俺達がシューティングゲームをするのは間違っている。 (もよぶ)
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俺達がシューティングゲームをするのは間違っている。
「最近外出自粛ってのが続くな」
「そうね、不要不急の外出は控えないといけないので休日は暇だわ」
「ゆきのんとも優美子たちとも遊びに行けなくてあたしもヒマー」
「先輩達は家で何やってるんですか?私は友達とLINEしたり撮り溜めしている映画やドラマ見てますけど」
「あたしも同じかなぁ・・・ゆきのんは?」
「私は・・・そうね、インターネットで動画を見ていたりするわ、あとは勉強かしら?」
こいつ絶対猫動画ばかり見てるだろ、見すぎて見飽きてんじゃねぇのか?
「雪乃先輩は真面目ですね。んで先輩は?」
と一色はさも話題振ってあげましたよ的な顔でこちらを見る、なめんなよ?俺の家で過ごす技は百八式まであるからな?
「俺は、まあゲームとかだな」
「はぁ、まあそんなもんだと思ってました。んでどんなゲームやってるんです?家にもゲーム機あるんで参考までに聞かせてください」
ほほう、こやつ俺にどんなゲームをやっているのかと聞いたな
「ヒッキーはパズルゲームとか得意そう」
「そうね、対戦者本人に精神的ダメージを与えて勝利宣言しそうな感じがするわ」
「なめんなお前ら、いいか?ボッチはゲームでもボッチだから対戦なんぞそもそもしないんだよ」
「あら?あなたのことだから財津くんがたまに持ってくる小説に書いてあるようなオンラインゲームとかやってるのかと思っていたわ」
巷で人気のMMORPG、どんなオタクやボッチでもゲームの世界に入れば人気者になれる可能性があるが正直好きに離れない、だってあれ長時間やっている奴の方が強いみたいな感じじゃん?
もっとも葉山みたいなイケメンが参加してもルールも理解してない段階だとまるで注目されんのがいいところ。
「ふ、甘いな雪ノ下、真のボッチはオンラインでもボッチなんだよ、故に協力プレイ前提のゲームなんぞやらん!」
「あはは、ヒッキーらしいや」
これには由比ヶ浜も苦笑い
大体知らない人に声かけるって現実でもネットでもハードル高くない?
「まあ本当は一度リネージュってのやってみたことあんだよ、昔から続いてる奴ってそれなりに初心者を取り込んでるだろうからなんか色々こなれていそうでとっつきやすそうだろ?」
「結局やってたんじゃないですか」
「まあまて一色、それでだな、実際ログインしてどうしたらいいかわからずうろついてたら案の定親切な人が話しかけてきてな、色々レクチャーしてくれたんだがそん時にキーボードにカマクラが乗って操作の邪魔してきやがった」
「カマクラさんですものね、仕方ないわ」
「・・・まあそれ以外にその日に限って親父から呼ばれたり小町に呼ばれたりとちょこちょことレクチャーを中断してもらって相手に迷惑をかけてしまってな、最終的にその親切な人から初心者向けに余った装備までくれてその場は別れたんだが、敵に突っ込んだらすぐ死んで装備が無くなってしまったんだ。この状態であの親切な人に再会したら合わせる顔がない、故にアンインストール、残念!比企谷八幡の冒険はここで終わってしまった!そしてトラウマを植え付けられた俺は二度とオンラインゲームをやりませんでしたとさ」
「なんだか悲しい話のようで自業自得のような気がしますけど、んでそのボッチの先輩は今はどんなゲームをやっているんです?」
来たかこの質問
「真のボッチはゲームの中でもボッチだからな、今の俺のブームはシューティングだな、持論だがボッチのゲームはシューティングゲームではないかと思っている」
「しゅーてぃんぐ?あ!ゲーセンにあるやつでしょ?鉄砲でゾンビとか撃つ奴!」
「由比ヶ浜、それはガンシューティングだ、俺が言ってる奴は画面の中のキャラや戦闘機を操作するタイプのシューティングだ」
「んー?もしかしてパパがやってるアレ?なんかでっかい魚がビーム出したりする奴?」
「そうそうそれ・・・ってずいぶん渋い趣味だなお前の親父、それってダライアスか?」
「あーそんな感じの名前だった気がする、なんか機械のピラニア?とかクジラ?とか?なんか大きすぎて画面に入りきらないから初めなんだかわらんなかった」
クジラルートとは由比ヶ浜の親父はかなりの腕前だな
「私のお父さんはグラ?なんとかっていう戦闘機の後を火の玉が追いかける奴やってますね、敵にやられた時は「ここからの復活が熱いんだ!」とか言ってて必死でやってますよ」
一色の親父はグラディウスか、火の玉ではなくオプションだ、確かにあのゲームフルパワー状態でやられるとへこむがそこからの復活はかなり熱い、まあ場所によっては絶対無理みたいな所もあるが
「・・・そういえば私の父も変なのやっていたわ、とても気持ち悪い形の塊に戦闘機?なのかしら?それで攻撃してたわ、バイトがどうたらこうたら言いながら色々気持ち悪いのに必死でやってたわね、なんかメーカーが新作の為の資金をクラウドファンディングで募っていたから寄付したとか言ってて・・・結構な額を寄付してしまったらしくて母から怒られていたわ」
雪ノ下の親父はR-TYPEか?『バイト』ではない『バイド』だ、確かにあれクラウドファンディングで新作の資金募ってたんだよな、一回締め切ったのに「クラウドファンディング気が付いたら終わっていた俺にも寄付させろ」というクレームが殺到して追加募集やったぐらいには人気の代物だ。
確か100万以上寄付した人いたな、まさかとは思うが・・・
ってかシューティング御三家じゃねぇか、こいつらの親父実は気が合うんじゃね?
「ま、まあ確かにそのシューティングだな」
「それでそれのどこいらへんがボッチのゲームなんですか?オンライン以外のゲームって大体が一人でやるものじゃないですか?」
「一色、いいか?シューティングゲームというのはだな、RPGととかと違って画面に映っている自分以外は全員敵なんだよ」
「はあ」
半ば呆れたような顔の一色
「そしてシューティングは設定された残機を消費してしまったらそこで勝負は負けだ、コンテニューはあるが1クレジットクリアが大原則!セーブしてやりなおそーなんて甘い物はない!頼れるのは己の技量のみ!」
「へぇ」
「自分はたった一機、いやたった一人で敵に挑む!まさに孤独にして孤高!いやボッチ!理不尽な攻撃にも屈しない!でかい敵も隙間を縫って弱点をつく!天の光はすべて敵!俺を誰だと思っている!」
「・・・先輩キモいです。中二先輩みたいなこと言わないでください」
「ヒッキー興奮しすぎ」
しまった、つい熱くなりすぎた。
ジト目で二人ににらまれたので視線を外す為ちらっと雪ノ下を見ると無言でこめかみに手を当てている、無言な方が帰ってダメージが大きい時もあるんですよ雪ノ下さん
「ゴホン、えーそれでだな、俺から言わせるとお前らの親父はまだまだボッチとしては甘い」
「勝手に父をボッチにしないで欲しいのだけれど・・・」
不満そうな雪ノ下を無視して話を続ける比企谷
「いいか?真のボッチシューターの究極的なゲームは『斑鳩』だ!」
「いるか?」
「『いるか』ではなくて『いかるが』よ由比ヶ浜さん、斑鳩という地名は奈良県にあるわ、歴史的にも色々あるのだけれどそれとゲームとどんな関係が?」
「いや、今は歴史の話をしているのでは無くそういう名前のゲームがあるのだが」
「はあ」
またもや呆れ顔の一色である
「それでそのゲームのどこが究極的にボッチなのかしら?」
証明するには実際にゲームを見せたほうが早いのだがゲーム機持ってきたら怒られるよなぁ・・・とここでずっと黙って聞いていた小町が声を上げる
「せっかくなのでみんなで家に来ませんか?家の両親今日も遅くなるのでついでに晩御飯も一緒にどうです?」
この誘いに断るはずもなく皆はそのまま比企谷邸へと足を運ぶことになった。
比企谷邸にて
「では今世紀最高のボッチゲーを披露してやる」
とゲームを起動させプレイ開始する比企谷
チャーチャラララーチャラララー
「ヒッキーの戦闘機白くなったり黒くなったりしているね、敵の色も白と黒ばっか、パパがやってたのはもっとカラフルだった気がするけど」
「由比ヶ浜、お前はいい所に気が付いた、それがこのゲームの特徴だ、自分が白い時には敵の白い攻撃を吸収できる、黒の時は黒い攻撃だな、そして敵と違う色の時の攻撃力は倍になる」
「成程、では敵と違う色で攻撃しつつ敵の攻撃が厳しくなったら同じ色になって回避するといったゲームというわけね」
さすが雪ノ下は理解が早いが違う、そうではない
「それは半分正解で半分間違いだ雪ノ下、よく見て見ろ、同じ色で攻撃した場合敵から大量に撃ち返しが発生してるだろ?じつはこれを取ると横のゲージが溜まるのが早くなる」
「このゲージは何なんですか?」
「このゲージが溜まると『力の開放』という敵を追尾してくれる攻撃が使える」
と比企谷は力の開放を発動
「へー便利ですね、これ溜めてバンバン使っちゃえばいいじゃないですか」
「違うんだよ一色、俺のプレイ見て何か気が付かないか?」
「は?プレイ?お米ちゃんもいるし雪乃先輩と結衣先輩も見ている前でそういうセクハラ発言はやめてください、そういうのは二人っきりのときにお願いしますごめんなさい」
「いやそうではなくてだな・・・」
「んー確かにヒッキーは敵をわざと残したり端っこからやっつけたりなんか不自然だね」
と由比ヶ浜、さっきから食い入るように画面を見ている。
「そうだ、画面の左上の点数が書いてあるところ見て見ろ、黒丸や白丸が表示されてるだろ」
「比企谷くんが敵を倒すごとに増えたり減ったり・・・違うわ、これ三つづ同じ色を揃えるとチェインという数字が上がっていくわね、つまりこれって点数に直結するものなのかしら?」
「その通りだ雪ノ下」
としゃべりながら比企谷は一面ボス烏帽子鳥を撃破し一旦ゲームを止める
「このゲームは同じ色の敵を3体づつ倒すと10回目から高いスコアが入るようになる、これを途切れないように連続で続けてハイスコアを叩き出し競うというゲームだ」
「それで先輩、これの何処がボッチゲームなんですか?私のお父さんがやっているのと画面スクロール方向が違うだけで同じじゃないですか?」
「いいか?お前らの親父さん達がやっているシューティングゲームは自分を強化しつつ進めていくタイプのゲームだ、その為のアイテムを供給してくれる存在が必ずいる、しかしこのゲームにはその要素は一切ない、つまり初めの状態のまま最後までたった一人で戦わないといけない、つまり味方がいないボッチと同じってことだ」
「なんというか相変わらずの発想ね・・・」
呆れ顔の雪ノ下
「それだけではない、実はこのゲームにはランダム要素というものが存在しない」
「らんだむ?ガンダム?」
「ランダムよ由比ヶ浜さん、不確定要素がこのゲームにはないということ?」
「そういうことだ、このゲームは開始何秒後にここのポイントにきたら敵はこういう攻撃をする、もしくはこう動くというのが完全に決まっていてこれは何度やっても同じ結果になる、敵を追尾する『力の開放』の攻撃も使うところが同じなら全く同じ敵を追尾する」
「・・・逆に言えば成功した手順をトレースすれば必ず先に進めるということね?」
流石雪ノ下は理解が早い
「一回成功したやり方をなぞればクリア出来るんですよね?簡単じゃないですか」
まあ普通は当然この考えに至る、俺も初めはそう思っていた。
「一色、おまえは一度やったことを寸部たがわずトレース出来るのか?しかも単純な動きではなく、数十分に渡る精密で複雑な動きをだ」
「そう言われると、ちょっと難しいかもですが・・・」
「そう、確かに難しい、しかしそれを実現可能にするため何十回と間違い、答えを見つけその答えを何度も反芻し体に叩き込む、その答えすらも最適解ではないかもしれない、さらにその上の答えを見つけることも必要だ、これはただのゲームではない!これこそまさに自分との闘い!我、生きずして死すことなし。 理想の器、満つらざるとも屈せず、 これ後悔と共に死す事なし!」
「比企谷くんちょっと落ち着きましょう?あなた本当に大丈夫かしら?実は中身が財津くんと入れ替わったりしてないかしら?」
「がーん!ヒッキーの中身は中二だった!?」
「すまん・・・また我を忘れてしまった。大丈夫だ雪ノ下、由比ヶ浜、俺は俺だ」
「そう、なら良いのだけれど」
「よかった、中二だったら困るところだった」
いやそれは俺も困る
「まーこのゲームがお父さんがやっているようなゲームとちょっと違うのはわかりましたがそれが究極的っていう理由ですか?だいたいこのゲーム初めの画面に2プレイヤーって選択できますよね?二人で遊べるゲームのどこが究極的なんですか?」
「甘いな一色、そこだ、このゲームの最大の特徴がそこにある、実はこれ二人でやるように見せかけて実は一人でやる」
「は?どういう意味ですか?」
「実際やって見せるからな」
と比企谷は2プレイヤーを選びダブルプレイをスタート
「あれ?ヒッキー、コントローラーもう一個持たないの?」
「由比ヶ浜、これはダブルプレイモードといってだな、こうやって一つのコントローラーで2機同時に動かす」
「うわ!先輩すごいですね、ちゃんと同時に動かしてますよ!よくこんなんで出来ますね」
「さっきも言っただろう、このゲームにはランダム要素はない、故に成功したときと同じタイミングで同じ動きをすればいいと、ただダブルプレイはまだ修行中だからな、一面の中盤までだ」
「でもこれじゃどっちかにしか点数入らないんじゃないですか?面倒なだけじゃないですか」
「違うな、真ん中上を見ろ、点数の合計が記録される、このゲームは二人でやろうが一人でやろうがスコアは最終的に一つだ、これでハイスコアを叩き出す人の腕さばき異様だぞ、ゲーセンにこれ置いてある所に行ってみたが、うまい人は本当にすごい、一人で二つのジョイスティックを操作して次々敵を撃破していく様子は神々しく見えた」
結局一面であっさりゲームオーバーになる比企谷
「ヒッキーまけちったね」
「まあな、でもこれでわかっただろう、このゲームは一人でやるゲームだ、しかもセーブも無ければ仲間もいない、頼れるのものは自分の腕前だけだ」
「はぁー、確かに凄いかもしれないのだけれどこんなものに時間を費やすぐらいなら少しは勉強に時間を割いたらどうかしら」
その発言にちょっとムッとなる比企谷
「ふん、まあこういったゲームでは雪ノ下は俺にはかなわんだろうがな」
「あ、ちょっとヒッキーそれいっちゃ・・・」
「比企谷くん?また見え透いた挑発を、いいわその挑戦受けたつわ、二度同じ失敗を繰り返さなければ良いのでしょう?それに確かスコアは合計されるのよのね・・・」
と由比ヶ浜と一色を見る雪ノ下
「あー、しまった!私生徒会の仕事があるんですよ!来週までに!書類!書かないと!ね!お米ちゃん!」
「え?あーそうで「そうだったよね!」あ、はいそうでしたね」
「生徒会の仕事なら仕方ないわね、由比ヶ浜さん?協力してくれるわよね?」
「え?えーあたしこういうのは苦手で・・・」
「由比ヶ浜さん、あなただけが頼りなの」
と雪ノ下が悲しそうな顔で言うと
「・・・う、うん!ゆきのんの為にあたし頑張る!」
それを聞くとニヤっとする雪ノ下
「なら決まりね、由比ヶ浜さん今日明日は私の家に泊まり込みね、来週まで特訓よ、比企谷くん?このゲーム機来週まで借りていくわね?」
というと由比ヶ浜を引っ張り雪ノ下は嵐のように帰っていった。
「あーあ、お兄ちゃん駄目だよー、これから言い方気を付けないと」
「すまん」
「それは結衣先輩に言った方がいいんじゃないですか?」
「一色、お前がいうなよ・・・」
次の週、部室に行くと
「理想、試練、信念、現実・・・白黒白黒・・・あー無理だよ~」
「由比ヶ浜さん?理想に出会い試練に打ち勝ち信念を得たのち現実と戦い輪廻に立ち向かうのよ!」
二人はスマホにまで斑鳩を入れてやっているようだ
それになんか大層なこと言ってるように聞こえるけどこれ斑鳩のステージタイトル並べてるだけなんだよなぁ、そんなことを思いつつ紅茶をすすっていると
「はっちまぁあん、遊びに来たぞ!」
何かやってきたぞ?
「八幡、僕もちょっとお邪魔するね」
俺の天使もやってきた、戸塚だけでいいんだけどなぁ・・・その後ろでさわやかに笑ってるお前はなんなんだ?
「よ!比企谷」
葉山め、なんで貴様が・・・
そんな比企谷の恨めしそうな顔を他所に小町が元気に対応をする
「あーいらっしゃいです!今日はどういったご用件で?」
「なんか結衣がシューティングゲームで悩んでいるとか小耳にはさんだから心配になってね」
こいつは相変わらずだな
「我は八幡とゲーセンに行こうかと思ってたら戸塚殿と鉢合わせになってな、そのままきたしだいよ」
「由比ヶ浜さんシューティングゲームで悩んでいるの?へー珍しいね」
「そうなんですよーお兄ちゃんがちょっと余計なこと言ったせいで・・・皆さんもゲームとかやられます?」
「ふむ、我もシューティングゲームはやるぞ!やはりデススマイルズだろうな、我の持ちキャラはフォレットたん(14)だ!エンディングで魔界に残る選択をすると・・・グフフフ」
「へーどんなシューティングゲームなんです?っていうか(14)ってなんです?年齢?その情報いります?」
「おい小町、あまりその話題に触れるな、そしてそいつにも触れるな」
まあデススマイルズのゲーム自体は面白いんだけどね、初心者でも結構先まで進める弾幕系だ、でも自機がゴスロリキャラだから見た目がな。
「シューティングなら僕もやるよ、僕が好きなのはアインハンダーって奴なんだけどしっているかな?」
渋い!渋すぎるぞ戸塚!あれぞスクェアが誇るシューティング業界にその名を刻んだ名作中の名作!
「敵の武器を奪って攻撃するっていうのが斬新なんだよね、世界感や設定がかなり練りこんでいるし背景や状況に合わせてBGMも変わったりするしさ、なによりボスキャラの見た目も名前もかっこいいんだ」
「へぇー小町は全くしらないゲームばかりですね、葉山先輩も何かやってるんですか?」
「やっぱりサンダーフォースかな?セガとテクノソフトが生み出した最高傑作だよあれは」
「あーそういや6まであるんだっけ?なんか酷いひょうば・・・」
と比企谷が言いかけると葉山ががっしりと肩を使む
「比企谷?サンダーフォースは5までしか出ていない」
「は?いや出てるだろあの酷い・・・」
「いいか?サンダーフォースは5が最終だ、ゾルゲなんとかという奴もいなかったし珍妙なモンゴル語も無かった、ブロークンするサンダーも無かった、何も無かったんだ・・・あとプレステ版はグラフィックがダメだ、やはりサターン版の方がグラフィックがいい、そもそも半透明処理を・・・」
葉山の目が怖い上に何言ってるのか全くわからん、セガ信者は得てして恐ろしい、とゲームの仕様からセガの賞賛に話題がシフトしていく葉山をぼーっと見る比企谷
「・・・ともあれ今セガのハード部門は休止状態だからね、そのうちまた尖ったゲーム機を出してくれると俺は信じている」
休止状態?セガ信者の用語はよくわからんな、ってか横シューティング多いな
「それで?結衣は大丈夫なのか?」
と葉山が由比ヶ浜を見ると
「うー、ゆきのん、あきらめようよ~」
「由比ヶ浜さん?諦めたらそこで試合終了よ?」
斑鳩の攻略が上手くいかず根を上げたらしい由比ヶ浜
「葉山、まあこういう状態だから多分大丈夫なんじゃねぇか?」
「大丈夫なのか?雪ノ下さん、あんま結衣と比企谷を困らせないでくれよ?」
「・・・分かっているわよ・・・」
と、ゲームに夢中で聞いているかどうかわからない雪ノ下を呆れ顔で比企谷と葉山が見ていると
「話は聞かせてもらったぞ!」
バーンという音とともにドアが開かれる、立っていたの平塚先生
「葉山!お前の言いたいことはよくわかる!セガは最高だ!」
なんかややこしい人が来たぞおい
「当然ですよ、でも比企谷にはその素晴らしさが理解されないみたいで・・・」
「フム、それは本当に駄目だな、これは比企谷にセガのすばらしさを叩きこまないといけないようだ、よし、私はセガの傑作機セガサターンを持っているからな、今から私の所でガーディアンヒーローズ大会といこうか!」
それに食いつく戸塚
「本当!先生!僕一度多人数対戦やってみたかったんだ!」
戸塚・・・そんな目をキラキラさせて珍妙なことを口走らないでくれ
「しかしアレは6人対戦であろう、もう一人はどうする?」
と材木座、え?やっぱ俺入ってるの?
「ふっ・・・何故私がセガサターンの話題を出したと思う?丁度とあるレアゲーが入手できそうでな?今ある人物に交渉に行ってもらっている」
おもむろに携帯を取り出す平塚先生
「首尾は?」
「上々~色々やってなんとか4万で買えたよ静ちゃん」
おい、携帯から漏れるこの声は・・・ってか4万って何のゲームだ?
ネオジオより高くないか?
「やっぱ心霊術殺師太郎丸ってレアだけあって高いわね~、交渉大変だったんだから初めに遊ぶのは私よ?」
え?太郎丸ってあれの超レアゲーじゃねぇか!
ヤフオクで10万で落札されてたの見たことあるぞ、よく4万で買えたな、凄い交渉の腕だがもしやこの人って・・・
「陽乃、軍資金の2/3出したのは誰だ?それにその情報を見つけてきたのは私だ」
ほらやっぱあの人じゃねぇか!しかも下らないことで大人が喧嘩すんな!
「あ、それと比企谷がセガのよさを待ったく理解してくれないそうでな、これから葉山達を連れてみっちりセガの良さを教えるつもりだ、陽乃も協力しろ」
「え~比企谷くんはやっぱり駄目ね、んじゃフル装備のメガドライブ持っていくからメガドラタワーを見せてセガのすばらしさをじっくり伝えないとね?」
そんな不毛なもの見せられてもなにも伝わってこないのですが・・・
ってかなんでこの人もセガ信者?
「そのメガドライブは俺のだ・・・」
「は?」
なんか葉山が語りだしたぞ
「正確には俺の親父のなんだが、小学校の頃それでガンスターヒーローズを一緒にやってて、陽乃さんがあまりに下手くそ過ぎたからからかったら没収されて以来俺の手元に戻ってない・・・」
なんかやけに悲しそうな顔してるぞこいつ
「それでだな?メガドラやりたくなった時は陽乃さんの家にいってやるしか無くなったんだよ!そしたら行くたびに上手くなってんだよ!俺の気持ちがわかるか!?あの人に唯一勝てる分野だったのに!ソニックが俺の時より生き生きと動いているんだよ!どういうことなんだ?!」
いやしらんがな、そして肩を掴むな揺さぶるな
「そのうちセガに対する愛まで俺を上回ってだな・・・本社前で自撮りした写真送られたときは嫉妬で狂いそうになった・・・」
なに?あの人マジでコアなセガ信者だったの?
「わかるぞ葉山、よし!今日は夜通しセガパーティといこうじゃないか!」
先生なんすかその誰も参加したくないパーティは、ってか誰か助けてくれ・・・
「比企谷くん・・・」
悲しい目をした比企谷に雪ノ下が声をかける
「雪ノ下・・・助けてくれるのか?」
「姉さんにあったらゲームも程々にしておきなさいと言っておいてね?」
「・・・お前が言うなよ・・・」
結局比企谷は皆に引っ張られ強制セガゲーム大会に巻き込まれるのだった。
因みに雪ノ下達は結局一週間で比企谷のスコアを遥かにしのぎ全ステージ評価S++を獲得、材木座の勧めで行ったゲーセンでは当然のごとくトップのスコア、二人は斑鳩(プリキュア)としてマニアの間では噂になるのだった。
ご存じでしょうか、今R-TYPE FINAL2が製作進行中です。
クラウドファンディングで資金を募っていたので私も投資しました。
スタッフロールに実名がチラッと出る予定。
おススメのシューティングゲームなどがあったら感想の所にバシバシ書いていただけると喜びます。
steamに有ればやってみたい思います。
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