜太:「ん?」

 

エマ:「ねえ? 何かさっきよりも近づいて無い?」

 

栞子:「き、気のせいですよ・・・・ ギギギ ッ!?」

 

女性陣:『『キャアアアアアアッ!!』』

 

一斉にこちらに走って来た兵馬俑。すると1体の兵馬俑が立て札を持った。

 

侑:「ん?」

 

ー 皆様の戦いを拝見しました。この私のしもべに先ほどの戦いの試合で勝てたらお会いしましょう。  :諸葛孔明 ー

 

竜太:「って事はこの兵馬俑とサッカーの試合をして勝てって事か」

 

劉備:「じゃあキーパーはワシが、「僕がやります!!」」

 

関羽:「兄者に従って貰う。」

 

信介:「嫌だ!! 雷門のゴールは僕が守るんだ!!」

 

天馬:「信介?」

 

からくり兵馬俑

 

GK      へいば1

 

DF へいば3 へいば2 へいば4

 

MF へいば5 へいば6 へいば7

 

MF へいば8 へいば10 へいば9

 

FW      へいば11

 

 

雷門

 

FW    剣城  竜太

 

MF 侑    天馬    愛

 

ボランチ  フェイ  神童

 

DF  彼方  霧野 黄名子

 

GK      劉備

 

信介:「劉備さんにキーパーが出来る筈無い・・・・・・ちゃんとルールと役割を説明したにも関わらず、あんなプレーをする人に・・・・・・」

 

 

ー 続く ー




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第64話:違和感と不可思議

信介がベンチで不満を抱く中、雷門ボールから試合スタート。ボールはまずゲームメイカーの神童先輩に渡り、そこから神童先輩がゲームを組み立てる。

 

神童:「高咲!!」

 

神童先輩からボールは侑先輩へ。そこにへいば8がディフェンスに入る。

 

侑:「《天帝の眼(エンペラーアイ)》!!」

 

侑先輩の眼が兵馬俑の動きを未来視に近い精度で予測を掛ける。しかし、

 

へいば8:「ギギッ、ムダ」

 

侑:「ッ!? (何? 今の違和感・・・・・・・?)」

 

へいば8は力付くで強引なパワープレイで侑先輩を突破。そして、トップ下のへいば10にパスを出し、そこにフェイと霧野が2人掛かりでディフェンスに入る。

 

へいば10:「ギギッ [トランスムーブ]」

 

へいば10と2人の頭上に巨大な転送装置が出現し、お互いの位置を入れ替える。へいば10は2人を突破してシュート体勢に入る。

 

へいば10:「[ギアドライブ]」

 

へいば10の蹴ったボールは、空中に出現した回転する無数の歯車に当たり、反射を繰り返しながらどんどん威力が上がり、ゴールの劉備さん目掛けて放たれた。

 

信介:「あのシュートは、あれは軌道が読めない!!」

 

劉備:「点は入れさせん!!」 ガガアアアアッ!!

 

しかし、劉備さんは必殺シュートをただのノーマルキャッチで止めてしまった。

 

信介:「す、凄い・・・・・あのシュートを、技も無いのに自力で止めた・・・・・」

 

劉備:「ぐっ・・・・・・」

 

しかし、一瞬劉備さんは顔をしかめた。

 

信介:「!? まさか劉備さん今ので腕を痛めたんじゃ!!」

 

関羽:「何だと!? 本当か兄者!!」

 

劉備:「なに、大丈夫だ!!」

 

 

 

劉備さんのゴールキックからボールは天馬に。そこへへいば2と4が2体でディフェンスに入る。

 

天馬:「うぉおおおっ!! 【魔神ペガサスアーク・零式】!! アアァムドッ!!」

 

ペガサスアークがオーラに還り、天馬の身体に装備され天馬は背中に白い翼を持った純白の鎧を身に纏う。

 

天馬:「[アグレッシブビート・改]!!」

 

天馬は自分の心拍数を自発的に引き上げて血流量を上げる事で身体能力を引き上げる。そして強化されたスピードで一気に相手ディフェンスを抜き去った。

 

剣城:「天馬!! 【剣聖ランスロット・零式】!! アームドッ!!」

 

そして天馬に合流した剣城も化身アームドを発動。白い天馬(ペガサス)の鎧を纏った天馬と、銀色の騎士の鎧を身に纏った剣城が並び立ち、連携必殺シュートの体勢に入る。

 

剣城と天馬がボールと共にそれぞれに炎を纏いながらお互いに逆回転で飛び上がる。そして左右から、全くの"同時"に[ファイアトルネード]を放つ。

 

剣城・天馬:「「[真・ファイアトルネードDD]!!」」

 

進化して威力を増した[ファイアトルネードDD]がキーパーのへいば1に襲い掛かる。

 

へいば1:「ギギッ [ビームこぶし]」

 

へいば1が突き出した右こぶしから、高熱のレーザーが放たれボールに直撃する。しかし、ボールを覆う炎の莫が障壁となり、その勢いのままレーザーを押し返しつつゴールに進み、へいば1を吹き飛ばして2人のシュートはゴールに突き刺さった。

 

 

1-0で俺達がリードし、からくり兵馬俑ボールで試合再開。ボールはへいば11に渡り、ドリブルで突っ込んで来る。天馬が止めに入るが、ノーマルフェイントに引っ掛かり突破され、神童先輩とフェイが2人掛かりで止めに入るが、先程同様に[トランスムーブ]で突破される。

 

霧野:「行かせるか!!」

 

真正面から突っ込んで来た為、センターバックの霧野先輩がチェックに入る。その空いた霧野先輩の元いたスペースに彼方の注意が向いた瞬間、へいば11は右サイドのへいば8にパスを出す。彼方は完全に不意を突かれ、急いで追い掛けてディフェンスに入る。

 

彼方:「やらせないよ~っ!! [スリ~ピィサンクチュアリ・G4]!!」

 

彼方の眠気を誘う催眠領域が展開される。そこにへいば8はもろに突っ込む。しかし、ここで誰も想像出来なかった事が起こる。

 

彼方:「!? 嘘!! 何で~っ!?」

 

何と、へいば8は彼方の技を全く意にも返さずに何事も無い様に素通りしたのだ。そしてへいば8はシュート体勢に入る。

 

へいば8:「ギギッ [ギアドライブ]」

 

軌道予測不可能の必殺シュートが劉備さんを襲う。しかし、軌道を読めないハズのシュートを劉備さんは正面に回って両手で止めに入る。

 

信介:「!? (何でコースが分かったの?)」

 

しかし、傷めている腕ではシュートを止め切れずに、シュートはゴールに突き刺さった。

 

 

 

雷門 1 - 1 からくり兵馬俑

 

 

ー 続く ー



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第65話:不自然の真相

からくり兵馬俑チームに同点に追い付かれて雷門ボールのキックオフから試合再開。

 

神童先輩はボールを再び侑先輩に預ける。

 

そこにまたしてもへいば8がディフェンスに入る。だが、そう何度もやられる程侑先輩は弱くなど無い。

 

侑:「今度こそ!! 《天帝の眼(エンペラーアイ)》!!」

 

侑先輩は再び、相手の動きの未来を見通す《眼》を使う。しかし、

 

侑:「っ!?」

 

へいば8:「ボールハイタダク」

 

へいば8にまたしてもボールを奪われた侑先輩。どうなってるんだ? いくら何でもおかしいぞ?

 

ボールは、へいば8から斜めにグラウンダーのセンタリングで此方のディフェンスの裏に抜け出していたへいば11に渡ってしまう。マズイぞ! もう劉備さんの腕は限界なのに・・・・・!!

 

へいば11:「ギギッ [ギアドライブ]」

 

空中に浮かぶ歯車に乱反射し、不規則な弾道でシュートが劉備さんに襲い掛かる。

 

劉備:「手が使えなくても盾にはなれる!!」

 

すると、劉備さんは両腕を十字にクロスさせてシュートを止めるのでは無く"ガード"した。勢いに押されながらも劉備さんは気合いでシュートを弾き飛ばした。

 

信介:「す、スゴイ・・・・・・」

 

しかし運悪くボールはへいば9の真正面に転がってしまい、へいば9はクイックでシュートを撃って来る。今のガードの衝撃で劉備さんはおそらく腕が上がらないダメージを負ってしまった筈。ディフェンスも皆カバーに行ける位置には居ない。だが、

 

劉備:「腕が使えなかろうと、まだ身体も頭も残っておるわぁああぁああっ!!」

 

すると今度は劉備さん、飛んで来るシュートに真正面から思い切りヘディングで頭をぶつける。シュートは劉備さんが思い切り頭を上へと振り上げると、クロスバーを超えてフィールドの外へと出て行った。マジかこの人・・・・・・

 

天馬:「す、スゴ過ぎる・・・・・・」

 

愛:「こんな人が背中を守ってくれてたら、頼もしい処の話じゃ無いよ・・・・・!!」

 

信介:「劉備さん、何でそこまで・・・・「それが"劉玄徳"だからだ」」

 

関羽:「兄者はこれまでに、自然災害や疫病で苦しむ民の姿を大勢見てきた。しかし、役人の手にもやれることの限界があり、後手に回ってしまうことが多かった。だから兄者は、ならば自分が立ち上がろうと決意した。そんな兄者の姿に、大勢の民が付いてきた」

 

張飛:「その場の思いつきでやったんだろうと笑う奴もいる。だが、そんな大事に真っ先に動こうとするなんて、誰にでも出来る事じゃねえんだ!!」

 

劉備:「信介、交代だ。「っ!! 兄者!?」 勘違いするな。意思を曲げた訳では無い。守れる者が守る。それだけだ」

 

信介:「劉備さん・・・・・」

 

劉備:「信介、キーパーは最後の砦だったな。頼んだぞ。「っ! ハイ!!」」

 

 

 

雷門

 

GK 劉玄徳 out → GK 西園信介 in

 

 

 

天馬:「信介!! 頼んだぞ!!」

 

信介:「うん!!」

 

皆が気合いを入れる中、俺は侑先輩に声を掛けた。

 

竜太:「侑どうしたんだ? いつもならあの程度・・・・」

 

侑:「分からない。何て言うか、動きが何時もと違って・・・"見えない"の」

 

 

へいば7のコーナーキックから試合再開し、ボールが上がる。ボールは緩やかなカーブを描きながらへいば10に飛ぶが、神童先輩がヘディングでクリアする。そしてボールは侑に渡る。

 

侑がドリブルで攻め上がる。へいば8は先ほどのコーナーキックの為に上がっており、残すはディフェンスの3体のみ。

 

へいば3:「ギギッ 止メル」

 

侑:「[ライトニングアクセル・A]!!」

 

侑が必殺技を発動し、イナズマの如き速さで駆け抜ける。しかし、技の終了直後の無防備なタイミングをへいば2に突かれてしまう。だが、

 

竜太:「させるか!!」

 

そこに俺がフォローに入って奪い返して侑先輩にボールを戻す。

 

侑:「ありがとう・・・・」

 

竜太:「調子が悪い時は誰でもある。俺達がカバーするさ!!」

 

侑:(本当に心強い後輩だなぁ・・・・・・)

 

何か吹っ切れた様な雰囲気に変わった侑先輩はペナルティエリアまで侵入し化身を発動する。

 

侑:「はあああああっ!! 【戦場の女神ジャンヌ・零式】!! [ー バルキリーロード ー]!!!

 

侑先輩渾身の化身シュートがへいば1に襲い掛かる。へいば1は技の体勢に入るが、

 

へいば1:「ギギッ [ビームこb・・・・ ドガアアアアアンン!!!」

 

侑先輩のシュートは相手が技を発動する前にゴールに突き刺さった。

 

侑:「ヨッシ!!」

 

竜太:「ナイス!!」

 

竜太・侑:コツン

 

俺と侑先輩は、軽くこぶしを合わせて互いを讃えた。

 

 

侑先輩のシュートが決まり2-1で再びリードする雷門。からくり兵馬俑のキックオフから試合を再開し、ボールはへいば10に。そこへ天馬がディフェンスに入る。

 

天馬:「[ワンダートラップ]!!」

 

天馬が必殺技でボールを奪い取ると、相手はサッカーでは普通有り得ない戦術を取って来た。

 

何と、キーパー以外のフィールドメンバー全員で此方のメンバーをピッタリとマークしてきた。ここまでなら有り得るかもしれないが、相手はそれを"オールコート"で行っているのだ。

 

竜太:「サッカーで"オールコートマンツーマンディフェンス"だと!?」

 

侑:「そんな!? このディフェンスは、バスケみたいな小さめのコートだから体力が何とか持つんだよ? なのにサッカーみたいな大きいコートでやったらすぐに体力何か・・・」

 

竜太:「っ!! そうか!! こいつらはそもそも生き物ですらないから体力切れとか、精神面とか、筋肉の収縮みたいな概念が無いんだ!! だから彼方の必殺技も効かないし、侑の眼も機能しなかったんだよ!!」

 

侑:「っつ!! そうか!! 何でこんな簡単な事に気付かなかったんだ私!!」

 

俺達が焦っている隙に天馬はボールを奪われ、そこからボールはへいば11に飛び、ダイレクトで必殺シュートを撃って来る。

 

へいば11:「[ギアドライブ]」

 

信介:「ダメだ、軌道が読めない!! 「信介!! どちらに球が飛んで来るか分からないなら、運に任せて飛んで見ろ!!」 そんないい加減な?!」

 

劉備:「決断を躊躇するなと言っている!! 判断が遅れれば、大切な物を失うぞ!!」

 

信介:「でも、「信介ーーーっ!!」 もうどうにでもなれーーっ!!」

 

すると信介はゴールの枠外に出てゴールをがら空きにする。そこに相手のシュートが飛んできた、瞬間に、ダッシュで真横からボールに向かい、思い切りダイブしながらパンチングをかます。

 

信介:「[ぶっとびパンチ]!!!」

 

弾かれたボールは真上に飛び、信介の足元に転がった。信介は、相手のシュートを止めて見せたのだ。

 

 

 

雷門 2 - 1 からくり兵馬俑

 

 

ー 続く ー




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第66話:前半終了。後半戦開始

信介:「やった・・・・・・! 止めたぞーーーーーっ!!!

 

竜太:「ナイス信介!!」

 

そして信介のゴールキックからボールは愛さんに飛ぶ。ボールをトラップした愛さんはそのままドリブルを仕掛けるが、そこにへいば4がディフェンスに入る。

 

へいば4:「行カセナイ [ブリッツブリッジ]」

 

へいば4の足から、電流がバウンドしながら愛さんに襲い掛かる。

 

愛:「はぁあぁあぁっ!! [アクロバットキープ・V4]!!」

 

愛さんは、力強い踏み込みから空中に逃れ、そのままアクロバティックな動きでへいば4を抜き去る。そして愛さんはシュート体勢に。

 

愛:「[爆・爆熱スクリュー]!!!!」

 

愛さんの炎の必殺シュートがへいば1に襲い掛かる。へいば1も必殺技を発動し、

 

へいば1:「[ビームこぶし]」

 

へいば1の右こぶしから高熱レーザー光線がボールに照射される。ボールは中の空気が高温で膨張し膨らみ、内部からの圧に耐え切れなくなったボールは破裂して止められた。

 

 

ピッ、ピッ、ピーーーーッ!!

 

 

ここで前半終了のホイッスルが鳴り、それぞれチームベンチに入る。

 

 

 

 

 

葵:「お疲れ様です。飲み物用意してあります!!」

 

マネージャーの3人がそれぞれ飲み物をメンバーに配り、それを飲みながら後半の作戦を練る。

 

竜太:「で? 後半どうする? 彼方は持ち技の事を考えると代えた方が良いと思うけど・・・・」

 

信介:「ちょっと竜太、彼方先輩は彼女でしょ? そんな事言って良いの?」

 

彼女:「ううん。悔しいけど彼方ちゃんも代わった方が良いと思う。栞子ちゃんお願い出来る?」

 

栞子:「分かりました!!」

 

竜太:「あと侑、この相手に《天帝の眼(エンペラーアイ)》は相性が悪すぎる。普通に必殺技で抜いた方が良い、大丈夫。お前なら負けねぇよ」

 

侑:「うん。そうだね」

 

天馬:「よし、行こう!!」

 

雷門:『『『おう!!!』』』

 

 

 

雷門メンバーチェンジ

 

DF 近江彼方 out → DF 三船栞子 in

 

 

雷門フォーメーションチェンジ

 

FW    剣城  竜太

 

MF 侑    天馬    愛

 

ボランチ   神童 フェイ

 

DF   栞子 霧野 黄名子

 

GK      信介

 

 

そして後半戦開始の合図が鳴り、からくり兵馬俑チームから後半スタート。ボールはへいば6に渡ると、そこに前線から俺がプレッシングを掛ける。へいば6は抜こうとフェイント等を掛けて来るが、全部方向にきってコースを塞ぐ。

 

へいば6は逆方向にコースを変えようとするが、寸前で気付いた様にドリブルをストップする。

 

 

 

しずく:「今、何で行かなかったんでしょう?」

 

彼方:「竜太はね、あえて見方のいる数が多い方に誘導する様にコースを塞いでたんだよ? あのまま行ってたらフォローに入った天馬君にすぐカットされてたね」

 

劉備:「ほう・・・・・・?」

 

 

 

思うように攻められずに攻めあぐねているへいば6。しかし時間を掛けすぎたせいで見方が合流する隙を作ってしまい、剣城にスライディングでボールを弾かれた。そのままボールは俺に転がり、そのままドリブルで攻め上がる。

 

へいば2・4:「「止メル」」

 

2体掛かりでディフェンスに入る兵馬俑。俺は左右の足の踏み込みステップから両足に電流をチャージして超高速の必殺技で抜き去った。

 

竜太:「[ライトニングワープ]!!」

 

そしてディフェンスラインを突破して化身を発動する。

 

竜太:「【海皇龍ブルーヒドラ・零式】!! アァアアァアムドッッ!!」

 

そして化身アームドを発動。【ブルーヒドラ】の化身パワーが身体に漲る。

 

竜太:「喰らえぇえぇええぇえええっ!!!」ドガアアアアンッ!!

 

アームド状態のシュートが兵馬俑ゴールに襲い掛かる。へいば1は必殺技で対抗する。

 

へいば1:「[ビームこぶし]」

 

へいば1の右こぶしから高熱レーザーがシュートに照射される。しかし、俺のシュートはそんな物では止まらずに、へいば1ごとゴールに叩き込まれた。

 

 

 

 

雷門 3 - 1 からくり兵馬俑

 

 

 

ー 続く ー




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第67話:最上階到達 諸葛孔明現る

俺のシュートで雷門が3点目を奪い、3-1と突き放しからくり兵馬俑チームのキックオフから試合再開。

 

からくり兵馬俑チームは細かくパスを繋ぎながら攻め上がり、ボールはへいば7へ。しかしフェイがミキシマックスを発動してディフェンスに入る。

 

フェイ:「ミキシトランス《ティラノ》!!」

 

ティラノサウルスのオーラを自身のオーラと融合しパワーアップするフェイ。必殺技でへいば7を抑えに掛かる。

 

フェイ(ティラノMix):「[エアーバレット]!!」

 

フェイは空気の弾丸を練り上げて、それを思い切りへいば7へ蹴り飛ばしてぶつけて吹っ飛ばしてボールを奪取。そのままドリブルで持ち込む。

 

へいば6:「行カセナイ」

 

フェイ(ティラノMix):「[スカイウォーク]!!」

 

すると、ディフェンスに来たへいば6と接触する前にフェイはボールと共に高くジャンプすると、あろう事か空中で足場無しに連続ジャンプして上から相手を抜き去った。

 

竜太:「凄っげ・・・・・」

 

俺も驚いていると、フェイはロングシュートの体勢に入り必殺シュートを放つ。

 

フェイ(ティラノMix):「[真・古代の牙]!!」

 

フェイのシュートで、赤い牙を纏ったシュートがゴールに襲い掛かる。しかしそれだけでは終わらなかった。

 

天馬:「"チェイン"!! [超・マッハウィンド]!!」

 

そのシュートを更に天馬がシュートチェインで後押しし、更に威力を引き上げる。

 

へいば2:「止メル。[ブリッツブリッジ]」

 

するとシュートブロックに入ったへいば2の足から、バウンドしながら電流が放たれてシュートに直撃。威力を削ぎに掛かる。しかしそんな物では止まらずにシュートはゴールに襲い掛かる。

 

へいば1:「[ビームこぶし]」

 

キーパーのへいば1はまた必殺技を発動。しかしそれでもシュートはゴールに叩き込まれて4-1と更にリードを広げる。

 

 

 

兵馬俑チームのキックオフから試合再開。ボールはへいば7へと飛ぶが、勢いに乗った愛さんが空中で奪い取る。

 

愛:「はぁあぁあァッ!! 【楽しいの天才サイコウ・伍式】!! アームドッ!!」

 

そして愛さんは化身アームドを試みる。しかしやはり化身の力をコントロール出来ずに化身は霧散。消滅し、化身アームドは失敗した。

 

そしてその隙に先ほどの奪われたへいば7が奪い返して、逆サイドのへいば5にサイドチェンジのパスを出す。

 

しかしちょうど良い場所にいた侑先輩がインターセプトして攻め上がる。そして侑先輩はロングシュートの体勢に入る。

 

すると、侑先輩の周囲に黄色、水色、翡翠色、グレー、赤、オレンジ、ピンク、青、紫、緑のせつ菜先輩や栞子、彼方や果林先輩を彷彿とさせる色の光の粒子がボールに凝縮され、虹色に輝き始める。

 

侑:「行くよ!! [ラスティ・ザ・レインボー]!!!」ドッゴォオオォォオォオオンッ!!

 

侑先輩の放った新必殺シュートは、部屋を揺るがす虹色の強大なエネルギーを放ちながらフィールドをえぐり、ゴールに襲い掛かる。へいば1は、必殺技を出す間もなく、ボールごとゴールに叩き込まれた。そして、

 

ピッ、ピッ、ピーーーーッ!!

 

ここで試合終了のホイッスルが鳴り、5-1で俺達が勝利した。

 

へいば:「ギギ 約束ダ。通ルガ良イ」

 

劉備:「よし、行くぞ!!」

 

そして最上階、最後の扉を開けると、美しい花園の様な空間が広がっていた。

 

劉備:「孔明約束だ姿を現せ!! さもなくば誰もが赤面する様な恥ずかしい言葉を叫ぶぞーーーっ!!」

 

・・・・・・・俺達が劉備さんを白い目で見ていると、突然吹いた強風が花びらを巻き上げて目の前で渦を巻き、それが晴れると一人の人間が現れた。

 

劉備:「孔明か!!」

 

孔明:「良く・・・ここまでたどり着けましたね」

 

果南・穂乃果:「「じょ、女性・・・・・・・?」」

 

何と、歴史では男性として書かれている諸葛孔明は、女性だったのだ。

 

 

ー 続く ー




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第68話:強襲!! ザナーク・ドメイン

最上階にたどり着き、孔明さんと邂逅した俺達と劉備さん。しかし、俺達にとっては別の意味でそれどころではない。

 

しずく:「し・・・・諸葛孔明って、男性の筈じゃぁ・・・・・・」

 

竜太:「一体どうなって・・・・・・」

 

フェイ:「多分、天馬達の時代に行くまでの時間の流れの何処かで間違って伝わってしまったんだろうね。歴史は常に真実を伝えているとは限らないから・・・・・・」

 

すると劉備さんが前に出る。

 

劉備:「孔明、ワシは民が生き生きと暮らせる国を創ると決めた!! だが、それには必ずお前の頭脳が必要だ! 頼む。力を貸してくれ!!」

 

劉備さんは孔明さんに頭を下げる。確かこの時代の中国って現代よりも遥かに男尊女卑の習慣が根強いんじゃなかったっけ? 如何に能力のある人でも女性であれば蔑ろにされてる時代だぞ? それなのに女性の孔明さんに平気で頭を下げられる何て・・・・・

 

孔明:「貴方になら、それが出来ると?」

 

劉備:「当然ワシだけでは無理だ!! だからこそ関羽や張飛、大勢の仲間達がいるんだ。曹操が国を手に入れてしまったら、民を蔑ろにする国が出来てしまうかもしれん!!」

 

孔明:ふっ

 

劉備:「曹操に付いても、国は良くならんぞ」

 

天馬:「俺達の目的、話して分かって貰えるかな? 「言わずとも分かっています。見ていましたから」!?」

 

孔明:「ですが、貴方方の中に私の力を扱える者が果たして居るか・・・・・・・来ましたね」

 

竜太:「えっ!!」

 

すると空の彼方から超高速でバイク型のルートクラフトが飛来してきて通り過ぎた後にザナークが立っていた。

 

ザナーク:「よお雷門?」

 

天馬:「ザナーク!!」

 

黄名子:「本っ当しつこいやんね!!」

 

ザナーク:「今回は俺の友達を連れてきたぜ?」

 

すると、ザナークと似たユニフォームを着た10人が現れた。

 

ザナーク:「今回はこの"ザナーク・ドメイン"が相手だ。エルドラドのあんな雑魚と一緒だと思うなよ?」

 

神童:「良いだろう! その勝負受けてやる!!」

 

ザナーク:「ふっ、そう言うと思ったぜ」

 

《フィールドメイクモード》

 

ザナークが赤いスフィアデバイスを操作すると、一瞬でフィールドが構築される。

 

 

 

《タイムワープモード》

ー 現代・沖縄 ー

 

女将さん:「アンタ、イカ焼き三人前! 大至急ね!!」

 

矢島:「あい・・・・・・」

 

カラン

 

女将さん:「あ、もう!! 一体これで何度目よ!!」

 

 

 

ー 孔明の園フィールド ー

バシュウン

 

矢島:「んん!? さあー、本日はここ三国志時代から、雷門vsザナーク・ドメインの試合をお届けするぞーーーっ!!」

 

天馬:「皆行くぞ!!」

 

雷門:『『『おう!!!』』』

 

ザナーク:「クッ、クッ、ク。遊んでやるぜ」

 

フォーメーション

ザナークドメイン

 

GK          シュテン

 

DF    ゴウズ   オーグ   ヤシャ

 

MF シンジャミ メイズ   エンギル  ゴブリス

 

FW    ラセツ        シュラ

 

FW         ザナーク

 

雷門

 

FW     剣城  竜太

 

MF  侑    天馬    愛

 

ボランチ   神童   フェイ

 

DF   彼方  霧野  黄名子

 

GK       信介

 

 

 

そして試合開始の笛が鳴り、雷門ボールで試合開始。ボールは天馬に渡るが、凄まじいスピードで一気に間合いを詰めて来たザナークに純粋なパワーで吹き飛ばされて天馬はボールを奪われる。

 

竜太:「天馬!!」

 

天馬:「だ、大丈夫!!」

 

ドリブルで爆走するザナーク。そこに神童先輩とフェイが2人掛かりで止めに入るが、

 

ザナーク:「無駄だ!!」

 

神童先輩、フェイとザナークが2対1でボールを蹴り合う。しかし、

 

ザナーク:「うらああああああっ!!」ドガアアアッ!!

 

神童・フェイ「「クッ!!」」

 

そして更に進撃したザナークはシュート体勢に入る。

 

ザナークは一瞬でボールと一緒に空中に跳び、黒く邪悪な雷光を纏ったシュートを撃ち出した。

 

ザナーク:「[ディザスターブレイク]!!」

 

とてつもないエネルギーの塊がフィールドをえぐりながらゴールに襲い掛かる。信介は化身アームドを発動して止めに入る。

 

信介:「【護星神タイタニアス・四式】!! アームドッ!!」

 

【タイタニアス】を装備した信介が[ディザスターブレイク]を必死に抑える。しかし化身アームドしているにも関わらず押されているのは明らかに信介の方。そしてついに限界が来て、信介は体ごとシュート諸ともゴールに叩き込まれた。

 

天馬:「信介!! 大丈夫か!?」

 

信介:「くっ、だ・・・大丈夫」

 

信介が立ち上がり一安心する俺達。しかし、こんな物は始まりに過ぎなかった。

 

 

 

再び雷門のキックオフから試合再開。ボールは神童先輩から侑に飛ぶ。侑がドリブルで攻め上がると、シンジャミがディフェンスに入る。

 

シンジャミ:「行かせないわ!!」

 

侑:「《天帝の眼(エンペラーアイ)》!!」

 

侑は眼を使ってシンジャミを抜き去る。しかし、

 

ゴウズ:「[スクリュードライバー]!!!」

 

すぐ後ろに控えていたゴウズのドリルのように渦巻く炎を纏った跳び蹴りがボールに直撃し、衝撃で侑は数メートル後方へ引きづられる。

 

侑:「くっ、まだ!!」

 

ボールを奪われた物の、侑は果敢に向かって行く。ボールは先ほど抜いたシンジャミに渡り、さっきとは攻守が入れ代わって対峙する。

 

侑:「《天帝の眼》!!」

 

シンジャミ:「甘いわ!! [バンジースラスト]!!」

 

シンジャミはボールを足で挟んで振り回すことで遠心力によりボールをゴムの様に引き伸ばして、そのボールを鞭の様に思い切り侑にぶつける。侑は吹っ飛ばされて一回転して転がった。

 

愛:「ゆうゆう!! 「だ、大丈夫・・・・・」」

 

そう言うが、その顔は明らかに焦って焦躁しているように見える。

 

 

 

 

竜太:「侑、まさか・・・・自分のプレーに自信を持てなくなってきてる?」

 

神童:「これまでの戦いで、自分の力が通用しなくなる事を恐れてるのか・・・・・?」

 

 

侑:(まだ監督やコーチが居た頃に言われたんだ・・・・・。雷門の精神的な3本の柱、天馬くん、竜太くん、そして私。先輩の私が、一番先に折れる訳には行かないのに!!! 何で通用しないの!?)

 

 

孔明:「あの子・・・・力で自分を無理矢理従わせようとしている。純粋な想いの中に、危うさがある・・・・・・・面白い子」

 

 

 

ー 続く ー




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第69話:人類最高の英知 諸葛孔明の戦術

シンジャミに対してディフェンスに入った侑。しかし相手の必殺技に抜かれてしまい、ボールはFWのラセツに渡りシュート体勢に入る。

 

ラセツ:「[オーガブレード]!!」

 

ボールの周囲を鬼火の刃が円形に巻き付きゴールに飛ぶ。ザナーク程では無いがそれでも凄いパワーだ。

 

霧野:「ミキシトランス《ジャンヌ》!!」

 

そこに霧野先輩がミキシマックスを発動してシュートブロックに入る。

 

霧野(ジャンヌMix):「[ディープミスト・S]!!」

 

ミキシマックスの影響を受けてパワーを増した霧野先輩自身の必殺技。より深い霧がシュートの威力を減衰させる。

 

信介:「よし!! 【護星神タイタニアス・四式】!! アームドッ!!」

 

そして信介は化身アームドを発動して、今度はシュートをガッチリと止めた。

 

 

 

信介:「天馬!!」

 

そして信介のゴールキックからボールは天馬へ。しかしDFのオーグと空中での競り合いになる。

 

オーグ:「うらあっ!!」ドガアッ

 

天馬:「グッ!? 神童先輩!!」

 

しかし天馬は何とかヘディングでボールを神童先輩に落とす。そして神童先輩から侑にパスが行く。

 

侑:「はああああああっ!! 【戦場の女神ジャンヌ・零式】!! [ー バルキリーロード ー]!!!!

 

侑の化身シュートがザナーク・ドメインゴールに突き進む。キーパーシュテンは必殺技の構えを取る。

 

シュテン:「[サンドカッター]!!」

 

電磁場で集められた砂鉄を用いた鋭利な砂粒のノコギリと侑の化身シュートが激突!! しかし侑のシュートはあっさりと真っ二つにされて止められた。

 

 

 

シュテンからゴールキックでボールはエンギルへ。しかしすぐさまフェイがディフェンスに入る。

 

フェイ:「ミキシトランス《ティラノ》!!」

 

フェイはミキシマックスを発動してパワーアップを計り、

 

フェイ(ティラノMix):「[エアーバレット]!!」

 

エンギル:「ぐあっ!?」

 

フェイの蹴った空気の弾丸に吹き飛ばされたエンギル。フェイはボールを侑に預ける。

 

侑:「な、何で・・・・・?」

 

竜太:「そんなもの決まってるだろ!! 侑がこんな物で終わるような人間じゃないって皆分かってるからだよ!!」

 

神童:「そうだ! 高咲ならやれる!! もっと自分を信じろ!!」

 

侑:「皆・・・・・・うううううああああああああああっ!!! 【戦場の女神ジャンヌ・零式ィイイイイッ】!!!

 

 

 

孔明:「これは・・・・・・!」

 

侑は自身の化身のオーラを暴走寸前の限界ギリギリまで解放。化身シュートの体勢に入る。

 

侑:「[ー バルキリーロォォオオォオドッ ー]!!!!!

 

シュテン:「ッ! [サンドカッター]!!」

 

再び[ー バルキリーロード ー]と[サンドカッター]が激突する。しかし今度はボールはコースが変わっただけで入りはしなかったがクロスバーを越えて後ろに飛んで行った。つまり、今度は侑が押していたということだ

 

侑:「くっ、止められた・・・・・!!」

 

シュテン:(何だ? さっきとはパワーが・・・・・・)

 

 

すると突如として、フィールドに白い龍が出現した。

 

 

矢島:「な、ななな何と、龍が! 突如としてフィールドに龍が出現したーーーーッ!!」

 

劉備:「やはり孔明は龍だったのか!! 「いえ、違うと思います。 ほら!!」」

 

葵が指を指した方を見ると、孔明さんの背から龍の尾に当たる部分が伸びていた。

 

葵:「あれは化身です!! 人の強い心が、形になった物!!」

 

劉備:「それが龍に・・・」

 

葵:「はい!!」

 

 

天馬:「孔明さん、化身使いだったのか!!」

 

すると孔明さんの化身の龍は侑に向かって一直線に飛び立つ。そして侑の身体に吸い込まれると、侑が激しい光に包まれる。

 

光が止むと、髪型が普段のツインテールからポニーテールに変化し髪の色も紫色の、緑メッシュの部分は薄いピンク色に変化した侑が立っていた。

 

竜太:「ゆ、侑・・・・・・・?」

 

侑(孔明Mix):「フフッ・・・・・・・」

 

ワンダバ:「まさか! 強制ミキシマックスか!? 信じられん・・・・・本当に出来る人間が居るなんて・・・・・」

 

侑(孔明Mix):「力が溢れて来る・・・・・。皆!! 次のザナークドメインの攻撃の時、私の指示通りに動いて!!」

 

 

雷門のコーナーキック。キッカーは愛さん。笛が鳴り、助走をつけた愛さんが思い切り左足を振り抜きゴール方向へカーブするボールを蹴る。

 

シュテン:「甘い!!」バチン

 

キーパーシュテンがパンチングでボールを弾くとボールはザナークへ。

 

侑(孔明Mix):「来たよ皆!!」

 

すると俺達は内側を三人でザナークを取り囲むように右方向へ、外側は左方向へと走る。

 

ザナーク:「何だぁ? それでパスもドリブルも封じたつもりか? 分かってんだよ! そこががら空きだぜ!!」

 

するとザナークは俺達の包囲に開いた僅かな穴を通してパスを出す。しかし、

 

侑(孔明Mix):「はい貰いっ!!」

 

ザナーク:「何っ!?」

 

 

関羽:「あれは・・・・"奇門遁甲の陣"か?」

 

孔明:「さすが・・・ご存知でしたか」

 

劉備:「きもん・・・トンコー? 何だそれ?」

 

孔明:「"奇門遁甲の陣"。完全に包囲された人間は、包囲を突破しようと全力で襲い掛かって来ます。しかし、あえて一カ所だけ穴を開けておくことでそこから力を逃がす・・・つまり誘導することが出来るのです」

 

劉備:「そんな事が・・・・・・」

 

穂乃果:「これが、"人類史上最高の頭脳"と言われた、諸葛孔明の戦術・・・・」

 

果南:「凄すぎるよ・・・・・!!」

 

 

 

そして、ここで前半終了の笛が鳴った。

 

雷門 0 - 1 ザナーク・ドメイン

 

 

 

ー 続く ー




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第70話:激突!! 劉備 vs 曹操

侑が孔明さんとのミキシマックスを成功させ、新たな必殺タクティクス《奇門遁甲の陣》でボールをカットした所で前半を終了し、ハーフタイムに入る。

後半もメンバーチェンジは無しでこのまま行くそうだ。そして水分補給を完了して、ピッチに出る。

 

 

そしてザナーク・ドメインボールで後半戦開始。ボールはシンジャミに渡り、そこに孔明さんとのミキシマックス状態の侑がディフェンスに入る。

 

シンジャミ:「お前如きに止められる物か!!」

 

侑(孔明Mix):「それはどうかな? 《聖魔の眼(フォービドゥンアイ)》!!!」

 

ミキシマックスにより孔明さんのフィールド全体のコートビジョンが加わった事により侑の《天帝の眼(エンペラーアイ)》がパワーアップされ、今までは相手一人に対してだった物がフィールドの敵味方全員1度に《天帝の眼》で見る事が出来るようになった。そして、《天帝の眼》自体の力も強化されており、シンジャミの動きを完璧に見切りあっさりとボールを奪い取った。

 

シンジャミ:「なっ!?」

 

するとザナーク・ドメインは急いで侑を止めに入る。すると侑は左方向へとディフェンスを躱す動きをする。実際身体も顔も左を向いている。しかし、足でクイックの逆方向への払いで此方にノールックでパスしてきた。

 

ザナーク・ドメインのディフェンスは、カットはおろかボールに触れる事さえできず、まるで針の穴を通すかのような鋭く正確なパスで俺に完全フリーで渡った。

 

竜太:「うおっ!? マジか!! ナイスパス!!」

 

そして俺はシュート体勢に入る。因みにアームドはしてない。

 

ボールに極大のオーラの塊を纏わせてオーバーヘッドで下に落として先回りの左足足払いで空気の膜をコーティングする。

 

竜太:「[ラストリゾート・V4]!!!」

 

俺の左足から、フィールドを破壊しながら突き進む岩石の龍が放たれる。シュテンは必殺技で応戦してきた。

 

シュテン:「[サンドカッター]!!」

 

電磁場で生み出された砂鉄のノコギリがシュートに激突する。しかし、砂鉄は瞬く間に散り散りになり、シュートはシュテン諸ともザナーク・ドメインゴールに叩き込まれた。

 

ザナーク・ドメイン:『『『!?』』』

 

竜太:「よし!!」

 

 

 

雷門が同点に追いつき、ザナーク・ドメインボールで試合再開。ボールはザナークが持ち、またしても単身力任せに突っ込んで来る。

 

霧野:「止める!! "ミキシ・・・・・「遅い!!」」

 

ミキシマックス中の隙を突かれてディフェンスを失敗した霧野先輩。ザナークはシュート体勢に入る。

 

ザナーク:「[ディザスターブレイク]!!」

 

ザナークのシュートが黒光する雷光を放ち、フィールドを削り取りながらゴールに迫って来る。信介は化身アームドを発動する。

 

信介:「【護星神タイタニアス・四式】!! アームドッ!!」

 

化身アームドした信介は真正面からザナークのシュートを受け止める。しかし吹き飛ばされてしまい1-2とまたリードを赦してしまった。

 

 

天馬:「信介大丈夫か!?」

 

信介:「何なのあのシュート・・・・・・? 今まで受けてきたどんなシュートとも違う・・・・・。あんなの止められないよ・・・・・・・」

 

 

 

孔明:「いけません。彼の気が消えかかっている。今のままでは決して勝てません。となれば、最良の選択は逃げる事です」

 

劉備:「逃げるだと!? そんな物はダメだ!!」

 

孔明:「私は"今のままでは"と言いました。逃げないというなら、状況を打開する策が必要です。ですが・・・・・」

 

劉備:「立て信介!! まだ戦いは終わってない!!」

 

信介:「でも、僕の力じゃ・・・・」

 

劉備:「ワシだって一人では曹操に太刀打ち出来ん。だからこそ関羽や張飛、大勢の仲間達が居る。それは、民の笑顔という"守りたい物"があるからだ。民の笑顔が無ければワシは死んでしまう。水が無くては生きられん魚の様にな!! 信介、守りたい物があるんだろう? だからこんな時代にまでやって来たんだろう? なのにおめおめと逃げ帰って良いのか!?」

 

信介:「・・・・・・そうだ。僕たちが負けたら、サッカーが消えちゃうんだ。サッカーが無くなったら、僕が僕じゃ無くなっちゃう!! 劉備さん、僕やります!!」

 

孔明:「何と!! 劉備様の言葉が、彼に立ち直る力を与えたというのですか!?」

 

劉備:「信介、ワシを使え!! ワシとお前の力が合わされば、例えどんなシュートでも止められる筈だ!!」

 

 

大介:「ムッ!! 今だ!劉備と信介をミキシマックスだ!! 今なら行ける!!」

 

ワンダバ:「分かった!! 行くぞ信介!! ミキシマ~ックス!!」

 

劉備:「うおっ!! オオオオオオオオオッ!!」

 

信介:「でぇあああああああああっ!!!」

 

そして、光が晴れると、青色の髪に変化し、オーラが膨れ上がった信介がいた。

 

ワンダバ:「ミキシマックス、コンプリート!!!!」

 

竜太:「信介!!」

 

 

 

信介が劉備さんとのミキシマックスを成功させ、雷門ボールで試合再開。

 

ザナーク:「ほう? 劉備とのミキシマックスを成功させたか。ならこっちもだ!! ミキシトランス"曹操"!!」

 

劉備:「何っ!? 曹操だと!! 奴はまさか曹操の力を奪って来たのか!?」

 

ザナーク:「残念ながら(いただ)いたのはこれだけじゃ無い。来い!! 【剛力の玄武】!!」

 

するとザナークは、見るからにパワーがありそうな化身を発動した。

 

ザナーク:「これが、"軍神"曹操の化身だ。行くぜ!!」

 

するとザナークはボールを持った天馬を物凄い力で吹き飛ばしてそこからロングシュートを撃って来た。ただのノーマルシュートの筈なのに、先ほどの[ディザスターブレイク]と同等かそれ以上のパワーを感じる。

 

竜太:「信介ーーーーーーっ!!」

 

信介(劉備Mix):「止める!!!」ドガアアアッ

 

そのシュートを、何と信介はただのノーマルキャッチで止めてしまった。

 

ザナーク:「っ!! やるじゃねえか!! 面白くなって来たぜ!! これもエルドラドのジジイどもから渡されたこの、"オウミ"とか言う石のおかげだな」

 

果南・竜太:「「!?」」

 

あの青いクロノ・ストーンが・・・・・親父?

 

 

ー 続く ー




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第71話:さらば三国時代

・・・・・・・あの蒼いクロノ・ストーンが、親父?

 

ザナークの呟いた言葉に俺と母さんが絶句する。

 

天馬:「竜太っ!! 今試合中だよ!!」

 

竜太:「っ!! くそ!! 必ず奪い返すからな!!」

 

信介のゴールキックからボールは神童先輩へ。そしてエンギルと競り合いになるが、上手く空中で身体を入れ替えてスルーさせて。ボールをキープする。

 

神童:「高咲!! 今のお前と俺のゲームメイクが合わされば、必ず点を取れる!! 行くぞ!!」

 

侑(孔明Mix):「うん!!」

 

神童:「ミキシトランス!! "信長"!!」

 

そして神童先輩もミキシマックスを発動し、"静と動を併せ持つ真実のゲームメイカー"の力を身に宿す。

 

神童(信長Mix):「行くぞ高咲!! 必殺タクティクス《王者のタクト》!!」

 

神童先輩の《神のタクト》をミキシマックスした侑がフィールド全体のコートビジョンでゲームメイクをサポートする。信長と孔明、時代と国は違うが、歴史に名を残した二人の天才戦術家の連携指揮により、ザナーク・ドメインは誰一人此方の動きを捕らえられない。

神童先輩の信長の戦術眼で力を増した《神のタクト》を、侑の孔明の力がより完璧な物へと昇華させる。

ボールはあっという間に前線に渡り侑がフリーでシュート体勢に入る。

 

侑(孔明Mix):「孔明さん・・・・・貴女の力、使わせて貰います!!」

 

侑が天高くジャンプすると、侑の身体が急に立ち込めた雷雲の中に突っ込む。すると侑は、頭を下にしてボールと共に雷雲を引っ張りながら回転して落ちて来る。そして、回転の勢いをシュートに利用して思い切りボールにオーバーヘッドキックを叩き込む。するとボールは激しいイナズマと暴風、雷雲を纏ってフィールドを削りながらゴールに突き進む。

 

侑(孔明Mix):「[天地雷鳴]!!」

 

侑の強烈な必殺シュートにシュテンも必殺技で対抗を試みるが、技を出す間もなく、侑のシュートはゴールに叩き込まれた。

 

ザナーク(曹操Mix):「同点か・・・・・・中々やるじゃねえか」

 

 

 

ザナーク・ドメインボールで試合再開。ボールはザナークが持ち、再び単身パワードリブルで突っ込んで来る。するとザナークは発動していた【剛力の玄武】を解除すると、何故かもう一度化身を出した。って・・・・はあっ!?

 

何と、ザナークは一人で化身を2体持っていたのだ。

 

ザナーク(曹操Mix):「さっきの【剛力の玄武】は曹操の化身、そしてこれがこの俺本来の化身、【魔界王ゾディアク】だ!!」

 

侑(孔明Mix):「嘘でしょ!? ミキシマックスの相手が化身使いだったら、一人で化身を2体持てるって言うの!?」

 

ザナーク(曹操Mix):「そんな事も知らなかったのか? 行くぜ!!」

 

ザナークが突っ込んで来る。しかしそのパワーは【玄武】などの比では無かった。

 

霧野:「止めっ・・・・・「無駄だ!!」ぐあああっ!!」

 

神童:「霧野!!」

 

そしてザナークはシュート体勢に入る。【ゾディアク】の刃翼から赤黒いオーラがボールを囲み、邪悪な牢獄を作り出す。それをザナークは上から両足で同時に踏む様に蹴り落とした。

 

ザナーク(曹操Mix):「ー レッドプリズン ー!!!!

 

ザナークのミキシマックスにより更にパワーを増した化身必殺シュートが信介に牙を剥く。

 

信介(劉備Mix):「止める!!」

 

すると、ゴールの周りが水墨画で描かれた岩山の様になり、そこへシュートが突っ込む。信介が跳んで手でシュートを地面に叩きつけると同時に水墨画の巨大な岩石の手が共にシュートを叩きつけた。

 

信介(劉備Mix):「[大国謳歌]!!」

 

そして信介は、あの強烈な必殺シュートを完璧に防いで見せた。

 

ザナーク:「っ!! 面白い・・・・・面白いぞ雷門!! 気に入った。本気で叩き潰してやる!!」

 

天馬:「なっ!! あれでまだ本気じゃ無かったって言うのか!?」

 

ザナーク:「行くっ・・・・・ドクンッ!!ッ!!な、何だっ!? 身体が!! ぐああああああああああああああああっ!!?」

 

するとザナークから、とてつもない量の強大な力の奔流が溢れ出る。

 

劉備:「な、何だ!?」

 

孔明:「あの者の力が暴走しているのです。今は逃げるべきです」

 

劉備:「な、だがまだ・・・「このままここにいては、全員の命に関わります!! それでもまだ続けますか!?」何っ!! 仕方ない、皆行くぞ」

 

孔明:「此方です!!」

 

そして俺達が脱出口に飛び込んだ瞬間、背後から大爆発する音が聴こえてきた。危ねー。間一髪じゃんか。

 

 

 

 

ー 孔明の屋敷前 ー

 

信介:「こんな所に隠し通路があったんだ・・・・」

 

劉備:「孔明、皆を逃がしてくれて礼を言う。それと、やっと話せるな」

 

孔明:「・・・・・・・・・・・・・」

 

劉備:「頼む孔明。ワシと来てくれ・・・「・・・・良いでしょう」そうかダメか・・・え? 良いのか?」

 

孔明:「そう言いましたが? それに私がいなければ、貴方は戦には勝てないでしょうし」

 

関羽・張飛:「「なにっ!?」」

 

孔明:「貴方の長所と短所は全く同じ。一度決めたら決して曲げないその強すぎる意思。しかし、戦においては状況に応じて考えを変えることが求められます。しかし考えを曲げなければ、それが致命的な敗因となりうる。「む・・・確かに」ですから私が指針となり、考えの変え時を伝えましょう」

 

劉備:「ワシの考えを変えさせるか・・・・・」

 

孔明:「私が居れば、もう貴方に負けはありません。それに何より、貴方の様な方が国を治めたらどうなるかを見てみたくなりました」

 

劉備:「生意気な奴め、よし、今日から仲間だ!! 宜しく頼むぞ! 孔明!!」

 

信介:「何か良いね。劉備さんと孔明さん。昔からの友達みたいだ」

 

フェイ:「よし、じゃあ僕たちは帰ろうか」

 

そして俺達がTMキャラバンの所に戻ると、孔明さんと劉備さんが見送りに来てくれた。

 

劉備:「お前達には世話になったな。ありがとう」

 

孔明:「皆さん、あのザナークという男は恐ろしい力を持っています。恐らくは・・・・自分自身でも気づいていない力を。ですが私が力を貸したあなたたちなら、退けられるかもしれません。侑さん、私の力の使い方を・・・・決して間違わぬ様に」

 

侑:「はいっ!!」

 

ワンダバ:「よし、では行くぞ」

 

俺達がTMキャラバンに乗り込むと、キャラバンは離陸を開始。そしてワームホールを作り、現代へと帰還した。

 

 

 

 

ー 孔明の園 ー

 

ザナーク:「はあ、はあ・・・・・何なんだこの力は、自分でもコントロール出来ない程に大きいと言うのか・・・・・面白い・・・・」

 

?:「君は目覚め始めてるんだ。"セカンドステージチルドレン"の力に」

 

ザナーク:「お前は?」

 

 

 

ー 三国志編・完 ー

 

To Be Continued・・・・・・




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第72話:遭遇からの無双

無双・・・・・・果たして誰ですかね~?

始まります。


三国志の時代から現代へと帰還した俺達。だが、俺と母さんはせっかくの親父を取り返すチャンスを逃してしまった事を悔やんでいた。

 

竜太:「くそ・・・・・っ」

 

フェイ:「竜太、多分これからはザナーク・ドメインを倒すまではあいつらが相手だから次に勝てば大丈夫だよ!!」

 

竜太:「ああ・・・・・悪い・・・・・・・」

 

フェイ:「でも、僕は竜太が羨ましいよ。竜太をこんなにも大事に思ってくれる両親がいて・・・・・・「へ?」」

 

俺がどういう事かを聞こうとしたら、大介さんが続いてのターゲットを発表すると言うので後回しにする。

 

大介:「よし、では発表する。次も同じ時代に2人のターゲットがいる。"5の力、海のように広い心で攻守を繋ぐ掛橋となるスーパートリッキーMF"には、《坂本龍馬》!! "6の力、稲妻の様に切り込む速さ、電光石火のスピードストライカー"には、《沖田総司》の力を頂く!!」

 

水鳥:「沖田!?」

 

竜太:「坂本龍馬って確か《大政奉還》と《薩長同盟》の人だよな? 歴史だとそこから今の日本に向けて進んで行った訳だから結構重要人物じゃね?」

 

水鳥:「ああ!? 竜太お前滅び行く幕府と京の町を守った新選組の男気が分からねえのか!?」

 

愛:「はいはいそこまで!! で、アーティファクトは?」

 

大介:「ああ、それなら・・・・・「ここよ」おお、西木野、間に合ったか」

 

天馬:「真姫さん、鞠莉さん」

 

鞠莉:「これがマリー達のツテで入手したアーティファクト、"坂本龍馬の記念写真"よ!!」

 

せつ菜:「今までも大概でしたけど、こんな貴重な物をどうやって手に入れてるんでしょうかね?」

 

鞠莉:「それはTop Secretデース!!」

 

フェイ:「よし、じゃあ早速タイムジャンプのメンバーを、「待って、果南がどうしても行きたいみたい何だけど良いかしら?」あ、分かりました」

 

大介:「それではメンバーを発表する。竜太、天馬、神童、霧野、信介、剣城、高咲、宮下、菜花、フェイ、三船、エマ、三国、朝香、優木、上原。以上!!」

 

そして俺達と母さん、真姫さん、鞠莉さんを乗せたTMキャラバンは、現代からタイムジャンプした。

 

 

 

ー 1867年 幕末・京都 ー

 

ワンダバ:「よし、着いたぞ!! それでは早速、ワンダバスイッチ、オン!!」

 

すると俺達の服が着物に変わる。

 

鞠莉:「ワーオ!! アメイジーング!!」

 

真姫:「凄いわね未来って・・・・・」

 

フェイ:「よし、じゃあ二手に別れてそれぞれ龍馬と沖田を探そうか。」

 

信介:「2人一緒に居てくれれば楽なのに・・・・・・」

 

水鳥:「馬鹿!! 遭遇何かしたら斬り合いになるぞ!!」

 

天馬:「もしかしてその2人って敵同士だったんですか?」

 

真姫:「そんな事も知らないの? 沖田総司は幕府を守るのが仕事、対して坂本龍馬は幕府を倒そうとする倒幕軍の幹部。敵なの当たり前でしょう・・・・・?」

 

フェイ:「まあ取り合えず別れましょうか」

 

《坂本龍馬》探索チーム

天馬、竜太、神童、信介、愛、フェイ、栞子、せつ菜

 

 

《沖田総司》探索チーム

剣城、黄名子、三国、霧野、侑、果林、歩夢、エマ

 

そして二手に別れた俺達は、北と東に別れた。

 

ー 竜太 Side ー

 

俺達は北の町の方へと向かう道を歩いていた。季節は秋な様で、たんぼが金色の稲穂で埋め尽くされていた。

 

天馬:「んん~っ!! こうしてると平和何だけどね~」

 

するとそれがフラグになったのか、前方から何かでかい物が凄い勢いで転がって来た。

 

竜太:「天馬! お前っ・・・・フザk・・・・・ドガアアアアアアン『『『ギャアアアアアアッ!?』』』」

 

俺達は、その何かにボウリングの様に跳ね飛ばされてしまった。

 

?:「坂本ーーーーーっ!!」

 

竜太:「へ?」

 

後から来たもう一人、(こちらはシュッとした体型)の呼んだ名に俺達を吹っ飛ばした何かと俺が反応する。

 

?:「んーーー!! プハァッ! ん? スマン、怪我は無いか?」

 

するとそこへ、

 

隊士:「待てーーーっ!!」

 

せつ菜:「あの羽織り、新選組!?」

 

隊士:「追い詰めたぞ坂本!!」

 

坂本?:「へん、そんななまくらで俺っちを切れるかな? 「問答無用!!」」

 

そして新選組が斬りかかるが、坂本と呼ばれた人の明らかにメタボな腹で吹っ飛ばされる。

 

新選組:「ぐあっ!!」

 

坂本?:「へん、そんな剣技じゃあこの《坂本龍馬》には通用せんぞ」

 

へ・・・・・・・・?

 

雷門:『『『えええええええええええええっ!!?』』』

 

俺達がおどろいていると、突然謎の男たちが乱入してきた。

 

?:「ふん、刀で斬り合いか。古いな。「邪魔立てか!!」オラッ!!」

 

隊士:「うわっ!?」

 

竜太:「な、何だあいつら? エルドラドか?」

 

フェイ:「恐らく、エルドラドが現代の人間をマインドコントロールして送り込んで来たんだ!!」

 

果南:「嘘っ!?」

 

洗脳された選手:「雷門イレブン!! サッカーバトルだ!!」

 

竜太:「受けてt・・・・・「竜太、お母さんにもやらせて欲しいな? 」ゾクッ わ、分かった」

 

そして、GK信介、DF栞子、MF愛さんと母さん、FW俺の1-2-1でサッカーバトルが始まり雷門ボールで攻め上がる。ボールを愛さんに出そうとしたが、背後から母さんの無言の威圧感が恐ろしく母さんに出す。

 

果南:「うん。よろしい♪」ニコッ

 

雷門:(((((怖っ!!)))))

 

ここからは言うまでもなく母さんが一人で無双しあっという間に決着が着いた。

 

俺達いる意味無かったような・・・・・・・

 

洗脳された選手:「あ、あれ? 俺達何を・・・・・」

 

勝利した事で彼らの洗脳が解けて現代に送還される。

 

龍馬?:「何だ今の!?」

 

あ、忘れてた。

 

天馬:「サッカーです。 あの、本当に坂本龍馬さん何ですか?」

 

龍馬:「ん? そうだが?」

 

竜太:「でも・・・・・・」

 

葵:「体型が・・・・・・」

 

愛:「信じられない・・・・・」

 

?:「嘘じゃ無いぞ。コイツが誰にも不可能と言われた《薩長同盟》を成し遂げた坂本龍馬だ」

 

マジ? どういう事・・・・・・・?

 

 

ー 続く ー




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第73話:過去からの繋がり

今回オリジナル設定が入ります。


竜太:「あ、貴方が龍馬さん?」

 

龍馬:「ん? 俺を知ってるのか?」

 

竜太:「まあ一応。隣の貴方は・・・・・」

 

?:「ああ、私は"中岡慎太郎"だ」

 

マジか、また幕末の有名な人が・・・・・

 

龍馬:「なあなあ!! さっきの球を蹴る遊戯はどこの国のだ? 日本じゃ見ないからたぶん異国のだろ? メリケンか? エゲレスか?」

 

天馬:「メリケン? エゲレス?」

 

せつ菜:「この時代の日本でのアメリカとイギリスの呼び名ですよ。近代サッカーの発祥はイギリスなのでエゲレスですね」

 

龍馬:「おお! エゲレスか!! やはり世界は広いな! しらん物がたくさんある」

 

龍馬さんは目を子供の様に輝かせていたが、中岡さんが俺達に質問してきた。

 

中岡:「所で君達は? 坂本の事を知っているようだったが」

 

竜太:「ああ、はい。ただ・・・・・俺達の知ってる坂本龍馬さんと同じ事をしてるので本人に間違いないと思うんですが、体型が余りにも違うんですよね・・・・・」

 

龍馬:「体型?」

 

中岡:「因みにどこで知ったんだ? 幕府関係者でなければ私たちの詳しい名前までは知らない筈何だが・・・・・・」

 

竜太:「学校・・・・・え~っと、寺子屋って言えば分かります? そんな感じの場所で日本史の授業で習いました」

 

天馬:「ちょっ、竜太!?」

 

中岡:「日本史で習った・・・・・? もしかして・・・・・君達はひょっとして"未来"から来たのか?」

 

!? どうしてそれを? すると、ここで思いがけない言葉が出てきた。

 

中岡:「君達は"獅子丸"という名前を聞いた事は無いか?」

 

天馬:「!! 俺達が戦国時代に行った時に一緒に戦った男の子の名前です!! 何で・・・・」

 

中岡:「ああ、その人は私の300年程前の戦国時代でのご先祖何だよ。私の6世代程前の先祖が土佐に移り済んでな、それでも一族代々君達のことを伝えて来られたんだよ。もし自分の子孫が再び君達の隣に立つことがあれば力を貸してやってくれと。まさか私の時代で目の前に現れるとは思わなかったが」

 

嘘でしょ!? こんな所で歴史が繋がるなんて・・・・・すると今まで黙っていた龍馬さんが、

 

龍馬:「お前ら未来から来たのか?」

 

天馬:「はい。この時代では龍馬さん、そして、沖田総司の力を貰いに」

 

龍馬・中岡:「「沖田!?」」

 

竜太:「勿論お二組が敵同士なのは分かってます。ですが・・・・・」

 

中岡:「坂本の力がいると言うのはえっと、ミキシ何とかと言うやつか」

 

フェイ:「それも聞いてるんですか・・・・・」

 

龍馬:「様は俺っちに何か力を貸して欲しいのか?」

 

竜太:「はい」

 

龍馬:「ん~~分かった! ただし俺っちの頼みも聞いて貰うぜ?」

 

な、何だろう・・・・・無茶を言われないと良いけど・・・・・

 

龍馬:「サッカーを教えてくれ!!」

 

愛:「何だそんな事か・・・・問題無いよねリュウ?」

 

竜太:「はい!!」

 

そしてボールを蹴れる広い場所へと移った。

 

 

ー 剣城側・沖田探索Side ー

 

俺達は、恐らく沖田がいるであろう新選組の頓所を探していた。町の人に聞いて回るが、皆口を揃えて・・・

 

町人:「新選組には関わらないほうが良い。眼を着けられたら何をされるか分からない・・・・・」

 

侑:「大分恐れられてる見たいだね・・・・」

 

歩夢:「と言うより、私たちは沖田総司の顔を知らないのにどうやって見分ければ良いの?」

 

言われて見れば・・・・・

 

水鳥:「そりゃあイケメンかどうかだよ。イケメンじゃない沖田総司なんてありえねえ。あと、沖田は肺の病気を患ってて、志半ばで亡くなったと言われてるんだ。美男薄命って奴だな」

 

剣城:「病気・・・・・・」

 

すると、良く時代劇で目にする水色の羽織りお着た侍が二人歩いていた。

 

水鳥:「あっ、あれ新選組の羽織り!!」

 

すると黄名子が二人の隊士に突撃した。

 

黄名子:「あの~ひょっとして沖田さん?」

 

隊士:「ん? 何だこの娘? 何故沖田を?」

 

水鳥:「馬鹿!! 黄名子何をやって・・・「何か怪しいな、頓所まで連行するぞ」ゲッ!?」

 

隊士がこちらにジリジリと迫って来る。すると、新選組の羽織りなのだが、色が白い羽織りを着た巨漢の男が隊士に声を掛けた。

 

?:「お前達何をやっている!!」

 

隊士:「局長!!」

 

水鳥:「局長!? って事は!!」

 

?:「ん? ・・・・で、お前達何故この子達に?」

 

隊士:「いや、怪しかったので・・・・頓所で尋問しようかと「バアン!!」 ビクウッ」

 

局長と呼ばれた男性は額に青筋を浮かべて隊士達を怒鳴った。

 

?:「確かに今の時代、人を疑う気持ちはわかる。だが、大の大人が二人掛かりで、しかも武器になるような物も持っていない子供達に刀を向けようとするとは何事だ!!!! 頓所で頭を冷やして来い!!」

 

隊士:「「は、はいっ!!」」

 

そして二人の隊士は去って行った。

 

?:「ウチの部下が悪かったな」

 

水鳥:「い、いえ!! こんな時代ですから仕方ないですよ! そ、それより、もしかして"近藤勇"さんですか!?」

 

近藤:「ん? 如何にも! 私が新選組局長、近藤勇だ」

 

水鳥:「生で見れるなんて・・・・・・もう死んでも良い・・・・」

 

近藤:「この子どうした?」

 

霧野:「この人、新選組がカッコイイって。なので局長の近藤さんに会えて感激してるんです。ほら、恍惚とした表情してるでしょ?」

 

近藤:「む、ハハッ、そうか我々を応援してくれているのか。ありがとう」

 

水鳥:「い、いえ!!」

 

近藤:「見回りがあるから私はそろそろ失礼するよ」

 

そして、近藤勇は去って行った。

 

そして、

 

 

 

ー 路地裏 ー

 

近藤:「怪しい者は・・・「よう、お前が近藤勇か?」誰だ貴様!!」

 

ザナーク:「お前の存在をちょっとばかし貸して貰うぜ?」

 

《封印モード》

 

近藤:「なっ!? うわああああああっ!!」

 

ザナーク:「これでこの時代では今は俺が近藤勇だ」

 

 

そのころ、ようやく俺達は新選組の頓所を発見していた。

 

ー 続く ー




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第74話:病床の剣士

ー 剣城・沖田探索Side ー

 

俺達がは新選組の頓所を発見し、どうやったら怪しまれずに沖田を探せるかと悩んでいた頃・・・・・・・

 

 

ー 新選組頓所内 ー

 

隊士:「副長、近藤さん・・・帰って来るのが遅くないですか?」

 

?:「近藤さんに限って何かあったとは思えないが・・・・・ちょっと探しに行ってくる「その必要は無いぜ?」っ!! 誰だ!!」

 

ザナーク:「よう」

 

?:「貴様・・・・一体どこから現れた!! それにその羽織りは近藤さんの!!」

 

ザナーク:「ああ、今は俺が近藤勇だ「っ!! ふざけるなああああああっつ!!」おっと」

 

?:「新選組副長、土方歳三、参る!!」

 

ザナーク:「うっとうしい」

 

《封印モード》

 

土方:「なっ!? うわああああああっ!!」

 

隊士:「副長!? おのれえええええっ!!」

 

《マインドコントロールモード》

 

ザナーク:「俺が近藤勇だ。分かったな?」

 

隊士:「はい。局長」

 

その頃、

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

ー 新選組頓所・2階 ー

 

一人の新選組の隊士が、寝ていた布団から起き上がり、羽織りを羽織って市中の見回りに行こうとしていた。

 

?:「ゴホッゴホッ・・・・こうしてはいられない・・・・」

 

ザナーク:「ほう? まだ隊士が残っていたか・・・「な!? 何者だ貴様!! それにその羽織り、近藤さんの!!」今は俺が近藤勇だ」

 

?:「ふざけるな!! 近藤さんを何処へやった!!」

 

《マインドコントロールモード》

 

?:「ぐっ!! 何と強い気だ・・・・・・貴様妖術使いか!?」

 

ザナーク:「ほう、マインドコントロールが効かないか・・・・。お前は強靭な精神力の持ち主だな。名前は?」

 

?:「新選組一番隊隊長、沖田総司!!」

 

ザナーク:「沖田? そうかお前が・・・・・「ぐっ、ゴホゴホ」だがその様子では、動くのもやっとの様だな」

 

沖田:「くっ・・・・・」

 

ザナーク:「お前・・・・力が欲しく無いか? その病を物ともせずに、自由に動き回れる力が」

 

沖田:「な、何・・・・・・・?」

 

ザナーク:「俺はお前にその力を与える事ができる。そしてやってもらいたい事があるんだ。お前ら新選組の目的とも利害は一致する筈だぜ?」

 

沖田:「止めろ!! 俺に何をさせようと・・・・・・「坂本龍馬を排除して貰いたいのさ」な、何?」

 

ザナーク:「どうだ? 乗るか?」

 

沖田:「・・・・・・本当にそんな事が出来るのか?「ああ。任せておけ」」

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

霧野:「どうする? 中に忍び込むのはリスクがデカすぎるぞ・・・・「沖田さん!! 出歩いて大丈夫何ですか!?」 沖田!?」

 

頓所の入口に目をやると、紫色の髪をした爽やかイケメン隊士がいた。

 

水鳥:「あれが沖田総司!!」

 

黄名子:「本当にイケメンやんね!!」

 

 

 

沖田:「坂本龍馬の目撃情報があったと言うのは本当か?」

 

隊士:「はい。町外れで、見慣れない子供達と球を蹴って遊んでいたと・・・・・「遊んでいた・・・・? 呑気な奴だ・・・・叩き斬ってやる!!」」

 

そして、沖田総司は走って行った。

 

剣城:「俺達も行くぞ!!」

 

そして、俺達は沖田総司を追い掛けたが、

 

侑:「な、何なのあの無茶苦茶なスピード!!」

 

霧野:「日頃から走って鍛えてる俺達でもドンドン引き離されてるぞ!?」

 

剣城:「おかしい・・・・病気じゃ無かったのか?」

 

 

 

その頃、

 

 

ー 竜太&天馬 龍馬Side ー

 

愛:「龍馬さん行くよ~!!」

 

龍馬:「良し来い!!」

 

そして愛さんが山なりにボールを蹴ると、龍馬さんは体型に似つかわしくない俊敏な動きでボールをトラップした。

 

愛:「おお~っ!! りょうさん上手い!!」

 

龍馬:「りょうさん?」

 

竜太:「ああ、あだ名です。彼女は気に入った人はあだ名付けて距離を縮め様とするんですよ。おかげで俺達の時代じゃ彼女の友達目茶苦茶多いんですよね」

 

龍馬:「ほう、そうか・・・・・所で、お前達の時代じゃサッカーが盛んなのか?」

 

天馬:「そうです。」

 

愛:「サッカーの世界一の国を決める大会もあるくらいだからね」

 

龍馬:「世界一を決める!? そいつは凄いな!! ありとあらゆる異国の人間も夢中になってる訳だな?」

 

竜太:「はい。大会は大人は4年に一度、子供は毎年あるんですけど、その両方で日本が世界の強豪たちを敗って世界一に輝いた事もあるんですよ?」

 

龍馬:「本当か!? 凄いな!!「坂本龍馬ーーーーーっ!!」? うおっ!! お前は!!」

 

中岡:「沖田!!」

 

愛:「へ!?」

 

沖田総司が龍馬さんに斬りかかるが、それを尽く軽い身のこなしで躱す龍馬さん。しかしそこに乱入者が現れた。

 

ザナーク:「おい沖田、約束を忘れちゃ困るぜ? そいつを始末するのはサッカーで勝ってからだ「っ・・・・・・そういえばそういう話だったな」」

 

せつ菜:「ザナーク・ドメイン!!」

 

ザナーク:「龍馬を賭けてサッカーバトルだ。良いな?」

 

龍馬:「おん? 俺っちが賭かってんなら、出ないわけにはいかねえな」

 

沖田:「坂本龍馬を渡してもらう・・・・・」

 

《フィールドメイクモード》

 

そしてサッカーバトルのコートが構築され、

 

 

サッカーバトル

ザナーク・ドメイン

 

GK    シュテン

 

DF    ゴウズ

 

MF    エンギル

 

FW ラセツ     沖田

 

雷門

 

FW     竜太

 

MF 愛       龍馬

 

DF     栞子

 

GK     信介

 

そして、バトルが始まった。

 

 

 

ー 続く ー



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第75話:沖田との勝負

沖田さんとザナーク・ドメインチームVS雷門のサッカーバトルは雷門のキックオフからゲーム開始。ボールを龍馬さんに預けると、沖田さんは凄まじいスピードで一気に奪いに来た。

 

龍馬:「うおっ!?」

 

沖田:「貰った!!」

 

栞子:「させません!! 「っ!!」」

 

沖田さんが龍馬さんから奪った瞬間、直ぐにフォローに入った栞子が弾く。ボールは愛さんに渡り、

 

愛:「行くよ!!」

 

愛さんがドリブルで攻め上がる。そこにエンギルがディフェンスに入るが、左右のシザースからのヒールリフトで突破した。

 

愛:「来てっ!! 【楽しいの天才サイコウ・伍式】!!」

 

愛さんは化身を発動してシュート体勢に入る。【サイコウ】の周囲にあらゆるスポーツ、ゲーム、娯楽の用具が出現し、それが光となってボールを包み込む。

 

愛:「[ー サイコーハート ー]!!!

 

【サイコウ】の一撃と共に、愛さんが渾身のシュートを叩き込む。シュートはノーブロックでキーパーへ到達。キーパーシュテンは必殺技を放つ。

 

シュテン:「[サンドカッター]!!」

 

シュテンの両手に磁場が発生。地面から砂鉄を吸い寄せて高速回転させる事で鋭利なノコギリを作りだし、ボールにぶつける。

 

ザンッ!

 

[サンドカッター]は[ー サイコーハート ー]を真っ二つに切り裂き、シュートは止められ、そのままボールはゴウズへ。

 

沖田:「こっちだ!!」

 

ゴウズ:「はん、ちゃんと決めろよ?」

 

ゴウズからのパスが沖田さんに渡る。そのまま沖田さんはスピードドリブルで上がってくる。

 

沖田:(球を蹴りながら走るなんて初めてなのに、思った以上に身体が動く・・・・・。これがあの男の力なのか・・・・・?)

 

龍馬:「行かせるか!! 「っ! 坂本・・・・!!」」

 

そこから龍馬さんと沖田さんのオフェンスとディフェンスの応酬が始まった。龍馬さんは中々沖田さんからボールを奪えず、沖田さんは龍馬さんを突破出来ない。つまり実力は完全に互角だった。

 

龍馬:「やるじゃねぇか沖田!!」

 

沖田:「貴様に負ける訳にはいかないんだ!!」

 

ラセツ:「沖田こっちだ!! 「これは俺と坂本の勝負だ!! 手出しは無用だ!!」 はあ!?」

 

沖田:「うおおおおおああああっ!!」

 

すると一気に沖田さんがスピードに乗って突っ込んでくる。だが、

 

龍馬:「ここだっ!!!」

 

龍馬さんはボールが沖田さんの足から僅かに離れた刹那の瞬間、素早く足を伸ばしてボールを弾いた。

 

沖田:「何っ!?」

 

竜太:「ナイス龍馬さん!!」

 

そしてそのボールを栞子が急いで拾い、前線の俺にパスを出す。

 

竜太:「ナイス栞子!! 行くぜ、ハアアアアアアアッ!! 【海皇龍ブルーヒドラ・零式】!! アアァァアアムドッ!!」

 

俺は【ブルーヒドラ】をアームド。しかしシュートに行くには距離が長い為ドリブルで距離を詰める。そこにゴウズが止めに入る。

 

ゴウズ:「貴様等にやられる物か!! [スクリュードライバー]!!!」

 

炎の渦を纏った跳び蹴りがボールに直撃。その衝撃で俺の身体はやや後方に引きずられる。が、

 

竜太:「ぐっ、ぅううぅうううううっ・・・負けるかああああアアっ!!!!!!!」

 

ドガアアアアアッ!!

 

ゴウズ:「なっ!? うわああああっ!!」

 

俺は衝撃を受けきり、逆に気合いでゴウズを吹き飛ばした。

 

竜太:「喰らえええええぇっ!!!」

 

ドガアアアアアンッ!!

 

俺のアームドシュートがシュテンに襲い掛かる。シュテンは必殺技の構えを取るが、

 

シュテン:「[サンド・・・・・ぐわああああっ!?」

 

シュートはゴールに突き刺さり、俺達が勝利した。だが、

 

ドクンッ!!

 

沖田:「ガハッ!? ゲホゲホッ!!」

 

竜太:「沖田さん!?」

 

俺達が急いで沖田さんに駆け寄る。

 

ザナーク:「どうだ? 少しはサッカーってやつが分かったか?」

 

沖田:「俺を・・・・試し・・たのか?」ハア ハア

 

ザナーク:「まあそういうことだ。じゃあな」

 

そしてザナーク・ドメインは去って行った。

 

龍馬:「新選組が乗っ取られたか・・・・・こうしちゃいられねえ!!」

 

そして龍馬さんも何処かへと行ってしまった。

 

栞子:「でも、何でいきなりこんな・・・・・・?」

 

真姫:「恐らくだけど、ザナークの力で無理矢理身体を動かしたからよ。多分麻酔みたいな物だったんでしょうね。効いてる内は大丈夫だけど、切れてしまえば・・・・・・」

 

愛:「アイツッ!! サッカーを何だと思ってるの!?」

 

果南:「胸糞悪いったらありゃしないよ・・・・・・」

 

真姫:「取り合えず応急処置はしたわ。このまま頓所に戻って休んでた方が良いわ」

 

沖田:「ありがとう。でもそんな暇は無い・・・・なんとしても、ウグッ!!」

 

真姫:「無茶しちゃダメよ!! 命に関わるわよ!?」

 

沖田:「だからこそだ!! 坂本龍馬の企てが成功すれば、幕府は消滅する。ならばこの命尽きる前に、坂本龍馬を討つ!!」

 

真姫:「・・・・・自分の命よりも大事な物なの?」

 

沖田:「・・・・・・・・・ああ」

 

そして、沖田さんは去って行った。

 

真姫:「はあ、イミワカンナイ・・・・」

 

 

その頃、

 

ー 二条城 ー

 

門番:「貴様! 坂本龍馬!? 幕府倒壊を狙う不届き物が!! ここを将軍慶喜公のおわす二条城と知っての狼藉か!!」

 

坂本:「重々承知!! この度は、どうしても慶喜公にお話したいことがあり参った次第!!」

 

門番:「何だと!? 構わん引っ捕らえろ!!」

 

坂本:「うおっ!?」

 

 

 

 

果たして坂本龍馬の運命は?

 

ー 続く ー




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第76話:歴史の動いた瞬間

沖田さんとザナーク・ドメインとのサッカーバトルの次の日、剣城達も戻ってきて皆で練習していると中岡さんがやってきた。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

天馬:「えっ!? 龍馬さんが昨日から戻って来ない?」

 

中岡:「ああ。てっきり君達の所だと思ってたんだが・・・・・・・」

 

俺達が少し心配になっていると、

 

龍馬:「おーいお前らーーーーー!!」

 

中岡:「坂本!?」

 

あっ、龍馬さん。よかった無事だったみたいだ。

 

龍馬:「見てくれよ!! 幕府から書状が来たんだ。慶喜公が特別に会ってくれるってよ!!」

 

中岡:「慶喜公が!? お前まさか二条城に行ったのか? 何故そんな危険な事を!!」

 

龍馬:「幕府の組織である新選組が乗っ取られたんだ。こりゃあ早くしねえとと思ってな」

 

中岡:「まさか行く気なのか!? そう言ってお前をおびき出して始末する罠に決まってる!!」

 

龍馬:「い~や、俺っちは行くぜ? 俺の考えをちゃんと聞いてもらうまたとない機会だからな」

 

中岡:「しかし・・・・・」

 

龍馬さんと中岡さんが言い合っている。しかし俺達が協力すれば簡単に片付く話だ。

 

フェイ:「中岡さん、龍馬さん、じゃあこれで直接乗り込みますか?」

 

フェイが指差したのは・・・・・・

 

 

その頃、

 

 

ー 二条城 ー

 

大臣:「これで坂本龍馬を始末出来ますな」

 

慶喜:「うむ。準備は万全であろうな?」

 

大臣:「はい。この城の正門の陰に武士を二人、死角になる位置に配置しております。奴が入って来た瞬間終わります」

 

慶喜:「そうか・・・・「やっぱりか!! そんなこったろうと思ったぜ!!」だ、誰だ!?」

 

すると二条城の徳川慶喜の目の前の庭園にTMキャラバンがいきなりワープして現れる。幕府の爺共は完全に予想外の展開に慌てている。

 

 

 

ー 5分前 ー

 

フェイ:「恐らく幕府は龍馬さんが入ってきた瞬間を待伏せているのでは無いかと思います。なので皆このTMキャラバンのワープ機能で門をすっ飛ばして直接徳川慶喜の所に行くのはどうでしょうか? これなら罠でも直ぐに逃げられるので、町の人に"幕府はそういう奴らだと言い触らす"と言えば黙るんじゃ無いでしょうか」

 

中岡:「なるほど!! 頼めるか?」

 

ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー

 

そしてTMキャラバンは着陸し、中から俺達と龍馬さん達が出てくる。

 

大臣:「な、何なんだそれは!?」

 

竜太:「やっぱり罠だったか。いつの時代も汚い大人のやることは一緒だな」

 

龍馬:「慶喜公!! 今回のお目通り誠にありがとうございます!!!」

 

慶喜:「・・・・・・・・・」

 

竜太:「因みに龍馬さん達に何かしようとしたらその瞬間俺達はまたこれで門をすっ飛ばして帰るんで」

 

大臣:「何? どういうことだ?」

 

フェイ:「簡単ですよ。僕らがもし"幕府は自分達が話を聞くって言っておきながら騙し討ちで暗殺するような奴ら"だって町の人に言い触らしたら幕府の信用はどうなりますかね?」

 

大臣:「ぐっ!!」

 

慶喜:「まあ良い。話は約束通り聞いてやろう」

 

龍馬:「ははっ!!」

 

そして龍馬さんの指示で一斉に手をついて頭を下げる。

 

龍馬:「私は、日本をもっと良い国にしたいのです!! それこそ、異国にも負けない立派な国に!!」

 

慶喜:「何を申すか?」

 

龍馬:「"()()()()"であります!!」

 

天馬:「大政奉還・・・・歴史の授業で習った!!」

 

愛:「愛さんたちとんでもない瞬間に立ち会ってるよ・・・・・・・」

 

龍馬:「鎖国を辞め、世界に眼を向けるのです。武士と町人が一つになり、異国の文化や知識を取り入れ、日本人全員で日本という国を育てるのです。そうすることで日本は、異国に負けぬ強い国となるのです!!」

 

慶喜:「武士と町人が一つになれと? 戯言よ。やはり田舎侍は考えることが違うの」

 

愛:「は? 見識が狭いのはあんたたちの方でしょ?」 ボソッ

 

慶喜:「ん?」

 

大臣:「どうされました?」

 

慶喜:「いや気のせいか。ふむ、では新選組と勝負して勝ったら大政奉還を認めてやろう。近藤、ここへ」

 

ザナーク:「やっとか」

 

沖田:「・・・・・・」

 

沖田さん・・・・・とザナーク・・・って事は徳川慶喜はマインドコントロール済みって事か。

 

ザナーク:「俺達新選組と倒幕軍、サッカーで勝負して決めるって事でどうだ?」

 

大臣:「勝てるんだな?」

 

ザナーク:「愚問だな」

 

龍馬:「よし、皆。大政奉還が賭かってるんだ。絶対に勝つぞ!!」

 

ザナーク:「よし、じゃあ準備を始めるぜ」

 

《フィールドメイクモード》

 

そして二条城の庭にサッカーフィールドが構築される。

 

 

《タイムワープモード》

 

ー 沖縄 ー

 

女将:「あんた!! カレーライス大至急三人前!!」

 

矢島:「あいy・・・」カラン

 

女将:「またいない!! もう何度目よ!!!」ウガーッ

 

ー ー ー ー ー ー ー ー ー

 

バシュウン

 

矢島:「さあー!! 今回は幕末時代、ここ、二条城ガーデンフィールドより、徳川第15代将軍徳川慶喜公が見守る御前試合をお届けするぞーーーーっ!!」

 

龍馬:「皆行くぞ!!」

 

雷門:『『『おう!!』』』

 

 

慶喜:「近藤、奴らを潰せ」

 

ザナーク:「俺に命令すんな!! 言われるまでもねえ」

 

 

スターティングメンバー

ザナーク・ドメイン

 

GK          シュテン

 

DF      ゴウズ オーグ ヤシャ

 

MF シンジャミ メイズ   エンギル  ゴブリス

 

FW    ラセツ          沖田

FW          ザナーク

 

雷門

 

FW      剣城    竜太

 

MF  愛      天馬     龍馬

 

ボランチ      歩夢  神童

 

DF   栞子    霧野    エマ

 

GK         信介

 

そして、試合開始の笛が鳴った。

 

 

 

ー 続く ー




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<天王寺璃奈>誕生日編:~ifルート~

璃奈ちゃんの誕生日短編、ifルートです。

それでは始まります!!


ー 璃奈 Side ー

 

私たちが二年生になりもう7か月が過ぎ去り今はもう11月。私は現在チームでDFとしての役割と監督たちへのデータ分析を元にした戦術アドバイザーをしていた。でも、二年生になっても私の身体はチームで1番小さいまま。新しく入って来た女の子の一年生よりも小さい。正直悔しいけど、こればかりはどうにもならない・・・・・・。

 

~ 璃奈の家・璃奈の部屋 ~

 

私は、前に自分でプログラミングして開発した戦術シミュレーションソフトで今度の冬の選手権予選準決勝で当たる音ノ木坂の試合シミュレーションを試していた。もうすぐ竜太君が追加のデータを持ってきてくれる筈・・・・

 

ピンポーン

 

璃奈:「あ、来たかな・・・・・?」

 

私がスマホでインターホンの画像を確認すると竜太君だったのでスマホを操作して家の鍵を開ける。

 

ガチャ

 

竜太:「お邪魔します!!」

 

 

 

璃奈母:「あら、いらっしゃい」

 

竜太:「いえ、部屋ですよね? 失礼します」

 

お母さんと竜太君が話す声が聞こえる。だんだんと足音がこちらに近づいてきて、

 

コンコン

 

竜太:「璃奈~? 入るぞ~?」

 

璃奈:「どうぞ」

 

竜太君が入ってくる。手にはファイルが二冊握られており、それを私に渡して来る。

 

竜太:「ほい、これ追加データ。今のところどんな感じだ?」

 

璃奈:「うん。やっぱり音ノ木坂の壁は厚い。さすが去年ミキシマックスまで身につけた私たちに素の力で勝っただけある」

 

竜太:「まあミキシマックスは使わなかったけどな?」

 

それはそうだ。あれは私たち雷門の中でも限られた選手しか使えない。それどころか他の学校に使える人間は世界の何処を探してもいない。

 

竜太:「でも、璃奈の知識はすげえよなあ・・・・・。こんな世界最高レベルのシミュレーションソフト作っちまうんだから。データ登録した選手の思考レベルに合わせて、試合中の選手の思考パターンとか予測演算するんだろ? しかも選手の性格まで計算に入っているっていう・・・・とんでもねえよな・・・・本当見方でよかったわ」

 

璃奈:「チームで1番実力が無い私にできるのはこのくらいだから・・・・・・「は? それ本気で言ってるのか?」え?」

 

竜太:「もしかして誰かに言われた?」

 

璃奈:「ううん・・・・そうなんじゃ無いかなって・・・・「んな訳無ぇだろ!!」ッ!!」

 

竜太:「俺達同学年組や先輩たちは、璃奈の実力をちゃんと知ってるよ。エルドラドの時だって、お前アイツらを止めたじゃないか!! そうでなくても、身体の小ささとパワー不足気にして、文字通り誰よりも遅くまで残って練習してる奴が1番無力何てあってたまるかよ!!」

 

璃奈:「見てたの・・・・・・?」

 

竜太:「ああ。たまたま部室にスパイク忘れて取りに戻った時に練習場に明かりが着いてたから覗いたら、」

 

璃奈:「・・・・・・・・・・」

 

竜太:「璃奈の武器は1番体格が不利だからこそ磨かれたその観察眼とテクニック、そしてその頭脳を使った分析力。現に、お前せつ菜先輩たちや一年の男子だって普通に止めるじゃないか。何馬鹿なこと言ってんだ・・・・・ハア」

 

竜太君に少し呆れた様な顔をされる。ムウ・・・・・。

 

竜太:「それに試合だって璃奈の体格で相手が舐めてくれるからあっさり返り討ちにできてるんだろ? いっつも大体相手のFW突っ込んでは奪われてるじゃん」

 

こんなに・・・・・・見てくれてたんだ・・・・・/////

 

璃奈:「ありがとう・・・・・・//////」

 

竜太:「ん? 笑った? 今明らかに笑ったよな!?」

 

!? 今、私・・・・表情が・・・・?

 

竜太:「そんな可愛い笑顔出来たんだな・・・・」

 

璃奈:「からかわないで・・・・・・・///// でも、私、今年こそ選手権で優勝してまた皆と日本一になりたい!!」

 

すると、竜太君はフッと笑い、

 

竜太:「"なりたい"じゃねえよ。日本一に"する"んだよ!!」

 

璃奈:「竜太君も、言うね・・・・・?」

 

竜太:「うるさいな・・・・・」

 

そしてしばらく竜太君と練習メニューについての話をしたあと、竜太君は帰って行った。

 

璃奈:「データファイル片付けなきゃ・・・ガサッ ん? 何?」

 

ファイルの隙間から、何か封筒が落ちてきた。中に何か入ってるみたい・・・。私が封筒を開けてみると、まず手紙が入っていた。

 

ーー 今日璃奈の誕生日だったよな。これ、誕生日プレゼント。いつも引っ込み自安で勇気が中々出ないって言ってたからコイツをやる。 ps:竜太 ーー

 

!! そういえば今日はわたしの・・・・・中に入っていたのは、

 

璃奈:「これ!! ・・・・・"勇気のミサンガ"!!」

 

中には、身につけた者の勇気を後押しする効果があると噂されるミサンガが入っていた。

 

璃奈:「~~~~っ!!////////」カアアアアアア~ッ!!

 

私の顔は恐らく真っ赤に染まっているだろう。

 

璃奈:「もうちょっとだけ・・・・可愛いって言ってくれる様に頑張って見ようかな・・・・・?」

 

 

ー 璃奈ちゃん HappyBirthday ー




璃奈ちゃん誕生日おめでとう!!

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第77話:二度目の決戦 VSザナーク・ドメイン

雷門ボールのキックオフから試合が開始。ボールは神童先輩に渡りそこにザナークがプレッシングを掛ける。

 

神童:「宮下!!」

 

神童先輩からボールは左サイドの愛さんに飛び、難無くトラップして駆け上がる愛さん。そこに相手のMF、シンジャミがディフェンスに入る。

 

シンジャミ:「ボールを寄越しなさい!! [スクリュードライバー]!!」

 

上空から炎の跳び蹴りが愛さんの持つボールに直撃し、衝撃で愛さんは吹き飛ばされて奪われる。そしてシンジャミからラセツへと縦のスルーパスが通る。

 

ラセツ:「決める!! [オーガブレード]!!」

 

印を結んだラセツの手に鬼火が集まり、ボールを囲い込み炎の刃が纏わり付く。

 

ラセツ:「喰らえっ!!!」

 

ラセツのシュートが雷門ゴールに迫る。信介は、

 

信介:「"ミキシトランス《劉備》"!! うおおおおおっ!!」ガシイイッ!!

 

信介は[オーガブレード]をノーマルキャッチで完璧に止めた。

 

 

 

信介のゴールキックからボールは龍馬さんへ。それを沖田さんが全速力で追い掛ける。

 

沖田:「坂本ーーーーーーっ!!!」

 

龍馬:「沖田!?」

 

 

 

真姫:「あの人本気で馬鹿じゃないの!! 今度こそ死ぬわよ!?」

 

せつ菜:「沖田さんの病気ってそんなに酷いんですか?」

 

真姫:「昨日ちょっと見たけど、ああやって立っている事すら奇跡なくらいよ。それなのに痛みを感じないからってあんなに走ったりしたら・・・・・・下手をしたらこの試合が寿命になるわよ!!」

 

フェイ:「そんな・・・・・・・」

 

親が大病院を営んでおり、小さい頃から医学が身近な環境でそだち、現在医者として働いている真姫さんの言葉だからこそ、信じたく無くても信じる他無かった。

 

 

 

沖田:「ハアアアアアアッ!!」

 

龍馬:「おわっ!?」

 

龍馬さんからボールを奪い取り、そのままスピードに乗って駆け上がる沖田さん。しかしただでは通さないとエマがディフェンスに入る。

 

エマ:「止めるっ!! [ボルケイノカット・Z]!!」

 

エマの必殺技で発生した火柱が沖田さんの進路をシャットアウト。ボールを奪い返す事に成功する。

 

沖田:「グッ、カハッ ゴホゴホッ」

 

龍馬:「沖田大丈夫なのかお前!?」

 

沖田:「キ、貴様に心配される覚えは無い!!」

 

龍馬:「お前、なんでそんなに幕府にこだわる!?」

 

沖田:「幕府を守ることが、我ら新選組の使命!! 幕府を守ることが、引いてはこの国を守ることに繋がるんだ!!」

 

剣城:(この凄まじいまでの気迫と覚悟・・・・・一緒だ)

 

 

エマ:「歩夢ちゃん!!」

 

そしてボールは歩夢s・・・・・「退けぇええええっ!!」!?

 

竜太:「歩夢先輩!! ザナークが来てる!!」

 

ドガアアアアアアッ!!!

 

歩夢:「キャアアアアッ!!」

 

竜太:「歩夢先輩!!」

 

しかしザナークはホイッスルが鳴らないようにルール内ギリギリでやった為笛は鳴らなかった。

 

ザナーク:「"ミキシトランス《曹操》"!! [ディザスターブレイク]!!」

 

ザナークはミキシマックスを発動してパワーを上げた上で必殺シュートを放って来る。信介もミキシマックスで迎え撃つ。

 

信介:「"ミキシトランス《劉備》"!!」

 

信介は劉備さんとのミキシマックスを完了し必殺技を放つ。

 

信介(劉備Mix):「[大国謳歌]!!!」

 

信介の必殺技が、[ディザスターブレイク]をつかみ取る。が、

 

信介(劉備Mix):「ウワアアアアアッ!!?」

 

ザナークのシュートは、雷門ゴールに突き刺さった。そして一旦信介のミキシマックスは解ける。

 

信介:「ク、クソッ!!」

 

 

 

 

雷門ボールで試合再開。ボールは天馬に渡ると、そこにメイズとエンギルがダブルチームを掛けて来る。

 

天馬:「絶対に勝つ!! [アグレッシブビート・改]!!」

 

天馬は必殺技でダブルチームのど真ん中をぶち抜き、長距離でシュートを放つ。

 

天馬:「[超・マッハウィンド]!!!」

 

天馬の蹴りから放たれた風の弾丸が、GKに襲い掛かる。

 

シュテン:「ナメるな!! [サンドカッター]!!」

 

ザンッ!!!

 

しかし天馬のシュートはあっさりと真っ二つにされてしまいそのままボールは弾かれてシンジャミと愛さんの方へ。

 

愛:「絶対とる!!!」ガッ、グイッ、ガッ!!

 

愛さんはボールの落下地点に素早く入り、シンジャミを持ち前のフィジカルをフルに使って背中でドンドン押し返して、外側に締め出す。

 

シンジャミ:(コイツッ! 何なのこのパワーは!?)

 

愛:「うらあああああっ!!」ドガアアアアアッ!!

 

シンジャミ:「ぐわっ!?」

 

愛さんはボールをキープすると、化身を発動する。

 

愛:「【楽しいの天才サイコウ・伍式】!! アァアアアムドッ!!」

 

ここで愛さんは化身アームドを発動。しかし化身は無産して消滅してしまう。

 

愛:「くっ、一体何が足りないの?」

 

メイズ:「貰った!! 「しまっ!!」」

 

一瞬の硬直の隙を突かれてボールを奪われる愛さん。が、

 

栞子:「させません!!」

 

すかさずフォローに入った栞子がスライディングで直ぐに奪い返し、愛さんに戻す。

 

愛:「ありがとうしおってぃー!! てんてん!!」

 

そしてボールは再び天馬に飛ぶ。そこにオーグがディフェンスに来るが、天馬の十八番のドリブル技術で技を使われる前に抜き去る。そしてキーパーと1VS1だ。

 

天馬:「絶対に決める!! 【魔神ペガサスアーク・零式】!! アァアアアムドッ!!」

 

天馬は化身アームドを発動してシュートを放つ。

 

天馬:「行けぇええええええっ!!」 ドガアアアアアンッ!!

 

ゴールまでノーブロックで突き進む天馬のアームドシュート。しかし、

 

シュテン:「ハアアッ!! 【巨神ギガンテス】!! アームドッ!!」

 

何と相手キーパーは化身だけでなく化身アームドまで発動した。

 

シュテン:「[サンドカッター]!!」

 

ザンッ!!

 

今まで手の内を隠していた相手キーパーによって、天馬のシュートは止められてしまった・・・・。

 

 

 

ー 続く ー




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第78話:時代の流れ

天馬のアームドシュートが止められてしまい、弾かれたボールは歩夢先輩の方へと飛んでいく。

 

メイズ:「オラッ!!」ガッ、ドカッ、ガキッ!!

 

歩夢:「くっ!! (やっぱり力が強い!!)」

 

そしてお互いにジャンプして空中での競り合いになるが、メイズに良い位置を取られてしまっており、歩夢先輩ははじき飛ばされてしまう。

 

歩夢:「キャアッ!!」

 

愛:「歩夢!!」

 

ボールを確保してそのまま上がるメイズ。そこに霧野先輩がディフェンスに入る。

 

霧野:「"ミキシトランス《ジャンヌ》"!!」

 

霧野先輩はミキシマックスを発動。ジャンヌ・ダルクの力を身に纏う。

 

霧野(ジャンヌMix):「[ラ・フラム]!!!」

 

メイズを焼いてボールを奪い返した霧野先輩。ボールを神童先輩に回すが、そこへすかさずエンギルがディフェンスに入る。

 

神童:「[オリンポスハーモニー・G4]!!」

 

神童先輩が必殺技を発動すると、背後に天に聳える美しい神殿が姿を現す。相手がそれに見とれている間に神童先輩は突破した。

 

神童:「ミキシ・・・・・「遅いっ!! ドガアッ」ぐわあっ!!」

 

しかし背後から迫っていたザナークにボールを奪われる神童先輩。ザナークは化身を発動する。

 

ザナーク:「【魔界王ゾディアク・弍式】!! [ー レッドプリズン ー]!!!

 

ザナークの邪悪な牢獄のオーラが込められた化身シュートが信介に襲い掛かる。

 

信介:「これ以上入れさせない!! 【護星神タイタニアス・伍式】!!! アームドッ!!」

 

ここで信介の【タイタニアス】はレベルアップして力を増す。それをアームドして身に纏い信介はアームドノーマルキャッチで押さえ込もうとする。

 

信介:「ぐっ、ぐうううううううっ!!」

 

信介も必死に堪えるが、明らかにパワーが足りていない。

 

ドガアアアアアッ!!

 

信介:「ウワアアアアアッ!!?」

 

そして信介はボールごとゴールに捩込まれて0-2とザナーク・ドメインが更にリードする。

 

 

 

その一方で、

 

沖田:「グフッ!! ゴホッゴホッ!!」

 

真姫:「まずいわ・・・・・もう限界よ!!」

 

慶喜:「新選組一の使い手がこの程度とは・・・・・何とも情けないのお・・・・」

 

剣城:「・・・・・・・・・・・・・・」

 

フェイ:「剣城くん、どうしたの?」

 

剣城:「あの覚悟・・・・兄さんと一緒だ」

 

フェイ:「そうか、君は優一さんと沖田さんを・・・・・」

 

 

 

そして雷門ボールで試合再開。ボールは坂本さんに渡り、そこにゴブリスが止めに入る。

 

龍馬:「あらよっ!!」

 

ゴブリス:「何っ!!」

 

龍馬さんは、巨体に似合わない軽い身のこなしで飛び上がって宙返りして抜き去った。

 

龍馬:「確かに沖田とは考えが合わねえ。でもな、それでも大事な物の為にあんなに必死になっている奴が、その上の人間にあんな風に言われるとな、腹が立つんだよ!!」

 

沖田:「坂本・・・・・・・何故・・・・・」

 

龍馬さんはそのままドリブルで突っ込む。しかしDFのヤシャがディフェンスに入り、

 

ヤシャ:「調子に乗ってんじゃ無いよ!! [スクリュードライバー]!!!」

 

龍馬:「うあっ!?」

 

弾かれたボールはタッチラインを割って外に出る。雷門ボールのスローインから試合再開。エマ先輩が投げたボールは神童先輩へ。そして攻撃を仕掛け様とした瞬間、前半終了のホイッスルが鳴ってしまった。

 

沖田:「グッ、ゴハッ!! ゲホゲホ!!」

 

ザナーク:「沖田、交代だ」

 

沖田:「なっ、俺は!! 「失せろ。役立たずに用は無い」っ!?」

 

剣城:「沖田さん・・・・・」

 

沖田:「無念だ・・・・・俺の力では幕府は守れないのか・・・・・?」

 

剣城:「沖田さん、違うんです!! 幕府を守ることが、この国を守ることじゃない。逆に幕府に大政奉還を認めさせる事が、この国の未来を守ることになるんです!!」

 

沖田:「君に何が分か・・・「分かります!! 信じられないかも知れませんが、俺達は未来の日本から時間の壁を越えてやってきたんです!! だから分かるんです!!」 な、何を馬鹿な・・・・・」

 

剣城:「俺達の時代に伝わる歴史では、幕府は大政奉還を認める事になります。その結果、日本は衰退するどころか逆にドンドン発展していくんです!!」

 

沖田:「そ、そんな・・・俺達のやってきた事は、間違っていたのか・・・・?」

 

剣城:「間違っていたなら、正せば良いじゃないですか!! 俺は知っています。絶望の淵にありながらも、決して諦めなかった人の事を!! 俺は、その人のことを尊敬しています!!」

 

沖田:「だから何だ!! 例えそうなるのが定められた歴史だとしても、俺は新選組!! 幕府を守らなければならないんだ!!」

 

真姫:「うるさいから!! とにかく座って少し休みなさい!!」

 

真姫さんが怒気を含んだ声で沖田さんに言い付ける。

 

沖田:「な、何だこi・・・・「口答えしない!!!」は、はい!!」

 

 

う~わ・・・沖田さん黙らせたよ・・・・・真姫さんもウチの母親に劣らず怖・・・・・

 

果南・真姫:「「ん?」」

 

 

 

何で心読めんのあの人たち?!

 

 

ー 続く ー



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第79話:暴走

ハーフタイムが終わりいよいよ後半戦。0-2の2点ビハインドからのスタート。ホイッスルが鳴りザナーク・ドメインボールで後半戦開始。するとボールはいきなりザナークへ。

 

ザナーク:「ふん。もう少し楽しませてくれるかと思ったがこの程度だったとはな・・・・・。もういい。この一撃で終わらせてやる。"ミキシトランス《曹操》"!!」

 

ザナークは曹操とのミキシマックスを発動する。

 

ザナーク(曹操Mix):「まだ終わりじゃ無いぜ!! 【魔界王ゾディアク】!! アームド!!!」

 

何とザナークはミキシマックスに加えて化身アームドの二重発動をして来る。・・・・・本気でヤバいぞこれ!!!

 

ザナーク(曹操Mix):「[ディザスターブレイク]!!!」

 

ザナークの超越的な破壊力のアームドミキシ必殺シュートが雷門に襲い掛かる。しかしすぐさま俺と剣城がブロックに入る。

 

剣城:「ハアアアアアアッ!! 【剣聖ランスロット・零式】!!」

 

竜太:「来やがれ!! 【海皇龍ブルーヒドラ・零式】!!!」

 

剣城・竜太:「「アァアアアムドッ!!!」」

 

俺と剣城は同時に化身アームドを発動。「ディザスターブレイク」に立ち向かう。

 

竜太・剣城:「「オラァアアアアアアッ!!!」」ドガアアアアアッ!!!

 

俺と剣城のツインボレーでシュートの蹴り返しを試みるが、2人掛がかりで全く押し返せない。寧ろ徐々に押されていく。

 

竜太:「ぐっ!!」

 

剣城・竜太:「「うあああああああっ!!」」

 

俺と剣城は二人して吹っ飛び、シュートは更に進む。

 

竜太:「くっ、威力は確かに弱まった筈だ!! 頼む!!」

 

すると今度は向かって来るシュート目掛けて天馬が一直線にダッシュし、シュートとぶつかるというタイミングで助走により勢いを強化した[マッハウィンド]を放つ。

 

天馬:「[リフレクトウィンド]!!!」

 

天馬の新必殺技がザナークのシュートに叩き込まれる。すると一瞬だけ確かにシュートは止まった。だが直ぐに押し返され天馬も吹き飛ぶ。

 

神童:「任せろ! 上原!!」

 

歩夢:「了解!!」

 

神童・歩夢:「「はあああああっ!!!」」ドガアアアアアッ!!!

 

今度は神童先輩と歩夢先輩がブロックに入る。しかしこれでも2人がパワー負けしている。

 

神童:「ぐっ!!」

 

歩夢:(そんなっ!! あれだけの強力なブロックを入れてまだこんなっ!?)

 

そしてシュートはまたしてもこちらの守りを突破しゴールにつき進む。

 

霧野:「"ミキシトランス《ジャンヌ》"!!」

 

今度は霧野先輩がミキシマックスを発動してシュートブロックに入る。

 

霧野(ジャンヌMix):「[ラ・フラム]!!!」

 

霧野先輩の炎の壁がシュートを阻む。ここでようやくシュートは止まった。だが、

 

神童:「くっ・・・・・・」

 

竜太:(皆もう今の一撃で限界だ・・・・・。何とかしないと・・・・・)

 

 

 

慶喜:「ふん。無駄な足掻きを・・・・・・」

 

あ? 見ると幕府の爺共は胸糞悪い笑みを浮かべていた。

 

 

沖田:(俺が幕府を守ろうとしていたのは、近藤さん達と一緒に"日本"を守りたかったからだ。でも、幕府の子供達に対するあの態度・・・あんな奴らが日本を治めていて、本当に日本は良い方向に行くのか?)

 

 

剣城:『幕府は大政奉還を受け入れる事になります。その結果日本は、どんどん発展して行くんです!!』

 

 

沖田:「(俺が、俺が守りたいのは・・・・・)俺を使え!! それで君の、大切な物が救えるなら!!」

 

天馬:「沖田さん!!」

 

龍馬:「沖田!! やっと覚悟を決めたか!!」

 

ワンダバ:「よし!! 行くぞ竜太・・・・・・「違う!! 俺じゃない剣城だ!! 俺よりも絶対剣城の方が相性が良い!!」ッ!! 分かった!! 行くぞ!! ミキシマ~ックス!!」

 

沖田:「くっ」

 

剣城:「ううっ!?」

 

ミキシマックスガンが、沖田さんからオーラを吸収し、剣城に混ぜ合わせる。

 

沖田:「うおおおおおおおっ!!」

 

剣城:「ハアアアアアアァアアアアアァアッ!!」

 

光が晴れると、紫色の髪に変わり、オーラが膨れ上がった剣城が立っていた。

 

ワンダバ:「ミキシマックス、コンプリート!!」

 

 

大臣:「な、何だ!? 何が起こった!?」

 

 

剣城(沖田Mix):「沖田さん、行きます!!」

 

霧野(ジャンヌMix):「剣城!!」

 

霧野先輩から剣城へのパスが通る。剣城がボールを持った瞬間、ザナーク・ドメインは全員でボールを奪いに掛かる。

 

剣城(沖田Mix):ユラアッ ギュンッ ギュンッ ギュンッ

 

しかしその全てを剣城は電光石火のスピードで躱して抜き去り、一気に相手キーパーと1VS1だ。

 

剣城(沖田Mix):「沖田さん、あなたの力、使わせてもらいます!!」

 

ボールが地面にワンバウンドすると、そこから波紋が波打ち、一気に剣城はシュート一閃。すると、どこからかボールを中心に菊の花の様に花びらが集まり、そこから一気に金色の弾丸シュートが放たれた。

 

剣城(沖田Mix):「[菊一文字]!!」

 

剣城のミキシシュートがザナーク・ドメインゴールに襲い掛かる。キーパーシュテンは当然化身アームドを発動。必殺技を放つ。

 

シュテン:「[サンドカッター]!!」

 

シュテンと剣城の技が激突する。しかし剣城のシュートは[サンドカッター]を撃ち破り、ゴールネットに突き刺さった。

 

 

矢島:「ゴール!! 雷門1点を返したぞーーーーっ!!」

 

大臣:「な、何だと!?」

 

 

ザナーク・ドメインボールで試合再開。ボールはザナークに渡り、

 

ザナーク:「雷門イレブン・・・・・俺をここまで楽しませてくれたのはお前達が初めてだ・・・・。」

 

 

すると、その瞬間異変が起こった。

 

 

ザナーク:「ぐっ!? グアアァアアアアアッ!!!」

 

龍馬:「な、何が起こってるんだ!?」

 

神童:「これは・・・・あの時と同じ・・・・・・・!!」

 

すると、突然【ゾディアク】が出現。しかし明らかに様子がおかしかった。なぜなら、【ゾディアク】は鎖で体を拘束された状態で出現したからだ。さっきまではあんな鎖は無かった。というよりも、ザナークも何故【ゾディアク】が出現したのか分からない様子だった。

 

まさか化身が勝手に出現したのか・・・・・!?

 

 

竜太:「な、何なんだ・・・・・一体!?」

 

 

 

ー 続く ー




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第80話:心の広さ 宮下愛 覚醒!!

大政奉還を賭けたザナーク・ドメインとの戦いの最中、突然以前の三国志の時代の時の様にザナークの力が暴走。もの凄いエネルギーの余波が辺りの空間に波打っている。

 

ラセツ:「ぐっ、一体どうしたんだザナーク!!」

 

ザナーク:「わ、分からねえ!! ・・・・お、俺は・・何なんだーーーーっ!!!?

 

一気に、暴走したエネルギーが更に膨れ上がる。

 

竜太:「こ、このままじゃあ二条城ごと辺り一面吹き飛ぶぞ!? ザッ ? 愛さん?」

 

すると、愛さんが荒れ狂うザナークのエネルギーに単身で突っ込んだ。

 

愛:「ザナーク!! 今"助けてあげる"よ!! はあああああっ!! 【楽しいの天才サイコウ・伍式】!! [ー サイコーハート ー]ッ!!!」

 

すると、化身を発動した愛さんが化身技を【ゾディアク】を縛る鎖に叩き込み、鎖を破壊。すると暴走の勢いは急激に治まり、やがて止まった。

 

雷門/ザナーク・ドメイン:『『!?』』

 

ザナーク・ドメインは何が起こったか訳が分からない。・・・・いや、ザナークが1番分からないだろう。

 

 

ザナーク:「何故だ・・・・? 何故俺を助けた!?」

 

愛:「決まってるでしょっ? あなた達と最後まで戦う為。愛さん達の目的は"サッカーで勝つ事"だからね!!」

 

ザナーク:「っ!!」

 

 

龍馬:「あの()・・・それで敵を助けたのか・・・・・何て器のデッカイ()だ!!」

 

 

大介:「む!! 今だ!! 宮下愛と坂本龍馬を、ミキシマックスだ!! 龍馬が認めた心の広さがあれば、絶対に成功する!!」

 

ワンダバ:「分かった!! 行くぞ愛!! ミキシマ~ックス!!」

 

龍馬:「おわっ!? わわわわわわっ!?!?」

 

愛:「アアァアアアアアァアァアアッ!!!!」

 

そして光が晴れると、髪が緩くウェーブの掛かった青いセミロングで、ポニーテールの髪型になり、瞳の色は黄色の愛さんが立っていた。・・・・何か高校生時代の曜さんと母さんを足して2で割った様な見た目だな・・・・・。

 

ワンダバ:「ミキシマックス、コンプリート!!!」

 

ザナーク:「それがお前の新しい力か・・・・・面白い!! 来い!!」

 

愛(龍馬Mix):「行っくよ~!!!」

 

ミキシマックスした愛さんが一気にドリブルで攻め上がる。ザナーク・ドメインも次々にディフェンスを仕掛けるが、鮮やかなボールコントロールとテクニックで次々に突破して行く。そして戻っていたザナークとの1VS1になる。

 

ザナーク:「絶対に通さねえ!! "ミキシトランス《曹操》"!! 【魔界王ゾディアク】アームドッ!!」

 

するとザナークはまたしても化身アームドとミキシマックスを二重発動。愛さんを何が何でも止めに入る。

 

竜太:「愛さん!!」

 

神童:「宮下!!」

 

愛(龍馬Mix):「今なら愛さんやれる気がする!! 【楽しいの天才サイコウ・()式】!! アームドッ!!!」

 

愛さんの化身はこのタイミングで最強段階に進化。そして化身アームドは成功した。

 

歩夢:「愛ちゃんが・・・・・・・」

 

栞子:「化身アームドを・・・・・・!!」

 

愛さんの化身とミキシマックスの二重発動VS、ザナークの化身アームドとミキシマックスの二重発動の戦いが始まる。しかし愛さんは龍馬さんの力を使い一気に勝負に出る。

 

愛(龍馬Mix&アームド):「龍馬さん、行くよ!!」

 

すると、辺りが荒れ狂う海へと変わり、波が龍の形に変化して頭部に立ったままの愛さんを乗せてザナークに突っ込み、海流がぶつかったエネルギーでザナークを吹っ飛ばす。

 

愛(龍馬Mix&アームド):「[クロシオライド]!!!」

 

愛さんはザナークを突破。一気にキーパーとの距離を詰めに掛かる。

 

ザナーク:「それがお前の新しい力か・・・・・」

 

そして遂に愛さんはシュート体勢に入る。愛さんは炎を纏いスピンしながら勢いよく飛び上がり、回転の勢いを利用して左足でボールをゴール目掛けて蹴り落とした。

 

愛(龍馬Mix&アームド):「[爆・爆熱スクリュー]ッ!!!」

 

凄まじい熱量のミキシアームドシュートがザナーク・ドメインゴールに打ち下ろされる。シュテンも化身を発動し、、

 

シュテン:「【巨神ギガンテス】!! アームドッ!!」

 

更にアームドを発動。必殺技の構えに入る。

 

シュテン:「[サンドカッター]!!!」

 

シュテンと愛さんの必殺技が衝突する。しかしパワーの差は歴然。愛さんのシュートはザナーク・ドメインゴールに轟音と共に突き刺さった。

 

 

 

雷門 2 - 2 ザナーク・ドメイン

 

 

ー 続く ー




ミキシ愛ちゃんの見た目は曜ちゃんにポニーテールをくっつけて髪の色を青にした感じです。

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第81話:決着!! ザナーク・ドメイン 日本の夜明け

愛さん渾身のシュートがザナーク・ドメインゴールに突き刺さり遂に同点に追い付いた俺達。ザナーク・ドメインキックオフで試合を再開しボールはメイズに渡る。そこにミキシマックス状態の剣城がディフェンスに入る。

 

剣城(沖田Mix):「止める!!」

 

剣城がスピードを生かして正面からスライディングを仕掛ける。しかしメイズはそれをジャンプで躱すと、シンジャミにパスを出す。

 

シンジャミがドリブルで上がると、ミキシマックス状態の愛さんが止めに入る。

 

愛(龍馬Mix):「貰うよ!!」

 

愛さんがシンジャミに急接近。するとシンジャミは距離がある内にラセツへと縦のスルーパスを入れてディフェンスを躱す。

 

愛(龍馬Mix):「っ、アナタやるねっ!!」

 

シンジャミ:(な、何? この子?)

 

愛さんはただ笑顔で、夢中でボールを追い掛けサッカーを全力で楽しんでいた。・・・・・そうだ。忘れちまってたな。

 

 

ボールを受け取ったラセツはシュート体勢に入る。ラセツが手で印を結ぶと鬼火が集まりボールを包み、炎の刃がボールを囲む。

 

ラセツ:「[オーガブレード・改]!!」

 

何とラセツのシュートはこのタイミングで進化しパワーアップ。だが、すかさず栞子がシュートブロックに入る。

 

栞子:「絶対に負けません!! [グラビティバインド・G4]!!!」

 

ここで栞子のディフェンス技も進化してパワーアップ。シュートを高重力力場で圧し潰して威力を削ぐ。ブロックは破られはした物の、かなりのパワーを奪った。

 

信介:「ナイス三船さん!! 【護星神タイタニアス・四式】!! アームドッ!!」

 

信介は化身アームドを発動。ラセツのシュートをアームド状態でのノーマルキャッチで完璧に止めた。

 

信介:「天馬!!」

 

 

 

信介のゴールキックからボールは天馬に渡る。受け取った天馬がドリブルで攻め上がるとDFのヤシャが止めに来る。

 

ヤシャ:「調子に乗ってんじゃ無いよ!! [スクリュードライバー・改]!!」

 

天馬:「うわあっ!?」

 

炎を纏った跳び蹴りがボールにヒットし、衝撃で天馬は吹っ飛びボールを奪われる。しかしそれを見越してすぐ背後に控えていたエマが奪い返す。

 

 

矢島:「おっと、雷門DFエマ・ヴェルデ、直ぐにボールを取り返した!! 素晴らしいフォローだ!!」

 

そこからボールは神童先輩に渡り、背後からエンギル、前からオーグが挟み撃ちでディフェンスを仕掛けて来る。

 

オーグ・エンギル:「「貰った!!」」

 

しかし神童先輩は二人のアタックが当たりそうになった瞬間ジャンプして空中に逃げる。

 

ドガアアアアアッ!!

 

オーグ・エンギル:「「ぐあっ!?」」

 

 

 

矢島:「おーーーっと!! ザナーク・ドメインのディフェンス二人見方同士でクラッシュ!! 神童のナイスな判断!!」

 

 

神童:「剣城!! 大海!!」

 

ボールは後ろから縦のセンタリングで俺と剣城に入ってくる。

 

竜太:「【海皇龍ブルーヒドラ・零式】!!」

 

剣城(沖田Mix):「【剣聖ランスロット・零式】!!」

 

竜太・剣城(沖田Mix):「「アームドッ!!!」」

 

ここで俺は化身アームド。剣城は既に行っていたミキシと併せての二重発動をする。そして剣城は[ファイアトルネード]の炎のエネルギーを纏いダッシュ。

 

俺は《完全無欠の模倣(パーフェクトコピー)》と《属性付与(エンチャント)》を発動し、氷と雷の力を纏いダッシュ。

 

竜太(アームド)・剣城(沖田Mix&アームド):「「[クロスファイア《(サンダー)》・改]!!!」」

 

新たに雷の力がプラスされ、威力が引き上げられた二人分の化身アームドと一人のミキシマックスの力でめちゃくちゃな破壊力になった[クロスファイア]がシュテン目掛けて飛んで行く。

 

シュテンは化身アームドを発動し、必殺技を放つ。

 

シュテン:「[サンドカッター・V2]!!!」

 

化身アームド状態で先程よりもパワーの上がったサンドカッターがシュートとぶつかる。しかしそれでも止めきれるパワー等では無く、シュートはゴールに突き刺さった。

 

 

矢島:「決まったーーーーっ!! 雷門遂に逆転だーーーーっ!!」

 

ピッ、ピッ、ピィイイイーーーッ!!!

 

矢島:「ここで試合終了のホイッスル!! 3-2で、雷門の見事な逆転勝利だーーーーっ!!」

 

 

天馬:「やった勝ったぞーーーーーっ!!」

 

ザナーク:「負けたか・・・・・」

 

愛:「私達だって中々やるでしょ?」

 

ザナーク:「フッ、まあ少しは認めてやる」

 

愛:「そう言うと思ったよ!!」

 

ザナーク:フッ

 

愛さんとザナークが軽口をたたき合っているが俺と母さんは言いたいことが山ほどある。

 

竜太:「円堂監督は持ってるか分からないが、親父のクロノ・ストーンを返せ!!!」

 

果南:「絶対にここで取り返す!!」

 

ザナーク:「オウミ・リュウヤって言うのはこの青い石の事か? ・・・・ほらよ」

 

えっ!! ザナークはアッサリと俺達に投げて渡してきた。もうすぐ親父が・・・・バシッ

 

雷門・ザナーク:「『!?』」

 

いつの間にか現れたローブを着て顔を隠した男があっという間に親父のクロノ・ストーンを奪い、何処かへと消え去った。

 

ザナーク:「なっ!?」

 

 

!? この反応、まさかザナークも知らないのか?

 

取り合えずしょうがないと俺達は龍馬さんの元へ行く。

 

龍馬:「慶喜公、"大政奉還"、認めてくださいますね?」

 

慶喜:「ふむ、まあ仕方あるまい。好きにするが良い」

 

大臣:「殿!!」

 

そして、徳川慶喜達は城の奥へと引っ込んで行った。

 

 

ー 二条城・廊下 ー

 

慶喜:「よし、大政奉還を認める所は一先ず予定通りだ。我々もこのままでは、立場を無くす所であったからな」

 

大臣:「今頃倒幕軍は我々を出し抜いたと舞い上がっておるのでしょうなあ」

 

慶喜:「全くだ。しかし、これで我らもこの先の時代を生き延びる事ができるわ」

 

 

 

 

 

 

信介:「何か負けたのにあまり悔しそうじゃ無いね・・・・・」

 

フェイ:「でも歴史ではこの後に彼らは完全に滅ぼされてしまうんだ」

 

天馬:「ここから、歴史は今の日本に向かって進んでいくんだね」

 

ワンダバ:「よし、では現代に帰ろう!!」

 

 

 

ー TMキャラバン ー

 

天馬:「それじゃあ沖田さんも龍馬さんもありがとうございました!!」

 

龍馬:「いや、礼を言うのは俺っちの方ぜよ!! お前らのおかげで、大政奉還を認めさせられた。感謝するぜよ!!」

 

栞子:「何で急にぜよぜよ言いはじめたんですか?」

 

龍馬:「ああ、俺っちは元々こういう喋り方だったぜよ。でも都に出てから田舎者みたいで恥ずかしくなって隠してたぜよ。でも、そこの愛って娘を見て、そんな事はちっぽけな事だと気付いたぜよ!! 敵をも助けようとするあの器の大きさ、これからは男も女も関係なく尊敬できる人にも、そうでない奴にも手を指し述べる心の広さを持てるようになろうと、だから手始めに自分を隠すのを辞めたぜよ!!」

 

栞子:「それでですか!!」

 

龍馬:「あと、もう一つ決めた事があるぜよ。毎日サッカーやって痩せるぜよ。あの写真が未来の俺っちなら、期待を裏切る訳には行かんぜよ!!」

 

竜太:「それであんなに体型が違ったのか!!」

 

 

 

 

沖田:「こんな俺の力が、未来の役にたつって言うのか・・・・・」

 

剣城:「はい。あなたの力、必ず役立てて見せます。」

 

沖田:「・・・・俺は、焦ってたのかもしれないな。俺の命があるうちに、俺の生きた証を歴史に遺したいと・・・・・」

 

剣城:「大丈夫です。その願いは叶います。未来の人間である俺達が保証します」

 

沖田:「そうか・・・・・・ありがとう」

 

 

 

そして、俺達を乗せたTMキャラバンは離陸し現代へとタイムジャンプした。

 

 

ー その後 ー

 

沖田総司と、坂本龍馬は二人揃って俺達が消えた空を見上げていた。

 

沖田:「坂本、こんな事があるんだな」

 

坂本:「ああ。俺達が天馬達の時代へと歴史を繋ぐんぜよ」

 

そして、朝日が昇る

 

沖田:「・・・・・・・・美しい」

 

坂本:「まさに、"日本の夜明け"ぜよ!!!」

 

 

 

ー 幕末・某所 ー

 

ザナーク:「追い詰めたぞ・・・・何故だ!? 何故あんな事をした!!」

 

謎の男は振り返る。

 

謎の男:「君はこの石の価値を理解していないんだ。君の持つ力の事も」

 

ザナーク:「なっ!? お前、俺のこの力が何なのか分かるのか?」

 

すると、男の背後から白髪のゴーグルを着けた少年が出てきた。

 

謎の少年:「もちろん。君は僕たちと同じ才能を持つ者だからね」

 

ザナーク:「才能?」

 

謎の少年:「そう。それは、"フェーダ"の一員となる資格・・・・」

 

 

ー 幕末編・The END ー




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第82話:一時休息

TMキャラバンでタイムジャンプし、現代に戻ってきた俺達。サッカー棟の中に入ると、大介さんが次のターゲットを発表しようとする。すると、

 

アルノ:「フェイ! ちっとマズイ事になったぞ。エルドラドは遂に奴らを送り込んで来る様じゃ」

 

ワンダバ:「アルノ博士!! 奴らというとまさか・・・・・」

 

何かただ事じゃ無い雰囲気何だけど・・・・・。

 

フェイ:「遂に、エルドラド最強のチーム"パーフェクトカスケイド"を送り込んで来るんですか?」

 

天馬:「エルドラド最強のチーム!?」

 

ワンダバ:「うむ。"サカマキ・トグロウ"という有能な司令官に率いられた、全てにおいてパーフェクトな部隊なのだ」

 

アルノ:「ザナーク・ドメインが敗北したことで雷門を本格的な脅威と見なしたエルドラドは、"サッカー禁止令"のインタラプトをパーフェクトカスケイドでガードしたのじゃこれではサッカー禁止令を解除するのは熾烈を極めるじゃろう」

 

璃奈:「そんな・・・・・・」

 

大介:「よし、敵さんもいよいよ本気を出して来る様じゃし、此方も本気を出すとしよう」

 

水鳥:「今まで本気じゃ無かったのかよ!!」

 

大介:「ウオッホン!! それでは、"7の力、太古の力を宿し、その牙の力は海を割るダイナミックMF"、"8の力、自由自在に空間を活かす、空を征するフライングDF"。ターゲットは、"恐竜"だ!!」

 

雷門:『『『恐竜ーーーーーっ!?』』』

 

せつ菜:「時空最強イレブンって、人間じゃ無いんですか・・・・・?」

 

ワンダバ:「いや、恐竜にもオーラはちゃんとある。オーラさえ取れるものなら必ず人間である必要は無い」

 

葵:「そ、そうなんだ・・・・・・」

 

恐竜・・・・・・でも、

 

竜太:「でも、既にフェイがティラノサウルスのオーラを持ってますよ?」

 

大介:「いや、ティラノサウルスでは力不足だ。もっと狂暴でパワーのあるオーラが欲しい!!」

 

信介:「ええ? ティラノサウルスよりも強い恐竜なんています? 今でさえ地球の歴史上最強の陸生肉食動物って言われてるんですよ?」

 

大介:「いや、恐竜はまだまだ謎が多い。ティラノを越える恐竜は絶対に居る筈だ!!」

 

なるほど・・・・・・となるとアーティファクトは・・・・、

 

竜太:「"恐竜の化石"ぐらいしかアーティファクトになる物は無いですね」

 

璃奈:「恐竜の化石・・・・そういえば、沖縄のとある小学校の敷地内から凄い量の恐竜の化石が出てる所があるってニュースで言ってた」

 

ワンダバ:「よし!! では早速TMキャラバンで沖縄のその小学校へワープしよう!!」

 

天馬:「ん? 沖縄の小学校って・・・・」

 

 

そして、TMキャラバンは沖縄のへとワープした。

 

 

ー 沖縄・小学校 ー

 

果林:「この学校の何処かにあるのよね?」

 

?:「こら! あなたたちそこで何をしてるの?」

 

天馬:「っ!! やっぱり、花林先生!!」

 

花林:「ん? ・・・! 天馬くんじゃない!! 久しぶりね。あっ、でもサッカー禁止令出ちゃったからね・・・・天馬くんが一緒にやってくれてた子供達も落ち込んでたわ・・・・」

 

天馬:「ああ、やっぱ・・・・「天馬くん知り合いですかぁ?」うん。インターハイ優勝の後で千宮路さんの依頼で俺達全国の学校に散らばって教えに行ったでしょ? 俺その時この学校だったんだ」

 

エマ:「そう何だ・・・・」

 

花林:「天馬くん達はどうしたの?」

 

天馬:「実は・・・・・」

 

俺達は花林先生に事情を説明すると、そういう事ならと、校舎の中から一つ化石を持って来てくれた。

 

花林:「本当はダメ何だけど、一杯あるから少しは時間が稼げる筈よ。でも、一週間位が限界かしら」

 

天馬:「よし、早速「待って天馬!!」フェイ?」

 

フェイ:「もう連続でタイムジャンプして皆疲れてるよ。明日一日休んで明後日出発しよう? こっちはタイムマシンで行くんだから帰りは出発した時間の5分後にタイムジャンプすれば5分しか行って無かった事になるんだからさ」

 

しずく:「便利すぎません?」

 

竜太:「じゃあ今日はもう稲妻町に戻って今日明日はゆっくり休むか」

 

 

 

そして花林先生から化石を預かった俺達はワープで稲妻町に戻り、その日は解散になった・・・・のだが、

 

竜太:「彼方、ちょっと」

 

彼方:「ん? 何かな~?」

 

竜太:「明日久しぶりに休み何だからさ、二人でデートしないか? 付き合い初めてからゴタゴタのせいで一度も恋人らしい事出来て無かったから・・・・」

 

彼方:「竜太くん・・・・うん!! 楽しみにしてるよ~!」

 

竜太:「じゃあ明日の朝10:00に駅前で良いか?」

 

彼方:「うんっ!!」ニコッ

 

彼方の溢れんばかりの笑顔・・・・・・ハア、眼福や。

 

そしてその日の夜、

 

 

 

ー 木枯らし荘・竜太の部屋 ー

 

んっと、先ずは計画を練るか・・・・

 

竜太:「電車で都心の方まで行こうかな・・・・。でも彼方はゆっくりできる場所の方が良いよな・・・・あまり煩くない場所か・・・・今は秋だし何か美味しい物、そうだ!! "穂むら"だったら季節限定の和菓子とかあるかも。それ食いながら、ブツブツ・・・・・」

 

 

そして次の日。何気に、恋人になってからの彼方との初デートが始まる。

 

 

ー 次回に続く ー




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第83話:「久しぶり」からの怒号

沖縄から戻ってきた次の日、今日は休みなので彼方との恋人になってからの初デートだ。なんか緊張するな・・・・・・。

 

時間はもうすぐ待ち合わせの10:00になる。俺はもう駅前で待っていた。

 

竜太:「もうすぐ時・・「だ~れだ?」っ!!」

 

この声は、間違う訳が無い。

 

竜太:「彼方だろ? おはよう」

 

彼方:「おっはよ~!! 今日は彼方ちゃんのエスコートお願いね?」

 

竜太:「おう。あと、彼方今日の服凄い可愛いな・・・・・///// めっちゃ好みだわ」

 

彼方の服装は白のフリルと横のワンラインが入った赤のスカートと、上は中に白のオフショルダーブラウスを着てその上からピンクのカーディガンを着ている。そして右肩(俺から見て)を出したスタイルだ。

 

彼方:「ふっふ~! 彼方ちゃん張り切っちゃったよ~!!」

 

彼方がエヘンと胸を張ると、ただでさえデカい双丘が揺れる。ヤバい・・・・今鼻血出かかった・・・・。

 

彼方:「あれあれ~? 何を顔を真っ赤にしてるのかな~?」ニヤニヤ

 

くっ、からかってるな? ならば・・・・・、

 

竜太:「うん。彼方があまりにも可愛いのとエヘンと張った胸がデカいなあと思ってた」

 

こういう女の子は大抵正直に返してやると・・・・・・

 

彼方:「~~~~~っ!?///////」ボシュー

 

はい、赤面テンパり頂きましたーー!! ちょ、ちょっと加虐心をくすぐられるんだけど・・・・ちょっとイジメちゃダメ? ・・・・・止めておこう。

 

竜太:「なんかゴメン。・・・・・そろそろ行くか?」

 

彼方:「う、うん・・・・///////」

 

俺がそっと彼方の手を取り、駅の改札に向けて歩き出す。因みに手を握った瞬間、彼方の手は恥ずかしいからなのか、ほんのりと熱を帯びていた。

 

 

 

ー 東京・神保町 ー

 

そして電車に揺られること十数分。俺達は神保町にやって来た。

 

彼方:「で、どこ行くの?」

 

竜太:「俺の知ってる和菓子屋があるからそこで季節限定の大福とか饅頭とか買おうかなって。それを公園とかで食べながらゆっくりして、昼飯はどこか近くのファミレスでも・・「あっ、彼方ちゃんお弁当作って来たんだよ? 食べて・・・くれるかな?(ウワメズカイ)」 是非頂きます!!!」

 

そんなもん彼方の作ってくれた弁当一択に決まってるでしょうが!! これ食わないとか言う男いる? いや居ない!!(断言)

 

竜太:「じゃあ行こうか?」

 

そして俺と彼方は和菓子屋さんに向かう。そこは皆さんお馴染みの、

 

 

~ 和菓子屋 穂むら ~

 

彼方:「ここって・・・・・」

 

竜太:「うん、穂乃果さんの家。 チワース!!」ガラガラッ

 

俺が扉を開けて中に入ると、穂乃果さんが店番していた。

 

穂乃果:「竜太くん? いらっしゃい。桐穂に用事? 「いえ。和菓子を買いに来ました。えーっと・・・この栗餡大福とサツマイモ餡の饅頭を1ケースづつ貰えますか? 彼方も遥ちゃんにお土産買えば? 俺が出すよ」おっ! さすが男の子」

 

彼方:「ありがと~。えっと、じゃあね・・・この栗ずんだ団子を1パック下さい」

 

穂乃果:「ありがと~。ちょっと待っててね?」

 

そして穂乃果さんから商品を受け取って、会計を済ませて穂むらを後にする。この後は近にある自然公園でゆっくりと・・・・・「あれ? 竜太ですか?」

 

 

 

ん? 俺が振り返ると、海未先生と同じ青い髪の女の子・・・・って言うか、

 

竜太:「波未?」

 

波未:「やっぱり竜太だったんですか・・・・。穂むらに行ってたんですか?」

 

竜太:「海未先生から聞いてない? 今日は休み」

 

波未:「タイムジャンプなんて未だに信じられませんが・・・・・。ってそんな事はどうでもいいんです!! 何で私達や浦の星の子達に声を掛けないんですか!? 竜太たちだけがそんな危険な戦いに身を投じているというのに、知らずに力になることも出来なかった私達の気持ちを考えたんですか!?」

 

竜太:「い、いや・・・・・巻き込みたく無かったし・・「私達の1番大事な物が奪われたというのに、黙って見てることしか出来なかったのがどれだけ辛かったか!!」・・・・ゴメン」

 

すると波未はスマホを取り出すと操作して、

 

波未:「今、音ノ木坂の皆にメッセしました。幸い今日は理事長しか居ません。今すぐ音ノ木坂に来て下さい「い、いや今日は・・・」ドゴオッ!!

 

竜太:「ヒイッ!?」

 

波未:「良・い・で・す・ね?」ニコッ

 

こ、怖ええええええっ!!! って言うか波未が殴った所道路のアスファルトにめり込んでるんだけどおっ!?

 

竜太:「彼方・・・・・ゴメン・・・」

 

彼方:「ん~、まあ一応彼方ちゃんも、「皆には言った方が良いかなぁ?」とは思ってたからちょうど良いんじゃ無い? 埋め合わせはちゃんとしてくれるんでしょ?」

 

女神や・・・女神がおるで・・・・

 

竜太:「悪い。ありがとう」

 

波未:「所で二人は何故一緒に?」

 

竜太・彼方:「「ああ、だって恋人同士だし」」

 

 

波未:「ハアッ!?」

 

彼方:「ゴメンね? 皆に報告はしよう思ってたんだけど思った以上にやる暇が無くてね~?」

 

すると、波未は地面に手を付いて崩れ落ち、

 

波未:「私の初恋・・・・終わりました・・・・・・」

 

 

竜太:「は?」

 

 

え? もしかして静岡合宿の時にエマが言ってた俺を狙ってる人多いって・・・・・本気(ガチ)なの?

 

 

ー 続く ー




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第84話:大切だからこそ・・・・・

最近感想来ないな・・・・・・何かあったのかな・・・?



~ 前回のあらすじ ~

 

未来からの敵、エルドラドとの戦いの為未来に伝わるサッカーの神様"マスターD"こと、円堂監督の祖父いさん"円堂大介"さんの残した最強のチーム"時空最強イレブン"を完成させるために様々な時代にタイムジャンプして過去の偉人達の力を得てきた俺達雷門イレブン。

今度は恐竜時代にタイムジャンプするのだが、皆そろっと疲れて来ただろうと一日休みになり俺は彼方を恋人になってからの初デートに誘う。

そしてデート当日、俺と彼方は神保町にやって来て幼馴染の家でお菓子を買って自然公園でゆっくりしようと思ったのだが、そこを東京の9人いる幼馴染の一人、"園田波未(そのだなみ)"に見つかってしまい、俺達は「何故私達に協力を求めないのか」と大目玉を喰らってしまい、デートそっちのけで音ノ木坂に呼び出されてしまう。

 

・・・・・・・・はぁ、この後どうなるんだろう。憂鬱だ・・・・・。

 

~ 回想・終 ~

 

ー 音ノ木坂学園・理事長室 ー

 

俺と彼方は波未に連れられて波未達の通う音ノ木坂学園に連れて来られていた。そして今は理事長室で皆が来るまで待っている。因みに目の前には現・理事長であることりさんと、生徒である波未が座っていた。

 

ことり:「竜太くんたまに抜けてる所あるよね? 神保町に来たらこうなる確率高いのに・・・・」

 

はい。ごもっともです。正論過ぎてぐうの音もでません。

 

波未:「何で他人事何ですか!? 理事長はちゃんと協力してたのに私達に声を掛けなかったんですから同罪ですよ!?」

 

それを聞いたことりさんはスッと目を細めて、

 

ことり:「教育者として子供達をそんな危険な事に誘うことは出来ないですよ?」

 

波未:「そんな物・・・・っ「なら、雷門の皆が今までに行った時代が分かりますか?」い、いえ。聞いてないので」

 

竜太:「"戦国時代の尾張の国"、"中世フランスのジャンヌダルクの時代"、"古代中国の三国志時代"、"日本の幕末"だよ」

 

波未が息を呑む音が聞こえた。それはそうだ。波未は良く勉強しており理解力も母親の海未先生に似てとても高い。故に、今俺が話した時代と場所が現代の日本と比べてどれほど危険か、どれだけ治安が悪いか良く知っている。

 

波未:「そ、そんな危険な時代に・・・・・」

 

竜太:「今までこうして無事に偉人達の力を手に入れて帰って来られただけで奇跡に近いんだ。それなのにお前らまでいたら俺は安心して戦えない」

 

波未:「っ!!」ギュッ

 

波未が手を握りしめる。俺に寧ろ足枷になりかねないと言われたのと同義だという事と、そしてそれがその通りだと分かってしまったからだ。残念ながら波未にはいくら知識があってもそんな時代に行って無事に帰って来られる自信は0に等しかった。

 

竜太:「分かったら・・・・『『『ふざけないで(んじゃないわよ)(ないでください)!!!!』』』っ!! お前ら!! ・・・・聞いてたのか」

 

桐穂:「私達だって、あれから強くなってるんだよ!? 馬鹿にしないで!!」

 

竜太:「・・・・じゃあお前らに見せてやるよ。未来の敵が、当たり前に使える力を。俺もできるようになったからな。お前ら全員で俺一人に掛かって来い」

 

理紗:「馬鹿にしてるの!?」

 

彼方:「竜太止めなよ!! ()()ちゃ()()()()()()じゃ()()()()()()!?」

 

音ノ木坂イレブン:『『『・・・・は?』』』

 

桐穂達は耳を疑った。今彼方は何と言った? 私達の方がただじゃ済まないと言わなかったか? そう認識した瞬間、桐穂達の怒りは頂点に達した。

 

ここな:「上等よ!! やってやろうじゃない!! 叩きのめしてやるわ!!」

 

 

 

そうしてグラウンドは見つかるとまずいので、体育館に移動する。

 

竜太:「言っておくが、化身もOKだ。それではっきりする筈だ」

 

すずめ:「絶対に許さないんだから!!」

 

ことり:「準備は良い? 始め!!」

 

蘭:「来るにゃっ!! 【疾風の白虎・零式】!!」

 

理沙:「氷漬けにしてやるわ!! 【白銀の女王ゲルダ・零式】!!」

 

希理歌:「【灼熱のレッドダイス・零式】!!」

 

音ノ木坂の化身使い三人が化身を発動する。そして俺も化身を出す。

 

竜太:「はあああああっ!! 【海皇龍ブルーヒドラ・零式】!!」

 

そして、桐穂達の知らない力が発動する。

 

竜太:「アームドッ!!」

 

【ブルーヒドラ】がオーラに還元され、俺の身体に鎧として装備される。するとそんな物は今までに見たことが無い音ノ木坂イレブンは驚愕する。

 

桐穂:「け、化身が鎧に!?」

 

竜太:「化身の力をこの"アームド"に凝縮したんだ。驚くのはまだ早い」

 

そして俺は行きなりシュート体勢に入る。

 

真里奈:「この距離でシュートですって!?」

 

そう。この位置から希理歌の守るゴールまで20メートル程ある。その狭いフィールドに選手が密集しているためシュートブロックも行いやすい。

 

竜太:「おらああああああっ!!」ドガアアアアアアッ!!

 

 

音ノ木坂イレブン:『『『!?!?!?』』』

 

この時代のサッカーでは考えられないパワーのシュートが放たれた。まずは化身使いの蘭と理沙が化身両発動でツインボレーでシュートブロック。

 

蘭:「なっ、何にゃぁっ・・・!? こ、このパ・・・」

 

理沙:「お、押し切られ・・・・・」

 

ドゴオオオオオオンッ!!

 

蘭・理沙:「「ぎにゃああああああっ!!?(きゃあああああっ!?)」」

 

理沙と蘭があまりにも呆気なく吹き飛ばされる。今度は波未、真里奈、ここなが三人でブロックに入る。

 

波未・真里奈・ここな:「「「[超・グラビティケージ]!!!」」」

 

三人の作り出した超重力の檻がシュートを閉じ込める。しかしそんな物では止まらない。

 

バキャアアアッ!!

 

波未・真里奈・ここな:「「「きゃあああああっ!?!?」」」

 

春香:「皆!? くっ、ここで止めます!! [ハードプラント・Gx]!!」

 

春香の技で発生した植物の蔦がシュートをたたき付ける。しかしそれさえも跳ね飛ばしてシュートは希理歌に到達する。

 

希理歌:「っ!! [ー ラッキーダイス ー]!!」

 

希理歌のレッドダイスがサイコロを振るが、健闘も虚しく出た目は「1」。シュートは音ノ木坂イレブンを吹き飛ばしてゴールに・・・・・

 

桐穂:「まだだぁああああああぁっ!!」

 

しかしゴールに吸い込まれる直前に桐穂が間に合いブロック。しかし、無情にもあまりのパワーに成す統べ無く吹き飛ばされ、シュートはゴールに突き刺さった。

 

桐穂:「そ、そん・・・・な・・・・・・」ガクッ

 

桐穂が膝から崩れ落ちる。

 

竜太:「分かったか? 俺達はこんなことくらい当たり前にできるような奴らと戦ってるんだ。()()お前達じゃあハッキリ言って足手まといにしかならない。・・・・・彼方、行くぞ」

 

彼方:「良いの? 「ああ。()は垂らした。昇って来れるかはアイツら次第だ。」フフッ、何だかんだ言っても信じてるんだね」

 

竜太:「・・・・からかうなよ」

 

 

 

 

・・・・・・私達、手も足も出なかった。あれだけ厳しい練習を重ねて来たのに、この有様・・・っ!!

 

希理歌:「私達がやって来た練習、無駄だったんかなぁ・・・・・っ」

 

ここな:「そんな事無いわよ!! 練習が無駄だなんて・・・・そんな・・・事・・・・」

 

ここなちゃんも頭を垂れる。すると、

 

ことり:「じゃあ諦めるの?」

 

すずめ:「お母さんそんな言い方っ!!」

 

ことり:「すずめ、まあ聞いて。竜太くんは言ってたよ? "今の"、皆じゃ足手まといだって」

 

っ!! "今の"・・・・って事は・・・・・!!

 

ことり:「どうするかは貴女達次第だよ?」

 

そして理事長は戻って行った。

 

桐穂:「皆、やろう!! 雷門の力になれるくらいに!! もっともっと練習して、化身使いは"化身の鎧化"を身につけて、必ず追い付こう!!」

 

皆の眼に覚悟の炎が燃え、一人、また一人と立ち上がり、全員が立つ。

 

桐穂:「絶対に・・・・強くなろーーーーっ!!!

 

音ノ木坂イレブン:『『『オオーーーーーーーッ!!!』』』

 

 

 

ー 続く ー




因みにアームドしてシュートを撃った時の竜太はゲームで言う所のフルパワー状態です。なので音ノ木坂がどれだけシュートブロックしても、どれだけ強力なキーパー技を使っても敗北が確定しているいわゆる負けイベントです。桐穂ちゃん達ゴメンね?

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第85話:現在の力の差

昨日は俺の選択ミスで初デートが台無しになってしまった・・・・・・。だが今日は恐竜時代に出発する日。いつまでも引きずる訳には行かない。

 

ツバサ:「今回は私達が付いて行くわ」

 

今回の引率は、ツバサさんと聖良さん、風丸さんと吹雪さんだ。

 

大介:「よし、ではメンバーを発表する。大海竜太、松風天馬、フェイ・ルーン、剣城京介、神童拓斗、宮下愛、高咲侑、西園信介、霧野蘭丸、菜花黄名子、天王寺理奈、桜坂しずく、中須かすみ、三船栞子、優木せつ菜。以上!!」

 

メンバーが発表され、TMキャラバンに向かおうとすると、

 

?:「ちょっと待って下さい!!」

 

女の子の声と共に、青い髪の少女が入って来た。って・・・・・・、

 

竜太:「果北!?」

 

俺達が驚いていると、後から浦の星の皆がなだれ込んで来た。今度はこいつらか・・・・・

 

大介:「ん? この子達は・・・・「元イナズマジャパンの千歌さんや曜さん、ダイヤさん。後元オルフェウスの鞠莉さんの娘達に俺の妹です」ほう。今の浦の星の選手達か」

 

羽丸:「い、石が喋ったずら!! 未来ずら~!!」

 

サファ:「うん。ちょっと羽丸ちゃん黙ってようか?」

 

サファが羽丸にあんな風に言う何て・・・・、あの二人は凄く仲良いのに。

 

果北:「お兄ちゃん!! 桐穂ちゃん達から電話で聞いたよ!! 何で私だけ何も言ってくれないの!? 私だってパパの娘だよ!? こんなことされて黙ってられる訳無いじゃん!!」

 

そりゃそうだ・・・・・。果北がどう思うかは俺が1番良く知ってる。でも、

 

竜太:「ダメだ。連れて行けない「何で!?」 はっきり言う。今のお前達と俺達じゃあ力の差がありすぎてお前らじゃあ今の相手には戦力にならないからだ」

 

浦の星イレブン:『『『っ!!!』』』

 

果北は今の一言でキレたな。なら、

 

竜太:「試してみるか? 果北、1vs1だ」

 

果北:「上等だよ!! お兄ちゃん何か・・・「いや、相手は俺じゃ無い」っ!?」

 

竜太:「かすみ、頼むわ」

 

かすみ:「えええええええっ!!?」

 

果北:「かすみちゃんが私と? ボールを奪えたらOKって言うルールでも相手にならないよ!!」

 

竜太:「・・・・・・やって見ろよ」

 

そして雷門スタジアムで、果北vsかすみが戦う。

 

竜太:「かすみ・・・・・・」ゴニョゴニョ

 

 

 

 

海未:「準備は良い? 始め!!」

 

果北:「来てっ!! 【海神(ワダツミ)の歌姫セイレーン・零式】!!」

 

果北が化身を発動し、化身シュートで一気に勝負を決めに掛かる。

 

果北:「[ー 海神(ワダツミ)のシンフォニア ー]!!!」

 

【セイレーン】の歌声と共に、果北の化身シュートが襲い掛かる。だが、

 

かすみ:「(あれ? 前より・・・・)止めますよ!! [真空連魔・V2]!!」

 

かすみが虚空に連続で[真空魔]を放ち空間を切り取る。その切り取られた空間への凄まじい引力が[ー 海神のシンフォニア ー]の水エネルギーを全て吸い込み、剥き出しになってしまったボールをかすみはカウンターシュートで対角のゴールへと蹴り返して、果北が守らなければならないゴールへと叩き込んだ。

 

果北:「っ・・・・・う、嘘でしょ・・・・・?」

 

梨奈:「果北ちゃんが、竜太くん以外にあんなにアッサリと・・・・?」

 

かすみ:「う、嘘・・・・・勝っちゃった?」

 

神童:「これは流石に驚いたな・・・」

 

善美:「! まだよ!! 私にシュート撃ちなさい!!」

 

竜太:「・・・・ハア、天馬、アームドノーマルで行け」

 

天馬:「え? 良いの?「構わん。今のこいつらじゃあ危な過ぎると分からせれば良いんだ」分かった・・・・」

 

そして天馬がキッカーに入る。

 

善美:「来なさい!!」

 

天馬:「【魔神ペガサスアーク・零式】!!!」

 

天馬は化身を発動する。ここからだ

 

天馬:「アームドッ!!」

 

【ペガサスアーク】がオーラに還元され、天馬の身体に純白の鎧となって装備される。

 

浦の星イレブン:『『『っ!!?』』』

 

善美:「な、何よそれ!!」

 

天馬:「化身アームドだよ。行くよ!!」

 

ドガアアアアアッ!!!

 

天馬のアームドシュートがゴールに突き進む。善美は化身を持っていないので必殺技で対抗する。

 

善美:「はあああああっ!! [風神・雷神・ゴースト・Gx]!!!」

 

善美の魔神3体掛かりのキャッチがぶつかる。しかしそれでも天馬のパワーはその上を行く。

 

ドゴオオオオオオオンッ!!

 

善美:「きゃあああああっ!?」

 

シュートは善美を跳ね飛ばしてゴールに吸い込まれた。

 

美歌:「私達が・・・・・・こんなことって・・・・・・・・」

 

竜太:「よし、大介さん、タイムジャンプしましょう。」

 

大介:「よし、行こう」

 

そして、メンバーと引率の大人を乗せて、果北達を現代に残し、TMキャラバンは恐竜時代へとタイムジャンプした。




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第86話:恐竜時代、驚愕の出会い

今回はかなり短いです。すいません・・・・・


ー 200年後・エルドラド ー

 

サカマキ:「奴らが動いたか。行くぞ"パーフェクトカスケイド"!! 必ずや雷門を殲滅しろ!!」

 

?:「了解。プランサーティーンに従い、ミッションを遂行致します」

 

 

 

俺達を乗せたTMキャラバンは、ワームホールを抜けて恐竜時代へとやって来た。

 

ー 6,800万年前・中生代 白亜紀後半 ー

 

TMキャラバンは、小さな池のほとりに着陸した。

 

ワンダバ:「よし、着いたぞ!!」

 

竜太:「よし、外に出よう」

 

そして細心の注意を払って外に出る。

 

信介:「気をつけてね?」

 

神童:「大丈夫だ。辺りには何もいないみたいだ」

 

茜:「何か雰囲気が違う・・・・」

 

ワンダバ:「任せろ!! ワンダバスイッチオン!!」

 

すると、俺達の服がアニメとかで原始人が着ている様な服へと変化した。

 

信介:「何か違う気がする・・・・・」

 

璃奈:「そもそもこの時代に人間はいない・・・・・・」

 

ワンダバ:「 あ・・・・ 」

 

ワンダバの周囲だけにヒューッと冷たい風が吹く

 

黄名子:「ウチは気に入ったよ? こういうのはノリやんねっ!!」

 

ワンダバ:「おお!! その通りだ!!」

 

フェイ:「何か違う様な・・・・・」

 

竜太:「まあ細かい事は良いや。取り合えず行こうぜ?」

 

そして、俺達は大きく開けた平原に出た。

 

ー 恐竜時代 大平原 ー

 

俺達は、目の前に広がる光景に言葉を失っていた。

 

竜太:「すっげえ・・・・・・・」

 

信介:「あれは"アンキロサウルス"!! あっちには"アラモサウルス"も、"トリケラトプス"もいるよ!?」

 

栞子:「本当に・・・恐竜時代に来たんですね・・・・・・」

 

俺達が言葉を失っていると、

 

ワンダバ:「よーし! じゃあ早速強そうな恐竜を・・・ ガッ ンがっ!?」

 

ワンダバが何かに引っ掛かって後ろ向きに転んだ。っておいいいいいいいっ!!!!!!!

 

しずく:「わ・・・・・・ワンダバさん・・・う、後ろ・・・・・」

 

ワンダバ:「ん? 後ろ?」

 

ティラノサウルス:『グルルルルル』

 

ワンダバ:「すんげー狂暴そうなの来たーーーーっ!?」

 

雷門:『『『うわあああああああっ!?』』』

 

ツバサ:「皆!! 散り散りに逃げないで!! 一人になると返って狙われるわよ!!」

 

その言葉で皆集団で逃げるが、向こうと俺達じゃあ一歩の歩幅が全然違う。このままじゃあ間違いなく追い付かれる。

 

?:「ガオーーーッ!!」

 

ドガアッ!!

 

すると、一匹の恐竜がティラノサウルスに頭突き。その衝撃でティラノサウルスは怯む。

 

信介:「あれは"パキケファロサウルス"!! って・・・・・・」

 

雷門:『『『ええええええええっ!!?』』』

 

俺達は全員驚愕する。なぜなら、

 

?:「ガアアアアアアッ!!」

 

何と、パキケファロサウルス背中に、この時代には決して存在しない筈の俺達と同い年位の"人間"の少年が乗っていたからだ。

 

 

ー 次回へ続く ー




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第87話:謎の野生児 トーブ

恐竜時代にタイムジャンプして早々、ワンダバの不注意でティラノサウルスに襲われた俺達。しかし、それを"パキケファロサウルス"という恐竜が助けてくれた・・・・・・と思ったら、何と恐竜時代に俺達以外の人間がいたんだ。

 

?:「ガアアアアアアッ!!!」

 

ティラノサウルス:『!?』

 

ティラノサウルスを逆に威嚇する謎の少年。すると、驚くことにティラノサウルスはギョッとした表情に一瞬なり、どこかへと行ってしまった。

 

天馬:「に、人間・・・・・・?」

 

?:「お前ら大丈夫か?」

 

!? こっちの言葉と同じ言葉を喋った!?

 

ワンダバ:「な、何者だ? 名を名乗れ!!」

 

?:「ん? オラは"トーブ"ってんだぞ。何か文句あっか?」

 

しずく:「え、えっと、トーブ君っていうんですか?」

 

トーブ:「おう。そうだぞ? お前らはどこから来たんだ? あそこの山の向こうか? オラ、オラと似てる奴初めて見たぞ。何かウホウホくっぞ!!」

 

するとトーブは何か良く分からないダンスを踊り始めた。何者何だこの子?

 

トーブ:「おっ、そうだ。ウチにくっか? すぐそこだぞ?」

 

竜太:「どうする? 正直キャンプ張るには危険過ぎると思うんだが・・・・・」

 

フェイ:「うん。まだ疑問は残るけど、言葉に甘えておこうか?」

 

天馬:「じゃあトーブ、お願いしていい? 俺は天馬」

 

トーブ:「トンマか! よろしくな?」

 

ブフッ!

 

何人か吹き出した。トンマって・・・・・・、

 

トーブ:「じゃあついて来い!!」

 

そしてトーブは走って行ってしまった・・・・・って言うか早っ!? 俺達も全速力で追い掛けるが・・・・・、

 

竜太:「嘘だろ!? 全速力の俺がドンドン離されてってる!?」

 

と、嫌な予感がして後ろを振り返ると・・・・・、

 

案の定皆は200m以上後ろを走って追い掛けて来ていた。・・・・・・遅。

 

そして待っててくれたトーブの元にたどり着き、

 

トーブ:「オメーラ遅ーぞ?」

 

そういうと、トーブは今度は樹林の中の獣道へ入って行ってしまった。マジか・・・・・。

 

俺達が急いで後を追い掛け、トーブに追い付くと、断崖絶壁の崖の前でトーブは止まっていた。これ落ちたら死ぬな

 

天馬:「ここから先はどうやって行くの?」

 

トーブ:「友達の力を借りるんだ。オーイ!!」

 

トーブが大音量の声で何かを呼ぶと、ズシン、ズシンと、足音が聞こえてきて、

 

信介:「"アラモサウルス"!! 凄い!! 恐竜が友達なんだ!?」

 

トーブ:「そうか? 普通だぞ? コイツの頭を足場にさせて貰うんだ」

 

するとトーブはアラモサウルスの頭を足場に身軽なジャンプであっという間に向こう側へ。行くしか無いか・・・・・。

 

竜太:「うおおおおっ!!」 バッ

 

俺は一気にジャンプしてアラモサウルスの頭を貸して貰って何とか向こうに着いた。はあ、怖かった・・・・・。

 

かすみ:「む、むむむ無理無理無理ですぅ!! かすみん死んじゃいますう!!!」

 

聖良:「流石に危険過ぎない?」

 

風丸:「これは俺達でも・・・・「私、行きます!!」璃奈ちゃん!?」

 

璃奈は助走をつけて一気にダッシュ。大ジャンプから頭を足場にさせて貰ってこっち側にたどり着いた。璃奈スゲエ・・・・。

 

愛:「よし、愛さんも行くよ!! 「ええっ!?あ、愛先輩!!」 うおおおおおっ!!」

 

そして何とか愛さんもこちらに。

 

神童:「俺達も行くぞ!!」

 

そして何とか皆こちらに来ることが出来た。

 

かすみ:「ご、ごわがったぁ・・・・・・」ボロボロ

 

かすみ号泣してんじゃん。そんな怖かったのか。俺も怖かったけど

 

トーブ:「情けねーぞ"かすこ"?」

 

かすみ:「"かすこ"じゃないです!! "かすみん"ですぅ!!」

 

そしてそこからまたダッシュでトーブを追い掛けて、最初に出会ってから2時間半程でトーブの家に到着した。全っ然すぐそこじゃねえええええええっ!!!!!

 

トーブ:「トーチャン!! ただ今ーーーー!!」

 

すると、空から赤い一匹の翼竜が降りてきて地面に着陸した

 

信介:「ケ、"ケツァルコアトルス"!!」

 

トーブ:「これがオラのトーチャンだ」

 

トーチャン:『クゥエーーーーーーッ!!』

 

雷門:『『『え、ええええええええっ!?!?!?』』』

 

恐竜が親!?

 

 

 

ー 続く ー




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第88話:(かげ)

きょ、恐竜が親・・・・・・?

 

竜太:「う、嘘だろ?」

 

トーブ:「嘘なんかじゃねーぞ? オラはトーチャンのタマゴから産まれたんだ」

 

いやいやいやいや、人間が恐竜のタマゴから産まれる訳・・・・・・、

 

トーブ:「あそこにオラの産まれたタマゴの殻があるぞ?」

 

水鳥:「いや、んな訳・・・・・っておい!! これって!?」

 

水鳥さんの声で皆そちらに駆け寄る。そこには、

 

竜太:「こ、これSFとかでよく見るタマゴ型の救命カプセルじゃねぇか!?」

 

フェイ:「本当だ・・・・・・。でも、天馬達の時代の物じゃ無い。でも、僕たちの時代より明らかに旧式だ・・・・・・・多分僕たちの時代よりも2~30年は前の物だよ?」

 

かすみ:「って事は・・・・・・・」

 

俺達は全員トーブを見る。

 

トーブ:「あん? 一体どうしたんだ? 飯にすっぞ?」

 

トーブは森で取ったと思われる木の実や何かの肉を用意していた。

 

竜太:「しょうがねえ、飯にするか・・・・・」

 

俺達は飯を食いながら俺達の目的をトーブに話した。

 

トーブ:「ん? 強い恐竜を探してんのか?」

 

天馬:「うん。ティラノサウルスよりも強い恐竜・・「天馬!! ティラノサウルスって言う名前は僕たちの時代の人が付けた名前だからトーブは分からないよ」」

 

トーブ:「知ってっぞ? ティラノサウルス「え!?」でもティラノサウルスって、そんな強くないけどなぁ・・・・・?」

 

それを聞いて信介が驚きの声を上げる。

 

信介:「ええ!? ティラノサウルスだよ!? そんな事無いでしょ?」

 

トーブ:「いや? トーチャンの方が強いぞ? っていうか普通にトリケラトプスにも負ける事あるしな」

 

トリケラトプスって名前も知ってるのか・・・・・。

 

フェイ:「じゃあトーブが知ってる中で1番強い恐竜って誰?」

 

トーブ:「ん~、それなら"ロックスター"だな。「ロックスター? そんな恐竜聞いた事無いよ?」ああ。一応ロックスターもティラノの一種なんだけどな? 明らかにそこらの有象無象とは訳が違うんだぞ。比べものにならないくらいデカくて、パワーも桁外れなんだ。同じ生き物なんだけどそいつだけが特別って感じだぞ?」

 

ワンダバ:「よし!! じゃあターゲットはそのロックスターで決まりだ!! トーブ、そいつはどこにいるんだ?」

 

トーブ:「この辺の強い奴らが集まってる"獣の谷"って所の洞窟に住んでるんだ。ロックスターはそこのボスだからな」

 

フェイ:「そんな強い恐竜が集まってる中で1番強いのか・・・・決まりだね」

 

天馬:「トーブ、明日案内してくれない?」

 

トーブ:「おう。良いぞ? なら今日はもう寝るぞ? 獣の谷はここよりずっと険しい道だからな」

 

かすみ:「う、嘘・・・・・かすみん本気で死んじゃいますぅ!!!」

 

しずく:「かすみさん、頑張ろう?「うう、しず子~!!」」

 

神童:「おい、トーブもう寝たみたいだぞ? 静にしろ「そうじゃな。やっと話が出来るわい」アルノ博士!?」

 

出たよ神出鬼没爺さん。

 

アルノ:「皆が想像しておる通り、トーブ君は未来の人間じゃ。ただし、恐らく170~180年くらいだと思うがな。あの頃にワシはタイムマシンを発明したんじゃが、当時は精度が拙く事故が良く起こってたんじゃ。彼は恐らくその事故でこの時代、運よくあの翼竜のタマゴに紛れる形で飛ばされたんじゃろう」

 

璃奈:「そっか!! 本で見たことがある。明らかに自分の子供じゃ無いけど自分の巣のタマゴから産まれれば自分の子供だと思い込むっていう生き物の習性。そして子供も初めて見た物を親だと思うって・・・・」

 

栞子:「はい。私もそうだと思います」

 

アルノ:「彼の親はワシの方で探してみよう。お前さん達は時空最強イレブンの方を頑張るんじゃぞ?」

 

雷門:『『『はい!!』』』

 

竜太:「・・・・・・悪い。俺ちょっとボール蹴って来るわ。「え、竜太?」 すぐ戻る・・・・・」

 

天馬:「どうしたんだろう?」

 

神童:「大海には大海の考えがあるんだろう。俺達は明日に備えて寝るぞ?」

 

 

ー 竜太 Side ー

 

竜太:「・・・・・くそっ!!」

 

俺はかなり苛ついていた。幕末で、親父を取り戻したと思ったのに・・・・ザナークも知らない横槍が入って結局取り戻せなかった!! 何より、トーブのあのスタミナとスピード・・・・俺なんか遥かに越えている!!!

 

竜太:「俺だって・・・・・・!!!」

 

でも、ダメだったら? 俺が点を決められなくなったら、どうなるんだ? 皆春に出会った頃とはまるで別人な位にパワーアップした。かすみは果北ともやりあって勝てる実力になった。だんだん皆との差が縮まってきてる。もし追い越されたら?

 

竜太:「・・・・・・ダメだな。練習するか」

 

恐竜時代の夜に、ボールの音がこだまする。しかし俺はどうしても胸の不安が拭えなかった。

 

 

ー 続く ー




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第89話:(ひず)

次の日、俺達は朝ごはんを食べてすぐに"ロックスター"の住む洞窟へと向かう準備をしていた。

 

トーブ:「準備は出来たか? 行くぞ」

 

 

ー その頃 ー

 

P・カスケイド:「獣の谷到着。プランフォーティーンに従って、ミッションを遂行します」

 

すると、そいつらに地響きの様な足音が近づいてきた。

 

ー ー ー ー ー ー ー ー ー

 

 

そんな事も知るはずも無く、俺達はトーブの案内で獣の谷へと向かっていた。まだ出発して1時間位だが、昨日とは段違いなほどに皆疲れていた。

 

竜太:「ハァ、ハァ、トーブ!! 後どのくらいだ?」

 

トーブ:「あそこの峡谷の狭間が入口だぞ? でも入ってからが本当に険しいんだぞ?」

 

竜太:「マジか・・・・・、トーブ悪い! 一旦どこかで休憩にしてくれ。皆が持たない」

 

トーブ:「だらしねえなぁ・・・しょうがねえ、入口の脇で休憩すっぞ?」

 

かすみ:「わ、ワ~イ休憩だ~・・・・」(あまりの疲労で我を忘れている)

 

しずく:「か、かすみさんがおかしくなってる・・・・・」

 

璃奈:「・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

栞子:「璃奈さん?」

 

璃奈:「堪えるには心を無にするのがコツ・・・・・」

 

天馬:「賢者だ! ここに賢者がいる!!」

 

そして入口の所で休憩中トーブが注意点を言ってきた。

 

トーブ:「昨日も言ったけど、この中にはこの辺の強え奴らがウヨウヨいっぞ? 遭遇しても絶対にビビった素振りを見せんなよ?」

 

侑:「み、見せたらどうなるの?」

 

トーブ:「食われてオダブツだぞ?」

 

女子:『『『ヒイイイイイイイイイイッ!!?!??!?』』』

 

竜太:(マジか・・・・・彼方がいなくて良かったぜ。彼方が食われたなんて事になったら・・・・・・考えるの止めよ)

 

トーブ:「よし、もう行くぞ?」

 

そしてそこから更に険しい道を進んで行くと、小型の恐竜5頭が行く手を塞いでいた。

 

信介:「"トロオドン"!?」

 

かすみ:「と、とろろうどん?」

 

信介:「トロオドン!! 小さいけど凄く頭が良い肉食恐竜だよ・・・・ん? 肉食? ってまさか!?」

 

フェイ:「待って? 様子がおかしい。まさか・・・・"マインドコントロール"!?」

 

エルドラド来てんのか!? だとしたら急がないと!!

 

竜太:「仕方ねえ、追っ払うぞ!! 俺達のやり方で!!」

 

天馬:「って事は、」

 

竜太:「サッカーバトルだ!!」

 

雷門:『『『ええええええ~~~~っ!?』』』

 

 

サッカーバトル

 

トロオドンズ

 

GK     トロオ1

 

DF     トロオ2

 

MF トロオ3    トロオ4

 

FW     トロオ5

 

雷門

 

FW     竜太

 

MF かすみ    しずく

 

DF     璃奈

 

GK     信介

 

そしてサッカーバトル開始。しかし恐竜達は人間と違い圧倒的に速く、フィジカルが凄まじく、まともにぶつかったら間違いなく吹っ飛ぶ。

 

トロオ3:「ギャオーーッ!!」

 

ボールを奪ってドリブルで上がるトロオドン。かすみが技を使って止めに入る。

 

かすみ:「「真空連魔・V2」!!」

 

かすみがボールを奪い返してドリブルで上がるが、トロオ2がすぐそこに迫る。

 

かすみ:「竜太くん!!」

 

裏でボールを受け取った俺はシュート体勢に入る。極大のオーラを纏わせてオーバーヘッドで下に落として先回りからの左足払いで空気の膜をコーティングする。

 

竜太:「[ラストリゾート・Z]!!!」

 

俺の最終進化状態の[ラストリゾート]がゴールに迫る。キーパーのトロオ1はそれを頭突きで受け止め、

 

トロオ1:「ギャオオオオッ」バチイイインッ

 

かなり押されはしたが、頭突きで上へと跳ね返した。

 

竜太:「なっ!?」

 

 

天馬:「嘘でしょ!? 竜太の[ラストリゾート]が止められた!?」

 

 

かすみ:「大丈夫です!!」

 

すると、かすみ、しずく、璃奈の三人が空中のボールの元へと跳びあがっていた。三人で暗黒の三角形を作り、エネルギーを一気に肥大化させてゴールにトリプルキックで蹴り落とした。

 

かすみ・しずく・璃奈:「「「[デスゾーン2・G3]!!!」」」

 

三人の放ったシュートは、俺のシュートを受け止めた衝撃で軽い目眩を起こしていたトロオ1を素通りしてゴールに突き刺さった。

 

トロオドン:『ギャオ?』

 

するとトロオドン達は正気に戻ったのか走ってどこかに去って行った。

 

トーブ:「なんだ!? 今の!?」

 

天馬:「サッカーだよ」

 

トーブ:「サッカー・・・・ウゥウゥゥゥウゥッホー!! スゲエぞ!!」

 

するとトーブはまた変なダンスを踊り始めた。

 

竜太:(止められた・・・・・・[ラストリゾート]が・・・・・いくら俺のシュートで目眩を起こしていたとしても、かすみ達が決めた・・・・?)

 

天馬:「ん? 竜太どうしたの?」

 

竜太:「ああ、いや・・・・何でもない。行こう・・・・」

 

剣城:「?・・・・・・」

 

そして、獣の谷を更に奥へと進んで行った。

 

 

ー 続く ー




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第90話:ヒビ割れていくエース

トロオドン達をサッカーバトルで退けた俺達だが、どうにも胸騒ぎがする。急いで獣の谷を進んで行き、河辺の大きく開けた場所に出た。

 

トーブ:「ここだぞ! おーい! ロックスター!!」

 

すると、ズシン ズシンと地響きの様な足音が此方に近づいて来る。

 

信介:「っ!! デカい・・・・・」

 

ロックスター:『グオオオオオオッ』

 

現れたのは、普通のティラノの軽く2倍はありそうなとてつもない巨体のティラノサウルスだった。だが、

 

グラアッ ズドオオオオオンッ!!

 

天馬:「えっ!?」

 

突然、ロックスターは倒れてしまった。

 

トーブ:「ロックスター!? 大丈夫か!? 何があった!?」

 

ロックスター:『グロロロオッ・・・・・』

 

トーブ:「えっ? 天馬、お前の持ってるそれ見せてくれ」

 

サッカーボールを?

 

トーブ:「これと凄く良く似てる物をぶつけられた後、覚えてないって言ってる」

 

フェイ:「エルドラドのスフィアデバイスか!!」

 

?:「ピュイィ・・・・」

 

竜太:「ん? 恐竜の・・・子供?」

 

トーブ:「"ビッグ"!! 無事だったか!」

 

ビッグ? そう呼ばれた恐竜の子供はトーブの所に来るとトーブに甘える様に頬ずりしていた。

 

トーブ:「ロックスターは、自分はもう長くないって言ってる。ロックスターはずっと一人でビッグを一人前にしようと頑張ってたんだぞ・・・・」

 

フェイ:「!?」

 

天馬:「フェイ?」

 

すると、

 

?:『グオオオオオオッ!!』

 

信介:「なっ!? トリケラトプス!? でも普通のと違う!!」

 

トーブ:「アイツは"デスホーン"って言うんだぞ!! この谷のボスの座を狙ってるんだぞ!!」

 

するとロックスターは何とか立ち上がり臨戦体勢に入る。そこにデスホーンは容赦なく突っ込んで来る。トリケラトプスの3本の鋭利に尖った角がロックスターを貫こうと襲い掛かる。

 

ロックスター:『グオオオオオオッ!!』ドガアアアアッ!!

 

ロックスターはデスホーンの頭よりも更に低い位置に頭を入れてそこから頭頂部で跳ね上げる様にデスホーンを吹っ飛ばした。

 

デスホーン:『ゴアアアアアッ!!』ドゴオオオオンッ

 

そしてデスホーンは逃げて行った。だが、

 

フラアッ、ズドオオオオオオンッ!!

 

今ので残っていた体力を使い果たし、ロックスターは息を引き取った。

 

トーブ:「ロックスター・・・・今まで良く頑張ったな」

 

天馬:「こんな・・・こんなのって無いよ・・・・」

 

竜太:「それだけじゃねえ。イレブン探しも降り出しに戻っちまった」

 

トーブ:「仕方ないんだぞ。生き物は皆いつかは死んで逝くんだそれが"バンブツのオキテ"だ」

 

天馬:「え?」

 

そして俺達はただ一人残された子供恐竜のビッグを連れてトーブの家へと戻っていた。するとその道中、

 

?:「目標を確認。これよりミッションを遂行する」

 

どこからか声が聞こえると、坊主頭の無表情な奴がワープしてきた。なんだコイツ? 例のエルドラド最強のエージェント何だろうけど、"全く覇気を感じない"・・・・本当に強いのかコイツ?

 

かすみ:「あなた誰ですか!? せめて名乗ったらどうですか!?」

 

?:「敵の要請。検討する・・・任務に支障無しと判断。よって質問に答える私は"レイ・ルク"。エルドラドのチーム、<パーフェクトカスケイド>のキャプテン。ここで君達を排除する」

 

すると相手はデバイスを操作し、

 

<フィールドメイクモード>

 

一瞬でバトルフィールドが形成され、サッカーバトルが始まる。だが、

 

トーブ:「天馬、まさかこいつらなのか!? ロックスターをあんな目に遭わせたのは!!」

 

天馬:「間違いなくね・・・・「許さねえ」トーブ?」

 

トーブ:「トモダチをあんな目に遭わせた奴らを、オラは絶対に許さねえぞ!! 天馬! オラにもやらせてくれ!!」

 

天馬:「えっ!! 分かった。頼んだよトーブ!!」

 

 

 

 

サッカーバトル

 

P・カスケイド

 

GK    ラウ

 

DF    バド

 

MF    レイ

 

FW ブル    グラ

 

 

雷門

 

FW    竜太

 

MF 愛     天馬

 

DF   トーブ

 

GK    信介

 

そして、サッカーバトルが開始される。

 

レイ:「君達のデータは全てインプットされている。君達が勝つ確率は0」

 

竜太:「うるせえええええっ!!」

 

天馬:「竜太!?」

 

俺がボールを持ってドリブルで突っ込む。しかし、

 

竜太:「行く・・・「データ通り」なっ!?」

 

敵のDF、バド・アットのノーマルタックルでアッサリと吹っ飛ばされる俺。ちょっと待て、なんてパワーしてるんだコイツ!?

 

そしてパスはレイ・ルクに渡りそのままドリブルで上がって来る。が、

 

愛:「行かせないよ!! "ミキシトランス:坂本龍馬"!!」

 

龍馬さんとのミキシマックスを発動してディフェンスに入る愛さん。しかし、

 

レイ:「・・・・・」ギュンッ

 

愛(龍馬Mix):「なっ!?」

 

ミキシマックスで能力上昇した愛さんを、レイ・ルクは素の状態のノーマルドリブルで振りきってしまう。そこにトーブが止めに入る。

 

トーブ:「ウオオオオッ!! 【太古の戦士ジャガウォック・四式】!!」

 

何とトーブは化身を発動。アイツ、化身まで!!

 

データにない選手と化身に戸惑ったのか動きを止めるレイ・ルク。その隙にトーブはボールを奪い取り天馬に回す。

 

天馬:「ナイストーブ!! 【魔神ペガサ・・・ ギュンッ !?」

 

だが怯んだのも束の間。天馬が化身を発動している間にレイ・ルクは一瞬で天馬に迫りボールを取り返した。

 

天馬:「なっ!?」

 

レイ:「・・・・・・」ドガアアアアッ!!

 

レイ・ルクはノーマルシュートを放って来る。ノーマルなら流石に止められる筈!!

 

信介:「"ミキシトランス:劉備"!!」

 

信介は劉備のミキシマックスを使って止めに入る。

 

ドゴオオオッ!!

 

信介(劉備Mix):「ぐううううううっ!?」

 

ミキシマックス状態でのキャッチングにも関わらず、たかがノーマルシュートの勢いが抑えきれない。そして・・・・、

 

ドゴオオオオンッ

 

信介(劉備Mix):「うわあああああっ!?」

 

シュートはゴールに突き刺さり、俺達は敗北した。

 

 

竜太:「くそっ・・・・」

 

レイ:「これより洗脳を開始する」

 

《マインドコントロー・・・・

 

バシュウン

 

レイ:「・・・反応消失」

 

天馬:「っ!?」

 

?:「危ない所じゃったのう」

 

雷門:『『『アルノ博士!!』』』

 

アルノ:「ホーッ、ホッホッホッ!!」

 

まさかこの爺さんに助けられるなんて・・・・

 

 

ー 続く ー




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第91話:恐竜時代での特訓

パーフェクトカスケイドにサッカーバトルで敗北してしまい危うく洗脳され掛けた俺達。そこをアルノ博士に間一髪の所で助けて貰い事なきを得た。

 

天馬:「アルノ博士、助かりました・・・」

 

風丸:「竜太、一体どうしたんだ?」

 

聖良:「確かに・・いつもの竜太くんらしくありませんでした」

 

俺は何も言わない。いや、言えない。ただのトーブへの"嫉妬"だなんて・・・・・

 

風丸:(何か俺が中2の時の"エイリア学園事件"の時の俺と雰囲気が似てるんだよな・・・)

 

するとアルノ博士が口を開き、

 

アルノ:「とにかく、パーフェクトカスケイドは今までの敵とは比べ物にならん程に強い。特訓するしか無いじゃろうな」

 

神童:「特訓か・・・『クェエエエエエッ!!』 !?」

 

トーブ:「トーチャン!! へ? 特訓相手を探してくれた!? 分かった。すぐ行くぞ!!」

 

天馬:「どうしたのトーブ?」

 

トーブ:「トーチャンが特訓相手を見つけてくれたって。大平原で待ってるらしいぞ?」

 

天馬:「よし、じゃあ大平原で特訓だ!!」

 

そして俺達は大平原へと向かう。特訓相手ってやっぱりアレだよなあ・・・

 

 

ー 大平原・南エリア ー

 

トーブ:「あっ、居たぞ!! トーチャン!!」

 

トーチャン:『クェエエエエーーッ!!』

 

ケツァルコアトルスが吠えると、向こうから5頭の恐竜が走って来た。

 

信介:「ティラノサウルスと、トロオドン!!」

 

トーブ:「コイツラが練習相手になってくれるってよ」

 

かすみ:「ひぃぃぃぃぃ・・・ごわいでずぅううっ!!」

 

トーブ:「ビビったら喰われるぞ?」

 

確かに、今トロオドンが舌をペロッとやったぞ・・・・。

 

フェイ:「じゃあさっそく練習しよう。「あっ、今回はウチにもやらせて欲しいやんね!」黄名子? うん。分かった」

 

黄名子:「何かウチの身体の中から湧いて来てるやんね!」

 

ワンダバ:「ムムッ!? それはまさか!!」

 

そして恐竜達相手の特訓が始まる。

 

 

サッカーバトル

 

ティラノと仲間

 

GK     ティラノ

 

DF     トロオ1

 

MF トロオ2    トロオ3

 

FW     トロオ4

 

雷門

 

FW     剣城

 

MF フェイ    天馬

 

DF     黄名子

 

GK     信介

 

そして、雷門ボールでサッカーバトルが始まった。しかし当然人間と恐竜では種族的に身体能力が違い過ぎる。天馬にボールが渡るがトロオ3にあっという間に奪われてしまう。

 

天馬:「そうだこのスピードだ・・・「任せて!!」 黄名子!!」

 

黄名子は一瞬の隙をついてスライディングで奪い取り剣城にパスを出す。

 

剣城:「喰らえっ!! [デビルバースト・Gx]!!!」

 

剣城の必殺シュートがティラノに迫る。しかしティラノは身体を回転させて勢いを乗せた尻尾での一撃でアッサリと弾き返してしまった。ボールは幸い天馬が確保するがまたしてもトロオ3が迫る。

 

天馬:「フェイ!!」

 

天馬はフェイにパスを出し、無事に繋がる。

 

フェイ:「"ミキシトランス:ティラノ"!!」

 

フェイはティラノサウルスとのミキシマックスを発動。シュート体勢に入る。

 

フェイ(ティラノMix):「[絶・古代の牙]!!!」

 

今度はフェイのミキシシュートが襲い掛かる。しかしティラノは勢いに少しふらつきながらも弾き返した。

 

黄名子:「任せてっ!! うおおおおおっ!! 【暁の巫女アマテラス】!!」

 

すると、なんと黄名子は化身を発動。渾身の力でボレーシュートを叩き込む。ティラノはフェイのシュートのふらつきがまだ収まっておらず、反応出来ずにシュートはゴールに突き刺さった。

 

天馬:「ナイス黄名子!!」

 

黄名子:「ブイッ! 「目標を再捕捉」 !!」

 

するとパーフェクトカスケイドがワープしてきた。来たな・・・。

 

天馬:「レイ・ルク!! 勝負だ!!」

 

レイ:「敵の要請・・・我々の目的と完全一致。承諾。良いだろう。」

 

《ムーブモード》

 

そしてスフィアデバイスの光に包まれた。

 

ー 獣の谷・最奥部 ー

 

トーブ:「ここは、獣の谷!?」

 

そしてレイ・ルクはデバイスを操作し、

 

《フィールドメイクモード》

 

そして獣の谷に一瞬でサッカーフィールドが出来た。

 

《タイムワープモード》

 

ー 現代・沖縄 ー

 

女将さん:「あんた、カレー三人前大至急ね!! もう勝手にどこかへ行かないでよ!?」

 

矢島:「あいよ!! つっても記憶が無いんd・・・・ カラン」

 

女将さん:「あん・・・、あーもう!! 一体どうなってるのよ!?」

 

ー 恐竜時代・獣の谷 ー

 

矢島:「あーっと、店でカレーを作っていたと思ったらまさかの恐竜時代だーーーーっ!! 今回はここ、"ロックスクエアスタジアム"より、雷門vsパーフェクトカスケイドの試合をお届けするぞーーーっ!!」

 

サカマキ:「行け!! 奴らを殲滅しろ」

 

レイ:「了解」

 

吹雪:「焦っちゃダメだよ? 一つ一つのプレーをしっかりとね?」

 

雷門:『『『はい!!!』』』

 

フォーメーション

 

パーフェクトカスケイド

F-パーフェクト

 

GK         ラウ

 

DF    ドネル  リン   バド

 

ボランチ ファニ           エミ

 

MF  ダイ     レイ     ケイ

 

FW       グラ  ブル

 

雷門

 

FW    剣城  竜太

 

MF 愛    天馬    侑

 

ボランチ   神童  フェイ

 

DF  トーブ 霧野  黄名子

 

GK      信介

 

今度こそ勝つ!!

 

 

 

ー 続く ー




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第92話:フェイの本気

雷門のキックオフからパーフェクトカスケイドとの試合が開始。しかし開始早々に天馬がボールを奪われてしまった。

 

竜太:「っ!! クソ!!」

 

俺は急いでボールを持っているレイ・ルクを追い掛ける。しかし全く追い付けない。ドリブルでこの速さかよ・・・・・!!

 

霧野:「行かせない! "ミキシトランス:ジャンヌ"!! [ラ・フラム・G2]!!」

 

進化した霧野先輩の[ラ・フラム]がレイ・ルクの行く手を阻む。しかし寸前でレイ・ルクはケイ・ロウにパスを出し、そこからボールはFWのグラ・フォムに渡ってしまう。

 

グラ:「・・・・・・・・・」

 

ドゴオオオオンッ!!

 

グラ・フォムのノーマルシュートとは思えない威力のシュートが雷門ゴールに進む。信介は化身を発動し、

 

信介:「【護星神タイタニアス・零式】!! アームドッ!!」

 

ここで信介の化身は零式へと最終進化。化身アームドも発動する。が・・・・、

 

信介:「グウウウウウウッ!? (そんなっ!? ノーマルシュートの筈なのに・・・このパワー!?)」

 

ドガアアアアッ

 

信介:「うわあああああっ!!」

 

しかし、信介の抵抗も虚しくシュートはゴールに突き刺さった。

 

矢島:『ゴーーーール!! パーフェクトカスケイド、圧倒的なパワーで1点を先制!!』

 

天馬:「強い・・・・・でも諦めるもんか!!」

 

雷門ボールのキックオフで試合再開。ボールは愛さんに。

 

愛:「"ミキシトランス:坂本龍馬"!!」

 

愛さんは龍馬さんとのミキシマックスを発動。ドリブルで攻め上がる。が、

 

ファニ・レイ・ドネル:「「「"ディフェンスコマンド21" [無影乱舞]」」」

 

パーフェクトカスケイドの選手三人による、一見するとバラバラの様だが完璧に息が合い統率のとれた動きに逃げ道を塞がれボールを奪われる愛さん。

 

愛(龍馬Mix):「くっ、一体何なのコイツら!?」

 

ボールはレイ・ルクに渡り、ドリブルで攻め上がる。此方も天馬、フェイ、神童先輩が三人掛かりで止めに入るが、

 

レイ・ダイ・ケイ:「「「"オフェンスコマンド11" [無影走破]」」」

 

三人が縦一列に寸分の狂いもなく並び、一気に加速し此方のディフェンスを突き破る。そしてFWの二人に縦のセンタリングが入る。

 

グラ・ブル:「「"シュートコマンド20" [双飛遊星弾]」」

 

FW二人がパーフェクトにシンクロしたバク宙からの手首を使った大ジャンプから二人全くの同時にオーバーヘッドキックを叩き込む。すると隕石の様なシュートが雷門ゴールに襲い掛かる。

 

信介:「絶対に止めてやる!! "ミキシトランス:劉備"!! [大国謳歌]!!」

 

信介のミキシ技がシュートにぶつかる。しかし呆気なくシュートはゴールに突き刺さった。

 

 

聖良:「強い・・・・・・」

 

ツバサ:「ねえ? 変な意味じゃなくて、アイツら本当に人間なのかしら・・・・」

 

風丸:「確かに。いくら何でも動きに無駄が無さすぎる・・・・・」

 

吹雪:「うん。いくら練習したって、人間にはあそこまでの動きは・・・・・」

 

 

 

 

サカマキ:「ふん、勝負は見えたな。レイ・ルク!! アレをやれ!!」

 

レイ:「了解」

 

するとレイ・ルクは試合中にスフィアディフェンスを操作した。すると、

 

 

 

?:『グオオオオオオッ!!』

 

トーブ:「アレは!! デスホーン!?」

 

竜太:「まさか恐竜を試合に乱入させる気か!?」

 

ツバサ:「皆逃げて!」

 

デスホーンがこっちに突っ込んで来る。が、

 

ザッ、

 

ビッグ:「ガアアアアアッ」

 

まだ身体の小さい子供恐竜のビッグが、巨体のトリケラトプス相手に必死に威嚇している。

 

フェイ:「ビッグ・・・・僕たちの戦いを邪魔させないと・・・・」

 

サカマキ:「分不相応の勇気か・・・笑えるな・・・」

 

フェイ:「ビッグ、君は乗り越えたんだね・・・親のいない孤独を・・・・」

 

 

~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

 

フェイ(子供):「おとうさんはボクをすてたの・・・・?」

 

~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

 

フェイ:「・・・・ビッグ、君は凄いよ・・僕も戦う!! こんな所で負けてたまるか!!」

 

デスホーンがビッグを捻り潰そうと突進する。が、

 

ビッグ:「ギャオオオオオオッ!!」

 

ビッグの背から、青い恐竜のオーラが具現化する。人間の物とは異なるが、それは紛れも無く化身だった。化身を発動したビッグの渾身の一撃を受けたデスホーンはきびすを返して逃げて行った。

 

サカマキ:「何!?」

 

ビッグ:「ギャオオオオオッ!!」

 

フェイ:「!! ビッグ・・・ひょっとして」

 

大介:「よし、フェイとビッグをミキシマックスだ!!」

 

ワンダバ:「よし、行くぞフェイ!! ミキシマーーーックス!!」

 

ビッグ:「グオオオオオオッ!!」

 

フェイ:「うおおおおおおぉぁあぁぁああああっ!!!」

 

光が晴れると、青い髪に変わり、ダイナミックで力強さを感じさせる雰囲気へと変貌したフェイが立っていた。

 

ワンダバ:「ミキシマックス、コンプリート!!」

 

フェイが新たなミキシマックスを成功させ、三度雷門ボールから試合再開し、ボールはフェイに渡るが、そこにレイ、ドネル、バドが止めに入る。

 

レイ・ドネル・バド:「「「"ディフェンスコマンドテュe・・「邪魔だあああああっ!!」 !?」」」

 

フェイは力付くのパワードリブルで一気に突破。シュート体勢に入る。

 

フェイ(ビッグMix):「[王者の牙]!!」

 

[古代の牙]と似てはいるが威力は桁外れのシュートがパーフェクトカスケイドゴールに飛んでいく。キーパーラウ・セムは必殺技の構えに入る。

 

ラウ:「"キーパーコマンド16" [弧月十字掌]」

 

十文字に展開された三日月がの様な軌跡がシュートを阻む。そして後一歩の所で[王者の牙]は止められてしまった。

 

フェイ(ビッグMix):「!?」

 

黄名子:「やっぱり・・・・フェイ、本気で戦って無いやんね!!」

 

フェイ:「!? 戦ってるよ本気で!!」

 

黄名子:「じゃあ何で"化身"を使わないの!? フェイは化身アームドもできるやんね!!」

 

フェイ:「っ!? 黄名子どうしてそれを・・・・」

 

フェイを押さえ付けてるのは何なの?

 

フェイ:「・・・・・・嫌いなんだ。自分の化身・・・「【光速闘士ロビン】は可愛くて強い化身。ウチは好きやんね」 !? 何でそんなことまで・・・」

 

黄名子:「ビッグも皆も、精一杯の勇気を振り絞って戦ってるやんね!! なのにフェイは、それで良いの?」

 

フェイ:「分かったよ。僕の本当の力・・・見せてやる!! ウオオオオッ!! 【光速闘士ロビン・零式】!!」

 

すると、ウサギの見た目の拳にガントレットを装着した拳闘士が降臨した。

 

ー 続く ー




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第93話:見せ掛けの希望

パーフェクトカスケイドとの試合、此方が窮地に立たされた時今まで一度足りとも化身を使ったり使える様な素振りも見せなかったフェイが化身を発動。フェイ・・・化身使えたのか?

 

天馬:「フェイ! 化身使えたんだ!!」

 

フェイ(ビッグMix):「ゴメン。別に隠そうとは思って無かったんだ。ただ・・・どうしても化身を使いたくない理由があってね」

 

化身を使いたくない理由・・・・?

 

フェイ(ビッグMix):「とにかく、ここからはボクも本当に全力で行く! ボール回してくれる?」

 

天馬:「分かった!!」

 

そしてパーフェクトカスケイドのゴールキックから試合再開。ボールはここで中盤のダイ・ロードに渡るが、ここで侑と神童先輩が同時にミキシマックスを発動する。

 

神童・侑:「「"ミキシトランス:信長(孔明)"!!」」

 

二人の天才戦術家の力を身に纏い、連携してディフェンスに入る。

 

神童(信長Mix)・侑(孔明Mix):「「[ウイニングロジック]!!」」

 

二人の状況推理能力と静と動の動きの緩急、二つの要素が完璧に噛み合い、パーフェクトカスケイドに何もさせずにボールを奪った。

 

 

 

サカマキ:「何っ!!」

 

 

 

神童(信長Mix):「フェイ! 行け!!」

 

そしてボールはフェイに渡る。

 

フェイ(ビッグMix):「よし、行くよ! 【光速闘士ロビン・零式】 アームドッ!!!」

 

そしてフェイは更にミキシマックスと化身アームドを重ね掛けする。

 

バド・ドネル・リン:「「「"ディフェンスコマンド21" [無影乱舞]」」」

 

統率された三人の連携ディフェンスがフェイに迫る。が、

 

フェイ(ビッグMix&アームド):「邪魔だああああああああっ!!!!」

 

ズガアアアアアアアッ

 

パーフェクトカスケイドのディフェンスを纏めて吹き飛ばし、フェイはシュート体勢に入る。

 

フェイ(ビッグMix&アームド):「[王者の牙]!!」

 

[古代の牙]とは違い、ロックスターの咆哮から青い牙のシュートが放たれる。キーパーラウはキーパー技を発動する。

 

ラウ:「"キーパーコマンド16" [弧月十字掌]」

 

ラウの十文字の三日月がシュートを迎え撃つ。しかしあまりのパワーにラウは吹き飛ばされ、ついにパーフェクトカスケイドのゴールネットを揺らす事に成功した。

 

 

矢島:『ゴーーーーーール!!! 雷門、フェイ・ルーンのシュートで遂にパーフェクトカスケイドから1点をもぎ取ったーーーーーっ!!!』

 

天馬:「やった!!」

 

竜太:(・・・・・・何だ? この感じ・・・・・)

 

パーフェクトカスケイドのキックオフから試合再開。ボールはレイ・ルクに渡るが、そこに侑がディフェンスに入る。

 

侑(孔明Mix):「フェイくんが殻を破ったのに、先輩の私がこのままで良い訳無い!! 来てっ!!【戦場の女神ジャンヌ・零式】!! アームドッ!!」

 

すると【ジャンヌ】がオーラに還元され、純白のドレスの様な足元に、純白の金属鎧を上半身に装備した、"姫騎士"と言うべき容貌の侑が立っていた。

 

 

矢島:『あーーーーーっと! フェイ・ルーンのシュートで勢いづいたか、続けて高咲も化身アームドを発動だーーーーっ!!』

 

しずく:「侑先輩も化身アームドを!!」

 

侑(孔明Mix&アームド):「行くよ!! パーフェクトカスケイド!!!」

 

化身アームドとミキシマックスを同時発動した侑は一気にレイ・ルクに肉薄。スライディングでボールを奪い去りドリブルで上がる。その動きがまたとてつもなく速い。明らかにパーフェクトカスケイドのスピードを上回っている。そしてディフェンスを振り切りキーパーと1vs1に。

 

侑(孔明Mix&アームド):「絶対に決める!!」

 

侑が両足でボールを挟んでそのまま空高くバク宙し、思い切りボールを上に放る。そして一回転しボールの落下とタイミングを合わせて、

 

侑(孔明Mix&アームド):「[極・ペガサスショット]!!!」

 

かつてのアメリカ代表の一之瀬さんと同じシュート技が、超パワーアップされてパーフェクトカスケイドに襲い掛かる。

 

ラウ:「"キーパーコマンド16" [弧月十字掌]」

 

ラウのキーパー技がまたしても立ち塞がる。しかし威力に押されたラウはそのまま自身の体ごとゴールに叩き込まれた。

 

矢島:『ゴーーーーーール!! 雷門追い付いたーーーーーっ!!』

 

霧野:「よし!!」

 

トーブ:「何かウホウホくっぞーーーー!! 『クェエエエエエッ!!』 おっ、トーチャンも来てんのか!!」

 

大介:「よし、ワンダバ!! トーブとケツァルコアトルスをミキシマックスだ!!」

 

ワンダバ:「よし行くぞ!! ミキシマ~ックス!!!」

 

トーチャン:『クェエエエエエッ!!!』

 

トーブ:「おおおおおおおおおっ!!」

 

そして、トーブの姿が変わり、赤い髪に翼竜を思わせる様なヘアスタイルへと変わっていた。

 

ワンダバ:「ミキシマックス、コンプリート!!」

 

遂に同点に追いつき、パーフェクトカスケイドボールで試合再開。ボールはレイ・ルクから一気に前線のグラ・フォムと、ブル・レクスに後ろからセンタリングではいる。二人は[双飛遊星弾]の構えだ。

 

トーブ(トーチャンMix):「させるかあああっ!!」

 

先程よりも跳躍力が上昇したトーブが空中でボールをカット。[双飛遊星弾]は不発に終わった。

 

天馬:「って言うか・・・・飛んでる!?」

 

飛んでる。確かにそう思わせるには十分過ぎるほどに滞空時間が異常に長い。まるで鳥だ・・・・。

 

大介:「うむ。時空最強イレブンの力二つは埋まったみたいだな!!」

 

しかし、

 

 

 

 

サカマキ:「レイ・ルク、"ノーマルダイブモード"の使用が適切と判断できる」

 

レイ:「了解。パーフェクトカスケイド、"プラクティスモード"から"ノーマルダイブモード"へと移行します」

 

その瞬間、パーフェクトカスケイドのスピードとパワーが桁違いに上昇し、そこから更に2点を連続で取られてしまい2-4になってしまった。

 

神童:「まさかこれがコイツらの本気なのか!?」

 

レイ:「本気、それが100%の力を発揮するという意味なら、答はNOだ。 「何だと!?」」

 

 

ピピッ

 

サカマキ:「ん? 此方サカマキ。なn・・・・何!? 奴らが!? パーフェクトカスケイド試合は中止だ!! 現在、エルドラド本部が"セカンドステージチルドレン"から攻撃を受けているらしい。直ちに帰還する!!」

 

レイ:「状況確認。撤退します」

 

そして、リードしている筈のパーフェクトカスケイドは何故か撤退して行った。

 

竜太:「どういうことだ?」

 

フェイ:「まさか未来で何かあったのか?」

 

剣城:「だが状況を考えれば、見逃して"貰った"。と言うべきだろうな」

 

神童:「だが、敵の最強チーム相手に、何とか戦えてた・・・・だが最後のは一体・・・」

 

侑:「何かまだ上がある見たいな言い方だったよね?」

 

黄名子:「でも、このまま練習を続けて行けばイケる気がするやんね!!」

 

雷門:『『『ああ・・・・』』』

 

その頃、俺はとある決心をしていた。

 

その日の夜・・・・・・

 

 

竜太:「アルノ博士、~・・・・・・~をくれませんか?」

 

 

アルノ:「良いじゃろう。なら、今のうちに豪炎寺君にワシから連絡しておく。彼なら1番理解してくれそうじゃからのう」

 

 

竜太:「ありがとうございます・・・・」

 

 

ー 続く ー




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第94:離別

恐竜時代でトーブをが仲間になり、時空最強イレブンの力二つをフェイとトーブが手に入れ、今日現代に戻る。

 

天馬:「トーブ・・・本当にビッグの事は良いの?」

 

トーブ:「ビッグにはロックスターの後を継いで獣の谷のボスになるって立派な役目があるんだぞ。何時までも誰かに頼ってはいられねぇんだ」

 

フェイ:「でも・・・・ビッグは親を亡くしたばかり何だ・・・・」

 

すると、フェイはビッグに近づきそっと身体を撫でる。

 

ビッグ:『ピュイ?』

 

フェイ:「ビッグ・・・ありがとう。お前の力を借りて戦い抜くからな」

 

ビッグ:『ピュイーーーッ』

 

竜太:「フェイ、行くぞ?」

 

そして俺達がTMキャラバンに乗り込むとゆっくりと離陸を始める。すると・・・・

 

ビッグ:『ピュイィイイイイーーーーーーーッ!!!』

 

フェイ:「ッツ! ビッグ・・・・」

 

天馬:「きっと、何者にも負けない強い恐竜になるって誓ってるんじゃ無いかな?」

 

フェイ:「さようならビッグ!! 元気でなーーーーっ!!」

 

 

トーブ:(確かにビッグはこれから一人で生きていかなきゃならない。けど、新しい友達が増えたんだぞ・・・・)

 

 

ー 現代・雷門 ー

 

豪炎寺:「お前達無事だったか。ん? その子は・・・君がトーブ君か。アルノ博士から聞いてるよ」

 

トーブ:「おう。よろしくだぞ」

 

穂乃果:「連絡を貰った時はビックリしたよ」

 

海未:「赤ん坊の頃から恐竜時代で生きてたなんて・・・・」

 

先生方が話していると豪炎寺さんが皆に話をしてきた。

 

豪炎寺:「竜太」

 

竜太:「はい・・・・」

 

豪炎寺:「今回の試合、決められなかったそうだな?」

 

愛:「ちょっと、豪炎寺さんそんな言い方・・・・」

 

豪炎寺:「肝心な所で決められないストライカーなど、この戦いでは邪魔だ。竜太を、メンバーから外す」

 

雷門:『『『!?』』』

 

彼方:「ちょっと待って下さい!! 竜太は・・・「分かりました」 !?」

 

そうして荷物を纏めた俺はサッカー棟から出ようとすると、

 

天馬:「待ってよ竜太!! 本当に良いの!?」

 

竜太:「悪い。今の俺じゃあ戦えそうに無い「諦めるの!?」 ・・・・何とでも言え」

 

そして俺は、サッカー棟から出て行った。

 

かすみ:「まさか竜太くんが諦めるなんて・・・・」

 

果林:「豪炎寺さんも豪炎寺さんよ!! 何で!?」

 

フェイ:「皆ボクよりも長く竜太と一緒にいるのに何も分かって無いんだね」

 

しずく:「フェイさんどういう意味ですか!!」

 

フェイ:「言葉通りだよ。本当にあの竜太がサッカーを諦めると思う? 父親があんなにされてるのに」

 

彼方:「きっと・・・わざと私たちから離れたんだと思う。一人で特訓するために・・・私たちを巻き込まない様に・・・・」

 

確かに、言われて見ればそれが1番ありそうだ。

 

愛:「あんの馬鹿!! 連れ戻して来る!!」

 

その時、サッカー棟の扉が開き、果北ちゃんと桐穂ちゃんが入って来た。

 

エマ:「? 二人ともどうしたの?」

 

桐穂:「昨日、私たち二人とも竜太から変なメール貰って・・・今日雷門のサッカー棟にこの時間に来てくれって・・・」

 

栞子:「変なメール?」

 

そこにはこう書かれていた。

 

~ 竜太 ~

雷門の助けになってくれ。OKなら、明日の昼2時半に雷門のサッカー棟に来てくれ。

 

1日後の大海竜太より

 

ー ー ー ー ー ー ー ー ー

 

天馬:「1日後・・・・昨日届いて1日後って事は今日だよね?」

 

栞子:「でも時間指定は未来にしか届きませんよ?」

 

ワンダバ:「まさかタイムジャンプか!?」

 

桐穂・果北:「「え!?」」

 

ワンダバ:「恐らくついさっき僕らと別れた竜太が昨日にタイムジャンプして二人にメールを送ったんだと思う。今日のこの時間って指定したのは、僕らが恐竜時代から帰って来た時間とタイミングを合わせる為だよ」

 

桐穂:「じゃあ竜太は・・・」

 

フェイ:「間違いなくもうこの時代にはいない。たった一人でいろんな時代を回って修業するつもり何だよ」

 

彼方:「そんなの危険過ぎるよ!!」

 

フェイ:「だから一人で行ったんだと思う。恐らくアルノ博士からタイムブレスレットを貰ったんだよアレがあればキャラバン無しでタイムジャンプできるから・・・・恐らく豪炎寺さんもグルだろうね。発案は竜太自身だろうけど・・・・」

 

果北:「お兄ちゃん・・・・」

 

桐穂:「竜太・・・・」

 

フェイ:「僕たちは竜太を信じてイレブン集めを続けよう。どこかの時代で会えるかもしれない」

 

果林:「あったらぶん殴ってやるわ!!」

 

エマ:「私も!!」

 

 

 

 

 

ー ー ー ー ー ー ー ー

 

アルノ:「ホッホッ、もう気付くとはのう・・・・」

 

豪炎寺:「竜太、必ず無事に戻れよ・・・・・・」

 

 

ー 続く ー




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第95話:実力テスト

今回は短いです。すみません。


竜太が雷門を離れた次の日、あの後で代わりに音ノ木坂と浦の星のメンバーが高坂さんと果北ちゃん経由で一時的に仲間になりこれから次の時代へと出発する・・・・が、その前に今の皆の実力を見ることになった。

 

大介:「よし、では音ノ木坂と浦の星で試合をして貰う。どれだけの実力があるのかを見せて貰うぞ」

 

音ノ木坂・浦の星:『『はい!!』』

 

豪炎寺:「この試合は監督無しで自分たちの思った通りにやれ。良いな?」

 

音ノ木坂・浦の星:『『分かりました!!』』

 

 

そして雷門スタジアムで試合を始める。

 

フォーメーション

音ノ木坂

 

GK       東條

 

DF  真島   小泉   咲良

 

ボランチ    西木野  矢澤

 

MF   絢瀬  園田  南

 

FW     星空  高坂

 

浦の星

 

FW       大海(果)

 

MF  渡辺   高海   黒澤(ル)

 

ボランチ    桜内   黒澤(サ)

 

DF 小原  川瀬  永井  国木田

 

GK       津島

 

 

ことり:「じゃあ始めるよ~?」

 

 

ピイイイイイイッ!!

 

ことりさんのホイッスルで試合が始まった。浦の星ボールで試合開始でボールは高海さんへ。

 

美歌:「千夏ちゃん!!」

 

ここでボールは渡辺さんに渡りそのままドリブルで攻め上がる。そこに絢瀬さんが止めに入る。

 

理沙:「行かせないわ!! [超・スノーエンジェル]!!」ガキィイイイインッ!!

 

絢瀬さんは更に磨きが掛かったスピードから一瞬で必殺ディフェンス技を発動。渡辺さんからボールを奪った。

 

理沙:「行くわよ! 【白銀の女王ゲルダ・零式】!! アームドッ!!」

 

!? 化身アームドもうマスターしたの!? ・・・・と、思ったがオーラは霧散し不発に終わる。

 

理沙:「やっぱりまだ無理か・・・・」

 

しかしそうしている間にも浦の星のディフェンスが迫る。絢瀬さんは急いでパスを回す。

 

理沙:「波未!!」

 

ボールは園田さんに渡り南さんが合流して二人で攻め上がる。浦の星は桜内さんと黒澤(サファ)さんが二人でディフェンスに入る。

 

梨菜・サファ:「「[デュアルストーム・S]!!」」

 

浦の星の連携ディフェンス技が二人に襲い掛かる。

 

波未:「行きますよすずめ!!」

 

すずめ:「うん!! 波未ちゃん!!」

 

すると園田さんと南さんは二人同時にドリブル技、[風神の舞]を発動。すると、二つの[風神の舞]の強風が融合し一つになり、とてつもない暴風へと変化する。

 

波未・すずめ:「「[シルフィードストーム]!!!」」

 

四大精霊の一角、風の精霊シルフの名を持ったドリブル技が浦の星のディフェンスを吹き飛ばす。そしてここで高坂さんが合流。三人でシュート体勢に入る。

 

桐穂:「波未ちゃん! すずめちゃん!」

 

高坂さんは上空へとジャンプしていた二人にパスを出す。すると南さんは「風」、園田さんは「雷」のエネルギーを込めたツインキックで下に落とす。それを高坂さんが炎の力を宿した右足でボレーシュートを叩き込む。

 

桐穂・波未・すずめ:「「「[エボリューション・Gx]!!」」」

 

高坂さん達の必殺シュートが浦の星ゴールに迫る。

 

しかし津島さんが必殺技で迎撃体勢に入ると背後に女性型の水の魔神が現れる。

 

善美:「[マジン・ザ・ウェイブ・V4]!!」

 

水の魔神と共に津島さんはシュートを迎え撃ち、押されながらもシュートをガッチリと止めた。

 

 

 

ー 続く ー




感想・評価宜しくお願いします。


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<近江彼方>誕生日編:~Mainルート~

3年生だった彼方は俺よりも2年先に高校を卒業し、料理関係の職に就職。俺はその2年後に高校を卒業して東京を拠点とするプロチームに入団してプレーしていた。

 

今は()()高校を卒業してから八年目。彼方は現在28歳。俺は26歳。だが、彼方は今でも物凄く綺麗な容姿のまま保っている。てゆうかはっきり言っても20代前半にしか見えないのが恐ろしい。

今は結婚してからは六年目。二人の子宝にも恵まれ、上の子は女の子で"(かなで)"。因みに5歳。下の子は"涼太(りょうた)"現在1歳の男の子。

 

今は12月なのでサッカー選手の俺にとってはオフシーズンでやっとの長期休みだ。他のチームメイトはこの休みにもちゃんと練習しているだろう。勿論俺もしている。だが、それはあくまでも子供達が保育園に行っている間だけの話だ。俺は奏が幼稚園に行っている間は彼方と涼太と一緒に公園に行って、俺の眼が届く所で彼方が涼太の面倒を見て、俺は一人で走ったり基本のリフティングなど基礎練習を積み重ねる。

 

「彼方(妻)が家事をしなくても良いのか?」と思われるかもしれないが俺は彼方が起きる朝の6:00頃には毎日一緒に起きて朝の支度やゴミ捨て、食器の後片付け、洗濯等は分担して一緒にやっている。その方が早く終わるしその結果俺も早く練習できる。何より彼方に毎日の生活の中で感謝を伝えられる。一石三鳥だ。しかし、今日は東京にしては珍しく雪が積もっていた。奏と涼太が大はしゃぎで外に行こうとするので家族四人で「雪遊びでもするか」という事になった。

 

奏:「エイッ!!」ヒュッ

 

竜太:「おっと! ホラッ」

 

俺が雪玉を優しく投げ返す。すると奏は球玉をキャッチして思い切り投げ返した。

 

バフッ

 

竜太:「ぶっ!?」

 

奏の投げた雪玉が俺の顔面に直撃する。・・・・柔らかい雪で作っておいて良かった。

 

奏:「あっ!! ぱ、パパ・・・・ご、ごめんなさい・・・・・」プルプル

 

肩を震わせて謝る奏。怒られると思ってるな・・・・・。

 

竜太:「大丈夫だ。ちょっと痛かったけど、何ともない。それよりもちゃんと謝れてエライじゃないか!!」

 

奏:「お、怒って無い?」

 

竜太:「ちゃんと謝れたから怒るわけ無いよ」

 

俺が優しく奏の頭を撫でると、奏は笑顔になった。うん。子供はこうでなくちゃ。

 

彼方:「竜太~? 大丈夫? 「おう。大丈夫だ!!」」

 

涼太の面倒を見ていた彼方が声を掛けて来たので「大丈夫」と返す。そして午前中目一杯遊んだら、家に戻ってお昼ご飯の準備をする。今日はちょっと午前で遊び過ぎた感があるので手早く食べられるうどんになった。身体も冷えてたしちょうど良いな。

 

竜太・奏:「「いただきます」」

 

彼方:「は~い、召し上がれ~?」

 

彼方の作ってくれたうどんを美味しくいただき、家族で近くのスーパーに買い物に行くことに。今日は年に1度の特別な日。愛する妻の誕生日なので夕飯がちょっと豪華になる。その分手間が掛かるため、彼方の料理中は俺が子供達の面倒を見る。俺は仕事柄シーズン中は中々家族と一緒に居てやれないのでこういう時には目一杯遊び相手になってやっている。

 

家に帰って来て彼方が料理を早速始める。奏や涼太を膝の上に乗せて一緒にテレビを見たり、ゲームで対戦してやったり(その間は涼太が放置になってしまうため良いタイミングでコントローラーを放して涼太を抱え込む様にして後ろから操作する。)、当然そのやり方では負けるが娘が喜んでくれるなら良いんだ。

 

彼方:「ご飯出来たよ~?」

 

彼方が作ったちょっといつもより豪華な夕食をいただき暫く経ったら俺と彼方で子供達をお風呂に入れて寝かしつける。子供達は疲れていたのかグッスリと眠っている。

 

竜太:「やっぱり疲れてたんだな」

 

彼方:「うん。・・・・・ねえ? 今度は二人で・・もう一度お風呂行こ?」

 

彼方が頬を紅く染めて上目遣いにねだって来る。こんな風に言われたら断れる筈も無い。まず俺が先に入って後から彼方が入って来る形で了承した。多分バスタオルは巻いてるだろう。

 

ガラッ

 

風呂場の扉が開くと、1糸纏わぬ、完全に裸の彼方がいた。

 

竜太:「っ!?///// なっ、何・・・・!?」

 

突然彼方が抱き着いて来た。ヤバイ・・・・・/////

 

こんな事をされたらどうなるか。当然俺の・・・・・は大変な事に。

 

彼方:「竜太っ///// 大好きっ!!」

 

彼方は俺の唇にこれでもかと自分の唇を合わせた。っていうか、風呂に入ってて俺は裸で彼方も裸で抱きしめあってたら当然・・・・・後の事は読者の皆様のご想像にお任せします。

 

 

ー 彼方ちゃん Happy Birthday ー




竜太・・・・逝ね!!(゚言゚)ゴゴゴゴ

感想宜しくお願いします。

彼方ちゃんと結婚したい人生だった。(心の声)


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第96話:拮抗

音ノ木坂の三人の必殺シュートを新必殺キーパー技でセーブした津島さん。ゴールキックでボールを渡辺さんに蹴り出す。

 

真理奈:「させないわ!!」

 

しかし西木野さんが渡辺さんとの空中での競り合いに飛ぶ。しかし渡辺さんは少しグラッとは来たものの、西木野さんを返り討ちにしてボールをキープ。そのまま攻め上がる。

 

千夏:「果北ちゃん!!」

 

渡辺さんからボールは果北ちゃんにグラウンダーで入る。しかしそれを読んでいた小泉さんがカット。すぐさま矢澤さんにパスを出す。

 

ここな:「ナイスよ春香!!」

 

矢澤さんが起点になり次々とパスを繋いで攻め上がる音ノ木坂。しかし・・・、

 

梨菜:「そこっ!!」バシッ!!

 

完璧にパスコースを読んでいた桜内さんがカットし返す。桜内さんはそこから黒澤(ルリ)さんにパスを出す。

 

ルリ:「行きますわよ!! 「させないよ!!」 っ!!」

 

しかし南さんが速い寄せでヘルプに入る。黒澤(ルリ)さんは体勢が整う前にディフェンスを掛けられたせいでボールを奪われる。

 

すずめ:「蘭ちゃん!!」

 

ボールは星空さんに渡り、再び音ノ木坂のシュートチャンス。

 

蘭:「にゃああああああっ!! 【疾風の白虎・零式】!! アームドッ!!」

 

今度は星空さんが化身アームドを試みる。しかしやはり失敗し、【白虎】は霧散。そして・・・、

 

果北:「貰うよっ!!」

 

蘭:「にゃっ!?」

 

前線から戻って来ていた果北ちゃんがボールを奪い取って、そのままドリブルで攻め上がる。

 

波未:「っ! 止めます!!」

 

園田さんが急いでディフェンスに入る。しかし果北ちゃんはシザースからダブルダッチの基本フェイントでアッサリと抜いてしまった。

 

ここな:「この!!」

 

今度は矢澤さんがディフェンスに入る。母親のにこさん譲りの粘り強いディフェンスで何とか時間を稼ぎその間に音ノ木坂ディフェンスは戻ることができたが、果北ちゃんの鋭い高速フェイントの連打に体勢を崩されて遂に突破される。

 

真理奈:「まだよ! [イグナイトスティール・A]!!」

 

そこに西木野さんが必殺ディフェンス技で止めに掛かる。しかし果北ちゃんは直ぐにジャンプで躱して残るディフェンスは三人。まずは真島さんと咲良さんが二人同時にディフェンスに入る。だが果北ちゃんは必殺技で応戦する。

 

果北:「[絶・スカイウォーク]!!」

 

春香:「空中を歩いてる!?」

 

 

フェイ:「あれはボクと同じドリブル技!?」

 

 

俺達も音ノ木坂もビックリしている間キーパーと1vs1になり、シュート体勢に入る果北ちゃん。ボールと共に空中に飛び上がり、ボールにアクロバティックな動きから三連続で蹴りを叩き込みボールに太陽の様な輝く光をチャージする。

 

果北:「[サンライズブリッツ・V4]!!」

 

果北ちゃんの新必殺シュートが音ノ木坂ゴールに迫る。ここでキーパーの東條さんは「化身か?」と思ったが、何と必殺技で対抗してきた。

 

希理歌:「行くよ! ・・・・真理奈ちゃん!!」

 

すると戻って来て自分のオーラを東條さんに注ぎ込む西木野さん。そのオーラを技のエネルギーに変換し、東條さんは必殺技を放つ。

 

希理歌:「[アルテミスリング・V3]!!」

 

東條さんが腕を前に突き出すと、手から神秘的な輝きを放つ光のリングが具現化し、直撃したシュートの威力をどんどん奪って行き、果北ちゃんのシュートを止めてしまった。

 

果北:「嘘でしょ!?」

 

希理歌:「まだ点はやらんで!! ここっち!!」

 

東條さんのゴールキックからボールは矢澤さんに飛ぶ。しかし直ぐに黒澤(ルリ)さんが落下地点に入り、矢澤さんとポジションを奪い合う!!

 

ルリ:「貰う!!」

 

黒澤(ルリ)さんが飛ぶ。矢澤さんはフィジカル面で不安がある。しかし、

 

ここな:「ナメるなぁあああああっ!!」

 

ドガアァアアアッ!!

 

ルリ:「きゃあっ!?」

 

何と矢澤さんが黒澤(ルリ)さんに競り合いで打ち勝った。しかも二人は身長差が10cm近くあり、矢澤さんの方が()()()

 

ここな:「私だって練習してんのよ! ナメんじゃ無いわよ!!」

 

そしてドリブルで攻め上がる矢澤さん。そこに桜内さんと黒澤(サファ)さんがディフェンスに入る。

 

梨菜・サファ:「「そこだああああああっ!!」」

 

ここな:「きゃあっ!?」

 

そしてボールはタッチラインを割って外に出た。

 

 

 

音ノ木坂 0 - 0 浦の星

 

ー 続く ー




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第97話:先制点

矢澤さんのドリブルを桜内さんと黒澤(サファ)さんがダブルスライディングでカットしボールはタッチラインを割り、音ノ木坂ボールのスローインから試合再開。

南さんのスローからボールは園田さんに飛ぶが、果北ちゃんがガツガツと身体で圧を掛ける。

 

波未:「くっ、負けません!!」

 

園田さんと果北ちゃんがボールを奪おうと同時に跳躍する。結果は・・・

 

ドガァアアァアアアッ!!

 

波未・果北:「「キャアァアアァアッ!?」」

 

まさかの互角。しかしこぼれ球を高坂さんが押さえる。

 

桐穂:「行っくよーーーー!!!」

 

ドリブルで突破を仕掛ける高坂さん。しかし浦の星のディフェンス陣が立ち塞がる。

 

永井:「行かせません!!」

 

永井さんが基本の半身でディフェンスを掛ける。高坂さんは中央寄りに切り込むとノーマルシュートを放って来た。しかしシュートはゴールの右側枠外に飛びノーゴール・・・だと思ったが・・

 

クンッ!!

 

ボールには強烈な横回転が掛かっており、外れる寸前でゴールに向かって急カーブ。

津島さんに反応すら許さずに浦の星のゴールネットを揺らした。

 

梨菜:「!! 嘘でしょ!?」

 

桐穂:「良し!!」

 

 

 

高坂さんのゴールで音ノ木坂が先制し、浦の星のキックオフから試合再開。

ボールは高海さんに渡りパスを繋いで攻め上がる。

 

美歌:「梨菜ちゃん!!」

 

梨菜:「ホッ!! ルリちゃん!!」

 

ルリ:「ナイスパスです!!」

 

パスを受け取った黒澤さんはドリブルで突破を図る。しかし当然音ノ木坂も黙って許しはしない。まずは矢澤さんがディフェンスに入る。

 

ここな:「行かせる訳無いでしょうが!!」

 

矢澤さんの粘り強いディフェンスに時間を稼がれてしまう黒澤(ルリ)さん。その間に音ノ木坂はディフェンスの為に体勢を立て直す。

 

ルリ:「くっ!! 美歌さん!!」

 

これ以上長引かせると流石にマズいと察知したのか、高海さんにパスアウトする黒澤さん。しかし、自ら出したパスと()()()()()()パスでは同じパスでも意味合いは全く違う。つまり、黒澤さんは矢澤さんには現状対抗出来ないと間接的に“認めてしまった”のだ。

 

美歌:(ルリちゃん・・・・・)

 

ここな:「ふ〜ん・・・・・」

 

ボールを受け取りゲームメイクする高海さん。この場合、高海さんが最も信頼してボールを預けられるのは・・・・

 

美歌:「千夏ちゃん!!」

 

 

天馬:(まぁそうだよね・・・・)

 

ボールは渡辺さんに転がる。しかし当然読まれており、西木野さんに奪われる。

 

真理奈:「そんなの読めてるに決まってるでしょ!! 波未!!」

 

ここでボールは園田さんに渡り、音ノ木坂はカウンターで一気に攻勢に出る。

 

舞:「マズイわ! 皆速く戻って!!」

 

小原さんが急いでメンバーに呼び掛けるが完全に手遅れ。既に音ノ木坂は高坂さん、絢瀬さん、星空さん、園田さん、南さんが攻め上がっている。対する浦の星はキーパーを除けばディフェンスの4人のみ。フィールドメンバーは完全なアウトナンバーだった。

 

舞:「羽丸は南さん!! 川瀬さんと永井さんはそれぞれ星空さんと高坂さんに付きなさい!! 私が絢瀬さんを抑えるわ!!」

 

浦の星のディフェンスリーダーの小原さんの指示でボールを持つ園田さん以外のメンバーをガッチリとマンツーマンでマーク。園田さんとキーパーが1vs1になる。

 

波未:「止められる物なら止めて見なさい!! [ディバインアロー・Z]!!!」

 

浮かせたボールに園田さんが何発も蹴りを叩き込みトドメのソバットキックで撃ち払う。シュートは弓で射た矢のような鋭い弾道で一直線に浦の星ゴールに襲い掛かった。

 

善美:「絶対に止めてやるわ!! [マジン・ザ・ウェイブ・V4]!!!」

 

ここで津島さんの技はレベルアップして威力が上昇。水の魔神と共に片腕をシュートに突き出し、真正面から園田さんのシュートを力付くで捩じ伏せた。

 

波未:「止めた!?」

 

ここで、前半戦終了のホイッスルが鳴った。

 

音ノ木坂 1 ー 0 浦の星

 

 

ー 続く ー




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第98話:後半スタート!!

試合は前半戦を終了しハーフタイムに入る。音ノ木坂と浦の星がそれぞれ自軍ベンチで休んでいる間俺達は今の試合で気になったメンバーを評価していた。

 

天馬:「やっぱり音ノ木坂も浦の星も強いね・・・。前に闘った時よりもずっとパワーアップしてる」

 

剣城:「だが、大海妹の調子が余り良く無さそうだな・・・」

 

せつ菜:「私は波未さんが気になりましたね。果北さんとも互角の競り合いが出来るフィジカルは魅力を感じました!!」

 

歩夢:「後あまり目立たないけど、桜内さんも良い動きしてたよね・・・味方が有利を取れる位置取りしてたし」

 

しずく:「桐穂さんは以前は"力で押すパワープレイヤー"と言った印象だったんですが・・・まさかのテクニックが爆上がりでしたね・・・まさかハズレ球に見せ掛けたカーブシュートだったなんて・・・・」

 

果林:「私は理沙と蘭ちゃんがもう"化身アームド"出来る様になったのかとビクッとしたわよ・・・・」

 

確かに・・・これで化身アームド出来るようになってくれたらだいぶ戦力補強になるんだけどねぇ・・・。

 

天馬:「他の皆はどうだった?」

 

エマ:「ここなちゃんのしつこいディフェンスがしっかり機能してたよね。おかげで何度浦の星はチャンスを潰されたか・・・・・」

 

彼方:「"果北ちゃんが"と言うよりも、ボールが渡る前に全部カットされてたから浦の星がリードを許してるんだろうねぇ・・・。どんなFWもボールが持てなきゃどうしようも無いから・・・・」

 

雷門:『『『確かに・・・・』』』

 

天城:「そういう意味ではオレは西木野さんと小泉さんと桜内さんを推すド。あの3人は相手を読む頭があるド」

 

大介:「ふむ・・・。(ここまで正確に選手の特徴を理解できるのか・・・)」

 

そして後半戦が始まる時間になり、両校共にフィールドに出る。

 

浦の星

 

GK         津島

 

DF 国木田  永井    川瀬   小原

 

ボランチ   黒澤(サファ) 桜内

 

MF  黒澤(ルリ) 高海     渡辺

 

FW         大海(果)

 

音ノ木坂

 

FW      星空    高坂

 

MF  南      園田     絢瀬

 

ボランチ     矢澤    西木野

 

DF   咲良    小泉    真島

 

GK         東條

 

そして後半戦開始の笛が鳴り、音ノ木坂ボールで開始。ボールが園田さんに渡ると、今度は早速"必殺タクティクス"を仕掛けて追加点を狙う音ノ木坂。

 

波未:「必殺タクティクス!!」

 

音ノ木坂:『『『《START:DASH》!!』』』

 

合図と共にキーパーだけを残してDFも含めて全員攻撃を仕掛ける音ノ木坂。浦の星の選手の間を疾風のごときスピードで走り回り、味方同士で細く相手のチェックを入れ替えて相手の脳の処理速度にプレッシャーを掛けて撹乱する。

 

美歌:「あれ!? さっきまで蘭さんだったのに小泉さんになってる!?」

 

千夏:「へ? 西木野さんが絢瀬さんに変わってる!?」

 

もう浦の星ディフェンスは連携崩壊を起こし、それでも何とかしようとした美歌さんと梨菜さんがボールを探し出してプレッシングを掛けようとする。が・・・・、

 

ドガッ!!

 

美歌・梨菜:「「キャアっ!?」」

 

思考力を奪われた状態で動いた為、味方同士でクラッシュ。そのスキにボールは絢瀬さんへ。そして余裕を持って化身を発動する。

 

理沙:「【白銀の女王ゲルダ・零式】!!」

 

そして理沙さんが化身シュートの体勢に入ると、絶対零度の冷気でボールはパキパキと音を立てて凍り付き、それを【ゲルダ】が槍で打ち払うと同時に理沙さんの渾身のシュートが炸裂した。

 

理沙:「[ー アイシクルロード ー]!!!」

 

理沙さんの化身シューとが浦の星ゴールに襲い掛かる。善美さんは必殺技で対抗する。

 

善美:「[マジン・ザ・ウェイブ・A]!!」

 

ここで善美さんの[マジン・ザ・ウェイブ]は最終進化。[ー アイシクルロード ー]を迎え撃つ。しかし、

 

善美:「ぐぅううううぅうぁああぁあっ!!!」

 

善美さんは必死で堪える。しかし[マジン・ザ・ウェイブ]の魔神が音を立てて凍り付き、パワーで叩き割られてシュートはゴールに突き刺さった。

 

 

音ノ木坂 2 ー 0 浦の星

 

ー 続く ー




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第99話:意地のぶつかり合い

後半戦開始早々、音ノ木坂が必殺タクティクス《START:DASH》を仕掛けて絢瀬さんの化身シュートで追加点を挙げて2ー0。

浦の星のキックオフから試合再開。

 

果北:「ルリさん!!」

 

果北ちゃんからボールは黒澤(ルリ)さんへ。そこに南さんがプレッシャーを掛けるが、直ぐに黒澤(サファ)さんにパスアウトする。

 

サファ:「千夏っちゃん!!」

 

黒澤(サファ)さんからボールは逆サイドを駆け上がっていた渡辺さんに飛ぶ。しかしちょっとパスがデカすぎる気が・・・・。

 

千夏:「全速前進〜〜? ググッ ヨーソローーーーー!!!!」ドンッ!!!!

 

しかし渡辺さんは物凄い速さに急加速。あっという間に追い付いてしまった。

 

栞子:「あれは・・・掛け声が力を溜める反復動作と起動のルーティーンになってるんですね」

 

大介:「あのスピードならせつ菜と対のサイドに配置して機動力勝負も仕掛けられそうだな・・・」

 

そしてボールは中へと蹴り込まれる。

 

春香:「やらせませんよ果北さん!!」

 

しかし、果北ちゃんは足元に転がってきたそのボールをスルーした。

 

音ノ木坂:『『『!?』』』

 

そこに走り込んで来たのは・・・・、

 

ルリ:「ナイスですわ!!」

 

希理歌:「ルリちゃん!?」

 

そして黒澤(ルリ)さんは至近距離からクイックでダイレクトシュートを放つ。とてもでは無いが技を出す時間も余裕も無く、東條さんが反応する事も出来ずにゴールネットに突き刺さった。

 

ルリ:「よし!!」

 

希理歌:「やられたわぁ・・(まさかあそこでスルーやなんて・・果北ちゃんちょっと大人し過ぎひん?)」

 

ここで浦の星が1点を返して2ー1。音ノ木坂ボールのキックオフから試合再開。

 

桐穂:「すずめちゃん!!」

 

ボールは南さんに渡ってそこからパス回しでの攻めを仕掛けて相手のディフェンスをとにかく()()()

 

コレ・・・相手をムダに走らせて体力切れを狙ってるでしょ。でも、だからといって走らずにいたら一気にスピードで攻め込まれるから罠だと分かっていても乗るしかない。えげつない事するなぁ・・・。

 

彼方:「彼方ちゃん見てるだけで疲れて来たよ〜・・」

 

と言うかもう2分近く浦の星がボールに触れてない。

 

羽丸:「ず、ずらぁ・・・・っ!!」

 

余りに動かされ続けた結果、国木田さんの動きが鈍くなったのを音ノ木坂は見逃さなかった。

 

波未:「すずめ!!」

 

ボールは国木田さんのいる左サイドの南さんへ。そして羽丸さんと南さんが1vs1になる。

 

すずめ:「行くよ〜ッ!!!」

 

南さんは国木田さんにシザースからのルーレットで抜き去り、キーパーの津島さんと1vs1に。

 

善美:「来なさい!!」

 

南さんがシュートを放つ・・・と、見せ掛けて右足はボールを跨いで軸足の左足でループシュートを撃った。

 

善美:「右ッ!!! ってキックフェイント!? しかもさり気なくラボーナ応用して・・・!!」

 

完全に裏を欠いた南さんのシュートは、浦の星のゴールネットを揺らした。

 

 

ー 続く ー




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第100話:合格メンバー発表

南さんのトリックショットが津島さんの裏を欠いて浦の星ゴールを揺らして3ー1と音ノ木坂リード。

浦の星のキックオフから試合再開。

 

果北:「美歌ちゃん!!」

 

果北ちゃんからボールは高海さんに渡り、そこに速攻で高坂さんと星空さんがディフェンスに入る。

 

美歌:「梨菜ちゃん!!」

 

ボールは桜内さんに繋がり、そのままドリブル突破を仕掛ける。

 

理沙:「行かせないわよ!!」

 

そこに絢瀬さんがスピードに乗って突っ込んでくるが、桜内さんは一旦ドリブルを完全にストップしてリズムを変える。

 

理沙:「!?」

 

いきなり変わったリズムに対応しきれなかった絢瀬さんはそのまま素通りしてしまい、桜内はドリブルを再開してそのまま進む。

 

梨菜:「果北ちゃん!!」

 

ボールはFWの果北ちゃんに入る。後ろから小泉さんがガツガツと身体で当たるが、果北ちゃんは体を張ってボールをキープする。そこへ・・・、

 

美歌:「果北ちゃん!!」

 

高海さんが走り込んで来てパスを要求。果北ちゃんが出そうとする素振りを見せると・・・・

 

春香:「させません!!」

 

小泉さんは急いで高海さんに意識を割く。その瞬間、

 

クルッ

 

春香:「!?」

 

プレッシャーが弱くなった瞬間クルッと反転して小泉さんをフェイクからのドリブルで抜き去る果北ちゃんは化身を呼び出す。

 

果北:「はぁああぁあああっ!! 【海神の歌姫セイレーン・零式】!!!」

 

化身を呼び出した果北ちゃん。しかしシュートに行こうとしない。

 

果北:「お願い【セイレーン】!! 私の大切な家族とサッカーの為に、力を貸して!! アァアアアムドッ!!!」

 

すると、【セイレーン】がオーラに還元される寸前、気のせいか一瞬【セイレーン】が微笑んだ様に見えた。

 

オーラに還元される【セイレーン】。そして化身アームドを果北ちゃんは成功させてしまった。

 

雷門:『『『!?!?』』』

 

驚く俺たちを尻目に果北ちゃんはアームドノーマルシュートを放った。

 

果北:「行っけぇえええぇぇえええっ!!」

 

ドガァアアアァアアッ!!

 

希理歌:「止める!! [絶・マジン・ザ・ハンド]!!」

 

東條さんは必殺技を発動して対抗。シュートを抑えに掛かる。が、

 

希理歌:「ぐぅううぅうぅうぅっ!!!」

 

しかし明らかにパワーに押され、そのまま東條さんはシュート諸共ゴールに叩き込まれた。そして、

 

ピッ、ピッ、ピィイイイーーーーッ!!!!

 

ここで試合終了のホイッスルが鳴り試合終了。3ー2で音ノ木坂が逃げ切った。

 

大介:「よし、集合!!」

 

そして皆が集合する。

 

大介:「お前達の力は見せてもらった。それでは合格者を発表する!!

 

音ノ木坂学院

高坂桐穂

園田波未

南すずめ

矢澤ここな

絢瀬理沙

西木野真理奈

 

浦の星女学院

大海果北

渡辺千夏

桜内梨菜

津島善美。

 

以上10名だ」

 

 

美歌:「落ちた・・・・っ」

 

千夏・梨菜:「「美歌ちゃん・・・・」」

 

春香:「まさか化身が使える希理歌ちゃんと蘭ちゃんが落ちるなんて思わなかった・・・・」

 

豪炎寺:「今呼ばれたメンバーはユニフォームを渡す。ちゃんとついて来いよ?」

 

桐・波・す・こ・理・真・果・千・梨・善:『『『『ハイ!!!!』』』』

 

 

 

 

彼方:「蘭ちゃん・・・」

 

蘭:「彼方さん・・蘭は絶対に諦めないにゃ!! もっと練習して、絶対に認めさせてやるにゃ!!」

 

彼方:「!! ・・・うん。待ってるからね?」

 

 

 

ー 続く ー




蘭と彼方が何故仲が良いかは、インターハイ編の静岡合同合宿のファルトレクの辺に書いてあります。

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第101話:神童キャプテンvs天馬キャプテン 紅白戦!!

さて、音ノ木坂と浦の星からそれぞれ高坂さん、園田さん、南さん、絢瀬さん、矢澤さん、西木野さん、渡辺さん、桜内さん、果北ちゃん、津島さんの10人が仲間に加わった。そして今は皆の前で自分の得意なプレーと特徴を話していた。それをチーム内で共有出来なきゃ連携何て出来ないからね。

 

桐穂:「音ノ木坂学院2年、高坂桐穂(こうさかきりほ)です! ポジションはFW。パワーとテクニックを両立したプレーが得意です。宜しくお願いします!!」

 

まずは穂乃果さんの娘の桐穂さん。化身は無いがそれを補えるだけのパワーとフィジカル、そしてテクニックを持っている。

 

 

波未:「同じく音ノ木坂学院2年、園田波未(そのだなみ)です。ポジションはMFで音ノ木坂では理沙と連携ゲームメイクで試合を組み立てていました。宜しくお願い致します」

 

続いては俺たち雷門サッカー部の顧問の海未先生の娘波未さん。彼女はフィジカルも強く頭も良い。そして弓で射た矢の様な正確なパスを出すスイーパーでもある。

 

 

すずめ:「音ノ木坂学院2年、(みなみ)すずめです。ポジジョンはMFで、空中戦とトリックプレーが得意ですっ!! 宜しくお願いします」

 

元気に挨拶したのは音ノ木坂理事長、ことりさんの娘のすずめさん。先程見た通り彼女のプレーは変幻自在。正しく"トリックスター"の異名が似合うだろう。そして一度ボールが空に上がれば空中から抜群の体幹でシュートを撃ち落としてくる相手にしたら厄介な選手だ。

 

 

理沙:「音ノ木坂学院3年、絢瀬理沙(あやせりさ)です。ポジションはMF。先程波未が言った様にダブルゲームメイカーのスタイルでやっていました」

 

次は元ロシア代表〈パーフェクト・スパーク〉の一員である絢瀬絵里さんを母に持つ理沙さん。母親譲りの冷静沈着な頭脳と氷の必殺技がどこまで通用するか。そして彼女はシュートタイプの化身を持っている。

 

 

ここな:「音ノ木坂学院3年、矢澤(やざわ)ここな。ポジションはDMF(ディフェンシブミッドフィルダー)、つまりボランチね。ママ譲りでディフェンスがしつこくて粘り強いってよく言われるわ」

 

次は元イナズマジャパンのにこさんの娘のここなさん。言葉の通り粘り強いディフェンスで味方が戻る時間を稼ぎ、ピンチを未然に防ぐ縁の下の力持ちと言った選手だ。

 

 

真理奈:「音ノ木坂1年、西木野真理奈(にしきのまりな)よ。ポジションはここなちゃんと同じボランチ。結構頭が良いと自負してるわ。だから頭を使ったプレーが得意ね」

 

音ノ木坂最後は西木野真姫さんの娘の真理奈さん。ここなさんと組む事により相手は更にここなさんを突破する事が困難になる位置に陣取りディフェンス成功率を上昇させるディフェンスアシスターだ。

 

 

 

ここで音ノ木坂の自己紹介は終了、続いて浦の星。

 

果北:「浦の星女学院1年、大海果北(おうみかほ)です。ポジションはFW私もお兄ちゃんと同じで《完全無欠の模倣(パーフェクトコピー)》と《属性付与(エンチャント)》を受け継いでるのでお兄ちゃんの穴は私が埋める事になるかと思います。短い時間になるかも知れませんが最後まで宜しくお願いします」

 

浦の星の最初は竜太の妹の果北ちゃん。竜太と同じく龍也さんと果南さんを両親に持ち、兄妹揃って化身と特殊技能を併せ持っている、そして先程のテストで化身アームドまで成功させた才能の塊の様な女の子だ。

 

 

千夏:「浦の星女学院1年、渡辺千夏(わたなべちなつ)であります!! ドリブルのテクニックとスピード、フィジカルには自信があります!」

 

次は曜さんの娘の千夏さん。雷門のせつ菜先輩との左右両サイド配置により機動戦を仕掛ける戦術も取れる様になった。

 

 

梨菜:「浦の星女学院3年、桜内梨菜(さくらうちりな)です! ポジションはボランチ、本来ならサファちゃんと組んでの連携が得意何だけど・・・他の人とも併せられる様に練習します!!」

 

続いては桜内梨子さんの娘の梨菜さん。浦の星ではその協調性の高さから連携技の"核"として機能していた。このチームでも機能すれば、爆発的な推進力を得るだろう。

 

 

善美:「最後は私ね。浦の星女学院3年、津島善美(つしまよしみ)です。化身は持ってないけど、小さい頃に龍也さんに教えて貰っていた時期があり、技のレベルは結構高いと思ってるわ」

 

最後は浦の星の守護神である善美さん。大海コーチに教えて貰ってた!?道理で上手い訳だよ・・・。でもさっきの試合を見る限りではフェイクにはちょっと弱そうだ。

 

 

 

大介:「それでは、1時間後に今から指定するメンバーでチームを組み紅白戦を行う。メンバーを発表する。

 

Aチーム

剣城 高坂 松風 優木 渡辺 桜内 近江 天王寺 天城 三船 津島

 

Bチーム

大海(果) 絢瀬 園田 南 神童 矢澤 霧野 西木野 中須 エマ 西園

 

    以上!!」

 

 

そしてA・Bそれぞれに別れて作戦を立てた後、試合を開始するために位置につく。

 

Bチーム

 

GK       信介

 

DF     霧野  エマ

 

ボランチ 西木野 かすみ 矢澤

 

MF 絢瀬  園田  神童  南

 

FW       大海(果)

 

 

Aチーム

 

FW     剣城  高坂

 

MF  せつ菜  天馬   渡辺

 

ボランチ     桜内

 

DF 彼方  天城  栞子  璃奈

 

GK       津島

 

そして、テスト合格選手と雷門の選手とのすり合わせと相性を見るための紅白戦が始まった。

 

 

ー 続く ー




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第102話:ぶつかる力と技

天馬チームのキックオフから紅白戦開始。まずはボールを浦の星のゲームメイカーの桜内さんに渡す。桜内さんはまだ勝手が分からないだろうからここは元々チームメイトの渡辺さんに出そうとするだろうけど読まれてるだろうし・・・・・

 

天馬:「桜内さん、せつ菜先輩にパス!! 8歩先!!」

 

梨菜:「8歩も!? せつ菜さん!!」

 

せつ菜:「任せて下さい!!」ドギュンッ

 

せつ菜先輩は疾風の如く速さで駆け上がりパスをあっさりとトラップ。簡単に届いた。

 

梨菜:「あっ・・・・、届いた・・・」

 

駆け上がるせつ菜先輩に対して、西木野さんと霧野先輩がディフェンスに入る。するとせつ菜先輩は更にスピードを引き上げた!!

 

せつ菜:「[スカーレット・スターダスト]!!」

 

ここでせつ菜先輩は新しい必殺技を発動!! 紅く輝く星屑が道となり、せつ菜先輩はその道を通って一気に二人を突破した。

 

霧野:「なっ!? 優木いつの間にそんな技を!!」

 

そしてせつ菜先輩はエマ先輩一人しかディフェンス人数のいなくなっている中にグラウンダーのボールを入れる。

 

エマ:「やらせないよ剣城くん!!」

 

剣城:「・・・・・・・・・」スルッ

 

 

エマ:「!?」

 

ここで剣城はボールをスルー。受け取ったのは、

 

桐穂:「ナイスだよ剣城くん!!」

 

フリーで高坂さんにボールが渡り、シュート体勢に入る高坂さん。

 

桐穂ちゃんの周りが焔の燃え盛る平原に代わり、ボールに周囲の炎が集まり凝縮。紅く燃える華が咲く。

 

桐穂:「[紅蓮華・V4]!!」

 

桐穂さんの業火のシュートが信介に襲い掛かる。すると信介は"ミキシマックス"を発動。

 

信介:「"ミキシトランス:劉備"!!」

 

そして信介はミキシ技を発動。水墨画の様な巨大な岩の手がシュートを掴む。

 

信介:「[大国謳歌]!!」

 

信介がシュートを抑えつける。しかし爆炎の熱量に身を焦がされて弾かれてしまい、ゴールを許してしまった。

 

 

桐穂:「良し!!」

 

神童:「ミキシマックスを破った・・・・」

 

信介:「クソっ! (次は化身アームドで行く!!)」

 

高坂さんの先制ゴールから今度は神童チームのキックオフから試合再開。

 

ボールは園田さんに渡り、神童先輩、絢瀬さんと共に3人でフィールド状況を確認しながらスムーズかつスピーディーにボールを繋ぐ。ボールは絢瀬さんに渡り、

 

理沙:「ハァアアァアアッ!! 【白銀の女王ゲルダ・零式】!!」

 

ここで絢瀬さんは化身を発動。そこに彼方先輩がディフェンスに入る。

 

彼方:「止めるよ~っ!! [スリ〜ピィサンクチュアリ・G4]!!」

 

彼方先輩の相手の精神に干渉する必殺ディフェンスが絢瀬さんに襲い掛かる。絢瀬さんはフラつき膝を付いてしまう。

 

理沙:「クッ・・・、(ね、眠い・・!! この子の技一体何なの!?「貰った~!!」)ッ!!」

 

彼方先輩がボールを奪う。しかしすぐ後ろに西木野さんが控えており、奪い返されてしまう。

 

真理奈:「行きなさい!!」ドガァッ!!

 

西木野さんが中央の上空へと空高くボールを蹴り上げる。すると、

 

すずめ:「空は私の縄張りだよ〜っ!!!」

 

南さんがその女の子離れした強靭な足腰からの大ジャンプ。あっという間にボールの高さまで届き、

 

すずめ:「[イカロスフォール・S]!!!」

 

灼熱の太陽をバックに、まるで熱線の様な熱く、速く、重いシュートが(そら)高くから急降下して襲い掛かって来る。津島さんも必殺技で対抗する。

 

善美:「止めてやるわ!! [マジン・ザ・ウェイブ・A]!!」

 

ガカァアアアッ!!!!!

 

善美:「ぐぅうううおおおおっ!!!!!」

 

津島さんの水の魔神が[イカロスフォール]を受け止める。しかしズルズルと引き摺られて行く。

 

すずめ:「決まれぇええええぇええっ!!!」

 

善美:「絶っ・・対に・止める!!!!」

 

ドガァアアァアアアンンっ!!!!!

 

ビリビリ

 

衝突の余波の爆風と衝撃波で土煙が立ち込める。それが晴れると、そこには・・・・

 

善美:「ハァハァ・・・・」シュゥウウウゥウ...

 

シュートのパワーを完全に受けきってキャッチした、津島さんの姿があった・・・・・。

 

 

ー続くー




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第103話:紅白戦前半終了!!

津島さんが南さんの必殺シュート[イカロスフォール]をガッチリと受け止めてセーブ成功。ゴールキックからボールは渡辺さんに飛ぶ。

 

千夏:「オーラ・・「させないわよ!!」ッ!」

 

渡辺さんと矢澤さんが跳躍し競り合い、ボールを奪い合う。しかしパワーは渡辺さんの方が強く、矢澤さんを弾いて空中で胸を使ってトラップする。

 

千夏:「良し!!」

 

渡辺さんはドリブルを仕掛けようとすると、弾かれていた矢澤さんは崩れた体制を直ぐに立て直し、渡辺さんにしつこくガツガツと身体をぶつけてチャージする。

 

千夏:「クッ、「ここなさん今行きます!!」っ! かすみちゃん!?」

 

ここで直ぐにかすみが矢澤さんをフォローに行く。すると・・・、

 

千夏:(っ、かすみちゃん・・・ここなさんが右へのルートを塞いでるのを見て左に待機してる・・・これじゃあここなさんを抜いても直ぐにかすみちゃんに捕まっちゃうよ・・・・)

 

渡辺さんが完全に攻めあぐねている。そして攻防がどんどん長引くと・・・

 

真理奈:「そこっ!!」

 

矢澤さんの相棒である西木野さんのご到着である。なんかかすみがあの2人に加わったら更に厄介になってるんだけど・・・

 

神童:「ナイス!!」

 

西木野さんが弾いたボールを神童先輩が抑えてメンバーに指示を出す。ここで必殺タクティクスを発動してくる。

 

神童:「必殺タクティクス!! 《神のタクト》!! 園田!!」

 

神童先輩からボールは園田さんの足元へとドンピシャで渡る。そこから、

 

神童:「大海!!」

 

園田さんからボールは果北ちゃんへそこから神童先輩の指揮でボールは南さんへ。

 

すずめ:「任せてっ!!」ギュンッ

 

ちょっと距離が大きいかと思ったボールに、南さんは一気に加速して追い付くそして、

 

神童:「絢瀬!!」

 

最後にボールは完全にフリーだった絢瀬さんに渡ってしまう。絢瀬さんは化身を発動し、

 

理沙:「来なさい!! 【白銀の女王ゲルダ・零式】!! アームドッ!!」

 

ここで絢瀬さんは化身アームドを試す。しかしオーラに還元された化身を身体に纏う事が出来ずに化身は霧散。アームドは失敗した。

 

彼方:「チャ〜ンスッ!!」

 

そのスキに彼方先輩がボールを奪い取り桜内さんにボールを渡す。

 

梨菜:「行きます!! 必殺タクティクス!!《無敵の槍》!! 剣城くん!!」

 

ここでボールを剣に渡して先頭を高坂さん、右を渡辺さん、左をせつ菜先輩、そして後ろを梨菜さんが守り、オーラの障壁を展開し、近付く相手ディフェンスを片っ端から薙ぎ倒す。

 

そしてゴールまで近付くと《無敵の槍》を解除。剣城はミキシマックスを発動する。

 

剣城:「"ミキシトランス:沖田"!!」

 

そして、

 

剣城:「ハァアァアアァアァッ!!! 【剣聖ランスロット・零式】!! アームドッ!!」

 

剣城は化身アームドとミキシマックスを同時発動。シュート体勢に入る。

 

剣城(沖田Mix):「[菊一文字]!!!」

 

剣城のシュートで散りゆく菊の花。黄金のエネルギーを纏ったシュートが信介を襲う。

 

霧野:「させない!! ”ミキシトランス:ジャンヌ"!!」

 

ここで霧野先輩もミキシマックスを発動。シュートブロックを挟む。

 

霧野(ジャンヌMix):「[ラ・フラム・G2]!!」

 

燃え盛る炎の壁がシュートを阻む。しかし[菊一文字]はアッサリと貫通する。

 

エマ:「[極・守護騎士の盾]!!」

 

今度はエマ先輩の鋼の盾がシュートを阻む。しかし威力を少し削ったが、ぶち破られてシュートは尚も進む。

 

信介:「これだけブロックすれば!! "ミキシトランス:劉備"!! [大国謳歌]!!」

 

水墨画の様な空間から巨大な岩の手がシュートを掴む。そして[菊一文字]を止めた所で前半終了のホイッスルが鳴った。

 

 

 

天馬Aチーム 1 ー 0 神童Bチーム

 

ー 続く ー




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第104話:他人行儀禁止!!

前半が1ー0で終了し、ハーフタイムに入る。それぞれのベンチで後半に向けての作戦を練っている。

 

天馬:「高坂さんミキシマックスを素の状態の必殺技で破るなんて凄いよ!! どんな練習したの!?」

 

桐穂:「ふっふ〜! ソレは・・・」

 

雷門・浦の星:「「ソレは・・・?」」

 

桐穂:「秘密で〜す!!」

 

ガクッ、とずっこける俺たち。なんでさぁ・・・

 

桐穂:「だって言っちゃったら冬の選手権でさぁ・・」

 

天馬:「いや、サッカー自体が出来ないかも知れなくてね?」

 

桐穂:「大丈夫!! 何とかなる!! なるったらなる!!!」

 

ニコッと笑顔を浮かべる高坂さん。ハァ、このポジティブさが羨ましい・・・・。

 

千夏:「あっ、ソレと1つ気になったんだけどさぁ? 何で私達のこと苗字呼びなの? 黄名子ちゃんたちは普通に名前で呼んでるよね?」

 

天馬:「いやぁ・・何となく「ダメよ!!」わっ!? 桜内さん?」

 

梨菜:「チーム内でそういうのは良くないわ!! 雷門の人達と同じにしたほうが良いと思うわ。なんかよそよそしく感じるから」

 

天馬:「分かりました・・梨菜さん!!」

 

梨菜:「はい!」

 

せつ菜:「じゃあ私も・・・千夏さん!!」

 

千夏:「ヨーソロー! じゃあ・・彼方先輩っ!!」

 

彼方:「おおっ? コレは彼方ちゃんも乗るしか無いか〜? き〜りほちゃ〜ん!!」

 

桐穂:「わっ! えっと・・善美ちゃん?」

 

善美:「何? 桐穂?」

 

うん。たったこれだけの事で凄く良い感じがする。

 

天馬:「じゃあ呼び方はコレで行こうか? 各自呼びたい様に呼ぼう」

 

天馬チーム:『おう(うんっ)(ハイッ)!!』

 

そして後半戦開始の時間になりフィールドに出る。

 

海未:「行きますよーー!!!」

 

ピィイィイイーーーーッ!!!

 

海未先生のホイッスルと共に神童先輩チームのキックオフで後半戦開始。

 

ボールは神童先輩に渡り、高速でパスを繋いで一気に全員攻め上がる。

 

剣城:「っ! 霧野先輩!!」

 

桐穂:「エマさん!!」

 

エマ:「悪いけどフォローには行かせないよ!!」

 

二人を足止めしている間に次々とチェックに付かれてフォローに行けなくなる、そして中に天城先輩と栞子のみになり、向こうの神童先輩、果北ちゃんと2vs2になる。

 

神童:「行けっ」ドガァッ

 

栞子:「させません!!」ガッ

 

果北:「貰いっ!!」ズガァッ

 

天城:「やらせないド!!」ガッ!!

 

神童:「まだ終わらないぞ!!」ドキャッ!!

 

栞子:「クッ!!」バキッ!

 

果北:「そこっ!!」

 

天城・栞子:「「させなっ・・・」」ドカッ!!

 

度重なる波状攻撃に遂に天城先輩と栞子が交錯。ボールは果北ちゃんに転がり、

 

果北:「来てっ!! 【海神(ワダツミ)の歌姫セイレーン・零式】!! アームドッ!!」

 

そして果北ちゃんは化身アームドを成功させてシュートを放つ。

 

果北:「行っけえぇえぇえええーーーっ!!!」ドッガァアァアアアアッ!!

 

善美:「止めてやるわ!! [マジン・ザ・ウェイブ・A]!!」

 

善美さんの水の魔神がシュートを迎え撃つ。しかし当然破られてしまい、後半開始早々振り出しに戻されてしまった。

 

 

 

天馬Aチーム 1 ー 1 神童Bチーム

 

ー 続く ー




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第105話:次のターゲット発表!!

神童先輩チームの速攻(あれって《ローリングサンダー》だよね?)が決まり1ー1の同点になり俺たちのキックオフから試合再開。

ボールはまず俺に転がり、サイドの千夏にパスを出す。

 

天馬:「千夏!!」

 

千夏:「おっ? 呼び捨て良いぞ〜! 桐穂ちゃん!!」

 

千夏は桐穂さんにパスを出すが、ここなさんにカットされてしまう。

 

天馬:「ッ、止める!!」

 

俺が急いでディフェンスに入るが、

 

神童:「中須!!」

 

かすみ:「了解です!! ここなさん!!」

 

神童先輩の指示で走ってきたかすみとのワン・ツーで綺麗に抜かれてしまった俺。空かさず梨菜さんが指示を出す。

 

梨菜:「栞子ちゃんと彼方さん果北ちゃんに二人で付いて下さい!! 璃奈さんはすずめさん、せつ菜さんは理沙さん、天城さんは波未ちゃんに、私が神童さんに行きます!!」

 

梨菜さんの指示で神童先輩チームのオフェンス陣をマンツーマンでマークする俺たち。神童先輩にボールが渡り、梨菜さんとの一騎討ちになる。

 

神童:「[オリンポスハーモニー・Gx]!!」

 

神童先輩は必殺技を発動して梨菜さんを抜きに掛る。しかし梨菜さんも黙って抜かれはしない。

 

梨菜:「ッ!」

 

1度は抜かれた物の、直ぐに立ち直って神童先輩に身体でぶつかってプレッシングを掛ける。敵にしたら"何てしつこい"と思うだろう・・・。

 

神童:「クッ! (ミキシマックスしたいがこうも当たられては・・・なら)南!!」

 

神童先輩は上空へと大きくボールを蹴り上げる。南さんは「待ってました!!」と、ばかりに強靭な脚力からの大ジャンプ。空からシュート体勢に入る。

 

すずめ:「[イカロスフォール・S]!!」

 

天から火炎弾がゴールに降る。善美さんは必殺技の構えに入る。

 

善美:「今度も止める!! [マジン・ザ・ウェイブ・A]!!」

 

ガカァアアァアアアッ!!

 

善美さんの水の魔神がシュートを掴む。しかし今度は僅かに[イカロスフォール]のパワーが勝り、シュートはゴールに突き刺さった。

 

善美:「くっそ・・・やるわね・・」

 

すずめ:ブイッ(◠8◠)

 

2ー1と逆転されてしまった俺たち。・・・・"俺がキャプテンで良いのかな?"

 

そんな感情が芽生え、そのまま試合は膠着状態に入り、そのまま試合は2ー1で終了した。

 

 

 

大介:「よし。お前たちの力、見せて貰った。コレなら問題無しと判断する。では、明日出発する次の時空最強イレブンを発表する。

 

9の力、絶対的な勇気と揺るぎない実行力で大地おも味方にするキング・オブMF

 

10の力、野獣の獰猛さと賢者の頭脳を持つファンタジックリベロ

 

は、「アーサー王」と「マスタードラゴン」だ!!」

 

雷門:『『『・・・・・・・・』』』

 

理沙:「あの・・大介さん? 歴史上に実在した人じゃないとだめなんじゃあ・・・・」

 

大介:「いや、9の力と10の力には、アーサー王とマスタードラゴン以外にありえん!! 「だから!! 存在したかも分からない人の所にどうやって行くんですか!!」」

 

フェイ:「出来るよ? 「えっ!?」架空の物語でも、それにまつわる何かがあればそこからパラレルワールドとして世界を作る事が出来る。タイムジャンプとパラレルワールドの関係は、君たちが思ってるよりも複雑で、面白い物なんだ」

 

天馬:「面白いかもしれないけどややこしいよ・・・」

 

剣城:「だが、肝心のアーティファクトはどうするんだ?」

 

確かに。手に入れようが無い・・・。

 

黄名子:「あっ、ウチの親戚の叔父さんがアーサー王の王冠持ってるやんね」

 

!? 嘘でしょ!? こんな都合のいい事ある!?

 

大介:「では菜花に頼む」

 

黄名子:「は〜い!!」

 

フェイ:「・・・・・・・」

 

フェイ?

 

 

そしてその日の放課後・・・・・

 

黄名子:「何? フェイ? 「君は一体誰なの?」」

 

フェイ:「君にそんな親戚がいるって嘘だよね? それに化身の事も・・・・ボクは天馬にすら化身の事を話した事無かった。なのに何で君は知ってるんだ!!」

 

黄名子:「・・・・・・・もうすぐ分かるやんね。明日、頑張ろっ?」

 

フェイ:「黄名子!? 質問はまだ!!」

 

黄名子は走って行ってしまった。

 

フェイ:「・・・菜花黄名子、君は一体何者なんだ?」

 

 

ー 続く ー




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第106話:いざ、幻想世界へ!!

ー 雷門・天馬視点 ー

 

翌日、いよいよ今日[9の力]と[10の力]を受け取りに架空の物語の世界と思われる[アーサー王物語]の世界に出発する。

 

いやぁ・・黄名子が本当に王冠を持ってきた時には驚いたよね・・・・。

 

大介:「よし、では今回タイムジャンプするメンバーを発表する。

松風天馬、大海果北、神童拓人、剣城京介、西園信助、宮下愛、高咲侑、フェイ・ルーン、霧野蘭丸、菜花黄名子、トーブ、絢瀬理沙、高坂桐穂、優木せつ菜、渡辺千夏、桜内梨菜

 

以上だ!!」

 

すずめ:「桐穂ちゃん頑張って来てね!!」

 

波未:「あなた達が帰って来るまで私達は練習してます!!」

 

大介:「うむ。しっかりな?」

 

そして、黄名子がもってきたアーティファクトをスキャナーにセットして離陸。タイムジャンプに入る。

 

ワンダバ:「いざアーサー王の世界へ!! タ〜イムジャ〜ンプ!!」

 

そして俺たちはこの時代から飛び立った。

 

 

〜 TMキャラバン内 〜

 

桐穂:「うわ〜!! これがタイムジャンプかぁ〜〜っ!! アーサー王の世界ってどんな所何だろう?楽しみ〜っ!!」

 

千夏:「桐穂ちゃん凄いね・・・不安は無いの?」

 

桐穂:「確かにちょっと不安はあるけど楽しみの方が勝ってるかな?」

 

はぁ〜〜、桐穂さんのメンタルが信じられない位に強すぎる・・・。俺もこうでないとな・・・"キャプテン"なんだから・・・!!

 

すると・・・・、

 

ガタ、ガタガタ、ガタ、ガタガタ、ガタガタ、ガタ!!

 

突如としてTMキャラバンが揺れ出した。いつもはこんな事無いのに!?

 

愛:「や、ヤッパリ得体の知れないアーティファクトでタイムジャンプしたのが不味かったんじゃあ・・・っ!!」

 

黄名子:「本物やんねっ!!」

 

理沙:「ど、どうなるの私達!?」

 

ワンダバ:「イカン!! 引き寄せられる!! とにかく一旦ワームホールから出るぞ!!」

 

雷門:『『『うわぁああぁあああーーーっ!!?』』』

 

 

 

 

チュン チュン・・ピピッ!!

 

天馬:「ん・・・・ここは?」

 

?:「あ、目が覚めた?」

 

天馬:「君は?」

 

?:「私は「シーナ」。この村で暮らしてるの」

 

天馬:「君が助けてくれたの?」

 

シーナ:「びっくりしたわよ。凄い音がしたと思って見に行ったら人が倒れてるんだもん」

 

そっか・・・・

 

天馬:「ありがとう助けてくれて。俺の他には誰かいなかった?」

 

シーナ:「あなたの他には青いクマさんだけだったわよ?」

 

青いクマ・・・もしかして!?

 

シーナ:「ほら、あそこ」

 

シーナが指差す方を見ると、

 

天馬:「ワンダバ!! 起きてワンダバ!!」

 

ワンダバ:「んガッ!! お、おう・・天馬!! 無事だったか!!」

 

シーナ:「今は村の収穫祭だから私は行くわね?」

 

天馬:「収穫祭って?」

 

シーナ:「マスタードラゴンとアーサー王に豊作を感謝するお祭りよ? 知らないの?」

 

ワンダバ:「アーサー王とマスタードラゴン!! と言う事は!!」

 

天馬:「タイムジャンプ成功したんだ・・・」

 

って事は、あの王冠本物だったんだ・・・・。

 

シーナ:「そういえばあなた達って[円卓の騎士]の入団希望者じゃないの? それなら速くアーサー王のお城に行かないと試験が始まってしまうわよ?」

 

!? それは不味い!!

 

天馬:「分かった!! ありがとうシーナ!!」

 

ワンダバ:「お嬢さんありがとう!!」

 

 

 

そして、俺とワンダバはアーサー王のお城に向かった。

 

俺たちが歩いていると、デカい鉄の棍棒を持った盗賊が襲って来た。

 

盗賊:「金目の物全部置いて行ってもらおうか!! ・・・っ!?」ボグシャァアアアッ!!!

 

すると盗賊の後頭部に何かが直撃。不意に襲った衝撃で盗賊は意識を手放した。

 

天馬:「サッカーボール!?」

 

?:「天馬ーーー!!」

 

天馬:「っ!! フェイ!!」

 

向こうからフェイが走ってきた。

 

フェイ:「危なかったね・・・?」

 

ワンダバ:「はぁ、助かった・・・」

 

天馬:「フェイ、他の皆は?」

 

俺が気になっていた事を聞くと、

 

フェイ:「ここはアーサー王の世界で間違いないみたいだけど、どうやら僕達は物語の登場人物として組み込まれてしまったみたいだね」

 

天馬:「ええっ!?」

 

フェイ:「この世界から脱出するには、物語の流れを崩さずにそれぞれ登場人物に与えられた役割を僕らが果たすしかない」

 

天馬:「なるほど・・・・で、俺は何の役なのかな?」

 

フェイ:「? 主人公の"見習い騎士"じゃないの?」

 

え・・・・、

 

天馬:「えぇええぇえぇえええーーーーっ!!?」

 

俺が主人公!?

 

 

ー 続く ー




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第107話:登場! 円卓の騎士!!

アクシデントもあったが、無事に「アーサー王」の世界にタイムジャンプできた俺たち。しかし、俺たちは物語の登場人物として組み込まれてしまった。

この世界から脱出するには、与えられた役割を果たして物語を終えないといけないらしい。

 

でも・・・・・・・、

 

天馬:「お、俺が主人公・・・・?」

 

フェイ:「みたいだね」

 

いや、みたいだねって・・・・・

 

フェイ:「とにかくアーサー王の城に向かおう。物語では主人公とその友達は、試験を受けて合格して「円卓の騎士」に入る事になっているからね」

 

じゃあ早く行かないとマズいんだね。

 

天馬:「よし、行こう!!」

 

 

ー キャメロット・アーサー王の城 ー

 

天馬:「円卓の騎士の入団希望で来ました!!」

 

フェイ:「試験をお願いします!!」

 

すると、奥から白い外套を羽織った・・・・物凄い存在感を放つ男性が出てきた。

 

見ただけで分かった・・・・。あの人がアーサー王だ!

 

?:「よく来たな。円卓の騎士を志す若者よ!! 我はアーサー。このキャメロットの地を統べる王である。では、早速だが入団テストを始める。内容は簡単。我が円卓の騎士と勝負して勝てば良い。今回の種目は・・・サッカーとする!!」

 

天馬:「ええ!? サッカー・・・!?」

 

フェイ:「どうやら僕達がタイムジャンプした事で、サッカーという概念も組み込まれてしまったみたいだね・・・・」

 

アーサー:「では、入団テストを始める。円卓の騎士よ!! 参れ!!」

 

そして、出てきたのは・・・・・、

 

神童:「我らは円卓の騎士!! お前たちが同士となり得るか、ここで試させて貰う!!」

 

天馬・フェイ:「「えぇええぇえええぇええーーーっ!?!!?!?」」

 

円卓の騎士が・・・・、雷門イレブン!?

 

そして、テスト試合の前に俺とフェイは神童先輩達に確認を取ることにした。

 

天馬:「神童先輩・・・記憶はありますよね?」

 

神童:「安心しろ。俺たち全員、雷門イレブンの記憶はある」

 

信介:「目が覚めたら天馬とフェイだけいなくてビックリしたよ・・・・。」

 

千夏:「というよりキャプテンが見習い騎士って・・・・」

 

天馬:「・・・・うん」

 

千夏:「ん? どうかしたの?」

 

天馬:「いや・・・・・、何でも無いよ?」

 

やっぱり、俺はキャプテンには向いていないんじゃ・・・・

 

神童:「天馬、この試合全力で行くぞ。アーサー王程の人物ならば、本気かどうかなど直ぐに見破ってしまう筈だ」

 

天馬:「っ! はい!!」

 

フェイ:「じゃあこっちはテンマーズで行こう。ボクがデュプリで行くよ」

 

そしてフェイが指を鳴らすと、合計9人の男女が出現した。

 

アーサー:「ほう、なかなかの魔法を使うな・・・?」

 

そして時刻となり、フィールドに立つ。

 

フォーメーション

 

円卓の騎士(雷門)

 

GK       信介

 

DF   黄名子 霧野  トーブ

 

ボランチ  桐穂    梨菜

 

MF せつ菜   神童☆   千夏

 

FW     剣城  理沙

 

テスト生(テンマーズ)

 

FW      キモロ  フェイ

 

MF   マント   天馬☆   チビット

 

ボランチ       ドリル

 

DF デブーン スマイル ストロウ ウォーリー

 

GK        マッチョス

 

 

そして、円卓の騎士入団テストが始まった。

 

ー 続く ー



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第108話:改めて分かる雷門の強さ

テンマーズボールのキックオフから試合開始。ボールを受け取った俺はマントにボールを渡す。

 

天馬:「マント!! 「やらせません!!」ッ!?」

 

自慢の俊足で一気にパスをインターセプトし、神童先輩にボールを渡すせつ菜先輩。

 

神童:「行くぞ!! 〈神のタクト〉!!」

 

神童先輩が中心の必殺タクティクス〈神のタクト〉が発動される。神童先輩の指揮のもと次々とボールを回す円卓の騎士雷門。

 

神童:「桜内!!」

 

神童先輩からボールは梨菜さんに渡る。

 

梨菜:ホッ!「「渡辺!!」千夏ちゃん!!」

 

千夏:ギュンッ「ヨーソロー!!」

 

千夏がせつ菜先輩ばりの俊足で一気にコチラのディフェンスの最深部でパスを受ける。

 

神童:「絢瀬!!」

 

天馬:「!? あんな所に!! マズイフリーだ!!」

 

理沙さん、完全に神童先輩がどう指揮するかが分かってた・・・・まぁ、あの二人は頭が凄く良いし、オマケに二人共それぞれのチームでゲームメイカーだから、考える事が分かるのかな・・・?

 

理沙:「行くわよっ!!」

 

理沙さんの周囲が極寒世界に変わりボールが氷漬けになる。それを理沙さんはソバットキックで打ち払った。

 

理沙:「[ノーザンインパクト・Gx]!!」

 

理沙さんのシュートがフリーで、しかも至近距離で放たれる。マッチョスは必殺技で止めようとするが、発動が間に合わずにマッチョスごとゴールに叩き込まれた。

 

フェイ:「な、何この連携・・・・? 滅茶苦茶レベルが高いんだけど・・・・」

 

天馬:(やっぱり・・・神童先輩は元々はキャプテンだし、理沙さんも梨菜さんもチームの中軸だけあってキャプテンになってもおかしく無いよね・・・。やっぱり、俺じゃあ・・・・「・・ま! 天・ま! 天馬!!」)

 

ハッ!?

 

フェイ:「天馬どうしたの? 試合再開だよ? 「ああ、うん」」

 

1ー0、テンマーズボールのキックオフから試合再開。どっちのサイドに展開しても、千夏とせつ菜先輩の俊足に取られるし・・・、かと言って中央突破は神童先輩に桐穂さん、梨菜さんを抜かないといけない・・・3人掛かりでこられたらまず勝ち目が無い・・・なら!!

 

天馬:「走れ!!」ドッ

 

俺たちは一気に走って相手陣内に切り込み、相手のマークに捕まる前にパス。そして動くのランガンサッカーで一気にディフェンスラインに到達した。

 

フェイ:「"ミキシトランス:ビッグ"!!」

 

フェイはミキシマックスを発動。そして化身を発動する。

 

フェイ(ビッグMix):「【光速闘士ロビン・零式】!!」

 

信介:「ならこっちも!! "ミキシトランス:劉備"!!」

 

信介はミキシマックスを発動。しかしフェイはシュートを放つ。

 

フェイ(ビッグMix):「[ー 満月ラッシュ ー]!!」

 

フェイと【ロビン】がボールに蹴りの乱打と拳撃を叩き込んで一気に蹴り落とす。信介は必殺技を放つ。

 

信介(劉備Mix):「[大国謳歌]!!」

 

水墨画の様な空間から岩石の手がシュートを掴む。しかしミキシマックス単体と、ミキシ+化身の勝負は流石にフェイに軍配が上がり、シュートはゴールに叩き込まれた。

 

天馬:「フェイナイスシュート!!」

 

フェイ:「うん・・・でもまたこの手は通じないかもね・・・」

 

どうにかしないと・・・・俺はキャプテンなんだから・・・!!

 

 

 

テンマーズ 1 ー 1 雷門

 

ー 続く ー




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第109話:リードしたのに大ピンチ!!

フェイのシュートが円卓の騎士ゴールに突き刺さり同点に追い付くテンマーズ。

円卓の騎士のキックオフから試合再開。ボールは神童先輩に渡り、再びサイドから機動力を使った攻めを展開。

ボールは千夏へ。

 

千夏:「行っくよーー!!」ドンッ!!

 

千夏の高速ドリブルでぐんぐんとこちらのエリア内に侵入してくる。そこにフェイがデュプリに指示を出してウォーリーとドリル、チビットの3人がディフェンスに入る。

 

ウォーリー・ドリル・チビット:「「「[フラクタルハウス・V3]!!」」」

 

絵本の世界から現れたお化け屋敷。足を止めた瞬間空から落雷が千夏に襲い掛かり、ボールを奪う事に成功する。

 

天馬:「こっちだ!!」

 

ウォーリーから俺にパスが通る。そこに梨菜さんと桐穂さんが止めに来るが、必殺技で抜きに掛る。

 

天馬:「[爆・アグレッシブビート]!!」

 

瞬間的に一気に加速した俺の動きについてこれず、2人は俺に抜かれた。

 

梨菜:「速い!!」

 

桐穂:「メチャクチャだねぇ・・・」

 

ドリブルで中盤を突破した俺。そこにディフェンスラインの3人が立ち塞がる。

 

霧野:「行かせないぞ!!」

 

黄名子:「通行止めやんねっ!!」

 

トーブ:「止めっぞ!!」

 

っ! 大丈夫だ!! 何とかなる!!

 

天馬:「【魔神ペガサスアーク・零式】!! アームドッ!!」

 

俺は化身アームドを発動。その影響で上昇した瞬発力でスピードアップ、一気に勝負に出る。

 

霧野:「甘い!! 【旗騎士ブリュンヒルデ・弐s・・「フェイ!!」っ!?」

 

俺は霧野先輩と勝負すると見せ掛けて裏に走っていたフェイにパス。不意を付かれて硬直している間に一気に駆け抜けフェイと合流。

 

フェイ(ビッグMix):「【光速闘士ロビン・零式】!! アームド!!」

 

そしてフェイは化身アームドとミキシマックスを同時発動。

 

俺と2人で連携シュートの体勢に入る。

 

天馬(アームド)・フェイ(ビッグMix&アームド):「「[エクストリームラビット]!!」」

 

俺とフェイのシンクロした動きから2人で撃つことにより進化した[バウンサーラビット]、もとい[エクストリームラビット]が放たれる。

 

1つだったボールは3つに分裂し、辺りを跳ね回りながらゴールに向かう。

 

信介:「くそっ! 〈ミキシトランス:劉備〉!! [大国謳歌]!!」

 

信介が技を発動。水墨画の巨大な手がシュートを握り潰す。しかし化身アームド2人(内1人はミキシも発動)の連携シュートを防げるはずも無く、シュートは円卓の騎士ゴールにねじ込まれた。

 

フェイ(ビッグMix):「天馬ナイス!!」

 

天馬:「うん! フェイもね!!」

 

パァンッ!!

 

2人でハイタッチしてリードした事を喜んでいると・・・・

 

審判:「メンバーチェンジ!! 高坂桐穂OUT 高咲侑IN!!」

 

しかし、ここで《天帝の眼(エンペラーアイ)》を持つ、侑先輩が投入された。

 

不味い・・・勝てるかな・・・?

 

ー 続く ー




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第110話:巨壁

俺とフェイの連携新必殺シュート[エクストリームラビット]が円卓の騎士ゴールに突き刺さりリードしたのも束の間。ボランチの桐穂さんと侑先輩が交代した。

 

フォーメーションチェンジ

 

円卓の騎士

 

GK      信介

 

DF  黄名子 霧野 トーブ

 

ボランチ  侑    梨菜

 

MF せつ菜  神童   千夏

 

FW    剣城  理沙

 

そして円卓の騎士ボールで試合再開。すると神童先輩と侑先輩が2人同時にミキシマックス。天才戦術家2人の力を身に纏う。

 

フェイ:「っ! 来るよ天馬!!」

 

神童(信長Mix):「必殺タクティクス!! 《天帝(エンペラー)タクト》!!」

 

侑先輩と組んでの《王者のタクト》かと思ったが、この状況でそれは生温過ぎた。今円卓の騎士には、神童先輩と侑先輩、そして理沙さんと梨菜さん、4人の高レベルのゲームメイカーがいる。その連携はまさに完全無欠。こちらのディフェンスはボールに触ることすら出来ずにあっという間に攻め込まれてせつ菜先輩と剣城の2人が連携技の体勢に入る・・・ってあの2人が!? マズイ!!

 

せつ菜先輩と剣城がボールを2人で上空へと蹴り上げてせつ菜先輩はスピード、剣城はジャンプ力を生かして上下から二人同時にシュートを叩き込む。

 

せつ菜・剣城:「「[炎の風見鶏・V2]!!」」

 

2人のキックから炎の鳥がゴールに進む。フェイがデュプリに指示を出して止めさせようとするが、次々と吹き飛ばされる。

 

マッチョス:「[エクセレントブレスト・V2]!!」

 

マッチョスが勢いよく空気を吸い込み、鍛え抜かれた胸筋でシュートを受け止める。しかしそんなものでは止まらずに、シュートはゴールに突き刺さった。

 

フェイ:「強い・・・!!」

 

テンマーズボールで試合再開。ボールはフェイに渡り、ミキシマックスを発動して攻め上がる。

 

梨菜:「通さないわ!! [イグナイトスティール・V4]!!」

 

梨菜さんの炎のスライディングがフェイを襲う。しかしフェイはジャンプで躱してそこにトーブがディフェンスに来た。

 

トーブ:「〈ミキシトランス:トーチャン〉!!」

 

トーブが、育ての親のケツァルコアトルスとミキシマックスを発動。大空からフェイに襲い掛かる。

 

トーブ(トーチャンMix):「[古代の翼]!!」

 

トーブが空から竜巻と共に襲い掛かりフェイからボールを奪い取る。そして神童先輩にボールが渡る。

 

神童(信長Mix):「絢瀬!!」

 

そしてボールは理沙さんに渡る。

 

理沙:「行くわよ!!」

 

理沙さんがドリブルで攻め上がる。そこにウォーリーとドリル、スマイルが止めに入るが、

 

理沙:「はぁああぁあああっ!! [超・オーロラドリブル]!!」

 

理沙さんの美しいドリブルが、ディフェンス3人を纏めて突破。シュート体勢に入る。理沙さんが跳び上がると、上空に雷雲が発生。そしてオーバーヘッドキックを放つと、その瞬間、ボールが神々しい輝きに包まれ、シュートと共に雷雲から辺りに落雷を落としながらゴールを襲う。

 

理沙:「[神罰の雷光]!!」

 

フェイ:「な、何だこのシュート!?」

 

マッチョス:「[エクセレントブレスト・V3]!!」

 

ここでマッチョスの技は進化したが、それでも受けきれる筈など無く、シュートはゴールに突き刺さり、ここで前半終了の笛が鳴った。

 

 

 

テンマーズ2ー3円卓の騎士

 

ー 続く ー



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第111話:微かな希望

円卓の騎士との試合の前半戦が終了し、ハーフタイムに入る。先輩たち強すぎるんだけど・・・・本気で()()()()に来てるよね・・・?

 

フェイ:「確かにアーサー王が見てるし、彼ほどの人物なら本気かどうかも簡単に見破ってしまうだろうけど・・・・天馬、何か恨まれるような事した?」

 

天馬:「いや、心当たりがないけど・・・・」

 

そして後半戦開始の時間になりフィールドに出る。

 

 

フォーメーション

円卓の騎士(雷門)

 

GK      信介

 

DF  黄名子 霧野 トーブ

 

ボランチ  侑   梨菜

 

MF せつ菜  神童   千夏

 

FW    剣城  果北

 

テスト生(テンマーズ)

 

FW      キモロ  フェイ

 

MF    マント  天馬   チビット

 

ボランチ       ドリル

 

DF デブーン ストロウ スマイル ウォーリー

 

GK        マッチョス

 

ってえぇえええっ!?

 

なんかFWの理沙さんが果北ちゃんに交代してるんだけど!? 本気で勝てる気がしなくなってきた・・・。

 

フェイ:「・・・・・・・」チラッ

 

天馬:「・・・・・・」チラッ

 

フェイ:フイッ

 

!? やっり何か恨まれてるのかな・・・・?

 

そして円卓の騎士ボールで後半戦開始。ボールを神童先輩に渡して攻め上がる。

 

神童:「大海!!」

 

相手のゲームメイカーの理沙さんがいなくなったと思ったら、今度は果北ちゃん主体の最大火力でのパワープレイに切り換えて来た。リードしているこの状況なら当然だがいかんせん容赦が無さ過ぎる!!

 

ボールを受け取ってどんどんドリブルで進撃して来る果北ちゃん。フェイがデュプリで止めさせようとするが、

 

果北:「遅いよっ!! [スプリントワープ・Gx]!!」ビュンッ ビュンッ ビュンッ!!

 

圧倒的な速さでディフェンスに入ったチビットとドリルを置き去りにする果北ちゃん。そしてそのまま必殺シュートの体勢に入る。

 

果北:「[絶・シャーク・ザ・ディープ]!!」

 

シュートと共に大海原から背びれを覗かせた巨大サメが現れる。そしてシュートはマッチョスが反応することも出来ずにゴールに突き刺さった。

 

天馬:「くそっ、2点差か・・・・・」

 

そしてテンマーズボールで試合再開。ボールは俺に渡り、パスを繋いで攻め上がる。

 

天馬:「マント!! こっちだ!!」

 

マントからパスを受け取りシュート体勢に入る。インハイの時に竜太に教えてもらって隠れて練習してたけど・・・出し惜しみなんかもう出来ない!!

 

俺がシュート体勢に入り空へと跳ぶ。そして空中でボールを蹴り、先回りして蹴りを繰り返し、エネルギーを蓄積する。

 

天馬:「本当は竜太との合体技でお披露目の予定だったのに!! [ザ・エクスプロージョン・G2]!!」

 

空から流星が墜ちる。俺が初めて見せた技に先輩たちは驚愕する。

 

神童:「っ!? 止めろ信介!!」

 

信介:「[絶・バーニングハンド]!!」

 

信介が必殺技で対抗するが、明らかに押されている。そして押し切られてシュートはゴールに突き刺さった。・・・・もしかして!!

 

天馬:「フェイ!! ちょっと!!」

 

フェイ:「?」

 

天馬:「もしかしてさ、先輩たちも初めて見るプレーには初見で対応するの難しいんじゃない?」ヒソヒソ

 

フェイ:「確かに・・じゃあその作戦で行こうか? 連携技ならデュプリに合わせさせされるから・・・」ヒソヒソ

 

そして円卓の騎士ボールで試合再開。ボールが神童先輩に渡ると、デュプリの利点である、発動者依存の連携するための感覚および意識の完全共有でキモロ、マント、ドリルがディフェンスを掛ける。

 

デュプリ:「「「[シグマゾーン]!!」」」

 

神童:「何っ!? ぐっ!!」

 

アッサリとボールを奪い取って俺にボールが回り、直ぐにチビットにパスを出すと、ウォーリーがオーバーラップして2人で上がる。しかしそこに梨菜さんとトーブが止めに入る。

 

するとウォーリーはチビットの腕をつかんでジャイアントスイングでボールと共に空へと投げ飛ばした。

 

デュプリ:「「[ジ・イカロス・V2]!!」」

 

トーブ:「ワッ!? まぶしっ!?」

 

同じくジャンプして止めようとしたトーブの目を眩ませて突破。そのままボールはフェイに渡る。

 

フェイ:「キモロ!! マント!!」

 

フェイがデュプリの2人と合計3人で駆け上がり、3人(1人がややズレて)が交差すると白い炎の中からペガサスが現れる。

 

フェイ・デュプリ:「「「[トライペガサス]!!」」」

 

放たれた白く燃える天馬(ペガサス)は、信介を完全に硬直させて円卓の騎士ゴールに突き刺さった。

 

 

 

テンマーズ 4 ー 4 円卓の騎士

 

ー 続く ー



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第112話:ぶつかる技と心

今回イナイレ以外のサッカー漫画の恐らくタクティクスに入るであろう戦術が出てきます。

では始まります。


フェイがデュプリをコントロールして併せさせて[トライペガサス]を円卓の騎士ゴールに叩き込みついに同点に追いついた。円卓の騎士の雷門メンバーは全員驚愕の表情をしているが、神童先輩の声で切り替えて円卓の騎士ボールで試合再開。

 

キックオフと同時にボールは梨菜さんに渡る。そこに前線のフェイがプレッシングを掛ける。

 

梨菜:「千夏ちゃん!!」

 

梨菜さんはサイドステップでサイドライン方向にズレると千夏に縦のロングパスを入れる。ボールを受け取った千夏にウォーリーがディフェンスに入る。

 

しかしウォーリーを引き付けてから中にパスを入れる千夏。中には神童先輩とせつ菜先輩、果北ちゃん、剣城の4人が走り込んでいた。

 

神童:「必殺タクティクス〈フラッシュパス〉!!」

 

4人がゴール前で攻め上がりながら高速でパスを繋ぎまくる。しかし中々シュートを撃たない。それが逆にいつシュートが飛んで来るか分からなくしていた。

 

果北:「剣城くん!!」

 

果北ちゃんから浮き玉のセンタリングが中に入る。

 

剣城:「"ミキシトランス:沖田"!!」

 

ここで剣城がミキシマックスを発動。来るか?

 

天馬:「剣城来るぞ!!」

 

そして剣城がシュートモーションに入る。

 

剣城(沖田Mix):「[菊一・・・」

 

しかしここでなんと剣城はボールをスルー。そこへせつ菜先輩が走り込んで来ており、

 

せつ菜:「うぉおおぉおおっ!!!」

 

せつ菜先輩がダイビングヘッドでセンタリングに合わせて軌道を変えてキーパーの反応を許さずにゴールに捩じ込んだ。

 

せつ菜:「よっし!!」

 

せつ菜先輩のゴールで再びリードを許してしまう俺達。テンマーズボールのキックオフで試合再開。

 

ボールをスピードに定評のあるチビットに預けてサイドから攻め上がる。しかし同じサイドの相手のスピード自慢、千夏が立ち塞がる。

 

千夏:「おっ!? 私にスピード勝負挑む気?」

 

するとチビッとは一気に足を力強く踏み込んで瞬発力と踏み込みの反動を利用して急加速した。

 

チビット:「[ダッシュアクセル・改]!!」

 

一瞬の急加速で千夏を置き去りにしたチビット。しかし千夏もすぐに立ち直ってチビットを追いかける。

 

霧野:「トーブディフェンスに入れ!! 俺はフェイを見る!!」

 

トーブ:「わかったぞ!!」

 

トーブがチビットに迫る。フェイには霧野先輩がマークに付いている。しかし、

 

天馬:「こっちだ!!」

 

ボールは俺にフリーで渡り、俺は化身を発動する。

 

天馬:「【魔神ペガサスアーク・零式】!! アァアアムドッ!!」

 

俺の身体に鎧となった【ペガサスアーク】が装着される。そして俺はシュートを放つ。

 

天馬:「[超・マッハウィンド]!!」

 

アームド状態の風の弾丸シュートが円卓の騎士ゴールに襲い掛かる。信介はミキシマックスを発動する。

 

信介:「"ミキシトランス:劉備"!!」

 

信介(劉備Mix):「[大国謳歌・改]!!」

 

信介がミキシ技で迎え撃つが、それを突き破って俺のシュートはゴールネットを揺らした。

 

 

テンマーズ 5 ー 5 円卓の騎士

 

ー 続く ー



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第113話:円卓の騎士戦 試合終了・・

俺のアームド状態での[マッハウィンド]が、信介のミキシ技の[大国謳歌]を打ち破って同点ゴール。そして試合時間はあと僅か。円卓の騎士ボールで試合再開。

ボールは梨菜さんに渡ってそこからフィールドの味方の流れを、調律するかの様にコントロール。静かに、しかし力強く、パスを繋ぐ。

 

天馬:「果北ちゃんにマーク入って!! ストロウとデブーンは剣城に!!」

 

俺の指示でフェイがデュプリをコントロールしてそれぞれマークにつかせる。しかし、

 

梨菜:「ふっ!!」

 

ここで梨菜さんのゲームメイクが変わった。先ほどの静かなゲームメイクから、一気に侵略するかの如く苛烈に攻め立ててくる。

 

神童:「せつ菜!!」

 

そしてボールはせつ菜先輩に渡る。

 

せつ菜:「行きますよーーーっ!!」

 

せつ菜先輩がゴール前へと攻め上がると、そこへ剣城と果北ちゃんが合流。3人でシュート体勢に入る。

 

月夜をバックに、3人の背後に白銀の魔狼が出現する。剣城、果北ちゃんの2人が前方へとダッシュするとせつ菜先輩が2人の間にシュートを蹴り込み、2人はそれを挟み込むようにして真上へと蹴り上げる。

 

せつ菜:「これで私達の勝ちです!!」

 

せつ菜・剣城・果北:「「「[グランフェンリル・G4]!!!」」」

 

魔狼(フェンリル)がゴールを食い破らんと襲い掛かる。しかしこちらもタダではやられない。DFデュプリの中で1番の巨漢のウォーリーが身体でシュートを受け止め、デブーン、ストロウ、スマイルの3人が後ろからウォーリーを支えて4人掛かりでシュートブロック。

 

せつ菜:「無駄です!!」

 

ドガァアァアアァアアアッ!!!

 

しかしシュートは4人を纏めて吹き飛ばし、ゴールへと一直線。そこへ、

 

天馬・フェイ:「「させるかぁあぁああぁああああっ!!!」」

 

ドガァアアッ!!

 

しかしその間に俺とフェイは戻って二人同時に蹴りを叩き込んでシュートブロック。しかしそれでも僅かにパワー負けして弾き飛ばされる。

 

フェイ:「くっ!! マッチョス止めろ!!」

 

マッチョス:「[エクセレントブレスト・V3]!!」

 

これだけブロックして、マッチョスはやや引き摺られながらもシュートを止めた。

 

ピッ、ピッ、ピィイイイーーーーッ!!!

 

ここで試合終了のホイッスルが鳴り、5ー5の同点で試合終了。

 

天馬:「ハァ、ハァ・・・負けないだけで精一杯だった・・・・・・」

 

桐穂:「いやいやいや、私達を全員相手にしてほぼ2人だけで戦ってる様な物で引き分けって寧ろ凄すぎるでしょ!?」

 

神童:「ああ・・・。勝てると思ったんだがな・・・」

 

天馬:「って言うか皆さん俺に何か恨みでもありました?」

 

侑:「え? 無いよ?」

 

は? いやいやいや・・・あれだけ本気で叩き潰しに来て無いんですか?

 

神童:「ああ、インターハイの時もそうだが、俺達はお前と今はいない竜太に引っ張ってもらってたからな・・・。いつかお前たちと本気で敵として戦ってみたいと思ってたんだ。1人のプレイヤーとして・・今回たまたまいい機会だと思ったからやっただけだ」

 

!! なんだ、そうだったんだ・・・。

 

アーサー:「会話は済んだか?」

 

ああ、そうだ入団テスト!!

 

アーサー:「2人共合格だ!! どんなに強大な相手でも決して諦めないその心。それが私が最も見せて欲しかった物だ!!」

 

葵:「良かったね天馬!!」

 

天馬:「あお・・・っ!?」

 

黄名子:「ボソボソ 葵ちゃんはメローラ姫やんね

 

姫って・・・どんだけいい役なのさ・・・。

 

すると、空から黒い龍が・・頭に漆黒の鎧を着た騎士を乗せて飛んできた。

 

アーサー:「マスタードラゴン!? メローラ!! 城の中へ!!」

 

葵:「は、はい!!」

 

そして葵が城に入ろうとすると、黒い騎士が何かの玉の様なものを葵に向けて投げてきた。

 

黄名子:「危ない!! 「きゃっ!? 黄名子ちゃん!!」」

 

すると玉が当たった黄名子は中に閉じ込められて黒い騎士の手に渡った。

 

黒騎士「アーサー王、そして円卓の騎士、この娘を助けたくば、〈嘆きの洞窟〉へ来い」

 

天馬:「黄名子を返せーーーーーっ!!」

 

そして、黒いマスタードラゴンと騎士は飛び去っていった。

 

 

ー 続く ー




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第114話:災厄の序章

アーサー:「これより、緊急円卓会議を始める!!」

 

晴れて円卓の騎士の入団テストに合格した俺とフェイは、黒い鎧の騎士と黒く変色したマスタードラゴンに連れ去られた黄名子の奪還、そして・・・今キャメロットに何が起こっているのかを話し合っていた。

 

アーサー:「賢者の知恵を持つマスタードラゴンが人を襲うとは解せぬ・・・」

 

神童:「この国に何が起こっているのでしょうか・・・?」

 

アーサー:「分からん・・・もしかしたら災いが起こる前触れなのかも知れぬ・・・」

 

災い・・・アーサー王の言葉に霧野先輩が「そんな・・」と声を漏らす。

 

天馬:「これからどうするんですか?」

 

アーサー:「我が円卓の騎士の1人である黄名子が攫われたのだ。場合によってはマスタードラゴンを討ち果たしてでも黄名子を救出する」

 

俺たちが息を呑む。しかしアーサー王は「だが・・」と付け加える。

 

アーサー:「マスタードラゴンの身体には、並の武器では決して歯が立たない。伝説の聖剣、《エクスカリバー》でもない限りは・・・」

 

エクスカリバー、その名前で俺たちは今離脱しているエースを思い出す。今頃どの時代にいるんだ・・・・。

 

神童:「してその剣はどこに?」

 

アーサー:「ここだ」

 

アーサー王は壁に掛かった1本の剣を外して目の前に置き、刀身を出す。だが、

 

桐穂:「ボ、ボロボロ・・・」

 

理沙:「こ、こんなので本当に倒せるのかしら・・?」

 

そう言葉漏らすのも無理は無い。刀身はそれ程に錆びだらけでボロボロだったのだ。

 

アーサー:「仕方ない、では1度〈妖精の泉〉に住むという〈妖精ビビアン〉にエクスカリバーを復活させて貰おう」

 

そして会議が終了し、出発の為の準備をしていると、

 

葵:「お父様お待ち下さい!! 騎士の黄名子は私の身代わりに連れ去られたのです。私1人安全な所で黙っているなどできません!! 私も連れて行ってください!!」

 

アーサー:「メローラ・・・ フッ 分かった!! だが、くれぐれも無理はするなよ?」

 

葵:「ハイ!!」

 

そして、嘆きの洞窟・・その前に妖精の泉に向かうための馬車に向かう。って・・・、

 

水鳥:「よぉ・・・」ムスッ

 

天馬:「水鳥さん!?」

 

なんと馬車の操馬手は水鳥さんだった。

 

水鳥:「何で葵が姫でアタシが操馬手な訳? アタシだってガラじゃない事は分かってるけど一応女だから姫とか憧れはあるんだけど?」

 

っ!? 俺たち全員の顔が「マジか・・・」と言う顔色に変わった。てっきり水鳥さんはそういうの興味ないとばかり思ってたから・・・。所詮彼女も女番長とは言っても1人の女だったらしい・・・。

 

アーサー:「頼むぞ」

 

水鳥:「はい! 分かりました!!」

 

しかしそこは完全な縦社会で生きてきた水鳥さん。仮とはいえこの国の王であるアーサー王にはきちんと敬語だ。

 

そして俺たちは、まずは妖精ビビアンの住むという、〈妖精の泉〉へと向かった。

 

ー 続く ー




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第115話:嘆きの洞窟

連れ去られた黄名子を奪還する為、アーサー王と共に馬車に揺られて幻想世界の平原を抜けマスタードラゴンの住まう〈嘆きの洞窟〉に向かう。しかし今のままでは操られたマスタードラゴンに太刀打ちする術がない。なので先ずは〈妖精の泉〉に住む妖精ビビアンに聖剣〈エクスカリバー〉の力を戻してもらう。

 

馬車に揺られて約2時間後、俺達は〈妖精の泉〉に到着した。

 

ー 妖精の泉 ー

 

アーサー:「出てきてくれビビアン!! マスタードラゴンを正気に戻すため、エクスカリバーの力を戻してくれ!!」

 

そしてアーサー王は剣を泉に放り投げた。

 

天馬:「えっ!?」

 

他の面々も驚いている。すると、突如として泉が光り輝き、エクスカリバーを抱えた妖精があらw・・・って、

 

雷門メンバー:『『『『茜さん(茜)!?』』』』

 

何と妖精ビビアンの役を預けられていたのは、マネージャーの最後の1人、茜さんだったのだ。そう言えば見ないな・・と思ったけど・・・・。

 

茜:「私は妖精ビビアン。エクスカリバーの力を戻してあげましょう・・・。 ナオーレ・ナオーレ・エクスカリバー・キテマス・キテマス!!」

 

愛:「いやそれで良いの!?」

 

するとエクスカリバーば純白の光に包まれ、神々しい白銀の刀身に戻り、邪悪を打ち払う聖なる力を取り戻した!!

 

せつ菜:「す、凄いです!!」

 

アーサー:「ありがとうビビアン!! よし、者共行くぞ・・クイッ ん?」

 

茜:「・・・私も行く」

 

アーサー:「え?」

 

流石のアーサー王もこれには面食らったようだ。自分の役割分かってるのかな・・・?

 

そして茜さんを加えて泉から更に馬車で1時間、マスタードラゴンの住む、〈嘆きの洞窟〉に到着した。

 

アーサー:「ではこれより、最奥部に向かう!! 〈嘆きの洞窟〉の中は天然の迷路だ。1度迷ったら2度と生きては戻れない。逸れるなよ?」

 

うわぁマジか・・・。果林さん、選ばれなくて正解だったかな・・・?

 

そして、俺たちは〈嘆きの洞窟〉の中へと足を踏み入れた。

 

 

 

ゴーグルの少年:「松風天馬くん・・・見せてもらうよ? キミたちの力を・・・・」

 

白い髪の少年が、俺達を見ていたのに気付かずに・・・・・。

 

 

〈嘆きの洞窟〉に足を踏み入れた俺たち。中はアーサー王の言うとおり複雑に入り組んだ迷路になっており、その中をアーサー王と共に進む。

 

葵:「ハァハァ・・・あっ!!」

 

天馬:「危ない!!」ガシッ!!

 

危うく転びかけた葵を支える。見るとマネージャーの3人が息切れしかけていた。

 

天馬:「アーサー王!! 3人がちょっと苦しそうです!! 少し休憩しましょう!!」

 

アーサー:「よし分かった!! 皆の者、ここで一時休憩とする!!」

 

梨菜:「はぁ、やっと休憩・・・」

 

桐穂:「私達でも疲れるって・・・」

 

 

皆やっぱり疲れてたんだ・・・・。

 

 

 

葵:「天馬、さっきはありがとね?」

 

天馬:「ううん。葵こそ大丈夫・・・・?」

 

葵:「・・・・「俺なんかがキャプテンで本当に良いのか?」そんな感じ?」

 

っ!? な、何で!!

 

葵:「長い付き合いだもん。その位わかるよ・・・天馬って昔からそうだよね? 自分がどれ程皆に必要とされてるか分かってない」

 

天馬:「へ? 「そろそろ出発するぞ!!」」

 

葵:「出発だって。行こう天馬?」

 

天馬:「あ、うん・・・」

 

アーサー:「・・・・・ふむ」

 

 

その頃

 

ー 嘆きの洞窟最奥部 ー

 

黒騎士:「円卓の騎士、ここがお前たちの墓場となる・・・」

 

 

ー 続く ー




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第116話:嘆きの洞窟の決戦

あれから20分程洞窟の中を進みむと、大きく開けた地底湖を持つ大空洞に出る。

 

どうやらここが最奥部みたいだ・・・。

 

すると奥に、

 

天馬:「黄名子!!」

 

黄名子:「キャプテン!! 皆も助けに来てくれたの!?」

 

霧野:「待ってろ!!、今助けr・・・っ!」

 

檻に閉じ込められた黄名子に近付いた瞬間、黒騎士と共に黒く染まったマスタードラゴンが現れる。

 

アーサー:「マスタードラゴン・・・、何があったと言うんだ・・・お前は民を愛し、慈しんで来た筈だ!!」

 

M・ドラゴン:「グォオオォオオオォオオオッ!!」

 

マスタードラゴンは雄叫びを上げ、アーサー王に襲い掛かる。

 

アーサー:「クッ!! ・・・・仕方無い・・、届かぬと言うなら、民を守るため、お前を斬る!!」

 

黄名子:「ダメ!! マスタードラゴンは本当は良いドラゴンやんねっ!!」

 

アーサー:「分かっている。だから正気に戻すのだ!! そなたを蝕む邪気を、この聖剣エクスカリバーの力で払ってやる!!」

 

するとアーサー王はエクスカリバーを片手にマスタードラゴンに突っ込むと攻撃を躱しながらマスタードラゴンに接近。マスタードラゴンの爪の大振りをヒラリと身を翻して躱すと、無防備を晒した胴体に、エクスカリバーの一閃を叩き込んだ。

 

M・ドラゴン:「グォオオォオオオォオオオオッ!?!!?!?」

 

ドズゥウウウゥウウンッ!!

 

すると斬られたマスタードラゴンは元の純白の色に戻り、地底湖の中へと転がって沈んでしまった。

 

天馬:「マスタードラゴンが・・・・・」

 

黄名子:「っ! ・・・・あなた、絶対に許さないやんねっ!!!」

 

すると黒騎士は声を発し、

 

黒騎士:「・・・マスタードラゴン消失。これで君たちの目的は果たせなくなった」

 

っ!! この無機質な声、まさか!!

 

すると黒騎士の鎧が消滅し、後ろに後10人現れた。

 

天馬:「パーフェクトカスケイド!!」

 

神童:「やっぱりお前達だったのか!!」

 

レイ・ルク:「君たちにはこの物語と共に消えてもらう。試合を申請する」

 

レイ・ルクが宣言すると、檻の方からバゴォオンッと、音がして見てみたら、黄名子が鉄格子を腕力で捻じ曲げて出てきていた。

 

っ!? 怖っ!! 何あのパワー!?

 

黄名子:「キャプテン!! ウチにやらせて欲しいやんね!!」

 

天馬:「う、うん・・・。分かった・・・」

 

レイ・ルク:「それでは準備を始める。〈フィールドメイクモード〉」

 

レイ・ルクがデバイスを操作すると、大空洞にサッカーフィールドが形成され、案の定またあの実況のおじさんがどこからか拐われてきた。

 

矢島:「さぁー!! 雷門にとってのリベンジマッチ、本日はここ、アーサー王物語の世界《嘆きの洞窟フィールド》からお届けするぞーーーっ!!」

 

サカマキ:「分かっているなレイ・ルク、ここで必ず奴らを始末しろ!!」

 

P・カスケイド:『了解』

 

茜:「あっ!!」

 

神童:「どうした?」

 

俺たちが茜さんの持つこの物語の本を見ると、最後のページがどんどん色を失い、真っ白になってしまった。

 

神童:「必ず勝たなければ、俺たちはこの物語と共に消えるという事か・・・」

 

天馬:「(絶対に負けられない試合なんだ・・・)神童先輩、俺がキャプテンで、本当に良いんですか?」

 

神童:「!? こんな時に何を言ってる!! キャプテンはお前だ!!」

 

天馬:「こんな時だから言うんです!! 俺よりも神童先輩の方がキャプテンに・・・、リーダーにふさわしいんです!!」

 

フェイ:(天馬・・・)

 

神童:「キャプテンはお前以外に考えられない!! 取り敢えず試合だ!! 行くぞ!!」

 

フォーメーション

パーフェクトカスケイド

 

GK         ラウ

 

DF     ドネル リン バド

 

ボランチ ファニ        エミ

 

MF   ダイ    レイ   ケイ

 

FW      グラ    ブル

 

雷門

 

FW     剣城      果北

 

MF  せつ菜  天馬  神童  千夏

 

ボランチ       桐穂

 

DF    トーブ  霧野  黄名子

 

GK         信介

 

そして両チーム位置につく。

 

レイ・ルク:「この試合の重要レベルは最大と判断。よって、〈ハイパーダイブモード〉の使用を適切と判断する」

 

するとパーフェクトカスケイド全員の眉間辺に黒い線が入ったと思ったら、左右にスライドし、奥から機械質な・・・ってはぁ!?

 

ワンダバ:「そうか!! 奴らはアンドロイドだったんだ!! だから人間離れした連携が可能だったんだ!! 通信で動きのデータをお互いにやり取りしてたんだろう・・・」

 

理沙:「それ卑怯じゃないの!?」

 

レイ・ルク:「この〈ハイパーダイブモード〉は、我々の実力を100%開放出来る。つまり我々の正真正銘全力だ」

 

神童:「っ!! 皆、絶対に気を抜くなよ!!」

 

雷門:『『『おう!!』』』

 

ピィイイイーーーーッ!!

 

そして、試合開始のホイッスルが鳴った。

 

ー 続く ー




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第117話:絶望への序曲・・・

ついに全力の力を開放したエルドラド最強のエージェント、"パーフェクトカスケイド〈ハイパーダイブ〉"との試合が始まった。

しかしそのスピード、パワー、テクニック、どれをとっても恐竜時代の時とはとてもでは無いが比較に成らない位に強い。

ボールをあっと言う間にレイ・ルクに奪われ、そのままレイ・ルクはドリブルで超高速で上がってくる。

 

桐穂:「絶対に止める!! [ダンス・オブ・サラマンダー・Gx]!!」

 

桐穂さんの爆炎の舞がボールを絡め取ろうと荒れ狂う。しかし一気に急加速したレイ・ルクは技が届くその前に突破した。

 

桐穂:「ウソでしょ!? 早すぎる!!」

 

レイ:「・・・ブル」

 

桐穂さんを突破したレイ・ルクはFWのブル・レクスにパスを出す。受け取ったブルにすぐに黄名子がディフェンスに入るが・・・、

 

ブル:「・・・・・・」グッ ドンッ!!!

 

しかしこちらも一気に加速しディフェンスを置き去りにしてシュートを放つ。しかし放ったのはノーマルシュートだ。

 

信介:「絶対に入れさせるもんか!! 【護星神タイタニアス・零式】!! アームドッ!!」

 

信介は化身アームドを発動して必殺技を放つ。

 

信介:「[ムゲン・ザ・ハンド・G2]!!」

 

信介の背後に千手観音の様にオーラの無数の手が出現。それが一斉にシュートに向かい次々とキャッチに掛かる。

しかしただのノーマルシュートで[ムゲン・ザ・ハンド]は砕かれてしまい、シュートはゴールに突き刺さった。

 

千夏:「つ、強い・・・」

 

果北:「お兄ちゃん達はこんな奴らと戦って勝ってきたの? でも、コイツラはそいつらよりも強いんだよね・・・?」

 

神童:「ああ、敵の最強の選手達だ・・・」

 

そして再び雷門ボールで試合再開。しかし今度は新戦力の千夏さんにボールを預ける。

 

千夏:「っ、行くよ!!」ドンッ!!

 

千夏さんの持ち前の瞬発力を活かしたスピードドリブルで駆け上がる千夏さん。しかしすぐにディフェンスに入ったMFのケイ・ロウに捕まってしまう。

 

千夏:「負けないであります!! [絶・イナビカリダッシュ]!!」

 

雷光の如く電光石火のスピードで、パーフェクトカスケイドの1人を抜き去った。

 

サカマキ:「・・・・ほう?」

 

尚もドリブルで上がる千夏さん。しかし今ので学習したのか、ボランチのエミ・ウル、DFのバド・アッド、リン・クールが3人掛かりでディフェンスに入る。

 

エミ・バド・リン:「「「"ディフェンスコマンド21"[無影乱舞]」」」

 

3人の一見してバラバラの様だが寸分違わず計算され尽くした完璧なディフェンスでボールを奪われる千夏さん。エミ・ウルがレイ・ルクにパスを出そうとした瞬間、

 

果北:「やらせるか!!」ズサァッ!!

 

横から足を伸ばして身体で滑り込み、ボールを奪い返した。

 

サカマキ:「っ!!」

 

果北ちゃんはそのまま一気にゴールに突っ込むと化身を発動する。

 

果北:「はぁああぁああっ!! 【海神の歌姫セイレーン・零式】!! アァアアムドッ!!」

 

果北ちゃんの化身アームドが成功。まるでポ○モンのミ○カ○スを擬人化したような風貌の鎧姿に変わる。

 

果北ちゃんがシュート体勢に入ると、辺りが大海原へと変わり、彼方から背びれをのぞかせて巨大な鮫が泳いでくる。

 

果北:「[絶・シャーク・ザ・ディープ]!!」

 

荒々しくも強烈なパワーのアームドシュートがパーフェクトカスケイドゴールに襲い掛かる。

 

ラウ:「シューとのパワー危険域と判断。適切に処理する」

 

するとキーパーラウ・セムの背後から電子プラズマの様な黒いオーラが立ち上ると、中から化身の様な何かが現れる。

 

ラウ:「【人工化身プラズマシャドウGK・零式】」

 

するとラウは人工化身と呼んだそれを使い技を放つ。

 

ラウ:「"キーパーコマンドK08"[ー シャドウハンド ー]」

 

そして【プラズマシャドウ】の胸部に空いた穴から突き出た()と共に、ラウは果北ちゃんの化身シュートを片手で止めてしまった。

 

 

 

雷門 0 ー 1 P・カスケイド

 

ー 続く ー




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第118話:兆し

ついに本気を出したパーフェクトカスケイドとの試合が始まった。しかし開始早々にボールを奪われてしまい、レイ・ルクからブルにパスが繋がると、ただのノーマルシュートで信介の〈化身アームド〉+[ムゲン・ザ・バンド・G2]の組み合わせを破られてしまった。

 

1点をリードされ、再び雷門ボールのキックオフから試合再開し千夏と果北ちゃんの活躍により今度は雷門のシュートチャンス。しかし、果北ちゃんの〈化身アームド〉+[絶・シャーク・ザ・ディープ]の組み合わせのシュートを、相手のキーパーラウ・セムは【プラズマシャドウ】と呼ばれた〈人工化身〉の化身技でアッサリと止めてしまった・・・・。

 

 

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

 

 

果北:「っ!?」

 

まさか止められるとは思ってなかったのか果北ちゃんの顔が驚愕に歪む。

 

ラウ:「・・・・レイ」

 

射出角度を完璧に計算された正確なゴールキックからボールはレイ・ルクに飛ぶ。

 

桐穂:「させるかっ!!」バシッ!!

 

何と比較的起動の近くにいた桐穂さんが空中でボールを奪い取る。そしてすぐにせつ菜先輩に渡す。

 

サカマキ:(? さっきから何かおかしい・・・、渡辺千夏と大海果北の選手データはパーフェクトカスケイドの中に入っている筈・・・、突破される訳が無い・・それに今の高坂桐穂、データとはスピードが全く違った・・・。何が起こっている?)

 

せつ菜先輩がドリブルで攻め上がる。しかしそこにドネル、ファニ、リンの3人が止めに入る。

 

ドネル・ファニ・リン:「「「"ディフェンスコマンド21"[無影乱舞]」」」

 

3人の高速連携ディフェンスがせつ菜先輩に襲い掛かる。しかし・・・、こんな逆境でこそ逆に(ハート)が燃え上がるのが、優木せつ菜だ。

 

せつ菜:「私達だって練習したんです!! 熱い(ハート)の無い機械(マシン)になんか、絶対に負けません!! [スカーレット・スターダスト・V2]!!

 

せつ菜先輩の覚悟に呼応するかのように、[スカーレット・スターダスト]がパワーアップ。更にスピードを増し、パーフェクトカスケイドのディフェンスを振り切った。

 

サカマキ:「何っ!?」

 

せつ菜:「剣城くん!! 果北さん!!」

 

せつ菜先輩から、マークが外れた剣城と果北ちゃんにセンタリングが入る。

 

剣城:「ぶっつけ本番だ!! 大海妹行くぞ!!」

 

果北:「了解!!」

 

剣城:「"ミキシトランス:沖田"!! 【剣聖ランスロット・零式】、アームドッ!!」

 

果北:「【海神(ワダツミ)の歌姫セイレーン・零式】、アァアアアムドッ!!」

 

剣城はミキシマックスと化身アームドの両方を、果北ちゃんは化身アームドを発動する。

 

剣城(沖田Mix&アームド)・果北(アームド):「「[クロスファイア・改]!!」」

 

剣城の炎の左足、果北ちゃんの氷の右足のツインボレーで2重属性のシュートが放たれる。2人共に化身アームド単体以上で撃っているため、そのパワーはとてつもない。これは流石に止められないだろう。

 

ラウ:「シュート威力危険度レッドゾーン。【人工化身プラズマシャドウGK・零式】、アームド。 "キーパーコマンド16"[弧月十字拳]」

 

サカマキ:「何っ!?」

 

しかし今度は〈化身アームド〉+必殺技で対処しようとする相手キーパー。監督のサカマキが驚いている。つまり想定以上の威力が出ており、今のままでは危険だとキーパーが判断したという事になる。

 

シュートが[弧月十字拳]にぶつかる。するとシュートの勢いは中々収まらない。しかしラウ・セムは少し技の角度を上にズラしてシュートを弾いた。

 

果北:「っ! アレも止めるの!?」

 

剣城:「・・・いや、前回手も足も出なかった奴の本気の状態の化身アームドと必殺技を引きずり出せた。それにあのキーパー少し引きずられてた・・・もしかしたらもう少し威力があれば点が取れるかもしれない!!」

 

ラウ・セムの弾いたボールは前線のブル・レクスに渡る。するとブルは〈人工化身〉を発動する。

 

ブル:「【人工化身プラズマシャドウSH・零式】 "シュートコマンドK08"[ー シャドウレッグ ー]」

 

パーフェクトカスケイドの化身シュートが雷門ゴールに迫る。すると霧野先輩がミキシマックスを発動。ブロックに入る。

 

霧野(ジャンヌMix):「[ラ・フラム・G3]!!」

 

霧野先輩の業火の壁がシュートを阻む。しかし少し威力が弱まった程度で止めるには程遠い。

 

信介:「"ミキシトランス:劉備"!! 【護星神タイタニアス・零式】!! アームド!!」

 

今度はミキシマックスと化身アームドの同時発動でシュートを迎え撃つ信介。

 

信介(劉備Mix&アームド):「[大国謳歌・改]!!」

 

信介がミキシ技で迎え撃つが、パワーに押され信介ごとシュートはゴールに突き刺さった。

 

神童:「くそっ、2点目か・・・」

 

サカマキ:「ふう、このまま行けるな・・・(しかし・・・、)」

 

サカマキが目を向けた先には・・・・、

 

桐穂:(後もう少しでイケそうな気がするんだよなぁ・・・)

 

 

雷門 0 ー 2 P・カスケイド

 

ー 続く ー




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第119話:11体の悪魔

パーフェクト・カスケイドの化身シュートが雷門ゴールに突き刺さり点差は2点に広がる。だがコイツらが強いのは分かっていた事。何としても取り返してやる!!

 

ここで千夏ちゃんがフェイと交代。フェイがフィールドに入る。

 

千夏:「フェイくん、お願い・・・」

 

フェイ:「任せて。 まずは1点返して行こう!!」

 

雷門:『オォオオォオオーーーッ!!』

 

ピィイイイーーーーッ!!

 

審判の役目を果たすスフィアデバイスのホイッスル音から試合再開。ボールは俺に回ってくる。

 

天馬:「っ!! (そうだ、キャプテンの俺が何とかしなくちゃ・・・!!)うぉおおぉおおっ!!」

 

神童:「っ!? 待て早まるな天馬!! まずはボールを回して・・・!?」

 

焦りで冷静な思考が出来なくなっていたのか、俺は策もなくドリブルで突っ込んでしまう。

 

レイ:「単調な動き、対処する」

 

天馬:「!?」

 

しかしレイ・ルクを躱そうとしたが動きが読まれており、簡単に奪われてしまう。

 

フェイ:「させるかっ!!」

 

フェイがすぐにフォローに入ってくれたが、パーフェクトカスケイドのフィジカルで弾き飛ばされてしまう。

 

神童:「っ!! マズイ!! 高坂、止めてくれ!!」

 

レイ:「高坂桐穂、君のデータはインプット済み。止めることは出来ない」

 

レイ・ルクは更にスピードを上げる。ここを抜かれたら・・・!!!

 

桐穂:・・・・ ユラァッ、シュンッ!!

 

レイ・ルク:「・・・? 高坂桐穂消失・・・反応探知・・後ろか」

 

何と、一瞬桐穂さんの姿が揺らいだかと思ったら、次の瞬間には既に奪い返してカウンターを仕掛けていた。

 

剣城:「何だ今のスピードは・・・!? ありえない・・」

 

サカマキ:「データ照合開始・・・、1件該当データ有り・・・・っ!? 《加速世界(アクセルワールド)》だと!?」

 

桐穂:「やった!! 出来た!! お母さんの技!!」

 

フェイ:「桐穂さんこっち!! 「フェイくん!!」」

 

ボールはカウンターでフェイに渡る。

 

フェイ:「"ミキシトランス:ビッグ"!!」

 

フェイはミキシマックスを発動。シュート体勢に入る。

 

フェイ(ビッグMix):「[王者の牙・改]!!」

 

フェイのシュートがパーフェクトカスケイドに牙を剥く。しかしそれだけでは終わらず、

 

フェイ(ビッグMix):「果北ちゃん!! シュートチェインだ!!」

 

果北:「任せて!! 【海神(ワダツミ)の歌姫セイレーン・零式】!! アァアアァアアムドッ!!」

 

そして果北ちゃんは化身アームドを発動する。

 

レイ:「無駄だ。君達のシュートでは我々のゴールは破れない」

 

果北:「ふっ、それは・・どうかなっ!! 《属性付与同調(エンチャントリンク)二重(ダブル)(フレイム)〉》!!」

 

果北ちゃんはパワー特化させる《属性付与:炎》を同属性で重ね掛けし、威力を更に引き上げる。

 

果北:「喰らぇええぇえええっ!!! [絶・シャーク・ザ・ディープ《二重炎》]!!」

 

果北ちゃんのシュートチェインと共に放たれた鮫が炎の様に紅く変色し、炎のリングを身体に纏いながら青い牙のオーラと共にゴールに突っ込む。キーパーのラウ・セムは化身を発動する。

 

ラウ:「【人工化身プラズマシャドウ・零式】、アームド。 "キーパーコマンド16"[弧月十字掌]」

 

ラウはまたしても化身アームドと必殺技を同時に使いシュートを迎え撃つ。しかし今度は明らかにフェイと果北ちゃんのシュートが押している。そして、

 

ビシ!!

 

サカマキ:「!?」

 

[弧月十字掌]のエネルギー波には次々と亀裂が入っていき、パワーに耐えきれずに遂に砕け散り、シュートはゴールに突き刺さった。

 

フェイ(ビッグMix)・果北:「よしっ!!」

 

神童:「フェイ! 大海妹! 良くやってくれた!!」

 

せつ菜:「いける!! いけますよ!!」

 

 

サカマキ:「レイ・ルク!! 予定変更だ!! 雷門を潰せ!! 徹底的にな!!」

 

レイ:「了解」

 

するとパーフェクトカスケイドの11人全員が同時に【プラズマシャドウ】を出し、化身アームドする。

 

天馬:「っ!? 化身アームド11人全員同時に相手しないといけないのか!?」

 

レイ・ルク:「我々にここまでさせた君たちの実力は完全に想定外。よって、完膚無きまでに叩き潰させて貰う」

 

そしてパーフェクトカスケイドのキックオフから試合再開。するとただでさえ速かったスピードとパワーが化身アームドの力で更に強化され、しかもそれを11人同時。あっという間に2点を奪われ、前半戦終了となった。

 

 

 

雷門 1 ー 4 P・カスケイド

 

 

ー 続く ー




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第120話:反撃の時 帰ってきたエースストライカー!!

パーフェクトカスケイドの圧倒的な力に圧倒されて前半を終えた俺たち。このままじゃあ・・・、

 

アーサー:「どうしたんだ松風天馬、何を迷っているんだ?」

 

天馬:「だって・・・俺には皆を上手く引っ張れない。リーダーには向いて無いんです・・・」

 

愛:「・・・・てんてん、愛さんたちは別にてんてんに引っ張ってもらおうとは思ってないよ? 確かに()()()()だったら神童くんの方が向いてるしね」

 

桐穂:「愛ちゃんなんてこと言うの!?」

 

愛:「けど、てんてんはリーダーじゃなくてキャプテンでしょ?」

 

天馬:「え?」

 

神童:「天馬、確かに俺は皆に上手く指示を出せる。お前よりもな。だが、お前の役目は全く違うものだろう?」

 

天馬:「それってどういう・・・「答えはフィールドで見つけるしかないな」・・・・」

 

 

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

 

黄名子:「このままじゃあ・・・ウチがフェイを守らないといけないのに・・・」

 

すると、フィールド外の地底湖からブクブクと泡が立ち、すごい勢いてマスタードラゴンが飛び出してきた。

 

サカマキ:「!?」

 

黄名子:「マスタードラゴン!! 良かった!! 元に戻ったやんね!!」

 

マスタードラゴンは穏やかな瞳で黄名子をジッと見つめている。すると、黄名子とマスタードラゴンが光に包まれる。

 

 

ー ー ー ー ー ー ー ー ー

 

M・ドラゴン:『貴女の深い愛情、私には届いていました。貴女には守りたい物があるのですね・・・?』

 

黄名子:「はい!!」

 

M・ドラゴン:『確かに愛情はとても強い力です。しかし、ただ優しいだけでは大切な物を守ることはできません。本当に守るのならば、〈強さ〉と〈賢さ〉を併せ持たねばなりません。貴女の愛に敬意を評し、私の力を預けましょう。〈野獣の獰猛さ〉と、〈賢者の頭脳〉、決して使い方を誤らぬ様に・・・』

 

 

ー ー ー ー ー ー ー ー

 

そして光が晴れると、プラチナブロンドの髪色に変化し、穏やかな中にも力強さを感じる姿へと変わった黄名子が立っていた。

 

ワンダバ:「き、強制ミキシマックス・・・」

 

そして、マスタードラゴンは洞窟の奥へと姿を消した。

 

黄名子(ドラゴンMix):「マスタードラゴン・・・ありがとう!! ウチ、やってみせるやんねっ!!」

 

そして、ハーフタイムが終了し、後半戦のためにフィールドに出る。

 

ピィイイイーーーーーッ!!!

 

パーフェクトカスケイドボールで後半戦開始。すると相手は早速全員化身アームドを発動する。

 

レイ:「何をしてもムダだ 「行かせないやんねっ!!」」

 

すぐさま黄名子がディフェンスに入る。

 

頼む、流れを変えてくれ!!

 

黄名子:「マスタードラゴン・・・行くやんねっ!! [きらきらイリュージョン]!!」

 

黄名子の背後にマスタードラゴンが現れると同時に花火が上がる。相手が気を取られた瞬間、黄名子はフィジカルを生かして無理やりボールを奪い取った。

 

レイ:「っ!!」

 

黄名子(ドラゴンMix):「キャプテン!!」

 

そしてボールは俺に繋がる。

 

天馬:「っ!!」

 

バド:「やらせない」ズザアッ

 

しかしDFのバドにスライディングで弾かれてしまいボールはサイドラインを割って外に出る。

 

天馬:「っ! (やっぱり・・・)」

 

アーサー:「天馬、お前に問おう。リーダーとは何か?」

 

天馬:「皆で目的を達成するために皆を纏める人です。」

 

アーサー:「キャプテンとは何か?」

 

天馬:「それは・・・リーダーをやる上で必要な・・」

 

アーサー:「ふむ、お前には何も見えていない様だな・・・「へ?」皆の声を聞け。そうすれば見えてくる」

 

霧野:「天馬、お前にはお前にしか出来ないことがある」

 

信介:「そうだよ!! メンバーが悩んでるとき、隣で一緒に悩んでくれて・・・」

 

せつ菜:「仲間の歩幅が遅れたら、一緒に隣を歩いてくれる。それがあなたです!!」

 

天馬:「ッツ!!」

 

アーサー:「天馬、私はお前の中に〈王〉の器を見た。しかもそれは、私ですら理想とする王の姿。民の苦しみを理解し、我が事の様に悩むことが出来る、そんな王をな」

 

神童:「そのとおりだ天馬!! 俺たちのキャプテンは、だからこそそれができる、お前と竜太しか居なかったんだ!!」

 

天馬:「っ!? 俺が・・・王に・・・」

 

アーサー:「円卓の騎士よ!! 私を使え!! そして松風天馬!! お前が勝利へと導くのだ!!」

 

大介:「ムッ、松風天馬とアーサー王を、ミキシマックスだ!!」

 

ワンダバ:「なっ!! 天馬とか!?」

 

大介:「アーサー王が天馬を王の器と認めたのだ!! 絶対に成功する!!」

 

ワンダバ:「分かった!! 行くぞ天馬!! ミキシマックス!!」

 

ミキシマックスガンの光が天馬とアーサー王を包み、それが晴れると、髪が伸びて金髪に変わった、堂々たる王の姿があった。

 

そして雷門ボールのスローインから試合再開。フェイのスローからボールは俺に渡ると、そこにレイ・ルクがディフェンスに入る。

 

レイ:「行かせはしない」

 

天馬(アーサーMix):「負けるもんか!! ウォオオォォォオッ!!」

 

そして俺が片手を上に掲げるとその手に剣を握り、一刀でディフェンスを切り裂いた。

 

天馬(アーサーMix):「[王の剣]!!」

 

レイ:「っ!」

 

俺はついにレイ・ルクを突破。そしてアウトサイドにパスを出す。

 

桐穂:「ナイスパス!!」

 

サカマキ:「!? 止めろ!!」

 

パーフェクトカスケイドのディフェンスが桐穂さんに襲い掛かる。

 

桐穂:「行くよ!! 《加速世界》展開!!」

 

それを発動した瞬間、私の視界は色を無くしてモノクロになる。それと同時に全員のスピードが極端に遅くなる。

 

桐穂:「はあっ!!」

 

私はディフェンスを全員抜き去りシュート体勢に入る。

 

桐穂:「[プロミネンスドライb・・・「やらせない」っ!?」

 

しかし空中で不意にシュートブロックを受けたため反応できずに私は落下。地面に叩きつけられる。

 

桐穂:「ぐっ、ぅううぅううあっ・・・」

 

神童:「高坂!! ・・・ダメだ、足に異常をきたしてる腫れ方だ!!」

 

そんな・・・こんなことで・・・「おい!! 諦めんのか!?」!? この声は!!!

 

俺達全員が声の方を見ると、明らかにこの物語の世界の物ではない。。というか俺達の時代のパーカーを着てフードを被った人が立っていた。

 

アーサー:「ん? ・・・・ほう?(この肌がひりつくような威圧感、こんな者が居たのか)」

 

そしてその人はフードを取ると、

 

?:「俺にとっては1年ぶりだな。皆・・・・」

 

天馬:「っ!! あっ、あぁぁあ〜〜っ・・・遅いよ!! 竜太!!」

 

果北:「全く・・・いつもいつも・・・」

 

竜太:「悪い、修行が長引いちまった・・・桐穂、頑張ったじゃねぇか!! 後は任せろ!!!」

 

桐穂:「試合終わったらお説教だからね!!」

 

竜太:「分かってるよ!!」

 

そして、俺たちにとっては三日前だが、本人にとっては長い間様々な時代で修行してきた俺達のエースが帰還した。

 

雷門1ー4P・カスケイド

 

後半残り20分

 

フォーメーションチェンジ

 

FW  剣城  竜太  果北

 

MF せつ菜 神童  天馬  フェイ

 

DF トーブ  霧野  黄名子

 

GK      信介

 

ー 続く ー




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第121話:"海竜"の覚醒

帰還した竜太が桐穂さんと交代でフィールドに入る。そしてパーフェクトカスケイドのスローインから試合再開。

 

エミ:「・・・レイ」

 

ボールはレイ・ルクに渡るとそのままドリブルで駆け上がる。そこに竜太がディフェンスに入る。

 

レイ:「前と同じ結果になるだけだ」

 

そして竜太を素通り同然に抜いたレイ・ルクって・・・、なんと竜太はすれ違いざまに身体を捻りながらジャンプしてボールを奪い去る。そして前とは比べ物にならない・・・それこそ人間なのかを疑うような圧倒的なスピードで駆け上がる。

 

サカマキ:「!?」

 

ラウ:「来い」

 

そして竜太がシュート体勢に入る。水の竜巻を纏ってジャンプし、左足で思い切りシュートする。

 

竜太:「[超・アクアトルネード]!!」

 

!? 前にあの技は「自分の技の中で威力が最も低い」って竜太言ってたよね!!

 

ラウ:「"キーパーコマンド16"[弧月十字掌]」

 

ラウ・セムは十字のエネルギー力場を展開。シュートを迎え撃つ。

 

ガガァアアアッ!!

 

ラウ:「この程度k・・・・!?」

 

しかし渦巻く水の勢いは全く収まらず、そのまま相手のエネルギー場を粉砕してゴールに叩き込まれた。

 

サカマキ:「なっ!?」

 

せつ菜:「あの威力・・・今までと全く違います!!」

 

神童:「ああ、大きくパワーアップしている!!」

 

ピィイイイーーーーーッ!!

 

パーフェクトカスケイドのキックオフから試合再開。と同時に、俺は前線へと駆け上がる。

 

ブル:「再び突き放すのみ」

 

天馬(アーサーMix):「負けるもんか、この試合絶対に勝つ!! [ワンダートラップ・V4]!!」

 

ミキシマックスの力により強化された[ワンダートラップ]で俺はボールを奪い去った。

 

天馬:「神童先輩!!」

 

神童:「よし、行くぞ!!」

 

神童先輩がドリブルで駆け上がる。しかしパーフェクトカスケイドは竜太にマークを2人付けてきた。どうするんだ・・・・・・?

 

神童:「竜太!!」

 

しかしそれでも神童先輩は竜太にパス。しかしディフェンスの正面。ドネルとリンが取りに行く。しかし、

 

ギュンッ!!

 

ドネル・リン:「「!?」」

 

しかしボールは裏に走っていた竜太めがけて急カーブ。竜太にボールが渡った。

 

ラウ:「【人工化身プラズマシャドウGK・零式】、アームド」

 

しかしラウは化身アームドを発動して対抗する。

 

竜太:「ハァアアアッ!! 【海皇竜ブルーヒドラ・零式】!! [ー ハイドロブラスト ー]!!

 

しかし竜太はアームドではなく化身シュートを選択する。激しい水流がアームドしたラウに襲い掛かる。

 

ラウ:「"キーパーコマンド16 "[弧月十字掌]」

 

それをラウはアームド必殺技で受け止める。

 

ラウ:「!? 警告 警告 威力が許容範囲をオーバー、出力低下・・・」

 

バギャァアアアンッ!!

 

そして竜太のシュートはラウを吹きとばし、ゴールネットに突き刺さった。

 

信介:「す、凄い・・・・!!」

 

フェイ:「とんでもなく強くなってる!!」

 

神童:「イケる!! 勝てるぞ!!」

 

天馬:「・・・そうだ!! 剣城、竜太!! 次のシュートチャンスで・・・」

 

剣城・竜太:「「!? 面白そうだな」」ニヤッ

 

 

 

 

雷門 3 ー 4 P・カスケイド

 

 

ー 続く ー




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第122話:驚愕! 12の力"クロノキング"

修行を終え、パワーアップした竜太が帰ってきた事で一気に点差を巻き返す俺たち雷門。遂に1点差にまで詰め寄り、パーフェクトカスケイドのキックオフから試合再開。

 

レイ:「我々は負けるわけにはいかない。"オフェンスコマンド11"[無影走破]」

 

レイ、ダイ、ケイの3人が縦一直線になって突進してくる。しかし竜太が立ち塞がった。

 

天馬:「竜太頼む!!」

 

竜太:「任せな!! ・・・せつ菜先輩、先輩って特撮とか好きですよね?」

 

せつ菜:「? こんな時に何を・・・まぁ日朝も見てますけど・・・」

 

竜太:「なら良かった。こんな物語の世界をパラレルワールドとして生み出せるんだから別にそういう事があってもおかしくは無いよな? 時空最強12の力は特にな」

 

せつ菜:「!!・・・まさか!?」

 

竜太:「そのまさかだ!! 行くぜ、〈ミキシトランス:ジオウ〉!!」

 

何と、竜太のミキシマックスしたものは、○面ラ○ダーシリーズの、1つであり、"時の王"と言われる存在だった。俺もせつ菜先輩に進められてチラッと見たことがある。

 

天馬:「"時代の英雄達の力を束ね、己の力とするクロノキングFW"・・・」

 

せつ菜:「言われてみれば、確かにこれ以上相応しい相手はいません!!!」

 

せつ菜先輩の大好きが爆発してヒートアップしてる・・・大丈夫なのかな? 色々と・・・。

 

そうしている間にも、パーフェクトカスケイドのオフェンスがどんどん迫ってくる。

 

竜太(ジオウMix):「《オーラミックス:マスタードラゴン》!!」

 

黄名子(ドラゴンMix):「!?」

 

何と竜太はジオウのオーラの能力でマスタードラゴンのオーラを併せて使用。ジオウMixで紫色のV字型のメッシュが入った状態から紫が金色に変わる。

 

竜太(ジオウ・ドラゴン):「[きらきらイリュージョン・Gx]!!」

 

雷門:『『『!?』』』

 

何と竜太は黄名子のミキシ技を最終進化状態で使用。アッサリとパーフェクトカスケイドを返り討ちにした。

 

レイ:「!?」

 

するとここでマスタードラゴンのオーラが解除されたのか元の紫色に戻る。

 

もしかして混ぜたオーラは短時間の限定的な使用しかできないのかな・・・?

 

竜太(ジオウMix):「剣城、天馬!! 行くぞ!!」

 

剣城・天馬(アーサーMix):「「おう!!!」」

 

剣城:「〈ミキシトランス:沖田〉!!【剣聖ランスロット・零式】アァアアムドッ!!」

 

天馬(アーサーMix):「【魔神ペガサスアーク・零式】!! アームド!!」

 

俺と剣城が化身アームドとミキシマックスを同時発動して一気にゴール前へと走る。竜太もドリブル追いかけてくる。

 

竜太(ジオウMix):「《オーラミックス:沖田》!!」

 

すると今度は髪の紫色が更に濃くなり沖田さんのスピードと瞬発力が更にプラスされる。すぐに俺たちに追いついてくると沖田さんのオーラを解除する。

 

竜太(ジオウMix):「【海皇竜ブルーヒドラ・零式】!! アームドッ!!」

 

そして俺達3人は全員ミキシマックスと化身アームドを同時発動状態になる。

 

そして俺たちは、3人での[ファイアトルネード]を放つ。

 

剣城・天馬・竜太(3人ミキシ&アームド):「「「[ファイアトルネードTC(トリプルクラッシャー)]!!」」」

 

DDを超える爆炎の竜巻がパーフェクトカスケイドに襲い掛かる。

 

ラウは化身アームドを発動。必殺技で対抗する。

 

ラウ:「"キーパーコマンド16"[弧月十字掌]」

 

しかし、オレ一人のシュートも防げなかった程度では、当然止められる筈などなく・・・轟音と共にゴールに突き刺さった。

 

竜太(ジオウMix):「よっし!! 大介さん!! 今の俺は何ですか!!」

 

大介:「コレなら文句は無い!! 時空最強イレブン12の力、"時代の英雄たちの力を束ね己の力とするクロノキングFW"、竜太の得た力こそふさわしい!!」

 

竜太(ジオウMix):「天馬、まだ試合は終わってない!! 油断せずにこのまま行くぞ!!」

 

雷門:『『『おう!!』』』

 

果北・理沙・千夏・愛・侑:「「「「「いや強くなりすぎでしょうが!!?!?!!??!?」」」」」

 

 

 

控えにいた皆はドン引きしながらも突っ込んでいたそうな・・・。

 

 

 

雷門 4 ー 4 P・カスケイド

 

ー 続く ー



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第123話:決着! vsパーフェクトカスケイド!!

俺たち3人の、[ファイアトルネードDD]の上をゆく連携必殺シュート、[ファイアトルネードTC]がパーフェクトカスケイドゴールに突き刺さりついに同点に追いつく。

 

敵の監督であるサカマキは動揺を隠せない様だが、何やら考えている様子が伺えた。

 

パーフェクトカスケイドボールで試合再開。ボールはグラ・ブルに渡り、ブル・レクスとのパス回しで猛スピードで攻め上がってくる。コチラのディフェンス陣もプレッシャーを掛けるが、抵抗虚しく次々と抜かれていく。

 

グラ:「我々に負けは許されない」

 

グラ・ブル:「「"シュートコマンド20"[双飛遊星弾]」」

 

パーフェクトカスケイドの必殺シュートが雷門に襲い掛かる。霧野先輩、トーブ、黄名子はミキシマックスを発動して3人でシュートブロックを試みる。

 

霧野・黄名子・トーブ(3人共ミキシ):「「「[ディープジャングル]!!」」」

 

3人の周囲がジャングルの奥地に変わり、ターザンロープに捕まりながら3人同時にシュートにアタック!! 少し威力が減衰する。

 

天馬:「信介!! 止めて!!」

 

信介:「絶対に止めてやる!! "ミキシトランス:劉備"!! 【護星神タイタニアス・零式】!! アームドッ!!!」

 

信介が化身アームドとミキシマックスを同時発動する。しかしこれでもパワーが足りているか分からない。

 

信介(劉備Mix):「うぉおおぉおおっ!! [()・大国謳歌]!!!」

 

何とこのタイミングで信介の必殺技が進化してパワーアップ。更に威力が上昇し、パーフェクトカスケイドのシュートをついに止めた。

 

グラ・ブル:「「!!」」

 

さすがのアンドロイドたちにも同様の色が見える。しかし俺たちは当然その隙を逃さない。

 

信介(劉備Mix):「天馬!!」

 

天馬(アーサーMix):「よし、行くぞ!!」

 

勢いづく雷門に、レイ・ルクがまたしても立ち塞がる。

 

レイ:「止める」

 

天馬(アーサーMix):「負けるもんか!! 俺たちは絶対に勝つ!! [王の剣]!!」

 

天馬は右手に聖剣を握ると、一刀でレイ・ルクを斬り捨てて突破する。

 

リン・バド:「「止める」」

 

そこにDFのリン・クールと、バド・アッドの2人がディフェンスに入る。

 

天馬(アーサーMix):「(っ!! 竜太に出せないっ・・? 竜太? 分かった)果北ちゃん!!」

 

ここでボールは果北に渡り、果北と俺は一瞬のアイコンタクトで合図する。

 

果北:「(やれやれ・・・)【海神の歌姫セイレーン・零式】!! アームドッ!!」

 

そして果北は化身アームドを発動。シュート体勢に入る。

 

果北:「[サンライズブリッツ・A]!!」

 

果北の蹴りの連打でボールにイナズマがチャージされ、それを渾身の力でシュートする。

 

ラウ:「無駄だ。君のシュートでは破れない・・・?」

 

しかし果北のシュートはサイドから中央に、それも逆方向気味に蹴られていた。そこに、

 

竜太(ジオウMix):「ナイス果北!!」

 

サカマキ:「!? まさか自分たちのシュート同士でカウンターシュートを撃つ気か!!」

 

竜太(ジオウMix):「その通りだ!! 行くぞ!!」

 

俺がシュート体勢に入ると、辺りが暗黒空間に変わり、次々と出現した時計が逆方向に回っては次々と消えていき、そのたびにボールに時空を揺るがす莫大なエネルギーが集約されていく。

 

竜太(ジオウMix):「[真・クロノディストラクション]!!!」

 

あらゆる時代と場所、時空の全てがこのボール1つに集約された。時折オレンジ色の光を一部放ちながら、黒いプラズマを纏ったシュートが情け容赦もなくキーパーに向かっていく。

 

ラウ:「これを止めなければ我々の敗北、なんとしても止める。【人工化身プラズマシャドウ・零式】アームド」

 

そしてラウ・セムは化身アームドを発動。必殺技を放つ。

 

ラウ:「"キーパーコマンド16"[弧月十字掌]」

 

ラウは必死に抵抗したが、あまりに膨大なエネルギーに飲み込まれ、黒煙が晴れると、完全に機能停止してゴールにボールごと叩き込まれていた。

 

ピッ、ピッ、ピィイイイーーーッ!!

 

そして、ここで試合終了のホイッスルが鳴った。

 

 

雷門 5 ー 4 パーフェクトカスケイド

 

〜 試合終了 〜

 

ー 続く ー




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第124話:エルドラド本部

いよいよ今回から第2章の最終章ラグナロク編へと入ります。

ここまで書けたのも、応援してくださった方たちのおかげです!!この場を借りて感謝の言葉とさせて頂きます。

では、始まります!!!


俺たちはついにエルドラド最強のエージェント、「パーフェクトカスケイド」に勝利を収めた。これで歴史改変の影響を消せる筈だ。

 

レイ:「我々の敗北・・・想定外の事態だ・・・ ピピッ 了解。帰還する」

 

信介:「やったぁ!! 勝ったよ!!」

 

天馬:「うん!! でもまずは・・・」

 

皆が一斉に俺を見る。・・ああ、うん。

 

竜太:「分かってるよ。煮るなり焼くなり好きにしろ」

 

愛:「それじゃあ遠慮なく・・・」

 

全員が俺に向かってくる。1人で無茶したからなぁ・・・。多分大怪我かも。

 

そんなことを覚悟していたら、

 

ガバッ!!

 

竜太:「!?」

 

皆が俺にしがみつくようにして泣いていた。

 

侑:「バカッ!! たった一人で・・・私達がどれだけ心配したと思ってるの!!!」

 

せつ菜:「そうですよ!! 彼方さんなんか竜太さんが行ってしまった後酷い落ち込みようだったんですよ!!」

 

彼方・・・。やっぱり皆に酷く心配かけてしまったな。

 

果北:「もうこんなことしないでよ!?」

 

竜太:「・・・分かった。桐穂たちも悪かっt・・・

 

俺が皆の方を向いた千夏や桐穂、理沙たちの方を向いた瞬間、

 

パァアンッ!!!

 

幼馴染を代表して、桐穂にぶっ叩かれた。

 

桐穂:「・・・バカ!! バカバカバカ!!!」

 

竜太:「痛っ、・・ゴメン」

 

千夏:「もしも竜太が・・・行った先の時代で死んでたらって考えたら・・・、私達の不安なんか分からなかったんでしょ!?」

 

理沙:「生きて帰って来れただけで奇跡なのよ!! もうこんな真似しないで!!!」

 

竜太:「・・・分かった!!」

 

あぁ、皆こんなに心配してくれてたんだな・・・想像以上だった・・・。

 

俺が鑑賞に浸っていると、

 

アーサー:「騎士たちよ、見事だった。」

 

天馬:「アーサー王!!」

 

アーサー:「そなたたちのおかげで、キャメロットは救われた。それに、旅立つのだろう?」

 

天馬:「え!?」

 

俺たちが驚いているとアーサー王は苦笑し、

 

アーサー:「そんな気がしただけだ。だが、当たっているのだろ?」

 

天馬:「はい」

 

アーサー:「ならば行くがいい。我は去るものは追わん。だが、そなたたちは紛れもなくこの地の最強の騎士だ。忘れぬようにな」

 

雷門:『『『はい!!』』』

 

そして"嘆きの洞窟"から出ると、アーサー王は城へと帰っていった。

 

天馬:「よし、俺たちも帰ろう」

 

霧野:「竜太、かすみやしずくたちも、果林先輩やエマ先輩、上原もめちゃくちゃ怒ってたからな? 覚悟しておけよ?」

 

竜太:「うへぇ・・・マジかぁ・・・・」

 

まぁそれだけ心配させてしまったってことだから甘んじて罰を受け入れるk・・

 

パチパチパチ

 

!? いきなり拍手の音が聞こえてきたので音の方向を見ると、白髪で、ゴーグルをしたオレンジ色の服を着た少年が立っていた。

 

?:「さすがだよ天馬くん!! 僕の見立てた通りだった」

 

神童:「誰だ!!」

 

?:「心配しないで? 僕は未来の人間だけど、エルドラドの人間じゃあないから」

 

剣城:「エルドラドじゃない?」

 

?:「僕の名前は「サリュー・エヴァン」を人はボクをSARU(サル)と呼ぶ。実は、君たちに・・・ん?」

 

その瞬間、俺たち雷門は謎の浮遊感に包まれたと思ったら機械が並ぶ見知らぬ部屋にワープしていた。

 

ー 嘆きの洞窟前 ー

 

SARU:「先を越されちゃったか・・・まぁ良いけど」

 

 

 

 

俺たちが突如送られた室内にはパーフェクトカスケイドのメンバーがいた。

 

天馬:「レイ・ルク!?」

 

レイ:「君たちをコレから200年後のエルドラド本部に移送する。そこで我らの議長より話を聞く必要がある。」

 

神童:「なっ!? 誰がお前たちの・・」

 

レイ:「拒否はできない。そして、今未来で何が起こっているのか、我々にとって"何故サッカーが不都合だったのか"を聞くと良い。それと、今回の事で議長は計画を変更した様だ」

 

天馬:「えっ!?」

 

サカマキ:「詳しい事はエルドラドで話そう。もう着くぞ」

 

そして俺たちは、未来都市、"セントエルダ"のエルドラド本部に到着した。

 

サカマキ:「まずはブリーフィングルームに行く。既に過去に残った君たちの仲間と監督達が到着している筈だ」

 

桐穂:「えっ!? もしかして波未ちゃんやすずめちゃんたちも・・・「あぁ。到着している筈だ」ええ〜?」

 

竜太:「まさか母さんも・・・?」

 

サカマキ:「無論、初代イナズジャパンやそれに付随する元選手たちも呼んである。どうしても必要だったからな」

 

ヤバい・・・・殺されるかも。

 

サカマキ:「着いたぞ。ここだ」

 

そしてブリーフィングルームに入ると、皆が居た。

 

果林:「皆無事だったのね!!」

 

曜:「でも、何の話があるんだろう?」

 

穂乃果:「確かに・・・」

 

皆が話している間・・・

 

果南・彼方:「「ニコニコ(^ω^##)」」

 

竜太:(土下座)

 

笑顔なんだけど目が全く笑っていない2人に冷や汗を流しながら無言で土下座していた・・・・。

 

ー 続く ー




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第125話:説教と罰

〜 竜太Side 〜

私、大海竜太はたった今命の危険に晒されています。

 

果南・彼方:(^ω^##)ニコニコ

 

竜太:(土下座)ガクブル

 

果南:「竜太? ビクゥッ お母さんに何か言うことは?」

 

竜太:「え、えっと・・・バァンッ!! ビクゥッ!!」

 

彼方:「彼方ちゃんにも言うことは? 彼女にこんな心配させといて・・・・(^言^##)」

 

こ、怖い・・・。

 

竜太:「ご、ごめんなさい・・・」

 

果南:「ごめんで済むと思ってるの? 具体的に"何が"、"どういう風に"悪かったの?」ニコォ

 

すると、その様子を見ていた母さんのファンである果林先輩は、

 

果林:(果南さん怖すぎる・・・・)ガクガクブルブル

 

あまりの迫力と恐怖で完全にビビっていた。

 

竜太:「え、えっと・・・皆に黙って相談もせずに勝手に決めて修行の為に自分の命を危険に晒して、その結果多大な心配を掛けたからです」

 

彼方:「ふ〜ん。分かってるんだ」

 

一瞬彼方の雰囲気が緩んだ気がしたが、それは大間違いだった。

 

彼方:「"分かっててこんな事したんだ?"」

 

ヒィィィッッ!! 目が完全に据わってる!!!

 

果南:「はぁ、まぁちゃんと分かってたみたいだから取り敢えず保留にしてあげようかな」

 

竜太:「え!?」

 

俺にいきなり救いの手、が・・・

 

果南:「でも、元の時代に戻ったら1ヶ月の間毎日朝昼晩ごはん全部あなたの嫌いなもの食べてもらうからね?」

 

ちょっ、何その地獄!? 1ヶ月!? 食事のたびに吐く可能性があるんだけど!!

 

彼方:「1ヶ月間竜太くんは彼方ちゃんの家でくらしてもらいま〜す。一人暮らしだと監視できないから」

 

ん? それってプラマイで寧ろプラスなんじゃあ・・・。だって彼女の家で一ヶ月間一緒に暮らすんでしょ? 確かに遥ちゃんやお母さん居るけど(お父さんはいないらしい)

 

彼方:「むっ!! ちゃんと聞いてる!?」

 

竜太:「聞いてます!! でも彼方は良いのかよ? 彼氏とはいえこんな思春期真っ盛りの男子と同居なんて・・・」

 

彼方:「へ? 別に良いよ?」

 

まじか!! まぁ彼方は少し天然なとこあるからな。しかし、

 

果南:「そっか。それじゃあ罰にならないか。リスクよりもリターンが上回ってるし」

 

ハイ、気づいたぁ〜っ!! 気づかないでほしかったかなぁ私!!

 

彼方:「じゃあ1週間私と口聞くの禁止で」

 

竜太:「え?」

 

ある意味、俺にとって1番絶望的な判決がなされた。いやさ、一応私、修行中彼方や皆の声も聞けなくてめっちゃ寂しかったんだよ!? それなのに彼方と口聞いちゃダメなの!?

 

彼方:「分かった!?」

 

竜太:「ハイ・・・・」

 

そして一時話が纏まったところで、

 

?:「そろそろ良いかな?」

 

灰色っぽい髪のサカマキとは違う爺さんが立っていた。

 

剣城:「誰だ!!」

 

ワンダバ:「「トウドウ・ヘイキチ」。エルドラドの親玉だ!!」

 

全員:『『『!!!』』』

 

曜:「こんなところに私達を連れてきてどうする気?」

 

トウドウ:「君たちには、我々に協力してもらう。ああ、その前に"サッカー禁止令"の改変は元に戻しておいた。今はもう君たちの時代で自由にサッカー出来る筈だ」

 

神童:「!? だからと言って、誰がお前達のような悪に手など貸すか!!」

 

穂乃果・千歌:「「そうだよ!!」」

 

トウドウ:「何故我々が悪だと言い切れるんだ?」

 

神童:「何?」

 

トウドウ:「全て説明すると行ったはずだ、そのために来てもらった。そうすれば我々がサッカーを消すしか手段が無いと考えるに至った経緯も分かるはずだ」

 

そう言えば、エルドラド側の事情ってずっと知らなかったな・・・。ただ歴史を変えたいだけと言うわけでは無かったのか・・・。

 

トウドウ:「我々とて、むやみやたらと歴史を変える訳が無い。そうしなければこの世界に危機が訪れると判断した場合のみだ。今回は、サッカーを消さねば"世界が滅びる"からだ」

 

全員:『『『『!?!?!!!??!?』』』』

 

全員がトウドウの言葉に絶句する中、何が語られるのか・・・。

 

 

 

ー 続く ー




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第126話:真相

エルドラド議長、トウドウの口からこれまでの歴史干渉によるサッカーの消去の真相が語られる。

 

トウドウ:「まず、それを話すには今のこの時代で何が起こっているのかを教えねばならない」

 

花丸:「この未来都市でずら?」

 

サカマキ:「今この時代では()()が起こっているのだ。サッカーが生み出した、悪魔の様な力を持った恐るべき子供達との間でな」

 

鬼道:「恐るべき力?」

 

トウドウ:「ああ。彼らの名はSSC(セカンドステージチルドレン)。彼らの身体はおおよそ人間の両親から生まれたとは思えない頑強さを誇り、男女関係などなく、銃弾ですら生身で弾き返しオマケに君たちの時代で超能力と呼ばれる力も当然の様に備えている。加えて、全員が諸葛孔明レベルの頭脳まで備えている」

 

全員:『『『『!?』』』』

 

せつ菜:「そんなとんでもない子達がいるんですか!?」

 

竜太:「あんた、さっきサッカーがその子供たちを産んだって言ったな? なぜそう言える?」

 

トウドウ:「彼らのその超常的な力の源になった物が、"化身"の力だからだ。その中でも。君たちの時代で一際強大な力を持っていた化身【海皇龍ブルーヒドラ】。竜太くん、君の化身が鍵となっているんだ」

 

竜太:「【ブルーヒドラ】が!?」

 

皆が俺を見る。戸惑っている感じだ。

 

果北:「確かにお兄ちゃんの化身は強いけど・・・そんなことって」

 

トウドウ:「彼らは自分たちの存在を認めず、それどころか怪物扱いした我々に復讐しようと戦争を仕掛けて来たんだ」

 

大人:『『『は?』』』

 

今俺も聞き捨てならない事を聞いた気がする。

 

果南:「怪物扱い? まさかその子達の親も?」

 

サカマキ:「・・・・そうだ」

 

それを聞いた瞬間、既に子供がいる大人たちはブチギレた。

 

ツバサ:「ふざけんじゃないわよ!! たとえ力を持ってても、母親にとっては自分のお腹を痛めて産んだ子供でしょ!? なのに何でそんなことが平気で言えるのよ!!」

 

曜:「私もそう思う。いくらなんでもその子達が可愛そうだよ!!」

 

穂乃果:「そうだそうだ!!」

 

風丸:「ちょっと女性陣落ち着け。たとえそんな力を持っててもどうやって子供だけで?」

 

トウドウ:「・・・彼らは自分たちのオーラをアンプルと呼ばれるカプセルに保存しており、それを撃ち出す兵器も自ら作りあげてしまった。おまけにその威力はこの時代の兵器でも歯が立たない。だが、彼らには1つをだけ大きな欠点がある」

 

果南:「欠点?」

 

サカマキ:「ああ。彼らはその強大な力の代償なのか、寿命が極端に短くなっている。計算では、彼等の寿命は20になる前に潰える」

 

鬼道:「ならばそこまで耐えれば良いだけなのでは?」

 

トウドウ:「今彼らの寿命は15〜18歳。しかしそれを踏まえてもそれまで世界のほうが持たないんだ。だから彼らの力の発生源となったサッカー、特に【ブルーヒドラ】を消す為に、最初に大海兄妹が生まれてこないというルートに乗せたんだ」

 

天馬:「通りで竜太だけ何かおかしいなと思ったよ」

 

フェイ:「うん。そういう事だったんだね」

 

果南:「で、結局私達に何をさせたいの?」

 

トウドウ:「実はな、数日前にそのSSCたちが乗り込んできてある提案してきたんだ」

 

しずく:「提案?」

 

トウドウ:「ああ。「このまま戦争を続けても結果は見えてるから面白くない。だからこっちから3チーム、そっちも3チーム選出して先に2勝したほうが世界の実権を握るっていうサッカー大会をしようよ」などとな。」

 

トウドウは忌々しげに唇を噛む。

 

トウドウ:「我々は、このまま続けていたらどうなるかが分かっていたから乗るしか無かったんだ。そしてチームのことで悩んでいたら、君たちは我がエルドラドの最強のパーフェクトカスケイドまで破る程に強くなった。我々の予想以上にな」

 

かすみ:「まさかエルドラド側のチームの1つとしてその子達と戦えってことですかぁ!?」

 

サカマキ:「そのとおりだ。彼らのルーツとなった君たち自ら彼らを止めてもらおうと考えたんだ我々エルドラドのメンバーと、雷門のメンバーを混ぜ合わせ、バランスの取れた混成チームを作ってな」

 

果林:「でも、竜太も帰ってきてもう時空最強の力も揃いつつあるんでしょ? なら・・・「いや、そうとも言い切れん」」

 

神童:「大介さん」

 

大介:「確かにワシが今まで見てきた所、コヤツが味方だったらこちらのこのメンバーと相性が良さそうだと思ったメンバーがちらほら居た。悪い話では無いかもしれん。それにサッカーが生み出した子供たちが世界を滅ぼしてしまっては、サッカーを救ったことにならないではないか」

 

天馬:「俺はやります。絶対に勝って、未来の世界を守ります!! そしたらオレたちの時代も完璧に元通りなんですよね?」

 

トウドウ:「ああ! 約束しよう」

 

トウドウは力強く頷いた。

 

竜太:「よし!! やるか!!」

 

雷門:『『『オオォオオオーーーッ!!』』』

 

 

 

果南:「ねぇ、この時代って技術は進歩してても人の質がメチャクチャ落ちてるんだね」

 

ルビィ:「どんな理由があったって自分の子供を捨てるなんて信じられない・・・」

 

凛:「もしかしてさ、その子達って、竜太くんや他の子たち、それに蘭や果北ちゃん、皆の子孫ってことないかにゃ? ほら、ここは未来な訳だし」

 

海未:「もしそうだとしたらこのその子達の親には何か制裁を下したほうが良いですね」

 

そしてこのあとで、俺たちはセカンドステージチルドレンの力の一部を目の当たりにする事になる。

 

 

ー 続く ー




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第127話:決戦の舞台

エルドラドに連れてこられた俺たちは、そこでエルドラド議長であるトウドウの口からこれまでの真相を聞いた。

まさかサッカーの存在に世界の存亡が掛かってたなんて思わなかったよ・・・。

 

そして俺たちが協力することにしたら、突如として爆音が鳴ると、ビルが激しく揺れる。近くの柱にはヒビが入り始めていた。

 

天馬:「な、なんだ!?」

 

サカマキ:「なっ、まさか!!」

 

トウドウ:「避難するぞ!! こっちだ!!」

 

俺たちは急いでトウドウ達について行くがかすみが、

 

かすみ:「あんなこと言ってたけど罠って事無いですかぁ?」

 

竜太:「それは無いだろ」

 

璃奈:「うん。もし私達を生き埋めにするつもりなら、自分たちだけさっさと安全な所に行ってるハズ。でもあの二人がワープしない所を見るとあの部屋にはワープ機能が無いってこと」

 

しずく:「そんな状況で自分たちのトップ諸共殺すなんてさすがにしないと思いますよ?」

 

さすが璃奈としずくは頭が良い。それに比べて・・・

 

かすみ:「あっ!! 竜太くん今かすみんの事バカって思いましたね!?」

 

竜太:「ヴェエエエッ!? ソ、ソンナコトナイヨ?」

 

エマ:「片言で疑問形な時点でバレバレだよ?」

 

かすみこういう時は鋭いんだよなぁ・・・。

 

トウドウ:「あそこが出口だ!!」

 

前を見ると、外の光が差し込む出入り口があった。

 

そして俺たちが外に出ると、

 

ドガァアアアンッ!!ズドォンッ!!

 

どこからかエルドラドのビルが砲撃されている。そして砲撃が止むと、エルドラドのビルは倒壊して崩れ去り、そこには瓦礫の山だけが残されていた。

 

トウドウ:「っ!」

 

サカマキ:「忌まわしき悪魔共め・・・!!」

 

?:「やぁ天馬くん! 僕達の歓迎式(セレモニー)は楽しんでくれたかい?」

 

天馬:「っ! 確か・・SARU?」

 

せつ菜:「あなたセカンドステージチルドレンだったんですか!? しかもリーダー格なんですか!?」

 

SARU:「そうだよ? 僕がこの組織"フェーダ"のリーダー・・。優木せつ菜さん・・いや、中川奈々さん?」

 

せつ菜:「っ!? なんで知って・・・ハッ」

 

神童:「なっ、優木が生徒会長!?」

 

愛:「マジで!? せっつーと生徒会長の中川さんって同一人物!?」

 

侑:「やっぱりそうだったんだ・・・」

 

SARU:「あ〜ひょっとして秘密だったかな? ごめん」

 

あれ? なんか距離感が近い気が・・・。

 

神童:「あっ、そうだ! サッカーで勝負するんじゃなかったのか!!」

 

SARU:「うん、勿論。だからそれに相応しい会場を用意しようと思ってね」

 

? どういうことだ?

 

するとセカンドステージチルドレンたちが片手を前に出したかと思ったら突如どす黒いオーラに包まれる。すると背後からカタカタと何かが動く音がした。後ろには崩れたビルしか無・・・「超能力と言われる力を当然の様に備えている」・・つ! まさか!?

 

俺が急いで後ろを見ると、ビルの残骸が浮遊して集まっていき、ビルとは別の形を作っていった。

 

これがセカンドステージチルドレンの超能力か!?

 

栞子:「う、うう嘘ですこんなの!!」

 

かすみ:「こんなバケモノみたいな奴らとどうやって戦えって言うんですかぁああぁああっ!?」

 

そして、最後の破片が組み合わさると、ビルの跡地にはサッカースタジアムがそびえ立っていた。

 

SARU:「さぁ出来たよ! 決戦の舞台、"ラグナロクスタジアム"!!! ここが、新しい世界の始まりの場所となる!!」

 

SARU:「決戦は5日後。一応スタジアムの中に君たちの控室も作っておいてあげたよ。しっかりと準備してから来てね? まあ、ムダだと思うけど」

 

竜太:「はっ、大した自信だな「何だって?」」

 

SARUがピクッと反応した。

 

天馬:「ちょっ、竜太何を挑発してるの!?」

 

俺が慌てていると、

 

SARU:「きみ、僕達に対して口の聞き方がなってないんじやないの?」

 

竜太:「はっ、茶坊主共相手だったらこんなもんだろ?」

 

SSC:『『『・・・・』』』

 

すると白い長髪に赤いメッシュが入った男のSSCが俺の前に飛んできた。

 

?:「何だテメェ? 調子に乗ってるとテメェから殺すぞ!!」

 

竜太:「はっ、良いのか? SARU、ほっといて俺が()死んだら1番困るのはお前たちだぞ?」

 

SARU:「? ・・・っ! まさか!? 辞めろガロ!! そいつを殺したら歴史が変わって僕達は力を失う事になる!!」

 

ガロ:「なっ、何?」

 

そして俺は【ブルーヒドラ】の力の一部を右腕だけ集中し、右腕をガロと呼ばれた男の肩に置く。

 

竜太:「ひざまずけ・・・」

 

その瞬間俺の右腕から何倍にも圧縮されて濃度凝縮されたプレッシャーが発生し、ガロは耐えきれずに膝を折り手を地につく。

 

SSC:『『『っ!?』』』

 

竜太:「お前らこそ楽しませてくれよ? 行こうぜ?」

 

天馬:「う、うん・・・」

 

そして俺たちはラグナロクスタジアムに入っていった。

 

〜 スタジアム外 〜

 

ガロ:「クソがぁっ!! あの野郎いったい何者だ!!」

 

SARU:「彼らの時代で、僕達の力の元になった化身の宿主さ」

 

僕の言葉を聞いた皆は黙りこくっている。

 

SARU:「どんなことがあろうと、雷門を始めとした過去の奴らは殺さずに元の時代に返さなきゃだめだよ? でないと、僕達は力を失うか、仲間の内の誰か・・・いや、自分自身が消えるかもしれない」

 

ガロ:「じゃああの野郎そこまで分かってて!!」

 

SARU:「退屈かと思ったけど、少しは楽しめそうじゃないか」

 

〜 〜 〜 〜 〜 〜

 

竜太:「で、俺達と一緒に戦う奴らは誰なんです?」

 

トウドウ:「ああ、それは・・・・「議長!!」」

 

天馬:「!? アルファ!?」

 

神童:「ベータ!?」

 

竜太:「あと・・・、えっと「ガンマだ!!」あ〜そうそう! いやさ、アルファとベータは決着つくまでに何回か戦ったけどお前は初見で倒せたからあんまり頭に残ってなかった」

 

ガンマ:「言わせておけばぁあああっ!!!」

 

ベータ:「まあ、ガンマったら偉そうな口を叩いておいて1番情けなかったんですね〜」

 

かすみ:「ま、まさかチームメンバーって・・・」

 

トウドウ:「ああ。プロトコル・オメガとパーフェクトカスケイドの選手たち全員だ」

 

雷門:『『『えぇえええ〜〜〜〜っ!?!?』』』

 

果たしてどうなる?

 

ー 続く ー




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第128話:共闘準備

未来の世界で、これまで敵として戦ってきたエルドラドと共闘し、セカンドステージチルドレンと呼ばれる子供たちと戦う事になった。

だが皆は・・・・、

 

浜野:「ちょっ、コイツらと組めっての!?」

 

ベータ:「ふん!! こっちこそ議会の決定が無ければお断りですよ!!」

 

ガンマ:「ボクはエルドラドの再トレーニングによって前よりも遥かにパワーアップした。せいぜいボクの足を引っ張らないでくれよ?」

 

かすみ:「うっわ、嫌なやつ・・・・」

 

う〜む・・・大丈夫か?

 

アルファ:「松風天馬、大海竜太」

 

天馬:「アルファ・・・」

 

アルファ:「お前たちとまたサッカーできる時を楽しみにしていた。ラグナロクでは共に戦う事になるが決して遅れはとらん」

 

天馬:「えっ?」

 

おいおい、なんかアルファ性格? ・・・いや、考え方か? 何か確かな変化を感じるぞ・・・・

 

?:「ねぇあなた・・・ベータだっけ?」ゴゴゴゴ

 

ベータ:ゾクウッ!!

 

背後から凄まじい威圧感を感じる。ああ、絶対会ってはならない者同士が会ってしまったか・・・

 

果南:「あなたのせいで龍也は・・・・・」ゴゴゴゴゴ!!!

 

ベータ:「な、なんですかこの(ひと)!? 怖い怖い怖い!!」

 

そして、母さんはベータの首根っこを掴んで謎の室内に入っていった。

 

果南:「皆ちょっとまっててね?」

 

ベータ:「嫌ぁああぁああっ!?!!? 離せぇえぇえええっ!!! 私どんな目に遭っちゃうのぉおおぉおおおっ!?!?」

 

果南:「安心しなさい? 滅茶苦茶にしてやるから・・・」(*^言^*)

 

イヤイヤイヤちっとも安心できない!!!

 

ベータ:「オルカ助けて!!」

 

オルカ:「ゴメンリーダー。巻き添え食いたくないから・・・」

 

ベータ:「テメェ裏切ったなぁああぁああっ!?」

 

果南:「煩い!!」ガツン!!

 

すると母さんはベータの後頭部を殴って気絶させて部屋に入っていった。エルドラドも雷門も、皆同じ事を思っていた。

 

全員:『『『『『果南さん(松浦果南)・・・恐すぎる!!!』』』』』

 

そして30分後、母さんが満足そうな顔で部屋から出てきた。後からフラフラと出てきたベータは顔から生気が無くなっていたという。

 

トウドウ:「よし、それではこれから3チームに分ける。これまでのデータから中核となるメンバーは確定で振り分けられている。その他のメンバーは今後の練習次第でメンバー入りするかどうかが決まる」

 

鬼道:「では、まずは俺が監督を務めるエルドラドチーム01から発表する。剣城、大海果北、宮下、菜花、フェイ、三国、絢瀬理沙、ダーナ、ガウラ。キャプテンは剣城京介」

 

剣城:「はい!!」

 

サカマキ:「続いて私が監督を務めるエルドラドチーム02。神童拓人、アルファ、ベータ、ガンマ、天城大地、朝香果林、天王寺璃奈、中須かすみ、三船栞子。キャプテンは神童拓人」

 

アルファ・ベータ・ガンマ:「「「!?」」」

 

ベータ:「アイツが!?」

 

神童:「俺がエルドラドの奴らを纏めるのか・・・?」

 

豪炎寺:「最後に俺が監督を務めるエルドラドチーム03。松風、高咲、西園、トーブ、霧野、大海竜太、レイ・ルク、メダム。キャプテンは松風天馬」

 

 

トウドウ:「他のメンバーはこれからのデータによって最適なチームに振り分けられる。尚、高坂穂乃果や綺羅ツバサ、吹雪士郎を始めとした者は各チームを鍛えるコーチとして3日間練習を見てもらう」

 

豪炎寺:「それでは、各自自分のチームの練習グラウンドで練習。呼ばれて無いものは全員合同で練習とする。最後の1日で、各チームのメンバーを決めてすり合わせをする」

 

全員:『『『『『はい!!!』』』』』

 

 

 

立向居:「津島さん、ちょっと・・」

 

善美:「何ですか?」

 

立向居:「津島さんに1つ教えたい技があるんだ。マスターできれば大きな武器になる筈だ」

 

 

大介:「三国、これからワシが言う技を何が何でもマスターしろ」

 

三国:「はい!!」

 

 

ー 続く ー




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第129話:未来での一時

今回敵側のある女の子と竜太、彼方が出合います。果たしてどうなるのか、お楽しみに!!

では、始まります!!


今まで敵として戦ってきた俺達とエルドラドは、共闘して未来の世界を脅かすセカンドステージチルドレンと戦うことになった。5日後の試合に向けての1日目の練習休憩に俺と彼方はエルドラドの人からこの時代の通貨を少し貰って二人で街を見に行く事にした。

 

〜 セントエルダ市街地 〜

 

彼方:「うわ〜・・・もう私達の時代の面影はほとんど無いね〜・・・」

 

竜太:「うん・・・」

 

何か俺自身が凄い気不味いなぁ・・・。

 

彼方:「ねぇ? せっかく彼女と一緒にデートなのに楽しく無いの?」

 

竜太:「楽しいよ? でも、さ、やっぱり心配掛けちゃったから少し気不味くてさ・・・」

 

彼方:「・・・・・・・」グイッ

 

すると彼方は俺の左腕を抱き寄せて腕に抱きついてきた。すると彼方の胸が俺の左手にムニュッと押し付けられる訳で・・・・。

 

理性が・・・!!

 

竜太:「あの・・・彼方さん?」

 

彼方:「彼方ちゃん悲しかったんだからね・・・?」

 

そうだよな・・・相談もされずに黙って行かれるなんて「信用してない」って取られてもおかしく無いし。

 

竜太:「ゴメン・・・彼方にはちゃんと言うべきだった。そんなつもりは無かったとしても、黙って行く時点で信用してないと取られても文句は言えないよな・・・」

 

彼方:「そこまで分かってるなら何で黙っていくかなぁ〜・・・・・」

 

ご尤もです・・・・ん?

 

竜太:「おい、あれ・・・・」

 

道路の前方を見ると、この間のセカンドステージチルドレンの中で何か貴族みたいな服を着た集団と同じ服を着た薄いグレーの髪にヘッドフォンを首に掛けた女の子が明らかに服装が一般人の大柄な男達に絡まれていた。・・・・危ないんじゃねぇか? あの男たちが・・・・・。

 

〜 ? Side 〜

 

はぁ、何でこうなるんだろう・・・。私達だって望んで力を持って生まれた訳じゃないのに、お母さんやお父さんにも・・世の中にも化け物って言われて・・・。 もういいやって思ったらこんなバカたちに絡まれて・・・アンタ達が私に勝てるわけ無いじゃん。セカンドステージチルドレン舐めないでよ・・・。

 

そして、その男たちが私を取り押さえようと向かってくる。仕方なく私は能力を使おうとした・・・次の瞬間、

 

竜太:「オラァアアァアアッ!!!」

 

ドガアッ!!

 

男たち:『ぐああっ!?』

 

?:「!?」

 

男たちの背後から私と同い年くらいの男の子が男たちを蹴り飛ばして蹴散らした。世間から化け物扱いされてる私たち・・いや、この場合は私を庇ってくれる人間がいるなんて思わなかった。

 

彼方:「こっち!!」

 

?:「え? えっ!?」

 

私の手を引いて男の子と一緒に場を離れる女の子。この2人には見覚えがある。確か雷門の大海竜太と近江彼方。SARUが自分たちに不都合な歴史に変えてしまうから絶対に殺してはならないと言ってた2人だ。

 

そして私の手を引いて近くの路地に入る。

 

竜太:「ったく・・・最悪だなこの時代・・・」

 

彼方:「ホントだよ・・・いくらそんな力持ってたって、私達の時代ならマトモな親だったら絶対捨てたりしないよ・・・」

 

?:「!?」

 

私は耳を疑った。彼らの時代なら私達はこんな目には遭わなかった? もしそうなら生まれる時代を間違えてしまったことになるかもしれない。そんなことを思ってると近江彼方の方が話しかけてきた。

 

彼方:「怪我はない?」

 

普通に心配してる・・・。なんで?

 

?:「別に助けて何て言ってないし」

 

彼方:「コラ! そういうこと言わない!! ほれほれ〜」

 

近江彼方が私の頬っぺをふにゃふにゃともてあそぶ。・・・何か、力を得る前の普通の子供だった時の事を思い出す・・・。

 

?:「さ、触らないで!!」

 

近江彼方の手を払おうとする私。ちょっと恥ずかしかったと同時に、普通の女の子に戻ったような感覚がして嬉しかったのは内緒だ。そして私は気になっていた事を聞く事にした。

 

?:「何で助けたの? 私は・・・」

 

竜太:「あぁ、確かに俺たちはエルドラド側で試合に出るから敵ではある。だが、それ以上にこの時代の人間たちの精神的なレベルの低さに腹がたったからだ。お前等はっきり言って200年前だったら多分ここまでの境遇にはなってないからなぁ・・・」

 

彼らの時代ならこうなってない? そんな訳・・・、

 

?:「じゃああんたたちの時代ならどうなるの?」

 

竜太・彼方:「「どんな理由があろうと自分の子供を放り出して追い出したりしたら親が刑務所にぶち込まれる」」

 

?:「私達みたいな子でも?」

 

彼方:「当然!!」

 

・・・信じられない。でも私達は過去の事はよく知らないし・・・、その時代出身の人の方が知ってるのは明らかだ。

 

彼方:「よしよ〜し」ハグッ

 

近江彼方が私を抱きしめて頭を撫でてくる。子供扱いはしないでほしかったが、それ以上に昔お母さんに同じようにして貰ったときの事を思い出してしまった。本当なら私だって・・・・。

 

そう思った瞬間、私は柄にも無くしばらく号泣してしまった。この人の腕のなかで・・・。

 

彼方:「落ち着いた?」

 

?:「少しあなたの母性が強すぎた・・・///」

 

ちょっと恥ずかしくなり目を反らして答える。SARUに見られたら怒られるだろうなぁ・・・・。

 

竜太:「大丈夫そうだな。じゃあな!! えっと・・・名前聞いてなかったな」

 

?:クスッ「あなた達みたいな人は初めてだよ・・・私の名前は"ナージェ" 。"ナージェ・ワタナベ"だよ!! じゃあね? 試合で!!」

 

〜 ?(ナージェ)Side out 〜

 

竜太:「なぁ、彼方・・・ワタナベって・・・まさか」

 

彼方:「千夏ちゃんの?」

 

今日出会ったセカンドステージチルドレンの女の子、恐らくは、千夏と曜さんの子孫であるナージェと少し話して思った。やっぱり力以外は俺達と何も変わらない。すべて終わったら彼らの両親達を全員シバいてやろうと心に決めてスタジアムに戻る俺と彼方だった。

 

 

 

ー 続く ー




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第130話:ラグナロク開幕!!

俺たちがエルドラドメンバーとの合同練習を初めて2日目。今日正式にチームメンバーが決まる。こうして見てると改めてエルドラドも強いんだな・・・。アルファ、ベータ、ガンマもあのときとは比べ物にならないくらいにレベルアップしてるし・・・。

 

因みに先程3人から順番に1vs1の勝負を仕掛けられました。結果は、3人ともボコボコにされました。まぁ今の俺には相手にならなかったね。

 

そして夜、メンバーが発表される。

 

トウドウ:「皆ご苦労だった。それでは監督たちからそれぞれのチームのメンバーを正式に発表する。」

 

鬼道:「まずエルドラドチーム01。確定メンバーは剣城京介、大海果北、フェイ・ルーン、宮下愛、菜花黄名子、ダーナ、ガウラ、三国太一。

続いて合格メンバーがエマ・ヴェルデ、絢瀬理沙、バハムス。

控えのメンバーがザノウ、リン・クール、マ・ドネル、バド・アッド、上原歩夢、高坂桐穂。以上だ」

 

 

サカマキ:「続いてエルドラドチーム02。確定メンバーは神童拓人、アルファ、ベータ、ガンマ、天城大地、朝香果林、天王寺璃奈 中須かすみ、三船栞子。

合格メンバーが桜坂しずく、ルジク。

控えが津島善美、エイナム、ガリング、オルカ、ブル・レクス。以上だ」

 

 

豪炎寺:「最後にエルドラドチーム03。確定メンバーが松風天馬、大海竜太、高咲侑、西園信介、霧野蘭丸、トーブ、メダム、レイ・ルク。

合格メンバーが近江彼方、優木せつ菜、レイザ。

控えがラウ・セム、クォース、ドリム、浜野海士、グラ・フォム。以上だ」

 

そしてそれぞれチームに分かれて次の日に連携の摺合せをし、いよいよラグナロク当日になった。何か昨日の様子だと神童先輩のとこかなりメンバー相性悪そうだったけど・・・・。

 

ー ラグナロク当日・ラグナロクスタジアム ー

 

この試合会場にこの未来の時代の人たちが大観衆というくらい観客席を埋めていた。いよいよ世界の命運が決まるんだから当然か・・・。あっ、ちなみに今日は1回戦で2回戦、3回戦は明日と明後日らしい。

 

サカマキ:「アルファ、始めろ」

 

アルファ:「イエス」

 

アルファがデバイスを踏んだ。

 

〈タイムワープモード〉

 

〜 現代・沖縄 〜

 

女将さん:「アンタ!! カレー2人前大至急!!」

 

矢島:「あいよ!!・・・カラン

 

女将さん:「アン・・・、ズズッうん! 美味しい!!」

 

ー 200年後、ラグナロクスタジアム ー

 

バシュウン!

 

矢島:「!? マイク・・? ピピッ、さぁ〜!! いよいよ時空を超えた戦いもクライマックス!! この戦いで勝利するのはフェーダか!? それともエルドラドか!?」

 

すると開幕のセレモニーなのか、大きい騎士と小さい騎士のホログラムが現れ戦い始めた。だが勝ったのは小さい騎士。セカンドステージチルドレンが勝つっていうあてつけかあの野郎・・・。

 

すると意味を察した観衆から盛大なブーイング。

 

そしてフェーダの1回戦のチームが入ってきた。っておい!!

 

愛:「ザナーク!?」

 

ザナーク:「俺はぶっちゃけどっちが勝とうと構わないんだがな、フェーダに入れば・・宮下愛!! またお前と全力てやり合えるとおもったからな。今はこのチーム、"チーム・ザン"のキャプテンって訳だ」

 

愛:「オッケー!! 負けないかんね!!」

 

ザナーク:「ふっ、そう言うと思ったぜ」

 

愛さんとザナークはお互いに清々しく純粋な闘争心を剥き出しにしていた。

 

矢島:「両チームポジションに付いて試合が開始されます!!」

 

チーム・ザン

 

GK       ファダム

 

DF  ルード  ドリス  シンク

 

MF ザタン ジプス ギガム デオス

 

FW  ガロ   ザナーク  ロデオ

 

エルドラドチーム01

 

FW     剣城   果北

 

MF  フェイ  ダーナ   愛

 

ボランチ   理沙  バハムス

 

DF   黄名子  ガウラ  エマ

 

GK        三国

 

鬼道:「剣城! 宮下! フェイ! 黄名子! 最初からミキシマックスで行け!!」

 

4人:「「「「了解!!」」」」

 

剣城:「"ミキシトランス・沖田"!!」

 

愛:「"ミキシトランス・坂本龍馬"!!」

 

フェイ:「"ミキシトランス・ビッグ"!!」

 

黄名子:「"ミキシトランス・マスタードラゴン"!!」

 

矢島:「おーっと!! 雷門の4人がいきなりミキシマックスだ!!」

 

観客たちが急いで俺たちの選手の事前データをチェックしている。そしてカウントダウンが開始され、

 

矢島:「試合開始!!」

 

ピィイイイーーーーーッ!!!

 

試合の幕が切って落とされた。しかし、セカンドステージチルドレンの実力は、やはりとんでもなかったんだ・・・。

 

ー 続く ー




因みにザンの選手データ(苗字オリジナル)はこちらです。

ザナーク・アバロニク(☆)
ガロ・サギヌマ
ロデオ・イチノセ
ザタン・コーナー
ギガム・バルチナス
ジプス・サクラウチ
デオス・クルーガー
シンク・ナカス
ドリス・ミフネ
ルード・アマギ
ファダム・ブラージ

世界編の他国代表の子孫が何人かいますね・・・。っていうか見た事ある苗字ばかりですね・・・。

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第131話:vsザン 試合開始!!

いよいよラグナロク1回戦がキックオフ。エルドラドチーム01のキックオフから試合再開し全員一気に攻め上がる。が、何とザンはその場から一歩も動かずにディフェンスに入ろうとすらしない。そういう間にもうボールはゴール前で、剣城がシュート放とうとする。

 

剣城(沖田Mix):「舐めるなぁああっ!!」

 

ドガァアアァアアッ!!

 

剣城のミキシトランス状態でのシュートがザンのキーパー、ファダムに襲い掛かる。しかしファダムは片腕を前に突き出すと・・・、

 

ドシィイイィイッッツ!!

 

何と片腕で、技も使わずに止めてしまった。

 

剣城(沖田Mix):「な、何!?」

 

愛(龍馬Mix):「ミキシトランス状態でのシュートを・・・片手で!?」

 

ファダム:「ふん」ポイッ

 

するとファダムはボールをこちらに転がしてくる。シュートを撃ってみろということか!? なら!!

 

剣城(沖田Mix):「大海!!」

 

果北:「任せて!! 【海神(ワダツミ)の歌姫セイレーン・零式】!! アァアアアムドッ!!」

 

すると果北は化身アームドを発動。シュートを放つ。

 

果北:「行っけぇええええっ!!!」

 

ドガァアアァアアアッッッッ!!!

 

今度は果北のアームドシュートが襲い掛かる。するとファダムは化身を発動。化身技の体勢に入る。

 

ファダム:「【深淵のアギラウス】!! [ー ギガバイトスクリュー ー]!!」

 

ファダムの背から巨大な鮫の様な化身が現れ、大口から高圧水流を放つ。シュートはアッサリと飲み込まれ、【アギラウス】にシュートは食われて止められた。

 

果北:「!?」

 

すると今度はフェイにボールを渡してきた。

 

フェイ(ビッグMix):「!! なら!!」

 

フェイの背後にロックスターが現れ、シュートと共に雄叫びをあげる。

 

フェイ(ビッグMix):「[王者の牙・改]!!」

 

今度はフェイのミキシ必殺シュート。ファダムはここでやや本格的に動く。

 

ファダム:「【深淵のアギラウス】アームドッ!!」

 

するとここでファダムは化身アームドを発動。やっぱりできるに決まってるよな・・・。

 

ファダム:「[リジェクション]!!」

 

ファダムがシュートに背を向けたかと思ったらシュートが近づいた瞬間、ファダムの背から漆黒のオーラの剣山が競りだし、シュートを串刺しにして止めた。

 

今度は愛さんにボールを転がしてくる。完全にこっちを舐めきってる。

 

愛(龍馬Mix):「愛さんそういうの大っ嫌いなんだよね!! 絶対に決めてやる!!」

 

すると愛さんは化身を発動しアームドする。

 

愛(龍馬Mix):「【楽しいの天才サイコウ・零式】!! アームドッ!!」

 

そして化身アームドを発動した愛さんは必殺シュートを放つ。

 

愛(龍馬Mix&アームド):「[爆・爆熱スクリュー]!!!」

 

愛さんの炎のシュートがファダムに襲い掛かる。するとファダムは再び化身アームドと必殺技を発動する。

 

ファダム:「[リジェクション]!!」

 

ボールを串刺しにするが、愛さんのシュートを完璧には止めきれずに軌道を変えたボールがクロスバーに当たって跳ね返る。

 

ザン:『『『っ!?』』』

 

ガロ:「ほう?」

 

そして跳ね返ったボールをダーナが抑えた。

 

ガロ:「よし、ブレイクアタックだ!!」

 

ギガム:「やっとか・・」

 

ジプス・ドリス:「「喰らえ!!」」

 

するとギガム、ジプス、ドリスの3人が3方向同時にチャージを仕掛けてきた。ダーナは盛大に打ち上げられ、フィールドに叩きつけられた。

 

ダーナ:「ぐあっ!?」

 

エマ:「ダーナちゃん大丈夫!?」

 

ダーナ:「へ、平気よ・・・くっ、」

 

そしてボールはロデオに渡ると、ロデオはドリブルで攻め上がってくる。バハムスがディフェンスに入るが、お構いなしに突進して吹き飛ばす。

 

バハムス:「ぐあっ!!」

 

ロデオ:「はっ!! 古い人間なんかやっぱりこの程度か!!」

 

エマ:「止める!! [守護騎士の盾SC(シールドチャージ)]!!!」

 

するとエマ先輩が[守護騎士の盾]を発動して盾を構えたまま相手に突っ込み、ロデオを跳ね飛ばしてボールを奪った。

 

エマ:「理沙ちゃん!!」

 

今度はボールは理沙に渡る。すると今度はザタン、ジプス、ガロの3人がブレイクアタックを仕掛けてきた。

 

剣城(沖田Mix):「絢瀬!!」

 

理沙:(1回目で気付いた。この技には致命的な弱点がある!!)

 

すると理沙は動きを止める。そんなことしたら格好の的だぞ!?

 

ガロ:「何だ諦めたか? 賢明だぜ!! 大人しく喰らいな!!」

 

理沙:(3、2、1、今!!)ダンッ!!

 

すると、まさに接触するコンマ数秒前に理沙はジャンプして上に逃げる。すると突然ターゲットがいなくなったザンの3人は・・・

 

ズガァアアァアアアンッ!!!!

 

ガロ・ザタン・ジプス:「「「ぐぁあああっ!?!」」」

 

味方同士で3人盛大にクラッシュ。馬鹿だなアイツら。

 

しかし、着地した瞬間を狙われボールを、奪われた理沙。再びロデオに渡るとロデオは化身を呼び出す。

 

ロデオ:「【海王ポセイドン】!! [ー ヘヴィアクアランス ー]!!!」

 

セカンドステージチルドレンの化身必殺シュートがエルドラドチームゴールに襲い掛かる。しかし三国さんはここで信じられない必殺技を発動する。

 

三国さんは腕を左右に目の前でクロスさせて赤い稲妻を纏わせるとシュート目掛けて突っ込み、片腕でシュートを押さえつけた。

 

三国:「[真・ゴットハンドX]!!」

 

旧イナズマジャパンメンバー:『『!?』』

 

かつて自分たちが、世界大会決勝戦で闘った最強のゴールキーパーの必殺技をつかった三国先輩はセカンドステージチルドレンのシュートを物ともせずにねじ伏せた。

 

ロデオ:「何だと!?」

 

これにはさすがにザンも驚きを隠せなかったようだ。その頃俺は観客席で、

 

竜太:「そうか!! ロココさんのいたリトルギガントの監督は今クロノ・ストーンになってる大介さんだ!! 大介さんが三国さんに[ゴッドハンドX]を教えたんだ!!」

 

しずく:「なるほど!! これなら、そう簡単に点は取られませんよね!!」

 

にこ:「ええ、いくらアイツらでも、本気を出さずに破れる様な甘い技じゃ無いわ!! それはロココと実際に闘った私達が1番良く知ってる!!」

 

三国:「行くぞ反撃だ!!」

 

三国さんがゴールキックでボールを前線に蹴り飛ばした・・・。

 

 

ー 続く ー




感想・評価宜しくお願いします。


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キャラ解説1

オリキャラが多くて覚えられないとという意見を貰ったので、ここでおさらいとしてキャラ紹介を行います。

まずは主人公の家族である大海家、そして音ノ木坂のメンバーです。


オリジナルキャラ

・大海龍也

前作主人公。世界大会後に松浦果南と結婚、2人の子供を授かる。

相手の技を1度見ただけで修得する《完全無欠の模倣(パーフェクトコピー)》を持つ。

 

・大海竜太

今作主人公。高校一年生、雷門に入学し松風天馬と同じ木枯らし荘で暮らしている。

ポジションはFWであり、現在松風天馬と共に雷門の2人のキャプテンのうちの1人。

父親と母親の《完全無欠の模倣》と《属性付与》を受け継いでいる。

化身【海皇龍ブルーヒドラ】持ち。

 

・大海果北

浦の星女学院一年生でありエースストライカー。

竜太の双子の妹。高校入学までは内浦の大海兄妹として全国で有名だった。

ポジションはFW。そして兄の竜太とと同じく母と父の力を受け継いでいる。

化身【海神の歌姫セイレーン】持ち。

 

 

 

〜 音ノ木坂学院 〜

・高坂桐穂

音ノ木坂学院2年生でキャプテン。初代"ラブライブ!"のキャラクターである高坂穂乃果の娘。

親つながりで竜太とは幼なじみであり恋心を抱いていたが恋破れた。

 

・園田波未

音ノ木坂学院2年生であり副キャプテン。

同じく初代"ラブライブ!"の園田海未の娘であり、母親ににて礼儀正しい。

少しお茶目な時もあり、他の漫画の技をアレンジして必殺技にして周りから突っ込まれる事がある。

ポジションはMF。

 

・南すずめ

音ノ木坂学院の2年生であり、桐穂、波未のサポート役を務める事が多い。

ポジションはMFで、空中戦を得意としている。

苗字の通り南ことりの娘。

 

・小泉春香

音ノ木坂学院1年生であり、小泉花陽の娘。

ポジションはDFであり、植物系の必殺技を使う。同じ1年生である星空蘭と西木野真里奈とは特に中が良い。

 

・星空蘭

音ノ木坂学院1年生であり星空凛の娘。

母親譲りの俊足を生かして相手のディフェンスを崩して撹乱するのが得意。

化身【疾風の白虎】持ち。

ポジションはFWで、桐穂との連携が強力。

訳合って、幼なじみよりも今作ヒロインである近江彼方の竜太への恋を応援していた。

 

・西木野真理奈

音ノ木坂学院1年生であり西木野真姫の娘。

ポジションはボランチで、矢澤ここなと組んでのダブルボランチが全国クラスの力を持つ。

 

・矢澤ここな

音ノ木坂学院3年生であり矢澤にこの娘。

サッカーに対して熱い物を持ち、真理奈に良くからかわれながらも仲良くやっている。

ポジションは前述の通りボランチ。

 

・絢瀬理沙

音ノ木坂学院3年生であり絢瀬絵里の娘。母親と同じライトブルーの瞳に金髪を持つ美人。

ポジションはMFであり、とても頭が良いため波未と2人でのダブルゲームメイカーでゲームを組み立てる。

化身【白銀の女王ゲルダ】持ち。

 

・東條希理歌

音ノ木坂学院3年生でありGK。

スピリチュアルパワーなのか、相手のシュートの弾道を読む精度がバカみたいに高い。

化身【灼熱のレッドダイス】持ち。

 

 

次のキャラ解説で浦の星女学院を出します。

 

では後で。



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キャラ解説2

〜 浦の星女学院 〜

 

・高海美歌

浦の星女学院2年生でキャプテン。原作の"Aqours"のリーダー高海千歌の娘であり、親繋がりの幼なじみ(静岡組)の中でも渡辺千夏、桜内梨菜とは特に仲が良い。ポジションはMF。

 

・渡辺千夏

浦の星女学院1年生であり渡辺曜の娘。

卓越したドリブル技術を持ち、現在の段階ではハイパーダイブのパーフェクトカスケイドを1vs1なら突破できる程に成長した。(ミキシマックス、化身無しで)

ポジションはMFでスピードを生かした必殺技を多く持つ。

 

・桜内梨菜

浦の星女学院3年生であり桜内梨子の娘。頭が良く、浦の星のゲームメイカーを務める。

ポジションはボランチ。

 

・黒澤ルリ

浦の星女学院1年生であり黒澤ルビィの娘なのだが、口調や考え方が叔母のダイヤに似ている。

後述のサファとは従兄弟。

ポジションはMF。

 

・国木田羽丸

浦の星女学院2年生であり国木田花丸の娘。

母親と同じく"ずら"が口癖。

浦の星のレギュラーの中では最も体力が無いが、まだまだ伸びる可能性を1番秘めている。

 

・津島善美

浦の星女学院3年生であり津島善子の娘。

母親とは違い中二病は患ってはおらず面倒見が良い。

ポジションはGK。

 

・黒澤サファ

浦の星女学院の2年生であり黒澤ダイヤの娘。しかし性格や考え方がどちらかというとルビィに似ている。

前述のルリとは従兄弟に当たる。

ポジションはボランチ。

 

・小原舞

浦の星女学院3年生であり小原鞠莉の娘。

ポジションはディフェンダーであり、かなり強力な必殺技を持つディフェンスラインの司令塔。

因みに全国模試は全国ベスト10に入る程頭が良い。

 

これに"キャラ解説1"の大海果北と、モブキャラ2名を加えた11名が浦の星イレブンとなります。

浦の星の化身使いは果北のみです。

 

 

〜 オマケ 〜

 

〜 UTX 〜

 

・綺羅アスナ

原作A-RISE、綺羅ツバサの娘。UTX学園キャプテンでエースストライカー。

3年生。

 

・統堂玲奈

同じく原作A-RISE、統堂英玲奈の娘でありUTXの司令塔でMF。

3年生。

 

・優木あんな

原作A-RISE、優木あんじゅの娘。DFとして全国有数の実力を持つ。

3年生。

 

 

〜 函館聖泉 〜

 

・鹿角良子

原作"サンシャイン!!"Saint Snowの鹿角聖良の娘でありの函館聖泉のキャプテンでありDF。

後述の鹿角理香とは従兄弟に当たる。

3年生。

 

・鹿角理香

原作"サンシャイン!!"Saint Snowの鹿角理亞の娘であり函館聖泉のエースストライカー。

前述の鹿角良子とは従兄弟。

1年生。



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第132話:猛攻! チーム・ザン!!

ロデオの化身シュートを止めた三国さんのゴールキックからボールはダーナへ。そこにジプスとギガムが止めに入るが、ダーナは一気に急加速してタイミングをずらすことで抜き去った。

 

剣城(沖田Mix):「ダーナこっちだ!!」

 

ダーナ:「キャプテンだからって命令すんじゃないよ!! 大海!!」

 

ここでボールは果北に渡る。すると果北にディフェンダーのシンクが突っ込んでくる。

 

シンク:「オラァっ!!」

 

ドガアッ!!

 

果北:「きゃあっ!?」

 

力付くで果北を吹き飛ばしてボールを奪い取ったシンク。そこからボールはジプスに渡る。

 

フェイ(ビッグMix):「行かせない!!」

 

ジプス:「ハッ! [デコイ・リリース]!!」

 

ジプスが指を鳴らすと、何体もの分身が現れ、それが一斉に向かってくる事で撹乱し何も出来ずに突破される。

 

ジプス:「ガロ!!」

 

そしてボールはガロに渡り、ガロは化身を発動する。

 

ガロ:「はぁあああッ!! 【黒き翼レイヴン】!! [ー レイジングクロウ ー]!!」

 

【レイヴン】の爪の一振りにより爪痕のような鋭さのシュートが飛んでくる。

 

三国:「今度も止める!! [爆・ゴッドハンドX]!!」

 

ガシィイイィイイイイッッ!!

 

またしても三国先輩はセカンドステージチルドレンの化身シュートを完璧に止めた。

 

ガロ:「何・・・?」

 

三国:「大海!!」

 

そして三国先輩のゴールキックから前線の果北へと渡る。

 

シンク:「何度やっても同じだ!!」

 

果北:「いいや? 同じじゃないよ!! [デコイ・リリース・Z]!!」

 

果北はここで《完全無欠の模倣(パーフェクトコピー)》を使って相手の技をコピーした上に最終進化で突破する。シンクは訳も分からず呆然としていた。

 

シンク:「な、何でテメェらが俺たちの技を!?」

 

果北:「さぁね!! その足りない頭で考て!!」

 

シンク:「ムカアッ!!」

 

そして果北は化身アームドを発動し、必殺シュート放つ。

 

果北:「[サンライズブリッツ・A]!!」

 

果北の雷光を纏った必殺シュートが、ザンゴールへと襲い掛かる。するとファダムは化身アームドと必殺技を両使用してくる。

 

ファダム:「[リジェクション]!!」

 

ファダムが必殺技でボールを串刺にする。しかし完全には止めきれずにまたしてもクロスバーに当たって跳ね返る。

 

ガロ:(またか!! こいつらどうなってるんだ!?)

 

そしてこぼれ球はルードに抑えられてしまい、そこから前線のガロに飛ぶ。

 

ザナーク:「こっちだ!!」

 

ガロ:「ちっ、ほらよ!!」

 

そしてザナークにボールが渡る。

 

ザナーク:「"ミキシトランス:曹操"!!」

 

愛(龍馬Mix):「行かせないよ!!」

 

ザナーク(曹操Mix):「面白れぇ、勝負だ!!」

 

そして両者ミキシトランスを使用しての鍔迫り合いが、始まる。激しいオフェンスとディフェンスの応酬に観客も固唾をのんで見守る。

 

ザナーク(曹操Mix):「[バンジースラスト・改]!!」

 

ザナークが必殺技で鞭のようにしならせたボールを愛さんに叩きつけて吹き飛ばして突破する。そしてザナークは必殺シュートを放つ。

 

ザナーク(曹操Mix):「[ディザスターブレイク・G2]!!」

 

破壊のエネルギーを纏ったシュートが空から大地を削りながら向かってくる。三国さんは三度必殺技を放つ。

 

三国:「[絶・ゴッドハンドX]!!!」

 

最終進化した三国先輩の必殺技と、ミキシマックスによりパワーを更に強化された必殺シュートがぶつかり合う。三国さんは必死に踏ん張るが、パワーに押されボールごとゴールにねじ込まれた。

 

 

矢島:「ゴーール!! 先制点はチームザン!! ザナークの強烈なシュートで、1点をもぎ取ったぁあああっ!!!」

 

剣城(沖田Mix):「まだ時間はある!! 攻め続けるぞ!!」

 

エルドラドチーム01:『『『おう!!』』』

 

エルドラドチーム01 0ー1 チーム・ザン

 

ー 続く ー




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第133話:裏切り

ザナークのシュートがゴールに突き刺さり0ー1とリードされるエルドラドチーム。こちらのキックオフから試合再開だ。

 

矢島:「エルドラドチーム01のキックオフから試合再開です!!」

 

ピィイイイーーーッ!!!

 

剣城がボールをダーナに戻し、FWとMFは攻め上がる。

 

ジプス:「通さん!!」

 

ジプスがダーナに突っ込む。しかしダーナはきっちりと相手を引き付けてから、

 

ダーナ:「宮下!!」

 

愛(龍馬Mix):「ダナっちナイス!!」

 

ボールを受け取った愛さんがドリブルで上がる。ダーナは「そのあだ名止めろ!!」と叫んでいたが・・・。

 

デオス:「お前らごときぶっ潰してやる!!」

 

愛(龍馬Mix):「できるものならね!! [クロシオライド・G3]!!!」

 

愛さんの足元に渦潮が発生し、渦から水の龍が愛さんを頭に乗せて飛翔。デオスをぶっ飛ばした。

 

愛(龍馬Mix):「果北ちゃん!!」

 

愛さんから果北に放物線を描いた縦パスが飛ぶ。

 

シンク:「させるか!!」

 

しかしシンクに空中でカットされる。

 

シンク:「ロデオ!!」

 

今度はロデオに縦のロングパスが飛ぶ。だが、

 

エマ:「させない!! [守護騎士の盾SC(シールドチャージ)・改]!! はぁあぁあああっ!!」

 

しかしロデオがパスを受け取った瞬間に間髪入れずに盾を構えての突進でロデオを吹き飛ばしてエマがボールを奪い返す。

 

エマ:「黄名子ちゃん!!」

 

ここでエマから黄名子へのサイドチェンジパスが通る。すると黄名子は飛んできたボールをダイレクトで理沙にパス。

 

しかしここで理沙を潰そうとジプスとザタンがディフェンスに入る。

 

理沙:「来なさい!! 【白銀の女王ゲルダ・零式】!! アームドッ!!」

 

ここで理沙は化身アームドを発動し、瞬発力を上昇させて単純なスピードで相手2人を抜き去った。

 

ジプス:「何いっ!?」

 

そして理沙はロングシュートの体勢に入る。理沙がボールに横の蹴りを叩き込むと、ボールに爪痕の様な斬撃が刻まれ、狼の遠吠えと共にシュートが放たれた。

 

理沙:「[ウルフレジェンド・Gx]!!!」

 

理沙のシュートがノーブロックでキーパーに到達する。ファダムは化身アームドを発動し、アームドノーマルキャッチで止めてしまった。

 

ファダム:「オラッ!!」

 

ファダムのゴールキックから前線のガロへとキラーパス紛いのパスが通る。ガロは今度は化身アームドを発動する。

 

ガロ:「俺たちにこれを使わせるとわなぁっ!! 来い!!【黒き翼レイヴン】!! アームドッ!!」

 

そしてガロは必殺シュートを使用してくる。ガロがボールと共に飛び上がると、足から渦巻き状にエネルギーの波が見えた。あれは、バネか!?

 

ガロ:「[スプリングアロー]!!」

 

バネの伸縮から一気にパワーが開放されて撃ち出されたシュートが三国さんに襲い掛かる。しかしここで黄名子が立ち塞がった。

 

黄名子(ドラゴンMix):「止めるやんね!! [絶・もちもち黄粉餅]!!」

 

黄名子の最終進化した必殺技がシュートに粘着し絡め取る。しかし餅は引きちぎられ、シュートは進む。

 

三国:「シュートの威力は確かに弱まった!! [絶・ゴットハンドX]!!!」

 

そしてシュートブロック込で三国さんはまたしてもザンのシュートを止めた。

 

ガロ:「何だと!? なぜ決まらねぇ!!」

 

これにはザンも驚きを隠せない様だ。

 

三国:「フェイ!!」

 

ここでボールはフェイに渡る。前半も残り僅かだ。

 

〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜

 

SARU:「そろそろ良いかな?」キィイイイン

 

フェイ(ビッグMix):ドクンッ「!? SARU?」

 

剣城(沖田Mix):「フェイ!! どうした!?」

 

SARU:(フェイ、帰ってくるんだ・・・・本当の仲間の元へ・・)

 

その瞬間、フェイの・・・封じられていた記憶が目を覚ました。

 

フェイ(ビッグMix):「っ!?」

 

SARU:「思い出したかい? 君の本当の仲間が、僕たちだってことを・・・」

 

黄名子(ドラゴンMix):「フェイ!! しっかりするやんねっ!!」

 

 

 

そして、フェイは・・・・フェイは見方の、エルドラドチームのゴールにシュートを叩き込み、オウンゴールにより0ー2に点差が広がったところで前半は終了した。

 

エルドラド 0 ー 2 フェーダ

 

ー 続く ー




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第134話:vsザン 後半開始!!

前半戦終了間際、突如としてフェイが味方のゴールにシュートを叩き込み更にリードが広がってしまったところで前半終了。

フェイがフィールドから出ようとすると、客席から天馬が声を掛けた。

 

天馬:「フェイどうしたの!? あんなミスするなんて、フェイらしく無いよ!!」

 

フェイ:「ミス? ゴールを決めたのさ」

 

天馬:「でも見方のゴールじゃないか!!」

 

フェイ:「見方? 僕はもう、天馬たちの見方じゃ無いんだ。思い出したんだ・・・全部」

 

!? まさか・・・・!!

 

理沙:「まさか、フェイ君は敵の・・・」

 

剣城:「スパイだったとでも言うのか・・・!!」

 

フェイ:「悪いね・・・もう行くよ」

 

天馬:「待ってフェイ!! フェイーーーッ!!!!」

 

〜 ハーフタイム 〜

 

愛:「どうなってるの一体?」

 

剣城:「分からん・・・・」

 

鬼道:「フェイの事は気掛かりだが、今は試合に集中しろ。三国、ゴッドハンドXは中々だった。だが、今のお前ならあの技もできると大介さんから聞いたぞ?」

 

三国:「はい!! 今度はザナークのシュートも止めてみせます!!」

 

鬼道:「よし、ではフェイのポジションには桐穂、行けるな?」

 

桐穂:「っ!! ハイ!!」

 

ー ザン side ー

 

ザナーク:「・・・・SARUはアイツに何をしたんだ?」

 

ギガム:「アンタに言う必要があるのかい?」

 

ファダム:「俺たちが従うのはSARUだ。アンタじゃねぇ、勘違いすんなよ?」

 

ザナーク:「ちっ、気に入らねぇ・・・(これで本当に良いのか?)」

 

 

矢島:「さあーーー!! エルドラドチーム01、メンバーを変えて後半戦開始です!!」

 

エルドラドチーム01

メンバーチェンジ

フェイ・ルーン out → in 高坂桐穂

 

フォーメーション

FW    剣城   果北

 

MF 桐穂   ダーナ   愛

 

ボランチ  理沙  バハムス

 

DF 黄名子  ガウラ  エマ

 

GK      三国

 

〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜

 

矢島:「さぁ!! ザンのキックオフで後半戦開始です!!」

 

ピィイイイーーーッ!!!

 

そして開始の笛が鳴り、ザンは一気に攻め込んでくる。そのスピードは試合開始直後から全く衰えていない。

 

三国:「まさかこいつら疲れないのか!?」

 

シンク:「ハッ、お前ら忘れてねぇか? 俺たちはセカンドステージチルドレンだ!! テメェらと一緒にすんじゃねぇよ!!」

 

ボールはジプスに渡り、そのままドリブルで上がってくる。

 

ダーナ:「止める!!」

 

ジプス:「邪魔だ!!」

 

ドガァアァアアァアアッ!!

 

ダーナ:「がぁ"ああ"ぁ"ああ"あっ!!!」

 

ガウラ:「ダーナ!!」

 

ジプスのレッドカードスレスレの乱暴なドリブルでダーナは吹き飛ばされ、そこに桐穂が止めに入る。

 

ジプス:「はんっ! テメェも吹き飛ばしてやる!!」

 

桐穂:「出来るものならね!! 《加速世界(アクセルワールド)》!!」

 

その瞬間、桐穂の()る世界が白黒に変わり脳の余計な思考が止まり、必要な思考のみに集約される。

 

ギュンッ!!

 

ジプス:「・・・・はっ?」

 

気が付いた時には時すでに遅し。桐穂がボールを搔っ攫っていた。

 

 

矢島:「は、速い!! 高坂桐穂、電光石火の早技であっという間にボールを奪い取ったぁあああっ!!」

 

しかしすぐに立ち直ったザンは桐穂に襲い掛かる。しかし、《加速世界》を発動した桐穂にはいくらセカンドステージチルドレンと言っても()()()()。桐穂は圧倒的なスピードで全員を躱しきり、剣城にパスを出す。

 

剣城(沖田Mix):「決める!! [菊一文字・改]!!」

 

剣城のミキシ必殺シュートがザンゴールに襲い掛かる。ファダムは化身アームドを発動。必殺技で迎え撃つ。

 

ファダム:「[リジェクション]!!」

 

しかしファダムはシュートを止めたものの、かなりのパワーを使ってしまった様だ。

 

ファダム:「くそっ!! 何なんだコイツら!!」

 

ファダムのゴールキックからボールは前線のデオスへ。バハムスがヘディングで競り合うが、フィジカルが違いパスを通されてしまう。

 

デオス:「ロデオ!!」

 

ボールを受け取ったロデオは化身アームドを発動し、必殺シュートを放つ。

 

ロデオ:「[スプリングアロー]!!」

 

パワーが一気に開放され、凄まじいパワーを得たボールが飛んでくる。エマ先輩がブロックに入ろうとするが、

 

三国:「エマ!! ブロックはいい!!」

 

エマ:「!? 分かった!!」

 

ロデオ:「何だと!? 舐めやがって!! そのまま砕け散れぇえええっ!!」

 

すると三国さんは自身の心臓部にオーラを集約し、それを一気に開放。頭上に、巨大な赤いオーラの手が出現し、シュートを掴み取った。

 

三国:「[タマシイ・ザ・ハンド・G2]!!」

 

三国先輩は、ミキシマックスも化身も無い身で、セカンドステージチルドレンの化身アームド状態での必殺シュートを・・・生身の必殺技、否・・究極奥義で防いでしまった。

 

ー 続く ー




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第135話:互角

三国先輩が、俺たちの時代での世界最強と言われるロココさんのキーパー技[タマシイ・ザ・ハンド]を発動。

ノーブロックのアームド必殺シュートをミキシマックスもアームドもせずに止めてしまった。

 

これには流石のセカンドステージチルドレンもビックリの様だ。

 

ロデオ:「ふざけるな!! 古い人間如きが何故俺たちのシュートを止められる?! しかもあんな簡単に!!」

 

三国:「バハムス!!」

 

三国先輩のキックからボールはバハムスに飛ぶ。そこにギガムとデオスが2人掛かりでスライディングタックルを仕掛けてくる。

 

バハムス:「甘い!! ダーナ!!」

 

バハムスはジャンプで2人を躱してダーナにパスを出す。当然ダーナにディフェンスが向かってくるが、

 

ダーナ:「(1、0!)高坂!!」

 

ドリス:「何っ!?」

 

センターバックのドリスをディフェンスに引き付けてからサイドから中に走ってきた桐穂にショートパス。パスはアッサリと通りキーパーと1対1の状況を維持しつつ突っ込む。

 

ファダム:「ハァアアアッ!! 【深淵のアギラウス】!! アームドッ!!」

 

そしてファダムは化身アームドを発動。桐穂を迎え撃つ為に身構える。

 

桐穂:「行っくよーー!! [超・マキシマムファイア]!!!」

 

桐穂の振り上げた足に炎の剣が出現し、その斬撃と共に爆炎のシュートがゴールに迫る。

 

ファダム:「ただの必殺技だと!? そんなもの必殺技を出すまでも無いわ!!」

 

ドガッシィイイィイイイッ!!!

 

ファダム:「ぐぉおおおぁああぁあぁぁああっ!!? な、何なんだこのパワーは?!」

 

桐穂:「決まれぇええぇえええっ!!!」

 

桐穂の気迫がシュートを後押しするかのように、シュートは更に勢いを増す。

 

ファダム:「ふざけるな!! お前たちが俺から点を取れる筈は無い!! ハァアアアッ!!」

 

一方のファダムも力を目一杯引き出して止めに掛かる。そうしないと止められないのか?

 

ファダム:「ふぬぁああっ!!!」

 

シュゥウゥウウゥウウ・・・・・

 

桐穂の[マキシマムファイア]は、ファダムのグローブを摩擦で黒焦げにして、ファダムはやっとの思いで止めた。

 

ファダム:(嘘だろ・・・・何なんだコイツラのパワーは・・・・下手をしたら俺達と互角・・・いや、そんなはずは無ぇ!!)

 

そしてファダムのキックから試合再開。ボールはジプスに渡るが、ダーナがディフェンスに入る。

 

ジプス:「邪魔だ!!」ドガァアッ!!

 

ジプスはダーナをふっ飛ばすとドリブルで攻め上がる。が・・・・、

 

ザッ、

 

ジプス:「? 何だお前・・・」

 

ザナーク:「・・・・気に入らねぇ「何?」オラァッ!」

 

ジプス:「なっ!?」

 

何とザナークは見方のハズのジプスからボールを奪い取り、そのまま攻め上がってくる。

 

愛(龍馬Mix):「っ!? 行かせない!!」

 

ザナーク:「行くぞ!! 宮下愛!! "ミキシトランス:曹操"!!」

 

ザナークはミキシマックスを発動。更に、

 

ザナーク(曹操Mix):「来やがれ! ハァアアッ!! 【魔界王ゾディアク・伍式】!! アームドッ!!」

 

そしてザナークは化身アームドまでも発動。愛さんも迎え撃つ態勢を整える。

 

愛(龍馬Mix):「【楽しいの天才サイコウ・零式】!! アームドッ!!」

 

愛さんも化身アームドを発動。白金色の鎧に包まれる。

 

ザナーク(曹操Mix):「行くぞ!!」

 

再びザナークと愛さんの鍔迫り合いが始まる。龍馬さんの力で更に高まった愛さんのディフェンステクニックの前にさすがのザナークも攻めあぐねる。

 

ザナーク(ミキシ&アームド):「ちっ、[バンジー・・・」

 

愛(ミキシ&アームド):「そこだぁああっ!!「何っ!?」」

 

 

何と愛さんはザナークからボールを奪い取ることに成功。愛さんは前線にパスを出す。

 

ザナーク(曹操Mix):「ちっ、やるじゃねぇか!! 面白くなってきた!!」

 

愛さんのパスは果北に飛ぶがすかさずシンクがカット。ガロにパスを出す。

 

ザナーク(曹操Mix):「こっち「邪魔だ ドガァッ!!」ぐあっ?!」

 

愛(龍馬Mix):「ザナーク!?」

 

ガロ:「ハァアアッ!! 【黒き翼レイヴン】!! アームドッ!!」

 

そしてガロは化身アームドを発動。シュート体勢に入る。

 

ガロ:「[スプリングアロー]!!」

 

ガロのアームド必殺シュートがゴールに迫る。しかしセンターバックのガウラが身を挺して止めに入る。

 

ガウラ:「行かせるか!! ふぬぁあぁああっ!!!」

 

自慢の巨体の胸でシュートを受け止めるガウラ。しかしさすがに止めきれずにふっ飛ばされる。

 

三国:「シュートの威力は確かに弱まった!! [タマシイ・ザ・ハンド・G3]!!」

 

そして三国先輩の技もパワーアップ。またしても完璧に止めて見せた。

 

 

 

しかし、残り時間は後僅か。そして2点差・・・・

 

ー 続く ー




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第136話:勝利への布石

ラグナロク1回戦決着です!!

ではどうぞ!!


フェーダの一角、ザンのアームド必殺シュートをまたしても三国さんがセーブに成功する。しかしもう時間が無い。ここから相手に点をやらずに3点取るのは、相手のレベルを加味すると間違いなく無理だ。

 

剣城:(三国先輩はしっかりと止めてくれてる・・・俺がしっかりしないと・・・)

 

鬼道:「・・・剣城!! ディフェンダーも全員ハーフラインまで上がって全員で攻撃を仕掛けろ!!」

 

剣城:「っ!? しかしそれでは失点リスクが大きすぎます!! これ以上入れられたら!!「剣城、冷静に試合を見ろ!! この試合は敗けると見るべきだ。ならば後に試合を控える者たちに、"例えセカンドステージチルドレンが相手でも点は取れる"という勝利への布石を打つ!!」っ! 勝利への布石・・・」

 

鬼道:「ああ! この数分が勝負だ!! 何としても1点を取って、次に繋げてやれ!!」

 

エルドラドチーム01:『はい(おう)!!!』

 

そして三国先輩のゴールキックから、ディフェンダーまで全員上がっての総攻撃を仕掛ける。こちらのまもりを一切考えなくなった作戦に、ザンは戸惑っている。

 

ジプス:「なっ!? 点を取ってくれと言ってるような物だぞ!!」

 

ギガム:「ヤケになって特攻か?」

 

コチラも次々とパスを繋いでディフェンスを躱して攻めたてる。

 

矢島:「これは凄い勢いだ!! エルドラドチーム01、怒涛の如く攻めたてる!!」

 

桐穂にボールが渡ると、ザタンがスライディングで奪い返す。

 

理沙:「させない!! [超・スノーエンジェル]!!」

 

理沙の必殺技が相手を氷漬けにしてボールを、再び奪う。

 

矢島:「しかし絢瀬、空かさず奪い返したぁっ!!」

 

理沙:「ダーナちゃん!!」

 

ダーナ:「ナイスパスよ絢瀬!!」

 

ジプス・ギガム:「「止めっ・・「遅い!!」っ!」」

 

しかし一気にスピードに乗ったダーナがディフェンスを突破する。

 

ダーナ:「行けぇっ!!」

 

ダーナは左サイドにパスを出す。しかしそこには誰も居な・・・

 

黄名子(ドラゴンMix):「ナイスやんねっ!!」

 

しかし黄名子が相手ディフェンスの裏へとオーバーラップしてきており、フリーでボールを受け取る。

 

黄名子(ドラゴンMix):「はぁあぁああっ!!【暁の巫女アマテラス・参式】!! アームドッ!!」

 

ここで黄名子は化身アームドを試す。決まれば得点に大きく近付く。しかしダメなら・・・、

 

黄名子の身体に、紅い武者の鎧の様にになったアマテラスが装着され、化身アームドはぶっつけ本番で成功した。

 

黄名子(ミキシアームド):「はぁああっ!! [焼き餅スクリュー・改]!!」

 

黄名子のシュートと同時にボールが餅に包まれて高温で熱された様に膨らみ、破裂と同時に渦巻く炎を纏ったシュートが飛んでいく。

 

ファダム:「何っ!? [リジェクション]!!」

 

ファンダムは黄名子の化身アームドのデータが無かったのか対応が遅れ必殺技で対抗。しかしシュートはファダムごとゴールに突き刺さった。

 

黄名子(ドラゴンMix):「やった!!」

 

ピッ、ピッ、ピィイイイーーーーッ!!!

 

矢島:「ここで試合終了のホイッスル!! 1回戦はチーム・ザンの勝利だぁあああっ!!」

 

剣城:「敗けたか・・・」

 

勝利はザン。だが、

 

ガロ:「くそっ、たった2点止まりだと!? 納得できるか!!」

 

ザナーク:「そうだなぁ。しかもSARUの野郎がおかしなことしなけりゃ引き分けだもんなぁ?」

 

ガロ:「んだとテメェ!!」

 

ザナーク:「フン」

 

ガロ:「ちっ・・・」

 

そしてザナーク以外のザンメンバーは退場していった。

 

ザナーク:「勝ったのになんだこの後味の悪さは・・・」

 

SARU:「ザナーク、勝利おめでとう「フン」どこへ行くのかな?」

 

ザナーク:「悪いが俺は好きにやらせて貰う・・・」

 

 

 

大介:「あの男・・・もしや・・・・?」

 

 

剣城:「スミマセン。負けてしまいました」

 

神童:「だが、セカンドステージチルドレン相手でも点を取れると証明はできた。だろ?」

 

剣城:「気付いてたんですか・・・」

 

神童:「でなければ鬼道さんがあんな指示を出すはず無いからな」

 

剣城:「頼みましたよ? 神童さん・・!」

 

神童:「ああ!!」

 

1回戦はフェーダの勝ち。後がないエルドラド、果たして2回戦は?

 

ー 続く ー




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第137話:フェイ・ルーンの過去

〜 雷門 Side 〜

俺たちは突如として豹変して思い切りオウンゴールを叩き込んだフェイの後を、母さんたちと共に追いかけてスタジアムの選手エントランスに来た。そしてフェイを見つけ、

 

天馬:「待ってよフェイ!! 味方じゃないってどういう事!?」

 

フェイ:「言葉通りだよ。僕はもう天馬たちの味方じゃない。思い出したんだ・・僕が・・・セカンドステージチルドレンであることを」

 

っ!! 全員に動揺が走る。フェイが・・・セカンドステージチルドレン?

 

フェイ:「僕の父さんは、僕のセカンドステージチルドレンとしての力が怖くて僕を捨てたんだ。そして1人で寂しかった所を、SARUに声を掛けられたんだよ。SARUは、「君のその力は気味悪くなんか無い。未来のための素晴らしい可能性だよ」と言ってくれた。その時初めて僕は存在を肯定された気がしたんだ」

 

果南:「フェイくんも・・・捨てられてたの・・・?」

 

天馬:「フェイ、前に言ったよね!! サッカーを守りたいって! 未来にもサッカーが好きな人は居るって!! あの言葉は嘘だったの!?「嘘なんかついてないさ」っ、SARU・・・」

 

SARU:「僕はフェイを君たちの所に行かせる前に、フェイの、"セカンドステージチルドレンとしての記憶"を消した」

 

なっ! 記憶消した!?

 

吹雪:「何でそんなことを・・・」

 

吹雪:「簡単だよ。いくら目的のためでも、フェイは嘘をつけるような奴じゃない。だから僕達の仲間としての記憶が邪魔だったんだ。故に記憶を消去し、このタイミングで戻したのさ。だから君たちの元に現れた時のフェイは、ただサッカーが大好きな純粋なサッカー少年だった筈だよ?」

 

そういう事だったのか・・・。

 

フェイ:「悪いね天馬・・・もう行くよ。僕もセカンドステージチルドレンなんだ。こんな化け物いなくなって清々したでしょ・・・?」

 

フェイの顔に自虐じみた陰りが見えた。アイツ・・・、

 

竜太:「フェイ!! 例えお前がセカンドステージチルドレンでも、俺たちはお前を化け物だとは思わないからな!! 絶対に諦めてなんかやらねぇ!! 覚悟しておけ!!」

 

フェイ:「っ!!」

 

フェイは一瞬身体がビクッとして立ち止まったが、またSARUと共に行ってしまった。

 

天馬:「竜太・・・」

 

竜太:「たとえそんな力があろうと、アイツも・・他の奴らも化け物なんかじゃない・・・俺たちと同じ・・・人間だ・・・!!」

 

果南:「その通りだよ・・竜太・・・・・」

 

母さんは俺の肩に手を掛け、俺と共に拳を握りしめて、フェイの去った後を見詰めていた。

 

それを、一組の集団に見られていた事に・・ここにいる誰も気付かなかったが、

 

 

 

?:「あの人たち、本気なの? 私達を・・()()だって・・・」

 

?:「気にしてんなよ・・・アイツらだって他の奴らと同じさ」

 

?:「でもその"他の奴らは"あんな言葉すら言ってはくれなかったよな・・・、なぁ?」

 

ナージェ:「・・・・・うん。(次の試合で、あなた達の覚悟を試させて貰うわ。私達・・チーム・ギルが!!)」

 

 

ー 続く ー




フェーダの中にも不穏な動きが?

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第138話:2回戦の相手 チーム・ギル

ラグナロクの初戦から次の日、2回戦が行われる。今日のチームは神童先輩のエルドラドチーム02。チームメイトにアルファ達3リーダーが居るけど連携とれるのか?

 

ー スタジアムエントランス ー

 

天馬:「神童先輩、絶対に勝って下さい!!」

 

神童:「ああ、分かっている。ここで敗けたらおしまいだからな」

 

普通に話しているが、エルドラドチーム02のユニフォームはプロトコル・オメガのユニフォームである。神童先輩やかすみたちも当然着ており違和感がハンパじゃない・・・・。

 

?:「貴方たちが私達の相手なの? あ〜あ、何かつまらなそうなのに当たっちゃったなぁ・・・」

 

竜太:「お前・・あの時SARUと一緒にいた・・・」

 

?:「あら覚えててくれたんだ?」

 

すると隣に居た男子が、

 

?:「当然さメイア。君の美しさは、一度見たら忘れられないよ!!」

 

メイア:「まぁギリスったら♡ アナタこそ素敵よ♡」

 

な、何だコイツら?

 

竜太:「つ〜か彼方の方がかわいいけどな・・・ボソッ」

 

俺がうっかり呟いてしまうと、隣にいた彼方が真っ赤に赤面しはずかしがる。そしてメイアとギリスだっけ?そいつらにも聞こえていたらしく突っかかってきた。

 

メイア:「へぇ? 私より可愛いねぇ・・・?」(^言^)

 

ギリス:「貴様・・・メイアが2番手だというのか?」(°言°)

 

竜太:「いや、確かに顔は良いけど、とってる態度でマプラマイ0だろ・・・」

 

すると今の言葉に完全にキレた2人は、後悔させてやる!! と言い残してグラウンドに入っていった。

 

わぁ〜凄い小物感〜・・・。

 

?:「あの2人にそんな口を良く聞けるねあなた達・・・」

 

竜太:「あっ、確か・・・ナージェっつったけ? お前このチームだったのか?」

 

ナージェ:「ええ、覚えててくれたんですね。」

 

竜太:「あ〜まぁ」

 

?:「ってか俺達と良く普通に話せるなお前ら・・・・」

 

竜太:「いや、だって普通に会話できるし・・・ホントに化け物だったら会話すらせずにっていうか成り立たずに一方的に殺されて終わりだろ? お前名前は?」

 

?:「俺はゼイク、ゼイク・キシベだ」

 

彼方:「キシベ・・・? あぁ!! 木戸川清修の貴志部君の!!」

 

ゼイク:「おっ、一発で分かったな!」

 

すると今度は凄い小柄な女の子が、

 

?:「何かこうやって普通に人と話すの久し振りなんだけど・・・もう10年位?」

 

霧野:「10年も・・・・」

 

ゼイク:「ミド、珍しいな? お前が進んで話そうとするとか・・・」

 

ミド:「・・・・ちょっと興味がある」

 

ナージェ:「で? あなた達は今日の試合なの?」

 

竜太:「いや、俺たちは明日だ「そっか・・」」

 

ナージェ:「じゃあせめて1点位は取ってね? それすら出来なきゃ話にならないから」

 

そう言ってナージェ達もフィールドに入っていった。

 

ガンマ:「2回戦はギルが出てきたか・・・「強いのか?」あぁ。奴らはフェーダの頭脳と言われる程の天才集団だ・・・フェーダの武器は全て彼らが開発している・・・」

 

ベータ:「というよりアナタ達良くあんな奴らと普通に話せますねぇ?」

 

竜太:「? 俺たちには普通の子どもたちにしか見えないけどな・・・なぁ?」

 

彼方:「うん。彼方ちゃんも〜」

 

ベータ:「マジかコイツら・・・・」

 

神童:「とりあえず試合に集中するぞ・・・」

 

 

〜 スタジアム 〜

 

矢島:「さあー!! 今日は2回戦のエルドラドチーム02vsチーム・ギル!! 先の戦いで既に一勝しているフェーダ、ストレートで勝負を決めてしまうのかぁ!?」

 

神童:「せめて時空最強の力が揃ってれば・・・」

 

葵:「大介さん、何か無いんですか?」

 

大介:「そうだな、強いて言うなら敵に居たザナークという男・・奴からは吹き荒れる熱風と雷鳴の様な力強さを感じた。もしも奴が味方に付くなら、11の力の条件を満たすやもしれぬ・・・」

 

雷門:「!?」

 

葵:「敵が11人目だって言うんですか!?「そう言うと思ったぜ・・・」っ!?」

 

神童:「ザナーク!?」

 

ザナーク:「勢い任せにフェーダに入ったが、アイツらのやり方が何か性に合わねぇんだよな・・・あれならエルドラドのジジイ共の方がまだ可愛く思えるぜ。ってわけで俺はこっちに混ぜてもらうぜ」

 

!? ザナークが!?

 

ガンマ:「ふざけるな!! そんなことが認められるか!!」

 

神童:「俺も反対だ!! お前は信用できな・・「もう俺は決めちまった。選手登録もムリヤリねじ込んだ。」何っ!?」

 

サカマキが登録票を見ると確かに書かれていた様だ。いつの間に・・・

 

サカマキ:「はぁ、良いだろう言って聞く奴じゃあ無いだろうしな「分かってんじゃねぇか」」

 

大介:「まぁ待てザナーク。確かにお前の力は強い。じゃが、ワシから言わせれば物足りん!!」

 

ザナーク:「ハッ、そう言うと・・なっ!! この俺が物足りんだと!?」

 

大介:「確かにお前には最強のメンバーの可能性がある。だが、今のままではそのフィールドに立つことは無理だ」

 

ザナーク:「ジジイ!! お前はどうやら勘違いしている様だな!! 俺の本当の実力をこの試合で見せつけてやる!!」

 

そしてザナークはフィールドに出ていった。

 

ギル

 

GK        ブーフウ

 

DF   モリー  ミスタ  ゾタン

 

ボランチ  ミド  ゼイク  ナージェ

 

MF     ギリス   メイア

 

FW  ザット           チェル

 

エルドラドチーム02

 

FW アルファ ザナーク ベータ  ガンマ

 

MF     果林  神童  しずく

 

ボランチ       かすみ

 

DF       天城  璃奈

 

GK         ルジク

 

矢島:「さぁ両チームポジションに着きました!!」

 

ピィイイイーーーーッ!!!

 

 

そして試合開始の笛が鳴った。

 

ー 続く ー




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第139話:雷門メンバーの成長

ラグナロク2回戦が今キックオフ! エルドラドチーム02ボールからスタートし、神童先輩がボールを持つ。が、

 

神童:「よし、必殺タクティクス〈神のタクト〉!!」

 

神童先輩の描く指揮の通り、まずはガンマにパスが入る。しかしガンマは指示を無視してパスを繋がずにそのまま自分で持ち込んでしまった。

 

神童:「ガンマ!? 指示と違うぞ!!」

 

ガンマ:「何故このボクが君の指示を聞かなくちゃならないのかな? 以前はザナークにやられたが、あれはボクの本当の実力ではない!!」

 

そのまま上がっていくガンマ・・・。

 

ベータ:「まぁ、ガンマったら必死になっちゃって。良いから俺によこせってんだよ!!」

 

何か味方同士で争ってるんだけど・・・。

 

メイア:「アラアラ、チームワークってものがまるでなってないわね?」

 

ギリス:「ではここは僕とメイアが手本を見せてやろう!!」

 

するとメイアは一気に加速してガンマからあっという間にボールを奪取し、ギリスとの息のあったパスワークで攻め込む。あまりのレベルの高さに、誰一人ボールにかする事すら出来ずにギルはシュートチャンスを迎える。

 

メイア:「行くわよギリス!」

 

ギリス:「オーケーメイア!!」

 

すると空がまるで世界の終わりのような赤黒い荒れた空に変わると、メイアがボールにエネルギーを注ぎ込む。

 

するとボールの周りに花弁が現れ、それが1枚ずつ順番に散って行き、最後の花びらが散った瞬間ギリスの強烈なキックが炸裂!!

 

ゴールに裁きの光の奔流が襲い掛かる。

 

メイア・ギリス:「「[デッドフューチャー]!!」」

 

キーパーのルジクは化身を発動。アームドして必殺技を放つ。

 

ルジク:「止める!! "キーパーコマンド07"!! [ジャイロセービング]」

 

ルジクの必殺技で生み出されたリングが、シュートを巻き込んで高速回転することで遠心力でシュートの威力を殺す。

 

しかし化身アームドの力まで加わっていたにも関わらず、シュートはゴールに叩き込まれた。

 

矢島:「ゴォオオォオオオルッ!! 先制はチーム・ギル!! メイアとギリスの鮮やかな連携シュートが決まったぁああぁあああっ!!」

 

ギリス:「美しいシュートだメイア!!」

 

メイア:「アナタもステキよギリスっ♡」

 

 

アイツら試合中にイチャイチャしおって・・・、真面目にやらんか。

 

彼方:「・・・・ギュッ」

 

竜太:「!?」

 

彼方:「竜太、何か苛ついてたでしょ? 後で彼方ちゃんの部屋来ていいから?」

 

どうやらバレていたらしい・・・。あっ、彼方の部屋は後で必ず行かせて頂きます!!

 

 

そして再びエルドラドチーム02のキックオフから試合再開。ボールは神童先輩からしずくに渡り、しずくはドリブルで攻め上がる。

 

ナージェ:「行かせないわ!!(実力を見せてみなさい!!)」

 

 

しずく:「私だって練習してたんです!! 行きます!!《即興演目(そっきょうえんもく)》!! 「イナビカリダッシュ」!!」

 

何とここでしずくは千夏の技である「イナビカリダッシュ」を発動。愛さんたちはまさか《完全無欠の模倣(パーフェクトコピー)》か!? と驚いているが、俺にはすぐに違いが分かった。

 

しずく:「私の《即興演目》は、見た技をその場で使えます!! でも、竜太くんの《完全無欠の模倣》みたいに、使用者本人や、本物(オリジナル)を上回る威力で出したり、いきなり最終進化で出すことはできません。《完全無欠の》完全下位互換ですが、私でもここまでは何とかやれました!!」

 

しずくはあれから、自分のスタイルである"ステージで演じる様にプレイする"というスタイルを見つめ直し、サッカーの練習と同時にサッカー禁止令のため理由はごまかしたが演劇部に頼み込んで"演じる"という事を徹底的に習い、そしてたどり着いた境地だった。

 

 

矢島:「何とここで桜坂しずく、自分の技ではない技を発動!! これはギル果たしてどう対処するのかあっ!?」

 

そのままドリブルで攻め上がるしずく。しかしゾタンがディフェンスに入る。

 

しずく:「(今度は果林さんの番です!!)果林さん!!」ドッ!!

 

するとしずくはディフェンスに捕まる前に中の上空へと大きくボールを蹴り上げた。しかしどう考えても届くわけがないくらいに高い!!

 

ゼイク:「何やってんだアイツ!? あんなの俺たちでも届かないぞ!?「へぇ? セカンドステージチルドレンでも届かないのね? 良いことを聞いたわ!!」っ!?」

 

すると果林先輩と天城先輩がオーバーラップで上がってくる。そして天城先輩が渾身の力で跳躍する。しかし全く届いてない。が・・・、

 

ミド:「やっぱり届く訳な・・・「いいえ? 届くのよ!!」」

 

すると果林先輩も跳躍し、先に跳んでいた天城先輩の胸部を足場にして二段ジャンプ!! 空中でもう一度ジャンプしたことで、果林先輩はセカンドステージチルドレンでも届かない高さで、完全フリーとなった。

 

矢島:「なんと!? チームメイトを足場に使った二段ジャンプであのとんでもない高さに届いてしまったぁあぁああっ!!!」

 

ミスタ:「何!?」

 

ミド・ゼイク・ナージェ:「「「ウソ(だろ)(でしょ)?!」」」

 

そして果林先輩がシュート体勢に入る。果林先輩は両足に稲妻を纏い、ボールを蹴りの乱打乱打で次々とエネルギーをチャージする。

 

果林:「喰らいなさい!! [真・イナズマ落としCMAX(チャージマックス)]!!」

 

そして果林先輩は空中で身を翻して一回転。渾身のかかと落としでギルゴール目掛けてシュートを蹴り落とした。シュートは落下の引力と速度がプラスされてとんでもない破壊力になっている。ギルのキーパーブーフウは必殺技で対抗する。

 

ブーフウ:「[リジェクション]!!」

 

ブーフウの背中から出た棘のオーラがシュートを串刺にする。しかしシュートはブーフウを跳ね飛ばして、地面にバウンドしてブーフウの背中をくの字に曲げさせてキーパー諸共ゴールにつきささり、1点を返す事に成功した。

 

果林:「よっし!!」グッ!!

 

・・・果林先輩のガッツポーズ久しぶりに見たな。

 

エルドラド02 1 ー 1 フェーダ




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第140話:未来に轟け!3人の友情パワー!!

果林先輩と天城先輩の連携シュート[イナズマ落としCMAX(チャージマックス)]が、セカンドステージチルドレンでも届かないという遥か上空から叩き落され、ギルゴールに突き刺さり直ぐに同点に追いつく。

 

これにはギルは勿論エルドラドのメンバーもビックリの様だ。

 

メイア:「まさかあんな方法で・・・・」

 

ギリス:「やり方は美しく無いが、有効な手段であることは認めざるを得ないな・・・・」

 

そしてギルボールで試合再開。ボールはフォワードのザットが持って攻め上がってくる。そこにしずくがディフェンスに入る。

 

しずく:「やらせません!! 《即興演目》!![真空連魔]!!」

 

今度はかすみの技を使ってディフェンスに入るしずく。だがやはり使用者本人であるかすみ程のキレは無い。

 

ザット:「その程度!!」ドガッ!!

 

ザットはやはりこの程度は物ともせずにノーマルタックルで突破する。が、

 

かすみ:「本家はもっと凄いですよ〜!! [真空連魔・V4]!!!」

 

今度は使用者本人による本物(オリジナル)が、キレも精度も遥かに上がった進化状態で飛んでくる。

 

ザット:「くっ!!」バッ!

 

しかしザットは空中に身を翻してこれも躱す。だが、2度の間髪入れない連続ディフェンスで、体勢を崩すことには成功した。

 

かすみ「りな子!! 今だよ!!」

 

璃奈:「任せて!! [サイバースロジック・Z]!!」

 

璃奈の周囲が電脳空間に変わり、璃奈のデータ体が何体も現れる。そして璃奈の合図と共にデータ体が360度全方位から一斉に切れ味鋭いスライディングでザットに突っ込み、璃奈達は3人掛かりでボールを奪った。

 

ザット:「何!?」

 

璃奈:「しずくちゃん・・・!」

 

璃奈はしずくにボールを渡すと、かすみと共にしずくの元へ。そして3人で攻め上がる。

 

ナージェ:「これ以上進ませない!!」

 

しずく:「かすみさん!」トッ

 

かすみ:「りな子!」トッ

 

璃奈:「しずくちゃん!!」トッ!

 

ナージェ:「なっ!?」

 

今度は3人の息の合った三角形のトライアングルパスでナージェを簡単に抜き去り、3人で中に侵入する。

 

ベータ:「こっちだよこせ!!」

 

ベータがボールを要求しているが、

 

しずく:「大事な試合で自分の事しか考えてない人には渡せません!! かすみさん!! 璃奈さん!!」

 

そして3人は、ボールを中心に黒い三角形の黒いオーラを形成しながら飛び上がった。そしてボールに3人のオーラをチャージし、それを練り上げ肥大化。3人のトリプルキックで蹴り落とした。

 

しずく・かすみ・璃奈:「「「[デスゾーン2・Gx]!!!」」」

 

ドガァアアァアアアンッ!!!

 

3人が初めて自分たちの力で作り上げた、一番最初の連携シュート。3人の友情の結晶とも言えるシュートが、上空からギルゴールに突き進む。

 

ブーフウ:「今度こそ!! [リジェクション]!!」

 

しかしギルも負けじと必殺技を使いシュートを止めに掛かる。刺々しいオーラがシュートを串刺にするが、

 

ブーフウ:「なっ!? 俺のオーラが・・飲み込まれる!?」

 

[リジェクション]のオーラは、3人のシュートの力に飲み込まれ消滅。そして・・・・、

 

しずく・かすみ・璃奈:「「「決まれぇええぇえぇえええっ!!!!」」」

 

シュートは轟音と共に、ゴールに突き刺さったのだった。

 

しずく:「どんな敵が現れようと・・・!!」

 

璃奈:「私達の友情は・・・!!」

 

かすみ:「絶対無敵です!!」

 

3人の高らかな宣言とともに、スタジアムは歓声に包まれたのだった。

 

 

エルドラド02 2 ー 1 フェーダ

 

ー 続く ー




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第141話:合わないチーム

しずく、かすみ、璃奈、雷門の1年生女子3人による連携シュートがギルゴールに突き刺さり逆転する。この状況にメイアとギリスは・・・・

 

メイア:「ふ〜ん、思ったよりは強かったみたいね。じゃあ私達も本気、出そっかな!」

 

ギリス:「ほう、メイアを本気にさせたのか。古い人間にしては少しは骨のある奴らだったようだな」

 

だが、同じギルの中でも・・・・

 

ナージェ:(この人たちになら賭けても良いかもしれない・・・)チラッ

 

ミド:(コクッ)

 

ゼイク:(コクッ)

 

チェル:(コクッ)

 

そしてギルボールで試合再開し、メイアとギリスがワン・ツーパスで攻め上がる。ただのワン・ツーなのだが、スピードと技術がクソ高い。そのせいでただのパスがタクティクス並の強さになっていた。

 

メイア:「ギリス! 行くわよ!!」

 

ギリス:「もちろんだメイア!!」

 

そして二人は同時に化身を出す。

 

メイア:「【情熱のラヴァーズ♀】!!」

 

ギリス:「【情熱のラヴァーズ♂】!!」

 

葵:「同じ化身!?」

 

大介:「いや、似てるだけで同じじゃない」

 

すると、ギリスの化身と共鳴したのか、メイアの化身のパワーが桁外れに上がった。

 

ギリス:「さあ、メイア見せてくれ君の美しいシュートを!」

 

メイア:「えぇ! 任せてギリスッ♡」

 

そしてメイアがシュート体勢に入ると、【ラヴァーズ♀】が持っているレイピアで♡の形を描く。するとボールに化身の力が凝縮され、それをレイピアの一突きと共にメイアが蹴り飛ばす。

 

メイア:「[ー ハートレイピア ー]!!」

 

メイアの鋭い弾道のシュートがゴールを襲う。しかし天城先輩がブロックに入る。

 

天城:「させないド!! [アトランティスウォール・Gx]!!」

 

天城先輩の呼び出した古代遺跡が、極限まで高まったパワーでシュートをブロックする。

 

ドカァアアアッ!!

 

天城:「だドォッ!?」

 

しかし抵抗虚しく一瞬でふっ飛ばされる天城先輩。マジか・・・だが少しは威力が弱まった筈。

 

ルジク:「止めてやる!! 【幸運のラストベガ】!! アームドッ!!」

 

そして化身アームド状態で必殺技を放つ。

 

ルジク:「"キーパーコマンド07"!![ジャイロセービング]」

 

再びルジクがシュートを阻む。しかしブロック込みでも止めきれずに、シュートはゴールに突き刺さる。

 

矢島:「ゴォオオォオォオオオルッ!! チームギル、同点に追いついたあっ!!」

 

神童:「クソっ! やはりガンマやベータたちにも協力してもらわないと・・・」

 

しかし再開直前、フィールドに誰か倒れてる。・・・天城先輩っ!?

 

サカマキ:「天城、みせろ・・・・だめだな。三船、交代だ。準備しろ」

 

栞子:「っ! はい!!」

 

 

メンバーチェンジ

天城 out → in 栞子

 

そしてエルドラドチーム02のキックオフから試合再開。ボールはガンマへ。

 

ギリス:「甘いな!!」

 

ガンマがボールを奪われた。だが、

 

ザナーク:「貰ったぜ!!」

 

神童:「ザナーク!!」

 

 

竜太:「ザナークナイス!!」

 

そしてザナークはドリブルで攻め上がる。

 

ガンマ:「ザナークッ!! 寄越せ!!」

 

ザナーク:「ふっ、ほらよッ!!」ドカアッ!!

 

ガンマ:「ぐあっ!?」

 

何とザナークはガンマの身体にボールを蹴り飛ばしてガンマのダメージと引き換えに壁パスの容量でディフェンスに来ていたゼイクを抜いた。

 

ザナーク:「こんな奴らオレ一人で戦ってやる!!"ミシシトランス:曹操"!!」

 

ミスタ:「聞いたか? 俺たち相手に一人で勝つだとよ!!」

 

モリー:「無理に決まってるじゃない」

 

しかしチームでディフェンスを掛けるギルから、ザナークはたった一人でボールをキープし続ける。ギルも中々ボールを取れないことに苛ついてる。

 

モリー:「このッ!!」

 

ザナーク(曹操Mix):「ここだっ!!」

 

しかし相手が焦れて足を出したタイミングで冷静に突破するザナーク。必殺シュートを放つ。

 

ザナーク(曹操Mix):「[ディザスターブレイク・G3]!!」

 

ザナークの必殺シュートが迫る。キーパーブーフウは化身アームドを発動する。

 

ブーフウ:「【鉄壁のギガドーン】!! アームドッ!! [リジェクション]!!」

 

そしてけしんアームドのパワーが加算され、威力の上がった[リジェクション]により、[ディザスターブレイク]は止められてしまった。

 

ザナーク(曹操Mix):「ちっ、クソっ!!」

 

神童:「しずくたちと果林先輩たちが2点も取ってくれて助かったな・・・。おかげでまだ同点で済んでいる・・・」

 

ー 続く ー




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第142話:変化の兆し

ザナークの[ディザスターブレイク]が止められてゴールキックから試合再開。ボールはミドに飛ぶ。しかしすぐに果林先輩とかすみがディフェンスに入る。

 

ミド:「・・・・そんなディフェンスじゃ止められない」

 

ミドは身体が小さいためすばっしっこく、スピードで一気に抜き去った。が、

 

神童(信長Mix):「そこだっ!!」

 

ミド:「っ?!」

 

しかしミドが抜けた道は2人が敢えて開けておいた道であり、出たところを神童先輩がカットした。

 

神童(信長Mix):「賭けるしかない。アルファ!!」

 

アルファ:「!?」

 

神童先輩はアルファにパス。アルファはボールを受け取った。

 

アルファ:「神童・・・・」

 

神童(信長Mix):「サッカーは11人のチームでやる物だ!! 相手はちゃんと連携している。コチラが仲間割れなんかしていたら、例え能力が劣ってなかったとしても勝負にすらならないぞ!!」

 

アルファ:「・・・・・・・」

 

モリー:「貰ったわ!!」

 

アルファ:「・・・・・ガンマ!!」

 

ガンマ:「っ!! アルファ!?「行けっ!!」ふっ、スマートに決めてやる!!」

 

ガンマがドリブルで上がる。しかしミスタがディフェンスに来る。

 

ガンマ:「(右サイドが手薄・・・ここで僕達が負けたら、そこで世界はお終い・・)自分のプライドを取っている場合じゃないか・・・・ベータ!!」

 

ゾタン:「っ! しまっ!?」

 

ベータ:「っ! お前ら・・・」

 

矢島:「おーっと!! チームギル、完全に逆を突かれた!! この試合初めて纏まった動きを見せたぞおっ!!」

 

神童(信長Mix):「行けベータ!!」

 

ベータ:「上等だやってやる!! 来いっ!!【虚空の女神アテナ】!! アァアアアムドッ!!」

 

そしてベータは化身アームドを発動。シュート体勢に入る。

 

ベータ:「"シュートコマンド07"!! [ダブルショット]」

 

ベータのシュートがゴールに迫る。が、

 

ブーフウ:「ふん、[リジェクション]!!」

 

キーパーは冷静に対処し、ベータのシュートはアッサリと止められてしまった。

 

ブーフウ:「・・・・ギリス!!」

 

そしてキーパーからのロングパスが前線に飛ぶ。

 

ギリス:「ナイスパスだ!! 行くよメイア!!」

 

メイア:「ええギリス♡」

 

そしてまたもや2人でのパスワークで攻め上がってくる。そこにかすみがディフェンスに入るが

 

かすみ:「行かせませ・・トッ、バシッ! ああーーっ!!」

 

メイア:「無駄よ!!「どうですかね?」?」

 

そこに栞子がディフェンスに入る。しかしここでの俺はある事に気づいた。栞子の構えが前と違う。そして栞子は身体の奥から周囲に高重力場を解き放った!!

 

栞子:「[グラビティゾーン]!!」

 

栞子の周囲半径3メートルの範囲に重力場が発生する。

 

その範囲内をタイミングよく通ってしまったボールは重力場で押しつぶされて止まってしまった。

 

栞子:「貰います!!」

 

メイア:「なっ!?」

 

ギリス:「馬鹿な!?」

 

矢島:「何と三船栞子!! メイアとギリスの連携を止めたーーっ!!」

 

栞子:「神童先輩!!」

 

栞子から神童先輩にボールが飛ぶ。しかしゼイクに空中でカットされてしまい、ギリスにパスがリターンされる。

 

ギリス:「行くよっ!!」

 

そしてギリスとメイアが2人でシュートを放つ。

 

ギリス・メイア:「「[デッドフューチャー]!!」」

 

2人の連携シュートがエルドラドゴールに襲い掛かる。

 

ルジク:「来いっ!!【幸運のラストベガ】!!」

 

ルジクは化身を出し、化身アームドを発動する。

 

ルジク:「これ以上入れさせるか!! "キーパーコマンド07"!! [ジャイロセービング]」

 

ルジクのキーパー技が[デッドフューチャー]に必死に抗う。が、やはりシュートに弾き飛ばされシュートは決まってしまった。

 

ルジク:「ぐぁああぁあああっ!!!」

 

矢島:「ゴォオオオルッ!! キーパールジクを弾き飛ばし、ギルが勝ち越しーーっ!!」

 

だが、倒れたルジクが起き上がれない。

 

栞子:「っ!? ルジクさん!! しっかりして下さい!!」

 

ここでルジクは負傷退場し、キーパーは・・・

 

サカマキ:「データは揃ったか? ・・・・津島」

 

善美:「はい。私の新技ならあの2人のシュートを止められるはずです」

 

サカマキ:「よし、行け!!」

 

矢島:「ここでエルドラドチームはキーパールジクに買えて津島善美を投入するようです!!」

 

神童(信長Mix):「津島さん、ゴールはお願いします」

 

善美:「任せて!!」

 

そしてエルドラドチームのキックオフから試合再開。だが、その直後に前半終了の笛が鳴った。

 

 

エルドラド02 2 ー 3 フェーダ

 

ー 続く ー




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第143話:3人のリーダー

前半戦が終了しハーフタイム。皆体力の回復に努めながら神童先輩の話を聞く。

 

神童:「ここで負けたら、ラグナロクはそこで終わりだ。全ての希望が失われる事になる。嫌だろうが、エルドラドのメンバーも今だけで良い。俺の指示に従ってくれ!!」

 

アルファ:「勝つことが私の使命だ。奴らの力は個々でもチームでも高い。バラバラでは勝てないか・・・」

 

ガンマ:「まあ、しょうがないね。議長たちがキャプテンに君を選んだのは意味がある筈だ」

 

ベータ:「その代わり負けたらどうなるか分かってますね?」

 

神童:「ああ。分かっている」

 

栞子:「結構アッサリ折れましたね・・・」ボソッ

 

かすみ:「さすがに不味いと感じたんじゃないですか?」

 

そしてハーフタイムが終了し、後半戦が始まる。

 

矢島:「ギルボールで後半戦開始です!!」

 

そして開始の笛が鳴り、ギルボールで後半開始。ボールはメイアに渡り、そのままギリスとの連携で攻め上がる。

 

かすみ:「しず子!! メイアに追随して!!」

 

しずく:「はい!!」

 

メイア:「あら? 着いてこれるのかしらっ!!」

 

ドンッ!!

 

するとメイアは急加速して一気にしずくを抜き去る。が、

 

璃奈:「[サイバースロジック・Z]!!」

 

メイア:「!?」

 

しかし加速したせいで急に止まれるスピードではなくなり、不意に出てきた璃奈が奪い取る。

 

竜太:(今の上手いな・・・しずくが後方からプレッシャー掛けてかすみが身体で中の璃奈を隠しながらプレスしてメイアの進行方向を正面に限定してかつ、璃奈を意識から外させた・・・上手く判断力を奪ったな)

 

璃奈:「神童先輩!!」

 

矢島:「ここでボールは神童に渡ったーー!!」

 

神童(信長Mix):「よし、〈神のタクト〉!!」

 

神童先輩の指揮からボールはアルファに。そしてアルファからガンマへ飛ぶが、タイミングが合わなかった。

 

ガンマ:「全然ダメじゃないか!!」

 

そしてボールはタッチラインを割って外に出る。

 

 

ワンダバ:「やはりエルドラドのメンバーとは合わせられないか・・「いや、そうでもない」何?」

 

サカマキ:「神童!! 「何だ!!」 オイオイ、今は私が監督だということを忘れるなよ?」

 

神童先輩がベンチに駆け寄ると、

 

サカマキ:「今からデータを与える。

[アルファ 38 ー 48]

[ベータ 30 ー 52]

[ガンマ 45 ー 50]」

 

神童(信長Mix):「? どういう意味だ?」

 

サカマキ:「お前ならすぐ分かるさ」

 

そしてギルのスローインから試合再開。ボールがザットに渡り、その瞬間しずくが奪い返す。

 

しずく:「ガンマさん!!」

 

ガンマ:「よし!!」

 

しかしそこにゼイクとナージェがプレスに来る。しかしガンマはたった一人でボールをキープする。

 

神童(信長Mix):(ガンマ・・・キープ力が高いな・・)

 

ガンマ:「ベータ!!」

 

ガンマがベータにパスを出し、

 

ベータ:「このくらい朝飯前だよ!!」バシッ!!

 

あっさりと届く。

 

神童(信長Mix):(ベータは足が速い・・・そう言えば・・)

 

そしてボールはアルファに渡る。アルファは二人のようにどちらかに特化はしていないもののバランスが取れている・・・・

 

まさか!?

 

ここでボールが外に出てエルドラドチームのスローイン。

 

サカマキ:「気づいたようだな・・・」ニヤッ

 

神童(信長Mix):「3人とも、もう一度俺の指示に従ってもらう!!」

 

アルファ・ベータ・ガンマ:「「「!?」」」

 

神童(信長Mix):「点を取りたいんだろ? 取らせてやる!!」

 

すると3人は顔を見合わせ、

 

ベータ:「何か策がありそうですね・・・分かりました。。ノッちゃいます!!」

 

そして栞子のスローインからボールは神童へ。

 

神童:「行くぞ!!〈神のタクトFI(ファイアイリュージョン)〉!! ガンマ!!」

 

ガンマ:「僕から!?」バシッ!!

 

ガンマ:(僕の足元に完璧に!!)

 

神童(信長Mix):「ベータ!!」

 

ガンマは神童先輩の振る指揮(タクト)の通りにパスを出す。

 

ベータ:「任せちゃって! オラォアアッ!!」バシイッ!!

 

ベータ:(スゲェ・・・俺のタイミングにシンクロしたぞ!!)

 

神童(信長Mix):「アルファ!!」

 

ベータ:「行けっ!!」

 

アルファ:バシッ!!(!! ボールが繋がった・・・いい気持ちだ)

 

神童(信長Mix):「〈神のタクトFI〉!! 決めろ!!」

 

アルファ:「イエス!! 今なら我らの力を合わせられる!!」

 

ベータ・ガンマ:「「おう!!」」

 

アルファ:「"シュートコマンド24"!!」

 

アルファ・ベータ・ガンマ:「「「[オメガアタック]!!」」」

 

そして、プロトコル・オメガの3人のリーダーによる、虹色に輝く連携シュートがギルに襲い掛かる。

 

モリー・ミスタ・ゾタン:「「「うわぁあああっ!!?」」」

 

3人を吹き飛ばして残るはキーパーのみ。

 

ブーフウ:「[リジェクション]!!」

 

キーパーが[オメガアタック]を止めようとするが、キーパーを弾き飛ばしてシュートはゴールネットに突き刺さった。

 

神童(信長Mix):(分かったぞ・・あの数字の意味が。あれは、3人のボール保持率と走力のデータだったんだ。まずはボール保持率の高いガンマに持ち込ませて、引き付けた所をトップスピードの最も高いベータを裏に走らせ、最後に両方のバランスの取れたアルファに繋ぐ。そうすることであの3人の連携シュートのチャンスを作るためだったんだ)

 

ギリス:「くっ・・・」

 

メイア:「中々やるわね・・・」

 

そしてギルボールで試合再開し、メイアとギリスがまたしても攻め上がる。

 

ギリス:「ザット!!」

 

栞子:「止めます!! [グラビティバインド・Gx]!!」

 

ザット:「ぐっ!! ギリス!!」

 

しかしここでボールはギリスへ。そこにかすみがスライディングを仕掛けるがジャンプで躱して空中でメイアにパスを出す。

 

メイア:「ギリス行くわよ!!」

 

ギリス:「ああ!! 美しく決めてやる!!」

 

メイア・ギリス:「「[デッドフューチャー]!!」」

 

シュートがエルドラドゴールを襲う。が、

 

善美:「このシュートならまだ大丈夫ね。はぁぁああっ!![絶・風神・雷神・ゴースト]!!」

 

善美は3体のマジンを呼び出し、マジン達と共にシュートを軽々とキャッチした。

 

善美:「化身でも無ければこんなものね」

 

そしてゴールキックからボールは神童先輩に飛ぶ。神童先輩は再び〈神のタクトFI〉を発動する。

 

神童(信長Mix):「〈神のタクトFI〉!! ガンマ!!」

 

ガンマ:「スマート!!」バシッ!

 

神童(信長Mix):「ベータ!! 中央だ!!」

 

ベータ:「任せちゃってぇ!! オラァアアッ!」バシイッ!!

 

ナージェ:「なっ!? 速っ!!」

 

神童(信長Mix):「アルファ!!」

 

アルファ:トッ!「・・パーフェクト!!」

 

しかしここでゾタンとギリスがベータとガンマをブロックする。確かに3人揃わないと[オメガアタック]は撃てない!!

 

ミスタ:「同じ手は通じないぞ! 貰っ・・・「NO、同じではない」何?」

 

アルファ:「神童!!」

 

ここでボールは神童先輩に繋がり、神童先輩はシュート体勢に入る。

 

神童(信長Mix):「[爆・刹那ブースト]!!」

 

ブーフウ:「これ以上点はやらん!! [リジェク・・ぐわぁあああっ!!」

 

噛ませ犬よろしくブーフウは吹き飛ばされて4ー3とエルドラドチームは逆転した。

 

矢島:「決まったーー!! エルドラドチーム遂に逆転だーーーっ!!」

 

そしてギルボールで試合再開。

 

メイア:「まさか私達とここまで張り合うなんてね・・・・」

 

ギリス:「だけどそろそろ終わりにしないとね」

 

メイア・ギリス:「「【情熱のラヴァーズ♀(♂)】!!」」

 

栞子:「津島さん来ます!!」

 

善美:「任せなさい!!」

 

メイア::「ふっ飛ばしてやるわ!!」

 

ギリス:「喰らえ!!」

 

メイア・ギリス:「「はぁあぁああっ!!」」ドガァッ!!

 

矢島:「メイアとギリスの化身状態でのツインシュートだ!! 果たして止められるのかぁっ!?」

 

善美:「止めてやるわ!!」

 

すると善美は[風神・雷神・ゴースト]を発動。が、ここからが違った。何と3体のマジンが1つに融合し、3体のマジンの力を1つに凝縮しパワーを大幅に高める。そしてできたのは紫色のマジン。そして善美は両手を突きだす。

 

善美:「[魔王・ザ・ハンド・G3]!!」

 

善美のマジン、もとい魔王がシュートに両手を突きだす。そして2人のツインシュートも、引き摺られはしたものの、ガッチリとキャッチした。

エルドラド02 4 ー 3 フェーダ

 

ー 続く ー




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第144話:溢れる思い

ギリス:「僕たち2人の化身シュートを・・・」

 

メイア:「ただの必殺技で防いだですって!?」

 

矢島:「止めたーーっ!! キーパー津島善美! 究極奥義[魔王・ザ・ハンド]で、メイアとギリスの化身シュートを止めたーーーっ!!」

 

善美:「よしっ、「よこせ!!」っと、ザナーク!!」

 

そしてボールはザナークに渡る。

 

ザナーク:「俺の力は物足りなくないってことを教えてやる!!」

 

するとザナークは神童先輩の指示を無視して1人で爆走。ディフェンスに入るギルのメンバーを女も男もお構いなしに次々と吹き飛ばして暴走列車の如く攻め上がる。

 

竜太:(いやぁ・・・確かにスゲェけど乱暴だな〜・・・)

 

 

ザナーク:「ハハッ!! これが俺様の ドクンッ ぐっ、このぉおおおっ!!」

 

ドカァアァアアァアアアンッ!!

 

そしてザナークは渾身の力でシュートを放つ。ノーマルシュートであるにも関わらず3人の[オメガアタック]よりもパワーが出ているかもしれない。

 

モリー・ミスタ・ゾタン:「「「止めっ・・ぐわぁあぁああっ!!」」」

 

そしてディフェンスの3人をアッサリと吹き飛ばし、

 

ブーフウ:「くっ!!」ガシィイイイッ!!

 

ブーフウが両手でキャッチするが、受け止めた衝撃が腕を伝って胴体を貫通し、受け止めきれなかったキーパーごとゴールに叩き込んだ。

 

ザナーク:「見たか!! コレが俺様の力だ!!」

 

ピッ、ピッ、ピィイイイーーーーッ!!!

 

矢島:「ここで試合終了のホイッスル!! 2回戦は5ー3てエルドラドチーム02の勝利だーーーっ!!!」

 

観客から大歓声が上がる。ギルのメンバーは悔しそうな顔でフィールドを出ていった。

 

ザナーク:「見たか?石のジジイ!! これが俺様の実力だ!!」

 

大介:「ふん、確かに実力はあるようだな。だが、お前は自分の力を全て出し切れてはおらん!」

 

ザナーク:「何っ!?」

 

大介:「お前は恐れておるのだ。自分の力の暴走という暴れ馬を。本当に強くなりたいのなら、その暴れ馬を抑え込むのではなく、乗りこなさなければならん!!」

 

ザナーク:「暴れ馬を、乗りこなす・・・」

 

大介:「無理かもしれんな。ただの荒くれに、力をコントロールするなど夢のまた夢。宝の持ち腐れとは、まさにこのことだ」

 

ザナーク:「何っ!? ジジイッ!! ・・・・フン、そう言うと思ったぜ!! いいぜやってやる!! 必ず俺の中の暴れ馬を乗りこなしてやる!! それまで時空最強イレブンの席は空けておけ!!」

 

そしてザナークは自身のルートクラフトに乗り何処かへ行ってしまった。

 

葵:「良いんですか!? 何処かへ行っちゃいましたよ!?」

 

大介:「放っておけ。ヤツの問題は、ヤツ自身にしか解決できんのだからな」

 

ガロ:「情けねぇなぁ・・・ギル負けやがったぞ!!」

 

SARU:「まぁ彼らは僕達セカンドステージチルドレンのルーツだからね。このくらいは勝ってもらわないとつまらないよ。それに、次は面白くなるからね・・・」

 

支援者X:「・・・・・・・・」

 

 

〜 スタジアムロビー 〜

 

ベータ:「できましたね? 〈神のタクト〉」

 

神童:「ありがとう3人とも。勝てたのはお前たちが協力してくれたおかげだ」

 

ベータ:「んっ、礼には及びませんわ!! セカンドステージチルドレンなんかに負けるなんて、プライドが許しませんもの!!」

 

ガンマ:「まぁ、ボクがキャプテンだったらもう少し楽に勝てていただろうけどね?」

 

神童:「フッ、そうか」

 

ガンマ:「そういう素直な対応をされると調子が狂うんだが・・・」

 

ベータ:「あらガンマったら・・・」

 

アルファ:「・・・・私は任務を果たしただけだ。だが、以前お前たちと戦い私の中で燻っていたあの棘のような感覚が消えた・・・。」

 

棘のような感覚・・・・それって・・

 

天馬:「ひょっとして俺たちに負けて悔しかったんじゃない?」

 

アルファ:「悔しい?」

 

竜太:「うん! 俺たちに負けて悔しかったんだと思う!! でも、あの後必死に練習したんでしょ? それで今日あんないい試合ができて、おまけに勝てたからきっと気持ち良かったんだよ!!」

 

アルファ:「だが、サッカーは私にとって単なる手段でしかない」

 

天馬:「そうなの?」

 

アルファ:「そのはずだ・・・」

 

エイナム:「もしかしたら、それも気付かないうちに変わっていたのかもしれませんね・・・」

 

天馬:「どうアルファ? 少しはサッカーの事好きになった?」

 

するとアルファは初めて笑みを浮かべ、

 

アルファ:「・・・イエス」

 

サッカーが好きになったと答えたのだった。

 

 

〜 その日の夜 〜

 

俺は未来にもあった、コンビニで飲み物を買ってスタジアムの部屋に戻る所だった。

 

竜太:「う〜寒っ!! この時代は今冬になりかけてるんだっけ? さっさと戻ろう・・・「ねぇ?」? あっ、お前ら・・・」

 

そこには、ナージェとミド、ゼイクとチェルのギルメンバー4人がいた。

 

竜太:「ん? どうした? あっ、何か文句でも言いに来たのか? 真剣勝負の結果だろ?」

 

ミド:「クスッ、そうだね・・・」

 

竜太:「・・・結構笑顔は可愛いんだな?」

 

ミド:「ッ/// 子供扱いしないで・・・//」

 

竜太:「は? 子供扱いしてないけど? 笑った顔が可愛かったから言っただけだけど・・・?」

 

ミド:「からかってるでしょ・・・///」

 

竜太:「いや?「ねぇ!! 私は? 私はどうなの!!」ん? ナージェも普通に美少女の部類に入ると思うけど?」

 

ナージェ:「〜〜ッ///」

 

ん? 一体どうしたんだ?

 

チェル:「はぁ、この世界の人たちが君たちみたいな人しかいなかったら僕達はこんなに苦しくなかったのにね・・・・? あと鈍感すぎ」

 

ゼイク:「全くだな・・・」

 

何か知らんが馬鹿にされた気がする・・・。

 

竜太:「で? 結局何しに来たんだ?」

 

ナージェ:「あっ、そうだった。今エルドラドでは、私達の力を打ち消して普通の人と同じ様にするためのワクチンを開発してることは知ってる?」

 

はっ!? そんなもの作れるなら・・・まてよ?

 

竜太:「でも、そんなものお前らの身体のサンプルデータが無きゃ作れるわけ・・・「だからこれ」? なんだコレ?」

 

ナージェ:「私達4人の粘液から採取した遺伝子サンプル。コレをエルドラドに渡して」

 

は? へっ? 何言ってんの?

 

ナージェ:「他のメンバーは知らないけど、私達はこんな力要らないから」

 

ゼイク:「今まではそれしか手段が無かったけど、平和に暮らせるならそれが1番だからな・・・」

 

ミド:「お願い・・・私達を助けて!!」

 

・・・・ったく、こりゃあこの時代の奴ら本気で全員シバいてやるか・・・。

 

竜太:「分かった、とりあえずこれは必ず渡しておく」

 

ナージェ:「お願い・・・」

 

そして4人は去っていった。

 

竜太:「ハァ、っと急がないと!!」

 

俺は急いでトウドウとサカマキの所へと向かうのだった。

 

ー 続く ー




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第145話:SSC制御ワクチン

俺がコンビニからスタジアムに戻り、急いで監督たちに先程の事を話して皆と共にトウドウとサカマキの元へと行く。

部屋に入ると、サカマキとトウドウが話していた。ワクチンがどうとか聞こえたが・・・

 

トウドウ:「? お前たちどうしたんだ?」

 

鬼道:「その前に聞きたい事がある。今エルドラドでセカンドステージチルドレンの力を無効化して普通の人間と同じにするワクチンを開発しているというのは本当か?」

 

サカマキ:「っ!? 何故それを・・・確かに開発しているが、肝心の遺伝子サンプルが無くてな・・手詰まりなんだ。だが何故?」

 

豪炎寺:「それは竜太が話してくれる。竜太、頼む」

 

そして俺は先程のことを話す。外に出ていた時にギルのメンバーと会った事、そこで今の情報を聞いた事、そして彼らの遺伝子サンプルを彼ら自身が手渡した事でサンプルが手に入った事だ。

 

竜太:「アイツら言ってましたよ? 自分たちは、"できることならこんな力を持ちたくは無かった"って・・・。それなのに・・彼ら以外の一般人たちにも十分過ぎる非があると思いますけど」

 

トウドウ:「それは・・・」

 

トウドウ達も戸惑っている様だ。自分たちが化け物扱いしていた子達が、本人たちが苦しんでいるなんて思わなかっのか?

 

竜太:「まぁ、とにかくコレを」

 

そして俺は遺伝子サンプルの入った試験管の様な入れ物を手渡す。

 

サカマキ:「まさか手に入るとは!! 急いで開発室に行ってくる!! もしかしたら今までのデータと合わせれば明日までには完成するかもしれない!!」

 

トウドウ:「ああ!! 頼んだぞサカマキ!!」

 

そしてサカマキは会議室を飛び出して行った。

 

トウドウ:「竜太くん、君には礼を言わなければならないな。このラグナロクに勝ったら、こちらの条件として彼らにワクチンを摂取してもらう」

 

竜太:「別に、確かに手段は滅茶苦茶だけど、俺はそもそもあいつらが一方的に悪だとは思ってないし。多分ここにいる雷門メンバーと関係者は全員そうだと思うけど?」

 

すると母さんたちや鬼道さんたち、彼方たちも頷く。

 

トウドウ:「・・・・君たちの目から見て、この時代はどう映った?」

 

竜太:「技術の進歩と引き換えに人の精神?心?のレベルが信じられないくらいに落ちてる。俺たちの時代だったらたとえそういう力を持った子供が生まれても親だったら捨てない。寧ろそういう力を持ってるんだったら正しい使い方を教えて風評から子供を守ろうとする。だよな母さん?」

 

果南:「そうだね。少なくとも私だったら竜太や果北が超能力持ってたら、子供が危険視されないようにちゃんと教育して少しでも危険な目に遭わない様にするかな」

 

それを聞いたトウドウはこの200年でなぜそこまで人の考え方が変わってしまったのかを考えようと心に誓ったようだった。

 

トウドウ:「そうか・・・・では、もしも我々大人が彼らを真っ当に扱っていたらどうなっていた?」

 

竜太:「そんなの聞くまでも無いでしょ? こんな戦争そもそも起こってませんよ。真っ当に扱われてたら戦争起こす理由が無くなりますから。そうじゃなかったからこうなってる訳では?」

 

トウドウはこの戦争の理由はそんな単純な事だったのか? という顔をしているが、俺達からすればなぜその程度が分からないのかが理解に苦しむレベルだ。

 

神童:「所でそのワクチンはどういう物になるんですか?」

 

トウドウ:「まず、超能力が消える。それともう一つ。彼らの寿命を普通の人間と同じくらいにまで延ばせる」

 

彼方:「じゃあそれを打てればあの子達も長生きできるの? ハッピーエンドだね〜!!」

 

トウドウ:「ああ、彼らが受け入れればな。彼らは自分たちの寿命も計算に入れてこの戦争を仕掛けている。だからなんとしてもラグナロクに勝つしか彼らを救う方法は無いだろ」

 

つまり明日なんとしても勝たないとダメって事か・・・

 

竜太:「分かりました。では俺たちはこれで」

 

トウドウ:「ああ!! ありがとう!!」

 

彼方:「負けられないね〜!!」

 

竜太:「ああ!! 彼方、頼りにしてるぞ?」

 

彼方:「ふっふ〜! お姉さんに任せなさ〜い!!」

 

かすみ:(ああ、またバカップルがイチャイチャしてますよ・・・)

 

 

ー 続く ー




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第146話:起源の化身【ブルーヒドラ】

次の日、俺たちは試合前にトウドウとサカマキから招集を受けて会議室に集まった。そこでもう制御ワクチンが完成したと報告を受けた。

サンプルを渡して12時間とちょっとで完成するとか、技術がヤベェ・・・・後、俺はこの2人に俺の化身とセカンドステージチルドレン達の力について少しある事を聞いておいた。何かやな予感がするからな。

 

そして試合の為に俺たちエルドラドチーム03はフィールドに向かう。

 

1勝1敗で迎えた最終戦、いよいよ今日世界の命運が決まるとあってか観客量がとてつもない。

 

矢島:「さぁーー!! ラグナロクもいよいよ最終戦!! 今日戦うのはエルドラドチーム03と、フェーダからはチーム・ガル!! 果たして世界の実権はどちらの手に渡るのかぁあっ!!」

 

そして入場してきたガルのキャプテンは・・・

 

天馬:「っ!? フェイ!!」

 

何と、フェイが最後の敵として立ち塞がった。

 

フェイ:「天馬、僕がこのチームガルのキャプテンだ。つまらなくならないようにせいぜい頑張って負けてね・・」

 

天馬:「フェイ・・・こんな形でフェイと戦う何てやだよ!!」

 

フェイ:「天馬諦めて。こうするしか無いんだよ・・」

 

やっぱり何かフェイの顔に陰りがあるような気がすんだよな〜

 

そして両チームがポジションに付く。

 

ガル

 

GK       チェット

 

DF  グゥミ  フミータ カズチ

 

ボランチ   ピノ   ローコ

 

MF タクジ   フェイ   ヨッカ

 

FW    ユウチ   デッキ

 

エルドラド03

 

FW      竜太  レイザ

 

MF   せつ菜  天馬   侑

 

ボランチ      レイ

 

DF トーブ  霧野  メダム  彼方

 

GK        信介

 

そしてエルドラド03ボールのキックオフで開始のホイッスルが鳴る。ボールは天馬に渡ってドリブルで攻め上がるが、ガルは全員一歩も動かない。

 

天馬:「えっ!? 「天馬くんこっち!!」」

 

ここで侑先輩がボールを要求。侑先輩にパスを出す。

 

侑:「来ないならここで一気に流れを作る!! 【戦場の女神ジャンヌ・零式】!! アームドッ!!」

 

そして【ジャンヌ】が純白のドレスのようなアーマーに変わり、"姫騎士"とも言うべき姿へと変わる。

 

侑:「行けぇええええっ!!!」

 

ドカァアァアァアアァアアアッ!!!

 

侑先輩が渾身の力でアームドノーマルシュートを放つ。だが、

 

フェイ:・・・・グンッ バシッ

 

天馬:「なっ!?」

 

侑:「う、うそ!?」

 

竜太:(今までのフェイと全然違う・・・・)

 

何とフェイは、侑先輩のシュートをミキシマックスも化身も使わずにただのキックをぶつけただけで止めてしまった

 

フェイ:「残念だよ。まさか今まで一緒にやってきたチームが、こんなに弱かったなんて・・・」

 

せつ菜:「なっ!!」

 

すると、フェイは全速力のドリブルで駆け上がってきた。俺は不味いと思い急いで戻る。

 

フェイ:「ピノ!!」

 

ピノ:「ローコ!!」

 

ローコ:「バァーイ☆」バシッ!

 

巧みなパス回しでボールは一気に前線へ。そしてフェイはシュート体勢に入る。

 

フェイ:「行くよ・・・[極・バウンサーラビット]!!」

 

フェイの基本とも言える、一番威力が低い必殺シュートを撃ってきた。だが、パワーが桁違いにヤバい!!

 

霧野:「"ミキシトランス:ジャンヌ"!! [ラ・フラム・G4]!!!」

 

霧野先輩のミキシマックス状態での炎の壁がシュートをブロック。しかし時間は僅かに稼いだもののアッサリと 破られてしまう。だがその稼いだ僅かな時間が明暗を分けた。

 

竜太:「行かすかよ!! 《完全無欠の模倣(パーフェクトコピー)》!![グラビティバインド・Gx]!!!」

 

ここで栞子の必殺技を借りてブロック。その高重力場でシュートを圧しつぶし、完全に停止させた。

 

ユウチ:「なっ!! 止めただと!?」

 

フェイ:「(竜太・・・マズイ!!)皆ディフェンスだ!! 急げ!!」

 

その言葉にガルのメンバーは「は?」と反応が遅れる。

 

だがその間に俺は容赦などせず攻め上がる。

 

タクジ:「なっ!! 速っ!?」

 

ピノ:「このっ!!」

 

ピノがセカンドステージチルドレンの馬鹿げたフィジカルを活かして横からタックルしてくる。が、

 

竜太:「邪魔だ!!」ドガアッ!!

 

ピノ:「うわっ!? 嘘だろ!!」

 

俺はピノを逆に弾き飛ばして返り討ちにする。そして残るはディフェンスのグゥミとフミータ。今の弾き返しを見た瞬間にコイツはヤバいと感じたのか急いで止めに入る。2人で同時にスライディングを仕掛けてきたのでそれをヒラリとジャンプで躱す。

 

そしていよいよキーパーと1vs1。その時、俺はトウドウ達から聞いた事の内の1つを思い出した。

 

 

 

トウドウ:『彼らは自分たちの力の起源となった化身を知っている』

 

 

なら意趣返しに見せてやるよ!!

 

そして俺は化身を発動する。

 

竜太:「来やがれっ!! うらぁああっ!!」

 

そして俺から化身オーラが立ち昇り、三首の龍の姿を作る。そして、化身が姿を現す。

 

竜太:「【海皇龍ブルーヒドラ・零式】!!!

 

試合を見ていた全フェーダメンバー:『『『『!!?』』』』

 

力の起源となった化身は知っていたが、姿など見たことも無かったSSC達は、その圧倒的な存在感に言葉が出ない。

 

デッキ:「あれが・・・【ブルーヒドラ】・・・」

 

ユウチ:「何なんだ? この威圧感は・・・」

 

そして、俺はシュート体勢に入る。【ブルーヒドラ】の3つの口それぞれに膨大な水エネルギーが溜め込まれ、俺のシュートと共にその口々から一気に水流ブレスを放ち、それが一本に束なり更に威力が上がる。

 

竜太:「[ー ハイドロブラスト ー]!!」

 

俺の化身シュートがキーパーに襲い掛かる。キーパーのチェットは急いで化身を発動する。

 

チェット:「【白尾神タマズサ】!! [ー シキガミラインズ ー]!!」

 

化身技の式神がシュートを次々と鼠算式に受け止めて威力を殺す。しかし全て吹き飛ばされ、チェットごとゴールに叩き込んだ。

 

その強大なパワーを、SSCですら呆然と見ていた。

 

 

 

エルドラド03 1 ー 0 フェーダ

 

ー 続く ー




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第147話:このまま行ける?訳が無い・・・

俺の化身シュートが先制でガルゴールに突き刺さった。だが、このゴールはこのラグナロクが始まって初めてエルドラド側が先制点を取ったゴール。

ガルのメンバーは"信じられない"という顔をしている。

 

矢島:「・・・・・ ハッ! ゴ、ゴォォオオォオォオオオルッ!! 大海竜太の化身、【ブルーヒドラ】のシュートが、セカンドステージチルドレンからの初めての先制点を奪ったぁあぁああっ!!!」

 

そして会場から大歓声が上がる。あ〜あ、これガル・・・いや、SSC達にとっては屈辱的なんだろうな~・・・

 

〜 ザンside 〜

 

ファダム:「アイツら何やってんだ!! 俺たちが先制ゴール何か取られたらあの下等種族共がつけあがるじゃねぇか!!」

 

ガロ:「あの野郎・・まさか分かってて【ブルーヒドラ】使いやがったのか・・・」

 

〜 ギルside 〜

 

メイア:「負けた私達が言えないけど・・・先制点はマズすぎるでしょ・・・・私達の力が古い人間に超えられる程度のものだと思われるわよ!?」

 

ギリス:「・・・まさか僕達への宣戦布告なのか?」

 

ナージェ・ミド・チェル・ゼイク:((((頼む!! そのまま勝ってくれ!!))))

 

様々な思いと思惑の中、ガルボールで試合再開。

 

矢島:「さぁー!! キックオフからボールはヨッカへ!! 安定したドリブルで上がっていくぞぉー!!」

 

侑:「通さない!! 「爆・フレイムダンス」!!」

 

侑先輩の炎の舞がヨッカに襲い掛かる。しかし、

 

ヨッカ:「邪魔だ!!」ドガァッ!!

 

何と侑先輩のディフェンス技をただの力任せのタックルで突破する。しかしすぐに彼方がディフェンスに入る。

 

彼方:「通さないよ〜! [スリ〜ピィサンクチュアリ・Gx]!!」

 

ついに最終進化した彼方の必殺技。彼方の領域に踏み込んだヨッカに、途轍もない睡魔が襲い掛かる。

 

ヨッカ:(なっ!? こ、コレ・・・なん・・っ)

 

ヨッカが目眩を起こしてふらついた瞬間に、

 

彼方:「も〜らいっ!」

 

ヨッカ:「なっ!? くっ、頭が・・・」

 

ローコ:「ちょっと!! ヨッカどうしたのよ!!」

 

突然の仲間の異変に何かを感じたガル。もしかしたらあのほんわかした雰囲気の女性はとんでもない選手なのでは? と思い始める。そして実際にそれは当たっている。

 

彼方:「天馬く〜ん!!」

 

彼方からのパスが天馬に渡る。しかしここでフェイとの一騎打ちになる。

 

フェイ:「行かせないよ天馬!!」

 

天馬:「フェイ・・・本当にこれがフェイのやりたい事なの!?」

 

フェイ:「っ! 煩い!!」ドガアッ!

 

天馬:「うわぁっ!!」

 

天馬はフェイの激しいチャージングで吹き飛ばされボールを奪われる。フェイがドリブルで攻め上がってくる。

 

レイ:「相手の攻撃を確認。ディフェンスに入る」

 

フェイ:「ピノ!!」

 

しかしフェイの背後から上がってきていたピノにバックパス。レイの意識の外から抜き去った。

今度はピノがドリブルで上がり、ユウチにパスを出す。

 

トーブ:「行かせねぇーぞっ!!」

 

ユウチ:「調子に乗るな!! [デコイ・リリース]!!」

 

ここでユウチは必殺技を発動。誘致の分身が数体現れ、こちらの視覚を惑わした隙に分身と共に駆け上がって突破する。

 

ユウチ:「フェイ!!」

 

そしてユウチから中に走り込んていたフェイにクロスボールが上がる。すると、

 

フェイ:「"ミキシトランス:ビッグ"!!」

 

何とフェイはここでビッグの力を使用。あの野郎仕返しか・・・

 

フェイ:「[真・王者の牙]!!」

 

ロックスターの雄叫びと共に、フェイのシュートが放たれる。信介は化身アームドを発動する。

 

信介:「絶対に入れさせない!! 【護星神タイタニアス・零式】!! アームドッ!!」

 

そして化身アームドを果たした信介は、王者の牙を正面からキャッチする。

 

信介:「ぐっ、ぅぅうぁあぁああ・・・っ!!」

 

しかし化身アームドの力が完全に押されている。そしてフェイのシュートは信介を吹き飛ばしてゴールに突き刺さった。

 

矢島:「ゴーーール!! フェイ・ルーンのミキシシュートが、エルドラドゴールに突き刺さったぁあぁああーーーっ!!!」

 

竜太:「大丈夫か信介!!」

 

信介:「平気だよこのくらい・・・まだやれる!!」

 

デッキ:「あのキーパー立ちやがった・・・」

 

フェイ:「まあ、彼だったら立てるだろうね・・・」

 

ユウチ:(そうか・・フェイは俺たちの誰よりもアイツらを知ってるんだ・・・・記憶は戻ったが、アイツらと一緒にいた時を忘れた訳じゃ無いから・・)

 

矢島:「さぁーー、同点に追いつかれたエルドラドボールで試合再開だぁーーっ!」

 

そしてエルドラドボールで試合再開。ボールは天馬に渡り、そこにフェイがディフェンスに来る。

 

フェイ:「行かせないよ!!」

 

天馬:「くっ、せつ菜先輩!!」

 

ボールはここでせつ菜先輩に繋がった。

 

せつ菜:「ナイスパスです!!」

 

しかしここでガルの中で2番目に巨漢のタクジがディフェンスに来る。

 

タクジ:「ここで止めてやる!!」

 

せつ菜:「どんな敵が相手だろと、私は・・私達は諦めません!! [スカーレットスターダスト・Gx]!!」

 

せつ菜先輩の必殺技が紅色に輝く星屑の道を作り出し、そこを超スピードで駆け抜けるせつ菜先輩。しかしすぐにピノがカバーに来たので、

 

せつ菜:「天馬くん!!」

 

ここで天馬にパスを返す。ボールを受け取った天馬がドリブルで上がると、フェイが再びディフェンスに入る。

 

天馬:「っ! フェイっ!」

 

フェイ:「・・・諦め悪いね」

 

天馬:「俺は絶対に諦めない!! [爆・アグレッシブビート]!!」

 

天馬が身体能力を瞬間上昇させてスピードで抜こうとするが、フェイは抜く瞬間にタックルをぶちかまして天馬を吹き飛ばしてボールを奪い取る。

 

フェイ:「デッキ!!」

 

ここでボールは前線のデッキにロングパスされる。パスが繋がった所にメダムがディフェンスに入る。

 

メダム:「止めっ・・・!? 「邪魔だ・・ ドガァアァアッ!!」うわぁあぁああっ!!」

 

メダムはデッキの蹴ったボールに吹き飛ばされてフリーのシュートチャンスにされてしまう。

 

デッキ:「[スプリングアロー]!!」

 

跳びあがったデッキの両足からバネの反発力でシュートが撃ち出される。信介は今度はミキシマックスを試す。

 

信介:「"ミキシトランス:劉備"!!」

 

信介はミキシマックス技を放つ。

 

信介(劉備Mix):「[真・大国謳歌]!!」

 

水墨画の様な空間から、巨大な岩石の手がシュートを掴み取る。しかしシュートはそれをあっさりと砕き、ゴールに突き刺さった。

 

 

エルドラド03 1 ー 2 ガル

 

ー 続く ー



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第148話:ザナーク・アバロニク帰還

アニヶ咲2期の3話に彼方ちゃんのお母さん出てた。

将来のお義母様だから挨拶しないと(笑)

というかたぶん遥ちゃんは父親似何でしょうね。一人だけ外見雰囲気違いましたし。
お義母さんも彼方ちゃんも母性の塊ですね~・・・・近江姉妹の幼なじみとして生まれたかった(チクショウ)

さてと、一割の冗談はさておき始まります!!


デッキの必殺シュートを、ミキシトランスを発動した信介が必殺技で迎え撃つも弾き飛ばされてシュートはゴールネットに突き刺さり1ー2と逆転されてしまう。そしてエルドラドボールで試合再開。

 

矢島:「さぁーーっ!! エルドラドボールで試合再開です!!」

 

そして再開のホイッスルが鳴り、ボールは侑に渡ってドリブル突破を仕掛ける。そこにヨッカがディフェンスに入る。

 

ヨッカ:「お前なんかに抜かれるものか!!」

 

侑:「そうかな? さっきは初見で遅れを取ったけど、2度は無いよ!!〈天帝の眼(エンペラーアイ)〉!!」

 

発動された侑先輩の"眼"が相手の身体の細かな動きから相手の行動の未来を見通す。ヨッカはアッサリと股を抜かれて突破される。

 

ヨッカ:「何だと!?」

 

ローコ:「このっ!!」

 

ここでローコがディフェンスに入る。しかし先程から予想外の事が続いているせいか頭に血が登っているのが見て取れる。そんな相手の方がこちらとしてはやりやすい。

 

侑:「・・・・っ!! 」ギュン クルンッ!!

 

ローコ:「!?」

 

今度は鮮やかなルーレットで抜き去った侑先輩。ここでレイザにパスを出す。が、

 

カズチ:「甘い!!」

 

カズチにパスをインターセプトされてしまい、カウンターのロングボールがピノに飛ぶ。

 

天馬:「止める!! [ワンダートラップ・Z]!!」

 

ここで天馬のディフェンス技が最終進化。ピノからボールを奪い返す事に成功する。

 

天馬:「竜・・「させないよっ!! ドカァッ!!」うわぁああぁあぁああっ!!」

 

しかしここでフェイが追いついて横からのタックルでボールを奪い返し、ドリブルで攻め上がってくる。

 

フェイ:「デッキ!!」

 

ここでボールはFWのデッキに渡る。そして化身を発動し、アームドする。

 

デッキ:「【召雷の青龍】!! アームド!! 喰らいやがれっ!!」

 

ドガァアァアアァアアンッ!!

 

デッキの放った弾丸の様なシュートが襲い掛かる。

 

ここで霧野先輩が再びミキシトランスを発動してシュートブロックに入る。

 

霧野:「"ミキシトランス:ジャンヌ"!! [ラ・フラム・G4]!!」

 

霧野先輩の炎の壁がシュートを阻むがアッサリと貫通してゴールに迫る。

 

信介:「これ以上入れさせない!! 【護星神タイタニアス・零式】!! アームドッ!!」

 

ここで信介は化身アームドを発動し、シュートをキャッチしようとするが、それでも流石というべきか、信介もろとも、ボールはゴールに叩き込まれた。

 

天馬:「っ!! 2点差・・・・「もう諦めたら?」っ! フェイ・・・」

 

フェイ:「それが古い人間の限界さ。君たちはどうやっても僕たちには勝てない。竜太は・・・彼が異常なんだよ君たちじゃあ彼には追いつけないよ「っ、フェイ・・・それでも、俺は絶対に諦めない!!」・・・しぶといね」

 

そしてまたエルドラドチームのキックオフから試合再開。

 

しかし再開直後に再び天馬とフェイの一騎打ちになる。前半の残り時間はもう殆ど無い。

 

フェイ:「まだやるの?」

 

天馬:「フェイ!! 本当に忘れちゃったの!? 俺たちは一緒に色んな時代を周って、色んな人と出会った。中には、力は無くても"強い意志"を持った人、人々のためにと動いた"優しい人"、色んな人がいた!! それを知った今のフェイは、胸を張ってこれが自分のやりたい事だって言えるの!!」

 

フェイ:「っ!! ・・・ぅうう「絶対に負けない!![超・アグレッシブビート]!!」っ!! させるかっ!!」

 

ドガアッ!!

 

天馬:「うわぁあぁああっ!?」

 

そして天馬が倒れたところで、前半終了の笛が鳴った。

 

ー ハーフタイム ー

 

天馬:「負けられない試合なのに・・・・」

 

霧野:「奴らのパワーが強すぎるんだ・・」

 

レイ:「こちらのペースに乗せる決定的な勢いが足りない・・・」

 

そしてチームメンバーがうつむこうとした瞬間、

 

?:「やはり俺様の力が必要な様だな!!」

 

声のした方を見た。すると、スタジアムのエンブレムの所にザナークが堂々と立っていた。

 

天馬:「ザナーク!?」

 

ザナーク:「おっと、俺はザナークであってザナークにあらず!! あの後、俺は様々な時代を周って特訓してきたのさ!! 俺の中の暴れ馬を乗りこなす為にな!! 石のジジイ、お前との約束守ってやったぜ!!」

 

大介:「んん? つまりお前は、時空最強の力にふさわしい力を身に着けて戻ったと言うんだな?」

 

ザナーク:「ああ!! 後半は俺を出してもらう・・FWとしてな!!」

 

豪炎寺:「分かった。レイザ、交代だ」

 

レイザ:「っ・・・分かりました」

 

竜太:「で? 何とミキシマックスしたんだよ?」

 

ザナーク:「おっと、やはり知りたいよなぁ? だが今はお預けだ。まぁ名前は言ってもお前たちには分からない筈だから教えてやろう。"クララ・ジェーン"それがヤツの名だ」

 

せつ菜:「そんな名前の歴史上の人物なんていましたっけ?」

 

竜太:「おい、そろっと後半始まるぞ?」

 

エルドラドチーム03

メンバーチェンジ

 

レイザ out → in ザナーク

 

FW    竜太   ザナーク

 

MF  せつ菜  天馬    侑

 

ボランチ     レイ

 

DF トーブ 霧野  メダム 彼方

 

GK       信介

 

矢島:「いよいよ後半戦の開始です!!」

 

そして、後半開始の笛が鳴った。

 

 

 

エルドラド03 1 ー 3 ガル

 

ー 続く ー




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第149話:竜太のSSC対抗策 "オーラスキン"

ザナークが帰還してレイザと交代でピッチに立つ。ちょっとコイツと一緒にやってみたい気もしてたから俺としては全く問題は無し!!

 

そしてガルボールから後半戦開始。ガルは上手いパス回しボールを繋ぎ、前線のデッキへとボールを渡す。

 

霧野:「これ以上やらせるか!!【旗騎士ブリュンヒルデ・参式】! アームドッ!!」

 

するとこのタイミングで霧野先輩は化身アームドを成功させ、上昇したスピードからのスライディングでボールを弾いた。

 

霧野:「高咲!!」

 

そしてボールは侑先輩に繋がるが、

 

ローコ:「邪魔よっ!!」ドガアッ!!

 

侑:「うあっ?! 痛っ!〜っ!!」

 

ローコが後ろからタックルを仕掛けてボールを奪い取った。何気に審判から見えないように上手く隠してる。

 

ローコ:「フェイ!!」

 

そしてボールはフェイに渡りダイレクトでシュートを放つ。

 

フェイ:「これで終わりだぁっ!!」ドカアッ!!

 

ザナーク:「そいつはどうかなっ!!」ドシュルルルルルルル・・・

 

何とザナークは身体でシュートの勢いを完全に受け止めて止めてしまった。

 

天馬:「ザナーク!!」

 

ザナーク:「フッ、上がれ!!」ドカアッ!!

 

そしてザナークからの前線への大きなロングパス!! それと同時にパスを出した本人も猛スピードで駆け上がる。

 

パスは侑先輩に渡るが、ヨッカにスライディングで奪い返される。が、すぐにここまで上がってきていたザナークがインターセプトする。ってか速ぇえ!!

 

ザナーク:「さぁ、俺様のパワーアップまでの話をしてやろう」

 

ヨッカ:「このっ!!」

 

ザナークは話しながらガルのディフェンスをヒラヒラと余裕で躱し、最終的に4vs1になったのにも関わらずボールをキープする。しかも喋りながら・・・結論から言うと、ザナークのミキシマックスした"クララ・ジェーン"とは、人類史上最悪と言われる程の被害を出した巨大台風のことらしい。

 

というか相手が生き物でなくてもミキシマックスできるんだ・・・・試合に戻すと、ザナークはガルのディフェンス4人に囲まれている。ボールはザナークが持っている。タイミング的にはここだな。

 

ザナーク:「弱いやつ程よく吠える・・だが知ってるよな? 俺は強いがよく吠える・・究極に強くなった俺は、吠えて吠えて吠えまくるぜぇえええーーーっ!!! "ミキシトランス:スーパーザナーク"!!」

 

そしてザナークはミキシマックスを開放。荒々しくもしっかりと自身の力をコントロールできていた。

 

ザナーク(CジェーンMix):「ザナーク改めスーパーザナーク!! これからは俺をそう呼べ!!」

 

瞬間、ザナークは一気に加速!! そのスピードでガルのディフェンスを4人まとめて置き去りにする。

 

カズチ:「行かせるか!!」

 

天馬:「ザナーク!! こっちだ!!」

 

ザナーク(CジェーンMix):「ほらよ!!」

 

天馬:「ほっと、ザナーク!!」

 

天馬とザナークのワン・ツーパスでカズチを抜き去り、ザナークはシュート体勢に入る。

 

ザナーク(CジェーンMix):「今ここに再誕する・・[グレートマックスなオレ]!! スーパァアアァアアーーーッ!!

 

ザナークの荒れ狂う暴風と雷を纏ったとんでもないパワーのシュートがガルゴールに襲い掛かる。

 

チェット:「くっ、【白尾神タマズサ】!! [ー シキガミラインズ ー]!!」

 

チェットの化身技が鼠算式にどんどんシュートを受け止めていくが、全て呆気なく吹き飛ばされ、チェット諸共轟音と共にゴールへと叩き込まれた。

 

矢島:「ゴーール!! ザナーク新必殺シュートで1点差に詰め寄ったぁああーーっ!!!」

 

チェット:「クソっ!!」ガンッ!

 

悔しさのあまり地面を殴るチェット。あんまし人をナメてるからだ。

 

そしてガルボールで試合再開。ボールはフェイからFWのユウチへと渡り、ユウチは化身を発動する。

 

ユウチ:「【豪雪のサイア】!! [ー アイシクルロード ー]!!」

 

だが、ユウチの化身シュートにトーブが立ち塞がる。

 

トーブ:「オラも化身アームドしてやっぞ!! 【太古の戦士ジャガウォック・零式】!! アームドッ!!」

 

するとトーブは一発で化身アームドを成功させてシュートを真上に蹴り飛ばす。

 

信介:「ナイストーブ!!」パシッ!!

 

矢島:「止めたぁああぁああーーーっ!! トーブが化身アームドでユウチのシュートを防いだあっ!!」

 

ガル:『『『!?』』』

 

信介:「天馬!!」

 

そしてボールは天馬に渡る。

 

 

SARU:(フェイ、聴こえるか?)

 

フェイ:(SARU?)

 

竜太:(ん? 予感が的中しそうだな・・・なら、)

 

俺は気づかれない様に化身のオーラを、化身を発動させない程度にオーラのまま自身の身体を覆う様にコーティングする。アームドとは違うけど同じ様な要領でやったら上手くいったな・・・

 

SARU:(君が本当に僕達のもとに戻ったのかを確認しておきたいんだ・・・)

 

フェイ:(・・・分かったよ。)

 

その瞬間、フィールドのエルドラドチームのメンバーが苦しみだす。

 

豪炎寺:「なっ!? 何だ!! 「イカン念動波だ!!」念動波だと!?」

 

ワンダバ:「セカンドステージチルドレンの能力の1つ、相手の脳にプレッシャーを与える精神攻撃だ!!このままでは天馬たちが壊されてしまうぞ!!」

 

豪炎寺:「何だと!? 一体誰が・・「恐らくフェイだ!!」フェイが!?」

 

 

その頃、試合を見ていたトウドウたちは、

 

トウドウ:ガタッ「っ!!」

 

サカマキ:「トウドウ!! これは明確なルール違反だ!! 力を使わないというのは、奴ら自らコチラに提示した条件だったはずだ!!」

 

トウドウ:「やはりセカンドステージチルドレンは、この世界の異分子だ!!」

 

 

〜 フィールド 〜

 

天馬:「や、止めてくれフェイっ! うあぁっ!! くっ、こんなぁあぁあっつ、」

 

フェイ:「ぼ、僕は天馬たちの敵なんだ!! 皆行くぞ!!」

 

ガルのメンバーがこちらが動けない間にボールを持って攻め上がってくる。が、

 

フェイ:「ピノ!!」

 

ボールがピノに渡る瞬間、

 

レイ:「・・・・」バシッ!!

 

レイ・ルクがパスをカット。どころか念動波の影響を受けてない様だ。

 

ローコ:「なっ、何でアイツには効かないの!?」

 

フェイ:「そうか!! レイ・ルクはアンドロイドだから!!」

 

なるほど、ロボットには生物的な脳が無いからそもそも念動波は効かないってことね。

 

レイ・ルク:「パーフェクトカスケイドは常に最善の選択をする。"ハイパーダイブモード"」

 

ここでレイ・ルクは〈ハイパーダイブモード〉を使用。全パラメータを上昇させて1人で攻撃に出る。

 

フェイ:「くっ、チェット!!」

 

レイ:「【人工化身プラズマシャドウ・零式】アームド」

 

そしてレイ・ルクのアームドシュートが放たれるが、

 

チェット「【白尾神タマズサ】!! [ー シキガミラインズ ー]!!」

 

やはり簡単に止められる。となるとここから奴らはレイ・ルクを破壊か機能停止にさせるために攻撃するだろう。・・・そろそろ良いかな?

 

チェット:「ピノ!!」

 

そしてボールはピノに渡る。ピノはやはりレイ・ルクに向けて思い切りシュートを放つ。

 

ピノ:「オラッ!!」

 

?:「おいおい、動けるのがレイ・ルク1人だなんて誰が言った!!」

 

ガル:『『『!?』』』

 

矢島:「何と!? 大海竜太がボールをカットした!! 動けるのか!?」

 

ローコ:「な、何で!? フェイ?!」

 

フェイ:「違う!! 僕はちゃんと出してる!!」

 

ヨッカ:「ならなんで・・・」

 

竜太:「やれやれ、お前らのその力の元になったのは俺の化身なんだろ? つまり、力の波長が近いってことだ。なら話は簡単だ、化身オーラを身体にコーティングしてやれば、お前らの力は俺まで届く前に中和されて消えるってわけだ!!」

 

SSC達:『『『『何っ!?』』』』

 

フェイ:「そんなのいつ?!」

 

竜太:「いや、お前さっき立ち止まってあの白髪ゴーグルの方を見たよな? その時に何かあるなと思ったぜ」

 

フェイ:「っ・・・何なんだよ、全部お見通しか!!」

 

竜太:「ふんっ、お前らの浅知恵なんざお見通しだ!!」

 

そして俺は一気に攻め上がる。ガルのメンバーは次々と止めに入るが、全くボールに触れない。

 

ピノ:「どうなってんだコイツ!!」

 

フミータ:「任せろ!! [エアーバレット]!!」

 

フミータの作った空気の弾丸が飛んでくるが、それを当たる瞬間にルーレットで躱して、

 

竜太:「[ライトニングワープ・Gx]!!」

 

超スピードのドリブル技で一気に抜き去りキーパーと1vs1。

 

チェット:「くっ、こいっ!!」

 

竜太:「行くぜぇっ!![ラストリゾート・Z]!!」

 

そして俺は通常状態での個人最強シュート技の[ラストリゾート]を放つ。フィールドを破壊しながら、圧倒的なパワーの龍が牙を剥く。

 

チェット:「【白尾神タマズサ】!! [ー シキガミラインズ ー]!!」

 

チェットの化身技が俺のシュートを受け止めるが、チェットはシュートに弾き飛ばされてゴールネットへとボールは突き刺さった。

 

そして、ついに同点に追いついた。ガルのメンバーたちはその俺を軽く恐怖を覚えたような瞳で見ながら、少し震えていた。

 

 

エルドラド03 3 ー 3 ガル

 

ー 続く ー




今回竜太くんの使った化身オーラのコーティングの元ネタはブラッククローバーのマナスキンです。

周囲のマナを、身体に覆った自身のマナで中和できるという技術で、
【ブルーヒドラ】の力がSSCの力の先祖ならば当然力の波長が近いと思い、同じことができるのでは?と思い使わせて頂きました。当然ながらこれはSSCの力とは関わりがない【ペガサスアーク】や【ランスロット】には不可能です。

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第150話:正体

皆がフェイの出す念動波で苦しむ中、奴らの力の起源から俺にのみ使える対抗策、"オーラスキン"を使って念動波を中和して無効化した俺は奴らからボールを奪い取り[ラストリゾート]を叩き込んで同点に追いつく。動けるのは俺とレイ・ルクだけ。この試合果たしてどうなるのか。

 

 

ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー

 

矢島:「さぁーーっ!! ラグナロクもいよいよクライマックス!! 同点に追いついたエルドラドチーム03、このまま逆転できるのかぁーーっ!!」

 

そして試合再開のホイッスルが鳴る。依然としてフェイの念動波でチームメンバーは苦しんでいる。っていうか当たり前だが彼方も餌食になってんじゃん!? よし、○そう。

 

ピノ:「ローコ!!」

 

ローコ:「フェイ!!」

 

そしてボールはフェイに渡り、俺との一騎打ちになる。俺はおもくそタックルをフェイにブチかましてフェイに圧力を掛ける。するとフェイは一瞬仰け反り、その隙に奪い取る。

 

ヨッカ:「フェイが仰け反った!?」

 

デッキ:(古い人間のくせにどんな馬鹿げたパワーしてやがんだ!?)

 

そして俺はドリブル突破を仕掛けようとする。

 

SARU:「くっ、まさかあんな・・なら、(フェイ、もう手段を選んでる場合じゃない!! 大海竜太を脅せ!! 近江彼方を潰すとな!!)」

 

フェイ:(っ!! それは!!)

 

SARU:(やるんだ!! そうしないとマズイ!!)

 

フェイ:「っ、竜太!! 止まれ!! 彼方さんの念動波を強めるよ!!」

 

彼方::「っ!?」

 

名指しされた彼方はビクッと身体を震わせて怯える。・・・へぇ?

 

俺は止まると、ボールを蹴りながらフェイに近寄る。俺にそんな口を聞いた時点でコイツの運命は決まった。

・・・・ブッ○す。

 

俺が近づいた事でフェイがボールを奪おうと接近した瞬間、

 

竜太:「・・・・・・」シュンッ

 

フェイ:「!! ボールが消えたっ・・・へ?」

 

フェイが気づいたときにはボールはフェイの腹にめり込んでおり、衝撃が後から伝わり・・・・

 

ドグシャァああぁあああっ!!!

 

フェイ:「ぐぁあぁあぁああぁああっ!!?!?」

 

フェイは後方に数メートル宙を舞ってふっ飛ばされ、ダメージのせいかピクリとも動かない。

 

タクジ:「フェイ!?」

 

ユウチ:(セカンドステージチルドレンの俺たちに動けなくなるほどのダメージを負わせるとか、どんなキック力してやがんだコイツ!!)

 

フェイ:(ぅ、うぅうぅ・・・)

 

天馬:「っ!? 念動波が消えた!! 竜太!!」

 

竜太:「天馬!!」

 

そして天馬にボールを渡して攻勢に出る。そしてここでフェイが立ち上がった。

 

SARU:(フェイ!! やれ!!)

 

支援者X:「フェイ!! 指示を聞くな!!」

 

フェイ:「えっ!?」

 

SARU:「何を言ってるのかな・・・?」

 

支援者X:「これ以上フェイにこんな卑劣な真似はさせない!!」

 

フェイ:「ど、どうすれば・・・」

 

二人の間に板挟みに遭い揺れるフェイ。天馬が持っていたボールはフミータに弾かれて空中へと飛び、それを俺とローコが競り合いに跳ぶ。が、ここで試合終了のホイッスルが鳴った。

 

何と3ー3で引き分け。1勝1敗1分けで決着が付かなかった。

 

天馬:「えっ、どうなるのこれ・・・・」

 

 

 

SARU:「何かつまんない結果になっちゃったね」

 

トウドウ:「SARU!!」

 

SARU:「もう一試合しようよ。今までに出たメンバーも選出OK。お互いに最強メンバーを出しての戦いだ。フェーダからはボクのチーム、"ザ・ラグーン"が出る」

 

サカマキ:「いよいよフェーダ最強チームが出てくるのか!!」

 

トウドウ:「良いだろう。次の試合で全てを決める」

 

SARU:「決まりだね」

 

トウドウ:「直ちにコチラも最強メンバーの編成を!!」

 

 

もう一試合か・・・ってことはいよいよ揃った時空最強イレブンの出番か。ザナーク含めて。問題は・・・

 

俺が見たフェイはフラフラとフィールドを出ていくところだった。急いで天馬が追いかけようとするがガルの奴らに止められてしまう。はぁ、

 

竜太:「天馬〜準備しろ「え?」[ライトニングワープ]!!」

 

俺がSSCでも追いきれないスピードでガルの奴らを突破すると、風圧で全員吹き飛ばされる。その間に天馬たちはフェイのところへと走った。

 

デッキ:「い、一体何なんだアイツ!? いくらなんでも異常だろ!!」

 

とかなんとか言ってたヤツがいたとかいなかったとか。

 

スタジアムエントランスに着くと、支援者Xとフェイが一緒にいた。

支援者Xは被っていたそのフードを取ると、フェイと似た緑色の髪をした大人が姿を現した。

 

支援者X:「私の本名は、"アスレイ・ルーン"。フェイ、お前の父親だ」

 

それを聞いた俺たちは驚愕で言葉が出ない。支援者Xがフェイの父親!?

 

フェイ:「で? だから何? 今日は偶々僕を助けたい気分だった・・そんなとこ? 今更なんだよ!! 僕が怖くて捨てたくせに!!」

 

アスレイ:「違う!! 私は、エルドラドの幹部として自分が築いた地位を失う事を恐れたんだ。お前が恐かったわけじゃない!! だから私は支援者Xとしてフェーダに入り、お前を見守っていたんだ!!」

 

フェイ:「今更何都合の良い事言ってるんだ!!」

 

あの〜揃っとこちらの方達を止めるの誰か手伝ってもらえませんかねぇ!? 母さんたちを抑えるので手一杯なんだけど!!

 

その時、

 

黄名子:「フェイ!! 何聞き分けの無いこと言ってるやんね!!」

 

フェイ:「なっ、何だよ・・黄名子には関係ないだろ!!」

 

黄名子:「関係なら大有りやんね!! フェイは・・ウチの子供やんね!!」

 

・・・・・は?

 

全員:『『『『えぇえぇええぇえぇえええっ!!?!?!!?!!?』』』』

 

とんでもない事実が明らかになろうとしていた。

 

 

ー 続く ー




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第151話:菜花黄名子

もう少しで円堂と龍也が復活です。

では、今回もどうぞ!!


ラグナロク3回戦が引き分けに終わり明日フェーダのリーダーであるSARU率いる最強のチーム、"ザ・ラグーン"との試合となる。が、試合の後でフェイを追いかけた俺たちはフェイの父、アスレイ・ルーンさんと邂逅する。

言い争うフェイとアスレイさんだったが、黄名子の一喝によりフェイがたじろぐ。そして・・・

 

黄名子:「フェイは、ウチの子供やんねっ!!」

 

全員が驚愕した瞬間だった。

 

天馬:「フェイが・・・黄名子の子供!?」

 

アスレイ:「ああ。彼女・・黄名子は、私がタイムマシンを使って君たちと同年代の頃の時代から連れてきたフェイの母親だ・・・」

 

フェイ:「っ!! 黄名子が・・・僕の!?」

 

アスレイ:「私はフェーダに潜り込んでからフェイが過去に飛んだとき、フェイを見守る役を誰にしようかと悩んだ。私は、SARUを野放しにするわけには行かなかったから・・・だから・・・・」

 

 

〜 未来・20年前の時代 〜

 

アスレイ:「頼む!! 私達の子を、フェイの為に引き受けてくれないか!!」

 

黄名子:「そう言われても・・・ウチはまだ結婚もしてないし・・・それなら未来の私にお願いしたほうが・・・」

 

アスレイ:「・・・可能ならばそうしているさ。だが、もうそれは未来永劫かなわないんだ・・・」

 

黄名子:「・・・・今の反応で分かった。もうそっちの時代に私は生きてないやんね・・「ああ・・・・そうだ」」

 

アスレイ:「だからこそ、"今の"君に頼んでるんだ。君とフェイのタイムルートは、決して交わることはない。だが、君とフェイは母と子として深い繋がりを持っている。頼む。君にしかできないんだ!!」

 

黄名子:「分かったやんね。じゃあ、フェイがどんな子なのか教えて?」

 

〜 未来時代・現在 〜

 

黄名子:「お父さんだって、あなたと離れて平気だったわけじゃない!! あなたはずっと、お父さんとお母さんに見守られてたんよ!!」

 

フェイ:「黄名子はそれで僕の化身の事も知ってたんだ・・・・」

 

黄名子はそっと頷いた。

 

フェイ:「でも・・・今更戻れないよ!! 天馬たちを・・・僕を信じてくれた皆を裏切ったんだ!! 今更・・・「そんなことないよ!!」っ! 天馬・・・」

 

天馬:「フェイがセカンドステージチルドレンだって、そんなことは関係無いよ!! 今まで俺たちが一緒にやってきた事実は絶対に消えない。 フェイがどういう奴か何て俺たちは分かってるよ!!」

 

神童:「ああ!! お前は俺たちの仲間だ。これまでも、そしてこれからも!!」

 

愛:「そんな難しく考える必要無いって!! もっと自分のやりたいようにやっても良いんじゃない?」

 

かすみ:「愛先輩は奔放すぎる気がしますけど・・・」

 

愛:「かすかす〜? 「かすかすじゃなくてかすみんですぅっ!!」」

 

エマ:「フェイ君のことは、私達だって分かってるんだよ? 多分だけど、一緒に旅してきて、今と昔じゃあ考えが変わったから辛かったんでしょ?」

 

果林:「でもショックはショックだったのよ?」

 

しずく:「フェイさんの帰ってくる場所はちゃんとありますよ?」

 

フェイ:「皆・・・・」

 

天馬:「帰ってきてよ!! フェイ!!」

 

フェイ:「本当に・・・良いの?」

 

竜太:「さっきの試合で彼方にしようとしたこと謝ったらな?」

 

せつ菜:「確かにそれは謝らないとですけど今言います?」

 

フェイ:「皆・・・ゴメン・・僕を、また仲間に入れてくれる?」

 

雷門:『『『当然!!』』』

 

フェイ:「あ・・ありがとう。竜太、彼方さん、ごめんなさい・・・」

 

彼方:「男の子がそんなメソメソしないの! うりゃうりゃ〜!」

 

彼方がフェイの髪をワシワシとクシャクシャにしている。フェイは泣きながら笑ってされるがままになっていた。

 

・・・ったく、世話が焼けるな。

 

竜太:「お帰り。フェイ」

 

アスレイ:「ありがとう。天馬くん、竜太くん」

 

果南:「アスレイさん? フェイくんの事、同じ親として許した訳じゃ無いですからね?」

 

アスレイ:「分かってます。あの子に辛い思いをさせた罪は、私が一生を賭けて償わないといけないことですから」

 

千歌:「・・・・ちゃんと分かってるみたいだからこの人はもう心配いらないんじゃない?」

 

ことり:「そうだね〜」

 

フェイ:「そうだ、天馬・・・後で合流するから少しだけ待っててくれないかな? ちゃんと戻るから」

 

天馬:「えっ、・・・分かった。しっかりね?」

 

フェイ:「ああ!!」

 

そして、フェイはフェーダの控室に繋がるとワープパネルに乗り消えた。そして2時間後、青いクロノ・ストーンを持って帰ってきた。そしてエルドラドが最終戦に備えてと、自分たちで持っていた紫色のクロノ・ストーンを返してきた。

 

ここに、親父と円堂監督のクロノ・ストーンが揃った。

 

竜太:「肝心なこと忘れてた・・・クロノ・ストーン化された人間ってどうやって戻せば良いんだよ?「それはワシに任せろ!!」アルノ博士!!」

 

久々に見たなこの爺さん・・・。

 

璃奈:「戻せるの?」

 

アルノ:「な〜に、多重時間理論の第一人者であるワシに掛かれば、クロノ・ストーン化された人間を元に戻すなぞ、朝飯、昼飯、晩飯前じゃ!!」

 

マジか・・・本当に凄い人だったんだな・・正直疑ってた。

 

アルノ:「では明日試合前に2人を元に戻すとしよう。お前さんたちも最後の試合は円堂守と大海龍也に監督とコーチをやってもらいたいじゃろ?」

 

さすがよく分かってんじゃん!!

 

雷門:『『『はい!!!』』』

 

豪炎寺:「松浦、大海兄妹、もうじき父親が帰ってくるぞ。良かったな」

 

果北:「うっ、ぅう・・・パパ・・・早く会いたい・・」

 

果南:「私も会いたいよ。けど、もうちょっとの我慢ね?「うん・・・」」

 

そして、次の日・・・いよいよ本当の最終決戦が始まる。

 

 

ー 続く ー




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第152話:監督たちが帰ってきた

短い様で長く感じたラグナロクもいよいよ最終決戦。試合を1時間後に控えた俺たちはアルノ博士に親父と円堂監督のクロノ・ストーンを託し、2人の復活を見守っていた。

 

しかし、ここで博士の操作する機械からけたたましいアラート音が鳴る。本当に大丈夫なのかと思っていると、水鳥さんが出力低下しているという機材を思い切り蹴り飛ばした。

 

すると危険を報せるような音が鳴ったかと思ったら機材が爆発を起こした。煙が立ち込める中、2つのクロノ・ストーンをセットしていた場所を見ると・・・一瞬人影が!!

 

龍也・円堂:「「オッス!!」」

 

遂に、円堂監督と親父が帰ってきた。

 

天馬:「やった!! 円堂監督と大海コーチが帰ってきたぞ!!」

 

俺たちが喜びに湧いている中、

 

龍也:「果南、竜太、果北・・・ただいま」

 

母さんと果北はボロボロと涙を溢して父さんに縋り付くように抱きつく。果北は「パパッ、パパぁ・・・っ!!」と嬉しさの余り声を漏らす。

 

龍也:「心配を掛けたな・・・」

 

果南:「本当だよ・・・お帰りっ!!」

 

竜太:「オヤジお帰り」

 

龍也:「ただいま。今日の試合、お前の成長を見せてもらうぞ」

 

ザナーク:(? この声・・・・)

 

龍也:「? フッ」

 

ザナーク:「おお!! あの時の声は大海龍也だったのか!!」

 

竜太:「あの時?」

 

ザナーク:「ああ!! 俺がクララ・ジェーンとミキシマックスした時だ。その時はその石を持ってはいなかったんだが、感覚がずっとここに残ってたんだ」

 

ザナークは「ここ」と言いながら自分の心臓部分(ハート)を指す。

 

龍也:「お前ならできると思ってた。今日の試合で見させて貰うぞ」

 

ザナーク:「そう言うと思ったぜ。楽しみにしてな」

 

すると、部屋の扉が開き、アルファ、ベータ、ガンマの3人が入ってきた。

 

アルファ:「今日の試合、我々はお前たちにすべてを任せる事になった。 ・・・松風天馬、私達のサッカーを守ってくれ」

 

天馬:「っ!! アルファ!!」

 

ベータ:「アルファが議長にあなた達に任せてくれと必死に説得するものですからね〜?」

 

ガンマ:「ま、僕に勝ったキミたちならやれるだろう・・・頼んだぞ?」

 

コイツら・・・ここまで言われちゃやるしかねぇな!!

 

竜太:「ああ!! 任せろ!!」

 

龍也:「竜太、お前はベンチスタートだ。いきなり切り札は切れないからな」

 

竜太:「・・・分かった」

 

大介:「さて、時空最強イレブンも揃ったことだし、このイレブンの名前を決めねばな。いつまでも時空最強イレブンとは言えんからな」

 

せつ菜:「ならば私が!! このチームは、様々な時代や場所の人たちを、それこそ嵐のように巻き込んで、惹きつけて絆を増して強くなってきました。ですので、時空の嵐"クロノ・ストーム"何てどうでしょうか!!」

 

侑:「" クロノ・ストーム"・・すっごく良いよせつ菜ちゃん!!」

 

大介:「うむ。皆異論は無いか?」

 

こんな素晴らしい名前をつけられたら文句などあるはずもなかった。

 

大介:「よし、時空最強イレブン改め"クロノ・ストーム"、監督は円堂守、コーチは大海龍也で最終戦を闘う!!」

 

雷門:『『『はい!!!』』』

 

〜 フィールド 〜

 

矢島:「さぁ〜っ!! 長かったラグナロクもいよいよ最終戦!! 勝利して世界の実権を握るのは果たしてエルドラドか? それともフェーダか? 注目の試合は間もなくキックオフだーー!!」

 

フェイ:「SARU・・・」

 

SARU:「フェイ・・・」

 

そして両チームがフィールドに出る。

 

ザ・ラグーン

 

GK       ホス

 

DF  シープ  ダク  ハムス

 

ボランチ  オム ニケ ピグ

 

MF ギリス        メイア

 

FW    イムス  SARU

 

クロノ・ストーム

 

FW    剣城   ザナーク

 

MF  侑    天馬    愛

 

ボランチ   神童  フェイ

 

DF  トーブ  霧野  黄名子

 

GK       信介

 

SARU:「試合の前に・・・・"始めろ"」

 

すると、スタジアムの上側に並んでいたSSC達が一斉に力を使う。すると、スタジアムが念力で持ち上がり、どんどん上へと上がっていく。

 

神童:「な、何だ!?」

 

矢島:「何ということだーーっ?! スタジアムがどんどん上に上がっていくぞーーーっ!!」

 

天馬:「何をする気だ!?」

 

するとSARUは懐から銃のような物を取り出して真上へと弾を放つ。すると空に穴が開き、スタジアムはその中へと飲み込まれる。

 

愛:「な、何ここ!?」

 

ワンダバ:「ワームホールの中だ!!」

 

フェイ:「アンプルガンを使ったんだ!! SARUは、あれで空間に穴を開けて、僕達をワームホールの中に引きずり込んだんだ!!」

 

侑:「ええっ!?」

 

剣城:「そんなことまでできるのか!?」

 

SARU:「残念だったね? おじさんたち?」

 

? どういうことだ?

 

SARU:「おじさんたち、もしもこの試合で負けたら、僕達をガスで眠らせてそのスキにワクチンを投与しようとしてたでしょ? 誰が情報提供したかは知らないけど・・・後でジックリと裏切り者に罰を与えないとね」

 

愛:「アイツらっ!! そんなこと考えてたの!?」

 

SARU:「だから最後は、誰にも邪魔されない場所でやることにしたよ!!」

 

 

 

トウドウ:「・・・これで世界を救うには、この試合に勝つしか無くなったわけだ」

 

矢島:「さあーっ!! 間もなくキックオフです!!」

 

天馬:「行くぞ皆!! ミキシマックスだ!!」

 

天馬:「"ミキシトランス:アーサー"!!」

 

フェイ:「"ミキシトランス:ビッグ"!!」

 

ザナーク:「"ミキシトランス:スーパーザナーク"!!」

 

信介・剣城・神童・霧野:「「「「ミキシトランス!!」」」」

 

トーブ・黄名子・侑・愛「「「「ミキシトランス!!」」」」

 

そして、俺たちの旅の成果である11人のメンバーがまずは出揃う。

 

鬼道:「これが・・・時空最強イレブン、"クロノ・ストーム"か・・・」

 

矢島:「クロノストームッ!! いきなり全員がミキシマックスだぁあああっ!!」

 

SARU:「面白い。遊んであげるよ!!」

 

ザナーク(CジェーンMix):「そう言うと思ったぜ!! そっちこそ捻り潰してやるから覚悟するんだな!!」

 

SARU:フッ「さぁ、始めようか!! 人類の未来を賭けた、最終戦争の幕開けだ!!」

 

そして、ホイッスルと共に、決戦の火蓋が切って落とされた。

 

 

ー 続く ー




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第153話:最終決戦!! vsザ・ラグーン

時空を越え、様々な歴史を跨いだ戦いもいよいよ最終決戦。まず試合はザ・ラグーンボールからスタートだ。

ホイッスルが鳴ると同時に、ラグーンのFWイムスが物凄いスピードで攻め上がってくる。

 

侑(孔明Mix):「行かせないよっ!!」

 

侑先輩が果敢にディフェンスに入るが、スピードで一気に躱してオムにパスを出す。

 

イムス:「オム!!」

 

オム:「ピグ!!」

 

だがボールを受け取ったオムはすぐさまダイレクトでピグにパスを出す。ピグもまたスピードがヤバい。

 

フェイ(ビッグMix):「抜かせない!!」

 

フェイが急いで並走して追いかけるが振り切られてしまう。

 

霧野(ジャンヌMix):「これ以上は進ませない!!」

 

霧野先輩がディフェンスに入り、相手とのフェイクや動きの先読み対決になるが、軍配は霧野先輩に挙がり、ボールを奪い取る。

 

 

栞子:「やった!!」

 

三国:「良いぞ霧野!!」

 

 

霧野(ジャンヌMix):「神童!!」

 

そしてボールは神童先輩に繋がり、そのままドリブルで攻め上がる。

 

 

矢島:「ここでボールは神童へ!! しかしすかさずラグーン止めに入る!!」

 

神童(信長Mix):(この試合、敗けるわけにはいかない!! 必ず勝ち、皆を救うんだ!!)

 

そして神童先輩は一気にスピードを上げてディフェンスに入ったニケを抜き去る。

 

矢島:「神童抜いた!!」

 

神童(信長Mix):「剣城!!」

 

ここでボールは剣城に飛ぶが、

 

矢島:「ここでボールは剣城に飛ぶ!! だがシープがカット!!」

 

シープに空中でカットされてしまう。

 

侑(孔明Mix):「うぉおおおおっ!!」

 

矢島:「しかしすかさず高咲が奪い返す!!」

 

激しい攻防に、観客のボルテージが上がっていく。

 

矢島:「お互いに激しいボールの奪い合いだ!! 両者一歩も譲らない!!」

 

ボールは天馬に渡り、シープとの1vs1。

 

矢島:「ここで松風が抜け出した!! チャンスかぁっ!?」

 

SARU:「・・・・フッ」ギュンッ!!

 

天馬(アーサーMix):「っ! ボールは!? SARU!?」

 

トーブ(トーチャンMix):「アイツ!! いつの間に!?」

 

SARU:「クロノ・ストーム・・・全員がミキシマックスしてこの程度・・がっかりだね!!」

 

霧野(ジャンヌMix):「何!?」

 

SARU:「イムス!!」

 

SARUの前線へのロングパスからボールはイムスへ。受け取ったイムスはドリブルで攻め上がるが、先ほどとは比べ物にならないくらいに速さが増している。

 

 

かすみ:「なんですかあのスピード!?」

 

エマ:「なんで急に速くなったの!?」

 

三国:「ッツ!! アイツら、本気を出していなかったのか!?」

 

しずく:「なっ!!」

 

 

霧野(ジャンヌMix):「行かせるか!!」

 

黄名子(ドラゴンMix):「やんねっ!!」

 

矢島:「クロノ・ストーム!! 今度は2人で止めに掛る!!」

 

しかしイムスは嘲笑うかのように間をすり抜けるようにアッサリと突破する。

 

イムス:「SARU!!」

 

ここでボールは前線へと上がっていたSARUに渡りシュート体勢に入る。

 

SARUがボールを構えると、目の前に7つのシェルの集合体が出現。そこにSARUがボールを蹴り込むと、7つのシェルそれぞれからビームとなったシュートが撃ち出される。

 

SARU:「[シェルビット・・バーストッ]!!」

 

SARUの必殺シュートがゴールに襲い掛かる。傍から見ても威力の凄まじまさが分かる。

 

信介(劉備Mix):「止める!! [真・大国謳歌]!!」

 

信介のミキシ技がシュートを止めに掛かる。しかし、アッサリと突き破られてシュートはゴールに叩き込まれてしまう。

 

 

矢島:「決まったぁあああーーーっ!! 先制点はザ・ラグーンだぁあぁああーーっ!!」

 

天馬(アーサーMix):(これが・・フェーダ最強・・・ザ・ラグーンの力・・・負けるもんか!!)

 

 

そしてクロノ・ストームのキックから試合再開するが、追い縋るのが精一杯でまたしてもボールを奪われてしまう。

 

矢島:「これは一方的な試合になってきたぁっ!! ボール支配率は、ザ・ラグーンが圧倒的に上だーーーっ!!」

 

侑(孔明Mix):「行かせないよ!!」

 

ニケ:「ふっ、」

 

するとニケはロンダートから、ボールを両足で挟んでのバク宙で侑先輩を抜き去った。

 

侑(孔明Mix):(ミキシマックスの力が通じない!?)

 

ニケ:「メイア!!」

 

メイア:「行くわよギリス!!」

 

ギリス:「もちろんだ!! 奴らに借りを返さなくてはね!!」

 

そして2人がシュート体勢に入ると、散りゆく花弁からシュートが撃ち出される。

 

メイア・ギリス:「「[デッド・フューチャー・G2]!!」」

 

信介(劉備Mix):「今度こそ止めてやる!! [真・大国謳歌]!!」

 

再び信介が技を発動するが、またしても破られゴールに叩き込まれてしまう。

 

天馬(アーサーMix):「っ!! 2点目・・・「やっぱりこの程度か」SARU・・・」

 

SARU:「弱くてなんの役にもたたない・・・君たち古い人間は、淘汰されるべきなんだ。 ・・・フェイ、考え直すなら今だよ? 君は元々こちら側の人間なんだ。無理して劣った人間たちの味方をする必要なんか無いんだよ?」

 

フェイ(ビッグMix):「SARU・・・戻らないよ。僕は天馬たちと戦うと決めたんだ」

 

SARU:「・・・・・フェイ」

 

ザナーク(CジェーンMix):(・・・行くしかないか)

 

 

クロノ・ストーム 0 ー 2 ザ・ラグーン

 

ー 続く ー



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第154話:猛攻! セカンドステージチルドレン

ギリスとメイアの連携シュートがゴールに突き刺さり2点のビハインドを背負った俺たち。そしてクロノ・ストームボールからのキックオフで試合再開。

 

キックオフと同時にザナークが攻め上がる。

 

ザナーク(CジェーンMix):「どけどけぇっ!! スーパーザナーク様が今、爆走する!!」

 

イムス:「行かせるか!! 裏切り者め!!!」

 

イムスがディフェンスに入るが、ザナークは一気に加速して抜き去る。

 

イムス:「何っ!?」

 

ザナーク(CジェーンMix):「特別な力を持っているのは、お前たちだけじゃねぇ!!」

 

天馬(アーサーMix):「っ!!」

 

フェイ(ビッグMix):「ザナーク!!」

 

フェイがザナークと並走し、アイコンタクトで意思疎通する。

 

ザナーク(CジェーンMix):「(そう言えばコイツもだったな)上がれ!!」

 

そしてボールはフェイへ。フェイはまるで野生動物かのようなジャンプ力、スピードといった素晴らしい身のこなしでディフェンスを抜き去る。

 

フェイ(ビッグMix):「ザナーク!!」

 

そしてボールを受け取ったザナークはシュート体勢に入る。

 

ザナーク(CジェーンMix):「今ここに再誕する!! [グレートマックスなオレ・改]!! スーパァアァアアァアアアッ!!!」

 

シュートはフリーでラグーンゴールに襲い掛かる。キーパーホスは必殺技で対抗する。

 

ホス:「[リバースワールド]!!」

 

ホスの必殺技で世界が180度反転。進行方向を逆向きに捻じ曲げる。しかし一瞬反転が停止すると強制的に元に戻され、シュートはゴールに突き刺さった!!

 

矢島:「ゴォオオォオオオルッ!! クロノ・ストーム、1点を返したぁあああーーーっ!!」

 

 

璃奈:「やった!!」

 

歩夢:「その調子だよ皆!!」

 

SARU:「まだ僕たちの力が分かってない様だね。」カシャン

 

ラグーン:カシャン カシャン

 

その瞬間、ラグーンのメンバーが一瞬オレンジ色の光に包まれた。一体何が起こったんだ?

 

SARU:「さぁ・・・何が起こったか、当ててみて!!」

 

そしてラグーンボールでキックオフ。イムスがボールを持って攻め上がるが、

 

イムス:「・・・・・・」ドギュンッ!!

 

剣城(沖田Mix):「な、何!?」

 

何とさっきまででもとてつもない速さだったのにそこから更にスピードがました。体感的にはさっきの2倍は速い!!

 

ビッグ(Mix):「アンプルを使ったんだ!! 彼らは、自分たちのオーラをアンプルに保存していて、それを取り出すことで能力を上げる事が出来るんだ!!」

 

 

神童(信長Mix):「ディフェンス!! マン・ツー・マンでマークしろ!!」

 

矢島:「クロノ・ストーム!! ラグーンをピッタリマークする!! イムス、完全に孤立したーーーっ!!」

 

霧野(ジャンヌMix):「止めるぞ!!」

 

黄名子(ドラゴンMix)・トーブ(トーチャンMix):「「おう!!(やんねっ!!)」」

 

3人がイムスを止めに掛かる。しかし、

 

矢島:「おーーーっと!! ここでラグーンのDF、ダクが上がってくるぞーーーっ!!」

 

天馬(アーサーMix):「何っ!?」

 

イムス:「ダク!!」

 

オーバーラップしてきたダクにボールが繋がり、ダクはシュート体勢に入る。

 

ダク:「[スプリング・・アロォオォオオッ]!!!」

 

バネの伸縮から凄まじいパワーのシュートが撃ち出される。信介はミキシマックスを一時解除して化身を発動する。

 

信介:「これ以上入れさせない!! 【護星神タイタニアス・零式】!! アーームドッ!!!」

 

信介が化身アームドを発動してシュートを正面から迎え撃つ!! しかし徐々に引き摺られ、遂に堪えきれずに押されゴールに叩き込まれてしまった。

 

矢島:「ゴーール!! ザ・ラグーン追加点!! これは大きすぎる1点が入ったぞーーーっ!!」

 

水鳥:「な、何だよ・・今のシュート・・・」

 

霧野(ジャンヌMix):「今のが・・・・DFのシュートだと・・?」

 

 

そしてクロノ・ストームボールで試合再会。何度やられても果敢に攻め続ける俺たちにSARUは苛立ったのか、遂に真の力を解放する。

 

ラグーンはボールを奪い取るとSARUにボールを渡す。するとSARUはミキシマックスオーラの様なオーラに包まれると徐々に姿を変えていく。

 

SARU(S遺伝子Mix):「ウォオオォオァアアアッ!!!」

 

矢島:「な、ななななんとぉーーっ!! SARUが突如として大猿のような野獣に変貌したぁあああーーーっ!!」

 

 

竜太:「まさかアレもミキシマックスか!?」

 

SARU(S遺伝子Mix):「コレだけじゃないよ? ハァアァアアアッ!! 【超魔神エヴァース】!! アームドッ!!」

 

そして更に化身アームドまでも使用。ハーフラインからロングシュートを放つ。

 

SARU(ミキシアームド):「[シェルビット・・バァアアーーストッ]!!」

 

ただでさえ凶悪的な威力だった必殺シュートが更に強化され、ゴールに襲い掛かる。

 

霧野(ジャンヌMix):「[ラ・フラム・G4]!!」

 

霧野先輩のミキシマックス技がシュートを阻む。しかしアッサリと突き破られてしまいシュートは突き進む。

 

信介(劉備Mix):「[真・大国謳歌]!!」

 

今度は信介のキーパー技が止めに掛かる。しかしこんなもので止まるような生易しい威力ではなく、シュートはゴールに突き刺さった。

 

矢島:「ゴォオオオルッ!! ザ・ラグーン、ダメ押しの4点目ーーーっ!!」

 

SARU:「ヤッパリこの程度か・・・そろそろ会場の皆も分かったんじゃないかなぁ? セカンドステージチルドレンに逆らう愚かさを・・・君たち古い人間の無力さを、僕たちのこの力こそが、新しい未来を作る力だということを!!」

 

そして、ここで前半戦終了のホイッスルが鳴った!!

 

 

前半終了

 

クロノ・ストーム 1 ー 4 ザ・ラグーン

 

ー 続く ー




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第155話:反撃の兆し

SARU率いるザ・ラグーンの圧倒的な力の前に、クロノ・ストームは防戦一方のまま前半を終える事になった。

 

〜 ハーフタイム 〜

 

愛:「SARUの奴、好き放題言ってくれるよね!! さすがの愛さんも腹立つよ!!」

 

トーブ:「何かイライラすっぞ!!」

 

天馬:(絶対に負けられない試合なのに・・・・)

 

メンバー全員の気持ちがバラバラになり始めていた。しかし、

 

龍也:「それが・・お前らのサッカーなのか?」

 

天馬:「え?」

 

全員が龍也さんの方を向く。

 

龍也:「お前らにとって、サッカーってなんだ?」

 

神童:「俺たちの心をアツくしてくれる、かけがえのない物です!!」

 

信介:「いつも僕たちを支えて照らしてくれる、お日様みたいな存在です!!」

 

黄名子:「ウチには・・家族との希望やんねっ!!」

 

フェイ:「黄名子・・・」

 

龍也:「天馬、お前は?」

 

天馬:「俺にとっては・・・いつも側にいてくれる友達です!!」

 

円堂:「勝たなくてはと焦って、大事なことを忘れていたな?」

 

龍也:「確かにラグーンは強い。だが、お前たちのサッカーをすれば必ず通用する。お前たちの大好きなさっかーをな!!」

 

天馬:「俺たちのサッカー・・・っ、ハイ!!」

 

円堂:「さぁ行って来い!!」

 

矢島:「いよいよ後半戦のスタートだ!! ここからクロノ・ストームが巻き返すのか? このまま終わってしまうのかぁーーーっ!!」

 

そしてクロノ・ストームボールで後半戦開始。ボールはザナークに渡ると、神童先輩が一旦戻すように要求する。

 

神童(信長Mix):「こっちだザナーク!!」

 

ザナーク(CジェーンMix):「ザナークじゃねぇ。スーパーザナーク様だ!!」パシッ!

 

パスは神童先輩の足元に。

 

神童(信長Mix):「ザナーク!?」

 

ザナーク(CジェーンMix):「これで良いんだろ?」

 

神童(信長Mix):「よし、皆!! ラグーンのメンバーをマンツーマンで抑えろ!!」

 

そして各自で1vs1でラグーンの選手をマークしてボールを受け取ったザナークのプレスに行けないようにする。すると残ったイムスとザナークの1vs1になる。

 

ザナーク(CジェーンMix):「おぉおおおおおっ!! 1対1なら、敗けねぇぜーーーっ!!」

 

イムス:「何っ!?」

 

矢島:「ザナークイムスを突破!! そのまま攻め上がる!!」

 

 

葵:「道が開いた!!」

 

水鳥:「行け行けーーっ!!」

 

 

天馬:「良し!! 「甘いよ。その作戦」っ!!」

 

するとラグーンの選手はスピードでマークを振り切って止めにかかる。だが、

 

クロノ・ストーム:『『『ミキシマックス解除!!』』』

 

ここで天馬たちはミキシマックスを解除して化身アームドを発動する。そしてアームドの力で上昇した瞬発力で追いついて再びSARUたちを抑える。

 

SARU:「何っ!?」

 

 

鬼道:「化身アームドか・・・確かにパワーはミキシマックスに劣るが、瞬発力やスピードにおいてはミキシマックスよりも優れている。それを使い分けるとは、やるじゃないか」

 

龍也:「ああ。ここまで考えられる様になってたんだな」

 

 

そしてザナークとキーパーが1対1になり、ザナークもミキシマックスを一旦解除する。

 

ザナーク:「俺も化身アームドで行くぜぇええっ!! 【魔界王ソディアク・零式】!! アーームドッ!!」

 

そしてザナークは化身アームドを使用してシュートを放つ。

 

ホス:「[真・リバースワールド]」

 

しかしホスの必殺技により世界が180度反転し、シュートの進行方向を真逆に捻じ曲げられて跳ね返され、ボールはタッチラインを割って外に出た。

 

ザナーク:「チッ・・」

 

 

矢島:「おっと、これは止められた!! しかしクロノ・ストーム、初めてボールが繋がったいい攻めを見せたぞぉっ!!」

 

天馬:「そうだ・・・この感じ!!」

 

神童:「どうした天馬?」

 

天馬:「この感じですよ!! 点が取れて嬉しい、シュートが決まらなくて悔しい、この感情がサッカーの楽しさだった!!」

 

皆がハッと思い出したような表情を浮かべる。

 

天馬:「やりましょう!! 俺たちのサッカーを!! 俺たちはそれで良いんです!!」

 

神童:「天馬・・・やるか!!」

 

クロノ・ストーム:『『『おおーーーーっ!!!』』』

 

 

 

クロノ・ストーム 1 ー 4 ザ・ラグーン

 

ー 続く ー




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第156話:俺たちの原点(サッカー)

ラグーンのスローインから試合再開。ボールはダクにとび、そこに剣城がディフェンスに入る。

 

剣城(沖田Mix):「はぁあああっ!!」ズザザァッ!!

 

剣城がスライディングを仕掛けるが、アッサリとジャンプで躱されてしまう。

 

天馬(アーサーMix):「剣城ナイスディフェンス!!」

 

すると剣城はグッと親指を立てる。

 

ダク:「何がナイスだ!! 触れる事すらできなかったくせに!! ニケ!!」

 

そして今度はニケにボールが飛ぶ。

 

神童(信長Mix):「行かせるか!!」

 

ニケ:「っ!?」

 

しかしニケに躱されてしまう。しかしあと一歩でボールに触れそうだった。

 

天馬(アーサーMix):「神童さんナイスプレッシャー!!」

 

神童(信長Mix):「ああ、次は捕る!!」

 

ニケ:「オム!!」

 

オムにボールが飛ぶ。が、

 

侑(孔明Mix):「やぁああぁあああっ!!!」ズザザァアアッ!!!

 

侑先輩がボールに足を延ばす。すると爪先が僅かにかすり、パスは繋がったもののやや軌道が変わる。

 

SARU:「?」

 

オム:「(何だ? 一体何が・・・)ギリス!!」

 

そして今度はボールはギリスに飛ぶ。

 

霧野(ジャンヌMix):「ハァアァアアアッ!!」バシッ!!

 

何と霧野先輩がインターセプト。ボールを遂に奪い取った。

 

ラグーン:『『『何っ!?』』』

 

霧野(ジャンヌMix):「神童!!」

 

 

矢島:「今度はクロノ・ストームの反撃だ!!ボールは神童へ!!」

 

ニケ:「行かせる訳無いでしょ!!」

 

神童(信長Mix):「天馬!!」

 

ニケ:「なっ!?」

 

 

矢島:「ここでボールは松風へ!! クロノ・ストーム攻め上がる!!」

 

ー ー ー ー ー ー ー

 

天馬:「必殺タクティクス!?」

 

円堂:「ああ。必ず使う場面が来る」

 

ー ー ー ー ー ー ー

 

天馬(アーサーMix):(監督・・・・)チラッ

 

 

円堂:フルフル

 

葵:「えっ! ここじゃないの!?」

 

ワンダバ:「みすみすチャンスを逃すことになるぞ!!」

 

 

天馬(アーサーMix):「(円堂監督・・・どうして)「ここまでだよ!!」っ! SARU!?」

 

矢島:「SARUボールを奪い取ったぁ!! そのままクロノ・ストーム陣内に切り込んでいく!!」

 

天馬(アーサーMix):「止めないと!!」

 

SARU:「ここで終わらせてやる!! はぁあぁああああっ!!」

 

 

矢島:「ここでまたしてもSARUが大猿へと変貌してしまったぁーーっ!! 万事休すかぁーーーっ!!」

 

 

円堂:「今だ!! 必殺タクティクスに繋げ!!」

 

天馬(アーサーMix):「そうか!!」

 

神童(信長Mix):「このタイミングか!!」

 

 

SARU(S遺伝子Mix):「終わらせてやる!!」

 

そしてSARUはシュート体勢に入る。7つのシェルの集合体が出現し、そこにボールをぶつけることで7本のレーザーとなったシュートが撃ち出される。

 

SARU(S遺伝子Mix):「[シェルビット・・バァアアアストッ]!!!」

 

SARUのシュートがゴールに迫る。しかし天馬と剣城、神童さんの3人が追いついて3人掛かりでシュートブロックする。

 

剣城:(っ痛!!)

 

天馬(アーサーMix):「くっ、信介!! 頼んだ!!」

 

3人は吹き飛ばされたが、かなりのパワーを奪い取った。信介は必殺技で止めに掛かる。

 

信介:「[爆・大国謳歌]!!」

 

そしてここで信介の[大国謳歌]がパワーアップし、シュートを抑え込む。しかし弾き飛ばされはしたが、軌道が変わりボールはクロスバーにぶつかって跳ね返った。

 

 

矢島:「と、止めたぁーーーっ!! クロノ・ストーム、4人掛かりのディフェンスでサリュー・エヴァンを止めたぁーーーっ!!」

 

メイア:「そんなっ!!」

 

オム:「SARUが・・・」

 

ピグ:「止められただと!?」

 

天馬(アーサーMix):「今だ皆!!」

 

クロノ・ストーム:『おう!!』

 

 

矢島:「クロノ・ストーム!! パスを回して攻勢にでる!! 先ほどとは打って変わり面白いようにパスがつながっていくぞぉおおぉっ!!」

 

 

ワンダバ:「な、何で急に!!」

 

円堂:「奴らのリーダーが止められたからだ。恐らく、SARUの個人の力はラグーンメンバー個人の中で最も強いんだろう。それが奴らの言う"古い人間"に止められてしまった。焦りと同様を産むには十分だ」

 

そして11全員がパスをまわし、ボールに次々と自らのエネルギーをチャージする。そしてボールがイナズママークの軌跡を描き、ボールに莫大なパワーがチャージされる。

 

クロノ・ストーム:『必殺タクティクス!! 〈グランドラスター〉!!』

 

そして天馬はミキシマックスを一時解除して化身発動する。

 

天馬:「【魔神ペガサスアーク・零式】!! アームドッ!!」

 

そして化身アームドを成功させ、シュート体勢に入る。

 

天馬:「[ゴッドウィンド]!!」

 

[マッハウィンド]よりも遥かに激しい暴風、いや・・"神風"のシュートがラグーンゴールに襲い掛かる。キーパーホスは必殺技を発動するが、

 

ホス:「[絶・リバースワールド]!!」

 

しかしアッサリと破られてしまい、シュートはゴールネットに突き刺さった。

 

 

矢島:「クロノ・ストーム1点を返す!! 2点目は松風だぁあぁあああっ!!」

 

SARU:「そんなっ・・・馬鹿な!!」

 

そしてここで審判の笛がなり選手の交代。誰かと思ったら剣城が歩いていく。

 

剣城(沖田Mix):「俺ですよね?」

 

龍也:「ああ。さっきブロックしたとき痛めただろ?」

 

剣城(沖田Mix):「ハイ。後は任せたぞ・・・・竜太」

 

竜太:「おう!!」

 

 

矢島:「ここで選手交代!! 剣城京介に代わり、大海竜太が入るようです!!」

 

SARU:「ここでか・・・」

 

竜太:「"ミキシトランス:ジオウ"!!」

 

そして反撃ムードの中、俺はミキシマックスを発動してピッチに降り立った。

 

 

 

クロノ・ストーム 2 ー 4 ザ・ラグーン

 

ー 続く ー




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第157話:仲間との絆

矢島:「さぁーーーっ!! 交代で入った大海竜太、どんな活躍を見せてくれるのかぁーーーっ!!!」

 

竜太(ジオウMix):「まずは1点ずつ返していくぞ!!」

 

クロノ・ストーム:『おう!!』

 

SARU:「奴らを必ず叩き潰す!!」

 

ラグーン:『ああ!!』

 

そしてラグーンボールで試合再開。ボールはオムに渡りオムがドリブルで上がってきた所に俺がディフェンスに入る。

 

オム:「お前などに渡すか!!」ドギュンッ!!

 

オムがスピードを上げて一気に抜きに掛かる。俺はオーラミックスで沖田さんのオーラを併せて使用してスピードを上げる。

 

竜太(ジオウMix):「"オーラミックス:沖田"!! 行くぜ!!」

 

沖田さんのスピードが加わりオムのスピードに余裕で付いていく。オムは驚愕と同時に焦りの表情を浮かべる。

 

オム:「このっ!!」

 

竜太(ジオウMix・沖田オーラ):「そこだっ!!」

 

そしてボールを奪い返した俺は沖田さんのオーラミックスを解除して攻め上がる。するとそこにニケが止めに掛かる。

 

ニケ:「これ以上進めせないわ!!」

 

竜太(ジオウMix):「どうかなっ!! [ライトニングワープ・Gx]!!」

 

俺は必殺ドリブル技を発動してラグーン上回るスピードで突破する。

 

ニケ:「なっ!? 何よ今のスピード!!」

 

ダク:「調子に乗るな!! [グランドスイーパー]!!」

 

ダクが光の粒子をバラ撒き、それを一気に大爆発させて行く手を阻む。しかし煙が晴れた時には既に突破していた。

 

ハムス:「!? ダク! 後ろだ!!」

 

ダク:「何だと!?(コイツこそ本当に人間なのか!? 俺たちよりもよっぽど化物じゃないか!!)」

 

そして俺はフリーでシュート体勢に入る。辺りが暗黒空間に変わると、時計が次々と出現しては逆向きに回転して消えていく。そして1つ1つの時計が消えるたびにボールに莫大なエネルギーが凝縮し、黒光を放つ。

 

竜太(ジオウMix):「[超・クロノディストラクション]!!」

 

俺のシュートは黒光を放ち、時折オレンジ色のプラズマを放ちゴールに向かっていく。

 

ホス:「そんなもの!! [絶・リバースワールド]!!」

 

ホスの必殺技で世界が180度反転しシュートの進行方向を捻じ曲げようとするが、途中で停止すると元に戻され、シュートはゴールに轟音と共に叩き込まれた!!

 

 

矢島:「ゴォオオォオオォオオオルッ!! クロノ・ストーム3点目ーーーっ!!! 遂に1点差にまで詰め寄ったぁあああーーーっ!!!」

 

会場から大歓声が上がり、もしかしたら勝てるかもしれないと観客が沸き立つ。

 

 

ガロ:「う、ウソだろ・・・SARUたちが・・・」

 

ヨッカ:「あんな奴らに・・3点も?」

 

SARU:「どうしてだ・・・・僕たちは力で繋がった、最強のチームのハズだ!! セカンドステージチルドレンしか持ち得ない、この特別な力!! それによって繋がった、最強のチームのハズなんだ!! 「力だけで繫がったってそんなのは本当の絆じゃないんだよ」何っ!!」

 

フェイ(ビッグMix):「聞いてくれSARU。フェーダは、一人ぼっちで寂しい思いをした者たちの集まりだった。だから身を寄せ合って生きてきたんだ!!

「違う!! フェーダは力を持ってるから価値があるんだ!!」」

 

天馬:「君たちの繋がりって、本当に力なの? 俺にはそうは思えないよ!! 「お前に何が分かる!!」 君たちだって、仲間と時には喧嘩したり、一緒に何かやったり、協力して思いをぶつけ合いながらやってきたんでしょ? それって・・・・」

 

竜太(ジオウMix):「そういうのはな、"友達"って言うんだよ」

 

SARU:「トモダチ・・・・?」

 

フェイ(ビッグMix):「そう・・そうだったんだ!! SARU、僕が天馬たちと一緒に旅で得たものは、時空最強イレブンなんかよりも大切なもの・・仲間との絆だったんだ!! 友だちは、家族と同じくらい素晴らしい物なんだよ!!」

 

SARU:「違う!! 僕たちは力があるから繋がってるんだ!! 友達何かじゃない!!」

 

天馬(アーサーMix):「SARU・・・・・」

 

 

そしてラグーンボールから試合再開。しかし、

 

天馬(アーサーMix):シュオォオオン「っ!! 力が・・弱まってる!?」

 

竜太(ジオウMix):「こりゃあ俺以外のミキシマックスはもうすぐ解けるな・・・・決断の時だぞ・・天馬」

 

天馬(アーサーMix):「皆!! 最後の力を振り絞って、SARU達の力を受け止めよう!!」

 

クロノ・ストーム:『おう!!』

 

 

龍也:「円堂、あいつらは良くやってる。そろそろ監督の出番だ」

 

円堂:「・・・・ああ!!」

 

 

 

クロノ・ストーム 3 ー 4 ザ・ラグーン

 

ー 続く ー




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第158話:時空の力の結晶 [最強イレブン波動]!!

だんだんとクロノ・ストームがラグーンを押し返し始め、1点差にまで詰め寄った。

しかし、これまでに無いほどに度重なる激しいプレーにミキシマックスの力が消耗し、今さっき入ったばかりの俺以外のミキシマックスは間もなく解けてしまいそうだ。

 

大海:「円堂、あいつらは良くやっている。そろそろ監督の出番だ!!」

 

円堂:「・・・・ああ!!」

 

ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー

 

俺たちのパワーアップは間もなく解除されてしまう。そうなる前に一気に勝負を決めるしかない。

 

円堂:「皆ーーーーっ!! サッカーにとって、一番大切な物って何だ? 思い出せ、お前たちの大好きなサッカーを!!」

 

天馬(アーサーMix):「っ、俺たちのサッカー・・・そうだ、俺たちは"チーム"!! 今まで・・皆で一緒に、いろんな困難を乗り越えてきたんだ・・・!!」

 

一言で皆の目つきを変えた・・・・やっぱりオヤジたちはスゲェや・・・・!!

 

天馬(アーサーMix):「皆で協力して、困難を乗り越える・・・それがサッカーの楽しさなんだ!!」

 

 

SARU:「甘い!! 甘いんだよ!!」

 

そしてSARUの行く手に天馬が立ち塞がる。

 

SARU:「それで止められると!!」

 

天馬(アーサーMix):「来いっ!!・・・・・」スッ

 

すると突然天馬はSARUを避けるような動作をする。完全にディフェンスに入っていたハズと思っていたSARUは予想外の行動に一瞬迷う。

 

竜太(ジオウMix):「そこだっ!!」バチッ

 

俺がその一瞬を付いてスライディングでボールを弾く。ボールは天馬の足元に転がった。

 

SARU:「ちっ!!」

 

天馬(アーサーMix):「キミたち一人一人が最強だと言うのなら、オレたちは・・・"11人で最強"になれば良いんだ!! 最強のイレブンに!!!」

 

SARU:「くっ・・・!!」

 

天馬(アーサーMix):「皆!! 俺たち・・・今ならなれるんじゃないかな!!」

 

そして俺たちフィールドにいる11人と、怪我でベンチに下った剣城から金色のオーラが立ち上り1つに集約され、"波動"が波打つ。

 

天馬:「感じる・・・・!! みんなの思いが1つになっていくのを!!」

 

神童(信長Mix):「このフィールドにいるメンバーだけじゃない・・・メンバーに選ばれなかった三国先輩や歩夢達、中須や桜坂達・・・・様々な時代で共に戦った仲間たち・・・・」

 

竜太(ジオウMix):「皆の想いが・・時空を超えて俺たちに集まってくる。強い"心の力"が!!」

 

 

大介:「おお!! 全員の力が・・美しいハーモニーを奏でておる!!」

 

天馬(アーサーMix):「この試合必ず勝つ!! 未来を守り・・皆を救うんだ!!」

 

そして天馬、俺、神童先輩の3人が走り、他の8人のオーラを、俺と神童先輩のオーラが光の奔流となりコントロールし束ねる。ボールに余すことなくパワーを集約する。そして天馬は、ベンチに下った剣城と自分を含めた12人・・・いや、今までの旅の仲間たちの全ての力を結集したシュートを放つ。

 

天馬(アーサーMix):「[最強イレブン・・・波動ぉおおおおっ!!!

 

シュートが、虹色に輝く波動を放ちながらゴールに襲い掛かる。

 

SARU:「止めろぉおぉおおおぉおおおおっ!!!!

 

ザ・ラグーンのメンバーが一斉に止めに掛かるが、あまりのパワーに全員弾き飛ばされ、キーパーが技を出す暇も無く、シュートはゴールに突き刺さった。

 

矢島:「決まったぁああーーーーーっ!! 遂に同点だーーーーッ!!!」

 

 

会場が沸き立つ中、SARUは呆然としていた。

 

SARU:「そんなバカな・・・あんな奴らが、僕たちと互角だというのか・・・・・? フッ、フフッ・・悪い冗談だ!! メイア! ギリス!! やり返すぞ!!」

 

メイア・ギリス:「「え、ええ・・・(ああ・・・)」」

 

そしてラグーンのキックから試合再開。

 

SARU:「行くぞ!!」

 

メイア・ギリス:「「ええ(ああ)!!」」

 

そして、3人の素早いパス回しと圧倒的な連携にあっという間に突破されてしまいSARUがシュートを放つ。

 

SARU:「喰らえっ!!」ドガァンッ!!

 

天馬(アーサーMix):「マズい!!」

 

神童(信長Mix):「ここで入れられたら・・・・っ!!」

 

竜太(ジオウMix):「逆転の可能性は絶たれる!!」

 

信介(劉備Mix):「絶対に入れさせない!!」

 

そして信介は必殺技を放つ。水墨画の様な空間から、巨大な岩石の手がシュートを掴み取る。

 

信介(劉備Mix):「[極・大国謳歌]!!」

 

信介は必死に踏ん張るが、パワーが強すぎて弾き飛ばされる。

 

天馬(アーサーMix)・竜太(ジオウMix):「「まだだ!!」」

 

だがゴールに入りかけたボールを、俺と天馬がツインキックでブロック。シュートを蹴り飛ばしてクリアする。

だがボールはSARUの所へ転がってしまう。

 

SARU:「いい加減理解して欲しいな・・・・キミたち古い人間は、淘汰されるべきなんだ・・・」

 

しかしSARUも明らかに息が上がってきている。セカンドステージチルドレンと言えど、やはり全員ミキシマックスのチームを相手するのは疲れる様だ。

 

 

天馬(アーサーMix):「(もう皆限界に来てる・・・次のプレーで一気に勝負を決めるしかない!!)皆!! 全員攻撃を掛けよう!!」

 

 

神童(信長Mix):「最後のプレーと言うわけか!!」

 

竜太(ジオウMix):「そうだな。やるか!!」

 

ザナーク(CジェーンMix):「そう言うと思ったぜ。良いぜやってやる!!」

 

フェイ(ビッグMix):「キャプテンの判断なら従うよ!!」

 

侑(孔明Mix):「うん!! オッケーだよ!!」

 

霧野(ジャンヌMix):「やるか!!」

 

黄名子(ドラゴンMix):「やんねっ!!」

 

トーブ(トーチャンMix):「なんかウホウホくっぞ!!」

 

愛(龍馬Mix):「愛さんも燃えてきたよ!!」

 

信介(劉備Mix):「行こう!! 天馬!!!」

 

 

天馬(アーサーMix):「皆!! ・・・よし!!!」

 

そして俺たちは再びオーラを開放し全員一丸となってラグーンに向かっていく。ラグーンも自身のSSCのオーラを開放して迎え撃つ。

 

SARU:「所詮は最後の・・・悪足掻きだ!!!」

 

天馬:「うぉおぉおおぉおおおぉおおおおっ!!!!」

 

そして、俺たちのオーラとSARUたちのオーラが激突する!!!

 

 

ー 天馬 side ー

 

気がつくと、俺はSARUと、なにかの遺伝子の精神空間? のような場所に立っていた。

 

天馬(アーサーMix):「ここは・・・SARU!?」

 

SARU:「僕たちは、未来のために生み出された・・・優れた人間なんだ!! だからこの試合で、僕たちの存在を認めさせてやる!!!」

 

天馬(アーサーMix):「どこが違うの!? 「何?」 優れていてもいなくても、皆同じ人間でしょ? 一人ひとり違って当然だよ!! SARUがどんな思いをしたのかは分からないけど・・・・君と俺に違い何か・・・」

 

SARU:「ある!! 「っ!!」 ボクはお前なんかとは絶対に違う!! 僕たちは・・・・"セカンドステージチルドレン"なんだ!!!」

 

〜 現実 〜

 

SARU:「邪魔を・・・するなぁあぁああぁあああっ!!!

 

グキッ!!

 

SARU:(グッ!!)

 

ボールは弾かれて中央付近に飛んでいく。

 

天馬(アーサーMix):「皆!! 頼んだ!!」

 

竜太(ジオウMix):「任せろ!! 侑先輩!! 愛さん!!」

 

愛(龍馬Mix)・侑(孔明Mix):「「オッケーー!!」」

 

そして俺がこぼれ球を拾うと、仲間たちのオーラがボールに集約され、愛さんと侑先輩のオーラが、溢れんばかりのエネルギーをコントロールして1つに束ねる。

 

竜太(ジオウMix):「[最強イレブン・・・波動ぉおおぉおおぉおおっ!!!

 

再び、ただし今度は俺の足から放たれた[最強イレブン波動]。ラグーンメンバーが止めに掛かるが、先程同様あっけなく弾き飛ばされてしまう。

 

ホス:「[絶・リバースワールド]!!」

 

ホスが必殺技を使うが、そんなもの知らんと言わんばかりに吹き飛ばされてしまう。

 

SARU:「やらせるものか!!」

 

しかしゴールまで戻っていたSARUが渾身の力で蹴りをぶつける。必死に堪えるSARU。しかしSSCの体幹でも、受け止められるパワーをオーバーするほどの威力に吹き飛ばされてシュートはゴールに突き刺さった。

 

矢島:「決まったぁあぁああぁあああっ!!! 遂に逆転だぁあぁああぁああああっ!!!!!」

 

そして俺たちは、遂に逆転に成功した。

 

 

クロノ・ストーム 5 ー 4 ザ・ラグーン

 

 

次回、ラグーン戦クライマックス(決着)!!

 

ー 続く ー




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第159話:ラグナロク(試合)終了

今回でラグナロク編は終わりです。あとは後日談を数話挟んでクロノ・ストーン編を終わります。

では残り少ないですが、今回もお付き合い下さい。

始まります!!


俺と侑先輩と愛さんの[最強イレブン波動]を止めるために向かっていったラグーンメンバー。

だが、呆気なく全員吹き飛ばされてしまう。

最後の砦として、足を痛めていたSARUがシュートを蹴り飛ばそうとしたが、それも叶わずシュートはゴールに突き刺ささり遂に逆転に成功する。

 

しかしここで力が切れたのか、俺以外のミキシマックスが解けてしまった。

 

天馬:「ミキシマックスが・・解けた・・・・」

 

SARUは足が痛むせいで立ち上がれずに地面に這いつくばっていた。

 

SARUは必死に立とうとするが、足に力が入らないのか全く立てない。するとラグーンメンバーがSARUの元へと向かっていった。

 

〜 SARU視点 〜

 

SARU:「くそっ・・・・・この僕が立てないなんてっ・・・・くっ、そんなはずは無いんだっ!!」

 

すると皆がボクの周りを囲む様に立ってきた。だが、僕には皆の顔が恐ろしく見えた。

 

SARU:「(っつ!!)ボクがこうなってしまった以上、チームはバラバラになる・・・!! もう終わりだっ!!「まだだ、SARU。まだ終わってない」っ!」

 

先程の恐ろしい影は幻覚だったのか、優しい表情をしたギリスがボクに手を差し伸べてくる。

 

するとメイアも、

 

メイア:「そうよ? 頑張ってよSARU。私達のリーダーなんだからさ?」

 

SARU:「だが、ボクにはもう・・・お前たちに誇れる力は・・残ってない・・・」

 

ギリス:「試合時間はまだ残ってる。最後まで一緒にやろう」

 

SARU:「な、何故・・・・?」

 

すると皆は寧ろボクの言ってることがわからないといった顔をし、

 

オム:「何故って・・・・当然だろ?」

 

ピグ:「ここまで一緒にやってきたじゃないか!!」

 

ニケ:「さぁ、いつもみたいに指示してよ?」

 

SARU:「っ!!」

 

瞬間、ボクの心にこびりついていた黒い何かがメッキのように剥げていく様な感覚がした。

 

ギリス:「このまま敗けるのは、僕の美学に反するんでね。それに、SARUだって・・・敗けるの嫌いだったよな?」

 

SARU:「っ!!」

 

そうか・・・・こんな・・簡単な事だったのか。

 

SARU:「・・・・ぁあっ・・・敗けるものかっ! ・・ボクを誰だと思ってる!!」

 

ボクはギリスの手を取り、何とか立ち上がる。

 

ギリス:「行けるか?」

 

SARU:「うっ、うぁあああぁああっ!! ボクも最後まで戦う!! お前たちと一緒にな!!」

 

今、やっと分かった。フェーダが繋がっていたのは、力を持つ者同士だったからじゃない。僕たちが・・・・"  "だったから・・・

闘える!! この仲間と一緒なら!!

 

SARU:「さぁ行くぞ!!」

 

ラグーン:『おう!!』

 

天馬:「さぁ!! 思いっきりサッカーしよう!!」

 

雷門:『おう!!!』

 

 

竜太(ジオウMix):「へぇ? いい顔になったじゃんか。じゃあ、それにふさわしい戦い方があるよな」

 

天馬:「竜太?」

 

竜太(ジオウMix):「ミキシマックス・・"解除"!!」

 

俺はここでミキシマックスを自ら解除した。

 

竜太:「皆!! まだ試合は終わってない。ここからが・・・"本当のサッカー"だ!!」

 

雷門:『おう!!』

 

そこからは一進一退のボールの奪い合い。隙をついて奪っては奪い返され、お互いに一歩も譲らない。

 

矢島:「試合のムードは一変、激しいボールの奪い合いだ!! 両者一歩も譲らない!!」

 

天馬:「竜太!!」

 

しかしここでニケからピグへのパスをカットした天馬から俺にパスが飛ぶ。

 

矢島:「ここでボールは大海へ!! ここで突き放すかぁーーっ!!」

 

竜太:「いいや? これで必殺技なんか撃ったら、無粋だろ!!」ドガアッ!!

 

俺は本気の"ノーマルシュート"を放つ。シュートはキーパー正面に飛んでいき、

 

ホス:「止める!!」

 

ドゴォオオッ!!

 

シュートを受け止めたキーパーに、反動で吹っ飛びそうな衝撃を与えたが、シュートは止められた。

 

竜太:「へぇ? やるじゃねぇか!!」

 

ホス:フッ「お前もな!!」

 

 

ホスのスローからボールはピグへ。そこへ愛さんがスライディングを仕掛けるがジャンプで躱される。

 

愛:「あーもう!! 次は捕るよ!!」

 

ピグ:「次も抜くさ!! SARU!!」

 

 

ここでボールはSARUに繋がり、SARUはシュートを放つ。

 

SARU:「決めてやる!!」

 

ドガァンッ!!

 

SARUのシュートが信介に向かっていく。が、

 

霧野:「させるかっ!!」

 

霧野先輩が足をぶつけてシュートブロック。シュートを蹴り返した。

 

SARU:「くっ・・・、やるな!!」ニヤッ

 

霧野:「お前もな!!」ニヤリ

 

ルーズボールが神童先輩に飛んでいく。しかしニケが競り合いに来る。

 

神童・ニケ:「「貰った!!」」ドカッ!!

 

だが両者の力は拮抗しお互いに弾かれ、ボールはそのままサイドラインの方へと転がっていく。

 

SARU・天馬:「「まだだ!!」」

 

SARUと天馬が肩で息をしながらボールを追いかける。しかし途中で接触してしまい、お互いに倒れてしまうと、そのままボールは外に出た。

 

 

ピッ、ピッ、ピィーーーーッ!!

 

 

矢島:「ここで試合終了のホイッスル!! 最終戦はクロノ・ストームの勝利で幕を閉じたーーーっ!!」

 

信介:「やった!! 勝ったぁーー!!」

 

俺たちは仲間の元へと集まると、喜びを爆発させた。

 

 

SARU:「ハァ、ハァ・・・敗けた・・」

 

ギリス:「ああ・・・・悔しいよな」

 

メイア:「でも、久しぶりに楽しかったじゃない」

 

SARU:「・・・・フッ そうだね」

 

 

会場が喜びで沸く中、ザン、ギル、ガルのセカンドステージチルドレンたちは信じられないという顔をして、悔しそうな表情を浮かべた。

 

ナージェ:(竜太さん・・・皆さん・・・ありがとうっ!!)

 

しかしそんな中、ナージェとミド、チェルとゼイクの4人は顔こそ悔しそうに取り繕ってはいたが、瞳の奥は輝いていた。

 

 

ー エルドラド議長控室 ー

 

議員:「やりましたな!!」

 

トウドウ:「ああ・・・これで、世界は救われた!!」

 

 

そしてスタジアムがワームホールの中から元の世界へと戻ってくる。

SARUは、フィールドに大の字になって空を見上げていた。

 

SARU:「いつの間にか・・なっていたんだな。天馬たちに教えられちゃったよ。僕たちが、組織なんかじゃなくて・・・"友達"だったってことを・・・」

 

そしてSARUはギリスの手を借りて立ち上がる。

 

ギリス:「友達・・・か」

 

メイア:「今まで使ったこと無かったな、そんな言葉・・・「SARU!!」っ!」

 

天馬がSARUたちに近寄ると、片手を差し出す。

 

SARU:「っ、・・・ありがとう!! 僕たちの相手が、君たちで良かった!!」

 

SARUは天馬の手を取ると、俺たちを見渡す。そして、

 

SARU:「天馬・・・その、ボクも・・君の友達に・・加えてくれないか?「それは違うよ」えっ?」

 

天馬:「友達は加えるものじゃない。こうやって・・・思いをぶつけ合う内に、いつの間にかなるものなんだ!!」

 

SARU:「それが・・・友達なのか?」

 

天馬:「うん!! だから俺たちは・・・もう友達!!」

 

天馬がSARUの手をガッチリ握ると、SARUはここで年相応らしい笑顔を見せる。

 

それを見ていた観客たちは、何故か俺たちの方をおかしいものを見るような目を向けていた。

 

いや・・・、おかしいのは力を持ってたからって酷い扱いをしていたお前らの方だからな?

 

 

SARU:「ボクたちは・・エルドラドの提案通り、セカンドステージチルドレンの力を、手放す事にするよ」

 

竜太:「そっか・・・じゃあサッカーも喜ぶな?」

 

SARU:「へ?」

 

天馬:「うん!! SARUたちが長く生きられるようになったら、サッカーを続けてくれるんでしょ?」

 

SARU:「うん! そうだね」

 

天馬:「俺思うんだ。サッカーを通じて、色んな人の間に絆ができたら良いなって。だからこれからも、サッカーをよろしくね!!」

 

SARU:プッ「ハハッ、君らしいね。わかったよ・・任せて!!」

 

そして、俺たちはお互いに握手を交わす。

 

 

神童:「いい試合だったよ」

 

ニケ:「あなた達が相手で良かったわ!! また機会があったらやりましょう!!」

 

 

ピグ:「古い人間とかバカにして悪かったな。お前ら、スゲェ強かったよ」

 

愛:「あなた達もね!! 愛さんたち正直負けるかと思ったよ!! ザナークも楽しそうだったじゃん!!」

 

ザナーク:「まぁな。ここまで楽しめたのは生まれて初めてだったぜ」

 

 

侑:「運命が掛かった試合だったけど・・・結果としては楽しかったよ!! ありがとう!!」

 

オム:「ああ!! こんな全力でやれたのは久々だった!!」

 

 

霧野:「DFなのに凄いパワーのシュートだったな。俺ももう少しキック力鍛えてみるかな?」

 

ダク:「ああ! DFでもパワーはあって損は無いぜ?」

 

 

トーブ:「オメェらスゲェ強かったぞ!! オラいっぺぇウホウホ来たぞ!!」

 

シープ:クスッ「何それ? ちょっと意味がわからないわよ?」

 

 

剣城:「お前のスピードには驚かされたよ。またやろうな?」

 

イムス:「ああ!! 今度こそ負けはしない!!」

 

 

黄名子:「ありがとう!! 楽しかったやんねっ!!」

 

ハムス:「負けて悔しいけど、スゲェスッキリしてるよ。サンキュ・・・」

 

 

ギリス:「フェイ、ようやくお前が言ってた事が分かったよ。ありがとう」

 

フェイ:「分かってもらえて良かったよ」

 

 

竜太:「いやー最初から出たかったな〜・・・」

 

メイア:「アナタが最初から出てたらもっと速く勝負がついてたかもね。悔しいことに私達の負けっていう結果で・・・」

 

竜太:「おっ、随分評価高いな」

 

メイア:「認めざるを得ないわよ。アナタはっきり言って異常よ?」

 

 

ホス:「ブロックがあったとは言え、まさかSARUのシュートをカットするなんて思わなかったぜ」

 

信介:「君こそ凄いセービング力だったよ!! ボクもまだまだ頑張らなくちゃ!!」

 

ホス:フッ

 

 

俺たちが相手を称え合っていると、痺れを切らしたマネージャーたちが、

 

水鳥:「やったなキャプテン!!」

 

茜:「何か感動!!」

 

葵:「天馬、おめでとう!!」

 

天馬:「うん!! ありがとう葵!! ・・・・?」

 

すると、大介さんのクロノ・ストーンが光だし、元の大介さんに戻った。

 

ワンダバ:「大介さんが元に戻ったぁ!!」

 

大介:「中々心地良い感じだったがの」

 

円堂:「じいちゃん、また・・助けられたみたいだな・・・・・」

 

大介:「サッカーの未来のためだ・・このくらい当然だ!!」

 

円堂:「そうだな。じいちゃんにとって、サッカーは自分の全部だもんな? っ!」

 

すると、大介さんの身体が光の粒子となって溶けていく。

 

大介:「守!! これからもしっかりと育てていってくれ。ワシらの"サッカー"を!!」

 

そして、大介さんは消滅した。

 

こうして俺たちの時空を越えた長い戦いは終わったが、事後処理の為にしばらく未来に留まって欲しいらしい。と言っても1週間程らしいが、 

 

 

さて、そう言うことなら始めるとするか・・・クソ親共・・・いや、この時代の毒大人達へのオシオキの準備を・・・!!

 

 

 

クロノ・ストーム 5 ー 4 ザ・ラグーン

 

ーー 試合(ラグナロク)終了 ーー

 

ー 続く ー




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第160話:戦後幕間 ①

ラグナロクの終了から一夜明け、俺たち雷門メンバーはエルドラドの事後処理に付き合っていた。初めは敵として戦ってたとはいえ、乗りかかった船であるし、アルファたちにもサッカーの楽しさを分かってもらえたからこそ"協力しても良いか"という気になったのだ。

 

さて、今日の午前中にフェーダのメンバーは制御ワクチンを接種する予定になっており、俺と神童先輩と天馬と剣城、彼方の5人は接種場所に来ていた。

 

SARU:「あっ!! 天馬!!」

 

俺たちに気付いたSARUが声を上げてよってくると、ラグーンメンバーとあの4人が追随した。

 

天馬:「SARU!! ちょっと気になってさ」

 

SARU:「まぁ、ボクも不安が無い訳ではないけど・・・サッカーをこれから守っていくっていう・・その、友達との約束だからね」

 

竜太:フッ「SARU・・・」

 

やっぱり・・・普通にしてれば年相応の子供何だよな。SARUのこんな清々しい笑顔、出会った当初じゃあ考えられなかったし。

 

剣城:「なに、力を失っても・・お前らは頭が良いんだ。いくらでも対処できるさ」

 

神童:「あぁ。そうだな剣城の言う通りだ」

 

SARU:「うん!! ありがとう」

 

 

ナージェ・ミド:「「ギュウ〜〜ッ!!」」

 

竜太:「ちょっ!? 2人共!! そんな抱きつかれると・・・・「浮気?」ち、違う!!」

 

彼方が恐ろしい表情で俺を睨んでくる。絶対分かっててそういう表情をしてるとなぜか確信があったが、下手な言動をすると嫉妬してしまうのが女心という物。

 

故に変なことは言わないように細心の注意を払わねばならない。

 

ゼイク:「・・・・完全に恋する乙女だな」

 

チェル:「まったくだな」

 

竜太:「いや困るって!! 俺には彼方が!!」

 

ミド:「そう・・・だよね」グスッ

 

ナージェ:「私達・・・そんなに女の魅力無いかな・・・?」ウルウル

 

あ〜〜〜っ!! もう、そういう上目遣いで誘惑するの止めてくれないかなぁ!? 魅力無いだぁ? んなわけあるか!! 寧ろ心臓バクバク言ってるわ!!

 

しかしここで、彼方が動く。

 

彼方:「はいはい、2人共そこまでにしてね〜? でないと・・・彼方ちゃん怒るよ?」

 

ナージェ・ミド:ゾクッ「「は・・ハイ」」

 

彼方から凄まじい威圧感が放たれ、瞬時に離れる2人。ていうかまだワクチンを接種する前なのに他のSSCたちも冷や汗流してるぞ? どんだけ恐ろしいオーラ出したんだよ・・・・。

 

彼方:「竜太もデレデレしない!!」

 

竜太:「えっ・・・してた?」

 

彼方:「してた!!」

 

そっか・・・ここはひとまず彼方に「ごめんなさい」と素直に謝る。すると彼方の機嫌はこれ以上悪くはならなかった。

 

係員:「それではこれからワクチン接種始めます。係の人に従ってください」

 

SARU:「じゃあ行ってくるよ」

 

天馬:「うん!!」

 

ナージェ:「行ってきます!!」

 

ミド:「行ってくる・・・」

 

竜太・彼方:「「行ってらっしゃい!!」」

 

 

そして接種開始から5時間後、皆はひとまず接種を終え、これが体に定着するまでに5日間位掛かるそうだ。

 

天馬:「それじゃ明日も来るよ。今日はこれで」

 

SARU:「うん。待ってるよ」

 

竜太:「じゃあな?」

 

デッキ:「おい!!」

 

ん? 何だ・・・?

 

 

デッキ:「また・・・サッカーで勝負してくれるか?」

 

ファダム:「おう!! お前のシュートは俺が止めてやる!!」

 

ブーフウ:「止めておけ。ホスでも止められなかったんだぞ? お前が止められる訳無いだろ?」

 

ファダム:「んだとぉ!?」

 

ちょっとした小競り合いが起きるが、SARUの一喝で収まった。全く・・・

 

 

竜太:「心配しなくても、未来にいる内は勝負してやるよ。夜とか休んでる間でなければいつでもな!! じゃ!!」

 

そして俺たち5人は施設を出て、SSCの親たちが集められているという役所に向かった。今頃母さんたちにボコされてるかな?

 

俺たちが到着すると、既に親たちは生気を無くした虚ろな目をして倒れていた。

 

竜太:「うわぁ〜・・・」

 

果南:「あっ、きたきた。 ほら!! 起きなさい!!」

 

母さんが親どもに水をぶっかけるとハッと目を冷ます。

 

果南:「竜太、トドメさしちゃって。あっ、殺すって意味じゃないからね?」

 

分かってるよ・・・。俺はしばらく封印していた愛刀(ハリセン)を取り出し、

 

親たち:『『ヒッ!!』』

 

竜太:「水○連打ぁあぁああぁあああっ!!」

 

スパパパパパパパアァアァアアァアアアンッ!!!!!!!

 

久々のキョダ○マッ○ス技をコイツらの脳天に思い切りを叩き込んでやった。

 

親たち:『『ギャアァアアァアアアァアアアアッ!?!?!??!!?!??!!!!』』

 

ふ〜〜〜っ!! スッキリしたーー!!

 

この部屋の至るところに、頭のたんこぶから煙を出して倒れ伏す大人たちがゴミのように転がっていたが、俺たちはそんなものは気にせずに、今も泊まっているスタジアムの部屋に戻った。

 

後日その時の映像をSARUたちに送ったら、まさかの惨状に若干引いていたのは別の話。

 

 

ー 続く ー



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第161話:戦後幕間 ②

あれから4日が経ち、明後日に俺たちの時代へと帰る。今日は雷門の女子メンバーに誘われて俺は未来の街にショッピングに来ていた。と言っても、買ったものを持ち帰る事で俺たちの時代に影響があるといけないので、もっぱら食べ歩きだが・・・。

 

〜 セントエルダショッピングモール 〜

 

竜太:「それにしても、エルドラドの人たち俺たちにこの時代の通貨をとんでもない額くれたよな? ただ遊びに行くだけで・・・・」

 

かすみ:「な〜に言ってんですか!! かすみん達はこの時代を救った言わばヒーローなんですから当然ですよ!!」

 

彼方:「かすみちゃ〜ん? だからといって"当然"って言うのはどうなのかな〜?」

 

かすみ:「・・・・・・・それもそうですね」

 

かすみのこういう素直な所は本当に素晴らしいと思う。するとエマ先輩が何かを見つけた様で、

 

エマ:「ねぇ? このパン買っていい?」

 

果林:「良いんじゃない、エマ買ってみたら? 普通だったら味わえなった味かもよ?」

 

エマ:「そうだね〜買ってくるよ!!」

 

そしてエマ先輩がパンを人数分買ってきた。俺のはチーズパンだ。

 

皆:『いただきます!!』

 

そして俺たちがパンにかぶりつくと口の中に広がるチーズの濃厚な風味。焼かれてカリッとした表面の内側はふっくらと・・・何だ、俺たちの時代とあまり変わらなかったな。

 

歩夢:「でも美味しい!!」

 

侑:「ホントだね!! あっ、竜太くんのパンちょっと貰っていい?」

 

そう言うと侑先輩は パクッと俺のパンを一口食ってしまった。

 

・・・・・間接キス何だけど///

 

栞子:「侑さん・・・彼女のいる男性に対して凄いですね・・・ましてや彼女の前で」

 

侑:「あ"っ・・・」

 

とき既に遅し。侑先輩が恐る恐る彼方を見ると、ゴゴゴゴゴゴと効果音を放ちそうな程に剣呑な雰囲気を出した彼方が侑先輩を睨んでいた。

 

彼方:「侑ちゃ〜ん?」ゴゴゴゴゴゴゴ

 

侑:「あ、あの!! これは・・・・っ!?」

 

すると彼方は後ろから侑先輩の胸を鷲掴みにしてコレでもかと揉みしだいた。

 

彼方:「希さん直伝のワシワシMAXじゃあ〜!!」

 

侑:「イヤッ! あっ// そこっ、はっ// ダメェえええっ!!!」

 

フニョンフニョンと形を変える侑先輩のおっ○い。いやぁ眼k・・

 

しずく:「竜太くんは見ちゃダメですっ!!」

 

せつ菜:「教育上宜しくありませんっ!!」

 

しずくとせつ菜先輩の2人から目隠しされる俺。解せぬ・・・。

 

そして数十秒後、侑先輩は開放されてハァ//ハァ///と少しエッチな息を切らしていた。

 

竜太:「よし、じゃあ次どこ行く?」

 

彼方:「そうだね〜どうしようか?」

 

愛:「ゆうゆうは良いの?」

 

彼方:「良いの〜!」

 

竜太:「今逆らうと恐ろしいのでノーコメントで・・・」

 

その時、女子全員こう思った。『女心の危機感知能力は高いな』と・・・・

 

璃奈:「私・・・ゲームセンター行ってみたい。興味がある」

 

竜太:「あっ、俺も行ってみたいかも。行くか」

 

そしてゲームセンターに到着した俺たちは、まずはこの時代にもあったレースゲームをやることにした。というか・・・・この時代にもサンテンドー続いてるんだね。

 

そしてゲームを堪能した俺たちはゲーセンを後にしてファミレスに向かいそこで昼食を取り、その後でラグナロクスタジアムのフィールドに向かった。確か今日SSCたちと桐穂たちが交流戦やってたはず。途中参加しても良いかな?という話になったのだ。

 

〜 ラグナロクスタジアム・フィールド 〜

 

桐穂:「あれ? 竜太どうしたの?」

 

SARU:「えっ? 竜太!?」

 

桐穂の一声で皆がこちらを振り向く。俺たちが「良かったら混ぜてくれ」と頼むと、皆快く了承してくれた。

 

〜 ミニゲーム中 〜

 

桐穂:「SARUくん行ったよ!!」

 

SARU:「ナイスパス!!」

 

ニケ・栞子:「「行かせないわよ(ませんよ)!!」」

 

SARU:「おっと!! 理沙さん!!」トッ

 

理沙:「ナイス!! 行っけぇええええっ!!」

 

ドガァアッ!!

 

ブーフウ:「止める!!」

 

ドシィッ!!

 

ブーフウ:「いいシュートだ!! デッキ!!」

 

デッキ:「よっと!! 中須!!」

 

かすみ:「かすみんですぅーーーっ!! 「通しません!!(行かせないわよ!!)」っ! しず子!? ナージェさん!? 竜太くん!!」

 

竜太:「っと!! ナイ・・・「行かせねぇ!!」っと、」

 

SARU:「ガロ!! 止めろ!!」

 

ガロ:「オラァアアッ!!」

 

竜太:「うりゃあっ!!」

 

ガロと俺の肩同士がぶつかり合う。激しい音が鳴り、結果は、

 

ガロ:「うわっ!?」

 

ルード:「ガロがふっ飛ばされた!?」

 

善美:「シュートコース塞いで!!」

 

すずめ・モリー:「「了解!!」」

 

俺と2人が2対1で鍔迫合う。すると、

 

フッ!!

 

すずめ:「っ!? ボールが消えっ!?」

 

モリー:「(ヒールリフト・・・)貰った・・・」ギュルンッ

 

俺はヒールリフトにカーブを掛けており、そのまま2人を抜き去った。

 

モリー:(ヒールでカーブ掛けるなんてアリ!?)

 

そしてフリーでディフェンスラインを突破した俺はシュートを放つ。

 

竜太:「喰らえっ!!」

 

ドゴオッ!!

 

善美:「止める!!」

 

ドシィイイィイィイイイッ!!

 

善美:「ぐっ!?(痛ったぁ〜〜〜っ!! 何よこの威力?!)」

 

SARU:「僕たちのシュートとすら音が全然違うんだけど・・・・」

 

善美:「歩夢さん! せつ菜さん!!」

 

せつ菜:「任されました!!」

 

千夏:「ミドちゃん止めるよ!!」

 

ミド:「うん。止める!!」

 

せつ菜:「久しぶりに行きますよ!!」

 

せつ菜・歩夢:「「[キラーフィールズ・S]!!」」

 

千夏:「ぐっ!?」

 

ミド:「ちょっ!? 何この技!?」

 

歩夢:「行くよ!! 「させません(ないよ)!!」」

 

栞子・エマ:「「[ランサーレインズ・G4]!!」」

 

栞子とエマの合体技で、空から鉄槍が降ってくる。

 

ドゴォオオォオオアァアアアッ!!

 

そしてボールはタッチラインを割り、

 

 

穂乃果:「あっ、みんな~!! そろそろ時間だよーーーっ?」

 

SARU:「もうそんな時間?」

 

ギリス:「あっという間だったね」

 

竜太:「じゃあまた明日な?」

 

SARU:「うん。また!!」

 

 

そして俺たちは皆と合流してその日はゆっくり休んて就寝した。

 

 

ー 続く ー




解説
サンテンドー:竜太たちの世界の。そして時代にもあるゲーム会社。現実のある会社がモデル。

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第162話:帰還前の練習試合 ①

ラグナロクの終わりから6日目。いよいよ現代への帰還が明日になり、今日はSARUたちのところへ来ていた。

予定では今日にはワクチンが身体に定着し、SSCの力を失っているハズらしいので結果を見に来たのだ。そして検査の結果・・・・・。

 

全員無事にワクチンの効果が現れ、力を失っていた。遺伝子検査も行った結果、SSC遺伝子は機能を失い、皆普通の人間になっていた。

 

そしてSARUたちが、俺たちともう一度試合をしたいと言うので、今度はクロノ・ストームではなく、"チーム雷門"で、ラグーンメンバーと試合をすることになった。因みに俺たちは化身や化身アームドはアリだが、ミキシマックス無しだ。まぁ当然だな。SARUたちはもう力を失ってるんだから。

 

〜 ラグナロクスタジアム 〜

 

SARU:「皆行くよ!!」

 

ラグーン:『おう!!』

 

竜太:「皆行くぞ!!」

 

雷門:『おう(行こう)!!』

 

フォーメーション

ザ・ラグーン

 

GK       ホス

 

DF  シープ  ダク  ハムス

 

ボランチ  オム ニケ ピグ

 

MF ギリス        メイア

 

FW    イムス  SARU

 

雷門

 

FW       竜太

 

MF せつ菜 歩夢  天馬  神童

 

ボランチ  かすみ  しずく

 

DF   エマ  霧野  彼方

 

GK       信介

 

そして試合開始の笛が鳴り、雷門ボールで試合開始。ボールが天馬に渡ると、SARUとイムスが止めに入る。が、やはりラグナロクの時程の速さは全く無い。

 

天馬:「[超・アグレッシブビート]!!!」

 

天馬は自身の身体能力を引き上げて高速移動で2人を突破。そして歩夢先輩にパスを出す。

 

オム:「行かせねぇぞ!!」

 

歩夢:「なら力づくで通らせて貰うよ!! せつ菜ちゃん!!」

 

歩夢・せつ菜:「「[キラーフィールズ・S]!!」」

 

2人の完全にシンクロした動きから、全くの同時にボールを挟み込むように繰り出された蹴りのインパクトで衝撃波が発生。オムを吹き飛ばした。

 

オム:「なっ!?」

 

そしてディフェンダーのシープとダクが止めに来た所で歩夢先輩はボールをしずくへと戻す。そしてしずく、天馬、歩夢先輩とパスを繋いで突破に成功。そして3人で久しぶりの連携必殺シュートを放つ。

 

3人が順番にボールを蹴り上げていき、最後に歩夢先輩が踵落としでボールを落とす。ボールには今にも大爆発を起こしそうな程のエネルギーがチャージされ、それを3人が同時に蹴り出す。

 

歩夢・天馬・しずく:「「「[ビッグバン・G4]!!」」」

 

3人の、宇宙の誕生を思わせる超絶威力の必殺シュートがゴールに襲い掛かる。ホスは化身を発動する。

 

ホス:「【不滅の獄長オクロット】!! [ー ヘルズフィスト ー]!!!」

 

【オクロット】が闇のエネルギーを込めた左腕でシュートを殴りつける。しかしそんなもので止まるようなシュートではなく、シュートはラグーンゴールに突き刺さった。

 

ホス:「くそっ、次は止めてやる!!」

 

歩夢:「次も決めて見せるよ!!」

 

しずく:「1人では無理でも3人なら決められます!!」

 

 

SARU:「絶対に取り返すよ!!」

 

 

 

雷門 1 ー 0 ザ・ラグーン

 

ー 続くー



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第163話:帰還前の練習試合 ②

天馬・歩夢先輩・しずくの連携シュート[ビッグバン]がラグーンゴールに突き刺さり早速リードした俺たち。

ラグーンボールで試合を再開し、ボールはピグに。

 

ピグ:「絶対に取り返してやる!!」

 

ピグがドリブルで攻め上がってきたところにしずくがディフェンスに入る。

 

しずく:「行かせませんよっ!! [ザ・ミュージカル・S]!!」

 

2人の周囲が舞台に変わり、しずくの踊るような華麗なステップからボールを掠め取る。しずくはすぐさま天馬に出そうとしたが、

 

ニケ:「貰うわ!!」

 

しかしピグの後ろに控えていたニケにカウンターでボールを奪い返され、ボールは再びピグへ。

 

そしてラグーンは一気に攻勢に出る。ピグからボールはSARUに飛び、SARUはシュート体勢に入る。

 

SARU:「[シェルビットバーストッ]!!」

 

7つのシェルから射出されたレーザーのシュートがゴールを襲うが、彼方がブロックに入る。

 

彼方:「タダでは通さないよ〜っ!! [絶・ダークトルネードッ]!!」

 

ガカァアアァアァアアアッ!!!

 

彼方の右足から繰り出された闇の竜巻がシュートに真正面からぶつかる。しかしやはりパワー負けして彼方は弾かれたが少しはパワーを奪った。

 

霧野:「止めてやる!! [ディープミスト・S]!!」

 

今度は霧野先輩が必殺技で生み出した濃霧がシュートに纏わりついて大気摩擦で威力を減衰させる。するともうパワーは残っておらず、力無いボールが転がったのを信介が抑えた。

 

SARU:「っ、クソっ!!」

 

信介:「ヘヘッ・・・エマ先輩ッ!!」

 

信介のゴールキックからボールはエマ先輩へ飛ぶ。そこにイムスとギリスがダブルチームを掛けてくるが、2人の間をパスを通してボールはかすみへ。

 

かすみ:「ナイスですエマ先輩っ!! 「やらせねぇ!!」おっと、来ましたね?」

 

オム:「止める!!」

 

今度はかすみに対してオムがディフェンスに入り、かすみと1対1になる。2人はフェイクや視線でハッタリを掛けたりと駆け引きをするが中々オムは奪えない。

 

かすみ:「(これ以上時間を掛けるのは良くない気がしますね・・・・)しず子!!」

 

ここでかすみはしずくにパスを出す。今のはかすみに対する包囲が出来上がってきていたから早めにパスアウトしたのはナイス判断だ。

 

そしてしずくがドリブルで攻め上がる。そこに今度は攻守逆転し、ピグがディフェンスに入る。

 

しずく:「通らせて貰いますっ!! [絶・木の葉の舞]!!」

 

しずくの周囲に木枯らしが吹き荒れ、落ち葉か舞い散りピグの視界を遮る。旋風が晴れ、葉が落ちた頃には既にしずくは突破していた。

 

しずく:「神童先輩っ!!」

 

そしてボールは神童先輩に飛ぶ。しかしハムスがディフェンスに来る。

 

ハムス:「進ませるかっ!!」

 

しかし神童先輩はトラップもせずにパスボールをそのままダイレクトで必殺シュートに繋げた。ボールの周りに譜面が回り、パワーが増大する。

 

神童:「[フォルテシモ・S]!!」

 

ハムス:「何っ!?」

 

さすがにトラップを挟まずにダイレクトてシュートを撃たれてはブロックを挟む余裕が無く、シュートはノーブロックでキーパーへ。

 

ホス:「[絶・リバースワールド]!!」

 

ホスの必殺技で世界が180度反転し、シュートの進行方向を逆方向に捻じ曲げる。そして[フォルテシモ]弾き返されてしまった。

そしてそのままボールはニケに飛ぶが、そこに歩夢先輩がプレッシングを掛ける。しかしニケの身体をわずかにグラつかせはしたが、歩夢先輩は弾き返されてしまった。

 

ニケ:「危ない危ない・・・「貰いますっ!!」っ!?」

 

しかし気を抜いたのが運の尽き。せつ菜先輩にスライディングで奪い返される。

 

せつ菜:「竜太くんっ!!」

 

そしてパスが俺に飛ぶ。しかしここで巨漢のディフェンダーであるダクが競り合いに来る。体格では明らかに不利だが、俺の鍛え上げられた体幹にダクは呆気なく弾かれてそのまま空中で胸トラップして着地する。

 

ダク:「くっ、」

 

そして俺はドリブルで攻め上がる。シープとハムスが急いで俺を追うが、ドリブルしている俺に追いつけない。

 

ハムス:(くっそ!! マジかコイツっ!?)

 

シープ:(追いつけないっ!!)

 

そして俺はシュート体勢に入る。俺の周りを水の竜巻が包み込み、そのままグングンと上昇。ありったけの水流エネルギーが込められたボールを蹴り落とした。

 

竜太:「[激流ストーム・Gx]!!」

 

そしてゴールに降り掛かる水の弾丸。ホスは化身アームドを発動して必殺技を放つ。

 

ホス(オクロットアームド):「[絶・リバースワールドッ]!!」

 

そしてホスの必殺技が空間を捻じ曲げてシュートの進行方向をムリヤリ変えようとするが、水のエネルギーが飛沫を上げて弾け、ホスは洗い流されてボールはゴールに突き刺さった。

 

 

雷門 2 ー 0 ザ・ラグーン

 

ー 続く ー




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第164話:帰還前の練習試合 ③

今度は俺の[激流ストーム]がゴールに突き刺さり2ー0とリードを2点に広げた俺たち。SARUたちは少しずつ焦り始める。

 

SARU:「まずは1点! 返していこう!!」

 

ラグーン:『『ああ(ええ)!!』』

 

そしてラグーンボールで試合再開し、ボールはオムに渡る。しかしそこに歩夢先輩とせつ菜先輩が2人掛かりで止めに入る。

 

歩夢:「止めるよせつ菜ちゃん!!」

 

せつ菜:「はいっ!!」

 

そしてオムと2vs1になる。歩夢先輩が前に出て、オムが動こうとした方向に後衛のせつ菜先輩が瞬時にフォローに行けるように動いている。

 

あれは突破するのは難しいぞ・・・・。

 

オム:「(くっ! なら・・・!!)ニケ!!」

 

ここでやむなくニケにパスアウトしたオム。しかし今度は天馬としずくがディフェンスに入る。

 

天馬:「貰った!!」

 

天馬がスライディングを仕掛けるが、ニケは冷静にジャンプで躱す。しかし着地の瞬間を狙ってしずくが足を伸ばす。

 

しずく:「貰いますっ!!」

 

しかし着地する寸前にニケは空中でボールをワンタッチ入れて浮かせてしずくの伸びた足とのタイミングをずらして躱す。

 

ニケ:「そう何度もやられないわよっ!! ピグ!!」

 

そしてボールはピグへ。ピグはスピードに乗ってドリブル突破を仕掛けてくる。が、そこに彼方がディフェンスに入る。

 

彼方:「行かせないよ〜っ!! [フェアリーゾーン・S]!!」

 

久しぶりに見た彼方のディフェンス技がピグに牙を剥く。彼方から発せられた桃色の空間が広がり、ピグを飲み込・・・・もうとした瞬間にピグは中にセンタリングを上げた。ボールはイムスに飛び、エマ先輩との競り合いになる。

 

イムス:「取るっ!!」

 

エマ:「負けないよっ!!」

 

空中でぶつかり、お互いに体勢がやや崩れたが、イムスは根性でヘディングでボールをゴール前に落とした。そこに・・・

 

SARU:「ナイスだよイムス!! 喰らえ!! [シェルビット・・バァアァアアアストッ]!!!」

 

SARUのシュートが至近距離から信介に襲い掛かる。信介は[ムゲン・ザ・ハンド]を発動したが、打ち破られてシュートはゴールに突き刺さった。

 

SARU:「よっしっ!!」

 

イムス:「SARUナイスシュート!!」

 

ギリス:「流石だよSARU!!」

 

SARU:「だがまだ1点だ。絶対に勝つぞ!!」

 

ラグーン:『おう!!』

 

そしてここで前半終了のホイッスルが鳴り、ハーフタイムに入る。ここで俺たちは歩夢先輩と剣城、しずくと果林先輩を交代する。

 

メンバーチェンジ

雷門

 

FW       竜太

 

MF せつ菜 剣城  天馬  神童

 

ボランチ  かすみ  果林

 

DF   エマ  霧野  彼方

 

GK       信介

 

そしてラグーンボールで後半戦開始。ボールはSARUに渡り、そのままドリブルで斬り込んでくる。

 

SARU:「うぉおおぉぁあぁあああっ!!」

 

果林:「勢い任せじゃ抜けないわよ!!」

 

すると果林先輩がスライディングでボールを奪い取った。そして天馬にパスを出す。

 

天馬:「よしっ! 行くぞ!!」

 

すると果林先輩とエマ先輩の2人が一気に上がってくる。それだけで2人が何をやりたいのかを察した俺達は、2人が上がる時間を稼ぐ様にゆっくりとしたパス回しで確実にボールを繋ぐ。

 

ギリス:「何をする気か知らないけどさせないよっ!!」

 

せつ菜:「もう遅いですよっ!! 果林さん! エマさん!!」

 

そしてせつ菜先輩からのゴール前へのロングパス。真後ろから飛んできたボールを、2人は全く見ずに2人同時にシュートを叩き込んだ。

 

果林・エマ:「「[極・ユニコーンブースト]!!」」

 

2人のキックから、ボールと共にユニコーンがフィールドを駆け抜ける。シュートはディフェンダーを置き去りにして突き進み、キーパーへと到達する。

 

ホス:「【不滅の獄長オクロット】!! [ー ヘルズフィスト ー]!!」

 

ホスの発動した化身、【オクロット】の鉄拳がシュートに叩き込まれる。が、シュートのパワーが勝り、シュートはゴールに叩き込まれた。

 

 

 

雷門 3 ー 1 ザ・ラグーン

 

ー 続く ー




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第165話:帰還前の練習試合 ④

果林先輩とエマ先輩の[ユニコーンブースト]がゴールネットに突き刺さり、3ー1と差は再び2点に広がる。

ラグーンボールから試合再開し、ボールはメイアに渡るるが、そこに神童先輩と果林先輩が2人掛かりで止めに入る。

 

メイア:「ピグ!!」

 

しかしディフェンスに捕まる前にピグへとバックパスで躱すメイア。そしてすぐさまピグからメイアに浮き球のリターンで戻し、2人を突破した。

 

そしてメイアがゴール前へと走ると、ギリスも寄ってくる。[デッドフューチャー]撃つ気だな・・・。

しかしそれは読めていたのか、かすみがディフェンスに入る。

 

かすみ:「行かせませんよ〜っ!! [真空連魔・Z]!!」

 

しかしここでかすみのディフェンス技が炸裂し、ボールを奪い取った。

 

かすみ:「やりましたっ!! 天馬くんっ!!」

 

ここでボールは天馬に渡り、神童先輩と剣城が寄ってくる。

 

天馬:「行きますよ!!」

 

そして天馬が上にボールを蹴り上げ、それを2人は[ジョーカーレインズ]で下に撃ち下ろし、それを天馬が[マッハウィンド]でダイレクトシュートする。

 

天馬・神童・剣城:「「「[エボリューション・Gx]!!」」」

 

少し長めのレンジからの天馬たちの[エボリューション]。しかしボールは上空へと撃たれており、ラグーンメンバーは呆気に取られる。

 

竜太:「ナイスパスだ3人とも!!」

 

しかしこれは俺へのパスであり気づいたときにはもう体勢に入っていた。

 

竜太:「[超・アクアトルネード]!!」

 

俺の左足から放たれた水の竜巻が、シュートチェインでボールの勢いを後押しし、更にゴール目掛けて軌道を修正する。ボールは上空からラグーンゴールに撃ち落とされ、ホスは迎撃体勢に入る。

 

ホス:「[絶・リバース・・うわぁあああっ!!」

 

しかしシュートのスピードが速すぎた為に技を繰り出す暇すら無く、シュートはゴールに突き刺さった。

 

ラグーンボールで試合再開し、SARUたちも「このまま終わってたまるか!!」と向かってくる。ボールはニケに渡り、ニケは化身を発動する。

 

ニケ:「来なさいっ!! 【魅惑のダラマンローズ】!!」

 

ニケが帽子を被り、杖を持ったピンク色の女性型化身を発動してドリブルで攻め上がってくる。コチラも天馬と果林先輩、かすみが止めに入る。

 

ニケ:「[ー ダンシングゴーストッ ー]!!」

 

しかし、【ダラマンローズ】の杖から放たれたゴーストが3人を束縛。そのまま突破される。

 

ニケ:「メイア! ギリスッ!!」

 

そしてここで中央に2人に対しての真後ろからのセンタリングが入る。メイアとギリスは2人共に化身を発動する。

 

ギリス・メイア:「「【情熱のラヴァーズ♂(♀)】!! アームドッッ!!」」

 

そして2人は即座に連携シュートを放ってきた。

 

メイア・ギリス:「「[デッドフューチャー・G4]!!」」

 

2人の渾身のシュートが雷門ゴールに襲い掛かる。が、霧野先輩がブロックに入る。

 

霧野:「(化身アームドしている時間は無い!)[ディープミスト・S]!!」

 

霧野先輩の作り出した濃霧が、空気摩擦でシュートの威力を削ぎ落とす。が、殆どパワーを奪えなかった。

 

信介:「【護星神タイタニアス・零式】!! アームドッ!!」

 

そして信介は化身アームドを発動して迎え撃つ。

 

信介:「[ムゲン・ザ・ハンド・Gx]!!」

 

信介の[ムゲン・ザ・ハンド]がシュートを次々と掴み取る。しかし、さすがに化身アームド二人分は止めきれずにシュートは雷門ゴールに突き刺さった。

 

ギリス:「やったねメイア!!」

 

メイア:「ええギリスッ!!」

 

パァアアンッ!!

 

2人はハイタッチし、もう一点取ると指揮を高める。

 

雷門ボールから再開し、ボールは果林先輩へ。

 

果林:「天馬くんっ・・・「貰った!!」なっ!?」

 

しかし果林先輩から天馬に飛んだパスをSARUがインターセプト。ボールを奪い取って上がっていく。

 

霧野:「止めてやる!! 【旗騎士ブリュンヒルデ・伍式】!! アームドッ!!」

 

ここで霧野先輩が化身アームドを発動して立ちふさがる。しかしここでSARUも化身を発動する。

 

SARU:「【超魔神エヴァース】!! アームドッ!!」

 

化身アームドと化身アームドの一騎打ち。どちらも一歩も譲らない。が、

 

SARU:「イムス!!」

 

霧野:「何っ!?」

 

何とここでSARUはパスを選択し、ディフェンス陣は完全にSARUを警戒していたためイムスがガラ空きでボールを持った。

 

イムス:「絶対に決めてやる!! 【獅子王アリオス】!! アームドッ!!」

 

何とイムスは化身を発動して更にアームドする。しかも完全にどフリーで。

 

イムス:「はぁあああっ!![ノーザンインパクト・G2]!!」

 

イムスのソバットキックから放たれた弾丸シュートは、真っ直ぐに雷門ゴールに突き進む。信介は化身を発動してアームドする。

 

信介(タイタニアスアームド):「[ムゲン・ザ・ハンド・Gx]!!」

 

信介の必殺技とイムスの必殺技が激達する。互いにパワーは拮抗し、押し押されを繰り返す。が、

 

信介:「うわぁっ!」

 

バチィンっ!!

 

信介はパワーに押されて弾き飛ばされるが、何とか軌道を変えてクロスバーに当たって跳ね返る。

 

信介:「よしっ・・「まだだ!!」っ!?」

 

しかしここでSARUが跳ね返ってきたボールに対してダイビングヘッド併せる。体勢を整える暇など当然なく、シュートは雷門のゴールに押し込まれた。

 

 

 

雷門 4 ー 3 ザ・ラグーン

 

ー 続く ー




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第166話:練習試合試合終了

SARUにボールを押し込まれて4ー3と1点差に詰め寄られた。雷門ボールで試合再開し、ボールはかすみへ。

 

かすみがドリブルで上がっていくと、そこにイムスがスピードを生かしてプレッシングを掛ける。

 

かすみ:「(速いけどっ!)果林センパイっ!!」

 

かすみは果林先輩にパスを出してイムスを躱す。しかしすぐにメイアが止めに入る。

 

メイア:「やらせないわっ!!」

 

メイアの鋭いスライディングが果林先輩に襲い掛かる。しかし果林先輩はジャンプで躱すと、天馬にパスを出す。

 

ダク:「貰った!!」

 

ボールを受け取った天馬にダクがディフェンスに入る。しかし天馬は必殺技で抜きに掛かる。

 

天馬:「[真・風穴ドライブ]!!」

 

天馬の作り出した風の渦の中を沿うように、スピードで一気に突破する天馬。しかしハムスとシープが止めに入る。

 

天馬:「せつ菜先輩!!」

 

シープ・ハムス:「「何っ!?」」

 

ボールはせつ菜先輩にフリーで渡る。すると剣城とかすみの3人でシュート体勢に入る。

 

せつ菜・かすみ・剣城:「「「[グランフェンリル・Gx]!!!」」」

 

今度はせつ菜先輩たちの連携シュートがラグーンゴールに襲い掛かる。ホスは化身アームドを発動して、更に必殺技を放つ。

 

ホス:「[絶・リバースワールド]!!」

 

ホスの必殺技で世界が180度反転し、シュートの進行方向を捻じ曲げる。さすがに化身アームドと必殺技を合わせられては決められずにシュートは弾かれてしまい、ボールはタッチラインを割って外に出た。

 

そしてここでせつ菜先輩と侑先輩、神童先輩と愛さんが交代する。

 

FW      竜太

 

MF 侑  剣城  天馬  愛

 

ボランチ かすみ  果林

 

DF  エマ  霧野  彼方

 

GK      信介

 

そしてラグーンのスローインから試合再開。ギリスのスローインからボールはニケへ飛ぶ。が、神童先輩との競り合いになる。互角で競り合い、そのままこぼれ球をメイアが抑えてドリブルで攻め上がる。

 

彼方:「行かせないよ〜っ!! [スリ〜ピィサンクチュアリ・Gx]!!!」

 

彼方の発動した催眠領域がメイアの眠気を誘う。メイアが睡魔に襲われてふらつくと、その隙に彼方がボールを掻っさらう。

 

彼方:「愛ちゃ〜ん!!」

 

そしてボールは愛さんへ。そこにピグがディフェンスに来るが、俺は少し戻って愛さんからボールを受け取る。すると侑先輩と愛さんが寄ってきて3人同時に化身を発動する。

 

竜太:「【海皇龍ブルーヒドラ・零式】!!」

 

愛:「【楽しいの天才サイコウ・零式】!!」

 

侑:「【戦場の女神ジャンヌ・零式】!!」

 

そして、侑先輩の指示の下、3体の化身が1つになる。

 

竜太・愛・侑:「「「【覇王龍バハムート・零式】!!!」」」

 

ラグーン:『何っ!?』

 

SARUたちは化身合体の事は知っていたが、俺たちの合体化身のことは知らなかったようで驚いている。

 

SARU:「クッ、【超魔神エヴァース】!!」

 

メイア:「【情熱のラヴァーズ♀】!!」

 

ギリス:「【情熱のラヴァーズ♂】!!」

 

イムス:「【獅子王アリオス】!!」

 

ニケ:「【魅惑のダラマンローズ】!!」

 

ハムス:「【破壊神デスロス】!!」

 

ホス:「【不滅の獄長オクロット】!!!」

 

ラグーンの化身使いたちは全員が化身を発動して【バハムート】を迎え撃つ。

 

竜太:「ムダだ!!」

 

【バハムート】が翼をはばたかせると、凄まじい突風が吹き荒れ、化身たちを一気に薙ぎ払ってしまう。残り時間は後僅か。俺は【バハムート】を発動した状態で攻め上がる。

 

ホス:「くっ、来いっ!!」

 

竜太:「行くぞ!! 【覇王龍バハムート・零式】、アームドッ!!」

 

そして俺は合体化身である【バハムート】を化身アームドする。その凄まじい威圧感にSARUたちもビビっている。

 

そして俺はシュート体勢に入る。この状態ならあの技でも入るはずだ。

俺は軽くボールを浮かせて、ボールに18連撃の蹴りを叩き込む。

 

竜太:「[剣撃乱舞・Z]!!」

 

久しぶりに放った俺の必殺シュートがラグーンゴールに襲い掛かる。ホスは【オクロット】をアームドして必殺技を放つ。

 

ホス(オクロットアームド):「[絶・リバースワールド]!!」

 

ホスが必殺技でシュートの進行方向を捻じ曲げようとするが、そんなものは知らんと言わんばかりに突き破り、シュートはゴールに叩き込まれた。

 

そしてここで試合終了のホイッスルが鳴った。

 

 

 

雷門 5 ー 3 ザ・ラグーン

 

ー 続く ー




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番外編:学生の闘い ②

今回の話の時系列は幕末時代に向かう少し前です。

それでは始まります!!


俺たちサッカー部が時空を越えた戦いをしている最中も、当然学校の授業やテストは待ってはくれない。もうすぐ1年の後期中間テストがあり、今日はかすみの家で勉強会をしている。

 

かすみ:「もう〜〜っ!! かすみんたちこんなことしている場合じゃないですよね〜っ!?」

 

竜太:「しょうがねぇだろ。俺たちはあくまでも学生何だから・・・俺だってさっさと次の時代に皆で力を取りに行きてぇよ・・・・」

 

天馬:「まぁこればっかりはしょうがないよね。」

 

黄名子:「そういえば1年生の中で誰が1番頭良いの?」

 

皆:『竜太だよ』

 

全員声を揃えて言う。お前らももう少し頑張れよな・・・。

 

竜太:「まぁ勉強やろうぜ?」

 

 

練習問題

社会

・厳島の戦いで、毛利元就が破った武将は誰か答えよ。

 

かすみ:「源義経!!」

 

竜太:「バカかお前は!! 時代が違うだろ時代が!!」

 

天馬:「かすみ・・・・さすがにそれは無いよ。「じゃあ天馬答えてみろ」 細川勝元!!」

 

栞子:「天馬くんそれは応仁の乱です。かすみさんと対して違いませんよ」

 

竜太:「この有様何だよ・・・」

 

黄名子:「竜太くんは分かるやんね?」

 

竜太:「陶晴賢だよ」

 

栞子:「正解です」

 

かすみ:「そんな武将聞いたこと無いですよ〜っ!! 「そりゃあそうだろうな! 授業中居眠りしてたらな!!」なっ、何で知ってるんですか〜?」

 

竜太:「黄名子から聞いた。 ったく・・・次!!」

 

 

練習問題

英語

 

ご飯(米)を英単語で書きなさい。

 

黄名子:「あっ、これわかるやんねっ!」

 

答えlice

 

しずく:「米はLじゃなくてRですよ!! シラミを食べる気ですか!?」

 

黄名子:「あ、あれおっかしいな〜?」

 

竜太:「幸先が不安だ・・・・・」

 

そして俺たちはテスト期間中みんなの家に集まって勉強し、いよいよテスト日。

 

竜太:(アイツら大丈夫かな・・・・?)

 

俺は不安で胃が痛くなっていた。

 

 

テスト

 

1限 教科・国語

大門1

次の枠の中の言葉を漢字に書き直しなさい。

(1)手遅れを感じて"アセル"

 

中須かすみの回答

 

汗る

 

 

松風天馬の回答

 

汗る

 

 

三船栞子の回答

 

焦る

 

 

3限 教科・社会

大門3

(2)織田信長が桶狭間の戦いで破った武将は誰?

 

竜太:(サービス問題じゃん)

 

大海竜太の回答

 

今川義元

 

 

西園信介の回答

 

今川義元

 

 

剣城京介の回答

 

今川義元

 

 

4限 教科・英語

大門1

次の日本語を英語に直しなさい。

(4)討論

 

桜坂しずくの回答

 

debate

 

天王寺璃奈の回答

 

debate

 

菜花黄名子の回答

 

分かりません!!

 

 

 

そしてテストが終了し、後日テストが返却された。

 

竜太:「お前ら!! 確かに焦れば冷や汗出るかもしれないけど、"汗る"なわけ無いだろうが!! 馬鹿なのか!?」

 

天馬・かすみ:「「ゴメンナサ〜〜イ!!!」」

 

竜太:「あと黄名子!! 分からないからって素直に"分かりません!!"何て書くやつがあるか!! 下手したら職員室だぞ!?」

 

黄名子:「えへへ~・・・」

 

竜太:「「えへへ」じゃないっ!!」

 

テスト結果

 

桜坂しずく

国語94 数学74 英語96 理科73 社会85

合計422

 

天王寺璃奈

国語69 数学99 英語64 理科98 社会70

合計400

 

三船栞子

国語92 数学86 英語89 理科81 社会90

合計438

 

剣城京介

国語79 数学80 英語85 理科69 社会85

合計398

 

菜花黄名子

国語50 数学48 英語49 理科51 社会79

合計277

 

中須かすみ

国語35 数学29 英語30 理科32 社会50

合計176

数学のみ追試決定

 

松風天馬

国語33 数学36 英語31 理科30 社会45

合計175

 

西園信介

国語36 数学34 英語36 理科29 社会43

合計178

理科のみ追試決定。

 

大海竜太

国語98 数学94 英語100 理科90 社会100

合計482

 

今回は俺たちは色んな時代に直に行って出来事に触れたからか全員社会が特に良かった。

 

因みに俺の結果を見た黄名子は、

 

黄名子:「半信半疑だったけど竜太くんってバカじゃなかったやんね?」

 

よし、コ○す。

 

黄名子を締め上げながら結果を張り出している所に行くと、

 

結果発表

 

1.大海竜太

 

 

4.三船栞子

5.中川菜々

6.桜坂しずく

 

8.神童拓人

9.近江彼方

10.天王寺璃奈

 

ほぼサッカー部じゃねぇか・・・・。

 

せつ菜(菜々):「また竜太くんに勝てませんでした・・・」

 

神童:「桜坂に抜かれた・・・・」

 

彼方:「一個だけ順位上がった・・・良かった」

 

璃奈:「やった・・トップ10入り・・・」

 

 

周り:『大海ってどんな頭してんだ?』

 

ー 続く ー




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外伝:大海竜太時空放浪記①

俺たちが恐竜時代でパーフェクト・カスケイドにボコボコにされて、俺一人で時空の修行旅に出てから3ヶ月が過ぎた。

 

時には旧石器時代で原始人やサーベルタイガーに追われながらドリブルで逃げまくったり、冬の雪山でスノボ特訓してスピードに慣れる訓練をしたり、とにかく常に自分を"死"と隣合わせの環境に置いて自分を追い込んでいた。だが、俺が一人になったのを良いことにエルドラドがたまにアルファたちよりも下のランク(B級エージェントと言っていた)を差し向けてきては返り討ちにしていた。

 

そろそろ次の時代に行くか・・・・。俺はタイムブレスレットを起動してワームホールを開く。今度はジュラ紀辺りの恐竜時代にするかな・・・・。

 

そして時代をセットしてワームホール内を移動していたら、急にタイムブレスレットからアラート音が鳴り響き、知らない空間への穴が開き、そこに吸い込まれてしまった。

 

竜太:「うわぁあぁああぁああぁあああっ!?!??」

 

俺・・死ぬのか?

 

そして穴から放り出された俺は、俺たちの時代によく似た街にいた。

 

竜太:「?・・・何だここ?」

 

時代を見ると、2018年日本と出ている。何だ?

 

俺が再びタイムブレスレットを起動しようとすると、東の方からいっぱい人が駆けてきた。何かから逃げてるように見えた。

 

竜太:「何なんだここ? いった見るか」

 

俺は人が駆けてきた方向に歩みを進めた。

 

ギィン! ガギィン!!

 

?:「クソっ、やはりアナザーライダーだけあって強いな・・・」

 

?:「退いてゲイツ!! 《仮○ライダー・ジオウ、2!! ジオウ!!》」

 

なんか変わった!! ってかあれって・・・

 

せつ菜先輩に貸してもらったビデオで見たことがある。仮○ライダージオウじゃねぇか!! ってことは・・・仮○ライダーの世界いいぃっ!!?!?

 

ジオウ(ジオウ2アーマー):「"フィニッシュタイム!!"くらぇえええっ!!」

 

そしてジオウは(確かジカンギレードっていう剣)止めを刺し、2人は勝利した。

 

?:「お疲れ様、ソウゴ、ゲイツ」

 

ソウゴ:「ありがとうツクヨミ」

 

・・・・間違いないな。

 

ツクヨミ:「・・・・そこで見てるアナタ、何者?」

 

っ!! バレてたのか・・・・

 

俺は恐る恐る姿を表す。

 

ゲイツ:「見たことないヤツだな。新手のタイムジャッカーか?」

 

竜太:「タイムジャッカー・・・ああ。ジオウの敵キャラか。NOです」

 

ソウゴ:「? いまキャラって・・・」

 

その時、上にルートクラフトが現れ、いつもどおりのエージェント達が出てきた。

 

ソウゴ:「な、何だ!?」

 

エージェント:「? 何だお前は、私はシータ。そこの男に用がある。大海竜太、お前からサッカーを消去する」

 

ツクヨミ:「? サッカー・・・?」

 

竜太:「まだやられ足りねぇか? 掛かってこいよ!!」

 

そしてシータを含めたエルドラドのエージェント四人が姿を表す。

 

シータがデバイスのボタンを踏むと、

 

《フィールドメイクモード》

 

音声が鳴り、バトルフィールドが構築される。

 

ソウゴ:「な、何これ!?」

 

ツクヨミ:「この時代じゃああんなの作れないわよ? 私達の時代でも無理だし」

 

ゲイツ:「何者だアイツら・・・・」

 

ソウゴ:「ねぇ!! そっちの人!! まさか4対1なの?」

 

シータ:「ああ。今日こそたっぷり痛めつけてやる」

 

それを聞いたソウゴさんは、

 

ソウゴ:「なにそれズルいよ!! なら俺もやる!!」

 

ゲイツ:「ソウゴ!?」

 

ソウゴ:「ゲイツとツクヨミもやって!!」

 

ツクヨミ:「はぁ!? サッカーなんかやったことないわよ!!」

 

竜太:「(コレ・・・もしかして、ジオウは確か歴代のライダー全ての力を持つ・・・っ!! 当たりを引いたみたいだな)大丈夫です!! その代わり勝負が終わったらちょっと話を聞いてもらえますか?」

 

ゲイツ:「当たり前だ。少し話を聞きたいからな。お前たちが何者なのか」

 

シータ:「舐めるなよ? 勝負だ!!」

 

エルドラド

 

GK    アリザ

 

DF    プルサ

 

MF    ザイン

 

FW レグス   シータ

 

放浪者

 

全ポジ    竜太

 

そして俺のボールからゲームスタート。するとすぐにレグスとシータが奪いに来る。

 

シータ:「喰らえ!!」

 

シータの鋭いスライディング。しかし俺はサイドステップで右に躱す。

 

ソウゴ:「上手い!!」

 

ザイン:「バカめ!!読めているわ!!」

 

しかし巨漢のミッドフィールダーザインがディフェンスに入ってくるので必殺技を発動する。

 

左右の鋭い踏み込みから一気に急加速する。

 

竜太:「[ライトニングワープ・G3]!!」

 

俺が抜いた後から遅れての風圧でザインは吹き飛ばされる。

 

ツクヨミ:「な、生身であのスピード!? ありえない!!」

 

そしてザインを躱したところに女性ディフェンダーのプルサが止めに来た。

 

プルサ:「絶対にやらせないわ!!」

 

竜太:「うぉおおぉっ!! 来いっ!! 【海皇龍ブルーヒドラ・零式】!!」

 

そして俺は化身を発動する。

 

ゲイツ:「な、何だあの龍は!? アイツが出したのか!?」

 

竜太:「アームドッ!!」

 

そして俺は化身アームドを発動して【ブルーヒドラ】を鎧として身に纏う。

 

竜太:「うらぁっ!!」

 

プルサ:「きゃあッ!!」

 

アリザ:「くっ、来なさい!!」

 

残すはキーパーのみ。渾身のシュートを放つ。

 

竜太:「行っけぇええええーーーっ!!!」

 

ドガァアアァアアアンッ!!

 

アリザ:「"キーパーコマンド03"!! [ドーンシャウト]」

 

アリザの気迫がシュートを阻むがそんなものでは止まらずにゴールネットに突き刺さった。

 

シータ:「ぐ、撤退だ!!」

 

そしてシータたちは撤退していった。

 

竜太:「ふぅ・・・」

 

ソウゴ:「スゴイ・・・凄い!! 何今の!? サッカーであんなのできるの!?」

 

ゲイツ:「信じられない・・・」

 

ツクヨミ:「何者なの・・・?」

 

竜太:「信じてもらえるかは分かりませんが、話します」

 

 

時代の英雄の力を自分の物とするクロノキングFW・・・考えてみりゃジオウ以外に無いかも。

 

 

ー 続く ー




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外伝:大海竜太時空放浪記②

俺はタイムブレスレットの誤作動で、仮○ライダージオウの世界へと飛ばされた。そしてそこでジオウこと常磐ソウゴさんと、仮○ライダーゲイツこと明光院ゲイツさん、ツクヨミさんと出会い、彼らの前でエルドラドのエージェントと戦った際に出した必殺技、化身の力に驚いた3人から俺が何者なのかを話すことになった。

 

ー 説明中 ー

 

ソウゴ:「別世界の日本から来た?」

 

竜太:「はい。多分間違い無いと思います。俺の世界ではこの世界は仮○ライダーシリーズの特撮の物語としてかつてTVで放送していたんです」

 

ゲイツ:「そんなことが信じられると・・・」

 

竜太:「あなたたちの素性も分かりますよ? 明光院ゲイツさんとツクヨミさん。2068年の未来から力を得る前のオーマジオウ、ソウゴさんを倒すためにタイムジャンプしてきた未来のレジスタンスですよね? 俺の知ってる限りでは」

 

ツクヨミ:「全部そのとおりよ・・・ゲイツ、本当かもしれないわ。あなたがそれを知ってるのはテレビで私達を見てたからなんじゃないの?」

 

竜太:「はい。先輩のすすめでビデオ貸してもらって全話見ました」

 

ゲイツ:「い、いや・・・しかし」

 

ソウゴ:「でも大まかな歴史は変わらないんだね。織田信長やジャンヌ・ダルクとか。諸葛孔明が女性だって言うのは驚きだけど」

 

ソウゴさんはこういう話題が好きなのかかなり食いついてきた。

 

ソウゴ:「それで君は何でこの世界に?」

 

竜太:「ああ、俺の世界で・・えっと、俺の時代が2028年で、そこから更に200年後の未来からの敵と戦ってるんです。さっきの奴らがその敵です。」

 

ゲイツ:「200年後!? 道理で俺たちの時代でも無理な技術な訳だ・・・」

 

ソウゴ:「さっきの口ぶりだとサッカーが鍵になるのかな?」

 

話が早くて助かるな・・・・

 

竜太:「はい。俺たちはいろいろな時代を回って歴史上の偉人たちの力の一部を分けてもらって時空最強イレブンを作って対抗しようとしてるんですが、俺や他の皆の力を合わせてもやられてしまう敵が現れて・・・こうして時空を越えて修行の旅に」

 

ソウゴ:「一人で?」

 

俺が頷くとゲイツさんが、

 

ゲイツ:「それで? そのエルドラドという奴らはこの世界に何かする危険はあるのか?」

 

竜太:「もしかしたらこの世界の背景を利用してタイムジャッカーと結託してくるかも・・・俺は力の1つである"時代の英雄たちの力を束ね己の力とするクロノキングFW"の力を探してるんですけど・・・・」

 

ソウゴ:「ねぇ? そのフレーズだと俺のジオウくらいしか思い浮かばないんだけど・・・・・」

 

竜太:「実は俺もそうなんですよね・・・かと言ってジオウの力は、後にこの世界を救うための1番の鍵となる力だから・・・」

 

ゲイツ:「お前さっき確か"力を分けてもらう"って言ってたな」

 

竜太:「はい」

 

ゲイツ:「最初に言っとく。ジオウの力を、一部でも生身の人間が受け取ったら死ぬぞ。そうでなくても得体のしれない奴に危険な力を与える訳にはいかん!!」

 

ソウゴ:「ゲイツさんはそう言うと思いました。ジオウの力の恐ろしさを未来で誰よりも知ってますからね」

 

ゲイツ:「・・・・その通りだ」

 

ソウゴ:「まぁまぁ・・・」

 

ツクヨミ:「ゲイツもそんなに怖い顔しないの」

 

ゲイツさんは「しかし・・・」と納得の言ってない顔をしている。当たり前だ。

 

すると、

 

ソウゴ:「ねぇ? さっきの・・必殺技と化身って言ったっけ? もう一度見せてよ!!」

 

竜太:「いいですよ?」

 

そして近くのサッカーコートがある河川敷に移動し、ソウゴさんがキーパーをするみたいだ。

 

ソウゴ:「いいよ!!」

 

竜太:「じゃあ1番威力が低いので行きます!!」

 

そして俺はボールと共に水の竜巻を纏って跳び上がる。

 

竜太:「[超・アクアトルネード]!!」

 

ドガァアァアアッ!!

 

水を纏った弾丸シュートが空からソウゴさんに襲い掛かる。

 

ソウゴ:「フンッ!!」ガシィッ ギュルルルルル

 

バチィンッ!!

 

ソウゴ:「うわぁあああっ!!」

 

シュートはソウゴさんを吹き飛ばしてゴールに轟音と共に突き刺さる。

 

ソウゴ:「凄い・・・・手が痺れてる・・こんな衝撃初めてだ」

 

竜太:「化身を受けたいんだったら、ジオウの力を使ったほうがいいですよ? でないと・・・大怪我しますよ?」

 

ソウゴ:「あ、うん。分かった《時空ドライバー!! ライドオンタイム!! ジオウ!!!》」

 

ソウゴさんはジオウの力を発動してライダーに姿を変える。

 

竜太:「行きます!! 【海皇龍ブルーヒドラ・零式】!! [ー ハイドロブラスト ー]!!!」

 

そして俺は化身シュートを放つ。ブルーヒドラの3つの口から激流の如きブレスが放たれる。

 

ジオウ:「フンッ!!」ドシィイイイッ ギュルルルルルッ!!!

 

ツクヨミ:「ジオウの力を使ってるにも関わらず引き摺られてる!?」

 

ゲイツ:「恐ろしいパワーだな・・・・あいつでも勝てない敵がいると言っていたが・・・・」

 

そして、ソウゴさんはなんとかシュートを止めたが、肩で息をしていた。そしてソウゴさんは変身を解除する。

 

ソウゴ:「とんでもないパワーだよ・・・・もしかしてコレでも止められるの? ただの人間に?」

 

竜太:「ハイ」

 

俺は偽ることなく頷く。

 

ツクヨミ:「ウソでしょ・・・? そんな人間がいる世界がほんとにあるの?」

 

竜太:「あ、揃っと野宿する場所探さないと行けないんで行きますね?」

 

すると、

 

ソウゴ:「野宿? あっ、そうか異世界人だから戸籍が無いのか。だったらしばらく家に来ない? クジゴジ堂っていう時計屋何だけどさ?」

 

!? そんなの願っても無い話だ。場所を探す手間も省けるし。

 

竜太:「お願いします!!」

 

ゲイツ:「また面倒な事になってきた・・・」

 

 

ー その頃 ー

 

スウォルツ:「エルドラドだと? サッカーなどそんなくだらぬ物のために協力などするか!」

 

シータ:「拒否はできないな」

 

《マインドコントロールモード》

 

ウール:「な、なんだコレ!?」

 

オーラ:「くっ、うっ・・・」

 

スウォルツ:「ぐぁあああっ!!!」

 

 

 

 

 

シータ:「我々に協力するか?」

 

3人:『ハイ・・・』

 

ー 続く ー




感想・評価宜しくお願いします!!


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外伝:大海竜太時空放浪記③

俺はソウゴさんに連れられて3人が暮らす時計店、クジゴジ堂にやってきた。

 

ソウゴ:「おじさん! ただいま!!」

 

?:「お帰りソウゴくん。その子は?」

 

ソウゴ:「大海竜太くんって言うんだって。ちょっとしばらくの間空き部屋貸してあげてくれないかな? ちょっと訳アリで・・・」

 

?:「ん、分かったよ。竜太くんだっけ。私は常磐順一郎。ソウゴくんのおじさんだよ」

 

竜太:「はい。しばらくお世話になります!」

 

順一郎:「うん! 元気があって良いね!! ご飯できたから皆で食べよう」

 

そして皆でご飯を食べて、今日はゆっくりと休み次の日、

 

順一郎:「竜太くん結構体格が良いけど何かスポーツをやってるのかい?」

 

竜太:「サッカーをやってます」

 

順一郎:「サッカーか・・・おじさんもたまにテレビ観戦ならするよ?」

 

俺と順一郎さんが仲良く喋っていると、

 

ソウゴ:「良かった。おじさん久しぶりに楽しそうだね・・・」

 

ゲイツ:「おい、アイツホントどうするんだ?」

 

ツクヨミ:「ジオウの力の一部が欲しいって言ってるようなものでしょ?」

 

ソウゴ:「う〜ん・・・でも彼は悪い人じゃないと思うよ?」

 

ゲイツ:「なぜそう言い切れる?」

 

ソウゴ:「ただの勘だよ」

 

そしてご飯を食べ終わった俺は、

 

竜太:「ごちそうさまでした!! ちょっとトレーニングしてきたいんで河川敷行ってきますね?」

 

順一郎:「うん。行ってらっしゃい!!」

 

ソウゴ:「俺たちもついていっていい?」

 

竜太:「良いですよ?」

 

そして俺はソウゴさんたちと一緒に河川敷に向かった。するとソウゴさんも小さい頃に遊んで依頼だけど久しぶりにボールを蹴りたいと言うので一緒にやることにした。

 

ソウゴ:「そこだっ!「甘いですよっ!!」あっ!!」

 

俺はソウゴさんをアッサリと抜き去ってシュートをゴールに叩き込んだ。

 

ソウゴ:「やっぱりうまいね」

 

竜太:「へへっ・・・「楽しそうだな」!?」

 

見ると、2人の男と女が1人、こちらに歩いてきた。確かアイツラは!!

 

竜太:「タイムジャッカーか・・・・」

 

ソウゴ:「知ってるの!? 「ビデオで見たって昨日言ったでしょ?」あっ、そうか」

 

するといつものエージェントが一人で現れた。

 

竜太:「シータ!!」

 

シータ:「ふふっ、3人ともやれ!」

 

タイムジャッカー:「「「はい!!」」」

 

ツクヨミ:「なっ!! スウォルツが!?」

 

竜太:「マインドコントロールか!!」

 

ゲイツ:「マインドコントロールだと!?」

 

するとシータがデバイスを踏み、

 

《フィールドメイクモード》

 

フィールドが構築される。また4対1のサッカーバトル・・・けど、タイムジャッカー相手は部が悪いな・・・

 

ソウゴ:「俺もやるよ!!」

 

ゲイツ:「さすがにタイムジャッカーが出てきては見過ごすわけにはいかないな。決着の付け方がサッカーっていうのがおかしいが・・・」

 

ツクヨミ:「さすがに私もやらなきゃダメだよね・・・?」

 

サッカーバトル

 

洗脳されたタイムジャッカー

 

GK  スウォルツ

 

DF   ウール

 

FW オーラ シータ

 

竜太チーム

 

FW 竜太  ツクヨミ

 

MF   ソウゴ

 

GK   ゲイツ

 

ゲイツ:「おい、たぶん分かってると思うが、タイムジャッカーは時間を止める力を使う。だが、仮○ライダーの力を使っている間はその影響を中和できる。ソウゴ、俺たちはライダーの力で戦うぞ」

 

ソウゴ:「うん!!」

 

 

そしてソウゴさんとゲイツさんは時空ドライバーを腰に巻く。

 

二人:「「変身!!」」

 

《ライド・オン・タイム!! ジオウ! (ゲイツ!)》

 

さすがに3人が素人じゃあ分が悪いが・・・・2人のフィジカルや身体能力はカバーできたかな? テクニックはどうしようもないが・・・それでも、絶対に勝たないといけないんだ!!

 

ー 続く ー




さすがに時間を止める力を使われると勝負にならないので、ライダー変身中は影響を受けないという設定を追加させて頂きました。

果たしてどうなるのか?

感想・評価宜しくお願いします!!


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外伝:大海竜太時空放浪記 終

タイムジャッカーボールからバトルスタートし、ボールはオーラへ。そこへ俺は止めに入るが、何とオーラは必殺技を使ってきた。

 

オーラ:「[キラーズタイム]!!」

 

オーラが軽く俺の腹めがけて蹴る。しかし、この威力じゃあポコっと当たる程度だ。だが、

 

パチン!

 

俺の腹にボールがあたった瞬間に指を鳴らして時間を止める。その好きにオーラはボール越しに何発も蹴りを叩き込む。が、時間を止められているため俺はその場から全く動かない。いや、動けない。

 

そしてオーラがもう一度指を鳴らすと、時間が戻り、蹴りの乱打の衝撃を一瞬に凝縮されて纏めて受けてしまい、俺は宙を舞って吹っ飛んだ。

 

竜太:「がぁあぁあぁああっ!!!」

 

ツクヨミ:「竜太くん!?」

 

竜太:「だ、大丈夫です・・・クソッ」

 

しかしそこにジオウに変身したソウゴさんがディフェンスに入り、仮○ライダーのスピードを活かしたスライディングで奪い取った。

 

ジオウ:「竜太k・・「甘い!」っ!!」

 

しかしここでシータがジオウからボールを奪い取る。そしてシュートを、放ってくる。

 

シータ:「"シュートコマンド06"!![プラズマボール]」

 

シータのシュートがゲイツさんに襲い掛かる。が、

 

ゲイツ:「うらぁっ!!」

 

ドガァアアンッ!!

 

ゲイツさんは渾身の拳骨をボールに上から叩きつけてシュートをねじ伏せた。スゲェ・・・さすが仮○ライダー・・・

 

そしてゲイツさんからソウゴさんにパスが飛ぶ。シータがディフェンスに入るが・・・

 

ジオウ:「竜太くん!!」

 

寸前で俺にパスを出し、俺はボールを受け取る。しかしウールがディフェンスに来る。

 

ウール:「[サイクロンタイム]!!」

 

ウールが俺の時間を止めて動けなくし、その隙に俺にカマイタチの旋風を浴びせる。動けない間に俺の身体は次々と傷を負い、時間が戻ると俺は倒れ伏した。

 

ジオウ:「竜太くんっ!!」

 

しかし、俺はなんとか立ち上がる。

 

ツクヨミ:(生身の身体でこんなボロボロになってまで?)

 

竜太:「負けられないんだ・・・・今も戦ってる・・俺の、仲間の・・大切な物の為に!!」ハァハァ・・・

 

ジオウ:「!!(彼も同じなんだ・・・自分の大切な物や仲間のために・・あんなに必死で・・・もし、俺の力が役立つなら・・)」

 

その瞬間、ソウゴさんの通常ジオウのライドウォッチが突如として輝き始め、中から暖かな雰囲気を感じさせる光の玉が出てきた。

 

シータ:「な、何だ!?」

 

そして、その光の玉は俺に向かって飛んできて、俺の身体に吸い込まれた!!

 

そして俺の身体は金色の莫大なオーラに包まれ、姿を変えていく。

 

竜太:「(コレが・・・ジオウの力・・行くぞ、俺の仲間のために!!)うぉおおぉおおおおっ!!!」

 

そして光が収束すると、髪の色が白色系に変わり、額に紫色のV字メッシュが入った姿に変わっていた。

 

竜太(ジオウMix):「ミキシマックス、コンプリート!!」

 

シータ:「っ!? バカな!!」

 

ゲイツ:「ジオウの力を・・・受け止めきったのか!?」

 

ジオウ:「竜太くん!」

 

竜太(ジオウMix):「ソウゴさん、あなたの力・・つかわせて貰います!!」

 

そして俺は一気にスピードに乗ってウールからボールを奪い返した。

 

ウール:「何っ!?」

 

シータ:「くっ! させるかっ!! あいにく俺もスウォルツから力を貰ってるんでね!!」

 

そしてシータがタイムジャッカーの力を使って俺の動きを止める。しかし、

 

竜太(ジオウMix):「う、うらぁああぁっ!!!」バリィイイインッ!

 

止まった時間を粉砕し、俺はシータを突破した。

 

シータ:「何だと!?」

 

そして俺はドリブルで攻め上がり、残すはキーパーのスウォルツのみ。

 

スウォルツ:「来いっ!!」

 

そして俺がシュート体勢に入ると、辺りが暗黒空間に変わり、次々と時計が現れては逆方向に周り消えていく。が、そのたびにボールに凄まじいパワーが凝縮され、時折オレンジ色のプラズマを放つ黒色のエネルギーを纏ったボールに変わる。

 

竜太(ジオウMix):「[クロノディストラクション]!!」

 

そして俺の渾身のシュートと共にボールがすごい勢いでゴールに突き進む。スウォルツは必殺技で止めに入る。

 

スウォルツ:「[時空の壁]!!」

 

スウォルツの技でシュートの時間の進みを弱めて勢い殺す。そしてスピードがなくなった瞬間に叩き返そうとするが、いきなりシュートは勢いを取り返し、ゴールに叩き込まれた。

 

やった・・勝った!!

 

 

 

そして、洗脳が解けたタイムジャッカー・・・特にスウォルツは、自分を洗脳したシータに怒りで沸騰し、

 

シータ:「チッ、役立たずが・・」

 

スウォルツ:「ぐっ、貴様ぁっ!! よくも・・よくもこの私を!!」

 

スウォルツが掴み掛かろうとした瞬間、シータがデバイスを操作してどこかへとやってしまった。そしてシータも撤退していった。そして変身を解除したソウゴさんたちが俺のところにやってきた。

 

ゲイツ:「まさか本当にジオウの力を・・・」

 

ゲイツさんは険しい顔をしているが、

 

ソウゴ:「竜太くん・・・君の大切な物、ちゃんとの守るんだよ? ジオウの力を、一部とはいえ受け取ったんだから」

 

ゲイツ:「ソウゴ!?」

 

するといきなりタイムブレスレットが起動し、俺は突然空いたワームホールに吸い込まれそうになる。

 

ツクヨミ:「なっ!?」

 

竜太:「どうやら時間みたいです・・ありごとうございました!!」

 

ソウゴ:「また会えたら、また一緒にボールを蹴ろう!!」

 

竜太:「っ!! ハイッ!!」

 

そして、俺はワームホールに消えた。

 

ゲイツ:「おい!! 大丈夫なのか!?」

 

ソウゴ:「大丈夫だよ、さっき確信した。彼は・・大事にしてるものが違うだけで、心は俺やゲイツと同じなんだって・・・・大切なものや仲間のために戦ってるんだ」

 

ツクヨミ:「ソウゴ・・・・」

 

ソウゴ:「また、会いたいな・・・」

 

ー ワームホール内 ー

 

竜太:「皆はアーサー王物語の世界か・・・待ってろ皆・・・もう少し、素の実力を上げたら必ず行く!!」

 

そして、俺はもうしばらく時空の旅を続けるのだった。

 

 

ー 時空放浪記・完 ー



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第167話:最後のタイムジャンプ

今回の話で竜太や天馬たちは現代へと帰ります。次回で第二章は終わりとなりますので、今回もお付き合いお願いします!!

では、始まります!!!


ラグナロクの終了から今日で1週間が経ち、あの後の事後処理も終わったらしく、いよいよ今日俺たちは現代へと帰る。俺たちの見送りに、アルファやベータ、ガンマたち、そしてSARUたちが皆来てくれた。

 

アルファ:「松風天馬、大海竜太、お前たちと出会えて本当に良かった。後・・以前は悪かった。私達の時代を救ってくれて礼を言う」

 

竜太:「おう!! もしもまた何か機会があったら一緒にやろうぜ!! まぁ、俺たちの時代からは時空を越える事はできないけどな・・・・」

 

ガンマ:「もちろん。次やるときがあったら今度こそこのボクがスマートに勝たせてもらう!」

 

天馬:「うん!! 楽しみにしてるよ?」

 

 

愛:「皆も元気でね?」

 

ニケ:「ええ!!」

 

ローコ:「次は負けないからね?」

 

千夏:「あはは。まぁ、私達は学校は雷門じゃないけど・・・いつでも遊びに来て? 内浦の海はオススメだよ!!」

 

メイア:「海かぁ・・・! 海で泳いだこと無いのよねぇ・・・・・」

 

へぇ、メイアさん海で遊んだ事無いんだ・・・・。

 

果北:「じゃあ内浦の淡島って言う島でうちの家族がやってるダイビングショップに遊びに来てよ!! いつでもダイビングできるよ!!」

 

ミド:「ダイビング・・・!! 面白そう!!」

 

桐穂:「じゃあ今度未来組に私達の時代に来てもらって皆で遊んで見る?」

 

女子組は敵だったとか関係なく、今はもう友達としてガールズトークに花を咲かせていた。

 

 

 

かすみ:「はぁ〜、いよいよ終わりなんですねぇ・・・」

 

しずく:「早く終わって欲しいと思ってた筈なのに、いざ終わるとなると寂しいね・・・」

 

栞子:「せっかく分かり合えた皆さんやフェイくんとお別れだからですね・・・」

 

璃奈:「・・・きっと、お別れじゃないよ」

 

かすみんたち3人はりな子を見る。

 

璃奈:「本来会えるはずがなかったのに、こうしていろんな出会いがあって皆繋がれたんだもん。私達から行くことはできないけど、私達がサッカーを続ける限り、きっとまた会えるよ!」

 

かすみ:「りな子・・・」ニコッ

 

しずく:「そうですね!!」

 

栞子:「確かに、私達が絆を紡いだという事実は・・・決して消えませんから!!」

 

 

ダーナ:「神童、剣城、これからもサッカー続けなさいよ? いつか私達が倒すまで、絶対に負けたら許さないからね?」

 

ベータ:「そうですよぉ? ・・・テメェらはこの俺様に勝ったんだ。つまらねぇヤツラに負けたら許さねぇからな!!」

 

ギリス:「それを言うなら・・神童、負けるなよ?」

 

神童:「ああ!! ありがとう!!!」

 

剣城:「お前らも元気でな?」

 

すると、

 

フェイ:「皆ーー!! そろそろ出発するよ!!」

 

雷門:『『はい!!』』

 

天馬:「じゃあ皆・・・」

 

雷門:『元気でな!!』

 

そして俺たちがTMキャラバンに乗り込み、俺が最後に入ろうとすると、

 

ナージェ:「竜太さんっ!!」

 

竜太:「ん? なん・・・っ!?////」

 

チュッ

 

彼方:「あぁーーーーっ!!!」

 

竜太:「ちょっ!? おまっ、不意打ちは・・・」

 

俺の言葉を待たずに、TMキャラバンの扉は閉まり、キャラバンは離陸。そして作り出したワームホールに突っ込み、現代の・・・俺達の時代へとタイムジャンプした。

 

彼方:「竜太〜〜〜ッ!!(怒)」

 

竜太:「イヤーーーーーッ!!!!」

 

 

ー 現代 ー

 

そして現代に到着し、俺たちはTMキャラバンから降りる。しかし俺は彼方からオシオキされ、昔のボクシング漫画のラストシーンのように白く力尽きていた。

 

彼方:「ほら、降りるよ!!」ズルズル

 

彼方に首根っこを掴まれむりやり降ろされる俺。ここでようやく生気が戻ってきて自分で立つ。

 

フェイ:「じゃあ、僕らはトーブや黄名子たちを、それぞれの時代への送り届けるよ」

 

黄名子:「でもこれでお別れって、寂しいやんね・・・」グスッ

 

トーブ:「なんか鼻から汁が出てくっぞ?」ズズッ

 

せつ菜:「はい!! 皆さんとサッカーできた事、絶対に忘れません!!」

 

ザナーク:「そう言うと思ったぜ。まさに同感だ」

 

天城:「元気でダド!!」

 

果林:「いつでも遊びに来てね?」

 

エマ:「皆身体には気をつけてね?」

 

フェイ:「ありがとう!!」

 

天馬:「俺、フェイ達の事、絶対に忘れないよ!!」

 

フェイ:「僕も!!」

 

・・・そうさ、忘れるわけがない。雷門の皆と経験した、たくさんの素晴らしい思い出を!!

 

そして、トーブと黄名子を乗せたTMキャラバンが離陸する。

 

ワンダバ:「行くぞ!! 行き先は、希望溢れる我らが未来だ!!」

 

フェイ:「うん!!」

 

フェイ・ワンダバ:「「タ〜イムジャンプ!!」」

 

そして、TMキャラバンはこの時代から消えていった。

 

俺たち・・・夢を見てたのかな? 普通に考えたら、ありえないくらいぶっ飛んでて、大変だったけど・・・・たくさんの友達ができた。 最高の夢だったな!!

 

 

ー 184年後 ー

 

黄名子:「あ、また会えたね?」

 

フェイ:「分かる?」

 

黄名子:「ふふっ、もうじきウチから赤ん坊の貴方が産まれるんだよ?」

 

フェイ:「でも・・・君は・・」

 

黄名子:「お母さんにはなれない?」

 

フェイ:「ボクを産んだあと、容態が急変して・・・」

 

黄名子:「うん。ウチ、頑張るよ? このインタラプトを乗り越えて、新しいタイムルートを作る。赤ん坊の貴方に合うために」

 

フェイ:「っ、・・・じゃあ、行くよ「フェイっ!!」?」

 

黄名子:「フェイもしっかり、頑張るやんね!!」

 

フェイ:「っ!! うんっ!!」

 

 

ー 次回・第二章最終話 ー




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第2章最終話:帰ってきたサッカーと日常 

俺たちが元の時代に戻ってフェイたちと分かれ、俺たちは長い戦いで疲れているだろうと部活は1週間程休部することになり、俺たちはそれぞれの家へと帰宅する。

 

俺は天馬、信介、空野と、彼方と一緒にちょうど家の方向も合っているので河川敷を見に来ていた。

 

天馬:「っ!! サッカーフィールドが元に戻ってる!!」

 

信介:「本当だ!!」

 

彼方:「彼方ちゃんたち、本当にやったんだね〜!」

 

竜太:「ああ!」

 

そして、俺は夕日に手のひらを向けてグッと掴み取るように握る。

 

竜太:「サッカーが・・・帰ってきた!!」

 

俺たちが喜び合っていると、不意に後ろから声を掛けられた。

 

秋:「皆!! お帰り!」

 

天馬:「っ!! 秋ネェ!! ただいま!!」

 

彼方:「こんにちは」

 

信介・葵:「「こんにちは!!」」

 

竜太:「秋さん、戻りました!!」

 

秋:「お帰り皆。サッカー禁止令が解除されたとき、すぐに分かったわ。天馬たちがやったんだって」

 

彼方:「アハハ・・実際は少し複雑だったんですけどね〜・・・」

 

秋:「え?」

 

そして俺たちは秋さんに今まであったことを告げる。エルドラドと協力して未来を脅かす脅威に立ち向かったこと、そして激闘の果てに、SARUたちとわかり合い、友達になったこと、

 

秋:「エルドラドと協力かぁ・・・それにしても、サッカーが未来でそんな事になってたなんて・・・・」

 

竜太:「俺も驚きましたよ・・・・」

 

彼方:「彼方ちゃんだってビックリしましたよ・・・」

 

本当に・・・大変な戦いだったな。

 

秋:「あっ、そうだ! 皆にお知らせがあるの。[FFIV2(ビジョンツー)]、高校サッカーの世界大会開幕が決定したわ!!」

 

竜太:「えっ!! 世界大会!?」

 

秋:「うん。これから代表選考会があるみたい。皆頑張って練習すれば、世界で闘えるかもよ?」

 

天馬:「〜っ!! やった〜!! 練習頑張るぞー!!」

 

信介:「僕も世界の舞台で闘いたい!!」

 

彼方:「小さい頃に憧れたあの舞台に、彼方ちゃんも立てるかもしれないんだ・・・・!! よ〜〜しっ!! 張り切って練習だぜ〜〜っ!!」

 

竜太:「ああ!! 俺も天馬や彼方たちと一緒に世界で闘いたい!!」

 

秋:「とりあえず、今日はもう帰りましょう? 皆にとっては家族と合うのも久々でしょ?」

 

天馬:「うん!!」

 

信介:「ぼくも早く帰ろ!!」

 

竜太:「すみません、俺今日は彼方の家に泊まるので明日の昼頃帰ります」

 

秋:「あら? そうなんだ。じゃあ明日帰ってくるの待ってるからね?」

 

竜太:「はい!!」

 

そして俺たちは分かれてそれぞれの家へと帰宅した。

 

 

 

ー 近江家 ー

 

彼方:「ただいま〜!!」

 

すると奥からドタドタと足音が駆けてくる。

 

遥:「お姉ちゃん!!」

 

彼方母:「カナちゃん!!」

 

ギュッ!!

 

恐らくは、話を聞いていた遥ちゃんがお母さんに話したのだろう。お母さんは彼方のことをギュッと抱きしめ、涙を流す。

 

彼方母:「こんな危ない事して!! お母さん・・・カナちゃんに何かあったらと思ったら・・・本当に無事で良かった・・・」ポロポロ

 

遥:「お姉ちゃん!! 本物だよね?」

 

彼方:「本物だよ? 心配かけてごめんなさい。竜太が護ってくれたから・・・彼方ちゃんは無傷です!!」

 

遥ちゃんとママさんは「良かった・・」と目に涙を浮かべている。すると俺に気づいた様で、

 

彼方母:「ところでカナちゃん、そちらの男性は・・・?」

 

そういえば彼方のお母さんと会うの初めてだな。

 

俺が自己紹介しようとすると、

 

遥:「竜太さん!! お姉ちゃんの事、護ってくれてありがとうございました!!」

 

俺と何回か会っている遥ちゃんが俺の名を呼ぶ。すると先程の彼方の言葉を聞いていたママさんが、

 

彼方母:「この人がカナちゃんの彼氏さんなの?」

 

彼方:「うん!!」

 

竜太:「はじめまして。大海竜太です」

 

俺が自己紹介すると、ママさんは涙を溢し・・・・

 

彼方母:「彼方を・・娘を護ってくれてありがとうございました!!」

 

竜太:「いえ、当たり前です」

 

彼方:「ねぇ? 今日家に泊まってもらいたいんだけど大丈夫かな?」

 

彼方母:「勿論!! あのカナちゃんがここまで信頼してるなら問題ないわ!! それに、今までカナちゃんはほとんどワガママ言わなかったからね。親としてたまにはそのくらい聞いてあげないと!! 孫の顔を見る日も近いかもしれないわね?」

 

その言葉に俺と彼方の顔は真っ赤になり、

 

彼方:「お母さ〜ん!!///」

 

遥:「竜太さん!! 旅の話聞かせてください!!」

 

竜太:「オッケー!!」

 

そしてその日は彼方の家に泊まり、就寝前・・・

 

竜太:「所で俺はどこで寝れば・・・「竜太さんはお姉ちゃんと寝てください!!」えっ!?」

 

すると彼方は俺の手を引いて自分のベッドに自分ごと俺を連れ込み、

 

彼方:「竜太・・・」チュツ

 

彼方は俺の頬にキスをして、俺の腕を抱いて眠りに墜ちた。

 

竜太:「彼方・・・」

 

俺は、彼方の頭を優しく撫でて、身体を横にして彼方を抱き寄せて俺も眠りに堕ちた。

 

 

サッカー世界大会・・・・絶対に彼方と代表になるんだ!!

 

 

 

ー 第2章 クロノ・ストーン編 完 ー




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最終章:ギャラクシー編
第1話:結成!! 新生イナズマジャパン!!


いよいよ最終章の開幕です。

これまで読んでいただいた方々にお礼をとさせて頂きます。

では、天馬と竜太達の最後の物語が、キックオフ!!


俺たちが未来での戦いを終えてから2週間が経過した。そして今日、世界大会に挑む新生イナズマジャパンの発表が、ホーリーロードスタジアムで行われる。

 

アナウンサー:「さぁ、皆さんお待たせしました!! いよいよ、伝説のイナズマジャパンの優勝から22年ぶりに開かれる、高校サッカー世界大会FFIV2、代表発表が行われます!! 果たして代表の座を勝ち取り、激闘へと身を投じる選手は誰になるのか!! この様子は、全国生中継でお送りします!!」

 

俺たち雷門は、全国から集まった選手たち・・・かつて戦った、ゼロやドラゴンリンク、聖堂山や白恋、月山国光や栄斗などとともに、フィールドで発表の時を今か今かと待っていた。

 

竜太:「果北、桐穂、一緒に代表になれたらいいな!!」

 

果北:「うん!! ママとパパたちみたいに絶対に選ばれて世界一になってやるんだ!!」

 

桐穂:「私だって絶対に選ばれてやるよ〜っ!!」

 

果林:「私だって練習してきたのよ? 私のプレーで世界を魅了してあげるわ!!」

 

彼方:「彼方ちゃんも必死に練習してきたんだもん!! 絶対に選ばれてみせるよ〜!!」

 

すると、スタジアムの演説台に一人の長身の男性が現れた。

 

男性:「私が、新生イナズマジャパンの監督を務める、「黒岩流星」だ。早速だが、これより・・・イナズマジャパンのメンバーを発表する!!」

 

黒岩:「松風天馬、大海竜太、剣城京介、神童拓人!!」

 

よしっ!! 選ばれた!!

 

黒岩:「森村好葉、真名部陣一郎、皆帆和人、鉄角真!!」

 

? 聞いたことのない名前だな・・・・?

 

黒岩:「瞬木隼人、九坂隆二、伊吹宗正!!

 

以上11名だ!!」

 

会場に詰めかけた観衆は聞いたことのない名前にザワついている。俺も正直戸惑ってる。

 

彼方:「そんな・・・・」

 

愛:「落ちた・・・」

 

信介:「僕も世界の舞台で戦いたかった・・・」

 

桐穂:「聞いたことのない名前・・・」

 

果北:「一体どんな選手なんだろう・・・・?」

 

黒岩:「それではこれより、新生イナズマジャパン誕生のエキシビションマッチを行う!! 相手は"帝国学園"だ!!」

 

帝国か・・・!! コイツらの実力を見極める試合になりそうだな。

 

そして俺たち11人以外の選手は観客席に上がり、俺たちは試合のためにユニフォームに着替える。

 

天馬:「宜しく!!」

 

瞬木:「こちらこそ」

 

真名部:「僕はディフェンスですか・・まぁどこでも同じだと思いますが」

 

? どういう意味だ?

 

そして俺たちはポジションにつく。

 

帝国学園

 

GK       雅野

 

DF 五木  大瀧  龍崎  成田

 

ボランチ    飛鳥寺

 

MF  蒲田  佐々鬼   洞沢

 

FW     御門  逸見

 

新生イナズマジャパン

 

FW     剣城  瞬木

 

MF   九坂  天馬  竜太

 

ボランチ     神童

 

DF 森村 真名部  皆帆  鉄角

 

GK       伊吹

 

黒岩:「なお、この試合は地区予選ルールを適用し、化身やそれに類する行為、及び他人の力を借りる行為は禁止とする!!」

 

天馬:「化身アームドやミキシマックスは禁止ってことか・・・・」

 

 

そして、大型ビジョンにカウントダウンが表示される。

 

観客:「3、2、1!!」

 

キックオフ!!

 

そして試合開始のホイッスルがなり、神童さんにボールが渡ると、そのままドリブルで攻め上がる。そこに蒲田と佐々鬼がディフェンスに入る。

 

蒲田・佐々鬼:「「[サルガッソー・V2]!!」」

 

2人の動きから渦潮が発生。神童さんを飲み込み、いきなりボールを奪う。

 

竜太:「ディフェンス!! 行ったぞ!!」

 

いよいよ彼らの実力が明らかになる。しかし、それは俺たちの予想を覆すものだったんだ。

 

 

ー 続く ー




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第2話:最悪の日本代表

竜太:「ディフェンス、行ったぞ!!」

 

ボールを受け取った御門がドリブルで攻め上がる。果たして彼らの実力はどれほどのものなのか?会場中からの視線が集まる。

 

真名部:「ふむ、ぼくの導いた計算は・・・左です!!」

 

しかし真名部はアッサリと逆を突かれて抜かれてしまった。

 

真名部:「あれ、おかしいな・・・・」

 

・・・・は?

 

?:「真名部陣一郎、日本計算超人コンテスト優勝の優れた頭脳を持つ。サッカー・・()()()

 

皆帆:「僕が行くよ!!」

 

?:「皆帆和人、父親は警視総監賞を貰うほどの名刑事。父親譲りの並外れた洞察力を持つ。サッカー未経験」

 

何なんだコイツら!? まるで動きが素人・・いやそれ以下じゃねぇか!!

 

御門:「逸見!!」

 

そして逸見にパスが飛ぶ。しかしパスコースに鉄角が割り込む。

 

天馬:「よし、カットだ!!」

 

すると鉄角はボクシングの様な構えを取ったかと思うと、ボールをパンチに見立てたのか、避けやがった。

 

?:「鉄角真、高校ボクシングのにおいて優秀な成績を持つ。サッカー未経験」

 

逸見:「喰らえ!!」

 

そして逸見がシュートを放つ。ボールはゴールの隅を的確に狙って飛んでいく。

 

伊吹:「やらせるか!!」バシッ!!

 

っ!! あのシュートをキャッチした!! マトモなのもいる・・・はぁ!?

 

すると伊吹は取ったボールをまるでバスケットボールのドリブルの様に就き始めた。そしてそのままバスケのドリブルで上がる、

 

ピィイイイーーーッ!!

 

するとペナルティエリアから出てしまい、当然ハンドに。

 

?:「伊吹宗正、月山国光高バスケットボール部エース。常人離れした身体能力を持つ。やはりサッカー未経験」

 

神童:「なんだ・・・何なんだコレは!?」

 

そしてフリーキックを決められてしまい帝国がリード。そしてイナズマジャパンキックオフからボールは剣城へ。

 

瞬木:「こっちだ!!」

 

剣城:「(!! 速い!!)瞬木!!」

 

ボールは瞬木に飛ぶが、アッサリとトラップミスしてボールはタッチラインを割る。

 

瞬木:「あちゃ〜・・・」

 

?:「瞬木隼人、高校陸上界のスプリンター。サッカー未経験」

 

そして洞沢のスローインからボールは佐々鬼へ。そこから蒲田にボールが渡り、そこに九坂がディフェンスに入る。

 

蒲田:「じゃまだ!!」

 

九坂:「ぐあっ!?」

 

蒲田:「へっ、弱いな」

 

九坂:「っ、弱い・・・だとぉっ!? おんどりゃぁあぁあああっ!!」

 

蒲田・佐々鬼・飛鳥寺:「「「うわぁああっ!?」」」

 

何と九坂は3人に対して殴り合いの乱闘を始めてしまった。

 

天馬:「!? 九坂やめろ!!」

 

剣城:「いったいどうなってるんだ?!」

 

?:「九坂隆二、鬼仏のリュウと呼ばれる有名な不良。怒ったときのパワーは他の追随を許さない。サッカー未経験」

 

九坂にイエローカードが出され、帝国のキックから試合再開。ボールは御門に渡り、森村に突っ込んでいく。

 

森村:「あ、あわわわ・・・」

 

御門:「どけぇっ!!」

 

森村:「ヒィッ!!」

 

すると森村は恐怖で縮こまって御門の素通りを簡単に許した。

 

?:「森村好葉、特にスポーツの経験も何かしらの実績もない内向的な少女。当然サッカー未経験」

 

そしてディフェンスラインを突破した御門はシュート体勢に入る。

 

御門:「[真・皇帝ペンギン7]!!」

 

御門のキックから、ボールと共に七色のペンギンがアーチを描き飛翔する。ボールは止めに入った伊吹を吹き飛ばしてゴールに突き刺さった。

 

何で・・・、何でこんな奴らが!!

 

そしてここで前半終了。ハーフタイムに入る。

 

竜太:「天馬、神童先輩、剣城、ちょっと来てください」

 

三人は俺のところに集まる。

 

竜太:「どう思います?」

 

神童:「とてもではないが世界で戦えるようなメンバーじゃない。何でこんな奴らが代表なんだ!!」

 

剣城:「このままだとマズイですね・・・・どうします?」

 

竜太:「仕方ない。シュートは神童先輩が止めてください、ボールは俺と天馬で運びます。剣城がフィニッシュを決めてくれ」

 

神童:「そうだな・・・この試合、俺たち4人で戦う!!」

 

何でこんな奴らが代表に選ばれて、彼方や桐穂たちが選ばれなかったんだ!! ふざけるな!!

 

 

ー 続く ー




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第3話:エキシビションマッチ終了

今回でエキシビションマッチは終了です。これから先、果たしてどんな物語が待っているのか・・・。

では、始まります!!


 ハーフタイムを終了し0ー2の2点ビハインドで後半戦の開始。

 ボールは帝国ボールからのスタートだ。

 

 ホイッスルと共に御門からボールは佐々鬼へ渡り、パスを繋いで攻め上がってくる。

 そしてボールが洞沢に飛んだ所を、

 

竜太:「貰った!!」

 

洞沢:「なっ!?」

 

 俺がパスをカットし、そのままドリブルで攻め上がる。

 そこへ飛鳥寺と龍崎のフィフスの元シード2人が連携してディフェンスを掛けてくる。が、

 

竜太:「悪いがその程度のディフェンスじゃあ今の俺の相手にはならねぇよ!!」

 

 俺は左右に鋭く踏み込み、足にイナズマをチャージ。それを一気に開放して超加速で抜き去った。

 

竜太:「[ライトニングワープ・Gx]!!」ドギュンッ!!

 

飛鳥寺・龍崎:「「何だとっ!? うわぁああっ!!!」」

 

 俺の動きから遅れて突風が吹き荒れ、2人をふっ飛ばす。

 そして俺は剣城にセンタリングを上げる。

 

剣城:「ナイスだ大海!! [デスドロップ・Gx]!! 喰らえええっ!!」

 

 剣城のオーバーヘッドキックから、漆黒のエネルギーを纏ったシュートが撃ち落される。

 キーパー雅野は必殺技で応戦する。

 

雅野:「[パワースパイク・V2]!!」

 

 ジャンプした雅野が、両手にパワーを集めて上空から急降下し、シュートに上から両拳を叩きつける。

 インターハイ予選で戦った時とは明らかにパワーが違い、練習の成果がひと目で分かったが、時空を越えた戦いを乗り越えてきた俺たちの今の実力には到底及ばず、シュートはゴールに吸い込まれた。

 

アナウンサー:『ゴォオオォオオオルッ!! 新生イナズマジャパン1点を返したーーーーっ!!』

 

天馬:「ナイスシュート剣城!!」

 

剣城:「あぁ・・・だが、問題はディフェンスだ」

 

 剣城の懸念が拭えないままに帝国ボールのキックオフで試合再開。

 帝国はまたパスを回して攻め上がってくるが、今度は俺とは逆サイドから展開してくる。

 そしてボールは蒲田に渡った。

 

九坂:「っ、どうすれば・・・」

 

蒲田:「無駄だ!! 佐々鬼!!」

 

 するとボールを上に蹴り上げた蒲田は、寄ってきた佐々鬼と共に飛び上がる。

 するとボールの周囲に魔法陣が出現し、それに向かって2人で蹴りを叩き込む。

 

蒲田・佐々鬼:「「[ブリタニアクロス・V3]!!」」

 

 魔法陣を通すことで、2人の蹴りは衝撃波に変わり、地面ごとえぐり取って九坂を吹き飛ばす。そしてボールは御門に渡る。

 

神童:「行かせるか!!」

 

御門:「来たな・・・逸見!!」

 

 しかし御門は神童先輩をギリギリまで引き付けてから逆サイドの逸見にパスを出す。

 

 そして逸見は必殺シュートの体勢に入る。

 

 逸見が指笛を鳴らすと、ボールに虹の七色のペンギンが飛んできて光り輝く。

 

逸見:「[皇帝ペンギン7・改]!!」

 

 逸見のシュートと共に、7匹のペンギンがアーチを描いてゴールに襲い掛かる。

 

真名部・皆帆:「「っ!? うわぁっ!!!」」

 

 当然素人に止められる筈もなく、2人は吹き飛ばされる。しかしキーパーの伊吹が正面から[皇帝ペンギン7]を抑えにかかる。

 

 って言うか、少しだけどあのシュートに耐えてるって時点で伊吹のヤツ素人にしては凄いな・・・。

 

伊吹:「ぐぅうううっ!! ぐぁあぁああぁああっ!!」

 

 しかし当然耐え()()()筈は無く、弾き飛ばされてシュートはゴールに突き刺さり、2点差に戻されてしまった。

 

竜太:「くそったれ・・・・っ!!」

 

信介達だったら・・・あの程度止められてたのに!!

 

 そしてイナズマジャパンボールで試合を再開するが、試合は帝国ペースで進み更に2点を奪われ、1ー5になってしまった。

 

 試合終了まで時間はあと僅か。もう逆転できる時間は残ってはいない。

 

竜太:「天馬、神童先輩、剣城、こうなったら4人で一斉に攻撃掛けましょう!! 勝てなくても、1点くらいは悪あがきで取ってやりましょう!!」

 

神童:「そうだな・・・このまま何もせずに負けるのはゴメンだ!!」

 

剣城:「ああ!! やるぞ!!」

 

 そしてイナズマジャパンボールで試合再開。ボールが神童先輩に渡ると、神童先輩は〈神のタクト〉を発動する。

 

神童:「天馬!! 右サイド!!」

 

天馬:「はいっ!!」バシッ!!

 

神童:「竜太! 中央へ! そのまま持ち込め!!」

 

天馬:「竜太!!」

 

 神童先輩の指示の下、天馬からのパスが俺に繋がり、そのままドリブルで持ち込む。

 

神童:「剣城! ゴール前!! そして天馬にリターン! 天馬、竜太!! 剣城の所へ走れ!!」

 

竜太:「剣城!!」

 

 俺がボールをゴール前に走った剣城に蹴り込むと、すぐさま剣城は指示通りに天馬にリターン。

 するとゴール前で俺と天馬、剣城が揃った。

 

神童:「決めろ!!」

 

竜太:「はい!!」

 

 そして、俺たち3人が同時に[ファイアトルネード]を3方向から同時に撃ち込む。すると、とてつもない爆炎がボールを包む。

 

天馬・剣城・竜太:「「「[爆・ファイアトルネードTC]!!」」」

 

 火炎弾のようなシュートがゴールに撃ち落とされる。

 雅野は必殺技を使おうとするが、そんな暇も無くシュートはゴールに突き刺さり2ー5。しかし、

 

アナウンサー:「おーーーっと、ここで試合終了のホイッスル!! 何と、イナズマジャパンが帝国学園に敗れたぁっ!! これは・・・果たして世界大会、どうなってしまうのかぁっ!?」

 

竜太:「クソっ!!」

 

会場からは大ブーイングが鳴り止まない。こんな奴らでどうやって戦えっていうんだ!!

 

天馬:「ありがとうございました・・」

 

 天馬が、うつむいて帝国のキャプテンに手を差し出すと、

 

御門:「ガッカリだな!!」

 

天馬:「っ!!」

 

 言われてしまった。俺たちだってなんでこんなメンバーなのか知りてぇんだよ!!

 

 

 

ー 観客席 ー

 

信介:「何で・・・何であんな奴らがイナズマジャパンなんだ!!」

 

果林:「あれじゃあ日本のサッカーが世界の笑いものよ!!」

 

歩夢:「私達だって必死でやってきたのに・・・なんでっ!!」

 

愛:「納得できないよこんなの!!」

 

せつ菜:「ちゃんと動けてるのが神童くんたち4人だけじゃないですか!! あんな素人集団が何で私達の代表なんですか!!」

 

かすみ:「こんなの・・かすみん耐えられません!!」

 

しずく:「はい・・・こんな屈辱初めてです・・」

 

栞子:「同感です・・・。これは、日本中の・・全てのプレイヤーのこれまでの努力を侮辱する行為です!!」

 

彼方:「竜太・・・・皆・・」

 

 

 こうして、新たなイナズマジャパンは、最悪のスタートを切ったのだった・・・・。

 

ー 続く ー




もしも私が竜太達の立場だったら多分ブチギレてますよ。
アニメで見たときは理由を聞くまで、「は? 何考えてんの?」と、意味が分からなかったのを覚えてます。

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第4話:新生イナズマジャパンのメンバー

エキシビションマッチの結果にいらつく竜太くんたち、果たしてこの先どうなるのか?

始まります!!


 最悪のエキシビションマッチを終えた俺たちは、新生イナズマジャパンの練習場所・宿泊施設がある、お台場サッカーガーデンエリアに来ていた。

 このエリアは、この世界大会の際に新しく作られたエリアであり、まだ殆どの人は来たことが無いはずだ。

 

ー シーサイドスタジアム ー

 

 俺たちはイナズマジャパンはこれからの練習場所となるシーサイドスタジアムに来ていた。これからメンバーの事をお互いに知るために自己紹介を行う

 

 

?:「それでは、まずはお互いに自己紹介から。 私はイナズマジャパンのコーチを務める、船木宏正(ふなきひろまさ)だ」

 

天馬:「宜しくお願いします。船木コーチ!!」

 

船木:「ん・・」

 

 俺たちはまずは船木コーチに挨拶する。そして選手の自己紹介になり、まずは俺たち4人が自己紹介する。

 そしてその後で、例のメンバーたちの自己紹介になった。

 

真名部:「真名部陣一郎(まなべじんいちろう)。一応、日本計算超人コンテスト優勝という経歴を持ってます」

 

天馬:「ってことは頭いいんだ!!」

 

真名部:「まぁそうですね・・・」

 

剣城:「で、サッカーはしたことあるのか?」

 

真名部:「いえ、ありません」

 

はあ!? いや、薄々思ってたけどマジで素人かよ・・・何でこんなやつが・・・?

 

皆帆:「次はぼくだね。皆帆和人(みなほかずと)。洞察力ではこの中では一番だと思うよ? 宜しく」

 

竜太:「サッカーの経験は?」

 

皆帆:「無いよ?」

 

っ! こいつら!!

 

鉄角:「鉄角真(てつかどしん)。ここに来る前はボクシングでならしてた。足腰には自信がある。サッカーはやったことない」

 

・・・・・・・・。

 

九坂:「九坂隆二(くさかりゅうじ)ッス・・・。まぁ、よろしく・・・サッカーはやったことないっす」

 

イライライラ・・・

 

瞬木:「瞬木隼人(またたぎはやと)。一応高校では陸上やってるから足は速いと思うよ・・・宜しく!!」

 

天馬:「陸上か!! 速かったもんね、宜しく!!」

 

・・・・・・・ッチ、

 

伊吹:「伊吹宗正(いぶきむねまさ)。バスケットボールをやっていた。身体能力には自信がある。ゴールキーパーはフィールドプレイヤーと違って()()でゴールを守ると言うから俺にあってると思った」

 

1人で・・・・か。今のままじゃあいくら身体能力が高くてもコイツはダメだな。

 

そして最後の1人、1番小柄な女の子だ。

 

森村:「も、森村好葉です・・・・。さ、サッカーは・・・やったこと無いです。よろしく・・おねがいします・・・」

 

ブチッ!!

 

 マジでコイツら全員素人かよ!! ふざけんな!!

 

竜太:「監督!! 何でこのメンバーなんですか!!」

 

黒岩:「・・・・今はまだ知るときでは無い」

 

っ!! ああそうかよ!!

 

船木:「次にマネージャーを紹介する。入れ」

 

 そして扉が開くと、2人の女の子が入ってくる。って!!

 

天馬:「葵!!」

 

葵:「イナズマジャパンのマネージャーをさせて頂きます。空野葵です。宜しくお願いします!!」

 

 俺たち4人は空野なら大丈夫だと安心するが、もう一人が分からない。

 

?:「水川みのりです。宜しく・・・」

 

天馬:「うん! 宜しく!!」

 

・・・・口数の少ないやつだな。ってか何で天馬は平気なんだよ?

 

船木:「よし!! それでは早速練習を始める。まずはストレッチ後、フィールドを往復ダッシュ30本!!」

 

イナズマジャパン:『はい!!』

 

 そして練習が始まる。俺たち4人や瞬木、伊吹、鉄角などの、何かしらのスポーツをやっていた組はアッサリとできた。

 

 が、真名部や皆帆、森村たち、特にスポーツをやっていなかった組の体力の無さには呆れて物が言えない。

 やっぱりコイツらはそもそもの論外。サッカー初心者どころか運動初心者だ。話にならない。

 見ろ、船木コーチも頭を抱えているぞ。

 

 そしてドリブル練習やパス練習に入るが、これはさすがに瞬木たちもあらぬ方向に蹴ってしまったりトラップをミスったりしていた。

 

 あっ、神童先輩メチャクチャ怒ってる・・・。

 そして今日は終了時刻になり、宿舎へと向かう。だが、

 

神童:「3人とも、着いてきてくれ」

 

 そして神童先輩と4人で監督の元へと向かった。

 

 

ー 監督室 ー

 

神童:「監督!! 代表選考をやり直して下さい!! このメンバーでは世界と戦うことはできません!!」

 

黒岩:「・・・彼らを鍛え上げるのがお前達4人の役目だ」

 

竜太:「どういう意味ですか!!」

 

黒岩:「・・・・・・・・・」

 

 もういい・・・。

 

神童:「失礼します・・・」

 

 そして俺たちは宿舎の神童先輩の部屋に集まっていた。

 

神童:「監督は何を考えてるんだ?! こんなの・・戦えるわけ無いじゃないか!!」

 

剣城:「天馬はどう思う?」

 

天馬:「俺は・・・まだ結論を出すには早いと思います。 第一に、俺たちはあの人たちの事を何も知りません。」

 

竜太:「そうだけどよぉ・・・!! 神童先輩、万が一が起きかけた時は、俺たち4人だけで戦う事も考えるべきでしょうね・・・・」

 

神童:「大海の言うとおりだな」

 

そして、ギスギスした雰囲気の中、1日目が終了した。

 

 

ー 続く ー




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第5話:アジア予選開幕!!

 次の日、俺たちがシーサイドスタジアムで練習していると、小学生くらいの兄弟らしい2人の子供がやってきた。

 

?・?:「「兄ちゃん!!」」

 

瞬木:「雄太! 瞬!!」

 

天馬:「瞬木の弟さん?」

 

瞬木:「ああ、そうだよ。雄太、瞬、挨拶しろ」

 

雄太:「瞬木雄太です」

 

瞬:「瞬木瞬です!!」

 

ふーん・・・瞬木弟いたんだ。

 

天馬:「2人共お兄ちゃんを見に来たの?」

 

2人:「「はい!!」」

 

天馬:「そっか! ゆっくり見学していってね? それじゃ!」

 

 

 

瞬:「あれがキャプテンの人?」

 

瞬木:「ああ・・・・」

 

雄太:「はっきり言ってさ、イナズマジャパンって兄ちゃん以外大したこと無いよね?」

 

瞬木:「バカ!! 誰かに聞かれてたらどうすんだ!! いいか? バレないように巧くやるんだ? 人付き合いなんてバレないように隠れてやっとけば丸く収まるんだから」

 

2人:「「うん!!」」

 

 

 そんな話を瞬木兄弟が話していたのを、誰も聞いていなかったという・・・・。

 

 

天馬:「ほら、真名部! 皆帆!! 練習再開だよ!!」

 

真名部:「ひ、疲労の回復には・・・計算上後14時間かかります!!」

 

竜太:「だらしねぇなぁ・・・・・何でお前ら代表なんだよ?」

 

天馬:「竜太!?」

 

 あっ、うっかり口が滑ってしまった。でも別に良いだろ。事実だし。

 

皆帆:「って言うか僕たちそもそもサッカーがやりたくて代表になった訳じゃないんだよね・・・・」

 

!? どういう意味だ?!

 

真名部:「あれ? 知らなかったんですか? ここにいるメンバー7人は何かしらの交換条件を提示されてここにいるに過ぎないんですよ・・・・。ボクはうるさい親元を離れて一人暮らしする権利を得るために」

 

皆帆:「ぼくは父さんみたいな刑事になるためにロンドン警察のスコットランドヤードの見学に行くことが条件で参加したんだ」

 

 なんだよ・・・それ!! 初心者どころかハナからサッカーになんか興味すらない奴らだったのかよ!!

 

竜太:「っ! もういい!!」

 

剣城:「大海・・・・」

 

 監督は・・・サッカーを侮辱している!! そして、午後の三時で練習を切り上げ、俺たちはミーティングルームでアジア予選一回戦の相手である、韓国代表「ファイアードラゴン」に対する対策ミーティングをしていた。

 俺たちはまずは韓国の試合ビデオを見て韓国の動きのクセや注意するべき選手に当たりをつける。

 

葵:「注目すべきはフォワードの「リ・チュンユン」。韓国の風の異名を取るほどの瞬足を持つフォワードです」

 

竜太:「足の速さか・・・・」

 

天馬:「韓国戦は剣城をミッドフィルダーに置いて竜太をフォワードにしても良いかもね・・・」

 

伊吹:「好きに攻めろ。韓国のシュートなんか俺一人で全部止めてやる!「無理だな」何っ!?」

 

神童:「お前には、ゴールを任せられない。韓国のシュートは俺が止める」

 

伊吹:「っ! ふざけるな神童!! キーパーは俺だ!!」

 

 しかし無視を決め込む神童さん。だが、悪いが俺も神童さんに賛成だ。お前には任せられない。

 

伊吹:「ちっ!」

 

 そして、韓国戦までの3日間、俺たちは練習を重ね、少なくとも4人は確実にレベルアップした。

 だが意外というか、雇われのハズの瞬木と伊吹は比較的真面目にやっていた。俺が瞬木に理由を聞いたら、「やってみたら結構面白かった」と言っていた。

 ・・・・サッカーの面白さが伝わったのならいい事だ。

 

 そして韓国との試合の日、俺たちは大観衆が詰めかけたホーリーロードスタジアムに来ていた。

 

・・・・・なのだが、

 

竜太:「真名部の財布が無いだって!?」

 

真名部:「あなたが盗んだんでしょ? 瞬木くん!!」

 

!? こいつ何言って・・・・、

 

真名部:「一応ここに来る前に、今回雇われた僕たち全員の経歴を調べたんですよ。そうしたら、瞬木くん・・・君は以前に、窃盗の容疑で捕まってますね?」

 

っハァ!? 嘘だろ!!

 

瞬木:「・・・・俺は取ってない」

 

真名部:「嘘を言わないで下さい! 警察に連絡しても良いんですよ?」

 

竜太:「やめろ!! とにかくもう試合が始まる! 試合中は誰もここに出入りできないから、とにかく試合が終わったらハッキリさせろ!!」

 

真名部:「・・・・ハァ、わかりました。 瞬木くん、返すなら今ですよ?」

 

しかし瞬木は動かない。取ってないから返せないのか、それとも罠を恐れているのか、

 

天馬:「やめろ!! 仲間割れしてる場合じゃない!! 行くぞ!!」

 

真名部:「フン・・・」

 

皆帆:「フム・・・・」

 

王将:「皆さんおまたせいたしました!! いよいよ、FFIV2アジア地区予選1回戦、日本代表[イナズマジャパン]対韓国代表[ファイアードラゴン]の試合が始まります!! 実況は私、角間王将がお送りいたします!!」

 

天馬:「絶対に勝つぞ!!」

 

神童・剣城・竜太:「「「おお!!」」」

 

 

チュンユン:「ふん、無駄なことを・・・」

 

スターティングメンバー

ファイアードラゴン

 

GK        ドヒョン

 

DF シン  ヨンジン  ジョンホ  シンジェ

 

MF  ピョンミン  ジフン  ゴンウ

 

FW  ファンジュ チュンユン ソヨン

 

イナズマジャパン

 

FW      竜太  瞬木

 

MF   九坂   天馬   剣城

 

ボランチ      神童

 

DF  森村  真名部 皆帆  鉄角

 

GK        伊吹

 

そして暗雲立ち込める中、試合開始のホイッスルが鳴り、俺たちの世界への道が始まった!!

 

ー 続く ー




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第6話:韓国戦試合開始(キックオフ)!!

いよいよ予選開始です!!

ではどうぞ!!


 イナズマジャパンボールでいよいよ韓国戦がキックオフ。

 ボールを一度天馬に戻し、そこからパスを回して攻め上がる。

 

天馬:「九坂!!」

 

九坂:「お、おうっ!」

 

 ボールが九坂に渡る。しかし当たり前だがボールの扱いに全く馴れておらず、ワタワタとしている。

 

ピョンミン:「ふっ、ザコね!!」

 

九坂:「うわっ!?」

 

 韓国の早い寄せに、当然あっという間にボールを奪われてしまい、そのままFWの「リ・チュンユン」に渡る。

 

チュンユン:「相手はどうやらほぼ素人の様だな!! 貰った!!」

 

 するとチュンユンは素晴らしいほどのスピードに乗ったドリブルで一気に上がってくる。

 

王将:「韓国FW「リ・チュンユン」、素晴らしいスピードで上がってくる!! これが"韓国の風"のスピードかぁっ!!」

 

チュンユン:「早速1点だ!!」

 

 そしてチュンユンはシュート体勢に入る。

 

 浮かせたボールに何発も炎を纏った蹴りを叩き込み、最後にソバットキックで打ち払う。

 

チュンユン:「[ラピッドファイア]!!」

 

 韓国のシュートが襲い掛かる。しかしここで神童先輩が立ち塞がる。

 

神童:「止めてやる!! ハァアァアアアッ!!」ドガァアアッ!!

 

 神童先輩がボールに対して正面から飛び膝蹴りを叩き込み、ボールの勢いを殺す。

 神童先輩はボールの勢いに弾かれたものの、シュートも弾き返した。

 

 つまりパワーは互角だ。

 

チュンユン:「くっ!!」

 

伊吹:「ちっ、神童・・・余計な事を!!」

 

 そしてボールが飛んだ先には剣城がおり、落ち着いてトラップ。

 すぐにゴンウがディフェンスに入るが、剣城の練度の高いフェイントについていけずにアッサリと抜かれる。

 

ジョンホ:「まだだ!![地走り火炎]!!」

 

 しかしゴンウの背後からコッソリとディフェンスフォローに入っていたジョンホの必殺技でカットされてしまった剣城。

 そしてFWのチュンユンにロングパスが入る。

 

チュンユン:「今度は決める!!」

 

神童:「行かせない!!」

 

 再び神童先輩がチュンユンに対してディフェンスに入る。が・・・、

 

チュンユン:「(掛かった!!)ソヨン!!」

 

神童:「何っ!!」

 

 しかし神童先輩を引き付けてのパスでブロックを振り切った韓国。

 ソヨンは当然シュート体勢に入る。

 

ソヨン:「ハァッ!! [ラピッド・・ファイアっ]!!」

 

 ソヨンの炎のシュートが、ノーブロックでキーパーまで届いてしまう。

 

伊吹:「よし!! 止めてやる!!」

 

 伊吹はシュートに正面から掴み掛かり、必死に耐える。

 

伊吹:「なっ!? このッ・・・!!」

 

 しかし徐々に引き摺られていき、最後には弾き飛ばされてシュートはゴールに叩き込まれた。

 

王将:「ゴォオオォオオオルッ!! 先制点は韓国!! 日本ここから巻き返せるかぁっ!!」

 

竜太:「クソっ、ディフェンスが彼方たちだったら防げたのに!!」

 

 

 そしてイナズマジャパンボールのキックオフで試合再開。

 ボールは今度は神童先輩に渡り、そこからパスを回す。

 

天馬:「瞬木!!」

 

瞬木:「っ!!」

 

 ボールを受け取った瞬木は一瞬戸惑ったが、すぐに立ち直ってドリブルで攻め上がる。

 しかし、サッカーの小刻みなボールタッチを必要とするドリブルは一朝一夕に出来るものではなく、アッサリと奪われてしまう。

 

瞬木:「クソっ!!」

 

天馬:「瞬木・・・もしかして、」

 

真名部:「ふん・・・・」

 

ヨンジン:「ジフn・・・「させるか!!」何っ!?」

 

 しかし、俺が瞬木のオフェンスフォローに入っていた為に奪われてすぐに奪い返してドリブルで攻め上がる。

 

チュンユン:「っ! 止めろ!!」

 

 キャプテンであるチュンユンの声に、シンとピョンミンが連携して前後から挟み撃ちで仕掛けてくるが、左右のステップで2人纏めて抜き去った。

 

シン・ピョンミン:「「何っ(嘘でしょ)!?」」

 

王将:「大海素晴らしい動きで韓国ディフェンスを抜き去った!! そしてゴール前だぁっ!!」

 

竜太:「行くぞ!!」

 

 俺がシュート体勢に入りボールと共に跳びあがると、背後に武士型の魔神が現れる。

 そして、俺が左足を振り上げると共に魔神も刀を振りかぶる。

 

竜太:「[スサノオブレード・Gx]!!」

 

 俺が左足を渾身の力で振り抜くと、魔神が刀で一閃。赤白く太いレーザーの様なシュートが飛んで行く。

 

ドヒョン:「くっ!! [大爆発張り手]!! ハイハイハイハイハィイイーーッ!!」

 

 韓国キーパードヒョンも必殺技で応戦。息もつかせぬ連続張り手がボールに叩き込まれ、最後に大爆発が起こる。

 

 しかし俺のシュートは爆風を叩き斬り、キーパーごとゴールに叩き込まれた。

 

王将:「ゴォオオォオオオルッ!! 大海竜太の同点ゴーールッ!! かつての日本代表である父親、「大海龍也」のシュート技[スサノオブレード]で、韓国ゴールに風穴を開けたーーーっ!!」

 

竜太:「よしっ!!」

 

 

チュンユン:「なるほど・・・ディフェンス!! アイツを徹底的に封じ込めろ!! シュートを撃たせるな!!」

 

ファイアードラゴン:『分かった!!』

 

 

 

日本 1 ー 1 韓国

 

ー 続く ー




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第7話:狙われた瞬木

 俺の[スサノオブレード]が韓国ゴールに突き刺さり同点に追い付き、韓国ボールで試合再開。

 チュンユンとファンジュのキックオフからボールはセンターハーフのジフンへ渡り、ジフンはゴンウにパスを出す。

 

瞬木:「行かせるか!!」

 

 瞬木がディフェンスに入るが、アッサリと躱される。しかし躱されても躱されても果敢に韓国に食らいつく。

 

ゴンウ:「しつこい!!」

 

 ゴンウのパワーチャージでふっとばされる瞬木。大丈夫か?

 

瞬木:「ぐっ、このくらい!!」

 

 しかし瞬木は立ち上がると、すぐにボールを追い掛ける。

 

チュンユン:「面白い・・・・遊んでやるよ。 おい!!」

 

 すると韓国はワザと瞬木にボールを渡してきた。

 

瞬木:「!?」

 

チュンユン:「ボールが欲しいんだろ? 撃ってみろよ」

 

瞬木:「くっ、舐めるなぁっ!!」

 

瞬木がドリブルで攻め上がる。しかしやはり慣れておらずに簡単に奪われる。

 

シンジェ:「オラッ!!」ドカッ!

 

瞬木:「ぐあっ?!」

 

竜太:「瞬木!!」

 

すると・・・、

 

シンジェ:「ほらよ」

 

瞬木:「?!」

 

 シンジェは、せっかく取り返したボールを瞬木に返してきた。

 

瞬木:「ぐっ、うおぁああっ!!」

 

 瞬木は諦めずに攻め上がるが、

 

ジフン:「オラよっ!!」ズガァッ!!

 

瞬木:「うぁああっ!!」

 

 

・・・ヤロウ!!

 

 俺がヘルプに行こうとすると、韓国ディフェンス3人がマークに付いてきた。

 

ピョンミン:「行かせないわよ?」

 

シン:「お前はこの試合もうボールに触れる事はない」

 

ヨンジン:「そこで大人しくしてろ」

 

・・・・なるほどな。だが、

 

竜太:「お前ら・・いくらなんでも甘く見過ぎだぞ?」

 

ピョンミン:「は?」

 

 

 再びボールを渡してから奪い取った韓国。だが、

 

剣城:「貰った!!」

 

ジフン:「何?!」

 

瞬木:「剣城!?」

 

剣城:「焦るな瞬木!! 奴らはお前を挑発して冷静さを失わせようとしている!! 一回頭をリセットしろ!!」

 

瞬木:「!!」

 

チュンユン:「余計な事を・・・!!」

 

 そして、剣城がドリブルで攻め上がる。しかしここでシンジェとジョンホが2人で止めに来る。

 が、剣城は中にパスを入れる。ターゲットは・・・・

 

天馬:「ナイス剣城!!」

 

 ここで天馬にパスが繋がり、ドリブルで攻め上がる。そこにヨンジンが止めに入るが、天馬は必殺技を発動する。

 

天馬:「絶対に決める!! うぉおおあっ!!」

 

 天馬は相手のディフェンスに対して緩急のあるドリブルで翻弄する。

 

天馬:「[Zスラッシュ]!!」

 

 そして、遂に相手のディフェンスを突破した。

 

王将:「出たーーーっ!! 松風の新必殺技だぁあああっ!!」

 

 そしてフリーになった天馬がシュート体勢にると、ボールにとてつもない強風が纏わりつく。

 

天馬:「[ゴッドウィンド・改]!!」

 

 天馬の神風のシュートが韓国ゴールを襲う。韓国キーパーも必殺技で応戦する。

 

ドヒョン:「[大爆発張り手]!!ハイハイハイハイハィイイイーーーッ!!」

 

 止めの張り手と共に大爆発が起こるが、天馬のシュートは爆風を蹴散らし、ゴールネットに叩き込まれた。

 

チュンユン:「何だと?!」

 

王将:「ゴォオオォオオオルッ!! 松風の必殺シュートが決まったぁああっ!! 日本勝ち越しーーっ!!」

 

ピョンミン:「くっ、」

 

そして俺は再開のために日本陣内へ戻っていく。

 

 

チュンユン:「お前たち分かっているんだろうな? この試合に敗けたら、我々に帰る場所は無いんだぞ!!」

 

ファイアードラゴン:『ああ(分かってる)・・・・』

 

雄太・瞬:「「兄ちゃん・・・」」

 

 

 

前半残り12分

 

日本 2 ー 1 韓国

 

ー 続く ー




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第8話:韓国戦ハーフタイム

 天馬の[ゴッドウィンド]が韓国ゴールに突き刺さりリードした俺たち。

 韓国ボールで試合再開すると、韓国は俺と天馬、剣城に2人ずつマークをつけてきた。

 

天馬:「っ! このッ!!」

 

 

葵:「まずい・・・3人がガッチリマークされてる!!」

 

船木:「当然と言えば当然だ・・・神童はゴール前から動けないし、となるとイナズマジャパンでまともに動けるのはあの3人だけだからな・・・」

 

ソヨン:「チュンユン!!」

 

ソヨンからのスルーパスがチュンユンに繋がり、韓国のチャンスになる。

 

王将:「お~~っと!! ここでリ・チュンユンにボールが繋がった!! 韓国の決定的なチャンスだーー!!」

 

チュンユン:「決めてやる!!」

 

そしてチュンユンは炎を纏った両足でボールに何発も蹴りを叩き込み、止めのソバットキックで撃ち払う。

 

チュンユン:「[ラピッド・・ファイアっ]!!」

 

神童:「入れさせるか!!」

 

 すると神童さんがボールに正面から飛び膝蹴りを放つ。

 神童さんも弾かれたが、ボールも弾き返す事に成功し、ボールは九坂の方へ飛ぶ。

 

九坂:「き、来た!!」

 

ピョンミン:「寄こしなさい!!」

 

九坂:「く、クソっ!!」

 

ピョンミン:ドカッ「!?」

 

 すると九坂が苦し紛れに蹴ったボールはピョンミンの足に当たってタッチラインを割って外に出た。

 

ピョンミン:「っち、」

 

 

剣城:「やはり四人では苦しいか・・・」

 

竜太:「俺と剣城と天馬はキッチリとマークされてますしね・・・」

 

瞬木:「・・・あの!! 俺も一緒にやらせてくれ!!」

 

神童:「何!!」 

 

瞬木:「まだ俺が君たちのレベルには到底及ばな事は分かってる。だから、俺にサッカーを教えてくれ!! ・・まぁ、試合中に頼む事じゃあ無いけどね」

 

天馬:「瞬木!! うん!! 良いですよね神童さん!!」

 

神童:「・・・このままよりはマシか」

 

天馬:「じゃあ瞬木、君はドリブルの時に自身のスピードを活かしたいんだろうけど、今の君じゃあ難しいと思う。まずは、一つ一つ確実にボールを蹴ることを意識したほうが良いと思う」

 

瞬木:「一つ一つか・・・・分かったよ」

 

 

王将:「さあ、イナズマジャパンのスローインから試合再開です!!」

 

剣城:「瞬木!!」

 

 剣城のスローインからボールは瞬木へ。

 

瞬木:(一つ一つしっかりと!!)

 

 すると瞬木が蹴ったボールはデカ過ぎて一気に遠くまで行ってしまった。

 

ゴンウ:「ふんっ、貰っ・・・ギュンッ 何っ!?」

 

 何と瞬木はボールが足から離れた瞬間に全速力で猛ダッシュ。

 相手がボールに触れる前にボールにタッチした。

 

瞬木:(もう一回!!)

 

 瞬木のドリブルは大きく蹴ってスピードで追いつくというかなり不格好なドリブルだったが、しっかりと蹴れているから問題はなしだ!!

 

 

雄太・瞬:「「良いぞ兄ちゃん!!」」

 

シンジェ:「調子に乗るなよ!! [地走り火炎]!!」

 

瞬木:「うわっ!!」

 

 瞬木がボールを奪われ、韓国のカウンターパスが飛ぶ。しかしこれを鉄角がカットした。

 

天馬:「鉄角!! 瞬木にパスだ「鉄角くん!! 皆帆くんにパスです!!」皆帆!!」

 

そしてボールは皆帆に渡り、

 

瞬木:「こっちだ!! 「九坂くん!!」っ!」

 

 

そして九坂がドリブルで攻め上がる。

 

瞬木:「九坂!! 「九坂くん真名部くんに!!」」

 

九坂:「真名部!!」

 

瞬木:「っ!」

 

 

瞬:「アイツら・・・何で兄ちゃんにパス出さないんだ?!」

 

雄太:「まさか、あの事を!!」

 

 

真名部:「鉄角くん!!」

 

鉄角:「よしっ!!」

 

ゴンウ:「させるか! [地走り火炎]!!」

 

鉄角:「うわっ!!」

 

そして、鉄角はブロックに阻まれ、ボールがタッチラインを割って外に出た所で前半終了のホイッスルが鳴った。

 

 

ー ハーフタイム ー

 

天馬:(・・・このままじゃあ・・ん?)

 

雄太:「少しくらい良いだろ!? 入れろ!!」

 

警備員:「関係者以外だめだ!! 「瞬くん? 雄太くん?」ん、知り合いかい?」

 

天馬:「チームメイトの弟です「お前ら!!何で兄ちゃんにパス出さないんだよ!!」え?」

 

雄太:「兄ちゃんが、前に盗みで捕まったからか!? ・・・いつもそうだ、それだけで皆白い目で見て・・あれだって、本当は・・!「やめろ雄太!!」っ! 兄ちゃん、でも!!」

 

瞬木:「観客席に戻ってろ!!「・・・分かったよ。行こう」・・・・・」

 

 ・・・・これ、なんか事情があるんじゃあ

 

天馬:「瞬木、何があったのか話してくれないかな?」

 

瞬木:「・・・・・」

 

 しばらく無言だった瞬木は、近くの階段に腰をおろした。俺は手すりを挟んで反対側に腰を下ろす。

 

瞬木:「・・・俺の家には親父がいない。母さんも、病気してて働けなくて・・・だから、きっと凄い腹が減ってたんだろう瞬たちが、食べ物を盗んでしまったんだ」

 

天馬:「瞬くんたちが?」

 

瞬木:「でも、ただでさえ学校でも虐められてたのに・・・そんなことがバレたらとんでもないことになる。だから・・・「瞬木がやったって事にしたんだな? そうすれば、少なくとも弟さんは守れるから」ああ・・・」

 

天馬:「話してくれてありがとう・・・」

 

瞬木:「このことは、できれば人には言わないでくれ」  

 

天馬:「分かってる。俺()()は言わないよ。ね? 竜太」

 

瞬木:「え?」

 

 バレてたのか・・・・

 

竜太:「悪い。たまたま聞こえちまってな・・・」

 

瞬木:「そう・・・・」

 

竜太:「瞬木・・・お前良い兄貴だな。弟たちのために自分が泥を被って・・天馬、アイツらには言わないにしても、今回の誤解は絶対に解くぞ」  

 

天馬:「うん!!」

 

瞬木:「俺が盗ったと思わないの・・・? 「お前は盗ってねぇよ」!?」

 

天馬:「うん!! 俺も絶対に違うと思う」

 

瞬木:「何で・・・」

 

竜太:「ただの勘だ!!」

 

盛大にズッコケた瞬木だった。

 

ー 続く ー




この度、予選後の追加メンバーについて皆様の意見を聞きたいと思います。興味のある方は活動報告にてコメント式でお待ちしていますので宜しくお願い致します!!

感想・評価宜しくお願いします!!


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第9話:変化

 ハーフタイムが終わり、両チームともにポジションにつく。

 ホイッスルと共に韓国ボールで後半開始し、ボールがソヨンにわたったところで天馬が止めに入る。

 

天馬:「行かせない!!」

 

ドガアッ!!

 

 天馬とソヨンがお互いに挟み込むようにボールを蹴り合う。力が拮抗していたのかボールは弾かれタッチラインの方に転がる。

 

王将:「おっと!! このボールを取るのはソヨンか!? 松風か!?」

 

 しかし、

 

ギュンッ!!

 

王将:「瞬木だーーーっ!!」

 

 すごい速さで戻ってきていた瞬木が2人よりも早くボールを奪う。瞬木はそのままドリブルで上がっていく。

 

シンジェ・ジョンホ:「「行かせるか!!」」

 

しかし韓国ディフェンス2人が素早くチェックに入る。瞬木はパスしようと周りを見たが、

 

王将:「おーーーっと!! 瞬木完全に孤立している!! パスが出せない!!!」

 

竜太:「っ!! コイツら!!」

 

真名部:「ふん、あんな奴と一緒にやれるものですか・・・」

 

 そして韓国ディフェンス2人のツインスライディングでボールを奪われた瞬木。しかし取り返そうと韓国に向かっていく。

 

鉄角:「・・・なんだよアイツ、ムキになって」

 

すると、ここで天馬が声を上げた。

 

天馬:「お前たち何をやってるんだ!!」

 

イナズマジャパン:『!!』

 

天馬:「同じユニフォームを着てフィールドにいる以上、仲間じゃないか!! 仲間の事が信じられなくてどうするんだ!! そんなに疑うなら、アイツのプレー見てみろ!! 瞬木はどんな扱いをされても、必死に戦ってる!!」

 

 そして皆は瞬木をみる。そこには、何度躱されても・・返り討ちにあっても決して諦めずに食らい付く瞬木の姿があった。

 

鉄角:「・・・なぁ・・本当にアイツなのか?」

 

森村:「さ、さっきの事・・なにかの間違いなんじゃ・・・」

 

九坂:「よく考えたら、関係なくねぇか? あいつがどんなやつだろうと、試合にはよ・・・」

 

真名部:「っ・・・・」

 

 

 

王将:「瞬木韓国のパスをカットした!! だがパスを出せないぞぉっ!!」

 

チュンユン:「ちっ、油断したか・・・だがすぐに潰してやるよ!!」

 

 チュンユンが奪いに来る。瞬木は・・・

 

瞬木:(くそっ!! ・・・・鉄角?)

 

鉄角:コクッ

 

瞬木:「鉄角!!」 

 

そして瞬木は、鉄角にパスを出した。

 

鉄角:「うぉおおおっ!!」バシィッ!!

 

ファンジュ:「何っ!?」

 

王将:「日本パスが繋がったぁーーーっ!!」

 

鉄角:「俺たちもやるぞ!! 九坂!!」

 

九坂:「っと、皆帆!!」

 

天馬:「皆!! よし、攻めるぞ!!」

 

イナズマジャパン:『おおっ!!』

 

 

水川:「これは・・・・「変化だよ」変化?」

 

黒岩:「そして、変化を導くのが・・雷門の4人だ」

 

ジフン:「調子に乗るなよ!!」ドカッ!!

 

 するとジフンはタックルで九坂からボールを奪い取り、チュンユンに回す。

 

チュンユン:「絶対に決める!! [ラピッドファイア]!! セイヤァッ!!」ドガアァアンッ!!

 

 チュンユンの雄叫びとともに、これまでよりも威力の増したシュートが飛んでくる。

 

 しかしここでも神童先輩が立ち塞がる。

 

神童:「うおおおっ!! [アインザッツ]!!」

 

 神童先輩とボールの間に楽譜が現れ、♪とボールのが重なったところで神童先輩の飛び蹴りが炸裂する。

 すると神童先輩自身は弾かれずに、ボールだけを弾き返した。

 

チュンユン:「何っ!?」

 

 そしてボールは真名部に渡る。

 

皆帆:「真名部くん!! 瞬木くんがフリーだよ!!」

 

鉄角:「真名部!!」

 

九坂:「真名部!! パスしろ!!」

 

皆帆:「真名部くん!!」

 

真名部:「あーーーっもう分かりましたよ!! 瞬木くんは、左角度30度で出せば・・パスの成功率は・・"100%"!!」

 

瞬木:「真名部!? よしっ!!」

 

チュンユン:「絶対に止めろ!!」

 

王将:「おっと、しかし大海はピッタリとマークされてるぞぉっ!!」

 

瞬木:「(後ろから来てるんだろ?)剣城!!」

 

 なんと瞬木のバックパスがピンポイントで剣城に渡った。

 

そしてそのまま剣城はフィールドを駆け上がり、ゴール前でシュート体勢に入る。

 

 剣城がシュート体勢に入ると、剣城の背に漆黒の翼が出現。そして跳び上がると、ボールに翼の黒いエネルギーが纏わりつく。

 

剣城:「任せろ!! [デビルバースト・Gx]!!」

 

 剣城のシュートが韓国ゴールに蹴り落とされる韓国キーパーも必殺技で応戦する。

 

ドヒョン:「[大爆発張り手]!! ハイハイハイハイハイハィイイイーーーッ!!!」

 

 キーパーの張り手の乱打がボールに叩き込まれ、止めの両手張りと同時に大爆発が起こるが、シュートは韓国ゴールに叩き込まれた。

 

王将:「ゴーーーールッ!! 日本追加点!!」

 

チュンユン:「馬鹿な・・・こんな奴らに!?」

 

天馬:「やった!! よし! まだまだ行くぞ!!」

 

 

 

日本 3 ー 1 韓国

 

ー 続く ー




活動報告にて募集している地球代表候補の追加メンバーアンケートも宜しければお願いします!!

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第10話:韓国戦終了

 剣城のシュートがダメ押しとばかりに韓国ゴールに突き刺さり点差は2点に広がった。

 韓国が焦る中韓国ボールで試合再開。チュンユンがドリブルで攻め上がってくる。

 

チュンユン:「我々は負けるわけにはいかないんだ!! 退けぇっ!!」

 

天馬:「俺たちだって負けるわけにはいかない!! [ワンダートラップ・Z]!!」

 

 ここで天馬が必殺技を発動してチュンユンからボールを奪い取る。そしてドリブルで攻め上がる。

 

ファンジュ:「行かせるか!!」

 

 ファンジュがディフェンスに入る。しかし天馬は必殺技を発動する。

 

天馬:「[真・風穴ドライブ]!!」

 

 天馬が突破に成功し尚も攻め上がる。さすがにこれ以上の失点は許されない韓国はピョンミンとヨンジンが竜太のマークを緩めて天馬にプレッシャーを掛けに行く。

 

 しかし、少しでもマークを緩めてしまったら、この男は止められない。

 

竜太:「天馬!! こっちだ!!」

 

王将:「おっと、大海! 自陣へともどってパスを要求している!! どうするつもりなのか!?」

 

天馬:「(久しぶりにあれをやるんだね!!)竜太!!」

 

ピョンミン:「なっ!?」

 

 そしてパスは竜太に繫がり、竜太はロングシュートの体勢に入る。

 

チュンユン:「ハッ!! 苦し紛れが入る訳無いだろ!!」

 

 韓国は知らない。このシュートは常識の真逆の性質を持つことを・・・・。

 

 俺が飛び上がって縦に一回転し左足を振り上げると大きな聖剣が出現する。

 その勢いのまま聖剣をボールに踵落としで叩きつけた。

 

竜太:「[超・エクスカリバー]!!」ギシャァアアアアンッ ズドドドドドドドドッ!!

 

 斬撃のシュートが、フィールドを切り裂きながらゴールに向かって一直線。韓国ディフェンスはすぐにブロックに入る。

 

シン:「こんなもの!!」ドカァッ!!

 

 ディフェンダーのシンが左足でシュートを蹴り飛ばそうとするが、簡単に吹き飛ばされてしまいシュートは突き進む。

 

チュンユン:「(? ・・・シュートの通った後が・・・進むほどに大きくなっている?)まさか!?」

 

ドヒョン:「止めてやる!! [大爆発張り手]!! ハイハイハイハイハイハィイイーーーーッ!!」

 

ドヒョンの渾身の連続張り手がシュートに叩きつけられる。しかし[エクスカリバー]の勢いは全く収まらない。

 

ドヒョン:「そんな!? パワーがっ!! ウワァアアアッ!!?」

 

ザシュウっ!!

 

王将:「決まったあぁあああーーーっ!! 日本更に追加点!! そして・・・ここで試合終了のホイッスル!! 4ー1で、日本が韓国を下したーーーっ!!」

 

 会場から大歓声が上がる。九坂たちは呆然と歓声を聞いている。

 

鉄角:「なんだよ・・・コレ」

 

九坂:「マジか・・・・?」

 

皆帆:「予想通・・り?」

 

森村:「か、勝ったの?」

 

真名部:「ふん・・・」

 

伊吹:「・・・・・・」

 

瞬木:「瞬、雄太・・・兄ちゃんやったぞ!!」

 

 

 そして、試合が終わりロッカールームで・・・瞬木が着替えを終えて先に出ていった。

 

真名部:「ふん、絶対アイツがやったに決まってますよ・・」

 

鉄角:「なぁ? そもそもの話、ほんとに無くなったのか?」

 

九坂:「意外と着慣れない上着のポケットに入れたまま忘れてるとかじゃあ・・・」

 

真名部:「ぼくがそんな大切な事を忘れてるハズ・・ガサッ !?」

 

 真名部が手を入れた上着ポケットから出てきたのは、財布だった。

 

真名部:「・・・・・アハハ、・・・見ました・・よね?」

 

イナズマジャパンメンバー:『見た!!』

 

鉄角:「ちゃんと瞬木に謝るんだな!!(怒)」

 

真名部:「は、ハイ・・・・」

 

伊吹:「ったく人騒がせな奴だな!!」

 

九坂:「ホントだぜ全く!!」

 

 暫くの間、真名部にヘイトが集まったのは言うまでもない。

 

 

 

日本代表1回戦突破!!

 

ー 続く ー




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第11話:入団契約

 俺たちイナズマジャパンが韓国戦に勝利した翌日、今日も張り切って練習だ!!と、俺と天馬、剣城と神童さんは練習着でグラウンドへと出た。が、

 

竜太:「おい・・・ちょっと待て!! 何で瞬木しかいないんだ!?」

 

瞬木:「あっ、おはよう!! う〜ん・・・多分入団契約のせいじゃないかな?」

 

天馬:「入団契約?」

 

 瞬木の話によると、初戦に勝利するまではきちんと練習しなければならないが、それが終わったら無理に練習に出なくても、遊んでても好きにしていいという契約らしい。

 

神童:「そんなこと誰が決めたんだ!? 「私だ・・」っ! 黒岩監督!!」

 

黒岩:「練習を始めろ。他のメンバーを待つ必要は無い」

 

天馬:「えっ!? 練習メニューは・・・「自分たちで決めろ」」

 

 そう言って黒岩監督は宿舎の中に戻ってしまった。

 

神童:「何なんだアレは!? あれが監督のやることか!!」

 

竜太:「そんな契約なのに、何で瞬木は練習に来てくれたんだ?」

 

瞬木:「初めは嫌嫌だったけど、やっぱり試合に勝つと気持ちよかったし・・弟たちも喜んでくれたし、それに・・・ちょっと面白くなってきちゃって。契約内容のお金のことも、ノルマだけ達成して終わりよりも、逃げずにちゃんと最後までやりきろうかなって」

 

天馬:「瞬木!!」

 

 瞬木はサッカーの面白さが分かってき始めてるみたいだな。こりゃあ瞬木だけでも本格的に強化したほうが良いかもな。

 

葵:「天馬、私が他の皆を呼んでくるよ」

 

天馬:「うん。お願い葵!!」

 

 そして空野は宿舎の中へと入っていった。

 

瞬木:「キャプテン、相手に取られないドリブルを覚えたいんだ。なんかいい練習ある?」

 

神童:「ドリブルと言えば天馬だな・・・」

 

天馬:「俺が小さいときにやっていた練習方法何だけどやって見る?」

 

 その練習方法は天馬がインターハイ予選の前から練習としてやっていたジグザグにドリブルする練習だった。確かにこれなら小刻みかつ正確なボールタッチが必要なため基礎練習にはちょうど良い。

 

 だが、やってみたら瞬木は韓国戦のように大きく蹴り過ぎでとてもドリブルとは言えなかった。

 

天馬:「瞬木!! もう少し弱く! 小さく蹴ってみなよ!!」

 

神童:「比較的にやる気のある瞬木だけでもどうにかしないと、このチームに未来は無い・・・」

 

剣城:「そうですね・・・「天馬ーー!!」ん?」

 

 そこへ空野が戻ってきた。話によると皆部屋におらず、このエリアのどこかに出掛けているらしい。

 

 アイツら・・・・結局勘違いだったけど、韓国戦で瞬木を蔑んでたが、俺から言わせたらお前らは瞬木以下だ。

 比べるのが瞬木に対して失礼なくらいにな・・・・。

 

 そしてその日は瞬木に対して練習を施した、だが意外なことに1日で結構形にはなってきた。

 テクニックではまだまだだが・・。もしかして、才能という面では皆一応それなりに持ってるのか?

 

ー 竜太 side ー

 

 練習を終えて俺が宿舎に入ろうとしていたら、

 

伊吹:「おい!!」

 

竜太:「伊吹? ・・・なんだ?」

 

 伊吹のやつユニフォームを着てる・・それにかなり汗もかいてる・・・まさか一人で練習してたのか?

 

伊吹:「練習に付き合ってくれ。このチームで最高のシュートを撃つのは剣城とお前のどちらか・・・いや、恐らくお前だ。最高のシュートを止めなければ、練習にならない。付き合え」

 

竜太:「・・・まさか、サボってたんじゃなくて今日一日一人で練習してたのか?」

 

伊吹:「まぁな・・・」

 

 ・・・・・どうやら嘘では無さそうだな。

 

竜太:「良いだろう。ただし、まずはノーマルシュートからだ。いきなり必殺技は無理だからな。それでいいなら良いぞ」

 

伊吹:「わかった。やってくれ」

 

 フム、コイツはコイツなりにやる気はあったみたいだな。

 

竜太:「行くぞ!!」

 

伊吹:「来い!!」

 

 しかし、今日はまだ伊吹は俺のシュートを一球も止めることはできなかった。

 

 

ー 続く ー




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第12話:イナズマジャパン脱退試験!?

 瞬木たちの入団に関する契約を、瞬木から聞かされた俺たち。俺や神童さんはやる気のないやつに何をやってもムダだとせめてやる気のある瞬木、(実は伊吹も)を少しでも実力をつけさせるためにしごいていた。

 

 天馬は今日もサボリのアイツらを練習を見るだけでも良いから来てくれと説得に行った。

 

 時間のムダだと思うがなぁ・・・。

 

 そして午前の練習が終わった辺りで空野と天馬が帰ってきた。聞くところによると、「サッカーが数式よりも面白いと証明できるなら話は別ですけど」とか、「サッカーもまた人がやるもの。人には感情がある、考えのクセを見抜ければボールは奪える。よってテクニックは必要ない」とか言われたそうだ。

 

 サッカーはそんな甘く無いっていうのに・・・。

 

 そして練習していた俺たちだけで食堂で昼飯を食べていたとき、俺は伊吹に聞いてみた。

 

竜太:「伊吹、お前は何でこのチームに?」

 

伊吹:「このチームに参加したら・・海外の有名なバスケのチームに留学させてくれるって言われてな・・・。本当はサッカーなんか、どうでも良かったんだが・・・神童にあそこまで舐めた真似されちゃあな。俺を認めさせるまでは、辞める気にはなれないな」

 

 ・・・・主に神童さんに自分の力を認めさせる事が目的か。だが正直な所、動機は何でもやる気があるのが今は1番ありがたい。

 

 ってか食いながら喋るなよ・・・www

 

竜太:「じゃあ神童さんに認めさせられる様にまずはノーマルシュートくらいはらくらく止められる様にならないとな。付き合うよ」

 

伊吹:「おう・・・サンキュ」

 

ー 天馬 side ー

 

 チームがバラバラだ・・・・このままじゃあ、

 

 俺がどうしたらいいかを考えていた時、黒岩監督からメッセージが来た。

 

・・・・・・!? そ、そんなことしたら!!

 

ー 天馬 side out ー

 

ー 次の日 ー

 

 俺たちがグラウンドに出たら、皆がユニフォームでグラウンドに出ていた。どういう風の吹き回しだ?

 

竜太:「天馬、お前何かしたのか?」

 

天馬:「・・・・黒岩監督に言われたことを、メッセージで飛ばしただけだよ"イナズマジャパンから抜けてもいい人を決めます"って・・・」

 

 !? 俺たちは驚きのあまり声が出なかった。剣城は「集めるための口実だよな?」と、天馬に聞いていたが天馬は首を横に振った。

 

 マジか・・・・・

 

 そこへ、黒岩監督がやってきた。

 

黒岩:「揃っているな? では、これより・・・"イナズマジャパン脱退試験"を始める!!」

 

 脱退試験!? 残留試験じゃなくて?

 

黒岩:「無論、この試験をパスした者は、イナズマジャパンからの脱退を許そう。もちろん契約の内容は必ず果たす」

 

 それを聞いた他の奴らはざわめき立つ。・・・・ほんとにやる気無いんだな。

 

神童:「監督!? 本気ですか!!」

 

黒岩:「想像できるかね? この試験が終わる頃には誰一人として"辞めたい"と思うものが居なくなっていることを」

 

 は? どういうことだ?

 

黒岩:「試験の内容はPK。シュートは5本。全てを外せば試験をパスしたとみなす。」

 

九坂:「決めるじゃなくて?」

 

天馬:「監督!! キーパーは誰が・・・「キーパーは無しだ」!?」

 

竜太:(キーパーも無しでPKを5本全部外す・・・?)

 

皆帆:「なんか簡単そうだね・・・・」

 

黒岩:「そう思うか? 諸君らに言っておくが、君たちが簡単だと言うこの試験をパスできなかったときには、イナズマジャパンとしての本格的な特訓を受けてもらう。試験は30分後にシーサイドスタジアムで行う。試験を受けるかどうかを決めておくんだな」

 

 そして、黒岩監督はスタジアムの方へと歩いていった。

 

鉄角:「何なんだ!! 勝手に集めといて、こんな簡単にお払い箱か!!」

 

真名部:「いえ、むしろいい機会です。契約が履行されるなら、無理にここにいる意味は無いですから。ということで、ぼくは試験を受けますよ」

 

皆帆:「確かにそうだね・・・ボクも受けるよ」

 

天馬:「真名部、皆帆・・・」

 

九坂:「俺も受けます。やっぱり俺には合わないと思うんで」

 

好葉:「う、ウチも受けます・・・居てもいなくても変わらないから・・・」

 

鉄角:「俺も受けるぜ。この試験をパスすれば、今すぐ親父に漁船を買ってやれる。大助かりだ!!」

 

天馬:「皆待ってよ!! せっかくイナズマジャパンに選ばれたんだよ!? 一緒に世界を目指してやろうよ!!」

 

真名部:「嫌ですよ。僕にとってサッカーはなんの意味も無いんで」

 

 ハァ、コイツらのやる気の無さがハッキリと分かった。コイツラはやっぱりここにいるべき選手じゃない。

 

瞬木:「俺はもうちょっとやってみるよ。弟たちも喜んでくれてるし、せっかく少し面白くなってきた所だから」

 

天馬:「瞬木!!」

 

伊吹:「俺も受けない。このまま舐められたまま止めますじゃあ、逃げ出したってことになるからな」

 

 ほう、この二人は根性あるじゃないか・・・。だったらコイツらだけいればいいさ。

 

天馬:「でも皆、このままやめて後悔しないの?「しませんね」」

 

竜太:「やめとけ天馬。やる気のない奴に何を言っても無駄だ。寧ろ二人も残ったことに俺は驚いてる」

 

天馬:「竜太・・・」

 

真名部:「そろそろ時間ですね。行きましょうか」

 

 そして、俺たちも試験を見届けるために、シーサイドスタジアムへと向かった。

 

ー 続く ー




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第13話:脱退試験

 謎のイナズマジャパン脱退試験。試験を受ける真名部たちの結果を見届けに俺たちはシーサイドスタジアムにやってきた。しかし、そこには驚きの光景があったんだ・・・・

 

ワァアァアアアッ!!!

 

九坂:「な、何だ!?」

 

真名部:「何で観客がいるんですか!?」

 

森村:「お、オマケにTVカメラまで・・・」

 

 先に来ていた神童先輩に聞いたら、これらの観客や取材陣は黒岩監督が集めたそうだ。

 

皆帆:「なるほど・・・そういう事か」

 

九坂:「えっ、どういうことだ?」

 

真名部:「こんな大勢の観客の前で、キーパーもいないのにPKを5本も全部外すなんて、できるはずないということですよ」

 

鉄角:「アイツ!!」

 

 鉄角は黒岩監督を睨んだ。すると水川さんからマイクを受け取った黒岩監督は、取材陣に対して、ダメ押しの演説を始めた。

 

黒岩:「それではこれより、皆さんにイナズマジャパンの精鋭による、華麗なシュートをご覧に入れます。無論、ウォーミングアップに過ぎませんがこれを機に、選手たちの顔を覚えてやってください。彼らは、日本の誇りなのですから!!」

 

鉄角・真名部・皆帆・森村・九坂:(((((!?!?!?)))))

 

水川:「では最初の人お願いします」

 

鉄角:「くっ、俺が行く!! 今更失う物なんか無いからな!!」

 

水川:「1番は、ディフェンダー、鉄角真」

 

真名部:「彼なら99%外してくれますよ」

 

皆帆:「そうかな・・・・?」

 

 そして鉄角はボールをセットし、シュートするがボールは大きく逸れて外れた。

 

観客:『外した・・・』

 

 そして2球目、これも大きく外れてクロスバーの上。

 

観客:『また外れたぞ・・・』

 

 外れると同時に観客からため息が出る。

 

真名部:「良いぞ、その調子だ・・・・」

 

鉄角:「ぐっ・・・、悪いな監督さんよ!! 俺は人の目なんか気にしないぜ?」

 

 そして3球目、4球目も外れた。それと同時に観客から「何やってんだ」とヤジが飛ぶ。

 

皆帆:「思ったよりきつそうだね・・・・」

 

九坂:「俺も・・コレをやるのか・・・」

 

鉄角:(クッ・・・!)

 

天馬:「鉄角・・・・」

 

葵:「なんか・・苦しそう・・」

 

剣城:「だが、キック力は大した物だ・・・」

 

 っ! 言われて見れば・・・・

 

 そして、ラストボールをセットする。

 

鉄角:(これを外せば・・・今すぐ親父に船を買ってやれる・・・迷うことなんか無いんだ『鉄角ーー!!何やってる!!』!? 観客のあの目・・覚えがある)

 

 

ー 鉄角 過去回想 ー

 

徹さん:「真!! 何やってる!! 逃げるな! パンチを出せ!!」

 

鉄角:「くっ、ぅぉおおっ!!」

 

徹さん:「何やってる!! 逃げるくらいならリングを降りろ!!」

 

〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜

 

鉄角:「徹さん、俺、どうしてもパンチが怖い・・・」

 

徹さん:「そりゃあ誰だってそうだ・・だが、それから逃げたら試合にならねぇ!! "男だったら、逃げずに立ち向かえ!!"そのほうがずっと気持ちいいぞ? それに、聞いたぞ? 親父の船は俺がボクシングで買ってやるって啖呵を切ったらしいじゃねぇか。兄貴が泣いて喜んでたぜ?」

 

ー 回想終了 ー

 

鉄角:「男だったら・・・逃げずに立ち向かえ、か・・・・」

 

観客子供:『鉄角ーー!! 韓国戦かっこよかったぞーーー!!』 『あのときの気合思い出せよーー!!』

 

鉄角:「韓国戦か・・・・確かに、あのときは気持ち良かったな・・・・」

 

 そして、運命のラストボール。

 

鉄角:「・・・・・・悪いな、親父。・・船を買うのは、"もう少し待ってくれ"!!」

 

 そして、鉄角の蹴ったシュートはゴールネットに叩き込まれた。

 

観客子供:『やったーー!!』

 

天馬:「鉄角!!」

 

剣城:「いいシュートだ!!」

 

そして我に返った葵が、ゴールのホイッスルを吹いた!!

 

 それを見た水川さんが黒岩監督をちらりと見る。

 

黒岩:「これが、見守る者の力だ・・・」

 

皆帆:「観客の圧に負けたってこと?」

 

鉄角:「ま、そんなとこだ」

 

 続いて2番手は九坂・・・

 

観客:『九坂ーーー!! 頑張れーーー!!』

 

九坂:「・・・やれやれ。九坂流、喧嘩シュートっ!!」ドガァッ!!

 

 そして九坂の蹴ったボールは勢いよくゴールネットを揺らした。

 

観客子供:『カッコいいーー!!』

 

真名部:「九坂くんまで・・・」

 

九坂:「お前らもあそこに立てば分かるさ。監督の思惑通りって感じでムカつくけどな?」

 

 そして次は皆帆。

 

観客:『頑張れ皆帆ーーーっ!!!』

 

皆帆:「・・フゥ。・・・しょうがないねっ!!」

 

 そして皆帆のシュートもゴール。

 

天馬:「ありがとう!!鉄角が決めてくれたおかげで皆やる気になってくれた!!」

 

鉄角:「バっ! そんなんじゃねぇ!! ボクシングで親父の船を買ってやれなくなった今、サッカーで叶えるしかなくなっただけだ!! ・・・徹さんに言われたことを思い出させやがって」

 

天馬:「徹さん?」

 

鉄角:「俺の師匠だ。ボクシングのな・・・」

 

水川:「続いて4番、ディフェンダー、真名部陣一郎」

 

 そして真名部がボールをセットする。

 

観客:『真名部いけーーっ!!』

 

真名部:「ううううぅ、分かりましたよ!! やれば良いんでしょ!!」

 

 そして勢いに流され、真名部もゴール。

 

マジかよ・・・。

 

 そして最後は森村。

 

 森村がボールをセットする。

 

森村:「は、外さなきゃ・・・『森村ーー頑張れーー!!』ひっ!!」

 

 後ろに転けそうになった森村はボールをうっかり蹴ってしまった。

 

森村:「あっ!! 入っちゃダメ・・!」

 

 そして、ボールはそのままゴールの中へと転がり込んだ。

 

天馬:「皆ぁ!!!」

 

竜太・神童:「「・・・・・・・・」」

 

葵:「好葉ちゃん!!」

 

森村:グスッ「入っちゃった・・・」

 

そして、全員の脱退試験が終了し、最後に黒岩監督が観客たちに挨拶する。

 

黒岩:「皆さん!! 楽しんでいただけましたでしょうか? まだまだ未熟な彼らですが、今日の皆様の応援を胸に日々成長を遂げてくれるでしょう!! これからも、イナズマジャパンの彼らを、応援してやってください!!」

 

 そして、観客の拍手の中、脱退試験は一人の通過者も出さずに、脱退者0で終わることになった。

 

竜太:(ったく、しょうがねえな・・・このメンバーで、もう少しやることになりそうだ)

 

 そのかわり約束通り、練習みっちりしごいてやるからな?

 

 

ー 続く ー




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第14話:離れていても

 脱退試験は通過者0、脱退者無しで終わり、鉄角たちも本格的な特訓を受ける事になり、俺たち4人はミッチリとアイツらをしごいていた。

 

真名部・皆帆:ゼェゼェ ハァハァ

 

 コイツら肩で息をしてんじゃん・・・・。典型的なインドア派なんだろうな。

 

竜太:「真名部はともかく皆帆は将来刑事になりたいんだろ? だったら練習は役に立つぞ?」

 

皆帆:「はい・・? な、何で・・・?」

 

竜太:「なんでって・・・逃走する犯人追い掛けるのに体力無かったら取り逃がすだろ?」

 

皆帆:「!! そうか・・・言われてみれば!」

 

 むしろお前刑事の父親がいるのに何でそこに気づかないんだよ・・・馬鹿なのか?

 

 たが、今の話を聞いた皆帆は少しやる気が出た様だった。

 

 伊吹の方はどうなってるかな?

 

ー 伊吹 side ー

 

 俺は今、剣城にシュートを撃ってもらっていた。だが全然止められない・・・・クソっ!!

 

剣城:「焦るな伊吹・・・・いきなり上手くなったりはしない。バスケも・・いや、スポーツなんてそんなものだろう? 日々の努力の積み重ねだ」

 

伊吹:「ああ。 わかってる・・・」

 

剣城:「いっそのことバスケのシュートみたいに上からボールに叩きつけたらどうだ?」

 

 上から・・・・っ!! そうか! 俺の経験を活かす方法はあるのか!!

 

伊吹:「悪い剣城、もう一発頼む」

 

剣城:「何かを掴んだか? よし、行くぞ!!」

 

ー 伊吹 side out ー

 

 そして瞬木や森村、九坂たちは神童さんと天馬が練習を見ていた。やっぱり瞬木の足の速さは戦力になりそうだな・・・。

 

天馬:「瞬木、だいぶドリブルが形になってきたよ? こんな短期間で凄いよ!!」

 

瞬木:「まだちょっと苦労はしてるけどね・・・」

 

九坂:「ボール蹴りながら走るってムズいっスね・・・」

 

森村:「ハァハァ 難しい・・・」

 

葵:「好葉ちゃんも始めたばかりなのを考えたら上手いよ? 大丈夫!!」

 

森村:「・・・・はい」

 

 

神童:「だが・・・・このメンバーで本当に2回戦を勝てるのか・・・?」

 

 2回戦の相手は、オーストラリア代表"ビッグウェイブス"に決まった。昨日の夜、俺たち4人で試合映像を見ていたのだが、オーストラリアのディフェンスタクティクス、"サックアウト"はかなり強力で、こちらのドリブルを片っ端からカットされそうだった。

 

神童:「やはり必殺タクティクスをこちらも使えたほうが良いか・・・・皆集合!!」

 

 

 そして皆が神童さんのところに集合する。

 

神童:「これから、オーストラリア戦に向けて・・必殺タクティクスの練習を行う!」

 

九坂:「必殺・・・タクティクス?」

 

竜太:「必殺()じゃなくて必殺()()って言えば分かりやすいか?」

 

真名部:「なるほど・・・戦術ですか・・・・」

 

神童:「ああ。オーストラリアのタクティクスにはパス回しで的を絞らせない攻めが有効だからな・・・」

 

天馬:「もしかして、〈神のタクト〉てすか!?」

 

皆帆:「〈神のタクト〉?」

 

竜太:「神童さんが指揮者の様に指示を出しながらパスを回して一気に前線まで攻め上がる必殺タクティクスだよ。確かにシンプルだけど1番効果的なタクティクスブレイクかもな・・・」

 

鉄角:「で、今からその練習をするのか?」

 

神童:「ああ。ではまずは説明する」

 

 そして神童さんから〈神のタクト〉の説明を聞き、練習を開始した俺たち。当然鉄角たちは1日やそこらでは出来なかったが、才能はあったのか試合前日には出来るようになった。

 

 そして次の日、オーストラリア戦の日を迎えた。

 

黒岩:「揃っているな? それではこれより、ホーリーロードスタジアムへと向かう」

 

イナズマジャパン:『はい!!』

 

 そして電車で20分後、俺たちはホーリーロードスタジアムに到着した。

 

〜 ホーリーロードスタジアム 〜

 

竜太:「よし、行く・・・「竜太〜〜っ!!」わプッ!!」

 

 突然、一人の女性に抱きつかれた。だが、この声は俺は間違えるわけが無い。

 

竜太:「彼方!! 久しぶり」

 

彼方:「うんっ!!」

 

 ニッコリと笑顔を見せる彼方。はぁ、カワイイ・・・///

 

神童:「彼方先輩、応援に来てくれたんですか?」

 

鉄角:「ちょっ、おい、大海!!」

 

 なんだよ・・せっかく抱きつかれたからどさくさに紛れて彼方のお胸様を堪能してたのに・・・。

 

竜太:「なんだ?」

 

九坂:「あの美女誰だ!?」

 

天馬:「俺たちの学校、、雷門サッカー部の先輩だよ。3年生の近江彼方先輩。因みにディフェンダー」

 

皆帆:「選手なの!?」

 

彼方:「あっ、韓国戦見てたよ〜? ちょっとハラハラしたけどね〜」

 

瞬木:「あっ、はい・・・・」

 

鉄角:(かわいい・・・)

 

天馬:「ちなみに彼方先輩は竜太の彼女だから」

 

鉄角:「ハァ!?」

 

 いきなりうるせぇよ・・・発情期ですかコノヤロー。

 

真名部:「リア充爆散してください」

 

 ・・・・・・殴っていい?

 

竜太:「ところで彼方1人?」

 

彼方:「いや? 皆いるよ〜」

 

 そして彼方が指さした方には、歩夢先輩やエマ先輩、せつ菜先輩やしずくたちがいた。

 

天馬:「皆!! 久しぶり!!」

 

せつ菜:「お久し振りです!! 今日の試合も勝ってくださいね? スタンドから応援してますから!!」

 

果林:「そうね。韓国戦で少し評価が変わったわ。帝国戦のときはイライラが止まらなかったけど」

 

三国:「それと竜太、天馬、今日オーストラリアに勝ったら、明日皆で雷門に来てくれないか? 俺たちと練習試合やらないか?」

 

神童:「皆と?」

 

かすみ:「ふっふっふー! 今のイナズマジャパンなんかコテンパンにしてやりますよ〜?「そんな口を聞くのはこの口か〜?」いひゃいいひゃいりゅうひゃくん〜っ!!」

 

九坂:「・・・なんか、雷門って美女ばっかだな」

 

 ん〜言われてみれば。

 

竜太:「じゃあ俺たちは行くよ。応援宜しく!!」

 

雷門:『おお〜っ!!』

 

 伊吹、瞬木を除くイナズマジャパンの鉄角たち男性陣は・・・

 

九坂・真名部・皆帆・鉄角:(可愛かったな・・・・//// 試合、いつも以上に頑張ろ・・・)

 

 

ー 続く ー




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第15話:試合開始(キックオフ) vsビッグウェイブス

2回戦試合開始です!!

ではどうぞ!!


王将:「皆さんおまたせ致しました!! これより、FFIV2アジア地区予選2回戦、日本代表イナズマジャパンvsオーストラリア代表ビッグウェイブスの試合が始まります!! 実況は私、角間王将でお送り致します!!」

 

鉄角:「よし、練習の成果見せてやる!!」

 

伊吹:「・・・・もう少しなんだよな」

 

 ん? 伊吹・・・・・、

 

竜太:「鉄角、分かってる通りサッカーはボクシングと違って手は使えない。代わりに足を使う。つまりだ、ボクシングで鍛えた"フットワーク"が武器になるはずだ」

 

鉄角:「フットワークか・・・・分かった!!」

 

 次は瞬木だな。

 

竜太:「瞬木、お前は未経験組の中では誰よりも練習してきた。自分を信じて思いっきりやれ。ダメなところは俺たちがカバーする」

 

瞬木:「分かったよ」

 

 最後は・・・、

 

竜太:「伊吹、練習の成果・・・見せてみろよ?」

 

伊吹:「わかってる。せっかく練習に付き合って貰ったんだ。神童にギャフンと言わせてやる!!」

 

 そして、選手入場。試合のためにフィールドに出る。

 

 

フォーメーション

ビッグウェイブス

 

GK        ジュゴン

 

DF クラブ  マンボウ ホエール オイスター

 

MF コール            シャーク

MF      マンタ  スクィド

 

FW オクトパス          ロブスター

 

イナズマジャパン

 

FW     剣城  瞬木

 

MF  九坂   天馬   竜太

 

ボランチ     神童

 

DF 森村  皆帆  真名部 鉄角

 

GK       伊吹

 

 そして、剣城と瞬木がセンターサークルに立つ。

 

王将:「さぁ、イナズマジャパンのキックオフで試合開始です!!」

 

 そして試合開始のホイッスルが鳴り、イナズマジャパンボールで試合開始。

 

 ボールが天馬に渡ると、日本はパスを回して攻め上がる。

 

コール:「お手並み拝見だな・・・」

 

天馬:「九坂!!」

 

九坂:「っと、剣城!!」

 

 ボールが剣城に渡り、ドリブルで攻め上がる。そこにコールとマンタがプレッシングに来たが、捕まる前に天馬にパスアウトする。

 

天馬:「竜太!!」

 

 そしてボールは俺に渡る。すぐにシャークとオイスターが止めに入るが、俺は必殺技の体勢に入る。

 

 俺の左右の鋭い踏み込みから足にイナズマをチャージし、それを一気に開放。超加速で抜き去る。

 

竜太:「[ライトニングワープ・Gx]!!」

 

シャーク:「くっ! キャアっ!?」

 

オイスター:「うわっ!?」

 

 二人を高速移動の風圧で吹き飛ばし、中へのセンタリング。剣城にボールが飛ぶ。

 

コール:「ここだ!! 必殺タクティクス!!〈サックアウト〉!!」

 

 剣城がオーストラリアディフェンス4人に囲まれると、四人の連携した動きから剣城の足元から打ち上げるように高波が発生。剣城を吹き飛ばしてボールを奪った。

 

コール:「こっちだ!!」

 

 そしてボールはコールに渡る。

 

王将:「オーストラリアのカウンター攻撃だ!!ボールはキャプテンのコールへ!!」

 

 オーストラリアはパスを回して攻め上がる。九坂が止めに入るがアッサリと躱されてしまう。

 

マンタ:「決めなさいロブスター!!」

 

 ボールは右サイドのロブスターへ。そのままドリブルでゴール前へと侵入する。

 しかしここで鉄角が立ち塞がる。

 

ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー

 

竜太:「フットワークが武器になるはずだ」

 

ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー

 

鉄角:「これでどぅだぁっ!!」

 

 鉄角はボクシングの構えを摂ると、軽快なフットワークから一気に接近してボールを掠め取った。

 

王将:「取ったぁあああーーーっ!! 鉄角真、ナイスディフェンスだぁあああーーーっ!!」

 

竜太:「良いぞ鉄角!!」

 

コール:「ほう? 前の試合の時とは違うということか・・・・」

 

鉄角:「大海!!」

 

 そしてボールは俺へと縦に飛ぶが、空中でシャークにカットされてしまう。

 

シャーク:「そんな見え見えのパスが通用する訳無いでしょ!! スクィド!!」

 

 そしてボールはスクィドに渡り、ドリブルで攻め上がってくる。

 しかしそこに神童さんがディフェンスに入る。

 

スクィド:「ムダだ!! [カンガルーキック]!!」

 

 スクィドはボールをカンガルーの様な後ろ蹴りで蹴り飛ばして神童さんにぶつけて弾き飛ばして突破する。

 中央が突破されたことにより真名部と皆帆が止めに入るが、ここでオクトパスにスルーパスが通る。

 

王将:「パスがつながった!! オーストラリア決定的なチャンスだぁっ!!」

 

 そしてオクトパスがシュート体勢に入ると、フィールドが大海原に変わり、彼方から背びれをのぞかせたサメが泳いでくる。

 

オクトパス:「[メガロドン]!!」

 

 オクトパスのシュートと共に、巨大なサメが突っ込んでくる。

 

 伊吹も迎撃体制に入ると、バスケのダンクのように上から手をボールに叩き付けた。

 

伊吹:「ぐぉおおおおっ!!」

 

 伊吹も必死に耐えるが、勢いに押されてボールと共にゴールに叩き込まれてしまう。

 

王将:「ゴーーールッ!! 先制点はオーストラリア!!」

 

伊吹:「クソっ!!」

 

神童:(やはりダメか・・・・)

 

 しかし、ここで俺はあることに気づいた。

 

竜太:「伊吹、今の・・もう少し叩きつける勢いがあれば止められてたかも」

 

伊吹:「勢い?」

 

竜太:「ああ。もっと腕に勢いと全体重を乗せる様な・・・」

 

伊吹:(・・・・・・・・)

 

 そして試合再開。ボールは俺に渡り、そのままドリブルで攻め上がる。

 

コール:「行くぞ! 必殺タクティk・・・「来たな!! 天馬!!」何っ!?」

 

 俺はタクティクス発動のために近づいてきた4人を引き付けて天馬にパスを出す。

 おかげで中がガラ空きだ。

 

天馬:「瞬木!!」

 

瞬木:「うぉおおおおっ!!」

 

 瞬木が全速力でディフェンスの裏に走る。瞬木は素晴らしいスピードでボールに追いつき、ボールをトラップした。

 

 

雄太・瞬:「「行けーーーっ!! 兄ちゃん!!」」

 

 

瞬木:「喰らえっ!!」ドガァッ!!

 

 瞬木のシュートがオーストラリアゴールに飛んでいく。しかしキーパーは冷静にキャッチした。

 

瞬木:「クソっ!!」

 

ジュゴン:「ふん、この程度か・・・・マンタ!!」

 

 そしてオーストラリアのゴールキックからボールはマンタへ。そこに九坂が止めに入るが・・・・、

 

マンタ:「あなたには私は止められないわよっ!!」

 

 マンタは自身のスピードで一気に九坂を突破。そのままオクトパスにパスを出す。

 

オクトパス:「ナイスだマンタ!!」

 

森村:「あ、あわわわわ・・・」

 

オクトパス:「退けぇっ!!」

 

森村:「ヒィッ!!」

 

 森村は威圧に縮こまってしまい、アッサリと突破を許してしまう。しかし神童さんがシュートレンジに割り込みシュートブロックの準備をする。

 

オクトパス:「2点目だ!! [メガロドン]!!」

 

 オクトパスの強烈なシュート。しかし神童さんがシュートブロックを挟む。

 

神童:「[アインザッツ]!!」

 

 神童さんが渾身の力でシュートを蹴り飛ばそうとするが、逆に神童さんが弾き飛ばされる。

 

 一応ボールも勢いを失いルーズボールになったが、運悪くこぼれ球をロブスターに抑えられてしまう。

 

神童:「しまっ!!」

 

 神童さんは完璧に体勢を崩されておりますフォローは到底間に合わない。

 ロブスターは余裕を持って必殺シュートを放つ。

 

ロブスター:「[メガロドン]!!」

 

 オーストラリアの必殺シュートが、またしてもゴールに迫る。

 

伊吹:(勢いと全体重を乗せる・・・・っそうか!!)

 

 何かに気付いた伊吹はゴールをがら空きにしてジャンプする。そして空中から己の全体重を乗せた強烈なダンクをお見舞いした。

 

ドゴォオオォオオオンッ!!

 

 フィールドにはとてつもない圧力で圧し潰され、完全に停止したボールがめり込んだ。

 

王将:「止めたぁあああーーーーっ!!! キーパー伊吹、オーストラリアのシュートを今度は完璧に止めたぁああああーーーっ!!!」

 

伊吹:「よぉおおおっし!! 見たか神童!!」

 

神童:「・・・・キーパーなら当然だ」

 

伊吹:「っ、チッ・・・だが、止めたぞ!! 反撃だ!!」

 

 

 

 

日本 0 ー 1 オーストラリア

 

ー 続く ー




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第16話:vsビッグウェイブス 前半終了

 オーストラリアのシュートを自分の力で止めた伊吹からのゴールキックで今度はイナズマジャパンのカウンター攻撃。ボールは天馬に飛ぶ。

 

スクィド:「行かせるか!!」

 

マンタ:「潰してやるわ!!」

 

天馬:「この流れを切らしてたまるか!!」

 

 そして天馬は必殺技を発動。渦巻く風の抜け道を、流れるように突破した。

 

天馬:「[真・風穴ドライブ]!! 瞬木!!」

 

 そしてボールはまたしても巧く裏に走っていた瞬木にフリーで渡る。

 

コール:「ムダだ。お前のシュートではジュゴンからゴールは奪えない!!」

 

瞬木:「俺だって、やってやる!!」

 

 すると瞬木は身軽な動きからボールと共に空中をどんどん上がっていく。そして思い切りキックを叩き落とした。

 

瞬木:「[パルクールアタック]!!」

 

ジュゴン:「何だとっ!? クソっ!!」

 

 データに無い必殺技が飛んできたせいで技を発動する暇がなく、素で受け止める相手キーパー。

 しかし、瞬木のシュートはジュゴンを吹き飛ばし、オーストラリアゴールをこじ開けた。

 

王将:「ゴォオオオーーールッ!!! イナズマジャパン、瞬木隼人の必殺シュートで同点に追いついたーーーっ!!」

 

瞬木:「よっしゃあぁあああーーーっ!!」

 

雄太・瞬:「「良いぞ兄ちゃーーんっ!!」」 

 

 会場から大歓声が上がる。おそらく誰も俺たち4人以外が点を決める所を予想していなかったのだろう。

 あちこちから瞬木を称賛する声が上がる。

 

鉄角:「やったじゃねぇか瞬木!! 俺も負けてらんねぇな!!」

 

九坂:「スゲェぜお前・・・!!」

 

瞬木:「うん!! 瞬、雄太・・やったぞ!!」

 

 そしてオーストラリアのキックから試合再開。ボールはキャプテンのコールに渡り、ドリブルで攻め上がってくる。

 

コール:「クソっ! 調子に乗るな!! ロブスター!!」

 

 コールからロブスターへの大きなサイドチェンジのパスが通る。

 左サイドによっていた俺たちは急いで右サイドにディフェンスをシフトする。

 

ロブスター:「今度は決める!! 退けぇっ!!」

 

鉄角:「やらせるかよっ!! [フットワークドロウ]!!」

 

 鉄角は先程のディフェンス・・・[フットワークドロウ]を発動。軽快な足捌きからボールを掠め取った。

 

ロブスター:「くそっ!!」

 

鉄角:「神童!!」

 

 そしてボールは神童さんに渡る。そして俺たちは練習していたアレを出す。

 

神童:「必殺タクティクス!!〈神のタクトFI〉!! 九坂!!」

 

 ボールは九坂に飛び、神童さんの指揮のもとドリブルで上がる。

 

神童:「天馬、右サイド!! 九坂! 天馬にパスだ!!」

 

九坂:「キャプテン!!」

 

 九坂からのパスが天馬に渡る。そして俺と中と右サイドの位置が変わる。

 

神童:「天馬、中の竜太へ!!」

 

天馬:「竜太!!」

 

 目まぐるしく動く選手とボールに、オーストラリアは〈サックアウト〉の的を絞ることができない。

 

コール:「くそっ!! ディフェンス来るぞ!!」

 

 そしてディフェンダーが動いた所に俺が剣城にパスを入れる。

 

剣城:「ナイスパス!!」

 

 そして剣城はシュート体勢に入る。剣城はボールを蹴り上げると、背面でジャンプし、オーバーヘッドで[デスソード]を撃つ。

 

剣城:「[バイシクルソード]!!」

 

 [デスソード]よりも数段パワーの高いシュートがオーストラリアゴールに迫る。キーパーは必殺技で対抗してきた。

 

ジュゴン:「[クロコダイルファング]!!」

 

 背後に現れた巨大なワニの噛みつきと共に、シュートを抑え込む。

 しかし、剣城のシュートはオーストラリアゴールに突き刺さった。

 

 

王将:「ゴーーーールッ!! 日本逆転!! 剣城京介の新必殺シュート、[バイシクルソード]がオーストラリアゴールに突き刺さったぁあああーーーっ!!!」

 

竜太:「ナイス剣城!!」

 

剣城:「ああ!!」

 

天馬:「よーーしっ!! このまま行くぞーーっ!!」

 

 そしてオーストラリアボールのキックオフから試合再開。

 ボールはマンタに渡り、そこからパスを回して攻め上がってくる。

 

マンタ:「わたし達は負けるわけには行かないのよ!! オクトパス!!」

 

 そしてボールは左サイドのオクトパスに飛ぶ。

 

 森村との1vs1になるが、森村はアッサリと抜かれてしまう。

 

皆帆:「ボクが行くよ!!」

 

 すぐに皆帆がフォローに入るが、やはりアッサリと抜かれてしまう。

 

オクトパス:「決めてやる!! ウォおおおおっ!![メガロドン・()]!!」

 

 なんとこの土壇場で進化した渾身の必殺シュートが迫ってくる。やばい!!

 

伊吹:「何度でも止めてやる!! [ワイルドダンク]!!」

 

 ジャンプした伊吹が渾身の力でボールに手を叩きつける。

 力はやや拮抗したかに見えたが、進化した技相手では分が悪く、オーストラリアのシュートが日本ゴールに突き刺さったところで前半終了のホイッスルが鳴った。

 

 

 

ー 前半終了 ー

 

日本 2 ー 2 オーストラリア

 

ー 続く ー




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第17話:vsビッグウェイブス 後半開始!!

 前半を終えてハーフタイムに入る。終了間際のオーストラリアのシュートを止められなかった伊吹は悔しそうだ。

 

伊吹:「クソっ・・・さっきは止められたのに! 威力がまるで違った・・・何でだ!?」

 

竜太:「・・・・技の進化だ」

 

 皆は俺の方を見る。聞き慣れない言葉に説明を求める。

 

竜太:「選手が持つ技は、その選手のその技に対する熟練度が一定ラインを越えると、進化して大幅にパワーアップして威力が上がるんだ。恐らく・・・あの終了間際にその進化が起きたんだろう・・・・」

 

真名部:「そんな都合よく・・・・」

 

神童:「進化は狙って起こせるものじゃない。練習して使い慣れていくしかないんだ」

 

伊吹:「使い慣れていくしか無い・・か・・・・」

 

竜太:「でも、皆のサッカーをやる前の経歴が技の元になってるんだから伊吹はバスケ、鉄角はボクシングの動きを巧く応用してサッカーに当てはめてやれば意外と速く進化するかもな・・・・」

 

鉄角:「分かった」

 

 そして、ハーフタイムが終了。選手がフィールドに出る。

 

王将:「得点は2ー2の同点! オーストラリアボールから後半開始です!!」

 

 そして、後半開始の笛が鳴り、ボールがスクィドに渡ると、そのままドリブルで攻め上がってくる。が、そこに俺と天馬がディフェンスに、入る。

 

スクィド:「来たな・・・・マンタ!!」

 

 ここでスクィドはマンタにパスアウト。ディフェンスを躱して攻め上がる。

 

九坂:「行かせるか!!」

 

 ここで九坂がディフェンスに入るが、左サイドに斜めのスルーパスが入り、ボールはオクトパスへ。

 

森村:「ひっ!」

 

オクトパス:「退けっ!!」

 

 またしても威圧に萎縮してしまった森村。相手の素通りを許してしまう。

 

オクトパス:「ディフェンスが役立たずで同情するぜ!! 喰らえ!!」

 

 そしてオクトパスがシュート体勢に入ると、海の彼方から背びれを覗かせた巨大サメが迫りくる。

 

オクトパス:「[メガロドン・改]!!」

 

 オーストラリアのシュートが迫りくる。しかしここで神童先輩がシュートコースに割り込む。

 

神童:「止める!! [アインザッツ]!!」

 

 神童先輩のシュートブロック。神童先輩は弾き飛ばされたが、威力を奪う事には成功した。

 

伊吹:「っ! 余計な真似を!! [ワイルドダンク]!!」

 

ドゴォオオォオオオオンッ

 

 伊吹の渾身の叩きつけが炸裂し、神童さんのブロックもあって今度は完璧に止めた。

 

オクトパス:「ちっ、ブロックのせいか!!」

 

伊吹:「松風!!」

 

 伊吹の長い腕を利用したロングスローが天馬に飛ぶ。ボールは天馬の足元にピタリと収まり、そのままドリブルで攻め上がる。

 

天馬:「よし!! いk ・・「〈サックアウト〉!!」っ!?」

 

 しかしカウンターを読まれており、天馬は〈サックアウト〉に捕まってしまいボールを奪われてしまい、ボールを奪ったオーストラリアはロブスターにボールを繋げる。

 

竜太:「鉄角!! 行ったぞ!!」

 

鉄角:「任せろ!![フットワークドロウ]!!」

 

 鉄角は落ち着いてボールを奪い返す。だが、

 

シャーク:「甘いわ!!」

 

 奪われてすぐに背後から距離を詰めてきていたシャークにボールを奪い返されてしまい、そのままシャークはシュート体勢に入る。

 

シャーク:「決める!! [メガロドン・改]!!」

 

天馬:「なっ!?」

 

 シャークの進化状態の必殺シュートが伊吹に迫る。神童さんはシャークの必殺シュートがデータに無かったためにブロックには入っていない。

 

伊吹:「絶対に止めてやる!! [ワイルドダンク]!!」

 

 伊吹が空中から自身の全体重を乗せてボールに手を叩きつける。

 だが、やはりパワー負けしてしまい・・シュートは日本ゴールに叩き込まれた。

 

王将:「ゴォオオオオーーールッ!! オーストラリア勝ち越しゴーールッ!! これは重い1点が入ってしまったぞぉおおおっ!!」

 

伊吹:「くそぉおおおおっ!!」

 

竜太:(・・・・やるしかないか)

 

 そしてイナズマジャパンのキックオフから試合再開。ボールは天馬に渡る。

 

竜太:「天馬!! こっちだ!!」

 

天馬:「竜太!!」

 

 そしてボールは俺に渡り、そのままドリブルで攻め上がる。

 

コール:「バカめ!! 〈サックアウト〉だ!!」

 

 オーストラリアディフェンスが俺を囲む。だが、

 

竜太:「来たな・・・剣城!!」

 

 ここでパスは剣城に飛ぶ。

 

剣城:「・・・・・」

 

竜太:「・・・・・・・」コクッ

 

ボールが飛んできた剣城はダイレクトで右サイドにリターン。だが、そこには誰もいない。

 

コール:「? バカめ・・初歩的なミスを・・「いいや? 狙い通りさ!!」!?」

 

 しかし、パスを出してすぐに前線へと走っていた俺に絶好のスルーパスになり、ボールを受け取った俺はシュート体勢に入る。

 

 俺がシュート体勢に入ると、足元に魔法陣が出現。俺の渾身のキックと共に、黄金の剣がオーストラリアゴールに襲い掛かる。

 

竜太:「[極・オーディンソード]!!」

 

ジュゴン:「何だとっ!? [クロコダイルフa・・うわぁあああっ!?」

 

 しかし、俺のシュートの伸びが予想以上だったのか、技を出す暇も無く、シュートはビッグウェイブスのゴールに叩き込まれた。

 

王将:「ゴォオオオオルッ!! 今度は大海竜太の必殺シュートが、ビッグウェイブスのゴールにねじ込まれたぁっ!! イナズマジャパン、同点です!!」

 

コール:「くっ・・・、しぶとい奴らめ!!」

 

竜太:「まだまだ!! こっからだ!!」

 

 そしてビッグウェイブスボールから試合再開。ボールはシャークに渡り、そこに俺がディフェンスに入る。

 

竜太:「行かせるかよ!!」

 

シャーク:「っ! マンタ!!」

 

 しかしここでシャークは中にボールを入れる。ボールを受け取ったマンタはドリブルで攻め上がってくる。

 

神童:「行かせるか!!」

 

マンタ:「来たわねっ!! [ウォーターベール]!!」

 

 マンタが両足で地面にボールを蹴り込むと、そこから水柱が発生。神童先輩に迫っていき、神童先輩をふっとばした。

 

神童:「しまった!?」

 

マンタ:「オクトパス!!」

 

 ここでボールはオクトパスに飛ぶ。そしてまたしても必殺シュートを放つ。

 

オクトパス:「[メガロドン・改]!!」

 

 パワーアップ状態の必殺シュートが、またしても伊吹に襲い掛かる。

 

伊吹:「絶対に止めてやる!!! "伊吹だったらバスケの経験を応用すれば・・"!! これが、俺の力だぁっ!!」

 

 伊吹は跳び上がると、腕だけでなく全身を使って力を腕に集約。先程よりも遥かに強い力で叩きつけた。

 

伊吹:「[ワイルドダンク・V2]!!」

 

ドゴォオォオオォオオォオオオンッ!!!!

 

 シュートは、地面にめり込んで完全に停止していた。

 

伊吹:「やった・・・止めたぞぉおおおおーーーっ!!」

 

王将:「止めたーーーっ!! キーパー伊吹宗正、進化したオーストラリアのシュートを、進化で返して止めたぁーーーっ!!」

 

竜太:「凄えぞ伊吹!!」

 

伊吹:「どうだ神童!!」

 

神童:「当たり前のことでいちいち威張るな」

 

伊吹:「ちっ、いちいち癇に障るな・・・だが、もう決めさせるか!!」

 

 

 

 

日本 3 ー 3 オーストラリア

 

ー 続く ー




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第18話:決着! vsビッグウェイブス

今回で2回戦決着です!!

ではどうぞ!!


 伊吹が[ワイルドダンク]を今までのバスケでの経験を総動員させて進化させ、[メガロドン・改]を単独で止めた。

 そして伊吹のゴールキックからボールは九坂へ。

 

コール:「ボールを寄越せえっ!!」

 

九坂:「キャプテン!!」

 

 ここで九坂は天馬にパスアウト。天馬がドリブルで攻め上がるが、

 

コール:「〈サックアウト〉だ!!」

 

 オーストラリアのタクティクスに阻まれボールを奪われる。

 そこからオーストラリアのカウンター。ボールはスクィドに渡る。

 

竜太:「やらせるか!!」

 

 しかしボールを取った瞬間に俺が奪い返す。

 

 なのだが、

 

シャーク:「甘いわ!!」

 

 それさえも読まれており、シャークにボールを奪い返される。

 

シャーク:「決めろ!!」

 

 シャークからボールはロブスターへ。しかしすぐに鉄角がディフェンスに入り、

 

鉄角:「[フットワークドロウ]!!」

 

 軽快なフットワークからボールを奪い返す。ボールは神童先輩に飛ぶが、

 

マンタ:「甘いわ!!」

 

 マンタにパスカットされてしまう。そのまま攻め上がるが、

 

天馬:「行かせるか!! [ワンダートラップ・Z]!!」

 

 天馬がディフェンスの必殺技ですぐさま奪い返す。お互いに一歩も引かない攻防に観客のボルテージも最高潮だ!!

 

王将:「これは壮絶な試合になってきた!! 両チーム一歩も引かない!! 試合時間だけが刻一刻と過ぎていくぞぉっ!!」

 

 そしてお互いに点が入らないまま残り時間は後僅か。なんとしても決めないと・・・!

 

 が、

 

ロブスター:「こっちだ!!」

 

王将:「ここでロブスターが抜け出した!! ビッグウェイブスのチャンスだぁっ!!」

 

 パスがロブスターにつながり、シュート体勢に入る。海の彼方から、巨大な鮫が日本のゴールを食い破ろうと襲い掛かる。

 

ロブスター:「[メガロドン・改]!!」

 

 ボールはノーブロックでキーパーまで到達。伊吹は必殺技の体勢に入る。

 

伊吹:「絶対に止める!! [ワイルドダンク・V2]!!」

 

ドゴォオォオオォオオォオオオオンッ!!!

 

 伊吹の全身のバネを集約した[ワイルドダンク]でシュートは停止。そして伊吹からのゴールキック。

 

伊吹:「大海!!」

 

王将:「時間は後数秒!! これがラストプレーか!!」

 

竜太:「イチかバチかだ!!」

 

 俺はロングシュートの体勢に入る。跳び上がり縦に一回転。左足を前方に振り上げると、長大な聖剣が出現。それを踵落としでボールに叩きつけた。

 

竜太:「[超・エクスカリバー]!!」ギシャァアアアアンッ!! ズドドドドドドドッ

 

 [エクスカリバー]の斬撃から放たれたシュートが、ビッグウェイブスゴールへと一直線。ディフェンスがシュートブロックに入ろうとするが、斬撃の余波だけで斬り捨てられ、シュートはキーパーに到達。

 

ジュゴン:「負けてたまるかァっ!! [クロコダイルファング]!!」

 

 ジュゴンの必殺技と共に巨大ワニがシュートに噛みつく。だが、[エクスカリバー]斬撃に沈み、シュートはゴールに突き刺さった。

 

王将:「決まったぁああぁああーーーっ!! 日本勝ち越しーーっ!! っと、ここで試合終了のホイッスル!! 4ー3で、イナズマジャパン3回戦に進出だぁあーーーっ!!」

 

竜太:「よっしゃぁあーーーっ!!」

 

天馬:「勝った!!」

 

コール:「そんな・・・負けた・・・」

 

 そして、試合終了後・・・・待ち構えていた雷門メンバーと、

 

果林:「伊吹くんアナタやるじゃない!! あの土壇場で冷静に止めるなんて!!」

 

せつ菜:「私も熱くなってしまいました!!」

 

伊吹:「お、おう・・・!! (久しく忘れていた・・この、チヤホヤ感!! 良い!!)」

 

栞子:「鉄角さんの必殺技も凄かったです!! ボクシングの動きがあんな形で応用が効くなんて!!」

 

鉄角:「そ、そうか・・・・//」

 

歩夢:「瞬木くんも良いシュートだったよ!!」

 

愛:「うん!! なかなかやるじゃん!!」

 

瞬木:「う、うん! ありがとう!!(こういう裏も表もない素直な賛辞って苦手なんだよなぁ・・・)」

 

 一方で・・・、

 

九坂:「くそっ、全然活躍できなかった・・・・」

 

真名部:「やっぱり技がいるんですかね・・・」

 

皆帆:「中々思い通りに行かないものだね・・・」

 

森村:「・・・・・・・・」

 

 しかし、

 

しずく:「皆さんも動きは確実に良くなってましたよ? 後何かのキッカケがあればいいと思うんですけど・・・・」

 

真名部:「キッカケですか・・・・」

 

かすみ:「悔しいですけど・・かすみんの初心者だった頃に比べたら全然上手いです。認めるのは不本意てすけど・・・・」

 

森村:「私は・・・足を引っ張って・・」

 

璃奈:「好葉ちゃん・・・」

 

森村:ビクッ「は、ハイ・・・」

 

璃奈:「サッカーは怖くないよ? 一人だったら怖くても、フィールドには仲間がいる。全員で戦ってるんだよ?」

 

森村:「全員で・・・・?」

 

璃奈:「私はね、小さい頃から気持ちを顔に出すのがすごく苦手で・・・そのせいで勘違いされて、中々チームに溶け込めなかったんだ」

 

森村:「・・・・・・・・」

 

璃奈:「でも、高校で天馬くんたちに出会って・・・初めて心で繋がれる友達ができた!! 好葉ちゃんが怖がってても、きっと皆が助けてくれる。焦らず頑張って?」

 

森村:「・・・・スミマセン。名前教えて下さい」

 

璃奈:「私は天王寺璃奈!! 雷門高校サッカー部のディフェンダーだよ?」

 

森村:「森村好葉です・・・・。「うん! 宜しく、好葉ちゃん!」・・・・はい」

 

森村:(この人・・・何か私と似てる気がする)

 

 

 

ー 試合終了 ー

 

日本 4 ー 3 オーストラリア

 

イナズマジャパン2回戦突破!!

 

ー 続く ー




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第19話:練習試合 vs雷門!!

 俺たちイナズマジャパンが2回戦のオーストラリア戦に勝利した翌日、俺と天馬、剣城と神童さんは、皆を連れて稲妻町に来ていた。

 目的地は俺たちの学校、雷門だ。

 

 駅から暫らく歩いて数分後、雷門高校に到着した。

 

鉄角:「ここが雷門か・・・・」

 

瞬木:「キャプテンたちの学校なんだよね?」

 

天馬:「そうだよ? 皆はサッカー棟で待ってるみたいだから着いてきて」

 

 そして敷地内を回り道し、俺たち雷門サッカー部の部室、サッカー棟の前に来た。

 

真名部:「で、デカい・・・」

 

皆帆:「これ・・サッカー部だけの部室なのかい?」

 

竜太:「そうだ。入るぞ」

 

 そして俺たちがサッカー棟に入ると、

 

水鳥:「天馬、竜太!! 久しぶりだな!!」

 

竜太:「水鳥さん! お久しぶりです!! 先輩方はもう来てますか?」

 

水鳥:「皆スタジアムにいるよ。お前らと手合わせしたいってウズウズしてたみたいだからな」

 

 こっちは皆と闘うの俺たち4人は特に楽しみにしてたからな・・・・。

 

鉄角:「雷門って全国大会優勝校だろ? 今の俺たちがどれくらいやれるか知るにはいい相手だな!」

 

 おっ、ちょっと前では考えられなかった前向きな発言だな!!

 

水鳥:「とりあえず行こうぜ?」

 

 そして、俺たちにとっては慣れた道を水鳥さんの後をついて行く。

 そして、雷門スタジアムの扉を開ける。

 

水鳥:「お前らーー!! 天馬たち来たぞ!!」

 

 水鳥さんの声に、かすみたちが気づき駆け寄ってくる。

 

かすみ:「あっ、竜太くんたち来た!!」

 

しずく:「お待ちしてましたよ?」

 

璃奈:「いらっしゃい。待ってた!!」

 

栞子:「今日は宜しくお願い致しますね?」

 

九坂:「こ、こちらこそ・・・」

 

 皆は緊張しているのか返事がやや片言になる。そんなとき・・・

 

彼方:「〜〜〜ッ///」スリスリ

 

竜太:「彼方? 彼方みたいな美少女にハグしてもらえて俺としては嬉しいかぎりだけど今は少し抑えてくれるか?」

 

彼方:「・・・ヤダ!!」

 

 ・・・・子供みたいに「ヤダ!!」って、でもなんか可愛い///

 

天馬:「彼方先輩相変わらずですね・・・・」

 

果林:「ええ。最近竜太と会えないから今そのしわ寄せが来てるのかも。竜太くん悪いけど我慢して?」

 

竜太:「ハイ分かりました。」ナデナデ

 

彼方:「〜〜〜っ///」ボッ

 

愛:「カナちゃんもう・・・・じゃあ自己紹介ね。今日の試合で雷門のチームキャプテンを務める宮下愛だよっ!! 気軽に愛さんって呼んでくれて良いからねっ!!」

 

鉄角:「あっ、ハイ・・・」

 

 愛さんのノリがフレンドリー過ぎて逆に固まってるな・・・。

 

愛:「アタシたちはもうアップ終わったから好きにアップしてね? 終わったら始めよっ!!」

 

竜太:「よし、皆アップするぞ!!」

 

天馬:「あっ、終わった?」

 

 ・・・ちょっと天馬にイラッとしたがそんなことはさておき皆入念にアップして身体をほぐす。・・・そろそろ良いかな?

 

天馬:「皆集合!! じゃあ試合を始めるよ!!」

 

海未:「それではこれより、イナズマジャパンvs雷門サッカー部の練習試合を行います。審判は私、雷門サッカー部顧問の園田海未が務めます。なお、ルールは地区予選ルールで化身を含むオーラの使用は禁止とします」

 

両チーム:『『宜しくお願いします!!』』

 

侑:「手加減しないよ!!」

 

竜太:「のぞむところだ!!」

 

フォーメーション

雷門

4ー1ー3ー2

 

GK       三国

 

DF エマ  天城   霧野  彼方

 

ボランチ     かすみ

 

MF   浜野   愛  せつ菜   

 

FW      侑  果林

 

イナズマジャパン

4ー1ー3ー2

 

FW     剣城  瞬木

 

MF  九坂   天馬   竜太

 

ボランチ     神童

 

DF 森村  皆帆  真名部 鉄角

 

GK       伊吹

 

 そして、剣城と瞬木がセンターサークルに入りイナズマジャパンのキックオフから試合開始。

 

ピィイイイーーーッ!!

 

 ホイッスルが鳴り、ボールは天馬に渡る。しかしすぐにFWの侑と果林先輩が前線から距離を詰めてくる。

 

天馬:「(っ、速くなってる!!)竜太!!」

 

 そしてボールは俺に渡る。しかしここでせつ菜先輩がディフェンスに来る。

 

せつ菜:「行かせませんよっ!!」

 

 俺は左右のフェイントやターンで抜きに掛かるが、せつ菜先輩は持ち前のスピードで全てついてくる。

 時折コチラを誘うような動きも織り交ぜ、不用意に必殺技を出せなくしている。

 

愛:「そこだぁっ!!」

 

竜太:「愛さん!?」

 

 俺が手間取っている間に忍び寄っていた愛さんがスライディングでボールを弾いてカットする。

 雷門ボールになり攻守逆転。今度は雷門の攻撃。愛さんの指揮のもとパスを回して攻め上がってくる皆。ボールが浜野先輩に渡ると、浜野先輩は中へと高くボールを蹴り上げる。

 

真名部:「何やってるんですか? あんなの届きませんよ・・・」

 

 しかし、DFの天城先輩が前線へとオーバーラップしてきたことに気づいた俺はここで失点を理解した。

 

 ・・・今のコイツらじゃあ、あのシュートは止められない。

 

 上空のボール目掛けて天城先輩が跳ぶ。しかし高さは全く足りていないがこの技の性質を考えたらじゅうぶん過ぎる高さだ。

 天城先輩の背後から果林先輩が駆け上がり跳び、天城先輩の身体を踏み台に空中で2段ジャンプ!!

 真名部たちが届かないと思っていた高さに届き、シュート体勢に入る。

 

 果林先輩がイナズマを纏った両足でボールに蹴りの乱打乱打でエネルギーをチャージ。

 そしてとどめの踵落としでゴール目掛けて蹴り落とした。

 

果林:「[極・イナズマ落としC・MAX]!!」

 

 空中から物凄い勢いのシュートが降ってくる。伊吹は必殺技の体勢に入るが、

 

伊吹:「止める!![ワイルドダンク・V2]!!」

 

 伊吹の手が渾身の力でボールに叩きつけられる。しかしアッサリと弾き飛ばされ、シュートはゴールに捩じ込まれた。

 

伊吹:「な、なんだ・・・? 今のシュートの威力は?!」

 

 日本一のチームの必殺技に声も出ない皆。この試合、皆には良い経験になりそうだな。

 

 

 

イナズマジャパン 0 ー 1 雷門

 

ー 続く ー




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第20話:苦戦 vs雷門!!

 以前のラグナロクのギル戦で見せた、果林先輩と天城先輩の連携シュートが決まり開始早々雷門にリードを許したイナズマジャパン。

 イナズマジャパンのボールから試合再開。

 

 ボールは天馬に渡ると、パスを回して攻め上がる。ボールは瞬木に渡ると、すぐに彼方がディフェンスに入る。

 

彼方:「フッフ〜! 行かせないよ〜っ?」

 

瞬木:(こんなのんびりした女に取られるかよ・・・)

 

 瞬木はスピードを上げて一気に抜く構えを取る。だが、

 

彼方:「[スリ〜ピィサンクチュアリ・Gx]〜ッ!!」

 

 瞬木は彼方が展開した催眠領域に勢い良く突っ込んでしまい、激しい眠気に襲われる。

 

瞬木:ガクンッ(な、なんだよ・・コレ・・・!?)

 

 必死に眠気に打ち勝とうと頭を振るが、その間に瞬木はボールを奪われてしまう。

 

彼方:「貰った〜っ!!」

 

瞬木:「!? 何なんだこの(ひと)!?」

 

 今度は一転して雷門の攻撃。彼方からパスがかすみに飛ぶと、すぐに天馬がディフェンスに入る。

 

天馬:「行かせない!! [ワンダートラップ・Z]!!」

 

 天馬はなんとかボールを奪い返してカウンターを阻止。

 剣城にパスを出す。

 

天城:「行かせないド剣城!! [アトランティスウォール・Gx]ッ!!」

 

 天城先輩が海中から古代の遺跡を呼び出しブロック。剣城は弾かれたが、何とかボールに足を伸ばしてボールをパスしてイナズマジャパンボールを保った。

 

 ボールは瞬木に渡る。そして瞬木は必殺技の体勢を取る。

 瞬木の身軽な動きから空中をグングンと上がっていき、最後にシュートを蹴り落とした。

 

瞬木:「[パルクール・・アタック]っ!!」

 

 瞬木の必殺シュートが雷門ゴールに襲い掛かる。しかし三国先輩は冷静に必殺技で対応する。

 

 三国先輩は右手に爆炎を集めて炎の魔神を呼び出す。そして飛び上がると、魔神と共にシュートを炎の右手で叩き潰した。

 

三国:「[炎の鉄槌・Z]!!」

 

ドゴォオォオオォオオオンッ!!

 

 久しぶりに見た三国先輩の[炎の鉄槌]。しかし威力は健在・・いや、以前よりもパワーアップしており黒焦げになったボールが地面にめり込んで完全に停止した。

 

瞬木:「なにっ!?」

 

三国:「良いシュートだ!! だが、まだまだ甘いな!!」

 

 三国先輩のゴールキックからボールは前線の浜野先輩へ。落ち着いて胸でトラップした浜野先輩はドリブルで攻め上がる。

 

神童:「行かせないぞ浜野!!」

 

 しかし神童先輩が止めに入る。お互いの攻防の末、神童先輩に軍配が上がり、ボールを奪い返す。

 

愛:「させないよっ!!」

 

 しかしここで攻防の間に寄ってきていた愛さんがボールを奪い返す。そして愛さんからボールは侑へ。

 

 すぐに皆帆がディフェンスに入る。

 

皆帆:「(体重の足への掛かり具合、そして身体の向き・・・)右だ!!」

 

侑:「(っ!?)甘いよ!!」

 

 しかしアッサリと侑先輩に逆に切り替えされ抜かれてしまった皆帆。

 

 今の・・・・相手が《天帝の眼(エンペラーアイ)》を持ってる侑先輩じゃなかったら取れてたかも・・・。

 

皆帆:「アレ!? おかしいな・・・」

 

 そしてゴール前まで侵入した侑先輩はシュート体勢に入る。

 侑先輩がボールを足で挟んでバク宙。足が完全に真上に達する直前に離して落とし、一回転する勢いを利用して出現したペガサスと共に蹴り飛ばす。

 

侑:「[極・ペガサスショット]!!」

 

 侑先輩のシュートが伊吹を襲う。だが、今の伊吹では逆立ちしたって侑先輩のシュートは止められない。

 

伊吹:「今度こそ止めてやる!! [ワイルドダンク・V2]!!」

 

 伊吹が、自分の全体重を乗せた渾身の力でシュートに己の手を叩きつける。

 

 しかしアッサリと弾き飛ばされてしまい、シュートはゴールに突き刺さる。

 

侑:「よっし、決まった!!」

 

伊吹:「くそ!! 何で止められないんだ!?」

 

 いや〜〜・・コレばっかりは悪いけど、純粋な力の差。いわゆる"格の違い"だろうな・・・。

 そりゃあそうだ。こちらは俺たち4人以外全員が初心者。

 それに引き換え向こうはフィフスセクターを潰しての全国優勝プラス、時空を越えた人類の命運を決める戦いまでを経て凄まじいまでにパワーアップしている。

 コイツラは知らないから仕方がないが、知ってる者からしたら勝てると思っている方がどうかしている。

 

 って言うかこれでも彼方たちは本気なんか出してないけどな。

 

 でもまぁ、それでも俺たちだって勝つ気でやるけどな。初めから負けるつもりで戦うバカがいるか。

 

 さて、ここらでこっちのコイツらにも彼方たちにも今の俺たち4人の力ちゃんとを見せておくか。

 

 

イナズマジャパン 0 ー 2 雷門

 

ー 続く ー




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第21話:vs雷門 前半終了

 侑先輩のシュートがイナズマジャパンゴールに突き刺さり0ー2と2点差に開いた。

 ホイッスルと共にイナズマジャパンボールで試合を再開し、ボールは天馬に。

 

侑・果林:「「行かせないよ(わ)!!」」

 

 侑先輩と果林先輩が2人掛かりで天馬を止めに入る。しかし天馬は必殺技を発動。渦巻く風の抜け道を通り、2人を突破した。

 

天馬:「[真・風穴ドライブ]!!」

 

 そして天馬は更にドリブルで攻め上がる。しかしここで愛さんが止めに入る。因みに、万が一愛さんが抜かれてもすぐさまフォローに入れる位置にかすみが控えており、中々に突破は困難だ。

 

愛:「貰った!!」

 

 愛さんがボールに足を伸ばす。しかしここで天馬は九坂にパスを出す。

 

九坂:「えっ?! オレ!?」

 

天馬:「九坂!! リターン!!」

 

しかしすぐに天馬はリターンを要求。ワン・ツーパスで愛さんを突破。しかしすぐにかすみがフォローに入る。

 

かすみ:「止めますよ〜っ!! [真空連魔・Z]!!」

 

 かすみの必殺技が空間を切り取り、凄まじい引力でボールを吸い込む。

 しかし天馬は根性で足を伸ばし、奪われる寸前で弾いてパスを繋いだ。相手は・・・

 

竜太:「ナイスパス!!」

 

 パスは俺に繫がり、すぐに彼方と霧野先輩が止めに入る。

 

彼方:「竜太でも手加減しないよ〜っ!! [スリ〜ピィサンクチュアリ・Gx]〜ッ!!」

 

 彼方の催眠領域が展開され、そこに突っ込んだ俺を凄まじい眠気が襲う。しかし俺は必死に眠気に耐え、なんとか突破した。

 

彼方:「嘘〜っ?!」

 

霧野:「俺が行きます!! [ザ・ミスト・S]!!」

 

 しかし次に立ちはだかるのは霧野先輩。先輩の作り出した深い霧が俺を包み込む。

 が、眠気から立ち直った俺は霧を無視して霧中を駆け抜けて霧野先輩も突破した。

 

霧野:「何っ!?」

 

三国:「面白い・・・!! 来い竜太!!」

 

 そして俺はシュート体勢に入る。俺は両足でボールを挟んで空中で身体を捻ってボールに回転を掛けて空気摩擦で着火。渾身のソバットキックで撃ち放った。

 

竜太:「[絶・デスファイア]!!」

 

 俺の赤黒い死の炎が三国先輩に襲いかかる。三国先輩は必殺技を発動し、

 

三国:「止める!! [絶・ゴッドハンドX]!!」

 

 ここで三国先輩の最強必殺技である[ゴッドハンドX]が発動。俺のシュートを真正面から迎え撃つ。

 

 両者の力はほぼ互角。だが、俺のシュートが持つ地獄の様な熱量に[ゴッドハンドX]の技のほうが耐えきれずにドロドロと融解。

 次第に亀裂が入っていき粉々に打ち砕かれ、シュートはゴールに突き刺さった。

 

竜太:「よぉおおっし!!」

 

天馬:「竜太ナイスシュート!!」

 

彼方:「やられた〜〜・・・・」

 

愛:「"愛"変わらず竜太は無茶苦茶だねぇ・・・愛だけに!!」

 

侑:「ぷっ、くくくアハハハっ!! 愛ちゃん試合中に止めてぇ〜〜っ!!」

 

瞬木:(スゲェウケてる・・・あんなつまらねぇダジャレで・・・)

 

 

 そしてホイッスルと共に雷門ボールから試合再開。ボールは愛さんに渡ると、パスを回して攻め上がってくる。

 天馬がディフェンスに入ると、浜野先輩、侑先輩とパスを連続で繋いで攻め、あっという間にシュートまで持ち込む。

 

侑:「まだまだディフェンスが甘いよ!! やぁあああっ!!」

 

 侑先輩の、ゴールのコーナーギリギリを狙ったシュートが飛んでくる。しかし、すぐに神童先輩がブロックに入る。

 

神童:「[アインザッツ]!!」

 

 シュートに対し、リズムゲームの様に完全にタイミングを同調(シンクロ)させて真正面から蹴りを叩き込む神童先輩。

 侑先輩のシュートは弾き返され、そのまま天馬に渡る。

 

天馬:「行くぞカウンターだ!!」

 

 天馬の一声ですぐさま攻撃に転じるイナズマジャパン。

 天馬に対し、かすみと天城先輩がディフェンスに入る。

 

天馬:「うぉおおおぉおおおっ!! [Zスラッシュ]!!」

 

 鮮やかな"Z"字の軌道のドリブルで一気に2人を抜き去った天馬。そして剣城にパスを出す。

 

エマ:「行かせないよっ!!」

 

 すぐにエマ先輩がディフェンスに走ってくる。しかしボールを受け取った剣城は、ディフェンスに入られる前にロングシュートを放つ。

 

剣城:「[バイシクルソード]ッ!! 喰らぇええええっ!!!」

 

 ただ"撃つフォームを変えた[デスソード]"。傍から見たらそう見えるかもしれないが、もはや別の技と呼べるまでに昇華されている。

 

 シュートはエマ先輩にブロックに入る間を与えないスピードで脇を素通り。ノーブロックで三国先輩の所へと到達する。

 

三国:「止める!! [炎の鉄槌・Z]!!」

 

 三国先輩が自身の燃える右手から炎の魔神を生み出し、魔神と共にシュートを叩き潰す。

 三国先輩も必死に耐えるが、剣城のシュートに弾き飛ばされボールごとゴールに叩き込まれた。

 

 そして、ここで前半終了のホイッスルが鳴った。

 

 

 

イナズマジャパン 2 ー 2 雷門

 

ー 続く ー




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第22話:雷門戦、後半開始

 前半戦が終わりいよいよ後半戦が始まる。雷門側は選手を交代してくるみたいだ。

 

選手交代

雷門

 

エマ out → in 璃奈

天城 out → in 栞子

浜野 out → in しずく

せつ菜 out → in 歩夢

果林 out → in 輝

 

フォーメーション

GK       三国

 

DF 璃奈  栞子   霧野  彼方

 

ボランチ     かすみ

 

MF  しずく   愛   歩夢

 

FW      侑   輝

 

 前半とはメンバーを大幅に入れ替えてきた雷門。そして侑と輝がセンターサークルに入り、雷門ボールから後半開始。

 

ピィいいぃーーーーっ!!!

 

 後半開始のホイッスルと共にボールは愛さんへ。そこからボールは歩夢先輩に渡ると、瞬木が止めに入る。

 

瞬木:「行かせるか!!」

 

歩夢:「気合だけじゃ抜けないよっ!!」

 

 歩夢先輩は自身の持ち味である正確なボールタッチから繰り出される緻密なフェイクで瞬木を突破。ドリブルで攻め上がる。

 

歩夢:「まだまだだねっ!!」

 

瞬木:「クソっ!」

 

 瞬木が抜かれてすぐに俺がフォローに入るが、歩夢先輩は輝に縦のパスを入れて横を抜く。ボールは輝に渡り、鉄角がディフェンスに入る。

 

鉄角:「止めてやる!! [フットワークドロウ]!!」

 

 鉄角が、ボクシングで鍛えた軽快なフットワークから一気に接近。

 輝からボールを奪い返した。

 

輝:「うそ!? やるね!!」

 

鉄角:「神童!!」

 

 鉄角からボールは神童さんへ。そして〈神のタクト〉を発動する。

 

神童:「〈神のタクトFI(ファイアイリュージョン)〉!! 九坂!!」

 

 ボールはちょうどフリーになっていた九坂に渡る。そこにしずくがディフェンスに入るが、

 

神童:「竜太にパスだ!!」

 

九坂:「大海!!」

 

竜太:「任せろ!!」ドギュンッ!!

 

 九坂のパスに合わせて俺は全速力で駆け上がりボールをキープ。しかしすぐに彼方がディフェンスに来る。

 

彼方:「行かせn・・「竜太、中央へ!!」っ!?」

 

竜太:「天馬!!」

 

 そしてボールは天馬に渡る。そこへ剣城が合流、連携シュートの体勢に入る。

 

天馬・剣城:「「[超・ファイアトルネードDD]!!」」

 

 剣城と天馬のシュートがゴール目掛けて一直線。しかし栞子が間に合い、シュートブロックを挟む。

 

栞子:「やらせません!![グラビティバインド・Gx]!!」

 

 栞子の超重力の力場がシュートを圧さえつける。だがパワーで勝ったのは[ファイアトルネードDD]。栞子を弾き飛ばして突き進む。

 

三国:「だが威力は弱まったハズだ!! [絶・ゴッドハンドX]!!」

 

 三国先輩の交差させた両手から赤い光が煌めくと、イナズマを纏った右手でシュートに掴みかかる。

 赤いオーラの右手で、三国先輩はシュートを完璧に止めた。

 

三国:「良いシュートだ!! 桜坂!!」

 

 三国先輩のゴールキックからボールはしずくへと飛ぶ。一応九坂が競り合いに入るが、いくら男でも昨日今日始めた様な初心者が今のしずくに勝てるはずはなく、アッサリと弾き飛ばされてボールは侑先輩に渡る。

 

皆帆:「今度こそ!!」

 

侑:(《天帝の眼(エンペラーアイ)》!!)キィイイイン

 

 侑先輩の眼が皆帆の動きを見透かす。皆帆も一応《天帝の眼》に似た並外れた観察眼と洞察力を併せ持ってはいるが、サッカーにおける使用には侑先輩に軍配が上がり突破を許す。

 

真名部:「っ!! 止めます!!」

 

 皆帆が抜かれた事で横から真名部が足を伸ばす。だが、

 

侑:「輝くん!!」トンッ

 

 侑先輩は引き付けて輝にパス。ボールを受け取った輝はシュート体勢に入る。

 

 輝とボールの周囲を渦巻く闇のオーラが囲い異空間へとジャンプ。そこから闇のエネルギーを纏ったシュートが次元を越えて飛んでくる。

 

輝:「うっぎぃいぃいいいっ!! [爆・エクステンドゾーン]ッ!!」

 

 飛んでくる輝の必殺シュート。伊吹も必殺技で対抗する。

 

伊吹:「これ以上入れさせるか!! [ワイルドダンク・V2]!!」

 

伊吹の渾身の力が上から叩きつけられる。だが、それでもパワーは足りずに、シュートはゴールに突き刺さった。

 

 

イナズマジャパン 2 ー 3 雷門

 

ー 続く ー




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第23話:雷門戦の決着

 今度は輝のシュートが突き刺さり再びリードを許してしまったイナズマジャパン。

 イナズマジャパンボールから試合を再開し、ボールは九坂に。

 

 九坂はまだ拙いドリブルで攻め上がるが、すぐにチェックに入ったしずくに奪われてしまう。

 

しずく:「甘いですよ!!」

 

九坂:「っ、くそっ!!(俺が足を引っ張っちまってるじゃねぇか・・・!!)」

 

 しずくからボールは愛さんに飛ぶが、愛さんがボールに触れる直前に神童先輩がインターセプトしてボールを奪い返す。

 即座にボールを天馬に渡し、天馬はドリブルで攻め上がる。

 

かすみ:「やらせませんよ天馬くんっ!!」

 

 しかしすぐにディフェンスに入ったかすみ。天馬にしつこく喰らいつき、天馬の突破を阻む。

 

天馬:「(・・・なら!)竜太!」

 

かすみ:「させません!!」バッ!!

 

 天馬が俺を呼んだことでかすみは即座にパスコースを切る。が、それは天馬の罠であり、かすみが切った方向とは逆方向にトリブルし突破した。

 

かすみ:「ぎゃーーーっ!! 騙しましたねぇーーーっ!!?」ムキーッ!!

 

 単純な罠に引っ掛けられてしまったかすみは大変ご立腹。しかしすぐに栞子が止めに入る。

 

天馬:「(来たな・・・)剣城!!」

 

 前に出てきた栞子の裏を取れる位置に天馬のパスが転がり剣城への絶好のパスになった。しかしここで璃奈がディフェンスに入る。

 

璃奈:「止める!! [サイバースロジック・Z]!!」

 

 璃奈と剣城の周囲が電脳空間に変わり、360度あらゆる方向に璃奈の分身であるデータ体が無数に現れる。

 そして璃奈の合図と共に分身たちが一斉にボール目掛けてスライディング。剣をふっ飛ばしてボールを弾き飛ばした。

 

 弾かれたボールはたまたまそこにいた九坂に転がる。だがすぐにかすみが奪い返しに来る。

 

かすみ:「貰いますっ!!」

 

九坂:「くっ、神童!!」

 

 しかしここで九坂は神童先輩にバックパス。なんとかボールを保持した。

 

神童:「よし、ナイスだ九坂!! 天馬!!」

 

 ここからボールは天馬に飛ぶ。だが先ほど同様にかすみがディフェンスに入る。

 

かすみ:「今度こそ!!」

 

天馬:「竜太!!」

 

かすみ:「っ! 同じ手はくいません!!」

 

 しかし今度は俺にパスした天馬。かすみはまたしても騙された。

 

かすみ:「ムッキーーーッ!! また騙されましたぁーーーっ!!!」

 

 ボールを受け取った俺はそのままドリブルで攻め上がる。彼方がすぐに止めに来るが、

 

竜太:「[ライトニングワープ・Gx]!!」

 

 俺の鋭い左右の踏み込みで足にイナズマをチャージ。それを一気に解き放ち、爆発的に上昇した瞬発力で彼方を抜き去る。

 後からきた風圧で彼方はふっ飛ばされ、尻もちをつく。

 

 ゴメンな彼方・・・・・

 

 そして俺はシュート体勢に入る。俺の周囲を水流が渦巻き、ボールと俺を包んでぐんぐんと上昇。

 ありったけの水エネルギーを込めたシュートを蹴り落とした。

 

竜太:「[激流ストーム・Gx]!!」

 

 空から撃ち落とされた俺のシュート。三国先輩は必殺技で止めに入る。

 

三国:「[絶・ゴッドハンドX]!!」

 

 三国先輩が赤いオーラの右手でシュートに突っ込み掴みかかる。

 しかし受け止めた瞬間シュートの水エネルギーが弾けて三国先輩は押し流され、ボールはゴールに突き刺さった。

 

竜太:「よしっ!!」

 

天馬:「ナイスシュート竜太!!」

 

愛:「まだまだ!! これからだよ!!」

 

 そこからは一進一退の攻防が続きお互いに点が入らず、同点のまま試合は終了した。

 

 

海未:「試合終了です!!」

 

伊吹:「ああくそっ!!」

 

鉄角:「勝てなかったか・・・・」

 

九坂:「・・・・・・・・」

 

果林:「まぁ本気じゃないとはいえ私達に引き分けられたんだから自信持っていいわよ?」

 

瞬木:「ええ!? あれで本気じゃないんですか?」

 

エマ:「もちろんだよ。私達が本気出したら今のアナタたちじゃあ天馬くんたち以外遊び相手にもならないよ・・・」

 

愛:「まぁとりあえずは良い経験にはなったかな?」

 

竜太:「はい! ありがとうございました!!」

 

 そして皆でお礼を言い、お台場サッカーガーデンの宿舎に戻った。

 

ー 九坂 side ー

 俺は宿舎に戻ってきた後、駅のあるガーデンエントランスエリアに来ていた。

 

九坂:(ほとんどチームの役に立てなかった・・・)

 

 俺がこのチームにいる意味があるのだろうか・・・。

 

九坂:「"()()ちゃ()()"・・「よぉ、九坂?」っ! 誰だテメェら?」

 

 九坂に不穏な影がさしていたのを、俺たちは気づいていなかったんだ。

 

 

ー 続く ー




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第24話:恐れる物

ー 天馬 side ー

 

 俺たちが雷門の皆との練習試合を終えて宿舎に戻ってきてから、俺たちは午後の2時からの練習まで休むことになり、各自部屋でゆっくりしていた。

 

 が、そこに葵と竜太が飛び込んできた。

 

葵:「天馬、大変よ!!」

 

天馬:「葵、竜太どうしたの?」

 

竜太:「呑気な事言ってる場合じゃ無いぞ!! 九坂が喧嘩して警察に捕まったって!! 今監督が警察署に行ってるみたいなんだけど・・・」

 

 !? ケンカ!? 九坂・・・何で

 

天馬:「その警察署ってどこ!!」

 

葵:「お台場署らしいわ・・・・」

 

 俺は急いで警察署に向かった。

 

ー 天馬 side out ー

 

 天馬が走っていったあと、残った俺たちは宿舎のミーティングルームに集まっていた。

 

真名部:「恐らくですが、九坂くんにはイナズマジャパンを辞めてもらう事になるでしょうね・・・・」

 

伊吹:「チームメンバーが試合前にケンカなんて、出場停止になってもおかしくないからな・・・」

 

 伊吹は運動部だけあってそういったことに対する処分の重さを正しく理解していた。

 

神童:「あのバカ・・・・!!」

 

真名部:「九坂くん、ああ見えて相当危ない人らしいですよ? 確かこのチームに入った条件も、退学になった学校に仲間と一緒に戻してくれる様にってことだったらしいですし」

 

竜太:「九坂・・・・」

 

真名部:「ただ、1つ妙なんですよね・・・・」

 

竜太:「妙?」

 

皆帆:「うん。真名部くんと一緒に九坂くんのことを少し調べてみたんだけど、昔の九坂くんはどちらかというと気弱で凄く優しい子だったそうなんだよね。 でも、ある時期を境に今のようになっていったって・・・・」

 

竜太:「ある時期って?」

 

真名部:「さぁ・・そこまでは」

 

 九坂・・・いったいお前の過去に何が・・・?

 

森村:「・・・九坂くん、怖がってるんです」ボソッ

 

葵:「? 好葉ちゃん何か言った?」

 

森村:「いえ・・・・」

 

 そこに監督と一緒に天馬が戻ってきた。九坂も一緒に。

 

竜太:「監督・・・・」

 

黒岩:「九坂は引き続きイナズマジャパンのメンバーでいてもらう。異論は認めん」

 

 !?

 

皆帆:「これは予想外の展開だね・・・・」

 

真名部:「いったいどうなってるんですか?」

 

 

九坂:「・・・・スミマセン。一人にしてください」

 

 そして九坂は自分の部屋へと戻っていった。

 

竜太:「今は考えても仕方ないか・・・練習だ!! 明後日のサウジアラビア戦まで時間ないんだからしっかりやるぞ!!」

 

森村:「・・・・・・・・」

 

ー グラウンド ー

 

 俺たちがグラウンドに出て練習を始めてしばらく経った頃、森村の姿が無いことに気づいた。

 

竜太:「あれ? 森村は?」

 

葵:「さっきトイレ行くって」

 

竜太:「ありゃ・・・聞いちゃまずかったな」

 

 失敗したな・・・・・。

 

ー 森村 side ー

 

森村:コンコン「九坂くん・・・・」

 

九坂:「なんだ森村・・・俺を責めに・・「九坂くん、一人になるのを怖がってるの?」っ!? 俺が・・怖がってる?」

 

森村:「九坂くん、スゴく辛そう・・・なんのためにそこまでするの・・・・?」

 

九坂:「・・・・・強くならなきゃ、皆離れていくんだ。もうあんな目に遭わないために・・だから俺は強くなったんだ・・・!!」

 

森村:「そう・・・・」

 

 そして森村は九坂の部屋を後にした。

 

九坂:(俺が・・・一人になるのを怖がってるか・・・)

 

ー 森村 side out ー

 

そして、試合までの2日間しっかりと練習し、真名部や皆帆たちも体力がつくなど確実に成果が出始め、いよいよサウジアラビア代表、〈シャムシール〉戦の日になった。




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第25話:開戦!! vsシャムシール

 いよいよ準々決勝当日。会場であるホーリーロードスタジアムは応援の熱気に包まれている。

 

王将:「お待たせいたしました!! これより、日本代表イナズマジャパンvsサウジアラビア代表シャムシールの試合を、ここ〈ホーリーロードスタジアム〉からお送り致します!!」

 

竜太:「・・・・九坂、何言われても手だけは出すなよ?」

 

九坂:「ハイ・・・・」

 

真名部:「大丈夫ですかね?」

 

天馬:「なんとかなるよ!! よし、行こう!!」

 

 そして選手が入場し、お互いに挨拶する。が、

 

サイード:「こんな弱っちぃ奴らが良くここまで勝ち上がれたもんだな・・・」

 

竜太:「あ"?」

 

九坂:「なんつった? 弱い・・だと?」

 

天馬:「(マズい!!)九坂抑えろ!!」

 

 九坂は天馬に言われて何とか感情を落ち着かせたが、コイツ今にも殴り掛かりそうだったぞ・・・・。

 

カシム:「へぇ?」

 

そして試合開始のために選手が位置につく。

 

 

フォーメーション

シャムシール

 

GK        スルタン

 

DF カミール バタル  アサド  シャキール

 

ボランチ    タミル  ナジム

 

MF ラシード           ハリール

 

FW      カシム  サイード

 

イナズマジャパン

 

FW   剣城   竜太   瞬木

 

MF     九坂    天馬

 

ボランチ      神童

 

DF  森村  皆帆  真名部 鉄角

 

GK        伊吹

 

〜 観客席 〜

 

彼方:「おお〜っ!! 竜太がFWのスリートップだってぇ!! 行けーーっ! 竜太〜〜っ!!」

 

せつ菜:「今回はイナズマジャパン、攻撃型の布陣なんですね・・・・」

 

ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー

 

 そして俺と剣城がセンターサークルに入る。

 

王将:「さぁ! イナズマジャパンのキックオフから試合開始です!!」

 

ピィイイイイーーーーッ!!

 

 試合開始のホイッスルが鳴り、ボールを天馬に渡す。早速シャムシールは前線から天馬にプレッシングを掛ける。

 

サイード:「よこせ!!」

 

天馬:「っ!! 瞬木!!」

 

 ボールは瞬木に渡り、ドリブルで上がる。瞬木はかなりドリブルが上手くなっている。練習の成果がちゃんと出ている。

 

ナジム:「邪魔だ!!」ドガアッ!!

 

瞬木:「ぐあっ!?」

 

 ナジムは瞬木に正面からタックルをぶちかまし、吹き飛ばしてボールを奪い取る。

 

ナジム:「カシム!!」

 

 ボールは前線のカシムに渡り、ドリブルで攻め上がってくる。そこに九坂が止めに入るが、力任せの強引なドリブルで吹き飛ばされる。

 

九坂:「がっ!!」

 

カシム:「はっ、弱いな!!」

 

九坂:「っ!! 弱い・・・・?」

 

竜太:「っ!! 九坂!!」

 

九坂:「っ! クッ・・・・」

 

サイード:(? アイツ・・・)

 

 カシムが更にドリブルで攻め上がるとすぐに神童さんがブロックに入る。だが、

 

カシム:「無駄無駄ぁっ!!」ドガァッ!!

 

神童:「うぁああっ!!」

 

 カシムの屈強なフィジカルに神童先輩も弾き飛ばされ、そしてカシムはシュート体勢に入る。

 

 カシムがボールを足元に構えると、足元から石油が湧き出て上へと湧きあげる。そして石油状のエネルギーを纏ったシュートを放つ。

 

カシム:「[オイルラッシュ]!!」

 

 シュートが一直線に伊吹目掛けて襲い掛かる。伊吹は必殺技を放とうとする。

 

伊吹:「[ワイルd・・・ギュンッ 速っ!?」

 

 しかしシュートのスピードか思った以上に早く、技を出す前にゴールに突き刺さってしまった。

 

伊吹:「くっそぉおおおっ!!」

 

神童:「・・・・・・」

 

サイード:「やっぱり弱っちいな・・・」

 

天馬:「まだ1点だ!! 取り返して行くぞ!!」

 

イナズマジャパン:『おう!!』

 

 

 そしてイナズマジャパンボールから試合再開。パスを繋いでボールは剣城に渡り攻め上がる。が、そこにタミルとバタルが止めに入る。

 

バタル:「甘めぇよ!!」

 

バタル・タミル:「「[ビッグシザース]!!」」

 

 二人が左右から同時にスライディングを仕掛けて交錯。剣城を弾き飛ばしてボールを奪い取る。

 

バタル:「ラシード!!」

 

 ボールを奪い取ったバタルから前線へのロングパス。ボールはラシードに渡ると九坂がディフェンスに入る。

 

九坂:「うぉおおおおっ!!」

 

 九坂がスライディングを仕掛けるが、ジャンプでアッサリと躱されそのままサイードにボールが渡る。

 

そこに鉄角がディフェンスに入るが、

 

鉄角:「行かせねぇ!! [フットワークドr・・「邪魔だっ!!」ぐあっ?!」

 

 鉄角も弾き飛ばされ、サイードはシュート体勢に入る。

 

サイード:「2点目だ!! [オイルラッシュ]!!」

 

 サイードのシュートが突き進む。しかしここで神童先輩がシュートブロックに入る。

 

神童:「これ以上入れさせない!! [アインザッツ]!!」

 

 神童先輩がシュートに対し、真正面からキックをぶつける。しかし止めきれずに弾き飛ばされるが、威力は削った。

 

伊吹:「余計な事を!! [ワイルドダンク・V2]!!」

 

ドゴォオオォオオォオオンッ!!

 

 伊吹の渾身の力が叩きつけられシュートは停止。ゴールキックからボールは九坂に飛ぶ。

 

九坂:「き、来た・・・・」

 

〜 〜 〜 観客席 〜 〜 〜 〜

 

?:「・・・・リュウちゃん」

 

〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜

 

 九坂がボールをトラップ。しかしここでタミルがディフェンスに入る。

 

タミル:「行かせるか!!」

 

九坂:「っ!! 剣城!!」

 

 九坂からのパスは剣城に飛ぶが、剣城がトラップした瞬間カミールが足を伸ばして弾き、ボールはタッチラインを割った。

 

九坂:(っ、・・・・? !? あ、アレは!!)

 

?:「・・・・・・・」

 

九坂が観客席を見ると、

 

九坂:「さ、さとちゃん・・・・何でこんなところに・・」

 

 

イナズマジャパン 0 ー 1 シャムシール

 

ー 続く ー




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第26話:暗雲

 イナズマジャパンボールのスローインから試合再開。剣城の投げたボールは天馬に渡り、天馬に対してアサドとバタルが2人掛かりで止めに入る。

 

アサド:「お前なんかに抜かせるかよ!!」

 

天馬:「(来た!!)竜太!!」

 

 ディフェンスに入った2人の間を通し、裏に走っていた俺にパスがつながる。

 ゴール前で絶好のシュートチャンスを迎えた俺は迷わずにシュート体勢に入る。

 

 俺の周囲を水流が渦巻き包み込む。そしてグングンと上昇していき、ありったけの水エネルギーが込められたボールを蹴り落とした。

 

竜太:「[激流ストーム・Gx]!!」

 

 シュートが上空からキーパースルタンに襲いかかる。だがここでシャムシールのディフェンダー陣がシュートブロックで足をぶつけて威力を削ぐ。

 そしてスルタンは必殺技の体勢に入る。

 

スルタン:「[ドライ・ブロー]!!」

 

 スルタンがボールを上から下に回転を掛けるように殴りつける。

 するとボールに強烈な回転が掛かり、空気摩擦でドンドン焦げていく。

 

 そしてボールは高温で消し炭になり、焼失した。

 

王将:「止めたーーーっ!! キーパースルタン、味方と連携して大海のシュートを止めたぁあぁああっ!!」

 

竜太:「くそっ!!」

 

スルタン:「ハリール!!」

 

王将:「ゴールキックから今度はシャムシールのカウンター攻撃だ!! ボールはハリールヘ!!」

 

鉄角:「行かせるか!!」

 

 鉄角はタイミングを合わせてボールをインターセプト。そして神童先輩にパスを出す。

 

ハリール:「何っ!?」

 

天馬:「良いぞ鉄角!!」

 

 今度はイナズマジャパンが攻勢に転じ、ボールは神童さんから天馬に。

 

瞬木:「キャプテン!!」

 

天馬:「(っ! いい所に!!)瞬木!!」

 

王将:「ボールは瞬木に渡った!! このままシュートかぁっ!?」

 

シャーキル:「シュートは撃たせない!!」

 

アサド:「ここで止める!!」

 

瞬木:「(コースが塞がれてる・・・シュートは無理か・・)大海!!」

 

大海:「っ! ナイスパス!!」

 

王将:「ここで再び大海にボールが渡ったぁ!! 今度こそ決めきれるかぁっ!!」

 

スルタン:「ムダだ・・バタル!!」

 

 ここで先程同様にディフェンスがシュートコースに割り込んでくる。

 シュートブロックして威力を削いでから止める気だな・・・。

 

竜太:「なら!!」

 

 そして俺はシュート体勢に入る。ボールに極大のオーラを纏わせ、それをオーバーヘッドで下に落とす。

 先回りしてボールに左足の足払いで回転をプラスしてボールに空気の膜をコーティングする。

 

 そして俺は渾身の力でボールをゴール目掛けて蹴り飛ばした。

 

竜太:「[ラストリゾート・Z]!!」

 

スルタン:「な、何だこのシュートは!?」

 

 シュートが岩石の龍を引き連れ、フィールドを破壊しながらゴールに襲いかかる。

 スルタンは必殺技を放つ。

 

スルタン:「[ドライ・ブロー]!!」

 

 スルタンが渾身の力でシュートを殴りつける。しかしボールに触れた瞬間コーティングされた空気の膜に弾かれてボールごとゴールに轟音と共に叩き込まれた。

 

王将:「ゴォオオオォオオオオルッ!! イナズマジャパン同点に追いついた!!」

 

サイード:「な、何だ・・・今のシュートは・・・・?」

 

葵:「やった同点!! さすが竜太くん!!」

 

 

彼方:「竜太ナイスシュート!!」

 

せつ菜:「さすがですね!!」

 

天馬:「よし、一気に逆転だ!!」

 

 

 今度はシャムシールボールから試合再開。ボールはラシードに渡り、ドリブルで上がってくる。

 

九坂:「とめる!!」

 

 九坂が止めに入るが、フィジカルで簡単に吹き飛ばされてしまい突破される。

 

天馬:「皆下がれ!!」

 

ラシード:「カシム!!」

 

皆帆:「甘いよ!!」

 

カシム:「なにっ!?」

 

王将:「ここで皆帆がカット!! ピンチを凌いだーー!!」

 

竜太:「ナイス皆帆!!」

 

皆帆:「キャプテン!!」

 

王将:「今度はイナズマジャパンのカウンターだ!! ボールは松風へ!!」

 

ナジム:「させるかっ!!」

 

天馬:「うわっ!?」

 

 しかしここはナジムにカットされボールは前線のサイードへ渡り、サイードは必殺技の体勢に入る。

 

サイード:「また突き離してやる!! [オイルラッシュ]!!」

 

 サイードの重油を纏った重く速いシュートが襲いかかる。神童先輩がブロックに入るが、[アインザッツ]は間に合わずにノーマルキックをぶつけて威力を削ぐ。

 

 だがあっさりと弾き飛ばされ、伊吹が止めに入る。

 

伊吹:「[ワイルドダンク・V2]!!」

 

 伊吹のダンクが上から叩きつけられるが、それも破られボールはゴールに叩き込まれてしまった。

 

王将:「ゴォオオォオオオルッ!! シャムシール勝ち越しーーーっ!!」

 

葵:「そんな・・・・」

 

サイード:「ふん、当然だ」

 

 前半の残り時間も後僅か。イナズマジャパンボールから試合を再開したが、カシムに奪われてしまう。

 

九坂:「今度こそ!!」

 

カシム:「何度やっても同じだ!!」ドガアッ!!

 

九坂:「ぐぁあぁああっ!!」

 

天馬:「九坂!!」

 

カシム:「ふん、ジャパンの代表がこんなに弱っちいとはな・・」

 

九坂:「っ!! 弱い・・・・?」

 

タミル:「お前に言ってんだよこの弱虫ヤロウが!!」

 

九坂:「っ!! ・・・おんどりゃぁあぁあああっ!!!」

 

ドガァアァアアアッ!!

 

サイード・カシム・タミル:「「「うわぁあぁあああっ!?」」」

 

竜太:「九坂やめろ!!」

 

 ここで審判のホイッスル。九坂にイエローカードが出た。

 

九坂:「っ!! ・・・・・くっ、」

 

天馬:「なんでだよ九坂・・・あんなに頑張ってたのに、サッカーできなくなっても良いのかよ!!「九坂くん、怖がってるんです・・・強くなければ皆が離れていくって・・」好葉?」

 

森村:「ウチ、分かるんです・・・」

 

 そして、ここで前半終了のホイッスルが鳴った。

 

竜太:「強くなければ離れていく・・・か」

 

サイード:「おい、面白いやつがいるな・・・」

 

カシム:「ああ・・・」

 

タミル:「ここから楽しくなるぜ・・・」

 

 

 

イナズマジャパン 1 ー 2 シャムシール

 

ー 続く ー




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第27話:九坂隆二

天馬:「九坂・・どういうことだ? 強くなければ皆が離れて行くって・・・」

 

九坂:「スミマセン・・・勘弁して下さい・・」

 

 そして俺は、強くなると決めた時の事を思い出す。

 

〜 九坂 過去 〜

 

子供九坂:「さ、サトちゃんを離せ!!」

 

いじめっ子:「はっ、弱いくせにカッコつけてんじゃねぇよ!!」

 

子供九坂:「よ、弱くなんか無いよ・・弱くなんか!!」

 

 だが俺はいじめっ子に簡単にボコボコにされてしまった・・・。

 

いじめっ子:「はん、行こうぜ!」

 

子供九坂:「くっ、・・・」

 

さと:「っ!」タッタッタッ

 

 何で・・・・

 

ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー

 

ー ハーフタイム ー

 

船木:「君はマトモにプレーする気があるのかね!?」

 

九坂:「スンマセン・・・」

 

 そして九坂は、頭を冷やすためにロッカールームに戻っていった。

 

神童:「天馬、後半は九坂をプレーから外す方向で行こう。ラフプレーで試合を壊されたら、元も子もなくなる」

 

天馬:「でも!! 九坂だって分かってるバズです!!」

 

 すると神童さんは重々しい口調で、

 

神童:「今はそうすべきじゃないのか?」

 

真名部:「ええ。それがベストでしょう」

 

皆帆:「そうだね・・・」

 

鉄角:「ああ。仕方無いな・・・」

 

 皆も異論は無いようだ。だが、

 

天馬:「待ってください!! 俺は、11人全員で戦いたい!! 皆でサッカーがしたいんです!!!」

 

 食い下がる天馬。が、

 

神童:「それで・・・勝てるのか?」

 

 神童先輩に一蹴される。

 

天馬:「っ! ・・・・分かりました・・」

 

 

王将:「さぁ!! 後半が始まります!!」

 

カシム:「奴ら、とんでも無い爆弾を抱えていたもんだな・・」

 

サイード:「ああ。居るんだよなああいう奴」

 

雄太:「頑張れ兄ちゃん!!」

 

瞬:「一気に逆転だーー!!」

 

?:「・・・・・・・・・・」

 

 

 そして後半開始のホイッスルが鳴り、シャムシールボールのキックオフから後半開始。

 

 シャムシールは早速ドリブルで攻め上がり、ボールはラシードへ。

 

九坂:「うぉおおおおっ!!」

 

 九坂がディフェンスに入るが、ラシードの早い動きでアッサリと躱される。

 

神童:「[アインザッツ]!!」

 

 しかしすぐにフォローに入った神童先輩が必殺技で奪い返す。

 そしてドリブルで攻め上がり、ボールを俺に渡す。

 

竜太:「オッケー!! っ!!」

 

 しかしすぐにシャムシールのチェックが来る。俺は中へとパスを出す。

 

九坂:「来た・・・っ!?」

 

 それを九坂が受け取る前に上がってきていた天馬が受け取る。そして剣城にパスを出す。

 

天馬:「剣城!!」

 

バタル:「させるか!!」

 

 しかしパスをインターセプトされ、すぐさまボールは前線へ。

 

天馬:「っ!? 皆下がれ!!」

 

九坂:「・・・・・・・・」

 

 そこからはイナズマジャパンのオフェンスは徹底的に九坂を避けてゲームを組み立てる。九坂は貢献しようとしているのだろうが、俺たちがボールに触らせないようにパスを回す。

 

天馬:「上がれ瞬木!!」

 

瞬木:「はい!!」

 

 そして剣城と瞬木と俺は3人で攻め上がる。

 

九坂:(そうか・・・俺を暴れさせないためにワザと・・・。でも、すまねぇキャプテン、俺だって!!)

 

 

?:「・・・・・・・・・」

 

瞬木:「おりゃぁあぁああーーっ!!」ドガアッ!!

 

 瞬木のシュートがシャムシールゴールに突っ込む。

 

九坂:「決まれぇえええぇっ!!」

 

スルタン:「ふんっ!!」ガシイッ!

 

 

王将:「おっと、キーパースルタン難なくキャッチ!!」

 

スルタン:「ふん、キャプテン!!」

 

 そしてスルタンのゴールキックからボールはサイードへ。

 

サイード:「ふん、実力の差を思い知らせてやる。行くぞ!! 必殺タクティクス〈大砂漠砂嵐〉だ!!」

 

シャムシール:『おう!!』

 

 そしてボールを持つサイードを先頭に、砂煙を巻き起こしながらシャムシールが突っ込んでくる。

 俺たちが止めに入るがあっけなく吹き飛ばされてしまう。

 

神童:「俺が止める!!」

 

 神童先輩が、〈大砂漠砂嵐〉に立ち塞がる。

 

サイード:「無駄無駄ぁっ!! 爆進する俺たちは、何人たりとも止められない!!」

 

 そして神童先輩を吹き飛ばすと、サイードがシュート体勢に入る。

 地中から石油が湧き出てボールをコーティング。重油を纏ったボールを放つ。

 

サイード:「喰らえ!! [オイルラッシュ]!!」

 

 伊吹は必殺技を出す間もなく、シュートはゴールに叩き込まれてしまった。

 

王将:「決まったぁーーーっ!! シャムシール、破壊力バツグンの攻撃で追加点を奪ったぁーーっ!!」

 

神童:「くっ・・・、」

 

竜太:(アラブの獅子、シャムシール・・・こんな強力な必殺タクティクスを持っていたのか・・・!!)

 

九坂:(クッ・・・)

 

葵:「これからこれから!! まずは1点、取り返そう!!」

 

 

 そしてイナズマジャパンボールから試合再開。ボールを天馬に渡して攻め上がる。

 

天馬:「皆上がれ!! っ!!」

 

 そこにカシムがディフェンスに来る。すると天馬は必殺技を発動。カシムを抜き去った。

 

天馬:「[Zスラッシュ]!!」

 

剣城:「天馬!!」

 

 剣城が天馬を呼び、天馬はパスを出そうとするが・・・

 

サイード:「貰った!!」

 

 一瞬の隙を突かれてしまいボールを奪われてしまう。

 

サイード:「もう一発お見舞いしてやるか!!」

 

九坂:「やらせるか!!」

 

 九坂がディフェンスに入るが、力任せのドリブルにアッサリと抜かれてしまう。

 

サイード:「邪魔だっ!!」

 

 しかし九坂も必死に食い下がり執拗にディフェンスを掛ける。

 

サイード:「そんなに欲しけりゃ、取ってみろ!!」

 

九坂:「くっ、うぉおぁあぁああっ!!」

 

カシム:「ムダだ!!」

 

九坂:「くっ、クソっ!! まだだ!!」

 

剣城:「焦るな九坂!! 相手の動きをよく見るんだ!!」

 

 

しずく:「九坂さん・・・もっと冷静に相手を見てください・・・・」

 

 

 そして九坂とサイードが並走しながら肩をガツガツとぶつけ合ってボールを奪い合う。が、

 

ドガアッ!!

 

九坂:「ガハッ!?」

 

 !? あの野郎今九坂の鳩尾に肘を入れやがった!! 審判から見えないからって・・・・!!

 

 

果林:「なっ!? 今のカードじゃないの!?」

 

せつ菜:「審判から見えない位置で上手くやってますね・・・」

 

 

サイード:「おいおい大丈夫か? まさかこの程度で骨が折れましたなんて言わないでくれよな?」

 

九坂:「くっ、うぅうぅううっ!!」

 

天馬:「九坂ダメだ!!」

 

九坂:「ハッ!!」

 

 すると九坂は自分の握った手を掴んで堪える。

 

天馬:「そうだ・・・堪えるんだ九坂!!」

 

サイード:「チッ、」

 

九坂:「うおぉおおおっ!!」

 

 サイードの隙を突き、ボールを弾いた九坂。ボールは好葉に転がり、

 

森村:「あ、あわわわわ」

 

 好葉はトラップミスしてしまい、シャムシールに有利な位置に蹴ってしまう。

 

カシム:「ナイスパァス!!」

 

皆帆:「させないよ!!」

 

王将:「おっとこれは皆帆がクリア!! 日本危機を脱したぞぉっ!!」

 

皆帆:「大海くん!!」

 

 パスが前線に飛ぶと、九坂も走る。

 

サイード:「頑張るねぇ・・・だがいつまで持つかなぁ?」

 

 九坂がこぼれ球を拾いドリブルで上がる。しかしカシムがディフェンスに入ると、なんとカシムは腕を組んで固定して九坂の腹にショルダータックルをもろにぶちかまして吹き飛ばした。

 

九坂:「ぐぁあああっ!?!」

 

 

かすみ:「いくらなんでもやり過ぎじゃないんですか!? これ国際大会なんですよ!?」

 

 

 また九坂にボールが渡る。すると今度はサイードがスパイクの裏を向けて九坂の足にスライディングを直撃させた。

 

九坂:「ぐぁあぁあ"あ"ぁ"あ"あ"っ"!!!」

 

天馬:「九坂!!」

 

 

栞子:「っ!! 見てられませんっ!!」

 

 栞子は顔を背け、

 

歩夢:「酷すぎるよ・・・・っ!」

 

 歩夢先輩は今にも泣きそうな顔になる。

 

 

竜太・天馬:「「九坂!!」」

 

 俺と天馬が九坂のフォローに行こうとするが、

 

ナジム:「おっと、行かせないぜ?」

 

竜太:「っ!! コイツら!!」

 

王将:「おぉーーーっと、これは九坂を孤立させる陣形か!?」

 

 

九坂:「くっ、ぅうぅうう」

 

サイード:「おいウスノロ? お前が欲しがってた・・ボールだぜっ!!」ドガアッ!!

 

 するとサイードは起き上がろうとしていた九坂の顔めがけてボールを蹴り飛ばした。

 

ドゴァアァアアァアアツ!!

 

九坂:「ぐぁあぁああぁあああっ!!!

 

イナズマジャパン:『!!』

 

天馬:「九坂!!」

 

エマ:「何で・・何であんな酷いことが平気でできるの!?」

 

侑:「九坂さん・・・・」

 

 

 観客席から九坂を心配する声が上がる。急いで天馬が駆け寄ろうとするが、カシムが身体で邪魔をする。

 

サイード:「こんなんで俺たちに勝とうなんて笑わせるぜ・・・この弱虫野郎がよ!!」

 

九坂:ビキィッ!!

 

 そしてとうとう、恐れていたことが起きてしまった。

 

 

イナズマジャパン 1 ー 3 シャムシール

 

ー 続く ー




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第28話:帝王の涙

 "この弱虫ヤロウが"。サイードの一言で、ついに九坂がブチキレた。

 

九坂:「この俺が・・・弱いだと? なら、俺の強さを、その身を持って思い知れぇええっ!!」

 

 九坂がサイードに殴りかかろうとする。が、拳はサイードまで届かなかった。

 届く直前、天馬が九坂の正面から抑えたんだ。

 

天馬:「九坂! これはケンカじゃない!! 仲間と一緒に・・・俺たちと一緒にサッカーするんだ!!」

 

九坂:「やってんだろうが!!」

 

天馬:「やってない!!」

 

 必死に抑える天馬。しかし九坂の力にどんどん引きずられていく。

 

天馬:「サッカーはケンカじゃない!! たとえそれで勝っても、そんなのは本当の強さなんかじゃない!!」

 

九坂:「弱いより強い方が良いに決まってんだろうが!!」

 

天馬:「今のお前のドコが強いんだ!!

 

九坂:「何っ!?」

 

 その天馬の一言で九坂の足が止まった。すると九坂は腕を下ろし、頭が少し冷えた。

 

天馬:「っ、九坂?」

 

九坂:「・・・・力があれば、皆褒めてくれる・・誰も俺の前から、いなくならない・・・」

 

天馬:「九坂・・・・」

 

九坂:「でも・・「九坂ぁあ!!」っ!?」

 

 すると、フィールドに突然数人の不良たちが乱入した。

 

王将:「おぉーーーっとお!! コレは!? 突然フィールドに不良の一団が乱入だぁっ!!」

 

竜太:「何だアイツら!?」

 

 

彼方:「竜太・・・・」

 

 

 会場も騒然となり、シャムシールもイナズマジャパンも動きを止める。

 

王将:「試合が止まってしまったぁ!! コレは前代未聞!! 私の実況人生でも初めてだぁっ!!」

 

 

船木:「あ、あぁあ・・悪夢だ!!」

 

葵:「天馬・・・監督!! 止めないんですか!?」

 

 しかし、黒岩監督は座ったまま微動だにしない。

 

葵:「どうしよう・・水川さん・・・!!」

 

水川:「私達にできることは無いわ・・」

 

葵:「それは・・そうだけど・・・」

 

瞬:「兄ちゃん・・」

 

雄太:「大丈夫だ瞬・・・」

 

?:「っ! ・・・・・・・・・」

 

不良:「ふんっ!」

 

 リーダー格の不良は、ニヤリと笑みを浮かべた。

 

不良:「九坂さんよぉ? 昨日は俺の子分をかわいがってくれたそうじゃねぇか・・・・たっぷり礼をさせて貰うぜ?」

 

九坂:「くっ、」

 

天馬:「何を言ってるんだ!! 九坂は・・・スッ 九坂?」

 

九坂:「すみませんキャプテン・・・俺の問題ッス」

 

不良:「どうしたぁ? かかって来れねぇのか? やっぱり噂通りお前は、弱っちぃ屑ヤロウかぁ?」

 

九坂:「っ!! テメェ今なんつった!?」

 

 九坂が拳を握った。

 

天馬:「九坂ダメだ!!」

 

九坂:「おんどりゃぁあぁあぁあああっ!!」

 

 そして、九坂は不良に拳を振るった。が、その拳を天馬が身を挺して顔で受け止めた。

 

天馬:「ぐあっ!?」

 

九坂:「何っ!?」

 

竜太:「天馬!!」

 

 

三国・霧野:「「天馬!!」」

 

 

カシム:「なんだアイツら? ケンカを始めたぜ?」

 

サイード:「野蛮な奴らだ・・・」

 

 

天馬:「クッ、九坂・・サッカーを・・・今は、俺たちとサッカーをやるんだ!!」

 

九坂:「あそこまで言われて黙ってられるか!!」

 

天馬:「九坂!!」

 

不良:「グダグダ言ってねぇでかかってこいよ!! 弱虫ヤロウが!!」

 

九坂:「俺は弱くなんかない!! 俺は・・・強くなったんだ!!」

 

 

子供九坂:強く無きゃ・・強くならなきゃ!!〜・・

 

九坂:「うぉおぁあぁあああっ!!」

 

 すると九坂の、巻いていたバンダナが飛び、九坂の髪が逆立ち、全身から炎のような怒りのオーラが溢れ出る。

 

 コレを"怒髪天モード"と呼ぶ事にしよう・・・。

 

 話を戻そう。怒髪天モードに入った九坂は怒りでどんどんパワーを増大させ、今にも不良たちに殴りかかりそうだ。

 

不良:「っ、じょ、上等だ!! かかってこいよコラ!!」

 

しかし、天馬が腕を広げて九坂と不良の間に割り込む。

 

天馬:「九坂!! お前の言う強さは、こんなことなのか!?」

 

森村:「あ、あわわわわわ・・・」

 

神童:「くっ、抑えろ・・・」

 

葵:「天馬・・・っ!!」

 

天馬:「本当の強さは、こんなことじゃない!! 自分が恐れている物から、逃げずに向き合える事だ!! それが・・・本当に強い奴なんだ!!」

 

怒髪天九坂:「ぐっ、うぅうぅううう!!」

 

 

森村:『九坂くんは、怖がってるんです。強くならなきゃ、皆が離れて行くって。ウチ、分かるんです・・・』

 

 

怒髪天九坂:「うぅううぅううう・・・・・・」

 

天馬:「恐いものがあっても、逃げずに向き合うんだ!!」

 

?:「リュウちゃん!!」

 

 すると、観客席から1人の女の子が九坂に声を上げた。九坂がそっちに目を向けると・・・

 

怒髪天九坂:「さっ、さとちゃん!?」

 

天馬:(ん?)

 

 

里子:「リュウちゃん、何でそんなに自分を追い込むの・・・?」

 

怒髪天九坂:「うっ、そ・・それは、さとちゃんが弱いヤツを嫌うから!! だから俺は!!」

 

里子:「あのときのリュウちゃんは、弱くなんか無かった!! 「えっ?」 私のために勇気を出していじめっ子に立ち向かってくれたリュウちゃんは、決して弱虫なんかじゃない!! そんなリュウちゃんが好きだった!!」

 

怒髪天九坂:「っ!!!」

 

里子:「でも、あのときの私は、どうしていいのか分からずに逃げ出してしまった・・・だからずっと謝りたかったの!!」

 

怒髪天九坂:「っ、さと、・・・ちゃんっ・・う、ぅうぅうぅぉおおおおーーーんっ!!」

 

 

 すると九坂はこれでもかと言うほどの涙を流して号泣。九坂の心に何年もこびり付いていた黒いものが、浄化されていった。

 

竜太:「九坂・・・」

 

不良:「へっ、泣いてるぜこの弱虫ヤロウ!」

 

 取り巻きの不良共がクスクスと笑う。今となってはお前らに九坂を笑う資格はない!!

 

怒髪天九坂:「・・・・・・・・」

 

不良:「ほら、かかってこいよ!! 弱虫ヤロウ!!」

 

怒髪天九坂:「出ていけ!!

 

 すると九坂は怒髪天のオーラを湧き上がらせて威圧する。すると今度は不良たちのほうがビビりだす。

 

取り巻き:「こ、コイツヤバくないっすか・・・?」

 

不良:「ちっ、付き合いきれるか!! 行くぞ!!」

 

 そして、何事も無く不良たちは退場していった。

 

 そして九坂は怒髪天モードを解除。元の温厚な姿に戻る。

 

天馬:「九坂・・・」

 

 天馬が九坂にバンダナを手渡す。すると九坂はバンダナで涙を拭いて再び締め直した。

 

九坂:「強くなるってこういう事か・・・1ミリくらいは分かったような気がするぜ・・・」

 

天馬:「九坂・・・!!」

 

九坂:「迷惑かけてスミマセンでした、キャプテン・・・さぁ、サッカーやりましょう!!」

 

天馬:「ああ!!」

 

サイード:「友情なんてくだらねぇな・・・」

 

カシム:「あんな奴ら、さっさと片付けようぜ?」

 

サイード:「だな・・・」

 

さぁ、試合再開だ!!

 

 

 

イナズマジャパン 1 ー 3 シャムシール

 

ー 続く ー




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第29話:決着! vsシャムシール

王将:「さぁ、トラブルも無事回避して試合再開!! 得点は1ー3とシャムシールが4点目を狙い攻め上がる!!」

 

 シャムシール、タミルのスローインからボールはラシードへ。

 ラシードはドリブルで攻め上がってくるが、そこに九坂がディフェンスに入る。

 

ラシード:「また来たか弱虫ヤロウ・・・!!」

 

九坂:「見せてやる・・本当のオレを!!」

 

 すると九坂のバンダナが解け、怒髪天モードを発動する九坂。

 

鉄角:「おいおい!! さっきと同じじゃねぇか!!」

 

天馬:(九坂・・・・・)

 

 九坂から炎の様なオーラが溢れ出る。しかし九坂はその状態のまま心を澄まし、怒髪天モードのまま理性を保つ事に成功した。

 

天馬:「九坂!!」

 

 すると九坂は先程とは見違えるような身のこなしであっという間にボールを奪った。

 

王将:「九坂、今までとは別人の様な動きでボールを奪ったぁ!!」

 

ラシード:「なにっ!?」

 

 

真名部:「九坂くんがマトモにサッカーを・・・・」

 

皆帆:「どうやら自分をコントロールできるようになったみたいだね・・・」

 

 ドリブルで攻め上がる九坂。しかしそこにタミルとバタルが二人同時にスライディングを仕掛けてくる。

 

バタル:「調子に乗るなぁっ!!」

 

タミル:「吹っ飛べ!!」

 

 迫る2つのスライディング。しかし九坂は冷静に跳躍してスライディングを躱した。

 

鉄角:「力の加減まで出来てるじゃねぇか!!」

 

森村:「スゴい・・・!!」

 

竜太:「九坂!! 瞬木がフリーだ!!」

 

怒髪天九坂:「・・・おう!!」

 

 そして九坂からのパスが瞬木へ。瞬木はシュート体勢に入る。

 

瞬木:「はぁあぁああっ!! [パルクールアタック]!!」

 

 瞬木のシュートが空から撃ち落とされる。キーパースルタンも必殺技で応戦する。

 

スルタン:「[ドライ・ブロー]!!」

 

 スルタンが灼熱の右手でシュートを殴りつける。しかし瞬木のシュートはそんなものは歯牙にもかけず、ゴールに突き刺さった。

 

王将:「ゴォオォオオオオルッ!! イナズマジャパン、見違える様な九坂の活躍で1点を返したぁっ!!」

 

雄太:「やったぜ兄ちゃん!!」

 

瞬:「ナイスシュート!!」

 

そしてシャムシールボールのキックオフから。試合再開。しかしすぐに剣城がボールを奪って攻め上がる。

 

王将:「勢いづくイナズマジャパン!! 猛攻が止まらない!!」

 

剣城:「[バイシクルソード]ッ!! はぁあぁああッ!!」

 

 剣城のロングシュートがシャムシールゴールに襲いかかる。

 スルタンも負けじと必殺技で応戦する。

 

スルタン:「[ドライ・ブロー]!!」

 

 再び灼熱の拳でシュートを殴りつける。ボールは次々と焦げていくが、それも一蹴しゴールネットに叩き込まれた。

 

王将:「ゴォオオォオオオオルッ!! イナズマジャパン同点に追いついたぁっ!!」

 

葵:「この調子で逆転よ!!」

 

 再びシャムシールのキックオフから試合再開。しかし今度は天馬がボールを奪い取りドリブルで攻め上がる。

 

天馬:「これで決める!! [ゴッドウィンド]!!」

 

 天馬の爆風を纏った弾丸シュートがシャムシールゴールに襲いかかる。だが、

 

カミール・アサド・シャーキル:「「「させるか!!」」」

 

 しかしシャムシールの3人掛かりのシュートブロック。威力を大幅に削られた。

 

スルタン:「[ドライ・ブロー]!!」

 

 しかしここはキーパーしっかりと止めきり、得点にはならず。

 

天馬:「くっ・・・、」

 

スルタン:「カウンターだ!!」

 

 キーパーのゴールキックからボールは前線のサイードへ。そしてサイードにボールが渡り・・・

 

サイード:「これが最後の攻撃だ、行くぞ!! 必殺タクティクス〈大砂漠砂嵐〉!!」

 

シャムシール:『おう!!』

 

 サイードの合図と共に、砂煙を巻き起こしながらシャムシールが突っ込んでくる。皆帆や真名部たちも砂煙に呑まれて吹き飛ばされてしまう。

 

神童:「次の1点が勝敗を決っする・・凌がなければ・・・っ!? 九坂!!」

 

 しかしそこに九坂が立ち塞がる。

 

神童:「九坂よせ!! 弾き飛ばされるぞ!!」

 

怒髪天九坂:「俺が・・・止める!!

 

 すると九坂は自分から〈大砂漠砂嵐〉に突っ込んだ。

 

怒髪天九坂:「うぉおおぉおおおぉおおおおっ!!」

 

ドガァアァアアァアアアアンッ!!!!!

 

シャムシール:『ぐぁあぁああぁあああっ!?!?』

 

天馬:「やった!!」

 

竜太:「やるじゃねぇか九坂!!」

 

王将:「大激突を制したのは九坂だぁあぁああっ!!」

 

 そして九坂はドリブルで攻め上がり、ハーフライン辺りからシュート体勢に入る。

 

 九坂が前傾姿勢になり、ボールを首の後ろに乗せ、思い切り上体を起こした反動でボールを上に跳ね上げ、落ちてきたボールに渾身のヘディングを叩き込む。

 

怒髪天九坂:「[キョウボウヘッド]!!」

 

ドゴォオォオオオンッ!!

 

 おおよそヘディングとは思えない様な重いインパクト音が鳴り、シュートがゴール目掛けて突き進む。

 

 キーパースルタンは必殺技で対抗する。

 

スルタン:「[ドライ・ブロー]ッ!!!」

 

 スルタンの拳が炸裂。ボールは徐々に勢いを弱めていくが・・・・

 

ドゴォオオォオオオオッ!!

 

スルタン:「ぐぁああぁあああっ!?!!」

 

 九坂のシュートはキーパーを吹き飛ばし、ゴールに吸い込まれた。

 

王将:「決まったぁあああっ!! 九坂の[キョウボウヘッド]で、イナズマジャパン逆転に成功したぁっ!!」

 

 そして、

 

王将:「ここで試合終了のホイッスル!!4ー3で、イナズマジャパンがシャムシールを敗ぶり、準決勝進出を決めましたぁっ!!」

 

雄太:「良いぞバンダナの兄ちゃん!!」

 

瞬:「カッコよかったぞ!!」

 

里子:「リュウちゃん・・・いっぱい悩んだけど、勇気を出して今日ここに来て良かった・・・!!」

 

天馬:「九坂!! 決めたな決勝点!! スゴイ必殺シュートだったよ!! この勢いで、準決勝も勝とう!!」

 

九坂:「っ! ハハ・・・なんか、良いっすね。サッカーって!!」

 

天馬:「!! そうだろ? 良いだろサッカー!!」

 

九坂:「はい!!・・・・・」

 

 

九坂:(俺は仲間を守ってるつもりだった・・・けど本当は、自分を守っていただけ・・皆が離れていくことを、恐れていただけだったんだ・・・・)

 

 

 

剣城:「試合を重ねる毎に、チームが纏まって来ていますね。」

 

竜太:「そして・・・その中心にいるのは、間違いなく天馬です」

 

神童:「ああ・・・・」

 

 

イナズマジャパン 4 ー 3 シャムシール

 

ー 試合終了・準決勝進出決定 ー

 

ー 続く ー




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第30話:真名部と皆帆

シャムシール戦の翌日・・・・

 

アナウンス:「お台場サッカーガーデン駅〜 お台場サッカーガーデン駅〜、お忘れ物の無い様にお願いします」

 

?・?:「「・・・・・・・・・・」」

 

 電車から、一組の男女が降りてきた。

 

ー ヨットハーバーグラウンド ー

 

イナズマジャパンの練習中。天馬がトリブルで攻め上がる。

 

天馬:「行くぞ鉄角!!」

 

鉄角:「止める!!」

 

 鉄角がディフェンスに走る。

 

真名部:「(鉄角くんのディフェンスに対してキャプテンのあの速度と体勢・・・)左に抜く確率84%!!」

 

 天馬は左に抜いた。そこに真名部がディフェンスに入る。

 

真名部:「計算通り!!」

 

天馬:「甘いよ!!」

 

 しかしまだ動きが甘く、真名部は抜かれた。

 

真名部:「あっ!! 計算は合っていたのに・・・」

 

天馬:「九坂!!」

 

 そして九坂にボールが渡る。

 

九坂:(森村・・・アイツは俺をわかってくれた。俺が何に恐がってるのか。アイツがいなかったら、今の俺は無い!! だから今度は、俺がアイツを分かってやりたい・・・!!)

 

皆帆:「行かせないよ!!」

 

九坂:「瞬木!!」

 

瞬木:「ナイスパス!!」

 

 次々と攻守の状況が切り替わり、それぞれのプレーに対応する皆。どんどん皆の動きが良くなっている。

 

九坂:「大海!!」

 

竜太:「よしっ!」

 

真名部:「行かせません!!「真名部! 撃たせろ!!」伊吹くん!?」

 

伊吹:「止めてやる!!」

 

竜太:「面白い!! はぁあぁああぁあああっ!!」

 

ノーマルシュートではあるが、俺の渾身のシュートが伊吹を襲う。それを伊吹は両手で正面から受け止める。

 

ドゴォオオオッ!!

 

伊吹:「ぐっ!! うぁあぁあああっ!?!?」

 

 受け止めた瞬間、衝撃が腕を伝わって伊吹の上半身を貫通。伊吹を弾き飛ばしてゴールに叩き込まれた。

 

伊吹:「クソっ!! 何で止められないんだ!!」

 

神童:「・・・・・・・・・・」

 

 そして、

 

葵:「皆〜!! 今日の練習は終了で〜す!! ドリンクどうぞ!!」

 

 そして皆水分補給のためにドリンクをガブ飲みする。

 

瞬木:「は〜っ!! 美味い!!」

 

真名部:「疲れましたね・・・」

 

皆帆:「そうだね・・・・」

 

鉄角:「〜んっ!! やっぱ良いな!! 身体を動かすのは!!「鉄角」!?」

 

 神童さんが鉄角に声を掛けた。何を言うんだろう・・・

 

神童:「だいぶ動きにキレが出てきたな。だがまだ甘い・・スピードが落ちてるぞ。もっと前に出ろ」

 

鉄角:「えっ!? あ、あぁ・・・・」

 

天馬:「神童さんがアドバイスを!!」

 

葵:「やっと少し皆を認めてくれたみたいね!!」

 

竜太:「あぁ。正直な話オレも最初とはかなり評価が変わったよ」

 

天馬:「竜太!!」

 

九坂:(森村・・・・ スッ !!)

 

皆帆:「はい、九坂くんもドリンク」

 

真名部:「ちゃんと飲んだ方が良いですよ? 今の練習でかなりの水分が失われてますから」

 

九坂:「あ、ああ・・ありがとう・・・・」

 

ー 夕方・真名部の部屋 ー

 

 真名部は部屋で自前のタブレットで部屋の物件情報を見ていた。

 

真名部:「このマンションは1階にスーパーが入ってるんですね・・・・向かいには大きな公園が・・・うん!! ここなら誰にも監視されずに自由に暮らせそうです!!」

 

 そして真名部は外に出た。

 

真名部:「自由な生活・・・楽しみですねぇ・・」

 

?:「陣ちゃん!!」

 

真名部:!?「ぱ、パパ・・・ママ・・・」

 

 

皆帆は、グラウンド脇で1枚の写真を見ていた。

 

皆帆:「さて、そろそろ戻る・・・? アレは・・・真名部くんの両親か?」

 

真名部母:「パパもママもビックリしたのよ? 海外出張から帰ったら家に陣ちゃんが居なくて!! それにスポーツなんかにかまけてたら肝心のお勉強がおろそかになっちゃうでしょ?」

 

真名部:「そ、そうかも知れないけど、ボクがいるのは日本の代表だよ? そこでプレイした実績は・・・決してマイナスにはならないと思うけど・・・!!」

 

真名部母:「それは・・・そうかもしれないけど・・!」

 

真名部父:「こんな球蹴り遊びに夢中になるやつの気が知れんな。まぁ・・一度始めてしまった以上すぐにというわけにもいかんだろう・・・適当な所で辞退して戻ってきなさい。良いな?」

 

真名部:「・・・・・ハイ」

 

真名部母:「できるだけ早く戻ってくるのよ?」

 

 そして、真名部の両親は帰っていった。

 

 

ー 港 ー

 

真名部:「・・・・・くっ」

 

皆帆:「真名部くん・・・」

 

真名部:「すみません・・・近寄らないでくれますか? ちょっと集中したいので・・・」

 

 フム・・・・、

 

皆帆:「真名部くん、サッカー辞めちゃうの?」

 

真名部:「!! 聞いていたんですか?」

 

皆帆:「偶然居合わせちゃってさ、聞こえちゃった・・・」

 

真名部:「・・・それなら仕方がないですね。ボクの父は世界を股にかける一流商社のビジネスマン、母は外交官・・・いわゆるエリートなんです。ボクは小さい頃からあの二人にああしろこうしろと道を勝手に決められ、監視され続けてきたんです。 親なんて皆自分のエゴを子供におしつけてるんですよ・・・「そうかな?」」

 

皆帆:「少なくともボクの父さんは違う。前にも言ったけど、ボクの父は警視庁の刑事なんだ。洞察力がとても優れていてね。どんな些細な手がかりも見逃さない。現代のシャーロック・ホームズって言われていてね」

 

真名部:「・・・・なんですかそれ? ボクへのあてつけですか!?」

 

皆帆:「え? いや、そんなつもりじゃあ・・・」

 

真名部:「良かったですね皆帆くんのお父さんは子供に理解のある人で!!」

 

 そう言って、真名部は宿舎に戻っていった。

 

ー 続く ー




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第31話:特訓ブラックルーム!!

 翌日の朝、食堂で朝食を取っていた。

 

天馬:「っ!! この魚美味しい!! なんだろう・・・」

 

鉄角・竜太:「「アイナメだよ・・え?」」

 

天馬:「2人共分かるの?」

 

鉄角:「ウチは漁師だぜ?」

 

竜太:「天馬知ってるだろ? ウチは漁師じゃないけど、実家があるのは沼津の港町、内浦だぞ? オマケに家がダイビングショップで、小さい頃から海に潜って遊んでたし、魚たくさん食って育ったんだから知ってるよ」

 

鉄角:「え? 大海の実家って東京じゃないのか?」

 

 ああ・・・言ってなかったっけ。

 

竜太:「実家は静岡県沼津市の内浦って言う所の淡島って言う離島なんだよまぁ離島って言っても連絡船で5分かからないけど」

 

鉄角:「へえ・・・・」

 

 俺と鉄角が海談義をしていると・・・・

 

皆帆:「あっ、真名部くんおはよう」

 

真名部:「フン!」

 

皆帆:「ん? まさかまだ怒ってるの? 真名部くんも子供だなぁ・・・親がうっとおしいみたいに言ってたけど、甘えたいだけじゃないの?」

 

真名部:「っ!!」

 

 そして皆帆が置いてあるデザートを取ろうとしたら脇から皆帆が取ろうとした皿をスッと持っていった。

 

皆帆:「!! なにするんだ!!」

 

真名部:「皆帆くんに何が分かるんですか!! 分かったような口を聞かないで下さい!!」

 

真名部・皆帆:「「ふん!!」」

 

 コイツら・・・・ケンカ始めやがった。

 

天馬:「アハハハ・・・ハァ・・」

 

竜太:「やれやれ・・・」

 

 そして全員食事を済まし、

 

ー ミーティングルーム ー

 

船木:「一時はどうなることかと思うときもあったが、皆よくここまで勝ち上がった。期待以上の活躍だ!!」

 

 皆の顔から笑顔が溢れる。確かに最初からは考えられないな・・・・。

 

黒岩:「だが、今のままではこの先を勝ち上がる事はできない」

 

鉄角:「なんだよ・・・持ち上げといて・・「着いて来い」?」

 

 そして黒岩監督は部屋を出る。俺たちはあとに続き、さっきまでいた食堂に来る。

 

天馬:「こんなところで何を・・・・!?」

 

 監督が端っこにあったパネルに手をかざすと、床が開き、そこから隠し階段が顔を出した。

 

黒岩:「着いて来い」

 

 そして俺たちは監督と共に階段を降り、降りきった先の廊下を歩き、大きな扉の前に立つ。

 

黒岩:「入れ・・・」

 

 そして俺たちが部屋に入ると、映像の投影装置のような大型機械が天井に付いた部屋に出た。

 

鉄角:「なんだコレ・・・?」

 

コンコン・・

 

真名部:「強化ガラスですかね・・・?」

 

 床をノックした真名部が強化ガラスでは無いかと言う。何なんだこの部屋・・・・?

 

 すると水川さんがコンパネを操作すると、辺りが草原に変わる。

 

九坂:「なんだコレ!?」

 

瞬木:「草原・・・?」

 

皆帆:「まさか瞬間移動じゃないよね・・・・?」

 

黒岩:「大海! ここまで走ってこい」

 

竜太:「? はい!!」

 

俺が監督のもとに走る。が、

 

タッタッタッ

 

竜太:「・・・・・?」

 

ダッダッダッ

 

竜太:「!?」

 

ダダダダダダダッ

 

竜太:「監督どういうことですか!? 全く距離が縮まらないんですけど!!」

 

 そして俺が足を止めると、監督が説明を始める。

 

黒岩:「ホログラムだ」

 

真名部:「ホログラム・・・・?」

 

黒岩:「お前たちの脳に信号を送り、本物と同じ感覚を再現している」

 

九坂:「同じ感覚って・・・」

 

 するとホログラムの人形が現れ、出現したサッカーボールを伊吹目掛けて蹴る。

 

伊吹:「っ!!」ガシィッ!!

 

 伊吹がキャッチすると、人形とボールが消えた。

 

真名部:「凄い!! ホログラムでこんなことができるなんて!!」

 

黒岩:「お前たちにはこれから、私が考案したこの"ブラックルーム"で特訓してもらう」

 

 すると、今度は辺りが町中に変わる。

 

黒岩:「降ってくる鉄骨を避けながらボールを運ぶ練習だ」

 

鉄角:「鉄骨って・・・」

 

すると、真上に3本の鉄骨が出現し、真っ逆さまに降ってくる。

 

ドッ、ドゴォ、ドゴォオォオオオンッ!!

 

竜太:「なっ!!」

 

黒岩:「安心しろ。安全はきちんと確保されている」

 

 なら安心・・・なのか?

 

天馬:「おれ行きます!!」

 

神童:「天馬!!」

 

 そして天馬がドリブルで突っ込むと、上に鉄骨が出現。降ってくる。

 

天馬:「っ!!」

 

ドゴォオォオオオンッ!!

 

天馬:「あ、危なかった・・・・・」

 

竜太:「俺も行くぞ・・・」

 

 そして、瞬木や九坂たちも始める。

 

真名部:「どうします皆帆くん・・・?」

 

皆帆:「いや、いくら安全だって言われても・・・」

 

黒岩:「お前たち2人には、足腰を鍛えてもらう」

 

 すると、2人の周りが吊り橋に変わり・・・

 

真名部:「吊り橋・・・・?」

 

ガコンっ!!

 

皆帆:「ッ!?」

 

真名部・皆帆:「「お、落ちるーーーーっ!!!」」

 

・・・・・ハァハァ

 

皆帆:「どうにか逃げ切った・・・」

 

ガコンッ!!

 

真名部:「ん? 橋が戻った?」

 

ガコンッ!!

 

皆帆:「今度はこっちから!?」

 

 

伊吹:「キーパー用は無いんですか?」

 

黒岩:「もちろんある」

 

 伊吹の周りは砂漠に変わる。

 

伊吹:「砂漠・・・砂が動きづらいな・・・」

 

 すると人形か出現。シュートを放つ。

 

伊吹:「そういうことか!!」

 

 

そして数時間後・・・・

 

 

葵:「練習終了です!!」

 

鉄角:「はぁ、終わった〜」

 

皆帆:「それにしても・・・なにかおかしくない?」

 

真名部:「ええ。あのブラックルームを作るのにかかっている費用は少なく見積もっても数十億。普通じゃ考えられない額です」

 

瞬木:「・・・確かに、サッカーに何でここまでって気はするけど、お陰で力も付いてきたし、この練習続けてれば、優勝できるんじゃない?」

 

鉄角:「だな・・・」

 

皆帆:「え?」

 

真名部:「ちょっとまってください? 皆さん・・優勝するまでやるつもりですか? 僕たちの参加条件には、"優勝すること"っていう記載は無いんですよ?」

 

鉄角:「!! 言われてみれば・・・」

 

瞬木:「じゃあ・・今辞めても?」

 

皆帆:「なんなら確認してこようか?」

 

鉄角:「いや、その必要は無ぇよ・・・・」

 

 皆が鉄角を見る。

 

鉄角:「自分の中の熱い物に、少しばかり向き合おうと思ってな・・・今はそれがサッカーって事だ」

 

瞬木:「俺も続けるよ。弟が喜んでくれるしね」

 

九坂:「俺もやるぜ・・・? 伊吹、お前は?」

 

伊吹:「俺もやるぜ? このままじゃ納得いかないからな」

 

真名部:「ボクには分かりません・・・・。大事なのは、あくまで約束を守ってもらうことであって、優勝する事じゃないですから」

 

鉄角:「森村はどうすんだ?」

 

森村:「え、えっと・・・その・・・」

 

九坂:(森村・・・・・・・)

 

葵:「皆ーー!! 準決勝の相手が決まったわよ!! 相手はタイ代表の"マッハタイガー"。カタール代表のデザートライオンに5ー0で圧勝だって!!」

 

鉄角:「5ー0!? デザートライオンだって弱いチームじゃないだろ!!」

 

葵:「ええ。弱いどころか、前評判ではデザートライオンが圧倒的に優勢だったわ!」

 

皆帆:「そういえば、この大会は番狂わせが多いな・・・。実力が高くないハズのチームが幾つも勝ち進んでる」

 

真名部:「そんなことに今頃気づいたんですか?」

 

皆帆:「なっ!?」

 

瞬木:「まだケンカしてるんだ。 ケンカなんてバカらしい。他人なんてどうせ分かり合えないんだから、表面上取り繕っておけばいいのに・・・・」ボソッ

 

皆帆:「っ!?」

 

瞬木:「でもここまで来たんだから、優勝目指して頑張りましょう!!」

 

葵:「うん!!」

 

皆帆:(瞬木くん・・・・?)

 

ー 続く ー




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第32話:自分嫌い

 ブラックルームでの初特訓の翌日早朝・・・・

 

葵:「う〜んっ!! 気持ちのいい朝・・・あっ、九坂くん早いね」

 

九坂:「おはよっす。なんつーか・・・目が覚めちまって、身体動かしたかったっつーか・・・・」

 

葵:「ふふっ、そっか!!」

 

 すると宿舎から1人出てきた。

 

葵:「あっ、好葉ちゃんおはよう!! 散歩?」

 

森村:「っ!! は、はい・・・失礼します・・・・」

 

 そして森村は宿舎エリアから出ていった。

 

 

ー ヨットハーバーグラウンド ー

 

鉄角:「よし! 気合入れて練習するぞ!!」

 

タッタッタッ!!

 

真名部:「ゼェゼェ・・選手のコンディションは日によって左右されます・・!! その日の体調に合わせたペースで練習するのが合理的なんです!!」

 

鉄角:「なんか言ったか?」タッタッタッ

 

皆帆:「真名部くんの言ってる事は正しいよ? ・・・()()()だけはね・・」

 

真名部:「なんか棘のある言い方ですね!!」

 

皆帆:「真名部くん無理しないほうがいいよ?」

 

タッタッタッ

 

真名部:「皆帆くんこそ息が上がってますよ?」

 

ダッダッダッ!

 

皆帆:「何を!?」

 

ダダダダ!!

 

鉄角:「・・・・何やってるんだ? アイツら?」

 

 そして先にランニングを済ませていた俺たちは皆の走りを見ていた。

 

天馬:「皆すっかりやる気になってくれた・・・!!」

 

竜太:「ああ。最初はどうなるかと思ったけどな・・・」

 

神童:「天馬・・・1人足りないぞ」

 

 え? 俺たちが走っているメンバーに目を移す。ってか真名部と皆帆もうへばってるし・・・。

 

天馬:「あっ!! 好葉がいない!!」

 

剣城:「言われてみれば・・・朝食の時もいなかったな・・」

 

葵:「あ・・・じゃああのまま・・」

 

竜太:「心当たりあるのか?」

 

葵:「うん。朝散歩に行くって言って出ていったの」

 

皆帆:「ゼェゼェ・・・散歩って・・森村さんのこと?」

 

 あっ、走り込み終わったみたいだ。

 

皆帆:「それならたぶん公園じゃないかな? 前にそこで野良猫と遊んでるのを見たことあるよ?」

 

真名部:「それならボクもありますよ? 森村さんは動物好きですし・・・空き時間にはそこに行ってるみたいですよ?」

 

葵:「天馬、私が呼んでくる。準決勝が近いんだからみんなは練習してて!!」

 

天馬:「うん。葵頼んだよ!!」

 

 そして空野は走っていった。

 

竜太:「よし、練習だ!!」

 

〜 葵 side 〜

 

野良猫:ミャ〜オ ガツガツ

 

森村:「お腹が減ってたんだね・・・いっぱい食べて良いよ?」

 

野良猫:ミャ〜

 

森村:「ふふっ「こんなところにいたんだ?」ヒッ!?」

 

 すると猫たちは私に警戒して逃げていった。そして私と好葉ちゃんは近くのベンチに座り、

 

葵:「猫が好きなの?」

 

森村:「は、ハイ・・・」

 

葵:「そっか・・・好葉ちゃん!!」

 

 好葉ちゃんはビクッと肩を震わせた。?、私なにかした?

 

葵:「悩みがあるなら聞くよ? ほら、私一応マネージャーだし!!」

 

森村:「・・・聞いて・・どうするんですか?」

 

 へ? どうするって・・・?

 

森村:「ウチのこと、笑いものにする気なんでしょ・・・?」

 

葵:「っ!? そんなこと!!」

 

森村:「!! ご、ごめんなさい!!」

 

 そして、好葉ちゃんは走っていってしまった。

 

葵:「好葉ちゃん・・・・」

 

 そして、私は皆の所に戻った。

 

〜 葵 side out 〜

 

 好葉を迎えに行った葵が戻ってきたタイミングで、食事や生活の世話をしてくれているおばちゃんが走ってきた。

 

オバちゃん:「アンタたち〜っ!! 大変だよコレ!!」

 

葵:「? なんですか?」

 

 オバちゃんは手に持っていた紙を渡してくる。どうやら手紙の様だ。

 

竜太:「"このままイナズマジャパンにいる自信がありません"だって?!」

 

九坂:(森村っ・・・・・・)

 

オバちゃん:「あの子・・・大丈夫かね・・・?」

 

葵:「さっき会った時に連れてくれば良かった・・・」

 

天馬:「葵・・・・」

 

 そして俺たちは好葉のことについて話し合うことにした。

 

瞬木:「このまま辞めたほうが、森村さんのためになるのかな?」

 

真名部:「彼女には性格的にもスポーツ自体が向いてないと思いますよ?」

 

皆帆:「確かにね・・・。彼女からは闘争心という物を感じない。そういう競技自体向いてないんだろうね」

 

九坂:「・・・・・皆、アイツのこと何も分かってねぇんだな」

 

皆帆:「? どういうこと?」

 

九坂:「アイツは大した奴だよ。俺が何に恐がっていたのかを、ひと目で見抜いたんだから・・・」

 

天馬:「九坂・・・」

 

九坂:「アイツと俺の悩んでた物って、なんか似てる気がするんだよな。"自分に向き合えない"っつーか・・ホントは森村は、仲間や友達と一緒になにかするのは好きなんじゃねぇかな・・・?」

 

 

天馬:「オレ、探しに行ってくるよ。皆は練習してて?」

 

九坂:「いや、オレも行きます!!」

 

瞬木:「オレも行くよ。あんな手紙残したせいで、戻るに戻れなくなってたらかわいそうだし・・・・」

 

竜太:「俺も行くよ。他のみんなは・・「おっと、俺も行くぜ?」鉄角・・よし、行くぞ!!」

 

葵:「好葉ちゃん・・・っ!? 水川さん?」

 

水川:「森村好葉は人を恐がってる。特に女の子を・・・故に、あなたのことも」

 

葵:「っ!? 女の子を・・・?」

 

水川:「マネージャーならそれくらい気づかなくては・・・」

 

葵:「・・・・・・・・」

 

 そして俺たち5人と葵は手分けして好葉を探しに出かけた。

 

ー ミーティングルーム ー

 

皆帆:「真名部くんは行かなかったんだ?」

 

真名部:「仮にボクが見つけたとしても、ボクには彼女の心に響く言葉を用意できない。だから適材適所で任せたまでです。皆帆くんも同じ考えなんでしょう?」

 

皆帆:「まぁね・・・で? これはマッハタイガーのデータだよね? 何か面白いことが分かったって顔だね・・・・?」

 

真名部:「ええ。 まだ仮説の段階ですが・・・この大会に違和感がありましてね」

 

 

 

 

 あれから数十分探し回ってるがどこにもいない。電話で連絡を取ったが鉄角や瞬木も見つからないそうだ。

 

 

九坂:「いねぇ・・・どこかアイツの行きそうなとこ・・・・」

 

天馬:「考えてみたらオレもあんまり話したこと無かったからな・・・」

 

竜太:「それを言うならオレもだ・・・」

 

葵:「私・・マネージャー失格かも・・・」

 

天馬:「!! そんなこと言ったら・・俺だってキャプテン失格だよ・・・・」

 

九坂:「そんなこと言ってたって仕方無いっすよ・・なにか思い出せること・・「あっ!?」っ! ん?」

 

 見ると、九坂の足に小さな女の子がぶつかってしまっていた。

 

女の子:「ご、ゴメンナサイ・・・」

 

九坂:「大丈夫だよ・・ほら、ニンジン落としたぞ?」

 

葵:「お使い? エライわね?」

 

女の子:「ううん!! ロバさんのオヤツなの!!」

 

 ロバ?

 

女の子:「アッチにロバさんとかウサギさんがいるの!! お腹すかせてるから行くね?」

 

 そして、女の子は走っていった。

 

竜太:「天馬、確か好葉って・・・」

 

天馬:「動物好き・・・」

 

天馬・竜太・九坂・葵:「「「「動物園!!」」」」

 

 そして、俺たちは動物園に直行した。

 

ー 続く ー




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第33話:不可解な大会

 俺たちが好葉を探して動物園に入ると、すぐそこのふれあいコーナーに見知った後ろ姿が・・・

 

葵:「あ! 好葉ちゃん、良かったぁ・・・」

 

九坂:「っ!!」

 

 そして九坂と天馬が好葉に近づく。が、

 

竜太:「おい、やっぱり・・空野の方が女の子同士話しやすいんじゃないか?」

 

九坂:「あ・・言われてみればそうか」

 

葵:「っ!! 私はダメ!! 好葉ちゃん、女の子が恐いらしいの・・・・」

 

天馬:「え? どういうこと・・・・・?」

 

葵:「分からない。けど、もしかしたら何かトラウマがあるのかも」

 

 話し合いの結果、キャプテンの天馬が行くことになった。

 

 

好葉:「サッカーやめても、必ず会いに来るからね・・・「本当に動物が好きなんだね?」っ!! キャプテン・・・」

 

天馬:「オレも動物好きだよ? ウチに犬がいてさ、サスケって名前なんだけど結構な老犬だからいつもぐで~って寝転がってて・・・けどかわいいんだよな」

 

好葉:「・・・ウチは違う。 動物は悪口言わないし、かわいいとかかわいくないで人を区別したりしない」

 

天馬:「好葉・・・・何があったか、話してくれないかな? キャプテンとして、チームメイトのことは知っておきたいんだ。 何か悩みがあるなら力になるよ!!」

 

好葉:「ウチの顔・・・苛つくんです」

 

天馬:「え?」

 

好葉:「お前を見てるとイライラする、イラつかせるお前が悪いんだって・・・前にウチをイジメた子が、そう言ってたんです・・・・」

 

天馬:「好葉・・・・オレも、チームのみんなも、誰も好葉をそんな目で見てないよ!!」

 

好葉:「今は良くても・・・またそうなります・・」

 

 森村・・・・そんな過去があったのか・・・・。その時、

 

九坂:「あ〜っもう!! 見ちゃいられねぇ!!」

 

 そして、九坂が好葉のもとに歩いていった。

 

九坂:「森村!!」

 

森村:「っ!! く、九坂くん・・・・」

 

九坂:「もっと俺たちを信じろよ!! お前、俺に言ってくれたよな? 俺が・・恐がってるって。お前だって同じじゃねぇか・・・思いっきり恐がってるじゃねぇか」

 

森村:「・・・・だから分かったの。九坂くんはウチと一緒だって」

 

九坂:「だったら向き合えよ!! 俺だってそうしたんだぜ?!」

 

森村:「ウチには・・・無理だよ」

 

九坂:「無理じゃねぇよ!! 森村が言ってくれたから・・・俺・・何も恐く無くなったんだぜ!?」

 

森村:「ウチは、九坂くんとは違う・・・」

 

九坂:「クッ、・・・あ〜もう・・イラ付くんだよな、そういうの!!「九坂!!」あっ!!」

 

森村:「イラつく・・・・やっぱりウチは」

 

 そして、好葉は走っていってしまった。

 

葵:「好葉ちゃん!! 私、行ってくる!!」

 

 空野も森村を追い掛けて走っていった。

 

九坂:「くそっ・・・やっちまった・・・」

 

竜太:「九坂、気持ちは分かるが・・・ありゃアウトだぞ・・・・」

 

九坂:「ああ・・・・・」

 

天馬:「言ってしまったものは仕方無いよ。追いかけよう!!」

 

 そして、俺たちも2人を追い掛けた。

 

 

〜 その頃 〜

ー ミーティングルーム ー

 

皆帆:「これはマッハタイガーのこの前の試合だよね?」

 

真名部:「ええ。そしてこれが、マッハタイガーのこの大会の前の試合映像です」

 

 映像を見ると、明らかに動きが全く違った。

 

真名部:「あえて似たようなシーンを選んだんですが・・・気づきませんか?」

 

皆帆:「確かに、キレが全く違う気がする・・・・」

 

 そして真名部くんはタブレットを操作して画面を変える。

 

真名部:「・・・コレは、マッハタイガーのエースストライカー、タムガンの大会前のデータです。これに、大会が始まってからのデータを重ねると・・・」

 

皆帆:「!!」

 

真名部:「シュート力、スピード、パス成功率、全てにおいて、それ以前を遥かに凌駕しています」

 

皆帆:「まるで別人だ・・・」

 

 そして真名部くんは再び画面を変える。

 

真名部:「そしてコレが、マッハタイガー全員のデータです」

 

皆帆:「全員・・・同じ事が起きてる」

 

真名部:「全員ですか・・・では、もしこれが・・・この大会に出場した全てのチームに同じ事が起こってるとしたら、どう思います?」

 

 そしてまた真名部くんは画面を変える。

 

真名部:「これはビッグウェイブスの・・・」

 

真名部:「ファイアードラゴンも・・・」

 

 ボクたちが戦った今までのチームにも、同じ事が起きていた事を指していた。

 

皆帆:「ボクたち・・・とんでもない事に気づいちゃったのかな・・・・」

 

真名部:「ええ・・・・」

 

?:『・・・・・・・・・』

 

 

〜 その頃 〜

 

森村:「やっぱり・・・ウチはイラ付くんだ・・・ ミャ〜オ っ!! ネコちゃん?!」

 

九坂:「森村!! っておいあれ!!」

 

 見ると、ネコが森村の所へ行こうと車道に飛び出そうとしていた。

 

森村:「ネコちゃん来ちゃだめ!! 車が!!」

 

 しかし、無情にもネコは来てしまう。

 

 ブッ、ブ〜ッ!!

 

 大きなクラクション音が鳴り、大型トラック画突っ込んできていた。

 

森村:「ね、ネコちゃん!!」

 

九坂:「も、森村やめろ!!」

 

竜太:「森村!!」

 

葵:「好葉ちゃん!!」

 

どんどん近づくトラック。好葉はなんとかネコを抱きかかえると・・・

 

森村:「っ!!」ドンッ!! ダダダダダ!!

 

竜太:「?!」

 

 好葉は物凄いスピードでダッシュし、安全圏に脱出。ネコも好葉も無事だった。

 

ミャーオ

 

森村:「もう、道路に飛び出したらダメだよ・・・?」

 

九坂:「森村!!」

 

森村:「っ!! 九坂くん・・皆」

 

天馬:「何だ今の・・・」

 

竜太:「ああ・・・凄い動きだったな」

 

 

葵:「好葉ちゃん!! ごめんね・・・好葉ちゃんの辛い気持ちを分かってあげられなくて・・・・」

 

森村:「え? いや、そんな・・・」

 

葵:「私、約束するよ!! 絶対に好葉ちゃんを裏切らないって!! すぐに信じてなんて言わない。でも、もう少しみんなとサッカーしてみない?」

 

天馬:「そうだよ!! せっかくここまで来たんだ、一緒に準決勝を戦おう? このままやめてしまったら、好葉は二度とサッカーやらないだろ? オレ、好葉にサッカーを好きになって欲しいんだ!!」

 

九坂:「ああ!! 俺からも頼む。 さっきのアンタの動き、見ててぶっ飛んだぜ。 あれなら、世界の強豪にも絶対に通用する!!」

 

 数秒、好葉は考え込み、そして・・・・

 

森村:「はい・・・」

 

 森村は、チームに戻ってきた。

 

ー グラウンド ー

 

天馬:「瞬木!!」

 

瞬木:「うん!! 森村さん!!」

 

森村:「あっ、あわやややや・・・」ドシャッ

 

 

水川:「うまく説得できたみたいね」

 

葵:「説得なんかしてません・・・・」

 

 森村が土を払って起き上がろうとした所に、

 

天馬:「好葉!!」

 

 天馬が手を差し伸べ、森村は手を握って立ち上がる。

 

天馬:「よし!! 再開だ!!」

 

鉄角:「よっしゃ!! 気合入れるぜ!!」

 

真名部:「練習で気合を入れすぎると、失速します!!」

 

鉄角:「何!? この期に及んで出し惜しみをしてどうする!!」

 

真名部:「出し惜しみじゃありません。本番に備えて力をセーブしてると言ってください」

 

鉄角:「ああ!?」

 

 なんだかんだ言いながら、チームがいい感じになってきてるな・・・・・。

 

 

ー 監督室 ー

 

?:『彼らの中には、この大会の不可解さに気づき始めてる者がいる。どうなさるおつもりで?』

 

黒岩:「・・・・・・・・・・」

 

ー 続く ー



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第34話:開戦!vsマッハタイガー!!

 翌日、練習時間になりみんなでグラウンドでウォームアップのストレッチをしていた。

 

ピッピッピッピッ!

 

 空野が吹く笛の音に合わせてアキレス腱を伸ばす。

 

葵:「はい反対!!」

 

ピッピッピッピッピッ!!

 

九坂:(森村・・・・・・・)チラッ

 

森村:「・・・・・・・・・・」グッグッグッグッ!

 

天馬:(九坂?)

 

 そしてストレッチを終え、

 

九坂:「なぁ、森村・・」

 

森村:「へっ!? はわわわわわ・・・・」

 

九坂:「お、おい!! 逃げないでくれ・・・っ! ハァ~」

 

 やっぱまだ引き摺ってるよなぁ・・・・。

 

葵:「まだあんな調子なの?」

 

九坂:「はい・・・・・」

 

伊吹:「九坂なんかしたのか?」

 

九坂:「・・・森村が今あんなになってるのは、俺が不用意にイラつくって言ったからなんだ・・・」

 

鉄角:「九坂、それはひどいぞ・・・」

 

皆帆:「確かにデリカシーに欠けるね」

 

真名部:「森村さんには100%のダメージを与える言葉です」

 

九坂:「そうなんだよなぁ・・・謝りたいんだけど、アイツ俺を避けてるし・・」

 

真名部:「なら、2人にn・・「2人きりになるシチュエーションを作るべきだね」ボクの台詞盗らないで下さい!!」

 

 そして練習後、

 

皆帆:「じゃあここで待ってて? ボクが森村さんを連れてくるから」

 

九坂:「いや、だからアイツ俺を見ると逃げ出すんだって・・「大丈夫。おそらく森村さんはビックリして固まるから。その隙を逃さないでね?」・・・分かった」

 

ミャ〜オ!

 

森村:「あっ、ネコちゃん・・・!!」

 

皆帆(九坂くん・・・・!!)

 

フミャーッ!!

 

ニャーッ!?

 

森村:「あっ、ケンカしちゃダメ!!」

 

 そして森村はどこかに行ってしまった。

 

皆帆:「・・・・ネコの気持ちは考えに入って無かったよ」

 

 

九坂:「で? 今度はなんでこんなところに?」

 

真名部:「森村さんが木陰の道が好きだからです。統計学上のデータによれば、86.5%の確率で3分後に森村さんがここを通ります。九坂くんはただ待っていれば良いんです」

 

九坂:「だから・・アイツ俺を見ると逃げちまうんだって!!」

 

真名部:「大丈夫です。森村さんの性格的に99.98%パニックを起こして固まります。それを逃さないでくださいね?」

 

 3分後・・・・

 

森村:「・・・・・・・」テッテッテッ

 

真名部:(来ましたよ・・・・・)

 

九坂:(よ、よし・・・)

 

 すると、宿舎のオバちゃんが買い物袋を持って現れ、

 

オバちゃん:「あら好葉ちゃん良いところに。これ運ぶの手伝って?」

 

九坂:(あぁ〜〜〜〜っ!!)

 

真名部:「オバちゃんの事は計算に入れてませんでした・・・・・」

 

 結局それから九坂は謝ることができず、そのまま準決勝の日を迎えてしまった。

 

 

ー ホーリーロードスタジアム ー

 

王将:「おまたせいたしました!! "フットボールフロンティアインターナショナルビジョンツー"も、いよいよ準決勝!!本日は我らが日本代表イナズマジャパンvsタイ代表マッハタイガーの試合が行われます!!」

 

ナパ:「イナズマジャパンか・・・よくここまで勝ち上がって来られたものだな」

 

竜太:「何?」

 

ナパ:「だが、最後に笑うのは俺たちだ!!」

 

イナズマジャパン:『・・・・・・・・』

 

王将:「選手がポジションにつきました」

 

フォーメーション

マッハタイガー

 

GK         ウドム

 

DF   ナデート  ナパ   ヤム

 

ボランチ   ナワット  サリット

 

MF チャパティ        サラナ

MF     サゴット  バーク

 

FW        ダムガン

 

イナズマジャパン

 

FW      剣城    瞬木

 

MF    九坂   天馬   竜太

 

ボランチ       神童

 

DF  森村   皆帆  真名部  鉄角

 

GK         伊吹

 

 

 

 

彼方:「行けーーーっ!! 竜太ーーーっ!!」

 

歩夢:「頑張れーーー!」

 

 

王将:「さぁ、マッハタイガーのキックオフから試合開始です!!」

 

 ピィイイイーーーッ!!

 

 そして、開始のホイッスルが鳴ると同時にマッハタイガーのエースタムガンがドリブルで突撃してくる。

 

タムガン:「勝つのは俺たちだぁっ!! ホワチャアッ!!」

 

天馬:「止める!!」

 

 天馬が急いで止めに入るが、鮮やかなルーレットで抜かれてしまう。

 

九坂:「このッ!!」

 

 今度は九坂がスライディングを仕掛けるが、これもジャンプで躱される。

 

神童:「行かせない!! [アインザッツ]!!」

 

 今度は神童先輩がディフェンスに入る。必殺技で見事にボールを奪い取った。

 

王将:「今度はイナズマジャパンが攻撃に出たぁっ!!」

 

神童:「天馬!!」

 

 そしてパスは天馬に繋がる。

 

神童:(? おかしい・・・何で誰もディフェンスに入らないんだ?)

 

剣城:「天馬!! こっちだ!!」

 

天馬:「剣城!!」

 

 そして、天馬から剣城にパスが出たタイミングでマッハタイガーが動いた。

 

ナパ:「ウ、ワチャァッ!!」

 

天馬:「なっ!?」

 

王将:「ナパカットしたぁっ!! なんという跳躍力だぁっ!?」  

 

ナパ:「タムガン!!」

 

 そしてパスをカットした空中からそのまま前線へのロングパスが飛び、マッハタイガーの絶好のカウンターになった。

 

王将:「マッハタイガーのカウンター攻撃だ!! ボールはサゴットへ!!」

 

天馬:「皆戻れ!! ディフェンスだ!!」

 

森村:(!! ディフェンス・・・・)

 

サゴット:「退けぇっ!!」

 

森村:「ひっ!!」

 

 そして、萎縮してしまった森村は素通りを許してしまった。

 

サゴット:「タムガン!!」

 

王将:「タムガンへのセンタリング!! これはチャスだぁっ!!」

 

タムガン:「決める!!」ドカァアアッ!!

 

タムガンのシュートがゴール目掛けて突き進む。しかし、

 

伊吹:「やらせるか!!」ガシイッ!!

 

王将:「止めたぁ!! 伊吹ナイスセーブだ!!」

 

 

エマ:「ナイスセーブ!! 伊吹くん!!」

 

伊吹:「鉄角!!」

 

王将:「これは激しい試合になってきた!! 神童を中心に攻め上がるイナズマジャパン、鋭いカウンターで一気にゴールを狙うマッハタイガー!! 前半の試合時間はどんどん無くなっていくぞぉ!!」

 

天馬:「神童さん!!」

 

神童:「[フォルテシモ・S]!!」ドカァッ!!

 

 神童先輩の最終進化状態の[フォルテシモ]がマッハタイガーのゴールを襲う。

 

ウドム:「[キラーエルボー]!!」

 

 ウドムがボールに対して切るように肘打ち。するとボールは真っ二つに斬られシュートは止められた。

 

神童:「くっ・・・・」

 

 

雄太:「もう、何やってんだよ!!」

 

瞬:「兄ちゃんが決めて!!」

 

ウドム:「カウンターだ!!」

 

そしてウドムのゴールキックからボールは一気にタムガンへ。皆帆と真名部が2人でディフェンスに入るが、

 

タムガン:「甘いな!!」ギュンッ!!

 

皆帆:(予想してたよりも速い!!)

 

真名部:(計算を間違えた!?)

 

 そしてタムガンはシュート体勢に入る。格闘技のムエタイの様な構えから空中でボールに思い切り飛び膝蹴り。象の雄叫びと共にシュートが突き進む。

 

タムガン:「[アイボリークラッシュ]!!」

 

伊吹:(そっちだと!?)

 

 伊吹は右だと読んでいたが逆を突かれてしまい、シュートはゴールに突き刺さってしまった。

 

王将:「ゴォオオオオルッ!! マッハタイガーが先制点だぁっ!!」

 

伊吹:「くそおっ!!」

 

皆帆:(ボクのミスだ・・・・)

 

真名部:(まさか僕の計算が狂うなんて・・・・)

 

 

イナズマジャパン 0 ー 1 マッハタイガー

 

ー 続く ー




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第35話:フィールドの告白

 マッハタイガーとの準決勝が始まり、前半中盤で1点を先制された俺たち。

 イナズマジャパンボールのキックオフから試合再開。

 

王将:「イナズマジャパンボールから試合再開です!!」

 

竜太:「相手はカウンターを狙ってるみたいだな・・・」

 

神童:「隙があれば、俺が〈神のタクト〉で指示する。見逃すなよ?」

 

イナズマジャパン:『おう!!』

 

 そして試合再開し、瞬木がドリブルで攻め上がる。

 

瞬木:(とにかく点を決めなきゃ始まらない!! 俺が決めてやる!!)

 

 すると、ナパとヤムが瞬木に背を向けて自分たちのゴール目掛けて走った。

 

瞬木:(チャンスだ!!)

 

 そして瞬木はシュート体勢に入る。軽やかな動きからどんどん上へと昇っていき、シュートを蹴り落とす。

 

瞬木:「[パルクールアタック]!!」

 

 シュートは、マッハタイガーゴールに迫る。

 

ヤム:「掛かったな!! ナパ!!」

 

ナパ・ヤム:「「[デスサイズミドル]!!」」

 

 2人の蹴りから放たれた衝撃波がボールに直撃。シュートを撃ち落として止めてしまった。

 

瞬木:「なにっ!?」

 

ヤム:「カウンターだ!! チャパティ!!」

 

 そしてボールはチャパティにわたる。

 

 

森村:「と、止めなきゃ!!」

 

 森村が小走りで向かっていくが、

 

チャパティ:「退きな!!」

 

森村:「ひっ!!」

 

 そして森村はまたしても素通りさせてしまう。

 

チャパティ:「ふん、楽勝だね・・・「させるか!!」なっ!!」

 

 しかしここで九坂のナイスカバー。スライディングで弾いてボールを外に出す。

 

九坂:「森m・・・っ!!」

 

森村:「グスッ ヒッグ・・・」

 

 森村は泣いていた。

 

九坂:「(くそっ!! なんとかしないと・・・)キャプテン!! 俺、森村を助けてやりたいんです!!」

 

天馬:「ああ!! カバーは任せるよ・・・「そうじゃなくて!!」えっ?」

 

九坂:「俺が不用意に言った事が、アイツを傷つけちまった・・・俺は、アイツに伝えたいことがあるんです!!」

 

天馬:「九坂・・・だったら今がチャンスだ「えっ、今?」ああ!! 試合中は、フィールドからは逃げられない!!」

 

九坂:「っ!! そっか・・そうっすよね!! 分かりました!!」

 

 すると、九坂は怒髪天モードを発動して森村に向かっていく。

 

怒髪天九坂:「うぉおおぉおおおおっ!!」

 

森村:「ヒィッ?!」

 

 そして、九坂が森村の前で立ち止まると、

 

怒髪天九坂:「森村!! 俺は、"お前が好きだ!!"」

 

森村:「・・・・・へ?」

 

天馬:「え?」

 

怒髪天九坂:「お前はあったかいし、顔もかわいい!! 俺の彼女にしてやるから、元気だせ!!」

 

天馬:「え・・・・」

 

会場:『『『『『『『ええぇええぇええぇええぇえええぇえええっ!!?!!!?!?!?!?!!?!?』』』』』』』

 

怒髪天九坂:「言いたいのはそれだけだ・・・」

 

 おいおい・・・・あっ、森村の顔がどんどん真っ赤になってる。

 

真名部:「森村さんを気にしてたのは恋だったというわけですか・・・」

 

皆帆:「これだから人間の感情というものは面白いよね・・・・」

 

 

森村:(こんなウチを・・・好きになってくれる人がいる・・・・)

 

船木:「なにをやってるんだ試合中に?!」

 

葵:「・・・誰かが見ててくれるんだね。自分じゃ気づかない良いところを」

 

水川「そうね・・・・」

 

 

王将:「さて、マッハタイガーのスローインから試合再開です!!」

 

 そしてバークのスローインからボールはナパに。

 

王将:「おっと、DFのナパが前線に上がってきていた!!」

 

ナパ:(浮ついた奴らめ・・ここが真剣勝負の場だということを思い知らせてやる!!)

 

王将:「ナパ、ドリブルで斬り込んでいく!!」

 

天馬:「好葉!! 行ったぞ!!」

 

怒髪天九坂:「森村!! お前ならできる!! 絶対にできる!!!」

 

森村:「ウチが・・・・うん!!」

 

ナパ:「お前など蹴散らしてやる!!」

 

 ナパの巧みなボールさばき。しかし好葉は冷静に動きを見て全てついて行ってる。

 

 まじかアイツ!!

 

サゴット:「こっちだナパ!!」

 

好葉:「あっ、ダメ!! あ、うわわわぁああっ!!?」

 

 するとコケた好葉が高速回転。どこからか木の葉が大量に集まり大きな玉に。そしてナパを轢いた。ボールは玉が解かれた好葉の前に転がっていた。

 

森村:「えっ・・・ウチが?」

 

ナパ:「バカな!? こんな奴に!!」

 

王将:「止めたぁっ!! 森村がチームの危機を救ったぞぉ!!」

 

天馬:「好葉!! コッチだ!!」

 

 そして天馬にボールが渡り、神童先輩が指揮する。

 

神童:「〈神のタクトFI〉!! 鉄角!!」

 

鉄角:「分かった!!」

 

神童:「竜太!!」

 

竜太:「はい!!」

 

神童:「剣城!!」

 

王将:「ここでボールは剣城に渡ったぁ!!」

 

ナデート:「シュートは撃たせない!!」

 

剣城:「ふっ、決めろ!! 九坂!!」

 

 ここで剣城は九坂にバックパス。しかし九坂に巨漢のサゴットがタックルしてくる。

 

怒髪天九坂:「ぐっ、うぉおあぁああっ!!」ドキャアッ!!

 

 しかし、サゴットを返り討ちにした九坂はそのままシュート体勢に入る。前傾姿勢で首の後ろに乗せたボールを上体を起こす勢いで跳ね上げ、落ちてきたところに強烈なヘディングを叩き込む。

 

怒髪天九坂:「[キョウボウヘッド]!!」ドガァアァアアンッ!!

 

シュートはマッハタイガーゴールに一直線。キーパーウドムは必殺技で応戦する。

 

ウドム:「[キラーエルボー]!!」

 

 ウドムの肘がボールに炸裂するが、勢いは死なずにウドムの顔面に直撃してシュートはゴールに突き刺さった。

 

王将:「ゴーーーールッ!! 日本、九坂のシュートで同点に追いついたぁっ!!」

 

 そしてここで前半終了の笛が鳴った。

 

 皆がベンチに戻る中、

 

森村:「あ、あの!! 九坂くん!!」

 

九坂:「っ!!」

 

森村:「く、九坂くんの気持ち・・・ありがとう。でも、彼女になるのは・・ダメです!! ごめんなさい!!」

 

 振ったぁ!?

 

九坂:「っ・・・・」

 

森村:「あ、あわわわ・・・・ ?」

 

九坂:「ま、良いか。お前が元気になってくれれば」

 

森村:「九坂くん・・・・」

 

九坂:「その顔、笑っていこうぜ?」

 

 そして、九坂がベンチに座ると、鉄角が九坂にドリンクを差し出し、

 

鉄角:「お前は(おとこ)だ!!」

 

九坂:「っ! おう!!」

 

森村:(ゴメン九坂くん。今はまだ、自信がない。でも、もう少し自分を好きになれたら、必ず九坂くんの気持ちに向き合うから!!)

 

 

タイ監督:「呑気な物だな・・・自分たちの勝敗が、運命を左右すると言うのに・・・・」

 

ナパ:「な〜に、コテンパンに叩いてやりますよ!!」

 

皆帆:「・・・・・・」

 

真名部:「どうしたんです?」

 

皆帆:「いや、後半の戦いがちょっと気掛かりでね」

 

真名部:「皆帆くんもですか・・・森村さんのディフェンスを計算に入れれば、優勢なのはこちらのハズなんですけどね・・・・・」

 

黒岩:「・・・皆帆、真名部」

 

 

 

ー 前半終了 ー

イナズマジャパン 1 ー 1 マッハタイガー

 

ー 続く ー




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第36話:難問

 前半戦を同点で折り返し、もうハーフタイムが終わるという時、

 

皆帆「・・・・・・・・・」

 

真名部「どうしたんですか皆帆くん?」

 

皆帆「いや、ちょっと気掛かりなんだ。後半の戦いが・・・」

 

真名部「皆帆くんもですか。森村さんのディフェンスを計算に入れれば、優勢なのはコチラのはずなんですがね・・・・・」

 

黒岩「・・・・・真名部、皆帆」

 

皆帆「はい?」

 

黒岩「見出すんだ・・・お前たち2人で、勝利への解法をな・・・」

 

真名部「勝利への・・・・」

 

皆帆「解法・・・・?」

 

 そして、後半戦のため、選手がフィールドに出る。

 

王将「さぁ、得点は1ー1の同点。イナズマジャパンvsマッハタイガー、運命の後半戦開始だぁっ!!」

 

竜太「皆!!点取っていくぞ!!」

 

イナズマジャパン『おう!!』

 

 

ナパ「俺たちの恐ろしさを、そろそろ見せてやらないとな!! 勝つのは俺たちだ!!」

 

マッハタイガー『おう!!』

 

 そして開始のホイッスルが鳴り、剣城がドリブルで攻め上がる。が、そこにバークがディフェンスに入る。

 

バーク「ホワチャアッ!!」

 

剣城「何っ!?」

 

 バークの格闘技のような鋭い足技にボールを奪われた剣城。

 

王将「バークがボールをカット!! そのままドリブルで攻め上がる!!」

 

天馬「後半は攻撃重視か!! させない!!」

 

すぐさま天馬がカバーに入ると、

 

 スライディングを仕掛けた天馬をトリッキーなジャンプで躱し、そのまま進む。

 

バーク「タムガン!!」

 

ボールがタムガンに渡り、背後からサゴットとバークが攻め上がる。

 

王将「タムガン、どっちにパスを出すかぁっ!?」

 

真名部・皆帆「「・・・・・・・・」」

 

タムガン「サゴット!!」

 

王将「おっと、真名部と皆帆動くことが出来ない!!」

 

サゴット「貰った!!」

 

しかし、ここで好葉が止めに掛る。

 

森村「[このはロール]ッ!!」

 

 空中で高速回転した森村に葉が集まり玉になり、そのまま転がりサゴットを轢く。森村がボールを弾き、ボールはサイドラインを割った。

 

竜太「森村ナイスカット!!」

 

真名部「フム・・・・「おい!!」?」

 

九坂「さすがに何も動かないってのは無しだろ?」

 

真名部「まずは相手の動きの解析が先決です」

 

皆帆「それに、後ろに森村さんがいたからね。安心して集中できたよ」

 

九坂「そ、そうか・・・・」

 

森村「っ/// あ、ありがとうございます・・・・」

 

 そして試合再開し、ボールを、奪い取った天馬がドリブルで攻め上がる。

 

天馬「剣城!!」

 

 ボールは剣城に渡る。しかし、

 

ナパ・ヤム「「[デスサイズミドル]!!」」

 

2人のシンクロした蹴りから生み出された刃が剣城をはじき飛ばしてボールを奪い取る。

 

ヤム「サリット!!」

 

サリット「タムガン!!」

 

 流れるようにパスを回し、再び先程の形へ。

 

王将「さあ、タムガン!! 今度はどちらにパスを出す?」

 

皆帆「パスの方向を見極めるには、どちらの足に重心を掛けるか・・」

 

真名部「その分析、不確定要素が多すぎます!! 走り込む味方の角度と速度から・・・」

 

真名部・皆帆「「右だ!!」」

 

タムガンは右のバークにパスを出す。しかしこれは鉄角がカットする。

 

真名部「ギリギリか・・・・・」

 

皆帆「キミが余計な事を言わなければもう少し速かったんだけどね」

 

真名部「それはボクのセリフです」

 

 その時・・・・

 

真名部父・母「「・・・・・・・・・」」

 

 

タムガン「サゴット!!」

 

サゴット「よしっ・・・「甘い!!」くっ!!」

 

天馬「ナイスカットです神童さん!!」

 

神童「速攻で行くぞ!!〈神のタクトFI〉!! 竜太!!」

 

竜太「ハイッ!!」

 

サラナ「させるかッ!!」

 

 しかしサラナが飛び蹴りでボールを弾き、カウンターは不発に終わる。

 

瞬「今の隼人兄ちゃんだったら行けたのに・・・・」

 

雄太「だよな瞬、お前の言うとおりだ・・・・」

 

 

 弾かれたボールはナワットに渡りそのままドリブルで攻め上がる。

 

ナワット「タムガン!!」

 

 そしてまたしてもタムガンを先頭にサゴットとバークが背後から走る。

 

タムガン「見せてやる!! 俺たちの真骨頂を!!」

 

だが、今度は3人が一斉に跳躍。しかも・・・高い!!

 

皆帆(っ!! あそこまで高く飛ばれると、軸足から判断するのはムリだ!!)

 

真名部(走り込む角度も速度も全く同じ!? ここから傾向を読み取ることは・・・)

 

タムガン「ふっ、バーク!!」

 

バーク「ふっ、行けっ!!」

 

しかしバークはサイドを切り替えるパスを空中で出す。

 

ボールはチャパティへ・・・、だが

 

ギュンッ!!

 

森村「!?」

 

 必死に足を伸ばして森村を躱すようにボールがカーブ。ボールはサゴットへ。

 

 そして今度はサゴットを先頭に飛ぶ。後ろからはサラナとナパが飛ぶ。

 

皆帆(どっちにパスを出すんだ・・・・)

 

真名部(読めません・・・・・っ!!)

 

が、

 

竜太「!? おい!! 中にタムガンが走ってるぞ!!」

 

真名部・皆帆「「しまっ!?」」

 

サゴット「タムガン!!」

 

タムガン「ガラ空きだぜ!! [アイボリークラッシュ]!!」

 

 象の雄叫びとともに、タムガンの必殺シュートがゴールを襲う。伊吹は[ワイルドダンク]の体勢に入るが、

 

伊吹「[ワイルド・・・ギュンッ 速いっ!?」

 

 間に合わずに、シュートはゴールに突き刺さった。

 

王将「ゴーールッ!! 2点目はマッハタイガー!! トリッキーなパス回しから、タムガンが見事にシュートを決めたぁっ!!」

 

瞬「は、入っちゃった・・・・」

 

雄太「嘘だろ・・・・・」

 

伊吹 ガッ!「くそっ!!」

 

 伊吹は悔しさでフィールドを殴り付ける。

 

瞬木「なんだよ・・・あの動き・・・」

 

竜太「俺でもボールの動きが分からなかった・・・」

 

天馬「皆!! まだ諦めちゃだめだ!!気を引き締めて行こう!!」

 

皆帆「次こそ読んで見せる・・・・」

 

真名部「彼らの傾向と対策を・・・」

 

 

 そして持ち場に戻る途中・・・・

 

皆帆「・・・・? アレは、君のお父さんとお母さんじゃないの?」

 

真名部「? ・・・っ!? パパ、ママ・・何でこんなところに・・・、そ、そんなことより・・勝利への解法を見つけ出す事が先決です。集中しましょう・・」

 

皆帆(・・・・・・・・)

 

瞬木「あんなとんでもない動きの奴らに、どう攻めていけば良いんだ・・「瞬木!」?」

 

竜太「FWが焦りやいらだちを見せるな。平常心を保て・・」

 

瞬木「だけど・・・・」

 

天馬「瞬木・・・・的にマークされる前に、細かいパス回しで繋いで行こう!! きっとチャンスは来る!!」

 

神童(それでいい。天馬・・・)

 

そしてイナズマジャパンボールから試合再開。キックオフから俺にパスがくる。

 

竜太「天馬!!」

 

天馬「よし・・「させるかっ!!」なっ!?」

 

 しかしサリットのスライディングでボールを奪われ、すぐさまボールはタムガンへ。

 

皆帆(どこかにあるハズだ・・・判別するヒントが!!)

 

真名部(助走の速度・・・いや、跳躍時の角度か?)

 

真名部「右です!!」

 

しかしタムガンは左にパスを出す。

 

真名部「っ!? そんなっ!!」

 

皆帆「君の予測が外れるとはね・・・」

 

真名部「くっ・・・、っ!!」

 

 

真名部父・母「「・・・・・・・・」」

 

 

 そしてボールはサゴットに渡り、跳躍からパスを出す。

 

真名部「さっきと同じ回転数!! そのボールは右に曲がります!!」

 

森村「!!」ダッ!!

 

しかし、

 

ギュンッ!!

 

真名部「逆!? そんな!!」

 

九坂「うぉおおぉおおおおっ!!」

 

 しかしこれはカバーに入った九坂がヘディングで弾いて外に出した。

 

森村「九坂くんっ!!」

 

九坂「へへっ・・・」

 

皆帆「・・・・どうしたのかな、真名部くん」

 

真名部「キミが余計な事を、ボクに伝えさえしなければ!!」

 

皆帆「真名部くん・・・・・」

 

 

真名部(くっ・・・・)

 

 

イナズマジャパン 1 ー 2 マッハタイガー

 

ー 続く ー




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第37話:勝利への解法

 相手の猛攻に、真名部と皆帆が言い争いを始めた。試合中に何やってんだ!?

 

皆帆「真名部くん・・・もしかして、お父さんと?」

 

真名部「君には関係ありません!!」

 

皆帆(・・・フム)

 

 試合が再開し、サラナがドリブルで攻めてくる所に俺がディフェンスに入る。

 

真名部「右です!!」

 

竜太「了解!」

 

サラナ「ふっ!」ギュンッ!

 

 しかし逆を突かれてしまい俺は抜かれてしまった。

 

竜太「っ! くそっ!!」

 

 しかしなんとかボールを奪い取り、今度は真名部がドリブルで上がる。そこにサゴットがスライディングを仕掛けてくる。

 

真名部(この速度なら躱せる!!)

 

 しかし真名部は避けきれずにボールを奪われてしまいボールはナパへ。

 

真名部「右!! いや、左です!!」

 

 鉄角がスライディングを仕掛けるがジャンプでアッサリと躱されてしまう。

 

真名部「そんなっ!? ボクの計算は・・完璧なはずなのに・・っ!!「真名部くん」っ!」

 

皆帆「君はこの間、僕に言ったよね? 「大人なんて自分の価値観を押し付けて子供を支配する事しか考えてない」って。そして今日僕が君にお父さんが見に来ていることを伝えてから急に崩れた。・・・君は本当は、お父さんに自分を認めてほしいだけなんじゃないの?」

 

真名部「・・・根拠も無いのに、憶測だけで言わないでほしいです」

 

皆帆「君はお父さんが嫌いなんじゃない。"お父さんの期待に応えられない自分が嫌い"なんだ」

 

真名部「っ!!」イラッ

 

 

 そんな間も試合は止まらない。バークがドリブルで仕掛けてきた所に剣城がディフェンスに入る。

 

 そして、

 

 ドガアッ!!

 

剣城・バーク「「ぐあっ!!」」

 

 足同士の接触があり審判の笛で試合は一時中断。マッハタイガーもイナズマジャパンも急いで選手の足を冷却して応急処置する。

 

天馬「剣城・・「勝手なこと言わないでください!!」っ!?」

 

突然の真名部の大声に俺たちは二人の方を見る。

 

九坂「どうしたんだあの二人・・・」

 

瞬木「さぁ・・・・」

 

 

 

皆帆「分からないんだよ。お父さんを避けようとしている君が」

 

真名部「分からないでしょうね!! 今でも父親と仲が良い君には!!」

 

天馬「皆帆! 真名部! 何をやってるんだ!! 今は試合中だぞ!?」

 

 俺と天馬は二人に駆け寄り静止する。が、

 

真名部「いえ、これだけは言わせてください!! 君が父親との仲が良好なのは分かりました。でも、だからといってボクにパパのことで意見しないでください!! 君の父親は、君を理解して褒めてくれるんでしょう? ならそれでいいじゃないですか!!」

 

皆帆「・・・父さんに僕を見てもらいたくても、もう出来ないんだ。父さんは、もう亡くなってしまったから」

 

天馬・真名部「「えっ・・」」

 

竜太(死んだ・・・?)

 

皆帆「僕が幼いときにね。君が羨ましいよ・・・僕は幼い頃から、父さんのようになりたいと思っていたんだ。けど、父さんに追いつこうと思っても僕にはもう父さんはいない。目指すべき目標が、もういないんだ・・・」

 

天馬「皆帆・・・・」

 

竜太(もしも、俺に親父がもういなかったら・・・)

 

 以前の親父が封印されてクロノ・ストーンにされたときを思い出し、恐ろしくなって考えるのをやめた。

 

皆帆「でも、君にはまだおお父さんがいる。お父さんの存在が、君を成長させてくれる。それは僕が良くわかってる」

 

真名部「皆帆くん・・・しかし、この試合でボクが果たして成長できるか・・・勝利への解法だって・・」

 

竜太「本当にそう思ってるのか? まだ、諦めてないなら諦めるな!! お前らなら、きっと勝利への解法を見つけられる!!」

 

真名部「大海くん・・・」

 

 試合の中断が終了し、鉄角のスローインから試合再開。しかし、

 

王将「おーーっと!! タムガンがボールを奪ったぁ!! 息もつかせず攻め続けるマッハタイガーに、イナズマジャパン苦戦を強いられている!!」

 

皆帆「真名部くん、君のお父さんはずっと君を見ているよ? 君が危険なプレーに直面するたびに、ネクタイを弄っている。心配してるんだろうね・・・」

 

真名部「っ!?」

 

皆帆「どうやらお父さんは、君のことを嫌ってはいない様だね」

 

真名部「・・・・・・っ!!」

 

 

 ナワットがドリブルで攻め上がる。しかし天馬がスライディングを仕掛けて止めに掛かる。

 

天馬「ここで止める!!」

 

ナワット「サリット!!」

 

 天馬がボールに足を伸ばすがボールはカーブ。すり抜けてタムガンに渡る。

 

真名部(見出して見せる!! 勝利への解法を!!)

 

 

真名部父『効率よく回答を導き出せ!!』

 

 

真名部「っ!! 皆帆くん!! 君とボク、お互いの予測を補い合う事が、勝利への解法の近道かもしれません!!」

 

皆帆「補い合う・・・面白い!! つまり、観察や行動分析で読み取れる事は僕が!!」

 

真名部「データや数学的な解析は、ボクが引き受けます!!」

 

 

タムガン「悪く思うな? 3点目は俺たちの物だァっ!!」

 

 タムガンを先頭にサゴットとバークの三人が跳躍する。どっちに来るんだ!!

 

皆帆「(見つけた!! 彼は、パスを出すのと逆の手が少し上がるクセがある。つまり・・・)左だ!!」

 

タムガン「なにっ!?」

 

 本当に左に出したタムガン。受け取ったサゴットは反対方向にパスを出す。

 

真名部「(この回転数は・・・)左に曲がります!!」

 

 またしても予想は的中。鉄角が足を伸ばすがこれは届かない。ボールを持ったサリットが攻め上がってくる。

 

真名部「(このスピードとフォーメーションから導き出される答えは・・・)見えました!!」

 

真名部「[ディフェンス方程式]ッ!!」

 

サリット「なにっ!?」

 

 なんと真名部が必殺技を発動。数学的な計算で完璧に相手の動きを読み切り、ボールを奪い取った。

 

瞬木「スゲェ・・・」

 

天馬「やったな真名部!!」

 

バーク「させるかっ!!」

 

 しかしここでバークがディフェンスに入り再びボールはマッハタイガーに、

 

皆帆「真名部くん!! 僕が取り返すよ!!」

 

皆帆「[トレースプレス]ッ!!」

 

 なんと今度は皆帆が必殺技で取り返す。相手の動きのクセから動きを誘導して、隙を作らせてボールを奪った。

 

鉄角「マジか!?」

 

竜太「やるじゃねぇか皆帆!!」

 

剣城「やってくれたな・・あの二人!!」 

 

皆帆「瞬木くん!!」

 

 そしてパスは瞬木に繋がる。

 

ナパ・ヤム「「行かせるか!!」」

 

 しかしディフェンスの二人が同時にスライディングを仕掛ける。が、

 

瞬木「大海くんっ!!」

 

竜太「決める!! [極・オーディンソード]っ!!」

 

 魔法陣からシュートボールとともに黄金の剣が放たれ、ゴール目掛けて突き進む。

 

ウドム「[キラー・・ぐわぁあぁああっ!!」

 

 しかし俺のシュートは凄まじいスピードで相手が技を出す間もなくゴールネットに突き刺さった。

 

王将「ゴォオオオオルッ!! 大海のシュートでイナズマジャパン、同点に追いついたぁっ!! 残り時間は後わずか、試合を制するのはどちらのチームかぁっ!!」

 

タムガン「俺たちに負けは許されないんだ!!」

 

九坂・森村「「止める!!」」

 

 2人が連携してディフェンスを掛ける。しかし、九坂と森村は強引なドリブルに弾き飛ばされてしまう。

 

タムガン「[アイボリークラッシュ]!!」

 

 象の雄叫びと共に、強烈なシュートが襲い掛かる。

 

伊吹「させるかっ!! [ワイルドダンク・V3]!!」

 

 そして伊吹はシュートを完璧に止めた。

 

天馬「ナイスセーブ伊吹!!」

 

竜太「皆気を抜くな!! 後1点、絶対に取るぞ!!」

 

伊吹「鉄角!!」

 

 伊吹のゴールキックからボールは鉄角へ。そしてドリブルで攻め上がる。

 

皆帆「(軸足が深い・・)左!! 行けるよ!!」

 

鉄角「おう!!」

 

 今度は鉄角はバークを抜き去り森村にパスを出す。

 

真名部「九坂くんへパスです!! 成功率は99.2%!!」

 

 そして九坂にパスがつながり、

 

チャパティ「行かせないよっ!!」

 

皆帆「スライディング狙ってるよ!!」

 

九坂「オッケー!!」

 

 九坂が跳躍すると本当にスライディングが来た。躱した九坂は俺にパスを出す。

 

真名部「大海くんの脚力なら勝てます!!」

 

竜太「分かった!!」

 

 そして空中でぶつかり合うが相手をふっ飛ばして攻め上がる。

 

サラナ「くっ!!」

 

竜太「瞬木!!」

 

皆帆「あの表情・・・チャージする気だ!!」

 

瞬木「神童さん!!」

 

サリット「なっ!?」

 

 指示を聞いた瞬木はダイレクトで神童先輩にパスを出す。目論見を潰された相手は驚いた表情をしている。

 

ナワット「止める!!」

 

真名部「間に合いません!! バックパスです!!」

 

神童「剣城!!」

 

 今の、バックパスじゃなかったら間に合わなかった・・・。

 

ナパ・ヤム「「このっ!!」」

 

皆帆「あの動き・・・必殺技くるよ!!」

 

 皆帆の声に驚く二人。またしても的中していた様だ。

 

剣城「天馬! 頼んだ!!」

 

 そしてボールは天馬に繋がる。

 

天馬「任せろ!! [真・ゴッドウィンド]!!」

 

 天馬の爆風を纏った必殺シュートが、マッハタイガーのゴールに襲い掛かる。ウドムは必殺技で応戦する。

 

ウドム「[キラーエルボー]っ!!」

 

 ウドムの肘がボールを切りつける。しかし、ボールはウドムの顔面に直撃し、ゴールに叩き込まれた。

 

王将「ゴォオオオオルッ!! 松風のゴールでイナズマジャパン逆転!!」

 

そして、

 

王将「ここで試合終了のホイッスル!! 3ー2で、イナズマジャパンの勝利! 決勝進出だーーーっ!!」

 

 

ナパ「そんなっ・・・ここまで勝ち進んで来たのに・・・っ!」

 

神童「認めざるを得ないようだな。このチームの可能性を・・・・」

 

竜太「はい・・・!!」

 

 

ー 観客席 ー

 

真名部母「あなた・・・」

 

真名部父「っ、くだらん・・・一刻も早く、球蹴りなど辞めさせなければ・・」

 

真名部母「クスッ でも、あの子なりに頑張ったんじゃありません・・・・?」

 

真名部父「・・・・・・・・」

 

 

真名部「皆帆くん、その・・・ありがとう」

 

皆帆「・・・こちらこそだよ!!」

 

そして真名部は皆帆の手を取った。

 

 

?『・・・・・・・・フッ』

 

イナズマジャパン決勝進出

 

イナズマジャパン 3 ー 2 マッハタイガー

 

ー 試合終了・続く ー




感想・評価宜しくお願いします!!


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コラボ回:時空の狭間

今回は他作者、バシムさんのキャプテン翼サンシャイン!! とのコラボ回です。この物語のキャラクターたちがキャプテン翼の必殺技を使います。

後、パラレルストーンを使う都合上時系列はクロノ・ストーン編という事にしてください。

ではコラボ回始まります!!


ー ある日の晩 ー

 

俺は木枯らし荘の自分の部屋で勉強をしていた。が、そろっと休憩する。

 

竜太「そろっと休憩するか・・・」

 

グワンッ!!

 

!? 何か背後に違和感を感じ、後ろを振り返ると、"C"のマークが入った透明なクリスタルのような物があった。こんなものはさっきまで無かったはずだ・・・。

 

竜太「なんだコレ・・・? 少し調べてみるか・・」

 

俺がクリスタルに近づこうとした瞬間、クリスタルがとてつもない勢いで輝き始める。視界が真っ白になると、何処からともなく声が聞こえてきた。

 

?『パラレルストーンはあったかも知れないもう一つの世界・・・』

 

パラレル・・ストーン?

 

そして、目が覚めると・・・見覚えのある学校のグラウンドにいた。

 

竜太「ここ! 浦の星女学院!?」

 

天馬「竜太!?」

 

竜太「天馬に信介!! 剣城に神童さんも!!」

 

剣城「一体どういうことだ?」

 

竜太「皆なんで・・・「アッ、皆来たね?」!? 果北!! なんでここに?」

 

果北「何を分けのわからないことを言ってるの?今日は私たちとサッカーバトルするって約束してたでしょ?」

 

天馬「え? そんな約束してたっけ・・?」

 

竜太「もしかして・・・ここパラレルワールドなんじゃないか?」

 

神童「そうか!! あのクリスタルか!!」

 

信介「じゃあサッカーバトルして勝てば戻れるのかな?」

 

竜太「やってみるか。悪い、待たせた。じゃあやるか!!」

 

果北「うん!!」

 

サッカーバトル

浦の星サッカー部

 

GK    善美

 

DF    梨菜

 

MF 美歌    千夏

 

FW    果北

 

雷門サッカー部

 

FW 剣城    竜太

 

MF    天馬

 

DF    神童

 

GK    信介

 

果北「じゃあ始めるよ!!」

 

 そして浦の星ボールからバトルスタート。ボールは果北から千夏に渡り、ドリブルで攻め上がってくる。

 

竜太「行かせるか!!」

 

 俺が正面からスライディングを仕掛けるがジャンプで躱す。

 

千夏「美歌ちゃん!!」

 

 千夏からのパスが美歌に飛ぶ。が、

 

剣城「させるか!!」

 

 剣城がカット。そのままドリブルを仕掛ける。

 

梨菜「通行止めよ!!」

 

剣城「(・・・・ここだ!!)大海!!」

 

 剣城からのスルーパスがつながりシュート体勢に入る。[激流ストーム]を撃とうとしたが・・・・

 

竜太「・・・? ッ!? 必殺技が撃てない!?」

 

天馬「ええっ!?」

 

神童「言われてみればオレも[フォルテシモ]を撃てる感覚がしない!?」

 

天馬「俺もだ・・・[マッハウィンド]と[ゴッドウィンド]が撃てない!! 撃てる感覚がしない!?」

 

剣城「俺もだぞ!?」

 

竜太「そんなのどうすれば・・・「貰った!!」しまっ!?」

 

 果北に隙を突かれてボールを奪われたおれ。が、

 

天馬「させるかっ!! [ワンダートラップ・Z]!!」

 

しかし天馬はなぜか必殺技を使い奪い返した・・・ん?

 

天馬「あ、あれ? もしかして・・使えないのシュート技だけ?」

 

竜太「天馬!! コッチに戻せ!!」

 

天馬「竜太!!」

 

再びボールを持った俺。俺が思い切り足を振り上げると、ボールが真っ赤な炎に包まれる。

 

竜太「!? 行けっ!!」ドゴァアァアアンッ!!

 

 燃え盛る炎の弾丸シュートがゴールを襲う。が、

 

善美「[絶・風神・雷神]!!」

 

 善美が呼び出した2体の魔神にキャッチされた俺のシュート。だが今の・・・

 

竜太「なぁ? 今のなんかの漫画で見た気がするんだが・・・」

 

剣城「キャプテン翼か? ・・!? あの漫画の技ならできる感覚があるぞ!?」

 

天馬「本当だ!!」

 

竜太「よく分からねぇけどそういうことなら!!」

 

 善美のゴールキックからボールは果北へ。が、そこに神童先輩が競り合う。

 

果北「甘い!!」

 

競り合いを制した果北はシュート体勢に入る。

 

果北「[絶・シャーク・ザ・ディープ]!!」

 

果北の必殺シュートがゴールに迫る。信介はダメ元で化身の発動を試みる。

 

信介「【護星神タイタニアス・零式】!!」

 

信介「[ー マジン・ザ・ハンド ー]!!」

 

 果北のシュートを止めた信介からゴールキックで天馬にパスが飛ぶ。

 

美歌「やらせないよっ!!」

 

 ディフェンスに入る美歌。しかし天馬は必殺技を発動する。

 

天馬「[真・風穴ドライブ]!!」

 

 美歌を抜き去った天馬は剣城にパスを出す。剣城がシュート体勢に入り、足をこすりながら振り上げると、擦った摩擦で紫電が弾ける。

 

剣城「[雷獣シュート]!!」

 

インパクトの瞬間野獣のオーラが吠え、駆け抜ける野獣と共に紫電を纏ったシュートがゴールへ進む。が、そこに、

 

竜太「【海皇龍ブルーヒドラ・零式】!! アームドッ!!」

 

 俺は化身アームドを発動し、先程のシュートでチェインを挟む。

 

竜太「チェイン!![ファイヤーショット]!!」ボォガァアァアアアンッ!!

 

雷獣シュートを更にアームド[ファイヤーショット]でチェイン。シュートがゴールに迫る。

 

善美「止める!! [絶・風神・雷神・ゴースト]ッ!!」

 

 今度は3体の魔神で止めにかかる善美。

 

善美「ぐぅうぅううぅうううっ!!?!」ズズズ

 

 必死に耐えながらもどんどん引き摺られていく善美。そしてついに弾き飛ばされ、シュートはゴールに突き刺さった。

 

竜太「よしっ!!」

 

 すると、バトルが終わった瞬間白い光に包まれ、気づいたときには・・・

 

ー 竜太の部屋 ー

 

竜太「え、あれ?」

 

あたりを見ると俺の部屋に戻っていた。一体何だったんだ・・?

 

竜太「でも、ちょっと面白かったな・・・」

 

  〜 終 〜




ご清聴ありがとうございました!!

バシムさんの「キャプテン翼!サンシャイン!!」も宜しくお願いします!!


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第38話:強襲! レジスタンスジャパン!!

〜 帝国学園グラウンド 〜

 

某日、帝国学園グラウンドに全国の学校から数人の選手が集められていた。

 

不動「よく集まってくれた。お前たち俺が監督の不動だ」

 

?「こんなメンバーを集めて何なんですか? 不動さ・・不動監督」

 

不動「お前達には、黒岩監督からの要請により、イナズマジャパンと戦ってもらう」

 

?「イナズマジャパンとですか?」

 

 

 

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

 

黒岩「イナズマジャパンと戦ってくれ・・・」

 

不動「分かりました。しっかりと鍛えてやりますよ・・「違うな。鍛えるなど生温い"潰せ"。ダメになっても構わない」っ! どういうことですか"影山さん"いや・・黒岩監督・・・」

 

黒岩「彼らに、伝えておかなければならないことがある・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

?「分かりました。やりましょう!!」

 

集められたチームのメンバーは、全員大きく頷いた。

 

 

後日、俺たちはヨットハーバーグラウンドで練習していた。

 

鉄角「キャプテン!!」

 

鉄角からのパスが天馬に飛ぶ。いい軌道を描いたパスが天馬の足元に・・・

 

瞬木「貰った!!」

 

瞬木がスピードを生かしてボールをカットする。皆の動きが最初とは比べ物にならないくらいに良くなってきている。

 

天馬「やられた〜瞬木ナイスカット!!」

 

瞬木「だいぶ力の入れ方も分かってきたからね。俺の役目は、このスピードでボールを奪ってチームに繋ぐ事。スピードでは誰にも負けない!!」

 

天馬「瞬木!! うん、よし練習再開だ!!」

 

そして練習を再開ししばらく経った頃、

 

葵「皆!! 決勝戦の相手が決まったわよ!!」

 

剣城「ウズベキスタンかUAEかどっちだ?」

 

葵「ウズベキスタン! UAEに4ー0で圧勝だって!!」

 

竜太「そっちか・・確か、"ストームウルフ"だったよな?」

 

神童「しかし、世界大会の・・予選とはいえ準決勝で4ー0か」

 

竜太「まぁビデオとかで練習の合間に研究しつつ攻略法を練るか」

 

葵「そうね。今日の午前の練習はもう終わりでしょ?」

 

天馬「よし、お昼休憩にしよう!!」

 

鉄角「あ〜っ、終わった・・!! 飯食って午後も頑張るかぁ!!」

 

九坂「だな!!」

 

森村「うん・・・! 勝ちたいよね」

 

!? 森村の放った言葉に皆顔を見合わせる。

 

森村も本格的にやる気になってくれたか!!

 

そして昼ご飯を食べて少し休んでいるとき、

 

ー ミーティングルーム ー

 

真名部と、皆帆がストームウルフのデータ分析を行っていた。たが、やはりストームウルフにも不可解な点がある様だ。

 

皆帆「この大会が始まってからのストームウルフは、チーム全体のテンションが高すぎる。FWでキャプテンのドミトリーなんか、以前はゴールを決めても顔色一つ変えなかったくらいだ・・・」

 

真名部「この大会そんな例ばかりですね・・・・「あれ? それストームウルフの選手?」? そうです。瞬木くんも見ますか?」

 

瞬木「いや、そういう分析は君たちの約目でしょ?」

 

真名部「っ! なんか、いちいち癇に障る言い方ですね・・・」

 

瞬木「ゴメン! 気に触ったなら謝る!! じゃあ俺は行くよ・・・」

 

そして瞬木くんは部屋を出ていった。

 

皆帆「ゴメンちょっと・・・」

 

真名部「? 皆帆くん?」

 

皆帆は瞬木を追いかけて出ていった。

 

皆帆「瞬木くん、ちょっと良いかな?」

 

瞬木「何?」

 

皆帆「・・・・"どっちが本当の君なのかな?"」

 

瞬木「・・・・さぁね。じゃあ俺、練習あるんで」

 

皆帆「瞬木くん、彼は底がしれないね・・・・」

 

そしてその日の練習終了後、

 

船木「明日、練習試合を行うことになった」

 

天馬「練習試合!?」

 

竜太「どこの学校です?」

 

黒岩「会えば分かる・・・・」

 

練習試合か!! 楽しみだな!!

 

剣城「鉄角、今日も自主練やるのか?」

 

鉄角「ああ・・・なんか、サッカーが面白くなってきてな。けどいざやり始めると、コレがなかなか難しい。 速くお前らのレベルに行きたいもんだ・・・」

 

剣城「焦るなよ、鉄角? 焦って早く高みに行こうとすれば、サッカーに飲み込まれてしまう。無理をすると危険だぞ・・・」

 

鉄角「剣城もそういう経験があるのか?」

 

剣城「かつては敵だった友がいる。今の俺があるのは、ソイツのお陰だ・・・」

 

鉄角「敵だった友か・・・・」

 

 

〜 翌日・シーサイドスタジアム 〜

 

鉄角「相手、どんな奴かな?」

 

九坂「でも、相手がいたほうが練習になるのは確かだよな・・」

 

瞬木「意外とまた必殺技が生まれたりしてね?」

 

伊吹「練習なら、尚更俺は1点も許さない・・・」

 

神童「・・・当たり前だ」

 

やれやれ・・・・ ゾクッ!

 

!? 殺気を感じた瞬間、俺と剣城目掛けてボールが飛んできた。俺と剣城は咄嗟に反応して蹴り返した。

 

?・?「「フッ・・・・」」ドガァアァアアンッ!!

 

フィールドに砂煙が立ち込める。アイツらは!!

 

白竜「久し振りだな・・剣城、大海」

 

果北「腕は鈍ってないみたいだね?」

 

竜太「果北!? 白竜!? お前らが相手なのか・・・? 「そうだ!!」っ!! 不動さん!!」

 

不動「イナズマジャパンの諸君!! このチームは"レジスタンスジャパン"俺が監督の不動明王だ!!」

 

レジスタンスジャパン!? なんか見知った顔ばっかりだな・・・・

 

白竜「今日俺たちは、お前たちを潰しに来た」

 

九坂「潰す・・・?」

 

不動「まずははじめに、このチームのメンバーを紹介しておこう!!」

 

白竜「俺は白竜! 元フィフスセクター、チーム・ゼロに所属!!」

 

南沢「南沢篤志! 月山国光高校所属!」

 

貴志部「貴志部大河! 木戸川清修高校!」

 

果北「大海果北! 浦の星女学院高校!」

 

桐穂「高坂桐穂! 音ノ木坂学院高校!」

 

理沙「絢瀬理沙! 同じく音ノ木坂学院高校!」

 

黒裂「黒裂真命! 聖堂山高校!」

 

千夏「渡辺千夏! 浦の星女学院高校!」

 

良子「鹿角良子! 函館聖泉高校!」

 

護巻「護巻徹朗! 元フィフスセクター、ドラゴンリンク所属!」

 

大和「千宮路大和! 同じく元フィフスセクター、ドラゴンリンク所属!」

 

不動「以上、11名だ!!」

 

みんなを知らないメンバーは急いでタブレットで選手情報を確認する。

 

真名部「これは凄いメンバーが集まりました・・・ほぼ全ての選手がストライカーを務めています!!」

 

鉄角「超攻撃型のチームってことか・・・」

 

皆帆「ディフェンスが大変になりそうだね・・・」

 

瞬木「でもアイツら、潰すって言ってたぞ?」

 

竜太「受けて立つまでだ!!」

 

そして試合開始のために選手がピッチに立つ。

 

フォーメーション

レジスタンスジャパン

 

GK       大和

 

DF     良子  護巻

 

ボランチ  理沙   貴志部

 

MF 千夏    黒裂   南沢

 

FW   桐穂  白竜  果北

 

イナズマジャパン

 

FW     剣城  瞬木

 

MF  九坂   天馬   竜太

 

ボランチ     神童

 

DF 森村  皆帆  真名部 鉄角

 

GK       伊吹

 

そして、剣城と瞬木がセンターサークルに立つ。

 

船木「審判は、私が務めます!! 尚、この試合は前半一本のみとします!!」

 

そして船木さんは開始の笛を吹いた。




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第39話:レジスタンスジャパン戦 キックオフ!!

ホイッスルと共にイナズマジャパンボールから試合開始。ボールはいったん天馬にに戻る。

 

天馬「九坂!!」

 

ボールは九坂に渡り、九坂がドリブルで攻め上がる。

 

理沙「甘いわよ!!」ドガァッ!!

 

九坂「ぐあっ!?(なんだよこのフィジカル!? 本当に女なのか!?)」

 

理沙「何? そのしょぼい動きは!!」

 

ボールを奪い取った理沙はそのままドリブルで攻め上がるが、すぐに立て直した九坂が追い縋る。

 

天馬「九坂無理するな!!」

 

九坂「オレのミスだ、俺が取り返す!!」

 

理沙「フッ、白竜くん!!」ドガッ!!

 

九坂「ぐっ!!」

 

理沙は追いかけてきた九坂にわざとぶつかるようにターンして九坂を弾き飛ばしてパスを出した。

 

九坂「なんだコイツ、頭にくるな!!」

 

白竜「行くぞ・・・ハァアァアアッ!!」

 

白竜がシュート体勢に入ると天候すら急変。光り輝く風が嵐となりボールに絡まる。

 

神童「ディフェンス! 来るぞ!!」

 

白竜「[ホワイト・・ハリケェエェエエンッ・Gx]ッ!!」ドゴォオオオォオオンッ!!

 

しかし、これだけでは終わらなかった。

 

竜太「(? シュートの軌道が変だ・・・っ!?)おい中!! 桐穂と果北が走ってるぞ!!」

 

そして桐穂は炎のオーラ、果北は氷のオーラを纏ってダッシュ。[ホワイトハリケーン]を後押しするように「炎」と「氷」のツインシュートを叩き込む。

 

果北・桐穂「「チェイン!![真・クロスファイア]!!」」

 

とてつもない破壊力のシュートが、イナズマジャパンディフェンスに襲い掛かる。

 

皆帆「嘘でしょ!? なにこれ!!」

 

真名部「恐ろしいパワーです!!」

 

神童「止めてやる!!」

 

しかし、ここで神童先輩がシュートブロックに入る。

 

神童「[アインザッt・・・ぐぁああああっ!?」

 

竜太「神童先輩!!」

 

しかしやはりと言うべきか神童先輩は呆気なく吹き飛ばされてしまい、ボールはキーパーへと一直線。

 

伊吹「止める!!」ガシィイイッ!!

 

伊吹がシュートに掴みかかる。が、無論そんなもので止められるハズなど無く、伊吹を天高く弾き飛ばしてシュートはゴールに突き刺さった。

 

ドシャっ!!

 

伊吹「ガハッ!!」

 

葵「伊吹くん!!」

 

皆帆「伊吹くん! 大丈夫かい!!」

 

伊吹のキーパーグローブからは、摩擦で焦げてプスプスと煙が上がっていた。

 

伊吹「・・・今まで俺が受けた、世界のどの代表チームのシュートとも全く違う・・・。神童たちは、こんな奴らと・・・」

 

 

白竜「分かったかな? これが格の違いってやつだ」

 

剣城「っ!!」

 

竜太「神童先輩、大丈夫ですか?」

 

俺が神童先輩に手を差し伸べると、神童先輩も手を握って立ち上がる。

 

神童「ああ・・・しかし、今のシュートチェイン、本気で俺たちを潰す気のようだな」

 

竜太「受けて立つまでです・・・・・」

 

そしてイナズマジャパンボールから試合再開。ボールは再び天馬に渡ると、レジスタンスジャパンは桐穂が剣城に貴志部と黒裂が俺に付いてきた。

 

竜太「くっ、」

 

黒裂「行かせないよ大海!!」

 

クソっ、マークが厳しすぎる!!

 

天馬「(なら・・・)瞬木!!」

 

ボールは瞬木に渡り、瞬木がドリブルで攻め上がる。

 

南沢「甘い!!」ズザザァッ

 

瞬木「うわっ!?」

 

南沢さんがスライディングを仕掛けて瞬木からボールを奪い取りドリブルで攻め上がる。

 

鉄角「この野郎!!」

 

鉄角がディフェンスに入るが、南沢さんは高速フェイントの連打で揺さぶる。

 

南沢「こんなものか!!」ドガアッ!!

 

鉄角「ぐっ!! ビキィンッ っ!!(足が・・・ッ)」

 

コチラのメンバーはレジスタンスジャパンのパス回しに翻弄され、まともに動くことすら出来なかった。

 

神童「止める!!」ザザァッ

 

果北「!?」

 

ここで神童先輩がスライディングでボールを奪い取る事に成功する。

 

神童「鉄角!!」

 

神童先輩は鉄角にパスを出す。

 

鉄角「よしっ・・!?」

 

しかし、足に痛みが走ったことで・・・ボクシングをできなくなってしまったときの事が脳裏にフラッシュバックし、鉄角は足を止めてしまう。

 

南沢「貰った!!」

 

鉄角「しまっ!?」

 

南沢「そんな弱腰のプレーで、俺たちに勝てると思うなよ!!」

 

鉄角(っ!!)

 

南沢「高坂!!」

 

そして桐穂にセンタリングが入り、タイミングを合わせて桐穂が跳躍する。

 

桐穂「ハァあぁああつ!! [プロミネンスドライブ・Gx]!!」ボォァアアッ!!

 

桐穂の炎を纏った灼熱のシュートが空から伊吹に襲い掛かる。伊吹も必殺技で対抗するが、

 

伊吹「させるかっ!! [ワイルドd・・グァあああっ!!」

 

伊吹がシュートに対して上から思い切り叩きつける。が、またしても吹き飛ばされてしまいキーパーごとシュートはゴールに叩き込まれた。

 

伊吹「くそっ!! なんで止められないんだ!!」

 

神童「っ・・・・・・」

 

 

鉄角(くそっ・・「鉄角!!」っ!!)

 

剣城「随分弱気なプレーをするようになったな・・・さっきの南沢さんとの接触のとき痛めたのか?」

 

鉄角「このくらい・・大したことねぇよ・・・「ならさっきの神童さんからのパスに対する動きはなんだ!!」っ!?」

 

剣城「そんなプレーをしていたら、そのうちサッカーもできなくなるぞ・・・」

 

鉄角「・・・どういう意味だ?」

 

剣城「サッカーは生き物だ。目を背ければ襲いかかってくる野獣だ!! 喰われたく無ければ、目を逸らさず・・全てを見るんだ・・・俺に言えるのはここまでだ。後は、自分で知るしかない」

 

鉄角「剣城・・・・・」

 

黙り込む鉄角。皆はというと、

 

皆帆「お、おかしい・・・こんなに消耗するなんて・・」

 

真名部「レジスタンスジャパンのプレーに着いていこうとすればするほど・・・逆に体力を奪われてしまいます・・!!」

 

ゼェゼェと肩で息をする皆。が、

 

良子「潰す前に自滅ですね・・・・」

 

大和「所詮は素人集団だろ? 雷門の4人以外は相手にならん・・・」

 

レジスタンスジャパンは涼しい顔をして余裕の表情だ。

 

竜太「神童さん・・・俺、この試合の意味が分かってきました。アイツらがこの試合で俺たちに伝えたいこと」

 

剣城「俺もです」

 

天馬「俺も・・アイツらのボールに全部乗ってました」

 

神童「ああ。ならば、俺たちに出せる答えは・・・」

 

 

 

イナズマジャパン 0 ー 2 レジスタンスジャパン

 

ー 次回に続く ー




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第40話:レジスタンスジャパン戦決着!!

レジスタンスジャパンに追加点を許し、イナズマジャパンボールから試合再開。ボールは神童先輩に渡り、神童先輩のゲームメイクで4人で攻める。

 

神童「竜太!!」

 

竜太「はい!!」

 

神童先輩からのパスをトラップしドリブルで攻め上がる。そこに南沢さんがディフェンスに入りチャージングを仕掛けてくる。

 

ドガアッ!!

 

竜太「(ぐっ・・)負けるかぁっ!!」ドガァアアッ!!

 

南沢「なにっ!?」

 

南沢さんを返り討ちにした俺に、今度は貴志部がディフェンスに来る。

 

貴志部「これ以上は進ませない!!」

 

竜太「来たな・・・天馬っ!!」パスッ

 

中の天馬にパスを出し、ボールを受け取った天馬。今度は天馬に理沙と良子さんが2人掛かりで止めに来る。

 

理沙「通さないわ!!」

 

良子「ここから先へは行かせません!!」

 

天馬「絶対に突破する!! [真・風穴ドライブ]!!」

 

天馬の周囲を風が渦巻き、その中の抜け道を通って2人を突破する天馬。そして剣城にパスを出す。

 

剣城「[バイシクルソード]ッ!! ハァあぁあああっ!!」

 

剣城のオーバーヘッドキックから放たれた漆黒の剣が千宮路2襲い掛かり、千宮路は正面からキャッチを試みる。

 

大和「止める!!」ガシィッイイッ!!

 

ギャルルルル!!

 

大和「ぐぉおおおおっ!!」

 

しかし中々回転が収まらない剣城のシュート。ついに千宮路は弾き飛ばされてシュートはレジスタンスジャパンゴールに突き刺さった。

 

鉄角「スゲェ・・・!!」

 

伊吹「なんてぶつかり合いだ・・・」

 

そしてレジスタンスジャパンのボールから試合再開。だが、皆レジスタンスジャパンのパス回しや動きの速さに翻弄され、ついて行くことができない。

 

真名部(僕って・・こんなものでしたか・・・?)

 

鉄角(思うようにできない・・・っ!!)

 

九坂(ここまで勝ち上がってきたのに・・・)

 

森村(は、はわわわ・・・・)

 

4人がかりでも南沢さんを止められず・・・

 

皆帆(もっとできる筈なのにっ・・・!!)

 

瞬木(何なんだコイツら・・っ!! 俺たちは代表だぞ!? 気持ちよく勝たせろよ!!)

 

瞬木のスピードや皆帆の洞察力でも、果北の動きに振り切られ・・・

 

伊吹(俺は・・・こんなもんじゃないんだ!!)

 

果北「白竜くん!!」

 

そしてパスが白竜に繋がり、白竜はシュート体勢に入る。

 

白竜「[ホワイト・・ハリケェエェエエエンッ・Gx]ッ!!」

 

白竜の吹き荒れる光の奔流のシュートが伊吹に襲い掛かり、

 

伊吹「[ワイルドd・・・ぐぁあぁあああっ!!?」

 

伊吹はシュートに弾き飛ばされて地面に叩きつけられ、シュートはゴールネットに突き刺さった。そしてここで試合終了のホイッスルが鳴った。

 

竜太「・・・・・・・」

 

イナズマジャパン 1 ー 3 レジスタンスジャパン

 

天馬「・・・白竜、ありがとうと言うべきかな」

 

白竜「お前たちを潰せと指示したのは、黒岩監督だ」

 

えっ!?

 

皆が監督の方を驚愕の目で見ている。やっぱりな・・・

 

果北「その命令は遂行できたみたいだね・・・」

 

桐穂「来たかいがあったよ・・・」

 

不動「イナズマジャパンの諸君!! お前たちはまだ、サッカーを自分のものとしていない!! それでは、到底この先を戦い抜くことはできない!!」

 

剣城「そのとおりだ・・・だが、俺たちは必ずこの敗北を、意味のある物にして見せる!!」

 

白竜「だと・・いいがな」ニヤッ

 

剣城「ああ!!」ニヤッ

 

そして、練習試合終了後・・・

 

〜 監督室 〜

 

水川「それで? 彼らに伝えたいものとは・・いったい何だったのです?」

 

黒岩「サッカーの・・恐ろしさだ」

 

水川「恐ろしさ・・・?」

 

黒岩「サッカーは、それに向かうものに・・常に限界ギリギリのプレーを要求してくる。今のうちにそれを知っておかなければ、彼らにはどのみちこの先は無い。今回の敗北は、どのみち必要なことだったのだ」

 

水川「例えば鉄角真は、怪我でボクシングを失い、サッカーの恐ろしさもわかった上で、乗り越えられると? それで・・・乗り越えた先に何があるというのです?」

 

黒岩「いずれ、お前にもわかる。彼らが真にサッカーを己の物としたときにな・・・」

 

 

 

〜 ブラックルーム 〜

 

鉄角「よし・・・・」

 

ウィーン

 

扉が開く音がした。

 

鉄角「ん? お前ら!!」

 

伊吹「このままじゃあ、今日は終われないだろ?」

 

九坂「だな!!」

 

真名部「決勝戦までまだ時間はあります。てきるかぎり特訓しましょう!!」

 

瞬木「ああ!!」

 

 

 

竜太「戦えそうだな・・・このチームなら!!」

 

天馬「うん!!」

 

ー 続く ー




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UA100,000突破記念:甘々な2人

UAがついに10万件を突破しました!! パチパチパチ

いやぁここまで長かった・・・

今回は記念回特別編になります。どうぞお楽しみ下さい


俺は今日久しぶりに彼方とデートのため、家で身支度をしていた。

 

竜太「えっと・・・忘れ物は、無いな。行ってきま〜す!」

 

秋「行ってらっしゃい!!」

 

そして徒歩で待ち合わせ場所の河川敷駅へと向かう。俺が着くと、待ち合わせ時間の30分も前だというのに既に彼方が来て待っていた。

 

竜太「(やべっ・・・女子をまたせちまった)彼方!! おまたせ!!」

 

俺の声で彼方が振り返る。彼方はニッコリと笑顔を浮かべて駆け寄ってきた。

 

彼方「おはよ〜。竜太速いね〜?」

 

それをお前が言うか? いったい何分前から待ってたんだ?

 

竜太「彼方の方が速かったじゃないかよ・・俺も結構速く出たと思ったんだけど・・・いつから待ってたんだ?」

 

彼方「ん〜っと・・・30分くらい前かな?」

 

は? ちょっと待て。今の時間が待ちあわせの30分前なんだぞ? そのさらに30分前ということは彼方は本来のまちあわせ時間の1時間前に来ていたという事になる。

 

俺、完全にやらかしたじゃねぇか・・・。

 

彼方「ゴメンね? 楽しみでつい・・・」

 

エヘヘと苦笑しながら頭をかく彼方。そんなに楽しみにしてくれていたのか・・・・。

 

竜太「いや、こっちこそ長く待たせちまってゴメンな? じゃあ行こうぜ?」

 

彼方「うん!!」

 

そして、俺は彼方に右手を差し出し、彼方は自身の左手で俺の手を握って二人で手を繋いで歩きだす。

 

 

竜太「彼方・・・服似合ってる、かわいいよ。おしゃれしてくれたんだな・・・ありがとう///」

 

彼方「ありがと〜っ/// 竜太こそカッコいいよ?///」

 

お互いに気恥ずかしくて赤面する。そして、俺と彼方はインターハイ前のデートで来たことがあるカフェにやってきた。話では、またカップル専用メニューではあるが美味しそうなパフェが新登場したらしい。

 

店につくと、まだ開店して間もない時間だったのでそこまで混んではおらず直ぐに入ることができた。

 

が、メニューの注文の際にやはり・・・

 

店員「はい、それじゃあカップル証明の為にキスお願いします!! 頬っぺで大丈夫ですよ?」

 

彼方「うぅ・・人前だと恥ずかしいけど、もう彼方ちゃんたち付き合ってるから何も問題なしだよ〜? 来て?」

 

竜太「彼方///」

 

店員「え"っ?」

 

チュッ

 

俺は店員の言葉を無視して、まるで見せつけるかのように彼方の唇を奪った。そしてしばらく・・「も、もういいですから!!」なんだよこれからなのに・・・

 

店員「はい!! 証明貰いました! ただ今お持ちしますね? ちっ、見せつけやがってリア充が・・」ボソッ

 

本音だだ漏れですよ店員さ〜ん? しかし笑顔は崩さなかっただけ優秀な店員さんなのだろう。いやぁ、俺だったら絶対に顔にも態度にも出るね!!

 

店員「お待たせしました〜」ゴトッ

 

そして、パフェが来たので2人で食べ始める。結構量が多いな・・・

 

彼方「はい竜太? あ〜ん♡」

 

竜太「あ〜っ ♡」

 

パクッ

 

2人で食べさせ合いっこなどしていたら、周囲のカップルからも敵意の視線が突き刺さってきた。

 

いや、あんたら相手いるじゃん。

 

先程の店員はこっちをハイライトが無くなった目で見つめていた。怖いよ・・・・。

 

彼方「あ〜・・? どうしたの?」

 

竜太「いや、周りの視線がな・・・・」

 

彼方が周囲を見回すと、中々に鋭い視線が向けられていた。

もう視線の鋭さで串刺しになるんじゃないかってレベルだ。

 

彼方「むぅ・・・まぁいっか〜。あ〜んっ!!」

 

竜太「ムグッ!!」パクッ

 

彼方「美味しい?」

 

彼方が上目遣いで聞いてくる。

 

竜太「彼方に食べさせてもらったから凄く美味しいよ?♡」

 

なんなら彼方のあ〜んを添えればどんなゲテモノまで美味しく食べられるまである。(断言)

 

なんか周りのお客さんが次々とブラックコーヒーを注文してるんだがどうしたんだ?(スッとぼけ)

 

そして数十分後、食べ終わってお会計を済ませて店を出る。

なんかボソッと二度と来んなって聞こえた気がしたのは気のせいか?

 

彼方「あ〜美味しかった〜・・今日はグルメツアーだぜ〜!! 次は何〜?」

 

竜太「次はこの先の広場にある屋台のクレープ屋さん。そこのミックスベリーを食べたカップルは幸せになれるって言われてるんだと」

 

彼方「本当!? レッツゴー!!」

 

そしてクレープ屋さんに来たのだが・・・

 

彼方「え〜っ!? ミックスベリー売り切れ〜っ!?」

 

竜太(あれ? そもそもメニューに・・・・)

 

俺はメニューを見て気づいたのだが、メニューにはミックスベリーなど書いてなかったのだ。やめたのか・・?

 

しかし、よく見たらあることに気づいた。

 

竜太「(っ!! そういう事か・・・)すみません。じゃあラズベリーとブルーベリーを下さい」

 

店員「っ! 畏まりました!!」

 

そしてクレープを受け取って近くのベンチで食べる。

 

彼方「ミックスベリー・・食べたかったなぁ」

 

さて、種明かしするか。

 

竜太「彼方、そもそもあの店のメニューにはミックスベリーは無いぞ? メニューには無かっただろ?」

 

彼方「ええっ!? じゃあその言い伝えは・・・」

 

竜太「ほら、俺の食ってみろよ?」

 

彼方は?マークを浮かべながらブルーベリーのクレープを一口食べた。

 

竜太「ほら、ミックスベリー食べられた」

 

彼方「え? あ〜っ!! ラズベリーとブルーベリー!!」

 

竜太「御名答・・・・アムッ」

 

彼方「そっか・・食べたら幸せになれるミックスベリーってそういうことだったんだ。よく気づいたね?」

 

竜太「俺もびっくりしたよ・・・」

 

彼方「ほら、彼方ちゃんのも食べてよ?」

 

竜太「サンキュ」パクッ

 

彼方「エヘヘヘ・・・/// 」

 

竜太「・・・・・///」

 

なんか恥ずかしいな・・・・///

 

そしてその後は色々なグルメを食べ歩き、その日の夜

 

 

〜 近江家 〜

 

彼方「ただ今〜!!」

 

竜太「おじゃましま〜す」ソロソロ

 

俺は彼方の家で夕飯をご馳走になると前から約束していたので今日お邪魔した。

 

? 食ったら帰るぞ? 今「またやらかすのか?」と思った人、俺に謝りなさい。

 

彼方母「彼方お帰り。竜太くんいらっしゃい。ご飯できてるわよ?」

 

そして洗面所で手を洗ったらお母さんと遥ちゃんも一緒に全員で食卓に付く。

 

彼方「いただきます」

 

竜太・遥「「いただきます!!」」

 

彼方母「召し上がれ〜?」

 

そして夕食を美味しくいただき、そろそろ帰ろうかと思い挨拶して外に出ると彼方が見送りに出てくれた。

 

彼方「また今度行こうね・・・?」

 

竜太「おう」

 

そして、俺と彼方の唇がだんだんと近づき、距離が0になるのに時間は掛からなかった。

 

 

ー 続く ー




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第41話:決勝戦にむけて

レジスタンスジャパンに負けた翌日から、皆目の色を変えて練習に取り組んでいた。もう負けないために、悔しい思いをしたくないために、もちろん俺たち4人も決勝戦に向けて必死になって練習に取り組んでいた。

 

〜 MF組の練習 〜

 

ブラックルームの街のステージで、上から鉄骨が大量に降ってくる。今は九坂でもレベル3までクリア出来るようになった。

 

竜太「皆本当に巧くなったな・・・」

 

天馬「うん・・・」

 

 

〜 真名部・皆帆の練習 〜

 

吊り橋のステージで二人のダッシュと一緒に後ろから床板が抜けていく。なんとか二人は逃げ切り、今度は来た道を戻ってもう一回もう一回と繰り返す。二人共以前は体力が無くレベル1でヒーヒー言っていたが、今はレベル2なら問題なくこなせるようにまでなった。

 

 

真名部(もう、悔しい思いはゴメンです!!)

 

皆帆(もう、負けてたまるか!!)

 

 

〜 GKの練習 〜

 

伊吹「来い!!」

 

白竜のホログラムがボールを蹴る。伊吹は正面で受け止め、なんとか威力を抑え込んだ。

 

伊吹「どうだ神童!! ゴールは俺が守る、お前は他の奴らと一緒に点を取ってこい!!」

 

神童「伊吹・・お前の良いプレーとは、"自分の手でボールを取ることなのか?"」

 

伊吹「? どういう意味だ!!」

 

神童「この程度の質問の意味も分からないのでは、この先はない・・・」

 

伊吹「ちっ・・・」

 

伊吹・・・お前がそれに気付けば、決勝戦を安心して戦えるんだが

 

 

葵「皆さん!! 今日の練習は終わりですよー!」

 

鉄角「終わったぁ〜」

 

九坂「腹減ったなぁ・・・」

 

そして、俺たちは一時部屋に戻り、着替えてから食堂へ・・あ〜疲れた。

 

竜太「オバちゃんのカレー旨ぇ!!」

 

天馬「うん!! あれ、伊吹は?」

 

オバちゃん「あっ、天馬くん、伊吹くんまだトレーニングルームだと思うからコレ渡してきてくれない? 頼んだからね?」

 

アイツまだトレーニングしてるのか? 俺と天馬はおにぎりを持って再びブラックルームへ・・・

 

伊吹「来い!!」

 

ドガァアアッ!!

 

俺たちがブラックルームに入ると、ホログラムがボールをシュートしたところだった。

 

伊吹「うぉおおおっ!!」ガシィッ!!

 

伊吹「見てろ神童!! 今に思い知らせてやる!! 「伊吹ーー!!」っ、キャプテン?」

 

伊吹はこちらに気づき、トレーニングモードを解除する。

 

天馬「これ、オバちゃんから」

 

伊吹「そういや腹減ったな・・・」

 

伊吹はおにぎりを掴んで頬張る。するとよほど美味かったのか少し急いだように口に詰める。

 

竜太「誰も取らねえよ・・・」

 

天馬「そう言えば、伊吹のいた月山国光のバスケ部って強かったんでしょ?」

 

伊吹「まぁな・・・俺がいたから勝てた。俺がボール持ってシュート決めてれば勝てたからな。一人のほうがやりやすい」

 

一人のほうがやりやすいねぇ・・・サッカーは11人でやるものなんだけどな。

 

伊吹「決勝戦、キャプテンたちはなんとしても点を取ってくれ。ゴールは俺が守る」

 

天馬「伊吹・・・・」

 

 

俺たちがブラックルームを出ると天馬が、

 

天馬「竜太・・・確かに皆上手くなってる。個人の力が上がればチームの力も底上げされる。けど・・・本当にこれで良いのかな?」

 

竜太「良くないだろうな・・・皆、自分の実力を上げることに必死になって周りが見えなくなってる。オマケにそれでレベルが上がってることが尚更拍車をかけてる」

 

天馬「だよね・・・」

 

竜太「まぁ今日はもう休もう。決勝戦は明後日なんだからさ」

 

天馬「うん」

 

不安を抱えながらも、今日は俺たちは眠りについた。

 

ー 続く ー




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第42話:始まった地区予選決勝

翌日、天馬の方針で今日は明日の決勝戦にむけてグラウンドでチーム連携の最終調整を行うことになった。なのだが・・・・

 

天馬「九坂!!」パスッ

 

九坂「よし!」ギュンッ

 

以前よりも格段に力を増した走力で簡単に追いつき、ドリブルで攻め上がる。

 

皆帆「行かせないよ!!」

 

しかしここで皆帆がディフェンスに入る。

 

竜太「九坂!! 瞬木がフリーだ!!」

 

俺が指示を出す。しかし、

 

九坂「このくらいっ!!」

 

皆帆「あっ!!」

 

しかし九坂はドリブルを続行。皆帆抜き去った。が、

 

真名部「計算通りですよ!!」バチッ!

 

真名部が完全に読んでおりスライディングでボールを弾く。そしてボールはタッチラインを割って外に出た。

 

九坂「くそっ!!」

 

竜太「・・・・・・・・」

 

攻守が変わり、今度はディフェンスチームがオフェンスに切り替わる。

 

神童「鉄角!!」パスッ

 

パスは鉄角に渡り、鉄角がドリブルで攻め上がる。

 

神童「鉄角! 真名部にパスだ!!」

 

鉄角「真名部!!」

 

そして真名部にボールが繋がった所に天馬がディフェンスに入る。

 

真名部「抜きます!!」グンッ!

 

神童「バカ!! 何やってるんだ!!」

 

スピードを上げて天馬を抜こうとした真名部。しかし当然天馬には通用せずにボールを奪われてしまった。

 

神童「・・・・・・・・」

 

葵「皆さ〜ん!! 今日の練習終わりですよ!! 明日にむけて今日はゆっくり身体を休めてくださいね?」

 

九坂「終わったか・・・今日は休むか」

 

鉄角「だな。試合の日に疲れてたら、マトモな動きはできないしな・・・」

 

真名部「ですね・・・」

 

そのくらいは分かっててくれたようで安心したよ。

 

ピロン!

 

ん? 俺のスマホに着信があり、画面を見ると彼方からで、今駅に来ているらしく、会わないかと言うことだった。そんなもん行くに決まってんだろ!!

 

竜太「悪い、俺用事ができたからちょっと行ってくるわ」

 

天馬「ひょっとして彼方先輩?」

 

な、なんで分かったんだ?

 

天馬「竜太顔がニヤけてたからなんとなく」

 

竜太「心を読むな!!」

 

俺は急いで荷物を片付け駅へと向かった。するとすぐに彼方は見つかり、一緒にイナズマジャパンの宿舎までの道のりを歩きながら話す。

 

彼方「ついに決勝戦かぁ・・・最初はどうなることかと思ったけどね〜」

 

竜太「それは俺もだよ・・・・」

 

彼方「雷門のみんなで応援に行くから、絶対に勝ってね?」

 

竜太「ああ!!」

 

そして宿舎に着くと、天馬と空野が瞬木の弟たちと話していた。あっ、こっち来る。

 

竜太「瞬木に会いに来たのか?」

 

瞬「うん! 決勝戦、頑張ってね!!」

 

そして、二人は帰っていった。

 

彼方「天馬く〜ん! 葵ちゃ〜ん!」

 

天馬「あっ、彼方・・先輩・・・」

 

ん? なんだ?

 

竜太「何かあったのか?」

 

葵「いや、聞き間違いだと思うんだけど・・・だって、瞬木くんが"優勝は無理だろう"なんて言うわけ・・・」

 

は?

 

彼方「え? そ、そうだね。きっと聞き間違いだよ」

 

竜太「ああ・・・・」

 

そして雷門組の6人で話をして、彼方を駅まで送った後、今日は俺たちは就寝した。

 

 

ー 決勝戦当日・ホーリーロードスタジアム ー

 

王将「お待たせしました!! いよいよFFIV2アジア地区予選決勝戦がここ、ホーリーロードスタジアムで行われます!! 対戦するのは今大会の台風の目となり、大量得点で勝ち上がってきたウズベキスタン代表ストームウルフ、そして各試合逆転につぐ逆転をくり返しここまで勝ち上がってきた日本代表イナズマジャパン!! 果たしてこの闘いに勝利し、世界大会へと駒を進めるのはどちらのチームなのかぁっ!!」

 

そして、俺たちはチームのベンチに入り円陣を組む。

 

天馬「皆、今日までよく辛い特訓を乗り越えてきた。真剣に向き合った分だけ、必ずサッカーは答えてくれる!! 必ず勝って、世界大会に行くぞ!!」

 

イナズマジャパン『おおーーーーっ!!』

 

王将「さあ、選手がポジションに着きました!」

 

 

フォーメーション

ストームウルフ

 

GK        カルノフ

 

DF ゴリバフ ユーリ  ミーチャ セルゲイ

 

ボランチ      ルスラン

 

MF アーロン           ロラン

 

FW   ザウル  ドミトリー  マクシム

 

イナズマジャパン

 

FW      剣城  瞬木

 

MF   九坂   天馬   竜太

 

ボランチ      神童

 

DF  森村  皆帆  真名部 鉄角

 

GK        伊吹

 

王将「間もなく試合開始です!!」

 

そして、審判が笛を口に当て、

 

ピィイイィーーーッ!!

 

試合開始のホイッスルが鳴り、イナズマジャパンボールで試合開始。瞬木がドリブルで攻め上がると、そこにロランがディフェンスに入る。

 

瞬木「キャプテン!!」

 

瞬木のバックパス。だが、

 

ドミトリー「遅い!!」ギュンッ!!

 

天馬「速い!!」

 

天馬にボールが渡る前にカットされ、そのままドリブルで攻め上がるドミトリー。九坂と皆帆が止めに入るがスピードで簡単に振り切られてしまう。

 

九坂「ウソだろ!?」

 

皆帆「こんなの、なにかの間違いだ!!」

 

神童「行かせるか・・っ「行かせないぜ?」くっ!」

 

しかし神童先輩はザウルに抑えられてしまう。、

 

ドミトリー「マクシム!!」

 

そしてボールはマクシムに渡る。

 

伊吹「よし、邪魔者が消えた!! 撃ってこい!!」

 

マクシムがシュート体勢に入り跳び上がると、両足でボールにスピンを掛けて地中に向かって蹴り込む。すると地中をしばらく進んだボールは金塊と共に地上に顔を出し、ゴールに向かう。

 

マクシム「[ゴールドフィーバー]!!」

 

かなりのパワーのシュートが伊吹に襲い掛かる。が、伊吹も負けじと必殺技を発動する。

 

伊吹「[ワイルドダンク・V4]!!」

 

進化した伊吹の[ワイルドダンク]が[ゴールドフィーバー]を抑えに掛かる。しかし伊吹はアッサリと弾き飛ばされてしまい、シュートはゴールに突き刺さった。

 

王将「ゴーーールッ!! 開始早々のカウンターが決まり、先制点はストームウルフだぁあああっ!!」

 

伊吹「止められなかった・・・そんな・・・」

 

神童「っ・・・・!!」

 

 

 

イナズマジャパン 0 ー 1 ストームウルフ

 

ー 続く ー




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第43話:キーパーの役割

試合開始早々ストームウルフのカウンターが決まり先制点を奪われてしまった俺たち。再びイナズマジャパンのボールから試合再開だ。

 

天馬「まずは1点! 返していくぞ!!」

 

イナズマジャパン『おう!!』

 

ピィイイィーーーッ!

 

再開のホイッスルと共にボールを、天馬に戻してパスを繋いで攻め上がる。

 

天馬「九坂!!」

 

パスは九坂に繋がる。

 

アーロン「行かせるかよ!!」

 

すぐさまアーロンがスライディングを仕掛けてボールを奪おうとしてきた。

 

九坂「舐めるな!!」

 

しかし九坂も冷静に跳躍して躱わし、そのままドリブルで攻め上がる。

 

ルスラン「っ! へぇ?」

 

九坂「瞬木!!」

 

九坂から瞬木への斜めのパスが通る。しかしストームウルフのDF二人がすぐに止めに来る。

 

天馬「瞬木! バックパスだ!! 瞬木!?」

 

しかし瞬木はそのまま突破を図る。するとストームウルフの必殺技が発動される。

 

ミーチャ・セルゲイ「「[ローリングカッター]!!」」

 

二人で両手を上下から繋いで大車輪の如く回転して瞬木に激突して吹き飛ばす。瞬木は地面に叩きつけられる。

 

瞬木「ぐあっ!!」

 

雄太・瞬:「「兄ちゃん!!」」

 

 

ルスラン「ミーチャ! ドミトリーだ!!」

 

ミーチャ「ドミトリー!!」

 

そしてドミトリーへのロングパスが入り一気にストームウルフのカウンター。

 

ドミトリー「マクシム!!」

 

ボールはマクシムへと渡り、そのままドリブルで攻め上がって来る。

 

真名部「皆帆くん、僕は右から行きます!!そうすれば相手は逆方向に躱して来るはずです。そこを狙ってください!!」

 

皆帆「いや、相手のドリブルを考えたら、左から行ったほうがいい!!」

 

そして、二人は動いたが、肝心の中央をがら空きにしてしまった。

 

王将「おっと、イナズマジャパン! ディフェンスが噛み合わない!!」

 

マクシム「っ! なら遠慮なく行かせて貰うぜぇっ!!」

 

そしてマクシムは再び必殺シュートを放つ。

 

マクシム「[ゴールドフィーバー]!!」

 

迫るマクシムのシュート。伊吹は必殺技で押さえにかかる。

 

伊吹「止めてやる!! [ワイルドダンク・V4]!!」

 

しかし先程同様に弾き飛ばされ地面に叩きつけられた伊吹。点差は2点に広がってしまった。

 

伊吹「何故だ・・・何故止められないんだ!!」

 

神童(伊吹・・・・・・)

 

鉄角(伊吹には悪いが、ゴールは任せられない。ストームウルフの攻撃は・・・俺が止める!!)

 

真名部「皆帆くん、僕たち二人の頭脳を使ってゴールを守りましょう。これ以上失点したら、どんな公式に当てはめても、待ってるのは敗北の二文字のみです」

 

皆帆「うん。お互いの連携をもう少し意識しよう」

 

九坂(俺が流れを変えてやる!!)

 

そして試合再開。だが、早々にボールを奪われてしまい、マクシムが攻め上がる。

 

マクシム「止めを刺してやる!!「これ以上やらせるかよ!!」っ!!」

 

鉄角「[フットワークドロウ・改]!!」

 

しかし鉄角が奪い返し、そのままドリブルで攻め上がる。

 

天馬(なんだろう・・皆の動きがおかしい・・・)

 

竜太「鉄角!! コッチだ!! 鉄角!?」

 

しかし鉄角は自分で持ち込む。が、

 

ロラン「甘い!!」ズザァッ!

 

スライディングで弾かれてしまい、ボールはロランからドミトリーへ。

 

伊吹「っ来る・・「行かせません!!」真名部!?」

 

真名部「[ディフェンス方程式]!!」

 

しかしなんとか真名部が奪い取り皆帆にパスを出す。

 

王将「これは激しい試合になってきた!! 両者一歩も譲らない!!」

 

しかしここでドミトリーが抜け出しパスが繋がる。

 

九坂「行かせるかっ!!」

 

天馬(そうか!! 皆伊吹の分を自分がなんとかしようと・・・)

 

剣城「特訓で力が付いたことが、裏目に出てしまうとはな・・どうする天馬? このままでは、ボールすら奪えないぞ」

 

しかしなんとかボールを奪った九坂はドリブルで攻め上がる。

 

竜太「九坂! コッチだ!! 「俺が流れを変えるんだ!!」九坂!!」

 

しかし、九坂はボールを奪われてしまう。

 

伊吹(っ!! 今のプレー、あのときのオレと同じ・・・)

 

伊吹は、自分がバスケをやっていた頃を思い出した。

 

 

ー 伊吹過去 ー

 

俺がバスケを始めたのは中学から。すぐに分かった、俺にはバスケの才能があると。

中1でまたたく間にレギュラー入りし、その上あらゆる大会で優勝を重ね・・・俺が出た試合は大量得点で勝つのが当たり前。

 

だが、ある時からチームはおかしくなった。

 

伊吹「パスを回せだと?」

 

バスケ部員「バスケはお前一人でやってるんじゃない!! 自分勝手もいい加減にしろ!!」

 

伊吹「なに? お前ら誰のおかげで勝ててると思ってるんだ? 俺についてくるのが、お前ら凡人の役目だ。ついてこられる様に、せいぜい努力するだな」

 

バスケ部員「伊吹っ!!」

 

それからチーム連敗を喫し、どんどんチームの雰囲気は悪くなっていった。

 

******

 

 

伊吹(チームが勝てなくなったのは、アイツらが下手だったからじゃなくて、俺さえいれば勝てると思ってた俺のせいだったんだ・・・)

 

しかし、ここでストームウルフのFWが飛び出し、フリーでボールを受け取った。

 

王将「マクシム抜け出した!!」

 

竜太「マズイ!!」

 

伊吹「止めてやる!!」

 

マクシム「[ゴールドフィーバー]!!」

 

これが入ったら、もうアウトだぞ!!

 

伊吹「[ワイルドダンク・V4]!!」ガカァッ!!

 

伊吹は必死に耐える。が、

 

バチィンっ!!

 

王将「決まったかぁ!? ・・いや、防いだ!! 伊吹かろうじて止めたぁっ!!」

 

しかし、運悪くこぼれ球にルスランが詰めていた。

 

竜太「まだだ!!」

 

ルスラン「これで止めだ!!」

 

伊吹「っ!! 神童!! 頼む!!」

 

神童「っ!! はぁぁああっ!! [アインザッツ]!!」

 

しかし神童先輩がシュートをブロックしてフィールドの外に弾き出す。そしてストームウルフの攻撃を止めた。

 

伊吹「神童・・・・」

 

神童「・・・ようやく気づいた様だな。お前の役目は、自分ひとりでゴールを守ることじゃない。ただ、ゴールを守り通す事だ。フィールドを見てみろ。ここには共にゴールを守る仲間がいる。危なくなったら、俺たちを使えば良いんだ」

 

伊吹「っ!!」

 

神童「今のお前なら大丈夫だ。 これからは俺も上がる。攻撃に参加するぞ!!」

 

鉄角(大事なのは、誰がゴールを守るかじゃない。全員でゴールを守ることか)

 

九坂「どうやら、とんでもない勘違いしてたみたいだな。俺たち」

 

瞬木「他人を信用してプレーしろってこと・・?裏切られた時の失望を分かってないんだね・・・

 

 

ここから、反撃開始だ!!

 

 

イナズマジャパン 0 ー 2 ストームウルフ

 

ー 続く ー




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第44話:信頼し結集する力

ストームウルフのスローインから試合再開。ロランの投げたボールはルスランへ。しかし攻撃に参加した神童先輩がインターセプトして奪い取る。

 

ルスラン「何っ!?」

 

ドリブルで上がる神童先輩。しかしすかさずミーチャとセルゲイが止めに入る。

 

神童「フッ!!」ギュンッ!!

 

卓越したドリブル技術であっという間に二人を抜き去った神童先輩。そこから九坂にパスを繋ぐ。

 

九坂「うぉおおおおっ!!」バシィッ!

 

神童先輩のパスに追いついた九坂。そのまま攻め上がる。

 

王将「九坂にパスが繋がったぁ!! そのままドリブルで上がっていく!!」

 

ユーリ「行かせない!!」

 

ゴリバフ「お前ごときここで潰してやる!!」

 

天馬「九坂!!」

 

ここで天馬はパスを要求。九坂は・・・

 

九坂「・・・キャプテンっ!!」

 

相手DF二人を引き付けてから天馬にパス。パスが繋がる。

 

天馬「九坂・・・っ!!」

 

九坂「へへっ」

 

 

そしてボールは鉄角へ。ボールをトラップし、そのまま竜太にパスを出す。

 

竜太「ナイスパス鉄角!! 神童先輩!!」

 

神童「瞬木!!」

 

パスを繋いで攻め上がるイナズマジャパン。ストームウルフを明らかに押している。

 

王将「イナズマジャパンパスが繋がりだした!! ストームウルフを翻弄しているぞ!!」

 

天馬「皆!!」

 

竜太「やっと気づいたか!!」

 

しかしボールをアーロンに奪われてしまい、そのまま攻め上がってくる。

 

皆帆「僕は左から行く!! 真名部くんは、」

 

真名部「対称点B―から、接線に添って行くんですね!!」

 

皆帆と真名部の息のあったツインスライディングが炸裂。アーロンからボールを奪い取る。

 

王将「止めたぞ皆帆と真名部!!」

 

 

********

 

ストームウルフDFユーリがオーバーラップして上がってくる。しかし森村がディフェンスに入る。

 

森村「[このはロール]!!」

 

巨大な葉玉と化した好葉がユーリを転がって轢く。ボールを奪い取った。

 

王将「今度は森村が必殺技だぁっ!!」

 

 

 

璃奈「良いよ好葉ちゃん・・その調子っ!!」

 

しずく「森村さんがんばれーーーっ!!」

 

 

 

観客席からも声援がどんどん大きくなっていく。それに伴いイナズマジャパンの調子も上がってくる。

 

天馬「これならいける!! チームが1つになって戦えば!!」

 

ルスラン「な、何が起こってるんだ・・・?」

 

ドミトリー「何も起こってなどいない。歯車が噛み合い出しただけだ」

 

ルスラン「っ!! ・・・なら、やっとマトモな相手と戦えるってことか?」

 

 

 

王将「ストームウルフ、そしてイナズマジャパン、両者一歩も譲らない!! 前半はこのまま0ー2で折り返すかぁっ!?」

 

 

 

葵「頑張って皆!!」

 

マクシム「こっちだ!!」ダッ!!

 

王将「ここでストームウルフが抜け出したぁっ!!」

 

天馬「伊吹!!」

 

ルスラン「決めろマクシム!!」

 

伊吹「真名部!! 皆帆!!」

 

真名部・皆帆「「はい(うん)!!」」

 

2人がマクシムに対して両サイドから圧を掛ける。これでシュートコースは正面のみ。

 

マクシム「[ゴールドフィーバー]!!」

 

マクシムの放った必殺シュートが伊吹に襲い掛かる。

 

伊吹(きたっ!!)

 

すると伊吹は右腕にオーラを集約し、ダッシュと共に右手を横薙ぎに振り払う。すると正面に爪痕のような衝撃波が発生。シュートを弾き返した。

 

マクシム「何ぃっ!?」

 

王将「止めたぁっ!! 伊吹の新必殺技だぁっ!!」

 

そして弾き返されたボールは神童先輩へ。

 

神童(・・・・・・・・)

 

 

 

伊吹「やったな、真名部! 皆帆!!」

 

真名部「ええ!」

 

皆帆「さすがだね伊吹くん!」

 

神童「(伊吹、お前が止めたボールは・・必ず繋いで見せる!!)天馬! 竜太!!」

 

天馬・竜太「「はい!!」」

 

神童先輩の声ですぐさま攻撃体勢に入る俺たち。

 

神童「竜太!!」

 

竜太「天馬」!!

 

王将「イナズマジャパン、カウンター攻撃だ!!」

 

ルスラン「ユーリ!!」

 

ユーリ「行かせない!!」

 

そしてここで天馬は必殺技を放つ。ドリブルが"Z"の字を描き、ユーリを抜き去る。

 

天馬「[Zスラッシュ]!! 決めろ剣城、竜太!!」

 

そして後ろからの天馬のセンタリング。それに合わせて俺は氷、剣城は炎のオーラを纏ってダッシュし、ボールにタイミングを合わせてツインシュートを叩き込む。

 

剣城・竜太「「[超・クロスファイア]!!」」

 

炎と氷の相反する二重属性のシュートがストームウルフゴールを強襲する。

 

カルノフ「っ!!」

 

ズバァアアアンッ!!

 

シュートは、キーパーに反応すら許さずにゴールネットに突き刺さった。

 

王将「決まったぁーーーっ!! イナズマジャパン、前半終了間際に1点を返したぁああっ!!」

 

ルスラン「何ぃ・・・っ!」

 

そしてここで、

 

ピィッ、ピピィイイイーーッ!!

 

王将「ここで前半終了のホイッスル!! 得点は1ー2、ストームウルフのリードは僅か1点!! これで勝敗の行方は分からなくなってきたぁ!!」

 

 

 

******

 

 

 

葵「良いわよ皆!! まずは一点返したわ!! 剣城くん、竜太くん、ナイスシュート!!」

 

竜太「おう!!」

 

剣城「ああ!」

 

葵「伊吹くんもやったね!! 新必殺技!!」

 

九坂「全くだ。 伊吹お前、いつの間にあんな必殺技を?」

 

鉄角「特訓の成果だな!!」

 

伊吹「・・・いや、真名部と皆帆のおかげだ」

 

っ!? 伊吹の口から出た言葉が信じられず、俺たちは全員伊吹を見る。

 

伊吹「2人がサイドからストライカーに圧を掛けてくれたおかげで、コースが絞られてボールに集中できた。集中さえできれば、あんなシュートを止めるのは簡単だ!!」

 

真名部「? 今のって・・感謝、ですか?」

 

皆帆「それとも、ただの自慢?」

 

伊吹「? なんだよ」

 

そこから誰ともなく笑いが生まれ、チームの雰囲気はかなりいい方向に転がった。

 

天馬「よ〜しっ!! 後半、追いついて行くぞおっ!!」

 

イナズマジャパン『おおーーーっ!!』

 

 

 

*******

 

 

ルスラン「はん、たかが1点であの騒ぎ・・幸せな奴らだね」

 

ドミトリー「だが、その1点が・・試合の流れすらも変えてしまうこともある。そうなる前に、後半は一気に勝負をつける!!」

 

ルスラン「ああ・・・・」

 

ドミトリー(イナズマジャパン・・・勝つのは俺たちだ!!)

 

 

 

ー 前半終了 ー

 

イナズマジャパン 1 ー 2 ストームウルフ

 

ー 続く ー




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第45話:敗色

ハーフタイムが終わり、後半開始のために両チームピッチに出る。

 

王将「両チームポジションにつきました!! FFIV2、アジア地区予選決勝!! 日本代表イナズマジャパンvsウズベキスタン代表ストームウルフは、間もなく後半の開始です。現在の得点は1ー2とストームウルフがリード!! 果たして勝者となって世界のフィールドで戦うのはイナズマジャパンか、ストームウルフか!?」

 

雄太:「行けーー! イナズマジャパン!!」

 

瞬「ストームウルフなんかに負けるな!!」

 

彼方「竜太頑張って!!」

 

果林「剣城くんしっかり!!」

 

せつ菜「頑張ってください神童くん!!」

 

璃奈「好葉ちゃん頑張れ!!」

 

 

*******

 

天馬「皆!! まずは1点! 繋いで行くぞ!!」

 

イナズマジャパン『おう!!』

 

ルスラン「ふん、うまく行くかなぁ?」

 

伊吹「これ以上ゴールは割らせない!!」

 

 

そして審判のホイッスルと共に後半戦の開始。開始と共にストームウルフが攻勢に出る。ボールはマクシムが持ち、ドリブルで上がってくる。

 

天馬「瞬木!!」

 

瞬木「うん!!」

 

瞬木がディフェンスに入る。自身のスピードを活かして動きに付いていこうとするが、それ以上のスピードで振り切られてしまう。

 

瞬木「なっ!!」

 

皆帆「前半と全然違う!?」

 

真名部「力が37%もアップしています!!」

 

竜太「任せろ!!」

 

マクシム「っ!! アーロン!!」

 

俺がディフェンスに入るとすぐさま逆サイドにサイドチェンジのパスを入れて攻撃サイドを切り替えるストームウルフ。パスを受け取ったアーロンがドリブルで上がってくる。

 

九坂「行かせるか!!」

 

しかしアーロンは前半とはまるで違うとてつもない速さで動き、アーロンを抜き去ってしまった。

 

あのスピード・・ラグナロクで戦ったSSCと同じくらい速いぞ!?

 

王将「九坂抜かれたぁっ!! 後半開始早々、ストームウルフ怒涛の攻撃だぁっ!!」

 

かすみ「嘘でしょ!? 何なんですか今のスピード!!」

 

栞子「SSCたちと同じくらい速かったです・・・」

 

 

 

 

*********

 

 

 

 

天馬「よし、連携していくぞ!! なんとかボールを奪って、パスで繋ぐんだ!!」

 

アーロン「ロラン!!」

 

またしてもサイドを切り替えるサイドチェンジパスで攻撃サイドを切り替えてくるストームウルフ。だが、ボールを受け取ったロランに対して真名部と皆帆が二人で止めに入る。

 

皆帆「真名部くん、二人で行くよ!! 僕は正面から」

 

真名部「僕は右32度から×1.2のスピードで!!」

 

2人がディフェンスに入るが、ロランは必殺技を使ってきた。

 

ロラン「[シルクロード]!!」

 

皆帆「なっ!?」

 

二人は抜かれてしまい、慌ててカバーに入った鉄角も抜かれてしまった。

 

ロラン「そんな守りで俺たちが止められるか!!」

 

ロランはシュートを放ってくるがこれは伊吹の正面。伊吹はガッチリとキャッチした。

 

しかしパスを繋ごうとしても片っ端からカットされてしまい、シュートを連続で放たれてしまう。伊吹が持ち前の身体能力でなんとか止めてくれてはいるが破られるのも時間の問題だ。

 

王将「ストームウルフの攻撃が止まらない!! どうしたイナズマジャパン! 前半の勢いが無いぞぉっ!!」

 

瞬木(ダメだ・・・力が違い過ぎる!!)

 

ルスラン「さっさと諦めるんだな!!」

 

天馬(諦めるもんか!! 皆が力を合わせれば!!)

 

 

*****

 

ロラン「アーロン!!」

 

パスはアーロンに飛ぶが、ここで神童先輩がカットに成功する。

 

神童「よしっ!! ドガァッ! ぐわぁっ!?」

 

しかし隙を突かれてタックルを喰らい吹き飛ばされた神童先輩。まだストームウルフの猛攻は続く。

 

王将「試合は完全にストームウルフのペースだぁっ! 得点は1ー2でストームウルフがリード!! このまま決まってしまうのかぁっ!?」

 

鉄角(まだだ!! ここで負けてたまるかよっ!!)

 

九坂(あんなに特訓したんだ!! 俺たちが力を合わせれば!!)

 

皆帆(1点だ、1点取れば追いつけるんだ!! 絶対に止める!!)

 

皆帆がディフェンスに入るが、ロランに躱されてしまう。そこからボールはルスランに飛び、九坂が止めに入る。

 

ルスラン「ザウル!!」

 

九坂「なっ!?」

 

尚も猛攻を仕掛けるストームウルフ。イナズマジャパンは防戦一方だ。

 

王将「イナズマジャパン、反撃の糸口が掴めない!!」

 

ボールはザウルに飛び、森村がディフェンスに入るが、

 

王将「森村が抜かれたぁっ!!」

 

伊吹「今度は止めてやる!!」

 

アーロン「ドミトリー!!」

 

アーロンからドミトリーへのセンタリングが入る。

 

伊吹「来い!!」

 

しかし絶好のシュートチャンスになるボールをドミトリーはスルー。そこに飛び込んできたのは、

 

マクシム「はぁっ!!」ドガアッ!!

 

マクシムがダイビングヘッドで押し込みゴールネットを揺らし、得点差は再び2点に広げられてしまった。

 

王将「決まったぁ!! ここでストームウルフが追加点!! これは大きな1点だ!! ストームウルフが再び、2点差に広げたぁっ!!」

 

鉄角「実力が違い過ぎる・・・・」

 

九坂「無理なのか・・・・」

 

 

 

エマ「決まっちゃった・・・・」

 

歩夢「神童くん・・・」

 

侑「竜太・・・・」

 

愛「リュウ・・・」

 

 

 

*******

 

 

 

天馬「まだまだ2点差! これからだ!! っ!?」

 

もう既に皆の心は折れかけていた。

 

天馬「皆・・・・大丈夫! 諦めなけばまだ必ずチャンスはある!!」

 

瞬木「でも、ボールが取れないんじゃ・・・」

 

鉄角「負けるのは悔しいけど、俺たちよく頑張ったよ。これだけやったんだ、誰も文句は言わねぇよ・・・」

 

剣城(・・・・・・・・)

 

神童(・・・・・・・・)

 

竜太「・・・ふざけんな!! このまま負けるなんて、俺は絶対に諦めねぇぞ!!」

 

天馬「竜太!!」

 

九坂「でも・・・」

 

皆帆「気持ちは分かるけど、上には上がいる・・・それが現実だ」

 

真名部「計算したくは無いですが、ここから僕たちが勝つ確率は数パーセントもありません・・・」

 

天馬「だからって諦めるのか!? そんなの・・・最後までやって見なくちゃ分からないだろ!! 俺は諦めない!! これが最後の試合になるなんて嫌だから!!」

 

真名部「っ!! 最後の試合・・・」

 

皆帆「そうか、そうだよね・・・これで負けたら、イナズマジャパンは解散。僕たちは入団契約の条件を守ってもらって、それぞれ別の道を歩むことになる・・・」

 

九坂「最後の・・・試合・・・」

 

瞬木「別に良いんじゃない? 負けたって、約束の条件はクリアしたんだから・・「そんなことは分かってんだよ!!」っ!!」

 

九坂「分かっちゃいるんだけど、このままじゃ収まらないんだ・・・俺はこのチームに入って、初めて自分と向き合う事ができた。キャプテンたちと出合って、皆とサッカーして・・・もちろん、サッカーのおかげかどうかは分からない。でも、ここで止めたら・・何かを失う!! まだ何か、やり残した事があるような気がするんだ!!」

 

皆帆「僕たちだって同じだ」

 

真名部「ええ・・!!」

 

森村「うん!!」

 

伊吹「やろうぜ皆!! せっかくここまで来たんだ!! 俺はもっと先へ行ってみたい!! こんなところで負けられるか!!」

 

鉄角「もっと先・・・やろうぜ、皆!!」

 

九坂・真名部・皆帆・森村・伊吹「「「「「おう(うん)!!!」」」」」

 

天馬「皆・・・!!」

 

 

 

ここから、反撃なるか!?

 

イナズマジャパン 1 ー 3 ストームウルフ

 

ー 続く ー




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第46話:見出した活路

ストームウルフに点差を2点に広げられイナズマジャパンボールから試合再開。

 

王将「イナズマジャパンのキックで試合再開!! 得点は1ー3でストームウルフがリード!!」

 

ルスラン「まだ戦う気力があるとはね・・それだけは褒めてやるよ。だが、これで終わりだ・・・」

 

そして審判のホイッスルと共に試合再開。と同時に、瞬木がドリブルで攻め上がる。

 

マクシム「このっ!!」

 

マクシムにスライディングでボールを弾かれた瞬木。ボールがこぼれる。

 

王将「ボールがこぼれたぁっ!! こぼれ球は九坂へ!!」

 

九坂に渡ったところにザウルが奪いに来るが、持ち前のフィジカルで九坂はボールをキープ。そこへ、

 

真名部「九坂くん!!」

 

九坂「(来たっ!!)真名部!!」

 

ボールは真名部に繋がり、真名部から神童先輩へ。

 

王将「イナズマジャパン、ボールをキープしつつパスで繋いで上がっていくぞ!!」

 

ルスラン「往生際の悪いっ!!」

 

ドミトリー「・・・・・・」

 

天馬「竜太!!」

 

ボールは竜太に繋がり、ドリブルで上がっていく。

 

ミーチャ「行かせるかっ!!」

 

すぐさまDFが止めに来るが、俺は必殺技の体勢に入る。両足を鋭く踏み込んで足にイナズマをチャージ。それを一気に開放して飛躍的に上昇した瞬発力で一気に抜き去った。

 

竜太「[ライトニングワープ・Gx]ッ!!」ドギュンッ!!

 

俺が走ったあとから時間差で吹き荒れた突風がミーチャを吹き飛ばす。

 

王将「大海、必殺技だぁっ!!」

 

竜太「決めろ九坂!!」

 

そして九坂にボールが渡ると、九坂は怒髪天モードを発動してロングシュートの体制に入る。

 

怒髪天九坂「[キョウボウヘッド]!!」ドゴォオオオンッ!!

 

おおよそヘディングとは思えない強烈なインパクト音と共に、弾丸の様なシュートがストームウルフゴールを強襲する。

 

カルノフ「くっ!!」

 

カルノフはシュートに跳躍し腕を伸ばすが、僅かに届かずシュートはゴールに突き刺さった。

 

王将「決まったぁーーっ!! イナズマジャパン、再び1点差だぁっ!!」

 

 

 

葵「やったぁ!!」

 

 

 

侑「ナイスシュート九坂くん!!」

 

******

 

 

天馬「竜太ナイスアシスト!!」

 

竜太「おう!!」

 

天馬「よーし、後1点だ!! 追いついて行くぞ!!」

 

イナズマジャパン『おう!!』

 

 

ルスラン「油断したか・・・」

 

ドミトリー「いや違う、実力だ!!「っ!!」分からないのか? 奴らの覚悟を。奴らはこの試合に全てを掛けている。この試合、全力で掛からなければ、俺たちは負ける。そして、忘れたわけじゃないだろうな? この試合、負けたら俺たちに帰る所は無い!!」

 

ルスラン「っ!!」

 

 

 

******

 

 

 

王将「試合はイナズマジャパンが1点を返して2ー3!! 勢いに乗って追いつく事ができるかあっ!?」

 

ピィイイイーーーッ!!

 

王将「ストームウルフのキックオフで試合再開!!」

 

マクシム「ザウル!!」

 

ボールはザウルに渡り、九坂がディフェンスに入るが、スピードに翻弄されアッサリと抜かれてしまう。そしてパスを繋いで攻め上がってくるストームウルフ。スピードがさっきよりも上がっている。

 

鉄角「どういう事だ!? 奴らのスピードが上がったぞ!!」

 

神童「ついに本気を出してきたか・・・・」

 

天馬「えっ!?」

 

ボールはアーロンに渡り、森村がディフェンスに入るが、

 

王将「森村が抜かれたぁっ!!」

 

竜太「っ!! 皆帆!!」

 

皆帆「任せて!!」

 

すかさず皆帆がカバーに入り、必殺技で止めに入る。

 

皆帆「[トレースプレス]!!」

 

完璧にアーロンの動きの癖を読み切りボールを奪った皆帆。ボールは天馬に。

 

天馬「決める!! [超・マッハウィンド]!!」

 

天馬の風を纏った弾丸シュートがストームウルフゴールに襲い掛かる。しかし負けじとキーパーカルノフも必殺技を放つ。

 

カルノフ「[ツイストリーチ]!!」

 

なんとカルノフの腕が伸び、伸縮の勢いを利用してシュートを弾き返した。こぼれ球は神童先輩の方へ。

 

王将「これは激しい試合になってきた!! 両者、一歩も譲らない!!」

 

鉄角「くっ・・・」

 

 

 

*******

 

剣城『サッカーは生き物だ、目を背ければ襲い掛かってくる野獣だ。食われるのが嫌なら目をそらさず、全てを見るんだ』

 

 

 

 

 

鉄角「っ!・・・・・・」

 

王将「さぁ残り時間が少なくなってきた!! 得点は2ー3でストームウルフがリード!! このまま終わってしまうのかぁっ!?」

 

しかしここで再びFWのマクシムが抜け出した。完全にフリーだ。

 

竜太「伊吹!!」

 

伊吹「任せろ!! (アイツのシュートなら止められる!)」

 

しかしマクシムはシュートと見せかけて真上にボールを蹴った。それに飛びついたのは、

 

ドミトリー「[ゴールドフィーバー]!!」

 

伊吹「何だとっ!?」

 

マクシムのパスをダイレクトシュートで必殺技に繋げてきたドミトリー。伊吹は必殺技を出せず、シュートはまたしてもゴールに突き刺さってしまった。

 

王将「決まったぁあーーーっ!! ここでストームウルフが再び2点差に引き離したぁっ!! 残り時間は殆ど無い!! この1点で勝負は決まったかぁっ!?」

 

葵「そんな・・・・」

 

彼方「竜太・・・・・」

 

 

******

 

鉄角「くっ、ここまでか!!」

 

天馬「どうしたんだ皆!! まだ試合は終わってない!! もっと先へ行くんだろ!?」

 

鉄角「でも、2点も差があるんじゃ・・・・」

 

九坂「残り時間も無いし・・1点ならまだしも、2点もあるんじゃ・・・」

 

天馬「だったら2点・・・同時に取ればいい!!」

 

イナズマジャパン『はあっ!?』

 

鉄角「2点当時に・・?」

 

九坂「キャプテン、野球じゃないんすよ? 2点同時なんて無理っす!!」

 

天馬「そんなの、やって見なくちゃわからないだろ!!」

 

鉄角「いや、分かるよ!!」

 

 

真名部「・・・いや、できるかもしれませんよ?」

 

イナズマジャパン「えっ?」

 

皆帆「うん!」

 

天馬 コクッ!

 

 

 

*******

 

王将「イナズマジャパンのキックオフで試合再開!! 得点は2点差でストームウルフがリード!! 追い込まれたイナズマジャパン!!」

 

鉄角(2点同時か・・・面白い!!)

 

ドミトリー(まだ諦めていないというのか?)

 

 

 

そして再開のホイッスルと共に瞬木がバックパス。ボールはキーパーの伊吹まで戻る。

 

伊吹「皆上がれ!!」

 

そして全員で攻撃を仕掛けたイナズマジャパン。すると、

 

ドミトリー「ロングパスか!! 甘い、その前に潰してやる!!」

 

ストームウルフの前衛陣が一斉に上がり伊吹に襲い掛かる。しかし伊吹はそれをバスケのディフェンスに見立て、ボールをついてバスケのドリブルをしてタイミングを図ると、ストームウルフの上からぶん投げた。

 

ドミトリー「なにっ!?」

 

ボールは皆帆へ。

 

皆帆「神童くん!!」

 

神童「九坂!!」

 

九坂「大海!!」

 

王将「イナズマジャパン、パスを繋いで上がっていく!!」

 

ドミトリー「くっ、セルゲイ!!」

 

セルゲイ「行かせるかよ!!」

 

竜太「[マーメイドダイブ・S]!!」

 

相手と自分の周りが水中に変わり、華麗なドルフィンキックから相手をあざ笑うように突破。そのままドリブルで上がる。

 

天馬「竜太!! 決めろ!!」

 

そして俺がシュート体勢に入ると、背後に武神型のマジンが出現。振りかぶった刀と共に、俺の渾身のシュートが炸裂。赤いレーザーとなってゴールに襲い掛かる。

 

竜太「[スサノオブレード・Gx]ッ!!」

 

カルノフ「何っ!? ぐわぁあぁあああっ!!」

 

キーパーカルノフは技を出す間もなくシュートに弾き飛ばされ、シュートはゴールネットに突き刺さった。

 

王将「決まったぁーーーっ!! イナズマジャパンの速攻が決まったぞ!!」

 

ドミトリー(あんな奇策を用意していたのか・・・だが得点はまだこっちがリード。次の1点で止めを刺してやる!!)

 

 

 

********

 

 

王将「ストームウルフのキックオフから試合再開!!」

 

ドミトリー「上がれ!!」

 

皆帆「(さあ、2点同時ゲット大作戦だ・・・)真名部くん!!」

 

真名部「ええ!!」

 

真名部「(3、4、5、6!)今です!!」

 

その瞬間、瞬木と剣城が同時にマクシムに襲い掛かり、ボールを奪い取る。そして剣城は即座にシュートを放つ。

 

剣城「[バイシクルソード]!!」

 

ドミトリー「なにっ!? コースがガラ空きだと!? 戻れ!!」

 

皆帆「残念だけど、君たちの立ち位置からじゃ間に合わないよ!!」

 

カルノフ「くっ、[ツイストリーチ]!! ぐわぁああっ!?」

 

王将「決まったぁ!! な、なんと!! イナズマジャパンが土壇場で一気に2点を取って追いついたぁっ!?」

 

 

ドミトリー「っ!! ・・俺たちの動きを、読んでいたというのか!!」

 

 

*******

 

 

天馬「"6.70秒後の空白"?」

 

皆帆「動きを見ていて気づいたんだけど、彼らは攻撃のフォーメーションを作る際に、いつも同じ動きをしているんだ」

 

真名部「そしてその中で、いつもピッタリ6.70秒後に、一瞬だけボールを持った選手からゴールまでの間に、ディフェンスが誰もいなくなってコースがガラ空きになるタイミングがあるんです。そのタイミングを狙ってシュートを叩き込めば、2点同時に取ることも可能です!!」

 

 

 

 

竜太(真名部と皆帆がメンバーじゃなかったら、この試合は負けてたかもな・・・)

 

 

イナズマジャパン 4 ー 4 ストームウルフ

 

ー 続く ー




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第47話:戦いの終わりと新たな始まり

ついに同点に追いついた俺たち。ストームウルフのキックオフから試合再開。

 

ドミトリー「上がれ!!」

 

ホイッスルと共に、ドミトリーとマクシムが二人の見事なパス回しで攻め上がってくる。こちらのディフェンスは次々と躱わされ、ゴール前まであっという間に攻め込んてくる。

 

皆帆「真名部くん! 鉄角くん!!」

 

鉄角「ああ!!」

 

3人がそれぞれディフェンスに入る。ボールはマクシムが持っており、ドミトリーにパスを出すかそれとも自分で撃つか分からない。

 

マクシム「ドミトリー!!」

 

マクシムはパスを選択。ボールはドミトリー・・・の頭上を通り越して上がってきていた三人目のFWに繋がった。

 

皆帆「(しまっ!?)森村さん!!」

 

森村「は、はわわわわわ!!」

 

ドミトリー「(あのDFは守備範囲が狭い。そのまま撃てる!!)決めろザウル!!」

 

ザウル「貰ったぁああっ!!」

 

天馬・九坂・神童「「「好葉(森村)!!」」」

 

森村「っ!! ドクンッ!」

 

その瞬間、好葉が優しい緑色をした謎の光に包まれる。その光はキツネ?のような形を作ったかと思ったら、突如として動きが良くなった森村は、ザウルから俊敏な動きでボールを奪った。

 

ザウル「なっ!?」

 

皆帆「い、今のは一体・・・・」

 

森村「う、ウチ・・今・・・」

 

会場も静まり返ったがハッと我に返り、

 

王将「止めたぁーーーっ!! 森村がチームのピンチを救ったぞぉーーっ!!」

 

天馬「好葉速く!! コッチだ!!」

 

森村「っ!! キャプテン!!」

 

ボールは天馬に渡り、そこへユーリがディフェンスに入る。

 

ユーリ「行かせるかっ!!」

 

天馬「[Zスラッシュ]!!」

 

必殺技を発動した天馬のドリブルは"Z"の軌跡を描き、ユーリを抜き去った。

 

天馬「瞬木!!」

 

瞬木「必ず決めてやる!! [パルクールアタック]!!」

 

瞬木のシュートが空から撃ち落とされる。カルノフも必殺技で対抗する。

 

カルノフ「[ツイストリーチ]!!」ガカァアアッ!!

 

ぶつかりあったパワーは拮抗するかに見えたが、徐々に瞬木のシュートが押していき、ついにキーパーを吹き飛ばしてゴールに突き刺さった。

 

王将「決まったぁあああっ!! イナズマジャパンついに逆転だぁっ!!」

 

そして、

 

王将「ここで試合終了のホイッスル!! FFIV2アジア地区予選優勝は、日本代表イナズマジャパンだぁああーーーっ!!」

 

天馬「やったぁ!! 勝ったぞぉおおおおっ!!」

 

喜びに湧く俺たち。だが、突如としてフィールドに霧が立ち込め、辺りが静寂に包まれる。観客席を見ると、皆眠っていた。

 

瞬木「な、なんだ!?」

 

鉄角「何が起こってるんだ!?」

 

竜太「!? み、見ろ!!」

 

すると、ストームウルフの選手の身体がどんどん変化していく。身体の表面が削れていき、中身が姿を現す。

 

九坂「な、何じゃありゃあ!?」

 

竜太「す、ストームウルフが・・・宇宙人!?」

 

そして、スタジアムの上空の空が暗くなったかと思うと、いきなり巨大な飛行艇のようなものが姿を現す。

 

天馬「こ、これって・・・まさか、」

 

竜太「宇宙船!?」

 

 

俺たちは、新たな戦いへと足を踏み入れ始めていたのだった。

 

 

 

ー 試合終了 ー

 

イナズマジャパン 5 ー 4 ストームウルフ

 

ー to be continue‥‥‥ ー




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第48話:大会の真相

竜太「これって、宇宙船!?」

 

神童「バカな・・・・・」

 

 

水川「いよいよ、始まるんですね・・・」

 

 

突如としてスタジアム上空に現れた宇宙船。その下部に埋め込まれていたスフィアが光ったと思ったら、ストームウルフに化けていた宇宙人たちが粒子となって回収され、変わりに1人の男が出てきた。

 

イナズマジャパン『!?』

 

天馬「宇宙・・人?」

 

?「おめでとう地球代表の諸君。君たちはGCG(グランドセレスタギャラクシー)の予選を勝ち抜き、本大会に駒を進めた」

 

天馬「っ!? 今・・なんて」

 

神童「確かに、俺たちを・・・」

 

剣城「俺たちを、地球代表と言ったのか!?」

 

?「そう。君たちは日本という国の代表などではない」

 

竜太「日本、じゃなくて・・・地球?」

 

?「やはり君たちは、理由も聞かされずに戦っていた様だね?」

 

瞬木「瞬と雄太をどうした!!」

 

っそうだ!! 彼方やエマたちもどうなってるんだ!?

 

俺が問い詰めようとしたら、先に宇宙人が説明してくれた。

 

?「心配するな、寝ているだけだ「寝てる?」」

 

なら、ひとまずは安心なのか・・・?

 

天馬「寝てる? なんでそんなことを・・・「そこから先は俺が話そう!!」っ!! 豪炎寺さん!?」

 

フィールドに、現サッカー協会会長である豪炎寺さんが現れた。

 

豪炎寺「済まなかったな天馬。お前たちには、事情を語らずに戦ってもらった」

 

天馬「どういうことですか!!」

 

豪炎寺「全てを話そう。今、何が起こっているのかを・・・」

 

そして豪炎寺さんは全てを話しだした。

 

豪炎寺「君たちは、3ヶ月前に突如月が観測できなくなったニュースを知ってるか?」

 

竜太「はい。確か、宇宙空間に大量のチリが発生して、光を遮って観測できないって・・「いや、それは違うんだ」違う?」

 

?「そう。全く違う」

 

 

ー 3ヶ月前・サッカー協会 ー

 

豪炎寺「馬鹿げている。そんな話を信じろと?」

 

?「事実だ。お前たち人類が突きつけられた現実だ。18万8000光年先の銀河で行われるサッカー大会、グランドセレスタギャラクシーに出場してもらう」

 

豪炎寺「悪いが冗談を聞いているほど暇ではないんだ」

 

?「参加を断ればこの星は滅ぶぞ?」

 

豪炎寺「いい加減にしろ!!」

 

?「どうやら君はまだ自分たちが置かれている状況を理解できていないようだ・・・着いてこい」

 

そして、謎の宇宙人と豪炎寺は協会の屋上に向かう。

 

豪炎寺「こんなところに連れてきて何をするつもりだ?」

 

すると宇宙人は黒いボールのような物を出現させ、それを月のほうへと蹴り飛ばした。その玉は勢いのままに大気圏を抜けて、月へと到達。エネルギー場が月を包み込み、それが晴れると、月は影も形も無くなっていた。

 

豪炎寺「何ということを・・・・」

 

?「君たちが月と呼ぶこの星の衛星は消滅した。これでこの星の地軸はブレ始め、放っておけばいずれ天変地異に見舞われ滅ぶだろう。唯一救う方法は我々の力を借りる事だ」

 

豪炎寺「くっ・・・」

 

?「理解したか? お前たちに我々の提案を拒否する事などできないということを・・・」

 

ー 国会議事堂 ー

 

財前「では、交渉の余地すら無いということなのだな?」

 

豪炎寺「はい・・・・地球は喉元に刃を突きつけられているも同然です」

 

財前「・・・・地球の運命がその大会に賭かっているというわけか」

 

豪炎寺「これはサッカーに関すること、私に任せてもらえませんか? 必ず、希望への結果を残してみせます」

 

財前「分かった。頼むぞ豪炎寺くん!! 地球の存亡か掛かっているのだ、私も協力は惜しまない!!」

 

ー 世界議会会場 ー

 

?「聞くがいい、辺境の星の民よ!! 私は、銀河連邦評議会から派遣されてきた、"ビットウェイ・オズロック"だ。君たちの言葉を借りるなら、異星人・・・ということになる」

 

会場がざわめき出す。会場の全員が混乱している。

 

豪炎寺「皆さんお静かに!! 話を聞いていただきたい!!」

 

オズロック「この星より18万8000光年の彼方に、"ファラムディーテ"という太陽がある。その星の太陽系には、ファラム・オービアスという星があり、この星同様知的生命体が住んでいる。しかし、ファラム・オービアスは、突如として出現したブラックホールによって、数カ月後には滅びる運命となってしまった。彼らは死の宣告を受けた、そこで・・生き延びるために銀河のほかの星に向けて、侵略戦争を仕掛けることを宣言した」

 

オズロックの言葉に皿に会場がざわめく。当然だ、宇宙戦争などと・・・

 

オズロック「しかし宇宙戦争は賢き方法とは言えない。我々はファラム・オービアスに別の解決方法を提案した。ブラックホールの出現は、宇宙そのものに起こった厄災であると、銀河に生きる全ての種族が生き延びたいと思うのも当然だ・・・そこで銀河連邦評議会は、安全な惑星に住む種族を、公平かつ平和的手段で決めることにしたのだ!!」

 

議員「バカな!! そんなものその星の問題ではないか!! 我々には関係ないことだ!!」

 

オズロック「愚かな・・ファラム・オービアスは、銀河でも最高の叡智と軍事力を有する星、戦争にでもなればこんな星1時間も持たんよ・・・。銀河連邦評議会としても、最大限の交渉を重ね、ここまでこぎつけたのだ。平和的かつ公平なやり方で。兵器ではなく、その星の民の身体能力を競い合うやり方で勝敗を決定する。戦争など行えば星自体を傷付けかねない。不毛な殺し合いなどせずに生き延びる種族を決める。これが我々が導き出した最良の答え・・即ち、銀河を巻き込んだ惑星間サッカー大会、"GCG(グランドセレスタギャラクシー)"だ!!」

 

議員「何ということだ・・・自分たちの居場所を明け渡す者たちを決めるサッカー大会か・・・」

 

オズロック「そうなる。大会上位の星から自分たちの住む星を取っていく、そういうルールだ。もちろんファラム・オービアスも出場し生き残りを掛けて戦った。極めて公平だ。」

 

議員「では、最下位にさえならなければ助かるということなのだな?「それは違う」なにっ!?」

 

オズロック「銀河広しといえど、生物が快適に住める星は数えるほどしかない。巨大惑星であるファラム・オービアスの住人を収容するには、それらの惑星の約99%が必要になる」

 

議員「なっ!! では・・・我々が生き残るには」

 

オズロック「そう、君たちが生き残るには、GCGでの"優勝"、以外に無い。すでに先行して行われている別ブロックにて、ファラム・オービアスは決勝進出を決めている。故に、ファラム・オービアスよりも先に星を選ぶ権利を持てるのは、優勝者のみだ」

 

議員「優勝できなければ、地球は侵略されるというのか!!」

 

オズロック「フッ、寧ろ感謝すべきではないかな? 一方的な侵略ではなく、全ての星の者たちに平等にチャンスが与えられたのだから・・・」

 

 

********

 

 

 

竜太「グランドセレスタ・・・ギャラクシー・・・」

 

剣城「星の代表による、宇宙規模のサッカー大会か・・・」

 

神童「出場しなければ地球は滅び、負ければ地球は侵略される・・・」

 

豪炎寺「その大会に優勝し地球を救うために、お前たちは集められたんだ。地球代表、「アースイレブン」として」

 

天馬「俺たちが・・・アースイレブン!?」

 

伊吹「っ! 俺たちは、世界大会の予選に出ていたはずだ!!」

 

オズロック「いや? 実際に行われていたのはグランドセレスタギャラクシーの銀河辺境Aブロック予選だ」

 

竜太「っ!! てことは!!」

 

オズロック「そう、君たち以外のチームすべてが異星人だ・・」

 

真名部「そういうことだったんですか・・・・」

 

オズロック「では選手諸君には、早速準備に取り掛かってもらう。大会に出場するための旅立ちの準備をね」

 

天馬「まさか!! 俺たちが宇宙へ!?」

 

鉄角「何ぃ!?」

 

伊吹「そんなの・・・」

 

九坂「有り得ねぇ!!」

 

そして、宇宙船のスフィアが光りオズロックを回収。宇宙船は消えていった。

 

観客席「う、うん? あれ・・・」

 

観客の人たちが次々と目を覚ましていく。良かった、ほんとに寝てるだけだった・・・

 

葵「天馬・・・・」

 

 

 

種の存亡を賭けた惑星間サッカー大会、グランドセレスタギャラクシー、そして地球代表アースイレブン・・・どうなるんだ?

 

ー 続く ー




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第49話:アースイレブン追加メンバー

オズロックの話と、今この地球に何が起こってるのかを聞いた俺たちは、一旦宿舎に戻ってきていた。

 

 

ー 宿舎・ミーティングルーム ー

 

神童「監督は、このことを知っていて俺たちを率いていたんですか!! こんなことを隠して!!」

 

黒岩「本当のことを知っていたら、お前たちは戦えたのか?」

 

確かに、知っていたらプレッシャーでまともにプレーなんかできなかっただろうな・・・。

 

龍也「俺たち全員の判断だ。地区予選で優勝するまで、本当のことは隠そうと」

 

竜太「親父も知ってたのかよ・・・」

 

豪炎寺「そうだ。こんな現実を誰が受け止められる? 選手たちはもちろん、監督にすら適任者は居なかった。この人が現れるまでは・・・」

 

神童「噂は本当だったんですね・・・黒岩流星監督、その正体は、かつてサッカー界を脅かした闇の皇帝、「影山零治」!!」

 

竜太「っ!?」

 

 

ー 2ヶ月前 ー

 

豪炎寺「くそっ、どうすれば・・・ガチャ ? !?」

 

影山「事態は把握している。私が、引き受けよう」

 

豪炎寺「あなたは・・・事故に見せかけられて、ガルシルドに殺されたはずでは・・・」

 

影山「救われたのだよ。私の心臓は一端停止したが、その後蘇生処置が行われたのだ。禁じられた方法でな・・」

 

話では、新薬投与の実験体にされたがその薬の影響で、止まっていた心臓が再び動き出した。

 

影山「だがその後長く、私は死んだはずの人間でいなければならなかったがな」

 

********

 

 

豪炎寺「我々が地球存亡の危機を知ったとき、現れた適任者が、蘇った影山零治。黒岩流星監督だったんだ」

 

神童「黒岩監督、教えてください!! 何故このメンバーだったんですか? 確かに、全員が隠れた才能を秘めていました。でも、他のプレイヤーにも優秀な者は大勢いました。なのに何故素人だったこのメンバーを選んだんですか?」

 

天馬「監督!!」

 

黒岩「良いだろう。私は死に直面したあの日から、見えないはずのものが見える様になった。それは、人の中に眠る"ケモノ"だ」

 

竜太「ケモノ・・・?」

 

黒岩「ぼんやりとだが、私にはその人間の中に眠るケモノの力が見える。それこそがこの星が持つ遺伝子、この星の者にしか扱えぬ力」

 

竜太「まさか!? さっきの試合中に森村に起きたのは!!」

 

龍也「古来、それは聖霊と呼ばれていたらしい」

 

黒岩「森村のDNAの中に眠る、力の覚醒が始まったのだ。他の星の遺伝子を持つものに接触したことで、自己防衛本能が、ケモノの力を目覚めさせようとしている。ここにいる11名には、他の星の種族に対抗できる、大きな力を宿している」

 

竜太「俺たちに・・・そんな力が?」

 

豪炎寺「後はお前たちが決めるんだ」

 

神童「天馬、今度の戦いは、背負うものの大きさが違う。地球の未来が賭かっいる。負けることは絶対に許されない戦いだ・・・どうする? 天馬!!」

 

天馬「サッカーで地球を救えるなら、俺たちのサッカーが地球の希望になるなら・・・やろうよみんな!!」

 

イナズマジャパン『・・・・・・・』

 

天馬「ここで俺がなんとかなるさって言っても、全く安心なんかできないのは分かるけど、でも俺は皆と一緒に何とかする道を探したい!!」

 

黒岩「お前たちに求められるのは、勝利し続けることだ!!」

 

神童「しかし、たったこれだけのメンバーで地球を救えというのですか?」

 

黒岩「いや? 補充メンバーを用意してある。21名の選手をな」

 

天馬「そ、それって・・・」

 

するとミーティングルームルームの扉が開き、円堂監督が入ってきた。

 

竜太「えっ!? まさか・・・「いや、俺じゃない。入れ」」

 

そして入ってきたのは、一人の男と二人の女の子だった。

 

?「私は、市川座名九郎と申します」

 

?「ワタシは鐘 嵐珠よ!!」

 

?「ミア・テイラー。宜しく・・・」

 

天馬「市川・・座名九郎? どっかで見たような・・・」

 

剣城「鐘 嵐珠?」

 

竜太「ミア・テイラーって、あの世界的な音楽一家の!?」

 

ミア「へえ? ボクのことを知ってるんだ?」

 

神童「残りの18名は?」

 

黒岩「外に出ろ・・・」

 

俺たちが外に出ると監督が時計を見て、「そろそろだな・・・」まさか!!

 

すると、上空にワームホールが出現し、中から見慣れた乗り物、TMキャラバンが姿を現した。

 

竜太「まさか・・・フェイ!?」

 

真名部「な、何なんですかアレは!?」

 

知らない皆が驚いている間にTMキャラバンは着陸。中から見慣れた緑髪の少年と青いクマのアンドロイドが出てくる。

 

フェイ「天馬!! 皆!!」

 

竜太「フェイ!! ワンダバ!! まさか、補充メンバーって!!」

 

フェイ「半分当たりで半分外れ。未来からだけじゃない。過去からもだよ!!」

 

そして中から降りてきたのは、

 

?「ここが未来か・・・」

 

?「ビックリだね・・・」

 

?「全くだ」

 

?「でも、ちょっとワクワクする気もするね」

 

?「マリーも宇宙でシャイニーしマース!!」

 

?「全く鞠莉ってば・・・・」

 

?「あっ、天馬、リュウタ!! 久しぶり!! ラグナロク以来だね!!」

 

天馬「ねぇ? ・・・あれって」

 

竜太「親父!? 母さん!? 豪炎寺さんに吹雪さん!? 絵里さんに鞠莉さん!? SARU!?」

 

しかも親父や母さんたちは高校時代から連れてきたのか!?

 

黒岩「あとは、彼らだ」

 

果北「お兄ちゃん! 私も力になりに来たよ!!」

 

彼方「話を聞いたときはビックリしたけどね〜。彼方ちゃんも戦うよーーっ!!」

 

蘭「蘭も宇宙で大暴れしてやるにゃーーっ!!」

 

桐穂「私達もね!!」

 

白竜「フッ・・・」

 

侑「私の"眼"が力になれれば良いけど・・頑張るよ!!」

 

果林「ワタシのプレーで宇宙を魅了してやるわ!!」

 

エマ「私だって!! 家族を守るためにも負けるわけには行かないよ!!」

 

栞子「私もです!!」

 

信介「僕も天馬たちの力になるよ!!」

 

黒岩「フェイ・ルーンを加えたこの21名が追加メンバーだ」

 

このメンバーが・・・

 

龍也(高校生)「映像見たぞ? お前が竜太か?」

 

竜太「あ、ああ・・・」

 

龍也(高校生)「フッ、そうか・・・」

 

果北「ヤバ!! 高校生のパパ、マジでイケメンなんだけど!!」

 

果南(高校生):「でしょ? 果北だったっけ?」

 

果北「う、うん・・・」

 

果南(高校生)「まだちょっと実感はわかないけど・・・ハグ、しよっ?」

 

果北「っ!! ママ!!」

 

果南(高校生)「おっと、よしよし・・・」

 

豪炎寺(高校生)「あれが大海の(のち)の息子と娘か・・」

 

吹雪(高校生)「うん、一緒に戦うのが楽しみだよ!!」

 

竜太「っ! あの、もしかしてこのメンバーも・・」

 

黒岩「ああ。全員では無いが、お前たち同様にケモノのチカラを宿している者たちと、それを補うだけの実力を素で持っている者たちだ。それでは、宇宙に向かう前に、一時解散とする。家族にしばしの別れの挨拶でもしてくるんだな」

 

そして、メンバーは一度家へと戻っていった。

 

 

ー 続く ー




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第50話:アースイレブン宇宙への旅立ち

ギャラクシーノーツ号に乗ってからの過去作メンバーは高校生表記無しです。ご注意下さい。


世界大会の予選に参加していたと思っていた俺たちだったが、実際参加していたのは"グランドセレスタギャラクシー"という種の存亡を賭けた惑星間サッカー大会であり、俺たちは日本代表ではなく地球代表であったことが発覚。

本戦へと駒を進めた俺たちは、宇宙へと旅立つ事になり、メンバーは各自家族にしばしの別れをしに家に帰る事になった。

 

 

ー 東京・稲妻町 ー

 

俺と果北、彼方と果林、エマ、侑、栞子と信介は"高校時代と現代"、2人の父さんと母さんと共に雷門へとやってきていた。

 

龍也(高校生)「いやー、俺こんなふうに成長するんだ・・・」

 

龍也(大人)「けっこう波乱万丈な人生だから覚悟しとけよ?」

 

過去と現在の父さんが話していると、かすみやしずくたちは高校時代の父さんをキラキラとした目で見ていた。

 

かすみ「何度もビデオで見た高校生の龍也さんが目の前に・・・!!」

 

しずく「すごいです!!」

 

そんな中、彼方や栞子、メンバーに入った者は家族から抱きしめられたり「必ず無事に帰って来てね?」と、涙ながらに心配されていた。

 

やっぱり心配だよな・・・。

 

遥「おねえちゃん・・・」

 

彼方「遥ちゃんとお母さんの事は彼方ちゃんが守るから!! 待っててね?」

 

遥ちゃんが唇を噛む。本当は自分も力になりたいのだろう。だが、自分では足手まといになりかねない事も分かっているため、姉を心配させまいと必死に感情を堪える。

 

遥「信じてるから・・・お姉ちゃん」

 

彼方「彼方ちゃんと皆に任せて?」

 

彼方母「彼方・・・・」

 

彼方のお母さんは、複雑そうな顔をして娘を見ていた。できれば行かないでほしいのだろう。だが、このままでは地球が危ない。そうなれば自分も、もうひとりの娘である遥ちゃんも死ぬ。わずかでも彼方に賭けるしかないのが現状だ。

 

彼方母「必ず無事に帰ってきてね?」

 

彼方「うん! 次に会うときは地球を救って宇宙一になって帰ってくるよ!!」

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

?「君が竜太くん?」

 

竜太「はい。あなたは・・・・」

 

?「栞子の姉の薫子よ。宜しく」 

 

竜太「あなたが栞子の!!」

 

薫子「聞いてるんでしょ? 私がサッカーに夢中になりすぎたせいで栞子に家の期待がのしかかっちゃったこと・・・・」

 

竜太「はい・・・・」

 

薫子「妹の進みたい道を閉ざしちゃった姉が言うのもおかしいかもしれないけど・・・栞子を頼んだよ?」

 

この人・・栞子の事を大切に思ってるんだな。

 

竜太「はい!!」

 

そしてそこに音ノ木坂の皆と穂乃果さんたち、浦の星の皆と、千歌さんたちが来たので、雷門の皆と円堂監督達皆で学校に泊まって皆で遊んだ。

 

・・・もしかしたら、これが最後になるかもしれないからな。

 

 

 

ー 次の日 ー

 

俺たちは、お台場サッカーガーデンに集合していた。アースイレブンは全員欠けることなく集まり、出発の時を待っている。

 

黒岩「揃っているな? では、これより宇宙へと出発する」

 

神童「あの、宇宙船らしきものが見当たらないんですが・・・」

 

黒岩「まぁ見ていろ。すると、監督はスイッチを押したかと思ったら、宿舎が動き、一列へと並びまるで電車のように連結した。」

 

鉄角「で、電車!?」

 

水川「ギャラクシーノーツ号。銀河連邦評議会から送られてきた設計図を元に作られた列車型宇宙船よ。これで宇宙に行くわ」

 

すると宇宙船の扉が開き、中から車掌服に見を包んだオバちゃんが出てきた。

 

天馬「オバちゃん!? 何で?」

 

オバちゃん「実は私の本職は科学者でね。この宇宙船やブラックルームを作ったのも私なんだよ?」

 

ええっ!? 凄い人だったのか・・・・。

 

黒岩「では乗れ。出発する」

 

そしてアースイレブン32名は宇宙船に乗り込むとドアが閉まる。俺たちは先頭車両に行き、各自の席のベルトを締める。

 

水川「それでは、ギャラクシーノーツ号発進します」

 

すると、前方に空へと伸びる光のレールが出現。宇宙船は動き、レールに沿って上へと上昇。そのまま空へと舞い上がり、大気圏を抜けて宇宙へと旅立った。

 

 

竜太「宇宙に、どんな奴らがいるのかな!!」

 

彼方「楽しみなの?」

 

竜太「負けられない戦いなのは分かってるけど、やっぱり強いやつと戦うのが楽しみだ!!」

 

果林「全く竜太ったら」

 

エマ「でも、それが竜太くんのいいとこだよね?」

 

 

龍也「竜太・・・」

 

果南「龍也そっくりだね?」

 

豪炎寺「血は争えないということか」

 

フェイ「絶対に勝とう天馬!!」

 

天馬「うん!! 3人もよろしくね?」

 

座名九郎「そういうと思いましたよ」

 

嵐珠「無問題ラ!! 嵐珠に任せなさい!!」

 

ミア「流石に地球が無くなったら困るからね。できることはするよ」

 

宇宙へと旅立った俺たち。この先、いったいどんな出会いと戦いが待っているのだろう。

 

 

ー 続く ー




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第51話:砂の惑星サンドリアス

出発の後、各自がギャラクシーノーツ号の設備を見て回る。元が宿舎だったので生活に必要な物は全て揃っている。

初めて見るフェイや龍也さんたちは興味津々のようだ。

 

SARU「凄いね。僕たちの時代に近い技術力が使われてるよ・・・・」

 

竜太「そうなのか・・・・もしかしたらこの大会が地球の技術力が伸びるキッカケになったのかもな」

 

フェイ「なるほど、たしかにそれはあるかもしれない」

 

絵里「いよいよ宇宙での戦いが始まるのね・・・・」

 

鞠莉「マリーたちが地球を守りマ〜ス!!」

 

俺たちがチェックを済ませて先頭車両に戻ると、これから18万8000光年先の銀河へとワープするらしく皆ベルトを締める。

 

フェイ「こういう超長距離移動のワープは初めてだね。タイムワープなら天馬たちといっぱいしたけど」

 

その言葉に食いついたのが母さんだった。

 

果南「タイムワープって?」

 

SARU「タイムジャンプ・・つまりタイムスリップです」

 

吹雪「タイムスリップ・・・未来だと、ってそういえば僕たちもこの時代に来るのに乗ったね。TMキャラバン」

 

栞子「まぁ私達の時代だとまだできなくて、フェイくんたちの時代でようやくできるようになるらしいです」

 

龍也「ふ〜ん。確か竜太たちの時代から更に200年後だっけ?」

 

フェイ「はい」

 

水川「これからワープします、しっかり捕まってください。あと喋らないほうが良いかと」

 

そして俺たちは安全バーに捕まり、体勢をとる。

 

 

するとアナウンスが流れ、ギャラクシーノーツ号は一気にワープした。

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

ワープを終えると、一面が砂漠の砂の星が眼前にあった。

 

水川「あれがグランドセレスタギャラクシー1回戦の相手、惑星サンドリアスです」

 

竜太「惑星サンドリアスか・・・・どんな人間が暮らしてるんだ?」

 

そしてギャラクシーノーツ号はサンドリアスの宇宙駅、サンドリアスステーションに発着。

 

アースイレブンは砂の星、サンドリアスに降り立った。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

竜太「よっと、ここが・・・」

 

?「お待ちしていましたアースイレブンの皆さん」

 

天馬「君は、誰?」

 

?「申し遅れました。わたくし、オズロック様より、皆さんの宇宙での案内を仰せつかっています。"イシガシ・ゴーラム"と申します」

 

案内人か・・・確かにいたほうが心強いかも。

 

竜太「宜しくお願いします」

 

挨拶を済ませ、早速このサンドリアスという星についての説明がされる。

この星は地表の99%以上が砂漠で覆われており、過酷な環境で生きるために進化したサンドリアス人は、高い身体能力と砂嵐の中でも開けていられる特殊な目をしているらしい。

 

竜太「すみません、試合についての質問があるんですが、本戦ではオーラの発動は禁止されてるんですか?」

 

イシガシ「いいえ? 予選では禁止されていたようてすが、本戦ではサッカーのルールの範囲であれば、ありとあらゆる手段が許容されます。遠慮なく戦ってもらって大丈夫です。まぁ、あなた方のオーラがどこまで通用するかは分かりませんが」

 

黒岩「では、少しの間自由時間とする。各自の好きにしろ」

 

そう言って黒岩監督は中に戻ってしまった。

 

天馬「じゃあ俺は街を見に行こうかな?」

 

竜太「俺も。他に行くやついるか?」

 

というよりも、全員行くようだった。

 

 

ー サンドリアス・市街地 ー

 

市街地を見て回ると、やはり地球とは人間の姿から違い、人々は俺達からしたら変わった服装をしていた。

 

皆色々街を見ており、竜太、天馬、信介、龍也さん、栞子と一緒にいた。

 

天馬「そろそろ戻ろっか? ギュンッ! っ!?」

 

どこからかボールが飛んできて蹴り返す天馬。そこにはいかにも柄の悪そうなサンドリアス人5人が立っていた。

 

竜太「お前は?」

 

?「はっ、こんな奴らが地球代表とはな、よほど貧弱な星なんだな」

 

竜太「は?」

 

天馬「竜太!! 試合を控えてるんだぞ!!」

 

?「逃げんのか? とんだ臆病者だな」

 

龍也「じゃあサッカーバトルでもやるか?」

 

すると、サンドリアスのゴロツキ共は、ニヤリと口角が上がった。

 

サッカーバトル

 

サンドリアス人

 

GK   ジャバト

 

DF レサト  アクラ

 

FW カラブ  シャウラ

 

アースイレブン

 

FW 竜太  龍也

 

MF   天馬

 

DF   栞子

 

GK   信介

 

そして、サンドリアスの人々が見る中、サッカーバトルが開始された。

 

ー 続く ー




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第52話:スターシップスタジアム

サンドリアス人チームのキックオフからバトルスタート。カラブがボールを持ち、ドリブルで上がっていく。

 

竜太「行かせるか!!」

 

カラブ(来たな)ニヤッ

 

するとカラブは頭をむけて突っ込んできた。まさか!?

 

竜太が咄嗟に避けるとカラブの図突きは地面にめり込み砕いた。何て石頭してんだコイツ!?

 

シャウラ「何やってんのよカラブ。ちゃんと狙いなさいよ?」

 

っ! なるほど、確実に勝つために試合前に俺たちを潰しに来たか!! なら、お望み通りこっちもやってやるよ!!

 

 

竜太(親父・・・)チラッ

 

龍也(コクッ)

 

カラブ「行くぜぇっ!!」

 

カラブは更にドリブルを仕掛けてくるが、天馬が止めに入る。

 

天馬「[ワンダートラップ・Z]!!」

 

カラブ「何ィっ!?」

 

カラブからボールを奪った天馬。そのまま攻め上がる。

 

天馬「龍也さん!!」

 

龍也「任せろ・・・っ!?」

 

しかしボールは頭上を通り越して相手の元へと飛んでしまった。

 

竜太「天馬お前らしくねぇミスしてんなよ!!」

 

天馬「いや俺は!!」

 

栞子「どうかしたんですか?」

 

天馬「俺はいつもどおり蹴ったよ? なのにあんなに飛ぶ何て・・・」

 

信介「っ! そうか!! 天馬、この星は地球よりも重力が弱いんだ!! いつもどおり蹴ったら大きくなりすぎるよ!!」

 

そういうことか!!

 

ボールを持ったアクラがドリブルを仕掛けてくる。天馬がディフェンスに入るが、

 

アクラ「吹っ飛べ!!」ドゴアッ!

 

天馬「ぐあっ!?」

 

竜太「天馬!!」

 

アクラ「シャウラ!!」

 

ボールはシャウラに飛ぶ。が、

 

栞子「させません!!」

 

シャウラ「何っ!?」

 

龍也「栞子ちゃんナイスカット!!」

 

空中で栞子がカット、龍也さんにパスを出す。先程の天馬のパスを思い出し、軽〜く蹴る。

 

栞子「龍也さん!!」

 

龍也「ナイスパス!!」

 

ボールを受け取った龍也さんは、そのまま仕掛けるが、アクラとレサトが止めに入る。

 

アクラ・レサト「「くたばれぇっ!!」」

 

2人が2方向から同時に攻撃を仕掛けてくる。だが、

 

龍也(今だ!!)ダンッ!

 

龍也さんはタイミングよく跳躍。ターゲットが消失したため、二人は味方同士で盛大にクラッシュした。

 

アクラ・レサト「「ぐぁあぁあああっ!?」」

 

天馬「さすが龍也さん!!」

 

そのままドリブルで持ち込み、少し進んだ所でシュート体勢に入る龍也さん。竜太の[ラストリゾート]とは違う構えからボールにオーラを纏わせてオーバーヘッドで下に落とし、左足の足払いで風の膜をコーティング。それを左足で思い切り蹴り飛ばした。

 

龍也「[ラストリゾート(ドラゴン)・Gx]!!」

 

漆黒の邪龍がキーパーに襲いかかる。キーパーは正面からシュートに掴みかかる。

 

ジャバト「地球人のシュートなんか止めてやるんだな!!」ガシィッ!!

 

しかし、勢いに押されキーパーはどんどん後ろに引き摺られて行く。

 

ジャバト「くっ、くそぉっ!!」ドガァアァアアンッ!!

 

シュートはゴロツキ共を吹き飛ばし、ゴールに突き刺さった。さすが龍也さんの全盛期だね。

 

しかしこの結果をサンドリアス人は受け入れられない。こうなったらと実力行使に出てきた。

 

カラブ「試合に出られなくしてやる!!」

 

竜太「くっ!!」

 

ドガァッ!!

 

サンドリアス人『ぐあっ!!』

 

えっ!?

 

見ると、ごろつき共とは違うユニフォームを着た一人のサンドリアス人が立っていた。助けてくれたのか?

 

カラブ「あ、アナタは!?」

 

?「何をしている愚か者め!! サンドリアス人の誇りを汚すつもりか!!」

 

カラブ「くっ・・・」

 

そして、その場に集まっていた者たちは解散していった。

 

?「同胞が迷惑を掛けた。申し訳無い」

 

天馬「あなたは?」

 

?「私の名は"カゼルマ・ウォーグ"サンドリアスイレブンのキャプテンだ」

 

コイツがサンドリアスのキャプテンなのか・・・でもキャプテンはマトモそうだな。

 

天馬「俺は松風天馬。宜しく!」

 

カゼルマは一瞬躊躇したが手を取った。そして、明日はお互いの運命を賭けて、正々堂々戦おうと約束して去っていった。

 

竜太「そろそろ戻ろうぜ?」

 

龍也「そうだな」

 

そして、ギャラクシーノーツ号に戻った俺たちは、明日の試合に備えて今日は休んだ。のだが、

 

ー 次の日 ー

 

竜太「天馬? その生き物なんだ?」

 

天馬「分からない。朝起きたら部屋にいたんだ」

 

?「ピクゥッ!!」

 

果南・果北「「やだカワイイ!!」」

 

母さんと果北はこの生き物に興味津々の様だ。確かに可愛いけどさぁ・・・・、

 

伊吹「どっから入ってきたんだ?」

 

天馬「・・・・夢?」

 

鉄角「は?」

 

天馬「俺の見た夢の中に出てきた生き物と同じなんだ」

 

九坂「じゃあ、夢の中から飛び出してきたってことか?」

 

果林「いや有り得ないでしょさすがに」

 

皆帆「いや、宇宙には想像もできない出来事があるってことだ。面白いよ!!」

 

葵「この子天馬に懐いてるのね? じゃあ天馬、世話役よろしくね?」

 

天馬「ええーーーっ!?」

 

そして名前はどうするかということになり、真名部がピクシーというのはどうかとなり、ピクシーと呼ぶ事に決まった。

 

天馬(夢の中でピクシーと一緒にいた女の子は誰なんだろう・・・・?)

 

そして、1回戦が行われるスタジアムに向かった。

 

 

ー 流砂の大河 ー

 

カゼルマ「来たか天馬」

 

?「来たか地球人!」

 

エマ「何あの人・・・」

 

白竜「他の奴らとは全く違う姿をしてるな」

 

イシガシ「ルールでは、お互いの星が同意していれば別の星の人間をチームに入れることは可能です」

 

そんなルールがあるのか・・・

 

神童「他の星からの助っ人というわけだな」

 

カゼルマ「バルガ! 勝手なことはやめろ!!」

 

バルガ「甘い! 昼下がりの花の香りのように甘いぞカゼルマ! 戦いは殺るか殺られるかだ。そんな綺麗事を言っている場合では無いと思うが?」

 

カゼルマ「くっ・・・」

 

神童「どうやらサンドリアスも一枚岩ではないようだな」

 

蘭「それでいったいどこで戦うのにゃ?」

 

剣城「確かに・・スタジアムなんか無いぞ・・・」

 

イシガシ「上をご覧ください」

 

すると、上空からホーリーロードスタジアムで見た宇宙船が現れ、目の前にに着陸し変形。巨大なスタジアムに変わった。

 

イシガシ「これが、宇宙を自在に飛び回る・・"スターシップスタジアム"です」

 

いよいよ、1回戦が始まる!

 

ー 続く ー




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第53話:激突!宇宙サッカー!!

ー スターシップスタジアム ー

 

?「イェーイ!! welcome to Cosmic soccer world!! 栄光のグランドセレスタギャラクシー、ここに開幕! 実況は私、スーパー解説者でもある、"ダクスガン・バービュー"でお送りしまーす!!」

 

スタジアムにあふれる歓声。だがそれはすべてこの星の代表であるサンドリアスイレブンに向けてのものだ。

 

ダクスガン「栄えある第一戦は、この星の代表であるサンドリアスイレブン! エーンド、もう一方は銀河辺境Aブロック予選を勝ち上がり、本大会へと駒を進めた地球代表アースイレブン!!」

 

天馬「よし、行こう!!」

 

アースイレブン『おう!!』

 

 

フォーメーション

サンドリアスイレブン

 

GK         バダイ

 

DF ミブ  タクラ バルガ ダフ  ゴビラ

 

MF         カゼルマ

 

FW アッカー  ハリザ  ザバ  シャルキ

 

アースイレブン

 

FW  龍也   剣城   果北

 

MF  果南   天馬   竜太

 

DF 森村  皆帆  真名部 栞子

 

GK       伊吹

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

黒岩「最初はこのメンバーで行く。後に備え、色々な形を試していく」

 

アースイレブン『はい!!』

 

鉄角「頑張れよ三船!!」

 

栞子「はい!! 精一杯やらせて頂きます!!」

 

瞬木「俺が控え?」

 

黒岩「瞬木、いつでも出られるよう準備はしておけよ?」

 

瞬木「はい・・・」

 

そして選手が位置に着く。

 

 

ダクスガン「さぁ選手か位置に着きました! 最初の戦いに勝利するのはサンドリアスか? それとも地球か!?」 

 

そして、審判がホイッスルを吹いた。

 

ピィイイイーーーッ!!

 

ダクスガン「さあ、アースイレブンボールで試合開始だ!! パスを繋いで上がっていくぞおっ!!」

 

果北「天馬くん!!」

 

天馬「竜太!!」

 

しかし、パスは大きく飛んでいき、頭上を越えてしまった。

 

天馬「まだ飛距離が大きい・・・」

 

だが竜太はなんとかボールを確保しドリブルで上がっていく。

 

カゼルマ「ここは通さない!!」

 

すかさずカゼルマがディフェンスに入る。が、竜太は必殺技を発動する。

 

竜太「[ライトニングワープ・Gx]!!」

 

竜太の鋭い左右の踏み込みで両足にイナズマをチャージ。それを一気に開放することで得た爆発的な瞬発力でカゼルマを抜き去った。

 

カゼルマ「っ!! 速い!!」

 

しかし、竜太に対し、今度は異星からの助っ人であるバルガが立ち塞がる。

 

バルガ「通さんぞ!! [ロックハンマー]!!」

 

バルガが地面から巨大な岩のハンマーを取り出し地面に叩きつける。その衝撃で竜太は吹き飛ばされボールを奪われてしまった。

 

竜太「ぐあっ!?」

 

ダクスガン「おーっと! バルガの必殺技[ロックハンマー]だ!! 大海竜太からボールを奪った!!」

 

バルガ「ヌハハハ! これが地球代表の実力か? 話にならんな!!」

 

ここでボールはザバに渡る。そこに果北がディフェンスに入る。

 

果北「行かせないから!!」

 

ザバ「貴様には無理!!」ギュンッ!!

 

しかしザバは凄まじい速さで果北を抜き去った。

 

果北「速い!! 砂の上だよ!?」

 

そして今度はハリザにパスが飛び、真名部が止めに入る。

 

皆帆「パスミスだ! 取れるよ!」

 

ハリザ「そうじゃねぇんだな!!」

 

するとハリザは驚異的な跳躍力で跳び上りボールを取る。

 

皆帆「やっぱりこっちに来たね!!」

 

しかし皆帆が止めに入る。

 

バルガ「ハリザ! やれ!!」

 

するとハリザはフィールドの砂を蹴り上げて砂を巻き上げる。皆帆は目を開けていられずに突破を許してしまう。

 

カゼルマ「アイツ!!」

 

龍也(・・・?)

 

そしてハリザは地面を抉って砂を巻き上げながらシュートを撃って来た。

 

ハリザ「頂くぜっ!!」ドッパァアアッ!!

 

伊吹「甘いんだよっ!!」

 

しかし伊吹は砂で視界が塞がれる中、野生の勘頼りに飛びついてボールをキャッチ。シュートを止めた。

 

ダクスガン「ワーオ!! 伊吹ナイスキャッチ!! スーパーセーブだぁっ!!」

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

信介「アイツら、砂嵐の中でも目を開けてられるのか」

 

葵「でもあんなのズルいわよ!!」

 

 

 

伊吹のゴールキックから。ボールは竜太に飛ぶが、届く前にシャルキに空中で奪われてしまった。

 

栞子「止めます!! [グラビティバインド・Gx]!!」

 

大きな重力場が発生し、シャルキを圧し潰す。その間に栞子はボールを奪い取り、天馬にパスを出す。

 

バルガ「ダフ! ゴビラ! やれ!!」

 

すると天馬に対してDFが二人がかりでタックルを仕掛けてきた。天馬は倒れ込み、ボールはタッチラインを割って外に出た。

 

カゼルマ「バルガ! 卑怯なことをさせるな!!」

 

バルガ「戦いは殺るか殺られるかだと言っただろう? 手段は選ばん!!」

 

カゼルマ「俺たちはそんなことをしなくても勝てる!!」

 

バルガ「ほう? ・・・良いだろう、なら時間をやる。証明してみろ」

 

天馬「くっ」

 

カゼルマ「済まなかった・・・もう、さっきのようなプレーはさせない」

 

天馬「カゼルマ・・・・うん!」

 

サンドリアスイレブンのスローインから試合再開し、ボールはカゼルマへ。天馬がディフェンスに入るが、アッサリと抜かれてしまう。

 

そこからサンドリアスは自分たちに慣れた砂地のフィールドというアドバンテージを活かし、猛攻を仕掛けてくる。皆必死に守るが、押されっぱなしだ。

 

なんとか天馬がボールを奪い取り、前線の剣城にパスを出す。

 

天馬「剣城!!」

 

剣城「[バイシクルソード]!!」

 

バダイ「止める!![サンドノック]!!」

 

しかしキーパーの必殺技で剣城のシュートは弾かれてしまった。

 

弾かれたボールはそのまま前線のアッカーへ。そしてスピードに乗ったドリブルで一気にゴール前まで駆け上がる。

 

ダクスガン「ワーオ!! これは激しい試合になってきた!! お互いに無得点のまま時間だけが過ぎて行くぞおっ!!」

 

 

 

皆帆「行かせないよ!!」

 

アッカー「シャルキ!!」

 

ここでボールはシャルキに繋がる。が、

 

真名部「行かせません!! [ディフェンス方程式]!!」

 

真名部がボールを奪い取りボールは果南さんへ。

 

タクラ「行かせるかよ!!」

 

果南「[マーメイドタイブ・S]!!」

 

しかし果南さんも負けじと必殺技を使い、華麗なドルフィンキックで水中機動を展開。タクラを抜き去る。

 

バルガ「やらせんぞ!! [ロックハンマー]!!」

 

ここでバルガの[ロックハンマー]が炸裂。ボールを奪われてしまった。

 

果南「痛った〜っ! 女の子に遠慮も無し!?」

 

すると果南さんからボールを奪ったバルガは・・・

 

バルガ「地球人相手に未だ無得点とは、我慢も限界だ!! ハリザ! ザバ! やれ!!」

 

そしてバルガは前線へと大きくパス。ハリザは大きく跳躍しボールを取ると、頭を下にしてそのままフィールドに激突した。

 

ドガァアアアンッ!!

 

皆帆「うわぁああっ!?」

 

守りに入っていた皆帆は衝撃で吹き飛ばされ、ボールはハリザからザバへ。

 

真名部「計算通りです!!」

 

ザバ「そうかよ!! [ディグスルー]!!」

 

するとなんと相手は地面に潜り身体を捻って回転を掛けてドリルのように地中を掘り進み、地上へと出てきた。

 

伊吹「何だとっ!?」

 

そして不意を突かれた伊吹はそのままゴールを許してしまった。

 

伊吹「っ! クソっ!!」

 

 

 

アースイレブン 0 ー 1 サンドリアスイレブン

 

ー 続く ー




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第54話:(ソウル)出現

サンドリアスに先制点を奪われアースイレブンボールで試合再開。アースイレブンも必死に食い下がるが自分たちに慣れ親しんだ砂地のフィールドというアドバンテージをフルに活かしたサンドリアスの守りを崩せない。

 

天馬「よしっ、「甘い!!」なっ!?」

 

ザバにボールを奪われ、そのまま攻められるアースイレブン。真名部と皆帆が止めに入るが、

 

ザバ「そんなディフェンスで止められるかよ!!」

 

フィジカルを活かした強引なドリブルにアッサリと突破されてしまい、再び砂を巻き上げての目潰しシュートを放ってくる。

 

伊吹「くっ、このっ!!」バチィッ!!

 

またしても伊吹のナイスセーブ。パンチングで弾き出し、ボールは外に出る。だが伊吹はフラストレーションが溜まってきている。

 

伊吹「おいディフェンス!! アッサリと抜かれすぎだぞ!!」

 

真名部「皆帆くん!! もっとちゃんとマークしてください!!」

 

皆帆「やってるよ!! 真名部くんこそ!!」

 

サンドリアスの反則スレスレのラフプレイにチームの雰囲気は険悪になってきている。

 

森村(っ!! 皆が・・・ウチの嫌いな顔をしてる・・・)

 

真名部「ここで負けたら、地球はおしまいなんですよ!?」

 

皆帆「分かってるよ!!」

 

すると、森村が声を上げた。

 

森村「ケンカはだめーーっ!!」

 

アースイレブン『っ!!』

 

森村「皆、ウチの好きな仲間なの!! 皆優しい人なのに、イライラとか、ムカムカとか、そんなの駄目!!」

 

龍也「森村さん・・・」

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

葵「好葉ちゃん・・・「大丈夫です。勝てますよ」えっ?」

 

座名九郎「この試合、ピンチの状況がどうしても必要なんです。でも、アースイレブンを追い込んでいるのは敵じゃない。黒岩監督です」

 

葵「えっ!?」

 

全員が監督を見る。どういうこと?

 

座名九郎「監督、私を試合に出してください。ご要望にも沿い、流れを変えてみせましょう」

 

市川くん・・・一体何を

 

黒岩「・・・・・良いだろう。流れを変えてこい」

 

座名九郎「そういうと思いましたよ」

 

ダクスガン「おっと、アースイレブンここで剣城に代えて市川を投入だ!! 流れを変えることができるのかぁっ!!」

 

剣城と交代し座名九郎がピッチに入ると天馬が駆け寄り、

 

天馬「座名九郎、このフィールドは・・・「見てたから分かりますよ。キャプテン、少しの間私に時間を下さい」えっ?」

 

すると、座名九郎は森村に近寄り

 

座名九郎「森村さん「な、何?」皆さんを守りたいですか?」

 

森村「えっ・・う、うん!!」

 

座名九郎「では森村さんにお聞きしますが、サンドリアスの選手で誰が1番恐いですか?」

 

森村「え? えっと・・・あの人と、あの人」

 

森村は、バルガとカゼルマを指差した。

 

座名九郎「なるほど。では、仲間を守る方法を教えましょう。ボールを使って、フィールドで鬼ごっこをするんです」

 

森村「鬼ごっこ?」

 

座名九郎「はい。あなたがボールを持って逃げ回れば、相手はあなたを狙ってくる。結果、仲間を守れるんです。ですが、やるからには本気ですよ? できますか?」

 

森村「それなら・・・ウチにもできる!!」

 

 

 

そして、サンドリアスのスローインから試合再開しボールはシャルキに飛ぶ。しかし龍也さんがカットしてボールは森村へ。

 

ダクスガン「なんとっ!! 森村がサンドリアス陣内へ斬り込んでいく!!」

 

カゼルマ「ディフェンダーがなんのつもりだ!!」

 

森村はここで躱そうとパスを出すが、ボールはバルガの足元に転がってしまう。

 

バルガ「ハハハ!! 情けない奴め! ひと思いに踏み潰してくれるわ!!」

 

バルガが森村に突進してくる。

 

森村「ウチが・・皆を守る!!」

 

すると、森村の強い思いに呼応し身体から光が溢れ出す。すると森村は一匹のキツネへと変化。キツネはバルガの周囲を駆け回ると、背後から足元に激突してふっ飛ばしてボールを奪う。そして奪ったところで元の森村に戻った。

 

バルガ「なっ!?」

 

カゼルマ「バカな!! "ソウル"だと!?」

 

ダクスガン「なんとぉっ!! ここで森村がソウルを発動!! あれは地球の生物、フォックスのソウルだぁっ!!」

 

天馬「ソウル!? あれはソウルっていうのか!!」

 

座名九郎「森村さん!! 果北さんが空いてます!!」

 

森村「っ!! 果北さん!!」

 

果北「っ!! ナイスパス!! 絶対に決める!! ハァアアアッ!!」

 

すると、果北の背から化身のオーラが溢れ果北の化身が顕現する。

 

果北「【海神の歌姫セイレーン・零式】!! アームドッ!!」

 

バダイ「化身か!! ? っ!! 何だアレは!? 化身を身に纏っただと!?」

 

果北は更に化身アームドを使用。必殺シュートの体勢に入る。

 

果北「[激流ストーム・Gx]!!」

 

果北の化身の力が上乗せされた必殺シュートがサンドリアスゴールを強襲。キーパーバダイは必殺技で対抗する。

 

バダイ「くそっ、[サンドノック]!!」

 

果北のシュートとキーパーの必殺技が激突。水の弾丸と砂の拳がぶつかる。キーパーも必死に堪えるが、

 

バダイ「ぐっ!! なんだ!? このパワーは・・」

 

果北「決まれぇえええぇっ!!」

 

しかし力の差は歴然。バダイの技はあっという間に打ち砕かれ、果北のシュートがサンドリアスゴールに突き刺さった。

 

ダクスガン「決まったぁあああっ!! 大海果北の必殺シュートが、サンドリアスゴールに突き刺さった!! 同点だぁっ!!」

 

そして、ここで前半終了のホイッスルが鳴り、

 

ダクスガン「ここで前半終了のホイッスル!! 1ー1で前半を折り返しだぁっ!!」

 

ー ハーフタイム ー

 

バルガ「くっ!! あんな奴らに点を許すとは何たる失態だ!! 良いかお前たち、後半は俺の指示通りに動け!! 「勝手に指示を出すな!!」カゼルマ、お前は負けても良いのか? お前たちが負ければ、何十億というサンドリアスの民が滅びることになるのだぞ?」

 

カゼルマ「くっ・・・・」

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

葵「果北ちゃんナイスシュート!!」

 

果北「うん!! まだまだ決めるよ!!」

 

果南「ねぇ、さっきのアレ何? あんなの見たことないよ?」

 

竜太「化身だよ」

 

龍也「化身?」

 

竜太「そ。因みに化身を身体に纏ったのが化身アームドね? 俺もできるよ?」

 

龍也「じゃあ俺もできるのか?」

 

竜太「どうだろう、そもそも化身を宿してないと絶対に無理だから」

 

こればっかりは生まれ持ったものだから仕方ないな。

 

豪炎寺「化身か・・・・」

 

天馬「よし、後半巻き返して行くぞ!!」

 

アースイレブン『おう!!』

 

 

ー 続く ー




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余談ですがサザナーラ戦で嵐珠が、ガードン戦でミアが初出場する予定ですので気長にお待ち下さい。


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第55話:サンドリアスの誇り

ハーフタイムも終了しサンドリアスボールのキックオフで後半戦開始。キックオフと共にFW陣がドリブルで斬り込んできた。そこに天馬がディフェンスに入る。

 

バルガ「地球人を潰せ!!」

 

シャルキ(くっ!!)

 

するとシャルキは足で砂を巻き上げて天馬の目を潰しにきた。天馬は咄嗟に目を瞑るが、その間に突破を許してしまう。

 

カゼルマ「止めろ!! サンドリアスの誇りを忘れたのか!!」

 

カゼルマが声を上げるとシャルキは立ち止まり、

 

シャルキ「仕方ないんだ・・・負けたくないんだよ!!」

 

カゼルマ(くっ、仕方ないのか・・・? 種族が生き残るためには・・どんな手を使っても、勝つべきなのか・・・っ?)

 

その間にも次々とサンドリアスの砂を利用したラフプレイにズタズタにされていくアースイレブン。

 

竜太がなんとかボールを奪って攻め上がるが、

 

バルガ「行かせん!!」

 

ドガァアアアンッ!!

 

竜太「ぐぁああぁあああっ!!!」

 

バルガのパワータックルで吹き飛ばされ潰される。

 

竜太が立ち上がろうとしたところにバルガが思い切りボールをぶつける。

 

天馬「竜太!!」

 

バルガ「お前も倒れろ!!」

 

天馬の腹部に思い切りボールを叩き込むバルガ。果北と座名九郎もパワーでなぎ倒される。

 

ハリザ「加担してた俺が言うのもなんだが、流石にやりすぎじゃないのか・・・?」

 

ボールは果南さんに渡り、ドリブルで攻め上がる。

 

バルガ「やれ!!」

 

アッカー(っ!!)

 

またしても砂を巻き上げ視界を奪うサンドリアス。しかし果南さんはなんとか天馬にパスを繋ぎ天馬がドリブルで攻め上がると、そこにカゼルマがディフェンスに入る。

 

ドガァアアアンッ!!

 

天馬とカゼルマが挟み込むようにボールを蹴り合う。力比べだ!!

 

カゼルマ「君は、こんな試合が嫌にならないのか!?」

 

天馬「正々堂々戦うだけだ!! 後悔したくないから!!」

 

カゼルマ「っ!!」

 

竜太「勝て天馬!!」

 

しかし力比べはお互いに弾き飛ばされて引き分けに終わる。しかしこぼれ球がバルガに渡ってしまう。

 

天馬「くっ、」

 

すると立ち上がろうとしている天馬に、

 

バルガ「吹き飛ばしてくれる!!」

 

思い切り天馬に向かってボールを蹴るバルガ。だが!!

 

カゼルマ「やめろォっ!!」ドゴアッ!

 

なんと、サンドリアスキャプテンのカゼルマが天馬を庇った。会場はどよめくがバルガは邪魔されてご立腹だ。

 

バルガ「貴様邪魔しおって!!」

 

カゼルマ「こんなことは間違っている!!」

 

バルガ「何っ!?」

 

カゼルマ「誇りを守れない者は・・誰も守れはしないんだ!!」

 

サンドリアスイレブン『っ!!』

 

バルガ「この愚か者が!!」

 

 

 

ダクスガン「ムムッ!! サンドリアスが険悪なムードだ!!」

 

バダイ「皆良いのかこのままで!?」

 

サンドリアスイレブン『・・・・・・・・』

 

ダクスガン「松浦のスローインから試合再開だぁっ!!」

 

果南さんのスローインからボールは竜太へ。

 

バルガ「お前ら潰せ!! 「断る!!」何っ!?」

 

ザバ「・・・サンドリアスの誇りは守る!!」

 

カゼルマ「っ!! お前たち!!」

 

竜太「(っ!!)天馬!!」

 

天馬「っ!! 龍也さん!!」

 

アースイレブンのパスが繋がり始める。ボールは龍也さんへと渡る。

 

バルガ「行かせんぞ!!」

 

龍也「(スペースが空いた!!)市川!!」

 

ここで抜け出していた座名九郎にパスが通る。オフサイドはない。

 

バダイ「来い!!」

 

すると座名九郎の身体から光が溢れ出し、ライオンへと姿を帰る。ボールと共に獅子は駆け抜け跳び上がり、雄叫びと共にボールを撃ち出すと元の座名九郎に戻った。

 

バダイ「くっ!! [サンドノック]!!」

 

バダイの必殺技と座名九郎のソウル技、"ソウルストライク"が激突する。だが、[サンドノック]は打ち砕かれ、シュートはゴールに突き刺さった。

 

ダクスガン「get goal!! アースイレブンが勝ち越したぁっ!!」

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

水川「監督は知っていたんですね?」

 

黒岩「既に奴は力を目覚めさせていた。歌舞伎で獅子王という役を演じきるためにな」

 

水川「そこに目を付けた・・・」

 

黒岩「ケモノを覚醒させるためには、トリガーとなるべき者が必要だった」

 

水川「故に、彼らをメンバーに引き入れる必要があった・・・」

 

 

 

バルガ「貴様らぁっ!!」

 

サンドリアスイレブン『・・・・・・・・・』

 

全員バルガを白い目で見ている。これはもうフィールドにはいられないかな?

 

バルガ「選手交代だ!! こんな星、どうなっても知らん!!」

 

選手交代

 

サンドリアス

バルガ out → in レギ

 

 

カゼルマ「邪魔者はいなくなった。ここからが本当の勝負だ!!」

 

天馬「ああ!!」

 

いよいよ、本当のサンドリアスイレブンと激突する。

 

 

 

アースイレブン 2 ー 1 サンドリアスイレブン

 

ー 続く ー




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第56話:GCG、1回戦決着!

座名九郎がシュートのソウルストライクをサンドリアスゴールに叩き込みついに逆転した俺たちアースイレブン。サンドリアスボールから試合再開。

 

ボールはハリザに渡り、ドリブルで攻め上がってくる。そこにすぐさま果南さんがディフェンスに入る。

 

果南「行かせないよっ!!」

 

ハリザ「押し通る!! [ディグスルー]!!」

 

再び地面の中に潜って突破するハリザ。そしてカゼルマにパスを出す。

 

ハリザ「カゼルマ!!」

 

ボールを受け取ったカゼルマはそのまま攻め上がる。しかし天馬がディフェンスに入る。

 

天馬「止める!!」

 

カゼルマ「ソウルの力を使えるのは、君たちだけじゃない!!」

 

するとカゼルマの身体から光が溢れ、黄色い体色をした地球では見ないトカゲのような生き物に変わる。トカゲは地面をまるで魚のように泳ぎ周り、天馬の頭上を飛び越えて突破。ここで元のカゼルマに戻る。

 

竜太「サンドリアスもソウルを!?」

 

カゼルマ「行くぞ!!」

 

そしてカゼルマはシュート体勢に。蹴り上げたボールに砂嵐が纏わりつき、それが砂の槍のようになってゴールに襲いかかる。

 

カゼルマ「[ダストジャベリン]!!」

 

伊吹「止めてやる!! [ワイルドダンク・Z]!!」

 

最終進化した伊吹の[ワイルドダンク]がカゼルマの[ダストジャベリン]に叩きつけられる。しかし一瞬動きは止まったもののすぐに弾き飛ばされてしまい、シュートはゴールに突き刺さった。

 

ダクスガン「ゴーール!! カゼルマの同点弾が炸裂!! サンドリアスも必死に追い縋る!!」

 

カゼルマ「よしっ!!」

 

すぐにアースイレブンボールから試合再開。ボールは竜太に渡り、ドリブルで攻め上がる。

 

カゼルマ「行かせない!!」

 

竜太「うぉおおおぉおおおっ!! [ライトニングワープ・Gx]!!」

 

上昇した瞬発力で一気に加速。カゼルマを置き去りにして突破する。

 

カゼルマ「くっ!! レギ、頼む!!」

 

レギ「任せろ!! [ディグアップ]!!」

 

今度はディフェンダーのレギが必殺技を発動。地中に潜り足から地上に出てきてボールをすくい上げて奪い取った。

 

ダクスガン「ワーオっ!! サンドリアスも負けてはいない!! 両チーム凄まじい鍔迫り合いだ!! 一歩も引かない!!」

 

そして時間だけが刻一刻と過ぎていき、ボールはカゼルマに。

 

天馬「今度は止める!!」

 

カゼルマ「また抜いてやる!!」

 

するとカゼルマは再びソウルを発動。ソウルストライクを使い一気に天馬を抜いた。

 

カゼルマ「これで決めてやる!! 「させないっ!!」っ!!」

 

するとフォローに入った森村の身体から光が溢れ、緑色のキツネへと姿を変える。キツネはカゼルマの周りを走り回ると、背後からタックルでカゼルマを吹き飛ばしてボールを奪い取った所で森村に戻る。

 

ダクスガン「今度は森村がソウルを発動!! またしてもピンチを救ったぞぉっ!! ハッハーーッ!!」

 

森村「キャプテン!!」

 

そしてボールは天馬に渡り、天馬はドリブルで仕掛ける。するとサンドリアスのセンターバック3人が一斉にディフェンスに入ってくる。

 

天馬「なら・・・・」ドッ!!

 

天馬は空いたゴール前に縦のセンタリングを入れる。そこへ走っていたのは、

 

竜太「ナイス天馬!!」

 

龍也「決めるぞ竜太!!」

 

そして、龍也さんと竜太が二人で構えてボールに極大のオーラを纏わせ、龍也さんがオーバーヘッドで下に落とし、竜太が左の足払いでボールに風の膜をコーティング。それを龍也さんと竜太の二人はツインシュートで思い切りぶっ放した。

 

竜太・龍也「「[ラストリゾート(クロス)]!!」」

 

岩石と漆黒、2匹の龍がボールと共にフィールドを破壊しながらキーパーに襲いかかる。サンドリアスキーパーバダイも必殺技で応戦する。

 

バダイ「絶対に決めさせない!! [サンドノック]!!」

 

[ラストリゾートX]と[サンドノック]が激突する。しかし一瞬の拮抗すら許さずに、シュートはキーパー諸共吹き飛ばし、ゴールネットに叩き込まれた。

 

 

そして、

 

 

ダクスガン「ここで試合終了のホイッスル!! アースイレブンが3ー2でサンドリアスを下し、2回戦進出だぁっ!!」

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆

 

?「オズロックよ、ファラムオービアス女王ララヤ様の希望を伝える」

 

オズロック「は? して、どのような?」

 

?「アースイレブンにキョウスケ・ツルギという選手がいるだろう? それがほしいとの事だ」

 

オズロック「と、言いますと?」

 

?「ララヤ様の元へ連れてこい」

 

オズロック「・・・・承りました」

 

 

 

 

サンドリアスに勝利し、一安心している俺たち。なのだが、

 

天馬「よしっ!!」

 

龍也「やったな!!」

 

果北「私も1点決めたよっ!!」

 

天馬「うん! ・・・・?」

 

周りを見ると、サンドリアスの住民は絶望に打ちひしがれ、嘆き悲しんでいた。

 

天馬「っ!! そうか、俺たちが勝つってことは、相手の星の人たちが希望を失うってことなんだ・・・」

 

カゼルマ「天馬、2回戦進出おめでとう」

 

天馬「カゼルマ・・でも君たちは・・・」

 

カゼルマ「俺たちはサンドリアスの誇りを守った。だから悔いはない。潔く運命を受け入れよう」

 

天馬「カゼルマ・・・・」

 

そして宇宙船に戻る途中、サンドリアスの人々の恨みの籠もった視線が突き刺さっていた。

 

天馬「・・・・・「ピクゥッ!」ピクシー? 待ってピクシー!!」

 

葵「天馬!? 「先行ってて!!」」

 

ー 天馬 side ー

 

俺は突然何処かへと行ったピクシーを追いかけていた。すると、

 

天馬「待ってピクシー! ・・・っ!?」

 

眼の前には、夢で見た女の子が立っていた。

 

?「・・・・・アナタは優しいのですね。負けた星の人のことをそれ程に気にかけている」

 

天馬「君は・・・誰?」

 

?「私は"惑星キエル"のカトラ。松風天馬さん、私に付いてきて下さい」

 

そして、カトラは行ってしまい、俺も急いで後を追う。すると、大きな洞窟に来た。中に入ると、とてもキレイな石が石の台座に鎮座していた。

 

天馬「これは・・・「希望のカケラです」希望のカケラ?」

 

カトラ「希望のカケラは、全部で4つ。それをすべて集めて私のところへとたどり着いて下さい。そうすれば、今まで敗退していった全ての星の、銀河の人々を救うことができます」

 

天馬「っ!! じゃあ、カゼルマたちも?」

 

カトラは、そっと頷いた。

 

天馬「どこに行けば、君に会えるの?」

 

カトラ「勝ち進むしかありません。おそらくは、決勝の地、ファラム・オービアスで」

 

天馬「分かった。絶対に行くよ!!」

 

カトラ「アナタは、私の言葉を信じてくれるのですか?」

 

天馬「今の俺には、それしか頼りがない。君に賭けるよ」

 

カトラ「分かりました。決して負けぬよう、祈っています」

 

そして、カトラは消滅した。何かの映像みたいなものだったのかな?

 

ー 剣城 side ー

 

剣城「天馬の奴・・・どうしたんだ?」

 

コンコン

 

剣城の部屋の扉がノックされた。

 

剣城「? 誰だ?」

 

俺が扉を開けると、俺とそっくりな顔をした者が立っていた。

 

剣城「何っ!? ビリッ! ぐっ!」ドサッ

 

イシガシ「しくじるなよ?」

 

剣城?「分かってるよ・・・」

 

そして暗雲立ち込める中、俺たちはサンドリアスを後にした。

 

ー 続く ー




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第57話:銀河の過去 惑星キエル

あの後宇宙船へと戻ってきた天馬は皆を集め洞窟で手に入れた石と、謎の少女、カトラの話をみんなに伝えた。

だが、その話に水川さんが動揺する。

 

竜太「そのカトラって言う子の話が本当なら、石を4つ集めてその子の所に行けば銀河の皆を救えるって言ったのか?」

 

天馬「うん。具体的な方法までは言わなかったけど、カトラはどこかの星から更新してきたんじゃないかな「それはないわ」水川さん?」

 

水川さんが口を挟む。いつもは無口なのに珍しいな。

 

天馬「それはないって・・・なんでそんなことが分かるの?」

 

水川「それは・・・私が、その惑星キエルの人間だからよ」

 

!? 皆の顔に動揺が走る。ってことは

 

水川「私は、宇宙人なの・・・」

 

とびっきりの爆弾が投下された。

 

果南「どういうことですか?」

 

水川「説明するわ。取ってくるものがあるからちょっと待ってて」

 

そしていったん水川さんは退室した。

 

鉄角「どういうことだよ? 水川が宇宙人って?」

 

九坂「分かんねぇよ・・・」

 

蘭「でも、水川さんは敵じゃない気がするにゃ」

 

すると再び部屋の扉が開き水川さんが入ってくる。手には大きなピエロのぬいぐるみを抱えていた。

 

水川「じゃあ説明するからちょっとまって」

 

すると、水川さんは突如として意識を失い倒れた。

 

龍也「お、おい!?」

 

?「大丈夫。気を失ってるだけですよ」

 

聞き覚えのない男の声がした。皆が声の主を探すと、

 

?「私ですよ」ピョコッ

 

!? なんとぬいぐるみが喋って動いてる!! いったいどういうことだ!?

 

?「この姿でははじめましてですね。私の本当の名前はポトムリ。今は、地球人である水川みのりの身体を借りて皆さんと行動を共にしています」

 

栞子「身体を借りて?」

 

ポトムリ「はい。結論から申しますと、私の肉体は既に死んでるんです」

 

彼方「肉体が死んでるってことは・・・」サァーー

 

竜太「幽霊?」

 

彼方「いやーーーっ!!?」ギューーっ!!

 

果南・果北「「ハグゥウウウッ!!」」ギューーっ!

 

竜太・龍也「「ちょっ!? 苦しい!!」」

 

ポトムリ「まぁそういうことにしておきましょう」

 

話を聞くと、ポトムリは惑星キエルの科学者であり、その惑星キエルは、今回と同じようにブラックホールによって滅びたらしい。

 

ポトムリ「ですが、私達には1つ手立てがありました。それは、"コズミックプラズマ光子砲"という兵器を使う事です」

 

九坂「コズミック・・・プラズマ?」

 

ポトムリ「ブラックホールを消し去る力を持つ兵器です」

 

真名部「ブラックホールを・・消す?」

 

ポトムリ「はい。開発は順調に進んでいたのですが、とある壁にぶつかり、行き詰まってしまったのです」

 

竜太「壁?」

 

ポトムリ「そう。コズミックプラズマのエネルギーに耐えうる強度を持つ金属、"ミスリル"を作ることが出来なかったのです。それでは、光子砲は作れませんでした」

 

そして、ポトムリたちは、いつか惑星を再建するために王女であるカトラ姫を脱出させようとしたらしい。

 

天馬「カトラって・・・王女だったんだ」

 

ポトムリ「ええ。しかしカトラ様は、自分の命よりも・・・私の頭脳こそが本当に生き残るべき物だ、その力で同じ立場に立たされた星を救ってあげてほしいとおっしゃり、私を脱出させました。こんなわたくしなどのために・・・私は脱出ポッドの中から、キエルがブラックホールに飲み込まれ消滅するのをこの目で見ました。キエルにはもう脱出方法等無く、カトラ様はそこで亡くなられたはずなのです」

 

天馬「でも、じゃあなんで俺はカトラの名前を知ってたの? 俺この大会が始まるまで宇宙人が本当にいたことさえ知らなかったんだよ?」

 

ポトムリ「大方サンドリアスの街で民が噂話で話してるのを小耳に挟んだとかそういうオチでしょうね。惑星キエルの話は、銀河では珍しくありませんから知っている者がいてもおかしくありません。その石も、恐らくなんの価値も無いものでしょう」

 

天馬「そうなのかな・・・・」

 

水川「う、う~ん・・」

 

竜太「あっ、水川さん起きた?」

 

水川「・・・・テメェら一体これはどういうことだ!!どこなんだここ!!」

 

葵「水川さん!?」

 

ポトムリ「しまった!!」

 

すると水川さんが再び気を失い、すぐに目を覚まして立ち上がった。

 

水川「あまり時間を空けすぎると水川みのり本人の人格が出てくるのよ。彼女、相当な問題児だったらしいから」

 

九坂「っ!! 思い出した!! 水川みのりって、あの岩城高のミノタウロスか!! かなりの悪だっていう評判だぜ?」

 

水川「魂だけになってから地球にたどり着いて、事故で意識不明になってたこの子の身体に入って一命を取り止めさせたのよ。結果私は身体が手に入ってこの子のは助かった。ってことね」

 

ミア「さっきと口調全然違うね」

 

水川「この身体にいるときは精神的に融合した状態になるのよ。大人であり子供、男であり女、地球人であり異星人」

 

 

 

・・・・なんか複雑な状態のヤツだったんだな。水川って。いや、ポトムリというべきか?

 

 

ー 続く ー




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第58話:ファラム・オービアス

今回の話は連れ去られた剣城sideで話が進みます。

ではどうぞ!!


〜 ファラム・オービアス星 〜

ー 剣城 side ー

 

俺はアースイレブンの仲間から引き離され、今大会の原因となった星、ファラム・オービアスに連れてこられていた。そして、そのファラムの女王ララヤが目の前にいる。

 

ララヤ「キョウスケ・ツルギじゃな? 妾は、このファラム・オービアス星の女王ララヤじゃ」

 

剣城「・・・俺をどうするつもりだ?」

 

ララヤ「どうもしない。ただ妾の側で仕えるのじゃ」

 

剣城「仕える? 俺が?」

 

ララヤ「そうじゃ。そなたは妾のものになるのじゃ」

 

随分と自分勝手な女王だな・・・

 

剣城「断る・・・!」

 

ララヤ「断る? フッ そなたに選択肢は無いのじゃぞ?「何?」教えてやろう。このファラム・オービアスのことを」

 

そして俺はララヤと側近兵士、大臣と共に移動モジュールに乗せられ街へと出る。200年後の地球にも決して劣らない未来都市。科学力の高さが伺えた。

 

ララヤ「どうじゃ? コレが妾の星じゃ。宇宙一栄えた星なのじゃ」

 

王族用のモジュールが空に現れると、街の人々が立ち止まりコチラに手をふる。外からは「ララヤ様!!」と掛けられる声まで聞こえる。

モジュールは近くの広場に着陸し、壁に穴が空き民衆との直接対面になる。

 

民衆は皆ララヤに手を振り歓声を上げている。すごい人気だな・・・・。

 

ララヤ「どうじゃ剣城? 妾の人気凄いじゃろ?」

 

剣城「あ、ああ・・・・」

 

ララヤ「ふふん ・・・む?」

 

怪訝な顔をしたララヤの視線の方を見ると、子供がぐずって泣いていた。

 

ララヤ「ミネル!! あの子の涙を止めよ!!」

 

ララヤはミネルと呼んだ側近の兵士に子供を泣き止ませるように言いつける。兵士にとっては専門外だろうに・・兵士も専門外だと言ってるぞ?

 

ララヤ「そんなことは知らん!! 泣き止ませるのじゃ!!」

 

ミネル「は、はい!!」

 

そしてミネルは子供のもとに駆け寄り頭を撫でたりあやすようにするが一向に泣き止まない。

 

ララヤ「ミネル!! 泣き止まないではないか!」

 

ミネル「さ、最善を尽くしているのですが・・・「あっ、いた!!」っ!」

 

すると子供の母親が見つかり子供に駆け寄る。すると子供は泣き止み。母親に甘える。こういうのはどこの星も一緒なんだな・・・。

 

母親「ララヤ様、ありがとうございました。私が目を離したばっかりにララヤ様にご迷惑を・・「全くだ!!」っ!!」

 

?「ララヤ様の貴重なお時間、大いに削られた!」

 

年老いた女の大臣が声を上げる。そこまで言うか・・?

 

母親「も、申し訳ございません!!」

 

?「これ以上、ララヤ様に要らぬ迷惑を・・「デタラメを申すなドノルゼン!!」!!」

 

ララヤはドノルゼンと言うらしい女大臣を静止し、民に声をかける。

 

ララヤ「妾は、なにも迷惑とは思っておらぬ!!」

 

剣城「っ!!」

 

さっきまでの態度しか知らない俺は大いに驚いた。俺はララヤの言葉を聞くことにする。

 

ララヤ「妾はお前たち皆が好きじゃ。好きな者たちには、いつも笑っていてほしいのじゃ!」

 

母親「ララヤ様・・・」

 

ララヤ「無事に会えて良かったのう。妾はとっても嬉しい! これからも仲良く暮らすのじゃぞ?」

 

母親「ララヤ様・・・ありがとうございます!!」

 

すると周りの民衆からララヤにむけて割れんばかりの大歓声が上がる。

 

剣城「これが・・ファラムの女王、ララヤの力か・・・」

 

俺が呟くとドノルゼンと呼ばれた宰相が俺を一瞥する。俺は取り敢えず頭を下げると、フンッと捨て台詞を吐いて下がる。

 

ララヤ「どうじゃ剣城? ファラム・オービアス星、気に入ったのではないか?」

 

剣城「どうかな・・・「むっ! 妾の星の魅力がまだ分からぬと申すか!!」・・・俺たちの地球よりも、ずっと進んだ星だと言うことは分かった」

 

ララヤ「っ! なら、妾に従うのじゃな!?」

 

剣城「・・・・良いだろう」

 

ララヤ「そうか!! そなたは賢き者じゃのう!! では、早速妾の願いを伝えるぞ?」

 

剣城「願い?」

 

ララヤ「妾の夫になれ!!」

 

・・・・・・・は?

 

剣城「なにィッ?!」

 

ー 続く ー




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第59話:水の惑星 サザナーラ

サンドリアスとの1回戦に勝利した俺たちは、2回戦の相手となる惑星サザナーラに着陸した。

 

鉄角「うわ、すげぇ~・・・」

 

九坂「水中に都市があるのか・・・・水族館みたいだな」

 

果南「あの魚なんだろう・・・」

 

皆はサザナーラの美しい風景に目を奪われる。すると案内人のイシガシさんがこちらにやってきた。

 

イシガシ「気に入りましたか?」

 

竜太「凄い綺麗な星なんですね・・・」

 

そして、サザナーラについての説明がされる。サザナーラは表面のほぼ100%が海で覆われております、サザナーラ人は海の底にドーム型の都市を形成して生活しているらしい。

 

そして俺たちはサザナーラの街に出るが、周りのサザナーラ人からジロジロと見られる。

 

竜太「当たり前だけど、やっぱり俺たちは敵なんだな・・・」

 

天馬「この星にも、石があるのかな・・(天馬)っ!?」

 

すると天馬がなにか幻覚を見ているのか、一人で先に走っていってしまった。

 

イシガシ「なんですかいったい?」

 

龍也「すみません!! おい、急いで追いかけるぞ!」

 

そして皆で天馬を追い掛ける。すると広場で突然天馬が動かなくなり、追いついた俺たちが何度も声を掛けると、ハッと我に返る。

 

話を聞くと、またカトラ姫が交信してきたらしい。水川さんはありえないと言っているが、天馬はこんなに上手に嘘をつける奴じゃないんだよなあ・・・。

 

そして暫く歩いていると、5人のサザナーラ人に囲まれてしまった。

 

?「おい、お前ら地球人だろ? 俺たちとサッカーバトルしてくれないか? 見せてくれよ、サンドリアスを破った実力ってやつをよ!!」

 

龍也「天馬・・俺たちは大事な試合を控えてる。無理にやること必要は・・・というわけには行かなそうだな」

 

?「分かってるじゃんか。さぁ、はじめるぞ?」

 

サザナーラ人

 

GK     ディカス

 

DF     グッピィ

 

MF テトラ      リドラス

 

FW     グラーミ

 

アースイレブン

 

FW     瞬木

 

MF     天馬

 

DF  皆帆    真名部

 

GK     伊吹

 

九坂「行け皆!!」

 

鉄角「さっさと片付けてやれ!!」

 

グラーミ「さっさと片付けるだとよ?」

 

リドラス「できるものならな」

 

そしてサッカーバトルが開始される。

 

天馬から瞬木にパスが飛ぶ。が、

 

テトラ「ふっ」

 

アッサリとカットされてしまった。ん?

 

天馬「クソっ!」

 

瞬木「ドンマイ、こんな時もあるよ!!」

 

しかしそこからおかしな展開が続いた。こちらのパスはことごとくカットされ、相手の攻撃を防ごうとすればまるで動きを読まれているかのように躱される。

 

竜太「どうなってんだ?」

 

龍也「気づいたか?」

 

吹雪「うん。普通ならありえないタイミングで先回りされてる」

 

豪炎寺「どうゆうカラクリだ?」

 

瞬木(なにをやってるんだコイツら? パスくらいまともに通せよ! こんな奴らと戦ったって瞬と雄太を守れないんだ。さっさと終わらせろよ!!)

 

グラーミ(ん? あれは・・・)

 

その後もことごとくサザナーラ人に攻撃を阻まれる俺たち。

 

瞬木(何やってんだ役たたずが!!)

 

テトラ「ぷっ、地球人には面白い子がいるのね!」

 

グラーミ「なっ? 凄いだろ!?」

 

瞬木「なんだコイツら? 人のことジロジロ見て・・・」

 

伊吹「大方俺たちを馬鹿にしてるんだろ!! 撃ってみろ!!」

 

グラーミ「へぇ? ほらよっ!!」ドカッ!!

 

グラーミのシュートが飛んでくる。しかし伊吹はシュートに飛びついてキャッチ。

 

伊吹「こんなシュートでよく俺たちを笑えた物だな!! 真名部!」

 

伊吹から真名部へとゴールキック。しかし届く前にリドラスにカットされてしまう。

 

皆帆「また?」

 

伊吹「何度やっても同じだ!! こい!!」

 

そしてリドラスは足を振り上げシュート体勢に入る。

 

伊吹(右か!!)

 

しかしリドラスはフェイントを入れて逆方向へとシュート。天馬たちはサッカーバトルに負けてしまった。

 

信介「そんな・・・・」

 

グッピィ「歯応えのない奴らね」

 

テトラ「サンドリアスに勝ったのもマグレね」

 

リドラス「この戦いで滅びるのは俺たちじゃない。お前たち地球人だ!」

 

そしてサザナーラ人は去っていったが、そのうちの一人が、

 

瞬木「なんだよ?」

 

グラーミ「・・・お前、孤独な奴だな。まぁ、お前の事を考えてくれる奴なんて、いないわけだけど」

 

瞬木(っ! 何だあいつ? 俺の何が分かるっていうんだ?!)

 

皆帆(サザナーラ人は、恐らく・・・・)

 

竜太「まさか・・・・」

 

これ、予想通りならかなり厳しい戦いになるぞ・・・。

 

 

ー 続く ー




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第60話:サザナーラ人の特殊能力

サザナーラ人とのサッカーバトルを終えた俺たちはギャラクシーノーツ号に戻ってきていた。

先程のバトルの不可解な点。恐らくだがサザナーラ人は・・・

 

神童「さっきのバトル、明らかにおかしかった」

 

ミア「パスの軌道に必ず先回りされてた。まるで全て読まれてたみたいに」

 

そこで俺が予想を話そうとすると、真名部が先に口を開いた。

 

真名部「見えました。サザナーラ人は恐らく、相手の未来の動きが見えるんです」

 

九坂「未来!?」

 

鉄角「でも、それだったら試合の結果とかも分かるんじゃねぇのか?」

 

信介「そんなの試合する意味無・・・「いや、恐らく違う」竜太?」

 

龍也「気付いたか竜太?」

 

竜太「ああ。まさかと思ったけどな」

 

天馬「どういうこと?」

 

竜太「サザナーラ人は恐らく、相手の()が読めるんだ」

 

鉄角「心が・・読める?」

 

水川「大体は合ってるけど、少し違うわ」

 

ここで水川さんが口を挟む。もしかして知ってたのか?

 

水川「サザナーラ人は、相手の心を目で見る能力を持っている。読めるのではなく、見えるのよ」

 

九坂「そんなの・・試合になるのかよ」

 

嵐珠「なんか気持ち悪いわ・・・」

 

瞬木(っ、てことはアイツら・・・)

 

皆帆「そうかな? 心が見える相手、どうやったら裏を掛けるか考えるのは面白いと思うけど「どうでしょうかね」?」

 

座名九郎「裏を掛こうとしてることも、全部読まれてしまうわけですよね? 裏の裏を掛かれてしまうかもしれませんよ?」

 

竜太「そうだな。星の運命が賭かった試合で、考えない訳がない。どうするか・・・」

 

真名部「そう言えば瞬木くん、相手に何かを言われていましたね」

 

九坂「そう言えば」

 

瞬木は慌てた顔をして、

 

瞬木「別に、「お前たちは弱い」みたいなそういう嫌味だよ」

 

鉄角「は? なんでお前だけ」

 

瞬木「そんなのこっちが聞きたいよ」

 

皆帆(瞬木くん・・・・)

 

そして、俺たちはブラックルームで特訓している。だが皆帆と瞬木の姿が見えない。

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

瞬木「・・・・・・・」

 

お前、孤独なやつだな

 

瞬木(じゃああれは、オレの心を見て・・・)

 

皆帆「瞬木くんは行かないの?」

 

瞬木「皆帆・・・・」

 

皆帆「皆、ブラックルームで特訓してるよ?」

 

瞬木「やったって無駄でしょ? 全部読まれちゃうんだから」

 

皆帆「やっぱり、君はサザナーラ人が恐いんじゃない? 思ってることが全部バレちゃうから」

 

天馬(あれ? 皆帆と瞬木?)

 

瞬木「・・・・じゃあ俺行くよ「あっ、瞬木」キャプテン・・サッカーバトルで疲れたから少し休むよ」

 

瞬木?

 

皆帆「キャプテン、こういう星だし・・話しておくよ。心が見えるサザナーラ人の方が、僕たちよりも瞬木くんのこと詳しいかもしれないよ?」

 

え・・・・?

 

ー 続く ー



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第61話:勝利の鍵を掴めるか?

今回とんでもなく雑に纏まってしまっています。

申し訳ありませんが宜しくお願いします。


あの後皆帆と瞬木の事について話した後、皆でフォーメーションのチェックをすることになりアースイレブンに用意されたグラウンドに行く。

しばらくしたら九坂と信介と一緒に瞬木も来てくれたので皆で練習する。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

天馬「九坂!!」

 

九坂「オーライ!!」

 

しかしそこに果南さんがディフェンスに入る。

 

果南「行かせないよ九坂くん!!」

 

九坂「っ! 剣城!!」

 

ボールはダイレクトで剣城へと飛ぶ。剣城はトラップしようとするがミスしてしまう。

 

剣城?「悪い・・・」

 

蘭「にゃ? 剣城くん調子悪いのかにゃ?」

 

森村「今の・・・・いつもの剣城くんのボールタッチと違う気がする・・・」

 

剣城?(っ!!)

 

そして休憩になり、剣城はタオルで汗を拭いていた。だが、

 

森村「やっぱりなにか違う。剣城くんがタオルであんなふうに拭いてるところ見たことない」

 

九坂「言われてみれば・・・・」

 

剣城?(・・・・・・・)

 

すると剣城は立ち上がり、

 

剣城?「なにか用か?」

 

九坂「あっいや、サザナーラ人との試合さ、心が読まれるなら読めても対応する間を与えないようにできれば良いんじゃないかと思ってさ」

 

剣城?「っ、なるほど・・・天馬に相談してみよう」

 

そして剣城くんはキャプテンの方に行ってしまった。

 

森村「今のは剣城くんぽかった」

 

九坂「ああ・・・・・」

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

そして翌日の練習中。明日がサザナーラ戦だけあって皆張り切っている。

 

昨日九坂が提案してくれた読まれても対応する暇を相手に与えないプレーという俺たちとは視点の違う考え方に神童さんも竜太も感心したがそれが具体的にどのようなプレーをすればいいのかが分からずそのままになってしまった。

 

ー 練習中 ー

 

真名部「近江さん!!」

 

彼方「よっと! 行っくよ〜!!」

 

SARU「させませんよ!!」

 

SARUが素早くディフェンスに入る。すると彼方先輩は慌ててパスターゲットを探す暇もなくパスを出した。

 

フェイ「おっと・・・」

 

ボールはタッチラインを割って外に出てしまった。

 

彼方「あちゃーやっちゃった・・・」

 

神童「彼方先輩、行き当りばったりのプレーではダメです。ちゃんと余裕を持って考えないと」

 

竜太「でも、考えたら読まれませんか?」

 

神童「それは・・・でも、ならどうしろと」

 

蘭「いっそのこと考えずにプレーしたら良いんじゃないかにゃ?」

 

果北「それで勝てるならやりたいけどね・・・」

 

皆帆(考えずにプレーする・・・・か)

 

 

 

その頃竜太と果南さんと龍也さんたちは伊吹と信介のキーパー練習を手伝っていた。

 

伊吹「こい!!」

 

龍也「行くぞ果南!!」

 

果南「うん!!」

 

2人がシュート体勢に入ると水の竜巻が包み込みグングンと上昇していく。すると溢れんばかりの水流エネルギーが龍の形に変化する。

 

龍也・果南「「[海龍の咆哮・Gx]!!」」

 

巨大な海龍がフィールドを削りながら伊吹に襲いかかる。

 

伊吹「止めてやる!! [ライジングスラッシュ]!!」

 

伊吹の爪痕の様なオーラの壁がシュートを阻む。しかしアッサリと砕かれてしまいボールはゴールに叩き込まれた。

 

伊吹「くそっ!!」

 

信介(全盛期の果南さんと龍也さんの[海龍の咆哮]・・・とんでもないパワーだ。あんなの止められるのかな・・・)

 

 

そして試合の鍵を掴むことも叶わず、そのままサザナーラ戦の日を迎えてしまった。

 

ー 続く ー




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第62話:開幕サザナーラ戦!!

ダクスガン「Hey! welcome to cosmic soccer world!! 本日はグランドセレスタギャラクシー2回戦、サザナーライレブンvsアースイレブンの試合をここ、惑星サザナーラよりお届けするぜーーっ!!」

 

ー サザナーラベンチ ー

 

?「ねえ、ポワイいい事思いついちゃった!」

 

そう呟いたのはサザナーライレブンキャプテンのポワイ・ピチョリ。

 

ヴァン「いい事・・・で、ございますか?」

 

ポワイ「うん。あの醜いアズルとあのキラキラしたキレイなアズルをぶつけてみない? 勿論そのままぶつけても面白くないから醜い方をもっともっと醜くしてからね」

 

アズルとは、サザナーラ人が見ている人の心のことである。単純に説明するとこれは本人が楽しいことを考えていれば優しい色になり、悪いことを考えていると邪悪な影が差すという仕組みになっている。これを見ることで、サザナーラ人は人の心を見ているのだ。

 

セバン「正反対の特徴を持つアズル同士をぶつけて自滅させる作戦か・・・面白そうですね」

 

ポワイ「でっしょ〜?「へぇ? カワイイ顔して考えることはエグいのね」っ! ヒラリ・・アンタに言われたくないわよ」

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

竜太「おい、アイツ・・・・」

 

白竜「また他の星からの助っ人か?」

 

蘭「誰が来ようと正々堂々戦うだけにゃ!!」

 

剣城?「(サザナーラ人は心が読める。俺が試合に出たら本物の剣城じゃないとバレてしまう・・)監督、俺、何か今日調子悪くて・・・控えにいさせて貰えませんか?」

 

竜太「えっ? 剣城・・調子悪いのか?」

 

剣城?「ああ・・・」

 

黒岩「・・・・・良いだろう。鐘、今日スタメンで出ろ」

 

嵐珠「っ! はい!!」

 

竜太「頼んだぞ嵐珠!」

 

嵐珠「無問題(モーマンタイ)ラ! 嵐珠に任せなさい!!」

 

そして開始の時間になり、両チームフィールドに出る。

 

ダクスガン「両チーム、ポジションに着きました!!」

 

サザナーライレブン

 

GK         ヴァン

 

DF      ガリラ  ビーチャ

 

ボランチ   ポワイ     ウルミ

 

MF   チュルカ  サラマ  カピス

 

FW ヴァルハ    セバン    バトゥル

 

アースイレブン

 

FW      嵐珠  瞬木

 

MF   白竜         天馬

 

ボランチ     蘭  神童

 

DF 彼方  皆帆    真名部 エマ

 

GK        伊吹

 

そして、試合開始のホイッスルが鳴り、ボールは天馬に。天馬がドリブルで攻め上がると、そこにバドゥルがディフェンスに入る。

 

バドゥル「行かせるか!!」

 

天馬「くっ!!」

 

天馬はダメもとでフェイントを仕掛ける。すると天馬はバトゥルを抜いた。

 

天馬「えっ!? 抜けた!!」

 

神童「なっ!! 心を読めるんじゃないのか?」

 

ポワイ「ね〜、それってポワイたちを馬鹿にしてない? 私達はこれでもサッカーの実力で選ばれたメンバー何だから読まなくたってうまいに決まってるでしょ? 失礼何だから!!」

 

エマ「えっ、じゃあ心は読まないってこと?」

 

蘭「えー? 本当かにゃ?」

 

天馬が迷っていると、すぐにカピスが奪いに来る。

 

天馬「迷ってる暇は無い!! 瞬木!!」

 

ボールは瞬木に飛ぶが、ボランチのウルミにインターセプトされる。

 

瞬木「どんまいキャプテン!!(ちっ、何やってんだキャプテンのやつ!!)」

 

そしてウルミからボールはサラマへ。蘭がディフェンスに入るが、

 

蘭「貰うにゃあっ!!」

 

サラマ「ふん、」

 

サラマはアッサリと蘭を抜いた。だが、

 

神童「今だ!!」ズザァアアッ!!

 

サラマ「っ!!」

 

神童先輩が突破した瞬間をスライディングで狙ってボールを奪い取る。ボールは神童さんから白竜へ。

 

白竜「よし、「行かせないわよ!!」っ!!」

 

しかしここでチュルカがディフェンスに入る。白竜がすぐにパスアウトするがポワイにカットされる。だが、

 

瞬木「させるかっ!!」

 

瞬木がすぐに奪い返す。そしてドリブルで駆け上がる。

 

ビーチャ「行かせるかよ!!」ドガァアアアッ!

 

瞬木「ぐあっ!?」

 

ビーチャの強烈なタックル。瞬木はボールを奪われる。

 

ビーチャ「チュルカさん!!」

 

ボールは前線のチュルカヘ飛ぶ。蘭がディフェンスに入るがやはり抜かれてしまう。

 

瞬木(なんであの程度のドリブルに抜かれるんだ!! 俺の足を引っ張りやがって!!)

 

チュルカ「ヴァルハ・・「させるか!!」っ!!」

 

しかし前線から戻ってきていた瞬木が奪い取りドリブルで上がる。しかしやはりディフェンダーを突破できずに奪われてしまう。

 

神童(? この試合、なにかおかしい。何故瞬木だけがボールを奪える・・奴らは本当に心を見ていないのか? 見ているとしたら、いったい何が狙いだ?)

 

しかしここでサザナーラのフォワードにボールが繋がる。セバンにディフェンスを突破され、シュートを放たれる。

 

伊吹(どっちだ? 右か、左か?)

 

セバン「[バブルボイル]!!」

 

伊吹「右か!!」

 

セバン(残念正面だ)

 

ボールは伊吹の動きを読んでいたかのよう緩やかにカーブしてゴールド真ん中に突き刺さる。

 

ダクスガン「ゴーーールッ!! サザナーラが先制点だ!! 大きく勝利を手繰り寄せたぞおっ!!」

 

瞬木「(あんな見え見えのフェイクに引っ掛かりやがって・・・役立たずが!!)どんまい! 取り返そう!!」

 

ポワイ(ふふっ、その調子。どんどん醜くなってってね〜)

 

ー 続く ー




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第63話:目覚めろ! 俺のダークサイド!!

サザナーラの先制ゴールが突き刺さりアースイレブンボールから試合再開。ボールは白竜に渡ると、そこにチュルカがディフェンスに入る。

 

チュルカ「抜けるかしらねっ!!」

 

白竜「(心を読まれたらどんなフェイントも通用しない・・・なら!)これでどうだ!! [スプリントワープ・Gx]!!」

 

チュルカ「!?」

 

白竜の目にも留まらぬ高速移動。心が読めていても流石に対応する暇がなく突破に成功する。

 

白竜「よし、瞬木!!」

 

瞬木「オッケー!!」

 

がトラップしてそのまま攻め上がる。そこにディフェンスが止めに入る。

 

ビーチャ「ここから先へは行かせない! [ウォーターフォール]!!」

 

ビーチャの必殺技で激流が流れ落ちる滝が出現。瞬木は激流に飲まれボールを奪われた。

 

瞬木「がっ! クソっ!!」

 

ビーチャ「カピスさん!!」

 

今度はボールはカピスに渡る。カピスがドリブルで攻めてくると、そこに神童さんが止めに入る。

 

神童「行かせるか!!」

 

カピス「甘いわねっ!!」

 

カピスは神童さんの裏をかき突破。そのまま持ち込む。

 

エマ「止めるっ!!」ドガアッ!

 

カピス「っ!」グラッ

 

エマ先輩のフィジカル任せのタックルにカピスの身体がグラつく。エマ先輩力任せに押し切ってボールを奪い取ると天馬にパスを出す。

 

が・・・・・、

 

ウルミ「オッケー!」パシッ

 

ウルミにインターセプトされてしまいサザナーラが攻め上がる。

 

瞬木(なんであんな奴らにボールを取られるんだ! 俺の足を引っ張りやがって、お前らが不甲斐ないから俺が力を発揮できないんだ!!)

 

ポワイ(キャハッ、すごいこと考えるわね〜。そろそろ良いかな?)

 

瞬木「よこせ!!」ドガアッ!

 

ウルミ「キャアッ!!」

 

ウルミに強引にタックルを噛ましてボールを奪い取った瞬木。しかしディフェンス2人掛かりの激しいブロックに吹き飛ばされる。

 

瞬木「ガハッ!!」

 

ビーチャ「お前なんかに抜かれるかよ。さっさと諦めろ」

 

天馬「瞬木!」

 

するとサザナーラはここで一端プレーをやめる。アースイレブンは瞬木に駆け寄っていく。

 

瞬木「(何が大丈夫か?だ。 そもそも誰のせいでこんなことになったと思ってんだ・・・友だち(ヅラ)しやがって)あ、ああ・・・・」

 

すると、突然サザナーライレブンが笑いだした。

 

エマ「な、何?」

 

真名部「何がおかしいんです?」

 

ポワイ「だって、あなたたち仲間みたいな事言うんだもん!」

 

神童「? 仲間みたい・・・?」

 

真名部「何を言ってるんです?」

 

ポワイ「あんたもあんたよ。思ってることがあるならハッキリ言っちゃったら? あんたずっと思ってたよね? 「俺の足ばっかり引っ張りやがって」、「なんでこんな奴らにボールを奪われるんだ!」、「お前らが不甲斐ないから俺が力を発揮できないんだ!」、「友だち面しやがって!」ってね?」

 

天馬「っ、瞬木・・・」

 

瞬木「っ! な、なんだよ・・・ああそうさ!! 俺はそういうやつだ!! 他人なんか信用できるわけがない! 一度だって信用したことなんかない!! お前らなんで他人が信用できるんだ!! それが、この俺瞬木隼人だ! 誰にも、文句は言わせない!!」

 

瞬木のアズルはかつてないほど邪悪さが激しくなる。

 

ウルミ「くるよくるよ!!」

 

天馬「・・・文句なんか無いよ」

 

ポワイ「は?」

 

瞬木「え?」

 

天馬「俺、どこか瞬木がみんなを信用してないところがあるんじゃないかって思ってた。「何?!」でも、なんで瞬木はそれを隠したの?」

 

瞬木「なんでって・・・それが大人だから、「違う、瞬木は自分が嫌だったんじゃないの?本当は信用したいのに、信じられない自分が嫌だった」そんなことは無い!! お前たちみたいな爽やか青春野郎とは訳が違う!! 俺は悪人なんだ!!」

 

嵐珠「別に良いんじゃないの? 「何?」 悪い心を持ってない人なんかいないでしょ? もしそれを持ってない完璧な善人がいたら、そっちのほうが気持ち悪いわよ」

 

瞬木「はぁ!?」

 

サザナーライレブンは予想外の結果なのか動揺している。

 

天馬「そうだよ!! 悪い心なんか誰にだってある!! でも、それも自分だと受け入れるんだ!! 悪い心も良い心も、全部ひっくるめて瞬木隼人だ! 俺の仲間の、瞬木隼人だ!!!」

 

瞬木(良い心も、悪い心も、全部含めて俺・・・・)

 

 

 

 

マジで言ってんのか・・・

 

 

 

 

 

 

瞬木D「本当、おもしれぇやつだぜ!!」

 

黒岩(来たか・・・・)

 

瞬木D「うぉおおおおっ!!」

 

プレーが再開し瞬木は一気にボールを奪い取り、そのまま攻め上がる。

 

ポワイ「調子に乗らないで!! アズルを見ればあんたの考えてる事なんか!!」

 

瞬木D「俺の心、読めるものなら・・・読んでみやがれぇっ!!」ゾォアァアアッ!!

 

ポワイ「っ! キャァアアアッ!! あ、頭が割れるーー!!」

 

ヴァン「ポワイ様!! くっ、ゴールは割らせません!!」

 

すると瞬木の身体から光が溢れ青色のハヤブサへと姿を変える。ハヤブサは滑空し、足でボールを掴むとそのままゴールに突っ込む。

 

ヴァン「[アクアブレス]!!」

 

キーパーが大量の水を口から水鉄砲のような勢いで吹き出してシュートにぶつける。しかしそんなもので止められるはずなどなく、シュートはゴールに突き刺さった。

 

ダクスガン「ゴーーールッ!! 瞬木の同点ゴールがサザナーラゴールに突き刺さったぁっ!!おっと、ここで前半終了だ! 1ー1の同点で折返しだぁっ!!」

 

天馬「瞬木!!」

 

瞬木D「キャプテン、悪いけど俺はこういうやつだ。気に入らなきゃチームをクビに「やっとなれた」?」

 

天馬「それが本当のお前なら、俺はやっと本当のお前と仲間になれたんだな!! 俺、嬉しいよ!!」

 

瞬木D「キャプテン・・・」

 

竜太「あれ、なんか瞬木変わったか?」

 

瞬木D「はっ、俺についてこられる様にお前ら精々練習に精出せよ? 俺についてこられないやつは必要ない。な〜んてな! アハハ!」

 

コイツ・・・けどまぁ、良いんじゃね?

 

ー サザナーラベンチ ー

 

ポワイ(なんなのあのアズル・・・あんな力があったなんて)

 

ヒラリ「私の出番ね」

 

サラマ「誰がアンタの・・ギャァアァアアッ!!」

 

カピス「サラマ!!」

 

ヒラリの髪が巻き付いたサラマは、生気を吸い取られてぐったりして倒れてしまった。

 

ヒラリ「文句あって?」

 

ポワイ「くっ!」

 

ヒラリ「アースイレブン、このヒラリ・フレイル様が地獄を見せてやるわ!!」

 

ー 続く ー




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第64話:サザナーラの攻略法

サザナーライレブンとの試合もいよいよ後半が始まる。選手がピッチに立つと、サザナーラのセンターハーフのサラマが他の星からの助っ人と交代していた。

 

ダクスガン「おーーっと、サザナーライレブンは後半サラマに代えてヒラリ・フレイルを投入だぁっ!! どんなプレイを見せてくれるのか期待大だぁっ!!」

 

ヒラリ「良いわね? 私の心を見て動くのよ!!」

 

ポワイ「何よ偉そうに・・・ポワイああいうの嫌い・・」

 

そしてサザナーラのキックオフから後半戦が開始される。ボールはカピスに渡る。

 

ヒラリ「カピス! バシッ !! 言われなくても分かってるってわけね? 面白いじゃない!!」

 

そしてそのままヒラリはドリブルで上がってくる。そこに蘭がディフェンスに入るが、

 

蘭「行かせないにゃっ!!」

 

するとヒラリの背後から水が蘭に向かう。蘭はそれを躱すと、背後から水が鋭利な刃物のように背中に刺さった。

 

蘭「にゃっ!?」

 

ヒラリ「[ジャックナイフ]!!」バシィンっ!!

 

そして動きが止まったところにヒラリの平手打ちが炸裂する。蘭は弾き飛ばされて尻もちをつく。

 

神童「星空!! 大丈夫か!!」

 

蘭「痛っ、女の子の顔になにするにゃあっ!!」

 

そのままドリブルで攻め上がるヒラリ。しかし神童先輩がフォローに入ったことでエマ先輩のサイドのスペースが空いてしまった。

 

ヒラリ(スペースが空いた・・っ!)

 

タイミングよくバトゥルが走り込む。

 

ヒラリ「心が見えるって便利だこと!! バトゥル!!」

 

そしてバトゥルにパスが繋がり、エマ先輩がディフェンスに入る。

 

エマ「行かせない!」

 

バトゥル(左かっ!)

 

バトゥルはアズルを読んでエマ先輩の逆を突いて突破。しかし、

 

皆帆「行かせないよっ!!」

 

皆帆と天馬、真名部が3人掛かりの数の有利で圧をかける。これは流石に抜くのは無理だと判断したのかパスを出す。

 

バトゥル「チュルカさん!!」

 

ボールは逆サイドのチュルカヘ。チュルカがトリブルで攻め上がると今度は白竜、蘭、森村が3人でディフェンスに入る。

 

チュルカ(これじゃあ抜くのは無理ね)

 

ヒラリ「チュルカ! よこしなさい!!」

 

チュルカ「命令しないでっ!!」パスッ

 

しかしヒラリにパスを出し、ヒラリがボールを持つ。

 

ヒラリ「私が纏めて粉砕してやるわ!!」

 

皆帆「(!! もしかして!!)瞬木くん!!」

 

瞬木D「あ? 何だよ?」

 

皆帆「頼みがあるんだ。実は・・・」

 

皆帆はなにかに気づいたのか瞬木に何かを伝えている。

 

瞬木D「へぇ? 面白そうだな。やってやるよ」

 

すると瞬木は急いでディフェンスに入りヒラリを言葉で挑発する。

 

瞬木D「おい年増女! ボールをよこしな!!」

 

ヒラリ「なっ!! 年増ですってぇ!?」

 

瞬木「おいおい、あんまり怒るとシワが増えるぜ? オ・バ・サ・ン」

 

ヒラリ「舐めやがってぇ!! この私をオバサン呼ばわりしたこと後悔させてやる!!」

 

するとサザナーライレブンの動きが突然目に見えて悪くなる。というか何かに苦しんでいるように見える。

 

皆帆「やっぱり!! 思ったとおりだ!!」

 

天馬「どういうこと?」

 

皆帆「前半のサザナーラの作戦からして、アズルはお互いに干渉しあう性質があるみたいだったからね。見たところ、瞬木くんとあの助っ人はそのアズルがとてつもなく醜いんだと様子から思ってね。そんな2つをぶつけたらどうなるか、結果は見てのとおりだよ」

 

瞬木D「うおっ!?」

 

ヒラリ「口ほどにもないわね!!」

 

瞬木D「へぇ? おばさんにしてはやるじゃないの」

 

ヒラリ「まだ言うか!! オバサンじゃないわよ!!」

 

 

サザナーライレブンは、

 

ヴァルハ「うぁあぁああっ!! あ、頭が割れる!!」

 

チュルカ「醜すぎて見てられない!! 頭がおかしくなりそう!!」

 

ポワイ「しまった!? 禁止! アズル見るの禁止!!」

 

瞬木とお互いに罵り合いながらヒラリが突っ込んてくる。すると皆帆がディフェンスに入る。

 

皆帆「僕は嬉しいよ。僕の推理力は、宇宙にも通用するって分かったからね!! ハァアァアアッ!!」

 

すると、皆帆の身体から光が溢れ出し、黄色の羽を持つフクロウに変わる。すると辺りが暗闇になり、何も見えなくなった所をフクロウの夜でもハッキリと見える夜のハンターの眼を活かして奪い取った。

 

ヒラリ「そんなっ!?」

 

ダクスガン「ワーオっ!! ここで皆帆がソウルを発動! 地球の森に生息する夜を支配する猛禽類、フクロウのソウルだぁっ!!」

 

皆帆「嵐珠さん!!」

 

皆帆からのロングパスが嵐珠に繋がる。

 

ポワイ「行かせないわっ!」

 

嵐珠「抜く!!」

 

ポワイ「なっ!?」

 

ドガァアアアンッ!!

 

すると嵐珠はパワー任せの強引なドリブルでポワイを真正面から弾き飛ばす。ポワイを突破した。

 

ポワイ「くっ、やっぱりアズルを見れないと」

 

嵐珠「心さえ読まれなけば、あなた達なんか嵐珠たちの敵じゃないわ!!」

 

そして嵐珠はドリブルで攻め上がる。そこにガリラとビーチャが止めに入る。

 

ガリラ「行かせるか!!」

 

ビーチャ「ここで潰す!!」

 

嵐珠「無駄よ!!」

 

すると嵐珠のダッシュに炎のオーラが纏わりつきそれが猛進する槍となりディフェンス二人を正面から力で突き崩した

 

嵐珠「[バーニングランス]!!」

 

ドガァアアアンッ!!

 

そしてゴール前に到達した嵐珠。嵐珠の身体から光が溢れ、銀色の毛並みを持つ狼に変わる。狼がボールとともに走り抜け、自身の身体をカッターの様に回転させてボールに纏わりつき、ゴールに向かう。

 

ヴァン「これ以上は!! [アクアブレス]!!」

 

ヴァンは必殺技で必死に耐える。しかし嵐珠のソウルシュートに歯が立たず、シュートはゴールに突き刺さった。

 

ダクスガン「ゴーールッ!! アースイレブンが勝ち越したぁっ!! あれは地球に生息する、群れる事を嫌う孤高の狼、"ギンロウ"のソウルだあっ!!」

 

嵐珠「嵐珠に掛かればこんなものよ!!」

 

ポワイ「くっ!」

 

 

葵「嵐珠さんも既にソウルを!?」

 

黒岩「鐘は幼い時から、人と一緒にいたくても自身の奔放な性格のせいで人が離れていくという事を繰り返していた。そうするうちに心では臨んでいなくてとも孤独に慣れ、逆にそれが鐘のソウルを目覚めさせるキッカケとなった。孤独の権化とも言える、文字通りの一匹狼のソウルをな。だが、鐘は今仲間を得た。あの強力な力が仲間の力によって強化されたら・・止められないだろう」

 

サザナーライレブンのキックオフから試合再開ボールはヒラリに渡り、そこに再び蘭が止めに入る。

 

ヒラリ「また吹き飛ばしてやるわ!!」

 

蘭「乙女の顔を殴ったツケは払ってもらうにゃ!! くるにゃ!【疾風の白虎・零式】!!」

 

ここで蘭は化身を発動し、

 

蘭「アームドッ!!」

 

なんと蘭は化身アームドを発動し成功させる。物にしたのか!!

 

ヒラリ「なっ! こけおどしよ!! [ジャックナ・・「邪魔にゃあっ!!」ドカアッ!! ぐあっ!!」

 

蘭はヒラリを吹き飛ばすとそのままドリブルで攻め上がる。そこにポワイとウルミがディフェンスに入る。

 

ポワイ「これ以上点は入れさせないわよ!!」

 

ウルミ「と、止めないと・・」

 

蘭「瞬木くんのおかけで心はもう読まれないにゃ!! もうこっちのものだにゃあつ!!」

 

ドカァアアンッ!!

 

ポワイ・ウルミ「「きゃあッ!?」」

 

二人を力任せに弾き飛ばした蘭はここでロングシュートの体勢に入る。蘭が構えを取ると周囲に剣が数本出現。それらすべてがゴールに切っ先を向け、蘭のキックと共にゴールに襲いかかる。

 

蘭「[絶・グラディウスアーチ]!! 白竜くん!! 頼んだにゃ!」

 

白竜「任せろ!!」

 

すると白竜はシュートチェインを叩き込む。光り輝く龍のオーラと共に白竜の飛び蹴りが炸裂する。

 

白竜「[ドラゴンブラスター・改]!!」

 

更に威力を増したシュートがサザナーラゴールに襲いかかる。シュートのコースに入ったビーチャが必殺技でブロックする。

 

ビーチャ「[ウォーターフォール]!!」

 

ドガァアアアンッ!!

 

ビーチャのブロックで多少のパワーは落ちたがブロックを突き破り進むシュート。ヴァンは必殺技で応戦する。

 

ヴァン「くそぉっ!! [アクアブレス]!!!」

 

必殺技で必死に応戦するが、二度あることは三度あるでシュートはまたしてもゴールに突き刺さった。

 

ヴァン「そ、そんな・・・」

 

ポワイ「う、うそでしよ・・・?」

 

皆帆・・敵の能力の詳細を読み取り逆に利用した。かと言ってまた心を読もうとしたら瞬木とヒラリのアズルが醜すぎて視界に入った瞬間プレーに馬鹿にならない支障が出る。

 

サザナーラにはだんだんと焦りの色が出始めていた。

 

 

アースイレブン 3 ー 1 サザナーライレブン

 

ー 続く ー




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第65話:サザナーラ戦決着!!

アースイレブンの追加点が入りサザナーライレブンのキックオフから試合再開。ボールはヴァルハに渡りドリブルで攻め上がってくる。

 

彼方「行かせないよ〜っ!!」

 

しかしここで彼方がディフェンスに入る。彼方は必殺技を発動する。

 

彼方「[スリ〜ピィサンクチュアリ・Gx]〜!!」

 

彼方の相手の眠気を誘う催眠領域が展開される。心を読みたくても読めず、どんな性質があるのかも分からない技に突っ込んだ相手は酷い睡魔に襲われ立ち眩みを起こす。

 

彼方「今だ〜っ!!」

 

ヴァルハ「しまっ!?」

 

彼方「天馬くん!!」

 

ここで彼方は天馬にパスを出す。すると天馬はここで驚くべき事をする。

 

天馬「サッカーのルールの範囲だったらあらゆる手段が許容されるって言ってたよね? なら! "ミキシトランス:アーサー"!!」

 

全員『『!?』』

 

なんと天馬はここでミキシマックスを使用。ドリブルで突っ込む。しかしそこにカピスとヒラリが止めに入る。

 

ヒラリ「やらせるわけ無いでしょ!!」

 

カピス「止めるわ!!」

 

天馬(アーサーMix)「抜く! [爆・風穴ドライブ]!!」

 

天馬はミキシマックスでパワーアップした必殺技で、渦巻く風の抜け道を通り抜けて二人を突破。だがウルミとビーチャが止めに入る。

 

ビーチャ「行かせるかよ!!」

 

天馬(アーサーMix)「(この距離なら追い付けない!!)瞬木!!」

 

天馬は瞬木にパス。瞬木はディフェンスから大きく距離を取っていたために、仮にディフェンスが天馬の心を読んでも、気づいた頃にはもうパスが確実に通ってしまうくらいに離れていた。

 

ビーチャ「くそっ!」

 

瞬木D「ナイスだキャプテン!! トドメを刺してやる!!」

 

すると瞬木の身体から光が溢れ出し、青いハヤブサに姿を変える。ハヤブサはボールを足で掴みながら滑空し、ゴールに突っ込む。

 

ヴァン「絶対に入れさせません!!」

 

するとヴァンの身体からも光が溢れ出し、地球にはいないグレーの体色をした魚に姿を変える。その魚の口から超音波が発せられ、ボールの勢いを殺す。が、シュートの勢いを殺しきれず、ボールはゴールネットに突き刺さった。

 

ダクスガン「ゴーールッ!! 試合終了間際、瞬木のソウルシュートがサザナーラゴールに突き刺さった!! そしてここで試合終了のホイッスル!! 4ー1で、勝ったのはアースイレブンだぁっ!!」

 

観客席からサザナーラ人たちの嘆きと悲しみの声が溢れる。サザナーライレブンも愕然としてキャプテンのポワイは「もう知らない!!」と自暴自棄になっている。

 

たまにはこういう試合も良かった・・・のかな?

 

そして俺たちがギャラクシーノーツ号に戻るとき、ピクシーが天馬を導くように飛んでいき、それを天馬は追い掛けていった。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

俺たちが宇宙船に戻りしばらくすると天馬が戻ってきた。その手には青色に輝く美しい石が握られていた。

 

侑「それが2つ目の石?」

 

水川「いい加減にして! 集めるのは勝手だけど、集めたところで!!」

 

天馬「いや、カトラは生きてる。さっきも交信してきたんだ!」

 

竜太「そんな喧嘩しなくても・・・決勝まで進めば答えは分かるって言ってたんだろ?」

 

天馬「うん」

 

水川「はぁ、いいわ。なら、決勝まで進めばハッキリするはずよ。カトラ様が生きてるはずが無いって」

 

そして、俺たちアースイレブンはサザナーラを後にし、次の惑星へと出発した。

 

ー 続く ー




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第66話:火の惑星ガードン

サザナーラ戦に勝利した俺たちは3回戦の相手となる星へとやってきた。次の相手は火の惑星ガードン。果たしてどんな相手が待ち受けているのだろうか?

 

 

アースイレブンを乗せたギャラクシーノーツ号はガードンステーションへと入港する。俺たちが外に出ると、

 

竜太「暑っつ?!」

 

鉄角「なんなんだよこの暑さ?」

 

九坂「身体中から汗が吹き出してくるぞ・・・・」

 

真名部「ハァ‥ハァ…どうやら、窓から見えた溶岩地帯だけでなく、街の蒸気や地熱も影響しているみたいですね・・・」

 

イシガシ「その通りです」

 

俺たちが感想を述べあっているとイシガシさんが来た。この自然と街の異常な暑さこそ、この星が火の惑星と言われる由縁らしい。

 

イシガシ「それでは街に行きましょう」

 

そして俺たちが街に出ると、

 

 

?「アースイレブン・・・我らにもたらすは救いか災か・・・」

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

竜太「空のあの色、煙か?」

 

果林「色が毒々しいわよ?」

 

イシガシ「いえ、この星はあの空の色が普通です」

 

そうなのか・・・すると空を飛ぶ1つの影が。

 

九坂「なんだアレ?!」

 

侑「鳥人間?」

 

イシガシ「はい。アレがこの惑星の住人、ガードン人です」

 

龍也「空を飛ぶ相手とサッカーするってことか?」

 

果南「うわぁ、キツそうだねぇ」

 

イシガシ「いえ、相手は彼らではありません。「え?」あちらをご覧ください」

 

俺たちがそっちを見ると、翼ではなく機械化された腕を持ったガードン人がいた。

 

イシガシ「近年ガードンでは、翼を捨て機械の腕を得ようとする動きがあるのです。腕による、物を作り出す力を得るために。実際それにより街はここまで発展したのです」

 

森村「せっかく飛べる翼があったのに捨てちゃったんだ・・・」

 

イシガシ「あの翼を持ったガードン人は東の種族、機械否定派。機械化された腕を持ったガードン人は西の種族。機械推進派。現在ガードンはこの2つの派閥のどちらが星の実権を握るか争っているのです。」

 

神童「そんな時に、星の運命を賭けて戦うのか」

 

瞬木D「勝手にケンカして自滅してくれれば言うこと無いんだけどね・・・」

 

九坂「お前ハッキリ言うねぇ・・・」

 

神童「だが、瞬木の言うことにも残念ながら一理ある。俺たちは負けるわけにはいかないんだ」

 

天馬「よし、さっそく用意された練習用グラウンドに行こう!」

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

そして俺たちは練習用グラウンドにて練習を始める。しかしまずはこの暑さに慣れることが先決だ。

 

 

 

鉄角「くっそ、暑ちぃ・・・」

 

天馬「皆こまめに水分を取って!!」

 

彼方「ハァ、ハァ…」クラッ

 

竜太「危ねぇ!! ガシッ 大丈夫か?」

 

彼方「うん。ありがとう・・・」

 

彼方は汗でぐっしょりだった。

 

 

 

その頃、

 

ー ファラム・オービアス ー

 

ララヤ「おお、帰ったか剣城!!」

 

剣城「言っただろ。約束くらいは守るさ」

 

ララヤ「う、うむ。そうであったな。して、どうじゃった? ますます気に入ったのではないか?」

 

剣城「その前にララヤに1つ聞きたい。王にとって、いちばん大事な物は何だと思ってる?」

 

ララヤ「そんなもの簡単じゃ。この星の民の幸せを守る事じゃ」

 

ララヤの言葉で確信した。やはりララヤは何も知らないんだ。

 

剣城「ララヤ、この星は決して幸せなんかじゃない。この星は苦しんでるんだ。今の国政を任されている者たちが、お前を騙し影からこの星を操っている。」

 

ララヤ「何を申すか!! 今の国政を任されているものは、亡き父上が選んだ優れた者たちじゃ!!「本当にそうかな? お前が王だと言うなら、俺と一緒に来てくれ。見せたいものがある」っ! …分かった」

 

そしてララヤに王族だとバレないように変装させて二人で街へ出る。

 

ララヤ「何じゃ? 何も普段と変わらぬではないか「よく見ろ。人々の顔を」顔? …っ!?」

 

気づいたか。

 

ララヤ「何故じゃ? 誰も笑っておらん」

 

剣城「見せたいものはまだある」

 

そして俺とララヤは路地裏のスラムへと向かった。

 

ララヤ「な、なんじゃこれは!?」

 

剣城「彼は、家や財産を奪われた人々だ」

 

ララヤ「なんじゃと?! 誰がそのような!! 「上級貴族たちだ」な、なんじゃと!!」

 

剣城「全ては、貴族たちがぜいたくな暮らしを続けるため、それだけの為に彼らから何もかも奪っていっんだ」

 

ララヤ「そ、そんな・・・っ」

 

剣城「ララヤ、お前の父である先代の王アクロウスが作りたかったのはこんな国なのか?」

 

ララヤ「っ・・・違う! こんなもの! 父上の作りたかった国ではない!!」

 

ララヤは、走って王宮へと戻っていった。

 

 

 

剣城(天馬…………)

 

 

ー 続く ー




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第67話:東の部族

あの後もガードンの暑さに慣れる為練習をする俺たち。皆こまめに水分補給しているが皆の動きが目に見えて悪い。

 

果林「行くわよ伊吹くん!!」

 

伊吹「来い!!」

 

果林「ふっ!!」

 

ドガァアアアンッ!!

 

果林先輩の以前とは威力が桁外れに上がったノーマルシュートが伊吹に迫る。

ノーマルシュートはシュートの基本。このシュートの威力が上がっているということは必殺シュートはこの何倍も上がっているということだ。

 

伊吹「くっ、させるか!!」

 

バチィイイインッ!!

 

伊吹が渾身のパンチで弾き返す。飛んだボールは大きく空へと舞い上がりる。

 

するとボールに向かって跳躍する1つの影。その影はボールを思い切りシュートすると、凄まじい速さで伊吹の脇を抜けてゴールに突き刺さった。

 

神童「っ!! 何者だ!!」

 

そして着地する一人のガードン人。自ら名乗りを上げる。

 

?「アースイレブン、我が名はアルベガ・ゴードン。ガードンイレブンのキャプテンだ。少しばかり挨拶に来た」

 

挨拶?

 

神童「今のがガードン流の挨拶ということか?」

 

絵里「やな感じね・・」

 

瞬木D「なんだよ、ただの翼を捨てた鳥人間じゃないか」

 

アルベガ「翼など必要ない! 我らは究極の進化を遂げ、腕という全てを作り出す創造の力を得たのだ!! 翼などという古い物に頼っていては決してたどり着けぬ境地に我らは到達したのだ!! 明日の試合、勝つのは我々だ!!」

 

そしてアルベガは去っていった。だが、

 

竜太「あのキック力…シュート力が高そうだな」

 

天馬「うん。キーパーが忙しくなりそうだね」

 

伊吹「なに、のぞむところだ!」

 

天馬「よし、練習再開だ!!」

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

その頃、ガードンイレブンside。

 

ホーネ「アルベガ様、コチラがアースイレブンのデータです」

 

モニターにアースイレブンの選手データが表示される。

 

ホーネ「そのうちのソウルが使える選手がコチラです」

 

モニターに映る瞬木、嵐珠、座名九郎、好葉、皆帆のデータに色が付きソウルが使えることが示される。

 

コンダルム「はん、あんな前時代的な力で何ができる。大した事無ぇって」

 

アルベガ「その通りだ。それにこの戦いは我々にとってただ星の運命を賭けた戦いというだけではない。我々の正しさを証明する戦いでもあるのだ!!」

 

 

?「やっほー、お取り込み中かな?」

 

アルベガ「ん? またお前か! ロダン・ガスグス!! 我々に助っ人など必要ないと何度言ったら分かる!!」

 

ロダン「ヒヒッ、まぁそう言わないでよ。仲良くしよう?」

 

アルベガ「断る!! アースイレブンなど、究極の進化を遂げた我々の敵では無い!!」

 

ロダン「はんっ!「何がおかしい!!」究極の進化ねぇ? そんな作り物の腕を得たくらいで勝てると思ってるんだ。下らないよ」

 

アルベガ「何だと!?「じゃあ試して見る?」良いだろう!!」

 

そしてガードンイレブンの練習場。ロダンとガードンの3人の1vs3のゲームが始まる。

 

アルベガ「分かっているな? 点を決められなくてもボールを奪われても貴様の負けだ。まけたら二度と我らの前に顔を出さぬと誓え!!」

 

ロダン「いいよ? でも君たちの思う通りにはならないと思うけどね」

 

ホーネ「大した自信ですね」

 

コンダルム「舐めやがって!!」

 

そして、開始の笛がなるとロダンはいきなりソウルを発動。紅い野獣へと姿を変えとてつもないスピードで一気に二人を突破。ソウルシュートを放つ。

 

アルベガ「止める!!」

 

アルベガが反応するが、シュートの速度が圧倒的に勝り、ゴールに突き刺さった。

 

ホーネ「そ、そんな…」

 

アルベガ「これが…ソウルの力なのか?」

 

?「リュゲル兄ぃ、こういうのなんて言うんだっけ?」

 

リュゲル「こういうのは当然の結果というんだ。ガンダレス」

 

ロダン「じゃあ、そういうことだから宜しくねヒッヒッ」

 

アルベガ「・・・・・・・・」

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

アースイレブン練習場

 

瞬木D「キャプテン!!」

 

天馬「好葉!!」

 

パスが好葉に飛ぶが、暑さでバテており追いつけず、そのまま転がっていった。

 

天馬「俺取ってくるよ」

 

そして天馬が建物の陰で見えなくなる。

 

天馬「あった、(天馬…)つ!! カトラ!!」

 

 

目の前にはカトラが立っていた。だが恐らく映像だろう。

 

カトラ「この星に3つ目の希望のカケラ、赤い石があります。ですが、それはすでにこの星の民の手に渡っています」

 

天馬「じゃあどうすれば…」

 

カトラ「東の部族の集落を訪ねてみてください。彼らはかつてこの星を治めていた部族。何か知っているかもしれません」

 

天馬「分かったよ!「頑張って、天馬」」

 

そしてカトラは消えてしまった。東の部族…

 

神童「天馬? どうしたんだ「神童先輩、今カトラが」え?」

 

 

水川「またそれ?」

 

天馬「カトラが言ってたんだ。東の部族を訪ねろって」

 

竜太「東の部族、機械否定派か」

 

天馬「うん。俺は行ってみようと思う皆は…」

 

九坂「でもキャプテン、試合は明日だぜ?」

 

鉄角「少しでも練習するべきじゃないか?」

 

天馬「皆……」

 

神童「確かに、みんなの言う通りだ。天馬の話はまだ不確実だ「神童さん…」だが、やってみる価値はあるだろう。この戦いは、ただ勝つだけではダメなんだ。銀河の運命が賭かってるんだからな。皆は残ってくれ。俺と天馬で行ってくる」

 

伊吹「いや、俺も行くぜ? そっちの方が面白そうだし、暑さにも慣れられそうだしな」

 

竜太「俺も行くよ」

 

真名部「仕方ありませんね。僕たちも行きますよ」

 

天馬「嵐珠やミア、果南さんや彼方先輩たちにフェイやSARUたちは練習してて? 万が一に備えて試合できるメンバーは残したい」

 

果林「分かったわ」

 

絵里「気をつけてね?」

 

天馬「じゃあ、グーチョキパーで分けよう。せーの!」

 

メンバー

グーチーム

天馬、真名部、座名九郎、鉄角、瞬木

 

パーチーム

神童、伊吹、森村、皆帆

 

チョキチーム

剣城?、九坂、竜太、栞子

 

となり、残りは試合に備えて練習となった。

 

天馬「じゃあ皆、日が暮れる前には帰ってくるから!」

 

そして俺たちは東の集落にむけて出発した。その様子を・・・・

 

ロダン「ヒッヒッ、3手に別れたんだ? やりやすくなったね」

 

上空から鳥ロボットの眼カメラで様子を見られていた事に、俺たちは気付かなかった。

 

 

ー 続く ー




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第68話:神童・伊吹 危機一髪!!

俺たちが3手に分かれて東の集落に出発して数十分後、それぞれのチームは険しい溶岩地帯の山道を進んでいた。

 

天馬チームは、

 

鉄角「急ぐぞ!! さっさと石を見つけて俺は速く練習したいんだ!!」

 

座名九郎「そう言えば、さっきも熱心に練習されていましたね」

 

鉄角「ああ。俺さ、今サッカーが楽しくてしょうがないんだ。もっと強くなりたいって本気で思う。そのためにも速くソウルを出せるようになりたいんだ」

 

天馬「それでソウルを…」

 

瞬木D「そんなこと考えてたんだ?「何だよ悪いか?」別に?」

 

鉄角「それに、テツさんとも約束したしな。サッカーで宇宙チャンプになって帰ってくるって」

 

すると座名九郎は歌舞伎の見得を切り、

 

座名九郎「その心意気やお見事!! それだけの強い思いがあれば、ソウルを出せる日も近いかもしれませんね」

 

鉄角「本当か!? よっしゃー!! 絶対に出してやるぜソウルを!!」

 

真名部「あれ?「どうした真名部?」この岩さっきも見たような気がして…まぁ似たような景色が続いてますからね。迷わないように目印を付けておきましょう」

 

そして真名部は近くにあった石で岩に✕印を付けた。

 

天馬「よし、先を急ごう」

 

 

その頃、竜太チームは

 

栞子「あ、暑い……」

 

九坂「そんなに暑い暑い言ってると尚更暑くなるぞ?」

 

竜太「じゃあ全く別の事考えれば?」

 

九坂「別のこと? えっと…エアコン、アイス、冷たいジュース…って尚更暑くなってきた!!」

 

剣城?(そりゃあそんなこと考えてたら暑くなるだろ……)

 

 

戻って天馬たちのグループ

 

瞬木D「おい、またこの岩だぞ?」

 

座名九郎「完全に迷いましたね」

 

天馬「そんな……」

 

その様子をカメラで見ていたロダンは…

 

ロダン「ヒッヒッヒ、アースイレブン…この暑さで体力はどんどん奪われて試合の頃にはスッカラカンだろうね。やる前から勝ちが決まるよ」

 

アルベガ「姑息な手を!!」

 

ロダン「勝たせてあげって言ってるんだからさ、黙って見てなよ「くっ!!」」

 

 

真名部「とりあえず、太陽の向きと歩数を計算すれば迷うことはありませんよ」

 

カメラに映る真名部が放った言葉に、

 

ロダン「(ちっ、そんな知識があるやつがいたのか)ターゲット変更だ」

 

 

 

そして神童チームは

 

森村「あ、暑い……」

 

神童「大丈夫か好葉?」

 

森村「は、はい。」

 

 

すると、遠くから何かが飛んできた。

 

皆帆「機械の…鳥? ?! こっちに来るよ!?」

 

伊吹「伏せろ!!」

 

全員伏せると鳥は通り過ぎてそのまま旋回して戻ってくる。

 

伊吹「神童! 俺がコイツを引き付ける!! その間に皆帆と森村を連れて逃げろ!!」

 

神童「分かった!!」

 

そして神童は二人を安全な場所に連れていき、

 

神童「よし、ふたりはここで待っててくれ」

 

皆帆「神童くん?!」

 

神童は伊吹を助けに向かった。

 

伊吹「くっ!! このっ!!」

 

 

 

ロダン「まぁいいや。キーパーだけでも潰してやるよ」

 

そして鳥ロボットを操作して突っ込ませようとすると、

 

ガンッ!!

 

ロダン「ん? へぇ? アースイレブンの司令塔か、こいつは良いや。二人まとめて始末してやる」

 

神童はロボットに向かって石を投げ続けるガンッ、ガンッ、と音を響かせながら石が当たるロボットだが、お構いなしに突っ込んできた。

 

神童「くっ!!」

 

伊吹「神童!!」

 

神童・伊吹「「うわぁああぁああっ?!!?!?」」

 

二人は、マグマに向かって真っ逆さまに落ちていった。

 

ー アースイレブン練習場 ー

 

葵「天馬お疲れ様」

 

天馬「ありがとう葵「東の部族には会えたの?」だめだった。道には迷うし、なんの手掛かりも掴めなかったよ」

 

信介「僕たちの方も会えなかったんだ……」

 

葵「そっか、後は神童先輩たちだけね」

 

そこに神童先輩たちと行動していた皆帆と好葉が戻ってきた。

 

皆帆「神童くんと伊吹くんは!?」

 

天馬「えっ? 一緒じゃないの?」

 

二人は顔を見合わせる。

 

竜太「何かあったのか?」

 

森村「離れ離れになっちゃったの…」

 

その言葉に俺たち全員が動揺した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

神童「うっ、あれ?」

 

伊吹「気がついたか?」

 

神童「この岩場があったおかげで助かったのか」

 

伊吹「ああ。だが、この絶壁を登らないと戻れないぜ?」

 

神童「やるしかないか」

 

そして2人は崖をクライミングの容量で登り始めた。だが、

 

神童「うわあっ!?」

 

崖は崩れやすく、捕まった岩が崩れてバランスを崩してしまい落ちるということが続いてしまった。

 

伊吹「神童!! っ!! うわぁっ?!」

 

神童「伊吹!!」

 

ガシィッ!!

 

間一髪で伊吹の手を掴み、伊吹が溶岩に落ちるのを阻止した神童先輩。だが2人の体力はそろそろ限界だ。

 

伊吹「た、助かった…」

 

神童「ああ…「神童、あの話…信じているのか? カトラって少女が宇宙を救うっていう話だ」伊吹…、俺は天馬を信じている。今回の代表だって、俺は全員か素人であることに絶望したが、天馬だけはなんとかなると信じて諦めなかった。だから、俺はあいつを信じてやりたい」

 

伊吹「神童…俺も、キャプテンを信じてみるか「伊吹…」速くキャプテンたちの所に戻ろうぜ」

 

そこに、

 

バサッ!!

 

神童「?!」

 

岩場に、一人のガードン人が止まった。翼を持ったガードン人。東の種族だ。

 

伊吹「なんだ? コイツは……」

 

?「……こんなところでは何だ、里に案内しよう。話はそれからだ」

 

そして神童と伊吹は後から来たガードン人に足で抱えられ、空から東の集落に到着した。

 

 

…To be continue 




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第69話:東の集落〈フルスの里〉

謎のガードン人に抱えられ、神童先輩と伊吹は東の集落、〈フルスの里〉に到着していた。

 

ー 長老の屋敷 ー

 

俺たちはこの里の屋敷で長老に謁見していた。驚いたことに先程のガードン人がこの里の長老だったらしい。因みに長老の名前はログロス・ゴードンというそうだ。

 

神童「危ない所を救って頂き、ありがとうございました」

 

伊吹「助かりました」

 

ログロス「ここは我らのナワバリ、何故地球人が踏み入った?」

 

神童「俺たちは、あなた方東の部族に訪ねたいことがあり、あなた方を探していたのです。「ほう?」この星にあるという、赤い石を知りませんか?」

 

脇に控えていた人たちがざわめく。何か知ってるみたいだな。

 

ログロス「何故その赤い石とやらを求めるのだ?」

 

神童「それは、宇宙を救うためです「なに?」本来、星の存続をサッカーの勝敗で決めるなど間違っています。赤い石があれば、この宇宙の危機を救えるかもしれないんです」

 

ログロス「ほう? 何を根拠に?」

 

神童「俺たちに、どこからか交信してきている少女がいます。彼女の話では、4つの石を集めて彼女の元にたどり着ければ、全ての星々を救えると言うのです。俺たちは1回戦と2回戦の対戦相手の星で、それぞれオレンジの石と青い石を手に入れました。そしてその少女は、この星で赤い石を手に入れるようにと」

 

ログロス「それでか…ふっ、安易な」

 

神童「教えて下さい! その赤い石のことを!!」

 

ログロス「我らは何も知らん…」

 

沈黙が訪れる。すると雰囲気に耐えかねた伊吹が声を荒げる。

 

伊吹「おい! しらばっくれずに教えてくれよ!!「伊吹!!」っ!」

 

ログロス「では聞くが、その話にはどれだけの信憑性があるのだ?」

 

神童「その少女が交信してきているのは、俺の仲間です。そいつの言うことを疑っている者もいます。ですが、俺は信じてみたいと思っています」

 

ログロス「ふむ…謎の少女か…不思議な話だ。神童と言ったな「はい」お前たちは既に見たであろう。翼を捨て、機械化に溺れた者たちの姿を。街の様子を。あの者たちは発展のみを追い求め、大切なことを見失っておる。ありのままの自分や、この星を信じられなくなっておるのだ。自然の象徴であるソウルさえも…そして、その者たちを率いているのが我が息子、アルベガなのだ」

 

神童「っ!! アルベガと長老が……親子!?」

 

すると伊吹は思い出したのか怒りの表情を浮かべ、

 

伊吹「あの野郎、挨拶代わりに一発打ち込んでくれたぜ!!」

 

ログロス「ん? そうか…既に出会っていたか。あやつは、機械化を否定する我らに知らしめたいのだ」

 

 

 

…3ヶ月前

 

アルベガ「大会には俺たちが出る!! この進化した身体でソウルを使う者たちを倒し、俺たちの正当性を証明する!!」

 

ログロス「好きにするがいい。我らは誰も止めはせん」

 

アルベガ「ふん、腰抜け共め! この星を守ろうとする気概もないのか!!」

 

ログロス「我らは自然を重んずる。だが執着はしていない。愛でていた花もやがては枯れる。喪失もまた、自然の営みだ」

 

アルベガ「ついて行けんな! アンタと縁を切って本当に良かったぜ!!」

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

ログロス「愚かな息子だ。ガードンとの試合、全力で戦って欲しい」

 

その言葉に、神童先輩も伊吹も驚く。

 

神童「もちろん、俺たちは全力で戦います!」

 

伊吹「当然だ!!」

 

ログロス「ふっ、だが息子たちは強いぞ? 心してかからねば今のお前たちで果たして…勝てるかどうか。フム…」

 

すると長老は神童先輩と伊吹をじっと見つめる。何か別のものを見ているかのような

 

ログロス「七色の翼に、巨大な牙か…」

 

神童・伊吹「「!?」」

 

ログロス「お前たち、しばらくここにいるがいい」

 

 

 

その頃…

 

皆帆「はぐれたのはこの辺りだったんだけど…」

 

鉄角「いねぇぜ?」

 

森村「ホントにこの辺りだったのに…」

 

竜太「まさか…溶岩に落ちたとか言わないよな?」

 

鉄角「っ! おい! 縁起でもないこと言うな!!「わ、悪い…」」

 

天馬「どこにいるんだ?」

 

真名部「後40分28秒で日が暮れます。暗くなってからの捜索は僕たちにとっても危険ですよ?」

 

瞬木D「だな。俺たちにまで何かあったら…」

 

九坂「どうするんスか? キャプテン…」

 

天馬「くっ…、「探しましたよ? アースイレブンの皆さん」っ!? ガードン人の、東の部族?!」

 

使い「はい。我は東の部族の者。長老様の使いで参りました」

 

鉄角「長老の使いってなんだよ…」

 

使い「ご安心ください。神童殿と伊吹殿は、我らが保護しております」

 

竜太「っ!! 本当ですか!!」

 

栞子「良かった……」

 

皆の顔に安堵の表情が漏れる。

 

天馬「じゃあ、神童さんたちは無事なんですね!」

 

使い「はい。ですが訳あって、今は帰れません」

 

竜太「訳ってどんな…「ただし、明日の試合には必ず戻すとのことです。長老様からの伝言は以上です」あっ!!」

 

そして東の部族のガードン人は飛び去っていった。

 

鉄角「おい!! まだ話は終わってないぞ!!」

 

 

 

訳って一体何なんだ…?

 

でも、取り敢えず2人が無事で良かった………

 

ー 続く ー




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第70話:覚醒

〜 神童・伊吹side 〜

 

長老が皆の元へ俺たちが無事だという連絡を入れるために使いを出してくれたあと、俺たちは長老の屋敷で食事をご馳走になっていた。

 

なんか揚げた肉団子にブロッコリーみたいな野菜に見えるが…恐らく地球の物とは別物だろう。

 

ログロス「我らは自然に生かされているのだ。自然に感謝して食そう。さぁ、食べなさい」

 

神童「・・・・・」

 

神童先輩が戸惑っていると隣に座っていた者が食べるように促す。

 

神童「では、いただきます」

 

そして俺は揚肉団子のような物を食べる。カリッとした外側。中から柔らかい肉と肉汁が……!!

 

神童「!! 美味しいです!!」

 

ログロス「うむ…」

 

伊吹「試合中にバテたくないからな…」

 

伊吹も恐る恐るだが食べる。すると、

 

伊吹「っ! 美味い!!」

 

美味い分かると伊吹はすごい勢いで食べていく。見る見るうちに料理が皿から無くなっていく。

 

そして料理を完食すると、

 

「余程気に入ったと見える…」

 

「地球人にもこの味が分かるか!」

 

周りにいた人たちは自分の料理を次々と伊吹の皿に投下していく。そんなに食えるのか?

 

神童「この味、どこか俺たちの星の食べ物を思わせます」

 

ログロス「ほう、お前たちの星か。どんな星なのか興味がある。聞かせてくれんか?」

 

神童「俺たちの星地球は、自然が豊かな星です。緑に溢れた陸と、生命を育む海、そして、青い空が広がっています」

 

「青い空…」

 

「ほぉ……」

 

ログロス「地球の空は青いのか!」

 

神童「はい。地球にも翼を持った生き物がいて、自由に空を飛び回っています。俺たち人間は飛べませんが、空は心を落ち着かせたり、明るい気持ちにさせてくれます」

 

ログロス「そうか…お前たちも自然と共に生きているのだな「はい」我らもそうだ。大地に吹く風と、語らい、山の生き物たちの歌を聞く。生を受けて以来ずっとそうしてきた。…息子もそうだった。……お前たちを返すにあたり、伝えたいことがある」

 

神童「っ? 伝えたいこと?」

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

その頃、アースイレブンは……

 

オバちゃん「今日はチキンだよ!! チキンを食べてチキンにカツ!だよ!!」

 

要するにチキンカツね。

 

鉄角「おーっし、食ってやる!!」

 

九坂「俺たちが勝つ!!」

 

天馬「・・・・・・」

 

豪炎寺「天馬、2人が心配なのは分かるが…今は信じて待つしかない」

 

吹雪「使いの人も無事だし試合には返すって言ってたんでしょ?」

 

瞬木D「案外、機械の身体に改造されてたりしてな?」

 

森村「改造……」ゾォッ

 

絵里「瞬木くん恐いこと言わないでよ!!」ガクブル

 

ミア「絵里…恐いの駄目なんだ」

 

桐穂「そうなんだよねぇ…理沙ちゃんも恐いの駄目だし、遺伝なのかもね」

 

皆帆「でも、改造は無いよ。東の部族は機械否定派の部族だからね」

 

瞬木D「まぁ、それは無いにしても…なんで帰れないんだろうな?」

 

天馬「・・・・・・・」

 

 

 

その日の夜、〈フルスの里〉

 

神童(長老は、俺たちに何を伝えるつもりなんだ? アルベガのため、ひいてはこの星のためになる様な事か? いったいどんな思惑が……「神童」っ!)

 

伊吹「俺たち、こんなところでのんびりしてる場合じゃ無いぜ?」

 

神童「今は長老の言うとおりにしよう。きっと何か意図があるんだ」

 

伊吹「と言っても、いつまでもいられない。試合は明日だ!」

 

神童「・・・・・・・・」

 

伊吹「・・・・・・・・っち、しょうがねぇな」

 

神童「おやすみ・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

翌朝早朝……

 

目覚めた伊吹は神童先輩がいないことに気づき外に出る。

 

伊吹(っ!!)

 

外に出た伊吹はすぐに神童先輩を見つけた。神童先輩はなぜか空を見上げていた。

 

伊吹「どうした神童?」

 

神童「見てみろ!」

 

見ると、翼を広げ大空を自由自在に飛び回る長老がいた。とても気持ちよさそうに、優雅ささえ感じさせ飛び回っている。

 

伊吹「あれは…長老?」

 

神童「ああ…」

 

そして気が済んだのか地上に着地する。

 

神童「気がついたら見入っていました。とても神神しい光景でした」

 

ログロス「求めていたのだ…」

 

神童「求める?」

 

ログロス「この翼が空を求め、空が翼を求めていた「それは、本能という事ですか?」左様。本能の赴くままに、風を感じていたのだ。さて、お前達にも風を感じて貰うとするか」

 

神童「え?」

 

伊吹「?」

 

すると屋敷から人々が出てきて俺たちの周りを飛び回ると空を旋回する。

 

神童「な、何だ!?」

 

伊吹「何をする気だ!?」

 

すると二人のガードン人が急降下。神童先輩と伊吹を足で抱えて大空へと舞う。

 

神童「な、何をするんだ!!」

 

伊吹「くそ離せ!!」

 

すると長老たちもあとを追い飛び上がる。俺たちは空を飛び、溶岩の山岳地帯に差し掛かる。

 

神童「まさか!? この高さから落とすつもりか!?」

 

伊吹「なっ?! 冗談じゃないぜ!!」

 

すると二人を抱えたガードン人は急降下。交錯するように飛ぶと、ぶつかる寸前で急上昇。

 

神童(長老は、何故こんなことを……)

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

スターシップスタジアムが到着し、俺たちは試合に向かう。だが、

 

葵「神童先輩たち遅いね?」

 

信介「試合始まっちゃうよ……」

 

瞬木D「本当に返す気あるのか? 喧嘩してるとはいえ、同じ星の住人だぞ?」

 

皆帆「でも、返す気が無いならわざわざ言いに来る必要無いよね?」

 

真名部「いや、僕たちを陥れる罠とも考えられます」

 

鉄角「おい、疑い出したらキリないぞ!!」

 

天馬「長老は必ず戻すって言ってるんだ! 信じよう!!」

 

イシガシ「全員揃わない様ですが…どうなさいますか?」

 

するとギャラクシーノーツ号の扉が開き、黒岩監督が出てきた。

 

黒岩「行くぞ! 今日の試合、キーパーは西園、ゲームメイカーはテイラーで行く」

 

信介・ミア「「っ! ハイ!!」」

 

 

 

所代わり神童・伊吹side。あれからもまだ二人を抱えて飛び回るガードン人たちだが、もうしばらく飛ぶと火山の火口が見えてきた。

 

神童「火口だと!? まさかあの中へ?!」

 

伊吹「ははっ、良いねぇ……!」

 

すると急上昇し、神童先輩と息吹を火口に落とした。

 

神童・伊吹「「うわぁあぁああぁあああぁああっ?!?!!?!?!?」」

 

すると、2人の身体から白い光が湧き出てくる。

 

神童「こんなところで!!」

 

伊吹「終わってたまるかぁっ!!」

 

ズドォオオンッ!!

 

俺たちは、マグマの脇の小さな岩場に、無傷で着地した。

 

神童・伊吹「「っ!! 今のは……」」

 

ログロス「精神が極限に達した時、奥底に眠るソウルが呼び覚まされるのだ」

 

神童「ソウルを覚醒させるための指導と分かっていたら、身の危険は感じられない。だから何も言わなかったんですね」

 

ログロス「うむ」

 

伊吹「気に入らねぇな……」

 

「素直に喜びなされ…」

 

「凄まじいソウルだったぞ!」

 

神童「でも、良かったんですか? 俺たちはあなた方にとって敵なのに!」

 

ログロス「分かっている。息子がもし、お前たちに勝てないのなら、これから先の戦いも勝ち抜くことなどできはせん。私の力すら越えていないという事なのだからな。それに、例え試合の結果がどうあれ…宇宙を救ってくれるのではなかったのか?」

 

神童「っ!! はい!!」

 

ログロス「さぁ、二人をスタジアムまで送ろう。今度は、安全飛行でな」

 

神童「ありがとうございます!!」

 

伊吹「安全に頼むぜ?」

 

 

 

そして二人は長老たちに再び抱えられ、スタジアムへと飛んで向かった。

 

ー 続く ー




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第71話:ガードン戦開幕!!

スターシップスタジアムにて、いよいよガードンイレブンとの試合が始まる。

 

鞠莉「結局、戻って来なかったわね……」

 

両チームメンバーはアップを終了し、試合開始のためにフィールドに立つ。

 

スターティングメンバー

ガードンイレブン

 

GK        アルベガ

 

DF   メラピル     クレステ

 

ボランチ コンダルム    ミスティ

 

MF   シュービル    エトゥナ

 

FW ニーラ ロダン  ホーネ コトパク

 

アースイレブン

FW   豪炎寺 瞬木  吹雪

 

MF  竜太        天馬

 

ボランチ     ミア

 

DF 彼方  絵里  鞠莉  鉄角

 

GK       信介

 

天馬「皆! 神童さんたちが戻ってくるまで、俺たちで踏ん張るぞ!!」

 

アースイレブン『おう!!』

 

 

ロダン「ねぇ満足してくれた? アイツがキーパーなら今日は何点取れるかな? これなら君たちでも勝てるよね?」

 

ロダンの物言いにアルベガは機械の腕をプルプル震わせて内心キレていた。

 

アルベガ「勝利のためだ。やむを得ない……」

 

コトパク「俺たちはリーダーに着いていくぜ?」

 

 

 

ダクスガン「イェーーイっ! welcome to cosmic soccer world!! アースイレブン対ガードンイレブンの試合は、間もなく試合開始だ!! 大会屈指のhotなフィールドで、どんな熱い戦いが繰り広げられるのか!? さあ! チェキラっ!!」

 

 

 

竜太(神童先輩…伊吹……)

 

そして試合開始の笛が鳴り、ガードンイレブンのキックオフから試合開始。

 

ロダンがキックオフと同時にドリブルで攻め上がる。そこに、豪炎寺さんがディフェンスに入ると、ロダンはエトゥナにパスを出す。

 

天馬「行かせるか!!」

 

天馬がコトパクへのパスコースを潰しながらディフェンスをかける。するとパスコースはホーネ一択。

 

エトゥナ「ホーネ!!」

 

ミア「甘いよ!!」バシッ!

 

天馬のパス誘導に合わせてフォローに入ったミアがパスをカット。そのまま攻め上がる。

 

ミア「リュウタ!!」

 

そしてパスは竜太に繋がる。それに合わせて豪炎寺さんとサイドバックの彼方先輩がオーバーラップしてくる。

 

竜太「彼方!」

 

俺はいったんボールを彼方に戻す。するとそこにシュービルとロダンが奪いに来る。

 

彼方「竜太!!」

 

しかし彼方は俺にパスを戻す。そして自身も動きつつマークを剥がす。

 

ロダン(戻した?)

 

竜太「豪炎寺さん!」

 

俺は彼方とアイコンタクトを交わして指示を出した後、豪炎寺さんにパスを出す。直ぐにコンダルムとメラピルが止めに入るが、豪炎寺さんはすぐに俺に戻す。

 

アルベガ「何を3人で戻し合ってるんだ?」

 

そして俺がドリブルを仕掛けると、パスを回してた間に先程の指示で彼方もサイドから前線へと走る。俺は中へと走った豪炎寺さんにパスを出す。ガードンのディフェンスは中のゴール前にボールが入ったことでシュートが来ると思いブロックのために中に入る。が、ここでサイドがガラ空きに。

 

豪炎寺さんは彼方とアイコンタクトで意志を疎通し来たボールをダイレクトで、大外からディフェンスの裏へと走った彼方にパスを出す。

 

ロダン「なっ!? 完全にフリーだと!?」

 

メラピル「(中に意識を持っていかれた!!)させない!!」

 

急いでメラピルが急いで彼方にディフェンスに入るが、ガードンの守りは完全に崩されている。彼方はセンタリングを上げると見せかけて斜め後方に戻す。そこに走り込んでいたのは、

 

豪炎寺「竜太! 決めろ!!」

 

竜太「オラァああぁああっ!!」

 

ドガァアアアンッ!!

 

竜太の渾身のノーマルシュートがアルベガを襲う。しかし、

 

アルベガ「くっ!! グリッドD3・アジャスト!」

 

アルベガは機械の腕を使ってキャッチを試みる。すると腕の機構から蒸気が吹き出し、その力を使ってボールの勢いを抑え込んだ。

 

竜太「だぁああ!! クソっ!!」

 

天馬「ドンマイ竜太! 次決めていこう!!」

 

アルベガ(何だ? 今の攻めは……?)

 

コンダルム(俺たちの守りを、あの三人だけで簡単に崩しただと?)

 

ロダン「……へぇ?」

 

 

アルベガのゴールキックから試合再開。吹雪さんがボールを奪いドリブルで攻め上がる。

 

アルベガ「ディフェンス! C06から02だ!!」

 

そこにメラピルとクレステが連携してディフェンスに入り奪われてしまう。

 

クレステ「ホーネ!!」

 

前線のホーネにボールが渡りドリブルで攻め上がる。

 

アルベガ「ホーネ! 03から27へ!」

 

ホーネ「了解!!」

 

ホーネからパスがコトパクへと飛ぶ。しかし、

 

鞠莉「見えてたわよ!!」

 

コトパク「何っ!?」

 

鞠莉さんがボールを弾き、そのままボールは天馬に渡る。

 

アルベガ「やるな……さすがここまで勝ち上がってきた実力は侮れないか………」

 

 

 

水川「あのキーパー…全員の動きを瞬時に計算しているわ」

 

葵「全員って…敵も味方もですか?「ええ。だから攻守の切り替えにも、素早く対処している。手強いわよ」天馬……」

 

天馬がドリブルで攻め上がる。だが、

 

アルベガ「ディフェンス! A1O1をカバー!!」

 

天馬に対してミスティがディフェンスに入る。

 

天馬「っ!」チラッ

 

瞬木D コクッ

 

瞬木が天馬の背後から上がってくる。天馬と瞬木は素早くアイコンタクトを交わして意志を疎通。瞬木にパスを出す。

 

瞬木D(あそこか!!)

 

コンダルム「行かせるか!!」

 

瞬木D「甘いぜ!!」

 

しかし瞬木はコンダルムの逆をついて突破。しかし一瞬の油断を突かれてニーラのスライディングでボールを弾かれる。

 

 

ダクスガン「ワーーオッ! いつの間にかFWのニーラがディフェンスに加わっていた!これがアルベガのゲームコントロール能力!!」

 

 

 

弾かれたボールをコンダルムが拾う。そこに竜太がディフェンスに入る。

 

竜太「行かせるか!!」

 

コンダルム「ちぃっ!!」

 

アルベガ「コンダルム! 231ポイント5!」

 

コンダルム「!? へへっ!」

 

するとコンダルムはボールを外に蹴り出した。スローインかと思ったら、フィールドを囲むスタジアムの地下熱排気口から蒸気が吹き出しボールを押し戻す。結果ワン・ツーパスがの要領で抜かれてしまった。

 

天馬「なっ!?」

 

竜太「そんなのありか!?」

 

ボールはシュービルに渡り、更にそこからニーラに渡る。が、

 

絵里「させないわ!! [超・スノーエンジェル]!!」

 

ニーラ「何っ!?」

 

ガキィイイインッ!!

 

絵里さんは必殺技でニーラを氷漬けにしボールを弾く。弾かれたボールは外に出てここで暑さ対策のための、ルールで決められた給水タイムとなった。

 

彼方「暑いね…」

 

鞠莉「彼方、一度にたくさん飲むのはノーよ? ゆっくり少しずつ飲むのがベストよ?」

 

絵里「でも、かなりきついわよね暑さ……」

 

 

 

葵「このフィールド、全体が熱排気口で囲まれてるのね……」

 

水川「ええ。そこから地下の熱を自動で排出して、地殻の安定を保っているの」

 

そして、給水タイムが終わり、ディフェンスラインからのアースイレブンキックからの再開となった。

 

ー 続く ー




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第72話:白熱のガードン戦

給水タイムが終わり試合再開。天馬がドリブルで攻め上がったところにエトゥナがディフェンスに入る。

 

天馬「[Zスラッシュ・G2]!!」

 

エトゥナ「なにっ!?」

 

必殺技でエトゥナを抜いた天馬。横から瞬木が駆け上がり追い越す直前にアイコンタクト。瞬木にパスを出す。

 

瞬木D「任せろ!!」

 

クレステ「止めるわ!!」

 

しかしクレステのスライディングをジャンプで躱した瞬木。必殺シュートを放つ。

 

瞬木D「[パルクールアタック]!!」

 

上空から瞬木のシュートが撃ち落とされる。アルベガも負けじと機械の腕を使ってキャッチを試みる。

 

アルベガ「グリッドD3・アジャスト…」

 

アルベガの腕がシュートを抑え込む。腕の機構から蒸気が排出され、その空気圧の力で技の力を抑え込んでキャッチした。

 

瞬木D「くっそ!! ふざけやがって!!」

 

アルベガ「クレステ! 行け!!」

 

アルベガからゴールキックがクレステに向かって飛ぶ。クレステは来たボールをダイレクトでミスティに繋げる。

 

ミスティ「エトゥナ!!」

 

そして今度はエトゥナにボールが繋がる。そこに鉄角がディフェンスに入るが、

 

鉄角「行かせてたまるか!!」

 

エトゥナ「ふっ、[マグマカーペット]!!」

 

エトゥナがボールを地面に踏み込むとそこから溶岩が溢れ出し鉄角の足を飲み込む。そして溶岩は冷えて固まり鉄角は身動きが取れなくなる。

 

鉄角「何っ!? くそっ!!」

 

そして突破したエトゥナはコトパクにパスを出す。

 

コトパク「くらえっ!!」

 

ドガァアアアンッ!!

 

コトパクの渾身のシュートがアースイレブンのゴールを襲う。

 

信介「させない!!」

 

しかし信介は冷静にコースを読んでパンチングでシュートを弾いた。

 

 

葵「やった!!」

 

天馬「ナイス信介!!」

 

信介「任せて!! ゴールは僕が守り抜くよ!!」

 

 

 

鉄角「へっ、小さいけど…デッカイ奴だぜ!」

 

そしてボールは前線の竜太に繋がる。そこにコンダルムとシュービルがディフェンスに入るが背後から彼方先輩がオーバーラップしてきた。

 

豪炎寺「っ!!」

 

そして彼方先輩と入れ替わりで豪炎寺さんが戻る。竜太はカバーに入った豪炎寺さんにパスを出すと、豪炎寺さんはダイレクトで前線へと走った彼方先輩にパスを出す。

 

メラピル「ディフェンダーが上がったって意味などない!!」

 

彼方「意味ならあるよ~!!」

 

すると彼方は相手を引き付けてシュート体勢に入る。ボールを真上に蹴り上げて闇の竜巻を纏い、回転しながら跳躍する。

 

彼方「[絶・ダークトルネード]!!」

 

ドガァアアアンッ!!

 

彼方の必殺シュートがアルベガを襲う。まさかDFが必殺シュートを持っているとは思っていなかったのか反応が一瞬遅れるがアルベガは腕を使ってキャッチする。

 

アルベガ「グリッドD3・アジャスト!!」

 

腕の機構から排出される水蒸気の力でボールの勢いを抑え込むアルベガ。何とかキャッチに成功した。

 

アルベガ「まさかDFがシュート技を持っているとは思わなかったぞ! だがデータは取れた。もう俺には通用しない!!」

 

彼方「あ〜決められなかったか〜!!」

 

竜太「どんまい彼方! 次だ!!」

 

アルベガのゴールキックからボールはミスティへ。彼方は急いで戻りディフェンスを立て直す。

 

アルベガ「ミスティ! 2ポイント5だ!!」

 

ミスティ「分かりました! ホーネ!!」

 

そしてボールはフォワードのホーネに繋がる。

 

鞠莉「マリーが止めマ〜ス!!」

 

しかしホーネは鋭いフェイントで鞠莉さんを抜いて必殺シュートを放つ。

 

ホーネ「[カザンガン]!!」

 

火山の噴火から炎の岩石がキーパを襲う。信介も必殺技で対抗する。

 

信介「[ぶっとびパンチ・改]!!」

 

信介はシュートを弾いたがパワーに押されてゴールポストに肩を思い切りぶつけてしまう。

 

信介(ぐっ!!)

 

絵里「信介くん!! 大丈夫!?」

 

絵里さんが駆け寄るが信介は「大丈夫です。ディフェンスに戻ってください」と絵里さんに答える。

 

絵里「っ! 分かったわ!!」

 

しかしボールを取ったのはガードンイレブン。ミスティからボールはシュービルへと渡る。

 

彼方「行かせないよっ! [スリーピィサンクチュアリ・Gx]!!」

 

彼方の催眠領域が展開され、その中に突っ込んだ相手は眠気に襲われフラついてしまう。

 

彼方「今だ〜っ!!」

 

シュービル「しまっ!?」

 

ボールを奪った彼方だったが直後にニーラのスライディングで弾かれてボールはホーネへ。ホーネは再びシュートの体勢に入る。

 

ホーネ「[カザンガン]!!」

 

ボールが噴石となって再び信介を襲う。

 

信介「くっ!! [ぶっとびパンチ・改]!!」

 

信介も負けじと必殺技で応戦するが、怪我をした腕では力が入らず、シュートごとゴールに叩き込まれてしまった。

 

ダクスガン「ゴーールッ!! 先制点はガードンが奪ったぁ!!」

 

天馬「っ! 信介……」

 

そしてここで前半の3分の2が終わり、2度目の給水タイムになった。

 

 

 

アースイレブン 0 ー 1 ガードンイレブン

 

ー 続く ー




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第73話:覚醒!猛牛と白い鳥

彼方「ゴメン…彼方ちゃんが油断したから…」

 

竜太「気にすんな彼方。勝負はここからだ! とは言っても…」

 

彼方「うん。暑いよね……」

 

絵里「ハァ、ハァ…暑い……」

 

鞠莉「内浦の夏も暑いけどそれを軽く上回りマ〜ス…」

 

天馬(やっぱり皆体力の消耗が激しいな)

 

そして試合再開のためにピッチに戻る。

 

ダクスガン「さあ、1ー0でガードンがリード! アースイレブンのキックからリスタートだ!!」

 

信介(キーパーの代わりはいないんだ…心配はかけられない……)

 

鉄角(っ! 信介……まさか?)

 

信介が肩を抑えたことで、見ていた鉄角が怪我に気づいた。

 

そして再開のホイッスルが鳴りボールはミアへ。

 

ホーネ「行かせんぞ!!」

 

ミア「甘いよ! [レゾナンスビート]!!」

 

ミアは敢えて相手の動きに呼吸合わせ、それを抜く一瞬にずらすことで相手のリズムを狂わせて突破した。

 

ホーネ「ええい、くそ!!」

 

ミア チラッ

 

天馬 コクッ

 

エトゥナ「行かせないわ!!」

 

そこに相手のディフェンスが走ってくる。ミアは直前にアイコンタクトを交わして意志を伝えた天馬にパスを出す。

 

天馬「よしっ!! 瞬木!!」

 

天馬は瞬木にパスを出す。パスは綺麗に瞬木の足元に……

 

ミスティ「ホーーーッ!!」

 

しかし渡る寸前でミスティにインターセプトされてしまいボールはミスティからシュービルへ。

 

アルベガ「オフェンス!! オプションRSだ!!」

 

ロダン「へぇ、僕にも蹴らせてくれるんだ?「ロダン!! 36から14だぞ!!」あーハイハイ。分かったよ」

 

そしてシュービルからロダンにパスがつながる。

 

絵里「通さないわ!!」

 

ロダン「それはどうかな?」

 

ロダンは小柄な体躯から生まれるスピードで一気に絵里さんを抜き去る。

 

絵里「くっ!!」

 

絵里さんは体勢を崩されながらも追いかけようとする。が、

 

ビキッ!!

 

絵里(痛っ!?)

 

信介「来る!!」

 

ロダン「ほらよっ!!」

 

ドゴオオォオオォオオオンッ!!

 

ロダンの強烈なシュートが信介を襲う。が、

 

鉄角「やらせねぇっ!!」

 

ドガアッ!!

 

鉄角がまさかの顔面ブロック。シュートは勢いを失い信介のもとに転がる。

 

信介「っ! 鉄角!!」

 

ロダン「ちっ!!」

 

鉄角「へへっ、ナイスセーブだ……!」

 

信介(鉄角………)

 

信介のゴールキックから試合を再開しボールは吹雪へ。しかし競り合いでクレステがボールを奪いヘディングでミスティに渡す。

 

ミスティ「エトゥナ!!」

 

そしてボールはエトゥナに渡り、エトゥナはドリブルを仕掛けてくる。

 

鉄角「行かせねぇ!!」

 

エトゥナ「[マグマカーペット]!!」

 

鉄角「[フットワークドロウ・改]!!」

 

必殺技同士がぶつかり合う。軍配は鉄角に上がりボールを奪い取る。

 

ダクスガン「ヘイヘイ!! 次々とアースイレブンゴールに攻め込むガードンだが、中々次の一点が奪えない!! 越すに越されぬゴールライン、コイツはストレス溜まる展開だ!!」

 

鉄角の必死のディフェンスによりガードンは中々シュートまで持って行けずフラストレーションが溜まる。だがそれは鉄角も同じ事だ。

 

鉄角「くそっ! …あれをやってみるか」

 

そしてガードンボールでドリブラーはコンダルム。そこに竜太がディフェンスに向かうが直前にホーネにパスアウト。

 

ホーネ「[カザンガン]!!」

 

ホーネのシュートがまたしても信介に襲いかかる。だがそこに鉄角が立ち塞がる。

 

鉄角の周りがボクシングのリングに変わり、相手のシュートを渾身のソバットキックで蹴り返す。

 

鉄角「攻撃こそ最大の防御だ!! [デッドストレート]!!」

 

ドゴオオォオオォオオオンッ!!

 

蹴り返されたシュートは相手のシュートのパワーも上乗せされ凄まじい勢いでガードンゴールへとカウンターで向かっていく。

 

アルベガの計測機器はエラーを起こし、シュートはガードンゴールに叩き込まれた。

 

 

ダクスガン「アンビリーバボー!! 鉄角がディフェンスで弾き返したボールが、そのままガードンのゴールに突き刺さった!! これでアースイレブンが同点に追いついたぞぉっ!!盛り上がってきたぜベイベー!!」

 

信介「鉄角…凄かったよ今の必殺技」

 

鉄角「へへっ、ボクシングで言うところのカウンターパンチって所だな」

 

鞠莉「オー! アレは相手のパワーも利用したSHOOTという事デスね!!」

 

絵里「これなら、ガードンもそう簡単にシュートは打てないでしょ」

 

天馬「流れは俺たちに来てる! 勝ち越すぞ!!」

 

アースイレブン『おう!!』

 

 

 

 

ホーネ「あのDF……」

 

コンダルム「あんな技があるなら、迂闊には攻め込めないな……」

 

アルベガ「なに、データは修正した。次は止める!」

 

 

 

この試合を見ていたとある二人組み……

 

リュゲル「ロダンはどうするつもりかな? この試合」

 

ガンダレス「試合って言えばさ、試合前の夜って物凄く興奮しちゃって……」

 

リュゲル「目の前の試合を見ろよ……」

 

ガンダレス「目が冴えちゃって眠れないんだ……」

 

リュゲル「そういう時はな、ホットミルクを飲むと良いんだ」

 

ガンダレス「! それマジ!?」

 

リュゲル「ああ。ホットミルクだけに、ホッとするんだ」

 

ガンダレス「そうか! だからホットミルクか!! やっぱりリュゲル兄ぃは物知りだなぁ!スゲェなぁ!!」

 

 

 

口にしている内容からしてロダンの仲間のお馬鹿な兄弟の姿がスタジアムの観客席にあった。

 

 

 

そしてガードンのキックオフから試合再開。お互いにシュートを放っては放たれ、抜きつ抜かれつのデッドヒート。両チーム一歩も引かない試合展開に観客の熱気も高まっていく。

 

そしてボールはニーラに繋がりシュートを放ってくる。

 

鉄角「させるかっ!!」

 

鉄角が身を挺してブロック。ボールは信介の元へと転がり信介は片腕でキャッチした。

 

ロダン(っ! アイツ……そうか!! ボクだけの手柄にしようっと!!)

 

アルベガ「オフェンス!!17から4ポイント2だ!!」

 

コンドルム「ホーネ!!」

 

そしてボールはホーネへ…

 

ロダン「ボクがやるよ!!」

 

ホーネ「何っ!?」

 

アルベガ「何をする!! 勝手に動くな!!」

 

そこに鞠莉さんがディフェンスに入るがアッサリと抜かれてしまう。

 

ロダン(キーパーを潰しちゃえば、代わりはいない!!)

 

鉄角「アイツ!! ワザと信介にぶつけるつもりか!!」

 

そしてロダンは必殺シュートの体勢に入る。火山の噴火からイナズマを纏った獄炎のシュートを蹴り落とす。

 

ロダン「[カザンライ]!!」

 

鉄角「くっ、止めてやる! ぐっ、」

 

鉄角・信介「「ぐぁああぁあああっ!!!」」

 

シュートはふたりごとゴールネットに突き刺さり、再びガードンが勝ち越した。

 

 

鉄角「悪い…相手に逆を突かれた……」

 

天馬「信介…怪我してるんじゃ無いのか?」

 

信介・鉄角「「!!」」

 

豪炎寺「信介、無理はするな。恐らく、皆に心配をかけまいと黙っていたんだろう。鉄角はそれに気づいて全力でカバーしてたんじゃないのか?」

 

鉄角「ハハッ……やっぱ騙せねぇか……」

 

信介「ゴメン……」

 

「そうか……よし! この先は皆でカバーしよう! 1つのパスも通さないぞ。力を合わせてゴールを守ろう!!」

 

信介「皆……」

 

鉄角(俺にもソウルが出せれば……(サッカーは生き物だ…食われたくなければ全てを見るんだ)全てか……)

 

そしてアースイレブンのキックから試合再開。しかしガードンの猛攻にボールを奪われ、そのままロダンに繋がってしまう。

 

ロダン「トドメを刺してやるよ!!」

 

鉄角((サッカーは生き物だ。目を背ければ襲いかかってくる野獣だ)見せてやる!! 俺の中のサッカーという、野獣の姿をーーっ!!」

 

すると鉄角の身体から光が溢れ、赤いバッファローへと姿を変える。そしてバッファローはシュートを放とうとしていたロダンを、角で何度と突き回し、弾き飛ばしてボールを奪い取った。

 

天馬「鉄角がソウルを!!「テツカド! こっちだ!!」ミア!!」

 

そしてボールはミアへと繋がる。そこにシュービルとミスティが止めに入ると、ミアの身体からも光が溢れる。するとミアは美しい白鳥へと姿を変え、ボールを両足で抱えたまま飛び回り最後に低空飛行で相手を弾き飛ばした。

 

シュービル「なにっ!?」

 

ダクスガン「ワーオっ!! 鉄角とテイラーがダブルでソウルを発動!!鉄角は地球の陸地に生息する猛牛バッファロー、テイラーは地球の冬の空のマドンナ、スワンのソウルだぁああっ!!」

 

ミア「リュウタ!!」

 

そしてここでボールは竜太へ。そこへ彼方先輩がまたしてもオーバーラップ。竜太は中に走った瞬木に意図を持ったパスを出してメッセージを伝える。

 

メラピル「やらせるか!!」

 

コンダルム「シュートは撃たせん!!」

 

瞬木D(? ボールに強い前回転がかかってる。あんなボールトラップミスしたら上に……待てよ? 近江と大海が上がってる。この二人のシュートはどちらも空中から撃つ技が多い……もしかして、上に上げてくれって事か!!)

 

意図を察した瞬木は、ここでボールをヒールで後ろ手に蹴り上げ後方の上空へと上げる。シュートだと思っていたガードンのディフェンスはまたしても崩れた。

 

竜太「彼方行くぞ!!」

 

彼方「うん!!」

 

そして竜太と彼方先輩はそれぞれ[アクアトルネード]と[ダークトルネード]の体勢に入り、二人同時に必殺技を叩き込んだ。

 

竜太・彼方「「[デュアルトルネード]!!」」

 

闇と水、2つのエネルギーが込められた竜巻がアルベガを襲う。アルベガは機械の腕を使いキャッチを試みる。

 

アルベガ「グリッドD3・アジャスト!」

 

アルベガの腕がシュートの勢いを抑え込む。そして機構から蒸気が吹き出し更にパワーを上げる。だが……

 

アルベガ「くっ!! バカな!? 勢いが収まらな…っ! ぐぁあぁあああっ!!」

 

俺と彼方のシュートはアルベガの守りをこじ開け、ゴールに突き刺さった。

 

そしてここで前半終了の笛が鳴った。

 

 

 

アースイレブン 2 ー 2 ガードンイレブン

 

ー 続く ー




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第74話:伊吹と神童の帰還

ガードン戦もハーフタイムに入り一時の休息。しかし皆暑さで体力をかなり持っていかれてしまっている。

 

ダクスガン「そろそろハーフタイムも終了だ!! 後半はどんな戦いが繰り広げられるのか!!」

 

葵「まだかな……伊吹くんと神童先輩」

 

天馬「心配ないよ。必ず来るさ」

 

瞬木D「でも後半始まっちまうぜ? キーパーが怪我してるんじゃ、ディフェンスの負担が大きいだろ!!」

 

信介「ゴメン……」

 

信介は申し訳無さそうに頭を下げるが、鉄角が「その分俺がフォローするさ!」と言い切る。

 

この二人、結構いいコンビなのかもな。

 

瞬木D「へぇ? ノッてるじゃん……」

 

天馬「とにかく今はここにいる皆で戦い抜くんだ!!」

 

アースイレブン『おう!!』

 

そしてハーフタイムも終わり選手がピッチに出る。

 

ダクスガン「さぁ!! アースイレブンのキックで、まもなく後半戦の開始だ!!」

 

そして審判の笛とともに後半開始。吹雪さんはキックオフと共にボールをミアに戻し、ミアがゲームを組み立てる。

 

アルベガ「B29〜31をカバー!!」

 

すると瞬木と吹雪さんにそれぞれマークが付くが豪炎寺さんにはマークが付かない。

 

これパス誘導だな。

 

ミア「ゴウエンジ!」

 

パスが豪炎寺さんに飛ぶ。が、

 

メラピル「やらせるかっ」

 

やはり誘導でありメラピルのインターセプトが決まる。そしてメラピルからカウンターで一気に前線のニーラへ。

 

彼方「させないよっ!! [スリ〜ピィサンクチュアリ・Gx]ッ!!」

 

彼方の催眠領域が展開されニーラは激しい眠気に襲われる。ニーラは必死に気を保とうとするがその隙に彼方がカットする。が、彼方も足元がふらついてボールに足が当たってしまいおかしなそのままボールは外に出てしまった。

 

彼方「!! ゴメン!!」

 

アルベガ「フッ…この星の暑さが身に沁みて来たか……」

 

そしてガードンのスローインからボールを奪い返して竜太が攻め上がる。

 

メラピル「させるかっ!」

 

メラピルのスライディングでボールは弾かれそのままボールはニーラへ。そこに絵里さんが止めに入るが先程の足への痛みが走り抜かれてしまう」

 

絵里「あっ!?」

 

鞠莉「通さないわっ!!」

 

しかし鞠莉さんのナイスフォロー。スライディングでボールを弾き出してガードンのスローイン。

 

絵里(くっ……)

 

竜太(絵里さん……まさか?)

 

 

葵「皆…頑張って……!!」

 

水川「…! 空野さん」

 

葵「はい? ……っ!!」

 

果たして葵が見たものとは?

 

カードンが怒涛のごとく攻めたてる。メラピルがドリブルで上がると前線の四人が一斉に上がる。こちらの守備を撹乱してきたか……

 

鉄角(こっちか?)

 

メラピル「ホーネ!!」

 

しかしボールは予想とは違うものに渡り意表を突かれてしまう。

 

信介「くっ、止めるんだ…絶対に!!」

 

ホーネ「[カザンガン]!!」

 

ガードンの噴石の様なシュートがゴールに迫る。信介も必殺技で対抗する。

 

信介「[真・ぶっとびパンチ]!!」

 

信介は渾身の力でボールをパンチング。弾き飛ばされたがボールはタッチラインを割って外に出た。

 

天馬「信介!!」

 

鉄角「無茶しやがって……」

 

信介「へへっ……」

 

その時、空から数名のガードン人が飛んできた。彼らはフィールドに抱えていた二人を降ろし、一人を残して飛び去った。

 

その二人とは……

 

神童「待たせたな! 皆!!」

 

伊吹「遅れて悪かった!」

 

竜太「神童さん!! 伊吹!!」

 

黒岩「来たか……選手交代だ!!」

 

そして信介に代わり伊吹が。絵里さんに代わり神童先輩が入りフォーメーションを変更する。

 

アースイレブンメンバー&フォーメーション変更

 

信介 out → in 伊吹

 

絵里 out → in 神童

 

FW   豪炎寺 瞬木  吹雪

 

MF 竜太          天馬

 

ボランチ   神童  ミア

 

DF  彼方   鞠莉   鉄角

 

GK       伊吹

 

ダクスガン「ここでアースイレブン選手の入れ替えだ!西園に代わり伊吹、絢瀬に代えて神童だ!!」

 

 

そして二人がフィールドに立つ。

 

神童「心配をかけたな」

 

天馬「いえ、必ず来てくれるって信じてました!!」

 

神童「そうか……」

 

 

信介「伊吹…後は任せたよ!」

 

伊吹「ああ、ここまで良くやってくれた。後は任せろ!!」

 

アルベガ(親父……)

 

ダクスガン「神童と伊吹が代わったアースイレブン! この先どう攻めてくるのか? アースイレブンにとっては完全にアウェイなこの暑さ、ガードンがかなり有利なことは確かだ!!」

 

そして試合が再開され、ガードンのスローインを竜太がカットしてそのまま神童先輩に預ける。

 

竜太「神童先輩!!」

 

ボールを受け取った神童先輩は吹雪さんにパスを出す。

 

アルベガ「ミスティ! 2ポイント05へ!!」

 

ミスティ「ホーい!!」

 

しかしミスティにスライディングでボールを弾かれてしまいそのままガードンボールに。だが直ぐ様奪い返し、神童先輩とミアのゲームメイクで試合は徐々にアースイレブンのペースになってく。

 

ダクスガン「アースイレブンの動きが少しずつ良くなって来ているぞぉっ!? 神童と伊吹の加入でパワーアップしてるぜベイベー!!」

 

アルベガ「奴らの動きが、前半よりも速さを増しているのか……!!」

 

神童「瞬木!!」

 

神童さんは瞬木と一瞬でアイコンタクトで意志を伝えて瞬木へとパスを出す。

綺麗に瞬木の足元にボールが収まり、瞬木はシュート体勢に入る。

 

瞬木の身体から光が溢れ出し、青いハヤブサへと姿を変える。ハヤブサは片足の爪でボールを掴んでフィールドを低空飛行してゴールに突っこむ。

 

シュートはアルベガに反応すら許さずゴールに突き刺さり3ー2とついにアースイレブンが逆転する。

 

アルベガ「奴も…ソウルを!?」

 

ダクスガン「瞬木のソウルシュートが決まったぁ!! アースイレブンついに逆転だぁっ!!」

 

アルベガは悔しさのあまりゴールポストを殴りつける。

 

アルベガ「またしてもソウルの攻撃にやられるとは!!」

 

ロダン「押されてるねぇ、そろそろかな?」

 

アルベガ「なにっ!?」

 

ロダン「今から全員攻撃させてよ?」

 

アルベガ「何だと!?」

 

ロダン「ちっ、話したろ? ヤバくなったらボクの作戦で行くって」

 

アルベガ「それはお前が勝手に言ったことだ!!」

 

ロダン「3点も取られたよね? その自慢の腕でさ?」

 

アルベガ「まだ1点差だ! 試合はこれからだ!!」

 

ロダン「いーからいーから。後は任せて…「ふざけるな!! このチームのキャプテンは俺だぞ!!」負けても良いの? この星が滅ぶんだよ?」

 

アルベガ「くっ……」

 

ロダン「やるよね? ねっ?」

 

アルベガ「仕方ない……」

 

ロダン「そうそう。それで良いの」

 

そしてロダンは持っていた端末を操作した。

 

 

アースイレブン 3 ー 2 ガードンイレブン

 

ー 続く ー




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第75話:ロダンの罠

瞬木のソウルシュートがガードンゴールをこじ開け3ー2と逆転したアースイレブン。だが先程ロダンとアルベガが何か言い争っていた。何も無いと良いんだが……。

 

ガードンのキックから試合再開。アルベガの指示で一気に攻勢に出る。

 

アルベガ「オフェンス! Cマイナス3!!」

 

ニーラ・ホーネ・コトパク「「「おう!!」」」

 

アルベガ「MF! ポイント1から52だ!!」

 

コンダルム・ミスティ「「おう!(おっけー)!!」」

 

それぞれの選手が攻め上がる中、ボールを持っていたエトゥナからミスティにパスが飛ぶ。

 

ダクスガン「ワオッ! ガードン果敢に攻め上がる!!」

 

神童(ラインを上げてきた?)

 

おかげでガードンのゴール前はガラ空きだ。

 

神童「よしっ!! [アインザッツ]!!」

 

神童先輩の必殺ブロックでボールを奪い取る。そしてそこから〈神のタクト〉に繋げる。

 

神童「〈神のタクトFI(ファイアイリュージョン)〉!! 豪炎寺さん! 瞬木! 吹雪さん!!」

 

ロダン「(掛かった!)今だよ!」

 

するとアルベガが口笛を吹く。するとガードンは守りを放棄して全員で上がってしまう。

 

竜太(!? 何を……)

 

伊吹「!! 神童!! 攻めるな!!」

 

神童「!!」

 

神童先輩は先程長老から言われた事を思い出した。

 

ログロス「神童、ガードンが全員攻撃を仕掛けてきたら、決して攻めるでないぞ?」

 

神童「っ!!」トッ

 

すると神童先輩はボールを外に蹴り出して試合を切る。

 

神童「皆! もどれ!!」

 

豪炎寺「なに!?」

 

瞬木D「なんで!! スゲェチャンスだぞ!?」

 

竜太「良いから戻れ!! なんかやばい気がする!!」

 

三人は急いで戻ってくる。すると空の彼方に赤い光が。

 

ダクスガン「!! メーデーメーデーメーデー!! 灼熱の火山弾が、フィールド目掛けて降ってきたぁっ!!」

 

火山弾はガードン側のフィールドに次々と着弾してフィールドが穴だらけになる。

 

彼方「う、嘘でしょ………?」

 

鞠莉「オーマイガー………」

 

豪炎寺「あのまま攻めていたら……」

 

瞬木D「ああ。俺たち全員木っ端微塵だったな」

 

神童(長老は、敵である俺にこのことを教えてくれていたのか……、この星の未来が賭っているというのに!!)

 

するとアルベガはロダンの襟首を掴み、

 

アルベガ「やり過ぎだ!! ここまでやるとは聞いてないぞ!!」

 

ロダン「残念。一人も仕留められないんじゃ仕掛け損だよ」

 

アルベガ「何だと!?」

 

ロダン「次はもうちょっと巧くやるから宜しく」

 

アルベガ「断る! やはり俺は俺のやり方で戦う! それで勝たなければ意味がない!!」

 

ロダン「へっ! そんなこだわり下らないよ」

 

アルベガ「何ィッ!?」

 

ガードン監督「選手交代だ」

 

ダクスガン「おっと、ここでガードンはロダンに代えてパラキーを投入するようだ!!」

 

ロダン「ちょっ!? ボクを代えるとかありえないでしょ!!」

 

アルベガ「当然の判断だ!!」

 

アルベガは襟首を掴んでいたロダンを投げ捨てる。

 

ガードン監督「ロダン、フィールドから出ろ」

 

ロダン「良いんですかボクを代えて? ファラム・オービアスが黙ってませんよ?」

 

ガードン監督「それが何だと言うんだ? お前はファラム執政官ドノルゼンの命令を遂行して自分の評価を上げたいだけだ。このチームには不要だ」

 

ロダン「ちっ…」

 

アルベガ「監督………」

 

ロダン「後悔しても知りませんよ?」

 

そしてガードンは選手交代。新たにパラキーがピッチに入る。

 

ガードンメンバーチェンジ

 

ロダン out → in パラキー

 

ガードン監督「やはり胡散臭い助っ人など頼るべきでは無かった。これで良いな、アルベガ?」

 

アルベガ「はい! ありがとうございました!!」

 

 

 

そしてロードローラーが穴だらけになったフィールドを整備し直している間に給水タイム。それぞれ水分を補給する。

 

その頃、

 

ー 観客席 ー

 

リュゲル「帰ろう、ガンダレス」

 

ガンダレス「え、何で? もう少しアースイレブンを偵察していこうよ!」

 

リュゲル「いや、奴らにはもう勝った。俺の…イメージトレーニングの中でな!」

 

ガンダレス「!! それマジ!?」

 

リュゲル「ああ、なんどやっても勝ってしまうんだなこれが……」

 

ガンダレス「スゲェ!! やっぱリュゲル兄ぃはスゲェや!!」

 

リュゲル「言うなよガンダレス…それ以上何も言うな……」

 

ガンダレス「いやマジスゲェから!!」

 

そしておバカ兄弟二人くみは帰っていった。このふたりともいずれ戦うことになるのだろうか?

 

 

 

 

フィールドが元に戻った所で、ガードンのスローインから試合再開。真の姿に戻ったガードンイレブンとアースイレブンは一進一退の攻防を繰り返し、お互いに点が入らぬまま時間だけが過ぎていく。

 

天馬「神童さん!!」

 

天馬からボールは神童先輩に繋がり神童先輩はドリブルで攻め上がる。

 

アルベガ「ディフェンス! D19から402だ!!」

 

神童先輩に対してメラピルとクレステが二人掛かりで止めに入る。だが神童先輩はフェイントやターンなどの技術だけで二人を抜き去る。

 

神童「(今なら狙える!)[フォルテシモ・S]!!」

 

神童先輩の必殺シュートがアルベガに襲いかかる。しかしアルベガも腕でキャッチを試みる。

 

アルベガ「グリッドD3・アジャスト!!」

 

機械の腕の機構から蒸気が噴出しそのパワーでシュートを抑え込むアルベガ。神童先輩の[フォルテシモ]はパワーを失い止められてしまう。

 

 

その頃、スタジアム外……

 

ロダン「ひっひっひっ、もうどうなろうと知ったことじゃないや。こんな試合……」ピッ

 

ロダンは再び端末を操作した。

 

 

 

 

アースイレブン 3 ー 2 ガードンイレブン

 

 

ー 続く ー




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第76話:伊吹と神童、ダブルソウル!そして決着

神童先輩の必殺シュートを止めたアルベガのゴールキックからボールはミスティに渡り、そこに天馬がディフェンスに入る。

 

天馬「行かせない!」

 

アルベガ「ミスティ! X5・13だ!!」

 

ミスティ「オッケー!」

 

ここでミスティはボールを外に向かって蹴り出す。しかしここでタイミング良く地下の排気システムガ作動。蒸気が吹き出してボールを押し戻す。そのままボールはホーネに渡りドリブルで上がってくる。

 

ダクスガン「またしても排気システムを利用したクレバーな攻撃! アースイレブン逆を突かれたぞぉっ!」

 

竜太「マズイ!」

 

伊吹「来いっ!」

 

ホーネ「決める!! [カザンガン]!!」

 

ホーネの噴石の様な灼熱のシュートが伊吹に襲いかかる。迎え撃つ伊吹は四つん這いになると身体から光が溢れ、青い巨大な体躯を持つマンモスへと姿を変える。そして飛んできたシュートを、その巨大な身体で踏み潰した。これには堪らずシュートは完全に停止した。

 

天馬「伊吹がソウルを!!」

 

アルベガ「アイツもか!?」

 

信介「良いぞ伊吹!!」

 

ダクスガン「ワーオっ! ここで伊吹がソウルを発動! アレは太古の地球に生息した哺乳類、マンモスのソウルだぁっ!!」

 

アルベガ「……………? 親父?」

 

アルベガが見た方向には父親である長老が。するとアルベガはあることに気づく。

 

アルベガ「……? っ!!」

 

何と先程よりも巨大な火山弾がフィールドの中心目掛けて降ってきた。このままじゃあ両チーム纏めて木っ端微塵だぞ!?

 

竜太「おい逃げろ!!」

 

神童「皆フィールドから出るんだ!!」

 

俺たちは急いでフィールドから退避する。ガードンイレブンもこのままでは自分たちも危ないと一目で分かるので急いで退避する。

 

だが……、

 

ホーネ「!! アルベガ、早く逃げろ!!」

 

アルベガ「俺の……俺の邪魔をするなぁあぁああああああっ!!!

 

するとアルベガの身体から光が溢れ、赤い甲殻を持つ地球で言う恐竜乃様な見た目の生物に変化する。そして変化したアルベガはハンマーのような尻尾を思い切り噴石に叩きつけた。

 

ソウルの莫大なパワーの前に噴石は粉々になって消滅した。

 

アルベガ「俺が……ソウルを………」

 

ログロス「あやつ、やりおったな!」

 

そして危険が去ったため両チームフィールドに戻り試合再開。

 

伊吹のゴールキックからアースイレブンは一斉に攻め上がる。

 

コンダルム「アルベガ! 指示を! !?」

 

アルベガ「……ソウルなど信じない…、そうだ…俺は古き物に勝つためにこのにいるのだ…だが……「アルベガ!!」っ!!」

 

神童「天馬! こっちだ!!」

 

天馬「はい!!」

 

天馬は神童先輩にパスを出し、神童先輩はドリブルで攻め上がる。そこにコンダルムがディフェンスに入るが神童先輩は必殺技を発動する。

 

神童「[プレストターン・S]!!」

 

神童先輩の左右の連続ターンになすすべなく抜かれたコンダルム。そこにメラピルとクレステがフォローに入るが技術だけでアッサリと抜いてしまう。

 

アルベガ「くっ!!」

 

神童「行くぞ!!」

 

すると神童先輩の身体から光が溢れ出し、クジャクへと姿を変える。だが、アルベガもなりふり構わずソウルを発動。赤い鎧竜に姿を変える。

 

2つのソウルが大激突し、そのエネルギーが会場を揺らす。だが神童先輩のソウルがアルベガのソウルの一撃をくぐり抜けた。

 

ここで二人は元に戻り、がら空きのゴールに神童先輩はボールを押し込んだ。

 

ダクスガン「決まったぁ!! ソウルとソウルの激突は、神童が制してアースイレブン待望の追加点!!」

 

アルベガ「くそっ!!」

 

天馬「神童さん! 凄かったですよ! やりましたね!!」

 

神童「ああ。最後まで気を抜かずに攻めていこう!」

 

天馬「はい!」

 

そしてガードンボールで試合再開。するとガードンはキーパーまで全員上がり総攻撃を仕掛けてくる。

 

ホーネ「アルベガ!」

 

ボールを受け取ったアルベガの、キャプテンとしてのプライドを乗せた渾身のシュートが伊吹に襲いかかる。

 

伊吹「やらせるか!!」

 

伊吹はシュート目掛けてダイビングキャッチ。そして見事シュートをつかみ取り、

 

ダクスガン「ここで試合終了のホイッスル!! グランドセレスタギャラクシー3回戦は、アースイレブンの勝利だぁっ!!」

 

信介「やったぁ、勝ったよ!!」

 

葵「うん! 皆すごかったよ!!」

 

 

 

 

ガードン監督「お前たちは良くやった。だが、これが我々の運命だ…」

 

アルベガ「負けた…我々は滅びるのか?」

 

ログロス「狼狽えることはない!」

 

するとガードン側のベンチに長老が舞い降りた。

 

アルベガ「親父……」

 

ログロス「見事だったぞ。地球の若者たちよ…「親父が、こいつらにソウルを教えたのか?」何、きっかけを与えただけだ」

 

アルベガ「そうまでして機械化を、俺を否定するのか!?」

 

アルベガは父親が分かってくれないどころか星を危険にさらしてまで自分を否定しようとしたと思い怒る。だが、

 

ログロス「否定などしておらん。彼らを認めただけだ。希望に向かって突き進む彼らをな」

 

アルベガ「希望だと……?」

 

ログロス「彼らが勝ち進めば、宇宙の星々は救われる」

 

アルベガ「!? どういうことだ?」

 

アルベガだけでなくスタジアムに来ていたガードン人たち、そしてガードンイレブンのみんなも戸惑う。

 

神童「天馬」

 

神童さんが天馬に話を促す。

 

天馬「宇宙を救う方法があるんです」

 

アルベガ「嘘だ! 地球人の都合の良い作り話などに騙されはしないぞ!!」

 

天馬「騙してなんかいない! ホントなんだ!!」

 

アルベガは嘘だと言い切り、天馬は必死に説得しようとする。しかしここで、

 

ログロス「私は彼らを信じる」

 

長老がアースイレブンを信じると言ってくれた。

 

アルベガ「!? 何故信じられる!! どこの星とも分からない星の奴らを!!」

 

ログロス「彼らが私の言葉を信じたからだ「っ!?」もし、彼らが私の言葉を信じなければ、ロダンの罠を撃ち破る事はできなかっただろう」

 

アルベガ「っ! あのときか!!」

 

アルベガはガードンの全員攻撃の時を思い起こす。確かに、ガードンからしたら何故分かったと思うようなタイミングで攻めを放棄して戻ったからな。

 

ログロス「だが、彼らは信じた。どこの星とも分からない初めて会った異星人の言葉を信じたのだ」

 

アルベガ「そんなことで……」

 

ログロス「お前たちは赤い石を探していると言っていたな。それを授けよう」

 

アースイレブン『!!』

 

ログロス「良いな? アルベガ」

 

アルベガ「もしや、紅蓮の炎石の事か? 我が種族の秘宝をこの者たちに!?」

 

紅蓮の炎石という言葉を口にしたアルベガは今までに見ないほど動揺している。

 

ログロス「ほう?進化したと言いながら古い石にこだわるのか?」

 

アルベガ「ガードンの民の秘宝だぞ!? 守るのは当然じゃないか!!」

 

ログロス「星が滅びるかもしれないというのに、そんな古い石っころ1つ大事にして何になると言うんだ。大事なのは、ガードンに生きること。そこに生きる者の魂を守ることではないのか? お前にはそれができるはず。たまには、人を信じるのも悪くないぞ?」

 

アルベガ「………………」

 

そして、アースイレブンはギャラクシーノーツ号に戻ってきた。

 

そして、

 

天馬「これが、紅蓮の炎石…」

 

アルベガ「ああ、お前に託す。人と人との信頼が切り開く未来が来ることを信じてな」

 

天馬「うん!」

 

そして俺たちはガードンを後にした。

 

ー 天馬の部屋 ー

 

天馬「あと一つか(天馬)! カトラ!!」

 

天馬が今までに手に入れた3つの石を見ていたらカトラが交信してきた。

 

カトラ「良くやってくれました。希望のカケラはあと一つです」

 

しかし、廊下を歩いていた水川さんは天馬の部屋から話し声が聞こえたことに疑問を抱いた。

 

水川(? 話し声?)

 

水川さんが天馬の部屋を覗くと、

 

水川(!? カトラ姫!!)

 

水川の目には、確かに亡くなったと思っていたカトラ姫が映った。そして、部屋の中で天馬と話し終わったのかカトラは消えてしまった。

 

水川「カトラ姫!!」

 

水川さんは急いで部屋を開けて飛び込む。しかしもう消えた後だった。

 

天馬「水川さん?」

 

ピクシー「ピクゥ?」

 

水川「カトラ姫………」

 

ポトムリ『本当に…生きておられるのですか………?』

 

ー 続く ー




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第77話:緑の惑星ラトニーク

水川さんが俺と話していたカトラを目撃。自分の目で見てしまっては流石に信じないわけにはいかなかった。

 

天馬「ポトムリ、見たんだね…カトラを」

 

ポトムリ『カトラ姫は、本当に生きておられたのか……』

 

天馬「これで俺の話、信じてくれるかな……?」

 

ポトムリ『ああ。この目で確かに見たからな…だが、なぜ君だったのだ? 私ではなく、なぜ?』

 

天馬「ポトムリ……」

 

ポトムリ『星が滅ぶとき、姫が未来を託したのは、この私のハズだ……』

 

天馬は何も言わずにポトムリの言葉を聞く。すると、時間経過により抜け殻状態の水川さんが倒れ込む。

 

天馬「水川さん!!」

 

そして、先頭車両に皆を集めポトムリが先程見た光景を話す。

 

九坂「じゃあ、そのカトラって子はほんとにいるのか?」

 

水川「ええ、この目で確かに見たわ。私がカトラ様を見間違えるはず無いわ」

 

龍也「てことは、4つの石を集めてその子のところに辿り着けば宇宙を救えるという話も信憑性がかなり高くなったってことだな」

 

豪炎寺「ああ。その通りだ」

 

その頃

 

 

ー ファラム・オービアス王宮 ー

 

剣城は王宮内を歩いていた。

 

剣城(? ……話し声?)

 

ドノルゼン「女王が指示したと言うのか? 民の声を聞けと」

 

貴族「はい。お前たちは民の苦しさを知らないと……お叱りを受けました。」

 

剣城は壁に張り付いて聞き耳を立てる。すると、突然ドノルゼンは高笑いをした。

 

貴族「どうなされました?」

 

ドノルゼン「大方地球人に下らぬ考えを吹き込まれたのであろう。あの亡き国王陛下に似た男にな……」

 

剣城(俺が、死んだ国王に似てる……?)

 

それでララヤは俺に父親の面影を見て……?

 

ドノルゼン「女王とあの者に表舞台から消えてもらう頃合いかもしれんな」

 

貴族「しかし、それでは反逆の罪に問われませんか?」

 

ドノルゼン「案ずることはない。女王陛下は病に伏せ、しばらくお休みになるとすればいい。そしてしばらく経ったら病の進行により亡くなったとでも言えばいくらでも言い訳がたつ」

 

剣城(っ!!)

 

剣城は、ララヤの元へと走った。

 

ー ララヤの部屋 ー

 

ララヤ「ドノルゼンが!? 信じられぬ…あの者は、ずっと妾を支えてくれていた……」

 

剣城「アイツは、ララヤを敬うフリをして好きなようにこの星を食い物にしていたんだそして、その結果が……」

 

ララヤ「っ!!」

 

ララヤの脳裏には、スラム街で見た全てを奪われた人々の光景がフラッシュバックした。

 

剣城「すぐにドノルゼンを捕らえさせるんだ! でないと、お前の身も危ない!」

 

ララヤ「じゃが……!」

 

すると、部屋に兵士たちがなだれ込んできた。

 

剣城「遅かったか!!」

 

ララヤ「っ! ドノルゼン!!」

 

ドノルゼン「ララヤ様は王位の重さに疲れておいでです。しばらくお休み頂くのが宜しいかと」

 

ララヤ「妾は疲れてなどおらぬ!!」

 

ドノルゼン「その者に何を吹き込まれたかは存じませぬが、ララヤ様にあられては静かなお部屋で好きなだけまどろまれるのが良いかと……」パチンッ

 

ドノルゼンが指を鳴らすと、兵士が一斉に剣城ととララヤに向かい二人を捕らえてしまった。

 

ララヤ「離せ!!」

 

ドノルゼン「ご案じ召されるな。女王陛下はお飾りに過ぎません。政はこのドノルゼンがつかさどっておりますゆえ何一つ変わりません」

 

ララヤ「くっ!!」

 

ドノルゼン「そう。何一つ……」

 

 

その頃、アースイレブンは……

 

アースイレブン『虫!?』

 

案内役のイシガシさんからの通信映像が入り話を聞いていた。

 

イシガシ「はい。準決勝の相手、惑星ラトニークの相手は虫から進化した種族なのです」

 

嵐珠「アタシ虫大嫌いよ!?」

 

ミア「ボクもそこまで得意じゃないんだけど……」

 

エマ「…………」ガクブル

 

エマ先輩が震えている。そう言えばエマ先輩は虫、大の苦手だったな。

 

竜太「虫か……確かに虫はもしも全生物が同じ大きさだったら最強の生き物って言われるくらいに高い能力を持ってる。その身体能力を持ってるとなったらかなりキツイ相手だな」

 

森村「虫か、ウチは好きだな……。虫さんって、短い命を一生懸命生きてるから……」

 

九坂「森村らしいな……」

 

葵「ホントだね?」

 

イシガシ「では、到着をお待ちしてます」

 

そして、ギャラクシーノーツ号ラトニークステーションに降り立った。

 

イシガシ「惑星ラトニークにようこそ」

 

彼方「虫から進化した種族かぁ……」

 

葵「やっぱり、なんだか怖い……」

 

森村「大丈夫」

 

森村、優しいんだな……

 

イシガシ「大丈夫ですよ。彼らとても礼儀正しく、穏やかな種族ですただ彼らは……」

 

そしてステーションの外に出ると、ラトニーク人の集団が待っていた。

俺たちが身構えると、数人が前に出てきて、

 

?「アースイレブンの皆さん、遥かな旅路を経て、ラトニークにようこそいらっしゃいました。私達はあなた方地球人を、心より歓迎いたします」

 

ラトニーク人『歓迎いたします!!』

 

黒岩「丁重なお出迎え、感謝いたします」

 

?「私は、ラトニークイレブン監督を務めるシムールと申します」

 

黒岩「黒岩です」

 

すると脇に控えていラトニーク人たちが歌い始めた。何だ?

 

イシガシ「彼らは、お客様をお出迎えするときにこうして歌を歌い歓迎の意を示すのです」

 

シムール「慣れない環境でしょうが、選手に案内させますので是非この星を見て、そして知ってください」

 

信介「礼儀正しくていい人たちだね!」

 

天馬「うん!!」

 

瞬木D「裏が無ければ良いけどな」

 

天馬「どういうこと?」

 

瞬木D「いい人ぶってるやつは信用できないってこと」

 

?「えっと、地球ではこういうときなんて言うんだっけ?」

 

葵「えっと、こんにちはかな?」

 

?「そうそう! こんにちは!!」

 

アースイレブン『こ、こんにちは……』

 

?「ボクはバンダ! ボクが代表してラトニークを案内します!!」

 

コレが俺たちとラトニークイレブンの初対面だった。

 

 

 

 

ー 続く ー




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第78話:植物にだって"命"がある

俺たちアースイレブンの案内役を買って出たというラトニークイレブンの一人、バンダが自己紹介をしてくる。今までの相手と違って凄くフレンドリーだな。今のところは……。

 

シムール「バンダは、外の世界の人たちに興味があるようで、案内役を買って出たのです」

 

バンダ「ボク、自分の知らない世界の事…何でも知りたいんだ。みんなには変わり者って言われるけどね」

 

竜太「いや? 好奇心旺盛なのは別に悪い事ではないと思うぞ?」

 

バンダ「ほんとに!? ありがとう、そう言ってもらえて嬉しいよ! えっとじゃあ皆どこ行く? どこ行くと喜ぶ?」

 

どこって言われても何があるか知らないしな…ここで代表して天馬が答える。

 

天馬「バンダ、俺たちはサッカーできるところが良いな!」

 

バンダ「そっか!! やっぱり地球人もサッカー好きなんだね!!」

 

するとバンダは驚異的な身体能力でアクロバティックに跳ね回る。凄いな………。

 

彼方「ラトニークの人ってやっぱり身体能力すごいね……」

 

竜太「ああ。苦戦は免れないな……」

 

俺と彼方が小声で話していると天馬が「今はそういう偵察みたいなのは無しにしよう?」というが、気にはなるだろ……。

 

俺たちはバンダの案内でラトニークの市街地を歩いていく。住民たちは皆友好的で今までの星とはえらい違いだった。

 

天馬「バンダもサッカー好きなんだね?」

 

バンダ「うん! だから君たちとの試合楽しみなんだ!!」

 

瞬木D「……この星の運命が賭かってるのにか?」

 

天馬「瞬木!!」

 

バンダ「うん! そんな大事な試合に出られるだけでも凄い事だもん」

 

瞬木D「「もし負けたら」って思わないのか?」

 

バンダ「地球人は試合にそんなこと考えるの?」

 

鉄角「能天気な奴だぜ……」

 

龍也「いや、むしろこのくらいのほうがメンタル的には自分の力を最大以上に発揮できるかもしれない……」

 

果南「本当に普通の交流試合だったら良かったのにね……」

 

しばらく歩くと眼前には一面の花畑が。女子勢は目を奪われ感嘆の声を漏らす。

 

彼方「うわ~! 綺麗……花に囲まれてお昼寝したい〜」

 

エマ「スイスにもこんな場所あったけど、そこよりも凄く綺麗だよ!!」

 

すると九坂と彼方が柵を超えて花畑に入ろうとする。すると、

 

バンダ「ダメ!!」

 

バンダは急いで二人を掴んで柵を越えないように連れ戻した。だが、少々強引で二人は尻もちをついた。

 

九坂「痛って、何すんだよ!!」

 

彼方「痛たた……」

 

竜太「彼方!!」

 

するとバンダは

 

バンダ「赤いロープの向こうは"マドワシソウ"の土地! 行っちゃだめだ!」

 

竜太「マドワシソウ?」

 

天馬「どうしたんだ?」

 

皆が駆けてくると、バンダは花畑の何も無い空中に石ころを放った。すると空中でまるで透明な何かにぶつかったように弾かれると同時に周りの景色が一変する。すると目の前には、不気味な森が現れ…ツルのような物を構えた巨大な食虫植物のような物が蠢いていた。

 

彼方「ヒィッ!?」

 

エマ「な、何アレ?!」

 

ミア「さ、流石に恐い……」

 

するとバンダはあの植物について説明してくれる。

 

バンダ「皆は幻を見てたんだ。マドワシソウは、花畑で動物に幻を見せて捕らえて自分の栄養にする」

 

皆帆「つまり食べちゃうってことか……」

 

彼方「じ、じゃあ彼方ちゃんあのまま行ってたら……」

 

バンダ「マドワシソウのご飯になってたよ?」

 

彼方「ヒィッ!!」

 

彼方は顔を青くしてガタガタと震えだした。あまりの恐怖に震えが止まらない。

 

竜太「すまんバンダ! 助けてくれたのに睨んでしまって!!」

 

バンダ「皆は知らなかったんだからしょうがないよ。でも、気をつけてね?」

 

皆は一斉に首を縦に振った。だか、真名部が……

 

真名部「こんな危険な植物をどうして野放しにしておくんですか?」

 

九坂「そ、そうだ! 刈り取っちまおうぜ!!」

 

バンダ「そんなことしたら可愛そうだよ。マドワシソウも生きてるんだからさ?」

 

九坂「可哀想だぁ?」

 

バンダ「見てみなよ」

 

バンダはマドワシソウの根っこ部分を指差す。すると紫色の蕾のような物が見えた。

 

バンダ「マドワシソウの子供だよ。彼らは子供を育てるために動物の栄養を欲しがるんだ、マドワシソウも生きてるんだ」

 

九坂「お前たちは……そんなことまで考えて暮らしてるのか?」

 

バンダ「? 考える……」

 

九坂「どうしたんだ?」

 

バンダ「考えるって……何を?」

 

全員盛大にズッコケた。

 

 

 

ー その頃 ー

 

ガンダレス「ラトニークに着いたーーっ!! でも人がいないなぁ……」

 

リュゲル「そうか?」ドンッ

 

リュゲルに押されたガンダレスは宇宙船から落下。

 

ガンダレス「んなっ?!」

 

リュゲル「ガンダレス?」

 

ガンダレスは赤いロープに絡まって地面に倒れ伏した。

 

リュゲル「まったく…」

 

リュゲルはロープを千切る。

 

リュゲル「安心しろ。ただのロープだ」

 

ガンダレス「ロープか…あれ? なんかあっちまで続いてるけど」

 

リュゲル「赤いロープ……? そうか分かった、ガンダレス!コレを巻き取れ。「え?」良いから言う通りにしろ!」

 

ガンダレス「分かったよ! リュゲル兄ぃ!」

 

そしてバカ兄弟二人はロープを巻き取りながら柵に沿って進む。

 

ガンダレス「でも、どうしてこんなことを?」

 

リュゲル「俺と、俺がチームを組む選手は拳と拳が赤いロープで繋がってる」

 

ガンダレス「そうなの?」

 

リュゲル「そうなんだよ。だからコイツを辿っていけば、ラトニークの代表チームに合流できるって訳だ」

 

ガンダレス「なるほど!やっぱリュゲル兄ぃは凄ぇよな!何でも知ってるもんな!!」

 

リュゲル「言うなよガンダレス? それ以上何も言うな……」

 

そしてバカ兄弟はそのままロープを巻き取って進んでいった。

 

 

ー 続く ー



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第79話:覚醒!真名部と竜太のソウル

バカ兄弟がラトニークに到着してしばらくたった後、俺たちはバンダに連れられてラトニークのサッカーグラウンドに到着していた。

 

伊吹「へぇ? 良いところじゃないか……」

 

天馬「よし、早速練習だ!」

 

信介「ねぇ? バンダも一緒にやろうよ!!」

 

バンダ「えっ、ホントに良いの!? やったーー!!」

 

久し振りに気持ちの良い試合ができるかもしれないな。

 

剣城?「俺はやめておく」

 

神童「剣城…?」

 

葵「調子悪いのかな?」

 

バンダ「ねぇ!! 早くやろうよ!!」

 

フェイ「天馬、僕とSARUもやっていい? 試合に出られなくて退屈なんだよね……」

 

天馬「うん。ラトニーク戦は二人に出てもらうつもりだし一緒にやろう!」

 

そして5vs5のミニゲームを行う。

 

 

Aチーム

 

GK   伊吹

 

DF   真名部

 

MF   バンダ

 

FW SARU  竜太

 

Bチーム

 

FW   フェイ

 

MF 天馬   九坂

 

DF   皆帆

 

GK   信介

 

そして葵の吹く笛と共にAチームボールからバトル開始。竜太とSARUのキックからボールをバンダに渡すとバンダは物凄いスピードのドリブルで攻め上がる。

 

バンダ「行くよっ!!」

 

九坂「行かせるかっ!!」

 

九坂がディフェンスに入る。しかし九坂はバンダのフェイントで抜かれてしまう。

 

九坂「皆帆!!」

 

皆帆「任せて!!」

 

すかさずフォローに入った皆帆がスライディングでボールを弾く。

 

バンダ「やられた……」

 

九坂「コレが地球人乃サッカーだ!」

 

いやお前偉そうに言ってるけどアッサリと抜かれたやん……。

 

バンダ「やるね地球人! よ〜し!!」

 

 

ー その頃 ー

 

ガンダレス「いないね……ラトニーク代表………」

 

リュゲル「もう少しの辛抱だ「うん、リュゲル兄ぃが言うなら俺もう少し辛抱するよ!!」」

 

せこせこロープを巻き取っていた。

 

 

 

アースイレブンサイドに戻り、SARUとバンダが2人でパスを回して攻め上がる。初めて合わせるとは思えないキレイなワン・ツーパスで皆帆を抜き去りバンダはドリブルで攻め上がる。

 

鉄角「アイツの体力どうなってるんだ?」

 

九坂「くっそ!!」

 

バンダ「お先にっ!!」ギュンッ

 

九坂「しっかしバンダ…体力あるな……」

 

真名部「疲れないんですか……?」

 

バンダ「疲れてる暇なんか無いよ!!」

 

真名部「どんな理屈ですか!? ……やはり、侮れません。ラトニークの体力……」

 

すると何か鼻を刺すような異臭が漂ってきた。

 

信介「っ!? 何この臭い…?」

 

真名部「?」

 

彼方「どうしたの?」

 

好葉「?」

 

三人が臭いを嗅ぐと、何やらトロンとした顔つきになり、

 

真名部「パパ…ママ……?」

 

彼方「遥ちゃん…ママ……」

 

好葉「うさちゃん……」

 

竜太「え?」

 

三人は急に立ち上がるとフラフラと柵の方へと歩いていく。しかし赤いロープは巻かれていない。だから大丈夫かと思ったが……

 

バンダ「!! 今すぐ三人を止めて!! マドワシソウにコントロールされてる!!」

 

竜太「何っ!?」

 

俺たちは急いで三人を追いかけるが既に三人共柵の中に完全に入ってしまっている。

 

竜太「彼方!!」

 

俺たちが追いかけると更に異臭が強くなる。

 

バンダ「ロープが無かったから分からなかったけど、この柵の向こうはマドワシソウの土地なんだ!!」

 

天馬「そんな!!」

 

真名部は父親と母親の、

 

彼方は妹とお母さんの、

 

好葉はウサギの幻覚を見せられていた。

 

九坂「大丈夫か!? くっ、マドワシソウが何だ!!」

 

九坂は好葉の元に走った。

 

バンダ「いけない!!」

 

するとバンダは空中に跳躍すると空中で停止。何かを食いちぎるような素振りをする。

 

すると辺りがあの不気味な森に変わり3人の眼の前にはそれぞれマドワシソウが。マドワシソウはバンダをツルで叩いて弾き飛ばす。

 

彼方・真名部・好葉「「「ひっ!? うわぁあぁああっ!!!」」」

 

九坂「皆!! ヤロウ!!」

 

するとマドワシソウは彼方に向かってツルを伸ばす。しかし竜太が庇うように立ち塞がる。

 

すると竜太の身体から光が溢れ出し巨大なワニのような生物に姿を変える。様な、というのは足の部分がヒレになっているのだ。ワニならば足のはずだ。

 

その竜太が変化した生物はマドワシソウを巨大な顎の力で食い千切って倒した。

 

九坂「ソウルか!!」

 

続いては真名部。真名部の身体からも光が溢れ出し、小さいイタチのような動物に姿を変える。しかしかなり小さい。

 

しかし真名部が変化したその動物身体に似合わない鋭い爪でマドワシソウを切り裂いた。

 

天馬「やった!!」

 

九坂「スゲェ……」

 

森村「ま、前!!」

 

すると残されたマドワシソウ九坂に向かってツルを伸ばす。

 

天馬「九坂!!」

 

九坂「俺もソウルを!!」

 

九坂の身体からも光があふれるが九坂の目にマドワシソウの蕾が止まる。

 

 

 

バンダ「マドワシソウも生きてるんだ…」

 

 

九坂(っ!!)

 

九坂の隙を突いてマドワシソウが青色の液体を飛ばす。液体が肩に当たった九坂は痛みを感じて肩を抑える。消化液か!?

 

するとバンダはそのマドワシソウに飛び掛かり噛みつく。そして渾身の力でマドワシソウを食い破り倒した。

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・

 

葵「はい! コレで良い?」

 

バンダ「ありがとう!」

 

葵が怪我をしたバンダの手当をする。元はと言えばこっちの不注意で怪我をさせてしまったのだから当然だ。

 

天馬「お陰で助かったよ……」

 

九坂「済まないな……俺がビビっちまったから………」

 

バンダ「平気平気。かすり傷だよ。ロープが無くなっていたとはいえ、中に入って彼らを怒らせてしまったのは僕たちだから……」

 

真名部「それにしても…意外に自分って危なっかしいものだったんですね。家族のこと、決着付けたつもりだったんですけど……」

 

彼方「彼方ちゃんも…遥ちゃんがこんなところにいるわけないのにアッサリと騙されちゃうなんて……」

 

竜太「それにしても…真名部のあのソウルの動物なんだ?」

 

好葉「アレはラーテルっていう動物だよ! イタチの仲間でコブラとかにも平気で向かっていく世界一怖いもの知らずって言われてる動物なんだ!」

 

竜太「へぇ? ラーテルね……」

 

彼方「それを言うなら竜太のあのソウルは何? ワニみたいだったけど足じゃなくてヒレだったよね?」

 

信介「アレはモササウルスだよ!! 恐竜時代に生きてた海の爬虫類で、海に近寄ったら最後ティラノサウルスでも捕食する古代の海の支配者だよ!!」

 

鉄角「ティラノも食うってやべぇな……」

 

天馬「そうなんだ…座名九郎は大丈夫だった?」

 

座名九郎「実は私も危なかったんですよ……自分を見失わない様に、常に心と身体を磨いているつもりですが…穏やかでいようとする自分の中に、無茶苦茶に暴れ回っている自分の姿が見えて……私もまだまだです」

 

 

 

その頃…

 

ー ファラム・オービアス王宮 地下牢 ー

 

ララヤ「………妾はどうすれば良いのじゃ」

 

剣城「…何も心配しなくて良い。取り戻すさ…この国、この星を……」

 

ー 続く ー




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第80話:ラトニーク人の運命

俺たちがラトニークに到着した翌日、ラトニークの人たちと交流してこの星の事少しは分かったかな…。

エマ先輩、虫は怖いけどここの人たちはあまり怖くないって言ってたからまぁ良かったかな。

 

 

だが、この時俺たちはこの星の事を…この星の人間の事を何も知らないという事にも気付いていなかった。

 

 

 

早朝、九坂は昨日俺たちが倒したマドワシソウを見に来ていた。

 

九坂(マドワシソウ……バンダがいなければ、俺は昨日コイツに食われていた。)

 

九坂は昨日のことを思い返す。竜太と真名部がソウルを覚醒させ、マドワシソウをアッサリと返り討ちにした。

 

九坂(どうして俺にはソウルを出せないんだ……っ!! やっぱり俺は、皆よりも劣っているのか?)

 

そして朝ごはんを食べて練習に出かけようとしたら宇宙船の前にはバンダが待っていた。

 

バンダ「あっ、出てきた!」

 

天馬「バンダ?」

 

 

 

 

アースイレブン『合同練習!?』

 

バンダ「試合は明日だし、君たちもこれから練習するんでしょ? だったら一緒にやろうよ、監督も良いって言ってるし!!」

 

鉄角「観光案内の次は合同練習か……」

 

皆帆「ここまで友好的だと逆に何かあるんじゃないかって勘ぐりたくなってしまうね……何も無いんだとしても………」

 

信介「どうする? 天馬…?」

 

真名部「良いんじゃないですか? 試合前に敵のプレイスタイルが分かれば対策も立てやすいですし」

 

瞬木D「とかなんとか言って、本当はソウルを使いたいだけだろ?」

 

真名部「違いますよ! 僕は純粋にチームの事を考えてですね!?」

 

瞬木の言葉に焦ったように言い訳する真名部。図星かよ………。瞬木も「ハイハイ…」って完全に分かってるぞ。

 

皆帆「でも、せっかくソウル出せる様になったんだし、分かるよその気持ち」

 

真名部「もう皆帆くんまで!!」

 

皆の中に笑いが生まれる。こんなに気持ちのいい気分は久し振りだな。

 

バンダ「それじゃあ決まりだね。案内するから付いてきて」

 

そしてバンダに付いて歩いていくと、ゴンドラの乗り場に出た。のだが、上……

 

エマ「…………」ガタガタ

 

すっごいデカいイモムシみたいなのがレールを掴んでその虫にゴンドラが吊るしてある。エマ先輩きつそうだな。

 

竜太「エマ先輩、上を見ないでください。彼方も苦手だったら見ないほうが良い」

 

エマ「う、うん………」

 

彼方「分かった…さすがにこんなに大きいイモムシは彼方ちゃんも無理………」

 

そして皆でゴンドラに乗り込む。すると虫が動き出し、下りロープに差し掛かるとまるでジェットコースターのようなスピードで移動する。って言うかほぼジェットコースターって言うべきだな。

 

エマ「キャー! 面白〜い!!」

 

彼方(出た…エマちゃんのスピード狂……)

 

バンダ「皆口を閉じてたほうが良いよ?舌を噛むかもしれないから!」

 

バンダの一声で口を閉じてしばらくこのスピードを堪能する俺たち。そして終点に着くとエマ先輩は……

 

エマ「は〜、面白かったぁ〜!!」

 

さっきまでイモムシを恐がっていたのは何のその。スッカリ恐怖心を上書きされていた。

 

伊吹「鉄角どうした?」

 

鉄角「お、俺絶叫系苦手なんだ……」

 

え!? 何か意外………。

 

真名部:「皆帆くん、かなり叫んでいましたね」

 

皆帆「それを言うなら真名部くんもね」

 

そしてそこからもう少し歩くと、ラトニークイレブンの練習場所に到着した。そこではラトニークイレブンが既に練習していた。

 

「ティス!!」

 

ティスと呼ばれた選手は追いききれずにトラップミスしてしまう。

 

「反応が遅いぞ!」

 

ティス「は、はい!!」

 

ラトニークイレブンの身体能力はやはり凄まじく、跳躍力、瞬発力、パワーどれをとっても一級品だった。

 

神童(それにあの正確なボールコントロール。さすがここまで勝ち残ってきただけはあるな)

 

「ティス! もう一度だ!!」

 

そして同じメンバーから再びティスと呼ばれたメンバーにパスが飛ぶ。

 

ティス「今度こそ!!」

 

そしてティスは今度はしっかりとトラップ。ドリブルに繋げる事ができた。

 

ティス「やった!!」

 

「よし! その感じを忘れるなよ……」

 

するとそのパスを出したバッタの様なラトニーク人はいきなり倒れた。

 

天馬「えっ!?」

 

竜太「倒れたぞ?」

 

バンダ「寿命だよ」

 

九坂「寿命……って、死んだって事か!?」

 

バンダ「うん」

 

バンダの返答に俺たちは絶句する。

 

伊吹「寿命って……そんな年には見えないが………」

 

バンダ「そうかもしれないね。彼の寿命は君たちの星の時間で言うと……1ヶ月だから」

 

九坂「1ヶ月!?」

 

バンダ「それがこの星では普通なんだ。長い人でも1年、短い人だと1週間で寿命を迎える」

 

エマ「1週間………?」

 

彼方「1年で………?」

 

彼方とエマは凄く暗い顔をする。確かに虫という種族は人間と比べたら恐ろしく短命な種が殆どだ。その虫から進化したラトニーク人もその運命からは逃れられないらしい。

 

九坂「それが…この星の人間の一生なのか……?」

 

ミア「ボクがそんな立場だったら……いくら何でも悲しすぎる………」

 

バンダ「悲しくなんか無いよ?」

 

彼方「え?」

 

バンダ「それがこの星では当たり前なんだ。それだけ早く新しい命が生まれて、受け継がれていくだけさ。う〜ん…君たちの星とは時間の流れが違うのかもしれないね」

 

エマ「そうかもしれないけど!!」

 

バンダ「それに彼は自分のテクニックをティスに伝えるっていう役目をちゃんと果たして寿命を終えた。僕たちはそうやって次の世代へと確実に技術を伝えていくんだ」

 

九坂「……………」

 

竜太「ん? 九坂肩なんかかいてどうした?」

 

九坂「え? いや………」

 

バンダ「? ちょっと九坂くん肩を見せてくれる?」

 

九坂「え? ああ……」

 

九坂がジャージを脱ぐと、肩の部分が紫色の紋様みたいに変色していた

 

鉄角「なんだそれ!!」

 

バンダ「昨日のマドワシソウだよ。恐らくあのとき九坂くんに消化液がかかったんだ」

 

葵「それって危険なの?」

 

バンダ「うん。放っておいたら全身に毒が回って動けなくなる」

 

アースイレブン『ええ!?』

 

全員が驚く。そんなヤバい液体だったのか………。

 

バンダ「ああ、でも大丈夫だよ。今から処置すれば問題ないから」

 

彼方「なんだ、良かった〜」

 

鉄角「脅かすなよ……」

 

バンダ「九坂君のことは任せて皆は練習してて?」

 

天馬「うん、じゃあお願いするよ」

 

そして九坂の処置をバンダに任せて俺たちはラトニークイレブンとの合同練習を行なった。

 

 

ー 続く ー




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第81話:九坂とバンダ

ラトニークとの合同練習を終えた俺たちはラトニークの住民の居住区の広場を借りて先程の事について話をしていた。

 

信介「なんか複雑だったよね……ラトニークとの合同練習………」

 

伊吹「ああ。練習してても、ふと思い出しちまう。"コイツの寿命も…1ヶ月なのか?"って……」

 

鉄角「なのにアイツら、全然そんな感じがしなくってよ………」

 

俺たちは先程の合同練習を思い出す。ラトニークの代表は、寿命の事なんか感じさせない、そもそも気にしてないという感じで生き生きとボールを蹴っていた。

 

真名部「だからそれはバンダが言ってたじゃないてすか? 時間の流れが違うだけだって、宇宙には何百年と生きる種族もいるそうですからね。そういう人たちから見たら僕たちだって、「えっ?たった80年位しか生きられないの? 可哀想!」と、なるわけですよ」

 

鉄角「んなこたぁ分かってるんだよ!!」

 

鉄角が両手を机に叩きつけて真名部の言葉に怒鳴りながら立ち上がる。

 

鉄角「頭では分かってても、何ていうか……気持ちがよ……」

 

彼方「虫は苦手だけど、それを差し引いても凄くいい星だと思ったのに……」

 

葵「………? 天馬、何考えてるの?」

 

天馬「いや、"命"ってなんなのかなって……」

 

信介「命…?」

 

全員が天馬に視線を向ける。

 

天馬「俺、初めて黒岩監督から宇宙へ行って戦うって聞いたとき、正直…宇宙ってどんなとこなのか全然考えてなかった。ただ何となくいろんな星があって、地球を守るために行かなくちゃならないんだってくらい」

 

竜太「確かにな……」

 

天馬「でも、ザンドリアスに行って、それからサザナーラとガードンに行って、俺感じたんだ…。宇宙には、本当に色んな星があるんだなって……。そしてそこには、本当に色んな人たちが住んでる。ザンドリアス人は、とても誇り高くて……」

 

俺達はサンドリアス戦を思い出す。

 

カゼルマ『誇りを守れないものは、誰も守れはしないんだ!!』

 

竜太「確かに。まさか心が見える宇宙人がいるなんて思わなかったしな?」

 

続いてはサザナーラ戦。

 

ポワイ『こんなドロドロしたアズル、ポワイ見たことない…』

 

天馬「ガードン人は、火山だらけの過酷な環境に打ち勝とうとしていた」

 

次はガードンでの出来事、

 

アルベガ『我々は究極の進化のために翼を捨てたのだ!! そして代わりに、あらゆるものを作り出す力を手に入れた』

 

天馬「どの星の人も、皆同じ……必死に戦って、星を守って、命を繋いでいこうとしている。俺、宇宙に来て改めて分かったんだ。この宇宙に、消えて良い命なんて1つも無い。滅んで良い星なんて1つも無いんだって!!」

 

神童「だからこそ、その命を守るためにも勝ち進んで優勝しなくてはな」

 

天馬「はい!!」

 

天馬はカトラと初めて会った時に言われた言葉を思い出す。

 

カトラ『あなたなら、私達の力を正しく使って銀河を救ってくれるかもしれない』

 

絶対に、優勝しないといけないな……!!

 

その頃、九坂はバンダに治療を受けていた。

 

バンダ「これでよし!!」

 

バンダは九坂の肩にマドワシソウの消化液の毒に効く薬を塗って包帯で巻く。

 

バンダ「後は時間が経てば薬が回って毒を中和してくれるはずだよ」

 

九坂「……………」

 

バンダ「ん、どうしたの?」

 

九坂「いや、1つ聞いて良いか?」

 

バンダ「うん。何?」

 

九坂「お前の寿命も1ヶ月しか無いのか?」

 

バンダ「なんだそんな事か、うん。ボクの寿命は明日で終わる」

 

九坂「なっ、明日!?」

 

バンダ「うん、多分。だから明日が最後の試合。そして、最初の試合でもあるんだ!」

 

九坂「っ! 最初で…最後の試合……」

 

バンダ「ボクはこの前メンバーになったばかりだからね」

 

九坂「そっか……明日が最後……よく、平気でいられるな」

 

バンダ「それが僕たちの運命だからね。それに、ボクは思うんだ。人生はどれだけ生きたかじゃない。"何をしたか"だって」

 

九坂「っ………」

 

バンダ「九坂くん、明日は良い試合にしようね?」

 

九坂「あ、ああ!!」

 

バンダ「それじゃあ送っていくよ」

 

九坂(バンダ………)

 

 

 

そして九坂バンダが九坂を送り届けている頃、ラトニーク市街地を宇宙船が飛んでいた。

 

リュゲル「やっと見つけたぞ! あれがラトニークの宿舎だ!!」

 

ガンダレス「さっきのおっかない草いないよね…?」

 

そう、この二人も先程マドワシソウに襲われかけていたのだ。

 

リュゲル「ここからじゃあ分からないな……よし、ガンダレスお前先におりろ。大丈夫だったら俺もおりる」

 

ガンダレス「なるほど!!それなら無事でいられるもんね! やっぱ凄えなリュゲル兄ぃは!! 頭良いよな!!」

 

リュゲル「ふっ、言うなガンダレス」

 

ガンダレス「いやマジスゲェって……ん? それだと俺は?」

 

この弟今頃気づき、

 

ガンダレス「嫌だぁっ!! 食われたくないーーーっ!!」

 

リュゲル「お、落ち着けガンダレス!!」

 

ガンダレスが暴れてしまいリュゲルは宇宙船の操作を誤り宿舎前に墜落してしまった。

 

ガンダレス「痛てて……」

 

リュゲル「取り敢えず着陸は成功だ。後はあの草がいないことを確かめれば……」

 

するとモニターにラトニークイレブン監督のシムールさんが映ったが如何せん逆さまのために分からず、

 

ガンダレス「出たぁーーーっ!!」

 

シムール「リュゲル・バランさんと、ガンダレス・バランさんですね? お待ちしていましたわ」

 

リュゲル「何だラトニークの監督か…」

 

ガンダレス「じゃあ取り敢えず出てみる?」

 

リュゲル「そうだな」

 

そして二人は宇宙船の外に出る。するとラトニークイレブンが二人を取り囲んだ。

 

シムール「ファラム・オービアスより、遥かな旅路を経て、ようこそいらっしゃいました。我々ラトニーク人は、あなた方を心より歓迎致します」

 

ラトニークイレブン『歓迎致します!!』

 

リュゲル・ガンダレス「「!?」」

 

リュゲル「て、丁重なお出迎え…感謝致します!!」

 

ここまで歓迎の意を示されるとは思っていなかったのか、それならそれとリュゲルも誠意をもって対応する。

 

そして翌日、ラトニーク戦の当日になった。

 

ー 続く ー




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第82話:ラトニーク戦開始!!

いよいよ今日はラトニーク戦。スターシップスタジアムには満員の観客が詰めかけ、スタジアムの熱気は最高潮だ。

 

ダクスガン「ヘイ!! welcome to cosmic soccer world!! 本日はここ、惑星ラトニークよりグランドセレスタギャラクシー準決勝、アースイレブンvsラトニークイレブンの試合をお届けするぞーーっ!!」

 

リュゲル「俺達兄弟が来たからには勝ったも同然。お前らはゆっくり冬支度でもしてな」

 

ガンダレス「うわぁ~!! 格好ぇえリュゲル兄ぃ!」

 

リュゲル「良いかガンダレス? こういうのを"泥舟に乗った気でいろ"と言うんだ」

 

ガンダレス「おーーーっ!! リュゲル兄ぃ難しいこと知ってんなぁ! さすがぁ!!」

 

それを聞いていた俺達は呆れる者と笑いを堪える者に反応が別れていた。

 

神童「それを言うなら"大船に乗った気でいろ"だろ……」

 

伊吹「アイツラが今回の助っ人か……」

 

皆帆「みたいだね」

 

鉄角「ま、大した事無さそうだな……」

 

 

 

バンダ(いよいよ始まるのか……この試合、必ず輝いてみせる!!)

 

九坂(バンダ……)

 

スターティングメンバー

 

ラトニークイレブン

 

GK          ロンガ

 

DF          ナブーン

 

ボランチ   パタフ  モスガー  ティス

 

MF バンダ スタッグ ガンダレス ホッパー アーリィ

 

FW          リュゲル

 

アースイレブン

 

FW   SARU 瞬木   フェイ

 

MF 九坂     天馬     竜太

 

ボランチ   侑      神童

 

DF  彼方         真名部

 

GK        伊吹

 

ダクスガン「イェーイっ! 間もなくキックオフだ!! 果たしてこの試合に勝利するのはラトニークか!? アースイレブンか!?」

 

天馬「皆! この試合必ず勝つ!全力でぶつかって行くぞ!!」

 

アースイレブン『おう!!』

 

九坂(っ!!)

 

そして審判の笛と共にアースイレブンのキックオフから試合開始。ボールは瞬木が持つが天馬が一旦戻すように要求。天馬がボールを持ったところにガンダレスがディフェンスに来るが天馬はすぐ後ろの九坂にもどす。

 

九坂「SARU!!」

 

そしてボールを受け取ったSARUがドリブルで上がって行く。

 

ダクスガン「イェーーイっ!! アースイレブンパスを繋いで上がって行く!!」

 

SARU「宇宙人の力、見せてもらうよ!!」

 

スタッグ「ホッパー!!」

 

するとホッパーが自慢の脚力を活かして大ジャンプ。落下の力を利用してSARUからボールを奪った。

 

フェイ「SARUがあんな簡単に!?」

 

SARU「やるね! 面白くなってきた!!」

 

ホッパー「パタフ!!」

 

そしてここでパタフにパスアウトする。ボールを受け取ったパタフに対して瞬木がディフェンスに入る。

 

しかし、パタフのまるで蝶のような華麗な舞の如くボール捌きに奪う事ができない。

 

神童(虫から進化したラトニーク人、身体能力が優れている事は分かっていたが……まさかこれ程だったとは……!)

 

ガンダレス「リュゲル兄ぃ! 俺たちも行かなくちゃ!!」

 

リュゲル「慌てるなガンダレス。こういうのはインパクトが大事なんだ」

 

ガンダレス「イン…パクト?」

 

リュゲル「ここぞって時に現れた方が目立つんだよ」

 

ガンダレス「そっか、凄ぇなリュゲル兄ぃ! そこまで考えてるなんて!!」

 

リュゲル「言うなよガンダレス。それ以上は何も言うな」

 

 

パタフ「アーリィ!」

 

アーリィ「アリ、アリアリアリアリアリアリ!!」

 

アーリィは小柄な体で物凄い機動力のドリブルを展開。あっという間に神童さんと真名部を抜き去った。

 

神童「何っ!?」

 

真名部「そんなのアリ!?」

 

しかし、

 

侑「貰った!!」

 

侑先輩が〈天帝の眼(エンペラーアイ)〉で動きを先読みしてカットする。

 

アーリィ「アリま!!」

 

そして侑先輩がドリブルで攻め上がっていく。

 

侑「相手の動きに呑まれないで!! 攻めていくよ!! 天馬くん!!」

 

そして天馬にボールが繋がる。そこにティスがディフェンスに入る。

しかし天馬は単純なフェイントでティスを抜き去る。そこにモスガーがスライディングを仕掛けてボールを奪い返す。

 

一進一退の攻防。どちらも一歩も引かない展開にスタジアムのボルテージは上がっていく。

得点は依然として0ー0。果たして先制点を決めるのはどちらなのか。

 

バンダ(もっと試合に絡まなきゃ!! このままじゃぁ輝けない!!)

 

ホッパー「スタッグ!!」

 

ここでボールはラトニークイレブンキャプテンのスタッグに渡る。スタッグはそのままドリブルで攻め上がる。

 

天馬「彼方先輩!!」

 

彼方「行かせないよっ!!」

 

スタッグ「[マッシュルームホップ]!!」

 

するとスタッグは必殺技を使用。地中から巨大なキノコが生え、そのキノコの上をジャンプしながら移動し彼方の上から抜き去った。

 

ダクスガン「ワーーオッ! 抜けたぞスタッグ!! このまま持ち込むか!?」

 

真名部「そうはさせません!!」

 

すると真名部の身体から光が溢れ出し、ラーテルへと姿を変える。ラーテルは小さい見た目に似つかわしくない豪快な爪の一振りで衝撃波を発生させる。スタッグは爪痕の衝撃波に吹き飛ばされ真名部がボールを奪ったところで元に戻る。

 

九坂「ソウルっ!!」

 

ダクスガン「止めたぁっ!! 真名部の好ディフェンスだぁっ!!」

 

神童「いいぞ真名部!!」

 

真名部「ま、ボクが本気を出せばこんなものですよ」

 

瞬木D「今度はこっちの番だ!!」

 

真名部「キャプテン!!」

 

真名部から前線の天馬へとパスが飛ぶ。そこへモスガーが止めに入る。

 

モスガー「行かせるか!!」

 

天馬「[Zスラッシュ・G3]!!」

 

天馬のZ字の機動を描くドリブル技で相手を翻弄。モスガーを抜いた。

 

フェイ「天馬!!」

 

天馬「フェイ!!」

 

そしてフェイにパスが飛ぶ。しかし、

 

バシッ!!

 

いつの間にか戻っていたリュゲルにカットされてしまった。

 

アースイレブン『何っ!?』

 

リュゲル「決まったな。これがインパクトだ!!」

 

ガンダレス「格好良いー!!! やっぱ凄げぇよなリュゲル兄ぃは!!」

 

神童「アイツ、いつの間に!?」

 

瞬木D「何が凄げぇだ!! このバカ兄弟が!!」

 

瞬木がすぐにスライディングを仕掛ける。しかしリュゲルにはアッサリと躱されてしまった。

 

瞬木D「何っ?!」

 

葵「何!? 今の動き!!」

 

リュゲル「お前らなんかに取られるかよ!! ガンダレス!!」

 

そしてリュゲルとガンダレスの兄弟の見事なコンビネーションで次々とアースイレブンの出入りを抜き去りあっという間にゴール前まで攻め込んできた。

 

バンダ「こっちだ!!」

 

ガンダレス「退けっ!!」

 

バンダ「うわっ!?」

 

バンダはガンダレスに突き飛ばされて転倒する。

 

九坂「バンダ!!」

 

天馬「伊吹!! 止めてくれ!!」

 

伊吹「来いっ!!」

 

するとリュゲルとガンダレスは連携シュートの体勢に入る。

リュゲルの手に金色のリンゴが出現しリュゲルはそれを一口かじると上に放り投げる。それにガンダレスが雄叫びと共に漆黒のエネルギーを注入。金色のリンゴが黒く染まる。そしてボールを蹴り上げ、リンゴと重なった瞬間二人で左右から蹴飛ばした。

 

リュゲル・ガンダレス「「[スクリーム・オブ・エデン]!!」」

 

伊吹「止める!! [ワイルドダン……ぐわぁあぁああぁああっ?!!?!?!?」

 

伊吹はアッサリと弾き飛ばされてシュートはゴールネットに突き刺さった。

 

ダクスガン「it,s cool!! リュゲルとガンダレスの豪快なシュートでラトニークが先制だあっ!!」

 

ガンダレス「やったなリュゲル兄ぃ!!」

 

リュゲル「ああ。良いかガンダレス? こういうのを……「知ってるよ! 夕飯前って言うんだろ?」ほう? 賢くなったじゃないかガンダレス!!」

 

ガンダレス「へへ〜〜」

 

侑「な、何アイツら……」

 

竜太「弱いなんてとんでも無ぇ……無茶苦茶強いじゃないか……」

 

神童「天馬、この試合…簡単には行かないぞ!」

 

天馬「はい!!」

 

黒岩「選手交代だ!」

 

え?

 

ダクスガン「ホワッツ?ここでアースイレブン早くも一人目の選手交代。DFの近江彼方に代わって皆帆和人を投入するようだ!!」

 

彼方「ごめん。何もできなかった……」

 

皆帆「彼方さん、後は任せて!!」

 

そして、皆帆がピッチに立った。

 

メンバーチェンジ

 

彼方 out → in 皆帆

 

ー 続く ー




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第83話:軍師皆帆

リュゲルとガンダレスの必殺シュートが決まり、先制点を許してしまった俺たち。ここから巻き返さないと……。

 

リュゲル「そこのヘタレども、これで分かったか? お前らなんか、俺たち兄弟の足元にも及ばないってことが! 良いかガンダレス?点を取るだけじゃない。その後で、こうやってビシッと締める事が大切なんだ。精神的に優位に立つってやつだ」

 

ガンダレス「せ、せ、せぇー…」

 

リュゲル「精神的だ」

 

ガンダレス「ああ、先進的か!! やっぱすげぇなリュゲル兄ぃは。難しいこといっぱい知ってるもんなぁ!!」

 

コイツら…言ってることはバカそのものなのに……。

 

真名部「まさか、あの兄弟にこんな力があるとは……」

 

皆帆「ギャップありすぎだよね……」

 

天馬(二人の動きを考えれば、ロングパスはカットされる可能性が高い……。)

 

竜太「皆! 細かくパスを繋いで行くぞ!!」

 

どうやら竜太も同じ考えみたいだ。

 

アースイレブン『おう!!』

 

バンダ(ボクにとっては最初で最後の試合……絶対に輝いてみせる!!)

 

そしてアースイレブンのキックオフから試合再開。SARUのキックから瞬木がドリブルで上がる。

 

瞬木D「キャプテン!」

 

ボールは天馬に渡る。

 

天馬「九坂!!」

 

九坂「っ! よし……」

 

九坂にボールが渡るとバンダとスタッグがディフェンスに来る。しかし九坂の背後から皆帆と侑先輩が上がってくる。

 

九坂「高咲!」

 

侑「皆帆くん!!」

 

三人は一瞬のアイコンタクトで意思を疎通。一旦中の侑先輩にあずけてその間にオーバーラップした皆帆に斜めのパスを入れて二人を抜いた。

 

パタフ「行かせないわっ!!」

 

皆帆「高咲さん!」

 

ここでボールを侑先輩に戻し侑先輩はパタフの脇を突破。そこにモスガーがフォローに入る。

 

モスガー「そこまでだ!!」

 

侑「〈天帝の眼(エンペラーアイ)〉!!」

 

侑先輩の眼が相手の動きの未来を見透かす。侑先輩の高速フェイントに相手の足はもつれてアンクルブレイクをおこしてコケた所を平然と突破した。

 

侑「SARUくん!」

 

SARU「ナイスパス高咲さん!! 行くぞ、はぁあぁあぁあああっ!!」

 

SARUの背から化身オーラが立ち上ると、かつて戦い苦戦を強いられた白い魔神が姿を現す。

 

SARU「[超魔神エヴァース・零式]!! アームドッ!!」

 

そしてSARUは化身アームドを発動。必殺技を放つ。

 

SARU「[シェルビットバースト・Gx]!!」

 

7本のレーザーとなったシュートが撃ち出される。するとキーパーロンガの身体から光が溢れ出す。

相手キーパーは薄緑色の植物獣に姿を変え、頭を振ると角に生えたきのみのようなものが落ち、きのみから胞子がばら撒かれシュートの威力は減衰。SARUのシュートは止められた。

 

SARU「何っ!?」

 

フェイ「SARUのシュートがあんなに簡単に!?」

 

ロンガ「バンダ!!」

 

ロンガのゴールキックからバンダにパスが飛ぶ。しかしバンダがトラップしようとしたところを戻っていた侑先輩がカットする。

 

侑「天馬くん!!」

 

ボールを受け取った天馬はドリブルを仕掛ける。しかしすぐに九坂にパスアウトする。

 

天馬「九坂!!」

 

九坂「瞬木!!」

 

前線にパスが通ったアースイレブン。瞬木がボールを持つとそのままドリブル突破を仕掛ける。

 

ガンダレス「いい気になってるなアイツら!!」

 

リュゲル「行くぞガンダレス!!」

 

瞬木D「お前らなんかに俺の足が止められるかよ!!」

 

すると瞬木はドリブルのスピードを更に上げる。が、

 

それを更に上回るスピードで二人にボールを奪われてしまった。

 

瞬木D「何っ?!」

 

竜太「瞬木の足が抜かれた!?」

 

リュゲル「それでも走ってるつもりか? 走るっていうのは、こういうのを言うんだ!!」

 

するとリュゲルとガンダレスはドリブルで攻め上がったのだが……とにかく速い!

 

本当にドリブルしながら走っているのか疑いたくなるほどに。

 

 

 

葵「なに!? あのスピード!!」

 

ダクスガン「ワオッ! ラトニークの速攻だ!!」

 

 

神童「守りを固めろ!!」

 

ゴール前にアースイレブンが集結する。しかしそんなものはいにも返さない様に二人は向かってくる。

 

リュゲル「良いかガンダレス? ああいうのを悪足掻きって言うんだ!!」

 

そしてリュゲルとガンダレスは連携シュートを放つ。黄金のリンゴが漆黒に代わり、聖魔の力を併せ持つシュートが放たれる。

 

リュゲル・ガンダレス「「[スクリーム・オブ・エデン]!!」」

 

真名部・皆帆・侑「「「うわぁあぁああっ!!?」」」

 

神童「っ! 3人掛かりでも止められないのか!?」

 

伊吹「止めてやる!! [ライジングスラッシュ・改]!!」

 

ここで伊吹の[ライジングスラッシュ]が進化してパワーアップ。しかしそれでも押されている。

 

伊吹「ぐぅうぅううぅうぅっ!! うわぁっ!!」

 

そして伊吹は弾き飛ばされる。ボールはゴールに……と思ったらクロスバーに弾かれて後ろに飛んでいった。

 

ダクスガン「ワーオっ! これはポストに嫌われた!!」

 

リュゲル「ふん、外したか……」

 

ガンダレス「命拾いしやがって……」

 

そしてそこからバラン兄弟の怒涛の攻めが続く。全員身体を張って守るが中々相手のプレーが終わらない。

 

神童「くそっ! 皆帆!!」

 

皆帆「このままじゃあジリ貧だ……一か八か!!」

 

皆帆がドリブルで攻め上がるトバラン兄弟がディフェンスに来た。

 

リュゲル「頂きだ!!」

 

皆帆(っ!!)

 

すると皆帆は左右にステップを踏んだかと思ったら虚空を指差し、

 

皆帆「[あそこにUFO]!!」

 

は? おれたちが何をやってるんだ?と思ったら……

 

リュゲル「えっ!? どこだ!!」

 

ガンダレス「ドコドコ!?」

 

バラン兄弟がいもしないUFOを探してる間に皆帆は突破した。

 

え……あれで騙されるの? あんな幼稚園児も騙せないような嘘で……?

 

リュゲル「なっ!! お前騙したな!?」

 

皆帆「九坂くん!!」

 

そして皆帆は九坂にパスを出す。

 

ガンダレス「どこだ……?」キョロキョロ

 

リュゲル「いつまで探してるんだ!! UFOなんかいない!! 俺達は騙されたんだ!!」

 

ガンダレス「騙されたぁっ!?」

 

リュゲル「良いかガンダレス? こういうのをな、コケにされたって言うんだ!」

 

ガンダレス「コケにされた……なんかマヌケな感じする!! リュゲル兄ぃ俺そんなのヤダ!!」

 

リュゲル「ああ、そうだな! だから思い知らせてやるんだ。俺たちをコケにしたらどうなるかって事をな!!」

 

 

 

ボールを受け取った九坂にバンダがスライディングを仕掛けるが九坂はジャンプして躱す。そして皆帆にパスを出す。

 

皆帆「よし!!」

 

しかしここでバラン兄弟がディフェンスに入る。

 

皆帆「[あそこにUFO]!!」

 

いや、二度目は騙され……

 

リュゲル「えっ!?」

 

ガンダレス「どこだどこ!!」

 

って騙されたぁーーっ!! どんだけバカなんだコイツら!!

 

そしてその間に皆帆は突破した。

 

リュゲル「ぐぅ〜〜っ!! また騙された……!!!」

 

ガンダレス「ええっ!? またなのか!!」

 

リュゲル「絶対に許さん!!」

 

ガンダレス「うぉおおぉおおおっ!!」

 

急いで二人は戻り三度ディフェンスに入る。

 

皆帆「[あそこにUFO]!!」

 

いやさすがに3度目は……

 

 

リュゲル「何っ!ドコだ!!」

 

ガンダレス「ドコどこ!?」

 

はい、救いようのない馬鹿でした〜〜!! コイツらよく今まで生きてこられたな………。

 

その間に皆帆はまた突破した。

 

皆帆「分かっていてもつい見てしまう。人間の心理を巧みに突いた、ボクの必殺技!!」

 

バンダ「くっ、ならボクが!!」

 

バンダがディフェンスに来るが皆帆は上手く躱した。

 

皆帆「九坂くん!!」

 

モスガー「行かせるか!!」

 

しかしここで九坂はボールを奪われてしまう。

 

竜太「ボールは渡さない!!」

 

が、すぐに竜太がフォローに入りボールを奪い返す。すると竜太の身体から光が溢れ出し、モササウルスへと姿を変える。

モササウルスはフィールドの海を泳ぎ回り、最後に水面高くジャンプして雄叫びを上げると、ボールは凄まじい勢いでゴールに向かっていく。

 

ロンガ「何っ!? ぐわぁあぁあああっ!!?」

 

竜太のソウルシュートは、ラトニークゴールに突き刺さった。

 

竜太「よし!!」

 

天馬「ナイスシュート竜太!」

 

皆帆「………フッ!」

 

ガンダレス「あっ! アイツ笑いやがった!!」

 

リュゲル「た、退却だぁっ!!」

 

バラン兄弟は宇宙船でそそくさと逃げていった。

 

葵「帰っちゃった……」

 

龍也「何だったんだ一体?」

 

黒岩「選手交代だ」

 

ダクスガン「おっと、ここでアースイレブン、サリューに代えて大海龍也、フェイに代えて松浦果南を投入するようだ!! そして大海竜太と松浦果南のポジションチェンジを行うようだぞおっ!、」

 

竜太「ここでか……」

 

天馬(監督は、勝負を決める気だ……)

 

SARU out → in 龍也

 

フェイ out → in 果南

 

アースイレブン

フォーメーションチェンジ

 

FW   龍也  瞬木  竜太

 

MF 九坂    天馬    果南

 

ボランチ   侑   神童

 

DF  皆帆       真名部

 

GK       伊吹

 

 

 

龍也「行くぞ果南!!」

 

果南「うん!!」

 

そしてラトニークのキックオフから試合再開、と同時に前半終了の笛が鳴った。

 

ー 続く ー




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第84話:突然の別れ

前半が終了し、ハーフタイムに入る。あの厄介な兄弟がいなくなってくれたからかなりやりやすくなるな。

 

バンダ「結局、全然活躍できなかった………」

 

 

ー アースイレブンベンチ ー

 

葵「良いムードになってきたんじゃない?」

 

信介「これなら後半もイケるよ!!」

 

葵「皆しっかり休憩取ってね?」

 

たが、九坂は何か考え込んでいた。

 

九坂(やっぱり、ソウルが出せない俺には皆と戦う資格が無いのか……?)

 

九坂は昨日のバンダとのやり取りを思い出す。

 

バンダ「九坂くん、明日は良い試合にしようね?」

 

九坂(くっ、…いや、たとえソウルが出せなくてもこれがバンダの最初で最後の試合! バンダと約束したんだ。最高の試合にするって!!)

 

森村「…………」

 

 

ダクスガン「イエーーイっ! ラトニークvsアースイレブン! 間もなく後半の開始だぁっ!! ラトニークのFWには、リュゲルとガンダレスに代わってローカスとホネットが入ったぁ!! 先にゴールを決めるのはラトニークか!? アースイレブンかぁっ!!」

 

バンダ(ボクに残された時間はこの後半だけ……。必ず輝いてみせる!!)

 

天馬「(宇宙を守るためにもこの試合、絶対に勝たなきゃいけないんだ!!)皆!! 点取って行くぞ!!」

 

アースイレブン「おう!!」

 

 

そして審判の笛とともにラトニークのキックオフから後半が始まった。

 

ボールはホネットからスタッグに渡り、スタッグはソウルを出現させ、龍也さんを抜いた。

 

皆帆「ソウルだ!」

 

瞬木D「コイツらもソウルを持ってやがるのか!?」

 

スタッグ「ホッパー!!」

 

そしてスタッグは空高くにパスを出す。するとホッパーは凄まじい跳躍力でボールに届いてトラップした。

 

ホッパー「パタフ!!」

 

パタフ「チョウ!!」

 

パタフはボールを綺麗にトラップして勢いを殺す。

 

パタフ「バンダ!!」

 

ラトニークがパスを繋いで攻め上がる。ボールはバンダへ。

 

バンダ(このまま持ち込んでシュートを決めれば!!)

 

するとディフェンスに入った皆帆の身体から光が溢れ出し、辺りが暗くなる。そしてフクロウの夜の暗闇でもハッキリと見える視力を使ってボールを奪った。

 

ダクスガン「皆帆!! ボールを奪った!!」

 

皆帆「九坂くん!!」

 

そしてここからラトニークの猛攻が続く。鮮やかなテクニックや驚異的な身体能力でアースイレブンを翻弄する。

 

果南「はぁああっ!!」

 

果南さんがスタッグにスライディングを仕掛けるがスタッグはジャンプして躱してしまう。

 

真名部「凄い身体能力です。コレが、虫から進化した力なんですね!!」

 

九坂(それだけじゃねぇ…もう一つある! コイツラの寿命は短い。バンダと同じ、最期の試合になるかもしれないんだ。だからその気で戦ってる、それがスゲェプレーに繋がってるんだ!!)

 

ホッパー「アーリィ!!」

 

そしてアーリィにパスが繋がる。

 

瞬木D「ちょこまかと…潰してやるぜ、虫けら共が!!」

 

ドガァアァアアァアアンッ!!

 

ここで瞬木の激しいチャージング。アーリィは吹き飛ばされて宙を舞った。ここで瞬木はファールを取られて笛が鳴る。

 

九坂「瞬木! ちゃんと戦えよ、正々堂々とよ!!」

 

瞬木D「ちゃんとやってんだろ? ウジウジとカラに閉じこもってるお前なんかに、言われたくないんだよ!」

 

九坂「何ぃ!? 俺のドコがウジウジしてるって言うんだ!!」

 

瞬木D「………」

 

九坂「っ!」

 

そしてここで笛が鳴った。あの兄弟がいなくなったため、今度は皆帆に代えて森村を投入した。ここでアースイレブンは交代枠を使い切った。

 

森村「九坂くん……」

 

九坂(………)

 

そしてラトニークのキックからリスタート。ボールがホネットに飛ぶが、すぐに神童先輩が奪い返す。

 

神童「九坂!!」

 

ボールは九坂に渡るが、また奪われてしまう。今日の九坂は不調なのかパスしてもドリブルしてもカットされてしまう。どうすんだ……。

 

そして挙句の果てにはトラップミスしてそのままボールはタッチラインを割って外に出る。

 

瞬木D「馬鹿が……」

 

九坂「(くっ………)ちくしょーーーっ!!」

 

その時、

 

森村「今の九坂くん、失敗ばかり。焦ってる」

 

九坂「だって、俺はやらなきゃならないんだ!! この程度じゃあダメなんだ!!」

 

森村「この程度? 九坂くん、この程度の自分を認めなきゃ」

 

九坂(っ!)

 

森村「自分の弱いところを、ちゃんと自分で理解するのその上でそれを乗り越えなきゃ!」

 

九坂「っ!!」

 

森村「九坂くん、皆に劣ったりしてないよ? 九坂くんの弱点、それは…ココ」

 

九坂「心か……」

 

森村「そう。九坂くんの弱いとこ、それは心。でも、それは強いところでもある。焦らないで、九坂くんの良いところは、強くて弱いとこ…激しいけど穏やかな所。マドワシソウに襲われた時も、さっきの瞬木くんの乱暴なプレーにだって……九坂くんは、優しさの中に本当の強さがあるんだと思う」

 

九坂「激しくて穏やか……俺が……」

 

森村「うん!」

 

九坂「優しさの中の強さ………」

 

 

 

ダクスガン「得点は依然として1ー1!ラトニークのスローインから再開だ!!」

 

そして、パタフからスタッグにボールが飛ぶ。

 

九坂「させるかっ!!」

 

しかしコレを九坂がカット。

 

九坂「神童!!」

 

そして九坂と神童先輩が攻め上がる。

 

九坂(本当の強さ…優しさの中の強さ!! 今の俺にできることを!!)

 

バンダ(今のプレー……ボクはなんて勘違いをしてたんだ! 輝こう輝こうとばっかり思って、大切なのは輝くことじゃない。全力を出して、今をちゃんと生きる事なんだ!)

 

神童「九坂!!」

 

九坂がドリブルで攻め上がる。そこにモスガーとナブーンが止めに入る。

 

モスガー「行かせん!!」

 

九坂「うぉおおおっ!! 出てこい! 獣ぉおおっ!!」

 

すると九坂のバンダナが外れ怒髪天モードを発動。激しく荒ぶるエネルギーを纏いパワーを上げる。

そして九坂の身体から光が溢れ出し、巨大な大熊に姿を変える。そして熊は二人に迫っていき剛腕で二人を叩き潰した所で元に戻る。

 

怒髪天九坂「[キョウボウヘッド]!!」

 

九坂の強烈な必殺ヘディングシュートがゴールを襲う。キーパーロンガも必殺技を発動して止めにかかる。

 

ロンガ「[ビッグマウス]!!」

 

ロンガの背後に巨大なハエトリソウが現れシュートに食らいつく。しかし入らなかったものな威力を完全に殺しきれずにルーズボールになる。そこへ、

 

龍也「果南!!」

 

果南「うん!!」

 

ゴール前に二人が詰めてきており、空中から息のあったツインシュートを放つ。相手キーパーは連続シュートに反応しきれずシュートはゴールに突き刺さった。

 

ダクスガン「ゴーーールっ!! アースイレブン、大海龍也と松浦果南が決めたぁっ!!」

 

天馬「よしっ!!」

 

ロンガ「やられた……」

 

九坂「………」

 

天馬「九坂、やったな!! スゴイソウルだったよ!!」

 

森村「九坂くん……良かった……」

 

そして九坂が森村の元へ。

 

九坂「またお前に助けられちまったな。好葉、俺決めた! 俺はやっぱ、お前を彼女にしてみせる!!」

 

森村「九坂くん///」

 

バンダ(九坂くん……ボクだって!!)

 

そしてラトニークのキックオフから試合再開。

 

スタッグにボールが渡りり、そのままドリブルで上がってくる。

 

神童「させるかっ!!」

 

しかし神童先輩のナイスディフェンス。ボールを奪い取る。

 

バンダ「コレがボクの全力だぁっ!!」

 

ここでバンダにボールを奪い返されてしまう。

 

九坂「バンダ!!」

 

バンダ「ローカス!」

 

九坂「俺だって、負けないぜ!!」

 

しかし九坂がカットする。

 

そしてここからはお互いにバンダと九坂を中心に試合が展開され激しい展開になってくる。

 

九坂「瞬木!!」

 

しかしここで瞬木が抜け出した。

 

スタッグ「マズイ!」

 

パタフ「止めて!!」

 

バンダ「ボクが止める!! [テンタクルホールド]!!」

 

ここでバンダの必殺技。触手が瞬木を絡め取りボールを奪う。

 

この瞬間、バンダはフィールドの誰よりも輝いていた。が、終わりは突然訪れた。

 

ドリブルしていたバンダが突然倒れた。ボールはパタフが外に蹴り出し試合を止める。

 

九坂「バンダァアァアアッ!!!!」

 

龍也「っ! まさかアイツ!!」

 

果南「うそ……まさか寿命?」

 

試合中に、バンダは息を引き取ってしまった。

 

 

アースイレブン 2 ー 1 ラトニークイレブン

 

ー 続く ー




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第85話:涙の怒髪天シュートと九坂の新たな力

本当に大切な事に気づいたバンダと九坂はお互いの持てる力のすべてを使って試合の中心となりぶつかりあった。だが、終わりは突然訪れた。

 

バンダの寿命によって………

 

ラトニークイレブンが一旦ボールを外に出して試合を切る。

 

九坂が急いでバンダに駆け寄るが、やはりピクリとも動かない。

 

九坂「嘘だろバンダ……おい!! 本当に…逝っちまったっていうのか……?」

 

(九坂くん………)

 

九坂「っ!!」

 

バンダの声が聞こえた気がした九坂は声のした方を見る。そこには緑色の光が集まり、バンダの姿を作っていた。バンダの魂が、最期に別れを告げようとしているのか……。

 

バンダ(寿命が来たみたいだ…どうせなら、最後までできれば良かったけど……ありがとう九坂くん。最後に楽しいプレーをさせてくれて。いい試合だったよね?)

 

九坂「ああ!! もちろんだ!バンダお前、輝いてたぞ!! 誰にも負けないくらい、最高に輝いてた!!」

 

バンダ(そっか……ボク、輝けたんだね……)

 

その言葉を遺し、バンダの魂は、光の粒子となって消滅した。

 

 

ラトニークイレブンがバンダの亡骸をフィールドの外に運び出しバンダの代わりにチュラクモが入る。

 

 

ダクスガン「残り時間は後僅か!! 勝つのはアースイレブンか? それともラトニークが同点ゴールを決めて延長か!?」

 

神童先輩のスローイン。しかしチュラクモがカットしてドリブルで攻め上がる。

 

チュラクモ「スタッグ!!」

 

天馬・竜太「「九坂……」」

 

 

九坂「(こんなこれからって時に寿命が来るなんて……でも、バンダは短い一生を悔やんでなんかいなかった……! なんて大きな奴なんだ……、それに比べて俺は、ソウルなんて小さな事にこだわって……!! っ!)うぉおおぉおおおっ!!!!」

 

九坂が力づくでラトニークからボールを強引に奪い取る。そして九坂のバンダナが外れ怒髪天モードに。しかし今までとは明らかに違う。

 

今までの怒りによる炎のようなオーラに、バンダの死による深い悲しみから生まれる力が合わさり更にパワーが上昇。今までとは違い、あまりのパワーに炎のようなオーラにイナズマが迸る。

 

怒髪天九坂「うぉあぁあぁああっ!!!」

 

そして、更に増したパワーを身に纏った姿は、

 

シュウウゥウウウゥウウ……バチバチッ

 

怒髪天2九坂「……………」

 

今までの怒髪天モードとはパワーの桁が明らかに外れている、怒髪天モードを越えた怒髪天モードの九坂が立っていた。

 

モスガー「っ!! 行かせん!!」

 

モスガーがディフェンスに入るが、九坂は単純なドリブルで、モスガーをまるで赤子のように弾き飛ばした。

 

怒髪天2九坂「[キョウボウヘッド]!!」

 

ドゴォオオォオオォオオオォオオンッ!!!

 

今まで[キョウボウヘッド]とは明らかにパワーが違う九坂のシュート。キーパーロンガはソウルを使おうとするが、それも間に合わずにシュートはゴールに叩き込まれた。

 

そしてここで、

 

ダクスガン「ここで試合終了のホイッスル!! 得点は3ー1!!アースイレブンがラトニークを下して、決勝へと駒を進めたぁっ!!」

 

葵「やった天馬!! あ……」

 

アースイレブン『……………』

 

天馬「九坂……」

 

九坂「…………」

 

そして試合が終わりスタジアムの外に出た俺達は、ラトニークイレブンに頼んでバンダの埋葬に立ち会わせてもらった。だが、ラトニークイレブンは埋めたらさっさと行ってしまった。

 

エマ「埋めるだけ埋めたらさっさと行っちゃうなんて……」

 

鉄角「冷たいもんだな……」

 

真名部「仕方ないですよ。この星では、死は特に悲しい事じゃあないんですから」

 

九坂「…バンダ、俺…この星に来れて良かったよ。お前とダチになれたんだから。ありがとなバンダ、そこから見ててくれな? 俺、精一杯やるからよ。輝いて見せるからよ」

 

 

九坂………。

 

 

ピクシー「ピクぅっ!」

 

天馬「ピクシー?」

 

そして天馬はピクシーに連れられて行ってしまったが、しばらくしてギャラクシーノーツ号に戻ってきた。

 

その手には、緑色に輝く石…最後の希望のカケラが握られていた。

 

ー 続く ー




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第86話:正体発覚

惑星ラトニークとの準決勝に勝利し、次はいよいよ決勝戦、惑星ファラム・オービアスとの決戦だ。俺達アースイレブンを乗せたギャラクシーノーツ号は星の海を駆け、ファラムオービアスへと向かっていた。

 

九坂「さらばだバンダ………。俺は強くなる、お前の分も、生きて生きて生きまくって…もっと強い俺になる……」

 

九坂は宇宙船の窓からもう見えなくなったラトニークに向けて呟いていた。

 

天馬「九坂……」

 

竜太「天馬、決勝戦…何が何でも勝たないとな」

 

天馬「うん……」

 

龍也「あっ、いた…」

 

竜太「親じ…龍也さん、どうしました?」

 

龍也「水川とおばちゃんが石を解析するから先頭車両に集まってくれってさ」

 

天馬「分かりました」

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

そして九坂にも声をかけて先頭車両に集まる。4つの石は解析機に入れられ、それぞれに輝きを放っていた。

 

鉄角「4つ揃うとなんか意味ありげだな」

 

エマ「うん! すごく綺麗……吸い込まれそう!」

 

竜太「調べるんだよな? 石を」

 

水川「ええ」

 

おばちゃん「それじゃあ行くよ。スキャン開始」

 

そしておばちゃんがスキャンボタンを押す。機械が石を解析し様々なデータが表示される。

 

そしてスキャンが終わり表示されたデータを見た水川さんが

 

水川「やはり!! 良く集めてくれたわね…」

 

天馬「カトラのおかげだよ」

 

神童「で、結局これは何なんだ?」

 

水川「惑星サンドリアスの太陽岩

   惑星サザナーラの海水晶

   惑星ガードンの紅蓮の炎石

   惑星ラトニークの緑光石

これらは、伝説の金属"ミスリル"を生み出す原料となる石、故に"ミスリルストーン"と言われているわ」

 

天馬「ミスリルストーン……」

 

水川「私が惑星キエルの科学者だった頃、どんなに探しても手に入らなかったもの。こんな形で、揃える事ができるなんて……」

 

すると水川さんの身体が突如黄色い光に包まれ、身体が変化して長身の男性に変わる。

 

水川「これは、確かに……

 

ポトムリ 希望の欠片……」

 

アースイレブン『ええ?!』

 

天馬「ポトムリ!?」

 

鉄角「マジか!?」

 

九坂「おったまげたなぁ……」

 

ポトムリ「これは、この姿こそ本来の私……」

 

信介「ピエロじゃなかったんだ」

 

森村「あれはぬいぐるみ…」

 

信介「あっ、そっか」

 

信介………

 

伊吹「水川はどうなったんだ?」

 

ポトムリ「恐らく私の精神が、彼女に変化を与えたのでしょう。ミスリルストーンが集まったことによる精神的な昂揚が、彼女と私の結合度を高め結果、彼女の実態に先んじて私の姿が見えているようだ」

 

果林「………皆、言ってる意味分かる?」

 

瞬木D「簡単に要点だけ言うと本来のアンタの姿が見えてるってことだろ?」

 

ポトムリ「そういうことです」

 

果林「だったらわざわざ難しい言い方しないでそう言ってよ!!」

 

ポトムリ「ハハ……この石は、ミスリルを作り出すのに必要な元素を持っています」

 

天馬「じゃあ、この石からミスリルを?」

 

ポトムリ「ええ。以前お話した通り、ミスリルさえ作れれば、ブラックホールを消失させる"コズミックプラズマ光子砲"を完成させることができる」

 

皆帆「ついにその段階が来たって事だね」

 

ポトムリは石を一つ一つ丁寧にケースに入れていく。

 

ポトムリ「はい。それは、私達が夢見てきた宇宙を救う技術です我々は、それを完成寸前まで作り上げていました。しかし、ミスリルの精製材料を発見できなかったのです」

 

天馬「じゃあ、カトラがコレを集めるように言ったのは…」

 

竜太「それを使って、ファラム・オービアスに現れたブラックホールを消し去るためか!! そうすれば、この大会のそもそもの意味が無くなる。ファラムを救えれば、そもそも移住しなくて良いから他の星が犠牲になる必要が無くなる」

 

ポトムリ「ええ! 間違いなくそういうことでしょう」

 

おばちゃん「けどどうやって? ここの設備でできるような代物かね?」

 

その時、

 

ドガァアァアアァアアンッ!!

 

!? 突然天井の蛍光灯が破壊された。その衝撃でポトムリの身体は水川さんに戻る。

 

剣城?「動くな」

 

そこには銃を構えた剣城がいた。

 

竜太「剣城!? 何やってんだ!!」

 

九坂「そんな物騒なもん持って何やってんだ!」

 

九坂が剣城に近づこうとすると剣城は九坂の足元にも発泡した。

 

剣城?「動くな」

 

神童「剣城……? お前」

 

剣城?「ケースをこっちに渡せ、速く!」

 

水川「っ!!」

 

水川さんはケースを大事そうに抱えて渡そうとしない。

 

剣城?「渡せ! 渡さなければ容赦なく撃つぞ!!」

 

水川「くっ!!」

 

天馬「どうしちゃったんだよ剣城!! それをこっちに渡すんだ!」

 

剣城?「ちっ!!」

 

剣城は水川さんに掴みかかり無理やり奪い取ろうとする。

 

座名九郎「竜太さん、次にアイツが背を向けたらチャンスです。一斉に飛び掛かって拘束しましょう」

 

剣城?「!! 動くな、一歩も動くなよ!!」

 

伊吹「くっ!!」

 

瞬木D「ちっ!」

 

天馬「剣城何やってるんだ! 水川さんを離せ!!」

 

神童「お前! 剣城じゃないな!!」

 

アースイレブン『っ!?』

 

剣城?「ふん、ようやく気付いたか」

 

水川「あ、あなたは何者なの!?」

 

剣城?「剣城京介の顔を借りている、とだけ言っておこうか」

 

九坂「前に森村が感じていた違和感はこれだったのか!!」

 

竜太「剣城をどうした!! 今どこにいるんだ!!」

 

剣城?「さぁな?」

 

するとニセ剣城は銃のボタンを押すと、突如水川さんと発光しだした。ワープする気か!?

 

天馬「待て!! ピクゥッ ピクシー!?」

 

するとニセ剣城と水川さん、そして光に飛び込んだピクシーはどこかにワープして消えてしまった。

 

天馬「っ!! 剣城ーーっ!!」

 

真名部「テレポートした!?」

 

座名九郎「不覚です……偽物の演技を見抜けなかったとは!!」

 

天馬「っ!! どうして……」

 

竜太「まさか…サザナーラ戦の前からか? サザナーラ人は心が見える。そしてあの試合、剣城は自分から出場を辞退した。サザナーラ人に心が見られて本物じゃないとバレることを恐れたんじゃあ……」

 

皆帆「なるほど、確かにそう考えるのが1番妥当かもしれないね」

 

天馬「サザナーラ戦の前って…そんなに前から……」

 

 

ついに正体を現した偽物の剣城。アースイレブンには暗雲が漂っていた。

 

ー 続く ー




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第87話:仲間とは……

ギャラクシーノーツ号からテレポートした偽物の剣城は、オズロックの所有する宇宙船にワープした。

 

水川「っ、ここは?」

 

オズロック「待ちかねたぞ」

 

水川「っ! オズロック!!」

 

するとニセ剣城は水川からケースを奪い取り離れる。すると水川を囲むようにバリアの檻が発生して閉じ込める。

 

オズロック「ご苦労だった、後は私がやる。お前は下がれ」

 

ニセ剣城「待った、他に言うことがあるだろう?」

 

オズロック「報酬の事か? 心配しなくとも好きなだけくれてやる。消えろ」

 

ニセ剣城「消えるさ。この鬱陶しい地球人の顔にもうんざりだしなじゃああばよ」

 

そしてニセ剣城はケースをその場に置いて行ってしまった。

 

水川「っ!」

 

オズロック「ご機嫌よう水川みのり、いや…今となっては惑星キエルの科学者、ポトムリ・エムナトルとお呼びしたほうが良いかな?」

 

すると水川の姿がポトムリの姿に変わる。

 

ポトムリ「ビットウェイ・オズロック、君は…銀河連邦評議会議員のハズ! 何故こんな事を!!」

 

オズロック「あなたに頼みがある「っ、頼み?」コズミックプラズマ光子砲を完成させてもらいたい。あなたのその手で」

 

ポトムリ「……何故君がそれを望む?」

 

オズロック「何故とは愚問だろう。もちろんブラックホールを消失させて宇宙を救うためだ、当然のことではないか?」

 

ポトムリ「ならば、わざわざ私を拐わなくとも良かったハズ! 私はカトラ様の導きにより、その目的に近づきつつあったのだ!!」

 

すると、オズロックの口から驚くべき言葉が話される。

 

オズロック「彼女は、我々の"協力者"だよ」

 

ポトムリ「何!? ではどこにおられる!! カトラ様に会わせてくれ!!」

 

オズロック「焦らずともすぐに会えるさ。あなたには協力していただく、この宇宙を救うために……」

 

ポトムリ「くっ………」

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

場所は変わりギャラクシーノーツ号。俺と天馬、神童先輩、信介、栞子、侑先輩、果林先輩、エマ先輩、彼方先輩、そしてフィフス時代からのライバルである白竜は偽物であることすら見抜けなかった事に落ち込んでいた。

 

信介「…………」

 

葵「天馬、竜太くん、白竜くん……」

 

果林「あの3人は、特に剣城くんと仲良かったからね……」

 

エマ「うん。天馬くんは親友だったし、竜太くんは雷門のストライカー仲間で、白竜くんは雷門に来る前からの互いを高め合えるライバルだったし……」

 

栞子「神童先輩も含めた、天馬くん、剣城くん、竜太くんの4人が雷門の中心でしたしね」

 

彼方「そうだね……彼方ちゃんたちも何で気付けなかったんだろう………っ」

 

侑「私も…何で気付けなかったんだろう」

 

すると車両の入り口のドアが開き、果南さんが入ってきた。

 

果南「どうしたの皆?」

 

エマ「剣城くんのこと……」

 

果林「まだ…自分の中で整理できて無いんですそれに、天馬くんや竜太くんもずっと部屋から出てこない……」

 

果南「皆雷門の仲間だもんね。私も、鞠莉やダイヤが偽物とすり替わってて気付かなかったって言ったら……自分が許せなくなるなぁ……自分を責めそう。"お前の2人に対する友情はその程度だったのか!?"って?」

 

果林「………私は、剣城くんや竜太くんたちほどの実力は無かったけど、それでも剣城くんたちを同じストライカーとしてのライバルだと思ってたんです……でも、私も気付けなかった……っ!!」

 

侑「果林さん……」

 

エマちゃんが果林ちゃんの背中を優しく擦る。

 

葵「本当の剣城くんが今頃どこにいるのかと思ったら、もうどうしたら良いか……」

 

信介「1番ショックを受けてるのは、天馬と竜太だと思う」

 

果南「あの3人は大親友なんでしょ?」

 

信介「はい。天馬が敵を突破してパスを出して、竜太くんか、剣城くんのどちらか、もしくは2人の連携で決めるのが、現代の雷門の必勝パターンなんです」

 

葵「初めは敵として出会ったけど、剣城くんは天馬の影響を一番受けて、変わったの。それはきっと、神童先輩以上だと思います」

 

信介「天馬も、初めはサッカー下手だったんだけど…剣城と竜太に会って、二人の良いところをどんどん吸収して」

 

果林「天馬くんがキャプテンになったときも、剣城くん…ずっと天馬くんをフォローしてたんです。インターハイ決勝のときもそう。二人の連携シュート、[ファイアトルネードDD]…今でも忘れられません」

 

エマ「竜太くんと剣城くんの[クロスファイア]も印象的だよね……」

 

果南「親友でライバル…か。お互いに刺激しあって高め合えるライバルってやっぱり良いよね……」

 

彼方「一番の友達だから、心配するのも分かるけど……」

 

信介「ボク、もう一度声掛けてみる!!」

 

そして、信介は天馬の部屋に行ってしまった。

 

彼方「彼方ちゃんも竜太のとこ行ってくるね」

 

彼方も、竜太の部屋へと行ってしまった。

 

信介が天馬の部屋の扉をノックする。

 

信介「天馬! 入って良い?」

 

すると中から細い声で「うん…」と聞こえたので扉を開ける。

 

葵「大丈夫天馬? 気持ちは分かるけど……」

 

天馬「……どこにいるんだろう」

 

信介と葵は顔を見合わせる。

 

天馬「俺、剣城の事なら分かってるつもりだったけどさ……本物と偽物の区別がつかないなんて……そんなの、友達って言えないよな……」

 

葵「そんな!!」

 

天馬「俺、自分に腹が立つんだ…どうしたんだろうって思ったことは何度かあったけど、それ以上深く考えなかった……。俺が、もっと早く気付いていれば……水川さんも、ミスリルストーンもこんなことには!!」

 

葵「天馬、心配なのは皆同じ!! でも天馬は、キャプテンなんだよ!?」

 

天馬「っ……」

 

空野の言葉に顔を上げる天馬。

 

葵「こんな時こそ天馬がしっかりしなくちゃ!!」

 

天馬「……………」

 

葵「皆、待ってるよ?」

 

 

ー 彼方 side ー

 

彼方「竜太、入って良い?」

 

中から竜太の声がする。「ああ……」って、焦燥したような声が。

 

彼方ちゃんとエマちゃんと果林ちゃんと栞子ちゃんの4人は竜太の部屋に入る。

 

果林「大丈夫竜太……?」

 

竜太「どこにいるんだ……っ」

 

エマ「竜太くん」

 

竜太「こんなに一緒にやってきて、偽物と本物の区別もつかないとか……俺、剣城の何を見てたんだろうな……?」

 

栞子「竜太さん……」

 

竜太「気になることは何回かあったけど、「まぁたまには時もあるか」って気にしなくて……っ、でも…あれは本物じゃないっていうサインだったんだって、自分が情けないよ」

 

彼方「私達だって同じチームのメンバーなんだから、少しは竜太の気持ちも分かるよ? けど、エースストライカーの竜太がそんなんじゃあ……チームの皆まで心配するよ?」

 

竜太「彼方……」

 

彼方「皆私達が立ち直るの待ってるよ?」

 

侑「決勝で勝てば、剣城君のこともなにか分かるかもしれないしね」

 

栞子「いつまでもクヨクヨしてるのは、竜太さんらしくありませんよ?」

 

果林「この私を魅了したストライカーだったら、とっとと立ち上がりなさい?」

 

竜太「っ! うるせぇよ……」ニヤッ

 

彼方「竜太!!」

 

その時、部屋の呼び出しモニターが鳴った。

 

おばちゃん『全員、先頭車両に集合しておくれ。緊急通信が入ったよ!』

 

雷門メンバー『『!?』』

 

 

ー 先頭車両 ー

 

イシガシ『剣城選手の偽物は、ファラム・オービアスのスパイだと考えて良いでしょう』

 

瞬木D「チッ、スパイかよ……」

 

イシガシ『水川マネージャーの拉致は、決勝戦まで勝ち進んだ皆さんへのファラム・オービアス側の脅迫行為かもしれません』

 

伊吹「そのファラム・オービアスに今向かってるんだが?」

 

座名九郎「それだけ、私達が脅威だと言うことでしょうか……」

 

イシガシ『皆さんどうか冷静に。血気にはやっては相手の思う壺ですなにより、水川マネージャーの安否が心配ですね』

 

黒岩「水川なら大丈夫だ」

 

九坂「なんでそう言い切れるんすか?」

 

真名部「まぁ、あの人ホントは宇宙人な訳ですし…」

 

皆帆「いや、それ以前に幽霊って説も……『ヒィッ!?』あっ、ごめん彼方さんたち」

 

天馬「イシガシさん、本物の剣城が今どこにいるのか心当たりはありませんか?」

 

イシガシ『そうですね、剣城選手がファラム・オービアスの手に落ちたのだとすれば、どこかに幽閉されている可能性が高いかと』

 

天馬「どこかってどこですか!!」

 

葵「天馬落ち着いて!!」

 

天馬「っ! スミマセン…」

 

イシガシ『いえ、我々が調査し救出の手立てを考えましょう。あなた方はどうぞ試合に集中されますよう』

 

天馬「でも!! っ、……分かりました」

 

イシガシ『では私はこれで。早速調査を開始します』

 

天馬「お願いします!! なにか分かったら、すぐに教えてください!!」

 

イシガシ『はい。お任せを』

 

そしてイシガシさんからの通信は途切れた。

 

天馬(そうだ、今は試合に集中しなくちゃ。剣城だって、俺たちの勝利を願ってる筈だ!)

 

 

ー 続く ー



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第88話:到着、決勝の地 ファラム・オービアス

イシガシさんからの連絡を受けた俺達は、決勝戦に向けて必死に練習を積み重ねていた。

 

伊吹「ふっ!」ガシイッ!!

 

伊吹はシュートを力強くキャッチ。今までよりも練習に気合が入っていた。

 

伊吹「(剣城…お前のシュートが俺を鍛えてくれた。あの練習が無ければ……)今の俺は無い! 必ず勝って、お前を助ける!!」ガシイッ!!

 

鉄角も、岩山フィールドでフィジカルアップの練習をしていた。

 

鉄角(剣城……)

 

剣城『サッカーは生き物だ、目を背ければ襲い掛かってくる野獣だ。喰われるのが嫌なら目を逸らさず、すべてを見るんだ』

 

鉄角(お前に言われた言葉、忘れて無いぜ!!)

 

ブラックルームのホログラムフィールドの外では、

 

葵「皆…頑張って……」

 

おばちゃん「まぁまぁ、皆気合入ってるね! 頼もしいねぇ!」

 

その頃天馬は砂漠フィールドで、

 

天馬(俺たちが勝てば、剣城も水川さんも皆助けられる)

 

その時、天馬のフィールドが消えた。

 

天馬「あれっ!? 神童先輩? 竜太?」

 

神童「天馬、竜太と一緒にオレの部屋に来てくれ。話したいことがある」

 

天馬「分かりました」

 

竜太「俺も何の話か分からないんだ。なんだろうな?」

 

そして天馬と竜太が二人で神童先輩の部屋に行くと神童先輩が待っていた。

 

神童「来たか……」

 

竜太「話って何ですか?」

 

神童「…監督は、以前から剣城が偽物だと気づいていた節がある」

 

!! なんだって!?

 

天馬「監督が!?」

 

神童「ああ。偶然見てしまったんだ……監督が、剣城の2つの画像データを照合している所を……あれは、剣城の本物と偽物の照合データだったんだろう」

 

竜太「じゃあ何で言わなかったんですか? 言ってくれてれば今回の事だって未然に防げたかもしれないのに!!」

 

神童「俺もそれが分からない……!! 何故、偽物だと分かった段階で手を打たなかったのかが……。俺は、最近の剣城の様子が気になっていたが、まさか偽物とすり替わっていたとは思いもしなかった! もしかしたらこの大会は、俺たちが思っているほど単純な物では無いのかもしれない」

 

天馬「っ!」

 

神童「この大会の裏には、何か大きな陰謀があるように思えるんだ」

 

天馬「陰謀って……」

 

神童「あくまでも推測だが、きっと答えはファラム・オービアスにある。剣城の事も、そこで何か掴めるかもしれない」

 

竜太「全ては、ファラム・オービアスに……」

 

そしてギャラクシーなノーツ号はワープに入るため、俺達は先頭車両に集まって座席の安全バーを締める。

 

天馬「剣城、無事でいてくれよ……」

 

その頃……、

 

ポトムリ「…………ん?」

 

ピクシー「ピクぅっ!」

 

ポトムリ「ピクシー、来てくれたのか」

 

ピクシー「ピクぅっ!!」

 

ポトムリ「でも見つかるとまずい。君は隠れてるんだ」

 

ピクシー「ピクぅ?」

 

ポトムリ「君は私が守るから……」

 

 

 

ギャラクシーノーツ号は一気に星の海をワープし、数秒後、ファラム・オービアス宙域に到達した。

 

エマ「ファラム・オービアス……」

 

竜太「あれが…ブラックホールか」

 

彼方「星が今にも呑まれそう……」

 

鉄角「デッカイ化け物みたいだな……」

 

瞬木D「へぇ? コレがブラックホールねぇ……?」

 

 

 

そして、神童先輩は監督室に向かった。

 

神童「黒岩監督、お話があります」

 

黒岩「何だ?」

 

神童「あなたは、剣城が偽物とすり替わっていた事に気付いていましたね?」

 

黒岩「……見たのか? あのデータを」

 

神童「気づいていたのに何の手も打たなかった。それは何故です!? あの石があれば、宇宙を救えるかもしれないんですよ? もとよりあなたは地球を、宇宙を救う気など無い…そうじゃないんですか!?」

 

黒岩「……………」

 

神童「確かにあなたは、監督として高い能力を持っている。ですが俺は、あなたにずっと違和感を覚えていました。あなたのサッカーに対する思いは、俺たちの思いとは違う。あなたの目的は一体何なんですか!!」

 

黒岩「私はサッカーの……"神"になる」

 

神童「っ!?」

 

黒岩「サッカーという概念を、宇宙の歴史に刻みつける事が私の目的だ」

 

神童「なっ!!」

 

黒岩「素晴らしいと思わんか? サッカーというちっぽけなゲームが、人の運命をもて遊ぶだけでなく、宇宙の運命をも左右している!! 私が全てを捧げたサッカーとは、それだけ気高く、大きなものだった。それこそが、私が愛し、呪い続けたサッカーだ!!」

 

神童「どうかしてる……!! 俺達は、貴方の狂気に付き合うためにここまで来たんじゃない!! 影山零治、サッカーを貶めようとした闇の皇帝……俺達は、もうあなたについていけません!!」

 

黒岩「そうか……良いだろう」

 

そして、神童先輩は監督室を出ていった。

 

 

 

ー 先頭車両 ー

 

神童「………………」

 

天馬「神童さん、どうしたんです?」

 

神童「あ、あぁ……何でもない」

 

そして、ギャラクシーノーツ号は、ファラム・オービアスステーションに着陸した。そして俺たちが外に出ると、

 

イシガシ「皆様ようこそいらっしゃいました。ここが決勝の地、ファラム・オービアスです」

 

そしてその頃、オズロックの乗る宇宙船もファラム・オービアス宙域に到着した。

 

ー 続く ー




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第89話:命のエネルギー

ファラム・オービアスに到着した俺たちは、移動モジュールを使って明日の試合会場となるスタジアムの下見に来ていた。

 

エマ「ここがファラム・オービアス……」

 

SARU「僕たちの未来と同じかそれ以上の文明だね……」

 

イシガシ「あれが、明日の試合会場となるスタジアム、"グランドセレスタスタジアム"です」

 

前方を見ると、巨大なスタジアムがそびえていた。あそこで明日は戦うのか……。

 

黒岩「お前たち、今のうちに話しておかなければならない事がある」

 

? 皆が疑問の表情を浮かべると、黒岩監督はとんでもないことを口にした。

 

黒岩「今日限りで、私はアースイレブンの監督から退く事にする」

 

っ!? また、一難あるようだ。

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

ギャラクシーノーツ号に戻ってきた俺達。黒岩監督は自身の荷物を纏めて宇宙船から出て行く。

 

天馬「監督を辞めるって、どういうことですか!?」

 

黒岩「……………」

 

竜太「黒岩監督!!」

 

黒岩「お前たちに私はもう必要無い。私は、私を必要としている者達の所に行くのだ」

 

神童「このチームを出てどこへ行くと言うんですか!! ここは地球じゃないんですよ!?」

 

黒岩「フッ……………」

 

神童「監督!!」

 

そして、黒岩監督は行ってしまった。

 

神童「あの人の心は、狂気の中にある。だが、俺たちがここまで来られたのは、あの人の狂気あってこそだったのかもしれない……」

 

天馬「狂気………」

 

 

そしてブラックルームでの練習中、監督が抜けたショックから皆練習に身が入らず、集中力も散漫でミスを連発していた。

 

神童「やはり動揺は隠せないか……」

 

天馬「皆!! 一つ一つ、しっかりと確実に行こう!! ……(1つの指示で試合展開さえも変えてしまう黒岩監督、何事にもブレない頼れる剣城、二人がいてくれたらどれだけ心強いか……でも、こんな時こそキャプテンの俺がしっかりしなきゃ!!)」

 

しかし天馬の放ったシュートもクロスバーに弾かれゴールならず。

 

天馬「あっ、………」

 

そして天馬がベンチに座って少し休んでいると、神童先輩が天馬に水を差し出し、

 

神童「監督も剣城もいない。俺たちでなんとかするしかないな」

 

天馬「はい……」

 

竜太「お前の不安は分かるよ。でも、アースイレブンのキャプテンとして頑張ってきただろ? 天馬はよくやってるよ」

 

天馬「ありがとう……」

 

 

 

それを見ていた人物が一人、

 

瞬木D「「よくやってる」…ねぇ? フッ」

 

 

 

その頃、

 

オズロック「ブラックホールを消し去ることができるテクノロジー……フッ、これだけのものを作り上げる惑星キエルの禁断の知識は素晴らしい」

 

ポトムリ「長く封印されてきたのには理由がある。滅びを招く程に、危険なものだったのだ……」

 

オズロック「それでもキエルを救うために封印を解かざるを得なかった、失敗に終わったがな。だが今回成功させねばならん。この宇宙を救うために……」

 

ポトムリ「分かっている……テスト開始」

 

そしてポトムリは機械を操作する。しかしすぐにエネルギー不足を起こしてシステムダウンした。

 

ポトムリ「これではダメだ……」

 

オズロック「何故だ? 完成しているのだろう?」

 

ポトムリ「今回のブラックホールは、キエルを飲み込んだ物のゆうに3倍はある。それを消し去るには出力が足りないんだ」

 

オズロック「ならば出力を上げれば良かろう? 方法は知っているはずだ。隠し立ては為にならんぞ?」

 

オズロックはポトムリに銃口を向ける。

 

ポトムリ「私は何も隠してなどいない!!」

 

オズロック「ふっ」パチン

 

オズロックが指を鳴らすと、人がワープしてきた。その人物とは、

 

ポトムリ「カトラ様!!」

 

するとオズロックは銃口の向きをポトムリからカトラに変える。

 

ポトムリ「何をする!?」

 

カトラ「私はオズロックに幽閉されていました」

 

オズロック「幽閉とは人聞きの悪い……私は姫をお救いしたのですよ?」

 

カトラ「あのキエル最後の日、オズロックは突如姿を現し、私を王宮から連れ去りました。あなたの本当の目的は…コズミックプラズマ光子砲の力で、宇宙を支配すること」

 

オズロック「フッ」

 

ポトムリ「くっ、そんな者に…私が協力すると思うのか!!」

 

カトラ「いいえ、協力してください。「カトラ様!?」彼はブラックホールを消し去ることで、宇宙を救うと約束してくれました」

 

ポトムリ「それは、支配を前提とした身勝手な言い草です!!」

 

カトラ「それでも多くの人の命を救わねばなりません」

 

ポトムリ「っ、だからこそ……「だからこそ、なんとしても守らなければならないのです。この美しい宇宙を。例えその後、誰かに支配される事になっても」カトラ様……、そこまでのお覚悟を……」

 

オズロック「ふっ、やっと自分の立場が分かった様だな」

 

ポトムリ「だが、私にできるのはここまでだ」

 

カトラ「いいえ、まだ方法はあります。人が持つ"魂"の力、万物が存在し続けようとするその力を増幅させ、光子砲に補充できれば、ブラックホールを消し去る力になるはずです」

 

ポトムリ「力を……補充する?」

 

カトラ「強い意志同士がぶつかり合うことによって生じる、魂のエネルギー。命が奏でる"ライフエナジー"、それはコズミックプラズマと同じプラスのエネルギーを有しているのです」

 

ポトムリ「ライフエナジー……」

 

カトラ「はい」

 

この会話を聞いている、2つの小さな影があった。

 

ピクシー「ピクッ!」

 

黒ピクシー「ピクぅうっ!!」

 

そして、白と黒の二匹のピクシーはそれぞれこのことを伝えるべき者の所へと飛んでいった。

 

 

ー 続く ー




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第90話:二匹のピクシーの正体

ポトムリたちがコズミックプラズマ光子砲のエネルギー充填について話していた頃、

 

ー フォラム王宮・地下牢 ー

 

ララヤ「妾は騙されていたのか……」

 

剣城「落ち込んでいる暇があったら、この国の女王として何をすべきか考えるんだな」

 

妾「女王として……妾のすべき事」

 

すると、牢獄エリアの入口あたりが騒がしくなった。

 

 

「何者だ!! うわぁっ!!」

 

ララヤ「な、何事じゃ!?」

 

剣城「分からない、下がってろ!!」

 

剣城はララヤを背に庇い臨戦態勢を取る。するとは牢獄の扉が光熱で熱せられたように真っ赤になり扉がドロドロに溶ける。

 

ミネル「ララヤ様! ご無事ですか!!」

 

ララヤ「ミネル!!」

 

ララヤの側近の兵士であり、ドノルゼンをよく思っていなさそうだったミネルが入って来たことで剣城は僅かに警戒を緩める。

 

ミネル「ララヤ様、ご無事で何よりです」

 

ミネルがその場にかしずいた事により剣城はミネルに対する警戒を解いた。

 

そしてその後、ララヤとミネルの指揮のもとドノルゼン側に着いていた兵士やクーデターに関わった貴族たちは全員捕らえられ牢屋にブチ込まれた。間違いなく死刑は免れないだろうということだ。

 

そんな中、剣城はファラム王宮の移動モジュール発着場から街を眺めていた。

 

剣城「………………天馬、皆」

 

そこに黒いピクシーが飛んできた。

 

剣城「お前……」

 

するとピクシーが光り輝き、人の姿に変わった。

 

剣城「!?」

 

?「我が名はアクロウス。剣城京介、お前に伝えなければならない事がある」

 

剣城「アクロウスって…確かララヤの……」

 

剣城がアクロウスと話していた頃、

 

ミネル「ドノルゼンたちを捕らえ、クーデターは阻止いたしました」

 

ララヤ「すまないミネル…、全ては妾の責任じゃ。自分の国の現状も知らず、あの者の悪い心も見抜けなかった。ファラム・オービアスは腐りきっておる…滅ぶべきなのじゃ。試合は棄権して、滅びの道を選ぶべきじゃ」

 

ミネル「ララヤ様……」

 

剣城「いいや、棄権はしない!!」

 

ミネル・ララヤ「「っ!!」」

 

そこへ剣城が戻ってきた。

 

ララヤ「剣城、どういう事じゃ?」

 

剣城「ララヤ、俺をファラム・オービアスの代表として試合に出してもらうぞ!!」

 

ララヤ「なんじゃと!?」

 

剣城「ファラム・オービアスは地球に勝利する! 地球を倒し、宇宙に存在し続ける!! それこそが、ファラム・オービアスが歩むべき道だ!!」

 

 

その頃のアースイレブンは、

 

ー ギャラクシーノーツ号・天馬の部屋 ー

 

天馬(明日は決勝…石が奪われた今、宇宙を救えるのかどうか。ゴメン……カトラ…)

 

ピクシー「ぴくぅっ!!」

 

すると、黄色いピクシーが天馬の所にやってきた。

 

天馬「ピクシー! 無事だったのか!!」

 

すると、ピクシーが光に包まれて金髪のイケメン長身の男に変わった。

 

天馬「ええっ!?」

 

?「よっ! 俺、サージェス!」

 

天馬「ぴ、ピクシーが変身した!?」

 

サージェス「違うって!! こっちが本当の姿!!」

 

天馬「え? 本当の……?」

 

サージェス「そうだ! 俺はキエルでカトラ様に仕えていた騎士だったんだ。強い思いを持った魂はあんな姿に変わるらしい」

 

天馬「っ! カトラはどこ!? 話さなきゃならない事が…」

 

サージェス「ん~~今はまだ無理っぽいな、だから俺が伝言を持ってきた。良いかよく聞け? 明日の試合、必ず全力で戦うんだ!! 勝てば宇宙は救われる…かもしれん!!」

 

天馬「えっ、かもなの?」

 

サージェス「詳しいことは分からん!! とにかく全力で戦うんだ! 全力で戦かって勝つんだ、負けることは許されん!!」

 

天馬「もちろん!! 絶対に勝つつもりだ!!」

 

サージェス「うむ!!」

 

天馬「ところでポトムリは? 一緒だったんでしょ?」

 

サージェス「ああ大丈夫、無事だ…っ!?」

 

するとサージェスの身体が光に包まれ、元のピクシーに戻ってしまった。

 

ピクシー「ピクウッ!?」

 

天馬「さっきの…本当にお前なの?」

 

ピクシー「ピクぅ……」

 

ポトムリとカトラ、オズロックたちは……

 

ポトムリ「ブラックホールを消し去る程のライフエナジーが、戦いによって生み出されるというのですか? 両者の戦いが、強い意志と意志のぶつかり合いになると……?」

 

カトラ「ただし、これには大きな危険を伴います。失敗すれば、スタジアムにいる全員が宇宙の塵と化してしまうかもしれません」

 

ポトムリ「彼らに命懸けの戦いを強いるというのですか?」

 

カトラ「私達は自らの力で未来を勝ち取らなければなりません。私は天馬を信じています。そしてポトムリ、きっとあなたも」

 

ポトムリ「……………」

 

オズロック「宇宙の命運を賭けた最終決戦という訳だ。ならば私の方でも準備に取り掛からねばな」

 

 

 

ー ギャラクシーノーツ号・ブラックルーム ー

 

神童「ハァあぁあああっ!!」

 

ドガァアアッ!!

 

伊吹「止める!!」

 

ザシュウッ!!

 

伊吹「くそっ、もう一度だ!!」

 

神童「よし…、「神童、一度しか言わないからよく聞け」?」

 

伊吹「バスケ馬鹿だった俺に、サッカーの楽しさを教えてくれたお前には、少しばかり感謝してる。明日は最高のプレーを見せてやる!!」

 

神童「フッ そうか」

 

伊吹「お前の口から参ったという言葉を聞くまで、サッカーは辞めないからな!」

 

神童「なら、一生辞められないな?」

 

伊吹「何!?」

 

すると神童先輩の表情が一気に引き締まり、

 

神童「伊吹、勝つぞ。明日!」

 

伊吹「っ、おう!!」

 

他のメンバーもブラックルームの様々な環境で練習を積み、実力を伸ばしていった。

 

果北(出番があるかは分からないけど、絶対に勝つ!!)

 

桐穂(皆と一緒に勝つんだ!!)

 

栞子(雷門の仲間と一緒に培った私のすべてをぶつけます!!)

 

エマ(絶対にメンバーに選ばれる! そして絶対に勝つ)

 

果林(宇宙の人達みんなを私のプレーの虜にしてやるわ!!)

 

蘭(蘭のスピードで、相手を掻き回すにゃ!!)

 

侑(絶対にメンバーに選ばれてやる!!)

 

彼方(絶対に勝って、地球と皆を守る!!)

 

九坂(やるしかねぇんだ、絶対勝って皆一緒に地球へ帰る!!)

 

信介「まだまだ!! さぁ来い!!」

 

瞬木D「ほらよっ!!」ドガァアアッ!!

 

信介「っ!」バシイッ!!

 

瞬木D「お前、控えなのに頑張るね」

 

信介「たとえ明日出られなくても練習する。それが僕のサッカーだ!!」

 

瞬木D「努力しなきゃ強くなれないなんて、同情するぜ」

 

信介「努力はやった人を裏切らない!!」

 

瞬木D「っ、ハハハ! 努力したけど代表に選ばれなかった、そういう奴いなかったっけ?」

 

信介「うぐっ! でも、ボクだって今はアースイレブンの一員なんだ! 絶対にゴールは守って見せる!!」

 

瞬木D「へぇ? ま、気が済むまで続けてくれよ。努力ってやつをさ?」

 

竜太「天馬……」

 

天馬「竜太……。皆と戦ってきた旅も、明日で終わり。最初であった頃は、皆サッカーなんて全くできなくて、どうなることかと思ったけど……今ははっきり言える。このメンバーで良かったって!」

 

竜太「ああ!! 明日でなんて終わらせない。勝って宇宙を救う。剣城を助ける!」

 

天馬「そして地球でも、皆でまたサッカーやるんだ!!」

 

 

それぞれの決意を胸に、いよいよ決勝戦の日を迎えた。

 

 

ー 続く ー




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第91話:決勝戦の相手は・・・

いよいよ決勝戦の当日。グランドセレスタスタジアムには、超満員の観客が詰めかけた。チラホラと他の星の観戦者も見える。

 

ー スタジアム内・ファラム・オービアスVIPルーム ー

 

ララヤ「戦えるのか? 相手は剣城の故郷の星だぞ?」

 

剣城「ああ。寧ろ本当に戦いたかった奴らと戦えるんだ。今からワクワクしてる」

 

ララヤ「本当に戦いたかった奴ら……?」

 

剣城「ララヤ、この試合をしっかりと見ているんだ。女王として、ここで起こる事を見届けるんだ!」

 

ララヤ「しかと分かった」

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

そしてアースイレブンsideでは、

 

竜太「グランドセレスタスタジアム……ここで今日、地球の運命が決まるのか………」

 

すると、スタジアムのモニターに一瞬妙なものが映った。何かの銃撃戦に見えたが……

 

天馬「何だ? 今のは……?」

 

 

ー ファラム・オービアス選手控室 ー

 

剣城「この試合、ファラム・オービアスが絶対に勝利する! 分かっているな!!」

 

バルガ「容易い! 嵐が咲く花を散らす様に容易い!!」

 

ロダン「ヒッヒッヒ、分かってるよ」

 

ヒラリ「いくら女王の命令とはいえ、あなたがキャプテンなんて納得できないわ!」

 

剣城「ふっ、誰にも文句は言わせない。俺がファラム・オービアスを勝利に導く!!」

 

 

 

ー アースイレブン選手控室 ー

 

天馬(泣いても笑ってもこれが最終決戦……。キャプテンとして、俺が最後までチームを引っ張らないと……)

 

天馬が皆の方を振り向くと…

 

天馬「っ!!」

 

全員、とっくに覚悟は決まってると顔が言っていた。天馬をキャプテンとして信頼している証だ。

 

天馬「皆……」

 

その時、控室を含めたスタジアムのモニターに映像が映った。

 

オズロック『ファラム・オービアスの全人民に告ぐ』

 

オズロック…?

 

 

ミネル「っ!?」

 

ララヤ「何事じゃ!?」

 

 

オズロック『ファラム・オービアスは、このビットウェイ・オズロックによって占拠された。この星の8つの中枢管理センターも既に支配下にある。脱出用宇宙艇700万隻も同様だ。我々はここに新国家、"イクサルフリート"の建国を宣言する!!』

 

オズロックの背後に、他の10人の影が映る。

 

マジかよ………。

 

ミネル「イクサル?! まさか…復讐………」

 

ララヤ「どういう事じゃ?」

 

 

オズロック(ついに、この時が来た…。我が故郷イクサル、遥か昔…ファラム・オービアスによって滅ぼされた星。再建を託された我ら184名は脱出し、時が来るのを待ちながら永い眠りにつく事となった。…どれほど時が経ったのか、目覚めは突然だった。しかし目覚めることができたのは私を含めて11名のみ。だが、それでもやらねばならない。故郷の再建と、ファラム・オービアスへの復讐を!!)

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

ララヤ「ファラム・オービアスが、オズロックの星を滅ぼしたのか?!」

 

ミネル「……200年も前の話です。当時のファラム・オービアスは、侵略戦争を繰り返していました。ララヤ様のお父上のアクロウス王はそれを憂い、この国を変えようとなさったのです」

 

ララヤ「…復讐」

 

オズロック『聞くがいい。お前たちが負ければ脱出のための移民船団は自動的に爆破される。かつてお前たちに滅ぼされた数多の星の様にな。だが地球との戦いに勝てば移民船団は返してやろう。それまで精々滅ぼされた星の者たちが味わった恐怖を、噛み締めるがいい……』

 

そして、映像は途切れた。

 

ファラム・オービアスの控室は、重苦しい空気に変わってしまった。ファラム・オービアスは決勝に進んだ時点で、負けても存続は決まっていた。

しかし、これでこの試合何としても勝たねばならなくなった。

 

剣城「……まさか、怖気づいてる訳じゃ無いよな? 宇宙最強の星が聞いて呆れる」

 

アルゴ「!!」

 

剣城「自分たちの故郷を命を賭けて守る、俺は最初からそう覚悟を決めている」

 

アルゴ「守るべき者たちのため、ファラムの戦士の誇りを捨ててはならない……!! そうだ!我らの命、この試合で燃やし尽くそうぞ!!」

 

ファラム・ディーテ『おう!!』

 

 

 

ー アースイレブンside ー

 

伊吹「くそっ、オズロックの奴!!」

 

皆帆「流石に、ここまでは読めなかった」

 

すると、控室の扉が開いて女の子が1人入ってきた。

 

天馬「!! カトラ!!」

 

この子が!?

 

天馬「本物…だよね? やっと会えた!」

 

カトラ「良くここまで辿り着いてくれましたね。あなたなら、きっとやり遂げてくれると信じていました」

 

天馬「でも、せっかく集めた希望の欠片は奪われてしまって……」

 

カトラ「大丈夫です。4つの石は無事に私のもとに届きました」

 

天馬「えっ? それじゃあ……これで宇宙は!!」

 

カトラ「残念ながらまだです。最後の条件は、この試合に勝利すること」

 

天馬「勝てば宇宙を救えるの?」

 

カトラ「はい。ただ、この戦いはかつてないほどに激しいものとなるでしょう。あなた達にも、命の危険があるかもしれません。命を賭けて戦えますか?」

 

天馬「……皆そうだったよ」

 

天馬は、これまでの試合を思い出す。どの星の人も、自分の星を守るために命を賭けて戦っていた。俺達はそれを見届けてきたんだから。そんなことは今更だ。

 

天馬「だからフィールドに立つ以上は、俺たちの全てをぶつけるつもりさ!! 絶対に勝って宇宙を救う。俺たちを信じて送り出してくれた、色んな星の仲間たちのためにも!!」

 

カトラ「はい!」

 

 

カトラが控室を出ると、ピクシーが姿を変え、

 

サージェス「羨ましいもんだ……ところで、アイツに賭ける理由は?」

 

カトラ「感じたのです。天馬の中に、"心"の力を…!」

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

ダクスガン「イェーーイっ!! ついに来た! グランドセレスタギャラクシーThe・FINAL!! この試合に勝って生き残るのは、ファラム・オービアスか? それとも地球か!? スタジアムのテンションも、ますますヒートアップしてるぜベイビー!!」

 

その頃、オズロックはスタジアム地下のコズミックプラズマ光子砲の操作コンパネの前にいた。

 

俺たちがフィールドに入場しようとすると、

 

竜太「おい、あれは!!」

 

天馬「っ! 剣城!!」

 

すると後ろ姿だがソイツは立ち止まり、

 

天馬「やっぱり剣城だ!!」

 

天馬は剣城に駆け寄る。

 

天馬「剣城! 無事だったんだね!!」

 

すると、剣城は来ていたローブを取った。しかし、アースイレブンは絶句した。

 

アースイレブン『!?』

 

剣城は、アースイレブンではなく、ファラムイレブン、ファラムディーテのユニフォームを着ていたからだ。

 

天馬(剣城…どうして!?)

 

 

ー 続く ー




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第92話:決戦! ファラム・ディーテ

スタジアムでようやく再会できたアースイレブンと剣城、しかし……、

 

最後の敵として、剣城が立ち塞がることになった。

 

九坂「何でだよ……」

 

伊吹「裏切ったって事か…!?」

 

侑「そんな……」

 

瞬木D「へっ、有利な方に付くか…合理的な考え方だな」

 

信介「剣城はそんなやつじゃない!!」

 

瞬木D「現実を見ろよ!!」

 

信介「っ、くっ……」

 

 

 

剣城……どうしたって言うんだ!!

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

ダクスガン「イェーーイっ! 宇宙の生き残りを賭けた戦いもいよいよ決勝戦を迎えたぁっ!!」

 

観客席を見ると、今まで戦ってきたサンドリアスイレブン、サザナーライレブン、ガードンイレブン、ラトニークイレブンが見に来ていた。

 

アイツら……、観に来てたのか。

 

竜太「っておい、ファラムのメンバー……」

 

座名九郎「まさか今までの助っ人たちがファラム・オービアスの選手たちだったとは……」

 

栞子「はい……」

 

ダクスガン「今回は、ララヤ女王とカトラ王女が見守るBIGゲームだ!! 惑星の運命を賭けたまさにデッド・オア・アライブな決戦!! 一瞬たりとも見逃すなぁっ!!」

 

好葉たちがスタジアムのアースイレブン側のVIP観覧席を見ると、

 

好葉「ポトムリさん……!」

 

鉄角「無事だったんだな!!」

 

ポトムリが無事だった事で安心する皆。だが雷門組は…

 

天馬「っ、どうしてなんだ……っ?」

 

果林「ずっと一緒に頑張ってきたのに……」

 

エマ「きっと誰かに操られてるんだよ」

 

彼方「そうでなきゃおかしいよ!!」

 

侑「そうだよ、でなきゃあり得ないよ!!」

 

神童「どちらにせよ、俺達はこの状況を受け入れなければならない。今は試合の事だけを考えるんだ」

 

伊吹「ああ!! やるしかないだろ!!」

 

鉄角「そうだな!! 俺達は、宇宙を救うためにここまでやってきたんだ!!」

 

座名九郎「ええ。負けられません!!」

 

天馬(………………)

 

竜太「天馬、試合に集中しろ」

 

天馬「竜太………竜太は平気なの?」

 

竜太「平気ではないさ。けど、それで負けたら元も子もないって割り切っただけさ」

 

 

 

ララヤ「ミネル、この試合…激しい戦いとなるのであろうな………」

 

ミネル「はい………」

 

ララヤ(…………っ)

 

剣城『ララヤ、この戦いをしっかりと見ていろ。女王として、ここで起こることを見届けるんだ!』

 

ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー

 

ララヤ「きっと妾は、それをただ見ている事しかできぬ……じゃが、それで良いのか?」

 

ミネル「ララヤ様………」

 

黒ピクシー「……………」

 

アクロウス(ララヤは今こそ本当の女王にならなければならない。しかし、今必要なのは…私ではないようだ)

 

 

 

そしてファラム側のVIP観覧席の部屋の扉が開き、

 

剣城「ララヤ!」

 

ララヤ「剣城……!」

 

剣城「よく聞け、この戦いには絶対に勝たなければならない。分かるな?」

 

ララヤ「うむ………」

 

剣城「ではお前はこの星の、ファラム・オービアスの女王として、その役目を果たせ」

 

ララヤ「っ! 女王としての…役目」

 

剣城「皆に勇気を与え、慈悲を与え、未来を与える。それがファラム・オービアス女王、ララヤの役目だ!!」

 

 

ララヤ「(……そうじゃ、妾は皆がずっとあの笑顔のままでいてほしいと思う。もう、皆の悲しむ顔は見たくない!!)妾の望みは…妾のすべき事は、誰もが笑っていられる世の中を作る事じゃ。この星の…女王として!!」

 

剣城「コクッ」

 

すると、ファラム側の演説台に女の子が立った。

 

竜太「誰だ?」

 

って言うか、今思ったけどファラム・オービアス人は男の特徴である頭の角と、女の特徴である耳の尖りを除けば、地球人と見た目の違いが殆ど無い。

バルガなどの明らかに肌色からして違う者は例外としても、男の角がある事と耳の違いが無ければ、地球人と見分けられないんじゃないか?

 

ララヤ「……ファラム・オービアスの戦士たちよ! この国は命に変えても護らねばならん。お前たちは今や、この国の最後の砦じゃ! お前たちのその手で、ファラム・オービアスに勝利をもたらすのじゃ! 妾はこの国を護りたい。そしてこの手で、もっと良い国を作りたい! そのためには、この国がずっと生き残り続けてもらわねばならぬのじゃ!!」

 

アルゴ「ララヤ様……」

 

ララヤ「皆の者、妾は期待しておるぞ!! 妾の期待に応えよ! 必ず勝利し、この国の未来を護るのじゃ!!」

 

そして、ファラム女王、ララヤ・オビエスの演説は終わった。

 

ヒラリ「ふふっ、いつまでもお子様女王だと思ってたけど……」

 

バルガ「今のは中々、心に響く物があったな!」

 

アルゴ「有り難きお言葉、肝に命じます!!」

 

そしてファラム・オービアスの選手がひざまずく。そして剣城もひざまずいた。

 

アースイレブン『っ!!』

 

ララヤの演説にスタジアム中から大歓声が上がる。

 

その様子を、今はピクシーとなったアクロウスは見ていた。

 

アクロウス(ララヤは、立派な女王になったな……)

 

皆帆「中々だね。選手や観客の気持ちを、一瞬で1つにした」

 

真名部「しかし物凄いアウェイ感です……」

 

竜太「なに、逆に燃えるぜ!! やってやらァ!!」

 

天馬「…………」

 

天馬は、アースイレブン側のVIP観覧席を見る。

 

カトラ(地球の皆さん…私の言葉を信じて、よくここまで来てくれました。この戦いに全力で挑む事こそが、宇宙が救われる最後の条件。私達は、自らの手で未来を勝ち取らなければならないのです、あなた方と共に……)

 

天馬(そうだ、カトラに誓ったんだ、俺たちの全力を掛けて戦うって…! この宇宙を救うために、だから何があっても……)

 

信介「て、天馬!!」

 

天馬「信介?」

 

信介「あ、あれ!!」

 

天馬「あれ? ………っ! 黒岩監督!?」

 

アースイレブン『!!』

 

そして黒岩監督は、ファラム・オービアスのベンチに座った。

 

まさか、監督も最後の敵か……!!

 

皆帆「黒岩監督も操られているってこと?「違う、操られてなどいない!」っ!?」

 

剣城「もちろん俺もな」

 

天馬「剣城……」

 

剣城「天馬、地球は負ける!」

 

天馬「っ!!」

 

剣城「ファラム・オービアスこそ、宇宙に存在し続ける者たちだ!!」

 

天馬「本気なのか!? 本気で俺たちと……」

 

竜太(? 剣城のあの目……)

 

 

 

そして試合開始時刻になり、選手がフィールドに出る。

 

スターティングメンバー

ファラム・ディーテ

 

GK        アルゴ

 

DF    モーム バルガ キセノ

 

MF ロッツ    ヒラリ    メルヴィル

 

FW  リュゲル  ロダン  ガンダレス

 

FW        剣城

 

アースイレブン

 

FW    竜太    瞬木

 

MF  九坂   天馬   侑

 

ボランチ     神童

 

DF 栞子  皆帆  真名部 鉄角 

 

GK       伊吹

 

ダクスガン「ヘイヘイヘーイ!! 宇宙最強を決める、グランドセレスタギャラクシー決勝戦! いよいよキックオフ!!」

 

剣城「スタートから全力で行く! 良いな!!」

 

バルガ「ヌッハッハッ、言われなくてもそのつもりだ!! この試合はファラム・オービアスを守ると同時に、雪辱戦でもらあるからな!!」

 

ヒラリ「あら? 私だって、アースイレブンを叩き潰してやるわ!!」

 

ロダン「この間の借りは今日しっかり返させて貰うよ? ヒッヒッ」

 

リュゲル「おい、お前ら!!」

 

皆帆「?」

 

リュゲル「今から面白いもの見せてやる!! 来いガンダレス!」

 

ガンダレス「あそこにUFO!!」

 

リュゲルは見向きしない。

 

リュゲル「あそこにUFO!!」

 

ガンダレスも見向きもしない。

 

は? 何コイツら?

 

リュゲル「あれから俺達は、UFOと聞いても驚かない訓練をしてきたんだ!! なぁガンダレス?」

 

ガンダレス「ああ!! 俺たちもう引っ掛からないよな!!」

 

皆帆「訓練なんかしなくても、普通は引っ掛からないんだけどな……」

 

皆帆も苦笑いしかできなかった。

 

ダクスガン「オーライっ!! ついにファラム・オービアス紫天王がここに揃った!! これにアースイレブンはどう対抗するのか!?」

 

天馬「……「天馬、敢えて言わせて貰うぞ。俺たちに監督がいない今、チームを纏めるのはキャプテンのお前だ。いいな?」神童さん……」

 

フェイ「天馬ーーーっ!!」

 

果林「負けるんじゃないわよ!!」

 

葵「頑張れーーーっ!!」

 

天馬「皆…葵……、行こう! 皆!!」

 

アースイレブン『おう!!』

 

そして、アースイレブンボールのキックオフから決勝戦の幕が開けた!!

 

ー 続く ー




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第93話:開幕、ファラム・ディーテ戦!

アースイレブンのキックオフと共に瞬木がドリブルで攻撃を仕掛ける。しかしすかさず剣城がスライディングを仕掛けてボールを奪い取る。

 

天馬「剣城……っ!」

 

剣城「ロダン!!」

 

剣城はロダンにパスを出す。天馬がディフェンスに入るが、

 

剣城「突っ込め!!」

 

天馬「あっ!!」

 

ロダン「ヒヒッ、ガラ空きだね!!」

 

神童「天馬! くっ、ディフェンス!!」

 

そしてロダンからヒラリにパスが出る。

 

侑「行かせないよっ!!」

 

ヒラリ「フフッ、捻り潰してやるわ!!」

 

ヒラリが水を放ってくる。侑先輩はそれを躱すが、放たれた水は急カーブして鋭利な刃物のように侑先輩の背に突き刺さる。

 

侑「ぐっ!!」

 

ヒラリ「[ジャックナイフ]!!」

 

侑先輩の頬にヒラリの平手打ちが炸裂。侑先輩は突破された。

 

ヒラリからボールは前線へと飛ぶが、真名部とガンダレスが走る。しかしガンダレスにスピードで奪われてしまう。

 

ガンダレス「リュゲル兄ぃ!!」

 

鉄角「させるかぁっ!!」

 

しかし鉄角が足を伸ばしてパスをカット。今度はアースイレブンの攻撃だ。

 

鉄角「キャプテン!!」

 

天馬「よしっ!! 「セレン!!」っ!!」

 

メルヴィル「貰った!!」

 

しかしここでファラム・ディーテの女子MFセレン・メルヴィルがインターセプト。天馬はボールを奪われる。

 

メルヴィル「剣城!!」

 

パスは剣城に繋がる。

 

剣城「よし、「剣城!!」天馬!!」

 

天馬「行かせない!!」

 

天馬と剣城のディフェンスとオフェンスのプレーの応酬。しかし剣城に天馬は突破されてしまう。

 

そこにヒラリとロダンが上がってくる。

 

ヒラリ「見せてやるわ!! ファラム・オービアス紫天王の力をね!!」

 

素子でロダンとヒラリが跳び上がる。

 

剣城「決めろ!!」

 

剣城が空中のヒラリにパスを出す。するとヒラリは空中でロダンにパスする。

 

伊吹「高さなら負けねぇ!!」

 

ロダン「掛かったね!!」

 

するとロダンはボールを足に付けて押しながら落下しくる。

伊吹が空中で片手でボールを抑える。しかしロダンは足に力を込めてボール越しに空中の伊吹を弾き飛ばした。

 

伊吹「何っ!?」

 

落下する伊吹。伊吹は何とか着地するが、

 

ビキィッ!

 

伊吹(ぐっ!!)

 

信介・神童「「!!」」

 

!! 足を捻ったように見えたぞ?!?

 

ダクスガン「ワーオっ!! 伊吹がガッチリとボールをキャッチしている!!」

 

神童「伊吹、大丈夫か!?」

 

伊吹「どうもしていない。こんな事でいちいち来るな!!」

 

神童(っ! 伊吹………)

 

信介「伊吹………」

 

そこからはファラム・ディーテの猛攻が続く。アースイレブンに攻撃の隙を与えず、ボールをキープし続け攻めたてる。

 

天馬「止める!!」

 

ロッツ「やれるものならやってみなさい!!」

 

ファラム・ディーテのこちらも女子のMFネオル・ロッツに天馬は躱されてしまう。

 

って言うかファラムのMF全員女だな。ヒラリはオバさ…ギロッ…も、女だし。

 

皆帆「三船さん!!」

 

栞子「任せて下さい!!」

 

しかし皆帆と栞子が二人同時にスライディングを仕掛けてボールを弾き、ボールは外に出る。

 

天馬「…俺がしっかりしないといけないのに……!!」

 

竜太「……おい天馬、そんなでサッカー楽しいのか?」

 

天馬「え?」

 

鉄角「おいおい、楽しくとか言ってらんねぇだろ!!」

 

真名部「負けられない試合なんですよ?」

 

竜太「そうかな……?」

 

天馬「…………」

 

リュゲルのスローインから試合再開。

 

天馬(確かに負けられない試合だ……)

 

リュゲル「ネオル!!」

 

天馬「させない!!」

 

しかしコレを天馬がカットする。

 

神童「ナイスカットだ天馬!!」

 

天馬はそのままドリブルで攻め上がる。

 

天馬(だけど俺は楽しむことを忘れていた。勝負にこだわり過ぎて、俺は……!! っ!!)

 

しかしすかさずメルヴィルが止めに入り、天馬の動きが止まった瞬間、リュゲルがスライディングで弾く。こぼれ球をヒラリが剣城に繋ぐ。

 

ヒラリ「剣城!!」

 

天馬(俺はサッカーを、自分で苦しいものにしてしまっていたんだ!!)

 

天馬がすぐに戻って剣城にプレッシングを掛ける。再びの攻防、天馬も必死に食い下がる。

 

剣城「天馬…お前の力はそんな物か!!」

 

天馬「っ、剣城!」

 

剣城「俺を親友だとでも思っていたのか! 親友に裏切られただけで、サッカーへの想いは消えて無くなるのか!!」

 

一瞬の隙を突き、剣城が天馬を突破する。

 

剣城「俺は違う!! サッカーをやってる時が一番、自分らしくなれる!! だから俺は戦うんだ!!」

 

天馬「っ!!」

 

神童「行かせない!!」

 

剣城「っ!!」

 

ここで神童先輩がスライディングでボールを弾きボールはフィールドの外に出る。

 

神童「……(このままでは…)「剣城は何も変わってない…」天馬?」

 

天馬「今やっと気付いた。剣城には、この戦いに全力で挑まなければならない何かがあるんだ! ……神童さん、楽しみましょう!!」

 

神童「っ?」

 

天馬「敵は剣城、俺達にとって最強の相手です。面白いじゃないですか!!」

 

神童「地球の…いや、宇宙の未来が賭かっているんだぞ?」

 

天馬「正直、この戦いの重みも本当に理解できているか分かりません。でも俺、剣城の言葉で大切なことを思い出したんです!」

 

神童「っ!」

 

天馬「この戦いは…この出会いは、この瞬間だけなんです!! だからこそ、想いと想いをぶつけ合って最高の試合にするんですよ!! それが、俺たちの大好きなサッカー…ですよね!!」

 

侑「うん、その通りだよ!!」

 

鉄角「おっしゃ! とことん突き進もうぜ!!」

 

九坂「そうっすよ!!」

 

天馬「これが最後の戦いだ。皆、全力で楽しんでサッカーやろうぜ!!」

 

アースイレブン『おう!!』

 

神童「天馬……大きくなったな」

 

剣城「(天馬……)ここからが本当の戦いだ!! 必ず勝利するぞ!?! 宇宙最強の星、ファラム・オービアスの名に賭けて!!」

 

ファラム・ディーテ『おう!!』

 

天馬がドリブルで攻め上がる。そこにキセノがディフェンスに入る。

 

天馬「[爆・風穴ドライブ]!!」

 

天馬が渦巻く風の道を作り出し、その穴を通ってキセノを突破。

 

モーム「通さん!!」

 

モームが技の発動直後を狙ってスライディングでボールを弾く。

 

モーム「ネオル!!」

 

ボールはネオルに繋がる。

 

九坂「行かせるか!!」

 

ロッツ「[ホログラムロック]!!」

 

するとネオルの背後にホログラムの両手が出現。九坂を掴み地面に叩きつけて突破する。

 

鉄角「止めてやる!! [フットワークドロウ]!!」

 

しかしカバーに入っていた鉄角が必殺技で奪い返す。

 

鉄角「大海!!」

 

鉄角からのロングパス。しかしロダンがインターセプトする。

 

神童「行かせない! [アインザッツ]!!」

 

しかし今度は神童先輩が必殺技で奪い返す。そのままドリブルを仕掛ける。

 

バルガ「[ロックハンマー]!!」

 

今度はファラム・ディーテがやり返し、バルガの必殺技でボールを奪う。

 

ボールは前線のメルヴィルに飛ぶが、侑先輩がカットする。

 

侑「このチャンス、逃さない!! 《天帝の眼(エンペラーアイ)》!!」

 

ディフェンスに入ったキセノを《天帝の眼》で突破。

 

バルガ「好きにはさせん!!」

 

するとバルガの身体から光が溢れ出し、黄色い甲殻獣に姿を変える。そのソウルは侑先輩に突進。角で付き回してふっ飛ばし、ボールを奪う。

 

そして、ソウルの力に反応し光子砲のエネルギーが充填される。

 

オズロック「フフフそうだ、良いぞ」

 

バルガ「反撃するぞ! ヒラリ!!」

 

ボールはヒラリに。ヒラリもソウルを発動。鳥のようなソウルの身体から発せられる七色の光に目が眩み、アースイレブンのディフェンスは突破される。

 

そしてまたしても光子砲にエネルギーがチャージされる。

 

ヒラリ「剣城!!」

 

剣城「先制点は俺たちが貰う!!」

 

伊吹「させるかよ!!」

 

剣城「行くぞ!!」ドガァアアッ!!

 

剣城のシュートに伊吹が飛びつきパンチングで弾く。しかしこぼれ球は剣城のもとに転がり、逆方向に連続でシュートする。

 

伊吹「くそっ!」

 

伊吹は飛んだ勢いのままゴールポストを使って三角跳び。またしてもパンチングで弾く。

 

ダクスガン「わーおっ! 剣城の連続シュートだ! だが伊吹も粘る!!」

 

ビキイッ!

 

伊吹「ぐうっ!!」

 

天馬「っ!!」

 

信介「やっぱり足を!!」

 

そして弾かれたボールは空中に上がり、

 

剣城「止めだ!! [バイシクルソード]!!」

 

剣城の必殺シュートがゴールに突き刺さり、ファラム・ディーテに先制点を奪われてしまった。

 

ダクスガン「ゴーーールっ!! 剣城のシュートでファラム・ディーテが先制!!」

 

 

鉄角「あの野郎…容赦ねぇな……」

 

九坂「まぁ、俺たちへの最高のもてなしってことじゃねぇか?」

 

伊吹「ハッ、良いねぇ……決勝戦はこうでなくちゃな!! まだまだこれから! もう一点もやらないからな!!」

 

天馬「皆……っ! そうだ、まだまだこれからだ!」

 

アースイレブンのキックから試合再開。しかしガンダレスにボールを奪われてしまう。

 

ガンダレス「ロダン!!」

 

ロダン「ヒヒッ、行くよ!! [カザンライ]!!」

 

ロダンの灼熱のシュートがアースイレブンゴールを襲う。

 

伊吹「止める![ゲキリンダンク]!!」

 

ここで伊吹の新必殺技。空中から凄まじい勢いでボールを叩きつけ、[カザンライ]を止めて見せた。

 

天馬「新必殺技だ!!」

 

神童「アイツ…この土壇場で!!」

 

伊吹「よしっ、このまま一気に!! っ!!」

 

しかし、アースイレブンのメンバーはピッタリとマークされておりパスが出せない。

 

伊吹「っ、 フーーーっ」

 

すると伊吹はバスケのドリブルのようにボールを付き始めた。

 

神童「っ! (伊吹…)」

 

鉄角「アイツまた!?「いや、あれで良い」なんだって!?」

 

伊吹(あるはずだ。パスするポイントが!)

 

ガンダレス「アイツ何やってるんだ?」

 

神童(っ!! 伊吹!)

 

伊吹(っ! あそこだ!!)

 

伊吹はボールを持ったまま跳躍し、バスケのダンクの動きを応用した渾身のロングスローでボールをぶん投げた。ボールは神童先輩へ。

 

神童「竜太!!」

 

天馬「竜太、頼む!!」

 

竜太「任せろ!!」

 

そして俺はソウルを発動。海竜、モササウルスへと姿を変える。俺のソウルはフィールドという海を泳ぎ回り水面に大ジャンプ。雄叫びを上げてシュートを放った。

 

アルゴ「っ! 止めっ…!?」

 

ザシュウッ!!

 

しかしキーパーに反応すら許さず、シュートはゴールに突き刺さった。

 

竜太「よっしゃあ!」

 

天馬「竜太!!」

 

 

 

信介「やったね!!」

 

葵「ナイスシュート!!」

 

 

 

ダクスガン「大海のシュートが決まり、アースイレブン同点に追い付いた!!」

 

竜太「決めてやったぜ!!」

 

天馬「ああ!! 最初の一点だ!!」

 

剣城「……やはり楽しませてくれる相手だ。でもそれもここまでだ!」

 

天馬(この試合、俺たちが絶対に勝つ!!)

 

 

 

アースイレブン 1 ー 1 ファラム・ディーテ

 

ー 続く ー




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第94話:大激突!!

竜太のソウルシュートがファラム・ディーテのゴールに突き刺さり、同点に追いついたアースイレブン。

 

ファラム・ディーテのキックオフから試合再開。審判の笛と共に、ボールを持った剣城がドリブルで攻め上がる。

 

天馬「行かせないぞ剣城!!」

 

剣城「天馬ぁっ!!」

 

剣城と天馬のプレーの応酬。しかし今度は天馬が剣城からボールを奪った。

 

剣城(さすがだ…だが!!)

 

あと一歩の所でカットしきれず、剣城の伸ばした足にボールを弾かれて奪い返される。

 

天馬「っ! やっぱり剣城は凄い!!」

 

ダクスガン「カモーン、everybody!! 闘志と闘志が大激突だぁっ!!フィールドは熱く燃えている!!」

 

ボールはリュゲルに渡り、そこに栞子がディフェンスに入る。

 

栞子「行かせません!!」

 

リュゲル「ふんっ、ガンダレス!!」

 

リュゲルはガンダレスにパス。

 

ガンダレス「行くよリュゲル兄ぃ!!」

 

鉄角「させるかっ!! 高咲!!」

 

しかしガンダレスが蹴る寸前に鉄角がヘディングでカット。

 

侑「オッケー!!」

 

メルヴィル「行かせないわよっ!!」

 

セレンがスライディングを仕掛けるが、侑先輩は跳躍して躱す。

 

侑「天馬くん!!」

 

パスは天馬に飛ぶ。

 

天馬「うぉおおぉおおおっ!!」

 

剣城「ハァあぁあああっ!!」

 

落下してくるボールに天馬と剣城が競り合う。

 

剣城と天馬、竜太が初めて出会った時…

 

天馬『雷門サッカー部は終わらない! 誰にも渡さない!!』

 

剣城『じゃあ奪ってやるよ!!』

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

競り合いに勝った剣城がドリブルで攻め上がる。

 

皆帆「来たね……」

 

真名部「通しませんよ」

 

皆帆と真名部の二人が連携して剣城にディフェンスを掛け、シュートコースを塞ぐ。

 

剣城「っ! でぇいっ!!」ドガァアアッ!!

 

伊吹「フッ!」ガシィッ!!

 

 

 

葵「伊吹くんナイスセーブ!!」

 

信介「ディフェンスがしっかりコースを塞いだからね!」

 

 

 

伊吹「オフェンス! 上がれ!!」

 

伊吹からボールは神童先輩へ。

 

竜太「神童先輩! こっちです!!」

 

神童「竜太!!」

 

そしてパスは竜太に繋がる。

 

剣城(俺たちの運命は、あの時から走り始めたんだ)

 

◇◆◇◆◇◆◇◆

 

竜太「フィフスセクターって言ったっけ? こんな雑魚共、俺が片付けてやるよ!!」

 

剣城「ならやってみろ!!」

 

◇◆◇◆◇◆◇◆

 

ヒラリ(思い通りには行かなくてよ?)

 

ヒラリが、背後から忍び寄り竜太に迫る。

 

竜太「よっと!!」

 

ヒラリ「何っ!?」

 

竜太が突然立ち止まると、ヒラリは勢い余って距離をオーバーしてしまう。

 

竜太「甘いぜ!!」

 

ヒラリ「くそっ!!」

 

剣城(流石は竜太だ…だが!!)

 

バルガ「通さん!! [ロックハンマー]!!」

 

ドゴォオオンッ!

 

竜太「ぐっ! やるじゃねぇか!!」

 

バルガ「剣城!!」

 

ボールはバルガから剣城に渡る。

 

竜太「行かせるかよっ!!」

 

剣城「竜太っ!!」

 

ドガァアァアアァアアンッ!!

 

竜太と剣城の大激突。二人でボールを挟むようにして蹴り合い、力は互角だ。

 

竜太「俺はっ!!」

 

剣城「お前にはっ!!」

 

竜太・剣城「「絶対に負けない!!」」

 

ドガァアァアアアァアァアアアンッ!!

 

二人は弾き飛ばされ、ボールは神童先輩の方へと転がる。

 

神童「九坂!!」

 

九坂「竜太が全力で奪い取ったボールだ! 渡すもんかよ!!」

 

そこにネオルがディフェンスに入る。

 

九坂「うぉおおぉおおおおっ!!」

 

九坂は怒髪天モードを発動。パワーを上げる。そしてソウルを発動。巨大な熊へと姿を変え、怯えて逃げようとしたネオルを上から叩き潰した。

 

敵とはいえ女の子に………、

 

九坂「竜太!!」

 

竜太「おう!!」

 

モーム「行かせるか!!」

 

しかしモームに跳躍力で負けてしまい、ヘディングからボールはネオルへ。

 

九坂「やらせっかよ!!」

 

ロッツ「お返しよ!! [ホログラムロック]!!」

 

ネオルの背後からホログラムの巨大な腕が出現。九坂を掴んで地面に放り投げた。

 

九坂「痛って!!」

 

ロッツ「ロダン!!」

 

ロダン「オッケ…「貰った!」何っ!?」

 

神童先輩のパスカットが成功。ボールは瞬木へ。

 

瞬木D「よし、決めてやるぜ!!」

 

瞬木がドリブルで攻め上がる。

 

バルガ「通さん!! [ロックハンマー]!!」ドゴォオオンッ!!

 

瞬木D「ぐあっ!?」

 

バルガ「遅い! 亀の歩みのように遅い攻撃だ!!」

 

ダクスガン「イェーーイっ! どちらも一歩も引かない大熱戦、グランドセレスタギャラクシー決勝煮相応しいファイトだ!!」

 

皆の心の力の激突に、地下の光子砲にはどんどんエネルギーがチャージされる。

 

オズロック(良いぞその調子だ。もっと熱くなれ)

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

ボールを奪ったヒラリがドリブルで攻め上がる。

 

伊吹「皆帆! プレッシャーをかけろ!!」

 

皆帆「了解!!」

 

するとヒラリは必殺技を発動。水の刃をコントロールして皆帆の背に突き刺す。

 

ヒラリ「[ジャックナイフ]!!」

 

ヒラリの平手打ちが炸裂。そしてボールはヒラリからロダンへ。

 

ロダン「そーれっ!!」ドガァアアッ!!

 

しかし伊吹も負けじとパンチングでボールを弾くと、ボールはタッチラインを割って外に出た。

 

伊吹「こんなものか! もっと打って来いよ!!」

 

両チーム大激突のグランドセレスタギャラクシー決勝戦。果たして勝者はどちらになるのか?

 

 

アースイレブン 1 ー 1 ファラム・ディーテ

 

ー 続く ー




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第95話:決勝戦前半終了

ロダンのシュートを伊吹がパンチング弾き返してボールはタッチラインを割り、ファラム・ディーテのスローインから試合再開。

 

するとベンチに座っていた黒岩が腰を上げた。

 

黒岩「剣城……やれ」

 

剣城「!!」

 

ファラム・ディーテ(よし、やってやる)

 

メルヴィルのスローインから、ボールはヒラリに渡りドリブルで攻め上がってくる。

 

ヒラリ「ロダン!!」

 

ロダン「ヒヒッ!!」

 

皆帆が止めに入るが、ロダンはキーパーの前にふわりとしたボールを上げる。

 

伊吹「何っ!?」

 

伊吹がキャッチしようと焦って前に出る。すると、

 

リュゲル・ガンダレス「「おらっ!!」」

 

ボールをゴールに押し込む様に見せかけたスライディングを、負傷した伊吹の足に食らわせる。

 

ヤロウ……っ!!

 

伊吹「ぐうっ!?」

 

しかし伊吹は足が痛みながらもボールだけは落とさずにキャッチしていた。

 

リュゲル「へへっ……」

 

 

 

信介「伊吹……!!」

 

そこからはファラム・ディーテはグラウンダーの低いシュートを集中砲火。伊吹に足でのセービングを強要して足にダメージを蓄積させる。

 

ダクスガン「ワァーーーおっ!! ファラム・ディーテの波状攻撃が、アースイレブンのゴールに襲い掛かる!! しかし伊吹、一歩も引かない fight&fight!!」

 

またしてもルーズボールをキャッチしようとした伊吹の足に、飛び込んできたロダンが背中で伊吹の足を潰すようにぶつかる。

 

 

その瞬間、竜太の中で何かがキレた。

 

ガンダレス「おーらよっ!!」

 

ガンダレスのシュートがゴールを襲う。しかし……

 

バシイッ!!

 

ガンダレス「何っ!?」

 

伊吹「大海……!!」

 

前線から戻ってきていた竜太がシュートをトラップして防いだ。

 

大海「行くぜ……」ユラァッ

 

竜太の姿が揺らいだかと思ったら、ものすごい速さのドリブルで攻め上がる竜太。そこにロダンとヒラリが二人がかりで潰しにかかる。

 

ヒラリ「抜けると思って?」

 

ロダン「ヒヒッ、行かせないよっ!!」

 

竜太「邪魔だ……」ボソッ

 

ヒラリとロダンはダブルでスライディングを仕掛けてくる。竜太と2対1でボールを蹴り合う形で押し合いになる。が、

 

竜太「邪魔だぁっ!!」

 

ドゴォオオォおァああぁああんっ!!

 

ヒラリ・ロダン「「ぐぁあぁああっ!?」」

 

呆気なくふっ飛ばされた二人。不味いと思ったのかロッツとメルヴィルも止めに入る。

 

ロッツ「通行止めだよ!!」

 

メルヴィル「行かせないわっ!!」

 

竜太「[ライトニングワープ・Gx]!!」ギュオンッ!!

 

左右の鋭い踏み込みから足にイナズマをチャージ。それを一気に解放して瞬発力を爆発的に上昇させ、二人を抜き去った。後追いの突風で女子2人は吹き飛ばされる。

 

ロッツ・メルヴィル「「キャァアアアッ!?」」

 

バルガ「行かせんぞ!!」

 

するとバルガはソウルを発動。黄色い甲殻獣に姿を変えて突進してくる。

 

竜太「ハァあぁあああっ!!」

 

竜太もソウルを発動。海竜モササウルスへと姿を変える。激突する竜太とバルガのソウル。しかしモササウルスのソウルはバルガのソウルをフィールドの海中に引き摺り込み、身動きの取れないバルガのソウルを喰い破った。

 

ソウルとソウルのぶつかり合いに、光子砲には一気に大量のエネルギーがチャージされる。

 

オズロック「もっとだ! その調子でどんどんやれ!」

 

バルガはふっ飛ばされたダメージが大きく倒れ伏す。ドリブルを再開する竜太に、モームとキセノが止めに入る。

 

モーム「行かせるかっ!!」

 

キセノ「これ以上はっ!!」

 

2人が襲いかかって来るが、竜太は冷静に動きを見極めて左右のフェイントで抜き去った。

 

モーム「何だとっ!?」

 

キセノ(何なんだコイツっ!?)

 

残すはキーパー一人のみ。

 

アルゴ「っ! 来いっ!!」

 

俺はシュート体制に入る。ボールに莫大なエネルギーを纏わせて下に落とし、先回りからの左の足払いでボールに回転をプラスして風の膜をコーティング。

 

竜太「[ラストリゾート・Z]!!」

 

それを、左足のボレーで思い切りぶっ飛ばした。

 

ドガァアアンッ!

 

ドガァアアンッ!!

 

ドガァアァアアアンッ!!

 

フィールドを破壊しながら、岩石の龍がファラム・ディーテのゴールに襲い掛かる。

 

アルゴ「止める!! [リバウンドレイヤー]!!」

 

アルゴの手の先に3重のエネルギーシールドが発生。シュートを受け止める。するとバネのような張力でボールを押し戻そうとする。

 

しかし竜太は決まったと確信し後ろを向いて歩いて自陣に戻る。

 

必死に耐えるアルゴ。しかしエネルギーシールドには亀裂が入っていき、

 

アルゴ「くっ、くそぉっ!!」

 

竜太「散れ……」

 

ドゴォオォオオォオオオンっッ!!

 

竜太のつぶやきと共に[ラストリゾート]はアルゴの[リバウンドレイヤー]を粉々に砕き、シュートはゴールに突き刺さった!!

 

ダクスガン「ゴォオオォオオオルッ!! 大海竜太の[ラストリゾート]が、ファラム・ディーテのゴールに突き刺さった!! しかし驚くべきはその前、自陣のゴール前からフィニッシュまで、すべて自分のドリブルで持っていき叩き込んだ!! 何という圧倒的なテクニック、パワー、そしてスピード!! Fantastic!!&Beautiful!!」

 

キセノ「う、嘘だろ………?」

 

メルヴィル「何この人……」

 

ロッツ「ヤバすぎるんだけど………」

 

ロダン「くっ、くそっ!!」

 

ヒラリ「やってくれたわね……」

 

バルガ「頭に来たぞ!! 潰してくれるわ!!」

 

アルゴ「くっ…(信じられないパワーだった……次…、止められるのか?)」

 

剣城(やるな大海…それでこそ、俺が認めた男だ!!)

 

ここで、前半終了のホイッスルが鳴った。

 

 

アースイレブン 2 ー 1 ファラム・ディーテ

 

ー 続く ー




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第96話:後半開始!!

竜太の[ラストリゾート]がファラム・ディーテのゴールに突き刺さり、逆転したアースイレブン。ここで前半終了のホイッスルが鳴った。

 

伊吹(大海がカバーしてくれたから良かったが…このままじゃあ致命的な失点を招くかもしれない……。なら…)

 

フィールドに出ていた皆が自チームのベンチに戻る。すると天馬が伊吹に声を掛ける。

 

天馬「伊吹、何か言いたいことがあるんじゃないのか?」

 

伊吹「…ああ。足を挫いた。キャプテン、交代させてくれ」

 

天馬「そうか…よし、頼むぞ信介!!」

 

信介「うん!!」

 

伊吹「アースイレブンのゴール…お前に託す」

 

すると、

 

九坂「あっ、キャプテン…龍也さんがなんかソワソワしてるんすけど……」

 

竜太「あ〜我慢できなくなったな。…九坂、代わってやってくれるか?」

 

九坂「俺か? まぁ、良いけど……」

 

龍也「よっしゃ!!」

 

ったく、しょうがない大人だな。まぁこの龍也さん(オヤジ)は高校生だけど。

 

侑「ねぇ……」

 

天馬「侑先輩?」

 

侑「私の力も、ここまで来たらどこまで通用するか分からない。桐穂ちゃんと代わっていい?」

 

桐穂「!?」

 

天馬「高坂さんの《加速世界(アクセルワールド)》で一気に押し込むのもアリか…。うん、高坂さん頼める?」

 

桐穂:「分かった!!」

 

伊吹はベンチに座って氷水を入れた袋を足に当ててアイシングをする。そこに、神童先輩が声を掛ける。

 

神童「何故黙っていた?」

 

伊吹「お前にだけは、心配されたくなかったからな…」

 

コイツは……

 

真名部「そう言えば、グラウンダーの比率が多かった様に思いますね」

 

皆帆「確かに、ファラムの選手たちは伊吹くんの足にダメージを与えるような攻撃をしていたね……」

 

神童「黒岩監督の指示だな……」

 

エマ「いくらなんでも卑怯だよ……」

 

瞬木D「相手の弱いところを攻めるのは正しい戦略だろ?」

 

鉄角「だからって、何をしてもいいって事じゃねぇだろが!!」

 

神童「……それが黒岩監督なんだ」

 

瞬木D「へぇ? 嫌ってた割に、理解あるんだな?」

 

神童「ああ…。悔しいがな……」

 

 

ー ファラムベンチ ー

 

黒岩「もっと激しくコンタクトしろ。アースイレブンを潰すんだ……」

 

剣城「監督……」

 

黒岩「監督命令だ。実行しろ」

 

剣城「…………」

 

そしてハーフタイムが終了し、選手がポジションにつく。

 

ダクスガン「おおっと? アースイレブンはここで3人の選手を入れ替えて来たぞおっ!? GKの伊吹に変わって西園信介、MFは左右の九坂隆二を大海龍也、高咲侑を高坂桐穂に入れ替えてきたぞぉっ!!」

 

アースイレブン

フォーメーション

 

FW     竜太  瞬木

 

MF  龍也   天馬   桐穂

 

ボランチ     神童

 

DF 三船  皆帆  真名部 鉄角

 

GK       信介

 

そして、笛と共にファラム・ディーテのキックオフから後半戦開始。ボールはリュゲルに渡りドリブルで攻め上がる。

 

龍也「させるかっ!!」ギュンッ!!

 

リュゲル(速っ!!)

 

龍也さんのスライディングでボールが弾かれる。しかしボールはロッツの元へと転がりまだファラムボール。

 

竜太「行かせるかよ!!」

 

相手のフェイントに付いていき、竜太はボールを奪った。

 

竜太「桐穂!!」

 

ボールは桐穂に飛ぶ。

 

メルヴィル「そうはさせないわ!!」

 

しかしここでメルヴィルがパスカットする。

 

メルヴィル「ロダン!!」

 

裏に抜け出したロダンに斜め後方からのロングボールが入る。

 

信介「止める!!」

 

ロダン「ヒヒッ、また潰してやるよ!!」

 

そしてロダンがシュート体勢に入ると、背後で火山が噴火し、ボールが噴煙と雷を纏う。

 

ロダン「[カザンライ]!!」

 

以前のガードン戦で信介をふっ飛ばした必殺シュートが襲いかかる。

 

信介「止める!!」

 

すると信介は、サイドに避けてゴールをがら空きにして飛んできたボールめがけてダッシュ。思い切りパンチングをブチ込む。

 

信介「[極・ぶっとびパンチ]!!」

 

最終進化した信介の[ぶっとびパンチ]。ロダンのシュートをパンチングで弾き返した。

 

ロダン「何だとっ!?」

 

ダクスガン「西園ナイスセーブ!!」

 

天馬「良いぞ信介!!」

 

信介「よしっ!」

 

伊吹「やるな!!」

 

しかしボールはまだ生きている。コレを拾ったのは……、

 

ヒラリ「渡さないよっ!! リュゲル!!」

 

ヒラリが拾い、リュゲルにパスを出す。

 

リュゲル「オラッ!!」

 

リュゲルのノーマルシュートが信介に襲いかかる。

 

信介「ふっ!!」

 

しかし信介もパンチングで弾く。

 

真名部「西園くん、次来るよ!!」

 

信介「オッケー!!」

 

ガンダレス「オラよっ!!」

 

今度はガンダレスのノーマルシュート。信介はこれも弾く。転がったボールは……

 

剣城「………」トッ

 

真名部「計算できてますよ!!」

 

すぐさま剣城に対して真名部がディフェンスに入る。

 

しかし剣城はボールにスピンをかけてターンからのパス。ターゲットは、

 

剣城「決めろ!!」

 

リュゲル・ガンダレス「「おう!!」」

 

シュート体勢に入った二人。リュゲルの、手に黄金のリンゴが出現。それを一口かじって上に放り投げるとガンダレスの雄叫びでリンゴに闇のエネルギーが注ぎ込まれる。それを、2人は思い切りツインシュートで蹴り飛ばす。

 

リュゲル・ガンダレス「「[スクリーム・オブ・エデン]!!」」

 

バラン兄弟の必殺シュートが、アースイレブンゴールに襲いかかる。

 

信介「やらせない!! [極・ぶっとびパンチ]!!」

 

再び信介の[ぶっとびパンチ]。しかし今度は弾き飛ばされてシュートはゴールに突き刺さった。

 

ダクスガン「ゴーーールっ!! リュゲル、ガンダレスの凄まじい必殺シュートだぁっ!!」

 

リュゲル「こういうのを決まったって言うんだ!」

 

ガンダレス「凄げーーっ! やっぱ凄ぇや俺たち!!」

 

信介「コレが…ファラム・ディーテの力……」

 

天馬(剣城……)

 

剣城(天馬……)

 

天馬「皆! まだ同点になっただけだ!! 勝ち越すぞ!!」

 

アースイレブン『おう!!』

 

アースイレブンのキックオフから試合再開。

 

ボールをいったん神童先輩に戻してゲームを組み立てようとする。が、そこにヒラリがプレッシャーを掛ける。

 

ヒラリ「抜かせないわよ?」

 

神童「くっ、真名部!!」

 

神童先輩はボールをいったん真名部に戻す。が、それを読んでいた剣城にカットされる。

 

真名部「抜かせません!!」

 

皆帆「通さないよ!!」

 

二人が連携してディフェンスを掛けるが、剣城のフェイントで抜かれてしまう。

 

そしてゴール前にボールが転がる。

 

信介「させるかっ!!」

 

信介が飛び出してボールをダイビングキャッチしようとするが剣城の軽いワンタッチで躱されてしまう。

 

信介「しまった!?」

 

 

伊吹「マズイ!!」

 

 

天馬「ここで入れられたら!!」

 

剣城「喰らえっ!!」ドガァアアンッ!!

 

剣のシュートがガラ空きのゴールに迫る。

 

鉄角「させるかっ!! [デッドストレート]!!」

 

カバーに入った鉄角のカウンターシュートがファラムゴールに一直線に飛んでいく。

 

アルゴ「今度は止める!! [リバウンドレイヤー]!!」

 

アルゴの必殺技で、カウンター[デッドストレート]は弾き返され、ボールはボールはメルヴィルへ。

 

メルヴィル「ナイスよアルゴ!! 「通さないよっ!!」っ!!」

 

しかしここに桐穂がディフェンスに入る。

 

桐穂「《加速世界(アクセルワールド)》展開!!」

 

瞬間、桐穂の視界がモノクロに変わり、余計な思考情報が遮断され脳の処理能力が飛躍的に向上する。

 

桐穂(………)ユラァッ

 

動きが極限まで速くなったことで、目の前で動きが止まったように見えるメルヴィルからボールを掠め取った桐穂。ここで《加速世界》は終了する。

 

メルヴィル「っ!? ボールは!? っ、いつの間に!!」

 

ダクスガン「な、なんという速さ!? 目にも止まらぬ早業でボールを奪ったぁ!!」

 

桐穂「瞬木くん!!」

 

パスは瞬木に飛び、瞬木はしっかりとトラップする。

 

瞬木D「やるじゃねぇか!!」

 

バルガ「好きにはさせん!! [ロックハンマー]!!」

 

瞬木D「何っ!?」

 

ボールを奪われた瞬木。ボールは一気に前線へ。

 

ガンダレス「もらった!!」

 

鉄角「させるかよっ!!」

 

鉄角がスライディングで弾きボールは外に出ていったん試合が止まる。

 

信介「鉄角! さっきはありがとう!!」

 

鉄角「おう!! 全力で守るのが俺の役目だ!!」

 

真名部「スミマセン。今度は抜かせません!」

 

皆帆「ああ! 絶対に止めるよ!!」

 

信介「うん!!」

 

龍也「次は俺たちの番だな!!」

 

桐穂「うん!!取られたら…」

 

栞子「取り返すまでです!!」

 

瞬木D「ま、決めるのは俺だろうけどな」

 

天馬「(皆……っ!)神童さん、最終ラインを上げましょう! ゴールは大丈夫です」

 

神童「…ああ、そうだな!!」

 

竜太「おう! 攻めるぞ!!」

 

チームが1つになってファラム・ディーテに向かって行ってる。この勢いで押し切るぞ!!

 

アースイレブン 2 ー 2 ファラム・ディーテ

 

ー 続く ー




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第97話:まさかの交代選手

ファラム・ディーテのスローインから試合再開。しかしここでアースイレブンはディフェンスの最終ラインを上げて攻撃重視のフォーメーションに変える。

しかしこのフォーメーションはディフェンスの連携が極端にシビアになりキーパーに大きな負担が掛かる。

 

ダクスガン「おおーーっと!? アースイレブンが大胆に最終ラインを上げてきた!!」

 

信介(っ! どうして………)

 

天馬(信介……)

 

天馬は一瞬信介とアイコンタクトする。それだけで信介には全て伝わった。

 

信介「(天馬はボクを信頼して……)パチン よし!!」

 

信介は軽く自分の頬を叩いて気合を入れ直す。

 

葵「頑張れ信介!!」

 

伊吹「西園……!」

 

そしてファラム・ディーテのスローインから試合再開。メルヴィルの投げたボールはヒラリに渡り、ヒラリは剣城にパスを出す。

 

ヒラリ「剣城!!」

 

剣城「よし!!」

 

そこに真名部と皆帆が二人で止めに入るが剣城のスピードでアッサリと躱されてしまう。

 

ダクスガン「ファラム・ディーテの速攻だ!!」

 

信介「っ! 来い剣城!!」

 

伊吹「信介! お前が最後の砦だ、止めろ!!」

 

剣城と信介が1対1で激突する。

 

剣城「行くぞ西園!!」

 

信介「止める!!!」

 

剣城がシュート体勢に入る。ボールを上空に蹴り上げ、闇の力を凝縮したオーバーヘッドから死の剣が撃ち出される。

 

剣城「[バイシクルソード]!! でりゃぁあぁあああっ!!」

 

剣城のシュートが一直線に信介に襲いかかる。

 

すると信介と[バイシクルソード]が接触した瞬間信介の足から炎が上がり、シュートと共にまるでロケットのように火炎を噴射しながら上昇していく。

 

信介「[ぎんがロケット]!!」

 

そして最後に信介はボールをヘディングで弾き飛ばしてボールは外に出た。

 

ダクスガン「止めたぁっ!! 西園の新必殺技だあっ!!」

 

信介「やったぁ!! 止めたよ伊吹!!」

 

伊吹「よし!!」

 

葵「スゴイよ信介!!」

 

剣城(フッ、本当に成長したな………)

 

剣城はディフェンスの為に戻るが、心の中ではそんなふうに思っていた。

 

天馬「やったな信介!! 信介はアースイレブンのもう1人の守護神だ!!」

 

信介「えへへへ……」

 

龍也(アイツら、やるな。俺も負けていられねぇ!!)

 

ダクスガン「ヘイヘイヘーイ!! 両チームの激しい攻防に、スタジアムはますますヒートアップだぜぇ!!」

 

桐穂がドリブルで攻め上がっていく。

 

キセノ「行かせないぞ!!」

 

桐穂「《加速世界(アクセルワールド)》!!」

 

桐穂の視界がモノクロに変わり、桐穂に流れる時間の速度が加速する。周りの時間とのラグで、周囲の動きが止まって見える。

 

桐穂「抜く!!」

 

キセノを抜いた所で《加速世界》は解除。相手からしたらとんでも無い速さの動きに困惑する。

 

キセノ「何なんだこの女は!?」

 

桐穂「龍也さん!!」

 

そして龍也さんにパスが繋がる。

 

龍也「よしっ、オラァアアアッ!!」ドゴオォオオオオンッ!!

 

龍也さんの凄まじい威力のノーマルシュートがアルゴを襲う。

 

アルゴ「止める!!」ドシぃイイぃいいいっ!!

 

受け止めたアルゴの腕を衝撃が走り抜けて胴体を貫通するほどのインパクトを与えたが、シュートは止められた。

 

アルゴ「ぐっ!!(ノーマルでこの威力だと!?)」

 

龍也「くっそ!!」

 

アルゴのスローからボールはロッツへ。

 

鉄角「通さねぇ!! [フットワークドロウ]!!」

 

軽快な足運びでボールを奪った鉄角。神童にボールが繋がる。

 

神童「〈神のタクトFI(ファイアイリュージョン)〉!! 高坂!!」

 

ボールはまずは桐穂に繋がる。

 

神童「竜太!!」

 

竜太「オッケーです!!」

 

桐穂さんからのパスをトラップした竜太。そして天馬にパスを出す。

 

天馬「よしっ!!」

 

モーム「行かせない!!」

 

天馬「(スペースが空いた!)龍也さん!!」

 

そしてボールは龍也に繋がる。

 

天馬「決めてください龍也さん!!」

 

バルガ「させるかぁっ!!」

 

バルガとアルゴが凄まじい威圧感を放つ。しかしこの人はそんなものでは止まらない!!

 

龍也「必ず決める!! うぉおおおおおっ!!」

 

龍也さんが気迫のこもった魂を波動として放つ。そのパワーで巨漢のバルガが吹き飛ばされる。

 

バルガ「何だとおっ!?」

 

龍也さんの気迫に、(こころ)の力が光子砲に充填される。

 

そして龍也さんはシュート体勢に入る。竜太とは違った構えからボールに極大のオーラを纏わせて下に落とし、左の足払いでボールに回転と風の膜によるコーティングをプラスする。そしてそれを左足で思い切り振り抜いた。

 

龍也「この一点必ず決めてやる!! [ラストリゾート(ドラゴン)・Gx]!!」

 

ドガァアアァアアアァアアンッ!!

 

漆黒の邪龍がフィールドを這いながらゴールに襲いかかる。

 

アルゴ「[リバウンドレイヤー]!!」

 

アルゴは3重のエネルギーシールドを手に作り出し、シュートにぶつけてバネのような張力で弾き返そうとする。

 

アルゴ「な、なんだこのパワーは!?」

 

しかしそんなものはあっという間に"龍"に食い破られ、シュートはゴールに突き刺さった。

 

ダクスガン「大海龍也の[ラストリゾートD]が炸裂!! アースイレブン勝ち越しだあっ!!」

 

龍也「よしっ!!」

 

果南「ナイスシュート龍也!!」

 

果北「さすがパパ!!」

 

天馬「伝説のシュート…[ラストリゾートD]、生で見ちゃった!!」

 

アースイレブンの中に、試合中に少しばかり感動してる人も数人いたとかいないとか……。

 

 

ポトムリ「彼らの闘いが、ライフエナジーを生み出しているのですね……」

 

カトラ「ええ……、全宇宙を救うために」

 

ダクスガン「アースイレブンリードからのリスタート!! 試合の行方はまだまだ分からない!! ファラム・ディーテからのキックオフ!!」

 

リュゲル「行けガンダレス!!」

 

ガンダレス「行くよリュゲル兄ぃ!!」

 

ガンダレスのパワードリブルに突破されてしまう桐穂。ガンダレスから剣城にパスが飛ぶ。

 

剣城「よし!!」

 

パスをトラップした剣城。そのままドリブルで攻め上がる。

 

天馬「行かせない!!」

 

天馬がディフェンスに入り、お互いに気迫全開でボールを蹴り合う。

 

天馬(剣城!!)

 

剣城(天馬! お前とこんな風にぶつかり合えるとはな!!)

 

激しいぶつかり合いに、光子砲のパワーはどんどんチャージされる。

 

オズロック(もっとだ!! もっとこい!!)

 

ダクスガン「フィールドはますますヒートアップしている!! 攻めるもHOT!!守るもHOT!! 互いに物凄いハイテンションだぜベイベー!!」

 

神童「天馬!!」

 

ボールを奪った神童さんから天馬にパスが繋がる。

 

天馬「よし!!」

 

ヒラリ「ここを通れると思って?」

 

ヒラリが足を伸ばして弾くが何とかキープする天馬。しかしすぐにバルガが止めに入る。

 

バルガ「我々の守りは鉄のように固い!!」

 

天馬は今の体勢では抜くのは無理だと判断しパスを選択。が、

 

剣城「甘い!!」

 

剣城に読まれておりスライディングで弾かれてボールは外に出る。

 

ダクスガン「アースイレブンもファラム・ディーテも、お互いの実力は50/50!! このパワーゲーム、ブレイクスルーはどちらが先か!? ん? ここでファラム・ディーテ、選手の交代だ!!」

 

神童「流れを変える気だな……」

 

外に出るのはMFのネオル・ロッツ。新たに入ってくるのは、

 

って……

 

アースイレブン『は……?』

 

ダクスガン「ファラム・ディーテの交代選手はなんとっ、黒岩監督本人だぁっ!! アンビリバボー!!」

 

神童(黒岩監督……どこまで暴走するんだ!! あなたの狂気は!?)

 

 

 

アースイレブン 3 ー 2 ファラム・ディーテ

 

ー 続く ー




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第98話:衝撃の選手交代。選手黒岩

ボールが外に出たところでファラム・ディーテの選手交代。だがなんと、交代選手は黒岩監督自身だった。

 

龍也「そんなのが認められるのか!?」

 

ダクスガン「おっと、大会本部から連絡が入ったぞ! 監督が選手として出場しても問題ないそうだ!!」

 

竜太「マジかよ………」

 

だからってやるか普通?

 

剣城「監督……」

 

黒岩「コンディションは完璧だ!!」

 

天馬(っ、黒岩監督……!)

 

そしてファラム・ディーテボールから試合再開。

 

ボールはメルヴィルから黒岩に渡る。

 

天馬「行かせない!!」

 

黒岩「フン!」

 

黒岩の巧みなフェイント。天馬は抜かれないだけで精一杯。とてもではないが取る余裕はなさそうだった。

 

天馬(っ!? 全然隙が無い!!)

 

黒岩「話にならん!!」

 

黒岩のドリブル突破が成功。神童先輩がカバーに入る。

 

神童「アナタは何が目的なんですか!!」

 

黒岩「答えは自ら見つけ出す物だ!!」

 

神童(いったい何が言いたい?)

 

神童先輩も突破されてしまう。そして黒岩はリュゲル、ガンダレスとシュート体勢に入る。黒岩が指笛を鳴らすと、地面から複数羽のペンギンが出現。黒岩のキックと共にペンギンが飛んでいく。

 

黒岩「[皇帝ペンギン……」

 

リュゲル・ガンダレス「「…2号]!!」」

 

締めのリュゲル、ガンダレスのツインキックで連携シュート、[皇帝ペンギン2号]がアースイレブンのゴールに襲い掛かる。

 

天馬「アレは!!」

 

信介「止める!! [ぎんがロケット]!!」

 

信介はシュートを弾き返すことに成功する。

 

伊吹「凄いシュートだ……」

 

葵「アレは、帝国学園の技よ……」

 

ボールはヒラリに渡り、そこに龍也さんがディフェンスに入る。

 

ヒラリ「もう!! リュゲル!!」

 

ボールはリュゲルに渡るが、天馬がすぐにチェックに入る。

 

リュゲル「(くっ…)剣城!!」

 

ボールは剣城に渡り、ドリブルで攻め上がってくる。

 

神童「止める!!」

 

剣城 トッ!

 

神童「っ!!」

 

剣城はヒールで後ろから上がってきていたロダンにパス。ロダンは大きく前に蹴り、剣城は一気に走ってトラップ。連携で抜き去った。

 

皆帆「行かせないよ!!」

 

真名部「これ以上は進ませません!!」

 

剣城「っ!!」

 

しかし真名部と皆帆が連携して止めに入る。今度は剣城も攻めあぐねている。

 

黒岩「……甘すぎる」ボソッ

 

皆帆と真名部が剣城からボールを奪い取ろうとディフェンスを掛ける。するとそこに、

 

黒岩「この程度で、宇宙最強決定戦だと!!」

 

真名部・皆帆「「うわぁっ!!」」

 

黒岩は味方の剣城からボールを奪い取り、真名部と皆帆を吹き飛ばしてドリブルで攻め上がる。

すると黒岩はいきなり急停止して反転。今度は自陣のファラム・ディーテのエリア目掛けてドリブルする。

 

黒岩「生温い!!」ドガァアアッ!!

 

剣城「ぐぁあぁああっ!!」

 

リュゲル「おい!? ゴールは逆だぞ!! ぐぁっ!!」

 

ガンダレス「リュゲル兄ぃ!? うわぁっ!?」

 

黒岩は味方の選手も次々と吹き飛ばしてファラムゴールに目掛けて突っ込む。

 

天馬「黒岩監督……?」

 

ダクスガン「なんとっ!! 黒岩が味方の選手を次々とスナイプしていくぞおっ!? これはcrazy!!」

 

ヒラリ「ちょっと!! 待ちなさい!!」

 

ロダン「マジでざけんなっての!!」

 

メルヴィル「止まりなさい!!」

 

3人「「「うわぁあぁあああっ!!?」」」

 

しかし3人も呆気なく弾き飛ばされる。

 

天馬「(っ!!)止めろ!!」

 

神童「黒岩監督、アナタは!!」

 

すると黒岩は止まり、

 

黒岩「フッ、常識を覆さなければ、最強の力は掴み取れんのだ!! 私を止めてみろ!!」

 

すると黒岩はドリブルを再開。天馬と神童先輩を弾き飛ばす。

 

天馬「くっ、神童さん!? っつ!!」

 

天馬は急いで黒岩を追う。

 

 

その頃、アースイレブン側VIP観覧席……

 

ポトムリ「こんな状況で、ライフエナジーが溜まるのでしょうか……?」

 

カトラ「……………」

 

 

 

黒岩はドリブルで攻め上がる。そこに竜太と龍也さんが止めに入る。

 

竜太「何やってんだアンタは!! ドガァッ!! ぐぁああっ!!」

 

黒岩の蹴ったボールが俺の腹にめり込む。空気を肺から一気に押し出されて俺は激しく咳き込む。

 

竜太「ゴホッ、ゴホッ!!」

 

龍也「竜太!! 野郎!!」

 

上に舞い上がったボールを、跳躍して交差する様に競り合う龍也さんと黒岩。しかし龍也は弾き飛ばされてしまう。

 

ダクスガン「オーマイガー!!黒岩が暴走状態だ!! Dangerous!!」

 

黒岩を止めるため、天馬と剣城が共に走る。

 

バルガ「行かせんぞ!!」

 

黒岩「ならば止めろ!!」

 

しかしあの巨漢のバルガさえも呆気なく吹き飛ばされる。

 

キーパーのアルゴはとまどいながらもシュートを、警戒して身構える。

 

黒岩がシュート体勢に入る。回転しながら跳躍し、炎の竜巻を身に纏う。

 

黒岩「[ファイアトルネード]!!」

 

瞬木D「!?」

 

しかしシュートはゴールではなく、瞬木目掛けて飛んでいった。

 

天馬・剣城「「止めろーーーっ!!」」

 

ドガァアアァアアアァアアッッ!!

 

天馬と剣城の二人が協力してツインキックでシュートを弾き返す。[ファイアトルネード]は弾かれた。

 

その時、上空から突如としてレーザー光線が黒岩目掛けて降り注ぐ。フィールドに大爆発が起こると、黒岩は跡形もなく消し飛んでいた。

 

ダクスガン「アンビリーバボー!! 黒岩が空からのビーム攻撃によって消滅した!!」

 

天馬「っ!! 黒岩監督!!」

 

神童「いや、違う……これはアンドロイドだ!!」

 

近寄った神童先輩が、黒岩の残骸が機械である事を発見。先程の黒岩は機械人形だったのだ。

 

ダクスガン「Everybody!! 大会本部からのリポートが入った!! 黒岩はアンドロイドと判明!! それを反則行為と見なした試合観測衛生が、黒岩を破壊したそうだ!!」

 

真名部「分かりません……黒岩監督は、何故アンドロイドを使ってまで……?」

 

皆帆「……あの時、試合は膠着状態だった。皆消極的になっていた。それらを考え合わせると……、」

 

すると、得点板のスクリーンに映像が入る。

 

黒岩『宇宙の運命を賭けて戦う諸君、よく聞くがいい。サッカーは個人の肉体の優劣を競う物では無い。肉体、精神、他者との繋がり、人間が持つあらゆるスペックを用い、存在の全てを競い合う競技なのだ!! お前たちは今、この宇宙に存在し続ける価値があるかどうかを賭けて戦っている。故にお前たちは、肉体で戦うべきではない。"魂"で戦うべきなのだ!!』

 

神童「魂で……戦う?」

 

龍也「なるほど、そういうことか……。サッカーは、"魂と魂のぶつかり合い!!"だったな」

 

天馬「龍也さん?」

 

そして、映像は途切れた。

 

ダダクスガン「ファラム・ディーテは、黒岩に変わりサルファーが入り試合再開だ!! この結末、見逃すなよ!?」

 

ファラム・ディーテメンバーチェンジ

 

黒岩 out  → in サルファー

 

フォーメーション

 

GK         アルゴ

 

DF    モーム  バルガ  キセノ

 

MF サルファー   ヒラリ   メルヴィル

 

FW   リュゲル  ロダン  ガンダレス

 

FW         剣城

 

剣城(……………)

 

ファラム・ディーテのボールから試合再開。ボールはメルヴィルからガンダレスへ。

 

するとガンダレスはソウルを発動。黒い素早そうな肉食獣に姿を変えフィールドを駆け回り、跳躍して一回転。ボールを尻尾の突起物で打ち払ってきた。

 

信介「速い!!」

 

鉄角「させるかよ!!」

 

すると鉄角も負けじとソウルを発動。赤い猛牛へと姿を変え、シュートに突進する。

しかし鉄角が変化したバッファローは弾き飛ばされた。だがシュートの勢いは削った。

 

信介「これなら止められる!! [ぎんがロケット]!!」

 

信介はシュートと共にジェット噴射でグングン上昇。シュートをヘディングで弾き飛ばした。しかしボールはリュゲルの真正面に転がってしまった。

 

リュゲル「これはまさに、棚からぼた餅だ!!」

 

するとリュゲルはソウルを発動。ガンダレスとは色違いの白い肉食獣へと姿を変え、フィールドを駆けると跳躍からの一回転、尻尾でシュートを打ち払ってきた。

 

真名部「させません!!」

 

真名部もソウルを発動。ラーテルへと姿を変え、その爪をシュートに突き立て切り裂く。

しかしラーテルに変化した真名部は弾き飛ばされる。シュート勢いをほぼ失ったが、まだゴール隅目掛けて飛んで行ってる。

 

信介「させるかっ!!」

 

しかしここで信介がダイビングキャッチ。シュートを防いだ。

 

ダクスガン「ここで西園がナイスセーブだ!!」

 

天馬「良いぞ皆!!」

 

剣城(っ!! もしかして……)

 

激しく火花散る決勝戦。勝つのはどちらだ?

 

 

 

アースイレブン 3 ー 2 ファラム・ディーテ

 

ー 続く ー




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第99話:決勝決着!!

今回の後書きでお知らせがあります。作品の投稿に関するお知らせなので一応ご覧下さい。


信介のナイスセーブからゴールキック。ボールは竜太に飛ぶ。

 

竜太「よし、速k…「甘い!!」剣城!!」

 

しかし読んでいた剣城がインターセプト。ドリブルで攻め上がる。

 

天馬「行かせないぞ剣城!!」

 

剣城「来い天馬!!」

 

剣城と天馬がボールを蹴り合いぶつかり合う。2人の身体からは綺麗な青白い光が溢れ出し、2つの命が激しくぶつかる。

 

天馬「くっ!!「まだまだだ!」っ!!」

 

剣城「俺たちに全てをぶつけて来い!!」

 

天馬「剣城っ!!」

 

天馬・剣城「「うぉおおぉおおおぉおおおぁああっ!!」」

 

2人のライフエナジーのぶつかり合いの余波がフィールド中に波紋のように広がる。凄まじいプレッシャーだ。

 

光子砲にも一気に大量のエネルギーがチャージされる。エネルギーMAXまであと僅かだ。

 

剣城「ぐぅうううっ!!」

 

天馬「うぉおおおっ!!」

 

ドガァアアッ!!

 

しかしパワーが強大になり過ぎ、二人は揃って弾き飛ばされる。ボールは勢い余ってタッチラインを割って外に出る。

 

 

 

伊吹「アイツら……!」

 

葵「凄い!!」

 

剣城(天馬……!!)

 

天馬(……この感じ!!)

 

アースイレブンのボールから試合再開。ボールは神童先輩に渡りドリブルで攻め上がる。

 

ヒラリ「行かせないわ!!」

 

ディフェンスに入ったヒラリ。しかし、

 

神童「行くぞぉっ!!」

 

神童先輩はソウルを発動。クジャクへと姿を変え、七色に輝く翼の光で目をくらまして突破した。

 

神童「天馬!!」

 

ボールは天馬に渡る。

 

モーム「これ以上は進ません!!」

 

天馬「[Zスラッシュ・G4]!!」

 

ディフェンスに入ったモームを必殺ドリブルで抜き去る天馬。

 

天馬「瞬木!!」

 

そしてボールは瞬木に渡る。

 

瞬木D「決めてやるぜ!!」

 

そして瞬木はソウルを発動。蒼い隼へと姿を変え、ボールを足で掴むと翼を広げて滑空し、ゴールへと一直線。

 

アルゴ「止める!!」

 

アルゴは横っ飛びしてシュートに手を伸ばすが、数センチ届かずにシュートはゴールに叩き込まれた。

 

ダクスガン「ゴール!! 均衡を破り、アースイレブンが追加点!! 点差を2点に広げたぞぉっ!!」

 

天馬(もしかして黒岩監督は、己の全てをさらけ出せって伝えたかったんじゃ……)

 

剣城(肉体的、精神的限界を越えて戦え、そういう事か……)

 

すると、スタジアム中から選手たちに応援と歓声が。ファラム人の中にもアースイレブンに歓声を上げるものがチラホラと。

 

伊吹「何だ……、コレは?」

 

葵「2人のプレーに、皆の心が動いたんだわ!!」

 

ファラム・ディーテのキックから試合再開。そこからも天馬と剣城の鍔迫り合い。両者一歩も引かない熱戦が繰り広げられた。

 

ダクスガン「オウ! 松風と剣城、どちらも一歩も引かないまさに魂と魂のぶつかり合いだ!!」

 

剣城(天馬っ!!)

 

天馬(剣城っ!!)

 

またしても2人の激突によるライフエナジーの余波が波紋のように広がる。凄まじいパワーの激突に、会場のボルテージは天井知らずだ。

 

 

 

そして、光子砲にはエネルギーのチャージが完了した。

 

オズロック「フハハハ! やったぞ、ライフエナジーMAXだ!!」

 

するとオズロックはコンパネを操作し、

 

オズロック「もはやフィールドのクズどもに用はない。消滅しろ……」

 

その操作を受けた試合観測衛星がプレーのルール違反で作動。フィールド目掛けてレーザーを照射した。

 

その頃、未だにぶつかり合いの決着が付かない2人、2人のライフエナジーがドーム状にドンドン広がっていく。

 

天馬「剣城ぃいいっ!!」

 

剣城「天馬ぁああっ!!」

 

天馬(俺達は永遠の……!)

 

剣城(そして最高の……!)

 

天馬・剣城「「ライバルだぁあぁああぁあああっ!!!」」

 

膨れ上がるライフエナジー。そこに上空の衛生からのレーザーが直撃。しかし溢れるライフエナジーがバリアの役割を果たし、逆にレーザーを押し返した。

 

そして溢れるライフエナジーが晴れると……

 

葵「っ、………!?」

 

2人がいた場所には、それぞれ金色の鬣を持つ馬と、漆黒の毛並みを持つ狼がいた。

 

ここに、天馬のソウルと剣城のソウルがついに目覚めた。

 

狼(剣城)(天馬、お前と最高にすごいサッカーを戦えて、俺は嬉しい……)

 

馬(天馬)(ああ! こんなにワクワクする事は無い!!)

 

 

 

オズロック「レーザーを押し戻すほどに力が高まっているとは……面白い」

 

ダクスガン「グランドセレスタギャラクシー、その最後の戦いも残り時間あと僅かだ!!」

 

剣城が、ドリブルで攻め上がる。そこに真名部が止めに入るが、アッサリと抜かれてしまう。

 

剣城「…………っ!!」

 

天馬「っ!!」

 

ドカァッ!!

 

天馬と剣城の肩と肩がぶつかり合う。剣城は天馬を突破し、ソウルシュートの体勢に入る。

 

剣城の身体から光が溢れ出し、黒い狼へと姿を変える。そしてフィールドを駆け、ボールの周囲に自身をエネルギー刃の様に纏わせてゴールに襲い掛かる。

 

信介「[ぎんがロケット]!!」

 

信介も必殺技で対抗。しかし剣城のソウルシュートには歯が立たず、シュートはゴールに突き刺さった。

 

ダクスガン「イェーーーイっ!! 剣城のソウルシュートが決まった!! ファラム・ディーテ、1点差に詰め寄る!!」

 

信介「凄い……コレが、剣城の全力なんだ!!」

 

アースイレブンボールから試合再開。

 

一旦ボールを戻し、天馬がドリブルで攻め上がる。

 

ダクスガン「アースイレブンからのリスタートだ! ボールは松風に!!」

 

しかし剣城にインターセプトされ、そのままファラム・ディーテが攻め上がる。

 

天馬「っ! 行かせるかっ!!」

 

しかしここで天馬も根性を見せてボールを奪い返す。

 

竜太「天馬!!」

 

天馬「竜太走れ!!」

 

するとドリブルで攻め上がる天馬の身体から光が溢れ馬に変化。そして竜太を背に乗せフィールドを駆ける。

 

天馬はディフェンスに入ったバルガを吹き飛ばし、そのままパスを出す。

 

天馬「行け竜太!! 龍也さん!!」

 

そして竜太と龍也さんに縦のセンタリングを上げる。

 

竜太「行くぞ!!」

 

龍也「ついて来いよ!!」

 

そして二人で構えてボールに極大のオーラを纏わせる。そして龍也さんがオーバーヘッドで下に落とし、それを竜太が左の足払いでボールに回転と風の膜をコーティングする。

そしてそのボールを、二人のツインキックで蹴り飛ばした。

 

竜太・龍也「「[ラストリゾート(クロス)・G3]!!」」

 

ドゴォオオオンッ!

 

ドゴォオオォオオオンッ!!

 

ドゴォオォオオォオオォオオンッ!!!

 

二対の龍が、フィールドを破壊しながらゴールに襲いかかる。

 

アルゴ「決めさせるか!! [リバウンドレイヤー]!!」

 

アルゴの必殺技がシュートに激突。押し戻そうとする。が、

 

アルゴ「ぐっ、うわぁああぁああっ!!」

 

シュートはアルゴの守りを突き破り、ファラム・ディーテのゴールに突き刺さった。

 

ダクスガン「ゴーーーールッ!! 大海竜太と大海龍也の連携必殺シュートが決まった!!」

 

剣城「まだだ!! 速くボールを……」

 

ピッ、ピッ、ピィイイイーーッ!!

 

ダクスガン「試合終了ーーーっ!!」

 

天馬「やったぁああっ!!」

 

果林「勝ったぁああ!!」

 

彼方「竜太ーーっ!!」

 

果南「龍也ーーーっ!!」

 

ベンチから果南さんと彼方が駆け寄ってくる。

 

ダクスガン「グランドセレスタギャラクシー決勝戦、この激闘を制したのはアースイレブン!! コングラッチュレーション!!」

 

天馬「………」

 

天馬はファラム・ディーテの方を見る。

 

ヒラリ「やられちゃったわ……」

 

バルガ「無念だ……花開く前に摘み取られた蕾の様に、無念だ!!」

 

アルゴ「っ、剣城……」

 

剣城「確かに試合には負けた。だが、俺たちが得た物は、勝ち負けよりもずっと尊い物だ」

 

アルゴ「尊い物………」

 

その様子をモニターで見ていた黒岩は、

 

黒岩(良いじゃないか。実に良い仕上がりだ)

 

ー ファラム側VIP観戦席 ー

 

ミネル ピピッ「私だ……本当か? 良くやった。」

 

そしてミネルは通信を切る。

 

ミネル「ララヤ様、我が軍の反撃作戦が成功。ターミナルは全て取り返したとのことです」

 

ララヤ「そうか……良かった」

 

 

 

イシガシ「申し訳ありません。拠点は全て奪い返されました」

 

オズロック「構わん。コレより最終ミッションに移る。全員スタジアムに集結せよ」

 

 

ポトムリ「ついに満たされた様だな。コズミックプラズマ光子砲は、間もなく発射できる状態になります」

 

カトラ「良くやってくれました。では、これまで起こったことのすべてを皆に伝えねばなりませんね」

 

そして、カトラが演説台に歩みを進める。

 

 

 

ー 試合終了 ー

 

アースイレブン 5 ー 3 ファラム・ディーテ

 

ー 続く ー




一応決勝戦が終わったので、少しの間〜虹の彼方に〜の投稿を止め、世界への挑戦編で執筆中の〈After story:静岡選手権編〉を書き終えてしまいたいと思います。
静岡選手権編が終了次第、再開致しますのでご理解の程宜しくお願い致します。

感想・評価点募集中です!!


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第100話:最終決戦! イクサルフリート!!

カトラが演説台に立つと、観客たちの視線が集まる。

 

ザワザワ

 

観客「誰だ? あの娘……?」

 

ザワザワ

 

観客「さぁ?」

 

会場中の注目が集まる中、カトラが話始める。

 

カトラ「ファラム・オービアス、そして全宇宙の皆さん、よく聞いてください。この戦いには、グランドセレスタギャラクシーの優勝を決めるという他に、もう1つの大きな役割がありました。それは…宇宙の危機を救う事です」

 

観客「なんだって!?」

 

ザワつく会場内。カトラが話を続ける。

 

カトラ「私達の星、キエルに伝わるブラックホールをも消し去る力、"コズミックプラズマ光子砲"。これに、皆さんの戦いから生まれたライフエナジーを流し込むこ事で、空を覆う闇を祓う力を得ました。今ここに、全宇宙は救われるのです!!」

 

会場中から大歓声が上がる。見に来ていた他の星の代表たちも大喜びしているだろうな……。

 

神童「ライフエナジー……"命のエネルギー"そうか! 黒岩監督はそのために。剣城は知っていたのか……」

 

 

 

剣城(………………)

 

昨日、黒ピクシーの正体であるアクロウスが剣城に接触したとき、

 

アクロウス『私はかつてのファラム・オービアス王。そして、ララヤの父だ』

 

剣城「ララヤの父……」

 

アクロウス『この星を救う方法がある』

 

剣城「なにっ!?」

 

アクロウス『コズミックプラズマ光子砲で、ブラックホールを消し去る。その為には、宇宙に命を生み出す偉大なるエネルギー"ライフエナジー"が必要なのだ。ララヤの願い、叶えてくれると信じているぞ』

 

 

ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー

 

剣城「……………」

 

天馬「剣城!! ありがとう、剣城。お前と最高のサッカーができた。楽しかったよ!!」

 

剣城「ああ。俺もだ! っ、天馬…俺は……「分かっているさ」!」

 

天馬「お前は、いつだって俺たちの仲間だ!!」

 

剣城「っ、フッ……」

 

そして、神童先輩も近寄る。

 

剣城「神童さん……」

 

神童「お帰り。剣城」

 

そして、フィールドが変形し、地下から機械が出てくる。

 

剣城「始まるぞ」

 

スタジアムの周囲に、まるで竪琴のような巨大な装置が現れる。

 

カトラ「ついに、来たのですね。全宇宙に、希望の竪琴を奏でる時が……」

 

ポトムリ「はい……。これでコズミックプラズマの力を撃ち出し、ブラックホールを消し去る事ができる」

 

ララヤ「コレが、宇宙を救う力か……」

 

ミネル「何いうと神々しさでしょう……」

 

天馬「凄い………」

 

すると、会場のアナウンスから、笑い声が流れてくる。

 

オズロック『フフフフハハハハ!! 勝手に使われては困る。それはこの私の物だからね』

 

するとフィールドに紋章が出現したかと思ったら、そこに11名の人間がワープしてきた。

 

オズロック「ライフエナジーが集約された宇宙最強の兵器、せっかく充填された巨大なパワーをこんな星を救うために使うなど勿体ないではないか……」

 

竜太「なんだと!?」

 

 

カトラも演説台から身を乗り出しオズロックに問いかける。

 

カトラ「これはブラックホールを消すために使う約束です!!」

 

オズロック「約束……? フフフ…」

 

カトラ「オズロック……アナタは!」

 

オズロック「お前たちは伝説とされてきたコズミックプラズマを復活させてくれた。そして私はついに手に入れることができた。宇宙をも支配できる禁断の力を!!」

 

カトラ「っ………くっ!!」

 

だが、天馬、剣城、神童さん、竜太の4人が前に進む。

 

天馬「オズロック……お前はサッカーを自分の目的のために使ったのか?」

 

オズロック「そうさ、サッカーなどどうでも良かった。コズミックプラズマ光子砲さえ完成できれば」

 

天馬「そんなことのために、サッカーを利用したのか? ……きっと、"サッカーが怒ってる"!!」

 

オズロック「サッカーが怒るだと? サッカーが好きなあまり人間扱いとは幼稚な奴だ」

 

竜太「そんな事は分かってるさ。サッカーは人じゃない。だけどサッカーは、サッカーは俺達にとって…かけがえのない物なんだ!」

 

天馬「心と心をぶつけ合って、自分と向き合えて、出会った人皆を繋いでくれる、そんな大切な友達みたいなものなんだ!!」

 

天馬・竜太「「サッカーを悪用する奴は許さない!!」」

 

果南「天馬くん、竜太!!」

 

龍也「どこに行ってもガルシルドみたいな奴はいるって事か。まぁ今回はスケールが違うけど」

 

 

 

オズロック「もはや意味不明だな。それではサッカーとは何か、確かめようじゃないか。さぁ、キックオフだ!!」

 

ダクスガン「Everybody! 大変な展開になって来た!! まさに宇宙の存亡を賭けた一戦。ブラックホールの危機迫る中、グランドセレスタギャラクシーの覇者アースイレブンが戦うその相手は!?」

 

オズロック「フフフ、我らは……"イクサルフリート"!!」

 

天馬「イクサルフリート……?」

 

竜太(不気味な奴らだな………ん?)

 

イシガシ「フッ」

 

鉄角「あの案内係!! アイツもオレたちを騙してたのか!!」

 

真名部「大方、案内人として僕たちに接触しながら強さのチェックでもしてたんでしょうね」

 

瞬木D「抜かりは無いってわけだな」

 

オズロック「全宇宙に告げる! 我らイクサルフリートを衝き動かすものは、ファラム・オービアスへの滾り立つ憎しみ!怒り!! 私は、奪われたものを奪い返す為にここにいる。それが我々の悲願なのだ!! ただ奪い返すだけではない。お前たちの宇宙全てを奪ってやる!!」

 

そしてオズロックが指を鳴らすと、得点板が表示される。

 

オズロック「この試合は全宇宙に絶望を与えるための余興だ。お前たちが希望とするサッカーがお前たちを破壊する!」

 

九坂「アイツ……どうかしてる!」

 

伊吹「ああ…!」

 

オズロック「消えろ、ファラム・ディーテ。目障りだ。」

 

バルガ「目障りだと!?」

 

ヒラリ「目障りはどっちかしら? 宇宙を全部奪うだなんて、随分大口を叩いてくれたわね」

 

オズロック「くだらん。ファラム・オービアスの言葉など耳障りだ。」

 

ヒラリ「っ!! 何ですって!!」

 

すると、紫天王のリーダーリュゲルとガンダレスが前に出た。

 

リュゲル「おい悪党!! 俺たちが本当に怖いのはお前ではない!! アレだ!!」

 

リュゲルが指さしたのは、

 

竜太「やっぱりブラックホールだよな……」

 

ガンダレス「見えるよリュゲル兄ぃ! あそこにブラックホール!「それがどうした?」え?」

 

オズロック「この星が消えようが残ろうが私にはどうでも良い!!」

 

するとオズロックの立てた指の先に黒いボールのような物が出現する。

 

オズロック「消えろ……」

 

そしてオズロックはそれをファラム・ディーテ目掛けて蹴ると黒い光を放つ。

 

俺たちが目を開けると、ファラム・ディーテは消え去ってしまった。

 

竜太「っ!! オズロック、テメェ!!」

 

剣城「許さん!!」

 

オズロック「心配しなくとも次はお前たちだ」

 

ララヤとミネルのいる部屋に、ポトムリとカトラが入ってきた。何とかこの事態を打開する策を練らねばならない。

 

ミネル「ですがこうなった以上、コズミックプラズマ光子砲は奴らの支配下にあります。ブラックホールが迫る以上、我々に残された道は死を待つか奴らに服従する道しか残されていない……」

 

ララヤ「っ! そのような道を覆す為の試合じゃ!!」

 

カトラ「天馬たちを信じましょう。希望の竪琴は、全宇宙の人々を救うために奏でられるべきです。決して、悪の兵器にしてはならない」

 

 

 

 

オズロック「滅ぼせ何もかも!!」

 

イクサルフリート『了解!!』

 

天馬「行くぞ皆!!」

 

アースイレブン『おう!!』

 

試合前に、俺は嵐珠に声を掛けた。

 

嵐珠「アタシが前半出るの?」

 

竜太「ああ。なんか嫌な予感がするんだ。何も無ければ笑い話で済むし、お前なら安心して任せられる。頼めるか?」

 

嵐珠「ランジュじゃなきゃできないのね?」

 

竜太「そうだ。頼む!」

 

嵐珠「了解よ。出番は無いからそのつもりでね!!」

 

竜太(だと良いんだが……)

 

 

その時、

 

天馬「黒岩監督!?」

 

黒岩「敵の狂気に立ち向かうには、それ以上の感情が必要だ。お前たちにはあるか?敵の計り知れない狂気に立ち向かえる感情が…」

 

天馬「狂気に立ち向かえる感情……」

 

神童(どういうことだ? 黒岩監督は俺たちに何を伝えようとしているんだ……?)

 

オズロック「始めるとしようか。我々が抱く憎しみの力を、このフィールドで味わえ!!」

 

そして両チームフィールドに出る。

 

フォーメーション

イクサルフリート

 

GK       フォボス

 

DF  デイモス イシガシ エーギル

 

ボランチ  シノーべ  ユミル

 

MF   ディオネ    タルヴォス

 

FW ローゲ   オズロック  デスピナ

 

アースイレブン

 

FW     剣城  瞬木

 

MF  九坂   天馬   嵐珠

 

ボランチ     神童

 

DF 森村  皆帆  真名部 鉄角

 

GK       信介

 

ダクスガン「イエーイッ!!Welcome to cosmic soccer world!! 全宇宙の命運を賭けた最終決戦、間もなくキックオフだ! この試合は、選手の交代は無制限と通達があった!! 両チーム何度でも選手交代、再出場が認められるぞおっ!!」

 

って言ってもイクサルフリートは11人ピッタリだから交代は無いけどな。って言うか………、

 

信介「全員がディフェンス!? もっと攻撃的な布陣で来ると思ったけど……」

 

座名九郎「この位置取りが、サッカーの戦術上意味があるのかどうか…この試合、荒れるかもしれませんよ」

 

葵「え?」

 

座名九郎「感じませんか?イクサルフリートの(たかぶ)りを。彼らを動かすものは、ファラム・オービアスへの強い復讐心です。彼らの心の闇は底知れない。その深い闇が生み出すサッカー……彼らがどんなプレーをしてくるのか、想像も付きません」

 

天馬(イクサルフリート……強い怒り、殺気を感じる「天馬!」っ!)

 

神童「力を抜け。普段通りのプレーで行くんだ。」

 

天馬「っ! はい!!(そうだ。この試合が最後なんだ。キャプテンとして、皆を勝利へ引っ張って行かなくちゃ!!)」

 

 

そして、試合開始のホイッスルが鳴った。

 

ー 続く ー




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第101話:最終決戦 開始!!(キックオフ)

長かった戦いも、いよいよ最後の決戦が幕を開けた。アースイレブンのキックオフから試合開始。

ボールを持ってドリブルで攻め上がる瞬木を先頭にアースイレブンのオフェンス陣がイクサルフリートの陣地に斬り込んでいく。

 

瞬木D「神童!」

 

神童「よし、九坂!!」

 

パスを回して様子を伺いながら攻め上がるアースイレブン。まずは九坂が仕掛ける。

 

オズロック「……闇に沈めろ」

 

イクサルフリート『了解!!』

 

するとイクサルフリートの選手全員からドス黒く、肌がヒリつく様なオーラが発せられる。それはスタジアム中に広がり、観客もアースイレブンも一瞬面食らう。

 

 

ポトムリ「イクサル人の心が生み出す闇の力……これもライフエナジーです!!」

 

ララヤ「決勝戦で、剣城や他の者たちが発したものとは明らかに違う……! こんなにも肌を刺す様な物だったか?」

 

カトラ「イクサル人の怒り、憎しみ……彼らを突き動かす衝動その物では?」

 

ポトムリ「はい。恐らくは……」

 

 

九坂「っ! だからって、負けられっか!!」

 

九坂が果敢に攻め上がる。そこにディオネがディフェンスに入るが、捕まる前に天馬にパスを出す。

 

天馬「よしっ!!」

 

ボールを受けて仕掛ける天馬の身体から、イクサルフリートとは真逆、"プラス"の性質を持つライフエナジーが発せられる。デスピナがボールを奪いに来るが、

 

天馬「うぉおおおっ![Zスラッシュ・Gx]!!」

 

デスピナ「っ!!」

 

天馬の[Zスラッシュ]がデスピナを突破。今までとは明らかに技の勢いが違う。

 

ダクスガン「Amazing!! 松風渾身の[Zスラッシュ]が、イクサルフリートを突破したぁっ!!」

 

 

ポトムリ「天馬くんのライフエナジーが、必殺技に更に勢いを与えています!!」

 

 

葵「凄い、天馬!!」

 

信介「これが天馬の答えなんだ。"サッカーを悪用する奴を許さない"……その想いが、力を高めているんだよ!!」

 

天馬を止めようと今度はタルヴォスが来るが、フェイントからの股抜きで抜き去った。

 

嵐珠「天馬くん、行っちゃいなさい!!」

 

尚もドリブルで攻め上がる天馬。神童先輩にパスを出す。

 

神童「よしっ!」

 

ディオネがディフェンスに入ると、凄まじい威圧感が放たれる。神童先輩は気圧され、ボールを奪い取られてしまう。

 

瞬木D「どうしたんだ神童!!」

 

神童「すまん、奴の目に弾かれた……」

 

瞬木D「っ!」

 

神童「あんなにも憎悪を剥き出しにした目は初めてだ……」

 

瞬木D「へぇ? 面白い連中だ………」

 

ディオネがドリブルで攻め込む。そこに戻ってきた天馬がスライディングでボールを狙う。巧くカットし、ボールを奪い返す。

 

ディオネ「っ! 野郎!!」

 

天馬がドリブルで斬り込んでいく。

 

オズロック「阻め」

 

イシガシ「了解」

 

オズロックの指示でイシガシがディフェンスに向かう。しかし、"接触する!"というタイミングで瞬木にノールックでパスを出す。

 

ダクスガン「オーーウッ! これは見事なノールックパス!!」

 

瞬木D「よしっ!」

 

イシガシ「それでは、貴方を絶望へとご案内致しましょう」

 

するとイシガシは必殺技を発動する。

 

イシガシ「[ジャッジメントレイ]!!」

 

瞬木を背後からレーザーの雨が襲う。レーザーの着弾時の爆発に巻き込まれ瞬木は吹っ飛び、ボールは弾かれてサイドラインから外に出る。

 

瞬木は衝撃でしばらく倒れていたが、何とか立ち上がる。

 

瞬木D「何が…ご案内だ! お前の案内なんか……要らねぇよ!!」

 

神童「瞬木……!?」

 

瞬木D「コイツら結局、不幸自慢か!!」

 

イクサルフリート、エーギルのスローインから試合再開。ボールはユミルに飛ぶが、トラップする直前に自慢のスピードを活かした瞬木がインターセプト。攻め上がる。

 

ダクスガン「瞬木すかさずボールを奪ったぁ!!」

 

瞬木D「へっ!!」

 

ユミル「イ〜〜ッ!!」

 

しかし瞬木にイシガシがディフェンスに入る。イシガシから憎悪を剥き出しにした威圧感が放たれ、瞬木も気圧されてカットされてしまう。

 

瞬木D(ちっ!!)

 

飛んだボールは嵐珠の方へ。

 

嵐珠「貰うわ!!」

 

嵐珠が思い切り跳躍する。しかしディオネに、遅れて飛んだにも関わらず上昇速度、高さ両方で上回られてしまい先に取られてしまう。

 

ディオネ「フッ!!」

 

ディオネはヘディングで前線へとパス。

 

ダクスガン「ボールを受けたのは……オズロックだあっ!!」

 

天馬「ディフェンス!!」

 

皆帆「ああ!!」

 

真名部「行かせません!!」

 

オズロック「フッ……」

 

オズロックが不気味に笑ったかと思ったら、力任せの強引なドリブルで二人を吹き飛ばして突破する。

 

鉄角「くっ、森村!!」

 

森村「はい!!」

 

鉄角「[真・フットワークドロウ]!!」

 

森村「[真・このはロール]!!」

 

二人の必殺技が同時にオズロックを襲う。が、

 

ドガァアァアアァアアッ!!

 

鉄角・好葉「「うわぁああああっ!?」」

 

二人同時の必殺技でさえも、ただのドリブルで破られてしまった。

 

ダクスガン「アンビリーバボー!! 恐るべきオズロックのパワー!!」

 

皆帆「大丈夫!?」

 

好葉「凄い……」

 

するとオズロックの身体が薄っすらと明滅した。何か来るぞ!!

 

神童「っ!!」

 

天馬「伊吹!!」

 

鉄角「止めろ伊吹!!」

 

伊吹「来い!!」

 

オズロックはシュート体勢に入る。オズロックが真上にボールを蹴り上げると、ボールが流星群のような数に分裂。それらが流星の如く一斉にゴールに襲い掛かる。

 

オズロック「[スターゲイザー]!!」

 

伊吹「っ! [真・ライジングスラッシュ]!! っ! ぐわぁあぁああぁあっ!!」

 

伊吹が必殺技を発動するがアッサリと破られて伊吹ごとゴールに叩き込まれてしまった。

 

ダクスガン「ゴールッ!! 先制点はイクサルフリート!!」

 

伊吹「クッソぉ!!」

 

アースイレブンは凄まじいオズロックのシュートに呆然となる。

 

オズロック「これが、イクサルフリートのサッカーだ……」

 

天馬「っ!!」

 

するとオズロックは笑い、

 

オズロック「私達は長い間、より過酷な環境に堪え、乗り越えてきたのだ。この程度の戦いどうという事は無い」

 

天馬「…ッ!!」

 

 

ポトムリ「アースイレブンは先制点を決められると、逆に闘志に火が付くのです。「負けられない」、「負けたくない」、「必ず勝つ!」その強い想いが、彼らを成長させてきました。大丈夫、先制点はアースイレブンの勝利を呼びます!!」

 

カトラ・ララヤ コクッ!

 

瞬木D「あの案内係、とうとう本性を出してきたぞ……」

 

天馬「イシガシさん……」

 

瞬木D「凄げぇ気迫だったぜ?」

 

剣城「これまでの相手も、星の存亡を賭けて気迫のこもったサッカーをしていた。だが、イクサルフリートはそれ以上だ……!」

 

神童「"サッカーの様で、サッカーじゃない"、そんな気がする」

 

天馬「サッカーじゃない?」

 

神童「黒岩監督は狂気と言っていた…ボールを奪おうと突っ込むと、奴らの心の抱える闇に引き摺り込まれそうになる」

 

瞬木D「ソイツをぶち破ってボールを奪うには、今まで通りのサッカーなんて通用しないぜ!?」

 

天馬と剣城と神童先輩は考え込むが、天馬が口を開く。

 

天馬「俺は、自分のサッカーをやる。真正面からぶつかっていく!!」

 

すると、他のみんなも集まってくる。

 

九坂「キャプテンの言う通りだろ、それで良いと思うぜ?」

 

鉄角「それが俺たちのサッカーだもんな!!」

 

天馬「皆……! よし、取り返すぞ!!」

 

アースイレブン『おう!!』

 

瞬木D「フッ……」

 

オズロック「攻めてこい、地球人」

 

天馬(オズロック……!)

 

 

そして、アースイレブンのキックで試合再開のホイッスルが鳴った。

 

 

 

 

アースイレブン 0 ー 1 イクサルフリート

 

 

ー 続く ー




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第102話:オズロックのソウル

イクサルフリートが先制点を取り、アースイレブンボールのキックから試合再開。ボールは瞬木が持ち、ドリブルで上がる。

 

瞬木D「神童!!」

 

神童「天馬!!」

 

ボールは天馬に渡り、天馬が攻撃を仕掛ける。

 

ダクスガン「アースイレブン、次々とパスを回してイクサルフリートの注意を分散させている!!」

 

オズロックはこちらの選手配置を見渡すと、味方に指示を出す。

 

天馬「九坂!!」

 

九坂「よし、うぉおおおっ!!」

 

ボールは九坂に渡り、ドリブルで上がる。そこに、ディオネが止めに入る。

 

ディオネの目から凄まじい殺気が放たれる。一瞬怯んだ九坂は、その隙にスライディングでボールをカットされる。

 

しかし転がったボールは運良く天馬のところに。だがそこにオズロックが詰める。

 

天馬「オズロック!!」

 

天馬とオズロック、激しいオフェンスとディフェンスの応酬。激しく身体もぶつかる。

 

天馬「っ! うぉおおおおっ!!」

 

オズロック「っ! はぁああああっ!!」

 

ドガァアァアアァアアンッ!!

 

お互いにボールを蹴り合う2人。プラスの性質を持つ天馬のライフエナジーとマイナスの性質を持つオズロックのライフエナジーの激突に、スタジアムが揺れる。

 

瞬木D「また、圧力かよ!!」

 

2つのライフエナジーが波動となってフィールドに広がる。

すると天馬はボールから一瞬足を離し、オズロックのパワーを空振りさせる。

 

オズロック(何っ!?)

 

自身のパワーで身体が浮いたオズロック。その隙にボールをカットした天馬。そのまま攻め上がる。

 

ダクスガン「強烈なチャージ合戦を突破したのは、松風だ!!」

 

オズロック(足掻き続けろ…こうでなくてはつまらん)

 

天馬に対して、シノーべとユミルが止めに入る。天馬はソウルを発動。金色の鬣を持つ馬へと姿を変え、瞬木を背に乗せてフィールドを駆ける。

 

天馬はシノーべとユミルの二人を弾き飛ばして突破した。

 

天馬「剣城!!」

 

ボールが剣城に飛ぶ。

 

イシガシ「ふん、いつものやつか……」

 

イシガシとデイモスがシュートを阻止しようと跳躍する。

 

剣城「[バイシクル……」

 

デイモス「読めてんだよ!!」

 

剣城「(釣かった!!)瞬木!!」

 

しかし剣城はシュートを中断して瞬木にパスした。

 

ボールを受け取った瞬木がシュート体勢に入る。

 

瞬木「[パルクール…」

 

エーギル「それも読めてるよ!!」

 

しかし瞬木のシュートをブロックしようと今度はエーギルが距離を詰めてくる。

 

瞬木「バーカ! 裏の裏だ!!」

 

エーギル「フォボス、行ったぞ!!」

 

しかし瞬木もパス。その相手は、

 

天馬「行くぞ剣城!!」

 

剣城「ああ!!」

 

フォボス「さて、盛り上げるか……」

 

天馬と剣城がシュート体勢に入り、二人同時に炎を纏って回転しながら跳躍。そして炎のツインキックを叩き込む。

 

天馬・剣城「「[超・ファイアトルネードDD]!!」」

 

天馬と剣城の連携シュートが、イクサルフリートに襲い掛かる。

しかしフォボスは、なんとノーマルキャッチで止めようとする。ボールは押し押されを繰り返し、

 

フォボス ニヤッ

 

竜太(?)

 

そして、シュートはゴールに突き刺さった。

 

ダクスガン「イェーーイっ! アースイレブン、同点に追いついたぞおっ!!」

 

オズロック「フッ…」

 

フォボス「与えて壊すか……」

 

 

信介「やった!!凄いよ2人共!!」

 

葵「流れをこっちに引き戻したよね!!」

 

座名九郎「やはり、剣城さんがチームにいると鋭さが違いますね!」

 

 

ララヤ「ポトムリ、そなたが言った通りじゃ!!」

 

カトラ「確実に、アースイレブンの気迫が変わってきています!!」

 

ポトムリ「試合はまだ始まったばかり。この勢いを維持できれば良いのですが……」

 

 

好葉「今の二人、綺麗だった…」

 

嵐珠「ええ! ピッタリと呼吸が合ってたわ!!」

 

皆帆「剣城くんのプレーの質が上がっている……ファラム・オービアスで、地球では得られなかった物を得たということか」

 

天馬「……………」

 

オズロック「………………」

 

 

 

そしてイクサルフリートのキックから試合再開。

 

オズロック「与えて壊す」

 

すると、オズロックから途轍もないオーラが発せられる。ボールを持っていたローゲはオズロックにバックパス。ボールはオズロックに。

 

オズロック「[スターゲイザー]!!」

 

オズロックの流星のようなシュートが、ほぼセンターラインから放たれる。

 

天馬「止めろ!!」

 

アースイレブンが全員で止めに掛かるが、尽く弾き飛ばされてしまった。

 

伊吹「くっ! 止め……ぐわぁあぁああっ!!?」

 

シュートがゴールに着弾して土煙が上がる。

 

天馬「くっ…」

 

神童「伊吹!!」

 

煙が晴れると、倒れ伏す伊吹と、ゴールラインを割ってゴールに入ったボールがあった。

 

ダクスガン「Explosion! キックオフ直後からのオズロックの超絶シュート! 序盤とは比べ物にならない、ビットウェイ・オズロックのパワーにアースイレブンは一歩も動けず!! イクサルフリート2点目」

 

神童「伊吹!!」

 

伊吹「くっ……、スマン…次は止めてみせる!!」

 

天馬「っ! なんて奴だ……」

 

オズロック「フフフ、希望を失え…サッカーで壊れていけ。宇宙を壊すのはブラックホールではない、サッカーだ…」

 

天馬「サッカーは希望だ!!」

 

オズロック「どこが希望だ? お前たちはサッカーで他の星に絶望を与えてきた。今度はお前たちがサッカーで絶望する番だ」

 

エーギル「盛り上がってきたねぇ!!」

 

ユミル「みんな壊れろ!! 速く速く速く!!」

 

コイツら、狂ってるな……。

 

天馬「俺はサッカーを信じる。サッカーが好きだからだ! 俺たちが今ここにいるのはサッカーがあったからだ!! 戦ってきた沢山の選手たちの思いを受けて、俺達はここにいる! お前がサッカーで全部壊すというのなら、俺達はサッカーで全部守って見せる!!」

 

天馬の気迫が、ライフエナジーの波動となって放たれる。スタジアムを、温かい光が包み込む。

 

オズロック「フッ、お前にはできない。誰も何も守れない」

 

そして、アースイレブン全員位置に付き、瞬木と剣城がセンターサークルに入る。

 

瞬木D「今度は俺が行く」

 

剣城「良いだろう!」

 

そして再開のホイッスルが鳴り、瞬木がドリブルで攻め上がる。

 

瞬木D「神童!」

 

ボールは神童先輩に渡る。

 

オズロック「潰せ!!」

 

ディオネ「うぉおおっ!!」

 

ディオネの激しいスライディング。神童先輩は弾き飛ばされる。

 

天馬「神童さん!」

 

神童「俺に構うな! ボールを追え!!」

 

イクサルフリートの気迫がこもったパス回し。ボールにまるで凶器のような勢いが乗り、アースイレブンを次々となぎ倒していく。

 

デスピナ「貰った!!」

 

イクサルフリートのシュートが襲う。しかし前線から戻った天馬がライフエナジーを体に纏ってパワーを引き上げて蹴り返す。ボールはそのままタッチラインを割って外に出る。

 

信介「やった! 押し返した!!」

 

葵「みんなの力がまた強くなった!!」

 

座名九郎「全部を守ると言ったキャプテンの言葉が、皆を奮い立たせているのです!!」

 

皆帆「キャプテン!」

 

真名部「さすがです!!」

 

天馬「皆行くぞ!!」

 

瞬木D「ちっ、甘やかしてるんだよ……」

 

イクサルフリートのスローインから試合再開。ボールはタルヴォスへ。

 

タルヴォス「デスピナ!」

 

デスピナ「オズロック!!」

 

ボールはオズロックに渡る。だが、アースイレブンもイクサルフリートもお互い一歩も引かないも攻防に、試合のボルテージはどんどんヒートアップしていく。

 

そして、ボールはオズロックに渡る。

 

オズロック「ふふふ、ハハハハハハ!! 足掻け、足掻け足掻け!! お前たちのどんなソウルも、私の漆黒の獣の前には、無に等しい!!」

 

すると、オズロックはソウルを発動。漆黒の、8本の触手を持つ人形の獣が出現した。瞬間、途轍もない波動が放たれる。

 

天馬「オズロックのソウル!!」

 

剣城「くっ!!」

 

ダクスガン「出たーーーっ! ビットウェイ・オズロックのソウル出現!!」

 

 

一体、どれほどの力を持っているのだろうか?

 

 

 

 

アースイレブン 1 ー 2 イクサルフリート

 

ー 続く ー




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第103話:暴走するソウル

イクサルフリートとの最終決戦、ついにオズロックはソウルを発動した。

 

オズロック「お前たちのどんなソウルも、私の漆黒の獣の前には無に等しい!!」

 

オズロックの身体から紫色の光が溢れ、8本の触手を持った人に近いフォルムの獣が現れる。

 

天馬「オズロックのソウル!!」

 

剣城「なんて圧力だ!!」

 

イクサール(オズロック)「グォオオォオオオォオオッ!!

 

生物名"イクサール"と言うらしいオズロックのソウルが触手の先端にエネルギーを集中させ、極大のレーザーシュートを放ってくる。

 

アースイレブンもソウルを発動して止めに掛かる。

 

鉄角「うぉおおぉおおおっ!」

 

真名部「はぁあああっ!!」

 

皆帆「はぁっ!」

 

3人がソウルを発動。力を合わせてイクサールのシュートを止めに掛かる。しかしそれでも呆気なく吹き飛ばされてしまい、シュートはキーパーまで到達する。

 

伊吹「止める!!」

 

伊吹もソウルを発動。青い体毛を持つ巨大なマンモスに姿を変え、自分の全体重を乗せてシュートを踏み潰す。

 

しかしそれでも止めきれず、シュートはアースイレブンのゴールに突き刺さってしまった。

 

ダクスガン「ゴーーールッ!! イクサルフリート3点目!!」

 

オズロック「フフフフ、アッ、ハハハハハッ!!」

 

 

ポトムリ「イクサルフリートのライフエナジーはあまりに邪悪……このままライフエナジーが膨張すれば、力が崩壊し、スタジアムを巻き込んで大爆発してしまうでしょう」

 

ララヤ「大爆発!? っ!!」

 

 

 

天馬「なんて力なんだ……」

 

剣城「憎悪から来る、執念の力の様な物か……」

 

天馬「これが、狂気って事なのか……」

 

神童(そうか、黒岩監督はあの時……)

 

黒岩『お前たちにはあるか? 敵の、計り知れない狂気に立ち向かう感情が』

 

神童(それを、俺達から引き出そうとしたのか?)

 

神童先輩が観客席を見渡すと、二階の通路に黒岩監督を見つけた。

 

神童(狂気を理解し、乗り越える力……それをあの人は俺達に求めていたのか……)

 

瞬木D「…………………」

 

ホイッスルと共にアースイレブンのキックで試合再開。パスを回して攻め上がる。

 

神童(狂気を越える感情とは何か…、それを理解しなくちゃ、イクサルフリートには勝てない!!)

 

そして神童先輩は必殺タクティクスを発動する。

 

神童「〈神のタクトFI〉!! 」

 

神童先輩の指揮でパスを回して攻め上がるアースイレブン。

 

ダクスガン「オーイエッ!! 神童の的確な指示で、アースイレブンがボールを繋いでいくぜベイベー!!」

 

天馬「行け剣城!!」

 

剣城「行くぞ!!」

 

そして剣城はソウルを発動。漆黒の毛並みを持つ狼へと姿を変え、ボールに自身をカッターのように纏わせる。

 

フォボス「その程度!!」

 

フォボスもソウルを発動。漆黒のタコの様な獣に姿を変え、シュートに触手を叩きつける。

剣城のシュートは地面にめり込んで停止した。

 

剣城「何っ!?」

 

天馬「そんな………!」

 

フォボス「オズロック!!」

 

キーパーからのロングスロー。ボールはオズロックへ。

 

天馬「させない!!」

 

しかし渡る前に天馬が空中でカットする。

 

天馬「九坂!!」

 

九坂「ああ!!」

 

ディオネ「甘い!!」

 

九坂「何っ!?」

 

天馬は九坂にパスを出すが、背後から物凄いスピードで走って来たディオネに奪われてしまう。

 

ディオネ「ふんっ!!」ドガアッ!

 

嵐珠「キャアっ!!」

 

瞬木D「うわっ!!」

 

ボールはタルヴォスに渡る。だがディオネにボールを戻す。

 

瞬木D「くっ、うぉおおおっ!!」

 

天馬「瞬木!!」

 

瞬木はソウルを発動。ボールが渡ったディオネに突っ込む。

 

ディオネ「ふん!!」

 

しかしディオネもソウルを発動。漆黒の鹿のような姿に変わり、瞬木と激突するが瞬木は弾き飛ばされた。

 

しかしこのおかげでボールはタッチラインを割って外に出た。

 

瞬木D「くっ!!」

 

天馬「瞬木! 皆と連携するんだ!!」

 

瞬木D「連携してたって、奴らを出し抜けない! 連携すること自体、チームの状況判断を遅らせている!!」

 

天馬「それは……」

 

剣城「確かに、敵のスピードについて行けるのはお前だけだ」

 

瞬木D「分かっているなら口を出すな!」

 

剣城「だが、走る速度ではついて行けないが、反応はできる。ここにいる全員がな」

 

瞬木D「なに? 何が言いたい?」

 

アースイレブンは全員瞬木を見つめていた。

 

瞬木D「っ! そういうことか!!」

 

そしてプレイ再開。ボールを瞬木がカットして天馬にパスを出す。

 

瞬木D「キャプテン!!」

 

天馬「神童さん!!」

 

神童「嵐珠!!」

 

嵐珠「九坂!!」

 

アースイレブンはパスを回して攻め上がる。

 

九坂「キャプテン!!」

 

天馬「行け剣城、瞬木!!」

 

瞬木がドリブルをすると、真後ろの剣城にバックパス。それを剣城はダイレクトで上空にキラーパス。瞬木は走る速度を上げて跳躍し、キラーパスにダイレクトでシュートを叩き込んだ。

 

瞬木「[ブラックドーン]!!」

 

まるで皆既日食を起こした太陽の様な、黒いボールがゴールを襲う。

 

フォボス「何っ!?」

 

そして、キーパーに反応すらさせずにシュートはイクサルフリートゴールに突き刺さった。

 

ダクスガン「ゴーーールッ!! アースイレブンに2点目が入った!! これで勢いがつくのか!!」

 

天馬「やったな!!」

 

瞬木「へっ!」

 

伊吹「やるじゃねぇか! やっぱりアイツラ只者じゃねぇ!!」

 

真名部「思い出しますね。アジア地区予選決勝の、2点同時ゲット作戦の時の勢いを感じますよ」

 

皆帆「流れが明らかに変わってきてるね」

 

好葉「うん!」

 

天馬「この一点は大きい! これが本当のアースイレブンなんだ!!」

 

瞬木D「これが本当の…ね……」

 

天馬「神童さん、行きましょう」

 

神童「ああ……」

 

 

デスピナ「たかが1点、どうということは無いわ」

 

オズロック「全員次の作戦に移る」

 

 

イクサルフリートのキックオフから試合再開。するとイクサルフリートはこちらにボールを渡して自陣に戻り、中と外に2重の星型の陣形を取ってきた。

 

天馬「なんだ?」

 

神童「なんだこの陣形は?」

 

オズロック「思い知るが良い!! 〈ベルセルクレイ〉!!」

 

するとイクサルフリートの選手を頂点とした星型の魔法陣が発生する。

 

天馬「この光はいったい…ぐうっ?!」

 

剣城「くっ、なんだ!?」

 

突然アースイレブン全員が苦しみだした。

 

 

信介「皆どうしちゃったの!?」

 

ミア「なんか、ソウルがおかしいよ!」

 

瞬木D「くっ、剣城! うわあぁあっ!!」

 

すると瞬木はソウルを発動。何と味方のゴールにソウルシュートを放つ。

 

伊吹「何っ!? うわぁあぁああっ!!」

 

ダクスガン「瞬木、なんとオウンゴールだ!!」

 

伊吹「何やってんだ!!」

 

瞬木D「俺にも分からないんだよ!!」

 

 

 

葵「な、何が起こってるの!?」

 

竜太「ソウルが勝手にやったように見えたぞ!?」

 

アースイレブンボールで試合再開。しかし味方同士でつぶしあいを始めてしまった。

 

 

まさか! あの光がソウルを暴走させているのか!?

 

鉄角「ぐぅうううぁあああっ!!」

 

鉄角がソウルを発動。伊吹に向けてシュートを放つ。

 

伊吹「ぐぅうううあっ、うわぁあぁあぁぁあああつ!!」

 

ダクスガン「ゴーーーールッ!! イクサルフリートに5点目が入ってしまったぁ!!」

 

 

ポトムリ「明らかにソウルの暴走です!! あの〈ベルセルクレイ〉という光は、ソウルを狂わせる力を持っているのかもしれません!!」

 

カトラ「ソウルとは、人の内に秘められた獣の力。その力を惑わして、主に敵対させているのです!!」

 

ララヤ「っ!!」

 

 

ダクスガン「アースイレブン、ソウルに苦しんでいる!!」

 

天馬にボールが転がってくるが、天馬はボールをイクサルフリートの陣地に蹴ってしまった。

 

ダクスガン「おっと! ボールはとんでもない方向へ!!」

 

オズロック「フハハハハ! ソウルに慄け!!」

 

そしてオズロックの足元に転がったボール。一旦ベルセルクレイを解除し、オズロックはシュートを放ってくる。

 

オズロック「[スターゲイザー]!!」

 

オズロックのシュートがアースイレブンを襲う。しかし、今の状態で止められる訳はなく、シュートはゴールに叩き込まれた。

 

ダクスガン「ゴーーーールッ! 更に追加点!!」

 

ララヤ「っ! ソウルの暴走を止めねばならん!! だが、どうすれば!?」

 

するとララヤとカトラの前に、白と黒、二匹のピクシーが躍り出た。そして、真の姿を現す。

 

カトラ「サージェス!!」

 

ララヤ「なっ!? 父上!!」

 

二人はピクシーの姿に戻ると、フィールドに向かって飛んでくる。

 

 

天馬「くっ、うぅうううぁあっ!!」

 

ピクシー「ピクぅっ!!」

 

天馬「っ!? ピクシー?」

 

二匹のピクシーはイクサルフリートの上を飛んだと思ったら、2匹同時に、発光。すると〈ベルセルクレイ〉の光と対消滅を起こし、ソウルの暴走は収まった。

 

 

ダクスガン「消えた!! 〈ベルセルクレイ〉が消えた!!」

 

カトラ「サージェス……」

 

ララヤ「父上……」

 

しかし暴走の影響でアースイレブンの体力は全員ガス欠。完全にヘバッていた。

 

天馬「ピクシー……」

 

剣城「アイツラが、身を挺して止めてくれたのか……」

 

オズロック「余計なことを……っ!!」

 

 

そして、ここで前半戦終了の笛がなった。

 

 

 

アースイレブン 2 ー 6 イクサルフリート

 

ー 続く ー




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第104話:集いし仲間たち

ハーフタイムで、両チームベンチに戻る。しかしソウルの暴走による体力の限界でアースイレブンの足取りは重かった。

 

天馬「っ、カトラ……」

 

嵐珠「っ!」ガクッ

 

葵「嵐珠さん!!」

 

転びかけた嵐珠に葵が駆け寄り支える。

 

嵐珠「平気よ……ランジュ、情けないわね……クッ…」

 

座名九郎「ソウル暴走の影響ですか……」

 

瞬木D「らしいな……」

 

嵐珠「竜太の、嫌な予感が当たっちゃったわね……」

 

全員、竜太を見る。

 

竜太「当たってほしくは無かったんだけどな……幸い、フィールドの外にいたおかげか、俺や座名九郎、ミアには〈ベルセルクレイ〉の影響は無いみたいだ…」

 

天馬「そう……」

 

鉄角「まだ、身体がガクガクしてやがる……」

 

 

 

 

ユミル「奴らもう無理だな」

 

フォボス「後半を戦うまでも無かろう」

 

オズロック「お前たちはこれで満足なのか? 私はまだ、満たされない!!」

 

天馬「はぁ、はぁ……」

 

葵「天馬…」

 

信介「ソウルを暴走させるなんて…あいつら卑怯だよ!!」

 

神童「皆この状態で、後半戦マトモに戦えるだろうか……」

 

天馬「っ、やらなきゃ…でなきゃ、守りたい物も守れない!!」

 

すると、スタジアムの上空を何か大きな影が旋回しているのが見えた。

 

天馬「?」

 

すると、その影は突然急降下してきた。

 

天馬「アレは……」

 

神童「っ! 長老!!」

 

伊吹「ああ! 惑星ガードンの連中だ!!」

 

しかもよく見ると、ガードンの人たちの足にファラム・オービアス紫天王の5人が抱えられていた。そして、長老たちは皆を地面に下ろした。

 

バルガ「ファラム・オービアス星紫天王、ここに推参!!」

 

ロダン「オズロックさんよぉ、あれで終わりっていうのはボク許せないんだよね。ヒヒッ」

 

天馬「ど、どういう事? あっ!」

 

天馬がふらついて倒れそうになる。それをリュゲルが支えた。

 

剣城「お前たちは、オズロックに…」

 

ヒラリ「ああ、消されるホント寸前でこの人たちが助けてくれたの。他の子たちも無事よ?」

 

剣城「そうか、良かった……」

 

ログロス「また会えたな。神童よ」

 

神童「長老……」

 

伊吹「なんで…アンタたちが……?」

 

ログロス「何このくらい…ん? 来たか」

 

アースイレブン『え?』

 

アースイレブンが入り口を見ると、これまで戦ってきた星の代表のキャプテンが勢ぞろいしていた。

 

神童「君たちは!」

 

アルベガ「ファラム・オービアスとの決勝戦から、我々は見ていた」

 

カゼルマ「天馬、この戦い…我々にも手伝わせてくれ!!」

 

天馬「カゼルマ!!」

 

瞬木D「お前、水の星の!」

 

ポワイ「ハァーーイ! アズルの君! ポワイ来ちゃった!」

 

九坂「お前…バンダ、なのか?」

 

バンダ?「九坂さんですね? ボクは息子のバンダJrです」

 

九坂「息子ぉ!?」

 

Jr「ボクを試合に出してください! 父のためにも、戦いたいんです!!」

 

九坂「息子って……「ヒヒッ、ビックリしたかい?」ロダン?」

 

ロダン「バンダはね、親の亡骸から子供が産まれるっていう種族なのさ」

 

Jr「チームの皆から、父とあなたのことは聞いています。お願いします!!」

 

リュゲル「昨日の敵は今日の友。星を越えて今、我々は集まったのだ!!」

 

そして、皆が並び立つ。

 

アルベガ「ここは我々に任せてくれ」

 

カゼルマ「天馬たちとは、戦いを通じて強い絆で結ばれた。君たちの戦いは、我々の戦いだ!!」

 

天馬「皆!! ありがとう!!」

 

信介「天馬、ボクも出る!」

 

竜太「俺も出るぜ。こういう事態に備えての保険で前半出なかったんだ。出るに決まってるだろ」

 

天馬「うん。竜太、コレ…」

 

天馬は竜太にキャプテンマークを渡す。

 

天馬「竜太が皆を纏めて!」

 

竜太「オッケー!!」

 

 

アルベガ「星を越えて集いし仲間たち! 我らギャラクシーイレブンの出撃だ!!」

 

 

その瞬間、スタジアムに大歓声が起こる。 

 

ダクスガン「何と! アースイレブンはメンバーを全て入れ替えて新生ギャラクシーイレブンとして後半に臨むようだ!!」

 

 

 

ギャラクシーイレブン

 

FW  リュゲル  竜太 ガンダレス

 

MF バンダJr ポワイ ヒラリ ロダン

 

DF   信介  バルガ カゼルマ

 

GK       アルベガ

 

 

アルベガ「良いか皆! 我々の手で何としてもこの4点差を縮め、ここまで我らの運命をも背負って戦い抜いてきてくれた、アースイレブンに報いるぞ!!」

 

 

 

オズロック「ふん、一度敗れたお前たちに何ができるというのだ……」

 

そして、審判の笛と共に、イクサルフリートボールで後半戦のキックオフ!!

 

ボールはローゲが持ち、ドリブルで上がってくる。

 

Jr「させるかっ!」

 

Jrがスライディングでボールを奪い取る。しかしすぐにディオネがフォローに入る。

 

ディオネ「虫けらめ!!」ドガアッ!

 

Jr「くっ!!」

 

ディオネの激しいタックル。ボールを奪われたJr。

 

ポワイ「っ!!」

 

ヒラリ「見えたのね? アズル」

 

ポワイ「恐い。あんな闇のようなアズル、見たことない」

 

そしてボールはオズロックに渡る。

 

ポワイ「アイツらのアズルは、ブラックホールそのもの。一切の光が無い…闇よりなお暗くて……何も見えない!」

 

ヒラリ「アナタが何も見えないなんて、面白いじゃない」

 

そして、ヒラリがオズロックに向かっていく。

 

しかしオズロックはただのドリブルでヒラリを弾き飛ばして突破する。

 

信介「来るよ!!」

 

バルガ・カゼルマ「「おう!!」」

 

カゼルマは自身の黄色い砂トカゲの様なソウル、バルガも黄色い甲殻獣のソウルを発動する。

 

オズロックもソウルを発動してシュートを放ってくる。

 

ドガァアァアアァアアアンッ!!

 

ソウルとソウルの大激突。しかしカゼルマとバルガは吹き飛ばされてしまう。

 

アルベガ「止める!!」

 

アルベガは自身の赤い鎧竜のソウルを発動。ハンマーのような尻尾をシュートに叩きつけると、シュートはゴールの上に弾かれて外に出る。

 

 

伊吹「やるなアルベガ!! !?」

 

しかしアルベガの機械の腕が、一撃で機能停止に追い込まれてしまった。

 

信介「大丈夫!?」

 

カゼルマ「アルベガ!!」

 

バルガ「お前腕が!」

 

アルベガ「くっ、」

 

ギャラクシーイレブンはゴール前に集まり、アルベガの腕を見る。

 

ヒラリ「これではキーパーは無理よ……」

 

アルベガ「例えこの腕を失おうとも、ゴールは俺が守る!!「アルベガ、ボクと変わって!」何?」

 

信介……

 

アルベガ「そうか…ああ。お前になら任せられる」

 

そしてギャラクシーイレブンはポジションチェンジ。アルベガをDFに上げて信介をGKに。

 

そして試合再開。ギャラクシーイレブンはパスを繋いで上がっていく。

 

ボールはポワイに。

 

ポワイ(さっきのあの子……)

 

竜太『ポワイ、お前がパス回しの中心になって組み立てろ。誰に出すか迷ったら、俺の心を覗け。いくら覗いても文句は言わない』

 

 

ポワイ(って、言ってたけど……)

 

イシガシ「貰った!!」

 

ポワイ「しまった!?」

 

ポワイの判断が遅れ、ボールを奪われた。

 

イシガシ「デスピナ!!」

 

ボールはデスピナに渡る。

 

デスピナ「喰らいなさい!!」

 

イクサルフリートのシュートが、ゴールに迫る。

 

信介「止める!! [ぎんがロケット]!!」

 

しかし信介はコレを難なく弾き返す。ノーマルシュートでは、もう今の信介には通用しないようだ。

 

ボールはロダンに渡る。

 

竜太「ロダン! ポワイに渡せ!!」

 

ロダン「りょ〜かいっ!!」

 

ポワイ「っ!!」

 

ディオネ「貰った!」

 

ポワイ(っ!! あの子は……)

 

竜太(ヒラリとワンツーで抜け!!)

 

ポワイ「(っ!)ヒラリ!!」

 

ヒラリ「っ! オッケーよ!!」

 

ディオネ「何っ!?」

 

ディオネを二人の連携で抜いたポワイ。

 

竜太「Jr! 上がれ!!」

 

竜太の指示でJrがオーバーラップする。

 

ポワイ「Jr!!」

 

デイモス「行かせるか!!」

 

竜太「こっちだ!!」

 

Jr「竜太!!」

 

そしてボールを受け取った俺はロダンとアイコンタクト。逆サイドにボールを振る。

 

ロダン「ナイスパァス!!」

 

エーギル「くっ! 行かせるかよっ!!」

 

ロダン「じゃあ戻すよ」

 

ロダンは竜太にボールを戻す。ギャラクシーイレブンは竜太とポワイを中心に、アイコンタクトとトライアングル。サッカーの基本を徹底したパス回しで、イクサルフリートのディフェンス連携を次々と崩していく。

 

フォボス「何をやってるんだお前ら!!「リュゲル、ガンダレス!!」くっ!」

 

竜太からのパスを受け、二人が必殺シュートを放つ。

 

リュゲル・ガンダレス「「[スクリーム・オブ・エデン]!!」」

 

フォボス「くっ!!」

 

フォボスはソウルを発動。しかし咄嗟のことで体勢が不十分であり、こぼれ球が竜太の足元に転がる。

 

竜太「貰った!!」ドガァアァアアアッ!!

 

フォボス「しまっ!?」

 

ザシュウッ!!

 

竜太はこぼれ球を、キーパーの体勢が整う前にクイックでゴールに蹴り込んだ。

 

ダクスガン「決まったぁ!! ギャラクシーイレブン、1点を返したぁっ!!」

 

ロダン「やるじゃんお前。ヒヒッ」

 

竜太「おう!! ポワイもサンキュー! その調子で頼むわ」ニコッ

 

ポワイ「っ/// え、えぇ……。(な、何? コレぇ……?///)」

 

竜太「サッカーの基本、トライアングルとアイコンタクトは徹底していくぞ!!」

 

ヒラリ「ええ。さっきの攻め、やはりそれだったのね」

 

バルガ「おう! 守りは任せろ!!」

 

竜太「サイドバックも、チャンスだと思ったら上がってくれ。できる限り数的有利を作りたい。上がっても守備に穴を開けないと思ったらガンガンオフェンスに参加してくれ」

 

カゼルマ「分かった!!」

 

アルベガ「了解した!」

 

竜太「さぁ、行くぞ!!」

 

ギャラクシーイレブン『おう!!』

 

 

 

 

ギャラクシーイレブン 3 ー 6 イクサルフリート

 

ー 続く ー




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第105話:反撃開始!!

竜太のシュートがイクサルフリートのゴールに叩き込まれて1点を返したギャラクシーイレブン。イクサルフリートのキックから試合再開しボールはデスピナに。

 

デスピナがドリブルで仕掛けてくるが、ヒラリとカゼルマが止めに入る。

 

ヒラリ「行かせないわよ!!」

 

ヒラリがデスピナにスライディングを仕掛ける。しかし当然跳躍して躱す。

 

デスピナ「その程度のディフェンス…「カゼルマ!!」!?」

 

しかし着地の瞬間を狙ってカゼルマがカット。ボールを奪った。

 

竜太「カゼルマ、ポワイに渡せ!!」

 

カゼルマ「ポワイ!!」

 

ボールがポワイに渡る。そこにディオネが止めに入るが……、

 

竜太(ロダンが空いてる!)

 

ポワイ「ロダン!!」

 

竜太の心を覗いて指示を受けたポワイはロダンにパスを出す。ロダンがフリーでボールを受け取った。

 

ダクスガン「ギャラクシーイレブン、猛攻が止まらない!!」

 

ロダン チラッ

 

竜太 コクッ

 

竜太とロダンはアイコンタクトで意志を疎通。ロダンはいったん竜太にパスを出す。

 

エーギル「させるかよ!!」

 

先程の失点が頭をよぎり急いでエーギルが距離を詰めてくるが、

 

竜太「ほいっ」トッ

 

エーギル「何っ!?」

 

しかしここで竜太はロダンにボールを戻す。するとゴール前でフリーでボールを持ったロダンは躊躇なく必殺シュートを放つ。

 

ロダン「[カザンライ]!!」

 

噴煙と雷を纏ったシュートがイクサルフリートのゴールを襲う。

 

フォボス「させるかっ!!」バチィンッ!!

 

しかし相手も負けてはいない。パンチングで[カザンライ]を弾く。

 

しかし転がった先に、

 

Jr「貰ったぁっ!!」

 

Jrはソウルを発動り薄緑色の植物獣の角からきのみが落ち、辺りに粉を撒き散らして視界を奪う。その隙にJrはボールをゴールに押し込んだ。

 

ダクスガン「バンダJrが決めたぁっ!! ギャラクシーイレブン2点差にまで詰め寄ったぁ!!」

 

竜太「ナイスJr!!」

 

Jr「うん! ロダンもナイスチャレンジ!!」

 

ロダン「ヒヒッ、勝つためだからね」

 

ダクスガン「各惑星から集結した選手たちが一眼となっての反撃、2点差とイクサルフリートを追い詰めていく!!」

 

竜太「流れは俺たちに来てる。攻め続けるぞ!!」

 

ギャラクシーイレブン『おう!!』

 

 

 

天馬「よし、いける!!」

 

鉄角「スゲェよギャラクシーイレブン!!」

 

 

ザッ

 

するとそこへ……

 

天馬「っ!! 黒岩監督?」

 

黒岩監督が姿を現した。

 

黒岩「ふっ、面白いじゃないか。まさに、宇宙戦争だ」

 

天馬「っ!?」

 

黒岩「このスタジアムでは宇宙戦争が起こっている。宇宙の運命を左右する、最終戦線だ」

 

九坂「宇宙………」

 

鉄角「戦争……?」

 

 

 

イクサルフリートのキックから試合再開。メンバー全員で攻め上がる。しかしギャラクシーイレブンも即座に迎え撃つ体勢に入る。

 

ダクスガン「各惑星よりやってきた助っ人、ギャラクシーイレブン! ついにイクサルフリートに、2点差へと迫る!!」

 

デスピナ「オズロック!」

 

テスピナからのパスがオズロックに渡る。しかしリュゲルとガンダレスが止めに入る。

 

リュゲル「やるぞガンダレス!」

 

ガンダレス「行くよリュゲル兄ぃ!」

 

すると二人は虚空を指差し、

 

リュゲル・ガンダレス「「あそこにブラックホール

が!!」」

 

は? コイツらここでそのバカを出すか!!

 

 

皆帆「UFOなんだけどね……」

 

真名部「というかブラックホール後にありますし」

 

 

 

オズロック「…………………」

 

リュゲル・ガンダレス「「無視!?」」

 

当然オズロックに弾き飛ばされた2人。オズロックが攻め上がってくる。

 

オズロック「イクサルフリートの力、思い知れ!!」ドガァアアッ!!

 

オズロックの強烈なシュート。邪悪なライフエナジーが込められているため、ノーマルシュートなのに近づけない圧力だ。

 

竜太「くそっ!!」

 

ロダン「近づけない!!」

 

そしてボールタルヴォスに渡り、

 

タルヴォス「ローゲ!!」

 

前線のローゲへとパス。しかしすぐに近くにいたJrが止めに入る。

 

Jr「行かせないっ!!」

 

ローゲ「へっ!」ドゴォオオオッ!!

 

Jr「ぐわぁっ!?」

 

ローゲの、これも圧力が込められたボールがJrを弾き飛ばす。

 

九坂「Jr!!」

 

鉄角「酷ぇ、なんだよあのボール!!」

 

神童「奴らの憎しみだ…奴らの計り知れない憎しみを込めることで、ボールを凶器にしているんだ!!」

 

ダクスガン「恐るべきイクサルフリート! 攻撃でも迎撃でもない悪夢のパスワーク!!ボールが作り出すエネルギーが、ギャラクシーイレブンの動きを完全に封じてしまったぁ!!」

 

ローゲ「これでトドメだ!!」ドゴォオオオッ!!

 

ローゲのシュートが信介に襲い掛かる。

 

信介「止めるっ!!」

 

ドシィイイイッ

 

受け止めた信介に凄まじい衝撃を与え、信介を引き摺りながらボールはゴールへ。

 

信介「まだだぁっ!!」ガシィッ!!

 

しかし何とかゴールラインを割る前に根性で耐え、信介はシュートを止めた。しかしそれで力尽きてしまい、ボールを手放して倒れてしまう。

 

マズイ!!

 

デスピナ「もらったぁ!!」

 

竜太「させるかっ!!」ドカッ!!

 

しかし間一髪のところで戻ってきた竜太がクリア。ボールを外に出す。

 

デスピナ「チッ……」

 

信介「ありがとう竜太……くっ」フラッ

 

竜太「信介!」ガシッ!

 

竜太が信介を支える。

 

竜太「よく頑張ったな」

 

 

葵「イクサルフリート、なんて冷たい目……」

 

そしてギャラクシーイレブンも体力の限界がきたのかふらつく。

 

九坂「Jr!!」ガシッ

 

Jr「九坂さん……」

 

伊吹「アルベガ!」ガシッ

 

アルベガ「スマン伊吹、コレが限界だった……」

 

鉄角「何言ってんだ! お前らスゲェよ!!」

 

ガンダレス「くそっ」

 

皆帆「あそこにブラックホールって、[あそこにUFO]をリスペクトした技かな? ボク嬉しかったよ?」

 

ガンダレス「パアッ ウケたよリュゲル兄ぃ!!」

 

リュゲル「兄ちゃんはもっと面白いこと言えるぞ!」

 

皆帆と真名部は苦笑するが、二人の思いはしっかりと受け取った。

 

天馬「選手交代だ! 俺たちが戦う!!」

 

竜太「俺は続投で出るぞ」

 

オズロック「まだやるか、アースイレブン」

 

天馬「アースイレブンじゃない! "ギャラクシーイレブン"だ!!」

 

カゼルマ「天馬!」

 

天馬「俺たち地球人も想いは同じだ!! いろんな星が、1つになったチームなんだ!!」

 

オズロック「どう名乗ろうが構わん。打ち砕くまでだ!!」

 

天馬「っ!!」

 

ダクスガン「再び選手交代の大波乱!! 現在6ー4、イクサルフリートのリード。満身創痍ながらどう戦うのか!!」

 

しかし、ここでギャラクシーイレブンはメンバーチェンジ。瞬木に代えて龍也さん、九坂に代えて果南さん、神童先輩に代えて果北が入る。

 

ギャラクシーイレブンボールから試合再開。果南さんがボールを持って上がると、ディオネがディフェンスに、入ってくる。

 

果南「完全にブチギレたよ……あなた達みたいなカスに、死んでも負けない!! [サイクロンズ・バミューダ]!!」

 

何と果南さんは新必殺技を発動。しかしあの技はプロになって2年目に覚える技のはず。なんで今……?

 

ディオネ「くっ、ぐぉおおおっ!!?」

 

海で荒れ狂う竜巻がディオネを水中に引き摺り込んで沈める。ディオネは弾き飛ばされて突破を許した。

 

果南「果北!!」

 

ボールは果北に渡る。

 

天馬「皆上がれ!」

 

ギャラクシーイレブン『おう!!』

 

次々とパスを繋いで攻め上がるギャラクシーイレブン。天馬が抜け出し、竜太にパスを出す。

 

エーギル「取らせるか!!」

 

竜太「来たな……果北!!」

 

果北 パシッ「!!」

 

龍也「果北! 一人じゃ無理でも、皆で力を合わせればやれる!! 俺達は後に家族になるんだろ?4人の力を合わせるぞ!!」

 

大海家4人が連携してパスを回す。とてつもなくハイレベルなパス回しに、味方もイクサルフリートもお互いについて行けない。

 

龍也「(お返ししてやる!!)竜太、果南、果北!! 行くぞ!!」

 

竜太・果南・果北「「「おう(うん)!!」」」

 

そして大海家4人がシュート体勢に入りボールに極大のオーラを纏わせる。それを龍也さんがオーバーベッドで下に落とし、竜太が左の足払いで風の膜をコーティングする。

 

龍也・竜太・果南・果北「「「「[ラストリゾートΣ(シグマ)]!!」」」」

 

トドメに果南さんと果北がツインキックでぶっ放す。家族4人の力を結集した究極の[ラストリゾート]。虹の七色の龍が集団でフィールドを破壊しながらゴールに襲い掛かる。

 

フォボス「この程度!!」ガシイッ!!

 

フォボスがノーマルキャッチで掴み掛かる。しかし全く回転が収まらない。

 

フォボス「なっ、このパワーは!? ドガァアァアアンッ!! ぐわぁああっ!!」

 

シュートはフォボスを吹き飛ばし、ゴールネットに叩き込まれた。

 

ダクスガン「追い上げてきた! ギャラクシーイレブンに追加点!!」

 

ここでギャラクシーイレブンまたしても選手を入れ替える。

 

果北に代えて侑先輩を。龍也さんは果林先輩に。果南さんは桐穂に代える。そしてディフェンスを好葉に代えてエマ先輩を投入する。

 

葵「やった! 1点差まで来た!」

 

座名九郎「皆さんの頑張りに、キャプテンたちが答えてくれていますね」

 

カゼルマ「想いは皆同じ。どこの星の産まれだろうとな、皆…それぞれの星の誇りを守りたいんだ!!」

 

イクサルフリートのキックから試合再開。しかし侑先輩が《天帝の眼(エンペラーアイ)》で奪い取る。

 

侑「行くよ!!」

 

そこからは侑先輩の指揮でのパス回し。神童先輩とは違うリズムのパス回しが、逆にイクサルフリートに戸惑いを与えている。

 

天馬「桐穂さん!!」

 

ボールが桐穂に渡ると、ディオネがディフェンスに入ってくる。

 

桐穂「絶対に抜く!!《加速世界(アクセルワールド)》展開!!」

 

瞬間、桐穂の視界が白黒の世界に代わり、脳の余計な処理を切り捨て必要な情報の処理速度のみが向上する。結果、周囲の時間と、自身に流れる体感時間に差が生じ、結果桐穂のスピードが爆発的に向上する。

 

桐穂(遅い!!)ビュンッ!!

 

ディオネ「何っ!?」

 

ディオネを抜いた桐穂から、侑先輩にボールが戻ってくる。

 

侑「桐穂ちゃん、竜太、行くよ!!」

 

そして3人でシュート体勢に入る。すると魔法陣から神話の勇者、"ペルセウス"が出現。3人のトリプルキックと共に剣を突き出した。

 

侑・桐穂・竜太「「「[ペルセウスオーヴ]!!」」」

 

途轍も無い破壊力のシュートが迫る。しかし途中で方向が変わりボールは走っていた果林先輩とエマ先輩の元へ。

 

竜太「先輩! シュートチェインお願いします!」

 

果林「行くわよエマ!!」

 

エマ「オッケー果林ちゃん!!」

 

果林・エマ「「[絶・ユニコーンブースト]!!」」

 

勇者の剣の力を得てパワーを増したユニコーンがフィールドを駆け抜けゴールに迫る。

 

フォボス「させるかっ!! [シュートイーター]!!」

 

しかしここでフォボスも必殺技を発動。エネルギーの球体を投げつけ、ボールを抑え込む。

 

フォボス「ぐぅううぅうううっ!!?(あり得ない…何なんだコイツら!)うわぁああっ!!」

 

そして、シュートはゴールに突き刺さった。

 

ダクスガン「決まったぁ!! 高咲、高坂、大海の必殺シュートから、朝香、ヴェルデのチェインシュートでギャラクシーイレブン、ついに同点に追いついた!!」

 

オズロック「まだ抵抗するか……(大海竜太、松風天馬、チームの要…チームの、光……)」

 

そしてギャラクシーイレブンは果林先輩を瞬木に戻し、剣城を嵐珠に代える。そして桐穂をミアに代え、侑先輩も神童先輩に代える。そして皆帆に代えて栞子を、鉄角に代えて彼方を投入した。

 

現在のフォーメーション

ギャラクシーイレブン

 

FW     嵐珠  瞬木

 

MF  ミア   天馬   竜太

 

ボランチ     神童

 

DF エマ  栞子  真名部 彼方

 

GK       伊吹

 

 

 

ギャラクシーイレブン 6 ー 6 イクサルフリート

 

ー 続く ー




感想・評価点募集中です!!


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第106話:嵐・竜巻・ハリケーン

ギャラクシーイレブンのシュートが決まり同点に追いついた。イクサルフリートのキックから試合再開。

 

ダクスガン「同点の両チーム。先に追加点を決めて引き離すのはどちらか!?」

 

上空に上がったボールに、天馬とオズロックが同時に跳躍する。

 

ドガァアアァアアアッ!!

 

交錯する2人。勝ったのは、

 

ダクスガン「松風が奪ったぁ!!」

 

そして着地する2人。しかしすぐにオズロックが追いつきディフェンスをかける。両者激しい鍔迫り合い。しかし天馬の股抜きが成功しオズロックを抜き去った。

 

ダクスガン「激しい競り合いを抜け出したのは松風だーーっ!!」

 

オズロック「っ!!」ニヤッ

 

するとオズロックは背後から危険なスライディング。天馬は後ろに転倒。ボールはラインを割って外に出たが、頭を強く打って気を失ってしまった。

 

竜太「天馬!!」

 

神童「天馬しっかりしろ!!」

 

 

 

意識の無い天馬の頭の中には、今までの思い出が蘇っていた。

 

インターハイ準決勝の新雲戦で神童先輩が怪我をしたとき……

 

天馬『すみません、俺…やっぱりキャプテンなんてできません……。俺なんかがキャプテンやってたら、チームがめちゃくちゃになって……竜太一人がキャプテンのほうが絶対に良いです!!』

 

神童『天馬……、お前ならできる。俺には分かる!』

 

 

天馬『先頭は走れないかもしれないけど、でも、いつも皆と走り続ける、そんなキャプテンになってみせる!!』

 

 

この地球代表が結成されたときも、

 

天馬『俺たちが全力で試合すれば、きっと皆ついてきてくれます!! 意味無く選ばれたメンバーじゃないと思うんです!!』

 

 

?『天…、……馬、天馬…、天馬!!』

 

天馬「っ!!」ガバッ!

 

葵「天馬大丈夫?」

 

天馬「う。うん……」

 

葵「良かった……気を失ってたみたい。本当に大丈夫なの?」

 

天馬「ああ。(俺はキャプテンなんだ、皆俺を信頼してくれてる。こんなところで倒れるわけにはいかない!!)」

 

 

そしてギャラクシーイレブンのボールから試合再開。天馬がドリブルで上がっていく。

 

ダクスガン「ヘイヘイ! 松風がドリブルで上がっていく!!」

 

そこにタルヴォスがディフェンスに来るが、フェイントでアッサリと抜き去ってしまう。

 

天馬(瞬木は……)

 

天馬は瞬木を見るが、ピッタリとマークされている。そこにイシガシがチェックに入る。

 

竜太「天馬コッチだ!!」

 

天馬「竜太!!」

 

天馬からのパスが竜太に繋がる。

 

竜太「嵐珠!!」

 

嵐珠「任せなさい!!」

 

嵐珠はソウルを発動。白銀の毛並みを持つ狼へと姿を変え、フィールドを駆け抜けゴールを強襲する。

 

フォボス「させんっ!!」

 

フォボスもソウルを発動。漆黒のタコのような生物に姿を変え、触手をボールに叩きつけて完璧に止めた。

 

ダクスガン「Oh NO!! ギャラクシーイレブン追加点ならず!!」

 

彼方「そんな……」

 

栞子「あのシュートでも無理なんですか……?」

 

天馬「…………(皆の気持ちを切らさない様にしないと)皆!! まだまだチャンスはある、気を引き締めて行くぞ!!」

 

ギャラクシーイレブン『おう!!』

 

瞬木D「……………」

 

フォボス「行くぞ!!」

 

キーパーからの超ロングスロー。ボールはタルヴォスへ、

 

彼方「させないよっ!!」

 

ダクスガン「ワオッ! 近江がナイスカット!!」

 

天馬「ナイスカット彼方先輩!! 皆繋げ!!」

 

セカンドボールを拾おうとローゲが詰めてくる。

 

栞子「渡しませんよっ! ミアさん!!」

 

ミア「オッケー…「邪魔だっ!!」っ!?」

 

竜太「ミア!!」

 

ボールをディオネに奪われてしまう。

 

栞子「させません!! エマ先輩!!」

 

栞子・エマ「「[ランサーレインズ・Gx]!!」」

 

しかしエマと栞子が連携必殺技を発動。ディオネの頭上から鉄槍が降り注ぎ、ボールを弾いて外に出した。

 

エマ「大丈夫?」

 

ミア「ゴメン、流れを切らしちゃった……」

 

栞子「気にしないで下さい! 全力のプレーだったんですよね? さぁ、行きましょう!!」

 

ミア「ああ!!」

 

瞬木D「…………」

 

アースイレブンにボールが渡って攻め上がる。ボールは竜太に渡ると、デスピナが止めに入る。

 

竜太「抜く![ライトニングワープ・Gx]!!」ドギュンッ!!

 

竜太の高速移動の必殺技が展開。後追いの突風がデスピナを弾き飛ばす。

 

天馬「良いぞ竜太!!」

 

竜太「天馬!!」

 

ボールは天馬に渡る。しかしすぐにオズロックが止めに入る。

 

オズロック「ムダだ!!」

 

天馬(どうする……?)

 

嵐珠も瞬木もガッチリとマークされている。

 

ミア「キャプテン!!」

 

天馬「!! ミア!!」

 

ボールはミアに渡る。

 

ミア「[サウンドバースト]!!」

 

ミアの必殺シュートがゴール上隅に迫る。

 

フォボス「甘い!!」ガシイッ!!

 

ミア「くっ!!」

 

ダクスガン「またしてもギャラクシーイレブン、ゴールならず!! あと一歩決められない!!」

 

天馬「惜しかったぞミア! 次は決めていこう!!」

 

ミア「ああ、次は決める!!」

 

瞬木D「惜しかった……ねぇ?」

 

ダクスガン「ヘイヘイ! 試合は6ー6の同点! ギャラクシーイレブン果敢に攻めるが、次の1点が遠いぞ!! これは前半でのダメージが効いているのか!?」

 

そして最悪なことに、ボールはオズロックに渡る。

 

オズロック「お前たちに希望など無い。それを思い知れ!!」

 

オズロックが力を開放して攻め上がってくる。

 

天馬「っ! 行かせるかっ!!」

 

しかし天馬はアッサリと弾き飛ばされてしまった。

 

神童「止めるぞ!!」

 

ギャラクシーイレブン果敢に向かっていくが次々と躱され弾かれてしまう。そしてキーパーと1対1。

 

伊吹「良いねぇ、来い!!」

 

オズロックはソウルを発動。黒い人形の獣に姿を変え、触手の先からレーザーを放ってくる。

 

伊吹も必殺技の体勢に入る。大きく跳躍し、龍のオーラと共に右腕を渾身の力で叩きつけた。

 

伊吹「[ゲキリンダンク]!! がぁあああっ!?」

 

しかし、当然防げるはずもなく、シュートはゴールに突き刺さってしまった。

 

ダクスガン「ゴーーールッ! 追加点を決めたのはイクサルフリートだあっ!!」

 

伊吹「くっ、くっそおっ!!」ガンッ!!

 

 

 

座名九郎「この1点、これから重くのしかかってきますね」

 

葵「あんなに攻めてたのに……イクサルフリートの方に追加点が入るなんて……」

 

 

 

天馬「大丈夫か?」

 

天馬が伊吹に駆け寄る。

 

伊吹「スマン……」

 

天馬「皆、まだまだ時間は十分残ってる! 1点差位すぐにひっくり返せるさ!! 諦めるな! 俺達はいつだってそうしてきたじゃないか、やれる!! できる。今まで出来た事だ、今度だって出来る!!」

 

ミア「キャプテン……」

 

ギャラクシーイレブン『コクッ』

 

天馬「さぁ皆、巻き返して行くぞ!!」

 

ギャラクシーイレブン『おう!!』

 

そして全員持ち場に戻る。

 

瞬木D(キャプテン…アンタはキャプテンすぎる。それがアンタの弱点なんだ)

 

すると瞬木は大きく息を吸い込み、大声で叫んだ。

 

瞬木D「松風天馬!! もうアンタのキャプテンヅラはウンザリだ! 優しいキャプテンの言葉なんて反吐が出るぜ!! 俺はアンタが見たいんだ。松風天馬をよ! スゲェプレーを見せてみろよ!! アンタのプレーで皆を引っ張ってみろよ!! 松風天馬、アンタという風が"嵐、竜巻、ハリケーン"になる所を、見せてもらうぜ!!」

 

瞬木は天馬を指差し、そう宣言した。

 

 

ダクスガン「1点を追うギャラクシーイレブンのリスタートから試合再開だ! ワオッ!! 松風がセンターサークルに!? コレは、攻撃のリズムを変えてくるのか!?」

 

 

天馬がセンターサークルにボールをセットする。

 

天馬「(俺はずっとサッカーが好きだった。サッカーするのが楽しくてしょうがなかった。サッカーは俺の親友で、ライバルで、宝物で、俺の全部なんだ……。そんな大事なことを、俺は忘れていたのか……)見せてやる! 俺のサッカーを!!」

 

そして、再開のホイッスルが鳴り、天馬がドリブルで攻め上がる。

 

テスピナ「通さないよっ! っ!?」

 

しかし天馬はキレイなルーレットでアッサリとデスピナを突破した。

 

タルヴォス「行かせんっ!! !?」

 

しかし大きく跳躍してタルヴォスも躱す。

 

天馬「瞬木!!」

 

瞬木D「キャプテン!!」

 

タルヴォスとのワン・ツーで、相手ディフェンスを大きく抜き去る。

 

天馬の凄まじいドリブル技術に、イクサルフリートは翻弄されている。

 

ダクスガン「松風の凄まじい突破力! イクサルフリートを翻弄している!!」

 

葵「どうして? あんなプレーしてたら誰もついて来られないよ?」

 

座名九郎「……それが狙いかもしれません」

 

葵「!?」

 

信介「そうか! 天馬の得意なプレーはドリブルだ!!」

 

座名九郎「あのドリブルは正に天性の物。アレが彼の本来の姿なのでしょう」

 

天馬は自身のドリブルで次々とイクサルフリートを抜き去っていく。

 

葵「アレが本来の……!!」

 

天馬の幼馴染である葵は、昔の天馬を思い出す。高校入学、もっと前の小学生の頃からドリブルを練習していた天馬の姿を。

 

座名九郎「瞬木さんは、キャプテンのあの姿を引き出したかったのでしょう。相手を思いやり、信じて前に進む強さを心に決めたキャプテンは、正に理想だと思います。しかも、今回はサッカーの素人だらけ。よりキャプテンらしさを求められた。しかしそれでは、オズロックの闇には勝てないと、瞬木さんは想ったのではないでしょうか」

 

 

ディオネ「そこまでだぁっ!!」

 

ディオネがスライディングを仕掛けてくるが、

 

天馬「瞬木!!」

 

瞬木D「おう!!」

 

タルヴォス「行かせるか!」

 

瞬木D「っ!!(遅せぇよお前ら!!)」

 

ギャラクシーイレブンは、もうすでに体力は限界近い。足も動かなくなってきている。

 

天馬「お前たちどうした! 俺について来い! 俺のサッカーについて来い!!」

 

オズロック(松風天馬…溢れんばかりの強い光を感じる……面白い、我が闇で飲み込んでやる!!)

 

瞬木D「ほらよっ!!」

 

天馬「よし、「行かせるかっ!!」」

 

イシガシはソウルを発動。黒い鹿のような生物に姿を変えて迫ってくる。

 

天馬「コレが…俺のサッカーだぁっ!!」

 

天馬もソウルを発動。金色の鬣を持つ馬へと姿を変えると、馬の背中から翼が生え、大空へと飛翔する。

 

ダクスガン「ワオっ!! ソウルが進化した?!」

 

神童「あれは…ペガサスか!!」

 

オズロック「ソウルが進化だと!?」

 

ペガサスへと姿を変えた天馬はイシガシを吹き飛ばし、アッサリとディフェンスラインを突破した。

 

フォボス「っ!! 来いっ!「私が止める!!」」

 

しかし、オズロックが立ち塞がる。

 

そして天馬がシュート体勢に入ると、ボールに途轍も無い強風が纏わりつき、ボールから龍巻きが立ち昇る。

 

天馬「[嵐・竜巻・ハリケーン]!!」

 

天馬の新必殺シュート。轟音と共にイクサルフリートゴールを強襲。オズロックはソウルを発動して止めに入る。

 

しかしあれほど苦戦したオズロックのソウルでさえも吹き飛ばし、天馬のシュートはゴールに叩き込まれた。

 

ダクスガン「決まったぁ!! ギャラクシーイレブン、またも同点だぁっ!!」

 

瞬木D「見せてもらったぜ! アンタのサッカー!!」

 

天馬「ああ!!」

 

彼方「久々にみたよ。天馬くんのあのドリブル……」

 

神童「いつの間にか、天馬がキャプテンであることが当たり前になっていた。だけど、キャプテンであることであいつのサッカーを俺達は……」

 

栞子「天馬くんのドリブルに、ついて行かなくてはですね」

 

エマ「うん!!」

 

天馬「皆、コレがサッカーだ! 俺たちのサッカーなんだ!! サッカーやろうぜえっ!!

 

ギャラクシーイレブン『おう!!』

 

 

 

オズロック「何だ…この感覚は……」

 

うずくまるオズロックは、天馬のシュートが直撃した胸の辺りを抑えた。そこには……確かに、微かな光が戻っていた。

 

ギャラクシーイレブンメンバーチェンジ。

現在のフォーメーション

 

FW    剣城    瞬木

 

MF  九坂   天馬   竜太

 

ボランチ     神童

 

DF 森村  皆帆  真名部 鉄角

 

GK       伊吹

 

 

 

ギャラクシーイレブン 7 ー 7 イクサルフリート

 

ー 続くー




感想・評価点募集中です!!


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第107話:イクサルフリート戦決着!!

今回で最後の戦い、イクサルフリート戦は決着です。ここまで長かった。

後もうしばらくお付き合い下さい。

では、始まります!!


再び同点に追いついたギャラクシーイレブン。イクサルフリートのキックから試合再開。

 

タルヴォス「デスピナ!!」

 

タルヴォスがデスピナにパスしかし、

 

天馬「甘い!!」

 

イクサルフリート『っ!!』

 

天馬がここでインターセプト。先頭を切って攻め上がる。

 

天馬「行くぞ皆!!」

 

フィールドのギャラクシーイレブン11人全員でシュート体勢に入る。中央に立った天馬、剣城、神童先輩に、他の8人が自身の力を送る。

ボールに巨大な力が集まり、3人がボールと共に跳躍。ボールには緑や青、地球の自然を彷彿とさせる光が宿る。

 

天馬「[ジ・アース…」

 

ギャラクシーイレブン「…(インフィニティ)]!!」

 

3人のシュートで命の力をこれでもかと爆発させたシュートがイクサルフリートのゴールに襲い掛かる。しかしオズロックがまたしても立ち塞がる。

 

オズロック「追加点はやらん!!」

 

オズロックはソウルを発動。シュートを阻むが、漆黒のオーラはシュートの持つ命のエネルギーに触れ霧散。オズロックとキーパーごとゴールに叩き込んだ。

 

ダクスガン「ゴーーールッ!! ついにギャラクシーイレブンが勝ち越しだあっ!!」

 

 

葵「やった!!」

 

座名九郎「アディショナルタイムは3分、このまま行ければ良いのですが……」

 

イクサルフリートのキックオフから試合再開。しかしここでオズロックはいきなりソウルを発動。キックオフシュートを放ってきた。

 

オズロックが黒い人型の獣に変わると、8本の触手の先端から極大のレーザーシュートを放ってくる。

 

天馬「止めろ!!」

 

神童「はあっ!!」

 

神童先輩は自身の"クジャク"のソウルを発動。シュートに向かっていくがアッサリと弾き飛ばされる。

 

皆帆「行かせないよっ!!」

 

真名部「ここで止めます!!」

 

鉄角「絶対に仕留める!!」

 

森村「ウチも負けない!!」

 

4人もそれぞれ"フクロウ"、"ラーテル"、"バッファロー"、"フォックス"のソウルを発動してシュートをブロック。しかしそれでも止められない。

 

伊吹「ここで止めてやる!!」

 

最後の砦と伊吹もソウルを発動。巨大な体躯を持つマンモスへと姿を変え、巨体でシュートを踏み潰す。

 

伊吹「ぐぅううぅうううっ?! うがぁああっ!!?」

 

しかし、無情にもシュートはゴールに叩き込まれてしまった。

 

ダクスガン「何と言うことだ!! ここに来てイクサルフリート追いついた!!」

 

葵「そんなっ!!」

 

信介「今の皆に、延長戦を戦えるだけの体力はない」

 

 

 

竜太「(やるしかないな……)天馬!」

 

そして、ギャラクシーイレブンのキックで、竜太と剣城がセンターサークルに立った。

 

ダクスガン「今度は大海がセンターサークルに立った。イクサルフリートにトドメを刺せるのか!?」

 

竜太は、雷門に入学してからの事を思い出していた。入学前に果林先輩と出会い、天馬、剣城と出会い、かすみ、しずく、璃奈、そしてインターハイ予選を共に戦ったことや、栞子の加入。静岡合宿でエマと彼方に告白されたこと。

 

全国大会本戦では、南沢さんの転校。ゴッドエデンでのフィフスセクター"チーム・ゼロ"との戦いや浦の星との試合、新雲学園戦でのケガによる神童先輩の決勝の欠場。インターハイ決勝の、千宮路さん率いるドラゴンリンク戦。そして試合後の彼方への告白。

 

そしてフェイたちとの時空を超えた大冒険。最後の戦いのラグナロクでは悪魔と言われたSSCとも分かり合えた。

 

このグランドセレスタギャラクシーでも、側にはいなくても、いつも皆を心に感じていた。

 

竜太「っ!!」

 

ピィいいぃーーーっ!!

 

再開のホイッスルが鳴り、竜太がドリブルで攻め上がる。

 

オズロック「行かせんぞ!!」

 

オズロックと竜太の激しい鍔迫り合い。しかしオズロックの僅かな隙を突き、フェイントで抜き去った。

 

ディオネ「行かせるかっ!!」ドガアッ!

 

竜太「ぐっ、うぉあぁああっ!!」ドガァアアッ!!

 

ディオネ「何だとっ!?」

 

ダクスガン「大海、ディオネを弾き返して斬り込んで行く!!」

 

果林「今のフィジカルとパワー、エマと愛を彷彿とさせるわね…」

 

エマ「その前のオズロックを抜いたときのテクニック、歩夢ちゃんとしずくちゃんを感じたよ!!」

 

竜太「………」ギュンッ!!

 

一気にスピードに乗る竜太。止めに来るディフェンスも、鮮やかなテクニックで次々と躱す。

 

栞子「あれは…せつ菜さんのスピードと果林さんの身体捌きです!!」

 

ダクスガン「it,s coool!! 大海竜太の鮮やかなプレイに、イクサルフリートボールに触ることすらできない!!」

 

イシガシ「行かせるかっ!! [ジャッジメントレイ]!!」

 

背後からレーザーの雨が竜太に降り注ぐ。しかし、

 

イシガシ「馬鹿な!! 全て躱されている!?」

 

彼方「栞子ちゃんと璃奈ちゃんの計算力!!」

 

竜太「天馬!」

 

デイモス「そっちか!!」

 

デイモスが天馬に向かうが、

 

竜太「……」ギュンッ!!

 

デイモス「っ!! 出さないだと!?」

 

天馬「ハハッ、侑先輩とかすみのイタズラ……」

 

ダクスガン「パスを出すと見せかけて出さない、完全にこちらも騙されたぜっ!!」

 

エーギル「くそっ、次はどう来る?」

 

しかし竜太は今度は正面から突破した。

 

果林「相手の思考を狂わせる……やり方は違うけど彼方、アナタのプレイスタイルよ」

 

彼方「うん!!」

 

そして、竜太はゴール前にフリーで躍り出た。

 

フォボス「クソっ! 来いっ!!」

 

竜太がシュート体勢に入ると、竜太の周囲に13人の少女が現れる。それは、かすみ、しずく、璃奈、栞子、歩夢先輩、愛先輩、せつ菜先輩、嵐珠、侑先輩、ミア、果林先輩、彼方先輩、エマ先輩たちだった。

 

そして、それぞれの女の子のオーラが、光の粒子に代わりボールに注ぎ込まれると、ボールは虹色に輝き、太陽の様に辺りを照らす。竜太は跳躍すると、その虹色に輝く光を、渾身の力でシュートした。

 

竜太「[Over・the・Rainbow(〜虹の彼方に〜)]!!!!」

 

ドゴォオオォオオオォオオオンッ!!!

 

雷門の皆や、ミア、嵐珠の力も込められたシュートがイクサルフリートのゴールに襲い掛かる。時間的にもこれがラストプレイだ。

 

オズロック「この程度!!」ドガァアアッ!!

 

オズロックはソウルを発動し、身を挺してブロック。しかし、

 

オズロック「何だ……この溢れんばかりの光は!?」

 

竜太「行けぇええええっ!!」

 

ドガァアアァアァアァアンッ!!

 

シュートはオズロックのソウルを霧散させて弾き飛ばし、キーパーまで到達する。

 

フォボス「させるかっ!!」

 

フォボスはソウルを発動。触手をボールに思い切り叩きつける。

 

が、

 

フォボス「いったい何なんだ!! この温かい光は!?」

 

ギャラクシーイレブン『行けぇえええええっ!!!』

 

フォボス「くっ、うぁああぁあぁあああっ!?」

 

そして、竜太のシュートは轟音と共にイクサルフリートのゴールに突き刺さった。

 

そして、ここで試合終了の笛が鳴った。

 

 

 

ー 試合終了 ー

 

ギャラクシーイレブン 9 ー 8 イクサルフリート

 

 

ー 続くー




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第108話:宇宙の危機 ブラックホール消失

竜太のこれまでの全てを結集した究極のシュート、[Over・the・Rainbow]がイクサルフリートのゴールに突き刺さりギャラクシーイレブンが再び勝ち越し。

 

そして……

 

ピッ、ピッ、ピィイイイーーーッ!!

 

ダクスガン「ゴーーールッ!! そして、ここにTHE・GradeGameここに決着!! ソウルを打ち破る究極のシュートが、ギャラクシーイレブンに勝利をもたらしたあっ!! 熱戦、ここにThe.End!! 宇宙の運命を担った世紀の一戦は、9ー8で、ギャラクシーイレブンの勝利だ!!」

 

彼方「勝った!!」

 

果林「やったわ竜太くん!!」

 

ベンチから皆が飛び出してくる。他の皆も決勝点を決めた竜太の元へと走ってくる。

 

果北「私達、宇宙で1番なんだ!!」

 

桐穂「まだ実感湧かないね……」

 

そして、二人はお互いの顔を見ると、ニコッと笑って拳を合わせた。

 

バルガ「やるじゃないかアイツ!!」

 

ロダン「ま、僕たちとの試合でたった一人でゴール決めたんだからあのくらいはやってもらわないとね。ヒヒッ」

 

ヒラリ「悔しいけど認めるしかないわね」

 

カゼルマ「竜太、素晴らしいシュートだった!!」

 

アルベガ「ああ。あれは誰にも止められないだろう」

 

竜太「へへっ」

 

すると、

 

ポワイ「ナ…ナイスシュート///」

 

ん?

 

ポンッ

 

竜太はポワイの頭をポンッと撫で、

 

竜太「サンキュ」

 

ポワイ「〜ッ!!///」プシュ〜ッ///

 

竜太「? どうした?」

 

彼方「はあ、相変わらずだね……まったく……」

 

竜太「ん、彼方……? ってどうして全員どうしようもない物を見る目で見る!?」

 

天馬「いや、どこに行っても竜太は竜太だなって」

 

果林「この天然ジゴロ……」

 

エマ「彼方ちゃんも苦労するね……」

 

彼方「本当だよ……」

 

何か凄いバカにされてる気がするんだが……。

 

Jr「ああ…ボクの産まれてきた意味はここにありました。天にも昇る心地です」

 

ロダン「だからってここで昇天しないでよ? ヒヒッ」

 

 

 

オズロック「敗北するなど……考えられん」

 

イシガシ「我々の力を見せつけるハズが、こんな結果になろうとは……」

 

オズロック「何故だ…何故負けるハズの無い戦いに負けたのだ……」

 

すると、武装した兵士たちが駆け付け、オズロック達を取り囲む。

 

イクサルフリート『!!』

 

ミネル「オズロック! 貴様をS級犯罪人として裁判に掛ける。恐らく存在抹消の刑は免れまい……」

 

オズロック「……フッ、もう少しで宇宙を…この手に掴めたというのに!!」

 

天馬「掴めたさ」

 

天馬がオズロックたちのもとへ近寄ると、ミネルさんは頭を下げて道を空ける。

 

天馬「お前だって、俺たちだって、皆未来を掴み取ったんだ。これから、皆でやり直せるんだ」

 

オズロック「やり直す…だと? 我々は何もかも奪われた!! 全てを奪われ、復讐すると誓ったのだ!! 温温と平和な星で育ったお前に、何が分かる!!」

 

天馬「確かに俺には分からない。けど、復讐なんて考えてたら…過去に縛られてるだけで何も変わらない。前に進まなきゃ!!」

 

オズロック「前になど進めぬ! 復讐する事こそが、我々が存在してきた理由なのだからな!!」

 

ミネル「どんな理由があろうと、罪を犯したお前たちは裁かれねばならない!!」

 

兵士たちが武器の銃口をオズロック達に向ける。

 

イクサルフリート『っ!!』

 

しかし、彼らを止める者がいた。

 

ララヤ「待つのじゃミネル!」

 

ミネル「ララヤ様!」

 

ファラム・オービアス女王、ララヤがミネルたちを止めた。

 

ララヤ「ミネル、ファラム・オービアスの罪は…どうするのじゃ?」

 

ミネル「……は?」

 

ララヤ「ファラム・オービアスは、オズロックの星を攻め滅ぼした。その罪はどのように問うのじゃ?」

 

ミネル「それは……200年も過去の事ですし…「そうじゃ、過去の事じゃ! その事も、この事も!!」は?」

 

ララヤ「だから、"おあいこ"って事にすれば良いのじゃ!!」

 

そしてララヤは、オズロックたちの目の前に無防備に腰をおろし、しっかりとオズロックたちの目を見て言葉を発する。

 

ララヤ「オズロックよ、済まなかった。我らの祖先がやってしまった事、何と謝ったら良いか分からぬ。しかし、過去の事は忘れて、皆で未来に向かって歩んで行かぬか? 知っての通り、このファラム・オービアスは大きな国じゃ。大きな国を纏めるのは大変なのじゃ、だからオズロックよ、……お前も手伝え!!」

 

そう言って、ララヤ女王はニヤッと笑う。

 

イクサルフリート『……………っ』

 

イクサルフリートは、訳が分からないといった表情だ。

 

この女王は何故そんなことが言える?

 

何かの罠か?

 

しかし、今のララヤの顔を見てると、どれも違うように思える。

 

オズロック「っ!! ……くだらぬ事を」

 

天馬「オズロック、行こうよ。…未来へ!」

 

そして天馬が手を差し出す。

 

オズロックは数秒考えたが、やがて天馬の手を取り立ち上がった。

 

観客席からは溢れんばかりの歓声が上がる。うん、ハッピーエンドだな!!

 

 

 

許されたとはいえ、事情は聞かなければならないとオズロックたちは連れて行かれた。だが、オズロックたちがこれ以上傷つく事は無いだろう。この国には、人の痛みを分かることのできる女王がいるから!

 

 

天馬「……」

 

葵「天馬、何か嬉しそうだね?」

 

天馬「葵、俺…この大会でいろんな人たちと出会って来た。宇宙には色んな星があって、色んな人たちがいて、色んな想いを持ってて、皆自分たちの星を守りたいって強い想いを持ってた。だから命を賭けて戦えたんだ。俺、そんな思いを受け取ってここまで来る事ができた。サッカーが全部を救ってくれたんだ。きっとサッカーも喜んでくれてる。やっぱり俺、サッカーやってきて良かった」

 

葵「そうだね!!」

 

 

ポトムリ「天馬くん、そろそろ始めよう。ブラックホールを消し去る作業を」

 

天馬「ポトムリ……うん!!」

 

スタジアムにいる人たちが固唾をのんで見守る。ポトムリがペンダントを取り出すと、それに反応してセンターサークルが開き、光子砲発射装置が現れた。

 

ポトムリ「準備完了。始める」

 

ポトムリがコンパネを操作すると、ライフエナジーが放出され、サッカーボール程の大きさの球体になる。それと同時に、スタジアム外周の竪琴のような装置に虹色のカーテンのような光が集まる。

 

 

観客席『『『おおーーーーっ!!』』』

 

 

ララヤ「何と美しいのじゃ……」

 

カトラ「ええ、希望の竪琴がついに奏でられるのです」

 

天馬「コレは……」

 

ポトムリ「ライフエナジー吸収装置。竪琴の周りにチャージされたライフエナジーを、これで吸収し発射します」

 

信介「何かサッカーボールみたいだね?」

 

天馬「うん!」

 

ポトムリ「天馬くん、竜太くん、コレを君たちがシュートするんだ」

 

竜太「俺たちが?」

 

伊吹「キャプテン、竜太!! 決めてやれ!!」

 

真名部「撃ち出す角度には注意してくださいよ?」

 

嵐珠「外しちゃだめよ?」

 

皆帆「凄いよね? ブラックホールを消し去るシュートなんて!!」

 

九坂「ああ!! 思いっきりぶっ飛ばしてやろうぜ!!」

 

森村「皆の想いを乗せてね?」

 

鉄角「最後の大仕事だな。キャプテン、エース!!」

 

瞬木D「ほら!」

 

竜太・天馬「「ッ、おう!!」」

 

そして竜太と天馬は助走距離を確保する。タイミングを合わせて落ちてきたスフィアをシュートする。

 

竜太と天馬が同時に走るそれと同時にポトムリがパネルを操作。スフィアが落ちてくる。

 

竜太・天馬「「行けぇええええっ!!」」ドガァアアッ!!

 

俺と天馬のツインシュートは光子砲にチャージされたライフエナジーを吸収して威力をどんどん上昇させて加速していく。が、パワーがあまりにもデカすぎたせいで、光子砲のフレームが壊れてしまった。

 

ポトムリ「不味い、パワーが大きすぎて光子砲のフレームが破壊された!!」

 

神童「こっちに落ちてくるぞ!!」

 

剣城「撃ち返すんだ!!」

 

鉄角「最後の大仕事だな!!」

 

瞬木D「タイミング合わせろよ?」

 

アースイレブンの控えを含めた32名が円形に立つ。そしてそれぞれ構えを取り一斉に跳躍した。

そして光子砲のエネルギーを、全員でブラックホール目掛けて蹴り返した。

 

アースイレブン『行けぇえええええっ!!』

 

打ち返されてどんどん上昇していく光子砲弾は、この星の大気圏を抜けてどんどんブラックホールに向かっていき、そして到達する。

 

 

瞬間、ブラックホールが光に包まれ、そして……完全に消滅した。

 

 

 

ポトムリ「成功だ……ブラックホールの、消滅を確認!!」

 

スタジアムから大歓声が溢れる。

 

天馬「やったぁ!!」

 

嵐珠「ブラックホール! もう来るんじゃないわよ!!」

 

エマ「私達の使命も、これで終わりだね?」

 

果林「ええ。長い戦いだったわ……地球に帰ったら久々に家族に電話しようかしら?」

 

竜太「果林先輩の実家って八丈島でしたっけ?」

 

果林「ええ……」

 

エマ「私もいったんスイスに帰国しようかな? 選手権までには戻ってくるから」

 

ミア「ボクはどうしようかな……ステイツに戻るか、それともいっその事雷門に編入しちゃおうかな? 皆とのサッカー、案外面白かったし」

 

嵐珠「嵐珠は決めたわ!! 雷門に編入するわ!!」

 

桐穂「ええっ!? コレは思わぬライバルだよ〜っ!!」

 

果北「まさか雷門が更に強化されるなんて……」

 

二人は地球に帰った後の冬の選手権の話を始めた。

 

鉄角「でっかい事、やったんだな……」

 

皆帆「あれ? 泣いてるんだ?」

 

鉄角「これは、心の汗ってやつだ!!」

 

神童「終わったな……」

 

伊吹「まさか、俺はまだやり足りないぜ?」

 

神童「……サッカーをか?」

 

伊吹「当然だろ?」ニヤッ

 

天馬「瞬木……」

 

天馬と瞬木は、共に空を見上げる。

 

瞬木D「キャプテン、全員のシュート……最高だった!」ニヤッ

 

天馬「っ、ああ!!」

 

ダクスガン「EVERYBODY LOOK!! 運命の瞬間を見たか?! 宇宙の脅威ブラックホール、ここに消滅!! VICTORY!! まさに、この宇宙に生きる全ての人々の勝利だぁっ!!」

 

ララヤ「ついに……」

 

カトラ「これで、私の悲願も達成されました……」

 

 

その光景を見ていたイクサルフリートは、

 

オズロック「終わったな、我々の長い復讐の旅は……」

 

 

 

そして、ポトムリがシステムを終了させる。

 

ポトムリ「ありがとう。これで宇宙は救われた!! っ!!」

 

ポトムリは、涙を抑えることができなかった。

 

カトラ「ポトムリ、やりましたね」

 

カトラに対して、ポトムリが片膝をつく。

 

ポトムリ「はい。やっと使命を果たすことができました」

 

カトラ「ええ。あなたは誇り高きキエルの英雄よ」

 

ポトムリ「カトラ様…有難きお言葉です……しかし、本当の英雄は…」

 

ポトムリはアースイレブンの方を見る。

 

カトラ「天馬、私のことをずっと信じてくれてありがとう。そして、本当に良くやってくれました……」

 

天馬「カトラが導いてくれたから俺、希望を失わないで戦って来られたんだよ」

 

カトラ「いろんな星の人たちが力を合わせたことで、宇宙の脅威は去ったのです。ありがとう天馬、皆さん……っ」

 

 

ララヤ「この星は救われた。皆が力を合わせて救ってくれたのじゃな。妾には何もできなかったというのに……」

 

そこに、剣城がやってくる。

 

剣城「ララヤのやるべき事は、これから始まるんだ。この星を、アクロウス王が治めていた頃のような、立派な王国に戻さねばならない。そしてそれは、ララヤにしかできない」

 

ララヤ「妾にしか……妾は、父上のような立派な王になれると思うか?」

 

すると剣城は片膝を付き、

 

剣城「ララヤ様なら、きっとなれます。この俺が、保証します」

 

ララヤ「っ! なら、安心じゃな!!」

 

 

 

ポトムリ「皆さん、そろそろお別れです」

 

天馬「ポトムリ?」

 

すると、ポトムリは光に包まれ身体がだんだん光の粒子となり消滅していく。

 

ポトムリ「私は、こんなにも晴れやかな気持ちで旅立つ事ができる。こんな日が来るとは……さよなら、カトラ様。さよなら、アースイレブン。ありがとう、水川みのり……」

 

そして、光の粒子の中から水川さんが倒れてくる。天馬が水川を受け止めると、ポトムリはピクシーと共に天へと昇り消滅した。

 

カトラ「ポトムリ!!」

 

森村「まるで皆にお礼を言ってるみたい……」

 

神童「そうだな……」

 

 

 

そして、俺たちの長い戦いは終わった。

 

ー 続く ー




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第109話:故郷への帰還

イクサルフリートとの戦いから数日間、俺達はファラム・オービアスに滞在していた。この数日間食事はとてつもなく豪華な食事を出され、居住スペースは高級ホテルのスイートルーム並、外に出るときは警備の人が一緒にいたりと、とんでもないVIP扱いだった。まぁ、自分たちの星を救ってくれた者達なんだからこの扱いはうなずけるのかな?と、勝手に納得していた。

 

そして今日は、ファラム王宮での終戦・平和記念式典だった。

 

俺達アースイレブンはファラム・オービアス女王、ララヤの前に片膝を付き、言葉を聞いている。なお、この様子は全宇宙に中継されている。

 

ララヤ「ファラム・オービアス、及び宇宙に生きる全ての民たちよ、ブラックホールは消滅し、宇宙は守られた!! これは、星を愛し…守り抜こうとした人々の想いの結晶じゃ!! そして、大きな力を注いでくれたのが、遥か青き星、地球からやって来たアースイレブンなのじゃ! さぁ、盛大な感謝を!!」

 

式典会場が拍手に包まれる。街の方からも拍手の音が微かに聞こえてくる気がする。

 

ララヤ「妾からの贈り物じゃ。受け取って欲しい」

 

そう言ってララヤ女王は、地球の物よりずっとサイズの大きい、シロツメクサの花に似た植物を編んで作った王冠を全員に被せていく。

 

ララヤ「この花は、この星の祝の場では決して欠かせぬ物なのじゃ……」

 

そして、全員に被せ終わると…

 

天馬「ありがとうございます! 女王陛下!!」

 

ララヤ「妾はここに知った。これから先、どんな苦難が起ころうとも、星々は1つになって打ち勝つ事ができるのじゃ!! 守り抜いて行こう! この平和を!!」

 

盛大な花火が上がる。ファラム・オービアスは、星中がお祝いムードだ。

 

ララヤ「さぁ、皆のもの…しばし歓談と食事とする。好きに過ごすといい」

 

うん、カゼルマたちの所行こうかな? 大会中は敵同士だったから話せなかったし、今なら腹を割って話せるだろう。

 

竜太「お〜い、カゼルマ、アルベ……「竜太!! ガシッ」ぐえっ!?」

 

後ろから襟首を掴まれた。何だよ……。

 

竜太「彼方何だよ?」

 

彼方「良いからこっち来て?」

 

彼方に連れて行かれると…サザナーラとファラム・オービアス、アースイレブンの女子が女子同士で話していた。

 

竜太「なんで連れてきたし……」

 

彼方「ゴメンね? 何か竜太と話したいって子が多くて……」

 

チュルカ「へぇ? 結構良い男じゃない!」

 

カピス「うん」

 

ポワイ「ちょっと〜、二人共?」

 

すると小柄な女の子のウルミがトコトコと歩いて来て俺のユニフォームの裾を引っ張る。

 

竜太「ん? どうした?」

 

ウルミ「///お兄ちゃん…」

 

……ブハッ!! 「お兄ちゃん」。その言葉のあまりの破壊力にその場で吐血する女の子たちと竜太。

 

ウルミ「どうしたの?」

 

竜太「いや、何でもない……「あの!」ん?」

 

メルヴィル「あっ、これ…私が作ったんですけど食べてみます?」

 

竜太「え? 良いの、頂こうかな?」

 

そして食べてみる。

 

竜太「おっ、美味い!!」

 

ロッツ「セレン良いよね? 料理得意だから……」

 

メルヴィル「だったらネオルも料理頑張れば良いじゃない?」

 

ポワイ・チュルカ・ウルミ「「「ぐぬぬぬぬぬぬ!!」」」

 

エマ「アハハハ……、全員スッカリメロメロだねぇ……」

 

竜太「ど言う事?」

 

サラマ「すんごい鈍感と……」

 

また失礼な事言われた気がする。

 

彼方「浮気は許さないよ?」

 

竜太「分かってるよ」

 

九坂「おい竜太! 皆が話したいってさ」

 

九坂が呼びに来た。ナイスタイミング!!

 

俺はダッシュで女子から離れた。

 

ポワイ「あっ! ちょっとぉ!!」

 

 

・・・・・・・

 

竜太「はぁ……、「大変そうだな」おう……アルベガ……」

 

カゼルマ「さっきJrやアルベガ、ヴァルハたちと伊吹、九坂とそれぞれの星のサッカーについて話してたんだ。面白い話が聞けたよ」

 

竜太「うわ〜、それ俺も話に入りたかったぁ……」

 

ヴァルハ「おい、その前に良いか?」

 

ヴァルハが耳を貸せと小声で話してくる。

 

ヴァルハ「お前ポワイ様に何したんだ? あの人が完全に恋する女の顔になってるじゃないか……」

 

竜太「は!? そうなのか?」

 

ヴァルハ(あれで気づいてないのか……アズルも嘘はついてないし……)

 

 

天馬はというと、

 

天馬「はい、葵!!」

 

天馬が葵の頭に花の冠を被せる。

 

天馬「アースイレブンのマネージャー助かったよ!!」

 

葵「えへへ……私、宇宙でも天馬の助けになりたかったから!!」

 

天馬「葵……うん。ありがとう!! 俺たちがやって来たサッカーが、この宇宙を救ったんだ!!」

 

剣城「ああ!」

 

神童「そうなるな」

 

グランドセレスタギャラクシーに参戦していた選手たちの殆どが天馬の方を見ている。

 

天馬「スゴイよサッカーは!! 皆に勇気をくれて、力をくれて、未来をくれた!! 俺が思っていたよりも、サッカーはずっとずっと凄かった!! "サッカー!!俺、お前の事大好きだぁああーーーーっ!!"」

 

そして式典の終了から2日目、俺達は地球へと帰るためにファラム・オービアスステーションに来た。

 

ステーションでは、多くの星の人たちが見送りに来てくれた。そして、アースイレブンを乗せたギャラクシーノーツ号は、地球へと向けて飛び立った。

 

 

 

〜 宇宙船内 〜

 

水川「なんじゃこりゃあ!!」

 

竜太と天馬が展望デッキに入ると、水川さんが伊吹の胸ぐらを掴んで暴れていた。

 

水川「なんの冗談だ!? つーかお前ら誰だ? どこなんだここ?!」

 

天馬「水川さんあの……」

 

葵「ちゃんと説明するから落ち着いて?」

 

竜太「そうそう。これから地球に向かってワープするから……」

 

水川「ワープぅ? 何寝ぼけた事言ってんだ!!」

 

皆帆「コレは……」

 

真名部「岩城高のミノタウロスの復活です……」

 

そして何とか水川さんを落ち着かせて取り敢えず座ってもらい、ギャラクシーノーツ号はワープに入る。数十秒のワープを終えると、目の前には宇宙に浮かぶ青い星、俺たちの故郷地球が広がっていた。

 

天馬「ただいま!! 地球!!」

 

水川「ウソだろ……おい?」

 

そして、ギャラクシーノーツ号はお台場サッカーガーデンの代表宿舎エリアに着陸。すると、そこには各国の報道陣や首脳、日本の財前総理、豪炎寺さん、そしてアースイレブンメンバーの家族が勢ぞろいしていた。

 

竜太「!!」

 

龍也(大人)「お帰り!」

 

果南「地球にもファラム・オービアスからの電波が飛んできてね? 皆にバレちゃって大騒ぎだよ」

 

豪炎寺「皆……良くやってくれた!!」

 

真名部「パパ、ママ……」

 

真名部母「陣ちゃん、無事で良かった……出発前に言ってたことが本当だったと知ったときは生きた心地がしなかったわよ……」

 

真名部父「まさか、宇宙を救ってしまうとはな。お帰り陣一郎。私達も何日か休みを貰ったから、久々に3人でゆっくり過ごさないか?」

 

真名部「っ!! パパ、ママ!!」ガシッ!!

 

真名部を筆頭に、他のメンバーも次々と仲間や家族の元に走っていく。

 

龍也(大人)「お帰り、二人共」

 

果北「パパ…ママぁっ!!」

 

果北が二人に抱きつく。すると天馬が……

 

天馬「ドンッ!!」

 

竜太「うわっ!?」

 

天馬に押されて俺は父さんと母さんの元にダイブ。覚えとけよ?

 

見ると果林先輩の家族も、エマ先輩の家族もいた。八丈島とスイスからわざわざ来てくれたのだろう。

 

彼方「ただいま!!」

 

遥「お姉ちゃんお帰り!!」

 

近江母「彼方ちゃんお疲れさま。しばらくゆっくり休みなさい?」

 

彼方「うん。流石に疲れたから3・4日は休ませて貰うよ〜」

 

愛「リュウ、お帰り!!」

 

かすみ「かすみん感動しましだぁっ!!」ズズッ

 

しずく「お疲れさま、皆!!」

 

璃奈「竜太くんの[Over・the・Rainbow]、感動した!!」

 

!?

 

竜太「イクサルフリート戦まさか中継されてたの!?」

 

しずく「はい。学校でテレビにかじりついて皆応援してましたよ?」

 

せつ菜「あのシュートを見て、私たちも一緒に戦ってる気がしました!!」

 

歩夢「ホントだよ!!」

 

竜太「……皆とのサッカーが無かったら、あのシュートは生まれなかったよ」

 

そして、報道陣が取材をしたいと言ってきたが、豪炎寺さんが「皆疲れてるんだから日を改めろ!!」と、追っ払った。ありがとうございます……

 

今日は各自、懐かしの我が家へと直行。地球を、宇宙を守り、平和を掴んだんだと改めて思いながら就寝した。

 

しばらくの間、色々事後処理で忙しくなりそうだな……。

 

ー 続く ー




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最終章最終話・最終回:平和の果てに、勝ち取った未来

今回で、長かった竜太主人公の話は完結です。たくさんの方の応援があり、ここまで続けることができました。

この場を借りてお礼を申し上げます。

では最終話、始まります!!


グランドセレスタギャラクシーの戦いが終わり、俺たちアースイレブンが故郷、地球に帰還し今日で1ヶ月が経った。

 

帰還した直後は色々と会見や取材、首脳陣との報告会などの事後処理やゴタゴタのせいでものすごく忙しかったが、ついに先日それが終わり、今日やっと学校に登校した。

 

学校に着くと、俺たちは瞬く間に生徒に囲まれ根掘り葉掘りの質問攻めにあった。まぁもれなく全員頭にハリセンブチ込んで黙らせたけど。

 

全校集会でも地球代表としてグランドセレスタギャラクシーに参戦したサッカー部員、そして先日雷門に編入してきたミアと嵐珠は壇上に上げられ盛大な感謝を貰った。

 

そして昼休み、生徒から逃げた俺たちはサッカー棟に来ていた。あっ、因みにミアと嵐珠もサッカー部の新入部員になったんだ!! まぁ、ミアと3年生たちは3月、後4ヶ月ちょっとで卒業しちゃうんだけど……選手権大会は一緒に戦えるから皆張り切ってる。

 

天馬「はぁ〜、この状況いつまで続くんだろ?」

 

竜太「さっき桐穂と果北からも連絡があったぞ? こっちと変わらないらしい」

 

彼方「そっか〜……」

 

神童「伊吹はバスケ部辞めてサッカー部に入部届持ってったら兵頭にレギュラーの座を賭けて勝負挑まれたらしい。返り討ちにしたとあったが」

 

竜太「てことは今度の月山国光のキーパーは伊吹か……」

 

こりゃ手強そうだ。

 

エマ「皆帆くんもスコットランドヤードの見学で昨日の朝ロンドンに立ったんだよね?」

 

竜太「さっき無事についたってLINE届いた」

 

エマ「そっか」

 

果林「九坂くんは? 無事に学校に戻れたの?」

 

天馬「何か友心の校長が、九坂を一目見て変化を感じ取ったらしくて、"今の君なら大丈夫だ"って二つ返事に戻るのを許可してくれたらしいです」

 

果林「そう、なら良かった」

 

彼方「真名部くんは? 提示した参加条件を破棄したんでしょ?」

 

竜太「ええ。あっ、噂をすれば……」

 

真名部から電話がかかってきたので電話に出る。

 

真名部「大海くん、久しぶりですね」

 

竜太「おう。そっちはどうだ?」

 

真名部「ええ、パパとママはちゃんとボクのことを考えてくれていた事が分かったので、今は平和にやってます。アースイレブンに参加していなかったら、ボクは今もパパとママの事が大嫌いだったでしょうね」

 

竜太「ハハッ、親の愛情が伝わりにくいだけの、ただの不器用な両親だったわけだ「…人の家の事情に首を突っ込まないでもらえるかな?」やべっ!!」

 

真名部「あ〜スミマセン。親が隣りにいたんですよ。元気な声が聞けて良かったです。ではまた」

 

竜太「おう」

 

その頃、真名部家

 

真名部父「どうせ不器用な父親だよ……」

 

真名部母「あらあら、でもその通りね。陣ちゃんの事を考えていたつもりで、逆にここまで自分の子を追い詰めていたなんて……」

 

真名部「ううん、ボクこそゴメンなさい」

 

真名部父「わたしたちも、もう少し親として頑張っていくよ」

 

真名部「うん!! じゃあ、ボクは勉強の続きしてくるね? 模試が近いから!」

 

真名部母「あらあら、後で差し入れ持っていくわね?」

 

 

平和な家族の光景があったという。

 

 

天馬「真名部は上手く行ったと……好葉は?」

 

栞子「この間LINEが来ましたよ? なんか今では好葉さんに勝てる人がいなくなってパワーバランスがひっくり返ったらしいです」

 

竜太「あらら……いじめっ子は面白くないだろうな」

 

栞子「でも、平和にやってると書いてありましたよ?」

 

竜太「そうか………」

 

本当に、日常に帰ってきたんだな………。

 

すると、チャイムが鳴り

 

栞子「あっ、午後の授業始まりますよ?」

 

天馬「急ごう!!」

 

彼方「ほら、竜太も!!」

 

彼方が、俺に手を差し出してくる。俺は彼方の手を取り、一緒に本校舎へと戻った。

 

 

キーンコーンカーンコーン

 

先生「今日の授業はここまで!」

 

生徒「起立! 礼!!」

 

生徒『ありがとうございました!!』

 

………………

 

あっという間に時が過ぎて年が明け、俺達は正月の冬の選手権で見事東京都代表になり、全国決勝で浦の星女学院と当たった。まぁ結果は、俺たちの勝ちで雷門サッカー部は夏冬の全国ダブル優勝を成し遂げた。

 

そしてもう2月。3年生の卒業が迫っていた。

 

天馬「竜太、いつ彼方先輩に渡すの? もうすぐ卒業しちゃうんだよ?」

 

竜太「分かってるよ……」

 

そう。去年のグランドセレスタギャラクシーの事で、俺は国から報酬として300万円ほどお金をもらってあるものを購入した。どうしても必要だったんだ……。

 

天馬「はあ、竜太がまさかこんなにもヘタレだったとは…「張っ倒すぞ?」事実でしょ?」

 

うぐっ! そう言われると言葉が出ない……

 

天馬「ほら、部活行くよ?」

 

そして部活で汗を流し、今日の練習も終了。俺は覚悟を決め、彼方を誘って一緒に帰った。

 

竜太「………彼方、寄り道して良いか?」

 

彼方「? うん」

 

そしてやってきたのは河川敷。

 

竜太「覚えてるか? インターハイ予選の万能坂戦の前……」

 

彼方「…覚えてる。あの時の彼方ちゃんはビクビク怯えながらサッカーしてて、好きなサッカーなのに全然楽しくなかった。でも、竜太たちが変えてくれたんだよ?」

 

竜太「違うよ。皆が頑張ったからだ、勿論彼方も……」

 

彼方「竜太……」

 

竜太「っ、彼方先輩……!」

 

突然の先輩呼びにビックリする彼方。俺は、鞄から小箱を取り出し、彼方先輩に向けて箱を開ける。

 

彼方「っ!!」

 

中には、彼方のイメージを意識した紫色の宝石、アメジストが嵌め込まれた指輪が、入っていた。

 

竜太「俺が高校卒業して、サッカー選手でも、普通に働いても、安定した収入を得られるようになったら……オレの……お嫁さんになってください!!」

 

彼方「……はい。彼方ちゃんを、竜太のお嫁さんにしてください……。指輪…はめてくれる?」

 

竜太「分かりました」

 

竜太は、指輪を彼方の左手の薬指にはめる。

 

彼方「竜太……ふつつか物ですが、これからよろしくね?」チュッ!!

 

将来を誓った二人は、お互いの思いを確かめ合うかのように唇を重ね続けた。

 

 

 

 

〜 4年後 〜

 

俺は高校を卒業し、東京を拠点とするJ1リーグのサッカーチームに入団。メキメキと実力を伸ばし、今シーズンの新人賞を取った。

 

っていうか、他のみんなは歳と共に化身とかソウルの力を使えなくなったのに、俺はプロになっても未だに両方使えるんだよなぁ……。

 

おかげで周りからはズルいと言われるがこればかりはどうしょうもない。

 

そして今日は……、

 

司会「それでは、新婦入場」

 

白い衣装に見を包んだ俺が待つチャペルに、純白のウエディングドレスに見を包んだ彼方が入場してくる。今日の式には、スイスからエマ先輩、アメリカからはミア、現在スペインリーグで活躍している嵐珠や剣城たちも予定を合わせて駆け付けてくれた。

 

当然、雷門の皆やアースイレブンとして共に戦った皆も……。

 

歩夢「おめでとう彼方先輩! 竜太くん!!」

 

愛「幸せにね!!」

 

伊吹「大海、近江、おめでとう!!」

 

遥「お姉ちゃん…幸せになってね……(号泣)」

 

彼方「皆……」グスッ

 

竜太「彼方……」

 

司会「では、誓いのキスを……」

 

俺は彼方の顔を覆っていたヴェールを外し、そっと、唇を重ね合わせた。

 

これから、俺が彼方と…これから産まれるもしれない、まだ見ぬ子供達を守って行くんだ!!

 

 

ラブライブ✕イナイレGo 〜虹の彼方に〜 Fin.




というわけで、長かった竜太くんの物語は完結となります。2年と4ヶ月位の間でしたが、ご愛読頂いた方、試しにでも読んでくださった方、感想をくださった方、評価くださった方、応援してくださった方、たくさんの方の支えがあり、こうして無事に完結となりました。

また機会があるかは分かりませんが、またいつかお会いしましょう。

それでは!!


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〈鐘 嵐珠〉誕生日特別編:やっと見つけた友達(タカラモノ)

ランジュちゃんの誕生日短編です。

ではどうぞ!!


グランドセレスタギャラクシーが終わり、宇宙の星々が救われ日常が戻った地球。

アースイレブンメンバーとして共に闘った嵐珠とミアが雷門に編入し仲間になり、竜太たちサッカー部は今日も練習に励んでいた。

 

竜太「嵐珠!!」パスッ

 

竜太からのパスがディフェンスの合間を縫って嵐珠の足元に転がる。

 

嵐珠「ナイスパスよ!!」

 

すると嵐珠から青い光が溢れ出し、銀色の毛並みを持つ狼へと姿を変える。狼は身体を回転させてボールに纏わりつき、ゴールに突っ込む。

 

三国「止めるっ! [タマシイ・ザ・ハンド・Gx]!!」

 

三国先輩が、ラグナロクの時に大介さんから教えてもらった[タマシイ・ザ・ハンド]を最終進化させて発動。嵐珠のソウルストライクと激突する。

 

三国「ぐっ、うぉおおぉああぁあああっ!!」

 

必死に堪える三国先輩。紅いオーラの手は、ボールを思い切り掴み取りシュートは停止した。

 

嵐珠「悔しい! 止められたわ!!」

 

三国「良いシュートだ嵐珠!!」

 

円堂「よし、皆今日の練習はここまでだ!」

 

円堂監督の声で皆が監督のもとに集まる。

 

円堂「今日は皆からの要望があったからな。チームの結束を深める事にも繋がるし皆片付けと着替えをして部室に集合!」

 

天馬「はい! ありがとうございました!!」

 

雷門『ありがとうございました!!』

 

円堂監督は練習場を後にする。ただ嵐珠は……

 

嵐珠「皆の要望って何? ランジュ知らないわよ?」

 

そう言う嵐珠に皆が優しい目を向ける。

 

竜太「嵐珠、今日が何月何日か思い返して見ろ。そうすりゃ分かるから」

 

嵐珠が「えっ?」と呆けた顔をしている間に皆は片付けに入る。そして片付けを終え、皆は部室に向かう。竜太は嵐珠を部室まで連れてくる役を与えられていた。

 

嵐珠「いったい何かしら?」

 

竜太「ホントに気付いて無いのか? じゃあ開けるぞ」

 

そして竜太が扉を開け、嵐珠が中に入ると……

 

パパァあああんっ!!

 

雷門『嵐珠(鐘)! 誕生日おめでとう!!』

 

嵐珠が入った瞬間、皆がクラッカーを鳴らして嵐珠を出迎える。嵐珠は「ポカン……」と、間の抜けた顔をして訳が分からなさそう。

 

嵐珠「え、えっ? もしかして皆ランジュの誕生日を祝ってくれるの?」

 

愛「何言ってんのランジュ! 当たり前でしょ!!」

 

果林「嵐珠ももう私達の仲間だしね」

 

ミア「Happy Birthday…!」

 

嵐珠「皆……」グスッ

 

すると、突然嵐珠は泣き出してしまった。

 

天馬「ど、とうしたの嵐珠!?」

 

歩夢「何か嫌だった!?」

 

嵐珠「ち、違うの!!」

 

嵐珠は涙を擦り、話し始める。昔から、嵐珠は友達を作ろうとしてといつもの上手く行かずに一人でいた事。

自分が良かれと思ってアドバイスしたことも、気がついたら相手の神経を逆撫でしていたこともあった事。

相手の気持ちが……分からなかった事。

 

嵐珠「そのせいでランジュはいつも一人で……こんなふうに友達や仲間ができたことでさえ奇跡なのに、しかも皆から誕生日まで祝ってもらえるなんて……っ!!」

 

感極まったのか再び涙を浮かべる嵐珠。

 

かすみやしずくがそっと背を撫でてやり落ち着かせる。

 

エマ「少なくとも、私達雷門サッカー部はランジュちゃんのことを友達だと思ってるよ? ね、皆?」

 

エマ先輩の言葉に、全員が迷い無く頷く。

 

嵐珠「皆………っ!!」

 

天馬「さぁ! 嵐珠先輩の誕生会始めよう!!」

 

雷門『オーーーッ!!』

 

そしてその日は嵐珠先輩たちはとても楽しそうに笑いながら、話をしたり、一緒にゲームをしたりして遊んだ。

 

嵐珠はとても幸せそうな笑顔で笑っていた。

 

 

ー 嵐珠ちゃん Happy Birthday ー




ランジュちゃんハッピーバースデー!!

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〈ミア・テイラー〉誕生日特別編:音楽と同じくらい大切になった物

今回はミアちゃんの誕生日回です!

去年忘れてしまい、今年は覚えていたので誕生日回を書かせていただきます。(ごめんねミアちゃん……)

本話は本編後という立ち位置なのでよろしくお願いします。

では、始まります!!


GCGが終わり数カ月後の12月。俺達雷門サッカー部は冬の高校サッカー選手権東京都予選を勝ち抜き、1月に行われる全国大会に向けて練習に励んでいた。

 

彼方「ミアちゃ~ん!」ドッ!

 

彼方から前線へと走るミアへのロングパスが飛ぶ。

 

せつ菜「しずくさん!取った瞬間カットです!!」

 

しずく「はい!!」

 

ディフェンスのせつ菜としずくが、ミアがトラップした瞬間を狙おうと連携して動く。

 

ミア「ハァアァアアアアッ!!」

 

するとミアの身体から青い光が溢れ出し、ミアは純白の白鳥へと姿を変える。そして足でボールを抱えると、その状態で翼を羽ばたかせて飛行。せつ菜としずくを抜き去った。

 

せつ菜「っ! ソウル!!」

 

しずく「くっ!三国さんお願いします!!」

 

三国「任せろ!!」

 

三国さんが身構えると、ミアはシュート体勢に入る。

 

ミアが、ボールを擦りながらシザースを連打すると回転がかかっていき、その影響でボールに風の膜がコーティングされる。

 

そしてミアは跳躍して縦に一回転。足を振り上げて思い切りぶっ放した。

 

ミア「[サウンドバースト・改]!!」ドッゴォオオォオン!!

 

ミアのインパクトとともに、膜が弾けて爆音と共に猛スピードでシュートはゴールに向かっていく。

 

三国「止める!![極・無頼ハンド]!!」ガカァアァアアッ!!

 

三国先輩の必殺技とミアの必殺技が激突。しかしミアの必殺技は徐々に勢いを失っていき、止められた。

 

ミア「っ! 止められた………」

 

三国「良いシュートだミア!!」

 

そしてここで、

 

龍也「よし、今日の練習は終了だ!みんな気をつけて帰れよ?」

 

雷門サッカー部『『はーい』』

 

そして荷物を片付ける俺達。俺はシャワーを浴びてサッカー棟のロビーである人物を待つ。

 

数分待っていると……、

 

ミア「Sorryリュウタ。おまたせ……」

 

竜太「おう。じゃあ行くか……お疲れさまでした」

 

ミア「じゃあ……」

 

天馬「お疲れさま〜」

 

そしてミアと俺はとある喫茶店に行く。そこである人物と待ち合わせしてるんだ。

 

竜太「ここだ」

 

俺達は喫茶店に入ると、店内を見渡す。すると奥の方でこっちを手招きしてる白髪の男性が。

 

ミア「あっ、あの人がボクのパパだよ」

 

竜太「あの人が……」

 

ミアの父、世界的な音楽一家〈テイラー家〉の当主。緊張するな……

 

竜太「こんにちは……」

 

ミア父「ああ、はじめまして。ミアも久しぶりだね。座るといい」

 

竜太「では、失礼します」

 

ミア「thanks」

 

そして俺とミアはミアのお父さんの対面に並んで座る。

 

ミア父「このあいだのGCGの時は驚いたよ……まさかミアがサッカーをやることになるとはってね。それも、まさか地球の代表だなんて……」

 

竜太「それは俺もですよ。俺はサッカーに打ち込んでは来ましたけど、まさか宇宙人と戦うことになるなんて思いもしませんでしたよ」

 

ミア父「ははっ、だろうね……」

 

そしてミアのお父さんはコーヒーを一口飲む。

 

ミア父「はぁ、どうだろう。ミアはアースイレブンだった時も、今もちゃんとやれているかい?ミアは少し素直じゃないところがあるから……」

 

ミア「ちょっ!パパ!恥ずかしいって!!」

 

竜太「それは大丈夫ですよ。ミアさんが素直じゃないことなんて出会って数日でみんな気づきましたから。それに、口では色々言ってても、内心喜んでる時は態度があからさまなんですぐ分かりますから………」

 

ミア「!?////」

 

ミア父「ハハッ、そうだね。よく理解してくれてるようで安心したよ」

 

ミア「まあ、ボクがサッカーやるのはあと数ヶ月で終わりだから。雷門を出たらステイツに戻って、また音楽の道に戻るよ」

 

ミアも頼んでいたカフェオレを飲む。

 

ミア父「そうか。まあ、学生時代くらい自分のやりたいことをやってみなさい。今やってるサッカーも、それがいつか役に立つかもしれないからな。人生、何が起こるかなんてわからないんだ」

 

ミア「分かったよパパ……」

 

ミア父「ところで……今回ミアの様子を聞きたいと打診してから、多分今日は女の子が来るかとおもっていたんたが……」

 

ミア「ああ、竜太はキャプテンだからね。1番チームを見てる立場だから竜太にした。もう一人キャプテンはいるんだけど、そっちはちょっと頭が悪くてさ……相応しくないかな?って……」

 

天馬、言われてるぞ……。

 

ミア父「そうか……」

 

ミア「心配しなくてもら友達ならいっぱい居るよ?みんなボクを受け入れてくれてる。今度試合もパパたちに見せたいな」

 

するとミアのお父さんは考え込み、

 

ミア父「選手権の雷門の試合っていつだった?」

 

竜太「え~っと、確か1月の3日に全国大会の雷門の初戦ですね。午後1時に国立競技場で……」

 

ミア父「そうか。なら、家族みんなで見に来るかな」

 

ミア「本当に!?」ガタッ!!

 

ミアは座席から勢い良く立つと、

 

ミア父「ああ、みんなもミアのことを心配してたからね……。きっと喜ぶだろう」

 

ミア「よっし!ならさっさと練習の続きだ!!リュウタ!付き合ってもらうよ!!」

 

竜太「わ、分かったから引っ張るな!!すみません、これお金置いていきますから会計だけお願いします!!「ほら、リュウタ!!」分かったって!!」

 

そして俺はミアに連行されていった。

 

 

ミア父(………ふふっ、もしかしたらミアにも春がきたのかな?)

 

 

その後、選手権が始まり、1回戦の雷門vs戦国伊賀島の試合を見たテイラー家一行。ミアの活躍もあり、初戦を5−1で勝利し、2回戦に駒を進めた。

 

ミアの家族はその様子を見て、「ミアはいい人たちに出会えたな」と、安心していたという。

 

因みに、ミアはお父さんに好きな人でも居るのか?とか、リュウタくんはどうなんだ?とか聞かれて、試合後にミアは特に恋をしているわけではなく、俺にも彼女がいるとミアのお父さんに伝えたら、勘違いにバツが悪そうな顔をしていた。

 

勘違いされたせいで俺は彼方にお仕置きを食らいそうになったのを忘れない……。

 

 

ー ミアちゃん Happy Birthday ー




ミアちゃん誕生日おめでとう!!

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