風の王国第二王女の淫らな日々 (ロシアよ永遠に)
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~黒の貴公子編~
『国が落ち、彼女が堕ちた日』


この章は、本編のように紅蓮の魔導師がローラントに来なかった。そしてそのまま原作が開始された流れになっております。なので変態は出て来ません。


その日、リリィの目に映る世界は真っ赤に染まっていた。

燃える城。

倒れ伏すアマゾネス隊の身体()から流れ出る血。

目に映る何もかもが

赤く

朱く

紅く。

燃えさかる炎が、彼女の肌を容赦なく焼いていく。

 

「お父様……お姉…様……けほっ…エリオッ…ト……」

 

愛槍を杖代わりによろよろと、灼熱の海になった城を彷徨い歩く。煙と炎が視界を遮り、方向感覚を鈍らせ、慣れているはずの城を全く別の物と錯覚させる。

身に纏っていた純白のドレスは見る影もなく、煤こけ、所々焼け焦げたそれは、身に起こったことを予想させるには充分なものだ。

城に火が放たれたとき、奥まった部屋に居たのが災いした。とにかく外へ行こうと進むが、まるで向かい風に遭っているのかと感じるまでに前に進んでいる感覚が無い。それよりも酸欠で視界が狭まり、意識が朦朧としてくる。

足下が覚束ない。

足が前に出ない。

焼け付く熱が体力を消耗させ、焦りが更に視野を狭める。

 

「あ……!」

 

呆気なかった。

前のめりにドサリと倒れ込んだリリィ。

だが彼女に、もはや立つ気力も無ければ、前に進む力も無かった。

 

「もう…ダメ……。」

 

限界だった。

何もかも、燃えて、灰となっていく。

私も、このまま燃え尽きるんだ。

そんな諦観の念が、リリィを蝕んでいく。

 

「全く……焼き討ちとは…惨いな…。」

 

そんな幻聴とも取れる声が耳を擽る。

聞いたことの無い声。

だが、リリィにとってそんなことはどうでも良くなってきている。

 

「これでは品性の欠片もないではないか。ナバールの兵は無抵抗な者まで殺すのか。」

 

「ナバー……ル…。」

 

呟く。

遙か南の砂漠に拠点を構える盗賊団。

その名を…忌むべき存在を…ローラントを焼き払った奴らを刻み込むように。

 

「ほう…まだ生きている者がいるとは…。」

 

足音が聞こえる。

それは徐々に大きくなり、近付いてくる。

敵なのか…それとも…。

 

「その身成…この城の王女か…。」

 

「だ…れ……?」

 

力を…残った力を振り絞って、リリィは名を問う。

 

「私か?…私は………」

 

だがその名を耳にする前に、彼女の意識は暗闇に没した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん……。」

 

リリィが目を覚ますと、そこはベッドの上だった。

自室のベッドのようなものではない、一人用ではなく、大の大人が2~3人寝ても問題ないほどの大きなものだ。

起き上がり周囲を見渡せば、暗色を基調とした色合いで調度品や壁面、絨毯に至るまで、部屋の全てが整えられていた。

 

「…ここは…?」

 

彼女自身の服も、焼けこけたドレスではなく、シミ1つ無いものに着替えている。あの火事の後に何かあったのか、頭に靄が掛かったように思い出せない。

あそこに居たのは誰なのだろう?

こうして安全な場所に運んでくれたのだから味方なのか?

城の皆はどうなったのか?

様々な疑問が交錯するシンキングタイムは、来訪者によって破られた。

 

「ほう、目覚めたか。」

 

扉から入ってきたのは、男性だった。

腰まで届く暗い色の金髪に、透き通るような白い肌。そして鋭い目つきがリリィを捉えて止まない。

 

「ようこそローラントの姫よ、我が居城ダーク・キャッスルに。」

 

「ダーク…キャッスル…?」

 

「左様…ローラントから遙か北に位置する孤島だ。」

 

確かに世界地図にはローラントの遙か北に大きな島が記されていることはリリィも記憶していた。だが、ダーク・キャッスル等という城は彼女は聞いたことが無い。

 

「あの……ここがその…ダーク・キャッスルとして…どうして私はここに…?確か…燃えているローラント城に居たはずでは…?」

 

「無論、私が連れ出したからに他ならない。」

 

「えと…助けて頂いたのですね。ありがとうございます…。」

 

「ふん、ただの気まぐれよ。それに…。」

 

笑みを浮かべながら近付いてくる彼に、リリィは恐怖を覚え、思わず後ずさりする。

当然だ。その口は三日月の様に釣り上がっていたのだから。

 

「人間の女とのまぐわい…と言うものに興味が湧いてな?それが一国の王女ともあれば殊更だ。」

 

「ひっ…!?」

 

ベッドに乗り上げてきた男の手が、リリィの細い足首を掴む。その握力は強く、思わず顔をしかめてしまうほどに痛みが走った。

 

「良いな…その表情…。恐怖し、怯えるその顔…実にそそられる…。それに…命を救ってやったのだ…例の意味を込めるのも悪くはあるまい?」

 

あっという間にベッド上で組み伏せられたリリィは、顎を持ち上げられ、恐怖に歪むその顔を、まるでねっとりと嘗め回すかのように観察される。

 

「その表情…純潔を散らしたときに更に歪んでくれることを期待しているぞ?」

 

「んっ!?」

 

一瞬だった。

瞬きする間もなく、一瞬にしてリリィは唇を奪われる。

初めてのキス。

それがまさかこのような形で奪われるなどと予想だにしておらず、リリィはその身体を強張らせて固まってしまった。

 

「ふっ…(うい)な、王女よ。」

 

「ぁ…ぅぁ……!」

 

「高々接吻で気を失していては、先が思いやられるぞ?クク…!」

 

歪んだ笑みを浮かべながら男は、その尖った指の爪を、ドレスの胸部の真ん中に宛がうと、一気にそれを振り下ろした。

絹を裂く音と共に晒されたのは、未だ膨らみの少ない胸部…そして桜色の乳頭だった。

 

「ふっ…!やはりまだ幼いな…。」

 

「っ…!」

 

胸が小さいことを気にしているリリィからしてみれば、この上なく屈辱的で恥辱的だった。見る見るうちに羞恥で頬を染め、改めて言葉にして聞かされたことによって、目尻に涙を浮かべる。

 

「だからこそ…汚し甲斐があると言うものよ。」

 

指先が、そっと乳首に触れる。

他人は愚か、自身でも意識して触ったことなど無い生娘であるリリィは、その電流が走ったかのような感覚に思わずビクリと身体を跳ねさせる。

 

「ほう…中々敏感なのだな?」

 

まるでおもちゃを扱うかのように、彼はビクリと跳ねた乳首に興味を持ち、刺激する度に反応するリリィを愉しんでいた。

もはや辱め以外の何物でも無く、唯々成されるがままに身体を触られ、意図せずして反応してしまう自分が堪らなく恥ずかしい。

 

「んっ……ぅ……!」

 

「声を抑える必要はあるまい?遅かれ早かれ、お前は私の前で快楽によがり悶えるのだからな。」

 

「んぅぅぅっ!?」

 

乳首が生暖かい何かに包まれる。

ザラリと…そして、同時にヌルリとした感覚。

閉じていた目を恐る恐る開けば、自身の乳首を舌で愛撫する男の姿。長い舌が、まるでナメクジのように自身の乳頭を這っているその様は悍ましさすら覚える…その筈なのだが、

 

(なに…?なんなの…これ…?なんで…こんな…からだが…あつくなるの…?)

 

背筋が凍るかのような悍ましさとは裏腹に、自身の身体の中から熱が湧き出している。

芯から出でたその熱は、下腹部へと集まり、疼きへと変わっていく。

 

「処女の割に感じているではないか。余程好き者なのだろうな。」

 

「だ、誰、が…!」

 

「だが身体はメスとして精を求めているようだがな?」

 

「っ!?!?」

 

直後、

リリィの全身が跳ねた。

腰が浮き、下腹部の熱がより一層大きくなる。

ドレスのスカートの最奥。

未だ誰も触れたことのない未知の領域。

そこを覆うショーツ越しに彼はその秘部へと触れたのだ。

 

「クク…やはりこの程度の愛撫でこれ程までとは…淫乱め。」

 

既にショーツは滲み出た愛液によって秘部の形がくっきりとわかるほどに貼りついており、益々男を興奮させていく。

 

「ん……ひぐ…っ…ぁ……!」

 

そして摩れば摩るほどに溢れ出る潤滑油により刺激が高まることで、まるでそれから逃げ惑うかのように身体をくねらせる。

だが足は閉じない。本当に嫌なのならば足を閉じる事で拒絶を示すことが出来る。しかしリリィはそれをしなかった。開け放たれた股部は、本能で更なる刺激を求めているようだ。

 

「どうだ?今まで味わったことのない感覚だろう?」

 

「くぅ…っ…!ゃ……ぁ…!」

 

「素直になれ…この快楽に身を委ねれば、この世と思えぬ気分になれるぞ。」

 

くっきりと浮き出た秘部…その感覚が集約されているその場所…陰核を、男は指の腹でなで上げた。

 

「ひぎっ!?」

 

一層、その小柄な体躯が跳ね上がった。

陰部を摩られるだけで感じすぎていたのだ。それに加えて神経が尖っている陰核を摩られれば、その強すぎる刺激に悲鳴にも似た声が愛液と共に漏れ出でる。

 

「クク…お前にはまだここは刺激が強すぎたかな?」

 

そんな言葉も今のリリィには届かない。先程のクリトリスへの刺激で、一瞬意識が飛んでいたからだ。チカチカする視界、耳に入る言葉は何処か遠くの世界の話にも聞こえる。

 

「だが、気を失している時間は無いぞ。」

 

「はぅっ!?」

 

再び陰核を撫で上げる。

遠のいていたリリィの意識は強制的に戻り、未知の感覚に戸惑うばかりだ。

 

「では…少し踏み込むか。」

 

くちゅり…

ずらしたショーツの隙間から秘部へと指を滑り込ませ、愛液でてらてらと濡れそぼった膣口へ指を沿わせる。触れた瞬間、粘液質のそれが指に絡む音が部屋に響いた。

 

「あ……ぁ……!」

 

指を充てられている箇所を理解し、リリィの顔は羞恥に染まる。

先程から身体を走る電流にも似た感覚と、それに伴う疼き。それらが集約されている箇所。そこが今まさに蹂躙されようとしている。

 

いやだ……

そこは赤ちゃんを作るための大切な場所なのに…!

 

性知識をある程度持ち合わせているリリィの心で、嫌悪と共に抵抗が灯る。

このままでは見ず知らずの男に、女として大切な物を奪われてしまう…!

それは乙女としてあるべき感情と貞操概念で、ごく当たり前の想い。

しかし彼女の中で、それとは別の感情が生まれ出でていた。

 

そこを直接刺激されたらどうなるんだろう?

さっきよりも強い刺激なのかな?

疼く…身体がどうしようもなく疼いている。

この疼きを、その指で…。

 

二律背反の感情が鬩ぎ合い、男の指を受け入れるか否かで葛藤するリリィ。

そんな彼女を察してか、男はリリィの耳元に顔を近付ける。

 

「これからお前はこれまでに感じたことのない快楽を覚える。」

 

「かい…らく…?」

 

「これを知ったら最後、もう引き返せなくなる。…期待しておくんだ…な!」

 

「あぁぁっ!?」

 

ずぷん!

疼いた身体が愛液を更に分泌させた膣内へ、男の指が一気に入り込んできた。

未だ誰も侵入を許したことのないその聖地は、指が肉ヒダをかき分け、あっという間に5センチほど指を受け入れてしまった。

 

「ククク…よいぞよいぞ…!やはり身体は正直なようだ。口や表情では拒んではいても、雌としての身体は性への快楽を求めていたのだ…!」

 

「うぁ……ひ…っ…!」

 

異物感。

初めての指の侵入はリリィにとってそれしかなかった。

その筈なのに…

身体はまるで彼の指を歓迎するかのようにうねり、そして絡み付く。

 

「どうだ?初めてだろう?この感覚は。これが女としての悦びだ。」

 

くちゅくちゅと、愛液の更なる分泌で、寝室が淫らな音に支配される。

自身の股から発せられているその水音からくる羞恥心か、はたまた膣内を愛撫されての快楽からの興奮か、リリィの顔は見る見る紅潮していく。

 

「ゃ…!…あっ!…ん……んん…!」

 

「では…達する、と言うモノも一度味わって貰うか。」

 

「っぁ!?」

 

瞬間、

膣内で蠢いていた指が、その動きを大きくストロークさせる。

未だ膣内からの刺激に慣れていないリリィは、その強すぎる感覚に目を見開く。

 

「まだまだ強くするぞ?せいぜい気をやる事がないようにな。」

 

「ひっ!ぁ…!あっ…!」

 

更にストロークの速度を上げる。最早リリィの脳内は、フラッシュが連続して焚かれているかのように白黒し、指が出入りする膣口からは、蜜が次々と掻き出されていく。まるで飛沫のように飛び散り、ベッドのシーツを止め処なく濡らしていく。

 

「良い具合に乱れているな。」

 

「はっ…ゃ!く…ん…んん~っ!」

 

「ではそろそろ…トドメといこう。」

 

刹那、

男が指を陰核に掛ける。

膣内とクリトリス。その同時攻め。

 

「あ゛…っ!あぁぁぁぁっ!?」

 

そしてそれに耐えられるはずもなく、リリィは今日一番と言わんばかりに身体を反らせて跳ね、膣口から勢いよく潮を吹いて達する。ビクンビクンと、まるで痙攣しているかのように何度も跳ねる。

焦点の合わない目、

そして口からはだらしなく涎を垂らして、しばらく経って彼女の身体からはガクリと力が抜ける。気を失ったようだ。

 

「ふ…ククク…!素晴らしいな…!処女でここまで乱れるとは…!」

 

そして男は盛大に濡れに濡れたシーツと、未だヒクヒクと絶頂の余韻に浸る膣口に、子供のような笑みを浮かべる。

幼い見た目にそぐわぬ淫らなその姿に、男の中で興奮がムクムクと膨らみ上がり、そしてそれは彼の下半身に剛直をせせり立たせる。

思わずゴクリと固唾を飲み込む。

この濡れそぼった中に入れることで得られる快感。それを想像すると興奮がより一層高まってくる。

ズボンを脱ぎ捨て、そり立った陰茎を外気に晒す。興奮の余りに怒張したそれは、はち切れんばかりになっており、鈴口から先走りがてらてらと亀頭を濡らしていた。

 

「さぁ…その純潔…頂くぞ?」

 

先端を、愛液溢れる膣口に触れる。

ぬめりにぬめった生暖かい感触が、より一層挿入の意欲を後押ししてくる。

 

「んっ……。」

 

ピクリと、膣口を刺激されたことで身体が震える。薄らと開かれた目は、意識を手放したことで現状を理解できておらず、ボーッと男を見詰めるだけ。

 

「一度だけの破瓜の傷み…存分に味わうと良い。」

 

「は…か……?ぁ…あっ!い…」

 

いやだ

そう言葉にしようとした瞬間。

 

「あ゛あ゛ぁ゛あ゛あ゛ぁ゛っ!!」

 

まるで自身の身体を真っ二つに引き裂かんばかりの下腹部の痛みが、リリィに悲痛な悲鳴をあげさせる。膨張したソレは、容赦なく純潔を保ってきたリリィに突き入れられたのだ。

そしてそれに伴い、身体の中に熱した鉄の棒を突き入れられたかのような熱感。そして幼い身体には大きいであろうサイズの逸物。

そんな物を突き入れられては、もはや苦痛という以外に言葉はなく、ただただ襲い来る苦しみを歯を食いしばって耐えることしか出来ない。

 

「く…!これは…なかなか…狭いな…。生娘だけのことはある…!」

 

男も男で、膣内に7割刺し入れた陰茎。それを包み込む膣の肉圧が、まるで押し潰さんと言わんばかりにぎゅうぎゅうと締め付けてくる。

未知の感覚から来る身体の防衛本能のような物なのだろう。少々痛みが伴う程のリリィの膣内は、それ程までに窮屈な物だった。

だが痛みだけではない。膣圧により、中のヒダが陰茎に絡み付き、僅かながらも快感を生み出していた。

 

「だが…この先に私にも、お前にも快楽が待っているのだ。」

 

「ひ…ぎっ…!」

 

ソレを求めるべく、男は腰をゆっくりと引く。

ズルリ…と、まるで臓物を引きずり出されるかのような感覚。未だ破瓜の傷みが抜け止まぬリリィにとって、それは拷問に等しい物だった。目を見開き、歯を食いしばり、ただただ耐える。

 

「ふっ…」

 

「んぐぅっ!?」

 

膣口手前まで引き抜いた陰茎を、今度は最奥まで突き入れた。先程よりも奥…子宮口まで侵入された感覚は、余りにもおぞましく、悲鳴にならない悲鳴をあげる。

ひりつく痛みと、腹部の圧迫感が駆け巡る。

 

「がっつきはしない…じっくり、確実に、お前の脳に快感を刻み込んでやる。」

 

再びゆっくりとギリギリまで引き抜かれ、再び最奥まで押し込む。

その繰り返し。

ただの抽送。

だがそのただの抽送はゆっくりと、確実にリリィに変化をもたらしていた。

 

「ん…っ……ぁ…ひ…っ!」

 

まるで膣に陰茎の形を刻み込ませるかのようなその抽送は、苦痛を我慢していた声に、甘く艶めかしいものを与えていた。

 

「どうだ?感じるだろう?」

 

未だゆっくりとピストンを繰り返す。

痛みで麻痺していた膣内が、時間と抽送に伴って感覚が戻り、確実にリリィに快感を刻み込んでいた。

 

「ぁっ…!ゃあぁ!」

 

引き抜かれ、カリが膣の上部を擦る度、リリィの身体は微細な電流が走ったかのような感覚に見舞われる。

伴い、膣の隙間からピストンの度に愛液が溢れ出していく。

そして快感に溺れかけているのは彼女だけではない。

 

(くっ…何という名器…!油断すれば…一気に搾り取られかねん…!)

 

窮屈だった膣内は、抽送を繰り返す内に過度の圧はなくなり、まるでペニスに快感を与えるに特化したかのような極上の締め付けが始まった。

彼の予想を遥かに上回るその刺激は、遅緩のピストンでさえ射精感を容赦なく押し上げてくる。

 

(このままでは…こちらがイかされる…!)

 

快感を刻ませることなくこちらが達するなどと、男のプライドが許さない。だがリリィの膣はそれを押さえ込むほどに味わいたいと思うほどに

、彼の脳を支配していた。

 

(ならば…!)

 

抽送に伴い、彼の手が伸びる。その先は…

 

「ぴあ゛っ!」

 

陰核だ。

触れた瞬間、膣は面白い程に締まる。。

それだけで彼は優越感に浸れた。

 

「や…ぁ……!こわ……れりゅ…ぅ…!こわれ…ひゃうぅぅ…!」

 

刺激が強い余り、呂律が回っていなかった。焦点の合わない瞳で涙を浮かべて止めるよう懇願するリリィ。

だがそれが逆に男の加虐性を奮い立たせていく。

 

「善いぞ…存分に……壊れろ…!」

 

「ひっ!あっ…!はっ……!やあぁっ!」

 

もはや獣のように男は腰を振る。

ペースなど知ったことではない。理性を飛ばすような仕草をするリリィに興奮した結果だ。

最早貪るという表現が相応しいまでに。

乱雑に、一心不乱に快楽を得るために、男は子宮口を突き続ける。

高まる射精感が、彼の腰の速度に拍車を掛けていく。

そしてリリィも、子宮口を連打されて溢れる快楽に必死に耐えていた。

これを受け入れきっては、戻れなくなる。

その最後の理性が彼女を踏み留めていた。

だが男の容赦ないピストンは、彼女を堕とさんと深く、強く突き入れられ、ヒビだらけの理性を崩しに来ている。もはや限界だった。

精神で保っていても、身体は既に受け入れてしまっている。

その証拠に、激しいピストンにもかかわらず痛みはない。その上、逸物が出入りする度に快感が駆け巡り、まるで噴水のように愛液をシーツに散らしている。

 

「く……そろそろ…出すぞ…!」

 

「だ…めっ!なかっ!だめぇぇ!」

 

理性が、ダメだと警告する。

このまま最奥で射精されれば、子宮内が精液で満たされることは明らかだ。

無論、その精液で受精などしてしまえば、子を孕むこととなる。それもリリィの中で危惧していることの1つだ。

もう1つの危惧…それは子宮に射精の刺激を与えられたらどうなるかが解らない。もしそれが今まで以上の快感だとしたら、もう耐えられない。それが怖くてならない。

だがそんな彼女の心境などお構いなく、むしろラストスパートと言わんばかりにピストンを早め、リリィの思考能力を削り取ってくる。

 

「あっあ…はっ…!んっ!」

 

「受け取れ…私の子種を…!」

 

「やあぁぁぁぁっ!!」

 

思い切り子宮口を突き上げられた瞬間

 

「くっ…!」

 

どくん!

 

「あぁああぁぁっ!」

 

腹の奥に打ち付けられる熱い何か。

びゅくびゅくと子宮に注がれ、その勢いは子宮の最奥に撃ち込まれる程に強く。

それがトドメとなり、リリィは弓なりに身体を反らして絶頂する。

だが男の射精は止まらない。刺激に耐えに耐え、その集大成と言わんばかりの射精量がリリィの子宮を満たしていく。

 

「あ…ぁ…あ…っ…。」

 

ビクビクと、絶頂の余韻で射精の快楽に浸るリリィ。その目は虚ろで、だらしなく涎を垂らして力無く気を失っていた。

男も男で、射精の余韻に浸りながらも整息していく。

 

「はぁ…はぁ……!よもや…ここまで私が溺れるなどとは…。」

 

この幼い身体を快楽で開発するどころか、こちらが溺れさせられてしまっていた。それが嬉しさ半分、悔しさ半分と、何とも微妙な心境だった。

 

「思わぬ…拾い物だな。」

 

余韻が治まってきたことで、最奥に突き入れた陰茎をゆっくりと抜いていく。だがその刺激すらもリリィは感じてしまい、ヒクヒクと身体を震わせ、そして肉ヒダを絡み付かせる。その快楽に耐えながら、ペニスを膣内から抜き去ると、それを負うように子宮から漏れ出た白濁とした精子が膣を逆流し、破瓜の血と混じって尻へと流れ落ちる。幼い身体にそれは、なんとも背徳的で官能的な光景だった。

そしてそれは、男の性欲を再び滾らせていく。

 

「ふ…!このまま2人揃って…壊れるのも悪くはないな…!」

 

「あぅぅうっ!?」

 

再び突き入れられたペニスに、意識を無理矢理戻させられるリリィ。

そして再び始まる抽送は、ダーク・キャッスルの1室に、長く、長く淫らな水音と、艶めかしい喘ぎ声が木霊していた。



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『溶け征く氷』

「ん……。」

 

ぼんやりと、うっすらと目を覚ます。

知らない天井だった。

自室のベッドよりも優美で、そして暗色を基調とした部屋。

どうしてこんなところに居るんだろう。

リリィは記憶を掘り起こして、意識を手放す前に何が起こったのかを探り寄せる。

思い出すのは、燃えさかるローラント城。

そして、この部屋で、この場所で、あの男と身体を重ねた。何度も、何度も…。

 

「あ……ぁ…!」

 

さぁ…と血の気が引くのが解った。

私は汚されてしまったのだと理解する。

純潔を散らし、事もあろうに子種を子宮(なか)に出されてしまった。

 

「どうして…こんな……!」

 

この間までは普通だったのに。

何の変哲も無い、幸せな日々だったのに。

どうして…。

そんな疑問がぐるぐるとリリィの中を駆け巡る。

 

「…こんなところに…居られない…!」

 

ここに居てはまたあの男に犯される。それだけは嫌だと心が訴える。ならば抜け出す以外に選択肢はないだろう。

意を決したリリィは、乱れに乱れだドレスを正す。破られた胸元はベッドのシーツを剥ぎ取って羽織り、もはや最低限の装いで扉へと向かう。

 

(鍵は開いてるか解らない…けど、試してみないと…!)

 

ドアノブに手を掛けて回し、押してみる

するとどうだ。

鍵など掛かっておらず、すんなりと出ることが出来たではないか。

 

(よし…!)

 

扉を開け放つ。

瞬間、

ビュウ!という音と共に、リリィは全身を襲う何かに蹌踉めいて部屋に押し戻される。

突風だった。

ローラントの風も強かったが、それを上回るものだ。

目を見開けば、そこは遥か上空…。山の山頂に築かれた城…。その離れの塔に自分は監禁されていたのだとリリィは理解した。

剥き出しの渡り廊下の先に本城があり、そこを通らなければ脱出できない。何せ見る限りでは、離れの塔に続く道は、この剥き出しの通路しかないのだ。

正直、眼下を見れば、遥か下に岩場が剥き出し。落ちれば命を落とすのは確実だろう。この強い風に煽られながら渡るのは、正直怖い。そして破瓜の痛みがまだ続いているのか、上手く歩くことも出来ない。だが、このままあの男の慰み者になるくらいなら…!

 

「…行きます…!」

 

覚悟を決め、リリィは一歩踏み出す。

正直裸足で石造りの廊下を歩くのは辛い…でも進まなければ、この先の未来は絶望的。だったら抗う。一縷の望みに賭けるように。

風で目が霞む。腕でガードしていても、付け焼き刃にしかならず、目は半開きで歩かざるを得ない。

ゆっくりと、確実に、本城へと進んでいく。

 

だが…

 

「何処へ行こうと言うのだ?」

 

背後から、

聞きたくない声が背筋を撫でるように囁かれた。

 

「抜け出そうと…言うのか?」

 

「……!」

 

奴だった。

よりにもよって、一番見つかりたくない奴に見つかってしまったのだ。

 

「…まぁ構わんが…本城内には私の配下の飢えた奴らがごまんと居るぞ?そこを抜けられるなら抜けるが良い…。五体満足で出られるかはわからんがな?」

 

だが、と男は言葉を繋ぎ、リリィの手を取ると自身へと抱き寄せる。

 

「私としては、貴様をみすみすアイツらの毒牙に掛けさせるのは惜しいと考えている。…どうする?…私に抱かれるか、有象無象によって無残に犯されるか。」

 

「わ……わたしは……んっ…!」

 

言い淀む答えの中、男はリリィの唇を奪う。

しっかりと腰に手を回され、逃げられないようにガッチリと抱き締められて、二回目のキスを交わさせられる。

だが…そのキスは触れるだけのものではなかった。

 

「ん…んんぅ…っ!?」

 

唇を柔らかな何かがこじ開けたかと思えば、一気に腔内に侵入してきたのだ。

それの正体は、舌であることを理解する。

まるでナメクジのように口の中を蹂躙し、嘗め回していく。歯肉を伝い、上顎を舐めあげ、そして舌に絡み付く。ザラリとした舌と舌がリリィの腔内でヌルリと絡み、得も知れぬ感覚が身体を駆け抜ける。

 

「ん……んっ…ぷぁ……!ん…んん~っ!」

 

舌の裏を先でチロチロとなぞられることで迸る、ぞくぞくとした未知の感覚。

それが快感と知らぬまま、リリィは身悶えし、男のディープキスのされるがままになっていた。

 

「ぷは…!はぁ…はっ……!」

 

男の方から唇を離されたことで、ようやくまともな呼吸が出来るようになったリリィは、必死に酸素を取り込んで呼吸を整える。ついでに熱くなってしまった身体を沈めるように深く、深く息を吸い込み、火照りを治めようとする。

しかし、

 

「…キスだけで感じてしまったか?」

 

「~~っ!」

 

男にはお見通しだったようだ。

キスそのものが男にされるまで未知の物だったのに、ディープキスまでされて感じてしまったともなれば…。

 

「ふ…ククク……!やはり淫乱だな。こうも感じやすいとは…!」

 

「だ、誰が…んんぅ…!」

 

反抗など出来ず、再び唇を塞がれ、そして舌で蹂躙される。

もはやリリィから、抗う力は抜け落ちていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「あっ…あぅ…!んんっ…!」

 

再び離れに戻され、

リリィはその膣に、男の剛直を再び咥え込んでいた。男の執拗なディープキスにすっかり蕩けさせられたのは精神だけではなく、リリィの秘部をもトロトロにさせていたのだ。

 

「やっ…!ぁん!」

 

そして、リリィの口からは前回よりも嬌声が多く入り交じり、男の抽送をより一層感じている。

口では嫌だと言いつつも、この快楽を膣は貪るように求め、男の逸物をしっかりとくわえ込んでいた。

 

「くっ…!」

 

早くも子宮内に放たれる精液。

肉ヒダの執拗な絡み付きに耐えられなかった。

明らかに前回よりも馴染んでいる。

それが彼の感想だった。

自身の動きに合わせて膣は締め上げ、ヒダを絡み付かせる。

もはや名器以前に凶器となりつつあるほどに、彼女の膣から得られる性的快感は莫大な物だった。

 

「ぅ……ぁ……!」

 

そしてリリィも、男の抽送で幾度となく達していた。

ピストンの最中でも何度もイって気を失うが、すぐに突かれて意識を戻すというのを繰り返していた。

そして極めつけは、子宮内への射精。子宮口はピストンの度にノックされているが、子宮内は射精のタイミングでしか刺激されない。だからこそ、数少ない刺激で得られるオーガズムは、他に類を見ないほどに大きな物だった。

つまりどういうことかというと…

射精されると、否が応でもリリィはイってしまうのである。

 

「ん……ぁ……!」

 

絶頂の余韻で蕩けきった顔をするリリィ。もはや身体はセックスを求めて止まなくなっているようだった。

そんな表情がまた男の性欲をかき立て、逸物をそり立たせる。二回戦の開幕だ。

 

だが…

 

今度は先程のように貪るようなピストンは無かった。

ゆっくり、ゆっくりと、まるで敢えての遅い抽送。

それは最初に彼が快楽をリリィに刻み込ませるように行った動きだ。

その遅緩で、優しいピストンは、リリィに確かな快感を与えると同時に、もどかしさを感じさせるものだった。

 

「ん……っん…!どう…して…?」

 

「なに、少々疲れたからな。ゆっくりしているのだよ。」

 

ニヤリと、含みのある笑みを浮かべる彼は確信犯だった。敢えてゆっくり突くことにより、リリィにもどかしさを覚えさせ、自ら求めようとさせていた。

ゆっくりと、そして深いストロークは、確かに気持ちが良いものだが…。

 

「ん……んん…っ…!」

 

「どうかしたのか?顔をしかめて。」

 

更に速度を落とす。

こうなってしまっては最早拷問に等しく、リリィは生殺しの状態だった。

これ以上感じたくない…身体を重ねたくない。

でも身体が疼いて…もどかしくて…身体の奥を突いて欲しいと訴えている。

 

「……て………ぃ…。」

 

「ん?何かな?」

 

「…っ…もっと……はや…く…して…下さい…!」

 

言ってしまった…言葉にしてしまった。

その言葉を聞いた男は悦に浸り、抜きかけていた逸物を、一気に子宮口へ突き入れた。

 

「ぁぁんっ!?」

 

焦らされた分、蓄積された快感が一気に駆け巡り、一突きでリリィはイってしまった。焦らしに焦らされた分、その一突きは今までの何倍にもなって、一気に快楽の波としてリリィを飲み込む。

強すぎる快感の衝動に目を見開き、身体を跳ね上げ、そして膣からは潮を噴き出す。

すでに彼女は、セックスの快楽に沈みきっていた。

 

「ひぅっ…ぁっ!んんん…っ!」

 

嬌声に次ぐ嬌声。

膣から、

子宮口から響く刺激が、リリィを堕としていく。

 

(こんなの…ダメなのに……きもち…いぃ…)

 

処女を失って間もないとは思えないほどの乱れぶりだった。

 

「善い表情だ…。余程攻められるのが好きなようだな?」

 

「ん…っ!ち…違…!ぁっ!」

 

「違わぬよ。…認めて素直になればどうだ?認めて、気兼ねなく快楽に身を委ねろ。お前の乱れた表情(カオ)を見ているのは、私だけなのだから…。」

 

耳元で、甘く囁かれる。

自分の思いを認めろ…。

その悪魔にも似た囁きは、ボロボロのリリィの理性に大きな風穴を開けていた。

 

「き………ぃ……。」

 

「ん?」

 

「きもち…いい…です……ぁっ!」

 

認めた…。堕ちた…。

それがどうしようもなく男を興奮させた。

 

「そうか…気持ちいいか?」

 

「は…い……もっと……きもちいいの…ぁん……ください……!」

 

先程まではなかった蕩けた笑顔に、男はドキリと胸を躍らせる。

抑えられない。

理性のタガが外れかけた男は、突き入れながらリリィの唇に貪り付く。

 

「ぁむ……ん……ぷぁ……ん…ちゅ…っ!」

 

そんな彼の唇をリリィは優しく受け止めた。突き入れられた舌も、彼女からついばむように、そして舌を絡める。激しい唾液の交換とピストンは、互いの興奮のボルテージを一気に押し上げていく。

 

「ぷはっ……さぁ…そろそろ…出すぞ?」

 

「はぃ……ぁっ!わたしの…リリィのなかに……ください……っ!」

 

まるで離さないと言わんばかりに男の腰に足を絡める。彼女自身が、子宮内への射精を求めて止まなかった。余りの豹変に戸惑いながらも、彼はピストンを止めない。どうしようもなく気持ちいい…。それしか頭にはなかったのだから…!

 

「くっ…ぅぉぉっ!」

 

「ぁあぁぁあぁぁっ!」

 

瞬間、

最奥に打ち付けた滾りに滾った逸物から、どくどくと白濁とした精液が子宮内に打ち込まれる。

熱く、そして濃厚なそれを流し込まれ、リリィはピストンと、そして子宮内への刺激と共に、今日一番の絶頂を味わう。ビクンビクンと射精に合わせて身を跳ね上げ、潮を噴きながらその快楽を味わっていく。

 

「ぅぁ……ぁ…あ…!」

 

そこには最早…初心だった王女の姿はなく…ただただ快楽に身を委ねたオンナとしてのリリィがいた。

性交の快を知り…その身を委ねた、ただのリリィが。

そんな彼女を男は愛おしげに抱き締める。

 

「リリィ…と言うのか。お前の名は…。そういえば初めて…聞いたな…。」

 

「…そう…でしたね…。」

 

息を整える中で、そう言えば互いの名を知らぬ仲だったことに気付いた。精液を求める際に自身の名を呼んだ事が切っ掛けとなり、それに気付いたのだ。

 

「…良い名だ。」

 

「…ありがとう…ございます…。」

 

今までなら嫌悪していたであろう彼の言葉。だが今のリリィは素直に礼を言える。少しずつ…彼に心を開いているようだった。

 

「お前の名を知ったのなら…私も名乗るのが筋と言うものだろう。

 

私は…アーク。…このダーク・キャッスル…いや、元光の城の王子だった者だ。」

 

そう答える彼の顔は、何処か物悲しげに笑っていた。




黒の貴公子の名前については、ラスボス時の名前であるアーク・デーモンから取りました。…良い名前が浮かばなかっただけです。


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『少女の陽光』

夜のテンション、パネェっす


ギシギシと、一定のリズムで木の軋む音が部屋に響き渡る。

それに伴い、粘りのある液体が絡む音と、少女の嬌声が木霊する。

 

「ぁ……ぉく……ぃぃ…っ…!」

 

アークに跨がり腰をグラインドさせて、逸物から得られる快感を貪るリリィ。

堕ちた彼女は、唯ひたすらに快楽を得ようと腰を上下させていた。

自分の匙加減で、ペニスのカリを自身の膣にあるツボにこすりつけ、唯々淫らに乱れている。金糸のような髪を振り乱して、その快感に身を委ねていた。

 

「ふっ……吹っ切れて…随分淫らになったものだ。」

 

「ぁん……い、言わないで…ください……はぁっ!」

 

赤面しながらより一層深くペニスを膣にくわえ込む。

だがその顔に拒絶はなく、ただ羞恥と快感に染まっているだけ。

貧相な身体付きながら、アークにとって彼女の裸体はそれはそれは妖艶だった。

膨らみが少ないながらも、興奮の証にピンと起った桃色の乳首。

年相応にくびれた腰回り。

ぷっくりと張りのある唇。

吸い込まれそうな紫色の瞳。

細く、そして流れるかのように腰まで伸びた金髪。

それら全てが、性交によって浮き出て光る汗と相まって、一種の芸術にも見えた。

そんな彼女が一心不乱に自身の逸物を股に咥え込んでいる。その事実が堪らなく絶頂への後押しへとなっていく。

 

「出す…ぞ…リリィ…!」

 

「は…ぃ…!いっぱい…いっぱい……ください…アークさん…っ!!」

 

上下するリリィの腰を掴むと、優しく絡み付く肉ヒダに包まれながら一気に奥へ突き入れ、子種を勢いよく子宮内へと撃ち放つ。

子宮を刺激され、アークの射精に反応するかのようにリリィも絶頂を迎え、声を抑えながら身体をビクビク震わせてその快感を噛み締める。

 

「っ…!んんん~…!!」

 

絶頂と共に、自身の中を満たされる充足感は何物にも代え難く、リリィはアークに跨がったままその余韻に浸る。

 

「ふぅ……今日も…よかったぞ、リリィ。」

 

そっと胸元に抱き寄せられ、優しく頭を撫でられる。彼を満足させることが出来た幸福感が胸に満ち溢れ、リリィは身を委ねて撫でられるがままだ。

こんな私でも、人を…一人の男の人を悦ばせられる。それがリリィにとって喜ばしいことだった。

 

「んゅ……。」

 

頭への愛撫が心地よいのか目を細めて、彼に撫でられるがままに身を委ねる。

セックスの気持ちよさを認めて以来、幾度となく身体を重ねたリリィは、少しずつアークに甘えるようになっていた。

周囲に彼くらいの男性がいなかったことや、まぐわいの際に優しくしてくれるのもあるのだろう。まるで氷が溶けるように、少しずつ、少しずつ寄り添うようになっていた。

 

(私も…王子としての生を全うできていたら…このような許嫁もいたであろうか…。)

 

胸元に擦り寄るリリィの髪を愛おしげに梳きながら、物憂げに想像する。

たった1つの予言…アークが、光の王国を滅ぼすという神託が下ってから、彼は幽閉され続けた。物心ついたときまで、太陽の光は愚か、門番以外の人間すら知り得なかった。母親ですら会うこともなく、愛されず、ただただ孤独な軟禁生活。どれだけ渇望したとしても、どれだけ恨んでも、何も得られず、唯々レンガ造りで光のない部屋が彼の全て。

心は荒み、涙はとうに枯れた彼に、魔族が手を差し伸べる。

それが、彼に初めて差し伸べられた救い。

魔族から得た闇の力で、彼は復讐と言わんばかりに光の王国を滅ぼし、光の城をダークキャッスルへと変貌させた。皮肉にも、予言を恐れて彼を幽閉したことで、自らの国を滅ぼしてしまうと言う結果になった。

だが…自身の国を滅ぼした事で、彼の心に大きな空虚が生まれる。

積年の恨みは、彼の中で大きな原動力となっていたのだ。復讐を果たしたことで原動力を失い、唯々無為に日々を過ごす。

だからこそ願った。

1つの…たった1つの願い。それは、過去への回帰。虚しい復讐など思わない、そんな生を得たいと願う。

だから彼は求める。マナの剣を。

森羅万象悉くを意のままに出来るという彼の剣なら或いは…。

そう考えて、配下の美獣と、邪眼の伯爵に暗躍させている。

その矢先に、美獣はナバールを操ってローラントを滅ぼした。

国を滅ぼす。

それはアークにとってのトラウマとも言える。

だからこそ、せめてもの弔いにと訪れた矢先にリリィを見つけた。

燃えさかる城の中で、今にも朽ち果てそうな彼女を、何の気まぐれか連れて帰り、そして治療した。

そして…抱いた。

始めは唯の憂さ晴らしに近かった。嫌がる彼女を屈服させ、悦に浸っていた。

だが彼女と身体を重ねる度、何処か温かな物を感じていた。それが何なのかはわからない。ただリリィと言う少女を悦ばせたい、もっと抱きたいと言う思いが日に日に募っていた。

図らずも彼は、彼女を愛おしく思い始めていたのだ。それを自覚しないままに…。

 

「アークさん…?」

 

自身を呼ぶ声にトリップから意識を戻せば、自身の胸の上で見上げてくるリリィの顔。その表情はすこし不安が交じっており、声にも影を落としていた。

 

「どうか…したんですか…?」

 

「いや…何でも無い…。心配は無用だよ。」

 

「んっ……!」

 

どうして…純潔を奪った自身を心配などするのか。リリィという少女の考えが解らない。だが、自身を案じてくれる彼女に鼓動が早まり、思わず唇を重ねた。突然のことにリリィも驚いてはいたが、すぐに彼の唇を受け入れ、目を閉じて優しく、優しくついばむようにキスを重ねる。

唇から伝わる柔らかな感触は、アークの剛直を再び再起させる。

 

「ぁ…また……!」

 

膣を押し広げられる感覚に身悶えし、ビクリと身体を震わせるリリィ。未だ乾きを知らない膣内は、アークの逸物を再び優しく包み込んでいく。

再び臨戦態勢となったペニスにリリィは、まるでそうするのが当然の如く再び腰を上下する。

もはやつい最近まで処女であったことを忘れさせるほどに、その動きはごく自然のものだった。

 

「ん……!ふぅ…っ!アークさん…わたしの……膣内(ナカ)…そんなに…ぁぅ…イイ…ですか…?」

 

「当然だ…もはや私は病みつきだよ。」

 

「ふふ……っ…アークさんも…私のこと、言えないですね……?」

 

「これは一本取られたか…。」

 

互いに笑い合いながら、互いの身体を求め合い、そして快楽に身を委ねていく。水音はより大きく鮮明に、ベッドの軋む音もそれに伴い、2人のまぐわいは、延々と続いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「…邪眼の伯爵か。」

 

「はっ…!」

 

幾度となく身体を重ね、体力の限界で眠りについたリリィ。その寝顔を眺めながら余韻に浸るアークの元に、明らかに人ではない男が尋ねてくる。その容姿は、一言で言うなら吸血鬼(ヴァンパイア)の様だった。紺のマントに青白い肌。キツく釣り上がったその目は紅い。部屋に入るや否や傅いた邪眼の伯爵は、近況の報告を行うためにやって来たのだ。

 

「例の…黒の貴公子様の新たな身体の依り代…その条件に相応しい童を見つけました故、その報告を。」

 

「…ほう?」

 

「先日滅ぼしたローラント…その王子をナバールの忍者共が奴隷商に売り渡していたのを発見いたしました。念の為として購入し、牢に閉じ込めておりますが、如何致しましょう?」

 

「ローラントの王子…?」

 

奇妙な縁もあるものだ。

連れ帰った王女の弟である王子が、自身の新たな肉体の依り代になろうとは。

だが…リリィとその王子を引き合わせれば、さぞ喜ぶに違いないだろう。依り代に使うか否かは、追々考えていけば良い。

そう決めたアークは、伯爵に指示を飛ばす。

 

「後ほど私がその王子に会いに行く。その時に案内を頼む。」

 

「御意。」

 

そう言うと伯爵は、まるで霧のように霧散してその場からかき消えた。

 

少しずつ、少しずつ物語は原典の筋書に沿って進んでいく。

だが、一人の、たった一人の少女が、その行く末を変えようなどと、この世界の誰もが…マナの女神ですら知り得なかった。



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『再会の弟』

コツコツと、レンガ造りの廊下を前を歩く男にアークと共について行く。

暗い城を燭台の光と、窓から差し込む月の光だけが照らしているため、先の見えない恐怖があるが、隣を歩くアークが手を握っているため、リリィには不思議と安心できた。

彼女があの離れ以外をこうして歩くのは初めてだ。と言うのも、あそこに食事は運ばれてきていたし、お風呂もトイレも別室に完備。着替えもいつの間にやら用意されており、正にVIP対応に相応しい扱いだった。

そんな生活がしばらく続いた中、アークが『見せたいものがある。』と言って彼女を連れ出したのがそもそもの始まり。彼の方からよもや連れ出してくれるとは思わなかったリリィは少し驚きながらも、彼が見せたがる物は何なのかが気になり、彼の要請に応じてこうして城の中を進んでいる。

 

「こちらにございます。」

 

痩せ気味の男…邪眼の伯爵の案内で、暗い階段を降りに降りて辿り着いたのは、巨大な鉄格子が部屋を仕切るフロア…所謂地下牢だった。じめついた空気と、気が滅入りそうになるほどに暗いそこは、長居したくない所だ。こんな所に連れてきてまで彼は何を見せたいのか、リリィは皆目見当がつかなかった。

困惑するリリィを余所に、邪眼の伯爵は手に持った鍵束で鉄格子の鍵を解くと、独特の甲高い摩擦音と共にその扉を開く。

 

「どうぞ。」

 

「えと…アーク、さん?」

 

「中へ入ってみるといい。そこに私の言う見せたいものがあるのだから。」

 

躊躇うリリィに、彼はそっと背を押す。

彼女が戸惑うのも無理はない。何せ、いきなり牢獄に入るように言われれば誰だって戸惑う。

だが、彼を信じる。牢に閉じ込めるのではないことが目的なのだと。

意を決して牢の扉を潜ると、その鬱蒼とした空気は一層鮮明になる。暗い影の刺したその牢の奥で何かがゴソリと動く。

正体が暗闇でわからない為、少しビクリと身体を震わせるが、固唾を飲み込んで意を決し、少しずつ、少しずつ歩み寄っていく。

 

「リリィ…姉様…?」

 

か細い声だった。

そして、少し枯れた声。

しかし多少変われど、毎日のように聞いていたこの声は聞き間違いようがない。

自身をリリィ姉様と呼ぶ人物は、この世で唯一人しか居ない。

 

「エリ…オット…?」

 

「姉様……リリィ姉様…!」

 

暗闇から姿を見せたのは、普段の整った装いとはかけ離れて所々薄汚れており、整った金の髪も今は見る影もなくボサボサで見る影もない。だが、紛れもなく彼女が愛する弟であるエリオットに違いなかった。

ヨロヨロと駆け寄ってくるエリオットを、リリィはドレスが汚れることも気にせずに優しく抱き留める。

あれから何が彼の身に起こったのだろうか?彼のこの身成を見るに、良い扱いでは無かったようだ。

だが今は何も聞かない。唯々、彼の涙を受け止め、そして慰める。それが彼女が一番だと思ったから。

 

 

 

 

 

 

 

 

「落ち着いた?」

 

「…はい。すみません姉様…折角のドレスを…。」

 

「構わないわ。貴方に比べたらこれくらい…。」

 

リリィが乱れた髪を優しく撫でると、照れ臭いのか俯いてしまった。

 

「でもどうしてエリオットが…?ローラントが焼け落ちて何があったの?」

 

「それは…。」

 

余程辛い経験だったのか少し口ごもるが、ややあって意を決したのかポツリポツリと話し始めた。

あの日、旅芸人に扮したナバールの忍者の母親に会えるという口車に乗せられて、城の守護を担っていた風の装置を止めてしまい、ローラントが滅びる片棒を担いでしまったこと。

そして逃げ遅れたことでナバールの忍者に捕まり、奴隷商人に売り払われて、商品として商業都市バイゼルのブラックマーケットで販売されたこと。

そして邪眼の伯爵に買われて、ここに連れてこられたこと。

自身の不甲斐なさを悔いてか、途中から止め処なく涙を流しながら語ってくれた彼の経緯は、10にも満たない歳の子供が経験して良いはずもない過酷な物だった。ナバールの忍者に拐かされた件についても、いくら姉2人が甲斐甲斐しく面倒を見ていたとは言え、やはり母親という存在と、そこから得られる愛情は何物にも代え難い。幼い少年が、亡き母に会いたいと願うことを誰が責められようか。

 

「ごめんなさい…姉様……僕、僕……。」

 

「いいの、エリオット。こうして貴方と生きてまた会えたことが大切なの。…生きててくれて…ありがとう。」

 

再び泣き出した弟を再び抱き締めて、優しく、優しく頭を撫でる。

エリオットが生きていてくれた。きっとリースも生きている。そんな希望が、リリィの中で芽生えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ね、姉様!じ、自分で洗えます!」

 

「だーめ!スゴく汚れてたんだから、しっかり洗わないと!」

 

手に着けた石けんで、乱れて汚れたエリオットの頭をわしゃわしゃと洗っていく。彼は小っ恥ずかしいのか、顔を真っ赤にして抵抗しているが、無駄な抵抗である。

あれから、エリオットが落ち着いた所を見計らって、リリィはアークにお風呂を貸して欲しいと頼んだ。彼は二つ返事で了承し、こうして自身が過ごす離れのお風呂で身体を綺麗に洗っているのだ。正直、汚れと共に匂いも結構アレだったので、リリィは我慢できなかった。

一頻りエリオットの頭と身体を洗い終えたリリィは、彼を伴って湯船に身を沈める。程よい湯の温度に蕩けそうになりながら、エリオットの身体を背中から抱き締める。

こうして家族と再会できたこと。その実感が欲しかった。

 

「そういえば姉様。」

 

「ん?」

 

「姉様はどうしてこの城に?」

 

「私は…アークさんに助けて貰ったの。」

 

そこからリリィは順を追って説明する。

焼けるローラント城から逃げ遅れた自身を、アークが助けてこの城に運んでくれたこと。

帰る場所のない自分をここに居させてくれたことを。

流石に身体を重ねたことは省いたが。

 

「あの焼けた城で私は助けられて、エリオットやリースお姉様も死んじゃったと思ってた。でもこうして貴方が生きていてくれて、この上なく嬉しかった。」

 

「僕も…姉様達と離れて、僕がどれだけ愛されていたかを思い知りました。それなのに…」

 

「その話はお終いにしましょう?反省するのは良いけど、いつまでも悔やんでいては何も変わらないわ。」

 

「でも…。」

 

「どうやってローラントを復興させるか、それが大事なの。自身の招いた失敗は、枷ではなく、糧にしないとダメよ?」

 

「…はい。」

 

どうにもこの弟は落ち込みやすい傾向にあるようだ。

これはしばらくケアが必要だと、リリィは改めて認識させられたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「眠ったのか?」

 

リリィが宛がわれたベッドでエリオットを寝かしつけていると、見計らったようにアークが入ってきた。大人三人がゆうに横になれるサイズのベッドで、エリオットと、小柄なリリィが2人並んで横になることは容易な物だった。

部屋にある大きなソファに座りながら、アークは2人の様子を見守る。

 

「えぇ…少しグズってましたけど、ようやく。」

 

「そうか…。」

 

「アークさん…ありがとうございます。家族と再会させてくれて…。」

 

「…気にするな。これが私なりのお前達家族への贖罪だ。」

 

よもや自身の部下の命令でこのような事態になるとは予想だにしなかったアーク。リリィ達への罪の意識から、彼なりに償おうと考えてこうして家族との再会を催したのだ。

 

「でも…私は嬉しかった…。それには変わりありません。」

 

「そうか。…ならば感謝の言葉は受け取っておこう。」

 

こうでもしなければ、彼女は引き下がらない。そんな予感がしたアークは、ここは自分が折れることを選んだ。それに満足したのか、リリィは静かに微笑む。

おもむろに彼女は立ち上がると、ソファに移る。アークに寄り添うように。

 

「…良いのか?離れても。」

 

「大丈夫です。よく…寝ていますので。」

 

「そう、か。」

 

何となく、何となくリリィの肩に手を伸ばし、そっと自身の方へ抱き寄せる。

それに彼女は何の抵抗もなく、唯々アークにされるがままだ。

 

「………。」

 

見下ろせば、ジッと自身を見つめる紫色の双眼。窓から差し込む月明かりに照らされ、彼女の金髪も相俟って、この世の物と思えぬほどに神秘的だった。

ゴクリと固唾を呑む自身を見つめるその目がそっと閉じられる。そのまま微動だにしない。彼女の思いを察したアークは、その唇に、そっと自身のそれを重ねる。

 

「ん……んっ…!」

 

ついばむ音が、部屋に木霊する。唇を重ねた瞬間、待ち望んでいたかのようにビクリと身体を震わせた彼女は、リードをアークに預けて、唯々受け身でキスを受け入れる。こうして見ると、未だ生娘に見えなくもないのが不思議だった。

 

「ん……れる…ちゅ…っ…。」

 

舌を差し込めば、彼女の方から舌を絡め、そして腔内を舐め合う。受け身に回っていた彼女に、スイッチが入ったようだ。そんな彼女の舌技に、思わず快感を覚えたアークは、せめてもの抵抗と言わんばかりにドレスの上から彼女の乳房をそっと撫でる。

 

「ん…っん!」

 

舌と胸を刺激されて堪らないのか、ビクビクと身体を震えさせる。それがまたそそられて、舌を絡めながらの胸の愛撫を続ける。

 

「んっ!ぷぁ…っ!れる…っ。」

 

どうやら乳首にドレスの生地が擦れたようで、一層大きく身体を震わせる。しかしアークの舌に吸い付くことを止めず、まるで赤子がミルクを求めるようにひたすら舌を絡めて吸い上げていく。

 

「ぷは……全く…加減を知らんのか…。」

 

「ぁ……ご、ごめんなさい…。」

 

「…まぁ、強くと求められるのも悪くはないがな。そんなにキスが良かったのか?」

 

「…ぅ……は、はぃ……。」

 

キスが、と言うよりも舌を絡めると言うのが良いのだろう。初めてディープキスをしたときも、身体の力が抜け、股を濡らすほどに感じていたのだから。

 

「仕方ないな。…ほら。」

 

「わ…っ!ひゃ…!」

 

リリィは軽く持ち上げられたかと思えば、アークと対面になって太股に跨がるように座らされる。

 

「こうすれば…しやすかろう?」

 

「ぁ……ん…んむぅ…!」

 

次は真正面から抱き締められてのキス。

服越しに互いの心臓の鼓動が伝わってくる。

自身だけではなく、相手も鼓動を早くして興奮している。

それをより感じることで、2人のキスはより激しく舌を絡め合う。

 

(だめ……キス………きもちいぃ…)

 

腔内を嘗め回されるという感覚が、脳を蕩けさせるような感覚を与えてくる。うっとりと、快楽の赴くままに、リリィはアークの唇を、舌を、必死についばんでいく。

そんな中…

 

(ん……?)

 

ふと、下腹部に何かが当たる感覚を覚える。

固くて…長い何か…。

リリィは気になってそれにそっと手を伸ばし、触れてみる。

 

「むっ……。」

 

ピクリと、アークの身体が震えた。

もしかしなくてもこれは…。

 

「えと……アークさんの…おっきく…なっちゃいました…?」

 

「仕方なかろう…?かく言うお前も、もう濡れているんじゃないのか?」

 

「そ、それは……!あっ!触っちゃ……はぅ…っ!」

 

案の定、ショーツに手を伸ばせば、リリィも人のことを言えないくらいに洪水状態だった。

既に互いに、身体を重ねる準備は万端である。

 

「…欲しいか?」

 

「………っ。」

 

顔を赤らめて視線を逸らす。

だが拒否の言葉がない以上、欲していると言うことだろう。

だがこのような表情を見せられては、少し意地悪をしてみたくなると言うもの。

 

「どうした?…欲しいと言わなければ、挿入()れてやらんぞ?」

 

「ぅ……うぅ~…」

 

そしてまるで焦らすかのようにショーツ越しに、反り勃った逸物を擦り付けてくる。リリィからしてみればこれも気持ちの良いものだが、奥を突かれる気持ち良さを知った以上、何処かもどかしく、そして物足りなさがある。

だが欲しいと、唯一言がどことなく恥ずかしく、中々口に出せないのが現状。

2つの思いが鬩ぎ合い、そして悩む間にも擦り付けは続き、イケない気持ちよさが蓄積されていく。

 

「なかなか…頑固だな。」

 

かく言うアークも我慢していた。

早くリリィの膣内に挿入したい。一刻も早く、彼女の中で果てたい。

だが焦らしに焦らして、その上で彼女の口から求めさせたいという彼の趣向が、挿入を我慢させていた。

 

そんな互いにとっての生殺し状態が数分間続いた。

 

度重なる互いの性器の摩擦により、接触部はそれはもうとんでもないことになっていた。

止め処なく溢れる愛液と先走りにより、ズボンとショーツはぐしょぐしょに濡れており、ぬちゃぬちゃと言う音がより鮮明に響いている。

互いに我慢し続けた結果である。

挿入()れたい。

挿入()れられたい。

2人の思いは同じはずなのに。

 

((もう……

 

 

我慢できない…!))

 

奇しくも、2人の我慢の限界は同時だった。

示し合わせたかのようにアークは逸物をズボンから解放し、

リリィはショーツのクロッチ部を横にずらす。互いの性器が自ら分泌したぬめりによりテラテラと光る中で、

アークは逸物に手を添えて固定し、

リリィはそれに向かってゆっくりと腰を落とした。

 

「くぅぅっ!!」

 

「あぁぁっ!!」

 

待ち望んだ感覚が、そこにはあった。

突き抜けるような快感が迸り、一突きで二人は達してしまう。

我慢に我慢を重ねて、その果ての強い快感は、2人を絶頂させるには充分な物だった。

 

「く……全く、相変わらず…気持ち良すぎる…。」

 

「ぁ…ありがとう…ございます…。私も……きもちぃぃです…。」

 

「だが…一回では満足しきれないだろう?」

 

「ふぇ……?ぁぅっ!?」

 

膝裏に手を回されていきなり身体を持ち上げられたかと思えば、一気に奥まで突き入れられる。子宮口を突かれ、リリィは思わず身体を仰け反らせてしまう。自身の体重が掛かっている分、普段の勢いよりも強く突き上げられたことで、一層強い快感が駆け巡ってきた。ズプズプと身体を上下させられ、いつも以上にヨガるリリィに、アークは大きな興奮を覚える。

 

「アー…クさん…!ちょ…と……激し…ひゃぅ!?」

 

がっつきすぎと言わんばかりに抗議が来た。

だが我慢していた分と、普段よりも強い快感でそれどころではない。アークの理性はぶっ飛んでいた。

 

「やん!ぅあっ…はっ…!んん…っ!」

 

突き上げる度に甘い声で喘いでくる。それが更にアークの突き上げを加速させていく。

激しい抽送で結合部からは愛液と共に、最初に出された精液が掻き出され、更に時折吹き出す潮により、アークのズボンはエラいことになっていた。

だがそんなことはお構いなしと言わんばかりに快楽を貪り、子宮口を突き上げてリリィを喘がせていく。

 

「あっ!あっ!あぁっ!」

 

イキっぱなしなのか、しきりに膣が締まり、アークの射精感を高めていく。それに伴い、陰茎は更に大きく肥大し、膣が押し広げられたことで、リリィに与える刺激は尚も強くなる。

膣全体を前後することで満遍なく擦られ、極上の快楽を彼女に与え続けていた。

 

「くっ…そろそろ…出すぞ…!」

 

「はっ!あっ!あぁっ!ぅあぁっ!」

 

もはや耳に届かない。

イキ続けているリリィは、膣からの電気信号に翻弄され、それを脳内で処理するのに一杯一杯。

そんな彼女に構うことなく、アークは精を放つべく思い切りペニスを今日一番と言わんばかりに突き入れる。

 

そして…

 

 

「あ…あぁぁあぁぁぁあっ!!」

 

今日二発目となる濃厚な精子が子宮口を通して子宮内部にドクドクと流し込まれる。

熱く、そして幸せなその感覚を、リリィはぷるぷると身悶えして受け入れる。

子供が出来るかも知れないのに、

いけないことなのに、

それでも幸せだから止められなかった。

その背徳感が、リリィをよりセックスへと填まらせていた。

 

「はぅ……また…いっぱい…。」

 

イキ止んで、ドロリとした精液が流し込まれたお腹を、ウットリとさする。

セックスによる快楽で幸せ。

そしてリリィにとっては、アークが激しく自身を求めてくれる事が何よりも嬉しかった。

女性としての魅力が足りないことに、リリィはコンプレックスを抱いていた。

胸の成長が乏しいうえに、くびれも少ない。

だがそんな自身を女性として激しく求めてくれたこと。それが何よりも。

 

「アーク…さん…。」

 

「ん…?むっ…!」

 

「ちゅ……ん……んぅ…!」

 

こちらから唇に吸いつき、そして貪る。

少なくとも…少なくとも今は、

彼に女として必要とされていたい。

リリィの中で彼は、大きな存在となりつつあった。



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