ドラえもん のび太と未来のロボット (桂ヒナギク)
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1.のび太、プテラノドンを拾う
時を超えること40XX年の埼玉県越谷市某所。
少年の飼うペットロボットがある時、忽然と姿を消した。
プテラノドンのような見た目の小さなそのロボットは、どうやら時空の乱れによってできた時空乱流に吸い込まれ、過去へと飛ばされてしまったらしい。
だが、この時代ではタイムマシンの技術は失われており、過去に戻って追いかけることなど、到底実現できることではなかった。
21世紀。
現代の日本、東京。
小学生の
教卓の前で担任の先生が、のび太の課題が終わるの静かに待っていた。
「できた!」
「どうれ? 見せなさい」
のび太が先生にノートを見せる。
「帰ってよろしい」
「わーい!」
のび太は大喜びで学校を後にして帰路に就く。
そして、帰宅途中に子どもたちの遊び場でもある空き地へ差し掛かる。
空き地の一角に何かが転がっているのに気づいたのび太は、その何かに駆け寄った。
「おもちゃ?」
と思って見ていると、プテラノドン型のその物体から火花が散る。
(違う。ロボットだ)
頭の悪いのび太でも、どうやらそれだけは理解できた。
のび太はそのロボットを持ち帰り、ドラえもんに見せた。
「ねえ、ドラえもん! 帰りに空き地でこんなの拾ったんだけど、誰のかな?」
ドラえもんはプテラノドン型の小さなロボットを調べる。
「やや! これは!?」
「なにかわかった?」
「見たこともない部品で作られてる。もしかしたらこれは僕なんかよりもっと先の未来から来たロボットかもしれない!」
「ドラえもん、これがどの時代のものか調べられない? 僕、元の時代に返してあげたいんだ」
「……えらいぞのび太くん! よくぞ言った! 時間がかかるけどやってみよう!」
ドラえもんはその日、夜遅くまで調べた。
そして翌朝、ドラえもんはタイムホール内で時空乱流が発生していたことを突き止めた。
「わかったぞ! 今から2000年後の時代で時空乱流が起きていたんだ。このロボットは恐らくそれに飲み込まれて過去であるこの時代に流れ着いたんだろう」
「僕、みんなを呼んでくる!」
のび太は颯爽と出かけ、乱暴者のガキ大将だがここぞと言うときは頼りになる
「よーし、全員揃ったな。それじゃあ、出発!」
四人の人間と一体の猫型ロボットが、のび太の机の
一行は、タイムマシンに乗り、西暦4000年の時代を目指す。
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