ウルトラマンフィニス (綺音街 築紫)
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プロローグ:新生活の始まり

ふと思いついたので初投稿です。まだ変身しないです。するのは二話からだと思います。


「えっ、解雇ですか?」

「うん、いやホント申し訳ないんだけどね。ほら、昨日の怪獣災害で家の工場がやられちゃったからさ、建て直しの為にも人員減らさなきゃなのよ。ただでさえ儲けが少なくなってきてるからさ」

「まぁ、それは分かりますけど、、」

「それに、玲君はまだ若いし、年齢の割に凄い技術力だからさ。もっと良いところに行くべきだと思うんだ。それこそ、大手の工場でその技術を生かすべきだと思うから。だから、今回は申し訳ないんだけど、、」

「はぁ、分かりました。今まで5ヶ月間ありがとうございました」

「ホントごめんね。次のとこでは頑張って!」

 

これが今日の出来事だ。僕の名前は宇ノ町玲19歳。さっきまで工場で勤務していた。ホントは大学まで行きたかったのだが、怪獣災害により家の金が生活ギリギリまで減っているため断念し、近くの工場に就職。そこで、働き出して5ヶ月、工場が怪獣の攻撃で被害に遭ったため行われた人員整理の犠牲になった。ホントこれからどうしようか。最近爺さんも病気で死んじまったし。かといって実家からとなると他の工場に行くのは大変だ。

 

「ホントこれからどうしたらいいんだよ」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「ただいまー」

「おかえりなさい、玲。今日はずいぶん早いのね」

「いや、母さん、そのー、仕事クビになった」

「そっかー、まあ怪獣災害に巻き込まれてだもんねあそこらへんは」

「父さんは、、ああ、防衛軍の仕事か」

「そうそう。今回の件の後処理だってさ」

「ホント大変だよね、最近は。急に怪獣の出現頻度が増えて来たし」

「ホントにね〜、何でこうなったんだか」

 

今もテレビでは怪獣災害に関するニュースがやっている。ここ最近、世界各地で怪獣の活動が活発になりだした。理由は不明。これまでも怪獣が出てくる事はあったが頻度は1〜2年に1度有るか無いかぐらいだった。人々はこの事態を『地球温暖化の影響』だの『世界滅亡の始まり』だの『地球による人間への罰』だの言っている。

 

ピンポーン

 

「玲〜、私今手が離せないから出てくれない」

「分かった」

 

ピンポーン

 

「はいはーい、今行きますよー」

 

ガチャッ

 

「すいません。ここは、宇ノ町さんお宅で間違えないでしょうか?」

「ああ、はい。そうですけど、どちら様でしょうか?」

「あ、すいません。私、晴谷という者でして昭二さん、ああ、貴方のお爺さまの元部下でして今日、日本に戻って来たのですが同僚から昭二さんが亡くなったと聞きましてここに来た次第です。お葬式はもう終えられてしまったようなのでせめて、手だけでも合わさせて頂けないかと」

「ああ、そうですか。ちょっと待って下さいね」

 

一旦家に引っ込む。

 

「母さーん、爺さんの部下だったって人が手合わせたいって来たんだけどどうする?」

「名前は?聞いたことある人かもしれないし」

「えっと、待って晴谷さんだったかな」

「ああ、知ってる人よ。優秀なやつだったってお父さんが言ってたわ」

「じゃ、家にあげるよ」

「あとでお茶持っていくから、それまでお願いね」

 

はーいと返事をして、玄関の方に戻る。

 

「大丈夫なんで、入ってください」

「ええ、お邪魔します」

「仏間はこっちですね」

「失礼します」

 

爺さんの遺影の前で晴谷さんが手を合わす。

 

「昭二さんは何でお亡くなりに?」

「病気で、確か肺炎が悪化したか何かで、、、」

「そうですか、、」

「失礼します。この度は父に手を合わしに来て下さりありがとうございました。えっと粗茶ですがどうぞ」

「ああ、ありがとうございます。頂きます」

「えっと、何で帰って来てすぐここへ?」

「ああ、えっとですね。昭二さんからとあることを言われていてですね。内容が、『孫の世話を頼む』というものでして、去年メールで届いたんです。という訳で何か出来ることが有れば手伝おうと思いまして、、」

「あら、じゃちょうどいいですね。この子今日仕事クビになっちゃったんで何処か新しい職場紹介して欲しいのとその近くのアパートかどこかにでも済ませてあげられませんか?」

「そうなんですか。流石に仕事場を斡旋するのは無理ですが、住む場所の提供は出来ます。ある程度アクセスが良いところにするのでそこから職場を探して頂くという事でよろしいでしょうか」

「ええ、それでお願いします」

「ちょっと、僕の意見は!」

「玲、アンタどうせ仕事見つけなきゃなんだから。それに、一人暮らししたかったんでしょう?」

「そりゃそうだけど、今このご時世でアパートは、、」

「大丈夫です」

「いや、でも、、」

「玲、行きなさいな。この人お父さんの部下だったってことは研究職よ。頭いい人が大丈夫って言ってるなら大丈夫でしょ」

「そうそうことじゃ、、はぁー、もう良いよ。それで、お願いします。

「分かりました。じゃあまた明日来ますので」

「はい、お願いしますね」

 

こうして僕は念願の一人暮らしを叶えることになった。ものすごく不本意な形だが。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

次の日僕は、晴谷さんに連れられとあるアパートの前まで来ていた。

 

「ここが貴方の新しい家になる銀宙荘です」

「銀宙荘ですか」

「はい、見た目は古いですが部屋や設備は新しいものですし、それに頑丈ですから」

「そう、なんですか」

「まあ、取り敢えず大家さんのところに行きましょう。ついて来てください」

「は、はい」

 

晴谷さんは1番端の大きな部屋の扉をノックする。

ガチャッと扉が開き、

 

「どちら様ですか」

 

女性が出てきた。

 

「先日お電話した晴谷というものです。馬頭誠二さんはどちらに?」

「ああ、はい分かりました。誠二さーん電話下さった方がいらっしゃいましたよー」

「もう来ちまったのかい。予定まではまだ30分あるんだが、まあ良いよ。あがんな」

「はい、上がらせて頂きます」

「し、失礼します」

 

廊下を歩いて突き当たりの客間のような部屋に通された。

 

「さてと、そっちの若い兄ちゃんが入居希望者かい」

「は、はいそうです」

「そうかい、で、何処の部屋が希望なんだ?」

「えっと。二階の階段横の部屋が空いてるならそこでお願いします。」

 

取り敢えず逃げるのが楽そうな部屋を提案しておこう。

 

「おう、ちょうど今空いてるから大丈夫だ。隣に人いるけど大丈夫か?騒音とか」

「あ、はい。大丈夫です」

「じゃあOKだ。今日からアンタはここの住人だ。荷物は持って来たかい?」

「必要最低限の物は持って来ました」

「そうか。じゃあこれ、部屋の鍵だから。無くさないでくれよ」

「はい」

「それじゃ、私達はこの辺で失礼します」

 

大家さんの部屋を出てすぐに自分の部屋に向かう。

 

「中は思ったよりも広いですね」

「それなりにいいところだと言ってたじゃないですか」

「まあ、そうなんですけどね」

こうして僕の新生活が始まるのだった。




ウルトラマンZが面白くて勢いで書いてしまった。後悔はない。案外これが1番早く完結まで書けるかもしれない。


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第1話:光の宇宙人

思ったよりすぐ書けたので二話目です。


持ってきた分の荷物の運び込みを終えたのでひとまず休憩となった。晴谷さんはさっき残りの荷物を取りに帰っているためその間の時間潰しの方法を考えていた。そういえば、引っ越したときは隣の部屋の人に何か物をあげると聞いたことがある。しかし、そういうのは準備し忘れてしまった。

 

「うーん、どうしようかなあ。こういうのはしっかりしないと失礼な奴だと思われそうだしな。、、あっそうだ」

 

そういえば、昨日晴谷さんにあげるようの菓子折を買いに行ってたんだった。

その時に自分ように買ったやつでも分けて配ることにしよう。確か大家さんとこで見た住人表では隣2部屋に人がいたから二箱に分けておこう。

 

さて、分け終わったはいいがまだ着かないようだ。割と時間かかったんだがなあ。じゃあもう今のうちに全部配っておくか。幸い今日は日曜日だ。お隣さん達も家にいる事だろう。

 

「そうと決まれば、行きますか」

 

1人でそう言って動き出す。

 

「すいませーん、隣にこしてきたものなんですけどー」

「はーい今でますー」

 

ガチャ

 

「何かようでしょうか?」

 

出てきたのは高校生か大学生かくらいの若い女の人だった。

 

「いや、挨拶とこれからよろしくお願いしますの意を込めて菓子折持ってきたんですけど、、」

「ああ、よくあるやつ!いやー、最近お菓子買いに行ってなかったから助かりますー」

「いえいえ」

 

とても嬉しそうで良かった。これで大丈夫みたいだ。

 

「あ、名乗ってませんでしたね。私、春田依里と申します。学生です。えっと、あなたは?」

「僕は、宇ノ町玲と言います」

 

この後少し世間話をして春田さんと別れ隣の冰杜さんの部屋に。

 

「すいませーん、201にこしてきたものなんですけどー」

 

反応は無い

 

「いらっしゃいませんかー」

「ああ、もううるさいなぁ。寝れないじゃん。折角の休日なのに」

 

出てきたのは明らかにさっきまで寝てました感の溢れ出る女性だった。

 

「すいません、ホントに。挨拶ついでに菓子折を持ってきたんですけど〜」

「ああ、そゆこと。じゃ靴箱の上置いといて。あとで回収するから」

「あ、はい。それじゃあ」

 

そっけない態度に少し戸惑ったがまあ寝起きならこんなものだろう。

 

「うーん、隣2人とも女の子だとは。なんか気まずいよなー」

 

車が着いた音がする。晴谷さんが着いたようだ。

 

「さ、残りの荷物も終わらせるかー」

 

この後、残りの荷物を全て入れ終わるまで結構時間がかかり終る頃には夜前だった。

 

「引っ越し1日の飯はコンビニ弁当かー。まあ、しょうがないか」

 

そんな事思いながら帰っていると、、

 

「あっ、えーと宇ノ町さんじゃないですかー」

「ああ、春田さん。どうしたんですか、こんな時間に?」

 

春田さんと出くわした。手にはコンビニのレジ袋を持っている。

 

「えっと、夜ご飯を買いに。宇ノ町さんもですか?」

「まあ、はい。荷物全部入れてたらもう夜だったので」

「そうですか。まあ、そうなっちゃいますよね」

 

そんな話をしながら帰り道を歩いていた時だった。

突然スマホが揺れる。そして、、

 

え"あ"ーお”あ”ーーッ

 

「かっ怪獣!?」

「春田さん!逃げますよ!」

 

そう言って僕は春田さんの手を掴むと怪獣とは逆側に走り出す。が、、

 

「くそ、なんでこっち来やがんだよ」

「ここ、曲がりましょう!そしたら逃げられるかも知れません」

 

そうやってどれだけ角を曲がっても怪獣はこっちにやってくる。

そして、、怪獣が火弾を吐いてくる。

 

「危ない!」

 

火弾の一つがこちらに迫ってくる。僕は春田さんを突き飛ばした所で意識が途切れた。

 

 《起きなさい、起きなさい人間よ》

「う〜ん。あっあれ?僕さっき、、」

 

さっき確かにあの怪獣の攻撃を受けて、、

 

「僕死んだばずじゃあ、、、」

《聞きなさい人間よ。まず、貴方は死んでいます。本来ならば。》

「あっやっぱり、、って本来ならば?それじゃ一体何で僕は死ななかったの?」

《私が助けたからです。貴方の肉体と魂が離れる寸前で私が取り込んだ事により死を防ぎました》

「アンタ、いったい、、」

 

突然目の前に巨人が現れる。

 

「何もんなんだよ、アンタ」

《私の名はウルトラマンフィニス。光の国からやってきたもの。そしてこの星を守る者です》

「じゃあ何で俺なんかを?怪獣と戦う方が先じゃあ?」

《現在私はこの星での姿を持っていません。この星での適合者が必要なのです》

「それで俺を?」

《はい。貴方はさっき少女のため自らの命を捧げました。そのため貴方が適合者にちょうどいいと考えました》

「なるほどね。……じゃあ、アンタの適合者になればこの星、いや世界を守れるんだよな」

《はい。その通りです》

 

怪しい話だ。しかし、これを断るのは得策ではない気がするのだ。僕が犠牲になって世界が救われるのだ、こんな無職の命一つで。それに、怪獣災害は日本のいや、世界でも大きな問題であるのだから。

 

「なら、その適合者になってやる!だから早くあの怪獣を《ならば、これを貴方に与えます》えっ」

光とともに僕の手の上にに変な機械が現れた。

 

「これは?」

 

《私と同化するために必要な物。名をフィニスライザー》

「フィニスライザー、、」

《それのトリガーを触って下さい》

 

グリップ部分にトリガーが付いていた。

 

「これ?」

 

キュピーン

 

高い音とたまに目の前に光出てきていると思わしきカーテンが現れた。

 

「うわっ、何これ?光のカーテンみたいな、、」

 

《その中に入ってください》

 

「え、お、お邪魔しまーーす」

 

入ると同時に僕の手元にカードが出てくる。

 

《そのカードをライザーにセットして下さい》

 

「えっと、ここか?」

 

REI Access Granted

 

《次は、「ねぇ、こんなゆっくりで大丈夫?」問題有りません。ここでの10分は外での1秒です。「そうなんだ」次は、そのスリッドを逆側までスライドします》

 

スライドしてみる。

 

「ねぇ、特に何も起こらないんだけど?大丈夫なの?」

 

《問題有りません。そのまま私の名前を叫んでください》

 

「えっとウルトラマン、、なんだっけ?」

 

《ウルトラマンフィニスです。フィニスだけでかまいません》

 

「えっと、じゃあ、、フィニース!」

 

、、、

 

《説明を忘れていました。トリガーを押してください》

 

「えっと、ここか!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

春田視点

「宇ノ町さん!」

 

宇ノ町さんは飛んできた火弾から私を守るために、、

こんな事なら黒の言う通りにしてれば、、そんな事を考えていた時

 

「うわっ、眩しっ目がっ」

 

突然着弾点が輝き出して、、、、、

 

ショアッ?

 

「光の、巨人?」

 

目の前に巨人が現れました。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「何これ?どうなってんの?」

《それは後で説明します。早く戦いましょう。この星を守る為に》

「えっあっはい!」

 

ギャグァアーッ

 

構えをとったタイミングで怪獣が咆哮と共に突撃してくる。

 

「えっちょ!」

《この程度!!》

 

怪獣の腹に蹴りを入れる。そのまま倒れてきた怪獣の頭に膝蹴りをして押し返す。

怪獣は転んでジタバタしている

 

《あの怪獣は、テレスドン地底に眠っていた怪獣。本来は大人しい怪獣なのですが私には、彼の怒りを鎮めることはできません。心苦しいですが倒してしまいましょう。》

 

「ああ、分かった。で、どうやって?」

《見ていてください》

 

フィニスは左手を右側に突き出し右手を肘まで体側に沿わせ曲げた先を右側に向けて数秒固まる。そのあと左手を下にしてL手を組む。

 

《フィラクセス光線》

 

そう言って青色の光線を発射する。それに当たったテレスドンは爆発四散。初戦は見事勝利する事が出来た。

 

変身を解除し、春田さんを探す。

 

「春田さーん、どこですかー」

 

「えっ、宇ノ町さん無事だったんですか!」

 

「あ、はい。えっとウルトラマンフィニス「ウルトラフィニス?」さっきの巨人が助けてくれました。ギリギリでしたけど」

 

「そうですか、良かったです。てっきり火弾に当たって死んじゃったのかなって思ってたので、、」

 

「無事だったんでいいじゃないですか。それよりも早く帰りましょう!銀宙荘壊れてないといいけど」

 

「大丈夫ですよ。きっと」

 

僕達はいろいろとお互いのことを話しながら帰った。結局銀宙荘は無事だった。怪獣の進行路にあったはずだが運が良かったのだろう。

また引っ越しとかにならなくて良かった。

 




思ったより長くなってしまった。
次回は先輩の力を借りるかも!?ライザー使うからにはやってみたかったオリジナルスタイルが出来るのです。


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第2話:怪獣の王様

強化しすぎたし、話が繰り返し過ぎるけど許して。


「さてと、取り敢えず分けといた荷物の整理始めるか」

 

あの後部屋を確認したが特に荒れた様な感じもなかったので段ボールに入ったままの荷物の整理を始めた。すると、

 

「なんだこれ?こんなの入れてたっけ?」

 

古い木箱の様な物が入っている。貼ってみるとカラカラとメダルの様な物が入っている音がする。ぐるっと見回すと裏面に『しょうじのたからばこ』と書いてあった。どうやら、爺さんの遺品が紛れているようだ。

 

「中身見てみるか」

 

蓋を取って中身を見てみる。

 

「何これ?メダル?」

 

一つ取り出して見てみようと思い箱に手を伸ばしたその時、

 

キュピーン

 

「え?」

 

足元が昨日の光のカーテンに変化していた。重力に従って落ちていく。

 

「嘘だろ〜〜」

 

「いってぇ。呼び方雑すぎません?」

 

《すまない。ちょっと緊急事態だったものだから急いで呼び出す形になってしまった。それよりもだ、そのメダルは、、「ああこれ?これは爺さんの遺品だよ」いや、そうではなく、それはウルトラメダルと言ってウルトラ警備隊の先輩方のチカラが宿っているんです。しかし、、「しかし?」このメダルは本来地球にないはずなんですが、、》

 

「そんなこと言われてもなぁ。僕も今日初めて見たし」

 

《そうか、、》

 

「まあ、でもこれアンタらのなんだろ?取り敢えず返しておくわ」

 

《あ、ああ。すまなかった。それでは元の世界に帰しておくから掃除?頑張ってくれ!》

 

目の前が真っ白な光に包まれると部屋にいた。これどう言う仕組みなんだ?

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「今日もコンビニ弁当かー。片付けもまだ終わらないし」

 

コンビニからの帰り道昨日の怪獣災害の惨状が目に入る。

 

「ホント運が良かったよなー。ここ何かボロボロなのに銀宙荘全く被害無かったし」

 

前はここで春田さんと出会ってその後怪獣出て来たんだっけ。ホントよく助かったよなー。

 

「防衛軍はなにしてたんだか?まあ大変だよな。そこかしこで怪獣出てるんだから対応も追いつかないか」

 

昔、偶然起きた朝に見た父の背中を思い出した。

 

「さてと、残り片付けますか。また、怪獣出てくるかも知れないし」

 

夜9時ごろ残った分の整理始めたのだが、

 

「まーたよく分からんのが出て来たよ」

 

本日2度目の入れた覚えのない箱が出てきました。

 

「今度は、、、俺の?」

 

宝箱のような形の箱には「れいのおたから」と書いた紙が貼ってある。

 

「よく剥がれなかったよな。さてと開け方は、、、これ鍵かかってるのか。ナンバーロックも付いてるし。こんなの買って貰ったか?覚えてそうなもんなんだがなあ」

 

鍵と番号書いたメモが入ってないか段ボールの中を探す。しかし、そんなのは見つからず。

 

「まあ、後回しでいいか」

 

立ち上がり様、頭にフィニスの声が響いて来た。

 

《すいません。今から呼ぶんですが大丈夫ですか?》

 

「えっ、ああはい大丈夫ですけど」

 

そう言うと壁に例の入り口が出てくる。戸締りを確認し、部屋のカーテンを閉めてからそこに入る。

 

「で、何で呼んだんですか?」

 

《怪獣が現れました。場所は北の山の中個体名はレッドキングだと思われます》

「レッドキング?」

 

《レッドキングは凶暴な怪獣です。まさに怪獣の王様と言えるやつです》

 

「そ、そんなヤバそうなやつなのか。それにしては静かなんだけど、、、」

 

《ええ、寝てますからね。ただ、怪獣が壊した所の片付けに追われるヘリとかが飛びまわってるのでいつ目覚めるかわからない状況です》

 

「なるほど、でも起こしちゃダメでは?それで町が壊れたら俺たちのせいだろ?」

 

《それはそうなんですけど、、、まずいです!レッドキングの起床を確認!》

 

「えっ、いやまじか?」

 

《本当です。では、行きますよ》

 

「ああ、いくぞ!フィニス」

 

REI Access Granted

 

「輝け!光の戦士 フィニース!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

地球怪獣災害防衛軍日本本部

 

「本部へ報告。北嶺山の怪獣の起床を確認。攻撃を開始します」

 

「ああ、頼んだ」

 

本部にいた1人の男性はそう言って通信をきる。

 

「また、か」

 

彼はここ最近の怪獣災害について頭をかかえていた。

 

「星城市だけで今月三件目しかも全てこの1週間の出来事だ。一体あそこに何があるんだ?こんな状況だから家にも帰れないし玲への引っ越し祝いを買いにいく暇もない。本当にあの町に何がある?」

 

「本部、本部応答してください!謎の巨人が出現!繰り返します、北嶺山に謎の巨人が出現!前日に現れたものと同一と思われます」

 

「離れて様子を伺ってくれ!この巨人は光線を打つことが確認されている。出来るだけ遠くからより弱ってる方を攻撃してくれ」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「何か弱点とかないの?」

 

《個体による戦闘力また知力の違いが大きいため特筆すべき弱点というのは無いと思われます。強いて言うならば攻撃特化すぎている所でしょうか》

 

「じゃあ、どうすんだよ!」

 

《こちらは速さで撹乱しつつ戦うしかありませんね。私は力押しに弱いので》

 

高速で移動してチョップを叩き込もうとする。しかし、

 

ギャァァァオォォゥッ

 

「効いてない!?」

 

あった感触はまるで、鉄を全力で叩いた様な感覚。

 

《星の記録にあったレッドキングに比べ硬すぎます!何かこの辺で特殊な変化が起きる要因があるのですか?》

 

「ないもないはず、、いやそうだ!ここら辺は地盤か硬くて掘るもの大変だって聞いたことがある。もしかしたらここら辺を掘っていたことで他の個体に比べて硬くなったのかもしれない」

 

ギャァオォォヴゥゥッギャオォァヴァァァァァッ

 

「クッソ!一旦離れて光線打つぞ!」

 

《このまま殴り合っても仕方ないですし、仕方ないですね!》

 

「《フィラクサス光線》」

 

ギャオォォァァヴゥゥゥゥッ

 

「効いてないんだけど!?」

 

《こんなの初めてです。しかも玲!あなた構えてないじゃないですか!あれルーティンなんですよ!》

 

「絶妙にダサいんだよ、アレ!てか、今はそんなこと言ってる場合じゃないだろ!どうすんだよ、勝てねぇぞ!力押しは負けてる、技も効かない勝負になんねぇよ!」

 

《どうしましょう。もう手立てはないですよね》

 

ピコーンピコン

 

「おい、なんかなり出したんだが!なんだよこれ」

 

《変身時間が限界なんです。私はこの世界では三分しかいられません》

 

「じゃあアイツどうするんだよ!」

 

《悔しいですが一時撤退を、グッ》

 

焦る状況の中さらに恐れていた事態が起こる。

 

「おいおい、まじかよ。こっち攻撃してくるのかよ、防衛軍は!」

 

そう、防衛軍がこちら側に攻撃をしてきたのだ。説明してないので仕方ないのだが、これではレッドキングを相手するのが難しい。

 

《逃げましょう。これは無理です!》

 

こうして僕たちは撤退を余儀なくされた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「巨人の撃退を確認!次は怪獣の攻撃を始めます!」

 

「ああ、頼んだ」

 

ギャオォォォォォァァァァウッ!ギャァァオォォァァオヴゥゥッ

 

「効いてる様子はありません!増員を要請しま、、、」

 

「おい、大丈夫か!おい!くそ、強すぎるだろあの怪獣!」

 

まさか岩石を吐いて攻撃してくるとは。やつの弱点はなんなんだ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「レッドキング、どう対応するのが正解なんだよ」

 

部屋の中俺は1人向けどころのない怒りを感じていた。今の俺たちにはやつを倒すすべがない。一体どうすればいいんだ。




これレッドキングどう倒すかなぁ。次回は強化変身回になるはず。


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第3話:戦士の力

久しぶりです


「レッドキング、どう対応するのが正解なんだよ」

 

《あまりやりたくないのですが、勝てるかもしれない方法が一つあります。》

 

「方法があるのか!少しでも可能性があるならやってみるしかないだろ。アイツが街で暴れたらどんだけ被害が出るか、、、」

 

《そうですよね。でも、、、》

 

「でも?」

 

《あなたへの負荷が大きくなります。それにあなたは戦闘に慣れていませんし、私たちの相性も決して良い訳では、、、》

 

「それでも、ここを守らないといけないんだよ。守れるのは、その力があるかもしれないのは、俺たちだけだ」

 

《仕方ないですよね。私も覚悟を決めましょう》

 

「ああ、もう一度いくぞ!」

 

REI Access Granted

 

《これを》

 

手の上に三枚のメダルが現れる。

 

「これってあの時のメダルか?」

 

《はい。貴方のお爺様が所持されていたものです。これらはネクサスさん、マックスさん、メビウスさんの力が込められています。彼らは偉大な先輩方でそれぞれ別の地球を救ったんです。まず、ネクサスさんは「お、おう。もういいから」そうですか。まだ話は始まったばかりなのですが、、》

 

「今はアイツを倒すのが先だ」

 

《そうですね。では、何かこういい感じのセリフを言ってから先輩方の名前を呼びつつスリッドにセットして下さい。で、セットしたら逆側にスライドしていってください》

 

「えー、そんな事してる時間は、、、《気合い入れる為に必要なんです!》分かったよ。じゃあ、、なんか特徴ない?いい感じのやつがあるとい《それなら、ありますよ!皆さん〝絆〟に関係してます!》いなって、あるのか。それなら!」

 

一旦息を整える。

 

「示せ!絆の力!ネクサスさん、マックスさん、メビウスさん!」

 

Nexus Max Mobius

 

「で、この後はどうするんだ?」

 

《なんか、カッコいい感じのセリフいって変身して下さい》

 

「了解だ。一蓮托生!力を我に!フィニーース!」

 

デュア シュア シェア

 

ウルトラマンフィニス ネクストインフィニティ

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

地球怪獣災害防衛軍日本本部

 

沈黙が訪れていた本部に通信が入る。

 

「おい、大丈夫なのか?怪獣はどうなった!」

 

「また、巨人、巨人が、出現しました。今回は、前二回とは、違う姿を、しています!怪獣はまだ山の上で暴れています」

 

「今、動けるやつは?」

 

「攻撃機は、ほぼ全てが、機能を、停止しています」

 

「そうか、なら被害を抑えにかかれ。アイツらによる被害を減らすことが今できる精一杯だろう」

 

「了解しました!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「さあ、二回戦目だ!」

 

連続でチョップやキックを叩き込む。今回は前回と違って痛みもない。

 

ギャルラオールッ

 

《どんどんいきますよ!》

 

ギャラオーアッキャララーラッ

 

「さっきよりも攻撃が効いてる!」

《もちろんです。先輩方の力を借りてるんです、弱い訳ないでしょう!》

 

ギャオーラッギヤラオーアッ

 

一旦距離を取ったタイミングで頭突きが飛んできた。

 

「おあっと、なんちゃう威力の頭突きだよ。なら!」

 

手を組み合って力で押し倒そうとしてみたが、

 

ギャルラオーッ

 

「力負けしてんだけど!」

《まあ、皆さんバランス良い性能なので特化してる相手には負けますね。》

「そういうのは先に言ってよ!」

《さっき説明を遮ったのは、あっそろそろですね》

 

「何が?」

 

ピコンピコーンピコンピコーン

 

「またかよ!?」

《さあ、決めにいきますよ!》

 

ギャラオーアッ

 

そんな僕の焦りをよそに飛んでくる攻撃を受け流しながら遠めに距離を取った。

 

「この時も光線の打ち方同じ?」

《違います。まあ、こう言う時はお任せ下さい》

 

そう言うとフィニスは天に手を振り上げエネルギーを貯める。

 

そして、

 

《メビウムレイカノン》

 

L字に手を組み光線を放つ。

まともに光線を受けたレッドキングは前とは違い爆散した。

爆発の中から謎の光が飛んでくる。

 

「これは?」

《怪獣メダル!何でこんなところに!》

「何かヤバイ奴なの?」

《これには怪獣の力が込められているのです。しかし、これは先輩方の活躍でなくなったはず、、》

「何にせよ、危険かもしれないって事か。まあ、一応持ってるか」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

???????

「まさか、破滅の巨人がいるとはな。にしても何で最近まで活動しなかったんだ?10年前の事件から今まで活動出来なかったと言うことか?何にせよ、適合者を見つけなければな。それにもう一つの飛来物も見つけなくてはならないか」

そう言うのと男は何処かへと急いでいった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

?????

「奴も復活した、か。10年前の恨みどう返してやろうかな。まぁ、今はこいつらを上手く使っていくか」

そう言う少年の手には4枚のメダルが握られていた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「何か、凄い、疲れてるんだけど、何で?」

《それは、先輩方の力を上乗せして戦ったからですね。その分の負荷が掛かると最初に言いましたしそれに連続で変身したので不可も大きかったのでしょう》

「そういや、そんなこと、言ってたな」

《今回で分かったと思いますが、最初からどんどん使っていくのはその分リスクがあります。考えて使うようにしましょう》

 

こうして新たな力を手に入れた僕達。しかし、20年前の事件の時に飛来した災悪も動き出したのだった。

 

 

 

 

 




取り敢えず強化は出来た。負荷はオーズのコンボというよりは運動のしすぎで筋肉痛になったってのが近いです


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第4話:湖の放電龍

最近時間がないです。これからはもっと遅くなるかも。
それよりも今週Zやばかったですね。鳥肌凄かったです。


次の日僕はインナースペースでフィニスと話をしていた。

 

「にしても、いつあんなところにレッドキングが出てきたんだろ?昔はあの山よく登ったんだけどなぁ。最近も小学生が登ってるのを見たような?」

《怪獣メダルが回収できたと言うことは、何者かがあそこに呼び出したと考えるべきでしょう》

「えっ、これ召喚なんかできんの?」

《はい、出来なくはないです。実際何回かあったらしいですし。聞いただけですけど》

「へー。じゃあこっちも召喚して複数で攻撃とかは?」

《無理ですね。召喚するのはあくまでも怪獣です。手懐けた訳でもないですしどちらに味方するとか無いですからね》

「そうなんだ。じゃあこれどうやって使うの?」

《それは、

 

ピンポーン

 

お客人のようですね。話は一旦終了としましょう》

「ここって、外の聞こえるんだ。あれ?じゃあここでの話とかって外に聞こえるの?」

《ここでの話は外に聞こえる事はありません。一方通行で向こうの音だけ聞き取れます》

「なるほどね。それじゃあ行ってくるよ」

 

そう言って僕はインナースペース、変身するときに来るところから出て玄関に向かう。

 

「はーい、どちら様ですか?」

 

そう言ってドアを開けるとそこには冰杜さんがいた。

 

「あれ?冰杜さん?何の御用ですか?」

「いえ、その、大家さんどこ行ったか知りませんか?」

「いや、今日は外に出てないので知らないですね」

「そうですか。どうしようアレを家に忘れてるなんて。このままだと、、。鍵も何処かに落としちゃったし。何でこんな時に限って大家さんいないのよ〜。

「あの、大丈夫ですか?」

「あ、いやその大丈夫です。失礼しました!」

 

そう言うと冰杜さんは階段を駆け下りていった。

 

本当に大丈夫なのかとても心配だが、自分に出来ることも無さそうなので部屋に戻る。

すると、テレビがついていた。

 

「あれ?テレビつけてたっけ?」

 

テレビではニュースが流れており、昨日のレッドキングについて専門家?を交えた討論をしていた。

 

《怪獣とはいえ一つの生物だから殺すべきではない。なるほど。そのような考え方もあるのですね》

「えっ!ちょどうやって話してんの!」

《ああ、これは貴方の頭に直接語りかけています。私達は一心同体ですからね。映像はライザーを通して見ていました》

 

見てみるとテレビの前に置いていた座布団の上にライザーがあった。

 

「本当だ。いつの間に」

《無意識下で行動させてまからね。こう言った色んな話を聞くのはとても良いものです》

「やめて欲しいんだけど」

 

そんな事を言い合っている間にニュースはCMに入っていた。良くある夜の番組の宣伝だ。どうやらUMAの特集らしい。生放送で湖の龍神様を撮影を試みるらしい。

 

「湖の龍神様ねぇ。懐かしいものを。実は怪獣がなんかだったりして」

《その可能性もありますね。はりこみとやらをやって見ますか?》

「いつ知ったんだよそれ。そうだなあ、したいところだけど、あの辺り行ったことないからなあ」

《その件は私がなんとかしましょう。さあ、行きますよ!》

「いや、準備があるからね!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

?????

「あの湖。ちょうどいいやもしれないな」

そう呟くと黒いフードを被った少年は街頭テレビから手に持っている〝黒いメダル〟に目を移して笑みを浮かべる。

「フッ、お手並み拝見といこうか破滅の巨人」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

あの後僕たちはテレビで言っていた湖、龍神住む湖こと夏目湖(なつめこ)に来ていた。

 

《ここですか?映像で見たのとは随分景色が異なっていますが?》

「そりゃあれは、2年前のやつだからな。あの後龍神様のご利益がどうのこうのって旅館とかホテルとか色々建ったんだよ」

《なるほど、その様な事が。その様な生物の気配は感じられませんが、もしかしたら夜にしか現れないとか、感知の範囲外にいるとかでしょうか?》

「さーね。実際いるのかは誰も知らないからUMAになった訳だしね」

《つまり、嘘かもしれないと言うことですか?》

「そう言うこと。まあ、最近の事を鑑みるといないとは言えなくなっただけ、なんだけどね」

《そうですか、、。ところであの番組はいつ始まるんですか?》

「まだ時間あるよ、4時間ぐらい?かな」

《まだ始まらないのですね。ならば、メダルを探しませんか?》

「え?ウルトラメダルの事?」

《そうです。この辺りに痕跡があるのです。見つければ戦力も増えますし、損は無いと思うのですが》

「なるほど。で、今は何処ら辺にありそうなの?」

《分からないですね》

「は?」

《痕跡があるだけなので。多分誰が持ち去ったりしたんでしょう。という訳で行きますよ!》

「いや、それ結構大変なんじゃ、、うわ、待って、勝手に動かさないで〜〜」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

???????

「さてと、やっと地球に着いた訳だけど破滅の巨人なんて本当にいるのかしらね?まあ、あの間抜け君の情報だし、間違いもあるかもねとと、こんな事考えてる場合じゃないか。そんなことより、早く見つけないとなあ、あの馬鹿真面目」

そう言うと少女?は人混みの中へと繰り出していった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

《見つかりませんでしたね》

「まあ、良いよ。生放送には間に合ったし。さてと、どんな感じかな〜」

あの後メダルを求めて辺り一帯を探してまわったが特に収穫はなかった。それどころか生放送が始まる直前まで道に迷っていたのだった。

《撮影が始まった様ですね。龍神様を探すのはもう少し後の様なので、しばらくはこの車のテレビでも見てますか?》

「そうしとこうか。生放送で湖に潜る訳ないだろうし、しばらくは様子見だね」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

?????

「そろそろだな」

そう言うと少年はライザーを取り出してトリガーを押した。

「出番だ、エレキング。いや、デスシウムエレキング!」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

『さて、此方では夏目湖の中心部に来ております』

《また、始まる様ですよ》

「じゃそろそろ出るか」

《現状何か変化は感じられま、いや、先程はいなかった人物が1人います》

「野次馬が増えでもしたんじゃない?」

《いや、それにしては気配が、、、消えた!?いや、あれはライザー!》

「何!?まさか!」

《怪獣が来ます!》

キイィィィイッ

「いくぞ!」

《ええ!》

REI Access Granted

「輝け!光の戦士 フィニース!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

『特に影は確認、、キャアーーーッ』

 

キイィィィイッキイィィィィィィッ

 

怪獣から放たれた攻撃を正面から受け止める。

 

『あれ、私怪獣に、、、あれは例の巨人?』

 

湖にいたキャスターさんを陸に移して怪獣に向かい合う。

 

キィィィ!

 

相手の怪光線を交わして距離を詰める。

 

首元目掛けてチョップを放つが効いている様子はない。

 

キイィィィッキイッ

 

怪光線で距離を取らされ、バックステップの着地に合わせてシッポを叩きつけられた。

 

「うわっ!クッソ、あのシッポ厄介だな」

《此処は、先輩方のお力をお借りしましょう!》

「ああ!」

 

「示せ!絆の力!ネクサスさん、マックスさん、メビウスさん!」

Nexus Max Mobius

「一蓮托生!力を我に!フィニーーース!」

 

ウルトラマンフィニス ネクストインフィニティ

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

『姿が変わった?二体目じゃなく同じ巨人?』

 

「で、シッポはどうするの?」

《ま、任せて下さい!》

フィニスがそう言うと左手首のブレスから光の剣が生成される。

「こんな事出来たの!」

《ええ、これでシッポを切ればいいでしょう。行きますよ》

相手との距離を詰めながら斬撃を放つ。

 

ギイィィィッキイィィィッ

 

怪獣はその攻撃を躱し反撃と言わんばかりにシッポを思い切り叩きつけてくる。

 

「それは、想定通りなんだよ!」

 

敵の攻撃に合わせて剣を振り上げシッポを切り落とす。

 

キイィィィッキイィィイイッ

 

《ひるんでいる今がチャンスです!》

「ああ!」

《「メビウスレイカノン!」》

 

真正面から光線を受けた怪獣は爆発四散した。

そして、その中からメダルが一枚飛び出してくる。

「これ、さっきの怪獣と似てるけど色が違ってない?」

 

《本来はこの色のはずなんです。あんな色のエレキング初めて見ました》

 

「アイツ、エレキングって名前だったんだ」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

冰杜ナツメ

 

なんでエレキングが?一体誰の仕業なの?

「冰杜さーん!大丈夫ですか!」

 

ADの子が走り寄ってくる。

 

「ええ、あの巨人が助けてくれたから」

「あの巨人やっぱり良いやつなんですかね?」

「さあ?偶然かも知れないし分からないわよ。やりとりが出来た訳でもないしね」

「まあ、助かって良かったじゃないですか」

「そうね」

 

一体誰があの巨人、ウルトラマンと一体化したのだろうか?

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「にしても結局誰かが召喚した怪獣が出てきたから本当に何かいるのかは分からなかったよね」

《案外また何かあるかも知れませんし、油断は出来ませんね。それに、あの少年の事も》

「そういえば、その子どんな見た目なの?」

《何というかよくわからないですね。何とも言えない見た目というか。特に特徴が無いと言うか、、》

「そっか、、」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

???????

「まっさか本当に出会えるとはね。だとすると早く見つけないとなあ適合者。後これもあいつに渡さなきゃだし」

そう言う女の手には地図が握られている。

「まずは早くあいつの引っ越し祝いに行かなきゃね。銀宙荘って所に」




という訳で謎の女がやってきた様です。
ちなみに宇宙人っぽい人と最後の人は別人ですよ。
一体彼女のいうあの子とは誰なのか、そして破滅の巨人とはどういう事なのか。気長にお待ち下さい。
よく考えたら最初から全力出すスタイルにしたら良かったのでは?


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第5話:怪獣を狩る女

「フィニス、今日は語りかけてくるの控えてくれない?」

《いいですが、、なぜなのでしょうか?》

「いやさ、知り合いが来るんだよ」

《なるほど、 その方に私の存在がバレたくないというか側から見たら変人にしか見えないからという事ですね。了解しました》

「理由まで理解してくれなくてもいいんだけどね。じゃ、お願い」

《で、そのお知り合いとはどの様なお関係でいるのですか?》

「父さんの知り合いの娘さん?いや、同級生の方が近いかな?」

《随分不明瞭ですね。何故ですか?》

「いやさ、昔小学生の頃は学校が一緒で中学も一緒だっんだけど、、、高校からは父さんの仕事の関係とかでしか合わなくなったからちょっと距離感を、ね」

 

ピンポーン

 

「あ、来たみたい。じゃ、よろしくね」

《了解です》

『おーい、玲ー?いるのー?』

「はーい、今出るよー」

 

ガチャッ

 

「久しぶり、(ゆい)

「ホント久しぶり!4いや5年ぶりかな?」

「それぐらいだと思うよ。まあ、こんな所で話しててもなんだから入ってよ」

「お邪魔しまーす」

 

 彼女が僕の幼馴染とも言えない関係の友人鷹河 結(たかがわ ゆい)

 彼女の父親は怪獣・怪生命体研究所、通称怪研の日本支部の所長だ。

 この怪研と僕の父の務める地球怪獣災害防衛軍、EGIS(イージス)は手を組んでおり、その関係で知り合ったと言う事だ。

 

「で、今日は何のようなの?」

「あ、そうだった。まず、お引越しおめでとうのお土産を持って来たのと、後お土産ついでのお話があるの」

 

そう言って紙袋を渡して来た。中身はお菓子らしい。

 

「で、話っていうのは?」

「えーっと、玲はどこまで私のこと知ってたっけ?」

「民間伝承だかを勉強するために大学に入ったって話を聞いたくらいだね」

「そうそう。で、そこで面白い発見をしたのって聞いた?」

「いや、初耳」

「そっかー。じゃあ、まずこれをご覧ください」

 

そう言って彼女は持って来ていた鞄からタブレットを取り出し一枚の写真を見せてくる。

 

「これは、、日記?」

「そう、これは今から約1000年前の物と思われる日記。内容から考えて旅の日記と思われるんだけど、このページには面白い事が書いてあるの」

「汚すぎて何で書いてあるか読めないんだけど」

 

古い文献らしくぼろぼろだし、知識がないので昔特有の字も読めない。

 

「えっとね、内容としては『私が○○の地を訪れた時、祭りが行われていた。何の祭りかと聞いてみると、今から約1000年ほど前の大昔、突如現れた巨大な象や猫、犬に鳥さらには人間のような存在が各地で暴れ回ってて人間は生きていく事も大変だった時に空から現れた光の球と一体化した青年が怪物を倒し、人間に安息の地と日々をもたらしたって言う伝承を聞いた。彼は、命懸けでこの村を守り、最後には光と別れ普通の人間として暮らしたとされている。そして、それ以来この村では彼の生誕と光の球を祝う祭りが行われているとのことだった。彼、住民達が適合者と呼ぶものは光の球を空に翳す事で50メートルにまで大きくなり、それらの怪物と相対したと言う。光の球に名はないらしい。それでは、天皇様に伝えにくいのでそれを超人球と名付けておこう』と書いてあって、この時代の民間伝承を天皇?からの依頼?で聞き回ってた作者か各地の伝承を日記に記した物みたい。最初に誰に頼まれて、みたいなのがあるけど読めないから、後の文章から見て天皇が頼んだんじゃ?と言われてるけど。でね、この作品の年代が、、「もう良いから、大体分かったから」そう?」

「うん、もう大体分かったよ。つまり、その光の球で変身した存在が今出て来てる宇宙人なんじゃって事?」

「そう。あの宇宙人の大きさといい、私達を守るために戦っていると思える戦闘の仕方といい、もしかして、この話の適合者って人が実在するんじゃって言われてるの!」

 

こんなテンション高い結は久しぶりだ。

 

「なるほど、で本題は?そんなこと言いに来たんだから何か別の目的があるんだろ?」

「うん。玲に私と教授の助手をしてくれないかなって」

「なるほど、、って、助手!いや、准教授とかいるだろ!その人にやってもらうとか、お前の知り合いにやってもらうとかあるだろ!?」

「私達としてもそうしたかったんだけどね。こんな話信じてくれる人なん

て、、。それに、怪獣に関わるのは危険だからって言う人も多くてさー」

 

悲しそうな顔を浮かべる結。そんな顔されると断りにくい無い。でも、怪獣に関わるのもなぁ、、、、。

 

「、、あー、そっか。、、、分かった。引き受けさてもらうよ」

結局折れてしまった。

「ホント!助かるよ〜」

「で、給料とかって出るの?」

「えっ?働いてるんじゃないの?暇な時だけ来てもらう予定だったんだけど、、」

「あーいやその、な?その最近怪獣災害が多いだろ?で、ここら辺も被害受けてその時に勤めてた工場で人員整理があって、、、」

「なるほど。分かった、教授に掛け合ってみる」

「本当にすまない。恩に着るよ」

「まあ、この話はこれぐらいにして、久しぶりに会った訳だし、どっか遊びに行かない?」

「別に良いけど、どこに行く気なんだ?」

「ま、着いて来てよ!車は玲が出してね!」

「良いけどさ、せめてどこに行くのかだけでも教えてくれよ」

「それは、後のお楽しみということで!さー、レッツゴー!」

「あ、ちょ、待って!待ってって〜」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「此処は、、喫茶店?」

 

 結に連れられて来たのは喫茶ater Stella?と書かれた看板を掲げて居る黒っぽい色を基調としている建物。ぱっと見はお世辞にも喫茶店とは言いにく、バーだと言った方がまだ納得できる。

 

「そう、私のお気に入りのお店でオススメのお店である喫茶ater Stella」

「アーテルステラ?聞いたこともないんだけど本当に美味しいの?」

「いや、本当に隠れた名店だよ、此処!」

「まあ、結は味にうるさい方だし、、、入ってみようか」

「よし、じゃあ行こう!すぐ行こう!」

 

 そう言って入り口の方へ走っていく結。そして、そのままの勢いでドアを開けて中に入っていく。

 僕も慌てて追いかけて警戒しながらドアを開けた。

 

「うわぁ、すごい」

 

外観とは異なり中は、よくある喫茶店そのものと言っていいと思う。座席などから鑑みるにどうやら、バーを改装したようだ。カウンター席の後ろの棚や座席の位置など昔の形跡が残っている。入ってまず目についたのは水槽だ。というのも、クラゲのような生き物が泳いでいる。また、水槽もそれなりの大きさであるので、インパクトがある。次に目につくのは赤い服の人形だ。元々は沢山の酒瓶が入っていただろう棚に並べられている。何か怖い。

 

「何か喫茶店ぽいのような、そうでもないような、、、」

「いらっしゃいませー」

「うわぁ!」

 

突然声をかけられたので驚いてしまった。見ると、20〜30代と思われる女性定員が不思議そうに僕を眺めていた。十中八九入ってすぐに席にもつかずそこら中を見回していたからだろうが。カウンターの店長らしき50代くらいのおじさんも同じような顔でこっちを見ている。

 

「おーい、玲〜ここだよ〜」

 

声のする方を見ると壁沿いの2人席から手を振る結が見えた。

 

「ああ、今いく!」

 

そう言って店員に軽く会釈をして横を通り過ぎる。

 

「ごゆっくりどうぞ~」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「外観は怪しいけど案外いい感じでしょ?」

 

満面の笑みで結が聞いてくる。

 

「うん。想像してたような感じじゃなかったし、また1人でも来たいかも」

 

頼んだランチセットのコーヒーを飲み干してから答える。結のオススメらしいので頼んでみたが、想像以上に美味しかった。

 

「そうでしょー!私もはじめて来た時は大丈夫かな?って思ったけど、今ではほぼ常連だよ〜。教授はもっと昔から通ってるらしいんだけどね」

「へー」

「興味ないって感じだね。一応これからの仕事仲間?みたいな人なんだし、少しは興味持ってよ〜」

「それは、そうなんだけどさ」

「まあ、今日はいっか。久しぶりに会って遊んでる訳だし、仕事の話は無しにしよう」

「そうしてくれるとありがたいよ。僕としても友人と再会してすぐに仕事の話なんてあんまりしたくないしね。それも数年来の友人相手だしね」

「ふふっ、そう言う所は変わってないよね」

「ん?どういう所?」

「ひーみーつ」

 

そう言って結は妖艶な笑みを浮かべる。

 

「ケチ」

「そうやってすぐ照れる所もね」

「あーもう!で、次はどこ行くの」

「そう言われてもなあ、ここ以外は特にどこ行くとか決めてないし、、」

「えー。僕も特に行きたいところ無いしなあ」

「「はあー」」

 

2人して似たようなポーズでため息を吐く。

少し沈黙が走り、

 

「無難にショッピングモールでも行く?」

 

特にそれと言ったアイデアも思いつかないので、適当な提案をしてみる。

 

「んー、それで」

 

結が生返事を返して来たのでOKということにしよう。

 

「じゃあ、そうするか」

「よし、そうと決まったらすぐ行こう!じゃ会計済ませてくる〜」

「変わらないなあ、昔から」

「ありがとうございました〜」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ねぇ、ちょっと聞きたいことがあるんだけどさ」

 

会計を済ませて街中に戻って行く道中、先程までしていた世間話を突然断ち切って結が問いかけて来た。

 

「ん?何?」

「いや、ちょっとしたことなんだけどさ。玲って今フリーなの?」

「まあ、フリーターではあるぞ」

「いや、恋愛面の方だよ!フリーターをフリーって言う奴が居るか!」

「いや、ごめん、ちょっとからかっただけだって。まあ、彼女いない歴=年齢ではあるぞ」

「そっかー。じゃあ別の住人さんの彼女とかかなぁ?」

「どういう事?」

「いや、今日来た時さ。あのアパートの前でスマホ?と睨めっこしてる女の人いたからさ。玲の知り合いかなと」

「なるほどね。春田さんの知り合い?いや、夏目さんか?」

「ん?春田?もしかして、春田依里ちゃん?」

「うん、確かそういう名前だったはずだけど、それがどうしたの?」

「えー!ホント!依里ちゃんは私の高校時代の友達なの!」

 

目に見えてテンションの上がっている結。少しうるさい。

 

「その話はまた後でって事で、もうすぐ着くし。」

「そう言えば、何か買うものあるの?」

「いや、無いけどさ。ぶらぶらウィンドウショッピングでもと思ってね」

「ふーん、意外だね」

「何が?」

「玲もそう言うことする様になったって事がかな」

「そっか」

「さあ、私も本でも見てくるかなあ」

「別々で動くの?」

「うーん、ついてくる?」

「特に見たいものも無いしそうする」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

モール内の本屋に訪れ30分程が経った。特に買いたいと思う本も無く、飽きて来たので結を探しに来たのだが、棚の前で何か唸っている。

 

「やっぱり無いなあ」

「何探してるの?」

「えっとね、超人伝説的な話の本を探してるんだけど、持ってるのしか無いんだよ」

「なるほどね」

「特になさそうだし、服でも見に行くかな」

「そうしなよ、僕も飽きたし」

「でもなぁ、これ以上服持っても意味ないしなあ。玲は?」

「僕も今の懐事情じゃあ服買うのきついんだよねぇ」

「うーむ、どうするかなあ、、あれ?」

「うん?どしたの?」

「あ、おーい!依里ちゃーん」

 

結の向く方を見ると本当に春田さんがいた。

 

「あれ?結さん!それに、宇ノ町さんも」

「あ、春田さんじゃないですか。買い物ですか?」

「そんな所です。それよりも!お2人はどういう関係なんですか?」

 

春田さんは目を輝かせて聞いてくる。結曰く、春田さんはこういう話が好きらしい。

 

「昔の友人、幼馴染に近いかな。会ったのも4、5年ぶりだし」

「そうなんですか!では、何で2人でこんな所に?もしかして、デートですか!」

「違う違う!玲が引っ越したって言うから引っ越し祝いにでもと思って」

 

全力で否定する結。その声の大きさに周りの視線も集まってきた。

 

「え〜でも、友人とは言え4、5年会ってなかったのに引っ越し祝いに来るって可笑しくないですか?」

「それは、その、、えっと、、」

 

助けを求めて視線を向けてくる結。

 

「何でも結のお父さんが僕の父さんに引っ越しの話を聞いたらしくて、それで結に久しぶりに会って来たらって言ったんだよ」

「へー。じゃあ特にやましい何かがある訳でも無いんですねー、残念」

「ごめんね、そう言うこともなくて。それよりも、周りの視線も痛いし、どっか行こうか」

「じゃあ、私も着いていっていいですか?」

「いいけど、特に何も無いよ?」

「はい、別に気にしません。結と久しぶりに色々話したいだけなので」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

?????

「人通りも多い、奴の動きを制限出来るのは此処か」

そう言ってショッピングモールの方を眺めていた黒フードの少年はライザーを取り出しメダルをセットする。

「荒らし尽くせ!ゴモラ!」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ドガっシャーン!

 

「な、何!」

 

ギャオーアッ!キャオーアッ!

 

「か、怪獣だー!」

 

誰かが叫んだ。

瞬間モール内はパニックに陥る。我先にと逃げる人達で人雪崩れが起きて身動きが取れない。さらにこの波で結と春田さんとはぐれてしまった。何とか此処から脱出しないと変身が出来ない。

 

「どうするか、そうだ!」

 

何とか流れに逆らって階段へ向かう。全力で駆け上がり屋上に着くとライザーを取り出した。

 

「行くぞフィニス!」

 

REI Access Granted

 

《玲!あっ、喋って大丈夫でしたか?》

「もう、大丈夫だから。取り敢えずこっちに来る前に早く怪獣を倒さないと」

《では、参りましょう!》

 

「示せ!絆の力!ネクサスさん、マックスさん、メビウスさん!」

Nexus Max Mobius

「一蓮托生!力を我に!フィニーーース!」

ウルトラマンフィニス ネクストインフィニティ

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「例の巨人だ!きっと怪獣を倒しに来てくれたんだ!」

「そうよ!助かったわ!」

「でも、街中で暴れられると俺たちも危ねぇぞ」

「アイツ、最初に出て来た時も山を崩してたしありえるな」

 

そんな声が聞こえてくる。たしかにそうなので耳が痛い。

 

「なあ、フィニス」

《何でしょうか?》

「街中であまり被害を出さずに勝つ方法って何がある?」

《あるにはありますけど、、どうしたんですか?急に》

「いや、この状況だと戦いにくいからさ。それに、戦い方に不満持たれてるし」

《緊急時なので仕方がないと思っていただきたいのですが、しょうがないですね》

 

そう言うとフィニスは天空に手を掲げる。するとそこから、光のドームが形成された。

 

「これは?」

《ネクサスさんのお力です。詳しい話は後でお願いします》

 

ギャオーアッ!

 

怪獣は真っ直ぐに突進してくる。

それを躱して後頭部にチョップをする

 

ギャオーアッ!ギャオーアッ!

 

痛みで少しバランスを崩した所に追撃をしようとした時だった。

 

突然足元にでかい一撃が飛んできて転倒してしまった。

 

「いってぇ。何があった?」

《どうやら奴の武器は尻尾のようですね。暴れて振り回した尻尾に当たったと思ったら吹き飛ばされました》

「なるほど。なら、あの尻尾から狙いますか!」

 

左手首のブレスから光の剣を生成し、尻尾を切り落とそうと迫る。しかし尻尾に近づきすぎたため振り下ろす直前に攻撃がヒットし、また吹っ飛ばさた。 

 

「近づけないあれ!」

《なら!これで!》

 

そう言うとフィニスは頭に手を持っていって光のブーメランみたいなのを取り出した。そして、それを怪獣に向かって投げつける。それはうまい具合に尻尾の攻撃を避け、怪獣の下に潜り尻尾を切り上げた。

 

ギャオーアッ!キャオーアッ!

 

「こんな事も出来たの!」

《ええ、これもまた後で説明するので、まずは奴をたおしますよ!》

「おう!」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

?????

「不味いな、まさかあんな技を隠し持っているとは。仕方がない。怪獣を追加するか。いけ、ゴモラⅡ!ゴルザ!ベムラー!」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ギャラオーアッ!キャオーアッ!

 

「今だ!」

《「メビウムレイカノ、うわあっ(ぐあっ)」》

怪獣が怯んだタイミングで光線を放とつとした時だった。

 

キャオーッ!

 

横から突然ミサイル攻撃が飛んできた。

見ると今戦っている怪獣と似た怪獣がいる。どうやら奴の攻撃のようだ。

 

グワォォーングワーオッ

 

さらに後ろから攻撃された。

振り返るともう1体怪獣がいた。

《ゴモラだけならまだしも、ゴモラⅡにゴルザですか!これは厳しい戦いになりそうですね》

 

ギャオーラッ!

 

《まだ増えるんですか!しかもベムラー!》

「あっ、でも見て!ゴモラが消えた」

新たな怪獣が現れたと同時にゴモラは粒子となって消えていった。

《この消え方、、まさか、バトルナイザーの様な器具を使うものがいるのか!》

「バトルナイザー?って何なの」

《それも後で!まずはこの怪獣たちを倒さないと!》

「万全の状態の怪獣を三体同時で相手なんて、相手できるの?」

《やるしかありません!行きますよ!》

 

剣も生成し、ブーメラン擬きも操りながら、何とか怪獣達と戦おうとする。

 

ギャオーアッ!

 

キャオーアッ!

 

グワーオッ!

 

しかし、1体は火炎放射で、1体は超能力とミサイルで、もう1体はレーザー光線でと1体1体がそれぞれ中〜遠距離攻撃が出来るため誰か1体に相手しているとその隙を突かれる。しかし、全員を一気に相手するのは難しい。光線で一掃しようにもその隙すら与えてくれない。

 

《ぐっ、こうなったら!》

そう言うとフィニスはブーメラン擬き方へ意識を集中しだす。そして、

《ファイライトスラッガー!》

そう叫ぶとブーメラン擬きは分裂し、怪獣達に斬りかかっていく。これなら!そう思った時だった。

 

ピコーンピコーンピコーン

 

タイマーが鳴りだすと同時にスラッガーが減少し、勢いも落ちていく。そして、遂には

 

ギャオーアッ! キャオーッ! グワオーオッ!

 

怪獣達に叩き落とされた。

 

「嘘だろ!」

《くそ!やはり、アンスフィールドを展開すると長時間戦うのは難しいか!》

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

???????

「はぁ、もう見てらんないわね。聞いてた話だと3匹くらい余裕かと思ったんだけど、どうやら相当此処に力を吸われちゃったぽいなあ。まあ、死んでもらっても困るし、行くか〜」

そう言うと少女はライザーを取り出してトリガーを引いた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「クッソ!なら」

「フィラクセス光線!」

 

キャオーッ!

 

短縮版のフィラクセス光線を放つも一切効いていない。

「くそっ!また、負けるのかよ!」

《何か、何か策は、、、》

その時だった。

 

ギュルラオーッ!

 

また、新たな怪獣が現れた。

「また新手?!」

《次から次へと!本当に運がないですね!》

 

しかし、その怪獣は少し様子が違った。

 

「あれ?さっきの奴らの方に向かって攻撃し出したよ?」

 

そう、先程の怪獣達に向かって攻撃を始めたのだ。

 

《仲間割れでしょうか?しかし!これは好機です!》

 

5体目の怪獣が攻撃をしている間にエネルギーをチャージして、

 

《「メビウスレイカノン!」》

 

渾身のメビウムレイカノンを放つ。そのタイミングでちょうどゴモラⅡとゴルザが一列に並んだため、ゴモラⅡとゴルザをいっきに撃破する。

 

「よし!」

 

2台分のメダルも回収する。

 

《後2体!》

 

もう1発光線を打とうとした時、ベムラーは突然粒子となって消えていった。

 

「消えた?」

 

それに続いて、5体目の怪獣も消えていった。

 

《もう一体も消えましたね》

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「玲!探したんだよ!」

「前の街に出てきた怪獣の時も心配したんですよ!」

「ごめんごめん。あの波に流されちゃってさ」

「まあ、無事だったし許してあげる」

「ありがとうございます、結様〜」

「ふふん、くるしゅうない。じゃあ、こんなおふざけしてないで帰るよ」

「ふふっ、本当に仲が良いんですね」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

???????

「見込みよりは弱かったけど、適合者も見つけれたし上出来ね。早く任務終わらせて自由になりたましょ」

そう言って先程怪獣に変身していた少女は玲達と同じ方向に向かって歩き出した。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「だから!玲とは一回もそんな関係になった事なんて無いから!」

 

帰りの車内で結が突然大声をあげる。車が無事で良かった。

 

「ちょっとうるさすぎるよ、結ちゃん」

「ご、ごめんね依里、玲」

「僕は別にはしないから大丈夫」

「うん、ありがとう」

「ふふっ。あっ、そろそろ、着きますよ。結ちゃんはこの後どうするの?」

「親に迎えに来てもらうからそれまで待機かなあ」

「じゃあ、私の部屋に泊まっていかない?」

「えっ、迷惑じゃない?」

「大丈夫だよ。1人じゃ広いし」

「でも着替えとか「私が貸したげるから」うっ。いや、でも「だめ?」ううっ、泊まります」

 

結が春田さんの上目遣いで落ちた。身長差あるけど服のサイズとか大丈夫なのだろうか?

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「じゃあ、また明日」

「うん、またな結。春田さんも」

「はい。さようなら、玲さん」

 

結と春田さんとは部屋の前で別れた。長い1日も終わり部屋に入ってすぐ違和感に気づく。

 

「電気付いてる」

 

結が来た時たしかに切っていた電気が付いているのだ。さらに、見覚えのないコンビニ弁当のゴミまである。

 

「何で?」

「さーて、何ででしょう?」

 

後ろから声がかけられる

 

「っ!だっ、誰だ!」

「あんまり騒がないでくれよな、適合者くん。手荒な真似は好きじゃないんだ」

 

声からして女性だと思われる。さらに適合者のことを知っていると言うことは、フィニスの関係者だろうか?

 

「何が目的なんだ!」

「なーに、君の持ってるそのライザーの中の奴に話があるだけだよ。君に危害は加えない」

「姿も見せない奴を信用できる訳ないだろ」

「それはそうだね。なら」

 

そう言うと声の主は僕を強制的に振り返らせた。

 

「これで信用してくれるかな?」

 

そこには、見た目22歳くらいの女がいた。

 

《お前はアリスじゃないか!》

「久しぶりね、フィニス」

「えっ、2人は知り合いなの?」

「ええ、そうよ。私はモノレス星から来たアリス・ラグナ。これからよろしくね」




突如現れた女アリス・ラグナ。彼女はいったい何者なのか。次回も気長にお待ちください


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第6話:怪獣博士

「それで、私の任務なんだけど、分かりやすく言うならフィニス!貴方を連れ戻しに来たわ」

《何ですって!》

「え、え、えっ!何で!」

「この地球は本来とは異なっておかしな事になってるの」

「どう言う事ですか?」

「本来この地球は数十年前に半壊している筈なの。新暗黒皇帝を名乗る謎の存在の所為でね」

 

突然意味の分からない話が始まって置いていかれているが、2人の気迫的に質問を挟む隙がない。

 

《何を言っているんですか!現に此処にこの星はまだ存在しているじゃ無いですか!》

「それは、貴方がこの地球と一時的に一体化して回復させたからじゃないの。まさか覚えてないなんて言わないでしょうね!」

《何を言ってるんです?そんなの相当な実力が無いと出来ないでしょう。第一私にそんな力は無いですよ》

「まさか、本当に覚えてないわけ!」

「待って、全く話が分からないんだけど!」

「貴方は少し黙ってて!じゃあ、貴方の記憶を元にしてこの地球に複数の擬似ウルトラマンの反応があるのも知らないの?!」

 

怒られた。仕方がないので後で聞こうと思う。それまで覚えているだろうか。

 

《擬似ウルトラマン?》

「はあー。マジかー。とにかく、一旦大隊長に連絡取ってくるから、待ってなさい」

「僕ら以外のウルトラマンなんてニュースで聞いたことないけどなあ?」

「ああ、それはまだ」

 

ピンポーン

 

『玲ー。起きてるー?話さないと行けないことあるから開けて〜』

 

タイミングを呼んだかの様に結がやって来た。

 

「やば!うん。ちょっと待ってー。フィニスお願い」

《では。アリス、インナースペースの方で話しましょう。連絡もそこでお願いします》

「?分かったわ。それじゃあね、適合者君」

 

なんだかよく分かってなさそうなアリスさんにはインナースペースに入ってもらって、結を出迎える。

 

「玲!そのね、あの」

「玄関まで話すのもアレだから中入って」

「あっああ、うん」

 

凄く申し訳なさそうだし、焦っている。何があったのだろうか。

 

「で、話って?」

「えっとそのー今日って空いてる?」

「まあ、暇ではある」

「そのー教授が今日から調査を始めたいって言ってるの」

 

なるほど。それは急な話だ。

 

「今日のいつから?」

「今日の午後1時か2時ぐらいから明後日の朝、最悪夜くらいまで」

「行けなくもないけど、、何処まで行くのさ」

「夏目町まで」

 

最近エレキングが出たばっかりのはずなのだが、もういけるようになっていることに驚いた。

 

「あの湖のところか〜、地味に遠いんだよね。交通費は?」

「実費」

「マジか〜。仕事の後で貰えたりとかは?」

「今回は無給だよ。まだ、交渉出来てないもん」

「はぁー。仕方ない行くよ」

「ごめんね。まさか今日からだなんて思わなくて、、」

「いーよいーよ。じゃ、準備して行くか。必要なものは?」

「着替えがあれば充分だと思う」

「そもそも何でそんなとこ行くんだよ?あそこ最近怪獣騒ぎあったばっかりだし、危ないだろ」

「ほら、知らない?湖の龍の伝説」

「ああ、前テレビで言ってたな」

「そうそれ。で、どうやら龍の封印をしたのが〝光を纏った男〟とされているらしいの」

 

夏目湖には昔龍がいたとされその龍が毎年災害を引き起こすため村は貧困に不作で大変だったそうだ。そんな時のある日、村に旅の男がやって来た。そこで見たあまりの悲惨な村の様子に疑問を持った男は村人に何があったのかを尋ねたらしい。そして、話を聞いた旅人は龍の所に向かい、龍を説得しようとしたそうだ。しかし、龍はそれに応じず、男を襲った。その時、男は不思議な光纏い、姿を変えた。そうすると、圧倒的な力を持って龍を叩き伏せ、懐柔し、封印したと言われてる。これが夏目湖の伝説だ。

 

「で、その光を纏った男が巨人に繋がると」

「あくまで妄想の域を出ないけどね。で、その龍の目撃が最近相次いでるから、その龍に会えるかもだし、もしかしたら巨人に会えるかもしれないからって。教授そう言うの大好きだからさー。思い立ったらすぐに動いちゃうんだよね」

「なるほどね。学者と言うより、オカルト好きの変人だなあ、その人。そいじゃ、準備しますか」

「私もそう思うよ。と言うか来てくれるんだ」

「まあ、仕事だしね。さあ、早く準備しに行くよ」

「うん」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

時刻は午後1時半頃、僕と結は待ち合わせ場所である夏目湖の辺りの駐車場に来ていた。

そこでは、黒髪ロングの女性が車に寄りかかってしきりに辺りを見回している。

結はその人の方向に走って行ったので僕もついて行った。

僕達に気づいた女性は此方に寄ってきて結と何か話している。

少しして会話を打ち切ると此方に寄ってきて挨拶をしてきた。

 

「君が宇ノ町 玲君だね。私は、芙羅洲 冥(ふらす めい)。結君の通う大学で教授を務めている。変な苗字だと思うだろうが気にしないでくれ。これからよろしく頼むよ」

 

確かに聞いてて変な苗字だとは思ったけど、今言うことだったのか?まあ、多分自己紹介の決まり文句なんだと思うけど。というか、女の人だったのか。勝手に男の人だと思っていた。

 

「はい、此方もよろしくお願いします、芙羅洲さん」

「芙羅洲さんなんて堅苦しくて言いにくい呼び方をしなくていい。私の事は冥さん、もしくは、、冥お姉さんとでも「冥教授、そう言うの良いんで」あ、そう?まあ、楽に呼んで貰って構わない」

「分かりました冥さん」

「よし、じゃあ予定だが、今日は町長の家で伝説についてより詳しい話を聞いて、明日湖を見に行く。明日の夜は夏目龍神祭もあるからそこで遊んで明後日の朝に帰る感じでいこうと思っているのだが、問題ないな?」

「「はい」」

「よし、じゃあ行くぞー!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

町長の家の前に着くとお手伝いさんみたいな人に案内されて応接間みたいなところに倒された。

 

「今日はよくお越し下さいました。話はこちらの部屋で伺います」

「はい、失礼致します」

「「お邪魔します」」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

?????

「夏目湖の龍か。計画にはないが、此処は利用させて貰うことにしよう、あのウルトラマンの中の物を器として完成させるために。そして、この世界の破滅の為にも、な」

そう呟くと黒フードの少年は図書館から姿を消した。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「今日はありがとうございました」

「いえいえ。明日の夏目龍神祭にはいらっしゃるんですか?」

「はい、そのつもりです」

「そうですか。楽しんでいって下さい」

「そうさせていただきます。それでは」

 

冥さんが出てきてドアを閉める。

 

「はぁー疲れた」

「冥教授基本タメ口ですもんね」

「まあ、それでも許してもらえてるからな。で、聞いてみて良く聞く伝説の方との違いとかあった?」

「変わりないですね。これ以上聞き込みしても進展ないですよ」

「ここら辺で1番伝説に詳しいって言われてる町長がこれだもんね」

「仕方ない。取り敢えず今日は予約してあるホテルの方に泊まって、あのに備えるか」

「「はい!」」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

次の日、僕達は湖の真ん中までボートでやって来ていた。

 

「何か龍のいた証拠とかあるか?」

「ないですね」

「こっちにもありません」

「私もだ。やはり潜ってでも見るべきだった」

「冥教授はダイビング出来るんですか?」

「出来ないぞ、カナヅチなんだよ」

「なら誰かやるんですか?」

「玲君はやってくれないのか?」

「僕!?、、、まあ、出来ないことは無いですけどやりたくないですね」

「そうか。なら結君に、「絶対嫌です」ああ、そうか。まあ、秋だもんな」

 

そんなこんなで岸に戻る。近づいて行くと、岸では町長と1人の女性が言い争っているようだった。

 

「、、だから、ナツノメリュウが、私達に罰を与えようとしてるんですって!開発で木を切り、山を崩し、湖を汚した私達に龍が怒ってるんですよ!」

「そんなこと、あるわけないだろう!だいたい、最近の騒ぎだってこの近くにホテルを建てると決まってからだ。建設に反対している住民がラジコンでも使ってUMAがいるかのように見せかけてるだけだ」

「でも!」

「伝承は伝承だ。それに、最近テレビで調査した時に怪獣が出てきて、それを巨人が倒したじゃないか。あれが湖の龍の噂の正体だろう」

「湖の龍はあんな見た目じゃ!」

「もういい、私も忙しいんだよ。失礼する」

「ちょっと、町長!」

 

どうやら、龍に関する話らしい。そして、この空気感の所に行くのはとても嫌だった。

 

「冥教授、迂回しましょう。この空気の所に行きたくないです」

「あのー、すいまーせん。お話いーですかー!」

「教授!?」

 

冥さんはそんな事は全く気にせず、その女の人に声を掛けた。

 

「あ、私ですか?」

「はい。先程、龍についてのお話をされていましたよね?」

「はい、そうです。龍は、ナツノメリュウは私達に罰を与える為に復活したんです」

「その話詳しく」

「えっと、龍が旅人に封印されたと言われていますが、実はその前にある約束をしていたと言う記述のされた古文書が見つかったんです!」

「それは、聞いたことない話ですが」

「はい、何せまだその古文書は年代の特定されていないんです」

「なるほど」

「でも、あれがきっと伝承の原本なんです!だって、あの本は」

「あの本は?」

「あっ、いえ、何でもありません。私はこれで」

「待って下さい、その本見せて貰えませんか?」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「これです」

「中を拝見しても?」

「どうぞ」

 

僕達は先程の女の人の家の蔵に来ている。何で、古文書がこんな所に置かれたままなのかは知らないが、きっと何らかの理由があるのだろう。

 

《玲、少し》

『何?』

《アリスが言わなきゃいけないことがあると言っています》

『それ今じゃなきゃダメ?』

《当たり前でしょ!じゃなきゃ今言わないわよ!》

『うわっ、びっくりした。急に喋らないでよ』

《アンタねえ、まあ、良いわ。それよりも、龍神祭とやらには急いで行きなさい。手遅れになる前に》

『手遅れってどう言う事?』

《それは、「玲?大丈夫?」つ!》

「う、うん。大丈夫だよ。どうしたの急に?」

「いや、何かぼーっとしてたと思ったら突然険しい顔になったからお腹でも痛めたのかと」

「ああ、そう言う事。問題無いよ」

「なら、良いけど」

「なるほど、ありがとうございました」

「いえいえ」

「では、我々はこれで。行くぞ、君たち」

「あっ、はい」

「はーい」

 

彼女の家の敷地を出た途端、冥さんが、

 

「よし、龍神を祀ってある祠に行くぞ」

 

と言い出した。

 

「何でですか?」

「少し、気になることがあって、な」

「祭りもすぐ始まるんですから早くして下さいね」

「祭りより調査の方が優先に決まって、、と言うか、玲君。そんな事を言うという事は祭りをたのしみにしてたのかな?」

「ちが、違います!!ただ、その、早く行かないといけない用事ができたと言いますか、その」

「ふーん。まあ、良いや」

 

冥さんは全く気にせず祠の方に向かって行ったのだった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「此処が」

「祠ですか」

「本当に?」

 

僕達は先程の話の通りに祠に山道を登って来た筈だったのだが、

 

「この、残骸が?」

 

祠と思われる物は無く壊れた何かがそこにはあった。

 

「間違えたのでは?」

「そうですよ!もう一回確認しましょう」

「そうだよな!まさか、祠が壊れてるなんてそんな訳ないもんな!」

 

もう一度道を戻り確認しながら進む。

 

「マジか〜」

「嘘でしょ?これ夢?」

「、、、、」

 

祠の場所は間違っていなかった。

 

「誰かが壊したとか?」

「自然災害かも!」

「いや、この木片なんかから鑑みるに人為的な物だ。罰当たりなこったよ」

「でも、そんな事して得する人なんています?」

「分からない。取り敢えず警察にでも報告しておくか。祭りの警備で此処ら辺に来てただろ」

「そうですね。まあ、祠は壊されちゃってましたけど、お祭りは逃げませんから楽しみましょうか」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

?????

「さあて、わざわざ祠まで壊したんだ仕事をしてくれよ、ナツノメリュウ!」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

山道を下り、湖方面まで向かうと沢山の人で溢れている。

 

「大盛況ですね」

「まあ、此処らじゃ有名な祭りだしね」

「さあ、君たち。さっきのことは忘れて思いっきり楽しむぞ!」

「「おー!」」

 

皆テンションを上げて楽しもうとする。アリスに言われた事もあるので注意は怠らない。

 

「とは言っても、何処から行くんですか?」

「決めてない」

「じゃあ、夜ご飯確保に行きましょう」

「右に同じ」

「じゃ、それで」

 

数分後

 

「君たちは何買ったんだ?私は定番のたこ焼きにしたんだが」

「私はイカ焼きとイカ飯です」

「僕は焼きそばですね」

「結君。君は案外よく食べるね。と言うか何故イカ限定なんだい?」

「違います!決められなかっただけです」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「おい、何か見えるか?」

「いや、何も。やっぱり酔っ払いどもの夢か何かじゃないか?」

 

祭りの警備をしていると思われる警備員らしい2人組が湖前で〝何か〟を探していた。

 

「そんな事言ったって、近くにいた観光客も龍が見えたって言ってるんだ。ちゃんと調べとかないと、後で面倒くさいからなあ」

「はぁー。どうしていつもこんな役ばっかやらされるんだろうな」

「そう言う仕事何だよ。ん?なあ、何か聞こえなかったか?」

「俺には何も聞こえなかったけど、もしかして会場で何かあったのか?」

「いや、湖の方から聞こえ、た、っ!」

「どうしたん、だ、よ、うわぁー!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

祭りの最中、何故か湖の近くに人が集まっている。

 

「おい、湖の方が騒がしいが何か会ったのか?」

「分かりませんよ。見て来ましょうか?」

「いや、全員で行った方が良いだろう」

「何でですか?」

「少し嫌な予感がするんだよ」

「嫌な予感って?」

「ああ、それは、っ!逃げるぞ2人とも!」

「へ?何!」

 

何でと言おうとした瞬間地面が大きく揺れる。

 

「じ、地震!」

「いや、違うとにかく早く!」

 

ギョルルーラァーア!

 

「くそ!もう出て来やがったか!〝ナツノメリュウ〟!」

 

湖の中から長い首が姿を現し、その後胴体が陸に上がってくる。

 

「おい、玲!早く逃げるぞ!」

「えっ、あっ、はい!」

《ちょっと!逃げたらアイツの相手は誰がするのよ!》

「そんな事言ったって!」

 

グルグギルラーアッ!

 

「うわっ、と!」

 

目の前に木が倒れくる。あの怪獣が起こした地震で腐った木が倒れて来たようだ。

 

「おい、玲君!大丈夫か!」

「玲!大丈夫なの!」

「はい、大丈夫です!」

〈ちょうど良いわ。あの子達とは別行動なさい〉

はい、そうします此処ら辺は通れなさそうなので別の道を探して来ます」

「分かった!必ず無事でいろよ」

「死なないでね、玲」

 

冥さんと結がそう言った後2人が走って行った時のもらしき足音がする。それが遠くに行ったのを確認してから、

 

「行くぞ、フィニス!」

 

そう言ってインナースペースに飛び入った僕をアリスさんが迎えて来た。

 

「さあ、今回は私を手伝って貰うわよ」

「ちょっと!アリスさん!今はそんな冗談言ってる時間ないでしょ!それに、フィニスは何処に行ったんですか!」

「アイツが何処にいるかなんて気にしなくてもいいわよ。取り敢えず、少し身体を貸して貰うわね。」

「それって、どう言う事、、、よし、これでOK!」

『ちょっと!何するんですか!』

「何って、少し身体を貸して頂いただけだよ、これ、喋り方がアンタに引っ張られるわね」

『いや、そんな事は、「緊急次第なんでしょ!すぐ行くわよ」ちょ』

 

Alice Access Granted

 

『何ですか、その黒いライザー!』

「私用のライザーよ。気にする必要は無いわ」

 

そう言うとアリスさんは何処から3枚の怪獣メダルを取り出し、ライザーにセットする。

 

「この地形なら、こいつらね。エレキング、ジラース、ムルチ」

エレキング ジラース ムルチ

「超融合」

エリマキサンダームルチ

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「なんだ、アイツ!」

「2体目の怪獣だ!」

 

ん?さっき、2匹目の怪獣と言った声が聞こえたが、一体どう言う事なんだろうと思う。そして、その疑問は一瞬で晴れた。湖に映る魚?っぽい怪獣にエリマキと長い尻尾が付いたような姿。なるほど、これが2匹目の怪獣と言う事だろう。しかし、僕の見える範囲にはそんなのはいない。

 

『どう言う状況ですかこれ!』

「ああ、私が怪獣に変身、モンスフュージョンした」

『モン、え?そのモンスなんとかってもしかして、』

「そう、ご想像の通り怪獣に変身するのさ」

『えーーー!』

「昨日、お前が4体ぐらいの怪獣にからまれてたろ」

『ああ、はい』

「あの時、最後に出て来たのが私」

『へ?』

「いや、ピンチっぽかったからさ。スカルキラーキングに、ああ固有名詞言っても分かんないか?」

『後でお願いします』

「ああ、そう?じゃ、ストレス発散に行きますか!」

 

ナツノメリュウの方に向かって真っ直ぐ突進を仕掛ける。

 

ギョルラァーア!?

 

ぶつかった瞬間、ナツノメリュウはすごい勢いで吹っ飛び、湖へと落ちた。

 

「よし、じゃあ水中戦と行きますか!」

 

アリスさんはそう言うと湖の中にダイブして行き、湖底でナツノメリュウと合い間みえる。

 

「水中戦は私の方が有利だぞ」

 

その言葉の通り、アリスさんは圧倒的に有利だ。ナツノメリュウをすごい勢いで追い詰めていた。

 

『す、すごい』

 

経験の差もあるだろうがセンスがまず異なっていると言っていいだろう。僕とアリスさんでは、圧倒的に実力差があった。

 

「おら!吹っ飛べ!」

 

キィールルラアッ!

 

尻尾の一撃で高く打ち上がり、湖から飛び出るナツノメリュウ。

そこにダメ押しの一撃を叩き込もうと構えた時だった。

 

ピロピロロロブモーピロピロピロロロ

 

突然火炎弾が放たれ、ナツノメリュウは吹っ飛ばされる。そして、そのまま動かなくなった。

 

「あの声、まさか!いや、嘘だろ、、、」

 

突然焦りだすアリスさん。

 

『どうしたんですか?』

「ヤバイ奴が来た。撤収するぞ!」

『えっ、ちょ、ちょっと!ヤバイやつって一体』

《ちょっと待って下さい》

『あ!フィニス!いたんだ」

「何言ってんの!ゼットンが来たのよ!?」

《分かってますよ。でも、倒さないと被害が広がるだけです》

「今の戦力で勝てるとでも?」

《十中八九無理でしょうね。でも、やるしかありません。それが、私の仕事なので》

「相変わらず、分からず屋ね」

《そうですね》

「じゃ、主導権を戻すわね」

《ええ、お願いします》

「よっと、それじゃ行くぞ!フィニス!」

《ええ》

 

「示せ!絆の力!『Nexus Max Mobius』一蓮托生!力を我に!フィニーーース!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

地球怪獣災害防衛軍日本本部

 

「そちらの状況はどうだ」

『こちら、A1572匹の怪獣のうち1匹は新たに現れた怪獣により死亡。もう1匹は未だに湖から浮上しておりません。新たに現れた怪獣は体色は黒、頭部には角、胸に黄色の発光器官のようなものがあります。また、部隊による攻撃が効いている様子はありません』

「そうか、、、周辺住民の避難は完了しているな?」

『はい、、、まさか!』

「荷電粒子砲を使うしか無い」

『しかし、アレはまだ実証実験が不完全です!使うとどれだけの被害をもたらすか分かりません』

「そうだろうな。でも、やるしか無いんだ。そうしなければ我々の力だけで怪獣が倒せない」

『くっ。しか、、アレは!巨人です。例の巨人が現れました!』

「何!迎撃体制を取っておけ、出来そうなら両方とも、、、、、訂正だ、少し様子を見る。奴が敵か味方を判断して来いと言う指示があった。」

『了解です』

 

通信が一度切れる。

 

「巨人、ウルトラマンか」

 

手元の資料に目を落とす。そこには、あの巨人について書かれている。事が動いたのは昨日、自身をかウルトラマンと名乗る存在からの手紙だった。上層部では、これを信じるか信じないかの論争が起こっている。

 

「正義の味方、ねぇ」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ゼットンに向かってファイティングポーズを取る。

その瞬間ゼットンは突進を仕掛けてくる。

 

ブモーッ!

 

直線に突っ込んでくるだけなので躱す事は出来る。

 

《「ライトボーゲンショット」》

 

隙も大きいのでそのタイミングで攻撃を仕掛ける。が、

 

ゼットーン

 

カキンッ

 

ゼットンの貼ってくる謎のバリアに阻まれる。

 

「どうする。あのバリアを貫くか、防ぐかしないと勝てないぞ」

《仕方ないですね。消費は大きいですが、使うしかありません》

「何する気?」

《まあ、任せてください》

 

そう言うとフィニスは突然その場で回り始める。

 

《バインドリング》

 

フィニスの身体から、光の輪が出現し、ゼットンを拘束した。

 

ゼットーン!ピロピロピロ

 

力尽くでリングを壊そうとするがそれも出来ないようだ。

「どうなってんのこれ?!」

《話は後です!》

その隙にフィニスは腕のブレスに手をかざしてエネルギーをチャージする。光の剣が出現させ、弓を構えるようなポーズを取る。

 

《ギャラクシーソードレイ》

 

その声と共に矢を放つようなポーズになるとゼットン目掛けて光の剣が飛んで行く。それを防ごうとしたバリアを砕きゼットンに直撃させ、爆発四散させた。飛んできたメダルを回収し、一旦落ち着いて深呼吸をした途端タイマーが凄い速度で鳴り出した。

 

「何か、凄い、疲れる、ね」

《やはり、両方に変身した負荷とギャラクシーソードレイの負荷は大きそうですね。戦い方を考えないと身体がもたなさそうです》

「今は冷静な分析、やめて、もらっ、て、」

 

やめてもらっていいですかと言い切る前にエネルギー切れで倒れた。

 

《やば、自分の世界に入りすぎてましたね。どうしよう、、》

《私に任せなさい。取り敢えず、此処から帰らないとうたがわれるわ》

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

芙羅洲 冥

「そうか、彼がなのか。なるほどね。上手く投げ切れるか、それとも味方に着くか、今は警戒だけに留めておこう。後、これもどう渡そうかな」

 

彼らと別れ、自宅に戻った彼女がベッドの端に座り空を見つめながら呟く。

そして、彼女の手にはウルトラメダルが3枚握られている。

 

「悪魔に狙われる星、か。私が言える事じゃないよね」

 

彼女が目を向けた先、机の上の写真立て。その中には、黒い体に青い瞳、尖った耳の宇宙人が2人写っている。

 

「今ばかりは来ないでくれよ、兄様。私はまだ、帰りたくない」

 

悲しそうにそう呟くとそのまま、ベットに倒れる。

そのまま目を閉じて眠るのだった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「本当に大丈夫?」

「うん、平気だから。じゃあね」

「うん、また」

 

銀宙荘の前で結と別れて部屋に戻る。

 

「はぁー。疲れた〜」

《お疲れ様でした。ところで、今回の事件から我々の戦力不足、体力不足が判明しました》

「まあ、そうだね」

《また、あのゼットンは相当弱体化していました。それも考慮すると目先一番の問題は、火力不足です》

「そっか、それはまずいね。でもこれ以上はどうしようもなくない?」

《そこで提案よ。この地球の現状については話したでしょう》

「うん」

《この地球にはウルトラメダルが沢山眠っているの。維持のために地球が散りばめたメダル。それは様々な形で現れているの》

「待って、つまり他のウルトラメダルが手に入るって事?」

《はい。しかし、見つけるのが大変です》

《さっき言ったようにこの世界でウルトラメダルは様々な形で現れているわ。例えば人に力を与えたり、何かを封印していたり、ね》

「それを見つけようってことか」

《そう言う事よ。ついでに怪獣メダルも手に入るかも知れないし》

「で、目星はついてるの?」

《ええ、一番近場いえ、すぐ近くに簡単に手に入るメダルがあるわ》

「どこ?!」

《アンタが今日あった教授の鞄の中》

「へ?え〜〜!」




アリス・ラグナの語った衝撃の事実。
新暗黒皇帝とは何者なのか。
芙羅洲冥彼女の部屋の写真は何なのか。
そして、擬似ウルトラマンとは何なのか。
これから先をお楽しみに!


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