最強の半人が幻想入りしたらしい (謎の通行人 δ)
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コラボ話
[コラボ]第三十二話 半人と現人神


どうもただの謎存在です。

今回は白神白夜様の、
東方八坂録~八坂の現人神~とのコラボ話です。
コラボありがとうございます!



では、本編どうぞ!


「……………あれ、」

ふと目が覚めて有森は自分が寝ていた事に気付いた。

 

「…久しぶりに寝た気がするな…あ?」

確かに寝るのも少々久し振りである。まあ元来寝る必要ないのだがそこは別として、

 

「………えーとな、」

山の中にいる気がするのは気のせいだろうか。

 

 

「山…ね。十中八九妖怪の山だよなぁ…。はぁ…なんでこんな所にいんだよ。」

さっきまで普通に博麗神社にいたにも関わらず、いつの間にここに転移してきたことやら。

とりあえず山を出るか、と飛んでいた時、

 

「!そこの人ー!止まりなさーい!」

 

「げっ、白狼天狗か…捕まるとめんどくせえな…スピード上げるか。」

ヒュゥン

 

「!?は、早いっ!」

 

「うおわっ!」

前から新しく出てきた白狼天狗にぶつかりかけた。

 

「くっそ!なんだここ完全なアウエーじゃねえか!とっとと山から出てえんだが…」

チラ、と後ろをみると、

 

「……うん、安定で四人付いて来てら。いつの間に増えた。…あんまり行きたくないが…守矢神社しかないか…っ!」

ビュウゥン

そうして白狼天狗との鬼ごっこを強制的に終わらせ、守矢神社に着いた。

 

「ひえー…思いの外疲れたな…ちょっとここら辺で休「!参拝の方ですか!?」うお、なんだ早苗か。」

 

「?…あれ、どこかで会いましたっけ?」

 

「うん?」

反応がおかしい。いや、どこかで会ったか、というよりこの間会ったぞ。戦ってたぞ。

 

「まあ良いですか。私は東風谷早苗。ここ、守矢神社の風祝です!」

 

「…………」

どうもおかしい。様子からしても嘘をついている感覚はない。が、だからと言ってもまさか記憶喪失になったわけでもあるまい。

 

「あのー…」

しかし、当人は本当に有森の事を覚えていない…というよりは()()()()状況にあるようだ。大規模ないたずらにしては無理があるし、早苗はこんな演技力無いであろう。

 

「あのー?」

いや、でもじゃあこの状況は何なのだろうか。それに、色々違和感もある。何がとは詳しく言えないが、何となく、というのが有森の答えになるが。

 

「あの!」

 

「うお、ビビったぁ…」

 

「あの、何かあったんですか?」

 

「…どうとも言いようが………あ、」

その時、有森に一つの考えが出てきた。

 

「……平行世界…?」

これなら早苗の反応もある程度うなずける。

が、平行世界間の結界は通常通りだから事故でないとして、そんな大事をしでかせる奴としては…

 

「紫の野郎か……」

 

「えっと…何がどうなって?「、早苗ー?どうしたのー?」あ、蘇芳さーん。」

 

「うん?蘇芳?」

誰だそいつ、と有森が思った矢先、守矢神社から一人の男性が出てきた。

 

「…なるほど、パラレルワールド確定か。」

というか蘇芳とか言う男、種族がややこしい。恐らく服装といる場所、神力が出ている所等からして現人神なんだろうが、妖力も持っているし、魔力も滲み出ている。というか魔力の流れが悪魔とかそこら辺の奴が混ざっている。更にプラスして八尺瓊勾玉の首飾り付き………え?

 

「は?」

 

「うん?どうかしましたか?」

 

「…八尺瓊勾玉?」

 

「あ、これですか?よく知ってますね!」

 

「いやいや、…はぁ?」

待て、待て待て待て待て。

三種の神器を首飾りにする奴がどこにいる。まさかとは思うが草薙剣と八咫鏡まで持ってないよな?いや、持ってるわけない…とも言い切れないな。こいつならありうるかもしれん。

 

「…まあいいか。」

 

「?早苗、その人は…?」

 

「うーん、参拝しに来た人じゃないみたいですけど…どなたですか?」

 

「あー、少々ややこしいが、ま、簡潔に言えばここの平行世界にある幻想郷の住人だな。…というか、今更だが名前言ってなかったな。有森焔だ。」

 

「あ、八坂蘇芳です。」

 

「あ、どうも…ってことは、焔さんはパラレルワールドから来たってことですか!?どんな感じの世界ですか!?私とか蘇芳さんはどうなってますか!?」

 

「うお、その呼び方されたの初めてだな。」

 

「早苗、落ち着いて。」

 

「あー…多分境遇がだいぶ違うから蘇芳?はこの世界だけの存在になってる可能性があるな。」

蘇芳と呼ばれた青年は有森のいる幻想郷にはいない存在だ。恐らく存在はしているのだろうが、少なくとも幻想郷には入ってきていない。それも一種のパラレルワールドの特徴だ。だが、有森は早苗からそんな話を聞いたことも無いため、恐らくこの世界だけの存在…となるだろう。

 

「えっ…蘇芳さんはそっちの世界にはいないんですか…?」

 

「恐らく、早苗と出会ってすらないんだと思うぞ。そんな話一言も聞いたことないし。」

 

「えぇ……僕いないんだ…」

 

「まあ、この世界にも俺はいなかったわけだし、平行世界ってことは、何かが違ってるんだからそういうこともありうるだろう。…さて、とっとと帰りたいんだが…結界が弱まってりゃ移動も簡単なんだが元通りだからな…20分位かかるか。」

そう言って有森は体長の4、5倍ほどのばかでかい魔法陣を展開する。

 

「うわっ!」

 

「………よし、じゃああと20分位何をするかだが…」

 

「そうだ!蘇芳さん!有森さんと弾幕ごっこしてみてくださいよ!」

 

「え?いや、でも普通の人がスペルカードを持ってるとは」

 

「いや、俺人間じゃないからな?スペルカードも持ってるし。」

そう言って有森は懐から一枚スペルカードを取り出し、ヒラヒラさせる。

 

「えっ、完全に人間だと思ってました…」

 

「ま、まあ、私は分かってましたけどね!」

 

「じゃあ種族も当ててみろよ。分かってたんなら当てられるだろ?」

 

「うっ…」

 

「冗談だ。…さて、蘇芳。やるか?」

 

「…分かりました。案外乗り気のようなのでお相手を頼みます。スペルカードは…5枚ほどでよろしいですか?」

 

「ああ。…敬語慣れねえなぁ…」

 

「これが一番喋りやすいので…」

 

「まあいい。じゃあ…やるぞ!」

そう言って二人は飛ぶ。

 

「被弾数はどうしますか?」

 

「適当にもうデスマッチ形式で1回でよくないか?」

 

「分かりました。」

 

 

「じゃあ、小手調べに…」

そう言って有森は小弾幕をばらまく。とは言いつつ、縦横斜めから不規則なテンポで飛んできているだけだが。

 

「!神器 八坂のオンバシラ!」

蘇芳は躱しながらスペルカードを発動させる。

蘇芳の後ろの六本のオンバシラからレーザーやら連射弾幕やらが飛ばされる。

 

「うおっ![焔符]インフェルノゴースト!」

有森も流石に避けきれないと判断し、片手に展開した魔法陣から半透明弾幕を射つ。が、まあ、弾幕も狙うが、主に狙うのは…

 

「!オンバシラに…!」

 

「厄介な攻撃は根本を一つでも手折れば案外楽になったりするんだぞ?」

更に有森はもう片手にも魔法陣を展開し、量を増やす。

 

「くっ!」

 

「とはやっても…おっと!弾幕が変わりやがった!」

レーザーを放っていたオンバシラから次は大きな弾幕が出てきて、破裂すると細かい弾幕が無数に弾けた。

 

「うっわ!避けにくいッ!」

とは言いながら避けていく有森。お互いに一枚目のスペルカードの効果時間が終わった。

 

「ち…思ったより強え…少々本気出すか。…バーンアップ、直刃刀ネイズ化、焔龍燐炎!」

 

「!武具ですか…なら、招来…雷槌ミョルニル!」

 

「はぁ!?マジもんの神器呼び出しやがったッ!」

蘇芳の手には雷を纏ったかなり大きめのハンマーらしきものが。いや、実際槌なんだが。

 

「雷神帝 トールの鉄槌!」

 

「やべっ![火焔]六閃・火華!」

とてつもない威力の雷光が火花のように弾ける斬撃と当たって破裂のような音が響く。

 

「ぐぐぐ…」

 

「ちっ…くそっ…!」

またもや同時にスペルブレイクした。が、確認の隙も与えず有森は、

 

「[斬砲]千二百空間斬撃砲!」

 

「!招来、クラウ・ソルス!機関拳銃状態(マシンピストルモード)!」

小さいスキマの中から大量の青白い斬撃が飛ぶ。

すると蘇芳は、もう片手に神器を出し、更に銃の形に変形させてから迎撃する。

 

「銃!?ってそれ形APSじゃねえか!」

APS…まあ、俗に言うスチェッキンってやつ。ドイツだったかソ連だったかの奴が作った最初のフルオート射撃拳銃。

 

「斬撃を銃弾で…って訳でもないな。神器から作ってやがる…何の神器を使ったかは知らねえが…」

ものすごい勢いと量の銃弾が飛んでくる。

魔力や神力を使っているのだろうが、まあ何にせよ速い。

 

「…ちっ、麒麟!」

有森は一度麒麟化して弾丸を消し去る。

すると、

 

「っつ…?」

突然、蘇芳の動きが止まった。

 

「、どうした?」

 

「…っ……」

小刻みに蘇芳が震え始めた。

 

「!蘇芳!?…これは…何で…」

様子を見に来た守谷の二柱が叫んだ。

 

「天照にのされたんじゃなかったのかい!」

 

「………!これは…禍ツ神か…」

有森も少し身構える。

 

「!誰だいあんた!…それより、諏訪子!とっとと押さえ込まないとまた…」

 

「うっ…ッグアァァッ!」

 

「!まずい!避けろ!」

蘇芳の髪が黒くなり、同じように黒いオーラで包まれる。どこからともなく鈴の音がする。面倒な効果が付いているようだが、それより…

 

「…ネイズ変更、水龍清凪。」

有森は離れる様子もなく、直刃刀を清凪に変更する。

 

「有森さん!早く逃げ…」

 

「ある意味俺のせいだからな。麒麟族とはいえ、元は麒麟…麒麟は幸福の象徴とされる優しい聖獣って言われてるからなぁ…概念としては善に分類される。だからか…蘇芳、ちょっと我慢しろよ…」

そう言って有森は清凪を構え、

 

「水流七閃…光風霽月(こうふうせいげつ)。」

蘇芳の胸の辺りで一閃、横に振り、そのあと後ろに瞬間移動し裏から六閃振った。

すると、蘇芳に纏わりついていた黒いオーラが消し飛んだ。そして…

 

「うっ…う……ふぅ…はぁっ…はぁっ…はぁ…」

 

「…戻ったか?」

 

「あ…はい…」

 

「…あり得ない…何が…」

 

「いや、禍ツ神を倒した訳じゃない。本人の正気を引き出して落ち着かせただけだ。下手に麒麟化もするもんじゃなかったな。」

 

「す、すみません…迷惑をかけました…」

頭を下げる蘇芳。

 

「いいや、元はと言えばこっちが原因だからな。悪かったな。」

それに対して、有森も頭を下げる。

 

「…さて…あ。」

 

「?どうしました?」

有森が、しまった、というような感じで片手で顔を覆い、少しうつむく。

 

「いや、さっきので集中がネイズ化に持っていかれていつの間にか魔法陣無くなってたわ。…ま、もう一回展開すればいいだけなんだが。」

そう言って有森は再び魔法陣を展開する。

 

「じゃあ…どうしますかね?」

 

「そうだ!有森さんの世界の話聞かせてください!」

 

「、まあ、それぐらいなら良いぞ。」

まあ、色々話した。

いつの間にか幻想郷に入ったことから別世界異変の事まで色々。

逆に、蘇芳や早苗からこの世界の話もしてもらった。

蘇芳の過去やら八尺瓊勾玉でパワーストーンを作って商売をしていることや天界展開すれば緋想天で蘇芳が暴走したこと…禍ツ神を押さえるためにとうとう三種の神器を全て契約していること、まさかの魔理沙が彼氏持ちになった事等…

 

「…つーことは蘇芳は天皇ってことか?」

 

「…形式上はそうなるかもしれませんね…」

ところで、有森には気になることが…

 

「…一個聞いていいか?」

 

「はい?」

 

「………あいつ、悪魔だよな?」

有森は部屋の比較的隅の方にいる人を指して言う。

 

「へっ!?」

 

「……」

 

「悪魔としての力は隠してるし、変に危害を加えようともしてないと思うが…何で?というかなんて奴だ?」

 

「……ソロモン72柱の階級『君主』、セーレです。」

 

「…セーレか…なるほどな。つまり蘇芳が主人ってことか。」

 

「え、驚かないんですか?」

 

「いや、多分勝てるかなーと…」

 

「………えっ?」

反応したのはセーレの方だった。ちょっと面白い、と有森は思ったが、そこには触れない。

 

「自分で言うのもなんだが、これでも結構な実力者だぞ?」

 

「…もしかして能力とかって…」

早苗が聞いた。

 

「あー、言ってなかったか。一応主には《相手の能力、時間、周囲の状況に影響されない程度の能力》だな。まあ…特殊効果が聞かない体質というか…そんな感じだな。蘇芳は?」

 

「僕は…《空間を渡る程度の能力》ですかね…まあ、そんなに強いわけでもないですよ。目に見えていないと移動できないですし…」

 

「だが、逆に言えば目に見えていればどこにでも行ける訳だろ?それはそれで強くないか?」

 

「………」

その時、有森は蘇芳の考えていることが読めた。同時に言った。

 

「…ふっ、蘇芳、お前自分を過小評価しすぎだろ。人に出来ない事が出来たらそれは凄いことなんだからよ。能力に甲乙付けるのはナンセンスだ。…それに、それだけじゃねえだろ、能力。神器も操ってるし、セーレとかいう悪魔と契約もしてる。それも凄い能力だと思うぞ?」

実際そうである。

神器なんかそう操れるものではないし、セーレなんていう大悪魔も大悪魔と契約もしている。凄い。

 

「…考え読みました?」

 

「あー…さあな?一応俺にあるもう二つの能力の一つだな。」

 

「何なんですか?その二つの能力って。」

また丁度のところで早苗が口を挟んできた。

 

「……、おっと、そろそろできそうだな。」

有森は強引に話を逸らせ、魔法陣へと歩く。

 

「ちょ、有森さん!」

 

「…じゃあ、まあ、少々世話になったな。」

 

「…最後に種族でも教えてくれませんか?」

蘇芳が聞いた。

 

「そうだな…ま、二つ名として、神獣族の頂点、全半人の長、とでも言っておこうか。」

 

「?」

 

「じゃあな。また、会うならどっかで会おう。」

そう言って有森は魔法陣を起動させ、大きめのスキマのようなものを形成する。そして、有森は蘇芳の頭の中に少しだけメッセージを送ってからその穴に入っていった。少し見た感情がまあ、そういうことだっただけだ、と本人は言うだろうが。

 

『蘇芳、早苗と幸せにな~』

 

「ッツ~~///!?」

 

「?蘇芳さん、どうしたんですか?」

 

「な、何でもない!」

 

 

 

 

「おかえり、有森。」

 

「ああ、紫か。ちょっとこっち来い。」

 

「え、そんないきなり?」

 

「事前報告ぐらいはしてもらいたいね!」

ドゴオォォン…

 

 




《あとがき》
主「はい、ということでとりあえずコラボでした。」

有森「…うん、マジだったのな。」

リュウ「うん。」

赤穂「妄言の中の話だと思ってた。」

主「誰が妄言じゃコラ。」

星「いえ、でも本当に感謝ですね。」

有森「まあそうだよな。」

主「自分自身でまさか本当にコラボの依頼が来るとも思ってなかった…白神白夜さんには感謝だね。」

リュウ「ああ。本当にその通りだ。」

主「ちなみにだけど、下に白神白夜さんと今回コラボさせていただいた東方八坂録~八坂の現人神~のURLを貼っておきます。そちらの方もよろしくお願いしますね。」

赤穂「まあでも、本当にありがたいね。じゃあ、今回はそろそろ〆ようか。」

主「おけ。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!そして、白神白夜さん、本当にありがとうございました!」



白神白夜さんのページ
https://syosetu.org/user/334694/

東方八坂録~八坂の現人神~
https://syosetu.org/novel/251506/


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1章
第一話 謎の召喚


どーもただの厨二病です。
前書きって何書くんでしょうか…。
考えても分からんのでストーリー開始~♪


有森「あれ、ここどこだ?」

 

気がつくとよく分からない森のなかにいた。

 

えーと…何があったか整理しよう。まず、俺の家に帰った→いつも通りの家事をした→読書した→そのまま寝落ち→森のなかで寝てた

 

うん。安定で訳が分からん。何で森に居るんだよ。もしかしたら家の周りの森か?まあ何で外に出てるんだ、っていう疑問は出てくるが。まあまずはここを抜けるか。

 

~1時間後~

いやまったく出口が見えん。俺の家の周りの森、こんなに広くない。せいぜい20分走ったら出れる。

 

???「おい、お前!なかなか強そうだな!子分にしてやってもいいぞ。」

後から声がした。見ると背中に氷っぽい何かが6つついてるやつがいた。

 

有森「いや、お前誰。というかあって早々にその言いぐさはどうなんだ…。それより、ここどこだ?」

 

???「んー?何だ、お前、外来人か?」

 

外来人?いや純日本人なんだがいや、日本人…でもないか?まあでも一応日本人か。

 

???「あ!チルノちゃーん!やっと見つけたよ。ってその人は?」

また別のやつがきた…というかこいつら髪が青だったり緑だったり忙しいな。

 

チルノと呼ばれたやつが応える。

チルノ「ん?こいつはあたしの新しい子分だ!」

 

おい

有森「勝手に子分にするな。というかマジでここどこ。」

そういえばこいつ、チルノって呼ばれてたな。日本じゃないのか?いやだとしても何でこんなところに…

 

大妖精「もしかして外来人ですか?」

 

有森「いや俺はその外来人ってのの意味が分からないんだが。」

 

チルノ「なら、霊夢のところへ連れて行くか。」

ヤバい知らないやつがどんどん出てくるんだが。

 

だがそれは気にせずチルノが言った。

チルノ「案内してやる!ついてこい!」

やれやれ、まあ帰れるならどうでもいいか。

 

森を抜けている間、ある程度のことを聞いた。

どうやら俺は空から降ってきたようだ。地面に衝突したときの音で二人は気になって来てみたらしい、ということ、ここは幻想郷と言うところで、外とは違うところであること、俺のことは人間であると思っていること、チルノと大妖精と呼ばれる二人は妖精であること、等々である。

 

そしてやっと森を抜けた。死ぬほど長かった…そりゃ1時間やそこら走ったところじゃ抜けれないはずだ。

 

そこから少し案内してもらって着いたところは、まあ年季が入った(率直にいうとボロボロの)神社だった。

 

チルノ「霊夢ー!外来人、連れてきたぞー。」

 

ほんとにここ、誰かいるのか?第一…

 

???「えー?たぶんあの妖怪ね…いちいち元に戻してるこっちの苦労も知ってほしいわね。」

……いたわ。こんなとこでも人、いるんだ。この神社の巫女ってとこかな?

 

有森「えーと…なんかすまん。」

とりあえずここは謝った方が良さそうな気がした。

 

霊夢「いや、別に謝らなくていいんだけど…」

うん。謝らなくて良かった気がしてきた。

 

???「あら、霊夢。お客さん?」

 

有森「ん?うぉぇ!?は?」

まさかの何もないところから人が出てきた。必死に脳の機能停止から耐える。

 

霊夢「紫!あんたいい加減にしなさいよ!また外来人勝手に連れてきて!毎回元の世界に戻すこっちの身にもなってみなさい!」

 

紫「え?私はなにもしてないわよ?少なくとも今日は。」

 

霊夢「はあ?そんなわけないでしょ!あんたじゃなかったらいったいどうやって外の世界から普通の人間がここに来るのよ!」

 

有森「おーい、こっちにも説明を~。どういう状態だー?」

 

霊夢「ああ、ごめんなさい。説明するわ。」

 

~少女説明中~

 

説明の内容を要約すると、外からこの幻想郷に入り込むには、この幻想郷を作った「八雲 紫」という人のスキマという境界を通るか、外の世界から忘れ去られるかするしかないらしい。だが、今回は紫は関与していないらしいから、俺は外の世界から忘れ去られたことにはるが、一応俺にも友達ぐらいいるため、急に忘れられることもないであろう。

 

霊夢「うーん…今まで博麗の巫女としてここにいたけど…こんな例は初めてだわ。」

 

???「おーい、霊夢ー、遊びに来て…ってなんだ?珍しく参拝客か?って訳でもなさそうだな。スキマ妖怪まで難しそうな顔して…おぅ?」

ヤバい。また人が増えた……そろそろ俺の脳みその容量が限界に達しそう。ただでさえ訳分からんことになってるところに…。そしてこの人飛んできたよ…箒で。もうここでは何でも起こると考えた方が良さそうだ。

 

霊夢「ああ、魔理沙。それが、謎の方法で幻想郷入りした外来人のことなのよ。紫のスキマを通った訳でも、外で忘れられた訳でもないのに外来人がここに来てるのよ。」

 

魔理沙「ええ…。まあそんな難しい問題、すぐに分かるわけないし、今はまだいいんじゃないか?またじっくり考えれば。」

 

霊夢「それもそうね。君もそれでもいい?」

こいつちょっと考えるの放棄しはじめてやがる…。

まあ、いずれ帰れるならどうでも。特に俺の周りで何があるわけでもないし。

有森「まあ大丈夫…か。」

そう答えておけばよし。

 

紫「あら、大丈夫なの?お父さんやお母さんたちは心配しないの?」

おっと、スキマから出てきた紫さん、なかなか鋭いことを聞く。俺の親は結構前に死んでいる。二人同時に。まあ、正確には親代わり、か。半人は概念から生まれるだけで子供を産まないからな。

でもそう言ったらなんか変な空気になるのは言わずとも分かる。だから

有森「ま、大丈夫だ。今は俺独り暮らしだし。」

と言っておいた。今は、っていうのは便利なワードだ。

 

さて、これからここにいるのか。面白そうでもあるが、

これから振り回されていく予感もする。ぜひ外れていただきたいところだが。




こんな駄作を最後まで読んでいただきありがとうございます!
次~対霊夢


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第二話 対霊夢戦

どーもただの厨二病です。
すみません本来は紅魔館のこと、書こうと思ってたんすけど、ちょっと繋らなかったので次からにします。
では、今回もゆっくりしていってください。


霊夢「えーと、君、名前は?」

 

赤リボンを着けた人が聞く。

 

あ、そういえばまだ名前言ってなかったか。

 

有森「有森、有森 焔。呼び方は…どうでも良いや。」

 

霊夢「そう、分かったわ。私は博麗霊夢。この博麗神社の巫女。霊夢って呼ばれるわ。」

 

魔理沙「私は霧雨魔理沙。霊夢とは腐れ縁みたいなもんだな。」

 

霊夢「あんたが勝手にどこへでも付いてくるんでしょうが…。」

 

しししっと魔理沙が笑う。

紫「最後になっちゃったけど、私は八雲紫。幻想郷の賢者って言われるわね。この子達はスキマ妖怪って呼ぶけど。あ、ちなみにスキマ妖怪っていう種類の妖怪じゃあないからね。」

 

有森「妖怪…ね。」

ちょっと思わず声を出した。まあ妖怪ならあんななんもないとこから出てきたりすることもできるか。…にしても、八雲紫…どっかで聞いたことが…いや、気のせいか?…分からん。

 

紫は少し笑って、

 

紫「そう。妖怪。外の世界ではあまり馴染みがないかもしれないけど、ここでは妖怪っていうのはありふれたものなの。」

妖怪…か…俺も一種の妖怪なのかな。半人…めんどくさくなりそうだから黙っとこう。

 

有森「じゃあ、よろしく。」

とりあえず挨拶は大事。

 

霊夢「ええ。よろしくね、有森。」

 

紫「ところで、」

紫が聞いてきた。

 

紫「あなたの能力は何なの?」

 

 

………………………………は?

 

 

霊夢「ちょっと紫!この人、外来人よ?能力なんて持ってるわけないじゃない。」

 

魔理沙「そうだぜ。仮にも普通の人間だろ?」

 

いや、持ってることは持ってるが、なんでこの人…いや妖怪か。まあ、何でわかったん?

 

紫「いや、おそらく、この子の能力は『他人の能力、時間、周囲に影響されない程度の能力』よ。」

おっとまさかの体質当てられた。ただ者じゃあないな、八雲紫。

 

霊夢「ええ!?そうなの?有森。」

霊夢が聞いてくる。

 

有森「ん?あー…まあ。」

こう答えるしかねぇじゃねぇか!事実そうだけども!

 

魔理沙「ええ!結構強いじゃないか!」

少しの間、似たような状態だったため、スキップ。

 

 

──────────────────────

 

───────────

 

────

 

 

とりあえず博麗神社に入れてもらって、指示を待った。

いやここで待て、って言われてるんだが。

 

霊夢「ああ、有森、お待たせ。はいこれ。」

 

有森「なんだこれ。」

部屋に入ってきた霊夢から渡されたのは、紙の束。

 

霊夢「スペルカードの台紙。というか、有森、あんたほんとに弾幕撃てるの?」

ちょっと待て、弾幕勝負のことは、大妖精から聞いた。だが、なんで俺が撃てると?さてはまた紫か。

 

有森「うーん、多分。」

とりあえずぼかしとくか。

 

 

~少年作業中~

 

 

霊夢「有森ー。できたー?」

お、霊夢からお呼びだ。

 

有森「ああ。一応20枚ぐらいは。」

 

霊夢「20枚ね。良いわ。じゃあ弾幕勝負よ。」

 

はい?

 

霊夢「いざって時、自己防衛できなきゃ困るでしょ。だから、私と特訓。」

 

マジすか。いやこうなると思わなかったから、結構ヤバめのやつ選んだんだがなぁ……ま、しょうがないか。その時はその時だな。

 

有森「分かった。」

 

霊夢「ルールはわかってる?」

 

有森「大妖精から聞いた。」

 

霊夢「なら大丈夫ね。ならスタート!」

よし、先手は貰おうかな。

 

有森「[焔符]インフェルノストーム!」

最初からちょっと飛ばすか。つーか手加減ムズい…美しさ加味しないといけないとかワケわからんし!プラスして当たってねえじゃん!

 

マジか。しかもとんでもない密度で撃ってくるな。スペカじゃないのに。

 

 

有森「くっそ、[速符]超加速! [炎符]インフェルノゴースト!」

 

 

至近距離からの半不可視弾幕ならどうだ!まあ見えるっちゃ見えるんだけど。

 

よし、2,3当たったか?

 

 

霊夢「…あんた弾幕勝負初めてよね?あまりに慣れてない?」

 

 

おっとやったな。半人の癖が少し出たな。

 

有森「まあ、似たようなもの、やってたしな。」

 

 

霊夢「ふーん、まあ、ちょっと疲れてきたから終わらせましょうか。」

 

お前飽きてきただろ。

 

 

霊夢「[霊符]夢想封印」

 

ちょま、えげつない量の弾幕飛んできたんですが。これはヤバい。

 

 

有森「[速符]超加速、二重掛け!」

 

なんとか避けれた。

 

 

有森「って、え?」

 

前から別の弾幕飛んできたんですが。あわててジャンプで避ける。

 

 

霊夢「へぇー。結構動けるのね。でもちょっと甘い。」

 

ヘ?

 

 

有森「ちょ、次は上かーーー!」

 

当たる寸前だったから、避けても当たった。結構痛い。

 

おわっ、と言って顔面ダイブした。

 

 

霊夢「おっと、もうこんな時間ね。じゃあ私の勝ちってことで」

 

くっそ、のほほんとした顔しやがってえげつないことするな、霊夢。

 

 

霊夢「じゃあ、あんた、料理出来る?」

 

 

有森「ん?まあ。」

 

 

霊夢「じゃあ作って。」

 

まあ負けたからしょうがないか。

 

 

有森「お、きれいな夕焼け。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

霊夢「有森ー!」

 

おっとお呼びだ。じゃあ晩飯作るか。

 

またこれはこれで忙しい1日だったな。




どうもまた読んでいただき、ありがとうございます。
次~紅魔館で大乱闘(前編)


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第三話 紅魔館で大乱闘(前編)

どーもただの厨二病改めただの謎存在になりました。
いよいよ紅魔館編です。相変わらずの駄文ですが、よろしくお願いします。


有森「ううっっとぉ。朝か。家の天井と違うから一瞬びびったな。というか久しぶりに寝たな。」

基本俺は寝ないがな。寝る必要ないし。まあ、一応人間だってことで振る舞ってるから寝たんだがな…ぐっと伸びをして庭に出る。

 

霊夢「あら、おはよう。有森。」

霊夢は庭で掃除をしていた。

 

有森「ああ、おはよう。霊夢。何か手伝うか?」

 

霊夢「じゃあ、掃除手伝ってくれない?」

それぐらいわけない。

 

有森「おう。」

というか意外と掃除とかはするんだ。この人。なんか何に対しても無頓着っぽい感じだけど。

 

霊夢「なんか失礼なこと、考えてない?」

なにこいつ、心読めんの?巫女兼悟り妖怪とかか?

とりあえずはぐらかしとくか。

有森「いや、別に?」

 

霊夢「そうだ、今日、紅魔館に行こうと思ってるんだけど、行く?」

思い出したかのように霊夢が口を開いた。

つか紅魔館ってどこだよ。まあ行くんだけどな。

いやだって、近所挨拶みたいなものぐらいやっとかないとだめっしよ。

 

魔理沙「お、霊夢ー、有森ー。」

箒で飛んでくる人が見える。

 

霊夢「あら、魔理沙。おはよう。」

 

有森「おはよう。」

うん、挨拶は大事だ。やっぱり。

 

魔理沙「おはようだぜ。どこか行くのか?」

あれぇ、ここってこんなに悟り妖怪いたっけか?

 

霊夢「ええ、紅魔館にね。魔理沙も来る?」

 

魔理沙「ああ、ついていくぜ!」

おお、即答か。普通ちょっと考えたりとかしないのか。

 

霊夢「じゃあ行きましょうか。有森、あんた飛べる?」

掃除はどうすんだ。いやそれより普通の人間に「飛べる?」じゃねえよ。いや普通の人間じゃないんだけど。

スペカ使えてるし。飛べることにしといていっか。

有森「まあ、一応は。」

 

霊夢「なら、問題ないわ。というかあんたほんとに何者なのよ。能力持ってるし、スペルカード使えるし、飛べるって…まあいいか。」

適当な性格で助かった。

ほんとなら瞬間移動も出来るんだがな。

 

霊夢「じゃあ、私たちのあとに来て。」

 

魔理沙「はぐれるなよな。」

なめすぎだ。こう見えても一応時速300kmで飛べる。

 

まあそういうところはおいといて、ついていって着いたところは、真っ赤な館だった。

有森「うわぁ…とりあえず赤いな。」

 

霊夢「ここ、スカーレット姉妹っていう縁起の悪い吸血鬼の姉妹がいるのよ。」

 

魔理沙「ほんとなら門番が居るんだが……今は『お休み中』だな。まあいたらいたで面倒なんだが。」

お休み中…か、多分門の壁にもたれかかって寝てる人だろう。仕事しろよ。門番って通さないためにいるんだろ。まあ、魔理沙の話からすると、霊夢もお茶ばかり飲んでるらしいが。

 

そして重い扉を開けて、少し行くと大図書館に着いた。

有森「広っ。」

これを見たときの俺の第一声である。とにかく広い。ここにない本なんかないんじゃないかと思うぐらい広い。

 

魔理沙「さて、と。まずは行きがけに5冊ほど借りていこうかな。」

 

有森「あ、本の貸し出しもしてるのか。」

 

霊夢「まあね。ま、魔理沙の場合、無断でだけど。」

いやそれただの泥棒じゃねーか。

 

霊夢「そ、つまり窃盗。後々どうなっても知らないわよ。」

 

魔理沙「いいや、これは盗んでるんじゃないぜ。ただ死ぬまで借りてるだけだ!」

いやそれを盗むっていうんじゃないかと。

 

???「こらー!」

ん?なんか高い声が聞こえる。まだ聞いたことない声だ。声の方を見ると、コウモリの羽が生えているような感じの少女がいた。とりあえずここではなんでもありなんだ、と自分に言い聞かせていた。

 

小悪魔「それはパチュリー様の大切なご本です!返しなさい!」

 

魔理沙「お、今日出てくるのは小悪魔か。パチュリーはどこにいるんだ?」

 

???「ここにいるわよ。魔理沙。」

本棚の影からパチュリーと呼ばれた人が出てきた。

つーか声消えそうなぐらい小さいけど大丈夫なのかよ。病気か?

 

パチュリー「いい加減にその泥棒趣味、やめなさい。あと、今まで取っていった本、すべて返しなさい。」

そんなに常習犯なのか、魔理沙。

 

魔理沙「いいや、こんだけの量の本、お前しか読まないなんてもったいなさ過ぎるだろ。まさに死蔵だぜ。だから私が読んでやってるんだ。」

 

パチュリー「もう、返さないというなら、あれしかないわね。」

 

魔理沙「お、それは弾幕勝負ってことでいいんだな?」

 

有森「え?ここでやるのか?ぶっ壊れるぞ。ここ。」

誇大しているわけではない。現に昨日霊夢と勝負したのだ。あんな規模のものを図書館で始めたら確実に大変なことになる。

 

魔理沙「私は別にいいんだ![恋符] マスタースパーク!」

いやここパチュリーって人の所有場だろ。魔理沙の意見は関係ないんじゃ?とか言っても絶対聞きもしないだろうな。するとこぼれた弾幕がドアの方へ。そしてドアが開けられて金髪の羽がはえた女の子の方へ…え?

 

有森「ちょまヤバいって![粒符] パーティカルコントロール壁![速符] 超加速!」

女の子の前で粒子固定しての壁を作る。と同時に速度を5倍にして女の子を抱えて進行方向から外す。

お陰で本棚の角に頭をぶつけたが、その子は無事だった。頭くそ痛い。だがその前に…

 

???「大丈夫?」

 

おっと心配する前に相手から心配されたか。あいにく大丈夫じゃない。ちょっと立ち上がれん位頭痛いし、割れそう。血でも出てんじゃねえのか?と思って頭の後頭部から手を離して手を見る。

うん…安定で血、出てるわ。これでほんとに大丈夫じゃなくなった。まあ時速1000㎞越える速さで本棚ゴツンだもんな。そりゃそうなる。

 

霊夢「ちょっと!大丈……血、血が出てる!」

あ…霊夢の声が…聞こえる…な…。だが…ちょっと…意識が…遠……く…………………

──────────────────────

────────────

─────

ってあれ、死んでない。

見ると、パチュリーさんが何かしている。

パチュリー「ごめんなさい。冷静さを欠いていたわ。」

魔力を分けてくれているらしい。ちょうどそのとき、

???「フラン!」

???「妹様!」

 

フラン、と呼ばれた女の子と似ている水色の髪の恐らく吸血鬼、スカーレット姉妹と呼ばれていたやつの姉の方だろう。ということは、フランといわれた子は妹だろう。

もう一人の銀髪の方は…誰だろう。

 

パチュリー「はい、終わったわ。ほんとにごめんなさい。」

 

有森「いえ、いいんすよ。ほんと。俺からやっ…。」

なんだ?心臓が何か痛い。そして心拍数が多い。まさか…あれか…。

有森「離れて。」

 

霊夢「え?」

 

まずい。そろそろくる。

有森「ゴフッ…ハァ、ハァ」

口の中に血の味が広がる。

それと同時に左腕に電気が流れるような痺れを感じる。今「アレ」が来るとは…ついてないな。

 

霊夢「ちょっと、有森!大丈夫!?」

 

パチュリー「吐血…一体何が…!?」

 

有森「落ち着け。大丈夫だ。すぐ収まる。ハァ、体内にないはずの魔力が入ったことによる拒絶反応だ。じきに体も慣れる。あと、1、2分ぐらいだ。」

拒絶反応…か…。ほんとにそうだったら良かったのにな。

 

霊夢「そう。良かったわ。はぁ…」

何か霊夢が疲れてら。まあ不審に思われずにすんで良かった。というか今までも霊夢が無頓着なお陰で助かったこと、あったな。

 

???「えーっと…、どういう状況?」

そりゃ今来たとこの姉にはわからんだろうな。

 

すると、フランと霊夢が立ちあがり、説明しだした。

フラン「お姉さま!あのね…」

霊夢「私からも説明するわ。…」

 

~少女説明中~

 

レミリア「なるほどね。話からすると、特に魔理沙。」

 

魔理沙「お、おう…」

魔理沙がびびってる…。ただ者ではないな。こいつ。

 

レミリア「今回はその人間が助けてくれたから良かったけど、1歩間違っていたらフランが大変なことになっていたかもしれなかったのよ。」

 

魔理沙「おう、だがな…」

 

レミリア「口答えするほど余裕があるらしいわね。しっかりとお仕置きを食らってもらおうかしら。」

いや流石にこれは人の話も聞いてやれ。




うーん…ちょっと強引なところあるなぁ。まあ、ユルシテちょ✨

次~紅魔館で大乱闘(後編)


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第四話 紅魔館で大乱闘(後編)

どうも謎存在です。
紅魔館編の後編です。あと次回から投稿頻度落ちます。
ではどうぞ!


レミリア「口答えするほど余裕があるらしいわね。しっかりとお仕置きを食らってもらおうかしら。」

いや流石にこれは人の話も聞いてやれ。

 

魔理沙「うわぁ…流石にこれはヤバいぜ。霊夢!有森!ちょっと力、貸してくれ!」

 

霊夢「えー?もう、わかったわよ。」

 

有森「いや、え?俺もかよ!?」

 

霊夢「ほら、有森、早く来なさい!」

いや俺に決定権は無いのか?

くっそ…無駄な戦闘はしたくないんだが…。

 

レミリア「咲夜、パチェ、小悪魔も、手伝いなさい。あと、妖精メイド達を呼べるだけ呼んできて。」

あの銀髪メイド、咲夜っていうのか。というか妖精メイド多くね?

 

霊夢「ちょっと!妖精メイドの数なんか突破出来るわけないでしょ!」

いや何体いるんだよ。妖精メイド。

有森「妖精メイドってどれぐらいいるんだ?」

と言ってみたが、霊夢も知ってるだろうか。

 

霊夢「うーん…大体500位かしら。」

そうか~。500体ぐr…500体!?は?いやどんだけいんだよ。

 

レミリア「あら、喧嘩を売ってきたのはそっちよ?」

いや、少なくとも俺と霊夢は違う。巻添え食らっただけだ。というか、さっきから左腕に重みを感じる。ってあれ?重み?

有森「フ、フラン!?」

 

フラン「私は、有森を手伝うー!」

いや、いやいやいやいや。なんで?フランって紅魔館側の奴じゃないの?

 

フラン「だって助けてくれたんだもん。それに、お姉さまにプリン食べられたし。」

うーん。ちょっとなにいってるか分からないんだが。プリン?いやその理由で姉と対峙する?しかも喧嘩と言うより半分殺し合い。

 

レミリア「あら、あのプリン、フランのだったの。もういらないかと思ったから、食べちゃった。」

 

フラン「お姉さまはいつもそう!」

 

レミリア「ふふ、いいわ。この機会にお仕置きしてあげる。」

いやマジで言ってんの?こいつら。プリンの問題で自分等の館四散させようとしてんだぞ?分かってる?

ヤバいもう始まるな。この館、赤いからばれねえだろ。

小声で…

有森「不死鳥(フェニックス)の加護、触形。」

…これでよし。紅魔館をそとに向けて結界を張った。これで大丈夫なはず。霊夢が呼んでるな。行くか。

 

レミリア「[神槍]スピア・ザ・グングニル」

いやスタート!とかねえのかよ!いきなり撃ってくんな。そして威力がばかにならん。

 

パチュリー「[日符]ロイヤルフレア!」

 

レミリア「[紅符]スカーレットシュート!」

 

咲夜「[幻符]殺人ドール!」

 

魔理沙「[恋符]マスタースパーク!」

 

霊夢「[霊符]夢想封印!」

 

フラン「[禁忌]レーヴァテイン!」

 

いやついていけん。相手の妖精メイドはスペカ使えないから、スペカの数じゃ互角ぐらい?ってこっちに振るな。

パチュリー「なにやってるのかしら。[月符]サイレントセレナ」

はあ、しょうがないか。

 

有森「別に何も。[粒符]パーティカルコントロール 反」

 

パチュリー「え?きゃあ!」

 

おっと、跳ね返ったレーザー、命中したな。あれ、一瞬周りが止まった気が…まあいいか。あの威力だ。かなりダメージを…って既に満身創痍って…そんな威力高かったのか?あれ。いや、違うな。もともと体力が低かったんだろう。なのに、俺を回復させてたからな。なんかすまん。

 

咲夜「な、跳ね返した!?一体どうやって…」

ヤバい、ばれた。もう…こうなりゃヤケだ!

 

有森「ちっ、[焔符]インフェルノゴースト!」

 

妖精メイド「ワー…ヤラレタァ…」

くっそ、妖精メイド多すぎる。ほぼ全弾命中なのに、全く減ってない。壁かよ。うん?壁?そうだ。

 

妖精メイド「イケイケー!」

よし、こっち来た。速度が乗ったら…今だ!

 

有森「[粒符]パーティカルコントロール 反!」

 

妖精メイド「エ?キャー!」

 

レミリア「え!?ちょっ…」

レミリアも困惑してるな。何せ妖精メイドがそっちに猛スピードで飛んでいってるんだから。

妖精弾幕(物理)だな。ほんとごめん。後で全員にタイムループかけるから。

 

霊夢「有森、やるわね。」

なんか霊夢に誉められたんだが。あまり嬉しくないのは何故だろうか。

さて、ちょっと流石に体力が減ってきてるな。こんだけ技撃ったのは久しぶりだしなもうそろそろ決めるか。

 

レミリア「ふう、一体何が……!?」

 

有森「[粒符]パーティカルコントロール 縛。霊夢、魔理沙、フラン、今撃って!」

 

魔理沙「お、おう。わかったぜ。[恋符]マスタースパーク!」

 

霊夢「分かったわ。[霊符]夢想封印!」

 

フラン「えーいっ[禁弾]カタディオプトリック!」

 

有森「今だ。アンロック!」

 

霊夢「あっ、動くようにな…」

ドドドオオオオオオオオオオン

なかなかゲスいことするな。俺。レミリアも最後まで言えてなかったしな。

 

相手の動き止めて、弾幕が当たる瞬間に粒子を動かす。ちなみに俺は粒子それぞれに超加速をかけて、空気圧力を普段の約5倍にしてた。

避ける間もなく命中。技自体は回避不能じゃないからセーフだろ。多分。

 

咲夜「くっ、お嬢様、申し訳ございません…」

 

パチュリー「…………ムキュゥ」

 

小悪魔「ううーん、パチュリー様~。」

 

レミリア「うっ…今回は私たちの負けね。」

ふう、なんとか勝てたみたいだな。

 

魔理沙「まあ私たちにかかればこんなもんさ。」

 

霊夢「なんであんたがまとめようとしてんのよ。そもそもあんたがこの問題の……ウジャグジャ」

 

魔理沙「なんだと~。お前だって……ウジャグジャ」

 

有森「はぁ、何かすごい疲れたな。さて、加護解除っと。」

すると、足元からフランの声が聞こえた。

 

フラン「すごいすごーい!有森強い!私、有森で遊ぶ!」

ん?俺で?え?で、って言った?聞き間違いか?

 

フラン「キュッとしてー」

嫌な予感がする。超加速。

 

フラン「ドカーン!」

 

有森「うぉわぁ!焦ったぁ…。」

いきなり足元の石が爆発した。は?

 

フラン「あははは。避けた避けたー!」

おい、それ笑顔で言うことじゃない。

そしてしれっと弾幕の用意するな。

ドドドドドドドドドド…

フラン「避けてばっかりでも面白くないわ。有森!反撃しないと!」

 

有森「くそぉ…あんまり手は出したくないんだが…仕方ない。[炎符] メギドフレイム!」

 

フラン「…あれ?」

範囲が狭いから、動きを止めるにはうってつけの技だ。

よし。下手に怪我をさせないように力を絞って…。

 

有森「[炎符]インフェルノストーム。」

 

フラン「きゃあ!」

……まあ気絶ですんだな。良かった。

俺はフランを抱えて地上へ戻った。

 

レミリア「フラン!」

 

有森「大丈夫だ、ちょっと気絶しただけだ。すぐに気がつく。」

その1、2分後、フランは起きた。

 

フラン「あ~あ。負けちゃった。でも楽しかった!また遊んでね!」

 

有森「おう、いいぞ。何回でも来い。」

 

レミリア「………あなた、有森と言ったわね。」

 

有森「ん?ああ、そうだが?」

なんだろう。嫌な予感がする。

 

レミリア「…運命が見えない。正確には、何かに邪魔されて隠れているって言った方が良いかしら。あなた、何者?」

なるほど、レミリアの能力は運命を見る感じの能力か。

 

有森「恐らく、俺の能力のせいだな。俺の能力は、能力、時、周囲に影響されない程度の能力だからな。」

 

レミリア「なるほどね。だから咲夜の能力が効かなかったのね。」

ん?あの人、俺に何か能力かけたのか?全く気づかなかった。

 

レミリア「あなたがパチェのレーザーを跳ね返した時、咲夜が時間を止めたにもかかわらずあなたは普通に動いていたらしいのよ。」

ああ、あれか。そういうことだったのか。まああんまり考えてなかったが。

 

霊夢「さて、話も終わったみたいだし、帰りますか。」

そうだな、と言おうとしたが、その前に、魔理沙が叫んだ。

 

魔理沙「あっ!!」

 

霊夢「どっ、どうしたのよ魔理沙。」

 

魔理沙「図書館から本持ってくるの忘れてたぜ…」

 

一同「「「「「(絶句)」」」」」

 

パチュリー「この期に及んで反省の色は皆無ね。」

 

魔理沙「霊夢、有森、先に帰っててくれ。私は本を取ってから行くぜ。」

しかし、パチュリーに立ちふさがれてしまった。

パチュリー「そうはさせないわ。」

しかし、魔理沙も上手くかわして箒で飛んでいく。

 

小悪魔「こらー!待ちなさーい!!」

小悪魔も参戦してきてまた修羅場。

よくやってるな。まあ、仲がいいことの証拠だろ。

 

さて、本当にいつもより疲れたな……帰るか。

 




何か戦闘シーンがうーん…って感じになった…気がする。
(´・ω・`)ユルシテ

次~烏天狗を止めろ!


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第五話 鴉天狗を止めろ!

どうもただの謎存在です。
文って結構強かったんですね。
では、どうぞ。


あれから5日。俺は、フランと遊びと勉強を教えに行っている。

まあ、勉強の範囲は、普通に算数とかから魔方陣効率までさまざまで、まあこっちが初めて知ることもあった。が、一番きつかったのは、そもそもフランの持ってくる本の文字が読めないことだった。古代文字だとか言ってたから、そこはフランに教えてもらって1日でだいたい分かるようになった。魔方陣のことは元々結構使えてたから、文字が分かればなんとかなった。

そして勉強のあとは弾幕である。俺は600㎏のコートの使用と自分に弱体化魔法をかける(自分の魔法ならバフはかかる。)ハンデつきでだ。そうしている内に、フランは俺になついてくるようになった。ルールは、それぞれに10回弾幕が当たった方の負け。その他は普通と一緒である。

 

フラン「[禁弾]カタディオプトリック」

 

 

 

有森「[炎符]インフェルノゴースト」

 

今のところ俺は2回、フランが8回当たっている。

 

 

 

フラン「ぶーう。[禁忌]レーヴァテイン!」

 

 

 

有森「[炎符]インフェルノストーム」

 

今回は、フラン11回ヒット。俺3回ヒット。

 

大人げないって?知らん。

 

 

 

フラン「もーう!有森強いー!でも面白い!」

 

 

 

有森「フランもなかなか弾幕が鋭くなってきてるぞ。」

 

俺はフランの頭を撫でる。

 

フランは、嬉しそうにふふふっと笑った。

 

その時、

 

パシャ、パシャパシャパシャ。

 

ん?

 

???「新たな外来人、実はロリコンだった!あやや~、これはいけませんねえ~。」

 

おっと、捏造新聞で有名な鴉天狗、射命丸文だ。ちょっと簡に触ったから少し煽る。

 

有森「おお、捏造記者じゃねぇか。」

 

 

 

フラン「?ねつぞーって何?」

 

フランが聞いてくるから、ちょっと文に対しての悪印象をつけておいてやる。

 

 

 

有森「捏造っていうのは、要は嘘をつくってこと。」

 

 

 

フラン「じゃあ、文って悪い人なんだ!」

 

 

 

文「ちょっと、捏造じゃないですよ。ちょっと誇大しているだけですから。それと私は悪い人でもないですから!でも、これは誇大してませんよ~。なんせ現行犯ですからね。」

 

ほう、なかなか面白いことをいう奴だ。どうやらよっぽど焼き鳥になりたいらしい。まあ、流石にそんなことはしないが。

 

 

 

文「ではでは~また文々。新聞をご覧くださーい。」

 

 

 

有森「おいこら待てーい!」

 

 

 

フラン「あはははは!鬼ごっこだ~!」

 

フランが言うと何かリアル鬼ごっこ感が出る気がするのは俺だけだろうか。

 

いや、それよりあんなふざけたものを書かれたらこっちが大迷惑だ。

 

 

 

有森,フラン「「待てー!」」

 

 

 

文「待てと言われて待つ奴はいませんよー。」

 

ほう、言ったな?

 

 

 

有森「前もよく見た方がいいぞ。」

 

 

 

文「はい?グベェ!」

 

粒子の壁にまんまとかかりやがった。ってこいつ意外と丈夫かよ。もう立ち直りやがった。というか迷った。山の中で。こいつくそ早いし…幻想卿最速らしいしな。

 

 

 

???「侵入者発見!叩ききる!」

 

何か出てきた。剣に盾持ちか。出会い頭に斬りかかってくるとかどんな神経してんだ…しょうがない。こいつの相手したあと、少し本気出して追い付くか。

 

 

 

椛「何をしている!来ないならこっちから行くぞ!」

 

はあ、しょうがない。とっとと相手を…ん?

 

 

 

フラン「私は椛と遊んでるから、有森は文を追いかけて!」

 

ありがとう。ほんとにありがとう。

 

 

 

有森「サンキュー、フラン!」

 

 

 

フラン「さーて、キュッてしちゃうぞー。」

 

気の毒に。椛って言ってたな。ご冥福をお祈りします。

 

 

 

 ──────────────────── 

 

有森「おいこら待ちやがれ!」

 

 

 

文「ゲッ!もう追い付いてきた!」

 

ゲッ!じゃねえよ。流石にイライラしてきた。めんどくさいのは俺の嫌いなことだ。

 

 

 

文「じゃあこうしましょう。弾幕勝負であなたが勝ったら記事は載せません。ですが、私が勝てば、載せさせていただきます。どうです?」

 

ほう、いいんだな?ちょっとシャレにならんからちょい力解放させてもらうぞ?

 

 

 

有森「ああ、いいぞ。」

 

 

 

文「いいんですね?ただし、今の私は新聞記者ではなく、一烏天狗として相手をさせていただきますから!」

 

 

 

有森「いい度胸だ。ならこっちも…『バーンアップ』」

 

 

 

文「!?」

 

驚いていやがる。俺の第二形態ってところだな。ヒトダマが身体中にまとわりつくように出現し、それから力をもらう。人化状態の強化バージョンだ。スペカにするの忘れてたが、まあ大丈夫だろ。

 

 

 

文「ぐっ…この程度では怯みませんよ!何せこっちはジャーナリスト魂がかかってますからね!」

 

捏造記事を書くのがお前のジャーナリスト魂なのか?そうだとするとなかなかヤバイぞ、お前。

 

 

 

有森「まあいい。[炎符]インフェルノゴースト」

 

 

 

文「うおっとと、と!」

 

ほう、結構動けるな。幻想卿最速の名は伊達じゃないってか。

 

 

 

文「[風神]風神木の葉隠れ!」

 

ちっ全方位弾幕か。しょうがない。流石に大人げないかととっておいたが、「これ」を出すにはとるに足る相手のようだ。

 

有森「第一感覚専攻第二感、『触覚』」

 

 

 

有森「なっ!?」

 

第一感覚専攻。他の感覚を完全閉鎖し、一つだけの感覚を研ぎ澄ますもの。俺は第六感である「心眼」を会得しているから、専攻は六感まで。触覚の場合、空気の流れを感じれるようになって、相手の攻撃や動きが手に取るように分かる。

 

だが、その他の感覚は一切遮断しているため、何も見えないし、何も聞こえない。それに、下手にダメージをくらうと、余計に痛く感じる。慣れない頃は怖くて使えなかったな。

 

さて、余談はここまでにしてそろそろ終わらすか。

 

 

 

有森「専攻解除。」

 

一気に音と光が入ってくる。

まぶしい…

 

 

文「くっ…どうなっているんですか…」

 

どうやらものすごい数の弾幕を撃っていたようだ。ほとんど無意識で避けてたから全く気づかなかった。

 

 

 

文「弾幕が当たらない…」

 

 

 

有森「最後だ。[炎符]インフェルノストーム」

 

 

 

文「最後?ならこれをかわせば私の勝ちということですね。遠慮せずかわさせていただきます!」

 

彼女は近距離弾幕にもかかわらずかわした。が、問題ない。

 

 

 

有森「かかったな!超加速!」

 

 

 

文「!?くっ!」

 

文は、体制を立て直したが、

 

有森「遅い![炎符]煉獄花火!」

 

 

 

文「ギャーーー!」

ドドドドオン

   ーーーーーーーーーーーーーーー

 

ふう、また、ギリギリだったが勝てた。地味に強かったな…「パシャ!」そうそう、パsy…え?

 

???「ふっふっふ、『射命丸文、取材中に返り討ちに会う!』これね!いただいていくわ~。」

 

 

 

文「ちょっ、はたて!それは!」

 

はたて「~♪」

 

聞こえてないな。ふぅ…まぁいいか。へたな記事も書かれなかったことだし。

 

 

 

フラン「有森ー!」

 

この声は…フランだ。

 

 

 

フラン「有森~、ギューー!」

 

有森「え?ちょ、フラン!?」

ヤバッ骨盤痛い…力強すぎかよ…。

いや、それより、

 

有森「大丈夫か?」

 

話を聞くと、椛には勝ったそうだが、後から後から椛と同種の白狼天狗がどんどん出てきたそうだ。まあそれらにも勝ったらしいが。流石フラン。ただ、弾幕も食らったらしく、怪我をしていた。

 

 

 

有森「大活躍だったな。[回復]キュアー」

 

みるみるうちにフランの怪我が消えていく。

 

 

 

フラン「凄い!やっぱり有森って強いんだね!文にも勝ったの?私も早く魔法少女になりたい!」

 

 

 

有森「いや、フランは既に魔法少女だろ、とっくに。」

 

これを魔法少女と言わずに何と言うか。

 

 

 

有森「さ、帰るぞ。どうせ美鈴は寝てるだろうから入れるはずだ。」

 

まあ、起きてたら飛んで入るんだけどな。全く、仕事しろよな、門番。




どうも読んでいただき、ありがとうございました。
次~白玉楼で本気弾幕と修行


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第六話 白玉楼で弾幕修行(前編)

どうもただの謎存在です。
なんとお気に入りが5件ありました。ありがとうございます!
(もっとほしい…)←欲深い奴

では、どうぞ。


ふう、昨日は散々だったな…。よくわからんガセネタ撒かれかけたし、下手に身体強化して体の節々痛かったし、フランに抱きつかれて骨盤砕けそうだったし、地味にあの捏造記者強かったり、珍しく門番が起きてて見つかったりとで大変だった。

まあ、自分に「キュアー」をかけて痛みはなんとかなったし、あの捏造記者ははたてとか言う奴に散々なネタ掴まれて笑い者になってと、まあ、結果はザマアって感じになったがな。ただ、今回はちょっとよくわからん。霊夢に「冥界に行こう」とか言われたときには流石に、は?ってなった。

ーーーーーーーー1時間前ーーーーーーーーー

ここが人里か。

霊夢「ここが人里。買い物とかは大体ここで済ますわ。」

 

有森「俺の居たところとはだいぶ違うな。」

 

霊夢「あら、そうなの?てっきり外でもこんな感じだと思ってたわ。」

 

有森「いや、外では着物を着ることなんかお祭りの時位しかないかな。まあ俺は年中これだったが。」

 

霊夢「よく目立たなかったわね…」

 

有森「まあ、ずっと山に引きこもってたしな。家が山の中だったから。」

 

霊夢「へぇ…。」

何か納得いってないのか?

 

霊夢「あら、妖夢買い物?」

 

妖夢「あ、霊夢さん、と…そちらは?」

 

霊夢「ああ、こっちは有森。外来人よ。」

 

妖夢「そうですか!霊たちが何かそんな噂をしていたので、少し気になっていたのですが、あなたでしたか。私は剣術指南役兼庭師の魂魄妖夢です。よろしくお願いします。有森さん。」

 

有森「ああ、よろしく。」

 

霊夢「ところで、あんたは本屋で何してるのよ。本でも買うの?」

 

妖夢「はい、それが…できるだけ幽々子様のお腹を膨らせることができて、長持ちするものはないかと料理本を…。」

 

霊夢「なるほどね~。幽々子のお腹をねえ…あんたも大変ね……あ!」

ん?何か嫌な予感がする。

 

妖夢「どうしたんですか?」

 

霊夢「有森、あんた料理出来るじゃない。作ってあげなさいよ。」

はい来た。嫌な予感の的中。まあ確かに料理は好きだしいいけどさ、何か荷が重い気がする…。

 

有森「まあ……分かった。」

 

妖夢「いいんですか!?ありがとうございます!」

断りにくいじゃねえか…。さてと、腹持ちのいいもの、か…。まあ2、3思い付くな。好みを聞いてから考えるとするか。

 

 ────────────────────

そして今。冥界に行っている途中だ。全く地上が見えない。景色は最高に綺麗だ。

そして…

霊夢「さあ、この階段を登りきったら白玉楼よ。」

いや、いやいや、石階段…多くね?博霊神社の比じゃねえ。何段とかじゃなくて何千段の位じゃねえか?

─────────30分後──────────

有森「やっと登りきった…」

長いとか言うレベルじゃない。ただただえげつない長さ。まあそこは置いといて、ここが白玉楼か。何かやっぱり和風って感じだな。

 

妖夢「幽々子様!ただいま帰りました!」

 

幽々子「もう!妖夢遅い!お腹ペコペコなのよ!あら?博霊の巫女と……そちらは?」

 

妖夢「外来人の有森さんです。」

 

有森「どうも。よろしくお願いします。」

この人が、冥界の管理者、西行寺幽々子…あんまりそうは見えないな。つか、幻想卿には男性はいないのか?いや、人里に「男の人」はいたが、妖怪系統の奴。

幽々子「なるほど。それで有森がご飯を作ってくれるわけね。」

おっと、話がかなり進んでたな。

 

妖夢「はい。」

 

幽々子「じゃあ早く早く。」

急かすなよ…そんな2、3分で出来るわけないだろ。

 

──────────────────────

有森「はい、完成。」

思ったより早かった。20分位かかると思ったが、10分程度で出来た。まあ作ったのは焼おにぎりとちょっとした奴だけどな。

 

妖夢「これは…何でしょう?」

あれ、焼おにぎり無いのか?ここ。

 

幽々子「まあいいじゃない。美味しそうな匂いもするし。いただきまーす。」

 

ムグムグ

 

霊夢「!…美味しい!」

いや、何で霊夢も食ってんだよ。まあいいが…。

 

妖夢「はい!美味しいですね!」

 

幽々子「おにぎりに似てるけど、何かしら。外がパリパリしてるのに、中がもちもちしてるわ。」

まあ、もち米を使ってるからな。というかおにぎりあるのに焼おにぎり無いのか、マジで何で。

 

──────────────────────

幽々子「ふう、思ったよりお腹いっぱいになったわね。」

二回目だが、もち米使ってるからな。それより、腹を膨らませれて良かった。

 

幽々子「ねえ、あなた。ここで妖夢と住み込みで従者、やってみない?」

……………………………………………………は?

 

霊夢「はあ?ちょ!幽々子!そんなことしたら家の家事はどうするのよ!」

いやそれはお前がやれ。ほぼ全部俺に押し付けてるだろ。

 

幽々子「ええー、でも彼、料理うまいし、私自身気に入ったし…」

 

有森「え?いや、ちょっ…はぁ?」

 

霊夢「もう!なら、弾幕で決めるしか無いわね。1対1の弾幕勝負よ!」

 

幽々子「ええ。いいわよ!絶対に勝って見せるわ!」

 

ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド…

 

有森「うぉー…ヤバイな、こりゃ。…ん?」

ふと見ると、妖夢が刀を持ってどこかに行こうとしている。

有森「なにやってんだ?」

 

妖夢「ああ、いえ。この機会に、剣の修行を、と。」

 

有森「二刀流か。どっちもなかなかいい刀だな。…ん?この機会に?」

 

妖夢「はい…この頃、幽々子様の食欲がまた上がってきてまして…修行をする暇が無かったので。」

ほう…なかなか従者ってのは苦労が絶えないみたいだ。紅魔館の咲夜も大変そうだったしな。

 

有森「なるほど……なら、その修行。手伝ってやろうか?俺が言うのも何だが。」

 

妖夢「えっ?良いんですか?というか有森さん、剣使えるんですか?持ってないみたいですけど…。」

 

有森「いや、持ってる。」

いつも背中に背負ってるんだがな。まあ服に隠れてるから気付かないか。

 

有森「まあ、ただ、修行って言っても既にかなり強いみたいだけどな。」

いや、かなりどころじゃない。この妖夢っていう少女、そこらの普通の剣士なんか数百で来ても負けないぐらいめちゃくちゃ強い。

 

妖夢「いえ、まだ半人前です。では…よろしくお願いします!」

これで半人前だったら一人前ってどんなのになるんだろうか…妖夢の想像する一人前の剣士はもうよく分からんな。

 

 ────────────────────

有森「よし、これでまず第一段階のことは教えた。」

かなり上級者らしかったから、基本は完璧だったな。その後、縦振りと二刀流の横振りのコツとかだからな。斬撃のコントロールとかも難なくこなしやがったし。なかなか覚えが早い。俺が言えた口じゃないが、やはり、相当な腕の持ち主だ。

 

有森「よし。じゃあとりあえず実践だ。ルールは使える弾幕は剣系統のみ。それ以外は普通と同じ。さあ、こい!」

 

妖夢「えっ?…分かりました!では、いきます!」




うーん…何か…バトルシーンって難しいですね。
読んでいただき、ありがとうございました。

次~白玉楼で本気弾幕と修行(後編)


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第七話 白玉楼で弾幕修行(後編)

どうもただの謎存在です。
白玉楼編の後編です。

では、どうぞ!


妖夢「分かりました!では、いきます!」

 

有森「来い!」

キィン!キキキィン!カァン!

ちっ。なかなか力も強い…しかも二刀流だから速いし……油断してたらヤバイな。それに剣術の技以外は使えねぇからな、まさかここまでとは………うぉ!

 

妖夢「なかなか速いですね!」

いきなり斬撃飛ばして来やがった。もう自分のものにできるとは。なら、「少し」本気出すか。

 

有森「直刃刀、ネイズ化。焔龍燐炎」

ネイズ。世界中に攻撃武具としては10種しかない武器。まあ、正確には、刀や剣に自分の力を注ぎ込んで「錬成」するんだが。一般ピーポーなら、さわった瞬間体が四散。かなりの上級者で、剣の扱いに慣れていても、2、3分が限界。自慢じゃないが、俺は10本全て錬成出来るし、かなり長い時間扱える。

 

妖夢「なっ!それは…?」

俺が今出したのは、中ぐらいの強さの部類の「燐炎」。炎を操る刀だ。

 

有森「さあ、来い!今の全力を出してみろ!」

 

妖夢「は、はい!」

ガガガガガガガガガガガガン!

速いし、確かに一撃も重い。だが、

キン!

妖夢「うっ…あぁ!」

二刀流に慣れすぎてもあまりよくない。そこで、一本弾き飛ばした。

 

有森「さぁ、どうする!」

 

妖夢「分かりました…[人鬼]未来永劫斬!」

 

有森「うおっ!」

焦った。まさかスペカを使うか。まあいい。まだいける、伸びるはずだ!来い!魂魄妖夢!

 

妖夢「くっ…まだです![奥義]西行春風斬!」

速…!?危ない…すれ違い様に斬撃を食らわせてくるか…いいな。面白い!

 

有森「まだまだだぞ![斬砲]千二百空間斬撃砲!」

今勝手にスペカ化させた。空間に傷をつけ、その不安定になったところと目の前の空間を強制接続。そこに斬撃をぶちこむ。もともと前から俺が使ってた刀での攻撃法だ。ちなみに千二百はほぼ関係なし。空間の傷はせいぜい500やそこら。

 

妖夢「くっ!?危ない…避けるのもまた剣術です!まだ行けます![転生剣]円心流転斬!」

突撃してくるところに相手の刃にこっちの刃を沿わせて回避。これは当たったらやばかったかもな。

 

妖夢「くっ…まだ…次は…」

まずい。妖夢の奴、かなり疲れてるのに、スペカを連発してやがる…このままじゃ体が持たねえ。何が…しょうがない。

 

有森「[炎刀]獄炎牢斬」

相手の「周り」を炎を纏った剣で切りつけ、斬撃で牢獄を作る。

妖夢「な!?…うっ……。」

その後、背後に迫って峰打ち。

ふう、なかなかに強かった。もう一本の方の剣を……あった。鞘に納めて、と。

有森「ネイズ解除。」

ふう、帰るか。

──────────────────────

幽々子「妖夢!」

 

霊夢「ちょ!有森!あんた何してたのよ!」

 

有森「ただの修行だ。今は気絶してるが、なかなか強かった。で、どっちが勝ったんだ?そっちは。」

聞きたいような聞きたくないような気がするが。

 

霊夢「もちろん私。まだ亡霊ごときに負けるほど劣ってないわよ。」

 

幽々子「もう!もうちょっとで彼がこっちに来れたのに!」

 

霊夢「何?またズタボロにされたいのかしら?」

 

幽々子「いいわ。もう一回やってあげるわ!」

ドオンドドドドドド…

 

有森「はぁ…体力有り余ってんのかよ。あいつら…。とりあえず俺は妖夢を…おわっ!」

ふと見ると、妖夢は、顔を真っ赤にして、目を伏せていた。そういえば、俺は妖夢をお姫様抱っこをして帰ってきていたのだった

妖夢「/////」

 

有森「わ、悪い!立てるか?」

 

妖夢「(コクコク)」←首を縦に振ってる。

 

有森「はい。ほんとごめん。」

妖夢を立たせてから何か俺も恥ずかしくなってきた。妖夢に関してはすぐ屋敷に走って入った。

 

有森「はあ、何か悪いことしちまった気がするな……。ともかく、あいつらいつまでやってる気だよ…。」

 

霊夢「[霊符]夢想封印!」

 

幽々子「まだまだよ![死蝶]華胥の永眠!」

 

有森「はぁ、何かどっと疲れた気がする。というかあいつら既にボロボロじゃねえか。しょうがない。ドクターストップとタイムアップだ。[粒符]パーティカルコントロール 縛」

 

霊夢「!?」

 

幽々子「! !?」

 

有森「おい、いつまでどんぱちやってるつもりだ。既に体力の限界来てるだろ。ボロボロじゃねえか。」

 

霊夢「うっ…確かにそうね…。」

 

幽々子「ええ…かなり疲れたわ…。永遠亭にでも行ってきなさい、博霊の巫女。」

 

霊夢「そうね。言われなくてもそうするわ……あ、妖夢はどう?」

 

有森「妖夢なら、もう目が覚めて屋敷の中だぞ。」

屋敷の中に入ったのは俺のせいでもあるんだが…

 

霊夢「そう、ならよかったわ。じゃあ有森、行くわよ。」

 

有森「ああ、お邪魔した。妖夢には、また修行をつけに来てやるって伝えといてくれ。」

 

幽々子「わかったわ。またご飯、作りに来てくれると嬉しいわ。」

 

有森「…考えておく。」

 

幽々子「じゃ、また。有森!行くわよ。」

 

有森「おう。」




誰か…評価…を…頼む…ガクッ

次~永遠亭で新たな外来人


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第八話 永遠亭で新たな外来人

どうもただの謎存在です。
やっぱりもう一人人を増やすことにしました。
(°∀°) パァ

では、どうぞ!


有森「……………迷ってるよな?」

 

 

霊夢「え、ええ…迷ってるわね…。」

 

迷ってるわね、じゃねえよ。何でこんな何もないどっち向いても同じ景色のところに案内なしで来たんだよ。そしてそれでも大丈夫っつったのはどこの誰だよ。

 

霊夢「はあー。疲れたわ。おぶってくんない?」

 

 

有森「バカじゃねえのか。俺の体力が持たねぇよ。」

 

とはいえかなり疲れた。それに既にボロボロの霊夢からすればもっと大変だろう。案内役でもそこら辺にいないかなー。

 

霊夢「きゃあ!」ドサッ

 

ん?霊夢が視界から消えた。目の前には穴が。は?穴?

 

霊夢「いったーい!てゐの仕業ね!」

 

 

有森「大丈夫か?」

 

俺は霊夢を引き上げながら言う。

 

霊夢「もうー!ウサギとかそこら辺にいないのー?」

 

 

有森「ウサギ?何で…」

 

 

???「あれー?こんなところに人間?っていうか落とし穴に誰かかかってる!やーいやーい!」

 

 

霊夢/てゐ「てゐ!「げっ!霊夢かよ。」あんたげっ、てねぇ…永遠亭まで連れてってくれない?」

 

 

てゐ「ん?迷ったの?妹紅に案内してもらわなかったの?」

 

 

霊夢「ええ…いろいろあってね…」

 

いろいろってお前が面倒くさがっただけだろ。

 

 

てゐ「まあいいよ!連れてってあげる。」

 

意外とそこは素直なんだ。

 

──────────────────────

 

てゐ「えーりーん。いるー?」

 

 

???「あら、博霊の巫女に…そちらは?」

 

 

有森「有森です。外から来ました。」

 

 

永琳「そう。私はここ、永遠亭の医者、八意永琳よ。ところで…貴女、どうしたの?」

 

 

霊夢「実は…」

 

 

~少女説明中~

永琳「なるほどね。とりあえず治療するからこっちへ。有森、あなたは…そこにいて。すぐ終わるから。」

 

 

霊夢「ええ。」

 

 

有森「ああ。わかった。」

 

──────────────────────

 

???「おい!誰か!」

 

ん?誰だ?

 

 

永琳「あら、妹紅。どうしたの?って、その方、ほんとにどうしたの?」

 

 

妹紅「竹林で倒れてたんだ!」

 

「その人」を見て、驚いた。そしてつい、声に出してしまった。

 

 

有森「リュウ……」

 

 

妹紅「ん?」

 

 

永琳「あら?あなたの知り合い?」

 

知り合いも何も………

 

 

有森「………俺の『外の世界』にいたときの友達だ。」

 

 

永琳,妹紅,霊夢「「「!?」」」

 

 

霊夢「えっ…じゃあなんでここに…?」

 

あ、こいつ、今目、動いた。もう目が覚めるな。しっかし何で…

 

 

リュウ「うっ……ここは…?」

 

 

永琳「あら、おはよう。」

 

 

リュウ「…………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………あ………」

 

 

永琳「?」

 

どうした。

 

 

リュウ「ここ……もしかして……」

 

 

永琳「何かしら。」

 

 

リュウ「永遠亭ぃーー!?」

 

え、なにこいつ何でここ知ってんの。………ん?そういや…こいつから前に聞いたことがあった気が……

 

 

リュウ「え!ここ幻想卿!?東方の世界の中じゃねえか!」

そうだ。さっきのさっきまで忘れてた。何でだろう。前にこいつから聞いたことがあったこと。「東方」というゲームのこと。ほとんど覚えてなかったが、今思い出した。こいつは東方が大好きだった。

 

リュウ「え!やった!何かやった!」

 

うん……半分変態化してるな。………ヤバイな。

 

 

有森「おいこら落ち着け。」

 

 

リュウ「お?有森。何でここに?ってまさかお前!ずっとここに!」

 

 

有森「一週間前位からだな。」

 

 

リュウ「お前ずりいぞ!行くなら俺も連れてけよ!」

 

 

有森「俺だって来たくて来たわけじゃない。で、お前は何で来たんだよ。」

 

 

リュウ「うーん…確か、ボーッと道歩いてて、車に轢かれて、気づいたらここ。」

 

 

有森「………………お前それ死んだんじゃねぇのか?」

 

 

リュウ「え!死んだら幻想入りすんの!?マジ!?不幸中の幸いって感じ?え、やったー!」

 

いや、それはお前が特例なだけだと思うぞ。それとさらっと不謹慎なことを言うな。

 

 

霊夢「えーと…ごめん、有森、どういう状況?」

 

 

リュウ「!脇巫女!」

 

 

霊夢「誰が脇巫女よ!」

 

 

有森「ああ、悪い。勝手にこっちだけで盛り上がってた。」

 

 

~少年説明中~

 

ゲームのこととかを話すとややこしくなるので、とりあえずこいつの紹介だけしておいた。凪沙リュウ。

まあ、イケメンの部類の奴だが、残念ながら半アニオタである。

 

 

リュウ/有森「え!マジ!?マジ!!?マジ「うるせえ」グェッ!」

 

 

リュウ「ゲホッゲホゲホッ…おい。急なみぞおち膝蹴りはひどくね?」

 

 

リュウ「うるさかったからな。もう一発食らいたくなきゃ黙っとけ。」

 

 

永琳「えーと…大丈夫?」

 

 

リュウ「ああ、問題ない!俺は体は丈夫だからな!まあそういうことだ。よろしくな!」

 

どういうことだよ。と思いながらおう、と言っておく。

 

 

有森「ふう、じゃ、霊夢もなんとかなった事だし、帰るか。」

 

 

リュウ「え!お前博麗神社に泊まってんの!?良いなー!」

 

 

有森「どうせお前を博麗神社に泊まることになるだろ。」

 

 

霊夢「ええ!?何で家に…」

 

このあと霊夢はぶつぶつ言っていたが、リュウも博麗神社に泊まることとなった。何が気に食わないんだか。

 

空き部屋もかなりあっただろ。まあ、全部汚かったが。

 

………さては掃除が面倒くさくて渋ってたな…。ほぼほぼ俺に押し付けるくせに…。

まあいいか。




うーん、残念なイケメンって居るんですね…友達にもそんな奴いましたよ。
読んでいただきありがとうございました。

次~天人降臨!?


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第九話 天人降臨!?(前編)

どうもただの謎存在です。
初の麒麟状態登場です!
ちなみに、有森の麒麟状態って元の僕の中の設定上は死ぬほどチートなんですよね…神化せずでも最高時速が音速の60倍…(つまりマッハ60)ね?ヤバいでしょ。
まあこの中では流石に制限します。




それでは…どうぞ!


ああ~…やっちまったな。どうしよう、これ。

 

 

 

~遡ること5分前~

 

現在永遠亭から博麗神社へと移動中。

 

ちなみに霊夢は真っ先に飛んで帰りました。ほんとに飛んで。そしてリュウと俺とで妹紅に案内されながら帰ってます。

 

リュウ「しっかし何でお前が来てたのに俺は呼ばれなかったんだよ~。」

 

 

 

有森「現状呼ばれたからもう良くね?いつまでその話してんのさ。」

 

 

 

リュウ「いや、だってさ~俺だって好きなキャラとかいたし、会いに行きたかったじゃん。」

 

いや、今から行けば良いじゃねえか。

 

 

 

有森「そういえば、リュウの好きなキャラって何だっけ。」

 

 

 

リュウ「ん?ああ、やっぱアリスたんだよなー。」

 

 

 

有森「アリス・マーガトロイド?」

 

そうなら、前に世話になった。まあ正確には「人形に」か。森の中で迷ってたらシャンハイとか言う人形にあって道案内してもらったんだよな。ずっと「シャンハーイ」しか言ってなかったが。

 

 

 

リュウ「知ってんの!?会ったの!?ずりいぞ!」

 

 

 

有森「いや、ずりいも何も知らなかったし。さっきも言ったが、来たくてここ来たわけじゃねえし。」

 

 

 

妹紅「おい、もうそろそろ竹林抜けるぞ。」

 

 

 

リュウ「おお!サンキューな、もこたん!」

 

 

 

妹紅「も、もこたん!?なんだその呼び方!?」

 

ああ。こいつ、そう言ってたな。そりゃそうなるわ。…俺もそう呼ぼ。

 

 

 

リュウ「ああ!もこたんはもこたんだぜ!…ん?なんだあれ。………要石!?」

 

 

 

妹紅「まずい!あそこは寺子屋が!」

 

何!?くそ…ここからじゃバーンアップでも間に合わねえ!しょうがないか。

 

 

 

有森「ここで待っててくれ。」

 

 

 

リュウ/有森「は?どうし「麒麟」…は?」

 

飛べ!この感じ、久しぶりだ。この銀髪もな。

 

よし、着いた。あとはこれを…

 

有森「霧散!」ドガァ!

 

よし、滅却完了。………あ。

 

 

 

妖精達「……………はぁぁぁぁぁぁ!?」

 

ヤバい。寺子屋から妖精らが出てきやがった。

 

ああ~。やっちまったな。どうしよう、これ。…そうだ。このときのためのあれだ。

 

「タイムループ」

 

──────────────────────

 

───────────

 

─────

 

 

 

有森「そういえばリュウの好きなキャラって何だっけ。」

 

 

 

リュウ「やっぱりアリスちゃんだよなー。」

 

そろそろだ。

 

 

 

有森「おっと、悪い。ちょっとここで待っててくれ。」

 

 

 

リュウ「え?何で。」

 

 

 

有森「すぐ戻るから!」

 

よし!抜けた!さて、そろそろだな。

 

 

 

妖精達「うわ!なんだ!?」

 

きた!

 

有森「[粒符]パーティカルコントロール 壁」

 

     

 

要石の下に斜めで壁を作り、その端に垂直な壁を作る。

 

ドシーン,ゴロゴロ..ドォン!

 

 

 

かかったな。おそらく乗っているのは…

 

???「いったーい!何よ!何があったのよ!」

 

…うん知ってた。ん、リュウ達も来たのか。

 

 

 

リュウ「おい、有森。こりゃどうなって…ん?不良天子か?」

 

 

 

天子「誰が不良よ!」

 

 

 

有森「そ。要石に乗って落ちてきた。しかも寺子屋の真上。」

 

 

 

リュウ「ええ…というかお前、よく分かったな。あ、もしかして、お前、アレ、使ったな?」

 

 

 

有森「ああ、まあな…。」

 

そう。こいつは外でも2、3人程度しかいない、俺が麒麟族であることを知っている奴だ。当然、「タイムループ」のことも知っている。口外しないと約束してくれたから俺は信じてる。

 

 

 

天子「あんたね!こんなことしたの!」

 

 

 

有森「いや、寺子屋の真上から要石落とす方が悪いと思うんだが。」

 

 

 

リュウ「ああ、それはお前の方が正しいと思う。」

 

 

 

天子「もう!そのお陰で私が怪我しかけたんだけど!そんなこと言うなら…」

 

は?なにあの量の要石。こんなに落とす必要ある?

 

 

 

リュウ「なに?何何何!?は?」

 

洒落にならん。まあ、しょうがないよな。

 

 

 

有森「そっちがその気なら、こっちもやるぞ?『バーンアップ』、直刃刀、ネイズ化、土龍・砕厳!」

 

もう刀じゃなくて斧だけどな。

 

 

 

天子「?」

 

 

 

有森「あー、もう!スペカなんか適応させてる暇あるか!瞬壊斬!」

 

もうそんな暇無かったからそのまま使った。破壊力抜群の技を。

 

 

 

天子「え!?要石が一瞬で消えた!?」

 

 

 

有森「いや、消えたんじゃない。粉砕したんだ。」

 

そ。ネイズの中で3位、2位に匹敵する位の破壊力。本来ならエネルギーがどうのこうの言ってる間もなく、そもそも純粋に重すぎて持てない。そのお陰で死ぬほど威力が高い。リミッターつけてなけりゃあ一発で星一つ位なら簡単に消える。ただ、やっぱり扱いにくい…。

 

 

 

天子「ふぅん…やるわね。なら、弾幕勝負よ!」

 

おっと、そうなるか。今なら砕厳使って戦うハッピーセットだ。まあ良いだろ。俺には関係ない。

 

 

 

有森「ああ、分かった。」

 

すると、リュウが聞いてきた。

 

 

 

リュウ「え、お前それ使って殺るん?」

 

いや、別に殺りはしねえよ。まあ戦うって意味ならその通りだ。

 

 

 

有森「ああ。まあ大丈夫だろ。そんな簡単に死ぬわけじゃ無し。それにこいつだし。」

 

 

 

天子「ちょっと!どういう意味よ!」

 

 

 

リュウ,有森「「聞いて字のごとく。」」

 

なんかハモった。

 

 

 

天子「失礼な!もういいわ!この比那名居天子の力、見せてあげるわ!」

 

 

 

有森「おう、見せてもらおうか。天人の力ってもんをな。」

 

 




次回、天子、キャラ崩壊!

次~天人降臨!?(後編)


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第十話 天人降臨!? (後編)

どうもただの謎存在です。
……えーと、最初に謝っておきますが、今回、天子キャラ崩壊です。
天子ファン等の方はご注意下さい。

⚠️WARNING!⚠️WARNING!⚠️WARNING!⚠️



では、本編どうぞ。


有森「ほう、なら見せてもらおうか。天人の力ってもんをな。」

 

 

 

天子「いいわ。覚悟しなさい!」

 

何かの剣…あれが緋想の剣か。なかなかの剣だな。まあ鑑定士とかでもないから偉そうなことは言えないが。

 

 

 

天子「[剣技]気炎万丈の剣!」

 

 

 

有森「うおっ、とっとと、ってそれ、ただやたらめったらにその剣振り回してるだけだろ。そんなんじゃ当たるもんも当たんねえぞ。」

 

何か天子が空中でじだんだ踏んでるんだが。器用な奴。

 

 

 

有森「じゃあ、こっちからもいかせてもらうぞ。土楼一閃、砕!」

 

突攻するが要石で道を阻まれ、普通に避けられた。が、むしろこっちのほうが予想してた通りだ。まずは要石を破壊。

 

 

 

天子「そんな一直線の攻撃で当たると思ったの?なめないでよね~。」

 

 

 

有森「ふん。なめてるのはどっちかな。よく周りを見るんだな。」

 

そう、周りをな。空中にさっき破壊した要石の破片が大量に浮いてるだろ?そういうことだ。

 

 

 

天子「なっ…!」

 

 

 

有森「集!」

 

これで相手に向けて一斉発射。もちろん、尖った方を向けてな。

 

 

 

有森「どうだ!」

 

 

 

リュウ「おお!有森やりぃ!」

 

いや、まだいる。それに様子が変だ。

 

 

 

天子「……………う」

 

 

 

有森:リュウ「「?」」

 

 

 

天子「うにょおおおおおおおおぉぉぉぉぉ!良いにょおおおおお!もっとやってにょおおおお!」

 

はあ!?どうしたおい。

 

 

 

リュウ「………………(ドン引き)」

 

リュウに引かれるってなかなかだぞ。あいつもまあなかなかの変態だが、これは酷い…

 

 

 

天子「良い!良いわ!76点ね!もっと!もっとやって!」

 

 

 

有森「うわぁ…こりゃ末期だな…」

 

 

 

妹紅「有森…やっちまったな。あいつの性癖を引き出しちまったらしいな。」

 

うん、大体分かったわ。あれ絶対…

 

 

 

妹紅「あいつは末期のドMなんだ…前なんか人里で大変なことになってた…思い出したくないほどにな。」

 

だろうな。

 

 

 

リュウ「それなら言わなくても良いぞ…もこたん。」

 

 

妹紅「あ、ああ…」

想像しただけで具合悪くなるて…こいつ何したん。

まあそれより…

 

 

有森「まあ、ダメージは入るのなら、このままやって良い気もするが…」

 

このままだとただただ喜ばれるだけになりそうだが…まあ良いか。まずは勝つのが先決だ。

 

有森「おらっ!」

 

炎弾幕の乱れうちだ。って…

 

天子「にょぉぉおおおお!」

 

有森「はあ?」

あいつ…自分から当たりに行ってるぞ…ヤッバ。

 

 

天子「どうしたの!こんなもんじゃ無いでしょ!?これだけだったら41点位よ!もっと!もっとちょうだい!」

 

 

リュウ「うわぁ…」

 

有森「これは…なら、これならどうだ!火炎一閃・火花!」

あ、スペカにしてなかったな、これ。…追伸。嫌な予感がする。

 

 

天子「良い!良い良い良い!!!!!78点よ!」

 

 

リュウ「有森…これ、やっててもほぼ意味無いんじゃないか?」

 

 

妹紅「ああ、私もリュウ殿に一票だ。」

 

 

有森「そうだよな…それに寺子屋の真上でこれはそろそろ流石に教育上良くないからな。[闇獄]シャドウケージ。」

 

奴の周りを空間ごと真っ黒にした。これで見えはせんだろ。さて…

 

 

 

リュウ「見えなくはなったけど…天子、どうしようか。」

 

 

 

有森「ああ…どうしような、これ。ずっとこのままって訳にいかねえだろうし。」

 

 

 

???「総領娘様ー!」

 

 

 

リュウ「衣玖ちゃん!」

 

 

 

衣玖「おや?どこかでお会いしましたか?ってそれどころではなくて、総領娘様を見かけませんでしたか?」

 

 

 

有森「天子ならその闇檻の中だぞ。」

 

 

 

衣玖「はい!?」

 

 

 

天子「こんな所に閉じ込めて!何!?ハッ!これがあの伝説の『放置』なのね!」

 

 

 

リュウ「えーとな…」

 

 

 

~少年説明中~

 

 

 

衣玖「なるほどそういうことでしたか…、誠に申し訳ございませんでいた!」

 

いや、別に衣玖は悪くないだろ、と思ったが、付き人というのはどこでも大変なのだろうな。

 

 

 

リュウ「ところで…あのドM天子はどうするん?」

 

 

 

天子「ねえ!ちょっと流石に長くない!?飽きてきちゃったんだけど!ねえ!」

 

うーん…しょうがない。

 

 

 

有森「流石にうるさいな。一回ぐらいやっても(意味深)良いよな?」

 

 

 

衣玖「はい?」

 

 

 

リュウ「どうする気だ?」

 

前にも言ったが、俺は面倒なのが大嫌いだ。流石にこれはしつこすぎる。

 

 

 

有森「バーンアップ。シャドウケージ、アンロック。[火炎]メギドインフェルノ!」

 

闇檻を解除した瞬間に十字に四方向から撃った。メギドフレアの強化バージョンだ。威力、範囲共には桁違いだ。

 

 

 

天子「んぎぃぃぃぃぃぃ!良いわぁ!88点をあげたいわぁ!」

 

いちいち点数をつけるな。そして数字、刻みすぎだ。しかし…ドMって防御力MAXみたいなもんだよな……そうだ…フフ…殺ってやろう。

 

 

 

有森「さて、と。あいつへのダメージ以外をタイムループしたら良いんだからな。もう10分位たっただろ。麒麟!」

 

はい、再び登場麒麟状態。さて、この状態でアレ、撃ったらどうなるんだろうな。

まずは砕厳を焔龍・燐炎にチェンジ。

それで…

 

 

有森「スペカなんか適応させてやんねえぞ?桜火・烈火花吹雪!業炎・煉獄花火!」

 

本来の俺の主要な炎系統斬撃と魔法だ。スペカ適応無しだから…効果は言わずもがな。

 

 

 

天子「!?ガハッ……ぎゃぁぁぁぁぁぁ…」

 

まあ、死にはしねえだろ。死神追い払ってるんだし。まあ何なら今俺が死神化してやっても良かったが。さてと、

 

有森「タイムループ。」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

リュウ「ところで…あのドM天子はどうするん?」

 

 

 

有森「あいつならああなったぞ。」

 

そこを見ると、一つの焦げかけの肉塊が。ZA★MA☆A

 

 

 

衣玖「そ…総領娘様ー!?」

 

 

 

リュウ「どうやったん…」

 

 

 

有森「まあな♪」

 

 

 

衣玖:リュウ「「(ゾクゾクゾクッ)」」

 

 

 

リュウ「(ヤバイって!あいつ、顔は笑ってるけど目ぇ笑ってないって!(目、見えないけど))」

 

 

 

衣玖「(有森さん…でしたよね!あのお友達!ヤバい人なのでは!?さっきちらっと目が見えたんですけど完全に目から光が消え去ってましたよ!)」

 

 

 

リュウ「(もともとこんなやばくなかったはずなんだが…これはただただヤバい!俺なんか比にならんぐらいヤバい!)」

 

 

 

衣玖「(もうサイコパスを優に飛び越えてほんとの殺人鬼みたいな目、してますよ!)」

 

 

 

リュウ「(ヤバい…あいつイライラさせるのはマジでヤバいマジでヤバいマジでヤバいマジで…)」

 

 

 

有森「リュウ?衣玖さん?」

 

 

 

衣玖「は、ハイぃぃ!」

 

 

 

リュウ「ヒ、ヒィィ!」

 

 

 

有森「?」

 

このあと衣玖さんは肉の塊と化した天子を急いで天界へ連れて帰って(肉の塊になってもまだ何か言ってたけど何言ってるか分からんかった)、リュウは博麗神社に着くまでの間、ずっと顔を真っ青にしていた。何でだろうね。

 

 

 

──────────────────────

 

 

 

有森「ウィーッス。」

 

 

 

リュウ「ど…どうも…」

 

帰ってきた。リュウの声がやけに小さい。

 

 

 

霊夢「あら、遅かったわn…リュウ、どうしたの?顔真っ青よ?」

 

うん、何でかなぁ。ずっと真っ青なんだよなぁフフフ。(狂気)

 

 

 

有森「さぁ?何もないよな!リュウ!」

 

 

 

リュウ「は…はいぃ!」

 

何か死ぬほど怯えてる。

 

 

 

霊夢「?」

 

 

 

有森「というか先に飛んで帰ってきて遅かったわね、はねえだろ。」

 

 

 

霊夢「あんたも飛んできたら良かったじゃない!」

 

 

 

有森「なにぃ!」

 

 

 

霊夢「何ぁかしらぁ?」

 

何か煽りぎみに返事をしてくる。何か腹立つ。

 

 

 

有森「おいテメエコノヤロ!」

 

 

 

リュウ「もうやめてくれぇ…」

 

 




ちょびっとキレるとサイコ化するって怖いですね。
後、天子ファンの方々、もう一度言っておきます。
申し訳ございませんでした!


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第十一話 守谷神社へ!のはずが何で寺子屋に!?

どうもただの謎存在です。

……………特に書くことがないので、フラン。
あ、今回はフラン出てきません

      /  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ヽ /
    〈 ―  ―   ―   ―   ― 〉
    ん ん ん ん ム し へ J ゝ ヽ
    / /〈 リ ハ ム/ ― - 〉 V 〉 〉 〉
   〈 j v、! ●   ● リ ハ 〈 〈 〈
     ル リ 〈   ▽   ム リ ハ / /
   ノ リ,ハ' ー ウ  t - ! ハハ 入 〉/ / >
/=======レ^V^ 、 Λ , '^ - 〈レ=========ヽ
〈〉 〈〉 / ' ムハ / \ . ./ \〈〉〈〉〈〉
     , /ー、 { /ー 、 ! \


では本編どうぞ。


有森「もう一つの神社?」

 

 

 

リュウ「ああ、守矢神社の事だな。」

 

 

 

霊夢「あんた、よく知ってるわね…前にここに住んでた?いや、そんなわけないか。」

 

うん、事情は話してもわからんだろ。いや、それで納得できる方がおかしい。

 

 

 

有森「まあそこは良いとして、なんで急にそこに行くんだ?」

 

 

 

霊夢「まあ、あんたらの紹介的な?感じで。」

 

…いや、違うな。そんなことのために動くようなこいつじゃない。何かあるな。

 

 

 

リュウ「まあ、良いんじゃね?二柱にも会ってみたいし。」

 

 

 

霊夢「ほんとにあんた何者よ…」

 

うーん、下手にぼろ出さないようにちょくちょく言っとかないといけないな。

 

あ、ちなみにだが、あいつのトラウマっぽい感じのところは俺の感情操作で軽減した。全く何が原因でああなってたんだろうなぁ♪

 

 

 

有森「しっかし…霊夢に何があったんだろうか。」

 

そうだ。記憶、覗いてみよ。

 

 

 

─────────数刻前──────────

 

 

 

霊夢「あーもう!何で私が買い出しなんか行かなきゃいけないのよ!」

 

ああ、あのとき、じゃんけんで負けた方が買い出しに行くってことにしたな。何でって…お前最初は一発勝負だったのを三回勝負にして、さらに五回勝負にしたあげくに負けたんだろ。あ、ちなみにだが、能力は全く使ってないからな。ズルはだめだ。

 

 

 

???「あれ、霊夢さんが買い物ですか?珍しいですね。」

 

 

 

霊夢「早苗!ちょうど良かったわ。これ、家の神社まで運ぶの手伝ってくんない?」

 

 

 

早苗「ええ!?何で私なんですか!というかそれ、霊夢さんの荷物ですよね!」

 

 

 

霊夢「ああ、でもこればれたら有森にどやされるわね…じゃあ石階段の真ん中位までで良いわ。さ、持って持って。」

 

 

 

早苗「ええぇ…私神奈子様からのお使いで来てるんですけど……あれ、有森、とは?」

 

 

 

霊夢「ああ、外来人なんだけど、外に帰る方法が分からないから家に居候してるやつのこと。ああ、もう一人リュウって言うのもいるわね。」

 

こいつ……見てないと思って好き勝手に言いやがって……!ケッカンピクピク

 

 

 

早苗「なるほど…あ!なら、その方々を今度守矢神社へ連れてきていただけませんか?諏訪子様や神奈子様も興味深いと思いますので…」

 

 

 

霊夢「ええ?何でそんな面倒なことを~」

 

 

 

早苗「もしその約束を守っていただけるのであれば今回、この荷物を運ぶのも手伝います!」

 

 

 

霊夢「分かったわ。じゃあよろしく。」

 

こいつ…!後でしっかり殺ってやるか。

 

 

 

──────────────────────

 

有森「なるほどね。」

 

 

 

リュウ「?有森、どうした?」

 

 

 

有森「いや、今霊夢の愚かなやり取りを見てただけだ。」

 

 

 

霊夢「はい?誰が愚かだって?」

 

こいつやっぱこんなときだけ耳が良くなるな。

 

 

 

有森「荷物運ぶのが面倒だからってひとに頼んでその代償で周りの人に迷惑かけてるやつだ。」

 

 

 

霊夢「ギクッ」

 

 

 

リュウ「?????」

 

 

 

有森「後でしっかり話、してやるよ。」

 

 

 

霊夢「(サァー)」

 

まあ、脅しはこれぐらいにしておくか。あ、もちろんお話(意味深)はするぞ。

 

 

 

リュウ「ところで……」

 

 

 

有森「ここって…」

 

 

 

霊夢「寺子屋…ね。」

 

 

 

有森:リュウ「「嘘だろおい!」」

 

また道間違ったのか?いい加減にしろよ…

 

というかもう一時間ぐらい歩いてるからおかしいとは思ってたが…

 

 

 

リュウ「…………(無言の怒り)」

 

 

 

~~~~~しばらくお待ちください~~~~

 

 

 

リュウ「まあ、寺子屋のみんなにも顔合わせときたいし、いいか。」

 

 

 

霊夢「そう思うんなら殴る必要無くない?わざわざ2対1で…」

 

 

 

有森「何だ?もうちょっとやられたいのか?ピキピキ」

 

 

 

霊夢「何でもないわよ…」

 

 

 

???「あれ、霊夢…ってどうした!?と、その二人は?」

 

長く、青い髪とメッシュの入った銀髪。えーと…誰だっけ…確かもこたんと仲良かったよな…

 

 

 

リュウ「慧音先生!」

 

ああ、そうだ。寺子屋の先生である、上白沢慧音先生だ。

 

 

 

慧音「おや、どこかで会ったかな?見慣れない気がするが…」

 

…うん。こいつに喋らせるとボロが出まくるな。

 

 

 

霊夢「二人とも外来人で、そっちがリュウ。こっちが有森って言うのよ。」

 

…こいつ怪我治ってる。なにこいつ、化け物?

 

 

 

有森「どうも、有森です。」

 

 

 

リュウ「リュウって言います。」

 

 

 

慧音「なるほど。私はここの寺子屋で教師をやってる上白沢慧音だ。…あれ、有森、と言ったな?」

 

ん?なんだ?慧音先生がこっちを見て言う。

 

 

 

有森「あ、ああ。そうだが?」

 

 

 

慧音「いや、どこかで見かけた気がしたんだ。…気のせいかな?」

 

あーたぶんそれ、あのドM天子の時ですわ。

 

 

 

リュウ「それ、天子の時じゃないか?」

 

 

 

慧音「天子…ああ、そうだ。あの時、寺子屋で採点をしていて、外が騒がしいと思って見てみたらあのドMを有森がフルボッコにしてたんだ。」

 

ん?何か視線を感じるな…霊夢か。何でそんな目で見てくるんよ。

 

 

 

霊夢「有森…あんた、あのドMに勝ったの?」

 

うーむ…勝った…のか?いや、フルボッコにはしたけど。

 

 

 

有森「勝ったというかは…ただフルボッコにしただけだな。」

 

 

 

霊夢「まさか、アレに勝つとは…」

 

アレ呼ばわりされてるぞ、天子。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

天子「ックシュン」

 

 

 

衣玖「どうしました、総領娘様。風邪でもひかれましたか?」

 

 

 

天子「さあねえ…もしそうなら妹紅の火に炙られに行くんだけど…」

 

 

 

衣玖「止めてください。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

有森「あ、大妖精にチルノ。」

 

 

 

リュウ「ん?どうした?」

 

 

 

大妖精「あ、この間の外来人の方ですね。」

 

 

 

チルノ「ん?あ!あたいの子分だ!それに二人になってるな。」

 

おいこら。お前は目に入るもの全てお前の子分だと思ってるのか?

 

 

 

有森「誰が子分だ。」

 

 

 

慧音「こら、チルノ。」

 

 

 

チルノ「げっ、慧音先生…」

 

げっ、てなぁ…

 

 

 

???「あれ、霊夢さん?と…ああ!あの外来人の方ですね!早速お願いを聞いてくれたんですね!すっぽかすと思ってました!」

 

ん?早々に霊夢をいじり倒してきてるやつがいる、というかどっかでこの声聞いた…あ、

 

 

 

早苗「初めまして!私は守谷神社の風祝をしている東風谷早苗です!」

 

えぇ?何でここいるん…寺子屋によ…




最近別名でまた投稿してて、そっちもやるんで投稿スピードかなり落ちると思います。


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第十二話 守谷神社で…リュウ、まさかの能力開花!?そして有森の秘密!

どうも、ただの謎存在です。

最近本気で有森の能力が欲しいと思い始めてます。え?何に使うかって?
……………………



じゃ、じゃあ本編どうぞ。


リュウ「早苗さんじゃないか!」

 

霊夢「あら、早苗。」

 

早苗「はい!早苗です!えーと、あなたが有森さんですか?」

リュウの方を見て言ってるけど…いやチガウ。

 

リュウ「いや、俺は凪沙リュウ。それであっちが有森。」

 

有森「おい、何勝手に俺の紹介まで終わらしてんだよ。それで何で名字だけなんだよ…俺が有森焔だ。」

本気でなめてんのか。

 

早苗「じゃあ、よろしくお願いします!では、守谷神社に行きますか。」

おお、話の先が読めねえな…

 

リュウ「そうだな!二柱にも会ってみたいし。」

まあ、そうだな。行かないと話が進まねえしな。(メタ発言)

 

~少年二人と少女二人移動中~

リュウ「ついたー!」

いやー…霊夢には振り回されてばっかだな。最初の予想が当たってたな。あんまり当たってほしくなかったんだが…

 

早苗「神奈子様ー!諏訪子様ー!ただいま帰りました!」

 

神奈子「お帰り。お、そちらがこの間言っていた外来人の方々だね?なぜ博麗の巫女もいるのかはまあ別に良いとしようか。」

 

諏訪子「さて、君達がどんな人間なのか、楽しみでしょうがないよ。」

何か単純に聞くと軽く怖いんですけど。

それと、ここ来たことある気がする……あぁ、あの捏造記者の時だ。ここ、帰りにちらっと見えてたな。

 

リュウ「それにしても、博麗神社よりきれいだな、新しい。」

 

霊夢「悪かったわね、ボロボロで。」

 

有森「まあ、よく言えば年期が入った、とかいう言い方はあるな。」

 

神奈子「そうだろう。少なくとも博麗神社よりかは新しいからね。」

 

霊夢「何を~!」

こういう光景、外でも俺とはほとんど関わりの無かったやり取りだ。まあ、羨ましいと言えば羨ましい。だが、俺は俺で一人に馴れてたりも……

 

有森「がっ!」

不意に心臓が絞られるような痛みを感じた。同時に、頭の中に、テレビ画面の砂嵐のようなものに隠れながら、真っ赤に染まって行き、高温を放ち出す星が映った。それと同時に体からも湯気のようなものが出始める。

 

早苗「だっ!大丈夫ですか!?」

 

リュウ「おい!有森!しっかりし…熱っ!」

俺の腕にさわったリュウが凄く熱そうにしている。だが、そっちを気にできるほど余裕はない。

 

有森「がぁぁぁあああああ!」

まずい…もう体が持たない。こうなりゃショックだ。左手は痺れて使えないから、右手でエネルギーを収縮させ、俺のからだの前で爆発させる。

ドオオォォォォン……

衝撃で普通に倒れた。もう立つ体力も残ってない。「発作」…思ったより体力持っていかれるからな。

 

リュウ「おい!しっかり…しろ!」

ん?リュウ、俺に触れてるのか?…こいつ、手が氷で包まれてる…。なるほど、これがお前の能力か。ふ、やりやがったな……………

 

─────────────────────

有森「……う…」

どこだ?ここ、真っ白だ。………ん?あれは…鈴?何でこんなところに鈴が?

とりあえず近づいてみる。

 

有森「うん?何か光り出した。」

そう思っていると、文字が空間に出てきた。

 

「覚えてないの?」

 

有森「覚えてないって…何がだ?」

 

「やっぱり…あの時記憶を消してたしね。」

あの時?何の時だろう。と言うかこの鈴は何なんだろう。

 

「さて、と。今はみんな呼んでるよ?行ってらっしゃい。」

不意に目の前が真っ暗になった。

それが目を閉じているから、と気づくまで2、3秒かかった。目を開けると光が入ってくる。

 

有森「ここは……永遠亭か。」

 

リュウ「よく分かったな。」

 

有森「リュウか。悪いな、迷惑かけた。」

 

リュウ「それは別に良いんだが、お前、まだアレ治ってなかったのか。」

 

有森「フフ、治るわけないだろ。まあ、死なないように自分に不命死の術はかけてるが、根本的な解決にはなってない。あの病気は治ることは治るが、治療法は薬だけだ。薬の効果も効かない俺には意味がない。だが、俺の体質上病気にはかからねえと思ってたんだけどなぁ。」

不命死の術とは、自らの力と身体的な何かを使って寿命を無くす術のことだ。俺の場合、力の90パーセントと右目を犠牲にして使った。使ったのは大体10年前ぐらいだ。まあ実年齢が3540歳の俺にとってはついこの間だ。

 

リュウ「さてと。あいつらにはどう説明する気だ?」

そうだ。リュウは知っているからいいが、下手な迷惑やら心配やらはかけたくないからな。

 

有森「まあ、適当に…魔力の暴走だとでも言っとくか。前にパチュリーの魔力を貰ってたからな。あれがフラグってことにしとくか。」

一部は合ってるしな。俺のかかっている「妖力病」。例えると、体の中にある魔力や妖力を貯めておく箱がどんどん脆くなっていく病気だ。最終的には身体中の妖力、魔力が暴走して体が四散、死に至る。

だが、その前に…

 

リュウ「その『原因』、まだ分かんねえのか?」

 

有森「ああ…」

これになった原因が記憶にない。これにかかるには、超莫大な量の妖力、魔力を放出するか、吸収するしかない。だが、そんな記憶は俺の中にはない。

さて、この話は終わりだ。

 

有森「それよりお前、能力使えてたな。」

 

リュウ「え?」

 

有森「うん?」

 

リュウ「…ごめん、無我夢中で全く覚えてない…」

 

有森「見たところ氷系統みたいだったぞ。」

 

リュウ「こうやったら出るかな?おりゃっ。」

手のひらにぐっと力を入れる。すると、

パキパキパキ…

 

リュウ「おお!出来た出来た!」

それ、そんな簡単に使えるのか。

 

リュウ「とりあえずはこれの修行だな。付き合ってくんない?」

 

有森「ああ、別に良いが…俺、教えるのは壊滅的だぞ?」

 

リュウ「大丈夫大丈夫!俺ほら、理解能力高いからさ。問題ないって。」

 

有森「……それ、軽く煽ってんのか?」

とりあえず修行か。自己防衛出来てもらうととても助かるからな。




~あとがき~

リュウ「最近主がサボりぎみになってきてるってよ。」

有森「はぁ、まあ、そんなにお気に入りユーザーも居ねえから迷惑に思うような人はそういないと思ってるんだがな。」

主「おいこら。軽く煽んな。」

リュウ、有森「「事実じゃねえか。」」

主「ハモらせんな。」

有森「いや、言わせてんのはお前だろ。」

主「…おっしゃる通りでございます…」

リュウ「つーか、ほとんど妖力病の話だったじゃん。俺の能力紹介かと思ったのによ。」

主「それはほんとごめ。初心者だからユルシテ。リュウの能力紹介はまた気が向いたらやっとくから。」

リュウ「気が向いたら……?ピキピキ」

主「あ……よ、読んで頂きありがとうございましたぁ!」ピューン

リュウ「待てゴラァ!」


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第十三話 紅魔館でピンチ!?フラン、暴走!

どうもただの謎存在です。
戦闘シーンって難しいですね……




では本編、どうぞ。


霊夢「昨日は散々だったわね…」

 

有森「ああ、悪かった。ちょっと守谷神社行ってすぐに永遠亭に行ったからな。」

 

リュウ「まあ、しょうがなかったと言えばしょうがなかったんじゃないか?」

まあ…そうか。

 

霊夢「体の方は大丈夫なの?」

こいつ、人のことを心配することはできるんだな。かなり意外。

 

有森「ああ、問題ない。回復能力は高いからな。とりあえず俺は紅魔館でもいってくるわ。」

 

リュウ「じゃあ俺は寺子屋にでも行ってくるかな。」

 

霊夢「そう、行ってらっしゃい。」

おう。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

有森「…お前どうやって飛んでんの。」

リュウは飛んでいた。いや、走っていた、の方が正しいか。空中を走っていた。

 

リュウ「ああ、昨日お前がある程度教えてくれたじゃん、こういう氷のやつの使い方。それを応用して足場に氷の塊を作ってその上歩いてんだよ。」

よく足がついていくな。確かに足は速い方のやつだったけど。

 

リュウ「何か生物判定?みたいなのが妖怪に分類されてるのか、色々できるようになったんだよね。」

 

有森「それだったら普通に飛べないのか。」

 

リュウ「あ……………その手があったか。」

バカなのか。成績は良い方なんだけどな。

 

有森「じゃあここで分かれるんだな、じゃ。」

 

リュウ「おう!」

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

有森「……………いない。」

美鈴がいない。いつもは寝てるか頭にナイフが刺さってるかの二択だったのだが、今日は三択目、いない、だ。なにやってんだよ門番だろ。

 

有森「入っても良いよな…?」

 

キィー

 

………なにかがおかしい。あまりに静かすぎる。それに妖精メイドも見当たらない。

……………………

有森「…第一感覚専攻第三感、聴覚。」

じっと耳を澄ます。すると、微かに音がした。声のようだ。

???「……ナ……エ………ン……………ト………」

ダメだ。ほとんど聞こえない。ただ、位置的には声は図書館かららしい。あそこならパチュリーが防音魔法をかけてたから声が聞こえにくいのも分かる。

 

スー…

 

何か足音たてたらダメかな~とか思って浮いて来た。

図書館の扉を開けようとした瞬間!

ドゴオン!!

 

有森「!?」

咲夜が扉を壊して飛んできた。はぁ!?

 

有森「お、おい、大丈夫か!」

返事がない。一応脈をとってみる。

 

有森「気絶してるだけか。しかし何が……。……………!?」

なかに入ってみると大惨事だった。本棚は倒れて本は散乱してるし、パチュリーは倒れてうわ言いってるし。何でこうなった。

すると、聞き覚えのある声が聞こえてきた。

 

フラン「ミンナコワレチャエ!」

フランだ。近くにレミリアと美鈴もいるがもうボロボロだ。だからいなかったのか。

 

有森「フラン!」

フランがすっとこっちを向く。

 

フラン「ウモリダ!ネエネエイッショニアソボ?カクレンボニスル?ソレトモダンマクゴッコ?」

 

レミリア「う…有森…?…!は、早く逃げなさい!今、フランは暴走状態なの!」

 

美鈴「は、早く!私たちだけで大丈夫ですから!」

いやいや、

 

有森「そんなボロボロの状態で言われても説得力の欠片も無いぞ?」

 

フラン「アソンデクレナイノ?アソボウヨ!」

 

有森「ああ、そうだな。ただ、ここでやるとまたぶっ壊れるから外でやろうぜ。」

 

レミリア「ちょっと!早く逃げろと…」

 

有森「問題ねえよ。フランは遊びたいだけなんだから、付き合ってやろうじゃねえか」

 

フラン「ヤッタ!ハヤクイコウイコウ!」

 

有森「ああ、行こうか。」

そう言って図書館から出る。回復は小悪魔に任せよう。もし帰ってきても終わってなかったら手伝うとするか。まずはフランを元に戻すのが先決だな。フランの目の中に光が宿ってなかったしな。

 

フラン「サア、ハジメマショ!」

 

有森「ああ、だがちょっと待っててくれ。」

おそらくかなり激しいバトルになるだろう。結界を紅魔館と周囲にはっておかなくてはな。

 

有森「これで良し、と。お待たせ、始めようか。」

 

フラン「ヨーシ、ウモリハチャント…タノシマセテネ?」

…ちょっと待て。フランはレミリア達相手に戦ってたよな?だが、今フランは有森はって言ってたよな?レミリア達相手に楽しめなかったてのか…やばいな。

 

フラン「フォーオブアカインド」

!?フランが分裂した。

 

フラン「[禁弾]カタディオプトリック」

   「[禁弾]過去を刻む時計」

   「[禁忌]カゴメカゴメ」

   「[禁忌]恋の迷路」

 

有森「はあ!?」

四人同時にスペカはダメだろおい!一人でもきついってのによ!

 

有森「しょうがない…『バーンアップ』、超加速!」

何とか避けれたな。

とはいえ…

 

フラン「アハハハハ!ヨケタヨケター!」

何なんだ…この妙な違和感…何かが違う……

 

有森「うーん…がはっ!?」

 

フラン「ヨソミシテルトコワレチャウヨ?」

ぐ…背中にレーヴァテインを食らったか…瞬間的に反応出来て良かった…しかし…かなりのピンチだ。でもそれより………やっぱりこの違和感…何だろうか…

 

フラン「キュットシテー」

……まずい。

 

フラン「ドカーン!」

がっ…!

ヤバかったな…もう殺しにかかってる。危ないとかそこらじゃない。

 

フラン「アハハハハハ!ソレソレー!」

くっそ…やっぱり強い…。

 

フラン「ウーン…ウモリハハンゲキシナイノ?オモシロクナクナッテキチャッタ。」

ちっ…しょうがないか…

 

有森「いいや、もちろんやるさ。[炎符]インフェルノゴースト!」

威力は絞ってるとはいえバーンアップ状態だ。気を付けないと…

 

フラン「フフフフフ!モットアソビマショ!」

 

有森「ちっ…[火塊]焦包魂![焔符]火焔楼!」

数で動きを止められれば…!

 

フラン「モットモットアソボウ![禁弾]スターボウブレイク!」

ドオン…

ぐ…もろに当たった…ガードはしたが、やっぱりきつい…

そのとき、フランの目から涙が流れていた。

 

フラン「アレ…ナニモナイノニ…カナシクナイノニ…ナンデ…」

!?…もしかしたらフラン、人為的に心を凍らされてるんじゃないか?だが、完全に凍りきってるわけじゃないらしい。少しの感情が残ってるってところだろう。自分のなかで二つの感情が対立することほど苦しいことはあるまい。

 

有森「フラン…今助けてやる!麒麟!」

凍った心を戻せるのは感情の司神である麒麟だけだ。

 

フラン「サア、モットアソビマショ?」

涙を流しながらも言ってくる。

 

有森「残念だが、これで終わりだ。」

 

フラン「エ?」

麒麟族特有のスキル!

 

有森「水面の鏡の如く澄みきる心、荒ぶりし心情を鎮め平穏と化せ。『明鏡止水』」

何か厨二病みたいになるが、俺は今開いている右目にある程度の能力を封印している。これもそのうちの一つだ。

 

フラン「エ………………あ………」

 

ヒュー…

 

ポス。

かなりの疲労だったんだろう。四人が一人に戻ってそのまま眠っちまった。はあ、

 

有森「空間移動」

フランをおんぶしたままフランの部屋に直行する。あそこにもベッドがあったはずだし、何よりあそこがフランにとっても一番安心できるところではないだろうか。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

キィー

 

あれ、まだ回復が終わってないのか。

 

小悪魔「有森さん!大丈夫でしたか!?」

 

有森「ああ、今フランは部屋で寝てる。とりあえず回復、手伝おう。」

 

小悪魔「え、良いですよ、お疲れでしょうし。」

問題ない。体力はもう回復した。麒麟状態を誰にも見られてなかったからタイムループを使う必要がなくなったのもあるしな。

 

有森「ヒール」

これはかなりの広範囲に対して使う回復技だ。

 

レミリア「う…。…!有森、大丈夫だったの!?」

 

有森「ああ、問題ない。ところでだが、フランは何でああなったんだ?」

 

レミリア「えーと…確か、フランがここで勉強してたとき…」

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

どうやら、フランは俺が来なかった間ここで勉強していたらしい。だが、今日も勉強していたとき、一部の壁を貫通して「何か」が飛んで入ってきたらしい。運悪くフランはそれに当たってしまい、その直後にああなってしまったらしい。それが原因なのは確実だな。ただ、それがなんなのかがわからない限り…どうにもならねえからな。だが、それが心を凍らせる力を持っているとすれば、それをできる扱えるやつはかなりの相手となる。何なんだろうか…

 

カチャ…

 

レミリア「フラン!」

 

咲夜「妹様!」

 

有森「フラン、目が覚めたか。」

 

フラン「……………い………ごめんなさい…私のせいで…」

 

レミリア「フラン……!」

レミリア、ちょっとキレてないか?飛びかかるなよ?

 

有森「待った。「え?」フランはやりたくてやったんじゃないんだ。」

 

フラン「有森…」

 

有森「おそらく、さっきレミリアに聞いた話からすると、その飛んできた『何か』がフランの心そのものを凍らせたみたいだ。ただの事故なのか、目的があってなのか……そこは分からんが。」

また変にこれがでかいことにならなければ良いんだが…

 

有森「それに、フラン。」

ずっとフランはうつむいてる。泣きそうになってるみたいだ。良い子なんだよな。

 

有森「よく謝れたな。悪いことをしたら謝る、簡単なことに見えてもそれをできるやつは少ない。」

 

フラン「で…でも…怪我、させちゃった…」

 

有森「大丈夫だよ。怪我はしても死んではねえ。怪我なんかそのうち治る。」

 

フラン「う…うぅ…」

 

有森「それと泣きたいときは泣けば良い。変に我慢なんかする必要はない。」

 

フラン「う……うう………うわああぁぁん!」

自分の意思とは別に体が動くし、それで他の人を傷つけたんだ。そりゃ怖かったし辛かったよな。でもそれにも耐えたんだ。やっぱりフランは強い。俺はフランが泣き止むまで頭を撫でていた。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

レミリア「今回は本当にごめんなさい。」

 

有森「もう良いんだよ。怪我も治ったし、フランも戻ったしな。」

 

フラン「でも…また同じようなことがあったら……私…」

俺は目線を合わせて言う。

 

有森「フラン。もう起きたことはしょうがない。でも、そのあとが大事だって言うだろ。一つ間違ったら二つ良いことをする。二つ間違ったら四つ良いことをする。そういうことの積み重ねで人は成長できるんだ。だから、過去を見ずに未来を見ろ。自分のできることをやってみろ。」

これは、俺が母に言われた言葉だ。母は何か間違ったら人のためになることをして、自分なりに頑張ってみろ、って言ってくれた。もう姿も顔も覚えてないのに、それだけはずっと覚えている。

 

フラン「……うん…!私、頑張る!」

ふう、少し元気になってくれたみたいだ。良かった良かった。

 

有森「じゃ、俺はそろそろ。晩飯も作らなきゃなんねえし。」

 

レミリア「なら…」

ん?なんだ?

 

レミリア「今日はうちに、あのリュウという人と博麗の巫女、三人で来ない?迷惑もかけてしまったし、せめて晩ごはん位でも…」

そうか。それは…まあ俺にとっても助かるっちゃあ助かるな。

 

有森「そうか。なら、お言葉に甘えさせてもらおうかな。二人にはこっちから言っておく。」

さて、帰るか。…………ん?何であいつリュウのこと知ってんだ?…まあ良いか。




~あとがき~
リュウ「良いなー。有森良いなー。俺もフランちゃんにギューってされたい!」

有森「骨盤が砕け散っても良いなら頼んでみれば?」

主「そうなると残酷な描写のタグつけなくちゃいけなくなるけどね。」

リュウ「…やめておく。それよりアリスたんの登場はいつになるんだ?」

主「…いつにしよう…。ほとんど先も見ずに作ってるから予定がないんだよね。まあ次はリュウの寺子屋編にする予定だから…少なくとも次の次。」

有森「出たとしてもお前、気持ち悪い言動、行動は慎めよ?」

リュウ「………それは難しい。」

有森「おい。」

主「うーん…でも寺子屋編もあんまり内容決めてないからなー…」

有森「決めてないのに予定言ったのか。」

主「まあ予定だからね。無問題(モーマンタイ)だろ。」

有森、リュウ「そうとも限らねえよ。」

主「………はい。ですね。じゃ、そろそろ〆るか。最後まで読んでいただきありがとうございました。」


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第十四話 寺子屋で才能発揮!

どうもただの謎存在です。

最近朝が少ーし寒くなってきて学校に行くのがどんどんだるくなってきてます。まあ、学校に行くのをだるいと思ってるのは今に限ったことじゃないですけどね☆

では、本編どうぞ。


リュウ「いやー…空を飛ぶっていう選択肢を見つけるとはなあ~。」

その発想はなかった。氷の術を使いたかったってのもあるしな。ん、もう着くな。

 

リュウ「ふう、到着っと。」

ん?何をしに来たかって?いやー…何となく思ったんだが、これ、俺も有森も今、絶賛ニート中ってことじゃん?有森はまあ霊夢の手伝いとかでやってるから良いが、俺は料理とかをすると産業廃棄物が出来るって有森に言われたし、そんなに力が強いわけでもないから、何か別のことを~と思ってな。

 

慧音「おや、リュウ殿ではないか。どうかしたのか?」

お、焦ったぁ。

 

リュウ「慧音先生、急で悪いんだがここで雇ってもらうことってできたりするか?」

 

慧音「え?いきなりだな。まあ、出来んことはないが…リュウ殿がか?」

 

リュウ「ああ、このまま働かないってのも何かあれな気がしてな。」

 

慧音「そうか。…なら、今日これから授業があるから、一回そこに出てもらって、それから決めるとしよう。」

 

リュウ「分かった。」

よし、教師への挑戦権獲得だ!

ここで成果を出さなければ!

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

チルノ「あたいは幻想卿最強のチルノだ!」

 

大妖精「大妖精です。皆からは大ちゃんって呼ばれます。」

 

ミスティア「ミスティア・ローレライよ。よろしく♪」

 

リグル「リグル・ナイトバグです。よろしくお願いします!」

 

ルーミア「ルーミアなのだー。おにーさんは食べても良いのかー?」

 

リュウ「え、えぇ…?」

ちょっと待て、ええ?人間の子供の方かと思ってたんだがフツーにこっち来た。えー…何でこうなった…もういい!やれるだけやってやる!

 

リュウ「とりあえず、今日担当になった凪沙リュウだ。よろしくな。」

 

一同「「「はーい!」」」

お?けっこういい子たちらしい。唐突に人を食おうとするようなやつもいるが…

 

──────────────────────

 

妹紅「慧音、何であの問題児どものところにリュウを入れた。いけると思ってるのか?」

 

慧音「いや…正直言うとあそこで上手くやれるとは思ってない。が、リュウ殿の考え方等を見るのにはちょうどかと思ったんだが…」

 

妹紅「あそこには大妖精は良いが、特に手を焼く⑨(チルノ)がいるんだぞ。」

 

慧音「うむ…まあ、リュウ殿の腕がどうかだな。」

 

妹紅「いや、普通の教師でも⑨の前にはほぼ無力みたいな物だろうが。」

 

──────────────────────

 

チルノ「えーと…9×8=72で…9×9は………81だ!」

 

リュウ「そうだ!よくやったな、チルノ。」

ん?何かもこたんと慧音先生がめっちゃこっち見てる。え、何!?何!!?

 

慧音「(なんと…あの⑨には、すっかり手を焼いていた。毎回教えても返ってくるのは珍妙な答えのみ。それが、どうだろう。とうとう彼は九九まで教えてしまった!)」

 

妹紅「(なん…だと……あの⑨が九九を最後まで言い切っただと…!?いつもなら1×5ですぐに謎の答えが出始めるようなやつだぞ!?)」

 

大妖精「すごいよ、チルノちゃん!」

 

チルノ「ふん!九九が出来たあたいにはもう怖いものなんて何も無い!」

 

ルーミア「じゃあその前には怖いものがあったのかー?」

 

チルノ「ぐ…」

 

ミスティア「それに九九を分かりやすく教えたのはリュウ先生だけどね~。」

 

チルノ「ぐぐぐ………」

おいおい、反論できなくなってるぞ。

 

リュウ「おいおい、いじめない。」

 

リグル「あの…リュウ先生、ここが分からないのですが…」

 

リュウ「ん?どれどれ…」

 

チルノ「あたいはもっと最強になりたいんだ!もっと教えろ!」

 

大妖精「あ、あの…私にも教えてください。」

 

リュウ「人に物を頼むときには敬語を使うこと、だぞ。あと、順番に見るから、ちょっと待っててくれ。」

 

こうして寺子屋での時間は過ぎていった…

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

リュウ「じゃあな、気を付けて帰れよ!」

 

チルノ「あたいがいるから大丈夫だ!」

 

大妖精「すみません、チルノちゃんが何から何まで…」

 

リグル「また教えてくださいね、先生。」

 

ミスティア「私の屋台に来たら安くしといてあげるよ。」

 

ルーミア「バイバイなのだー。」

寺子屋での授業は午前中で終わりだったからみんなを見送った後、慧音先生が来た。

 

慧音「お疲れ様、だな。」

 

リュウ「!慧音先生。どうですか?」

許可はおりるのか…どうだ!

 

慧音「ああ、もう明日からでも来てほしいぐらいだ。」

 

妹紅「まさかあの⑨に九九まで覚えさせるとは…」

いよっしゃぁ!

 

リュウ「いや、あいつは俺じゃなくてもいつかは覚えれてたさ。」

 

慧音「しかし、ミスティアやルーミア、リグルもたった一日でかなり成長し、大妖精に関してはさらに向上した。それに…」

 

妹紅「ああ、あいつらがあそこまで勉強に熱中しているのは見たことがなかった、やるな。いったいどうやったんだ?」

よっしゃ!もこたんに褒められたぞ!え、やった、めちゃくちゃうれしいぜー!

 

リュウ「まあ、でもあいつらがやればできる子だったってこともあると思うけどな。それに、あくまでもこういうところじゃ、子供が主役なんだ。いくら教師役のやつが先走ってても全員がついていかなくちゃ意味がない。コンサートで指揮者が指揮棒を振っても演奏する側がやる気じゃなくちゃ意味がないのと一緒だ。だから、興味を持たせるのが一番大事だと思ってる位だな。」

 

慧音「なるほど…」

 

リュウ「じゃあ…また明日来ることにする。また、よろしくな!」

 

慧音「ああ、頼んだぞ!」

よっしゃ!頼まれましたーーー!これで脱ニートだ!

 

有森『リュウ、聞こえるか?』

 

リュウ「うお!?な、なんだ?有森?いや、どこ!?」

 

有森『テレパシーだ。この間言った気がしたが…言ってなかったらごめん。』

 

リュウ「あー…何か言ってた気がするな。」

 

有森『実は、≪かくかくしかじか≫で、紅魔館で晩飯をおごってもらうことになった。』

 

リュウ「なるほどな。お前は大丈夫なのか?」

 

有森『ああ、問題ない。回復はしたからな。今から一回帰ることにする。』

 

リュウ「おう。分かった。じゃ、また後で。」

ふー…まあ疲れたなぁ…。まあ、「いろいろ」あったしな…

少々誤算はあったんだが…上手くいったっちゃいったからまあいいか。ゴールが少ーしばかり遠ざかったぐらいだからな。

はぁ、……………………………有森…、「これから」も大変なことになるだろうが、頑張ってくれよ。それと、気を付けろよ。お前は気付いてないかもしれないが、もう既に身近にナイフを突きつけられてるような状態にあるんだ。お前に直接にも間接にも言うことは出来ないが、もう一回言っておく。  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「気を付けろよ?」




~あとがき~

有森「……盛大にフラグ残して終わったな。」

リュウ「ああ、でもフラグ残しても単細胞の主はそこを忘れて進める可能性も無きにしもあらず、って感じだな。」

有森「確かに考えられるな、あいつならな。」

主「おいこら誰が単細胞じゃ。」

有森「お前以外誰がいるんだよ。」

主「(……反論できねえ…)」

リュウ「そういや、俺らのキャラの名前とか性格とかってどうやってつけてんの?」

主「ん?まあ…自分の名前弄ったりとか、友達の特徴的なところを勝手にとってきたりとかしてるな。」

有森「勝手にかよ…」

主「いや、そいつに『小説のキャラ作りたいから性格の一部貰ってって良い?』とか普通聞く?」

リュウ「うーん…まあ、言われてみりゃそうか…?」

主「そうなんだよ!それで良いっしょ!はい、じゃあそろそろ〆るぞ。」

リュウ「何か無理矢理な気もするけど…まあいいか。最後まで読んでいただきありがとうございました!」


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第十五話 紅魔館でなぜか宴会に!?

どうもただの謎存在です。

英検を受けたんですが、受かっている気がしません…。
せめて一次試験は受かっておきたいんですが…
まあ、勉強も小説も頑張ります。


では、本編どうぞ。


有森「……………」

 

リュウ「……………」

 

有森「……………何で……こうなってんだ…?」

 

リュウ「…………さあ…?」

晩飯に招待されたが、来てみりゃどちらかと言うと宴会の準備中じゃねえか!

 

リュウ「いや、別に嫌って訳じゃ無いんだけど、何でこうなった…」

ん、レミリアと咲夜がこっち来た。

 

レミリア「あら、いらっしゃい。」

 

咲夜「来ていただいてすぐで申し訳ございませんが、手伝っていただいてもよろしいでしょうが。」

おい急だな。

 

有森「あ、ああ。別に良いが…」

 

リュウ「まあ、良いか。見た目が宴会っぽくなってるだけかもしれねえし、もし宴会にだったとしても東方内のキャラ達とお酒が飲めるんだからな!」

 

有森「いや、お前未成年だから酒飲めねえだろ。」

するとリュウはチッチッチッと鳴らしながら指を振ってきた。

 

リュウ「ここではそういうのは無いから大丈夫だ!」

何が大丈夫なんだか…まあ、酒を飲むのは良いが、飲まれるなよ?

 

有森「で、何をしたら?」

 

レミリア「そうね…もう少し料理を作ってもらいたいのだけれど。」

 

有森「なるほどな、分かった。なら、リュウは大人しくしといてくれ。ただでさえ人が来るんだ。『食物を産業廃棄物に変える程度の能力』持ちのお前は本当に止めてくれ。死人が出る。」

 

リュウ「頼むからその言い方止めてくれ…」

事実だ。前に味噌汁を作ったときにまさかお茶とコーヒーを入れているのを見たときは一瞬戦慄したぞ。

 

有森「せめてやるなら運ぶぐらいにしといてくれ。」

 

リュウ「オッケー。」

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

…あるものは何でも使って良いとは言われたんだが……だめだ。これが何か全く分からん。見たこともないものだらけだぞ。…まあ、一応これが合ってるっちゃあ合ってるのか…?まあ良い、分かるものである程度作るか。大体10品位って言われたが、そんな要る?

 

トトトトトトトトトト…ジューー…コトコトコト…シャッ…

 

────────一時間後─────────

 

有森「ふう…こんなところか。」

14品。ほとんどオリジナルだから名前の無い料理だらけだ。

 

有森「これで良いんだよな…?」

多分…大丈夫。持っていくか。

 

テクテクテク…

そういや、リュウと妖精メイドはどこ行ったんだよ。

 

ガチャ

 

有森「……………は?」

何かめっちゃ人集まってる。は?ドウイウコトー… 

 

リュウ「おう、有森。…何か凄い他の人来たんだが…」

 

有森「うん、10品位作れって言われたときぐらいから察してたが……完全に宴会始める気だな。」

 

リュウ「おう…まあ、良いんじゃね?有森、料理のうでの見せ所だぞ。」

簡単に言ってくれる……だが、かえって料理作る側ってのは良いかもな。こういうところは個人的にちょっと苦手なんだ。言っておくが決してコミュ障ではない。

 

お、霊夢と…魔理沙が来た。本来なら片方だけのはずだったんだが…まさかお前が呼んだんじゃないだろうな…

 

霊夢「あら、有森。あんたが料理作るの?」

 

有森「あ、ああ。」

 

魔理沙「お、そうか!楽しみにしてるぜ!霊夢に呼ばれて来たけど、正解だったな!」

やっぱりお前か……!

これは…後でまた「お話」だな。無駄になりそうな気はするが。

 

─────────三十分後─────────

……知らないやつも合わせて大体40人ほど来た。あいつの人脈……恐るべし。

 

そしてリュウはというと…

 

リュウ「うう……だめだぁ………」

あっという間にノックダウンした。何で鬼のペースに合わせたかなぁ……。先も見ろよ。

 

勇義「有森って言ったな!ちょっとこっち来い!」

うえー…お呼びだ…まあ、酔ったりすることはないが、やっぱりこういうところは合わねえな…

 

有森「で、用件は?」

 

翠香「勇義が一緒に飲みたいんだってよ。」

 

勇義「ずっと立ってて何も飲み食いしてないだろう?」

あー…確かに飲食はしてないが、腹も減らないから問題ないんだよな…まあ、料理は作り終わってるから良いんだけど…

 

有森「まあ、良いっすよ。特にすることも無いし。」

 

勇義「そうか!良かった。リュウって言ってたがこいつはすぐに倒れたからな。お前、酒は強いか?」

 

有森「まあ…酔うことはないと思うが…」

残念ながらアルコールの影響も打ち消される。

 

勇義「おう!それは良かった!」

ガハハ、って笑ってる。酒の臭いが…こりゃ大変だな…特に咲夜。

 

そのあと、いろいろ聞かれた。外の世界の事やら個人的なことやらだな。というかその間勇義も翠香もずっと飲んでたんだが…酒に強すぎだろ…。にとりやら文やらはあっと言う間に捕まってノックダウンさせられてたがな。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

勇義「いやー、男と飲んだのは初めてだったから調子にのってしまった!しかし…有森、なかなか強いようだな!全く酔っていないじゃないか。」

 

有森「まあ…はい。」

強いと言うか…まあ、良いか。

 

紫「そろそろお開きにしましょうかね。」

 

有森「ああ、そうしていただけると助かる。おーい、リュウー、帰るぞー。」

 

リュウ「うぇー……」

……悪酔いしてるな。気持ち悪くなるまで飲むなよ…。

 

有森「ったく…スターダス・リフレクト」

状態回復の魔法だ。アルコールの影響もかき消されてもとに戻る。俺の場合、これを無意識のうちに延々と自分にかけてるような感じだ。

 

リュウ「あぁ…有森か。悪い、迷惑かけた。」

 

有森「おいおい、状態回復はしたが、これで懲りろよ?」

 

リュウ「ああ…善処する。」

その言い方は政治家が頑張る気が無いときに使うやつだろうが。お前は頑張れよ、みたいなつっこみをしながらも脱力しているリュウを粒子を操って博麗神社へ運ぶ。

 

翠香「おお、またこれは面白そうな術を使うねぇ。」

あ…バトル展開にならないことを願う。(フラグ)

 

翠香「食後の運動に弾幕勝負だ!」

あー……下手にフラグ立てたのが悪かったか。しかし…鬼と言えばこっちでは力の司神で大地を操るようなやつ。正確にはそれは鬼神だから、同じような能力とは思わないが、ばかにならない力を持っているのはもう確定だろう。

 

有森「うーん…別に良いが、今日はあいにく荷物が多いんでな。出来れば今度にしてもらえると助かるんだが…ダメか?」

そこでもう既にリュウは倒れてるし、霊夢も何か性格変わってるし、結局世話するのは俺になるんだからな…自分のことは自分でしてもらいたいものだ。

 

翠香「そうか…なら、今度ってことだな。私も博麗神社にいるしな。」

え、博麗神社って鬼が住み着いてんの?もう妖怪神社じゃねえかよ……他のとこに住まい変えようかな…なーんてね、俺もほとんど妖怪みたいなもんだし。

 

勇義「私も一度、戦ってみたいねえ。」

 

有森「いや…」

いやいやいや、勇義はだめだ。他とは別格の力のオーラを感じるし、いや、そもそも鬼と戦うことそのものがヤバいんだぞ?翠香の時点でヤバいってのに勇義はもっとだめだ。

 

有森「まあ…機会があれば、だな…」

 

勇義「フフッ、楽しみにしておこう。」

あー…楽しみにしていただかなくて結構でーす。勝てることは勝てるかもしれないけど自主的に戦いたい相手じゃないんでー。

 

勇義「じゃあ、帰るとするか。じゃあな、有森。また、」

 

有森「あ、ああ。じゃあまた。」

飛んで帰っていった。じゃあ、俺も帰るとするか。

 

有森「パーティカルロック」

空き時間に練習して自由に停止、起動、違う粒子内の移動もできるようになったから、篭みたいにして運ぶみたいなこともできるようになった。霊夢とリュウにかけて博麗神社に運ぶ。それから布団を用意してから、両方寝かせてから寝る必要の無い俺は森で特訓することにした。




~あとがき~
有森「………」

主「………」

リュウ「(Ω\ζ°)チーン)」

有森「………どうしようか。」

主「いや、俺はどうでもいいけど困るのはお前と霊夢ぐらいじゃないか?」

有森「編集で戻してくれ。」

主「いや、別に編集パワー使ったら何でもできるけど話繋がらんなるぞ?」

有森「………はぁ~、結局俺が世話するはめになるのか…」

主「ファイトー。」

有森「頑張らしてるのはどこの誰だよ…」

主「さ、さあね~…」

有森「ワカラセテヤロウカ?」

主「結構です、はい、すんませんでした。」

有森「それでいい。じゃ、そろそろ…」

主「〆るか。」

有森「最後まで読んでいただきありがとうございました。」


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第十六話 誤解だあぁぁぁぁ!

どうもただの謎存在です。

いやー…最近朝晩が寒くて大変です。まあ、作者は寒いのには強いんですけどね。この間まで暑い暑いって言ってたのに急に気温が下がってきてるので体には気をつけて下さいね。

では、本編どうぞ!


有森「だから俺じゃねえって言ってんだろーが!」

 

幽香「安心しなさい…一発で終わらせてあげるから…」

 

有森「何を安心しろってんだよ!」

 

─────────10分前──────────

有森「ふー…」

ただいま休憩中。状態回復にまだ使いなれてなかったことによる二日酔いのリュウの世話(薬飲ませたから多分もうそろそろ大丈夫になる。)といつもの霊夢のパシりから解放されてただいま森の中を適当に歩きまわってる。

 

有森「こうやってると家を思い出すなぁー…」

俺の家は森の端にある、というか森の中にあって3m位後ろは崖。そこで薬屋をやってる。その合間に散歩したりとかぶらぶらしてた。そんなに忙しいことでもなくて、時間にあまり縛られない生活をしてた。ここに来た日は買い出しに行って、体が疲れたから本を読んでたら寝落ちしたんだったな…そうやって静けさにゆっくりしていると…

 

魔理沙「おわっ!有森!」

 

有森「ん?魔理沙、どうしt…」

 

???「こらー、魔理沙ー!まちなさーい!」

 

パチュリー「今なら火傷で許してあげるから…!」

 

有森「パチュリーに…アリスか。リュウは残念ながら動けないからな、残念だったな。というか魔理沙、いったい何したんだよ?」

 

魔理沙「それが…」

 

アリス「いた!魔理沙ー!ってうわ!」

ドドォン

 

アリス「危なかった…直前で弾幕の軌道を変えられたから良かったけど…あら、昨日宴会にいたわね。」

いや、遠目でも分かるだろ…というか昨日いたのか。リュウ、残念。

 

パチュリー「こんなところで何してるの…?有森。」

 

アリス「有森?」

 

パチュリー「ええ、外から来たらしいけど、来た方法が分からないらしいのよ。」

 

アリス「へぇー…不思議なこともあるものね。私はアリス・マーガトロイド。人形つかいよ。」

 

有森「あ、ああ。…で、何で魔理沙を?」

 

パチュリー「ああ、その泥棒が全く本を返さないからよ。」

アリスからも取ってたのか、魔理沙。

 

有森「魔理沙、自業自得だ。」

 

魔理沙「ええー!」

 

アリス「さて、すぐに返してもらおうかしら?」

 

魔理沙「わ、分かった!明日…いや、明後日かな?…とりあえず今度返すから!」

 

パチュリー「毎回のことだけれど、反省の色は皆無ね。」

 

魔理沙「じゃ、じゃあな!」

あ、逃げた。

 

アリス「待ちなさい!」

あー…追いかけてってみよ。

 

ドドドドド

有森「…………………」

いや、弾幕かよ。魔理沙も箒乗りながら応戦してるし…あ、こぼれた。ってここって…ひまわり畑……つまり、あの人がいるよな…オレガ東方内で覚えてる数少ない妖怪だな。早く行ってリフレクトしなければ…

 

ザザザザザ…

 

あった。早めに…

 

幽香「ちょっと良いかしら?」

………あ、オワタ………こういうときはただ一つ!

 

有森「おら!」ヒューン

逃げるんだよー!

さっきの森へ… って…は!?木に穴が開いて…折れた。もうこれはお遊びの弾幕ではないのはすぐ分かるだろう。目の前には赤い瞳を光らせて禍禍しいオーラを発生させてる幽香さん。持っている日傘はもうもはや鈍器にみえるレベル。…あ、オワタ/(^o^)\…(2回目)

 

幽香「準備は良いかしら?」

良いわけねえだろうが!だが、こうなったら、森の中でも逃げるしか!

 

幽香「どこへ逃げるのかしら?」

えげつない密度の弾幕。一瞬でも止まったらアウトだ。バーンアップしたいが、あれをするには体にエネルギーを集約、拡張させて、体中に巡らせてそれを人魂化させる必要がある。少なくとも1、2秒はかかる。麒麟ならもう少し早く出来るが、最初の方、前が少し見えなくなるからなし。そんなことをしていたら即お陀仏だ。なら、少し劣るが…

 

有森「ちっ…超加速!」

これなら時間ロスなしでスピードはあげられる!

 

幽香「ち…当たりなさい!」

いや、傘で殴って来んな!

 

有森「だから俺じゃねえって言ってんだろうが!」

 

幽香「安心しなさい…一発で終わらせてあげるから…」

 

有森「何を安心しろってんだよ!」

そして何でここには話を聞かねえやつがこんなにいるかなぁ…だが、さすがに逃げてるだけじゃ勝てない。しょうがない。

 

有森「こうなったらこっちも応戦だ![炎符]インフェルノゴースト!」

ドドドドドォン…

相討ちか…ん?

 

幽香「マスタースパーク…!」

はあ!?

 

有森「まずい…!あんまり使いたくないが…パーティカルコントロール・滅!」

ギュウウウウ…パァン!

 

幽香「!?」

ふう…危なかった…これ、コントロールが難しいんだよな…範囲を広げすぎると相手も消滅、狭すぎると相手の技が命中。まあ成功して良かった。何はともあれこれで…

 

有森「バーンアップ」

よし、これで一回止める!

 

幽香「なかなかやるみたいだけど終わりよ…」

ドドドドド…

 

………今だ。

スキル発動 妖力上昇

      魔力上昇

      超加速

      超回復

 

      明鏡止水

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

有森「話は聞いてもらえるな?」

 

幽香「ええ…かなり落ち着いたわ。」

効いて良かった。かなり相手がやばかったから色々自分にバフかけしたからな。あー…これで多分またいつか発作が来るな。

 

有森「とりあえず…」

~少年説明中~

 

有森「ってわけ。」

 

幽香「なるほどね…あれは魔理沙だったわけね。…ごめんなさい。話も聞かずに…」

 

有森「別に良い。花のためにあそこまで戦えるとは、そんなに花が好きなんだな。」

 

幽香「ええ。花達は私の友達で、話し相手なの。」

なら、早く戻してやらねえとな。

 

有森「えーと…どこだっけな…あ、あった。」

見つけた。

 

幽香「何をするの?」

 

有森「なにも変なことじゃない。リフレクト。」

サアアァァァ…

 

幽香「!!」

 

有森「これで元通り。良かったな。」

 

幽香「ありがとう…この花達も喜んでるわ。」

そりゃあ良かった。残念ながら俺には植物の言葉は分からんからな。それだけ花と向き合ってきたってことだろう。

 

幽香「…あなた、どういう妖怪なの?」

 

有森「あー…微妙だな。まあ、草花関連でいけば枯れた花とかを元に戻したりぐらいはできるが…」

 

幽香「すごいわね…たまに来てくれると嬉しいわ。私でも枯れてしまった花達を戻すことはできないのよ。」

ん?唐突だな。いや、別に良いんだが。

 

有森「ああ。別に良い。」

 

魔理沙「おわー!ちょ、どいてくれだぜー!」

あ、やべえ。

 

有森「やばっ…パーティカルコントロール・縛!」

 

魔理沙「ふう…助かったぜ…ん?」

あれ、何か隣から殺気が…

 

幽香「ちょっと良いかしら…?」

 

有森、魔理沙「(終わったー!)」

まだ花畑に突っ込んでいないとはいえ、二回目に花畑をぶち壊されそうになって結構キレている幽香がいた。

俺はそっと離れていよう。それと、俺はもう見てないからな。アイアンクロー食らわされてぶん投げられて更にレーザーで焼かれてる魔理沙なんか見てないからな…

 

魔理沙「な、なんなんだぜー!あぁぁ…こ、[恋符]マスタースパーク!」

あ、嫌な予感…

 

アリス「いた!魔理…」

まずいって!

 

有森「危ない!」

ドン!

体当たりぃ!とっさだったから防壁も作る暇がなかった。というかそんなもん作れるほど霊力も妖力も残ってねえ。

 

アリス「きゃあ!」

 

有森「があっ!」

それで思いっきりぶっ飛ばされてます。ちょ、火力強すぎだろ!抜けらんねえ!?

ドオン…

 

ぐ……さすがに体勢立て直せるほど体力無い。さっきの勝負で使いすぎたな…というか魔力上昇と妖力上昇は使ったら確かに値が上昇するが、その後ちょっとしたら上がった分下がるから回復しないといけないんだった…最近使ってなかったからすっかり忘れてた…

まあ良い。今さらなんだかんだ言っても意味無いし、そのうちどこかに着くだろ。

 

ーーーーーーその頃ひまわり畑ではーーーーーー

幽香「……………」

 

魔理沙「(ガクガクブルブル)」(顔面蒼白)

 

幽香「さて…どうしてあげようかしら……!」

この時、魔理沙は感じ取った。これは確実に…

 

幽香「準備は良いかしら…!」

死んでしまう、と!

 

魔理沙「あわわわわわわ……た、助けてくれー…」

その時、

 

霊夢「待ちなさい!幽香!」

 

リュウ「ちょ、霊夢早すぎ!」

霊夢とリュウが駆けつけた。何かを察知したんだろうか?ともかく、これほど魔理沙が霊夢の助けをありがたく思えたのは初めてだろう。

 

霊夢「魔理沙、あんた何したのよ。」

 

リュウ「幽香さんの花を取ったとか…?」

残念ながら魔理沙には身に覚えが無いのである。

 

リュウ「ゆ、幽香さんも落ち着いて!」

 

幽香「邪魔しないでくれるかしら…私はその邪道魔法使いを生かしておく気にはなれないのよ……!」

これまで数々の異変を解決してきた霊夢にとってもここまでヤバいやつは初めてであった。

 

幽香「もし、邪魔するのなら…そこのおもちゃが壊れないように守ってみなさい!」

ドドドドドォン!

 

リュウ「ヤバいぃぃ!あーもう!こんな時に有森はどこにいるんだよ!」

一瞬幽香の攻撃の手が止まる。

 

幽香「…有森のこと、知ってるの?」

 

霊夢「え、ええ、知ってるもなにも家に居候してるわよ。」

 

リュウ「その言い方してこの間、有森にボコられたでしょうが。…あ、」

その時、リュウが花畑から若干有森の妖力を感じ取った。

 

リュウ「…さては…」

 

~少年推理&少女説明中~

 

リュウ「うん、だろうと思ったよ。」

 

幽香「……」

 

霊夢「やっぱり元凶は魔理沙だったじゃない。」

 

魔理沙「あ…ああ…(ガクガク)」

魔理沙はトラウマを植え付けられたようだ。

 

リュウ「うーん…でもどうしようか…有森の居場所が分かるような人か…探し物…?…あ、命蓮寺…」

 

アリス「ああ、あそこには≪彼女≫が居たわね。」

 

霊夢「ええ、頼みましょうか…。」




~あとがき~
リュウ「あー…有森どこ行ったんだよ…それとパチュリーどこ行った。」

主「まあ、秘密だね。あ、パチュリーはフツーにダウンして小悪魔と帰ってったよ。」

リュウ「帰ったのか。まあそれは良いとして、これから命蓮寺に行くから分かるけどさ。いちいちあっちこっち飛ばすの止めてくれ。」

主「あれ、飛ばしたのは初めてじゃ…?」

有森『まあ、飛ばしたのは初めてだな。』

リュウ「お?ああ、テレパシーか。そういや、これで居場所、連絡してくれたらよくない?」

有森『そんなことができる状況だとでも?』

主「そうだぞ。」

リュウ「…まあ、それは分からんからな…というか主にもこれ聞こえんの?」

主「そりゃあ作者だからね、聞こえてるよ。この設定の生みの親でもあるんだし。」

有森『テレパシー自体はお前が考え出したんじゃねえだろ。』

リュウ「ああ。有森に一票だ。」

主「ぐ…」

リュウ「さて、主が反論できなくなったところで、」

有森『ああ、そろそろ〆るか。』

主「最後まで読んでいただきありがとうございました!」


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第十八話 うん、ね、勇義さん、一回落ち着きましょ?ね?

どうも謎存在です。

最近あべこべ東方を作り出しました。
まあ、そっちもよろしくお願いします。


では、本編どうぞ!


有森「ふう、連絡はしたから、早けりゃ今日、遅くても明日には帰れるんじゃないかな。」

 

さとり「そうですか。では、有森さんが泊まる可能性も考えて部屋を準備してきましょうか。」

スタスタ

 

有森「ふー…でも、何しようかな…」

 

こいし「すること無いの?なら、今日は私がここ、案内してあげる!」

え、いや、勝手にそういうことしていいのか?

話を聞くと、こいしの能力で無意識を操って俺と彼女を見えなくしていこうとしているらしい。

 

有森「えーと、残念だが、俺はそういう能力の影響を受けないんだ。」

 

こいし「えー、そうなの…。」

あー…がっかりしちまった…どうしよ。行くしかないか。

 

有森「まあ、隠密魔法位は使えるから案内してもらおうかな。」

 

こいし「うん!分かった!」

無邪気な子はかわいいな。あ、ロリコンじゃねえぞ。そんなこと言ったやつは鼻の中から延々と嫌いな野菜が出てくる呪いでもかけてやる。

 

こいし「じゃ、準備完了!行こう!」

 

有森「ああ、そうだな。五感調整・隠密。」

これでこいし以外には見えなくなった。

 

~移動中~

こいし「あ、お兄さん。」

 

有森「?何だ?」

何か用事だろうか。

 

こいし「お姉ちゃんには気を付けたほうがいいよ。」

さとりにか?何でだろう…

 

こいし「お姉ちゃん、よく人の心の中を読んで黒歴史?とかをばらしちゃったりとか、コンプレックス?とかを暴露したりとかして楽しんでるんだ。だから気を付けた方がいいよ。」

……何てやつだ。さとりって真面目キャラじゃないのか。あ、もしかして俺の心が読めないって分かった時、妙に落ち込んでたのはそれでかな?それと、天子の時から思ってたが、ここってあのゲームとかの幻想郷じゃないのかな?二次創作の中とかの方が合ってるのか?キャラ崩壊が所々出てきてるしな。

 

有森「なるほどな…」

 

こいし「それで、お姉ちゃんの汚い心読むのが嫌になってきて目、閉じちゃったの。」

え?あれ、何か辛い過去がどうのこうのって話じゃなかったっけ?

 

有森「それで心閉ざしたのか?」

 

こいし「うん!何か鬱憤から解放された感じがした!」

笑顔で妹にこんなこと言われてるぞ、さとり。いや、自業自得っちゃ自業自得か。

 

こいし「あ、もう旧都に着くよ。」

 

有森「…ここが旧都か。」

あれ、そういえば、なんか大事な事忘れてる気がする…まあ気のせいか。

 

有森「ふう…ん?」

 

???「なんだと!?私の酒が盗まれた!?」

 

???「ちょ、勇儀落ち着いて!まだ残りがあるから!」

 

???「取られる酒があるなんて…妬ましい…パルパルパル…」

 

ヤマメ「あぁぁ…どうしよう…キスメ、勇儀姐さん怒らせたら大変なことになるよ!あとパルスィは何言ってんのさ!」

あ、大事なこと思い出したわ。地底の旧都には勇儀達がいるんだった。これはばれたらめんどくさいな…っておい!

 

勇儀「お前かぁぁ!?」ドゴォン…

 

妖怪「私じゃないのに…キュゥー」

 

パルスィ「八つ当たりする鬼が妬ましい…」

 

キスメ「ちょっと落ち着いてって!勇儀!」

 

勇義「おらぁぁあ!」

まずいっ!

 

有森「こいし、ちょっと行ってくる。」

 

こいし「え!?」

これは致し方ない!

 

有森「五感調整、リセット!」

ヒュッ

 

有森「パーティカルコントロール・縛!」

隠密状態だと魔法も使えねえからな。まあ、範囲の影響上、他も当たるけど…

 

勇義「!?」

 

キスメ「!?」

 

パルスィ「パルゥ!?」

 

ヤマメ「えっ!?」

 

妖怪達「な、何~!?」

何か変な鳴き声上げたやついるぞ。まあいい、どうせ見つかったからな。

 

有森「一回落ち着け、勇義。お前が暴れると被害がバカにならん。」

 

勇義「!!有森!」

 

キスメ「見ない顔だけど、勇義、知ってるの?」

 

勇義「ああ、この間の宴会にいただろ。何でここに?」

 

有森「あー…それが、<かくかくしかじか>でな。」

嫌な予感は続いてるな…

 

勇義「なるほどな、災難だったな。それに、暇してるんだろ?」

 

有森「あ、まあ…な。」

 

勇義「なら…」

そう言って戦闘ポーズをとる勇義。あーもう止めてくれー!

 

勇義「なかなか強いみたいだしな、ルールは私が持ってる杯から酒がこぼれたら私の負け、有森が倒れたら有森の負けだ。負けたら今日1日酒に付き合ってもらうぞ。来い!」

えー…マジかよ…でも、酒に付き合わされるのはもういい。

 

有森「はあ…なら、行こうか…な!」

超加速を発動させて一気に距離を詰める!

 

勇義「おっと、速いな!だが…」

目の前を拳が通った。危ねえっ!

 

勇義「ほう…」

ちっ…近距離戦は流石に不利か…俺もこの状態て力勝負だと鬼には負ける。

 

有森「ちっ…バーンアップ!」

 

パルスィ「パルゥ!!?」

これでも俺のスペカならあまり通らないだろう…だが…

 

有森「インフェルノゴースト!」

スペカ適応無しなら!

 

ドォン…ドドドォ…

 

勇義「なかなかやるねぇ…」

右から来る!

 

有森「パーティカルコントロール・壁!」

 

バコォン!ミシミシ…

危ない…鬼のパンチはシャレにならん。

 

勇義「はぁっ!」

 

バキィィッ!

はぁ?何!?

 

有森「ヤバいっっ!麒麟!」

とりあえず上だ!少し位なら見えなくても障害物ぐらい分かる!

 

勇義「おっと…一体どれだけ変身があるんだい?」

 

有森「さあね、俺が成長すればするほど増えるって感じだな!メギドフレイム!」

 

三方向からの射撃なら少しは止められるはず!

 

勇義「つっ…ふふふ……どうやら、私は有森を舐めていたようだ。」

ん?何だ?

 

勇義「ルール変更だ。」

あれ、酒、飲み干したぞ。何する気だよ…

 

勇義「ちゃんとした1対1の勝負だ!」

嘘だろおい!いや、嘘と言ってくれ!流石に無理があるぞ!

 

有森「ちっ…でも、やるしかないんだよな…」

そうだ、この間覚えたあれを使ってみるか。

 

有森「超加速…3乗!」

速度を125倍にして、この間使えるようになった「移動した軌道にターゲットに向かって弾幕が出るやつ」をやってみる!

 

有森「おらぁぁあ!」

ランダムに飛ぶだけでも大量の弾幕が飛んでいく。勇義は、ひたすら弾幕を弾いてる。ヤッバいな、あいつ。

 

キスメ「すごい…あの姐さんを圧倒してるよ、あの人間。」

 

パルスィ「妬ましい…あの強さ…妬ましい…パルパル…」

 

ヤマメ「は、はは…」

 

勇義「」

ドドォン

ちっ…流石に体力の消費がヤバいな…一旦停止だ。

 

勇義「はぁ、はぁ、はぁ…」

 

有森「はぁ、はぁ…くっ…」

この勝負では勝つしかない。恐らく引き分けもそれなりに付き合わされることになるだろう。だが…最初の時点で体力最大じゃなかったのもあるが、それにしても強すぎる。くそ…あんまり使いたくないんだが…やる!

 

有森「く…しょうがない!第一、麒麟、神化!」

背中に鈍い痛み。背中に俺自身も何か分かっていない青い半透明の角?みたいなものが生えるからだ。「神」を超越した力を見せてやる!

 

有森「はあ!」

 

勇義「!!?」

この状態の通常弾幕は分裂弾になるようだ。知らなかったから結構撃っちまったが…。まあどんどん細かく、多くなっていく弾幕だ。詳しく言えば、一個撃ったらものの数秒で大体700個位になるペースだ。

 

勇義「ちっ…」

流石に処理するのも大変そうだ。だが、これは言ってもダミーだ。

 

勇義「くそ…多すぎる。…な!?」

 

有森「インフェルノストーム!」

ドドドドドド…

 

──────────────

 

───────

 

───

勇義「いやー、ここまで熱くなったのは久しぶりだねえ。」

いや、まさか神化することになるとは俺も思ってなかったぞ。

 

キスメ「まさか…あの姐さんに勝っちゃったよ…」

 

パルスィ「負けるなんて妬ましい…パルパルパルパル…」

あいつ、妬ましいしか言ってなくね?負けることの何が妬ましいのか…

 

勇義「ただ、このまま負けっぱなしって言うのも嫌だからねぇ。たまに来てくれると嬉しいよ。」

あ、もう結構でーす。流石にもう嫌ですわ、はい。

 

有森「…まあ、考えておこうか。」

考えておく=止めておきます

これが成り立つかもしれないな。

 

ヤマメ「でも、街ボロボロだよ…どうしよう…」

 

有森「ああ、それなら大丈夫だ。」

 

キスメ「え?」

範囲を出来るだけ広げて被害のあった所をスッポリ範囲にする。

 

有森「リフレクト。」

これでおけ。

 

ヤマメ「すごい…」

 

勇義「流石は私に勝った奴だよ!いやー…しかし、参ったな。大分余裕があるみたいだし、人間にこうも簡単に勝たれると鬼の名が廃るかもな。」

いや、人間じゃないんで。

 

ヤマメ「それは、有森さんが強すぎただけじゃないのかな…」

 

キスメ「うん、勇義姐さんは十分強いよ!」

ところで…

そっとこめかみあたりに指を置いて目を閉じる。

 

有森『いつから聞いてた。』

 

リュウ「はは、ばれてたか。まさか勇義に勝つとはなぁ。」

 

有森『ふ、神化したからな。これで勝てなきゃ麒麟族の長の名前が廃る。』

 

リュウ「そうだな。一応これでも全半人の頂点だもんな。」

 

有森『一応て…で、どうした?』

 

リュウ「ああ、さっき仙人様を説得できてな、結界を解除してもらえることになった。」

お、そうか。良かった。

 

有森『そうか、ありがとな。』

 

リュウ「おう!」




~あとがき~
リュウ「ふー…もう地底編も終わりだな。」

有森『いっても二話しか使ってないけどな。』

主「これでも結構大変なんだよ。」

リュウ「そういや冒頭で言ってたがとうとうあべこべ東方やることにしたんだな。」

有森『満足してもらえるものを書けるのか…?』

主「う…ま、まあ、頑張るよ。じゃあ、今回はちょっと短めだけど〆るか。」

有森『お、じゃあ、最後まで読んでいただきありがとうございました。』


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第十七話 地底へ突入…さとりー?

どうも謎存在です。

いやー…休みっていいですねぇ…

(作者、二日後からの中間テストに向けて小説を頑張っております。勉強しろ。)

では、本編どうぞ!


有森「……………」

ここどこだ。洞窟…?天井が脆かったからか、着地(頭から)したときにそのまま崩れてここに到着。

 

有森「えー……とりあえず人探すか。」

というかこんなとこに人いんのか?

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

…いた。何でー?まあ、人じゃなかったんだけど、かなりいたから、ちょっと話聞こうと思ったら、まさかそれどころじゃなくなって…

 

妖怪達「待てー!侵入者!」

何か侵入者だと思われて妖怪多数に弾幕(一方的)中。あー…どうしよう。ほんとにここでは話聞かねえやつ多いな。避けられねえことはないが、あっち行ってもこっち行ってもいるからなぁ…しょうがないか。

 

有森「超加速!」

ヒュウ!

 

妖怪達「!?まずいって!止めろー!」

くっそ…しつこいぞ…

 

有森「あー!もう![拘束]フレアウィップ!」

これがほんとの火縄だな(火で出来た縄)。さて、話を聞いてもらうか。

 

有森「あのなぁ…ほんとに話聞け。」

 

妖怪達「ギャー!助けてー!殺されるー!」

勝手に殺人者にすんなよ…

 

???「ん!?誰だ!そいつらを離すにゃ!」

あーもうまた来た…あれ、こいつ見たことある。確か…

 

燐「離せと言っているにゃ!」

 

有森「いや、離せもなにもそっちからいきなり弾幕放ってきたんだろ!」

理不尽にも程があるぞ。

 

???「うにゅ…お燐、どうしたの?」

あー…リュウから聞いたわ。確か、火焔猫 燐と霊烏路 空だ。ということは…ここは地底か…。えぇ…マジかよ。

 

空「にゅ?お客さん?」

 

妖怪達「殺されるー!」

 

有森「だからそんな簡単に人を殺人者にすんなよ…」

あーもう何かイライラしてきたー……あ、妖怪だったら少々なら殺っても大丈夫だよな?いや、でもあんまりぶっ放すのも…

 

妖怪達「助けてー!!」

 

有森「だから…!あーもう!一回ぶっ飛ばしてやろうか?」

 

空「まあでも、お客さんならさとりのところに連れていかないとだよね。」

 

燐「うーん。まあそうかにゃ。じゃあ、こっちに来るにゃ。」

何か向こうは向こうで話がまとまったらしい。じゃあ、こいつらも離してやるか。(ちょっと癪だけど。)そして話した瞬間に一目散に逃げてった。蜘蛛の子を散らすようなってこういうときに使うのか。

 

空「あ、ヤマメ。」

 

ヤマメ「あれ、お空にお燐。…と、その方は?」

 

空「お客さんだよ。」

 

ヤマメ「そう、私は黒谷ヤマメ。土蜘蛛なの。」

……蜘蛛の子を散らすって思った瞬間に土蜘蛛って…噂をすればなんとやらってやつか?

 

有森「俺は有森焔。いやー…ここに来て初めてまともに話ができるやつにあった気がする。」

うん、マジで。ほんとに話聞かないやつ多すぎ。

 

ヤマメ「へぇー…何か、大変だったみたいね…ということは、さとりのところに行くの?」

 

燐「うん。お空、道は覚えてる?」

 

空「うん。もちろん!」

 

燐「じゃあ、有森さん?をさとりのところに連れていってあげて。ちょっと用事ができちゃったから…」

 

空「分かった!じゃあ、行こうー!」

用事って何だろう…まあ、あえて聞かないようにしておこう。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

有森「………迷ってるよね?」

 

空「そんなに遠くないはずなのに迷っちゃった…」

二時間位さまよってるぞ。

 

有森「うーん…」

どうしようか…誰かいないのかなぁ…

 

???「あれー?お空、どうしたの?こんなところで。」

あ、いた。というか、この子は…そうだ、古明地 こいしちゃんだ。

 

空「うにゅ…さとり様のところに行こうとしてたんだけど、迷っちゃって…」

 

こいし「ここ行ったら台所だよ?それとお兄さんだあれ?」

えー…家の中で迷うなよ…鳥頭か…。

 

有森「俺は有森 焔。地上から来たんだが、どうも帰れなくなってな…」

 

こいし「じゃあ、お姉ちゃんのところに行くんなら案内してあげる!」

 

有森「ありがとな。」

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

コンコン

空「さとり様、失礼します。」

 

さとり「あら、お空。どうしたの…おや、それはそれは…分かったわ。その方をお連れして。」

 

空「分かりました。」

どうやら許可が降りたようだ。というかほんとに心、読むんだ。霊夢もたまに読んでくるが、多分あれは勘だろう。

 

有森「どうも、失礼します。」

さとりがピクッと動いた。多分心が読めないからだろう。先に言っておこう。

 

有森「先に言っておくが、残念ながら心は読めないぞ。俺に対してのほとんどの能力は打ち消される。」

 

さとり「そう…ですか。」

ん?何か落ち込んでるんだが。俺何かショック受けさせるようなこと言った?え?

 

有森「それより、本題なんだが…」

 

俺は、外に出るために力を貸してほしい、とまあ、主旨はそんな感じのことを言った。

さとりの返答は、力を貸せるなら貸したいが、残念ながら力にはなれそうもない、とのことだった。

何でも以前、地底の妖怪が地上に出て散々やらかした事が何度もあったらしく、見かねたどこぞの仙人が地底に結界を張ったらしい。そう考えると良く入れたな、俺。まあ、ともかく、内側からはどうすることもできないらしい。

 

さとり「…ということなので、残念ながら…」

 

有森「そうか…恐らく結界そのものにも何らかのトラップでもかかってるだろうし、いや、そもそも破壊なんかしたらその仙人が飛んでくるか。」

 

さとり「なので、外から一度結界を解除してもらうしかないんです。」

 

有森「外への連絡か…あ、テレパシーがあったわ。」

まあでももうすでに11時だからな…明日連絡するか。

 

~~~~~~~~一方その頃~~~~~~~~~

 

リュウ「到着っと!といってももう暗いな。」

 

霊夢「ええ。とりあえずいると良いんだけど…」

 

???「おやおや、こんな時間にいかがいたしましたか?博麗の巫女と…そちらの二人は…」

 

リュウ「凪沙リュウです。はじめまして、聖さん。」

お辞儀はしておく。

 

幽香「……風見幽香よ。この人達の付き添いね。」

……というか、ついてきたのか。変なところで暴れないでくれよ…

 

聖「おや、リュウさんと言いましたか?なぜ私の名前を?」

あ、前に有森に注意されたばっかなのにやっちまった。

 

霊夢「何故かリュウは初めて会うはずのやつの名前を知ってるのよ。」

 

聖「そうですか…不思議なこともあるものですね。それで、用と言うのは…」

それで納得するのかよ。まあ、それの方が都合は良いけど…。

 

リュウ「あの、<かくかくしかじか>ということがあってですね、ナズーリンさんに会いに来たんですけど…」

いやー、それにしても<かくかくしかじか>って便利だなあ。

 

聖「それならご協力、といきたいのですが、あいにくナズは今はここにはいないので…」

 

リュウ「無縁塚か。」

 

聖「ええ。よく知っていますね。明日になれば、私からナズに報告するので、今日はもう遅いですし、ここに泊まっていって下さい。」

 

霊夢「そうね。お言葉に甘えしてもらおうかしら。」

 

リュウ「(霊夢が敬語だと!?似合わねぇ…)」

普段なら敬語なんか考えられないようなやつだぞ!?何があったんだ!

 

霊夢「…失礼なこと考えてない?リュウ。」

 

リュウ「い…いや?」

 

霊夢「そう、なら良いけど。」

あぶねえあぶねえ。こいつ、ちょくちょく心の中読んでくるから怖いなぁ…さとりかよ。

 

聖「星、皆さんに部屋を。」

 

星「分かりました。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

えーと、絶賛今めっちゃ絡まれてる。うん。外の世界のこととか聞かれるけど、ここにいるのは封獣ぬえさん、雲居一輪さん、幽谷響子さん。あれ、一人いない。そう、村紗水蜜さんだ。

 

ぬえ「あれ、そういえば村紗は?」

 

一輪「村紗なら、姐さんを怒らせて現在進行形で修行中だよ。」

 

リュウ「修行って?」

 

一輪「世の中には知らない方がいいこともあるんだよ。」

 

リュウ「あー…なるほどね…。」

一体何をやらかしたんだろう…よく二次創作でお酒飲んで白蓮さんにしばかれてるよねぇ…ちょっと気になる気もするけど、知らない方が良いことって言うと…ほんとに大変だなぁ…

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

聖「では、ナズ。」

 

ナズーリン「聖とご主人からの頼みだから良いけどさ。えーと…確か、こっちには妖怪の山…いや、こっちは地底があった気がする。」

 

リュウ「地底か…ん?」

 

霊夢「どうしたの?」

 

有森『おう、リュウ。』

遅えよ。

 

リュウ「なんで今さら連絡してくるかな。」

 

有森『悪かったって。それで、今どこだ?』

 

リュウ「命蓮寺だよ。お前、地底にいるのか?」

 

有森『ああ、ナズーリンか。そうだ。それで、来ただけならいいんだが、地底に結界が張られててな、出れなくなってるんだ。内側からじゃ出れない。それで、張った張本人に掛け合って結界を解除してほしいんだが…』

 

リュウ「壊せないのか?」

 

有森『壊せることは壊せるが、そんなことしたらそいつが飛んでするだろ?まあ、多分華扇だと思うが。』

 

リュウ「分かった。とりあえず行ってくるわ。」

 

有森『頼んだ。』

はあー。全く人使いがな…まあ、帰ってきてもらわないとこっちも困るから行くんだけどな。

 

霊夢「リュウ、どう?」

 

リュウ「ああ、それが、<かくかくしかじか>らしい。」

 

霊夢「なるほどね。じゃあ、華扇のところね。行きましょうか。」




~あとがき~
主「………………」

リュウ「(主が黙りしてる…何かあったのか?)」

有森『(ネタが枯渇してきてるらしい。)』

リュウ「(あー…なるほど。というか)」

有森:リュウ『「(勉強しろよ!)」』

主「あー、もう!ネタが無いー!」

リュウ「うぉ、焦ったぁ。」

有森『やっと叫んだ第一声が「ネタが無い」って…』

主「だってしゃーないじゃん。最近お気に入りも評価も付かないし!」

リュウ「誰にキレてんだ。それらが欲しけりゃ、それなりの良い小説を書けばいいじゃねえか。」

主「それが、出来たら苦労してないって…」

有森『まあ、がんば。』

主「そうしか無いよな~…頑張るか。」

有森「何か愚痴こぼしただけになったが…」

リュウ「〆る?」

主「あー…うん、〆るわ。最後まで読んでいただきありがとうございました!」


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第十九話 地上へ帰るぞ!

どうもただの謎存在です。

いやー…二作品同時進行って大変っすね。


では、本編どうぞ!


有森「…ってことで、帰れることになった。」

 

さとり「そうですか。それは良かったです。」

 

こいし「えー…もうちょっとゆっくりしていったらいいのにー!」

 

さとり「こいし、わがまま言って困らせちゃダメでしょ?また多分会えるから。まあ、結界があるからすぐにとは無理だろうけど…」

 

有森「えーと…その事なんだがな、……結界、無くなるそうだ。」

 

さとり「…はい?」

 

有森「えーとな、リュウの話からすると…」

 

~~~~~~~~リュウの話~~~~~~~~~

 

リュウ「ここか。」

 

霊夢「ええ、そうね。ところで…」

二人の後ろには、幽香、ナズーリン、聖、星、魔理沙、そして、茂みに隠れてなぜかいる一輪と村紗。隠れてきたのか。

 

霊夢「何か大所帯みたいになっちゃったわね。」

 

聖「それより、何をしているのですか?一輪、村紗?」

バレてるじゃん。

 

一輪:村紗「「げっ!」」

おーい…

 

霊夢「もう…それより、行くわよ。」

スタスタ

 

霊夢「華扇ー?」

 

華扇「はーい?あら、霊夢…と、たくさんね…。」

 

霊夢「ええ…まあ、いろいろあってね。」

いろいろというか、そんなに理由は無い気がする。まあ、有森が飛ばされた、ってことでめっちゃ人(妖怪含む)が集まったのは事実だがな。

 

霊夢「まあ、それより、<かくかくしかじか>ってことがあってね、一時的で良いから結界を解除してもらいたいのよ。」

 

華扇「うーん…そうねえ…まあ、ちょうど最近考えてたんだけど、条件付きならもう結界を解除しても良いかしら、とも考えてたのよ。」

 

リュウ「え?」

 

華扇「結構向こうも落ち着いているみたいだし、ずっと結界を張ったままって言うわけにも何かあれだしね。」

……そんな感じの理由で良いんすか?それ。

 

霊夢「それなら良いんだけど、その、条件っていうのは?」

 

華扇「最初の内は地底の管理者であるさとりの許可を貰うことと最低三人の監視役をつけること、それと何か問題を起こした場合、もう一度結界を張り、二度と解除しないようにすることね。」

なるほど…だが、その条件なら、納得できるな。そもそも問題を起こさなければ良いわけだし。

 

霊夢「分かったわ。ありがとね、華扇。それと、いるんでしょ?紫。」

 

紫「あら、バレてたかしら?」

おっと、やっぱりこの人(妖怪)はどこにでも出てくるなぁ。

 

霊夢「バレてるわよ。話は聞いてたんでしょ?スキマ、繋いでくれない?」

 

紫「ええ、良いわよ。ちょっと待ってね~。」

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

有森「…ってことらしいぞ。」

 

こいし「じゃあ、また会えるの!?」

 

有森「ああ。」

さて、そろそろ来るかな?

 

ヴォァン

 

来たのは、紫、霊夢、華扇か。リュウは来なかったみたいだな。

 

紫「お待たせ、来たわ。」

 

霊夢「ふう、久しぶりね。有森、さとり。」

 

有森「俺とは2日ぶりだろうが。」

 

さとり「話は既に聞いています。一度彼女らを連れてきますね。」

 

紫「話が早くて助かるわ。」

はは…

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

勇義「で、話って何なんだ?」

 

パルスィ「急に呼び出して妬ましい…」

相変わらずの奴、いるな。ほんとに何が妬ましいんだよ…

 

霊夢「えーとね、<かくかくしかじか>ってことだから、勇義、キスメ、パルスィ、ヤマメの四人に監視を頼みたいのよ。」

 

勇義「なるほどねぇ。じゃあ、その事で私たちに何か褒美はあるだろうな?」

 

華扇「そうね…休みの日は自由にしていいわ。あ、もちろん、さとりの許可と不必要に能力を使わないことが条件だけど。」

 

勇義「ほう…分かった。引き受けよう。」

 

霊夢「じゃあ、また会ったらね。有森、帰るわよ。」

 

有森「ああ。さとり、こいし、勇義、等々…皆、ありがとな。迷惑をかけた。」

 

勇義「迷惑だなんてな。なかなかお前との弾幕は面白かったぞ。」

 

こいし「また遊んでねー!」

 

さとり「暇があればまたこちらにも来てくださいね。」

 

有森「おう、またな。」

帰るか。太陽の光も浴びるのも久しぶりだしな。疑似太陽位なら出せるが、あんまり…な?

 

ヴォァン

─────────────

 

──────

 

───

ふう、久しぶりの外だ。眩しい…

 

リュウ「お、久しぶりぃ。」

 

有森「おう。顔を会わせるのは、な。」

 

リュウ「通信はしてたからな。」

 

有森「ふー…ん?」

そこにはずっと下を向いてる幽香が。どうした。

 

幽香「ごめん…なさい…」

ああ、そういうことか。いや、実際飛ばされた直接的な原因は魔理沙だし、謝ることはないだろう。

 

有森「別に良い。あれも事故っちゃあ事故だし、戻ってこれたんだから特に気にしてない。」

 

リュウ「ヒュー。おっとこまえー!」

 

有森「うるせえ。」

こめかみを指で持ちあげてバァンさせる技だ。味わえ。

 

リュウ「あだだだだだ!あ、アイアンクローはちょっと待って!ちょい!」

おう、なら放してやる(上にぶん投げてやる)。

ヒューー… ズシャ

 

リュウ「グェ」

さてと、それなりに世話になった人がいるみたいだからな。命蓮寺に行くか。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

有森「あ…命蓮寺ってどこだっけ……」

そういやどこだろ。俺知らねえわ。別に良いかと思ってリュウは連れてきてない。あー…やっちまったな。先を見ない悪い癖が出た。ま、気配察知で大体わかるかな?

 

有森「……あれ?」

妙だ。位置、人数、どんな容姿かまでハッキリ分かる。あんまり俺、これ得意じゃないからだいたいの位置を調べる位しか使ってなかったんだが……あ、勇儀との勝負の時使った「あれ」、気配察知と超加速、弾幕の連続発射を組み合わせて使うんだった。繰り返して練習してたらレベルアップでもしたかな?まあいいか。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

………ほんとにあった。マジか。ほんとに精度が上がってる。とりあえず、

 

有森「すみませーん。」

 

聖「おや、貴方はこの間の…」

この人は…聖………誰だっけ。白蓮?だったっけ?まあ皆から聖って呼ばれてるからそれで良いか。

 

有森「その時はどうもありがとうございました。」

 

聖「いえいえ、困っている人を助けるのも我々の仕事ですから。あ、ここでの話も何なので中へどうぞ。星、すみませんが、部屋を開けてくれますか。」

星…?何か嫌な予感がする。と、ほとんど同時にあの映像が、真っ赤な星が見え、ピンクの髪をした少女がこっちに来るのが見えた。

 

有森「(…誰だ?)」

そう思ったのとまた同時に頭に激痛が走った。

 

有森「があぁっ!」

 

聖「!?大丈夫ですか!」

いや、大丈夫じゃない。今までで一番ヤバい。頭が延々と貫かれてるようだ。しかもどんどんそれは降りてきて、首までそんなことになっていく。

 

有森「あああぁぁぁぁぁぁっ!」

次に胸。

心臓が焼けそうになる。出来るだけ早くここから離れなければ!力を振り絞る!

 

有森「うっ…はぁっ!」

 

聖「ちょっ!」

く…出れたは良いが、徐々に体が食い破られそうな痛みになっていっている。

 

有森「がぁっ!ぐっ…き、麒麟!」

なんとか抑え込もうとするが、これが悪かった。

 

有森「かはっ…があぁっ!」

不意に体から吹き出した弾幕が森に落下。ばかデカイ火柱が立っている。

 

有森「ぐぅぅ…お…さまれっ…」

…必死に耐える。少しでも気を抜いたら体が四散して不可能段幕が飛び散るのが目に見えた。くそ…こうなりゃショックしか…だが、

 

有森「がぁっ!」

体が思うように動かない。くっそ…なら、疑似自爆だ!

 

有森「エ、エクスプロード!」

ドオオオン…

 

かはっ…ほとんど同時に意識も手放すこととなった。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

霊夢「あら?なにかしら、あれ。」

 

リュウ「ん?あ、何かが爆発したのか?」

 

霊夢「うーん…微かに妖力を感じるわね。妖怪かもしれない。行くわよ!」

 

リュウ「えっ、俺も!?」

 

霊夢「当たり前でしょ!」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

………うっ……ここは…まただ。またここだ。この白い所はどこなんだろうか。

 

有森「そして…あった、鈴だ。」

 

『また来たんだ。』

いや、来たくて来たんじゃねえよ。

 

『そんなこと言わないでよ。ちょっと思い出してくれた?』

心、読めんのか。

 

有森「いや、残念ながら全く覚えがない。そろそろ名乗ってくれても良いんじゃないか?お前も鈴が本体じゃないんだろ?」

 

『ふふ、流石半人の長だね。鋭い~。』

…何で知ってるんだよ、こいつ…

 

有森「…何でそれを?」

 

『ふふっ、聞いたの。兄ちゃんから。』

 

有森「兄妹がいるのか。」

 

『うん、血は繋がってないんだけどね。多分知ってる人だよ。』

 

有森「俺がか?」

 

『うん!絶対ね。兄ちゃんの名前は…』

 

背景が黒くなり始める。最後にこう言っていた。

 

『有森 焔って言うんだよね。』

 

…………………………………は?

 

霊夢「…………と、……い……うぶ…!?」

霊夢の声がする。

 

有森「…う……うっ…はぁ…」

まだ少し痛むな。まあ、そのうち収まるだろ。

 

霊夢「はぁ、良かった。大丈夫?」

何!?こいつが人を気遣おうとしてるだと!?

 

有森「ああ、なんとかな。」

 

リュウ「…で、何でお前、『それ』で寝てんだよ。」

 

霊夢「あれ、リュウ、知り合い?」

は?何こいつ。………あ、そういうことね。気付いたわ。俺、麒麟解かずに気絶してたんだった。そりゃ分からんわ。

 

有森「声で分かんねえのか。」

 

霊夢「うーん?うーん…うーん……………降参ね。」

おいおい。

 

有森「おう、なら、これなら分かるだろ。人化。」

 

シュォォァァ…

 

霊夢「!?有森!?どうしたの!?」

もう隠すのも無理みたいだな。

 

有森「あっちが本来の姿だよ。」

 

霊夢「ふぁあっ!?」

 

~少年二人説明中~

霊夢「へぇー…神獣族とか話とかでしか聞いたことなかったけど…ほんとにいるんだ…でも何で隠してたのよ。」

 

有森「外でこういう珍しい生き物を捕らえる仕事をしてるやつらは少々厄介なんだ。それなりに戦闘能力も高い。霊夢達が負けるとは思えないけど迷惑がかかるだろうと思ってな。その者を認識している者がいるとそこをついて探知能力を使ってくるやつもいる。それでだ。…プラスして、もっと面倒なやつらもいる。」

 

霊夢「あーね。まあ、それなら大丈夫よ。博麗大結界は力の大きなものであればあるほど弾き返すのよ。神獣族何か捕まえようとするような力の持ち主は入れないから。」

 

リュウ「…何だ。ちょっと心配して損したな。」

何残念そうにしてんだよ。

 

霊夢「ところでだけど、あんた、麒麟族なんでしょ?」

 

有森「あ、ああ。」

 

霊夢「ちょっと御神体になってよ。見える御神体なんか守谷神社並の宣伝力じゃない!しかも、ちゃんとした能力持ちだし…これでお賽銭も…」

 

有森「…消すぞ?」

もちろん、存在を、な?

 

霊夢「…すみません。」

 

リュウ「(おお…怖い怖い。)」

 

霊夢「で、本来の能力は何なの?」

いや、知らないのか。神獣族知ってるのにそれぞれの能力知らないのはどうかと思うぞ。

 

有森「麒麟族は、感情や思想の司神、つまり、司る神だ。そこに加えて、自然物を操る、正確には八卦、五行、参列、干支を操る。それが正規の能力だな。特殊効果とか時の影響を受けないのは体質だ。」

 

リュウ「うん、久々にお前の口から聞いたが、おもいっきりチートだな、存在が。」

 

有森「はは…」

 

霊夢「やっぱり御神体に…ボソ」

 

有森「二回目だ。三回目は無いからな?」

 

霊夢「……はい。」

 

リュウ「(ヒーーー…)」




~あとがき~
主「お帰りー、有森。」

有森「ただいまー、主。とりあえずアイアンクロー食らわさせろ。」

主「え、いや、ちょ、まっ、アダダダダダダダダ!」

有森「てめえこのやろ!」
ドオン

プスプスプス…
リュウ「大丈夫なのか、主?」

有森「大丈夫だろ。作者は不死身だし。(あとがき内のみ)」

主「いやー…痛かった。」

リュウ「おお、無傷。」

有森「ほらな。じゃ、も一発やっとくか。」

主「ちょま、ほら、地底で友達とかできたじゃん?ね?ほら、ノーカン、ノーカン!」

有森「あー、確かにな。」

主「ほら、ね?だから、今日はここで「じゃあ次は俺だな。」しm…はい?」

リュウ「おらァァァァァァァァ!」
ドドドドドドドドドドト

─────────────
───────

主「チーン」

有森「お、気絶したかな?容赦ねえな。」

リュウ「まあね。それなりに氷も扱えるようになってきたかな?じゃ、今回はこの辺で〆るか。」

有森「おう。最後まで読んでいただきありがとうございました!」


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(特別)第二十話 HAPPENING HALLOWEEN!!

どうも謎存在です。
今回はハロウィンということで特別話です!
今、某ウイルスのおかげであんまりこういうのできない時期ですが、楽しみましょう!(何をだよ。)


では、本編どうぞ!


有森「ハロウィン仮装大会?」

 

リュウ「ああ、やるらしいぜ。」

えーとな…え?誰が?

 

有森「誰がやるんだよ…」

 

リュウ「結構やるやつ多いらしいぞ。紅魔館のやつらとか全員出るしな。ちなみに主催は紫さんと文屋らしい。」

あいつらか。というか紅魔館のやつらってレミリアとフランは仮装しなくても十分妖怪じゃねえか。

 

有森「で、何で急にその話を?」

 

リュウ「出てみろよ。」

………………………………は?

 

有森「今なんつった。」

 

リュウ「いや、だから出てみろよって言ったんだよ。」

いや、何でだよ。

 

有森「おい、いい年したやつが仮装して何が面白いんだ。」

 

リュウ「レミリアとかは500歳だぞ。」

 

有森「それ、言い出したら俺3000歳超えてるぞ。というか、そうじゃなくて、というかあいつらは例外だろ。見た目が子供だしな。」

 

リュウ「……それ、本人に聞かれないといいな。」

確かに…聞かれたらすぐに処されるな。

 

有森「それに、出たいならお前が出れば良いじゃねえか。何で俺を巻き込む。」

 

霊夢「ん?あんた達何かするの?」

おっと、飛び入り参加者だ。こいつは絶対聞いたら行くって言うだろうな。

 

リュウ「ああ、それが、<かくかくしかじか>なんだ。」

 

霊夢「何それ!面白そうじゃない!」

ほら見ろ…いや、どちらかと言うとお前は退治する方のやつだろ。巫女が妖怪の姿しに行くって…。

 

有森「というかそれ、何するんだよ。」

 

リュウ「内容としては、仮装して集合場所に集まる→幻想郷内でその格好でお菓子を貰いに行く→制限時間は二時間→もらった数の多い人が優勝→景品もあるらしいが、それが何かは知らん、こんな感じ。あ、それと、お菓子を貰える家はカボチャのランタンをつけなきゃいけないらしい。」

 

有森「何でそんなに内容知ってんだよ。」

 

リュウ「あー……いやー…それが、紫さんに人を集めてきてくれって頼まれてさ。」

…それでかよ。お前は宣伝用パシりか。

 

有森「それなら俺はここで菓子配りでもするかな。出たいなら出てこい。」

 

霊夢「やったー!」

はあー…といってもな…ここにはお菓子なんか無いしなぁ…いや、あるはあるが、せんべいだとな………作るか。お菓子が無ければ作ればいい。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

霊夢「あんた、カボチャのランタンなんか作れるの?」

 

有森「大体でいいならな。」

カボチャ丸々一個なんか買ったこと無かったな。他にも参加者がこれ買わないといけないとなると、これは八百屋が儲かるな。

 

ーーーーーーーーー十分後ーーーーーーーーーー

有森「出来た。」

 

霊夢「早っ。」

 

リュウ「上手っ。」

後はお菓子だな。くりぬいたカボチャ使うか。

 

~~~~~~~~午後9時30分~~~~~~~~

 

文「えー、皆さんお集まりいただきありがとうございます!あと三十分ほどお待ちください!」

 

有森「…これでいいものか……」

 

リュウ「いいんじゃね?」

何を心配してるかって?それは…

 

有森「お前ら衣装がないからって俺の魔力使うなよ…」

そう。こいつらは俺の魔力で衣装を準備したのだ。それ、俺の操作次第で自由に操れるんだぞ。

 

霊夢「良いじゃない!それにしてもこの衣装、ずいぶんと本格的ね…」

そりゃイメージ通りになるからそうなる。

 

フラン「あ!有森ー!」

 

有森「お、フランか。」

フランとレミリアだ。服はあまり変わらず、色をカボチャ色にしていた。まあ、人里に行くってこともあるから、これぐらいがちょうどなのかもな。

 

有森「さて、俺は帰って準備するかな。」

 

フラン「あれー、有森は出ないの?」

 

有森「ああ、俺はお菓子を配る方だからな。じゃ。」

さて、準備するかな。

まあ、準備といってもランタン置いたりとかお菓子の袋詰めとかだけどな。何作ったかって?カボチャのタルト。出来は…まあ、ボチボチと言ったところか。

 

~~~~~~~~~30分後~~~~~~~~~~

 

…何で俺こんなことやってんだろ。いや、参加する分には別に構わんのだが、ハロウィンとか、そういうイベントほとんどしなかったからな…。こっちに来てそういうの増えたよなぁ。お、そろそろ来出すかな?

 

妖精「トリック オア トリート!」

 

~~~~~~~~さらに30分後~~~~~~~~

えーとな、どうなってんだ?目の前で弾幕勝負している妖精が5、6体いる。何でだよ。ルールにまた変なの突っ込んだのか?あいつら(紫と文)。

全く…ここ壊れられると俺は良いが、霊夢は確実に困るからな。だが、ルール上仕方ないなら防御壁張っとくぐらいで良いか。

 

有森「不死鳥の加護…っと。」

 

~~~~~~~またさらに30分後~~~~~~~

さっきの弾幕勝負の中に霊夢とフランが乱入。おいこら!フランはまあ、分かるとして霊夢!お前は何で入ってきた!ここお前の家だろ!結界解除してやろうか?お?

 

霊夢「[霊符]夢想封印!」

 

フラン「[禁弾]カタディオプトリック!」

あーもうスペカ使い出すのはほんとに良くないな。どっちももうほとんど体力残ってないようにも見えるが?

 

霊夢「はぁ、はぁ、ふー……」

 

フラン「はぁ、はぁ、えーい![禁忌]レーヴァテイーン!」

……はぁー…あんまり首を突っ込みたくないが、これはマジでまずい。遊びどころじゃ無くなるぞ、これそのうち。一回強制ストップだ。

 

有森「[焔符]メギドフレア。[粒符]パーティカルコントロール 縛」

 

霊夢「!?」

 

フラン「!!」

 

有森「お前らは何やってんだよ。」

 

霊夢「ちょっと…これ解きなさいよ!」

 

有森「質問に答えろ。何でこうなってるんだよ。」

 

フラン「文が言ってたの。」

どうやら、あの捏造記者が弾幕勝負をして勝ったら相手のお菓子の半分貰って良い、とか言うルールを出したらしい。それで、なかなか集まらないやつは所かしこで弾幕勝負を繰り広げているらしい。

 

有森「あのやろうか…」

今は俺のやることがあるから良いが、これが終わったらちゃんとやってやらねえといけないな。

 

有森「とりあえず、ここではやるな。というかやるなら、周りの人に被害の出ない所でやってくれ。」

 

霊夢「今のところ出てないじゃないの。それより早くこれ解きなさい!」

今のところて…

 

有森「今のところと言うかここは俺が結界張ってるから弾幕が当たってないだけだ。張ってなかったらもうすでにほとんど全壊状態だぞ。」

 

霊夢「う…」

そろそろ縛も解除してやるとするかな。

 

有森「はぁ…アンロック。」

 

霊夢「ふう、やっと動けるわ。お菓子ちょーだい。」

 

有森「ちゃんと言え。」

 

霊夢「えー…」

えー、って…これそういうイベントだよ。

 

フラン「トリック オア トリート!」

フランはちゃんと意味わかってるな。

 

有森「はい。」

 

フラン「わーい!」

ふぅ…ん?

 

???「助けてー!」

 

???「ぎゃーっ!」

 

有森「何だ?」

 

霊夢「どうしたの?」

ん?こいつには聞こえてないのか?もしかして、テレパシー?

 

有森『リュウか?』

 

リュウ「有森!よく気がついたな。まあいい!またやつが出てきた!すぐに来てくれ、人里だ!」

やつ?誰だ?まあ、行ってみるか。

 

霊夢「ちょ、どこ行くのよ!」

 

有森「人里だ。何かあったらしい。」

 

霊夢「なら、私も行くわ。人里なら、そこの人間が何か大変なことに巻き込まれることもあるから。」

ふうん…こいつ、やるときはやるやつらしいな。

 

ーーーーーーーーー人里ーーーーーーーーーー

妖精達「ぎゃーっ!」

 

天子「ほら!あんた達!悪魔やら鬼やらの姿してるじゃない!早くやってきなさいよ!」

 

リュウ「こいつはヤバい…有森、早く!」

 

ヒュウオ

有森「悪い、待たせた。」

 

リュウ「有森!早いな。と、とりあえずあいつをなんとかしてくれ!」

 

霊夢「何が…って変態じゃないの…」

あいつかよ…懲りないな。またやってやろうか。

 

天子「!!あのときの!」

ほう、覚えてたか。

 

天子「ほら!撃ってきなさい!前よりも激しく!」

こいつ…あれでダメだったのか。まあ、殺しはしなかったからこいつの判定は死ぬor快感みたいになってるのか?

 

有森「遊んでやりたいところだが、あいにく俺にもやることがあるんでね。≪こいつら≫で遊んでやるよ。」

前は使わなかった。が、今夜はハロウィンだ。ピッタリな技を使ってやるよ。だが、あれは呪文が英語だから噛まねえようにしないとな。それと…まあ、姿形が死神みたいになるのもまあ致し方ない。

 

有森「An evil nightmare by Evil soldiers of shadow…wake up.」

…言えた。意味?知るか。言っておくが、これは名前じゃなくて呪文。何かの漫画でこんな感じの技があったからやってみたら案外出来た、ってやつだ。それと、俺は厨二病じゃないからな。効果としては、地面に出せる広範囲の影に俺が倒した…とは言っても殺してはない。とあるネイズで一部分だけ魂を刈り取ったモンスターやら何やらの魂を封印してるんだが、それを影として召喚、操作して戦わせる技だ。影の兵士は俺の魔力で何回でも再生できるし、本体より何10倍も強くなってる。ターゲットも絞れるから周りに影響も与えない。

 

霊夢「!!!?」

 

リュウ「ハァ!?」

あ、これはリュウにも言ってなかったか。あ、ちなみに、封印してるやつは大体800体ぐらいだ。龍から一級精鋭魔族までさまざまなやつがいるが、最大収容数は俺の最大魔力量による。最近測ってないから分からんがな。さて、

 

有森「行くか!」

ちなみに、ハロウィンってことでモンスター達を幼児化させてある。まあ、もちろん見た目だけで、強さは変わってないけどな。

 

天子「あぁ!良さそう!早く来て!」

…嫌な予感がしてきた。まあいい、もちろん俺もやるしな。

 

影の兵士「ゴアアァァー!」

ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド

ヤベぇ、やりすぎで見えねえ。視界がもうほぼ真っ暗なんだが。

周りの家には被害は出ねえし、そもそも妖怪とかとターゲットにされてるやつ位しかこいつらは見えねえけど、これはヤバい。そして、その衝撃音と咆哮の合間に聞こえる断末魔。あ、オワタかな、あいつ。

 

霊夢「ちょ、これどうなってるのよ!こんなことしたら民家とかお店とかにも影響出るでしょ!」

 

有森「安心しろ。こいつらに触れたり触れられたり出来るのはターゲット指定されてるやつと管理者、つまり今でいう俺だけだ。周りに被害が出るどころか普通の人には見えてすらないと思うぞ。」

ああ、そろそろ俺も行くかな。影の兵士もいるから、影系統の攻撃で行くか。…さっき言ったネイズをすぐ使うことになるとは。

 

有森「直刃刀ネイズ化、闇龍狂終!」

…これが普通のネイズの中で1、2番を争うほど強いやつ、別名「死神の鎌」。確かに鎌の形をしていて、真っ黒だ。が、それだけじゃない。魂を刈り取ることができる。まあ、ちょっとでも抵抗力が少なかったら自分も吸いとられていくけどな。

 

霊夢「ヤッバ…」

 

リュウ「あんなの見たことないぞ…」

そりゃそうだ。

 

有森「[闇牙]暗牙烈衝!」

真っ黒な斬撃を高速で撃っていく。影の兵士には効かないから、直接届く。

 

天子「ぎゃゃぁぁああ!」

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

天子「(Ω\ζ°)チーン」

こんなもんで良いか。泡吹いて倒れてるし、顔真っ青だし。ただ、この死神状態は3、4時間位しないと解けないからしょうがないか。

 

霊夢「すご…あの変態をここまでするって…」

 

リュウ「まあ、存在そのものがチートみたいになってるもんな。さすがだわ。こりゃ。これで天子も多分トラウマだな。」

 

霊夢「そっちの方が私としてもありがたいんだけど…」

さて、天界まで送りますか。

 

有森「よいしょ、と。[転送]空間移動。」

 

────────────

──────

───

 

有森「これでよし、だな。」

処理完了。奴のその後は衣玖に任せる。

 

フラン「!!有森ー!」

あれ、フラン?

 

フラン「やっぱりだ!有森も参加してたんじゃん!」

あ、これのことか。

 

有森「ああ、残念ながらこれは違うんだが…というかよく俺だって分かったな。後ろからじゃ誰かわかんねえだろ。」

すると、にっこり笑って、

 

フラン「何かそんな感じがしたの!」

…感じってそんな分かる物なのか?

 

フラン「そんなことより、行こうよ!」

いや、行きたいのはやまやまなんだが、俺は配る側なんだってば!

 

その後、なんとか説得できた。

 

ーーーーーーーーー博麗神社ーーーーーーーーー

霊夢「はぁー…なんかどっと疲れた気がするわ…ん?あ、あ、あれ?」

 

有森「あー…やられたな。」

目の前には完全倒壊した博麗神社と数体の妖精達。

 

妖精1「あ、あれー…さっきまで神社近くに撃っても全然大丈夫だったんだけどなー…」

 

妖精2「け、結構弱めの…だ、弾幕にしたはずなんだ…けどなー…」

 

霊夢「…………!(ゴゴゴゴゴゴ…)」

 

有森「俺が離れたから防御壁が消えたんだな。だからいい加減にしとけっつったのに。」

 

霊夢「あ~ん~た~ら~!」

 

妖精達「ぎゃー!逃げろー!」

…地形修正ぐらいは出来るんだけどな。まあ、もう追いかけてったから今のうちに直しとくか。

 

ちなみに、そのあとも続いて優勝したのは霊夢だったらしい。どうせその辺の妖怪でも片っ端からぶっ飛ばしまくったんだろうが。

 

その後俺はあの文屋を絞めることになって、リュウはひたすらに霊夢を絞めようとして紫に止められ、妖精から博麗神社への襲撃が続いたりと大変なことになった。




~あとがき~
有森「最近ずいぶんと怠けてるな。主。」

主「いやー…あべこべ東方の方に身を寄せすぎててね…」

リュウ「あーね、あのあべこべ要素少ないやつか。」

主「そうゆう事言うなよ…結構頑張ってるんだって。」

有森「しかも何でか俺がちょっと出てるって聞いたが?」

主「設定上有森と向こうの主人公は友人っていう設定だからね。(このあとがきル―ム内でも)」

リュウ「そうなのか。というか最近のここの会話向こうの話しかしてないじゃん。」

主「書くことがないからしょうがない…」

有森「そういや、ハロウィンとか正規でするのかな?最近。」

リュウ「さあ?渋谷で大騒ぎするニュースはよく聞くけど、ああいうのは元とは大分違ってるからね。」

主「あ、主は東京とは無縁の四国内に居るのでよくわかりません。」

有森「さらっと個人情報漏らすなよ…ま、それぐらいなら大丈夫かもな。」

リュウ「なんなら名前までネットに晒す?」

主「やめれ。」

リュウ「冗談だよ。じゃ、そろそろ〆るか。」

主「ん、最後までお読みいただきありがとうございました!」


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第二十一話 閻魔と遭遇

どうもただの謎存在です。

色々あって遅れました。
それと、今回台本形式から普通に変えてみました。台本形式の方が良かったって人は言ってください。



では、本編どうぞ!


「…久しぶりに来た気がするなぁ、人里。」

ハロウィンの騒動から早一ヶ月。俺とリュウは別段変わりない日々を過ごしていた。

 

「まあ、色々あるしな。」

 

「お、ここ入ろうぜ。団子屋。」

唐突に話を変えるリュウ。順序を着けろ、順序を。まあ良いんだけど。

 

「あーい。」

 

「すみせーん、団子二つー!」

 

「あいよーっ!」

久しぶりにゆっくりする。この間また白玉楼に行ってきた。あのピンクの悪魔はまたとんでもない量を食べていたなぁ。

 

「あい、どうぞ!」

 

「早いね。」

 

「へっへへ、早さもうちの自慢の内よぉ!」

厳つめの顔でニッ、と笑う店主。リュウが団子を取ったのを見て、俺も取る。

 

「いやー、あんさん、前のハロウィンの時に出た奴を追い返してくれた方でしょう?」

 

「ん?良く分かったなぁ。あの時暗かったのに。それに、かなり時間がたってるだろう?」

 

「フッフフ、恩人を忘れるようなこたぁしないぜ?息子を助けてもらったんでねぇ。」

 

「ああ、あの時、変態(天子)に付きまとわれてた子か。」

リュウの言ったことで思い出した。

 

「ああ、思い出したよ。あの悪魔の仮装をしてた子だ。」

若干面影がある…気がする。

 

「あの時は、ありがとうごぜえました。」

若干の訛りを入れてお辞儀をする店主。が、俺からしてみれば、ヤバイ奴が出たってリュウから連絡が来たため、行ったらああなっただけなのだが…

 

「いやいや、礼を言われるようなことじゃない。個人的にやっただけさ。」

 

「それでも…「おーい、店主ー!」ん?」

 

「ああ、あいつか。まーた来たのか。ま、あいつが悪いわけじゃ…いや、あいつ()悪いか。」

 

「あ、小町だ。」

 

「ああ、と言うことは…」

 

「ああ、知ってるのか。ま、サボり魔だな。」

その時、遠くから何かが走ってくる気配。

 

「あー…こいつでこれってことは…」

 

「ん?どうした?」

 

「いや、説教魔が…」

バアン

勢い良く扉が開かれた。

 

「小ぉ町ぃー!」

あの棒(?)の先端を向けて突進し、あ、小町が避けた…ってこっちかよ! リュウの方に来た。

 

「!危な…」

店主が叫ぼうとした時。

 

パアン…

 

カランカラン…

 

咄嗟にリュウの前に立って棒を蹴り上げ、手から落とさせた。

 

「なっ!」

 

「ヒュー…有森、助かったぜ。」

 

「自己防衛位して欲しいんだが?」

 

「わりい、まだ自分が人間だと思ってるところがある。」

 

「はあ…それでもせめて避ける体勢ぐらいとってくれ。」

それはさておき…

 

「小町!また仕事中に抜け出して団子屋などに…!今日という今日は許しませんよ!じっくりお説教してあげます!」

 

「おーい、閻魔様ー。こっちは?」

まさか、無かったことにしようとなんてしてないよな?

 

「ああ、先程は申し訳ありませんでした。」

 

「あと、説教を始めたいなら外でやれ。ここは一応店だ。迷惑になるだろう。」

 

「、そうですね。…そういえば、あなた方は見たことがありませんでしたね。私はここの閻魔を務めている四季映姫・イマザナドゥです。」

 

「そりゃあまあ丁寧にどうも。俺は有森 焔。で、」

 

「ど、どうも、凪沙 リュウです…」

固すぎだろ。

 

「じゃあ、とりあえず…」

スッ

 

「…浄玻璃の鏡か。」

 

「よく知っていますね。まだ会ったことがないので一度見ておきましょう。ではまずリュウさんから…フムフム。()()()()()()大丈夫のようですね。ですが、所々人を煽る所が目立つ箇所があります。そこを直し、誠心誠意生きれば、極楽へと行けるでしょう。」

 

「はっ、はいっ!」

だから固い。

 

「では、次に悪いところの詳しい指摘です。」

 

「え?」

あれ、これ分けて説教される感じ?

 

「こちらに来てからはずっと良い行動ばかりです。少々悪いところはありますが、帳消しにできるぐらいはよい行いをしています。ですが、外にいた時の行いは少し悪行が目立つ場面もあります。例えば……や、……など色々と目立っています。がみがみがみ…ということで、がみがみがみ…などと言うことががみがみがみ…」

 

《一時間後》

 

「では次に焔さんですね。」

やっとリュウが終わった。まあ、この説教魔からすれば一時間で終わったのは早い方か。何とかリュウも、理性を保ててたし。

 

「では………はっ…! ! ?」

 

「?ああ、こいつはそういう能力は…」

 

「いや、これには映るだろう。」

 

「え?でも…」

 

「俺の体質も万能じゃない。自分より遥かに格上の術や道具には効かないときもある。特に浄玻璃の鏡なんていう大半神器みたいなものなら少し見えにくくなるぐらいで本質は見えるだろう。ま、少し力を出せば…」

 

「あ、見えなく…」

 

「って訳だ。…で、何か?」

 

「…………………………あなたは…」

やっと口を開いた。が、何か様子がおかしい。

 

「…あなたは、この事を…覚えていないでしょう…。ですから、注意することは…今は…ありません。…ですが……」

なにやら歯切れが悪い。

 

「あなたは過去に…、とてつもない大罪を二、三度、犯しています。もっとも、あなたは覚えていないのですが…本来なら取り返しのつかない大罪です…。…これだけは覚えておいてください。あなたは、()()()()()()()()()()()()()()…なのです。必ず…必ず、今の状態から…進んではなりませんよ。」

 

「ん?どう言うことだ?有森、何か知ってるか?」

 

「……………いや、残念ながら全く覚えがない。」

 

「そうかぁ…何かありそうだな。」

 

「そうだな。まあ、そのうち解決するんじゃないか?」

そういえば、最近()()夢を見る頻度が高い。というか最近あの夢以外見てない気がするな。

 

「コホンでは、小町!」

 

「は、はいっ!」

 

「これからじっくりお説教の時間です!さあ、来なさい!」

 

「う、うえぇぇ…」

 

「ははは…ありゃあ怖いな。」

まあ、な。

 

「はぁ…どうもすみませんね。よくあの死神の姉ちゃんは来てくれるのは良いんですがね、仕事中に抜け出して来るみたいでしょっちゅう四季様が説教に来られる訳で…」

 

「まあ、でもそれは店主のせいじゃないしなぁ。」

 

「ああ。別にそっちが気にする必要はないだろう。むしろ妨害してるのは向こうだな。お客さんがさっきよりかなり減った。」

 

「え?あー、確かに。空いてる席かなり出来てるなぁ。」

さっきまで満席で賑わっていた店内がかなり空いてしまった。残っている人は数人の強メンタル勢のみだろう。

 

「まあ…しょうがない…ことなのかねえ?」

 

「人が良すぎですよ…」

 

「たまには言わないと、ストレスが溜まるぞ?」

 

「ははっ、そうですな。」

白い歯を見せてニッ、と笑って

 

「では、ごゆっくり。」

奥に消えていった。

 

「はぁ…何か嵐が来てた気がする…」

 

「ん?今更か?」

 

「何か後になってぐっと来た…」

顔からしてもリュウが何か疲れてる。大丈夫かよ。

 

「ああ、そうだ、リュウ。」

 

「ん?なんだ?」

 

「最近、変な夢を見るんだけどな、」

 

「変な夢?」

 

「ああ。何か真っ白な所に、束ねられた一対の鈴があるんだよ。で、なんやらかんやら言うんだけどさ、どうもさっきの映季の話と重なってんじゃないかなー、と思うんだが、どう思う?」

 

「また難しいこと言うなぁ…」

あれ、そんな難しいこと言った?俺。

 

「けど、ほら、よくある話だけど、意識共有?とか言う奴かもよ?」

 

「意識共有…か…完全に俺に話しかけてくるんだけどな。それに、そんなによくある訳じゃないだろ。」

その後もリュウがうーん、うーん、と考えること十秒。

 

「うーん…分からん!分かるわけ無いだろ、お前が分からないのに。」

まあ、言われてみればそう…なのか?

…っと、もう四時か。

 

「まあ、それもそうか。…さて、そろそろ帰るぞ。遅くなるとまた霊夢がうるさい。」

 

「あー、そうだな。」

 

────────────────

 

────────

 

────

「さて…」

本来なら俺は寝る必要はない。そもそも睡眠も食事も必要が無いのだ。死なないし。だが、そんな俺が寝ようとする理由…

 

「今回は一つでも…分かると良いが…。」

()()は寝ないと出てこないから寝るより他無い。とはいっても、木の上でのび太スタイルで、だが。わざわざ寝間着に着替える必要なんか無い。

 

「ふぅ…」

さて、寝るか。

 

 

─────────────────────

『ん、また来てくれたんだー。』

 

「仕方ないだろう。これしか事実を知る方法がないんだしな。ほんとに…お手上げさ。」

 

『もうー、だから信用してくれて良いんだって。兄ちゃんも堅いなぁ。』

最近この鈴から兄ちゃんと呼ばれるようになった。これの話が本当なら、この言葉の主は俺の義理の妹らしいが…

 

『んー♪』

あんまり信じられないかも。

 

「さて、じゃあ、お前が本当に俺の妹だって言う証拠か何かあるか?」

 

『…無いことは…ない。でも、今は無理。』

 

「また難しいことを言うな。いつならできる。」

 

『封印が解けたら、かな?』

 

「封印?これまでのお前の話からすれば、お前は俺の中にいるような感じなんだろう?俺がお前を封印したってのか?」

 

『うん。まあ、正確には私がさせた、んだけどね。』

 

「…はぁ~…余計に訳が分からなくなってきたよ。少なくとも俺は意識的に封印してる訳じゃないからなぁ。」

 

『だから今は無理だって言ったの。』

 

「…そうか。それより、そろそろ鈴から人の形になってくれ。いい加減話しにくい。」

 

『それが出来たらこんなことしてないって。』

 

「…まあ、それもそうか…。あーもうどうなってんだ。」

 

『流石の麒麟族もお手上げ?』

 

「せめてお前が何なのか位教えてくれ。」

 

『何なのか…ねえ…。強いて言えば、《兄ちゃんに助けられた鬼神族》かな。』

 

「鬼神族……か。」

鬼神族は、神獣族の力の司神で、大地を操る種族だ。

が、残念ながら鬼神族の中に俺の妹になりそうな奴はいない。というか厳ついやつが多すぎる。

 

『…覚えてないみたいだね。』

 

「残念ながら。というか、封印されてるのに何でそいつと俺は会話ができるんだよ。」

 

『ああ、それはこの鈴だね。』

少し青白く鈴が光った。

 

「これが?」

 

『これ、兄ちゃんが作ってくれたんだよ?御守り代わりにって。』

 

「司神が御守りいるか?」

 

『あの時は私も周りの人から《鬼の子》って呼ばれてたからね。厄から守ると言うよりは人から守るものだよ。』

鬼の子…約百年前、鬼神族と悪鬼の区別が普通の人には出来てなかった頃だ。その頃は鬼神族でも何でも、鬼の仲間、とされるものは殺されていた。

というかそんなに俺が世話焼くか?と言いたくなったが、霊夢とリュウの顔が出てきて言葉を飲み込む。

 

『案外お人好しな所もあるもんね。』

 

「はぁ…」

どうやら、今日は眠りがかなり浅かったようだ。いつもなら十分ほど居れるのだが、もう背景が黒くなり始めている。

 

『、随分と今日は早いね。』

 

「ま、そんな日もあるさ。じゃ。次は…名前ぐらいは教えてもらわないとな。」

 

『さあ、どうでしょう~?』

本当に俺の妹か?と思ったが、そもそもあんまり信用してない。そもそも名前すら聞けてないし。

さて、これからどうなることやら。()()()

 

────────あとがき─────────

有森「久しぶりの投稿だな。」

 

リュウ「ああ。主がおもいっきりサボったからな。」

 

主「しょうがないじゃん…二作品同時進行ってきついんよ?」

 

有森「なら自分の限界を感じずに始めた主が悪い。」

 

リュウ「同感だ。」

 

主「味方が欲しい…」

 

有森&リュウ「無理だな。」

 

主「そんな言わなくても…ね?」

 

リュウ「まあ、それはさておき、何で台本形式止めて普通にし始めたんだ?」

 

主「まあ、特に深い理由は無いんだけど、打つのがめんどいってだけ。」

 

有森「スマホで打ってるんだから次の予想文字で出てくるだろ…」

 

主「いや、そうなんだけどね?ほら、色々あんのよ。」

 

リュウ「ふーん、じゃあ、その色々、全部言ってもらおうか?」

 

有森「時間がかかるのは別に良いからな。」

 

主「……今回はこの辺で…」

 

有森&リュウ「終わらせるかぁ!」

 

主「ポチッ(編集完了ボタン)」

 

 

 

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございました!



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第二十二話 無縁塚でハプニング発生 !

どうもただの謎存在です。

そろそろ異変起こそうかな、と思ってます。
そろそろ冬休みだー!って思ってます。
(期末テスト?なにそれ美味しいの?)




では、本編どうぞ!


「有森ー」

 

「ん?」

後ろからリュウに呼ばれた。

 

「肝試し行こうぜ!」

 

「真っ昼間から?」

 

「時間帯は関係ないだろ。」

いやいや、

 

「これに限っては昼行っても何も面白くねえだろ…。どこ行くんだ?」

 

「まあ、無縁塚にな。…宝探しに。」

こいつ、ちょっと霊夢に似てきている気がする。

 

「どっかのネズミがダウジングで探し回ってるけどガラクタしか出てきてないじゃないか。」

 

「…いや、それはナズの運が悪いと思いたい。」

さらっと失礼なこと言ってるぞ。

 

「はぁ…そもそもなんで急にそんなことになったんだよ。」

 

「んー…気まぐれ?」

張っ倒すぞ。

 

「一人で行ってこいよ…」

 

「やだよ怖いのに。」

こいつ何歳ー?既に成人してるやつがお化け怖いとか言う?こいつ、見かけは20過ぎ位でも中身一桁とかじゃないよね?某探偵の逆じゃないけど。

 

「じゃあ霊夢と行ってこい。」

 

「来ると思う?」

 

「宝探しって言ったら。」

 

「…天才かよ。」

これで通じるのも一種の恐怖なのかもなぁ…

 

「霊夢ー!」

 

「何よー?」

リュウが霊夢の所に行って説明した瞬間、食いついたらしい。軽すぎかよ。

 

「じゃ、有森も来てね。」

 

「?何で俺が?」

 

「何か出たら大変でしょ?」

霊夢よ、お前は巫女だろう?何か出たらって無縁塚で出るものなんかネズミか幽霊だろ。幽霊にビビってるんだったら巫女失格だ。

 

「はあ…分かったよ。」

もう諦めた。めんどくさいことになるのも目に見えたし。

 

「何で俺が誘っても来なかったのに霊夢なら来るんだよ?」

 

「堂々巡りになるだろうが。」

 

─────────────────────

ということで無縁塚に来た。

 

「うわー…塚しかねえな…」

お前が来たいって言ったんだろうが。

 

「どんなところか知ってたくせして…」

 

「それより!お宝お宝!」

…うん、こいつもこいつで平常運転だな。むしろ安心できるレベル。

 

「それにしても…やっぱり一般人の墓なんだな…」

 

「ほう…良く知ってるね。」

おっとビックリ。ナズーリンか。

 

「流石に一瞬焦ったぞ…」

 

「おや、一瞬しか驚かせれなかったか。」

 

「ねえー、お宝はー!?」

お前は一回黙れ。

 

「お宝目当てならついてくるかい?当たるかもね。」

 

「付いて行くわ。」

即答。金の事になるとほんとに判断が早い。

 

「じゃ、俺も行こう。霊夢が…な?

なるほど。じゃあ霊夢はリュウに任せて俺は散策でもするかな。

 

「じゃあ、ついてくるなら付いて来な。」

 

「はーい。」

こいつ…リュウ、頑張ってくれ。

 

 

 

 

「しかし…やっぱりこれは一般人の墓…か…?」

かすかに霊力や妖力が漏れているのがある。

 

「?…嫌な予感…墓からか?どれ…」

すっと手を翳す。すると、

 

「…ビンゴか。若干成仏しきれてないのがいるな。この世への未練か、それとも怨念か。」

何はともあれ、成仏させるか。

 

「が…思ったより多いみたいだな…どうしたものか…」

 

オオオアオ…

 

「ん?」

何か声がした…?

 

「オオオオオオオオ…」

これは…

 

「ウオオオオオオオオオオ!」

死霊だ。人魂型のやつだな。まあ、だからといってどうって訳でも…

 

ガシャアン

ん?

 

ガラガラガラ…ガシャン…ゴロゴロ…

 

「おいおい…マジかよ…」

塚を壊して妖怪が出てきた。成仏しきっていないやつが妖怪化したか…

 

「これは…しっかり成仏させてやんないとな。」

 

「ホオオオウウウウウ!」

一斉に飛びかかってきた。が、こっちもそれなりの対処法位ある。

 

「霊夢から札貰っといて正解だったな。」

ヒュッ

 

パァン

 

「ふう。さて…あっちこっちから出てきたか。何でこんなに成仏しきっていないやつがいるんだ…供養されたろう?」

 

「キャュゥォォォ!」

どうやらまともに話ができる奴じゃないらしい。じゃ、

 

「閻魔に頼むか。」

この霊達から感じられるのは怒りや怨念。だからそれを沈めれば勝手に成仏するはずだ。

 

「…直刃刀、ネイズ化。水龍、清凪(きよなぎ)。」

刀身が青く、切れない刀だ。切れないのならじゃあ何に使うのか。一言で言おう。切れば自動で明鏡止水がかけられる。終わりだ。

 

「清瀧一閃…流転輪廻(るてんりんね)。」

自らを落ち着かせ、水流に流される様な感覚で無理なく攻撃していく。

 

「キ…」

シュウゥゥ

切られた妖怪は予想通り消えていった。

 

 

 

 

「ふう、終了っと。」

やっと終わった。めっちゃ多かったな。なんであんなにいたんだろう?まあ、妖怪に食われたやつだから怨念がたまりやすい…のかな?

 

「有森ー!」

あ、リュウだ。

 

「おう、どうした?」

ま、ある程度は分かるが…

 

「さっき大量に幽霊が出てきて、かなり大変だったんだが…お前はやったみたいだな。」

リュウが俺の持つ清凪を見て言う。

 

「ま、な。」

 

「君は幽霊にビビって逃げ回ってなかったかい?」

 

「ちょ、それ言うなって…」

おいおい、ここで幽霊にビビってたらやっていけないぞ?

 

「おいおい…」

 

「…………(じーーー…)」

何かナズーリンが凄い見てくるんだが…?何かしたかな?

 

「君の持っているその刀…」

 

「あら?有森、あんたそんなの持ってたっけ?」

あれ、ネイズの説明ってしてなかったっけ?いいや、今しとこう。

《ネイズ》

武器の中で自然物の象徴となる武器。そういう武器があるわけではなく、元ある器に妖力や霊力を龍として籠めて創られる。だから名前の最初に「焔龍」とか「水龍」とかが付く。種類は全部で十種類あり、木火土金水行に、陰陽(ここでは闇と光という解釈。ものによっては月と日っていうのもある。というかほとんどそうだと思うけど…)行、風列、星列、命列がある。それぞれ象徴となるものの他に司るものがあり、例えば、火行なら情熱、水行なら静寂、といった感じ。

普通の人は触っただけでエネルギーが暴走し、身体が四散、かなりの上級者、達人でも数分が限界。俺が一番使いやすいのは焔龍、燐焔。一番苦手(というか創れるし使えるけど何か上手く行かない)のが星龍、光垓。物によって武器の種類も違う。

 

「ってわけ。」

 

「便利…ねえ?」

 

「まあ…感じ方は人それぞれだな。」

まあ、普通に生きてりゃ使うことのない力だな。

 

「とりあえず帰…」

 

「おい、お前、乗られてるぞ。」

 

「え?」

頭の上に幽霊が乗ってる。ちょっとシュールで笑いかけたが、耐えた。

 

「え、の、乗って…る…って…」

どんどん体が固まっていってる。

 

「ああ、幽霊。」

 

「ウギャャァァァッ!」

この時暴走したリュウによって無縁塚が氷付けにされたのは完全なる余談。

 

 

 

 

 

 

「…何で幽霊がダメなのに肝試し何か行こうとしたんだよ…」

 

「…なんとなく。」

何かありそうな気がするが、まあ、聞かないようにしよう。

 

「じゃ、次は俺の頼みを聞いてもらおうかな。」

 

「ん?何だ?」

 

「……ちょっと手伝え。」

 

「何を?」

 

「サンドバック。」

 

「…………」

 

「流石に嘘だ。」

うん、流石にね。そんなことするのは天子だけで十分だ。

 

「ちょっと部屋の整理をな。」

 

「部屋の整理?」

 

「霊夢が荷物どんどん入れてくるから埋まっててな。ちょっと整理するの手伝ってくれ。」

 

「ああ、サンドバッグじゃなければ。」

どんだけ嫌なんだ。いや、そりゃ嫌か…

 

 

─────────────────────

「うえー…多くないか?」

 

「あいつのことだからな。俺のスペースほとんど無くなってんだ。少しなら良かったが、ここまで多いと流石にダメだ。じゃ、やるか。」

 

「ほーい。」

 

 

ガサゴソガサゴソ…ドン…ズイズイ…

 

「?有森ー、」

 

「ん?何だ?」

 

「これ、霊夢のじゃないだろ?でも、お前のにも見えないんだが?」

リュウが手に持っていたのは…

 

「これ…何でここに?」

あの鈴だった。だが、ちょっと違う。何と言うか…似た鈴だろうか?これも俺が作ったのか?

 

「ああ、じゃあ俺が持っとくよ。さて、続けるか。」

 

 

《一時間後》

 

 

「終わったァァー!」

 

「おう、お疲れ。」

ちゃんと人のいる最低限の部屋になっている。

?霊夢の荷物はどうしたかって?スキマ。(察せ)

 

「というかお前、あそこでよく生活してたな…」

 

「耐えてた。というかほとんど空中か外だったな。俺ほとんど寝ないからさ。」

元々は()()だったのだが、最近がイレギュラーすぎる。

 

「外って…マジか。風邪引くぞ?」

 

「引くと思ってんのか?」

残念ながら一部を除いて俺は病気にかからない。だから風邪なんか引くわけがない。まあそれでもかかってるのが妖力病なんだけど。

 

「はは、そういやそうだったな。」

はぁ…もうやれやれ、と言ったところか。また色々と疲れた。…それにあの鈴。あいつ()に聞いてみるとするか。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

『やっほー』

 

「はぁ…相変わらず、か。」

 

『まあ、変わりようがないし。』

まあ、鈴が風邪ひいたりはしないか。猫とか犬ならともかく鈴だもんな。

 

「そうだ、これ、見てくれ。」

あの見つけた鈴だ。

 

『あっ!解鈴(かいりん)!』

 

「解鈴?」

普通に聞いたことすらない。

 

『こっちがあればここから出れるかも。』

 

「お、おう?」

いまいちピンと来てない。この解鈴とかいうやつがあれば鈴から人の姿に戻れるのか?

 

『それは作った人しかわかんないけど…その作った本人が忘れちゃってるもんねー。』

 

「それは俺のせいなのか?」

 

『うん。』

平然と答えやがった。

 

 

『まあ、何はともあれ、多分これで戻れると…思うんだけど…』

 

「どうすれば?」

 

『じゃあこの鈴の近くに解鈴を置いて。』

言われた通りに置く。

 

「置いたぞ。」

 

『じゃあ…多分こうしたら…うぅーっ…』

すると、もう二つの鈴が光り出した。元々あったしゃべる鈴は淡くピンクに、俺が持ってきた解鈴は銀色に、って感じに。

 

『うーん…はあっ!』

鈴が浮くと光が強くなり、人の形を作っていく。

そして、一分後…

 

「出れたぁっ!」

おいおい……こいつは…命蓮寺での発作の時に映像に出てきたやつじゃないか。違いと言えば…さっきの鈴を一つずつ髪に付けてることぐらいかな?

 

「ふぅ…じゃ、自己紹介しとこっか。鈴から人に戻ったんだし。」

 

「ああ、何か言ってたな。」

 

「元々半人には名字がないのは知ってるでしょ?」

 

「ああ、まあ…な。」

俺になんで名字があるかって?いやー…残念ながら知らない。映姫の言ってた()()()()()に何かあったのか?

 

「私は(ほし)。ま、あの時は兄妹として、有森 星って名乗ってたけど。」

 

「有森…星…ねぇ…残念ながら記憶が無いなぁ…それより、そろそろ目が覚めそうだが、ここから出れるのか?」

背景が黒くなりつつある。

 

「うん!今はこっち(人形状態)の妖力が安定してないから無理だけど、来月位には問題なく出れるよ。」

 

「中々にヤバイことするなぁ…問題なく人の意識空間に入り込んでくるなよ。」

こいしかよ、と思いながら言った。

 

「まあ、それなりに妖力使うから今は無理なんだけどね。じゃ、また幻想郷で。」

はぁ…またおかしな事が起こったなぁ…覚えのない兄妹…か…パチュリーにまた今度色々聞いてみようか、あいつなら何かそういう系のやつ知ってそうだし。

 

─────────────────────

~あとがき~

 

有森「…主ー?」

 

リュウ「今は…無理あるんじゃ?」

 

主「………(ズーン)」

 

リュウ「普通に凡ミスであべこべ消したもんなぁ…」

 

主「もう二度と作品消去しない絶対。」

 

有森「つーか幾つ匿名投稿あるんだよ?」

 

主「大体6つぐらい。」

 

リュウ「その内消したのは?」

 

主「本来は3つ。4つになったけど。」

 

リュウ「何で消したんだよ。」

 

主「いや、全くと言っていいほど伸びなかったから。何で十話越えてもUAさんが100ちょっとなん…」

 

有森「何回か言ったが、それなら腕を磨け。」

 

主「それができたら苦労しないって…」

 

リュウ「まあ…いいんじゃないか?また頑張れ。」

 

主「軽いなぁ…まあ…今回は〆るわ。」

 

有森「おう。最後まで読んで頂きありがとうございました!」



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(特別話)第二十三話 クリスマス、オーナメント争奪戦

どうもただの謎存在です。

いや、特別話が二話しか開かずに書くことになるとは思わなかったですけど、まあ、そうなったものは仕方ない。仕方ないんだ…


では、本編どうぞ!


「うぅ~…寒い寒い。」

 

「よう霊夢。」

珍しく掃除してら、雪降ってるのに。最近掃除も俺達に押し付け始めてるしな。

 

「ああ、有森…あんたその格好で寒くないの?」

 

「ま、寒いのには強いし、そもそも体温ぐらい自分で操れる。」

 

「便利ねぇ…私は炬燵がないとほんとに凍え死ぬわよ…」

おう。

 

「ま、それもそうか。人間だしな。」

 

「あら?リュウは?」

 

「まだ寝てる。正確には寝たふりだな。布団の外に出ると寒いからだろ。」

あいつこそ寒いのには強いだろ。氷操るし、すなわち冷気が操れるんだし。…あれ、チルノも冷気操るよな?…被っていやがった…

 

「ああ有森、買い物行ってきてくんない?」

 

「ああ。」

 

 

 

 

「………」

人里に謂ったら寺子屋の中にもみの木があった。

あれ?ああ、今日クリスマスか。本来ならクリスマスのちょっと前に出す物だろうけど…まあいいや。それよりいつの間にこんなもみの木持ってきたんだ。つーか誰がだよ。

 

「あ、有森殿!」

ん?この声は…

 

「、慧音か。…これ、どうやって持ってきたんだ?」

 

「ああ、妹紅が頑張ってくれたんだが…」

妹紅か。いや、凄いけど、が、って?

 

「が?」

何か歯切れが悪い。

 

「飾りが無くなってしまってな…」

 

「ああ、オーナメントか。」

慧音が物を無くすとは珍しいな。

 

「ああ、外ではそう言うらしいな。確かにあったはずなんだが…無いんだ。」

 

「どこに置いてたんだ?」

 

「寺子屋だ。」

いや、それ多分氷精(チルノ)とか光の三妖精あたりだと思うんだが…

 

「子供たちと飾りつけをする予定だったんだが…どこに行ったものか…」

意外と天然な所があるのか…も…?

 

「今日寺子屋には皆来てたか?」

 

「?あぁ、そういえばチルノとルーミアが来てなかったな。探したがいなかったよ。」

そいつら二人かどっちかじゃないか。もうほぼ確定だろ。

まあ、とりあえず買い物済ませてから探しに行くか。

 

 

 

 

 

「……………………」

 

「おっ!飛び入り参加ですか!?」

おい、俺って何してた?えーと、買い物を済ませて、博麗神社に帰って、チルノ達を探して森に入ったら文屋とにとりが何かやってて、霊夢や魔理沙も入ってて、賞品が「オーナメント」なるものとか何とか言ってる。

 

「こいつらやりやがったな…」

 

「まだ本格的には始まってないので飛び入り参加もOKですよ!」

 

「うちの新しい機械も広がりやすくなるしね。」

おいお前ら、その商品窃盗物だぞ。

 

「おまえら、そのオーナメントってのどこで手に入れた?」

 

「ん?チルノとルーミアに「イベントするから何か景品ないか」って聞いたらくれたものだよ?」

おいぃ… が、もうこうなったらアウエーだしな。向こうのルールで勝つしかないか…

 

「で?何をどうすれば良いんだ?」

 

「おっ、乗り気ですかぁ?まず、この幻想郷中にオーナメントをばらまきます。それで皆さんに探してもらって、持ってきてもらいます。あ、その時のオーナメントの強奪はダメですよ?その後、全員に渡したこの袋にオーナメントを入れて弾幕勝負をして下さい。袋にセンサーが付いているので幾つ入っているかはこちらで計測します。負けたものは勝ったものに持っているオーナメントを渡し、他の相手のオーナメントを奪いに行ってください。探す時間は30分で、弾幕の時間は20分です!一位の人にはオーナメントを全て差し上げます!」

時間配分が絶妙すぎる。そして窃盗物でイベントをするな。

 

「あのな、そのオーナメントは、」

 

「では用意スターーート!」

 

「話聞けぇーー!」

パァン

 

スタートの音が鳴って妖精やら何やらが飛び出していった。もうこうなったらとっとと見つけて慧音に返さないとな…そもそもあいつらはオーナメントが何か知ってんのか?

 

「あ、あった。」

木に引っ掛かってた。形は…外のやつとほぼ一緒だな。赤とか青とかの丸い形のやつだ。

 

「…にしても…あいつらめっちゃいるじゃねぇか…」

空では妖精や霊夢が飛び回ってる。霊夢に関してはまだ空を見上げて十秒経ってないのに三回見た。

 

「どうなってんだ。あいつ金にしようと考えてないよな?」

いや、あいつならやりかねない。出来るだけ早く見つけるか…

 

 

 

 

《30分後》

「では、弾幕の開始です!腰の袋にオーナメントをしまってください!あ、いくらでも入れれますのでご安心を。」

まさか独立した四次元ポケットが出来てるとは思わなかった。

 

「いたぁーグヘッ」

後ろから出てきた妖精を一発の弾幕で倒す。

 

「悪い。貰っていくぞ。」

 

「ううー…また誰かから奪ってやるー!」

またってことは既に奪ったのか。

 

「…はぁ…こんなことに使うための物じゃないんだけどな…『第一感覚操作、第三感、聴覚』。」

聴覚を澄ませてどこら辺に何がいるか確認する。

 

「………」

が、特に何もいなかったため、感覚操作を解いて飛ぶ。

 

 

その後、ちょくちょく出てくる妖精を倒しながら散策していると、

 

「あら有森。」

 

「げっ…」

霊夢と鉢合わせした。

 

「あんた、どれぐらい取った?」

 

「さあ?分からん。」

 

「よこしなさい。」

こいつ…

 

「弾幕だろ?言っとくが、手加減しないぞ?」

 

「あんたが物に執着するなんてちょっと意外ね。」

驚いたように言った霊夢。

 

「今回は例外だ。このオーナメントは<かくかくしかじか>なんだよ。」

 

「ふーん…嘘にしては粗いわね。腕落ちた?」

こいつ、ふざけてやがんのか?よし、やる。

 

「じゃ、弾幕だな。どんなものでもスッパリ決めるのは弾幕勝負、なんだろ?」

 

「ええ。そうね。じゃ、[霊符]夢想封印。」

急に撃ってきやがった。

 

「おっと、[炎符]インフェルノゴースト。」

とりあえず相殺。

 

「それっ!」

と、また大量の弾幕。大きさも速度も全部違うため、避けにくい。

が、避ける必要なんかない。

 

「[粒符]パーティカルコントロール、反。」

全部元の位置に戻せばいいだけだからな。

 

「やるわね…[霊符]封魔陣!」

 

「残念、隙あり。[炎符]インフェルノストーム。」

弾幕の軌道から外れ、再び撃つ。

 

「っ!まず…」

霊夢も飛んで避ける。その時、間ができた。

 

「バーンアップ。」

強化してから大量に弾幕をばらまく。

 

「なっ!」

ドドォン…

 

 

 

「はい、俺の勝ちな。」

 

「ちぇー…ちょっと油断したわね。」

 

「はいはい。負け惜しみは良いから。」

 

そうこうしてから20分が経った。

 

「さて!誰が一番多いでしょうか…?おっと!一番多かったのは有森さんですね!じゃあ有森さん!何か一言!」

こっちに振るかよ。まあいい。

 

「えーと、文屋、とりあえず殴らせろ。」

 

「はい?」

 

「…窃盗物で大会開いてんじゃねえぇっ!」

バゴォ

 

「うげっ、せ、窃盗なんかしてませんよ!」

 

「このオーナメント、チルノから貰ったんだろう?」

 

「はい。でも!チルノさんから許可は貰ってますよ!」

 

「じゃあ、チルノから何て言われて貰ったかよーーく思い出してみろ。」

俺はチルノから直接聞いた。まあ、ちゃんと謝りに行ったから処遇は慧音に任せた(多分頭突きだと…)。だが、

 

「えーと、確か「これ慧音のだと思うけど何に使うか分かんないからやる!」だったと……あ、」

 

「………バーンアップ。」

 

「あ、ちょ待ってこれには私のジャーナリスト魂g」

 

「問答無用。[神罰]ジャッジメントオブギルティ。」

真っ赤な弾幕が上から、真っ青な弾幕が下から、真っ黒な弾幕がランダムに飛んでいった。

 

「うぎゃぁぁぁぁ…!」

 

「ふう…人の話は理解してから動け。ちゃんと後で慧音に謝っとけよ。」

 

「は…はい…」

 

「(あれ、何か私狙われなかった…ら、ラッキー…)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これか?オーナメントって。」

寺子屋に帰ってきたのは午後五時だった。

 

「これだ!チルノだったらしいな。」

今俺は寺子屋にいる。あの袋からオーナメントを取り出して返した。

 

「いや、一連の犯人はどちらかと言うと文屋とにとりだな。ま、にとりはどちらかと言うと事情知らなかったみたいだったからやらなかったけど、文屋にはそれ相応の事をしておいた。」

 

「な、内容は聞かないでおこう。」

 

「おう。」

そうしていただけるとありがたいな。

 

「じゃあ、これだな。」

 

「ああ。色々迷惑をかけたみたいですまなかった。」

 

「いやいや、」

 

「けーねせんせー!」

 

「かざりあったー?」

ん?ああ、寺子屋の子供か。元々皆で飾り付けする予定だったらしいしな。

 

「ああ、あったぞ。今そっちに行くよ。じゃあ、本当にありがとうな。」

 

「良いんだって。」

じゃあ、飾り付け風景でも見とこうかな。

 

 

 

 

 

 

「「「出来たぁ!」」」

 

「おぉ、」

結構やっぱり豪華になるな。というか幾つあったんだろうか。単純計算であれで一人5個持ってたとすれば…大体120、30位か?いや、多いな。まあでもこのもみの木もでかいからな。ツリーの飾りつけではしご使ってるの初めて見たぞ…。

ま、何はともあれ完成だな。

 

「というかどこに飾るんだろうか?」

ここは寺子屋の中。最初は、門からちらっと見えたから寄ったんだが、流石にここにおいておく訳じゃあるまい。多分外かどっかに移動させるだろうが…あ、皆でやるのね。皆でやればバランスもとれると…なるほどなるほど。いやー…それはフラグだぞ。周りを粒子固定して…あ、

 

ガシャアン

 

「………」

 

「………」

あちゃー、フラグ回収の速さよ。

ものの十数秒で回収したわ。…手を貸すか。

 

「ああ…」

 

「たおれちゃった…」

 

「ちょっと手伝おうか。」

 

「良いのか?」

別に構わないさ。

 

「よいしょ…オラッ」

 

ドン!

 

「…あ、」

木の重さに耐えれずにオーナメントが潰れてるなぁ…

 

「あ…かざりこわれちゃってる…」

 

「どうしよう…」

 

「…今は…五時過ぎか。十二時までは問題ないな。

[光符]シャイニングボール」

本来なら目潰し用に作ったやつだったが…光を抑えれて大きさを小さくすれば飾り兼ライトアップにも使えるな。壊れることないし。

 

「わー!すごい!」

 

「きれー…」

 

「さて、外に置いとくぞ。」

 

「有森殿…申し訳ない。ありがとう。」

 

「何、どうってことない。俺も手を貸せたのに貸さなかったのもあるしな。」

 

その後、このツリーは寺子屋内の見所になってたとか。

あ、ちなみにあの鴉はこの後しっかりともう一度()()()やった。最後の最後まで何か言ってたけど…よく分からんかったな。ま、その後そこら辺にいた閻魔(映姫)に突き出したんだけど。

何か映姫が凄い余所余所しい感じだったのは俺の勘違いだろう。多分。まあ、何はともあれ

 

 

 

 

Merry Christmas!!

 

 

 

 

《あとがき》

 

有森「あれ、前の特別話って二話前位だったよな?」

 

リュウ「ああ。どういうことかな?」

 

主「えーとですね、…はい、いろいろあるんですよ。色々。」

 

星「へぇー。」

 

有森&リュウ「(何か増えとる…)」

 

星「あ、どうも、星です。」

 

主「もうそろそろ出番も出てくるからここになら居ても良いでしょ?」

 

リュウ「あ、ああ…それは良いが…有森は?」

 

有森「正直、話の中では記憶消してる扱いになってるけど、ここではどうすりゃ良いのか分からんなってる。」

 

リュウ「…というか、漢字表記が虎丸の方の(しょう)ちゃんと被ってるけどどうすんの?」

 

有森「確かに。」

 

主「二人出てくる場合はルビ振ろうと思う。一人の場合は大体分かってくれると嬉しいな。」

 

リュウ「ふーん、」

 

有森「そういや、主はクリスマス予定あるのか?」

 

主「いや、クリボッチデス…」

 

リュウ「あ、乙ー…」

 

星「まあ…ファイトォ…」

 

主「頑張るとしよう。んじゃ、そろそろ〆るか。」

 

有森「ああ。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!」

 

星「ばいばーい。」




      良いクリスマスを~


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第二十四話 大晦日から正月へ…&フラグ

どうもただの謎存在です。

今年最後(&最初)の投稿です。
新年もよろしくお願い致します。では、



本編どうぞ!


「今年ももう終わり…か。」

 

「何か凄い濃い一年だった気がする…特に中盤辺りから。」

確かにそうだ。

幻想郷に入る、博麗神社に住むはめになる、リュウもここに来る、フラワーマスターに追いかけられる、マスパに吹っ飛ばされる、勇義と交戦する、変態が暴れる…等々、ほんとに色々あった。

 

「おう…まさか幻想郷に来るとは思ってもなかったしな…」

 

「まあ、それより…」

 

「「なんで俺ら雪掻きしてんの…」」

 

「…まあ、いつものことではあるけど…何か…な。」

いつもと同じことしてるなぁ…

 

「それより寒いっ!お前そんな服一枚やら二枚で何でそんな普通にいれんの!」

 

「自分の体温ぐらい操れずにいるとでも?」

あれ、こないだもこのやり取りした気が…あ、あれは霊夢とか。

 

「頼む気温高くしてくれ」

急だなぁ。ま、しないけど。

 

「悪いけど私情で気候とか自然状況を変えるのは禁止されてる。というかしねえよ。」

 

「うぇー…」

 

「お前、氷属性なんだから寒いのに強いんじゃ?」

うん、同族だろ、お前と冷気は。

 

「いや、俺もそう思ってたんだけど…あんまりそこは変わらないらしい。」

あ、そうすか。

 

「不便かよ…じゃあ、早めに中入るか。[炎符]焼咫弾(しょうしだん)

 

「雪掻きにスペカ使うやつ初めて見たぞ…」

いや、残念ながら俺はもう一人知っている。

 

「いや、こないだ魔理沙も裏の落ち葉掃除の時マスパぶっ放してたぞ。」

それも、三発ほどな。

 

「マジか。」

 

「有森ー!リュウー!終わったらちょっと手伝ってー!」

 

「何だよ…」

 

「どうせ宴会の準備だろ。念を押しとくが、食品には触るなよ。」

 

「…はい。」

死人が出るからな。

 

 

 

 

「年末の宴会ねぇ…」

毎年やってるらしいな。

リュウには部屋を作ってもらったりとかしてるからこっちには来させん。

 

「(まあでも…一番の色々あったことと言えば…()()()だよなぁ…)」

 

『呼んだ?』

 

「呼んでないから出てくるな…。」

うん、こいつ()である。いつでも出てくるからたまにビビる。というかいつでも出てくるなよ。

 

「さて、あいつは何人連れてくるか…」

 

 

 

 

 

 

「………」

あれ、宴会の開始時間って7時だよな?で、今5時半だよな?…メッチャヒトキテナイスカ……え、多くない?ちょい同立場の妖夢に聞いてみよ。

 

「妖夢、」

 

「あ、はい!なんですか?」

 

「いや、宴会っていつもこれぐらい来るのか?」

 

「いえ、普段はここまでは多くないんですけど…年末の宴会だからでしょうか?今日多いですね…」

あ、やっぱり今日が異常なだけか。

 

「有森さんもあまり無理なさらずにしてくださいね?この人数の宴会等、初めてでしょう?」

咲夜さんお気遣いあざーす。霊夢からは出るはずの無い言葉だなぁ。でも大丈夫なんだなぁ、これが。

 

「ま、大丈夫だろ。もう最終手が回らなくなったら影の兵士使うし。」

本来こんなことに使うようじゃないんだが…能力は俺と少しリンクさせてるから料理位はできるはずだ。

 

「有森も大変だろう。まあ…色々と。」

お前もだろう、藍よ。

 

「まあ…それはここにいる全員…というか従者ポジションのやつら全員じゃないか?」

 

「まあ…それもそうだな。だが、私達はかなり長い間やってて慣れてるが、有森はまだこっちに来て三、四ヶ月ほどだろう?」

 

「いや、それだけやってれば慣れるぞ…もう普通になってきてる。」

というか皆さん優しすぎて泣けてくるなぁ…まあでも苦労してるのはリュウもか。

 

「それに、そっちは一人の場合が多いだろうが、こっちにはリュウもいるしな。何とか回ってる。」

 

「そうですか…何か困ったことがあったら言ってくださいね。私もお世話になってる立場ですが…」

 

「あら、そうなの?」

 

「はい!主に剣術指導に付き合ってもらっています。」

 

「といっても既にめちゃくちゃ強いからなぁ…俺が教えることといえば詳しい立ち回りとか剣そのものに影響を及ぼさせるもの位しか無いんだよなぁ…」

本当に妖夢既に強いんだよなぁ。何で俺なんかが教えてんだろ。

 

 

 

 

 

「さて、そろそろ持っていきますか。」

 

「やっぱこう見ると壮観かよ…」

俺達の前には様々な料理が百を越えてスタンバイしている。

 

「時間かかりそうですね…」

 

「いや、一回で運ぶ方法もある。」

 

「え?」

 

パチン

「パーティカルロック…そら、行くか。」

指を鳴らして料理の周りの粒子を固定し、部屋まで持って(飛ばして)いく。

 

「凄い…」

 

「ほんとに一回で運んじゃいましたね…」

まぁ…そうなるか。まあ良いや。

というか既に宴会始まってら。あれ、今の時間は~…あ、6時20分か。おけ。40分前行動だな。何の問題もない。いつも通りだ。

 

「…にしても…」

多いなおい。異常なまでの天狗と河童率。あ、天狗の方は男もいるな。久しぶりにリュウ以外の男を見た気がする。が…どうも様子がおかしい。

 

目線の先は…フランとこいsちょっと待て。

こいし来たのか。…あ、地霊殿メンバー全員来てたわ。そういや結界無くなったんだったな。

いや、それよりあいつら…

 

やべえ!めっちゃ可愛いぃぃ!

 

SAIKOUかよぉぉぉ!

 

「あ、変態だったか…」

手遅れのロリコンだったか…

あ、レミリアが立った…⁉

 

「おらぁぁっ!」

あ、フランに手、出そうとした奴がグングニルの錆になった。あれ、俺にも動きが見えなかったんですけど?

 

「やばい!ばれた!?なぜっ!」

 

「そりゃあバレるだろ…」

 

「おやおや、中々面白い考えをされているようですね…」

あ、さとりが参戦した。

あーもう大混乱だな。リュウはもうノックダウンしてるし…やばい、まともな男この幻想郷に居ないのか!?

 

『やっほー、楽しんでる?』

また出てきやがった。

 

「これが楽しんでるように見えるなら目が腐ってるぞ。で、何しに来た。」

 

『特に用事ないけど出てみた。』

いや無ぇのかよ

 

「帰れ。」

 

『残念ながらここが帰るところなんだなー。それに、一応妹なんだからもうちょっと優しくしてくれても良くない?』

 

「残念ながらまだ信用してないからな?それと早めに出てってくれ…俺の精神が持たん可能性がある。」

 

『かたいなぁ…ま、今はいっか。』

お、思ったよりすんなり帰ってくれた。

 

「あれ、有森さん、何か疲れてます?」

?ああ、鈴仙か。

 

「いや、大丈夫だ。」

 

「エナジードリンクでも…と言いたいですが、意味無いんでしたね…」

 

「…気遣いの気持ちだけもらっておこう。」

 

「まあ…今年も色々とありましたから…来年も頑張ってくださいね、」

いやー、主人達と違って従者ポジションの方々は本当に優しい。

 

「ああ。鈴仙もな。」

 

「私はもう慣れてますよ。」

本当にここの主人達は…従者に慣れさせるまで使うのか?

 

「それは…良いのか悪いのか…」

 

「良いんですよ。いちいち気にしてたら身が持ちませんし。」

嘘だろおい…

 

「(苦労人だらけ…か。)」

 

「どうしたんだぁ?暗い顔してぇ」

ん?ああ。

 

「萃香、勇義もか。」

振り向いたら鬼が()()いた。勇義、萃香……おい、そこの二本角生えてる萃香と一緒ぐらいの身長の鬼、誰だ。

 

「初めまして!」

ん?ほんとに誰だよ?原作でも見たことがないが…

 

「とりあえず初めまして。で、誰で?」

 

「あ、鬼子母神です。」

………………………………………………………………………………………………………………………あ?

 

「…今なんつった。」

 

「?鬼子母神ですって言いましたけど?」

おいこら、誰だ女神連れてきたの。

いや、見た目完全に鬼じゃ…ああ、もういいや。考えるのはよしておこう。

 

「あ、そう言われてるだけでただの鬼ですからね?」

 

「お、おう。」

あ、やっぱ鬼だったわ。というか、こいつ今「ただの鬼」って言ってたけど、普通に今の俺より強い。絶対只者じゃない奴だ。

 

「で、何の用で?」

 

「いやー、勇義さんと戦って勝っちゃった人間がいるって聞いたんで一回顔を会わせておきたいなー、と思ったんですけど…」

 

「?」

 

「何というか…普通な感じですね、髪がすごい長い事以外は…霊力等もあまり感じれないですけど…」

 

「それについては秘密で。」

普段は人間としてるから妖、霊力は封印してるから普通感じれないはずなんだけどなぁ…()()()ってことはある程度気づかれてるじゃん。やっぱり恐るべし鬼子母神。

 

「そうですか。じゃあ飲み比べしましょう!お酒、強いんですよね!」

おい、勇義、萃香、どっちだ言ったの。しかもまだこっちのやること終わってないし…

 

「悪いが、まだこっちのやることが終わってないんだ。後でな。」

 

「「「「! ! !?」」」」

ん?何か鬼達の間で戦慄が走ってる気がするが…?

で、勇義、萃香、お前らは何より青ざめてんだ。

 

「き、鬼子母神様、さ、先にこっちへ…」

 

「うーん、分かりました。後で絶対来てくださいね!来なかったらぶっ飛ばすだけですけど。」

何てことを言うかこの鬼は。

 

「ひ、ひィー…う、有森、お前、あいつの頼みを断るとはな…命がいくつあっても足りないぞ…」

 

「え、そうなのか?」

まあでも勇義がここまでなるってことは相当なんだろうな。となるとぶっ飛ばすってのはほんとにお星さまになる可能性が出てくるな…ヤバいな。早めにこっちの仕事済まさねえと…不命死の術はあるが、人化状態だと物理的な影響では普通に死ぬからな…

 

「とっとと料理終わらさねえと…」

はぁ…最近能力を別の方向に持ってってる気がするなぁ…

 

「超加速。」

この部屋だけ時間の流れを五倍速にして時間短縮したりとか粒子操作で料理運んだりとか。何やってんだ俺…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「終わったか…さて、こっからが地獄だな…」

 

「うん?有森さん、何ぶつぶつ言ってるんですか?」

ああ、妖夢。

 

「いや…さっき鬼子母神とか言う奴に酒に付き合えって言われてな…」

 

「え、鬼子母神様に?」

あ、有名人だったか?

 

「知ってるのか?」

 

「はい、最強にして鬼の始祖、ですよね。」

え、そうなのか?

 

「知らんかった…」

 

「あ、気をつけてくださいね、運が悪いとお星さまになりますから。」

あははぁ~…妖夢、冗談はソコラヘンニシテイタダキタイ。

マジか…行くか。

 

 

 

 

 

 

 

「あ!来てくれたんですね!」

 

「そりゃあまだ死にたくないしな。鬼の約束を破るわけにもいくまい。」

 

「分かってますねぇ!じゃ、座ってください!」

こいつ、何でこんなテンション高いん…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…って感じで……何てことがあって…………みたいなことが…」

凄いマシンガントーカーじゃねえか。ずっと喋ってるし…と言うかどうやって酒飲みながら喋ってんだこいつ。

 

「そうだ!今度一回戦いませんか?」

あ?

 

「いやいや、何で鬼の始祖と戦う羽目に…」

 

「おりょ?」

え?

 

「いやー…まだ全然酔ってないんだなぁ~、と思いまして…」

ああ、俺が正常な判断を保ってるからか?

 

「アルコール度数80の辛口のお酒に意識混濁させる薬入れたんですけどねぇ…」

………………………………………………………………………………………………………………………………あ?今なんつったお前。

 

「おい、ちょっと待て何てもん飲ましてんだ。」

 

「まあ、症状出てないから良いじゃないですか。意識混濁させて了承得る作戦だったんですけどね~…」

 

「そういう問題じゃないだろ…」

変に苦いと思ったよ。何考えてんだこいつ。そしてその薬どっから…あ、永琳か?後で聞いとこ。

 

「いやー…一回戦ってみたいんですよ。駄目ですか?」

 

「いや、それもう《はい》選んだら死だよな?」

 

「いえいえ、お星さまになるだけですよ。」

こいつ…

 

「それを死って言うんじゃ?」

ほんとに…今年もう最後だぞ。最後にこの会話は洒落ならん。

 

「うーん…大丈夫だと思いますけど…まあ、また来年でも良いですかね。本音を言うと今からでも良いんですけど。」

 

「今年でも来年でも再来年でもお断りだが?」

 

「うーん…残念ですねぇ……おっと、そろそろ年が明けますかね?」

 

「今…11時54分だ。もうそろそろだな。」

えーと、やることやったか?来年への挨拶は済ませた。年賀状…書かなくても良い気がしたが一応書いた。この宴会でやること…終わってる。後はすることない。

 

「うーもーりー…」

ん?あ、リュウがほふく前進で来てら。

 

「…何やってんだリュウ。」

 

「飲みすぎた…」

バコッ(脳天チョップ)

 

「あぐ」

 

「加減しろって何回言ったと…」

あー、来年もこの調子なんだろうな…

 

「うん、来年もこの調子でやるつもり。」

 

「……………………………………………………は?」

主よ、なぜ出てきた。

 

「もうあとがきじゃなくて話に出てきた。」

 

「……………何やってんだ…」

メタが来やがった…

 

「いや、だって本編にも出たいじゃん?」

 

「はぁ……この調子じゃなくてせめて投稿頻度を上げろ。」

 

「いや、きついんよ。今でも結構。」

ははー…

 

「…やっぱこの感じでやるんだなぁ…」

 

「まあね。ゆっくりまったり自己満足でやっていこうと思うよ。」

 

「なるほど。まあ、頑張れ。」

 

「お、初めてお前に応援された気がする。」

 

「前言撤回。やっぱ失せろ。」

 

「いやいや、だっておいちょ」

 

「[焔]打上花火!」

 

「いやちょ待」

 

「あ、新年あけました」

ドオオオオオン

 

「…同時に主爆散したが?」

なんかリュウ酔いが治まってるし…

 

「大丈夫だろ。不死身だし。」

 

「あー…痛かった。」

……もうなんも言わねえ。

 

「新年早々からグッダグダだなぁ…」

 

「まあ、こんな感じですが、今年も宜しくお願い致します!」

 

「こんな主だが、頼むぞ。」

 

「じゃあ、そろそろ〆るか。」

 

「そうだな。新年、これからも」

 

「「「よろしく(お願いします)!」」」

 

 

 

 

      HAPPY NEW YEAR!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……………………《別次元》……………………

 

「………さて…そろそろここも消すとするかな…」

一つの人の姿をした影が右手を上げた。

 

「…世界の事なんか知ったことない。私の目的……必ず遂行する…そのためにまずは…」

 

 

 

 

 

  

    あらゆる平行世界を消滅させる。

 

 

    [終焉]失われた世界の終止符(エンドオブロストワールド)




   あけましておめでとうございます。


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第二十五話 始マリ之時 別次元異変の勃発

どうもただの謎存在です。

とりあえずハッピーニューイヤー。(二週間以上遅れ)今年初投稿ですね!
いや、ほんと大変なんすよ。
とりあえず異変です。はい。そうですね。
それと、お知らせというか、一人称視点だとめんどくさいことになりそうなので三人称視点にしました。視点切り替え?なにそれ美味しいの?(ごめん無理。分からんなる。)
まあそういうことです。
今年初投稿ですね!(二回目)



では、本編どうぞ。


「…………おいこら」

 

「…何よ…」

 

「どういう状況か説明しろ。」

 

「私が聞きたいわよ…」

現在、博麗神社にて、()()が座っている。

霊夢、有森、リュウ、そして…

 

「???」

子供の状態の霊夢だ。

 

 

《一時間前》

「フフフ~ン♪」

霊夢はいつも通り境内の掃除(家事らしいことと言えばやってるのはこれだけ)をしていた。そして、神社に戻り、ゴロゴロしようとすると…

 

「ど、どうも……」

子供の状態の霊夢がいたのだ。

 

 

「はぁ!?いや、霊夢が二人ぃ!?」

寺子屋から帰ってきたリュウ。

 

「何でこうなってるんだ…」

人里から帰ってきた有森。

 

まあ、そうなる。

 

「……さて、説明してもらおうか?」

 

「説明も何も私も全く理解できてないんだけど…」

 

「君、どこから来たとか自分の名前とか分かる?」

リュウは寺子屋で子供の相手をしてるから慣れていた。

 

「は、博麗…霊夢…7才……。」

子供霊夢は霊夢らしからぬ緊張様で答えた。

 

「………………………………え?」

霊夢。

 

「………………………………うん、同一人物ではあるっぽいな…?」

リュウ。

 

「……なるほど…ねぇ…」

有森のみ、何かを察したようだ。

 

「有森!分かったのか!?」

 

「残念ながら確定じゃないけどな。多分だが…」

 

「霊夢~!遊びに来たぜー!」

有森が説明しようとした時に魔理沙が来た。タイミングがバッチリ過ぎる。

 

「?どうしたんだぜ?皆しtはぁ!?」

 

「まあ…そうなるよな。」

当然すぎる反応にリュウは既に適応した。

 

「ち、ちょ、ちょっと待て!はぁ!?れ、霊夢の子供か?いや、この大きさになるなら6年ぐらいかかるだろ…もしや、隠し子!?あ、相手は…」

 

「魔理沙、落ち着け。」

 

「これが落ち着いてられるかぁ!」

完全にパニックになっている。

 

「落ち着けって言ってるだろうが。爆発させるぞ。こいつは霊夢の子供でもない。恐らく…パラレルワールド(平行世界)から来たんだと思われる。それも、少しだけ時の流れが違う、な。」

 

「ど、どういうことだぜ…?というか爆発?」

 

爆発は置いておいて、有森は説明を始めた。

「まず一つ、この子が自分を『博麗霊夢』だ、と名乗った。巫女服の種類からしても、恐らくそうだろうな。そもそも嘘をついてまで霊夢になろうとするやつはいないだろ。メリット無いし。だが、この世界の過去の霊夢じゃないだろう。服の種類は一緒でも、同じ服じゃない。」

 

「でも、服ぐらい変えるだろ?」

リュウが聞いた。

 

「普通はな。だが霊夢は子供の頃から来てる巫女服を香霖堂で直してもらったりしてずっと着てるらしい。だが、あまりにもなんと言うか…()()が違う。同じ服ではあっても、同じ服じゃない感じがする…って感じだな。」

 

「な、何か難しいな…同じなのに同じじゃないって…」

 

「あ、頭が混乱してきたぜ…」

 

「まあ、今はそこはどうでも良い。問題は二つ目だ。」

有森は一拍置くと、言った。

 

「平行世界間の結界が一部弱まってる。」

 

「!?」

真っ先に反応したのはここにいた霊夢だ。

 

「そ、それって…紫?」

 

「いや、違う。恐らく…どこかで起こっている異変の影響だろう。だが…」

 

「ち、ちょっと待て!お前らの中だけで進めようとするなよ。」

再びリュウが話を切った。

 

「おう!私たちにも分かるように説明してくれ。」

魔理沙も同調する。

 

「…少し難しい話になるが…簡単に言えば、平行世界は知ってるな?」

魔理沙とリュウが頷く。

 

「うん、それで、その平行世界と平行世界の間にも結界があるんだ。幾つかの平行世界が勝手に習合(しゅうごう)しないようにな。」

 

「習合?」

リュウが聞く。

 

「並行世界は本当に簡単に分岐する。だが、そう大きく未来が変わることってそう起こらない。だから、簡単なものは合わさったりして概念から融合するんだ。それがこの状況下での習合だな。厳密に言うと違うが、今はその程度の認識で良い。」

 

「おけ。続けてくれ。」

 

「ああ。それで、その平行世界と平行世界を分断している結界が弱まってるってことは、平行世界の衝突…運が良ければ小規模な習合ですむが、最悪の場合、平行世界のロスト、すなわち、消滅してしまうこともある。」

 

「そ、それヤバイんじゃ…」

 

「恐らく、その小さい霊夢が来たのは平行世界が(かす)って小さな習合が起きたのかもな。」

もしも本当にそうだとすれば、かなり大変なことになる。擦ったということはそれなりに近くの平行世界ということだ。最悪、その平行世界もろともこの世界が消滅、なんてことになれば洒落にならない。

 

「な、何とかならないのか!?」

 

「…できる。まあ、どう転ぶかは俺たち次第…だろ?()()()()()()()()?」

 

「「「!?」」」

 

「あら…中々な実力者かしら?私に気づけるとはね…。」

有森が言うと、スキマが開き、一人の妖怪が出てきた。

 

「紫…だよな?何か違う気が…」

 

「どの世界でも同じ八雲紫だと思ったら大間違いよ?まあ、自己紹介しておこうかしら。あなた方とは違う世界の幻想郷管理者、八雲紫よ。」

何と言うか…霊夢と魔理沙は思った。

 

 

こっちの方がずっと賢者らしい!

 

 

と。

 

「それより…話はさっき彼が話してくれた通りよ。こっちの世界がかなりの危機なのよ。それで、貴方達に手伝って頂きたいの。」

 

「ちょっと待て、異変解決は博麗の巫女の仕事だろう?霊夢があんな感じでも先代が…」

 

「まさか…母さんでも勝てないような奴なの?」

すると、別世界紫は少し首を振って答えた。

 

「いいえ。そもそも、なんの勘違いかわからないけれど、こっちの博麗の巫女も霊夢よ?」

 

「えっ?じゃあ、この子は…?」

リュウが別世界霊夢と別世界紫を見比べながら聞く。

 

「その子は私が過去から保護した子よ。」

扇で口元を隠しながら言った。

 

「何のために…?」

 

「この異変の主犯が過去の霊夢を狙ってたのよ。それに気づいたから、かしら。」

 

「なるほど。でも、それでも霊夢がその主犯を…」

 

「……本来ならね。」

 

「まさか…負けた?」

別世界紫は目を閉じ、ゆっくりと頷いた。そして目を開けて再び口を動かした。

 

「でも、それだけならまだ良かったのかも知れないわ…。今は、それ以上に厄介なことになってる。」

 

「それ以上に…?」

 

「ええ。ともあれ、時間が無いわ。今日の2時にまたここに来るわ。時間の流れは同じよ。それまでに来て貰えるか、そうなら、どの方が来るのかを決めていてちょうだい。それと、()()()は私が連れて帰るわ。」

そう言うと別世界紫は別世界霊夢を抱いてスキマを閉じた。

同時に霊夢がため息をついた。

 

「はあぁぁ~…」

 

「これはまた…厄介なことになったなぁ…」

 

「流石は紫だぜ。まさか別世界から厄介を吹っ掛けてくるとは。」

 

「…で、どうするんだ?」

有森が聞いた。

 

「どうって?」

 

「行くのかどうかだよ。」

すると霊夢は間を開けずに答えた。

 

「行くに決まってんでしょ。別世界とはいえども、幻想郷の守護は博麗の巫女の役目よ。」

こういう時はかっこよくなるのが霊夢だ。普段ののほほんとした雰囲気とはうって変わって緊張した感じになっている。

 

「そうだな。私も行くぜ。このままだと、この世界も大変なことになっちまうかも知れないんだろ?だったら選択肢なんか無いぜ!」

魔理沙はいつものような感じで振る舞っているが、少し、危機感を抱いていた。どこかに堅さを感じる。

 

「俺も行く。有森が言ってたが、本来なら起こらなかったかもしれないはずの異変…もしかしたら俺達がトリガーになってる可能性もある。」

リュウも決意を固めていた。

 

「当然、俺も行くさ。今回の異変、何かありそうだ。本当に杞憂なら良いが、万が一ってのもある。あまり部外者がしゃしゃり出るような状態でも無いだろうが、あまり好き勝手にやらすのはどうだろうと思ってな。」

有森も少し不安を抱えているようだ。しかし、それ以上に仲間を信頼しているところもあった。

 

「さて…あんまり下手に迷惑かけたくないんだけど…どうもかけられに来たのがいるみたいよ。」

 

「あれ、霊夢さんに有森やリュウさんに魔理沙さんまで、どうかしたんですか?もしかして、異変ですか!?」

なぜこんなに嬉々としているのだろうか。まあ、事情を知らないからってのと常識が通用しないっていう所があるんだろうけど。

 

「ほえ~そんなことが!もちろん行きますよ!」

 

 

 

東風谷 早苗

参戦決定!

 

 

 

「……なるほど…別世界の危機…ね。」

 

「ええ。にわかに信じられないかもしれないけれどね。」

 

「いえ、信じるわ。私と咲夜も行くとしましょう。もしもこの幻想郷にまで来られると厄介だし。」

 

「はい、お嬢様。」

 

 

レミリア・スカーレット 十六夜咲夜

参戦決定!

 

 

 

「そんなことが…」

 

「ああ。実際、ちょっと俺も危機感を覚えてね。それで妖夢に力を借りたいんだけど…」

 

「わ、私ですか?幽々子様の方が強いのでは…」

 

「いや、確かに幽々子は能力でも強い。だが、どうも今回はそう一筋縄で行きそうに無い気がしてね…まあ強要はしていないが…」

 

「………私で良いのであれば、力になれるか分かりませんが、宜しくお願いします!」

 

「妖夢、絶対帰ってきてよね?」

 

「はい!幽々子様!」

 

 

魂魄 妖夢

参戦決定!

 

 

「さて、皆集まったかしら?」

 

「「「はーい!」」」

今博麗神社にいるのは、有森、リュウ、早苗、レミリア、咲夜、妖夢、魔理沙、そして霊夢と別世界紫だ。

 

「これから私達の幻想郷にスキマを繋げるわ。でも、弱まっていると言っても元が元。かなり強力だから一気には4、5人が限界ね。それに、一回繋げたら次まで10分位間が必要よ。そこを考えて、誰が先に行くか考えてちょうだい。」

 

そういうことで話し合い、主戦力を先に送り、後から残りを送ることになり、まず魔理沙、レミリア、有森、霊夢、妖夢が行き、その後、早苗、咲夜、リュウ、別世界紫が行くことになった。

 

「じゃあ、準備は良いかしら。」

 

「もちろん。」

代表して霊夢が応えた。

 

「じゃあ、私達の幻想郷をあなた達に任せるわ。一つ、相手はとんでもない者よ。スペルカードルールなんてものは関係ないような、ね。くれぐれも気をつけてちょうだい。」

 

そう言うと別世界紫はスキマを開いた。

そこをまず第一陣が通っていった。そして、彼女らが見たのは…

 

「な、何よ…これ…」

 

「こ、これが…ほ、本当に…幻想郷…か?」

 

「そ、そ、空が赤黒くなってますよ!」

 

「これは…想像以上ね…」

 

「…博麗大結界が崩壊してやがる。常識と非常識が混ざり合っちまった訳か…これは酷い…」

各々感想を言った瞬間、

 

「! ! [恋符]、マスタースパークッッ!」

聞き覚えのある声と技名。

 

「!霊夢!危ない!」

光が霊夢に向かっていた。

魔理沙が庇い、有森はとっさにスペルカードを発動させた。

 

「[炎符]インフェルノゴースト!」

ドドドォン

 

「ぐ…怪物めぇ…」

 

「誰が怪物だよ。しっかし急にスペルカード撃ってくるなよ…」

 

 

()()()()()魔理沙。」

 

「この世界の…?あっ、紫が言ってた奴らだな。これはすまなかった。」

どうであれ、急にマスパを撃ってきたものだから流石の有森もビビった。

 

「私が二人いるの、何か落ち着かないぜ…」

 

「私もだ…」

 

「私は魔理沙さんの口調が気になって…」

と妖夢。

 

「悪い。やっぱり場所が違うと話し方も違うみたいだよ。」

正直、その場にいる全員が違和感を感じた。

 

「やっぱり私たちからしたら魔理沙さんって…」

 

「何とかだぜ、とか何とかだな、とかですもんね…。」

 

「私からしたらそっちの方が違和感があるんだが…」

 

「…それより、」

そして、この会話の流れを変えたのは霊夢だった。

 

「ここで起きてる異変について詳しく教えてくれない?」

 

「ああ、そうだな。ここで起きてるのは…いや、()()()()の方が正しいか。最近、幾つかの平行世界が消えてるらしくて、紫が調べてたんだ。それで、紫が原因を見つけたらしくて私や霊夢達で話をしてたんだ。どうするのか、ってことをね。そうしてたある日、」

別世界魔理沙は少しだけ間を開け、

 

「博麗大結界に綻びが見つかったんだ。」

 

「博麗大結界に…」

 

「綻び!?」

 

「ああ。もう既にかなり進行してしまっていて、修復は不可能ということになったんだ。そんな時に出てきたのが…()()()だった。」

 

「その…あいつって言うのがこの異変の主犯なのね?」

霊夢が聞いた。

 

「ああ、博麗大結界に綻びを作り、幻想郷を崩壊させ、そして…おっと、ここから先は見た方が早いかもな…」

急に別世界魔理沙の目が鋭くなった。一同が振り向いた。その瞬間、全員が動けなくなった。能力?違う。金縛りだ。

 

「やっと解けたよ、あの結界。全く…あんなものに閉じ込めて…でも、どうせ閉じ込めるならもうちょっと複雑なのにしてパズルみたいに楽しませてもらいたかったんだけどなぁ…」

 

「れ、え…?」

やっと妖夢が声を出せた。そこに立っていたのは…

 

「あれが今回の異変の主犯…二つ名、闇の精霊。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「肉体の本名、博麗霊夢…」

この世界の博麗霊夢…()()()()だった。

 

 

《あとがき》

有森「さて、と。まず久しぶりだな。」

 

リュウ「ああ、ものすごい遅れてのあけましてだぞ。」

 

主「いやこれでもほんとにキツいんよ。こんな感じだし。」

 

有森「どんな感じだ。そもそも何で冬休み中に二本しか出せてねえんだ。まあこれも冬休み終わってから一週間ぐらい離れて出してるけど。」

 

主「いやー…投稿頻度の多い人って頭の中どうなってんだろうね。何でそんなに出せるのか意味が分からん。毎日出してる人もいるし、ほんとどうなってんの。」

 

リュウ「毎日とは言わん。せめて週一ぐらいでは出せ。」

 

主「ごめん無理。」

 

リュウ「やることやること遅いもんな。」

 

主「足もね。50m走9秒台だぜ!(キラン)」

 

有森「お前もう高1になるんだからもうちょっと真面目にしてくれ。」

 

リュウ「うん、せめてやることだけでも…」

 

主「…善処し「あ、やる気ないのね。」…お見通しですか。」

 

有森&リュウ「…よし木炭にする」「…よし氷塵にする」

 

主「ほんとごめんなさい。じゃあ〆るぞ?」

 

有森「あ、〆たらお前締めるからな。」

 

主「やべえどうしよう…」

 

リュウ「最後まで読んでいただきありがとうございました!」

 

主「ちょっとま」

 

 

このあと主を見たものはいなかったと言う。

 

霊夢(?)「あれ、私出なかったのか……?」

 

 



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第二十六話 闘ヒ之時 闇の精霊

どうもただの謎存在です。

バトルです。
バトルシーンって書くの好きなのに得意じゃないんですよね…人はこれを「下手の横好き」と言います。


では、本編どうぞ。


「肉体の名前…?どういうことだぜ?」

 

「恐らく憑依…もしくは洗脳…か?」

可能性としてはどちらもあった。が、それは本人が言った。

 

「憑依の方だよ。この器は中々良いものでね。人間とは思えないほどの霊力、人を卓越した能力、鋭すぎるまでの勘や運、行動力。最高の器だよ。」

 

「その体はお前の器じゃない!霊夢の大切な体だ!さっさと出ていけ!」

 

「ッふふ…じゃあ追い出してみなよ。君にできるならね。もし追い出せたとしても戦うのならこの器に傷が付いてしまうけどね。」

霊夢(?)は笑いながらゆっくりと力を解放していった。同時に左目の方に入れ墨のような印が浮かび上がり、巫女装束の赤い部分は紫に、白い部分は黒くなった。ゆっくり、しかしどんどん体に圧力がかかっていき、一同はにかなりの重圧がかかった。

 

「………おぉ?」

()()()()()()()()()()

 

「…君、中々だよ。まさか動じもしないなんてね。……でも、妖力や霊力の類いが感じられないけど…まさかだとは思うけど、ただの一般人じゃないだろう?」

有森だ。

 

「…まあ、一般人…かもな。」

有森が少し笑いながら言うと、霊夢(?)は拍子抜けしたように、

 

「…そうかぁ。…ッハハハ…じゃあ、君から殺そうかな。」

 

「に、逃げろっ!」

別世界魔理沙が叫んだが、有森は動じない。

 

()()()の力を使ってみようかな…[神槍]スピア ザ グングニル!」

霊夢(?)の手に二本の深紅の槍が出現、有森に投げた。が、それらは有森に届くことはなく、

カカァン

 

「…まぁ、()()、だったんだけどね。」

有森の手には直刃刀が握られていた。

 

「!?」

霊夢(?)が驚く一方で声が飛んだ。

 

「!?な、なぜ貴様がグングニルを…!?」

レミリアだった。

あのスペルカードはレミリアの物だ。しかも、それを人間の体で、レミリアよりも高い威力で放ったのだ。

 

「あいつの能力だ…《殺した者の力を奪う程度の能力》。あいつは…皆を殺し、様々な能力を吸収した…そのお陰で霊夢はあいつに敗北…体を乗っ取られたんだ…。」

 

「…なるほど…器の能力は自分のものとはなっても殺してしまえば器にならない。自分で扱うことはできないから過去の霊夢の力を奪おうとしたわけか。」

 

「その通り。いやー、いろんな奴を殺してきたけど…君みたいな奴は初めてだよ。中々ややこしそうな能力も持ってるようだし…()()()()()()()()()()()()()。」

霊夢(?)は有森を見ながら言った。

が、有森も全く動じずに言った。

 

「…殺せるものなら殺してみろ、といった感じだな。所詮借り物の器で倒されるほど落ちぶれてないはずだ。」

 

「ふふふ…面白そうじゃないか。じゃあ、行くよ?」

そう言うと霊夢(?)はパチン、と指を鳴らした。

 

時が止まった。

 

「なっ…」

 

「おや、君もいたのかい。」

咲夜だ。

 

「…時間停止…」

 

「君の能力だよ。こっちの世界の君は殺したからね。ただ、完全じゃないから君を殺して能力をもう一回奪っても良いんだけど、生憎今は…なっ!?」

霊夢(?)が有森の方を向いた時、彼女の前からは標的(有森)はいなくなっていた。

 

「よそ見して駄弁ってると返り討ちに会うぞ?」

振り向くと、直刃刀を振りかざした標的(有森)がいた。

 

「ぐっ!」

ガァン!

霊夢(?)も咄嗟に出した鎌で防ぐ。

 

「っ…!何故っ!?動けてっ…!」

 

「さあね?」

ガガガガガガガガガガガガガガァン

 

攻防をしていると時間停止が解けていた。

 

「え?有森さんどうなってるんですか!?」

 

「あいつ…凄いな…」

その時、またもや霊夢(?)はスペルカードを取り出した。

 

「[死霊]死蝶の舞!」

 

「おっと、『直刃刀、ネイズ化、光龍、清始』。」

清始。ネイズの中で狂終の対、陰陽の陽の方。光を操り、魂を与える能力がある。命を奪う例の()とは相性が良い。

 

サアァ…

「ふふ…君は本当に悪あがきが好きなんだねぇ…さっきので死ねていたら楽だったのに…」

 

「残念ながら死ぬつもりは無いんでね。」

 

「フフフ…そうか。」

再び霊夢(?)はカードを取り出す。

 

「あいつ…スペルカードも使うのかっ!?」

 

「いや、皆のやつを改造して不可能弾幕にした物だからスペルカードとは言えない…でも、それを攻撃手段として使っては来る。」

 

「…じゃあ、次はこの器のやつだよ。[霊符]実相封印。」

…夢想封印の改造か、と有森は呟き、放つ。

 

「[焔符]インフェルノゴースト。」

そして再び相殺…のはずだった。

が、少しずつ有森が押され始めた。

 

「ちっ…全く力なんか出してなかった訳か。」

 

「まあね。これ位の力でこの大結界は壊れないでしょ?」

 

「…ま、確かにな。じゃあ、俺も少し本気を出そうかな。バーンアップ。」

 

ドドォン…

同時にお互いが弾幕を撃ちきり、結果的には再び相殺となった。

 

「あいつ…ほんとに人間なのか?あの化け物と戦って今のところ相殺だぞ。」

 

「いや、有森の力はこんなもんじゃない。」

ちょうど第二陣が到着した。

 

「いやー…有森からテレパシーで聞いてたが、ほんとにああなってるのか…見た目が何か闇落ちした霊夢みたいになってるな。」

 

「私あんなに厨二病じゃないわよ…」

 

「だから()()()()()霊夢()()()()って言ったろ。」

 

「っていうか戦ってるの有森さんじゃないですか!?有森さんってあんなに強かったんですか!?」

早苗が指を指して叫ぶ。

と同時に有森も戻ってきた。

 

「…やっぱり相手の肉体がこっちの世界の霊夢ってのもあって…迂闊に手が出せないか…」

 

「あれ、もう終わりかな?」

有森は何も言わずに舌打ちだけして結界を張り、時間を稼ぐことにした。

 

「とりあえず時間稼ぎだ。何とか憑依を解けないか?」

 

「…そうだ!紫なら境界を操って分離も…」

霊夢は紫の方を見ながら言った。が、反応は思わしくなく、

 

「そう簡単に行くならとっくにやってるわ。」

と一言で済まされてしまった。別世界紫いわく、本来なら出来ないことはないが、今回、このような非常事態でいつもの冬眠による体力、妖力、その他もろもろの回復ができておらず、万全でないのに加え、本体の魂は何者かで身体が博麗霊夢であり、分離する対象が魂と身体というかなり高度な物のため、無理があるのだという。

 

「…お前ら、10分あいつらの相手出来るか?」

不意に有森が喋った。

 

「いやいやいやいや…あれの相手はほんとに2分出来たら中々だよ?と言いつつもお前はもう5分位戦ってるけど…10分あれば何とか出来るのか?」

別世界魔理沙が少しため息をついて言った。

 

「…10分あれば、身魂分離の魔法陣が張れる。だが…やっぱり無理か…」

 

「私でも持って三、四分ね…。」

 

「霊夢さんで三、四分なら私たち全員が加わってもせいぜい七、八分位が限界なんじゃ…有森さん、分裂とか出来ないんですかぁ!?」

 

「残念ながら無理だ…はぁ…」

 

「もう策無し…かしら…どうすれば…」

その時、有森が張った結界が壊れた。

 

「さて、そろそろ続きの始まりだよ!」

 

「悪い、皆で何か策を考えていてくれ!」

ヒュッ

 

有森が再び戦うのを横目に、霊夢達で策を練っていた。その時だった。

 

ドゴオオン

 

「ッハハ…やれやれ…前言撤回だ。君、凄い強いね。それこそ、ここのやつら全員を集めても君には敵わないんじゃないかな?」

 

「…さあね。ところでだが…お前、相当やり手だな…?ここまでの力、そう出せないぞ。」

 

「ふふ…じゃあ、今から本気出してやるっ!」

ドドドドドドドドドドドド

 

「はァァッ!」

ドゴオオン

 

「…元々の霊夢の全霊力を妖力に変換しやがったかっ…」

 

「よく分かったね…さあ、死ね!」

ドガガギギギギィン

 

あっちにいると思えばこっちに、こっちにいると思えばまたあっちに、と、有森と霊夢(?)の一瞬に数十、数百回の攻防が始まった。とんでもない衝撃が空気を伝って魔理沙やリュウ達の所に伝わってくる。

 

「あいつどうなってんだ…っ!」

その時だった。

 

バチバチバチッ!

「ガハッ!」

電気が流れるような音と同時に有森の声が聞こえた。全員が振り向くと…

 

「ハァッ!」

 

ドゴオン

 

霊夢(?)が有森を蹴り飛ばしていた。

有森は空中に留まり、体勢を取ろうとするが、苦しそうにしている。

 

「まさかあいつ…こんな時に発作が…」

 

「発作?」

 

「あいつがかかってる妖力病っていうやつの発作だ。」

 

「さて、もう終わりにしようか。中々面白かったよ。…[幻霊]殺傷エグジスタンス!」

霊夢(?)は有森の周りに大量の、妖力の籠められたナイフを放った。もしこれが当たれば確実に死んでしまうだろう。しかも当の有森は動けない。

しかし、有森に届く寸前、

 

 

 

 

一同の聞いたことの無い声が聞こえた。

 

 

 

 

 

『散れ。』

そしてその瞬間、ナイフが全て形を保てなくなったかの様に崩れ去った。

その場の全員が目を疑った。

 

「なっ…!?」

 

「何…そんな…事が!?」

しかし、一番驚いているのは、霊夢(?)だった。

 

「何故…いや、ただ運が良かっただけだろう。次こそ終わり……[禁術]…っつ!?」

 

『対妖、魔、霊媒体結界展開。』

 

霊夢(?)が結界に囲まれていた。

 

「な、何!?か、解析が…出来ない…!?」

 

その時、有森から光る玉が出てきた。それは徐々に人の形になり…

 

(ほし)」を形作った。

 

「ふう…兄ちゃん、しっかりしてよ。こっちが困る事になるんだから。…ヒーリング・ケア。」

有森の体が少し光り、傷が消えた。

 

「っつ…何が…(発作が止まった…?ここまで早く?)」

 

「大丈夫?」

 

「お前は……なるほどな。」

 

「結構早めに妖力が固まったから良かったけど、あんまり無理しないでよ?」

 

「分かった分かった…それより、()()は…?」

 

「とりあえず結界に閉じ込めた。かなり複雑化したからそう簡単に解けないと思うけど…」

 

「くっ…全く今までのと違う…これは時間がかかりそう…」

霊夢(?)もかなり焦っていた。

 

「…………星って言ってたな。」

 

「?」

 

第三重(だいさんみ)六段(ろくだん)三十三間(さんじゅうさんげん)魔法陣(まほうじん)は張れるか?」

 

「…この状況下だと身魂分離魔法陣?」

 

「よく分かったな。そうだ。」

 

「描けないことは…ない。兄ちゃんよりかなり時間かかるけど…早くても二、三十分位かかるかな。」

 

「上等。……霊夢、リュウ、悪いがこいつを弾幕から守ってやってくれ。」

 

「ま、待て。まずそいつ誰?」

リュウが一回聞く。

 

「説明は後でする。こいつが何か問題を起こしたら俺が責任を取る。それで良いか?とりあえず今はこれしかないんだ。」

 

「何をする気?」

霊夢が少し警戒心を込めて聞く。

 

「こいつが身魂分離魔法陣を張る。かなり面倒な魔法陣だから少なくとも二、三十分かかるらしい。その間俺はあいつと交戦して気を引く。その時弾幕が溢れる可能性があるから守ってやってくれ。」

 

「信用できる?」

 

「信用するしかない。何せ方法がこれしかない。」

 

「そう…分かったわ。貸し1よ?」

霊夢は半目で有森を見る。

 

「お前は俺にいくつ貸しを作っただろうね。」

が、それはスルーして有森は言った。

 

「…じゃあ、任せたぞ?」

 

「うん!」「ああ!」「ええ!」

 

「私たちも援護します!」

早苗や妖夢、咲夜も声を上げた。

 

「私たちは助けてもらってる身だ。もちろん私たちも出来る限りの事はしよう。」

別世界紫と別世界魔理沙も言った。

 

「…じゃあ、この魔法陣を張るとき、私は何も出来なくなります。いきなりで申し訳ありませんが、よろしくお願いします![序]第三重展開…」

 

「ん?結界が消えた…」

 

「さて、俺が相手だ。さっきは悪かったね、ちょっと持病が発作を起こしてね…。ま、もう大丈夫だから、再開といこうじゃないか。」

有森は直刃刀を出しながら言う。霊夢(?)は星達の方を見て、察した。

 

「ふぅん…なら早めに君を殺さないと面倒くさくなりそうだね…」

霊夢(?)も赤い鎌を出す。

 

数刻の間があった。が、

 

 

 

いきなり突風が吹いた。

 

 

 

「うっ!?」

 

「星さんは魔法陣を張るのに専念してください!」

 

「ほんとに…あんの私の偽物もどうなってんのよ…」

星の前では早苗と霊夢が二重結界を張っていた。

 

 

 

ガガガガガガァン

 

「まだまだ!君の力はこんなものかい!?」

 

ギギギギギギィン

 

「舐めやがって…まだだぁ!」

 

ドドオオォォォン

 

 

 

「うーわ…やっばいな…[氷獣]アイスゴーレム」

リュウも妖力を駆使してこの間出来るようになった氷のゴーレムを出現させ、守りに徹した。

 

「その結界、私の力も貸すわ。」

別世界紫も結界の強化をした。

 

 

 

 

「ふん!」

霊夢(?)の鎌が薙刀の形になった。

 

ガガガァン

 

「ほらほらほらほら!足掻いてみなよ!」

 

「…そっちがその気なら…『直刃刀ネイズ化、焔龍・燐炎』。………麒麟っ!」

銀の髪になり、白い妖気が有森からあふれでた。

 

「…おっ…つ!?」

霊夢(?)も驚いている。

 

「な、何ですか、あれ!?う、有森さん…ですよね?もしかして、ふぉーむちぇんじってやつですか!?有森さんロボットだったんですか!?」

早苗がよく分からんことになっているが、一度おいておく。

 

「あれが有森の本来の姿よ。本当に何やってくれてんのよ…」

 

ガガガァン

「ぉおっ![斬砲]千二百空間斬撃砲!」

 

「くく…[黒死]幽霊畑の戦慄!」

青い斬撃と黒い人魂が大量に舞い、当たり、散っていく。それこそ青と黒の花が散っていっているような感じだった。

 

「幽夢の波長!」

その中を波長の弄られた不規則な動きのレーザーが有森を襲っていく。が、有森に効くはずもなく、

 

「おわっ!」

一瞬怯んだものの、負けじと直刃刀で弾き、斬り、相殺する。

 

「おお…すごいな。…そうだね。やっぱり君を殺すのは無しだ。」

 

「あ?」

 

「この器の代わりにしよう。これほどの力を殺してしまうのは勿体ない。」

 

「…まあ、俺が負ければ好きにすればいい。……ま、負けねえけどな。」

 

「ふふ…上等!」

ガギキィン

スペルカード、ショット、スペルカード…何回撃っただろうか。一瞬、有森に霊夢(?)の迷いが見えた気がした。

 

「…?」

 

「何を固まってるんだい?」

と思った瞬間後ろから声がした。やはり迷いは見えない。見間違いだったのだろうか、と思いながらガードする。

 

「はぁー…というかしつこいね、君は。もうそろそろ諦めたらどうだい。」

 

「いや、もうここまで来たら意地だ。何がなんでも勝ってやる。」

 

「そっか。…なら、終わらそうかな。あ、安心していいよ。苦しくはないし、すぐに全て消え去るからね。」

霊夢(?)がスペルカードを十枚ほど抜きとり、ふんっ、と言って一枚に合成した。そして、宣言した。世界を消滅させてきたスペルカード…もとい、破滅の終曲…

 

「…[終焉]消失する世界の終止符(エンドオブロストワールド)。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

空の赤黒さが一層濃くなった気がした瞬間、

 

空が──、割れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《あとがき》

有森「さて、どうしたもんか。」

 

リュウ「どうしたもんか、じゃねえよ。崩壊技使いやがったぞ!あー、何でこうなった…」

 

星「あ、」

 

主「ん?どうし…」

 

リュウ&有森「あ、元凶こいつだわ。」

 

主「え、ちょっと待って何その笑顔うわー冗談はとりあえず一回置いといてくれないってリュウ何でそんな氷のダガーみたいなの持ってんのというかいつそんなの作れるようになったのそして有森も何しれっと直刃刀出していやいやネイズ化は洒落ならんからちょ星ちゃん助け」

 

リュウ&有森「覚悟しろ。」

ズドバガギャァァァァ

 

主「うごぇぁぁぁぁぁあああ!?」

 

リュウ「はあぁー…さて、どうする気なのか。」

 

星「いや、主さん無視なの?」

 

有森「あ、そういや投稿頻度が落ちるらしい。もう一個書き始めたらしいから交互に書くってよ。」

 

星「あ、無視なんだ…ガンバレ」

 

主「頑張り…ます…」チーン

 

リュウ「あ、死んだ?」

 

有森「いや、そのうち起きる。」

 

星「えー…」

 

ピロリン♪

主「あー痛かった。」

 

有森「ほら。」

 

星「あ、ほんとだ。」

 

リュウ「マジか…」

 

主「この中で主は不死身です 。」

 

有森「いくらでも小説内なら書けばそうなるからな…」

 

リュウ「主のチーター度が分かったところでそろそろ〆るか。」

 

有森「おう。最後まで読んでいただきありがとうございました!」

 



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第二十七話 説得之時 言葉、行動の裏

どうもただの謎存在です。

いやはや、色々と大変です最近。

いやぁ、やっぱりね?こっちの実世界の事情もあるわけですわ。小説みたいにトントン進むわけもないですね。はい、言い訳です。では、



本編どうぞ!


「ひえー、危ねえ危ねえ。咄嗟に亜空間移動してなかったらあの世界終わってたぞ。」

亜空間移動。空間の狭間の内にある世界への移動。この宇宙空間での物理法則などは一切通じない時空連続体のため、数としては無限にあり、あらゆる場所に接しているものの、そこから外へ干渉することは出来ない。

 

「ち…亜空間に入ったのか…これじゃ元の空間には手出しが出来ないなぁ…。…ん?ちょっと待った。なら何でここは崩壊してない?」

崩壊技を使ったからには、影響する空間があるはずだ。この霊夢(?)がここにいる限り、ここが崩壊するはずなのだが…

 

「ん?ああ、二回移動しただけだ。崩壊したのは一つ目の亜空間ってだけ。」

あの一瞬の間に二回、自身にも次の空間にも影響を与えない瞬間に亜空間移動をしたというのだからつくづくチーターである。

 

「なるほどね。」

 

「ああ。さて、ここなら思う存分暴れられるぞ。何せ元の世界に干渉出来ないんだからな。」

 

「…良いよ。…でも、多分すぐに終わると思うな。さっきは世界が関係してたからね、力を出しすぎると私まで影響を受けかねなかったんだよ。…でも、ここなら問題ないから…」

霊夢(?)はニヤ、と笑い、

 

「第弐、仙。」

そう宣言した瞬間、霊夢(?)の妖力が圧倒的に上昇した。

流石の有森もこれには身構えた。

 

「おっと…」

 

「これでも気絶すらしないとは…つくづく強大な精神力だ。」

 

「そりゃどうも。残念ながらお前よりヤバイやつとも戦ってきてるからな。これぐらいで気絶してたらやっていけねえよ。」

 

「そうねぇっ!」

バゴォン

 

「うおっと!」

さっきまでちょっと離れていたのに目の前にいた。咄嗟に後ろに跳び、躱す。地面が抉れた。いや、もう正確には蒸発したのかもしれない勢いでクレーターができた。

 

「うっそだぁ…」

 

「まだまだ!」

ドドドドドドドド

 

「ちっ、思ってたより…速えっ!」

 

「はあっ!」

ドゴォォン

 

「うおっと、パーティカルコントロール・壁!」

粒子の壁を作るも、

 

「はっ!」

バギィン

 

「はあ!?いやマジかっ!」

一発で壊された。嘘だろ。

 

「第壱 (りょう)!」

更に霊夢(?)の妖力が拡大する。もう()()()()()()()()()()()()威圧を感じるレベルだ。

 

「いやまだ強化する気かよっ!」

 

「君が死ぬまではねっ!」

ドガオォン

 

「くそ…超加速二条っ!」

 

霊夢(?)は高速で近づき、有森は超加速で離れる。いたちごっこになっているが、そういえば彼女、さっきから弾幕を撃ってきていない。まあ、殴りかかってきているのもあって危ないのは確かなのだが、距離がとられる事がわかっている以上、飛び道具を使った方が有効なのだろうが…それに、どんどんスピードが落ちて、さらに顔も歪んできている。まあすなわち、目に見えて疲れてきている。

 

「おい、弾幕は撃たねえのか?」

すると霊夢(?)は、肩で息をしながら言った。

 

「そうしたいところなんだけど…さっきので…体力をほとんど持っていかれてね…本来なら…もう君と戦えるほど…体力も妖力もない。何とか、鬪気を絞り出してたんだけど…さすがにもう無理だ。もう煮るなり焼くなり好きにすればいい。」

そう言うと霊夢(?)もとい悪霊は飛ぶのをやめて地に足をつけ、ドサッ、と座った。有森はその目の前に行き、

 

「まあ…煮ても焼いてもお前のやったことは取り返しがつかない。お前が死んだからといって何かが始まる訳でも何かが変わる訳でもないだろ。だから生きて罪を償わせる。無闇には殺さねえのが俺のやり方だ。」

 

「ほう?変わってるねぇ…殺しても殺しきれないレベルだと思ってたんだけど?」

すると、有森はふっと笑い、

 

「自覚、あんじゃねえか。あ、そういや、お前、元は何なんだ?」

 

「ああ、悪霊。」

そう言った時、有森が少し苦笑いした。

 

「?何か?」

 

「いや…ちょっと昔に規格外もいいところな悪霊に喧嘩を吹っ掛けられたのを思い出した。」

 

「ははん。」

もうかなり前…700年位前に会った杖の先に月みたいなやつを付けた奴である。顔や容姿はもうほぼ覚えていないが、女性であったことと山を消し飛ばしたのは覚えていた。

 

「ところでだが、お前、元はこれが目的じゃないだろ。」

突然だからか何なのか、一瞬悪霊の目が震えた。

 

「さあね…どうだったか。もうそんな前のこと忘れたよ。」

 

「目的忘れてやってる方がおかしいぞ…本末転倒だろ。」

 

「ふふ…でも、人間への憎悪は覚えてるんだよねぇ…。何があったのかは覚えてないくせに。」

 

「………そうか、ならまずはお前の記憶を呼び起こすのが先決だな。」

 

「…?殺さないのか?」

 

「二回同じ事言わせんな。お前が死んで誰が救われる。無駄な殺しは意味がない。」

 

「……………………バカ真面目ねぇ…」

 

「あ?何か言ったか?」

 

「いや、気のせいじゃない?」

 

「…そうか、まあいい。」

有森もさて、と腰を下ろした。

 

「どうせ身魂分離はするんだ。それまで時間がある。……ああ、お前、名前は?まさか悪霊って名前じゃねえだろ。」

 

悪霊は顎に手を当て、少し考えるが、

「うーん…随分と名前なんか呼ばれてなかったからねぇ…忘れたよ。」

 

「じゃあそれも含めて記憶を戻さねえとな…」

 

「…やっぱり変わってるじゃないか。ここまで人に世話を焼ける人はそういないと思うよ。」

 

「…誉めてんのか貶してんのか。」

 

「もちろん、貶してるんだよ。」

とは言っているが、顔が笑っている。冗談だろう。

 

「ふざけんなよお前。」

有森も少しだけ口角を上げて返す。

 

「はは、ちょっとした冗談だよ。

 

「ま、だろうけどな。」

 

「ところでだけど、どうやって私の記憶を戻すつもりで?口から出任せじゃなかろうね?」

 

「お?ならやってやるよ。麒麟。」

反動で立った有森の髪が銀になり、一瞬雪を彷彿させる。

 

「で?どうするつもりだい?」

 

「…麒麟族は感情と思想の司神なのは知ってるんだろ?だが、それらを応用すれば色々できるんだよ。」

そう言うと有森は右手を上に上げ、手のひらを上に向けた。

 

メモリアルネットワーク(記憶の分岐網)

突然辺りが黒くなり、分岐する線が現れた。

 

「これは……」

 

「お前の記憶そのものを具視化したものだ。記憶は忘れる事はあっても、絶対に無くなったりしない。頭のどこかに寄せられて見つけにくくなっているだけでどこかにある。」

 

「まさか、この中から私の情報をピンポイントで見つけるとでも?」

少しも嘲笑う感覚で悪霊は言った。が、有森は、

 

「ああ、その通りだ。」

平然と答えた。

 

「………は?いやいや、何考えてんの。こんな膨大な量の記憶から一部だけを抜き出すとか無理でしょ?」

 

「無理かどうかは俺が決める。それに、言ったろ?()()()()()()()()って。途中で投げ出してたまるかよ。まあ…十数秒位はかかるかもな。」

有森はにっ、と笑って言った。

 

「(こいつは…馬鹿なのか?いや…違うな。バカなんかじゃない。大馬鹿者…ねぇ。)」

 

「さて、やるか…と言っても物理的に記憶は探し出せない。」

 

「え?じゃどうするのさ?」

 

「お前と一時的に思想、記憶をリンクさせる。」

 

「は?」

正直、悪霊は何を言っているのか分からなかった。

 

「ま、一方的にだからそっちはすることは特に無い。余計なことを考えないようにしてくれればこっちがちょっと楽になる位か。」

 

「あ、ああ。分かった…けど…」

 

「?何か?」

 

「いや、何でもない。」

 

「そうか。なら…やるぞ。………」

有森が読経を終えた。が、ほとんど悪霊には分からなかった。というか、読経が何言ってるか分からなかったのだが。悪霊もかなりの呪文や経文は頭にあったのだが、そもそも言葉か?あれ、といった感じであった。

 

「感覚…記憶共有…!」

その時、悪霊からすれば頭の中に静電気が走ったような感覚になった。いや、痛かったわけではなく、何か少し体が痺れた感じだった。

 

「それと、もし、記憶を引き出せた場合、それ以外の名前に関連付けられた記憶も一気に戻る。少し身構えた方が良いかもしれない。」

悪霊は言われた通りした。何て事はない。どうせ見つけられないから終わっても有森がこの空間から出ない限り外に出られないのだ。よくよく考えてみれば今殺してしまえば自分が困るだけ。だから出ることができればそこでこいつを殺せばいい。

なんてことを考えていた。が、一瞬、迷いが生じた気がした。本当にこいつを殺す気でいるのか、と。だが同時に人間を恨んで悪霊になった奴が人間を恨まなくなってどうする、と声がした気がした。その時、

 

「……………あった。」

 

「なっ!?」

有森が「見つけた」と言ったのだ。本当に十数秒位で見つけやがった。

 

「本当に言ってるのかい?」

 

「ああ。…しかし、これは……」

何やら歯切れが悪くなる有森。

 

「何か?」

 

「…これは中々に…アレだな、残酷ってやつだ。…少々気分が悪くなるかもしれん。」

 

悪霊は少し考え、

「ま、どうでも良いけど。」

と言った。

 

「…そうか。じゃあ、いくぞ。…あ、一個いい忘れてたが、」

 

有森がふと口を開いた。そして一拍いれると、

「気、狂わせられるなよ。俺の仕事が増える。」

気が狂うほどの過去なのだろうか、と悪霊は思ったが、まあ大丈夫だろ、と思い、応える。

 

「…まあ、頑張ろうかな。」

 

「オーケー。…ふぅ…其の物、記憶を深淵に封印したり。内に秘められし幽かなる幽玄、司神の内、十柱の中心にして頂点、麒麟族の記憶の懲戒より喚起せよ。」

なにもない所から一枚札を取り出して読経を済ませると、札が淡く光り始めた。そして、

 

幻影想起(げんえいそうき)華蝶封月(かちょうふうげつ)

 

光った。まあ少なくとも目も開けられなくなる位には。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《あとがき》

主「ふぃー…」

 

リュウ「ん?どうした主。」

 

主「いや、なんとなく…」

 

リュウ「おう。ところでだが、有森飛ばすの二回目だな。」

 

主「あ、あーね、うん。」

 

星「前にも飛ばされてるんですか…」

 

リュウ「うん、地底に。」

 

星「はは…」

 

有森『まあ、言っても今回は自力で戻れるからな。すぐ戻るだろ。』

 

リュウ「ああ、テレパシーやっぱ便利。」

 

星「というか亜空間に飛ぼうとするほどの判断と魔法陣展開があの一瞬で出来たんだなぁ…やっぱりぶっ飛んでるね。」

 

有森『おう。』

 

リュウ「あれ、星ちゃんにも聞こえてんのこれ?」

 

主「ああ、能力の関係上ね。能力は後々紹介するよ。というかキリがいいところでオリキャラの紹介出すと思う。」

 

リュウ「ほーん。…じゃ、今回短めだがそろそろ〆るか。」

 

主「あーい。最後まで読んでいただきありがとうございました!」



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第二十八話 想起之時 絶望の記憶

どうもただの謎存在です。

この間体育の授業でこけて右手の筋をやりました。めっちゃ痛いです。
さて、今回は悪霊の想起編ですので。



では、本編どうぞ。


昔、とはいっても時間の流れが違い、時間は今とそう変わらなかったとき、ある所で一人の赤ん坊が生まれた。少女は赤穂と名付けられ、父親がいない事以外はなんの変哲もなく、普通の女の子として生活していた。が、四歳頃、異変が訪れた。

「?赤穂、何やってるの?」

 

「うん?お勉強!」

 

「そう。…おお、全部合ってるじゃない!」

四歳、小学校にも行っていないのにも関わらず、足し算をし始めた。まだ数字どころかひらがなすら知らないはずの年代だ。が、母親がまあ言ってしまえば能天気な感じだったため、すごい賢い子、としか考えていなかった。

 

 

「それっ!」

 

「うおっまてぇー!」

七歳、女の子、というよりは男の子に混じって体を動かすのが好きでよくサッカーなどをしていたが、身体能力がかなり高く、普通とは思えない動きをし始めた。小2で50m走を6秒で走って見せたり、鉄棒で逆上がりをぐるぐる回って見せたり、そういうことだった。流石におかしいと思った赤穂の両親は彼女を病院等に連れていったりして、何が起こっているのか調べようとした。が、分かることはなく、その異常な状態を受け入れるより他無くなっていた。

 

そして、人間は不可解なものを拒絶することで自らを保つことを選んだ。

 

 

九歳、あり得ないことが起こる赤穂の事を周囲は悪霊、妖怪、化け物、等と呼び、社会そのものから拒絶した。そうすることで()()を最上に置くことにした。

今まで好意的に接してくれていた友人たちも手のひらを返したように虐めるようになった。

 

「まてー!」

 

「おら()()!退治してやるよ!」

後ろから三人ほど、男の子が棒を振りながら走ってきている。勝手に体力は増えてはいくが、もう一時間ぐらい逃げている。あの男の子達で十組目だ。

 

「はぁ…はぁ…」

 

「おら、捕まえたぞ!」

 

「や、やめて…」

 

「おら!」

 

──────────

 

「うう…」

ボロボロになった服で赤穂は何とか起き上がった。

腕や足は怪我をしていたが、もう治りかけている。家に帰るまでには完治しそうだ。

 

「…服…破れちゃったな…」

所々穴が開いていた。破かれたのか破れたのか。

 

「、君。」

 

「っ、(逃げなきゃ)」

三十代前半位の黒髪で長身の男の人が赤穂の方に来ていた。また何かされる、そう思った。

 

「大丈夫かい?」

 

「え、」

 

「いや、服も汚れてるし、怪我とかしてないかな、と思ってね?」

 

「え、あ、いや、」

変な人だった。もしかすると赤穂の事を知らないのかもしれない。いや、そうなのだろう。普通の人なら赤穂が怪我をしたところですぐに治るのも知っているだろうし、そもそも心配なんかしない。

 

「…?どうかしたか?」

 

「あ、いえ、何でもないです。ちょっと転んじゃっただけなので、じゃあ」

タッ

 

赤穂はその人に背を向けて家に向かって走った。

 

 

 

 

「……いやいや、その歳の子はそんな敬語使わないだろう…転んだにしても走れるか?…まあ…、元気そうで良かった…のかな?」

 

 

 

 

十歳、髪の色が異常だと気付く。

赤穂の髪は白に赤い毛が混じっている感じだ。普通人の髪は黒髪か、行っても茶髪だと思われているため、余計に周囲からの拒絶、人外の認識が高まった。子供だけでなく、大人からも諫めの言葉を投げられるようになっていた。ただ、学校には行き続けた。何故か。彼女の本当に数少ない理解者、母親を心配させたくないと思っているからだ。

彼女なりに母親には迷惑をかけたくないと意地だったのかもしれない。まあ、気づかない方がまあ珍しいのだろうが。

 

「……………」

 

十二歳、中学に。

赤穂は地元からかなり離れた中学校に進学した。

この頃に、ようやく、自身の能力が、[周囲の人の力をコピーする能力]だと気づいていた。まあ、全てではなく、一部、行っても一、二割程度であることもだ。

そのため、学力は問題なかった。それよりも問題は、中学では赤穂のことを知っている人はそういないだろうが、いずれバレるであろうということだ。

そして案の定、バレた。というかすごい早かった。まさか入学から一週間でバレるとは思わなかった。

 

「何か言いなさいよこの───」

パチン

 

……痛い。思ったより痛い。いや、棒で叩かれたり石を投げられたりしていた為、ビンタされるぐらいどうってことないはずだ。が、今までのどんなものより痛かった。

 

「はぁ…こんな気持ち悪い髪して気持ち悪い力して…とっとと消えてくれない?」

……何でだろうか。今は叩かれてない。何もされてはいない。なのに、どんどん弱っていく気がする。

どんなものより辛い。

 

「…………」

 

「あーあー、泣いちゃったよ。全く…こんなので泣くなんてほんとにどうかと思うわ。」

 

「あ、もうチャイム鳴る。」

キーンコーンカーンコーン

 

 

 

 

「……はぁ……」

いつも通り電車で近くの駅まで帰り、そこから歩く。どうも本当に参ってるのか気づいたらため息をついていた。

 

「…おや、いつぞやの?」

 

「?」

明らかに自分に向けられた言葉だと察し、周りを見回す。

 

「ありゃ、やっぱりだ。もう何年前か分からないけど、ここまで特徴的なのは覚えてる。あの時は名前も聞いてなかったけどね。」

三年前、一瞬しか会っていなかった例の変な人とまた会った。

近くのあらゆる人の記憶力もコピーしてしまっているため、忘れたくとも忘れれない状態である。だから覚えていた。が、相手も覚えているとは思っていなかった。

 

「……さようなら。」

何を言えばいいか分からず、赤穂はそのまま帰ろうとした。

 

私、化け物ですから。

 

「でも、僕と同じ人間だろう?」

聞こえていたのか当然のように返す人。

 

「いえ……周りから浮いてることぐらい分かってるんです。人ならざる能力を生まれ持って、人外として生きてる。そりゃあ拒絶もされますよね。」

もちろん強がりだった。ただ、早めに離れた方がいいかも、と思ったのだ。が、返答は赤穂の予想とは反して、

 

「うーん……僕はそうは思わないけどなぁ。」

 

「え?」

思わず振り向いていた。

 

「僕も君も、強がっても所詮は脆く弱い人間。そこは変わらないだろう。下手に同族の中に境界線を引くなんてのはどうかと思うよ、周りの人も、君も。そもそも、君は周りと違うことがおかしい、と思ってるみたいだけど、それは違う。君は周りの人よりも優れた、特別な人であり、周りの希望にもなれる。……まあ、中年期のおじさんの独り言だよ。綺麗事だと思ってもらって構わない。」

…全くもってその通りであった。

拒絶されたくなかったのに、無意識中に自分と周囲との間に境界線を作ってしまっていたのだ。

 

「…変わってますね。」

感謝も込めての言葉だった。

 

「ハハ、そりゃあどうも。」

とても良い人だった。良い人だったのだが……その人は死んだ。自殺だったという。会社内での暴言等のストレス(パワハラというのだろうか)から、だったらしい。

なぜ知っているかって?

…分からない。誰かから聞いたのかもしれないし、ニュースか何かで見たのかもしれない。そもそも、この人の名前すら覚えていない。何故かは分からない。でも、一つ言うなら…

 

 

彼女はまた、理解者を一人失った。

 

 

十五歳、終わり、そして始まる。

 

彼女の理解者は母親だけになっていた。

「…ごめんね、赤穂。」

ある日の夕食の時、突然母親から言われた。

 

「何で母さんが謝るのさ。」

 

「…親なのに…何にもしてあげられないなって…思って…」

泣いていた。赤穂にはほとんど見えない程、少し。

 

「ううん。母さんはずっと私といてくれたんだもん。それだけでも助けてもらってるんだよ。」

 

「…ごめんね…そんな体に産んじゃって…」

 

「…良いの。母さんの子供でいれてるだけで十分。」

本心だった。そこら辺の無責任な大人達よりずっと良いと思った。

その時、

 

ピーンポーン

 

チャイムがなった。

赤穂は瞬間的に何か嫌な予感を察知していた。が、動けなかった。

母親はそのまま立ち上がり、ドアに手を掛け…

 

「…はい……っ赤穂!逃げ」

パァン

一瞬だった。

 

破裂音と共に母親が倒れた。

スローモーションのように、ゆっくり倒れていった。

床に赤い水溜まりが出来る。

誰か入ってきて扉が閉められた。

相手の手には黒い筒が曲がったような形のもの…銃だ。相手は赤穂にそれを向けた。が、赤穂はそれどころでなく、

 

「はぁ…はあ…はぁっ…はあっ…」

頭の中がどす黒い物で支配されていく感覚。

視界は狭まり、音が消え、感覚がなくなり、上下、前後、左右、全く分からなくなる。

ただ、頭の中にあるのは何が起こった、ということ。理解はしている。母親が撃たれた。誰かも分からない人に、唯一の、母、親、唯一、の理解、者、を…

 

「ふふっ」

笑った。何故か?分からない。気づいた時には…

 

「や…やめ…」

ザクッ

 

()()()の心臓を貫いていた。

 

「ははっ…ははは…」

何度も、何回も刺した。もう原型も留めなくなったとき、

 

「ふふふふっ…」

ザクッ

また笑った。笑って、自分の心臓もナイフで突いた。

 

 

 

 

 

 

 

「………ん…」

起きた。森の中。家ではない。そこで記憶が戻った。

 

「ウッ…かはっ……はぁ…はぁ…」

猛烈な目眩と吐き気が赤穂を襲い、座り込んだ。

何度か戻してしまったが、何とか持ち直した。が、母親は、死んだ。そして、自分も死んだはずだった。なのに生きている。生きて見覚えのない森の中にいる。そして、一つ違和感。

 

「…?…霊力が…ない?……妖力?」

いつぞや、陰陽師か何かからコピーした能力だろうか。普段感じていた赤穂の霊力がなくなり、代わりに妖力が出ていた。

赤穂は、ふふっ、と笑い、

 

「…そっか。そういうことか…これはチャンスか…これで…この力で人間を…この世界中の人を殺し尽くせって事か…ふふふっ…ふふふははは…」

 

笑った。狂喜、刹那、殺伐、怒り、悲しみ、恨み、憎しみ…狂気──、

「あははははははははははははははは!!!」

 

頭の中でなにかが叫ぶ──。

『全て…全て憎い…憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い!

殺せ…全て殺せ…殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「人間なんか…卑怯で弱くて貪欲で傲慢な化け物…私なんかよりずっと…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

      「イキルカチガナイ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから、世界を崩壊させては世界線を飛び、別の世界を崩壊させていた。まあ、そんな簡単に世界を崩壊させられる訳もなく、そのために100年ほどかかることもあった。

短かった髪は怨霊になってから後ろの地面に着くほど長く、目も黒から赤になっていた。

そして、がむしゃらに世界を壊していた間に一つ、考えが浮かんだ。

 

 

 

「**の平*世界*壊し*ら、人*も*も、*に**れる*うな

 

 

 

***でも*ろう*な…」

 

 

誰にも心を開かず、

ただ一人で暴れつつ、

鎖に閉ざされながらも悪霊らしくない考えに笑えてしまったが。




あとがき

リュウ「し、シリアス…?」

有森「うーん?」

星「………」

主「色々と大変なんですよ。皆。」

有森「お前は主に右手首だろ。」

主「よく分かったね。」

星「筋やったんですよね…」

リュウ「冒頭に言ってたからね。何してた…」

主「ふざけて後ろ向きに走る→こけて笑わせようとする→思いの外手をつく位置が外だった→グキッ」

有森「…自業自得だ。」

リュウ「…ああ。誰にも非はねえ。あるとするなら主だな。」

星「…フォローできません……」

主「…もうちょっと慰めてくれても…」

リュウ「乙」

主「メンタルブレェイク!」
チーン

有森「あ、死んだ。」

主「こ、心の痛みが…」ピロリン♪

星「…えーと、頑張ってー…」

リュウ「無理に応援しなくても良いと思うよ。いつもこんな感じだし。…シリアスブレイクもいいところだったな…さて、そろそろ〆るか。」

主「は、はい…さ、最後まで読んで頂き…ありがとうございました…!」


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第二十九話 決着之時 理想郷

どうもただの謎存在です。

やっと…やっと別世界異変終息です。
私情により、かなり更新が遅れました。ここからまた頑張ります。
相変わらずぐだぐだ&文章の繋がりがおかしい所がありますが、気にしたら負けです。では、



本編どうぞ!


「っ…はぁ…はぁ…」

赤穂は思わず膝をついた。 

腕を杖にして何とか体勢を取ろうとするが、息は依然上がったままだ。

 

「…これが…」

静かに一言、有森が言った。

 

「これが…お前の過去…らしい。」

 

「はぁっ…はぁっ…」

どんどん苦しくなってくる。視界も少しずつ黒く…いや、暗くなっていく。意識が朦朧とし、上下どころか前後左右も分からなくなり、頭痛と吐き気が襲ってくる。あの時と同じ感覚が甦ってくる。目を強く閉じ、耳を塞ぎ、うずくまって何か叫ぼうとするのを抑えていた。その時、

 

急に楽になった。

 

「…………」

有森が何も言わずに赤穂の頭に手を翳していた。

 

「………俺が…お前の苦しみを分かることは出来ない。お前の過去を見たからといって辛さを、苦しみを、分かることは出来ない。その上、能力を使ってもお前一人救えなかった貧弱者だ。…だが、ここは違う。幻想郷は、どんな者も受け入れてくれる。…さて、お前は…まだ続けるのか?」

 

「…………」

 

「……別に今でも俺を殺す事が今一番したい事ならそうしろ。また相手はしてやる。ただし、絶対に死なせないからな。人間は確かに醜い。私欲にまみれて動く人形みたいなものだ。だが、そんな奴らの中にもお前の理解者になれる者は絶対いる。現に、お前に寄り添ってくれた人もいただろ?…世の中、お前が思ってるより豊かだぞ。」

 

「でも、もう取り返しが効かないところまでいってしまった。何をやろうと、もう……」

絞り出すような声で赤穂は言った。

 

「だから力を貸すって言ってんだよ。」

 

「え?」

一瞬、意味がわからなかった。

 

「…俺を使え。お前がもし今やるべき事に気付いたなら…気づいているなら、やることは…分かってるな?」

 

「………………何で…」

必死に堪えていた。

 

「………何でそんな…」

目が揺れている。

 

「………今になって会ったんだろうね……」

もし…

 

「もしも、あの時…」

もしかすると、

 

「君に会えてたら変われてたのかな…?」

 

「…さあね。それはどうとも言えない。そんなことまで分かるほどここが良い訳じゃない。」

有森は自分の頭を人差し指で突きながら言った。

 

「…………私は…いや、やっぱり言いたくないな。」

 

「…ならそれも一つの答えだ。…というかそういえば、お前、肉体はどうするつもりだ。魂に憑依してる場合、肉体はどこかに無いといけないはずだが。」

 

「…それが…肉体はもう無い。だからこの肉体を離れれば勝手に消えるし、ここにあったとしてもそもそも戻ることすら叶わなかったろうね。…」

 

「何でまた?」

 

「もう既に私の魂がこの《博麗霊夢》の魂に寄生し始めてたから。…つまりこの器から離れられない。身魂分離されても博麗霊夢の魂に私の魂がくっついた状態で分離される。で、そのまままた戻ることになる。つまり、どうにせよこの肉体から離れられない。…でも、もし奇跡的に私と博麗霊夢が分離されたら…生きて罪滅ぼしを…するかな。ま、叶わぬ願いってやつとして。」

すると有森は少し笑って首を振り、言った。

 

「ずいぶんと舐められたなぁ…そこまで言われるともうやるしかないな。」

 

「何を?」

 

「身魂分離した後に魂の分離をして、その後に俺が人体錬成すれば良いだろ。」

 

「…そんなこと、机上の空論なんじゃ?言うは軽しするは難し。実際には不可能だと思うけど。」

 

「普通ならな。だが、生憎もう()()()まともじゃないしな。」

 

「おっと、そっちも?」

 

「さあ?どうだろうか。あ、それと、お前は人間だったときに持っていた《能力》にお前の邪気が混ざって今のになったらしいんだが…ま、一つのプレゼントだ。」

そう言うと有森は直刃刀を赤穂に持たせ、自分の心臓を突いた。

 

「ぐふっ…」

 

「は、はぁ!?お前何してっ…!」

 

「…へへ、安心しな。俺は特殊な術で死なないんだ。だが実際に死なない訳じゃない。一回死んだ後、魂を器にして復活するんだ。今、俺の力を0.1%だけお前にコピーさせた。普通の力をお前にやると体が持つか分からんから0.1%だ。あ、残念ながらこの術はコピーしきれてないから普通にお前死ぬからな?」

力をコピーさせた。能力を一時的に極端なレベルまで落とし、何とか0.1%のみコピーさせたのだ。

有森の場合、能力が効かないのも視野に入れ、能力のレベルを落としてコピーさせた。

 

「いや、待て。私の能力は()()能力だよ?」

 

「ああ、それは対象の相手が死んだ奴だから奪うもコピーも同じだっただけだろ。実際は人間だったときと変わらず()()()()()能力だ。」

 

「ふぅん…よく分かったね。私すら気づかなかったのに。」

 

「さあ?何でだろうな?…っと、そろそろ話は終わりだな。向こうの方の準備が終わったみたいだ。」

 

「ああ。出来るもんならやってみな。」

赤穂の表情はどこか憑き物が落ちたような表情だった。

 

「ああ、それと、最後に二つ。」

 

「ん?」

 

「お前、やっぱり根は人の事、憎みきれてないだろ。そうじゃなきゃ、こうやって俺と話をするなんて事、できないはずだ。」

 

「…そう…だね。途中から薄々感づいてたけどね。…やっぱり私の心の中じゃ、どこかで人間を憎みきれてなかったんだろうな、って。」

 

「それと、二つ目。…お前が見ていたもう一つの目標。…それがここだ。」

 

「…ふ…やっぱり見られたかぁ…あれ…。にしても、もう()()()()のか…それを今壊してた…。半分存在意義を失ったなぁ…」

 

「じゃあもう一個位作ればいいんじゃないか?」

 

「…ま、考えておこう。」

 

 

──────────────

 

───────

 

───

 

 

「出てきた!ふぅっ!身魂分離魔法陣作動…!」

赤穂が亜空間から出た瞬間、星が三重の魔法陣に妖力を込めると、魔法陣が回転し始め、光った。

 

「(…さて、期待してるよ。君に期待するのは今日で二回目のようだけど。ま、どうせ成功するんだろうけど…頼むよ。ここの運命をも救ってくれ。)」

赤穂は緩く力を抜き、目を閉じて光に対して受け入れる姿勢をとった。

 

「(!?抵抗してない…?)」

 

キイイィィィィン

 

パアァァン

 

「分かれた!って、魂が二つ…くっついてる…!」

霊夢が言った通り、別世界霊夢の体から赤い光と紫の光が混じって出てきた。

 

「任せろ。直刃刀ネイズ化、闇龍・狂終…」

有森は直刃刀に妖力を込め、構えた。

 

「(誤差は許されない…完全に二つ、博麗霊夢の魂と赤穂の魂、一つの融合しかけの魂から二つ刈り取る…少しでもミスをすれば二つとも消滅だ…集中しろ…元は奪う、殺す能力が大元の狂終だが、今は…)」

 

「救え…!……はぁぁぁあ!」

有森は二つの光が混ざった魂の真ん中に下から上に鎌を振り上げた。そして…

 

「…メモリー…よし、人体錬成…!」

さっきの記憶内から抜き取った赤穂の身体情報を使い、彼女の体を作った。

 

「! !霊夢!」

魂が元に戻った別世界霊夢を別世界魔理沙が受け止めた。

 

「魔…理沙…」

 

「よし、後はこいつを…ってあれ?きつn…」

霊夢が気絶している赤穂にスペルカードを使おうとした時、赤穂の異変に気づいた。

 

「有森、こいつ、狐だったの?」

赤穂の状態がどう見ても妖狐の類いだったからだ。

 

「あー…その説明は後でやるが、まず一つ。悪いが…そいつの退治は辞めてもらいたい。」

 

「…は?」

別世界魔理沙の目付きが鋭くなる。

 

「何言ってるんだ?こいつはこの世界を…いや、平行世界を消してきた奴だぞ。それを許せと?お前の強さは認めるが、頭の方がイカれてたみたいだな。」

 

「…理由…知りたいか?」

 

「そりゃあ、ここにいる奴全員知りたいだろうよ。」

リュウも訳が分からない、といった様子だった。

 

「…じゃあ、見せよう。…だが、俺はもう見たくないからお前らだけに見せる。終わったら呼んでくれ。…先に言っとくが、胸糞悪くなるぞ。」

そう言うと有森は皆に背を向けた。有森は十数秒の間にすべての記憶に目を通していた。正直言って気分が悪くなっていた。

 

「これ…」

 

「なるほどな…」

 

「これは…ひどいわね…視ててイライラするわ。」

 

「…俺この立場でキレずにいられる自信ないな…」

それぞれが感想を言った後、

 

「…終わったわ。」

 

「…まあ、そういう事だ。ここであったことを無しにする訳じゃない。それはこいつ…赤穂から言われてる。…まあ、こいつのする事を見てから処遇を決めてもらいたいんだが。」

 

「あんなの見せられたら断れないでしょ。」

霊夢が口をとがらせて言う。

 

「…まあ、そうか。」

 

「…うぅ…」

その時、赤穂が目覚めた。

 

「…ふぅ…やっぱり成功したのか。流石だなぁ。……さてと、やらないとね。約束もしちゃったわけだし。」

そう言うと赤穂は手を合わせ、少しずつ広げていった。同時にこの手と手の間から風が吹く。しかし、さっきのあんな暴れる風ではなく、どこか優しさと決意の混じった様な風だった。

 

「(うっ…思ったより妖力の消費が激しい…早いこと終わらせないと…)」

 

「リフレクト…タイムライン…パラレルワールド…。」

赤穂が手を広げると、青白い線が幾つも幾つも分岐している空間が広がった。

 

「これは…」

 

「あいつ、やるなぁ…0.1%しかコピーさせてないのに。ここまでやるとは…」

有森も満足そうに少し口角を上げた。

 

「リペア…」

すると、一つ、途中で途切れてしまっている線を見つけた。すると、その線がどんどん短くなっていき、ついに消えた。そして、全く同じ場所に新しい線が周りとは別格のスピードで通っていった。

 

「なるほどな…一度途切れさせた世界軸を全く同じ運命を辿らせて元と同じにするわけか…どうするのか興味があったが、考えたなぁ。」

 

「正直…壊した平行世界がまだ10いってなかったことで…助かってるよ…」

そうして、途中から来た線は他と同じ所に並び、速度も他と同じになった。

 

「さて、この世界はどうするか…」

その時、

 

「ぐ…」

赤穂が胸を押さえて苦しみ始めた。でも、

 

「く…まだ…」

何とかして立ち、作業を続けた。

新しい軸を作り、この世界軸と少しずつ近づけていった。そして、

 

「よ、よし…」

少しだけ世界軸を擦らせた。すると、

 

「お?」

別世界魔理沙、霊夢が光りだした。

 

「っ…これからここの…世界にっ、残っている人の…いないパラレルワールドに送る…その後に…記憶を…改ざんさせる。それで…軸をこの軸と同じ所に…通らせる。そうすれば…戻る…はずだから…。」

 

「…あら?私は?」

別世界紫が言った。

 

「…あんたには…こっちから元の…世界にっ…戻す…役割がある…だろう?それに…その力があれば…戻れるはずだ。」

 

「…なるほど。」

別世界紫は納得したように首を縦に数回振った。

 

「じゃ……じゃあ…」

 

パァァァァ

 

別世界霊夢と別世界魔理沙が消えたと同時に赤穂が地面に手をついた。しかし、死力を尽くし、

 

「っぐ…まだ…最後…っ!」

別世界の記憶、歴史を変えたのと同時に赤穂はバタリと倒れ、気を失った。

 

「! !大丈夫か!?」

 

「そうだったわ!霊体にとって妖力や霊力は無くなれば死に相当する物…あんなに乱用したら…」

 

「安心しろ。死んでない。というかこれで死ぬわけがない。」

 

「何故、そのようなことが言い切れますか?」

 

「こいつに俺の能力の0.1%をコピーさせたんだ。その中に、《不命死の術》も含まれてる。これは使う者の妖、霊力によって耐性が変わってくる。俺の場合、妖力低下、暴走によっての死因がでかくなりそうだからそっちの方にほとんど振ってるんだ。つまり、0.1%とは言えども、こいつの生命線はこの消費量位じゃ切れないってわけだ。ま、不死の観点からすれば普通に死ぬことはあるんだが。」

 

「はぁ…なら早く言えよ…めっちゃ焦ったじゃねえか…」

リュウが脱力した後、有森は全員に向かって言った。

 

「もちろん、普通の状態じゃあこんな量使ったら一発アウトだ。それにこいつには不命死の術はコピー出来ない、と言ってある。下手な事が出来ないようにな。…ま、言えば死ぬ覚悟でやってたってことだ。

……許せとは言わない。この世で…幻想郷で罪償いをさせてやってほしい。」

そして、頭を下げた。

 

「…ほんとに…あんたがそこまで他人に感情移入するなんてね。…ま、私は止めないわ。ただ、何か問題起こしたら即刻成仏してもらうけどね。」

霊夢がため息をつきながら言った。

 

「ま、幻想郷の多分重鎮レベルの奴が頭下げるほどのことならしょうがないな。正直、私もさっきの見て反抗する気は失せたけどな。…まあ、でも地味に一番説得がめんどくさそうなのは紫だよなぁ。」

魔理沙も笑いながら言った。

そうである。紫は今は冬眠中であるが、起きたときに並行世界を消して回っていた存在がいたらどんな反応をするか。「はぁ?何考えてるのかしら…?賢者の私の許可も通さずにこんな奴を…」とかなんとか賢者モード全開で言われそうである。どう丸め込むべきか悩むことになりそうである。

 

 

そして、その後、赤穂が起き、事情を説明してから別世界紫にスキマを開けてもらい、帰ることにした。平行世界間の結界が少しずつでも戻っていっているため、早めに帰らないといけなくなっていた。

 

「はぁ…他の連中は帰ってくる人数が減らないように、とか思ってるんだろうけど、まさか1人増えるとはおもってないでしょうね…」

 

「…二人だ。」

有森は星を親指で指差した。

 

「そうだったわ。まだ彼女の事聞いてなかったわね。」

 

「…後々話す。やらなきゃいけないことができた。」

 

「やらなきゃいけないことって?」

 

「…俺が消した記憶を戻す。」

 

「「「…はっ?」」」

まだ帰っていない霊夢、魔理沙、妖夢、赤穂が一斉に声を出した。星だけは、なるほどね、といった感じで有森を見ていた。

 

「どう言うこと?何か忘れてるのか?」

 

「…多分な。それがどれぐらい重要なものなのか、そもそもどんな記憶なのか分からない。だが、自分の術は自身の能力を受けないから戻せるはずだ。」

 

「…ロストメモリアルの修復…ね。」

星が口を開いた。

 

「お前は何か知ってるのか?」

 

「うん。全部知ってる。でもあんまり言いたくない。個人的に。」

 

「そうかい。何があったんだか…君も訳あり?」

 

「知らん。というかまだ戻してないんだから分かるわけが無いだろ…」

 

「まあ、後で十分聞かせてもらおうかな。」

 

「はぁ…まずはとっとと帰るぞ。」

 

「あら、帰らせてもらう側なのに偉そうね。」

別世界紫がじと目で有森を見るが、あまり気にしないようにして、

 

「…なら俺は自力で帰るが?」

 

「出来るのかしら?」

 

「問題なく。」

ブウゥン

 

「!?」

有森の足元に魔法陣が二重に出来た。

 

「もう…何で第二重(だいふたみ)魔法陣が一瞬で描けるのかなぁ…」

星はため息混じりに言った。

 

「それってすごいのか?」

魔理沙が聞いた。

 

「あれ、魔理沙さん魔法使いですよね?」

 

「ああ。だが()()()魔法使いだぜ!」

バン!と胸を張って魔理沙は言った。

 

「普通じゃない魔法使いって何ですか…」

 

「こいつは捨虫の術と捨食の術を使ってない人間の魔法使いだから()()()()()使()()って言われてるだけよ。」

星が??状態になってる時、霊夢が口を挟んだ。が、星は、

 

「…え?しゃちゅ…?」

 

「ん?」

周りと反応がおかしかった。

 

「…ここでは俺達と魔法使いの成り方とか魔法の使い方が俺達と違うからそりゃそうなる。」

有森が一言で解説した。

 

「えっ、そうなの!?」

 

「ああ。半人の中では後天的な魔法使いなんかそういなかったぞ。捨虫の術とか捨食の術なんて言うものは聞いたことすらなかった。」

 

「へえ…そうなのか…で、その…だいふたみ?魔法陣ってどんなんなんだぜ?」

 

「あ、そうでしたね。えーと、並の魔法使いじゃ普通は張れないんですよ。二重に魔法陣が発生するんですけど、二つの魔力伝導も考えながら作らないと魔法陣が破裂したり、消えたり、一枚になったり、変質したりするのでかなり難しいんです。私でも数十秒位はかかります。ちなみに、身魂分離の魔法陣は第三重(だいさんみ)魔法陣で、魔術を最上まで極めた者でも数時間かけて張るような物なんです。最上は第四重魔法陣で、…私じゃ多分張れません…」

 

「まあ、第四重なんか使うこと無いけどな。行っても第三重辺りで十分だろ。」

 

「第三重魔法陣も十分高度な魔法陣なんだけどなぁ…」

 

「つくづくぶっ飛んでるわね…そんなものを十分やそこらで張ろうとしてたのね…」

 

「まぁな。」

 

「もう半分以上生き物卒業してますしね…」

 

「でも、あんたもそんなぶっ飛んだものを数十分で張ったんだけどね。」

色々あったところで元の世界に戻ってきた。

 

「ふぁー…なんかどっと疲れた気がするな…」

 

「まあね…向こうじゃ時間わかんなかったけどもうこんな時間なのね…」

時計を見ると七時だった。

 

「宴会、するのか?」

 

「そうね。新人さんもいるわけだし、今日やっちゃいましょうか。」

 

「…今日?」

 

「ええ。何か問題ある?」

 

「……準備しないとな…」

霊夢がこういうやつなのは分かっていることであるため、有森は、あえてもう何も言わなかった。

 

「だったら早く帰ってフランたちも呼ばないとね…咲夜、一度帰るわよ。」

 

「はい。では、また。」

二人が消えた。まあ、時間を止めて移動したため一瞬だったのだが、有森からすれば長く一人で置いておかれた感じになった。

 

「では、私も幽々子様を呼んできますね。」

妖夢も一度白玉楼に帰っていった。

 

「神奈子様と諏訪子様にも報告してきますね!」

早苗も妖怪の山もとい、守谷神社へと飛んでいった。

 

「さて、リュウ、有森、 魔理沙も、手伝いなさい。」

 

「俺色々と疲れたんだが…」

ぐで~っとなっているリュウに霊夢が脳天チョップ(お祓い棒)をかました。

 

「うぐあっ!ちょ、俺妖怪になってるからそれ効くんだって!」

 

「じゃあ働きなさい。」

 

「うげえー…」

もうブラック企業並の扱いである。

 

「じゃあ、俺は…十分位待っててくれ。」

 

「ん?…ああ、記憶の復元ね。」

 

「ああ、説明もするんだったら早いこと済ます。待っててくれ。」

そういうと有森は博麗神社の後ろの森に入っていった。

 

その数分後、森の中から光の柱が立ったが、それに気づいたのは赤穂のみで、他は霊夢に働かされてそれどころじゃなかったり、そもそも心配する必要がないと思ったりしていた。

 

 

 

 

 

『全ての平行世界を壊したら、人外も人も、平等に生きれるような…理想郷でも作ろうかな…』

 

『…でも、もう壊す必要はなくなった。次は…いや、邪な事を考えるのはよそう。

 

 

…まずはここを楽しむのも良いかもしれない。』

 

 

 

《あとがき》

 

主「別次元異変終わったぁ!」

 

リュウ「お疲れー。」

 

有森「つーか何で前のやつからこんな空いた?」

 

赤穂「確かに。」

 

有森&リュウ「何かまた増えとる…」

 

主「いや、実世界の方でちょっと色々あってね。」

 

星「実世界って言い方…何があったんですか?」

 

主「いや、個人のプライバシーに関係することだから言わない。」

 

有森「まあ、それは別に良いんだが…」

 

リュウ「それより、この間(と言っても結構前)部屋で発狂してたのは何かあったのか?」

 

主「そうそう!まさかのコラボの依頼が来たんだよ!」

 

有森「なるほど。妄想の話はそこら辺にしとけ。」

 

主「妄想じゃ無ぁい…」

 

リュウ「…本当に?」

 

主「本当に。」

 

星「……でもそういうのって相手の方のキャラクターとかの特徴とかも考えて書かないといけないからもっと難しいんじゃ…」

 

主「頑張らないと。多分この章を全部書き終わったら出すと思う。後二話出したら。」

 

赤穂「どれ位後になるんだか。今回一月空いてたよ?」

 

主「いや、だから実世界で色々あったんだって。ちゃちゃっと出すから問題ない!はず!」

 

星「はず!って…ところで、この章ってことは章作るんですか?」

 

主「うーん、どうしようかなぁ。」

 

リュウ「まあ、無くても良いんじゃないか?別に作りたけりゃ作れば良いし。」

 

主「そうだね…その時になったら考えよう。うん。じゃ、そろそろ〆るか。」

 

リュウ「そうだな。最後まで読んでいただきありがとうございました!」



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第三十話 有森の過去 麒麟

どうもただの謎存在です。

ね、言った通り早い目に出したでしょ?ね?(威圧感)

内容がどうかって?
題名の通り。それ以上も以下もない。強いて言えば、会話文が多めで、説明の部分(「」が入ってないところ)がめっちゃ少ない事と、あとがきの内容をふざけ過ぎた位。



では、本編どうぞ!


「おーい…あ、(察し)」

記憶を戻した有森が戻ってくるとリュウが縁側で死んでいた。いや、死んではないけど死んだみたいにぐったりしていた。

 

「霊夢…やりすぎだろ…」

 

「あ、有森、記憶戻ったかしら?」

霊夢が出てきた。

 

「ああ。あんまりいい記憶じゃなかったな。ま、嫌な記憶ばっかりでも無かったが。」

少しため息をつきながら言った。

 

「そう。…星のことは後で聞くわ。とりあえず手伝ってちょうだい。リュウがノックダウンしちゃって人手が足りないのよ。」

 

「お前がこき使ったからだろ…」

 

「働いてもらっただけよ。」

 

「…ブラック並にな。」

まあ、言っても止まるはずがない、というのは有森もよく知っているため、それだけ言ってまずは手伝うことにした。

 

 

 

 

「ふう、これで一通り終わったわね。さて、有森。次はあんたが説明する番よ。」

 

「おう。分かった。」

 

 

 

「…さて、えーと、どこから話すべきか…」

 

「お、始めるのか。」

倒れていたリュウが起き上がった。

 

「リュウ、起きたのか。そうだな…主に星の事の内で、俺の過去と幻想入りした理由辺りになるかな?…まぁまず前提として、俺は元々は麒麟族じゃなくて、麒麟だったんだが、」

 

「…は?」

 

「…え?」

 

「ちょっと待て、前提がまずおかしい。」

リュウが右手を有森の前に出して必死に考える。

 

「俺は元々麒麟だったんだよ。称名、(ひのえ)。あの時の麒麟の中でNo.2だった。」

 

「…ものすごい高い役職じゃないか?」

赤穂が言った。

 

「まあ…そうだったんだろうな。」

 

「で、何でそれが今半人、なんて事になってるわけ?」

 

「これから説明する。元々麒麟だったんだが、ある時にちょっとトラブルがあってな、まあ麒麟の内の一人が問題を起こしたんだ。が、それは俺に擦り付けられた。まあ、何があってかは省略するが、それでまず神獣の位から追放された。それで、どうしたものか、と考えていたときに思い付いたのが半人化な訳だ。…ここまでオーケー?」

 

「…何とかね。質問は後でまとめるわ。」

 

「分かった。だが、神獣含め、様々な生き物において勝手に半人化するのは禁忌とも言われてたんだ。いや、正確に言えばいる、か。今でもそうだからな。特に神獣は。神獣族は自然を操る力を持ってるから、その神獣族内でパワーバランスが崩れれば、そこの環境にも多大な影響を与えるからだ。だから、俺は能力をうまく使って周りに影響を及ぼさないようにした。まあ、代理…形だけ神獣族になった、って感じだな。」

 

「ほう…。」

リュウが顎に手を置いた。

 

「だがある時、神獣族…特に麒麟族が大量に殺された。」

 

「「え?」」

唐突な急展開に一斉に全員が有森のほうを向いた。

 

「ちょっと待ってそれ私も知らない。」

星も知らなかったようだ。

 

「ああ、言ってなかったからな。正確には、西暦が1…えーと1300年位の時だったかな?あんまり自信無いけど。もう麒麟族に至ってはいなくなった。それで、元は神獣とはいえ、今が神獣族の俺がそこを引き継ぐことになった。並みの麒麟族の力以上はあるからな。」

 

「いやちょっと待って、何でそんなことが起こったの?」

霊夢が聞いた。

 

「うーん…詳しいことは俺にも分からないんだが、その神獣族を殺しに来たのは人間達だったらしい。」

 

「はぁ!?人間がこんな化け物みたいなのを壊滅させたの!?」

あり得ない。

その一言に尽きる。神獣族と人間が戦って人間の方が勝つなんて言う状況がほとんどあり得ないのだ。否、ほとんどではない。ほぼ絶対である。何の能力も持たない人間が自然物を操る神獣族に勝つことが出来るか、と聞けば、100人中100人がNOと答えるだろう。

 

「…ああ、要は、神獣族によって自然物が統治されてるからそれを倒せば統治権が自分達に来ると思ったみたいだ。…だから麒麟族が集中してやられた。全ての長を倒せば他の神獣族が自分達の下に付く、つまり、間接的でも統治できるように、だな。」

 

「…なるほどな。だが、何をどうやったら人間が神獣族に勝てたんだ?」

リュウが恐らく一番気になる質問を投げた。

 

「人間といっても、ただの人間じゃない。何をどうやったか知らんが、正確には人間の形をした者達が攻めてきた、の方が正しいのかもな。月人やら人形の妖怪やらなんやらいたみたいだし。」

 

「…なるほど。月人なら確かに何か変な術やら使ってくるだろうね。壊してた時に、たまに月からレーザー撃ってきたことがあったよ。」

赤穂がさらっと凄いことを言ったが、まあ、常人が月に狙われるレベルだというならとても凄いことなのだろうが、赤穂だったのなら若干頷ける。

 

「そこでまあ俺が二割ほど本気を出して殲滅(超オーバーキル)した訳だが。」

 

「…二割ほどって大体どれぐらい?」

 

「…今の状態で大体……全力の数万分の一位なんじゃないかな?」

 

「「嘘ぉ…」」

今の状態で数万分の一ならその二割はどんな被害が出たのだろうか、と全員が思ったが、そこは聞かないでおく。まずは話を進めてもらう。

 

「不命死の術のお陰で死ななくなった代わりに力が極端に制限されてるからな。しょうがない。」

 

「…なるほどね。」

 

「さて、少々脱線したが、話を戻そう。星の事だな。結論から言えば…あいつは俺の()()()妹だ。」

 

「義理の?」

 

「ああ。その神獣族と人間との戦争の後、どれぐらいか…大体2、300年後か。それぐらいの時、鬼神族と悪鬼との区別が無くなってて、鬼というものを極端に恐れ、殺しにかかる連中もいた。」

 

「随分と大胆なことするわねぇ…でも人間が鬼神族と対等に戦える?しかも月人とかじゃなくて普通の人でしょ?」

 

「じゃあ問題。ここの鬼達が地底に行ったのは何故でしょうか。」

 

「…なるほどね。」

 

「ああ。…まあ、人間からすれば、人を襲うって言われてる鬼が人に化けて生活してるようにでも見えてたんだろうな。それで、俺の住んでる山の中に逃げてきたんだろうが、追いかけ回されてそりゃ体力も限界だったんだろうな。倒れてた。それで保護した奴が星だった訳だ。義兄妹になったのは向こうがそう呼び始めたからまあいいか、ってなってそうなっただけだ。」

 

「へぇ…でも、何でそれを忘れてたんだ?それと、あの時お前から何かが出てきて星ちゃんになってたろ。あれは?」

 

「…実は、これはこの世界での話じゃない。()()()()()()の話だ。」

 

「一つ…前の……?」

ちょっと何言ってるかよく分かんない。

 

「ああ。あれは…いつだったか、あんまりいい記憶じゃないから想起を拒んだのかもな…えーと、まあ、星と生活して大体4、500年位の時だ。……麒麟が来たんだ。」

 

「きっ、麒麟が…」

 

「…来た!?」

 

「ああ。まあ、目的はとりあえず俺を殺すこと。逆恨みでもあり、天罰でもあるって感じか?」

 

「どういう……あ、」

赤穂は勘づいた。

 

「ああ。まあ、俺が追放された時、元々問題を起こした奴だ。確か壬だったか?…まあ、そこは置いといて、あの後問題が見抜かれたらしくてな。あいつも死にかけたらしい。それで「お前がどうにかしろよ!」とか何とかほざき始めた挙げ句、神獣から半人に成った罰という名目で殺しに来てた。」

 

「はあ!?理不尽にもほどがあるでしょ!」

 

「いや、俺に言われても…ともかく、それで戦闘になった。が、結果を言えば勝てるはずがなかった。相手はフル能力使える神獣。対してこっちは本来の力が半人に成ることによって極端に減った神獣族。話にならなかった。が、一瞬だけ、本気中の本気を出した。秘術の枠を越えた禁術。それによって、勝てたことは勝てた。が、地球が…惑星から恒星になったんだ。」

 

「「「……は?」」」

 

「うん、まあそうなるよな。正確には、俺を核とした太陽の周りを回る疑似恒星って所か。その禁術ってのが半分力を暴走させるものだったからな。結果、そうなった。その時に助けてくれたのが星だった。自分を魂化させて俺と魂融合させて内側から力を押さえつけたんだ。それで何とか恒星から地球に戻ったんだが…そもそも一回恒星になった星を惑星にしても元には戻らない。本当に何もなくなったんだ。普通の生き物はおろか、植物すら無くなった。」

 

「えぇ…」

 

「だから()()()()()()()()()()()()()()。」

 

「………はぁ?」

魔理沙が聞く。

 

「言えば、その存在が下手な影響を与えない時に戻ったんだ。それがこの時間軸なんだが、前の世界の記憶を持つ者が同じ運命を辿る世界にいるとどうなると思う。…本来は起こり得ないことが起こるか、最悪の場合、タイムパラドックスが起きて同じ瞬間を永遠に繰り返したり、全てが消える事だってあり得る。だから、影響を与えない、同じ時間になるまで記憶を封印することにしたんだ。元からいる麒麟族として、元々麒麟だったことを記憶に封印して、封印したことそのものをも記憶から二重封印した。そして、それが解かれるのは俺が大罪を犯した同日。それが今日であり、この時間。」

 

そして最後に、

 

「とまあ、そういう訳だ。」

で締めくくった。

 

「ちょっと待て、まだ頭の整理が追い付いてない。」

リュウが頭を抱えた。

 

「多分ここにいる全員(星と有森を除く)が理解しきれてないと思う…。」

赤穂も同様、半分混乱状態になっている。

 

「えーとな、とりあえず、今のでどこがお前が幻想入りした原因があったんだ?」

 

「つまり、あの時の俺は俺の魂と星の魂、魂が二つある状態だった。そして、幻想入りするには存在が忘れられるしかない。俺は星に関する記憶も封印してたから、忘れてたのと内容は同じだ。で、確かどっかの…烏族…だったかな?…まあ、そこらのどっかの長の記憶が時間の影響を受けないんだ。だが、ちょっと前に亡くなったらしい。その日が俺が幻想入りした日。つまり、星のことを覚えている者がいなくなった、星の存在が幻想になってしまった、ってことだ。だから、その魂と融合していた俺も幻想入りしたってことになる。」

 

「お、おう…」

なるほど、と言いたいが、中々に内容が濃かった。

 

「中々な訳ありだったみたいだけど。こんなことがあったのね…」

霊夢がこめかみを押さえている。

 

「まあ、言ってもだな。」

 

「おい有森。」

赤穂が声を上げた。

 

「うん?」

 

「急で悪い、そして、話と全く関係ないことでブレさせるけど、()()どうなってるんだ。」

突然赤穂が指差したのは頭…ではなく、頭についている獣耳としっぽだった。

 

「ああ、サービス。」

 

「おいこら、私種族悪霊だよ?何ちゃっかりサービスで種族改変して妖狐にしてくれてんの?」

 

「冗談だ。それに、種族は変えてない。見た目を少しだけ変えただけだ。」

 

「?」

 

「元人間が魂化した状態だと元に入る器の適、不適合があるんだ。適合条件としては、元の姿と全く同じ物か、種族として逆にあり得ない状況の方が魂が馴染みやすかったりする。…まあ、正確には新しい肉体を与えるっていう意味になるんだが…まあ、そこは良いとして、残念ながら俺には元と全く同じ様な肉体を作り出すほどの技術がなかった。だから悪霊としてはあり得ない、その姿にしたって訳。あ、別に狐じゃなくても良かったんだが、パッと思い付いたのが狐だったってだけだ。」

 

「…なるほどな。まあ、そこまで考えてたって訳か。」

 

「まあ、ただの魂状態の場合どんどん空気中に概念が溶け出たりすることがあるから焦ったってのもあるんだろうけどな。流石に目の前で消えられても、気分のいいものじゃない。」

 

「…なるほど。」

 

「あれ、じゃあ有森は何歳なんだぜ?」

ふと先程まで空気だった魔理沙が聞いた。

 

「えーと…この世界で3540で…前が…確か今で言うサンガモン間氷期とか言う時期の前半辺りだったかな?そうなら多分…多分13,4万…」

 

「ちょっと待て13万!?」

リュウから変な声が出たが有意義にスルーし、有森は答える。

 

「…麒麟の時のを含めると多分四捨五入でだいたい14万歳位だと…」

 

「…想像の真上行きやがった…」

 

「さてと、他に何か無い?「突っ込むところが多すぎて訳分からん」…それは無いのと一緒よ。後で有森に聞いといて頂戴。…無いなら、」

急に霊夢が仕切り始めた。

 

「たぶんそろそろ何人か来始めるわよ。準備、よろしくね。」

 

「「「あーい。」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《あとがき》

主「はい、というわけです。」

 

リュウ「いや何がどういう訳だよ。」

 

有森「いや分からん。」

 

赤穂「14万歳って…とりあえずでかい数字入れときゃ良いかみたいな事になってんな。」

 

星「主さんの年齢は?」

 

主「3しゃい。」

 

ー有森が主の表示名を変更しましたー

 

三歳児「おいこら三歳児はやめえ、」

 

リュウ「おお、ちょうど良いじゃん。」

 

星「こんな機能あったんだ…」

 

赤穂「先を見ない所とか厨二病発症中のところとか頭の中身とかちょうどじゃん。」

 

三歳児「ちょい待て最初は確かにそうだけど後の二つは気に入らん。」

 

リュウ「何ならここをこうすれば…」

 

ーリュウが三歳児の表示名を変更しましたー

 

三歳児ww「おいこら」

 

リュウ「グフッww!」

 

有森「やべえww腹痛ぇw」

 

赤穂「ヤバいww」

 

星「っ…ww」プルプル

 

三歳児ww「おいそろそろ遊ぶのやめえ。」

 

リュウ「名前見せんな腹がよじれるww」

 

三歳児ww「いやじゃあやるなよ。」

 

ー三歳児wwが三歳児wwの表示名を変更しましたー

 

主「戻った…」

 

赤穂「コマンドがカオスw」

 

主「よし、お前ら後で覚悟しとけ。」

 

星「…後書きがもはや後書きになってない…」

 

有森「まあ、こんなもんだから良いだろ。元々おふざけで書いてたやつだし。さて、中身がほぼ無いあとがきもそろそろ〆るか。」

 

赤穂「ああ。最後まで読んで頂きありがとうございました!」



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第三十一話 宴会、そしてこれから歩む世界

どうもただの謎存在です。

別世界異変後の宴会回です。
ちょっと上手くは書けないっすね。



では、本編どうぞ!


「お前が新しく来た鬼かぁ!よし!飲め飲め!」

 

「いや…私お酒飲めないんですけど…」

外の世界で未成年だったこともあり、お酒を飲んだことがなかった星は…

 

「なにぃ!酒の飲めない鬼は鬼じゃないだろ!な!勇義!」

 

「ああ、本当に鬼か?」

 

「そういえば角とか無いですね。」

 

「人化の術使ってるので…一応鬼ですよ。」

 

「じゃあ飲め!」

 

「そんなことあります?」

鬼の四天王二人+鬼子母神に絡まれていた。

 

「それとあなたも、新入りでしょう?」

 

「え、私もかい?」

訂正、赤穂もである。

 

「お前以外誰がいるんだい。」

 

「…まあ、そうか。」

 

「飲め飲め!鬼の酒が飲めんとは言わさんぞ?」

 

「いや、言おうと思えば言えるけど…」

 

「もうこれアルハラじゃ…」

星が呟いた。

 

「まあ…私は大丈夫だろうけど…そっちは大丈夫なのかい?」

人間の頃の能力を引き継いでいるため、酒豪の能力もあり、赤穂は大丈夫だ、といっているが、問題は星だった。

 

「…分かりませんね…飲んだことないので。」

 

「まあ…頑張りなよ…辛っ!なにこの酒!?」

 

「ああ、それ超辛口だからね。気ぃつけな。」

 

「今言うか…」

しかしそれにしても、本当に彼女(赤穂)は平行世界を消滅させていた存在なのだろうか、と星は考えていた。今はそんな面影はなく、普通の女の子、もしくは苦労人の女の子である。見た目は星と変わらないぐらいの十四、五歳程度(星は実年齢500歳越え)であり、こう見てみると普通の女の子みたいである。

 

「チーン…」

ちなみにリュウは相変わらず早々にノックダウンしていた。

 

「あいつらもあいつらで大変みたいだな…」

有森は調理担当員である。が、大体は察せる。

各場所で色々事件が起こっていることも察している。まあ、止める気はさらさら無いし、止ようとしたところで止まらないのも分かっているため、そのまま放置である。

 

「まあ…星と赤穂がこの幻想郷に馴染めるかは別だが…まあ大丈夫だろう。ああ見えてあいつら適応力高いみたいだしな。……さて、この料理作り終わったら外行くか。」

もしこれ以上大変なことになると、また色々と面倒だからである。

 

 

 

 

 

そして有森が外に出て十分後…

 

「うわぁ…、魔理沙荒れたなぁ…」

リュウ。お前が言えた口じゃない。リュウはさっきまで酔いつぶれていたのであるが、今は落ち着いている。

 

「私はぁ~!まだぁ~!酔ってないじぇ~!」

 

「魔理沙、毎回の事だけど飲みすぎよ…」

魔理沙は向こうで酒瓶を片手にフラフラしてアリスにちょっかいをかけ、うざがられている。

 

「…魔理沙さん結構大変なことになってる気がするんだけど…」

 

「今さら思ったのか?」

 

「…前からなの?」

 

「ああ。少なくとも俺が参加した最初の宴会のときから。」

当然のごとく返す有森。

 

「いや…それよりお前ら何してんだ?」

 

「いやまずお前は?」

おうむ返しで質問するリュウ。

 

「そのうち被害が拡散するだろ。大きめの事件が起こらないように監視。というか俺だけでやってたのに何でお前らが来たんだ。」

 

「私は夜風に当たりに…萃香さんと勇義さんのペースが早すぎたから。…赤穂さんはまだ絡まれてるけど。」

少し星の顔が赤い。

向こうでは赤穂が下心から近付いてきた天狗を五人まとめて吹き飛ばしていた。

 

「俺は…潰れてたところを星ちゃんに助けられたな。それで一回落ち着きに。」

有森の予想通りだった。だから何故鬼のペースに合わせるのか。そのうち強くなるかも知らないが、それまでが大変である。

…と思ったが、恐らく強くもならない。もう既に数十回宴会で潰れているが、強くなる気配がいっこうにない。

 

「はぁ…ところで…だいぶ大変なことになってるよなぁ…」

魔理沙が飲みすぎで暴れだした頃、色々大変なことになっていた。

 

「うおぉぉ最こ「[神槍]スピア・ザ・グングニル!」ガッ」

 

「幼女の破壊力半端無「[想起]恐怖催眠術!」グァッ」

 

「最高のツーシ「[神罰]スターオブダビデ!」「[想起]戸隠山投げ!」ゴホォァッ」

一つ目、フランとこいしに目を向けた子供好き(決して綺麗な意味ではない)天狗達がレミリアとさとりにふるぼっこにされる事件。

あ、当の本人達は気づいてない。気付く前に修羅によって殺られている。

 

 

 

 

「妖夢ーおかわりー!」

 

「またですかぁ!?さっきおかわりしましたよね!?って、机の上の料理が全部無くなってる……ああぁぁ!もう!」

二つ目、ピンクの悪魔(幽々子)の腹が膨れなくて、妖夢が発狂寸前になる事件。

軽く本気で永琳に幽々子の腹を調べてみてもらいたい、と有森は思っている。もしかしたら宇宙にでも繋がっているかもしれない。

 

 

 

 

「[氷符]アイシクルフォール!」

 

「わぁあー!」

三つ目、チルノがスペカを撃ちまくって片っ端から宴会の参加者を凍らせていく事件。

結構本当に事件。

 

 

 

 

主にこの三つ。

 

「…十分カオスになってんな…」

 

「何とか出来るの?」

 

「出来ると思ってんのか?」

リュウと星に聞かれるも、残念ながら流石の有森でも収拾がつかない。まあ、これ以上カオスにしないように監視しているのだが。

 

「何気に多分ロリコン連中が一番の問題なんだよな…」

 

「私があの中に放り込まれたら兄ちゃんどうする?」

唐突に星が聞いた。

 

「さあ?その時になってみないと分からんが、最悪消し飛ばすかも。」

さらっととんでもないことを言うこいつ。

 

「お前が一番やべえよ…」

 

「流石に冗談だ。というか星ならあの程度、返り討ちに出来るだろ。天狗から見れば鬼は上司に値するし。それに星は幼女じゃねえだろ。」

 

「まあね…というか私鬼じゃなくて鬼神なんだけど…」

 

「尚更だ。」

鬼神は鬼の上位互換だ。尚更効果抜群だろう。まあ単純な力でも倒せるだろうけど。

等々有森が思っていたとき、ふっ、と天狗の内から一人が消えた。と思ったらこっちに来ていた。

 

「あの、俺と友達の段階をすっ飛ばして付き合って「失せろ」ぎゃあぁぁぁ…」

横から神速で有森にぶん殴られていた。が、こういうときは不死身と化す天狗達である。さっきは一人だったにも関わらず、三十人に増えて戻ってきた。

 

「…あの人たちから聞こえる()()がやられたい願望と下心しか聴こえてこないんだけど…良いかな?久しぶりに暴れてみても。」

 

「好きにしな。」

有森が言うと、星は宝石のようなものを出し、それを透明な膜で覆ったようなものを作り出し、それに乗って天狗共の所に飛んでいった。

ヒュー

 

「あれ何なんだ?」

 

「ある意味力の制御装置。」

 

「?」

リュウが首をかしげた。

 

「あっ!向こうから来てくれt…」

 

「さて、と。どうしよっかな?」

月に照らされた二本の銅色の欠けているような角と青い髪は天狗達を黙らせるにはピッタリだった。顔は笑っているが言葉そのものが体を押さえつけるような威圧がある。

 

「あ、いやー…そのぉー…」

 

「[流星]スターダスト・ブレイカー」

大量の光が空から一人約二、三発ずつ、運が良ければ五発ほど降ってくる。このあと、そこにいた天狗は全員強制的に山に返されたとか。

恐らく一発で天狗が落ちた数はこれが一番多かっただろう。

 

「レミリアさんですよね?一度話をしてみたかったんですよ。」

 

「あら、奇遇ね。私もよ、古明地さとり。有森の妹が邪魔を消してくれたみたいだから一回色々お話しましょう?」

 

「そうですね……あのロリコンどもが起きた時、トラウマを植え付けた方が良かった気もしますが…まあ、地底の住人が口を出すところではないでしょうから、ここにいるやつらだけにしておきましょう。」

 

「ええ。そうね。」

二人も二人で話し始めた。

 

二人の妹?何も知らずに笑いながらジュースを飲んでます。

 

「うわー…凄い…星ちゃんってこんな強いんだ…」

 

「そりゃあ神獣族の内の鬼神族だしな。」

 

「あ、やっぱり鬼神って言ってたってことは神獣族なんだ。…ってことは能力持ち?」

 

「ああ。あいつの能力は、こっちの言い方にすれば《言葉を操る程度の能力》だな。あ、それと操る自然物は星と土だな。」

 

「言葉を…操る…?何語でも喋れるとか?」

リュウは首を少し傾げて聞いた。まあ、言葉を操る程度の能力なんか言われてもピンと来ないだろう。

 

「それもあるな。詳しく言えば、それも含む。まあ、言葉を武器とすることもできる。」

 

「言葉を武器に…?」

 

「ああ。あいつはああ見えても言霊使いの達人なんだ。」

有森は星を見ながら言った。星はこいしとフランと一緒に笑いながら話している。

 

「言霊って?」

 

「じゃあ体験してみろ。」

 

「は?」

 

「『動くな』」

有森が放った。リュウは、その声が妙に体に響いた気がした。その時、

 

「っつ…!」

急に体が動かせなくなった。金縛りと近いようだが、少し違う。

有森がまた放った。

 

「『両手を上げろ』」

すると、リュウの意思とは別に両手が上がった。

 

「うえっ!?ど、どうなって…!?」

すると、不意に体の自由が効くようになった。

 

「今のが言霊だ。言葉そのものに妖、霊力を籠めることで相手の動きを制限できる。ま、要求する事が大きくなればなるほど必要な力が大きくなるから乱用出来ないんだけどな。平行世界異変の時、赤穂がナイフを俺に向かって投げたとき、散れ、って声と同時にナイフが崩れただろ?あれがそうだ。」

 

「やべえな…星ちゃん可愛い顔してめっちゃ強いじゃん…」

 

「ロリコンか?」

すっ、と有森が聞いた。もしここでふざけでもYESを選択すれば首と胴体がさよならバイバイ…で済めば良い方になるだろう。

 

「まさか。でも実際可愛いだろ。まあ、幻想郷の住人は全員が可愛くてめちゃ強いんだけど。」

 

「まあ…強すぎるのも有りでな。つーか原作と違うことが何件か起こってるみたいじゃねえか。起こるはずじゃなかった物も。ま、そもそも俺達が入ってきたことが一番のイレギュラーか。」

実際、地底の結界が無くなったり(というか原作で結界なんて無かった気がする)、名無しの悪霊(赤穂)が平行世界を消そうとしたりと、本来は無かったことが起こっている。

 

「まあ…でも、最悪の状況にはならなくて良かったじゃないか。特に平行世界異変。」

 

「最悪の状況…か…リュウ。」

 

「ん?」

有森がやけに真剣な顔で、視線は宴会場の方を向いて聞いてきた。

 

「お前の言う「最悪の状況」ってのはどういう状況を指してる?」

 

「ん?そりゃあこの時間軸の破壊とか幻想郷の消滅とか?」

 

「……そうか。」

ふっ、と影がかかった気がした。

 

「?どうしたよ?何か変だぞ?」

 

「いや……別に。」

リュウから見れば、有森は何かに迷っている気がした。が、何せ髪で表情が読めないため、どうとも言えなく、閉口するしかなかった。

 

「何かあるならちゃんと言えよ。」

 

「いや、何でもない。ただ……そのうち大変なことが起こりそうな予感がする。」

有森は少しうつむき加減で言った。

 

「はぁ…お前の予感は結構当たるから怖いんだよな…」

 

「まあ、そりゃどうも。」

 

「ああ。」

その時、リュウには有森の頬に一筋、水が流れていた気がした。

 

「おい、有森?」

 

「ん?何だ?」

が、有森が顔を上げ、目でリュウの方を見たときにはそれは無かった。

 

「お前…泣いてたか?」

 

「…はっ?」

これはただの見間違いだったのか、もしくは有森に何かあったのか…

 

「………気のせい…か…?」

 

「さあ?何がかは知らんが。あ、まともな男天狗もいるんだな。」

 

「え、マジで?」

まあ、それより今は部屋の隅辺りの席で四、五人集まって酒を飲んでいる比較的正常な男天狗のほうが気になったリュウだった。

 

「(…見られてたのか。ったく……まあでも、またこんな日常が見れるとはな…)」

ふと見ると赤穂は更に鬼二人に絡まれている。一瞬こっちを向き、助けを求められた有森だったが、ま、最初位は荒波に揉まれてみるのがいいか、と思い、視線をそらして空を見る。

 

 

その日は満月だった。

有森は空を見上げ、ふ、と笑って目を伏せた。

 

前を向けば明るくて騒がしい日常がある。

いつまでも続くであろう喧騒に少し、思いを寄せた。




《あとがき》

主「お疲れー。別世界異変終わったよー。」

有森「お疲れー。じゃねえよ。どんだけ苦労したと思ってんだ。」

リュウ「(チーン)」

星「リュウさーん?大丈夫ですかー?」

リュウ「…………」チーン

赤穂「…うん、大丈夫じゃないね。」

星「大丈夫じゃないの…?」

有森「あれの後また酒飲みに絡まれてたからなぁ…」

赤穂「それっ、」(密と疎を操る程度の能力使用。すなわち酒気を散らせた。)

リュウ「うう…」ピロリン♪

有森「主の復活音と同じだな。」

主「まあ、ともあれ、ここまで読んでいただいて本当に感謝だね。」

有森「まあな。まさか続くとは思わなかったしなぁ。オリキャラが四人に増えるとも思わなかった。」

リュウ「まあでも、ここまで続いたのも読んでくださった方々のお陰だよね。」

主「そうだね。じゃあ、それも含めて、」

全員「「「ありがとうございました!」」」

有森「…最終回みたいになってるが、まだ続くだろ。」

主「まあね。一区切りってことで。次はちゃんとコラボ話出すし。」

赤穂「あ、覚えてたんだな。」

主「いや流石に覚えてるわ!」

星「でもなんだかんだ言ってそれなりに早く出せてますからね…」

リュウ「本当だよ。二話前に言ってたちゃちゃっと出す、は何とか守られたか。多分コラボは書き終えてないんだろうけど。」

主「…頑張ろう。あ、それと報告ー。」

有森「うん?」

主「また欲求に負けて匿名投稿作品書き始めたのと、パソコンが何か死ぬほど重くなってるから投稿頻度また落ちまーす。」

リュウ「………またか。」

有森「匿名投稿何本目だお前。」

主「えーと、…何本目だろう…」

リュウ「…また投稿頻度落ちるのか…(確認中)本名投稿合わせて主に投稿してんの6本あるじゃねえか。」

赤穂「…多くないかい?」

星「多いと思います…。」

主「創作意欲はどうにもならんのです。」

有森&リュウ「抑えろ、駄文ばっかり増やしやがって。」

主「そんな言わなくても…モウオウチカエリュ…あ、家ここだった。」

赤穂「そりゃ書いてるのは家か。パソコンが重いのは使ってるのが光回線じゃなくてADSLだからだろう?」

主「うん。ただ一応ほら、まだ学生な訳じゃん。親の許可がいるわけよ、買うのも。だから最近スマホでしか書けてないんよねぇ…」

リュウ「でも確かADSLってもうすぐ使えなくなるんじゃなかった?」

主「え"、そうなの?」

有森「ああ。確かそうだったと思う。じゃああとがき長くなったし、そろそろ〆るか。」

星「はーい。最後まで読んで頂き、ありがとうございました!」


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(箸休め)~四人の紹介~

どうもただの謎存在です。

多分オリキャラ(主人公周り)は四人で終わらせるので、有森 焔、凪沙 リュウ、星、赤穂の説明、詳細を書いときます。



有森(うもり) (ほむら)

 

 

【挿絵表示】

 

 

二つ名 [神獣族の頂点、半人の長]

[特異生命体(イレギュラー)]

 

性別 男

 

髪の色 人化状態なら黒。麒麟族状態なら銀色。

 

目の色 左目が緑。右目は閉じられているが、基本白らしい。

 

年齢 3450歳 (前世界の麒麟だった時を合わせると約135000歳ほど)

 

身長 178cm

 

体重 65kg

 

誕生日 4月6日

 

種族 半人 神獣属 麒麟族

 

能力 ・相手の能力、時、周囲の状態に影響されない程度の能力

 

   ・八卦、五行、参列、干支を操る程度の能力

 

   ・感情、思想を司る程度の能力

 

弱点、嫌いなもの ストレス、面倒事

 

危険度 低

 

人間友好度 普通

 

主な武器 直刃刀(ネイズ含む)

 

得意なスペルカード [焔符]インフェルノゴースト

手に魔法陣を展開し、そこから半透明な炎弾幕を次々に発射するスペルカード。半追尾型。

 

概要 元麒麟の麒麟族で、全半人の長。滅茶苦茶な力と洒落にならない妖、魔、霊、神力を持つ。

だが、以前に地球を灼熱の恒星に変えたときから妖力病を患い、死なないように不命死の術をかけている。その代償として本来の力の99%以上と右目の使用権を失っている。ちなみにだが、某青狸同様3mm浮いている。ただ、意識的に浮いているため、本気の勝負の時や、寝るときは浮いていない。

 

詳細

 

能力

相手の能力、時、周囲の状態に影響されない程度の能力

要は、相手が自身にどんな効果を付けようと一切打ち消され、時を止められようと動くことができ、外の世界でも普通に能力や術が使える。力の入れ具合で程度を調整できる。

ちなみに、相手が似たような能力持ちで、二人が能力の干渉を受けない、とか言う場合はその能力の強さでどうなるか決まる。全く同じ強さの能力を持てるのはクローンしかいないため、ややこしいことにならないように有森は分裂もしなければ分身もしない。

 

八卦、五行、参列(さんれつ)干支(かんし)を操る程度の能力

そのまま、八卦、五行、参列、干支を操ることが出来る能力。八卦はこの世界の構成物質の事。五行は陰陽を含めた七つ、七曜とも言う物の事。参列は主のオリジナルで命星風列の事。干支は十干を含めた、いわば刻を操ると言う事。

 

感情、思想を司る程度の能力

司るということは即ち、それに関する物も操るということである。つまり、心を読む能力自体に制限をかけたり、感情を操る能力自体を向上させたりする事もできる。

また、応用すれば相手が何も考えられない状況にしたり、感情を奪ったり出来、実質相手の行動も操作できる能力。が、せいぜい使うのは相手を落ち着かせたりする程度。

 

 

 

 

 

 

凪沙(なぎさ) リュウ

 

 

【挿絵表示】

 

 

二つ名 [陸上の水氷結晶]

[産業廃棄物(ダークマター)の製造者]

 

性別 男

 

髪の色 黒

 

目の色 どちらかと言うと茶色

 

年齢 25歳

 

身長 173cm

 

体重 62kg

 

誕生日 11月22日

 

能力 水、氷を操る(?)程度の能力

 

弱点、苦手なもの 圧倒的力不足、料理

 

種族 妖怪

 

危険度 低い

 

人間友好度 やや高

 

主な武器 氷魔法

 

 

 

主なスペルカード [氷獣]アイスゴーレム

雪と氷でできたゴーレムを召喚するスペル。

量としては1~5体までだせるが、言っても守護専門らしく、戦い自体はそんなに強いわけでもないらしい。

 

概要 外で事故に遭い、突然幻想入りした焔の友人。死んだ影響か、種族が妖怪になり、水や氷を操れるようになった。が、そこまで上手く使える能力ではない。死ぬほど酒に弱いのに、毎回宴会では鬼のペースに合わせて飲むため、大体の宴会の記憶は起きたら無い。外の人で焔が麒麟族だと知っていたのはリュウのみ。

 

 

詳細

 

能力

水、氷を操る(?)程度の能力

水行を操ると言っても良いが、ほとんど使うのは氷の方のみ。と言うか正確に言うと、一応水も操れるが、あまり上手くは操れないらしい。まあ、氷も上手く操れているか、というと…察せ。

あと何故、(?)が付いているのかは、若干怪しいところがあるからである。

 

 

 

 

 

 

 

(有森(うもり)) (ほし)

 

 

【挿絵表示】

 

 

二つ名 [言葉を操る星の鬼神]

[狂いを秘めた優しき鬼]

 

性別 女

 

髪の色 人化状態ならピンク。 鬼状態なら薄い青。

 

目の色 どちらもピンク

 

年齢 520歳

 

身長 165cm

 

体重 女性に体重を聞きます?

 

誕生日 10月21日

 

種族 半人 神獣属 鬼神族

 

能力 ・言葉を操る程度の能力

 

   ・星列と土行を操る程度の能力

 

   ・力を司る程度の能力

 

弱点、嫌いなもの 優しすぎる、ミニトマト

 

危険度 かなり低い

 

人間友好度 極めて高い

 

主な武器 星龍・光垓、言葉

 

 

主なスペルカード [流星]彗星の襲来

一つの巨大な星の弾幕を飛ばし、分裂させ、不規則に揺らしながら回転させて飛ばす。

 

 

概要 焔の義理の妹。過去に助けてもらって一応義兄妹になった鬼神族。これでもかなりの実力者であり、中々いない二つの自然物を操ることができる人物(焔は例外。あれと比べてはいけない)。又、半人としては珍しい回復、補助を主に置く者でもある。

めちゃくちゃ優しいが、友達を故意に傷つけられたりした場合、キレる。

本来は名字がないのだが、名字が必要な場合は有森を名乗る。

 

 

詳細

 

能力

言葉を操る程度の能力

言葉を操ることにより、ありとあらゆる言語、古代語に動物の言葉まで、言葉であれば読む、書く、理解することができる。そこに加えて、言霊の達人であり、生き物だけでなく、物の状態をもある程度なら操れる。ただ、要求する物事が大きくなればなるほど消費する妖力も増える。物の状態を操るのであれば、特にかなりの妖力を消費する。

ただ、たまに無意識渦中に会話中に言霊を混ぜて発動させてしまい、よく分からないことになることもたまにある。

 

星列と土行を操る程度の能力

参列の内の星列と五行の内の土行を操る程度の能力。

星列は土行の陽である戊の上位互換の事。

 

力を司る程度の能力

力を司るということは力に関する物を操るということ。

極めれば、相手の思考力や、行動力といった力関係含め、相手の能力全てを操ることができる。

が、そこまでのことはまだ出来ず、そもそもこの能力はほぼ使わない。

 

 

 

 

赤穂(あこう)

 

 

【挿絵表示】

 

 

二つ名 [心優しき狐姿(こし)の悪霊]

[悪霊総大将]

 

性別 女

 

髪の色 白の中に所々赤

 

目の色 赤

 

年齢 不詳

 

身長 165cm

 

体重 死にたくなければそれは聞くな。

 

誕生日 6月26日

 

種族 悪霊

 

能力 殺した者の力を奪う(コピーする)程度の能力

 

弱点、嫌いなもの 光等の攻撃、一部の人間

 

危険度 高め(普通)

 

人間友好度 やや低め(若干高め)

 

主な武器 墮神(だしん)の鎌

      悪霊之薙刀

 

主なスペルカード [怨霊]平将門の猛進

紫と青の炎に包まれた武将の首がタックルしてくる。通ったあとには弾幕が残るが、発射はされず、首が消えると全てがバラバラの方向に発射される。

最初の頭に当たると、軽い錯乱状態に陥らされる。

 

 

概要 元々人間だったが、生前から持っていた《近くの人の力をコピーする程度の能力》により嫌われ、色々あった後に、死んでから悪霊となって蘇った。その際邪気が混じり、生前の能力が《殺した者の力を奪う(コピーする)程度の能力》になった。かなり強く、有森と互角に戦えるほど。種族が悪霊なのに見た目が妖狐とかいうよく分からない状況だが、それは第二十八話を読んでもらえると話が早い、だそうだ。

スペルカードも怨霊や妖怪にちなんだ物が多い。

喧嘩っ早いが、本気で傷付けようとすることは無くなった。

 

詳細

 

能力

殺した者の力を奪う程度の能力

奪うとあるが、正確には殺すことにより、その者の魂をコピー、自身の力にすることができる能力。ただし、全てを使えるわけではなく、大体一、二割ほどの力をコピーするらしい。特殊能力のみではなく、身体能力や、記憶力等の一般的に力と呼べるものはコピーが可能。蓄積型であるため、どんどん強くなる。不死の者を殺す場合、この能力が発動するのは一回のみ(全く同じ生き物に対して効果を発揮するのは一回のみということ)で、その時の相手の状態に依存する。また、直接手を下していないと効果はない。

今は殺しをしなくなったため、強さはキープ中。

 

対処法

とりあえず逃げる。最近は殺しはしなくなったが、本気のスペルカードはほぼ不可能弾幕の域になっているため、とにかく逃げる。戦うなんていうことは余程の実力者以外はしない方がいい。

 

 

 

 

 

(ぬし)

 

二つ名 二つ名無し

 

性別 無性

 

髪の色 髪 なし

 

目の色 目 なし

 

年齢 3歳

 

身長 17mm

 

体重 48mg

 

誕生日 19月50日

 

種族 棒人間

 

能力 不詳

 

弱点 不詳

 

危険度 不詳

 

人間友好度 不詳

 

主な武器 身一つ

 

主なスペルカード(?) [作文]駄文製造機

そのままの意味。

 

概要 作者。主にあとがきにしか出てこないが、たまーに作品に入ってくる(モブで)。能力は不詳というか無い。強いて言うなら死なない事ぐらい。あと物語を書く程度の能力…?

 

対処法 特に無い。そもそも会うことほぼ無いと思う。会ったとしても、何しても何もしてこないから大丈夫。何かヤバくなったら(なるのかは不明)上記四人の内誰か一人でも連れてくれば良い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《あとがき》

主「はい、とりあえず箸休め回でした。」

 

リュウ「何か三歳児が一人増えてるw」

 

赤穂「主の身長17mmで体重48mgてw」

 

星「種族棒人間…棒人間だったんだ。」

 

主「まあ…単純に絵が思い浮かばなかった。」

 

有森「そんなんでいいのか…三歳児。というか駄文製造はスペカじゃねぇ。」

 

主「良いでしょ別に。あ、有森と星の絵なんだけど、まだ完成してないから出来次第追加するよ。※5/5出し終わりました。」

 

リュウ「いや、全部描き終わってから出せよ。いる物なんかシャーペンとHBの鉛筆と消しゴムと紙ぐらいの物だろうに。」

 

主「いや、有森は麒麟時の髪型が決まってなかったのと星は単純に靴が…」

 

有森「おいおい…そういや今更だが…俺だけ表記が名字なんだよな…」

 

主「まあ、最初の頃一人のはずだったのにいつの間にか四人になっちゃったもんだから…もしあれだったら次から表記を焔にするけど?」

 

有森「あー…いや、いいわ。急に変えられると何か居心地が悪い。」

 

星「別に良い気もするけど…」

 

有森「ああ。まあ別に良いだろ。」

 

星「ま、本人が良いならいっか。じゃあ、今回はここら辺で。」

 

有森「おう。じゃ、最後まで読んで…あれ、これ読むっていうのか?」

 

主「まあ良いんじゃない?読むで。」

 

有森「おけ。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!」

 



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二章
第三十三話 有森焔、家を建てる。


どうもただの謎存在です。

ここから第2章です。
かーーなり独自設定が目立ちますのでご了承ください。



では、本編どうぞ!


「…家建てようかな。」

唐突に有森が言った。

 

「どうした急に。」

 

「いや、いつまでもここにいる訳にはいかねえよなー、と思ってな。」

 

「あー、」

もう既に幻想郷に来てから半年以上経っている。ずっとお世話になりっぱなし、と言う訳にも行かないらしく、先程の家を建てようかな、に繋がるらしい。

 

「…としても、問題は多いんだよなぁ…」

 

「例えば?」

 

「例えばな…」

まずは場所である。どこに建てるのか、建てられる場所がそもそもあるのかどうかも怪しい。

次にどうやって建てるのか。正確には、材料である。建てるのは有森一人でも出来るが、その家作りの材料をどうするか、色々悩む。

そして、地味に有森が一番気にしているのは、有森が博麗神社を出た後のここ(博麗神社内)での生活である。家事はまあ、二人とも出来るとして、三食をどうするか。リュウだけには食品を触らせてはいけないため、必然的に霊夢が作ることになるが、奴は料理出来るのだろうか。以前は紫が外から買ってきた物を食べていたらしいが、流石に二人分の食費を紫一人に負担させるのも気が引ける。

等々あるわけだ。

 

「って感じだな。主にはこの三つ。」

 

「材料と土地の話は分かるとして、最後はもう俺らの母親かよ。」

リュウが苦笑いする。

 

「性別から違うし、仮に女だとしても曾祖母でも全く足りないぞ。」

 

「はは、そういやそうだった。」

 

「さて、霊夢ー!」

 

「なーにー!?」

有森が呼ぶと、霊夢が叫んで返答する。

 

「お前、料理出来るかー!?」

 

「何で急にー!?」

 

「というかこっち来い!叫びながら会話させんな!」

流石に有森もこっち来い、って言った。まあ流石に。

 

「あいあーい!」

 

───────────────────

────────────

──────

霊夢到着

 

「で、何?」

 

「いや、お前料理できんのかな、と思って。」

 

「んー…お味噌汁位なら。」

 

「後は?」

 

「…ご飯炊いたり…とか。」

それは料理か?と思うが、いやまあ料理…としよう、と有森は一応納得する。

 

「他は?」

 

「………………」

沈黙。どうやら霊夢はそれ以外の料理ができないらしい。

 

「…うん、出来てねえな。よし、霊夢。今度特訓だ。」

 

「えぇ?」

霊夢はいかにもめんどくさそうに返事をする。

 

「えぇ?じゃない。一人で飯ぐらい作れるようになれ。」

 

「リュウは?」

話を逸らせようとリュウにターゲットを向けさせようとするが…

 

「こいつは《食べ物を産業廃棄物に変える程度の能力》持ちだ。食品には触らせられん。何回やっても人を死に至らしめる物しか出来上がらんからな。」

外れたは外れた。リュウはターゲットとしては外れたのだが、同時にダメージが入った。

 

「…もう何も言わねぇ…」

 

「…ふうん。で、何で急に?」

 

「まあ色々あってだ。ま、一つ言うと、霊夢の年頃の奴が料理の一つや二つ出来なくてどうする、って訳だ。」

一応嘘は言ってない。実際、霊夢は14、5歳程だろうが、その歳になって味噌汁とご飯を炊くしか出来ないとなれば、それはそれで苦労する。そういう考えもまあ…5厘位はあるかもしれない。

 

「えー…その位出来なくても生きては……いけないわね。」

 

「まあ、人間は食わなけりゃ生きれないからな。大妖怪はともかく、まあ…リュウも大妖怪じゃないから、人を食わせる訳にいかねえから何かを食わなきゃ生きれないし。」

 

「残念ながら元人間なんで。」

 

「…まあ、それもそうかしらね。分かったわ。」

有森はオーケー、と言って、ふと辺りを見回してから質問する。

 

「…そういや、赤穂と星どこ行った。」

 

「赤穂は流石に神社には住む気にはなれなかったみたい。多分、そこら辺にいるわよ。星は…どっかにいるでしょ。魔理沙と一緒に室内にいると思うわよ。」

 

「、呼んだ?」

霊夢が言った瞬間出てきた。

 

「赤穂は…まあ、そうだよな。星、お前は何でそうなった。」

別に室内にも聞こえるような声量で言っていないのに星は出てきた。

 

「まぁ…そんな気がしたから?」

 

「…そうか。…まあともかく、これで三つ目は解消できるな。」

 

「三つ目?」

 

「いや、こっちの話だ。」

 

「そう。…じゃ、なんか用があったらまた呼んでね~。」

手をヒラヒラさせながら部屋に戻っていく霊夢。

 

「…さて、次は土地か…」

 

「妖怪の山とか良いんじゃね?」

 

「妖怪の山か…良いn…あ、」

良いな、と言いかけて有森は口を閉じた。

 

「うん?」

 

「いや、やっぱり妖怪の山は無しだな。」

 

「?何でだよ?」

妖怪の山は結構場所としては良いとリュウは思っている。材料は周りに大量にあるし、許可も取れば好きなところに建てられる。有森なら妖怪に襲われるような事はなかろう。寝ないし。それに、河童の力も借りることができる。かなり良いと思うのだが有森は…

 

「まぁ、色々あるわけだ。」

 

「ふうん…?」

何があるのか微妙だが、リュウは一応返事を返しておく。

 

「材料は…まあそこら辺から木でも切って来りゃあ後は妖力で固めれば良いだろ。最終発泡スチロールとか段ボールでもいけるからな。」

 

「段ボールの家とか秒殺でぶっ壊れそうなんだが。」

まあ、段ボールは結構丈夫とも言うし、暖かいとも言うが、流石にそれは…

 

「まあ、物の例えだしな。…まぁ流石にやらないし、やれないと思うけど。そんな量の段ボールどこから持ってくるんだよって話になるし。さて…本当の問題はどこに建てるかなんだよな…」

 

「人里は…無理あるな。建てる余地がない。」

 

「…ここの裏の林辺り…もうここでいいか。あんまり変わんねえが。」

 

「そうだな。他にあるとすれば…冥界とか天界とか彼岸とか?」

 

「論外だな。冥界に彼岸って…殺したいのか?お?」

 

「まさか。残ってるのの例えを出しただけだって。」

 

「…さて、じゃあとっととやるか…ん?」

建設の準備のため、博麗神社の裏の林に入り込もうとしたその時、有森が空を見た。

 

「、どうした?」

 

「…………」

無言で背中に手を回し、直刃刀の柄を持つ有森。

 

「お、おい?」

リュウが話しかけるも、有森はリュウの方向に手のひらを向け、そのまま目を閉じて聴覚と感覚を研ぎ澄ましていく。そして、グッ、と握る力を強めたその瞬間、

 

キィィィィイン!

ヒュゥッ!

 

ドオォォン…

何かが二つ、高速で降ってきて、有森にぶつかる寸前で、有森が直刃刀を神速で振るい、そのうち一つを切り裂いて真っ二つにした。そのまま有森を避けるように地面に落ちた。また、その後に降ってきたもう一つの黒い物も同様に切り裂こうとして直刃刀を振るうも、ガキン!と鳴って尚向かってこようとする。それが輪のようなものだと理解し、有森は強引にその輪のようなものを横に弾いて、飛んできた方向に返していった。

 

「な、何だ!?これ……!!…お、オンバシラか…?」

真っ二つに裂いた物を視て、リュウが更に頭にハテナマークを量産する。リュウからすればよく分からないことが起こり続けているのだ。

急に何かが降ってきたら有森が真っ二つに斬るし、斬られたものはオンバシラみたいだったりと…

 

「…ちっ、来やがったか…」

そこまで考えたところで有森が何やら呟いた。

 

「?」

有森がカチャッ、と直刃刀を構え、臨戦態勢をとる。

その前にいたのは…

 

「随分とまあ、手荒な挨拶じゃねえか。八坂神奈子、それと、洩矢諏訪子。」

 

守谷の二柱…オンバシラを装備した八坂神奈子と、鉄輪を持った洩矢諏訪子がいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




~あとがき~
主「はい、ってことで第2章開始~!」

リュウ「イエーイ!」

有森「…おう。」

主「あ、そうだ、聞いて聞いて!この間何で投稿頻度が遅いのか考えてたのよ。」

赤穂「ほう。」

主「で、一個出てきたのが、一話一話の文字数が結構多くなってんだよね。大体一話に5000文字以上使ってたのよ。最初2000文字ちょっと位だったのに。ってことで、今回から一話大体3000文字前後でやっていこうと思うよ。まあ、重要なところとかクライマックスとかは長くなるけど。」

星「なるほど…確かに、途中8000文字越えてるのもありますもんね。」

リュウ「それでどれぐらい早くなりそうなんだ?」

主「………どうだろ。分かんない。未だやっぱりパソコン執筆できてないし…」

有森「まあ、やってみりゃ分かるだろ。」

主「でも、小分けにした方が何となく同じ分量書いても効率良くなりそうな気がする。」

赤穂「がんばれー。さて、じゃあ、そろそろ〆るか。」

リュウ「ほい。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!」


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第三十四話 神々からの嫌われ者

どうもただの謎存在です。

有森の新しい形態が出てきます。そして中々微妙なことになってます。


「ちっ…」

 

「おや、外したかい。残念、さっきのでやられてたらだいぶ楽だったんだけどねぇ。」

神奈子。

 

「ああ、…早苗から聞いたよ。…お前から若干『神力』が感じられた、ってね。でも、今は全く感じない。…何か隠す理由でも?」

諏訪子。

 

「っ……」

 

「お、おい、なんだよ!いきなり飛んできて何の用…」

 

「悪いけど、私たちは()()()に用があるんだ。邪魔しないでもらいたいね。」

 

「いいや、私も邪魔するぜ。急に何の用か位…「魔理沙、」ん?」

 

「悪い、ちょっと黙っててくれ。」

 

「有森…?」

 

「…そうだ。お前らの考えてる通り、俺は神獣族だ。」

 

「やっぱりかい。」

 

「ああ。…で、どうするつもりだ?」

 

「もちろん…ここでちょっと()()()()もらうよ!」

 

「ちっ!」

ヒュゥン

 

「ちょ、何考えてんだ神奈子、諏訪子!なんで有森に攻撃してんだ!」

 

「そうよ!私たちにも分かるように説明を…「お前ら一回黙れ。」っ…」

魔理沙の言葉を遮って有森は言い放った。

 

「ここに居てもただの足手まといだ。とっととどっか行け。」

 

「っ…!…分かったわよ!魔理沙、リュウ、星、紅魔館にでも行くわよ!」

 

「え、えぇ!?」

 

「霊夢、お前…」

 

「……」

ビュウゥ……

 

「(…よし、行ったか。……あいつらにも迷惑かけるわけにいかねえからな…)」

 

「おうおう、仲間割れかい?」

 

「さあな?」

 

「…で、あんた、有森って名乗ってたけど、麒麟族のやつでしょ?」

 

「…ああ。」

 

「神獣族の分際で八卦を操ろうとはね…!」

 

「さて、本物の神の力、見せてあげよう…!お前なんか足元にも及ばないって知らせてやるよ…!」

ドドドドドドドドド…

 

 

 

 

「で、何で家に来たわけ?」

で、紅魔館にて、主のレミリアがうんざりしたような感じで聞く。

 

「事情は話したでしょ?あの時の有森の感じ…多分私たちに逃げろって言ってたんだと思うのよ。それで、あんた、何か知らない?神と神獣族について…とか。」

 

「…残念だけど私もそんなに思わしくないわよ。そもそも神獣族なんか聞いたことしか無かったし。…でも、パチェなら何か知ってるかもしれないわね。咲夜、呼んで来てちょうだい。」

 

「はい。」

フッ、と咲夜が消える。

 

「…さて、にしてもあの守谷の二柱がね…」

 

「いつも特になんにも考えてなさそうなやつらでも、何かあるのかしらね…。」

 

「何なら私も手を貸そうかしら?何気に有森には世話になってるしね。」

レミリアがそんなことを言うとは思っていなかった霊夢は驚いたが、

 

「…あんたがそんなこと言うなんてね。でも、少々特殊だからね…今回は気持ちだけ貰っておくわ。…にしても、咲夜遅いわね…パチュリーも手こずってるのかしら?」

 

「さあ…「お待たせしました。」おっと、」

 

「ごめんなさいね。ちょっと探すのに手間取ったわ。それで、神獣族についてなのだけれど…こういうのがあったわ。…」

パチュリーの持ってきた歴史書にはとある事件が記されていた。

 

「…………」

一同はその物事を読み…

 

「…なるほど…そういうことね…あの二人なら確かにこれであんなことを起こしかねないわね…。分かったわ。ありがと、パチュリー、レミリア。魔理沙、リュウ、行くわよ。」

 

「わ、私は…」

 

「星も神獣族よ。…たぶん、有森がああ言ったのは私たち含め、特にあんたを守りたかったんじゃないかと私は思うわ。…だからここにいて。」

 

「…分かりました。」

 

 

 

 

 

「…ちっ!」

ドドォーン…

 

「ほらほら!防がないとやられるよ!」

ガガガガガガァン!

 

その頃、諏訪子の四本の鉄輪と神奈子の四本の御柱が有森を追い詰めていた。

 

「せいっ!」

 

「くそっ!」

ドゴォン!

 

「…火龍…轟焔之号哭(ごうえんのごうこく)!」

 

「ふん!関係ないね!」

炎の弾幕も御柱で消し飛ばし、鉄輪で切り裂いていく。

そして、その流れで有森に追撃を入れようとする。

 

「くっ…丙丁(ひのえひのと)兄弟(えと)十干(じっかん)!」

右から左に三本、上から下に四本の火柱が通り、その火柱から升目に弾幕が流れる。

が、躱し、相殺させて被弾しない。

 

「く…やっぱり二人とも結構高格な神だ…中々入んねぇな…」

 

「諦めな。今大人しくやられとけばあのあんたの妹分には手、出さないであげるよ。あいつも神獣族なんだろう?多分鬼神族。」

 

「……いや、そんなこと言われても、死んでからはそれの確認ができねえ。霊夢や魔理沙も、弾幕ごっこではお前らに勝てても本気の…命の取り合いのような勝負には全く歯が立たねぇだろう。それに、お前らがみすみす神獣族を見逃すとも思えねえ。だが…」

 

「あ い つ も 殺 す っ て ん な ら 話 は 別 だ 。

こっちとしても負けてられねえって訳だ。」

 

「ほう…なら、こっちも神力全開でいかせてもらうよ!」

 

「「神力解放!」」

 

「麒麟、直刃刀ネイズ化、焔龍燐炎!」

ドゴォン!

ドドォーン!

ズオォァァッ!

 

ちなみにこの時、面白そうだと思ってシャッターチャンスを狙っていたどこぞの鴉天狗が巻き込まれて大変なことになったらしい。

 

「「「はあァァッ!」」」

三人が力を解放する。

 

「祟られて苦しめ!」

白い蛇が飛んでくるも、

 

「はァッ!」

ザシュッ!

燐炎によって真っ二つになり、

鉄輪、御柱も同様に砕け散る。

 

「なっ!」

 

「家族の命さらされて黙っとく訳にはいかないんだよ…!」

ドゴァァン!

 

「うぐっ…!」

今まで使ってきた麒麟化ではない。正真正銘、()()()()()の麒麟化である。

それはとんでもない量の力の奔流だった。二柱とはいえども、流されそうになるほどの流れだった。

 

「何だいこれ!」

 

「ん?」

声のした方を見ると、赤穂がいた。

 

「何がどうなったらこうなってるんだって…!?」

 

「赤穂、悪いがちょっと離れてろ。危ないぞ。」

 

「いやいや、十分お前の方が危ないよ。ここ壊すつもり?」

 

「まさか。正当防衛…だ!」

ドゴォン!

飛んできた御柱を拳一発で粉砕する。

 

「なっ…!」

神奈子があり得ないものを見たような顔で有森を見る。

 

「お?まさかこれまでが全力だと思ってたか?残念。前戯だ。」

 

「くっ…!こうなったら…!」

 

「こっちも()()()()()()を使わないとね…!」

 

「うおっ、赤穂!ちょっと我慢しろっ!」

 

「は?っとぇぇえええ!?ちょい投げんなああぁぁぁ…」

ドゴゴゴゴゴゴゴゴ…

赤穂が有森に投げられた直後、有森の妖力を遥かにうわまわる神力が発された。

 

「ちっ…!流石に分が悪ぃ…!」

 

「さあ、第二ラウンドといこうか!」

ドガアァン!

神力の奔流のみで辺りの木がなぎ倒される。

 

「……………………分かった。…ただし、」

 

「うん?」

 

「この勝負で俺が勝っても何も言いっこ無しだ。素直に引き下がってもらう。」

 

「ああ、当たり前さ。ま、勝てるわけないけどね!」

局地的に天候が荒れ、地震が起こり、白い蛇が荒れ狂い、火柱が上がって破裂し、膨大な量の神力や妖力がぶつかり合っている状況に、誰が飛び込めるだろうか。

 

「死ね!」

御柱と鉄輪が先程とは桁違いのスピードで飛んでくる。

 

「まだだ!」

有森は鉄輪を燐炎で受け止め、穴の中に燐炎を入れて軌道を操り、受け流して御柱に当て、御柱を切り裂く。

 

「ちょい諏訪子!」

 

「しょうがないでしょ、あれは!」

 

「喧嘩してる場合か?…神化ッ!」

二人の注意がそれた瞬間、有森は神化する。

 

「っ!しまっ…」

 

「おらあぁぁ!」

有森が諏訪子に攻撃を入れようとした瞬間、

 

「はあぁっ!」

ドゴォォン…

 

「がっ!」

神奈子が御柱で有森を吹き飛ばした。

 

「諏訪子!油断してんじゃないよ!」

 

「悪いね…。」

 

「ちっ…くそ…神化してこれかよ…生身で食らったら一溜りもねえ…」

 

「ふん、格が違うということだよ。じゃあ、はっ!」

諏訪子が鉄輪を飛ばしてくる。再び直刃刀で受け流そうとするが、

 

「!!」

勢いが更に強くなっていた。

弾けず、耐えるのも大変になってきたとき、

 

「[霊符]夢想封印!」

 

「[魔符]スターダストレヴァリエ!」

 

「[凍砲]フローズンピーク!」

大量の光弾と星、更に青い光線が鉄輪を弾いた。

 

「!」

 

「間に合ったわね。」

霊夢。

 

「ったく、こいつらも面倒なこと起こすもんなぁ。」

魔理沙。

 

「ほんとだよ。もう…」

リュウ。

 

「………お前ら…!」

 

「やれやれ、こいつが奮闘するから見逃してやろうかと思ってたけど…どうやらやらないといけなくなったみたいだね…!」

 

「…させるかよ。」

有森は若干揺れながら立ち、言った。

 

「!」

 

「こいつらは関係ねえだろ…てめえらの相手は俺だろうが!」

 

「!」

有森の体に赤い電気が纏う。

 

「神化…第二…っ!」

有森の背中の角が青から赤に変わり、緑だった目が緋に染まる。

 

「っつ…!?くっ…!」

同時に溢れる力の量も桁が変わる。

 

「…もう撤回は無しだ。覚悟はできてんだろうな…?」

 

「っ…!ふん、強化しようとも元は神獣族さ…本物の神に勝てるわけない!」

 

「…そうか。じゃ、」

有森が一歩、空中で踏み出した瞬間、神奈子は全てのオンバシラを、諏訪子は全ての鉄輪を発射した。

が、

 

「……………」

その一瞬の後には塵も残らずなくなっていた。

 

「なっ…!」

 

そんな神奈子と諏訪子に向けて、有森は一言、

 

 

「…麒麟がいつも幸福を運ぶと思ってんなら…」

 

 

一拍──、

 

 

 

 

「大間違いだな。」

 

ドオォォォォォン…

 

 

次の瞬間には轟音と共に二柱が気絶していた。




《あとがき》
リュウ「主ー。」

主「うん?何ー?」

リュウ「お前また新しいの投稿しようとしたろ?」

主「あ、うん…。」

赤穂「あれ、一個も話が投稿されてないんだが。」

主「あれ、ちょい待ち。」
《カクニンチュウ》

主「ああ、投稿日ミスって話削除したら何か題名自体はあるけど話が一つもない状態になってるみたい。」

有森「いやなんで消した。」

主「何となく…というか正確には投稿予定日の入力ミスって気付いてすぐ消したんだけど時すでにお寿司状態だったからもーいーや、ってなっただけだね。」

星「時すでにお寿司状態って…?」

有森「謎だな。」

リュウ「というかそういやこれ、あとがきのくせして物語の内部について全く話してないよな…」

赤穂「あ、それはちょっと前から思ってた。」

主「じゃあちょっとだけ話そうか。次あたりはなんで神奈子様と諏訪子様が有森…もとい神獣族を敵視してるかのことだと思うよ。多分。」

星「多分って…」

リュウ「そういや有森の新形態出たな。というか変身何個あんだよ、某野菜人か。あ、奴は確か公式で今のところ10個だっけ?」

有森「こっちは今考えてる中ではあと二つ、もしくは三つだな。神化第二は感情によって能力が変わる形態で、力を引き出すなら怒りだから、今回あんな力が出たんだろ。」

主「そだね。じゃ、そろそろ〆るとしましょうか。」

赤穂「オーケー。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!」


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第三十五話 いざこざと説教魔

どうもただの謎存在です。
遅れました。高校に入って運動部に入ったら執筆する時間が極端に減ってしまいました…
安心フィルターのせいで9時からは携帯触れないし、パソコンは相変わらずお釈迦なのでものすごい遅いです。言い訳はこの辺にして、では、



本編どうぞ!


「…はぁ…ちっ、こりゃ後が怖いな。」

後が、というのは二柱ではなく発作の方である。

その時、

 

「か、神奈子様ー!?諏訪子様ー!?」

 

「ん、早苗か。」

 

「あ、有森さ…有森さん!?何ですかその後ろのやつ!?」

 

「あー、先に二人を何とかしてくれ。気絶はさせたが目ぇ覚ましたときに激昂されても面倒だしな。」

 

「へ、かっ、神奈子様!?」

 

「向こうに諏訪子もいるはずだから、頼んだ。」

 

「え、は、はい!」

早苗の返事を聞いて有森は人化状態に戻る。

 

「ふぅ…。さて………」

これどうしよう。と思った。博麗神社周りの森は色んな大災害でほぼ全壊。博麗神社自体は諏訪子の起こした地震と有森の火柱で倒壊&炭化。大嵐で地面がぬかるみもいいところになり、神力と妖力の衝突により、空間そのものにも影響を与えてスキマみたいなのがいくつかできている。

 

「…確定で紫にどやされるな…出来るところだけでも修復しとくか…」

そう呟いてまずは歪んだ空間を直しにかかる。とその時、

 

「…で、どうしてこうなってるのか説明してもらおうかしら…!」

 

「あっ……」

もうバレてた。

 

「…事情は後で話す。とりあえず直すのが最優先だろ?」

 

「…そうね。()()()()あなたが直すのよね?」

 

「…なんで俺だけなのかは知らんが。…まあ二柱を再起不能にしたのは俺だし、5割方俺がやってやるが、他はあいつらに任せる。」

そう言いながら有森はまず空間の歪みを直しにかかり、同時に博麗神社の倒壊、炭化を直した。

 

 

 

 

 

「…で、何でこうなったのかしら?」

直った博麗神社の中で、紫と有森が対峙し、横で霊夢、魔理沙、リュウが見ている。

 

「神獣族と一部の神の不仲による戦闘。」

 

「なるほど。さっぱりわからないから説明しなさい。」

 

「だろうな。えーとな…今、環境…自然を操る長となってるのが神獣族なのは知ってるだろ?」

 

「ええ、聞いたところでは。」

 

「元々、ずっと前は一部の神々によって統治されてたんだ。それこそ、神奈子や諏訪子みたいに、乾や坤を操る能力を持った神がな。だが、それがあるときに神獣の仕事に変わった。」

 

「神獣()ではなくて?」

 

「違う。そのときはまだ神獣族はいなかった。まあ、選ばれた理由としては、神よりも数が多くて、いざというときにも対応がしやすい事とか、神にも引けを取らない実力があるのもあったんだろうな。だが、その権利を与えられた神獣は、神々がそうだったように、少しずつ人の形に変わっていった。同時に、神獣としての力が少しずつ弱まってしまった。」

 

「それが神獣族の大元というわけね。」

 

「ああ。力が弱まっても、統治はできるということで、今も管理は神獣、もとい神獣族に任されているが、自分達よりも力が劣る者達にそれを任せるのが不安なんだろう。バランスが崩れれば環境そのものまで崩壊し、手が付けられなくなりかねない。それでまあ、神獣族は多方面から嫌われてるわけだ。一部の神々からは自然を崩壊させかねない者として、神獣からは同種でありながら劣等者として。」

 

「なるほどね…」

 

「まあ細かい所はだいぶ端折ったが、大まかにはこんなもんだ。そこから神獣族と神奈子や諏訪子みたいな元自然環境統治者、もしくはその子孫の仲は最悪って訳。そんで、もし、現在の統治者が死んだら統治は急造であれ、神々に移される。そうなればちゃんとした統治が出来ると考えてんだろ。」

 

「それでああなったわけね。」

 

「ああ。だから…今後も似たようなことが起こる可能性が…「ちょっと!何ですかこれは!」…ああ。」

 

「!この声…」

 

「説教魔だな。」

有森は苦笑いしながら言う。一応空間の歪みと博麗神社の倒壊、炭化とその周辺の環境は戻したが、広範囲の地面のぬかるみ、木々の燃焼等は二柱にやらせるつもりで放ってまず紫に説明を始めたのだ。そこに運悪く説教魔(映姫)が来てしまった、と。なんじゃこの状況。

 

「ちょ…近づくのも大変なんて…って!またあなたですか!この半人が…」

 

「ちょい待て、これは言い訳させてk」

 

「問答無用です!以前にあなたに言ったはずですよね!これ以上進んではいけないと!あなたには冗談なんかでは済まない程の力があるんですから、下手に解放してしまえば本当に取り返しのつかないことが起こり得るんですよ!」

 

「…神獣から半人に墜ちたことと地球を恒星に変えたこと、時間軸を途中までぶっ壊したことだったんだな。」

 

「あなた…記憶を戻したんですね!?本当に…!あなたはどれ程の罪を重ねれば期が済むのですか!大体元々と言えばあなたが神獣の時に…」

 

「そいつは聞き捨てならねえが…そもそも俺が神獣から追放されたのは冤罪だからな?」

 

「ですがわざわざ半人に墜ちなくても良かったでしょう!ほぼ全ての本来の力を代償にしてまで…」

 

「…映姫。」

 

「っ!」

一瞬、ものすごい威圧感が襲った。それこそ、目の前に敵うはずのない化け物が存在しているかのような…

 

「そ れ 以 上 喋 る な 。」

圧倒的威圧感。漫画で例えるなら、ゴウッ!とでも書かれていたかもしれない。

 

「っ…!…分かりました。ですが!まず、これはどういうことですか。何をどうすればこんなことに…」

 

「神奈子と諏訪子が襲来してきたから喧嘩した。以上だ。」

 

「あなた…本当に…幻想郷を崩壊させるつもりですか!?」

手に持つ懺悔棒で床を叩き回しながら映姫は言う。が、

 

「……」

有森は特に答えない。

 

「…分かりました。ここにおいては私があの二柱と神獣族、有森焔の問題につき、白黒をつけさせていただきます。」

 

「いや、それはもう済んだ。この勝負で俺が勝てば二度と手を出すなと言っておいた。…守るかどうかは知らねえが。」

 

「…念のための楔ですよ。守らなければそれ相応の罰を受けてもらわなければいけないので。」

 

「なら頼んだ。」

 

「はい。…ですが、その肝心のお二人は…?」

そういえば…と、有森は、

 

「早苗に任せてたな。まあ、そのうち来るだろ。」

と言った瞬間に、

 

「れ、霊夢さーん!ちょっと…手伝ってくださーい!」

早苗の悲鳴が聞こえた。

 

「ちょっと二人同時に運ぶのは無理があったみたいだな。ほれ、霊夢。呼ばれてんぞ。」

 

「え~…もう、ほんっとに…」

愚痴をこぼしながらも霊夢は飛んで早苗の元に向かう。

 

「…ですが、有森焔。あなたの説教はまだ全くといっていいほど進んでいませんよ。ここからみっちり「さて、」こら話を聞きなさい勝手に立ち上がってどこに行く気で…」

 

「こちとら用事があんだよ。家も建てとかねえと面倒だし、霊夢に料理の一つや二つ覚えさせねえといけねえからな。」

 

「…ほう、居候からやっと一人立ちですか。」

 

「…お前さては俺のこと嫌ってるか?」

 

「嫌ってないと思いました?重罪人も重罪人ですよ?情状酌量の余地なしです。彼岸に来たら真っ先に地獄に叩き落としますよ?」

 

「おお怖。…ま、そこに行くことは多分無いがな。妖力病にはかかってるが、不命死の術使ってるし、そもそもその術と俺の能力の関係上ほぼ死なねえし。」

 

「ああ、なるほど。自ら罪を増やしていくスタイルですか。その術とやら、まだ私は知らないのですが詳しく聞かせてもらっても「ああ、そういやリュウ」こら聞きなさい。」

見事に映姫をスルーしながら有森はリュウに聞く。

 

「星はどうした?お前らとどっか行ってたろ。」

 

「ああ、紅魔館に残ってるよ。霊夢が「あんたも一応神獣族なんだから、ここにいて」ってさ。」

すると有森は少し意外そうな顔をして、

 

「ほー…あいつも一応気遣いぐらいはできるわけか。じゃ、迎えに行ってくっかな。」

 

「待ちなさいまだお説教が」

 

「リュウ、後は頼んだ。」

 

「はぁ!?」

 

ヒュウゥゥン!

 

「こらあー!待ちなさーい!」

 

「…映姫さん、多分追い付けないっす。あいつとっくに生き物辞めてるんで。」

 

「ぬぬぬ………!ち、ちょっと待ちなさい!貴女…!」

 

「げ…」

赤穂が見つかった。

 

「…ここには重罪人が集まる何かがあるんですかね…!良い機会です。みっちりお説教を「…テレポート」こらー!」

ヒュン

 

 

四季映姫。本日二度目の逃走を食らう。

 

 

「ふふ…ふふふ…良いでしょう。次会ったときはお説教三倍にしてあげましょう…ふふ…」

気がおかしくなったのか何なのか、一人で笑う映姫がだんだん不憫に思えてきたリュウだった。




《あとがき》
主「………」

有森「…主どうしたん?」

リュウ「慣れない運動の影響で筋肉痛だと。」

赤穂「ここまで来ると引きこもりの鑑だね。」

主「しゃーないじゃん!今まで週一の文化部だったんだよ!それがいきなり毎日ある運動部に入ったんだぞ!」

星「…それは…主さんが入ったんだから自分のせいなんじゃ…」

リュウ「同感。」

主「いや、だって運動部入れって…」

有森「じゃあなんでいちいち毎日ある弓道部にした。」

主「球技→投げれない
  陸上→走れない
もうこの時点で入れるの弓道部とかぐらいなのよ。んでちょっと弓道かじってた+それなりに面白いから入ることにした。」

赤穂「運動神経皆無は流石にヤバい。」

星「投げれない+走れないってほとんど運動できるのないですよね…あ、水泳」

主「プール掃除したくない。」

有森「じゃあ頑張れ。そのうちパソコンも使えるようになるだろ。」

主「そうだね…どれぐらいの人が読んでくれてるのか分かんないけど頑張ろう。うん。じゃ、そろそろ〆よっか。」

リュウ「おうよ。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!」


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第三十六話 星の仮就職と建設業者

どうもただの謎存在です。
内容ペラッペラです。はい。



では、本編どうぞ!


紅魔館に飛んだ有森は寝ている美鈴を有意義にスルーし、紅魔館に入る。

 

「あら、有森さん。」

と、完璧なメイドに会った。

 

「、おう、咲夜。…今回は少々手間をかけたらしいな。」

 

「いえ、日頃有森さんには色々お手伝い等していただいておりますので、この程度の事は。」

 

「はは…こっちとしてはフランの相手をしに来たついでなんだけどな。」

 

「それでもありがたいものはありがたいんですよ。星さんは図書館にいますよ。」

 

「おう、ありがとな。あと美鈴寝てんぞ。」

 

「…分かりました。ご報告ありがとうございます。」

そう言った瞬間消えた。どこからともなく「ギャアァァァァ…」と悲鳴が聞こえた気がするが、すぐに静かになったため、有森はとりあえずその事は頭の隅に追いやり、図書館に行く。すると、

 

「えーっと…これがここで…」

 

「…星、何やってんだ。」

 

「、あ、兄ちゃん。」

本を片っ端から棚に入れていた。本を飛ばして。言霊を使っているのだろうが、なぜこの量の本を?と思っていた。

 

「ああ、有森。…中々災難だったみたいね、怪我一つしてないみたいだけど。」

後ろからパチュリーの呆れるような声がした。

 

「いいや、一応一発もらった。まあ、もう治ったが。」

神様二人と勝負をして食らったダメージが一発、更にもう治ったとなれば、この男はいよいよどうなっているのだろう、と結構本気でパチュリーは思った。

 

「…で、星は何を?」

 

「ああ。あの子が何か手伝いたいって言うから本の整理を手伝ってもらってるのよ。…こう言っちゃ何だけど、こあより動けてるわね。」

思考の片隅に涙目の小悪魔が出てきたが、有森は頭から叩き出した。どこに行っても小悪魔不憫なり。

 

「つまりアルバイト…ねぇ。」

 

「ええ。…あら、何かしら、この本…こんな本見覚えがないのだけれど…」

 

「?ちょっと見せてください。」

星が手に取るのを有森は横から覗くと、

 

じゃきかいほうのしょ

 

「…なんじゃこりゃ」

読めなかった。というかこれ文字なのか、と有森がふと顔を上げると、

 

「…ふーん…」

ああ、そうだったな、と有森は苦笑する。星の能力、[言葉を操る程度の能力]は、文字にも適応される。つまり、どんな暗号であろうとも、どんな元の形のない古代文字や龍語であっても、見ればある程度は理解できるのだ。

 

「何の本なんだ?」

 

「いや…多分開けるべきでない本だと思う。」

 

「…そうか。」

が、言葉を操る事ができても思想を隠すことはできない。いや、極めればできるのだが、星はそこまで出来ない。有森は考えを読み、確かにな、と思った。

 

「確かにこれは開くべきじゃないな。多分違法魔導書だろう。」

この世には正当な魔導書と違法魔導書がある。正当な魔導書は、効果と代償の釣り合いがとれており、使用者の耐えられる力しか貸さない物なのだが、違法魔導書は言ってしまえば「力」を手にいれるために作られた禁書というやつだ。自分の魂と代償に圧倒的な力を手に入れるなんてのはよくあるやつだ。

 

「こいつは昇華させといた方が良いかもしんねえな。こっちに任せてもらってもいいか?」

と有森はパチュリーに聞くと、

 

「…本当に危険なものだったら早い目に処分しておきたいわね。ただ、物によっては処分した瞬間に呪われる、なんて物もあるから、気を付けなさいね?」

まあ、有森には呪いなど効かないのだが。

 

「ああ、わかった。…ま、ここでやるんだけどな。」

 

「え、ここで?」

何故?のような感じで星は聞いた。

 

「下手に運んで本そのものが暴走し始める可能性があるからだ。近くにあるものを手当たり次第に巻き込まれても面倒なだけだ。…ああ、結界は張るから安心してくれ。」

 

「…ならいいわ。部屋を貸そうかしら?一部屋余ってる部屋があるわ。」

 

「ああ、借りよう。」

そうして案内されたのは本当に使ってないのか、分からないほどほこり一つ溜まっていないような部屋だった。恐らくはあのメイドだろう。使わない部屋もちゃんと整理するとは。

 

「…ま、数分で終わるし、問題ねえだろ。」

有森はそう言って二重の結界を張る。

 

「……呪い…か。また変に星が暴走しないようにしないとな…。」

ふと思い出したように有森は呟くが、反応するものはいない。

そもそも、結界に阻まれ、聞こえることはない。しかし、一瞬だけ有森は過去を思い出していた。

黒い欠けたような角、赤い目、滲み出るような殺意、狂気。

ブンブンと頭を振り、有森は、

 

「ま、とっとと昇華させとくか。」

そう言って術式を広げていく。

 

まあ、その途中で失敗してしまい、本が暴走……なんて事にはならず、そのままただの本に戻った。

 

「よし。」

どうやらそんな面倒な呪いは掛かったりはしていなかったが、その本はある意味一種の呪い…()()を引き出すものだったらしい。その能力が消えても、内容は消えずに残っていた。

 

「…魔理沙にでもやってみるか…?」

まあ、冗談で。

そのまま部屋を出る。

 

キィ

「あら、もう終わったのね。」

 

「ああ。…この本の能力は消えたが、内容は消えてない。とりあえずここに置いとくか?」

 

「あー、そうね。もし問題が出てきたらどこかの泥棒魔法使いにでもあげるわ。」

まさかの有森と思考回路が同じパチュリー。

 

「ハハ…ところで、星はとりあえずしばらくここで働く訳か?」

 

「あー、そうだね。しばらく…というか、うん。」

どうやら内定は貰ったらしい。

 

「まあ、どうするかは星に任せるからな。俺が口出しするところじゃないだろ。それに、自分の好きなことを仕事にできるのはこの上無いことだからな。」

 

「うん!」

オーケー、と有森は頷き、図書館を出る。と、

 

「有森ーー!」

 

「うお」

砲弾(フラン)が飛んできた。どこから来たんだか。

 

「遊びに来たのー?」

 

「いや、星を迎えに来てたんだが、問題ないみたいでな。…ああ、俺がいないときとか、勉強で分からねえところがあれば星に聞いてもいいと思うぞ。あいつはあれでも結構頭いいからな。」

魔法陣の部類からしてみても、星はかなり強いのだという。

 

「へぇー、そうなんだ。あ、ついでに遊ぼうよ!」

 

「あー、悪いが、今日はやることがあってな。そろそろ自分の家ぐらい建てとくかと思ってな。」

 

「、だったら私も行っていい!?」

 

「…それは構わんが…そんなに面白いものでもないぞ?」

 

「どんなお家建てるのか気になるじゃん!」

 

「まあ…言っても普通の家だけどな。というかフランはそのまま外に出て問題ないのか?」

ふと有森が聞くと、フランはふふん、と胸を張り、

 

「咲夜がこれを買ってきてくれたの!こーりんどー?でだったかな?」

取り出したのは日焼け止めクリーム。外の世界のやつだ。

 

「結構強い日光でもこれを塗ってれば大丈夫だったから問題ないよ!」

 

「…吸血鬼が弱かったのは日光じゃなくて紫外線だったのかよ…」

そう言って有森は失笑しながら、飛ぶ。

 

「ほい、行くぞ。捕まってろよ。」

フランが手を取ったのを確認してから、有森は移動する。

とはいっても一瞬。ほぼ瞬間移動と同レベルの早さで博麗神社の裏の森だ。

 

「到着。とりあえずここの裏にでも建てる。…って訳で…金行、スラッシュ。」

とりあえず有森は刃を飛ばして木を切っていく。音は粒子操作でせき止めているため、騒音になることはない。

 

「おし、こんなもんか。」

と、大量の木材を前に有森は言った。

 

「すごい!あっという間に出来ちゃった。」

 

「こっからは…とりあえず()()()()に頼むか。[影夢]影の兵士。」

一応スペルカードにしたため、使う。影の兵士に建設はある程度頼み、有森は…

 

「?何するの?」

 

「とりあえずそこら辺の整地と切った木の再生だな。」

まずは坤を操り、地面を整地する。そして、ある程度整地すれば、切ったところの木を木行を操って再生させていく。

その間、影の兵士に思念を通じて指示は出し、建設は任せる。一方で有森は整地したところ以外の木を切ったところで木行を操り、元のように木を生やす。

 

そうこうする事わずか2時間…

 

 

「…っし、こんなもんか。」

若干山小屋のような家が完成した。

 

「すごい!あっという間にできちゃった!」

 

「じゃ、仕上げだな。」

そう言って有森は家の木材に触れ、霊力、妖力、神力を流し込んでいく。正確には、膜のようになるように包んでいく。

こうすることで腐食や倒壊に恐ろしく強くなるのだ。

 

「…よし、完成。」

こうして、一見ただの山小屋、実際は雨風どころか山火事や地震でもびくともしないような家が完成した。

 




あとがき
リュウ「マジで内容ペラッペラだな。」

有森「ああ。中身がない。」

赤穂「というか何気に前の更新から一月経ってるよね。」

主「いや、違うんだって!ここら辺から多分ネタ回が増えるから一回前提を消化させとこうと思ったらこうなっただけだから!」

星「まあ…二章そのものが最初からシリアスを入れる暴挙を成し遂げてますし、ネタは増えていいと思いますけど…」

有森「ま、ネタ回だからといって文が上手いかはさておき、な。」

主「一月経ったのに対しては、作品を大体回しながら書いてるから一作品ずつは遅くなるんだよ。」

リュウ「回すって言うのは更新が一番前の奴から書いていくやり方を勝手にそうやって呼んでるだけだよな。まあ、主の場合名前投稿は回して、匿名投稿は本当の不定期、って感じみたいだけど。」

有森「いや、最初は確かにそうだったが、今じゃほとんど回してもねえだろ。書こうと思ったのを書いてるだけで。」

主「…まあ、そうだね。」

赤穂「ああ。ま、部活動で忙しいのもあるのかもしれないな。」

主「それもある。」

星「まあ、言っても実世界メインですからね。」

有森「実世界て…まあ間違ってはないか。…さて、あとがきまで内容がペラペラだが、そろそろ〆るか。」

主「あー、そうだね。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!」


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第三十七話 料理教室(カオス)

どうもただの謎存在です。

遅れました。私情により、更新頻度がアホみたいに下がります。
あと、あとがきの茶番(?)ですが、考えるのが結構大変なので余談と名前を変えて軽くします。
あの状態で続けてほしかった!という方はお知らせください。検討します。



では、本編どうぞ!


「…さて、」

家を建て終わり、咲夜が迎えに来たためフランを帰し、とりあえず霊夢に料理を教えることとした有森。

 

「…は、良いんだが…」

霊夢の横にエプロン(いつものではない。料理用)姿の魔理沙とリュウもいた。

 

「何でこうなった…いや、まだ魔理沙は良いとしてリュウ。お前何で来た。」

 

「いや、魔理沙に呼ばれたから…」

 

「…まあ良いか。ちゃんと見てりゃそれなりにはなるだろ。とりあえず……」

まず有森は台を出し、その上に材料を出す。何もないところから。

 

「とりあえずどんなものが作れるか一回作ってもらう。んで改善点等あれば言っていく訳だが…リュウ。とりあえずお前には言っておく。食べ物を作れ。」

 

「…ああ。」

 

「じゃ、そこにあるのは好きに使っていい。じゃ、一回開始!」

 

────────────────────

──────────

─────

「…んで、出来たからと呼ばれたわけだが…」

まず魔理沙。普通に上手い。上手いは上手いのだが、圧倒的キノコ率。二つ作ったのはいいが、片方はもう何だ、ただのキノコ載せられてるようにしか見えん。

次に霊夢。…中の上。まあ、霊夢が料理を作れるようにするためにやり始めたわけだが、まあ普通に料理は出来ている。これなら問題はあるまい。…で、問題児。

リュウ。誰が新生物を作り出せと言った。何なんだその茶色い泥々した触手みたいなのを生やした顔のある何かは。いったい何をどうすればそんなものが出来るんだ。料理は食材を加工する手段であって決して新生物を作り出す工程ではないぞ、と必死に頭の中が停止するのから助け、とりあえず霊夢と魔理沙に言う。

 

「あー、まあ、霊夢は問題なく料理出来るみたいだな。見た目も問題ないし、自分で食ったか?」

 

「ええ。まあ、こんなもんよね。」

 

「それで十分だ。…にしてもこれが米と味噌汁しか調理してこなかった奴の料理とは思えんな。」

次に魔理沙。

 

「魔理沙。…特に悪い点はないが…なぜこんなにキノコが多い?」

 

「お?料理といえばキノコだろ!それに、このキノコ、ただのキノコと侮るなかれ!」

あのただのキノコを焼いたようにしか見えない物の傘の部分を取ると、中から何かが出てきた。

 

「キノコを器にしたシチューだぜ!器ごと食えるから良いだろ!」

 

「…ほー、よく考えたな。これは分からなかった。そのアイデアはいいと思うぞ。…というか何気にこの中で一番料理上手いかもな。」

 

…で、

「…リュウ、何だぜ?それ…」

 

「…何か。」

 

「オロロローン…」

 

「なんか言ってんぞこれ。料理って喋るものだったか?」

 

「いや……」

すると、また皿から逃げようとするダークマター。

 

「何か魂宿ってね?」

 

「ヤッバ…」

 

「……うん、冗談抜きで魂宿ってんぞ。お前何使ったんだ。」

有森が視ると、確かに魂の反応があった。つまりは、これは料理ではなくれっきとした生き物ということになる。正確には幽霊に近いらしい。

 

「こんな生き物あってたまるかよ…」

 

「…とりあえず、成仏させとくか。」

と、有森が手をかざし、腕を横に振ると、ボコボコなっている何かは急に動きを止め、器に張り付いて動かなくなった。

 

「…一応成仏はした…が、」

 

「これ多分とれないな。かちこちになってるぜ。」

さらに張り付いたまま固まり、茶色い厚めの皿みたいになっている。

 

「まあ、皿は俺の妖力と魔力から作ってるからそのうち勝手に消えるだろうけど…お前、いったい何を作ったつもりだったんだ?」

 

「…野菜炒め。」

 

「野菜炒めはまず液体じゃねえし、最終野菜と肉を炒めりゃ形はなるだろ。」

というか普通の料理は魂が産み出されることはない。

 

「リュウって料理できないって聞いてたけど…予想以上ね…」

若干戦慄しながら霊夢が言う。

 

「……まあ、とりあえず霊夢が料理できるのは分かったからよしとするか。霊夢、悪いがこいつの飯は作ってやってくれ。それ以外の家事はある程度押し付けると良い。」

 

「あー、ね。家建てたんだってね。」

 

「…あ?俺言ったか?」

 

「勘よ。」

 

「勘か。」

魔理沙が言うには、霊夢の勘の的中率は98%以上だという。

以前有森はそこの2%どうした、と聞いたが、普通なら100%だが、体調が悪いと的中率が5%ほど下がるから、平均して98%なのだと言う。体調を崩しても的中率95%を叩き出すこの巫女はただ者ではない。

と、

 

「あら?魔理沙、私の料理食べた?」

霊夢の肉じゃがが減っていた。

 

「あ?いや、食べてないぜ?というか、お前の方が食ったんじゃないのか?私のが減ってるぜ?」

が、魔理沙のシチューと炒め物も減っていた。

 

「私もよ。…リュウのには手は付けられてないみたいね。」

リュウの野菜炒め(?)はまったく減っていなかった。そもそも食べれるのかから不明。

 

「……若干心に来るんですけど。」

 

「……ああ、約一名お客さんか。」

ふと有森が振り返って言った。

 

「え?」

「あ?」

「うん?」

三人が同時に見回すが、そこにあるのは料理三つと料理のはずのものが一つ、机、調理器具、地霊殿の主の妹しかいない。

 

「えへへー、見つかっちゃうかー。」

と、その声と同時に全員が違和感に気付いた。少女…古明地こいしが急に出てきた…正確にはそこにいるのが当たり前、という概念が消されたからだ。

 

「そりゃあな。また勝手に出てきたりしたわけじゃ…」

 

「してるよ!地上をフラフラしてたら美味しそうな匂いがしてたから来ちゃった!」

おいおい…と有森はため息をつき、

 

「……絶対さとりとか燐とか空とか心配してるだろ…」

と言うと、

 

「…どうだろ。」

 

「どうだろ。って…」

こいしが唇を尖らせる。

 

「確かにお姉ちゃんとお燐は心配してくれそうだけど…最近お空が冷たいんだよねー。この間お空のプリン食べちゃったからかなー?」

食い味の方が張っている気がするこの少女。

それも無意識か。

 

「…謝っとけよ。」

 

「ごめんなさいはもう言ったよ。…ところでだけど、これ何?」

と、リュウ作の皿に張り付いた野菜炒め(オロローン)を指差すこいし。

 

「…本人いわく野菜炒め…だったものだ。」

まあ、元々野菜炒めでも無かったのだが。

 

「お?何か面白そうなことやってるな。」

と、二人目。

 

「あら、妹紅。あんたがここに来るなんて珍しいわね。」

 

「ああ、永林から四人に伝えろって言われたんだが…二人いないみたいだな…」

周りを見渡す妹紅。探しているのは…

 

「星なら紅魔館だぞ。赤穂は…多分その辺にいると思う。用事なら俺から言っておこうか。」

 

「ああ、助かる。といっても、明日永遠亭に有森、リュウ、赤穂、星の四人で、動きやすい服装で来いって話だけどな。」

 

「?何でその四人なの?」

 

「ただの人間にはちょっと相手できない、らしい。」

 

「ちょっと待って俺は元ただの人間。何なら妖怪より人間寄り。」

リュウが言うが、

 

「お前は例外だとよ。」

例外らしい。

まあ、伝えるだけなら、と有森は承諾し、妹紅は帰っていった。

 

「明日何かあんのか?」

 

「…さあね。ただ、私の勘が言うには、あの永林のことだから多分ろくなことにならないと思うわ。」

…まあ、その勘はバッチリ当たってしまうのだが、その話は次話で…

 




余談

主「どうも、終わりは見えているのにその終わりに繋げるのに時間がかかりすぎる、主です。」
ちなみに、いつもはこうやってナレーションしてます。
ただ…一応主人公が有森なのでちょっと視点が有森寄りなんですよねぇ…
そこがちょっと悩みです。
さて、今回ですが、リュウの料理下手を誇張したネタ話です。次もネタ話です。



では、最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


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第三十八話 こんな虫取りがあってたまるか

どうもただの謎存在です。

いやー、こっちの投稿頻度落ちるとか言った割に早い気がする(気がするだけだよこの野郎)…何か聞こえた気がするけど多分幻聴。
そういえばですけど、この小説、もうすぐ一周年なんですねー。その時には一周年特別話を投稿しようかと思ってます。



では、本編どうぞ!


「…で、永遠亭に来たのは良いが…何させる気だ?」

有森、リュウ、星、赤穂は永遠亭に来ていた。昨日妹紅に呼ばれたからだ。

 

「ああ、別に変なことじゃないわ。ちょっと虫を捕ってきてほしいのよ。」

そして、読んだ張本人…永琳の依頼は、すなわち虫取り。

 

「……何で私たちだけなんだ?」

 

「今回の明いてはちょっとばかし面倒な相手なのよ。それであなた達に頼んだわけ。ああ、安心して。そいつらがいるところまでは鈴仙に案内させるから。」

 

「俺達なら面倒かけても良いみたいな口ぶりだが?」

 

「……リストはこれに書いてるから。じゃ、頼んだわね。」

 

「おいこら永r「バタン」……はぁ…行くか?」

 

「行くしかないでしょ?」

苦笑しながら星が言う。まあ、永遠亭の入り口で虫取り網と虫かごを手渡された時点で、有森は「あー、霊夢の勘が当たったな…」と察していたのだが。

 

 

 

「大変ですね…師匠も師匠ですけど、これ、何に使うんですかね…?」

そのよくわからない虫たちが取れるスポットまで案内されていると、鈴仙が口を開いた。

 

「確かにね…何なんだろうね、この虫のリスト。」

 

「見たことない名前ばっかりですね…」

そこにはよく分からない写真の横によく分からない虫の名前が書かれていた。その名前は…

 

「ヒカリゼミ 1

 ヤリカマキリ 1

 トゲアゲハ 5

 ミノタウロス 5」

 

 

 

 

       ☆大★混☆乱★

 

 

 

「なあ鈴仙、これって虫取りのリストだよな?」

思わず有森が聞くが、

 

「師匠からはそうだと聞いてますけど…何か変なところがありますか?」

 

「いや、このままだと俺達、牛頭人身の怪物5体連れて帰ることになるんだが。」

色々突っ込みたいところはあるが、まずそこである。謎の虫(?)、ミノタウロス。

 

「あー、ミノタウロスですか…それ、師匠が勝手にそう言ってるだけで、カブトムシの仲間ですよ。」

 

「何で知ってんだ。」

 

「前までパシらされてましたので。」

聞かない方が良かった、と有森は思った。

 

「角の部分が斧みたいになってるんですよ。それに大きさが普通よりかなり大きいのでミノタウロスです。」

牛関係ねぇ。

 

「…あ、ここらへんですね。」

 

「というかこれ、竹林でこんな虫いんの?」

リュウがもっともな発言をするが、鈴仙は、

 

「はい。前にもここで取ってたので。」

 

「…その発言やめよう。すごく不憫になる。…さて、開始する?」

 

「とっととその12匹取って帰ったほうが早い気がするしね。まあ、高々虫だろう?…お、あれトゲアゲハ?だね。それ。」

と、赤穂が飛んでいた、棘だらけの蝶に網をかぶせた。と、捕まった蝶は暴れだし…

 

シャッ!

 

「はぁ!?」

網を切り開いて脱出した。

 

「そんなのありかよぉ…」

リュウが呟いた。

まさかの反逆に赤穂の網は使い物にならなくなった。

 

「それで予備を5本も持たされたわけか…」

そう呟いて予備の網と交換する赤穂。

 

「!ヤリカマキリだ。」

と、星が一本の竹に近づき、腕が鎌状ではなく槍状のカマキリに狙いを定め…

 

「やっ!」

思いっきり振った網は恐らく音速の壁を超え、枠でカマキリを叩き潰し、その直線上の竹が十数本、縦に切り倒された。

 

「…あ」

まあ、叩き潰したと言っても潰れずに、カマキリは目を回しているだけのようだが。

 

「ワーホシチャンスゴイナーカマキリモスゴイナー」

で、リュウは目が死んできている。

 

「つか季節感死んでるよなここ…蝶と蝉とカブトムシが一緒にいるって…あ、ミノタウロス。」

で、有森はもはやミノタウロス(カブトムシ)を素手で、それも同じところにいた二匹取り、籠に放り込んだ。

 

「…なあ、鈴仙。俺がおかしいのか?それともあいつらがおかしいのか?」

 

「…えーと、私を例に取るなら、ミノタウロスを1匹捕まえるのに一日かかりました。と言うか、今回の虫たち、普通じゃ網では捕まえられないようなやつなので…」

つまり、向こうがおかしい。これが真理である。

 

こうしてあれよあれよと捕まっていき、一時間経った頃には残るは、未だだれも見てすらないヒカリゼミだけとなった。

 

「…というかヒカリゼミって誰も見てすらないんだが…?」

 

「何言ってるんですか?そこらへんにいっぱいいますよ?」

 

「……?どこですか?」

星がキョロキョロするが、周りに蝉らしきものはいない。

 

「…あ、ヒカリゼミっていうのは、周りと自分の光の波長を操って見えないみたいにできるんですよ。まあ…透明になってるって言えば分かりますかね?」

 

「…どうやって見つけろと…いや、絶対見えないことはないが…」

有森の能力は、自分に直接作用する能力は無効化されるが、自分にかけた能力で周りから干渉されないようにする能力にはどうしょうもない。

 

「そうなると…私には見えるのかね。」

と、赤穂は少し目を閉じ、カッ、と開く。鈴仙の[波長を操る程度の能力]を使用したのだ。

 

「…うん、なんとか見えるね…じゃあ、そっちに()を貸すよ。」

と、赤穂は少し目を赤く光らせ、星、リュウの目とリンクさせる。有森はやっぱり無理だった。

 

「…おお、見える。…結構いたんだなぁ…」

 

「…よし、じゃあ俺も少しばかり能力を派生させるかな。」

有森の能力は力の入れ方で変質させることができる。そこで…

 

「『視覚変異不干渉』」

有森は視覚情報の変化のみに対してめっぽう強い形にし、参加した。

 

「よし、やるか…ね!」

赤穂はヒカリゼミに対して思いっきり網を振った…が、

 

「赤穂、後ろだ。」

 

「はぁ!?」

いつの間にか後ろにいた。

 

「えいっ!」

 

「そいっ!」

 

「おりゃっ!」

星、赤穂、リュウが網を振り回すものの、一匹たりとも掠りもしない。と、

 

「ふんっ!」

ブォン!

と、空圧で直線上、数十メートル程の竹が折れたりしたが、有森が網を振ると、確かに一匹、虫取り網の中に入った。が、

 

「…はっ?」

ヒカリゼミが何故か輝き始め、目にも留まらぬ(本当に誰にも見えなかった)速さで暴れだし、網を突き破った。

 

「えぇ……」

で、そのスピードのまま有森に突っ込んで…

 

「うおっ、パーティカルコントロール 壁!」

とっさに粒子の壁を作ったが、

 

バギィン

 

破られた。その反動でよろめいていたが、確かに粒子の壁が破られたのだ。今の所、これを破ったのは勇義と赤穂しかいなかったにもかかわらず、その中に蝉が入ってきやがった。

 

「うっそぉ…」

 

「こりゃあ下手に出し惜しみできないね…第二、仙。」

で、赤穂が妖力の上に霊力を纏い、強化した。

 

「[複製]実相天生!」

で、赤穂がまさかの夢想天生のコピーを使い始めた。

 

「はっ?」

 

「[氷域]ブリザードフィールド!」

続いてリュウが移動速度を下げる空間を作り上げる。

 

「…………」

 

「[星土]スターレインオーバー!」

そして星が下から上に飛び上がっていく土の雨を降らせた。

 

さて、問題です。今現在、行われているのは何でしょうか。

 

A.虫取りという名の人外達VS蝉の戦いです。

 

その通り。

 

「いよいよカオスだな…」

まあしかし、ヒカリゼミもヒカリゼミで、これだけ猛攻を食らっているにも関わらず、涼しい顔をして躱している。本当にあれは何なのだろうか。

 

「はぁ…はぁ…全く追いつけん…」

 

「どうなってるんだい…」

 

「流石に…疲れてきた…言霊も効かないし…」

 

「…はぁ…」

と、有森がため息をついた時、いきなりヒカリゼミが… 

 

「ピピュピピピュピピピュピュピピ」

鳴いた。

 

「…はっ?」

 

「鳴き声ですよ、ヒカリゼミの。」

 

「いや、それは分かる。…どんな鳴き声だよ…」

何となく防犯ブザーを思い出す音である。

 

「…なんで今鳴き出したのかは知らねえが、まあ、見えないほど速くても鳴いてれば位置がある程度分かるからな…」

そう言うと有森は背中の直刃刀に手をかけ…

 

「ピピュピピピピピュピピュピピピピピュピュピピ」

 

「…今。」

神速。

一瞬そこらへんが白く光り、ヒカリゼミの羽だけが切り落とされた。

 

「ピ!?ピ、ピピュピピピュピュ」

地面を暴れながら何やら弁明しているようだが、生憎有森は星のようにこんな言葉を理解する事はできない。

そのままカゴの中に放り込んだらどうなるか分からないため、不死鳥の加護を内側に、二重に作用させて完全封印した。

 

 

 

「ああ、ありがとうね。…あなた達でも相当大変だったみたいね。」

永遠亭に戻ると、永琳が待っていた。モブうさぎから帰って来ていることを聞いたのだという。

 

「そりゃあな…ああ、ヒカリゼミに関してはカゴに入れるとどうなるか分からんから結界に閉じ込めといたが。」

 

「ええ、それでも良いわ。」

 

「…なあ、そいつら何に使うんだ?」

 

「、薬に使ったり、研究材料にしたり、ね。全部分からないことだらけの虫だもの。ああ、あなた達の一番苦労したヒカリゼミは蝉退みたいなやつにするわ。」

 

何となく、あの防犯ブザーのような鳴き声が聞こえた気がしたが、おそらく有森の気のせいだろう。二重に張られたほぼ完全結界(不死鳥の加護)内からそんな声が聞こえるわけがない。そうとも。




《余談》
よう、有森だ。
今回もネタ回って主が言ってたが、何やらメッセージボックスに「よく分からない虫とかを有森達と戦わせてみてほしい」っていうメッセージが入ってきてたらしい。戦ってたか…?俺がやったのといえば蝉の羽切り落としたぐらいだぞ。
まあ、そのメッセージの送り主は名前を出して欲しくなかったらしいから匿名でやったらしいが、主いわくリクエストがあればメッセージから送ってくれると助かる、だそうだ。ネタが枯渇してきてるらしい。早いな。
じゃあ、そろそろ〆るか。



最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


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