ポケモンlet's go……イワーク!?(連載版) (kaenn)
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ポケモンlet's go……イワーク!?

色々片付いたので、オーバーロード書く前のリハビリとして書いてみた短編
感想などがあれば続けるかも?


此処はニビシティ、山に囲まれた辺り一面岩・岩・岩・岩……と、何となく灰色な街……

 

そんな街で、今1人の〇〇が目覚める……

 

 

 

 

 

……やぁ…きみの名前はなんて言うんだい?

 

「……名前?……何だっけ……あれ……名前は……」

 

真っ暗な空間に漂っているような感覚の中で、わたしは誰かの問い掛けに応えようとするが自分の名前が分からない……

 

……きみの名前は……そうか、レーラ…と、言うんだね?

 

「あれ?……そんな名前だっけ?……何か違うような………」

 

……次に……きみの性別を教えてくれるかい?

 

「………え?……わたしは…………」

 

………そうか……きみは女の子なんだね。

 

「えっ?……いや……ちが……」

 

……ようこそ……ポケモン…………へ……さぁ……新たな……冒険……始まり…………

 

 

 

 

「わたしは男だっ!…………って?何処……此処……」

 

不思議な声を聞いたわたしが目覚めると、

其処は見慣れないファンシーなぬいぐるみなどが多数配置された、少女漫画の登場人物の部屋みたいだった。

 

「手……小さい………声高い………髪が長い…え?銀髪!?……ハッ!!…鏡…たしか………ここっ!」

 

記憶があやふやだが確かに成人していたわたし…しかし、目に映るのは明らかに子供…しかも先程からの情報を整理して行くと…………

 

「女の子だ…………それも銀髪碧眼……うわぁ……」

 

鏡を見たわたしは、鏡に写る…銀髪碧眼で腰まである長い髪をした、小学生になるかならないか位の女の子と目を合わせる。

鏡の中の少女は心底嫌そうな顔でこちらを見ている…というか……わたしだ……

 

「何で?……改造人間?……魔法少女?……転生?…………」

 

鏡の中の少女が頭を抱えて狼狽えている、狼狽えている姿も可愛い…………………っ!?違う違う!……あれ?でもレーラとしての記憶が……有る?……

 

「……レーラっ!早く起きなさい、今日はマサラタウンでオーキド博士にポケモン頂く日なんでしょう?」

 

「?!ごめん!お母さん、すぐ支度するから!」

 

急に部屋に入って来たお母さんに驚きながらもレーラとしての記憶がいつもの行動を無意識的に行ってくれる……が……服は白黒のゴスロリ?しかないのは何故なのだろう……しょうがないので、フリフリやヒラヒラが少ないものを選んだ……

 

白黒のゴスロリ服に身を包んだわたしは、朝ごはんを食べる為に平屋のそこそこ広い廊下を歩いて食堂へ向かう。

 

「全く!寝坊助なところは誰に似たのかしら?」

 

「………私じゃないぞ?…」

 

お母さんがフライパンからお皿にハムエッグを載せていき、お父さんを睨みつける。

お父さんは否定するが、おそらくはその通りだろう……レーラの記憶が確かならば、父親は仕事の時以外は常に眠たそうにしている事を知っている。

 

「お父さん、今日は博物館の仕事お休みなの?いつもならもう出てる時間でしょ?」

 

レーラの記憶からニビシティの観光名所で有る化石博物館の研究者である父親に仕事は休みか?…と話題を振る。

すると父親は新聞に落としていた目を少年のように輝かせ、わたしを凝視しながら、

 

「今日はレーラのポケモントレーナーデビューじゃないか!そんな大切な日に仕事なんかやってられないよ、ね?お母さん?」

 

黙っていれば鈍い銀色の髪でカッコいい中年男性が、子供のようにはしゃいでいる。

それを見た母親が、苦笑いしながら優しそうな碧眼をわたしに向けて、

 

「……だと思ったわ…取り敢えず昨日のうちに博物館へ連絡しておいたから、朝ご飯食べたら私のポケモンで飛んで行きましょうか。」

 

と、言いながらキッチンから朝食?……と、目を疑うような量の、大盛りを超え、特盛り?とにかく座ったレーラの顔の高さまである炒飯をテーブルに置き、何事もない様に…

 

「さ、いただきましょう?いくら飛んでいくって言っても1時間後には家を出るからね?」

 

…………嘘でしょ?コレを1時間って……

わたしは、目の前の大人10人前はありそうな炒飯を前に、絶望感から目の前がまっくらになった。

 

 

 

 

 

……結論から言おう、食べれた……30分かからず食べ終わり、今は持ち物の確認をしている。

 

「この身体の何処にあの量が入るんだろう?不思議…」

 

ゴスロリ服を少しだけ捲り上げ、少しだけ膨らんだお腹を撫でるが……どう考えても先ほどの量が入っているとは思えない…

そして服を元に戻し、肩掛けの小さめのリュックサック背負って必要な物を確認してからわたしの部屋を出る。

 

「やっと来た、私のポケモンが速いからってゆっくりしすぎよ?流石お父さんの子。」

 

「今日も優しそうな碧眼が可愛いね、流石お母さんの子!」

 

家の外に出ると、呆れた様にレーラを見る母親とニコニコしながらレーラに近づき、手櫛で自身と同じ銀髪を撫でる父親が待っていた。

……そう言えば、レーラの記憶でも両親がポケモン出したのを見たことがない…いったいどんなポケモンを使うのだろう?

そして何故……歩いて街を出るのだろう?ポケモンって家の外に出たらその場で乗るんじゃ無いの?

 

「流石に"この子"は街では出せないしね?」

 

街はずれ……と言うより街の外まで歩いた頃、お母さんは腰に付けた黒いモンスターボール…ハイパーボールを1つ手に取り、そう言いながらボールを少し遠くに投げる。

 

「おいで!"サンダー"!」

 

………………1…………2の……ポカン…………ほへ?……マイマザー?あなたいま、何とおっしゃいましたか?

そう心で思ったが、そうか!ニックネームがサンダーか…ピジョット辺りかな?……なんて頭の中で考えているとお母さんが投げたハイパーボールが地面に付き、中から身体中をバチバチ電気が走る音をさせた凶悪そうな大きな鳥ポケモンが現れた。

 

「サンダー!?本物!?」

 

「あら?そう言えばレーラは赤ちゃんの時以来かしら?あんまり頻繁に出せないのよねーこの子…」

 

なんでもなさそうに言うお母さんを尻目に、わたしが驚愕していると対抗意識を燃やしたお父さんが腰に手を当ててボールを取り出そうとするが……

 

「……お父さん?……」

 

碧眼を細め、有無を言わさぬ絶対零度の瞳で、お父さんを睨むお母さん

 

「いや……その……御免なさい………」

 

お父さんは渋々といった様子でボールをしまった。

 

「さぁっ!気を取り直して行くわよ、お父さんがふざけるから少し遅くなっちゃったし…」

 

雰囲気を一変させたお母さんがジト目でお父さんを睨み、わたしとお父さんに手を差し出し、サンダーに乗せると物凄い速さで飛び立った。

 

……どうしよう……流されてるけど…わたしって転生なのか…憑依なのか分からないんだよね…言ったほうがいいのかな?……うーん……

 

「……ら…………よ?…………レーラ、聞いてるの?」

 

「!?あっ、ごめんねお母さん、もう着いたの?」

 

いつの間にか着いていたのか、サンダーはもうお母さんのボールに戻っていて姿は無かった。

 

「レッド君のお母さんとグリーン君のお姉さんに用があるからレーラはオーキド博士のところに行ってらっしゃい。…………そうだ!おこずかいを渡し忘れてたわ。」

 

はいコレ!と、渡されたのは電子マネーのカードで色が黒い……なんて書いてあるのかよく読めない……

 

「いくら限度額が無いって言っても使い過ぎには気をつけてね?駄目よ〜お父さんみたいに調査したいからって山とか買っちゃ♪」

 

わたしにマネーカードを渡しながら、お母さんがお父さんをの方を見て冗談っぽく言う、お父さんは目をそらしてヘタな口笛を吹いているが……ウソだよね?……まさか本当に山買ったわけじゃ無いよね?

 

「あはは、レーラすごい顔してるよ?可愛い顔が台無しだ、笑顔笑顔!」

 

お母さんの視線から流れる様にレーラに近づいたお父さんは頭をひと撫でして、

 

「じゃあ私はちょっと用事があるから別行動するね?トキワのジムリーダーに用事があってね?今日は遅くなるから先に帰ってて。」

 

と、言ってお父さんは、足早に草むらを駆け抜けて行った。

 

 

 

 

「おぉっレーラ、遅かったな?他の者はもうポケモンを選んでしまったぞ?」

 

オーキド博士の研究所に着くと研究員さんに案内され、3人の少年少女とオーキド博士のいる部屋に案内された。

 

「あいかわらず遅かったな!オレたちもう選んじゃったぜ!」

 

「何か事故にでもあったんじゃないかと心配してたんだよ?」

 

「…いつもの事。」

 

元気そうなツンツンした、いがぐりみたいな髪型で黒髪の男の子、くま

 

何処か自信のなさそうな雰囲気で年齢に不相応な双丘を持ち、長いストレートの金髪を腰の辺りまで伸ばした美少女、アリス

 

半袖半ズボンで、口数が少なく何を考えているのかよく分からない青いショートヘアで"わたしより"まな板を持つ女の子、しのぶ

 

「オレなんかちょー強そーなポケモン貰ったもんねー!そいじゃオーキド博士!オレもう行ってくるぜ!」

 

「あっ、待ってくまちゃん、私も行くよ。……………ごめんね……またね、レーラ。」

 

「……待つ……レーラ、ポケモン何?」

 

くまがボールに入ったポケモンをレーラにこれ見よがしに見せつけながら研究所を出て行く、それをアリスが必死に追いかける。

…………何だあのリア充…幼馴染みの女の子に追い掛けられるとか……○ねばいいのに……

 

「コホン!…………よく来たなレーラ、さぁポケモンを選ぶんだ……と、言いたかったのだが………………すまん!実は今回は手違いで手配したポケモンが3匹しか居なかったのじゃ…………申し訳ないが……明日……いや……明後日まで待ってくれればポケモンを準備出来るんじゃが……」

 

如何やらくまは、本来なら来週にポケモンを貰うはずだったのだが、幼馴染みのアリスが貰うのにオレの方が後なのはおかしい!と、わがままを言い半ば強引にポケモンを持って行ってしまったのだと言う。

アリスのごめんね、はこういうことか……

 

「……相棒……コレ……」

 

しのぶがボールから出したのは……さかな?……何かのポケモン?見た事ない……何というか……弱そう……

 

「そのポケモンは最近発見されたヒンバスというポケモンじゃな、本当は今回研究対象として譲ってもらったのじゃが、しのぶがどうしてもこいつが良いと言うのでな?」

 

……ん?と言う事はもう1匹いるんじゃないかなー?と辺りを見渡すがポケモンらしきモノは何処にも見えない。

 

「……ヒンバスをもう1匹貰う為に用意していたイーブイを彼方に転送したので本当に居ないんじゃ……すまん!」

 

レーラの視線を察したオーキド博士からジャンピング土下座をされ、2日後に来るときには必ずポケモンを用意してもらう事を約束してオーキド研究所を出た。

 

「……どんまい……」

 

一緒に外に出たしのぶに肩を叩かれて慰められる。

しのぶのせいではないが釈然としないわたしは一言文句を言おうとするが…………

 

「……居ない……」

 

先程まで背後に居たはずの友人は"ハナダシティで待つ!"と、達筆な墨汁で書かれた1枚の紙を残して消えていた。

 

 

 

「アッハッハ!じゃあなに?ポケモン貰えなかったの?ぶふっ!ひぃー、ひぃー…あーおかしい!」

 

「レミアさん、そんなに笑ったらレーラちゃんかわいそうですよ…ね?レーラちゃん、うちのおじいちゃんがごめんなさいね?」

 

仕方ないので、とぼとぼと歩いてグリーンさんの家に行くとナナミさんが家に入れてくれたのでお母さんに事情を話すと急に爆笑された。

何だこの人…自分の娘がそこまで面白いか?

心配してくれたナナミさんは綺麗な茶色の髪も相まって素敵…天使か?

 

「……あー、おかしイ…………おかしイナァ……オーキド博士……ボケチャッタノかしら?」

 

「あ…あの……レミア…さん…?」

 

「ン?如何したノカシラナナミちゃん?あっちょっとワタシ用事を思い出シタワ…………」

 

……ゾクッ……あれ?お母さんの雰囲気と口調が変わった?……うわっ!?瞳孔が完全に開いてる!?

ナナミさんが必死な形相で羽交い締めにしているが、徐々に引き剥がされている。

 

「お願いします!レミアさん!少し!少しで良いから落ち着いて!!」

 

「やだナァ、ちょっとヨ?ちょっとダケ……研究所ブッ壊してクルダケヨ?」

 

……マイマザー……それだと明後日ポケモン貰えないんですが……

とりあえず、ナナミさんと一緒にわたしも引き留めた。

 

「もう!オーキド博士もしょうがないわね……あっ!レーラ?明後日気に入らなかったら何回でもチェンジ要求して良いからね?お母さん"しっかりと言い聞かせておく"から♪」

 

落ち着いたお母さんの前でぐったりとソファーに横たわるわたしとナナミさん、その正面でお母さんは尚も話し続ける。

 

「まぁ正直?私とアキラ君がポケモン用意するって言ったらオーキド博士に邪魔されたのよね……チャンピオンロードとかシロガネ山からレーラの好きそうなポケモン連れてこようかと思ったのに全否定よ?信じられる?」

 

「お母さんがこんなにも愛情たっぷりで頑張ろうとしたのに……あのじじいめ……」

 

おや?マイマザーがヤンママに進化……退化?してないか?口調が物凄く変わってるんだが……

 

「しょうがない!帰ってオツキミ山行くよ!とりあえずそこで1匹だったら文句ないでしょ!」

 

お母さんが部屋の扉の外に向かって大声を出すと、そのドアが開いてオーキド博士が入って来た。

 

「なんじゃ、やはり気付いておったか、まぁ……オツキミ山なら初心者でも大丈夫じゃろう…レーラが知らんからと言ってシロガネ山とかに連れて行くんじゃないぞ?」

 

「私ももう立派な母親ですから、その辺は弁えてます………………………………それでは明後日"楽しみ"にしてますね?」

 

そう言ってお母さんはわたしの手を引いて、来た時と同じ様にサンダーに乗り家に帰った。

 

 

 

 

「ほらレーラ、オツキミ山行くよ。」

 

ウチに帰ると、お母さんが何かスプレーをかけてきた、なんのスプレーだろう…と疑問に思っていると、虫除けスプレーだと答えてくれた。

……薄々気がついていましたが……マイマザー……弱い奴はいらん!な武闘派ですか?

 

 

 

家を出てからオツキミ山の入り口に着くとお母さんが一言

 

「私もポケモン最初から貰えなかったのよ……その後に自棄になってトキワの森の祠で鳥ポケモンの雛を見つけて運命を感じて捕獲して今があるの……だから、レーラも一番最初に会ったポケモンを捕まえて大事に育てて欲しいな?」

 

……初見でサンダーの雛拾うとか、マイマザー幸運値カンストしてるんじゃないか?わたしも一緒に居るからもしかしたら……わたしの容姿に合いそうな、ラッキーとかピッピとかピクシーが捕まえられるんじゃないか?…………そう思っていた時期も一瞬だけありました。

 

「凄いじゃない!色違いの個体なんてすっごいレアなんだから!!」

 

「……うん……岩系とか地面系とかお父さんの影響で結構好きだよ?……でもさぁ…………」

 

「凄いじゃない!サイズと重さがXLで色違いの"イワーク"なんて♪」

 

そう……わたしの相棒は……

 

 

 

 

 

 

ポケットモンスター……let's go…………イワーク……

 

とぅびぃこんてにゅー




オーバーロードの続きを書くための練習作


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レーラはかいふくのくすりを使った

感想2件も頂いたので書いてみました。
スマホ打ちで書いているのですが調子が悪く、修理見てもらったらタッチパネルの不具合?がありました……道理で打ちミス増えた訳だ……

では、暇潰しにどうぞ(°▽°)!


色違いのイワーク……黄色…というか金色?の個体だったはずだけど、わたしの前に現れたのは"黒い"イワーク…むしろここまで巨大じゃなければゲンガーに見える…

 

「……真っ黒……えっ?虫除けスプレーって色違い出やすいとかあったっけ?」

 

「何言ってんの?そんな訳ないじゃない、だって"アレ"ヤマブキの本社からかっぱ…とと、貰った試作品だもの…雑魚はおとといきやがれスプレー?だったかな?説明書には確かそう書いてあった気がする。」

 

……おい、マイマザー、貴女さっき虫除けスプレーって言ったよね?しかも凄い良い笑顔で誤魔化したけど…完全に悪人の発言だよ?朝見た、綺麗で優しいお母さんを返してくれないかな?

綺麗な茶色の髪をかき上げながらわたしと同じ透き通るような碧眼を細めて誤魔化す母親は、言動を聞いていなければただ凄い綺麗なお母さんではあるが、言動を聞いてしまった私としては…

 

…………ー武闘派レディース清楚な若奥様風味ー…………

 

にしか見えなかった。

 

「今は楽よね〜、昔は戦って弱らせなきゃ捕まえられなかったのよ?いまときたらエサを与えてボールを投げて……でしょう?」

 

ボコボコにして屈服させてからが始まりなのに……と、如何聞いても武闘派レディースのヤンママの様な発言……貴女は何処の世紀末からいらしたのでしょうか?

 

わたしの背後で指の関節ををバキボキ鳴らすお母さんを後目に、黒いイワークを捕まえるべくボールを構えると、黒いイワークは洞窟の天井に届きそうな程身体を伸ばしてわたしとお母さんを威嚇する。

 

「……いや、お母さん?この子普通のイワークの2倍くらいあるんだけど?」

 

XL個体は見た事はないが、お父さんに連れられてイワークなら何度か見ている為、目の前の黒いイワークの大きさに驚きお母さんのほうを向く……すると、わたしの身体スレスレに物凄い轟音と突風が起きた。

ビクッとして正面を確認すると、黒いイワークは居らず……音がした方を向くと、いつの間にかわたしの右横の壁際に叩きつけられていた。

 

「もう、油断しちゃだめよ?このイワーク、レーラの最初のポケモンじゃ無かったらボロ雑巾にしてお父さんにプレゼントしたい位なんだからね?」

 

にっこりという言葉がぴったりの表情で言動はブレないお母さんが、サンダーを頭上に待機させて、いつでもイワークを仕留められる状態でそう言ってきた。

 

……それからは大変だった……動くたびに地震が起こる黒いイワークが何度もボールを当てられて捕まえきれず逃げる………

 

…上から閃光が走り黒いイワークが地面に叩きつけられる…………

 

……唖然としながらもボールを投げる…………

 

……逃げる……

 

……叩きつけられる……

 

……投げる……

 

……逃げる……

 

……叩きつけられる……

 

……投げる……投げる……投げる……な…………げ………………る…………

 

 

 

何百投しただろうか……何度か目の前が真っ暗になったが、その度に"空から"閃光が迸り、わたしを貫き正気に戻す。

黒いイワークも何度も何度も地面に叩きつけられており、どう見ても瀕死の状態だ…身体も心なしか欠けている様に見える。

 

お母さんがサンダーでやっているのだろう……

 

双方息も絶え絶えの状態だったが、ふと…お父さんに連れられて行った、

とある山の山中で見つけた"かいふくのくすり"をリュックサックから取り出してじーっと見つめると、黒いイワークに差し出す。

 

 

イワークの眼とわたしの碧眼が交わると、イワークはずりずりと…ゆっくりと…這い寄ってくる。

会った時の興奮した様子は最早無く、心なしか怯えている様に見える。

……そうか、私の背後に居る圧倒的な暴力に怯えているんだ…

……わたしと同じように……

そう、心の中で呟いていると黒いイワークがわたしの目の前で止まり、わたしが持つ、かいふくのくすりとボールを交互に見る。

 

「ん?ごめんね、わたしのせいでこんなことに巻き込んで……コレで回復できるから回復して巣へお戻り?」

 

その言葉が通じたのか黒いイワークはわたしが持つ、かいふくのくすりに触れるとその身体が光に包まれる……如何やら無事に回復できたみたいだ。

回復したイワークはすぐに離れるだろうと思っていたレーラだったが目の前のイワークは、レーラの碧眼を覗き込んだまま一向に動こうとしない。

 

「……?如何したの?もうお母さんには手出しさせないから帰って良いよ?」

 

と、言うが動かない……すると、イワークが首を動かしてレーラの持つボールの開閉スイッチを口先でコツンッ、と叩き……

 

ゴロ……ゴロ……ゴロ……ポーン!

 

……捕まった………………へ?……

 

「やったねレーラ♪さすが私の子!あんな大きいイワーク捕まえられるなんて、普通は出来ないわ〜♪」

 

今まで何事もなかったかのような態度で喜んでいるお母さん、捕まえたのは嬉しかったけど……貴女、実の娘を何度も雷で撃ち貫きましたよね?

いつか絶対に倍返ししてやる…………

念願の初ポケモンはゲットしたが、色々と後味の悪い1日だった

 

オツキミ山を出る直前、ニビシティ側で人だかりが出来ていた。

何だろう?と耳を傾けていると……

 

「巨大な氷の壁が現れてハナダシティに行けないんだって?」

 

「えっ?洞窟の壁から火が吹き出したんじゃないの?」

 

「いやいや、とてつも無い電力を持つポケモンによる雷が鳴り響いてるって聞いたけど……」

 

「……それより地震が収まった今のうちに一度外に出ようぜ?崩れるかもしんねぇしな……」

 

地震と電気は……分かる……わたしのお母さんとイワークだ……

……しかし、氷の壁と噴き出す火?それって……

 

「あら?随分と危ないみたいね…目的も達成したし、私達は帰りましょうか。」

 

……明らかに話題を逸らしながら、さも自分は無関係な人間ですよ〜、という空気を漂わせたお母さんが、わたしの手を引いて足早に人混みを避け、外に出る

 

……お母さん……貴女はいったい何処の主人公ですか?

……娘なんて岩蛇を1匹捕まえただけで瀕死、目の前が真っ暗になったが……何度か貴女のサンダーより雷撃を受けて目が覚めました。

 

…氷……炎…そして雷……

 

…ポケットモンスターを知るわたしが断言しよう、お母さん……貴女は"他の2匹"も持っていますね?

 




続きが読みたければしおりを増やすのじゃー……

という事は無いので安心してください。

息抜きに書いているので滞る事はあまり無いかと?思います。

では、これからよろしくお願いします
m(_ _)m


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レーラのがまん

お仕事休業になったのでまた書いてみました

暇つぶしにでもなれば幸いです
m(_ _)m


そそくさと、トンネルを後にしたわたしとお母さんは家に向かって歩く

 

「そうだレーラ、せっかくポケモン捕まえたんだからちょっとだけ…先輩ポケモントレーナーとして手ほどきをしたあげるわ♪」

 

道中、ぽんっ!と手を叩いたお母さんがにこやかにそう言うと、わたしの腰についているイワークのボールがガタガタと動いた気がした。

 

……気のせいじゃない…

 

…すっごい動いてる…

 

……もうハンドマッサージ器の最大威力みたいな震え方…………

 

……そうか、野生の本能でお母さんの危険性を察したか……

 

……だが、大丈夫……何故なら……

 

「……安心して……死にはしないから…………たぶん……。」

 

……パートナーなんだから……道連れダヨ?

わたしは、未だにすごい振動を繰り返すイワークのボールを、

両手で強制的に押さえ込み、動かないようにした後…お母さんと同じような、にっこり笑顔でイワークに話しかけた。

 

……イワークは目の前が真っ暗になった……

 

 

 

 

 

「やって来ました!シロガネ山!!久しぶり!我がホーム!!」

 

元気いっぱい……というか…本性丸出し!最初の優しそうなお母さん何処いった!?

茶色のロングストレートをポニーテールで縛り、何処から取り出したのか白い…特攻服?に着替えたお母さんは両手を天に突き上げて吠える。

 

「……お母さん……オーキド博士からここに来ちゃ駄目って言われてなかったっけ?」

 

わたしは「おっしゃ!気合い入れてくぞ!!」と、盛り上がっているお母さんを刺激しないように疑問を投げ掛けると、

 

「ジジイはシロガネ山で捕まえるなって意味で言ってたんだろ?第一、レーラのイワークは、ここ以外じゃジムリーダークラスじゃないと強すぎて相手になんないのよ?アタシのサンダーの"ドリルくちばし"何度も何度もくらって立ち上がるとか異常だからね?」

 

…………そんな危険個体と生身で相対させて…尚且つ、そのサンダーの雷を気付けがわりに連発した相手は貴女の実の娘ですよー…

 

声に出さず、非難の目をお母さんの綺麗な碧眼へ向けるが、どこ吹く風と気にした様子はない。

そう言えば…お父さんとフィールドワークした時に…

 

「レーラ、もし…もしもお母さんがポケモントレーナーとしてレーラの前に現れたら……全力で逃げるんだ…いいね?絶対に、絶対に相手になっては駄目だ!レーラは良い子だから約束してくれるよね?」

 

いつもおっとりしたお父さんが真剣な眼差しでこんな事を言っていた事を思い出し、その時からお父さんはわたしにサバイバル術を色々と伝授されたのだ。

 

……今がその時!イワークがいれば死にはしないだろう………お母さんがわたしから目を離した時……いまだっ!……

 

……レーラはヤンママのレミアから逃げ出した。

 

「……っ!ふんっ!…………あらァ?レーラァ?何処ニ行こうとしテルのカナァ?」

 

……しかし、回り込まれてしまった。

魔王からは逃げられない……

 

レーラとイワークは目の前がまっくらになった…………

 

 

 

夕方、薄暗くなってきた空に雷光が走る…

 

「……サンダー……"電磁砲"♪」

 

イヤーーツ!

 

「サンダー…"10まんボルト"♪」

 

キャーー!!

 

「サンダー……"か・み・な・り"♪」

 

……た、たすけ……

 

 

 

……プスプスと黒焦げになった木や地面が煙を上げている。

その片隅で…横たわる煤だらけのレーラ、所々欠けた黒いイワーク

 

「あらあら…だらしないわねー、効果はばつぐんじゃないでしょう?」

 

空からサンダーが降りて来た、片脚に捕まったレミアが呆れたように目を細めてため息を吐く

 

……そんな声が耳に届くが指一本動かせない…

 

…横にいるイワークと目線が合うが、如何やら彼方もピクリとも動かない…

唯一目線があった事から死んではいないだろうが……

 

「…げ……限界…だ……」

 

レーラはほんとうに目のまえがまっくらになった。

 

 

 

 

「レーラ!無事かい?良かった、レミアの実家から暴れてるって聞いた時は心臓が止まるかと思ったよ。」

 

レーラは自分の部屋のベッドに横にされていて、お父さんが心配そうに手を握っており、目を覚ました直後、捲し立ててきた。

 

「レーラ、お母さんがポケモントレーナーとして現れたら逃げる様に言ったはずだけど…」

 

落ち着いたアキラが過去に言った言葉を言ってきたが、レーラは疲れ果てた表情で一言

 

「お父さん……魔王からは逃げられなかったよ……」

 

「……あぁ……そうだね…確かに…」

 

お父さんの返事には妙に実感がこもっていた。

 

「2人とも〜、ご飯できたわよ〜。」

 

部屋のドアの向こうから魔王の声が聞こえてきて、机に置かれたイワークのモンスターボールが振動で落下した。

 




イワークの色違いを取る為、300れんぞくしていたが、ヒトカゲの色違いが出てきた為諦めた作者です。

そうです、やって無ければもっと書けたかもしれませんが…

ではまた次回に。


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レーラのふいうち

続きました、暇人の暇つぶしですので忙しくなると急に長期休載になるかも?

感想やコメントでPPが回復するのでそうすると続きが?

まぁ、どうぞ?


…………朝だ……もう起きなきゃ……

 

レーラは目を覚ますと、寝ぼけながらふらふらとベッドから起き上がり、くしゃくしゃの銀の長い髪のまま目を擦りながら部屋を出る。

 

……トントントントン……

 

包丁の音が聴こえる、どうやら魔王様はもう御起床のようだ…

などとぼんやり考えながらレーラの記憶を頼りに洗面所に向かい顔を洗う。

 

「………ぷはっ!…………やっぱり夢じゃ…ないよね?」

 

顔を洗って覚醒したレーラが鏡を覗き込むと、銀髪碧眼の美少女が覗き返してくる…………これは自分の顔だ。

昨日は疲れ果てていた為ほぼ無意識で風呂にも入ったが、冷静になって考えるとこんな美少女の身体で生活することは大丈夫なのだろうか……

と、考えていると早速試練が……

 

「………やばい…トイレ行きたい……」

 

…………結論から言おう。

 

……いろいろなかった……

 

……そして…なんか吹っ切れた。

 

「あら?レーラおはよう、悪いけどお父さん起こしてきて?今日は博物館に出勤させないと館長さんに怒られちゃうわ。」

 

トイレからダイニングに向かうと、魔王……もとい、お母さんからの指令を受ける…白い特攻服も着ていないし、禍々しく無い優しいオーラが滲み出している…お父さんの言う通りポケモンが絡まなければ優しいお母さんの様だ。

 

「……あら?どうしたの?……あっ♪朝からポケモンの練習がしたいのカシラ?」

 

ぼんやりと優しいお母さんを見ていると、急に碧眼を細め…魔王モードに豹変する。

 

「⁉️お父さん起こして来る!」

 

驚いたレーラは、いちもくさんに逃げ出した。

 

「……オーラがパステルグリーンから禍々しい紫色ってうちのお母さんまじ魔王…」

 

魔王から逃げ出したレーラが、先ほどの光景を思い出しながらお父さんの部屋に向かう途中でぼやく、お父さんの部屋に着いたレーラは一応ドアをノックするが、返事がない。

 

「……うーーん、やっぱりダメか?しょうがない…」

 

ガチャッ、とドアを開ける。

 

 

部屋にはコレでもか!と、言うくらいポケモンの資料が散乱している。

レーラはその資料を踏まないように気をつけて、机の上に突っ伏しているお父さんに近づいて行く

 

「……レミアさん……殺さないで……レーラ……逃げるんだ……此処は……俺が……」

 

お父さんは机の上で寝ながらそんな寝言を言っていた。

どうやら昨日の続きを夢の中でしているみたいだ、なかなか頼もしい父親だ。

 

「……くっ……俺のプテラが…………ならば………………ラードン!!……はっ!……あれ?……あれ?」

 

少なくともお父さんのポケモンにプテラがいる事が判明したが、魔王様にやられてしまったようだ。

そして満を辞してお父さんがサイドン?を出そうとしたところで、自分の声で起きた。

起きたお父さんは周りをキョロキョロして確認するとわたしを見つけて安堵したように大きく息を吐き現状を理解する。

 

「おはようレーラ、昨日はよく眠れたかい?」

 

お父さんは、わたしと同じ銀髪をくしゃくしゃにしたまま優しげな笑みでわたしの頭を撫でてそう言った。

 

 

 

「そうだ、私今日用事が出来たからちょっと出かけてくるわね?……夕方には帰れると思うんだけど。」

 

ご飯が終わり片付けているとお母さんが急にそう宣言する。

 

「それじゃレーラ、今日は久しぶりに博物館に来ないかい?館長達もレーラに会いたいって言ってたし!」

 

その言葉にお父さんは嬉しそうにしながら言う、レーラも興味はあったので着いていくことを了承すると、

 

「……残念♪…………団のアジト……連れてこうと思っタノニ♪」

 

お母さんは残念そうにしながら何かを小声で呟いてから、いってらっしゃい…とわたしとお父さんを見送った。

 

 

「……レーラ、お父さんちょっとだけ館長とお話があるから……3時間位時間を潰して来てもらっていいかな?そしたら新しく見つかった化石を含めてお父さんがレーラの案内をしてあげるよ。」

 

家を出て少し歩くと、お父さんがそう提案してきた、特に否定する理由もないレーラは了承してお父さんと一時的に別れる。

 

「それじゃ、記憶にある施設でも回ってようかな?」

 

レーラはポケモンの世界ではじめてのお店巡りを開始した。

 

 

前世はなんとなく量販店の店員だったような気がするレーラは、フレンドリィショップにやって来た。

ゲームだとコンビニの様な佇まいだったが、これは……

 

「ショッピングモール…だよね?……大きい……」

 

フレンドリィショップにたどり着いたレーラが見たのは、巨大なショッピングモール……呆然と見上げていると、背後から肩を叩かれる。

 

「やぁ、レーラちゃん、こんな所で何やってるの?」

 

背後に居たのは糸目の重力に反した髪型のレーラより少し年上の男性

 

「後でお父さんに相談があるんだけど、今日は博物館かな?」

 

お父さんに用事があるらしいこの男性は……

ニビシティジムリーダーの"タケシ"だ。

 

 

 

「そうなんだ、それじゃもし良かったら俺が案内してあげようか?これでも一応ポケモントレーナーの先輩だからね!」

 

なんだかんだと聞かれたら、答えてあげるが世の情け……

いかんいかん…謎の電波が……

昨日初めてポケモントレーナーデビューした事を伝えると、タケシは嬉しそうにしながら案内を申し出てくれた。

…いやいや、先輩どころかあなたジムのリーダーさんじゃないですか?

恐縮しながらも、案内してくれると言うので、レーラはお願いする事にした。

 

「コレがモンスターボール…ポケモンを捕まえる時に投げるボールで……こっちは、むしよけスプレー…よわいポケモンが出にくくなるスプレー缶だよ。」

 

タケシに案内され、フレンドリィショップにやって来たレーラは、はじめて見るポケモン世界の道具に、おもちゃを初めて買ってもらう子供の様にキラキラした目を向けてタケシのチュートリアルを聞いていた。

 

「タケシさん!コレは?……こっちは?………これ!何に使うんですか?」

 

用途の全くわからないアイテムの説明を聞きながら、あれもこれもとタケシに聞いていると…タケシが急に鼻の下を伸ばしてデレッとした。

 

「あなた達ちょっといいかしら?…………って……タケシ君とレーラちゃんじゃない?なんだ、事案じゃなかったか……」

 

タケシの視線の先にはジュンサーさんが居て、不穏な言葉を言いながらいくつか質問される。

曰く、ゴスロリ少女が糸目の変態に連れまわされている!……という通報を受けたらしい…なんてはた迷惑な……

誤解の解けたわたしとタケシはフレンドリィショップを一通り見物して、いくつかのアイテムを購入した……その際。

 

「……589円になります、お会計はいかが致しますか?」

 

店員さんに支払いを求められた際、自分が現金を持っていないことに気がつき焦る、しかし昨日お母さんに渡されたカードの事を思い出して店員さんに渡す、すると店員さんは「ヒッ…」と、短い悲鳴を上げながら黒いカードとわたしの顔へ視線を何度も行き来させる。

 

「……あ、あぁありが、ががが、とござました!!」

 

店員さんは震えながら会計を済ませると、こうそくいどうのような速さで裏へ走って行った。

 

 

 

「……あの店員さん…どうしたんだろう?急に顔色が悪くなった気がするんですけど?」

 

時間も経ったので、タケシと共に博物館へ向かう途中、疑問を口にするとタケシが苦笑いをしながら答えてくれる。

 

「…あのカードを持ってる人…と言うか家族は特別でね?たぶんそのカードを見せれば大体どんな所でも入れると思うよ?」

 

……コレクレジットカードじゃなくて、副将軍様の印籠なの?何そのフリーパス…怖い…と言うか……

 

「……特別?……どういう意味ですか?」

 

「うーーん、こればっかりは俺の一存じゃ言えないな、お父さんかお母さんが教えてくれるまでは聞かないほうがいいと思うよ?」

 

と、はぐらかされてしまった。

まぁいい、とりあえずは博物館へ行こう。

 




あふたーすとーりー

「せ、先輩!わ、私今日ブラックカード!見ました!」

「マジで?どんな人?」

「銀髪碧眼で黒いゴスロリ服の美少女でした!」

「はいはい…そんな属性盛り盛りの生物が居るなら会ってみたいなー……」

「嘘じゃなくて!」

「女帝がそんな美少女の訳ないじゃん?だって成人してる女性のはずだし〜」


とあるフレンドリィショップの店員さんの会話より




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レーラのたたきつける

どうもお疲れ様です、kaennです。

ポケモンレッツゴー、と言ってはいますが…作者は姪のプレイを見て、サポートボール投げをしているだけなので基本はGOの方ですね、金銀で知識止まってますが……

こんなの違う!という事もあると思いますが気にしないでやって下さい。

では本編をどうぞ


だいぶ歩いてニビシティ観光名所の博物館へとやって来たレーラとタケシ

レーラは、うっすらと汗が滲みゴスロリ服が体に張り付いて年相応のボディラインが強調されて煽情的な雰囲気を醸し出している。

 

「タケシさんはお父さんにどんな用事ですか?」

 

レーラはそんな状態に気が付かずに、横で顔を赤くしているタケシに話を振る。

するとタケシは誤魔化すように早口で、「ちょっとトレーニングのお願いを……」と、レーラの方を見ないようにしながら言って足早に博物館の裏へ入っていく。

レーラは暑いのかゴスロリ服の胸元を摘み、ぱたぱたと空気を取り込む…汗で若干蒸れていた身体…特に胸元が涼しくなり少しだけすっきりとした。

 

「……ラァ………レーラァァァ!!いかん!それは絶対いかん!!」

 

白衣を着た銀髪の中年が、博物館からすごい速度でレーラに近づいて来る。

目が血走り、鼻息も荒く…いろいろ通報されそうな位必死な顔の不審者…………お父さんである。

お父さんは大きなバスタオルのようなものをわたしに羽織らせると、肩に担ぎ上げて博物館の中へ入って行く。

 

「お、お父さん!?降ろして!恥ずかしい!」

 

レーラは父親のアキラの肩に担ぎ上げられたまま、staffOnlyと、書かれた扉を潜りシャワー室へとレーラを押し込んだ。

 

「全く!タケシ君から聞いてびっくりしたが…レーラは無防備すぎる!天使がそんなあられもない格好で彷徨いていたら誘拐されてもおかしくない!早くシャワー浴びて着替えなさい❗️」

 

言われて改めてレーラは自分の姿を鏡で確認すると、そこには……

汗で銀色のセミロングの髪が張り付き、顔も紅潮して息も少し荒い…黒いゴスロリ服をぴったりと肌に張り付かせ、いろいろ透けて見える……痴女が映っていた。

 

シャワーを浴びたレーラは、着替えとして用意された服を確認すると、先程お父さんが着ていた白衣と似たような服が用意されておりそれに袖を通して着替える。

 

「…………美少女研究員のレーラがあらわれた………なんちゃって(*´∇`*)」

 

「ブハッ…」

 

「えっ!?」

 

鏡に映った自身の白衣姿を見たレーラは鏡の前で一回ターンして、イワークの入ったボールを前に突き出してポーズをとってみた。

恥ずかしかったが誰も見ていないし、気にする事もないだろうとわりかし全力で……自身の最大に可愛いと思うポーズを……

全力のポーズが決まった瞬間、シャワー室の入口から聞こえた声に驚いてレーラが振り向くと……居なくなって心配したタケシがその光景を目撃して鼻血を出した。

驚き半分羞恥半分で、タケシの記憶がなくなるように祈りを込めて…レーラは全力で"たたきつける"を放った。

タケシは目の前がまっくらになった……

 

 

 

「あの…俺の記憶が一部無いのですが…………何かしましたっけ?」

 

 

 

成功した……したが、タケシの頭にレーラが一撃放つと、タケシは床に叩きつけられバウンドした。

……バウンドしたのだ……この身長も130cmあるかないか分からないレーラのたたきつけるをくらった、170cmはあろうかというタケシが……

たたきつけた時に轟音が響き渡り、博物館の職員が大挙して押し寄せる。

 

「……我が博物館の天使が……」

 

「……やはり……女帝の娘……」

 

「……ヤベェ……さすが最強夫婦の娘」

 

「俺のレーラに手を出そうとは…タケシ……ヤるか?」

 

「レーラたん……ハスハス……」

 

押し寄せた研究員達の目の前に映ったのは……平手を突き出した状態で、驚いて固まっている銀髪の美少女…その少女は研究員達に気がつくとハッとしてオロオロしながら父親のアキラに近づく

 

「ど、どどど…どうしよう!お父さん!わたしタケシさん殺しちゃったぁ……」

 

レーラはアキラの胸元に飛び込むと、透き通るような碧眼に涙を浮かべ、シャワーを浴びて爽やかなシャンプーの香りを漂わせるセミロングの銀糸を振り乱している……レーラはこんらんしている。

 

「レーラ?どうしたんだい?この害虫が何かしたんだろ?こんな事気にするなんて昨日から少しおかしいよ?」

 

父親のアキラは、頭から煙を上げて沈黙するタケシを一瞥すると、嫌悪感を隠さない顔をし、表情を優しいものに戻してからレーラを見て不思議そうにしている。

 

「……こんな事?」

 

アキラの心底不思議そうな顔を見たレーラは、身を瞑り…精神を集中させ自身の記憶を探ってみる。

するとあるではないか…今より幼いレーラと少しだけ若い頃のお母さんが何処かの山で修行する姿が……

…それを苦と思わず、遊び半分で嬉しそうに続ける幼いレーラ…

 

…ある時は、素手でポッポやコラッタを倒し…

 

…またある時は、素手で"いわくだき"を繰り出し、今のレーラの身長と同じくらいの岩を粉砕し、

 

…またまたある時は、サンダーと……よく見えないがもう2匹の鳥ポケモンらしき生き物と全力で鬼ごっこする光景……

 

…あっ!……お父さんとタケシさんは、レーラに何度もくらってるんだ…

記憶を見ていると、常日頃から2人はレーラの"たたきつける"をくらっているようだ…お父さんはいつも耐えているが…タケシはラッキースケベの場合が多く、例外なくレーラの羞恥心マックスのリンゴのような顔からの攻撃を受けて記憶を失っていた。

背後で人の気配が復活して、タケシが赤く少し腫れた額をさすりながら起き上がり、レーラや研究員達に声を掛ける

如何やら生きているようだ

 

「……そういえば…レーラちゃんはどんなポケモンを捕まえたんだい?」

 

一応タケシを医務室まで連れて行き、状態異常が無いかなどを確認してから応接室に通されて、レーラとアキラそしてタケシ3人で雑談しながらお茶にしていると、タケシがふとそんな事を聞いてきた。

 

色違いのイワークだと言うと、タケシはすごく嬉しそうにしながらぜひ一度見てみたい!と言ってきた、アキラも昨日はもう遅かったので見ていなかったので賛同して3人で博物館裏の外に出る。

 

「出ておいで!ゴウセキ!」

強い意志から強い石…という、お母さんの猛攻に耐え、若干涙目になりながらも折れなかった強い意志をもじった名前を付けられた黒いイワークはボールから飛び出した。

 

「フオオオオオオォォォォ!!!!黒いイワークだぁ♪何これ何これ!ユニーク個体なの?何なの何なの!」

 

「……すごい……大きさ、長さ、色、艶……そして何より肌にビリビリ伝わってくる圧倒的な存在感……これがレーラちゃんのポケモンか……」

 

黒いイワークのゴウセキを見たお父さんは、キラキラとしたおもちゃを買ってもらった子供のような目をしながらゴウセキに飛びつき、ペタペタ触りながらゴウセキの体表に頬擦りをする。

タケシは評論家のようにゴウセキの感想を述べると真剣なポケモントレーナーの顔になる。

 

………おぉ……レーラちゃん……まさか……タケシ押しか?……頬の紅潮と心臓の鼓動が止まらなくなってるんだが…

 

レーラがタケシの真剣な顔を見た瞬間から火の中にいるような熱さと心臓のドキドキが止まらない………あれ?…わたし……感覚的には男だったような気がするんですけど?……あっ、駄目だこれ…頭がぼーっとしてタケシの顔しか目に入らない…………

 

「…… !…タケシ君…さっきは断ったが…対戦受けてあげよう…どうする?今やるか❓ 」

 

レーラの恋する乙女モードに気がついたアキラが、タケシに勝負を受けると言って腰のモンスターボールに手を伸ばす。

タケシは驚きながらも此処では流石に不味いのでジムでやりましょう、と言ってニビジムで対戦するために移動する事になった。

 

 

 

 

 

「レーラがまさか…いや、きっと気のせいだ………父親の威厳と偉大さ!貴様を倒してレーラに……うちの天使に証明するんだー!」

 

………………古代研究員のアキラが勝負を挑んできた。

 

「行けっ!プテラ!」

 

ニビジムに来る時もみんなで乗ってきたプテラをアキラが出すと、タケシは……

 

「行け!ゴローニャ!」

 

原作では使ったことの無いゴローニャを出してきた。

終始ゴローニャがプテラを完封するかに思われたが、なんとタケシのゴローニャが、アキラのプテラが繰り出した"とっしん"の一撃で沈む………あるぇ?なんで?……不思議に思いながらも両者次のポケモンを出そうと構える。

 

「今度こそ!行け!サイドン!」

 

タケシが強そうなサイドンを出すと、アキラがニヤッと笑い…タケシに確認する

 

「タケシ君……コレって非公式の非公開でいいんだよね?」

 

何故かアキラがタケシに向かってそんな確認をする、タケシが了承の意を示すと……アキラは持っていたボールを腰に戻して……"紫色のボール"を何処からか取り出す。

 

「俺に勝負を挑んだ勇敢なタケシ君に敬意を評して……そして!レーラにお父さんの偉大さを再認識してもらうため!!俺に勝てなければ娘はやらん‼️……行けぇ❗️グラードン‼️」

 

アキラが出してきたのは見たこともない紅い巨大なポケモン……いや、単純にモンスター?その紅い巨大なグラードンはタケシのサイドンを一瞥すると手を払うような仕草で軽々と吹き飛ばして一撃でひんしにしてしまった。

 

……何あれ?わたし知らないんだけど……

 

ニビジムのジムリーダー対わたしのお父さんの試合はお父さんの完全勝利で幕を下ろした。

 




暑い日が続いてますが熱中症にはご注意を……

去年職場で初めて倒れた作者からのアドバイス?

水飲め!とにかく飲め!お腹がタプタプになるまで飲め!

いや、そこまではいいんですが…まぁ水分はきちんと取りましょう。

ではまた次回に


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現在のトレーナーとポケモン

一旦登場人物まとめ

ネタバレ含む為、登場予定のポケモン知りたくないって方は読まない方がいいです。




現在のトレーナー及び手持ちのポケモン一覧

 

レーラ

銀髪セミロングで碧眼の美少女

中身は不思議な声との会話後、この身体で意識が目覚めた元男性

母親の趣味で服装がフリフリヒラヒラしたのが多く、一番多いのが黒いゴスロリ

どうやら意識が完全に融合しているようで、以前のレーラとしての記憶も感情もほぼそのまま、男性としての意識は希薄でよほど意識しなければ普通の女の子

……補足として母親に"遊び"と称した過酷な訓練を受け、身体能力が異常なほど高い(ゴーリキーと渡り合えるレベル)

 

 

手持ちポケモン

・ゴウセキ

黒いイワーク、異常なほど硬く速い防速を併せ持つ驚異の個体でオツキミ山の主

ハッキリ言ってシロガネ山の山頂付近レベルの能力でレーラは母親からの命令により、ジム戦及び自力で勝てないと思う相手以外では使用を禁止されている。

レーラの母親に重度のトラウマがあり、雰囲気が変わるとボールの中でがたがた震え出す。

 

 

ーーーーーーーーーーー

くま

まんまレッツゴーのライバルの男の子

レーラが好きだが好きな子に意地悪をしてしまう典型的な子

主人公体質で幼馴染みの金髪美少女に好かれているが気付いていない。

身体能力は一般的

 

 

手持ちポケモン

・フシギダネ

ちょっとだけ個体値の高い普通のフシギダネ

 

 

ーーーーーーーーーーーー

アリス

金髪のロングストレート、青眼の超美少女

年齢に似合わぬ双丘を持ち、幼馴染みのくまの事を慕っている

小心者でいつも誰かの影に隠れる為仲の良い友人以外とはあまり喋れない

ポケモントレーナーとしての素質は普通だが、驚異的な幸運体質

…………腹黒い

 

 

手持ちポケモン

・ヒトカゲ

個体値マックスの色違いヒトカゲ…強い

 

ーーーーーーーーーーーー

しのぶ

青いショートカットで絶壁を持つ女の子

半袖半ズボンで、口数が少なく何を考えているのかよく分からない子

気がつくと背後や真横に居たりする不思議な生態を持つ

セキチクシティの生まれらしく、本人は分家だが本家はの当主はジムリーダーらしい……

 

 

手持ちポケモン

・ヒンバス

別の地方で発見された比較的新しいポケモン

謎が多く、研究用にオーキド博士が取り寄せていたが、しのぶの"にらみつける"や"いやなおと"、"じゃれつく"などの技に折れて渡した。

弱い……ちょー弱い。

 

ーーーーーーーーーーーー

レミア

レーラの母親で茶髪のサラサラロングヘアで碧眼の絶世の美女

ポケモンさえ絡まなければ完璧な優しいお母さん…………

……しかし、ひとたびポケモンが絡むと……

「オラオラ!あたしの娘がそんなんでへこたれてるんじゃねーぞ 」

……別名を"女帝"素手によりカイリキーをワンパンでのしたという伝説を持つバケモノ……女帝伝説はカントー地方の怪談として広まっている。

実家はシロガネ山の山頂付近の村

 

手持ちポケモン

・サンダー

言わずと知れた伝説のポケモン、バチバチと身体から雷光を放つが心を許した者には電気マッサージのようで気持ちいいらしい

ひなの状態から育てられた為レミアを神のように崇めている。

1匹で四天王を半壊に出来るくらいの能力

 

・????

レミアがトキワの森の祠で拾った鳥ポケモン、一番付き合いは長いが……

 

・?????

女帝伝説の一つ"ふたご島の虐殺"の際レミアが捕まえた鳥ポケモン…

 

・ピッピ

娘が産まれた際、情操教育のためオツキミ山で捕獲したポケモン……だったのだが……

 

・エアームド

実家の村の"ちょうろう"から押しつけられた最近見つかったはがねタイプの鳥ポケモン

普段はピッピとエアームドしか使わないがたいていピッピのみで戦いが終わる為あまり有名ではない

 

ーーーーーーーーーーーー

アキラ

レーラの父親で銀の短髪で爽やかな感じの中年男性

ニビシティの博物館の副館長兼研究所長で博学、特に古代のポケモンの知識は専門家と並ぶ程

過去にいくつかの地方を旅して見聞を広めた現場肌の研究者

"女帝伝説"にいくつか登場する巨大なモンスターを操っていたのはこの人

実はアキラがレミアの暴走を止めていたという、伝説とは真逆の真実がある

 

 

手持ちポケモン

・プテラ

個体値の高いXLサイズのプテラ

女帝伝説にも登場した事のある強力なポケモンで、タケシの本気のポケモンを一撃でひんしに追い込む実力を持つ

花が好きな心の優しいポケモン

 

・グラードン

古代の伝説にも登場する巨大なポケモン

タケシのポケモンを煩わしそうに手で払うだけで戦闘不能にした恐ろしいポケモン

 

・?????

グラードンと対をなす海の魔神

両方のポケモンが本気を出すと天変地異が起こるらしい

 

・?????

謎の多い、いわのポケモン

 

・?????

謎の多い、こおりのポケモン

 

・?????

謎の多い、はがねのポケモン

 

ーーーーーーーーーーーー

タケシ

糸目のニビシティジムリーダー

女性好きは相変わらずだがレーラに惹かれている自分に、ロリコンではない!

と、言い聞かせる日々を続けるロリコン

レーラ一家の秘密を知る数少ない人物の1人

本気だと結構強い

 

・手持ちポケモン

・イワーク

いわへびポケモン、長くて硬くて…おっきい…

 

・ゴローニャ

アキラにゴローンを貸したら進化して帰ってきた

割と意味不明な強さを誇るが、最強夫婦には瞬殺される

 

・サイドン

トキワのジムリーダーに指導を受けたタケシが1から育て上げたポケモン

防御と攻撃が高い個体で並のポケモンならば"いちげきひっさつ"

 

・ニドキング

トキワのジムリーダーに以下略

 

・ニドクイン

トキワのジムリーダーに以下略

ーーーーーーーーーーーー

異常……もとい、以上




何故だろう……女帝伝説は書かない気だったのにちょっとだけ書きたくなってしまった……

感想あれば番外編で書くかも?

ではまた次回に、


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レーラのにらみつける

気まぐれ連投ですのでお気になさらず…


レーラは口をポカーン、と開け目を点にしてあまりにも強いグラードンに呆気にとられていると、アキラが嬉しそうに全力で手を振っている。

 

「見たか‼️コレが父親の威厳……そして……そんな弱い奴に娘がやれるかぁっ‼️出直して来い‼️……ハッハッハァー…」

 

と、某四天王の格闘のヒトばりの笑い方でタケシを人差し指でビシッと刺して、優越感に浸っているような笑みを浮かべる……もちろんレーラに見えないように心掛けている。

 

「……くっ……さすがですね……プテラすら未だ届かないですか……」

 

タケシが悔しそうに顔をしかめながらアキラに言う、するとアキラは調子に乗って……

 

「もし、俺のプテラに勝てたら俺のポケモンもう1匹だけ教えてあげよーと思ったんだけどなぁ〜〜残念残念……プークスクス!」

 

と、下品な笑い方でタケシを追い詰める。

それを見たレーラは目のハイライトを消して、よく通る鈴のような声で一言

 

「…………お父さん……サイテー……。」

 

 

 

アキラは目の前がまっくらになった……

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

「ぐずっ……ぉねがぃだがだぁおどぶざんぼぉゆるじでぇ……」

 

レーラが、お父さんサイテー…の一言を言った後、膝から崩れ落ちたアキラは心ここにあらずと言った感じに魂が抜け落ちていたが、それから一言も会話をしてくれないレーラに泣きながら土下座して声にならない泣き声で謝り倒す。

 

レーラは視界の端に映るたび顔を背け、アキラを居ないものとして扱いタケシとだけは話をしていたが、いい加減煩く感じたのでハイライトの消えた目でギロリ…とにらみつけ、

 

「お父さんなんて…もうきらい……」

 

「カハッ……て、天使が俺を拒絶した……だと……」

 

レーラがおいうちをかけると、アキラはうつ伏せに倒れる。

あまりにも申し訳なくなったのかタケシが手を貸して立ち上がらせる。

 

「…うっ…うぅ……タケシ君、君はいい奴だ…………しかぁし!娘はやらんっっ!」

 

「……だからうるさい…」

 

レーラのにらみつける…アキラの攻撃力が、ガクッと下がった。

その後はお父さんを許して、普通に会話して家に帰りました。

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

「おかえりなさい、遅かったわね?ご飯できてるわよ。」

 

家に帰ると、お母さんが淡い緑のパステルカラーのエプロンを着けてフライパンからハンバーグを皿に移していた。

手を洗ってきなさい?と言われたわたしは洗面所に向かうが、お父さんはお母さんにしめつけられて動けない…

 

「アナタ?今日……ジムの方で〜〜……とぉっても強いポケモンのぉ〜?気配がしたんだけど……なにかぁ〜ー…………知らない♪?」

 

お母さんの声のトーンがおかしい…と、気づいた時…わたしの腰に付いたモンスターボールの中でイワークが震え出す。

お父さんに助け舟を出そうとしたが、振動が凄すぎて動けない…

 

「……あっ……ふぅ……ひっ!……あっ…あぁぅ……」

 

振動が強くてレーラの喉から変な声がで始めるが、お母さんはそれはもう……にっこりとした笑顔でお父さんの首根っこを捕まえて引きずって行く。

 

「「……た、助けてーーー!!!!」」

 

レーラの家に親娘の悲鳴が響き渡った。

 




もし感想などが頂ければ…もう一つ?

割と暇な1日を過ごした火魔人……誤字


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レーラのテレパシー

わりと暇な作者のリハビリ作

姪がポケモン好きでソフトだけ買ってきてうちでやっとります……
おじちゃんの家ゲームセンターじゃないんだけど?

まぁ勉強とお仕事の時に邪魔しないからいいか。

偶にプレイ中見てると笑える。

ではどうぞ。


「レーラ、今日お母さんおじいちゃんに呼び出されたすぐ出るの……だから、マサラタウン自分で行って?」

 

 レーラの部屋はまだ薄暗く、朝日が微かにカーテンの隙間から見える事から多分まだ早朝だろう……

 寝癖でいろいろな方向に飛び出している髪のまま、寝ぼけ眼でそれを聞くと、

「分かったぁ…………」と、言いながら……レーラは再び眠りについた。

 

 ────────────

 ……チュン……チュン……チュン

 

 外でオニスズメが鳴いている……もう朝だ、そろそろ起きなきゃ……

 

「……んみゅ……あとごふん……スヤァ……」

 

 レーラは寝ぼけている……レーラはねむってしまった……

 そして、この家では……母親のレミアを除けば……自力で起きられる人物は…………いない……

 ────────────

 

「わ──────ー! なんで起こしてくれなかったの!? おかーさ──ん!!」

 寝癖で髪が逆立っているレーラがパジャマ姿でキッチンに走ってくる……しかしいつも優しい微笑みを浮かべて料理するお母さんはいない。

 

「……うーん……レミアはお義父さんに呼び出されて文字通り飛んで行ったよ……」

 

 ふわぁ……と欠伸をするアキラにイラッとしながらも、レーラは確かに早朝にレミアが部屋に来たことを思い出したので怒りを収める

 しかし……このままでは確実に間に合わない……どうしよう……

 混乱して焦るレーラの目に映ったのは、博物館が休みで今日は暇な父親の姿……

 

「……お父さん! ……お願いがあるんだけど……良い?」

 

 レーラはアキラにたいして"あまえる"を使った……寝癖が爆発していたが……

効果はばつぐんだ……アキラは急所に当たった……やったね! 

 アキラはあまりの可愛さにむせながら、レーラのお願い通りプテラでマサラタウンまでそらをとぶを使った

 

 ────────────

 

「お父さんありがとう! じゃあ行ってくるね♪」

 

 マサラタウンに巨大なプテラで降り立つと辺りが騒然とするが、レーラは気にせず父親に別れを告げてオーキド研究所へと走って行った。

 それを感慨深く見送るアキラの目尻には涙がにじむ……

 帰りは、レーラと相棒のポケモンが一緒にニビシティの自宅に戻ってくる予定と聞いていたアキラが帰ろうと踵を返してプテラに乗ろうとした……が……

 

「……申し訳ありませんが、このプテラは届け出が出ていないようですが……マサラタウンへの直接降下申請はお済みですか? アキラさん?」

 

 アキラの肩を叩き、1枚の書類を手にこめかみがひくひく動いている顔見知りのジュンサーさんが現れた。

 ……

 ……

 ……アキラは逃げ出した……

 

「あっ!? 待て──ー!!」

 

 そして1時間後、プテラを置き去りにしてしまったことに気がついたアキラが現場に戻ると……何故かプテラが大勢のトレーナーに囲まれて攻撃されていた。

 

「おいっ! 俺のプテラになんて事するんだ! お前ら許さんぞ! 行くぞ……って? …………あ!?」

 

「アナタはこちらで……そのプテラでしたら先程から顔見知りのマサラタウンのトレーナーの稽古をしてくれてるみたいですよ? 軽くあしらわれてますが……とにかく……事情を聴かせて頂きます」

 

 プテラを迎えに来たアキラは、自分の置かれた状況を思い出し、万力のような力で肩を掴むジュンサーに連行されていった……プテラはそれを見て何故かドナドナな歌が頭の片隅をよぎったが、懐かしいマサラ人達との戦闘を楽しんでいた。

 

 ────────────

 

「すいません! 遅れました!」

 

 レーラは全力で走ってきた為汗をかき、白いシャツが体に張り付き最近少しだけ大きくなった双丘を覆うパステルピンクの布が透けて見えていることに気が付かずオーキド博士の下へ現れた。

 

「おぉ……待っておったぞ? ……ってぇ!? レーラ……先にシャワー浴びて着替えて来なさい……今呼んだから…………おぬしすごいカッコをしておるぞ?」

 

 ドアとは反対方向にある本棚を整理していたオーキド博士はレーラの声に振り向くと驚き、溜め息を吐きながら秘書を呼び、着替えと身体を隠せる大きめのタオルを持ってこさせた。

 呼ばれた秘書が、女の子の服と下着にタオルを持って来て? というオーキドに事案か? と思ったかは定かでは無い。

 

「あぁ……気持ちよかったです、ありがとうございました」

 

 レーラは白を基調としたピカチュウなど可愛いポケモンの描かれた上下の半袖半ズボンに着替えたあと、改めてオーキド博士の部屋に訪れた。

 汗を流してさっぱりしたのかサラサラと輝く銀の髪を手で撫でつけながら恍惚とした表情で感謝を述べるレーラに、オーキド博士がオホンッとわざとらしい咳払いをしてから話し始める。

 

「先日はすまんかったな? 今日はレーラにオススメのポケモンを用意したぞ! 好きなポケモンを選ぶといい」

 

 オーキド博士は先日の不手際を謝るとレーラの前のテーブルに3つのモンスターボールを並べて好きなものを選ぶように言う。

 レーラはポケモンをよく見ようと髪を横で結びサイドポニーテールを作ると、オーキド博士がひっ! と息を飲む声が聞こえた。

 

「ん? オーキド博士……どうしたんですか? わたし何かおかしな事したでしょうか?」

 

 レーラは、もしかして覗き込んじゃいけないポケモンだったのかと思ってオーキド博士に確認をとるがそうでは無いらしい……気にするなと言うので言葉の通り3つのボールを凝視する。

 

 ……レーラが髪を結んだ時の眼……レミアの奴に似過ぎていて心臓が止まるかと思ったわい……やはり親娘なのじゃなぁ…………レーラはこのまま素直に育ってくれんかのう……

 などとオーキド博士が考えているのをレーラは気が付かずひたすらボールの中のポケモンを瞳孔が開き切った眼で見ていた。

 

 ボールに入っていたポケモンは……

 ・ダンバル

 ・色違いのポニータ

 そして最後の1匹は……

 

「みゅう? ……【ぽんっ!】もん?」

 

 あれ? おかしいなぁ……ボールの中に幻のポケモンが捕まっているぞ? 

 気を抜いていたのか、明らかにメタモンらしからぬポケモンがレーラを見てハッとしてメタモンのフリをする……が時すでに遅く

 レーラが、じ──ー……と見つめているとメタモン? はレーラの眼を覗き込みテレパシーを送ってくる。

 

『遊んで昼寝してたら捕まったんだ! 出してくれないかな?』

 

 最後にみゅ! と語尾がついたが無邪気そうで流暢な言葉が頭の中に響く、図鑑に登録させてもらったら離してあげればいいか? と、考えたレーラは迷わずメタモン? を選ぶ

 

 

 

「そいつは変身ポケモンのメタモンじゃな? ……うーんしかし、メタモンは結構上級者向けのポケモンじゃし……」

 

 メタモンを選ぶとオーキド博士が難色を示す……じゃあなんで入れたんだ? 

 レーラはメタモン? がなんとしても欲しいとだだをこねる、すると顔色が悪くなったオーキド博士が「分かった分かった」と、言いながらレーラにメタモン? を渡してくれる。

 

 レーラが喜んでボールを受け取るとメタモン? が気を抜いてボールの中で一瞬だけへんしんを解いてミュウに戻ってしまう。

 オーキド博士が異変に気がついてレーラからボールを取り上げてまじまじと見るがそこにはなんの変哲もないメタモン? しかいない。

 

「ん? 気のせいかのう? ……あぁ、レーラ悪かった……メタモンと仲良くするんじゃよ? 後、先日の詫びとして……もう1匹連れて行ってくれ、1匹だけで家に帰したらレミアが殴り込んできそうじゃからな……」

 

 疲れてるのか? と考えたオーキドはレーラにモンスターボールを返すともう1匹持っていくように言い、残り2つを指差すと心の底からため息と愚痴を漏らした。

 

「うわっ! 良いんですか! どうしよう!? ダンバルっていう子も可愛いけど青いポニータもかわいいし…………うーん……悩みます」

 

 オーキドからの思いがけない提案にレーラは大喜びで残り2つのボールを観察する、メタモン? っぽいポケモンは逃してしまうわけだし……相棒か…………どっちが良いかな? 

 

 ────────ー

 




アンケート?でポケモン決めようかと思って、新機能を使う事を決意

興味があったら参加してね!

因みにミュウを逃すのは確定しておりますのでご了承下さい
m(_ _)m


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番外レポート……カントー女帝伝説そのいち"沈黙と激動のオツキミ山"

番外編、本作の主人公レーラの母親の過去の話

スーパーマサラ人と並ぶシロガネ人のレミアは鳥ポケモン使いである。

今日も強い鳥ポケモンを求めてカントー地方を暴れ回る。


今から十数年前…カントー地方のニビシティとハナダシティの間のオツキミ山で起きたと言われる事件……

 

その日は珍しく山が静かだった……普段洞窟内は岩ポケモンやズバット、ピッピなどが徘徊しているのがいつもの光景だった…

……しかしその日だけは……洞窟内に1匹もポケモンが居なくなった……

 

とある山男のポケモントレーナーが不審に思いながらもどうしてもハナダシティのサイクルショップに行く為、洞窟を1人で歩いていた。

 

「………不気味だな…今までこんな事はあっただろうか…」

 

山男は不審に思いながらただ静かな洞窟を進んで行く…

すると、目も絡むような光と少し遅れて轟音と突風が山男を襲う。

 

「……オラオラァァァ!オツキミ山の山頂付近に出るっていうから来てみればぁっ!なんだ?てめーら そんなクソみたいな力であたしをモノにしようとは……くだらねぇ事考えてないで出直して来い‼️」

 

山男は恐る恐る光と音のした方へと向かう、そこには恐ろしい程大きなクレーターが出来ており、白い服を着た……声からおそらく少女若しくは若い女性が頭上に見たことも無い光るポケモンを待機させ、クレーターの外からクレーターの中でうずくまるポケモンと……ヒト?5人くらいの黒い服の男達を罵倒していた。

 

「……ぐ……カハッ……」

 

黒い服の男の中でも一番体格の良い男が目の前のサイドンと共に倒れる。

山男はその光景から目を離さずに見ていると……白い服の女性と光るポケモンが居ない……目線だけを動かしてなんとか探そうとすると……

 

「……仲間……じゃねぇみてぇだな?だが……あたしとコイツを見たやつをタダで返すわけには…いかねぇなぁ?」

 

山男の頭上から聞こえた声と視界に映る自分の影……いつの間にか回り込まれた山男は死を覚悟した。

 

「た、頼む…命ばかりは…金なら……このハナダサイクルでミラクル自転車を買える金額を……」

 

「悪りぃけどおっさん…出口どこよ?さっきの黒い奴らに騙されて強い鳥ポケモンが居るって話だったけど嘘だったみてぇだし帰りテェのよ?」

 

「……へっ?帰る?出口?!……へっ?」

 

オツキミ山は初心者でも迷わないように案内板が至るところに付けられていたが目の前の白い服の女性は迷ってしまったようだ。

 

「は、ハナダシティ側でも良いのかな?」

 

「おっ!わかんのか?助かったぜ…父さんと母さんから…今度何処かの洞窟に穴開けたらはっ倒すって言われてよぉ…」

 

「外に出ちまえばこっちのもんよ!な?サンダー?」と言ってバチバチと光る鳥?ポケモンを撫でる女性は後光に照らされてるからか…美しかった。

 

 

ーーーーーーーーーーーー

……もうあれから十数年か……

 

ニビシティの博物館の館長は館長室の椅子の上で目を瞑り、初めて女帝に出会った時のことを思い出していた。

 

「まさか……こんな長い付き合いになるとはなぁ……」

 

当時は博物館の一研究員だった山男は、何故かその後運に恵まれトントン拍子に出世して今の地位にいる。

しかし、博物館の館長としてオツキミ山で何かあると出向かなければ行けなくなったが…ここ数年はとある母娘も実家の方へ遊びに行っているそうで平和そのものである。

 

…………ドガーーーン!!……

 

ピカッ…………ドーーーーンッ!!

 

館長はオツキミ山から見える、聞こえる雷光と轟音を聞いて眉間にシワを寄せ、額に手を当てると……まぶたを閉じ…あの日の光景と同じ規模の轟音と雷光に頭を抱える。

 

「"女帝"が動いたか……おい君、悪いがアキラにオツキミ山に行くように伝えてくれ。」

 

昔と違い、今は抑えられる人間がいる幸運に感謝しながら秘書に副館長を呼ぶように言う……しかし……

 

「……館長、お忘れですか?今日は副館長トキワのジムリーダーの特訓に付き合う為…ニビシティには居ませんよ?……」

 

秘書の言葉を聞いて絶望の底に落とされた館長は絶叫する。

 

「助けてーーー!!誰か助けてーーー!!」

 

館長の悲鳴が博物館に響き渡る………雷光と轟音は今もオツキミ山で乱舞していた。




こんな感じのが…30分程で書けました。

続く?


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レーラのいあいぎり

お疲れ様です、アンケート調査ありがとうございました。

今回は期限を決めていなかったので次回からは期限を決めて行いたいと思います。

では、短いですがどうぞ。


 レーラは2匹のポケモンをじっくりと見ながら考えた結果……先程から一眼見た時から目が離せなかった…お父さんも好きそうでカントーではまだ珍しいポケモンのダンバルをもらう事にした。

 

「オーキド博士!わたしダンバルが良いです!なんだかピンッ!と来ました。」

 

 レーラはダンバルが入ったボールを掴み、オーキド博士に突き出してこの子ください!と、元気にお願いする。

 オーキド博士は何故か少し後退り、「やはり……血筋……」と小声で何か呟いている。

 

「オホン、まぁ良い、取り敢えずメタモンとダンバルはレーラの相棒となるんじゃから大切に育てるんじゃよ?」

 

 レーラが不思議そうにオーキド博士を眺めていると、オーキド博士はわざとらしく咳払いをする、そして初心者トレーナーに言うべき事を言い、今日は体調が悪いから……と、言ってレーラを部屋から追い出す。

 レーラは取り敢えずメタモン?を逃してあげるためにオーキド研究所を後にして、マサラタウンからトキワシティに行くための道を歩いていた。

 

『きみからは知り合いのオーラを感じる……何で?』

 

「んーー……オーラって言うのがどんだけ残るかは知らないけど…最近はマサラタウンの人か…ニビシティの人か…お母さんの実家の村の人くらいしか会ってないんだよね……」

 

 マサラタウンを出て直ぐに自己紹介をしてきた"ミュウ"と名乗るポケモンはテレパシーを使用して色々話しかけてくる。

 すれ違う男性が怪訝な顔をしながら1人で喋っているレーラを見ては、その整った容姿に身惚れナンパしようと近づいたりするが……

 

『ミュッ!』

 

と、ミュウのサイコキネシスで"きんのたま"を攻撃したりして撃退していた。

 

『それにしても……その子重くないミュ?』

 

「ん?あぁ、ダンバル?全然重くないよ、昔お母さんと遊びに行った時にゴローンを持ち上げさせられた時の方が重かったかな?」

 

 ミュウを逃がせる場所に近づくと、レーラの綺麗な銀の髪の上でゴロゴロしたり、ふわふわ浮いたりするダンバルを見て、ミュウが重くないのか聞くとレーラは何でもないかの様にそう返事をする。

 ミュウは、人間ってみんなそんな超人なのかな?……などと考えていた。

……大丈夫!マサラ人とシロガネ人にしかそんなのあんまり居ないから!

ミュウは何処かからか……そんな電波を拾った。

 

「あった、ここの奥だよ…………ダンバル、ちょっと降りてて?」

 

 レーラ達が辿り着いたのはトキワシティに入る前の草原の先にある大きな木……直径だけでもカビゴン位はありそうな凄く太くて、高さも某南国のナッシーの様な高さの大木……と、言っていいほどの木だ。

 レーラはその木の前に立つと、頭の上のダンバルを下に置き離れる様に言うと腰を手に当て一個のモンスターボールを取り出して投げる。

 ボールからは目の前の大木と同じかそれ以上大きな黒いイワークでミュウとダンバルは目を丸くして驚いた。

 

「ゴウセキ、ちょっとこの木を斬るから口で上の方を持ってて?」

 

 ゴウセキはレーラの指示通りに木の葉っぱの下辺りを器用に咥えて目線だけで、コレからどうするの?と聞く。

 レーラはおろしていた髪をサイドテールにヘアゴムで結び、リュックから大振りの鉈の様なものを取り出して、「……ゴウセキ…真っ二つにしたくないから……動かないでね?…」と、目で問いかけたゴウセキに動かない様に念を押す。

 

 もともと人通りの少ない森林の端だったが、レーラが眼を閉じて集中を始めると更に静かになる……

 木を咥えつつ目でレーラの動きを観察するゴウセキ、少し離れた所から眺めていたミュウとダンバルはレーラから何かオーラが溢れ出てきた頃からミュウがダンバルに抱きつく形で怯え、震えている。

 

……そして1分ほどの静寂の後、レーラが輝きを増した碧眼をカッ!と見開き……

 

「……いあいぎりィィィッッッ!!!❗️……」

 

 気合と共に鉈を一閃すると、ゴウセキに木を持ち上げる様に指示……すると木の120cm位の所にら上下分離した。

 

「ふぅ…………流石にお母さん達程とはいかないけどわたしだって時間を掛ければ切れるんだよ…………あっ、ミュウとダンバル、早くおいで?」

 

大木を一刀両断したレーラを見た3匹は……絶対に逆らわない事を心の中で誓った。

 

「あっ!ゴウセキ駄目だよ離しちゃ、落ちたら"戻らなくなっちゃうから"…ほら早く………よし、ゴウセキはこの隙間からボールに戻してあげるからそのまま下ろして?」

 

 ゴウセキは不思議に思いながら咥えている大木をゆっくりと下す……すると、ゴウセキが置いた木が、同じ状態に戻ったかのように綺麗にくっつく。

 

「じゃあ、ゴウセキありがとう。」

 

と、レーラはにっこりと笑いゴウセキをボールに戻す

 そしてレーラが脇に抱えたミュウとダンバルに目線を落とす、すると2匹は目を見開き、恐怖感から涙を浮かべてガタガタ震えていた。

…レーラは人間?それともポケモン?そんな疑問が浮かぶ、レーラの手持ちの3匹だった。

 




……達人が斬ったモノは断面が綺麗でくっ付く……という話を元にしました。

事実作者も魚の骨が泳ぐのを見たことがあります。

昔の仕事で上司が一度だけ連れてってくれた料亭でしたが…

ではまた次回


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レーラのあなをほる

長い時間空きましたが、就職活動再開につき更新が遅れますが書いてはおりますので楽しみにしている方がいたらとりあえずは大丈夫です。

ではどうぞ。


「そう言えば、ミュウってミュウツーに似てるね?もっと可愛いけど。」

 

…その言葉をレーラが言うと、ミュウは恐怖で硬直していた身体をビクッと動かしてレーラの顔をまじまじと観察した。

この人間は何でミュウツーのことを知っている?

この人間はなぜいあいぎりを使える?

まさか……この人間はあの組織の?……と、思考を巡らせていたが、

 

「あんな無愛想なポケモンの知り合いのわけないよね?だってミュウツーのやつ、わたしの作ったおにぎり不味い不味い言いながら全部食べちゃったんだよ?"ちょうろう"の前じゃなかったらお母さんからサンダー借りて全力バトルだよ!」

 

「今だったらゴウセキなら勝てるかな?」と、この人間はミュウツーとご飯を食べ合う仲だと言っている…あの子がどこにいるのか知っているのか?

やはり組織の……

 

「だけどミュウツーって"ちょうろう"に手も足も出ずに何度も何度も完敗してるのに挑み続けてるんだよね?"ちょうろう"も歳だからあんまり連戦しないで欲しいんだけどなぁ……」

 

 ミュウの警戒を他所に、レーラは脇に抱えたままのダンバルを頭の上に載せ直すと遠くを見ながらそんなことを呟く。

 話の中に出て来たミュウツーは恐らくわたしの子じゃない…そう言う名前を別のポケモンなのだろう…"ちょうろう"なる人間がミュウツーに勝てるわけが無い、ミュウはそう思うことにした。

 

 レーラが鬱蒼とした森の奥深くまで頭に載せたダンバルと戯れながら歩いて立ち止まる。

 ミュウの前を歩いていたレーラが急に立ち止まったので、その後ろをふわふわ浮いていたミュウはレーラの背中にぽふっ…とぶつかる。

 

「この辺りなら人目につかないかな?それじゃあミュウ、バイバイ、元気でね?短い間だったけどポケモンと会話出来て楽しかったよ。」

 

背中にぶつかったミュウにレーラは優しくそう言うと……

 

…………バキッ……バキバキッ……ボンっ!!……

 

 なんと……ミュウが入っていたボールを、笑顔のまま素手で握り潰し壊してしまった。

 ミュウはボールの拘束が解除されたのを感じたと同時に、目の前がまっくらになった。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

『じゃあレーラ、ありがとうミュウ!なにかお礼をしたいけど……そうだ!レーラのダンバルにミュウの技を教えるミュウ!』

 

 気を失ったミュウを手当てしてご飯まで作ってくれたレーラの優しさに心を許したミュウが最後にお礼として何が出来るか考えた結果、エスパー系の技をレーラのダンバルに教えてくれる事になった。

 レーラのダンバルは、主人に似たのか僅か一回の実演だけでミュウのサイコキネシスを覚え、ミュウを困惑させた。

 

「コレでお別れかな?……本当に短かったけど楽しかったよ。」

 

『ミュウも楽しかったミュウ、レーラは友だち!また会いに来るミュウ!』

 

 そうして時間が過ぎ、日が落ち始め空が薄暗くなった頃レーラとミュウ、そしてレーラの頭の上で寝てしまったのかズシッとした重さをレーラに与えるダンバル、その背後で巨大な動く黒い壁…もといゴウセキ

 ミュウは楽しそうにそう言うと、テレポートを使い身体が一瞬で光の中に消えた。

 

 「…………行っちゃったね…………さぁそろそろ帰ろうか?お父さん心配してるだろうし、お母さんは……ヤバっ!電話しなきゃ!……あっ!圏外!?」

 

そしてレーラが冷静になると家に帰ると言っていたのに電話をしていない事に気がつきロトム電話を取り出して家に電話しようとした、が…生憎此処は大木に囲まれた森の奥地…………当然圏外

 

「マズい……もし、お母さんが帰ってたら…………ゴウセキ‼️あなをほる‼️全力で!全開で!星がブレイクしてもいいから‼️」

 

レーラの青ざめて焦った様子を見たゴウセキは、未だかつて経験したことのない速さで地面を掘り進め、徒歩で3時間以上かかる道のりを10分程で進みニビシティに帰って行った。




……ガラルに飛ばしてしまおうか?……

ではまた次回に。


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レーラのそらをとぶ(物理的に)

長く空けました、不定期更新?のポケモンです。

マサラタウンにさよならバイバイ……です……

ではどうぞ。


「……はぁ…はぁ……はぁ……げほっ!げほっげほっ!……っ…着いたぁぁ……」

 

汗だくでシャツは肌に貼りつき、喉もカラカラで咳き込む……どこか色っぽい少女が自宅の前で力尽き、顔から倒れ込み全身泥だらけになる。

 

「ご……ゴウセキは戻したし……気配からお母さんが戻ってないのは確実……お父さん……気がついて………」

 

うつ伏せに倒れ込んだレーラは首だけを動かして玄関を視界に入れると、いつも超常的な察知力を発揮する父親のアキラに念を送る。

 

「……お願いです……お母さんが帰って来る前に……気がついて……お願いだから……」

 

……キィッ……

扉の開く音が聞こえて意識を玄関に向けるとわずかに扉が開いた。

やった!助かった!……と、思った瞬間……

 

「……ホウ……レーラァ?アタシはアンタの門限……何時だって言ったかなぁ?」

 

背後で閃光が瞬いたと同時にレーラが首だけを誰も居なかった玄関の反対側へ向けると、怒りマークが顔に浮いたイイ笑顔のレミアが仁王立ちをしていた。

 

「……ぁ……お帰り……2人とも…」

 

タッチの差で玄関から顔を出したアキラがぼろぼろで倒れ伏す娘と、その背後で激おこしている奥さんを見て……あっ死んだ……と、娘に心で合掌した。

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

とりあえずお風呂に押し込まれたレーラは泥だらけの髪と身体を洗う為、スポンジでボディーソープを泡だてる。

 

「あーーーー……やばい……やばいなぁ……お母さんキレてたよね……どうしよう……謝ったら"ゴッドバード"の刑か…マサラ〜グレン間遠泳で許してくれるかなぁ……」

 

以前くま、アリス、しのぶ達と遊んで門限を過ぎた時の罰を思い出して、シロガネ山ハイキング(ポケモン無し)よりは軽い刑だと良いなぁ……と、期待するレーラはシャワーで石鹸と汚れを流すと湯船に浸かる。

 

ザパァッ〜〜と、溢れ出るお湯をぼーっと眺めていると、誰が入って来る。

気配からお母さんだと分かるがそんなに怒気は感じない…むしろ心配されている?……

何故だろう?……いつもなら先ず…"メガトンパンチ"か"おうふくびんた"が飛んでくるはず……

……ハッ!まさか!新しい技に私が耐えられるか心配されている!?

……物理なら何とか耐えられるかもしれないが"あの"お母さんである……もしかしたら気とかで物理を超越した"はかいこうせん"とか会得してるかも……

 

そんな恐怖にかられながら刑の執行を待つ犯罪者の心境でいるとお風呂の扉が開く

 

「レーラ?大丈夫?のぼせてない?」

 

「へ!?だ……大丈夫!」

 

「ならいいわ…急で悪いけどレーラ、明日からちょっと行って欲しい所があるの…理由はお風呂出てからご飯の時に言うから…温まったら上がって来なさい?」

 

そう優しく声を掛けて出て行くお母さんに、レーラはヤドンのような顔でポカンとした。

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

「えっ!?ちょうろうが居なくなった?!」

 

食事が終わり、アキラが洗い物を終えて食後のお茶を持ってきた頃、レミアが唐突に話したのは、

シロガネ山のレミアの実家のある村のちょうろうが居なくなった……

との事だった。

 

「でもお母さん?ちょうろうって、この間までハナダの洞窟でアイツの師匠やってなかったっけ?先月おにぎり持ってった時は両方居たよ?」

 

「うーん…それがね?あのこに聞いたら先週から見てないって言うのよ…何か…強いヤツに逢いに行く…とか言ってたらしいんだけど…正直言って、私はちょうろうがどこで何しようがどうでもいいんだけど…協会がねー、生態系が狂うとかうるさいのよ。」

 

「……それなら……やたら強い〇〇〇がガラル地方のヨロイ島って所で見つかったとかで学会の人が調査に行くって言ってたなぁ…もしかして……ちょうろうさんかな?」

 

レーラが先週の始めにレミアから頼まれたちょうろうの好物を差し入れした時の事を話すと、レミアは洞窟のヤツには確認した、と言う。

協会が…の辺りからレミアの機嫌が悪くなり、艶々サラサラの茶髪をがしがしと掻きながらため息を吐く…ボルテージが上がっている気がする……

 

アキラがお茶を置きながら、うーん…と、頭を悩ませている家族を見て、今日の学会で聞いた話をすると、2人とも電球がついた様にパッと、同時に顔を上げ指をさし合い…

 

「「それだ!!」」

 

と碧眼を見合わせてにっこりと微笑む。

 

「おぉ……天使が2人……」

 

学会で一目置かれるクールなイケメンで天才が、家族以外には見せられないくらいデレっと気持ち悪い顔をしていた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「 …………ハッ!……寒っ!……此処どこ?……」

 

明日"ちょっと"行ってみようか?……となり、支度はしておくからもう寝なさい?と言われたレーラは素直に布団に入り就寝した……筈である……

間違っても…今雲が…景色がビュンビュン切り替わる様な空の上には居なかった筈である。

 

「あ、やっと起きたわね?もうっ!レーラの寝坊助さん!」

 

自分の布団でぐるぐる巻きにされたレーラは手も足も動かず辛うじて動く首と視線で声の方を確認すると晴れやかな笑顔のレミア……その笑顔を見てレーラは察した…

 

「お……おか…」

 

「あたしが門限破りを許すとでも?……あめーんだよっ!あたしの娘なら…………反省してこいっ!」

 

「……あさ、…………ぎゃぁーーーーーーっ!」

 

ちょうろう見つけるまで帰れねーかんなーー!…との有り難いお言葉と共にレミアから物理的に"そらをとぶ"……というか、投げられるレーラ

布団にしめつけられているせいで動けない…

地面が近づく…近づく…

 

……ズザーーーーーーっ!!!

布団に包まれたレーラがガラルの大地を削る……

レーラは目の前がまっくらになった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

少し前……

 

「じゃあエンジンシティまで競争だからな?俺は先に行くぞ!」

 

浅黒い肌の少年が元気いっぱいに駆け出し、それを見送る茶色い髪の少女

 

「もう、ポップはいつも、わたしもそろそろ行かなく………え?……」

 

大きめの帽子をかぶった少女がふと空を見上げると何かが自宅の方に落下して行くのが見えた。

叫び声の様なものが聴こえた気がした少女=ユウリは、正体を確認するために自宅の方へ駆け出した。

 

 

 




不定期更新しておりますが、実はこれは1時間ほどで書き上げたものでして……

ちょくちょく書くので気が向いたら確認してみて下さい
m(_ _)m


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