シャンフロキャラで〇〇! (mitune)
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極めて私利私欲なシャンフロ二次置き場
〜文化祭〜
『オイコラペンシルゴン!こっちに死ぬほど客が来たけど何しやがったお前!』
『ふふふはははー!いやぁ〜雑誌見てくれたって人達がたくさん来てくれて、ひとしきり話した後に「オススメの場所は?」なんて聞かれたもんでねぇ…それでつい、ね?』
『大人気高校生モデルのお墨付きなんかウチにはいらんわぁ!』
文化祭、それは青春だとかやりがいだとかの上っ面を引っぺがせば“死ぬほど忙しい日”としてうら若き少年少女達の記憶に残ることになる日。
その例に漏れず、ここ来鷹大学付属高校の文化祭は初日から多くの来客に恵まれ、そして大勢の客に対応する生徒達の仕事を積み上げる事になっていた。
「くっ…あいつめ、あとで覚えとけよ…いらっしゃいませー!」
2年生は模擬店、それも親が経営者や料理店店長、デザイナーやウェイター等である生徒が複数いたことであれよという間に話が膨らみ、複数の教室を借りるそれなりに規模の大きな店になってしまっている。
『ら…サンラク!手が空いたらこっちにヘルプ頼む!』
メニューも充実していて、レイアウト等も模擬店にしてはよく練られており、かつ当日の忙しさを踏まえて十分に余裕を持って商品を提供出来る様に様々な工夫をしてきたことは確かだが、流石に開幕から満員御礼どころか長蛇の行列が出来るまでに客数が膨れ上がるのは予想外であった。
「いや今どこかの阿呆文具のせいでやばいんだよ!すまんカッツォ!」
『それはここからでも分かるけど、うちは割と切羽詰まってるから午後こっちの担当だった人だけでも呼べない!?』
現在陽勤楽郎、文化祭ネーム「サンラク」は3階の自教室にて接客をしていた。
通話している相手は2階特別教室にて学年の模擬店…と称した「メイド喫茶」にて“接客”をしている魚臣慧、文化祭ネーム「カッツォ」。
「今から接客主力の女子を出せと?てめー1人で何とかできないのかメイドさんよう」
『…何で俺が接客なんだろうなぁホントに…じゃなくて!2人か、せめて1人だけでも!』
「…てなわけだけど、どう?サイガさん」
「しょ!そう、ですね…表に、出ていた人を呼び戻します。30分後からなら、休憩時間の兼ね合いもあるので、2人…その、喫茶店の方に、いける…ます。」
「OK…聞こえたなカッツォ、後30分耐えろ」
『聞こえた!サイガさんにお礼言っといて!』
そう言い残して通話を切るカッツォ、切る直前に「ケイきゅんコーヒーとスマイルひとーつ!!」という野太い声が微かに聞こえた…。
「…大丈夫かあいつ?“負けたらメイドにでも何でもなってやるよ!”で本当にメイドに選ばれてたのは覚えてるが…。」
まぁ焚きつけたの俺と鉛筆だけど、と呟くサンラクの顔には愉悦が垣間見えた。死んだ目で抜群に似合う(本人には不本意だろうが)メイド服を身に纏う悪友を煽る予定を立てているのだろうか。
「すみませーん!」
「おっと仕事しないと…あ、助かったよ玲さん…じゃなかったサイガさん」
「にゅっ!…ひえいえそんな!」
文化祭はまだ始まったばかりである。
「あ、いた!朱音ちゃんどうしてこんなに遅くなったの?」
「ごめんなさい!ちょっと重そうな荷物持ったおばあさんがいたので」
「あーもうわかった、しょーがないなぁ朱音ちゃんは…さ、いこっか」
「はい!瑠美ちゃん!」
「お前らおつかれ…ってうわっすごい人だな」
「よぉーしよくきた交代係のスズキ!すぐ入れ!おらっぼさっとすんな!」
「評判は聞いてたけどまたすごい混んでるわね…お昼時にシフト入れたのは失敗だったかしら?」
「キララちゃ〜んたすけて〜」
「えぇいくっつくな!あとキララ呼ぶな!私はキサラギよ!」
「これホントに事前に決めてたシフトで大丈夫かな…全員入れても足りない気がしてきた」
小休憩になり、俺…サンラクは控え室として使っている教室に戻って来ていた。午前と午後で人を入れ替えるので今日はもう暇になるのだが…さてどうするか、カッツォを煽りに行くのは混雑の関係で難しそうだし、鉛筆に文句を言いに行くにもファンに囲まれているだろうから叶わないだろう。
「適当に見て回るか…ん?あれは…」
「ふえぇ…ここどこぉ…助けてサミーちゃん…」
ふと妙に混雑の薄い場所を見つけて覗いてみると、パンフレットを握りしめ、ワンピース姿で泣きそうになりながら歩くツインテールの少女がいた。それだけなら迷子かと考えて声をかける人はいるだろうし、実際その素振りを見せる者もいた。
しかし、その少女の隣に人より大きな蛇が従っているのを見てその者達は後退ってしまう。
「何やってんだあのヘタレ…」
蝶ネクタイとリボンを身につけた巨大な蛇が、やれやれとばかりに少女を誘導している様は微笑ましいが…いかんせん目立つ容姿の少女と巨大な爬虫類の絵は声をかける事を尻込みさせる迫力を有していた。
放置するわけにもいかないので取り敢えず、何年も前に見た少女の腕に巻きつく蛇の事を思い出しながら声をかける。
「よう」
「ぴっ!!!」
位置の関係上背後から声をかけてしまう事になったが、幸いサミーちゃんさんは俺の事を覚えていてくれたようで警戒はされなかった。お勤めご苦労様です!
「あ…あんた誰よ!」
「あー、これ被ってるからわからんか、久しぶりだなウィンプ。」
「…!あなたサンラクね!」
それに比べてご主人様の方は警戒心マックスで威嚇してきた、涙目で睨みつけられてもちっとも怖くは無いがこいつの“家”は怖いので早々に正体を明かす。
「ひさしぶりね!ていうかなにそのかぼちゃ…」
「前衛的だろ?で、どうしたんだこんなところで」
「いりぐちで「このぱんふれっとどおりにいけばわかりますよ」っていわれたけどちっともわかんない!なんなのこれ!」
「ここ異様に複雑だからなぁ…どこに行きたいんだ?」
「あんたのとこと、こうちょーしつ!」
「了解、先に校長室がいいかな?」
「おなかへったからあんたのとこがさき!ごはんたべられるんでしょ?」
「へいへい…ん?まてよ?」
カボチャメットに内蔵されている通信機をON
「もしもし、これからVIPを連れていくから今から言う準備をしといてくれ…何?人が多いから受け入れられない?大丈夫だ、これから多少楽になるぞ」
続きます
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楽玲のクリスマスケーキ
「うーん、やっぱり雑に甘い。素直に高級レストラン辺りに買いに走るべきだったか」
以前にもノリで頼んだ覚えのあるケーキを苦労してムシャムシャしながらポツリとぼやく鳥頭の半裸が1匹
場所は「蛇の林檎」サードレマ支店、この日は珍しく、暗黒面なメンバーのみでなく光明面のメンバーも参加する旅狼メンツでの賑やかなパーティーが開催されていた。
「美食舌があるとはいえ、やっぱりゲームで美味い物食べ放題!ってわけにはいかないのね、残念ながら」
「現実だと小さめとはいえホール丸々一個は絶対にカロリーがやばいからねぇ…」
「チキンはチキンっぽいですよ!皮がパリパリで楽しいです!」
「スープは…まぁ普通かな、旨味は兎も角味の加減は僕好み」
「…薄いと思う、私はこっちのローストハムぐらい濃い目がいい」
「ルスト、肉だけでなく野菜も食べなよ、あ、ソースついてるよほら拭いて…あぁ待ってて今切り分けるから」
そんな風に各々が料理を楽しむ中で1人、最初に手に取ったグラスを握りしめたまま微動だにしない者がいた。
「どしたのレイ氏、料理に手をつけてないみたいだけど」
「だひょ」
「だひょ?」
「だ、大丈夫です」
「そんならいいけど…」
本当に大丈夫なのだろうか、とサンラクは少し不安を抱く。
(昨日辺りから一緒に帰っている時もいつも以上にローディングが長かったし…経年劣化した機械かな?)
そこまで考えて首を振るサンラク、心の中だけとはいえ、仮にも同年代の女性を例える言葉では無いだろうと考えていた事を振り払ったのだ。
「レイ氏にはあんまり口に合わんかったかね?」
「いっいえそんな!た、食べます!」
そう言うが早いか丁度正面にあった山と積まれたフライドポテトを口に放り込み
「…?…………!!!!!?」
爆発した
「レイ氏!?何が…」
目の前で悶えるサイガー0に驚きながら、その原因を探すサンラク
「…おい、そこで売りにしてる顔を背けて震えてる外道、ポテトの山に何仕込みやがった」
「んひゅ…い、いやそんな、大した物は入れてないよ、ちょっとしたパーティーグッズさ…」
犯人はすぐに見つかった、アーサー・ペンシルゴンである。
「テメェよりにもよって俺が注文したポテトに仕込むとか確実に俺狙いじゃねーか!」
「最初に皆が手を出してた山のちょうど中腹に隠す辺り油断を誘ったね…」
「ロシアンルーレットってやつですね!」
「ふふん、まぁ毒物を警戒するのは当然だよねー…………!!!!!」
悶える者が追加された。
「プチシューをドヤ顔で食べてたやつもなんか悶えてますけど」
「…ローストハムは仕込みようがないから安心」
「当たったら当たったで他の料理にもって…えぇ…」
「と、取り敢えずほらレイ氏、そっち炭酸だったから俺の飲んでたオレンジジュースを…」
「ひ、ひゃい……さっ、さしのまゃ!?」
「あ、新しいグラスもうないのか…すいませーんグラスおねがいしやーす」
「ふー、さーて課題を済ませるか…ん?」
パーティーを終えてすっかり暗くなった窓の外を横目に机に向かうと、一件のメール着信
「レイ氏、いや玲さんから?」
『夜分遅くに〜中略〜、追伸:今から楽郎君の家に向かいます』
「えっマジで?」
先にログアウトしていたのは分かるが、この文章量はどう考えても先に用意してあったとしか思えない。一体何の為だろうか。
…疑問は兎も角、外が暗いのは先程確認した。わざわざ女子高生に出向かせるのは躊躇われる。
そんなわけで用件を確認しないまま、適当に着替えて玄関を出ると…
「あっ」
「えっ」
玲さんがいた。
冷たく澄んだ外の空気、暖かそうなコートとマフラーを身に付けて尚体を震わすその姿は、ともすれば沈んでいきそうな暗闇を照らす街灯も相まって胸が締め付けられそうな儚い光景だった。
「あ…」
「雪…だな…」
それも、ちらほらと降りてきた白い結晶を伴っていたのだからその神秘的さは天井知らずだ。
「と、どうしたのこんな時間に」
「あっ…その…えと…」
身体を寒さで震わせているのか…?よく見れば両の手は手袋をしておらず、荷物で塞がっており真っ赤になっている。
余程慌てていたのだろうか、忘れ物をするなど玲さんらしくない、その手にあるのはひょっとしてケーキだろうか、何故こんな時間に訪ねてきたのか。
様々な疑問が瞬時に浮かんで、しかしその疑問と幻想的な光景に心奪われるよりも先に俺の体は動いていた。
否、心奪われたからこそ、体は勝手に動いていた。
「えっと、こ、この…っ!?」
「大丈夫?手袋を忘れるなんて珍しいね」
荷物を預かると同時に、凍えている玲さんの小さな手を上から包み込む。
「…!?……!!!!!!!!!!」
「これ、ひょっとしてケーキ?…あぁそう言えばパーティーが決まった時にシャンフロのケーキが微妙だって言ったんだっけ、それでケーキを焼いて口直しにしてくれと」
ゆっくりと冷たくなった玲さんの手を温めながら、ここまで俺の為にしてくれたであろう女の子にかける言葉を探す。
「ありがとう玲さん、最高のサプライズプレゼントだ」
笑顔で、顔を固めている玲さんにお礼を言った。
「………」
「さて、取り敢えず中に…玲さん?玲さーん?」
「…きゅう」
卒倒してしまった玲さんを抱えて家に駆け込んだら瑠美に「ケダモノ!」と言われてしまった、解せぬ。
ケーキ、というお題でめっちゃ混乱したけど、他の方の絵を見るに誕生日ケーキとかでもよかった気がする…。私の中ではケーキとクリスマスはイコールなのかもしれない。
雪との組み合わせはシャンフロヒロインキャラ中玲さんが最強。
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楽玲のきっかけ
「玲さんそこ段差になってるから気をつけてね」
「は、はいっ…きゃっ!」
「おっ…と、言ってる側か…ら……」
履き慣れないヒールが仇になったのかすっ転びそうになった玲さんは、ステップを駆使してクルッと反転する。
その動きは見事なものだった、以前の反省からかヒールでも歩法を行える様に練習したと聞いている。
…が、高級ホテルの床と構造はヒールで行う武術のステップを想定していない。
結果としていつぞやのようににつまづいた玲さんは俺にしなだれかかって…身を預ける体制になったのだ。
「ひゃっ…………」
「…………あー、大丈夫?」
上品なフォーマルドレスを纏う玲さんに抱きつかれているこの状況は、腰の痛みでそれどころではなかった以前と比べて俺に余裕がある事もあり、非常に心臓に悪い。
(……柔らけーなー)
華奢なその肢体を直に感じると本当に玲さんはスタイルが良い事がわかる。
普段であれば同じ事があってもこんな感想は抱かなかっただろう。例えるならば、精緻な飴細工が飾られている。その飴細工が手元に転がり込んで来たら驚愕と不安しか覚えないだろう。
が、俺は普段から“斎賀 玲”または“サイガー0”という存在の頼もしさ、強さを肌で感じているのだ。
そしてこの格式高いパーティーにパートナーとして招待されるという品の良い非日常感はクソゲーでは決して味わえない物である。「クソ」と呼ばれる物らに品を期待する方が間違っているかも知れんが…。
「あばっ、あのそのえとっ!!」
離れようとしているのかもしれないが、パニック状態の玲さんはますます体重をこちらに預けてくる。スーツとドレス越しでも柔らかい玲さんの身体が預けられると…中々まずい。
「くっ……」
端的に言おう、今のシチュエーションは俺が玲さんを意識してしまうには十二分の破壊力を持っている。
「と、取り敢えず玲さん落ち着いて!大丈夫だから!焦らないで!」
そんな事を言う俺が一番大丈夫ではない。が、流石に人の目もあるし、斎賀の御令嬢に不埒な真似をしていると誤解されたくはない。兎にも角にも玲さんを正常に戻す!
「落ち着いて!…そうだ深呼吸!吸ってー吐いてー」
「はひゃ!……スー…ハー…」
混乱状態だからか、素直に深呼吸を始める玲さん。
…………玲さんの胸が上下するのが感触でわかる、わかってしまう。それも結構な体積を持つ装甲部分だ、当然他の箇所より強調されて伝わってくる。
(落ち着け……落ち着け……!玲さんが落ち着いたらゆっくり離れて…)
しかし、玲さんは一向に落ち着く様子を見せない。
(あ…楽郎君の匂い……って私は何を考えて!!!??)
くっ、玲さんが落ち着くまでこの体勢を強要されるのか…いや、離れられないなら姿勢を変えさせれば…ダメだ、動いてくれそうにない。
こうして周囲の視線を感じながらも、玲さんが我に返って離れるまで女性の柔らかさを堪能する事になるのだった。
…外道共には絶対に知られない様にしよう、煽られても言い返せなくなる。
軽率にボディタッチしていけ
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サンラクサン「で」お祝い
「…で、事情説明が欲しいんだが、いやしなくてもいいから出して欲しいんだが?」
「すまないねぇ…どうしてもって言われて…」
「誰に?」
「あそこでニタニタしてるやつ」
「ペンッシールゴーーン!!」
「というわけで、ユニークモンスター天覇のジークヴルム!ノワリン生存ルートで討伐成功おめでとー!!」
「「「「「いぇーい!!!」」」」」
ワイワイガヤガヤ
「なんで!俺は縛られて!!バカでかいケーキに突き刺さっとるんじゃぁあーーー!!!」
「祝い事にケーキは必須でしょ?」
「なんでそんな純粋な目ができるんだよ…」
「すごいねあれ、『何故そんな当たり前のことを聞くのだろう?』って顔だよ」
「こちらに見えますのは黒剣のツテによりパティシエールクランが本気で作り上げた『デラックスミラクルロイヤルケーキ~新大陸の果実を添えて~』!」
ババーン!
「名前は兎も角味は保証するよ」
「新大陸の果実…変なのありませんでしたっけ?」
「痺れるやつとかは勘弁してほしいんだが…」
「実験台の犠牲により無害でおいしいケーキに仕上がっております(にっこり)」
「ちなみにこちらに並べてありますのがミニサイズ版『ロイヤルケーキ~新大陸協奏曲~』です!味は全く一緒!」
「それサンラクが突き刺さってるケーキいらなかったのでは?」
「派手な奴があると楽しい!」
「それだけの理由で俺はケーキの飾りになってるのかコラ」
「んー、サンラク君イチゴ頭とかない?」
シュン
「(ヌッ)頭付きケーキなら出来るが」
「ぶふぉっ!」
「いいねぇ、原材料が不安になるトッピングだ」
「ノワルリンドさん取ってきました!ケーキですよ!」
ニコー
『ふん、人間が作ったものか…まぁいい、たまには悪くないだろう』
モグモグ
「(餌付けされてるようにしか見えない…)」
「で、祝宴は構わないのだが…なぜこんな何もない海上で?」
「んふふ…よくぞ聞いてくれました!」
「実はライブラリから気になる情報をもらってねぇ」
「『この海域の天候が不自然に変動する周期が存在する、そしてそれはどうやらモンスターの仕業らしい』という情報をNPCから入手したらしいんだよ」
「『実在するかどうかも怪しい天空に住まう怪物』、実はさる筋からその怪物とやらは実在することが確認された。」
「その怪物がアウロラカムイのような超級のMOBである可能性が高いですが…その素材の一部でも入手できれば非常に有用でしょう」
「で、今わざわざ絵に描いた餅より手の届かない存在の話をした理由は?」
「届かないなら…飛ばしてしまえってね!」
「というわけで!われらが鉄砲玉を天空に打ち上げて謎の存在の正体をたしかめよ―!」
パチパチパチパチ
「あっ、縛り上げたのはその為…」
「色々と理解が追い付かないがちょっとまて、俺は打ち上げられた衝撃で死ぬようなか弱い存在だぞ、だからマテ、いや待って」
「鮭の目がグリングリンしてる…で飛ばすってどうやって?」
「ケーキの土台を爆破」
「チクショウ出せー!!!!!!」
「というわけでカウントダウ―ン、10、9、8、7,6,5,4,3,2,1、ぜろー!」
チュドーン!!!!!
「覚えてろよおぉぉぉぉ・・・・・・・」
「…あれHP大丈夫なの?」
「その辺はばっちりだから!」
「人一人を文字通り打ち上げ花火にした後とは思えない笑顔だ…」
~上空~
「クッソ…動けるようにはなったがどうしたものか」
「とりあえず全開状態でいつでも動けるようにして…と」
バチィ!
「臨界速とインベントリアコンボがあるから落下の心配はないが、正体不明のMOB探してこいとか無茶だろ」
「しかしこの高度まで来たのは初めてか…なんかやけに暗いな」
「暗いというより…黒」
「雷雲にでも突っ込んだのか?やばいな耐電装備とか持ってないぞ」
「……みょーに見覚えのある黒い雷が走ってるなぁ…」
「ん?、なんだあれ」
「細長い…黒い…小さい…いや、距離があるだけか」
「…いつの間にか少しでかくなってるような」
「ひょっとして超高速で近づいてきてらっしゃる?」
「………」
「フレに呼ばれたんで抜けま」
この後、奇跡的に助かったとか助かってないとか
誕生日おめでとう!!全然関係ないお話書いちゃったけどおめでとう!!ぶっちゃけケーキに突き刺して打ち上げたかっただけ!!!
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サイナJD概念
※楽郎の言葉遣いがぶれてますがわざとです
とある日の昼下がり、俺はソファーに横になっていた…女子大生の膝枕耳かき付きで。
「陽務君…あまり動かないで下さいね」
「……果てしなく不安なんすけど」
なんでこうなった
事の発端は簡単、いつものようにクソゲーを遊んでいたら唐突にこの人がやってきて「耳垢がたまっていますね、こちらに来なさい」と無理矢理ソファーまで引っ張られて、今に至る。これ以上でも以下でも無い、本当にどうすればいいんだこの状況は。
この思考回路が魔訶不思議な人物が唐突に家に上がり込んでくるのはいつもの事だが今日は何処となく冴えない顔をしている、しかもいきなり耳かきをさせろと脅迫じみた雰囲気で迫ってきたのだ。
まったくもって訳が分からない。だいたいつい今さっきまで観戦モードで俺がオンライン対戦するのを眺めていたはずだが…?家の外でログインしていたのだろうか、それはそれで危ないし本当に公園のベンチ等でログインしていたら…いやさすがにそれはないか、でもこの人ならやりかねない危うさがあるのも事実。
「私も初めて行うのですが何も問題はありません、来る前に参考資料を閲覧してきました…耳かきの極意はズバリ、勢いだそうです」
「ソースは?」
「
「ゆっくり!できればゆっくりやって欲しいなぁって!」
「仕方がありませんね、アイス一個で手を打ちましょう」
本当に仕方がない、と言わんばかりに肩をすくめながら耳かき棒を手にするサイナ。知り合って1年ほど経つが未だにコイツの思考回路が理解できる気がしない。
「人を実験体にしておいて要求してくんのかよ…まぁいいや、くれぐれも変な事はしないで下さいね」
「問:この場における“変な事”の意味とは?」
「その明らかにやばそうな見た目のオイルで耳かき棒を濡らそうとしてるのとかっすね」
「……除菌作用もある優れものですが?」
「でかでかと『精密部品に!』って書かれた缶に入ってるんですけど」
「人間の頭部の精密さは機械などに劣るものではありません」
「サイナさんの頭を比較対象にしなければそうでしょうね」
「この私のインテリジェンス相手に機械風情が挑むなどと…片腿痛いです」
片腹じゃねーのかよと言い返しそうになって、己の頭がサイナさんの何処に乗っかっているのかを思い出す。
「…いったん頭上げましょうか?」
「おや、こんなスーパーインテリジェンス美少女の膝枕ですよ?感涙にむせび泣いて縋り付くべきでは?」
「自分で美少女名乗るのか…とりあえず一旦どきますね」
「……」
「……」
「………あの、この手は何ですか?」
「ひけ…陽務君を逃がさないようにする為の拘束ですが?」
左手に耳かき棒、右手を頭の重心部分に乗せたサイナさんは、周りから見ればそういう関係であると勘繰られそうなほど頬を朱に染め、慈愛に満ちた表情をしている。
彼女はやってみたい事や興味を持った物を前にすると今のような表情をとる、まったく、外見だけは一般人のそれとはかけ離れた美貌であると断言してやってもいいが…。
「今思いっきり被験者って言いかけただろコラ」
「ふふ…さぁ、観念するんですよ」
残念ながら内面も世間一般常識とはかけ離れたインテリジェンスである、謎の液体でヌラリと光る耳かき棒が迫って来る…!
「くっ…せ、せめてこっちの細い綿棒を使ってください、あとそのオイルはなしで」
「しかし「アイス二個奢りますんで」…承知しました」
普段は唯我独尊とばかりに俺を振り回すこの人は、食べ物で釣るとあっさりこちらの意見を聞いてくれる。
「………」
「………」
しばし無言、アイスの言葉が効いたのか丁寧に、慎重にやってくれているみたいだ…時折走るチリっとした痛みは無視する事にした。これくらいはしょうがないだろう。
「おぉ…多量の耳垢を摂取、こんなに細くて大丈夫なのかと不安でしたが、期待以上です」
「あんままじまじと見つめられんのも恥ずかしいっすね…で、もう起き上がっていいですか?」
「却下:反対側がまだです」
「へいへい、じゃそっち側向きますよ…っと」
ゆっくりと頭を動かして反対側の耳を見せる、そうすると自然と顔がサイナ側に向くわけで…夏らしい薄手のワンピースの生地が鼻先を擦る。同時にふわりと嗅ぎ慣れない良い匂い、柑橘系やハーブとは異なる、純粋な心地良さに包まれる香り。
まぁリラックス効果は皆無だけどな、主に耳に伝わる異物感のおかげで。
しかし頭を動かしている途中にサイナと目が合ったが…先ほどまでの愉悦はどこへやら、少し陰のある面差しを見せていた。一体何を悩んでいる?思ったよりつまらないとかなら早めにこの空間から離脱したいのだが……。
「………」
「………少しは、落ち着きましたか?」
「はい?」
最初は意味が分からなかったが、続く言葉で合点が行った。
「あんなに頑張ったのに、最後の最後で横槍を入れられて、挙句の果てには罵倒を叩きつけられる始末、私があの場でクラスX武装を使えればどんなに良かったか…」
どうもサイナは先程までやっていたゲームの、それもラスト1セットの内容が気に入らなかったようだ
「あー…というかさっきまでやってたのシャンフロじゃないって」
「それだけ非合理性を持った敵の行いに腹を立てているのです、察しなさい」
「サイナさんに言われちゃあおしまいだな」
「……」
いつものように言い返してくると思ったら、うつむき気味に目をそらされる…あー、ちょっとまずったか。
「…まぁ、確かに腹は立ったけどさ、結局の所あそこでやられたのは俺自身のミスが原因だし、それまで散々敵として悪略を叩きつけてきた相手だ、煽られてもしゃーないしゃーない」
仕方がないので本心を言語化してみる、確かに後僅かの所で乱数の女神は俺をあざ笑ったし、それを盛大に罵声として浴びせて来た対戦相手君は10回程ボコボコにしないと気が済まないくらいにはムカついている。
しかし、元よりアウトロー的な戦法を初めに使ったのはこちらであって相手ではない。「オンゲーに治安を求めてはいけない」といった武田氏からのありがたいお言葉もある。
何より、「ムカつく」という点においてはかの
「ですが…」
「まぁ気にすんなって、サイナさんが煽られたわけでもあるまいし」
「……同じようなものですよ」
「え?」
少しだけ、ほんの少しだけ、泣きそうな声でサイナは告げる。
「貴方に降りかかる悪意全てに対して、私は苛立ちを感じますしインテリジェンスの限りを尽くして復讐を果たしたくなります」
「そ、そっすか」
やべぇ、これが言ったのが鉛筆辺りなら「鉄砲玉のメンテは大切だもんな、で作戦は?」で終わったのに…煽り合う仲とはいえリアルでもそれなりに親しい人にそんな風に言われるのはちょっとどころでは無く照れる。
「なので…気にしないのは無理です」
「そう言われてもな…」
「ですので、この後一緒にシャンフロをやりませんか?」
はたして、サイナが告げたのは「憂さ晴らし」をどうするかの相談であった。
「…成程、確かに溜まった鬱憤をぶつけるのに丁度いい相手がいたな…よし、乗った!」
サイナと攻略中に新規で発生させたユニークシナリオ―そのボスがやたらと固く、学校の時間になっても倒れず泣く泣く中断した相手。そのまましばらく忙しかったので放置していたが…そろそろ奴に雪辱を晴らしに行くか!
「…ええ、それでこそです」
「っていつも使ってるVR機器メンテナンス中だったわ」
「問:
「しょーがねーだろいきなり送ってきた会社からメールが来て謝り倒されたんだから」
何でもあのチェアー型の、特定の型番に致命的なバグが発見されたらしい、幸いウチのは違ったが、念の為と全てのチェアーフルダイブマシンを無料点検するそうなので送っておいた。99パーセント大丈夫だとわかっていても、残りの一パーセントが乱数に怯える俺の心に影を落とすのだ…。
「やれやれ…しかし問題はありません、こんなこともあろうかと私が家で使っているVR機器を持ってきてあります」
「おぉー、あれ?いつも持ってきてたっけ?それも二つ?」
「かさばるので普段は持ち歩きません」
「成程?」
なんか引っかかる気がしたが…まぁ気のせいだろう。
「うっし…じゃあ行きますか!」
「制止:貴方の点検が終了していません」
「あー、後でよくない?」
それはそれ、とサイナさんは俺の頭を放さない。
「逃走する気ですね」
「そんなわけないじゃないですか」
「目を見て話せば正直であるとは限りませんよ?」
「…なんかそれ前にも言われた気がする」
「デジャブというやつですね、早く耳から手をどけてください」
「…もうほとんど残って無くないですか?」
「いえ、奥の方にまだあります」
「そこまで徹底しなくても…」
「鼓膜に接触する箇所でもありませんし、一気に行きますよ」
「えっちょ、ま、あ゙あ゙ーーー!!」
どうにかこうにか「取りすぎも良くないので」とサイナさんを説得し、懐かしのヘッドギア型を借り受ける、前に使っていたのは貸し出し中なので今は使えないのだ。
「んで、サイナさん?」
「疑問:どうしたんだい」
「何故俺のベッドに腰かけてるんですか?」
「驚愕:まさか陽務君はか弱い女性を床に転がすつもりで?」
心底驚いた、といった表情を見せるポンコツを見て俺も心底驚いたよ。まさか…ベッドで二人して横になると?狭くね?いやそれ以前にまずいだろう。
「さっきのソファーとか」
「この部屋が一番通信が安定しており、高速です」
確かにそうだ、中学時代に溜めていた小遣いやお年玉を引き出して、1級…は無理だから1,5級品の通信環境を整えたのだ。武田氏曰く「通信環境がゴミな奴は人格もゴミ、ビジネス用の靴を手入れするがごとく最大限の努力をつぎ込むべし」だそうだ…血走ったように恨み言を連ねる姿はまさにラグに親を殺されたかのような…。
いかんいかん、ポンコツになった武田氏の思い出ではなく、目の前のポンコツをどうにかしなければ。
「それはそうなんだが…じゃあ瑠美の部屋から毛布かなんか取ってきて…」
「部屋の主が不在の時に押し入るとは…陽務君には強盗犯の才能が有りますね」
「いやてめーが取って来るんだよ」
「しかしそれでは結局床に転がることになるのでは?」
「俺が床に…」
「固い場所に部屋主を転がしておくなどできるはずがありません」
ああ言えばこう言う、八方塞がりだ
「……どうしろと」
「簡単な話です、二人でベッドに横になれば良い」
「マジで言ってます?」
いや、別にサイナさんに自分のベッドを使わせる事に異議があるわけではない(というか何度も貸しているし突発的に貸すことになるので毎日綺麗にしてある)。これでも人並み以上に身の回りの清潔感には気を使っている方だと自負している、一度そのことを外道共に話した時には「クソの香りを常に纏っておいて????」とゲラゲラ笑われたので密室に誘導して爆殺しておいた。
しかし俺が気にしているのはそんな事ではない、青春をクソゲーの薪にしている身ではあるが、それでも若い異性同士が自室でベッドに入るのが倫理的にまずい事は重々承知している。例えそれがなんの意味も情緒も無い「場所が無かったから」という理由だったからと言って安易に行っていい事ではないだろう。
まず世間体、バイトから帰ってきた瑠美に発見された場合、俺の呼び名は半年以上は「ケダモノ」で固定されるだろう。次にあいつは父と母にチクる、普段親子として最低限の接触しかしない両親だが流石に息子がやらかしたとしたら家族会議は免れない。
それでいてサイナさん…こいつは阿呆だ、何のためらいも無く「休日は年下の男の子の家にゲームをしに行っています」等と口走る。幸いにもその場にいた人物の良心によってサイナの通う大学中に広まる~なんて事にはならなかった。
「推測:ヘタレ」
「おうそれならもうちょいそっちつめろや」
はーっ上等じゃねーかそっちがその気ならこっちから詰め寄ってやるわ!
「………はい」
肩と肩が触れ合う、ふ……正直舐めてたわ、これはとっととログインするべきだな?
「……一人用だからやっぱ狭いな」
「…フルダイブすれば気にならなくなりますよ」
「だな、そんじゃとっとと行きますか」
「ええ、この私の華麗なるインテリジェンス・アシストをご覧あれ」
「タクティクスなら外道戦術で間に合ってるかなぁ…」
フルダイブをスタートして意識が理想郷に旅立つ直前、左手に温かいものが触れた気がした。
今は亡きgratin氏に捧げる…
この概念、設定割と盛り込んでみたので俺のワールドではまだ続くかもね
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サイナJD概念その二
「…なぁ、サイナさんや?」
「おはようございます、どうしましたか?」
今、俺とサイナさんの距離は15センチ。
え、なんで?
パーソナルスペースもへったくれも無いこの状態で、もぞりとサイナさんが身じろぎをする。膝のあたりに何かの感触を感じる…サイナさんの足、か?
「よく眠れたようですね」
「あ、あぁ…」
おかしい、攻略が煮詰まってしまったので仮眠の為にベッドで横になったことまでは覚えている。だが何故サイナさんが横で寝ている?しかも俺の腕を枕にして。
「あー、その、なんでそこに?」
「起こしても起きなかったので」
さっぱりわからんわボケが、とりあえず体を起こそうとして…腕が持ち上がらない。
「サイナさん頭上げてくれ」
「もう少しだけ…」
そう言ってまた身じろぎをしながら横向きになって顔をこちらに向けるサイナさん。サラリと落ちて来た蒼髪が一房、その輝きを以って絡み取らんと腕に落ちて来る。ゆっくりと持ち上がってきたサイナさんの右手が俺の胸元に伸びて……。
「よっ」
「あうっ」
スポッと腕を引っこ抜く、ポフッっと音を立ててポンコツの頭が低反発マットレスに沈み込む。
「むぅ…楽郎君は寝ている女の子に無体を働く人だったのですね」
「クソみたいな風評被害はやめろください」
ノロノロと上体を起こすサイナさんを無視して、素早く立ち上がり軽くストレッチを行う…ベッドを背にして、顔の向きを固定しながら。
「それで、なんで俺のベッドで寝てたんだ?」
「瑠美さんが入れてくれたので部屋まで来たのに、楽郎君が起きなかったので…」
「だからって横に入ってくんなよ」
「ダメでしたか?」
「…ええぃ瑠美の奴は!?」
「私を家に入れた後に『バイトがあるからちょっと出かけて来るね!』と言って飛び出していきました」
「余計な気を回しやがって…」
最近瑠美がサイナさんに懐いてしまい、家にサイナさんがいる時はくっつきに来る。休日等はデパートに連れて行って着せ替え人形にしているらしい。そこまではいいのだが…何を勘違いしているのかサイナさんと俺を二人きりにしようとするのだ、されてもゲームの話くらいしかせんわ。
「瑠美さんに後でお礼を言いましょう、おかげで楽朗君の寝顔も堪能できました」
「えぇ…かなり恥ずかしいんだけど」
「…写真もありますよ?」
「肖像権」
「瑠美さんに許可をいただいております」
あいつ何兄の権利を投げ飛ばしてんの!?
「はぁ…まぁいいや、なんか用事ですか?」
「実はそうなんです」
「お?」
てっきり「用が無ければ来てはいけませんか?」くらいは言い返してくるかと思ったのだが…?
「楽朗君に甘えに来ました」
「金なら持ってませんけど」
「というのはまぁ半分冗談ですけど」
「もう半分で何を狙ってたんですかね…」
ベッドの上で座りなおして、真剣にこちらを見つめるサイナさん。
「楽朗君の進路が来鷹大学というのは本当ですか?」
「え、はい、そうですけど」
それ確認するためだけに家まで来たのか?
「そうですか…」
あからさまに気落ちしているサイナさん、よくわからん。
「あー、休憩も出来たし、シャンフロやるか」
「…私の大学じゃないのですね」
ぼそりと、それこそ蚊の泣いたような声で呟くサイナさん、どういうわけか今の俺はそれが聞き取れた。
「…え、ひょっとして…」
「ええ了解です、ログインを…どうしました?」
「俺がサイナさんの大学に行かないのが不満なんですか?」
ストレートに聞いてみる。
「……………………」
無表情のままにフリーズするポンコツ、コイツひょっとしてさっきの呟きは無自覚だったのか?
「…そう、みたいです」
「そりゃまたどうして…あー」
何となく、察してしまった。この人はここが好きなのではないだろうか?この場所で俺とふざけるこの時間をそれなりに気に入っていて、俺が東京の大学に行ってしまうとこの時間が無くなるのではと不安になっている…かもしれない。難解な女心を理解するのは無理だが、仮にも一年以上頻繁に遊ぶ仲なのでどうにかこれくらいは読み取れる。
というかだ、俺もこの時間が無くなってしまうのはちょっとどころではなく寂しい。進路を来鷹に決めた時点で遠方に行く覚悟はしていたが、それでも生まれ育った地元に加えて親しい知り合いと離れるのでは堪えるものがある。
「まぁこの時代、チャットでいくらでも会話できますし、オンラインで会うのには何ら不便もありませんし…ほら、今生の分かれってわけでもないんすから」
「そうですね…少し、重く捉え過ぎていたかもしれません」
それでは、とカバンからVR機器を取り出すサイナさん。
「今日この瞬間を大切にしましょうか、シャンフロをやりましょう」
柔らかく微笑むサイナさんの姿は、どこか儚い雰囲気を纏っていた。
この二年後に大学を卒業したサイナさんが俺の下宿先に押しかけて来るのはまた別の話
※付き合ってません
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彼の蛇は、友である
目を開いて、VR機器から身体を起こす。たったそれだけの動作をするのに必要なエネルギーなぞたかが知れてる。
だから、今この身体が動かせないのは…その理由は
「………ちくしょう」
どうしようもないほどの敗北を、してしまったからだろう。
ー始めて会った時は、敵だった。しかしあの人形がいた為に、彼が彼である故に、彼女が彼女であるが故に、敵対関係は共闘関係へと変化した。
信用に足るのか、見極める事を最初は考えていた気がするー
ノロノロと、先程までの立ち周りとは比べようも無い程無様な動きでリビングへと向かう。瑠美はバイトで遅くなっており、母さんと父さんは…ここ数日家に居ない、遠出するとか言ってたから次の日曜までは帰って来ないだろう。
ソファーにゆっくりと腰を下ろして、再びの脱力。
「……」
何も考えたくないし何もしたくない、そんな想いに沈みながらゆっくりと目を閉じる。浮かんだ光景は割れた精緻な細工の瓶と、輝くポリゴン粒子、簡易ステータスに表示されたリキャスト中のスキル項目。
そして…咄嗟に仕舞い込んだサミーちゃんさんのドロップアイテム。
「……」
何が悪かった?どうすれば良かった?どうしてああなった?そんな思考がグルグルと巡っては消えて、再び浮かぶ。それを何度も何度も何度も何度も何度も…何度やっても、答えは出ない。
「……」
どのくらいそうしていただろうか、携帯端末にメッセージが入っている事に気がつく。内容は…『ご飯作っておいたから』
瑠美がいつの間にか帰って来ていたらしい、今の自分が妹からはどう見えていたのかを一瞬考えて…すぐにやめる。
「……」
身体は空腹を訴えている筈なのに、食事を取る気力が起きない。そんな自分の状態がまずい事ぐらいは鈍い思考でも理解出来た。
「…鍵、閉めとくか」
少しでも気分を切り替える為に、外に出る事にした。
ー彼はとても有能だった、彼女を守る為に協力してくれる。幾度も共に戦って、頼もしい仲間として信頼出来るようになった。
安心出来る存在であり、頼れる存在。彼女を守る者として彼ほど相応しい者はいないだろうと、そう思った事も一度や二度では無いー
「…寒い」
部屋着のまま出たので当然だが、襲い来る冷気が身体を蝕み、だがその冷気こそが思考のもやを取り除いてくれる。
「…」
考えが纏まれば纏まるほどに、後悔の念が湧き出して来る。敗北は、必然では無かった。アルカナムが正位置なら、他のプレイヤーとの共闘を持ちかけなければ、あの時の誘いに乗らなければ、いや乗るにしてもウィンプ達を置いていけば…。
「ちくしょう…!」
後悔しない為に生きる、何故かそんな言葉も同時に思い出す。誰の言葉だ…?俺、かな。
ははは…。
「ちくしょう…」
陽が沈んで暗くなり、手が悴む寒空の下で、冷める事の無い激情を抱えて公園のベンチで、蹲る。
こうすれば何かが得られる訳ではない、でも…今はそれ以外出来そうになかった。
ー彼は彼女…主に信頼されている、それは
そう、彼は強い開拓者であり、主を守る存在だー
「……はぁ」
だいぶ時間も経って、ようやく落ち着いて来た。誰だよ冷めない激情とかほざいてた奴。
まぁ、違うんだけどな…これはいわば業火が燻りに変わっただけであり、その熱量は今この瞬間も増し続けている。
取り敢えずあのPKの面は覚えたから今度遭遇したら天誅するとして…ウィンプをどうするか、だ。
まず前提として、間違いなく前線拠点中にゴルドゥニーネ達の存在が知れ渡っている。サイナが余程上手くやったとしても、ボスドゥニーネがあのクソみたいな質量兵器をけしかける以上これは確定だろう。
携帯端末より手に入れた情報によれば、どうにかこうにか持ち堪えており撃退は成功しそうであるとの事。となればここからの展開は…いや、もうどうでもいいな。
「…クソゲー…いや」
過去数年を遡っても、ここまで俺のメンタルを抉ったゲームは珍しい。そうだ、この痛みはピザよりも桃よりも、あのフェアクソよりも…キツい。
「流石は神ゲーだよ」
皮肉混じりにぽつりと、のめり込んでいるゲームを酷評する。どうしようもなく素晴らしく、どうしようもなく残酷な、そんなクソゲーの対極となる存在に、精一杯の抵抗。
陽の沈んだ暗闇は、未だ先が見えない
ー彼は頼りになる、彼は強い、彼は信頼できる…任せられる。だから、こうして、彼を守る。
この命に、代えてもー
「…あれ?」
気がついたら「蛇の林檎」新大陸亭に居た、装備はいつも通りの半裸。
「あ、ようやくおきた」
「推測:寝不足、頭部への強力な打撃を推奨します、よく眠れますよ」
「おうまずてめーのオツムで試せやポンコツ」
「どうでもいいからてつだってよ…」
ウィンプと、サイナが声を掛けてくる。どうやら寝てしまっていた様だが…?
「なぁ、ウィンプ?」
「なに?」
「あー…サミーちゃんさんは?」
「提言:個体名“サミーちゃん”が北西の大木の下にいる確率、80%」
「いつもの場所だな、そうか…悪い、ちょっと手伝うのは無理だ」
「そう、さみーちゃんにようじでもあるの?」
「そんなとこだ」
「契約者:
「はやくもどってきなさいよー」
「おーう」
ーそう、主を守ってもらうのだからー
「よぅ…サミーちゃんさん」
ーせめて、これくらいはしてあげようー
「あー…その、なんだ」
ー彼は、きっと自分を責めるだろうー
「いやな…なんかサミーちゃんの顔が見たくて、な?」
ー如何に強くとも、何者をも討滅し得る存在であろうともー
「それと、今までなんだかんだやって来れたのも、あのヘタレを隠し通せてるのもサミーちゃんさんのお陰だからなぁ…一度きちんとお礼をしようかなと…おわっ!?」
ー彼は、開拓者だー
「ちょ、サミーちゃんさん…サミーちゃんさん?」
ー開拓者は、精神力、気力こそが生命の源。それが弱まれば、彼は消える…主を守る者がいなくなってしまうー
ーだから…今、私の心を、言葉を貴方に伝えましょうー
「……あぁ」
ー貴方のせいでは無いー
「…………」
ー貴方のお陰で、主は生きたー
「…………」
ー私がいなくなったら、主は塞ぎ込むだろうー
「……あぁ、そうだな」
ー主を頼むー
ー大丈夫、次は負けないー
「………………」
ー貴方は、主の保護者で、開拓者で…ー
「………………」
ー私の、友なのだからー
「…分かった」
ーありがとうー
「それは、こっちのセリフだよ…」
「ごめんな…サミーちゃんさん…ありがとう」
「……んぁ?」
目を覚ました時には、自室のベッドの上にいた。おかしいな…確か俺は公園で…?
洗面所に行くと、瑠美が化粧台と真剣勝負もかくやという気迫で睨めっこをしている。いつものことだ、こうなってしまうと声を掛けても反応しないのもいつもの「あ、おはようお兄ちゃん」馬鹿な!?
「熱でもあるのか?」
「それはこっちのセリフなんですけど…取り敢えず顔洗いなよ」
「馬鹿な…我が妹が場所を譲っただと!?」
「そんな酷い顔で後ろに立たれたら手元が狂うっての」
顔?と思いつつ取り敢えず鏡を見てみると…目元が真っ赤に腫れ上がり、肌がカサカサ、唇が割れた酷く醜い顔が…俺の顔だ!?
「え、なにこれ」
「ほら、とっとと洗う!」
「ちょまぶぼぁ!」
「いや、まさか帰ってきた俺を介抱してくれたとは…迷惑かけたな」
「まったく…迷惑どころじゃなく完全にルール違反だよこれは!」
「ホントにすまん…今度何か買ってくるわ」
「じゃあフェルフランの新作」
「…せめて10k以内でお願いしますマイシスター」
「お洒落に妥協は無いと言ったはずだよマイブラザー、それともお父さん達に報告しよっか?」
「…ごめん」
「ん、許す。…それで大丈夫なの?昨日よりはマシに見えるけど」
「あー…なんというか、夢を見たら大分楽になった」
「なにそれ…ちなみにどんな夢?」
「内容忘れたわ」
「変なの」
結局の所、沈んでいた俺を救った謎の夢の甲斐も無くクソアプデの内容を見て荒れた俺はテストに惨敗した。
しかしあの夢がなければ立ち直る為にはまだ時間が必要だっただろう、それだけは確信を持って言い切れる。
内容も覚えてないけど、叶うならもう一度見てみたいな。
「あ、おかえりおにーちゃ…うわ顔色悪っ!ちょ!お風呂ー!」
「ほら!取り敢えずあったまって…目の前で脱ぐなっ!」
「ほらご飯食べて!オートパイロット状態?みたいだけど喉つまらせないかな…?」
「布団入って!あったかくして!…私を引き摺り込むなっ!!!ちょっ力強い!ごめんって何よ誤った程度で許すと思うな!絶対に許さないから!!!」
「はぁ…ようやく寝た…全く酷い顔、元はいいんだからもう少し気を使えばいいのに…」
「…いい夢、みなよ」
蛇足なので入れませんでした。
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四つの「5」
ついったのssは本当に超特急で書いたお粗末が過ぎる奴なのでこれ投稿したら消します、しにたい
・5日間・
「ペンシルゴンの言ってた通り早目に来て正解だったな」
「でしょー?はぐれない様にね〜、後私は久遠だよ」
「わかりました」
「シーズン真っ只中だからね…俺に感謝して欲しいな」
「テーマパーク×魚臣」
「優待チケット収録裏で渡されたはずなのにね?」
「…………」
「さ、遊び尽くそう!!」
「はい!私ジェットコースター乗りたいです!」
「あんみつソフト…へぇ」
「京ティメット、飯は後にしとけ…で、何でこの二人がいんの?」
「いちゃ悪いかよ」
「付き添いだ」
「サバイバアル君はたまたま捕まえて〜、百ちゃんは
「玲、私が言った事は覚えているな…?奴は発見次第、即座に叩き潰すのが正しい対処法だ」
「えと、はい」
「叩き潰しても生きてそう」
「叩き潰したら爆発しそう」
「あ、すいませーんこの二人がカップルコースターに乗りたいそうです!」
「おいやめろ!」
「コースター…カップル…回転…うっ」
「カッツォー!!戻ってこい!!それ多分回想したらダメな奴だ!!」
「夏蓮、日焼け止めは塗った?」
「…ん、家で塗った」
「ルストちゃん麦わら帽子が可愛いねぇ」
「…天音永遠お墨付きコーデ」
「あ!キングパンダマンです!」
「あー走ってっちゃったよ、どうする?」
「んー…うん!皆で行こっか!」
「おーい紅音ちゃーん!」
「…ひんやりしてるな、雰囲気もある」
「空調効いてるねー」
「で?何するんだ?爆破か?暗殺か?」
「サラッと私が何か企んでる前提で話さないで?」
「ホラー迷宮に俺と二人で入る事になった辺りがまぁ怪しい」
「それに関しては君が駄々こねるからだよー、サバイバアル君と歩くの嫌?」
「嫌ではないが…今ちょっと気まずくてな」
「ふぅん、私となら気兼ねなく歩けるもんね」
「そうだな」
「……」
「……」
「…そこはほら、『爆弾魔が隣にいるのに?』とか言ってくれないと」
「爆弾魔より悪質な黒幕なんだよなぁ」
「酷いなぁ…よよよ」
「よよよって言葉作った人に謝ろうな?」
「あ!見てみてサンラク君めっちゃ血まみれの診察台がある!」
「うわ…凄いな、流石有名ホラー迷宮」
「殺人鬼かな?それともマッドなサイエンティストかな〜?」
「第二形態ある率が低い前者だと…ん?」
「…どうしたの?」
「いや、あっちの影に人影が…」
「あー、先に入ったグループかな?」
「でもあっち行き止まりだぞ」
「…んー…」
「案の定誰もいないな、こういうドッキリ要素もあるのか」
フルフルフルフル…
「…大丈夫か?」
「…何が?」
「めっちゃ震えてない?生まれたて?」
「私のお肌は赤子の様にすべすべだよ!」
「少なくとも頭は大丈夫じゃ無さそうだな」
ヒタ…ヒタ…バッ!
「おわっ!」
「ひっ!」
ヒタ…ヒタ…
「いきなり後ろから来るのは怖いな……ペンシ、久遠?」
「あは…はは…」
「ええと…割と痛い」
「あ、ごめん…」
「お前これ系苦手だったか?」
「ちょっと…ね」
ヒタ…ヒタ…クルリ…タタタタタ!
「反転して来るんかい!」
「ひぇ」
フッ
「…ここでいきなり真っ暗闇か…ホラーでありがちな展開とはいえ、かなり凝ってるな…」
ギュー…
「この後の展開だと…明かりがついた瞬間に何か来そうだ…トラップ、ボス、あるいは二重ドッキリ…」
パッ
グオオオォォォォオオオ!!
ビクッ!
「あ…あー成る程、あのシーンパクリとか言われてたけど、元ネタこれかぁ」
ギュー…プルプルプル
「あー、すいませーんギブですリタイアお願いしまーす」
「ォォオオ…あ、はーい」
「…女の子を抱っこするならもうちょっと丁寧にしなさい」
「運ばれてる側の態度が悪いのでダメですかね」
「……あのさ、サンラク君」
「なんだよ」
「この事言いふらしたら大々的にノーフェイス芸能界デビューさせるから」
「こえーよ絶対言わんわ」
「カッツォ君もダメだからね」
へーへー、お、出口だぞ
あ…じゃあもう降ろして良いよ、すいませーん出る前にちょっと休憩したいです!
…アレスタッフスペースじゃね?
頼んでみるものだねぇ
「…ふぅ……大成功、かな」
「スケジュール調整頑張った甲斐があるってもんだよ」
「……意外と逞しかったなぁ」
────────────────────────────────
・5フラット・
「おーい、あんまり行くとはぐれるぞー」
「あっはははははは!」
「めっちゃはしゃいでる…しっかり見ておかないと」
「ジェットコースターの種類が豊富だな…」
「フリーフォール…楽しそう」
「た、高いね……最後尾に1時間待ちって看板が見えるよ」
「…お、あっちの待ち列少なめだぞ」
「やっぱりタッパでかい組がいると便利だな」
「じゃあ行こう!」
「即決か、異論はないけど」
「…あれ?紅音ちゃんは?」
「そこにいるだろ…ってあれ?」
「ひょっとして」
「うーん…案の定はぐれたね」
「あ、向こうも気づいたみたいだな、メッセージ来てる」
「展望台か…早く迎えに行かないと」
「あ、そうだサンラク君」
「なんだよ」
「忘れ物しちゃったから取ってきて」
「えぇ…?」
「ほらとっとと行く!」
「ったく…もう少し迷宮に封印しとくべきだったか…?」
「さて…レストラン前のベンチって言ってた…な…」
「あ…」
「紅音…何でここに」
「あの…ここで待ってたらサンラクさんが迎えに来るって…」
「ペンシルゴンの仕業か…」
「何考えてんだあいつ…ほら、戻るぞ」
「あのっ…!」
「っと…どうした?いきなり手を…」
「ご、ごめんなさい!…その、少し、一緒に回っても良いですか?」
「それは良いけど…このまま?」
「ダメですか…?」
「や、いいけど…おし、暫くしたら奴らと合流するか」
「っはい!では行きましょう!」
「ちょ、ひっぱって早ぁ!?」
「まずはあそこからです!」
「お、お前アレは一番速度出るとかの…!」
幼少の砌、親戚に無理矢理絶叫マシンに乗せられた記憶が蘇った
────────────────────────────────
・5分・
対戦型のARゲームがあったのでそれぞれ分かれてバトル、俺の対戦相手は…京ティメットか
「ふふふ…サンラク?」
「…なんだよ」
「君と対戦するのは一昨日以来だねぇ…何か仕込んでたりする?」
「ちっ、誰だ俺が唆したってバラした奴」
「あー自分から吐いたね!?タングステンさんと当千さんと十文字大福さんが同時に襲って来たのまるで意味がわからなかったけど!やっぱり君だったんだね!!!」
「やかましいボーナスターゲット、今は銃をカスタムしててだな…っておい」
「何か?」
「お前強化素材全部そのビームサーベルに注ぎ込んだの?」
「ふん…これだけあれば十分さ、さぁさぁ!沢山出てきたみたいだし彼等には存分に試し切りさせて貰おう…!」
「いや、これ殲滅じゃなくて…」
「てぇい!」
スコア
サンラク 910/1000
京極 430/1000
「何故…!?」
拠点防衛戦で一人前出て切った張ったしてりゃあなぁ…
────────────────────────────────
・5ミリ、五億・
「だぁー…まだダルさが抜けねーなぁ…流石に遊び疲れたわ」
「おはようございます、契約者《マスター》」
「よう、どうしたサイナ、今日はおしゃれさんだな」
「カジュアルモードです…契約者、こちらをご覧ください」
「ん?…『ベストスクリーンショットコンテスト!〜シャングリラ・フロンティアの素晴らしき世界を切り取れ〜』開拓者のスクショ大会か、こんな物あるんだな」
「豪華景品アリ…へぇ、これは中々…」
「優勝を目指すのであれば、インテリジェンスの権化たる我がカジュアルモードが役に立つかと」
「んー…ウィンプー、ちょっとこっち来い」
「なによー、わたしはいまちゅうもんとりでいそがしいんだけど」
「なに、すぐに終わる…モードチェンジした方が
メイクアーップ!
「いぇーいウィンプもっとこっちきてー」
「む…こう?」
「おっ…と、ちょい近すぎ…いやこれで良いか、サイナも来い」
「では当機が左側に」
「いやお前も近いな…撮るぞー」
「あー!サンラクサン起きてたですわー!?何してるんですわアタシも混ぜるですわー!」
「よーしエムル良いところに、ちょうどマスコットが欲しかったんだ、ほい人参」
「わぁい」
「場所は…俺が抱き込めばいいか」
「枕が柔らかいですわー」
「よーし撮るぞ、三.二.一…チーズ!」
その場にいた着せ替え隊は、後に「興奮し過ぎてVRシステムから警告&強制ログアウトしちまったよ…ツチノコさんナチュラルに殺しに来るんだから…」と語ったと言う
五つ目の5は本編に期待しましょう、ヒロインちゃん頑張れー!
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