自由気ままなおっさん提督 (金糸雀かしら)
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おっさんの下準備
0話 おっさん、英雄泊地に着く


初めまして、金糸雀かしらです。
基本観る側でしたがどうしても書いてみたくなり思い切っての投稿です
SSも小説も一度も書いたことがないので拙い部分が多々あると思いますが、これをきっかけに物書きが新たな趣味となるよう頑張っていきます。

こう表現した方がよいのでは?等々あれば是非ご指摘下さい
学んで成長の糧としたいです

不遇な目に合う艦娘が出てきますが基本的に全ての艦娘大好きです、読者様の嫁艦だった場合ご容赦ください

では折れずに始めたいと思います



時刻は1200 見た目重苦しい軍用車が泊地正門前に着き、勢いよくドアが開く

 

 

「新天地到着ッ!」

 

 

セリフとともに勢いよく車から降り、顔の前で左手のひらを自分に向け指を大きく開く白軍服の男

 

決まった...

 

入口にはこちらに敬礼姿勢のまま門への道に両脇で整列する憲兵達と男の真正面に同じく敬礼姿勢のまま立つ憲兵1名

 

 

「あ、楽にしちゃっていーよ。」

 

 

気の抜けたセリフと共に憲兵達が後ろ手を組み休めの姿勢を取る

 

 

「又吉准将、宿毛湾泊地へようこそ。」

 

 

正面の憲兵が男に向かって言う。

男の白軍服の肩の階級章は桜の花びらと思われるものが一つ、特殊階級「准将」

身長は180真ん中くらい、パッと見細めだが首が太く見た目とは裏腹になんとなくプレッシャー的な厚みがある

 

「なぁー香取。俺様の出迎えに艦娘の姿が見えないんだけどー。」

 

右手をおでこにかざしながらわざとらしく大きく左右を見渡す

ゆるい感じでしゃべるが俗にいうイケボ。月○蝶である!の人にそくっり....

 

「悪魔と称される人の着任なんて認めたくないんじゃないですか?ですが、一応規律上よろしくないので少々お仕置きが必要ですね。」

そんな言葉をほほえみと共に車から降りる美女。

「練習巡洋艦 香取」と言われる艦娘。主に提督学校の教師や艦隊内での教導役に就くことが多く、アップに纏めたくすんだ銀髪におっとりとした表情の優しいメガネお姉さん的な印象がデフォ

 

だがこの香取は少々違う、憲兵達も又吉が香取と言わなければ新艦娘と思っていただろう。

トレードマークの教鞭はどう見ても馬のムチで鈍く光るそれは使い込まれた感満載

メガネもなんか横長だしネクタイも緩く下げシャツのボタンもいくつか外してあるので、胸部装甲の大きさゆえに例の谷間があらわになっている。

 

門への道を整列して作っている長身の肥満体形の憲兵がボソッと漏らす

 

「副会長...」

 

瞬間、いつの間にか目の前の現れた香取が肥満憲兵の左頬にムチの先端を軽く添え

「提督は楽にしていいと言ったが、いつ喋って良いと言った?」

トントンと頬にムチの先端を弾ませながら満面の笑みで凄む

 

「も、申し訳ございません!」

 

肥満憲兵は敬礼の姿勢を作りわずかに震えながら答えるも頬が僅かに桜色を帯びる

「貴様、名前はなんだ?」と問う香取に対して

 

「安藤軍曹であります!」

勢いよく発言したと同時に痛みを伴うムチが入る

 

「とりあえずこれで許してあげましょう、以後失礼の無いように学びなさい。」

 

頬に熱を感じながら、くるりと踵を返し又吉へと歩みを進める香取の後姿を見て

安藤の安藤は元気いっぱいになっていた...。

 

 

「まぁ、しゃーないな...とりあえず中に入るか。憲兵さん達お疲れー。」

 

 

又吉は帽子を取り頭を指でポリポリと掻きながら、憲兵達を解散させ正門へ向かう

香取と歩き始めると車の中から白軍服の小人が右肩に乗る

 

「お、みっちゃんはここの妖精さん達のとこへ向かって話してきて。これおやつ。」

ポッケからソフトボール大の袋を取り出し小人へ渡す

受け取った小人はビシッと敬礼を決めフワフワと建物の方へ飛んでいく

 

「じゃ、俺等も行きますかね。」

横にいる香取に声をかけると、香取はこちらを見上げ優しい笑みを浮かべながら

 

「私が先に行って挨拶(指導)してきますので、提督は適当に泊地内を散歩していてください。準備でき次第館内放送で呼びますので。」

そう言うと、右手に持ったムチで左手の手のひらをピシッと鳴らしてスタスタと正面の建物へと軽快に歩いていく。

 

 

あ、これめっちゃ怒ってるやつだ...。

 

 

「ほどほどにな~。」

とゆるく声をかけると、香取は前を見たまま左手を上げひらひらとさせて応える

 

「じゃ、お言葉に甘えてフラフラしますか。」

 

時刻は1220。又吉は香取の向かった方角とは別の方向へと歩き出す。

 

 

 

 

 




登場人物補足

十三提督 少将(最終階級 大将)享年31歳

雅を体現したような人物
護国の英雄と呼ばれ1年半前のリコリス凄姫、中枢凄姫戦で見事討ち取るも秘書官の大和と共に散る
大和以外の轟沈なし、基本戦術を徹底的に極めた戦い方
淡々と次々に海域を開放する様は優雅(エレガント)の一言に尽きる

又吉かずお 准将 39歳

自由気まま。民間上がり
ラバウル立ち上げ初っ端から激戦を強いられ、勝たねば死という状況がデフォだったため
使えるものは何でも使う。足りないものは自分たちで作る。奇抜な運用をする

練習巡洋艦 香取

まぁ、あれな感じ

安藤軍曹

・・・・。また出番作りたいところ


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0.5話 おっさん未だ着任できず

自衛隊壊滅→日本国軍設立
階級は基本旧陸軍基準でオリジナル設定として簡素化しています。
艦娘にも階級があり基本頭に「特務」が付き顕現したてで特務准尉スタート
そこまで重要な要素ではないのですがちょいちょい階級絡みの会話あるので念のため


一人正門付近に残された又吉、とりあえず散歩スタート


荷物は憲兵達が運んでくれるらしい、まぁ自室どこか俺には分かんないしね...

 

正面に両脇がこちらに突き出たコの字型の大きな建物。おそらくこれが本館でこちらから見て左側の建物から通路が伸びていてその先にかまぼこ型の建物。いかにも物資が入っていそうな感じ、工廠とかだろうな。

自分の左方向には大きな四角い建物。ドスンドスンと響く音と何かしらの掛け声が聞こえる。修練場かな?

右手を見ると海が見える海の手前には円柱上の太く高い塔、観測所ね。横に風力発電用の風車が何個かある。ここからみて本館右側からまた通路が伸びていて海に半分覆いかぶさるように大きな建物が建っている。ドックだな!よしあそこに行こう。

 

ドックまでの道も両脇に大きな木が並んでいて、道とかも小奇麗だ。きっちり管理が行き届いている印象。提督不在でも意外と上手くやれてるっぽいなぁ。

 

建物に入り中を見渡す、ここも綺麗だ。あちこち物色していると、水面から何かが上がる音と話し声が聞こえる。「ふぅ~、今回も疲れたでち...。」

 

話し声の方向へ体を向け歩み寄る。スク水艦娘が次々と上がってくる。

ピンクのアホ毛がこちらに気づき「誰でち!」と叫びその他の面々もこちらに顔を向ける。その中のでち語尾よりも濃いピンク髪の艦娘が肩の桜に気付き、ピシッと姿勢を整え敬礼しながら

 

 

「失礼しました!伊号潜水艦、伊168です!イムヤとお呼びいただけると助かります、准将閣下」

 

 

と発言すると、その発言を聞いたピンクアホ毛その他一同イムヤの横に整列して敬礼の姿勢を取る

 

「あー、挨拶は今はいいよ。遠征だったのかな?お疲れちゃん。」

また緩い物言い、でもイケボ。その声に金髪赤メガネの艦娘が反応する

 

 

「かずおさん?」

「お前、ハチか?あのハチか?」

 

 

又吉は金髪の前に立ち覗き込むように問う、金髪は無言で両手を腰に当てそのたわわに実るアレを突き出す。

 

 

「良い!良いぞ!!」「あっ///久しぶりの感覚...///」

両手で金髪の胸を揉みしだく又吉、艶っぽい声を出すハチ。そして...

 

 

「何やってるでちか!!」

 

 

アホ毛ピンクの手刀が又吉の右腕を打つ、又吉は当たる瞬間に腕をしならせ打撃の分散を試みるも久しぶりの感触を全力で堪能していたために反応が遅れ僅かに失敗する

スク水という艤装を付けた艦娘の一撃!

 

 

「いってえええええぇぇぇ!」

右腕を抑え、無様にも床にのたうち回る又吉。虫歯を放置した時の様な抑えたところでどうすることもできない痛み。とにかく叫び体をばたつかせ気を紛らす。

 

「ゴーヤ!これは挨拶みたいなものなのよ。あぁ、でも守ってくれてありがとうと言うところでもあるんだけど、これは平気というか、あのその...。」

ハチは又吉に駆け寄り手刀の使い手に謝辞や誤解を説こうと話すもまとまらず、あわあわと混乱している中でもんどり打ってる男の発言が変わる

 

 

「ここで折れたら...ここで折れてしまったら...っ」

手刀を放ったゴーヤも他の艦娘達も注目する

 

 

「おっ○いが両手で揉めないじゃないかあぁぁぁぁxxx!」(イケボ)

 

 

そう叫ぶと同時に右腕を抑えながら立ち上がった又吉、脂汗ダラダラで目の焦点もどことなく合っていない。軋む体に活を入れてゴーヤの前に立つ。

 

「ごめんなさいでち、ごめんなさいでち。はっちゃんを守らなきゃと思って...でもごめんなさいでち、どうしたらいいでち...」

 

絶賛混乱中

 

「そこに直れ!」「は、はいでち!」

 

気を付けの姿勢を取るゴーヤ、次の瞬間。.........ふにっ

 

 

「これもまた良いぞぉぉぉ!」「うえっ??」

 

 

叫びながら両手でゴーヤの胸を揉みしだく又吉、ゴーヤは一瞬気の抜けた声をあげるも我にかえり体をひねr「気を付けえぇぇぇ!」号令によって体が硬直してされるがままとなり

 

 

「来たぞ、来たぞ、来たぞぉぉ!(イケボ)」「あふっ...///」

 

 

ゴーヤの体から戦意高揚時に見られるキラキラのピンク色Ver粒子が現れ、又吉の体を包み込む。又吉はゴーヤの胸から手を放し目を閉じ、自身を包むピンク色の粒子を肌に感じ取り

 

「Hi-○ro粒子充填完了」

 

囁くように発言、そして粒子が右腕に集まるイメージを頭の中に描く。粒子は又吉のイメージ通りに動く、ハチ達もその動きを真剣に見つめる。ゴーヤはちょっと横たわって明後日の方向を向き艶めかしい顔をしている。

ピンク色の粒子は右腕に吸い込まれ、やがて光が無くなりいつもの風景になる。

 

「よし、治療完了だ。」

 

右手をグーパーしながら動きを確認しつつ話す又吉。イムヤが今のは一体何なのでしょうか?と言いたげに首をかしげると又吉が

「これは香取たちにぶん殴られて結構重い怪我したときに使うんだが、月に2度しか使えないんだ。色々と手順があるんだがその話は今はいっか。騒がせて悪かったな、ハチまた後でなー!」

 

勝手に語り始めて語り終わって、右手をシュタっとかざしドックから出ていく又吉を呆然と眺める潜水艦一同と未だ横たわりとろけ顔のゴーヤ。

コホン!と軽く咳ばらいをしたハチが皆を見渡す。

 

「では、一から説明しますね。」

 

潜水艦の明日はどっちだ!

 

 

工廠を入ってきた扉と対面に位置する扉から出た又吉。右手を海、ドックを背に歩いていると前方にある堤防の先端に腰を下ろしている艦娘を発見。

特に気配を消すでもなくその艦娘に歩み寄り「失礼」と声かけして返事を待たずに左隣に腰を下ろす。

声をかけられた艦娘は又吉に顔を向けることもなくただ前方の水平線を眺めている。

褐色の肌に白髪でところどころ跳ねた髪型、メガネをかけていて体躯は又吉とほぼ同格。日本が誇った大和型2番艦「戦艦武蔵」

 

 

「やぁ、ラバウルの悪魔のご到着だよ。」

 

 

おちゃらけてない、静かな語り口で武蔵同様に水平線を見ながら話す又吉。

武蔵が顔を又吉に向けるが表情から興味の無さが伺える。

 

「君に預けられた大和からの伝言を受け取りに来たよ。」

 

又吉の話に対し、武蔵はふーっとひとつため息をつき

「なに、大した伝言ではないのだが、大和は..<又吉准将、準備が整いましたので至急執務室へお越しください。各員、速やかに准将の案内をせよ。これは命令である。>

 

武蔵が語りかけたところで香取の小気味良い館内放送がこだまする。

これちょっとスッキリした時のテンションだ...。なーむーと両手を合わせていると

 

 

「話ついでに案内しよう、准将閣下」

 

 

いつの間にか立ち上がりニカっと歯を見せて微笑み、踵を返して歩き出す武蔵。

 

「じゃ、よろしくー」

いつも通りのゆるい話し方で又吉は武蔵の後を追う。




次回ようやくタグの「シリアス」が活用される予定
ふふっ、馬鹿だこいつ。という笑いは常に入れておきたいですね、くどくならない匙加減がまだ分からんです...。

又吉が提督になったきっかけは英雄の元に仕えていた時。現存する軍人の中で英雄と一番長い時を過ごしたのが又吉だったりします。


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1話 おっさんが泊地に着任しました。

十三と又吉の細かい年表みたいなのはできあがってたりします。
現在進行形の話は所々行き当たりばったりだったりなんかしちゃったりして...


香取の呼び出しで執務室に武蔵と向かう又吉


時刻は1300

 

「---と言うのが大和からの話だ。」

武蔵と肩を並べて話しながら本館入口目指して建物沿いに歩く、出会った時よりも明らかに武蔵のテンションが高い。何なんだ?

 

「伝言ご苦労、まぁ興味ねーわ。俺様のこと散々振り回しておいて、さっさと逝った奴らのことなんて知らん、知らん。」

気だるそうに応え軽く空を見る。ま、これで俺様の考えが正しいと証明された訳だ。

視線を前に戻すと本館の入口と思わしき所からスラっと地面に横たわる美脚発見

これは一大事だ、間違いない。急いで状況を確認せねば!(棒)

 

「まぁ、そういうとおm...」

 

隣にいるはずの又吉に話しかけようと横を向くも隣には何もない空間、前を向くと10数メートル先に姿勢を低くして両腕を後ろに伸ばして走る又吉の姿。その先には赤いスカートの艦娘と思われるモノが横たわってる。戦艦4姉妹の3女か....。

武蔵の口角がちょっと上がる。

 

「どうした!大丈夫か!(棒)」

 

左手で巫女装束の様な服を着た女の上半身を支え、右手は赤いスカートの中に突っ込み桃を堪能する。これは....イイッ!久々の高級品だ!

女の口から涎のようなものが垂れ、床には吐しゃ物と思われるものがシミを作っている。香取だよなぁ....。と達観しつつ、役得を堪能する。桃を品定めした右手を右太ももの内側に移動させたところで辺りが暗くなる。

 

「ほら、行くぞ。執務室は三階の左手奥だ。」

 

影の主を見上げると、突起物であご辺りが見えない。流石大和型だ、スケールが違うぜ。壁に巫女服女の上半身をそっと立てかけ名残惜しくも歩を進める。

奥の階段の踊り場には駆逐艦と思われる少女が立てかけた巫女服女と同じ姿勢で項垂れている。そのまま何もせず前を通り過ぎ階段を上る又吉。

 

あれ?これはスルーなのか...?武蔵は項垂れている少女と階段を上る又吉を交互に見てとりあえず後を追う。

階段を上った所、2階の階段の踊り場、通路に所々置かれている艦娘達。怪しい手つきで介抱される子とスルーされる子を見届け武蔵は首をかしげながら目的地の重厚な扉の前に着く。

 

「さてと、入りますか。」

又吉の呟きと共に武蔵が左側の扉を奥に倒し、空いた空間に又吉は歩を進める。

 

 

 

「提督が泊地に着任しました。これより艦隊の指揮に入ります!」

 

 

 

大音量ではないが、女性特有の高く通る声の合唱が響き渡る。

 

「ずいぶん変わったカーテンだなぁ......。」

海が見える大きな窓には日光を全然防ぎ切れていない十字架によく付いてる人と同じ格好のモノが二つ。片方はオレンジと白の制服でロングヘアーの上に薄緑のデカリボン。もう片方は入口で介抱した巫女服と同じ感じの黒スカートに茶髪ロング

うん、これカーテンじゃないよね!

 

「香取、降ろしてやってくれ。これじゃ話もできんだろ?」

発言を受け、香取はふぅ~とため息をひとつつき、右手のムチを左横にいるお腹丸出しナイスバディーの黒髪ロング姉ちゃんの腹にピシッとあて「降ろして整列だ。」

蜂に顔を刺されたような状態で無言で敬礼だけして作業に入る。

右横の白セーラーに青い何かけしからんスカートのメガネ女は直立不動のまま動かない。「すごいな...ここまでとは...。」執務机に向かおうと歩み始めた時にボソッと武蔵の呟きが聞こえた。

 

 

「一同、整列。」

 

 

イスに腰かけたと同時に香取の号令で香取以外の艦娘達は机から少し離れた部屋の中央寄りに、後ろ手を組み机と平行に整列する。香取は机の左側に立つ。

 

「言いたいことは色々あるだろうが、一先ず聞いてくれ。本日付で着任となった又吉かずおだ、よろしく頼む。こちらは臨時秘書官の香取特務少佐だ。まぁ、もう知ってるよな。」おふざけトーンではない、淡々とした口調

 

「誰か一人代表で発言を許可する。」

又吉の発言を受け、香取にムチで叩かれたお腹丸出し黒髪ロングが一歩前に出る。

 

「泊地指令代行、長門特務大尉であります。」一瞬敬礼をして続ける

 

「我々は提督不在でも問題なく泊地運営を行っている誇りと結果を残し、大本営にも今回の人事は受け入れられないと示してあります。軍属である以上命令は絶対なので門は開放してあり、こちらから威嚇等を行った覚えもありません。にもかかわらず、そこにおられる香取特務少佐から話し合いもそこそこに暴力を受け、ここに立たされています。力で押さえつけるのが又吉准将のやり方でありましょうか?納得のいく説明をお願いいたします。」

言い切ると同時に元の位置に下がる長門。又吉は両手を組み肘を机に乗せ、少し前かがみになりながら答える

 

 

「力でおさえつけるのか?と言われればyesだ。何なら階級差だって使う。」

 

 

武蔵以外の面々は表情で怒りをあらわにする

睨まれてもどこ吹く風かと又吉は続ける

 

「提督不在で泊地運営ができ結果を残していると言ったが、結果とは何だ?一部しか見ていないが確かに小奇麗にされて一見管理は行き届いている印象はある、だがこんなものは艦娘でなければできないことか?憲兵や他の人間にはできないことか?近隣哨戒で漁業の安定をサポートし大規模作戦で自分たちが最終海域で勝利もたらす。これは艦娘にしかできないことであるがこれがお前らの言う戦績や結果か?そうだと断言するのであれば、次の質問に答えてから出ていくがいい、何なら将官権限で1階級昇進のおまけつきで他の所への推薦状も書いてやろう。」

 

香取は静かに目を閉じ子守唄を聞いているような穏やかな表情

長門たちはフン、次の質問さっさと言えと言わんばかりのドヤ顔だ。

 

「では聞こう、提督不在のこの1年で開放した海域数はいくつだ?建設に携わった基地・泊地いくつだ?」

長門たちの顔が曇り、青いけしからんスカートメガネが恐る恐る手を挙げる。

許可する、話せ。

 

 

「海域開放は2で建設は0です....。」

 

 

特に反応することもなく又吉は続けるが素が出始める

「十三は過渡期ボーナスってこともあるが死ぬ前の1年で開放14、建設1だ。あいつが開放しまくったから遠出しなければ開放しにくいのもあるが、それを補うための大型船はあるよな?見かけなかったけど。呉と横須賀で本州太平洋側、舞鶴と佐世保で日本海と南西。となると瀬戸内海の柱島と鹿児島の鹿屋建設担当はどこだろうね?2海域しか開放せずに時間の余っている泊地が近くにあったような、ないような。」

 

又吉はわざとらしく顎に右手を当て何かを思い出すフリをする

うーんと唸りつつ香取の方を向き問いかける、いつもの口調で。

 

「香取ぃ~。なんかさ、提督送って建設命令出しても協力せずに追い出すし、提督なしで任せてみたら近隣・演習と大規模だけでドンパチ打つだけの脳筋スタイルの泊地運営ごっこしてる所があるみたいなんだけど、どうすればイイかな?」

 

香取は左手でクイッとメガネの端を上げできる秘書風に答える

「そうですね。強力な権限を持ち、戦績・貢献度の抜きん出た提督を着任させ速やかに運営を軌道に乗せるのがよろしいかと思われます。現状から考えますと、2年半で欧州・ハワイ島付近を含めた海域開放数38、同海域を含めた基地・泊地建設4、轟沈数は10と多めですが開放・建設数を考えれば少なく階級も将官の者が1名おり、その者を着任させるのが最適解だと考えます。」

 

 

轟沈の件で男の肩が僅かに動くのを武蔵は見た。この男が轟沈させただと...?

 

 

又吉はイスを真正面に正し、右手をあごにあてて再びわざとらしく唸りながら、ぱっと目を見開き香取に向き直り

 

「それ、俺様じゃん!」

長門たちはこのわざとらしいやり取りを目の当たりにするも、ぐうの音も出ず黙って俯いている。又吉はそんな長門たちを見て鼻でわらいながら長門たちを煽る

 

「十三の艦娘って大したことねーのな!おっ死んで残せたものが「泊地ごっこ艦隊」とかウケるんですけどぉ!」腹を抱えて笑い続ける

「あいつ何たらの英雄とか言われてるけど、ホントは自分の艦隊がどうしようもなくてボロが出る前にイイとこ取りして終わりたかったんじゃねーの?あ、実は生きていて大和とどっかの小さな島で毎晩パコパコお楽しみだったりしてな?大和イイ体してるし!」

 

「ふざけるナ!閣下はそんなお人じゃナイ!閣下は、閣下は」巫女服が涙目で叫ぶ

 

「はい!俺様も閣下(将官)デース!お呼びですカ?」巫女服の語尾をマネ、更に燃料を投下する又吉

 

「ぷふっ」吹き出す香取

「こんのォォ」激高する巫女服

「・・・。」静かに殺気を放つデカリボン

「・・・。」俯いたままの長門

「ヒック....」胸の前で両手を握り泣くけしからんスカート

「・・・。」あ、この先読めた。又吉を見つめる武蔵

 

「くやしいか!ごっこ艦隊代表共!」又吉が声高に切り込む

「大規模作戦最終海域突破、絶えない鍛錬と演習で戦いだけは自信あるんだろ?他の業務さぼってんだから一つくらい抜きん出て当然だがな!でなきゃ穀潰しだ。」

 

又吉は立ち上がり、長門達の正面に後ろ手を組み立つ。

「お前らに寛大な俺様がチャンスをやろう。明日、ラバウルの駆逐艦1人と空母1人がここに到着する。香取を含めたこの3人に勝ったら褒美をやる。」

 

長門達は目をパチパチさせている。3人??褒美?何を言っているのだ?

又吉は続ける

 

「お前たちは6隻艦隊を組め第一から強い順、すべての艦娘が戦う。10艦隊くらいか?1年間頑張ったお前たちに考慮して第一第二は香取たち3人で相手してやる。本当は多いくらいだが言い訳が欲しいだろ?第三艦隊以下は一人か二人にしておいてやるよ。お前たちが勝ったら俺らは階級最下位降格と発言の非礼も詫びその他言うこともきこう。お前たち全員1階級昇進で俺はラバウルに戻り鹿屋・柱島の件も受け持とう。お前たちは階級が上がって俺もいなくなって、今まで通りの十三の思い出の残るここで素敵な運営ライフの再スタートだ!」

 

3人で全艦隊を相手するだと?どこまでコケにすれば気が済むんだコイツは!

第一艦隊で終わらせてやるよ、その上で死なない程度にこいつ等殴ってやる

よく喋るその口を縫い付けてやります。

絶対に許さないデス、絶対二...。

さっさと終わらせてラバウルから資材を奪い取りましょう、その上で鹿屋も私たちで組み上げこの男の存在価値を無くしてやりましょう。

それぞれの想いで缶に火が灯ったような感覚になる長門達。

 

「で、お前たちが万が一、万が一負けてしまった場合なんだが、全員准尉降格と異動願いを書いてもらおう。あ、ここに残ってもいいぜ?あと武蔵は不参加な。」

 

話を聞き武蔵がきょとんとする...「待ってくれ、私もk「「武蔵には特別に相手を用意してやる。ある意味香取より強いぜ?」そうか、ならば良いかと武蔵は腕組みをする。

 

「演習開始日時は明後日の1200、演習開始まで哨戒・遠征一切なし。明後日の1000にメンバー表を持ってこい。それまでは遊ぼうが作戦会議しようが自由だ。何か質問あるか?」

 

長門達は動きをそろえて敬礼をし「「ありません!!」」と声もそろえる

初めて又吉に見せる生き生きとした表情。

 

 

 

「よろしい、ならば戦争(演習)だ!」

 

 

 

決まった.....これはイイ俺様だ。

ドヤ顔をかまし、長門達の退出を見送り香取に目をやると

 

 

足組んで紅茶飲んでた

 

 

 

時刻は1340.腹減ったな、あと何かカチッと音がした。

 

 

 




次回は演習準備編と新艦娘登場。1話クッション置いて戦闘描写勉強しなきゃ...

巫女服3女

気が付いて、吐しゃ物で汚れた口周りと髪を洗うためシャワーを浴びようと下着を脱いだらパンツが湿っていて頭に?マーク

又吉

「どうよ香取?手っ取り早くなったろ?」と自信満々に声をかけたら「私たちの勝利報酬期待していますね?」と言われ演習勝利・泊地立て直しよりも難易度が高いことに気付き頭を抱える

香取

勝利報酬を思い浮かべて頬が上気する。
「提督、夜明け前って一番暗いんですよね。ふふふっ//」

武蔵

香取とやりあいたかったが、それ以上の者と言われ胸が高鳴る
明日来る空母か?駆逐艦か?楽しみだな


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2話 おっさんひと息つく

多機能フォーム難しい、強調表現がうまくできぬ



一部の艦娘は又吉と香取と顔見知り
知り合った話とかもいつか書ければなぁ...

香取が勝手にお茶してたところからスタート



時刻は1400 香取が入れた紅茶を武蔵と3人で飲みひと息つく

 

「なぁ、飯行かね?流石に腹減ったよ...。」コン、コン、コン。

 

又吉の声かけと同時にノックの音が響く

 

「照月特務中尉以下5名、入室の許可を願います。」扉の向こうから元気いっぱいの懐かしい声が聞こえる。

 

知っている声にちょっと嬉しくなった又吉は、いーよー。といつもの調子で入室許可を出す。香取はおもむろに立ち上がり室内を物色し始め、武蔵を手招きする。

 

「失礼します。」扉が開き、照月を先頭にドラクエの移動みたいな感じでゾロゾロと後続が続く。

 

 

「みんな俺様の知ってる面子なんだろ?適当なとこに腰かけてくれや。」

 

 

そのまま整列しそうな一行に対し、左手をあっち行けのジェスチャーみたいにピッピと振って着席を促す。武蔵はイスを使って天井の蛍光灯をいじり、香取は本棚の本を出したりしまったりしている。

言われた6人は座れるスペースを探し散らばり、各自腰を下ろしたところで又吉が

「カップ足りないから飲み物は勘弁な。お前ら久しぶり、元気してたか?」と挨拶する

 

「又吉久しぶりー、出迎えしなくてごめーん。」間延びした話し方の黒髪おさげは

 重雷装巡洋艦 北上 ミニスカ足組みです

「かずおさん、さっきぶりー!」ひらひら手を振る金髪赤メガネ、横おじぎぃぃぃ

 潜水艦 伊8(ハチ) E:水着の上にラッシュガード

「お久しぶりです、又吉提督。」座りながら敬礼、セーラー服芋女子

 駆逐艦 吹雪 始まりの5人の駆逐艦の1人だったりします

「ご無沙汰しております、又吉提督。」手を黒袴の上で重ねぺこりと首を垂れる黄色の和服少女 

 駆逐艦 旗風 天使である

「又吉さん、会いたかったよー!」声が非常に高い、超ミニ黒スカートボイン

 防空駆逐艦 照月 スカート短すぎて手を置いても赤いパンツ見えてます。

「いつ帰ってくれるんですか?おじさん」黒髪艶々キューティクルロング少女

 駆逐艦 朝潮 相変わらず辛辣、あれ?背が伸びてる??

 

皆変わらなそうだ。各自の挨拶が終わると共に、クシャ、パキッ!と音が響き渡る

音の出どころは先程までウロチョロしていた武蔵の手の中から。何かの物体だった球体をごみ箱に放ると、香取が小さな機械やコードを武蔵に渡しまた快音が響く。

再びごみ箱に放ったところで入口の扉の一部が20cm四方で開き、白軍服の小人が飛んでくる。

 

 

「「みっちゃん(さん)だ!」」6人が声を合わせて再会を喜ぶと、みっちゃんは飛びながら敬礼をする。カッコいい...。

又吉の前に降り立ち、任務完了の意味を示すサムズアップを右腕で行う。

 

「さすが、みっちゃん。ご苦労さま、疲れてるとこ悪いんだけどこの部屋に盗聴器関係まだある?」又吉の問いに小人は部屋をくるりと見渡し首を横に振る。

 

「ありがとう。これ、みっちゃん用の報酬」と言って、内ポケットから和紙に包まれたスマホ大の包みを渡す。包みには辛うじてその文字だと輪郭で分かる様な達筆で 「金 平 糖」と書いてある。文字を目にした小人の体が目を開けてられないほど輝きを放ち、光の粒子となって消えた。粒子からコレハイイモノダ...と皆の耳に聞こえた気がした。光が収まった所で北上が

 

「オソウジありがと、助かるよ。この部屋のやりとりさー、香取が入って来たところから突然館内テレビや支給スマホが勝手に点いて映し出されてたよー。」6人がうんうんと頷く。

 

「映像が長門達の退出で終わると同時に至急講堂集合の通知来て、講堂で長門達が映像が事実であること。皆一丸となって演習頑張ろう!詳細は追って連絡する。と簡潔に締めて解散。んで、執務室に向かってたらこの子達と自然と合流みたいな感じになった訳よー。」

話し終えると北上は、あーあ。という擬音が出そうな感じでドサッと背を後ろに預ける。

 

退出時のカチッて音は映像機器の音だったか...。香取分かってて潰さなかったな。

 

「部屋も綺麗にしてもらったし、良い機会ですから皆さん!コイツに聞きたい事聞きましょう。もちろん!きちんと答えてくれますよね?」

立ち上がり腰に手をあて覗き込むような姿勢で迫る朝潮。うーん辛辣ぅ。

 

 

「もちろん、そのつもりだよ。こちらも伝えたい事もあるしな。」

 

 

時刻は1600 食堂に又吉ご一行到着。

 

 

「もう、動けなくなるまで食ってやる。俺様は限界だッ!」そんな言葉と共に入って来た又吉を見て、おやつタイムを楽しんでいた艦娘達がひそひそ声で話し出す。

アレが例の...   見かけはまぁまぁよね   イケボ... ん?意外と恐れられてない??

 

ゾロゾロと後続が続く...

え?北上さん? あれ?ハチなのぉー あら~?あらあら... 姉妹と思わしき声が聞こえる

 

最後尾の香取が入ると

ガタッ! ドタドタ! ひえぇぇー なのです、ナノデス...

 

艦娘達が文字通り蜘蛛の子を散らすように動き、ものの数分で食堂貸し切り状態

間宮がお玉を両手で突き出しながらプルプルしている。可愛い...

香取さん、ぱねぇっす!

 

 

間宮のいるオープンキッチン前の大テーブルに皆で陣取る。又吉が代表で厨房に入り

 

 

「初めまして、間宮さん。本日付で着任しました又吉かずおです。ご挨拶が遅れ申し訳ございません。」

 

 

落ち着いた口調で話し、帽子を取り直角に腰を折る。低姿勢とイケボが加速装置となり、間宮の緊張が解け彼女は慌てて又吉に軽く被さるように近寄り両手で体に触れる

 

「お顔をお上げください、閣下。一介の給糧艦に頭などお下げにならないでください」

姿勢を戻す又吉、だが戻す途中に右のこめかみが何かを弾く!なんかこう重厚な綿菓子をヘディングしたような感覚。「あっ///」

目の前にいる間宮を少し見下ろす形になる、彼女は自分の両手を握り胸の前にあて少し頬を染めながら上目遣いになる。(今は、今は耐えろ俺様の俺様よ!)

又吉は少し申し訳なさそうな表情を作り、ゆっくりと間宮の左耳に口元を近付け..

 

「間宮さん...お腹が空きました。」(全力のイケボ)

と言い切り、そのまま抱き着くような形で力を抜く。

「お任せください!お任せくださいぃ////。」間宮天元突破

武蔵が厨房に入り又吉を間宮から引きはがし抱え上げ大テーブルの椅子に座らせる

尚、オープンキッチンでカウンター式でもあるため丸見え丸聞こえ。

又吉の三文芝居を目の当たりにして白ける一同であったが

 

 

満漢全席が出てきた

 

 

さすが准将、そこに痺れる憧れるぅ!




次回もう一話日常回挟みます、戦闘表現...頑張る

間宮
チョロイ

ハチ
クリスマスモードの彼女の横おじぎを想像してみてください。

北上さん 
いろんな方の作品を見てきて、自身でも扱ってみて改めて彼女の汎用性の高さに驚かされます。

旗風
個人的には春風派なのですが話の都合上旗風となりました、可愛さは変わらない!

吹雪
いも

照月
赤パンツ、お涼さんの方が私は大好きなのです...

朝潮
十三の忠犬、北上同様汎用性の高さが異常。大変助かります。


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3話 おっさん着任あいさつ(宣戦布告)をする

間宮堪能後は各自自由行動

香取は館内地図片手に歩き出し、その他各艦娘は日常へ
又吉は自室と潜水艦寮の場所を聞いて荷物が運ばれた自室を経由して....

翌朝、食堂で戦意高揚状態の伊8がいたとかいないとか

思ってたよりも長くなってしまった。


着任から一夜明け時刻は1000執務室

 

又吉はソファーで寝ころび大あくびをする。キノウハオタノシミデシタネ...と聞こえたような...。

執務机には香取が座りパソコンをいじりながらノートにメモを取ったり印刷したり。

昨日と違い武蔵はおらず、又吉の向かいのソファーには北上が又吉同様に手を後頭部で組み仰向けになっている。

武蔵は昨日又吉と会った堤防に腰を下ろしている。又吉は天井を見上げたまま

 

「なぁー北上。お前大井と一緒にいなくていーの?」

「あー大井っちにはわたしの分まで作戦会議頑張ってーって頼んである。」

「そっか、あと俺様のこと知ってる奴らってお前らだけ?他はどーした?」

「又吉のこと知ってる子達の1/3は、長門達が来た時に入れ替わりで他行った。残りの2/3は「あの戦い」の後にここにいると色々思い出して辛いって行って異動したよ。」

 

 

北上が話し終えた時に内線が鳴る、香取が対応する。「こちら執務室香取。...はい、はい。分かりましたご苦労。」受話器を置き又吉に

 

「提督、観測所からラバウルの船が到着するとのことです。迎えに行きましょう。」

と言いパソコンの電源を落とし立ち上がる。

 

その様を見て「じゃ、行きますか。」と又吉が立ち上がり、「あたしも行くよー。」と北上も続き3人で発着場を目指す。

 

3人が発着場に着くと、なぜかずぶ濡れの武蔵がロープを係船柱に括り付けているところだった。え?接岸早くね?外洋に向けて回頭までしてあるし...。

エンジンが鳴り止むと、船の側面の一部がゆっくりと倒れ船と降りる場を繋ぐ。

タンタンタンタンと小走りに靴を鳴らし、最後は「よっ!」と軽く跳ねて又吉達の前に着地する艦娘。

 

 

「待たせたな、提督。長波サマがいなくて寂しかったろ?」ニカっと歯を見せて笑う。

駆逐艦 長波 エンジ色の制服の上に白ジャケットを着て、胸には夕雲型共通の青いデカリボン。黒髪ロングでインナーカラーは桃色。そして一部の軽巡艦娘を圧倒するナイスバディー...。カイニッ

 

続いて降りてくる歩く18禁。薄く灰色を帯びた白いノースリーブのワンピース型制服、襟とボタンエリアは濃いグレーで揃えられている。制服のデザインがゆがむ程の胸部装甲が揺れる

「サラトガ、今ここに。」(・д・)チッと軽く舌打ちが香取の方から聞こえたのは気のせい、いいね?

大型正規空母 サラトガ グリーンアイのボン・キュッ・ボン!USA!USA!エムケーツー

 

更にピンク髪を2つに結ったけしからんスカートが降りてくる。

「提督っ!スピンターン利用して接岸しましたよ!改装バッチリです!」右手をサムズアップしてウインクする。

工作艦 明石 何気に戦艦並みの重厚ボディー。あれ?てかコイツ招集してない気がするんだが...

(例の艤装セットお持ちしました、アレの管理は私でないと。)(こいつ...直接脳内にっ!)

 

では行きましょうとばかりに明石が両手を広げ、サラと長波を包むようにして前に出る。が

「おい、そこのチビ!アホ毛見えてんぞ!」又吉が大きな声を出すと、明石があちゃーとつぶやきつつわざとらしく左手を額にあてる。

 

トテトテトテトテっと小走りで船から降り明石の前へすり抜けて、手本のような敬礼をしながら

「大和型4番艦 清霜。姉の滞在を聞き、確認のため勝手に乗り込みました!申し訳ございません!」視線は又吉を見ず肩越しに見える武蔵を捉える。

来ている制服はどう見ても長波とほぼ同じモノだが普段つけないメガネも着けた、長い灰色髪を黄色のリボンで一本結び。駆逐艦 清霜

 

目のあった武蔵が「フフッ!」と笑い、又吉に近づき肩越しに声をかける

「提督よ、私も生き別れの妹が来ると聞きここで待機していたのだ。濡れ鼠になりながら接岸手伝ったんだ、褒美としてこの件は不問にしてもらえぬだろうか?」

 

右の肩甲骨あたりに間宮の時とはまた別のよく空気の入った大きなゴムボールのようなモノが当てられる。おのれ...大和型。

 

「まぁ来ちまったもんはしょーがねーか、って!おい清霜どうした!」

まばゆい光の粒子を纏う清霜、クソまぶしい。

イモウト いもうと  妹!」だめだこりゃ。清霜の首を後ろから掴み持ち上げて武蔵にブン投げる。受け止めた武蔵はそのまま清霜を首に乗せ肩車する。

「大和型4番艦 清霜抜錨!」

 

「んじゃ、来て早々ワりーんだがお前らも連れて着任の挨拶してーんだ。ごたついててまだしてねーんだわ、香取!」

又吉が言うや否や、香取がスマホを取り出しどこかにかける

 

「こちら香取、全員1100に講堂に集合。決して遅れるなと連絡を回せ。」あれ?電話に出るの早くね?誰だ?1100ってあと15分しかないぞ。

通話を終え1分後、ラバウル艦娘以外のスマホが震える。画面には「緊急、各員は5分以内に大講堂へ集合せよ。遅れたものは懲罰を課す。 情報部 青葉」と映っている。

 

時刻は1045.ゆっくり行けば丁度1100くらいか。

「荷物はとかはあとにしよう。さ、行こうか。」一行は講堂へ向けてゆっくりと歩き出す

香取に昨日の夜何をしていたのかは聞かないでおこう...。

 

 

--大講堂---

 

「----以上、この4名も一時的に着任となる。演習内容は長門司令代行から話があった通りで変更はない。何か質問はあるか?なければ解散とする、諸君の健闘を期待する。」

 

又吉一行のみが退室する。「ちょうど昼時だ、あいつらはこのまま作戦会議だろうから俺たちは食堂で飯食いながらやるか。そのあと荷物運び等々やろうぜ。腹減ったわ。」

 

 

---食堂---

 

昨日と同じカウンターキッチン前の大テーブルへ各々座る

「間宮さーん、適当に見繕って飯頼むわー!」「かしこまりました!」と小気味良い返事と共に厨房が騒がしくなる。明石がカウンターキッチン全体をじーっと見つめる

「明石、始めますよ?」と声かけられた香取の方を向くと、パシン、パシンとゆっくり香取が目くばせする。イエス・マム!私は何も見つけてません!

 

「で?どうよ明石。ここの連中は?」又吉がサンドイッチを噛みながら明石に問いかける。明石は香取から渡された手元の資料と資料に書き込んだ自分のメモを見ながら

「実際見たところ、そうですね~...尉官持ち(准尉は含まれない)は大本営基準で考えると、全員与えられた階級より上の実力がありますね。」と答える。

「だな、俺様も同意見だ。十三艦隊は伊達じゃないッ!て感じよな、大本営の艦隊でも相手にならんだろ。」又吉が唐揚げを摘まみながら言う。

「尉官持ちは個々もさることながら統率力も高いですね、執務室で修正を行った際に連携のとれた良い動きでした。」と香取はおにぎりを頬張る。

 

 

--大講堂---

 

「--良い動きでした。」香取の声が講堂内に響き渡る。青葉がカウンターに仕掛けたカメラからの映像と音声。

講堂内の艦娘達は首をかしげる、もっと小バカにしながらワイワイやっていると思っていたので戸惑い少々と褒められて悪くない気分になる。修正された組みを除いて...。

 

---食堂---

 

「と、いうことで十三の剣ちゃん達とやりあいましょうか!」又吉はホットドッグを頬張る

「で?どこまでやればいい?」カップスープを飲みながら長波が問いかける

「第一艦隊は本気で潰していい、モノの確認は取れている。第一の実力見て第二も3で行くか2で行くか決める。でも潰すのは第一までな。」又吉はポテトフライを束にしてケチャップに突っ込み頬張る

「提督の仰せのままに、サラにお任せくださいね。」スティック春巻きを食べ終えナフキンで口元を拭いながらサラトガが答える。

「なんだ?高評価の割には随分余裕過ぎないか?」骨付きチキンにかぶりつく武蔵、もちろん清霜も真似している。

「当たり前だろ?階級ちょっと上程度の実力で俺様達の相手するなんて無理に決まってんじゃん!そして何よりもさ...今のあいつらには提督(十三)いねーし。」又吉も骨付きチキンを口で引きちぎりながら、くだらねーこと聞くなという態度で椅子にふんぞり返る。

 

--大講堂---

 

「----いねーし。」の所でダン!!と複数の場所から机を叩く音が聞こえる

「ふざけやがって・・・。」尉官持ち達に戦意が燃え上がる、いたたまれない雰囲気に准尉達はただ俯いて過ごす。パン!と長門が大きく手を鳴らし「以降は各隊各旗艦を中心に艦隊毎で作戦を練り上げよ。我々十三艦隊の実力を明日奴らの体に直接叩き込め!解散!!」

 

残ったのは昨日執務室を訪ねた6人と青葉。青葉が機材を片付けようとすると「青葉ストーーップ!」と北上が止めに入る。キョトンとする青葉(・・?

「ここから絶対面白いからまだそのままで、どうせ香取に皆に聞かせるよう命令されたんでしょ?」と北上はニヤリとほほえむ。

「香取」という単語を聞いて青葉の体がビクン!と跳ね上がる。「北上さんはあの方と面識あるんですよね...?」青葉は恐る恐る尋ねる。

「青葉、香取が脅し紛いとはいえ任せたということに誇りを持つといーよ。その代りどんな手段を使ってでも達成しな、その努力は絶対報われる。と、マジメちゃんモードはここまで!ここからはコメディー映画だ。朝潮ぉ~酒保行って適当にお菓子とつまみとジュース・酒!これお金、釣りはいらないから急いで!」

駆け出す朝潮を目で見送り、青葉は北上達の陣取る席にお邪魔する。

 

 

 

次回嘘予告! 「青葉、見ちゃいました!」




次は軽くおふざけ書き出した後、そのまま演習いきたいと思います。2話くらいでまとめられる...はず。

ラバウルに間宮はいない。食事管理は伊良湖と引退した十三艦隊の鳳翔が受け持つ
賢明な読者諸君は気付いただろうか?
又吉達が食べた食事はすべて「手で簡単に食べられるもの」だということに
腹も満たされ話もスムーズに進み、何より美味しい。

次回、食事を終えて雑談中の又吉達に間宮が加わる
・引きちぎられる香取のムチ
・項垂れるサラトガ
・口も手も出せず歯ぎしりをする長波
・会心の連撃を放つ大和型4番艦
・餌付けされる武蔵

4話「間宮中佐」乞うご期待! タイトルは嘘です




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4話 抜錨、おっさん艦隊

「姦これ、はじまるよ~」とケラケラ笑う北上

みんながスクリーンを注目する中、朝潮は購入した食べ物をどれから食べるべきか悩んでいる


日常で埋まってしまいましたが、最後にギリギリ戦闘混ぜられました...
戦闘描写むり、どうしよう
PCで見るのとスマホで見るの全然違うことに気付き、急いで書き直しましたがまた後で直します。盲点でした


---食堂---

 

明石は工廠でやることがあると言い退席、間宮が食器を下げ紅茶とコーヒーの入った大きなポットをテーブルに置いて、一人2種類楽しめるようにカップも多めに中央に置く。

サラトガは皆が各々のカップに自分の好きな飲み物を注ぐ中、又吉に今日はどちらにするか尋ねようと彼の方を見ると、すでに横に座りカップに飲み物を注ぐ間宮がいた。

 

え?え?いつの間に??ちょっと焦るサラトガだが、出された料理構成を思い出し、あの給仕力の高さなら当然よね。と清々しく負けを認める

 

「お、間宮さんありがとな。提督自分で入れないからさー。」間宮のレベルが高すぎて脅威と感じることすらできず、のんきに褒める長波。

 

「気の利いたお食事、ありがとうございました。勉強になります。」サラトガ同様いつの間にかいた間宮に素直に負けを認める香取。

 

「いやーホント終わってみてから気付きましたよ。手軽に摘まめて話もすすめられ、おまけに旨い。ありがとな、間宮さん」大満足の又吉。

 

「恐縮です閣下、あと間宮と呼び捨ててください。私は自分に課せられた当たり前のことをしたまでです。」目を伏せながら話し追従の意思を雰囲気で伝える間宮。

 

「んじゃ早速。間宮、閣下呼びはしないでくれ、何かこそばゆいんだよな。」

「では、かずおさんとお呼びしますね。」にっこりと又吉に向かって微笑む、笑うと目が無くなる素敵な笑みで急に距離を詰められた又吉は思わずドキッとしてしまう。

 

(・д・)チッ ムムム... あれ?これって... 清霜はコーヒーもいけるのか やっぱり苦いぃ

 

---講堂---

 

「お、一気に攻めたね間宮さん。」缶のカクテルを飲みながら言う北上

「青葉、驚きです。残りの3か所のカメラも起動してみます。」とリモコンをいじる青葉

「・・・。」

上目遣いで食い入るようにスクリーンを見る芋

「間宮さんやるぅ~。」と赤パンツ

「間宮さん輝いてますね、ふふ。」はにかむ天使

「(*^-^*)」なぜか余裕たっぷりハチ

「これもいけますね...//」菓子つまみをすべて開封して1種類ずつ試す朝潮、未だスクリーンを見てない

 

---食堂---(講堂)---

 

「何か司令官と間宮さん新婚さんみたい!」

(清霜wwww) (これは場が動きますよ!)

大和型4番艦による天然の援護射撃       

 

「あら、私なんかそんな...。」 

(間宮さん何か可愛いですね。)天使

両手で頬を抑えるも視線は又吉  

(ドキドキします)赤パンツ

 

「・・・。」流れを変える言葉が出ない香取たち

(あちゃー、動けないか。)

 

「こら、清霜。めったなk「武蔵さん冷蔵庫に足りると思いお出ししなかった料理が」 

(おお!被せましたよ!被せてきた!)

 

「お!食べていいのか!それはありがたい!」

厨房へ移動する武蔵と「oh my god..」

(アメリ艦wwww)

 

「なんか本当にお母さんみたいで素敵です!」

大和型4番艦の名は伊達じゃないッ! 

(微妙なお母さんネタ、どう転ぶ!?)      

 

「司令官がお父さんで、清霜が娘で、うん。バッチリ!バッチリよ!」

(連撃かよ...MVPは決まったな。)

あの、あの...会話にすら入れない長波達

 

「清霜、からかうんじゃないよ間宮が困るだろ」

(あれ?又吉の言葉使い...効いてるぞ)

又吉なんとか場の流れを変える    

(意外と直球に弱いんですかね?青葉驚きです。)

 

「あ!そういえば香取さん、青葉さんが探していましたよ」 

(え?ここで青葉の名前??)

盗撮カメラと香取を交互に見る間宮       

 

くっ..そうでした、提督失礼します」

(まさかのラスボス退場ですか)赤パンツ

ブチィ!廊下から何か引きちぎられる音がした

(青葉嫌な予感しかしないんですけど..)  

 

「香取さんも明石さんも、もう仕事あるんだね。清霜なんて船でゴロゴロしてただけだよー。」 

(あ、これもこれも美味しいですね)まだ画面見てない

 

「ま、あたしらはさっき着いたばかりだしな。」

とりあえず流れが変わり始め安堵する長波とサラトガ

(ひとまず休戦のようですね)天使

 

「ふふふ、皆さん移動も立派なお仕事ですよ。」清霜に視線を合わせ右肩を左手で揉む動作の間宮 

(んん?)串を加えながら前のめりになる北上

 

「あ!そうだ!」清霜閃きました

「清霜たちでここ片付けるから司令官は間宮さんにマッサージしてあげて!」

 

「お、いい子だな清霜。どうだ間宮?」(下心) 

(いまの誘導だよね?誘導だよね?)赤パンツ

少し考えるそぶりをする間宮

 

「ここは甘えちゃいましょうか、実は長門さんたちが今日は各会議室で昼食を取ると言っていて夕方までどうしようかと思っていたんです。」上目遣いで又吉を見る

 

もはやただの置物の長波とサラトガ       

(T_T)ムムム...ハチから笑みが消える

 

「そうと決まれば行った、行った!」

清霜は立ち上がり又吉と間宮を追い立てる       

(勝負ありですね...。)

立ち上がるも言葉が出ない長波・サラトガ

 

「あのぉ、私の部屋でよろしいでしょうか?」 

頬を染めながら又吉の腕の裾を掴む

(間宮さん可愛すぎますね。)天使   

(…。)終始無言のイモ

 

「ああ、後は任せてくれ」(渾身のイケボ)   

(食われるのはお前だぞー又吉ぃ)

 

プチュン!とスクリーンがブラックアウトする。機器の所に千切れたムチを持つ香取が微笑んでいた。

 

同日夕刻、キラキラの清霜を先頭に目から光を失った長波とサラトガが延々と荷物運びをしていた。

 

尚、夕食は料理自体が戦意高揚状態という前代未聞の事態となり

長門達は「演習に参加できない間宮からのエールだ...。胸が熱いな...。」と皆キラ付けとなり

輝く料理を前にした香取たちは敗北感でお通夜状態。武蔵はひたすら食べていた。

又吉は自室で泥のように眠り翌朝目覚める。清霜の料理は新作フルコースでハチのオムライスは豆板醤ライスだった。

 

着任三日目 執務室

1000.長門が代表で編成リストを又吉に渡す

「ご苦労、宿毛湾の明石が現在ラバウルの武装の最終確認をしている。問題がなければ予定通り開始だ。」

長門は無言ではあるが美しい敬礼を見せ、退室する。

 

「気合い十分ですね。」とソファーでゴロゴロしている又吉明石。

同時にドアが勢いよく開き、宿毛明石が又吉明石に詰め寄る!

「ちょっとラバウルのあたし!どういうことなのよ!あれ!」ちらりと又吉を見て「失礼してます!」

 

「-----!」 「・・・・。」 「~~~?」 

15分くらいの話し合いの後、落ち着いた宿毛明石に又吉は近寄り

 

「ありがとう、苦労かけたな。」と大きめのケースを渡す。

「お金とかいりませんから、不正なんてなかったし。」と一応ケースを開ける明石

 

「提督、わたしあなたにずっとついていきます。」

ケースの中身は新品の改修ネジ20本と中の紙には「使い方不問」の書置きがあった。

 

---演習場---

 

時刻は1150 両陣営定位置に着きあとは開始の合図を待つのみ。快晴ではあるが風が強く波が強い。

第一艦隊 長門 金剛 赤城 摩耶 神通 照月

 

「こりゃ圧勝だな。」大きく揺れる海面を見て又吉はつぶやく

 

「聞け!十三提督の艦娘達よ!」長門達のインカムに、待機場のスクリーンに、演習場のスクリーンに

長波の姿と声が映し出される

 

「こちらの声はすべて第一艦隊を含むすべての者に届くようにしてある。だが我々にはお前たちの声は届かないようになっている。宿毛明石のお墨付きだ。」注目を浴びた明石が無言で頷く

「己の目と耳と経験をフル活用して考えうる全ての最悪を想定して生き延びて見せろペイント弾とはいえ火薬発射に耐えうる弾薬だ。武器だ!」

皆、長波から目が離せない

 

「我々はこの武器とこの体すべてを用いてお前たちを沈める。生き残れ、これは戦争(演習)だ。」

 

「あいつに口上任すと決まるよなぁ」上機嫌の又吉

「ふん、敵とはいえ悪くない口上だった。全力で行くぞ」長門達が構える

上空に待機する妖精の乗る戦闘機から信号弾が上がり弾ける

 

「「抜錨!」」

各自一斉に錨を引き上げる

 

抜錨と同時に「赤城、全機発艦だ!」

流星改(一航戦)40機 彗星江草隊42機 制空無視

発艦と同時に「全主砲、斉射!」長門・金剛・摩耶の大型主砲の斉射、同時に摩耶前進

斉射と同時に「摩耶・照月、対空準備!」神通の指示で長門達の前面に躍り出る。

 

「サラ12時30m前進、香取6時20m後退」長波の指示でサラを頂上に長門達に向かって2等辺三角形だった形が小さな正三角形となる

同時に三角形を緩く囲むように長門達の砲撃が届く「いいね。1か所に集められちゃったよ、でもね」長波は前方に迫る艦載機の群れを見て

「艦爆・艦攻のみ約80、全機発艦だ。サラ元の位置へ、香取全速前進。」長波と香取が前に出て一気に終わらせようとやや密集する赤城の艦載機

 

「敵からの発艦ありません!」と赤城

「気になるが今はいい、速さが必要だ。摩耶・神通・吹雪そのまま全速前進、金剛同じ位置に冷却終了後主砲斉射」長門の檄が飛ぶ

 

「あーあ、艦載機集めちゃった。香取」と言い残し更に速度を上げ艦載機の下を抜ける

「このまま直線状に香取とサラトガを絨毯爆撃しま...え?」呆ける赤城

こちらまで聞こえるガトリングガン並みの連射発砲音、香取が煙で目視できないほど。「赤城航空隊残機流星8」妖精のアナウンスが響く

 

強風で煙はすぐに消え、残った艦攻の魚雷を難なくかわし一瞬腰まで海に浸かってジュッと音が鳴ったのを確認して香取前進

同時にサラトガ前10mを頂点に円状に長門達の弾が水しぶきを上げる

「つめたーい、ホントいい腕ね」「サラ、こちらも全機発艦。目標は摩耶」長波の指示を受け発艦「サラの子達、いい?attack!」

 

香取   GFCSMK37+5inch連装両用砲(集中配備)x2門 

     5inch単装砲MK30改+GFCSMK32 x2門

サラトガ 天山村田隊 80機

 

香取の砲撃を聞いた長波は前傾姿勢で微速後退に切り替える。少し辛い体勢だが神通たちの目を欺き香取との合流に備える

「とらえたぜ!」軽巡より射程の長い重巡主砲で長波に先制攻撃するも長波の大きく前へ着弾の水柱があがる?水柱を縦に長波は魚雷3セット発射、同時に前進に切り替える

 

違和感を覚えた神通は長波の足元を見るがしぶきは後ろに舞っていて、同時に海面に雷跡を発見

「魚雷確認!誘爆させます!」砲を構えたところに香取からの密の濃い着弾、思わず防御姿勢を取る「神通小破」のアナウンス

え?低速艦がもう追いついた?もう次弾打てるの?混乱するも「摩耶!回避!」と叫ぶ神通を他所目に照月へ向かう長波、応戦する照月になぜか回避だけで対処「長波小破」

 

「あん?」摩耶が目の前を確認するとやや扇状で迫る6本の魚雷、間をすり抜けるとすぐ同じ魚雷

「フン!」と難なく交わした所にまた同じセットと...80機の艦攻

 

長波 試製61cm六連装(酸素)魚雷

   試製61cm六連装(酸素)魚雷

   試製61cm六連装(酸素)魚雷

 

「なんなんだよ...。」とりあえず魚雷を躱し、崩れた態勢で対空砲のみで20機も落とすが60機の雷撃が着弾 「摩耶轟沈」

 

長門と金剛の主砲は未だ海を舞うサラトガに水柱の演出効果を与えているだけだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 




いいんか?戦闘描写ってこれでいいんか??
とりあえず次回決着....。

「至近弾風になってる腕は認めるけどよ艦船サイズならともかく、人間サイズの動く的に観測なしで遠距離なんて無理ゲーだぜ。」スクリーン見ながら又吉が言う

「それもそうですけど、香取さんの武器チートでしょ?あれ」宿毛明石

「ハワイ付近開放した時に深海凄艦から剥いでひたすら改修しましたよ..」ラバウル明石ハイライトオフ

「サラトガさんに至っては米国のかけらもないですし。」

「経験積ませてるときに深海凄艦に全部米国機ぶっ壊された。」
「ええぇ...(;´Д`)」



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5話 おっさん、ぶっちゃけ役に立ってない

スマホ版との違いに心折れかけた


自身も動きながら動く相手にそこそこ弾を当てられたら少尉確定
表現に困るけど、設定はリアル銃撃寄りです。


今回で演習終わります。



摩耶の轟沈アナウンスが流れる

「香取、近接戦闘。サラトガ補給。摩耶、実戦ならお前は粉々だぞ。」長波の嫌味と指示が飛ぶ

「照月、後退防御。戦艦援護求む」長波の声を聞き神通が指示

照月はラバウルで、神通は執務室で彼女らの近接の恐怖を知っている

後退しつつ、ダメージは狙わず海面を撃ちどんどん距離を取った所で長門達の砲撃が届く。

 

「腕はいいんだよなぁ、腕は。香取後退しつつ合流、装備換装。」

戦艦の射程内であるが、軽巡砲は届かないところで長波と香取が装備の交換を行っている。

 

「装備交換だと?神通仕切り直しだ、冷却する。息を整えろ。次でケリをつけるぞ」

近づかれたら終わりの相手から逃げ続けたため、体力と精神の消耗が激しかった。

 

「艤装固定じゃない武器なら交換なんて当然だろ?今のあたしらは鉄の船じゃねーんだ、いちいち驚くな。サラ終わらせるぞ、6本槍」先頭1機から少し距離を開けた「i」の様な隊列、一本約10機。香取の最高速に合わせ長波も前進、サラの天山を追う。

 

「照月、神通・赤城護衛頼む。金剛、アレやるぞ。ここが正念場だ!」長門はインカムから流れる長波の声を聞き指示を出し、金剛は今回初めて出す零式水上観測機を発射と共に前進。赤城は残り8機の流星改を放った後、長門達の盾になるべく前に出る。

 

長門達の声は聞こえないが、動きを見て即座に作戦を理解する長波

「いいねぇ、いいねぇ。持ってるだろうなとは思ってたけど隠してたか。さすがビッグセブン、覚悟を決めて確実に当てに来たね。肉を切らせて〜。でも悪いな、これ戦争なんだよね...。香取、全速後退8時。」と指示すると長波と香取は長門達に背を向けて長波は香取と対象になる様4時方向へ…。

 

「長門、どっちを狙うネ!!」指示を仰ぐ金剛

「足の遅い香取だ!データをくれ、よし!一斉射!!」

後の長門改二でできる一斉射ではなく、すぐそばに戦艦を携え観測機からのデータ共有でロマン載せ4主砲を2本→僚艦2本→残り2本で撃つオリジナル一斉射撃、長波は香取に砲が向いたのを見て前進に切り替える「サラ遅延攻撃」

 

大きな水柱が乱立、たやすく目視できる位置には天山6点の機影が1度大きく宙返り、これを耐えきれば勝ちだ。アナウンスはまだか!

 

「香取小破」

 

小破?小破だと?ふざけるなよそんなはずがあるか!着弾点にある香取を観測機からのデータで見る。そこには背中の艤装をパージして右手に魚雷のみをもって歩を進める香取の姿があった。

 

「艤装を捨てて、身軽になって回避なんて無茶苦茶だ…。」ほぼ生身状態の香取なら躱すイメージができてしまうのが悔しい

「対空準備!」神通の叫びを聞いて気持ちを切り替える長門、腹に力を入れて何がなんでも耐えてやる。と構える

神通と照月が前に位置取り、赤城は長門達の直前で盾になる。長波に放った流星は香取からの対空砲を持った彼女には時間稼ぎにもならなかった。

 

神通達が構えた瞬間、また天山隊は大きく宙返りで1度射程内から出て戻る

そして、長波が追いついた…。

 

「一機でも多く落とします!」わずかに視界の隅に入る長波を意識から外して被弾上等、とにかく堕とすと6つの点に向かって気合を入れて発砲するも…

 

当たらない。先頭の各天山の両翼が右に左にチカチカ光ると、光らせた方向に回転しながら回避。僅かに遅れる最後尾に2.3機落としたものの、基本点でしかない。

 

的が小さすぎる…こちらは荒れる波に上下させられ都度修正するも空は一切の障害がない。最後尾付近にいくつか当たったのはむしろ波のランダム上下で弾がバラけたからだ。

赤城は飛行甲板を盾に覗くその美しく統率された行進に歯軋りする。

 

先頭の3つの点が開き約30の点が広がる、神通と照月は魚雷投下前に全機撃ち落とすもその表情は晴れることはなかった。

撃ち落とした所に現れた3つの点がまた花開く、次弾装填?間に合うもんか…

 

水柱が上がる中「神通、照月轟沈。赤城大破」のアナウンスが流れ、柱の隙間から現れた長波が金剛に近距離で主砲を浴びせ、魚雷2セットの置き土産

「金剛、小破、中破、大破……赤城轟沈。」自身に放たれた魚雷の水柱が晴れた先に右足を突き出した香取と海面に大の字で仰向けになる赤城。そして目の前の6本の雷跡を見た後、意識を手放した。

 

「金剛轟沈」

自分が放った渾身の一斉射から何分たっだろう?放った後は身構え耐えることしかできなかった。皆の轟沈アナウンスは一瞬だったがものすごく長い時間に感じた。

サラトガに一斉射すべきだったか?だがそれでは長波と香取から神通達を守れなかっただろう。なら神通達を守る時に一斉射か?いや、範囲が広すぎて巻き込んでしまう。あれこれ考えてると次弾装填完了、あちらもだがな。

 

「さて、授業終了といくぜ長門。全艦突撃!長波に続けぇ!」死刑宣告が告げられる

 

------「長門大破」

海面にひざまずく長門と腕組みして目の前に立つ長波

サラトガと香取はもう帰投し始めている。

 

「腕は良かったぜ?腕はな。」気怠そうに話しかける長波、長門は無言

「戦術は良くっても、戦略は落第だ。」続ける長波

「な、なにを…」息絶え絶えに応える長門

「はぁ〜、なまじ腕があるから見えなくなっちまったか。編成が分かり切った相手に全滅した第一艦隊旗艦殿、准尉からやり直せ」

空になった魚雷装置をメリケンサックがわりにして、渾身の左アッパーを長門の顎に振り抜く。

 

「旗艦長門轟沈。演習終了」

 

以降、2人編成・1人編成の長波達に徹底的に潰される残りの艦隊。

それぞれに付着したペイントは血が混じっている、最後は必ずキツイお言葉と肉体言語で計8艦隊1人残らず轟沈

 

時刻は1400

「以上を持って演習終了〜!入渠施設は大型艦から使え。高速修復剤の使用も許可する。1700に総評を行う、大講堂に集まれ。夕食は今夜は2000と遅めだが、君たちのお別れパーティーだ!間宮が今から仕込んでいる。もちろん無礼講だ!最後の晩餐楽しもーぜ!解散ッ!」又吉の号令でお開き

 

---1700大講堂----

 

講堂はスクリーン前の教壇から後ろに行くにつれて緩やかな上り階段となっている。入り口のドアが開き、席側から見て教壇の左側に長波・香取・サラトガが整列する。ピンマイクを付けた香取が「全員起立」と促す。

 

「提督は今、お前達のファイルに値段付け作業をしていて少々遅れる。基本的に宿毛とラバウル以外の配属となる、尉官共は全員准尉降格だ。行き先を指示された者は従うように。拒否権はもちろんない。異議のある者は赴任先で深海悽艦に特攻でもかけて沈んで抗議しろ。以上、着席。」演習とは違う静かなトーンで話す長波、静かすぎる故に真剣であることが伝わり口答えする者は誰もいなかった。

 

2分ほど張り詰めた空気の中

「提督の入室です。全員起立、敬礼。」とサラトガ。

起立と同時にドアが開き、又吉が一糸乱れぬ敬礼のを横目に教壇に両の手を広げて置く。

 

「座っていーぞ、お前らー。」ゆるく切り出す又吉

「とりあえず演習お疲れ。話にならなかったなぁ、長波は優しいからお前達の攻撃を褒めてたけどそれ以前の問題だ。」又吉は設置マイク外し椅子にドカッと背を預け足を組む

「去る連中に気を使う必要もないんで、先に答え言うね。十三やお前達に追い出された提督達がいたら第一艦隊は長門・金剛・赤城・摩耶・照月・潜水艦かこの編成の金剛を外して加賀だ。」講堂内がざわめく

 

「俺様に言われた強い順て言うのは、階級か?練度か?」机に足を乗せ後ろに倒したりしてギコギコ船を漕ぐ又吉

「予め提示されてる編成に対して強い順じゃないのかなぁ〜、第二以降は2人無いしは1人って言ってるにも関わらず、上から階級・練度頼りの脳筋編成。いやね、潜水艦入れても勝てはしなかったろうけど潜水艦入れるだけで香取か長波の装備枠が爆雷で一個減るんだぜ?おまけにサラトガに対して無敵のスナイパーになるんだぜ?十三がしっかり育てちまったから、提督がいなくても力押しで勝っててしまっていた。哀れな奴らだよ。」又吉はふぅーと大きなため息を吐く

 

「さて、改めて聞こう。十三がいたらどんな編成を組むと思う?元司令代行長門、代表で答えろ。座ったままでいーぞ」天井仰ぎながら言葉を吐く

 

「金剛と神通を外して加賀と潜水艦を入れるのが閣下の行うであろう編成だと思われます。」力なく答える長門

 

「だよなー、それで絶対香取か長波どちらかは落として負けたくせに目的は達したとか言いやがりそうだ。」あたかもそんな演習をしたかの様な表情を見せる又吉。

 

「ま、そう言うことだ。お前達は他の提督の元で忘れちまったもん思い出して来いや、あと1つ聞きたいんだが第7艦隊は順々に埋めた余りか?志願か?」

 

「第5以降の者の中から出た志願編成です。」何か気になったのか。と思いながら長門は答える

 

「オーケー、では今から呼ばれた順に紙取りに来い、異動願い兼俺様が作成きた異動先の提督に見せる為のプロフィールだ。クーックック」胸ポッケから漫画に出てくる渦巻模様のメガネをかけて笑う

 

 

 

あ、黄色いカエル型宇宙人だ。と秋雲だけが気付いた。

 

 

講堂に木霊する叫び声

吐瀉物まみれの食堂

他所の同型艦同様の優しい笑みを見せる香取

水上で膝をつく傷だらけの武蔵

息をつく暇なく動き続けるダブル明石

立ちはだかる安藤れいじ

 

戦闘描写ストレスの反動によるわがまま大長編

よろしくおなしゃす

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




艦隊ごとの戦闘なんて今の私には不可能です。当分まともな戦闘はない予定です。駄文お付き合いあざっす!もっと勉強しますわ






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6話 その名は「おキツネ様」

ぶっ壊れ回、好きなように書いています。他作品オマージュ・パロ多々あり
ただひたすらお気楽仕様

又吉が気になった第7艦隊メンバー
旗艦天龍改・山城改・鳥海改・村雨改・白雪改・伊8改 全員階級は准尉

香取達が気にかけたメンバー
瑞鶴装甲・伊58改・秋雲改・旗風改・瑞穂改・対馬 瑞鶴だけ少尉 残り准尉

オリジナル艤装登場します。今回のやつ1個だけやや特殊で、いずれ出てくるモノは単なる手持ち装備で特にぶっ飛んでません。

妄想を書ききりました!



1430執務室

 

香取差し入れの昼食をつまみながら、ぶつぶつ独り言いいながら色々書き込んでいる又吉。香取が用意した全艦娘の余白付きプロフィール

 

一番下の余白欄には「備考」部分が幅広に取られ、その下に「要求資材」という項目がある。履歴書の左半分みたいな感じ。

更にその下に「異動命令・希望: 空白  * 空白  」とある

 

--------------

長門型1番艦 戦艦長門改 「准尉」 顕現日○年○月 建造艦

所持装備------ 異動履歴 ------

備考 飛び抜けた戦闘能力だが頭が固く視野が狭い、准尉に落としてあるので要調教

要求資材 弾4000 鉄4000 鋼材4000 ボーキ4000 修復材5

異動命令・希望: 空白  * 空白  

--------------

備考と要求資材だけ又吉が書き込み、香取がスキャナーで取り込み

サラトガがPCを扱っている、PCの画面には

 

「第一回 極秘艦娘オークション 宿毛編」

 

反映開始1500-反映終了1530

1600締め切り、同時刻ライブ型抽選開始。ラバウル所属清霜による鎮守府名ボール抜き取り式抽選をリアルタイム配信!

*自身の鎮守府経営を圧迫しないよう節度ある申し込みを心がけること。

 リストにない宿毛艦娘(無料)の異動を受け入れる事が入札資格。で締められている

 

もちろん大本営には内緒で、異動結果だけを事後報告予定

大本営以外のすべての鎮守府・泊地・基地の提督が参加予定

 

---某大湊の何かの施設の偉い人---

「いいか!夕雲が出たら必ず勝ち取るんだ単冠湾建設任務にはママの癒しが必要なんだ!」「このクソ提督!」

 

---某横須賀

「必ず長門を手に入れろ!演習相手として散々な目にあったが味方となれば最高戦力だ!横須賀ここにありぃ!我らが新たな英雄となるのだ!」

 

---某ブルネイ

「雪風だ。時雨でもいい。ラバウルの悪魔泊地が近辺にあるってだけでも不運なのに支えてくれる君たちも不運な者ばかりだ。流れをかえるぞ、陸奥!」

「ええ、期待してるわ提督。あれ?画面真っ暗よ?」

 

新たな伝説がはじまる

 

1730大講堂

 

「まずは長門~。ほいこれ。」

手渡された紙を見る長門。途中言いたい事は色々あったが一番下の欄に

「異動命令・希望:横須賀鎮守府*3日後1200出発」とあった。

 

「提督、今回は完敗だ。だが私の放出を必ず悔やませる事を誓う、また会おう。」

と握手を求める

 

「期待はしてないぞ、だから俺様が驚いたらお前の勝ちだ。じゃーな」

握手を返されフランクな感じだがイケボ効果で長門の心には響いた。

 

「ほい次!あかぎー!」.......。

次々と呼び出し手渡していく。

 

「次はまとめて呼び出すぞ。天龍・山城・鳥海・白雪・村雨・ハチ。」

呼ばれた6人が目の前に整列する。

 

「このメンバーを集めたて編成したのは誰だ?」

「お、俺だ!」眼帯ボインが手を挙げる

「そうか。長波相手にやる気は見て取れたがお前弱すぎだろ?開幕1分で墜ちる旗艦とか爆笑もんだったぜ?」思い出し笑いをする又吉

「うぐっ・・・。」俯き口を結び涙を浮かべる天龍

「おい、パンチラ不幸戦艦」と言い山城に向く

「何ですかその呼び名、不愉快です。」

「どうだったよ?演習は?」

「駆逐艦にぶん殴られて気絶とかありえないんですけど、不幸は認めるけど腹立つわ、ホント。」

「つぎ、メガネおっぱい。天龍の後すぐ指示だしたはいいけど、誰一人指示通りに動けてなかったなお前自身も。メガネは飾りですカ。」

「・・・・。」鳥海もうつむく

「指示内容は及第点だったけどな。」(え・・・?)

「ハイ次、ツインテボイン、貴様駆逐艦か?胸ばっかりに栄養行って頭パーになったか?姉妹の時雨や夕立は尉官持ちで戦闘艦隊だったのにな、お前弱すぎ。だけど長波への回し蹴り最高だったぞwwwエロいピンクパンツ拝めたし。」

「????」褒められたのか貶されたのか混乱する村雨

「おっと、俺様でなかったら存在見落としていたとこだぜモブいも」白雪をみる

「そんな名前ではありません、白雪です。」

「すまんすまん、()()。存在の無さ活かしてツインテボインの蹴り上げたスカートの下からの砲撃は最高だったぞ、避けられてたがな。」

「最後にハチぃぃぃ!」両手を前にして揉む動作を行う

「はい!」条件反射で胸を突き出すハチ

「あの長波からよく逃げ回ったな、キレた長波にリアル轟沈させられかけてたけどwww」

「光が呼ぶ方へ歩いたら戻ってこれました!」横おじぎ➔

「クッ・・・」相変わらず強烈だぜ...

 

「と、言うことでお前ら全員宿毛湾居残りな!拒否権はねぇ。明日1000に執務室来い。解散。」パン!と手を叩く

 

「え?え?待ってくれ、俺はいていいのか?」と天龍。むにゅっ

「おう、眼帯ボイン。イイもの持ってんな、強くなりてーか?」もみもみ

「な、なりてぇ!俺は遠征艦娘じゃねぇ、軍艦だ!」頬を染めながらもはっきりと答える

「毎日の轟沈判定を覚悟しな、その代り強くしてやるよ。」小指から順々に素早く指を閉じ人差し指と親指が交差する瞬間に豆をつまんで離す。

「あ、ありがとうございます!」その場でへたる天龍、感動なのか快感なのかは彼女のみ知る

やりとりを見た他の5人は(良かったね、天龍)と心で言いながら特に不満なさそうに席に戻る。ただ、輪っかを頭に浮かべた艦娘は歯ぎしりをしていた。

 

あああああ!」と響き渡る叫び声

声の主たちは頭を抱え額を床に付けている。その姿を何の感情もなさそうに見つめる香取

「どうかご慈悲を・・・。」と照月・北上・朝潮・青葉

「青葉以外は鍛えなおしです、何ですかあの無様な戦闘は。3日後、私と共にラバウル所属となります。準備しておきなさい。」

「あの、青葉はなんで...。」恐る恐る挙手する青葉

「あなたには戦闘以外で教えることがあります、もちろん戦闘もみっちり教えます。」ピシッ!頬にムチが飛ぶが、音と空気圧だけで痛みは全くない

(どんな使い方したら空気が音を出すのでしょう・・・)青葉は諦めた

 

長波の前には瑞鶴・秋雲・瑞穂・旗風・対馬がいる

「と、言う訳でお前たちにはここに残ってもらう。悪いが強制だ、だが絶対損はねぇと長波サマが保証してやんよ。」

「わかりました、よろしくお願いします。」嫌な顔をせず落ち着いて答礼する面々

なんだろう、長波が提督でいいんじゃねぇか?と又吉は首を傾げた。

 

様々なドラマがある中、龍田は一人紙を見つめている

 

----軽巡龍田

「異動命令・希望:   *但し、ラバウル・宿毛湾以外を指定の事」

 

2000食堂

 

「-----。以上である!再び俺様と対峙した時に実力で元十三艦隊の名を取り戻して見せろ。貴様らの活躍を祈ってやらなかったりしなくもない、今宵は無礼講だ!乾杯!」

乾ぱ~い! 「お前らは完敗www」

海のもずくにしてやるネー! お姉さま、もくずです! あのおっさんぶっ殺す 満潮も朝潮を止めて!

 

又吉の正面には武蔵、右横には長波。又吉の隣はサラトガ、香取は乾杯の後少しつまんで飲んで風に当たると言って出て行った。

 

「武蔵、明日1200演習場な」ハイボールを一気する又吉

「了解した、期待しているぞ。」今日も骨付きチキンをガブリとやる

 

30分程して騒がしくなって来た頃

「あとは艦娘だけで楽しくやりな!」退室する。

皆移動したり騒いだりしているので又吉の退室は気にならない。

 

「チビども、元気でやれよ!俺は香取より強くなってやる!」豪語する天龍

「「天龍(さーん)~」」まとわりつく駆逐艦でハーレムが形成される

 

「みんな本当にここでいいの?」ケーキをもぐもぐしながらハチは言う

「ハチ1人をあの男の元に置いとくなんてできないでち」

ハチ以外の潜水艦5名は宿毛に異動願い 19・58・168・401・ろー

 

「そう、時雨も夕立も選べなかったんだね...。」からあげをフォークで刺しながら語る村雨はあっさりしてる

「僕はブルネイで夕立はタウイタウイで僕らは近いんだけど、村雨が心配だよ。」我が子を心配するような雰囲気の夕立と時雨

「うふふ、大丈夫よ。居残りは私だけじゃないしね!」といつもの村雨

 

「白雪...。何かあったら私に連絡するんだよ!すぐ駆けつけるから!」筆頭芋

「平気、なんだか意外と提督と相性悪くない気がするの。」姉妹芋

 

「はぁ~不幸だわ」「春ねぇさま...」「全機発艦!目標鉄面皮!」

 

宴は深夜まで続き、盛り上がりすぎて翌朝。各所で艦娘と変わった水たまりのセットが散らばっていた。

 

2XXX香取の部屋

備え付けのシャワーを浴び髪を乾かし終えたところでノックが響く

「入って、鍵は開いてるわ。」優しい口調の香取、来訪者は分かっている。

 

化粧台に置いたリモコンで部屋の電気を切る、ベッド横のスタンドライトのみが部屋を灯す。

立ち上がり体に巻いていたバスタオルを外し、産まれたままの姿で首に両腕をかけてくる。まとめておらずかなり長い霞んだ銀髪が、外の月明かりを反射して金髪の様になる、西洋にありそうな1枚の絵画の様な美しさに言葉が出ずにいると

「今日は私、頑張りましたよ?」と普段は決して見ることのできない「練習巡洋艦 香取」本来の美しい微笑みに堪えきれず

 

朝焼けが確認できる頃まで抜錨を繰り返した

 

翌日1000執務室 

 

「天龍以下5名入ります」又吉の座る机の前に整列して敬礼。

「俺様の方針は他所の奴らの視線がない時は堅苦しいのは省略だしている、楽にしろ。決める時はキッチリ決めてくれ、オンオフ・オンオフ大事」

 

ふーっとひと息つき天龍が続ける「助かるぜ提督、そいで呼ばれたから来たけどよ。なんか用か?明後日まで引っ越し準備とかあるからみんなオフだろ?俺たちは引っ越しねーから構わねーけどさ」

 

「あー、用ってのは任命とついでに大したことじゃないけど初命令」

「お?なんだ?いーぜ、なにすりゃいい?」

 

「今、俺様の前に並ぶお前たち6名が宿毛湾新第一艦隊な、旗艦天龍」

「あいあい、第一艦隊ね。まぁ、必要なら遠征だって今まで通りやるし…大体第一艦隊なんて…第一?え、第一???…」

「はぁ、不幸だわ。いきなり驚かすから天龍逝ってしまったわよ提督。どーすんのこれ。」

「あちゃー、鳥海。お前副官やれ、基本山城とお前がメインで色々考えて動いてくれ。」

「え?天龍さんが旗艦ですよね?」

「天龍は現場の旗艦だ、とにかく大破しないよう山城が守れ。一戦一戦完勝しなくていい、敵の足止めができたくらいの勝ちで良いからとにかく天龍を最終海域まで連れて行く作戦を考えて実行しろ。面白いもんがみれるぞ。村雨と白雪は山城達の手が届かない所へのサポート、大型艦が守りに入るからお前らが戦闘担当だ。ハチは両方。戦闘とか重く考えず、天龍を目的地に届けるゲームだと思ってやってくれ、長々と話したがこんな感じだ。あと1200に武蔵の演習あるから見に来い、それが初任務だ。」

「え?まぁ、言われたからにはやるけど〜。戦闘かぁ、提督。村雨のちょっと良いところ見せてあげるね」

「よろしくな、また後でな」天龍をおぶった山城達が退室すると、執務室の内戦が鳴る 「こちら執務室、俺様だ。あぁ、ああ…そうか、できたか。よし、今から行く。」軍服を執務室内のハンガーにかけ、ラフな格好で電話の主である工廠へと又吉は歩き出す。

 

1200演習場

 

昨日と違い演習場には明石達の乗ってきたかなり大きな二階建てクルーザーが端の方に接岸されている。観覧席に通じる小さな広場でダブル明石が何かの設営を急いでいる

「思ったよりも調整に時間かかってしまいました、急ぎますよ宿明!」玉の様な汗を垂らしながら頑張っていた。

 

観覧席には宿毛湾の半数近い艦娘が見学に来ていた、残りは昨日を思い出したくないと食堂でご飯を食べながら中継を見ている

クルーザーを起点に各スピーカーから開通のブツッという音が鳴り「マイクチェック、マイクチェック。ワン・ツー」と又吉の声が響く

「武蔵、準備はいいか?」と言う問いに武蔵は無言で左手でクルーザーに向かってサムズアップを決める

「よし、簡単に説明するぞ。今回の演習は少し特殊だ、相手も特殊だ。武蔵の装備は主砲2、副砲1、機銃1だが空の観測機はクルーザー内のサラトガのものであり武蔵に着けさせたイヤーマフで長門がやった共有状態になっている。常に観測射撃が可能な代物だ。」

ポン!と海中から◎を掲げたブイがあがり「武蔵、ブイを見ないで撃ってみろ。」と言われ、武蔵は大きくよそ見をしながらサラトガから送られてくる情報通りに副砲を撃つ。

パキョン!と言う快音と共にブイが粉々になる。「よし、問題無さそうだな。今回の演習相手は1セット10分しか戦えない。だが、君らが相手してきた者の中でも間違いなく最強の相手だ。見事砲撃を当ててダメージ判定をアナウンスさせてみせろ。」と言うと、スピーカーから…

 

デンドンドン♩デンドンドン♩デンドンドン♩デンドンドン♩

テッテレーテッテレーテッテレー♪ガ○バスターのテーマが流れ武蔵の前方200メートルの海面が盛り上がり3m四方の小さなステージの中心から腕組みをして所謂ガイナ立ちをしたまま上がってくる者が現れる

 

スクリーンではアップになり、細部が良く見て取れる

全身黒ずくめで一部に赤いラインの装飾。剣と魔法のゲームとかによく出てくる鎧騎士の様な風貌

足の艤装の様なものはつま先と踵に大きな鉤爪の様なものがある

腰の両側には大きな板状のものが付いており先端がやや後ろを向いるがそれでも床スレスレの長さがある

両腕にはそれぞれ3本の白い刃の様なものが並び、胸部はやや前方に突き出て船の先みたいな厚みのある形をして胸の両方に少し顔を覗かせた魚雷らしきものが装備されている

そして突起物の多い兜の顔の部分には黒ベースに赤いラインで装飾された狐面があった。タイプ ジ・エンド 

 

その悪魔の様な出立に、観ている殆どの艦娘が息を呑む中

 

「お狐さまぁ〜❤️」と数人の艦娘から黄色い声援が飛ぶ

 

 

「お狐さま?背格好と佇まいを見るト、あれは提督じゃないのデスカ?」と観覧席の金剛が呟くと、ポンと肩を何者かに叩かれて振り返ると

 

「お狐さまが司令官?何を言ってるの金剛さん?」と手に黒地に赤抜き文字で「黒」と両面に書かれた大きな団扇を持つ目から光を失った清霜がいた。

同様にあれは提督では?と呟く主に第一、第二艦隊の熟練者の肩を光なき目で叩く一部駆逐艦の姿があちこちで見られた。

 

「久しぶりに拝見しましたが、あの佇まいだけでご飯何杯も行けます!」フンッ!と大きく鼻息を漏らす朝潮。手には団扇、額には同色のハチマキ

「あらあら?あの黒い方、どことなく提督の感じがするのよね〜」隣にいる荒潮が呟くと

「荒潮さん、今あの方を汚らわしいゴミと同じ存在であるような発言をしましたか?お姉ちゃんちょっと悲しいな〜」瞳を見せない目が無くなる笑い方をする朝潮が何かいけないオーラを纏っている

 

荒潮は艦娘に顕現して初めて漏らした…。

 

黒い騎士が登場し終えるとクルーザーのスピーカーから

「この方が武蔵の演習相手だ、宿毛・ラバウルからの一部の者達は面識があるだろうが我々はタイプ ジ・エンドと呼ばせて頂いている方だ。余談ではあるが白ずくめのタイプ ゼロと呼ばれてる方もいらっしゃると覚えておいてくれ。」

 

眼前の武蔵は

(提督よ、魅せてもらうぞ。ラバウルの悪魔の由来を)と内心で喝を入れる

(武蔵姉さん、司令官じゃありませんよ?黒様ですよ?)と脳内に直接響き、深海悽艦の姫級を思わせるプレッシャーを感じ身を震わせる

(なに?なんなんだ今のは…清…霜?)

 

「ジ・エンドの武装は20.3相当の主砲、15相当の軽巡主砲2門、胸部魚雷2本。両腕の刃は有線による籠手型の射出武器だ。サラトガの電探恩恵はない。では、合図と共に始めるぞ」

黒い騎士が両腰の板を取り外し眼前で合わせ1枚のサーフボードの様なモノにする

ボードを水面に放ると勢いよく乗り足の艤装の前後の鉤爪がボードに食い込む

「概知の者もいるだろうが、武蔵。ジ・エンドの仮面を入手した場合は現実に起こるモノであればどんな願いも叶えられる権利が俺様からあたえられるぜ?気張れよ!」

 

信号弾が花咲き演習が開始された

 

5分後、水面に跪き至る所から血のスジが流れる武蔵と両腕を組み武蔵を見下ろす黒騎士の姿があった。

 

「ふぅ〜長波、武蔵をクルーザーに曳航しろ、入渠エリアで高速修復剤の使用も許可する。ジ・エンドはそのままドッグに行き補給を。」

「ラバあかちゃん、ジ・エンド補給だって!後は私がやるから早く行って!」

「ああ、ごめん。すぐ行って戻るからよろしく!」

 

2.セット、3セットと続き3セット目にはとうとう身体を起こすことができなくなり海面に仰向けに倒れる武蔵の姿があった。

「弱い、なんて弱いんだ私は」武蔵は言葉とは裏腹に心地よい笑顔で仰向けになっている

 

「これにて演習終了。明石、店のオープンを許可する」

又吉の号令と共に一斉に立ち上がる駆逐艦を中心とした艦娘達。ルールは早い者勝ち、但し又吉の開店許可ぎ出るまでは着席していることがルール。食堂のメンツは距離的に不利だが、観覧席からはほぼハンデはない

だが、やはり概知の艦娘達のスタートが早い。初めて知った艦娘達は明石達が設営しているときに見た「おキツネ○○」と書かれた段ボールがあることを思い出し。あれが店だと確信。故に混雑を極める観覧席出入口は既知組はとうに抜けているものの潰し合いが開始される。これが一部では有名な

 

「お狐祭り」である

ハチの裏拳を朝潮が右足の裏で止める。清霜が繰り出す崩拳を旗風が華麗に流す。

照月の放つ右ストレートを吹雪が左掌で受け止め右手で照月の伸び切った右肘を跳ね上げようとするも照月が跳ね上げられる流れに逆らわず跳躍して宙返りの形で躱す。

出入口をうまくすり抜けた天龍だが、同じく並走する村雨の大きく踏み込んだ左の肘鉄をうまく…捌けず右脇腹を押さえて地面にうずくまる

 

結果、大量生産品数種は皆購入できたが今回の大目玉

「ジ・エンドなりきりフルセット(艤装に対応する分割サーフボード付き)」は清霜が手に入れる

「限定お狐黒仮面(裏面サイン入り)」は朝潮

「お狐クロー(艤装対応)」村雨と秋雲が手に入れ、後々の戦いで…

 

夜の食堂は駆逐艦を中心にお狐さまの話題で賑わっていた

 

なお、長波・香取はクルーザーの護衛、北上は工廠待機で明石のサポート、青葉はクルーザーとジ・エンドに装した又吉の通信サポートをしていた。

各自それぞれ「10枚で仮面入手相当のチケット」を一枚もらい大満足である。売り上げの利益は全てジ・エンドの維持費に使われる

 

----夕食後の大講堂

 

食堂で清霜達の声かけにより「お狐さま講習会」が開かれることになった。

ダテ眼鏡をかけ、香取から借りた「まともな教鞭」を持った清霜がお子様台を使い教壇につく。朝潮型は正面最前列の席を陣取り、朝潮もダテ眼鏡をかけペンとノートを持っている。満潮・霞・荒潮もペンとノートを用意させられている、荒潮の目が虚なのはご愛嬌

 

何気に手伝いをした艦娘以外の全てが参加している、みっちゃんも何故か教壇自体に立っている。

「-----というわけで、現存確認がされているお狐さまは3人です。」

白を基調とした赤ラインの「お狐タイプ・ゼロ」

本日の演習に登場した「お狐タイプ・ジ・エンド」

白と青をメインとした羽付き「お狐ゼロ・カスタム」

 

「タイプゼロとジエンドは長門さん達が異動してくる前の宿毛湾泊地で確認されたのが最初です。何度か登場し、お狐さま同士の演習もありました。ゼロカスタムはラバウル泊地が初出です。こちらもジエンドとの演習もありました。タイプゼロは主に近距離に秀でていて肩のブーメランによる近距離とブーメランを剣代わりにした斬撃もあります。タイプジエンドは本日見た通り近・中距離が得意の様です。ワイヤークローで武蔵さんを捕らえ背中に向けての全弾発射で武蔵さんが本当に轟沈しかけました。ゼロカスタムは中〜遠距離タイプです、こちらのスライドを見てください。通称、アイオワ砲と言われるモノに酷似した大経口主砲2門を両手で箸のように揃えての砲撃は、2門ということもありその一撃は大和型の主砲の威力を大幅に上回ります。この砲撃でラバウルの扶桑さんが轟沈しかけましたが、扶桑さんは砲撃の直後硬直を狙い僅かに先に撃ち2門の砲を破壊しました。現在お狐さまにダメージを与えたのはタイプゼロに長波さん。ジエンドに香取さんの3名のみです。ですが、軽微な艤装損傷に留まり仮面の奪取には至ってないのが現状です。」

 

講義は無心で聞き、自室に帰ってから武蔵は

体軀から見てタイプゼロは十三でジエンドは又吉というのまでは分かったが、ゼロカスタムは…誰だ?

 

講義は様々な映像を交え2200近くまで続いたそうです。

 

2日後、各艦娘異動の日

ラバウルクルーザー前にて、乗り込むために船着場を訪れた香取の前に立ちはだかる男がいた

 

 

男の名は「安藤 れいじ」

 

 

君は、時の涙をみる

 




めっちゃはっちゃけてクソ長くなりました、すみません…。

ネタ元はお察しの通りです

おキツネ装備は艦娘の装備を人間でも打てるようにしただけなので武器自体は深海凄艦に効きますが扱うのは人間なのでダメージは出ません。艦娘に効果があるのは艦娘の妖精が許可を出しているため。おキツネ砲を武蔵が使うと深海凄艦を倒せるけど人間が使うとダメージにはならないです。

タイプゼロは改修されタイプゼロ spec2 となり現ラバウル提督が使用予定です。
香取旗艦後、現ラバウル提督のサーフィン訓練と軽トラの荷台に立って悪路を走らせながら砲撃訓練する姿が見られます。駆逐艦たちの夢は壊してはいけない。


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7話 それぞれの旅立ち:追記あり

第一章完の後に書き忘れ追加しました!すみません

艦娘一斉異動日 入口に待機する車に乗り込む者。数隻並んだ船に乗り込む者
泊地の各所で旅立つ者と見送る者のドラマが展開する

元十三艦娘達が各地で起こす伝説のスタート。深海凄艦とのラストバトルはここから始まる。
後の人々はこの日を「艦娘の日」として祝日に制定する。深海凄艦に勝利した日ではなく、その中で活躍した艦娘達が皆、口を揃えてこの日が分岐点だった。と語ったためだ。

タイトルは前書きを回収したモノです、本編はズレにズレまっくてます。


時は遡り、又吉到着日。間宮の食事を終えとりあえず青葉を捜す香取

 

ポンポンと左手のひらにムチの先端をリズムを刻みながら当てて、館内を闊歩する香取

 

----「安藤軍曹であります!」-----

勢いよく答える醜い豚をムチで打った時の感触・・・あれはなんだったのだ?

執務室に入る直前に背後から襲ってきた神通に裏拳を当て、鳩尾に膝を叩き込んだ時よりも。入室と同時に飛んでくる長門のハイキックをスウェー躱し軸足を足で刈り取り、宙に浮く長門の後頭部に膝を当て右ひじを顔面に埋め込んだときよりも。突進してくる金剛の顔面に膝を入れ、後頭部に踵落としを入れた時よりも、豚を叩いた感触の方が気持ち良かったのだ...。

 

例えるなら、そう。

誰も足を踏み入れていない一面雪の銀世界に足を踏み入れ駆け回る感触。

 

あるべき姿から、踏み入れた足の形通りに寸分の誤差なく型取られる様を見ると達成感というかそれを行ったのは私だという支配欲というか、とにかく「快感」なのだ。

あるものが自分の行った行為により自分の思い描く通りの結果をもたらす気持ち良さ。無心でやるのでは意味がない、対象のすべてを分析・把握し、どう力を入れる?どう動く?考えに考え抜き起こした行動が自身の思い描いた予想に寸分の狂いなく返って完結する時に自身の背中から始まり額を終着点にした熱の流れに感じる興奮。

 

「これが生粋のサディスト」の感覚である

 

誰しも自分の思い通りにことが運べば興奮するし高揚する。その部分だけを取れば人類みなサディストであるとも言える、まぁ間違ってないけど「真のS」とは対象のすべてを理解し対象の望みと自身の快感を自身の行動によって嚙合わせることができる者を指すのだ。

 

あの豚に対して思い入れなど全くないので考えなしに振るったただの暴力、体に染みついた感覚が無意識でも発動し打撃に少しの品を乗せるとはいえ

そういう意味でも安藤が香取に与えた感触は極上のモノであったが、今は自身の欲求よりもやらねばならぬことが山積みのため、頭を切り替え歩み続けた。

 

 

----体に衝撃が走りまくっている-----

憲兵待機所に戻った安藤は悩んでいた。自分の感情に思考がついていかないのだ。

よく雷に打たれた衝撃とか息をするのを忘れるだの様々な驚きの形容詞が存在するがどれも当てはまらないのだ。

頬から始まった振動の波は未だ体の中を駆け巡っている。叩かれたところはうっすらと赤く色付いているものの僅かな腫れも小さな切り傷もない。なのに振動だけは残っている。

付近の店や、ネットの評判を見て遠くは横須賀まで遠征した時もあった。

結果。ただの暴力だけのS嬢であったり、罵倒という名の勉強不足の暴言でしかなかったり。現在、及第点には及ばないが許容範囲内の嬢の所に通ってはいるが高校時代の生徒会副会長が完璧すぎて、多少体は満たされても心が満たされることはなかった。

 

だが、この体の芯から沸き上がる感情と熱はなんなのだ・・・。

 

毎日の訓練もさることながら、ただの暴力嬢に当たった時のために別口で筋トレをしている。馬鹿嬢に当たった時のためにネットの掲示板で煽りを入れワザと隙を見せてあえて論破され、精神的な鍛練も怠っていない。肥満体型ではあるが実力的にはそこらの格闘家など足元にも及ばない肉体と精神を持つが心が満たされないため発揮されず周りからはグズ扱いされている。

 

深く深呼吸をして、もう一度香取の佇まいや受けた言葉と痛みを思い出す。

「これで許してあげましょう、以後失礼のないように学びなさい」

決して強い言葉ではない、言い方も罵ることもなく穏やかだ、なのに姿と言葉をこうして思い出すだけで体が火照る。火照った体の中を走っていた衝撃が心臓から突如分散し全身の血管を這うように手足の指先や頭の天辺、そして再び心臓に戻って来た時

 

「カチリ」と何かが体の中でかみ合う音がして、安藤の頭の中に宇宙が広がる

 

待機所にいた同僚が、天井を見上げたまま動かない安藤を心配し肩に手をかける

「おい、安藤!大丈夫か・・・?熱っつ!

 

「俺は安藤ではない。僕はアンドレだ」

 

-----グループ名「監獄憲兵」--------

 

アンドレ:ついに仕えるべき主君を見つけた

額人(ガクト):いきなりどうしたでござるか?

Beautiful Joe:?(蟻のキャラクターの?マークスタンプ)

出席良し:お、アンドレついに通うべき嬢にあえたのか!

信号:ついに副会長の呪縛が解けたか!おめ!

アンドレ:違う、練習巡洋艦の香取様だ。

出席良し:まぁ、何となく副会長に似てるけど優しすぎん?

額人(ガクト):でも、とりあえずおめでとうでゴザルよ

アンドレ:ラバウルの香取様だ:画像添付(正門の防犯カメラの映像から取ったバストアップ画像)

Beautiful Joe:!(蟻のビックリマークスタンプ)

信号:は?これが香取??

アンドレ:では、また会おう

信号:お、おう・・・。

Beautiful Joe:がんばれ!(蟻スタンプ)

出席良し:近々飲み会すんぞ!

額人(ガクト):報告待ってるでゴザルよー

 

---演習後の宴会の食堂から出た所----

風に当たり、部屋で今夜のために身を清めようと早々と外に出た香取は夜間巡回中の安藤が歩いてくるのを見た。

歩いていた安藤は前方に香取の姿を確認すると「香取様、異常なしであります!」と敬礼をする

その姿に少し違和感を覚えた香取は問う「貴様、あの安藤か?」

「はっ!入口で無礼を働いてしまった、安藤であります!」

香取は近づき敬礼したままの安藤の今度は右頬を右の返し手でムチ打つ。今度はやや酔ってはいるものの「意識」して打つ

打たれたアンドレは固まってしまう(な、なんだこれは。アンドレに戻った僕のすべてを把握したような包み込む一撃・・・動けない)

「見違えたぞ安藤、休め。貴様、何があった?」香取はあり得ない手の感触による動揺を表に出さず淡々と語る。

「恐れ入ります、ご命令通り気持ちを入れ替えたまでです。」休めの言葉で動くようになった体と口を動かして答える

「すぐに行動できる者は好感が持てる、私はラバウルに戻るがこれからも励めよ。期待している。」と踵を返し館に戻る香取

(ラ、ラバウルだと・・?せっかく仕えるべき主に出会えたのによりによってラバウルだなんて・・)

アンドレは香取の姿が見えなくなると両手のひらと両膝を地面につき涙を流す。ラバウルの憲兵隊はほぼ壊滅し現在ラバウルは憲兵が配属していない唯一の泊地だ。

数分泣いた後、土を握りしめアンドレは立ち上がる。その表情は何かを決意した男の顔だった。

 

香取は自室に向かいながら手の平に残った感触を楽しんでいる。「逸材だな..。」

最高の感触を楽しんで火照った体と頭で、今夜の来訪者を瞳を閉じて頭に浮かべる

瞬時に股が湿るのを感じ(安藤、あなたのおかげで今宵は最高の夜になるわ)いつもの表情から他の練習巡洋艦香取を思わせる雰囲気に変わり、自室のシャワー室へと入っていった。

 

---大講堂でおキツネさま講座が開かれている時の執務室----

 

「提督、憲兵待機所から内線です」サラトガが執務机に座しており、書類の整理をしている

又吉は寝ころんでいたソファーから立ち上がり受話器をとる---「泊地所属憲兵、安藤れいじ軍曹であります。」

「おう、どした?」又吉が切り出す

「うん。・・・へぇ。・・・おうおう。ははは!」何やら盛り上がっている

「分かった、お前今から執務室に来い。5分以内な」と言い受話器を置く

5分後ドアをノックする音が聞こえ「名乗りいらんから入れー。サラ悪いけどドアの外で待機して入室禁止にしといて」

「はい、おおせのままに」ニコニコと微笑みアンドレと入れ替わる時に小声で「がんばれ」とささやく

アンドレはその声質に一瞬ビクッと体を反応させる。(副会長の声・・・?)

又吉は入室したアンドレを見て香取同様に驚く

「お前、香取にムチ入れられたやつだよな・・・?」

「はっ!」芯の通った敬礼をするアンドレ

「そういうのいいから、いいから。楽にして。それにしても男児3日なんたらとは聞くが目の当たりにすることになるとは・・・。」又吉は上機嫌

「安藤、俺様の右後ろに立て。今から憲兵司令長官(大将)とスクリーンで繋がるが、穿いてるものは穿いてるから動揺すんなよ。」と、又吉は切り出しパソコンを操作して画面に受話器マークが点滅してふさふさの白髪頭に鼻の下に黒い整った髭を蓄えた、マッチョなナイス・ミドルガイが現れた。なぜマッチョと分かったかって?いやだって裸だもんこの人。

「やぁ、又吉君どうしたのかね?」裸の男がキメ顔で訪ねてくる

「おっちゃん、この後ろのウチの憲兵の安藤ってやつが女のを追いかけたいからラバウルいかせろってさ」と親指をクイッと後ろに向ける

「ほう・・・・。「尻」と言ったな。」目の前のダンディーの雰囲気が変わるアンドレはビビりながらも憲兵所復活を訴えた

「おっちゃんがこいつの提案を支持するなら、俺様はコイツに将官権限で仮の少尉を与える。。期間は3か月でどうよ?」

「安藤軍曹、覚悟は伝わったがひとつ君に尋ねたい。女性は崇高なる存在であることは当たり前として、その女性の女性たるものを表す部位はどこかと考える?理由も述べよ」

更に凄まじい凄みを帯びた視線が画面越しのアンドレを射抜き、アンドレは一瞬呼吸が止まるも発言する

「恐れながら申し上げます!臀部です!自分は香取少佐に打たれた後、振り返るあのお方の臀部を見た瞬間に暴発してしまいました!いままで生きてきてこんなことは一度もありませんでした。あのお方のあのお方を守るために私情ではありますが命を賭けることを誓います!」

「安藤、お前最高だぜ!しかもあの香取とは趣味がいい!おっちゃん、おれはコイツを買う。だが3か月で結果見せなかったら海に沈める」

又吉は画面越しの長官にはよ答えろと言わんばかりに顔を近付ける

「長官として許可しよう、活きのいいのを一人補佐で送る。その者と共にラバウルに再び憲兵所を立ち上げて見せろ。あとから1ダース選抜した者も送ろう。」

又吉は腕を頭の後ろで組み椅子で船をこぎ、アンドレは安堵の表情を浮かべる

「今から言うのは長官としてではなく一人の男の呟きだ。ラバウルは陸上攻撃を食らうことも多々ある本物の戦場だ。」

アンドレは息をのみ又吉は欠伸をする

「貴様の手の届く範囲の戦場で、貴様が守ると豪語した者(尻)に掠り傷一つでも負わせたならば、私直々に貴様の脳天に鉛弾をプレゼントしに行くぞ。期待しているぞ同志よ。」

発言が終わると通信が切れ真っ黒な画面になる

「と、いうことだ。安藤臨時少尉、励めよ」又吉の発言に深々と頭を下げ、更に男の顔となった安藤が退室してサラトガが入ってくる

入れ替わり際に「良かったですね」と囁きかけられ、アンドレはキラ付け状態となった。

 

 

-----グループ名「監獄憲兵」--------

 

アンドレ:ラバウル憲兵所立ち上げ責任者になった。みんな、また会おう!

信号:噂話がこちらにも流れてきたぜ、アンドレ死ぬなよ!

Beautiful Joe:お前ならできる(スタンプを使用しない普通の文字)

額人(ガクト):休暇で来た際には拙者たちがおごるでゴザル

出席良し:俺の後輩の神谷 暦(こよみ)って男が明日宿毛湾にお前の部下として行く

格闘はほどほどなんだが、とにかく怪我をしない不死身みたいなやつだ。生きろよ!

アンドレ:みんな、ありがとう。必ずまた会おう!

全員:OKスタンプ

 

 

-----旅立ちの日のラバウル船の船着き場-----

 

香取の前に立ちはだかる男、緩そうなオタク顔だが整ったイケメンを1人後ろに置き

「この瞬間よりラバウル憲兵所立ち上げの責任者となりました、安藤 れいじ特務少尉であります!」

「ほう・・・。」長門や武蔵を思わせる低音ボイスを発する香取

「艦娘殿たちのお手は煩わせません。香取特務少佐、ご同乗の許可を願います!」

「ふふふ、涙の汗の血の一滴までもラバウルに尽くしなさい。期待してるわ安藤特務少尉」

「ありがとうございます!以後できれば自分の事はアンドレと呼び捨てていただければ幸いです」

「言いやすくて好感が持てますね。ではアンドレとそこのアホ毛男、荷物を運びなさい」

 

スタスタと歩くラバウル行き一行の中になぜか龍田の姿があった

 

----宿毛クルーザー上-----

 

船頭に立ち、腕を組んだまま出港する船たちを見送る又吉

「何とか綺麗になったな、これも。」昨日は宿毛艦娘総出で誇りをかぶっていた船を大掃除と整備

「3日後にはラバウルからまた臨時の応援が何人か来る。そしたら出撃や建造開始して宿毛始動開始だ!」

後ろに控えるサラトガと長波に声をかけ、振り向きざまに人差し指を大きく指し出して背中を反らせたジョジョ立ちを決める又吉

 

その晩、各鎮守府から艦娘の大量入隊報告を受けた大本営から叱りの言葉と「半年間の建造禁止」命令を受けた又吉であった。

 

 

第一章完

 

 

---3か月後ラバウル泊地----

 

泊地正門でアンドレが腕を組み仁王立ちをしている

 

----ラバウル泊地町中AM7:00----

 

先頭を走る神谷「♪俺たちただの憲兵隊!」

憲兵達    「 俺たちただの憲兵隊!」

 

       「♪毎日かんむす出撃だー」

       「 毎日かんむす出撃だー」

       「♪俺たちあの子の尻を見る」

       「 俺たちあの子の尻を見る」

       「♪のめりこめる!」

       「 のめりこめる!」

       「♪のめりこめる!」

       「 のめりこめる!」

       「♪彼女や妻には内緒だぞー」

       「 彼女や妻には内緒だぞー」

       「♪尻をおかずに飯がうまい」

       「 尻をおかずに飯がうまい」

       「♪阿賀野に龍田に朝潮ちゃん」

       「 阿賀野に龍田に朝潮ちゃん」

       「♪照月、巻雲、浦風さん」

       「 照月、巻雲、浦風さん」

       「♪胸がたぎる!」

       「 胸がたぎる!」

       「♪胸がたぎる!」

       「 胸がたぎる!」

       「♪今日も哨戒ご苦労さん」

       「 今日も哨戒ご苦労さん」

       「♪俺たちただの~」rep

 

町中の決まったルートを駆けて行くラバウル憲兵達。住民たちはこれを目覚まし時計代わりにしたり、哨戒担当の艦娘の名前を聞きそれぞれ好みのお菓子や食べ物やプレゼントを泊地に届ける。

尚この行進には人数の増減はあれど休みはない、雨天台風決行である。

艦娘が哨戒を休んだ時のみ行進も休みである。

 

結果を確認しにやって来た憲兵長官がブーメランパンツのみで先頭を走り、いつもと違う掛け合いが始まってしまい住民総出となる事態となる。

長官到着翌日朝の出来事であった、アンドレは正式に少尉になりましたとさ。




はい、艦これの2次創作を書いているはずです・・・・。
短いスパンで投稿しました。明日、明後日は用事があるため投稿できないのと、お気に入りの作者さまたちの作品を見返したりして勉強してきます。
パソコンで書きスマホでちょくちょくスマホ版もチェックしてますが文章の見やすい並べ方難しい。



次回、ラバウルからの応援が到着し遂に動き出す宿毛湾泊地

第二章スタート
「抜錨!新おっさん艦隊」へ続く





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始動
8話 抜錨!新おっさん艦隊


今度はちゃんとタイトル回収します
大がかりなオリ艤装はこれだけです、あとはほんの軽い手持ち武装程度です


残る艦娘、旅立つ艦娘。それぞれが動き出したあとの夜の執務室からスタートです



1900執務室 

 

翌日の会議の資料を作っているサラトガと長波、与作は定位置のソファーの上でゴロゴロしているとパソコンからビデオ通話の呼び出し音が鳴る

 

「おっと、出なきゃなんねーな。どこからだ?」勢いよくソファーから飛び上がり、執務机のサラトガと代わる

 

「---こちら大本営、折笠です。又吉さん、ずいぶん派手に動きましたね?各鎮守府からの入隊報告を受けて驚きましたよ?」

大本営所属:折笠少将。25歳、年齢から分かる様にコテコテのエリートで父親は大将とコネ丸出しの男だが、意外と腰が低く話の分かるやつで又吉が唯一心許している将官だ。

 

「申し訳ありません、少将閣下。泊地立て直しにおける運営方針の意見の違いから袂を別つこととなってしまいました。ラバウルから少しの間応援を呼んだため、その間に建造やドロップで増員し鍛え上げ早急に軌道に乗せる目星は付いております。」できる男風に答える又吉。

 

「又吉さんのことだから私は心配してないんだけどさ、周りや上はそうもいかなくってね...。」画面越しの高校生にも見えなくない可愛らしい風貌の男が続ける

「受け入れた提督たちも宿毛艦娘からも不満も出ていないと伝えたんだけど、余りにも身勝手すぎるということで、建設計画は予定通りのままで半年間の建造禁止。これで手打ちとのことです。」

 

「なんてこったい...。」又吉はイスを思い切り倒し天を仰ぐ。

 

「又吉さん、はやれるとこまで頑張ったからね?だいたいね、着任早々所属の2/3しかも高練度の十三さんの艦娘を大盤振る舞いとか受け入れの提督たちは大喜びだったけどやりたい放題やり過ぎだよ。報告を上にあげる僕の身にもなってよ、毎回、毎回さ!」少将が砕けた口調になる。

 

「わーってるよ、感謝している。ラバウルの鳳翔と伊良湖におとっときの菓子作らせて送るから勘弁な。」

「多めに頼むよ?僕の大淀とかも頑張ってくれてたからさ。とりあえず伝えたよ?ちゃんと守ってね?」

「それぐらいならおとなしく言うこと聞くわ、あと3か月後くらいからここもラバウルと同じように戦場になりはじめるだろうから周りの尻叩いといてな」

「そう...。やっぱり避けられないんだね。分かった、周りは任せて。それじゃ。」

画面が暗くなり、又吉はイスで船をこぐ

「まぁ、しゃーないな...。」

 

翌1000大講堂

 

「----という訳で半年間建造できませーん!なのでラバウルからの応援が着き次第、お前たちにはドロップを狙うため積極的に新海域で暴れてもらいます。」

「おっしゃー!戦闘だ!」とはしゃぐ天龍を他所に皆大人し目だ。

「はしゃぐなー天龍、皆は気付いてるみたいだが予想通りだ。少尉にもなってないお前らが新海域に突入すれば間違いなく沈むだろう。だからお前たちに今日からラバウルの戦い方を教える。身に付けたら沈まず帰ってこれる、身に付けられなければ沈む。帰ってこれたらまた行く、また帰る。練度なんか勝手に上がる強さも身につくが常に轟沈が隣りあわせだ。沈みたくなきゃ身に付けな。」

又吉がリモコンを操作してスクリーンが点灯する。そこにはサーフボードのような艤装に乗った長波とジエンドが映し出される

 

「これを乗りこなす。それだけだ、簡単だろう?」得意げに語る又吉と固まる艦娘たち

 

「よーし説明するぞ、気になるところは資料にどんどん書き込んでいけ。講義の後も実践の後もいつでも質問とか受け付けるぜ、覚えなきゃ死ぬからな。」リモコンをいじりまた画面が変わる

画面左にボード単体の横から見たものと下から見たもの、中央は腰に2分割したボードを装着している長波と右にはボード2分割のままスキー板の様に乗る清霜の画像

 

「まずは目的と性能だ。ボードは艤装対応になっている、主に長距離高速移動を活かした強襲作戦がメインだ。ボードを装着した場合全艦種超高速扱いになる」

「まず船で目的海域前の適当な島に行く、そこからボードで出撃。目的海域に着いたらボードに乗ったまま戦闘だ。本来はそのまま敵を足止め程度に破壊して進軍を優先するためのものだ。」リモコンを操作すると左側のボード画像はそのままで、長波と清霜が消え上から見た図と斜め前と後ろから見た図がに変わる

 

「さて、ボードの詳細だ。見て分かる通り上から見るとサーフボード風だが、他の角度から見ると下が船の底の様になってるだろ?そう、船なんだよ。前方には燃料が入っている。で、後方がスクリューと舵。お前らの足の艤装が船舶型になっただけなんだよ。だから旋回性能は船基準だからお察しだ。ボード型最大のデメリットさ、スキー型はボード型の緊急回避用だと思ってくれ。」

「で、続けさせてもらうが操作マニュアルはない。自分の足艤装と同じく考えるだけでいい、今までの水上スキーが水上バイクになったと思えばいい。あとはサーフィンのような技術がいるがそれは慣れろ、厳密にいえば波に逆らって進めてしまうのでサーフィンとは少し違うが慣れろとしか言えん。ここまでで質問あるか?」みんな何を質問したらよいのか迷っている

 

「まぁ、そうなるよな。未知のものだし、体で覚えろ。と言う訳で演習場いくぞ。」やってみなきゃ疑問も何もないため皆大人しく着いていく

 

----演習場-----

 

「不明なユニットが接続されました...。システムに深刻な..」

 

「アナウンスは明石が仕込んだただのネタだから気にすんな。接続ができたという証だ。艦種別に大きさが変わってるが性能は同じだ。とりあえず長波についていけ、カーブの時とかは長波の姿勢を見てまねろー。」インカム越しに又吉の指示が来る

「うっし、あたしに続けー。最高速直進、急制動、左右旋回、正面むいたまま⑧の字、乙の字、5回繰り返したら最後は最高速直進のあと宙返りだ。宙返りは失敗してもいいぞ、ただし必ず挑戦しろな。ついて来い!」

秋雲・村雨・白雪といった駆逐艦の様な身の軽い者たちはすんなり宙返りができて、残りは頭から海面にダイブしていた。

 

今は「きゃっきゃウフフのボードれんしゅう」の堤防を挟んだ反対側では、清霜の爆雷投擲祭りと彼女から一挙一動注意や指示を受けて目から光を失い、汗ダラダラで動きつつ投擲する対馬「危険がいっぱい...爆雷もいっぱい。」

「これ絶対殺しに来てるでち!」と的確に落ちてくる爆雷から生き延びようとする潜水艦たちの姿があった。イ、イムヤー

 

 

---食堂----

 

1400少し遅めの昼食を取りながら、今後の予定が発表される

「潜水艦組みと対馬はさっきの演習を明後日までひたすら行う、対馬はラバウル組が来てからボードだ。出撃は無し。ボード組は2時間ボードに乗りながら射撃演習、2時間ラバウル明石の射撃による回避演習だ。」

「明日は午前中は武器を持ったまま撃たずに長波が鬼の鬼ごっこだ。午後は休憩を挟みながら長波相手の模擬戦だ。船を係留しておくから入渠・修復材好きなだけ使っていいぞ!」全員(あ、察した...。)

 

 

---2日後ラバウル船到着日----

 

船着き場900

「んじゃ、行ってくるわ。明日の昼前には戻る、潜水艦と対馬は好きなだけ寝かせて起きたら今日はオフだと伝えてくれ。ラバウルからの船は1100着予定だ、あいつらにも今日は好きに過ごせと言ってくれ。」

又吉は船上から留守を預かるサラトガ達に声をかける。

 

「いってらっしゃいませ。」と、3重キラの艶々サラトガさん。キノウハオタノシミd...

 

---新海域手前のとある島----

 

1200

「よし始めるぞ、まずは7まである内のE-3まで第一・第二艦隊で交互に出撃して進め。E-3開放したらひたすらE-3を道中も終点も旗艦だけは必ず沈めるんだ。艦娘コレクションだ!」

 

初めての艤装、遠征や哨戒ではない初めての連続戦闘。不安と緊張しかないが、やれなきゃ沈む。全員気合いの乗ったいい顔をしている

 

 

「新生宿毛湾艦隊、抜錨!」甲板から飛び出し、着水前にボードを付け揃って着水した第一艦隊、6本の軌跡が水平線へと消えていった。

 

ノリノリで出撃した第一艦隊、ハチの代わりに武蔵がいる。武蔵を交え山城と鳥海3人で練りに練ったボード用陣形。いざ!E-1突入の1戦目

 

数分後には大破した天龍を抱え船へと引き返す第一艦隊の姿があった。

 

 

 

 

 

 

 




次回、ラバウル艦娘とドロップ艦で少しにぎやかになります。
人数がそろって、修行風景を書いたら...またはっちゃけます

空中じゃないからスカート型のボードは無理だけどタンデム仕様のあれなら....
出したいです、夫婦大好きです。

「おらおら、前の演習から成長してないのかお前らは!」模擬戦という名の蹂躙
「シッ!」村雨がスキーモードに変えてジャンプしながら回し蹴り
「早速使いこなしてるみてーだけど、女のパンツ見ても何も感じないぜ?」スウェーのみで躱した所にスキーの遠心力を活かした反対の足の高速2段回し蹴り
「っと、いいね!黒レースかよ」としゃがみこんで躱した瞬間、ガチッと背中の艤装に衝撃。後ろを見るとおキツネクローが艤装を固定、ワイヤーの先にはにやりと笑った秋雲。
「村雨えぇぇ!」秋雲は叫ぶと同時にワイヤーを全力で巻き戻しつつ後方へ全速後退
長波は背中を引っ張られボードごと空中に浮かぶ
「勝負パンツは伊達じゃないのよ!」村雨は素早く砲撃する
長波は空中に浮かんだ瞬間エビぞりになりボードのスクリュー部分を海面につけ最高速モードでスクリューを回転させ、今度は引っ張られる流れに乗って海面から大きく後方宙返りの形となり村雨の砲撃を躱す
「合格!」自ら秋雲の方に飛んだためワイヤーがたるみ体をひねりながら空中で回転して両手の2門の砲を村雨と秋雲に当てる

それぞれ顔面に弾を食らって仰向けに倒れる村雨と秋雲
「ちょっとじゃない最高のいい攻撃だったのに....」
「か、カットバックドロップターン....]
と呟きダメ押しの砲撃を食らい、意識を手放す二人だった。


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9話 「進め、多国籍連合艦隊」

出港前日の2000大講堂。それぞれお菓子やつまみにジュース・酒を持った、武蔵・対馬を除いた宿毛艦娘17名。明石も間宮もいる。
壇上にはメガネ装着秋雲、壇上に艦娘が上がる時はメガネをかける暗黙のルールができていた。ジエンドが現れた演習日の夜から今日で3夜目

「第三回エウレカセブン鑑賞会、今日は18話から28話です。25-28は通しで観なくてはいけません、講堂で轟沈しないよう注意してください。始めます。」

---上映後----

「うっ、うぐっ...レイさん、レイさん...うぐっ」ハンカチ噛む村雨
「指輪を指輪を...わかります、わかりますその気持ち。」口を押える間宮さん
「不幸だわ、なんて不幸なの・・。いえ、すぐに追えて幸せだったのかしら」不幸型2番艦
女性ゆえに皆一同にレイを偲んでいた

対馬の部屋

みらくるっとりんくりーんぐ♪対馬と清霜はかつて放映されていたという某プリキュアのエンディングダンスを一緒に踊っていた。
着任してしばらくしてから秋雲に借りて初代から網羅している対馬。お気に入りの子はマカロン・エースを始めとするお姉さんプリキュア

後のとあるイベント後から山城を姉と慕い扶桑型3番艦を名乗る対馬がいたとかいないとか


---宿毛船1530----

 

「E-1瑞鶴、E-2天龍。共によくやった次はいよいよ目的のE-3ボスだ。順番からして天龍か、頼むぞ!」又吉が上機嫌で声をかける。予想以上に進行が速い。

「おう、俺たちに任せとけ。またいいやつ連れてくるぜ。」胸を張り親指で後ろを指す

部屋の隅の方に明石から色々説明を受けている天津風と神州丸

「ああ、期待してるぜ?筆頭。」天龍の頭をなでる又吉

 

「おっしゃ!気合い入ったぜ。行ってくるぜ!」天龍は少し頬を染めながら退室する

 

「提督さん、報告は聞いてるけどまだ見てないから信じられないわ」と首をかしげる瑞鶴

「あの天龍は天才だ。ただ超が何個も着くほどのスロースターターみたいな感じかな?」

「弾の来る位置を全部指示して回避しちゃうなんて...。」

「あいつは一度会った相手を瞬時に理解しちまうんだ、放たれた砲撃、回避の際のクセ。全部理解しちまうんだが、問題は一度対戦しなきゃいけないところ。初見の相手だと何をしていいかわからず、案山子になる。そこがデメリットだ。」

「ふーん。でも深海相手の開始早々の大破は分かるけど、長波達にかすりもできないのはおかしくない?来るとこ分かってるんでしょ?」

「そこは単なる実力差だ。瑞鶴、矢を放った直後に矢と交差するように迫った砲弾を躱せるか?」

「体反らすのが精いっぱいかも...てかそれ長波達に散々やられた。」

「そういうことさ、必ず当たる砲撃ってのは存在する。それを撃てる実力があるかないかの違いしかないんだぜ。」

「さっきE-3最深部で撮った艦載機からの映像天龍にリンクしたろ?あとは実際に対峙して細部確認すればもう、あいつの勝ちだよ。2部隊で進行したのはデータ共有が一番の目的なのさ。」

「意外と考えてるよねー提督さん。」ひゃぁっ!尻を撫でられ飛び上がる瑞鶴

「おめーはおっぱいない代わりにケツは最高級品だな。」キメ顔の又吉

 

流星(一航戦)が又吉の顔に万歳アタックした。

 

---翌日900---

 

最後の艦娘コレクションに出かけた天龍から通信が入る

「提督!黒い瑞鶴だ!!めちゃ威圧感のあるドレスの一本角もいる!なんだこいつr...うわっ」叫びのような通信が入る

「天龍即時撤退、全員砲を捨ててもいい。何が何でも帰ってこい!」通信を切った又吉はみっちゃんを見る。みっちゃんは黙って首を縦に一度振る。

 

「よく無事で戻った。山城、瑞雲のデータを第二艦隊に回せ。第一艦隊は入渠、修復材も使え。ここからは時間との勝負だ。

 

---1100----

 

「編成を発表する、連合艦隊だ。」

第一艦隊:旗艦武蔵・山城・瑞鶴・神鷹・鳥海・神州丸

第二艦隊:旗艦天龍・ヒューストン・瑞穂・村雨・白雪・天津風

第三艦隊:清霜・旗風・秋津洲・松輪・瑞穂

「第三艦隊はE-3直前海域で待機。味方の撤収サポートだ、滞在付近の雑魚を清霜中心に掃除しろ。第一・第二は連合艦隊で進む、道中はひたすら駆け抜けろ。新参達も昨日から夜中までボード訓練は終わっている。主に相手の的を絞らせない高速移動のみの陽動しかできんが、姫周りの雑魚を釣り上げさせる」

名指しされた昨日顕現した艦娘達の表情が強張る

「大丈夫だ!新しい仲間たち!この俺が全部指示する、俺の声だけを聴いて動け。そうすれば被弾なんてしねぇ!」天龍が新人たちに活を入れる

「天龍の初見が済んでいるのは不幸中の幸いだ、海域ボスがわざわざE-7から来てくれたんだ。潰すぞ!」

 

全員各々のボードを腰につけ準備を行う、新参達は練習用ボードから正式な艦種にあったボードをラックから選んでいいと明石に言われ....

 

「何だろう?この白ベースの青黒ボード。うん、これがいい。」とボードの後部に黒い二本の布が風になびくような形をしたモノあるボードを取る天津風

「本官はこれがイイであります。先輩の色合いに似てるであります。」黒ベースに白とぼんぼりみたいな装飾が散りばめられているボードを取る神州丸

「私はこれ...かな」黄色ががった草色に濃い緑のツートンカラーのボードを手に取る神鷹

「私はこれをいただこう。」青ベースに明るい金髪の様な色で装飾されたボードを腰に付けるヒューストン

 

「て、提督!あたしあのボードを持ってきた記憶ありません!なんで?なんで?だってあのボードたちは...」あるはずのないものがあって焦って又吉に掴みかかるラバウル明石

 

「・・・・・。」又吉はボードを選ぶ新人たちを見つめるみっちゃんを見る

コクン。また一度だけ頷き真剣な表情のみっちゃん

「提督ぅ.....。」みっちゃんを見て泣きそうになる明石

力を貸してくれるのかお前たち...。」帽子を深くかぶり直す又吉の頬に一筋の水滴

 

「全艦着水!」又吉は皆を見ずに大声で指令を出す

 

(もー!来るのおっそーい!ずっと待ってたんだからね!)着水と同時に頭の中に声が響き辺りを見渡す天津風、同じようにきょろきょろしてる新人が数名

(あたしが力をあげる、お願い!あたしの代わりに提督を守って!)声が途切れた瞬間、ボードが光輝き茶色と白のツートンカラー、オブジェの黒い物体は天津風の煙突を模したものに変わり煙を上げている

「しま...かぜ?」

(遅いでありますよ、後輩。自分待ちくたびれたであります。自分の烈風拳、貴官に伝えるであります)神州丸のボードも彼女自身のカラーに

(ぱんぱかぱーん♪あたしほどじゃないけどいい装甲持ってるねあなた。ちょっと性能高くなさそうだから私の力をあげるわ!この力、提督のために使いなさいよー!よーそろー!)ヒューストンが

(夜は怖いよね...)なんだか懐かしい声が神鷹の頭にこだまする

(待ってたよ、提督がすぐに夜を怖くなくしてくれるから、あの人を守って)神鷹のボードが赤と白のツートンカラーに変わった。ダンケ!

 

「でいどぐぅ~でいどぐぅー次々と姿を変えるボードを見た明石は号泣

そんな明石の頭を胸に寄せ「連合艦隊!抜錨!黒鶴をぶっ殺してこい!」彼女たちの姿が見えなくなるまでその場で見送る又吉

みっちゃんは又吉の横に浮かびながらずっと敬礼をしていた

 

「島風、あきつ丸、愛宕、大鷹。ありがとな」

 

1300。全員ボロボロになりながらも飛行甲板のようなものを数枚持って一人残らず帰って来た。

 

----1000執務室------

 

「提督の帰投がトラブルにより夕刻になるようです」サラトガがソファーに陣取る新ラバウル娘に伝える

 

「アドミラルがそう言ったのなら待つしかないわね。」コーヒーをすするパツ金、ビスマルク

「旗風さんに会うの楽しみだわ」大天使 春風

「それはそうと、のぉーサラトガよ。帰って来た香取にも言ったのじゃが、執務室のボード持ってきたか?おぬし達第一陣が出たあと無くなったことに気付いて大騒ぎじゃったのじゃ。香取も知らぬと言ってたし...。」暖簾の中には宇宙が広がる 航巡 利根

「持ち出した記憶も報告もありません。帰ってきたら提督に確認してみましょう。」

 

 

----1700提督帰投-----

 

1800大講堂

「よーし自己紹介はこれで済んだな。イレギュラーは色々あったがまさかの初戦で新海域開放だ。みなよくやった。今月は今日開放した海域の殲滅作業に当たる、新人と新たに仲間に加わるであろうドロップ艦も積極的に入れて全体の練度底上げにかかる。」

スクリーンに鹿児島の航空写真が映し出され、又吉は続ける

「同時に鹿屋建設にも着手する。出撃のない者たちは午前中訓練、午後は建設だ。現在簡易宿泊所を妖精たちが作っている。仲間が増えたら一艦隊は鹿屋に常駐、3日おきに別の艦隊と繰り返して行う。さぁ、ここからが本格的な始動だ!お前ら、頼んだぞ!1900より食堂で歓迎祝勝大宴会だぁ!」

 

----0030----

 

薄暗い食堂、大テーブルには様々な軽いつまみと酒が並ぶ。

長波・サラトガ・明石・清霜・ビスマルク・春風・利根と又吉の横に間宮

 

「えぐっ....ヒック....。」ビスマルク号泣中、間宮が慰めている

「・・・。」腕を組み静かに目をつむる利根

「・・・。」太ももの上で手を重ね目を閉じている春風

「あの子たちからみんなを感じて消えたよ」にっこりと微笑む清霜

「ぐすっ」光を思い出して鼻をすする明石

「ずっと見守ってくれていたのですね。」笑みを浮かべながらワインを飲むサラトガ

「一言くらい何か言ってけよなぁ、水くさい奴らめ!」ニコニコしながら目尻に水滴が見える長波

 

「じゃ、あいつらに乾杯だ!」グラスを高く掲げ穏やかな表情の又吉

 

 

またな・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




神鷹はドイツ扱いで多国籍…のつもり

----1ヶ月ちょい後の泊地大広場-----

「ちっがーーーーう!」舞風の大声が響き渡る
「いい?天龍。両手を徐々に上げていって、この音が鳴った時に少しだけ背面に回して元の位置に戻すような流れで勢いよく左足を軸にしてターーーン!はい、やって。」
「そうそう、あそぶー♪メロディ~♪はい!回って!!」
「だ、ダンスって奥が深いな・・・。俺がなかなか覚えられないなんて」汗ダラダラの天龍
「敵を瞬時に理解できるのに不思議よね」上に下に右手を指さし踊る天津風

別の場所では
「ヒューストン、もうちょっと声高くして。おでこから爽やかに出す感じでよろ」
「レントン!あたしも伝えたい事がいっぱいあるの!」秋雲の指示を実践するヒューストン
「ああああああ!エウ○カ!だ!エウ○カ!だよ!」大興奮の瑞鶴

対馬の部屋
「対馬ちゃん、あたしこのキュアラブリー大好き!フラメンコ可愛い!オレスキーは司令官みたいでヤダー」松輪が語り
「確かに声そっくりですよね」と対馬
「おー今回はハピプリか、オレスキーいいよな!」長波と清霜がお菓子を持って入ってくる

あるイベントの後、ゴーヤの後をろーと共について回る松輪の姿があった
「海防艦とかホント勘弁してくださいでち!」
「伊号型潜水艦 伊M21(えむつーわん) まつわとお呼びください!」
「168でもいいじゃないでちかぁ~声質同じでち〜」

宴、始まります


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10話 プリキュ〇 オールスターズ ep1その1

2話に渡って弾ける予定です、シリアス・真面目、何それ?
こういうのが書きたくて各キャラに個性を与えています!←

めちゃ長いです。

時間は少し飛んで、初勝利から3週間後。登場人物増えてますがその間、ドロップとか皆はちゃんと演習とかもしていますと脳内補完おなしゃす!

「さぁ、はじめよう」(デューイ)
「それが、大人のやることかぁ!」(ホランド)

お二人とも故人なのが悲しみ


艦これです、これは間違いなく艦これの2次創作です

 

---初勝利から3週間後、宿毛湾執務室---

 

ラバウル憲兵所の建物や人員補充が妖精さんと称される者達と長官の力添えと僕らのたゆまぬ努力の甲斐もあり、本格始動前にひと息つきなさい。と香取様から先行組のアンドレさんと僕に休暇が与えられた。アンドレさんは香取様の傍を離れるのが苦痛になるため1週間の休暇を僕に上乗せしてくれた。表向きは宿毛湾憲兵の練兵だが、午前中で指導を切り上げたら外出その他一切問われない自由時間だ。このご時世なので1日休みとか贅沢は言っていられないため、これは最大限の配慮であることは確かだ。そんな宿毛湾休暇の初日に僕は執務室に呼び出され目の前の准将に品定めをされていた。

 

「ラバウル所属、神谷 暦(こよみ)准尉であります。」

失礼の無いよう渾身の敬礼をし返答を待つ。

 

「楽にしちゃってー、それに君とは初対面じゃないしね」

目の前の某鼻毛神拳の使い手と同じ声のイケボ准将が語る、嫌な予感しかしない。

 

「それとさ、かg「お前様、こやつにはばれているぞ」」僕の影の中から忍(しのぶ)が許可なく飛び出す。

麦わら帽子を被り、ピンクの袖なしワンピースを着た金髪西洋ロりが神谷の背後の影から現れる

忍はパンパンとスカートを払い、神谷によじ登り肩車してもらう。神谷の頭に肘を乗せ頬杖をつく

 

「ワシは旧キスショット アセロラ オリオンハートアンダーブレード、略して忍じゃ。」ぶすっとしながら言う

 

又吉は神谷の前に出て帽子を取り直角にお辞儀して

「お先に名乗らせて申し訳ございません、宿毛湾泊地提督 又吉かずおです。」

 

「フン、敬意は確かに受け取った。以後、無礼講じゃ。普段通りに話すがよい。」と言い神谷の肩からソファーに座るサラトガの太ももにダイブして

膝枕されるとそのまま目を閉じた。

 

「神谷くん、何か以前見た時より大分幼くなっているように見えるんだが?」

「えーと、それは自分の血を吸って旧体躯に戻り力を行使していた時の姿だと思います、普段はあの状態です。」

「忍さんも言っていたが無礼講でいーよ、俺様も堅苦しいのは嫌いだしね。君、旧ラバウル憲兵の生き残りの内の1人だろ?」

「はい、以前に長官とあなたと共にラバウルで戦いました。」

「気にはなってたんだけどさー、あの時それどころじゃなかったろ?また会えてうれしいよ。で?なんで准尉なんだ?どう考えても功績踏まえたら低く見積もっても佐官がだとうだろう?」

「それは~そのぉ...。」頬を掻き視線を横に外す神谷

「又吉とやらよ、我があるじ様は馬鹿なのじゃ。あの裸ジジイと事あるごとに女の胸か尻で揉めるわ、配属先でも命令違反ばかりで世で言うところの万年ヒラなのじゃ。」

「まぁ、資料見たから命令違反の内容分かってるけど俺様は支持するぜ?軍だから処罰も仕方ないしな。女に命かけられるってのは男なら当たり前だ。」ドン!と神谷の胸を拳でつく又吉

 

「呼び出したのは他でもない。君の力と権限を見込んでお願いしたいことがあるんだ。あと忍さんにも。」

「はぁ、憲兵准尉程度の権力で良ければ構いませんが...忍は...。」

「忍さん、休暇中私の指示に従ってくれたらミセス・ドーナッツのフリーパスを休暇中お貸ししよう。」

 

「それはまことか!あの軍服のまがい物チビの入れ知恵じゃろうが苦しゅうない、我があるじ様とワシの力好きなだけ使うがよいぞ」

忍は跳ね起きて答えると、またサラトガの太ももに頭を預け両足を空中でバタバタさせてご機嫌アピール

 

「神谷君にはサラトガのごにょごにょ...。」神谷に耳打ちする又吉、神谷のアホ毛が直角に立つ

「准将、一生ついていきます!」憲兵人生における最高の敬礼をした神谷であった。

 

 

----同日1500大講堂-----

 

入口には「重要会議中、入室禁止」の張り紙があり、インカムを付けたサラトガが立っている

壇上には又吉と机の上にみっちゃん。壇上から見て右側に、武蔵・ビスマルク・白雪・清霜・ゴーヤ・山城・秋津洲・ラバウルから来た春風が立つ。

左側にはドロップした大淀が又吉のすぐ近くに立ち、忍を肩車した神谷・神谷と共にラバウルから戻った青葉・長波が立っている

 

「艦娘・憲兵の諸君、集まってくれてありがとな。こちらは神谷准尉と忍さんだ。ラバウル組は知っているだろうがまた力を貸してくれる。忍さんは憲兵たちには見えないだろうが妖精さんと似た存在だと認識しておいてくれ。」神谷が一歩前に出て軽く敬礼をして下がる。

席には一部を除き、基本軽巡以上のドロップ込みの艦娘と宿毛憲兵全ての22人。朝潮も帰ってきているがこの講堂にはいない

 

「今日集まってもらったのは他でもない、所属する全ての者に対する慰安行事を行う。ここにいる者は実行委委員に選ばれたと思ってくれ。」

ふぅ~。っと大きく息を吐き着席する皆を見渡し、雰囲気を変えて又吉が語りだす

「3.4か月後、ここは間違いなくラバウル同様の戦場となる。この事実は揺らがない、理由は私と統括妖精である緑川、みっちゃんと呼ばれる者がここにいるからだ。」

ざわつく講堂内...ラバウル組は黙って聞いている

「詳細は軍事機密のため言えないが、分かりやすく言うと深海凄艦の抹殺リストの一位と二位が私たちなのだ。私が民間出では絶対つけない権限持ちの将官となってある程度の自由が許されてるのもここら辺が関係している、要は基本的に自分で何とかしなさいそのために設置した「准将」という枠なのだ。」

 

パン!と又吉は両掌を体の前で勢いよく合わせる

 

「暗いはなしはここまでだ!いいか!辛い戦いが待っているのなら楽しい思い出を先に作り、また楽しい思い出をつくるために戦いを乗り切る!そんな希望があってもいいだろう!今回は憲兵も巻き込んでまさに泊地一体となって戦いたいのだ。俺様と神谷は設立時のラバウルで悔しい思いをした、同じ思いはもうごめんだね。今回の行事は映画にする!全国ロードショーだぞお前ら!」

 

「2本立てで一本はもうできあがっている、こちらは大本営お墨付きのショートムービーだ。青葉」壇上に青葉が近づき又吉と代わる

「ご紹介にあずかりました青葉です、ラバウル滞在時に香取特務少佐や神谷准尉、第一戦隊の方々と協議し住民の了承も得て作った20分弱のスライドショーメインの映画です。まずはご覧ください」

 

講堂内が真っ暗になり、スクリーンが鈍く光る

「おろ~かで、いいのだろ♪見わ、たすー夢のあと~...」ファ〇ナーの音楽と共に笑顔の艦娘が数人、一人ひとり画面の奥に消えてく演出からスタート。一部だけが知っている又吉の轟沈艦

天津風たちのボードが光って変わり、黒鶴エリアに向かう10数本の航跡の動画が続き、何かを叫ぶ住人を背を向けて汚れた衣装と顔で芋を拾う戦艦4姉妹の4番艦の写真などが流れる

時折字幕が入ったり、笑ってる憲兵達の写真の後に土に立てられた数本の銃の上に帽子が置かれ、長官が泣く姿の写真に入れ替わる。怒鳴る表情や泣き崩れる住人の写真が続く

10分程で画面が真っ暗になり、スコップやつるはしを持ったアンドレと神谷とラバウル艦娘の写真から再び始まる、町中を集団でランニングする憲兵。怒鳴ってた住人の笑顔の写真

哨戒に出撃するラバウル艦娘の射出動画、復興の様や明るい顔の住人や浦風に直接フルーツ籠を笑顔で渡す芋を拾う霧島に叫んでいた老婆。前半と違い暖かい雰囲気の写真や動画が流れ、エンディング曲の最後では誰かに向かって優しい雰囲気の敬礼をする頬が煤などで汚れた満面の笑みの霧島の写真で締められた。

 

講堂内が明るくなり、すすり泣く音と涙を流すまいと上を向いている憲兵達の姿があらわになる。また大きく手を叩く音が聞こえ

「感傷に浸ってる所悪りーが、これは2本目だ。大人向け、海軍頑張ってます映画。俺様たちがやるのは子供向け映画だ!親子連れで来てもらい、俺たちの映画が終わったら子供たちは別室へ行き映画のキャラたちと遊び大人たちはそのまま鑑賞会スタート、そして俺様たちがやるのがこちらぁ!

 

 

 

「プリキュアオールスターズ~宿毛湾泊地のお友達~」バン!と机を叩くと同時にスクリーンに打ち出されるタイトル

 

 

固まる講堂の面々たち

 

 

「役を演じるのは俺様の右側の面子だ、もちろん俺様にも役があるし憲兵にも役がある。詳しくはあとで神谷に聞け。そしてこれはドキュメンタリーでもある。ここに呼んでない奴らには伝えることなく制作を進める。妖精たちも機材などを持ちばれない様にこっそり支援してくれる。集まった面々も基本裏方だ。」

「いいか、ある意味ドッキリの対象にされた奴らを最高に楽しませるのが目的だ。楽しんだ奴らや制作する側のお前らもとことん楽しめ。そしてまた作るぞ、ep2の台本ももう秋雲が仕上げてある。全力でとりかかるぞ!」

講堂から沸き上がる拍手や決意表明の声が響き渡った。

 

「よし、まずは総監督の明石から始めろ。」「それではまず変身シーンの立ち回りと機材の使い方の~...。」

 

以降クランクインまで大小さまざまな会議室や他の艦娘にばれないよう憲兵所や憲兵の道場などがアクション練習などで使われ、結果的に艦娘たちと憲兵の間に友情のようなものが芽生えた。

 

 

それではスタートです

 

---撮影開始---

 

「最近、新しい子たちが増えてきたね。」

「そうね対馬ちゃん、択捉姉さんとかもそのうちくるかなぁ」対馬と松輪が泊地広場内を歩く

「お、対馬たちーこっちおいでよ!」皐月とその他駆逐艦の面々が呼ぶ

 

「プリキュアごっこしよーぜ!」仕掛け人秋雲

「「やる!やる!」」大はしゃぎする仲間たち、オフの子達の日常の一コマ。

 

遊び初めて5分程経ち、正門前が騒がしくなる。なんだ?なんだ?と皆で顔を向けると

 

「邪魔すんじゃねーよ、おらっ!」変わった色の軍服を着た男が止める憲兵の1人を蹴り飛ばす。男は倒れた憲兵を介抱する者たちを置き去りにしてポッケに両手を入れながらがに股で広場の方に歩いてきた。

 

「お、なにやってんだチビども。ちょっと聞きたいことがあるんだ。」明石印の特殊メイクで完璧にオレスキーに扮した又吉。ボイス変更なくて楽!

 

「お、オレスキーだよぉ...。」皐月にしがみつく文月

「なに?俺様のこと知ってんのか?なら話はええな。」文月に近づき高い位置から顔を覗き込むようにしてみる又吉スキー

「ここに何でも願いを叶えるレインボージュエルってのを持つ妖精がいるって聞いたんだが、そいつはどこだ?」

「そ、そんなの聞いたことないよ!あっち行けよ!」皐月は精いっぱいの虚勢で答える

 

「俺さまの調べではここにあることは間違いないんだよ!なんて言ったって、俺様が!調べたんだからな!」自分を親指で指さしながら大声で語る

振るえる文月たちを見て対馬が「ふみふみから離れろぉー!」と普段の対馬からは想像できない怒りを混ぜた怒鳴り声と飛び蹴り!渾身の飛び蹴りもオレスキーの体躯にはじき返される

「え?艦娘の蹴りが効かない・・・。そんなのありえないよ」驚きの表情を作る仕掛け人響。

 

「ってーな、てめえ。」対馬の襟首を掴み片腕で持ち上げるオレスキー

「対馬さんを離せ!」神谷の渾身の脇腹へのボディーブローに悶絶し、手を離した対馬を追いついた憲兵達が介抱して駆逐艦たちを集め前に立ちはだかる

「今のはスゲー効いたぞ、なんなんだお前!」本気で怒鳴るオレスキー(マジでいってぇぇぇ)

「相手すんのダルいからお前たちに任せたぞ!」言うや否や指先を憲兵の集団に向け光が憲兵達の額に当たった瞬間、憲兵達から煙が噴出され全身黒ずくめで手足に白い手袋とブーツをはめた赤いカミナサングラスの姿に変わる

「け、憲兵さんたちが!」仕掛け人秋雲

「やれ、チョイアークども、コイツを潰せ!」「「チョイー!!」」チョイアークたちが神谷を取り囲み袋叩きにする

 

「やめて!やめてよ!憲兵さん達!正気に戻って!」と駆逐艦たちが叫ぶや否や「うぐっ!」と今度は仕掛け人響が持ち上げられる

「さっきの続きだ、レインボージュエルはどこだ?」再び問うオレスキー

「女の子にこういう扱いは感心できないね、知るもん..か。」苦悶の表情の演技をする響

「響さんをはなせぇ!」今度は松輪の渾身のパンチもオレスキーの気合いで弾かれ地面に伏せる形となる

「チョイー!チョイー!」チョイアークたちがボロボロになった神谷の周りで踊る

「艦娘の攻撃が効かないなんてどうすればいいんだよ・・・。」膝を折る仕掛け人秋雲

「く...こんなところで沈むわけには...。」意識を失いそうな演技をする響、その様を見て覚悟を決めた表情をする皐月。

「だ、誰か...。」絶望の対馬

 

「お待ちなさいでち!」広場入口に立つのは普段通りの格好をしたゴーヤ

 

「なんだ、新チビ。お前が俺様の探しもんを教えてくれるのかぁ~?」響をこっそり優しく放り投げ、ゴーヤへ向かうオレスキー

 

ゴーヤが両手を眼前でクロスする、手には何かを持っている。「あ、あれは...」光を失った目でゴーヤを見る松輪

「仲間を傷つけたこと、絶対に許さないでち!」アイテムのコンパクトを開くと「かわるんるん♪」と音を発し

 

「プリキュア!くるりんミラーチェンジ!」掛け声とともにピンクのハートを背負った妖精たちがゴーヤの周りを飛び、ゴーヤは隠し持っていた白い布をマントの様に体に巻く。ピンクのハートがゴーヤを覆い尽くし弾けたそこには.....

 

「世界に広がる、ビックな愛!キュア ラブリー!」自身の前で腕で大きなハートを書くしぐさをしてポーズを決め、特殊メイクでキュアラブリーそのものになったゴーヤがいた。声はそのままー!

 

「キュアラブリーだとぉ?この世界でも俺様の邪魔をするのかぁぁ!」叫ぶオレスキー

「誰かが助けを求める声が聞こえた!そしてゴーヤさんの体を借りてここに来た!もう好きにはさせない!」でち語尾を無くす本気演技

「ああぁ、ラブリーが、ラブリーが来てくれた」女の子座りをして号泣する松輪、支える響

「だが、あのオレスキーの強さは普通じゃない。艦娘の私が抵抗できなかったんだ。」響きの言葉通り、始めは勢いよく押すラブリーだが徐々に押され....

 

「ああっ!」広場の茂みに吹き飛ばされるラブリー。「いつものオレスキーじゃない...強い」悔しがるラブリー

「はははは!そんなもんかラブリー!おまけに仲間のいないプリキュアなどもう敵にもならんわ!死ね!お前がやられればこいつらもレインボージュエルのありかを吐くだろうしな!さらばだ、ラブリー!!」

 

ドガン!!とラブリーにとどめを刺しに突っ込んだオレスキーとラブリーの間に砲が差し込まれる

「仲間ならここに居るわよ。」艤装を背負って砲身から煙を出し広場の階段の上から見下ろす山城。「全く、こんな場に出くわすなんて不幸だわ。」

 

「なんだ、ねーちゃん。お前の方がいじめがいありそうだな!」もう素の悪いとこまで出てきた又吉スキー

「言ってなさい、三下。ラブリー立ちなさい!」コンパクトを左手に持ち前に突き出すとパカッと開き子気味良い音楽が流れる。ッテッテテッテ♪

 

「キュアアラモード デコレーション!」光輝き一瞬で紫のワンピース姿になる山城。妖精ふる稼働!お疲れ様です!

 

「マカロン♪」普段の山城からは想像できない可愛らしい高い声を発して「美しさと、ときめきを!レッツら混ぜ混ぜ♪」コンパクトに2回タッチしてかき混ぜる

白い輪が山城を包み弾けるたびに衣装が装着されていくオーバーテクノロジー

コンパクトに軽い口づけをすると光が山城を包み、紫の髪を携えたやや釣り目の少女になる

 

「キュア マカロン!できあがり♪」しゃがんで両手で猫の手おポーズをとるキュアマカロンがそこにいた。声はもちろん....

 

「山城さんが、マカ、マカ、まか....。」壊れたスピーカーの様になる対馬、支える皐月

 

「チョイアークども!蹴散らすぞ!!」オレスキーの号令によりチョイアークが一斉に襲い掛かる、合間を縫ってオレスキーもしかける

「キラキラきらるん!マカロンジュリエンヌ!」マカロンのステッキからクリームで形どったマカロンをモーニングスターの様に振りましてオレスキーと対峙する

「かっこいい、かっこいいよ、山城さん!」一部の駆逐艦の目がキラキラ

「プリキュア!くるりんミラーチェンジ!チェリーフラメンコ!」赤いドレス姿になったラブリーがチョイアークの前で攻撃をかわしながら踊る

「パッションダイナマイト!オレ!!」指弾きと共にチョイアークに仕掛けられた火薬が爆発する!宙に浮かび上がるチョイ憲兵!ご苦労様です!

「すごいよ!ゴーヤちゃん!爆雷投げまくってごめんよ!頑張れ!ラブリー!」残りの駆逐艦たちの懺悔

 

2対1の構図でようやく互角のオレスキーとプリキュア

 

「ちぃっ!きりがねぇな。」とそこに騒ぎを嗅ぎ付けた仕掛け人武蔵と清霜が現れ「よくわからんが、皆は私の後ろに隠れていろ!!」さすが頼れる大戦艦!

 

「ん?何か良いのがいるじゃねーか!」消耗度外視で全力でラブリーとマカロンを吹き飛ばすオレスキー

「はぁ、はぁ。きっつ、だが!」胸のオレ勲章をむしり取り

 

「鏡に映る未来を最悪に変えろ~!」両手を上げると武蔵の体が光る

「いかん、みな私から離れろ!」手で皆を遠ざける武蔵、艤装から仕込んであったガラスに見せかけたプラスチックパーツが飛び出して武蔵の体を棺桶の様に包み込む

「カモーン!サイアーーーク!」勲章をもつ手を正面下に振り切ると、武蔵の入った棺桶が光って弾け飛ぶ

 

チョイアークたちのようなサングラスをかけ、さらし等至る所が黒に変わった武蔵がオレスキーの前に仁王立ちする

「サイアーーーーーク!」のど元の変声機を使いドスの利いた声を響かせる武蔵

 

「ふははははは!こいつはいい、すごい力を感じるぞ!やれ!サイアーク!」武蔵の全砲門から鋼鉄に見せかけたゴム弾がプリキュアを襲う

「ああっ!」膝から崩れ落ちるラブリーとマカロン。「武蔵さんやめてー!」と秋雲と響を船頭に叫ぶ駆逐艦たち。

「さぁ!とどめと行こう!サイアーク!」「サイアーーーク!」砲撃体制をとる武蔵

絶望で耳をふさぐ駆逐艦たちの中からゆっくりと歩みを進め、武蔵とプリキュアの間に立った少女

「清霜!」「清霜ちゃん逃げてー!」「戻るんだ清霜ぉ!」駆逐艦たちの叫びがこだまする中、彼女たちに微笑む清霜

 

「大丈夫、みんなも武蔵さんも私が守るから」ポッケからコンパクトを取り出す清霜

「まさか、お前もなのか。なんなんだここは!」焦るオレスキー

 

「力を貸すからみんなを守って。ってさっき聞こえたの....」コンパクトを武蔵とオレスキーに突き出す清霜

 

 

「プリキュア、スマイルチャージ....

 

 

 

さて、清霜は何キュアなのか...

 

 

次回へ続く

 

 

 




はじめちゃいました、はじめちゃいましたよwwwwwwwww
後悔などありません。2話にまたがりますが生暖かい目で見てください

講堂に並んだ艦娘はすべて出ます、いずれやりたいep2ではあと5人追加予定

分かる人には分かる。ビスコは敵、サラトガも5人とは別に敵で出す予定


では


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11話 プリキュ○ オールスターズ ep1 その2

2話に渡ってのおふざけお付き合いありがとうございます。やりきりました。


武蔵たちにコンパクトを突き出す清霜、パカッと開いてデコルをセットする「ゴー♪」と音が鳴り

 

「プリキュア、スマイルチャージ!」「ゴー♪」化粧パフがコンパクトから飛び出す「ゴー♪ゴー♪」「レッツゴー、ピース♪」

 

パフで叩いた部分が衣装を纏っていく。妖精さんふる稼働。衣装が全て装着されたところで眩しく光り、特殊メイクでピースとなった清霜が現れる。声は問題ないし!

 

両手を顔の前で連続グーパーさせて腕を大きく回す

「ピカピカピカリン♪ジャンケンポン♪キュアピース」チョキを出したあとダブルピース片足上げ!

 

「ぐっ、負けたぁ!」パーを掲げ悔しがるオレスキー

「大和型の名が泣く」同じくパーを出して落ち込むサイアーク武蔵

やったぁー! 私も勝ちました ピース回は必ずチョキは基本よ!

勝って喜ぶ駆逐艦ズ

 

「みんな、私に任せて全力でやるから見てて!」頼もしいキュアピース

「プリキュア!」ピースの形を作った右手を天に掲げる。すると…ズドン!と右手に雷が落ちそこに帯電したまま留まり、少し苦しそうな顔をするピース

「あれは!後期ピースの…」詳しく解説するプリキュア博士対馬

「ピースサンダぁ〜」両手をピースの形にして広げてクルクル回転するキュアピース、武蔵たちに向き頭の上に両手を掲げ…

「ハリケーン!」と両手を前に突き出した瞬間…

 

 

ズドーーーーン!

 

 

と、両手から3メートルはある幅の雷が武蔵たちを襲う!

(カカカッ!これは新作ドーナツの出来が良かったからサービスじゃ!)広場を見下ろせるクーラーの効いた部屋でドーナツ齧りながら指をフリフリする忍

 

とっさの判断で武蔵が全力でオレスキーの前に両手を広げて立ち庇うが規模が打ち合わせよりデカすぎて、オレスキー共々全身から煙を出しながら倒れる。演技で無く本当に倒れる

 

(清霜ちゃん!これ以上動けない演技で女の子座り!)イヤホンから明石の指示が飛ぶ

「はぁ…はぁ…」ぺたんと肩で大きく息をしながらへたり込むキュアピース、ラブリーたちもちょっと引き気味。

「これで…やっつけたの…かな?」弱々しくラブリー達にピースするキュアピース

倒れたフリをしている神谷が憲兵達にハンドサインで復活の準備を促す、オレスキーがリアルガクガクしながら立ち上がり神谷のハンドサインを確認

 

「まだまだぁ!無駄無駄無駄ァ!」某奇妙な冒険ボスのセリフを吐き「サイアーク!チョイアーク!」と声を何とか振り絞る

 

「チョイー!」「サイアーク!」憲兵も武蔵も立ち上がる!そこに痺れる!憧れる!

 

「嘘…そんなぁ」絶望の表情のキュアピース、「あれを食らって立てるなんて…」本当に驚いているマカロン。そこに雷の音を聞きつけた、本当に何も知らない天龍が現れる。

 

「何やってんだー!お前らー!!」怒りの表情(ガチ)で艤装を展開しながら突進してくる天龍。「天龍さん(喜び)」「天龍!(バカやろー出てくるんじゃねえ!)」不意をつかれ固まるオレスキー達

 

だが、チョイアークの中から少し背が低めのやたらと動きの良いチョイアークが1人天龍の前に飛び出して渾身のレバーブロー

「な、長波…なんで…」声にならない声を上げて地面にうずくまる天龍の前に右手を大きく掲げ「チョイー!」と言う長波アーク

 

オレスキー達は何とかこの間に息を整えて「今度こそ終わりだ!」と「サイアーk…」命令を出そうとしたその時、武蔵の体が腹を抑えた状態で浮かび上がる

 

え、い、え、ん、の友達♪プリキュア♪と公園のスピーカーから歌が流れて武蔵がゆっくりと仰向けに倒れた先に、天に足を上げてポーズを取る2人組が現れる

 

「泊地のみんなを!」「これ以上傷つけさせはしないかも!」

足を下ろし、オレスキーに向かって構えをとる白雪と秋津洲。「艦娘風情がこれ以上調子にのるなー!」殴りかかるオレスキー、大きくバックステップでそろって下がる2人

 

首から下げた星のデザインのある大きなペンダント型アイテムを左手で支え、右手に羽ペンをかたどったモノを持って掲げ大きく左右に振る

 

「「スターカラーペンダント!カラーチャージ!」」と言ってペンダントに差す。公園のスピーカーの歌が変わる。テケテケテケテケ♪テケテケテケテケ♪

「「きらーめくー♪ほーしの力でー♪」」歌いながら踊り、妖精達がエフェクトを背負い周りで演出する

 

「夜空に輝く、神秘の月明かり!キュア セレーネ!」秋津洲がキュアセレーネに。語尾にかもがつかない迫真の演技

「銀河に光る虹色のスペクトル!キュア コスモ」白雪がキュアコスモに、2人とも声は問題ない!

 

「ぐっ…流石に厳しいか…。」悔しがるオレスキー

倒れる神谷に間宮が膝枕をしている。「神谷さん素敵な機転でした、お疲れさまです。」目を閉じて後頭部に伝わる感触を楽しんでいた神谷はその声に驚いて目を見開く(羽…川?)間宮の後ろの帯には魔法のステッキのようなものが刺さっている

 

「これなら大丈夫そうですね。」おキツネ仮面(サイン入り)を手に持ち飛び出そうとしていた何も知らない朝潮が安堵する。その横で春風が「ええ、見守りましょう」腕には光り輝くリングがある

 

プリキュア達が立ち上がり、総攻撃の姿勢を見せたその時

 

「情けない姿晒すんじゃないわよ、オレスキー」教育上よろしくない格好の赤天狗女が突如、山城が現れた位置に現れ、赤い紅葉型団扇を振ると、人が浮くレベルの突風が構えたプリキュア5人を襲い茂みにみんな飛ばされる(カカカ、サービス、サービス)

 

「さっさとこいつら倒してジュエル奪って帰るわよ」お腹にひし形の穴が開いておへそ丸出しの真っ赤なレオタードに黒のロングブーツ、天狗の鼻仮面をつけ肌は全身ピンクの強力ボディーお姉さん!

 

「く...正直助かったぞ、テンジョウ。」肩で息をしながらオレスキーが話しかける

彼女の名はテンジョウ、自慢のボディーをあえて見せつけるように振る舞うのはビスマルク!何事にも全力の彼女。もちろん声は問題ない!

 

「待ちなさい、そこの天狗女!」騒ぎを嗅ぎ付けた残りの憲兵達が(予定通りに)テンジョウを追いかけてきた。「ダメ押しといこうかねぇ~♡」指をパチンと鳴らす。

 

「う、動けない....。」迫真の演技の憲兵さんたち。「さぁ、プリキュアを倒すのよ!」と顔の前でグッと拳を握ると憲兵たちの服から煙が吐き出され、煙が晴れると灰色の全身スーツに身を包み顔には縦にN Oの紫文字で書いてある集団に変わっていた。

「「ノットリー!」」と叫び、腕を体の前で交差し「X」の文字を作る。テンジョウを守るように彼女の前に位置取る。

 

「フィナーレといくわよ!行け、駒ちゃん達!」「「ノットリー!」」

「よっしゃ乗ったぁ!行け、チョイアーク!サイアーク!!」「「チョイー!」」「サイ・アーク!」

オレスキー・テンジョウも攻撃に加わる。必殺技を打つもテンジョウに軌道を変えられ、コマ・チョイの集団戦法を捌いている合間をサイアーク武蔵とオレスキーの強力な打撃・砲撃を食らってしまう。食らい、立ち上がりを数分繰り返すと....。

 

ドサッ...ピースが前のめりに倒れ、マカロンが膝をつき、ラブリーが大の字に倒れる。セレーネとコスモが背中合わせとなり、周りをチョイ・ノットリーが囲む...。

「こんなところで負けるわけにはいかないにゃ!」「ですが流石に厳しいかと。」なんとか立っている状態。

「よく頑張ったプリキュア、だがもう終わらそう。サイアーク!」オレスキーの命令と共にサイアークが砲弾を2人に撃ちこみ煙が上がったところで「チョイアーク!」「駒ちゃん達!」と二人の号令で集団が煙の中へ突撃する。

 

バックステップで集団が戻り煙が晴れると、そこには地に伏せたセレーネとコスモの姿があった。「あああ、プリキュアが....。」「そんな、そんな...。」泣く者、絶望する者、様々なあきらめの声が聞こえてしまう。

 

「もうやめてください、レインボージュエルならここに」プリキュアたちを背にかばうように空中に現れた白い天使のような衣装の金髪の女の子手には大きな宝石

人間にも姿を見れるように調節した忍、巨大な結婚式のベールのようなモノを被っており日光対策も万全だ!低位置までは皆の影を伝い移動して位置に着いたところで顕現する。

 

「ははは、最初から出てくればいいものを。プリキュアたちは無駄死にだ!」忍から乱暴に宝石を奪い取るオレスキー。奪われた忍は地面に横たわる。「待ちな...さい」「それがないと妖精さんが消えちゃう...」ドカッとオレスキーとテンジョウに蹴られ再び地面に転がるマカロンとラブリー

「絶対...渡さない。」テンジョウの足を這ったまま掴むピース。「うっとしい、やれ!」ドン!サイアークが砲を当て再び地面を舐めるピース。「負け...ないにゃ」「取り、もどします。」立ち上がるコスモとセレーネ。「邪魔!」テンジョウが団扇で軽く仰ぐと吹き飛ばされる2人。

 

マダ... とりかえすんだから.. プリキュアの名にかけて... 震えながら立ち上がろうとするプリキュアたち。「あーもう、うっとしい!まとめて海まで吹き飛ばしてあげるわよ」テンジョウが団扇を構える。

 

レ... ガン... バレ...「なにごそごそうるさいわね」テンジョウが声のする駆逐艦集団をにらむと

対馬が集団の前に出て「がんばれー!」と叫んだ!後を追うように秋雲と響が「「がんばれー!プリキュア!」」と続くと頑張れ、頑張れ、がんばれ!とコールが沸き上がり

 

 

「「頑張れー!プリキュアー!」と声の重なる合唱となった!

 

すると駆逐艦の集団の中から飛び出し、倒れるプリキュアたちの中心に立つ和傘を差す一人の艦娘。やさしい表情でオレスキーたちを見つめる春風。「春ねえさま...。」旗風の手にはスマホにピンクのネコのようなレリーフが付いたものがあった。

 

「なんだ貴様、トチ狂ってお友達にでもなりにきたのかい?」(オレスキー!それカテジナさんのセリフ)

和傘を放り、両手を大きく広げ目を閉じ両手を握り胸の前に当てると春風のブレスレットが輝き全身が金色に光り輝く、光の中からお腹に大きな白いリボンを付けた白いワンピースの金髪ツインテールが現れる

 

「想いよとどけ、キュアエコー!」

 

「ま、まだいやがったのか!プリキュア!」構えるオレスキーに対して「私には戦う力はありません。私は想いを届けるだけのプリキュアです。」「プリキュアであればとにかく潰すまでよ!」テンジョウが団扇を構える。

 

「プリキュアを応援するみなさんの気持ち、確かに私の心に届きました」右手で瞳を閉じながら胸を押える、エコー。するとエコーのスカートからキュベレイのファンネルの様に飛び出す物体がエコーの周りを囲んだかと思うと駆逐艦たちに届く。妖精さんたちによる手渡しだ!

 

「これは...?」手渡されたモノを不思議そうに見つめる駆逐艦たち、間宮さんと神谷にももちろん届いている

「それはミラクル探照灯です、プリキュアを応援する気持ちをそのミラクル探照灯に込めてください。あなたたちの想い、わたしがプリキュアに届けます!」オレスキーたちは黙って見てる。お約束です!!すると仕掛け人の秋雲が

「プリキュアー!がんばれー!」と探照灯を叫びながら振る、つられて皆も全力で叫ぶ。探照灯が七色に光る。声が最高潮に達するとエコーが輝きだし「さぁ、想いよ届け!」両手を空に向かい伸ばすエコー

 

すると倒れていたプリキュアたちが輝きだし眩い光に包まれると、まるで戦いなど無かったかのような綺麗な姿に早変わり!(妖精さんたちがそろそろ力尽きそうです、決めてください!)「「みんな、応援ありがとう!想い...届いたよ!」」プリキュアたちが声を揃える。

 

え・い・え・ん・の友達♪プリキュア♪再びスピーカーから歌が流れる

 

「いくよ!ピース!」「OK、任せて!」ラブリーとピースが飛び出す。さぁここからが又吉達の我慢大会だ。

「今度こそ潰す!プリキュアァぁ!」吠えるオレスキー

「プリキュア!ピースサンダーハリケーーーン!」程よい電撃がオレスキーたち全員を縛る「がががががが」(忍さん強いってばコレ!)

「プリキュア!パッションダイナマイト!オレ!」最後の火薬が爆発する!意識を失いかける憲兵たち、がんばれ!

「コスモ!セレーネ!」「任せるにゃ!」「承知いたしました!」

「プリキュア!マカロンジュリエンヌ!」オレスキーたちの足元に巨大クリーム型マカロンが現れ高く持ちあげられていく「な、なによこれ!」焦るテンジョウ

「レインボーパフューム、いくにゃ!プリンセススターカラーペン、おとめ座!くるくるチャージ!」

「プリキュア!やぎ座!セレーネーー「レインボースプラーーーッシュ!」アローー!」妖精さん最後の大仕事、光の粒子を!疲労を!鬱憤を!オレスキーたちに最大限でぶつける!

(みんな、これで最後だ!お疲れさま!)「ぐあぁぁぁ!」「きゃぁぁぁ!」「チョイー、ノットリー、ゴーーークラーーーク!」レインボージュエルが弾きだされ、キュアエコーの元へ

 

少し長めの土煙が晴れると憲兵服に戻った憲兵達と元の服装に戻った武蔵が倒れており、辛うじて立っているボロボロのオレスキーとテンジョウの姿が見えた。

「今回はこれで引いてやる」「次は覚悟しなさい!プリキュア!」オレスキーが叩きつけた煙玉が晴れるころには二人の姿はなかった。

 

エコーの手から忍に宝石が返され、みんなが喜ぶ中観測台から広場を見つめる伊401の腕には時計型の何かがはめられていた。

 

「みんな、ありがとう。みんなのおかげでレインボージュエルを守ることができたわ。また何かあったら応援してね」エコーが代表で話す。

「そろそろこの体を本人に返さなきゃ、また会えるといいね?みんな大好きだよ!」6人の体が光り輝き、いつもの彼女たちに戻る

 

「やましろさーーーん!」飛びつく対馬

「ゴーヤさん!」手を握る松輪

「ぷ、プリキュアだったなんて!感激です」白雪に向かってキラキラする朝潮

「春ねえさん、どこまで素敵になれば気が済むのですか」春風に寄り添う旗風

「かもかもすごかったよー!」文月と皐月にからまれる秋津洲

「清霜、さすが私の妹だな。」武蔵が清霜を撫で他の駆逐艦から羨望の眼差しを集める清霜

「間宮さんは人をリラックスさせる方法何でも知ってそうですね...。」神谷は膝枕をまだ堪能しながら呟く。「何でもは知らないわ、知っていることだけ・・・。」ガバっと跳ね起き目をまん丸にする神谷

「本当においしい仕事じゃったのぉ」いつの間にか部屋に戻りサラトガの膝枕を堪能する忍

 

 

「また、会えるかな。」手をつなぎ空を見上げ呟く対馬と松輪のシーンでフィニッシュ!!

 

 

(マジで起き上がれねぇ...。)未だうずくまる天龍に急いで駆け寄る秋雲と響の姿が画面の端に映っていた。

 

 

 

----プリキュアアールスターズ ep1 END-----

 

撮り終えてから編集を終え、その間宣伝も力をいれ3週間後に初上映となった。

映画は空前の大ヒットとなり、続編の予告編を急遽ネットで流さねばならぬ羽目となった。各鎮守府のプリキュア役の同型艦は変身できないのか?と質問攻めに合い、各提督が宿毛湾に仕方なくクレームを出し、映画を見た長門は宿毛を追い出されたことを心の底から悔やんでいた。

DVD、グッズも生産が追い付かないくらい売れ、時勢により縮小気味だったバ〇ダイが大復活を遂げ、旧作の再生産と「新シリーズのプリキュア」を発表し株価が連日ストップ高となる。

売り上げ利益の一部は映画を見に来た子供たちの住所にコスチュームとして届けられ、出演者スタッフにもすごい金額が支給されるもまだ余ってしまったためep2のメインステージとなるCGで済ませようとした遊園地を一から建設する資金となった。

 

青葉の艦娘映画も大好評で、各鎮守府に守ってくれていることへの感謝の手紙や声が相次ぎ国民は国防費を増やして艦娘たちの待遇を良くしろ!という不思議なデモ行進まで起こった。

国民と艦娘の距離が近づき軍は今まで以上に平和な海の奪還を全員で誓った。青葉はテーブルに置いたひしゃげたカメラを撫でて呟く「前の青葉、あなたに負けない記録を今の青葉が撮ってやるんだから!見守ってね・・・。」

 

----大湊警備府-----

 

ここに私は二人いる。いえ、同型艦が2隻かしら?金剛姉さまたちと異動して来た時に既に霧島はいた。姉妹艦とはいえ、私だけ合流直前に建造されてすぐに十三提督の元へ行くことになって今の姉さまたちと出会ったわ。おこぼれでもらった「少尉」正直あの提督に取り上げられて肩の荷が下りたところがあったわ、その件に関しては感謝してるの。

映画をみたわ。そこにもわたしがいた。もう訳わからないわ、笑っちゃう。でも、最後の笑顔は本当にまぶしかった。わたしがしたことないどころか、あんな笑顔をする艦娘見たことないわ。あんな笑顔ができる環境を体験できるなら、わたしは沈んでも悔いはないわ...。今日、異動願いを提督に出そう。とりあえず大本営にして、わたしのいない所ならどこへだって行くわ。わたしはわたしを見つけたい...。

 

----ラバウル-----

 

「よ、龍田!映画面白かったな!さすが提督だぜ!あと香取がそろそろお前をラバウルに戻すって言ってたぞ。」にこっと笑うラバウル天龍

「わたし....「自信持てよ!俺が保証してやる。お前は強くなった!あっちの俺をささえてやってくれな。」」ポンポンと龍田の頭を軽く叩く

「天龍ちゃん...ありがとう!」「ふふ、良い笑顔だぜ龍田。」

 

 

 

 




次回から少しずつ物語が動きます、プリキュアももう一度やりたいです

映画であることを知らされてなかった艦娘達はぷりぷり怒るも、楽しかった!と大満足だった。そして宿毛湾泊地ではプリキュアダンスブームが訪れた

2,3日お休みするかもしれません。萌えつきた(笑



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12話 おっさん、覚悟を決める

なるべく矛盾しないようにしたい

提督とは妖精が見え会話ができる者。声だけ聞こえててもダメ、見えてるだけもダメ
基本的にほぼ有視界戦闘、妖精由来の近代兵器で無傷とかの多少の物理法則無視があるけど誤差とも言える範囲、かなり現実的な世界。
距離が近ければ近いほど高威力だし、弾は普通に風の影響も受けるし、手持ちと艤装固定で同じ武器でも威力が変わる。固定>手持ち、艦娘が壊れないよう妖精配慮。
固定武器の最大有効射程(手持ちは半分になる)
大和砲 2000m 戦艦砲 1500m 重巡砲 1000m 軽巡砲 500m 駆逐砲 300m
高い位置からの爆撃や雷撃は普通に風に流されるから低い位置を飛ぶ。
おキツネ装備は人間が使うと、人間・艦娘・妖精に効く。深海凄艦には効かない
服は入渠では治らない。普通にお着換え。銃や刃物を通さない肌だが、「提督」の直接接触は防げない。本人が望んだ場合のみ通常兵器が通る(例:自殺)
HP1ストッパーなし、普通に即轟沈あり。
飛行機は普通に飛んでる、ただし飛行場は基本的に内陸。
海域を解放すると海底ケーブル引けるようになる。知能ある姫級を倒すと解放。以降ケーブル切断するような頭のいい個体は生まれない。姫が健在の時のみ姫が生まれる。生まれて増えた姫は取られた海域取り戻しに来たり、海域スルーして泊地に攻め込んだりする。姫を作れるものを倒すのがこの戦争の勝利条件
深海凄艦・艦娘は付喪神的な存在、妖精は妖怪(忍)側、大まかにいうと同じカテゴリー、だから実は神谷は深海凄艦にダメージ与えられます。
同型艦は基本同じ見た目と性格で顕現するが後の環境で性格も変わる完全な「個体」


です




映画の公開をきっかけに国民と軍の距離が大幅に縮まった。国民は身を捧げ国を守る艦娘たちの事をより知りたがり、軍も積極的に情報を公開し始めた。

日本に設立された各鎮守府では月1度、前後半の2部制で鎮守府公開を行うようになった。プリキュア発祥の地である宿毛湾は人気が高すぎるため前半は地元住民のみ、後半は一般応募の特殊2部制となる。

 

「宝くじ一等の10倍の確立」と揶揄されるほど宿毛一般チケットは争奪戦となる。転売が横行しそうなモノであるが、各鎮守府での本人登録を経てオリジナル応募サイトに行ける仕組みと、軍事施設のため「スパイ防止法」が適用となり、転売した者・購入者ともに執行猶予なしの即実刑ということもあり、不正は無くなった。

前半の住民対象は必ず90分の避難講習があり中学生以上はむしろ最低一度は参加が義務付けられている。避難誘導をする余裕は泊地にないための策だ、ラバウルで出来なかったこと・やりたかったことを積極的に取り入れた。講習は週3回市民ホールでも行われており、基本憲兵が進めるが艦娘も必ず数人ついてくるため大人気だ。

10万人ほどとは言え決して少なくない人数なので、砲弾が届くかもしれないその日に備え、最優先で行われた。

 

---映画公開から9日-----

 

2100執務室では仕事を終えた(仕事してたのは春風)又吉が執務机対面のソファーで寝転び、部屋の奥の片側4人掛けのソファーでは利根・春風・瑞穂・白雪・瑞鶴という珍しい組み合わせがおしゃべりしている

 

「そうなんですよ、私なんて香取さんに裏拳で轟沈判定ですよ」ニコニコと皆に飲み物を配る瑞穂、初演習の時の話しのようだ。「訓練に関して香取は容赦ないからのぉ」ケラケラと笑う利根

 

コンコンコン「青葉です、入りますよ〜」と言いながらドアを開け入ってくる。「なんか珍しいメンツですね、利根さんもいる。ちょうど良かった、司令お話しいいですか?」入口すぐのソファーで寝転ぶ又吉を見る

 

「いいぜ、長くなるなら奥行こか?」「お願いします、皆さんもそのままで」

奥へ移動して又吉は瑞穂に膝枕してもらい、小さめのソファーに利根。対面の小さなソファーに青葉。もう一対の大ソファーに春風、白雪、瑞鶴が座る。

 

「青葉は明日のラバウルからの船でラバウルへまた戻ろうと思います。」と切り出す。「なんだ?別に構わんが香取のしごきが恋しくなったか?」目を瞑ったまま又吉は答える

「訓練だけは勘弁してほしいですけど、香取さんから学ぶことがとても多くて訓練以外は楽しいです。それでですね、映画制作の時に香取さんを始めとする皆さまから色々聞いたり資料を見たのですが、霧島さんのことは司令に直接聞けと言われまして…。」

「…。」霧島の名を聞いてピクッと反応する又吉。

「その話しワシも聞きたいのぉ〜」青葉の背中に落とした影の中からニョキっと出てくる忍。「影の中で聞いてても良かったのじゃが、霧島とかいう

あのメガネゴリラに関しては色々世話になったからの。そもそも彼奴が死ぬ、お主が死なせるというのがどうにもしっくりこなくて疑問だったのじゃ」青葉の頭に頬杖を突きながら話し、春風を見る。「そこの巻き髪娘、横を空けろ。」春風が横にスペースを作ると又吉同様、膝枕をされながら天井を見上げる忍。「あの乳メリケン娘程ではないがなかなか良い心地じゃ、続けて良いぞ。」

 

「長くなるぞ」と言いながら又吉は起き上がり語り始めた。

 

---同時刻、間宮の部屋---

 

「ありがとうございます。」小さなちゃぶ台を挟んで飲み物を出してくれた間宮にお礼を言う神谷。「明日、ラバウルへ戻ります。色々してくれた間宮さんにお礼と最後にお話をしたくて…。」

「あらあら、最後だなんて言わないでください。また来ることもあるでしょう?でも私で良いのかしら、朝潮ちゃんとかの方が仲良しさんでしょう?」ニコニコと答える間宮

 

「あ〜さしおぉ!」と言って、朝潮を見つけた神谷が後ろから抱きついたり持ち上げたり高く上に飛ばしたりセクハラしたりして、朝潮に反撃をくらって床に沈むのが名物コントとなっていた。

 

「あいつは別に良いんですよ、ペットみたいなもんですから。あ、これお酒ですかジュースかと思っていました。」

「部屋でこっそり飲むのが好きなんですよ、それにお酒が入った方が話しも弾むでしょう?」優しいお姉さん、間宮

雑談を交えて程よく酔ったところで、神谷は自分が普通の人間とはちょっと違うこと、もう70年近く生きていること等々を語った。

「そうそう、ちょっと待ってて。」と言い間宮は化粧台で髪を結い直し、振り向くと神谷の旧友がかつて掛けていたメガネと同じ形の伊達メガネを掛け神谷の隣に座った。「ま、間宮さん…?」そこには8年前自分を絶対死なせない、自分の力は未来で必ず人々にとって必要になる!と言って深海悽艦から神谷を守り命を散らせた旧友の出会った頃の学生時代によく似た間宮がいた。

「実はね神谷くんが来る前に忍さんがいらしてね、少しお話をしてこれを渡されたの。忍さんがね(ワシでは我があるじ様の体の火照りならいくらでも癒せるが、心の傷だけはどうにもならなくての。すまんが力を貸してくれぬか?)ってお願いされたのよ。神谷くんのためになるならって思ったら嬉しくなって引き受けました」神谷の肩に頭を預ける間宮

()()()()()()よく頑張りました」と間宮はつぶやき、神谷は膝の上で拳を握り「羽川…俺は、俺は…」と大粒の涙を流す。

 

その晩、神谷と間宮は身体を重ねた

 

翌朝。「間宮さん、あの…その」上半身を起こし横で同じく目を覚まし寝転ぶ間宮に語りかける。間宮は身体を起こし、その豊満な乳房をあらわにしながら神谷の唇を指でそっと押さえる

「かずおさんは関係ないわ、かずおさんのことは大好きだけど今はあなたの方が気になるの。だから神谷くんも今度は「私」を抱いて頂戴。」間宮の仕草に神谷の触覚が直角に立つ、もちろん神谷の神谷もだ!

「ならば、その今度は今です。間宮」間宮を押し倒し両手をペットに押し付ける神谷。「優しくね、暦」

 

みんなの朝食は忍を頭に乗せたサラトガと春風が作りましたとさ。

 

---1100船着場---

 

「アドマィラル、あなたのウォスいまここに。」スカートのすそをつまみ、後ろに足を一本伸ばして体を沈めるお辞儀をする桃色の意味での「夜の女王 戦艦ウォースパイト」

「おいっす、又吉!やっと戻れたよ。」と北上

「飛行機は虫けらです、はい、残らず落とします。」ちょっと目に光の無い照月

「お久しぶりです、提督」一番まともな挨拶をして敬礼する龍田

 

「おう、久しぶりお前ら。龍田、イイ顔になったなと」ごく自然に胸を揉もうと手を伸ばすと確かに胸を捉えたのだが、目の前にいたのは頬を赤く染めたウォースパイトが割り込んで来ていた。「今宵はわたしですよ///」

 

入れ替わるようにサラトガと長波が軽い挨拶で船に乗り込み、目の前には神谷が来て敬礼していた。

「2週間の予定が約40日になっちまって悪かったな、忍さんもすまねぇ。」神谷の影から春風の和傘を持った忍が出てきた。

「よいよい、毎日のドーナツ最高じゃった、それに我があるじ様もくつろいでいたみたいだしのぉ、カカ」

「それは、そのぉ....。」又吉の後ろに佇む間宮をチラ見する、間宮は笑顔を返す

「神谷、軍艦だろうと漁船だろうと良い船って何か分かるか?」と又吉

「え?んー抽象的過ぎて何とも・・・・。」左手で顎をいじる神谷

 

「良い船ってのは港にキチンと帰ってくる船だよ。」と言い右後ろの間宮が良く見えるように右手で神谷の右肩を叩く

 

「心に刻みました、又吉さん」再び敬礼する神谷「又吉とやら、お主も努々忘れることなかれじゃ」と言い残し神谷の影に戻る忍

「ええ、ありがとうございます」ペンダント型にしたプレゼントを服の上から摘まむ

 

「ではみな、また会おう。」船を見送り皆で執務室に向かった。

 

---1200執務室----

 

「報告ご苦労、後はみなで食堂で飯食いながら話すぞ。龍田、お前1500から天龍相手に演習な。腹八分目にしとけよ、見せてくれよ?ラバウルで生き残った凡人の強さを」少し煽る又吉だが

「必ず、私が私であることを証明して見せます」ピシッと敬礼する龍田。イギリス女王とのんびりお下げはふふっと微笑む。「演習、空が、空が...」約一名別世界

 

---食堂-----

 

「そうか、やはり一気に静かになったか。こっちで黒瑞鶴に気付かれたし、いよいよだな。」

「香取さんが対空をとにかく厳にしろと言ってました。」もぐもぐ。移動途中又吉に「直接」尻を揉まれ正気を取り戻した照月が続けた。

「ああ、磯風をドロップした。あと白雪が地味だがオールラウンダーだ、照月と瑞鶴に任せる。瑞鶴も新たに来た神鷹も大分化けたぞ、時々USA。USA.と壊れるときあるけど力は付いた。鳥海・ヒューストンも利根が鍛えている、戦艦と空母はもう1隻ずつ欲しいところだがこればかりは運だ。武蔵と山城はビスマルクが担当しているがウォスも加わっでもらい悪いが1人で2隻分位の働きをさせたい、そのポテンシャルはあるしな。」矢継ぎ早に語る又吉。

「あたしはどーすればいい?」北上が尋ねる。

「北上は瑞穂の甲標的技術を徹底的に鍛えてくれ、他は捨てても良い。とにかく尖らせてくれ」迫る敵の想定はもう終わってると言わんばかりの言い切り方

 

「おそらくあとひと月後ぐらいに動いてくるだろう、ラバウル・宿毛同時襲撃を予想している。現在少し鍛えたドロップ艦達を神州丸がまとめ鹿屋建設を任せてある、佐世保も手伝ってくれているから鹿屋は安心だ。このひと月でどれくらいそれぞれの練度を高められるかが鍵だ、お前ら頼んだぞ。」珍しく真面目モードの又吉に皆少し違和感を感じるが言ってることはまともなので了解の頷きを示した。

 

到着日1530演習場

 

被弾して大破状態の天龍と小破の龍田

「龍田ぁ〜最高の妹を持って俺はハッピーだぜ。だがな、ここからだぜ」

「うふふ♡期待してるわ天龍ちゃん、ラバウルの天龍ちゃんはもっと凄かったのよ♡」薙刀を大きく構える龍田、左腕には原付のタイヤ位の円周のバックラーと呼ばれる盾。これが非常に厄介なのと、龍田は一度も砲撃をしてない

「さすがラバウル天龍だな、しっかり仕上げやがった」唸る又吉

「おうおう、見事じゃな。あれは厄介じゃの〜」感心する利根

「近接特化というか、近接のみしかできないようだな。」顎に手をやる武蔵

「そうさ、ラバウルの天龍もあの龍田も凡人だ。凡人が天才と対峙するにはあそこまでやって漸く土俵に上がれる程度なんだ、でも自分の領域に引き込んだら天才より強い。だが、今回勝つのは天龍だな。龍田はまだ経験が足りない、まぁ経験なんてもう少ししたら嫌でも積み重ねなきゃならんがな」

 

結果、又吉の言うとおり天龍大破のまま龍田が轟沈判定で勝負がついた。

 

---2300執務室---

 

珍しく執務机に付いている又吉、パソコンをいじっている。

コンコン「入るわ、アドマィラル。」話しながらドアを開け、こっそりカギを締めるウォースパイト

「なんだ?どうした?寝られねーのか?」又吉は椅子をグッと後ろに下げ大きく伸びをする。

「どうした?はわたしのセリフよ、アドマィラル。」と言いつつ又吉に向き合ってスカートを大きく広げ跨がるウォースパイト

「ラバウル設立時を思い出してるのでしょう?緊張し過ぎよ、貴方らしくもない。」スカート裾から手を入れ、又吉のズボンのベルトを片手で器用に外す

「自分でもらしくねーのは分かってんだよ。だがな、あの時より充分過ぎるほど準備ができてるとはいえそう簡単に悪夢は拭えねーんだよ、ハニー。」

「常に鼻で笑っていなさい、多くを語らずに雰囲気でやって当然だと私たちに押し付けなさい、私が心と体を許す男は王でなければならないのよ。」床に滑り落ちると共にズボンとパンツをまとめて下ろす。

「なら王様を讃えろ、ウォス」又吉はウォースパイトの後頭部を片手で掴み、自身の股間へ押し付ける

「Yes.My Lord」背中の紐を緩め両腕の袖を脱ぎ、大きく美しい真っ白な乳房を露わにし、長い夜が始まった。

 

---翌日1000大講堂---

 

「---てな訳でぶっ殺すぞ、鎧袖一触よ♡改だの改二だのにさっさとなれ、なれなかった奴は鹿屋へ飛ばすから事後報告でも受けてろ」いつもの又吉が戻ってきたが、説明自体は余り頭に入らなかった面々。

 

1番前の席を陣取った女王様がキラッキラですごくウザかったから…

 

 




やっぱエ○ないとね、筆が進まないよ!

プリキュアとの落差激しくてさーせん


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13話 ラバウル泊地

ちょっと一息入れます、シリアス本編1:お気楽余談1のペースで進められれば良いかと考えています

30話には届かない形で終わる予定です


「香取とアンドレ」

 

ラバウルに来てから2か月が経った。神谷は2週間の宿毛滞在予定だったが色々とあったようなのと、こちらが最初の方こそ深海悽艦の進行を受けながらの再建であったが、徐々に襲撃スパンが長くなり艦娘殿達の協力もあり予定よりも大幅に体制が整ってしまい神谷の抜けた穴など全く関係なかった。香取様「もう気づかれたか…。」と呟いておられたが僕のやる事は変わらない。ラバウル行きの船に乗った瞬間から香取さまは僕の「女王様」になってくれた。もう2度と体験できぬ至高の日々だ。

 

「アンドレー、おるか?姐さんからの命令じゃ。」待機所に参られたのは浦風殿、駆逐艦と思えぬ色香を発する青い髪の美少女。ドロップ艦で初赴任地がラバウルだった為、他の浦風とは全く異なる個性と戦闘能力の持ち主とのこと。僕を好意的に捕らえてくれており、よく尋ねて来てくださる。

「なぁ、ウチから姐さんに話ししちゃろか?余りにも扱いが酷過ぎるじゃろ?」ちょっと怒り気味の浦風殿。香取様のためにも誤解を解いておかなくては…

「浦風殿。度々申し上げていますが、香取様は僕が望み喜ぶ行動を敢えて取って下さっているのです。僕はM男の中でもエリートを自負しています、誇りです。かつて私が認めた女王様は1人だけでした、ひと月の給料が一回の料金である場所の通った皆が絶賛するナンバー1の女王様ですら私の認めた女王様の足元にも及びませんでした。そんな女王様ですら香取様の前では有象無象の1人でしか無くなってしまうほど香取様は素晴らしいのです。側から見たら酷過ぎる行為に当たるのでしょうが、その行為ひとつひとつが僕の求めるモノの更に上を行く行為で毎回高揚感で倒れないようにするのが精一杯なのですよ。」

「何度も聞いてるけど、やっぱりウチには分からんわ〜。ウチらの視点で見るとどうにもなぁ…」諦め顔の浦風

「どうか僕のことはお気になさらずに、毎日がバラ色なんですよ。」キメ顔

「確かに毎日キラキラしちょるし理解はしてるつもりじゃが…しゃーないか。姐さんの命令は、貴様の作った菓子を食べたがっている艦娘がいるから今日中に食堂に置いておけ。食べた艦娘からの報告で知れるから完了報告は要らない。じゃ」メモを見ながら伝える浦風。「承知いたしました。」上機嫌のアンドレに対し不完全燃焼の浦風。

「普段のやり取りと比べて大人し過ぎる命令で喜ぶ僕が不思議と言う顔をしてらっしゃいますね?」うんうんと二回頷く浦風。

「2流のSはここで汚い罵倒とか入れますね、例えば貴様の作ったモノを食べたがる者の気持ちが分からない。とか調子に乗るなとか。普段のやり取りを知っている浦風さんはこういう言葉がない事に違和感を感じているかと思います。そんな明らさまな事をされて喜ぶMも2流です。」

「ですが、顔が見えない声も聞こえない見下した発言など全く美味しくないのですよ。むしろ内線で一瞬で済む事なのに、敢えて声を聞かせない。そして接触を避けるため報告も要らない。直接関わる価値もないと言われてるようで流石に気分が高揚します///」

「人間てのは本当に業が深い生き物なんじゃなぁ…」

 

「扶桑姉さま」

 

「はぁ〜空はあんなに青いのに…。」ため息ひとつもモノガタリのワンシーンかと思えるほど美しい。

「ウォーちゃんやビーちゃんも又吉さんに呼ばれたのに私は…。」食堂で少しお行儀悪くヒジをつき、手に持った箸を空中でパクパク遊ばせる

食堂にいる艦娘たちはその物憂げな様に目を奪われる、一挙一動が美しすぎて周りの時が止まってしまう「時の女王」

ゼロカスタムとの演習で轟沈しかけた姿を晒した時は数人の艦娘が鼻血を出しながら倒れた、観ていた又吉も相当危なかった。又吉の又吉が歯止めが効かない状態となり、あと数分入渠に連れて行かれるのが遅れていたらR18の実演を皆の前でするところだった。第一艦隊旗艦長波曰く「深海悽艦からも殆ど攻撃されないのでその分私たちへの攻撃が増えるから一緒に出撃したくない」とのこと。結果、長波たちの練度が短期間でウナギ登り。毎日が経験値倍々チャンスだった。

元々どこにでもいる扶桑型1番艦であったが、霧島艦隊の壊滅を気に様変わりした。他人には聖母のように優しく、自分と深海悽艦にはとことん厳しく。生命力を削ってラバウル設立、復興に尽くす姿は他の者達を奮い立たせた。

だが、そんな彼女も1人の女の子。癒されたいのだ。そして後にある計画を実行する

 

「香取」

 

「提督の提督」「屍製造機」「女王を顎で使う女王様」得ている2つ名は数えきれない。今日も提督の代わりに執務をこなし、遠くから「死ぬ!本当に死ぬから!私入渠できないんだよー!」とラバウル提督の悲鳴が元気に聞こえる

実は訓練以外では非常に優しく、気配りも完璧。素敵な練習巡洋艦 香取になる。長波が戦闘における又吉の片腕で、香取はそれ以外の全てをこなす片腕。

艦娘の夜伽のスケジュールから何から何まで彼女の指示の元行われている。どんな個性的な艦娘も彼女の言うことだけは絶対逆らわないし、必ず完遂しようと努力を怠らない。完璧超人な彼女の自室は

乙女グッズで溢れていた。トルソーにはウエディングドレスまで飾ってある、夢女子の頭の中の自室を現実に再現するとこうなるであろう。という部屋

今日もぬいぐるみに語りかけ、1日の出来事を語る。さぁ、明日も仕事頑張らなくっちゃ♡

 

「ラバウル提督」

 

置鮎 杏 26歳(中佐)元舞鶴提督で設立から関わり日本海解放の立役者

十三の従姉妹で類稀な戦略思考の持ち主。十三と鏡写しのような艦隊運営をするところを見ると才能というか血筋なのだろうなと思わせる

ラバウルの後任として着任以降、彼女自身の全ての常識が覆される日々。真逆の泊地運営、戦略に着任当初は頭を悩ませてばかりであったが、適応能力の高さで今ではすっかり馴染んでいる。元々の思想が塗り替えられた訳ではなくフォルダー分けする様にラバウル方式をマスターし、両方の良いところを合わせて後に「最強艦隊」の名を得て戦争を終わらせる「解放の英雄」と呼ばれる

その日はもう遠くない。十三のお狐タイプゼロを spec2に改装したものに搭乗する

 

「長波」

 

元十三提督の秘書官。又吉が自分を庇い重症を負いそれがきっかけで妖精とコンタクトを取れるようになり、提督学校への出向を機に大和に秘書官を譲り以降ずっと又吉のそばにいる。最初の一回は艦娘から誘わねばならない。という暗黙のルールのため超奥手の長波は未だ又吉との行為に至れていない。その気はありありなのだが「戦神」と称される彼女の唯一の弱点。

最終決戦時は香取と共に又吉第一艦隊に加わり戦争を終わらせる

 

「翔鶴」

 

香取たち同様、ラバウル設立メンバーの1人。「白い悪魔」

香取には「女郎蜘蛛」と揶揄される。サラトガのUSA魂を傷つけ損なうことなく米国機全滅に誘導し日本艦載機の素晴らしさを伝えたり、皆知らず知らずのうちに彼女の思う通りの行動を取らされている。その徹底した現実主義は扶桑の憂いをある程度中和する所もあり、よく扶桑とセットでいることが多い。香取たちの指示ではなく自分がそばにいて扶桑を抑えないと自身の計画が尽く崩れてしまうためである。自分の影響が全く及ばない又吉・香取・長波・扶桑が心の底から大好きで仕方ない、この4人以外は簡単に操れてしまうので固有名詞ではなく「随伴艦」とまとめて呼んでいる。扶桑同様、後天的に特異種となり運が高い。不運であればもっと苦労ができ、同じ行動でも倍以上の策を巡らせられるのに…と悲しむ「真のドM」。アンドレの事を方向性は違うが同格と認めており、かなり仲が良い。

 

「浦風」

 

ラバウル唯一の良心で常識人故に苦労人。設立メンバーの1人でもあり長波に次ぐ駆逐艦No.2の実力の持ち主。香取に翔鶴にこき使われ、天龍や利根、巻雲に振り回され、サラトガを始めとする海外艦にキチンとした常識を教えてまとめ上げようと試みたり常に忙しい。杏からも絶大な信頼を得ており、唯一の理解者・心からの友と慕われている。又吉と同格にアンドレを気にかけているおかん的なとこもある。

 

「巻雲」

 

「霧島イズムの継承者」「殺戮の天使」

第一次ラバウル防衛戦、霧島艦隊唯一の生き残り

第二次ラバウル防衛戦、巻雲艦隊唯一の生き残り

第二次防衛戦で半分深海悽艦になった加賀も生き残るが、加賀の「何でも使う私達が唯一使ってはいけないモノ」と自分を揶揄し、自殺の介錯を頼まれて戦闘に関するものごとには完全に壊れてしまう。自身と又吉たち以外の全てを「随伴艦」と表現する翔鶴が唯一発する名前以外の固有名詞「クソメガネ」

ラバウル艦娘の戦闘序列外の存在で規格外。艦種の枠を超えることはないが駆逐艦射程圏内では敵なし。戦闘に関わること以外では他所の巻雲同様常識人。浦風と仲が良く、浦風が絶対に言う事を聞かせなければいけない案件の時は必ず巻雲を連れて行く。浦風の切り札でもある。

 

ラバウル泊地

 

第一次ラバウル防衛戦(4か月)。建設中の出来事、住民もかなりの犠牲がでた。ウォースパイトがドロップ。襲撃を受けてボードが考案・開発される。

霧島、愛宕、あきつ丸、島風、大鷹が轟沈、同時期に十三戦死

第二次ラバウル防衛戦(3か月)。建設後2か月後の出来事、憲兵隊壊滅の後撤退。ボードの初実戦、手持ち武器の考案・開発。最大戦力の天王山の戦いで

加賀・伊26・阿武隈・綾波が轟沈、最後の戦いで青葉轟沈もサラトガドロップ

憲兵隊の犠牲により住民の被害は極小で済んだ。

上記2戦は「ラバウルの悪夢」と称される。

以降、轟沈なしの無敵の快進撃も他の鎮守府と比べて戦闘規模も被害も多い中で屍の上を踏み越えて戦う姿から始まったため、指揮する又吉を「ラバウルの悪魔」との表現に変わった。

 

 

 

 




出すべきものは大体出し切りました。あとは段階を踏んで最後まで書ききりたいと思います。

あまりにも優秀な部下たちのため、アンドレは早くも仕事がなくなってしまい、そんな流れから伊良湖・鳳翔の手伝いに駆り出されることが多くなり家事マスターとして艦娘から慕われ、香取とのやり取りから艦娘達が下着を洗濯されても嫌悪感を感じないという、気がつけば信頼度No.1憲兵の地位に立っていた。
その使い勝手故に、艦娘寮や泊地本館で動き回る時間がどんどん増えてしまい憲兵所が休憩所扱いになっていた。艦娘たちが皆なんとか香取との接点を与えようと様々な策を巡らすという不思議な光景が多々あり、執務室からきらきらを背負って帰ってくるアンドレを見て皆優しい気持ちになる
「香取様、天龍殿からの依頼により執務室のタオルを洗濯して補充しに参りました。」
「…。待てアンドレ、ちょっとそれを持って来なさい」執務机に置くアンドレ
「なんだこの売女臭い匂いは?部下に掘られて童貞失う前に処女失ったか?アンドレ?」と鼻で笑い乗せたタオルの束を手で優しく払い床に落す。
「匂い付きの柔軟剤を使用しました、余計な事をして申し訳ございません」タオルを不様に拾いながらも高揚感を抑えるのに必死のアンドレ
「下らん気を使わず、洗い直して艦娘に運ばせなさい。いいわね?」もうこちらを見ることもなく蓄音機相手に話しているような口調になる
「かしこまりました、すぐに実行いたします」綺麗な敬礼をして去るアンドレ
ああ、本当に幸せだ…。執務室を出た瞬間キラを纏い廊下を闊歩する、アンドレは今日も元気だ。


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14話 開設、基地航空隊

秋津洲、お前がナンバーワンだ。


長波達がラバウルに戻り、北上達が戻ってきてから一週間ほど

少将とのやり取りの末、来るべき日に備え重要なポイントに航空基地を建設することになった。

 

ラバウル・鹿屋・舞鶴・横須賀・大湊

 

ゆくゆくは全てに備えたいところだが運用機も指揮する艦娘も足りない。

艦隊行動とは別に地上に作られた基地から専用の戦闘機が飛び立ち艦隊の援護をするファンネルのようなものだ。デメリットとしては基地のみで補給や修理を行うのと距離の問題で日の出てるうちに一度、夜間は陸上のみへの攻撃の2択しかない。

一度の戦闘で搭載した2~3セットの弾薬を消費したら味方がどんなにピンチでも引き返さなかればならない。そして20日ほどである程度仕上がったところで

 

「ええ!あたしが基地長なるのかも!?」言い方が常に紛らわしい秋津洲が執務室で驚きの声を上げる。「しかも、5か所の統括までやるかもですって?」やるかもじゃなくてやるんだよ。

「ほい、これ辞令。イケメン少将のサイン付だ。」又吉は指令書と小さな包みを乱暴に

秋津洲に投げる。

「うわっとっと!危ないかも!!何するのかも!?」何とか落とさずキャッチして受け取ったものを確認する

「秋津洲特務少尉殿 貴殿を基地航空隊統括かつ鹿屋航空隊基地長に任命する。同時に特務大尉を与える。益々の貢献を期待している 大本営 折笠少将」とあり、小さな包みには緑の葉のモチーフが二枚。階級章である。

「ににに、に、二階級特進かも...轟沈してないのに。」異例中の異例であり、その分の期待の表れとプレッシャーを階級章から感じる。重いかも...。

「ま、そういうことだ。今日から鹿屋へ行け。必要なものは最低限できている、訓練しながら他の施設も増築していく。」話し終わりあっち行けと手をピッピとやる。

 

「あたし頑張るかも!司令達が戦う前に終わらせちゃうかも!」と敬礼をして去っていった。後に上がってくる話は功績と地獄の訓練ばかりと言われる「二式大艇かもかも'S」の発足である。

 

「違うかもー!」「いい?大艇ちゃんは攻撃できないの、代わりに君たちをより遠くまで他のどの子たちよりも遠くへ安全に案内できるの。だから戦闘形態は大艇ちゃんを除いてやるかも!」と怒鳴ってはいるが語尾のせいでいまいち締まらないが隊員妖精たちは真剣に聞くかも!皆で集まり木の棒で地面に様々な陣形を描く

「この矢印の傘みたいなのが魚鱗陣かも、突進力に優れて狙ったところに雷撃を当てやすいかも!それでこの反対向きのが鶴翼陣で・・・」増設工事の音がうるさいので滑走路脇の土の部分で講義を行うかも。

「こりゃ吾輩たちがいても何の役にも立てんのぉ...なんという才じゃ。」利根は腕組みしながら呟き「本当にあたしたち出番なくなる...かも」語尾をマネする瑞鶴。さぁ、実戦はすぐそこだ!

 

秋津洲赴任から約3週間、丁度又吉が宿毛に来てから4か月目の日

「アドマィラル、海域監視の伊401より入電。宿毛に向かう敵連合艦隊3セットを発見とのこと。....?what?..もう一度お願いします。こちら宿毛湾ウォースパイト」

「了承いたしました、確認するのでそのままお待ちください。」ウォースパイトはソファーで寝ころぶ又吉を向き

佐世保哨戒部隊から連絡を受けた佐世保提督より台湾沖に敵連合艦隊2部隊発見、進路はおそらく鹿屋と思われるとのことです」

「代われ。ブルネイとタウイは何やってんだぁ?予想外だが来ちまったもんはしかたねぇ。佐世保よ大至急2艦隊出撃。鹿屋からも1艦隊、宿毛からも...

[ここはわたしに任せてかもー!」佐世保との通信に大音量で割り込む秋津洲

「司令、佐世保は取りこぼし用の1艦隊にしてもらってかも。鹿屋からも1艦隊わたしが旗艦で出るかも!かもかも航空隊の初陣かも!」

 

「大見得を切ったからには失敗はできねえぞ?わかってんのか?」

「任せてかもー!」

「相変わらず締まらねえな。いいぜ、かもかも。魅せてくれよ」

「了解かも!?」

「てことだ、佐世保よ。ああ、ああ...。ははは!大丈夫だ。歴史の変わる様に立ち会ってこいや!じゃーな。」又吉は通信を切りウォスに向き直る

「さて、こちらも全力。出し惜しみは無しだ、蹴散らして来い。俺は寝る」

「Yes,My Lord」「こちら執務室ウォースパイト、敵艦隊襲来。殲滅編成を命じる、各艦はドッグへ。」

 

同時刻、鹿屋基地滑走路

「諸君!ついに初陣かも!」とメガホンから発する秋津洲。目の前に整列する4体の航空機隊長妖精たち、後ろには200名体近い妖精たちが並ぶ。大艇は自立行動である。

「第一陣 大艇ちゃん以下64戦隊で迂回路を取って横から敵艦載機つぶすかも!第二陣以降は一陣の30分後に出撃、銀河隊・野中隊・一式陸攻隊と続いてかも!ちょっと引き寄せて一気に殲滅するかも!陣形は大艇ちゃんの指示にしたがってかも!」

 

「では全機出撃かも!」一斉に敬礼をする妖精たち、さぁ戦争だ!

 

---1時間半後太平洋洋上----

 

「提督から通信、え?...え??ええええええ!」と天龍が騒ぎボードから落ちそうになる。

「全艦聞け、台湾付近の別動隊は基地航空隊により8割撃破。一艦隊に満たない残存を今鹿屋艦隊が撃破、殲滅だとさ。」驚きが仲間たちに広がる

「かもかもにできて、俺らは敗走しました....。なんて報告できねぇよな!お前ら!」空に向けた砲がいくつか上がる

「敵はもう目の前だ!ぶっ殺すぞ!!全艦突撃!」宿毛連合艦隊1、潜水艦隊1。倍の相手に向かって突撃した。

 

 

---出撃から5時間後執務室----

 

「てなわけで、大活躍は潜水チームだ・・・。」不満気に言う天龍

「勝てばいいのよ?天龍」ニコニコのウォースパイト

「みんなが海上で足を止めさせてくれてたからでちよ!イムヤが一人で1艦隊沈めたでち!」キラッキラのゴーヤ

 

「いや、お前たちの活躍も十分すごいよ。マジで。始動4か月で倍の相手に完勝とか普通ないからね、でもね.....。」珍しく執務机にいる又吉

 

「会敵30分で敵艦隊8割沈黙かも、残りの二割を私たちが撃破して残りの大破艦も全てキッチリ沈めたかも!」

3重キラ状態の秋津洲が報告に訪れていた。

 

---その夜の執務室----

 

「報告を受けたけど凄まじいの一言だよ又吉さん。他所の航空隊は開幕に落とせて連合艦隊の4.5機だよ、秋津洲には各所を順にまわってもらいますね。」折笠少将

「俺も驚いている、あいつが何よりすげぇのは航空隊員への統率力だ。何か知らんが鹿屋に超熟練どもが集結したのも大きいが打てるチャンスが数回しかない航空戦でモノ言うのは統率力だ。乗ってる航空機自体はどこもほとんど一緒だ。」又吉は腕を組み天井を見ながら答える

「でだ?ブルネイとタウイはなんて言ってる?」又吉は真剣な表情に切り替える

「あちらも台湾沖艦隊発見時には交戦中だったことがこちらでも確認された、損害はないと言っていたよ。」と返す折笠

「どーもしっくりこねぇんだよなぁ?なぁ、折笠よ。十三の最後の海域解放時から今まで鎮守府に直接襲撃を受けたのはラバウルだけだ、理由は俺と緑川。襲撃で台湾の部隊を目立たなくするためってのは分かるし、実際そうなった。でもな?指揮をとってるやつがいるのはわかってる、けど俺だったら台湾の部隊とタウイ・ブルネイの部隊を全部合わせてタウイかブルネイどっちか落とす。その戦力はあった。宿毛も攻めつつ次は残った方やっちゃうよ?って揺さぶる」

「それも分かるけど、結果的には圧勝だったけど航空隊を台湾に引きつけられちゃったし戦略的には問題なかったように感じるよ。」折笠は考え過ぎだと言うように諭す。

「俺も分かってはいるけど、なんつーか気持ち悪いんだよなぁ今回の事は。」

「気になるなら1か月後の大本営総合演習でその時にでも探り入れればいいじゃないですか、どうせその準備できてるんでしょ?」

「まぁな....。」「じゃ、また。」

 

「ビス、俺の考え過ぎかなぁ?」ソファーで寛ぐビスマルクに問いかける

「アドミラル、あなたが気になったというのなら気の済むまで調べるべきよ。どーせそうするでしょ?」と鼻で笑いコーヒーを飲むビスマルク

「そうそう、今夜はわたしよ?喜ばせてみせなさい」又吉を見ずに言うビスマルク、髪に隠れた耳は真っ赤だ

「うだうだ言っても仕方ねぇな、もやもやをお前で晴らさせてもらうよ。」又吉はポンとビスマルクの頭に手を置く

「や、優しくしなさいよ...ね///」頭に乗せられた手に自分の手を重ねる

 

夜は更けていく

 

一か月後

「んじゃ、行ってくるぞ。」迎えの車に乗り込む又吉

「「いってらっしゃい!おみやげたのむよー!」」と見送る艦娘たち。

又吉達を乗せた2台の車は駅へと向かう

「おれ、新幹線乗るの初めてなんだよ!」天龍はキラキラしていた。

 

 

次回、「おっさん艦隊無双と再会」です




利根達が帰った後の鹿屋航空隊講堂

「隊長さん達!助かったかも!あたしじゃ全然わかんなかったかも!」と秋津洲
「任せてください、基地長。我々が基地長を英雄にして差し上げます!」秋津洲の周りをわらわらと飛ぶ妖精たち
「隊長たちのカンペ無かったら漢字の読み方間違えてたかも!」

あれ...おやおや...様子がおかしいです

「基地長殿はそのままで良いのです、みなに元気を振りまくのが仕事です」ガラガラ..
ドアが開き二式大艇ちゃん登場
「「お疲れ様です!二式大艇さま!」全員敬礼
大艇ちゃんが翼を曲げよいよいとやる
「大艇ちゃんは本当にすごいかも!更に大好きかも!」大艇ちゃんに飛びつく秋津洲
大艇ちゃんが翼で秋津洲の頭をなでなでする。

「あの二式大艇さまのお顔、なんと慈愛に満ちていることか。我々機体の破片と化しても大艇さまの愛する秋津洲殿をおまもりするぞ!」「「おうよ!」」

その者の名は「二式大艇」後の「基地航空隊の英雄:秋津洲」を支える相棒である
大艇ちゃんには不可能はないッ!


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15話 宿毛湾泊地

ちょっと話し挟みます

段々と増えてきた宿毛艦娘、ラバウルからの応援から徐々に仕事を引き継いでいた。

そう、仕事は…


宿毛湾所属軽巡洋艦 大淀です。

提督は相変わらずソファーて寝転がって私が仕事をしています。たまにはキチンとして下さいと小言を言いますが実は任せられて嬉しい部分が大きいです。

ドロップ艦として着任、すぐにサーフボードみたいなものに乗せられたかと思ったら以降毎日の轟沈判定。演習で轟沈判定って何なの!と色々調べてみたら演習の場合はどんなに強力な攻撃でも残り僅かな体力は確保されて大破判定となり速やかに退場しなくてはならない。

でも大破から3分以内に「直接攻撃」を食らうと、「轟沈判定」となってしまう。まだ黎明期の演習の名残りらしく所謂「とどめ」今でこそ深海悽艦の生態が色々分かっているものの手探りの当時は「残心」の理念から必ずとどめを刺し死んだ事を確認していたらしい。今では轟沈判定までやるのはラバウルと宿毛だけらしい。

天龍さん曰く「お前らはまだ運が良い、相手が俺らだから。俺らはさ…」と遠い目になる天龍さん。

時折見かけるラバウルの方々ですね…、ええ、佇まいからして尋常じゃありませんからね…あと色香…

食堂でたまに朝からキラキラを背負っているラバウル艦娘を見かけることがある「夜伽」のあとらしい。特に嫌だと思うことはない、こうして人間の女性と同じような身体に顕現したのだからそういう事もあるだろう。提督は見かけ悪くないし、何よりイケボだし。一度提督に聞いたことがある

「提督、私も抱いてとお願いすれば抱いてくれますか?」と。そしたら提督は

「基本的に艦娘の願いは断らねーんだが、それに関してはお前が真に望んだ時に叶えてやるよ。俺様はイイ男だからな、何でもお見通しさ。せっかく人の体を得たんだ、気になることは全てやるといいさ」と言っていた。

ソファーで寝転ぶ提督を見ながら、んーこのグータラ男は無しかなぁなどと考えていたら「なんだ?貧乳メガネ、何か用か?」と言われたので、太ももにつけた明石特製の対提督用RPGを撃ち込んでおいた。あースッキリした!

 

「天龍ちゃん、食べてる時のよそ見はお行儀悪いわ〜」龍田に言われ向き直す。「悪りぃ、悪りぃ。」俺の名は天龍。フフフ、ボインさ。

「昨日は利根さんだったみたいね、キラキラというより闘気纏ってるみたいよね?」龍田の問いに「ああ、そうだな。」とだけ返す

「俺の出番はいつかなぁ〜。なんて考えてるでしょ?」「なななな、そんなこと考えてねーよ!」俺のマネをしながらの口撃に思わずあたふたしちまった

すみません、嘘です。めっちゃ体験してみたいです…。ビスマルク曰く「最初の一回は艦娘側から誘う」という暗黙のルールがあるとのこと、これが俺が前に行けない理由でもある…気持ちはアリアリなんだが、何て切り出したらいいか分からないというか意を決して近づこうとすると色々と想像して倒れてしまう。「天龍ちゃんの次って思ってたんだけど私が先に行こうかしら?」

「た、た、龍田ぁ〜。お前提督のこと…。」「あらぁ〜天龍ちゃん、わたしあの人のこと嫌いなんて一言も言った覚えないわよ?うふふ♡」その夜また執務室に続く廊下で体育座りする天龍の姿があったとかなかったとか。

 

「天津風ぇーお昼にしなーい?」防波堤から瑞鶴がボード自主トレ中の天津風に声をかける。天津風は沖で大きく手を振ってからこちらに向かってきた。

「ふぅ、疲れたわ…もうお昼の時間なのね」と腰にボードをかけ、瑞鶴に引っ張られて陸に上がる。

「いっつもボード練習やってるよね、感心しちゃうわ。」ポンポンと天津風の頭を軽く叩く瑞鶴

「もう、本当この子聞かん坊でやんなっちゃうわよ。」と天津風はボードの片割れをポンポンと叩く。「明石さんが言うにはボードは皆同じ速度になる様作られてるって話しのはずなのに…。」「明らかに速いよね、天津風のやつ」ぼやく天津風に対し瑞鶴も頷く

「ラバウルの島風のだったってのは聞いているけど、パーツも余計なもの使われてないし不思議よね」ラストバトルでこの速さがある艦娘たちを救う…

 

「烈風正拳突きィ!」「あっぶねえええええ!」神州丸の突き出す拳をギリギリのところでいなす又吉

「惜しかったであります…」技名を叫びながら突くので来ることは分かっているがとにかく速い、距離が充分空いてるにも関わらず一瞬で間を詰められる。何とかという古武術の足運びらしい…「お前のオッパイは非常に魅力的でウェルカムだが、真剣勝負と言われて手を抜く訳にはいかねえからそうそうやられはしねーぞ」

神州丸は夜の相手をして欲しいと又吉に伝えた際に「自分が勝負に勝ったら」という条件を自ら付けた、そして深海悽艦を殴り殺さん勢いの姿勢を見せる神州丸

「すごいやっちゃ、まんまあきつ丸じゃけぇ…」ラバウルから定期応援で来ている浦風が唸る「あいつもぶっ倒した又吉を引きずって部屋行っとったからのぉ…又吉ぃ、ヒールは残っとるのけ?」「来ないだ大淀に砲撃されたからあと一回だ、うおおおっ!」「本官との勝負中に会話とはまだ余裕あるようですな」高速コンビネーションを繰り出す「そんなもんある訳ねーだろ!クソッ!」

1分後、あきつ丸にはなかった「神州丸スペシャル」によるフェイントに引っかかり床に沈む又吉「ぼ、ボタン外して胸おっ広げとか汚えぞ…」

「又吉殿、使えるものは何でも使え。貴方の教え通りでありますよ、では行きましょうか…」キラキラの笑顔で又吉を引きずり去って行く神州丸

「神鷹、おぬしはああなったらいかんで?」「…。」コクコクと無言で顔を赤らめながら頷く緑基調の制服に変わった神鷹がそこにいた。

 

「瑞穂っち、ウザい。そのキラキラやめてよー」食事が進まないよと文句を言う北上「昨日は瑞穂だったのだな、そんなに良いものなのか?」とマイペースで食事を進めるヒューストン。

「うふふ、ごめんなさいね。自分ではどうしようもないのですよ」ニコニコしながら箸を進める瑞穂。「これになると魚雷なかなか当てられないから面倒臭いんだよねぇ、あたしも行ってみようかな〜」と北上が呟く

「異性として魅力は充分に感じるが、私まだその域に至ってないな。サラはここに着任した私を心底羨ましがっていたがな。」ヒューストン箸の使い方がとてもお上手。「人の形に顕現するというのも良いものですね、ご飯も美味しいですし。」「ご飯と言えば間宮さん変わったよね!」「あぁ、マミーヤはあのラバウルの憲兵と良い仲なんだってな」「そのようですね、前までは奥様的な雰囲気だったのに経験は有りませんが女子学生のようなとても可愛らしい雰囲気になりましたね」「それなー。なんかすごい応援したくなっちゃうよな〜」乙女の雑談は続いた

 

「カカ!そんな攻撃、この秋雲さんには当たらないんだなー!ていっ!」「その言葉そっくりそのまま返すわ!」海上でスキーモードの村雨と秋雲

「あのお狐クローは厄介なんですよね…」「同感だよ白雪」次の順番待ちで付近の海上で佇む白雪と響

「とは言え白雪も私からすれば大概だぞ、殴っても撃っても当たらないし、でもいつの間にかそばまで来てる。自信なくすよ…」「いえいえ、響さんは私達より着任が遅かったのにもうこのチームに組み込まれていると言うのは誇るべきですよ。」

「皐月たちには羨ましがられるけど、いつも海面とキスしてばかりなのもな」響はふぅ〜とため息を吐く。

「ふん、それは君の意気込みが足りないんだよ。」磯風が後ろから声掛けする「出た、対空バカ」「今日もこっぴどくやられてますね…」白雪が答えた磯風は全身ペイント塗れ、特に顔などは肌が見えてない。

「この磯風、確かにペイント塗れだが今日は瑞鶴の艦載機を一度に半分落としてやったぞ。まぁ、そのあと散々な目にあったがな。全機落すビジョンはイメージできたさ」腕組みしながらドヤ顔で語る磯風、カッコイイ。

「こらー!磯風!何しちょるんじゃ!早くシャワー浴びに行き!」堤防から怒鳴る浦風、横にはほとんどペイントが付いていない照月。「やれやれ、うるさいやつだな」磯風がしぶしぶその場を離れると

「くぅ、やられた…!」「これでわたしが2つ勝ち越しだね!」どうやら村雨の勝ちで終了したらしい。「そろそろ提督に村雨の夜のいいとこ見せちゃおうかなぁ〜」「くっ、まだ安心するには早いよ。これから私が3つ勝ち越して村雨にはお子様下着で誘いをかけさせてその様を漫画にしてやるんだからな!」

「あのおバカさん達ははほっといて、私たちはキチンとやりましょ。行きますよ、響さん」「私もいい加減海水の味は飽きたからね、覚悟しなよ。」駆逐艦たちつよくなってます

 

「今度こそどうだ?…あああ、ついにやりました!」工廠で万歳する明石

明石の目の前にはちょっと様変わりしたジエンド。背中に甲虫の外殻羽の様なものが付けられ先は頭と同じくらいの位置に羽の様なモノは厚みがあり、中は燃料とエンジン。

「ラバウルのあたしも驚くだろうなぁ、これで稼働時間が30分。パワーとスピードは1.5倍ッ!大型艦の主砲が使えるようになりましたーー!」妖精以外誰もいない工房で説明する明石。顎に手を当てながらジエンドを見上げていたみっちゃん、明石に向かってサムズアップ。「さすがにバスクドクライシスとホーミングレーザーは無理だったけど、個体スペックが大幅に上がったのは喜ばしいことですよね!」とみっちゃんに語りかける。コクコクとみっちゃんは頷く

ラバウル明石からのデータを元にボード整備から始まりついにお狐シリーズの整備も可能になった宿毛明石

「うふふ、さーてしっかりとシャワー浴びてついにご褒美貰うぞー!」次の日以降、宿毛の装備品は全てキラキラを纏う様になりました。

 

「最後のピースが揃っちまったなぁ…。」執務室には珍しく又吉しかいない、服の下に入れてある忍からもらったペンダントを取り出し呟く。動脈の血の色を思わせるような輝きを放つ宝石のようなモノが付いている

「よいか?これは我があるじ様の友人であった知ったか猫女から頼まれてワシが作ったものじゃ」執務室で青葉に霧島の話をした後に渡された。

「あやつは身を挺して我があるじ様を守る前に、頼みごとをしてきおった。遠くない未来で必ず必要になる、渡す相手は自然と分かると言ってな。人間の頼みなんぞ聞いてやる必要はないのじゃが、我があるじ様を守られては聞かぬ訳にもいかん。ワシは借りは作りとうないのじゃ。その石を飲むと半日だけ、我が眷属になる。仮ではあるがお前はワシの格に近いものになる、これが意味することは分かるな?人間には干渉できないモノに干渉できる、ただし一度切りじゃ、作ってはおらんが2度目は完全に我が眷属となる。だからそのひとつのみじゃ、使うべき時はもう決めてあるじゃろうが間違えるでないぞ?一度切りの奥の手じゃ」

ペンダントを再び服の下にしまい、大きく伸びをする

「未来視ってやつなのかねぇ…あれも一応乗せて置くかな」といい執務室に飾ってあった十三の刀を持ち工廠へ向かう、刀は脇差サイズで鞘には葵の御門と呼ばれる刻印があった。

 

次回大本営です

 

 




書き物って難しいですね…


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16話 おっさん艦隊無双、そして再会

第二章終わりです、次回よりラストバトルへと続く戦いに入ります。

沿岸警戒所・詰所
御前崎・江ノ島・気仙沼などなど各地沿岸に設置されているミニ鎮守府。ドックと工廠はあるが工廠は装備修理のみ、開発改装不可・建造も重巡までと誓約あり。艦隊規模は1-2艦隊で重巡・軽空母以下で構成。哨戒任務がメインで各鎮守府クラスのサポート役。基本ハンモックナンバー以下の新米提督の初任地扱い。ハンモックナンバー(この時代は10人)は基地クラス以上(4艦隊以上〜)に補佐または初運営を任される。又吉は演習などの実演が突き抜け過ぎていて、酷い座学成績だったが特例で10位に入った。黎明期ということもありそもそもの提督候補の数が少なかったこともある。


新横浜で新幹線を降り、ローカル線に乗り換え関内へ。

大本営は関内にあり、赤レンガ倉庫跡がドックになっている。基地規模以上の鎮守府の精鋭が今回は全て集まり、大本営初の公開演習ということもあり駅を降りたらもう既に人の波、波。関内の全ての一般道路は歩行者天国となっていて道沿いにあらゆる規模の出店が並ぶ。

 

改札から出て目の前に待機してる軍用車に向かう途中で焚かれるフラッシュの野原と黄色い声援「あの人達が宿毛の…」「コスモとセレーネは?」「マカロン様は?」プリキュア出演艦外して本当に良かったぜ…。

今回の大本営演習では宣伝目的も兼ねているので海中で見えにくい潜水艦の登用は禁止、よって海防艦も出番は無い。

 

艦娘達は宿泊所直行、提督と秘書官1名は大本営へ集合

「十三の葬式兼俺様の准将昇任式以来だな…」と又吉は呟く。「香取共々ボロボロの軍服で来て大目玉食らってたな、覚えているぞ。」今日の秘書官武蔵。「仕方ねーだろ、服どころか建物自体が継ぎ接ぎで憲兵は撤退。身なりなんて整えようが無かったからな」ケラケラ笑い、重苦しい大会議室のドアを開ける

 

「宿毛湾又吉准将、秘書官武蔵殿入室です」会議室に入ると入口横で待機している大淀がマイクで入室をアナウンスする。既に又吉以外は着席していて立派な階級章を付けた面々と他の提督達が並び、秘書官は各人の後ろに立っている。遅刻では無いので最後の入室を咎められる事もなく元帥が口を開く

 

「揃ったことだし、始めようか。」他の鎮守府は特に変わった出来事が無いため報告省略。タウイとラバウル、最後に宿毛の報告

「現在既に秋津洲による巡回がスタートしている、基地航空隊の有用性は先の台湾沖で証明されている。海戦を行う艦娘たちの被害も抑えられる最重要戦略だ。各自練度の底上げに全力を注げ」後は演習はリーグ戦だのなんだの一部佐官の昇進とかで終わった。

 

「杏、長波・香取・翔鶴・青葉を連れてこの飯屋に1700に来い。今回は扶桑は連れて来るな、話が進まん。」又吉はラバウル置鮎提督に紙を渡す。「うげぇー、そっちの山城さん派遣して下さいよ?サラちゃんや浦風たちでも抑えられるか不安ですし。」顔をしかめながら話す杏、乙女がしていい顔じゃない。

「今回山城は連れてきていない、いよいよヤバかったら…今夜俺の部屋に来いと伝えろ。対戦相手を強化なんかしたくねーけど、仕方ない…。でも最終手段だからな…」多分自分が相手しなくてはならないだろうなと思いつつ答えた。

 

---1700とあるレストラン----

 

「---という訳だ。青葉、頼んだぞ。村雨にも今「白露型会」と称させてブルネイの時雨、タウイの白露と夕立に接触させている。時雨と夕立は十三艦隊だが元から白露はタウイだ。神谷を連れてきてたのはデカした、俺様としたことがすっかり抜け落ちていた。神谷というか忍さん…。」忍は神谷の影から出て来ない。それでも又吉は続ける…

「現在海域を守ってやってる中国を折笠に脅させて、膨大な量の小麦粉を確保したんだ。」みな頭にハテナマーク?

「んで、俺様に協力してくれた面々には滞在を1日伸ばしてその日にな、ミセスドーナツの本社に行ってもらう」まだ出て来ない忍(こないだの宿毛で存分に味わったからの、その程度でワシを動かせると思うたかバカ吉。カカッ!)

「で、そこであるドーナツのモニターをやってもらう。(あ、頭頂部見えたw)そこでさっき言った小麦粉が関わってくる、現在のミセスドーナツは小麦粉・米粉半々の割合のドーナツなんだよ。深海の奴らの影響で輸出入ままならぬ状態だったから仕方なかった。だが、今回大量の小麦粉を確保を先方に伝えたところ大喜びしてくれてな、ついでにお願いしたんだよ。」(なんじゃ、何をお願いしたのじゃ又吉)目の位置まで上がってきた忍

「ミスタードーナツを復活させませんか?とな。」神谷の影から完全に出てガクガク震えて又吉を見たまま口を開けっぱなしにする忍

「お前ら艦娘たちは知らねーだろうが、深海の襲撃前はミスタードーナツというミセスドーナツの前身があってなそりゃもうドーナツの代名詞とも言える店だったんだ。小麦粉やカカオの入手が困難になり今のスタイルになったんだ。今は今でそれなりに旨いんだが、まぁ昔の味を知ってる奴らからすれば比べるのも畏れ多いくらいさ。」洞窟から光を求めて彷徨っていた遭難者のようにヨロヨロしながら又吉に近づき始める忍、みなはその光景に驚きじっと見ているのが精一杯だ。

「南海で集めたカカオもシンガポールに貯めてこれも陸路で中国へ行き、小麦粉と一緒に運ばせる、てことで至高のドーナツ。これが俺様からの報酬だ、食べ放題かつ持ち帰りも自由。すまんが今回はこれで勘弁な、じゃ頼んだぞ!」勢いよく席を立ち帰ろうと歩み出す又吉が何かに捕まれ動きが止まる

 

「又吉とやらよ!ワシは、ワシは…。仕事が、したいです…」足の裾に手をかけ土下座のような姿勢になる旧キスショットアセロrなんとかの成れの果て

「忍さん、貴方の協力があればこれほど心強いことはありません。」慈愛に満ちた顔で腰を落とす又吉、誰だお前?

「ラバウル支店、出すように言っておきますね」慈愛にm…「このワシに不可能はない、いつでも頼ってくれ」

 

茶番をもって作戦会議は終了。又吉は今夜来る扶桑のために酒は控えめにして部屋で寛いでいたが、扶桑は来なかった…嫌な予感しかしない。

 

---演習日----

 

高速修復剤使用可、数人の明石・夕張の補給整備によりサクサク進むリーグ戦

ラバウルはここまで全戦圧勝、サービスと分からないように小破になったりしてあげている。全勝はラバウル・宿毛湾、ラバウルに一敗大湊、宿毛湾に一敗横須賀が続く

ラバウル対横須賀。「長波、手加減やサービス被弾は無用だ。宿毛に負けはしたが、これで又吉艦の経験はもう充分積めた。ここが我らの決勝戦だ」握手を求めながら語る長門。「ああ、見てたぜ。だが今回こちらは6人だ、5分持たせてみろ!」笑顔で握手を返す長波。いざスタート

 

ラバウル 旗艦長波・扶桑・翔鶴・香取・天龍・浦風

横須賀  旗艦長門・陸奥・赤城・神通・秋月・雪風 陸奥と秋月以外は元十三第一艦隊

結果15分。浦風中波、天龍・長波・翔鶴小破。横須賀全て轟沈

「次が楽しみだ。いい戦いだったぜ。」心の底からニカッと笑う長波

「なんて高い壁なんだ…たが乗り越えて見せるぞ」大の字で海面に浮かぶ長門もいい顔をしていた。

 

宿毛湾対大湊。「Hi,お久しぶりネー!横須賀との闘い見たネー、ワタシたちの目は腐っていたと改めて実感させられマシタ。みんな強くなっタ、butそれはワタシだちも同じデース!」にこやかな金剛

「金剛さん、俺たち頑張ったんだ。戦いで答えるぜ!」気合いのこもった表情の天龍

 

大湊  旗艦金剛・榛名・霧島・加賀・摩耶・夕雲

宿毛湾 旗艦天龍・武蔵・瑞鶴・鳥海・北上・村雨

「あれ?全部十三のやつかと思ったけど、あの霧島だけ違うぞ....。」又吉は首を傾げる

 

結果15分。武蔵中破、以下全員小破。大湊全て轟沈

「ワタシたちもまだまだ伸びるネー!ひとまず、コングラチュレーション!」轟沈判定を受けても何とか2本足で立つ金剛、もう海面は舐めない。「私も先へ進まなくてはね...。」小声でつぶやく加賀

「ラバウルとの闘い応援してくれ!俺たちが勝つから!」天龍は金剛に肩を貸しながら宣言した。

 

事実上の決勝戦、ラバウル対宿毛湾。横須賀対大湊は横須賀の勝利。

 

「艦隊同士の演習は初めてだな、横須賀よりもたせてくれるよな?」長波の挑発

「長波、今は俺たちが又吉艦隊だ。」最高の挑発返しを決める天龍

お互いの右足ハイキックが交差して止まる。「「かかってこい!」」

 

艦隊戦....結果的にはそうだったけども、個々の内容が酷い。個人戦を重ね残った艦が艦隊戦らしく殲滅しただけ。

 

長波vs村雨 「TEK〇EN」主砲をクローの様に構えた村雨のワンツーからの裏拳でその勢いのまま空中2段蹴り、全て躱された最後の蹴りと同時に被ダメ覚悟の魚雷投下で長波中破・村雨小破。村雨の魚雷投下と同時にこちらも被ダメ覚悟の両手機銃連射、魚雷食らいながらも仰け反って耐え打ち続ける。海面で機銃サンドバック状態の村雨が大破まで来たところで渾身の演習初使用の十連コンボ。村雨が半分海に沈みじわじわと更に沈んでいく所を急いで引き上げた。

「めんどくさい方向に仕上がりやがって。花丸だ、村雨」村雨轟沈、本当の轟沈。後にハチ同様「光のある方向へ~」と語った。

 

翔鶴vs瑞鶴 「ドッグファイト」事前に示し合わせたのか?と勘ぐってしまう。だって二人とも「艦戦」しか乗せてない。「随伴艦が賢しいわね...。」「あんた翔鶴ねえの形をした何かだ!ぶっ潰してやる!全機発艦、目標白髪ババア!」まさかの半数ちょいを落とす瑞鶴だったが、残った艦戦に小破にも満たない機銃攻撃で追い立てられ村雨を沈めて復帰した長波に捕まり轟沈判定

「私の艦載機が香取さん以外に半分以下にさせられるなんて...瑞鶴?そう瑞鶴ね。覚えたわ、私の可愛い妹♡」恍惚の表情

 

武蔵vs扶桑 「大艦巨砲主義」「撃ち終わりの硬直をここまで狙えるものなのか!」武蔵中破「流石大和型ですね、こんな砲撃反則だわ。」扶桑小破。共に主砲x4、こちらも事前にry?「大破で持ちこたえてみせる、私は武蔵だ!」艤装固定の砲を打った瞬間扶桑の砲が届くも全身に力を入れ、食らうと同時に右・左と少しだけ時間をずらして砲撃。被弾後すぐにダメ押しの艤装固定の砲を受けるが根性で大破止まり、武蔵の一陣は躱され艤装固定分を打ったところに一つ砲が届くも体をひねって躱す扶桑だが直後に顔面にずらした砲弾をくらい中破。

「お見事...。」扶桑はそう言うと口から流れる血を拭い、大破で立ったまま気を失ってる武蔵にとどめを刺さず他の応援へと向かった。

 

香取vs鳥海 「メガネは火力の一部です」大の字で徐々に沈んでいく鳥海を拾い上げる香取、小破。「鳥海さん、誇っていいですよ。長波相手に出す力でやったのに3分も持ちました。ラバウルの天龍並みです、とても楽しかったわ♡」軽巡主砲でどうしたらここまでのダメージをだせるのか....でもできる。そう、メガネならね!

 

浦風vs北上 「ここだけまともな艦娘の戦い」「悪いけど、あたしは勝ちに来たよエロ駆逐艦」北上が真剣な表情で挑発する。「誰がエロ駆逐艦じゃ!また反省文書きたいようじゃのぉ」レッツパーリィー!観客がその機能に忠実かつ華麗な砲雷撃戦に目を奪われる、派手な体術も圧倒的なゴリ押し火力もそこにはない。ただ、ただ、教科書のような模範的な戦いが続く。しかし一つ一つが急所狙い。「見事じゃ、ほんに強うなったの。褒美としてここからの攻撃を受けて沈んでも反省文は無しじゃ。」浦風の雰囲気が淀む。「ラバウル第一艦隊の力を知れ...。」方言の無い浦風が先程の倍近い速さで動く。「わかってたけどさ~ただじゃやられないよ。」北上もギアを上げるが倍速には及ばず、浦風小破の北上轟沈判定

 

天龍vs天龍 「俺の名は天龍。フフフ、ボインさ!」長波達を思わせる近距離砲撃と格闘戦、互いに小破を重ね片やブラ丸出しで片やパンツ丸出し。近接武器で服が破れ所々につているペイント弾がまた夜を想像させる演出。龍田の師匠である攻撃のラバウル天龍、天武の超感覚を持つ宿毛天龍。決定打が互いにうまく決まらずピンクな雰囲気だけが増していき....ラバ天中破、宿天大破。経験の差でしかないが区切りがついたところで「いつまで公開ストリップするつもり?」と香取からのフレンドファイヤーで大破するラバ天、「頑張ったのは認めるけどちょっとそのかっこうはなぁ...。」と長波の蹴りで宿天は轟沈判定となり演習終了となった。

 

結果 ラバウル 天龍大破(中破)・長波中破・扶桑中破・香取小破・浦風小破・翔鶴無傷

   宿毛湾  武蔵大破、以下轟沈判定(リアル轟沈しかけ含む)

 

強すぎてしばらく演習に出てこなかったラバウル無敵艦隊にそれなりのダメージを与えた宿毛艦隊に軍人たちは驚き、一般人たちはラバウルの強さに度肝を抜かれた。

演習後は入渠した演習出場艦娘も含む大本営に集った艦娘たちとの握手会のようなものも行われ、天龍'sの列は小さい男の子から爺さんまでという男の大行列ができていた。平和っていいよね。

夜は大尉以上の軍人と艦娘たちの慰労会が開かれた後、それぞれの床へと皆戻っていった。

 

2300又吉の部屋。コンコンコンとノックの音が響く「扶桑か?空いてるぞ~」と又吉は呼び込むがノックの主は意外な人物であった。

 

「元宿毛湾の霧島です。司令、少しお話しいいでしょうか?」又吉は一瞬驚くも「霧島そのまま売店行って適当な酒とつまみ買って来い。お前の分もな?飲むだろ?」とドア向こうの霧島に命じた。「畏まりました、ではお言葉に甘えますね」

扶桑は結局来なかった、話し合いは2時間ほど続き宿毛への出発日に霧島は再び宿毛湾所属となった。

 

 

 

「おー!霧島!戻って来たのか。またよろしくな!」帰りの新幹線内、天龍達が喜びの声をかけてる。「また、お世話になります、皆さんと肩を並べて戦えるように精進しますね」にっこりと笑う霧島は以前、金剛たちと共にいた時の不自然な笑顔ではなくとても爽やかだった。

「提督の魅力のなせる業ですね...さすがです。」うっとりとする扶桑。「まあ、ホント扶桑はブレないよね〜」扶桑の持つお菓子の袋に手を伸ばしてもしゃもしゃ食べる北上

「はぁ~何か扶桑さんて何するにも絵になるというかなんというか...」うっとりする村雨

「これでいて戦いは鬼の様なんだよなぁ~」ケラケラと笑う武蔵.....え?....あれ?あれ?

 

 

「「なんで扶桑がいんの?」」あまりにも自然な、昔からのなじみの様に当たり前のように天龍達の座席にいたため、既知の仲の又吉も宿毛の面々も度肝を抜かれた...。

 

 

第二章完

 

次回、日常回予定

 




やっと姉さまがきたぞー!メガネ艦娘すべてとカッコカリするのを目標に始めた私の唯一のメガネなしカッコカリ艦娘です....。しょうがない、姉さまの美しさは規格外

ちょっと長目で目が疲れたかもしれませんが、読んでいただき感謝です。


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ラストバトルへ
17話 ささやかな日常


第3章です、4章で終わります。

なかなか紹介できなかった艦娘乗せつつ少し物語も進みます。設定上海底ケーブルを直せていない海外との通信は衛星通信または、近場であれば円盤を背負った飛行機(E-2DやE-767)を経由して通信を繋ぎます。基本目標海域手前まで母船➔出撃。母船と本土の間を上記飛行機が高高度で待機という感じです。艦娘はファンタジーだけど、取り巻く環境は現実というのを表現したいのですが、なかなk

はい、では最後以外はお気楽回デス


大本営演習後、宿毛に到着する参加メンバー+扶桑と青葉と神谷

 

「「おかえりー」」と一部艦娘から出迎えられお土産のドーナツをもらって皆それぞれ散っていった。

 

---山城の部屋----

 

「イイわよ、そこまでしなくても。こんなところいてもつまらないでしょ?部屋に帰りなさい。」山城は気だるそうに甲斐甲斐しく身の回りの世話をする対馬に言うが本気ではない。

頭に山城改二で着用となる鉢巻を後頭部で大きくリボンの形にした対馬がちょろちょろ動いている。プリキュア撮影以降、扶桑型3番艦になりたいです!と山城に押しかけ、山城も始めはあしらっていたものの付きまとわれているうちに会話のある生活というのに癒されたこともあり、鉢巻を授け任命した。

任命されて以降、清霜と共に特別姉妹艦仲間としてさらに結束が強まり、潜水艦たちとの演習が毎回誰かがリアル轟沈しかけることとなってしまう。もう演習が嫌だ、24時間オリョールの方がマシだと思い始めてこれが終わったら又吉に直訴に行こうと皆で話し合っていた所に、ゴーヤと同じようにスク水の上に制服の上着だけを着た「伊号型潜水艦?伊M-21」を名乗る松輪が現れトリップした顔で爆雷を投げ続ける清霜と対馬に格闘戦を仕掛けに行き対馬達は松輪の攻撃を躱しながら投擲せねばならず、結果みんなにとってすごく良い演習へと昇華した。

潜水艦の救世主となった松輪は潜水艦たちにものすごく可愛がられ名実ともに伊号型の任命をうけた。今では対馬同様自室にはほぼ戻らず、潜水艦寮で過ごしている。明石特製の魚雷をかたどったトンファーを用いている。

コンコンコン。とノックの音が響き、いつものように対馬が対応する。対馬はドアを開けると、そこには山城と似た服を着た絶世の美女が立っていた。あまりの美しさに口を開けたままぽかーんと見上げ固まる対馬(この方はだれ...何でしょう?)

「あら、村雨から聞いてここが山城の部屋だと思ったのですが間違えてしまったようですね。ごめんなさいね。」扶桑が声を発した瞬間

 

「扶桑姉さま!!」と瞬間移動で対馬と同じ位置に来る山城。

「あら、合っていたようね。こんにちは、山城会いたかっt....」言うや否や扶桑は山城に抱き着かれ対馬はサンドイッチ状態になる。「ねえさま!ねえさま!ねえさま!」と山城は繰り返し、サンドイッチ状態から何とか抜け出した対馬は(この方が山城ねえさまのお姉さん!扶桑姉さん!)袖がバスッと音が鳴る勢いの良い敬礼をして「扶桑型3番艦、海防艦対馬です。姉さまよろしくお願いします!」と自己紹介。

扶桑は山城のハグを優しく外し、しゃがみこんで対馬の目線に顔を合わせる「いつの間にかに新しい妹ができたのね、素敵な敬礼よ対馬。あら、それは山城の鉢巻ね。なら私も何か用意しなくちゃね」と言いながら頭を撫でる。翌日、扶桑の髪飾りで作られた金色のヘアピンを付け食堂で仲良く3人で過ごす対馬の姿があった(対潜+∞)

 

---鳥海の部屋----

 

キャミソールにパンツだけの姿で机の上のパソコンをいじる鳥海、一時停止をしてまた再生を繰り返し合間にメモを取っている。「ここもだ....」止めた映像を見ながら独り言をつぶやく。鳥海が観ているのは演習の時自身に付けられたカメラの映像、もう一台のディスプレイには大本営艦娘による空からの映像。

着弾したと思ったら、足の艤装で少しだけ方向変えて体のひねりだけで躱す香取の映像。服には掠るギリギリで最小限の無駄のない回避。「うーーん」と大きく伸びをすると大きな胸がぶるん!と動く。「すっごいなぁ・・・。」砲撃の直後硬直で一瞬自分が固まっている間に直進しながら避けた香取はバランスを崩すことなく鳥海の側面に回り砲を顔面に当てる。

「わたしもがんばらないとな!」と言いながらタンスに向かいクローゼットの下に置いてある箱を取り出し、中身を見てニヤッとする。そこにはとてもセクシーな薄いオレンジ色の下着セット。鳥海の部屋のカレンダーの明後日の部分には♡マーク。「ふふふ、頑張ったからご褒美もらわないと♡」メガネ艦は「夜戦火力」もすごいんです。

 

----小規模会議室-----

 

各自お菓子などを持ち寄り、対ラバウル戦を見ている駆逐艦たち。「初めて中破させたのにさ、そのあとの記憶ないんだよね....。気が付いたら真っ暗なところにいて、光の方へ歩いたら演習終わってた。」教壇に立つ村雨が遠い目をしながら感想を語る。

「いや、大したものだよ村雨は。この戦神相手に中破とかありえないよ、私だったら掠りもしないんじゃないだろうか。」響が村雨を讃える

「秋雲さんもおキツネクロー無しじゃ自信ないよ。これは頑張った村雨にご褒美をあげなくてはならない、めちゃうまドーナツも貰って燃える戦い映像もみさせてもらった。ということで秋雲さんから「宿毛デストロイや~ず」に提案がある。」皆お菓子とかをつまみながらではあるが秋雲をに視線を向ける

「今回の村雨の善戦を讃えて、対秋雲演習3勝相当をプレゼントしたいのだがどうだろう?諸君!」立ち上がり拳を握りながら話す秋雲

 

遂に私たちのチームから... 胸が熱いな... か、かわいいネ/// ポーッ!煙突から煙が!

「てことだ、村雨。今のあたしたちの対戦成績はイーブンだ。これに3勝が加わる...。後はわかるよな?」顔を真っ赤にして無言でコクコクコクと頷く村雨

「駆逐艦の本分は夜戦だ、狂犬・女豹と揶揄されるやつらなんか相手じゃない。村雨、君は宵闇の鞘になるんだ。提督の刀を収めて来い、そして私たちにもその素敵な出来事を伝えてくれ。改二の底力期待してるぜ!」秋雲は村雨の肩を掴みながら熱弁する。村雨は頭から煙を出しながら無言で頷き続ける。(よし、漫画化の許可をえましたぞ~)

 

後日。大人の階段を昇った村雨による生々しい講演会が開かれ、椅子の上で轟沈艦続出の宿毛デストロイや~ず。漫画化された体験記を見た某巨乳軽巡姉妹の姉は駆逐艦に先越されてこれ以上はみっともねぇとこ見せられねぇ!と潤んだ瞳と上気した頬で夜戦を誓うもまた廊下で体育座りをしてしまい、こっそりと妹に先を越されてしまうのであった。

 

---食堂----

 

「おーい間宮ぁ!帰ったぞ~、これ一個目のお土産」又吉はドーナツの袋をドサッとカウンターに置く。

「かずおさん、お帰りなさいませ。お疲れでしょう?何かつまみますか?」とニコニコの間宮

「あー、俺様はちょっと忙しいから代わりにアイツの相手してやってくんね?」又吉は顎でクイッと入口を指す。さされた先で恥ずかしそうに立っている神谷。

「あ....///」ポッと赤くなる間宮さん、可愛い。

「じゃ、そういうことでこっちが本命のお土産~なんていったりなんかしちゃったりして」フリフリとてを振りながら又吉は去っていった。

「ひ、久しぶり...間宮」ポリポリと神谷は頬を掻く。「おひさしぶり、暦♡」

翌日は一日を通して料理がキラ付け状態であったとかなんとか。

 

---かつて使っていた霧島の部屋----

 

久しぶりにドアを開けると、片付けて出て行った時の家具だけの飾りのない部屋。だれも使ってないのだから当然よね。と思いながら中を見渡すと、机に筆箱位の小さな箱と手紙があった。手紙を開けると

「これを読んでいるということは、自分の意思で戻って来たんだな、メガネゴリラ。出戻りお疲れwww何が起きるか分かんねぇ、何も起きないかもしれねぇ。だが緑川のやつがうるせーからとりあえず置いておくぞ。お前は俺様の知る霧島じゃねぇ、おまえという個人だ。だが天津風たちの時の様に何かおこるかもしれねぇ。俺の知ってる霧島が何か伝えてくるかもしれねぇ。ま、余り期待はしてねぇ。何か起こったところでそれはお前たちのプライベートだから報告はいらねぇぞ。とりあえず「お帰り、クソメガネ」。」

乱暴にかかれた字はお酒でも飲みながら書いたものだろう、異動時の書類より雑だ。でも何となく温かみがあった。霧島は筆箱を開ける、その中にはレンズが割れフレームも曲がった霧島たちが使う緑のメガネがあった。

 

霧島はしばらく躊躇していたが、意を決して自分のメガネを外し壊れたメガネをかける・・・・。

 

「遅いわ、本当に遅すぎますね。」あきれた口調の自分の声が頭の中にこだまする。

「でも、待っていましたよ。次の私。」霧島はイスに腰かけ目を瞑って心の中で声をかける

「ラバウルのクソメガネさん、初めまして」「あ~司令ね...。全くあの人は。」会話が成り立つ??

「驚くわよね?あたし。でもね、艦娘だってほぼ付喪神みたいなものじゃない。その付喪神が使ってたメガネに自分の意思が少し残ったって不思議でも何でもないわよ。」とラバウル霧島が続けた。

「わたしに伝えたい事があるんですよね?」霧島は返すが

「違うわ、伝えたい事なんて司令は結構弱虫なところあるから、らしくない行動起こしたらケツに蹴りをいれなさい。くらいよ?わたしが伝えたいんじゃなくて、あなたが聞きたいの間違えよ?」表情こそ見れないが、きっと今彼女は笑っている。「ええ、そうだったわ、だから教えてちょうだい!すべてを。」

「覚悟は出来ているようね?いいわ。応えるために私の一部はここに残ったの、でも聞きたいことは全部聞いてちょうだい。話したらお別れよ。」「お願いします」

「長くなるわ、飲み物でも飲みながら聞きなさい。私が深海共に()()()()()理由、最後の敵。これを知ったらあなたもターゲットよ、そして今度こそ最後の時まで司令を守ってね」

 

翌朝。食堂で見かけた霧島は少し目が腫れていて、帰りの新幹線の時のような溌剌さはない。でも体から何だか相手を包み込むような穏やかなオーラをまとっていた。山城と対馬と楽しく食事をしていた扶桑は霧島を横目に収めながら、二人に聞こえない様に「おかえりなさい、先生」とつぶやいた。

 

---宿毛到着日執務室2200---

 

「さ、お集りの諸君。飲みながらでも話そうぞ、忍さんあの銀色の旅行トランクに忍さん専用のドーナツ詰め込んであります。」又吉はウイスキーを大テーブルに置きながらソファーにどっと腰を落とす。又吉・青葉・利根・扶桑・武蔵・北上・村雨・忍・みっちゃん、というメンバー。神谷は間宮の部屋

「はいはーい、まずは村雨から。白露姉さんたちと朝までパジャマパーティーをしたし、演習でキッチリ対戦もしたけど悪い意味で気になることは無かったわ、ただ自分がしごかれて成長したことを抜きにしても()()()()()()()()()()()()()だったところかなぁ・・・。私のうぬぼれとかじゃなくて、本当に良くも悪くも変わってなかった。」

「つぎは青葉です。パーティーの際に近づいたブルネイ・タウイの提督たちの知り合いにも聞きましたし、ちょっとカメラで全部を見させてもらいましたが怪しい点は全くないです。私はカメラで、忍さんは影から監視していましたがこれと言って特に....。」

「カメラ娘の言った通りじゃ、怪しい行動は一切なかった。じゃが一点だけ。二人とも時折、ワシを感知したような素振りを見せたところじゃの。ワシは艦娘とかいう付喪神もどきとは異なる存在じゃ、前にも言うたが「人以外の何か」という分類では同列じゃが実態は全く別物じゃ。妖精は格は劣るがワシ寄りじゃが別物じゃ。何が言いたいのかと言うとじゃな、ワシは姿を認識させても良いと思った者にしか見えんし感じることもできん、又吉とやらがワシを認識した時はラバウルの激戦の最中じゃ。あの時はワシも全力でやらんと我があるじ様を守れなかったからそれどころじゃなかったしの。そんな存在自体も自由自在に操れるワシが認識させる許可を出してもおらぬのにあやつらは何か変だな?と気のせい程度ではあるが感じたことが気になったのじゃ。ワシが許可を出していないのにワシの事を感じることができる...方法は2つしかない。ひとつはあやつらが人とは違う何かであること、これはワシが全力で否定しよう。やつらはただの人間じゃ。もうひとつはワシに似た存在との接点があることじゃ。」

「・・・・・。ありがとう忍さん、おかげでもう検討はついた。」腕組みしながら又吉は話す。

「おそらくアイツは他の妖精に扮して、ブルネイかタウイまたは両方を行き来している。もう残念だが2人の提督は十三と同じようになるだろう、自分では気づかぬうちに徐々に徐々に。」ウイスキーを傾け煽る。他の面々も又吉に合わせて飲む

「十三は自身の変化に気付き、定期的に身に起こったことを記し俺様に伝えてきた。それを知った俺様と緑川のいるラバウルは殲滅対象になって、十三は最後の戦いの後の船上で自ら命を絶った。大和に頼み大和の腕の中で逝き、大和も船を爆破して艤装解除して連れ添った。おそらく俺様と緑川がラバウルへ出航したのと入れ替わりで忍び込んだんだろう、緑川がいれば気付くからな。」

「以降コンタクトを取ってこないところを見ると緑川の様にはならず、人として逝けたのだろう。姫を生み出すことの出来る「妖精」を作ることができる大妖精。名前なんか付けちゃいけない、アレとかで充分だ」

「軍人という枠組みの中で動けている俺様たちじゃ、明日いきなりブルネイ落とすって理由話してもほとんど相手にされずにおわっちまう、一般的には姫を作る妖精の方がラスボスだ。そちらは杏と長波達に任せる、俺様達はラストバトルのタイミングで反旗を翻すだろうブルネイ達が相手だ。アイツもそのつもりで動き始めたんだろうしな。今まで通り深海凄艦潰しながら、艦娘を確実に沈める訓練も更に強化する」又吉が一気に語ったところで村雨が

「白露たちもう、ダメなの....?」と泣きながら問いかける

「村雨、キツイ話になるが「変わっていない」のが何かされた証拠なんだ。艦娘として成長することはもうない、決戦時に深海凄艦みたいな体になってこちらに向かってくる。もう別の個体になっているからただの隠れ蓑である艦娘としての成長は必要ないんだ。打撃や砲撃で頭を必ず潰す、これが奴らの倒し方だ。あっち側にされちまった加賀が、巻雲にとどめを刺させる際に伝えてきた情報だ。」武蔵・北上・村雨は言葉を失う

「ラバウル完成前に霧島たちが沈んだ襲撃とは違い、完成後すぐの襲撃で轟沈した巻雲艦隊は旗艦の巻雲と青葉を除いて深海化、その時は生き残った青葉はその後の襲撃でアイツ相手に戦って沈んだ。」青葉はひしゃげたカメラを太ももの上で撫で続ける。

「俺様達が失敗したら、杏が生産妖精を倒しても生き延びたアイツがまた何年後かに生産妖精を作ってしまう。生産妖精が消えれば深海凄艦も全て消える、それまで俺様達は深海と艦娘もどき二つを相手にしなきゃならんがな。大本営とかのサポートはうけられねぇ、むしろコソコソ隠れて反乱を待たなきゃならねぇ。だが俺様達しかできねぇんだ。」又吉はグラスを大きく前に掲げる

「つらつらと語ったが、やることは一つ。ぶっ殺すだけさ。お前たちの命を俺にくれ、アイツは俺が倒す。ゆくゆくは全員に話す、俺様を勝たせろ」それぞれの想いを胸に、見た目以上の重さを感じるようになったグラスを掲げ、全員で乾杯した。

 

最後に向かって動き出します。

 




また長くなってしまいましたが、こんな感じです。

頭の中の構想を文にするのって難しいですけど、楽しいです


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18話 星の声

痛い、痛い。気持ちが悪イ。マタ奪われタ…。マタ汚サレタ。ナンデコンナコトヲスルンダ。イラナイイラナイイラナイイラナイ、コノイキモノハイラナイ

星は1つの存在を生み出した、その存在は星の声に従って、またひとつの存在を作った。その作られた存在は黒くて大きい生き物を生み出した。黒くて大きい生き物は自分と雰囲気の似てる大小様々な存在を生み出した。大小様々な存在は生み出してくれたモノから命令を受け継ぐ。

「ニンゲンヲ消セ」

人間は億単位で減っていった、彼らの攻撃は一切効かない。一方的に数を減らし、海で死んだ人間の一部は同族になったりして黒いモノはどんどん数を増やし続けた。
ある日、五体の黒いモノとその他大勢は上陸して人間を潰していた。いつもの日常、陸では弱体化するとは言え人間の攻撃は効かないので海よりちょっと時間がかかる程度だ。だが、この日はちょっと違った。


五体の黒いモノの周りで「掃除」をしていた仲間が弾けた。

 

「もういい、逃げろ!僕がここを何とかする」

 

仲間を散らしたのは1匹のオトコと1匹のオンナ、オトコは鋼の棒みたいなモノでオンナは素手で仲間を切り裂いた。別のところでは小さいオンナが仲間を消しとばした。オトコオトコオンナの老人と呼ばれる個体も3匹で仲間をひとつ潰した。闘うモノの後ろには老人よりはやや若めのオンナが4匹いる。

 

「待って、阿良々木くん!その5体を使う!」後ろオンナの1人が叫んだ。その5体?我々のことか?人間ゴトキガナニヲ…

気が付いたら空を見上げてイタ、若いオトコは上下半分ニしたのに生きている。他のヤツラモ瀕死にシタガ息をしているミタイダ、我々五体もオナジく絶命はさせられてナイ

 

「ホントにできるのかい?お嬢ちゃん。まぁ、しなくてももう僕らは持たないけどねぇ、やるだけやってみるか」「できます、こちらには忍野さん達専門家と小さいながらも神様、妖の王もいます。」ヤメロ…ハネカワ

「神様業も充分楽しみましたし、私1人でこの先永遠を生きるよりもお世話になった皆さんと共に逝けるのなら申し分有りません!」

「ダメな夫を守って散るのも悪くないわ、いいオンナってそういうものでしょ」

「恋人達も死んでしまったし、戦場ヶ原先輩とイけるなら大満足だな、私は」

「なんだかすごい昔に戻ったみたいです。暦お兄ちゃん、後はよろしくね」

「阿良々木くん、ごめんね。でもみんなで話し合って決めたの、いっぱい、いっぱい守ってくれた阿良々木くんを最後に守って希望を繋ごうって!」

「急いで始めるぞ、戦場ヶ原の意識がもう無くなりそうだ。俺ももう疲れた」

「同感だ貝木、私もやっと地面に立てる。あー疲れたわ」

みんな…待って、待ってくれ…こんな終わり方はいやだ

 

気が付いたら、目の前に血だらけのお兄さんと小さい女の子がいた。あれ?横で寝てる子達って…叢雲ちゃんや漣ちゃん?アレ?アレ?私は船で海に沈んだ…よね?

 

「やぁ、お目覚めかい?起きたばかりのとこ悪いんだけど色々説明するね」

叢雲ちゃん達も起こしてお兄さんから色々話を聞いた。その後、拾った車で横浜というところまで行って黒いモノと戦っている軍人さん達を助けた。私達が戦っている間にお兄さんはいなくなっていた。お兄さんのことは5人の秘密で、気が付いたら海の上に立っていたということにしておいてくれ。と言い残して…

私達が深海悽艦と名付けられた黒いモノを倒すと仲間が現れたり、大昔の戦死者?を祀っていた神社から妖精さん達が現れたりして今に至る

 

---大本営演習後のホテルの一室---

 

「やぁ、みんな。久しぶり、8年ぶりかな?」私達始まりの5人の部屋にお兄さんが訪ねてきた。ホントビックリした、今はラバウルで憲兵をしてるみたい

「ちょっと君たちに頼みたいことがあってね」

私たちは了承し、そのあと突然いなくなったお兄さんに私たちの苦労話を朝まで聞かせ続けた。

 

---大本営演習から1週間----

 

「ヒューストン、お前今度のラバウルからの船に乗ってラバウル行ってこい。」突然の辞令

「OK、サラもいるしかまわないけど何故かしら?」

「お前は素敵な身体してんのに、肝心の艦娘としての性能はサッパリだ」ヒューストンの胸を揉みながら語る又吉

「自分でも気にしてたわ…ラバウルで噂の猛特訓すれば良いのね?」パシンと軽く手を叩き胸を守る

「特訓は特訓だが、砲雷撃じゃねえ。性能もサッパリだし、サラに比べたら自慢のボディも見劣りするが、ひとつだけとんでもねえ技術をお前は持っている。ボードの扱いの次元が違う、長波・巻雲以上で誰もお前の域には達することができない。なんだ?あのボードは?空中でエアー吹かせて方向転換とか、あんなボードお前だけだ」

「私に言われてもねぇ…自分のボード初めて選んで乗って、光ったと思ったらああなっていたのよ。アタゴという娘に聞いてよ…。」

「愛宕のせいなら仕方ねーなwという訳で、ラバウルで鬼教官達の攻撃をひたすらボードで躱す訓練してきてくれ。お前は敵の目や砲撃を向けさせて敵の動きをその場に留めて仲間に討ち取らせるサポート役だ。お前の動き次第では仲間はボーナスゲームの完全勝利になる、頼んだぞ」又吉はポンとお尻を触る

「役に立てるってのは悪い気はしないわ、期待してなさい。」尻を触る手をつねって去って行った。

「後は霧島、武蔵、磯風、秋雲に演習用に村雨も行かせるかな。」執務机に座りメンバーを書き込んでいく。紙には「宿毛、ラバウル、タウイ、ブルネイによる南海対策合同演習」と書いてあった。

 

 

---ラバウル船到着前日----

 

「直近で襲撃を受けた鎮守府の合同演習名目でブルネイ・タウイ行きが怪しまれることなく自然な形ですんなり通った。ちょっとしたラッキーだ、大本営が全力サポートで大本営の奴らも資材もって来るからアイツは一切動けない。これを存分に利用させてもらおう。」

「メンバーはさっき言ったとおりだ。村雨は姉妹会名目で両泊地内の建物の中を駆け回れ、怪しいところは発見しなくていい、構造を覚えるんだ。神谷は荷物持ち憲兵で行き、憲兵所付近に例の資材を隠せ。ラバウルにはみっちゃんを滞在させて演習時の留守を任せる、演習が終わったらゼロカスで杏を揉んでおいてくれ。あちらの強さは変わってないだろうから演習は適当に手を抜いていい。勉強会風がいいな。」

「秋雲は青葉と村雨の報告まとめ係、その絵に期待している。一番の目的は神谷が両泊地に資材を隠すことだ。楽しい雰囲気、何も気づいてませんという馬鹿を演じてあちらの目を引け、香取にアンドレも連れて行かせろ。まぁ、こんな感じかな。」又吉は扶桑の膝枕でペラペラと語り緊張感がない。

「大本営からは始まりの5人が来てくれます、彼女たちは我々の味方です。任務は必ず成功させます。」得意げに語る神谷を横目に「どんなコネがあるのかは聞かねえけど、うれしい大誤算なんだよなー。お礼代わりに間宮でも連れてくか?」とケラケラ笑う。

「戦いが終わったら是非...。」と語る神谷。ヒュ~!と口笛を鳴らすメンバー達にからかわれながら今後の計画を含め会議は遅くまで続いた。

 

 

---ラバウル船到着----

 

「んじゃ、あとはたのんだぞ~!」又吉は出港するラバウル船を見送り部屋に帰る

「な、なんであんたがここにいるのよ!」瑞鶴が威嚇する相手は....

「あらやだ瑞鶴、お姉ちゃんのことをあんただなんて....お姉ちゃん悲しい」しょんぼりするラバウルからきた翔鶴。また入れ替わりがあり現在宿毛にいるラバウル艦娘は翔鶴・清霜・長波・利根 

「瑞鶴~、ちょっとひどいんじゃない?」見送りに来た皐月たちに注意される

「違うのよ、この翔鶴ねえはおかしいのよ!みんな、だまされないで!!」と言った瞬間、翔鶴はその場に崩れ落ちしくしくと泣き皐月たちが慌てて駆け寄る。朝潮や北上などラバウル経験者は無言を貫く、一番賢い選択だ。

「大丈夫だよ、翔鶴さん。瑞鶴はすこしビックリしているだけさ。」響が瑞鶴を見ながら翔鶴の肩に手を置き語り掛ける。

「違うんだってば!あ~もう!分かったわよ、翔鶴ねえごめんね。あたしが泊地を案内するから!」駆逐艦たちの視線に負けて瑞鶴陥落、翔鶴に手を伸ばす。翔鶴の両手で覆った顔の口元が上に吊り上がる。

それを見た経験組は心の中で(瑞鶴、ご愁傷さま...。)と慰めた。

 

 

次回、躍進!宿毛デストロイや~ず

 




始まりの5人設定は書き始め当初は決まっていませんでした。忍ちゃん登場を決めた時に一緒に決めました。作者様々の表現がある中で、一から考えるのはちょっと難しかったので今回はこの様にしました。次作品書く機会があったらオリジナルの発生理由書けるといいなぁ。

吹雪  得意技がBダッシュのあの子
漣   神様になった、よく噛む子
叢雲  ツンデレのあの子
電   おっぱいぷる~ん、ぷるん!
五月雨 漫画家になったあの子


サーセン...


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19話 躍進!宿毛デストロイや~ず

遂にやって来たラバウルの「恥将」翔鶴、彼女に鍛えられた艦娘は必ず強くなる
砲雷撃戦はあまり伸びない、伸びるのは僅かな身体能力と大幅に向上する「精神力」

文字数もアレですが縦に長いです。


縁の下の力持ち「宿毛デストロイや~ず」の成長記録です、細かく紹介できなかった子達も頑張ります。


広場に集まる翔鶴と駆逐艦たち、翔鶴が皆の前で駆逐艦から見て右に左に歩きながら訓練の説明をしている

 

「滞在の間、随伴k...駆逐隊「宿毛デストロイや~ず」の訓練を受け持つ翔鶴と言います。みなさんよろしくお願いします。長波達のような戦闘訓練ではなく、主に統率力と精神力の訓練と香取からは称されています。」

「あなた方は個々の能力では一部例外を除き、軽巡以上の大型艦に比べると駆逐艦ではどうしても及びません。数だけ多く能力は低い働きアリ...いいじゃないですか、働きアリ上等ですよ?そもそも役割が違うのですから。働きアリがいない巣はただ死にゆくだけです、働きアリのような駆逐艦がいてこそ活きるのが大型艦なのです。」

ふと歩みを止め、みんなに向き合う翔鶴

「そう、戦いでは無くてはならない駆逐艦。あなた方駆逐艦はどんなことがあっても沈んではなりません、時に大型艦を庇いダメージを受け持っても沈んではならないのです。どんな手段を使ってでも沈めないんだ!その精神力を養うことができる訓練になれば良いと考えております。1人1人がその意思を持ち、弱い存在であるはずの駆逐艦が協力し合い大きな敵に立ち向かう姿を見せられるよう頑張ってくださいね」

 

パチパチパチパチ、長波やその他ラバウル艦による殴って解決方式ではない理路整然とした物言いにやる気が湧き上がる駆逐艦たち、ザ・大人に雰囲気の翔鶴の評価はうなぎ登りだ。朝潮と照月は表情のない顔でパチパチと機械的に手を叩いている…

 

「訓練内容ですが、すごく単純です。全員で足踏み程度の足運びのランニングをしながら掛け声を復唱するだけです。掛け声に動揺して復唱が乱れたら、その場で全員で5回腕立て伏せをするだけです。団体行動なので全体責任ですね。コースは泊地内を外壁を大きく周る感じです、いずれ外周とかもやるかもしれません」ラバウルの憲兵も取り入れている翔鶴ランニング、憲兵のはランニングのスピードは早く走り込みに近いものがあるが普通に平和な訓練。元祖翔鶴ランニング、その姿とは…?

 

「まずは掛け声担当にイヤホンを付けてもらいます、担当はイヤホンから流れる言葉を隊全体にかけるため集団の横で併走する形です。担当は数周ごと、または午前・午後で分ける予定です。今回は経験のある朝潮が担当で併走します、では皆さんやってみましょう。まずは一周です。」

 

先頭に3人が横に並びその後ろに各3人の3×4を作り待機、併走の朝潮に翔鶴がイヤホンを渡す。恐る恐る受け取り耳に装着する朝潮。

「最初のうちは随伴艦達を盛り上げるためにやりますから安心してください、勢い良く発声してくださいね?」貼りついたような笑顔の真・翔鶴。朝潮は黙ってコクコクと了承する

「では皆さん、行きますよ〜!腕立てしないように頑張りましょう!」いざ、スタート

 

ザッザッザッザッ…

「あたしら宿毛の駆逐隊」

「あたしら宿毛の駆逐隊♪」

「見かけは子供とあなどるな」

「見かけは子供とあなどるな♪」

「対潜・対空なんでもこい」

「対戦・対空なんでもこい♪」

「今夜は提督誰と寝る」

「今夜は提督誰と寝る♪」えっwww

「翌朝あの子がキラキラだ」

「翌朝あの子がキラキラだ♪ププッ」

 

「はい、ストーップ!今誰か吹き出しましたね♪さぁ、皆さんで腕立てです。」と朝潮達の上を旋回する艦載機のスピーカーから声がする

 

「不意を突かれました、みんなごめん」と手を合わせる舞風

「私も危なかったwww」とその他面々

 

1日目はとても平和に楽しい訓練で終わった。食堂で皆が訓練ネタでキャッキャする中、朝潮と照月は無表情でご飯を食べてる。向かいに座る北上が「あたしらも1日目はああやって、楽しくご飯食べてたよね〜」と天井を見上げながら2人に語りかけ慰める。「まぁ、頑張ってとしか言えないわ」

 

2日目。「午前は照月・朝潮さん、午後は4周毎くらいで担当を替えてやりましょうかね。ではスタートでーす!」

 

頑張るぞー!とテンション高めの駆逐隊、覚悟を決めた表情の朝潮と照月

ザッザッザッザッ

「あたしら宿毛の駆逐隊」

「あたしら宿毛の駆逐隊♪」

「いーまの担当照月さん」

「いーまの担当照月さん♪」

「村雨に続く2番目の」

「村雨に続く2番目の♪」

「夜戦を経験、大人だぞ」ハイライトオフ

「夜戦を経験、大人だぞ♪」え?ナニコレ

「得意技はパイズリだ」ヤケクソ

「得意技はパイズリだ…ええっ」ピーーーーッ!艦載機から笛の音

 

「はい、腕立て伏せですよー♡」

これは一体… なんか掛け声のネタが… 胸があるといいね…等々

涙目でスカートの裾を握りしめる照月…

 

「あたしら宿毛の駆逐隊」

「あたしら宿毛の駆逐隊♪」

次々と掛け声で明かされる照月のプライベート、居た堪れない気分になったみんなはランニングのスピードを上げて早く照月の番を終わらせた。

 

「はい、次は朝潮ちゃんね」

 

-----

「神谷といつものコントして」

「神谷といつものコントして!」明るい木霊からピシッとした木霊に

「朝潮の股は洪水だ」

「朝潮の股は洪水だ!」

「妹達には内緒だぞ」

「妹達には内緒だぞ!」

 

----

照月の時同様、皆一丸となってスピードを落とさずお昼前までにかなり余裕を持って終了。時折避けられない口撃で少し腕立てもあり、皆地べたに座り込んでいる

 

「あらあら、そんなにペース上げたらきついでしょうに…。」頬に人差し指を当てて可愛い感じの翔鶴。宿毛は初めてなのに何でそんなに知っているんだという驚きも疲労で考える余裕がなくなっている駆逐艦たち

「なんだかものすごく一体感を感じさせられるランニングでしたね、しかも自主的にペースも上げていて肉体の訓練もできて皆さんの向上心には驚かされました」

「余った時間はこの場で講義にしますね、座ったままでいいですよ」講義はすごくまともで勉強になることばかりだった。

 

---昼食時の食堂---

「色々と驚かされた訓練だったね…」皐月が先陣を切る

「うん、衝撃的だった。基本的に担当がターゲットになるのかな?照月?」響が照月に問いかける

「うん…ラバウルでもそうだった…」未だハイライトオフの照月

「あの方に知らないことはないと思っていた方が良いです、どうやって?とか考えずにそういうものなんだと受け入れてください。少しは楽になります」朝潮も表情がない

「舞風、午後のトップバッターだよぉ」天井を見上げる舞風さん

「あの講義も時間が余ることが分かっていて行われたものですよね、模型まで用意できてましたし。ラバウルの人の凄さを改めて感じましたね」相変わらず冷静な白雪さん、でも午後の部で冷静じゃない白雪になりました。

「悔しいけど体が疲れて掛け声で頭をある意味クリアーにさせられて、講義内容がすんなり頭に入ってきた気がする」とあまつん

 

「明日は長波の戦闘訓練だ、今日を皆で乗り切ろう」「「うん!」」駆逐隊の結束力が上がった…

 

---同時刻瑞鶴の部屋---

 

「ふふ、根性あるわね。ここの随伴艦たち♡」艦載機からのデータで食堂のやり取りを見た翔鶴がニヤリと笑う

「なんか言ったー?翔鶴ねえ?」台所から瑞鶴が声をかける

「ううん、独り言よ。瑞鶴、明日はお姉ちゃんと演習しようね!楽しみなの!」

「あたし演習の時よりも日々強くなってるからね!覚悟してね、すごいの見せて皆の前で裸にしてやるんだから!」

(ああ、イイ♡すごくイイわ瑞鶴♡大湊のカガとかいう随伴艦と連絡取って力付けてるのも知ってるわ///早くお姉ちゃんをひん剥く力を付けてね♡)エロい笑顔の翔鶴

「何よ、その表情。気持ち悪い。さ、午後も指導なんでしょ?片付けしとくから駆逐艦たち強くしてあげてよね!」

(ああ、ツンデレ♡生粋のツンデレ♡午後の部始まる前に下着履き替えなきゃ♡)

 

---午後の部---

 

やってやるぞ!と意気込むある意味新集団となった「宿毛デストロイや〜ず」

各々が覚悟を決めるなか肩透かしから始まった

 

「ッ!教官役の翔鶴は」舞風が耳から聞こえる内容に一瞬戸惑った

「教官役役の翔鶴は!」

「瑞鶴ちゃんとのやり取りで」

「瑞鶴ちゃんとのやり取りで!」

「ひどく詰られ股濡らす」

「ひどく詰られ股濡らす!」

午後のトップはまさかの本人ネタ、これによりやや恨みがかった意気込みの駆逐艦たちが落ち着きを取り戻してある意味許してしまう。計算通り

「提督の上では跨って」

「提督の上では跨って!」

「上下に動いて絞り取る」

「上下に動いて絞り取る!」

「入口は締める」

「入口は締める!」

「入口は締める」

「入口は締める!」

「ほーかのオンナにゃ内緒だぞ」

「ほーかのオンナにゃ内緒だぞ!」

そして掛け声担当たちネタは今日は語られることなく、通りかかりの艦娘が被害を受けた

「おしとやか売りの瑞穂さん」

「おしとやか売りの瑞穂さん!」

ランニングとたまたますれ違った瑞穂が名前をコールされえ?え?と振り返る

「ベッドの上では猛獣だ」

「ベッドの上では猛獣だ!」待ってー何言ってるの!

「身体にローション塗りたくり」

「身体にローション塗りたくり!」

「提督挿れずに誤発射さ」

「提督挿れずに誤発射さ!」待ちなさーい!

「顔にかかる」

「顔にかかる!」

「ペロッと舐〜めて二回戦」

「ペロッとな…「こらー!何なんですか!」ピーーーー!と笛が鳴る

 

「はい、外的要因とは言えコールが止まったので腕立てです。開始!」翔鶴のゲキが飛ぶ。「ごめんね、瑞穂さん…これでも訓練中なんだ…ごめんね」「ごめんね」「ごめんなさい」と各所から聞こえ、「翔鶴さん叱ってきます」と言い瑞穂は去っていった。

「どんな妨害があっても進行が止まったら腕立てですよー」とスピーカーから流れ再開

駆逐艦たちは自分たちネタよりも他人のネタを言わされる方が精神的に来ることに気づき、改めて翔鶴の恐ろしさを知る

午前中同様、とにかく早く終わらせるため更なるハイペースで各所に被害を出しながらも時間をかなり残してノルマ達成

「お疲れ様です、皆さん。また時間を作って頂いたので各自シャワーを浴びてから中会議室に集まってください」

会議室では美味しいお菓子と冷たいジュースが用意されており、それを食べながらリラックスして講義を聞く。時折、下ネタじゃない冗談を交えながら身振り手振り色んなものを使った講義は午前のモノより更に分かりやすかった。まるで自分がその場面を体験しているような気にさえさせられた。

 

---夕食時の食堂---.

 

「悔しいけどこんなに知識と身体が鍛えられた感がある訓練は初めてだ…」

「訓練内容はともかく、確かに認めざるを得ないね」

「明日の長波の訓練では思いっきり憂さ晴らしをさせてもらおう」

「明後日からは流石に担当ネタ来るだろうしね…」

各自思うところは様々だが皆一様にスッキリとした表情をしていた。

 

---翌日、長波訓練終了時---

 

「なんだお前ら?しばらく見ないうちにとんでもなく成長したじゃないか?海域殲滅を散々やらされでもしたのか?チームワークが特にいい、仲間を気にしながら上手いこと敵が嫌がる行動を取れている。わたし達駆逐艦はしぶとく粘って、相手の視界に常に入ってイライラさせるのが役目だ。それがよく出来ている。次の訓練も楽しみにしているぞ!解散!」

 

「なんて言うのかな…」

「うん、言いたいことは分かるわ響」萩風が響の肩をポンと叩く

「講義の通りでしたね」と朝潮が続き

「大型艦役の長波さんを想定した内容でしたね、あれ」白雪が言う

「わたし今日の訓練ちょっと楽しむ余裕があったかも」文月が呟き

「「同感」」と皆が続いた

 

翔鶴・長波のセットを繰り返した「宿毛デストロイや〜ず」はこの後驚きの成長を見せることになる…文月を始めとする残りの駆逐艦全てのコールもさることながら泊地内の艦娘全員精神的被害は免れなかった。

 

次回、「決戦!単冠湾大戦とその裏」です。

 




「翔鶴ねえ!なんかさっき瑞穂や鳥海達がものすごい形相で翔鶴ねえ探しに来たんだけど何したのよ!」部屋に入るなり怒る瑞鶴(怒る表情も♡)
「あの随伴艦たちには言って聞かせるから気にしなくていいわ、今日は一緒にお風呂行きましょう♡」腕に抱きつく翔鶴
「もー!話し全然繋がってない!あまり人に迷惑かけないでよ!わたしが怒られるんだからね!」腕はほどかない瑞鶴
「瑞鶴を怒って良いのはわたしだけよ…少々お仕置きが必要みたいね♡」ボソっと呟く翔鶴

その夜、コールの被害にあった艦娘数名は翔鶴に会議室に呼ばれる、入ってみるとホワイトボードに
「㊙︎ 提督の好む攻められ方」と記入してあり、怒りの表情で入った面々は出てくるときにはモジモジしながら歩く子や頬に両手を当て「次の夜戦楽しみ♡」と恍惚の表情であったとか。翔鶴とは仲良くなった模様


ハートマン軍曹ネタは色々使えて便利ですよね…元ネタも大好きです


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20話 単冠湾大戦とその裏

又吉の宿毛湾着任から半年強。大本営演習から1ヶ月ちょっとで大湊による単冠湾泊地建設が終わった。周辺海域の解放も終え、海域哨戒中にアリューシャン方面に不穏な動きを察知し元宿毛の那珂・夕雲などを中心とした足の軽い偵察部隊を向かわせた。

「提督、応答願います!こちら偵察部隊曙!アリューシャン列島に深海悽艦の大規模な集結を確認。那珂・夕雲の2人が轟沈!繰り返す、こちら…」


「しまった!見つかった!この距離で発見されるのかよ!!全員に艦載機のデータを送る」アリューシャン列島の偵察に来ていた私たちは隼鷹の艦載機からのデータを受け即時撤退を決める。

「全艦撤退!燃料を気にせず全速力!哨戒海域内まで何とか逃げ切るよ!」旗艦の那珂が叫ぶ。偵察に出た艦載機がたこ焼き型の敵機に落とされた、更に奥にはレ級と呼ばれる個体を数体辛うじて捉えていた。大まかな数ではあるが見えていただけで4艦隊はある。

戦闘経験豊富な元宿毛の夕雲が殿を務め那珂が指揮を取る。「隼鷹、直掩機を2.3機残して。援護目的じゃない、データ取りのための高高度滞空可能なやつを!」「分かった!彩雲を残していく、あたしら全員高速だ。無理すんなよ!」

 

撤退を始めて30分。「なんだこのレ級!速度がおかしいぞ!他の深海悽艦は追いついてない、レ級単機だが何かヤバイ!」こちらは艤装フル稼働の全力撤退だ、15kmは離れていたのにもう7kmくらいしか差がない。追いつかれる」隼鷹が叫ぶ

高速と言っても軽空母である隼鷹は全力で回して26ノット、わたしたち駆逐艦や那珂は35ノットは出せるがどうしても隼鷹に合わせなくては置き去りにしてしまう…仕方ない、やるしかない。

 

夕雲は足を止め「時間を稼ぎます!那珂もお願い、1人は無理」「了解だよー!曙ちゃんに旗艦譲渡、隼鷹さんは艦載機を何とか泊地の通信圏内に先行させてー!」口調は明るいが表情は固い。

「何言ってんの!全員で残れば単機なら何とかなるかもしれないじゃない!」曙の叫びで全員足を止めてしまう。

「曙ッ!悪いけど今のあなた達では足手まとい!足を止めるな!行け!」普段からは想像がつかない夕雲の怒声「夕雲!那珂!すぐに連絡つけて戻ってくるからな!」意を汲んだ隼鷹が再び走り出す。

「夕雲ぉ…まだいっぱい教わりたいことがあるわ!(大湊の)アイツだってアンタが来てからドンドン凄くなってるんだ!絶対戻って来るから!沈むんじゃないわよ!バカ雲!」涙を拭いて再び走り出す曙たち

 

「那珂ちゃんには何もナシ!?」「売れないアイドル!戻ったらアンタをちゃんとプロデュースしてやるから待ってろ!」もう離れ始めたとこから曙の声が届く。

「那珂ちゃんはキッカケがないだけで潜在能力はすごいんだぞぉ」と最早聞こえない位置に行った曙に返す…「那珂、ごめんね」夕雲が呟くが「これも下積みの一環!意地汚く生き延びますよ!」と夕雲の肩を叩いた。

 

20分後、隼鷹が止まり空を見上げる…「隼鷹?」曙達が囲む

「那珂ちゃんさんと長波さんが沈んだ…レ級の足ばっか攻撃して、足ばっか…」と言いながら膝を海面に着き泣き出した…

「立ちなさい!隼鷹!」と曙は隼鷹の胸ぐらを掴み無理矢理立たせる。「あなたが今やることは足を止めて泣くことか!やるべきことがあるだろッ!」大粒の涙を流しながらゲキを飛ばす。

「うぐぅ…あと5分もずれば通信圏内でず!申し訳ありません、急ぎましょう!」隼鷹は泣きながら走り出す。

---応答願います!こちら偵察部隊曙!アリューシャン列島に深海悽艦の大規模な集結を確認。那珂・夕雲の2人が轟沈!繰り返す、こちら…」

 

同日1700オンライン会議

「宿毛からは駆逐艦5隻、横須賀からは第一、第二艦隊から赤城以下重巡・軽巡を中心に8隻を釧路まで飛行機で送る。単冠湾に仮設の航空基地を秋津洲中心に組め。総司令官大湊、副司令単冠湾。不明な陸上型深海悽艦とそれから発せられたと思われる新型の航空機も確認されている。本作戦をAL作戦とする、明日より行動に取り掛かれ、10日後に決戦だ。以上、通信終わる」

 

「合同演習で動き抑えたと思ったら、真反対の北で大規模展開ねえ…。こりゃまだ何かあるぞ、結局俺様も宿毛に釘付けにされちまった。長波、お前宿毛メンバーとして単冠湾行ってこい。デストロイや〜ずから選りすぐり4人連れてけ、あと指定はされてねえけど対馬も連れてけ。海の中までは見れてねえから念のためだ。」又吉は机に足を放り出し唸る

「なんだ…何が狙いだ?」帽子を深く被り考えを巡らす。

「提督、北は任せてくれ。後は何とかする」と冷静な長波。

「頼んだぜ、良い子ちゃん達は攻められることや轟沈に慣れてねぇ。復讐心で盛り上がった戦意ってのは隙だらけになるからな。」

「ああ、分かってるよ…。あたしらも慣れたかった訳じゃねーけどな。憎まれ役も慣れてるし、あの夕雲姉や那珂があの世で心置きなく過ごせるように発破かけとくよ。」長波はソファーの上でウイスキーの入ったグラスをカラカラと回し天井に掲げる。(お疲れ、よく残りを守ってくれたな…)

 

2日後1700、単冠湾泊地大講堂。

「ラバウル長波、以下宿毛湾から旗風・朝潮・皐月・萩風・対馬です。よろしくお願いします。」長波の紹介で集結した全ての艦娘が揃う。

「長波特務准佐の加入は大変助かる。8日後に進軍を開始する、明日1000に編成を発表する。編成決定後は各艦隊で集まり装備の確認と連携演習を行え!夕雲・那珂を奪った代償をやつらのイノチで償わせろ!」大湊総司令官の鼓舞を受け大きく靴を鳴らして敬礼を揃える全艦娘、気合充分だ。

「大湊総司令官!僭越ながら意見具申よろしいでしょうか?」長波が敬礼姿勢のまま尋ねる。

「構わない、おそらく今いる我らの中で1番経験が豊富なのは君だ。むしろ是非お願いしたい。」大湊総司令官が優しく答える

「恐れ入ります、少々長くなるのとある程度の無礼な発言お許しください。」長波は壇上の大湊総司令官の教壇横に立ちピンマイクを胸のリボンに付けた

「知った顔もあるが、ラバウル所属長波特務准佐だ。先程総司令官は8日後に攻めると仰ったが、おそらく6.7日後にあちらから攻めて来る事が予想される。そして君たちは黎明期では日常茶飯事であった防衛・迎撃戦・侵攻戦の全てを迎えることとなる」講堂が騒つく…大湊総司令官は静かに長波の話しを聞いている

「十三大将の部隊とその他に数名程度、それ以外は未経験の戦いとなること。同じく十三大将の艦娘であった、夕雲・那珂をたやすく葬る個体が複数確認され本拠地には索敵範囲20kmには及ぶであろう新型の陸上深海悽艦までいる。それをこの限られた40名にも満たない我らで行う、もちろん勝ちに来た。」

長波は一度言葉を止め、講堂の艦娘を見渡す。

「だがな、今隣いる者。または旧知の者が沈むことは当たり前だと思ってくれ。入念な準備をした侵攻戦だけなら、危なくなったら引き返せば良い。しかし、防衛・迎撃戦はそうは行かない。お前らが下がる場所はここしかない、持ち場を離れ空いた隙間に入った奴らが狙うのは他の部隊じゃない。ここだ。」講堂が音一つなく静まり返る

「持ち場を離れるくらいなら、その場で僅かな時間でも盾となり沈め。ここが落とされれば次はまた北海道が蹂躙される。船の時代を思い出してくれ、今でこそ被弾はお風呂で治る身体だが昔はどうだ?被弾しながらも敵は沈めた、小破程度なら乗組員は死ななかったか?違うよな、中破で誰も死ななかったときもあれば小破以下でも死人が出たりした。それが戦争だ。今までみたいに皆が生き残ることを当たり前と思うな、生き残りつつここを守るためにはどう動いたら良いかをその場で考えろ。偉そうに語っちまったが、経験だけは豊富なおばちゃんからは以上だ。総司令官、無礼な発言申し訳ありません。」と言い長波は元の位置に戻る。

「長波特務准佐、君が来てくれて本当に良かったと心から思う。編成会議には君と横須賀赤城、大湊の金剛にも加わって貰いたい。言い返す訳ではないのだが君の話しを聞いても尚、私は誰も沈ませるつもりはない!その私の意思を前提とした作戦を共に立てて欲しい。」長波に向けて言い放つ大湊

「夕雲姉さんも良い男に惚れられたな」ニカッといつもの長波スマイル。

 

---長波の言った7日目昼過ぎ---

 

「ウルプ島に潜伏中の挟撃部隊から入電、現在単冠湾から200キロ地点に深海悽艦の軍勢を確認。連合艦隊4 、6隻艦隊4、潜水艦は不明です。こちらが2時間後に第一陣出発の場合、会敵は出発から90分後70キロ付近と予想されます。」司令部の大淀が警報を作動させながら報告

「本当に攻めて来ましたね。ウルプ島部隊には90分後に敵と同速で出撃で35km以内には近寄らない、進行方向から来る基地航空隊からの合図で全速に切り替えよと伝達しろ、第一陣は2時間後に第二陣と基地航空隊は3時間後に出撃!ここを乗り切らねば以降のAL攻めは出来なくなる、阻止限界点はここから40kmだ!全員生き残れよ!」司令部からの音声で艦隊の士気が上がる

「隼鷹、第一陣でのお前の役目は那珂たちを沈めたレ級特異種を探して私に伝えろ、おそらくソイツがレ級部隊のボスだ。」長波がインカムで隼鷹に繋ぐ「了解しました。長波さん…頼む、絶対に勝ってくれ!」「任せとけ。」と言いインカムを切り自分の部隊へ向き直る

「長波艦隊!摩耶・神通・対馬・旗風・朝潮、おそらく特異種一体だが部下のレ級達もいたらしがみ付いて共に沈む覚悟で潰せ。あの世で謝るからよ!摩耶・神通、今度は仲間だ。期待しているぞ」

「ここ、1番辛い部隊だよなwwwま、期待しててくれよ!」摩耶がポンと隣の神通の肩を叩く

「妹のカタキと考えてないと言えば嘘になりますが、長波さん。あなたを1番輝かせるサポートに徹します」静かに闘志を燃やす神通

「敵で嫌なやつってのは味方だと頼もしいんだ、ありがとな。宿毛部隊、ボードから決して降りるな。私を、摩耶と神通を気持ちよく仕事させる事がお前達の使命だ。骨は拾ってやる、限界まで挑めよ」

「ハッキリ言っておきます、この戦いは最強はラバウルではなく宿毛デストロイや〜ずである事を示すために来ました。私達の肩には泊地のみんなの誇りがかかっています、長波さんこそ沈んだら処女のまま逝くことになって、それで深海悽艦にでもなられたらそれこそ絶望なんでしっかりして下さいね…いったああああ!」長波のボディーブローが朝潮に刺さる

「言うようになったじゃねーか、終わったら覚えてろwwwじゃ、行くぜ」

 

 

そして会敵し、単冠湾決戦が始まってしばらくして夜戦に差し掛かる前に防衛・迎撃の成功報告と…

 

「元帥、米国ペンタゴンより緊急衛星通信、ハワイ島を始めとするミッドウェー・ジョンストンが深海悽艦の襲撃により壊滅、占領されたとのことです…」

 

 

「あれだ、なるほどなー。ありゃ厄介な奴だ」長波は舌舐めずりをする

特異種レ級部隊との会敵、随伴で戦艦棲姫・駆逐棲姫・潜水棲姫のドリームチームだ。潜水艦は初めて見る型だ、さすが提督。

長波vsレ級、対馬vs潜水棲姫の形は直ぐに作れた。旗風・朝潮の動きがすごい、ヤバイと思ったところは蹴られ引っ張られで回避させてくれ、ここで動きが止まれば!と言う所でしっかりと敵の顔に機銃をばら撒き動きだけを止めてくれる、まるで私と摩耶が介護を受けてるような感覚だった。

あの海防艦の子はヤバイ、何がヤベーって、全てだ。後ろに目でも付いてるかの様に駆逐棲姫の砲撃をヒラヒラ交わしながら爆雷投下もついでに行う。まるでいつもはもっとすごいことされてますが?という冷静な表情のまま、更に爆雷を落とす、海底から凄い悲鳴が海上にまで伝わるって…なんだよ。「モウヤメテ、ヤルナラヒトオモイニヤッテヨオオオォォ」と…結果やたら表情の暗い伊26をドロップした。

長波vsレ級は誰も近寄れず、誰もサポートできなかった。悔しいけどまだあの域に掠れもしないのか…と朝潮は肩を落とす。

「艦隊ノアイドる雲チャンダヨー!」と那珂のシニヨンネットと夕雲型のリボンをつけ挑発するレ級。ブチ切れた長波がダメージにはならないが関節を正確に撃ちレ級を痺れさせ、動きが鈍くなったところを左手に付けた小手に刃物が突き出た武器で切り裂いていく。始めは余裕を見せて躱すレ級だったけど、いつまで経っても長波のスピードは落ちず、逆にレ級は徐々にスピードが落ち着々と切り裂かれていく...。逃げ出そうと試みたレ級はドロップしたての26を片手で羽交い絞めにして盾にするも締め上げていた左腕の肘を2度撃たれ離してしまった時にはもう長波が目の前にいた。「タ、タスk...」最後まで言い切れずにのど元に刃を入れられスキー状ボードを振り子の様に勢いをつけて髪の毛を掴みぐるっと一周するとレ級の首が切断された。

「アリガトウ、コレデヤットイケル...」レ級から何か聞こえたような気がしたが・・・・。

「さ、帰ろう。他のやつらもうまくやれたのかな。」頭だけになったレ級の口に砲を突っ込み、内部から撃ち爆散させた。近くにいたニムも長波共々深海体液まみれになり、ニムは気を失った。

 

 

次回、おっさん宣戦布告をする




今回は轟沈した結果だけを書き、描写は控えました....。暗めの話ですまんこったい


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21話 おっさん宣戦布告をする

お気に入りの作者さん達の作品を読み返し、勉強してきた…つもり!
プリキュアをどこで挟もうか、章外でやろうか悩みます

これからAL攻略開始するぞというところで、米国からハワイ周辺陥落の知らせ

最後に向けて物語は進んでいく


---オンライン会議----

 

元帥「ALは大湊と今いる者たちに踏ん張って貰う。ハワイ周辺についてだが、十三大将を失ったあの太平洋戦線規模の軍勢に攻められたららしい。米国の報告によれば連合艦隊20、その他通常艦隊10以上。米国の体制が再び整うまでに、先ずはウェーク島を確保する。ウェーク島確保の後、簡易基地航空隊の設立、その他施設をラバウルと宿毛湾にやってもらう。かつてハワイ周辺を解放したのは又吉准将だ、勝手を知る者がやった方が良い。佐世保・呉は宿毛湾に部隊を派遣、ブルネイ・タウイはラバウルに部隊を派遣して留守の間の警戒を厳とせよ。ウェーク島が整い次第、米軍と共同でハワイ周辺を解放する。何か意見はあるか?」

 

(ラバウルにブルネイとタウイだって?冗談じゃないぜ、これもアイツの計算のうちか?だが生半可な艦隊じゃ返り討ちに遭う。どうする、ちょっとやべえな…)

 

横須賀提督「意見具申よろしいでしょうか?」横須賀が名乗り出る

元帥「構わん、言ってみろ。」

横須賀「ラバウル・宿毛湾の練度の高さと経験は申し分ありませんが我々はいつまで又吉准将に頼るのでしょうか?我が艦隊の訓練、意気込み、実力は充分。あとは更なる経験が足りないと感じていたのです。ここは前回攻め込まれたブルネイとタウイは警戒を続けてもらい、ラバウルからは1艦隊、残りは宿毛湾と我が横須賀から出したいと思うのです。」

 

(横須賀よぉ…俺様が女だったら抱かれてもいい…おじさん泣いちゃいそうだよwww向上心イイネ!来いよ!地獄見せてやんよ!)

 

元帥はしばし考え込む

「又吉准将、置鮎中佐。横須賀の意見どう思う?」

 

又吉「大歓迎ですよ、演習もそうでしたが横須賀は限りなく宿毛に近い実力を持っています。ここで経験を積み強い艦隊が増えるのは我が国に取ってプラスでしかない、もちろんラバウルが全力参戦するよりは時間も苦労も掛かりますし失敗の目も増えますが乗り切ってみせます。」アゲアゲのテンションを何とか抑えて冷静ぶる又吉

杏提督「ラバウルも同意見です、1艦隊程度の出向なら何ら問題はありませんしブルネイ・タウイと合わせて最高の警戒体制が取れます。」

元帥「分かった。横須賀よ、言い出したからには自分が死んでも成功させろ。失敗はあり得ない、その自負する力期待してる。他に誰かあるか?」

 

横須賀の右肩がグッと動く、ガッツポーズでもしてんだろうなぁ…

 

「無ければ終了だ。横須賀・宿毛湾で協議を重ね10日後に作戦開始だ。解放次第、大本営から選りすぐりの者達を派遣してウェーク基地とする。以上だ、解散」

 

---横須賀執務室---

 

「聞いていたな?長門。失敗は許されん、例え我らの仲間が減ることになろうとも千切れた半身でも戦え。やるぞ、俺たちの時代がここから始まる」横須賀提督が目の前で休めの姿勢を取る長門に語りかける

「ああ…胸がアツイな。我々はまだまだ強くなれるぞ、提督よ貴方の命もこの長門に託してくれ。最高の勝利をプレゼントしてやろう」長門は執務机に向かい椅子に座る横須賀提督を後ろから被さるように抱く

「血の汗の涙の一滴までもくれてやるから勝利を寄越せ」胸の前で交差する長門の腕に右手で触れる。あ、そういう関係ダッタノデスネ…この後めちゃくちゃセッk…げふん、げふん。

 

---宿毛湾執務室---

 

「いやー、危なかった!マジで焦った!」又吉は大きく伸びをする

「ブルネイ・タウイの話を聞いた時は俺もゾッとしたぞ」ソファーに座る天龍がケラケラ笑う

「俺様の普段の行いがいいのと、演習でお前らがキッチリボコってくれたのが良かった!」又吉は椅子から立ち、天龍の肩をポンポン叩く

「アイツらと大湊は実際強かった、姫級オールスターズみたいな鬼教官に鍛え上げられたから勝っただけで流石十三さんの第一艦隊だよ。」天龍は腕を組みフンフンと頷く

「お前も気合充分でいい感じだなwwwよし!作戦当日俺様が最高のイベントを立ち上げてやろう!ククク…」ん?黄色い何かのキャラクター??又吉を見た天龍は目を擦りもう一度見るといつもの又吉だった。はて…?

 

---単冠湾会議室---

 

「ハワイ陥落の知らせは驚いたが、宿毛・横須賀なら何とかしてくれるだろう。我々は我々のやるべきことをやるぞ」教壇に立つ大湊総司令官

「AL作戦、北方棲姫と名付けた新種は陸上型だ。レ級亜種は長波艦隊が討伐したが、まだレ級数体と敵勢力はまだまだ現在だ。そして残念ながら基地航空隊は北方棲姫のいる島までは届かない、基地航空隊と2艦隊は万が一の奇襲に備えて待機。北方棲姫には我らの選りすぐりの合同連合艦隊を当てる、連合艦隊以外でヤツまでの道を切り開く。ドロップした複数の艦は防衛に回し先の防衛戦を経験した手練れは全て投入だ。正直、奇襲されたらヤバイ。常勝又吉殿のイメージを借りるなら…」一気に語り、一呼吸置く。

 

「作戦を伝える!守らねぇ。」

 

ブハッ!っと長波が吹き出す

「いいねぇ、総司令官。偉そうなこと言って悪いが、ひと皮剥けたねぇ」実際、防衛戦を夕雲・那珂の死を乗り切った大湊総司令官は雰囲気が十三や又吉に近くなった。

「長波さん。守る戦いの難しさを身を持って知りました、ラバウルの戦績を思い起こすと改めて又吉殿の凄さを本当の意味で実感できました。」爽やかな笑顔の大湊

「総司令官の思うように編成を組んでくれ、あなたなら命預けられるぜ。あとは任せろ」長波の言葉に金剛たちも頷く

「ありがとう、それでは対北方棲姫の連合艦隊を発表する…」

 

防衛戦から4日後、アリューシャン列島のとある島付近

 

「全軍突撃!総員、長波に続けえ!」旗艦長波の檄と共に島に向かい一直線に進む連合艦隊

 

「対空見張りも厳として。よろしくね!」

「例え最後の1艦になっても叩いてみせます!」2航戦コンビの開幕攻撃から始まる、長波と対馬を除く宿毛湾ボード組みは機動力を活かして全力のサポート役をこなす。

「皐月!朝潮!へばんじゃねぇそ!オラオラァ!」摩耶の香取張りの対空乱舞

「ボクだって宿毛の皐月だ!見ててよね!」

「あのたこ焼きをおっさんだと思うと非常に撃墜がはかどりますね!」

皐月・朝潮も負けじど対空

「蒼龍(飛龍)さん、失礼いたします!」旗風と萩風の回し蹴りで吹き飛ぶ2航戦コンビ、元いたところには戦艦砲の着弾。吹き飛ばされながらも矢を放つ2航戦コンビ

「流石、又吉のおじさま仕込み。気にせず引っ張るなり蹴るなりしていいよ!慣れてるからwww」十三・又吉コンビ時代の熟練2航戦に隙はないッ!

 

「本当に強くなったわね…」赤城と共に弓を絞りながら踊るように回避しながら爆雷投下パーティーなうの対馬を見る加賀、瑞鶴からオンラインで教わったサラトガ流艦載機運用で敵本体以外の雑魚を掃除する

 

「神通、黙ってついてこい。指示はしないから好きにやれ、そろそろ1姫くらいなら1人でやれるよな?」「……。」無言で頷く神通、発破を掛ける長波

「金剛、お膳立てはしてやった。あとは任せたぜ」神通を連れレ級二体に長波は向かって行った。

「見せてあげるネー、シスターズ!徹甲弾装填、打ちまくるネー!」三式弾ではなく徹甲弾?掛け声を聞いた長波はニヤリと笑う。「いいねぇ、好きだよそういうの」金剛達の徹甲弾が北方棲姫を確実に貫いていく。「バトルシップが面での砲撃なんテ、ロマンがないネー。陸上型に当てられないなら香取達に当てられる日は来ないネ、再生するたびに貫ケ!ファイヤー!」

 

「カエレッ!」

徹甲弾で右目を貫かれた北方棲姫が雄叫びを上げる、子供の悲痛な叫び声を思わせる何か

「ゼロ…オイテケ、レップウ、オイテケ…」たこ焼き艦載機が禍々しいオーラを纏い大量発艦、最後の抵抗…

「マヤ!サツキ!アサシオ!全部落とセ!」金剛達も構えを取る

「これで最後だ!弾切れ起こしたら砲身投げてでも落とせ!」

 

「ゼロガモットアレバミナヲマモレタ…ゴメンネ、ミンナ…テイトk…」言い切る前に事切れる上下二分割された北方棲姫

「昔、共に戦った誰かだったんだろうな。ゆっくり休めよ」長波は静かになった北方棲姫の頭を撃ち抜く、さぁ帰ろう。

 

---出撃3日前宿毛湾会議室---

 

「横須賀よ、頼んでいたモノは出航させたか?」又吉はいつものように腕を頭の後ろで組み椅子で船を漕ぐ

「はい、オンライン会議の2日後に見切り出航させました。進みながら洋上で修繕・改装を行ってます。頼まれたモノも全て載せました。」又吉の対面に姿勢を正して答える横須賀提督、隣は長門

「畏まらなくていい、堅苦しいのは性に合わねーんだ。急造の2地域チームだ明日までひたすら連携訓練やって夜中に出発だ」

「分かりまし…分かった。ところで又吉さん、アレはどのように使うのだ?言われた通りにやったが何の意味があるのか…」顎に手をやり考え込む横須賀

「ふふふ、当日までのお楽しみだ。それと作戦に変更はねえ、ウェーク島は無視してウェーク島過ぎた辺りで発艦だ。ハワイでやり合った帰りにウェーク島落とすぞ。」

「しかし本当にウェーク島付近を素通り出来るのでしょうか…」

「その点は大丈夫だ、秘策もあるし何より俺様という最高の餌が自らハワイに近づいてやるんだ。間違いなく釣れるよ」

「又吉殿、ちょっといいか?やはり我々もアレをやらなければならないのか…?」ちょっと不安そうな長門

「当たり前だ、できなきゃ置いてかれるだけだぜ?自ら求めたんだろ?戦場を。できるできないじゃねー、やるんだよwww」又吉はケラケラ笑う

「提督、ちょっと自主練してくる…。」「慣れだ、慣れwww」

 

そして出発の日、又吉達は三台のジェット機に乗り込む

「おっしゃ!追いつくぞ!」

又吉は大本営に保管されていた空母「ジェラルドrフォード」を横須賀に依頼し先行出航させていた。かつての十三大将最後の戦いでも海上鎮守府として活躍したアメリカ海軍の置き土産。三台のジェット機で空母を追いかけて追いついたところで全員でスカイダイビング…

 

「帰りたい…」体の大きさだけはビックセブンのある艦娘が呟く、下は海しか見えない。空母は後方に確認できているがとにかく高い、高度はそれなりに落としてるし、空母に乗り込んでいた護衛艦娘達も出ているから深海悽艦が出ても撃ち落とされる心配はないのだが、とにかく高い…

 

「あのビックセブンが高所恐怖症ねぇ…」後ろで又吉が呆れる

「うるさい、艦船時代も艦娘になってから今までもスカイダイビングの経験なんてないんだ。仕方ないだろ!」ぷりぷりする長門

「長門、俺様が高いところが怖く無くなる方法を教えてやろう」又吉は長門に近づいて…「本当か!それはどんな方法だ!」食いつく長門

「ああ、先ずは海面を見てみろ。海面まで大体何メートルだ?」又吉の問いかけにハッチから海面を覗く長門「ん?そうだn…ああああああああ!」

「落ちながら考えよーぜwww」長門の尻を蹴り飛ばして落とし、自身も追いかけて飛ぶ又吉。

 

 

あああああ…

 

 

合流した戦場で又吉を殺すと連呼して横須賀提督に羽交い締めにされる長門の姿がありました

 

「そろそろ先行機ハワイ到着、積荷ばら撒くぜ〜ポチッとな!」艦載機も対空砲も届かない高高度から30を超えるパラシュートを付けたスピーカーが投擲されるスピーカーからは又吉の録音音声で「こちら深海悽艦のアイドル、又吉ちゃんだよー!映像チャンネルを○○に設定しろー!こちら…」深海艦載機がスピーカーの一機を回収、投擲から1時間後ブリッジのモニターが開通の合図を示した。そこには猫を両手で吊るした黒いセーラー服セットを見に纏った妖精らしき者が映った。

 

「やぁやぁ!初めまして、宿毛湾の又吉だよー!」明るく話しかけるも

「…。」言葉を理解してるから通信できたのだが無言を貫く黒妖精

「勝手に話し進めさせてもらうわ、今ウェーク島をレーダーに捕らえた辺りのところに俺様達はいる。8時間後にハワイ乗り込むからそこんとこよろしく!」

「…。」

「ちょっと親玉って雰囲気じゃない三下っぽい君に出世のチャンスをあげようじゃないか!この画像見たまえ」画面の半分をジエンドの全身画像が占める

「これ、俺様の機体。俺様自ら乗り込んでお前の制服をピンクに着せ替えさせに行くぜッ!ハワイ島で僕と握手ッ!」と言って映像を切る

 

画面の向こうの黒い妖精は周りに控えていた姫達に何やら指示をする、妖精の口角がつり上がる。

映像を切った又吉は格納庫の通信に切り替えて横須賀明石に繋ぐ

「明石〜、準備はどうだ?」「こちら明石、装着だけのハリボテなので全部出来てますよー!」画面が奥の格納庫のアップになり、そこには全艦娘分のジエンドを模した鎧がズラリと並んでいた。

 

 

「ひとつとは言ってないだけ、オレウソツカナイ」

 

 

次回、決戦です

 

 




3日ほどお休みして英気を養ったつもりですが、3日で文章力上がったら苦労しないよね…頑張ります。

全員分のボードは無理なので、宿毛湾で合同訓練行ったメンバーのみボードです。後は普通の艤装の脚、オキツネクローは射出不可のコスプレです。


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22話 ハワイ島攻防戦

最終章以外での最後の大規模戦闘です。
ちょっと日常回で遊んだら最後書き上げまする



結論から言うとウェーク島には深海凄艦はいなかった。宣戦布告の効果も僅かにあっただろうが、やはりそもそもの距離が遠い。約4000kmだ。日本縦断よりも遠い。

ウェーク島を過ぎ、ハワイ手前ジョンストン島付近で決戦となった。

 

ジョンストン島まで200kmの所で空母は待機、ここから深海凄艦が徐々に現れ始める

 

1200空母甲板にて、又吉が高台に立ち高台の横には横須賀提督、横須賀長門、ラバウルから合流の香取と明石、宿毛瑞鶴が並んでいる

 

「ではこれより、ピンク妖精を作れ!in ハワイ沖作戦を開始する」全力のイケボ

各員は作戦名をスルーして綺麗な整列をしている

「誰も突っ込んでくれないか...そうか...そうかぁ。。仕方ない」前に向き直り

 

「出撃以降、指揮権は横須賀提督。ボードなしジエンド部隊、このあとすぐに出撃だ。面で当たってとにかく数を減らせ。ル級1匹より12匹のイ級を潰せ、とにかく戦線を広げまくれ」

「30分後、ボード組2艦隊出撃。こちらは点での突破だ、続く連合艦隊の道を作れ」

「ボード1陣の20分後にボード連合艦隊出撃だ。その1時間後に俺様と鹿屋の秋津洲航空隊でフィニッシュだ。秋津洲は単冠湾だから瑞鶴が指揮をとる、隊長たち頼むぞ!」

精鋭秋津洲航空隊。基地航空隊発祥の地であり、二式大t...秋津洲に忠誠を誓うその姿と他の追従を許さぬ戦果は「海のラバウル、空の鹿屋」とまで称されるようになった。

「隊長たち、俺様の護衛は要らないから思う存分やってくれよな」敬礼する又吉

「任せて。大艇殿への報告も色を付けてね!」 「翔鶴様がよかったなぁ」 「サラ嬢来てないの?」

「各員!今回の目的は勝利ではない、そのことを忘れるなよ!第一陣、抜錨!」全機真っ黒の悪魔艦隊出撃。

 

又吉とラバウル明石が格納庫で最終確認をする。

「提督、これは私がTB303-デビルフィッシュのブースターユニットを参考に設計したタイプ ジ・エンドspec2です。宿明の基本スペック大幅アップにより実現しました夢の機体です!まさに今回の作戦には最高の仕様です。デメリットは格闘戦ほぼ不可能、ブースター装着時は関節は固定です、でないと首と肘と膝から先が吹き飛びます。腕をL字で固定するので正面射撃は可能です、一度パージしたブースターは工廠でなければつけられません。あととにかく提督への肉体的負担は計り知れません、今回気持ち大きくなってしまいましたが提督が装着する各パーツの内側の背面に衝撃吸収のソファーのようなモノが敷かれています。ブースターパージ後に重荷に感じますでしょうが、無かったらブースター装着不可なので頑張ってください。この大型ボードはジエンドのボードに装着という形のアタッチメントです。背中のこぶの両脇に接続して収納可能です、ヒューストンさんのボードと同じでこれはエアーのみ噴出します。そう、つまり...ブースター装着時はこれで姿勢制御を行います!艦娘式LFOの完成なんですよおおおおおおお!」ハァハァ.....一気に言い切った明石

「よーーく分かったぜ、ネタ元はポケ虹か?あのホランドみたいな重力・遠心力でブルブル状態がデフォってことだろ?」衝撃を想像して汗ばむもにやつく又吉

「はい、そしてもうひとつ。宿明の行った改装に私がひと手間加え、サーカス・マニューバ機能付けました。」明石は腕組みしながら又吉を見上げる。

「な....なん..だと..?俺様はなれるのか?チャールズになれるのか!」明石の両肩を掴む又吉。「それは提督次第ですよ」( ̄▽ ̄)ニヤリ

「通常モードジエンドになってから約2~3分程で機体が温まったら、一度だけ可能です。持続時間は2分、そこでロックかかります。準備が整うとアナウンス流れるので使用の際はこの右腰にあるレバーを奥n..「分かってるぜ。クランクの形で這わせて奥までぶち込むんだろ?」又吉のドヤ顔。そして内ポケットをまさぐり明石に紙を差しだす。

「おキツネチケット6枚だ、宿明石と分けろ。1枚づつのつもりだったがこいつは想像以上だ」はわわわわ....最高のギブアンドテイクでした。

 

1時間後。基地航空隊発艦後の、空母甲板。

「提督、今回ジエンドのフルフェイスですが、ブースター装着時の酸素供給機能となってます、ブースター投棄時に各関節のロック解除と共に面が外れいつものおキツネ面が出てきます。ご武運を!」

「了解だ、明石。横須賀よ!後は頼むぜ!タイプジエンドsp2エンジン点火」45度の空を向いたカタパルトの上でブースターに火が入る、固定板と拘束ロープがギチギチと悲鳴を上げる

「ホントにあれででるのか....。准将閣下!ご武運を!タイプジエンドsp2射出!」

 

ゴッ!という空気の爆発音みたいな音がしたかと思ったら機体はもうはるか先に進んでいた

 

 

「ぎ...グッ....ギュピ....」声にもならない音を辛うじて発し、高高度到着のアラームで巡行速度に落とす。ブースターユニットから伸びるアームでボードの向きを調節「いきなりクライマックスだったぜ、今もキチーが空腹で良かった。おう吐物で窒息とかシャレなんねぇwww」オートモードに切り替え目を伏せた

 

---第一陣発艦後、1時間半。ジョンストン島湾岸施設----

 

「母サマ、ターゲットと同じ姿の艦娘バカリの艦隊デス、ドウスル?」中枢凄姫が黒妖精をハハサマと呼び報告する

「くだらんなぁ、ゴミが無い知恵を絞ってこの程度か。興ざめだ。」戦艦凄姫の艤装の上に腰かける黒妖精が落胆する。

「後発デ板二乗ったモノタチモ確認」別の個体が続けて報告

「もうよい、もうよい。前衛は軽く後退して本隊は前進、誘い出して潰せ。姫級は全て板付きのみを狙え、板なしは残りのモノで蹂躙セヨ」ため息をつきながら指示

「あの方の機にかけている厄介者だから期待していたが...さ、もう滅ぼしてしまおう。」

 

---同時刻連合艦隊----

 

長門「各艦、感じたか?」

香取「我々が押し上げているのではなく相手が引いてますね、そろそろ航空隊が来ます。瑞鶴。」

瑞鶴「了解です。隊長、目標は私たちの現在の直線上の深海凄艦のみ。座標送ります、全て雷撃で頼みます」

瑞鶴「15分後になると隊長より返信、天龍。」

天龍「連合艦隊第二部隊天龍、確認。航空隊攻撃と同時に全艦模擬装甲パージ、ボード2部隊は両翼へ散り深海共を直線状に集めろ。それまで気取られない様に動け」

 

「「了解」」

 

---指示から30分後ジョンストン施設---

 

「母サマ!敵航空隊?にヨリ3割壊滅、敵主力連合艦隊ガ姫連合ト交戦開始....??...敵全艦装甲投棄、ターゲット艦機影ナシ!」

「あれが噂の航空隊か...ちょっと予想以上過ぎたな。厄介者は怖気付いたか、よいよい。臆病者は生き残って部下の全滅を見てるがよい。全艦、ボード付きのみを狙え。その後ボードなしだ、体当たりでもよい数で押しつぶせ。」ケラケラ笑いながら指示を出す黒妖精

 

---同時刻ジョンストン沖---

 

瑞鶴「鹿屋航空隊、敵部隊の3割を撃破!中央に穴空きました!」

天龍「全軍、装甲パージ!突撃だ!香取ぃ信号弾の後、先陣頼んだ!カウント15!」

香取は虹色の信号弾を上げたと同時に巻雲を連れ姫連合に突貫、2分後に首のない姫がひとつ出来上がった。

 

---ジョンストン施設----

 

「おうおう、アレはラバウルの奴らじゃないか。えぐいなぁ。おい、お前と同じ個体の首が飛んだぞwww」椅子代わりにしてる戦艦凄姫の艤装をポンポンと叩く

「だが、数は正義だよ臆病者。沿岸の姫達も追加で差し上げろ、首を並べるから適度に潰して来い。」

 

 

 

「ところが、ぎっちょん!!」スクリーンに又吉のアップが映る、そういえば切ったのはあちらd...

 

 

ッ!ドーーーーン!と何かが複数入ってきて、ひと呼吸置いた後、大爆発が起こり建物が吹き飛び深海勢は全て瓦礫と共に階下に落ちる。

瓦礫を吹き飛ばし次々と無傷の深海凄艦が出てきて青空を見上げると、空を轟音を立てながらターゲット画像にあれこれ付けた羽虫が旋回していた。

高速で周りや頭上を何かを撒きながら駆け抜けたかと思うと、すごいスピードのままゴツイおまけが切り離され黒妖精たちに着弾、本日二度目の大爆発。投擲物が着地・着水し、土煙が晴れると瓦礫が綺麗に吹き飛び一部が海水に浸ったもと司令部?跡地と無傷の深海凄艦再び

 

「初めましてー、オールウェイズウィズユー!あなたの又吉です!」イケボがスピーカー達から流れ合唱の様になり、ターゲット画像の機体が目の前の海面に立って何とも言い難い何かの素敵なポーズを取っていた。「チョットカコイイ」発言は中枢凄姫そして数体の深海凄艦に砲を向けられる。

「おろしてよい、撃つのは後で出来る。我々が無傷なのはわかっていたろう?バカなりに遺言でも残しに来たのか?おれ、頑張りました。的な?ハハッ!」又吉の行動が意味不明過ぎて、どうしてかを知りたくなり攻撃をやめさせてしまう黒妖精

「なーに、俺様は礼儀正しく、かつ!有言実行するタイプでねぇ~」と言いながら右手の人差し指と中指を立て、左頬付近にかざし....

 

「ザ・ワールド!時よ止まれ!」ディ〇ボイスで言いながら右手を切り払うと胸の魚雷発射管だったところが2つ某リックドムの様に輝きだす。同時にコブから信号弾射出、左手おキツネクローも射出して目がくらんで怯む集積地凄姫をぐるぐる巻きにする。右手でレバーをクランク型になぞり

「サーカス・マニューバ、全開!」各部に新設されたスラスターから火が一斉に噴射されコブの機銃で集積地凄姫はピンクのペイントまみれになり空に舞い上がったジエンドに引っ張られ自身も空中に連れて行かれる

 

又吉は黒妖精の上空付近に向かいながら、左腕を虫網で虫を打ち付けて取るような動きで黒妖精に集積地凄姫をぶつけようとする。目くらましから即回復した黒妖精は目を開けると上空にジエンドと自身の目の前に突っ込んで来ているピンクの液体まみれの集積地凄姫....

 

「ロードローラー(集積地凄姫)ダッ!」ぐしゃっという音と共に又吉は結果も確認せずに海上へと戻り、滑空を続ける。全身ピンクまみれの元黒妖精がロードローラー(集)をどけるとジエンドはもう遥か先で点になっていた。光ってから僅か5秒ちょいでぶつけられ、這い上がるまで1分足らずの出来事。額から僅かに赤い血を流すピンク妖精

「やってくれましたね...ですが囲んで終わりですよ。」姫に討伐を命じる

信号弾で全速撤退を始めた天龍達を深海凄艦は司令部で何が起こっていたか分からないため、こちらも全速で追ってしまっていた。命令を受け急いで戻る、すると逃げる又吉と深海凄艦軍と逃げてた艦娘の間隔が大きく開き...

天龍「カウント15分、第二陣の到着だ。ドーン」と指で銃の形を作り前方に指しだす。天龍の上空を基地航空隊の大群が覆う。「ここで戦果を出して二式大艇さまに目をかけてもらうぞ!お前らー!落とせない奴はもう一往復させんぞ!」横須賀航空隊長の檄で、なんと全機低空飛行。「必殺」の心意気

全速で戻っていた深海凄艦はまさか第二陣が来るとも知らず、殿が気付いた時には時すでに遅し。最初の三割よりは少ないが、残りの5割近い損害を出し混乱の中航空隊通過と共に又吉を回収しに戻って来たボード連合に蹂躙され始めるも、又吉確保の合図で香取たちは一気に去っていった。大量に浮かぶ死骸と共に、追ったらいいのか?また航空隊が来るから警戒すべきか?と何をしていいか分からず立ち尽くす深海軍だけが取り残された。

 

「ハァ...ハァ......。せっかくの虎の子の基地航空隊を横須賀に残して来るわけねーだろ、ざまぁ.....」と言い切り又吉は長門に抱えられ気を失った。

「大した男だよ、准将。」改めて又吉をすごいと思いつつも、それゆえに出会った当初の自分が少し恥ずかしくなる長門だった。

 

「出撃艦7割損失、保有、全艦隊の5割ヲ失いマシタ。」報告を聞き、天を見上げるピンク妖精

「この屈辱は忘れません必ずアイツの死体で十字架を作ります。」

 

又吉達はこの後ウェーク島に寄り、Hiエロ粒子のヒールでとりあえず一命は取り留めるも至る所が重力・遠心力で骨折やらボロボロ。そのまま泊地建設を開始。大本営の大艦隊が到着後、建設を引き継ぎ宿毛へ帰港する約4週間の出来事であった。

 

 

日常数回挟んで、最終章やるつもりです。

 

 




又吉の攻撃は効かないし通り抜けて当たらないから集積地凄姫を武器(ロードローラー)にして達成した感じです。

所々ネタうざいかもですが頑張ったつもりです!


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23話 そして最後の戦いへ

ウェーク作戦その後、最終章いくでち。第3章完


「ハァ…」中枢棲姫は自身の禍々しい艤装の上でため息を吐く

 

「初めましてー、オールウェイズウィズユー!あなたの又吉です!」

 

あの体の各所を普段使いしない方向に捻って立つ素敵な立ち姿の黒騎士?のような姿が頭から離れない

 

「ザ・ワールド!時よ止まれ!」

 

本当に時を止められていたかと思うしかない、あの結果。目を開けられるようになった時にはピンクに染まり、お怪我をなされた母さまと遥彼方で点となった黒騎士

 

「コノ気持ちハナンナンダ…」艤装をポンポンと叩く。「グルルル。」我が艤装も不安そうだ。

 

中枢棲姫は基地型であるが。ここはピンク妖精のフィールドなので大地に根付かずとも本艤装展開時同様の能力が発揮できる。港湾その他も同様人型のまま自由に歩き回ってそれぞれの仕事をしている。

 

「おうおう、あれがラバウルの…」母サマが戦艦棲姫の艤装を叩きながら称賛シタ1分で重巡棲姫の頭を消シトバシタ悪魔のヨウナ艦娘2匹。ラバウルト言っテイタナ…

「フム…」各所で再建と調整が行われてるジョンストン島。中枢棲姫は1人海に向かって歩き出していた…。

 

---1週間後ウェーク島、空母内医務室---

 

通常の艦船空母であり、その必要性から鎮守府などよりも広い医務室。色々な物が並べ変えられ又吉が寝ているベッドを上座にした会議室の様になっている

「又吉さん、泊地建設は順調ですが仮設建築物よりもここの方が居心地も設備も整っているので帰港まではこちらで過ごしてください。」横須賀提督が又吉に報告する

「そーさせて貰うわ、俺様のヒールはある意味チートだけど万能じゃねえんだわ。衝撃で痛めたある程度の損傷が少し回復できる程度だからな。指一本の骨折くらいならわけないが、病気やこの腕の骨折とかは治せないのよ。ま、ちょっとでも自己回復できるってだけでも大助かりさ。」ぐるぐる巻きの左腕を上げてケラケラ笑う又吉

「ご無事で何よりです、すべての仕事は我々でこなせますのでどうか回復に専念してください。夜は決して連絡取らないよう全員に伝えてありますし」含み笑いをする横須賀提督

「ハハッ!言うようになったねーお前も。柔軟性のあるやつぁ大好きだよ、な?長門?」

「ふえっ…//.」急に振られて艶かしい返答をする長門

「からかわないでくれ、又吉殿。それにしても今回の戦いは勉強になった、空は2度と飛びたくないがなwww」巻雲にペチペチ頭を叩かれてる又吉に向かって笑う長門。柔らかくなったのはこちらもだ。

「横須賀よ、宿毛で言った通りピンク妖精はラスボスじゃない。ラスボスはブルネイかタウイどちらかにいる。今回の件でしばらくはあちらも最終戦力の調整で大人しくなるだろう、俺様たちもその間にやれることは全てやるぞ。大本営の誘導はお前が指揮をとり、大湊のやつと共に理想の形に持っていけ。折笠もこちら側だ、使え」又吉は真剣な表情で語り始める

「最終決戦は二面作戦だ。ジョンストンとブルネイ・ラバウル。杏とラバウルの1艦隊とみっちゃんをお前のジョンストン方面に行かせる。ピンク妖精はみっちゃんにしか殺れない。深海悽艦の数だけで言うなら今回の2.3倍は多くなる、杏とみっちゃんを万全の体制でピンク妖精と戦えるようにするのがお前の役割だ。長門、手練れの轟沈も覚悟しろ、3倍で出てきた場合は究極の消耗戦になる。強さの難易度ならピンク妖精の方が高いが物量で攻められるのはそれとまた違った戦いと辛さになるが今のお前らなら託せる。」ペチペチされながら語るのでどこか締まらない

「はい、又吉艦隊をラバウルに釘付けできるよう全力で手を回します。しかし、あの妖精を生み出した存在とは一体…」

「細かい情報は分からねえ、みっちゃんと十三の残した情報しか俺様にはない。姿は一度ラバウルの2度目の大戦で観ているがアレにとっては姿なんか自在だろうしな。数はジョンストン方面とは違って少ないだろうが、それでも2泊地分の艦娘だった奴らが相手だ、建造は折笠が表向きは上手いこと理由つけて抑えさせてるが裏で作ってるだろうしなぁ…こちらも建造しても練度が追いつかない。だから俺様と長波がピックアップした艦娘を宿毛とラバウルに異動させてくれ、お前のとこのやつも欲しいけどジョンストンを考えると異動させられんからな。」ペチペチ叩く巻雲をベッドに乗せて自分が巻雲の椅子になる

「異動させた艦娘は建造して穴を埋め、横須賀と大湊でその日まで鍛え上げます。なのでお気になさらないで下さい。」単冠湾に行った長波からの資料と又吉の依頼した艦娘のリストを見ながら答える横須賀

「じゃ、お言葉に甘えてそちらの陸奥をくれ。長門が欲しい所だが妹もなかなかやると天龍から聞いた。」

「本日付けで貴下に付けますね」横の長門も自分と妹が認められて満足そうだ

「むっちゃん色々してくれそうだしwww、あとラバウルからはコイツをやる。」ゲス又吉が巻雲の頭をポンポン叩く

「現在顕現している艦娘の中での最高戦力だ…コレ」

「司令官さま、巻雲はコレじゃないですよー!ジョンストン行く前に宿毛湾しばらくいていーですかぁ?霧島さんと過ごしたいですぅ」萌え袖をヒラヒラさせながら又吉を見上げる

「ああ、ついでに宿毛デストロイや〜ずの総仕上げ頼むぜ」ポンポンと頭を叩く

「巻雲。数減っても知らないですよぉ〜」

「長波と翔鶴が下地を作ってるから大丈夫さ、あいつら根性だけは一丁前だ」

長門は香取と2人で姫を肉片に変えていく巻雲を思い出し青くなり、会議に参加していた照月は意識を手放した。

 

「てことでよろしく頼む、おそらく最大で約半年。5.6ヶ月、これが俺様たちに残された最後の時間だ。ここからはひたすら修行パートだ」

 

---約、1ヶ月後。宿毛湾---

 

「ギプスのない性活最高ッ!」誤字じゃありません

「司令バカやってないで行きますよ。そろそろラバウルからの船が来ますよ。」霧島メガネクイッ!

「はいはい、分かってるよ。新しいジョジョ立ちで迎えに行ったるわ!それにしても杏のやつ直接じゃないと言えない事ってなんだろうな?」

「さぁ?置鮎司令がそこまで慎重になると言うのも珍しいですよね」

「とりあえず行こか」

 

港に向かうと演習場から何やら駆逐艦たちの元気な声が木霊する

 

「響!生きて!意識手放しちゃダメ!!」「村雨ぇ!上だ!上!沈むぞ!」「だから嫌なんですよ!!おっさんぶっ殺す!」「ダメダメですぅ!鋼材からやり直した方がいいですぅ」

 

みんな楽しそうだなぁ…

 

船が接岸され、橋がかけられる。橋の先で華麗なるジョジョ立ちをする又吉

「ようこそッ!宿毛湾へ!」

 

船内から高速で白い何かが声を発しながら又吉に着弾する

 

「本物ダァ♡会イタカッタ!」

 

着弾した白い何かは又吉に抱きつき、そのまま又吉の後頭部を掴み唇を奪った

ズキュウゥゥーーーン!という擬音が聞こえて来そうなその行為に目が点になる霧島

 

「もう!待ってよー!ちーちゃん!って、ええええええ!」

 

追いかけて来た杏が叫び声をあげ、後ろから来た浦風は額に手をやり肩を竦める

口付けをしているそのチーちゃんと呼ばれたモノ、それは

 

紺色基調にオレンジの花柄ワンピースを着た中枢棲姫だった。

 

ハワイ戦から10日後のラバウル

「杏、200キロの沖合に姫級が単機で確認されけぇ、でもなんかおかしいっちゅう報告じゃ。コレが映像じゃ」浦風が杏に見せた映像には共も連れず艤装に乗ってこちらに向かっているであろう姫級。だがこの姫級は十三叔父様の最後の戦いで報告された中枢棲姫と呼ばれる「陸上型」の姫と同じ個体。艦娘たちももちろん知識があるため、陸上型が最低限の艤装で移動すること自体には違和感がないが、その陸上型が単機で海を走りこちらに攻めて?来るというのが理解できなかった。言うなれば艦載機が陸上を走って敵地に向かうようなものなのだ。

 

「旗艦翔鶴、ウォスさんにサラと天龍。浦風も行って。とりあえずこのメンバーなら間違いは起こらないし。」

「了解じゃ」と浦風達は出航して行った。

3時間後。「こちら翔鶴、中枢棲姫を連れて泊地に帰投します。」翔鶴からの無線に「え?え?何?翔鶴さん、今何て言ったの?」焦る杏

「中枢棲姫連れて泊地に帰投しますと言いました、その歳でもう耳が遠くなりましたか?応接間でも片付けてなさい、あと一応アンドレに適当な茶菓子を作らせなさい。この中枢棲姫はバカなので大丈夫です、通信終わります。」

「相変わらず辛辣ぅ〜、でもやらないと怒られるから急がないと!ビーちゃん、アンドレさん呼んできて!」キョトンとするビスマルクに伝えて杏は頭を抱える

「な、何が起こってるのかしら…」とりあえず怒られる前に応接間準備しとこう。

 

40分ほど前。「翔鶴さん...。」サラトガが困ったように翔鶴を見る。「わかっているわ。」

「おいおい、俺たちにも教えr・・・。何だコイツ?」天龍が艦載機の映像共有でみたものは

偵察機に向け嬉しそうにぶんぶん手を振る中枢凄姫が映っていた。「とりあえず接触しましょう」

「助カッタ。待ってイタヨ、私ハ君タチでイウところノ中枢凄姫ダ。ラバウル軍デマチガイナイか?」にこやかに自己紹介する中枢凄姫。

「ラバウル所属、翔鶴です。中枢凄姫さん?用事はなんでしょうか?」中枢凄姫の背後に艦載機を展開させて翔鶴は答える

「知りたいコトガアッテ軍をヌケテキタ。キミノ艦載機ヲヒトツ貸してクレ、怪しいウゴキシタラソノママ撃っテクレテ構わナイ。」中枢凄姫は翔鶴に右手を差しだす。翔鶴は警戒しながらも艦載機をひとつ差しだされた右手に着陸させる。

「͡コノカタのコトを教えテクレ」中枢凄姫は艦載機を自分の額に当てリンクさせる。

 

「ブフッ!」翔鶴はらしくない吹き出し方をしてしまう。翔鶴の脳内に艦載機にリンクされた映像が送られ、そこにはなぜか♡マークでフレーム加工されたジョジョ立ちするジエンドの姿があったのだ「初めましてー、オールウェイズウィズユー!あなたの又吉です!」とセリフ付きで...

「ブハッ!」「あらぁ~」「又吉ぃ...。」「美しい、さすが我が王」翔鶴からのリンクで様々な反応を示す仲間たち。そして中枢凄姫が敵でないことが瞬時に伝わった瞬間であった。翔鶴は無線を繋ぎ「こちら翔鶴、中枢凄姫を連れて...」泊地までの道のりでガールズトークはかなり盛り上がった。

 

「初めまして。ラバウル泊地司令、置鮎 杏です」応接間で右手を差しだしながら挨拶をする杏。

「元深海軍、中枢凄姫よ。」言いながらかっこいいポーズを決め、握手に答える中枢凄姫。後ろの翔鶴たちは笑いを堪えている。そしてまたガールズトークに花が咲いた。

 

「アンドレー、またアノお菓子作レ」厨房に立つアンドレにカウンター越しに声をかける中枢凄姫。「ちーさん、15時にはお配りしますのでご辛抱を。」作業しながらアンドレは答える。またある時は

「なぁ、翔鶴。コレはそんなにイイモノナノカ?」オータムクラウド作「銀狐の調教(モデル翔鶴)」を読みながら質問する中枢凄姫。「ちー、この間私にされたことを私ではなく又吉さんにされていると想像してみてください。イメージ変換はとても大事です、トレーニングに欠かせません。」

「....。翔鶴、大変ダ。サレテ無いノニサレタ時のヨウニ股がヌレタ...///」「ちー、あなたには才能が有ります。私や同志アンドレのような「Mの求道者」です。今夜、新しい道具を使います、相手は私ではなく又吉さんを常に想像してください。」ポンと中枢凄姫の肩を叩くと中枢凄姫はビクッと跳ね上がり「チョット自分の部屋イってくル」

「イツも相手シテクレテアリガとな、スズツキ。」長10ちゃん達が中枢凄姫の艤装と遊んでいる。「いえいえ、あの子たちも自立艤装仲間ができて喜んでいます。こちらこそありがとうですよ。」

またある時は.....

 

で、今に至る

「又吉、香取ってヤツはドコダ?今夜ノアイテハワタシだ!マチキレナイ...ン?」演習場の方に顔を向け何かを探るよう目を瞑る中枢凄姫。

「ナ、ナンだ。コイツハ...。」深海偵察飛行艇を飛ばし映像を捉えた瞬間消し飛ばされる「サ、殺戮天使....。」青い顔になって又吉にしがみつく中枢凄姫

「司令官さまー、なんかハエが飛んでましたよー!」と演習場の方から海伝いに巻雲が現れる、又吉に抱き着き震える中枢凄姫を見て周りの反応を見てポンと左手を右こぶしで叩く「その人に迂闊に艦載機飛ばさないでって言っといてくださいねぇ~。訓練戻りますぅ、深海さんようこそー!」と言い演習場に去って言った。

「映像でミルのと実際二ミルのではコウモチガウノネ...。母サマの言ったトオリダワ」杏が中枢凄姫を引きはがす。「又吉さん、見てのとおり深海情報たくさん持ってきました。とりあえず中入りません?」と言い皆で移動することにした。

 

---会議室---

 

外で香取と中枢凄姫が何かの話をしてる「ソコヲ何とカ....」「ドウカ...ドウカお許シヲ」「え?ヤッター!」

「これはすごい資料だ、後で折笠と横須賀と大湊にも送ろう。有象無象の奴はともかく幹部級のデータ丸わかりじゃないか...。ハワイ島に新設した駐屯地と仕組みまである。」資料を見て唸る又吉。「ですよね!ね!だからちーちゃんのお願いを....。」両手を合わせ懇願する杏

「いや、俺様は来るもの拒まずだからいいけどよぉ...深海の奴らってデキんの?」「それは...//その、翔鶴さん曰く....///」モジモジしながら答える杏「逸材だそうです///」言い切って俯く杏

「お、おう...。それにしてもジョンストン戦略は練り直しだな、巻雲・香取クラスには大量生産の駆逐・軽巡100当てて、その上で幹部旗艦の連合艦隊か。ピンク妖精侮れねぇな。」資料をめくる度に唸る又吉。「だがこれの上を予想して作戦を立ててやろうじゃないの、間違いなく深海たちとの最後の決戦になるぞ。」

「勝って見せますよ。終わらせましょう!」拳を握りガッツポーズの杏、動き出す最後の戦いへ。

 

 

第三章完

 

「待っていたよ、入りな。」ドアを開け入室を促す。入って来たのは中枢凄姫。

「アノ、あ、ノ。私ハジメてで...。練習ハシテキタけど、ソノ」と言ったところでお姫様抱っこされた「コレガウワサノ///」

「人間の夜戦をその身に刻め」イケボ

プシューーーー////と音が出そうなくらい中枢凄姫の顔が暗い部屋にも関わらず赤くなったのが分かる

「ヤサシクハ()()()()...///」そう言いながら自分の顔を見つめる中枢凄姫に又吉の又吉は今、改弐になった。

 

種族の壁を越えた夜戦は凄まじく、又吉の部屋に近い艦娘達はその夜は自分を慰めたとかなんとか....

 

その後ローテに加わり数回の夜戦を経て

「体の細部を操れるのはズルい、人類の敗北だ...」と間宮と飲みながら悔しそうに語る又吉がいたり

「百聞も、一見も、一夜の実践に比べたら同じでしかないわ。」とやたら人間の言葉がうまくなった中枢凄姫が他の艦娘同様のキラキラを発して、北上に「ちーウザい!」となじられていたりしていた。

 

 

 




次回からちょっと日常やって、最後書き上げます。いつも見てくれる方々ありがと

某会議室。扉には「宿毛デストロイや~ず使用中」の張り紙

「私たち強くなったはず...よね?」壇上の村雨が天井を見つめる
「相手は艦娘、同じ駆逐艦...だよね?」力なく秋雲が答える
「ビームも出ないし、かめはめ波も来ないけど何と戦ってるのか分からなくなるときある」俯く照月
「.....。」素質はあるのに活かしきれてないと言われ皆よりも入念にやられる響と磯風・天津風は魂が抜けている状態
「鋼材からやり直せと言われました...」(*^-^*)の旗風は壊れている
「あたしなんか、誘うなら姫でも釣りなさい。天然の誘い受けウザいですぅ。と言われて頭掴まれて海水飲まされましたよ。。。」有明がカタカタ震える
「私は胸掴まれて、こんなデカい飾り付けるくらいなら魚雷でも仕込めばいいですぅって胸にワンツー食らって呼吸止まりました..。」胸を押える浜風
「でも霧島さんとの模擬戦はすごかったね。」萩風が流れを変える
「あの巻雲ちゃんが尻もちついてた...。」ふみふみ改二
「結局、巻雲さんが勝ちましたが霧島さんの動きにヒントがあるんだと思います」ビリビリの大破服のままの朝潮

「明日はお休みで戦艦たちの演習があるから皆で見に行こう!」
「「うんうん」」と頷くメンバー達。
「これならウチの出番はなさそうじゃ」会議室の外にいた浦風が満足そうな顔で自室に戻って行った。

頑張れ宿毛デストロイや~ず


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最終章 
24話 束の間の日常


新しく加わったメンバー達とプリキュア下準備!


戦艦霧島の朝は早い。現在は香取がいるのでかなり楽ができるが、香取がいない時は秘書的な役割はほぼ霧島がこなす。かつては大淀が中心にやっていたのだが、交代で来るラバウル教官の指導を受けているうちにロケットランチャーを両手に持ち暴れる戦闘狂になってしまい日々訓練に明け暮れていた。又吉の尻を蹴ることにも慣れ、自身の鍛錬も怠らずの忙しい日々だった。

「先生、朝ごはんいこぉー」ドアの前で騒ぐのは巻雲ちゃん。ラバウルの私は皆から先生と呼ばれていたらしく、ラバウルの人達は皆そう呼ぶ。香取や扶桑までそう呼んでくるのでちょっとムズ痒い、実力が遥か上の方達に先生呼びされるのもおかしな話だが本人達が頑として譲らないのでそのままにしている。

「お待たせしました、巻雲ちゃん。あら、今日は長波ちゃんもいるのね?」「おう、おはよう先生。巻雲ねえがうるさくってさー」

巻雲ちゃんは赴任してからずっと私の周りにいる、最強艦娘であり様々な二つ名を持つ彼女たちだが、普段は甘えん坊の駆逐艦。毎日の様に訓練相手をしてもらってるけど巻雲ちゃんが言うには「先生はもう頭では以前の先生の動き理解してますぅ、体がついて来てないだけですよぉ。いま巻雲にサシでダメージ与えられるのは香取さんと長波と扶桑さんと先生だけですからね」とのこと、こちらはボロボロの大破状態なんですけど…

寝る前に机の上にあるメガネケースを開ける、ひしゃげた緑色のフレームのメガネ。ラバウルの私の遺品。「あなたもこんな日々を送っていたのかしら?ふふ、あなたとの約束きちんと果たすから見ててね」と語りかけ1日を終える。

 

「くっ…ありがとございました。」海から右腕を持たれ翔鶴に引き上げられる

「全然なってません、それで一航戦の片翼をよく名乗れますね?」返す言葉もない。全身ペイント塗れ、最後はハイキックで海に沈みで情けない限りだ。「精進いたします。」「フン、さっさと入渠して来なさい。」と投げられ瑞鶴に受け止められる。「もう!翔鶴ねえ、ちょっと酷いんじゃない!」瑞鶴が食ってかかるが、それは違う「いいのよ、瑞鶴。弱い私が悪いのだから、1人で入渠できるわ。ありがとう」「加賀さん…」悔しさはあれど恨み的なものはない、言動とは真反対のその美しい艦載機運用。マスゲームを思わせる一糸乱れぬ動きは訓練中なのに目を奪われかけてしまう。ここに召集されて本当によかったと加賀は思っている。

瑞鶴は更に責め立てようと翔鶴に近づくと翔鶴の腕が小刻みに震えていて、わからない様にはしているが肩も僅かに上下している「瑞鶴ちゃん、あんな随伴艦はほっといてご飯に行きましょう!」腕に抱きつかれるとその体温の高さに驚く瑞鶴。そっか、そっか…。絶対越えられない高い山を演じる姉を見てちょっと嬉しくなる瑞鶴。「午後は私だよ!今度こそペイント塗れにしてやるんだから!じゃ、ご飯行こか!翔鶴ねえ!」

午後は駆逐艦たちに誘われてアニメを観ていた、ここの駆逐艦は強さもおかしいが押しも強い。様々な遊びに駆り出される、他の鎮守府では怖がられて近寄られなかったし、馴れ馴れしくされるのも嫌だったからちょうど良かったがここは違う、しかもある意味自分より強い彼女達を尊敬しているのでキッチリ付き合う様にしている。

「ねぇ?加賀さんはどう思う?私はやっぱりエピオンが好き!ゼクスって司令みたいな声でカッコイイし格闘っていいよね〜」他の村雨と本当に同型かと思わざるを得ない色香のある村雨が目をキラキラさせて聞いてくる

「私はキュベレイやサザビーとかの流線型フォルムのファンネル機が好きね、ファンネルの動きを艦載機で再現出来たら心強いわ…」ファンネル?ファンネルの動き…「真面目だな〜加賀さ「村雨、ちょっと用を思い出したわ。また明日誘って頂戴!」「え?あ、はい。また明日ねー!」

鍛錬場に入り矢を放ち艦載機を顕現させる、艦載機全機に自分の意思を伝えて自分の周りに展開させる超低速、フルスロットルを各自違う動きで操る。物の2分でその場にへたり込んでしまうが掴めた。これだ。

翌日の演習で翔鶴からラバウルの加賀弓を託された加賀、村雨は加賀から超高級下着のカタログを渡され「お礼よ。好きなの選びなさい」と言われ頭にハテナマークだったが、せっかくなので凄いのを選んで加賀をまた驚かせた。

 

「あたしは誘い受けなんかじゃない!」有明の砲撃をなんなく躱す巻雲だが死角から秋雲のオキツネクローが飛んでくる。ノールックでこれを撃ち落とすが砲を放った瞬間反対側から村雨の蹴りが来る、スウェーで躱すも足元には「鋼材からやり直して来ました。」と旗風-壊の魚雷が着弾寸前。ジャンプで躱し村雨に撃ったら朝潮がバックラーで村雨を庇い弾の方向を変える。「空中に浮かんでるものは全て敵」光のない目の磯風の対空連射…

 

「巻雲、小破。」妖精のアナウンスが流れ、大歓喜の駆逐隊!

やったあ!「連携120点上げます、でも油断したのでマイナス200点」感情のないセリフが聞こえたと思ったら2分後に全員海に沈みかけ、次の回を待っていたメンバーに引き上げられた。第二、第三陣も小破には至らないがダメージ判定を得て、本気の巻雲の反撃をくらいみんな仲良く沈みました。

「もう、教えることはありません。今日で巻雲の訓練は終わりです、これからは各自が今の技術を高めるだけですぅ。」訓練終了後の巻雲の言葉に泣き崩れる宿毛デストロイや〜ず。

夕食は駆逐艦達がお金を少しずつ出し合って、依頼して用意した青葉監修「霧島写真集(下着姿もあるよ)」と巻雲専用フルコースでもてなされた。巻雲は大いに喜び、もちろん霧島にも夕食後に写真集を見せた。

翌日の泊地広場には下着姿で十字架に貼り付けられた青葉の姿があった。

 

「武蔵ー!ちがーう!」ちーこと中枢棲姫の声が響き渡る。「いいかい?我々姫には超速再生能力がある。もちろん無限じゃない、でも体力の続く限り再生は行われる。」カタコト言葉が夜の勉強?で無くなり流暢にしゃべる。

「1番効果があるのは一呼吸おいた連続着弾なのよ。削って、再生し始めた瞬間が1番エネルギーを使うわ。そこを狙い撃ちするのよ、あなたの砲撃は私達をキッチリ削る威力があるけど連射のブレが大きい。そこを1、トン・トン・トン、2くらいのタイミングで当てられる様になりなさい」「ブレない様体幹は鍛えてるのだが、我ながらこの砲の反動が大きすぎてな…」

「武蔵殿。それならばいっその事こと、反動を抑えなければ良いのではありませぬか?」サポート役の神州丸が言う。「体術ではありますが、本官は烈風正拳突きを放つとどうしても直後硬直が出てしまっていたので、そこを又吉殿に良く狙われていました。そこで突きを出した勢いをそのままに回転回し蹴りに繋げました、残心を省いたので正拳突きの威力はダウンしましたが隙は無くなり、そのあと真の正拳突きを当てられる様になりました。つまり、こうです。見ていて下さい。」神州丸が両手に砲を構え、まず右側で撃つ。撃って踏ん張らず、反動を利用して時計回りに回り再び正面を向いた所で左手の砲を撃つ。その反動で綺麗に止まる。「こんな感じであります、今は砲を撃つことだけの意識なので命中はお察しでしたがいかがでしょう?」

「いいな。曲芸撃ちみたいな感じだが、2撃までの間も申し分ない。回避も兼ねてるし、あとは…私の腕次第だな!」

「実現すれば我ら姫級にとっては驚異以外の何物でもないな。」ちーちゃんも満足そうだ。

「舞風を呼ぼう、ダンスの様な撃ち方だ。きっといい意見をくれるだろうな」

その後、舞風指導によるプリキュアエンディングダンスを学ぶ武蔵と神州丸が見かけられた。

 

「なんかさー、あたし達って影薄くな〜い?大淀は違う世界の人になっちゃったしー」食堂で北上がデザートを摘みながらぼやく

「阿賀野もラバウルでは存在薄いですよぉ、周りが濃すぎて」

「活躍の場は確かにあるんだけど、変人オールスターズみたいなとこだからなラバウルもここも。」天龍が腕を後頭部で組みイスを漕ぐ

「天龍ちゃんは行動がますます提督に似てきたわ♡」龍田がからかう

「ふふ、そうですね。仕草がだんだんそっくりになってきてますよね」キラキラキラの瑞穂

「もー瑞穂っちウザい!いつもよりキラ多くない?離れたとこ座ってよー」

「ちーさんをキッカケに提督に変化が起きまして…///」「///」顔を赤らめる瑞穂と龍田

「影薄仲間のヒューちゃんもラバウル行っちゃったしなー北上さんつまんないよ」

「アタシから見るとあんたらも充分イカれ戦力だけどな…。」1人ボロボロの制服を着て傷だらけの摩耶がケーキを食べながらボヤく。

「摩耶、喋りながら食べないの!」鳥海が諫める

「そうそう、阿賀野こないだね〜」南海最強のクラッシャーズのガールズトークは続いた。

 

「プリキュアep2会議、15時まで貸し切り」と中会議室に掲げられたドアを勢いよく開き突入するちーちゃん

 

「ムーンライトやエースが出ないってどういうことなのよ!」台本片手に怒鳴り込んできた。「いい?お姉さんプリキュアは重要なの!小さい子は子供プリキュアを応援するけど、小学生くらいになるとお姉さんにあこがれるようになるのよ!マカロンとビートしかいないじゃない!アクアは?アースは?」一応深海凄艦の姫である...

「ちー気持ちは分かるけど、できる人がいないんだよ。わわわ...。プリキュアや悪役は生の声じゃないと迫力が伝わらないんだよ!」ちーに両肩を掴まれガクガク振られる脚本秋雲

「.....。」ちーは秋雲を離し、顎に手を当て何かを考える。ちーこと中枢凄姫は対馬博士が認めたプリキュア助手である、現在再上映で映画界復興に役立っているプリキュア映画シリーズも一緒に欠かさず見に行っている。又吉制作の映画も何度も見ている。

「分かったわ、やれる人(?)がいればいいのよね?」フン、と鼻を鳴らすちー。一応深海s...「いや、おっしゃる通りですけど、いないからこうなった訳で。」両手をかざし肩を竦める秋雲

「見てなさい、プリキュア役のあなたたちもまだ真のプリキュアには目覚めていないわ!勉強なさい!」ええ...私たち艦娘なんですけど...

壇上の又吉を押しのけ、目を閉じ祈る姿をとるちーちゃん。ちーの体の表面が深海オーラに包まれる、ひよっても姫級!打ち合わせに来た憲兵達も雰囲気に体が強張る。肌の色が、髪の色がドンドン変わっていき....

 

「愛の切り札!キュアエース!美しさは正義の証。ウインクひとつであなたのハート射抜いて差し上げますわ!」おっぱいの大きいキュアエースそのものがそこにいた

 

「ええええええ!?」驚く一同に対し「姫ともなれば体の細部を操るなど自由自在よ、もちろん声もね♡」

ちーの助言に寄り脚本が書き換えられる。オレスキーのフュージョンへの進化は当初の妖精・明石の特殊加工から、艤装ちゃんに乗ったオレスキーが取り込まれ艤装変化でフュージョンへ変わる仕様に。演技指導は対馬とちーが行う。等、様々な変更が加わりep1を遥かにしのぐクオリティーとなっていった。

 

執務室で又吉は新しくなったペンダントを手に持ちぶら下げて見ている。装飾の石が一回り大きくなったものだ。

「又吉さん、忍さんからこれを渡してと。今持ってるものを私に下さい。」ラバウルから杏が来た時の会合にて渡されたモノ。

「ジョンストン島での一連の戦いの詳細をちーちゃんから聞いた忍さんが新たに作ってくれました。効果時間が半日から20時間になってるそうです。激戦が予想されるけどこれ以上効果時間を伸ばすと二つ使用することと変わりがなくなるのでアウトだそうです。これでも結構危ないらしですが、代わりにより強い効果がでると言ってました。前のモノは最後の戦いで私が必要になるとのことでいただきます。」

「決戦前日の夜から飲めば夜の万が一の先制にも役立って次の日の夜までほぼ丸一日戦えるな...。ありがたい。ミスタードーナツのラバウル支店急がせよう。」

 

時間が伸びて前日の夜から飲むことで、又吉とその周りの者の運命がここで大きく変わったのが終戦後に判明する。

 

次回、プリキュアオールスターズep2 愛は全てを救う です!

 




プリキュア、上映後ほか、決戦の順で駆け抜けたいと思います。

知らされなかった前回と違い、出演者は演技を意識してしまい結構手間取ることになってしまった。
対馬・松輪はプリキュア指導で、一般出演者は香取が担当になる。香取なんでもできます。
「違うわ天龍!役になり切りなさい!恥ずかしさを捨てられないのがより恥ずかしいです」ビシッとムチがいいところを捉え痺れて動けなくなる天龍...
「んなこと言ったってよ~」「戦場でもっと恥ずかしいセリフをかっこつけて言うくせに演技すらできないなんて、これだから旧式は...。二軍落ちしますか?」
「やったらー!俺は戦場にいたいんだ!やってみせるさ!」

ちー・艤装ちゃん・長10ちゃん・妖精・明石・秋雲・神谷・忍・又吉で打ち合わせをしている。前回は妖精さんに負担がかかり過ぎたので、分担することでそれぞれのクオリティーを上げる。妖精さんと長10達は艤装ちゃんの上がお気に入りで艤装ちゃんの前で人型が話し合うというほほえましい光景。エンディングの制作風景カットのひとつになる。青葉が撮ったため普通は見ることができない妖精や忍たちも映し出され戦後この切り抜き拡大ポスターが映画製作者の間で話題になり、映画関係者の仕事場には当たり前のように飾られることとなる
「全ての種族が集い、映画を作成する。」その後のどの映画のスタッフロールにこれが使用されるのが当たり前となった。


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25話 プリキュア オールスターズep2 愛は全てを救う その1

待っていた方いないかも知れませんが推しのエースをやっと出せるぜ!その2で登場します。

時間がある方、ep1も是非お読み下さい!


「ヤラセル……モノカァ…!オチロッ!!」中枢棲姫の渾身の砲撃 

 

「ぐぐ…、長門型の装甲は伊達ではないよ。」大破で踏み止まる長門(とうとう私もプリキュアと共に戦えるぞ!萌えるッ!)@友情出演

「長門ッ!」山城が身体を支える

「大丈夫だ、全艦!アレをやるぞ!」皆に向かって吠える長門、ガコン!ガコン!と各自が主砲を展開する音が響く

「一斉射かッ…胸が熱いな!」額の血を拭いポーズを取る長門

「行くぞ、主砲一斉射!てーーッ!!」全艦による全主砲一斉射により波が大きく立ち、画面が激しく揺れる

 

「ソンナ…バカナ……シンジラレナイッ……」中枢棲姫の至る所から炎が立ち昇る…

 

「終わりだ、中枢棲姫。貴様は充分強かった、6人がかりでやっとだよ…」膝をつきそうになる長門をボロボロの神州丸が支える

 

「ソウカ…ウマレタ リユウヲ…ナシトゲタノダナ……。そうなのね……気持ち、わかる…」中枢棲姫は炎を纏ったまま艤装に支えられ海に歩いて向かってくる。

身体は浮かぶ事を許されず進む度に人間と同じように海に浸かっていく。

 

「終わりたくない…。やっと、分かったんだ…長門…あたし…は…」前に手を伸ばして沈みゆく中枢棲姫、艤装も共に沈んでいく。

中枢棲姫は沈みながら海面に手を伸ばす。「もっと…知りたいこと…が…あ…」画面が真っ暗になり長門のアップになる

「中枢棲姫よ、また会うことがあるのなら…共に戦う立場でいたいものだな…」

 

---同日宿毛湾泊地広場---

 

「クソッタレー!テンジョウを捕まえて来れば良かった…覚えていやがれ、プリキュア共!」オレスキーが肩を押さえながら捨て台詞を吐く

「オレスキー、ここまでよ。戻りましょう、プリキュア達!次こそ必ず!」サラトガ扮するシンドイーネ、声は勿論問題ない!

 

「ハァ、ハァ…。マカロンが出撃でいなかったのも大きいけど、どんどん厳しくなっていくわ…。」ゴーヤラブリー

「シンドイーネも加わって、本当ギリギリだったにゃ…」白雪コスモ

「…。」清霜ピースと秋津洲セレーネは地べたに伏している

「攻撃でお役に立たず申し訳ありません…。」春風エコーは女の子座りでへたり込んでいる。

駆逐艦達が駆け寄りプリキュア達を支え、本館へと連れて行く。

 

ここは宿毛湾泊地、日々深海悽艦と戦いつつオレスキー達とも戦う日本最後の砦。

 

---敵アジト---

 

「あと、一歩なんだがなー。」椅子で船を漕ぐオレスキー

「悪かったわね、行かなくて。あの方の命令で別行動していたわ。」ビスマルクテンジョウ

「あの方の頼みなら仕方ないわ、でも次3人で行けば勝てそうな所まで来てるわ」紅茶を嗜むシンドイーネ

 

「「チョイーー!」」チョイアークグループが何かを知らせに来た。「チョイ、チョイ…チョイー!」

「あ?何かが流れ着いただと?」オレスキーが腰を上げ移動する。アジトのある島の砂浜に中枢棲姫と艤装が横たわっている

「なんだよ、これ深海悽艦ってヤツだろ?死んでんじゃねーか。お前ら、適当なとこに捨てとけ!」と足で中枢棲姫の頭を蹴ると

 

「ううっ…」と呻き声をあげる中枢棲姫

 

「なんだよ生きてんのかよ、メンドクセーな。楽にしてやんよ、お前らに興味はね……待てよ?コイツ使えるな」何かを閃いたオレスキー

「おい!お前らー!コイツらを運べ、治療してやれ」チョイアーク達が駆け寄り中枢棲姫と艤装をアジト内に運んで行った。

 

---街中---

 

ゴーヤ「あーもう、最近本当キツいでち…」洋服を持ち上げる

しおい「ゴーヤは艦娘の仕事とプリキュアで大変だよね…あたし手伝えたら良いんだけど…」左手に付けた時計型の何かをさする

ゴーヤ「いいでち、いいでち。プリキュアの分、艦娘の仕事は大分減らしてもらってるでち、あ。これ可愛い!これにしよー!」服を持ってレジへと向かう

しおい「なんであたし変身できないんだろう…。」ガラケーをポッケから出し見つめながら1人呟く

 

旗風「春ねえさん、他に何か召し上がられますか?」喫茶店で春風とデザートを楽しむ旗風と春風

春風「大丈夫よ、これ以上食べたら太っちゃうわ。」ニコニコと微笑む

旗風(ああ、今日もお美しい…エコーとしても頑張られてるのに、私ときたら…)太腿に置いたピンクのウサギの様なモチーフが付いたスマホを撫でる

(どうして私は変身できないのですか…)

 

山城「不幸だわ…ラブリー達を手伝えなかったし、中枢棲姫にはボコボコにされるし…あぁ、本当に不幸だわ…。」レストランで食後のコーヒーをすする

神州丸「流石の山城殿でも二方面同時にはできないでありますよ…本官は山城殿は充分頑張られてると思いますよ。」バックに入れてある中心に青い宝石がセットされた白いコンパクトの様なものを横目で見る。(一体本官には何が足りないのでしょう、助けたい気持ちはいつも持ち合わせているのですが…)

山城「扶桑姉様とのデートを提督に要求するわ!お給料なんかより、そちらの方が全然良いわ!」

 

---泊地食堂---

 

清霜「うう、また伸びてしまったよ…。ピースサンダー連発するとどうしても力が…。」間宮羊羹の一切れを持ったまま落ち込む

秋津洲「私もかも…アローの連発はキツいかも…。でも、そんなこと言ってられる状況じゃないかも…」秋津洲も同じ状態

白雪「最近はとどめまでに至ることすらできなくなってしまいましたね。やっと勝てると思った時にシンドイーネが新たに現れて、そこからは毎回ギリギリの勝利ですね。」白雪も…

 

天津風はカウンターで1人羊羹を食べながら、カウンター越しに立つ間宮を見る。間宮も天津風を見て

間宮「私達のコレは何の為にあるのでしょう。変身もできない、ただ見ていることしかできないなんて…。」魔法のステッキの様なものを握り間宮は天津風に語る

天津風「そうね…コレは一体何のために私達のところへ来たのかしら…」ピンクの小さめのタブレットを手に持ち見つめる天津風

 

「「何が足りないのでしょう…」」変身できない新たなプリキュア達が心の中で呟いた

 

---敵アジト---

 

オレスキー「よう!お目覚めかい!お姫さまよ!」大きな筒型の培養液の様なものの中身に語りかける

中枢棲姫「…。」目を開きここがどこだかわからずキョロキョロする

オレスキー「今出してやる。」機械のボタンを押すと、筒型の中の液体が無くなって中身の乾燥が始まる。

オレスキー「そのままで良いから聞け、オレ様達の敵だ。」大きな写真を中枢棲姫に見せる。覚えのある艦娘達と派手な衣装を来た女が数人。

オレスキー「前はレインボージュエルというものを奪うのが目的だったが、今はコイツらを全滅させる指令に変わっている。貴様はオレ様達と一緒にコイツらの殲滅に協力させる。」

中枢棲姫「私は、私はもう…。」(また会うことがあるならば…共に戦う立場でいたいものだな…)長門の最後の言葉が頭の中に木霊する。

オレスキー「フン、貴様に拒否権はないッ!」オレスキーが胸のオレ勲章を取り天高く掲げる

「鏡に映る未来を最悪に変えろ!」中枢凄姫の体がガラスの棺に閉じ込められる。「カモーン!サイ・アーーク!」腕を振り下ろすと棺に特大の雷が落ちる

(いたたたたたたた!忍ちゃん強すぎだよー!)棺の中で耐える中枢凄姫。又吉も背後に落ちた雷の大きさにビビってる...(新作ドーナツがうますぎて加減しそこねたのぉ...さすがミスタードーナツ!)

だが、煙が晴れても棺はそのままでボロボロと崩れ落ち、キョトンと首を傾げた中枢凄姫が立っていた。

オレスキー「パワーアップしたオレ様の拘束が効かないだと...(アドリブ)。流石は深海の姫といったところか。仕方ない、テンジョウたちの所に行くか。おい貴様、ついて来い。」中枢凄姫はとりあえず何事もなかったかのようにオレスキーに着いて行った。(いたいいたいいたいぃぃぃ)

 

作戦ルームに入ったところで、テンジョウから大きな黒い宝石を渡される。

テンジョウ「あの方がそれをあんたに渡せってさ、あたしが苦労して取って来たんだ大事に使えよ。」オレスキーは受け取った宝石を高く掲げる。すると宝石から....

「我が名はフュージョン。全てを破壊し、世界を闇に染める。」 と声がする。驚くオレスキー・テンジョウ・シンドイーネ、オレスキーは急いでテーブルに宝石を置く。「あの方」の声が宝石から聞こえたのだ!

「オレスキーよ、宝石を取り貴様の力を宝石に注げ。」自分と同じ声の主の命に従い宝石に力を注ぐ。すると宝石が黒い煙に変わり、オレスキーに吸収されていった。

 

「ふむ、やはりこの男とは相性が良かったか。宝石に我が魂を映し我が肉体は消滅したが、これはこれで良いな。」そこには禍々しいオーラを放ち、黄色いカーキ色の軍服からグレーの軍服に変わったオレスキーことフュージョンがいた。

フュージョン「丁度いいところに兵隊もいるではないか。えーと、確かこんなんだったかな?」フュージョンが胸のオレ勲章を取り天高く掲げる

「鏡に映る未来を最悪に変えろ!」中枢凄姫と今度は艤装までもが棺に閉じ込められる、先程と違い中枢凄姫は瞳を閉じ手を前でクロスさせ赤いリボンに縛られている

「カモーン!サイ・アーーク!」腕を振り下ろすと棺に先程と同じレベルの特大の雷が落ちる、煙が晴れるとそこには...

 

「「サイ・アーーク!」」真っ赤なとんがりサングラスをして灰色のマフラーをした中枢凄姫と艤装が現れた

「よいよい、テンジョウ・シンドイーネ。世界を闇に染める時だ」「「はっ!」」膝をつき首を垂れるテンジョウとシンドイーネ、最強のサイアークを従えて遂にボスが動き出した。

 

---宿毛湾泊地大講堂----

 

横須賀提督(少将に昇進)「諸君!中枢凄姫の撃破見事だった。プリキュアの皆もオレスキーたちの侵略を良く防いでくれている。少なくとも深海相手ではしばらくは大人しいであろう、オレスキーたちの襲撃も不安ではあるが、ここはひとつ皆の慰安も兼ねて支えてくれている国民たちとの交流の場を設けたいと思う。今週末に「鹿屋瑞雲ランド」を貸し切ってあるので存分に羽を伸ばしてくれ、園内のモノは全て大本営持ちだ。応募してきた国民の中から抽選で当たった方たちも招待されている、良い対応を期待している。以上、解散!」

横須賀提督(友情出演):おいおい、本物の中枢凄姫ですよ、長門よ....。しかも、プリキュア演者達にめっちゃダメ出ししてるし...ねぇ、なんなの?なんなのここ?

長門「ご配慮承りました!感謝いたします!艦娘一同、全力で楽しみ、全力で国民とのふれあいに努めます!」お手本のような美しい敬礼の長門(あああ、本当にプリキュア映画に出たんだなぁ、私!ん?提督?うるさいよ、プリキュアの映画台無しにするなよ。後で考えよ、後でな。)

 

山城「扶桑姉さま!遊園地ですって!観覧車乗りましょう!メリーゴーランドも一緒に乗りましょう!コーヒーカップは苦手ですが姉さまが乗りたいとおっしゃったものは全てご一緒します!」(超早口)

扶桑「ふふ、山城ったらはしゃいじゃって可愛いわね。ふふふ」

ゴーヤ「こないだ買った新しい服を着ていくでち!楽しみでち!」

ハチ「はっちゃんも新しいメガネでいこうかなぁ!」

間宮「遊園地という歳ではないのよね...どうしようかしら。」顎に人差し指を当てて顔を傾ける

神谷「間宮殿!宜しければ自分と一緒に周っていただけませんでしょうか?」間宮に声をかける

間宮「あら、あの時の憲兵さんですよね?わたしでよろしければ是非♡」ここだけ何か別の映画みたいな雰囲気.....

 

---週末「鹿屋瑞雲ランド」----

 

艦娘の日向監修による様々なアトラクションに瑞雲要素が組み込まれた超大型テーマパーク

中でも人気なのが実物大の瑞雲に乗りまるで操縦体験のようなGがかかる瑞雲ジェットコースター「六三四空」若者たちの間で大人気、度胸試しによし、複座でカップル使用でも良し、軍事マニアにも良し。非の打ち所の無いアトラクションで常に長蛇の列ができている

 

「みんな、よく来たな。園長の日向だ。今日も一日楽しんでくれ、帰りにお土産を買うのを忘れるなよ」入場ゲートの所で繰り返しながれる音声アナウンス。ため口で迎えられるシステムは大いに受け客はよくここでビデオモードでスマホ撮影をしている。

 

艦娘達は全力ではしゃぎ、時折求められる握手や撮影にも快く応じとても賑わっている。そして今回の大目玉のアナウンスが流れる

「みんな、楽しんでいるか?園長の日向だ。今日一日限りの大目玉、プリキュアたちによるダンスショー午前の部が始まるぞ。すまないが親子連れ限定だ、大きいお友達にもいつか機会を作るから今日は我慢してくれたまえ、では良い瑞雲ライフを」大きいお友達たちの一部が、今の限定生アナウンスを見事にスマホに収め大喚起している横で手と膝を地面につき悔し涙を流している長門の姿も映っていた。(アドリブですよ...ね?長門さん?)

余談ではあるがこの映画放送の後、派遣艦娘とプリキュアの着ぐるみを来たダンサー達によるダンスショーや握手会は本当に行われることとなり、瑞雲ランドは前回の映画の余った利益で作られた福祉施設の予定だったが完全予約制になるほどの大盛況で、利益は全て軍の運営に回され結果的に国民の税金が下がる事にもなった、瑞雲ランドTOKYO/瑞雲ランドOSAKAの建設も急ピッチで行われた。

 

 

「君とイェイ!イェイ!イェイ!イェイ!笑って~」プリキュアたちによる一糸乱れぬダンスショーに握手会は子供たちに大好評で、退場時に泣く子供続出であった。子供は最高のエキストラです!(裏ではある曲でワンテンポ遅れた山城を舞風が説教していた)

 

「ヒトフタマルマル。みんなお昼の時間だぞ?今日のおすすめは瑞雲カレーだ、数量限定だから買えたお友達は皆にも分けてあげるんだぞ?」とアナウンスが流れるが....

 

「ガガ...キュイ....ガガガ...ピ----マイクチェック・マイクチェック、ワン・ツー!」突然、雑音と共に聞きなれた声に変わる

「良い子のみんなー!オレスキー参上!いまここからこの国を滅ぼしまーす!」おふざけ口調のオレスキーの声が響き渡り、メリーゴーランド付近から爆発音と悲鳴が聞こえる

 

「こちら日向、総員第一種戦闘配備。繰り返す、第一種戦闘配備。これは演習ではない、配備艦以外は国民の安全を確保に移れ」日向の張りつめた空気のアナウンスで、園内の艦娘が示し合わせたかのように一斉に動き出した。

 

清霜「みんな、行こう!」清霜の掛け声でプリキュア艦たちが駆け出す。メリーゴーランド付近に着くと、体から煙を上げて膝をついている長門と武蔵の姿があった...

長門「ちゅ、中枢凄姫....。生きていたのか、なのになんで...。」苦悶の表情を浮かべる長門

武蔵「私の砲が陸上とは言えここまで通らぬものなのか」額から血を流し、肩で息をする武蔵。

 

オレスキー?「ははは!話にならないなぁ大戦艦にビッグセブン。」メリーゴーランドの上で腕組みしながら見下ろす灰色軍服のオレスキー

メリーゴーランド前にはテンジョウ・艤装・中枢凄姫・シンドイーネがいて、中枢凄姫と艤装はサイアーク化している。園内の各所のスクリーンに映し出され、避難した艦娘と一般客が心配そうに見守る「艦娘のお姉ちゃんたち!がんばれー!」子供たちは必死に応援している

 

山城「そこまでよ!オレスキー!長門達、あとは私たちに任せて!キュアアラモード・デコレーション!」駆けつけたプリキュア艦たちは山城の声を皮切りに次々と変身していく。

「キュアマカロン!できあがり♡」

「世界に広がるビックな愛!キュアラブリー!」

「想いよ届け!キュアエコー」

「銀河に光る虹色のスペクトル!キュアコスモ」

「夜空に輝く!神秘の月明り。キュアセレーネ!」

「ぴかぴかぴかりん!じゃんけんぽん!(パー)キュアピース!」「負けたぁぁ」「ピース回はチョキじゃないのー?」「なんとぉぉぉ!」各所で悲鳴が起きる

 

オレスキー?「フン、ようやくお出ましか。まぁいい、じゃさよーならー」ダブルサイアークの砲撃に始まり、シンドイーネ・テンジョウの追加攻撃。ダメ押しにオレスキー?の手からプリキュアたちを丸ごと潰せる特大ハンマーのとどめスタンプにより、戦闘開始30秒で....

 

 

プリキュアたちは全滅した...。

 

 

 




6人がバラバラでもすっぽり入るハンマーを押し付けた跡
埋もれたまま動かないプリキュア
あまりのあっけなさに子供たちの応援が止まってしまう
即座に動く艦娘たち
プリキュアの証を持つ艦娘達も急いで駆けつけるが....


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26話 プリキュア オールスターズep2 愛は全てを救う その2

フュージョンとなり圧倒的な力で瞬殺されるプリキュアたち。

この世は闇に包まれてしまうのか

*この作品は艦隊これくしょんの2次創作です。はい。本編1話分より長くなってしまった。でもしょうがない、プリキュアですから。


動けない...声を発することもできない。みんなは無事なんだろうか?目を開いても所々アスファルトの混じった土の焦げ茶しか見えない。何だか疲れたな...。そんな事を考えていたら、誰かがわたしの体を持ち上げた...のかな?

 

「しっかりしろ!キュアピース!みんな辛うじて無事だ!」えーとこの人誰だっけ?確か艦娘のまy...ピースはそのまま意識を手放した。

摩耶「こちら摩耶、ピースは無事だが意識がない。日向!どうしたらいい?ぐあっ!」摩耶に中枢凄姫の砲弾が着弾し、何とかピースは庇うものの共に吹き飛ばされる。「クソが!」血だらけで何とか砲で反撃するも艤装サイアークが間に入り、ダメージを担当する。

 

「こちらヒューストン、ラブリーとコスモの回収に成功。中央広場まで下がります。援護お願いします!」ヒューストンとオレスキーたちの間に扶桑が入りダメージを引き受ける。「あまり持ちそうにありませんね...。ここまでとは。」

 

「はっはっは!弱い!弱い!弱すぎるぞぉ!」オレスキー?が行く手を阻む村雨と秋雲をひと薙ぎで吹き飛ばす。右手を天にかざし

「確かこんな感じだったかな?ピースサンダー...」雷がオレスキー?の掲げた手に落ちて帯電する。

「ハリケーーーン!」片腕から両手のピース並みの雷が艦娘達を吹き飛ばし、立っている艦娘はいなくなってしまった。「プリキュアたちはどこかな?とどめを刺して終わりにしよう。ははは、愉快!愉快!」スクリーンに勝ち誇るオレスキー?が映る

 

「艦娘のお姉ちゃんたちぃ...ヒック」「ふえええん、プリキュアが、プリキュアが」「うわーーん!怖いよぉ」「がんばえー!がんばえー!」子供たちの悲痛な訴えが各所で木霊する。避難所のしおいはガラケーを握りしめる。「こんな状況でもまだ変身できないの...なんで、なんでなの?みんなを守りたい、あたしに力を貸してよ!」叫びに答える者は何もなく各所を砲撃するオレスキー?達の進軍の音だけが聞こえた...。

 

---園内の大広場---

 

避難所がすぐ近くにあり、これ以上は絶対下がれない。意識を取り戻したプリキュアたちが、足を震えさせながらも手を両膝に置いて立ち上がる。

ラブリー「私たちはプリキュアなんだ!こんな所で負けるわけには行かないんだ!」

コスモ「でも正直打つ手がないにゃ」

マカロン「悔しいけどコスモの言う通りだわ、せめてみんなを逃がす時間だけでも何とか稼ぎましょう」

全員が頷き、体制を整えたところで中枢サイアークと艤装サイアークが飛んで来て地面を大きく揺らしながら着地する。「「サイ・アーーーク!」」覚悟を決めるプリキュアたち。するとプリキュアたちの前に小さな少女が両手を広げプリキュアたちを庇う。

 

「ぷりきゅあたちをいじめるなー!」「あーちゃん!戻ってダメ!」「お母さんはここに!私が行きます!」萩風が勢いよく飛び出し女の子を抱きかかえサイアークたちに背を向けて庇う。スクリーンに萩風に砲を向けて撃たんとするサイアーク、プリキュア達が一斉に攻撃を仕掛ける

萩風「あたしだってみんなを守る!でもプリキュアになりたい...プリキュアになってあんな奴らなんかやっつけてやりたい。この子を、みんなを守るためにもあたしは...あたしは!」

 

「プリキュアになりたいんだ!」

 

スクリーンに子供を抱えて泣き、叫ぶ萩風の姿が映ると同時に萩風の体が光り出す。「「萩風(さん)!」」プリキュアのアイテムを持つ艦娘たちが叫ぶ。子供が響によって母親の元へ行き、萩風の前にはバレーボール位の光の玉。光の玉が弾けると、ピンクの長方形の機械のようなモノと緑色に輝く宝石が萩風の手に落ちる。

「うん、分かったよ。妖精さんありがとう。」萩風は涙を拭いて立ち上がると、プリキュアたちがサイアークたちに弾かれ萩風の後ろに着地する、萩風は機械をサイアークに突き出し「私も戦う!」と宝石を右手で掲げ、左手で機械のふたを開く。中にはスティックと緑色の小さな画面があった。

 

「キュアップ ラパパ!エメラルド!」宝石をはめ、スティックに持ち替え大きく腕を回して円を描く。「フェリーチェファンファン、フラワーレ!」画面にスティックで筆記体のFの文字を書く

 

「あまねく命に祝福を...ふっ。キュアフェリーチェ!」ピンク色の大きな三つ編みを二つに分け、衣装の至る所に花の絵柄がつき花の精をイメージさせる姿となった。

 

エコー「キュア...フェリーチェ」

セレーネ「一人とは言え、増援は心強いです!」

 

「ところが、ギッチョン!」空からオレスキー?シンドイーネ・テンジョウが舞い降りサイアークの後ろに着く。「一人増えたところでオレ様の前では意味がないぜ」腕組みして余裕の表情である

 

 

「「一人なんかじゃない!」」「あーーん?」声のする方へオレスキー?だけでなく皆振り向く。プリキュアたちの右側に集う5人の艦娘

 

しおい「私たちは勘違いしていたの」

旗風「ある日妖精から受け取った変身アイテムをもらい...」

間宮「アイテムさえあればいつでも変身できると思ってた。」

神州丸「皆を守りたい気持ちは常にありました。」

天津風「でも、それだけではなれなかったの、そして萩風が教えてくれた。」

 

「「エコー!私たちもプリキュアになりたい!この想いを届けて!」」5人がそれぞれのアイテムをかざす。

エコー「皆さんの想い、確かに受け止めました。私は届けます、この想いを!想いよ...とどけ!」エコーから飛び出した光が5人のアイテムへと吸収されていく

 

しおい「プリキュア!メタモルフォーゼ!」ガラケーを掲げると光の粒子がしおいを包む

「弾けるレモンの香り!キュアレモネード!」金髪クロワッサン、最強チェーンのプリキュア

 

旗風「プリキュア!ラブリンク!L O V E」スマホ型アイテムにキューピットの弓矢のアイテムをはめる

「みなぎる愛!キュアハート!愛を無くした悲しい深海さん。あなたのドキドキ、このキュアハートが取り戻してあげる!」マトリックス体術の使い手

 

間宮「キュアップ ラパパ!ルビー!」今回は特別に一人で変身だ!髪は紫、服は赤のルビースタイル

「二人の魔法!キュアマジカル」おっぱいが...ついにマジカルが報われる時が来たのです!

 

神州丸「プリキュア!モジュレーション!」青い宝石妖精が加わった白のコンパクトをト音記号マークになぞる

「つま弾くは魂の調べ!キュアビート!」紫髪に青い衣装の超美人お姉さんプリキュア

 

天津風「未来クリスタル!ハート...きらっと!」ピンクのタブレットにクリスタルを埋め込みハート型に変形させる

「輝く未来を~抱きしめて!みんな輝け、力のプリキュア!キュアエトワール!」お姉さんプリキュアNO1のまな板!どこがまな板かはひみつだ!

 

 

オレスキー?「倍に増えようが結果は変わらん!今日がプリキュアの命日だッ!やれーー!」サイアークたちが砲撃準備に入り、シンドイーネ達が飛びかかり、オレスキー?が特大ハンマーを用意した。先程30秒で全員やられた最強コンビネーションだ!

 

マジカル「フェリーチェ!お願い、続いて!キュアップラパパ!」マジカルのステッキから大きな炎の玉が生み出され、フェリーチェの起こした風によって炎の竜巻となってサイアークたちを襲う。「アツイ...アツイ!あの時と同ジダ...」長門達との対戦を思い出し動揺する中枢サイアークと艤装

ビート「ビートソニック!」ギターを奏で発生させた複数の矢がシンドイーネに飛んでいく、動きの止まったところを...蹴る・蹴る・蹴る・蹴る

エトワール「フレッ!フレッ!ハートスター!」星形の光でテンジョウを拘束する

レモネード「プリキュア!」ジャラッ!「プリズムチェーン!!」金色の二本の鎖でオレスキー?の特大ハンマーと腕を拘束。ねじ切ることもできr「ハート!」

ハート「OK!プリキュア!ハートシュート!」ラブリーアローでオレスキー?の動きを一瞬だけ止める「無駄!無駄!無駄ぁ!!」チェーンを振りほどき、ハートの拘束も解くが

オレスキー?「んん?」目の前にいつの間にか来たハートが、体を頭が地面に着きそうなくらい仰け反らし両手を交互になびかせバランスを取ってる、まるでスローモーションの様にのろk....

 

[げぶふぅ...」ハートの高速かち上げ蹴りがオレスキー?の鳩尾に入り、ハンマーが消失してその場でうずくまってしまう。ラスボスが成層圏まで飛ばされるマトッリクスキック。逆にその場に留まるオレスキー?の異常な強さが証明された瞬間でもあった。(良いとこ入れすぎだ旗風ぇ!倒れちまう…神谷ッ!)「今のは少し効いたぞ!プリキュア!」虚勢を張りハートを掴もうとする素振りを見せるが前に出られない。

 

「吸血鬼〜パンチ!」ハートの影から白い天使姿の忍がオレスキー?にアッパーをかましちょっと電気を流す。「グアっ!おのれぇ!」(ナイス忍さん、助かった!)電気で身体が覚醒し仰けぞらせた。攻勢に転じたプリキュア達をみて子供たちに元気がみなぎる。「「プリキュアー!がんばれー!」」

響に連れられた勇気ある女の子が長門を労る「艦娘のお姉ちゃんたちもありがとう!痛いの痛いの飛んでけー!」長門充電120%!「ここで、何もできなかったらビッグセブンの名が泣くな…武蔵ッ!」

「あぁ、日本の象徴大和型の意地。ここで見せよう」武蔵が立ち上がる

 

ピース「コスモ!セレーネ!ビートとエトワールを援護して!ラブリーはサイアーク達に火の援護をマカロンはみんなの攻撃の後に敵を一か所に縛り上げて!」ピースが皆を奮い立たせる…

「今はいないけど、こんなピンチの時こそハッピーなら!」ガニ股になるピース

ピースの指示を受け加勢に加わるプリキュア達

シンドイーネ「もう、本当鬱陶しいわね!」コスモとビートの攻撃を防ぎながら徐々に下がらせられる。

テンジョウ「こうもやられては団扇が振れないじゃない!」エトワールとセレーネの攻撃でシンドイーネ同様下がり始める

サイアーク中枢「火は、火ハいつだったか覚エガ…何だっケ。」砲撃をしながらフェリーチェ達に迫ろうとする「プリキュア!パッション・ダイナマイッ!」フェリーチェたちに手が届きそうなところでラブリーのカウンターが入り吹き飛ばされるサイアーク達。「爆発…そう、爆発でワタシハ…」

 

長門「全艦準備はいいか!砲撃用意!」女の子を腕に抱えた長門が吠える、一列に並んだ大型艦達の主砲が大きな可動音を響かせる

マカロン「今ね!プリキュア!マカロンジュリエンヌ!」クリームでできた様な大型マカロンのヨーヨーでオレスキー?達をひとまとめに縛り上げる!「ピース!!」

 

ピース「気合だ!気合だ!気合だーー!」ガニ股で拳を握り上下させるピース(ハッピー!みんな力を貸して!)

「「がんばれー!プリキュアー!」」村雨達も子供達と共に応援する

「プリキュア!」天に伸ばした右手のピースサインに雷が落ち、ピースの表情がさらに険しくなり「プリキュア!」今度は腕を入れ替えて左手に雷が落ちた。全身帯電状態で体から煙が出てピースが苦しそうな表情を浮かべるも…

 

「ダブルピースサンダー…」煙を上げながら両手を広げて高速回転するピース

 

「行くぞ、主砲一斉射!てーーッ!」

「ハリケーーーン!!」

 

ひとまとめにされたオレスキー?達に一斉砲撃と超特大雷の合わせ技が迫る

(ちー!カバー頼むぞ!サラ・ビス、耐え抜くぞ!!)腹に力を込める又吉達、隕石墜落はこうなのではないかと思わざるを得ない凄まじい衝撃で大きな土煙が上がる…煙が晴れるとシンドイーネとテンジョウは地に伏し、サイアーク達は大の字で天を仰ぎ、オレスキー?が膝を降り辛うじて体を起こしている。

 

オレスキー?「…。」

武蔵「手応えは充分だった!」

マカロン「ピース!よく頑張ったわ!」マカロンがピースに肩を貸して立たせる

 

中枢棲姫「私は…?あれ?ここは?」赤いサングラスが取れ身体を起こす中枢棲姫と艤装

ビート「まだ立てるのか!深海悽艦には艦娘達の攻撃のみしか効いてないの?」構えを取るビートを押し退け長門が腕組みして立ち塞がる

長門「中枢棲姫!来いッ!貴様の力を貸せ!」長門の喝で身体をビクッと跳ね上げた中枢棲姫は「は、ハイッ!」と素っ頓狂な声を上げて艤装と共に長門に駆け寄り共にオレスキー?達に構えを取る

長門「貴様と共闘なんて、胸がアツイな…」

中枢棲姫「ええ、私自身も驚きだわ」

長門「プリキュア達!もう一度仕掛けるぞ!手を貸してくれ!」

プリキュア達「「もちろん!」」

 

オレスキー?から銀色の触手が4本伸びてシンドイーネ・テンジョウ・艤装を掴み、中枢棲姫にも手が迫った時…長門が庇う「ぐっ…!」

中枢棲姫「長門!何で!!」中枢棲姫が長門に手を伸ばすが長門は手に引っ張られ離れて行く

長門「ビッグセブンとは仲間を盾に砲撃をする者には務まらぬ、私ごと撃て!」腕組みしてキメ顔のままシンドイーネ達と共にオレスキー?に吸収されてしまった。

 

オレスキー?「我が名はフュージョン。全てを破壊し、真っ暗な世界に…」オレスキー?の体が黒い球体になり、銀色のラバースーツを着た様な姿に変わる

 

フュージョン「見事だ、プリキュア。そして艦娘達。だが強すぎるというのも考えものだな、一度は身体を失った私だがその膨大なエネルギーを得て再び真の姿に戻れるとはな…その点は感謝しよう」その圧倒的なオーラに言葉を失うプリキュアたち

 

中枢棲姫「ああ、艤装ちゃん、長門ぉ…」その場にへたり込んで泣き崩れる中枢棲姫

フュージョン「フン、貴様も取り込む予定だったがコイツはコイツで良いものを得た。」フュージョンの左手が長門の主砲に変わり中枢棲姫を撃ち抜く…

中枢棲姫「ぐはっ!」胸に穴が開き大きく吹き飛ばされる。あの少女が駆け寄る「深海のお姉ちゃん!」

 

フュージョン「深海には私の攻撃は効かなかったからな、コレは良い」吹き飛ばされた中枢棲姫を見てプリキュア達が一斉に飛びかかる。

マジカル「キュアップラパパ!サファイア!」モードチェンジしたマジカルがそのまま攻撃を繰り出す。「これでもくらいなさい!キュアップラパパ!」地面から出た氷のトゲがフュージョンに突き刺さる

「これは初めて食らうな、だが理解した。キュアップラパパ!」フュージョンが突き刺さったままマジカルに左手を向けると氷のトゲがマジカルを襲う。

エコー「やらせません!」回転して髪の毛を振り回してトゲを弾く

フュージョン「ではこれは防げるかな?プリキュア!パッションダイナマイト!」氷のトゲを砕きその場で踊るフュージョン、エコーとマジカルを爆発が襲う

ラブリー「私の技が!」フュージョン「よそ見はいけないなぁ」…ラブリーの前で片足で身体を支えながら地面スレスレの仰向けになり…ハート「ラブリー!防御して!」ハートの掛け声と同時にフュージョンの蹴りが繰り出されラブリーが天高く飛んでいく。フェリーチェ「キュアップラパパ!」ステッキをラブリーに向け魔法を使いラブリーがフェリーチェの胸に収まり。

フュージョン「お見通しでーす」いつのまにか目の前に立つフュージョンから「プリキュア!プリズムチェーン!」銀色の鎖がフェリーチェ達を包みハンマー投げの様に振り回されてプリキュアの集団に投げ捨てる…皆で支えたところに

フュージョン「これは私のオリジナルだ」右手を上げて落とす仕草をすると、いつのまにか上空にあった巨大ハンマーがプリキュア達に打ち下ろされた。

 

再び地面に伏すプリキュア達…。各々が歯を食いしばり足を震わせながら立ち上がる…「ハハハ!がんばれープリキュア!って感じかなぁ!次は…よし、とりあえず全員立ち上がるまで待ってよう」武蔵達も砲を構えるが通用する気配を全く感じず拳を握りしめる…

ハート「何度だって立ち上がって見せる!」全員が立ちボロボロの姿で構えを取る

フュージョン「はい、全員揃うまで3分かかりましたのでお仕置きです!」両手を広げて前に突き出す。「プリキュア〜がんばれぇ〜ハハハハッ!」フュージョンはふざけながら両手の間隔を開ける、右手はプリキュア達、左手は…中枢棲姫と少女に「プリキュア!セレーネアロー!プリキュア!ビートソニック!」右手のアローはプリキュア達へ、左手のビートの矢は少女に!プリキュア達は動けない!

プリキュア達は三度地に散らばり、穴の空いた体で少女を抱えて守る中枢棲姫の前には武蔵達艦娘が全員地に転がっている

 

武蔵「中枢棲姫、その子を抱えて逃げろ…」息絶え絶えに話し気を失う

フュージョン「ほら!プリキュア!頑張れ!頑張れ!」手を叩きながら煽るフュージョン

屈辱の手拍子を受け立ち上がるプリキュア達、「な、何度だってワタシたち…は」子供たちのすすり泣く声が聞こえる「ぷりきゅあ〜」

中枢棲姫「せめてこの子だけでも逃がさないと…」穴の空いた胸を押さえ「小さなプリキュアさん、お母さんの所に行かなさい。ここは私が守るから…」立ち上がり少女を手で追いやるが少女は中枢棲姫の足にしがみつく「あたしもたたかうよ!いっしょにがんばろうよ!」ベソをかきながら少女は言う

 

中枢棲姫「深海悽艦の姫の私が人間を守りたいだなんて…ちょっと笑っちゃうわね。ありがとう、小さなプリキュアさん…。」少女のおでこに手をかざすと少女は意識を手放す「おねいちゃ…ん」。「そこの駆逐艦!この子を!」呼ばれた照月が少女を抱き、中枢棲姫に包みを渡す。

照月「これ、あたしのおとっときのおにぎり!食べて少しでも力をつけて、姫さん!」包みを開けると美しい三角形の麦飯おにぎりがあった。一口で飲み込む中枢棲姫、美味しい…。力が湧いてくるわ、なんて優しい味なのでしょう。ポワッと体が光に包まれる

 

中枢棲姫「長門、あなたごと撃つわ!そして救ってみせる。殺す力じゃない、倒し救う力…おそらく人が愛と呼ぶ力!人間の少女と艦娘の願いが深海悽艦である私の

中でひとつになる」光がドンドン強くなる

フュージョン「おうおう、期待してるぜ穴あきさんよぉ!ちゃんと立ってろよー。プリキュア!ピースサンダーハリケーーーン!」雷の柱が中枢棲姫に迫り全身に火が灯り煙が噴き出すが倒れない中枢棲姫

 

中枢棲姫「みんな、あたしは深海悽艦だけど今はみんなを守りたいの!力を頂戴!」スクリーンに大アップになる中枢棲姫、妖精さんのカメラワークは痺れます

「姫ー!がんばれー!」ちょっとエッチな雰囲気の中破有明が叫ぶ!誘い受けなんかじゃない!有明に続き、避難所を守る艦娘や子供達も叫ぶ

 

「「姫!頑張れー!」」

 

ハート「あたし達も負けてらんないよ!」プリキュア達の目にも光が灯る!

中枢棲姫「声だけなのに、暖かい…。なんだろうこの気持ち。そうか、私は1人じゃないんだ。深海悽艦なのにみんなが応援してくれている。人と艦娘と深海悽艦を私がひとに繋ぐ!この気持ち、これが」眩しく光る中枢棲姫に反応してフュージョンのお腹も光る。フュージョンのお腹から光に包まれた艤装ちゃんの顔が出てくる

フュージョン「な、なんだコイツ!戻れ!」

中枢棲姫「艤装ちゃんは私の一部よ、私が愛に目覚めれば艤装ちゃんも愛に目覚めるの!」艤装ちゃんが中枢棲姫の言葉でフュージョンから抜け出し上空に留まり光に包まれた…

 

「きゅぴらっぱー!」ピンク頭で背中に羽の生えた赤ん坊の姿に変わり、胸のペンダントから光が中枢棲姫に伸びAの文字が入ったコンパクトが中枢棲姫の前に浮かぶ。コンパクトを開け中枢棲姫が叫ぶ

 

「プリキュア!ドレスアップ!」コンパクト内のライナーを使いピンクのアイラインをまぶたに引く、赤い光に包まれその中から現れる中枢棲姫

「愛の切り札、キュアエース!美しさは正義の証。ウインクひとつであなたの心、射抜いて差し上げますわ!」白い衣装に真紅の髪、美しき愛(おっぱい)の戦士の登場だ!

 

ハート「キュア…エース?深海悽艦さんが!エースぅぅぅ?」慌てふためくドキドキプリキュアチームメイトのキュアハート、そりゃ驚きだ。だっておっぱいデカイし!

 

エース「しっかりなさい!プリキュア達!それともだだのコスプレ集団かしら?だったら私が倒して差し上げますからどうぞお休みになっていてよろしくてよ?あいちゃん!」

艤装ちゃんことあいちゃん「きゅぴらっぱー!」あいちゃんの周りに浮かぶ大量の小さなアイテムが光の帯を発しながら園内のみんなに届く。妖精さんが見えない子供たちにとっては本当に魔法を使われているかのようで、皆キラキラしながらその配られたアイテムを手に取る。

 

浦風「これは96式ミラクル探照灯じゃけぇ!」「みんなーこのミラクル探照灯にプリキュアへの応援を込めて振るけぇ!」

北上「プリキュアー!頑張れぇ!」北上の一段と大きな声につられて、子供たちも探照灯を振りながら「がんばれー!」と叫ぶ。探照灯が輝きだしプリキュア達をそれぞれ包み込む。

 

マカロン「新入りに偉そうにされるのはごめんよ!みんな行くわよ!」マカロンの喝で最後の力を振り絞るプリキュア達

 

「「プリキュア!」」各プリキュアが自分のモチーフアイテムを天に掲げ叫ぶ!天に向かい自分たちの色のオーラが高く立ち昇る

「させるかぁーー!」プリキュアたちに巨大ハンマーを振り下ろそうとするフュージョン

エースリップで虹色の口紅を引く「ときめきなさい!エースショット!!」エースの目の前に体より大きな虹色のハートが出現する

「ばきゅ~ん♡」虹色のビームがフュージョンの動きを止める「エコー今よ!!」

エコー「はい!想いよ、ここに!みんなの想いよあなたにとどけ!!」プリキュアが纏っていた探照灯からの光がフュージョンを包み込みハート型を形成する

フュージョン「ぐぐっ、なんだこの暖かさは....。はっ!」プリキュア達から伸びたカラフルな光が今、目の前で一つになる

 

プリキュアたち「「ミラクル・レインボー」」大きな太い虹となった光がフュージョンに差し掛かる「やめろぉぉぉぉぉおおお!」

「「バーストーーー!」」ハートと虹が接触して、更なる輝きを放ち光の粒子が天に昇っていく.....。

フュージョンのいた所にはオレスキー・テンジョウ・シンドイーネ、そして長門が倒れている

 

オレスキーがいち早く体を起こす「んんん?何でオレ様はここに倒れているんだ...あ!プリキュア!貴様ら増え過ぎだぞ!!テンジョウ!シンドイーネ!起きろ!」オレスキーは二人を蹴り飛ばして起こす。

シンドイーネ「もう、何よ!....あれ?フュージョン様は?」辺りをキョロキョロ見渡す。

テンジョウ「痛ったぁ~!え!?更に赤いのも増えてるじゃない!あんたたち虫か!逃げるよ!!」団扇を大きく仰ぎ竜巻を起こしていなくなった。

 

ひとり倒れている長門を抱きかかえるキュアエース。長門が「うーん...。」と目を開ける

エース「お目覚めかしら?お姫様。」長門を優しく見つめる

長門「新しいプリキュアか...すまんな。.....んん?おまえは.....」寝ぼけ眼でエースを見つめ返す。

エース「ふふふ、わたし中枢凄姫よ?どう?おどろいたかしら?」ニコニコと微笑む

長門「ああ....いや、お前ならあり得るだろうなって思った。」目を伏せ、体をはたきながらたちあがり「さ、おまえも行こうか。小さなプリキュア達をほめなきゃならん。手伝ってくれ」長門はエースに右手を差しだす。

エース「ええ、よろしくってよ。」目を伏せその手を取るキュアエース。

 

2人の手が重なったところで画面が暗くなる。~テンテケテケテケテン♪

「き・み・と、手と手つないだら。もう友達だよ♪」

 

スタッフロールで制作現場の映像が流れる。全種族立ち話会議の画像の後に手をつなぐ長門とエースのバックショットで締めくくられた。

 

 

 




やりました、後悔はしていません。

以下一部後日談

港湾「母サマ、中枢凄姫ノ消息が判明シマシタ」
妖精「へー、どこだい?何考えてるんだか...」
港湾「映画二出演してプリキュアとイウ個体二進化シタヨウデス」

妖精「は?」

2週間後、宿毛湾に中枢凄姫の軍勢100数十体が主人を求めやってきた。

~上映後数日経過~

「なぁ、秋雲。ちーのヤツ駆逐艦たちに頼まれてるからずっとエースの姿じゃん?衣装は普通の服だけど、人型部分が。」又吉が執務室でソファーに寝ころびながら、原稿仕上げ中の秋雲に話しかける
「あーうん。」手元が忙しくて適当に返事する秋雲
「でさぁ、あいつエースの姿のまま、夜をもとm...「提督!それ以上はイケないッ!」
「世の中には敵に回しちゃいけない方々がいるんだ、その件は絶対人に語っちゃだめだからね!」秋雲の剣幕に、無言でコクコクと頷く又吉だった。

---大本営---

元帥「ずいぶんと良くできた特殊メイクだな。本物の中枢凄姫みたいだ。映画出演ご苦労、楽しく観れたぞ。また海軍の評価上がりそうだな、素晴らしかったぞ」
横須賀提督「お褒めいただき光栄です、上映後のイベントも盛り上げ国民には戦争中という悲壮感を感じさせないよう努めます(言えない。絶対に本物の中枢凄姫だなんて言えない......。)」


そしてep1を超える大ヒットとなり、瑞雲ランドともに空前絶後の大盛況となる。もう、ほとんどの国民が観たのではなかろうか?前回は興味なかったが今回でハマった人たちのためにep1が1/3の価格でリバイバル上映されることにもなった。


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27話 そして…

最後の戦い前の最後の息抜きです。ウェーク島作戦から5ヶ月、又吉着任1年ちょいが最終決戦の日となります。


「で?本当にいいわけ?」執務室の1人用ソファーで足を組みソファーの背に肘を乗せて頬杖をつく、ちーこと中枢棲姫(見た目はキュアエース)

「アア、ワレラハヒメニヨッテ産ミ出サレタ配下ダシ、コッチ強イヤツイツパイダシ」目の前にいるのは中枢棲姫下のレ級、巻雲に喧嘩を売り胸から下は消し飛ばされ急いで入渠させられて、出てきた所をまたぶん殴られて顔がボコボコである

プリキュア上映から2週間後、姫艦隊150余りが宿毛湾周辺に現れ配下に入れろと交渉?というか押しかけてきた。代表で来たレ級とヲ級フラ改、レ級は巻雲の姿を見て「姫の配下にふさわしかどうか見てやる」と喧嘩を売り今に至る。ヲ級は結構理知的で姫の世話をしていたこともあり言葉も流暢だ。

「分かってんのか?こちらでアタシ達が勝って母様が消えれば我らも消えるんだぞ?」ため息を吐きながら投げやりに言う

「姫、それはあちらに付いてても同じこと。であれば我々は最後の時まで姫と共にありたいのですよ。」ヲ級が良い姿勢で紅茶を飲みながら言う。

「又吉様〜、どうしたら良いかしら?巻雲ちゃん相手だからこんなんだけどこの子達結構やるよ?」長いソファーで扶桑に膝枕されている又吉に振る

「んー、じゃあ最後の戦いの時に天津風たちと共にラバウル守ってくれね?コイツらが居ればかなりの艦娘をブルネイ・タウイに出撃させられるし、俺様としては大助かりだぜ?ヲ級ちゃん可愛いし」寝たまま答える

「もう!ヲ級ばっかり見て!わたしを見てよ!」ぷりぷり中枢棲姫

「姫の今のお姿に又吉様は照れているのですよ」「だよね!だよね!又吉様ったら、この姿で夜n「ストーーーップ!その先はダメ、絶対!」」青葉が執務室のドアを開けて叫んで去っていった…

「な、何だったのかしら.」目をパチクリさせるちー

「では、又吉様。我々はラバウルで待機しております、最終決戦の際には姫の領域展開を許可頂けると我々の力も存分に発揮できます。ご検討頂きたいです。」できる秘書ヲ級、レ級はお菓子に夢中だ

「許可する、悪いけど消えるその時までラバウルを頼んでいいか?」帽子を深く被り視線を隠す又吉

「又吉様、私はもう充分に生(性)を堪能しました。これを知らぬ他の幹部達に同情できるくらいに♡そういう意味では母様には頭が上がりませんが、夫のなす事を支えるのが妻だと聞きます。どうかお気になさらず、あ…ですが部下達にも楽しんでもらいたいので決戦まで交代で泊地に通わせていいかしら?アンドレのお菓子は絶品ですし、レ級は扶桑や長波達にもサンドバッグにしていただいて結構ですし!」

「オ!ナラ、テンシノカタヨクノ香取トモヤレルノカ!ムネガアツイナ!」はしゃぐレ級

「そこはヤラレルですよ、レ級。又吉様、私からもお願いしたいです。姫様の体験を部下達にも…」できる女ヲ級

「OK、お安い御用さ。杏に話しは通しとく、先に巻雲達とラバウルへ行っといてくれ。そのあと俺と杏が交代だ。」ピンク妖精が消えるまでの共闘参戦。おふざけを余りしないのは又吉なりの感謝で、ちーとヲ級は少し嬉しくなった。

「提督…。」扶桑が意味深な提督呼びをする

「ああ、わかってるよ、ちーそれにヲ級。聞きたい事がある。妖精を倒して消える者の中にドロップ艦は含まれるか?」扶桑から起き上がり尋ねる

「ドロップ?ああ、堕天艦ですね。はい、おそらくではありますが消えると思います。始まりの5人と呼ばれるそちらの駆逐艦と建造艦は分かりませんが、我々から顕現した者はおそらく消えます。」スラスラとヲ級が答える

「提督、気になさらないでください。ちーちゃんが言ったように世を充分堪能しました。他のどのサラトガよりも私が1番だと胸を張って逝けますよ」執務机のサラトガがニコニコと語り。「サラトガさんに言われてしまいました♡」と扶桑も続く、2人ともドロップ艦だ。

「…。」又吉は無言で扶桑の太ももに再び頭を預けて寝息を立てた。

「わたくしたちは、本当に幸せなんですよ。」扶桑がそっと又吉の帽子を取り頭を撫で続けた…。

 

1ヶ月後ラバウル

「宿毛デストロイや〜ず・宿毛クラッシャーズ合同会議中」の貼り紙

 

秋雲「議長!思ったんだけどここラバウルでメンバーも増えたから宿毛を取って又吉にすれば良いんじゃないか?」

大淀「なるほど、それは盲点でしたね…今日から名乗りを変えましょう。各所にも打診しておきますね。私達の名は交流演習で有名になりすぎましたので」ロケラン担いでない久しぶりの秘書風大淀

レ級「なーなー!早く新しい演習リスト頂戴よ!もうそろそろ勝ちたいよ?流石に!」ほとんど海に帰らずとうとう部屋まで与えられ言葉も上達したレ級。所属はクラッシャーズの方だ。

北上「いや、もうサシだと勝てないからね。敵で無くて本当に良かったよ」

レ級「ダメダメ!香取と長波と巻雲さんからその言葉聞けるまではダメ!慢心ヨクナイよ?」戦いに関しては本当にエリート

磯風「あの方達に関してはな…対空ならお墨付きをもらえたが…」

有明「私はそろそろ名前で呼ばれたい…なんであたしだけ「誘い受け女」なんだよぉ…」肩を落とす有明、ちゃんと強くなってるが周りが悪い

村雨「良いじゃない有明。あたしなんか痴女だよ?痴女!失礼しちゃうわ」今日もすごいの付けてる村雨さん

大淀「コホン!そこまでにしましょう。最終決戦は香取さんと巻雲さんはこちらですが、ラバウルの殆どがジョンストン行きです。杏さんとみっちゃんの護衛は強くなったとは言え横須賀や大湊では物足りません、こちらに是非欲しいところですがまずは妖精だけでもやっつけなければいけません」

鳥海「ちーちゃん級の幹部が少なくとも6体はいるとの事ですし、あちらもこちらの手を借りたいくらいでしょう。亜種レ級は神通達で何とかなりますが幹部クラスはやはりラバウル艦でないとね…」

レ級「それは正し判断だ。巻雲さんら3人はサシで幹部やれるけど、扶桑達だと丁度互角だと思う。逆に言えば、ラバウル第一、第二艦隊のメンバーが複数で当たれば絶対勝てると言うことさ。むしろあちらが大慌てだろ、母様に関しては私らクラスでは会えなかったから分からない」

大淀「鳥海・神鷹・龍田・天津風・旗風・松輪がちーちゃん達とラバウル担当です。深海さん達との連携に励んで下さい。それ以外の方は全て出撃です、ブルネイ大隊長は巻雲、副官レ級。タウイ大隊長は香取、副官霧島。どちらに配属されるかは分かりませんので宿毛・ラバウル・呼び出された方々の連携訓練を決戦まで行います。レ級ちゃん、副官は巻雲ちゃんの推薦だからね!」ウインク大淀

レ級「…。」その場で泣き出すレ級、嬉し泣きだ。

 

準備万端になっていく

 

 

 

決戦ひと月前、又吉宿毛着任から役1年チョイ---通信会議---

 

元帥「では、ひと月後最後の戦いとなるであろう。作戦名はMI/HA作戦とする。」折笠、横須賀、大湊を除く幹部にはブルネイ・タウイのことは知らせてない

元帥「我々がミッドウェーを攻めつつ本拠地とされるジョンストン島を落とす、米軍は全戦力をハワイに向かわせ挟み撃ちの形だ。全鎮守府・泊地・基地は最低限の戦力を残しウェーク島に集え、現地で決起集会などは行わぬ。揃った時点で昼夜を問わず作戦開始とする、編成等の資料は1週間以内に提出しろ。最後まで鍛錬を怠るな、以上。通信終わる」

 

グループ通信(ラバウルには又吉、宿毛湾には杏がこっそり入れ替わり後)

 

又吉「見たか?タウイとブルネイの奴らの顔」

横須賀「はい。一見普通でしたが、画面を見ていた長門が気味が悪いと…。」

大湊「こちらの金剛も同じことを言っておりました」

杏「長波が「もう人じゃない」って言ってました…」

又吉「そういうことだ。お前ら、杏と緑川を何としてでも万全の状態でジョンストンに向かわせてくれ。あと俺に扮した憲兵のフォローを頼む。」

横須賀「こちらはお任せください、ですが戦力は足りてますか?大湊と幾人か送ろうと相談をしていたのですが…」

又吉「心配いらねえ、てかお前らに報告するの忘れてた!今ラバウルには中枢棲姫の部下150体がいてラバウル守ってくれるんだわ」

横須賀・大湊「ええぇ…」彼らの後ろで飲み物を吹き出す金剛と立ち上がり画面を覗いてくる長門が映った。

杏「まだ言ってなかったんですか…」

横須賀「もう多少のことでは驚かないつもりでしたが…」

大湊「さすがとしか言えませんね…」

又吉「すまん、すまん。アイツらがうろつくのが当たり前になってたからすっかり忘れてたわ、人型を取れるタイプは艦娘と変わらん。隊長クラスになると姿も声も変えられるんだぜ?もう普通に人間。こないだなんてヒューストン中心にエウレカごっことかやっててさwww」

ある程度の雑談の後

又吉「てことで、終わりだ。こっちは任せてくれ、お前らが早く妖精をやっつけてくれればこちらにもいるであろう護衛深海も消えるからな。まぁ、メインの深海悽艦混じりにされた艦娘たちが消えるかどうかは分からんが…」

横須賀・大湊・杏「承知しました」

又吉「いかん、もうひとつ忘れてた。ドロップ艦についてなんだg「テートク!お話し終わっタなら、デートしまショウ!デート!」」金剛がすごい勢いで割り込んで来た…

大湊(「お前らが早く妖精をやっつけてくれれば…消えるからな。」深海悽艦を作った妖精をやっつければ深海悽艦が消える、なら深海悽艦から顕現した艦娘は…)大湊の顔が決戦前のように引き締まる。「又吉さん、用事を思い出したので先に失礼をお許しください。」金剛を優しく退けながら言う。

横須賀「大湊ッ!」又吉が何かを言おうとしたが横須賀に遮られる。横須賀提督は画面の向こうで長門を手招きし…座ったまま勢いよく腰を抱き、長門が横須賀を椅子がわりに座る「な、な、な…て、提督、」慌てる長門の後ろから顔を覗かせ「女の胸の中で朝を迎えるというのは最高だ、その女を守るためなら私は命など惜しくない。抱き締めたっていい、飛び込んであやされてもいい。漢を見せろよ?」と言って通信を切った…。

又吉「ヒュー♡言いたいこと言われちまったwwwアイツも変わったよなぁ?大湊よ?」画面の向こうでは金剛が口を両手で押さえて赤面している…

大湊「ええ、変わりました。又吉さんを見てるかと思いましたよwww又吉さん、申し訳ないのですが、明日の朝まで大湊には連絡取らないよう各所に根回しお願いします」ニコッと微笑む大湊。「金剛、大事な話がある。」後ろに立つ金剛に振り向き声をかける「は、ははは…はいです!!よろしくお願いします!」流暢な日本語発音になり、なぜか敬礼をする金剛

大湊「では、お先に失礼します」通信が切られた。

杏「あー!みんないーなー!いーなー!神谷くんは間宮さんだし、アンドレはアレだし!いーなー!いーなー!」ふてくされる杏

又吉「今度、折笠紹介してやるからさー。まぁ、そうむくれんなよ。」

杏「折笠中将!?マジで?マジで?又吉さん大好き!絶対孕んでみせるッ!」

こいつこんなんだったかなー?と思いながら又吉はじゃーなーと言って通信を切った。1週間後、引き合わせ。その日は杏は朝まで帰って来なかった。朝帰りを出迎えた浦風に「や(犯)りました。」と加賀マネをしながら、「や」に意味深な間を持たせた発言をしたそうな。

 

そして、深海悽艦との決戦へ…

 




プリキュアep2上映その後

「とうとうラバウルにもミスタードーナツが来たのぉ…よきかな、よきかな。」満足そうに箱を漁る忍
「すごいよな、忍は新作の時常にモニターで呼ばれるんだろ?ま、僕もあやかれてるけどさ。」
「まぁな、ワシほどになると向こうが謙るのも当然よ、あの映画のエンドロールでワシが食べてるドーナツが話題になっての。ミスタードーナツから又吉とやらに打診があったのじゃ、支店の監修についてくれぬかと。」
「プリキュア様々だよなぁ」
「ぬしかて、あのおっぱい艦娘もラバウルに来てウハウハじゃないか。知っておるぞ、時折マジカルの姿でセッk 「忍さん、今何か言いかけました?」キラキラを背負って微笑む対馬が入ってきた…
「何でもありません、対馬さま。よろしければここに新作ドーナツが届いたので、みなさんのプリキュア観賞会で召し上がって頂けませんか?」頭を下げて箱を差し出す忍。神谷はその状況に固まっている
「あら、ありがとうございます。忍さんは優しいですね!神谷さん?忍さんを見習いましょうね?女の顔をしたマジカルが神谷さんの部屋から出てくるなんてあっちゃいけない事だと思うんです。プリキュアとは象徴です、全ての女の子の夢なんですよ。今日ここに来たのは神谷さんに少しお話があって来たのですが、忍さんは分かっていらっしゃるので私の代わりにドーナツを持って観賞会を盛り上げて下さい」
「かしこまりました、すぐに向かいます。」影に身を沈めながら安堵のため息をそっと吐く忍
「では、神谷さん。始めましょうか…」
後日、プリキュア観賞会にアンドレと共にお菓子を振る舞ったり、ジュースのお代わりに回ったりする神谷の姿があった。決して敵には回してはいけない子、対馬。

深海悽艦の出現により日本も人口が3分の1強、4000万程となってしまった。だが、プリキュアをきっかけに娯楽産業が我も続けとプリキュアコラボを展開し、服飾・レストラン・カラオケ。そして野球やサッカーなどのスポーツも次々と復興の狼煙を上げた。戦争終結後は、まだ人口こそ少ないがプリキュアベイビーと称される出産ラッシュがあったりして、どの国よりも断トツのスピードでかつての生活を取り戻した日本の発展は「プリキュアモデル」として後の経済論に載ることとなる


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28話 それぞれの決意、開戦

各々の決戦前夜。正確にはブルネイとタウイタウイが来ていないので現時点では待機状態であるが、翌日開戦となる。
又吉を始めとする一部の軍人達はブルネイとタウイが来ないのを知っているので二ヶ所以外が集まった現在、そして明日の朝が開戦だと分かっていた。


開戦前日、ウェーク島基地施設折笠中将の部屋

 

コンコンコン。「宿毛…おっと。ラバウル置鮎です、入室よろしいでしょうか?」杏が慌てて言い直す。

「どうぞ、僕だけしかいないから平気だよ、会談中の札差し込んでおいて。」フランクな感じで折笠が答え、杏と頭ツンツンのイケメンが入室する

「やぁ、杏。どうしt… 緋色!」折笠は杏だけかと思っていたが、一緒に入ってきた青年を見て叫び駆け寄り青年の両肩を持つ

「久しぶりだな、カトル。」折笠 翔(かける)とある人物たちはカケルをもじって、カトルと呼んでいる。

緑川 緋色こと軍服妖精みっちゃん。かつての憲兵0番隊筆頭。折笠と他3名と共に、俗に言う裏の仕事をしていた。折笠の父親の大将が提督業と同時に各現場の経験を積ませるため裸の憲兵大隊長に頼み、息子の護衛も兼ねて緑川達が抜擢された。折笠はコネ昇進ではあるが、かなりの修羅場をくぐっている。

「話には聞いてたけど、やっぱり驚きだよ…。普段が妖精の姿だもんね…。」

「月に36時間しか人間の姿に慣れない、分かってはいるだろうが開戦は明日だ。」ソファーに座る面々

「分かっているよ、横須賀・大湊以外の提督には伝えて準備させてあるよ。トロワ達の無念も晴らし明日終わらせる。」折笠が目を伏せながら語る

「緑川さんから折笠さん達のこと聞かせてもらいました…。あたし達を必ず届けて下さいね!がんばります!」杏が両手ガッツポーズ

「杏…済まないね、僕がおキツネで緋色と出たい所だけど情けないが君の方が全然強い…。」杏を見つめる折笠

(杏呼びたまんねぇーーー!)「折笠さんには折笠さんにしか出来ない仕事があります。横須賀たちとの根回しも大変だったでしょうし、明日も折笠さんが指揮を取らざるを得ないと思います。代わりに私が闘いますので、帰ってこれたらご褒美期待です♡」にやけたい気持ちを抑えてニコニコ顔を作る杏

「分かった、こちらは任せて。緋色、杏を頼む。」緑川に向き直る

「任務了解だ。カトル、俺はこの体になれて良かったと思っている。アイツらの様に失敗し、廃棄されていたら仕返しする機会すらなかった。又吉には悪いことをしたが、アイツは笑って許してくれた。お前は船上でどっしり構えていろ、そしてこれでお別れだ。」微笑みながら手を差し出す緑川

「緋色、君たちのことは忘れない。だから何が何でも勝て。あとは…あとは任せて…くれ…」握手を返すも緑川を見れない折笠。

「先に逝ってるぞ、ゆっくり来いよ。」

 

食堂バーカウンター

 

大湊提督「今夜は互いに用事がある、最後のすり合わせをしたら部屋に戻る」グラスを掲げる

横須賀提督「言うようになったな。ああ、確かに大事な用事だ」大湊の掲げたグラスに自分のグラスを合わせる

大湊「君はジョンストン、私はミッドウェー。ジョンストンへの援軍はイ級1匹たりとも行かせない。だから、死ぬなよ」

横須賀「こっちのセリフだwww置鮎を必ず英雄に仕立てて見せる、何があってもな…」

大湊「自分が英雄になることは諦めたのか?」

横須賀「はは、耳が痛いな。又吉さん見て気付いたんだよ、英雄ってのはなろうとしてなれるもんじゃない、周りが成らせてくれるんだよ。俺は今は置鮎を英雄にしたい、俺らではどうしようも無い敵が相手だ。そいつをやれる奴…それが置鮎だ。」

大湊「…。だな、又吉さん程じゃないが戦後も引っ張って行くのは彼女だろう…又吉さんは…無事を祈るしかできない。」

横須賀「悪魔はありとあらゆる手段を使うから悪魔なんだ、きっと今回もド派手に決めてくれるさ…」

それぞれの想いを胸に解散し、深夜の来客に備える。翌日、それぞれの秘書官は後光を放っていた…

 

ラバウル執務室

 

「どこから話せばいいか…。十三に引っ張られたのはアイツの机の上にあったチェス盤をいじってからだ。あの、エレガントな一手を打ったのは君か?ってwww俺は当時中尉でたまたま十三の艦隊で付き人みてーなことしてて、掃除中に見つけたチェス盤見てたまたま分かったから動かしただけ。んで、正式に十三配下になってちょっとしたら、それまで適当にからかってた長波が船上砲撃で深海の弾に気付いて無かったから庇って大怪我。何とか重症どまりで済んだんだが、その時に緑川が見えるようになって、治ったら提督学校に無理やり行かされて香取口説いてたwww長波はその時十三の秘書官だったけど、大和に譲ってずっとついてきた。学校卒業させられて、十三としばらく一緒にやってた。照月や北上なんかとはその時に会った、でラバウル建設に行かされて今に至る訳よ。後から言われたんだが、あの被弾は十三と緑川に仕組まれたことだった。妖精が見えない俺様を何とかして提督にしようと謀りやがったwww死んだらどーすんだってのwww重症の際に緑川の妖精成分を分け与えられて見えるようになっちまった、今では感謝してる。最高の女達を抱く日々ッ!男冥利につきるってもんよ!ま、こんな感じよ」と向かいのソファーに座る青葉の質問に答えた又吉。

「十三さんてやっぱりすごい人だったんですね…今では提督が人類の希望じゃないですか!」青葉が身を乗り出して語る

「希望なんて、知ったことじゃねーよ。俺様は俺様の生き方に茶々入れるアレが気に入らねえからぶっ潰すだけ、希望役は杏がやってくれる。」乗り出した青葉の胸を揉みながら答える又吉。

「もう!提督ったら♡残念なことに今夜は青葉じゃなくて香取さんですからね!明日寝坊しないでくださいよー」と青葉は去っていった。

 

「希望ねぇ…お、もうこんな時間か。こっちは朝早めに出なきゃいけねーから今のうちから飲んどくか!吸血鬼パワーッ!」時刻は0時、又吉は胸のペンダントから宝石を外し口に入れウイスキーで流し込んだ。

「んー?特に変わった感じはしないが…ま。いっか。」又吉も部屋に戻ると…

「提督、今夜は私とちーの2人でよろしいでしょうか?」ニッコリする香取と申しわけなさそうにしている中枢棲姫姿のちー

「か、香取に相談したら良いって言ってくれて…あ、あのわたし明日消えちゃうし!どうしてm…」言い終わる前に又吉に口づけで口を塞がれる

「実はさっきあの宝石飲んだwww半吸血鬼パワーをその身体に刻み込んでやるぜお前ら!お前達も最高の夜を俺様に与えろ!」

 

運命…改変ッ!

 

同時刻。宿毛船、扶桑の部屋

 

長波「いよいよ明日だなぁ」ウイスキーグラス片手に呟く

扶桑「はい、私達が少しでも早く妖精を倒せば提督の助けになるでしょう」

サラトガ「ええ、あちらで戦う仲間の為にも頑張らねばなりませんね…」

翔鶴「あちらの随伴艦達も鍛えられるだけ鍛えました、我々は我々の仕事をしましょう。」皆でグラスを掲げグラスを響かせる

長波「ま、欲を言えばアイツの側で戦いたかったが…それは言いっこなしかな」グイッとグラスを煽る

扶桑「ええ、杏さんのことを考えての編成ですから駄々をこねる訳にもいきませんでしたね」ニコニコと穏やかに。

サラトガ「思い残すことはありません、本当に充実した日々でした。妖精を倒した後のことはお任せしますね。」

翔鶴「いずれ、はたまたこの戦いで、どのみちそちらに行くから先に待ってなさいな。」グラスを煽り空にする

長波「ま、そう言うこった。ほらよ、」再びグラスを高く掲げる

 

「「勝利を。」」

 

そして翌朝を迎える

 

ウェーク島沖200km、旗艦ジェラルドrフォード内ブリーフィングルーム

 

0900

元帥「ブルネイ・タウイを待たずして出撃とはどう言うことだ折笠?納得のいく説明をしろ」両膝をテーブルに乗せ折笠を威嚇する

折笠「ご無礼お許しください、おそらくそろそろ動きがあります。両泊地は深海悽艦に乗っ取られている可能性が高く、今回の戦いで何かしらの反抗を企ててくるはずです。可能性の話であったのと、あちらに怪しまれず調査したかった為今日まで秘密裏に一部提督達と動いて来ました。そして、集合に連絡も寄越さず現れない現状を見て可能性の話から確信に至り行動に移しました。」スラスラと答える

元帥「確信ね…。貴様らの誤解であった場合の処遇も覚悟の上だろう、まぁこうなったら見届けるまでよ。勝利のプランはできているのだろう?」思ったよりも柔らかい反応の元帥、父親の折笠大将がほっと胸を撫で下ろした時…

 

「初めまして、皆さぁ〜ん!通信、繋がってるかなぁ?」甲高い声で始まり、終わりは低音ボイスの衛星通信が突如入る。全員、備え付けの大モニターわ注視する。そこには黄色・赤・青のトンガリ帽子をひとまとめにして被り、紫に赤の横ラインが入った肩掛けをしている鼻から上を白い仮面で隠した男?がブルネイ・タウイ提督と共に映っていた。

 

「な〜んだ、反応薄いなぁ?」開始は高く終わりは低い特徴ある喋り方

「せっかくのお披露目なので、皆様で流行ってるプリキュアの敵役の格好したのに…ツレナイデスネ。私のことはジョーカーとでもお呼びください、あなた方で言うところの真のボスですよ〜!あなた方が今倒そうと向かっている妖精はわたしが作ったのデス。」手に持った三個のカラフルな玉をジャグリングしながら両泊地提督の周りを歩く

元帥「ジョーカーとやらよ、何の用かね?見ての通りこちらは忙しいのだ…」

ジョーカー「おやおやぁ!さすが元帥!どっしり構えて良いですねえ〜♦︎では用件を話してください、御二方」左手を腹に当て少し屈んで右手を上げると、映像がブルネイ提督に切り替わる。両目から深海悽艦を思わせる青白い光を放っている

ブルネイ「我々はここに宣言スル、タウイタウイと共にこの時を持って日本国軍への敵対を表明スル。ラバウル・宿毛湾を落とし大本営モ落とし日本国民をこの世界から消すデアロウ。」音楽ソフトが語るような何の意思も持たない声

ジョーカー「そういうことなんです♣︎もう現在ラバウルに進行しちゃってます!そして見て下さいこの大艦隊を!」映像が黒い絨毯の様なモノ達を写し徐々に寄っていくと艦娘と深海悽艦を所々混ぜた様な者達が見えた。

元帥「…。」無言で折笠中将を見る、折笠は頷く

ジョーカー「どうです?すごい?すごい?すご「我々ハ殲滅スル、スルスル1人残ラズずずず…殲滅、殲滅ス」」ジョーカーの言葉を遮りタウイタウイ提督が叫ぶ

ジョーカー「強化し過ぎたかな♠︎君もう要らない」と言ってトランプのカードをタウイ提督に飛ばすと、タウイの頭がゴロンと床に落ちた。

ジョーカー「なかなかうまく行かないんですよね、人間の改変は。成功例は逃げちゃうしもう❤︎」

 

「スメルズ・ライク・バァーーッド、スピリッツッ!」映像が先ほどの大艦隊のものに変わり、そこに…

 

「戦艦陸奥、突撃するわ!主砲一斉射!てーーっ!」陸奥叫びの後、大艦隊が炎上し虫食いの様に穴が開く

 

「折笠中将の命により、又吉ラバウル艦隊「BL/TA作戦」開始致します!忙しくなるんでこれにて通信終わります!ご武運を!」映像がジョーカーに切り替わる

ジョーカー「来るだろうなとは思っていましたよ、又吉サン。ジョンストンの私の腹心があなた方を潰して、私が彼を潰したら米軍と日本潰して世界征服でもしますかね〜!それでは♦︎♣︎ハブアナイスデイ♠︎❤︎」映像が終わる

 

元帥「また彼か…」天井を仰ぎながら呟く

元帥「十三のヤツはここまで読んで彼に託したのか、彼がそうさせたのか…。最早若者の時代だな、折笠中将」

折笠「はっ!」座りながら姿勢を正す。

元帥「総指揮権を全て貴様に委ねる、どちらも勝ってみせよ。私はこの戦いの後、役職を降りる。貴様が元帥になれ、今回の行動に関わったものは全て二階級特進。もちろん、彼もだ。椅子を温めるだけでなんの役にも立たぬ我らなどいない方が良い。文句のあるヤツはこの布陣を超える作戦を私に示せ、無ければ折笠中将の手足となって命を削って働け。以上だ、私はもう寝るとしようwww」しっしっと手で幹部連中を追い払う仕草をする。折笠は立ち上がり「ご期待に応えて見せます!」と敬礼してブリッジに向かって行った。

 

折笠「横須賀・大湊、そろそろ会敵圏内だな?又吉さんのところはもう始まった。遅れをとるな!敵の屍を勲章に持って帰って来い、作戦に変更はない。」

 

「MI/HA作戦開始!」

 

次回、「解放の英雄」

 




次回、ジョンストン決着編。クソ長いと思いますが1話予定です。
ここまでの閲覧ありがとうです、あと2話で終わる予定です。もう少しお付き合いおなしゃす


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29話 解放の英雄

「戦い続けよう、そして勝てばいい。」
十三叔父さんの口癖だった。
「事は全てエレガントに運べ。」
今のあたしはちょっとエレガントとは遠いかなぁ...
「深海凄艦と戦うのも、轟沈するのも艦娘です。もう少し艦娘を評価し、艦娘を愛してもらいたいものです。」
黎明期は盾に使うだけの捨て艦作戦とかオリョクルと呼ばれる搾取とかあったらしいです。この言葉で多くの艦娘が叔父さんの所に集ったとか?香取さんとか逆って訳じゃないけど「沈んで役目を果たせたのなら本望です。」だからなぁ...
「又吉、先に逝ってるぞ...。」
叔父さんが総員退艦の際に、朝潮ちゃんに伝えてくれと残した言葉...、又吉さんにはまだまだ生きてもらうんですから!杏はペンダントの宝石を飲み込み気合を入れた!

「置鮎、おキツネタイプゼロ spec2。発艦します!」


ジョーカーの宣戦布告から約30分、ジョンストン島へ向かっていた長門は報告に違和感を感じていた。

 

「敵が予想より少ないだと...?」

長門自身も現在進撃中だが、先行部隊からの報告には深海合成の艦娘の数が多く、ラバウル艦娘対策の駆逐・軽巡の数が通常程度しかないとのこと。長門は横須賀艦に連絡を入れる

 

同時刻ミッドウェー

 

「基地航空隊より入電、駆逐・軽巡の大艦隊です。概算で1000以上とのこと!基地航空隊もすぐに再出撃にかかるとのことです。」比叡からの報告に顔をしかめる金剛

「shit!やられまシタ...。総員、遅延戦闘に切り替えなサイ!迂闊に前に出るナ、旗艦ジェラルドへは行かせるナ!」攻めるはずが守りに入る羽目になった。

 

1時間後。「蒼龍・飛龍、轟沈...ッ。報告にあった幹部艦とのことです。このまま可能な限り時間を稼ぐと...」単冠に行った曙からの報告を受けた比叡の顔が歪む

「基地航空隊は曙の援護に、こちらはワタシ達で踏ん張りますヨ」金剛も既に中破、駆逐・軽巡の大波の向こうから戦艦・空母による絨毯攻撃。同胞もろとも遠距離から撃って来る、目の前の軽量級を減らしていると味方ごと沈めてやるという意思の砲弾の雨が降り注ぐ。撃ち元を狙おうとすれば、目の前の軽量級が邪魔をしてくる。かつて黎明期にあった捨て艦戦法を敵が使ってきている...これほど厄介とは思わなかった。

「きゃあっ!お姉さま譲りの装備をこんなに...。」比叡大破。

「どうして...私の戦況分析が。」続いて霧島

「駆逐・軽巡にやれれルのは悔しいケド、覚悟はデキてるネー!この数を少しでも減らせバ後の艦隊に勝機が生まれるネ。行きましょウ!」金剛が突貫を促すが

 

「どうして榛名を庇うのですか!」榛名の悲痛な叫びが木霊する。

 

「榛名、ワタシ達が沈んだら残ってる子を率いて一時撤退するネー!数は必ず減らすヨ、大分下がっちゃうけど大本営の艦隊と合流して後は任せるネ」ニッコリとわらう金剛

 

「榛名が、榛名が建造艦だからですか!私もお姉さまや霧島たちと一緒がいいです!おいて行かないで下さい!!」涙ながらに訴える榛名

「榛名、お姉さまたちと話し合ったんだ。この戦いで勝てばあたしたちは消える、でも榛名が生きていてくれたらあたしたちが生きた証を残せるって。榛名には悪いけどさ姉妹全滅でリストに載るだけなんて悲しいじゃん?今はラバウルに行ったもう一人の霧島や他の金剛型の子達と共にあたしたちの意思を引き継いで欲しいなーって」比叡は榛名の肩を叩く

「あっちの霧島には悪いけど、私はこの姉妹の一員になれて楽しかった、嬉しかった。「大湊の金剛姉妹」きちんと語り継いでね」霧島が微笑みながら榛名を見る

「嫌よ、嫌よ!なんでこんな....」納得のいかない榛名。

「榛名、あなたがワタシ達の立場だったらどうするネ?」金剛が頭を撫でる

「榛名は...お姉さまたちと同じことをします、でも...」「それが答えダヨ!姉妹想いでお姉ちゃんは嬉しいネー!」「金剛さん!そろそろキツイ!!」霞が助けを求める

「ゴメンねー!霞たちも下がって、あとはよろしくネー!!」お姉さまー!という声を背後に受けながら3人は軽量級の群れの中へ突進して行った。

 

ジョンストン島30km地点

 

「私が捕まったら私ごと撃ち抜きなさい!」幹部の1人を沈めた神通、しかし納得のいかない表情だ。深海混じりの艦娘の攻撃方法は「自爆」だった。数こそはただの大艦隊程度で、横須賀を中心とした精鋭なら数の差は問題ないはずだった。だがもうすでにかなりの数の仲間が沈んだ。宿毛から共に異動して来た元十三艦隊の面々も大分沈んだ。通常の艦隊戦の合間を縫って、海上から、海中から、混じり艦娘が接触し動きの止まったところを深海凄艦に撃ち抜かれたり捕まったと同時に自身の被弾上等のゼロ距離射撃。

「もう長門達は抜けた!ここが正念場です!我々が引けば長門達が挟み撃ちになる、一匹でも多く沈めなさい!」再び次の部隊へ向かう神通の足を海中から混じり潜水艦娘が手で掴む「ウミノナカカラコンニチワー」

 

ジョンストン島10km地点

 

「まぁ、こうなるな」日向が目の前の艦隊を見て呟く、幹部級6隻艦隊。

「人数そのままなんて都合がいいことは起きないか。」長門が鼻で笑う。離島凄姫・集積地凄姫・港湾凄姫が陸上で陣取り、目の前には防空凄姫・戦艦凄姫・重巡凄姫のオールスターズと混じり艦6隻。こちらは長門・赤城・日向・扶桑・サラトガ・翔鶴・秋月・宿毛天龍・皐月・ヒューストン・長波・杏・緑川

「長波・杏さん・みっちゃん。ここは私達にお任せください。」扶桑が促す

「さっさと行きなさい、さぁ随伴艦の皆さん足を引っ張らないでちょうだい」翔鶴が言うや否や先制ジェット機を飛ばす。

 

「行ってくる!すぐに終わらせるから持ちこたえてね!」3人は皆の意を汲んで、素早く行動に移った。

 

「あー、長波に瑞雲ランドの園長頼むの忘れてしまったな...。」日向がぼやく

「この中で生き残った奴に継がせるのはどうだ?」長門が笑いながら答える

「おいおい、お姉さんたち。らしくねーんじゃねぇの?次の映画で俺はムーンライトやらせてもらうぜ!!」天龍が。

「胸のデカいプリキュアはダメだよ!可愛くないし、対馬さんが...」皐月が。

「対馬さんを怒らすのは良くないですね。噂はかねがね...。」赤城も乗っかる

「次は実写版エウレカにしましょう!行こう、二ルヴァーシュ!」名塚ヒューストン

「バカ言ってないでやりますよ!さっちゃん、対空準備!」秋月が締める。

 

---ミッドウェー---

 

どれくらい減らせたかナ...体重いな。霧島がワタシを庇って沈んだ。比叡も機銃をばらまくので精いっぱい。ワタシも右手はなくなっタ...。でも後何匹かは絶対に沈めてやる。

「テイトク、あとはお願いネー」力なくつぶやく金剛、砲を敵に向けたその時、基地航空隊の攻撃で軽量級たちが蒸発する。アレ?援軍が来るのが早すぎる、ナンデ?

 

「金剛、ヴァルハラってちゃんと個室あるかなぁ?」愛しい人の声が聞こえる、どうして??

振り返ると目視できる位置に大湊船が見える。嗚呼、こんな近くに...。航空隊が早い訳だ、でも...。船のすぐ横に敵の攻撃が着弾する

「テイトク!下がってクダサイ!!そんなところにいたら!」テイトクも航空隊のみんなも無謀過ぎる、でも...嬉しい、最後にテイトクと共に戦える。

「榛名達には乗組員の小型船の護衛頼んだ、妖精さんたちは私の漢気に付き合ってくれるそうだ。感謝しきれないなぁ...ぐあっ!」ついに一部が船に着弾した。

「さて、軽いの壊滅まであと僅かだ!後を託すぞ!次が最後の攻撃だ!」航空隊が飛び立った瞬間、深海三式弾が船を中心に着弾して航空隊の一部と船の大部分にダメージを与えた。

「流石、お姉さまの選んだ人ですね...あとは任せま...si」目の前で金剛を庇い沈んでいく比叡

「アリガトウ、比叡。ワタシ達もすぐに行くネー!」最後の力を振り絞り構える金剛。そして

 

「ここからは誰も死なせないでち!」

 

低空飛行で向かってきて6つの何かを投擲したジェット機が引き返していく、そして目の前の残りの駆逐隊が水柱と共に消え去る

「これでもう敵は為すすべがないですって!」背中を掴まれ、海面を引きずられ船の方へ連れて行かれる。

「大湊提督、折笠中将の命により宿毛潜水艦隊救援に来ました。今すぐ船を回頭させてください」イムヤの声がインカムに届く。

「横須賀提督の報告を受けて急いで向かってきましたが、いろいろ間に合わずごめんなさい!」しおいが空母数体を沈める

「あなたたちはイク達が絶対に守るの~!敵はもうイク達を攻撃できる奴がいないの、みんな良く頑張ってくれたの!」重巡たちをイクが次々と沈めていく

「みんなの仇です!はっちゃん本当に怒ってます!」戦艦たちは逃げるが進行方向に魚雷を合わせられて為すすべもなく沈んでいく

「みんな頑張ったでち!みんな頑張ったでち!伊号型潜水艦の恐ろしさをその身に刻んで逝けでち!」ゴーヤの号令で他を蹂躙していた仲間が配置に着く

 

潜水艦たちに円で囲まれた幹部:深海海月姫は諦めたのか天を仰ぐ、そして円の中心に向かってゴーヤたちの魚雷が着弾し沈んで行く

「コレデ…コレデ イイノカモシレナイ……。ワタシハコレデ……ホントウニ、ネムリニ……。…エ……コノヒカリ…ワタシモ…そう、なの…?」

 

「さ、みんな!残りを一匹残らず退治するでち」再び散り始めた潜水艦たち、幹部の轟沈を船の上で提督に抱かれながら確認した金剛は意識を手放した。「みんな、ありがとう...。」

 

---ジョンストン沖---

 

足を掴んできたゴーヤもどきに神通は腰に引っ掛けたボードの半分を取り頭に突き刺す。手を離し沈んでいくゴーヤもどき。「これは使えますね…」鬼姫神通の覚醒

砲を背中の艤装に引っ掛け、もう一枚のボードの半分を手に持ち両手で次々と艦娘もどきの頭を突き刺していく。

「ボード持ち各員は艦娘もどきを担当せよ、ボードを片手に持ち頭部を刺しなさい!口から刺すのが早いです。」神通の号令により、佐世保・舞鶴・前回のウェーク島経験者を除く横須賀艦娘がボード片手に次々となぎ倒していく。

「残りの艦隊は深海悽艦を頼みます。」次の獲物に取り掛かろうとした時に、基地航空隊が海上に華を咲かせて行く。(復帰が早いです…?)

「神通殿、こちら佐世保・舞鶴旗艦船です。横須賀提督の命により我々母艦の接近により基地航空隊の回転率を上げます!当方の護衛不要、一刻も早く殲滅せよとのことです!」深海悽艦の砲が旗艦船2隻に向かう、申し訳ないがありがたい。こちらに余裕が生まれる。

「連合艦隊旗艦神通、了解致しました。貴殿らのご武運を!全艦突撃ッ!突入部隊の帰る場所を作ります!タダで沈むな、落として沈め!」

 

以降、舞鶴旗艦船が轟沈するも乗組員の大部分は無事で艦娘にはその後轟沈無しで決着が着いた。

 

「陽炎、高雄。やりましたよ…、せめて彼方では安らかに。」神通は自身の鉢金を取り海に放った。

 

---ジョンストン近海---

 

「俺が囮になる!総員退艦!航空隊の妖精達も小型船に避難しろ!」

横須賀旗艦船が加勢に来て基地航空隊も限界まで使ったが離島・港湾・防空が削れない、黒妖精の領域効果で無尽蔵に補給と回復をされ海上の者は防空棲姫以外沈めたが残りがしぶとい

 

「クソッ!徹甲弾メインの一斉射でもすぐに回復されてしまう…」長門が歯軋りする

「際限なく補給される基地型がこれほど厄介とは…」日向も苦笑い

「我々も先ほど旗艦船で補給と入渠できましたが、旗艦船はもう特攻のみでしか使えません」赤城も打つ手がない

「忌々しいゴミ共め、あと一押しさえあれば…」翔鶴が感情を露わにする

 

「その役目、我らが承りましょうぞッ!」

 

皆が振り返るとそこには、「始まりの5隻」が各自ジョジョ立ちを決めていた

 

「この私を前にして頭を起こしているなんて、なんて図々しい虫ケラなのかしら」素が出ているぞツンデレちゃんこと叢雲

「お兄さんが喜んでくれるなら、なでk…五月雨頑張ります!」こちらもぽろっと

「実は深海悽姫なら至れると思い、ここに参上だ!」同性で何を致すのでしょうか、又吉の時には猫被り吹雪

「勝ったら阿良…げふん、兄さんにご褒美頂きませんとねー!」ベースは神様の漣

「皆さんは最後を思わせる派手な特攻演出お願いします、私達がその隙に上陸しますので先ずは防空棲姫だけは先に沈めて下さい」言ってることは1番まともこの世界の運命を変えた何でも知ってる子、でもしっかりジョジョ立ち電

 

「これは心強い援軍ですね」と言い敵の方に向き直る扶桑

「覚悟はできています、参りましょう」サラトガが締める

 

「横須賀提督さん、折笠中将の命により馳せ参じました我ら5名。この命、捧げましょう!さぁ、号令を!」

 

横須賀提督「泣いても笑ってもこれで最後だ。皆の命、俺の命、ここで燃やし尽くすぞ!全艦ッ!突撃ー!暁の水平線に勝利を刻め!」

 

---ジョンストン島、陸上---

漣「いやー、流石に死にかけました…。」

叢雲「まさか八九寺の攻撃が特効だなんてね…」

五月雨「さすが元神様。羽川さんが途中で気付かなかったらずっと再生続いてたでしょうね」

吹雪「とても良い感触だったけど、ああも無反応だと萎えますわ」

電「はいはい、とりあえず後は報告を待つのみです。一瞬の同窓会でしたがお開きにしましょう。阿良々木くんも今頃何度か死んでいるでしょう、声かけられないのは残念ですがこの体をお返ししましょう。みんな、来世で会いましょう!」

 

「「シーユーネクストライフ!」」

 

漣「うわぁ、ワタシ何故か手が血みどろなんですけど…」

叢雲「どうやらお兄さんのお友達が助けてくれたようね」

五月雨「でも、お別れみたいだったようですね」

電「なのです。これから頑張って!って声が聞こえたのです!」

吹雪「お兄さんに伝えてあげよう、あとは彼らの勝利を信じましょう!」

 

今回唯一の轟沈者無しの戦いだった。

 

ジョンストン島内部地下施設

 

太平洋深海悽姫「母様が倒されればお前も消えるがそれでも良いのか?」大きな鯨艤装を従えた真っ白な深海悽艦幹部筆頭

長波「覚悟の上で来たに決まってんだろ、さっさとお前をぶっ倒してアイツらが安心して戦える環境作らないとな…。行くぜ、姫さんよ!」

太平洋深海悽姫「以前は名のある姫級とみたが、詮索も無粋だな。とりあえず、よく来たッ!嬉しいぞ、私の全てで歓迎しようッ!」

 

---なんだかんだで3年くらいの付き合いになるのかなぁ。色々バカやって振り回されて来たけど、どれも楽しいことばかりだったな。

十三にぶっ倒されて艦娘として顕現してからは4年ちょいくらいか?んで、アイツがやってきて…冴えないオッサンだな位にしか思ってなかったけどチェス盤の前で唸ってたかと思うとヒョイッと動かしてさ、十三に報告したらチェス盤見てめっちゃ喜んでたな。全然エレガントじゃない喜び方は貴重な思い出だwww

コイツも強えな…巻雲ねえと互角なんじゃねえか?言葉も流暢だし、最高傑作ってところかな?撃ってダメ、殴ってダメ、唯一通じるのがお狐クローの刃が通るくらいか…コト切れるその時まで付き合ってもらうぜ姫さんよ!

ああ、でも一度で良いから夜ってのを体験してみたかったなぁ…。なんで勇気出なかったんだろwwwさて、踊ろうか。

 

---ジョンストン島施設外---

 

黒妖精「ここなら、存分に戦えますでしょ?ほら、ボスはこうして余裕を見せるものなんでしょう?実際余裕ですし。そちらの羽付きならともかく白赤を装着してる女は人間でしょう?実質タイマンってやつかな?」

緑川「…。」

杏(バレてない!これは最高の流れだ!でも絶対一筋縄じゃいかない、だから.)

「うるさい!うるさい!うるさい!みんなを散々沈めやがって!緑川さんをこんな風にしたお前のボスもみんな消えちゃえ!(もっと醜く狂え私!)バカにしやがって!ちんけな妖精のくせに!死ね死ね死ね!お前に、せめて一撃でも当てに来たんだ!死ねよぉ!」

 

黒妖精「はいはい、復讐ご苦労様。動かないでやるから好きにしな。もちろん、終わったらキッチリ殺す。撃てれば満足するだろ?ここまで来たプレゼントさ」

 

(緑川さん!追撃お願いします!)タイプゼロが光を纏い両手で三式弾を撃ち、砲を捨て背中の金剛砲を両手に持ち替え発射と同時にボードをを担ぎフルブーストで踏み込み、爆煙の中心を垂直に斬る…

 

---何が起こった?最初のキクハズノナイ三式弾で仰け反らされ、次の砲撃で体の一部が消し飛び最後は何かで斬られた…。なぜ私の体が目の前に見える?アイツは人間だ!又吉みたいに同胞を武器にした訳ではなく人間の扱う砲が何で効くんだ…

黒妖精は首の左側から右胸に掛けて切断され、地に転がっていた。

 

緑川「杏、よくやった!あとは任せろ!」ゼロカスタムのアイオワ砲2本が両手で合わせられ1つの砲となって噴き出す!

 

黒妖精「俗物が!ふざけるなぁあああぁ!」着弾寸前に黒妖精から黒い煙が吹き出し、その煙を緑川の砲撃が吹き飛ばすように命中する

 

煙の後には2mくらいの左側半身を失った人型の全身真っ黒の裸の女が立っていた。

 

杏は三式弾を拾い再装填しようとし、緑川は予備のアイオワ砲に持ち替え再び構えると同時に黒い女の右手巨大化して波打つように腕が伸びてタイプゼロが施設の壁と大きな手のひらでサンドイッチにされる…

 

メキャ…プシュ…とタイプゼロが嫌な音を立てたところで緑川の杏を顧みない2撃目が放たれ黒い女の右半身が吹き飛ぶ

黒い女の両腕が再生するも激しく消耗、緑川は砲を収納し二本の剣を引き抜き襲いかかる…タイプゼロは沈黙している

 

黒い女「クソっ!こんなはずでは…」再生したものの大きく肩で息をしながら黒い槍を作り出して緑川に応戦する

緑川「俺達は覚悟を決めてここに来た、お前を…殺す」抑揚のない声、だが意思を伝えるドスが効いている

 

10分ほど剣撃・槍術・砲撃が交わされる中、微かな通信が入る

 

「装填でき…たよ。一回だけ撃て.る…よ」今にも消え入りそうな声、そのおかげで黒い女には気付かれていない

 

---長かった。深海悽に連れ去られ、この体に変えられて数年。コイツさえやれれば思い残すことは何もない。確実に、確実に殺す。ラスボスは又吉が何とかしてくれるだろう。さぁ、ここでケリをつけよう…

 

「これで、終わらせる!」

緑川は杏に聞こえるようにスピーカーで大声を出し、槍を交わし女の腹部に蹴りを入れ同時にバックブーストしながら砲を撃ち、今度は前方へフルバーストして砲を耐えた黒い女に接触する、人間の体では不可能な急制動もこの体なら余裕だ。剣を両手で取り黒い女の背中から自分もろとも串刺しにして後ろの杏に向かいながら自爆装置を作動させる

 

「ふざけるな!ふざけるな!こんなことでは終わらんぞ!破片体も蘇って…熱いッ!」

 

杏は前方に光を発しながら向かってくるゼロカスタムに砲を向ける、視界も虚だが光が丁度良いナビになっている

 

「任務、りょうかい…」

 

自爆の威力にタイプゼロの金剛砲が合わさり、大きなクレーターを産む大爆発が起こり、辺りには吹き飛ばされて形は保っているタイプゼロと施設の瓦礫だけが残った…。

 

太平洋深海悽姫「母様が逝ったか…見事だ。ここはお前達の勝ちだ。」指先から砂のように崩れていく…

長波「へっ…どーよ。あれ…?」膝をつく長波だが、崩壊は起きていない…

太平洋深海悽姫「…。消える条件みたいなものがあるのかな?ふふふ、おめでとう。お前は選ばれた。」そう言い残し砂となって消えた。

長波「…。細かいことは後でいいや、杏を迎えに行くか。」足を引きずりながら階段を登って行った。

 

大湊提督「曙と共に引き上げていた金剛たちが消えただと?」穴だらけのブリッジで傷だらけの大湊が報告に対し疑問を投げかける。すんでの所で入渠でき、復活した金剛が横で支える

ゴーヤ「妖精が倒されたのは間違いないでち…ドロップ艦なのに消えない子と建造艦なのに消える子がいるでちか?」

金剛「…。」

 

横須賀提督「という報告が上がっている。ハワイからも深海悽艦と艦娘の消失の連絡が来ている。原因は不明だが妖精が撃破されたのは間違いない、とりあえずジョンストン島へ上陸して置鮎達を回収するぞ。入渠施設は使えないが医務室は使える!急げ!」

 

杏は見つけた時は全身傷だらけ、圧迫に因る骨折・破片による裂傷も酷かったが重傷止まりだった。スピードは遅いものの各所で再生が始まり横須賀提督達を驚かせた。

 

後に「解放の英雄」と称される小さな女性提督の帰還を待ってジョンストン決戦は幕を閉じた。

 

 

 

 

 




次回、最終回です。


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最終話 「星に願いを」 その1

1年前に泊地に降り立った男の

「新天地到着ッ!」
おっさんの下準備
0話 おっさん、英雄泊地に着く
0.5話 おっさん未だ着任できず
1話 おっさんが泊地に着任しました。
2話 おっさんひと息つく
3話 おっさん着任あいさつ(宣戦布告)をする
4話 抜錨、おっさん艦隊
5話 おっさん、ぶっちゃけ役に立ってない
6話 その名は「おキツネ様」
7話 それぞれの旅立ち

戦いが終わりを迎える

俺の名は天龍。フフフ、ボインさ
始動
8話 抜錨!新おっさん艦隊
9話 「進め、多国籍連合艦隊」
10話 プリキュ〇 オールスターズ ep1その1
11話 プリキュ○ オールスターズ ep1 その2
12話 おっさん、覚悟を決める
13話 ラバウル泊地
14話 開設、基地航空隊
15話 宿毛湾泊地
16話 おっさん艦隊無双、そして再会

辿り着いた世界の果てで

「オールウェイズ ウィズ ユー!あなたの又吉です!」
ラストバトルへ
17話 ささやかな日常
18話 星の声
19話 躍進!宿毛デストロイや~ず
20話 単冠湾大戦とその裏
21話 おっさん宣戦布告をする
22話 ハワイ島攻防戦
23話 そして最後の戦いへ

男がその手に勝ち取ったものとは

「その役目、我らが承りましょうぞッ!」
最終章 
24話 束の間の日常
25話 プリキュア オールスターズep2 愛は全てを救う その1
26話 プリキュア オールスターズep2 愛は全てを救う その2
27話 そして…
28話 それぞれの決意、開戦
29話 解放の英雄

最終話「星に願いを」
「ねだるな、勝ち取れ。さすれば…与えられんッ!」



決戦当日、ラバウル0600

 

又吉「ちー、後は頼んだ。多くは語らねえ、お前も愛してるぜ」ポンと中枢棲姫姿のちーの肩を叩く

ちー「又吉様、そこは「お前を」ですよ。でも私も愛しています、生まれて来て本当に良かった。消えるその時まで必ずここはお守りしますからご武運を」そっと又吉の左頬に口付けをする、昨晩の効果でキラキラが後光になっている

天津風「何があっても守り抜くから安心して。いってらっしゃい、あなた」ラバウル共同警備隊、旗艦天津風

又吉「ちー先に向こうで待っててくれや、適当に楽しんだら俺様も逝くからさ。天津風、よろしく頼む。じゃーな」

 

ラバウル船出航。

天津風「もっと濃厚な別れを想像してたけど、あっさりね。」ちーに語りかける

ちー「濃厚なのは夜に沢山頂いたわ、それはもう濃いやつwww垂れてくるくrスパーン!!とヲ級に頭を叩かれる

ヲ級「バカ言ってないで領域展開して下さい」生みの親だろうと容赦ないヲ級さん

ちー「もう!分かってるわよ!んじゃ、いきますよ〜」ちーの足元から赤黒いシミが一気に泊地と近海を染める

ちー「ちょっと見た目悪いけどこれで私が健在な限り施設にダメージはいかないし、天ちゃん達くらいのレベルなら普通に動けるはずよ」

天津風「ええ、特に見た目以外の違和感は感じないわ。ちーあたしからも、ありがとう。貴方達と過ごせて楽しかった、ヲーちゃんも…。」ちょっと涙ぐむ

ヲ級「天津風、私も姫さまを追って来て本当に良かった。君と過ごした日々は最高だった。輪廻転生と言うものが本当にあるのならば、来世でも友達になってくれ。」天津風をそっと抱きしめる

天津風「絶対見つけるから!絶対!…配置につくわ、この思い出の地に一歩も踏み入れさせないから!」小走りにかけて行く。

ちー「天ちゃんとは本当に気が合ったみたいね、あなた達が来てくれて助かったわ…皆の元に行きましょう」ポンと涙ぐむヲ級の肩を叩く

ヲ級「ええ、消えるその時まで絶対守り抜きます」

 

ラバウル泊地港

 

ちー「皆、よく私を追って来てくれた。本当に感謝している、そしてジョンストンは必ず落ちる。我々はその時に消えてしまうが消えるその瞬間まで私に命を捧げろ!我らは他の同胞とは違う生き方ができた、ここでの生活に不満があったものはいるか?」

「ないないない!お菓子美味しかった!」「かくれんぼとか鬼ごっことかアニメも面白かった!」「巻雲様達の訓練は嫌だった!!ムリ!」「ゲギャーぎぎ!」「%°#○:^@@¥$」

 

ちー「よろしい、ならば戦争だ。敵の死体で海を染めろ!全機配置に付け!」

 

地震を思わせる雄叫びが泊地に広がった

 

0900ブルネイ・タウイ中間地点、ラバウル船甲板、横に長い高台に又吉を始めとするリーダー格が整列する。向かいには妖精を含む全員が整列

 

又吉「とりあえずアレがどちらに居るか?アレの居る方を確定させるのが最優先事項だ。二方面同時進撃の後しばらくしてからタウイに妖精達を乗せた二式大抵を含む基地航空隊を飛ばす。妖精達は憲兵駐屯所近くに神谷が隠した資材を使ってゲートを設置しろ、ゲートが出来たら神谷と忍さんを転送する。忍さんが降り立てば、居るか居ないかが瞬時に分かる。いれば俺様はタウイへいなければブルネイへ行く。お前らは俺様がどちらにでも行きやすい様にとにかく数を減らせ!」

 

香取「ブルネイ方面、総隊長巻雲。副官レ級。殲滅隊旗艦陸奥、武蔵〜」香取による部隊編成最終アナウンス

 

又吉「お前らの命を寄越せ、俺様をアレのところへ無傷で行かせるんだ。俺様は必ず勝つ。生き残ることを考えるな、敵を沈めることだけを考えろ。俺様の部下ならできるよな?」

 

「あっちで待ってるけど、楽しんでから来てね♡」「両腕無くなったら噛み付いて戦います、だからあっちでも抱いてねー!」「あっちってベッドあるかな?」「下着一式持って逝きたいなぁ」「初体験はヴァルハラか…悪くないね」「複数プレイを是非!」

 

「お前らがバカで安心したぞ!それの心配ばかりとか流石俺様の部下だ!愛してるぜ!総員発艦!両泊地を更地にしろ、住民ごと撃ち抜け!俺様が後で謝る!以上ッ!」

 

ブルネイ沖0930

 

瑞鶴「敵の大艦隊発見、深海混じりの艦娘の艦隊ね。陸奥さん座標送ります。」

陸奥「データ確認。一斉射の後、各艦殲滅作業に入れ。巻雲艦隊の道を作るわよ」

武蔵「了解だ、一斉射の後は巻雲艦隊に加わる。後は頼んだぞ」

 

同時刻ラバウル船内ブリッジ

 

又吉「スマプリのジョーカーの姿かよ…悔しいけど何か場に合ってるよな?」

秋津洲「むぅ…確かにその通りかも…。」

スクリーンでジョーカーとジェラルドの衛星通信を盗み観ている

又吉「そろそろ巻雲艦隊があの映像の大艦隊を発見してる頃だな。青葉、通信割り込むぞ、準備はいいか?」機材をいじる青葉に声をかける

青葉「いつでもどーぞ、位置を特定されたくないので手短にお願いします。」

又吉「了解だ、割り込め」

 

ジョーカー「なかなかうまく行かないんですよね、人間の改変は。成功例は逃げちゃうしもう❤︎」

 

「スメルズ・ライク・バァーーッド、スピリッツッ!」映像が先ほどの大艦隊のものに変わり、そこに…

 

「戦艦陸奥、突撃するわ!主砲一斉射!てーーっ!」陸奥叫びの後、大艦隊が炎上し虫食いの様に穴が開く

 

「折笠中将の命により、又吉ラバウル艦隊「BL/TA作戦」開始致します!忙しくなるんでこれにて通信終わります!ご武運を!」映像がジョーカーに切り替わる

 

又吉「オッケー!掴みは上々かな?香取艦隊もそろそろ会敵だろう、秋津洲!基地航空隊発艦だ、二式大艇に漢を見せて来いと伝えてくれ!」

秋津洲「了解かも!あたしも鹿屋部隊を率いて出撃するかも!」と言いブリッジを飛び出して行った。

又吉「青葉、アレの居場所が分かったら俺も行く。海上で待機して居場所判明次第先行しろ」

青葉「了解しました、必ず見つけ出します。前の青葉が映像に残してくれたアレの位置を。では、戦場で会いましょう」敬礼をしてブリッジを出て行った。

忍「今のお主は我が眷属だからゲートを通れるがあの機体はサイズがデカすぎて無理じゃ、ままならんのぉ…。」いつの間にか用意されたテーブルと椅子でドーナツを食べている

又吉「いいんですよ、忍さん。今、この身体のおかげでブースター付きのあの機体も何不自由なく操れるから充分なんですよ。本当にありがとうございます。」

忍「良い良い、お主には色々良くして貰ったからの。骨は拾ってやる、その後のことは気にせず成すべきことを成せよ」

 

タウイ沖

加賀「敵影確認。全艦深海混じりの艦娘です、対潜も厳に。空母から潰します、加賀空母隊、発艦始め!」

香取「基地航空隊の道を作るのが最優先です、高高度を飛ぶので対空艦より空母と艦載機を狙いなさい、ウォースパイト!」

ウォースパイト「yes.ma'am ムツ仕込みのspecial attack 受けてみなさい!カガ、ポイントを頂戴」

加賀「送りました、アーク大丈夫よ。体を盾にするだけが守りではないわ、女王を撃つ艦載機を落とすことで結果的に守ると同じ意味になるわ」

アークロワイヤル「sorry.実戦の空気に呑まれていたわ。I do.マスターのレップーにも負けるつもりはないわ!見てて」師匠の加賀のフォローで固さが取れた新入り。

艦戦のみでの第一陣で制空権制圧、麻耶と磯風が討ち漏らしをチリに変える

ウォス「thanks.that's great!カガ。センセー・Bis、準備はいいわね?Fire!」

三式弾の一斉射で敵空母の甲板を荒地にする

霧島「再生まで時間がかかるはずです、突入隊行ってください」

香取「デストロイや〜ず、4隻来なさい。遅れたら仕置きです」ボードの頭を持ち上げ全速で敵陣に突っ込んで行った

村雨「早いってばー!香取さん!村雨隊、行くよ!」村雨以下3隻が続いた。

 

北上「あたし達クラッシャーズは空母以外を、やるよ〜!瑞穂っち隊は左、北上さま隊は右ぃ〜!」突っ込む香取隊を囲もうとする敵を両翼から魚雷群が襲う

香取が空母の腕や色々を切り落とし、続く村雨達が頭を潰して沈めていく。先頭の香取が止まらない、軽い被弾で済ませているが服はすでにボロボロだが何故か傷がない…

香取(僅かずつですが再生されていますね…どういうことでしょう?それに子宮の辺りが熱いです…)

会敵から30分後、二式大艇を最後尾に付けた基地航空隊が悠々と飛び去って行った。

 

ラバウル

ヲ級「もどきの頭を確実に潰しなさい、再生能力があります!全艦、自爆も視野に入れて挑め!」

中枢棲姫軍150余りに対し敵は400を越える大艦隊。だが練度と士気が段違いで瞬く間に敵を殲滅していく。

「我らの思い出の地を汚すバカ共はチリにしろ!血の一滴足りたとも残すな!」ちーの1人一斉射が敵陣に大穴を開ける、普段はアレだが元幹部である。

「又吉さま、ここは大丈夫です。勝ってくださいね。」天津風達の出番は殆どなく会敵1時間で決着となった。

 

タウイ泊地近海

妖精長「二式大艇さま!もう少し高度を上げてください、我らは大丈夫です!ムチャはやめてください!」基地航空隊が先に近海と施設を爆撃したが、残りの近海護衛と施設の対空砲を操る憲兵だった何かの攻撃により被弾を重ねる二式大艇

二式大艇「確実に君たちを安全に降す!攻撃こそできない私だが軍用機としての誇りがあるッ!」超低空で飛んでいるため敵からすれば良い的だ。ポイントに差し掛かり妖精達が降下していく

妖精長「お前ら!秒で建設するぞ、パーツがなかったら自分がパーツになれ!我ら妖精の底力の見せ所だああぁ!」降下しながら叫ぶ妖精長の檄に空気を震わす雄叫びを上げる部下達

二式大艇は施設上空を2周して高度を上げようとしたが時すでに遅し、右翼が折れ墜落していく…

二式大艇(妖精長たちならきっとやってくれる、だから…)最後の力を振り絞り設置成功の虹色の信号弾を上げ墜落した。

 

タウイ沖

加賀「泊地からの信号弾確認、設置完了!ラバウル船応答願います!」

 

ラバウル船ブリッジ

又吉「加賀、了解だ!神谷!忍さん!」テーブルに待機する2人に向かって叫ぶ

神谷「忍、頼む!」忍が自身の足元に大人1人が通れるくらいの黒い渦を発生させ神谷が飛び込み、忍が沈んで行った…。

1分後、赤い玉が渦から吐き出され渦が消えた

 

「タウイにいやがったか!青葉!タウイだ行け!」

 

ブルネイ近海

巻雲「瑞鶴から入電、敵はタウイ」右手を耳にあてインカムからの連絡を聞く

レ級「ちぇっ、ハズレかよー!」

武蔵「数だけの軍勢だったが、ちょうど良いところにそれなりの本命が出てきたぞ」ブルネイ泊地の港を見る。視線の先には姫と混ぜられたかつての巻雲艦隊と同種艦を集めた6隻、巻雲駆逐棲姫・加賀空母棲姫・青葉重巡棲姫・阿武隈軽巡棲姫・伊8潜水棲姫・白雪駆逐棲姫

巻雲「良い趣味ですぅ、私が来るのが分かっていたみたいですぅ。レ級さん、私達の背中預けます。」

武蔵「サポートはつまらないだろうが頼んでいいか?相手が相手なんでな」

レ級「キシシ…嬉しいぜ。オレは強いヤツを倒したかった、今でもそうだ。でもそれ以上に強いヤツと共に戦いたかったみたいだ、巻雲さん達に頼られるってことはオレは強くなったんだな。力がミナギルぜ、もたもたしてたらオレが終わらすからな!」3人が拳を上げて拳を合わせた

猛獣の戦いだったと後の瑞鶴は語った。

 

タウイ憲兵所付近

神谷「妖精さん達、ありがとう。僕と忍が敵を引きつけるから二式大艇の所へ急いでくれ!」妖精達は涙ぐみながら敬礼をして去って行った。

神谷「忍、限界を超えて吸ってくれ。」忍は神谷の首に噛みつき血を吸い始める、みるみる姿が変わり本来の姿へとなる

キスショット「さて、我が従僕よ。格の違いを見せに行くぞ。」

同時刻、又吉・香取・ちーが何故か力が溢れてくるのを感じた。

 

タウイ施設内

ジョーカー「んーー♦︎何やら異物が入り込みましたねぇ」トランプを空中で捌きながら呟く

ジョーカー「じゃ、こちらも本気出しちゃいましょう〜❤︎提督さぁ〜ん、部隊率いて終わらせちゃってくださ〜い♣︎」

ブルネイ提督だった何かと陸奥・白露・時雨・夕立が戦場へと向かって行った。

 

タウイ沖

突然現れた第二陣の強化型の深海混じり艦娘に苦戦する面々、個々の能力が上がったのもあるが一陣と同数という数に足を止められている

 

ラバウル天龍「香取、ここは俺たちがなんとかする、メンバー連れて行け!浦風ほかオレの隊は残れ、香取達を追わせるな!」

龍田「ふふふ、踏ん張りどころね。いいわ。」

浦風「ちぃーとばかし数が多いのぉ。ま、やるしかないね」

利根「覚悟はできておる、稚児達だけでも護りきるとしよう」

神鷹「群れの反対側の皆さんの方を中心に攻めて行きましょう、合流してからが本番です」

 

ジョーカー討伐最大規模の戦闘が始まった。

 

近海へたどり着いた香取達の前にブルネイ提督率いる艦娘と提督が深海悽艦の姿に変わる、混じり艦娘ではない変化したその姿は悪魔そのものだった。

 

ウォス「香取、センセー行って。そろそろ王が到着するわ。」

ビスマルク「アトミラールによろしく伝えて、あっちで待ってるって!」

村雨「楽しかった!うん!白露たちも解放してあげないとね」

秋雲「ここまで来ちゃったかー。ま、頑張るよ、と!」

山城「こんなヤバそうなのが相手なんて不幸だわ…」

 

霧島「みなさん…任せました。必ず提督を勝利に導きます!」香取と霧島が施設へと向かって行った。

 

ビスマルク「おい、紅茶娼婦。一発殴らせてくれない?」

ウォス「奇遇ね、ジャガイモ売女。」

クロスカウンターでお互いの左頬が赤くなり、唇から血が流れる

 

「「はじめよう!」

 

タウイ沖

 

互いに目の前の敵をなぎ倒し、外側にいた部隊と合流しある程度の規模となったタウイ担当艦隊。再交戦からしばらくして

天龍「青葉、通れッ!」青葉の乗ったボードが全速力で駆け抜けてタウイ沖へ向かった。

龍田「そろそろ提督も来るはず、もう一踏ん張りね」バックラーで仲間を庇い続けて、すでに中破。

春風「とにかく数が厄介ですね…」皆すでに何かしらの傷を追っている

 

加賀「提督機、来ます!」又吉の乗るブースター付きジエンドの機影が見えた途端、何かを察した姫混じりが二体進路上へ向かって行った。

 

ラバウル天龍「クソったれえぇぇぇ!」直進のみのジエンドは格好の的かつ猛スピードのために一発の破壊力も増してしまう。

清霜「行かせない!」オキツネフル装備の清霜といち早く気づいた天龍が飛び出し、出遅れた者たちが二体の姫を撃つも発砲されてしまうが…

 

砲撃は当たることなくジエンドが爆音を鳴らしながら通り過ぎて行った、沈んで行くラバウル天龍と清霜を置き去りにして。ニヤリと笑う姫混じりを1匹は浦風が捻じ切ったが、2匹目は敵の大部隊も追いついて混戦となり怒りで集中が疎かになった者達が更なる被弾を重ねてしまう。

 

又吉「清霜と天龍か!……良くやった!!」スピーカーで怒鳴るように吐き捨てる、詫びたらあいつらの行為が無駄になる…クソ!

 

ラバウル天龍「あちゃー、アイツらなっ…てねえ…な」大の字に体を開いて砲弾を受けた為致命傷となってしまった。

清霜「みん…な…」清霜も同様だ。大きく息を吸い最後の力を振り絞る

 

「プリキュア!」インカム越しに聞こえた清霜の大声で我にかえる又吉艦隊「天龍さん、あとおね…」と言い海面に落ちて行く

「又吉艦隊!隊列を立て直し挑め、お前たちは生きろ!かが…」そして天龍も落ちて行った。

 

加賀「ここからは私が大隊長として命じます、加賀・利根・浦風・龍田・響を部隊長とし各隊長がメンバーを整えなさい!空母は私の元へ、迎撃も怠るな!再編成開始!」

 

同時刻ラバウル港

ちー「皆が消えた。ジョンストンの母様が堕ちたか。だが、私は何故消えない…?」熱く熱を放つ子宮の位置の肌を抑える

天津風「ちー!悪いけど後ろに乗って頂戴!きっと貴方の力がまだ必要だから残ってるかも知れない!タウイへ行こう!」

ちー「願ってもないわ!まだ又吉さまの役に立てるのね!みんな、先にあっちで待っててね!」すっかり静かになった天津風隊以外いない海上に語りかける

 

「島風!お願い、力を貸して!!」天津風が屈み、ボードの先端に触れながら言うとボードが激しい輝きを放ち、形状が変化する

2人乗りのロングボードに姿を変え、先端には島風の黒リボンモチーフのオブジェ。ボードの後ろには天津風の煙突型のモチーフが激しい煙を上げている

 

天津風「ありがとう、島風…。安心して、どんなスピードでも乗りこなしてあげるわ!ちー!乗って!私に必死に捕まって、落ちたら置いてくわ!」

ちー達がキュアエースとあいちゃんに変化して乗り込み天津風の肩を両手で掴み顔を天津風の横に寄せる。「行って!」

ボードの先端が持ち上がり少し海に沈んだ煙突の下から凄まじい振動が発せられ、超高速のボードがラバウルから発進した。

 

タウイ近海

秋雲「はぁ、はぁ…あたしは平気だ、庇わないでくれ…」大破状態の秋雲

陸奥と白露は何とか沈めたが秋雲以外も全員中破

山城「青葉と提督が来ました、本日のメインイベントです…よ」肩で息をしながら体勢を整える

ウォスとビスが深海提督に秋雲・村雨・山城が時雨と夕立に突っ込み、その後ろを青葉が駆け抜けて、5分経たないうちにジエンドが駆け抜けて行った。

 

秋雲「オッケー、もう限界。みんな、後は頼んだ…。村雨!」村雨に右手のオキツネクローを投げ渡し、慌てて受け取った村雨の前に立ち切りかかって来た夕立の刀のような右腕を肩で受け、そのまま右腕に両足をかけしがみつく

 

秋雲「山城ぉ…」最後の力で声を振り絞り、それを受けた山城が夕立に近づき口の中に砲をねじ込み発射。村雨は涙を流しながら両手にオキツネクローをはめて夕立を救いに来た時雨の腹に右手を刺し左手で首を跳ね飛ばす。ウォースパイトはビスマルクにお姫様抱っこされているが息は何とかあるようだ。

 

山城が沈んで行く秋雲を掬い上げ抱きかかえるが秋雲の体から光が昇っていく

 

村雨「秋雲ぉ、あぎぐもぉ…」必死に昇ってく光を秋雲に戻そうとするが秋雲はどんどん薄くなる

秋雲「勝敗…はあたしの…勝ちこ…しだた。別のあたしにさ……部屋の、ものあ…げて。たのしかった…じゃ」最後にニッコリと笑い、秋雲は消えた。

 

ジエンドはブースターを切り離し、上陸し駆ける青葉を通り越して泊地大場広場であったであろう更地で戦っている神谷たちが視界に入れた。

 

泊地跡地

 

ジョーカー「あなた♠︎というか、金髪のお姉さん!非常にめんどくさいですね〜」

神谷・キスショット・香取・霧島を相手にして息ひとつ乱していないジョーカー

神谷たちも大怪我はしていないが体力は少し削られている

神谷「あの超再生みたいなのがチートだ」

キスショット「ダメージは確実に与えているが体力ごと回復とはなぁ」

香取「提督が来る前にそれなりの状況にしたかったのですが」もう殆ど下着姿の香取

霧島「ですね、我々だけでは足りないようです。懐に手を入れ前の霧島のひしゃげたメガネがあることを確認する霧島」

 

ジョーカー「準備運動としてはなかなかでした♦︎さ、主役の登場です。」右手を腹に当て、香取達にお辞儀をする

 

「待たせたなぁ」自慢のイケボで某かくれんぼゲームの主人公の真似をしながら、右人差指をレイピアのイメージで突き出しジョジョのシルバーチャリオッツの立ち姿で登場したジエンド

皆の後ろにはあとを追って両膝に両手を当てて肩で息を整える青葉が到着

 

 

役者はそろった

 

 




明日その2を投稿して終わりになります。


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「星に願いを」 その2 完結

ラバウルで姫配下の深海悽艦が消えた同時刻

巻雲「レ級さん…」
武蔵「…。」
レ級の身体から光が漏れ粒が天に昇っていく
レ級「お別れだ、杏ちゃんやったんだな!」ニコニコするレ級
巻雲「また、会いたいです」手を伸ばす
武蔵「来世で」レ級の肩に手を乗せる
レ級「次はオレがあんたらを鍛える役がイイ、殴られてばかりだったしなwww」巻雲の伸ばした手に握手を交わし消えていった。

加賀「建造艦が消えていくわ…どういうこと?」
利根「ドロップ艦ならまだしも…じゃが、いよいよキツいのぉ。あちらは数が減らん…。」
響「おそらく置鮎提督が撃破したのは間違いないだろう、建造艦が消える問題は終わってからにしよう」
龍田「いよいよ大詰めね、私たちがwwwやれるだけやりましょう」



ラバウルを発って3分

 

天津風「海面がコンクリートみたいに硬い…息もッ!」石切り遊びのように海面を跳ねて進んで行く天津風とちー

あんまぁ…

ちー「んー何かうるさいのよねぇ…天津風大丈夫?」下腹を無意識にさすりながら声かけする

天津風「正直キツいし、間に合わないかもしれない」100ノット越え、時速200km近いスピードで水面を跳ねている呼吸もままならない

ちー「水面に当たる度に減速がかかるわ、私は平気だけど呼吸辛そうだからハイ。」艤装ちゃんことあいちゃんから作り出したフルフェイスメットを被せる

天津風「うわっ、あ、息できる…。何でも作れるのね、いっそのことニルヴァーシュspec2みたいな飛行機作ってくれれば良いのに…」

ちー「何だか知らないけどさっきから力が溢れてくるのよ…飛行機みたいな難しいのは無理、エンジンなんてわかんn…あるじゃない!エンジン!」

天津風「え?何?」

ちー「天ちゃん、次の海面着地で思いっきりボード吹かせてなるべく高く飛んで!ほら、あの波使おう!」結構先の大きい波を指差す

天津風「何だか分からないけどやるわよ?しっかりしがみついて!」あっという間に迫った大波を利用してフルバーストで斜め上空に飛ぶ!

ちー「あいちゃん!私のイメージ通りにお願い」

あいちゃん「キュピラッパー!」すっかり役が板についた艤装ちゃんが飛んだと同時にボードの先端にしがみつき自身の形状を変える、そして天津風達も包み込みspec2の軽自動車サイズ飛行機モードになる

天津風「うわわっ、飛んでる…」流石に高度は高く取れないが海面4mくらいをキチンと飛行している

ちー「燃料は私よ。不死身っぽいというか何というか分からないけど、溢れるモノは利用しなきゃね」

天津風「…。」手持ちの海図を取り出し計算式を書き込んでいる

ちー「天ちゃんどうしたの?」肩に乗せた顔からメモを覗き込む

天津風「ちー、今から言うことをしっかり聞いて。このまま直進でタウイタウイのここの陸地が最初の陸地よここで降りて。今からボードに限界値以上にスピードを出させるから、パーツが壊れたらあいちゃんで同じ形状のモノ作って埋めて。音速の壁を2つ越えてもらうために私は飛び降りるわ、1時間前後で着くわ。」

ちー「今の速度で落ちたら無事では済まないわ!ダメよ!」

天津風「間に合わなければ意味がないの…。お願い、みんなをあの人を助けて…」真剣な表情の天津風の圧に呑まれるちー

ちー「分かったわ、あなたの命…わたしに…うぅ…」泣き出してしまった

天津風「一応海の上で散れるから本望よ。ヲーちゃんとあっちで待ってるからゆっくり来てね」肩越しにちーの頭を撫でる

ちー「うぐっ…ぅぅぅ」

天津風「島風…最後のお願い、音速を越えなさい!」凄まじい重力がかかり、その瞬間2人とも後ろに貼り付けになる…

天津風「…ぐ。ちーお別…れよ!した、あ、けて…」無理矢理身体を起こしちーと離れる

ちー「絶対、勝ってくるからね!」涙を流しながら天津風の床の空間を開いた瞬間、天津風は一瞬で消え去った。空間を閉じエンジン部分に意識を集中する…先に行ってて、私も行くから…飛行機は音速の壁を2つ越えた

天津風「ふふ、本当に周りの時が止まって見えるわ…ゆっくり落ちて行くのね…ヲーちゃん、いまあn…」海面に着と同時に天津風は分散した。

 

タウイ広場

格闘、斬撃、砲撃何でもありの戦いが繰り広げられる。青葉は身を隠しながらカメラのファインダー越しにジョーカーを見ている

青葉(やはり地面から紐のようなもので繋がれています…どうやったら切れるのでしょう…)

ジョーカー「アハハ、イイですねぇ!何か力が加わってますねぇ、又吉さん」交戦で腕や足が飛び胴体に穴が開くがすぐに再生される

又吉「ったく、しつけーなー!」皆未だに損傷はないが、やはり体力が削られていく。

青葉(とりあえず試してみるしかありませんね…)「霧島さん、例のメガネをかけて私が指示する地面を撃ち抜いて下さい」インカムでそっと伝える。霧島が無言でメガネを取り替えた。

青葉「霧島さん以外ジョーカーに一斉攻撃、霧島さんあそこです」ポイントを電探で送る

 

ジョーカーが皆の相手をしてる中、霧島の砲撃がある地面を抉る。キスショットが腕を切り落とすと再生がかからない

ジョーカー「❤︎♦︎♠︎♣︎」そしてあっという間に又吉達にバラバラにされてパーツが地面に落ちていった。だが地面に落ちたら再生が始まり元の姿に戻った。

ジョーカー「今のは驚きました…確か殺したはずです、そこの貴方ぁ!」と言い霧島に向かって腕を麺のように伸ばすが香取によって腕を切られる。

 

(長くなるわ、飲み物でも飲みながら聞きなさい。私が深海共に()()()()()理由、最後の敵…前の私が沈められたのはジョーカーの本体の様なものに私の攻撃が届くから。司令に伝えて今回の作戦を立てた、おそらくメインはタウイだろうと予想して戦力を多めに投入。万が一ブルネイだった場合はタウイを落としてからジェットでブルネイに皆で向かう。巻雲ちゃん達も今頃準備しているはずだわ)

 

ジョーカー「みなさん、私はこの星が痛みに耐えかねて生み出した存在です。星自身が願ったのです、人間を滅ぼしたいと。星の力がある限り私を倒すことはできません…ですが物事全て完璧などあり得ません。イレギュラーは付き物です、だからその巫女服を殺したはずなのですが…そして、同じメガネっ子の貴方も鬱陶しいですね?お腹にもう一つ命を持っていますね」ジョーカーは香取を見る。香取は無意識で下腹を手で庇った。

 

香取「え…?」自分自身の行動に驚く香取

又吉「フフフ、俺様の種だッ!」ぶっちゃけ又吉も内心驚いている

キスショット「ハハハハ!又吉とやらよ、その状態で交わったのか!愉快、愉快!そして吉と出たか、あの猫娘もここまでは読んでおらんだろう!」

 

ジョーカー「負けるとは到底思えませんが、不安要素は取り除きます。お遊びはここまでです!」ジョーカーの姿が4mくらいの大地にゴーレムの様になり、各所に現れた穴から出た光が又吉達を1人残らず貫いた。

 

皆すぐに起き上がり攻撃に移るが青葉と霧島は再生がないので効いてないフリだった…

 

タウイ沖からほぼ近海

 

一部艦娘が消えてから1時間くらいかしら…提督達はどうなった?まぁ、こいつらがいるからまだ決着は付いてないわね。加賀は額から流れて目にかかる血を拭いながら周りを見渡す。利根も北上も沈んだ…あと100体切ったくらいだけど、天龍・清霜も欠いた状態でこの数はね…。皆、立ってるのがやっと。村雨達と合流したけど私たちは10数隻…

少しでも道連れにしてやろうと意気込んだその時、タウイ泊地のやや海岸寄りの陸地に何かが墜落して黒煙を上げている、そしてすぐさまこくえんの中から砲弾が複数飛び出して敵を10体ほど蒸発させた

 

「情けない姿を晒すな!それでも又吉さまの艦娘か!ここを掃除して又吉さまの加勢に行く気合のないものは今すぐ沈め!私は行くぞ!」生きているはずのない者の大声がインカム越しに聞こえて来た。

 

浦風「地縛霊に発破かけられるとは我ながら情けない…この身体くれてやる、手が無くなったら噛み殺したるわぁ!」

浦風の咆哮を皮切りに全員最後の戦いに挑む姿勢を見せる

ちー「それでこそ又吉艦隊よ!骨は拾う、我が砲に続けぇ!」ちーの一斉射第二波と残りの艦娘の特攻で敵を全て撃破した。多くの犠牲を出した戦いだった。

 

ジョーカー「またイレギュラーですか…ですが微々たるものです。ほら、どうしました?皆さん、終わりでいいですかぁ❤︎」

霧島と青葉はピクリとも動かない、他の皆も体力が限界だ。これ以上の再生も危うい。

 

又吉「そうだな、終わりにしようか」又吉がボロボロのジエンドでポーズを決めるピピピピッ、と音がきてジエンドが赤く光りだす。

ジョーカー「私ももう飽きたので次でお開きにしましょう♦︎」四つん這いのゴーレムが地面に頭を近づける

(忍さん、神谷。合図と共にどんな手を使ってでもアイツの頭を跳ね上げて胸を晒してくれ、青葉が言うには人の心臓と同じ位置に星からの供給を受けるコアがある、これで最後だ。あんたらの命も俺様にくれ、そして香取。視界が塞がろうが俺様の位置は分かるだろ?今のその力で俺様を目標に貫け!)インカム越しに最後の指示を出す。

 

又吉「ねだるな!勝ち取れ…」

又吉の叫びと同時に神谷が正面から飛び込み、地面に付いた両腕を妖刀心渡で切断して神谷の影からキスショットの「吸血鬼パンチ真打」が炸裂して顔を仰け反らせる。ジョーカーすぐさま回復した両手で神谷とキスショットを握った時にはジエンドが胸に貼りつき自爆をした。崩れゆくジエンドとジョーカーの胸を上半身だけになった又吉が飛び出し、剥き出しになったコアを抱きかかえ

 

「さすれば与えられんッ!」全力のイケボの叫びで光の中から香取に位置を知らせる。そしてすぐさま香取の手刀がコアと又吉を貫いた…

 

自爆の爆発で辺りが吹き飛び、野球ボール大に縮んだコアが浮かび地面に光を垂らし始めた時、霧島の砲がコアを撃ち抜き消滅させた。

 

「これで、終わりです…。」

 

 

歴史の教科書には載らない深海悽艦との最終決戦が幕を閉じた。

 

 

---1年後---

 

裏事情の報告を受けたほとんどの国は核ミサイルを始めとする戦略兵器の廃棄を宣言し、日々解体に勤しんでいる。艦娘達はそれぞれの国へと戻っていった。

艦娘はドロップ・建造問わず同型艦の1番強い個体ひとつを除いて全て光となり全世界合わせて200数十隻だ。基本軍属であるが、有事の時以外は一般人として過ごすこととなり、放浪する者、店を開く者、軍に駐在する者様々だ。

終戦から半年後、ロシア・中国・インドといった減ったとはいえ元々の人口の多いかつ深海戦争に余り携われなかった大国は秘密裏に通常兵器の開発を続けていて、野心からか?戦争で貢献できなかった焦りからかは不明だが戦略兵器廃棄を受けて世界に宣戦布告を行った。

ロシアはガンクートを旗艦とするロシア・日本艦隊に攻撃され、核施設等容赦なく破壊を受け国土の半分は人が住める土地では無くなってしまった。

インドはイギリス・ドイツ・イタリアの欧州大艦隊による攻撃を受け無条件降伏

中国は日本・米国の最強連合の前に2日で降伏、深海戦争以前の行いも災いして共産党幹部が全て無期懲役。共産党と人民解放軍は解体され、米国の支配下となった。艦娘は内戦には関与しないが、他国への侵略は非戦闘員問わず殲滅すると艦娘代表の長波による強い宣言が行われた。艦娘の寿命が来る100年後まで、侵略戦争は行われなかった。

妖精主導による新しいエネルギーの開発により、自国での電力確保ができ急速に建物などは復興して行った。中でも日本は戦争時からあるアニメによる娯楽産業込みの復興が行われていたため、各国のモデルケースとなり1番人気の観光地となっていた。経済誌には「モデル プリキュア」と名付けられアニメも全世界で大ヒットとなる。

 

宿毛湾泊地、終戦一周年式典

 

折笠元帥「終戦からちょうど1年。とある名を知らされることのない英雄達発祥のであるここでへいわの式典を迎えられることを心から嬉しく思う。彼らの活躍なくしてこの平和はあり得なかった。よって今より壇上の「解放の英雄、折笠 杏中将アナウンスの元各自を紹介して行く。」

杏「それでは、スクリーンをご覧ください。先ずはこの方、当時ラバウルの悪魔と呼ばれた伝説の提督〜」

 

とある地方の大きな家

長波「お、又吉の紹介から始まった!香取ー、テレビ始まったぞー!」大声を出してしまい、抱えていたやたら凛々しい顔をした良い声の赤ん坊が泣き出す

長波「おーっと、ごめんよ又吉。でもさ、あれみてあれ。お前のトーチャンだぞ!」

香取「始まったのね。天(てん)ちゃん、あなたのパパですよ〜❤︎あなたのママも紹介されるかしら?」白い肌に銀髪の可愛らしい赤子を抱きかかえながらテレビの前に来る香取

巻雲「長波ぃー、巻雲も又吉抱っこしたいですぅ!」長波から奪おうとすると再び泣き始める又吉

天龍「母親の香取よりも長波に懐いてるよなー」

山城「天ちゃんは随分と香取に懐いてるわね…」

ちーこと中枢棲姫は天を出産後10日程で光となって消えた。以降は同時期に又吉を産んだ香取が母親代わりとなり育てている。

突然、香取の影からニョキッと忍が出てくる

忍「エロメガネ、久しぶりじゃのぉ。もうすぐ我が主人様と女狐がここに着くぞ。ほれ、眼帯ボインそこに座れ。」座った天龍の膝に頭を乗せる

忍「あの米国空母程ではないが、中々良い心地じゃ。」

神谷「ごめんくださーい、神谷です。忍はもう来てますかー?」

ハチが案内して神谷とお腹の大きくなった間宮を連れて来た。

春風「あら、間宮さんのお腹も随分大きくなりましたね」

間宮「あと2ヶ月で産まれます。男の子ですって!」お腹をさすりながら微笑む

 

ここは基本的に軍が建設した香取の豪邸で、長波は住み込みだがヒマな艦娘が入れ替わり立ち代わり子供達のお世話に来る。もちろん屋敷の警備はアンドレだ!実はアンドレと翔鶴は夜の友達だったりしちゃったりなんかしちゃったりする

 

人間と艦娘の間に子供はできないのだが、仮の吸血鬼となった又吉は人間扱いではなく艦娘や忍と同カテゴリーと位置づけられた為できた子供。間宮は神谷こと阿良々木なので…

以降確認された艦娘の出産は大きくなった又吉に群がった生き残りの宿毛・ラバウル艦娘達と、大きくなった神谷の子供を囲った始まりの5人が記録に残っている。天は折笠夫婦の子供と結ばれた。

 

式典は中枢棲姫・ヲ級・レ級もエピソードとラバウルでの生活の映像と共に紹介され、軍属・一般観客を含めて大いに驚かれた。

 

香取「ほら見て、天!あなたのママよ!」

式典の最後はプリキュア制作現場の全種族集合会議の映像で締められた。

 

 

自由気ままなおっさん提督   完

 

 

 

 

 




初作品、何とか描き終えました…。読んでくださった方々、ありがとうございました。見ての通りエウレカとプリキュア中毒デス、引用多くてすまんこったい!

作成したあらすじでは中枢棲姫と深海軍はなかったのですが、何とかして推しのキュアエースを出さないものかと思案した結果、ある程度無茶な変化に融通の効きそうな深海悽姫採用となりました。中枢棲姫は陸上型から選び、港湾と最後まで迷いましたが港湾は他の作者さんでも人間よりに書かれることが多かったので、本作品の艦娘同様なかなか陽の当たらない彼女を採用にしました。
長門、金剛、北上、響、天龍といった他作品で活躍の多い子はなるべく採用を避けたかったのですが使い勝手から結局出すことに…
ゲームは活動休止状態ですが、基本メガネ艦とは全てカッコカリ済みデス
プリキュア話はもともと描きたかったので、中の人を基準に艦娘をチョイスしていきました。

約1ヶ月に渡り書きましたが楽しかったです。始めの方に比べれば、書き方も上達…したつもりです。
次回作はエロは共通ですが全く雰囲気が違う作品のあらすじはできてます。
機会があれば是非見て頂けると嬉しいです。

それでは、またどこかで。


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