スライムの海兵さん (UFOキャッチャー)
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海兵になりました

ワンピースの二次創作を書きたいと思ったので書き始めました。
一応ワンピースはジャンプで読んでいるんですが、コミックの方を買っていないので時系列や内容の方は調べながら書いていきます。(コミック買わなきゃ)
それでもいいというどうぞ読んでいってください。



11月18日に文章の構成・編集をしました。


目が覚めると俺はヤシの木の木陰に倒れていた。寝起きのせいもあるためか思考が止まったままである。だが心地よい海風によって段々と頭が覚醒してくる。そして体を起き上がらせ辺りを見回す。

 

????「………海だ…」

 

辺りを見回して出た第一声。目の前には海が広がっていた、どこまでも続く大海原。

 

????「潮の匂いに心地よく感じる風、砂の感触…夢というにはリアルすぎるから現実だろうなあ……この状況は異世界系にある転生とか転移したっていうあれだな…好きなアニメの映画のDVD借りて観て寝たらこの状況…まあウダウダ言っても仕方ねぇ取り合えず何かあるか探索するか」

 

俺は気持ちを切り替えまずは浜辺を調べることにした。

 

????「なんか漂着物いっぱいあるな、ほとんどガラクタだけど…おっ?」

 

何か役に立つものはあるかと調べているとまだ新しめの木箱が浜に漂着していた。

 

????「まだ綺麗だな…では」バキッバキキッ!

 

近くにあった漂着物の中にあった鉄パイプで上手く木箱を開ける。木箱を開けると中にはビール瓶ほどの大きさの水が入った瓶が入っていた。いわゆる飲料水である。

 

????「おおっラッキー!これは当たりじゃん!…いや待てまずは飲めるか確かめねえと」

 

飲めるかどうか確かめる為、瓶を1本取り出しコルクの栓を抜く。まずは匂いを嗅ぎ次に水を口に少し含む。

 

????「………うん、問題ないな。とりあえず一応水が確保できたな」

 

その後も俺は浜辺を探索した。結果としては大収穫と言える。内容は飲料水が入った木箱(25本入)×3、缶詰の木箱(50個程)×1、ナイフ1本、マッチ箱×1、鍵が掛かった小さい箱である。

 

????「いや~水があるのはありがたい、それにマッチがあるから火が起こせる。焚き火の木も漂着した木材があるから大丈夫だな。それより気になるのはこの宝箱みたいな箱…傾けると何か転がるような感覚はあるな……気になるから開けるか、鍵ねぇから時間かかるな」

 

それから箱と格闘しつづけること30分…ついに鍵が壊れた。

 

????「っし!開いた!あー疲れたー…さて気になる中身は…《パカッ!》…えっこれって…」

 

箱の蓋を開けるとそこには模様に渦巻きが入った水色の果実が入っていた。そして俺はこの果実に見覚えがある…いやこの果実によく似た果実である。その実の名はゴムゴムの実、(しょく)せば体がゴム人間になる果実である。この果実を見て俺は思う。

 

????「……この世界はワンピースの世界…はえ~マジかよ、生き残れるかな……まあそれは後で考えよう、問題はこれを食うかだな」

 

目の前にある悪魔の実に目線を向ける。手に取って観察してみるが不思議とこの実はハズレじゃない気がする。もちろんこれは俺の勘であるためハズレである可能性もある。

 

????「食って当たりなら強い力が手に入る、ハズレならただ変わった能力を持ったカナヅチになるだけ…」

 

悩むこと数分…

 

????「…食うか、自分の勘を信じて」

 

そう決めるとナイフで実を一口サイズに切る。そして意を決して口に含み咀嚼した瞬間…

 

????「!!?―まっ!?みっ水!!…《ゴクゴクゴクゴク》

 

分かってはいたがそれを遥かに超える不味さ。急いで水を流し込んで飲み込む。

 

????「ハア…ハア…ハア…マズすぎるにしても限度があるだろ…さて体の方は―!!」

 

変化はすぐに分かった。自然と頭でどのようにするのか理解できる。そして右腕に意識を集中させると…

 

ドロォ…

 

右腕がスライムのようにドロリと形を崩し、形を戻すように意識すると元に戻る。

 

????「これは~…なんかスライムみたいだな。スライムと仮定して実の名前はスムスムの実、ラムラムの実とかかな」

 

能力がどのようなものか確認するとその日はこの世界に来た疲れもあったのか、睡魔がくるとそのまま寝てしまった。翌日、俺はこの世界で生き残るために、体と能力を鍛えることにした。結果としてこの俺が今いる島は鍛えるのには最適だった。現代人の基準から言えば最適とは言えないがこの世界の基準だとたぶん最適だろう。森の中には食べ物と森の奥から流れる川もあり、強くなるためには持って来いの猛獣もいた。猛獣に対して最初は怯んでいたがある気持ちがそれをいつの間にか消していた。その気持ちは……『肉が食いたい』……その気持ちが彼を前進させた。そして修行と始めた日から月日は流れ…

 

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――1年後――

 

鍛えるためにこの島で過ごした時間が約1年経過した。厳しい環境で過ごしたおかげで俺はなんと覇気を習得することができた。武装色・見聞色そして覇王色である。俺に王の資質があるのかと思ったが…まあ使えるなら使えるに越したことはない。あると便利だし。

 

????「そろそろ島を出たいな…いま運よく船とか通り掛からないかな…」

 

そんな都合のいいことを言いながら海を眺めていると…

 

????「ん?……あれは………もしかするともしかして!!?うおおおおお火を大きくするんじゃああああ!!」

 

煙を大きくして気づいてもらうためありったけの木材を焚き火に投入する。

 

――船・甲板――

 

海兵「ん?何だあれは?」

 

周囲を見張っていた者が何かに気づく。

 

ガープ「どうした何か見つけたのか?」

 

海兵「ガープ中将!はっはい何やら煙のようなものが見えまして」

 

ガープ「煙じゃとぉ?このあたりに人が住んどる島なんてあったかのぉ?」

 

海兵「いえ、この海域で確認されている島は無人島であります。あくまで確認されているだけですが…」

 

ガープ「ふぅむ…もしかすると遭難者かもしれんな…よし船の進路を変えろ!煙の見える方向へ舵を取れ!」

 

海兵「「「はっ!」」」

 

煙に気づいた船は海軍の軍艦だった。目視で確認できる距離で気づいたときは驚いた。まさか海軍の船だったとは…そして俺はいま甲板で色々と聞かれている最中だ。そしてその話を聞いてくる相手は…

 

ガープ「お前さんなんであんなところにいたんじゃ?」

 

????「いや…気づいたらいたというか…まあ遭難という感じかな~…」

 

ガープ「なんじゃその答えは!どっちなんじゃ!」

 

????「え~…じゃあ遭難で」

 

海兵((((じゃあ遭難で!!?))))

 

ガープ「よしわかった!」

 

海兵((((納得しちゃった!!?))))

 

????「それで俺はこれからどうなるんです?」

 

ガープ「ん?あー…どうじゃったけ?まあそんなこと後でええわい。それよりもお前さん海軍に入らんか?」

 

????「えーめんどいなー」

 

ガープ「なんでじゃ!…お前さんこの後どうするか決めてないんじゃろ?だったら海軍に入った方が色々と手間が省けるぞ?」

 

????「あーそれはいいかもしれない」

 

ガープ「そうじゃろ?」

 

????「でもメンドくさい」

 

ガープ「なんじゃとぉ!!」

 

????「最初から将校にしてくれるなら考えなくもない」

 

ガープ「うーむ…お前さんなかなか図々しいのう」

 

ガープが図々しいと言うと周りにいる海兵も心の中で同じことを思うのであった。

 

クザン「ん~中々おもしろい奴じゃないのーきみぃ」

 

ガープ「なんじゃあ青雉、寝とったんじゃあないのか?」

 

クザン「いや~ガープさんの声で目が覚めて途中から話聞いてたんすよ。そしたらオモシロいこと言ってるな~って」

 

????「えーと…」

 

クザン「おっとこいつは失礼、俺はクザンってんだ。階級はこう見えて大将だ」

 

????「初めましてクザン…さん」

 

クザン「さんつけるまでに何か間があったけどまぁいいや、こっちが名乗ったんしそっちも名乗ってくれよー」

 

ライム「(名前か…どうせなら新しくするか)…ライム」

 

クザン「ライムくんね、それでガープさんこーゆーのはどうです?」

 

ガープ「なんじゃ、何かいい案でもあるんか?」

 

クザン「本部の将校…少尉から順に力比べするというのは?」

 

ガープ「ほほう…おもしろいこと言うの。それで最終的に勝った所までの階級にすると?」

 

クザン「まあ流石にいきなりその階級ってのはあれだからえーと、その、まああとで決めるってことで」

 

ガープ「ふん面倒くさい所は丸投げか…まあじゃがおもしろそうじゃの。本部に着いたらセンゴクに言うてみるか!」

 

クザン「いや~よかったねライムくん」

 

ライム「まだ出来るわけじゃないっすよ」

 

その後、クザンと他愛ない会話をしていると海軍本部【マリンフォード】に到着した。

 

――海軍本部【マリンフォード】――

 

ガープ「やぁーと着いたか、あー疲れた。おい後は任せるぞ」

 

海兵「「「「はっ!分かりました!」」」」

 

クザン「さー着いたぜライムくん」

 

ライム「おぉーでっかいなー」

 

本部の規模に驚きながら軍艦から港に降りる。

 

センゴク「おいガープ!貴様また勝手に抜け出したな!!」

 

ガープ「おーセンゴク!今戻ったぞ!」

 

センゴク「戻ったぞじゃないわ!書類仕事をサボりおって!」

 

ガープ「まーそう言うな、おもしろい奴を拾ってきたんじゃ」

 

センゴク「おもしろい奴だと?」

 

ガープ「いま青雉と一緒にいる奴じゃ、ほれアイツじゃ」

 

ガープがライムがいる方に指を指す。

 

センゴク「どうしたんだあの子は?」

 

ガープ「早い話が無人島におって助けたんじゃ」

 

センゴク「なるほど遭難者か、でおもしろい奴とはどういうことだ?」

 

ガープ「実はの………」

 

海兵に勧誘した際の話の詳細をセンゴクに話すガープ。

 

センゴク「またお前は面倒ごとを…」

 

ガープ「ぶわははは!じゃが人手は欲しいじゃろセンゴク?」

 

センゴク「ったくお前は…まあ話をしてみるか」

 

センゴクがライムの方へ近寄る。

 

クザン「あっセンゴクさーんどうも」

 

センゴク「クザン!書類が溜まっていると部下が言っているぞ!!」

 

クザン「勘弁してくださいよ~、俺はああいうのダメなんすよ~」

 

センゴク「そんな言い訳が通ると思ってるのか!まったく…君がライムくんだね?私はセンゴクという、海軍では元帥を拝命している」

 

ライム「初めましてセンゴク元帥、ライムといいます。てかクザンさん書類仕事サボってきちゃったんですか?」

 

クザン「いや~あの量は人がする量じゃないのよライムくん」

 

センゴク「いらんことを言うなクザン!…ガープから事の詳細は聞いた。普通ならありえないがこちらは人手不足だ」

 

ライム「ということは…」

 

センゴク「君の実力をみさせてもらうことにする。ただし実力が足りないと訓練校行きだ。あと相手はこちらが決めさせてもらう。クザン、お前が相手しろ!」

 

クザン「えっ!俺っすか!?」

 

センゴク「書類仕事サボった罰だ!それにお前は関係者だしな!」

 

クザン「マジかよ」

 

ライム「いきなり大将って大丈夫なの俺?」

 

クザン「まぁなんだ、頑張ろかお互い」

 

ライム「お手柔らかにお願いします」

 

こうしてまさかの大将と手合わせすることになってしまったライム。はたして無事に終われるのか。

 

――海軍本部屋外訓練場――

 

ガープ「審判はワシがする!2人とも思いっきりやれ!ぶわははは!!」

 

センゴク「真面目にやらんかガープ!ライムくん、君は全力でやりなさい。クザンの事は心配しなくていい」

 

クザン「ちょっとセンゴクさん、少しは心配してくださいよ~。ライムくんがめっちゃ強かったらどうするんですか」

 

センゴク「その時は大将の座を降りてもらうだけだ」

 

クザン「マジで!?」

 

ガープ「そろそろ始めるぞ…では始め!!」

 

ガープの合図によって試合が始まる。周りにはどこからか聞きつけた海兵が集まっており、その中には将校の姿もちらほらと見える。ライムの手には使用許可がおりた訓練用の棒(長さ180㎝程)が握られている。試合開始とともにライムはその棒を構える。

 

クザン「あららどうしたの?来ないの?初手は譲っちゃうよ」

 

ライム「いいんですか?」

 

クザン「遠慮しなさんなって~俺は強いから大丈夫だぜ」

 

ライム「ではお言葉に甘えて……」ダダダッ!!

 

クザン「(いい速さだ、さてどうくる?)……」

 

ライム「まずは…こう!!」ヒュッ!…ガァン!!

 

クザンの正面に向かって走りそのまま勢いを付けて棒を振り下ろす。その攻撃をクザンは片腕でガードして受け止める。

 

クザン「お~なかなかいい攻撃じゃない、だけどこの程度じゃ訓練校行きだぜ。」

 

ライム「まだ始まったばかりっすよ」

 

クザン「そうだったな、じゃあ今度はこっちの番だ」ガシッ…パキキキ…

 

ライム「!?…」シュバッ!

 

クザンが空いている片方の手で棒を掴む。すると掴んだ場所から凍結していき咄嗟にライムは棒を放してクザンから離れる。

 

ライム「氷漬けにする気ですか?」

 

クザン「おっなに?ビビっちゃった?」

 

ライム「能力使うなんてありですか?」

 

クザン「ダメとは言ってないぜ、それに海軍に入ったら能力者と戦うなんてごまんとある。有りとか無しとか言ってられねぇぜ?」

 

ライム「それもそうですね」

 

クザン「まあでも武器は返してやるよ」

 

クザンがそう言い氷の塊がついた棒を投げ返す。

 

ライム「ありがたい言葉と能力見せてくれたお礼に俺もとっておきを見せてあげますよ」

 

クザン「おっなになに?言ってくれるじゃない」

 

センゴク「あの馬鹿、余裕かましおって」

 

ガープ「ぶわははは!青雉の気持ちも分からんでもないがな!じゃがお前の言う通り油断しとったら痛い目見るかもしれんな。あやつはたぶん何か隠しておるぞ」

 

センゴク「ああ、一体何を隠しているのやら…」

 

ガープとセンゴクが鋭い分析をする。

 

ライム「形状変化!オオカミ!」グニョオォォ…

 

ライムがそう言うと脚の形が変わっていく。そして変化が終わるとライムの脚はまるで狼の後ろ脚のようになっていた。

 

ガープ「ほお…能力者じゃったか」

 

センゴク「しかし何の能力だ?動物(ゾオン)系かと思ったが多分違うぞ」

 

ガープ「まあそれは後で聞けばよい」

 

センゴク「それもそうだな」

 

クザン「おいおい~ライムくん(きみ)、能力者だったの?」

 

ライム「そうっす…よっ!!」シュダダッ!!

 

クザン「(さっきより速い)!?」

 

脚が変化したことにより先ほどより速く、先ほどと同じ攻撃を繰り出す。

 

クザン「おいおい攻撃がさっきと同じ―!?」

 

ドゴォッ!!

 

ライム「…なんで避けたんです?」

 

クザン「そりゃ避けるでしょうよ…まさか覇気まで使えるとはな」

 

ライムが使っている棒が黒く染まっていた。そして棒で殴った地面がひび割れていた。

 

ガープ「ぶわっはっはっはっ!!まさか覇気も使えるとはな!!こりゃ一本取られたわい!!ぶわはははははは!!!」

 

センゴク「驚いたな、この若さで覇気使いとは。まだ歳は20手前といったところか?」

 

ガープ「そんなことはどうでもいいわい!それよりセンゴク、階級はどうするんじゃ?」

 

センゴク「まだわからん、ただ覇気が使えるからよく考えねばならんな」

 

ガープ「しかも能力者じゃしな!ぶわははは!」

 

センゴク「まったく…お前は気楽なもんだな」

 

センゴクの気苦労は絶えないのであった。

 

クザン「こりゃ~こっちも少し本気出さないとな」

 

ライム「本気出さなくていいですよ、形状変化!オクトパス!」グニョオォ

 

ライムの腕が形が変化し4本のタコの腕になる。そしてそのタコの腕に武装色の覇気を纏う。

 

クザン「おっとぉ何だか見た目がおっかないよ?」

 

ライム「ふっ!」ヒュッ!!

 

クザン「!!?―」バッ!!

 

バゴンッ!!

 

クザン 「っぶねー…なんつースピードだよ」

 

予想の範囲外のタコ腕の攻撃の速さに驚き少し冷や汗をかくクザン。ライムは伸ばした腕を利用しそのままクザンに接近する。

 

ライム「オクトパスラッシュ!!」ボボボボボッ!!

 

クザン「うおっ!?あぶねっ!」

 

ライム「オララララララッ!!」

 

見分色の覇気を使い猛攻を躱すクザン。そして大将相手に優勢を決めている現状に驚きを隠せない海兵たち。

 

海兵「おい何なんだあのガキ?青雉さんをおしてるぞ?」「ガープ中将が拾ってきたって聞いたぜ?」「この試合の結果次第じゃ俺らの上司になるんだってよ」「マジで!?」

 

クザン「やられてばっかじゃ俺のメンツが立たないんでね、ちょいと本気で行かせてもらうよ…((ソル)!)…アイスタイム!!」パキパキパキ!

 

ライム「冷たっ!!?―」

 

ライムの猛攻から剃で距離を取り即座に地面に手を着く。そしてヒエヒエの能力を発動させライムの脚を凍らせる。

 

クザン「フゥ…動くと脚が折れちゃうよ」

 

海兵 「うおおお!さすが青雉さん!!」「ガキが調子にのるからだ!」「うおぉ…寒みぃ」

 

クザン「ガープさん、これは勝負あったでしょ?」

 

クザンが審判のガープに問いかけるが返答はない。もう一度問いかけようとしたときライムが凍った脚を何とかしようとしてるのが目の端に映る。

 

ライム「ふっ!ふん!これ硬すぎじゃね?」

 

クザン「あっおい、あんまり動くと―」

 

バキキンッ!!

 

ライム「あっ…」ドサッ…

 

太ももまで凍っていた脚が折れ倒れる。ライムの下半身は股関節辺りまでしかない状態だ。

 

クザン「おっおい!ライム大丈夫か!?」ダダダッ!

 

ガープ「……」

 

センゴク「……」

 

クザンが急いでライムに駆け寄る。

 

クザン「おいライム大丈夫か!?しっかりしろ!」

 

ライム「クザンさん……まだ試合は終わってないっすよ?」

 

クザン「はっ何言ってんだ!?そんな状態で―!!?」ヒュッ!

 

出来るわけない…そう言いかけた瞬間ライムの脚が再生しそのままクザンの顔に迫る。咄嗟の反応でギリギリ避けるが、奇襲ともいえる攻撃に完全には避けれずライムの脚が少し頬を掠る。そしてその場から後ろに跳び距離を再びとるクザン。

 

クザン「っ!!…驚いたぜまさか再生するとはな」

 

ライム「ちっ…!いけると思ったんだけどなー」

 

ガープ「そこまでじゃ2人とも!!」

 

ライム「おっ?」

 

クザン「ちょっとガープさん、ここから熱い戦いが始まるって展開じゃないすか~」

 

ガープ「もう充分じゃ!やり方はどうであれお前さんに攻撃を当てた、それだけでも凄いもんじゃ!ぶわははは!!」

 

クザン「ま~仕方ねぇか、ライムくん終わりだってよ」

 

ライム「はーい、それで結果はどうなんですか?」

 

センゴク「それについては私から言おう」

 

クザン「俺としては結構いいと思うぜ?ライムくん」

 

ライム「マジすか?個人的にはイマイチかなと」

 

クザン「能力者で覇気も使えるんだ、そんなに悪くないと思うけどね」

 

センゴク「うるさいぞクザン。さてライムくん、君の力を見せてもらって色々と驚かされた。能力者であるだけでも凄いというのに君は覇気までも使える。それらを鑑みて考えた結果…君を海軍本部大尉をして迎えることにする!」

 

クザン「おぉ、いきなり大尉なんてすごいじゃないライムくん」

 

ライム「ありがとうございます」

 

ガープ「ワシは少佐でもええと思うけどのー」

 

センゴク「流石にいきなり佐官は色々とあれ何でな。ライムくんにはこれから数カ月、少佐から大将の誰かの下に付き仕事を行ってもらう。一応聞くが希望はあるかね?」

 

ガープ「ワシのとこに来い!今よりもっと強くしてやるぞ!」

 

ライム「んー……あっじゃあクザンさんで」

 

クザン「えっ俺!?」

 

ガープ「なんでじゃ!!」

 

センゴク「うるさいぞガープ!!お前どうせ鍛錬と言いながら書類仕事させるつもりだろ!」

 

ガープ「《ギクッ!?》…いっいや~そんなことないぞ」ヒュヒュゥ~ヒュゥ~

 

明らかに動揺しており目が泳ぎまくりなガープ。

 

センゴク「目が泳いどるぞ!!まったく…あー希望はクザンだったな。ふむ…クザンお前が面倒見ろ、見たところ気もあっているようだしな」

 

クザン「ん~まぁすげえ面倒だけど分かりました」

 

ライム「これからよろしくお願いしますクザンさん、あっいやクザン大将」ビシッ!

 

クザンに向かって敬礼をするライム。

 

クザン「はいよろしく~、それと堅苦しいあれだから俺の前じゃ呼び方とか話し方は今まで通りでいいよ」

 

ライム「うぃっす」

 

クザン「切り替え早くね?」

 

こうして海兵として採用され最初の数カ月は大将青雉ことクザンの下で働くことになったのであった。

 

 

 




悪魔の実【スムスムの実】の能力者、体がスライムの特性を持つ。超人系(パラミシア)だが自然系(ロギア)のように物理攻撃が効かない。隙間が少しでもあるとそこから内部に入ることが出来る。

スライムなので体の形を自由に変えることが出来る。腕や脚をタコのような触手状、腕をゴムゴムの実のように伸縮させたり、脚をバネの形にし覇気を纏うことでバネバネの実の様に跳ねたりすることが出来る。

体内に物を収納でき収納量は軽トラックの荷台ほど。

獣や道具・金属など他物質を体に吸収(性質・形・見た目)することができ、吸収した物で体の一部または大部分を自由に変化させて扱うことが出来る。


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黄色い大将とお茶をしました

お待たせいたしました。

ボルサリーノ→(ボ)リーノ


11月18日に文章の構成・編集をしました。


海軍に入隊して約3週間が経過しここでの生活も慣れてきた。今はクザンさんの下で仕事を覚えながら同時に処理もしている。

 

――大将執務室(クザン)――

 

ライム 「クザンさん、少しは書類を片付けた方がいいんじゃないですか?」カリカリカリ…

 

事務机に座り書類にペンを走らせながらライムが問いかける。ちなみにこの机は数カ月の間クザンの下で仕事を行うため設置された。

 

クザン「あー…俺は書類仕事(そういうこと)は苦手なんだよ。てか言わなくても分かってるでしょ?俺としてはライムがやってくれてすげー大助かりなんだよね」

 

ライム「今は俺がするとしてその後どうするんですか」

 

クザン「んー…あっ、人事に一言そえて…」

 

ライム「職権乱用では?」

 

クザン「俺、こう見えて大将だしね」

 

ライム「センゴクさんに怒られますよ。あっ、この書類にハンコお願いします」

 

クザン「えー、結構あるじゃな~い」

 

ライム「ハンコ押すぐらいは流石にしてください」

 

クザン「仕方ねーなー」

 

クザンはそう言いながら引き出しからハンコを取り出し書類に判を押していく。

 

ライム「はい、お疲れ様です。じゃあ自分はこの書類を各所に届けてきます」

 

クザン「はいはいよろしく~」

 

ライム「ではいってきます」ガチャ…バタン

 

クザン「ったくよー、アイツは俺は母親かよ…………」パラ…カリカリカリ…

 

ライムがクザンの執務室を出た後、部屋の中からペンを走らせるような音が響く。

 

     ・

     ・

     ・

 

――廊下――

 

ライム「えーと…最初はおつるさんか」コッコッコッ…

 

――中将執務室(おつる)――

 

トントントン…

 

おつる「ん?誰だい?」

 

ライム「ライムであります、書類を持ってきました」

 

おつる「おや、そうかい。入っていいよ」

 

ライム「失礼します、こちらが書類なります」

 

おつる「ありがとう。あんたのおかげでアイツ(クザン)んとこの書類が捌けて助かるよ」

 

ライム「恐縮です(笑)。では他にも届けなければいけないので失礼します」

 

おつる「はいよ、ご苦労だったね」

 

ガチャ…バタン…

 

おつる「なかなか優秀な子だね…アイツ(クザン)のとこに置いとくのは勿体ないね。こっちに引っこ抜いてこようかね」

 

人材(ライム)の引き抜きをするか考えるおつるであった。

 

――廊下――

 

ライム「次は~…っとセンゴクさんか」コッコッコッ…

 

――元帥執務室――

 

トントントン…

 

ライム「センゴクさん、ライムであります。入ってもいいですか?」

 

センゴク「むっライムか、うむ入っ「入ってもいいぞ!!」なぜ貴様が答える!?」

 

ライム「失礼します、ガープ中将もいたんですね」

 

ガープ「ぶわはは!どうじゃライム、ここでの生活には慣れたか?」

 

ライム「まあ多少は、あっ書類を持ってきましたセンゴクさん」

 

センゴク「うむご苦労、そういえばライムはここに来てからまだ哨戒任務等の航海任務はまだだったな?」

 

ライム「え?えぇそうですね。ここに来てやったことは主に書類仕事や座学に筋トレぐらいですかね……もしかして…」

 

センゴク「察しがいいな、ライム大尉には3日後に近海の哨戒任務に出る軍艦に乗ってもらう」

 

ガープ「お!いよいよか!誰の船に乗せるんじゃ?」

 

センゴク「モモンガの船に…って貴様はいつまで休んどるんだ!!」

 

ガープ「少しぐらいええじゃろうが!」バリボリ…

 

そう言いながら煎餅を頬張り食べるガープ。

 

センゴク「貴様の少しは長すぎるは!ライムを見習ったらどうだ!書類仕事に関しては貴様より遥かに仕事をしているぞ!」

 

ガープ「うぬ~……なあライム、今からでもワシのとこに来んか?」

 

センゴク「貴様いい加減にせんか!」バシッ!

 

ガープ「あっワシの煎餅!!」

 

センゴク「やかましい!!」ンガァ―!バリボリボリ!

 

ガープ「あああ!?」

 

ガープの煎餅が入った袋を取り上げそのまま全部食べるセンゴク。その間にライムは部屋を出て最後の書類を届けるのであった。

 

ライム「また後で聞きに来るとして最後はボルサリーノさんか」

 

   ・

   ・

   ・

 

大将執務室(ボルサリーノ)

 

トントントン…

 

(ボ)リーノ「ん~なんだぁ~い?」

 

ライム「ボルサリーノ大将、書類をお持ちしましので入ってもよろしいでしょうか?」

 

(ボ)リーノ「お~ご苦労さま、入ってもいいよぉ~」

 

ライム「失礼します」ガラッ…

 

(ボ)リーノ「……」ジー…

 

ライム「ボルサリーノ大将、こちらが書類になり……あの…どうかしましたか?」

 

(ボ)リーノ「いやぁこうして面と向かって会うのは初めてだからね~、どういう子か気になっちゃってね~」

 

ライム「どういう子か…といいますと?」

 

(ボ)リーノ「クザンに例え掠っただけとはいえ攻撃を当てたって言うからね~それに入隊してすぐ大尉ってのも凄いもんだよぉ」

 

ライム「いや~ありがとうございます、あっこれ良かったらどうぞ」ヌポッ…スッ…

 

ライムは体に収納していた菓子折りを体から取り出しボルサリーノに渡す。

 

(ボ)リーノ「すごいところから出したねぇー…おや~これ最近美味しいって噂の菓子じゃないの?ちょうど気になっていたんだよねぇ~。これから少し休憩しようとしたからちょうどいい、お~そうだ君も一緒にどうだい?」

 

ライム「自分でありますか?よろしいのですか?」

 

(ボ)リーノ「いいよぉ~折角の機会だしねぇ~」

 

ライム「ではお言葉に甘えましてご一緒させてもらいます!」

 

こうしてボルサリーノと一緒にお茶休憩をすることになったライムであった。

 

   ・

   ・

   ・

   ・

   ・

 

約1時間後…

 

――大将執務室(クザン)――

 

クザン「あいつ(ライム)遅えな…どっかで油でも売ってんのか?……休憩がてらちょっくら探しに行くかぁ」

 

書類を関係各所に届けに行ったあとなかなか帰ってこないため探しに行くことにしたクザン。

 

――海軍本部内部――

 

クザン「さ~てあの野郎(ライム)はどこにいるのかね~」

 

適当に本部の中を探し歩くこと15分。

 

クザン「ホントにどこに行ったんだアイツは?……まさかとは思うが一応行ってみるか」

 

ふと思いついた場所にまさかなと思いながら足を向かわせる。

 

――大将執務室(ボルサリーノ)――

 

クザン「書類の最後にボルサリーノの名前があったはずだ…もしかすると…」

 

「アッハッハッハッ(笑)!それ本当何ですかボルサリーノさん?」

 

「本当さ~あの時のクザンの逃げ走る光景に笑ったものさ~」

 

クザン「!―この声は」ガラッ!

 

ボルサリーノの執務室の前に来ると部屋の中から聞き覚えのある声が聞こえた。クザンはその声を聞くとそのまま勢いよく襖を開ける。

 

(ボ)リーノ「おやぁ誰かと思えばクザンじゃないか、何か用かい?」

 

ライム「あっクザンさん」

 

クザン「あーやっと見つけたぜ、まさかこんなところで油売ってるなんてな」

 

ライム「クザンさんは普段からサボってるじゃないですか」

 

クザン「あーまあ…それはそれ、これはこれだ」

 

ライム「都合良すぎですよそれは」

 

クザン「まあいいや、何やらうまそうなもん食べてるじゃないの」

 

クザンはそう言うとライムが座っているソファの隣に座り菓子をつまむ。

 

クザン「そういや何か笑い声が聞こえたがなに話してたんだ?おっこれ美味いな」モグモグ…

 

(ボ)リーノ「な~に他愛ない話だよぉ、ちょいと君の昔話をライムくんにしてあげてたんだ」

 

クザン「んぐっ!?……ちょっと待て俺の昔話だと…おいライムどんな話だったんだ?」ズイッ!

 

自身の昔話と聞き顔をライムに近づけながら問いただす。

 

ライム「え~と…簡単に言うとクザンさんが逃げ回るお話ですね」

 

クザン「俺が逃げ回る話だと…………おい!あれを話したのか!?」

 

(ボ)リーノ「うん」

 

ライム「大丈夫です、決して言いふらしたりはしないので…多分ボソッ…

 

クザン「おい、いま多分って言わなかったか!?」

 

ライム「あっボルサリーノさん、お茶入れなおしますね」ガタッ…

 

クザン「おい!」

 

(ボ)リーノ「あっはっはっは!おもしろい子じゃないのぉ~」

 

クザン「おいボルサリーノ!なんであれを話したんだ!?」

 

(ボ)リーノ「なんでってぇ……おもしろいから」

 

クザン「ふざけんなよ!!…くそ!よりにもよって聞かれたくもない昔話を知られちまったぜ」

 

(ボ)リーノ「まあいいじゃないのぉ、それよりクザン一ついいかい?」

 

クザン「あん?なんだよ?」

 

(ボ)リーノ「ライムくんをわっしの所にくれない?」

 

クザン「ああ?突然なに言い出すんだ!?」

 

(ボ)リーノ「いや~なかなかいい子だなと思ってね?。それにどうせきみは仕事教えてるより…してもらってる方が多いんじゃないのぉ?」

 

ボルサリーノの指摘に動揺し目が泳ぐクザン。

 

クザン「いっいや~~そんなことないぜ?なっなあライムくん?」

 

ライム「お茶入りました~」

 

クザン「ライムぅーー!!」

 

(ボ)リーノ「どうだいライムくん、わっしのとこで仕事覚えない?」

 

ライム「んー…魅力的なお話ですが自分の一存では決められないので…」

 

(ボ)リーノ「あ~それもそうだよねー…今度センゴクさんに話してみるとしよう」

 

クザン「おいおい何勝手に話進めてんの?一応ライム(こいつ)は俺が面倒みるようになってんだぞ?」

 

(ボ)リーノ「書類仕事をしてもらっているの間違いじゃないか~い?」

 

クザン「そっ…それも大事なことだ!それにこれから色々と教えるつもりだったんだ」

 

(ボ)リーノ「今からセンゴクさんに話してこようかね~」

 

クザン「…まぁ落ち着けよボルサリーノ、ゆっくり話し合おうぜ」

 

(ボ)リーノ「わっしは別に話し合う必要はないんだけどね~?」

 

ライム(異動するのかな~?)

 

クザンのボルサリーノに対する説得という攻防戦はその後30分も続いたのであった。そして先ほどセンゴク元帥に聞かされた航海任務の詳細を聞きに戻り3日後の哨戒任務に備えるのだった。

 

 

 

 



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哨戒任務です!

まだ2話しか出していないのにお気に入り登録が150件されていてビックリしました。
これは早く出さないといけないと思い急いで書きました←(そうなる前に書け)

お待たせしました。第3話です!


――海軍本部近海――

 

実戦的な任務に慣れるためまず手始めに海軍本部近海の哨戒任務をすることになったライム。現在彼はモモンガ中将の軍艦に乗船し初めての任務に少し緊張しながらも任務をこなしていた。

 

ライム「一応士官だからあんまりやることはないんだな…今の所やってることは見張りぐらいだ…」

 

モモンガ「ライム大尉」

 

ライム「!…モモンガ中将」ビシッ!

 

ライムがそう呟いているとモモンガ中将に声をかけられたため振り返って敬礼する。

 

モモンガ「どうだ初めての任務は?、といってもお前は大尉だから今はあまりやることはないだろうな」

 

ライム「そうですね、船の事は下士官の海兵の皆さんがやっているので自分が出来る事は今の所見張りぐらいですね」

 

モモンガ「まあ本部近海じゃあまり海賊も出ないからな。それに今この船に乗っているのはお前と同じように実戦任務に慣れるたの新兵ばかりだからな。いくら実戦に慣れるとはいえ、いきなり最初から海賊を相手するのは無理がある。まあお前は能力者で覇気も使えるから大丈夫だとは思うがな(笑)」ニヤッ…

 

口角を少し上げて小さく笑うモモンガ。

 

ライム「買いかぶりすぎですよ。まあでも自分も最初はこのぐらいのほうが…(ん?いま何か見えたような…)」

 

モモンガ中将と話をしながら水平線をチラッと見ると船の影のようなものが見えた。ライムは持っていた単眼鏡でその影があった場所を見ると…

 

モモンガ「?…どうしたライム何か見えたのか?」

 

ライム「今しがた船の影のようなものが……あっ自分が今向いている方向に船を発見!」

 

モモンガ「なに…帆や旗に何かマークは確認できるか?」

 

ライム「えーと…黒い帆に何か白い模様が…ってあれドクロマーク!?海賊!?」

 

モモンガ「なに!?」

 

ライム「2時の方向に海賊船発見!マークの特徴はえーと…カモメを喰っているドクロ!?」

 

モモンガ「カモメを喰っているドクロだと…チッ!よりにもよって厄介な奴が現れたもんだ!」

 

ライム「モモンガ中将!あの海賊を知っているのですか?」

 

モモンガ「ああ、あれは海兵狩りと呼ばれている男が率いる海賊だ。名はイーガー・シマン、懸賞金8700万ベリーの大物だ」

 

ライム「海兵狩り…」

 

モモンガ「奴は未熟な海兵を乗せている軍艦を襲って略奪を生業としている。それらを繰り返しているうちに海兵狩りという通り名がついた」

 

ライム「なるほど…」

 

モモンガ「奴の相手は私がしよう!お前は他の海兵と一緒に奴の部下を頼む!」

 

ライム「ハッ!!」ビシッ!

 

モモンガ「総員!海上戦闘用意!!」

 

海兵「「「「「ハッ!!!」」」」」ドタドタドタドタッ!!

 

 カンカンカンカンッ!!

 

戦闘用意を知らせる鐘が鳴り緊張が船全体に走る。

 

――海兵狩り・イーガー船――

 

(イ)部下「イーガー船長!」

 

イーガー「どうしたあっ!?」

 

(イ)部下「11時の方向に海軍の軍艦を発見しました!!」

 

イーガー「ほお…それで!相手はどんな感じだぁっ!?」

 

(イ)部下「見た感じあれは訓練艦だと思いますぜ!」

 

イーガー「なるほど……野郎ども!!狩りの時間だ!!!」

 

(イ)部下「「「「「うおおおおおおおっ!!!」」」」」

 

(イ)部下「へっへっへ!訓練兵なんか相手じゃないぜ!」「あんな雑魚ども!俺の金棒で吹き飛ばしてくれるわ!!」ギャハハハハハハ!

 

イーガー「よおし野郎ども!あんな雑魚海兵なんかとっとと皆殺しにして物資を頂こうとしよう!船を近づけろ!乗り込むぞ!!」

 

(イ)部下「おおおおおおっ!!」

 

海軍本部近海にも関わらず海賊との戦闘に入るライム。そしてお互いの船が単眼鏡なしでも視認できる距離まで近づく。そして…

 

 

イーガー「野郎ども!やっちまえ!!」

 

 ドォンドォンドォンドォンドォンドォンッ!!!

 

モモンガ「怯むな!てぇっーーー!!」

 

 ドォンドォンドォンドォンドォンドォンッ!!!

 

両船による激しい大砲の撃ち合いが始まり次第に船の距離は縮まり…

 

 ギイィィィィ…ドォンッ!!

 

モモンガ「白兵戦用意!!」

 

イーガー「野郎ども!皆殺しにしろ!!」

 

一足先に海兵狩りの海賊たちが軍艦に乗り込んでくる。

 

(イ)部下「ギャハハハッ!死ねぇ海兵!!」「この雑魚どもが!!」

 

海兵「迎え撃てぇ!」「「「うおおおおおっ!!」」」

 

 キィン!カキィン!パンパァン!ドォン!!

 

甲板では剣と剣が当たる音、銃の音、戦闘による破壊音が響き渡る。

 

 ズパッ!

 

海兵「ぎゃあああ……!」

 

イーガー「イガガガガッ!!雑魚すぎるわ!!」

 

モモンガ「おいイーガー!」

 

イーガー「あん?…これはこれは!モモンガ中将ではありませんか!」ニヤニヤ

 

モモンガ「貴様は私が捕まえる!」

 

イーガー「やれるものならやってみな!」

 

モモンガとシーハーの戦闘が始まる。そのころライムは…

 

(イ)部下「死ねぇっ!!」ブオンッ!

 

ライム「おっと!」ヒョイ

 

(イ)部下「!…このこのこのこのこのこのっ!!」ヒュヒュヒュヒュヒュッ!

 

ライム「ホイホイホイホイホイホイ!」ヒョイヒョイヒョイヒョイヒョイ!

 

イーガーの部下がライムに向かって剣を素早く振りまわすが一向に当たらない。

 

(イ)部下「ハアッハアッ…このすばしっこい奴め!!」

 

ライム「お前が鈍くさいだけだ」

 

(イ)部下「んなっ!?んだとおおおお!?」

 

ライム「うっさい」ヒュッ!

 

(イ)部下「ばふぉっ!?」バキィ!

 

 バタッ…

 

海兵「うわあああ…!!」

 

ライム「!?」

 

(イ)部下「運が悪いことを恨むんだな!」

 

海兵に向かって剣を振り下ろそうとしたその瞬間。

 

ライム「何してんだオラァ!!」ブォン!

 

(イ)部下「はひぃひょおお!!?」金的Hit!

 

後ろから股間を蹴り上げられ情けない声を上げ真っ青になって泡を吹きながら倒れる海賊。

 

ライム「大丈夫か?」

 

海兵「あっありがとうございます!」

 

ライム「ん?お前もしかして衛生兵か?」

 

衛生海兵「はっはい!自分は戦闘で負傷した者を後方の医療室に運ぶためにここへ!」

 

ライム「なるほど、よし分かった。俺が援護するからお前は負傷兵を運べ!」

 

衛生海兵「りょっ了解しま―!、大尉後ろ!」

 

ライム「―っ!?」

 

(イ)部下「隙だらけだぜ大尉さんよぉ!!」ドスッ!

 

ライムの背後からシーハーの部下が槍を突き刺す。

 

ライム「うっ…」

 

衛生海兵「たっ大尉ぃぃ!!」

 

(イ)部下「ハッハアッー!!海軍大尉を討ち取っ「おい」…はっ?」

 

ライム「誰を打ち取ったって?」

 

(イ)部下「バッバカなっ!?槍で貫いているのになんで生きてやがる!?」

 

衛生海兵「たっ大尉…?」

 

ライム「俺を討ち取りたいなら覇気を学んでくるんだな!!」バギィッ

 

(イ)部下「ぐぼはぁっ!?」バタッ…

 

ライム「あービックリした…まだ慣れねぇもんだな」

 

衛生海兵「たっ大尉…あの大丈夫なんですか?」

 

ライム「んっ?ああ俺は能力者だから大丈夫だ!」

 

衛生海兵「能力者…」

 

ライム「それよりも早く負傷者運ぶぞ!」

 

衛生海兵「はっ…はい!」

 

自分と同い年くらいの海兵を連れて戦場に突撃するライム。

 

ライム「オラオラオラァーー!!このクソ海賊どもがあああ!!」ダダダダダッ!

 

衛生海兵「ひいいぃぃぃ!!」

 

(シ)部下「なんだとクソ海兵!」「ぶっ殺してやる!」

 

ライム「形状変化オクトパス!オクトパスラッシュ」ドガガガガガッ!!

 

(シ)部下「「「「ぎゃあああああああああっ!!」」」」

 

腕をタコの腕に変化させ海賊をぶっ飛ばすライム。

 

ライム「お前ら大丈夫か!?」

 

海兵「なっ何とか…」「自分は足に力が…」「自分はまだいけます!」

 

ライム「そこの2人はこの衛生兵と下がれ!お前は俺についてこい!負傷兵を後方に下げる!」

 

海兵「すっすいません…」「くっ…申し訳…」「了解しました!」

 

ライム「謝る暇があるならまずは生き延びろ!」

 

海兵「「!?…はっはい!」」

 

ライム「相手を1人で対処するな!ペアを組んで複数人で対処しろ!相手は手練れだ!油断するな!」

 

海兵「「「「「はっ…はっ!!」」」」」

 

ライムが土壇場で指揮したことで流れを変えることができ徐々に押し始める。

 

モモンガ「ふっ…ライムめ…いい仕事するじゃないか。そうは思わないかイーガー?」

 

イーガー「はっ!てめぇを殺せば元の元通りよ!」

 

モモンガ「このまま押させてもらう!」

 

イーガー「そいつはどうかな?」ニヤ…

 

 プスッ…

 

モモンガ「――っ!?(なんだ!?脚に何かが…!?)」

 

イーガーに攻撃を仕掛けようとした矢先、脚に何かが刺さり膝をついてしまうモモンガ。

 

モモンガ「これは…毒か!?」

 

イーガー「即効性の痺れ薬だ…俺の部下が後ろから撃たせてもらったぜ」

 

モモンガが後ろを向くと吹き矢を持った男が物陰にいた。

 

モモンガ「くっ!姑息な手を…!」

 

イーガー「どうとでも言え、俺たちは海賊だ…!」

 

痺れ薬で動けないモモンガにイーガーが近づき斧を振り下ろそうとする。

 

ライム「(モモンガ中将!?)…間に合え!槍ダコ!!」バヒュン!!

 

【槍ダコ】タコ腕を限界まで縮めて一気に射出する技。射出した瞬間武装色で硬化させるため威力は申し分ない。

 

イーガー「っ―!?」チッ…

 

 バゴンッ!!

 

ライム「ちっ…運がいいやつだな!お前らはこの状態を維持しろ!」シュバッ!

 

海兵「たっ大尉!?」

 

槍ダコが壁に刺さりそのままモモンガ中将のいる2階甲板に移動するライム。

 

ライム「モモンガ中将!大丈夫ですか!?」

 

モモンガ「ライムか、痺れ薬を打たれ体が思うように動かない…」

 

ライム「なるほど…そんなズルい手を使うとは…もしかしてコイツ雑魚(笑)?」

 

イーガー「《カチンッ!》…なんだとぉ…?」

 

ライム「あれっ?もしかして図星?顔が茹でタコみたいになってますよw?」

 

イーガー「タコはてめぇだろうがあああああ!!!」ブォォン!!

 

ライム「おっと危ない」ヒョイ

 

 バギィッ!

 

イーガーは手の持っていた巨大な斧を振りかぶるが当たらない。

 

ライム「おい船を壊すな」

 

イーガー「てんめえぇぇぇぇ!!」ブォンッ!

 

ライム「どりゃああああ!!」バキィィン!!

 

イーガー「おっ俺の斧がっ!!?」

 

イーガーが斧を今度は横から振りかぶるがライムは腕を武装色で硬化させ防御する。すると斧は砕け散りイーガーは動揺する。

 

ライム「今度はこっちの番だ!武装色硬化!オクトパスラッシュ!!」ドゴゴゴゴッ!!

 

イーガー「あばっごべばぶぼふぉっ!?」

 

ライム「これでぇ終わりぃぃぃ!!!」パッカーンッ!!

 

イーガーの全身をタコ殴りにし最後に強烈なアッパーでダウンさせるライム。

 

イーガー「あっ…がっ………」ピクピク…

 

(イ)部下「そっそんな船長がやられた!?」「懸賞金8700万ベリーの船長がっ!?」「にっ逃げっ―」

 

ライム「全員動くな!!」ゴオォォォ…

 

(イ)部下「「「「っ!!?」」」」ビクッ!?

 

覇王色の覇気を使って海賊を威圧するライム。

 

ライム「全員武器を捨て投降しろ!!変な動きをすれば容赦はしない!!」

 

(イ)部下「「「「………」」」」ガシャンガシャンガシャン…

 

諦めたのか海賊たちは次々と武器を捨てる。

 

海兵「勝った…?」「俺たち勝ったのか…?」「俺たち勝ったんだ!!」

 

 「「「「「うおおおおおおおおおおおっ!!!」」」」」

 

その後、海兵狩りのイーガーの一味は全員拘束されそのまま海軍本部まで連行され、諸々の手続き等が済んだ後はインペルダウンに収監された。また今回の戦闘で少なからず戦死者が出たものの新兵だけだった割には圧倒的に少なかったため、この度の近海における戦闘において海軍本部では話題になった。またその話の中で一番話題になったのはライムであった。

 

ライム「ぶえっくしょん!…あー風邪かなぁ…」

 

 

 




皆さん風邪引かないように気をつけてくださいね!


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頑張ったら昇進しました

UAが結構きてて嬉しいです。お気に入り登録も30件も増えてました。ありがとうございます!

面白いと感じてもらうよう頑張ります。
第4話です!!


海軍本部近海での哨戒任務で初の実戦を経験したライム。新兵ばかりであったにも関わらず戦死者が圧倒的に少なかったため海軍本部では話題になっており、どこから漏れたのか新聞にも掲載され瞬く間に世界に知れ渡る。そんな彼はいま海軍本部にある戦死者墓地にいた。

 

戦死者墓地…海賊又はその他の戦闘で死んだ海兵が眠る場所。墓石は敷地面積的に余裕がないため石板のような墓石を建てて名前を記載してある。遺体は親族がいれば返還し、いなければ衛生面を考慮し焼却され灰は水葬される。

 

ライム「墓参りなんて何持ってくりゃいいのか分かんねぇから取り合えず、映画とかで見る酒と花で良しとするか…」

 

巨大な石板と言っても刺し違えない墓石の前に数本の酒瓶と墓参り用の花束を置くライム。するとそこに哨戒任務でお世話になったモモンガ中将が来た。

 

モモンガ「!…ライム大尉ではないか」

 

ライム「モモンガ中将、お疲れ様です」ビシッ!

 

モモンガ「うむ、大尉はなぜここに?」

 

ライム「一応哨戒任務で死んだ同僚の墓参りに…何もしないのはなんとうか…まあそういうことです」

 

モモンガ「なるほど」

 

ライム「モモンガ中将も?」

 

モモンガ「ああ、いくら新兵とはいえ死なせてしまったには私にも責任はある。せめてこれはしないといけないと思ってな」

 

そう言うとモモンガは酒瓶と花束を墓石の前に置き敬礼する。ライムもそれを見て敬礼する。

 

ライム「…モモンガ中将、1つよろしいですか?」

 

モモンガ「なんだ?」

 

ライム「自分はあのとき…戦闘が始まった瞬間、覇気を使うべきだったのでしょうか?」

 

モモンガ「…そうだな……確かに戦闘が始まった瞬間覇気を使えば死者は出なかったかもしれない…」

 

ライム「……」

 

モモンガ「だが…だからと言ってそれが間違いとも言い切れない。あの戦闘で得た経験は今回の新兵にとって大きな糧となるのも事実だ。それに覇気を使ったとしても味方まで気絶させてしまうという可能性もある。戦闘終盤で使った覇気は海賊に当たっていたが少なからず味方に当たっていたという報告もあった」

 

ライム「まだまだ鍛錬が必要か…」

 

モモンガ「まあそんなに気を負うな!事実お前のおかげで死者は圧倒的に少なかったんだ!」

 

ライム「はっ!ありがとうございます!なんだか気が晴れたであります!」ビシッ!

 

モモンガ「うむ!…ああそういえばセンゴクさんがお前を探していたぞ?」

 

ライム「センゴクさんが?分かりましたでは失礼します!」

 

ライムは再度敬礼しその場を離れるが、モモンガはふと呼び止める。

 

モモンガ「ライム大尉!!」

 

ライム「!…なんですかモモンガ中将!?」

 

モモンガ「貴官はどのような正義を掲げる!?」

 

ライム「自分の掲げる…正義…ですか?」

 

思ってみれば海軍に入ったものの正義についてあまり考えてはいなかった。海軍に入った以上何かしらの正義を皆掲げている。しかしこの先自分はどのような正義を掲げるかモモンガ中将の問いかけで一瞬考える。

 

ライム「自分の……」

 

モモンガ「……」

 

ライム「自分の正義は【偏りなき正義】ですかね」

 

モモンガ「偏りなき正義…」

 

ライム「正義というのは曖昧なもの…一つの正義で通したら目が曇って本質…ですかね?そういうのが見えなくなりそうなので」

 

モモンガ「なるほど…いや教えてくれてありがとう」

 

ライム「いえ、では失礼します!」

 

 コッコッコッコッコッ…

 

モモンガ「偏りなき正義か…まだ若いのに良い正義を持っているもんだ…」フッ…

 

小さく口角を上げて笑うモモンガであった。

 

 ・

 ・

 ・

 

場所は変わって元帥執務室。

 

ライム「センゴクさん!ライムであります!」

 

センゴク「おお、ライムか。入ってくれ」

 

ライム「失礼します!」ガラッ!

 

襖を開けて部屋に入るとそこにはガープ、クザン、ボルサリーノ、そしてサカズキがいた。

 

ライム「わあ~…」スス…

 

センゴク「待て待て!なぜ閉める!?」

 

ライム「いや~、ガープさんや上司のクザンさんがいるならまだしも、3大将全員がいらっしゃったのでビックリしちゃって」

 

ガープ「ぶわっはっはっはっ!!おもしろい奴じゃ!!」バリボリッ!

 

クザン「ほらー、だから言ったでしょうがー」

 

(ボ)リーノ「いや~、さっきのリアクションなかなか面白かったよぉ~」

 

サカズキ「コイツがいま本部で噂になっちょるやつか?」

 

センゴク「それについてはすまなかった。だがコイツからがいるのはちゃんと理由があるからだ」

 

ライム「ガープさんはまた休憩というサボりですか?」

 

ガープ「サボりじゃないわい!休憩じゃ!」

 

センゴク「貴様の場合は休憩しすぎだ!!」

 

ガープ「休憩ぐらいええじゃろうが!!」

 

センゴク「その分仕事せんかぁ!!」

 

センゴクとガープの言い争いが始まろうとしたがクザンがそれを止める。

 

クザン「センゴクさん、ガープさん言い争うのはいいっすけどライムが困ってますよ」

 

センゴク「むっ…ゴホンッ!あーそうだったな。すまないライム」

 

ライム「いえ。それで自分が呼ばれた理由は何でしょうか?」

 

センゴク「うむ、先日の哨戒任務はご苦労だった。お前のおかげで凶悪な海賊も捕らえることが出来たし、こちらの死者も少なく済んだ。礼を言う」

 

ライム「恐縮です」

 

センゴク「報告書によればその場で現場指揮、負傷者を後方へ下がらせるために援護したりなど目覚ましい活躍をしたそうだな?」

 

ライム「自分が出来る最善の行動を取ったまでです」

 

センゴク「さらに海賊の船長を倒したとあるが?」

 

ライム「モモンガ中将が危機的状況を助けてその流れで倒しました。見方によっては手柄を横取りしたようなものです」

 

センゴク「なるほど。とはいえ功績は功績だ。その功績に見合った褒賞は与える」

 

ライム「ありがとうございます」

 

センゴク「まあここまでは別にいい…本題は貴様をこのままクザンの所で学ばせるのはどうかということだ」

 

どういう事なのかライムは質問する。

 

センゴク「ライムには数カ月と言ったが、実のところ海軍に入って1ヶ月が経過している時点で仕事はよく出来ている。まあ細かいところはまだあるが今回の任務での功績を考え、貴様をこのままクザンの下で遊ばせるのは勿体ないと思ったまでだ」

 

ライム「過大評価では?」

 

(ボ)リーノ「そうは言ってもねぇ~、いきなり8700万ベリーの海賊を倒すって結構スゴいことだよぉ~?」

 

ガープ「ぶわっはっはっはっ!クザンに掠っただけとはいえ当てた奴じゃ!8000万程度どうということないわ!!」

 

クザン「別にこのままでいいじゃないの~」

 

(ボ)リーノ「それはまた書類が溜まっちゃうからか~い?」

 

クザン「いっいや~、そんなんじゃねぇし」

 

(ボ)リーノ「本当か~い?…ライムくん、クザンはちゃんと仕事しているのかぁい?」

 

ライム「そーですね~、実のところ~」

 

クザン「おっとぉどうしたライム?腹が減ったなら俺が奢ってやるぜ?」

 

ばればれな芝居をしながらライムの肩に腕を回すクザン。

 

(ボ)リーノ「ダメだよクザン。まだライムくんが話してるじゃないか~」

 

クザン「いいんだよボルサリーノ!それでセンゴクさん、ライムはどうするんです?」

 

センゴク「全くお前は…いくつか案は考えてある。まず1つ目は今まで通りクザンの下で仕事をする。これはあと2、3か月で良いと考えている。2つ目は実戦任務…いわゆる哨戒、討伐、逮捕などの任務に赴いて心身ともに鍛える。3つ目はシャボンディ諸島でのパトロールだな。あそこは海賊も多いから戦闘に慣れるには打ってつけだ。それに海賊を捕まえれば治安も良くなるから一石二鳥だ」

 

(ボ)リーノ「とりあえず1つ目の案はなしだね~」

 

クザン「おい!」

 

サカズキ「じゃとするとわしとしては2つ目がええと思うのぉ」

 

ガープ「どっちもすりゃあええんじゃないか?そのほうが色々と手っ取り早いじゃろ?」

 

センゴク「全くお前は無責任なことを言いおって…ライムお前はどうしたい?」

 

ライム「そうですね、ガープさんが言ったように両方…というより一定期間どちらかの仕事をして期間が過ぎたらもう1つをまた一定期間するのはどうでしょうか?」

 

センゴク「なるほどな…まあ確かにどちらも人手は欲しいからな。…よし分かった!ライム大尉!」

 

ライム「はっ!」

 

センゴク「貴様にはまず最初の3か月は海での任務に出てもらう!それが終わったら今度は2カ月シャボンディ諸島でのパトロール任務に就いてもらう!」

 

ライム「それが終わったらシャボンディ諸島のパトロールが終了したらまた海でしょうか?」

 

センゴク「そのときは貴様の力量を見て考えることにする!」

 

ライム「はっ!わかりました!」ビシッ!

 

クザン「……なあライム今からでも考え直さない?」

 

(ボ)リーノ「わっしのとこに来ない?」

 

センゴク「やめんか!!」

 

こうしてライムの新たな仕事が決まるのであった。3大将が退室したあとセンゴクからライムにあるものが渡される。

 

センゴク「おっと忘れるとこだった。ライム、貴様にこれを渡しておく」スッ…

 

ライム「なんですかこれ?封筒?」

 

センゴクから渡されたのは何通かの封筒だった。

 

センゴク「お前が哨戒任務で同船した新兵からの移動願いだ。何名かお前の下に付きたいらしい」

 

ライム「それはつまり自分の部下になりたいという事ですか?」

 

ガープ「ぶわっはっはっはっ!早くも部下を持つとは!!早い出世じゃな!!」

 

センゴク「とは言ってもお前はまだ海兵になったばかりだ。返事は保留にしてある。まずは力をつけろ、返事はそれからでも遅くない」

 

ライム「分かりました!」

 

早くも部下の候補ができるライム。それから数日経過し海上での任務に励むライム。

 

――海上任務5日目――

 

ライム「そこの海賊!停船しろっ!」

 

海賊「誰がするかバーカ!!」「追いついてみろクソ海兵ー!」

 

ライム「ムキッー!なんだとぉこのクソ海賊が!!砲弾取ってください!」

 

海兵「はっはい!《ドタドタドタ……ドタドタドタ!》…どっどうぞ!」

 

ライム「ありがとう!…観念しろクソ海賊!砲弾ミサイルゥゥ!!!」ブォンッ!!

 

ヒュルルルルルルルル!!……ドギャァァンッ!!

 

海賊「「「「「あぎゃああああああああ!!?」」」」」

 

ライムは能力で腕を何倍にも大きくしガープのように砲弾を素手で投げ追撃中の海賊船に命中させる。

 

ライム「よーし!速度が落ちたぞ!船を近づけろ!乗り込んで全員捕まえる!」

 

海兵「「「はっ!!!」」」

 

(ボ)リーノ「いや~仕事が楽だよぉ」

 

――海上任務10日目――

 

ライム「えっ…懸賞金5000万ベリー?こいつが?ほんとに?」

 

海兵「手配書には確かにそう記載してあります」

 

ライム「5000万ってこの程度なの?」

 

海兵「どうなんでしょう…」

 

ライム「実力は大したことなく今までのやったこと(凶悪な行為)で額が上がったって感じかな?」

 

海兵「一応筋は通ります」

 

――海上任務1か月目――

 

ライム「ここが今追っている海賊が拠点にしている島?」

 

海兵「そうです。包囲網は完成していますので後は追い詰めるだけ―」

 

ドゴオォン!!

 

海兵「!?…何事だ!?」

 

海兵「ほっ報告!包囲していた海賊による奇襲です!現在全部隊応戦中!」

 

海兵「なっ何だと!?」

 

ズパッ!

 

海兵「ぐああっ!!」

 

海賊「おらぁ死ねえ海ぐ《バゴォン!》んべはぁ!?」バタッ…

 

ライムは近くにあったバズーカで海賊を撃つ。

 

ライム「うるせぇ海賊!そこの者を急いで船の医療室に運べ!」

 

海兵「「はっ!」」

 

海賊「てめぇよくもやってくれたな!」

 

ライム「それはこっちの台詞だ!」バキィ!

 

海賊「あびょはっ!?」

 

ライム「総員抜刀!!俺に続けえええええ!!」

 

海兵「大尉に続けえええ!!」「「「うおおおおおおおお!!!」」」ドドドドドドドッ!!!

 

――海上任務2カ月目――

 

ライム「今日は平和だ…」

 

海兵「そうですね~…」

 

――海上任務最終日――

 

ライム「次はシャボンディ諸島でのパトロールか…」

 

海兵「大尉は一応今日で海上での任務が終わりでしたっけ?」

 

ライム「ああ、次はシャボンディ諸島でのパトロール任務だ」

 

海兵「大変ですね、あっ大尉シャボンディ諸島が見えてきましたよ」

 

ライム「おー(あれがシャボンディ諸島か…ちょっと楽しみ!)」

 

3か月の海上任務を終えシャボンディ諸島にある海軍の駐屯基地の港に降りるライム。

 

ライム「ふぃ~…!」グググッ…

 

ガープ「ぶわっはっはっ!お疲れのようじゃなライム!」

 

ライム「ガープ中将、お疲れ様です!」

 

ガープ「楽にせぇ!お前さんの活躍は聞いておるぞ!!お前さんを拾った甲斐があったわい!!」

 

ライム「ところでガープ中将はなぜここに?」

 

ガープ「なーに孫に会いに行ってその帰りでついでに寄ったまでじゃい!」

 

ライム「そんなことしてたらまたセンゴクさんに怒られますよ?」

 

ガープ「構わんわい!あいつは会うたびに仕事仕事とうるさいんじゃ!」

 

ライム「(センゴクさん頑張って…)…では自分はこれで!」

 

ガープ「おう!ここでのパトロールをしっかりするんじゃぞ!」

 

ライム「それ言うならガープさんも仕事しないと」

 

ガープ「わしはええんじゃ!」

 

ライム「自由過ぎる!!」

 

ガープと別れたあと駐屯基地に挨拶をしその翌日からパトロールが始まる。

 

――パトロール任務1日目――

 

住人「食いに逃げだー!」

 

ライム「待てコラァ!」

 

食い逃げ「海兵さんこちら手のなる方へ(笑)!!」

 

海兵「くそっ速いぞ!!」

 

ライム「形状変化!ウィング!」バッサァ!

 

ライムは能力で背中に巨大な翼を作り飛び立つ。

 

食い逃げ「へっ…海兵も大したこと―」

 

ライム「追いついたぞ…」

 

食い逃げ「へああっ!?なんで空飛んで―!?」

 

ライム「逮捕だゴラァ!!!」バゴッ!

 

食い逃げ「へぶっ!?」バタンッ…

 

ライム「まったく手間かけさせやがって…」

 

海兵「大尉ご苦労様です!」

 

――パトロール任務10日目――

 

海兵「おいあいつもしかして…」「間違いない手配書と同じ顔だ」

 

ライム「どうしました?」

 

海兵「大尉!…こちらの手配書を見てください」

 

ライム「手配書?」

 

海兵「今度はあそこにいる男を見てください」

 

ライム「……はいはいはいなるほど~」

 

海兵「懸賞金7900万ベリーの海賊【連撃のコンボ】だ」

 

ライム「連撃?」

 

海兵「なんでも凄まじい勢いでパンチを繰り出して相手を倒すらしいです」

 

ライム「な~る…じゃあ俺が直接行くからその周りを逃げられないように包囲を」

 

海兵「はっ!」

 

 ・

 ・

 ・

 

ライムは周囲を大勢の海兵で包囲させ数人の海兵を連れてコンボが座っているレストランのテラスへ近づく。

 

コンボ「それで俺は言ってやったわけよ!!」

 

(コ)部下「ぎゃはははっ!マジですかお頭!」

 

コンボ「おうよ!そこから俺は……」

 

ライム「あー…お食事中失礼するよ」

 

コンボ「ああ?海兵が何の用だ?」

 

ライム「あなたこの手配書のコンボですよね?」

 

コンボ「ああん?知らねえなそんなやつ。他人の空似じゃねえか!?コンボボボボ!!」

 

ライム「おや?これはあなたじゃない?おかしいですね~この不細工な顔はどう見てもあなただと思うんですけどねw」

 

コンボ「あぁん!?てめぇ今なんつった!!?」ガタッ!

 

海兵「「「……(汗)」」」ゴクリ…

 

不細工と言われコンボは立ち上がる。そしてその部下も続々と立ち上がる。

 

コンボ「てめぇ海兵だからって調子乗ってんじゃねぇぞ!!俺は懸賞金7900万ベリーの連撃のコンボ様だぞ!!」

 

ライム「79ベリーの弱連撃のザコンボ様w?」

 

コンボ「《ブチッ!!》…てんめえええええ!!コンボラッシュ!!」

 

 ドガガガガガガガッ!!!

 

海兵「「大尉っ!!?」」

 

コンボはライムに向かって凄まじい速さのパンチを繰り出す。その勢いは土煙を発生させる程であった。

 

(コ)部下「ざまあみろクソ海兵!」「ありゃ死んだぜ!」ギャハハハハッ!

 

コンボ「ふん!…雑魚が調子に乗るからこうなる―」

 

ライム「誰が雑魚だって?」

 

コンボ「なっ!!?」

 

土煙が晴れるとそこには腕を武装色で硬化させガードしているライムがいた。

 

コンボ「なっ!?てめえなんで立ってられる!?」

 

ライム「あーもう土煙で服が汚れちゃったよ。クリーニング出さないと」

 

コンボ「むっ…無視してんじゃねえええええ!!」グアッ!

 

ライム「唾飛ばすんじゃねえ!!!」ドゴギャ!!

 

コンボ「あひびょほあああ!!?」金的Hit!!

 

ライムより体格が大柄なためライムは上段蹴りをする。するとたまたま蹴った場所が股間でコンボは情けない声を上げその場にうずくまる。

 

コンボ「お…ひょ…あひ……」

 

ライム「おら、こうなりたくなかったら全員動くんじゃねえ」ゲシゲシ

 

海兵(((鬼かな…)))

 

その後、コンボの一味は全員逮捕されるのであった。

 

――パトロール任務1ヶ月目――

 

ライム「来年は世界会議(レヴェリー)か…」

 

新聞を見ながら呟くライム。

 

上官海兵「もうそんな年か…前の世界会議(レヴェリー)から早いもんだ」

 

ライム「上官さんは参加したことあるんですか?」

 

上官海兵「護衛の船に何度かね。もしかするとライムくん呼ばれたりすんじゃない?」

 

ライム「自分がですか?」

 

上官海兵「あれ知らない?きみ結構有名だよ?」

 

ライム「有名…?」

 

上官海兵「きみ海軍でも有名だしここら辺でも有名だよ。新聞にも名前だけだけど載ったしね」

 

ライム「そんなことになっていたんですか」

 

上官海兵「あくまで噂だけどきみのファンクラブまで出来てるって僕は聞いたよ?」

 

ライム「それは悪くないですね(笑)」

 

――パトロール任務最終日――

 

ライム「今日は何もありませんね~。まあ何もない方がいんだけど」

 

海兵「大尉のおかげでありますよ。実際大尉がこうして見回りするだけで悪い奴は大人しくしています」

 

ライム「本当は捕まえるのがいいんだろうけど、そこまで手が回らないし一応及第点かなぁ…」

 

海兵「ははは、大尉は悪くありませんよ。悪いのは悪いことをするやつらです」

 

ライム「そう言ってもらえると気が楽だよ」

 

????「お前が悪魔のライムか?」

 

ライム「はい?」

 

後ろから声がしたので振り返るとそこには白髪で背中に大型の十手と葉巻を2本咥えた強面の男とメガネをかけ手に十字星をデフォルメしたような鍔の刀を持っている女性がいた。

 

ライム「えーとあなたは…?(あれこの人もしかして…)」

 

海兵「あっあなたはもしかしてスモーカー大佐!?」ビシッ!

 

ライム「スモーカー大佐…(やっぱりスモーカーさんだ!顔怖え…)…それでその悪魔のライムというのは?」

 

スモーカー「ああ?なんだ知らねえのか?お前巷じゃ悪魔なんて呼ばれてるぜ?」

 

たしぎ「初めましてライム大尉!自分はたしぎ曹長です!悪魔と呼ばれる理由は能力者であることはわかるが一体どういう能力なのか分からないのと、様々な姿に変身しているからです!」

 

ライム「はえ~…知らなかった。君ら知ってた?」

 

海兵「まあ一応ですが…」「何となくはですが」

 

ライム「まあいいや。それでスモーカー大佐はなぜここに?」

 

スモーカー「お前のお迎えだよ。俺たちは海軍本部へ帰る途中だったんだが本部からお前を拾って来いって御達しがあったんだよ。ったくめんどくせぇ…」

 

たしぎ「もうスモーカーさん!そんなこと言ってはいけませんよ!また何か言われますよ!」

 

スモーカー「いいんだよ!上の連中なんか面倒くせぇだけだ」

 

たしぎ「まったくもう…」

 

スモーカー「おらライム、今日の仕事はもう終わりだろ?準備しろ」

 

ライム「えっいや、いろいろ手続きとか……」

 

スモーカー「細かいことは他の奴がやる。俺ぁ早く終わらせたいんだ」

 

スモーカーはライムの襟を後ろから掴みそのまま地面に引きずりながら歩き始まる。

 

ライム「えっえーとそれじゃあ、お世話になりましたー!」ビシッ!

 

海兵「「「こっこちらこそ!お世話になりました!」」」ビシッ!!!

 

ライムを乗せたスモーカーの軍艦は海軍本部へ向かう。

 

 ・

 ・

 ・

 

――海軍本部――

 

ライム「あーなんか久しぶりだな」

 

モモンガ「おおっ、ライムじゃないか!?」

 

ライム「モモンガ中将!お久しぶりです!」ビシッ!

 

モモンガ「うむ、久しぶりだな。お前の活躍は聞いているぞ」

 

ライム「恐縮であります」

 

モモンガ「この調子でいけば中将になるのもすぐかもな!ハッハッハ!」

 

ライム「流石に中将はまだまだ先ですよ(笑)」

 

モモンガ「この調子で任務に励むんだぞ!」

 

ライム「はっ!ありがとうございます!」ビシッ!

 

そのあとライムは自分を待っていた海兵にセンゴク元帥が待っていると聞きセンゴクの元へ行く。

 

――元帥執務室――

 

ライム「失礼します」ガラッ…

 

センゴク「おぉライムか、任務ご苦労だったな」

 

ライム「ありがとうございます。それで自分はまだ任務継続でしょうか?」

 

センゴク「そう答えを急くな、それについてはこれから話す。まず―」

 

ガープ「ライムが帰ってきたとは本当かセンゴク!?」

 

センゴク「ガープ!!貴様なんの用だ!?」

 

ガープ「おおライム!帰って来とったか!」

 

ライム「ガープ中将ただいま戻りました、あとセンゴクさんが怒ってます」

 

センゴク「ガープ!質問に答えんか!!」

 

ガープ「別にええじゃろうがセンゴク!ライムはワシの孫みたいなもんじゃ!会いに来て悪いか!?」

 

センゴク「お前の孫は東の海(イーストブルー)におるだろうが!!はあ…まったく。あーどこまで話したかな」

 

ライム「まだ内容は始まっていませんね」

 

センゴク「おぉそうだったな」

 

ガープ「なんじゃセンゴク、ついにボケたか?」

 

センゴク「貴様のせいだガープ!!…さてまずこのまま力を付けるための任務を継続するのかと聞いてきたがその必要はない。お前の活躍は報告書で確認したがこちらとしては大満足だ。現場での戦闘や部隊指揮も良く出来ている。なのでいわば研修的な任務はここまでとすることにした」

 

ライム「なるほど…ということは誰かの下に付くんですか?」

 

センゴク「いや、ライム…お前には部隊を率いてもらうことになる」

 

ライム「ぶっ部隊ですか!?」

 

なかなかの話の飛び具合に驚くライム。

 

センゴク「そうだ、この5カ月の活躍を鑑みてお前を昇進させることにした。階級は中佐だ。」

 

ガープ「ぶわっはっはっはっ!早くも中佐か!」バリボリ!

 

ライム「予想外でーす…」

 

センゴク「部隊の人員と船はこちらで用意する。あと移動願いを出してきた新兵もいれる」

 

ライム「船はどのクラスになりますか?」

 

センゴク「軍艦は中型艦になるがそれがどうかしたか?」

 

ライム「いえ、もし許可が下りるなら改造してみたいなと」

 

センゴク「改造してみたいか……いいだろう」

 

ライム「えっいいんですか!?」

 

センゴク「褒賞の内容の1つに軍艦の改造許可をやる。ただあまりいきすぎた改造はするなよ?」

 

ライム「ありがとうございます!!」ビシッ!!キラキラ…

 

センゴク「(目が輝いているのは気のせいか…?)…まあ話すことは以上だ。詳しい内容はまた後日話す。今日はもう下がっていいぞ、疲れているだろうからな」

 

ライム「はっ!ありがとうございます!では失礼します!!」

 

部隊を持つことに驚きつつも最後は目を輝かせながら退室するライムであった。

 

ガープ「海軍に入って約半年で中佐か!拾ってきたわしも鼻が高いもんじゃ!ぶわっはっはっはっ!!」

 

センゴク「貴様はいつまで休んでおるガープ!」

 

ガープ「うるさいわボケセンゴク!!」

 

センゴク「何だと!?この煎餅ジジイッ!!」

 

ライム(2人とも元気だな~)

 

こうして早くも自分の部隊を持つことになったライムであった。

 

 

 

 

 




昇進早すぎたかな?でも許して( ˘ω˘ )


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俺が考えた強い軍艦

お気に入り登録がめっちゃ増えてる(゚Д゚;)
ありがとうございます!登録や面白く感じてもらえている感想うれしいです。
感想で改造に対する期待があったので頑張って改造しました。←(元からそのつもり)
ただ皆様の期待にそえているか心配です。

それではどうぞ第5話どうぞ!


異例の早さで出世し部隊を持つことになったライム。そんな彼はいま海軍本部にある造船ドックに向かっていた。

 

ライム「ふんふ~ん♪改造改造大改造~♪大改造と書いて魔改造~♪」

 

不穏な歌を歌いながらだが……

 

ライム「1個でダメならニコイチで~♪ニコイチでダメならサンコイチ~♪」

 

スモーカー「なんて歌を歌ってやがるんだてめぇ…」

 

ライム「おや?誰かと思えばスモーカーさんとたしぎちゃんではありませんか」

 

たしぎ「ちゃん!?」

 

スモーカー「昇進したそうだな。てめえみたいなのが中佐とはな…上は何考えてやがんだ」

 

ライム「そう言われても」

 

スモーカー「まあせいぜいその階級に見合った働きをするんだな。じゃあな」

 

たしぎ「あっしっ失礼します!ライム中佐!」

 

ライム「堅苦しいからライムでいいですよたしぎちゃん。そんな年変わらないし」

 

たしぎ「えっでも…ライム中佐おいくつなんですか?」

 

ライム「俺?歳は20だよ?」

 

たしぎ「私より年下!?」

 

ライム「たしぎちゃんはおいくつ?」

 

たしぎ「私は21歳です」

 

ライム「1歳しか変わらないじゃん」

 

たしぎ「ん~…じゃあライムくんで!呼び捨ては流石にダメ!」

 

ライム「じゃあそれで」

 

たしぎ「はい!これからよろしくねライムくん!」

 

スモーカー「たしぎ!何やってる!置いてくぞ!」

 

たしぎ「あっすいません!それじゃライムくんまたね!」タッタッタッ…

 

ライム「は~いまた会いましょう……さて俺は造船ドックに~♪」

 

2人と別れたあとライムはまた不穏な歌を歌いながら造船ドックに向かうのであった。

 

 ・

 ・

 ・

 ・

 

――造船ドック――

 

ライム「すいませ~ん」

 

作業員「はいはいなんです…あれもしかしてあなた…」

 

ライム「?…俺を知っているんですか?」

 

作業員「海軍でいろいろ有名になっているライム大尉ですか!?」

 

ライム「ええそうですよ。今は昇進して中佐ですけど(笑)」

 

作業員「これは失礼しました!…えっと本日はどのようなご用で?」

 

ライム「実は新たに部隊を持つことになったのですがその部隊用の軍艦を改造したいと思って、ああちゃんと改造の許可は貰っていますので安心してください」

 

作業員「なるほどそういう事でしたか…それならちょっとまってください。おやっさーん!」タッタッタッ…

 

ライム「おやっさん…?」

 

作業員はおやっさんと叫びながら作業場へ走っていく。

 

作業員「すいませんお待たせしました」

 

ライム「いえご足労かけました」

 

スパシップ「待たせたな。俺はこの造船ドックの現場とかまあいろいろ指揮している技術士官のスパシップだ。階級は大佐だがそこはあまり気にしなくていい」

 

ライム「海軍本部所属のライム中佐です。今日は軍艦の改造の相談をしに…」

 

スパシップ「あぁ話は聞いてる。それでどんな風に改造したいんだ?」

 

ライム「話が早くて助かります。一応簡単なイメージを描いてきたので見てください」

 

スパシップ「見せてみろ」

 

ライムは紙に描いてきた船のイメージ図を作業台に広げスパシップと他の作業員に見せる。

 

ライム「こんな感じなんですか…」

 

スパシップ「こいつは…またとんでもねぇもん描いてきたな」

 

作業員「造るのは可能だな…」「だけどこれだと船がもう一隻必要だぞ?」「だけどカッコいいな…」「確かに…」

 

スパシップ「造るのは可能だ。だがこいつらが言う通りコレを作るには船がもう一隻必要だぞ?そこはどうする?」

 

ライム「う~む……すいませんここには廃棄予定の軍艦とかありますか?」

 

作業員「廃棄予定の軍艦ですか?あるにはありますが?」

 

スパシップ「おめぇまさか…」

 

ライム「その通り!無いなら他の所から持ってくればいいだけ!廃棄予定でも使える材料はあるでしょ!?」

 

作業員「確かにそれはそうだが…」「いいのかそんなことして?」

 

ライム「それに廃棄予定と言ってもまだまだ十分使えるんじゃないですか?ならば使ってやろうではないか!それがモノに対する礼儀だ!!」

 

スパシップ「ダッハッハッハッハッハッハッ!!!」

 

作業員「「「おやっさん!?」」」

 

ライム「…?」

 

スパシップ「面白れぇじゃねえか!おめぇ気に入ったぜ!ライムっつたか?おめぇの案使ってやるぜ」

 

ライム「ありがとうございます!」

 

スパシップ「おうおめぇら!」

 

作業員「「「「「はっ!!」」」」」ザザッ!

 

スパシップが声を掛けると作業員は素早く姿勢を整える。

 

スパシップ「廃棄予定の軍艦から使える材料を片っ端取ってこい!こいつのいう通り最後まで使ってやろうじゃねぇか!!」

 

作業員「「「「「わかりやしたぁっ!!!」」」」」ドタドタドタッ!!

 

作業員は慌ただしくその場から走り去り作業に取り掛かる。

 

ライム「ありがとうございますスパシップさん」

 

スパシップ「いいってことよ。こっちも久しぶり面白いもん聞かせてもらった(笑)」

 

ライム「それで船の完成はどのくらいになるでしょうか?」

 

スパシップ「大きさもそれなりにあるからな…大体1~2カ月程度ってところだな」

 

ライム「そんない早いものなんですか?」

 

スパシップ「新造だともっとかかるが今回は組み合わせて作るようなもんだからな」

 

ライム「なるほど…わかりました。では船のほうよろしくお願いしますね!」

 

スパシップ「おう!期待して待ってな!!」

 

ライムはスパシップと力強く握手してその場を離れる。造船ドックを後にしたライムは自身の執務室で書類仕事をしながら部隊名簿に軽く目を通していた。

 

ライム「あぁ~自分専用の部屋があるってやっぱいいよな~」

 

 コンコンコン…!

 

ライム「ん?(誰かな…)ど~ぞ~開いていますよ~」

 

????「失礼します」ガチャ…

 

ライム「えっと…」

 

ロンデル「お初にお目にかかります!私はこの度ライム中佐の部隊の副官を務めることになったロンデル大尉であります!」ビシッ!

 

ライム「初めましてロンデル大尉、自分がライム中佐であります。いろいろ若輩者ですがよろしくお願いします!」

 

ロンデル「こちらこそ!…にしてもまさかライム中佐がこんなにもお若いとは思いませんでしたぞ!!」

 

ライム「中佐は付けなくていいですよロンデル大尉。階級はこちらが上だが海兵としては貴方の方が先輩だ」

 

ロンデル「むっ?よろしいのですか?」

 

ライム「ええロンデルさんもその方がスッキリするでしょ?性格的にも」

 

ロンデル「はっはっはっはっ!いや~何やら見透かされていたようだ!とはいえちゃんと線引きはするぞ?公の場所ではちゃんと中佐と付けさせてもらう。それ以外ではライムくんを呼ばせてもらうよ?」

 

ライム「自分はさん付けと階級呼び両方しますけどいいですか?」

 

ロンデル「かまいません!」

 

ライム「ありがとうございます。でロンデルさんは今日は挨拶をしにきただけですか?」

 

ロンデル「いえこれからの部隊の運用やらいろいろと話しておこうと思いまして」

 

ライム「なるほどそうでしたか」

 

ロンデル「ところで自分たちの船は何やら改造をしていると聞いたんですが?」

 

ライム「ああ少し前に改造を頼みましてね。中型の軍艦なのでどうせなら強くしようと思いまして」

 

ロンデル「なるほどそうでしたか。完成はいつ頃になるのでしょうか?」

 

ライム「大体1~2カ月程で完成するそうです」

 

ロンデル「分かりました。その間は訓練等を行い戦闘力向上をしましょう」

 

ライム「いいですね!その他にも今のうちに決めておきましょう」

 

ロンデル「そうですなまずは……」

 

自分の船が完成する間ライムは部隊の運用について再度学んだり、戦闘力向上のための訓練をしたりなどいろいろ行った。そうこうしているうちに船の改造を頼んで2カ月と半月が経過した。

 

ライム「そろそろ船が完成かな~?」

 

書類を捌いていると机にある電伝虫が鳴る。

 

 プルプルプル…プルプルプル…プルプルプルガチャ…

 

ライム「はいライムですが?」

 

スパシップ『おうライムか?おめえさんの船が完成したぜ!いま時間があるなら見に来い!』

 

ライム「おおお遂に!行きます全速力で行きます!」

 

スパシップ『おう待ってるぜ!』ガチャ…

 

 ガタンッ!ドタドタドタ…ガチャ!バタン!

 

 ダダダダダダダダダダダダッ……!!!

 

まるで子供のように顔を輝かせながら走っていくライム。

 

センゴク「ふぅ…この後は部屋に戻って…ん?」

 

 ダダダダダダダダダダッ!!

 

センゴク「ライム!廊下を走るんじゃない!!」

 

ライム「すいませんセンゴクさん!今ちょっと急いでるので!!」ダダダダダダッ…!

 

センゴク「まったく!……何をそんなに急いでいるんだ…そういえば…」

 

 ・

 ・

 ・

 ・

 

――造船ドック――

 

ライム「お待たせしました~!」

 

スパシップ「おう!ってか待ってねえけどな!」

 

ライム「それで完成した船と言うのは…」

 

スパシップ「あれだ…」ニヤッ

 

ライム「おおおおおお…!!!」

 

スパシップが指さす方向に目を向けるとそこには自身がイメージした立派な軍艦があった。

 

スパシップ「おめぇさんのイメージ図を見たときは何てもん描いてんだと思ったが造りがいがあっていい経験になったぜ」

 

ライム「いや~ありがとうございます!!中型の軍艦だと火力とか防御力が大型の軍艦と比べるとやはりあれですから」

 

スパシップ「いいってことよ。こっちも双胴船を造れたから楽しかったぜ」

 

 

【挿絵表示】

 

※作者にもっと画力があればよかったのですが無理だったのでこれで勘弁してください。

 

ライム「ありがとうござい「ほお~これが改造した船か」…あっセンゴクさん!」

 

スパシップ「センゴク元帥!!」ビシッ!

 

作業員「「「「「!!!」」」」」ビシッ!

 

センゴク「立派な船じゃないかライム」

 

ライム「ありがとうございます!」

 

センゴク「まさか双胴船の軍艦を作るとは思わなかったぞライム」

 

ライム「いや~これもここのドック作業員の方々のおかげでありますよ!」

 

センゴク「ところでライム…わしがお前に言った言葉を覚えているか?」

 

ライム「?…言葉でありますか?」

 

センゴク「わしはあまり行き過ぎた改造はするなよと言ったはずだ…」

 

ライム「そうでしたっけ?」すっとぼけ

 

センゴク「言った!!なのにお前はどうだ!?装甲板や小型の砲塔を付けるならまだしも船体を増やして双胴船にするとはどういう発想をしておる!!?」

 

ライム「凶悪な海賊に対抗するためであります!!」キリッ!

 

センゴク「そーゆーことを聞いとるんじゃない!!」

 

ガープ「ぶわっはっはっはっ!何をそんなに怒っておるんじゃセンゴク!!」

 

ライム「ガープさん!」

 

センゴク「ガープ!何しに来た!?」

 

ガープ「ものすごい勢いで走っていくライムを見たんでな!気になって来たんじゃ!これがライムの船か?」

 

ライム「どうですガープさん!カッコイイでしょ!?」

 

ガープ「ぶわっはっはっはっ!ライムお主なかなかぶっ飛んだことしよるのぉ!!ぶわはははははっ!!」

 

センゴク「笑いごとかガープ!!」

 

ガープ「ええじゃないかセンゴク!細かいことを気にするな!」

 

センゴク「これが細かい事か!?」

 

双胴船を指しながら怒るセンゴク。

 

ライム「大丈夫ですセンゴクさん!材料は廃棄予定の軍艦のモノを利用したりしているので費用は安く済んでおります!!」キリッ!

 

センゴク「そーゆー問題じゃない!!(2回目)…はあまったく…だが出来てしまったものは仕方ない。ライムはこの船のデータを定期的に報告書で提出しろ。今後の海軍の為に役に立たせてもらう」

 

ライム「わかりました!では早速船に慣れるための訓練計画をロンデルさんと練るとしましょうかね~」

 

センゴク「はあ…真面目な奴だと思ったがとんだ化けの皮を被った奴だったか…」

 

ガープ「ぶわはははっ!若いやつはこれぐらいでいいんじゃ!」

 

センゴク「よくあるもんか!海軍にお前みたいなやつが何人もいてたまるか!!」

 

ガープ「そりゃどういう意味じゃセンゴク!?」

 

センゴク「たまには頭を使って考えろ!!」

 

ガープ「なんじゃとおっ!?」

 

センゴクから多少お叱りがあったが無事船を改造することが出来たライムであった。そして…

 

ライム「さて次は何を…武器もいいな…いや何か食べ物関連もいいな…」

 

更なる企みを考えるのであった。

 

 

 

 




時系列的にはルフィが海に出る2~3年前ぐらいです。合ってるか…?


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七武海と孫

予想に反してUAやお気に入り登録が増えていて驚くのと同時に嬉しい作者です。
とても励みになります!あとヒロアカでのほうでも書いているので興味があったら見てください。


それではどうぞ!


自身の乗る軍艦の改造に成功したライム。現在は船の扱いに慣れるため本部近海にて習熟訓練の真っ最中であった。

 

――海軍本部近海――

 

 ザアァァ…(波の音)

 

ロンデル「しかし凄いですなこの船は」

 

ライム「自分で改造案出したのもあれだけどスゴイね~」

 

ロンデル「だがこれだけの船なら海賊に対しても困らない。それに物資も多く詰めるから長距離の航海にもありがたい」

 

ライム「ただ双胴船なんて扱ったことないから習熟に通常より時間が掛かりますね」

 

ロンデル「なーにどうってことはない!通常の軍艦と比べてもその差はあまり気にならないよ!」

 

副官のロンデルといろいろ話ながら習熟訓練を進めその日の訓練を終え本部に戻り自分の部屋(執務室)に戻っているとつるに呼び止められる。

 

つる「おやライム丁度よかった」

 

ライム「おつるさんどうしました?」

 

つる「あんたに話があってね。あんた王下七武海は知ってるかい?」

 

ライム「ええ知ってますよ。王下七武海は政府公認の海賊であり略奪行為などが認められている海賊ですよね?それがどうかしました?」

 

つる「いやなにその七武海なんだがね、実は定期的に招集して会議を行っているんだ。でその会議が今度あるからあんたも出なって話をしに来たんだ」

 

ライム「…………おかしいな難聴かな…?自分が七武海との会議に出ろと聞こえた気が…」

 

つる「あんたの耳は正常だよ」

 

ライム「なんで俺が!?」

 

突然のこと過ぎて素の口調が思わず出てしまうライム。

 

つる「正直に言うとあんたを見てみたいと言う声があったんだよ。あんたはここ最近新聞にも載ったりして有名になってるからね。それに新人とは思えないほど海賊を捕まえているから興味を持たれたんだろう」

 

ライム「自分が会議に出てもやることないっすよ?おつるさん」

 

つる「あんたはお茶くみとか資料を配ってくれたらいいさ。大事な事は私やセンゴクと他の中将たちでやるよ」

 

ライム「まあその程度なら…」

 

つる「決まりだね会議は2週間後にあるからそれまでに七武海の資料に目を通しておくといいさ」

 

ライム「わかりました」

 

つる「それじゃまた当日にね」

 

予期もせず七武海を会うことになったらいうであった。

 

 ・

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――それから2週間後――

 

――聖地マリージョア――

 

ライム「めっちゃ緊張するなー…お茶はいくついるかな…10組ぐらい入れとくか」

 

会議室の近くにある給湯室でお茶を入れ会議室に向かう。

 

ライム「失礼します」ガチャ

 

センゴク「ライムか」

 

ライム「お茶でございます」

 

つる「ありがとう。今日は何人来るかねセンゴク」

 

センゴク「さあな…政府公認とは言え所詮は身勝手な海賊どもだ。2人も来ればいいだろう」

 

2人がそう話していると…

 

ドフラミンゴ「おうおう言ってくれるじゃねぇかセンゴク。こうしてクソつまんねぇ会議に来てやっただけでもありがたいと思ってほしいぜ」

 

くま「だが的を得ている」

 

クロコダイル「ふん…」

 

ミホーク「……」

 

センゴク「ほぉ4人も来るとはこれは驚いた。明日は空から槍でも降ってくるかな」

 

ドフラミンゴ「フッフッフッ…ところで見ねぇ顔がいるが誰だ?」

 

センゴク「お前たちが見たがっていた噂の海兵だ」

 

ドフラミンゴ「!…ほぉ~コイツがぁ…」

 

くま「……」

 

ミホーク「……」

 

クロコダイル「まだガキじゃねぇか。ホントにコイツが噂の海兵か?」

 

ライム「歳は20ありますよ」

 

クロコダイル「そういう事じゃねぇよ」

 

ライム「じゃあどういうことなんです?」

 

クロコダイル「ふん自分で考えやがれ」

 

ライム「ケチワニ…

 

クロコダイル「おい今なんつった…?」

 

ライム「自分で考えたらいいんじゃないですか?」

 

クロコダイル「てめぇぶち殺されたいのか…」

 

ライム「やったら監獄行きですよ?」

 

クロコダイル「やっぱ殺されてぇらしいな…」

 

ドフラミンゴ「フッフッフッフッフッ(笑)!おもしれぇやつじゃねぇか。おいセンゴク!こいつ俺んとこにくれよ」

 

センゴク「なにバカなことを言っている。さっさと会議を始めるぞ!ライム資料を頼む」

 

ライム「了解です」

 

持って来ていた資料を列席者に配りライムの役目は終わったかと思えた。

 

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センゴク「……~であるからしてますます海賊共の勢いは……」

 

ドフラミンゴ「おい お前どんな能力者なんだ(笑)?」ツンツン…

 

ライム「いや答えられないっすよ…」

 

ドフラミンゴ「いいじゃねぇか。なあ教えてくれよフフフフフ…(笑)」

 

役目は終えたかと思ったライム。残念…現在ドフラミンゴに捕まっていじられていた。ドフラミンゴは自分の前に椅子を置きそれにライムを座らせその後ろから頭や顔をいじっていた。

 

ライム「会議に集中しないとまずいんじゃないですか?」

 

ドフラミンゴ「こんなつまんねぇ会議聞く意味ねぇよ。そんなことよりお前のことを知る方がよっぽど有益だ。フフフフフ」

 

ライム「いくら七武海でも話せませんよ…」

 

センゴク「ドフラミンゴ!貴様聞いておるのか!?それにウチの海兵に対して何をしておる!」

 

ドフラミンゴ「いいじゃねぇかセンゴク、こっちはわざわざ来てやってんだ。これくらいいいじゃねぇか」

 

センゴク「どさくさに紛れてライムの情報を聞いていたではないか!」

 

ドフラミンゴ「こいつが面白れぇからだ。そうだライム…あのワニ野郎に効果的な攻撃は何をすればいいと思う?」

 

クロコダイル「ドフラミンゴてめぇ何言ってやがる…」

 

ライム「覇気じゃダメなんですか?」

 

ドフラミンゴ「それ以外でだ」

 

クロコダイル「……」

 

ライム「海水ぶっかけてぶん殴りゃいいんじゃないすか?」

 

クロコダイル「あ˝あ˝!?」

 

ドフラミンゴ「フッ…フフフフフフフフフフッ!!やっぱお前面白れぇな!うちに来ねぇか?」

 

クロコダイル「おい海兵てめぇやっぱ殺されてぇらしいな」

 

ライム「じゃあハンデとしてそっちは海楼石の手錠を付けてね」

 

クロコダイル「どうしてそうなる!!」

 

センゴク「やめんか貴様ら!!!」

 

その後、会議は途中逸れながらも進み無事終わったのであった。

 

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――海軍本部――

 

――執務室(ライム)――

 

ライム「あーなんだかんだ乗り切れたぁ…なんでドフラミンゴは俺なんかに興味を持ったんだ……まさかホm―」

 

ドフラミンゴ「残念だがその予想は大外れだぜ?フフフフフ…!」ガチャ…

 

予想を言っていたら執務室のドアが開きそこにドフラミンゴが現れる。

 

ライム「………………………おかしいな目の前にドフラミンゴという七武海が……幻覚かな…?」

 

ドフラミンゴ「フフフフフ 残念だがお前の眼は正常だ」

 

ライム「なぜ海軍本部(ここ)に!?というかよく入ってこれましたね!?」

 

ドフラミンゴ「おいおい俺は七武海だぜ?」

 

ライム「だからって限度があるでしょ!?」

 

ドフラミンゴ「細けぇことは気にすんな。それより茶とか出ねぇのか(笑)?」

 

ライム「もう!ここは喫茶店じゃないんですよ!」カチャカチャ…コポポポ…

 

文句を言いながらも手際よくお茶の準備をするライム。

 

ライム「どうぞ」カチャ…

 

ドフラミンゴ「フッフッフッ…ありがとう(笑)」

 

ライム「それで七武海の1人でもあるあなたがここに来た理由は何ですか?」

 

ドフラミンゴ「まぁそう焦るな」ニヤニヤ…

 

ライム「じゃあ言っときますけど勧誘されても無理ですからね?」

 

ドフラミンゴ「なんだ分かってるじゃねぇか。俺んとこに来ねぇか?幹部として迎えてやるぜ(笑)?」

 

ライム「魅力的ですが無理ですよ。そんなことしたらすべての海兵から標的にされちゃいますよ」

 

自分の所に勧誘してくるドフラミンゴに対し丁寧に断りの言葉を話していると部屋のドアが開く。

 

 ガチャ…

 

クザン「失礼するぜ~…」

 

ドフラミンゴ「ああん?」

 

ライム「あれクザンさんどうしました?」

 

クザン「どうもこうもないよ、ドフラミンゴが来てるだぁなんでいるんだとかちょっとした騒ぎになってるから来たんでしょーが」

 

ドフラミンゴ「フッフッフッ!これはこれは3大将が1人青雉じゃあねぇか…何か用か?」

 

クザン「それはこっちの台詞だっつーの!おめぇさんライムに何してんだ?」

 

ドフラミンゴ「なーにちょっとした勧誘だ…ファミリーへのな」

 

クザン「あらら…それ大問題だよ」

 

ドフラミンゴ「なーにおめぇが黙ってくれりゃ問題ねぇよ」

 

クザン「俺が見逃すとでも…?」ゴゴゴゴゴ…

 

ドフラミンゴ「なんだぁやるのか…?」ゴゴゴゴゴ…

 

一色触発の雰囲気が流れるも…

 

ドフラミンゴ「フッフッフッ…今日の所は帰るとしよう」

 

クザン「出来れば二度と来ないでほしいね」

 

ドフラミンゴ「そいつがウチに来てくれりゃあな」

 

ライム「だから無理ですって」

 

ドフラミンゴ「フッフッフッまたどこかで会おうぜ…あと茶美味かったぜ」

 

ライム「どうも」

 

ドフラミンゴはそう言うと窓を開けそのまま飛び去って行った。

 

クザン「ったく面倒くせえなぁ」

 

ライム「いや~助かりました。まさかこんなところに現れるとは思いませんでした」

 

クザン「いいってことよ それよりお茶淹れてくんね?」

 

ライム「仕事はいいんですか?」

 

クザン「あれ?助けてやったのにお礼なし?」

 

ライム「はいはい淹れますよー」

 

クザン「なんか俺の扱い雑じゃない?」

 

ライム「ソンナコトナイッスヨ?」

 

クザン「おい」

 

それからドフラミンゴとの接触から数週間が経過したある日、その日は部隊の戦闘訓練を行っていた。

 

 キィン!カキィィン!ドカッ!シュッシュッ!

 

ライム「相手の行動の予測、周囲の状況を把握しながら動け~。相手が手練れの場合勝負は一瞬で決まるぞ~。さらに一瞬でもスキをつくれば相手はそこをすぐ突いてくるぞ~」

 

海兵「「「「「ハッ!!!」」」」」

 

ロンデル「新兵の動きがさらによくなってきましたねライム中佐」

 

ライム「そうですね。もっと強くするために誰か強い人に相手を頼んでみましょうかね」

 

ロンデル「とはいえそんな都合がいい人は…皆任務やらいろいろあって忙しいし誰か…」

 

ガープ「ライムはおるかーー!?」

 

ライム「ガープさん?」

 

ロンデル「ガッ!?ガープ中将!?全員その場で敬礼!!」

 

海兵「「「「「!!」」」」」ザザッ!ビシッ!

 

ライム以外はガープの突然の登場に驚く。

 

ライム「ガープさんどうしたんですか?今は訓練中なんですが」

 

ガープ「ああスマンスマン!実はお前さんに用があってな!」

 

ライム「なんです?」

 

ガープ「孫に会わせる!!」

 

ライム「………はい?」

 

ガープ「お前さんをわしの孫に会わせたいんじゃ!今から東の海(イーストブルー)に行くぞ!!」

 

ライム「いやいやいや突然なに言ってんですか?今から?無理だし許可が下りませんしそんなことしたらまたセンゴクさんにまた怒られますよ?」

 

ガープ「センゴク(あいつ)のことは気にするな!何よりわしが孫に会いたい!!」

 

ライム「えぇー…」

 

ガープ「これは命令じゃ!あとお前さんの船で行くぞ!航海訓練にもなって一石二鳥じゃ!ぶわっはっはっはっ!!」

 

ライム「わかりましたぁー…ということで我が部隊は急遽東の海(イーストブルー)に行くことになりました。なので準備お願いします!」

 

ロンデル「りょ了解しました!直ちに出港準備を始めます!総員開始!」

 

海兵「「「「「ハッ!!!」」」」」

 

 ドタドタドタ…

 

ガープの我がままで東の海(イーストブルー)に行くことになったライムたち。そして速やかに出航の準備がされ東の海(イーストブルー)に向けて船は出される。またその数分後にセンゴクの怒りの叫びが海軍本部全体に響くのであった。そして出航してから約2週間が経過し孫がいるというフーシャ村に到着するのであった。

 

――フーシャ村――

 

ガープ「おーし着いたぞー!」

 

ライム「ここが…(ここにルフィが…どんな感じなんだろうな~♪)」

 

転生前では圧倒的人気を誇っていたキャラにこれから会うためライムは気分が少し上がっていた。

 

村長「ガープじゃないか」

 

ガープ「おお村長!ルフィは元気にしておるか!?」

 

村長「また会いに来たのかお前さんは。ルフィなら元気にやっておるわい」

 

ガープ「ぶわっはっはっはっ!かわいい孫には何回も会いに来たくなるもんじゃ!!」

 

村長「まったく…おや?そちらさんは初めて見る顔じゃな?」

 

ガープ「おお!こいつはわしの部下みたいなもんじゃ!」

 

ライム「初めまして海軍本部所属のライム中佐であります」

 

ウープ「このフーシャ村で村長をしとるウープ・スラップじゃよろしくの」

 

ガープ「よしライム!孫に会いに行くぞ!付いて来い!!」

 

ライム「はいはい分かりました。ロンデル大尉たちはすいませんが軍艦とその近くで待機でお願いします。あと村の人達が何か困っていたら手助けをお願いします」

 

ロンデル「了解しました!お気を付けて!」

 

ガープ「何をしておる早ようせい!!」

 

ライム「はいは~い!いま行きまーす!」

 

駆け足でガープの元に行きルフィがいる山に向かって歩きはじめる。

 

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――コルボ山――

 

ガープ「ここじゃ!」

 

ライム「ここにお孫さんが?…」

 

ガープ「そうじゃ!ダダンという山賊に預けて面倒を見させておる!」

 

ライム「山賊って…いいんですか?」

 

ガープ「細かいことを気にするな。おーいダダンおるかー!?

 

ガープが目の前にある家に向かって叫ぶと中で大きな音がしたあと勢いよくドアが開く。

 

ダダン「ガガガッ!?ガープさん!?」

 

ガープ「おうダダン!元気にしとったか!?ルフィに会いに来たぞ!」

 

ダダン「急に来ないでくださいよビックリしますから!ルフィなら森の方に行ってますからいませんよ!」

 

ガープ「なんじゃおらんのか…それじゃあ帰ってくるまで待つとするかのぉ」

 

ダダン「えっここにいるんですか…?」

 

ガープ「なんじゃいかんのか?」

 

ダダン「いえ構いません!どうぞごゆっくり!…ところでそっちのもう1人は誰なんですか?」

 

ガープ「ああこいつはわしの部下みたいなもんじゃ。ルフィに会わせに来たんじゃ!」

 

ライム「どうも海軍で海兵をしてるライムと言います。一応階級は中佐です山賊さん(笑)」

 

ダダン「ちゅっ中佐ぁ!?こんなガキがですかい!?てかガープさん私らのこと話したんですかい!?」

 

ガープ「おう話した。気にするな!ぶわっはっはっはっ!」

 

ダダン「気にしますよ!!」

 

ライム「別に逮捕とかしないので安心してください」

 

ダダン「そーゆー問題じゃあ…あーもうういいや好きにしてください!」

 

ガープ「おう邪魔するぞ」

 

ダダン「って入るんですかい!?」

 

ガープ「茶ぐらい出せ」

 

ダダン「横暴すぎる!」

 

ライム「お邪魔します」

 

ダダン「あんたもかい!!」

 

それからルフィが森から帰ってくるまでダダンの家で待っていると大きな声が聞こえてくる。

 

ガープ「おっどうやら帰ってきたようじゃの…」パキポキ…

 

ライム「なんで構えてるんですか…」

 

ガープ「なーにちょいと愛の拳をな…」

 

ライム「傍から見たら孫に暴力を振るってるだけっすよ」

 

ガープ「うるさいわ!これもあいつを立派な海兵にするための必要な事じゃ!」

 

ライム「そっすか…」

 

若干呆れながらもガープに続くライム。

 

ルフィ「おーい!帰ったぞおーーー!!」

 

ガープ「帰ったかルフィ!」

 

ルフィ「げっ!!じっじいちゃん!!?なんでいるんだ!?」

 

ガープ「げっ!とは何じゃ?げっとは!?かわいい孫に会いに来たんじゃぞ!もっと嬉しがらんか!」

 

ルフィ「言っとくけど海兵にはなんねーからな!」

 

ガープ「まだそんなこと言っとるのか!お前は強い海兵になるんじゃ!」

 

ルフィ「だーかーら!俺は海賊になるんだ!シャンクスとそう約束したんだ!」

 

ガープ「赤髪になんかに毒されおって!!その根性叩き直してやる!!」

 

ライム「ガープさん落ち着いて」

 

頭に血が上ぼりつつあるガープを落ち着かせるライム。

 

ルフィ「ん?じいちゃん誰だよそいつ?」

 

ガープ「ああこいつはお前に合わせに来たわしの部下じゃ!」

 

ライム「初めましてルフィ。俺はライム、君が嫌がっている海兵だよ」

 

ルフィ「俺はルフィ!海賊王になる男だ!」

 

ライム「わーお大胆発言」

 

ガープ「言っとくがルフィこいつはお前より強いぞ!」

 

ルフィ「はあコイツがぁ?俺よりぃ?嘘だあ!」

 

ガープ「今日はお前と手合わせさせるために連れて来たんじゃ!お前さんをより強い海兵にするためにな!」

 

ライム「えっ俺が?」

 

ルフィ「面白れぇぶっ飛ばしてやるぜ!」

 

ガープ「ライム準備せぇ!!」

 

ライム「ええー…」

 

こうしてルフィと模擬戦をすることになったライムであった。

 

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ルフィ「いくぜ!ゴムゴムの(ピストル)!!」ビュオッ!

 

ライム「おっと!」ひょい

 

ルフィ「なっ避けた!?」

 

ライム「なかなかいいパンチだね」

 

ルフィ「まだまだ!ゴムゴムの銃乱打(ガトリング)!!」シュババババッ!!

 

ライム「おおっ!これはなかなか!」ひょいひょいひょい!

 

ルフィ「なんで当たんねぇんだ!?」

 

ガープ「だから言ったろうが!お前さんより強いと!」

 

ダダン「………」ポカーン…

 

家の窓から見ていたダダンは開いた口が塞がらない。

 

ライム「じゃあ今度はこっちの番ね」

 

ライムはそう言うと近くに落ちていた1m程の木の枝を拾いあげ構える。

 ※枝は木刀ぐらいの太さです。

 

ルフィ「?」

 

ライム「この枝でいいかな」

 

ルフィ「おい 枝なんかどうするんだよ?」

 

ライム「どうするってこれでルフィを攻撃するんだよ?」

 

ルフィ「っ! バカにしてんのか!?」

 

ライム「それはどうかな…」ニヤッ…

 

ルフィ「この野郎っ!!」ダダッ!

 

ルフィは勢いよく走りだしライムに接近する。

 

ルフィ「ゴムゴムの(ピストル)!!」ビュオッ!

 

ライム「おっと!ではまず一本!」ヒュッ!ゴンッ!!

 

ルフィ「いってええぇぇ!!?」

 

叩かれたところを押さえながらその場でジタバタするルフィ。

 

ルフィ「俺ゴム人間なのになんで痛みが!?おいお前なにしやがった!」

 

ライム「木の棒で叩いただけだよ(笑)」

 

ルフィ「嘘つけ!」

 

ガープ「ぶわっはっはっはっ!だから言ったろうがルフィ!そいつはお前さんより強いと!」

 

ルフィ「くっそー!もう一回だ!今のはまぐれだ!!」

 

ライム「じゃああと一回だけね」

 

ルフィ「おーし!ぜってぇギャフンと言わせてやる!!」

 

その後ライムとルフィの模擬戦は数十回続くもルフィはライムに掠ることすらできずたんこぶにたんこぶを重ねていくのであった。

 

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――フーシャ村・酒場【PARTYS BAR】――

 

マキノ「あらあらルフィ こんなにたんこぶ作っちゃって…ふふ(笑)」

 

ルフィの傷の手当てをしているのはフーシャ村にある酒場の女性店主マキノ。彼女はルフィが山から降りて来たときよく面倒を見ている。

 

ライム「まああれだけ叩けばなあ…」

 

ルフィ「叩いたのお前だろ!」

 

ガープ「弱いお前が悪い!もっと強うなれ!そして海兵になるんじゃ!」

 

ルフィ「やだ」

 

ガープ「何じゃとお!?」

 

ライム「もういいでしょガープさん。それより腹減ったので何か食べましょうよ」

 

ガープ「ようないわ!ルフィが海賊になるなんぞわしゃあ許さんぞ!」

 

ライム「はいご飯食べる人は手ぇ挙げてー」

 

海兵「「「「「はーーい!!!」」」」」

 

ガープ「無視か貴様ーー!!」

 

ライム「マキノさん厨房お借りしますね」

 

マキノ「私が作りますよライムさん達は一応お客さんなんだから」

 

ライム「この人数は流石に多すぎるので悪いですよ。調理海兵!」

 

調理海兵「「「はっ!」」」

 

ライム「俺の調理補助を命ずる! 」

 

調理海兵「「「了解しました!!」」」

 

酒場の厨房に入るとライムは手際よく調理を始めていきあっという間に大量の炒飯が出来上がる。

 

ライム「おら野郎ども!俺様炒飯が出来たぞー!」

 

海兵「「「「うおーーー!!」」」」

 

酒場のテーブルに山盛りの炒飯が置かれる。

 

ルフィ「うまほーー!!」

 

ライム「ルフィはこっちだ」ドン!

 

置かれた皿には肉汁が滴るステーキが盛られていた。

 

ルフィ「うおぉおおお!いただきまーす!」

 

ライム「さーて俺も食べようかね。マキノさんもどうぞ」

 

マキノ「あらいいの?」

 

ライム「どうぞどうぞ」

 

マキノ「じゃあありがたくいただくわ」

 

酒場でご飯を食べていると通信海兵が持っている電伝虫が鳴る。

 

 プルプルプル…プルプルプル

 

通信海兵「ん?通信か?《ガチャ…》はいこちらライム部隊…」

 

センゴク『センゴクだ』

 

通信海兵「セッ!センゴク元帥!!」ガタッ!

 

センゴク『そこにライムはおるか?』

 

通信海兵「はっ、はい!」

 

センゴク『そうか、ならライムに代わってくれ』

 

通信海兵「分かりました!」

 

通信海兵は小走りでライムに電伝虫を持っていく。

 

通信海兵「ライム中佐!」

 

ライム「ん?どうしたのそんなに慌てて?」

 

通信海兵「つっ…通信が入っております」

 

ライム「通信?どちらさま?」

 

通信海兵「セッ…センゴク元帥です…」

 

ライム「センゴクさんから?なんだろ…」

 

ライムは受話器を持ち電伝虫に話しかける。

 

ライム「もしもしライムです。どーぞー」

 

センゴク『ライムかお前今どこにおるんだ…?』

 

ライム「東の海(イーストブルー)ですが」

 

センゴク『なぜ東の海(イーストブルー)にいるんだ!!?ガープが勝手にいなくなったかと思えばお前までいなくなっているとはどういうことだ!?』

 

ライム「ガープさんが孫に会わせるとか言って俺の船を使って行くと言いまして…」

 

センゴク『断ることも出来たはずだ!!』

 

ライム「《航海訓練にもなるから一石二鳥だ!ぶわっはっはっはっ!》と命令で言われまして」

 

センゴク『あのバカは…!とにかく今すぐに戻ってこい!!いいな!?』ガチャ!

 

元帥からの通信は勢いよく切られライムも受話器を置く。

 

ライム「だ、そうですよガープさん?」

 

ガープ「偉そうにしおって…!」ホジホジ…

 

鼻をほじりながら悪態着くガープ。

 

ライム「実際偉いですよ」

 

ガープ「やかましい!孫に会いに来るのが悪いか!?」

 

ライム「仕事ほったらかして来たら怒られるのは当然ですよ」

 

ガープ「わしゃまだ帰らんぞ!」

 

ライム「じゃあ総員出港準備お願いしまーす」

 

海兵「「「「「了解しました!!!」」」」」ドタドタドタ!!

 

ガープ「おい!わしは上司じゃぞ!?」

 

ライム「その上司の上司から帰還命令があったのでそちらが優先されます」

 

ガープ「嫌じゃ!わしゃ帰らんぞ!」

 

ライム「はいはい帰りますよ」グニョオオオ…!

 

ライムは腕をスライム状にして覇気を纏いガープを拘束する。

 

ルフィ「うお!?なんだこれ!?」

 

マキノ「ライムくんもしかして能力者なの?」

 

ライム「そんなところですね(笑)」

 

ガープ「離せライム!わしはルフィとまだ離れとうない!!」

 

ライム「ルフィはどうなの?」

 

ルフィ「俺はどっちでもいい」ズバーン!!

 

ガープ「んなぁっ!?」ガーーン!!

 

この一言でガープは真っ白になり大人しくなった。

 

ライム「それじゃあ我々はこれで失礼します。お騒がせしました」

 

マキノ「ふふ、またいつでも来てくださいね!」

 

ライム「時間があれば。それとルフィ、言葉遣いだが少しは直しとけよ?」

 

ルフィ「えー、めんどくせぇよ」

 

ライム「あと、海賊になるなら容赦しないからね?」

 

ルフィ「シシシシシッ!今回は負けたけど次は負けねえ!!」

 

ライム「そのたんこぶの数じゃ説得力ないね(笑)」

 

ルフィ「んなっ!?」

 

ライム「じゃあな(笑)」

 

白くなっているガープを引きづりながら軍艦に乗り込むとライムたちは海軍本部へ向けて出港した。そして海軍本部の港ではセンゴクが待ち構えており、到着した瞬間センゴクの怒号が響き渡ったのであった。

 

ライム(マキノさん美人だったな~…一緒に写真撮ればよかった…)

 

 

 




ライムになにか武器を持たせようかと考えています。


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世界会議あるから護衛任務です!

滑りこみメリークリスマス 三(/^ω^)/!!
誤字報告いつもありがとうございます!とてもありがたいです!



それではどうぞ!


ルフィと会ってから数カ月が経過した。この数カ月は双胴船軍艦で海賊を捕まえたり、世界政府加盟国の王族の船&政府と海軍の輸送船の護衛など多くの任務をこなしていたライム。そんなライムだがなんと海軍に入隊してから約1年が経過していた。そして入隊して1年が経ったと同時に今年は世界会議(レヴェリー)の開催年でもあった。

 

クザン「お前さんが海軍に入ってもう1年とはねー早いもんだ」

 

ライム「そうですねーあれからもう1年ですか」

 

クザン「今年は世界会議(レヴェリー)があるから各国の王族の船の護衛があるなぁ…めんどくせーなー」

 

ライム「あなた大将でしょうが」

 

クザン「王族の相手なんざ面倒なだけだ。俺はのんびり寝ていたいね」

 

ライム「大体いつも仕事サボってるじゃないですか。現に今もこうして釣りしてるし」

 

ライムとクザンは海軍本部の港で一緒に並んで座って釣りをしていた。その光景を見た近くを通った海兵は大将と一緒に釣りをしているなんて何者なんだ…?と思うのであった。

 

クザン「これはあれだ…その…休憩だ!それにそれを言ったらお前だってサボりじゃねーの?」

 

ライム「自分は今日は非番です。服が私服でしょ?」

 

クザン「ズルくね?」

 

ライム「ちゃんとしたお休みです」

 

クザン「じゃあ俺も今から休みで」

 

ライム「だそうですよサカズキさん」

 

クザン「………えっ?」

 

クザンが後ろを振り返るとそこには腕を組んで仁王立ちをしているサカズキがいた。

 

サカズキ「クザン…おどりゃあ仕事もせずこんなところで釣りとはいい身分しとるのぉ…?」

 

クザン「いつの間に居たんだよ…てかライム!こいつ居たんなら教えろよ!!」

 

ライム「教えない方がいろいろ面白そうだったので!」

 

クザン「てめぇ!」

 

サカズキ「恨むならおどれの行いを恨むんじゃなクザン」

 

クザン「ってかあっちーんですけど!近くに来ないでもらえますかぁ!?」

 

サカズキ「あ˝あ˝!?何じゃとぉ(怒)!?」

 

クザン「いまのうちに!!」シュタタタッ!

 

サカズキ「あっ!待たんかおどりゃあ!!!」ダダダダッ!

 

ライム「何か釣れるかなぁ…」

 

のんびりと非番を満喫するライムであった。そして非番の翌日の午前、書類をいつも通り処理していると電伝虫が鳴る。

 

プルプルプル…プルプルプル……ガチャ…

 

ライム「もしもしライムですが?」

 

つる『ライムかい?ちょいと話がるんだが今から私のとこに来れるかい?』

 

ライム「分かりました、すぐ行きます」

 

つる『あいよ』

 

 ガチャ…

 

ライム「話ってなんだろ…?任務関係かな?」

 

お鶴に呼ばれたため部屋を後にするライム。

 

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――執務室(つる)――

 

 コンコンコン…

 

ライム「おつるさん、ライムであります!」

 

つる「ああ開いてるよ、入っておくれ」

 

ライム「失礼します」

 

つる「急に呼んだりして悪いね、世界会議(レヴェリー)についてあんたに話があってね」

 

ライム「いえ、それで世界会議(レヴェリー)について俺に話とは?」

 

つる「3か月後に開催される世界会議(レヴェリー)に参加する王族の護衛にあんたを入れようかと思ってね」

 

ライム「自分がですか?」

 

つる「ああ、と言ってもあんたは護衛の補佐的なもんだね。護衛は大佐から大将の階級の者がつくんだが、あんたにはその1人の誰かの補佐をやってもらいたい」

 

ライム「自分が護衛に参加してもいいんでしょうか?」

 

つる「あんたの実力なら構わないさ。それにあんたを見てみたいという王族も何人かいるようだしね…これを機に少し王族に顔を見せておきな。あんたには悪いけどこれも海軍のイメージのために動いてもらうよ」

 

ライム「いえ、これもいい経験になると思いますので参加させてもらいます!」ビシッ!

 

つる「助かるよ、詳細についてはまた後日知らせるからもう下がっていいよ」

 

ライム「はっ!失礼します!」

 

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それから数日後、つるから護衛についての詳細を知らされるライム。そして詳細を聞いてか約3か月後、世界会議(レヴェリー)に参加する王族たちの護衛任務が始まる。

 

――護衛軍艦甲板――

 

ライム「このまま何もなければ予定通りですね」

 

????「ああ、もし王族の船を狙う奴が居たとしても問題ないだらぁ」

 

ライム「仮にいたとしても近づく前にその鮫切包丁で真っ二つなんじゃないですかね?バスティーユ中将」

 

バスティーユ「はっはっはっ!そうかもしれんだらぁ!」

 

現在ライムたち海軍はバリウッド王国の王族の船を護衛中であった。つるから言われた護衛の補佐は鮫切りの名を持つバスティーユ中将であった。初めて会った時は固い感じの印象を持ったが、実際話してみると以外と話やすい人だった。好きな食べ物が鮫肉のハーブ焼きと聞きライムは鮫肉ってアンモニアとかが蓄積してめっちゃ臭かったはずではと思っていた、するとそんな考えを見抜かれたのか《ちゃんと処理すれば大丈夫だらぁ(笑)!!》と言われてしまった。バレてしまったことをちょっと恥ずかしいと思うライムであった。

 

ライム「(鮫肉か…今度食べてみよう)…赤い港(レッドポート)まではあと約半日ぐらいか」

 

海兵「バスティーユ中将!ライム中佐!お話しところ失礼します!」

 

ライム「どうしました?何か見つけましたか?」

 

海兵「はっ!3時の方向に船舶と思われる船影を発見!現在所在の確認中であります!」

 

ライム「なるほど、報告ありがとうございます…バスティーユ中将どう思います?」

 

バスティーユ「可能性としては俺らと同じ王族船とその護衛艦と…」

 

ライム「もう1つの可能性はその王族を狙う海賊…前者であることを願いた―」

 

海兵「報告!確認した船舶は海賊船であることが判明!船舶は海賊船!!」

 

ライム「……」

 

バスティーユ「どうやらハズレを引いてしまったようだらぁ。敵船との距離は?」

 

海兵「海賊船との距離約700m!」

 

バスティーユ「戦闘用意!陣形を変更!軍艦2隻を右舷に移動するだらぁ!」

 

海兵「「「はっ!!!」」」

 

バスティーユの命令で速やかに行動を開始する海兵たち。

 

バスティーユ「バカな奴はいつの世もいるもんだらぁ…」

 

ライム「どんな海賊でしょうねぇ…ねえ旗とか帆に描かれてるドクロマークは確認できる?」

 

海兵「いえ!まだ距離がある為正確な模様までは確認できておりません!ですがドクロマークであることは確かに確認出来ました!」

 

ライム「なるほどね~…」

 

バスティーユ「どうしただらぁ?」

 

ライム「バスティーユ中将、こちらに向かってきている海賊船に対して迎撃に向かってもよろしいでしょうか?」

 

バスティーユ「迎撃ってお前…まだ距離もあるのにどうするんだらぁ?」

 

ライム「飛んでいきます」

 

海兵「いま飛んでいくって言ったよな?」「ああ、もしかして六式の月歩かな?」

 

ライムが飛んでいくと言ったので周りにいた海兵たちは不思議に思いながらライムを見る。

 

バスティーユ「………いいだろう、だが危険と思ったらすぐに戻ってくるだらぁ!」

 

ライム「ありがとうございます。あと武器と弾薬を少し貰ってもいいですか?」

 

バスティーユ「それは構わんが携帯するんじゃたいしてもてんだろう?」

 

ライム「その点はご心配なく(笑)では武器庫に行かせてもらいますね」

 

ライムはそう言うと早足で武器庫に向かう。バスティーユは一体どうするのか気になったためライムの後に続く。

 

――軍艦・武器庫――

 

ライム「お~、いっぱいありますね!さ~て…」

 

バスティーユ(いったいどうするんだらぁ…?)

 

ライム「バズーカと…あっ!この小型の大砲いいですね!…では」

 

ライムはそう言うと腕をスライム状にしてバズーカと小型の大砲、そしてそれらの弾薬を吸収する。その光景を見たバスティーユは静かに驚く。

 

バスティーユ(能力者とは聞いていたが、あれは何だらぁ?腕が変化して武器を飲み込んだらぁ…)

 

武器を吸収し終えるとライムは甲板に出る。

 

ライム「それではバスティーユ中将、行ってまいります!」

 

バスティーユ「ああ、気を付けるんだらぁ!」

 

ライム「では…形状変化ウィング!」バサァッ!

 

海兵「翼が生えた!?」「能力者!?」

 

ライム「出撃!!」

 

ライムはそいうと大きく羽ばたき向かってきている海賊船に低空で向かい始める。

 

バスティーユ「お手並み拝見だらぁ…」

 

 ・

 ・

 ・

 

――海賊船――

 

パスターム「へっへっへ…!王族を人質にすりゃ身代金をがっぽりと…」

 

(パ)部下「パスターム船長ーー!!」

 

パスターム「ああ?どうしたぁ!?」

 

(パ)部下「こちらに向かって何かが海面を低く飛んできてます!」

 

パスタ―ム「ああ?何かってなんだ!?」

 

(パ)部下「それが鳥のような…」

 

パスタ―ム「鳥が何だってんだ!今は目の前の獲物に…」

 

ライム「それは困るな~」

 

パスタ―ム「おい誰だ!?今困るって言ったやつぁ!?」

 

(パ)部下「せっ…船長」

 

パスタ―ム「なんだっ!?」

 

(パ)部下「うっ、後ろ…」

 

パスタ―ム「ああん!?後ろが何だってー」

 

パスタ―ムが後ろを向くとそこには翼でホバリングしているライムがいた。

 

ライム「こんにちは海賊さん♪」バサッバサッ!

 

パスタ―ム「……………どわああああああ!?かかかっ海兵ーーー!!?」

 

ライム「そんなに驚かなくてもいいでしょう?」

 

パスタ―ム「バカ野郎!翼が生えた海兵が突然後ろにいたらそりゃ驚くに決まってんだろーが!!」

 

ライム「それもそうか。これは失敬」

 

パスタ―ム「わかりゃあいいんだ!わかりゃあ……って納得してる場合じゃねえ!おい海兵何しに来やがった!?」ガチャ!

 

パスタームがそう言いながら銃を構えるとその部下たちも銃を構えてくる。

 

ライム「何ってそりゃあ、海兵だからねぇ…言わなくても分かるでしょ?」

 

パスターム「なら…こうされても文句は言えねえよな!?」ズドンッ!

 

パスタームが構えていた銃をライムの頭を狙って発砲する。しかし見分色の覇気でそれを簡単に避ける。

 

パスターム「なっ!?」

 

ライム「大人しく降伏しない?その方が罪が軽くなるかもよ?」

 

パスターム「ぬかせ!野郎ども!!」

 

(パ)部下「「「「「おう!!!」」」」」ガチャ…ドンドンドン!!

 

パスタームの部下がライムに向けて発砲し、ライムに命中し穴が増えていく。

 

パスターム「パスタタタ!!海兵おそるるに足らず!よし野郎どもー」

 

ライム「残念…その程度じゃあ俺は仕留められないね!」

 

パスタ―ム「なっ!?…まさか能力者か!?」

 

ライム「正解!じゃあ今度は俺のターン!!」バサッ!

 

ライムはそう言うと海賊船の上に上昇する。

 

ライム「形状変化!アームバズーカ!!」グニョオオオ…!

 

パスタ―ム「なっ、何をする気だ…」

 

ライムは両腕を軍艦の武器庫で吸収したバズーカと小型の大砲に変化させ、海賊船に向け構える。

 

ライム砲弾の雨(レインシェル)!!」

 

ズドドドドドドドドドドドドド!!!!

 

ヒュウウウウゥゥゥゥゥゥ!!

 

パスターム「にっ!逃げ――!!!」

 

ドゴゴゴオォォォォン!!!

 

空が黒い球体で覆いつくされ次の瞬間には耳を裂くような大爆発と炎に飲み込まれるパスタームの船。

 

ゴオオォォォォ…

 

パスタ―ム「ぐっ…」

 

ライム「さてお前だけでも来てもらうぞ?」

 

パスタ―ム「あっ…悪魔か…貴様…」

 

ライム「さあね…ただ言えるのは海兵だってことだね」

 

ライムはパスタームを拘束し、護衛の軍艦に戻るのであった。

 

 ・

 ・

 ・

 

――護衛軍艦――

 

海兵「こちらに向かってきていた海賊船の大破を確認」

 

バスティーユ「まったく末恐ろしいやつだらぁ…」

 

海兵「あっ!上空にライム中佐を確認!」

 

バスティーユ「心配なんていらなかっただらぁ」

 

バスティーユがいる軍艦に着陸するライム。

 

ライム「バスティーユ中将!海賊船及びその船長を捕まえてただいま戻りました!」

 

バスティーユ「ご苦労だったらぁ。おめぇが中佐と言うのも納得と言うもんだらぁ」

 

ライム「恐縮です!」

 

バスティーユ「さて…王族を狙ったバカな海賊はどんな奴だらぁ?」

 

海兵「手配書を確認したところ懸賞金4700万ベリーのパスタ海賊団船長、三つ槍のパスタームと判明しました」

 

バスティーユ「4700万だとぉ?よくもそれで挑んできたもんだらぁ」

 

ライム「本当…何をどうするつもりだったんだ?」

 

王族を狙った襲撃に遭うもライムの活躍により事なきを得た護衛船団。そしてその後、バリウッド王国の船は無事赤い港(レッドポート)に到着するのであった。

 

 ・

 ・

 ・

 

――赤い港(レッドポート)――

 

ハン・バーガー「到着したか…」

 

他王族「おおバリウッド王国のハン・バーガー王よ、久しいな」

 

ハン・バーガー「おお、貴殿も息災のようだな」

 

他王族「来る途中で海賊に襲われたと聞いたが大丈夫のようだな」

 

ハン・バーガー「ああ、噂の海兵が退治してくれたよ」

 

他王族「噂の海兵…それはもしや…」

 

ハン・バーガー「新聞に載っていた新進気鋭の若手海兵だ。しかも1人で海賊を倒したぞ」

 

他王族「なんと!?それはまことか!?」

 

ハン・バーガー「本当だ。この目でしかと見た」

 

他王族「なんとそれは…いやはや私も一目見て見たいものだ、その海兵を」

 

この度のライムの活躍は各国の王族たちの間でさらに話のタネになるのであった。

 

 

 

 




陸上自衛隊の砲弾の定義では口径が20㎜以上の弾丸が砲弾とされるらしいです。


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2年が経ってあいつが海に出たよ!

明けましておめでとうございます(∩´∀`)∩!!!
1月1日に投稿しようと思ったけど間に合わなかった!許して!
2021年になりましたね!読んでくれている読者の皆さまはどのような1年にしたいですか?作者は楽しく過ごせたらいいなと思っています。自分が書いているこの二次小説で皆様を楽しませることが出来れば幸いです!

それでは話が長くなりましたがどうぞ!!


この世界に転生?をしてから3年が経過した。目が覚めたときは無人島にいたが今はこの世界の秩序を守らんとする世界政府所属の組織《海軍》に身を置いており、今となっては様々な任務をこなしながら楽しい日々を過ごしている。そんな日々を過ごしているなか俺はガープ中将の計らいで彼の孫…つまりルフィに会った。初めて会ったときの印象は漫画のままの彼だった。というかガープ中将を子供にしたような感じであった。まあそんなことは置いといておこう。そんなガープ中将を子供にしたような彼、ルフィとは初めて会った時から今日まで関係が続いている。と言うのも俺がときどき休暇を取ってフーシャ村へ遊びに行っては稽古をつけているからだ。まあその度にルフィの頭にたんこぶの雪だるまが出来上がるのだが…。だがその光景ももう見れなくなる。そう…いよいよルフィが海に出るのだ。えっなぜ知っているかって?マキノさんから手紙が届いたからだよ!。なんで手紙が来ているかと言うと文通してるからね!あっ別に恋人とかそういう関係じゃないからね!まあマキノさんからそういう手紙を貰って俺はいまフーシャ村に来ている。

 

――フーシャ村――

 

ルフィ「よーし!いよいよだ!」

 

マキノ「ルフィ、風邪は引かないようにね!」

 

ルフィ「おう!」

 

ライム「大丈夫ですよマキノさん。こいつが風邪を引いたら次の日にゃ天変地異が起きますよ」

 

ルフィ「なんだとライム!?ぶっ飛ばずぞ!」

 

ライム「それは俺に一回でも勝ってから言うんだな(笑)!」

 

ルフィ「んぐっ…!」

 

ライム「ははは!……ああそうだ、ルフィこれやるよ」

 

ライムは懐から革で出来た赤いリストバンドを投げる。

 

ルフィ「なんだこれ?リストバンド?」

 

ライム「海に出るんだ、何もないってのもあれだからな」

 

マキノ「よかったわねルフィ。似合ってるわよ」

 

ルフィ「おう!ありがとなライム!」

 

村長「良くないわい!海賊になろうなんてまったく!ライムくん、今からでもコイツを止めてはくれんかの?」

 

ライム「自分が言っても無理ですよ。それにまだ海賊でも何でもないですし、俺にとやかく言う権利はないですよ…(苦笑)」

 

村長「ううむ…」

 

ルフィ「よし!それじゃ行ってくる!!」

 

ルフィは小型のボートを漕ぎ始めどんどん沖に向かう。そんな彼を村人たちは元気よく見送る……ついにルフィは海への冒険へ出たのであった。そしてルフィを見送って場所は変わり海軍本部。

 

 ・

 ・

 ・

 

――海軍本部――

 

ライム「ガープ中将、失礼しますよ~」ガラッ…

 

ガープ「おお、ライムか!どうした?」

 

ライム「先日なんですがルフィが海に出ましたよ」

 

ガープ「何じゃとおっ!?」

 

ライム「今ごろ仲間集めの最中でしょうね」

 

ガープ「なぜわしに知らせんかった!?ライム!」

 

ライム「いやガープさんその時は任務がありましたし、それに教えたら絶対面倒なことになりそうだし…」

 

ガープ「なんじゃ面倒なことって!?あいつを鍛えたのも強い海兵にするためなんじゃぞ!」

 

ライム「本人は拒否してましたけどね」

 

ガープ「うるさいわ!ったく…エースに続いてルフィまでもが海賊なんかになろうとは…」

 

ライム「そのエースもいまや白ひげのところですからね~」

 

ガープ「ライム!今からでもルフィを海軍本部(ここ)へ連れてくるんじゃ!!」

 

ライム「んな無茶な」

 

その後、ガープを宥めるのに約30分も掛かるライムであった。

 

 ・

 ・

 ・

 ・

 ・

 

ルフィが海に出てから1週間と少しが経ったある日。

 

――執務室(ライム)――

 

海兵「ライム大佐、失礼します!」ガチャ!

 

ライム「はいはい、どうしました?」

 

海兵「手配書が更新されましたのでお持ちしました」

 

ライム「ご苦労様です」

 

海兵「はっ!では失礼します!」

 

海兵が持ってきたのは世界中に配布されている犯罪者の手配書であった。えっ?いつ大佐になったかって?ルフィが海に出るまでの間に昇格しました。まあそれは置いといて俺は新しい手配書を軽く見る。

 

ライム「更新と言っても額が変わったり何人か新しい顔が増えるくらいで………おっとこれは…」

 

手配書を見ていると1枚の手配書に目が止まる。

 

ライム「まずは情報を確認をするか…あーあとガープさんにも…」

 

ガープ「ライムはおるかあっ!?」バァンッ!!

 

ライム「ドア壊さないでくださいよ?ガープさん」

 

ガープ「そんなことはどうでもいいわ!それよりこれを見い!」バンッ!

 

ライム「それなら今しがた見ましたよ」

 

勢いよく机に叩きつけた手配書に写っていたのはそう、ルフィであった。手配金額3000万ベリー。東の海(イーストブルー)の海賊の中ではトップクラスの金額と言えるだろう。

 

ガープ「なんじゃ知っておったか!」

 

ライム「まあ自分はそれに関してちょっと調べたいことがあるのでお話はまた後でお願いします」

 

ライムはそう言うと部屋を出て副官のロンデルに双胴軍艦の出航準備をするように指示し、一応上司であるクザンに東の海(イーストブルー)に行くことを伝える。

 

クザン「東の海(イーストブルー)に行くだって?なんでまたぁ…?」

 

ライム「ちょっと気になることがありまして…(考えてみればアーロンに8年も支配されていて頼りの海軍が裏で繋がってましたなんて…さすがにこれは海軍に所属しているものとしては申し訳なさすぎる…)」

 

クザン「ふ~ん…まあいいや。何かあったら報告してくれや」

 

ライム「ありがとうございます!では失礼します!」

 

その後、出港準備が済んだら速やかに海軍本部を出航するライムと部隊。

 

 ・

 ・

 ・

 ・

 

――軍艦甲板――

 

ロンデル「ライム大佐、行先は東の海(イーストブルー)のコノミ諸島で合っていますか?」

 

ライム「うん、行先はコノミ諸島で、正確にはそこにあるココヤシ村で」

 

ロンデル「分かりました。コノミ諸島と言えばアーロンという魚人が率いる魚人海賊団の一味が捕まった場所ですが何か関係あるのですか?」

 

ライム「少し気になることがありましてね」

 

 ・

 ・

 ・

 ・

 ・

 ・

 

――ココヤシ村――

 

村人「ん?なんだあれ…船?」

 

ノジコ「どうしたの?」

 

村人「いや沖に船が見えて…」

 

ノジコ「本当だ、船が2隻も…ってあれ2隻…?」

 

沖に見えた船が段々と近づくにつれその船の全貌が見えてくる。

 

ゲンゾウ「なんだあの船は…帆に海軍のマークがあるから海軍だと思うが…」

 

村人「いまさら海軍が何のようだ?」

 

ノジコ「あっ、こっちに来た」

 

海軍に対して村人たちは懐疑的な目で向かって来ている海兵を見る。

 

ライム「着いた着いたっと、えーとこの村の代表者的な人っていますかね?」

 

ゲンゾウ「私だ…この村の駐在員をしとるゲンゾウだ。一応聞くがいまさら海軍が何の用だ…?」

 

ライム「ああ、ちょっとアーロンの件で気になることがあって来たんですよ。おっと申し遅れました、自分は海軍本部所属のライム大佐です」

 

ゲンゾウ「海軍本部の…大佐!?(大佐だと!?恐らく歳はナミやノジコとそう変わらんぞ!?)」

 

ライム「でこちらが副官のロンデル大尉です」

 

ロンデル「ロンデルであります」

 

ゲンゾウ「……その海軍本部の大佐が気になることとは何ですかな?」

 

ライム「アーロンが長年に渡ってこの辺り一帯を支配していたにも関わらず海軍がなぜ動かなかったのか気になりましてね。この近くには確か支部もあったはず…申し訳ないがこの件に関して何か知っているなら話してもらえないでしょうか?」

 

ゲンゾウ「なるほど…だがもうこの件は彼ら(・・)のおかげで終わった。私たちは復興で忙しいんだ、悪いが帰ってくれ」

 

ライム「そうはいけません。この海の平和を守る為にも引き下がるわけにはいけない」

 

ゲンゾウ「ふっ―!」

 

ゲンゾウが叫ぼうとしたがそれは遮られる。

 

ノジコ「ふざけるんじゃないよっ!!」

 

ゲンゾウ「ノジコっ!?」

 

ノジコ「何が海の平和を守るだ!私たちが8年間どれだけ苦しかったかあんたに分かるのかい!?」

 

ライム「8年もの間、何も助けることが出来なかったことには謝罪します。だからこそ今後この島で起きた事が起こさせないためにも話を聞かせてくれないだろうか?」

 

ノジコ「いまさら善人ぶるんじゃないよ!!あんたたち海軍がもっと早くアーロンを捕まえていれば私たちやナミが苦しまずに済んだのに…!!このっ―!」

 

 パシンッ!!

 

怒りの頂点に達したのかライムに向かってノジコのビンタが炸裂する。

 

ゲンゾウ「ノジコっ!」

 

海兵「「「大佐っ!!」」」

 

ロンデル「ライム大佐!」

 

ノジコ「はあっ…はあっ……あっ…私…」

 

海兵「貴様!大佐に向かって」

 

ライムの後ろに待機していた部下が騒ぎ始めるが…

 

ライム「まて」

 

ロンデル「大佐、大丈夫ですか!?」

 

ライム「ああ、大丈夫だ。いや~なかなか効いたよ」

 

ノジコ「あっあの私…」

 

ゲンゾウ「ノジコ、お前は家に戻ってなさい」

 

ノジコ「でっ、でも…」

 

ゲンゾウ「いいから…!」

 

ノジコ「はい…」

 

ゲンゾウ「うちの村の者が失礼した、だがあの子の気持ちも察してほしい」

 

ライム「いえいえ、お気になさらず」

 

ゲンゾウ「一応その詫びと言っちゃあ何だが今回の話を話すことでチャラにしてくれないか?ただし話を聞くのはわしだけだ」

 

ライム「ええ、それで構いません。無理を言って申し訳ありません」

 

ゲンゾウ「感謝する。ここではあれだからわしの家で話そう」

 

その後、ゲンゾウの家でコノミ諸島で起きたアーロンに支配されてきた8年間の内容を聞いたライムたち。その内容を聞いた副官のロンデルや内容を記録していた海兵は唖然とした。

 

 ・

 ・

 ・

 

ロンデル「まさか…そんなことが起きていたとは…。民間人を守る側の海軍が海賊と癒着していたとは…」

 

ゲンゾウ「わしが話せるのはこのぐらいだ」

 

ライム「ありがとうございます。話してくれて非常に助かりました」

 

ゲンゾウ「しかしこの話を聞いてどうするんだ?」

 

ライム「それはこれからすることに関わってきます。ロンデル大尉!」

 

ロンデル「はっ!」

 

ライム「これから我々は海軍基地第16支部に向かう!意味は分かるな?」

 

ロンデル「了解しました!おい!」

 

海兵「はっ!」ビシッ!…タッタッタッ…!

 

ライム「ではゲンゾウ殿、我々はこれで失礼します」

 

ライムたちは急ぎ足でゲンゾウの家を出て港に向かう。

 

ゲンゾウ「(まさか……)まっ!待ってくれ!!」

 

ライム「どうしました?」

 

ゲンゾウ「わっ、わしも連れてってくれないだろうか!?」

 

ロンデル「申し訳ありませんが危険なので連れていくことは…」

 

ゲンゾウ「どうしてもか…?」

 

ライム「ロンデル大尉のいう通り危険ですので…なに心配しないでください。期待していてください、では」

 

ライムはそう言うと軍艦に乗り込み第16支部に向かう。

 

 ・

 ・

 ・

 

――海軍基地・第16支部――

 

ネズミ「クソッ!あの麦わら野郎のせいでひどい目にあった!腹が立つ!…でもまあその腹いせにこうして手配書に…チチチチ(笑)!」

 

ドゴオォン!!

 

ネズミ「なっなんだ!?」

 

ドタドタドタッ!バンッ!

 

海兵「しっ!失礼します!何者かが正門を壊して侵入してきました!!」

 

ネズミ「なっなんだと!?」

 

海兵「どうしますか!?」

 

ネズミ「馬鹿もん!すぐに迎え撃たんか!!」

 

海兵「はっ!はいっ!!」ドタドタドタッ

 

ネズミ「一体どこのどいつだ!海軍基地に侵入なんてするのは…まさか麦わら野郎が!?」

 

場所は変わって海軍基地正門。

 

ライム「は~いお邪魔しますよー!」

 

(基)海兵「貴様何者だ!?」ガチャ!ガチャ!

 

基地の海兵が銃を構える。

 

ライム「何者かって?同業者だよ」

 

ロンデル「門をぶち破ればこのような対応されるのは当たり前ですよ」

 

ライム「登場は派手な方がいい!」

 

門をぶち破ったため土煙が舞っていたがそれが段々と晴れる。

 

(基)海兵「なっ!?海兵だと!?」

 

ライム「だから同業者だと言っただろ?」

 

(基)海兵「信じられるか!こんな事をする海兵がどこにいる!?」

 

ライム「ここにいるじゃん。そんなに疑うならマリンコードを照会してみろ。マリンコードは91273だ」

 

(基)海兵「……おい!」「はっ!」

 

その場にいた基地海兵が建物に戻ること数分。

 

タッタッタッ…

 

(基)海兵「はあっはあっ…!」「おいどうだった!?」「そっそれが…!」ごにょごにょ…

 

(基)海兵「へっ?本物?しかも本部の人?」「はっ…はい」

 

基地海兵たちはゆっくりを顔をライムの方へ向けていく。そして…

 

(基)海兵「「「しっ!失礼しましたぁっ!!」」」ビシッ!

 

ライム「ご苦労様、っでこの基地の支部長のネズミ大佐っている?」

 

(基)海兵「はっはい!ネズミ大佐なら…」

 

基地海兵が質問に答えようとしたそのとき…

 

ネズミ「侵入者は排除できたのか!?」

 

(基)海兵「たっ!大佐!」

 

ライム「あんたがネズミ大佐か」

 

ネズミ「あん?誰だ貴様?見た所同じ海兵のようだが…まさかこの騒ぎの原因は貴様か?」

 

ライム「そうだと言ったら?」

 

ネズミ「ふざけているのか!どういった理由でこんなことを…!所属はどこだ!?」

 

(基)海兵「大佐それが…」ごにょごにょ

 

ネズミ「あん?……はっ?本部所属の…?」

 

(基)海兵「はっはい、マリンコードも本物です」

 

ネズミ「………いやいや失礼しました!本部の人ならそう早く言ってもらえれば!ところで本日はどういったご用件で?」ヘラヘラ(笑)

 

ライム「(すっげえ手のひら返し…)アーロンの件でといえば分かりますかね?」

 

ネズミ「《ギクッ!?》…その件なら既に終わっているはずですが~…」

 

ライム「この基地周辺の村が8年もの間アーロンの支配下にあったにも関わらずあんたは何してたんだ?」

 

ネズミ「いっ、いや~それはその~……(汗)」

 

ライム「本来民間人を守らなければならない海軍がまったく動かず、あろうことか海賊と裏で繋がってました…なんて言うんじゃねえだろうな?」

 

ネズミ「でっでたらめだ!なんの証拠があって…!?」

 

ライム「そうか…ならあんたの部屋を捜査しても何も出ねえんだな?」

 

ネズミ「へっ……?」

 

ライム「よし行くぞ」

 

ロンデル「はっ!」

 

(ラ)海兵「「「「はっ!!!」」」」

 

ネズミ「まっ待て!なんの権限があって…!?」

 

ライム「取り押さえろ」

 

(ラ)海兵「「はっ!!」」

 

ライムの一声でネズミはあっさりと身柄を押さえられる。そして基地の建物に入りネズミの部屋に向かう。

 

――執務室(ネズミ)――

 

ライム「なんともまあ高価な物がいっぱいありますね~」

 

ロンデル「支部大佐の給料では足りんな」

 

ネズミの部屋には金銀銅で出来た置物・装飾品や高価な絵画・敷物が大量にあった。

 

ネズミ「こっ、これは私の金で買ったものだ!別におかしくないだろ!?」

 

ライム「………」キョロキョロ…

 

ロンデル「ライム大佐?」

 

ライム「そこのでっかい熊の置物と執務机と本棚を調べて」

 

ネズミ「―っ!?」《ギクゥッ!!》

 

(ラ)海兵「「「はっ!」」」バタバタバタッ!

 

ライム「さて俺は…」

 

ライムは壁に掛けてある絵画に近づく。

 

ネズミ(まっまずい!あそこには金庫が…だが開けるには鍵と暗証番号が必要だ。それに万が一に備えて巧妙に壁紙を張ってある。よく見なければ…チチチチ…(笑))

 

ライム「よっと…」《ガタッ…》

 

ロンデル「何もありませんね…」

 

ライム「え~と…この辺り…あっ、あった」バリバリィッ!!

 

ネズミ「なっ!?」

 

ライム「あったあった」

 

ロンデル「おお…しかしこの金庫は鍵と暗証番号が必要なタイプだな…」

 

ライム「えい」バギィッ!!

 

筋肉は正義。

 

ライム「おーおー、いろいろ怪しい物が大量にあるな。っでこれなに?」

 

ネズミ「いっいや…それは…(汗)」

 

(ラ)海兵「大佐!熊の置物から金のインゴットが!」「机からは宝石が!」「本棚からは高級エロ本が!」

 

ライム「これらは証拠品として押収、ネズミ大佐は身柄を拘束し本部に連行する」

 

ロンデル「はっ!」

 

(ラ)海兵「はっ!」「ほらこっちへ来るんだ!」

 

ネズミ「なっ何をする!?私は海軍大佐だぞ!どうなるか分かって―!」ジタバタ…!

 

ライム「うるさい」バキッ!

 

ネズミ「へぶっ!?」

 

ライムの一撃で静かになるネズミ。そのまま引きずられながら連れていかれていくのであった。あと支部基地の指揮は一時的に大佐の次に高い階級の者に一任することで支障がないように対処した。

 

 ・

 ・

 ・

 

――ココヤシ村――

 

ノジコ「……」

 

ゲンゾウ「どうしたノジコ?ボーっとして?」

 

ノジコ「ゲンさん…別になんでもないよ」

 

ゲンゾウ「もしかしてビンタしたあの海兵のこと気にしてるのか?」

 

ノジコ「―っ!……」

 

ゲンゾウ「気にしすぎるな、あの海兵も許してくれている。お前は今できることをしなさい」

 

ノジコ「うん…」

 

ゲンゾウ「ん?あれは…昼間来た海兵の船!」

 

ノジコ「…!」

 

ゲンゾウ「もしや…」

 

こちらに向かってくる昼間の海兵。その中には昼間にはいなかった手錠を掛けられた状態の海軍基地第16支部の支部長、ネズミ大佐がいた。

 

ゲンゾウ「これは…」

 

ライム「この度は我々海軍の失態によりこの諸島に暮らす皆様にご迷惑をおかけしてしまい申し訳ありませんでした。この男には海軍の面目においても厳正な処分を下します」

 

ネズミ「こんな勝手が通るとでも―!」

 

ライム「うっさい」バキッ!

 

ネズミ「へぶあっ!?」

 

ライム「じゃあ先にコイツは連れてってくれる?」

 

海兵「はっ!分かりました!」

 

再び引きずられながら連れていかれるネズミであった。

 

ゲンゾウ「ありがとう…これで死んでいった者達も少しは浮かばれるだろう…ベルメールも…」

 

ライム「ベルメール…?」

 

ゲンゾウ「あんたたちと同じ元海兵さ。ベルメールはこいつ(ノジコ)と今はちょっと諸事情でいないがナミの2人を守ろうとして…」

 

ライム「ゲンゾウさん、そのベルメールさんのお墓とかありますか?」

 

ゲンゾウ「?…ああ、少し歩いた場所に…」

 

ライム「案内をしてもらえますか?」

 

ゲンゾウ「……わかった、いいだろう」

 

ライム「ありがとうございます。ロンデル大尉とあと7名付いて来い。他のものはここで待機せよ」

 

ロンデル「了解しました!」

 

海兵「「「「「はっ!!!」」」」」

 

 ・

 ・

 ・

 ・

 ・

 

――ベルメール墓――

 

ゲンゾウ「ここだ」

 

ライム「ありがとうございます。花はないが酒はちょうどよくあったからこれで我慢してほしい」ヌポッ……コトリ…

 

ライムは体から酒瓶を取り出し木で出来た十字の墓標に供える。

 

ライム「ロンデルさん…ラッパ頼めますか?」スッ…

 

ロンデル「ああ、任された!」

 

ライム「では…全員!気をー付けー!!」

 

 ザザッ!!

 

ライム「ライフル隊!弔銃(ちょうじゅう)構え!」

 

 ガチャガチャガチャ!

 

ライム「弔銃…発射!!」

 

 パーン!…パーン!…パーン!…

 

ライフルを持った7人の海兵が空に向けて銃を3回撃つ。そして弔銃を撃ったあとに弔意を示すラッパが吹かれる。

 

 ♪~~♪~♪~~……♪~~♪~♪~………

 

厳粛なメロディがやがて吹き終わる。

 

ライム「ゲンゾウさん、ベルメールさんの最後の階級は?」

 

ゲンゾウ「確か少尉だったはずだ…」

 

ライム「ありがとうございます……全員!気をー付けー!」

 

 ザッ!

 

ライム「自らの命を懸けて大切な者達を守ったベルメール少尉に…敬礼ーー!!」ビシッ!

 

ロンデル「……」ビシッ!

 

海兵「「「……」」」ビシッ!!!

 

ゲンゾウ「ありがとう……ありがとう……ツー…

 

小さな声でお礼をいうゲンゾウ。被っていた制帽を深く被り、頬には小さい涙が伝う。

 

 ・

 ・

 ・

 ・

 ・

 ・

 ・

 

――ココヤシ村――

 

ライム「では我々は本部に戻りますのでこれにて失礼します」

 

ゲンゾウ「ああ…気を付けて」

 

ライム「…ロンデルさん、先にボートに行っててください」

 

ロンデル「分かりました!」コッコッコッ…

 

ライム「ゲンゾウさん、ルフィはどうでした?」

 

ゲンゾウ「知っているのか!?彼を!?」

 

ライム「彼が海に出るまで住んでいた村で面倒を少しばかり…」

 

ゲンゾウ「なるほど…彼はいい奴だった。いずれ大物になるだろうな」

 

ライム「はははっ!それはちょっと海軍的には困るな~(笑)」

 

ゲンゾウと少し話をしているとノジコが何かが入った紙袋を持ってこちらへやって来る。

 

ライム「どうしましたノジコさん?」

 

ノジコ「ん…」カサッ…

 

ライム「これは?」

 

ノジコ「ビンタのお詫び…」

 

ライムが紙袋を受け取り中を見るとたくさんの蜜柑が入っていた。

 

ライム「別に気にしなくても…だけどありがたく頂きます、ありがとう」

 

ノジコ「…うん」

 

ライム「あんまり暗い顔しているとせっかくの美人な顔が台無しですよ(笑)?」

 

ノジコ「なっ!何言って…///!?」

 

ライム「ではゲンゾウさん、失礼します!」

 

ライムは軽く敬礼しボートに乗って軍艦に戻っていく。

 

 サアァァァ…(風の音)

 

ゲンゾウ「いい海兵だったな…」

 

ノジコ「うっうん…//」

 

ゲンゾウ「どうしたノジコ?顔が赤いぞ?」

 

ノジコ「えっ!?そっ、そう//?」

 

ゲンゾウ「まさかノジコお前……あの海兵に惚れたとか言うんじゃないだろうな!?」

 

ノジコ「ちっ違っ!ゲンさん何言って…!?」

 

ゲンゾウ「もしそうならわしは認めん―!」

 

ノジコ「違うって言ってるでしょ!!」ゴン!

 

ゲンゾウ「……」チーン…

 

ノジコ「まったくもう…//!!誰が惚れたなんて…《プンプン!》……悪い気はしないけど…

 

なにやら新しい風が吹いて様々な事が回り始めそうな雰囲気である。そう、それは風車のように…

 

 

 

 




今年も頑張って投稿します!


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雑用2人と知り合いになりました

お気に入り登録が478件にも!?!?ありがとうございます!!
今回は短めです!


それではどうぞ!


海軍基地第16支部で起きていた海賊からの賄賂事件。その主犯の支部基地の支部長だったネズミ大佐を逮捕したライム。彼はいま上司であるクザンに事の経緯を報告している最中であった。

※一応入隊してから面倒を見ていたのはクザンなので上司にします。

 

――大将執務室(クザン)――

 

ライム「以上が今回の報告になります」

 

クザン「なるほどねぇ、そんなことがあったとは…っでそのネズミっつったか?今どうしてるの?」

 

ライム「現在は本部の地下にある牢屋に入れています」

 

クザン「分かった。必要な書類はこっちで作っとく。お前さんはこのことをセンゴクさんにも報告しとけ」

 

ライム「はっ!了解しました!」

 

ライムは部屋を出てセンゴクの所に向かう。

 

クザン「東の海(イーストブルー)行くと言って帰ってくればとんでもねぇ土産を持って帰って来たもんだぁ…このことがあいつ(サカズキ)の耳にでも入ったら次の瞬間には殺しに行きかねねぇ…いや絶対行くな、あいつは…」

 

面倒な事が起きる前に珍しく迅速に必要な書類を用意し処理していくクザン。だが彼の苦労も数日後には水泡に帰すのであった。

 

 ・

 ・

 ・

 

――数日後――

 

ドタドタドタッ!バンッ!!

 

ロンデル「ライムくん!今日の新聞はもう見たかい!?」

 

執務室で休憩をしていると副官のロンデルが慌ただしく部屋に駆け込んでくる。

 

ライム「どうしましたロンデルさん?今日の新聞?まだ読んではいませんが新聞がどうしました?」

 

ロンデル「これを見てくれ!」バサッ!

 

机に新聞の1面を広げライムに見せる。

 

ライム「おっとこれは…またでかでかと載っていますね。まあそれよりどこから漏れたのやら…」

 

ロンデル「喜んでいいのか分からんな…」

 

新聞の表紙にはこう書かれていた。

 

東の海(イーストブルー)で起きた海軍と海賊の癒着!!】

【8年にもわたる海賊による支配!海軍は見て見ぬふり!?】

【事件を暴いたのは海軍の若きエース!ライム大佐!】

 

ライム「これ…サカズキさん読んでないよね…」

 

ロンデル「どうだろう…」

 

ライム「……」

 

シュバッ!ダダダダダッ!!

 

部屋を飛び出してサカズキの部屋に向かって走り出すライム。

 

ライム「サカヅキ大将!失礼します!」ガラッ!

 

サカズキ「……」

 

部屋の襖を勢いよく開け部屋の中を見る。そこには新聞を広げているサカズキの姿があった。

 

ライム「遅かった…」ズ―ン…

 

その場でorzのポーズになるライム。

 

サカズキ「おお…お前さんかい。これは大手柄じゃったのう…」

 

ライム「あっ、ありがとうございましゅ…」

 

サカズキ「さて…それじゃあ行こうとするかのぉ…」

 

ライム「どっ、どこへ行くんですか…(汗)?」

 

サカズキ「ああ?決まっとろうが、海兵に相応しくない行いをしたやつの所じゃ!」

 

ライム「サカズキさん!お気持ちは理解できますがちゃんと司法に則って…!」

 

サカズキ「そんなこと関係ないわい!!」ズンズンズン!

 

ライムを押しのけて廊下を進むサカズキ。

 

ライム「先ほども言いましたがお気持ちは理解できます!だからこそちゃんと司法による…!」ズルズル…

 

サカズキ「ええい!離さんかい!!」

 

サカズキの腰に掴まって止めようとするライム。

 

サカズキ「おどりゃあ!しばかれたいんか!?」

 

ライム「そんな気はありません!」

 

サカズキ「ふん!止められるなら止めてみい!」

 

ライム「あっ!そこの人!海楼石の手錠持ってきて!」

 

海兵「はっ、はい!」

 

ライム「皆も見てないで止めて!!」

 

海兵「「「りょっ、了解!!」」」ガシッガシッ!!

 

サカズキ「ええい!邪魔じゃああ!!!」グアッ!

 

ラ・海「「「「「どわあああああああああっ!!?」」」」」

 

バゴオオォォオオンッ!!!!

 

自分の体を押さえているライムと海兵を薙ぎ払うサカズキ。そして薙ぎ払われた衝撃で周りの壁や床が盛大に壊れる。その後、中将つるの一声によって何とかサカズキの暴走は収まるのであった。まさに鶴の一声とはこれである。

 

 ・

 ・

 ・

 ・

 ・

 

――海軍本部訓練場――

 

ライム「とりあえず走り込み10周、腕立て100回、腹筋100回ね」

 

海兵「「「「「わかりました!!!」」」」」ドタドタドタッ!

 

ロンデル「そのあとはどういう訓練にします?」

 

ライム「今日はどうしようかなー…」

 

椅子に座りながら軽く考えるライム。するとそこに1人の人影が現れる。

 

ガープ「ライムはおるかーー!?」

 

ライム「この声は…」

 

ロンデル「ガープ中将!」ビシッ!

 

ガープ「返事せんか!ライム!」

 

ライム「あー…今日は何の用ですガープさん?」

 

ガープ「なんじゃその態度は!?」

 

ライム「いえ、なにか面倒なことでも命令してくるんじゃないかと思って」

 

ガープ「何じゃとおっ!?」

 

ライム「冗談ですよ(笑)それで何か用ですか?」

 

ガープ「ああ、今日は一応お前さんに会わせとこうと思って来たんじゃ!おらお前ら、こっち来い!」

 

????「「はっはい!!」」

 

ライム「?…」

 

ガープがそう呼ぶと2人の男が走ってくる。

 

ガープ「こいつらは今わしが面倒を見とる雑用じゃ!お前ら挨拶せい!」

 

コビー「はははっ、はい!じっ、自分は現在雑用をしているコビーと言います!よろしくお願いします!!」

 

ヘルメッポ「同じく雑用のヘルメッポであります!!」

 

ライム「おーよろしくね、コビーにヘルメッポ…略してコビメッポ!(コビーってこのとき本当に小さいな~…)」

 

コビ・メッポ「「コビメッポ!?」」

 

ガープ「あとライム!お前さん暇なときにこいつらの相手をしてやってくれんか?」

 

ライム「自分がですか?まあいいですよ」

 

コビー「いっ!いいんですか!?」

 

ライム「うん、時間があればね」

 

コビー「あっあの…1ついいですか?」

 

ライム「なに?」

 

コビー「先ほどガープ中将がライムと仰っていましたが、もしかしてあなたは入隊から凄まじい功績を出して異例の早さで大佐に昇格したライム大佐でありますか?」

 

ライム「凄まじい功績を出したって言うのはよく分からないけどライム大佐って言うのは俺のことだよ?」

 

ガープ「ぶわっはっはっはっ!よう言うわい!あれだけ海賊を捕まえておきながらよく分からないとは!!」

 

コビー「ぼっ、僕もあなたみたいになれるでしょうか!?」

 

ライム「それは君の頑張り次第だよ~(笑)まあ努力が必ずしも実を結ぶとは言い切れないけどね!」

 

コビー「そっそうですか…」

 

ライム「でも強い人は皆努力してるから努力は無駄ではないから頑張ってね!」

 

コビー「はっ、はい!」

 

コビーに激励の言葉?を送るライム。

 

ガープ「そうじゃライム、わしと戦ってみんか?」

 

ライム「ガープさんとですか!?」

 

ガープ「いっぺんお前と()って見たくてのぉ!それにここにいる(もん)にとってもいい勉強になるじゃろう!」

 

ライム「それっぽいこと言ってますけど本当はただやりたいだけなんじゃないですか?」

 

ガープ「はっはっはっ!ばれたか!!じゃが別にえかろうが!ほれ準備せい!」

 

ライム「わかりましたよ。ロンデルさん、訓練は一時中断して集めてください」

 

ロンデル「ああ、分かったよ(笑)!」

 

走り込みをしていた部下を集めてライムとガープは訓練場中央に立つ。

 

ガープ「遠慮はいらんぞ!いつでも来い!ぶわはははははっ!!」

 

ライム「ちょっとは手加減してくださいよ~……(ソル)!!」シュッ!!

 

コビー「消えたっ!?」

 

ガープ「いい速さじゃ…じゃがぁ…」ニヤッ…

 

ライム「ふっ!!」ヒュッ!

 

ガープ「まだまだじゃあっ!!」ガァン!

 

奇襲に近い形でガープに攻撃をするがやはりそこは英雄ガープ、あっさりと防がれてしまう。

 

ライム「だったらこれならどうだ!形状変化オクトパス!」グニョオオオ!

 

海兵「おお!大佐の十八番だ!」「これまで多くの海賊を捕まえてきた技!」

 

ガープ「はっはっはっ!いきなり手数を増やしたか!」

 

ライム「オクトパスラッシュ!!」ボボボボボッ!!

 

ガープ「速さもあって重さもある、いい攻撃じゃ!」ガッガッガッ!

 

ライム「そのいい攻撃がいま全然通じてないっすけど!?」

 

ガープ「当たり前じゃ!このわしを誰じゃと思っとるんじゃあ!?」バゴッ!

 

ライム「ぐぼあっ!?」

 

ヒュゥー…バゴオォォォン!!

 

ガープの強烈な一撃をもらい訓練場の壁に激突するライム。

 

海兵「「「大佐ーー!?」」」「おっ、おい…すげぇ音したけど大丈夫か大佐?」「だっ、大丈夫だろ…」

 

コビー「あわわわわ…だっ、大丈夫なんですか!?」

 

ヘルメッポ「しっ、死んだんじゃねぇのか!?」

 

皆が心配するがそれは杞憂に終わる。

 

ガコッ…ズゥン…

 

大きな瓦礫をどかしながら立ち上がるライム。

 

ライム「手加減って言葉知ってます!?ガープさん!」

 

ガープ「ぶわはははははっ!!お前さんにはこれぐらいが丁度いいわい!!ぶわっはっはっはっ…!」

 

ライム「言ったなクソジジイ!形状変化!アームバズーカ!!」グニョオオ…

 

ライムは右腕をバズーカに変化させる。そして…

 

ドォンッ!!

 

ガープ「…はっはっはっ!…あっ?」

 

ヒュゥゥーーッ!

 

ガープ「うおっ!?」シュバッ!

 

ドゴオォン!!

 

ライム「ちっ…避けたか…」

 

ガープ「危なかろうがライム!!」

 

ライム「あんた当たってもどうせピンピンしてるだろ!それにこれぐらいがいいハンデだ!」

 

ガープ「なんじゃとおっ!?ってかさっきクソジジイって言ったじゃろ!?」

 

ライム「サア?キノセイジャナイスカ?」すっ呆け

 

ガープ「かぁー生意気な!そんな奴にはお仕置きじゃ!」ガシッ!

 

ガープはライムのバズーカで出来た瓦礫を掴み上げる。

 

ガープ「拳骨…隕石(ゲンコツ メテオ)!!」ブオンッ!

 

ライム「げっ!ちょまっ…!?」

 

バゴオォンッ!!

 

ライム「どわああーーーっ!?」

 

ガープ「ぶわはははははっ!!どうじゃ思い知ったか!?」

 

ライム「そっちがその気なら容赦なしだ!!形状変化!アームガトリング!!」グニョオォッ…ジャキンッ!!

 

ライムは両腕をガトリング砲に変化させて構える。

 

ライム「喰らえクソジジイ!!」

 

ズドドドドドドドドドッ!!

 

ガープ「うおおおおおっ!!?」シュダダダダダッ!!

 

横に走って弾幕を全力で避けるガープ。

 

ライム「ふははははっ!思い知ったかクソジジイ!!」

 

ガープ「このクソガキぃ!!拳骨流星群(ゲンコツりゅうせいぐん)!!」ガシッ!ブォンブォンブォンッ!!

 

ライム「ぬおおぉぉおおっ!?」シュダダダッ!!

 

ドゴンドゴンドゴォンッ!!

 

2人の技によってどんどんボロボロになっていく訓練場。

 

ライム「投げるだけでこの威力ってどんな肩してるんですか!?」

 

ガープ「ぶわはははははっ!!まだまだ若いもんには負けんわい!!」

 

ライム「くそー…こうなるんだったら軍艦の砲身を吸収しとけばよかった…」

 

ガープ「おらっどうした!?もう来んのか?それならこっちから…」

 

つる「そこまでだよガープ」コッコッコッ…

 

ライム「おつるさん」

 

ガープ「おつるちゃん、せっかく肩が温まってきたとこなんじゃ!邪魔せんといてくれるか?」

 

つる「バカ言うんじゃないよ。これ以上訓練場を壊すんじゃないよ!」

 

ガープ「ワシだけじゃないぞ!ライムもじゃ!」

 

ライム「8割はガープさんです」

 

ガープ「なんじゃとおっ!?」

 

つる「とにかく2人とも、手合わせは終いだ。瓦礫を片付けておきな!修理費はガープ、あんたの給料から引いとくよ!」

 

ガープ「えーーー!?」

 

ライム「あ~い、了解でーす」

 

さらに激しくなろうとしたガープとライムの模擬戦はおつるの一声であっけなく終わるのであった。

 

コビー「これが海軍本部中将と大佐の実力……」

 

ヘルメッポ「化け物かよ…」

 

ガープ「くそーおつるちゃんめ…よーしお前ら、これ(瓦礫)片付けとけ!」

 

海兵「「「「「えーーーーーー!!?」」」」」

 

ガープ「なんじゃ、えーって?」

 

海兵「なんでってこれ壊したのお二人でしょう!?」「先ほどつる中将に言われたばっかじゃないですか!」

 

ガープ「仕方ないじゃろう、力が入ったんだからのう」

 

海兵「じゃあ我々も手伝いますからガープ中将もちゃんと片付けてください!」

 

ガープ「えー!…いいよ!」

 

ライム「ではコビメッポくんたちも手伝ってね!」

 

コビー「えっ?あっ、はいっ!了解です!」

 

ヘルメッポ「マジかよぉ…」

 

こうして皆で仲良く模擬戦で発生した瓦礫を片付けていくのであった。

 

 

 




現在のライムの年齢【23歳】です。


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ないのなら作ればいい!

久しぶりの投稿や…最近ゲームばかりしていました。
本誌は怒涛の展開になっていますね。どう決着がつくのか楽しみです。


とある深夜と訓練場…

 

バシバシバシッ!!…バシバシバシバシッ!!!

 

コビー「はあ…はあ…」

 

ヘルメッポ「はあはあ…くそっ!掠りもしねえ…!」

 

ライム「ふあああ…ほらほら俺はこんなにも眠そうだよ、2人とも頑張って」

 

ヘルメッポ「くそおっ!喰らいやがれ!」ダダダッ!

 

コビー「ヘルメッポさん!闇雲に突っ込んでは…!」

 

ライム「コビーくんの言うとおりだよー。感情に任せた攻撃は動きが単調になるから相手に隙を与える要因になるから気を付けるようにね」ヒュッ…ゴンッ!

 

ヘルメッポ「あばっ!?………《チーン》……」

 

コビー「ああ…ヘルメッポさん、だから言ったのに…」

 

ライム「さあ次はコビーくんが突っ込んでくるのかな?」

 

コビー「……」ジッ…

 

ライム「おー相手の動きを見てるのかな?それは敵と戦うことにおいては大事なことだから大変よろしい!だーけーどー…(ソル)…!」

 

コビー「―っ!?」

 

ライム「横腹すきありーーっ!!」コチョコチョコチョッ!

 

コビー「ぶへははははははっ(笑)!?ちょっ!やめへくdさ…あははははっ!!」

 

ライム「俺の勝ちー(笑)!」

 

ふざけながらも2人の面倒を見るライムであった。

 

 ・

 ・

 ・

 ・

 ・

 

――海軍本部――

 

深夜に時間がるときにコビーとヘルメッポの面倒を見ているライム。そんな彼はいま眠そうな顔をしながら自分の部屋でのんびりと事務仕事をしていた。

 

ライム「ふぅ、今日はこのぐらいにしておくか…休憩がてら少し散歩してこよう」

 

 ・

 ・

 ・

 

――海軍本部・港――

 

ライム「あ~いい天気すぎるなー。このままのんびりとしたいなー…」

 

ライムがそう呟いていると後ろから声が掛けられる。

 

????「あなたがライムくん?」

 

ライム「?、はいそうですが…」クルッ…

 

ライムが答えながら後ろを振り向くとそこには…

 

  ボインッ!!

 

  キュッ!!

 

  ボンッ!!

 

そこには服からこぼれそうな大きなおっp…ゲフンゲフン、大きな胸と引き締まったくびれ&お尻を兼ね備えた美人が立っていた。

 

ライム「わぁお♪」

 

ヒナ「あら?どこを見ているのかしら?ちょっと失礼なんじゃない?ヒナちょっと不快」

 

ライム「おっとこれは失礼、えーと自分がライムですがあなたは?(この人は確か…)」

 

ヒナ「初めまして、私はヒナ。階級は貴方と同じ大佐」

 

ライム「初めましてヒナさん。自分に何かご用で?」

 

ヒナ「特に用はないわ。ただどんな人なのか気になったから会ってみたかっただけよ」

 

ライム「な~る」

 

ヒナ「会ってみて思ったけど貴方いくつなの?」

 

ライム「いまは23っすね。そういうヒナさんはいくつなんですか?」

 

ヒナ「女に歳を聞くもんじゃないわよ」

 

ライム「これは失礼」

 

ヒナ「まあいいわ、用があったときはよろしくね。それじゃ」

 

ライム「ええ、わかりました」

 

ヒナとその場で別れるとふとあることを思いつく。

 

ライム(ヒナさんめっちゃ美人だったなぁ…ファンクラブとか絶対あるだろうな~。あと隠し撮りされて写真とか裏で取引されてそう…前の世界でもグッズ化されてたし………グッズ…そういえばこの世界ってそういう系のものってないんだよな…今度シャボンディ諸島で探してみるか…)

 

 ・

 ・

 ・

 

そして非番の日。シャボンディ諸島の買い物向けの店が集中している40番GR(グローブ)~49番GR(グローブ)に行っては見たがやはりそういう系(オタク向けグッズ)のものはなかった。それはそうだ、この世界には漫画やアニメがないのだから。あるとすれば世界経済新聞で掲載されていた『海の戦士ソラ』と本屋で売られている小説ぐらいなものだ。さてどうするか。ライムは近くのベンチに座って少し考える。

 

ライム(今までなんやかんやあって忘れてたけど俺はいわゆるオタクだ。この世界に来た日もワンピースの劇場版のDVDを見てたし…部屋にはワンピースの色んなフィギュアを飾ってたし。そういえば部屋どうなってるんだろ?まあそれはいいや。問題はこのオタクとしての欲をどうするかだ。世界中を探せば似たようなものはあるかもしれないけど、そんな暇はないし………)

 

そしてたどり着いた答えは…

 

ライム「作るか…能力使えばどうにかなるやろ」

 

そう決めたライムはまず身近なものから作り始めてみた。

 

――Day1――

 

ライム「まずは…木で試してみるか」

 

ライムはあらかじめ体に吸収しておいた木材を材料にしてそれを体内で形を変えていく。そして…

 

 コトン…

 

ライム「初めてにしてはまあまあかな?」

 

ライムの右腕から出てきたのはミニチュアの椅子であった。

 

――Day2――

 

ライム「椅子は形が比較的簡単だからすぐに出来たけど…人の形となるとかなり難しいな。まずはデザイン人形みたいなものでいいか」

 

前日と同じように体内で木材を変形させていく。そして出来上がったのは一昔前のソフビ人形のような形の木の人形であった。

 

ライム「これ赤く塗ったらほぼウルトラ〇ンだな」

 

――Day3――

 

ライム「ふと思ったが造形の問題をクリアしても問題は材料だな。確か…前の世界ではPV…Cだっけ?何かそう言うのが原材料で使われてたけどあるのかなぁ…この世界にそう言うのって……あったとしても扱えるか分からんけど」

 

天井を見ながらブツブツと呟きながら考えるライム。

 

ライム「材料の候補としては木、石、石膏、蝋、鉄、銅、陶磁器とかの土…ぐらいかなぁ。加工しやすそうなのは木、石膏、蝋だけど耐久性が気になるな……耐久性を考えるなら鉄、銅………銅………銅って確か加工しやすい金属の1つだったな…調理道具や立像の材料として。よく考えりゃ銅像というものがあるじゃん(笑)」

 

ライムは材料の1つに銅を使おうと決めると材料が置いてありそうな場所に向かう。

 

 ・

 ・

 ・

 

――海軍本部・造船ドック――

 

ライム「さーて、ありそうなとこに来たけどあるかなー」

 

作業員「あれ?ライム大佐どうしたんです?何かご用ですか?」

 

ライム「おーちょうどよかった。あのさ余ってる資材で銅とかない?」

 

作業員「銅ですか?銅ならいらなくなったやつが倉庫にありますよ」

 

ライム「おっマジ?それ貰っても大丈夫?」

 

作業員「ええ、どうせいつか廃棄処分となるので構いませんよ」

 

ライム「サンキュー、ところでその倉庫てどこにあるの?」

 

作業員「このドックのにある10番倉庫って倉庫です。この先にありますよ。案内しましょうか?」

 

ライム「いや大丈夫だ、教えてくれてありがとう!」

 

作業員「どういたしまして。ところで銅なんて何に使うんです?」

 

ライム「ふふふ、ちょっとあるものを作りたくてな。まだ秘密だ」

 

作業員「ふーん。まあ頑張ってください!では失礼します」

 

ドック作業員と別れるとライムは銅を求めてドックにある10番倉庫に向かう。

 

――ドック内倉庫・10番倉庫――

 

ライム「ここか」

 

 ガチャガチャ…ギギギギィ~…

 

扉を開けると少し埃が舞う。

 

ライム「ゴホゴホッ…!えーと、銅が入った箱はどこだぁ…?」キョロキョロ…

 

倉庫内を見渡す。そこには埃を被った棚と様々なものが入っているのであろう箱が並んでいる。そして探すこと数分…

 

ライム「おっ、あったあった!これかー!隠すように置いてあったから見当たらねえわけだ」

 

ライムは銅をGETした。

 

――DAY4――

 

ライム「うーん、加工はいいけど細部の造形が難しいな。まあそもそも造形師でもないんだし気長にやるか」

 

仕事を終え自宅に戻った後は毎日、銅を体に吸収しては体内で変形させ造形を極めていくライム。

 

 ・

 ・

 ・

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 ・

 ・

 ・

 ・

 ・

 ・

 

そしてあれから約10日ほど経過しついにライムは…

 

ライム「ついに…ついに完成したぞ……うおっしゃああぁぁぁあああ!!」

 

自宅で雄たけびを上げるライム。それは自室の机に出来上がっている全長約20㎝の銅製のフィギュア。細部にまで拘って出来上がっている造形。まるで本物をそのまま縮小したような完成度である。

 

ライム「はっはっはっはっはっ…己の才能が恐ろしいぜ!だがやはり素材のままというのは味気ないな。色を付けたいが下手に塗っても見た目が悪くなるだけだしどうすれば…」

 

ライムは少し考えると次の日とある海兵を自分の執務室に呼び出す。

 

――執務室(ライム)――

 

 コンコンコン…

 

ライム「開いてるよ~」

 

 ガチャッ!

 

海兵「失礼します!呼ばれたペイン軍曹であります!」

 

ライム「おー待ってたよ!」

 

ペイン「本日はどのようなご用で自分を呼んだのでありましょうか?」

 

ライム「その前に、ペイン軍曹は海軍に入隊する前は人形工房で働いていたんだよね?」

 

ペイン「はい、ですが倒産してしまいまして食い扶持を繋げる為に海軍に入りました。それがなにか…?」

 

ライム「その工房では人形に色とか塗っいた?」

 

ペイン「ええ、様々な素材で出来た人形を作っていたので当然色も塗っていました」

 

ライム「なるほど…」

 

ペイン「あの…それがどうかしたのでしょうか…?」

 

ライム「君のその腕を見込んで頼みたいことがある」

 

ペイン「頼みたいこと…?」

 

ライム「これだ…」ゴト…

 

ペイン「こっ、これは…!?」

 

机に置かれた銅製のフィギュア。その完成度に驚き顔を近づけて細部を見るペイン。

 

ライム「頼みと言うのはこれ(フィギュア)の色付けなんだ」

 

ペイン「これ…どうしたんですか?」

 

ライム「作った」

 

ペイン「作った!?ライム大佐が!?」

 

ライム「まあね!超頑張ったよ!能力を応用してね!」

 

ペイン「能力の無駄遣いでは…(苦笑)」

 

ライム「まあそんなことはどうでもいいさ!それより色付けは出来るの?」

 

ペイン「道具があれば出来ます」

 

ライム「おお!それじゃあ道具は俺が用意しとくから…」

 

ペイン「あと色付けをする上で1つお願いがあります」

 

ライム「お願い?」

 

ペイン「これ(フィギュア)を自分にも1体譲ってもらえますでしょうか?」

 

ライム「これを?」

 

ペインのお願いと言うのはライムが作ったフィギュアを貰えないかというものだった。

 

ペイン「実は自分ファンでして…あとファンクラブにも所属しておりまして(照)」

 

ライム「ファンクラブマジであったんだ…ヒナさんのファンクラブ…」

 

ライムが作り上げたフィギュア、その姿はヒナ大佐であった。その理由はこれ(フィギュア)を作ろうとしたきっかけがヒナとの会話だからであった。

 

ペイン「ちなみに自分は会員番号005であります」

 

ライム「あっそうなんだ…まあそれは置いといて君のお願いだけど別にいいよ」

 

ペイン「本当でありますか!?」

 

ライム「うん、そのかわり色付けお願い―」

 

ペイン「了解であります!このペイン軍曹!全力でこの任務を遂行して見せます!!」

 

ライム「おっ、おう。よろしくね」

 

その後、ペインに用意した道具を渡し待つこと5日…

 

 ・

 ・

 ・

 ・

 ・

 

――執務室(ライム)――

 

ライム「もう5日も経つなー…色付けの方はどうなって―」

 

ペイン「失礼します!!」バンッ!!

 

ライム「おおうっ!?びっくりしたぁ。なんだ、誰かと思えばペイン軍曹か」

 

ペイン「驚かせてしまって申し訳ございません!ですが例の物が完成したので…」

 

ライム「なぬっ!?完成したのか!」

 

ペイン「ええ、これが完成品であります」ゴト…シュルッ…

 

ペインが机の上に置き包んであった布を取るとそこには綺麗に塗装されたヒナのフィギュアが姿を現す。

 

ライム「おおおっ!!なんと素晴らしい出来栄え!もうこれは一種の芸術品ではないか!!」

 

ペイン「ふっふっふっ…自分でさえもこの出来栄えに驚いています。まるで本人をそのまま縮小したかのような完成度の高い造形。しかも顔をそっくりにするのではなく多少デフォルメしていることで逆により良くなっています」

 

ライム「おっ、わかる?顔の造形は結構こだわったんだよね」

 

ペイン「分かります。特に―「あらーよくできていじゃない」…」

 

ライム「でしょー?顔意外も難しくて手こずったけど何度も試行錯誤を…」

 

ペイン「たっ、大佐…」

 

ライム「ん?どうした…の………」

 

ヒナ「ホントによく出来てるじゃない。ヒナ驚愕」

 

ライム「………お、ぉおお~っといけない。午後から部隊の訓練が。ペイン軍曹もそうだろう」

 

ペイン「そっ!そそそそうでした!自分も訓練がありました!」

 

ライム「では!一緒に途中まで行こうではないか!」

 

ペイン「そ、そうでありますね!早く―」

 

ヒナ「待ちなさい」ガシッ!

 

ヒナが2人の肩に手をかける。

 

ヒナ「コレは一体何なのかしら?」ニコッ!

 

ライム「え~~と、その前に1ついいですか?」

 

ヒナ「何かしら?」

 

ライム「なぜここに?」

 

ヒナ「たまたま通りかかったらドアが少し開いていて、部屋の中から貴方たちのはしゃぐ声が聞こえたものだから覗いてみたの。これ以上は話さなくても分かるわよね?」

 

ライム「なるほど……」

 

ヒナ「で、これはなに?私にそっくりね」

 

ライム「ヒナさんのフィギュアです!部屋に飾りたいな~っと思って頑張って作りました!」

 

ヒナ「なるほど。ハキハキした受け答えで大変よろしい」

 

ライム「では!このまま飾ってもいいで―」

 

ヒナ「ダメ」

 

ライム「………」ズ―ン…

 

ヒナ「当たり前じゃない。本人に許可なくこんなモノ作って良いって言うわけないでしょ?」

 

ライム「そこを何とかなりませんか」

 

ヒナ「そうねぇ~……今度飲みに行くからその時に奢ってもらうのと時々なにか言うことを聞いてもらおうかしら」

 

ライム「無理のない範囲でしたらOKです」

 

ヒナ「ふふ、言質取ったわよ?」

 

ライム「くうぅ…まるで悪魔との契約みたいだ」

 

身を切る思いでヒナのフィギュアを飾る権利を得たライムであった。

 

ヒナ「それにしてもホントによく出来ているわねぇ。これどうやって作ったの?」

 

ライム「自分の能力を応用して作りました。ではさっさくこの棚に…」ごとっ…

 

ペイン「ライム大佐、自分のお願いは…」

 

ライム「ペイン軍曹…」ポンッ…

 

ライムはペイン軍曹の肩に手を置く。

 

ライム「君のお願いは空の彼方へと消えてしまった…」

 

ペイン「NOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!!」

 

魂の叫びと言えるペイン軍曹の叫び声は本部にむなしく木霊するのであった。

 

 ・

 ・

 ・

 ・

 ・

 

プルプルプル…プルプルプル…ガチャ…

 

ヒナ「もしもし、こちらヒナ」

 

スモーカー『俺だ』

 

ヒナ「スモーカーくん、何か用?」

 

スモーカー『アラバスタに来れるか?』

 

ヒナ「アラバスタ?なぜ?」

 

スモーカー『一応増援としてだ。それにちょっとキナ臭くてな…』

 

ヒナ「……分かったわ」

 

スモーカー『それじゃ頼んだ』

 

ガチャ…

 

ヒナ「まったく勝手なんだから…」

 

なにやら嵐に備えるかのような通話であった。

 

 



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砂の王国アラバスタ1!

投稿ーー!

お気に入り登録が800件超えたー!マジ感謝です!
アラバスタ編に突入!



――海軍本部――

 

ライム「アラバスタへ?なんで自分が?」

 

突然電電虫で呼ばれたかと思えば今度は一緒にアラバスタへ行って欲しいとヒナに言われる。このお願い(要求)に対して普通ならば断ることはできる。しかしことライムに限っては難しいことであった。なぜかって?それに関しては前回のお話を読むとわかるさ!

 

ヒナ「スモーカーくんから応援を寄越せって連絡があったのよ。なんだがキナ臭いからって…で行くことにしたんだけど、どうせなら貴方にも手伝ってもらおうと思ったわけよ。それに貴方は断ることはできないはずよ?ふふふ」

 

ライム「もうハイとしか言えないじゃないですか」

 

ヒナ「ふふ、決まりね」

 

こうしてスモーカーの応援部隊としてアラバスタ王国へ行くことが決まったライムであった。

アラバスタ王国…偉大なる航路(グランドライン)前半にある広大な土地の大半が砂を占めるサンディ(アイランド)にある王国。世界政府創設に関与した20の王族の一つ、ネフェルタリ家が治める世界政府加盟国。そんな砂の王国の港町【ナノハナ】に2隻の軍艦が到着する。

 

ライム「着いた着いたぁ~、日差し強ぇ…そして着いたと同時に厄介ごとですか」

 

ヒナ「スモーカーくんが捕まえていたMr.11という奴が殺されていたらしいわ」

 

ライム「麦わらと火拳のエースを追っていた間にですか。しかも火拳が殿(しんがり)をしてまかれてしまうと…後追います?」

 

スモーカー「…なんでテメェがいる?」

 

ヒナ「私が連れて来たの。人手は多い方がいいでしょ?」

 

スモーカー「…まあいい、アラバスタは広い…一度逃がすと手に負えねぇ。ポートガスめ余計なマネしやがって」

 

スモーカーがエースに対して愚痴を一言こぼしているとたしぎが慌てたように走ってくる。

 

たしぎ「スモーカーさん遅くなりました!麦わらの一味は…!?」

 

スモーカー「たしぎ、てめぇどこに行っていた…?」

 

海兵「それが町の真反対に行っていまして」

 

たしぎ「ぐっ、軍曹さんっ!!」

 

ライム「たしぎちゃん、もしかして方向音痴だったりする(笑)?」

 

たしぎ「ラっ、ライムくん!?どうしてあなたがここに!?」

 

ライム「いろいろあって応援に来たのさ!」

 

たしぎ「そのいろいろと言うのは何なんですか?」

 

ライム「………秘密で!」

 

たしぎ「最初の沈黙なに!?」

 

たしぎのキレのいいツッコミをしているとスモーカーが中断させ話をはじめる。

 

スモーカー「おしゃべりは後にしろ……3人はこれをどう思う…奴ら(麦わら)と一緒にビビがいたんだ…」

 

ヒナ「ビビ…?ビビってもしかして…」

 

たしぎ「まさか…ネフェルタリ・ビビ王女!?どうして麦わらの一味と一緒に…!?」

 

スモーカー「それをいま考えている。さらにこの国には1人…いやな男がいる…俺が七武海を嫌いなのは知ってるよな」

 

ライム「サ―クコロダイルですか…だけどあの人一応こっち(政府)側の人っすよ、スモーカーさん」

 

たしぎ「ライムくんの言う通りです。現にクロコダイルはこの国では英雄的扱いを受けています」

 

スモーカー「奴は昔から頭の切れる海賊だった。…もともと大人しく政府に従うようなタマじゃねぇんだよ。たしぎ、これだけは覚えておけ。ついでにライム」

 

ライム「俺ついでなの?」

 

スモーカー「海賊はどこまでいこうと海賊なんだ…!!」

 

スモーカーの言ったことは今の世の中(大海賊時代)の心理とも言える事である。何となくだがその言葉の重みを感じるライム。

 

ライム「……とりあえず火拳と麦わらが逃げたと思われる方向に向かって飛んで見てきますわ。運が良ければ見つかるかもしれませんし」

 

スモーカー「分かった…何かあれば俺に連絡しろ。俺たちはレインベースへ向かう、お前の部下も一緒に連れていく。それからヒナ、お前には………」

 

スモーカーがヒナと話している間に空を飛ぶ準備を始めるライム。

 

ライム「では…アラバスタに向かっている間、船の中で考えた新しい飛行技を試してみますか」

 

そう言うとライムは両脚の膝から下を変形させていく。形は先端が丸い円錐で、足首の辺りにレシプロ機のような羽を3枚ずつ作り出す。あとふくらはぎの辺りに多少ではあるが揚力を得るための羽と、方向転換用の羽を作り準備を終える。そして息を整えるとゆっくりと羽を回し始め段々と加速させていく。

 

※イメージとしてはストライクウィッチーズのストライカーユニットです。大きさは半分程です。えっ?そんなんじゃ飛べないんじゃないかって?細かいことは言いっこなしでお願いします!あとストパン見たことないけど許して!

 

フィイイイイン…

 

ライム「おー意外と上手くいくもんだ。ではスモーカーさん、ちょっくら行ってきますね!」

 

スモーカー「……ああ、気ぃ付けろよ」

 

ライム「では……発進!!」

 

ロンデル「お気をつけて~~!」

 

膝を曲げジャンプするのと同時に羽を最高速に回転させて一気に上空へ飛び立つ。ライムの姿は瞬く間に点になっていき、その様子をのんびりとした感じで見送る副官のロンデルであった。

 

 ・

 ・

 ・

 ・

 ・

 

――麦わらの一味・ゴーイングメリー号甲船上――

 

火拳のエースの首を狙って来た5隻のバロックワークス(ビリオンズ)の船を一度に沈めたことに驚きつつも今後の行動を話し合っていた。

 

ビビ「止めるわよ………!こんな無意味な暴動…!!もう…この国をバロックワークス(あいつら)の好きにはさせない!!」

 

ナミ「ビビ…」

 

ウソップ「………」

 

サンジ「ビビちゃん!砂漠越えのための弁当は任せろ!!」

 

チョッパー「うわっ楽しみ!」

 

ゾロ「……悪かった……」ニヤ…

 

ルフィ「よし!分かったビビ!行こう!ウパ!!!」

 

ビビ「ユバね(苦笑)」

 

ルフィ「ユバ!!」

 

ビビ「そう」

 

次の行き先がユバへ決まり皆が意気込んでいるとナミの耳が何かの音を拾う。

 

ナミ「?……ねえ何か聞こえない?」

 

ウソップ「んー?別に何も聞こえねぇぞ?」

 

サンジ「ナミさんどうかしたのかい?」

 

ナミ「いや…気のせいだと思うんだけど…何か(くう)を切るような音が聞こえたよような気がして…」

 

フオォォォォォ………

 

ビビ「空を切るような音…?」

 

サンジ「……特に何も聞こえないぜナミさん」

 

ゾロ「………いや」

 

フオォォォォォ……!

 

ゾロ「何か…くるぞ…」

 

刀に手を置き構えるゾロ。ナミは周りの様子を見に後方の甲板に向かい、目を凝らして辺りを見回す。すると船の6時の方向から海面に沿って飛んでくる飛行体を確認する。

 

ナミ「後方から何か来てる!!」

 

ウソップ「何って何だよ!?」

 

ナミ「わかんない!だけど凄い速さでこっちに向かてきてる!!」

 

ビビ「まさか…バロックワークス(あいつら)が…!?」

 

皆が慌てている間にその何かは瞬く間に距離を縮める。そしてそれは船の横を水しぶきを上げながら横切り急上昇する。

 

ル・ウ・チョ「「「うおおおお~~!カッコいいぃ~~!!」」」

 

ナミ「なに喜んでんのよ(怒)!!」

 

バコココンッ!!!

 

ル・ウ・チョ「「「ずっ、ずびばぜん…」」」

 

ゾロ「しっかし何なんだあれは?」

 

サンジ「まあ確実に言えることは敵ということだな。奴が急上昇したとき俺らみたいな海賊を捕まえようと、追っかけてくる奴らが羽織っているコートが見えたぜ」

 

ビビ「ということは…海軍!?」

 

ナミ「まさかここまで追いかけて来たっていうの!?しつこっ!」

 

ルフィ「へっ!どんな奴が来ようと俺がぶっ飛ばしてやる!」

 

ルフィがそう意気込んでいると急上昇した敵は急降下を始める。まるでミサイルの様に急降下するためルフィたちは衝撃に備えるが大きな衝撃は発生しない。マスト近くに降りた敵…海兵はアメコミのヒーローがよくやりそうな着地をしていた。その姿を視認したルフィはすかさず攻撃を繰り出す。

 

ルフィ「ゴムゴムの(ピストル)!!」

 

勢いよく相手に向かっていくルフィの拳。並みの相手なら一撃で倒せるだろう。だが相手はルフィがまだ一度も攻撃を当てたことがない相手であり、その相手はルフィの拳を見ずに受け止める。その光景を見たルフィの仲間たちは目を見開きながら驚く。

 

サンジ「なっ、見ずにルフィの攻撃を止めたぞ!」

 

ゾロ「………」

 

ウ・チョ「「あああああー!もうダメだぁー!!」」

 

ルフィ「なっ!こんにゃろっ!離せコノヤロー!」

 

ライム「全く…久しぶりの再会だというのに随分な歓迎だなルフィ?」

 

ルフィ「ん?その声…もしかして…」

 

ライム「しかも死角から攻撃したのに当たってないぞ(笑)?」

 

ルフィ「あぁっ~~~!!ライムーー!!なんでここに!?」

 

ライム「隙あり」

 

ルフィ「ぶへぁっ!!?」

 

ルフィが久しぶりに会うライムに驚いている隙に(ソル)で接近し顔面に一撃を加えるライム。

 

ライム「隙だらけだぞルフィ」

 

ルフィ「痛ってぇー!今のはズリィぞ!」

 

ライム「実戦にズルもクソもないよ。あるのは勝つか負けるかだ」

 

ゾロ「そうか…ならこうされても文句はねぇよな?」

 

ゾロが刀の一本を抜きそれをライムの首筋にキレない程度に当てて言う。

 

ライム「おっとっと、別にいま君たちを捕まえようとは思ってはいないよ。だからその物騒なものをしまってくれるかな?」

 

ゾロ「信じられるか。何やらルフィとは知り合いらしいが、だからと言って『そうですか分かりました』って言うと思ってるのか?」

 

ライム「まあそうだよね~。さすが海賊狩りのロロノア・ゾロ、警戒しまくりだ」

 

ゾロ「…ルフィ、この海兵とはどういう知り合いなんだ?」

 

ルフィ「2年くらいかな、俺がいた村で世話になったやつだ!一度も勝てなくてよ~」

 

サンジ「お前が一度も?マジかよ…!」

 

ライム「まあお話はこれくらいにして…」

 

ゾロ「あっ、おい!」

 

自身の首に当てられている刀を気にせずビビの方へ歩きその前に立つライム。

 

ビビ「……何か用かしら海兵さん…?」

 

ライム「アラバスタ王国第一王女、ネフェルタリ・ビビ王女ですね?」

 

ビビ「―っ!……さあ人違いではなくて…?(ここで身分がバレたらルフィさんたちに迷惑が…彼がルフィさんの知り合いだとしても…)」

 

ライム「おっと、人に名前を尋ねておきながら自分の名前を言ってなかったですね。申し遅れました、自分は海軍本部所属のライム大佐であります!」

 

ビビ「海軍本部…!大佐…!?」

 

自分と大して歳が変わらなそうな目の前の青年が本部所属の大佐であることに驚くビビ。

 

ライム「…では質問を変えましょう。あなたの目的は何ですか?」

 

ビビ「………」

 

サンジ「てめぇいい加減にしろよ!本部の大佐か何だか知らねえがお前に話すことなんかねぇんだよ!!」

 

ビビに詰め寄っているライムを見たサンジがライムに接近する。

 

ビビ「だめサンジさん!!」

 

サンジ「首肉(コリエ)シュート!!」

 

ライムの首に向かって放たれた強烈な蹴り。だが見聞色の覇気で攻撃を察知したライムは自分に当たるすんでの所でサンジの足首を掴んで止める。

 

ライム「(ひょえぇぇー!蹴りやべぇ…!見聞色がなかったらやばかった…)」

 

サンジ「なっ!俺の蹴りが…!?」

 

ライム「お話の邪魔をしないでください。それともなんです?捕まえてほしいのですか?」

 

サンジの足首を掴んでいる手の力を強めるライム。すると足首からはメキキという音が聞こえ激痛が走るサンジ。

 

サンジ「ぐおあああっ!?」

 

ナミ「サンジくん!?」

 

ビビ「―っ!やめて!貴方の言う通りよ!私はネフェルタリ家の王女よ!」

 

ライム「なぜ海賊の船に?」

 

ビビ「それは…!………ごめんなさい、目的は言えないわ…」

 

ライム「(…まあ現状証拠らしいものはないから言えないか。目的を言ったとしても海賊に操られた王女だとか言って終わるな。これぐらいでいいか、海兵としての仕事は終わりー!)そうですか…わかりました。これ以上は何も聞かないでおきましょう」

 

そう言いながらサンジの脚を離すライム。痛めた足首を押さえるサンジを見てチョッパーが駆け寄る。

 

ビビ「ごめんなさい、貴方は海兵としての職務を全うしようとしているだけなのに…」

 

ライム「自分は自分の正義に則って行動しているまでです。いくら海兵といっても人様の行動をどうこうする権利まで持っていませんよ」

 

ビビ「ありがとうございます…」

 

ライム「ルフィ」

 

ルフィ「ん?なんだ?」

 

ライム「相手は強大だぞ」

 

ルフィ「シシシ!関係ねぇ!どんな相手だろうとぶっ飛ばすまでだ!!」

 

ライム「ならもっと強くなるんだな。じゃないと俺には勝てねぇぞ?」

 

ルフィ「うっ、うるせえっ!今に見てろ!ぜってー勝ってやる!!」

 

ライム「楽しみにしてるよ。あとあんまり騒ぎを起こすんじゃないぞ?」

 

ルフィにそう言うと脚をストライカー状態にして再び空に飛び上がり、そのままスモーカーが向かうと言っていたレインベースへ向かうライムであった。あとナミ、ウソップ、チョッパーは肝を大いに冷やしたが何もなかったので胸を撫でおろしながらホッとするのであった。

 

ライム「レインベースってどっちだ?……とりあえず上流に向かえばいいか!」

 

 

 

 




~~ライムのデータ~~

年齢【23歳】

身長【207㎝】←追加!

悪魔の実【スムスムの実のスライム人間】

階級【本部大佐】



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砂の王国アラバスタ2!

お気に入り900件!?
ああああ、ありがとうございます(∩´∀`)∩!




久しぶりにルフィに会ったライム。海兵としては海賊を見逃すという行為は良くないのだが誰も見ていないので問題はない。そんな自由人なライムはルフィと別れたあと、スモーカと合流予定のレインベースへ向かうのであった。

 

ライム「結構上ったなー。ここら辺で一回単眼鏡で周りを確認しとくか」

 

体内に収納している単眼鏡を取り出し辺りを見回す。すると10時~11時の方向に街のようなものがうっすらと見えた。

 

ライム「おっ、なんか街っぽいものあるな。とりあえずあそこに行ってみるか」

 

町の見えた方向へ向きを変え飛び進むライム。そして無事街に到着するとまだスモーカーたちは到着していないため、一先ず連絡を入れ待つことにした。それから1日後、スモーカーたちが到着する。

 

――レインベース――

 

スモーカー「おいライム。麦わらたちは見つかったのか?」

 

ライム「ん~まあ見つけたには見つけたんすけど、火拳に邪魔されまして~…」

 

スモーカー「なるほど…何でもありそうなお前でも流石に火拳は手間取るか」

 

ライム「何でもありって俺を何だと思ってるんですか(笑)」

 

スモーカー「空飛んだり腕が武器になったりと変身する奴が何言ってんだ」

 

ライム「いや~それほどでも~(笑)」

 

スモーカー「褒めてねえよっ!!」

 

そして約2日ほど経過。休憩もかねて街にある食堂で昼食をしているとたしぎがスモーカーに質問をする。

 

たしぎ「スモーカーさん、なぜこのレインベースに?」

 

スモーカー「さあな…勘だ。そもそもこの国は何かにおう。何か後ろにでかい影を感じてならねェ」

 

たしぎ「やはり例の犯罪組織とクロコダイルが…?」

 

スモーカー「さぁな。そもそも麦わらの一味と王女の関連もさっぱり分かんねぇ」

 

ライム「お友達とか?あっ自分トイレ行ってきますね」

 

ライムはそう言うとカウンターの席を立ちあがり店の奥にあるトイレに行く。

 

スモーカー「お友達……ったく適当な事ぬかしやがって。まあいい、とにかくこういう時は何か動き出すまでじっと待つしかねぇんだ…」

 

そう話していると店に2人の男が騒がしく入ってきた。2人の男はカウンターに座るとバンバン叩きながら「水っー!水くれ―!!」などと言いながら樽の水を注文する。そして水が入った樽が出されるとそのままラッパ飲みし始める。ゴクゴクと喉を鳴らし喉の渇きを潤していく。だが2人をよく見て見ると1人は麦わら帽子をかぶっておりスモーカーは。

 

ルフィ「水が美味ぇーぞー!このヤロー!!」

 

ウソップ「このヤローー!!早くアイツらにも持って行って…」

 

スモーカー「…………」

 

ル・ウ「「ブウッーーーーーーーーー!!?」」

 

スモーカー「……(怒)!」

 

たしぎ「むっ、麦わら!?」

 

ルフィ「逃げるぞぉ!樽を持ったかー!?」

 

ウソップ「おーう!」

 

スモーカー「クソォッ!!追うぞたしぎ!海兵も集めろ!あと呑気にトイレに行っているあいつ(ライム)も連れてこい!!」

 

たしぎ「はっ、はい!!あっ、あのおいくらですか?」

 

店主「知り合いならさっき水を持って行ったあの子たちの分も払っておくれよ」

 

たしぎ「は、はい!ご迷惑をおかけしました!」

 

たしぎは謝罪をしながらお金を払うとトイレに向かいドアを叩く。

 

たしぎ「ライムくん!出てきてください!」

 

ライム「この声はたしぎちゃん?どうしたのそんな慌てた声しちゃって?あっ、もしかして漏れそう?」

 

たしぎ「何バカなこと言ってるんですか!麦わらが現れました!追いかけるので急いでください!」

 

ライム「おっとそういうことね。ちょいとお待ちを…」

 

状況を理解すると急いで諸々の処理を済ませてトイレから出るライム。

 

ライム「お待たせ!」

 

たしぎ「急ぎますよ!」

 

そしてライムとたしぎは急いで店を出てスモーカーの後を追いかけるのであった。

 

 ・

 ・

 ・

 

――レインベース・街中――

 

ルフィ「なんでまた海軍がいるんだぁぁ!?」

 

ウソップ「知るかよぉぉ!とにかく逃げろぉぉぉ!!」

 

海兵「「「うおらあああああああ!!!」」」「逃がすなーー!!」「追えーー!!」

 

ルフィとウソップが逃げているのを見たサンジは面倒くさい顔をする。

 

サンジ「うえっ、あいつらまた海軍に追われてるぞ…!」

 

ナミ「嘘でしょー!?っでなんでこっちに逃げてくんのよーー!!」

 

当然捕まるわけにもいかないので逃走を開始する麦わらの一味一行。

 

ルフィ「おい皆ー!海軍が来たぞーー!!」

 

ゾロ「だからお前が連れて来てんだよ(怒)!!」

 

海兵「今度こそとっ捕まえろぉぉ!!」「「「うおおおおおおおお!!」」」

 

ウソップ「あ˝あ˝あ˝あ˝あ˝あ˝あ˝あ˝~~~!!」

 

スモーカー「逃げ足ばっか速い奴らだぜっ!!」

 

スモーカーが現状の愚痴を吐いていると麦わらの一味は3手に分かれて逃走する。スモーカーはルフィを追いかけ、他の海兵はルフィ以外の一味を追う。そしてたしぎと一緒に行動していたライムはロロノア・ゾロを発見した。

 

ライム「お?あそこにいるのは海賊狩りでは?」

 

たしぎ「海賊狩り…!」

 

ライム「それになんか戦闘してるね」

 

たしぎ「急ぎましょう!」

 

たしぎの足は速くなり人込みを避けてゾロがいる場所に到着する。

 

ゾロ「役不足だ。出直しな」

 

たしぎ「ロロノア・ゾロ…また会いましたね…!」

 

ゾロ「うぐっ!?…(この声は……)げぇっ!?」

 

たしぎ「探しましたよ、長い間。一般の人々を切るなんてどういうつもりですか!?」

 

ライム「いや~これ一般の人なのかな~?

 

ゾロ「こっちにも色々あるんだよ!だいたい俺はお前とは戦う気はねぇぞ!ローグタウンで勝負はついただろうが!!」

 

ゾロはそう言うと両手に持っていた刀を鞘に納める。

 

たしぎ「ついてません!私は一太刀も浴びていませんから!」

 

ゾロ「(似てる…!似すぎなんだよ!)だいたいその顔をやめろ!!」

 

たしぎ「なっ、何ですって!?そうやってあなたはまた私を馬鹿に!絶対許さない!」

 

ゾロ「クソォ…こいつだけは苦手だ…!」

 

ライム「勝負してやりなよ~、海賊狩りさーん」

 

ゾロ「なっ、てめぇはあの時の!?何でここに!」

 

ライム「何でってそりゃあ海兵なんだし?いてもおかしくないでしょ~?それより勝負してあげたら?」

 

ゾロ「うるせぇ!!てめぇにゃぁ関係ねえことだ!」

 

たしぎ「あっ、待ちなさい!!」

 

ゾロは怒りながらライムに突っ込むとその場から逃走する。急いで後を追いかけるがたしぎはゾロを見失ってしまう。

 

たしぎ「くそっ!ロロノアはどこに!」

 

ライム「やみくもに探してもあれだし、俺が空を飛んで街全体を見てこようか?たしぎちゃん」

 

たしぎ「そうですね。ではすみませんがお願いしますライムくん」

 

ライム「はいよ~、ではいっきまーす!形状変化ウィング!」

 

バサッ!バサッ!

 

ライムは背中に翼を生やすと大きく羽ばたき空へ飛んでいく。

 

海兵「能力者ってのはすごいな…」「あんなこともできるのか?」

 

たしぎ「あれはライムくんだけだと思いますよ。さあ私たちは引き続き捜索を続けます!」

 

海兵「「「ハッ!!!」」」

 

 ・

 ・

 ・

 ・

 ・

 

――街中・某建物屋上――

 

ビビ「ペっ、ペルゥゥゥゥ!!」

 

??「ふふっ…彼、王国最強の戦士…だっけ?」

 

ビビを守ろうとしたアラバスタ王国の戦士ペルー。だが彼はBW(バロックワークス)の副社長ミスオールサンデーの手によって倒れてしまう。

 

ビビ「そっ、そんな…」

 

??「さぁ行きましょうか?ボスと貴方の仲間たちが待ってるわ。…レインディナーズの檻の中で」

 

白いテンガロハットとコート、紫色のコルセットをモチーフにしたであろうハーフタンクトップとミニスカート。それを着た黒髪で褐色肌の女性にBW(バロックワークス)本部に連れていかれそうになるビビ。しかしそのとき彼女たち2人の間に黒い大きな影が現れる。

 

バサバサッ…!

 

ライム「なんか見覚えある髪かと思えば王女様じゃないですか」

 

ビビ「あ、あなたはあの時の海兵さん!?」

 

??「…あら海兵さん、何かご用かしら?」

 

屋上にゆっくりと降りて黒髪の女性の質問に答える。

 

ライム「何かご用かって?そりゃーあるに決まってるでしょうよ。こんな状況みたら」

 

??「ふふ…それもそうね。だけどあなたに出来る事は何もないわよ。大人しく帰ってくれないかしら?」

 

ライム「そうともいかないね~。海兵としての職務を全うしないと上司に怒られるよ。そうは思はないか?ええニコ・ロビン?」

 

ライムが黒髪の女性に向かってそう呼ぶと彼女の顔は険しくなる。

 

ロビン「その名前で呼ばないでちょうだい」

 

ライム「おー怖い怖い。美人な顔が台無しだよ?」

 

ロビン「余計なお世話よ。どうやらあなたも痛い目に遭いたいようね」

 

ロビンは両腕を胸の前で交差させる。

 

ビビ「逃げて海兵さん!」

 

ライム「あー大丈夫ですよ王女様」

 

ビビ「えっ…?」

 

ロビン「強がりもここまでよ、六輪咲き(セイスフルール)…!」

 

ライム「おっ…!?」

 

ライムの足元、腰、後ろの肩から腕が生える。そして足首を押さえ手首と首を掴むとそのまま限界までエビ反りをし…

 

ロビン「クラッチ!!」

 

ライム「……!!」

 

ビビ「ああっ!……そんな…彼まで…」

 

その場に倒れるライム。

 

ロビン「……所詮口先だけの海兵だった様ね…それじゃあ王女様、行きましょうk…」

 

ライム「どこに行くって?」

 

ロビン「―っ!?」

 

ビビ「―っ!?」

 

ロビン「あなた…!どうして…!?」

 

ライム「能力者…あとは言わなくても分かるよな?」

 

ロビン「そういうことね…少し違和感があったのは気のせいじゃなかったのね…それで、あなたはどうしたいの?」

 

ライム「俺も連れてけ」

 

 ・

 ・

 ・

 

場所は変わってここはカジノ〈レインディナーズ〉にある水中地下室。地下室と言えど部屋は綺麗に装飾されており、高級そうな家具や調度品も置いてある。窓もあるがそこから見える光景は水の景色だった。そんな部屋に似合わない物が1つあった。それは部屋の中央に設置された堅牢な牢屋。そしてその牢屋の前にある白いテーブルクロスが引かれたテーブルでは、王下七武海が1人、サー・クロコダイルが優雅にワインを飲みながら牢屋にいる者達と会話をしていた。

 

クロコダイル「信頼……はっ、この世の最も不要なものだ」

 

ナミ「なにアイツ…!人を馬鹿にしてぇ…!」

 

ウソップ「やめとけぇ…今に怒るぞあいつも…!」

 

クロコダイルがニヤけた顔でルフィたちを小馬鹿にしていると部屋と繋がっている大きな階段の上から声が発せられる。

 

ビビ「クロコダイルっ!!」

 

クロコダイル「ん?」

 

ル・ウ・ナ「「「ビビっ!!!」」」

 

スモーカー「―っ!」

 

ビビの登場に声を上げるルフィたちとそれに反応するスモーカー。

 

クロコダイル「ようこそアラバスタの王女ビビ!…いやミスウェンズデー!よくぞ我が社の刺客を搔い潜ってここまで来あなあ…」

 

ビビ「来るわよどこまでも!貴方に死んでほしいから!Mr,0!お前さえこの国に来なければ!!」

 

ビビが孔雀一連(クジャッキーストリング)スラッシャーを使ってクロコダイルに攻撃を仕掛けようとしたがそれは止められてしまう。

 

ライム「あなたが攻撃してもその身を危険にさらすだけですよ。王女様」

 

ビビ「はなして!あいつは…!あいつはこの国を…!」

 

ビビがライムの手を振り放そうとしていると少しイラつきが混じった声が上がる。

 

クロコダイル「おい…何であのときの生意気な海兵がいやがる…?」

 

ライム「これはこれは…まさか覚えてくださっていたとは!このライム恐悦至極でございます…!」

 

クロコダイル「思ってもねえこと言ってんじゃねぇよ…!なんでここにいるか聞いてんだ…!」

 

ライム「一国の王女様をそのままほっとく海兵がいるとでも?」

 

クロコダイル「ミスオールサンデー、てめぇがいながらこのザマか…」

 

ロビン「私にも出来ないことはあるわ…」

 

ライム「まあそれはおいといて…」

 

ビビの腕を掴んだまま階段をゆっくりと降り檻の前に来ると、その檻の中にいる先輩海兵であるのと同時に同僚であるスモーカーに問いかける。

 

ライム「スモーカーさん、こんなところで何やってるんですか?あっもしかしてカジノで全財産使い込んじゃったんですか(笑)?」

 

スモーカー「下らねえこと言ってんじゃねえ。んなこと言ってる暇があるならさっさとこの檻を開けろ…!」

 

ライム「なるほど……それじゃあ開けてください」

 

クロコダイル「ああ、分かった…って言われて開ける馬鹿がいると思ってんのか?…まあいいちょうど頃合いだ、パーティーが始まる時間だ」

 

ライム「パーティー?」

 

ロビン「ちょうど12時を回ったところ。ユートピア作戦が始まった」

 

ライム「あっ、王女様。ちょうどそこに椅子が空いてるのでどうぞ」

 

ビビ「あ、ありがとう…」

 

ライムはそう言うとビビをテーブルと一緒にあった2つの内の1つの椅子に座らせてその横に護衛のような形で横に立つ。

 

クロコダイル「…マイペースなガキだな…」

 

ナミ「ユートピア作戦…?」

 

ルフィ「ユートピア作戦…ってなんだ?」

 

クロコダイル「ふっふっふっふっふ…ハッハッハッハッハッハッハッッハッハっ……!!」

 

ルフィ「おい!ユートピア作戦ってなんだ!」

 

クロコダイル「さっき俺に死んでほしいと言ったな…死ぬのはこの下らねぇ王国さ、ミスウェンズデー……アラバスタを地上から葬り去る…!」

 

ビビ「――っ!?」

 

クロコダイル「生きとし生ける民は、もがきのたうちながら永遠の闇の吸い込まれる!……ユートピア作戦…発動だっ!!!」

 

クロコダイルが言うユートピア作戦とは…刻一刻と砂の王国の動乱は迫っていた。

 

 

 




本誌の続きがすごい気になる…


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砂の王国アラバスタ3!

2カ月ちょっとぶりの投稿…
そしてお気に入り登録1000件突破!ありがとうございます!!

あと感想で
〈モモンガ中将弱すぎないですかね?〉
〈後グランドラインで億越えじゃなきゃ大者とはいえないのでは?〉
とありましたので返させていただきます。

モモンガについては確かにその通りだなと思ったりもしますが、こういう場合もありえなくはないと思いますのでご了承ください。
懸賞金額について…確かに億超えじゃないと大物ではないと思いますが、それは大将・中将レベルやシャンクス・白ひげレベルなどの目線であり、一般人からすれば億を超えていなくても5000万~9000万ベリーくらいの懸賞金は十分に大物だと言える金額だと思います。
2年後のシャボンディ諸島でリップサービスドゥティがパシフィスタにボコされ、デマロ・ブラックが逃げながら「ドゥティを潰しちまうような奴と戦えるか!」と言っていたので、億超えていなくても大物と言っても問題はないかと思います。

作者の考えとしてはこんな感じですのでご了承いただけると幸いです。



BW社の副社長ミスオールサンデーことニコ・ロビンに、レインディナーズの地下にあるクロコダイルの部屋に案内させて来たライム。そこには牢屋に閉じ込められたルフィたちとスモーカーがいた。そこで明かされるクロコダイルが企てたユートピア作戦。はたしてユートピア作戦とは何なのか。そしてライムはどのような行動を起こすのか?

 

 ・

 ・

 ・

 

――レインディナーズ・地下部屋――

 

ライム「ユートピア作戦…どういう作戦なのかは分かりませんが、少なくともあなたにとって成功すれば今後の人生は安泰なのでしょうね」

 

クロコダイル「生意気な海兵にしちゃまともな回答だ。そうとも成功すれば…」

 

ビビ「お前は一体アラバスタに何をするつもりなの!?」

 

話を遮るようにビビがクロコダイルに問いかける。

 

クロコダイル「おいおい、人が話しているのにそれを止めるとは礼儀がなってねぇな…。まあいい、王女ビビよ。この俺が最も軽蔑するタイプの人間を教えてやろうか…?」

 

ビビ「……」

 

クロコダイル「国民の幸せとやらを後生大事にする偽善者さ…!」

 

ビビ「父上を殺す気…!?お前なんかに出来るものか!?」ガタッ!

 

ライム「王女様落ち着いて」

 

ビビは椅子から立ち上がり声を荒げ、ライムは落ち着くように促す。

 

クロコダイル「その海兵の言う通りだ、そう喚くな。俺はそんなことするつもりはねぇ…殺す価値もない。コブラには死よりも残酷な屈辱を味わってもらうのさ」

 

ウソップ「死よりも残酷な…?」

 

クロコダイル「ふっふっふっ……一国の王女がそんな顔をするもんじゃないぜ?」

 

ビビ「もう一度聞くわ、ユートピア作戦とはいったいなに!?教えなさい!」

 

クロコダイル「おいおい、今の自分の立場が分かっているのか?」

 

ビビ「質問に!!答えなさい!!」

 

クロコダイル「勇ましい王女だことだ。まあいい、もう作戦は発動したんだ。教えてやろうじゃないか、この国を終わらす…計画ユートピア作戦をな…!」

 

 ・

 ・

 

クロコダイルの口からユートピア作戦の全貌が話し始められた。だがその(かん)に港町ナノハナでは国王コブラと国王軍兵士によって焼き払われるという事件が発生。その報せは王国護衛隊副隊長のチャカにも入る。いつの間にか姿が消えていた国王の行方を捜していたチャカはその報せを聞いて驚愕する。報せを伝えに来た兵士に何かの間違いだと言うが、王の間から消え移動した時間も合っている筋が通る説明に言い返せないチャカ。チャカは何を信じればよいのか頭を悩ますが、自分に課せられた本分を全うするのみと決意し反乱軍を迎え撃つ準備を始めるのであった。一方ナノハナの一件でアラバスタ全土の反乱軍も王都アルバーナに向け進軍を始めたのであった。

 

 ・

 ・

 ・

 

そして、クロコダイルから作戦の全貌を聞かされたルフィとライムたち。

 

クロコダイル「ふっふっふっふっふっふっ…ハッハッハッハッハッ…!ハッハッハッハッハッハッハッハッ…!」

 

ナミ「なんて作戦を…!」

 

クロコダイル「どうだ気に入ったかね?君も途中まで参加していた作戦がいま花開いた。耳をすませばアラバスタの唸り声が聞こえてきそうだ…そしてみんなこう思ってる…アラバスタを守るんだ…アラバスタを守るんだ…アラバスタを守るんだ…」

 

ビビ「やめてぇぇぇ!!…なんてひどいことを…」

 

クロコダイル「ハッハッハッハッハッ…泣かせるじゃねぇか。国を思う気持ちが…国を亡ぼすんだ…」

 

やるせない気持ちで胸がいっぱいになるビビ。そのときルフィが大声を上げながら牢屋の鉄格子を掴み、顔を隙間に突っ込みながらクロコダイルを睨む。

 

ルフィ「クロコダイルゥゥゥ!!!お前は必ず俺がぶっ飛ばはぁぁあぁ~…」

 

スモーカー「あいつは馬鹿か?俺の言ったこと聞いてなかったのか?」

 

ゾロ「バカには違いねぇ…だからうちの船長やってんだ」

 

クロコダイル「…思えばここにこぎつけるまでどれだけ手を打ったことか。民衆を煽る破壊工作、国王軍乱行の演技指導…なぜここまでしてこの国を手に入れたいか…わかるか?」

 

ビビ「腐った頭の中なんかわかるものか…!」

 

クロコダイル「ホントに口の悪い王女だな…」

 

クロコダイルがそう言うとビビは椅子から立ち上がり階段の方へ向かおうとする。

 

ライム「ちょちょちょっ!王女様どこに行こうと…!?」

 

ビビ「止めるのよ!まだ間に合う!ここから東へまっすぐアルバーナへ向かえば!反乱軍より先にアルバーナへ回り込めば止められる可能性はあるわ!」

 

ライム「それはそうかもしれませんが…」

 

クロコダイル「フッフッフッフッフッフッフッフッフッ…!」

 

ビビ「アンタの思い通りになんか絶対させないわ!」

 

クロコダイル「それはご苦労な事だ…あと奇遇だな、俺たちもこれからアルバーナへ向かうところさ。てめぇの父親に1つだけの質問をしにな…」

 

ビビ「父にこれ以上何をする気!?」

 

クロコダイル「ハハハ…親父と国民とどっちが大事なんだ、ミス・ウェンズデー?あと一緒に来たければすきにすればいい…それともコイツ等を助けるか?」

 

クロコダイルはそう言うと懐から鍵を取り出すビビに見せつける。

 

ビビ「その鍵は…もしかして!?」

 

ルフィ「鍵ィ!この檻のだな!よこせこの野郎!!…あっ!!?」

 

ルフィが檻の鍵をよこせと催促するがクロコダイルがカギを床に放りなげる。そして放り投げた先の床が落とし穴の様に開き、そのまま下にある空間に落ちていく。落ちた先は円柱のガラス張りの空間で四方には何かが出入りする穴がある…そう、鍵が落ちた場所はバナナワニの巣であった。するとその四方の穴の1つからバナナワニが入ってきて落ちた鍵を飲み込んでしまう。

 

ビビ「あっ!!ワニが鍵を…!?」

 

ルフィ「おい、どうしたビビ!!」

 

ビビ「バナナワニが檻の鍵を飲み込んじゃった…!!」

 

ルフィ「なにぃ~~!!早く吐かせてこおの檻開けてくれビビ!!」

 

ビビ「無理よ!バナナワニは海王類も食物にする程獰猛な動物なのよ!近づけば一瞬で食べられちゃうわ!!」

 

クロコダイル「あ~…こいつは悪かったな…奴らここに落ちた物はなんでもエサと思いやがってな仕方がねぇ。おまけに1匹じゃねぇからこれじゃどいつが鍵を飲み込んだかわかりゃしねぇな」

 

ナミ「なんてヤツっ!」

 

ナミがクロコダイルのやり方に腹を立てるるもクロコダイル達は部屋を後にしようとする。その際クロコダイルはこの地下の部屋が自動的に消滅するとルフィたちに告げる。

 

クロコダイル「俺がB・W社の社長として使ってきたこの秘密地下はもう不要の部屋。じき水が入り込みここはレインベースの湖に沈む。罪なき100万人の国民か…未来のねぇたった4人の小物海賊か、救えて1ついずれも可能性は低いがな。賭け金(BET)はお前の気持ちさ、ミスウェンズデー…ギャンブルはお好きかね?クッハッハッハッハッハッハ」

 

ライム「俺がいること忘れてない?」

 

クロコダイル「…今のテメェに何が出来る?カッコつけて一緒に来たみてぇだが、お前が何かしようとして俺がそのまま見逃すとでも思ってんのか?」

 

ライム「ですよね~(檻を開けるor壊す→妨害。助けを呼びに→同じく妨害。王女を連れて助けを呼びに→…あれ詰んでる?いやクロコダイルは俺を侮っているから……いやいやビビちゅわんの安全がやはり最優先…)」

 

クロコダイル「こうなっちまうと一国の王女も海兵も非力なもんだ。それにこの国には馬鹿が多くて仕事がしやすかった…若い反乱軍やユバの穴堀りジジィ然り…!」

 

ルフィ「何だと!?カラカラのおっさんのことか!!」

 

クロコダイル「なんだ、知っているのか?…もうとっくに死んじまっているオアシスを毎日もくもくと掘り続ける馬鹿なジジィだ。度重なる砂嵐にも負けずせっせとな…」

 

ルフィ「何だとお前っ!!」

 

クロコダイル「聞くが麦わらのルフィ…砂嵐ってヤツがそう何度もうまく町を襲うと思うか……?」

 

ルフィ「……え?」

 

ビビ「どういう意味……!?」

 

皆がどういう事がわからず呆然となるがナミが何かに気づき、クロコダイルは右手を出し砂を発生させる。

 

ルフィ「お前がやったのか…!!?」

 

ビビ「……殺してやる…」

 

ルフィは怒りビビは体を震わせクロコダイルを睨む。その姿をクロコダイルはニヤつきながら高笑いしその場を離れる。すると床の一部が開き水が浸水してくる。ウソップがそのことに騒ぐなかビビはクロコダイルに対して思いを巡らせ武器を構えるが…おろしてしまう。その姿を見たルフィが叫ぶ。

 

ルフィ「ビビっ!!何とかしろ!俺たちをここから出せ!」

 

ビビ「ルフィさん…!」

 

クロコダイル「クハハハハ!ついに命乞いを始めたか麦わらのルフィ!そりゃそうだ、死ぬのは誰でも恐ぇもんさ…」

 

ルフィ「俺たちがここで死んだら!!誰がアイツをぶっ飛ばすんだ!!!」

 

クロコダイル「!…………自惚れるなよ…小物が…!」

 

ルフィ「お前の方が小物だろ!!」

 

ウソップ「おいおい相手は七武海…!」

 

ウソップとナミがルフィの発言に驚きが隠せず口と目が大きく開いてしまっている。ルフィの言葉を聞いたクロコダイルは指をパチンと鳴らす。すると足元近くの床が開きそこからバナナワニが上がってくる。

 

クロコダイル「さあこいつらを見捨てるなら今の内だミス・ウェンズデー…反乱を止めてぇんだろ?」

 

ズゥン…

 

ビビ「なんて大きさ…」

 

ライム「右に同じく…」

 

ルフィ「よし勝てビビ!!」

 

ウソップ「無茶言うな!デカすぎるわっ!!ビビ逃げろ!無理だ!でも助けてくれ!!」

 

ルフィ「無茶言ってんのお前じゃねぇか!!」

 

ナミ「ちょっと見て窓の外!」

 

ウソップ「うえぇ!あいつら順番待ちしてやがる!!」

 

ゾロ「完全にエサ扱いだな」

 

ナミ「ちょっとそこの海兵!あんた何とかしなさいよ(怒)!!」

 

海賊なのに海兵に何とかしろと言っているナミをよそに、ビビの前にいる巨大なバナナワニが口を大きく開き重低音な唸り声を上げながら襲い掛かろうとする。

 

ライム「おっと、ワニの飯に王女様はちょっと豪華すぎる」

 

ビビ「きゃっ…!」

 

ライムはビビの腰を抱き抱えてワニの攻撃を回避する。

 

バゴォンッ!!

 

ウソップ「はっ、速ェっ!!一瞬で石の階段を食いちぎった!!なんちゅうアゴだ!!」

 

ライム「おうおう、おっかないねー」

 

ビビ「お願い海兵さん!私を階段の上に連れて行って!!」

 

ライム「上に?何をするつもりです?」

 

ビビ「助けを呼びに……!」

 

ライム「…お気持ちは理解できますが今はまだ動くべきではないと思います」

 

ビビ「でも……!」

 

ビビの言葉が詰まったその時、ニコ・ロビンが所持していた子電伝虫が鳴る。

 

プルプルプル……プルプルプル……プルプルプル……ガチャ…

 

ロビン「なに?」

 

子電伝虫『もしもし?もしもし?聞こえていますか?』

 

ロビン「ええ、聞こえてるわ。ミリオンズね」

 

子電伝虫『おい、これ通じているのか?おれ子電伝虫使ったことねぇんだよ…もしもし?』

 

ロビン「なんなの…?」

 

子電伝虫『ハイ、大丈夫ですそのまま話せます』

 

クロコダイル「オイ!さっさと用件を言え!!何があった!」

 

子電伝虫『ああ、その声…聞いたことあるぜ……へいまいど…こちらクソレストラン』

 

クロコダイル「クソレストランだと……!?」

 

子電伝虫『へぇ…憶えててくれてるみてぇだな。嬉しいねぇ…』

 

クロコダイルはMr.3との会話を思い返しまだ麦わらの一味は他にいるのかという結論に至る。

 

クロコダイル「てめぇ…一体何者だ……!!」

 

子電伝虫『俺か……俺は…Mrプリンス…!』

 

クロコダイル「そうか…Mrプリンス今どこにいる?」

 

子電伝虫『そりゃ言えねぇな。言えばおめー俺を消しに来るだろう?まぁお前に俺が消せるかどうかは別にして、易々と情報をやる程俺は馬鹿じゃねぇ……お前と違ってなMr.0』

 

クロコダイル「…………」

 

全員捕らえていたと思いこんでいたクロコダイル。だがまだ捕まっていないルフィの仲間に煽られて一瞬不機嫌になるが、牢屋に掴まっているルフィやウソップが大声で捕まっていることを叫ぶ。

 

子電伝虫『!……はは、どうやらウチの船員(クルー)はそこにいるみてェだな。じゃあこれから俺は…《ドゥンッ!!》…ぐァっ!!……………………《ドサッ…》

 

子電伝虫『《ガチャ…》……ハア…ハア…てこずらせやがって……もしもし?ハアハア…捕えましたこの妙な男をどうしましょう?……『ぐぅっ!』…………』

 

ビビ「サンジさん!そんな……」

 

ゾロ「馬鹿か使えねぇな!あの野郎生きてんだろうな!!」

 

ルフィ「サンジーーー!!!」

 

ウソップ「ほぎゃーーー!!ぎゃーーー!!」

 

ナミ「希望が………!!」

 

クロコダイル「そこはどこだ…?場所を言え……」

 

子電伝虫『レインベースにあるレインディナーズというカジノの正面(ゲート)です』

 

場所が伝えられるとクロコダイルは通信を切る。クロコダイルは小さく笑うと店の正面ゲートに向かうとロビンに伝える。ロビンはまだミリオンズにはBW社の社長が誰なのか知らないのに良いのかと聞く。それに対しクロコダイルは社長としてではなく、(カジノ)経営者(オーナー)として見に行くだけだと答える。

 

クロコダイル「それに俺もお前もナンバーエージェント以外には顔は割れちゃいねぇんだ」

 

ロビン「そうね…」

 

クロコダイルとロビンが足を進めるとビビはライムの腕から離れ瓦礫を足場にして階段に飛び移る。しかしその音に反応したバナナワニが再び口撃をし階段を抉り取り衝撃が走る。

 

ライム「っぶねー…王女様も無茶するなぁ…」

 

ルフィ「ビビ!何する気だ!」

 

ビビ「この部屋に水が溢れるまでまだ時間がある!!外に助けを呼びに行くわ!!」

 

ウソップ「そうだ…サンジが今のでくたばったとも思えねぇ!!ビビがサンジを開放できれば…!!」

 

ナミ「そうだわ外にはチョッパーもいるんだもん!どうにかなるかも!!ってかちょっとアンタ!海兵ならしっかりと王女(ビビ)を守りなさいよ!!」

 

ウソップ「そうだ!しっかり守れー!あとついでに助けてくれー!」

 

ゾロ「お前らな……」

 

ビビが崩れた階段を上り切ると金色のかぎ爪が襲い掛かる。

 

ルフィ「危なーい!!ビビーー!!」

 

ヒュオオオオオオオオッ……!!

 

ビビ「―っ!?」

 

ビビがかぎ爪に捕まる直前、ビビの体が下に引っ張られて迫ってきたかぎ爪を回避する。

 

クロコダイル「………仮にも海兵…目の前で一国の王女様が傷つくのは見てられないか…?それとも都合のいい正義の海兵ってか?」

 

ライム「いや~どうでしょうね?あと女性にはもっと優しくしたほうがいいですよ(笑)?」

 

クロコダイル「くだらねぇこと言ってんじゃねェ…!まあいい、ミスウェンズデー…お仲間がそんなに好きなら揃って仲良く死にゃあいいじゃねぇか。じきにこの部屋も水が溢れて沈む…なんなら生意気なMr.プリンスもココへ運んでやろう、死体でよけりゃあな……!ハッハッハッ…!」

 

クロコダイルたちはそう言うと崩れた階段を上っていき扉の先に消えていった。

 

ルフィ「くそォォォォ!!!」

 

ライム「さーて、どうやってこの檻を開けようかなー…壊すとなると時間かかりそうだし(覇気を纏えばワンチャンいけるか…?)」

 

ライムは右腕に武装色の覇気を纏い牢屋の外壁を殴ってみるが、壁の素材に海楼石でも混ぜてるのかと思うくらい硬く破壊することは出来なかった。

 

ライム「痛ってぇー…これ素材なにで出来てんの?スモーカーさん内側からは無理なんですかー?」

 

スモーカー「出来るならとっくにやっている…」

 

ビビ(今までずっと助けてもらったんじゃない!見殺しになんてしてたまるものか!!)

 

ビビは再び崩れた階段を上ろうとするが、バナナワニがその行動を見逃さずビビに襲い掛かろうとする。

 

ルフィ「ビビ!!あぶねぇっ!!!」

 

ビビ「―っ!!」

 

ライム「オイ…」

 

 

ド ク ン … …

 

 

バナナワニ「グオっ…!?」

 

ライム「暴れるんじゃねぇよ、部屋が壊れちまうだろうが」

 

バナナワニ「グ…グオ…グル…」

 

覇王色の覇気…ライムがバナナワニに向かって放った覇気は動きを止めその巨体を委縮させた。

 

ウソップ「なんだ?急にワニが大人しくなったぞ?」

 

ルフィ「…似てる………」

 

ウソップ「えっ、なんだルフィ?何が似てんだよ?」

 

ルフィ「シャンクスに助けてもらったときと…似てる……」

 

ウソップ「シャンクスにって…何があったんだよ?」

 

ルフィ「ああ…あれはな……」

 

幼きころ…シャンクスの事を馬鹿にした山賊に挑むも返り討ちにされたルフィ。殺されそうになったときシャンクスと仲間たちが助けに現れ瞬く間に山賊たちを撃退。追い詰められた山賊の(かしら)はルフィを連れて逃走し、近くの海に子船で逃げ自分に生意気な態度をとったルフィを海に放り投げた。その直後、近海の主と言われる海王類が現れ山賊は乗っていた小舟ごと飲み込まれる。そして海王類は次の目標を溺れかけているルフィに狙いを定め勢いよく迫ってきた。海王類の口が大きく開きルフィが呑み込まれたかと思われたその時、ある男が間一髪のところでルフィを近海の主から助けた。そうシャンクスである。海王類は体の向きを変え再び襲い掛かろうとするが動かない……否、動けなかった…シャンクスの覇王色によって海王類はその場から去っていった。まだ幼かったルフィに覇気がわかるはずがなく、ルフィはシャンクスの睨みによって海王類を退けたのだと思っている。そして時は流れ、場所と生き物は違えど目の前で小さい子供の時と一緒の事が起きていることにルフィは驚きを隠せないでいた。

 

ウソップ「へぇー…!そんなことがあったのか。にしても睨みでってにわかには信じられねぇけど、実際目の前でワニが変だし…」

 

ルフィ「あれ、なんなんだろなー…」

 

ライム「さて…王女様、今のうちにルフィのお仲間を呼んできてくださいますかな(笑)?」

 

ビビ「え…ええ!分かったわ!皆もう少し我慢して!必ずサンジさんを呼んでくるから!!」

 

ル・ウ「「頼んだぞービビー!!」」

 

牢屋に捕まっているルフィたちにそう言うとビビは階段を駆け上がり扉を開け地上へと向かっていく。そして場所は変わりレインディナーズ正面(ゲート)。そこには大量のBW社の社員ミリオンズが倒れていた。クロコダイルが倒れていたミリオンズに問いかける。

 

クロコダイル「おい何があった…オイ!!」

 

ミリオンズ「う…Mrプリンスと名乗る男に…!!」

 

クロコダイル「(殺したんじゃなかったのか…?)その男はどこへ行った!!」

 

ミリオンズ「あの男ならたった今…町の南のほうへ…」

 

クロコダイル「たった今?……っ!。…あいつか!!…ザコが!この俺から逃げられると思うな…」

 

ロビン「放っておけば?」

 

クロコダイル「黙れ…今までも全員殺してきたんだ…この俺をコケにしやがった奴ァな!!」

 

数m先にある建物の影から逃げた人影をMrプリンスと確定したクロコダイルは下半身を砂にしながら低空飛行し追いかける。クロコダイルがその場から飛び去った直後、今度はレインディナーズに掛かっている唯一の橋が崩れ落ちたのである。瞬く間に店内にいる客たちに混乱が広がる。

 

ロビン「………!?…」

 

客「橋が落ちたぞ!!」

 

客「なぜ急にこんな!?」

 

客「どういう事だ!これじゃ町へ帰れねぇ!!」

 

客「船はないのか!?」

 

ビビ「そんな…橋が落ちた…!?これじゃ外へ出られない!!」

 

??「出られないんじゃないよ…BW(あいつら)がここへ帰ってこれねぇのさ」

 

ビビ「―!!」

 

サンジ「全部作戦通りさ…今チョッパーが囮になって町を逃げ回ってる。急がなきゃな、反乱も始まっちまった」

 

ビビ「サンジさん!!」

 

サンジ「急ごうビビちゃん!状況を説明してくれ!」

 

ビビ「ええ……でもトニー君が囮に?それに撃たれたんじゃ!?」

 

サンジ「ああ…あいつなら大丈夫だ。あと見ての通り体はピンピンさ!なに…ちょっとした演技をしただけさ…さっ!場所を教えてくれるかい?王女様(プリンセス)

 

サンジがしたことは至って簡単な事である。相手には声しか聞こえていないため、撃たれたかのように見せかけたのである。クロコダイルはまんまとそれに引っ掛かり現在チョッパーを追いかけている最中である。そして再び場所は戻りレインディナーズ地下部屋。

 

ルフィ「あああああああ!!水が~~~っ!!!」

 

ウソップ「死ぬーー!死ぬーー!ぎゃああああ!!」

 

ルフィ「ヒザまで来たぞヒザまで水がァ!!」

 

ウソップ「この檻がつかっちまったら終わりだぞォ!!!」

 

ルフィとウソップが慌てながら叫んでいるとナミがバナナワニに向かって挑発を始めた。ウソップがどうしたと聞く、どうやらワニを挑発させ檻に嚙みつかせ壊す算段のようだ。そしてライムの覇気によって委縮していたバナナワニは、声のする方へ勢いよく向かっていき檻を噛むが逆に歯が砕けてしまった。

 

バナナワニ「グオッオ…!」

 

ウソップ「ダメだーー!!」

 

ルフィ「なんて檻だーーー!!」

 

ウソップ「ビビー!急いでいくれーー!!」

 

ライム「うわー…痛そー…」

 

ウソップ「やいテメェ!1人だけ安全な場所(とこ)にいやがって!何とかしろコノヤロー!」

 

ライム「そうは言ってもなー…」

 

ウソップが半ばやけくそ気味にキレながらライムにそう言っているとスモーカが口を開く。

 

スモーカー「おい、お前ら……」

 

ウソップ「なんでてめぇそんな余裕なんだよ!!!」

 

ルフィ「お前も何か考えろよ!!」

 

スモーカー「お前らどこまで知ってるんだ……クロコダイルは一体何を狙っている……!?」

 

ルフィ「…?」

 

スモーカー「クロコダイルの傍らにいたあの女…あいつは世界政府が20年追い続けている賞金首だ。額は確か7000万を超えている……」

 

ライム「正確には7900万ですね。確か初頭から額は変わってないはずですよ?」

 

ウソップ「なっ!なななっ7千っ!きゅきゅきゅっ9百万だと!!そ…それがどうしたぁ!!」

 

ナミ「クロコダイルとほぼ変わらない額…」

 

スモーカー「あの2人が手を組んだ時点でこいつはもうタダの国盗りじゃねぇ…放っときゃ世界中を巻き込む大事件にさえ発展しかねねぇってこった…!」

 

世界という言葉にナミとウソップは動揺するが…

 

ルフィ「何言ってんだお前ら…あいつをブッ飛ばすのに…!!そんな理由要らねぇよ!!!

 

スモーカー「…………そうか……で?ここをどう抜け出すんだ?」

 

ルフィ「どああああ!!太ももまで来てるぞぉぉ!!!」

 

ウソップ「死ぬーー!死ぬーー!死ぬゥゥゥゥ!!!」

 

ルフィ「あ…なんか力抜けてきたぁ……」

 

ウソップ「うおーやべー!我慢しろ!!ビビがそう言ったろー!!」

 

ナミ(ビビ辛いでしょう!時間がないのにごめんね!!)

 

ゾロ「クソっ!俺にもっと剣の腕がありゃぁこんな檻……!!」

 

皆が迫りくる水に追い込まれたその時…

 

サンジ「食事中は極力、音を立てません様に……」

 

ドッ!!!バァァァン!!!!

 

サンジ「反行儀(アンチマナー)キックコーース!!!!

 

人の体の何倍もの大きさを持つバナナワニが宙に浮かび仰向けに倒れる。

 

サンジ「フーーー…オッス、待ったか?」

 

ル・ウ「「うおおおおー!プリンスーー!!」」

 

ナミ「よかった…!」

 

ゾロ「馬鹿やってねぇでさっさと檻の鍵を探せ!!」

 

サンジ「ナミさぁーーん!ホっ、ホレたー!?」メ~ロリンメロリン!

 

ナミ「はいはい、惚れたからさっさとここ開けて!」

 

サンジ「ア~~~イ!!」メ~ロリンメロリン!

 

ゾロ「果てしなくバカだなあいつは」

 

ルフィ「ビビーーー!よくやったぞー!!」

 

ビビ「うんっ!!」

 

ルフィのサムズアップに笑顔で返すビビ。だがそんな時間も束の間、水中に待ち構えていた他のバナナワニが大量に押し寄せる。

 

バナナワニ「グルルルルッ!!」「ガルルル!!」

 

サンジ「っか~~~!次から次へと出て来やがって…!!」

 

ウソップ「行けーーサンジ!!全部ブッ飛ばしてくれぇー!!!」

 

サンジ「何本でも房になってかかって来いよクゾバナナ…レディーに手を出すような行儀の悪ィ奴らには片っ端からテーブルマナーを叩きこんでやる!」

 

ライム「手伝おうかコックさん?」

 

サンジ「うお…てめぇはこの前の…!って何でいんだよ!?」

 

ウソップ「サンジー!とにかく時間がねえ!秒殺で…!いや瞬殺で頼むー!!」

 

サンジ「まあいい、そんなことはあとだ…今は時間がねぇ」

 

スモーカー「今…3番目に入ってきた奴を仕留めろ」

 

ルフィ「何だ?お前分かんのか?」

 

スモーカー「てめぇらの耳は飾りか?…今の声、カギ食ったやつと唸り声が同じだろ?」

 

スモーカーの発言に驚くルフィとウソップ。改めて聞き比べてみるがやはりよく分からない。まあ普通はそう簡単に分かるものではないものだ。

 

ドゴォッ!!

 

バナナワニ「ヴェッ!!」

 

ルフィ「お…檻の鍵…!!?」

 

ウソップ「鍵っぽくねぇぞ!?何だありゃあ!!?」

 

スモーカーの指摘した3番目に入ってきたバナナワニをサンジが蹴り上げると、口から直径1.5m程の大きさの白いボールが飛び出してきた。

 

サンジ「何だこりゃあ…?」

 

????「ドルドルボール…解除ぉ…オオ…!み、水だ…水だガネ!奇跡だガネ…!!

 

ウソップ「なにーーー!!?」

 

ゾロ「おい、あいつ…!!」

 

ルフィ「(さん)だ、(さん)!!」

 

ビビ「Mr3!!なんでワニのお腹の中から!?」

 

スモーカー「…?」

 

白いボールが割れると中からMr3が登場しスモーカー以外驚く面々。彼は少し前、クロコダイルによって制裁を受けバナナワニのエサになっていたのだ。

 

Mr3「ぷはーーっ!!生き返った!!!死ぬかと思ったがガネ!!!フフフフフ~…クロコダイルめ、私を仕留めた気でいるだろうが甘いガネ!!私はコイツ(ワニ)に喰われる瞬間最後の力を振り絞ってこのドルドルボールを!……ん?なにこれ…?」

 

ル・ウ・ナ「「「あー!鍵ー!!よこせー!!!」」」

 

Mr3「はあ˝ぁぁーーーーー!!!お前らはーーー!!!………(何…?この鍵を…待てよ?…激しぃく水漏れする部屋…鉄の檻…そして鍵……)現状把握だガネ…!!」

 

サンジ「てめェがMr3か?」

 

Mr3「だあ˝あ˝あ˝あ˝あ˝ぁぁーーー!!?…はぁービックリしたがね…」

 

サンジ「てめぇがMr3か……大人しくその鍵を…」

 

Mr3「…これが!えn…!」

 

ライム「オイ、早く鍵渡せ」

 

Mr3「だあ˝あ˝あ˝あ˝あ˝ぁぁーーー!!?海兵ーーー!!?なんでいるガネーー!?」

 

ライム「そんなことどうでもいいだろーが…ほら早くその鍵を…」

 

Mr3「……これが!遠投ーーーーっ!!!」

 

サンジ「なにぃ!?」

 

ライム「あらら~~……」

 

ウ・ナ「「ああ…!!」」

 

Mr3は鍵をバナナワニのいる方へ勢いよく投げた。

 

ポチャン……

 

Mr3「ハーハッハッハッハッハッハッハッハー!!!…お前たちと海兵の関係はよく知らんがどうやら今は協力し合っている様子だガネ!!鍵が欲しくば探すがいい!!ただし、大人しく探せるかどうかは責任持たんガネ!!」

 

サンジ「野郎……!!」

 

ライム「あーサンジ、俺取ってくるよ…!」

 

サンジ「はあっ!?バカ言ってんじゃねぇ!このワニ共を相手しながら探すのかよ!?危険だぞ!!」

 

ライム「あー大丈夫大丈夫!かわりにそいつ見張っといて!」

 

サンジ「おい!!!」

 

サンジの心配をよそにライムは鍵が落ちたところにバシャバシャと音を立てながら歩いていく。当然、周りにいるバナナワニは襲い掛かろうとする。

 

バナナワニ「「グオオオッ!!!」」

 

ライム「まて…」

 

バナナワニ「「グオっ!?」」

 

ライム「伏せ…」

 

バナナワニ「「………グル…」」

 

ライム「おーし、いい子だ…!」

 

襲い掛かろうとした2匹バナナワニはライムがそう言うと、まるでペットのように従順になりその場に伏せた。

 

Mr3「馬鹿な!?バナナワニは海王類さえも捕食する凶暴な動物!!一体何をしたガネ!!?」

 

ライム「おっ、鍵あったぞー!」

 

ルフィ「うおーー!よくやったぞライムーー!!」

 

ライム「ったく調子がいいなルフィは…さて、スモーカーさん今開けますねー!」

 

スモーカー「………おう」

 

拾った鍵を檻の鍵穴へ差し込み回す。しかし、何度回しても開かない。

 

ルフィ「おいライム。何してんだよ?早く開けてくれよ」

 

ライム「……開かねぇ(そういやこれニセ鍵だったわ…この世界にきてもう2~3年経つから忘れてたわ…たはー!)」

 

ナミ「えっ?なんで!?どういう事!?」

 

ウソップ「まさか…ニセモノなのか…!?」

 

ナミ「そんな………!!」

 

Mr3「ハッーハッハッハ!どうやら無駄足だったようだなぁ!!大人しくここで溺れ死ぬがいいガネ!!!」

 

サンジ「てめェ…どうやらブッ飛ばされ…」

 

ウソップ「ちょっと待てサンジ!!…そいつのドルドルの能力(ちから)で、この檻の合鍵造れねぇかな…?」

 

サンジ「ほー……」

 

Mr3「へ……?」

 

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 ・

 

 ・

 

ガチャリ……ギイィ……

 

サンジ「おーやるもんだ、ロウソク人間」

 

Mr3「え、えへ…!」

 

ライム(すげぇたんこぶ…)

 

サンジ「ほんじゃ……」ぺた…

 

サンジはMr3の能力に多少感心しながら彼の体に1枚の紙を張り付けそのまま蹴り飛ばした。

 

Mr3「え…?へぶぅっ!!!」

 

サンジ「急ごう時間がねぇ!」

 

ナミ「ええ、奴らがいったん行こうとした通路がきっとアルバーナ方面よ!」

 

ビビ「でも…!まだ通路や周りにはたくさんのバナナワニが…!!」

 

ルフィ「うらぁ!!もう居ねぇのか!!…くそー水に浸かってちゃ本気でねぇ…!」

 

ナミ「心配ないみたいね…」

 

ビビ「海兵さんのおかげで行けた私は…」

 

ウソップ「いや、おかしいのはあいつらの強さの方だから気にすんな!!」

 

ビビは自身の強さに落ち込むのであった。

 

ライム「スモーカーさん、お務めご苦労様です(笑)!」

 

スモーカー「くだらねぇこと言ってる場合か、さっさとここを出るぞ…」

 

ライム「そっすね、早くたしぎちゃんたちと合流しましょうか…!」

 

スモーカー「…………なあライム」

 

ライム「なんです…?」

 

スモーカー「お前の能力でも合鍵造れたんじゃねぇのか……?」

 

ライム「……………」

 

スモーカー「おめぇまさか…忘れt…」

 

ライム「さあ急ぎましょうスモーカーさん!あの通路から出れるみたいっすよ!!」

 

スモーカー「……おう」

 

ド忘れしていたライムに若干呆れながらも通路に向かうスモーカーであった。

 

ライム「スモーカーさん、麦わらは捕まえなくていいので?」

 

スモーカー「ここを出たら捕まえる。今はここを出るのが先だ…!」

 

ライム「な~るほd」

 

ガシャアァァン!!!

 

水中通路を通っていこうとした矢先、壁や通路のガラスの壁が大きく壊れ大量の水が浸水してきた。どうやら先ほどルフィたちの戦闘の衝撃が原因のようだ。

 

ルフィ「どあああ!!水がーー!!!」

 

サンジ「お前らやり過ぎだ!!」

 

ウソップ「ぎゃーー!前も後ろもだーー!!あがっ!!」

 

ナミ「ちょっウソップ!?」

 

スモーカー「くそっ!こんな所で…!!」

 

ライム「ええ、時間差で崩壊くるのぉぉ!?ごぼぼぼぼ……!」

 

ビビ「海兵さん……!!」

 

大量の水が浸水してくるなか、ルフィたちは泳いで水中廊下の外へ脱出するのであった。そして戻ってきたクロコダイルはもぬけの殻になっている水の中の檻と、浮かんでいるテーブルに絡まっているMr3に張られた〈あばよ クソワニ Mrプリンス〉と書かれた紙を見て怒りがこみ上げていた。

 

 ・

 

 ・

 

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 ・

 

 ・

 

――レイン・ディナーズ周辺――

 

ザバァッ!

 

サンジ「ぶはぁ!おいルフィ生きてるか?」

 

ルフィ「ぷひゅーー!」

 

サンジ「…ったく能力者ってのは厄介なリスク背負ってんな」

 

ナミ「ちょっとウソップしっかりしなさいよ!!何やってんのよ!」

 

ビビ「海兵さん!しっかりして!!」

 

ライム「……め、目の前に綺麗な天使が…」

 

ゾロ「くっ…!」

 

スモーカー「ガハッ!!」

 

サンジ「うおスモーカー!おいおいゾロ!なんで敵を連れて来てんだ!?それにビビちゃんまで」

 

海賊であるがゆえにサンジの疑問は当然である。だが…

 

ビビ「だって…放っておけないわ…!」

 

ゾロ「うるせェ、不本意だよ。どうせくたばり損ないだ」

 

スモーカー「ゲホッゴホッ…ヴぇっほ…!」

 

サンジ「まあいい、とにかく先を急ごう!だいぶロスしちまったからな、ビビちゃん今からでも間に合うかい?」

 

ビビ「わからないわ…!」

 

サンジ「ナミさん、ナノハナで買った香水持ってるか?」

 

ナミ「え、ええ…何で?」

 

サンジ「体に付けるんだ…!」

 

ナミ「こう…?」

 

サンジ「アア~~~!!!あの世の果てまでフォーリンラ~ブ♡!!」メロリン~!

 

ゾロ「いやマジでイッチまえお前…」

 

サンジが香水の香りに興奮しているとスモーカーが立ち上がりゾロに向かって大型十手を突きつける。

 

スモーカー「ロロノアぁっ!!!」

 

ゾロ「―っ!!!」

 

ギィン!!

 

スモーカー「なぜ俺を助けた…………」

 

ゾロ「………船長命令を俺はきいただけだ…別に感謝しなくてもいいと思うぜ?コイツの気まぐれさ、気にすんな」

 

スモーカー「…………じゃあ…俺がここで職務を全うしようと…文句はねェわけだな?」

 

サンジ「見ろ…言わんこっちゃねぇ、海兵なんか助けるからだ」

 

ゾロ「………」

 

スモーカーとゾロが睨み合っていると町にいた海兵がルフィたちに気付き騒がしくなる。

 

海兵「いたのか麦わらの一味が!?」「ああ、スモーカー大佐、ライム大佐もその場にいる」

 

海兵「後援するぞ!他の奴も集めろ!!」「「「オオっ!!」」」

 

タッタッタッタッタッタッ………!!!

 

 ・

 ・

 ・

 

ウソップ「ッオーーーーシ!!!野郎ども!!アルバーナへ一目散だーー!!」

 

ルフィ「クロコダイルはどこだーー!!!」

 

ナミ「あっ、気が付いた」

 

ライム「溺れてたってのに起きてそうそう元気だな、ルフィは」

 

ルフィ「おうライム!無事だったか……って、うおっ!!けむりっ!!やんのかお前っ!!!」

 

ウソップ「う˝あーー!!スモーカーーー!!っておいルフィ!!やめとけ!逃げるぞ!!」

 

スモーカー「……こいつ…どこまで本気なんだ……」

 

ライム「それがルフィってもんですよ、スモーカーさん」

 

スモーカー「…………」

 

近くの柵の手すりに座りながらスモーカーにそう言うライム。

 

海兵「こっちだ!!急げ!!!」

 

スモーカー「………行け」

 

ルフィ「ん…?」

 

スモーカー「だが今回だけだぞ…俺がてめぇらを見逃すのは……次に会ったら命はないと思え…麦わらのルフィ…」

 

ルフィ「…………」

 

海兵「あそこだ!!!麦わらの一味だぁ!!!

 

ウソップ「………!!」

 

ゾロ「ハハ…」

 

サンジ「さあ行こうぜ!海軍が来る、アルバーナはどっちだ!?」

 

ビビ「向こう!!東へ真っ直ぐよ!!」

 

ゾロ「おいルフィ急げ!何してる!」

 

ルフィ「ああ…」

 

海兵「今度こそ逃がすなあー!!」

 

スモーカー「…………」

 

ルフィ「………にいぃ!俺、お前嫌いじゃねぇなーー!!」

 

スモーカー「…っ!!」

 

ライム「ハハハ…」

 

ルフィ「にっひっひっひっひっひっひ!!!」

 

スモーカー「っっっ///!!…さっさと行けぇーーー!!」

 

ルフィ「うわあぁぁぁ!!!」

 

バゴォォン!!!

 

普段言われもしないことを言われ顔が真っ赤になり思わず十手を振り下ろすスモーカーであった。

 

海兵「逃がすなぁーー!!」「追えーー!!」

 

スモーカー「…………」

 

海兵「お二方!追われないので!?」

 

スモーカー「……ああ……疲れた……」

 

ライム「俺も…!」

 

海兵「疲れた…!?」

 

スモーカー「オイ…」

 

海兵「はっ!」

 

スモーカー「今追っていった奴ら無駄だから呼び戻せ…そしてここに招集。あとヒナに連絡を…」

 

海兵「分かりました……しかし大佐、よろしいのでしょうか?勝手にヒナ大佐の部隊を呼んでしまって…上官(うえ)に言わず勝手に呼ぶというのは…」

 

スモーカー「俺がいつ上官(うえ)の意見を聞いたんだ!!?」

 

海兵「あ…いえ、はい!!すっ、すぐに!!!」

 

スモーカの迫力に圧倒されその場を後にする海兵。そしてそうしている間にも反乱軍は王都アルバーナへ刻一刻と迫り、BW社のエージェントも集結しつつあった。

 

 

 

 




長くなってしまった!


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砂の王国アラバスタ4!

ほぼ1年ぶりの投稿になってしまいごめんなさいm(__)m


ルフィたちを見逃した(・・・・)ライムとスモーカー。そんな彼らはいま町に散らばっていた海兵を全て集め、今後の行動の指示を出している最中だった。

 

たしぎ「アルバーナへ私とライムくんが…!?」

 

スモーカー「ああ…」

 

たしぎ「麦わらの一味を!?それとも国王軍に加勢を…!?」

 

スモーカー「任せる」

 

たしぎ「え!?」

 

スモーカー「そこで何をするかはお前が決めろ…!」

 

たしぎ「そんな!一体どういうことですか!?」

 

スモーカー「お前の正義に従えばそれでいい…どうなろう責任は俺とライムが取ってやる」

 

ライム「…………え?」

 

たしぎ「スモーカーさんは何処へ?」

 

スモーカー「急用ができた…一旦俺は海へ出る。いつでも交信態勢を整えておけ……たしぎ!」

 

たしぎ「はい!」

 

スモーカー「この国の結末をしっかりと見ておけ。滅ぶにせよ生き残るにせよ……時代の節目にゃこういう(・・・・)事態が必ず起こる…!!」

 

たしぎ「………………?」

 

スモーカーはたしぎにそう言うとビローアバイクで海の方へ走り去っていった。たしぎがスモーカーの言葉に意味が気になったがそんな暇はなかった。

 

海兵「大佐!曹長!ご命令を!!」

 

たしぎ「あ、はい!」

 

ライム「あ~そうだな…麦わらたちはアルバーナへ向かっているから俺たちもアルバーナへ向かうとする。一応優先順位は①麦わらの一味、②現在起きている反乱についてだな。反乱についてはその時の状況によって動きを決めることにしよう」

 

たしぎ「全隊!装備を強化!!アルバーナ へ向けて出発の準備を!!」

 

海兵「「「「「はっ!!!」」」」」ビシッ!!!

 

その後、移動に使うラクダの用意を完了したライムとたしぎたち海兵はアルバーナ へ向けて移動を始めるのであった。

 

 ・

 

 ・

 

 ・

 

 ・

 

 ・

 

その後、数時間かけて首都アルバーナに到着したライムたち。首都にある長い階段を駆け上がり町中へ入る。また階段や町中の道には当たり前だが相手との戦闘に敗れ、倒れていった両軍の兵士たちが多く見られた。

 

ライム「……」

 

たしぎ「これが今のアルバーナ…」

 

ライム「考え事はあとにしよっか…とりあえず班を2つにわける。1班はたしぎちゃんで2班は俺ね。班員はそのまま俺の部下とスモーカーさんの部下で分かれてね」

 

海兵「「「「「はっ!!!!」」」」」

 

たしぎ「ライムくんはどこから捜索を?」

 

ライム「そうだな…国王軍と反乱軍の戦闘はこのまま行くと中央で激突すると思うから南の方から捜索してみるよ」

 

たしぎ「では私たちはこのまま目の前にある西の通りから行きます」

 

ライム「オーケー。何かあれば電伝虫で知らせてね。俺もそうするから」

 

たしぎ「わかりました!」

 

ライム「それでは行動開始!!」

 

海兵「「「「「ハッ!!!!!!!」」」」」

 

ライムとたしぎたちは二手に分かれルフィたちの捜索を始めるのであった。

 

 ・

 

 ・

 

 ・

 

――南側――

 

ライム「ああ…どうせなら観光とかで訪れたかったなぁ……」

 

ロンデル「気持ちは理解できるけど今は捜索に集中しましょう。ライムくん」

 

ライム「そうですね…ロンデルさんの言う通りだ。よーし、え~部隊をたしぎちゃんと俺で2つ分けてここ南側に来たが、我々は更にここから3つに分けることにする。それぞれ宮殿がある北へ向かいながら町中を捜索してくれればいい。麦わらの一味の目的は私見だがおそらくこの反乱に関係していると思われる。なので建物などの屋内は見なくていい。せまい路地裏などを見逃さず捜索していくように!」

 

海兵「「「ハッ!!!!」」」

 

アルバーナの南側から部下の海兵たちを指揮しながらルフィたちを捜索しているライム。そんな彼は自身がこのアルバーナで何をするべきか悩みながら指揮を執っていた。そう悩んでいるとライムはふとあることを思い出す。

 

ライム「(そういえば…確かどこかに爆弾が仕掛けられているとかあったような気が……ん~この世界(ワンピース)に転生してからもう2年は経っているから記憶が所々曖昧になってきたな…)」

 

ライムがそう思っているその一方で数分前に分かれた たしぎとその部下の海兵たちは国王コブラを連れたニコ・ロビンと遭遇。当然助けようとするがその際、国王コブラから衝撃の言葉が発せられる。それは午後4時半に宮前広場に砲撃がされるというものだった。それを聞いた たしぎはコブラを助け爆発も止めると言い構え!と言うが…

 

――西側――

 

ロビン「邪魔をしないで……!三十輪咲き(トレインタフルール)!!」

 

たしぎ「え……!?」

 

ロビン「ストラングル!!!」

 

ボキボキボキッ!!!

 

海兵「ぐえっ!?」「がっ…!?」「ぐぁっ!?」

 

たしぎ「能力者…!?」

 

倒れる30人の海兵。そして1人の海兵があることにようやく気付く。自分たちの目の前にいる女はニコ・ロビンであると。8歳のとき海軍の軍艦6隻を沈め、政府は危険因子と定め懸けられた懸賞金はなんとのっけから7900万ベリー。そしてその後はパッタリと姿を消したと言い終わる海兵。それを聞いていたロビンはうるさいと怒鳴りながらそこをどきなさいと言い放つ。ロビンに対し多勢に無勢と判断した たしぎは残りの海兵に広場へ行き、爆破を阻止するように命令する。海兵は一度躊躇うがたしぎに催促され無理やり納得し広場へ向かった。そして たしぎは再び刀を構えロビンに立ち向かうが結果は火を見るよりも明らかであった。

 

――南側――

 

ライム「……」

 

ロンデル「どうしましたライムくん?」

 

ライム「…ロンデルさん、すいませんがこちらの指揮を頼めますか?ちょっとたしぎちゃんの様子が気になって…」

 

ロンデル「たしぎ曹長の?…よし分かった!任されたよ!」

 

ライム「では頼みます!6人ほど俺について来い!」

 

海兵「「「はっ!!!」」」

 

その場の指揮を副官のロンデルに任せ、ライムは数人の部下を引き連れてたしぎ がいる西の通りに向かう。一方たしぎの方にはクロコダイルを追って来たルフィがたしぎの目の前にいた。

 

――西側――

 

ルフィ「どこいった…ワニ」

 

たしぎ「……!!」

 

海兵としての誇り、海賊に手を貸すこと、自身の力では相手()に敵わないと……心の中で様々な葛藤が巡るがたしぎは答えを出した。左手に持っていた刀を地面に投げ捨て葬祭殿の方へ指を示した。

 

たしぎ「葬祭殿の方へ…!」

 

ルフィ「あっちだな!ありがとう!!」

 

本来敵である海賊に頼ることしか出来ないことに対し情けなさと憤りが混ざった感情がこみ上げるたしぎ。

 

たしぎ「………(何が正義…!なにが海軍本部……!!)」

 

ダメージを負いながらも身体を起こして中央の広場に向かおうとしたその時、南の通りの指揮を副官のロンデルに任せたライムが到着する。

 

ライム「たしぎちゃん!!」

 

たしぎ「…ライムくん!?どうしてここに…そちらの指揮は……?」

 

ライム「なんか嫌な予感してね。ロンデルさんに指揮を任せてこっちに来たんだ……自分で言うのもあれだけど嫌な予感は当たるもんだね。お前ら倒れた者の手当てをしろ!」ポイポイポイっ!!

 

ライムは体内に予め収納していた医療キットを連れて来た部下6名に投げ渡す。急に渡された部下は慌てながらもキャッチして手当てを始める。

 

ライム「たしぎちゃん頭から血が…」

 

たしぎ「…私は大丈夫です。それよりライムくん、あちらに葬祭殿があります。クロコダイルと麦わらはそこに行きました。国王コブラもそこに……私ではどうすることもできず…」

 

ライム「オーケーそれ以上話さなくても大丈夫。たしぎちゃんは今自分に出来ることを…お前ら!ここは頼んだぞ!」

 

海兵「「「はっ!!!」」」

 

ライムはその場を後にし葬祭殿の方へ向かった。そしてアルバーナ宮殿広場爆破まであと……4分!!

 

 

 

 

 

 

―葬祭殿―地上―

 

葬祭殿の地下にある地下聖殿。そこにある歴史の本文(ポーネグリフ)の前でニコ・ロビンとクロコダイルが合流しているその頃…ルフィはというと…

 

ルフィ「ぐがー…!くこぉ~…!」

 

戦闘によって負ったダメージを回復させるため一時的に寝ていた。そこにたしぎ からルフィとクロコダイルは葬祭殿に向かったことを教えてもらい到着したライムは呆れていた。

 

ライム「この状況でよく寝れるな…おい起きろルフィ!!起きろ!!起きろって!!…起きろって言ってんだよ(怒)!!!バヂンっ!!!

 

覇気を込めたビンタで叩き起こすライム。

 

ルフィ「……ぶべぇっ!!?痛ってぇ~~!!何しやが…!!」

 

ライム「それはこっちのセリフだ!!」

 

ルフィ「ってあれぇ!?なんでライムいるんだ!?」

 

ライム「それは今どうでもいいんだよ。お前よくこの状況で寝れるな!?」

 

ルフィ「いや~急に体が動かなくなってよ~仕方ねぇから思い切って仮眠とることにしたんだ…そうだワニ野郎!ぶっ飛ばして…っとと…」

 

回復が十分ではなかったのか少しふらつくルフィ。それを見たライムは体内から肉を取り出しルフィに渡す。ルフィはそれを一瞬にして食べてしまう。

 

ライム「食ったなら行くぞ」

 

ルフィ「ん、ライムも来るのか?あっ!ワニ野郎をブッ飛ばすのは俺だぞ!!」

 

ライム「あー分かってる分かってる。ほら行くぞ、こっちだ!」

 

ルフィ「おう!!」

 

2人が行こうとしたその瞬間ゴゴゴゴ!と小さな揺れが発生する。しかし2人はあまり気にせず地下聖殿への階段を下りていくのであった。一方その頃、ルフィを除く麦わらの一味はビビが砲撃手の居場所に見当がついたため、その場所に向かっている最中であった。

 

 

 

 

――地下聖殿――

 

ドゴオォォン!!

 

崩れる地下聖殿。頭上から落ちてくる破片に気を付け、奥に進みルフィが通路を塞いでいる瓦礫を破壊する。

 

ルフィ「ハァ…ハァ…!ハァ……ハァ……!!」

 

クロコダイル「…………てめェら!!!」

 

ルフィ「追い詰めたぞ!……ワニ!」

 

クロコダイル「………なぜ生きているんだ!?殺しても殺しても、なぜてめェは俺に立ち向かってくる!?えぇ!?……麦わらぁ!!?

 

ライム「(俺は空気…俺は空k……)」

 

ルフィが注目されている間に壁にもたれ掛かっているコブラ王に近づくライムだが……

 

クロコダイル「そしてテメェは何しに来た!?海兵!!!」

 

ライム「おっとバレたか。コブラ国王、大丈夫ですか?……腕を診させてもらいますね」

 

クロコダイルの言葉を軽く流しながら、怪我をしているコブラの腕を手当てしていく。

 

コブラ「なぜここへ……」

 

ライム「…自分の答えは偉そうに言えませんが一応海兵なんで。ルフィ(あっち)の理由はなんとなくわかりますでしょ(苦笑)?」

 

コブラ「…………」

 

ロビン「………麦わら………それにあの海兵…………」

 

クロコダイル「ムカつく海兵(やろう)だ…!テメェもだ麦わら!何度殺されりゃあ気がすむんだ!!!」

 

ルフィ「………まだ返して貰ってねぇからな…!お前が奪ったものを…!!」

 

クロコダイル「俺が奪った……?金か…?名声か…?信頼か…?命か………?雨か…!!?クハハハハハ!!何を返してほしい!?奪ったものならいくらでもある!!」

 

ルフィ「国…!!!」

 

クロコダイル「国……?可笑しなことを言う奴だ。国はこれから貰うのさ…俺がこの地の王となり支配する事でな…!」

 

ルフィ「俺たちがこの国に来たときにはもうとっくになかったぞ…!!あいつの国なんて…!!ここが本当にあいつの国なら…………もっと笑ってられるはずだ!!!!

 

ビリリ……!!!

 

クロコダイル「…!!」

 

ルフィが叫ぶと空気が一瞬震える。それはクロコダイルに伝わりコブラの手当てをしていたライムもそれを肌で感じ取るのであった。

 

ライム「(今のって……まぁおかしくねぇか(笑)。今はそれより手当てを…)」

 

ルフィが走りながら勢いをつけクロコダイルの少し手前でジャンプする。クロコダイルは水を持たないルフィに対して何もできないと決めつけながら構える。がしかし……

 

バギィッ!!!!

 

クロコダイル「!!!!?」

 

壁に激突するクコロダイル。水が無いのに殴られたことに理解が追いつかない。そう思っている間にルフィが再び接近するがそれに気づくのが遅れてしまう。

 

ルフィ「クロコダイルぅ~~~~!!!!」

 

クロコダイル「待っ………!!!」

 

ベギィッ!!

 

ドゴオォォォンッ!!!!!

 

大量の粉じんが地下聖殿を舞う。衝撃の威力が凄まじいのが理解できる。

 

クロコダイル「ハッ……クッ……テメェまさか…血でっ!!?」

 

ルフィ「血でも砂は固まるだろ…?」

 

クロコダイル「ハア……ハア………クッ…ハハハハハハハハハハ!……いいだろう、レインベース…王宮…そしてこの地下聖殿へと…二度地獄を見てなおこの俺に挑んできたお前の執念に海賊として……報いてやる……!!!」

 

クロコダイルがそう言いながら左手のフック型義手のフック部分をガチャリとずらして外す。そして中から姿を現したのは穴が開いているフックであった。

 

ルフィ「とれた…何だ…?」

 

クロコダイル「毒針さ…」

 

ルフィ「そうか」

 

クロコダイル「海賊の決闘は常に生き残りを賭けた戦いだ…卑怯なんて言葉は存在しねぇ……これが最後だ。決着(ケリ)をつけようじゃねぇか!!!」

 

王下七武海サー・クロコダイルと海賊王を目指す海賊モンキー・D・ルフィ。2人の最後の闘いがいま始まるのであった。

 

 

 

 

 

 

 




ライムあんまり活躍してねーし絡んでねぇな……(^ω^)


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