Fate/Roaring Knight (アマノジャック)
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ルート1 Beast Knight
1章 2月5日(木) 前


FGOの5周年記念。小説は読むだけでしたが5周年の感動を何かの形にしたくなり書きました。設定は考えるのは好きですが文章にして書くのは初めてなのでできる範囲で頑張ります。

stay night ベースで作者の自己満足な作品となってますが楽しんで貰えると幸いです。


どうしてこうなった

 

私は現在ある存在から逃げていた。少し時間を遡ってみよう。

 

私は普通の女子高生、衛宮結(えみやゆい)。養父がいるもののほとんど海外でいるため実質1人暮らしをしている。友達はいるけど休日は1人でお菓子の城を作るが日課でこの前は姫路城を作って食べたりしたな。次は何を作ろうか、そんなことを考えながら学校へと行く。

 

授業が終わればクラスメイトの友達と楽しくおしゃべりをしている。内容は昨日のバラエティの話だ。私は芸能人は興味はないがモノマネしてるクラスメイトをみてクスクスと笑った。

 

放課後

友達は部活やバイト、補習などがあるため、また明日ねとだけいい図書室へと向かう。おや、あの後ろ姿は…

 

「マミちゃん!」

「わわわ、センパイ?」

 

後輩の間桐真実(まとうまみ)に抱きついた。抱きつくの理由は必要かい?ナッシングだよ!だってマミちゃんは可愛いからね。

 

「これから部活?」

「はい、今日はなぎなた部の方です」

「そう、もう大会も近いからね!頑張ってね!」

「はい、ありがとうございます」

「それじゃ、またお城できたら持ってくるよ」

「ふふ、楽しみしてますね」

「それじゃ、また…」

「センパイ」

 

去ろうとするとマミが急に真剣な口調になる。

 

「センパイ、今日の放課後はできるだけ早く帰った方がいいですよ」

「それはどうしてなの?」

「占いの結果です。センパイはいつも下校時間ギリギリまで建築物の本を読んでるのですよね?信じる信じないはセンパイ次第ですが、今回ばかりは信じて欲しいです」

「………ありがとう、今日は軽く読むだけにするよ」

「それではまた」

 

私に忠告してマミは去っていく。彼女はもう1つ占い研究会という同好会も1人でやっていてその占いの結果らしい。占いなんて信じていないがマミの真剣さに少し考えさせられる。私も図書室に向かうとしよう。

 

順調に城のデータを集めれたものの下校時間の30分前となったためマミの占いも気になったのもあり帰ることとする。帰ろうとすると課題のノートを忘れてたことに気づき教室まで取りにいった。ここまでが回想だ。

 

私は忘れ物を取りに教室へと行くと何故かそこにはドラマやマンガでしかみたことのない格好をした男と女が戦っていた。夢かと現実逃避をしつつその場から離れたがさっきの男の方が私を殺さんとばかりに追いかけてくる。そうしている内に私はついに空き教室へと追い込まれてしまった。

 

「悪く思うよなよ、お嬢ちゃん。恨むならこちら領域に足を入れた自分を恨みな」

「うっ…っ」

 

刃物のついた寝台に拘束され何も抵抗できなくなってしまった。このまま切られて死ぬのか…嫌だ。短剣を握り男は近づいたくる。そんな中一本の矢が飛んでくる。

 

「ー!チッ!」

「!!」

 

男は矢を避ける。その矢は寝台へと当たり後ろへとずらした。その瞬間、私の右手が熱くなる。

 

「おい、まさか新たなサーヴァントが来るのか!?」

「サー…ヴァント?」

 

それが何なのかはわからない。しかし、命が助かるなら…

 

「来て、私のサーヴァント!」

 

寝台でよく見えなかったが真下が光ったと思うと周りに黒い風ができ、寝台を破壊しながら1人の男が現れる。

 

「サーヴァント、ランサー召還に応じ参上した。ーーー問おう、お前が俺のマスターか?」




簡単なキャラ紹介

衛宮結:高校2年生。記憶力が良いが勉強の方に活かせず成績は中の上ほど。手先が器用で削る、磨く、組み立てるなども得意。運動神経はそこそこ高い。

間桐真実:高校1年生。なぎなた部と占い同好会を掛け持ちしているユイの後輩。成績も良く、容姿も可愛いため男女問わず人気はあるもののかなりのおじいちゃん子。話す内容のほとんどがおじいちゃんのため友達は少ない。

謎の男:サーヴァント。金髪で右肩をむき出しに布を巻いたような服装の筋肉質な青年。短剣を持っており、刃物付きの寝台を出すという謎が多い。ユイの命を狙う。

謎の女:サーヴァント。着物に黒髪ロングとThe和な美少女。大きな弓を持っており矢を放つ。

ランサー:サーヴァント。褐色肌で黒髪の黒い鎧で覆われた騎士。馬上槍で使用される巨大なランスを片手で振り回す。


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1章 2月5日(木) 中

中編です。後編で終わるかなと思ったけどキリがよかったからここまでで。


「ーーー問おう。お前が俺のマスターか?」

 

巨大な槍を片手で扱う褐色の騎士はそう言った。そうだと言うとそこからは早かった。男はランサーの姿をみるとあっさりと去っていった。色々ありすぎたため頭を整理しようとすると誰かが教室へと入ってきた。

 

「ちょっとライダーさっきの女、殺してないわよね?一般人は巻き込むなとマスターに言われて…」

「新手か、ちょうど良い。暴れて足りなかったところだ」

「なっ、サーヴァント。もう一体どうなってるの!」

 

さっき男と戦っていた女だ。黒髪に着物の美少女だが不思議な力を感じる。さっきの矢はこの人が…しかしどうみてもランサーと一触即発な状態だ。

 

「ランサーさん待って、この人たぶん私を助けてくれて…」

「あら?あなた魔術師だったの?じゃあ遠慮なく殺せるわね」

「射てるものなら射ってみな。そこは俺の攻撃範囲内だ、首が跳ぶぜ」

「アーチャーやめろ」

「遠坂くん?」

 

また誰か来たかと思うとクラスメイトだった。普段はドケチで明るい彼だが今は冷たい目をしている。

 

「衛宮、お前は魔術師だったのか?」

「魔術師?私は魔法なんて使えないけど…」

「じゃあ何故お前の右手に令呪がある」

「れい…じゅ?」

 

右手をみるとそこには確かに何かの印みたいなものがついていた。ますます頭が混乱する。

 

「お前は聖杯戦争に参加しているんだ」

「聖杯戦争?何を言ってるの?もう訳がわからないよ」

「…マスター、まさか聖杯戦争も知らずに俺を呼んだのか?」

「マスター、話にならないわ。殺しましょ?」

「待て、アーチャー。衛宮、今ならまだ間に合う。聖杯戦争から辞退しないか?」

 

遠坂くんから説明を聞く。専門的過ぎてよくわからないがまとめると

 

・聖杯戦争とは令呪が宿った魔術師がサーヴァントと呼ばれる英霊を召還し戦うこと

・令呪はサーヴァントに対して3回までどんな命令もできる

・サーヴァントは7騎いる

・優勝者は聖杯を手に入れてどんな願いも叶えれる

 

といったところかな。そして命をかけた殺しあいであるため脱落者は命を狙われる。しかも魔術師ではない私が魔術回路を持たず召還しているため今もなお命が蝕まれらる状態らしい。参加するにしても辞退するにしても教会に行かなくてはいけないため遠坂くんに付いていった。ランサーには霊体化をしてもらった。

 

 

「綺礼いるか?」

「蓮、何の用だ。辞退でもしに来たか」

「そんな訳あるか。保護だ、一般人のな」

「やれやれこの戦争に巻き込まれるとは不幸なことだ」

「せめて口元は隠せ、にやけてるぞ」

 

私が綺礼と呼ばれた神父を見た第一印象はというと

 

「目が死んでる?」

「ぷぷっ!」

「初対面の人間に対したそういうことを言えるとは大した少女じゃないか」

「あ、いえ、すみません。つい口がスベってしまいました。初めてまして、衛宮結と言います」

「衛宮?まぁいい。初めてまして、言峰綺礼だ。今回の聖杯戦争の監督者をしている」

「監督?」

 

そこからは監督の役割を聞く。あくまでサーヴァントを失ったマスターの保護も役割のため私はその対象にならないらしい。何か方法は無いかと考える。

 

「もういい、俺がどうにかする方法を考える。それまででいいからここにいろ。あとこれを飲んどけ」

 

遠坂くんは石をすりつぶし水の中に入れたものを渡して去っていった。




衛宮結:聖杯戦争参加者。辞退できないらしくどうすればいいか考えてる。今のところ命の危機という自覚が持ててていない。

遠坂蓮:ユイのクラスメイトで聖杯戦争の参加者。成績優秀、弓道部のエースだがドケチで有名。非情になれない性格。何が願いか不明。

ランサー:サーヴァント。召還に応じたもののマスターをみて殺そうかどうか悩んでいる。

アーチャー:サーヴァント。マスターであるレンの言うことは聞くものの何故ユイかランサーを殺さないか疑問に持っている。

言峰綺礼:監督者。レンの師匠らしい。zeroとは平行世界だが第四次聖杯戦争で何かをつかんだらしく人の不幸が大好きらしい。なお令呪で自害させれば解決できることをあえて黙っている。


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1章 2月5日(木) 後

後半です。


「ところで君は衛宮と言ったな」

「はい、そうですが」

「衛宮切嗣という男を知っているか?」

「養父を知っているのですか!」

「やはり、そうであったか。彼も私も前回の聖杯戦争の参加者でな、私は彼に興味を持ったのだ」

「え?それって…」

「おっと話せるのはここまでだ、ここからは辞退した後に話そう」

 

遠坂くんに渡された液体を口へと流し込み、待っていると言峰さんが養父(切嗣)の話をした。興味を持った、と聞いた私はドン引きしたが…そうか、この手があった。

 

「言峰さん、電話をお借りしていいですか?」

「蓮に掛けるのか?好きに使いたまえ」

 

言峰さんに席を外してもらい養父へと電話を掛ける。海外だから普段は掛けるなと言われているが緊急事態だから仕方がない。

 

『はい、こちら衛宮切嗣ですが』

「切嗣、私よ、ユイよ。緊急事態だから用件をまず言うね。私、聖杯戦争に参加することになったの」

『なっ、何だと。何故ユイがそんなことを知ってる?』

「ライダーとアーチャーの戦いをみて巻き込まれたの。そしたら偶然ランサーを召還して今教会ってところにいるの。私が聞きたいことは1つ。魔術回路の開き方を教えて欲しいの」

『…教会、言峰綺礼か。わかった、僕は辞退を進めない。無理やり電話越しでやってもらうよ、まずはイメージだ魔術回路とは言わば神経だ。令呪を意識するとやり易いかもしれない』

「イメージ」

 

令呪は右手の甲、なら右肩からここまで点と点を繋げる用に…ッッ!

 

『大丈夫か?』

「ははっ、力が抜けてる感じはするけど楽にはなったよ」

 

どうやらこれで魔術回路は開いたらしい。じわじわときていた苦しさが無くなった。

 

『僕は今から何としてでもそっちに帰る、それまで生きていてくれ』

「わかった、頼りにしてるよ」

 

電話は切れる。と同時に言峰さんが入ってくる。

 

「終わったか」

「はい、ありがとうございました。それでなのですが私は聖杯戦争に参加することにします」

「…そうか、脱落したらまたここに来るといい」

「はい、そうしますね。ランサーさん、出てきて」

 

鎧を付けた黒い騎士が出てくる。

 

「私に願いはありませんが、私よりも優秀なマスターがここに来ます。それまでは私を守ってください」

「承知した。それまではお前の剣となり盾となろう」

 

私の聖杯戦争がこれから始まります!

 

 

「言い忘れたが残り一騎召還されないと聖杯戦争は始まらない」

「あれ?ランサーさんで最後じゃないの?」

「今確認できるのは、ライダー、 バーサーカー、アーチャー、セイバー、アサシン、ランサーだ」

「………」

 

遠坂くんが戻るまで眠って待ってよう。




衛宮結:切嗣から辞退を止められたので切嗣が帰ってくるまでは生き残るという目標が出来た。

衛宮切嗣:第四次の参加者で生存者。召還サーヴァントは不明なものの今でも魔術師らしい。戻り次第ユイの代わりにマスターになるつもり。綺礼との関係は不明だがユイをそばに置かせたくないくらい警戒してる。

言峰綺礼:第四次の参加者で生存者。召還サーヴァントは不明なものの生存しているためそうとうの実力者。切嗣との関係も不明だが…びーえる時空ではないことを祈ろう。

ランサー:サーヴァント。ユイより優秀なマスターに代わるためそれまでは騎士としてユイを守ることとなった。まぁぶっちゃけ戦う意思があるならユイがマスターでもいいと思ってる。


これで1章は終了です。綺礼と切嗣の口調これでいいのかわかりませんが…小山ボイスとジョージボイスを脳内で再生できたから許してください。…一応stay nightみたいにルートは3つ考えてあります。楽しんでいただけたなら幸いです。これからもよろしくお願いします。


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2章 2月6日(金)

続きです。実は私の中の構想では分岐点の1つ。

FGOにてうちのカルデアにキャスターアルトリアが来ました!ヤッフー!しかしの運営からのプレゼントされた石がもう10連も回せなくなるくらいに…まぁ是非も無いヨネ


ーーーこれは夢かな。気づけば観客席みたいなところにいて、広場の方ではたくさんの騎士が馬に乗り槍を構えぶつかりあっている。ランサーがいるかもと思い目を凝らしてみる。兜で顔の見えない騎士もいれば顔の見える騎士もいて、さらには派手なメイクをしている騎士もいたがランサーがどれかはわからない。少し時間が経つと騎士の数も減ってきて残りは2人、そして勝利した騎士がランサーなのだろう。まだ会って数時間しか経ってないのに関わらずそんな確信が持てる。脱落したであろう騎士たちが叫ぶ。

 

『おい、****までやられちまったぞ』

『アイツが優勝だなんて俺は認めねぇ』

『他に騎士はいないのか』

 

『これで****は俺の女だ』

 

…どうやらランサーは他の騎士からは嫌われてるようだ。不正もなく勝ったのだから騎士らしく認めなさいよと思っていると…

 

『おい、謎の騎士が乱入してきたぞ』

『誰でもいい、アイツをブッ殺せ』

 

再び戦いが始まる。結果だけいうとランサーは乱入してきた騎士に敗北した。

 

『****は渡さない』

 

謎の騎士はそれだけ言うと去っていく。その時のランサーの顔を私はみることが出来なかった。

 

 

「起きろ衛宮」

「!」

 

遠坂くんに起こされ目が覚める。時間は6時過ぎ…どれくらい眠っていたのだろうか?

 

「どういうことだ、辞退するのじゃなかったのか?」

「……辞退はしない。代わりのマスターが来るまでは生き残るつもりよ」

「代わりのマスター?魔術師の魔の字も知らなかったお前に代われるマスターなんt「前回の聖杯戦争の参加者」何だと!」

「私も昨日までは知らなかったわ。それにほら、その人の指示で魔術回路が開いてるし」

「だぁ、開くなら宝石使うんじゃなかったわ、もったいねぇ」

 

…生き残って返そう、絶対。ドケチに作った借りは絶対恐ろしいものになるだろし。

 

「だが、もうこれで俺とお前は敵同士だ。アーチャー、次から殺せ」

「あら?今じゃなくていいのかしら?」

「一応、戦争はまだ始まっていないんだ。だが今日の夜には始まるに違いない。じゃあな衛宮…魔術回路を数秒で開くなんて」

 

遠坂くんは去っていった…あっ学校に行かなくちゃ。ランサーには霊体化してもらって…その前に

 

「ランサーさん、あなたの真名教えていただいてもよろしいですか?」

「今のお前に教えるサーヴァントは誰もいない、自分で調べろ。見たのだろ、俺の夢」

 

「………」

「………」

「どうしたのユイ?遠坂君と何かあった?」

「ごめん、話せない」

「なんか今日の遠坂君怖いね?」

 

「ユイセンパイ」

「あれ、マミちゃん?どうしたの?」

「昨日はちゃんと早く帰りましたか?何もありませんでした?私は心配でおじいちゃんと5時間しか一緒にいられませんでしたよ」

「5時間しかって…うん、いつもより30分早めに帰ったよ。…何もなかったよ。」

「そうですか、ならよかったです。ところでセンパイ」

 

マミの口調が変わる、昨日の真剣な感じではないもの何かの危険を感じる…が普段通りに接しよう。

 

「どうしたの?」

「占い研究会の部室が何者かに荒らされてしたのですが何か知りませんか?」

「いや、知らないけど。それどころか部室の場所すr「センパイの教室と同じ階の空き教室」ッ!!」

「センパイ…その右手どうしたのですか?」

 

ランサーを召還したの占い研究会の部室だったのか。何か言い訳を…

 

「ッ!!!いや、刺青とかかっこいいかなーって」

「奇遇ですね、私もほら」

 

マミの左手には令呪があった。まさか昨日のライダーって…

 

「センパイ、私と手を組みませんか?」

 

これは何かの間違いだ。何かを言わなければいけない。考えろ、ここで何を言うべきか。

 

「ごめんね、いきなり拘束して切り殺そうとするサーヴァントと手を組みたくはないかな…」

「はい?私のサーヴァントはまだ1回も戦っていませんよ?」

「え?」

 

夕方

早退しますと言って午後の授業をサボり、図書室へと篭る。騎士の本を集める…ケルト神話、シャルルマーニュ伝説、アーサー王物語をひたすらと読んでいくが内容が多すぎる。武器で見てみよう、ランサーというくらいだから有名な槍使いに違いない。アラドヴァル、キニェル、ゲイ・ボルグ、ロンゴミニアド、黒檀の槍…色んな槍がでてくるが特徴からして違うだろう。毒の槍ももしかしたらあるかもしれない。だがランサーの持ってた槍は太い槍だ、必死に探すとある槍が目に入る。

 

マルテ

 

バビロニアの王バリガンの使う槍。重くロバ無しでは運ぶことも出来なかった大槍。異教徒の王としてシャルルマーニュを討つため進軍し、そして追い詰めた。ランサーに言ってみよう。魔術回路を開いて…霊体化を解かせる。

 

「ランサーさん、あなたはキリスト教ではありませんよね」

「ッ!…あぁそうだ」

「あなたの真名はバリガンですか?」

「違う」

「………槍に毒とかは」

「塗ってない」

「………」

 

そう簡単には当てれないか。夜に備えるためにもう帰ろう。読んでいた本を全て借りて帰宅する。キリスト教ではないというヒントが得られた。

 

 

夕食を済ませ、本とにらめっこしていると電話が鳴る。

 

「はい、衛宮です」

「言峰だ、キャスターの召還が確認された。これより聖杯戦争が始まりを宣言する」

「…わかりました、ちなみに他のマスターにも電話で連絡するのですか?」

「いや、教会に使い魔を送り聞くのが普通だ。君だけだ少女」

「そうですか」

「あくまで形式上だがな、せいぜい生き残るといい」

「ありがとうございます、頑張ります」

 

電話を切るともう一度電話が鳴る。

「はい、衛宮です」

「ユイか?」

「切嗣!どうしたの!?もう着くの?」

「それはまだ何も言えない、だが魔術回路をあの短時間で開けたんだ。他の魔術も使えるかもしれないと思ってね」

「魔術?そういえば実際にはみてないな」

「僕が今から教えるのは基本中の基本、強化だ」

「強化?」

「例えばナイフに使えば切れ味がよくなり、防弾チョッキに使えば更に堅くなる。そんな感じで器物に魔力を流し込むんだ」

「わかった、やってみる」

 

鉛筆に魔力を流し込む、そしてダンボールを貫くが確かめるため投げるが貫かない。

 

「上手くいかない」

「大事なのはイメージだ、悪いけど話せるのここまでのようだ。生きていてくれよユイ」

 

電話を切られてしまった。イメージ…

 

 

家の中で戦闘になっては困るので防寒着を着て広場へと歩く。朝まで何とか生き残れば切嗣が戻ってきてくれるかもしれない。そんな希望を持ちながら、寒いベンチへと座る。誰も来ないことを祈りながら強化魔術()を使い防御を固める。ランサーに守ってもらうとはいえ自分で出来るだけのことをしておきたかったのもある。

 

「マスター危ない」

「!」

 

気づかなかった。どこからかナイフが来ておりそれをランサーが弾く。警戒していると再びナイフが来る。ランサーが弾いて守ってくれているものの次々とナイフがとんでくる。しばらくその攻防を続けていたがシビレを切らしたランサーが槍を地面を叩きつける。地響きがするだけだが何かの意味が…

 

「そこだ!」

「ゴフッ」

 

ナイフを投げたであろうサーヴァントに攻撃を当てる。黒いローブに覆われたサーヴァントだったが追撃を回避するがランサーは追撃を続ける。私は私で強化魔術を試す準備をする。

 

 

「なぜ私の居場所がわかる」

「あん?教えるわけないだろ。てかお前アサシンだろ?」

「なら貴方はみての通りランサーか?」

「いや、ライダーかもしれんしバーサーカーかもしれないぞ。お前、近接は苦手か。なら相性が悪かったな」

「これも主の命令でな。私は貴方のマスターを連れて帰らねばいけないのだ」

「おいおい、目的を言ってしまっていいのか?お前の負けは確定だぞ」

「ならば宝具で悪あがきをするまでよ。マスター、宝具の許可を」

「その必要はないわ」

「ランサーさん、ごめんね」

「マスター」

「マスター!」

 

 

時間は少し前に戻る。ランサーが追撃に行った後、私は援護するため野球ボールに強化魔術をかけていると…

 

「ユイセンパイ」

「ッ!マミ!」

「どうですか?私のサーヴァント強いでしょ?あの時の返事の続き聞かせてもらえませんか?」

「私は他の人にマスター権を譲ることが決まっている。私と組んだところでメリットなんてないでしょ」

「メリットならありますよ、センパイはともかくあのランサーは間違いなく近接戦闘に強い。私のアサシンだといかに近距離に持ち込まないかになってしまいますからね…そ・れ・に」

 

「私、センパイのことが好きですから…ライクではなくラブの方で。センパイをものにできるなら兄さんだろうが誰だろうが倒しますよ」

「………え?」

 

目が点になる。好き?私を?マミが?

 

「だから、とりあえず捕まえますね」

「えっ!きゃー!」

 

マミの影から触手のようなものが…まさかエロ同人のようにされるのか…と思えば腰と手に巻きつかれ宙へと上げられた。そしてそのままマミに連れられランサーの元へと向かうこととなった、

 

時は戻り、ランサーは顔を覆う。マスターを守るつもりが、マスターから離れた結果、危険な目に会わせてしまったからである。

 

「アサシンありがとうございます、下がっていいですよ」

「承知しました」

「おい、マスターをどうするつもりだ」

「どうもするつもりはありませんわ、貴方次第ですが」

「目的はなんだ?俺の脱落か」

「んー、そうですね。とりあえずセンパイに話を聞きましょうか。どうします、センパイ?手を組みますか?組みませんか?」

 

どうするべきか?私を好きというなら断っても私の命をとることはないだろう。しかしランサーはどうだ?どうなるかわからないが戦力として欲しいと聞いているため組んでいる間は大丈夫だろう。

 

「ランサーさん、アサシン陣営と手を組みます。よろしいですね?」

「…マスターがそう決めたなら」

「はい、ではよろしくお願いしますね」

 

マミと手を組むことなり触手から解放される…ちょっと今お尻に触ったでしょ。でもまぁこれだけは言っておこう。

 

「マミ、ラブに関してのことなんだけど…」

「はい、あれはウソです。動揺しているセンパイをみてアリかなと思いかけましたが。でもおじいちゃんの次くらいには好きですよ」

「このおじいちゃん子後輩め」

 

こうして初日は何とか生き残ったのでした。

 

ーーー

 

「マスター、宝具を解放する」

「頼んだぞセイバー、令呪を持って命ずる"宝具を持ってライダーを仕留めろ"」

「ーーー****」

 

セイバーから電撃が走り馬に乗るライダーへと向かう

 

「それじゃあこっちも宝具開放しますか…****」

 

ライダーは電撃中に馬ごと突っ込みセイバーへと向かう…残ったのは

 

「無念…」

「んじゃお前も死ね」

「セ…イバ…」

 

ライダーの勝利で戦いが終わった。

 

ーーー

 

1日目

セイバー陣営脱落




衛宮結:ランサーのマスター。ランサーの真名をあてようと調べている。ついでに強化魔術を少し使えるようになった。天才じゃん!マミと手を組むことに…(マミルート)

遠坂蓮:アーチャーのマスター。ユイの魔術回路の開きの早さに疑問を持っている。この日は自宅にて構えていたが誰も来なかった。

間桐真実:アサシンのマスター。虚数魔術という珍しい魔術を使う…使い方が影から触手でいいのかわからんが。おじいちゃんとよく話してるためアサシンをあまりよく思っていない。ハニートラップ?でユイと同盟を組む。

言峰綺礼:監督。今回は電話のみ。

衛宮切嗣:養父。電話越しで強化魔術を教える。帰国しようと必死。

???:セイバーのマスター。脱落したため詳細不明。

ランサー:サーヴァント。夢の中みただけだが試合だ優勝するなどそうとうの実力者。試合をしてる騎士の話って…。気配遮断持ちのアサシンを追いかけれたのはとあるスキルが発動してる。

アーチャー:サーヴァント。お蕎麦が嫌い。家ではゴロゴロするタイプ。

アサシン:サーヴァント。黒いローブで覆われているため詳細不明。投げているのは正確にはナイフではない。ナイフは作業用のものをいうらしい。

ライダー:サーヴァント。馬にのるライダー。セイバーを倒す。

セイバー:サーヴァント。ライダーに敗れたため詳細不明。電撃を使うらしい。


ユイちゃん魔術もう使えるとか天才過ぎない?周りにこういう子いませんでした?覚えるがめっちゃ早いけど、最終的にはみんなと一緒くらいで終わる子。

まさかの聖杯戦争の初日からセイバーが脱落。まぁ書いたら別ルートでセイバーの詳細を書こうかな。楽しんでいただけたら幸いです。いい忘れてましたが2004年くらいをイメージしたるので電話は固定電話です。


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3章 2月7日(土) 前

2日目です。ある人物が出てきますがキャラ崩壊かも…


目が覚めて知らない天井が目に映る。私は昨日のことを思い出しながら立ち上がり時計をみると11時半であった。今日が土曜日で良かった。自分の命が危ない中、まだ学校のことを気にする余裕があるようだ。そうしていると部屋の扉が開きマミが入ってきた。

 

「ユイセンパイ、おはようございます」

「おはよう、と言ってももう昼だけどね」

「そうですね、でも起きたらおはようございますと言いたくなりますのでそこは気にしないでください」

「同盟を組んだのはいいけど今は何をすればいいの?」

「とりあえずご飯を食べましょう。話はそこからです」

 

居間へと案内されると私の分のご飯が用意されておりマミちゃんとマミちゃんのおじいちゃんと一緒に食べる。そして今さらながらもマミちゃんのおじいちゃんへと挨拶をする。

 

「初めまして、マミちゃんの先輩で衛宮結といいます」

「間桐臓硯(まどうぞうけん)じゃ。マミから大体聞いておる。聖杯さえ手に入れれるなら儂から言うことは何もない」

「もーおじいちゃん?センパイは一般人だよ、魔術を知ってる訳ないじゃん。色々教えてあげてよ~」

「マミ、この小娘は魔術回路のオンオフが出来、さらには基本の強化魔術を少し使えとる。他に儂ができるのはこの小娘を食らい尽くし、蟲のエサにすることしかない」

「えー、でも魔力がほぼないセンパイなんて食べたら胃もたれするだけだから絶対ダメだよ。おじいちゃんが食べていいのは私だけなんだから」

 

え、何このサイコパスな会話。魔術師はこういうことが当たり前なの?てか私を食べるって昼間なのに結局命の危機?

 

「しかし、衛宮とはの…」

「養父を知っているのですか?」

「直接の面識はないが…みてて面白いやつだったわい」

「臓硯さんも前回の参加者なのですか?」

「儂がか?カッカッカッ!面白いこと言うの」

「センパイ、おじいちゃんはね、この聖杯戦争の考案者なのよ」

「えっ?でも聖杯戦争って200年前に出来たって聞いたのだけど…」

「おじいちゃんは500年前からずっと延命の魔術でここまで生きているのよ」

「500歳…妖怪じゃん!」

「カッカッカッ、よく言われるわ。こんなことも出来る」

「うわっ、体から虫が…油◯一族?って体が虫で構成されてるのね…妖怪じゃん!」

「こうすれば夏海市中のどこでも監視ができるからのお」

「まさか私が教会へ行ってたことも?」

「みておったぞ。それどころかマミが召還した魔方陣から詠唱も無しにサーヴァントを召還するもみておる」

「…訴えていいですか?」

「ならば蟲のエサにするだけよ」

 

「で結局臓硯さんは参加者ではないと」

「あぁ、儂の子孫が参加しているわい。とくに前回の聖杯戦争に関しては期待すら出来ん奴だったからのお。しかし、そんな奴でもやることはしっかりやっていたわい」

「やること?聖杯を勝ち取ることですか?」

「カッカッカッ、聖杯が勝ち取られたことなんぞ今まで1度も無いわ。優秀な子を置いて逝った。アイツはそれだけできておるから十分じゃ」

「優秀な子…何となく誰かはわかりますが、マミちゃん他には兄弟はいる?」

「1人おるぞ。小娘、お前も知ってる人物じゃ」

「?間桐が性なのはマミしか知らないけd「遠坂蓮」」

「ふふ、父親は違いますけどね」

「…いやいやいや重いよ。重いし何か知ってはいけない話じゃないのコレ?」

「まぁ私の父も兄さんの父も生んでいただ母も前回の戦争で亡くなりましたけどね」

「重いよ、何これ聞いた私が悪いの?しかし、間桐、遠坂、みたいに魔術師の家系ってどれくらいあるのやら」

「とりあえず夏海だと後2つじゃ。アインツベルン、そして2年前に来た一宇(いちう)かの」

「もちろん、どっちも聖杯戦争に参加してますよ…あっそうでした」

 

マミが急に真剣な顔になり言う。

 

「昨日ライダーによりセイバーが脱落したらしいです」

「!最優のクラスじゃなかったの!」

「最優といえど相性がある。いや、運が悪かったの。ライダー以外なら間違いなく勝っていたからの」

「相性?」

「センパイ、先週出たゲームでゲットすると全モンスターの中でもとびきり強いモンスターがいたでしょ?でも攻撃が無効化できるあるモンスターを連れていき弱らせてボールを投げるだけでゲットできちゃいます。そういうことですよ」

「ごめん、そこまで進んでないけど言いたいことはわかった」

 

あくタイプにエスパー技は無効。そういうことだ。

 

「てか昨日俺がアサシンの旦那を追い詰めたのもそういうことだぞ」

「ランサーさん!」

「みなさん、食後のお茶です」

「ありがとう、アサシン。あっ作戦を考えるから貴方もここにいなさい」

「承知しました」

「………」

 

霊体化と解いてランサーが出てくる。さらにはアサシンも出てくる…お茶を持って。白いドクロの仮面とグルグルに巻かれ右手など気になるところはたくさんあるが…エプロン。細身だが筋肉質な体にエプロン、これがものすごいインパクトである。

それはそれとしてランサーはすっかりアサシンと打ち解けたようだ。とても昨日殺しあってたとは思えないが今は作戦を聞こう。

 

「じゃあ各陣営の状況を確認を。まずセイバーは脱落してマスターも死んだからもう考えてなくていいでしょう。アーチャー陣営は兄さんとわかっています。残るはライダー、キャスター、バーサーカーです。おじいちゃんから聞いたところバーサーカーはアインツベルンが召還しているもののずっと自分の陣地に篭っているようです。キャスターはおじいちゃんでま不明なので今回はライダーについて考えましょう。センパイ、お願いします」

「えーと、アーチャーと戦っていた時は短剣を持っていたよ。後、刃物が着いている変なベッドを出してた…ランサーさんが壊したけど」

「で俺が召還された後は馬で逃げていったな。まぁ俺より強くはなさそうだ」

「ランサー、ライダーは宝具をたくさん持ってるクラスです。油断はいけませんよ。しかし、ベッドですか…私が思いつくのはギリシャ神話のプロクルステスですかね?」

「プロクルステス?誰それ?」

「盗賊ですよ、普段は宿屋の主人と偽ってアテナイへと向かう旅人を泊めて眠ったところを襲ってましたがテセウスという英雄により倒されます」

「テセウス…も知らないけどそれが刃物のベッド?」

「そうです。ベッドからはみ出していればはみ出している分を切って会わせていました。逆に小さいとハンマーで叩いたり重りで引っ張ったりしました」

「じゃあライダーの真名はプロクルステス?」

「いえ、まだそう決めるのは早いかと。それにこれでサーヴァントになるにはいろいろ足りず無理があります」

「それじゃあ質問、ライダーはセイバーをどう倒したの?」

「宝具らしいのですがおじいちゃんの監視していた使い魔はセイバーの魔力にやられてしまっててわからずで…少なくとも電撃には強そうですね」

「まぁ俺なら正面から余裕で勝てるな、アサシンの旦那は怪しいが」

「ハッハッハ、これは手厳しい。しかし正面からいくアサシンなぞそういるまい」

「そういうことだ、考える必要はない」

「そういえばライダーのマスターって誰?」

 

ふと疑問に思ったことを言う。話を聞く限りライダーはずっと単体でいるのだ。マスター無しで動けるはずはない。

 

「おじいちゃん、何か知らない?」

「んー、確かに監視してる時にマスターは映らなかったのお。儂の目を欺けるほどの天才かもしれんし…本当にマスターがいないのかもしれん」

「一宇がマスターなのでは…」

「「それは無い」」

「どうして?」

「だって」

「一宇の坊主が召還したのは」

「「セイバーですよ(じゃぞ)」」

 

 

話は終わり夜までは自由な時間となった。ランサーの真名を調べるため本を読む。一昨日みた夢は槍試合というものらしい、つまりランサーはアーサー王物語に出てくる円卓の騎士に違いない。そして、その中でも指折りの強さで、(特にガウェインに)嫌われていた騎士を考えるとラモラックとなる。しかしそう考えると槍試合での女性がモルガンなのはおかしい。彼女とは既に愛人関係であったため愛を求める必要はないのだ。頭の中を整理しようとアーサー王物語を再び読んでいると昨日のある光景が浮かび上がる。

 

『ランサーさん、あなたはキリスト教ではありませんよね?』

『ッ!…あぁそうだ』

 

おかしい。円卓の騎士は騎士は皆キリスト教のはずだ。そして1人の女性の愛を求め、ずっと機会を狙い付きまとう…つまりランサーの真名は

 

「パロミデス」

 

同盟を組んでるとはいえ敵陣地の中、私の口から自然とその言葉が出てきた。




衛宮結:マスター。同盟を組んだマミの家に泊まる。第四次聖杯戦争での切嗣について聞こうと思っていたがクラスメイトと後輩のドロドロの関係を知り聞き逃す。ランサーの真名にたどり着くが当たっているのか?

間桐真実:マスター。おじいちゃんに食べられたいというヤバイ子。おじいちゃんを頼りながらも今後の作戦を練る。先月発売された◯ケモンFRLGをしてる。

遠坂蓮:マスター。まさかのマミとは異父兄妹。両親が前回の聖杯戦争で亡くなっている。

間桐臓硯:一応マミの祖父。マミのことを可愛がってる。夏海市中を使い魔で監視してるらしい。ユイが巻き込まれることになった聖杯戦争の元凶。マミに聖杯を期待してる。

ランサー:サーヴァント。殺しあったはずのアサシンと普通に打ち解ける。マスターから真名を当ててもらえるのを楽しみにしてる。

アサシン:サーヴァント。仮面を取らずエプロンをつけたどうみても怪しい家政婦。ランサーとは気が合うらしい。

ライダー:サーヴァント。ランサー曰く強くはないらしい。

一宇???:マスター。名字とセイバーを召還していたこと以外不明。坊主と呼ばれるから若いのかもしれない。

???アインツベルン:マスター。バーサーカーを召還してるらしいが詳細不明。

次回は戦闘します。楽しんでいただけると幸いです。


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3章 2月7日(土) 後

続きです。割りと情報量の多い回となってます。


「パロミデス」

「正解だマスター」

 

私が真名を言った瞬間ランサー…いやパロミデスが姿をみせる、その表情はとても嬉しそうであった。しかし、そうなると…

 

「パロミデスさんの宝具は何になるのですか?その槍に何か不思議な力とは思えないのですが…」

「真名の次は宝具かよ、まぁいい。俺が知る限り名のある武器を持ってたのは王とガウェインくらいよ。この槍は普通の馬上槍さ。じゃあ次は宝具でも当ててみるか?」

 

確かにそれもいいかもしれないが時間が無い。生き残るために自分を少しでも鍛えておきたい。

 

「やめておきます」

「はっ、それがいい。使えばマスターはほぼ死ぬだろうからな」

「何ですかそれ、怖いです」

「後、2人で話すときは構わんがそれ以外でランサーと呼びな。真名ってのはそれだけ弱点にもつながる」

「はい、ランサーさん」

「最後に宝具に関してだが…発動することがあれば令呪で俺を殺せ。あの後輩魔術師どころか蟲爺魔術師でも俺は止めれん」

「………」

「おい、黙るなよ。いいな?」

「…わかりました」

 

パロm…ランサーは姿を消した。気持ちを切り替え私はボロボロのナイフを手に持ち強化魔術の練習を行う。マミからもらった金属性の廃材に切り込みを入れるも上手くいかない。ナイフに魔力が回っていないのだ。練習のために切り続けるもついにナイフは折れてしまった。切嗣はイメージと言っていたが全然イメージ通りにいかないじゃないか。ナイフが折れていなければここまであったのにな…と思うとナイフが元に戻っていた。驚いてナイフを離してしまったが床に落ちたナイフは刃先の折れたままであった。どういうことだろうか?

 

「ほほう、投影魔術か」

「!」

 

いつの間にか臓硯さんが後ろにいた。

 

「投影魔術ですか?」

「うん、どんな魔術なの?」

「そうですね…魔術の儀式を行うあたり材料が足りなかったり忘れてきた時に一時的に具現化させる魔術です。しかしハッキリといいますが…需要はありませんよ」

「そうなんだ、どうして?」

「あくまで一時的でしてすぐに消えてしまいます。わざわざ投影するよりも材料から作ったレプリカの方が実用的です。でもメリットなら1つありますよ」

「それは何?」

「消費魔力が少ないことです。センパイにはちょうどいいんじゃないですか」

 

晩御飯を食べながらマミに投影魔術について聞いてみた。え?臓硯さんに聞かないのかって?マミが言うにはもう寝る時間だったらしい。そしていつもはそのそばで宿題をしたりゲームをしたりして自分の部屋で寝るという…そこは自分の部屋なんだ。試しにマミの茶碗のご飯を少し増やし、食べた時に消してみるとあれれ?と困惑していて可愛かった。すぐにバレて怒られてしまったが、お詫びに熊本城のケーキを作ってあげたら機嫌は治った。

 

夜になったので私はマミと一緒にキャスターを探す。情報が少な過ぎるのと臓硯にも発見されていないのあり不安ということで手がかりがないか調べることに。といっても私は何もできないので調査はマミに任せて周りを警戒するが特に何も起きない。町中の人気の無いところを調べていったがその日私たちがキャスターに会うことはなかった。

 

ーーー

 

 

「でていけ、ますたー、ぼく、まもる」

「ちっ、怪物は英雄に倒させる運命だというのに」

「ぼくはにんげん、かいぶつ、ちがう、でていけ」

「流石に1人では分が悪いか」

 

バーサーカー陣営を攻めたライダーであったが勝てないと悟り撤退する。

 

「お疲れさま、****」

「ますたー、ぼくかった、あいつ、もうこない」

「うん、ありがとう****」

「あそぼ、ゆきでかまくら、つくろう」

「じゃあ早速作ろうか、僕と君が入れるくらいとびきり大きいの」

 

夏海市郊外の森に城を構えるバーサーカー陣営。彼らの時間は今日もゆっくりと過ぎてゆく。

 

ーーー

 

 

「おい、アーチャー本当にこっちなのか?」

「えぇ、私の大っ嫌いな太陽の気配がするわ」

「明らかに夏海市から離れてるだろうが」

「いないのだからしょうがないでしょ」

「なぜあのサーヴァントに拘る?まだどんなサーヴァントか姿すらもわかってないのだぞ」

「いいえ、気配でなんとなくわかるわ。あれは私の敵よ、それにキャスターを早く倒さないと被害はさらに広がるわよ。ニュースをみたでしょ?それともまだ一般人を巻き込みたいの?」

「それは違うが…ッ!アーチャー来るぞ!」

「了解」

 

「あら?いい男じゃない?女の方は…まぁサーヴァントだし魔力の足しくらいにはなるか。炎天よ、祓え」

「アーチャー!」

「はいはいっと」

 

アーチャーとキャスターが戦闘が始まった。キャスターは札から火炎放射を出してくる。アーチャーは変化させた毛むくじゃらな腕でガードをしながらキャスターへと突っ込んでいき拳をキャスターへと叩き込む。

 

「ごふっ、何よこれ。全然威力ないじゃない」

「マスター、ここは私に任せてキャスターのマスターを探してきなさい」

「了解した」

「あぁー、折角のハンサムが」

 

レンはその場から離れキャスターのマスターを探す。アーチャーはさらに拳を打ち込むためキャスターへと距離を詰める。キャスターは別の札を取り出す。

 

「気密よ、集え」

「!」

 

キャスターを中心に竜巻が起き、アーチャーを吹き飛ばす。さらに札を出す。

 

「炎天よ、奔れ」

「ぐっ!」

 

アーチャーは火炎玉をまとも食らうが体勢を立て直し弓から矢を放つ。

 

「気密よ、集え。炎天よ、奔れ」

 

が竜巻によって防がれ更に火炎玉を食らう。そしてキャスターはアーチャーに隙を与えず別の札を出す。

 

「氷天よ、捕え」

「!」

 

アーチャーは氷により体を拘束され完全に動けなくなった。キャスターは追撃を続ける。

 

「えーと、『これこそは我が悦であり、其方の罰、熱に溺れ、臓を開き、又焼かん"炮烙剖腹酒池薹盆"』」

 

アーチャーは液体化した地へと沈む。同時にキャスターから炎で出来た蠍や蟷螂などの虫が大量に表れアーチャーへと迫る。

 

「うわ、気色悪っ」

「令呪を持って命ずる"アーチャー、俺を連れて夏海まで戻れ"」

「!マ…ス」

 

拘束からすり抜けるように移動し、アーチャー陣営は夏海へと戻っていった。

 

「あらら、逃げられちゃったか…魔力使い過ぎちゃったし~、また男でも探しにいきますか。男~」

 

キャスターによる被害は拡大していく。

 

ーーー

 

 

2日目

脱落者無し




衛宮結:マスター。ランサーの真名を当て、投影魔術を発動させる。さりげなくだがお米を投影してるよ。毎日食べてるからできたのかもね。そしてなんやかんで2日目も生き残る。

間桐真実:マスター。虚数魔術の触手で魔力の探知をしていたが何の成果もあげられませんでしたー。

遠坂蓮:マスター。アーチャーのピンチに令呪を使い撤退。ハンサムだからキャスターに目をつけられる。イケメンって言葉は2007年くらいにやってた某ドラマのタイトルから流行り始めた気がする。

間桐臓硯:ユイに投影魔術の存在を教える。寝るのは早い。

***アインツベルン:マスター。バーサーカーとお城で楽しく過ごしている。

***:キャスターのマスター。姿もセリフもないため詳細不明。

***:ライダーのマスター。姿もセリフもないため詳細不明。

ランサー:真名パロミデス。円卓の騎士でサセラン人。ランスロット、トリスタンには負けるものガウェインよりは強い。マロニーの作品では主役回まである。てかマロニーさんよ、フランス贔屓し過ぎ。ヤベー宝具を持ってるらしい。

アサシン:出番ないがこっそりと人気の無いところで青◯してたカップルたちをマミが通る前に追い払ってた。

アーチャー:新事実、格闘戦もいけるらしいがキャスターには敵わなかった。変化スキル持ちで太陽が嫌い。キャスターの宝具により酔ってます。余談だが最初の炎は普通にダメージくらってましたが根性により突破しました。

バーサーカー:サーヴァント。力がすごく強くライダーを追い払う。マスターと遊ぶことが大好き。

ライダー:タイマンは得意ではないらしい

キャスター:ハンサムが大好き。男を漁りながら夏海へと向かってる。彼女が歩いた後にはたくさんの男が倒れている。アーチャーを圧倒するなどサーヴァントとしての実力は相当高いようだ。みこーんさんと何か関係があるかもしれない。この作品で初の宝具を披露する。


はい、というわけでついに全陣営の登場です。投影魔術…使い方次第でもっと使えかると思いましたけどいい使い方が出てこないですね。ということでランサーの真名はパロミデスで正解でした。武器は馬上槍ですがアロンダイトといいカーテナといいアーサー王作品内で武器の名前出てきませんからね…。アーサー王が持ち過ぎな気もしますが。

ランサーの真名が判明したのでタイトルを変えます…ごめんね。


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4章 2月8日(日) 前

話は普通に進んでいきます。


ーーーニュースです、昨日より◯◯県◯◯市にて集団で人が倒れるという事件がありました。この事件による死者はいませんが全員衰弱状態とのことです。

 

ーーー◯◯さん、一昨日**県でも同じようなことが確認されていますよね?何か関連があるのでしょうか?

 

ーーー今のところ、わかっていますのは倒れたのは男性の割合が高いということ、事件が深夜に起きているということですね。みなさん、深夜はできるだけ外出を控えるようお願いします。

 

昨日と同じく泥のように眠り11時過ぎに目を覚まし、ご飯を食べ、テレビをつけるとニュースが流れた。同じニュースをみていたマミと顔を合わせる。確信は無いもののキャスター陣営の仕業だろう。**県から◯◯県ということはどんどん夏海に近づいている。

 

「マミちゃん、これって何の魔術?」

「おそらくですが、魂食いでしょう。生物の魂を魔力に変換し吸い上げる魔術です。しかし、キャスターのクラスですと魔力の燃費はいいはずなので基本的に行う必要はありません。なのでキャスターの仕業だと仮定して考えれる可能性は3つ。マスターの指示で行っている、個人の趣味でやっている、マスターを失うなどでやらざるをえない、といったところでしょう。キャスターは倫理観のおかしなサーヴァントが多いらしいですし」

「あ、うん。それはなんとなくわかってたよ。ちなみに男の方が魔力って多いの?」

「どちらでもそこまで大差はありませんよ。ポテチ1袋の中が1枚多いか少ないか位の違いです」

「しかし、こんなに目立った行動していいの?魔術師は神秘ってのを守らないといけないのでしょ?」

「確かにある程度は教会がフォローしてくれますが限度を越えると討伐対象になりますね」

「今から討伐しにいかなくて大丈夫?」

「教会からの指示次第ですね、今のところキャスターも夜しか動いてないようですし」

「まぁなるようになれということか。そういえばマミちゃんは自分のサーヴァントの真名って知ってるの?」

「…センパイ。アサシンの語源って知ってますか?」

「いや知らないって」

「そうですか、ではアサシン出てきてください」

「はっ、何でしょう」

「今からセンパイに説明するためあなたの真名を話すつもりです。よろしいでしょうか?」

「関係者は全員が知っていることでしょうし構いませんよ」

「ありがとう、じゃあアサシンの許可が出たので話しましょう。かつて中東にハサン・サッバーハをリーダーにした暗殺集団、"アサシン教団"がいました。そこから日本では暗殺者=アサシンという定着がつき、聖杯戦争でアサシンは必ずハサン・サッバーハが召喚されます」

「より正確にいいますと19人いるハサンの中から誰かが召喚されますな」

「19人も!」

「ハハッ、あまり詳しくは話しませんがそれぞれ独自の暗殺術を極めておりまして、どのマスターも私らを恐れて大きく動けないのですよ」

「気配遮断ですか?」

「はい、ランサー殿には効かなかったようですが基本的にはマスターを殺す時に使います」

「ちなみに私の時は本気で殺すつもりだったの?」

「いいえ、マスターから生きて連れて帰れのことでしたので…左腕でも切って痛みで倒れたところを運ぼうと思っておりました」

「怖いよ」

「しかし、残念ですな。ランサー殿とは同教のようでしたし本当に聖杯戦争以外で出会いたかったですな」

「はいはい、関係ないこと話さないの。ではセンパイ今日ですが来たサーヴァントをここで迎え撃ちたいと思っています。夜も好きに過ごして構いませんが敵が来たときはいつでも戦闘できるようにしてください」

「明日の学校はどうするの?」

「この状況で行くと思いますか?」

 

作戦会議は終わり、夜までどうするかを考える。切嗣から何か連絡が来ているかもしれないということで一度家に帰ることした。

 

電話を見てみるとメッセージが4つ。2つはクラスメイトからだったが残りの2つは切嗣だ。まずはクラスメイトの2人に連絡し家の都合ということでしばらく学校を休むと伝えた。切嗣のメッセージを聞いてみよう

 

『ユイか?そっち建国記念の日には戻る。それまでは生きていてくれ。しばらく電話には出れない』

 

ありがとう切嗣、私頑張るよ。さて、もう一件の方は…

 

『帰ったらハンバーグが食べたいかな』

「ふふっ」

 

子供みたいなメッセージに和みつつも準備を終えハンバーグのことを考えながらマミの家へと帰る。お城とか面白そうだ。

 

 

夜になり、マミの家で籠城する。といっても私はランサー護衛の元、強化魔術の練習をしていた。やってることは強化した野球ボールをランサーに投げるという方法だ。当たったところでダメージは無いが気をそらせるくらいまでの威力にはなった。…ッ!庭から何か音がする。

 

「おまえ、たおす、ますたー、わたさない」

「間桐を潰す。やれ、バーサーカー」

「うおー!」

「ランサー!」

「任せな」

 

ランサーとバーサーカーの戦いが始まった。バーサーカーと呼ばれたサーヴァントは2つの斧を振り攻めてくる。ランサーも負けじと槍を当て相殺する。だがどうみても力はランサーの方が負けている。ランサーは一度距離をとり背後へと周り、頭に槍を叩きつけた。

 

「へっ、動きは鈍いようだな」

「でも、ぜんぜん、いたくない」

「タフなやつめ」

 

「フリーガ、ビーナ、スピナー」

「もう、虫は間桐家だけで十分だよ」

 

バーサーカーのマスターは鞄から虫を出す。みたところ本物ではないものバッタ、ハチ、クモが私へと迫る。早速野球ボールを投げつけるも少し凹むだけですぐに再生する。効いてないようなのでボールを投げるのをやめ、手にナイフを持ち強化をかけ切りにいく。最初はバッタを狙い切るが…ワイヤーのように固く刃が通らない。…万策が尽きた。今はギリギリ避けてはいるものの虫の攻撃が当たるのも時間の問題だ。

 

「ヒスキーファ」

 

追い討ちをかけるようにバーサーカーのマスターは虫を増やす。今度は鞄から直接出てきた訳はないが、鞄からでた糸状のものが巨大なクワガタを形成し私に迫る。三十六計逃げるに如かず、ここは逃げるしかないと距離をとろうと走ると何かに引っ掛かり転んでしまった。

 

「痛っ!…ってクモの糸。ナイフ…切れない」

「これで間桐は脱落だね。前回はどんなのだったかは知らないけどあんな魔術で来るとは間桐も落ちたもの…む?」

「本当に引きこもり過ぎていて何も知らないのですね、ラティスフィール・フォン・アインツベルンさん?」

「!」

「初めまして、間桐真実です。仮にも御三家である間桐の魔術師が強化魔術だけなんて本気で思っていたのですか?前回参加すらできず落ちたのそちらでしょ?」

「ははっ、なるほどコイツは囮というわけか。僕がちょっと強い魔術を使った瞬間を狙って不意打ちといったところだな」

 

マミ出てきてくれたことで注意があっちに向いた。今の隙に…ダメだ。強化しているのにも関わらず足に巻きついた糸が切れない。ニッパーなら切れたかもしれないのに…そうだ投影!よし、これなら…切れた。今のうちに隠れるぞ。

 

「正解、それでは首が跳びますよ」

「残念だが失敗だよ、ルセルキファー」

「!」

「アサシン対策しない訳ないでしょ?」

「あらら。しかし、あなたが来るとは思いませんでしたよ。今週以内に死ぬことは確定ですのに」

「だからだよ。僕の後任のホムンクルスはもうできているらしいし、最後くらい僕の自由にしたっていいんじゃん。どうせなら戦争に参加しているマスターの顔がみておきたかったのだよ。しかし、いいのかアイツもう限界みたいだぞ」

「ッ!センパイ!」

「マスター!」

「すき、あり」

「ごふっ!くそっ」

「しね、…ッ!」

「同盟者殿」

 

ランサーがバーサーカーの一撃をもらうもすぐに立て直し、倒れた私の側へと来る。そこをさらに追撃しようとバーサーカーが迫るがアサシンにより失敗する。

 

「まぁここまでにしてあげるよ。バーサーカー、帰るよ」

「ますたー、いま、あいつ、かてる。なぜ、とどめ、ささない」

「バーサーカー、僕の願いを知っているでしょ?…じゃあね、間桐真実ちゃんと…衛宮結ちゃん」

「最初から私のこと知っていて…」

「わかった、ばいばい」

 

バーサーカーが手を振りながら彼らは去っていく。こうして、三日目はボロボロになり、バーサーカーのマスターの情けにより終わった…かのように思えた。

 

「あれ?もう終わってる?」




衛宮結:マスター。普通のご飯も作れるJK。野球ボールとナイフで魔術師と戦うが足元にも及ばなかった。投影で出したニッパーの方が強化したナイフよりも強かった。魔力が足りなくなり倒れる。

間桐真実:マスター。アサシンについて説明する。なお狙っていたのはかつて父が召還してた円卓の騎士とのこと。 召還した時、触媒をそのまま置いてたためユイに使われた。アインツベルンのマスターことを知っていたようだ。

衛宮切嗣:養父。ハンバーグ大好き。夏海市へ戻ろうとしてるようだが現在どうなってるか不明。

間桐臓硯:おじいちゃん。戦争にはアドバイスを出すくらいで干渉しない。地下で結界を張って寝てるらしい。

ラティスフィール・フォン・アインツベルン:マスター。ホムンクルスで聖杯戦争が終わる頃に寿命が来るよう設定されている。糸状のものから虫を作り出し操る。殺すつもりはなくユイにはかなり手加減してた。城の外には初めて出る。第四次にはいなかったらしい。長いので今後はラティと呼ぶ。

ランサー:騎士。バーサーカー相手に正面から戦う。ただし夢中になってしまい、またマスターのことを忘れてしまったうっかりや。斧攻撃を上手く捌き、回避し続けていたが最後にバーサーカーから一撃を食らう。

アサシン:真名ハサン・サッバーハ。19人いるうちの誰かは説明されていないがグルグルに巻かれた右手に何か秘密がありそうだ。ラティの暗殺に失敗する。

バーサーカー:巨体でパワフルなサーヴァント。2本の斧でごり押しながら戦う。動きはあまり速くないようでランサーの攻撃は何発も当たっていたが全然へっちゃららしい。マスターの指示には忠実に従う。

ボロボロになりながらも生き残った衛宮結、脅威は去ったかのように思われたが再び誰かが乱入してくる。乱入者は誰なのか…次回に続きます。


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4章 2月8日(日) 後

聖杯戦争3日目後半です。キュアアースことアスミちゃんすこです。


「あれ?もう終わった?」

 

金髪の美女が表れたが…ここに来るということは聖杯戦争の関係者に違いない。しかし、どうみても普通の人間にしかみえない…ということはライダーのマスターかキャスターのマスターといったところだろうか。美女はアサシンをみた後、ランサーをじっーと見つめていた。………。ずっと見つめているな。シビレを切らしたランサーが動く。

 

「お前は何者だ?何しに来た?」

「炎天よ、奔れ」

「!」

 

返ってきたのは火炎玉だった。ランサーは槍で凪祓う…ランサーの様子がおかしい。

 

「お前、サーヴァントか?」

「今気づいた?そうだよ、クラスはキャスター。ハンサム大好きなお姉さん、はぁ私もマスターもアーチャーのところみたいにハンサムなマスターなら殺さなかったのに」

「お前、自分のマスターを殺したのか!?」

「アーチャーって兄さん…!」

「うん、殺したよ。狙いどおり上手く召還できたとか、これで優勝間違いないとか、転生最高とか、言ってたけど…何か生理的にキモかったから殺した。でもせっかく現界したから消えるのは嫌だったし、聖杯でも手に入れて受肉でもしよーかなって。んでここまで来ようとしてたら男が大量に寄ってきてね。来るのはいいんだけど全然ハンサムじゃなかったから魔力いただいたけど。良かったと思えるのはアーチャーのマスターくらいかな。まぁそこの骸骨は論外だけど、騎士の方は合格かな。私のものにならない?」

「ふざけんな、お前はここで倒す」

「おぉ、勇ましくていいね~。濡れるね~。でもいいの?マスターの方は限界っぽいけど?」

 

キャスターは私をみる。正直限界だけど…

 

「私に気にせずやってランサー」

「へー、戦う気なんだ?っと私を暗殺する気か骸骨、炎天よ、祓え」

「!」

 

こっそりと背後に回っていたアサシンだが火炎放射により怯む。その間に私たちの方へ札を向ける。

 

「とりあえずマスターでも殺してみようかな。氷天よ、砕け。炎天よ、奔れ」

「ランサー!」

「はいよ」

 

私は自分に飛んでくる火炎玉をランサーに任せる。マミの方には氷の柱が立つが虚数魔術の触手で破壊し吸収しているようだ。

 

「へー、面白いの使うじゃん。魔術なんて全然知らないけど」

「これ程のものを使えるのによくそんなことが言えますね」

「いや、だって本当に知らないし。まぁいいや、収穫はあったから行くわ。じゃあね」

「逃げるのか?」

「そもそも私はアーチャーを殺そうと探してたらここに着いただけだし。それとも今ここで止めをさして欲しいの?まぁそれは次の機会に取っといてあげるけど」

 

そういってキャスターは本当に去っていった。…本当に死ぬかと思った。いや、現在違う意味で死にそうなんだけど…。マミに支えられているのを確認しながら私は意識を捨てた。

 

ーーー

 

「へー、ここがあんたらの拠点ってところか」

「ライダー!」

「あら、ライダーじゃない?殺しあいにでもきたの?」

「聖杯戦争中だぞ、あたりまえじゃないか。てかずいぶんボロボロだなアーチャー」

「戦争ですもの。戦えばボロボロにでもなるわ、これでも大分回復できた方なのだけど」

「無理するな、アーチャー。俺が戦う」

「へー、マスターが自ら来る気か?死ぬぞ?」

「それはどうかな?」

 

ライダーとレンがぶつかり合う。レンは素手でライダーへと向かい、剣を回避しながら蹴りをぶつける。

 

「おいおい、お前人間か?ちょっと痛いじゃないか?」

「こっちは全力でいってんだ!でもちょっとかよ」

「じゃあこっちはもっと痛いでしょ?」

「ッ!確かにその矢は痛いな…」

 

援護するように矢を放つアーチャー。その矢はライダーの左腕へと刺さる。

 

「しかし、アーチャー。お前何者だ?神性持ちの俺に傷を負わせるとはお前も神性持ちか?」

「あら?ずいぶんとおしゃべりなのね。真名バレちゃうかもしれないのに」

「別にバレたところで問題はない、邪魔だ魔術師"引き裂くは2本の松(シニス・ピンツリー)"」

 

ライダーから出た2つの球体が、レンへと向かう。

 

「エペクティノ」

「!」

 

球体は尖った形へと変わり、レンを貫こうとするが回避し拳をあてるがそのまま凹むだけである。そのままレンは謎の球体と戦っていく。

 

「へー、こんな宝具まで持ってたのね。てっきり、馬と剣だけかと思ってたわ」

「俺はライダーだ、複数の宝具が当たり前だろ。ランサーが召還される時も1つ使っていたんたがな。お前に壊されたようなもんだ」

「ちょっと人のせいにしないでもらえる。ていうか矢の一発で壊れるとかどんだけ脆い宝具なの」

 

口論をしながらライダーはアーチャーの矢を捌いて距離をつめる。剣がアーチャーに当たる瞬間アーチャーは自身の腕を変化させ剣を弓で受ける。

 

「へー、怪物みたいな腕じゃないか」

「普通の腕力じゃ厳しいからね。使いたくなかったけどこんなこともできるわ」

「ッ!後ろか!」

「あたり、バーン」

「ガッ!」

 

アーチャーが突然消えたかと思いきや後ろから矢がとんできてライダーは背中に矢をまとも食らってしまった。

 

「やるじゃないかアーチャー、こっちも少しみせてやるよ。ローロ、トラビクステ」

「!グッ!」

「マスター!」

 

球体がそれぞれレンの足へと巻きつき、そのまま引っ張り引き裂こうとする。しかし、アーチャーの矢により球体は1つ破壊される。レンも靴を脱ぎもう1つの球体からの拘束を逃れる。

 

「この、…きゃっ!…あぁ」

 

アーチャーはライダーに弓を構えるも既にライダーは馬に乗っており、そのタックルを食らい、剣で腕を切られる。

 

「そのまま踏みつけろ…何ッ!」

「ははっ、今度はちょっとじゃないだろ?」

「マスター!このっ!」

 

背後にいたレンがライダーに刺さっていた矢に蹴りを入れ更に深く矢を刺す。流石のライダーも予想外なことに対応出来ず、更にアーチャーの矢を食らう。馬が盾になっているもの大ダメージを負う。

 

「クソッ、これ以上のダメージは不味い。ここは引かせてもらう」

「アーチャー、逃がすな」

「うん!バーン!ッ!」

「……」

「まだあったのかアレ」

「ごめんなさいマスター、逃げられたわ」

 

撤退するライダーに矢を放つが球体により防がれ完全にいなくなっていた。

 

「マスター、ごめんなさい。私が昨日無茶しなければあのまま追いかけれたのに」

「…だが収穫はあった。神性持ち、シニスの松の木、アーチャーを切ったあの短剣、おそらくライダーの真名は…テセウスだ」

 

互いにボロボロになりながらもアーチャーとライダーの戦いは終わった。

 

ーーー

 

 

3日目

脱落者無し




衛宮結:マスター。残りMP1…助けて。

間桐真実:マスター。虚数魔術でキャスターの魔術を相殺する。キャスターに狙われてるお兄ちゃんが心配。

遠坂蓮:マスター。ライダーに拘束された際に靴だけでなくズボンを破いて足首の間接も外してた。強化魔術により殴りでサーヴァントに痛みくらいは与えれる。

???:マスター。召還したキャスターに殺される。

ランサー:騎士。ユイをなんとか守る。しかし、バーサーカー、キャスターと連戦により最後の火炎玉が止めとなり武器の槍が完全に壊れた。キャスター曰くすごくハンサム。

アサシン:暗殺者。不意打ちを突こうとするもキャスターになす術はなかった。

アーチャー:美少女。昨日キャスター戦での負傷が多いなか何とかライダーを追い払う。瞬間移動みたいなことができる。腕の怪我により満足に弓が使えなくなる。弓を射つときたまにバーンって言う…可愛い。

ライダー:真名テセウス(仮)。アーチャーを攻めるも返り討ちにあう。宝具をたくさん持ってるらしいが刃物の寝台と2本の松(球体)は破壊された。

キャスター:金髪の美女。ついに夏海市内に参戦。アーチャーを狙ってるらしい。ランサーを気に入る。アサシンを骸骨、ランサーを騎士と呼ぶ。魔力とハンサムを求め男を求める。男ぉ。余談だが髪型はポニーテール。


3日目終了です。終わりまで何日かかるかはわかりませんが4日目は1番派手にしたいと考えております。楽しんでいただけると幸いです。


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5章 2月9日(月) 前

長編です。水着イベントだ!リリィちゃんの日曜の朝って…シャイニールミナス!イリヤちゃん狙って50連、当たったのはブリュンヒルデちゃんが1枚。ナゼダッ!でもユゥユゥちゃんの礼装が当たったから良しかな…


ーーーニュースです。昨日深夜、夏海市で人が大量に倒れるという事件がありました。これは◯◯県と**県の事件より規模が大きく、警察も動き出す予定です。

 

目を覚ます。ランサーが一瞬みえて消えたような気がしたが気のせいだろう。そばにはご飯と手紙が置いてある。マミが用意してくれたものだろう。手紙を読む。

 

『センパイ、教会よりキャスター討伐の令が出ました。準備が出来次第教会へ来てください。必要なものがあればおじいちゃんにでも聞いてください。センパイがいなくても変わらないと思いますが、できるだけ急いでくださいね。

 

PS.ある程度戻ってますが魔力回復にご飯は絶対全部食べてから来てください、いいですね?』

 

はっはっはっ、何言ってんだこのおじいちゃん子後輩は。マミの作った料理ならちょっとくらい焦げてようが砂糖と塩を間違えようが完食するに決まってるじゃないか。いただきまーす。→サソリ

 

………。うん、マミちゃん。エビとサソリを間違えてるよ、てかちょっと動いてるし生きてるよねコレ?ていうかご飯をよくみると虫ばっかじゃないか、フライドポテトと思ったら芋虫だし…。しかも全部微妙に動いているのが気色悪い、食欲を無くなるわ。………。何も考えず頑張って食べよう。まさか後輩の料理に泣かされる日が来るとは思わなかった。

 

「マスター、1つ問題がある。俺の武器が完全に破壊されて戦えない。槍を作ってくれ」

「作ってくれって言われましても…マミの薙刀ではダメですか?」

「いや、握ったら折れてしまってな」

「何やってるんですか!」

 

地獄のフルコースを味わった私は手紙を改めて読む…昼でも戦うということはそれほど大事になっているということであろう。読み終わり手紙を置くとランサーが出てくる。前回の戦いで馬上槍が壊れたらしく新しいの用意しろとのこと。確かに武器なしではキャスターとは戦えないだろうが魔術を最近知った私にそんなことを頼むか普通。だがしかし、シャルルマーニュを読んだ私は知っているのだぞ!シャルルマーニュの相談役、ナムレが持っていた剣がパロミデスの剣で名前は"ドルチェボーナ"ということをね!さっそく特徴を聞いて作ってみよう。

 

「パロミデスさん、ドルチェボーナってどんな剣でした?」

「どんなって普通の剣と変わらなかったが…ってバカ、俺はランサーだぞ。そのクラスの武器を作らなくてどうする」

「じゃあロンゴミニアドでも作れと?」

「頼むかそんなこと。んなことすればガウェインから無言で睨まれながら土のついたジャガイモを口に詰められるわ」

「って言われてましても…」

 

何やってんですかガウェイン卿…ジャガイモって私の中のイメージが崩れていく…そんな感じにパロミデスの話を聴きながら、アーサー王物語を開いて印の付けたページをみていく…あっそうだ。これなら…

 

 

「うむ、そいつが欲しいのかの。構わん、好きに使え」

「ありがとうございます」

 

臓硯さんから材料を貰い、ランサーに特徴を聞きながら形を削っていく。付いてきた虫()も手伝ってくれるらしく、とにもかくにも削っていく。最後に火で炙り…魔力を流してみる。イメージだ、点と点をつないでいくように…完成だ。魔術無しでは絶対できない最高の槍が完成した…魔術を通すための電池として何匹か組み込んだ虫さんごめんね。臓硯さん曰くこれは魔術礼装、その中の限定礼装と呼ばれる魔術師の道具になるらしい。最近魔術を知った者が作れるものではないレベルらしいが…出来とるやろがい。臓硯さんに最後の調整をしてもらいランサーへと渡す。

 

「マジで作りやがったよ、このマスター」

「どう?使えそう?」

「…軽くて丈夫で使いやすいな」

「じゃあ早くいこうか、マミが待っている」

 

ーーー

 

 

ー数時間前

 

「…ランサーとライダーがいないようだがまぁ良い。蓮、間桐の少女よ、キャスターがあちこちで事件を起こしているのは本当か?」

 

「えぇ、マスターを殺したから現界ために魂食いをしてるようです」

「私なんて宝具使われたのよ。何よ酒池薹盆って!」

「おい、アーチャー」

「それってキャスターの真名は妲己なんじゃ…」

「だっき、たおす!」

「まだ確定ではないだがな…俺があの時、キャスターのマスターがいないことが気づけなかったばっかりにこんなことになるとは」

「蓮、今は後悔している時ではない。では、聖杯戦争は一時中止とする。各陣営キャスターの討伐にあたれ。その間の戦争行為は禁止とする」

「ますたー、ちゅうし、いいの?」

「…早くキャスターを倒せば大丈夫だよバーサーカー。でどうする?ここはみんなでキャスターを袋叩きでもするか?」

「キャスターはかなり高ランクの神性持ちよ、ライダーか私の攻撃以外効かないわ」

「妲己が神性?」

「あったのよ」

 

「言ってくれるねアーチャー」

「ライダー!あんた今までどこに…」

「やっと戻ったかライダー」

「はいはい、ただいまですよマスター」

「マスターって…綺礼、お前!」

「勘違いするなよ蓮、私とライダーは契約していないぞ。マスターを持たないはぐれサーヴァントの状態であるから私が保護者扱いというわけだ」

「ならなぜコイツは現界できている。魂食いの犯人はコイツかもしれないじゃないか」

「………」

「ライダーを召還したマスターが令呪3画全てを使って何かを命令したらしく現界し続けている。マスターはその後に自殺、時計塔の連中も扱いに困り私に押しつけていったよ。最初は私が仮のマスターとして契約しようとしたが呪いか何かで出来ずライダーが1人で参加者という扱いさ…それに」

 

「マスターも無く、キャスターでもないサーヴァントが魔術なんて使うと思うのか?」

 

「…悪かった、今はライダー信用しよう。アーチャーもそれでいいな」

「私は別に何でも。それじゃライダー、キャスター討伐の間は協力してもらうけどいい?」

「構わない。俺とアーチャー中心で戦いつつ、残りが援護。それでいいな」

『了解』

「りょ、う…!」

「バーサーカー、無理に返事しなくていいよ」

「衛宮には私が伝えておこう」

「あ、センパイなら今は私の家にいますのでそのままここに来ると思います」

「…そうか」

 

会議もまとまりキャスターの討伐作戦が始まった。

 

 

ー数分前

 

「やれやれ、私を殺すつもりみたいだけど普通全員で来る?まぁそっちが数で来るならこっちも増やすだけよ」

 

「何これ?石?えーと、『出雲に神在り。国がうつほに水注ぎ、高天巡り、黄泉巡り、巡り巡りて水天日光。審美確かに、魂に息吹を、山河水天に天照。これ自在にして禊ぎの証、名を玉藻鎮石、神宝宇迦の鏡なり…"水天日光天照八野鎮石(すいてんにっこうあまてらすやのしずいし)"』っと。んじゃサーヴァントカモーン!どれくらい来てくれるかな~」

 

「………」

「………」

「………」

 

「んー、3人だけか。残留思念だけでここまで出来たのはすごいのかな?全員男なのは嬉しいけど、黒巨人は骸骨並に論外…長髪糸目の騎士はハンサムだけど何か生理的に無理…んーこの中だとヒョロ白の騎士のあんたかな。でもあの褐色の騎士には負けるかな…。あーとりあえず、これからサーヴァントが攻めて来るから適当に対応してnってヒョロ白どこに行くの!あーもう、魔力いっぱい使ったのに1人減った…まぁいいや。黒巨、長髪、お願いね」

 

「あっ、来た来た」

 

 

ー現在

 

「なぁ、アーチャー。キャスターからケモノ耳と9本の尻尾がみえるのだが?」

「奇遇ね、マスター。私もよ」

「なぁ、アーチャー。サーヴァントが2人増えているように見えるのだが?」

「奇遇ね、マスター。黒くてデカいマッチョマンとランサーによく似た鎧を着てる騎士がいるわね」

「…ダレイオス三世。前回、アーチボルト家当主が召喚してきたサーヴァント。魔力は足りていたが暴走し、やむ無く令呪で自害させた。だがすぐには消えず暴走を続けてマスターも巻き込まれ死亡した…宝具により大量の兵士を召喚してたと聞いている。もう片方は間桐が召喚していたサーヴァントということしか知らない」

「兵士の召喚ってここ町の中だぞ」

「作戦変更だ。アーチャー、ライダーと一緒にキャスターをやれ。俺らで何とかあの2人を食い止めておく」

「…マスター」

「マミ、あのサーヴァントについて何か知らないか?」

「ごめんなさい、円卓の騎士ってだけで真名どころかクラスも知らないの。お父さんってば私の前にサーヴァントを出そうとしなかったから…」

「いや、僕とバーサーカーだけで十分だよ。バーサーカー、令呪を持って命ずる"キャスター以外の敵を宝具で捕らえろ"」

「ますた!…まよえ、さまよえ、そして、しね」

「固有結界だと!」

「僕とみんな、どっちが早く倒せるか競争だよ」

「お前死ぬ気か!」

「死なないよ、だって僕のサーヴァントは最強なんだから」

 

バーサーカーの宝具により巨大な迷宮が出てくる。新たに出てきたサーヴァント達は迷宮へと吸い込まれ…バーサーカーとラティも後を追い、消えるように迷宮へと吸い込まれた。

 

「えっ、どうなってるの?黒巨?長髪?…まぁあのデカデカがいないだけいっか」

「キャスター!」

「もー、いいや。まとめてかかってきなよ」

 

キャスター討伐作戦が始まった。

 

ーーー

 

 

教会へと着く。そこには神に祈りを捧げている綺礼と鎧をつけた騎士がいた。人では無いと感じつつもユイは終わるのじっと待つ。終わったのか綺礼がこちらへと来た。

 

「やぁ、少女よ。君の使命はキャスターを倒すことだ。だがその前に私個人から頼みが1つある。…このサーヴァントを倒し英雄の座へと返して欲しい」

「サーヴァント?全員召喚がされていたのではなかったのですか?」

「…このサーヴァントは前回私が召喚したサーヴァントだ。真名をジル・ド・レェ、クラスはセイバーだ。キャスターの宝具により再召喚されたらしく10年前のことも覚えていた」

「言峰さんがまた契約することはできないのですか?」

「できなかった。おそらくキャスターが何かをしてるのだろう」

「…どうか私をお倒しくださいませ」

「えっとセイバーさん、あなたはそれでいいのですか?せっかくマスターにまた会えましたのに?」

「いえ、10年前にはもう別れを済ませましたのでマスターに関しまして問題ありません。ただ、キャスターによる魔術なのかそこのサーヴァントを倒せという言葉が頭の中を支配しておりまして…お願いします、私は本来ここにはいけない存在、またキャスターは明らかに私よりも強いはずです。この私を倒し、そしてキャスターも倒してください」

「まぁちょうどいいんじゃないの?新しい武器を試せるし。サーヴァントに効きませんでしたじゃあ話にすらならん」

「ランサーさん…」

 

早く答えないといけない、が答えなんてもう決まっている。

 

「わかりました」

「ではよろしく」

 

 

ランサーとセイバーの戦いが始まる。互いの武器がぶつかりあい火花を飛ばした激しい攻防が続く。そんな中ランサーついに一撃を入れた。

 

「グッ!」

「まだまだ」

 

そこからはランサーがおしていき、ついにセイバーを壁へと叩きつけた。よくみると教会の中はあちこちボロボロになっており数分前の状態がうそのようだ。ランサーが止めと言わんばかりにセイバーへと迫る…その時だった。セイバーが立ち上がり剣を空へと向ける。

 

「『神聖たる旗に集いて吼えよ(セイント・ウォー・オーダー)』、我は満ちたり」

 

天井が崩れ、光がセイバーへと降り注ぐ。ッ!セイバーの速度が上がった?いや、剣撃もさっきよりも激しくなっている。ランサーでも対応しきれないくらい速い。ランサーがどんどん斬られていく。

 

「ランサー!」

「来んな、騎士の決闘の邪魔をするなマスター」

「うおぉぉ!」

 

攻撃をし続けるセイバー…しかし突然攻撃が止まる。そしてランサーが槍でセイバーの胸を貫いた。

 

「ははっ、俺の勝ちのようだな」

「えぇ、私の負けです。しかしあなたのその手、あなたは一体何者なのですか?」

「…円卓の騎士パロミデスだ。それ以上でもそれ以下でもない」

「深くは聞かないで置きましょう。…綺礼、あなたとお別れをするのは2度めですね。今回はセイバーのままでよかったです」

「その宝具ならバーサーカーの暴走を止められたかもしれないのに」

「思ってもいないことを言わないでください。ですが悦を知ったと確認できただけまた現界した価値がありました。今度もまたワインでもごちそうしてください」

「…あぁ。とびきりのを用意しておこう」

「ハッハッハ、さようなら」

 

セイバーは泡のように消えていった。…ランサーが勝ったというのに素直に喜べない。サーヴァントである以上はランサーもいずれはああやって消えていくのだろうか。

 

「マスター!」

「なんですか、ランサーさん?」

「この槍すげーわ。あんなに斬りあったのに傷1つついてない。本当にこれさっき作った槍か?何かもう馴染んでるし」

「それはよかったです。キャスターとも戦えそうですか?」

「あぁ、問題ない」

「では少女よ、ここにキャスターがいる。各陣営と合流し討伐してきたまえ」

「はい、ランサーさん!」

「おう、しっかりと掴まってな」

 

ランサーに運んでもらいキャスターのいる戦場へと向かう。マミたちは無事だろうか?そんなことを考えながら魔力回復にさっきのサソリを食べる。…切嗣にも薦めよう。

 

地獄絵図とはまさにこの状況であろう。キャスターのいるところについた私達だったがそこは

 

辛うじて立っているアーチャーと蓮

火炎玉を食らうライダー

倒れたマミを庇うアサシン

倒れたバーサーカーとそのマスター

札をもつキャスター

 

そして………

 

「なんでお前がここにいるんだ…トリスタン」




衛宮結:マスター。魔力は回復するも虫の味を知ってしまう。その後、とんでもない槍を完成させる。一体どんな槍なのか?

間桐真実:マスター。キャスターを討伐するため各陣営と協力する。魔力回復のためユイに虫料理をごちそうする。

遠坂蓮:マスター。ライダーを魂食いの犯人かも疑っているがライダーの状況を聞き、今はキャスターを討伐する仲間だと思っている。

ラティ:マスター。キャスターの召喚したサーヴァントを2体、バーサーカーと共に相手にする

言峰綺礼:元マスター。前回の戦争にてセイバーを召喚するもバーサーカーの暴走を止めるため、セイバーをキャスターへと変える。結果的にはそのお陰で一般人には聖杯戦争を知られずに済んだ。

間桐臓硯:おじいちゃん。槍の材料をあげて、槍の調整もしてくれたいいおじいちゃん。ユイの技術力に舌を巻く。

ライダーのマスター:詳細不明。時計塔の魔術師らしくライダーを召喚後自殺する。その前にライダーに何かをしたらしい。

バーサーカーの元マスター:アーチボルト家の当主。バーサーカーの魔力は何とか出来ていたもののコントロールが出来ずに自害させる。最終的に暴走に巻き込まれ死亡。

ランサー:騎士。新しい槍にテンションうなぎ登り。キャスターの召喚した前回のセイバーを倒す。生前、ライバルともいえる騎士トリスタンと再開する。

アサシン:暗殺者。キャスターにやられたマミを庇う。

アーチャー:美少女。みんなでキャスターに挑むも現在虫の息。前回の怪我により全力で戦えない。

バーサーカー:デカい!キャスターの召喚した2体のサーヴァントを自分の宝具に閉じ込める。

ライダー:騎手。はぐれサーヴァントだがずっと現界できている。キャスター討伐に参加する

キャスター:金髪美女…にケモノ耳と細い9本の尻尾が追加。自分と討伐しようとくるサーヴァントに備え自分もサーヴァントを召喚する。水天日光天照八野鎮石って…みこーんじゃねぇか。残留思念を使用し味方を増やすも1人逃げられる。討伐隊を圧倒する。

ヒョロ白:真名ジル・ド・レェ。第四次聖杯戦争にて言峰綺礼にセイバーのクラスで召喚される。最終的にキャスターにクラスチェンジして暴走し脱落したらしい。

黒巨人:真名ダレイオス三世。第四次聖杯戦争にてアーチボルトの当主にバーサーカーのクラスで召喚されるが暴走し自害させられるも戦闘続行、仕切り直しスキルによりしばらく現界し続け暴走するも、同じく暴走してきたキャスターとぶつかり脱落。

長髪糸目:真名トリスタン。第四次聖杯戦争にてマミの父に召喚される。その他不明。パロミデスとは生前の同僚。


というわけで5日目です。玉藻の前の宝具って確かランクが高ければ、死霊を扱えてますので使い方間違ってませんよね?結構宝具を入れた回となりましたね。あとは書いてると長くなりどこで切ればいいのかわからなくなったためとりあえずここまでにしておきますね。やべぇ、続き書く時間がねぇ。マイペースで書いています。楽しんでいただけなら幸いです。


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5章 2月9日(月) 中

続きです。

…展開は決まっているの時系列に困ってます。…あと狂と剣の種火が足りない。ブリュンヒルデ…巴御前…。これも先輩に全部捧げたからですよ…先輩。


ー数分前

 

「まぁいいや。まとめかかってきなよ。すり潰してあげるわ」

「ライダー、いくわよ」

「…あぁ」

「んー、お前は確かにハンサムだけど…濡れないな。はぁランサー…」

「気持ちの悪いことをいうな」

「炎天よ、祓え」

「ふん、そんなもの当たるか。馬よ、走れ」

 

まずはライダーが剣を構え馬に乗りキャスターへと向かっていく。後ろからはアーチャーが弓矢で援護射撃をしており、レンも宝石を1つ投げ爆発させる。更にはマミの触手がドーム状に周りを囲み、アサシンがそれを足場にキャスターの首を狙い続ける。だがいずれもキャスターに傷1つつけることができない。それでもチャンスは来ると信じて攻撃を続ける…。

 

ドカーン

『!!』

 

突然、迷宮が爆発し崩壊した。中からは倒れたバーサーカーとラティ、消滅しているダレイオス三世、何事も無かったかのように立っている長髪の騎士。…そしてそのまま長髪の騎士はキャスターの元へ移動する。

 

「マミ、あいつを頼む」

「はい、兄さん。アサシン」

「御意」

「…」

 

マミとアサシンが長髪の騎士へとターゲットを変える。

長髪の騎士は弓?を引こうとするがマミが構えていないことに気づき動きが止まる。

 

「マスター?」

「愛らしい少女よ、何故構えないのです?」

「…10年前の聖杯戦争を覚えていますか?」

「なんと10年も経っていたのですね、私にとっては昨日のことになりますが…もちろん覚えております」

「…父があなたを召還しているのを私はみておりました。おかしな話だとはわかっていますが、私はあなたについて知りたいのです。私は間桐真実、前回のあなたのマスター間桐雁夜の娘です。この戦争ではアサシンのマスターをしております。あなたのことを少しだけでも教えていただけませんか?」

「雁夜の娘、真実ですか…よろしいでしょう。しかし、あまり時間がありません、私が自身を抑えていられるもあと僅かでしょう。私はトリスタン、聖杯戦争ではアーチャーのクラスとして呼ばれました。しかし、キャスターの毒でやられ脱落した…ところまでは覚えてます」

「父とは上手くできましたか?」

「…雁夜はマスターとしても弱く、人としてもダメダメで話にもなりませんでした。ですが禁断の恋の話などを語りあったりと、決して仲が悪かった訳ではありません。ありませんが…自分をみているようで嫌でした」

「…ありがとうございます。そこまで聞けましたならもう十分です。それでは戦いましょうか、アサシン」

「はっ」

「では来なさい」

 

アサシンは短刀を投擲し、マミは触手でトリスタンを捕らえようとする。

 

「私は悲しい」

「「!」」

 

一歩も動いていないのに短刀は弾かれ、触手は切られる。そしてマミの身体中に刃で切られたかの様な傷がつく。

 

「ーーあぁ、私は悲しい。雁夜の娘を殺さなければならないのだから。せめて楽に殺してあげましょう」

「させん」

 

アサシンは傷ついた自身のマスターを庇いながら、短刀の投擲を繰り返していく。

 

 

「アーチャー、矢はいい。ライダーの補助にまわれ」

「了解、じゃあマスターは合図をお願いするわ」

「あぁ、ライダーはそのまま接近戦で頼む」

「了解」

「いいね、いいね。アーチャーのマスター。濡れるわ。でもライダー、お前じゃ濡れない。全然濡れない。炎天よ、祓え」

「!」

「アーチャー」

「はいよ」

「消えっ…あぅ!」

「隙だらけだぜ」

「ついでにコイツも食らえ」

「きゃっ」

 

アサシンが抜けたことで作戦を変えた蓮。普通の石を投げながらアーチャーに指示を出すと、ライダーがキャスターの後ろへと転移し、ついにキャスターへ一撃を入れることに成功する。蓮も追撃に宝石を投げキャスターの足を凍らせる。

 

「アーチャー、頼む」

「了解、バーン」

「調子に乗るなよ!気密よ、集え。炎天よ、奔れ。炎天よ、奔れ。炎天よ、奔れ。炎天よ、奔れ。炎天よ…」

 

キャスターは竜巻で矢を防ぎ、さらには火炎玉を大量に飛ばしてきた。雨のように降ってくる火炎玉は容赦なく蓮達を襲う…が新たな参戦者の登場により突然止むこととなった。

 

ーーー

 

「なんでお前がここにいるんだ…トリスタン」

「パロミデス?なるほど褐色の騎士はお前かサセラン人」

「あぁ、どうやら洗礼の後よりもこっちの方が全盛期らしいわ。てかお前結局最初のイゾルデを諦めて別のイゾルデを選んだのだろ?俺が諦めたのをみてやってたなら相当な腹黒だなお前」

「………。それについてはノーコメントで」

「んでだ、なんでここにいる?」

「前回の戦争にて敗れ、脱落したことは覚えてます。おそらくあのキャスターによって再召還されたようで。今すぐ殺せと体が動くんですよ」

「セイバーと同じかよ」

 

「きゃー!ランサーだ!パロミデスっていうんだ!濡れるー!」

「うるせぇ、懐かしの同僚との再開だ…、黙って最後までみてろ」

「は、はい!…パロミデス様」

 

「しかし、最期がイゾルデと密会中に叔父に後ろから首を切られるとはお前らしく思うわ」

「?私は毒で死にましたが?」

「そうなのか、まぁいい。どうする?いつも通り殺し合いでもするか?今の俺は生前より強いぜ」

「ッ!それは王の槍!なぜお前が持っている!」

「残念ながらコイツはマスターの手作りさ。実際の王の槍は握ったことないが聞いた通りの強さになってると思うぜ、この槍は」

「私のマスターは虫での攻撃が限界だったのいうのに…。良いマスターに出会えましたようで羨ましいです」

「そうでもないぜ。召還されたときのコイツは魔術師ですらなく、魔術を覚えてまだ5日ほどだから全然使えない。まぁこの戦いが終わればもっと優秀なマスターになるんだがな」

「だとしても関係ありませんね。なぜなら全力であなたを殺しますから…、いきますよパロミデス!」

「ははっ、来いよトスリタン。だがこれは戦争だ、お行儀よく1対1とはいかないぜ」

「ーーそれは身に染みていますよ」

 

夢でパロミデスを倒していた騎士…真名トリスタン。アーサー王物語の主人公の1人でランスロット以外に負けている話は無かったくらい最強クラスの円卓の騎士だ。2人で懐かしく何かを語りあっていたがその様子を味方のアーチャー達は勿論、敵であるはずのキャスターまでもがみてい…いやキャスターはみとれていた。…いよいよ戦いが始まる。私も準備を…

 

「相変わらず変な弓だなそれ。音を出せて、空気の刃を飛ばすとか弓が何なのかよくわからなくなるぜ」

「えぇ、これでもアーチャーですから…ねっと」

「おいおい、マスターの援護くらい受けてやれよ。お前なら当たったところで痛くもないだろ?」

「私としては当たった時点で騎士としてアウトなので」

「そうか…よっと」

「しかし、パロミデス。お前は王の槍を使うことを何とも思わないのですか?」

「ロンの方なら止めとこうと思ったくらいだ。てかこれ作ろうと思えば誰でも作れたんじゃないのか」

「なんと、つまり王の持つあれは簡単には作くられたものだと」

「そういうわけではないが、まぁマスターが特別なだけかもしれんな、ははっ」

「ここは極東。材料なんてあったのですか?」

「魔術師なら持ってるもんじゃないのか?知らんけど」

「その槍は突きに特化している槍。だというのになぜあなたは突いてこないのです」

「お前が突きを意識し過ぎて、できないからに決まってんだろ」

「しかし何といいますか、この感覚はサーヴァントになっても味わえるものなのですね。昨日…ではなく前回の戦争なんて真正面からくるサーヴァントなんておらず、私を倒したキャスターなんてマスターと一体化していましたからね…」

「なんだそりゃ、っと。んじゃギャラリーも飽きてくる頃だろうしそろそろ決着をつけにいきますか」

「えぇ、望むところです」

 

両者、戦いながら語り合っていた。あまりも高度な戦いをしているため私が介入できるところはなかった。野球ボールを投げることを辞め、おとなしくみてることにしすると、たがいに魔力がどんどん大きくなる…宝具かな?ってちょっと待ってランサーの宝具使おうものなら令呪で止めないと

 

『痛みを歌い、嘆きを奏でる…"痛哭の幻奏(フェイルノート)"』

『血濡れし槍よ、炎の如く紅き輝き、全てを貫け"偽・黒檀の槍(エボニー・スピアー)"』

 

………。トリスタンの周りの空気が歪んでみえる。それほどまで矢を連射しているのだよう。パロミデスは私の作った槍でトリスタンの見えない矢を貫きながら突っ込んでいく。これがパロミデスの宝具なのかはわからない…が魔力はかなり持っていかれた。2人を中心に大きな砂煙が舞う…煙が薄れみれるようになったとき立っていたのはパロミデスだった。

 

「今回は俺の勝ちだな」

「そのようですね…では私に止めを…」

「…悪い。やっぱり俺はお前を殺すことはできないわ」

「だが…早く私を殺さなければ…大変なことに…」

「…そうだな。アサシンの旦那、頼むわ」

「御意」

「ガハッ!…パロミデス、また王と…並んで…戦える日が…くるといい…ですね…」

「…あぁ。その時はまた洗礼頼むわ」

「ハ…ハッ…」

 

トリスタンはセイバーと同様に泡のように消えていった…。………。

 

「あっ、終わった?かっこよかったよ!パロミデス様!私バシャバシャよ!」

「………はぁ。余韻にくらい浸らせろよキャスター。同僚との別れだというのに…あと真名を言うな」

「えー、でもあの長髪との決闘は言われた通り邪魔しなかったし~、早く私の相手して欲しいっていうか~」

「…いいだろう、いくぞマスター」

「はい!」

 

ジル・ド・レェ、トリスタン、ときて次はキャスターか…私は覚悟を決める。死ぬかもしれない、遠坂くんたち任せればいい、そんな考えが無かった訳ではないが…とにかく今はランサーと供に戦うんだ。物を投げて少しでも相手の注意をそらすことしかできないだろうけど…いこう。私に続き、遠坂くん、アーチャー、ライダー、アサシンが戦闘準備を整えた…キャスターを倒す。パロミデスは絶対に渡さない…アレ?なんだろうこの気持ち?




衛宮結:マスター。ランサーがトリスタンに名前を言われたことでもう隠す必要が無いだろうと判断しパロミデスと呼ぶことにした。野球ボールを投げてトリスタンの気を引けたが…パロミデスの邪魔にしかならないと最後まで観戦する。パロミデスでモヤモヤするらしい。

間桐真実:マスター。召還したかったサーヴァントに再開…父とのことを知れ満足し、トリスタンと戦うも一瞬でやられる。

遠坂蓮:マスター。宝石魔術を使えるが…ドケチなためなかなか使わない。全体を指揮しつつ自身も戦う。

ラティ:マスター。バーサーカーと供にダレイオス三世を倒したようだが…自身も倒れているため迷宮の中で何があったか不明。

間桐雁夜:真実の父で前回のマスター。トリスタンを召還し戦うもキャスターに敗北。自身もついでに殺される。魔術師としても人としてもダメダメだったらしい。

ランサー:真名パロミデス。トリスタンと再開、一騎討ちをし勝利する。相性がよかったのか限定礼装の槍をを宝具擬きに昇華しトリスタンの宝具を正面突破。その限定礼装の名は"黒檀の槍"、その穂先は数多くの騎士を貫いたらしい。

アサナン:真名ハサン。トリスタンの出現によりマミと戦うが…召還したかったサーヴァントと聞いているのでちょっと内心複雑…戦闘には影響ないけど。傷ついたマミを庇いながら戦う。

アーチャー:真名不明。ライダーと供にキャスターを相手にする。ライダーと石の位置を入れ替えキャスターに一撃を与える。その後矢を放つも防がれる。

ライダー:真名セテウス(仮)。アーチャーと供にキャスターを相手にする。キャスター的にはハンサムじゃないらしい。アーチャーの援護でキャスターに一撃を与えた。

バーサーカー:真名不明。迷宮を召喚しダレイオス三世を脱落させるが、トリスタンとの戦いや爆発など中で何があったは不明。

キャスター:真名妲己(仮)。サーヴァントを3騎相手にしても圧倒する強さ。宝具によりジル・ド・レェ、トリスタン、ダレイオス三世を召喚するも全員やられる。ハンサム大好きでパロミデスにゾッコン中。パロミデスの登場により、攻撃を止める、トリスタンとの一騎討ち中も他を攻撃せずにみている、などなめプが目立つ。

前アーチャー:真名トリスタン。バーサーカーの迷宮にて無傷で脱出。パロミデスと戦い敗北。前回の戦いでは雁夜に召喚されるもキャスターに弱点を突かれ敗北…相性が悪かった。

前バーサーカー:真名ダレイオス三世。迷宮崩壊後、消滅。前回の戦いでは暴走し令呪で自害するもしばらく暴走。同じく暴走したジル・ド・レェにぶつかり互いに消滅。


はいっ!てなわけで中盤です。トリスタンもイゾルデという人妻とできてたのでいいんじゃな?という感じで雁夜と組ませさせました。パロミデスとの因縁もあるしね。一騎討ちといいましても弓と槍では槍の方が強いのだよ(FGO脳)。ジルも綺礼と聖職者、愉悦、という共通点があったので組ませました。切嗣も似てるかなと思ったサーヴァントと組ませてます…出てくるかはわかりませんが。ダレイオス三世と前キャスターは適当です。残りは…ノーコメントで。

時系列見直さないとあかんかもしれないです。…まぁ何とかなるでしょ!ここまで読んでいただいた方ありがとうございました。次回もマイペースにいきます


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5章 2月9日(月) 後

続きです。

箸の使えないアスミちゃん可愛いな…。CCCのあのお方登場です…再現できてるのいいのですが…。


「いくぞ!」

『了解(おう)(御意)』

 

「パロミデス様以外すり潰してあげるわ」

 

パロミデスとライダーが接近するしそれぞれの武器で攻撃するも…

 

「気密よ、集え」

 

竜巻により返される。風が弱まったところに野球ボール、短刀、矢を放つ。しかし、キャスターは矢だけを避け、残りは2本の尻尾で弾く。そこをまたパロミデスとライダーが向かう。

 

「炎天よ、祓え。炎天よ、奔れ。炎天よ、奔れ。気密よ集え」

 

火炎放射に火炎玉を2発、さらに竜巻で自身を守ろうとするが…

 

「アサシン、令呪を持って命じます"宝具を解放しなさい"」

「御意」

「「マミ(ちゃん)!!」」

 

目を覚ましたマミが令呪を使用する。

 

『魂なぞ飴細工のよう、苦悶を溢せ"妄想心音(ザバーニーヤ)"』

 

アサシンの右腕の包帯が破れ中からは…異形の腕が現れた。腕はそのままキャスターへと向かい…竜巻を貫きキャスターへと当て…何かを持って戻ってくる。あれは…心臓?それをそのまま握り潰した。

 

「がはっ!血?…嘘でしょ!?私もう終わり!?嫌だ!嫌だ!嫌だ!パロミデス様!パロミデ…」

「………」

「終わったな」

「!待って!様子がおかしいわ!」

 

キャスターが血を吐き、喚きながら倒れる。これでキャスター討伐は終わったかに思われた。急にキャスターが立ち上がる。…さっきとは違い背筋が凍る感触がする。

 

「はぁ、ようやく妾が出てこれた。あの人間の牝め、妾の力を理解もせずして使いよってからに…」

「キャスター…なのか?」

「キャスター?なるほどのぉ、大体は理解した」

「…あなたは何者ですか?」

「それはこやつがよく知っておろう、そうじゃろサグメ?」

「……はぁ。私、あんたのこと嫌いよ」

「アーチャー?サグメ?」

「別の真名よ、今はそれだけで納得して。アイツは太陽神アマテラス…、じゃなくてその別面の金色白面ってところかしら。妲己や玉藻の前の大本といった方がいいわね。まぁ早い話が私の元上司」

「なんでそんな大神霊がキャスターの中にいた?」

「さぁの。知らぬ人間がタマモッ!などと叫びながら無理やり妾を引っ張り現世へ呼び出したのじゃ。その後はこの体に押し込まれというわけよ」

「あんたなら、抵抗できたでしょ?」

「かかっ、このような面白そうなことなぞ無視するのがもったいないわ」

「これだからは神は…で現世に来て何すんの?結局あんたを殺さないといけないのは変わらないけど一応聞いておいてあげるわ」

「とりあえずは人間を惨たらしく1人1人殺して減らしていこうと思っておる」

「……え?」

「人間とは苦しめ甲斐のある玩具よ、現世にきたならそれをやるだけじゃ」

「ッ!させないわ、みんな止めるわよ」

「かかっ、来るがいい」

『ッ!』

 

金色白面が無言で魔術を放ってくる。しかもさっきよりも明らかに威力が高い。1発、火炎玉が来ただけなのにこちらに立っている者はいない。

 

「そんなものか人間。あっけないのぉ」

「ぐっ、ウソでしょ」

「2発で終わりとはつまらんの」

「させません!」

「よせ、マミ!」

 

続けてとんで来た火炎玉をマミが虚数の触手で受け止めようとする。が、火炎玉はそれをも突破しマミへと向かう。そしてマミを中心に爆発が怒った。

 

「「マミ(ちゃん)!!」」

「………あれ?なんで?」

 

目の前には傷はあるものの5体満足なマミ…そして

 

「ご無事ですか?マスター?」

「アサシン?」

 

ボロボロとなったアサシンであった。

 

「アサシン?嘘でしょ!ねぇ、嘘って言ってよ!」

「粘るのぉ、人間」

「…せめても抵抗だ。受け取れ」

 

アサシンが異形の腕を切り、それを金色白面へと投げる。腕は金色白面を捕らえ、襲いはじめる。

 

「ほう、これはなかなかのモノを…」

「マスター、此度は仲間に恵まれた良い戦争となりました。また会えることがあればよろしくお願いいたします」

「アサシン、…また会いましょう」

 

アサシンは消えいった。…アサシンが作ってくれたチャンスを無駄にしない。

 

「パロミデスさん!」

「おう」

 

ライダーとパロミデスは金色白狐へと攻撃する。アサシンの腕もあり、さっきよりはマシにはなっているものの…足りない。

 

「ビーナ」

 

無機質なハチの大群が金色白面へと向かう。これの魔術は…

 

「ラティさん!」

「待たせてごめんね。でも僕だけじゃないよ」

「うがぁぁ!」

 

バーサーカーも復活し金色白面へ斧を振る。…いける。これならきっと金色白面を倒せる。

 

「いえ、まだよ。決定打に欠けてるわ、このままじゃジリ貧よ」

「何かあるのか、アーチャー?」

「あの矢を使うわ」

「おい、それは…。アーチャー、お前はそれでいいのか?」

「…まぁ私としてはアイツを倒せれば満足よ、いままで楽しかったわマスター」

「………。せめてもの手土産だ、令呪を持って命ずる"その矢を放ち金色白面を倒せ"、令呪を重ねて命ずる"その矢を放ち金色白面を倒せ"」

 

『これこそが天まで矢を届かせし弓、そしてこれこそが神をも貫く矢…放たれし矢に雉は鳴き、高木は怒り、邪心ありし者へと返えらん…"天之麻迦古弓・加久矢(あめのまかこゆみ・かくや)"…バーン』

 

アーチャーの弓から莫大な魔力の矢が放たれて金色白面へと向かう。

 

「なっ、その矢はまさか…」

「バーサーカー、なんとか抑えて。スピナー」

「りょ、かい!」

「ぐっ、放せ…気密よ、舞い上がれ」

「「「ぐわっ!」」」

 

竜巻によってパロミデス、ライダー、バーサーカーとラティの虫が吹き飛ばされる。アサシンの腕がまだしがみついてるがアーチャーの渾身の矢は…かわされてしまった。

 

「まだよ、この矢はね」

 

親指を出し

 

「返ってくることで」

 

小指を出し

 

「威力が上がるのよ!」

 

手首をひっくり返す

 

「"返れ矢よ(リバースアロー)"」

 

矢はUターンし、金色白面を射ぬく…そしてそのまま貫いた矢はアーチャーをも射ぬいた。

 

「かかっ、己をも殺す神殺しの矢か…。何故うぬがそれを持っておるかは知らぬが、妾の負けじゃ…。しかし、あの人間め…普通に妾を召還してればよかったものを…。だがのぉ、ただでは消滅はせんよ。『いざや散れ、常世咲き裂く怨天の花……"常世咲き裂く、大殺界(ヒガンバナ・セッショウセキ)"』」

 

「…レン」

「アーチャー、もうしゃべらなくていい。お前はよくやったよ」

「ごめんね、聖杯を諦めなくちゃならなくなって」

「いいんだよそんなこと」

「ふふ、そんなに泣かなくたって」

「また、お前を召還してやる。だから、だから…この宝石で記憶にしっかりと刻みこんでくれ」

「ありがとう、じゃあ今度まで会うにはしあわせな島を完全に終わらせておいてね。そしたら私は入れ替わってるの方をやるから」

「最後にそんな話をするなよ…捨てれないじゃないか…」

「約束よ、レン…」

 

紫の煙を出しながら金色白面は完全に消滅した。アーチャーもレンから宝石を受け取り…後を追うように消滅した。

 

「終わったな」

「終わったね…ッ!パロミデス」

「おいおい、不意打ちか…ライダー?」

「キャスターがいない以上もう敵だろ?…だが今はこれくらいで去ってやる。アーチャーのマスターよ、本来ならお前らマスターの命をもらうはずだが自身の命まで犠牲にしたアーチャーへの敬意だ。…さらば」

 

ライダーが私へと攻撃してきたがパロミデスによって防がれる。…忘れていたわけではないがいきなり来るとは思わなかった。戦争中だというのに油断していた。

 

「じゃあ僕ももういくよ、…バーサーカー」

「うん、またね」

「バーサーカー、手を振るのいいけど次出会ったときは敵だからね」

「あっ、くるなら、こい」

「次は手加減無しだよ」

 

バーサーカー陣営も去っていく…。マミはどうするつもりなのだろうか?

 

「マミ、これからどうする?」

「そうですね、アサシンの宝具を失ったのは痛いです」

「脱落したからライダーに命狙われるかもしれないよ」

「え?まだ私は脱落してませんよ?」

「え?」

「旦那、姿をみせてやってくれ」

「御意」

「えっ!」

 

右腕を失いながらもそこにはアサシンがいた。

 

「ははは。気配遮断で隠れておりました。これで他のマスターも脱落してるとお思いでしょう」

「でも腕ないのはどうするの?」

「形さえあればなんとでもできますよ。ですからあの槍を作れた貴方に作っていただけるとうれしいのですが」

「ごめんなさい、さすがに腕は…」

「では私の右腕でどうd…」

「うん、外見だけでいいなら作ってみます」

 

拝啓、切嗣。伝説の暗殺者に義手を頼まれました。

 

そんなことを考えながら間桐家へと帰っていた。帰ると同時に教会から連絡が入る。キャスターの事後処理のため今日は戦闘行為禁止とのことだ…。早速前回同様に黒檀を貰い、蟲たちと一緒に腕の形へと削る。最後に点と点をつなぐようイメージし魔力を流し込み…完成だ。臓硯さんに調整を任せ、アサシンへ渡してくれるよう伝える。そして疲労のためシャワーを浴びベッドに泥のように眠った。…明日さえ生き残れば切嗣にパロミデスを…アレ?

 

 

ーーー

 

4日目

アーチャー脱落

キャスター脱落




衛宮結:マスター。キャスター戦に目立った活躍は無し。腕を失ったアサシンの義手を作る。

間桐真実:マスター。キャスター戦にて復活後いきなり令呪を使いキャスターを倒した…と思いきや倒せていなかった。金色白面戦では火炎玉で致命傷になりかけていたアサシンを必死に治療しなんとか現世に留めさせる。

遠坂蓮:マスター。キャスター戦も金色白面戦も指揮に集中していた。アーチャーの宝具に難色を示しながらも同意。令呪でサポートをし聖杯戦争から脱落。キャスター討伐後もしばらくあの現場にいたらしい。

ラティ:マスター。金色白面戦にて復活後、バーサーカーと供に援護に入る。魔術で出来た無機質なハチの軍団で攻めていた。

キャスターのマスター:脱落者。金色白面を現世につれてきた元凶。金色白面をキャスターに封じ込めていた。

ランサー:真名パロミデス。キャスター戦も金色白面戦も前線でライダーと供に攻めていたが…ジリ貧状態。キャスターには少し思うことがあった模様。

アサシン:真名ハサン。キャスター戦にて宝具を使用しキャスターを倒す。そして金色白面戦にて火炎玉からマミを庇い異形の腕を切り投げる最後っ屁をかまし脱落…かに思われたが生存。ユイに頼み新たな腕を手に入れる。…主人公コイツだっけ?

アーチャー:真名サグメ(仮)。キャスター戦にて矢を放つだけだったが金色白面戦にて宝具を発動、自分ごと金色白面を脱落させる。私はしあわせな島よりは日の出る高校をやりこんでましたね…。

バーサーカー:真名不明。金色白面戦にてラティと供に復活。パロミデス、ライダーと供に金色白面を攻める。去り際に手を振るなど可愛い一面も。キャスター討伐後マスターとともに帰る。

ライダー:真名テセウス(仮)。キャスター戦、金色白面戦と特に目立った活躍無し。キャスター討伐後、ユイを殺そうとするがパロミデスに止められる。アーチャーへの敬意ということで一回だけ攻撃を行い去っていった。

キャスター:真名不明。召還と同時に金色白面を埋め込まれ今までもその能力を使用としてたことが判明。竜巻で防御していたものの"風避けの加護"を持つアサシンには効かず宝具を喰らい敗北。パロミデスのことは割りとマジだったらしい。

金色白面:キャスターの中にいた大神霊。キャスターのマスターより現世に来れたらしいがキャスターに封じ込められる。主導権はキャスターの方にあったらしくキャスターが死んだことで主導権を握る。当然キャスターよりも魔力の威力は高く一発で全滅させるほど。人間を玩具と思っているらしい。アーチャーの宝具により脱落するも最後に何かをしていたような…。cccでみたとき玉藻にこんなしゃべり方でご主人様と呼んで欲しいと思いました。

はい!キャスター戦終了です。いや、キャスター強かったですよね?ちなみにキャスターの真名はちゃんと考えてありますよ。アーチャーの真名も書くかもわからない別ルートで判明させる予定です…ごめんね。没案ですが設定上キャスターの真名は蘇妲己だったのですが…fgoでコヤンスカヤが出てきたから…やめちゃいました。またこれからもマイペースに書いてきますので楽しんでいただける幸いです。


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6章 2月10日(火) 前

デート回です。といっても私はデートなんてしたことないので…妄想です。


「パロミデスさん、デートをしましょう」

「ん?急にどうした?」

「………」

「おい、急に黙るなよ…って旦那?…そういうものか。わかったよ、俺も現在の街ってのが気になっていたから案内してもらってもいいか?」

「…!はい、お任せください!」

 

「頑張ってくださいね…センパイ」

 

ーーー

 

朝になり目を覚ました私はマミと臓硯さんとで朝食を食べている。…マミちゃん、君のせいだからね。だから揚げタガメを食べてる私をそんな目でみないで…。これは魔力補給だから、あくまで魔力補給。外はバリバリで中はザクザクなスナックな食感だから、ポテチと変わらないから。…何か話題無いかな、そうだ。

 

「マミちゃん、今日は学校行こうか」

「え?魔術の練習はいいのですか?」

「それがね…これ以上もう伸びないみたいで。それに私が聖杯戦争に参加するのは今日までだから…」

「わかりました、一緒にいきましょう。それはそうとセンパイ」

「何?」

「この薙刀について何か言うことはありませんか?」

「………」

 

パロミデス…。この後無茶苦茶、謝罪、投影、製作(黒檀)したが許されず、後日にまた話し合うこととなった。

 

「ねぇ、マミちゃん?」

「何ですか?」

「1つ聞きたいことがあるのだけど…」

 

ーーー

学校

 

「おはよう、ユイ。用事はもういいの?」

「おはよー。まぁ一通りはね」

「それはそうと遠坂君、昨日来てなかったのだけど何か知らない?」

「んー、わからないけど多分家の用事じゃない?サボる人ではないし」

「ユイと違ってね」

「うるせぇやい、…ねぇニノちゃん、聞きたいことがあるのだけど」

「何?彼氏でもできた?」

「………」

「え?マジ?プリクラある?」

「そうじゃないけど実は…」

 

 

その後はとくに変わったこともなく放課後となる。………。よし、行こう。もう今日しかないなのだから…。

 

ーーー

 

パロミデスを呼び出しデートへと誘う。………。うん、上手くいった。しかし、何をするにしても鎧じゃ目立ち過ぎるよな。よし、1/150の若松城をあきらめればお金は十分あるしまずは服屋にでも行こう。お洒落なんてしないからセンスはないだろうけど適当に服を買って…あっメガネ。これは絶対いる!…こんなところか。

 

「パロミデスさん、もういいですよ。これに着替えてください」

「了解っと…これが現在の服装か…どうだ!」

「とっても素敵です!」

「ありがとうなマスター」

「あ、外でそう呼ばれるのはちょっと…」

「わかったよユイ」

「はい!」

 

ワイルドだ…元がいいのか、私のセンスがいいのか…絶対前者だろう。でもやっぱりメガネ。メガネが彼の魅力を上げているのだろう。インテリな感じを出すはずのアイテムだがむしろ圧を抑えるためにつけてるようにしか見えない。…周りに女の子が集まり始めているし次のプランにいこう。二ノちゃんからはホラー映画がいいって聞いたからそれをみようかな。

 

「パロミデスさん、映画って知ってますか?」

「まぁ聖杯からある程度は…」

「この映画を見ましょう!」

「おう、楽しみだ」

 

私は持っていないけど携帯電話に死が予言される内容のホラー映画だ。どんな内容かな。………。…二ノちゃん許すまじ。めっちゃ怖いよ。パロミデスも怖がって…無い。エレベーター!…怖いよ。ッ!パロミデスが手を握ってくれた!映画をみよう。…この子どうなるの。えっ!…後味の悪い終わりだな。

 

「パロミデスさん、楽しめました?」

「あぁ、怖がってるユイをみれたしな」

「…イジワル」

「ん?この映画は…アーサー王?」

「これですか?えーと7月からですのでまだまだ先ですね」

「…なんであの道化師が出てやがる。ボールスはまだいいよ。だがなんであんな奴が選ばれんだよ、ラモラックの旦那か俺を選べよ。終いにはギネヴィア様に弓を握らせてよ」

「あー、そこはしょうがないですよ。当時の記録を元に作られたあくまで作品ですから。気になるならまた一緒に見にいきましょう!」

「…だがユイ、俺はサーv」

「やめて、…今だけはそれは言わないで」

「………悪かった。次はどこにいくんだ?」

「はい、ゲームセンターです!」

「ゲームセンター?」

 

「だー、なんで取れないだよ」

「ふふっ、こういうのにはコツがあるんですよ…あれ?」

「お前も失敗してんじゃないか」

「あとちょっとなんです!」

「…よし、取れたぜ!」

「すごいです!」

「やるよ」

「え?」

「俺はお前に何も渡せていない…槍も服も貰ってばかりだからな…。それともこの人形は嫌いか?」

「…ありがとうございます。でも私はあなたから色んなものを既に貰ってますよ。そうだ!パロミデスさんこっちに来て下さい!」

「なんだこれ?」

「プリクラですよ!やりましょ!」

「お、おう」

 

パロミデスの顔にひげを書くとパロミデスは貫通した矢や槍を私につけてきた…小学生か。あっもう最後の一枚だ…最後はやっぱり…

 

 

「ありがとうございました」

「…おう」

「マミの家に帰る前に私の家へ行きましょう」

「了解した」

「………」

「………」

「………」

「…なぁユイ」

「なんでしょう?」

「何故俺をデートに誘ったんだ?」

「………」

「………」

「…さっきのプリクラでわかりませんか?私が貴方のことを好きになったからです」

「いつからだ?」

「さぁ?ハッキリと自覚できのはキャスターが倒れた後ですが…、もしかすると召喚しライダーから助けてくれた時からかもしれないですね。…あなたにはイゾルデという想い人がいるのはわかっています。ですが、私は貴方が好き。…例え聖杯戦争が終われば離ればなれになることがわかっていても、私は貴方が好き」

「…ぷっ、アハハハッ」

「…何で笑うのですか!?私が精一杯の想いを伝えたというのに!?」

「いやー、お前がおもしろいことを言ってたから」

「この気持ちは勘違いなんk」

「違ぇよ。俺は正直イゾルデなんてどうでもいいんだよ。てか今はもうサーヴァントだぜ。何したってあのイゾルデは手に入らねぇんだぜ」

「でも聖杯に願えば叶えれるんじゃ」

「叶わないよ。過去に飛ばされようが、聖杯からイゾルデを渡されようがそれは俺の求めていたことではない」

「でもそこまで笑わなくても…」

「悪い悪い。…でだ、コレが俺の答えだ。お返しだ、目を潰りな」

「ッ!」

「………。ぷはー、この身が滅びるまで貴方の側にいることを誓いましょう…よろしくなユイ」

 

………。ありがとうパロミデス。

 

「じゃあ帰るか、お前の最後の戦いだしな」

「はい!」

 

「上手くいったようですね」

「そうですな。ライダーを警戒しつつ護衛を続けましょうマスター」

 

家へと帰った私達だけど電話がチカチカと点滅している…誰からだろう?切嗣?とりあえず…ポチっとな。

 

『ユイ、今から1つめの飛行機に乗る。ここへの到着時間はハッキリとしないが明日の夜までには帰るだろう。このメッセージを聞けているということは明日も大丈夫だと信じてるよ。…後1日だけ頑張ってくれ』

 

…忘れていたわけではない。だがマスターが切嗣に変わったらパロミデスはどうなるのだろうか?まさか令呪で自害させられるのでは。それなら今日なんとしても決着をつけなくちゃ…。聖杯ならパロミデスを受肉させることもできるよね。このときの私は自分が生き残ることよりもパロミデスのことを考えていた。

 

 

ーー

 

「んで敗北者の俺はここで何をすればいいんだ?」

「とりあえずはここを修復してくれ」

「はいよ、…本当にここならライダーは攻撃しないのだな?」

「ルール上はな。だがアイツ次第ではある」

「その時はその時なんだが…お前何かあったか?雰囲気が気持ち悪いぞ」

「…いや、何も。それより明日時計塔から魔術師が1人来るとのことだ」

「聖杯戦争絡みか?」

「…前回の生き残ったマスターだよ。いや、勝利したというべきか」

「勝利だと、一体何者だ?」

「ロード・エルメロイⅡ世、現代魔術の講師で数々の異名を持っている。彼のところで学んだ生徒は大成するらしい」

「10年前のお前の感想でいい、どんな奴だった?」

「…戦争の時は眼中にすらならなかったよ。ハサンではないアサシンを召喚していたこと以外は」

「ハサンじゃないアサシンだと!?」

「ふっ、ここにいれば明日みれるかもしれんぞ」

「みれる?受肉でもしたというのか?ということはまさか前回ソイツが聖杯を…」

「なら今回の戦争は起きていない…まぁ正直私も詳しくはわからない。だがそれが今の彼の地位となった理由の1つでもあるのは確かだ」

「…なんでそんな大物が来るんだよ。参加者ではないのだろ」

「恐らくだがライダーのことだろう、自分のものにでもするのでは」

「時計塔の連中が手放した奴をか?」

 

レンは教会にて綺礼の保護を受けていた。その間に前セイバーとパロミデスの戦闘でボロボロになった教会を修理するのであった。

 

ーーー

 

「日本に行く、準備しろアサシン」

「お、10年ぶりだねー。姫は引き込もっていたのだけど…いいよ、一緒に行ってあげる。ちょっと待っててね、マーちゃん」

 

時計塔にてロード・エルメロイⅡ世と呼ばれる男性とアサシンと呼ばれた女性、前回の聖杯戦争の参加者である彼らの目的は一体…




衛宮結:JK。虫食にハマる。パロミデスが壊した薙刀を直すのに魔術を使用したためマミに怒られる。パロミデスに服を選び、着信◯リを見て、ゲーセンからのプリクラと放課後デートを楽しむ。そして…パロミデスと付き合うことに。しかし戦争中限定という短い期間と明日には戻る切嗣について頭を抱えることに…

間桐真実:JK。部活の薙刀が壊れてたことをユイに突き詰める。ユイにデートのアドバイスをする。デートにこっそりと付いてきていた。

遠坂蓮:脱落者。教会に保護されながら綺礼を手伝う。前回の聖杯戦争についてはあまり知らないようだ。

言峰綺礼:監督。蓮を保護する。何か色々とスッキリしてる。

ロード・エルメロイⅡ世:前回の参加者。ハサンではないアサシンを召喚し、現在でも連れている。時計塔で講師をしている。

衛宮切嗣:ユイの養父。明日には帰るらしい。

柳洞二乃:JKでユイのクラスメイト。ユイにデートのアドバイスをする。寺の娘で跡取りの婿を探してる。

ランサー:真名パロミデス。ユイとデートをする。お金なんて1円も持っていないためユイに全て出してもらう。…ユイから告白されて付き合うことになった。キ◯グアーサーに自分が出ていないのが不満。

アサシン:真名ハサン。パロミデスに乙女心を伝え、その後はマミと一緒にデートの様子を見張る。

前アサシン:真名不明。前回の聖杯戦争から生き残っているが受肉かどうか不明。ハサンではない。マスターであるロード・エルメロイⅡ世とは仲はいいらしい。一人称は姫と書いてわたし。


はい、デート回でした。なんとギルガメッシュみたいに前回から生き残ってるサーヴァントいましたね…真名バレバレだけど。最初は静謐ちゃんかセミラミスと毒タイプのアサシンにしようと思ったのですが…、扱うの難しいそうなので没にしました。武則天か前アサシン(あえて伏せます)かで悩んで…後者にしました。まぁFGOでは持っていないのですがね。次回は戦闘パートになります…クライマックスは近い。お楽しみに…


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6章 2月10日(火) 中

最終決戦の開始です。とあるサーヴァントの絆礼装のネタバレがあります、ご注意ください。

同盟組んでると裏切られないかと内心に不安なるので仲間にダメージがあるゲームはやりません。ポケモンのダブルバトルやマルチバトルは別ですが…カムバック、ゆうちゃん(ドラパルト♀)。


「では行きましょう」

「ライダーとバーサーカーだけとはいえ油断はできないな。警戒しながらいくぞ」

 

最後の準備が終わった私は聖杯戦争を今日中に終わらせるための作戦を考えてながらマミの家へと向かう。あれ?近くにいる。心配して迎えに来てくれたのだろう。…言うだけ言ってみよう。

 

「マミ、今夜で全て終わらせたいと思ってる」

「え?センパイ、明日にはお義父さんも戻ってくるのでしょ?なぜ、大きく動くのですか?」

「…切嗣が戻ったらダメなんだ。なんとしても今夜、終わらせる」

「センパイ…」

「私は本気よ。何なら今あんたを殺してもいいと思ってる」

「おい!ユイ!」

「…わかりました。ユイセンパイ、まずはどうしますか?」

「バーサーカーを倒す。アサシンの不意討ちでラティさんを殺せば…後はライダーだけだ」

「ライダーを倒した後はどうするのですか?」

「ッ!」

「後はランサーでアサシンを倒して終了、何て言いませんよね?そうなれば聖杯を取ったセンパイを殺しますよ」

「互いに殺し合いになるのなら同盟はここまでね」

「…そうですね、アサシン」

「御意」

「ハサンの旦那!おい、ユイ。おかしいぞ、急にどうしたんだ?」

「…ごめんなさい。どうしても今日で終わらせたいの」

「何で今日で終わらせたいんだ?」

「………」

「黙るなよ。…魔術師、少し待ってくれ。ダメなら勝手に攻撃してくれて構わん」

「3分だけ待ってあげます、…センパイをお願いします」

「…あぁ。任せな」

 

パロミデスに連れられその場から離れる。

 

「ユイ、答えろ。なぜ今日中に終わらせたい?」

「………」

「答えないなら、今ここで自害するが」

「やめて」

「ったく、喋れるじゃないか。質問を変えてやる、何をそんなに焦っている?」

「…切嗣が明日には帰ってくる。帰ってきたら切嗣がパロミデスのマスターになって、自害を命じるかもしれない。なら、聖杯を先に手に入れてパロミデスさんを受肉させれば…」

「全て解決ってか、じゃあアサシンたちはどうなる?アイツらだって願いがあって参加している。それにお前…あの魔術師を殺せないだろ?殺気ってのが全然ない。魔術師の方は普通にお前を殺せるだろうがな」

「ッ!…願いを聞いて叶えてあげる。マミの方は使った後でも聖杯さえ渡せば…」

「んなことできるならこんなのに参加するわけないだろ!それに、俺にだって願いはある。その事を忘れてないだろな」

「パロミデスさん…」

「…これだけは答えろ。アサシン陣営の同盟をどうしたい?続行だろうと終了だろうと俺はどっちでもいい」

「…同盟は続けたい。やっぱりマミを殺したくなぃょ…。でもパロミデスともっと一緒にいたぃょ…」

「わかった、今はそれで十分だ。涙を拭きな」

 

一通り泣いた後、パロミデスに連れられマミの前まで行く。マミの目は冷たく何がきっかけで攻撃してくるかはわからない。でも…ちゃんと伝えなくては。

 

「で、どうするのですかセンパイ。同盟はやめますか?」

「同盟は続けたい。例えマミが私を殺そうとしても私はマミを殺さない」

「そうですか、では今すぐに死んでください」

「投影」

「ッ!トリスタンの弓ですか!」

「殺してくるなら抵抗はするけどね」

 

私へと攻撃してくる触手を投影した弓?から出る空気の刃で切り落とす。本物よりかなり劣化しているが触手を切るには十分のようだ。正直これだけでかなり魔力がもっていかれたが…是非もない。

 

「フフフ、いいですよセンパイ。同盟は続けましょう。ただしいつ私やアサシンがセンパイを殺しにくるかわからないことを肝に命じておいてくださいね」

「うん、もちろんだよ。それで今からなんだけど…バーサーカーを攻めに行こうと考えてる」

「わかりました、行きましょう」

「その前に…アサシンさん貴方の聖杯への願いを教えていただけてもよろしいですか?」

「私の願いですか?………。別にございませんよ」

「え?」

「私は翁としての名を残すことが願いです。聖杯に呼ばれあの大神霊のキャスターを倒せたので満足はしております。後はマスターの願いを叶えるべく動くだけです」

「…ありがとう。マミは聖杯さえ手に入れればいいんだよね?」

「はい、おじいちゃんに渡せればそれで満足です」

「私はパロミデスの受肉を願いたい…、前回のサーヴァントの魂があるのなら2つくらい叶えれるよね?」

「わかりません、ですので最初は私の方を優先させてください」

「………わかった」

 

これは譲歩しといた方がいいだろう。協力がなければ元も子もない。…最悪、私が本気でマミを殺すことになるかもしれないが…きっとそんなことにならないだろう。バーサーカーの居場所もわからない以上、今は…利用しよう。ダメだ、恋愛と親愛どっちを取るか頭のなかでドロドロになっている。落ち着いて私。しばらくマミについていくと森へと入っていった。…不意打ちでもしてくるのか?などと考えていたら館みたいな建物がみえてくる。きっとここがバーサーカーの陣営なのだろう。ッ!既に戦闘が始まっている。そこには短剣を持つライダーと2本の斧を持つバーサーカーが戦っていた。どちらを狙うべきだ?………。ライダーの方が追い込まれている。ならば…

 

「パロミデスさん、バーサーカーを攻撃してください」

「了解」

「マミは私と一緒にライダーを、アサシンはマスターの暗殺を」

 

バーサーカーを倒せば残りは手負いのライダーだ。ここからでも攻撃して脱落させる。

 

「投影」

 

トリスタンの弓を投影し、空気の刃を放つ。マミの虚数の触手で動きを制限させながら、空気の刃を当てる…ッチ、ダメージがあまりないな。それはともかくラティの姿がどこにも見えない。どういうことだろうか。今はパロミデスがバーサーカーを倒すまで少しでも時間を稼ぐ。

 

「おまえも、きたか、ますた、わたさない」

「ハハッ、いくぜいくぜいくぜ」

「ぐぅ、この」

 

パロミデスはバーサーカーを攻撃していく。バーサーカーも非常にタフで攻撃の勢いが衰えることはない。だが少しずつであるがパロミデスに追い込まれている。…こっちも早く勝負を決めないと。

 

「マミ!」

「はい」

 

マミは黒檀の薙刀を触手に掴ませ、私はアサシンの短刀を投影する。それをそのままライダーに投げるが…

 

「舐めるな、魔術師」

 

馬を召還され逃走を許してしまった。くっ…

 

「まだ、まけない」

「しぶといヤツだな」

「ぼく、らてぃ、まも…!」

「消えただと!…令呪か」

 

パロミデスの方も逃走を許したようだ…。

 

「ぐ…ごめんなさい」

「謝る必要はない、がどうみてもみていた方がいい状況ではあった」

「ごめんなさい」

「どっちを追うんだ?といってもバーサーカーの方しかわからんが」

「バーサーカーを追いましょう。パロミデスさん、案内をお願いします」

「任せな」

 

「アサシン、バーサーカーのマスターはいましたか?」

「いえ、外にはいないようです」

「ということはやはり中に…センパイ、気をつけていきましょう。その前に兄さんから頂いたこれで補給を」

「…虫じゃないの?」

「あれは緊急時の補給です。…センパイ、正直ドン引きです」

 

宝石を砕き水で飲む…虫の方がよかった。扉を開けて館の中へと入っていく…いきなりハチの大群!

 

「投影」

「うぉぉ」

「いきます」

「シャアッ!」

 

4人であっという間に片付ける。…そして気づいてしまった。

 

「入り口が無い」

「どうやらバーサーカーの宝具のようですね」

「そういえばキャスター討伐の時に使ったのだよね?それで前バーサーカーを倒したって」

「センパイ、おそらくですがバーサーカーの真名はミノタウロスだと思います」

「ミノタウロス?牛の怪物ってことしか知らないけど」

「正確には半分人なのですが…。彼にはこんな逸話があります、ある島に毎年7人の男女を生け贄を出す必要がありました。生け贄の男女は迷宮に入れられミノタウロスの餌になるのです。ある年にテセウスという英雄が生け贄となり迷宮に入ります。そしてテセウスはミノタウロスを短剣で殺し迷宮を脱出しました」

「つまり…バーサーカーを殺さないと出られないんだね」

「その通りです」

「んじゃ、さっさとバーサーカーのところまで行くぞ」

「わかるのですか、パロミデス」

「あぁ、最短ルートで行くぞ」

「待ってください、迷宮にはバーサーカー以外の危険も…」

「んなもん正面突破だ」

 

ラティの糸で出来た虫、猪の怪物、大岩の罠と危険はたくさんあったが確実にバーサーカーへと近づいている。そしてついにバーサーカーの姿がみえた。泣いてる?…そばにいるのは眠っているラティ…そういうことか。

 

「バーサーカー」

「っ!らてぃ、わたさない」

「いや、取らないよ。…亡くなったの?」

「…うん、じゅみょ。みにくいぼく、かいぶつのぼく、だいじにしてくれた。ぼく、ぱすきれた、もうきえる」

「ミノタウロス…」

「ちがう、ぼく、あすてりおす」

「アステリオス?」

「正確には違いますが彼の父、ミノス王がつけた名前です。ミノタウロスだと牛の怪物という意味ですからね。しかし、そうなるとライダーは…」

「ライダー?」

「兄さんからライダーの真名はテセウスと聞いていたので因縁があるはずのですが…そんな様子はありませんでしたし」

「アステリオス、ライダーってテセウスなの?」

「ちがう、あいつ、てせうすじゃない。てせうす、もっとつよい。そして、やさしい。」

「何かわからない?」

「あいつ、うま、はねあった」

「羽?」

「いかろす、みたいな、しろい、きれいな、はね」

「角じゃないのか…」

「ペガサス…ですよね、となるとライダーの真名は…ッ!」

 

「聖杯は俺が貰う」

 

「ライダー!」

「ますた、わたさない」

「死ね」

「!ぐぁぁぁ!」

「アステリオス!」

「お前も死ね」

「マミ!」

「くっ…」

「遅い…ッ!生きていやがったかアサシン」

「はっはっはっ、ですがここまでのようです」

「アサシン!」

「野郎、ユイ応戦するぞ!」

「わかりました」

 

バーサーカーから真名を教えてもらい、ライダーの重要な情報を知ったその時であった。どこからかライダーが現れバーサーカーを切る。…あきらかにダメージが大きい。そして次はマミに標的を決め短剣を構え攻撃してきた。反応が遅れたマミが触手を出すもあきらかに間に合わない。マミッ!…マミが切られる瞬間にアサシンが間へ入りマミを庇った。急いでパロミデスと共に応戦する。

 

「マミ殿、私は貴殿がマスターでよかった」

「アサシン、アサシン!」

「…ハナムです。アサシンでも翁でもない…私…いや俺の名です。どうか頭の片隅でいいので覚えていただけると嬉しいです」

「くっ、前の時よりもひどい…ハナムッ、ハナムッ!」

「大神霊を倒しただけではなく、忘れていた自分の名前を思い出せるとは…きっと普通の両腕になったお陰でしょう。同盟者に感謝をお伝えください」

「いや、絶対治すんだから」

「マミ殿、俺はこの聖杯戦争に参加したことを誇りに思います。これは初代様に報告をしなくては」

「まだよ」

「…さらばだ」

「ハナム!」

 

アサシンは泡のように消滅した…。仮面で見えないはず彼の顔を浮かべ泣くなく少女が1人そこにいた…。

 

「チッ、なんだよ武器は」

「剣が…槍に?」

「槍には槍だろ…だいぶ解けてきたな」

「うぉぉ!」

「投影」

「はん、来い馬!」

 

ライダーの持っていた短剣が槍へと変化した。…とはいえ槍通しだとパロミデスで圧していた。そこに馬を呼び出し騎乗する。そしてパロミデスに突進する…とみせかけて私へと迫る。ヤバイ。何か、ないだろうか…そうだ。投影。そしてそれを投げる。

 

「ッ!アサシン!」

「この野郎!」

「のわっ!」

 

仮面に怯み隙が出来たライダーにパロミデスが一撃を叩き込みライダーは落馬した。落馬した先には…ラティの遺体。ライダーはラティの胸を手を突っ込み何かを取り出す。…トロフィー?

 

「…ついに手に入れたぞ聖杯」

「あれが聖杯?」

「渡すかよ、うぉぉ…ぐっ!」

「ようやく完全に元に戻れる。うぉ、力が溢れてくる。いや、何なのだこれは…があぁぁぁ!」

 

パロミデスがライダーへと攻撃にかかるが一撃で吹き飛ばされる。その後突然ライダーが苦しみだし…そこにいたのはライダーではない禍々しい何かであった。

 

 

ーーー

アサシン脱落




衛宮結:マスター。パロミデスのことで頭がいっぱいになりマミと一触即発に…。結局答えは出なかったが、今日中に聖杯戦争を終わらせようと動き出す…。バーサーカーとライダーの戦いに突っ込んだ結果どちらも逃がすことになった。バーサーカーの迷宮に入り、数々の難関を乗り越え、亡くなったラティとバーサーカーを目撃する。バーサーカーから情報を得るもライダーの襲撃にあう。トリスタンの弓、ハサンの短刀、ハサンの仮面など、数多くの投影を行う。

間桐真実:マスター。ユイと一触即発になるも何とか同盟を続ける。ユイへ殺気を向けれるようでいつでも殺せるらしい…。聖杯を先に使わせてもらえるので機嫌がよくなり、ユイの指示通り動いてくれる。バーサーカーの真名についてユイに解説する。迷宮内にてライダーの襲撃にあい、殺されるかけるもアサシンに庇われる。その後、キャスター戦のように必死に治療しようとするも…助けることは出来なかった。アサシンの遺言を聞きその場で涙を流している。

ラティ:マスター。寿命により亡くなる。亡くなる直前に令呪でバーサーカーを呼び出し、最後に話をする。…その後、ライダーに聖杯である心臓を抜かれる。

ランサー:真名パロミデス。ユイの苦悩を聞き出し、解決とまではいかなかったがアドバイスを送る。同盟の崩壊を何とか止める。バーサーカー戦にてバーサーカーを追い詰めるも令呪で逃げられる。迷宮内でバーサーカーの居場所を最初から知るなど謎の能力がある。ライダー戦にて槍+乗馬のライダーの隙を突き一撃を与えるも結果的にライダーに聖杯を掴ませることになった。彼の願いとは一体…

アサシン:真名ハサン・サッバーハ。本名はハナム。義手ではあるものが普通の両腕での一時を楽しんでいた。願いとしては顔を元に戻したいもあったが望み過ぎだろうと感じ、現状で満足している。バーサーカー陣営での初戦ではラティを探すが外にはいなかったため活躍はなし。その後、ユイたちと迷宮内で数々の難関を乗り越えバーサーカーを見つけ出すもラティが亡くなっていたため、自分の役目の終わりを感じる。その後、ライダーの襲撃からマミを庇い…脱落した。…自分を思い出せるきっかけをくれたユイには感謝している。

バーサーカー:真名アステリオス。先に攻めてきたライダーを追い詰めていたがパロミデスの乱入により、ライダーを逃がしてしまう。さらにパロミデスに追いまれるも令呪によりラティの元へ撤退する。その後ラティが亡くなりユイたちが来るも戦意は無く、自身の真名と知っている情報を話すもライダーの襲撃で大ダメージを負う。パスが切れており消滅している。

ライダー:真名…不明。マミがレンからテセウスと聞いていたためそうと思っていたが違うようだ。羽のある馬に乗ってるらしい。バーサーカー陣営を攻めるも返り討ちにあい、ユイとマミに止めをさされようとするも何とか馬で撤退する。その後、迷宮内に侵入しユイ達を襲撃し、バーサーカーに大ダメージを与え、マミを庇ったアサシンを脱落させる。パロミデスと戦闘になり、ユイを狙うもハサンの仮面に怯み、パロミデスから一撃を貰う。しかし、とんだ先にラティの遺体があったためそこから聖杯を取り出す。その後、禍々しい何かに覆われる。短剣が槍へと変わったりと何かがおかしい。羽ある馬に乗ってるらしい。

はい、最終決戦です。え?ロード・エルメロイⅡ世?参加しませんよ。だって彼の戦争は10年前に終わってますから。まぁ書くつもりはないですけど…、面白いかな~とは思ってますよ。綺礼とジル、雁夜とトリスタン、ケイネス(仮)とダレイオス三世、ロード・エルメロイⅡ世とアサシン(姫)、そこに切嗣と時臣(仮)に謎のマスター、キャスター(毒)が加わりますからね…。

それはそうとFGOで最初に絆レベルがMAXになったのは誰ですか?私は清姫です。絆礼装って意外なことがかかれたりしますよね?…今回のアサシンのとか。次回で最終回かな…楽しんでいただけたら幸いです。では


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6章 2月10日(火) 後

聖杯戦争終了です。

新しい仮面ライダー、倒した敵の巨大化に、EDダンスって…電王…いやスーパー戦隊感が…。何より主人公のタケル殿感…。んー、クウガ以外の平成ライダー全部とゼロワン見てきたけど…もう卒業かな。


「がぁぁぁ!」

 

聖杯から何かを受けたライダーだが…明らかに様子がおかしい。

 

「もう魔力は十分なんだ…、願いを叶えてくれるのじゃなかったかのか…」

「このっ、何1人ブツブツ言ってやがる」

「とりゃ」

 

何かを呟いているライダーに攻撃をする。投影がキツくなったため強化魔術でナイフを投擲した。

 

「邪魔すんじゃねぇ」

 

が、槍で一蹴される。その間もライダーは聖杯から何かの侵食を受けているようだ。…このままでは不味い。少し避難を…マミ!触手に回収され撤退する。

 

「マミ、あれは何なの?」

「考えられるの金色白面の呪いかと」

「最後に煙を出しながら消えていたが…」

「どんな呪い?」

「わかりません、神は自分勝手ですからね。ですが聖杯からライダーが魔力を得たことでなっているの確実です。今もああして魔力を得てます」

「時間もないってことか…」

「待って!ライダーが何か言ってる」

 

「俺はテセウスじゃない」

「俺を殺したゼウスを…俺をテセウスにしたあげく勝手に死んだアイツを…」

「セイバーの時は一時的に解放されたんだ…」

「俺だって怪物を倒した英雄なんだ」

「アテナ様、どうかお助けを…」

「ポセイドンの子だぜ俺は」

「王女様には復讐したんだ、ゼウスがなんだ」

「何がテセウスになれだ、何がテセウスとして戦えだ」

「俺の武器に触るな」

「それは…怪物を殺した槍だぞ」

「馬…悪いなお前の力を出せなくて…名前すら呼べなくて…」

「雷が呪いを抑えてくれてるのか?皮肉なものだな」

「魔術師め…俺を何だと思っていやがる」

「誰がベレオス殺し(ベルレフォーン)だ…俺は…俺は…」

 

「俺はヒッポノオスだ!」

 

ライダーが大声で叫びだす。ヒッポノオス?聞いたことのない英雄だ。ゼウスと言ってた以上ギリシャ出身ということは間違いなさそうだが。

 

「えっと、確かアタランテの夫だったはずだ。金のリンゴを使って妻にした、いけ好かない奴」

「ランサーさん、それはヒッポネメスです。そうですね…、ペガサスはわかりますかセンパイ?」

「うん、翼の有る馬だね」

「彼はそのペガサスに乗りキマイラという怪物を倒した英雄です。ヘラクレスやテセウスより前の英雄だと聞いてます」

「弱点は?」

「彼の死因は、ゼウスの怒りによる落馬です。しかし空中にいるライダーを狙うのは困難でしょう」

「ぼく、おとす」

「アステリオス?」

「ぼく、もうきえる、でも、らてぃの、かたきうつ」

「…決まりだな、行くぞ」

「私たちは遠くから援護します」

 

…どうなるかわからない。だがライダーをあのままにしている時間もない。…あの弓なら。投影…ダメだ。思い出すのに時間がかかる。イメージだ。思い出したところから点と点をつないでいく…

 

「うがぁぁ!」

「いくぜいくぜ!」

「俺はヒッポノオスだ!」

 

パロミデスとアステリオスはヒッポノオスを攻撃をする。ヒッポノオスも反撃し均衡状態ではあるもののアステリオスが消え始めた。…迷宮も崩れてきてる!

 

「死ね、怪物が」

「がぁっ!」

「アステリオス!」

「この、まだだ」

「しぶとい怪物だな」

「うぁっ」

 

アステリオスはとばされ壁と叩きつけられた。…足がもう無い、どうやらここまでのようだ。迷宮は完全に無くなり館の中へと移動する。

 

「後はお前だけだランサー」

「こっちのセリフだ、ライダー」

 

パロミデスとヒッポノオスが槍で戦い始める…パロミデスの方が圧している!…後もう少しだけ。効くかはわからないがアーチャーのあの矢ならきっと隙が…

 

「ーーー"天馬、降臨(ペガサス)"」

 

ヒッポノオスが馬…いやペガサスを召還し騎乗する。ペガサスは雷を纏い、空中を移動し一歩的に此方を攻撃してくる…なんとか対処していたもののついにパロミデスが圧され始める。動いている以上はこちらも矢を当てれない。…何かないのか?

 

「終わりだランs…ッ!」

「アステリオス!」

「…ばいばい」

「投影」

「怪物が…ぐぅ!」

「今よ、パロミデス」

「うぉぉお!」

 

どこから2本の斧が飛んできた…どうやらアステリオスが最後の力を絞り投げたのだろう。ライダーの動きが止まる。バーサーカーは手を振りながら消滅した。その隙に金色白面を殺した矢を投影しヒッポノオスと当てた…。本物よりも大きく劣化しており更には返っていないにも関わらずダメージはあるようで更に隙が生まれる。そこをパロミデスは…ペガサスの首を切った。ペガサスは消滅しライダーは地へと着く。

 

「ペガサス!…ランサー、騎士ともあろう貴様がこんなことをするとはな」

「これは戦争だぞ、ライダー。それに…アステリオスとマスターが作ってくれたチャンスだ。無駄には出来ねぇ」

「ほざけ、死ぬランサー」

「終わりだライダー」

「ごっ…!」

 

互いに槍を突き会う…がパロミデスの方が早くヒッポノオスの胸を貫いた。ヒッポノオスの消滅が始まる…

 

「…ここまでか」

「お前の願いってのは何だったんだヒッポノオス?」

「俺を殺したゼウスをぶん殴る。笑えるような願いだろ?」

「ハハッ、確かに笑える願いではあるな。だがその願い俺は嫌いじゃないぜ」

「だがマスターが悪かった。テセウス狂いなマスターで、俺がテセウスじゃないとわかると令呪を全て使ったあげくに自害しやがってな」

「それでお前はずっとテセウスらしく動いていたと」

「マスターの残してた2つの魔術礼装はまだいい。だが俺がキマイラを倒した鉛の槍を、テセウスがミノタウロスを殺した短剣に変えたのは許せない」

「俺から運が無かったなとしか言えん」

「お前の方はマスターに恵まれたな」

「あぁ、…最高の女だわ」

「…ここまでのようだ。後は任せる」

「任せる?聖杯を託すのではないのか?」

「…前回の三人が入っている。つまり既にあの状態で聖杯は満たされていた。いや、むしろもう溢れていた。そこにアサシン、バーサーカー、俺が加わる。今の俺を見てわかるだろうが…金色白面の野郎が魔力を汚染しやがった。お前に押し付けて悪いが…溢れた魔力の対処を任せる」

「おい!」

 

「パロミデスさん、これで私たちの勝利ですね。じゃあ早速聖杯を…」

「こっちに来るなユイ!」

「どうしたのですかパロミデス?」

「ーー!センパイ、これは不味いです!」

「どういう…」

「逃げますよ、センパイ」

「これは俺でも危ない」

 

聖杯から黒い泥のようなものが溢れてくる。私たちは急いで館から抜け出した。だが泥はゆっくりではあるものの広がり始めている。今は館の中だが外に出るのも時間の問題だろう。

 

「何なのアレ?」

「金色白面の呪いで中の魔力が汚染されたらしい」

「じゃあさっきのヒッポノオスも」

「汚染された魔力を取り込んでしまったからだな」

「そんな、じゃあこのままだと」

「この森は全部無くなるということに…」

「森で済めばまだいい」

「どういうこと?」

「ヒッポノオスが言っていた。ハサンの旦那が脱落していない段階でもう聖杯は溢れていた。そこに旦那、アステリオス、ヒッポノオスか加わったんだ。夏海までには確実に広がるだろうな」

「どうすれば」

「…1つだけ方法が無いこともない」

「教えてパロミデス」

「俺が脱落することだ」

「「え?」」

「だがランサーとして、サーヴァントとして脱落すると聖杯に返るため被害が広がる…だから宝具を使う」

「するとどうなるのですか?」

「魔術師、ビーストクラスって知ってるか?」

「聞いたことないです。エクストラクラスの一種ですか?」

「その解釈でいい。そのエクストラクラスは聖杯に登録させないくらいレアなクラスだ。そのクラスになれば脱落しても聖杯を満たすことはない」

「…それはもう私とは会えなくなるということ?」

「…あぁ、そうなるな。…お前と離れるのは俺も嫌だ。だが助かる命を見殺しにしてお前は生きていけるのか?俺はそれでも生きていけるがお前は違う。だから…お前が決めろ」

「ランサーさん、それって…」

「わかっている。…酷な事を言ってるし、自分じゃ決めずにユイに逃げてるってな。だが俺はまだ数日しかいなかった町など簡単に捨てれるがお前らはどうだ?俺が捨てると言ったらそうしてたか?」

「「………」」

「館から泥が溢れるまでに決めな。何も言わないなら黙って2人とも遠くの町まで連れて逃げる」

 

どうするべきなんだ?マミも私からどういうべきかと困った顔が見られる。………。これは私がパロミデスを取るか、夏海のみんなを取るかなんだ。パロミデスを取ったとして夏海のみんなを犠牲に…無理だ。しかし、パロミデスを犠牲にしたとなると…これも無理だ。答えなんて…ヤバイ。泥がみえ始めた、時間は無い…

 

「パロミデスさん、宝具を使って止めてください」

「センパイ!」

「それがお前の判断かユイ」

「はい、その変わり…最後までそばに居させてください」

「センパイ、それは…」

「私もできるだけのことはしたいんだ、何も出来なくてもパロミデスの最後を見届けることはできる…だから…、だから…」

「泣き虫だな、ユイは。だがお前の決めれた。俺はサーヴァント、死者だ。本来なら結ばれることなどあっていいはずがないのにお前は俺を選んだ。それは俺にとっても嬉しかったことだが…これも運命なのだろう。…忘れろとは言わないがいい男見つけろよ。俺以上となるとなかなかいないだろうがな」

「………」

「…始めるぞ。魔術師、お前は離れてろ」

「わかりました、教会の方へ行ってきます。センパイの終わった後に来てください。…さようならパロミデスさん」

 

マミと別れパロミデスと2人きりになる。パロミデスの宝具はどんなものだろうか。………。ギュッ。

 

「おい、ユイ」

「すみません、少しだけでいいんです…最後ですから」

「…わかった」

 

名残惜しいが…離れないと…時間は無い。私は右手の痣に力を込める。

 

「令呪を持って命じます、"パロミデス、宝具を解放しなさい"」

「ーーー"唸る獣(グラティサント)"」

 

パロミデスの鎧が全身を覆うように黒く広がっている。…頭は蛇のような兜を被り、手からは人ではない鋭い爪が生えてきた。更には腰には太い尻尾も付いている。更に兜を突き破り2本の角が生えてくる。これが…パロミデスが追い求めた獣、グラティサント。さっき戦っていたライダーよりも禍々しく、身体中から寒気を感じ始める。その姿のまま叫びながら館へと入っていく。…中の様子を見に行きたいのに一歩も動けない。魔力消費が激し過ぎる…。更にはパロミデスの叫びが聞こえ続ける…。…死ぬ、でも…でもパロミデスはそれらを浴び続けているのだ。耐えろ、耐えるんだ私。パロミデスの合図がきたら…次の…いや、最後の仕事だ。

 

「ーーー!」

 

館が消し飛びパロミデスが姿をみせる。ッ!叫びながら尻尾を器用に使い泥を内側へ内側へと抑え込んでいる。しかももうすぐ聖杯を中心に囲えそうだ。泥を取り込むたびに黒い鎧は灰色に…いや白くなっていった。ーー叫びが急に止まる。

 

「ユイ!」

「令呪を持って命じます、"パロミデス、自害しなさい"」

 

パロミデスは自分の槍で胸を貫…かない。令呪が効いていない!ヤバイ、どうすれば。今の私にもう魔力は無い…どうすれば…

 

「重ねて…使え…」

「ッ!重ねて命じます、"パロミデス、自害しなさい"」

 

…ついにパロミデスは自分の胸を貫いた。…聖杯はドス黒いもので満たさせているものの溢れる様子はない。…そんなことより

 

「パロミデス、パロミデス、パロミデス…」

「泣く…なよ、ユイ。泣いて…お別れなんて…嫌だろ」

「私、私、本当にあなたが…」

「俺もだ、ユイ。ありが…とう」

「さようなら、いつかまた会いましょう」

「あぁ、またな…」

 

パロミデスは消滅した。………。覚悟していたのに…覚悟していたのに、涙が止まらない…。私は生まれて始めて泣き叫んだ。…その叫びはパロミデスにも聞こえているだろうか。

 

ーーー

バーサーカー脱落

ライダー脱落

ランサー脱落

 

聖杯戦争終了




衛宮結:マスター。ライダー戦にてアーチャーの弓を投影し、神殺しの矢を当てるなどランサーの勝利に貢献する。聖杯から溢れる泥に対処するランサーの活躍を最後まで見守り…。神の武器すら投影する子。

間桐真実:脱落者。ギリシャ神話を全く知らないユイに解説する。ライダー戦にて目立った活躍無し。聖杯から泥が溢れたため教会へと避難した。

ライダーのマスター:テセウスを召還出来ず絶望してライダーを残し自殺する。

ランサー:真名パロミデス。ライダーを倒す。宝具を解放し聖杯から溢れる泥を全て取り込み自害する。宝具によりビーストと呼ばれるエクストラクラスへと変化したが…詳細不明。

バーサーカー:真名アステリオス。消える直前までランサーと共にライダーと戦う。最後にした斧の投擲がランサーの勝利に繋がった。

ライダー:真名ヒッポノオス。聖杯を取り込むも呪いにより暴走する。テセウス狂いのマスターに召還されテセウスになるよう令呪で強制される。使える魔術礼装が残っていたため使っていたが、自分の槍を改造させたことは許せないらしい。聖杯により令呪は解け、汚染された魔力で強化された。天馬に乗りランサーと一騎討ちになるも、バーサーカーとユイの機転により天馬をやられ敗北。雷を纏うため、電撃を使うセイバーには相性がよかった。

聖杯戦争終了です。後、一話で終了です。…正直ここまで来れると思いませんでした。ビースト設定はガバガバなのは許してください。一体みたら後七体とか、抑止からのカウンターとかないのは…ごめんね。


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エピローグ 2月11日(水)

完結です。…朕のピックアップは嬉しいけど、先月の福袋に来たのだよ貴方。…よし、重ねようかな。


ーーまた夢だ。パロミデスが唸る獣を追いかけている。…パロミデスが纏った姿よりも…いや下手すればアステリオスよりも大きい。そんな獣を1人でただ追いかけている。炎を吐かれようが、尻尾で叩き潰されようがとにかく1人でだ。あ、ついに倒れた。…動かない、と思っていると巨大な盾を持った鬼◯郎みたいな騎士が近づいてきた。

 

「パロミデス卿、今日も無理そうですね」

「うるせぇ童貞野郎、まだ戦えるわ」

「早く倒しませんとパーシヴァル卿に取られますよ」

「お前はいいのか?」

「僕は僕なりに動いていますので」

「"武"以外が認められるやっぱり優等生は違うな」

「僕はランスロット卿より貴方の方が強いと思うのですが…」

「んなことないだろ。俺以外はキリスト教、つまりちゃんとした円卓の騎士だ。アイツらの自分の常識以外をみるとすぐ否定しやがる。俺はそんなやつらを半殺しにするが…ランスロット、アイツには勝てた試しがない。ハッキリといってアイツ程強い騎士はみたことがない」

「"武"だけをみればそうですね」

「んだよ、お前みたいに"心"が強いです~とかか?」

「驚きました、ある意味正解ですよ」

「ある意味!…スッキリしないな」

『そうですね、では1つ質問を…あなたはなぜ今も洗礼し改宗をしないのですか?」

「んなもん、円卓の騎士になったからという理由だけで簡単に変えれるかよ。…変えるにしても騎士として何でもいい、功績が欲しいんだ。イゾルデとかイゾルデとかイゾルデとか」

「(ーそういうところですよ。)最後が余計ですが…わかりました、では唸る獣討伐のため僕の作戦に乗っていただけますか?」

「なぜそうなるかよくわからんが…とりあえず話を聞かせろーーーギャラハッド」

 

ギャラハッド、ランスロットの息子で聖杯と供に昇天した騎士。パロミデス、交流あったんだ。場面が変わってパロミデスとギャラハッド、さらに別の騎士が火を囲い座っている。

 

「おい、なんで異教徒騎士がここにいるんだギャラハッド」

「この雑魚童貞も作戦の参加者かギャラハッド」

「パーシヴァル卿、パロミデス卿、喧嘩なら後にしてください。…では作戦について話していきます。ペノリア王亡き今、唸る獣を倒せる者で一番強いはパロミデス卿ですが追い込めても最後にはいつも逃げられております。パーシヴァル卿に関しましては攻撃1つすら当てれていない。原因は獣の吐く炎…それもランスロット卿ですら回避に専念する程の脅威です。それにより逃走を許してしまっています」

「まぁ、盾が溶けるからな」

「デカい癖に動きが速すぎるんだよ」

「そこで、提案なのですが…3人で倒しましょう」

「「は?」」

 

「炎だ、頼んだぞギャラハッド!」

 

「逃げますよ、パーシヴァル卿投槍の準備を」

 

「湖まで追い込んだぞ、奴に逃げ場は無い。…パロミデス、誠に遺憾だが止めは任せた」

 

「これで終わりだ!」

 

唸る獣はパロミデスに切られ…炎を吐きながら湖へと沈んでいった。ーーーパロミデスと一緒に。

 

「「パロミデス(卿)!」」

 

 

場面が変わりパロミデスが城で誰かを待っている…生きていたんだ。しばらくするとやってきたのはトリスタンだった。これは和解の戦いだろうか?パロミデスはトリスタンと一騎討ちのち…敗北した。

 

「…んじゃ、教会に連れてってくれ」

「ーー!まさか、あなた…」

「あぁ…改宗だ。洗礼を頼む」

 

パロミデスの褐色だった肌が憑き物が取れたかのように白くなっていく。私の読んだ話だとパロミデスの出番はここで終わりのはずだ。

 

 

「ランスロット卿、どうかキャメロットにお戻りくださいませ。王は貴方の帰りをお待ちです」

「くどいぞ道化、さっさと失せろ」

「このままですと王が…。貴方はわかっているはずです。なのに何故…ギネvー!」

「落ち着けランスロット、こんな道化にキレてどうする」

「…二言は無い。さっさと失せろ」

「ランスロット卿…」

「消えろ道化、目障りだ」

「ーーー異教徒騎士が」

「残念、もう異教徒じゃないんだよな」

 

更に場所が変わった。おそらくはランスロットの不倫が判明しランスロット派の騎士がフランスに移動してきた時期なのだろうが…こんなシーンは知らない、誰だろうかあの騎士は?道化と呼ばれていたいうことは…ダゴネット?少なくとも彼はもっと前に出なくなっていたはずだが…。ランスロットを説得に来たようだがダメそうだ。更に説得しようとするも地雷を踏んだらしくランスロットが殺しにかかる…もパロミデスにより止められる。追い返されるダゴネットであったが殺されかけ追い返したランスロットよりも命を助けたはずのパロミデスの方を憎しみの目で見てくる。…命助けられたのに何なのだこの道化の騎士は。

 

 

「ちくしょう、ランスロットめ…ついに死んじまったか。ボールスらも後を追うように死んで残ったのは俺だけか…」

「はぁ、大人しく貴族として暮らすのもいいのだが…何だかな…」

「…王はこんな時何を言うのだろうか?」

「よし、アヴァロンにでも探してみるか。ついでにイゾルデのところにも…」

 

「その必要は無い、お前は今から死ぬのだからな」

 

「ー!誰だ!」

「お前は人類の敵となる。その前に俺が殺す」

「へー、暇だったからちょうどいい。どこから来たかは知らないが俺を殺そうとするなら戦うまでだ…表に出ろ」

 

豪華な服を着て昼からワインを飲むパロミデス、その背後に褐色肌の男が現れ刃のついた銃を構える。…銃?この時代にそんな物は無いはずだ、この男何者だ?気がつけばパロミデスと謎の男は部屋から出ていた。

 

「準備ができるまで待つとは随分余裕な暗殺者だな」

「お前を殺すのにグランドクラスは必要ない」

「いや、グランドクラスだか、何だか言われてもわからないのだが…1つ教えてくれ。何故俺が人類の敵になるんだ?」

「お前の体内にある獣、ソイツが侵食しお前はビーストとなりこの街を…いや世界をも滅ぼす」

「ーーー唸る獣か?」

「しばらくは俺らが動くか動かないの瀬戸際で治まっていたようだが…その一線を超えたようだな。被害がお前だけならいい、だがソイツの唸りは不安、欲望、恐怖、などあらゆる感情を増幅させ精神を崩壊させる。そして、それは伝染していくため大きな災害となるだろう。…お前がなぜ今も崩壊していないか不思議なのだがな」

「と言われても実感なんてないのだがなーーーいくぞ」

 

戦闘が始まった。パロミデスは距離をつめ剣で攻撃するが銃の男の武器により流される。接近戦もできるのかあの男。更に銃で撃ってくる。未知の武器であるからか被弾するが急所だけはなんとか避けているようだ。…しかしこれだけでもう戦力差は明らかだ、パロミデスに勝ち目は無い。攻撃を続けるパロミデスだったがその勢いは落ちていく。鎧も剣もボロボロになり、ついに倒れた。

 

「終わりのようだな、ッ!侵食が早まったか!」

「ははっ、ただでは、殺させ、ねぇよ」

「ーーー獣が。惨たらしく死ね"無限の剣製(アンリミテッド・ロスト・ワークス)"」

 

倒れた状態ではあるものの生えてきた尻尾で一撃を銃の男に与える。銃の男は飛ばされたもののダメージはあまりないようで銃を構える。まずい、あれはもう絶対パロミデスを殺すための何かを撃とうとしている。気がつけば夢の中にも関わらず私は走り出していた。

 

「ダメェーーー!」

「「!!」」

 

体に何かが入り、爆発するような衝撃を感じながら私は意識を失った。

 

 

ーーあぁ、私はどうなったのだろう。目の前にはマミ、遠坂くん、臓硯さん、言峰さん、…そして切嗣。後は知らない男女がいた。どうやら夢から覚めたようだ。

 

「ここは…教会?」

「おはようございますセンパイ、と言いましてももう夕方ですが」

「マミちゃん!聖杯は?」

「あそこにありますよ、溢さずに運ぶのに苦労しましたよ」

「衛宮、何があった詳しく聞かせろ」

「兄さん、私が大体説明したでしょう。…ランサーさんはどうなりました」

「………令呪で自害させたよ。宝具で溢れた泥みたいのを全部取り込んだ後に残りの令呪でね。パロミデスの言う通りなら、パロミデスの魂はそこに入っていないはずだよね?」

「はい、ですがパロミデスの魂が何処へ消えたのか謎が残りますけどね」

 

「ユイ、よく生きていてくれたね」

「切嗣…おかえり。私ね恋人が出来ていたんだよ」

「ランサーのことか?』

「うん、映画観て、ゲーセンいって、プリクラ撮ったの」

「………そうか。ユイにとってランサーはそこまで大きな存在になったのだな」

「うん、ごめんね。大人しくしていない娘で」

「いいんだ、こうして生きてまた会えたのだがら」

「…でもまた正義の味方として海外に出ていくのでしょ?」

「あぁ、そうだ。でも聖杯のこともあるからしばらくはこの街にいるよ」

「わかった、1つお願いしていい?」

「なんだい?」

「私に魔術を教えてくれない?」

「ーーー!ユイ、別に君が魔術師になる必要は…」

「違う違う、私は知りたいんだよ。切嗣が知っていることを、正義の味方を」

「………わかった。僕ができる範囲で教えるね」

「ありがとう、切嗣。今夜はハンバーグだよ!」

 

「ねぇ、マーちゃん。姫たち完全に蚊帳の外じゃない?」

「確かに聖杯戦争が終わっていたのは予想外だ。だが聖杯に対する処理などで忙しくなるだろう…アサシン、手伝ってくれるな?」

「んー、姫的には日本だからかパワーアップしてるし楽勝だと思うけど~、何かご褒美が欲しいかな~」

「日本のゲーム○ューブを買ってやる」

「本当!やったー!じゃあカー○ィのエア○イドも!今月中にこっちでも出るけどフラゲできちゃう!?よっしゃ任せてマーちゃん!」

 

「あなたはそれでよいのか臟硯?完成された小聖杯があるというのに」

「かっかっか、そもそも後50年は待つつもりであったし、儂とてあの状態の聖杯の利用方法を知らぬ訳ではない。それはそうと綺礼、お前は随分つまらん男になったのぉ。儂からみても気持ち悪いぞ」

「何を言いますか。私はあなたと同類なのでしょう。あなたが腐肉を選ぶ蛆虫ならば私はチーズを選ぶネズミになったまでだ」

「いやそれ全然違うからな」

「おじいちゃんが蛆虫ですって!今すぐ謝ってください、おじいちゃんは全て孫の私に世話してもらう女王蟻です!」

「マミ、性別が違うし儂に失礼」

「これは失礼しました女王硯殿」

「やかましい!…マミ、ランサーは確かに自分をビーストと言ったのか?」

「はい、そう言いましたよ?どんなエクストラクラスなのですか?」

「私も知らないので教えていただけるとありがたい」

「………。世の中には知らない方がいいこともある、だが、だがのぉ、これは知っておいて欲しい。ビーストとは人間の獣性が生み出した人類と人類の文明を滅ぼす破滅の化身…いわば大災害じゃ。人類悪ともいう。ここで勘違いしないで欲しいが『人類を滅ぼす悪』ではなく『人類が滅ぼす悪』ということじゃ。ビーストの人類への愛が強すぎて災害となっておるため其奴らに悪意は一切ない。アーサー王物語の唸る獣もそういう存在だったようじゃな。じゃがそんな存在への対抗手段としてグランドクラスと呼ばれるものがある」

「グランドクラス?」

「そもそも儂らが作った聖杯戦争で来るサーヴァントはそのグランドクラスを格落ちさせたものじゃ。つまりグランドクラスとは言わば強化サーヴァントといったところじゃろ」

「でもランサーさんがビースト化したときは誰も来なかったそうですよ」

「完全に顕現すれば儂とて気づく。つまりまだ完全状態じゃなかったのじゃろ。完全になる前に自害させたのは正解じゃったという訳じゃ。まぁ詳しいことは儂とてわからんが。…で本題はここからじゃ、1度ビーストが姿をみせると後7体は出てくるらしい。じゃが何時、何処で出るかはわからん。マミが生きてる間に出るかもしれんし、そのまま出てこんかもしれん。もしくは儂が生まれる前に出ておってランサーが何体目かという可能性もある。杞憂で終わると思うが頭の片隅にでも留めておけ、話しは以上じゃ。マミ、あの小娘だけには言うでないぞ」

「はい、おじいちゃん」

 

こうして私の聖杯戦争は終わった。聖杯は解体することが決まったらしく中の汚染された魔力をどうするかで時間がかかるらしい。あの知らない男女は魔術師で前回の参加者らしく、聖杯戦争の処理のため切嗣同様にしばらく日本に留まるそうだ。マミは相変わらずおじいちゃん子のままだが、ただの後輩として私に接してくる…ちょっと距離が近いけど。遠坂くんは教会で言峰さんを手伝うらしい。切嗣は家に戻ってきたのはいいが魔術を教えてくれるとき以外は脱いだ服はそのままだし、ゴロゴロしてる姿しかみない、まるでダメなお養父さん、略してマダオだ。それはそうとハンバーグで名古屋城を作り、切嗣の元に持っていく。

 

「切嗣、出来たよ!」

「おぉ!すごいな!…ん?これって…」

「本当はエビフライをのせようとしたのだけど上手く曲げれなくて…似てる味だしいいでしょ」

「えー!ユイ…僕が見ない間にこんな子になっちゃうなんて…」

「ほら、食べないの?」

「いや、食べるよ。それじゃあ…」

 

「「いただきます!」」

 

私は魔術を少し使える一般人に戻るけど…パロミデス、あなたのことは忘れないよ。ずっと見守っていてね。

 

ーーー

Fate/Roaring Knight

 

ルート1 Beast Knight 完




衛宮結:優勝者。パロミデスの過去を夢でみる。最後にパロミデスを庇うがどうなってるかは不明。切嗣に魔術を教えてもらいながらただのJKに戻る。シャチホコの部分をサソリにしたお城のハンバーグを出し切嗣にドン引きされる。

間桐真実:脱落者。帰って来ないユイをレンと共に回収しにいく。虚数の触手で聖杯の泥を溢さないよう慎重に教会まで運んだ。臓硯からビーストのことを聞き…内心ビクビクしている。臓硯を女王蟻と思ってる。

遠坂蓮:脱落者。ユイを教会まで運ぶ。何か目的があったようだがしばらくは聖杯の処理を手伝うらしい。

言峰綺礼:監督。マミと同じくビーストの話を聞き…愉悦に浸る。その後は聖杯の処理にあたる。

ロード・エルメロイⅡ世:前回の参加者。ハサンではないアサシンを召喚し、現在でも連れている。ゲー○キューブは持っていたものの姫アサシンに独り占めされるためもう1つ購入した。スーパー○リオ○ンシャインがお気に入り。

衛宮切嗣:養父。正義の味方として世界中を行き来していたが夏海に帰ってくる。サーヴァントと恋仲になったのに内心複雑なもののユイの無事を喜ぶ。聖杯解体のため夏海に残り、ユイと暮らしている。サソリはさすがに食べなかった。

ランサー:真名パロミデス。夢の中に登場。唸る獣の討伐、改宗、など様々活躍をみせる。最後は侯爵となり優雅に暮らしていたもののビースト化により抑止力から殺される。

前アサシン:真名不明。日本出身らしい。一人称は姫と書いてわたし。ロード・エルメロイⅡ世のお手伝いをする。○ービィのエ○ライドをやりたかったが英国ではまだ販売されておらず諦めて待っていた。ピ○ミンお気に入り。2が出る4月まで夏海に留まりたいようだ。

ギャラハッド:パロミデスの生前の同僚。武と心の優れた円卓の騎士。唸る獣の討伐しようと作戦を練る。デカイ盾をもって唸る獣の炎から2人を守る。パロミデスの評価はランスロットより高い。

パーシヴァル:パロミデスの生前の同僚。父ペノリア王が追っていた唸る獣を討伐しようと動くも攻撃1つ当てれなかった。パロミデスが嫌い。投槍が得意らしく唸る獣の逃走を防いだ。

ランスロット:パロミデスの生前の同僚。アーサー王から離れたものの実際は部下のボールスとアーサー王側のガウェインが対立していたため乗り気ではなかった。ダゴネットに言われるもボールスの手前、何も言えず追い返す。ギネヴィアの名前を言われ腹が立ちダゴネットを殺そうとするもパロミデスにとめられる。

ダゴネット:パロミデスの生前の同僚。最弱の円卓の騎士でパロミデスは弱い癖に口でギャーギャーいうダゴネットを、ダゴネットは王への忠誠心が薄いパロミデスを互いに嫌っていた。ランスロットに殺されかけるもパロミデスに助けられる。トリスタンと仲がいい。

はい、完結です。ルート1 "獣の騎士"は以上となります。次はルート2へといきますが…ルート1はランサーとライダーを中心に書いた話です。つまり、ルート2はセイバー、アーチャー、キャスターの誰かが中心になります。え?アサシンとバーサーカー?FGOに出てるからそっちで活躍してるので書きませんよ?ルート2も展開は決まってますが上手く文章にできるかどうか…まぁマイペースに頑張ります。ここまで読んでいただきありがとうございました!

没ネタ

「ハンバーグのお城を作る♪」
「ハンバーグにハンバーグを乗せる♪」
「シャチホコはサソリにぃする♪」
「お城のハンバーグゥ!♪」


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ルート2 Reverse Princess
0章 2月4日(水)


…ルート2開始です。FGOはボックスイベントだけどポケモンGOもポリゴンイベントだったので400匹くらい捕まえてると…色違いは25匹もいました。ピカブイでの苦労とは…(連鎖するまでがキツいレアポケモン)。FGOのボックスは現在12箱です。

ルート2、解放条件。ルート1クリア。


遠坂蓮は倹約家である。彼にとって聖杯戦争とは莫大な魔力リソースというリターンはあるもののそれを得るまでのリスクと準備に必要な費用を考えるとあまり乗り気ではなかった。しかし、令呪が出たことに加え10年前の聖杯戦争によりセカンドオーナーを剥奪された遠坂家のことを考えると参加し儀式を成功させなくてはならない。正直、彼にとってはどうでもいいことなので適当に世継ぎを作り、教会の兄弟子に丸投げし自分は引退し優雅な生活を送ろうとまで考えていた。だが今は亡き父時臣の特許により収入はあるものの年々減ってきており自分でも補わなくてならなくなっているのだ。一先ず彼は使うお金を抑えるため、自身の得意魔術である宝石魔術を最低限に封印、強化魔術による格闘術に切り替え、食べる物も換え、更には魔術協会だけでなく兄弟子を通じて聖堂教会の仕事をも請け負い貯蓄に専念しながら高校生として勉学にも励む毎日となった。そして聖杯戦争の召喚では令呪もあるため誰かは来るだろうと触媒を用意しないことを決めた。いざ、召喚…とその前に白米と味噌汁、そして瓜の漬物と質素な食事を取り準備が終わる。魔方陣を書き詠唱を始める。

 

「素に銀と鉄。礎に石と契約の大公。祖には我が大師シュバインオーグ。降り立つ風には壁を。四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ。

 

閉じよ。閉じよ。閉じよ。閉じよ。閉じよ。繰り返すつどに五度。ただ、満たされる刻を破却する。

 

ーーーー告げる。汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ。

 

誓いを此処に。我は常世総ての善と成る者、我は常世総ての悪を敷く者。

 

汝三大の言霊を纏う七天、抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よーーー!」

 

魔方陣が光り中からサーヴァントが現れた。手に大きな弓を持つ、長く綺麗な黒髪で和服の美少女であった。

 

「サーヴァント、アーチャー、召喚に応じ現界したわ。貴方がマスターかしら?」

「あぁ、そうだ。よろしく頼む」 

 

アーチャーは探るようにこちらをみてくる。

 

「ふーん、貴方運がいいわね。バーサーカーでない私が呼ばれるなんて。触媒は何を使ったのかしら?」

「別に何も使ってはいないぞ」

「何それ意味わかんない」

 

ステータスを確認する。筋力と俊敏がDランクと低いものの魔力がAランクと非常に高い。そして…高ランクの神性を持っている。このサーヴァントは何者なのか…

 

「…お前の真名は?」

「教えてもいいけど…先ずは貴方のことを知りたいな」

「遠坂家当主、遠坂蓮だ。マスターでも蓮でも好きに呼んでくれ」

「じゃあレンで。レン、貴方の願いは何?」

「金だ。シンプルな願いだろ?」

「えぇ、わかりやすい願いね、気に入ったわ。最後に1つ、貴方は私をどう扱うつもり?サーヴァントとして奴隷のように?それとも女神として跪く?」

 

聞かれるまでもない。

 

「サーヴァントである以上、女も神も関係ない。基本的には俺の言うことを聞け。しかし、お前の意見を無視したりはしないからそこは安心しろ」

「フフフ、わかったわ。じゃあ次は私の番ね。自己紹介の前に私の目的を話すわ。私の願いは受肉し第二の人生を送ること…その時は私の面倒をみてね!」

「な!」

「そして、私の真名は…」 

 

「瓜子姫よ」

 

…触媒って晩飯(瓜)かよ




遠坂蓮:魔術師。令呪が宿り聖杯戦争に参加せざるを得なくなった。父の脱落により遠坂家は夏海のセカンドオーナーから外されたため次の世代に繋ぐまでには戻そうと動いている。なお主食は交遊時を除くと水道水と塩が中心で米や味噌を食べるのは結構久しぶり。

アーチャー:真名瓜子姫。「瓜子姫と天邪鬼」に出てくる瓜から生まれた美少女。神性持ちでアーチャーだけでなくバーサーカーにもなれるようだが現在詳細不明。東と西で物語の結末が異なるがこの瓜子姫は果たしてどんな結末を迎えたのか…。触媒はレンが召還前に食べた瓜の漬物。

はい、スタートはこんな感じですが主人公は衛宮結ちゃんですよ。いきなりアーチャーの真名が出てきましたね。ルート2の分岐点はどこになるのか…楽しみにしていただければ幸いです。ここまで読んでいただきありがとうございました。


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1章 2月5日(木)

ルート1『Beast knight』での蓮視点です。




瓜子姫、瓜子織姫とも呼ばれる『瓜子姫と天邪鬼』にて瓜から出てきて美しく育ち権力者へと嫁いだ少女。嫁ぐ直前、天邪鬼に騙され殺された話もあれば、木に吊るされていただけで生きていた話もある。果たしてアーチャーはどちらの話の瓜子姫なのか…そんなことを考えながら遠坂蓮は使い魔を兄弟子に送り学校へと行く。

 

「よう遠坂、今日はいつもより顔色いいじゃないか。何かあったか」

「美綴か、あぁ3日ぶりに晩飯で水道水以外を食べたからな…」

「3日ぶりって…俺とのファミレスが最後じゃねぇか」

「昼はちゃんと食ってるからな、今日はサンドイッチをだな…」

「ならば勝負だ」

 

「美綴よ、俺の負けだ。なんで冷えてるのにこんなに旨いんだよ…」

「遠坂、お前の敗因は…雑草を使ったことだな」

「雑草じゃない、家の庭に生えてた毒のなくちゃんと食べれる野草だ」

「庭に生えてたで雑草というんだよ。ったく、遠坂には食に拘りってのがないのか。ばあちゃんが言ってたぜ、料理の味を決めるのは下準備と手際の良さ。つまり遠坂は下準備の時点で負けている」

『全くねレン。貴方、私にはちゃんとしたのを作るのに自分のになると適当よね』

『おい、何話しかけてきてんだアーチャー』

『いいでしょ、霊体化してるし』

「む?急にぼーっとしてどうした、遠坂?」

 

「フフフ」

 

「衛宮の方をみてる?まさかお前…」

「違う」

 

夕方

「「「遠坂先輩お疲れ様です」」」

「あぁ、お疲れ様。…用事思い出したから、後は全部やっておくよ。先に皆帰ってて」

「「「はい、ではお先に失礼します」」」

 

「もういいぞアーチャー」

「これが学校なのね。結構楽しいじゃない♪」

「…まだ始まっていないがお客さんだ。お前の力見せてもらおうか」

「任せなさい!」

 

部活が終わり、アーチャーに霊体化を解かせた遠坂蓮は自身の教室へと戻る。教室に着くと数秒後、誰かが入ってくる。

 

「よお、お前は…アーチャーか?」

「そういう貴方はライダーね」

「ほぉ剣を持ってるからセイバーかもしれないのに」

「何か雰囲気で。貴方セイバーって感じしないもの」

「…まぁいい。弓を構えろ」

「おい、まだ聖杯戦争は始まっていないぞ」

「そんなの形式上だろ、いくぞ」

「アーチャー!」

「…バーン」

「ッ!俺に傷を…」

 

「ーーー!」

 

「誰だ!」

「ちょっとライダー…レン、どうするの?」

「追いかけろ、一般人を殺させるな。最悪その弓でなんとかしてくれ」

「わかったわ」

 

ライダーと交戦になりアーチャーの弓矢でダメージを与えた直後のことだった。誰かが教室へと入ろうと扉を開けたのだ。ライダーが目撃者を追いかけたためアーチャーにも追いかけるよう伝える。顔は見えなかったが制服だったからクラスメイトの女子だ。…無関係なやつを巻き込む訳にはいけない。急いでアーチャーを追いかける…ッ!アイツは衛宮か?何故サーヴァントを連れている。

 

「アーチャーやめろ」

「遠坂くん?」

 

衛宮のサーヴァントが警戒しながらこちらに槍を向ける…強そうなサーヴァントだ。しかし、当の衛宮はオロオロしている…とりあえず 

 

「衛宮、お前は魔術師だったのか?」

「魔術師?私は魔法なんて使えないけど…」

「じゃあ何故お前の右手に令呪がある」

「れい…じゅ?」

 

ダメだ、コイツは状況を理解していない。みたところ魔術回路すらも開いていない。…不味いな。

 

「お前は聖杯戦争に参加しているんだ」

「聖杯戦争?何を言ってるの?もう訳がわからないよ」

「…マスター、まさか聖杯戦争も知らずに俺を呼んだのか?」

「マスター、話にならないわ。殺しましょ?」

「待て、アーチャー。衛宮、今ならまだ間に合う。聖杯戦争から辞退しないか?」

 

聖杯戦争について簡単に説明をする。大事なところは理解したようだ。そして今の衛宮の状態についても話す。…アイツに頼るしかないな。俺は衛宮と共に教会へと足を運んだ。

 

 

「綺礼いるか?」

「蓮、何の用だ。辞退でもしに来たか」

「そんな訳あるか。保護だ、一般人のな」

「やれやれこの戦争に巻き込まれるとは不幸なことだ」

「せめて口元は隠せ、にやけてるぞ」

 

言峰綺礼、今は亡き父の元弟子でつまりは俺の兄弟子だ…他人の不幸をみて笑い、持ってきたケーキにはタバスコをかけて食べる…ハッキリいって嫌な奴だ。連れてきた衛宮はというと

 

「目が死んでる?」

「ぷぷっ!」

「初対面の人間に対したそういうことを言えるとは大した少女じゃないか」

「あ、いえ、すみません。つい口がスベってしまいました。初めてまして、衛宮結と言います」

「衛宮?まぁいい。初めてまして、言峰綺礼だ。今回の聖杯戦争の監督者をしている」

「監督?」 

 

監督について綺礼が説明する。目が死んで…ふっ!

 

「蓮、この少女はまだ脱落してない。私が今できることは何もない」

「コイツは魔術回路すら開けていないんだぞ」

「ここで死んだら令呪は回収しておこう」

 

コイツ…いや、俺の勝手な都合だ。俺が何とかしなくては。

 

「もういい、俺がどうにかする方法を考える。それまででいいからここにいろ。あとこれを飲んどけ」

 

虎の子である魔力が蓄えられた宝石を1つすりつぶし水へと溶かした物を衛宮に飲ます。これで明日の朝までは大丈夫なはずだ。俺は俺の準備をしよう。

 

教会を後にし向かったのは自分の家ではなく…電気屋だ。単純にトイレの電球が切れたのである。電球を1つ手に取り買い物かごへ入れレジへと並ぶ。

 

「2万7000円になります」

「………」

『アーチャー、これは何だ?』

『お願いマスター、教室でしてる人がいて私もやりたくなったの』

『ゲーム機本体はともかくソフトは1つにしろ、なんで3つ、しかもナンバリングが4、5、6なんだ。天空の勇者か』

『いいでしょ?お願い』

『…更なる活躍を約束しろ。…これも必要経費、これも必要経費、これも必要経費』

『ありがとうマスター!』

「毎度ありがとうございました」

 

予定外の出費があったものの家に帰宅し電球を設置、夕食の準備を始めた…今日は蕎麦にしよう。

 

「アーチャー、蕎麦でいいか?」

「ごめんなさいレン、蕎麦はどうしてもダメなの」

「…サーヴァントにもアレルギーがあるのか?まぁいい、何か食べたいものはある?」

「あー、それなんだけど今日はゲームがしたいからいいよ。そもそも私に食事は必要ないのだから」

 

夕食(蕎麦)を済ませ魔力を込めた宝石の数を数える。今後も考え聖杯戦争で使う数は10として…衛宮に1つ使ったため残りは9つ。衛宮を救うには…仮に全部明日から使い続けたとしても4日で無くなる計算だ。当然、全部使わせずできれば明日の朝までに魔術回路を開かせる。そのためにもう1つ使うことを覚悟しよう。…隣で寝そべりながらゲームをするアーチャーをみて、まだ戦争は始まっていないにも関わらず俺の心には不安しかなかった。




遠坂蓮:マスター。アーチャーと共にライダーと交戦、目撃者であるユイを保護しようとする。魔術回路を開かせるため宝石を回収しに家へと戻る。アーチャーに普通のご飯を用意する、他人であるユイに宝石をつかうなど、アーチャーにゲームを買うなど自分にだけドケチなようだ。ファミレスは交遊費のため別扱いとのこと。2日連続で水道水以外の夕食を食べる。

衛宮結:クラスメイトで目撃者。顔と名前しか知らないが助けようとしてる一般人。何故かサーヴァントを召喚していた。

言峰綺礼:監督で兄弟子。人間的には嫌いだが仕事を貰うためによく頼っている。格闘術の師匠。

美綴想:クラスメイトで友達。料理が上手いばあちゃん子。同じ弓道部でもある。

アーチャー:真名瓜子姫。霊体化しながらも学校を楽しむ。ライダーには普通に優位をとっていた。ゲームに興味を持ちレンにゲーム◯ーイアド◯ンスSPとパワ◯ケシリーズを買わせた。蕎麦がダメとのこと。

ライダー:サーヴァント。開戦してないにも関わらず襲ってくるもあえなく返り討ちにあう。目撃者であるユイを追いかける。

ランサー:サーヴァント。ユイに召喚された騎士。レン曰く強そう。


はい、蓮視点でした。まぁアーチャーが現世に馴染んでく回でしたね。
そういえば遂にスカサハ師匠をお出迎えできました!これで剣式、剣アストルフォ、ポール・バニヤン、水着獅子王、スカサハとバニーファイブがうちのカルデアに揃うことに…サポートがバニーファイブ(それぞれに合いそうな礼装)+凸イベント礼装キャストリアがいるのはたぶん私です。現在ボックスは45箱…目標まであと5箱なのでマイペースにいきたいと思います。それではここまで読んでいただきありがとうございました。


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2章 2月6日(金)

最後の蓮視点です。物語はここで分岐する。


ーーーここはどこだ?何だあの行列は?…服装からして明らかに今の時代ではない。

 

「おい、あの行列はなんだ?」

『………』

 

返事はないしこちらも触れない。夢…なのか?

 

『いやー、綺麗な人でしたね』

『なんでも瓜から生まれたらしいわよ』

「アーチャーのことか?」

 

あの籠の中にいるに違いない。誰にも見られていないのなら近くまで行って…!何か様子がおかしい!

 

『誰だお前は』

『誰も何も私は瓜子姫よ』

『本物の瓜子姫はどこだ?』

『だから私が瓜子姫って言ってるでしょ』

『おい、コイツを殺せ』

『なん…で…』

『まだ生きてやがる。馬で引摺り殺せ』

『………』

「どうなってるんだ」

 

籠には確かに美少女がいた…腕以外は。毛むくじゃらのその腕は女には…いや人にすら絶対ありえないものだ。アーチャーが行列にした男たちに刀で切られ倒れる。腕だけであった剛毛は全身に覆われ…完全な怪物へと姿が変わった。怪物は馬に引摺られ畑を赤く染めた。

 

『おい、本物の瓜子姫は見つかったか?』

『いえ、見つかりません』

『くそ、主人に何て言えばいいんだ…』

 

柿の木を探すも瓜子姫は吊るされていない。まさかアーチャーは…

 

 

「はっ!」

「あら、起きたのねマスター」

「教会に行くぞアーチャー」

「ふーん、何も聞かないんだ?」

「ッ!なんのことだ?」

「寝言で私のことを呼んでわ」

「…教えてくれるのか?」

「まぁ隠すほどのことではあるのだけど…色々察してるみたいだし1つだけ…私の能力教えてあげるわ」

「能力?」

「座標、軌道はもちろん、性別、ステータス、そして…運命。貴方の魔力次第で何でもひっくり返すことが出来るわ。1度使ってみるわね」

 

アーチャーは拳を前に親指と小指を出し、くるっと回転させた。

 

「!」

「あら、綺麗じゃない。今日からそれで生きれば?」

 

身長が低くなった…いや股間に違和感も…鏡をみる。髪型がツインテールで…女になってる。胸小さっ!

 

「戻せこのバカ!」

「いふぁい、いふぁい。ふぁふぁった」

「ったく、しょうもないことに魔力を使うな」

「冗談の通じないマスターね。次が本番よ…これでよし。これで貴方の未来がひっくり返ったわ。まぁ何が変わるかは私もわからないけどね。せいぜい今日の晩御飯のメニューが明日のに変わるくらいのものだとは思うけど」

 

またアーチャーが手を回転させた…何かが変わったらしいが今度は何ともない。とりあえず…

 

「教会に行くぞ、アーチャー」

「了解!」

 

 

教会に着き衛宮の元へと向かう。…ぐっすりと寝てやがる。

 

「待ってよランサー…」

「起きろ衛宮」

「!」

 

衛宮が目を覚ます。…魔術回路が開いている?

 

「どういうことだ、辞退するのじゃなかったのか?」

「……辞退はしない。代わりのマスターが来るまでは生き残るつもりよ」

「代わりのマスター?魔術師の魔の字も知らなかったお前に代われるマスターなんt「前回の聖杯戦争の参加者」何だと!」

「私も昨日までは知らなかったわ。それにほら、その人の指示で魔術回路が開いてるし」

「だぁ、開くなら宝石使うんじゃなかったわ、もったいねぇ」

 

…逆に考えろ。1つ宝石を節約出来たんだ。

 

「だが、もうこれで俺とお前は敵同士だ。アーチャー、次から殺せ」

「あら?今じゃなくていいのかしら?」

「一応、戦争はまだ始まっていないんだ。だが今日の夜には始まるに違いない。じゃあな衛宮」

 

…魔術回路を数秒で開くなんて…しかも聖杯戦争の参加者と繋がりがあるとはアイツ何者だ?学校行こ…

 

「………」

「………」

「遠坂、どうした?何か怖いぞ」

「別に何も」

「なら何で衛宮を睨んでるんだ?」

「別に何も」

 

「マミか?」

「あら兄さん?」

「ここでは遠坂先輩だろ」

 

間桐真実。俺の…父親違いの妹だ。そんでかなりのじいちゃん子…俺が美綴と仲良くなれたのもこういうところをみていたからかもしれない。

 

「いいじゃないですか、それよりユイセンパイをみてないですか?」

「ユイ?誰だソイツ?」

「いやいや、兄さんのクラスメイトでしょ?衛宮結センパイ…私の部室で召還したみたいで」

 

つまりマミが召還後に魔方陣消してなかったからアイツが使ったと…。

 

「マミ、お前が原因か?」

「いふぁいれす、にーふぁん」

「ったく。でアイツと同盟でも組むのか?」

「その通りですよ、邪魔しないでくださいね」

「どうだろな、アイツのサーヴァントかなり強そうだったからな」

「邪魔するなら…殺しますよ。センパイは、私のです」

「そうかよ」

 

目がマジだ…衛宮、お前本当に何者だよ。

 

夕方

「あれ、衛宮は?」

「早退だとよ、お前が原因じゃないのか?」

「いや、知らないが」

 

マミ…まさかな。

 

 

夜になり使い魔から聖杯戦争が始まったことを聞き外へと出る。バカ正直に構えているマスターがいるようだから様子をみるために広場へと向かう…誰かと戦闘が始まってたようだ。戦っているのはランサーと白い仮面…アサシンか?…ランサーの近くに衛宮の姿はない…まさか…

 

「マスター、どこに行くの!」

「衛宮を探す!俺ら以外には殺させない!」

「ちょっと…」

 

魔力を探知しながらひたすらに走る…いた!マミもいる。

 

「メリットならありますよ、センパイはともかくあのランサーは間違いなく近接戦闘に強い。私のアサシンだといかに近距離に持ち込まないかになってしまいますからね…そ・れ・に。私、センパイのことが好きですから…ライクではなくラブの方で。センパイをものにできるなら兄さんだろうが誰だろうが倒しますよ」

「………え?」

 

マミは恍惚な表情を見せながら…衛宮へと迫っていき、衛宮は恐怖に染まった顔で後ろへと下がっていく。………。

 

「なんで下がるのですかセンパイ?」

「マミちゃん、目を覚まして。今のマミちゃん絶対におかしいよ」

「…逃がしませんよ」

「え、キャー!」

 

「アーチャー、衛宮を守れ」

「…了解、バーン」

 

衛宮へと迫ったマミの触手をアーチャーの矢で破壊した。2人はこちらへ視線を向ける。

 

「遠坂くん?」

「兄さん…そうですか、そうですか。結局は私を邪魔するのですね。…アサシン戻ってきて兄さんを殺しなさい」

「御意」

「アサシンか…」

「遠坂くん、ソイツはナイフを投げてくるわ」

「アーチャー、衛宮に飛んでくるナイフとマミは任せた」

「…」

「無言は肯定と受けとめる。いくぞ…」

「ちょっと、サーヴァント相手に真っ正面からなんて…」

「黙りなさい、殺したくなるじゃない」

「…え?」

「2度は言わないわ」

「…」

 

闇夜に溶けるようこちらへと迫りナイフで攻めてくるアサシン、対して此方は強化魔術のみの素手。どちらが有利か何てハッキリしている。だが…やるしかない。ナイフがとんでくる…躱す。次のナイフ…左肩に刺さる。

 

「ぐっ!」

「動きが鈍ったな魔術師」

「いや、お前も隙が出来た…なっと」

「…その程度か」

 

アーチャーの能力でアサシンの背後にあったベンチと入れ換わり、右の拳を叩き込む…が手応えが全然ない。アサシンは距離をとりナイフが再びとんでくる。何本かは刺さったナイフで弾くも逃した右足に刺さり動きが止まる。

 

「ここまでのようだな」

「まだだ」

「往生際が悪…ッ!」

「いきなり逃げるとはなんだアサシン!」

「…ランサーか」

「おら、いくぞ」

 

「センパイ…どうして…」

「バーン」

 

「遠坂くん!」

「おい、衛宮来るな。危ないだろ」

「…私も守られるだけじゃない!」

 

ランサーの乱入により一先ずは助かった。アーチャーがマミを、ランサーがアサシンを抑えている。話をするなら今だ。

 

「衛宮、同盟を組まないか?」

「同盟?」

「マミが言っていた通りランサーは強い。それだけでお前の次のマスターが来るまでは手を組む価値はある。戦力が増えお前が生き残る確率が上がる…最もあのマミを相手したくないだろ」

「あんなのマミちゃんじゃないよ…でもいいよ。同盟組もうか」

「…あぁ、よろしく頼む」

 

「………。アサシン、撤退します」

「御意」

「逃げるのか?」

「はい、目的は果たせなかったので…センパイ、兄さんと組む以上は私の敵です。また貴女を殺すために会うこともあるでしょう。それでは…」

 

マミとアサシンは去っていった…。

 

「アーチャー、ランサー陣営と組むことになった。悪いな、相談もなく」

「いいえ、私はサーヴァントですもの。反対できる理由は無いわ」

「ランサーさん、アーチャー陣営と手を組みます。よろしいですね?」

「…マスターがそう決めたなら」

 

衛宮と手を組むことなったが…互いのサーヴァントはどうみても納得していない。…時間が解決してくれることを祈ろう。こうして俺の聖杯戦争の1日目が終わった。

 

ーーー

 

「サーヴァント、セイバー召還に応じ参上した。お前が儂のマスターか?」

「あぁそうだ。…やったぞ、最優のセイバーだ。これで僕が…」

「小僧、お前をマスターとは認められんな」

「なんだと、こっちには令呪があるんだぞ。聖杯が欲しく無いのか?」

「そんなものはついでじゃ。そして不必要に令呪を使おうものなら儂がその腕…切るぞ」

「ッ!」

「まぁ、そう固くなるでない。指示には従うから小僧の戦いを見せてくれるだけでよい。当然認めれば儂も本気を出してやる。じゃが自分も言うものの何じゃが結構クセのあるセイバーじゃぞ」

「お前の真名は何なんだ?」

「今の小僧には教えんよ、それより花壇はあるか?」

「花でも植える気かセイバー」

「儂の趣味じゃ」

 

どこかの陣営にて最優クラスのサーヴァントが召還された。

 

ーーー

 

「がっ、もう終わりかよ…」

「おまえ、よわい」

「バーサーカー、お疲れ様」

「だが呪いから解放される、感謝するぞバーサーカー」

「よく、わからない、けど、どういたし、まして?」

「んー、折角だし君の真名教えてくれない?」

「…ヒッポノオス」

「キマイラ倒した大英霊じゃん、マスターいたら怪しかったかもな」

「あんな、狂った、マスターはごめんだわ…」

「らいだ、きえた」

 

バーサーカー陣営を襲撃したライダーであったが敗北し脱落した。

 

ーーー

 

 

1日目

ライダー脱落




遠坂蓮:マスター。アーチャーについてある程度の理解をする。ユイについて色々と疑問を持つ。ユイと手を組む。

衛宮結:クラスメイトで同盟者。レンは名字しか知らなかった。…後輩の変わりように動揺を隠せない。レンと手を組む。

間桐真実:妹でマスター。レンと仲は悪くないもののユイと同盟を組んだことで嫌う。ユイと同盟を組もうとするも怯えられ失敗。アサシンでレンを殺そうとするも失敗し撤退する。…ヤンデレになった?

ラティスフィール・フォン・アインツベルン:バーサーカーのマスター。ライダーを倒す。以下ラティ。

???:小僧でマスター。セイバーを召還するもマスターとは認められなかった。

アーチャー:真名瓜子姫。美少女であるものの夢でみた姿は全身剛毛の怪物だった。何でもひっくり返す能力を持っておりレンを女へと変える。ユイとの同盟に思うことがあるようだ。彼女の能力で何かが変わってる。

ランサー:同盟者のサーヴァント。アサシンから助けてもらった。同盟には不満がありそうだ。

アサシン:マミのサーヴァント。黒いローブで覆われているため詳細不明。マミに従いレンを殺そうとするもランサーに妨害される。

バーサーカー:ラティのサーヴァント。ライダーを倒す。

ライダー:真名ヒッポノオス。バーサーカーにやられ脱落。バーサーカー曰く弱かったとのこと。

セイバー:サーヴァント。初老の男性で花が好き。指示には従うもののマスターとは認めないらしい。


はい、聖杯戦争スタートです。…このルートではランサー陣営はアーチャー陣と同盟を組みます。そして最初の脱落者は…ライダーです。ここから話がどう変わるのか…楽しみにしてください。

ルート2のタイトルを解放します

FGOのボックスは何箱でした?…私は133箱です。QPは5億くらいに貯まりましたが…sイシュタルとアルトリア、アナスタシア、シェヘラザード、ロムルス、鈴鹿御前、など上げてたらあっと言う間に無くなりました。その間にメディア、紅閻魔、アルトリアが絆10になりましたね。…ウィリアム・テル、スター大量生成+クリ威up+Arts upとすごい性能でした。
ポケモンGOも色違いサンダーゲット…ポケモンホームに直接送れるようにもなるらしいので楽しみですね。
ラブライブのアニメ始まるしこれからもマイペースに投稿していきますがよろしくお願いします。


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3章 2月7日(土) 前

続きです。


目が覚めて知らない天井が目に映る。私は昨日のことを思い出しながら立ち上がり時計をみると11時半であった。今日が土曜日で良かった。自分の命が危ない中、まだ学校のことを気にする余裕があるようだ。以上コピペである…何言ってるんだ私?…まぁ本当に昨日は色々あった。私へと迫る後輩のマミちゃん、同盟を組んだクラスメイトの遠坂くん、名前のわからないランサー、…そして起きた私をゲームをしながら睨んでくるアーチャー。とりあえず…

 

「お、おはよう?」

「………」

 

無視である。美少女に睨まれるのは…昨日のマミちゃんを思い出すからやめて欲しい。…ランサーさん、何とかして。

 

「(…わかったよ。)アーチャー、あまり俺のマスターを睨まないでやってくれ」

「…レンが呼んでるから来なさい」

 

行ってしまった。忘れていたがここは遠坂くんの家だ。…アーチャーがいるとはいえ、一人暮らしの男の家に泊まるなど冷静に考えるととんでもないしてるな私。今はアーチャーに付いていこう。

 

「起きたか衛宮」

「えっと…おはよう遠坂くん」

「遅ようの間違いだろ。…これからの作戦を考える、と言ってもただの現状確認だがな」

「昨日の傷は大丈夫?」

「あれくらいならもう治ってる…ほらよ」

 

作戦会議のようだ。サンドイッチが置いてあり、温かいコーヒーを入れてくれた。…ありがたく頂こう。

 

「えっと…今日までに出会ったのはライダーとアサシンだったよね?」

「ライダーは脱落したらしい。バーサーカーだから…おそらくはアインツベルンだろう」

「アインツベルン?」

「御三家の一つだ」

「御三家?後二つは?」

「…俺とマミの家だ」

「ヒト◯ゲとフシギ◯ネはここにいた…」

「誰ががヒト◯ゲだ!」

「遠坂くん!だってマミに対して相性よさそうだし。そういえばマミとは幼なじみか何か?」

「妹だよ…父親違いのな。どっちも聖杯戦争で亡くなったがな」

「!」

 

兄さんってそういう意味だったんだ…。マミちゃんがおじいちゃん子になったのも寂しかったからなんじゃ…。

 

「話を戻す。それでそのマミがアサシンを召還している。残るはキャスターとセイバーだが…一宇がどっちを召還しているのかまだ不明だ」

「一宇?」

「夏海のセカンドオーナーだ。10年前までは俺の家がそうだった」

「10年前…聖杯戦争?」

「そういうことだ、察してくれ。だがアサシンが何時攻めてくるかわからない以上は下手に動けない」

「気配を無くし直接マスターを殺しにくること特化したクラスだったよね…」

 

こればっかりは本当にどうしようもない。

 

「少なくとも今は近くにいないがな」

「ランサーさん?」

「どういうことだ、ランサー」

「まぁ、俺の能力だな。でないと昨日お前は死んでたぞ魔術師」

「アサシンの位置がわかるのか!?」

「何となくだがな…でどうする?アサシンを気にしなくていい以上どこか殴りこみにでもいくか?」

「一宇の召還したサーヴァント、とりあえずクラスだけでも確認したい」

「ピカ◯ュウ…」

「ポケ◯ンから離れろ。ちなみに俺は買っていない」

 

御三家の番外編でしょ。どうせなら今回赤と緑だけでなく青と黄色も一緒にリメイクされればよかったのに…。

 

「へー、ポケ◯ンね…。面白そうじゃない!私が誰か脱落させたら買ってねマスター!」

「お前、昨日3本もゲーム買ってやっただろ!」

「いやー、表も裏も全部クリアしちゃったから後はアルバム集めるくらいしかやることなくて…」

「どれだけやりこんでんだよ!」

「あのー、私の良ければやる?」

「いいの!ありが…何でもないわ」

 

葉緑はダメだけど青い宝石の方ならいいよ、と提案するとアーチャーは目をキラキラさせこちらを向くも一瞬で冷たい目に戻ってしまった。…もしかして結構チョロい子?

 

「話を戻すぞ。だから今夜は一宇を探る」

「どこにいるの?」

「普通なら家にいるはずだが…参加者である一宇家次男、一宇準(いちうじゅん)は別のところに拠点を置いて動いてるとのことだ」

「夏海の中にはいるんだよね?」

「そうだ、…っと話はまとまったな。あー、今からはやることだが…夜まで好きにしてくれ。ルール上昼間は休戦だからな」

 

何をしようか…ランサーについて調べようか…、いやここは少しでも生き残る確率を上げよう!

 

「じゃあ魔術の練習したいからそれに使っていい部屋ある?」

「魔術の練習ってお前魔術回路何本だ?」

「何本?」

「調べよう…服を脱げ」

「え?」

 

この後、めちゃくちゃ魔術回路を調べられた…

 

「12本か…平均以下だな」

「もうお嫁にいけない…」

「いけるわ!人を強姦魔みたいに言いやがって!んー、これじゃあ強化魔術を極めた方が良さそうだな…ほらよ」

「っとと、これは?」

「懸賞で当たった超々ジュラルミンの金属バットだ。近距離限定だが固さは十分だろ。できるなら好きに改造していいぞ」

「改造って…」

「アサシンの短刀くらいは弾いてくれよ。それからこの部屋を好きに使ってくれ、使いたいものがあるなら好きに使ってもいい…じゃあまた後で…」

「アサシンの短刀くらいって…ちょっと待ってよ。コツとかくr…」

 

魔術回路を調べられた私だが、バット渡し去ろうとする遠坂くんを止めよとし立ったその時だった。

 

ボトッ←アサシンの短刀

 

「襲撃か!?」

「嘘っ!?」

「いや、アサシンはここにいないが…」

 

足元にアサシンの短刀があった。しかしランサーはアサシンなんていないと言う。じゃあ、どこからとんで…

 

「貴女から出てきたんでしょ!」

 

「アーチャー?」

「私から?…あれ?短刀が無くなってる?」

「…とりあえずもう一回さっきと同じことをしてみたら?」

「…」

 

アーチャーに言われアサシンの短刀をイメージする。………。短刀が手元に表れた。

 

「投影魔術か…」

「投影魔術?どんな魔術なの?」

「結論だけいえば消費魔力が少ないから今のお前にちょうどいい魔術だと思うわ」

「どんな時使う魔術なの?」

「魔術の儀式を行う際に材料が足りなかったり忘れてきた時に一時的に具現化させる魔術。あくまで一時的だからわざわざ投影するよりも一から作ったレプリカの方が安上がりだ。だからか需要はない。それに…イメージ力が無ければ形にすらならない。アサシンの短刀を投影出来たのも昨日の戦闘による生存本能だろう…試しにランサーの槍を投影してみたらどうだ?」

「あ、うん。それじゃあ…いくよ。投影!ッ!重ッ!」

「「「!」」」

 

手にものすごい重さを感じ手を離すと大きな槍が足元へと落ちた。ランサーのと瓜二つだ。………。

 

「投影」

 

ライダーの槍

 

「投影」

 

アーチャーの弓

 

「………」

「衛宮、お前本当に何者なんだ…ん?」

「倒れてるわね?」

「あー、魔力不足だな。俺に送られてくる量が減ってきている」

「だぁー、世話が焼ける」

 

 

「…あれ?私どれくらい寝てた?」

「2時間程だな」

「でどうだった?」

「まぁサブの魔術として使えばいいと思う。多用はできそうにないがな」

「わかったわ…そうだ!じゃあ強化魔術のコツとか教えて貰えれば…」

「俺に出来る範囲でならいいぞ」

 

こうして魔術の練習を始めた。途中で私が犬山城のケーキを作って4人で食べたり、遠坂くんから野草の解説を聞いたり、ランサーに練習のサンドバッグになってもらったりと夜まで過ごした。…ケーキ食べてる時以外ずっとアーチャーが私を睨んでいたけど。家に帰って青い宝石でも回収してもよかったかな。




衛宮結:マスター。同盟を組んだレンの家に泊まる。魔術回路は12本で投影魔術の才能があるようだ。LGとSを持っておりポケ◯ンのパートナーは爬虫類系を選ぶのでヒト◯ゲとキ◯リを選んでいる。なおGBは持っていないのでワニ◯コは選んでいない。

遠坂蓮:マスターでヒト◯ゲ。マミとは異父兄妹。両親が前回の聖杯戦争で亡くなっている。ポケ◯ンはアニメとマンガをチラッとみてる程度。ユイにサンドイッチを作るなど他人に優しい。ユイの魔術回路を調べた。

間桐真実:マスターでフシギ◯ネ。レンとは異父兄妹。昨日の様子がまだ信じられない。

ランサー:サーヴァント。アサシンの居場所がわかるらしい。ユイの魔術練習に付き合う。

アーチャー:サーヴァント。ゲームをずっとしておりポケ◯ンに興味を持つ。ユイのことを睨んで防御力を下げている。

一宇準:マスターでピカ◯ュウ。一宇家次男でキャスターかセイバーを召還していたこと以外不明。今夜調査するとのこと。

ラティ:マスターでゼニ◯メ。バーサーカーを召還してるらしいが詳細不明。

はい、昼パート終了です。次回はルート1読んだ方にはわかってる話でしょうけど一宇のサーヴァントを探ります。

いやー、剣盾でついに夢特性まで変えれるなんてこれで過去技使えたらバリヤーアナライズポリゴン2とかしんくうはじしんかじょうヘラクロスとか出来たのにな。…相変わらずマイペースに投稿していきますがよろしくお願いします。


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3章 2月7日(土) 後

こっちを投稿するのは久しぶりですね。2部6章でパーシヴァル(仮)が登場しそうなのと、パワポケのリメイクが決まったので書こうとなりました。
最後に投稿したの半年以上前なので作者自身も設定を忘れていたり…それじゃダメじゃん。では、どうぞ!


夜になった。私たちは一宇陣営を探るために探索を始めた。しかし…

 

「まさか、三騎士クラスの二つが同盟を組んでるなんてね…アインツベルン」

「アイツらを倒すために、少し間だけでも同盟組むかい…一宇」

 

バーサーカー陣営と一宇陣営と同時に遭遇した。バーサーカーと思えしサーヴァントは巨体の怪物で、一宇の方は渋いおじいちゃんといったところか。おじいちゃんは刀を持っている…おそらく、セイバーなのだろう。

 

「まさか、僕が同盟なんて組むメリットは無いね。こっちは最優のセイバーがいるんだ。1対3でも勝てるさ!」

「アインツベルンの誘いを断るとはすごい自信だな、一宇の次男さん」

「…殺せ、セイバー」

「はぁ…、20点。判断が早いのはいいが沸点が低すぎる」

「うるさい、もう戦闘は始まってるんだ!気を抜くな」

「周りは見ているようだな…訂正30点だ!」

 

セイバーがこちらへ来る…が無防備に徒歩で来ている?何かの罠か?

 

「セイバー!?」

「舐めてるのか?アーチャー、そのまま殺せ」

「はいはい…バーン!」

「…遅いな」スパッ

「嘘でしょ!」

 

アーチャーが矢を放つものの目にも見えない何かが矢を切った。

 

「おいおい…なんてジジイだ」

「ランサーさん?」

「まぁ…普通は見えないよな。あのジジイ、一瞬で刀を出してアーチャーの矢を切り、鞘へと戻しやがった」

「え?」

「いいから俺に指示をしろマスター」

「えっと、セイバーに攻げ…いや、バーサーカーも…うん。ランサーさん、セイバーに攻撃を!」

「了解した」

 

バーサーカーを警戒しつつ、こちへと迫る脅威(セイバー)を迎撃する。

 

「おら!」ブン

「ー!90点だ!ここまで力のある男は儂の国にもいなかった」ガキン

「やかましい!あっさり対処しやがって!」

「今なら…クッ!」バキッ

「おまえ、たおす」

「僕たちを忘れていないかい?」

 

ランサーの一撃を対応された。その隙をアーチャーが狙うもバーサーカーが攻撃してきた。

 

「ビーナ、ビーナ」シュルシュル

「くっ、この!」ブン、バキッ、バキッ

「へー、思ったより強引に来るんだね」

 

当然、私も狙われる。アインツベルンのポーチから出てきた、糸の虫を強化したバットで叩き潰す!

 

「投影!」ヒュッ

「甘ぇよ!」ガキン

「投影、投影、投影、投影」ヒュッ、ヒュッ

「ったく、数を増やせばいいってもんじゃねぇよ!」ガキン、バキッ

「ぐぅ…」グラッ

 

遠坂くんも一宇が大量に投影したナイフなどの武器を強化した拳のみで応戦し…そのまま拳を叩きこんだ!…いや、一宇も投影魔術を得意とするのか!?

 

「おい、小僧。お前が足を引っ張ってどうするよ」ガキン

「うるさい!まだ一撃もらっただけだよ!投影!」

「軽いわ」ガキン、バキッ

「ぐっ…何故だ!何故、拳で対処出来る?」グラッ

「さっきから言ってるだろ?軽いんだよ、お前の投影魔術は」バキッ

「今よ!バーン!」ヒュッ

「しまっ…!鉄扇?」カキン

「ったく、世話が焼ける。小僧、お前は1回死んだぞ」

「鉄扇…暗器だと!?」

「これで儂の情報が1つ敵に知られた。小僧、今日は退くぞ」ガキン

「退かせると思うか?」ブン

「思うな。それよりランサーよ、お前も味方の状況をみるがいい」ガキン

「ー!…そうだな。あばよ、ジジイ」シュッ

 

「スピナー、ヒスキーファ」

「この、この!壊れない!きゃっ!」ブン、ブン

「…まぁ、一般人ならこんなものか。頑張った方だとは思うよ」

「うぅ…まだだ!投影!」ヒュッ

「っと!まさか、この状況で僕を直接狙うなんてね。しかし、この矢…一宇のよりもよく出来てるね。君、本当に一般人?」

「マスター、大丈夫か!」ブンッ

「あらあら、騎士様の登場か。一宇も退いたようだし僕も退くか。では、最後にご挨拶を。僕の名はラティス・フォン・アインツベルン…ラティって呼んでくれ。バーサーカー、帰るよ」

「わかった!」

「バーン」シュッ

「ルセキルファー」ガキン

「弾かれた!何て硬さなの…」

「じゃあね、衛宮結ちゃん」

「名…ま…え、知って…たの…」

「マスター!」

 

大量の糸の虫に追い込まれた私であったが、ランサーが戻ったことで九死に一生を得た。バーサーカー陣営も撤退するようでその隙を突き、アーチャーが矢を放ったが虫により弾かれる。…最後に挨拶をされ去っていったが…それどころじゃない。さっきの投影により魔力を使い過ぎて…もうダメだ。ランサーに支えられながら、遠坂くんの家へと戻る。今日はここまでだ…成果はあった、と考えながら。

 

ーーー

 

「んー、あっちに大量の魔力を感じるのだけど…はぁ、遠いな。ん、誰?」

「魔術師殿、キャスターを発見しました」

「ありがとうございます、アサシン。では、倒しましょう。これでおじいちゃんに…」

「随分なご挨拶なこと。男は…1人か。ちっ、顔が見えないし、腕が気持ち悪いから論外。さっさと片付けて魔力だけ貰おうっと…炎天よ、祓え」ゴゴゴ

「アサシン!」

「これは…流石はキャスター。相当の魔術使いのようで」シュッ

「へー、そうなんだ」

「?」

「いやー、私魔術とか全然知らないし。でも、やり方はわかるんだよねー」

「何ですって!?」

 

こちらではキャスターとアサシンの戦いが始まっていた。先手をうったのキャスターで札から激しい炎を出し、アサシンに浴びせようとしたが躱された。その直後キャスターから信じられない言葉が出る。魔術を知らない、…にも関わらず使われる高度な魔術。マミは驚きを隠せない。

 

「呪相・空裂」

「ー!きゃっ!」

「ー!」ガシッ

 

しかし、だからといってキャスターが攻撃を緩めることはない。空中が爆発しマミは吹き飛ばされた。そこをアサシンが何とか助ける。

 

「…アサシン、お願いがあります。キャスターのマスターを探しだして…殺しなさい」

「承知しました」

「マスター?そんなの私にはいないよ」

「え?」

「だって、気持ち悪かったから…殺した」

「自分のマスターを殺したですって!?」

「隙あり!」シュッ、シュッ

「痛っ!何これ?ナイフ?」ザクッ、ザクッ

「効いてないだと!」

「なら…これはどうです!」

「うわ!触手!?気持ち悪っ!炎天よ、奔れ」ボンッ

「くっ、でもこれなら…」シュウウ

「炎天よ、奔れ。炎天よ、奔れ。炎天よ、奔れ。炎天よ、奔れ」

「うっ…何て…威力…」バタン

「魔術師殿!」

 

アサシンが短刀を投げるも効果は薄い。ならばとマミは虚数の触手でキャスターの魔力を奪おうとするも逆に大量の火炎玉を浴びせられた。何とか致命傷を回避したもののマミはもう虫の息である。

 

「炎天よ、祓え」ゴゴゴ

「…撤退します」ガシッ

「ア…サ…シン…」

「逃がしませんよ。気密よ、集え…?これって効果はないの?」

「ー!今です!」サッ

 

マミに止めをさそうとキャスターが火炎を放射するもアサシンにより防がれた。その後、逃げようとするとアサシンに風の呪相を使おうしたが、アサシンのスキル"風避けの加護"により無効化された。その隙にマミと共に撤退しようとしたアサシンであったが…

 

「氷天よ、捕え!」

「!」

 

別の呪相により、失敗に終わった。氷の拘束によりマミとアサシンは動けなくなり、寧ろ状況は不味くなった。ここで、先程の大量の火炎玉を出せれようなら完全に詰みである。しかし、マミは知らない。火炎玉の方がまだ良かったということを…

 

「最後は派手にとっておきなのを使ってあげる。えーと、『陰気後宮を満たし、みな正体を見失う、ここは午睡の楽園、彼は誰時、誰そ彼の狭間なり…燦々日光午睡酒池肉林!』っと」

「ほ…うぐ!」

「ー!何だあれは?」

 

キャスターがまた炎を出しかと思えば、その炎は巨大な虎の形となりこちらへと迫る。その凄まじい宝具を前に、マミたちは何も出来ない。ただ、分かるのは死がこちらへと来ているのだ。

 

「じゃあ…バイバイ」

 

そんな中、アサシンが動いた。

 

「…!?魔術師殿…さらばです!」

「アサシン!」

 

アサシンは自身の呪われた腕を限界まで伸ばし、マミを夏海の方へと投げ飛ばしたのだ。サーヴァントの腕力で投げられたマミはそのまま、夏海の方へと飛んでいった。

 

「え?あー、それはそうなるか。まぁ、これで1人脱落には違いないけどね」

 

何故、動けなくなったアサシンがマミを助けることが出来たのか、その答えは単純だ。氷がキャスターの宝具の熱により少し溶けてしまったのだ。その隙を逃さず、アサシンは自らを犠牲に自身のマスターを逃がした。そして、アサシンは…炎の虎に切り裂かれ…消滅した。

 

「あ、魔力奪うの忘れてた!まぁ、いいや。適当にそこら辺の男から貰えばいっか!男ー!」スタスタ

 

キャスターによる魂食いが始まった。

 

 

「アサ…シン…。報告しないと…」

 

落下の衝撃を虚数の触手で和らげ、起き上がったマミはボロボロの体で教会へと向かう。アサシンの脱落により聖杯戦争の2日目が終わった。

 

ーーー

 

2日目

アサシン脱落




衛宮結:マスター。ラティの使う糸の虫に対して金属バットで戦う…スケバン?また、アーチャーの弓を投影したことでぶっ倒れる。

遠坂蓮:マスター。ジュンと戦う。強化魔術による格闘だけで一宇をあっと言う間に追い込んだ。

一宇準:マスター。セイバーを召還し、ラティと共に現れた。投影魔術でレンと戦うも劣勢となり、アーチャーに殺されそうになるがセイバーにより助けられ、撤退。

ラティ:マスター。ジュンと共に現れた。魔術で出来た虫の軍団でユイを襲う。ランサーが戻ったことにより撤退した。

間桐真実:マスター。アサシンと共にキャスターを襲撃するが返り討ちにあい、アサシンを犠牲に命からがら撤退。キャスターの情報を教会に話し、聖杯戦争からリタイアとなる。

キャスターのマスター:マスター。キャスターに気持ち悪いと殺される。

ランサー:サーヴァント。セイバーと戦うも槍の一撃は全て捌かれいたものの五分五分の戦いとなった。

アーチャー:真名瓜子姫。バーサーカーと戦いつつ、相手のマスターを射るチャンスを伺っていた。しかし、マスターに攻撃を当てることは出来なかった。

セイバー:サーヴァント。年をとっているが、アーチャーの矢を一瞬で切る、ランサーの重い一撃を捌く、交戦しつつもマスターを助ける、など戦闘力はかなり高い。鉄扇を持っている。

バーサーカー:サーヴァント。アーチャーと戦う。

アサシン:サーヴァント。キャスターと交戦するも、終始圧倒された。短刀による投擲も効果が無く、撤退しようとするも失敗。自身のマスターを逃がし脱落した。

キャスター:真名不明。マミとアサシンに襲撃されるも迎撃し、某キャットの宝具によりアサシンを脱落させた。魔術を知らないとのこと。酒池肉林って虎を放ってたものだっけ?(FGO内某キャットさんのプロフィールより)


はい、アサシンがリタイアしました。ルート1で活躍していましたが今回の出番はここで終了です。彼がいると…キャスター戦がルート1と同じ展開になりそうなので…。まぁ、また続き書いた時によろしくです!


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4章 2月8日(日) 前

どうも…はぁ、妖精騎士ガウェイン欲しかったです…。6章の後編はどうなるのか…。多分ですけど、OPの騎士はパーシヴァルですよね?いやー、ルート1のラストで彼を出しましたが…イメージと違ってましたね…。鎧のお陰かガウェインよりもゴリゴリに見える…。

てなわけで続きです。


「起きろ、衛宮」

 

惰眠と言うわけではないが、昼となっても眠っていた私は遠坂くんに起こされた。正直疲れていると言うのに…

 

「どうしたの?私、新しい仮面ライダーみたいんだけど?」ムクッ

「…ッ!ならもっと早く起きろよ!…じゃない。…アサシンが脱落した」プイッ

「え?」

 

アサシンといえばマミが召還したサーヴァント…

 

「マミは?」

「………」

「ねぇ!どうなったの?答えてよ!」

「生きてはいる。生きてはいるが…重症だ。全身、火傷と凍傷だらけ…足の指も数本切断した程だ」

「そんな…でも、生きていることを喜ぶべき……でも…マミが…」

「襲われそうになってよくそう思えるな…」

「………」

「まぁ、お前ならそうなるか。着替えたら飯にする。…後、ボタンはちゃんと留めておけ」バタン

「…あ」

 

勝手に入ってきたのはそっちなのに…。早く着替えよう。

 

 

ーーーニュースです、昨日より◯◯県◯◯市にて集団で人が倒れるという事件がありました。この事件による死者はいませんが全員衰弱状態とのことです。

 

「お?戻ったか、魔術師。で、どうだった?」

「やはり脱落していた…他の陣営が気付くのも時間の問題だろう」

「…キャスター」ギリッ

「アーチャー、どうした?」

「レン、多分だけどキャスターは…ここに来るわ」

「それは…何故わかる?」

「私がいるからよ!アサシンを一方的に倒した相手が私のせいで来る…どうする?私を自害させる?」

「バカ言え。お前が原因で来るの意味がわからんし…来たとして聖杯を取るのは俺らだぞ?」

「おーい、ここに倒さないといけない奴が1人いるぞー」

「フフフ、じゃあキャスターを倒すわよ。協力してね、レン、ランサー」

「はぁ…調子狂うわ。明日には敵になってるかもしれないのに…」

 

「遠坂くんー、ご飯何ー」バタン

 

「ようやく来たな、マスター」

「後は焼くだけだから少し待ってろ」スタスタ

「あら?起きたのね?永遠に寝てれば良かったのに」ギロ

「冷たいよ、アーチャー」

「そりゃそうよ、私はあんたを認めてないからね」

「ランサーさん…」

「諦めろ」

 

相変わらずアーチャーは冷たい。あ、ご飯だ!炒飯と蟹玉に中華スープだ!

 

「はー、美味しい!」モグモグ

「そりゃ、どうも」モグモグ

「そういえば、アサシンって誰にやられたの?」

「サーヴァントの基本クラスはわかるよな?」

「うん、セイバー、アーチャー、ランサー、ライダー、アサシン、ジェスター、バーサーカー…昨日出会ったクラスを除くと、ライダーは脱落済みだからジェスターにやられたと…」

「魔術師(キャスター)だ!道化師(ジェスター)なんてクラスがあるか!」

「俺のところになれそうなのが1人いたな…」

「あら?レン、ランサーが真名のヒントをくれたわよ?」

「バレたところでお前は俺に勝てないから関係ない」

「…」ギロッ

「睨むなよ…食いたくなるじゃねぇか。強気な女は好きだぜ」ジュルリ

「ランサーさん!」

「冗談だ…俺に抱かれたきゃ、髪を金色に染めてきな」

「最低な口説きね」

「話を戻すぞ。アサシンはキャスターにやられたとのことだ」

「さっき火傷と凍傷って言ってたから…そういう魔術を使うってこと?」

「…真名は"妲己"だ」

「も含まれると言った方がいいかしら?」

「"妲己"?」

「一国を滅ぼした悪女…って言えばわかるか?」

「ちょっとレン、大事なところが抜けてるわよ!」

「下手に混乱させる訳にはいかないだろ…色々話すことはあるがとりあえず、今はそれだけ知っていてくれ」

「とんでもない人だってのは分かった。でも何で真名がわかったの?」

「マミから聞いた。酒池肉林なんて宝具名を聞けば普通に分かる」

「あ、それは聞いたことあるかも!」

「アーチャーの予想が正しければ今夜ここに来るらしいが…お前はどうする?別に俺らだけでもいいんだぞ?」

「いや、マミを傷つけた相手だから…戦うよ。で、いいよねランサーさん?」

「あぁ」

 

とはいえ…夜までの時間はどうしたものか。そうだ!

 

「遠坂くん、私たちは一回家に帰るよ」

「そうか」

「ボタンじゃないパジャマ取ってくる」

「ぶー」

「レン、汚い」

「クッ、ククク…」

「笑うな!はぁ…、そうしてくれ」

 

遠坂くん、ものすごく動揺してる…さては女子に耐性ないな?

 

「あ、ついでにゲームも取ってくるよ」

「本当!?…あ、さっさと行きなさい!」

「プッ、クフフフ…」

「笑うな!殴るわよ!」バキッ

「殴ってから言うなよ!」

 

ランサー、責めて痛がってあげて…

 

 

自宅へと戻る。切嗣から何か連絡が来ているかもしれない。電話を見てみるとメッセージが4つ。2つはクラスメイトからだったが残りの2つは切嗣だ。まずはクラスメイトの2人に連絡し家の都合ということでしばらく学校を休むと伝えた。切嗣のメッセージを聞いてみよう。

 

『ユイか?そっち建国記念の日には戻る。それまでは生きていてくれ。しばらく電話には出れない』

 

ありがとう切嗣、私頑張るよ。さて、もう一件の方は…

 

『帰ったらハンバーグが食べたいかな』

「ふふっ」

 

子供みたいなメッセージに和みつつも準備を終え、ハンバーグのことを考えながら遠坂くんの家へと行こうとし…ゲームを回収し忘れてたのを思い出してまた戻った。

 

 

「ちょっと!ライバルが急に強くなってるんですけど!何でコイツに地面タイプが付いたのよ!草が大ダメージじゃない!」ポチポチ

「弱点はちゃんと補わなきゃダメだよ!ほら、ツバメっぽいの捕まえていれば…」

「私、鳥って嫌いなの!」

「知らないよ!」

 

戻ってきた私は、ゲームを始めたアーチャーを見ていたが…冒険なのにパーティが1匹だけってどうなの?

 

「なぁ魔術師、今のアイツらって絵になるよな?」

「…ノーコメントだ」

「ククク…なぁ、魔術師」

「何だ?」

「惚れた女は奪ってでも手に入れておくもんだ。でないと絶対後悔するぞ」

「………」

「パロミデスだ」

「は?」

「俺の真名だ」スタスタ

「………」

 

「もー、草技を使わないでよ!」ポチポチ

「じゃあ、ヌ◯クローだけで進まないで…」

 

アーチャー、結構ごり押すタイプなんだ…。

 

 

「ふっふふーん♪」ジュージュー

「何を作ってるんだ?」

「ハンバーグ!あ、バンズに挟むからハンバーガーか!食べてみて!」

「…うまい!」モグモグ

「えへへ、ありがとう!」にこ

「ー!ゴホッ、ゴホッ…」

「だ、大丈夫?」

「大丈夫だ、…水をくれ」

「うん、わかった!はい!」

「ふー、悪いな」ゴクゴク

「いいの、いいの!うまく出来てた?」

「あぁ、うまかった」

「これなら切嗣も喜びそう♪」

「ーー!」

「どうしたの?」

「………」

「ねぇ?どうしたの?」

「…衛宮」

「?」

「俺に味噌汁を作ってくれ」

「ん?いいけどハンバーガーには合わなくない…あ、夜ね!わかった、作るよ!」

「…頼む」

 

台所を借りてハンバーグを焼く。来た遠坂くんにハンバーガーを食べてもらうと何故か味噌汁も頼んできた。どうしてその組み合わせを頼んだのかはわからないけど、まぁ、そんな気分なんだろう。そういえばずっと遠坂くんがご飯を作ってくれてるな…女として私も何か作らないと!そして、夕方となり…

 

「ご飯出来たよ!」

「悪いな、わがままを言って」

「守って貰ってるだけでありがたいのに、ご飯までお世話になるなんて…何か嫌なの!てな訳で食べてよ!」

「うまそうじゃねぇか、マスター!」

「何で私たちの分まで作ってるのよ…」

「…あ、ダメだった?」

「そうじゃないけど…あー、もう!私はランサーと食べるからレン、来ないように見張ってて!」

「……あぁ」

「アーチャー、まさかランサーのことが…。ランサーさん…頑張ってね!」

「それはこっちのセリフだ!」

「?」

「バカ!早く来なさい!」

「あ…マスター、また後でな」バタン

 

「………」モグモグ

「…美味しい?」じー

「…うまい。ただ、お前も食べろよ」モグモグ

「うん、そうだね!………。…でも遠坂くんのご飯の方が美味しいかな」モグモグ

「…俺はお前のが好きだ」

「へ?」ポロッ

「お前の飯の方がうまいと思う」

「え?あー、うん!そう思ってくれるなら、また作るよ!」

「あぁ、頼む!」

「もー、箸落としちゃったじゃん…投影!」

「そんな使い方する奴、初めて見た」

「さ、冷めちゃうじゃん!」モグモグ

 

「これがジャパニーズ・和食というやつか!?うめーな!」モグモグ

「まぁ、私は結構食べ慣れてるけど…てか、箸使うの上手いわね」モグモグ

「剣や槍も使うんだ、こんなもんよ!そうだ、弓を教えてやろうか?」

「うーん、それはいいかな」

「そうか、ところでこれ何だ?ピクルスってやつか?」

「あんな酸っぱいのと一緒にしないの!漬物っていうのよ!」

「この米ってやつはお前が生きてた時からあったのだろ?なら、日本の食事はかなり豊かだな…」

「これで豊かって…あんたは何を食べてたのよ?」

「え?ウサギとか鹿とか鳥とか…あー、トカゲや蛇も食ってたな」

「動物ばっかり!」

「失礼な、ナマズとかも食ってたぞ!」

「それも動物よ!全く…焼くだけなんて、あなたの食事が貧しいだけじゃない!」

「は?焼かねぇぞ?生のまま食ってたに決まってんだろ?」

「…え?本当?ドン引きだわ…」

「まぁ、周りの奴らもそんな反応だったが…そんなにおかしいか?」

「おかしいわよ!あんたは獣か!?」

「ー!悪い、この話はここまでにしてくれ」

「あらあら?真名につながるのかしら?」

「お前のマスターは俺の真名を知ってるぞ」

「え?」

 

「アイツら騒がしいな」

「フフフ…」

 

こうして、つかの間の休憩時間は終わり…戦争の時間へと切り替わる。

 

 

「やっと着いた…男を…じゃなかった!魔力をもっと集めないと!ん?この気配は…」

 

脅威はすぐそこまで来ていた。




衛宮結:マスター。家に帰り、青い宝石を回収する。おやつのハンバーガーを作り、夕飯では和食(ご飯+味噌汁+肉じゃが+漬物)を作った。パジャマはボタン付き。

遠坂蓮:マスター。アサシンの脱落を確認する。結構わかりやすい子。ユイに中華料理を振る舞う。*普段の自分の食事はかなり雑に済ませてます。

間桐真実:脱落者。脱落を教会に報告。その後、大怪我を負ってるため臓硯により自宅へと運ばれた。切られた指は臓硯の虫に食われた。

衛宮切嗣:養父。ハンバーグが好き。建国記念日には戻るとのこと。

間桐臓硯:おじいちゃん。マミを回収し、治療した。

ランサー:真名パロミデス。アサシンの追跡が切れたためレンに報告。そして、レンに自らの真名を明かした。好みの女性は金髪、食事は何でも生派。恋愛に後悔がある、とのこと。

アーチャー:真名瓜子姫。ユイのことはまだ認めていない。ユイの青い宝石で遊ぶ。みずタイプを選んだが…例の場所で詰まる。勝つにはパーティで補うか、相手の1匹目でドーピングアイテムを使おう!

キャスター:真名妲己。アーチャーと知り合いらしい。


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4章 2月8日(日) 後

お久しぶりです!いやー、ポケモンGOとかFGOとか遊んでましたわ!やっとストーリーが終わって、え?これで終わりって感じです。分岐があるみたいですが、オーロラとか妖精騎士ガウェインの夫とかハベトロットの第3スキルとか謎が多すぎて一体どこからなのか…。やっぱりあの騎士はパーシヴァルでしたね…宝具レベル4です。妖精騎士ランスロット…全石使ったのに…当たりませんでした…欲しかったな。

ラブライブ!スーパースター!!が始まりましたね!1話、2話と見てテンション上がってたのに今日と来週が休みなんて…ふざけるなバカヤローって感じです。まぁ…オリンピックや甲子園あるから…うーん…。

とりあえず続きです。


「ー!来たわ!」

「あぁ!いくぜ!」

 

「………」

 

「ランサーを見て動かないわね?」

「お前、何見てやがる!?」

 

「…あら?あらあらあら!?ハンサムじゃない!濡れるー!」

 

「は?」

「え?」

 

マミの敵であろうキャスターはアーチャーの予言通りやって来た。しかし、何故かランサーを見てすごい反応をし始めた。濡れるって…マジか。

 

「ふーん、良かったじゃんランサー。あなたが希望した金髪の女よ、抱いてきたら?」

「いや、あれは無いわ。美女でも初対面で『濡れる』とか言う女は無いわ」

「美女!?ウフフ、嬉しいこと言ってくれるわね…ん?あぁ、この魔力の感じ…お前からか」

「私のことはわからないみたいね…別にいいけど」

「私、女には興味ないの。んじゃ、いい男のついでに魔力の足しにしますか…炎天よ、奔れ!」ドーン

「炎の魔術!」

「ランサーさん!」

「任せ…グッ!おい、これはただの魔術じゃねぇぞ!」

「ランサーの対魔力を貫通してるのか!?」

「でも、これは効くでしょ?バーン!」シュッ

「気密よ、集え!」ビューン

 

戦闘が始まり、先制してきたのはキャスターだ。火炎玉をアーチャーへと放つもランサーが槍で迎え打つ。アーチャーも矢を放つが竜巻により弾かれた。

 

「ねぇ?ランサー、名前を教えてくれない?」

「おいおい、余裕だな。俺はアタックされるよりする方が好きなんでね」

「そう?じゃあ、あなたの周りにいる女を全員殺して、ゆっくりお話しましょうか…炎天よ、祓え!」ゴゴゴ

「チッ、厄介な炎だ!」スッ

「レン、私をあっちまで飛ばして!」

「何をする気だ?」

「矢が届かないなら直接殴るのよ!」

「アーチャーにそんな力…」

「これを見ても言える」

「何その腕!」

「わかった、俺と上手くタイミングを合わせろ!」

「わかってる」

 

アーチャーの腕から大量の毛が生えてかなりワイルドになった…。毛は肌が見えないほどギッチリと生えている。…いけるかもしれない!

 

「今よ」

「了解した!おらっ!」ドン

 

遠坂くんに押され、アーチャーは弾丸の如くキャスターへと跳ぶ。そして…

 

「うわっ、危なっ!」スッ

「ランサーと位置を…ひっくり返す!」クルッ

「え?」

「食らいなさい!」バキッ

「ぐっ…」

「追加だ!おらっ!」ブン

「痛っ!…やってくれたわね」バキッ

 

タックルは避けられたもののランサーと入れ替わり、拳を叩きこんだ。そして、ランサーも追撃をし、キャスターへとダメージを与える。

 

「投影!」ヒュッ

「!」ザクッ

「マミの敵…投影!」ヒュッ

「気密よ、集え!」ビュン

 

私も弓で攻撃し…あれ?

 

「………」バタン

「衛宮!?」

「この女!」ガシッ

 

キャスターに掴まれた…けど、体が…う、動かない…。

 

ーーー

 

「マスター!」

「まずは…1人減っ…!」

 

「ユイと私を…ひっくり返す!」クルッ

 

「チッ…」スッ

「マスター!」ガシッ

「…う、らんさ…」

「おい、魔術師!どうすんだ?」

 

アーチャーが入れ替わったことにより衛宮はランサーの元へ移る。…しかし、どうするべきか?アーチャーの矢では竜巻に弾かれ、俺の拳も効果は期待できない…そうだ!

 

「…令呪を持って命じる!"アーチャー、全力で殴りキャスターを退けろ!"」

「えぇ、わかったわ…はぁぁ!」

 

アーチャーなら、サーヴァントの筋力であれば、今回だけは…。令呪のブーストでキャスターへと迫るアーチャー。キャスターは札を構えてきた。

 

「『これこそは我が悦であり、其方の罰、熱に溺れ、臓を開き、又焼かん"炮烙剖腹酒池薹盆"』」

「炎の虎じゃない!と、いうことは…別の宝具か!」

 

キャスターが宝具を使う。穴が出来たかと思うとそこから大量の毒虫や蛇が壁の如く現れ、こちらへと迫る。…これは!?妲己の宝具ではあるのだろうけど聞いていた宝具と違う!

 

「くっ、これじゃ…近寄れないわ!」

「魔術師、マスターを任せた!俺も前に出る!」

「…わかった、頼む」

「1匹、1匹は小さくて弱いんだ!なら全部、槍で潰すまでよ!おらっ!」ブン

「熱っ…ランサー、コイツら炎で出来てるわよ!」バキッ

「アーチャー、お前は後ろから弓で俺を援護してくれ!」ブン

「わかったわ!」ヒュッ

「どこまでいけるかしらね?フフフ…」

 

ランサーが前に出て毒虫たちを倒していき、逃したものをアーチャーが対処する。しかし、ジリ貧だ…ん?キャスターにまだ衛宮の投影したアーチャーの矢が刺さってる?これなら…

 

「ランサー、何とか俺がキャスターに近づく隙を作れないか?」

「…期待はするなよ」

「アーチャーは衛宮を守ってくれ」

「わかったわ…レン、死なないでね」

「…あぁ」スッ

 

作戦開始だ。慎重にキャスターにバレないように背後へと回る…まだ気付かれてはいないようだ。ランサー…頼む。

 

「そういえばキャスター、俺の名前を知りたいって言ってたよな?」ブン

「えぇ、言ったわ?」

「この宝具を解除してするなら教えるって言ったらどうする?」ブン

「そうね…女2人の内どっちか殺した後に解除してから聞くわ」

「ハハハ、交渉決裂だな!」ブン

「そりゃ、そうよ。いくら私があなたに一目惚れしたといっても…こっちにもそれなりに益がないとね!」

「パロミデスだ」ブン

「え?」

 

キャスターの動きが止まった!今なら…

 

「どりゃ!」ゲシッ

「ーー!ッあ!」ザクッ

 

全力で矢を蹴り、さらに奥へとねじ込む。…かなり効果はあったようだ!

 

「あぁ…覚えたわ。パロミデスね…今夜は退いてあげる。この痛みで…あなたの名前を知れて良かったわ。ただ、あなたの周りの女はちゃんと全員殺すから。フフフ、明日はものすごく派手にしてあげるわ」スッ

「バーン!」シュッ

「気密よ、集え…じゃあね、パロミデス様」ビュン

 

アーチャーの矢を竜巻で払いのけ、キャスターはそのまま去っていった。………。他の陣営の攻撃を警戒しつつ、俺たちは家へと戻った。

 

ーーー

 

「らてぃ、ぱずる、たのしい?」

「うん、◯◯も楽しいかい?」

「ぼく、らてぃとなら、なんでもたのしい!」

「それは良かったよ。次は何をする?」

「んー、じゃあ…」

 

バーサーカー陣営…動き無し。

 

ーーー

 

「ほぉ…小僧、何だそれは?」

「濃硫酸だよ…これでコイツの水分を飛ばす…」ポタッ、シュー

「錬金術というやつか?何を作る気だ?」

「次の戦いでの秘密兵器さ!コイツが僕を勝利へと導くのさ!…遠坂にリベンジしてやる」

「まぁ、目標があるの良いことか…。しかし、そんなのが戦いで役に立つのか?確かに儂らの時は貴重なものであったが…今じゃそこら辺から買って手に入るもんじゃろ?」

「だから、ありがたいんだよ!…しかし、これだと少ないな…」

「そうなのか?部屋の半分くらいは支配しておるぞ?」

「明日までには全部終わるさ。今は花を愛でるなり、本を読むなり、好きに過ごしてくれていい」

「ほぉ…アサシンが脱落したからか随分呑気じゃないか?」

「キャスターが遠坂のところにいったんだ。それで、ボロボロになって撤退していった。アインツベルンに関しては、自ら外に出てくることはもうない…だから今夜はもう大丈夫。それに気は抜ける時に抜いておけって言ったのはセイバーだ。…部下に自由時間を与えるのも主の役目なんだろ?」

「ハハ、言うじゃないか小僧!50点やろう!」

「50なのか!?」

「周りの警戒もしてるようだな。じゃが、儂の言葉を鵜呑みにしてるじゃまだまだよ。今のお前がやることは…儂との交流じゃ!」

「何でお前と交流しないといけない!僕は忙しいんだぞ!」

「戦争において絆と情報は重要じゃぞ。特に些細なことで命を失うなんてよくあること…」

「だったら早く真名を教えろよ!」

「焦るな小僧。昨日の儂の行動を整理してみろ。ヒントは色々あったじゃろ?」

「お前の行動?ランサーと交戦してただけだろ?あ、鉄扇で僕を…」

「他にも見るべきところがあったが今回はそれでよい。そうじゃ、お前の使っていたあの投影魔術を…ランサーのマスターか。そいつが同じのを使っていたぞ」

「ーー何だって!…詳しく教えろ!」

「ハハハ、交流開始じゃ!」

 

セイバー陣営…交流開始。

 

ーーー

 

3日目

脱落者無し




衛宮結:マスター。アーチャーの弓を投影し、1度キャスターへと当てる。その後、もう1度矢を放つが竜巻に防がれてぶっ倒れキャスターに殺されかける…倒れ過ぎでしょ。

遠坂蓮:マスター。アーチャーと連携を取るもキャスターに大ダメージを与えられず焦って令呪を使うも、キャスターの宝具により無意味に終わった。その後、キャスターに刺さったユイの矢に蹴りを入れ大ダメージを与え撤退させる。

一宇準:マスター。錬金術であれやこれやするも、自身と同じ投影魔術を使った魔術師の詳細を聞くためセイバーと交流する。

ラティ:バーサーカーと遊ぶ

ランサー:真名パロミデス。キャスターが宝具で召還した大量の毒虫を1人で対処する。キャスターに真名を証し、大きな隙を作った。なお、普通にキャスターは好みの女とのこと。

アーチャー:真名瓜子姫。キャスター戦にて矢を放つも1度も当てれず、拳も通じない、とあまり活躍無し。…ユイを救う、ランサーの援護をするなど役に立っているんだけど…。

セイバー:サーヴァント。マスターのジュンと交流をする。なんやかんやでマスターを気に入ってるようだ。

バーサーカー:サーヴァント。マスターと遊ぶ。

キャスター:真名妲己。アーチャーの魔力に釣られユイ達の前に現れる。終始圧倒するもレンの不意打ちにより撤退する。ランサーに(何処がとは言わないが)濡れた。


はい、3日目の終了です。レンが蹴りで矢を深く食い込ますのはルート1のセルフパロディです。ついにキャスターが夏海に来ました!と、いうことは4日目は…。マイペースに投稿していきますので、投稿した時にまたよろしくです!


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5章 2月9日(月) 前

…6周年記念です。作者となってもう1年…文才は上がらず未だにルート2です。…まぁ、投稿頻度はマイペースに進めていくのですが。

それはそうと、6周年記念に来たのはまさかのコヤンスカヤ…好き!何とか当てました!好き!何かウサギってところに興奮します!好き!福袋は引きましたか?私はゴッホちゃんを狙って…妖精騎士ランスロットちゃんでした。うん、いっぱい好き!後は、絆10の紅閻魔ちゃんのレベルを102にしてしまい…アペンドスキル解放に使うべきだったと後悔しています。みなさん、ご注意を…orz

こんな私の作品をよろしくお願いいたします!それでは、どうぞ!


ーーーニュースです。昨日深夜、夏海市で人が大量に倒れるという事件がありました。これは◯◯県と**県の事件より規模が大きく、警察も動き出す予定です。

 

 

口の中から鉄の味がする…。目が覚めた。遠坂くんが私の口へ何かを運んでは食べさせてくれていた。

 

「ーー目が覚めたか!」

「と、おさか、くん?」

「…魔力の使い過ぎだ」

「え?」

 

使い過ぎってアーチャーの弓矢を2回投影しただけなのに…?

 

「あんたって私の武器を投影する度に倒れるからおかしいと思っていたのよね」

「ここまでレベルだとは俺も思わなかった」

「えーと…」

「要するに、お前の投影魔術が中途半端に上手く出来ていたんだ。サーヴァントの武器をそのまま再現する程にな」

「だからキャスターを撤退させれたのだけど…」

 

つまり、サーヴァントの武器を投影したため私は倒れたと?しかし、私は魔術を知って3日くらいだ…そこまで再現出来る物なのか?

 

「才能なら一宇の次男より…いや、もしかすると投影魔術を扱う魔術師の中でもトップクラスかもしれん」

「そんなに…」

「だが上手く出来ていたならお前は確実に死んでいたな」

「再現は出来てるけど、上手くは作れていないってこと?」

「ややこしいが、そういうことだ!」

「神の力をただの人間が再現しました、の一言で片付けるのもね…」

「神の力?」

「何でもないわ。それよりレンに感謝することね、必死にあなたを助けようとしてくれたんだから!」

「そういえば何を食べさせてくれてたの?」

「それはレンの「レバーだ!」」

「?」

「宝石と一緒にすり潰し、魔力を込め流し込んだ。それだけだ。それよりお前の親は魔術師…ではないんだよな?」

「あー、それなんだけど、本当の親はいない…というかわからないの。実はさ、私って10年前以降の記憶がないんだよね…」

「は?記憶が無い?」

「名前も無かったんだ。今思うと…聖杯戦争が原因かもね」

「どういうことだ?」

「私ね、10年前に突然この町に現れたらしいの。誰も知らない、わからない、私自身も来る前の記憶が不自然と何も出ない…、これって魔術?」

「…悪い、親父や綺礼が参加していたとはいえ、俺も10年前の聖杯戦争はそこまで知らないんだ」

「切嗣は…私を引き取った人ね。切嗣は聖杯戦争の参加者だったらしいの。だから…何て言えばいいんだろ?私の魔術が使えるのも何か関係があるのかもしれないね」

「………」

 

正直かなり重い話をしたと思う。でも、私が魔術が使える理由に繋がるかもしれない。

 

「切嗣って男は今何をしている?」

「あぁ、ある人の影響を受けて色んな国で『正義の味方』をしてる…って聞いた。具体的には何をしてるかまでは知らないけどね。いつも死んだ目をしてたけど、その人の話をしてる時は、生き生きしてたよ。後少しで帰ってくるから会ってみる?」

「…お前はその切嗣さんが好きなのか?」

「うん、私を育ててくれた人だもん」

「……そうか、親としてだよな」ボソッ

「遠坂くんも話してくれたから私も話しておきたくて…ごめんね。こんな暗い話を」

「いや、いいんだ…それより、もうアーチャーの武器は投影するな。他のは構わない…いいな?」

「うん、わかった」

 

宝具にしてるものの投影はもうやめておこう。…ん?煙か?

 

「遠坂くん、あれは?」

「教会からの狼煙だ」

「あんなに派手にして大丈夫なの?」

「魔力で編まれる特別なやつだから一般人には見えん。お前は今日はここにいろ」

「…うん」

「いくぞアーチャー」

「はいはい。ユイ、そろそろランサーの霊体化を解いたら?」

「あ!ランサーさん!」

「大丈夫か、マスター?」シュッ

「うん…私たちも出来ることをしないとね」

「それなんだが…マスター、俺の武器が…」

 

ランサーがボロボロの槍を出す。刃先は無く、元の長さの2/3くらいまでなっており素人の私が見ても満足に戦えそうにない。キャスターの宝具を正面から向かったんだ…しかし、どうしたものか…

 

「おい、遠坂の!おるか!」

 

「間桐の虫ジジイ!何の用だ!」

「…孫(マミ)からのお願いじゃ。ランサーのマスターを助けてやれとな」

 

虫が集まり…人の形へと形成した。使い魔かな?そして間桐、マミ、ということは…

 

「マミのおじいちゃん?」

「ほほぉ?小娘、お前がランサーのマスターか」

「えぇ、そうです。衛宮結です」

「衛宮?カカカ、なるほどな。お前がキャスターに拐われていたガキか」

「キャスター?昨日出会ったのが初めてですけど…」

「いや、気にするでない。ほれ、マミからのプレゼントじゃ」

「おぉ…ん?これって…」

 

虫が運んできた風呂敷を開ける。中には大量のタッパーが入っていた。最初こそ作り置きのおかずに見えたがよくみると…

 

「ひっ!虫…」

 

セミの天ぷら、サソリの素揚げ、クモの串焼きetc…昨日のキャスターの宝具を思い出す。これを食えというのかあの後輩は!?

 

「手っ取り早い魔力補給にはなるじゃろ。無理にとは言わんが…」

「マスター、俺でも抵抗はある。無理はするな!」

「全く…虫なんて衛宮が食うわけないだろ!」ジュルリ

「…レン、よだれ」

 

みんなの反応もみる。………。

 

「えーと、…狼煙の呼び出しってキャスターのことですよね?」

「あぁ、恐らくじゃが、集まった者たちで討伐するじゃろな」

「遠坂くん、先に行ってて」

「お前!まさか…一人占めか?」

「そうじゃないでしょ!マミって娘も元々、あんたの為に作ってないから!ほら、さっさと教会にいくわよ!…ユイ、あんたは邪魔になるだけだし別に来なくていいからね!」

「…邪魔になってもいくよ」

「私は来るなって、言ったからね」

「遠坂の!…血を出すなら指よりも腕の方が目立たずに済むぞ」

「うるさい!行くぞ、アーチャー!」

 

遠坂くんとアーチャーは先に行ってしまった。あ、本当だ、親指に血の染みた絆創膏を巻いてる…レバーをすり潰す時に巻き込まれた?…そういえば、遠坂くんって忘れていたけど普段は虫とか雑草を食べていたんだよね。と、考えればマミの料理の反応をみる限り、実は結構美味しいのかもしれない。………。

 

「おい、小娘!」

「はい、虫さんの命に感謝していただき…」

「そうではない。ランサーの武器が使えんで悩んでるのであろう?」

「え?確かにそうですが…」

「コイツを使うとよい」

「これは…木?」

「黒檀という固い木材じゃ。小娘、貴様の手先はかなり器用と聞いた。コイツで武器の形だけでも作ってやれ…最終的に儂が魔術用に調整してやる」

「黒檀…はっ!『黒檀の槍(エボニー・スピアー)』!」

「おい、ジジイ!わざわざそんなものを寄越すってことは俺の真名を知っているのか?」

「カカカ、鎧をみれば円卓の騎士ということくらいは分かるわ!まぁ、前回のアーチャーがそうだったからのぉ」

「アーチャー…ランスロットか!いや、トリスタンの可能性も…」

「カカカッ、どうじゃろな?」

「ランサーさんは円卓の騎士…でもキリスト教じゃない…まさか!」

「ようやく気づいたか」

「ディナダンさん!」

「違うわ!あんな雑魚と一緒にするな!」

「あれ?ラモラックさんですか?」

「…異教徒騎士ってだけで結構目立ってると思ったんだけどな…」

「サフィアさん?」

「それは弟だ!」

 

ってことは…

 

「パロミデスさん!」

「ようやく…本当にようやく気づいたか…はぁ…」

「でも王様の武器なんて…いいの?」

「…お前が1から作ったものならそれは別の物だ。好きに作ってくれ」

「わかった、待っててください!」

「魔術を使った方が早いぞ…ちょうど孫の作ったあれがある。食うのじゃろ?」

「………」

 

先ずは魔力補給だけど…うーん…。………。…モグモグ、ん?ひぃ!これ、人間の…いやマミの…!

 

「後1本どこかと思っておったら…我が孫ながらこれは儂もドン引きじゃ」

「愛って怖いな…」

 

 

「出来ました!」

「マジか…王が持ってたのとかなり似ているな…」

「本当?」

「カカカ、待っておれ。すぐに調整を終わらせる」スタスタ

「ランサーさん、これでキャスターを倒せますか?」

「実際に使ってみるまではわからないが…お前なら大丈夫だろ」

「信頼してくれるのは素直に嬉しいですが…私は不安です」

「壊れたら壊れたで自分の拳で戦うまでだ」

「あなた騎士ですよね?」

 

強化と投影を上手く使い、黒檀を槍の形へと削った。その後はマミのおじいちゃんが魔力を流せるように調整してくれるとのこと。ただ削ったものに魔力を流す…それがサーヴァントに通じるのだろうか?不安があるものの今は少しでも体を休めておこう。…休憩しているとマミのおじいちゃんは言葉通りすぐに来て槍を渡し去っていった。…うん、十分に動ける!私たちも教会へと向かおう。

 

ーーー

 

「はっ!何か新しい力が手に入った気がする!いや。何でもない!何でもないわ!」

 

街中ではあるものの人一人感じないビルの屋上にて、キャスターは札を構え詠唱をする。

 

「『出雲に神在り。国がうつほに水注ぎ、高天巡り、黄泉巡り、巡り巡りて水天日光。審美確かに、魂に息吹を、山河水天に天照。これ自在にして禊ぎの証、名を玉藻鎮石、神宝宇迦の鏡なり…"水天日光天照八野鎮石(すいてんにっこうあまてらすやのしずいし)"』っと…誰が来るかしら?」

 

「………」

「………」

「………」

 

詠唱後、現れたのは三人の英霊…黒のジャケットに派手なベルトの男、長い金髪に鎧と槍を持つ騎士の男、そして翼を生やした小さな女であった。

 

「3人だけか…でも男が2人!しかも、どっちもハンサムじゃない!濡れるー!でも、女が1人いるわね…」

「いて悪かったね。んで私たちを呼んだ君は誰だ?」

「私?えーと、この戦争でキャスターとしてきたからキャスター呼んでもらえれば…」

「私もキャスターだよ!」

「むぅ!」

「むー!」

 

「よう、ランサー!久しぶりだな!」

「私からしたらさっき振りなのだが…どうやらお前も脱落したようだな」

「ハハッ、驚け!オレは最後まで生き残ったんだぜ!まぁ、聖杯を破壊して戦争そのものが終わったはずなんだが…どういうことだ?」

「賢い私とて、流石にすぐにはわからん…というか口以外ろくに動かせんよ」

「まとも動けてるのはキャスターだけか…あんな姿だったんだな」

「私の脱落後、何があったか気になるが…今はいい」

 

互いに自分がキャスターだと言い合う2人の女、再開を語り合う2人の男。そんな中、ランサーが動いた。

 

「そこの麗しきお嬢様…」

 

『何?』

 

「何であんたが振り向くのよ!このチビ!私のことよ!」

「いや、私のことだね!君には麗しさなんて感じないよ!」

 

ギャイギャイワー

 

「…お二方を混乱させることを言い失礼した。尻尾を生やしたキャスター、何故脱落した私たちがここにいる?」

「そんなの私が呼んだから…正確には聖杯に入らなかった残骸を集めて魔力で再現してるだけよ。…詳しいことはよくわからないけど」

「なるほど、その目的は?」

「あぁ、そうね。今は聖杯戦争中なのだけど、私ってマスターを殺しちゃって、一般人から魔力取ってたから参加者全員から討伐されそうなのよね。だから、それの対策」

「おいおい、それじゃあオレ達にその参加者を倒せっていうのかよ!?明らかにお前が悪いじゃんかよ!」

「ライダー、落ち着け。再現されてると分かった以上、私たちは完全に彼女の操り人形という訳だ」

「うへー、私またこんなことしないといけないの?また、粛清させる未来しか見えないし勘弁してよ…」

「と、言ってもさっさと私が優勝すれば終わりの話。強制してる前提で言うわ!『この聖杯戦争の参加者をランサー以外を殺しなさい』!」

「…は?」

「ランサー以外?」

「…どういうことだ?」

 

キャスターは召還した3人に命令を下した。下したのだが…その内容に各々困惑を隠さない。

 

「いや、その…」モジモジ

「…ははん、君はそのランサーに惚れたんだね。わかったよ、私はやれるだけやってあげる」

「おい、キャスター!」

「ライダー、ややこしいから私のことは『翼のキャスター』とでも呼んでくれ」

「では、私は『尻尾のキャスター』で」

「んなことはいい!翼のキャスター、尻尾のキャスターがしようとしてることは明らかに悪いことだろう!そんなのオイラは反対たぜ!」

「…諦めろライダー。私は自分の指すら舐めれない…つまり、どうすることも出来ないんだ」

「ランサー!」

「ふむ…では私は『美男子のランサー』と名乗ろうか」

「ライダー、君は『正義のライダー』だ!…これからやることは悪だろうけど」

「…クソ、こんなの大将やマスターに顔向け出来ねぇよ…」

「これがサーヴァントなんだよ。君のマスターはいい人だったんだね…私と違って」

「座に返れば全ては無かったことになるだけさ。華麗に戦い、華麗に散ろうじゃないか!」

「お願いね、正義のライダー♪」

 

渋々なメンバーが1人いるもののキャスター陣営の戦力が整っていく…大決戦は近い。




衛宮結…マスター。投影魔術に才能があり、アーチャーの弓など本物に近く投影してたため魔力不足で倒れていた。才能ある理由は今のところ不明だが…彼女にも暗い過去が…。

遠坂蓮…マスター。ユイを必死に介抱し、起きれるくらいには魔力を回復させた…絆創膏?マミの虫料理によだれを垂らす。結局食べれることはなく、教会へと向かう。

間桐真実…脱落者。ユイに魔力(虫)を差し入れた。ついでに自分の指も入れた…ヤンデレ?

間桐臓硯…おじいちゃん。マミからの差し入れを渡しに現れた。ユイの作った武器を調整してくれた。何かいい人?

ランサー…真名パロミデス。武器を新調した。そして、自身のマスターにもようやく真名を知ってもらえた。

アーチャー…真名瓜子姫。自身の武器を投影するたび倒れるユイに疑問を持つも解消。瓜子姫と神、そこに繋がる物は何か?

キャスター…真名妲己。宝具により前回のライダー、ランサー、キャスターを召還する。男好きだが以外と一途。…新しい力?それは光のコ…何でもないです。

前ライダー…真名不明。正義感が強く、キャスターに従うのに抵抗がある。前回の戦争では聖杯を破壊したとのこと。

前ランサー…真名不明。どうしようもないと悟り、キャスターに従う。前回の戦争ではライダーに敗れたらしい。

前キャスター…真名不明。キャスターに何かを感じたのか協力する。前回の戦争ではマスターに恵まれ無かったとのこと。このメンバーの中で1人だけ金髪じゃない。


はい、お約束のキャスターによる召還です。うーん、全員誰か分かりましたかね?これが前回の戦争のサーヴァントたちです!ちなみに私のカルデアには前ライダーと前アサシンがいません…ぐぬぬ!前アサシンは今回、貰えますけど…更に強化されたオジマン…いや、テスラも…と悩んでます。早く決めないと…、ではまた書いたときによろしくです!


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5章 2月9日(月) 中

ストーリークリアしました!何て救いの少ない話だったか…。てか、ケルヌンノス強すぎでしょ!倒したと思ったら呪いで1人になってたユゥユゥが倒れコンティニュー石使うことになりましたし…。主人公の赤字って出ましたか?私は…出ませんでした。

あと、ウマ娘始めました!馬はジャスタウェイくらいしか知らないのですが…育成ゲーならパワポケ感覚で大丈夫ですよね?目標を達成出来ずゲームオーバーになるのですが…うーん。とりあえず、気になるウマ娘はナイスネイチャです…そのうち引けるかな?

では、本編どうぞ!


「ランサー陣営来ました!」

 

教会の扉を勢いよく開ける。中にはもう、私たち以外のマスターたちが揃っていた。

 

「衛宮!なぜ来た!?…本当に大丈夫か?」

「うん、大丈夫!」

「ランサーのマスターか。僕も…今だけは協力してやる。足を引っ張るなよ」

「一宇も素直じゃないね。じゃあ、早速キャスター討伐にいこうか!」

「まぁ、相手は1人だけだし…何とかなりますよね?」

「1人、ならな」

「?」

「アイツ、宝具でサーヴァントを召還しやがった」

「??7騎全員召還されてますよね?」

「正確には"前回の"聖杯戦争で召還されたサーヴァントを再現している、だね」

「前回?」

「僕がその中で真名を知っているのはキャスターだけ…それは僕とバーサーカーで何とかするよ」

「何で知ってるのですか?前回、参加してないですよね?」

「うーん、まぁ僕は前回の戦争を見てたからね」

「他にわかるサーヴァントはいないのか?」

「クラスだけなら、残りはライダーとランサーだよ。…君たちの父親が召還していたサーヴァントさ」

「切嗣が?」

 

前回のサーヴァントとなると1/7で出会うのだから不思議ではない。…何か私の過去の鍵になるだろうか?今まで気にしてなかったことが急に気になり始める。

 

「…どっちがどっちだ?」

「ライダーがユイちゃん、ランサーがレン君だよ」

「ユイ…だと?」

「ユイちゃんって呼ぶな!俺だってまだ呼んでないんだぞ!」

「そっち!?」

「ふーん、君はかなり分かりやすい男だね」

「うるさい!で、能力とか分からないのか?」

「ランサーは槍と水の魔術、ライダーは徒手空拳で雷を纏っていたね」

「雷!?」シュン

「おい、セイバー!」

「悪い悪い!つい興奮してしまったわ!小僧、儂らはライダーを倒すぞ!」

「わかったから引っ込め!…と、なったが…お前ら2人でキャスターにギリギリだったのだろ?相手のランサーの実力も未知数だ…どうする?」

 

…相手は4人、こっちも4人…戦力外の私を含め1人ずつ当てていたのではあまりにもジリ貧過ぎる。

 

「ユイちゃんはランサーでいいんじゃない?彼は最初に脱落したし」

「親父ィ…」

「脱落…そんなに強くなかったってことですか?」

「まぁ、レン君の父がユイちゃんの父に負けたからね。マスターがいなきゃサーヴァントはおしまいさ」

 

…ラティさんって空気読めないのかな?それって切嗣が遠坂くんのお父さん殺したって言ってるじゃん。

 

「なるほど、…魔術殺しの名は伊達はないということか」

「いや、そこ怒るところだよ!お父さんが切嗣に殺されてるんだよ!」

「魔術師同士の決闘で負けたのなら親父も本望さ…それに今はキャスター討伐に専念するべきだ」

「それもそうだね、まぁ3人になるのが4人に増えたんだ。気軽にいこうよ」

「空気を悪くしたあなたが言いますか!」

「はぁ…あのなぁ、ランサーのマスター。こんなこと魔術の世界では普通だぜ。遠坂も魔術刻印受け継いでいるなら問題はねぇよ」

「魔術刻印?」

「はぁ!?…何でお前は参加したんだ?」

「巻き込まれたんですよ!」

「魔術師何だろ?」

「違います!一般人ですよ!」

「…セイバー」

「…」ブンッ

「ーー!」

 

それは一瞬のことだった。目の前に表れたセイバーに切られ…

 

「衛宮!一宇…お前!」バキッ

「手が早いぜ遠坂…軽いな」ガキッ

「硬…何だよそれ!?」

「はいはい、そこまで」

 

遠坂くんが一宇に殴りにかかるが、一宇は腕1本で止めた。…何か仕込んでいるのか?ラティも魔術で2人を止めて…あれ?私から血が出てない?確かにお腹切られたはずなのに…

 

「脅し過ぎだよ一宇。ほら、短い間とはいえ仲良くしようよ」

「衛宮!…?傷がない?」

「私もわからない」

「…作戦はさっき通りでいいな?僕らはライダー、アインツベルンは前キャスター、遠坂は現キャスター、お前はランサーだ。異論は無いな」

「話はまとまったか?なら、さっさと倒して来てくれたまえ」

「神父さん!」

「私も忙しいのだ、早くし…っと。一宇はもう行ったか」

「じゃあ、僕らも先に向かうよ!バーサーカー!」

「があぁぁ!」シュン

「俺らもいくぞ!」

「うん!」

 

昨日の敵は今日の友と言うが、一宇もラティも協力する気なんて無いのだろう。なら、早いうちにキャスターを倒して終わらせよう。ランサーに連れられて決戦へと向かった。

 

 

「なぁアーチャー、キャスターの尻尾増えてないか?」

「えぇ、その分パワーアップしてるわね」

「…あれをまた相手にする気か?」

「足手まとい(ユイ)がいないなら…今までより多く魔力持っていくわよ!覚悟しておきなさい!」ピカッ

「強くなるのか!?ったく、最初からそれくらいでいろよ」

「…あんまり、この姿見られたくないのよ。すぅ…」

「ーー!…確かにこれは俺でもキツイな」ガクッ

 

「あら?来たわね?よし、じゃあパロミデス様は私が…!」スッ

「あんたの相手は私よ。…今度は手加減しないから」

「うーん、前より魔力は上がってるみたいだけど…それで私に勝つつもり?」

「勝つわよ…バーン」シュッ

「気み…!!」ツツー

「あら?少しずれたかしら?」

「調子に乗るなよ…」

 

アーチャーとキャスターのバトルが始まった。…アーチャーの姿が変わっている!?遠坂くん!?ごめん、今は自分の戦いに集中しないと…死なないでね。

 

 

「おや?あれがランサーのマスター?あちゃー、また…」

「令呪を持って命ずる!"あのキャスターを、迷宮の宝具を持って捕らえよ!"」

「…まよえ、さまよえ、そして、しね」

「これは…迷宮(ラビリンス)!バーサーカー、君はまさか…」

「じゃあ、僕たちは行ってくるからよろしく~」

 

前キャスターはバーサーカーの宝具に吸い込まれ、バーサーカーとラティもそれに続いていった。

 

 

「セイバー、いけるか?」

「ほぉ、まさしく雷神の気配…血が騒ぐわ」

「あんた、魔術師か?正直オレは乗り気じゃねぇ…だが、手を抜くつもりもない!いくぞ!」

「ふん、勢いのある小僧だ…だが、相性が悪かったな」

「は?どういう…」

 

ブンッ

 

「ーーちっ!!この刀捌き…兄貴より速っ!」スッ

「ほぉ、避けたか」スタスタ

「セイバー!何のんきに歩いて近づいてるんだよ!」

「いくぞ!オラっ!」バキッ

「…」カキン

「オラ、オラ!」バキッ、バキッ

「……」カキンカキン

「セイバー!…ガンド!」ビュッ

「効くか!」スッ

「いいぞ小僧…そこだ!」ブンッ

「ー!やるな、爺さん」ザクッ

「…」スタスタ

「走れよ!何で走らない!?」

「…」スタスタ

「何だよ魔術師。気づいてないのか?その爺さん…」

 

ブンッ

 

「…」スタスタ

「危なっ!…爺さん、走れないんだろ?」スッ

「…本当なのか、セイバー?」

「…」チャキ

 

前ライダーとセイバーも戦い始めた。ライダーの拳をセイバーは刀でいなしている。相変わらず歩いているようだが…セイバーが走れない?

 

 

「私の相手は君たちか」

「へっ、ロン毛の野郎か…アイツを思い出させるな!おらっ、いくぜ!」

「お願いします、ランサーさん!」

「うーん、これは手強そうだ。勝つのは私だが」

「いや、俺だ!…マスター、早速使うぜ!」ブンッ

 

カキンカキン

 

「…ぐっ!」

「どうやら俺が優勢だな」ブンッ

 

私たちも倒さなくては!パロミデスが前に出て前ランサーを追い込んでいく!私の作った槍は通じているようだ!いける!これなら…倒せる!

 

「…あ!」ボキッ

「武器が壊れるとは…ふっ、どうやら運は私の味方ようだ」

「嘘でしょ!?」

 

折れちゃった!…まずい。…これ、どうなる?いや、どうしよう…




衛宮結…マスター。ランサーと共に前ランサーと戦う。自らフラグを立て回収される。セイバーに切られた?

遠坂蓮…マスター。わかりやすい男。キャスターと戦うためアーチャーに大量の魔力を取られ、戦力外に…

一宇準…マスター。セイバーともに前ライダーと戦う。またセイバーにユイを切らせたが目的は不明。

ラティ…マスター。バーサーカーとともに前キャスターと戦う。わりと空気が読めない。

衛宮切嗣…前マスター。ライダーを召喚したらしい。

言峰綺礼…前マスター。召喚サーヴァント不明。キャスターの討伐命令を出し、早く向かうよう催促した。

遠坂時臣…前マスターで故人。ランサーを召喚するも切嗣に(暗)殺されて脱落。

ランサー…真名パロミデス。前ランサーと戦い、優位に立つも新しい武器が壊れた。

アーチャー…真名瓜子姫。霊基再臨し、キャスターと戦う。普通に強くなってる。

キャスター…真名妲己。アーチャーと戦闘中。

セイバー…真名不明。前ライダーと戦い、一撃を与えた。走れないとのこと。

バーサーカー…真名不明。宝具を使い前キャスターを封じ込めた。

前ライダー…真名不明。切嗣の召喚したサーヴァント。徒手空拳で雷を使うとのこと。セイバーと戦闘中。

前ランサー…真名不明。時臣の召喚したサーヴァント。水を使うとのこと。ランサーと戦闘中。

前キャスター…真名不明。ユイのことを知ってるようだが、バーサーカーの宝具により迷宮の中に…。バーサーカーと戦闘中。

はい、キャスター討伐戦開始です!ユイちゃんはルート1ほど投影魔術の練習が足りない為、『偽・黒檀の槍』は折れちゃいました!ここから各自がどう戦っていくかは次回をお楽しみに!…では!


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5章 2月9日(月) 後1

お久し振りです!ここ1ヶ月でFGOよりもウマ娘をしてる時間が長くなってる作者です。でもハロウィンのエリちゃんのキャスター、セイバー、アルターエゴ(2号)、ライダー、と全て入手出来て嬉しく思ってます!…ライダーサンタオルタ、ライダー金時、アーチャー信長とかまた入手出来ませんかね…。
ウマ娘の方は…リリースした時にやれば良かったと思いつつ、毎日育成しています。お気に入りはハルウララ…生年月日の一緒のウマ娘に運命を感じてます。

それはそうと前回の続きです。オリ鯖のセイバーの真名が出てきます。


折れた槍を投げ捨てランサーはボロボロになった槍に切り替え、前ランサーへ切りかかる…しかし、武器としては使い物にならず防戦一方となっていた。何か出来ないだろうか…しかし、下手に動く訳にはいかない!私にできること…強化魔術による投影した短刀の投擲、はNoだ。人間のマスターを狙うならまだしもサーヴァント相手なら気をそらすことくらいしか期待できない。しかし、あの状態の槍だとそれだけではダメだろう。なら、強い武器の投影はどうだろうか?アーチャーの弓なら確実に…

 

『もうアーチャーの武器は投影するな』

 

ダメだ。倒れてしまってはまた足を引っ張ってしまう。であれば、令呪を…あ!とある事を思い付く。

 

「投影」

 

アサシンの短刀を投影し、私はランサーたちの元へと走り出した。

 

「おい、バカ!何してやがる!?」

「ほお、マスター自ら接近とは死ぬつもりか?」

「とりゃ!」ブンッ

「効かん」カキン

「クソ!何のつもり…ってどこにいく!?」

「ランサーさん」ブンッ

「…そういうことかよ。任せろ!」パシッ

「折れた槍を一瞬で直しただと!」

 

私が走りだしのは"折れた黒檀の槍を回収"するためだ。マスターの私自らが突貫するという意表を突いた策なため1度しか使えないだろうが、それ以外の策が出てこなかった。念のためのアサシンの短刀を投影したが必要はなかったようだ。折れたとはいえ、私が魔術を流して出来た槍だ。なら私の投影魔術あれば修復出来るかもしれない!折れた槍を回収後に"折れた槍の上から黒檀の槍を投影し、さらに強化魔術をかけた"ので私が魔術を維持している限りは折れることはないだろう。しかし、アーチャーの弓程では無いものの魔力の消費が激しい…ランサー、早く決着を…

 

カキンカキン

 

「くっ…ただの限定礼装ではないということか」

「あん?それはよく知らねぇが王の槍を模した物だ。弱い筈がねぇよ!」

 

ランサーが優勢となり前ランサーを圧していく。そして…

 

「これで終わりだ!」ザクッ

「かはっ!」

 

ランサーの槍が前ランサーの胸を貫いた。それ同時に槍はまた折れる。体がかなり重いが休もうものなら殺される。周りを警戒しつつマミからの差し入れで魔力の補給を…

 

「俺の勝ちだ」

「そうだ、私の負けだ…しかし、私は満足だ」

「負けたのにか?」

「あぁ、私が負けたから、だ。サーヴァントとして戦い、サーヴァントとして負けた。私が今回のキャスターに唯一感謝していることだ」

「そっちは1人だが、こっちは2人いたから勝てたんだ。お前もマスターがいればまた違った結果になってたかもしれないぜ?」

「たら、れば、の話は上げていけばキリがない。今ここにあるのは私が負けたことだけだ。ランサーよ、君の真名を教えてくれないか?」

「円卓の騎士、パロミデスだ」

「円卓の騎士か…その真名であればその強さも納得というもの。次は全力で戦いものだ」

「今回の全力じゃなかったってか?まあ、いい。あんたの真名は?」

「栄光のフィオナ騎士団の長、"フィン・マックール"さ」

「クハハハ、確かにあれが全力であるならお笑いの強さだな!いいだろう!その名前、忘れずにいてやる」

「最後に私に勝った褒美…というわけでは無いが、宝具をみせてあげよう」

「何だ?知恵の鮭か癒しの水でも出してくれるのか?」

「まさか、私がするのは援護攻撃さ。その前にランサーのマスターよ」

「私!?はい、何でしょうか?」

「良き槍であった。次あった時は私に使わせてくれまいか?」

「え?」

「む…槍だけでは勿体ない。お茶でも…」

「おい!俺のマスターをナンパをするな!」

「ハハハ、麗しい女性には声を掛けることは義務であろう?」

「麗し…!私なんかよりもアーチャーの方が…」

「あれはダメだ。神の気配が濃すぎる」

「は、はぁ?」

「話を逸らして悪かった。では、これを使い私は去るとしよう」

 

「『墜ちたる神霊をも屠る魔の一撃…その身で味わえ!"無敗の紫靫草(マク・ア・ルイン)"!』」

 

消えかけている前ランサーがキャスターへ槍を向けたと思うと何か透明のものが集まり、槍の先から何かが飛び出した。細いビームのような何かはキャスターへと当たる。

 

「ー!何!?冷たっ!」

「チャンスね!バーン!バーン!」シュッ、シュッ

「ーー痛い!くっ!」ザクッ、スッ

 

「ふむ…冷たいだけで終わってしまったか。しかし尻尾のキャスターよ、『ランサー以外は殺せ』であったな?君に攻撃したことを責めないでくれたまえ。では、老兵は去るとしよう…いや、ランサーだから槍兵か…さらば!」

 

前ランサーは消えていった。…遠坂くんと合流しよう。

 

ーーー

 

「おらっ!」

「…ぐっ!」バキッ

「セイバー!」

 

前ライダーの雷の纏われた拳をセイバーは何度も食らっていた。

 

「おい!無理するな、じいさん!ランサーらが終わったみたいだからオイラは…」

「舐めるなよ、雷の小僧」ブンッ

「ー!」スッ

「おい、セイバー!本当に相性がいいのか?圧されてるぞ!」

「…そろそろ見せるとしようか」

「は?」

「…なっ!?」

 

バチバチバチバチ

 

セイバーの周りに激しい雷が表れた。急な魔力上昇に準も前ライダーも驚きを隠せない。セイバーはそのまま続く。

 

「『鳥は鳴き、雷は鳴る、一の音は極小であれど、千は極大。千の鳥の音は霹靂の音となり、また我が紫電も一閃に等しき。我、霹靂を追い越し全てを切りさかん…"雷切(らいきり)"』」シュン

「ー!」スパッ

「!!」

 

一瞬のことであった。セイバーが消えたと思うと前ライダーの首が宙を舞っていた。

 

「はぁ、雷をもう少し溜めて置きたかったのだがな…」

「何をしたんだ?」

「奴の首を切った」

「それは分かるよ!何なんだよ、そのスピードは?宝具か?それとも本当は最初から動け…」

「質問はまとめて…いや、今回は良いか。あれは言わば儂の強化じゃ。雷より早く動けるようになり、その速さで刀を振るい、奴を切った」

「"雷切"ってことは…お前の真名は"立花道雪"なのか?」

「そうじゃ、儂の真名は"戸次鑑連"…であるが、そちらの名の方が有名か」

「あの宝具の鉄扇も…」

「大猿を叩き殺した物じゃ」

「…全部納得したよ。しかし、雷神を切ったというのはただの誇張話じゃなかったのか?」

「小僧、サーヴァントというのはどういう存在か?」

「信仰を形にしたもの…だったよな?」

「そうだ。つまり、実際に儂が雷に撃たれたとか撃たれてないと関係なく、そんな話があるとだけでその力を使えるようになる」

「でも、生前にいた時より強くなる筈は…」

「何を言っとる?生前の儂はもっと強いに決まってるじゃろ?」

「そうなのか!?」

「無駄話はここまでしておこう。小僧、ライダーの小僧の遺体から雷を集めれるだけ集めろ」

「俺、投影や錬金術の専門なんだけど…」

「であれば、それらを活かして消えない内にさっさと回収しろ。何のために儂に"あれ"を取らせたんじゃ」

「分かったよ…投影」

 

セイバーにより前ライダーは倒された。また、準による魔力の回収が始まった。

 

ーーー

 

「遠坂くん!」

「衛…宮?」

 

遠坂さんを見つけ合流するも様子がおかしい。目の焦点が合ってなく、汗も見られ、疲れているのか立ってるのがやっとのように見える。

 

「どうしたの?大丈夫?」

「…おい、魔術師。随分と無茶をしてるようじゃねぇか」

「無茶?」

「…」

「何だマスター、分からないのか?何で昨日2人がかりでやっと互角だったキャスターをアーチャーが1人で相手出来ていると思う?」

「私がいないから?」

「それもあるが今回は違う。それは…」

「俺がアーチャーへ送っている魔力が多くなってるからだ」

「…?多く送ると強くなるの?」

「…ランサー、説明できるか?悪いが今の俺にそんな気力は無い…」

「はいはい。マスター、その前にアサシンのマスターから貰った奴を分けてやれ。そんな状態だ、宝石を砕くなんてできなかったのだろ?ついでに口まで運んでやれ」

「魔力の補給だね!はい、遠坂くん!あーん!」

「…ありがとう」モグモグ

 

遠坂くんにマミの差し入れを食べさせる。…虫を1口で食べてるを見るってなんだか妙な感じだ。男の遠坂くんならまだしも女の私が食べてるところは客観的に見られればどう思われるのか?

 

「で、マスターよ。俺たちサーヴァントは何を使って戦ってる?」

「武器…ですよね?」

「…じゃあ、その武器は何で出来てる?」

「…鉄?いや、アーチャーの弓は木製に見える…うーん…」

「違うな、答えは"魔力"だ!てか、投影で身をもって体験してるだろ!ほら、あれだ!昨日していたゲームでPPの多いと技がたくさん使える的な」

「つまり…強い力を使おうとするとそれだけ魔力が必要ってこと?でも遠坂くんってかなり魔力を持ってたはずだよね?」

「確かにお前よりはあるが…」

「それだけ回してやっと互角なんだよ。しかし、まともな武器が使えない以上今の俺が入っても足を引っ張るだけだ。…マスター、お前がこれからする選択は2つだ。1つは邪魔にならないようアーチャーとキャスターの戦いを見守る。それなら流れ弾からお前らを守ろう。もう1つは…俺が宝具を使い参戦することだ」

「ランサーさんの…宝具?」

「おい!それは衛宮が耐えきれるのか!?」

「全力で使かおうとするならお前でも無理だ。だからその力の一部を使う…マスター、それの残りを全部食っておけ。足りないなら魔術師から貰え」

「分かりました…でも、どんな宝具かだけでも教えてくれません?」

「見守るって選択もあるだぞ?」

「いえ、ここでじっとしておいても遠坂くんが苦しむだけです!なら早く決着をつけておきたい!」

「衛宮…」

「…お前が何故魔術師を心配する?同盟を組んでいるとはいえ何時かは殺し合うのだぞ?」

 

何故?何故ってそれは…

 

「恋人に苦しんで欲しくないって普通じゃない?」

「こ、恋…!!??」

「プッ、プハハハハ!!マスター、お前面白いわ!」

「え?遠坂くんって私のこと好きなのでしょ?私のこと守ってくれてるし、てっきり自分の女とか認識してると思ってたけど?」

「…なんで、そんなところは鋭いだよ」

「え?私何か変なこと言ってる?」

「ハハハ、俺のことを笑い殺す気かよ!まぁ、その話は後でしてくれ…で、俺の宝具についてだが」

「ランサーさんの宝具…改宗とかですか?」

「そんなものでキャスターが倒せるか!…獣へと姿を変える能力だ」

「獣、獣…あ!"唸る獣"!」

「お前の魔力の都合上、一部だけ解放する…それでもキツいなら魔術師から宝石を貰え」

「ちょっとランサーさん、忘れてないですか?」

「?」

「令呪ですよ、短期決戦をするのであればこれを使えば私への負担は少ないです!」

「…やっぱりお前は面白いわ」

 

悶えてる遠坂くんを余所にランサーはアーチャーのところへ向かう。…キャスターとの決着は近い。




衛宮結…マスター。ランサーと共に前ランサーと戦い、壊れた槍を修理、それをまたランサーへ渡し勝利へと繋いだ。また、レンの状態をみて早く終わらせるべきと判断し、ランサーへ宝具の使用を指示する。レンを恋人としてみていた。

遠坂蓮…マスター。魔力不足でダウンしてたところにユイと合流する。ユイからの自分の想いを気づかれていて悶絶する。

一宇準…マスター。セイバーともに前ライダーと戦い勝利する。セイバーの真名を知る。

ランサー…真名パロミデス。前ランサーとの戦闘で、新しい武器が壊れ不利となるもユイの機転により撃破。武器の無い自分がアーチャーとキャスターの戦いに参戦するべきかユイに聞き参戦を決意する。

アーチャー…真名瓜子姫。キャスターと戦闘中。矢の大ダメージを与える。前ランサーがいうには神性が濃いとのこと。

キャスター…真名妲己。アーチャーと戦闘中。前ランサーの宝具によりアーチャーの攻撃を許す。

セイバー…真名立花道雪。前ライダーと戦い、宝具により撃破。準に前ライダーの魔力を回収するよう指示する。千鳥は雷神を切った。

前ライダー…真名不明。セイバーとの戦闘の末、首を跳ねられ敗北。

前ランサー…真名フィン・マックール。ランサーとの戦闘の末、胸に槍を突かれ敗北。最後は自らの宝具でキャスターを攻撃しアーチャーの攻撃の隙を作った。


セイバーの真名は立花道雪。主に容赦ない、部下へのフォローを忘れない、雷神の逸話を持つ、という点を私が気に入りサーヴァント化しました。後編は1つにしたかったのですが…何かここまでがいいかなっということで次回でキャスター戦完結です。お楽しみに。

ラブライブをずっと見てたのですが…気がつけばスーパースターの1期が終わり、虹ヶ咲もスーパースターも2期が決まってるという時間の流れの速さ。次もまたマイペースに投稿するということで…バイバイ!


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