鬼滅の拳 (絆と愛に飢えるシリアス)
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1話

初めましての方、そしていつも作者の作品を愛読してる方、今回はこの作品に手を出したわけは前々から書いていていたというのもあり書きました。
通常検索の方も考えましたが、今回はこちらの方から書きました
それではよろしくお願いします!


鬼殺隊………人喰い鬼を狩る力を有した剣士、そしてその剣士を支える者たちが集まった、政府非公認の組織でそのルーツは1000年以上も前に遡り存在していてた。鬼は基本的に日が出てくるときはいないが、夜になると出てくる存在

 

「…………」

 

そんな夜遅くの山奥に和服をした男が大量の鬼に囲まれていたが男は冷静に立っていた

 

「ひゃひゃ!久々の肉付きの人間が、歩いていやがるな!」

 

「………」

 

鬼とは童話でてくる鬼ではなく実在している鬼である。それは人を食う鬼であり、人喰い鬼は、人ならざるにして人を蹂躙するモノ……人の天敵である

 

「まさか、山奥に歩いていたら、こんなにいるとは………な」

 

男は黒い手袋をはめながら、その目の前の大量の鬼を見つめていた。鬼はただの手持ちも、なにも持っていない人間を見て嘲笑っていた

 

「こいつは鬼殺隊じゃないのに、なんでこんなに平然してやがるんだ?」

 

「さぁな。だが、刀を持ってないのに、堂々としてるのは不愉快だな!」

 

「鬼が、こんなにいるのはさすがに驚くが……」

 

鬼たちの会話を危機ながら、男は複雑そうに呟きながらもゆっくりと、目の前の鬼たちから目をそらすことなく立っていた

 

「「「やっちゃまえ!!!!」」」

 

「武器を持たないから、殺せると思った鬼どもよ。人を見た目で判断した時点でお前たちの敗けだ

 

「は?(あいつの手袋燃えてないか?)」

 

「拳の呼吸、壱の型…」

 

男は飛び込んできた鬼に対して拳を構えながらゆっくりと殴る動作にはいった

 

「波動!」

 

男は拳を正拳のようにつき出すと炎の竜が吹き荒れて目の前に迫っていた鬼たちを飲み込んでいた

 

「「「「ぁぁぁぁぁあ!!?」」」」

 

「見た目判断をするなといった理由はな……この手袋は、俺が無理難題に押し付けてしまったが、職人達が魂を込めて作り上げてくれたこれは日輪刀ならず日輪手袋だ」

 

俺の技に生き残った一人の鬼が、よろよろになりながら俺のほうにあることを指摘した

 

「なぜ、刀を使わない!?」

 

「刀を使う技術や力は俺には無かったが、俺はある目的のために必至に修行して手に入れた力がこの手袋での戦いだ」

 

男は手袋をきっちりとはめながら左手は鬼の肩の方を押さえて右を手刀のように構えて慈愛を込めていった

 

「じゃあな。地獄で償い、来世はいい人生を歩め」

 

「まっーー」

 

「弐の型、裂散」

 

男は鬼の続きの言葉を言わせずに鬼の首に右の手刀を振り下ろした。そして鬼の首がはねてその鬼はなにかいっていたが俺は軽く冥福をいのりながら手袋をもう一回きっちりとはめていた

 

「お前達が、悪鬼であるように俺もよくも悪くも人殺しだ。だが、目的のためなら最悪な鬼殺しにでもなってやる」

 

男は鬼が消滅したのを確認して返り血をふきながら夜の山奥へと再び歩き出した

 

時代は大正で男は何を見てこれからいきる??

 

 




ここまで読んでいただきありがとうございます!
これからもよろしくお願いします!


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2話

しばらくはオリジナル展開ですが何卒暖かい目でみてくださいませ


はい、どうも心優しい読者の皆さん初めまして。俺の夛田空です。俺はそれはある目的のために旅立っているのですが、中々手応えありません。そんな俺は本日も探すもその手がかりがなく軽く抹茶を飲んでいた

 

「ぷはぁぁ………この抹茶うまい。あとこの団子とも合うし、美味しい!」

 

「おやおや、そこまでいってくれるのは、作り手としては嬉しい限りだけど、お兄さん旅人かい?」

 

「えぇ。ある人物を探しているので旅してますね」

 

「ほら、また難儀なことに…その人は見つかったのかいな?」

 

店のお婆様がまた抹茶をいれてくれたので俺はそれを喜んで受け入れながらその質問の答えに、首を横振った

 

「いやー、残念ながら中々、見つかりませんわ。そいつは逃げ足が速いのか、中々手がかりすら残さんとさっさと逃げていますわ」

 

「ありゃ、探してる人は逃げ足が速いってお兄さんは役人かいな?」

 

「いやいや、さっきの問いかけ通りに俺は役人ではなく、ただの旅人ですよ。まぁ、それはそうと最近変わった話ありませんか?例えば夜のことでなにか出てるとか」

 

「夜のことで………ひとつだけあるねぇ」

 

お婆様がその質問に思い出したように俺に教えてくれた。なんでも少し離れた山付近に人を食う化け物がいるから誰も寄り付かないところがあると

 

「そりゃあ、またエライ物騒ですね?しかも人を喰うとか恐ろしい話ですね」

 

「ほうじゃねぇ。お陰で、皆は夜出歩くのは少なくなったし、お兄さんもその場所に、進まないことをお薦めしますよ」

 

「お気遣いありがとうございます。あ、お代賃はこれで」

 

お婆様からの有用な情報を経てお金を払い俺は歩くことにした。お婆様が、旅のついでにしっかりご飯を食べてほしいということでおにぎりを握ってくれた。そして先程言われたその場所へと歩いていた

 

「関西に来て二年たつが、いまだに手がかりなしか」

 

「夛田空!手紙手紙!」

 

「相変わらず、仕事が速いというか律儀というか…………ありがとうな」

 

相棒の鴉に、お礼をいうと鴉はまた空へと飛び回っていた。そして、届けてくれたその手紙の差し出し主がだれかをわかってるからそれを開いた

 

 

[夛田空へ

君が鬼殺隊を抜けると私と対面して決めてから、もう4年が経過するね。君が抜けてからどんな旅になってるのかは私は知らないからどんなの見たのか聞きたいと思う。

しかし、君の事だからまだあれの区切りを着けるまではこちらに戻るつもりもないのだと言うこともわかってる。しかし、4年も経過しているが、中々見つからないなら気持ちも休ませて一回こちらに戻って来てはどうだろう?]

 

その手紙を見てあの方の手紙は、いつもいつもまるで俺の気持ちがばれてるかのように書くから心臓に悪い

 

「もう4年経過したのか………あの時から」

 

手紙を懐にいれようとすると、ある人物たちを思い出した。あの時から俺は前に進んでなく今も深い暗闇にずっと歩いてる感じはしている

 

「けど俺はもう歩くのをやめない。あのときに感じた無気力はもうごめんだ」

 

「カァカァ!続キガアル!続キガアル!」

 

「ん、どうした?手紙に続きが?」

 

俺はあのお方からの手紙に驚くことを目にして叫んでていた

 

ふぁぁあ!?

 

[追伸

君が鬼殺隊を抜けているというよりも休業という形にしてるからね。あと、君が隠してることは話していないけど、私は君にあることを話す。それは君に信用してるからね]

 

まって、まず休業扱いにされてるのは百歩譲って仕方がないとしてもこの後の書かれていた文章に俺は驚きを感じていた

 

[実は、君が少し抜けてからある出来事があってね、人を食わない鬼が出たらしいんだ。きっと、その子は鬼殺隊の何かに繋がるので、もし遭遇したらきちんと話してほしい]

 

()()()()()()()()()()…そう、書いてるが俺にはにわかに信じがたい話だ。しかし、あの方が言うなら恐らく何かに繋がるのだろうな

 

「あのお方が、そこまで言うのなら俺も近々に戻るのもありかもしれんな………。だが、まずは近くの畜生鬼どもを壊滅させてからだ」

 

ゆっくりと歩きながら、日もくれてきたので奴等が出てくるのも知っていた。だから俺は手袋を嵌めてゆっくりと悪鬼どもにといかけた

 

「ゲヒャゲヒャ!また愚かな人間が入ってきたな!」

 

「なぁ、お前らに聞きたいことがあるんだよ」

 

「ギ?」

 

ゆっくりと歩きながら呼吸を整えてそいつらに問いかけた。こいつらは、それを聞く前に俺に飛び込んできたので……警告の意味もかねてかまえた

 

「俺はある野郎を探してるんだ。もし嘘ひとつでもあったら……簡単に死ねると思うなよ?悪鬼ども」

 

「1人の癖に偉そうに言いやがって!いくぞお!!」

 

「ま、鬼が簡単にすぐ吐いてくれると思ってないからな……死ぬ覚悟はできたな?いくぞ!」

 

結局その日の鬼討伐も終えたがどうやら俺の探し求めていた情報はここにないとわかったので、俺は改めてもうここにいても有益な情報もないのなら近々一度お館様の方へと戻ることを決心した

 

 




ここまで読んでいただきありがとうございます!これからもよろしくお願いします!


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3話

関西を中心に捜索して、色々な鬼に情報を問い詰めていた。しかし、残念ながら求めてる有益な情報もなく、お館様や鬼殺隊が探してる鬼の組織のトップの手がかりもなかった

 

「鬼どもが聞いても聞いても、いずれも偽りしかないな。中には本当の答をいうやつもいたかもしれんが……っち、今回情報探し求めた場所には、胸くそ悪すぎる光景だな」

 

ある噂を聞いて、その場所へと歩いていったものの、その村は全滅していた。子どもも老人も誰も関係なく食い殺されていたみたいだ

 

「死んで骨になっている事から、大分たつみたいだが、なぜ村がここまで壊滅状態に……?」

 

鬼は、全国に広がる上に多くの人を殺していく悪鬼が多い。中には無理矢理鬼になり、殺してくれと嘆願したやつもいたが、これは明らかに善ではなく悪の方の悪鬼として判断するへきだな

 

「これは、本当に鬼なのか?それとも…!」

 

身の危険を感じてかわすと、そこには屈強な鬼がその場に立っていた。戦闘の意思は明かにあるので、手袋をきっちりと嵌めながら構えた

 

「あー…まさかこの俺が、背後に鬼が潜んでるのに気づくの遅れるとはな。鬼に対する警戒を緩めすぎたのは反省だな」

 

「肉肉肉!!!人の肉が食える!ここら辺の人間はもう食うのいないから丁度いい!」

 

「普通は様子を見てどうするか決めるが、どうやらお前は話が通じない上にこの村の惨劇を引き起こしたとみて、結論から言うと悪鬼の方に当てはまるみたいだな。ならば、交渉の余地もなく否定させる間もなく、その命をもらい受ける」

 

「人間がごちゃごちゃうるせぇなぁぁ!」

 

鬼は俺の言葉に怒ったのか鬼の腕が俺のほうに攻撃しかけてきた。一般人ならたしかに怯えて動けないがそんなことは俺には関係なく俺はその拳を受け流すように動いた

 

「拳の呼吸守りの型………」

 

「あ!?」

 

「背負い投げ!」

 

「がっ!?!」

 

攻撃してきた腕をつかみながら思い切り地面に叩き込むと鬼は倒れた。そんな倒れた鬼に俺は手を休めることなく右の拳を鬼のみぞおちに叩き込むと鬼は呻き声を漏らしていた

 

「ぐぅ!?」

 

「拳の呼吸壱の型 波動!!」

 

「ごぎやぁぁぁ!?!!」

 

俺は正拳の突きで鬼に突き出しての攻撃をすると鬼はまともに喰らい、苦しんでいた。だが俺は別の意味で奇妙な感じになっていた

 

「(おいおいこいつは……。強い鬼や弱い鬼がいるが、こいつは明らかに弱すぎるぞ?)お前さ……鬼にしては弱すぎだな?おまえ本当に村の人間を食い殺した鬼か?」

 

「いてぇ!俺様が弱いだと……人の癖に調子乗りやがってぇ!!」

 

俺の言葉に、鬼は怒りながら鬼は起き上がり後ろへと跳び跳ねていた。それを見て否定してないことからその指摘は当たりかと判断していた

 

「まぁ、お前が強いか弱いかはどうでもいいとして、俺の質問に答えろ。お前は上弦またはその居場所についてなにか知ってるか?」

 

「うるせぇ、俺がそんなの知るかよ!知りたきゃ倒してから聞いてみな!血鬼術!!」

 

血鬼術とは、鬼が持つ不死性や怪力とは別に、各個に発現する異能の力。弱い鬼は持ち合わせず、人を多く喰った鬼や十二鬼月など一定以上の実力を備えた鬼に発現する。複数の能力が発現することもあり、血を媒介に他の鬼に能力を分け与えることもできる

 

「人を多く食ったから出せるのか……む?」

 

俺の周りに水が囲まれていたので、俺は何を仕掛けてくるのか気を締め直した

 

「謝るなら今のうちだぜ!?人間!」

 

「ふん、俺がお前に謝らないといけない理由はあると思うか?このアホ」

 

「アホだとっ………!!俺様を怒らしたな!!水に飲み込まれろ!」

 

鬼の仕掛けてきた水が俺を包み込んできたが俺は飲み込まれる前に鬼の無警戒さに呆れ腰をおとして拳を構えた

 

「アホが……技を仕掛けたのにベラベラしゃべりすぎだ。拳の呼吸……伍の型」

 

「え…………!?」

 

下半身の瞬発力を集中して飛び出して、鬼に接近すると鬼は驚いていた。しかし、それを止めるほど俺は優しくない

 

「迅速撃」

 

俺は両手でその首をきれいにはねると鬼はいつのまにか切られたのかわからなかったのか驚いていた

 

「あっ………!」

 

「どうやら今の戦いでよくわかった。お前は鬼になって人を食ってはいたが、鬼が持つ不死性や怪力とは別に、各個に発現する異能の力の血鬼術は使ったことがあまりないみたいだな」

 

「畜生………俺は……弱く……な……いのに…」

 

「何を突き動かされて鬼になったかは俺は知らんが、未来に生きる子供を手にかけた時点でどんな事情であろうが倒す」

 

「……」

 

俺の言葉を聞いてなにか思うことがあったとか悪鬼はゆっくりと目を閉じて消滅したのを俺は確認した

 

「俺が探していることをお前が情報を持っているとは思っていない。せめてものの情けで一撃でやったが来世は人を殺さずいい人間でいきろ。今世の名も知らない悪鬼よ」

 

俺は死に行く名も知らない悪鬼に冥福を祈ると共にこの村の死体は恐らくこいつに殺されたのだろうが、浮かばれねぇな

 

「もうこの数年は有益な情報も手に入らなかったいま……そろそろ一度お館様に挨拶しないとな」

 

毎回毎回手紙をくれるお館様にそろそろかお見せて挨拶することを決めた俺はお土産を買うことに決めた

 

今日も俺はその探し求めてる情報が手に入らなかった………

 

 




ここまで読んでいただきありがとうございます!
これからも暖かい目でよろしくお願いします!


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4話

俺は昨日の討伐を終えてから速攻で関西からお館様のいるお屋敷に直行した。鬼はもちろん他の柱や隊士に会わないように気にかけながらお館様のほうへと歩いた

 

「お館様に会うのは4年ぶりか。柱会合もないし、誰も会わないことを見越して事前に連絡したからな」

 

俺は黒いマントを羽織ながら、お館様に渡すお土産を持ちながら着く。柱会合は九人の柱がお館様を元にする会議で俺は柱の件を何度も断っている

 

「カアカア!ソレハ、オマエガ逃ゲテイルカラヤロ!!コノヘタレ」

 

「喧しい!?なんで、鳥にそんなのことを言われんとダメやねん?!」

 

「図星、図星!!」

 

「久しぶりの台詞がそれとか本当にそれなめてるの!?」

 

俺と鳥はそんなやり取りをしながら、お館様の屋敷の前で合図があるまで回りを見ていた。この場所に来るのは二年ぶりだし、物凄く懐かしいよな……

 

「お館様の御成りー」

 

俺はその言葉を聞いてすぐに膝をついて顔をひれ伏した。お館様とはこの鬼殺隊のトップで今代のお館様の名前は産屋敷耀哉様で第97代目のお方だ

 

「やぁ、久しぶりだね。空」

 

「は!お館様におかれましてはご壮健で何よりです。益々のご多幸を切にお祈り申し上げます」

 

「ありがとう。急に来てくれてすまないね、空」

 

俺は顔をあげながらお館様の言葉に返事していた。お館様の顔色とか変化あるのは鬼無辻の呪いのせいでその呪いのため代々のお館様は若くして亡くなっている

 

「君は鬼殺隊が居たときに柱を蹴る代わりに裏切り者の粛清として裏方の仕事をしていたのを私は覚えてるよ。すまなかったね、君にそんな事を起こったとはいえ、そんな役目を押し付けて……」

 

「いえ、柱にならない代わりにそれをすると言い出したのは俺です。事実私が鬼殺隊でいたときは表には出さないものの二人の人間を殺してます」

 

そう、俺は鬼殺隊で二人の人間を殺しているがこれはいずれも鬼殺隊の隊士としてはやってはいけないものを粛清した

 

「あの者達は守るべき者たちを守らずに鬼に売り、自らの地位だけしか考えなかった愚か者です。これを鬼殺隊が知れば亀裂は避けられないためそうするしかありませんでした」

 

「うん。でも、その結果君に辛い思いをさせたね」

 

「いえ、鬼を倒すのも仲間の不始末をするのも俺の役目です。それとお館様にお聞きしたいことがあるのですが……」

 

「うん。人を襲わない鬼の件とはいったいどういう事でしょうか?」

 

そう、これはいったいどういうことなのか下手したら鬼殺隊の基盤を揺るがしかねない事実ということだ

 

「鴉が見ていたのを私に情報が入ることは知ってるよね?」

 

「はい。しかし、にわかに信じがたいですがお館様のお言葉となれば信じないわけにはいきません。では、監視をすればよろしいのですか?」

 

「いや、それはもう少し先になってから柱達に認めてもらおうと思っていてね」

 

「柱達にですか!?」

 

お館様のお言葉に俺は驚き、柱はお館様を除き鬼殺隊のトップであり、九人の柱がいる。今はいったいどんな柱がいるのかは俺は知らないが俺が知る限りの柱は変わってないはずだ

 

「お言葉ですが、柱に認めてもらうとなると相当な鬼嫌いの風柱や蛇柱を筆頭に否定されるかと思います」

 

「うん、そうかもしれないね。けれど、私は彼らが認めてくれると信じているよ」

 

「あの鬼嫌いの風柱が果たして認めるのか……?お館様、現在の柱を教えてくれませんか?鬼殺隊を抜けている身としての意見はおこがましいですが……」

 

「4年前に一人だけ入れ替わったよ」

 

4年前に柱が入れ替わったとなれば………恐らく俺の予想が間違えなければ俺のせいで……

 

「君が抜けた直後かな。花柱胡蝶カナエと入れ替わり胡蝶しのぶが蟲柱として戦っているよ」

 

「そう……ですか」

 

「空、私も聞きたいことがあるのだがいいかね?」

 

「はっ!なんなりと!!」

 

「君の目的は見つかったかい?」

 

「皮肉なことに奴は隠れるのがうまいのかそれともそれはトップと同じで逃げたり隠れるのがうまいのかもしれません」

 

そう、俺はある目的を掲げていたからこそ鬼殺隊を抜けるとお館様に申し出たがお館様はいつかのために今は休業として扱っておくと言われた

 

「お館様、ご無礼を承知に言わせてください。俺を鬼殺隊として復帰することを許可ください」

 

俺はお館様に恥もプライドも捨ててお館様に土下座をしながら鬼殺隊の復帰をお願いした

 

「関西で二年、そしてそれ以前にも二年間西の方……あらゆる情報や手がかりを探しましたが……正直限界もあります。しかし、気持ちの片隅ではもっと離れた場所で探しにいけば出てくるのではと思いながらもそれでは時間がかかると判断しました」

 

「ひとつ聞くよ。それでは、君の目的もたどり着かない可能性もあるのでは?」

 

「確かにまだ時間をかけて探せば何らかの手がかりも見つかると思われます。しかし、お館様の送られたその人を襲わない鬼が出たことで恐らく俺の予想ですが鬼殺隊としてこれから大きな流れになるだろうと考えると闇雲に探すのは厳しいと判断しました」

 

「そして、鬼殺隊で復帰して所属するほうが君の目的も達すると判断したんだね」

 

お館様の言葉に俺は頷き、俺はこれまで悩んでいた判断を今下した。本音を言えば、まだ探すつもりだったが4年かけてもその手がかりは見つからなかった

 

「うん、分かった。鬼殺隊で階級甲の夛田空の復帰を認めるよ」

 

「ありがとうございます」

 

「で、その流れで柱にならないのかな?」

 

「それは丁寧にお断りさせていただきます……。未熟者としていまはこの地位で都合がいいです」

 

俺の言葉にお館様は残念そうにみていたが、柱は9人いるし、今の俺はまだその位置すらも立つ資格はない

 

「お館様、もうひとつよろしいですか?」

 

「うん、なにかな?」

 

「俺が復帰したことを彼らにはこれまで通りに隠していただければ幸いです。そして、もしも鬼殺隊で誰かがあれを遭遇した場合は必ず教えてください」

 

「うん、分かったよ。けれど、怪我したら蝶屋敷にいくことを勧めるよ」

 

「あはは…怪我しないように気を付けます。あと、これはお土産ですので奥様やお子さんとよかったらどうぞ」

 

「ありがとう」

 

俺はお館様にこれまでのお詫びと突然の来訪をかねてお土産を渡した。そして、お館様とのお話を終えて去ろうとするとお館様は俺を呼び止めた

 

「空」

 

「はっ、なんでしょうか?」

 

「あまり自分を責めないで前を見て生きてほしい。また時間ができたら来てほしい」

 

「……ありがとうございます。では失礼します」

 

俺はお館様にお断りを入れてお館様の屋敷をあとにした。お館様のお言葉は俺にとってもありがたい言葉だが………

 

「今の俺は鬼殺隊に復帰しただけの人間だ。余計なことを考えずに目的を少しでも近づけよう」

 

願わくば俺がこの手で仕留める日が来ることを思いながら俺は歩いた

 

 




ここまで読んでいただきありがとうございます!これからもよろしくお願いします!


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5話

お館様の屋敷を出てから、俺は本当は寄りたくはなかったが、心の何処かで一目は見ておきたいと自分の気持ちを考えた末、遠くで見つめるなら見つかる心配もないし問題ないと思って隠れていた

 

「………本当に懐かしい風景だな」

 

俺はその屋敷を見て思わず頬が緩みかけていた。俺にとってもあの時までは物凄くお世話になってた屋敷であの面子とも仲が良かった

 

「俺がもしも今……会えばまた誰かが不幸になる……。本当はその姿を見たいしその声も聞きたいが……それは駄目だろうな」

 

「アワナイノカ?」

 

「あぁ。確かに俺は鬼殺隊に復帰したが、お館様のお願いもしていた事もあるし俺は以前と変わらずに……あの悪鬼を探すつもりだ……俺にはもう会う資格はない」

 

「ヘタレ不器用メ!」

 

「おい、それはさすがに喧嘩売ってるやろ?!」

 

俺のどこがヘタレって言う話や!!この鳥野郎、いつか覚えとけ!

 

「まぁ、あの屋敷が健在なら問題はないな。そろそろ行くとするか……っ!?」

 

俺はその場を去ろうとすると、その屋敷からある人が出てきたので、俺は帽子を深くかぶり和服をしっかりと着直してばれないように立ち去ろうとしていた

 

「?」

 

俺はばれないように地面を見て歩いていたが何やら視線を感じていた。まさかと思うが気づかれたのか不安になっていたが………

 

「(バレたのか!?)」

 

「………」

 

俺は声かけられる前にその場を急いで立ち去った。その視線だけはなぜかずっと俺のほうに見透かされていて怖い感じがあったが、声かけないことから気のせいと思って去ったのか

 

「ぷはぁぁ………」

 

俺は屋敷から大分離れてからため息をついて呼吸を整えた。辺りに気配を感じないので近くの木に持たれた

 

「(まさか、立ち去るタイミングであの二人の妹が出てくるとはな。しかし、あの頃よりも成長してるのに驚いたな)……おい、俺の仕事はあるか?」

 

「カアカア!!南北山二鬼潜ンデイル!!ニンムハ一人!任務ハ一人!」

 

「任務は一人か。了解っと」

 

「ソレト南南北ニモムカエ!!マタオエタラツギノシゴトヲ与エル」

 

「…………なぁそれ俺がこれまで関東にいない分の仕事の押し付けとかではないやろうな?」

 

「サァ、イケェ!」

 

なんか釈然としないが、俺としてはとりあえずはこの任務を復帰しての最初の仕事に気合いを入っていた

 

「さぁ、悪鬼どもよ。俺の探してる情報があるのか……………教えてくれや………」

 

俺は日暮れと共に手袋を嵌めながら今夜の鬼が俺やそして鬼殺隊の有益な情報が出てくるのか楽しみになり近くの木に寝転がった。藤の家でもいいが俺は復帰したばかりだし、まずは下詰みだな

 

俺は眠りに着くと昔の事を思い出していた。どこにでもいる小さな少年でいつも両親同士が仲の良い家族の子供とと仲良く遊んでいたがそんな幸せは鬼によって破壊された。俺の家族は俺以外は失ってその鬼は俺が探し求めてる鬼で………ある人たちの仇敵でもある敵だ………

 

「さてと………夜か」

 

1911年にあれが起きて今は1915年……時の流れは残酷で俺は今もあの頃も疼くのはこの体の痛みと心の苦しみだ

 

「人間だ、人間だ!今日も肉つきの良い肉が来た!」

 

「よぉ、そこの悪鬼に聞くで……?俺が探してる扇の持ち主の鬼はここにいるかいないか答えろ」

 

「そ、そんなの答える分けねぇだろ?!(この俺様が震えてるのは殺気か!?)」

 

俺は殺気を出しながら多くの鬼が出ている場所に問いかけた。こいつらは今日もといった以上は見逃さないし、壊滅させることが俺の任務だ

 

「かかってこい、悪鬼」

 

「てめぇはなんだ!?」

 

「今日から復帰した鬼殺隊の男だよ。柱ではないが…………お前らごときに遅れをとる俺ではない。さぁ、来い!」

 

俺は体をリラックスさせるために軽くジャンプしてから拳を構えると鬼は躍起なっていたのか飛び込んできた

 

「命がどれだけ大切なことを知らないアホが………」

 

「アァァァァァ!!」

 

「その命を奪った報いとして死をさらせ。フゥゥゥ………拳の呼吸……」

 

俺は鬼が飛ぶのと同時に俺も飛び攻撃をした。そして鬼が着地すると同時に俺は右手を軽く降った

 

「………え?いつの間に首が………!?それに……なんだ……その呼吸は……」

 

「弐の型 裂散。俺は拳で戦うのがメインだから人よりのかなり瞬発力を鍛えていき、独自の型を作り上げた」

 

「いやだ!いやだ!死にたくない!?」

 

「お前はそうやってそういった人間をどれだけ殺した?勿論俺自身は天国行けると思ってはいないが……お前は無実の人を殺した罪で償いをしてこい」

 

消滅しかけている鬼に俺はせめてものの情けとして死に際を見送った。結局こいつも死にかけてもあの野郎の情報を引き渡さなかったか………いや知らなかったのか……

 

「てめぇはどこにいやがる?俺は逃がさない」

 

「次北上!北上!サッサトハタラケ!ハタラカナイ人間!」

 

「はいはい………いやまてこら?!働いてるだろ!?政府非公式とはいえ一応働いてるからな!?」

 

「フッ………サァ、イクゾ!」

 

「畜生!?鳥にバカにされた気分だよ!!」

 

俺はその鬼を殺すために今日の夜も和服を着直して駆け抜けることへと走っていった。ちなみに鬼滅隊の服は二年の戦いで破れてしまったから今はこれで代用してる

 

いつまでも逃げれると思うなよ、悪鬼が………!

 

 




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6話

1915年で時期は4月くらいだが、俺は鬼殺隊を復帰しても復帰しなくても一つだけ変わっていないことがある。それは睡眠時間で突然だが、人間は一日最低どれくらい寝ないときついか知ってるか?人の体質にもよるが、俺は八時間寝たらたっぷり回復する。しかし、あの頃からゆっくりと寝た記憶がなく、夢を見ればあの日のことや俺が鬼殺隊に入るきっかけも思い出してかならず寝不足になる

 

「きょうで6徹目………さすがに眠いぞ」

 

「顔洗エ!顔洗エ!コノチビブサイクメ!」

 

「不細工言うな!後身長はせめて平均といえコラァ!!」

 

「身長平均160!160!ケレド空ハ平均以下」

 

「ぐふ!?」

 

鳥に俺の身長を言われて俺の心は綺麗に折れていた。身長は確かに平均以下だが改めてこういわれると泣きたくなる………

 

「で、今回の任務は謎の集団失踪場所………。これだけを聞くと鬼が絡んでるのは確かだな」

 

四年前…………俺が本当の意味で鬼殺隊をやめるきっかけになったのは知り合えば知り合うほど失いかける苦しみや寂しさを覚えてしまった

 

「俺は他の優秀な隊士たちとは違い、この力をてに入れるまで毎日が血べとを吐きながら努力した……。そして、この4年間は特に力を蓄えてきた」

 

「イキナリ一人言!アタマワイタノカ!?」

 

「喧しい!?兎に角、俺が鬼殺隊を抜けるきっかけも含めての悪鬼がいるなら討伐するのみ…案内してくれ!」

 

「了解、了解!」

 

俺は鳥に謎の失踪した場所と思われる場所に走ると同時に嫌な予感が止まらなかった。まるでこれはあの頃と同じ感覚だと言うことに………

 

俺の嫌な予感は的中して、その場所は一言で言うならとんでもない惨事だった………。以前の村の壊滅よりも酷くむごい状態だ

 

「っ………」

 

俺が見た惨劇は多くの人の遺体で俺は吐きそうになっていた。いくらなんでもこれは惨すぎると言うことに………

 

「うわっ、これはすごい惨劇………」

 

「!」

 

俺は背後から何かの気配を感じて拳を構えたが、そこにいたのは狐の仮面を着けていた少女だったが俺は見覚えがあった……

 

「その声は………真菰?」

 

「え?何で私の名前を知ってるの……え?もしかって………空?」

 

「はぁ…………そうだ」

 

俺が挑む任務はどうやら単独ではなく合同だったみたいで、その合同する任務が真菰だったと言うことだ

 

「………っっ!!久しぶり~!!!!!」

 

「え……ぐぼぉぉ!!!?」

 

俺が何か発する前に真菰はまっすぐに突進してきた。俺は突然の突進に回避することできずに見事にみぞおちに直撃した

 

「久しぶりにあっていきなり突進する人がいるか!?」

 

「だって、久しぶりだもん!」

 

「えぇい!こんな光景を錆兎に見られたらどうする?!」

 

「え?なんでそこで錆兎の名前がでるの?」

 

「何でって……あぁ……そういうことか……(錆兎のやつ相変わらず告白できてないのか告白したけどスルーされたのかあるいはまだ好意すら気づいてもらえなかったとしたら??)」

 

俺は錆兎があいかわず真菰にアプローチしても気づいてもらえないのだとわかると何となく不憫に感じて悲しくなった

 

「色々と昔話をしたいところだけどまずは任務だよね!任務終わったらこの四年間のことを話してもらうよ!」

 

「わかったが………他の人間には内緒にしてくれ。絶対に話さないとか約束するなら話す」

 

「うん!」

 

俺の言葉に真菰は嬉しそうに笑っていたが、俺個人はまさか知り合いに会う任務になると思わなかった

 

「とりあえずは見る感じとしては………多くの人が食い荒らされてるな」

 

「うん。でも何日か前にやられてる感じで腐敗してるよね」

 

「奥にいたらいると思うか?」

 

「うーん、奥のほうにいるなら匂いや気配もわかるでしょ?だけど感じないからいないのかな」

 

真菰の言う通り奥にいる可能性もないと言うことは既に逃げられたと言うことか………。どうやらこれはお館様に連絡しとかないとな

 

「いやまて………真菰!後ろに飛べ!」

 

「うん!」

 

俺の言葉に真菰もなにか感じ取ったのか後ろに跳び跳ねて俺は拳を構えて真菰もすぐに刀を抜いた

 

「一匹、二匹……美味しそうな人間がいるな」

 

目の前に出てきた鬼は俺たちよりもでかく巨体だったが俺たちは動ずることなく、聞いた

 

「鬼殺隊だ。この惨劇は貴様の仕業か?」

 

「以下にも。この人間たちは我に食われる運命だった」

 

「へぇ……貴方が言う運命なら、今度は貴方がここで私達に倒される運命ね」

 

「蟻ごときが……調子に乗るな」

 

鬼の運命と言う言葉に真菰は皮肉で返すと、その鬼の逆輪触れたのかいくつも手形みたいなのが俺らに仕掛けてきた

 

「この程度の攻撃は回避しやすいな」

 

「うん、じゃあ向こうの攻撃が終えたら今度は私が仕掛けるね」

 

俺達は難なく回避して真菰は全集中呼吸をしながら鬼に接近していた。真菰の接近の早さに鬼は驚いていた

 

「速い!?」

 

「ひとつ良いこと教えとこう……俺が知る限りの真菰は……」

 

「水の呼吸参ノ型 流流舞い」

 

真菰は水の呼吸の使い手で参の型は水流のごとく流れるような足運びによる、回避と攻撃を合わせた技だ

 

「ぐっ!?」

 

「真菰は俺よりも普通に速いし強いぞ。それと、真菰ばかり見るな。こっちも見ろよ、鬼」

 

「ぬ!」

 

俺は鬼の体に近づき、俺は両手で鬼のお腹に当てて呼吸をした

 

「こういうでかい相手には両手で鬼の叩き込むのが一番。拳の呼吸壱の型改 両波動」

 

「がっ!?熱い……!?」

 

「さて、止めは譲るよ。真菰」

 

「うん、水の呼吸……」

 

俺の言葉を聞いた真菰は笑顔で刀の構えを変えて、鬼の首をめがけて……

 

「壱の型 水面切り」

 

「あっ…………」

 

昔、真菰にきいて教えてもらったが壱の型は交差させた両腕から、勢い良く水平に刀を振るう技。これは跳躍状態でも高い威力を持つ基本技でシンプルな分、攻撃力が高く強靭な鬼の首を斬ることができる。そんな首を斬られた鬼はほどしなく消滅した

 

「おわったか。真菰お疲れ様」

 

「うん。後の不始末は隠の人が来ると思うからそれまで待って昔話しない?この四年間のことを」

 

「別に良いが楽しい話はないぞ?」

 

「そっかー。あ、じゃあ、あの手形鬼の話をしょう?」

 

手形鬼の話をということは、あの最終のときのか………。あれは俺と真菰でも倒せなかった敵で錆兎も遭遇したらしいが、事前に真菰がいっていたので倒すことはできなかったが生き延びることができたらしい

 

「その手形の鬼がどうした?」

 

「ふふん、うちの弟弟子が倒しました~!」

 

「………は!?あの手形の鬼が真菰の弟弟子が倒したのか!?」

 

錆兎も真菰達ですら倒せなかったやつを一体どんな弟弟子が倒したんだ!?

 

「それを倒した名前は一体?」

 

「ふふん、その子は私たちの弟弟子竈門炭治郎だよー」

 

竈門炭治郎……なぜかその名前に俺はすごく印象的だったのはここだけの話だ………そして、俺は真菰にこの四年間の動向を話した………

 

飽きることなく久々の再開だからこその会話だった………

 

 




ここまで読んでいただきありがとうございます!
真菰生存ありです!
これからもよろしくお願いします


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7話

あの任務から翌朝になり俺と真菰はあの任務の後に俺と会ったことを誰もいわないことを条件に離れた所で喋ることになった

 

「なるほどな。真菰と錆兎はいまも三人いや、四人を育てた師匠を元に過ごしてるのか」

 

「うん。義勇は柱としての屋敷があるから一緒に住んでいないけど時々手紙を出してくれる。最初は義勇は私たち三人に一緒に住まないかと聞いたのだけど大好きな師範があの山で残るというので私達は残るほうに選択したんだよ」

 

「そうか。錆兎のやつは、相変わらずか?あいつのことだから弟弟子を厳しく指導していたのだろ?」

 

「ふふ、うん。でも、錆兎はすごい気に入ってるみたいだよ」

 

「錆兎もあの最終のであの手形と戦うときに冷静さを失いかけていたみたいだが、真菰が事前に生きることも戦いと教えたからあいつらは帰ってこれたのだろうがな……」

 

あいつは男として口うるさいところがあるし、なんていうか頑固なところがあるから時々それを真菰が指摘していたお陰でいまがあるのだろう

 

「錆兎が言うには、あの時に手形の鬼に刀を折られて本当なら無理にでも飛びかかりたいけど、刀が折れた事と私達の約束を思い出して、ですぐに撤退したみたい。私の教えではなく……私達の大好きな人を悲しませたくないと決めたからね」

 

「その結果、錆兎や義勇、そして最終選考に生き延びたやつらは今もなんとか闘っているらしいな」

 

真菰の言葉に俺も微笑みながらあの選考でよく生き延びたと思うよ。そういえば、真菰の今の階級はなんだろ?

 

「私は甲止まりかな。柱の話もあったけど義勇のほうにすすめたよ。それよりも空に聞きたいのだけど、蝶屋敷に行ったの?」

 

「………………」

 

「うん、その答えだけでわかったよ………まだ会いに行ってないのね」

 

「蝶屋敷は外で見たが、中には入ってないし俺には会う資格もないから会っていないな」

 

そう、俺はこの四年間会わないように音信不通で例え何があっても見つからないように鴉にも頼んで俺は避けていた

 

「ねぇ、純粋に疑問だけど会うのに資格はいるの?」

 

「……少なくとも俺自身は会う資格はない……だが、他の人はどうかは知らない」

 

真菰の質問に俺は遠い山を見ながら、答えた。その答えに真菰はどう受け止めたかはわからないがな

 

「はぁ、四年も音信不通な上に久々にあったら相変わらず頑固だね」

 

「悪いか?それと四年ぶりにあったわりには相変わらず身長はのびーー!」

 

「それは触れないでね?しのぶも私もどうやったら身長伸びるか悩んでる日々なのにそれを次いったらわかってるね?(あと胸も………ね)」

 

「………………はい」

 

真菰の表情は笑顔だが、刀をいつでも抜けるように構えながら怒りのオーラを宿ってるのわかったので、すぐに謝った。そして真菰は少しため息つきながら本題を切り出した

 

「はぁ……、話それたね。本当にあの子達に会うつもりないのね?」

 

「あぁ、四年も会ってないがこれからも会うつもりない。なにせ、俺が会わない事そして、俺が消えている事で胡蝶姉妹の不幸が避けられるなら安いものだ」

 

「また、そうやって自分の命を軽く見る……。今会えばきっと変わると思うよ?」

 

「どうだかな。それに、そうであっても俺は会うつもりはない」

 

俺はそれをいいながら手袋を嵌めて、次の場所の任務を思い出していた。とりあえずは蝶屋敷にいくことはこれからもないし、いかないようにしとこう

 

「で、真菰はこれから任務なのか?」

 

「うん」

 

「じゃあ俺もそろそろ別の任務にいく。ま、おれと会ったことを内緒にしてくれよ」

 

「じゃあ、また会おうね」

 

「おう」

 

俺と真菰はお互いに話すことは終えて、それぞれ任務があるので別れた。俺は鳥に次の任務が何なのか聞いた

 

「ツギハ蜂山ノホウニ迎エ!ツギハ、蜂山ニムカエ!」

 

「わかった」

 

鴉の話を聞いて俺はそちらに向かおうとすると後ろから大きな声が聞こえた

 

「ねぇ!!」

 

「真菰?」

 

「また!!皆で集まって食べようね!!」

 

「!………あぁ」

 

真菰の言葉に俺は振り向くことなく手をあげてゆっくりと次の目的の山へと駆け出した。もう二度と悲しみを繰り返さないためにも俺は今日もいきる

 

 




ここまで読んでいただきありがとうございます!
知らない間に星の評価していただいたかたもいますが、厳しい評価で少し落ち込みました……(苦笑)
ですが、これからも書いていきますのでよろしくお願いします


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8話

真菰と別れてからもあれから多くの鬼を討伐して休むことなく何日も何日も戦い続けた。鬼殺隊は代々人手が少ないからこそ、俺は少しでも多くの働きを解消しているがそれは建前である

 

「はぁ……お前も俺が探し求めてる奴の情報がないとわかった以上、これ以上は生かす意味はない。俺がこの手で介錯してあげるから腹をくくれ……拳の呼吸……」

 

「やめーー」

 

「やめろってか?お前はか弱い人間がやめてほしいといってお前はやめたか?安心しろ、痛みも苦しみもなく一撃で終えてやる。弐の型 裂散」

 

俺は鬼の止める声を聞かずに切り裂くと鬼は消滅した。ここ最近以上に鬼が活発になってるのは気になるところだがそれは俺が気にすることではない

 

「鬼が存在してるそして、俺が鬼殺隊である以上、俺は俺として戦い続ける」

 

「カアカア!次ノ任務!次ノ任務!」

 

「ん?」

 

和服を着直しながら、鳥の伝令を聞いていた。ちなみ俺はようやく鬼殺隊の隊服が届いたが、届けにきたのは隠の後藤……後っさんだった

 

『てめぇ生きてたのならなんで連絡寄越さんのじゃぁぁぁぁ!!!』

 

と理不尽に殴りながら言われたが、「そもそも四年前に俺は消えた身だからいちいち連絡する義務もないでしょ!?」というと納得していた。ちなみに口止めもしっかりとしてもらった

 

「さてさて、次の任務はなんだ?夜はまだまだ続いてるからな」

 

「那田蜘蛛山ニムカエ!繰リ返ス!!那田蜘蛛山ニムカエ!」

 

「那田蜘蛛山に?ここから向かうなら近いな……

任務の詳細をくれ」

 

俺は鴉にそれを聞くと、任務の詳細は那田蜘蛛山で鬼が潜んでいて先遣隊が行ったが壊滅していたと言うことだ

 

「壊滅だと!?」

 

「ソウダ、ソウダ!救援要請」

 

「緊急事態で近くにいるからおれをうごかすのはいいとしても……もしも、ここで知り合いに会ったら嫌だな……。だが、迷っている間に民間人に被害いく可能性も考えたら四の五のいってられないか…案内してくれ!!!」

 

俺はその伝言を聞いて一瞬悩んだが、那田蜘蛛山の方へと急いで駆けつけていた。もしもここで悩んでる間も鬼殺隊がとんでもないことになるならそれだけは避けたい!

 

「ん?」

 

俺は急いで目的の山付近に近づくと三人の若い隊士がそこにいたので俺は声かけた。恐らくここにいるということは、ここの任務に振り分けられたのだろう……

 

「おい、そこにいるお前達も那田蜘蛛山の任務か!?」

 

「は、はい!」

 

「ひぃぃぃ!?鬼が来たのか!?ってか誰?!」

 

「あん!?てめぇはイキナリ声かけてきてなにもんだよ!?」

 

俺の問いに三者三様の答えで俺は戸惑いながらも、とりあえずはなんでそこで立ち尽くしているのかわからないが篭を背負った一人の男が自己紹介をした

 

「俺は竈門炭治郎です!で、あそこに怯えてるのが………」

 

「ひぃぃ!我妻善逸だよ!あんた強いなら俺を守ってぇぇぇ!!」

 

「俺は嘴平伊之助様だ!!」

 

「(竈門炭治郎って………まさかあの?)あー、なんか個性的な面子だな。俺は夛田空で階級は甲だ」

 

俺は竈門炭治郎という名前に反応を示すもとりあえずは自己紹介をして階級を話すと3人はビックリしていた

 

「甲!?普通に俺たちより上の階級じゃん?!俺を守って!」

 

「お前強いのか!?俺と戦え!」

 

「こら!善逸はしがみつかない!伊之助は上の人にお前と言わない!」

 

「あー、敬語とか無理に使わないでいいぞ?俺は敬語とか使われるのはなんか気恥ずかしいし………とりあえず下の名前で呼ぶが良いか?」

 

「俺は大丈夫です!」

 

なんかこの短時間でなんか三人の性格というか特徴つかめたわ。炭治郎は真面目なキャラで善逸は泣き虫というか弱腰で伊之助は活発な俺様キャラ?かな……。まぁ、いずれもあの最終残っていたくらいだから実力はあるはずだ

 

「とりあえず、ここでしゃべっても仕方がないのだから任務目的の山に入るぞ」

 

「え!?はいるの!?ねぇ、はいるの!?」

 

善逸が何か言ってるがとりあえずは山に入るように動いた。俺と後に続くように炭治郎と伊之助が続いて入っていた

 

「とりあえずは鬼がいるのは確かだがお前達の話だと、一人の隊員が無理矢理山の方に引き返されたような動きがあったといっていたな?」

 

「はい!」

 

「なぁなぁ、お前強いのなら俺と戦えよ!」

 

「伊之助、俺と戦うならとりあえずはこの任務をきちんと生きてたら相手してあげるからいまは聞いてくれ」

 

「おぉ本当か!約束だぞ!和服チビ!」

 

「和服チビって……俺の名前は空って言うのがあるんだがな。まぁいまはそれを指摘してる場合じゃねぇな」

 

一応今のうちにこいつがお館様の前で失礼な口走る日が来ないことを祈りながら釘を指しておこうか悩んだが止めておいた。正直こいつの性格上お館様に失礼な口を走ったら間違いなく柱に怒られるじゃすまないことになる

 

「ん?あそこに隊員がいる」

 

炭治郎が近づこうとしていて先に行くと同時に伊之助も共にあるいていた。俺はこの山が何が起こってるのかわからないが、とてつもなく悪い予感がしていた

 

「応援に来ました。階級癸竈門炭治郎です」

 

「……癸……!?何で柱じゃないんだよ!癸が何人来たって同じだ!!意味がない!ぁぁ!」

 

この慌てぶりは尋常じゃないなと思い、とりあえずは落ち着かせようと思い近づくと伊之助がその隊士の顔面を思いきり殴っていた

 

「伊之助ぇぇ!?」

 

「うるせぇ!意味がある無しって言ったら、お前のそんなこと聞きたくねぇんだよ!さっさと状況を説明しろ!!このはげっぱが!」

 

「なんなんだこいつ!?」

 

まぁ、確かに切羽詰まっているからこそすぐに情報ほしいよな。だが、これでは喧嘩になりかねないから伊之助を止めた

 

「ハイハイ落ち着け、伊之助」

 

「あ!?和服チビがなにイキナリ出てくるんだよ!?」

 

「こら、和服チビではなく夛田さんか空さんとかなまえいいなよ」

 

伊之助の呼び捨てに炭治郎がたしなめていたが俺はその光景に苦笑していた。だが、その隊員は俺を見て驚いていた

 

「貴方は!?」

 

「ん、俺を知ってるのかもしれんが、状況をまず説明しろ。話はそれからだ」

 

「は、はい。分かりました……!」

 

村田隊員の話によると山にはいってすぐに選遣隊がなにかに操られて斬り合いになったという話だがこれは恐らく並みの隊員達では無理だろうな

 

「こりゃあ、ひょっとしたら只の鬼じゃないのかもしれないな。炭治郎、伊之助、そして村田隊員……この任務は気を締めないとダメみたいだな」

 

「「え?」」

 

「あ?」

 

俺の言葉に三人は?となっていたが俺はまだこの山にいると思われる悪鬼がただ者ではないと判断して、手袋をきつくしめた

 

「久々に気を締めて行くか……」

 

この山にやつもいるのか?俺が探してる情報が手にはいるのか?さぁ、悪鬼よ覚悟しやがれ

 

 




ここまで読んでいただきありがとうございます!
今回ようやく鬼滅の本当の主人公と遭遇しました!
これからもよろしくお願いします


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9話

手袋をきつく絞めながら村田隊員の先ほどの話を思い出して歩いていた。突然隊員が切りあうことから考えられるのは血鬼術だとおもうが……今とるべき選択は…

 

「とりあえずは俺が先に奥の方にいく。炭治郎と伊之助は村田隊員と共に動いておけ……(あれ、善逸がいないな……?)」

 

「俺様に指図するな!!この和服チビ!」

 

「こら、伊之助!……ん、この音は……」

 

「ひぃいぃ……!」

 

炭治郎の声に村田隊員はなにかに怯える声になり、この反応を見る限りどうやら単独でいま動くのは危険みたいだな

 

「この音だ……この音で………これで切り合いになったんだ!」

 

「それは本当か?」

 

「は、はい!間違いなくこの音です!」

 

「音はどこから……!?」

 

炭治郎は辺りを警戒しながらそう漏らしていたら、村田隊員はその音との方向に気付き、俺も炭治郎達もその光景を見た

 

「!?」

 

多くの血まみれの隊員達がよろよろとこちらに向かって歩き、そして一人の隊員が村田隊員に切りかかっていた。それに続くように俺たちにも襲いかかってきたが………

 

「っほ!太刀筋があまいな……」

 

俺は難なく交わしていたし、炭治郎達も戦いに慣れているのか落ち着いて回避していた。伊之助は自信満々に「隊員同士の争いは御法度だぜ!」と言っていたが、炭治郎はなにかおかしいと気づいて観察した結果、操られてると指摘していた

 

「あいつらは冷静に対応してるし、大丈夫みたいだ……な!っと……いやいや、俺相手に三人って虐め?」

 

「「「……」」」

 

俺相手には三人とかもはやいじめじゃないか?そう思っていると炭治郎達が村田隊員のピンチを助けて炭治郎が操っているそれはなにか気づいたみたいだ

 

「糸だ!糸で操られている」

 

「糸か……ならば気絶させても、すぐに操られては意味ないみたいだな…っと!しつこいな」

 

「伊之助、糸を!!」

 

「おう!」

 

炭治郎の言葉とともに伊之助は俺の目の前の敵も含めて操られてる隊員の糸を切り落としていた。糸を切り落としたからこれで一段落すむと思えないが……目の前に見えるのは蜘蛛か?

 

「炭治郎の予想が糸で隊員を操ってるなら?、それも蜘蛛で地面を取り敢えず威嚇で殴ってみるか……ッハ!」

 

拳で振り落とすと蜘蛛は退散していた。どうやらあれが操っているもとなるのか……

 

「っ鼻が!!」

 

「炭治郎、体調がわるいのか!?」

 

「いえ、大丈夫です!」

 

急に炭治郎がお鼻を押さえていたので俺は不審に思い声かけるが、炭治郎は否定していてすぐに伊之助に指示していた

 

「伊之助!!この人たちが俺たちを襲うのは蜘蛛が操っているせいなんだ!」

 

「じゃあ、蜘蛛を皆殺しにしたらいいんだな!」

 

「むりだ!蜘蛛が多すぎる!元凶を見つけないとダメだ!」

 

「それなら、地面で踏み潰すか振動するので、ここらへんの蜘蛛をすこし蹴散らすか。それも元凶を探す時間稼ぐか」

 

「え?」

 

俺は呼吸を整えて下半身に力を入れて右足をゆっくりとあげた

 

「拳の呼吸……参の型改」

 

「拳の呼吸!?」

 

「獅子落とし 威嚇」

 

俺は地面に足で叩き込むと蜘蛛は退散していて地面に軽く亀裂が走っていた。それと同時に操られていた隊員もよろけていたので、炭治郎はその間に伊之助に何らかの方法で探知できるなら頼むと言っていた

 

「伊之助頼む!さっきからなんかの異臭で俺の鼻が機能しないんだ!」

 

「っ!(鼻が機能しないだと??)」

 

「とにかく、俺と空さんとえーと、むらやまさん!」

 

「違う、村田!!」

 

「俺と村田さんと空さんがなんとか押さえとくから伊之助は探知か何かしてくれ!!っ!?」

 

炭治郎が突然空を見上げたので俺は迫ってくる隊士を交わして空を見上げると子供のような白いやつが空浮かんでいた

 

「浮いてる……!?」

 

「いや、糸で空に浮いてるように見えるんだ!」

 

「…………僕たち家族の静かな暮らしを邪魔するものか。お前たちみたいなのは母さんが殺すから」

 

母さん?それにこいつも鬼だろうがなんだ?この違和感は?目の前にいるこいつはそこら辺の鬼と一緒にしてはいけない感じがするな……

 

「おら、高みの見物せずに降りてきやがれぇぇぇ!!って、ぁぁぁ!!」

 

「伊之助、どうやら操っているのは別の鬼みたいだ!頼む!」

 

伊之助は操られてる隊員の背中に乗り上げてその鬼に切りかかるも届かずに地面に直撃。そして、炭治郎は操っているのはまた別の鬼だと指摘していた

 

「あぁ、もう、わかったぜ!!鬼の居場所探れってことだろ!?うるさいっての、このデコパチ!」

 

炭治郎の言葉に少し怒りながらも伊之助は刀を地面に指して両手を広げていた

 

「獣の呼吸……漆の型空間識覚」

 

「おらよ!(空間識覚とは……獣の呼吸にそんなのがあるのかよ!?なんか便利そうだな!)」

 

俺は獣の呼吸の力に感心していた。感心しながらも隊員は攻撃するので、俺は操られてる隊員を交わして時には拳で軽く飛ばしながら、伊之助の報告を待っていた

 

「よし、見つけたぁ………!」

 

「見つけたのか………よし!あとは、この操られてる隊員を…なんとかするか!」

 

一人の隊員がいつまでたってきても刀振るってきたので、俺は隊員の手首に当てて右手でその刀をつかみ振り払った

 

「少し悪いが、刀を借りる!」

 

糸を拳で切るにしては時間がかかるなら刀で切り伏せるのが一番だ。それに、この刀を奪ったときにこの隊員はすでに冷たく死んでるのが分かっていた

 

「空さん!(空さんは見る限り刀を使えそうにない!急がないと!)」

 

「安心しろ…」

 

炭治郎の焦る声が聞こえるが俺は焦ることなく、両手で刀を握り糸を呼吸使わずに一撃で切り裂いた

 

「え?」

 

「お前は恐らく俺が刀使えると思っていないから焦ったのだろ?確かに俺は拳を使うのがメインだが………別に刀を振ることくらいは俺も使えるんだぜ?」

 

炭治郎は俺が刀を使って鬼が操っている糸を切り伏せるのをみて唖然としていた。一応、呼吸は抜きにしても刀を振るうことくらいは出来るからな




ここまで読んでいただきありがとございます!
これからもよろしくお願いします!


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10話

俺は死んだ隊員から奪い取った刀を構えながら目の前の武器がない隊員を見ていた。普通は、武器がない場合は俺みたいに拳の呼吸を使ってるなら、鬼に対抗できるが……ここにいる全員は武器がないと使えないのだろうな。しかし、操られてる隊員は武器がないのも関係なく襲いかかってきたので、片手で糸を切り伏せていた

 

「しかしまぁ………死んでる人間も操るとは、ずいぶんと趣味が悪いことをしてくれるな……!炭治郎、村田、伊之助、どうやら武器を奪っても襲いかかってくるようだから、武器を奪ったり糸を斬ってもきりがないみたいだぞ」

 

「じゃあ、どうしたら!?」

 

「村田、落ち着け。炭治郎と伊之助がすでになにか動いてくれてるのだろ?」

 

「は、はい!俺は鼻が利くから色々とわかるのですが、なにかに邪魔されてるので伊之助が見つけてくれたみたいです!」

 

「おう!あっちだ!ビンビン感じるぜ!!」

 

「そうか凄いぞ、伊之助!」

 

伊之助が刀を指しながらその方向に向けると炭治郎は伊之助を誉めていた。そんな炭治郎に誉められた伊之助はなにかに驚いていたが、伊之助は操られてる隊員が切りかかって来たので後ろに下がった

 

「っ!こいつらを何とかしねぇと先に進めねぇ!」

 

「くそ!なにか…なにか方法はないのか!?」

 

「こいつらをもう殺すしかないのか!?」

 

「ダメだ、やめろ!なにか方法はあるはず!だからこの人たちを傷つけるのは……!?」

 

炭治郎が何とかすると考えてると、なにかに気づきよそ見していた。そんな隙だらけの炭治郎に操られてる隊員が切りかかるが、俺が動くよりもある一人の隊員が動いた

 

「村田さん!」

 

「ここは俺に任せて先に行け!」

 

「モンモン漏らし野郎がなにいってるんだ!」

 

「誰が漏らした!?このくそ猪!!てめぇに話しかけてねぇわ!!黙っとけ!」

 

「あぁ!?!」

 

村田隊員と伊之助のやりとりに俺は思わず笑いそうになっていたが、一人の斬りかかってきたきた奴を回避して村田の言い分を黙って聞いていた

 

「情けないところを見せたが、俺も鬼殺隊の戦士だ!ここは何とかする!糸を切ればいいというのがわかったし、ここの操られた人は単純だ!」

 

「分かりました、感謝します!」

 

炭治郎は伊之助を連れて奥の方に走るのを見届けると俺は念のために村田隊員に聞いた

 

「村田隊員、俺の手助けはいるか?」

 

「いや、貴方はあいつらの助けを!」

 

「そうか。ま、お前ならあの奇跡の最終選別を生き延びた世代なら任せられる!」

 

「それは違います!俺達は!」

 

まぁ、事の詳細とかも聞いてるし、錆兎があの選別でみんなを助けたのも聞いてる。だが、俺の持論だが生き延びたこいつらはすごいと思う

 

「まぁ、いい!炭治郎達の手助けにいくが、ヤバイと思ったら逃げろ!お前は生きることに恥を持つなよ!」

 

俺はそれだけを言うと奪った刀をかりて炭治郎達が進んでいた場所に進んでいこうとするとまた二人は足を止めていた

 

「早く上の階級を!!」

 

一人の女性の叫びに炭治郎達は動きを止めていたが、いきなり女性はさっきよりも速い速度で炭治郎達を襲いかかってきた。その流れで倒れていた二人の隊員も攻撃しかけていた

 

「はやい!?」

 

「違うの!!私は……私は!!こんなに強くなんかない!」

 

「ッチ、なりふり構わず操りやがったか!?」

 

俺は下半身に力を入れて、炭治郎たちよりも前にいくことで女性の刀の振り下ろしを防いだ。それにより、向こうの攻撃も収まった

 

「炭治郎、何を足止めしてる!」

 

「空さん!」

 

「和服チビ!」

 

「その呼び方はもう確定なんやな………っと!」

 

俺は一人の女性隊員の刀を防ぎながら炭治郎たちに呼び掛けた

 

「貴方は!?」

 

「はぁ………また知り合いが出たか……ったく!鬼のやつ後で絶対に殴り倒す!」

 

「お願い!私たちを止めてぇぇ!」

 

「炭治郎、この人たちも操られてるのに間違いないよな!?」

 

「はい!!」

 

俺は念のために確認をすると炭治郎は大きな声で返事してくれたので俺は借りた刀を構えながら体を左の方に曲げてゆっくりと呼吸を整えていると、女性隊員は切りかかってきた

 

「(糸は見えた……)そこ!」

 

「「!?」」

 

俺は勢いよく水平に糸を切りかかるとその糸は切れて女性隊員の操っていたのが抜けた

 

「っはぁはぁはぁ!」

 

女性は死を覚悟したのかあるいは、操られていたせいでずっと攻撃していたのか呼吸が荒かった

 

「炭治郎、こっちは終えた!お前達は!?」

 

「いま一人の人を木の上に投げました!」

 

「木の上に………?考えたな」

 

伊之助も一人の隊員を投げようとすると突然操られていた隊員の様子がおかしくなり、すると首が思いきり人には曲がっては行けない方向になった

 

「「「「!」」」」

 

「ひぃ!?」

 

そしてその人たちは動かなくなり、女性隊員は震えて伊之助はできなくって悔しいのか叫んでいた

 

「畜生!みんな殺られてしまたじゃねぇかよ!」

 

「……い、一歩遅かったら、わたしは!わたしは!」

 

「落ち着け……む、炭治郎?」

 

「…………っっ」

 

「!(なんだ、炭治郎の奴怒ってるのか………!?)」

 

俺は後ろ姿でしか見えないが炭治郎がさっきよりも見せたことがない怒気の雰囲気が感じとり俺やさっきまで叫んでいた伊之助ですら黙っていた

 

「………いこう」

 

「………おう」

 

「………炭治郎、伊之助!俺はこの女性隊員をまずは避難させる」

 

「あ!?なんでてめぇはこないんだよ!?」

 

「この女性はさっきので精神的にもうきついのと………恐らくこの精神状態ではもう鬼殺隊の前線では戦えない。それに今このままここで一人にしては…また操られるのが落ちだ」

 

「分かりました、お願いします………」

 

炭治郎はそれだけ言うと奥の方にと進み俺は隠していた所から包帯を取り出してその女性を巻くことにした………

 

「ひとまずその手当てをするから呼吸を整えろ。尾崎隊員」

 

必ず後でいくから耐えろよ、炭治郎に伊之助




ここまで読んでいただきありがとうございます!次回もよろしくお願いします!


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11話

俺は死んでいた隊員の借りた刀を地面に刺しながら、女性隊員の治療をしていた。何で包帯を持っているかと言うと、俺は関西に二年と他のところに二年間ある事を探していたら、やはり鬼も遭遇するし、傷だらけになるだろ?だから、自分の手当てをするためにも包帯を持っていた

 

「はぁ………知り合いに会うの覚悟でこの山に来たらまさか昔一回任務で同行したことがある尾崎隊員がいると思わなかったぞ」

 

「………私も驚きです。四年前に次の柱として期待されていたのに失踪した夛田空隊員が目の前にいることに驚きです」

 

「それはもはや過去の事だし、今は只の鬼を殺す隊員だ。しかし、尾崎隊員はしっかりと生き残っていたんだな。鬼殺隊は多くの知り合いがいなくなりやすい場所だが、この四年間で生き延びていたのは大したものだ」

 

俺は尾崎隊員の足をきっちりと巻きながら腕の方も巻いていた。恐らく怪我もそうだが、鬼を殺す隊員としてはもはや無理だろう

 

「悪いことは言わん。今の精神的な状態や怪我の具合を考えたら鬼殺隊をやめるかやめないで隠の方に回ることをすすめる」

 

「………」

 

「鬼が憎い気持ちもあるだろうし、倒すために入ってきた隊員は俺も多く見てきたが……精神的にやられた人間が無理に鬼を討伐しても早く亡くなる事がある。だから、そこを踏まえてゆっくりと考えろ」

 

「わたしは……」

 

「勿論、鬼殺隊の一員として戦う選択をやめないでもいいが……命は金で買えないから、きちんと決めて判断しろ。あと俺と会ったことを内密にしてくれ」

 

俺と会ったことを内密してほしいと言うと、尾崎隊員が驚き俺を見ていた。俺は苦笑しながらもお願いした

 

「他の隊員にも頼んだが、本当に会ったことを内密にしてくれ。………俺は今、本当に会う資格がない人達がいる俺が生きていたとか会ったと知るとめんどくいからな……」

 

「え?」

 

「すまない、何でもない。それより、糸を操る蜘蛛がもうでないことから炭治郎達がうまくいったのだろう………」

 

「………あの、夛田隊員はさっきの二人の手助けをお願いします」

 

俺は炭治郎達がなにか成し遂げたと思うと同時に尾崎隊員が炭治郎達の手助けをお願いすると言っていた

 

「だが……」

 

「私はもう大丈夫ですから……お願いします!」

 

「………わかった。なら、先にいくぞ……」

 

俺は全速力で先に向かったと思われる炭治郎の方へと走ると至るところに切りあいの跡があった。その切り合いの痕がある事から、そんなに遠くないと判断して走っていた。少しして川が見えて出ると炭治郎達がいたがなにか伊之助が怒ってる

 

「炭治郎、伊之助……無事そうだな」

 

「和服チビ野郎!生きてたんか!」

 

「和服チビから野郎も付け加えた!?ってそんなことはどうでもいいが、何をもめてる?」

 

そこで訳を聞くと伊之助が怪我していることで炭治郎は下山をしろというが、本人は「この程度は大丈夫だ!」だと言う

 

「やれやれ……ん?」

 

俺は振り向くと同時に炭治郎達も振り向くと白髪の女の子がたっていた。見た目で判断しないが、恐らく俺の経験上あれは鬼か!?

 

「ぶはは!!ぶったきってやるぜ、鬼こらぁ!!」

 

「伊之助!」

 

伊之助が飛び出たので俺も急いで追いかけるとその鬼の女の子は叫んでいた。俺も嫌な予感をして追いかけることにした

 

「まてぇ!」

 

「伊之助、闇雲に走るな!?」

 

「っ!お父さん!おじさん!!」

 

「「誰がお父さんとおじさんだこらぁぁ!!」」

 

女の子の言葉に俺達は予想外の言葉に怒ると上からなにか降りてくるのが感じとり見上げるとかなりでかい!

 

「っと!」

 

「よっと!」

 

俺と伊之助は後ろの方に下がり攻撃した方向に見ると蜘蛛顔の巨体な鬼が2体いた

 

「「っぁぁぁ!俺達の家族に………」」

 

「くるぞ!」

 

「手を出すんじゃねぇ!!!」

 

「(なんつう威力!?)」

 

「あとは任せたよ、お父さん、おじさん」

 

女の鬼がどこかにいるの見えたが伊之助は空中に浮かんでいて俺は川の方についてるともう一体の鬼が蹴りこむの見えたので、俺は拳の呼吸を……炭治郎は刀を抜いて呼吸をして伊之助の攻撃を防ごうとしてた

 

「水の呼吸……弐の型…」

 

「拳の呼吸壱の型……!!」

 

「「ぁぁぁ」」

 

「水車!!」

 

「波動!」

 

俺の拳は鬼の足と相反していて炭治郎の攻撃は鬼の右腕で受け止めていた。どうやら、まだまだ鬼の刈り取りの時間は終わらないみたいだな…………!!




ここまで読んでいただきありがとうございます!次回もよろしくお願いします!


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12話

俺の拳とでかい人型の蜘蛛が蹴りこもうとしていた足の力は互角。お互いの攻撃がぶつかり合った衝撃により、近くの木に直撃しそうになるが空中で回転して、着地した

 

「久しぶりに良い手応えのある格闘の鬼か……?まぁ、そんなことよりも炭治郎と伊之助で一体の鬼を任せる!もう一体の方は俺に任せろ!」

 

「そんな!?一人でそんな鬼を相手するのは厳しいのでは!」

 

「安心しろ、これくらいの敵なら俺は何度も味わってるからな……。だが、ここでやるにしては少し狭いから攻め方変えるか………。拳の呼吸……参の型」

 

「俺達の家族に手を出すんじゃねぇーー!」

 

俺は鬼の右拳を回避して、鬼の右腕に駆け足で登りながら足に威力がたまってきたのを感じてそろそろ攻撃しかけることができると判断した俺は空中へ浮いて鬼の頭の方に攻撃しかけた

 

「獅子落とし!!」

 

「!?」

 

俺の足の攻撃に鬼は腕でガードしていた。ちなみにここだけの話だが、俺の拳や足には日輪刀ならず日輪靴と日輪拳だ。これを頼んだときに刀鍛冶ができないと言っていたが………

 

『できると信じて、頼んでいるのですがまさか、頼まれた事を初めからできないと言うのですか?』

 

というと、見事にヒートアップして完成してくれた。他の隊員……つまり、柱とかは稀に本来の日輪刀とは違う形のを使うのを見たことあったからこそ頼んだ。ちなみにあの頼み方はある人物を真似して覚えたからな

 

「匠が体をはって作ってくれたのだから………あとは使い手がそいつをしっかりと生かせたらいいんだよ!!おらぁぁ!!」

 

「ぁぁぁ!!!!」

 

拳の呼吸で参の型の獅子落としに両腕で防ぎきれずに、川の地面に叩き込まれていた。俺はすぐにその巨体な鬼から離れて炭治郎達の方を見ると向こうも何かしらの方法で鬼を攻撃したみたいだな

 

「向こうもなんとか行けそうみたいだな。……む?」

 

「ぉぉぉ!!」

 

「すぐ起き上がるとは……。此方としては、かなり良い攻撃を与えたのたが、耐性はかなりあるみたいだな……っと!」

 

鬼は怒り狂いながら攻撃を繰り出すが、俺は冷静に回避をすると俺が先までいたその攻撃された地面は割れていた

 

「しかし、参の型は手加減なく殺すつもりで仕掛けたが、耐えるとは何て恐ろしい奴だ。あんな頑丈でそう簡単に首とられないのなら次の攻めかたは………「モンバチロウ!?!」…!?」

 

俺は声した方向に振り向くと炭治郎が空の方に飛ばされていた。俺はすぐにその敵を飛ばして助けに行こうと思ったが、拳が何度こもこちらに迫りやりにくかった

 

「狂暴性があり、なおかつそれが二体となればもはや、出し惜しみはせん!」

 

「ぁぁぁ!」

 

「まずはお前をたおす!拳の呼吸……肆の型………」

 

俺は全身に集中して、拳や足に炎を宿ってきて構え直した。この技は後々ものすごい筋肉痛来るから嫌いなんだけど……まぁ、そうなったらまた鍛えたらいいか

 

「とりあえず……お前をぶっ飛ばすぞ」

 

「!?!」

 

「っららららら!!!」

 

「ごぎゃぁぁう!?!」

 

まだだ!肩、足、胸、肋!兎に角連続で攻撃を休めずに連続攻撃をするのがこれの特徴だろうが真の骨頂は……!

 

「っぁぁ!」

 

「こんな闇雲な攻撃に俺が直撃すると思ったか!?おらぁぁ!」

 

「っぁぁ!?!!」

 

鬼の腕を思いきり上に弾くのと同時に俺は次の攻撃の段階に移った

 

「終わりだ!貫かれて倒れろ」

 

左手で巨体な鬼の人間で言うなら心臓の部分に置き、右を思いきり殴るように腰を振った。速度も威力は最高の一撃で叩きのめすための連続攻撃をするのが……

 

「(この技の真骨頂だ!)拳の呼吸肆の型!!炎天!!」

 

俺の叫びと共に鬼の心臓の部分が炎に貫かれたかのような痛みを感じたのか叫んでいた。そして、俺はすぐに肆の型から弐の型で首を跳ねようとした

 

「弐の型で首を跳ねてやる……!む!?」

 

「ギョァァァァ」

 

「なっ、立ち上がった上にさらにでかくなるだと!?」

 

「フゥゥゥゥ………!!」

 

おいおい、怒りでついに己の制御できずになったのかこいつはいくらなんでも大きすぎないか?

 

「仕留めても仕留めても立ち上がるのなら次の型でなんとか首を仕留めるか?だが、あまり時間がかかるとあいつらが危ない……」

 

「その必要はない。お前一人で戦う必要はない」

 

「む!?」

 

俺は声した方向に振り向くとそこには見覚えのある仮面がつけていて頬に傷がある男が歩いていたが俺はそいつを知ってる

 

「久しぶりだな。空」

 

「錆兎!?まさか増援が錆兎だけか……?」

 

「増援しに来たのは俺だけではないけどな。それに距離が近かったから真菰も来ている」

 

「やっほー」

 

錆兎の後ろに真菰もいた。柱とかが来ると警戒していたがまさかこの二人とはな

 

「で、必要ないとはどういうことだ?炭治郎達の助けにいかないでいいのか?」

 

「炭治郎も来ているんだ。あのね、たぶんだけど義勇としのぶちゃんのどちらかが炭治郎に遭遇してるかも」

 

「!?(しのぶ………か)」

 

二人の名前を聞いて俺は一瞬驚くも、すぐに表情を変えて目の前の鬼に意識向けた

 

「そうか、ならあれを二人が首とってくれ。一撃は叩き込むからな」

 

「わかった。錆兎いける?」

 

「勿論だ。久々の組み合わせだから足引っ張るなよ、空」

 

「おいおい、誰にものをいってやがる。さっさとおわらせるぞ!」

 

俺達は走りながらでかい鬼の接近して鬼は近づけまいと拳を振り下ろしてきたが……

 

「ぉぉぉ!!」

 

「拳の呼吸………壱の型 波動!」

 

俺は拳を突きだすと鬼の拳と相殺していた。よろける鬼の隙を逃さない真菰と錆兎は走っていた

 

「全集中水の呼吸……漆ノ型 雫波紋突き・曲」

 

真菰がいま出した水の呼吸の漆の型雫波紋突き・曲は全ての水の呼吸の技の中で最速の突き。鬼の頸を斬り落とすには向かないため、牽制または迎撃用だが……

 

「!?!」

 

「真菰は水の呼吸の使い手の中でも最速を誇るし、威力がない分攻撃の鋭さがある。そんな真菰は本来の使いとはまた違うパターンでするから凄い」

 

「真菰ばかり見ては困るな…俺も強い男として見せてやるぞ……全集中水の呼吸捌ノ型 滝壺!」

 

錆兎は怒涛の勢いと共に上段から鬼の体を打ち下ろす。威力、攻撃範囲ともトップクラスで錆兎はまた水の使い手でもだれよりも威力があるのが錆兎の力だ

 

「止めだ………全集中水の呼吸 弐ノ型・改 横水車」

 

錆兎が出した水の呼吸 弐ノ型・改 横水車は弐の型水車は垂直方向に身体ごと一回転しながら斬りつけることで、広範囲の敵を攻撃する技。それをさらに改良した技が大型の鬼にも有効で改式として、水平方向に回転しながら斬りつける”横水車”もある

 

「あっ………」

 

鬼は成すすべなく、首を切られてゆっくりと、消滅していた……。俺はまともに喋れないこいつらに有用な情報が手に入りそうにはないと思い諦めていたので、錆兎達に別れをいってから炭治郎の方を見に行こうとすると錆兎が俺をとめた

 

「まて、空」

 

「…………」

 

「四年前になぜいきなり失踪した?」

 

「…………それはいま答える義務があるのか?錆兎」

 

「俺の質問に答えろ。鬼殺隊、次期柱候補だった夛田空!」

 

錆兎は刀を構えながら俺の方に向けていたが俺は拳を構えながら錆兎の質問に対してこう答えた

 

「俺と会った事を秘密にしてくれるなら、少しは話すが、そうではないのなら………無理矢理でも戦いで俺を問い詰めろ」

 

「いいだろ!」

 

「はいはい、二人とも喧嘩は駄目だよ」

 

「「真菰!?」」

 

俺と錆兎が一触即発の雰囲気に真菰が手を叩きながら止めに入って俺たちは驚いていた

 

「今は任務だよ。でも、いつかは話してくれると思うから今は聞かないでおこう?」

 

「だが!!」

 

「男なら時には我慢するのも大事でしょ?錆兎」

 

「ぐっ………!それは……」

 

「じゃあ、私と錆兎はここで隠が来るの待つから空はその気になる子を助けに行ってきていいよー。あ、懐に良いのを入れてるから落ち着いたら使ってね?」

 

なんか、真菰にうまいこと突き動かされてる気がするが今は炭治郎の事が心配だな。あの籠は恐らくだが……以前お館様がいっていた人を食わない鬼かきかねば!

 

だが、なにかとてつもなく嫌な予感がするがそこは触れないでおこう!




ここまで読んでいただきありがとうございます!次回もよろしくお願いします!!


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13話

柱となった義勇としのぶが来ていると言うことはやはり今回のはあの十二血鬼がいるということか?それ以前にもしも、しのぶがいるとなれば………

 

「はぁ……、いつかは知り合いと再会する覚悟でこの任務をきたが………しかし義勇はまだしも……しのぶか……」

 

俺は走りながらなんとも言えない気持ちになって、山道を駆け抜けていた。四年前の失踪した扱いはお館様以外は知らないはず………いや、あるいは死人扱いされてるかもしれんが……

 

「(見えた!)」

 

炭治郎がいるのがみえて安心しだが、俺はあることに気づいた。炭治郎が覆い被せている女の子はさっきはいなかった事から、まさかお館様がいっていた人を食わない鬼か!?

 

「む?」

 

俺は何でか知らないけど身の危険も感じて木の近くに隠れて気配を消した。気配を何で消せるかと言うと死ぬほど特訓したからと言うか……慣れだな

 

「(あれは義勇?炭治郎となにか会話してる?)」

 

「殺された人の無念をはらすためにこれ以上被害出さないため…勿論俺は容赦なく鬼の頚に刃を振る舞います。だけど、鬼であることに苦しみ自ら悔いてる者を踏みつけにはしない」

 

「(炭治郎のやつ義勇に対してあぁ言えるのは面識があるのか?だが、義勇はなんかボーとしてる……いや、思い出してる?)」

 

「鬼も元は人間であったのだったから!」

 

「「!」」

 

義勇はその言葉何かに気づいたのか驚いて目を見開いてた。そして、俺は炭治郎の言葉に聞き覚えがあり、思わず目を見張った。その言葉は知り合いで俺もよく聞いていたある人の言葉と同じだ

 

『私はね、鬼も人も仲良くなれたらいいかな~って思うのよ。鬼も元は人間だったのだから』

 

「……ははっ……いま目の前に貴方と全く同じことを言う人がいますよ。………カナエさん………」

 

俺の脳裏には美しく誰よりも優しく美人で男と喋るときはいつも妹のしのぶに怒られていたよな……

 

「会いてぇけど……会えないよな………」

 

俺は懐かしく思いつつもいまの気持ちは会いたくても会えないというのが本音だ。俺には会う資格はないし、会ってはいけないと決めてるからこそ…辛いよなぁ……

 

「ん?」

 

俺はなにか近づいてるのが分かって義勇の方を見ると、義勇は刀で炭治郎を庇いながら誰かの攻撃を弾き飛ばした

 

「あら?」

 

「(あれは………!?)」

 

「あらあら、鬼とは仲良くできないといった癖に何なんでしょうか?そんなんだから皆に嫌われるのですよ」

 

その口調は変わってはいるが……その声、その姿は見間違えることなく俺は覚えてる

 

『お前のせいで………姉さんが!!』

 

『二度と私たちの前から現れないで!貴方が助けるの遅かったから……!!』

 

「(あぁ、こうして姿を見るのは四年前………いや、もっと前かもしれないが……昔よりも大きくなっているな………しのぶ)」

 

俺はあの時の脳裏をよぎりながらもしのぶがこうして成長してるのを見て安心した自分がいる。しのぶが義勇に毒ついてると、義勇はゆっくりと口を開いた

 

「俺は………俺は嫌われていない」

 

「「「!?!」」」

 

まさかの義勇の言葉に俺達は全員固まっていた。すると、しのぶが少し呆れたように話していた

 

「あぁ、嫌われていると言う自覚がなかったのですね?すいません、余計なことを言いましたね」

 

「っっ……!?」

 

「えぇ!?!」

 

「(毒が強い言葉!?義勇のやつ、ショック受けている!?ってか、しのぶってこんな口調だったか!?四年もあっていないから余計に違和感感じて怖いのだけど!?)」

 

俺は長いこと会わなかった知り合いのしのぶが、こんな口調になっていることに俺は震えていた

 

「坊や、坊やのそばにいるこは鬼なんですよ?危ないですから離れてください」

 

「ちがっ、違います!いや、違わないけどあの………妹なんです!俺の妹でその……」

 

「まぁそうなんですか……可愛そうに。では……苦しまないように優しい毒で殺しましょう」

 

しのぶが刀を抜くのを見て炭治郎は絶望を感じていたが、俺は鬼殺隊では戦うのはご法度だと言うことわかってるのか気になり動きを見ていた

 

「動けるか?動けるなら妹をつれて逃げていけ」

 

「ありがとうございます」

 

義勇の言葉に炭治郎は妹をつれて逃げていったがこれで義勇は悪い方向に見られかねない。仕方がないと思い、俺が出て介入すれば予想外の敵に邪魔されたからと言う風にするか

 

「このままいけばあいつらの関係も悪くなるし、隊員同士の切り合いはご法度……。柱同士でぶつかり合うのは避けてほしいが……方法が………ん?」

 

考え事をして懐を見ると仮面があった。その仮面は真菰からの手紙がかかれていた

 

「どうせ、お節介が動くパターンになりそうだからこのマスクをあげる…………なん……だと?」

 

どの先まで見ていたのか俺はわからず震えていたが、いまの状況は有りがたいのと実は落ちていた誰かの刀を密かに構えて前に出た

 

「!……誰だ?」

 

「誰ですか?それになんですか?そのふざけた仮面は?」

 

「………」

 

「こんな真夜中に出てくるなんて……あなたは鬼ですか?それとも人ですか?どちらですか?」

 

俺はしのぶの問いかけに答えることなく刀を構えていた。対するしのぶと義勇は突然の来訪に戸惑いながらも刀を構えていた

 

「なんだかわかりませんが、邪魔するのでしたら……」

 

「!」

 

「容赦しませんよ」

 

「(いきなり突きの攻撃か)」

 

俺はしのぶが仕掛けてきた刀をしたの方向に弾きながら、峰打ちを狙おうとするともう一人が、介入してきた

 

「!?」

 

「冨岡さん?」

 

「(こいつはかなりのやり手だ)気を緩めるな、胡蝶」

 

俺は刀を離さずに後ろに回避して、刀を構えていた。相手は柱二人だし、本当は出るつもりがなかったが、しかたがないだろ!?仲間同士の争いは流石にみたくない!

 

「お前は何者だ?」

 

問われて無言でもいいが、とりあえずは炭治郎の時間を稼ぐとするか。刀を前に構えながら、この二人の柱をどう相手するか考えてていた

 

「おや?」

 

「どうした、胡蝶?」

 

「いえ、そこの仮面さんに聞きたいのですけど………あなたはなぜその和服を持っているのですか?」

 

「(あ!?和服をおいとくの忘れていた!)」

 

「それは私と姉が幼馴染みに……いえ、それはおいといて何でそれを持っているのか教えてくれませんか?事と次第によっては……許さない」

 

やべ、余計な刺激を与えた上にばれる可能性高まってきたが時間は十分に稼いだ!あとは裏声で話しかけた

 

「答える必要あるか?おチビお嬢様とそれとその隣のは旦那様か?」

 

「旦那……?」

 

「ふふふ、今ので決めました。あなたを今すぐここで殺してその面が何者なのか調べさせてもらいますので。先に喧嘩売ったのは貴方ですからね?」

 

あ、あかん……必要以上に挑発しすぎたから、物凄く不味い!そう思いながら刀を近くの木で切り落としていき、しのぶ達の方におちていった

 

「さらば……」

 

「あ!……逃げられましたか………(あの和服は間違いなく私と姉さんが幼馴染みだったあいつに上げた物だ……もし、それを奪ったものだしたら……許さない)」

 

その後、しのぶは俺を追いかけようとしていたが、鳥がなにやら伝令があったみたいで俺を追いかけるの断念していた。俺はその隙にばれないように遠く遠く逃げた

 

 

もうこんな二度とそんな役目はしないからさっさとお前は幸せを見つけて幸せになれよ。しのぶ




ここまで読んでいただきありがとうございます!
これからもよろしくお願いします!


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14話

俺はあの日の夜に他の柱や隊員に合わないように山からはなれて、一人で別の任務に駆け出していた。炭治郎のことだから俺の存在は話さないと思うけど、そこは気にしても仕方がないな

 

「しかし、鬼殺隊でまだ所属していたのか………しのぶは………」

 

俺は朝の人の気がいない川でゆっくりと過ごしていた。藤の家で休まないのは昔の噂のこともあるからだ

 

「鬼殺隊で人を殺していたとかいう寝も釜もない噂を流されたら堪らないし、何よりも四年前の別の意味で鬼殺隊で噂流されていたからな」

 

「カアカア!四年前トイエバ空除ク仲間ノ隊士一人ノコラズ壊滅ノモアッタナ!」

 

「ご丁寧にいうな、それ。そもそもあのとき俺一人だけ残ったことで裏切りではないかと噂ながらたもんな。で、その矢先に………」

 

俺はそれ以上しゃべることなく朝の川で水を浴びて手袋を嵌めて、黒い和服を着て今日も俺は山の方へといく

 

「カアカア!ナゼ山ノホウニイク?」

 

「捜索するなら確かに街でもいいが、とりあえずは山の方に向かって、なにか手がかりあればなと思う」

 

「ソウ簡単二手ガカリアルノカ?」

 

鴉の質問に俺はそれを考えながらも導いた答えはひとつだけだった

 

「うーむ……ないかもしれんしあるかもしれん。それにもしも俺の探してる情報があるかもしれない。それに陽が出ているので鬼が山に隠れてるかもしれないし、それなら先に仕留める手段もあるだろ?より確実に仕留めるチャンスで一石二鳥だろ?」

 

「鬼畜メ!」

 

「なんで鳥にそんなこと言われないとダメなんだよ!?」

 

「鴉トヨベ!鴉!!」

 

「怒るところそこかよ!?」

 

俺と鴉はそんなコントをしながら山奥へと歩いていった。炭治郎は鬼を匿っていたが、お館様の情報が正しければ………

 

「前例がないだけに、新たな何かの始まりが起こるのか?」

 

俺はモヤモヤした気持ちとは裏腹に晴天の空を見上げた。俺の気持ちはいったいどちらに転んでいるのだろうかそれは自分もわかってない

 

 

 

 

炭治郎side

 

俺は鬼を匿っていたという罪で柱会合に参加していた。お館様に俺が禰豆子を匿っていたのは知っていたらしく容認してほしいといっていたが、多数の人が反対していた

 

「嗚呼…例えお館様の願いであっても私は承知しかねる…」

 

「俺も派手に反対する。鬼をつれた鬼殺隊員は認められない」

 

「信用しない信用しない。そもそも鬼は大嫌いだ」

 

「心より尊敬するお館様であるが理解できない考えだ!!全力で反対する!」

 

「鬼を滅殺してこその鬼殺隊。竈門・冨岡両名の処罰を願います」

 

と反対されていたが、お館様が何やら届いた手紙を女性のかたが読み上げてくれた

 

「こちらの手紙は元柱である 鱗滝左近次様から頂いたものです。一部抜粋して読み上げます。炭治郎が鬼の妹と共にあることをどうか御許しください。もしも人を襲ったりした場合は鱗滝左近次  鱗滝真菰 鱗滝錆兎 冨岡義勇が腹を切ってお詫び致します」

 

俺はそれを聞いて驚いていた。冨岡さんも鱗滝さん達も俺や妹の禰豆子のためにここまで命を張ってくれていることに

 

そしてそれを聞いてもまだ反対の意見はあったがお館様が鬼舞辻と遭遇している事を話すと皆が驚いていた。そして、一人の柱が血をだして禰豆子の箱に与えるも禰豆子は耐えて何とか妹の生存を認められた。そしていま俺は隠の人に蝶屋敷というところにつれていかれた

 

玄関で入ったときは誰もいなかったので庭の方にいくと一人の少女がいた

 

「継子の方でお名前は………栗花落カナヲ様だ」

 

「継子ってのは柱が育てる隊士だよ。相当な才能があって優秀じゃないと選ばれない。女の子なのにすげぇよなぁ………」

 

「(最終選別の子だ)」

 

「胡蝶様の申し付けにより参りました。お屋敷に上がってもよろしいですか?」

 

「………」

 

「あのー?」

 

「どなたですか!!」

 

「あらあら、どうしたのですか?」

 

俺と俺を背負ってくれた隠は驚き振り向くと、ツインティールの女性が俺を見るなり把握したのか案内してくれた

 

「カナヲ、アオイが案内してくれるから今はゆっくりしていいよ?」

 

「……(コクっ)」

 

一人の女性が栗花落カナヲっていう子に呼び掛けていたらその人はうなずいていた

 

「(花の着物を着ている……)あの、いまの人は?」

 

「元柱胡蝶カナエ様で現柱の胡蝶しのぶさまの実の姉だ」

 

あの人も柱だったんだ。でもなんで、柱を辞めたんだろ………??

 

そのごは善逸と伊之助との再開できたが伊之助は声がつぶれていて俺達は驚いたりしていた。そんなこんなで夕方になり俺は禰豆子を連れて使っていいといわれた部屋につき語りかけているとノックがなったので俺は返事すると昼間の人が入ってきた

 

「あら、あなたは昼間の……はじめまして。胡蝶カナエです」

 

「…………はっ!?は、はじめまして!竈門炭治郎でこっちが妹の禰豆子でその………えーと……」

 

「フフ、しのぶから話聞いてるから大丈夫よ。禰豆子ちゃんね?」

 

胡蝶さんが禰豆子を優しく頭を撫でていたのをみて、俺は元柱だからけっきり妹をみて憎まれるのかと思った

 

「あの……鬼を連れていることに怒らないのですか?」

 

「え?なんで、こんなかわいい子がいるのに怒らないといけないの?」

 

「いえ、実は胡蝶さんは元柱だから人を食わない鬼の存在を否定すると思ったのですが……」

 

「でも、人を食わないのでしょ?それに禰豆子ちゃんは、かわいいものー」

 

「!わかります!?禰豆子は街でも評判の美人だったんですよ!」

 

胡蝶さんは嬉しそうに腕をあげていたけど、俺は昼間の事もあり凄く複雑な部分もあったが、何だかのこの人は信用していいと思った………

 

 




ここまで読んでいただきありがとうございます!!!次回もよろしくお願いします!


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15話

俺はあの日の山から抜けて何日も経過していた。ひたすら山を駆け抜けていくも、未だに手がかりは見つからず休憩していた

 

「はぁ……このご時世におにぎりを作ってくれるとか本当に優しい店だったなぁ。また落ち着いて店をやっていたら……もっと注文するか。さて、地図をもらったのは大きいが、今のところここはダメだったな」

 

近くで寄った店の好意でもらったおにぎりを食べながら地図を見ていた。これまで絞っていた場所は結局、何も手がかりは見つからなかった

 

「鴉、近くに村はあるか?地図上恐らくこの位置にいるはずだから……」

 

「北上!北上!少シ離レタトコロニハ崖!!」

 

「予想通りに北上に村があるんだな。ならそこで鬼がいるか聞いて調べるか……ご馳走さまでした」

 

俺はおにぎりを食べ終えて、その村の方へと走っていった。こんな山奥なら俺が探し求めている鬼の情報がつかめると思い、その村の方へと足踏み入れたが…………

 

「……………なんだこれは……!?」

 

俺が見た光景は村の人間たちが皆殺しにされて死体の山積みにされていた。俺は近くの人の首を当てるが脈も呼吸もしておらず既に亡くなっていた

 

「死んでどれくらい経過したのだ……?鴉、空から見て生存者は?」

 

「イナイ、イナイ!」

 

「っく、俺がもう少し早く来ていたら助かったかもしれない命………すまない、今はゆっくりと眠ってくれ」

 

俺はこんな死体だらけをそのままにしておくのはやるせないので、近くの道具とかで土をほり、多くの人を埋めていた。それを何度も何度も繰り返したら気がついたら夜になっていた

 

「………安らかに眠ってくれ」

 

俺は全ての死体を埋めたのを確認して冥福していると、草風からなにかカサカサという音が聞こえたので。手袋をしっかりとはめて何が出ても大丈夫なようにゆっくりと構えてると出てきたのは……

 

「動物……?っ!?」

 

俺は動物だとわかると警戒を緩めたが、その出てきた動物はゆっくりと前に倒れた。俺はそれを見てすぐに駆け寄るともう虫の息だったか、何より気になったのは傷口だ

 

「この傷口……刀傷か?っ……ふん!」

 

動物を観察してると、俺の頭に刀が迫っているのに気づき回避すると、黒い服を着ている若い男がいたが、俺にはわかる

 

「へぇ、回避するんだ」

 

「(この声は……)まさか、村人を多くの人を殺したのはお前か?随分と胸くそ悪いことをしてくれたな?……悪鬼よ」

 

「悪鬼?ふふふ、それはお前じゃないか?鬼殺隊で仲間殺しの夛田空」

 

「ふぅ、その汚名を着させたのは誰だ?それ以前に、まさか二回も同じ奴を殺さないといけないとは……。四年前の仲間殺しの罪を俺に被せた裏切りの鬼殺隊員……明山光秀」

 

俺は手袋をきつく締めながら四年前の俺が鬼殺隊の裏切りだった明山光秀がそこにいた。そいつはかって、俺と同じ鬼殺隊員で同期だったが……

 

「あの時に俺はお前を殺したはずだ。お前は仲間や村人を売ったと言う事実があり、粛清されるとしてやったはずだったが……どうやって生き延びた?」

 

「あるお方に助けていただいたんだよ。俺はそれで鬼の力を手に入れた!復讐者としてな!!」

 

「ふん、復讐者とは呆れた物言いをするな。お前は無実の人たちを売った……。これは鬼殺隊としてはあるまじき行為であり、か弱い人間を守るためにあるものを……。それと、ひとつ聞かせろ……この村の惨劇はお前がやったのか?」

 

「あぁ、そうだぜ……楽しかったぜ?悲鳴を聞いてな………鬼になってから本当に気持ちいいことばかりだぜ!」

 

「そうか。お前はもう完全に人の身を辞めて鬼になったのならば……」

 

「がべ!?」

 

俺はそいつの顔面を思いきり殴ると俺は手袋をしっかりとはめながら本当の裏切り者を対面した

 

「本当の悪鬼に落ちたお前を俺がここで殺す。他の隊員で殺らせるには酷だし、同期だったというせめてものの情けで俺が殺そう」

 

「はっ、たかが拳でしか戦えないやつが…刀にかてるのかよ!?あの時の夜は油断したから俺は負けたんだよ!」

 

「…はぁ…しゃべってる暇があるなら切りに来いよ?それともその刀はお飾りか?」

 

俺は腰を落として拳を構えて目の前の敵を見ていた。目の前にいるこの男……明山光秀は四年前の階級は庚だった。そして、こいつの呼吸の使い手は………

 

「風の呼吸壱の型 鹿旋・削ぎ」

 

「(風の使い手だ!)拳の呼吸 壱の型 波動」

 

旋風とは小さな竜巻でその通り、風を纏い、風を巻き起こしながら突進していく技だ。ばか正直に突っ込む必要はなく、突き出しの技で出すが……

 

「!?」

 

俺の壱の型とは相殺することなく、そのままの余波がこちらにきて俺は顔を覆っていた。やがてその攻撃が収まり俺の頬や腕に軽い擦り傷ができていた

 

「……ッチ、意外とやるようになってるのだな(押し負けただと?鬼の力の影響か?)」

 

「へっ……うれしいぜ、あの時の俺の地位に上がる計画を邪魔してくれたお前をこの手で殺せるからな!」

 

「はぁ、あのとき俺がお前に言ったのは別に地位にこだわるのもよし、金のために生きるのもよしと言ったよな。だがな……」

 

「っ?!」

 

「拳の呼吸 弐の型の改 裂散・蹴!!」

 

俺は左足を軸にして右足で水平に横蹴りをするとそれが飛ぶ攻撃となり光秀のいる場所へと斬り飛ばした

 

「おいおい、足で飛ぶ攻撃かよ!だがな、こんなのはよ……俺には効かねぇよ!風の呼吸 参ノ型 晴嵐風樹」

 

俺の攻撃を飲み込むように防ぎ、そいつは刀を構えながらも俺を見下すように発言した

 

「やれやれ、さしもの夛田空さんもこの鬼となった俺には傷つけられないのか?四年前のは俺を傷つけれたのは俺が油断したから殺せたのじゃないか?」

 

「お前は何を勘違いしてる?人の身を捨ててそんな紛い物の力を手に入れて何か勘違いしてないか?」

 

「は?」

 

「そもそも……お前が上に上がれなかったのは努力しなかったからだろ。生きるために、そして己の目的のためだけに努力をしなかっただろ。それにお前が鬼になれたのは、何かの気まぐれで助けられたのだから、お前が凄いというわけではないだろ?」

 

「な、なんだと……!!」

 

俺は時々、こんな努力しない奴がいるの知ってるし、鬼殺隊でこういう隊員がいるのも知ってるがそれは他人の人生だし、どうこうは言わないが………

 

「あぁ、そうそう。さっきの四年前にいった言葉の途中だったな?別に地位にこだわるのもよし、金のために生きるのもよしと言った。しかし、お前は人としてやってはいけないことをした」

 

「は?」

 

「かって、俺は二人を殺した。いずれも裏切りの行為でな……そして、二人目は俺に罪を被せた事と仲間や村人を殺したことで粛清した。そして、その二人目には今回のも含めて改めてもう一度言おう……。どんな理由であれ仲間やなんの罪ない人を鬼に売ったお前は………慈悲なく殺してやる」

 

「ひぃ!?風の呼吸 肆ノ型 昇上砂塵爛!」

 

風が舞い上がり無数の攻撃を襲いかかってきたが俺は回避することなく、呼吸を整えていた。そんな攻撃が俺の方に見事に直撃した

 

「殺ったか!?」

 

やつのそんな声が聞こえるが……俺は嘲笑うように言い返した

 

「アホが………。戦場で見えない状態なのに確実に殺したと判断するのは一番愚か者のすることだ」

 

「なに!?(あいつの腕や足が燃えてる!?)」

 

「宣言通りにお前は特に慈悲なくやってやるよ。拳の呼吸」

 

俺は傷だらけになっても、その足を止めることなく走っていた。風はたしかに威力もあるが風柱やほかの風使いはもっと特訓してるはずだ

 

「お前の攻撃はかすり傷みたいなものだ………この程度で足を止めてもらえると思うな!うらぁぁた!!」

 

「がっ!?」

 

俺は光秀に顎を思いきり体を殴り右左と連続で攻撃して最後に上の方に殴り飛ばして、俺はさらに下半身を下げて光秀の足が着地するタイミングに両手でお腹の方に当てて

 

「ぶっ飛べ………拳の呼吸 肆の型炎天!!」

 

「がふはっ………!!」

 

俺の攻撃に光秀は後ろの方へと転がるように転んでいた。起き上がる前に俺は光秀の刀を蹴りあげた

 

「俺の刀が……!?」

 

「さてと、殺す前に一言聞く……。お前を助けた鬼はどんなやつだ?それともトップのやつか?」

 

「ちがう、あのお方ではない!俺を助けてくれたのは……がっ!?」

 

「なっ!」

 

光秀の首に何かに切られるような斬擊に俺は急いで後ろを飛ぶと光秀はあっけなく消滅した

 

「(光秀に問い詰める前に誰かが攻撃した?)おい、こら……人の戦いの邪魔をした鬼はどこのどいつだ?でてこい……!」

 

「いやー、彼を見に行ったら面白いことが起きているのを見て、眺めていたのだけど……まさか情報を漏らそうとするから慌てて消したよ。あ、でも俺が出てしまったから意味がないかな?」

 

「……てめぇは……!?」

 

俺はそこからゆっくりと出てきた男に俺は驚き目を見開いた。そいつは二つの扇状をもっていて頭は血濡れたやつだった

 

「ねぇ、君は俺に救われてみない?」

 

「断る。俺を救うのは俺が信頼してる人だけで良い。それと、鬼……特にお前には救われたくないな………!」

 

俺は溢れている血を呼吸で止血させると同時にさっきまでの疲れていた気持ちもどこかへと飛んだ。なにせ、目の前にいる敵は長年求めていた敵で何度も何度も探していた男だ

 

やっと見つけたぜ………!!




はい、前回のお話ではカナエさんが生存してるのを書きました。改めてこの小説はカナエさん、真菰、錆兎も生存しています
これからもよろしくお願いします!


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16話

今回は空が山で探索してる間の別のsideをかいてます。
時系列は那田雲山編の少し経過した辺りです
それではどうぞ!


私は一人の鬼を匿う男の子をこの蝶屋敷に入院させました。入院した患者の名前は竈門炭治郎君で、鬼になったのは竈門禰豆子さんで柱会合で私はこの目で見て正直驚いた。なにせ、人を食わない鬼なんているわけがないと思っていたけど、血を見ても食べたいという行動に走らなかったことに驚いた

 

「そう……本当に人を食わない鬼がいるなんて思わなかったわ。姉さん」

 

「そうね、私はずっとずっとそういう鬼がいるなんて信じていたけど、生きている間に見れるなんて嬉しいわ」

 

「そうね。でも………ここは鬼殺隊の世界だから中々受け入れがたいと思うわよ」

 

私の言葉に姉さんも悲しそうに目を伏せていた。正直、姉さんは鬼とでも仲良くできると信じてる反面私は鬼は色々な人を奪う生き物だというのはある。けれど、きょうの禰豆子さんのみて信じてみていいと私は考えるようになった

 

「ねぇ、しのぶ」

 

「なに、姉さん」

 

「柱会合のときや隠の指示出すときは私の真似していると聞いてるのだけど、何でそこまでしているの?姉さんはしのぶのありのままが好きなのにな~」

 

「いやいや、姉さんったら、お館様の前とかほかの人接するときはきちんと仕事しないとダメでしょ?!とくにお館様の前では!」

 

「うーん、それもそうね。でも、やっぱりそのままのしのぶが好きだな~」

 

「はぁ………」

 

私は軽くため息をつきながらも、姉とこうして話す時間は凄く嬉しいし楽しい。カナヲは任務帰りで疲れたのか寝ていたし、ほかの子も寝ていた

 

「ねぇしのぶ」

 

「うん?なに、姉さん」

 

「…もう…四年もたったのね」

 

姉さんが寂しげな口調を話ながら、姉さんは近くにあった写真を見ていた。私もそれを見て目をそらしていた。私も姉さんもあいつも……あの四年前のあの日に私達すべての関係が崩れてしまった……あの日から時間は止まっている……

 

「しのぶ、お館様からなにか話は?」

 

「なにもなかったわ……たぶんあっても教えてくれないかも……」

 

「そう………」

 

「あ、そうだ!姉さん聞いて、冨岡さんったらーー」

 

その日の私は姉とたくさん話していて、特に冨岡さんは本当に言葉足らずにいうから本音を言えば怒鳴って言いたかったけど、かっとなって怒鳴るのは未熟者、未熟者と落ち着かせていた。けどやっぱり冨岡さんは言葉足らずにいうから皆さんに嫌われるのですよ!!!

 

早朝になり私はいつも通りに起き上がって姉さんとカナヲと髪の毛を一緒に縫い合ってると、アオイが朝食の時間だといって、すみ、なほ、きよが呼んできてくれた。この子達も本当に強く生きてるわね……

 

そういえば、あの和服を着ていた謎の人間は何者かしら……。あれは、昔姉さんと一緒にあいつのために共に買った物に酷似だった……

 

「間違いなくあれは私達が昔空の為に買ったやつだった……。私も……姉さんも……ものすごく心配してるのよ……。ねぇ、貴方はいまどこにいるの……空……」

 

私は自分の部屋で薬を調整しながらかっての幼馴染みの事を思い出していた。すると、部屋からノックがなったので入っていいというと来たのはカナヲだった

 

「あら、どうしたのカナヲ?」

 

「………任務で遠くにいくので挨拶しに来ました」

 

「そう……では、気をつけて行ってね?」

 

「……(コクッ)」

 

カナヲは昔から自分の意思で判断する事はできない。そんなカナヲを姉さんがコインを渡してからは少しだけ話すようになったけど………

 

「本当にいつの日かカナヲの心を開く日が来るのかしら?」

 

大切な妹の未来を思いながらも私は今日も鬼殺隊蟲柱胡蝶しのぶとして戦います………

 

 

 

 

 

義勇side

 

俺は現在真菰と錆兎と鱗滝師範とお墓参りしていた。このお墓参りをやる切っ掛けはなんでも最終選考で生き延びた炭治郎が起きたことをすべて話してくれたことと錆兎や真菰も倒せなかった手形鬼を倒してくれたことで鱗滝師範はようやく亡くなった兄姉弟子を向き合うことができた

 

「……判断がいつも遅いといいながらも儂は判断が甘かったがゆえに多くの弟子を死なせてしまった……。だから、毎年炭治郎の時まで出来ない課題を入れていた」

 

「…………」

 

「そして、炭治郎はお前達が成し遂げれなかった事や亡くなった兄姉弟子を討ち取ってくれたお陰で漸く前に向くことができた。すまなかったな、錆兎、真菰、義勇……」

 

「いえ……」

 

鱗滝師範はお花を沿えてから漸く、立ち上がり俺達もなんにも言えなかった。俺はあのときに錆兎のお陰で生き延びたものだから、本当に自分の力で生き延びたわけではない

 

「……水柱は錆兎になるべきなのに……」

 

「お前まだそれをいうか!?男ならもう受け入れろ!」

 

「錆兎のほうが実力があるし、俺よりも向いてるのに…」

 

「あぁもう!義勇は柱なんだからもっと堂々とする!お姉ちゃんは心配するよ!」

 

「(真菰がお姉ちゃん??お姉ちゃんというより)お母さん?」

 

「いや真菰はお姉ちゃんではなく妹だな」

 

俺と錆兎がそれをいった瞬間に真菰は笑顔でおれらの首をつかみ、微笑みながら聞いてきた

 

「私は錆兎や義勇より先に鱗滝さんのところにいるからお姉ちゃんなの。あと、義勇は何でお母さんといったのかな?ねえ、何でお姉ちゃんじゃないのかな?」

 

「(面倒見のよさのかは姉に似ているが、真菰は姉に比べるというか……姉という立ち域には)向いてなそうだからだ」

 

「(義勇!?!言葉また足りないぞ!?)ぶぶっ……!!」

 

「ふふふ、そっかそっか。二人ともお姉ちゃんに喧嘩売ってるのがよく分かったよ。本日の義勇の大好物の鮭大根と錆兎の大好物も作るのやめるね」

 

「「!?」」

 

そ、それは困る!俺の大好物が食べれないの、はものすごく困る!今の俺では真菰の怒りを沈めるのは難しい!!

 

「ど、どうする、錆兎!?」

 

「う、うろたえるな!男なら狼狽えてはいけない!」

 

「判断が遅い!まず早く謝ることだ!」

 

「「!ご、ごめんなさい!」」

 

鱗滝師範の言葉に俺達は慌てて頭を下げると真菰はその後なんとか機嫌を直してくれた。俺達はひょっとしたら鬼よりも真菰に勝つことが一生不可能なのではないのかと思うようになった………




ここまで読んでいただきありがとうございます!
次回もよろしくお願いします!


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17話

まさか、長年探していた敵がこんなタイミングで出るとは思いもしなかった。やっと見つけたという高揚感と同時に俺は冷や汗をかいていた

 

「(っち、俺の戦いを光秀との戦いである程度観察されたか?だが、そんなのはどうでもいい…!)やっと……やっと、お前を見つけることができたぞ。その姿にその顔は一度も忘れなかったぞ」

 

「ん?君はどこかであったことがあったかな……あぁ、思い出した!昔、花柄の女の子を助けた子だったね!あの子を救えなかったのは残念だったな」

 

「っ……!!鬼であるお前があの人を救うなどとおこがましい事考えるなよ……!貴様だけはこの世で逃がしてはいけない危険な悪鬼だ。お前は………俺の大切な幼馴染みの一人を殺しかけたという事実がある以上、もう野放し出来ない」

 

「へぇ……じゃあ、君は俺と戦うの?結果的に守ることすら背一杯で何もできなかったのに?俺にかすり傷とれなかったのに?」

 

俺はついてる血を気にせずにこの村でやるには不利すぎるが、最悪の手段も考えて戦うとするがその前に……

 

「鴉」

 

「カアカア!撤退ヲススメル!」

 

「悪いが、それは無理だ。目の前のこいつは長年探していた敵なのは相棒のお前も知ってるだろ……?なに……そう簡単には死なないが……万が一の事もある……。もし、俺が死んでもしのぶやカナエさんたちに知らせるな……辛い思いをさせるだけだからな………」

 

俺は落ちていた刀を右手で拾いながら、ゆっくりと構えた。目の前のあいつに呼吸をうっかりすれば、肺の機能がやられる

 

「俺が少しでも奴の情報を引き出すから、お前は空から見て隙があれば逃げる体制には入れ。……逃げた瞬間、何があっても振り返るなよ」

 

「ワカッタ、ワカッタ!シヌナ、シヌナ!」

 

「あぁ。………さぁ、覚悟しやがれ悪鬼。いまからお前が戦う相手は鬼殺隊階級甲……夛田空が押して参る!」

 

「じゃあ、俺が少し遊んであげるよ、そして、君の苦しみを救ってあげよう!」

 

「断る!!」

 

俺は鴉が上へと跳ねるのと同時に俺は持っていた右手の刀でその悪鬼に攻撃しかけていたが、危うげなく受け止めていた

 

「おっとと……危ない危ない(さっきは拳で使っていたのに今回は刀で……?呼吸を使わないでの接近かな?)」

 

「ッチ!(扇で刀をあっさりと受け止めること事態が腹立つな……。拳の呼吸を使えば肺がやられるから……この刀で連続で攻撃しかける!)」

 

「いきなり攻撃なんてひどいなー。そういきり立つなよ」

 

「うるせぇ、十二鬼月の次席であり、上弦の弐の童磨がこの程度の攻撃で焦るわけないだろうが……?」

 

俺は呼吸をしないで刀を押し出そうとしてるがやつは冷静に二つの扇で受け止めていた。この余裕さがものすごく腹立つな

 

「いやいや、呼吸を使わないでこんな攻撃するなんて誰も思わないぜ?だから焦ったよ」

 

「そうか、ならば………」

 

「ん?」

 

「お前が俺の肺の機能を台無しする前に使わせてもらおう。拳の呼吸 参の型 獅子落とし!!」

 

俺は刀で扇を叩きつけた後にとんで空中で回転して踵で童磨の頭を叩きつけたが……

 

「なに!?」

 

「危ないな~。そこから呼吸を使ってその足で頭を叩きつけられるのは、流石に痛いから俺はこれは嫌かな?」

 

「防いだだと……?!(あの一瞬で扇状で防いだというのか!?こいつはまさかとおもうが、身体能力もかなりあるのか?!)」

 

俺はすぐにできる限りの後ろに下がり、刀を左腕に沿えて構えていた。あのときは時間が短かったが今回は夜が長い上に一人で戦うのだ……神経を張り詰めろ!!!

 

「うーん、俺の血鬼術を知ってるからかな?凄く警戒してるね?」

 

「さぁな、お前の言葉遊びに今は付き合う余裕はない」

 

「つれないなぁ……じゃあ、言葉遊びに付き合ってくれないでいいよ。それと、せっかくの長い夜だしこれを使おうか……結晶ノ御子」

 

「なっ!?」

 

俺は刀を構えながら目の前の光景に驚いた。なにせ、今、童磨のだした結晶ノ御子とやらは童磨よりも小さいが2体出てきた

 

「分身か……!?」

 

「分身かー、ひとついいことを教えるよ。この結晶ノ御子はね……俺じ同じ強さの血鬼術を使うことができ、自動で戦闘を行うんだよ」

 

「何!?(やつの言葉か正しければ俺は三人のあいつを相手してるということか!?)」

 

「「血鬼術……蓮葉氷」」

 

「くっ!」

 

俺は童磨の人形が扇を振って前方に蓮の花と葉っぱを模した氷を作り出すのに慌てて回避すると直撃はしなかったものの、体の一部凍っていた

 

「傷口が凍ったが……あれがまともに直撃したらヤバイな」

 

「おっと、俺の方もよそ見しては困るな」

 

「本体!?」

 

「本体ってひどいな……血鬼術蔓蓮華」

 

「……っぉぉぉ……!!!」

 

本体の童磨がだした氷の蔓を伸ばして攻撃してきて、おれは回避するの間に合わずに幾つか刺さった

 

「奴の攻撃に必死に防いぐのが背一杯な上に俺の体はたった数分でボロボロとは……くそったれが………これが上弦弍ってわけか………」

 

俺は致命傷は避けられたもののいまの俺ではどんな呼吸をしても直撃すらできるイメージが出来なかった

 

「恥じることないよ!人間が鬼に勝つなんて出来ないもの」

 

「……なんだと……?」

 

「俺達は人間よりも長く生きれるし、首さえ切られなかったらどんな傷だって回復できる。でも人間はそんなことが出来ない!だから、俺はそんな憐れな人間を救うのが俺の役目さ!」

 

「…………」

 

俺はこいつと戦っていて圧倒的な力の差が今あるのはわかってるが、1つだけ気になったのは……こいつ本当に心があるのか?気が狂ってるのか?

 

「……はっ、確かに鬼は首さえ切られなかったら回復は早いし、スゴいが……だがな………!!」

 

所々刺さっていた傷を無理矢理抜きながらゆっくりと立ち上がりながら奴をにらんだ

 

「ん、まだ抗うの?」

 

「抗うさ……。それに例えどんな理由であれお前たちは人を喰らっている悪鬼だ!そして、俺の知り合いに手をだした時点で俺はもはやお前を許すつもりはねえんだよ!」

 

「うーん、苦しみのあまりに気が狂ったのかな?仕方がない、俺が救おう!」

 

「さっきも言っただろ!俺はお前に救われたくないってな!本音を言えば今すぐに殺したいが、今回はお前をここで殺すのは断念して撤退させてもらおう!」

 

「おや、逃げるのかな?じゃあ、俺が捕まえてあげよう」

 

俺はそういいながら、村の離れた場所の方へと逃げ込んだら案の定、童磨は楽しそうに追いかけていた

 

「(いまの俺が首をとるのはどう考えても出来ない。しかし、情報は少しでも引き出せたから誰かが、こいつを撃ち取ってくれるに違いない)っはぁはぁ……!」

 

「そこから先は崖だねー。まさか、そこで戦うってのかな?」

 

「(後ろにやつの分身もいる。ここまでうまくいくとは……)……いや、戦うのではない……生きるために決めたことだ」

 

「?」

 

俺は両手を地面において覚悟を決めて叫んだ。この選択が凶となるかならないかわからないが……

 

「拳の呼吸……壱の型改」

 

「まさか、逃げるつもりかな?そんなことはさせないよ?行きな、僕の人形」

 

「波動・双!!」

 

俺が叫ぶと共に地面に亀裂が走り、童磨の人形と共に落ちた。俺と共に落ちた人形はあがくが回りの岩に直撃したことで先に下の川に流れて砕けるのがみえた。本体は道ずれできずに残念だが………

 

「戦いに負けて勝負に勝たせてもらったぞ……ゴホッ………とりあえず鴉がなんとか情報を回してくれるはずだよ…………な………」

 

俺は頭からゆっくりと下にある川に落ちながら、走馬灯のように昔のことをたくさん思い出していた

 

「あぁ………どうやら俺はここまでかもしれないな………炭治郎、伊之助、善逸………あの三人はきっといい鬼殺隊になるかもしれんな……」

 

あの若き三人に幸があります。そして願わくばあの鬼をつれた少年に幸がありますように……

 

「(っち、体が動きそうにもないな)わるいな………このまま川に落ちて死ぬわこりゃ……カナエさん、しのぶ、カナヲ、蝶屋敷の子供たちよ…幸せにな………」

 

かっての仲良かった人や幼馴染みにもう会うことはないと思い俺は静かに目をつぶりながら川の方に落ちた

 

 

俺が出会った人達が幸せにいきられますように…………

 

 

 

 

 

 

 

 

「カァカァ!!オ館様、オ館様!階級甲ノ夛田空ガ上弦の弐トノ戦闘ノ末敗北!敗北!」

 

 

 

 

鴉が命をはって俺ができる限り引き出した情報をお館様に情報届けてくれると信じて………




ここまで読んでいただきありがとうございます!
評価していただいた方ありがとうございます!
これからもよろしくお願いします!


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18話

上弦の弐との闘いでなんとか逃げ切れた俺は目が覚めると、どこかの地面に上半身ついていた。奴との戦いで俺が意識失う前は崖から道連れで技を仕掛けたが本体はなん逃れていて、俺は川へと落ちたのだったな……

 

「イタタッ…本当に俺は…悪運だけは………強いか………ぐっ、ゲホゲホ!!!」

 

気管とかに水分が入っていたのか俺は何度も咳き込み、ゆっくりと川から起き上がり、少しボロボロになった体をむち打ちながら仰向けになった

 

「ゲホゲホ………あーダメだ……体が思うように動かせねぇ……。それ以前にどれくらい寝ていたのか分からねぇ……夜なのかすでに夜明けが近いのか……分からねぇ……」

 

鴉に俺の居場所を見つけてもらうにしても困難だろ……。なにせ、上弦の弐との闘いで俺を見捨ててでもお館様に情報を渡せと言ったからな

 

「…止血の呼吸で少しでも回復をするか…………にしても、相変わらずあの血鬼術の氷は厄介すぎるよな……」

 

四年前にカナエさんはあの氷……いや何かしらので呼吸ができなくなり、柱として降りざる終えなかった。俺はあの時に自分の力を過信していた……拳の呼吸という独自の力があれ、ばきっとカナエさんもしのぶも……蝶屋敷の人たちも守れると信じていたが……

 

「……はぁ…俺は己の力を過信したがゆえにカナエさんに迷惑かけた上に鬼殺隊としての柱をそして、大切な姉の命を失いかけた……。はは……そりゃあ、しのぶにも恨まれても仕方がないだろ」

 

当時の俺も鬼を殺して殺しまくっていたが、今と唯一違うのは己の力を過信しすぎたがゆえに無謀にも上弦の弐を挑みカナエさんに庇われてしまった

 

「本当に………過信せずにもっと警戒して戦いかたを考えていたら……カナエさんは……鬼殺隊として戦えたのに……俺は……っ!」

 

あの日は陽が近かったから生き残ったとはいえ、あんな短時間でカナエさんも殺られかけていた。あの時、カナエさんがこのままでは死ぬと判断して俺はカナエさんを連れてなんとか逃げたが俺は今も覚えてる……

 

『お前のせいで………姉さんが!!』

 

蝶屋敷の治療し終えたしのぶが俺の胸ぐらをつかみ怒っていた。対する俺はなにも反論することなく、なにも出来なかったことに打ちのめされて失意しかなかった

 

『すまない……』

 

『二度と私たちの前から現れないで!貴方が助けるの遅かったから……!!』

 

『すまない……カナエさんの事も……しのぶ………』

 

『気安く姉さんの名前を出すな!!私の名前も出すな!!貴方が……貴方があの時に自分の力を過信なんてしてなかったら姉さんはこんな事にならなかったのに!』

 

『………』

 

なにも言い返せずに俺はしのぶの罵倒を受け入れていた。しのぶもカナエさんも俺にとっては幼馴染みだがここまで怒られたのは初めててだったな

 

『金輪際、私達の蝶屋敷に跨ぐな!2度と!!』

 

『……』

 

俺はしのぶにそれを言われて俺はこのときに本当に決心した。当時の鬼殺隊で俺は「鬼に情報を売っていたのではないのか?」という話が流れていたが、カナエさんやしのぶ、そして錆兎や真菰達が必死に否定してくれてなんとか風当たりもなくなっていた矢先だった。カナエさんの柱としての重要な役目を失わせてしまったのは俺の責任だ

 

『本気かい?』

 

しのぶや他の蝶屋敷の子達にも俺の面は見たくないのを分かってるからこそ、蝶屋敷を出て俺はすぐにお館様と対面していた

 

『はい。胡蝶カナエさんが柱としての責務を失わせたのは俺の責任です。俺は責任をとり、鬼殺隊員として抜けていかせていただこうと思います』

 

『鬼殺隊員をやめて一般人になるのかな?』

 

『いえ、鬼殺隊員として抜けるのは……鬼に襲われてる人を助けるという任務に俺は責任を果たすことが出来ないと感じました。それ以前に俺の都合でこれ以上……知り合いを失いかけたくないのです。そして、俺がこれから起こす行動は鬼殺隊員としてはあるまじき行為だからです』

 

『鬼を殺されて所属しているのが大半だよ。それに君だけのひとりの責任ではないのだよ?』

 

お館様の言うこともわかってるし、俺はお館様の何が言いたいかもわかってる。だけど俺は土下座した

 

『失礼を承知でお願いします!俺はこれから色々な場所で………この手であの鬼を殺すために探させてください!』

 

『………うん、君の決意は分かったよ。では、約束を決めよう』

 

『約束を……ですか?』

 

『君は必ず鬼殺隊に戻ってくる。だから、恐らく回りからは失踪扱いになるかもしれないが、定期的に連絡をほしい』

 

『はっ!』

 

『気を付けていってね』

 

お館様のご厚意もあり、俺はその後は誰にも会うことなく、鴉とともに旅をして鬼殺隊員は会わないようにして、時には鬼を情報を引き出したり殺していた。来る日も来る日も俺は休むことはなく情報を集めたりお館様の治療するのがあるのではないかと探したりしていた

 

「………っは!?」

 

俺はいつのまにか寝ていたのか目が覚めるともう夜だった。まずいな、夜でこの場所で今鬼が出てしまえば俺は恐らく死ぬ……

 

だとしても、体が満足そうに動かせる訳じゃねぇよな…あぁ、くそったれが……どうやら俺の人生はここで終えるとなっても……嫌われてる俺が誰も知られることなく、悲しむ奴がいないで死ぬってのは……なんか悪くはねぇな

 

俺は迫る死に不思議と恐怖はないが、心残りあるのはもう一度しのぶやカナエさん、そして二人の妹分のカナヲの面を見て死ねたらよかったのにな……

 

「ゲヒヒ、血の臭いがする」

 

「ッチ……鬼どもが来やがったか……」

 

俺は痛む体を無理矢理起き上がるが、満足に動けないというのが良くわかる。普通なら諦めていいだろう、嘆いていいだろう………

 

「だがな………」

 

「ギ?」

 

「お前達みたいな…………雑魚の悪鬼に食われて死ぬのは屈辱だな……!」

 

俺はゆっくりと起き上がって強気に笑いながら構えると鬼はなに気が触れたのか怒り走ってきた

 

「手負いの人間が調子に乗るなぁ!!」

 

「(踏ん張れよ、俺の体!)拳の呼吸っ……!」

 

「全集中 風の呼吸 壱の型」

 

「「!」」

 

「鹿旋・削ぎ」

 

それは、風を纏い、風を巻き起こしながら突進していく技で鬼を一瞬で殺した。俺はその声に聞き覚えがあり、攻撃した方向にみると

 

「まだ息はあるかぁ?空ぁ」

 

「実弥……!?」

 

「てめぇと会うのは……四年ぶりだが……なんだ、そのボロボロはよぉ?」

 

俺を助けてくれたのは風柱の不死川実弥でかなりの鬼が嫌いなやつだ。こいつは昔俺と飯を食べて仲良くなったというか……まぁ、喧嘩して軽く言い合える仲になったな

 

「たすかっ……た!」

 

「お、おい!?」

 

俺は実弥が来たという安心感に思いきり地面を倒れると実弥は寄ってきた

 

「色々と聞きてぇが、まずてめぇがそれだけの手負いってのが気になる。あんな雑魚鬼に遅れとるほど落ちぶれてねぇだろがぁ」

 

「あー、あんまり長く話したくねぇから結論からいう。昨夜上弦の弐との戦闘で手負いになった以上」

 

「は!?てめぇ、上弦の弐と戦ったのか!?」

 

「あぁ。とはいっても弄ばれて死にかけそうだったから道連れにして川に落ちようとしたが、逃げられた。あと恐らく俺の鴉がお館様に情報行き届いてるからそれでできる限り聞いてくれ」

 

俺はとりあえずは寝転がり痛む体を味わってながらもらもう知り合いに会うのは仕方がないと割りきっていた

 

「なるほどなぁ……。で、その手負いはさすがに治療してもらえ」

 

「断る」

 

「あぁ!?せっかく俺が意見いったのにその言いぐさはなんだぁ!?」

 

「俺は会う資格がないからだ。そんなことより……実弥」 

 

「あ?」

 

「俺と会った事をほかの隊員にはしゃべるな。四年前の事もあるから……」

 

「安心しろォ……。それはもう解決した」

 

解決した……?!

 

「お館様が真相をいってくれたから誤解は解けたが……それでも会ったことを内密にしろと?あいつらにもかァ……?」

 

「あぁ……どちらにしても俺は会う資格がないし、会ってはいけない。だから、今はここで回復していくことにするからよ」

 

「…ッチ…好きにしろォ……。俺は任務の行く途中だからなァ……」

 

「………おう……」

 

実弥は俺をおいていき、任務の方へと向かっていったが、あいつは去る前に俺の目の前に包帯をおいていった

 

「……は。あいつは何だかんだでお節介め………」

 

俺はとりあえず、目の前に置いてくれた包帯を取り、治療をしていた。とりあえずは、早く回復をして、なんとか逃げ場を探さないとな……。そう考えてるとまた誰かが来る気配感じたのでなにか忘れ物かと思い、こえだした

 

「…おまえは…忘れ物はなにもないだろ?」

 

「え……空……さん………?」

 

「ん?」

 

俺はこの声聞き覚えがあると思い、目を瞑るのをやめて、目を開けると、そこにいたのは俺がよく知ってる子だった

 

「ま、まさか…………カナヲ………!?」

 

俺を声かけてきたのは四年の時の流れを感じさせるには十分なくらい大きくなったカナヲが目の前にいた

 

まさか知り合いを避けていないでこうなるとは………!!!




ここまで読んでいただきありがとうございます!
これからもよろしくお願いします!!


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19話

俺は仰向けになりながら俺の顔に覗いてきたのは、あのカナヲだ。四年という時の流れを感じさせるくらいあの小さかった少女が今俺の目の前にいる

 

「……カナヲ……か?」

 

「え…空…さん……!?」

 

俺の目の前にいるのがカナヲだとわかると感情が乏しいカナヲが驚き目を見開いていた。だが、カナヲはあの頃は小さかったから俺の事をわかっているのか!?

 

「っ……!」

 

カナヲは俺だとわかるとすぐに駆け寄っていた。幼いときのカナヲを知ってる身としては驚くが、俺はカナヲにお願いをした

 

「カナヲ……色々と言いたいだろうが、俺を近くの木まで運んでくれないか………。自分で動きたいところだが……思ったより体が重くって動けない………」

 

「………(こくっ)」

 

カナヲはコインを使わないで俺の頼みに迷うことなく近くの木に運ぶために仰向けになっている俺を起こしてくれた。そして、カナヲは俺を肩で背負いながら運んでくれた

 

「!」

 

「………」

 

「(こんな俺なんて引きずってもいいのに……カナヲ……本当に大きくなったな)」

 

俺を近くの木においてくれるとカナヲはコインを取り出して親指で上にはじき、落ちてきたコインをとってそれを確認してから話しかけてきた

 

「空さん………ですよね?」

 

「…………あぁ………。カナヲは大きくなったな」

 

俺はカナヲの問いかけに少し微笑みながら左腕で優しく頭を撫でていた。これは昔からよくやっていたが……本当にカナヲの髪の毛はあの二人と同じく柔らかく綺麗だな……

 

「カナヲ……何でここにいるんだ?風柱ときていたのか?」

 

「………」

 

カナヲはまた俺の問いかけにコインを取り出して決めていた。そして、カナヲはその問いかけに対して答えてくれた

 

「……別の任務で鬼退治していた時に鴉が助けを求めていて来ました」

 

「鴉が?………!?」

 

「カアカア!マダ息アルカ!?」

 

「なるほどな、お前がカナヲをここに導いたのか………。よく、ここにいるのを!見つけたな」

 

俺は鴉にお礼をいうと鴉は空の方に飛んで空中に回っていた。俺は鴉が空を行くのを見上げると俺はカナヲを見た

 

「カナヲ、俺はほっておいて蝶屋敷に戻ってゆっくりしとけ。………俺はこの場に居たらある程度は大丈夫だからな」

 

「……戻らないのですか?」

 

「蝶屋敷に俺は跨ぐ資格はないし、二人に会う資格がないからな。それよりもカナヲ……っておい?」

 

「………」

 

コインをしたカナヲはなにか決めたように、カナヲが俺を持ち上げようとするが、俺はカナヲのその行動を止めた

 

「まてまて!?何をするつもりだ?」

 

「空さんを蝶屋敷に運びます……」

 

「俺の話聞いていたか!?俺は蝶屋敷に出禁になったの!……って力つよ!?」

 

「今の空さんは手負いですから……師範にも話したらきっとわかります」

 

しのぶに話したら分かるね………だが、俺は会う資格がないのに会っていいのか?それ以前に、コインでそう決めたから蝶屋敷に連れていくってやつか?

 

「はぁ…わかった。カナヲの熱意に負けた……」

 

いい加減に一度は面を見てから去るのが一番いいだろうがな。しかしこう改めて四年間でこんなに人は大きくなるものなんだな……

 

「………カナヲ」

 

「…………」

 

「俺に色々と言いたいことがあるし聞きたいことがあるだろうが………俺はお前たちに会う資格はないと決めていた」

 

俺はカナヲに肩を借りながら、正直な気持ちを少し話した。本当に偽りなく俺はカナヲにも申し訳ない気持ちはいくらでもあった

 

「………」

 

「カナヲの熱意に負けて俺は今回だけ蝶屋敷に行くよ。だが、俺は………」

 

「今回だけでいいです。今回だけ……お願いします」

 

「カナヲ………」

 

俺は表情を変えてないカナヲを見ていたが、口調は何処と無く、悲しげさが感じ取れた。俺はそれを聞いて本当に会っていいのか悩み所だが……

 

「(血は繋がってなくても本当におまえはしのぶとカナエさんの妹だよ)…子供ってのは…知らない間に成長するもんだな?」

 

「……?」

 

俺はカナヲの頭を撫でるとカナヲは少し戸惑うも抵抗するとこなく受け入れていた。俺は本当にこの四年間カナヲが成長していたのが実感できた

 

途中隠が出てきたがカナヲが運ぶと隠の提案に譲らずに言っていたのでそのまま蝶屋敷にへと歩いていた

 

「(ここに来るのは隠れていたとき以来か……そして中には入るのは………)カナヲ……俺をここで置いてくれて良いぞ……。蝶屋敷……には出禁だが外でおるのには問題ないはずやからな………」

 

「駄目です」

 

「(あれ、コインを使わずに即答?なんか俺短時間でカナヲが俺よりも大人になってない?ないていい?)……えー」

 

そんなことを思いながら蝶屋敷から一人の人が出てきた

 

「あらあら、カナヲ帰ってきたのね?………え………?」

 

「……ただいま帰りました……。そして、連れてきました」

 

「嘘……でしょ………空君………?」

 

カナヲの言葉にカナエさんは聞いてるのかわからないが、目を見開き手を口許にもって驚いていて俺の名前を言っていた

 

「…………不肖な鬼殺隊……恥ずかしながら、おめおめと面を見せに来ました………」

 

「っっ……空君!!」

 

カナエさんがものすごい速い速度でカナヲや俺の方に飛び込んできた。カナヲは普通に受け入れてるが俺は戸惑っていた…

 

 

俺はいまから失踪していいですか?




ここまで読んでいただきありがとうございます!!
次回もよろしくお願いします!


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20話

俺はカナエさんに抱き締められた後、脱走するにしても体が痛み動けないわけで、カナエさんとカナヲが無理矢理連行するため抵抗するのは諦めた

 

「カナヲ、カナエ様おかえりなさいませ!そちらの方は………え……空さん…!?」

 

「アオイ、しのぶを医務室に呼んでね?その間に私とカナヲがつれていくから」

 

「は、はい!」

 

カナエさんの指示にアオイは気を取り直してしのぶを呼びに行った。怪我人の俺はカナヲとカナエさんに支えられながらその場所へと向かっていた。俺はカナエさん達にこのくらいは歩けると言うが……

 

「……(フルフル)」

 

「だーめ」

 

とカナヲは無表情で首を横に振るし、カナエさんは笑顔だがなぜか怒ってるのが俺は良くわかる

 

「(蝶屋敷に行くという選択間違えたか………?)」

 

この選択したことを少し後悔していたが、もうここまで来たら仕方がないと思い、診察室にいくと物凄く怒りのオーラを出しながらも笑顔でそこにいるしのぶがいた

 

「(げ、やはり俺はまだ出禁というか二度と跨ぐなと言われたのに来てるから機嫌悪いよな)」

 

「なんです?そのゲッという顔は……?」

 

「………」

 

「黙りですか……まぁいいです。そこに座ってください」

 

カナエさんとカナヲが俺を椅子に座らそうとしたが、俺はこの距離くらいは歩けると説得して手を離してもらったが……

 

「………え?」

 

「空君!?」

 

「っぐ…………!(歩けない……だと!?この距離を自力であるけないだと!?今まではこんなになっても問題ないのに……血を出しすぎていたのか!?)」

 

俺は歩くどころが体が動けずに膝をつき、止血の呼吸すら正直今厳しい。だが、俺が一番ショックだったのは自分が思っている以上に体が動かないことだ

 

「はぁ……貴方は何してるのですか?自分の怪我すらも把握できないで歩くつもりですか?見栄をはるのも大概にして……」

 

「……別に…これくらいの距離だけなら行けると思っただけだ」

 

「貴方はバカですか?あぁそうでしたね、バカでしたね。あのときからずっとなにも考えないときがありましたよね」

 

「(やっぱりこいつが敬語使うの違和感ある!!あぁ、もうこいつのせいで寒気が止まらん!!えぇい、これも全部あいつのせいだ!)ッチ……」

 

「今舌打ちしましたね?舌打ちしましたよね?」

 

俺は心の中でしのぶが敬語使うのに寒気を感じていて舌打ちすると、しのぶが黒い笑顔になり問い詰めてきた。まさか、心の気持ちが漏れると思わなかった……!

 

「姉さん。この愚患者をそこの椅子に座らせてください。カナヲはこのロープで逃走しないように縛ってください」

 

「あらあら、いいわよー。さ、空君座りましょうね~」

 

「え?!ちょっ……カナヲも頷いてロープで俺を縛らないで!?」

 

「……師範の命令だからです」

 

「せめて、そこだけは自分の意思でいってくれー!?!」

 

「煩いです。さっさと怪我を見ますので上半身すべて脱いでください」

 

「(……やっぱり俺蝶屋敷に行かなかった方がよかったのでは……ん?)」

 

俺は渋々上半身を脱ごうとすると俺は横目でみると、しのぶが心配そうな顔してるのが見えた

 

「何ですか?」

 

「嫌……なんでも……(何でお前も心配そうな顔するんだよ……)」

 

俺はそれを口出すことなく、服を脱ごうとするとしのぶは俺の腕をみて目を見開いていた

 

「なんですか?その紫色の痣のような後は……?」

 

「何って……怪我やんか……」

 

「嘘ですね」

 

「嘘じゃない」

 

「いえ、昔から嘘つくとき即答して方言?みたいなのを出すのは嘘ついてるときです」

 

「(あ、そういえば昔それを指摘されたな………。長年出さないようにしていたが、幼馴染みだから慌てているのか?)」

 

「図星ね……もう一度聞くわ。それは何?明らかに痣ではないよね?」

 

「呪いだよ、呪い」

 

「呪い……?」

 

俺は観念して手を上げて呪いの事を話していた。しのぶは怪訝な顔でそれを見ていてカナエさんも怪訝になっていた

 

「あぁ、鬼との戦闘で少し厄介な血鬼術を喰らってな……。それがまたなんとも陰気臭い呪いというな……な」

 

「だから、どんな呪いですかと聞いてるのですよ?」

 

「結論から言えば……血吐いて死にかける呪いだよ。かかったのは一週間程前で、まぁ疲労が溜まりすぎてたら寝るときに血をはく程度だな」

 

俺がそれを言った瞬間に部屋の雰囲気が重くなりしのぶが少しだけ血相変えて俺の腕にある痣の方を見ていた

 

「服を脱いでください」

 

「は?」

 

「早く脱げ!!」

 

「わ、わかった」

 

しのぶの怒りに俺は上半身の服を脱ぎ、しのぶは驚き目見開いていた。カナエさんも少し目を見開き、カナヲは表情を変えなかった

 

「痣もそうですが……その全身の負傷はなんなの!?」

 

「………痣の呪いのは一週間前でこの全身の負傷は……ついさっき、とある鬼との戦闘でやられたんだよ。で、辛うじて生き延びて包帯を巻いていたが……別に……一日寝たら治るだろ……」

 

「姉さん、カナヲ、すぐにこのバカの包帯を脱がすの手伝って!自分の怪我の重傷さがわかっていない!!」

 

「バカっていうな……」

 

しのぶの指示にカナエさんたちはすぐに俺の包帯を解かしていたら、あの童魔との戦闘での凍傷がでていて、しのぶはわなわなと怒っていた

 

「……この呪いとは別なら……この凍傷はなに?」

 

「鬼と戦ったんだよ。そんでやられた」

 

「っ、ふぅ………。では、まずはその呪いを治しましょう」

 

「治せるのか?その戦闘で鬼に死ぬときに発動した呪いなのに?」

 

「私を誰だと思ってるのですか?医者ですよ……こんな呪いくらい治します」

 

しのぶはすぐに薬の調合をしはじめて俺は目を見開き、しのぶは手際よく調合した薬を注射にいれていた

 

「(は、はえ!?え、しのぶってこんなにすごかったの!?……いや、すごいと言うことを俺は忘れていたのか……無意識に目をそらしていた現実を……)」

 

「幸いといって似たような呪いもありましたからすぐにできます。では打ちますね」

 

「え?ちょ………!?(注射は遠慮したい!)」

 

俺の抵抗をよそにカナエさんが俺の腕を抑えていた

 

「はい、注射は怖くない怖くない。しのぶ~いつでもいいよ」

 

「姉さんナイス!あとであなたにはきつめのを盛り込ませていただきます」

 

「さらっとなにをいーー?!」

 

注射の針が俺の腕に刺さり、しのぶは手際よく注射を差し込んでいた。すぐに効果は出るわけではないが今はその治療を信じるとするか

 

「では、次にその凍傷を治療しますね。カナヲは、アオイの方に言って、伝えてね」

 

「はい」

 

「は、もういいだーー「つべこべいうな。自分が思っている以上に重体なのに」あ、はい。ごめんなさい」

 

しのぶのにこやかな怒りを感じて俺は逆らうのは辞めようとして、その後おとなしく治療を受けていた。その間にカナヲはしのぶの指示でアオイにベッドを用意するようにと指示促していた

 

「………なぜ、すぐに治療受けに来なかったのですか?」

 

「……………」

 

治療がある程度進むとしのぶは咎めるように俺を聞いてきた。俺はその問いかけになにも言えなかった

 

「あの時の私があなたに言ったことはずっと謝りたいと思ってました。姉さんもあなたをずっと探してました」

 

「………」

 

「ですが、鴉を使ってでもあなたを見つけることなく今日まで消息不明でした」

 

しのぶは、俺の全身を丁寧に手際よく包帯を巻き終えてその手をとめて顔を下向いていた。カナエさんもしのぶのそばに座り、悲しそうに目を伏せていた

 

「貴方が治療受けに来なかったのが私が原因でしたら…………ごめんなさい。あの時の私はあなたも辛かったのに姉のことばかり考えて、姉さんに怒られて初めて自分の発言にどれだけ失礼なことを言ったのか……」

 

「ごめんね、しのぶのあのあとにきちんとお話しして本当に反省してるの。だから許してほしいの」

 

「なんで………なんでしのぶやカナエさんが俺に謝らないといけない………」

 

「「え……」」

 

しのぶやカナエさんの言葉に俺は己の拳を見つめて下向いていた。そして、カナエさんたちは俺の言葉に驚き顔をあげていた

 

「俺に謝られる資格はない……。あのときの俺は間違いなく、自分の力を過信しすぎていた結果………」

 

俺は過信しすぎていた結果、カナエさんが鬼殺隊員として戦うのが困難になってしまいしのぶには結果でこそ姉は失わずにすんだが俺や鬼に対する憎しみはできてしまった

 

「謝るなら俺の方だ。すまなかった………俺のせいでしのぶの大切な家族を失わせるところだった……」

 

「空君………」

 

「………」

 

「正直これで会うのは最後にするつもりだ。俺にはお前やカナエさんたちに会う資格はないと思っている………だから、治療終えたら二度とこの蝶屋敷に跨がない事と俺のような面を見せないようにするよ」

 

俺はそういいながら痛みを我慢して去ろうとするとしのぶとカナエさんが俺の腕を掴んでいた

 

「どこにいこうとするのですか?」

 

「まさか怪我してるのに蝶屋敷に抜けようと考えてない?」

 

「…………さっきも言った筈……俺には会う資格がない……だからこの蝶屋敷に二度と跨ぐことしないようにすると……っが!?」

 

それを言った瞬間、俺の頬に思い切り痛みが走った。俺は固まり、しのぶも驚き。俺の頬に痛みを感じたのはしのぶが怒る前にカナエさんから攻撃されたのだとわかった 

 

「ね、姉さん?」

 

「ごめんね、さっきから怒らないように我慢していたけど……もう我慢できない!貴方は何を自分の命をないがしろにしてるの!」

 

「いや……だって」

 

「だってではありません!そもそも貴方は自分の命を軽く見すぎ!それ以前に………なんで会うのに資格がいるの!?」

 

「…それは……俺のせいでカナエさんの命を失いかけさせた訳だし……」

 

「それは私の実力がなかったのと生き延びたのだからあまり責めないの!」

 

「…………」

 

俺はカナエさんのお説教をくらい、しのぶはひそかに震えていたのはカナエさんに怒られたことがあるのだろうか?

 

「聞いてるの!?」

 

「は、はい!」

 

「………約束して………あなたもお爺さんになるまできちんと生きるということを……それでこの件はおしまいにしない?」

 

「………鬼殺隊員である以上俺はやめることはできません。それ以前に俺はまだけじめをつけれないのに」

 

「なら、けじめをつけれないのなら私達があなたのけじめをつけてあげる。この蝶屋敷に住みなさい」

 

「「…………え?!」」

 

まさかのカナエさんの提案に俺もしのぶも唖然としていた。あれ、お説教の流れからそうなるのはなぜ!?

 

「ね、姉さんいきなり何を?!」

 

「しのぶ、いきなりもなにも四年半前にその話していたでしょ?」

 

「それはそうだけど!?でも……」

 

「うーん、元柱命令じゃあダメ?」

 

「今は私が柱よ!?」

 

「じゃあ、お姉ちゃんの頼みと思って……ね?」

 

「うっ………し、仕方ないわね!」

 

しのぶとカナエさんのやり取りに俺は口挟めば怒られると思い黙っているとしのぶが俺の方に向き合っていた

 

「今の貴方は患者です!だから手負いのまま蝶屋敷にでることは医者としても私としても恥なので、絶対に治るまでいてもらいます!」

 

「(素直じゃないねー。でも、そんなしのぶも可愛いな~!)というわけで、空君は治療のため入院してもらうわ」

 

俺はそれを聞いて反論してもうまいこと言われて終わりそうなので観念して手を上げてわかりましたといった

 

「はぁ……(全く………本当に二度と会うつもりもなかったのに会えるとは人生はわからないものだな………)」

 

二度と入れない会えないと思っていた上に蝶屋敷に入ることにはなったのは本当に二人の義妹のカナヲのお陰かもな………

 

だが、俺蝶屋敷にすんで恨まれてないかな?主にしのぶとかカナエさんとか後は下の子とか………大丈夫かな………?

 

あ、ダメだ考えるだけでなんか胃が痛くなってきたぞぉ………




ここまで読んでいただきありがとうございます!!
主人公はしのぶとカナエさんは幼馴染みの関係であり、空はカナエさんの事を姉のように募っています。また、しのぶとは幼馴染みのため色々言い合える仲です!
これからもよろしくお願いします!


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21話

俺はその後カナエさんたちの迅速な行動により俺の羽織っていた黒の和服も取られて、武器も取られてしまい、完全に蝶屋敷に出れない状態になった………

 

「出れなくなったのは仕方がないが…………」

 

「ねぇ!?苦い薬飲みたくないよ!!」

 

「ゴメンネヨワクッテ…………」

 

「善逸嫌がらないで薬を飲んで!伊之助、大丈夫!お前は強いやつだよ!!」

 

「何で、こいつら怪我人なのにこんなに元気なんだよ……」

 

俺は仰向けで動けない状態で、この三人のやりとりを聞いて苦笑いしていた。まぁ、暗いよりはましだがなんだが………炭治郎はまだあの日に生きてるのを見ていたので知っていたが、こいつらも良く生き延びていたな……

 

「っていうか、伊之助は何で落ち込んでるんだ?後、声もいつもより覇気がないが……」

 

「はい。なんか、良くわからないですけど、落ち込んでるのです。後、声は出しすぎてつぶれたとか………」

 

「はぁ!?……まぁ、そこは触れないでおくが、そこの善逸は何で入院に?」

 

「鬼に殺されそうになりました!」

 

「そんなのはわかってるわ!!そういう返事を求めてないんだよ!で、炭治郎よ。ここは俺を含めて四人しかいないから改めて聞くが……お前が背負っていたあの箱にお前は鬼を匿っているな?」

 

俺はあの夜を見ているから鬼を匿っているの知っているからあれだがやはり改めて聞いておかないとな

 

「!いえ、それはその………」

 

「安心しろ、俺もあの夜に見ていたからな」

 

「!じゃあ、あの……」

 

「まぁ、知っているが改めて聞いてるんだよ。そこの二人も知ってるのだろ?」

 

俺の問いに炭治郎は少し考えていたがこの反応は、知っていると言うことだな?まぁ、鬼殺隊である以上ずっと匿っているのは難しいのだがな……

 

「で、どうなんだ?安心しろ、俺は口が固いからな」

 

「………はい。そうです」

 

「やっぱりか……で、柱会合につれていかれてお館様がなんとか容認してくれるように動いていたな?」

 

「何でいなかったのにわかるのですか!?」

 

「俺もお前らに会う前にお館様にあって聞いていたからな。だが、それがお前だと思わなかったがな……」

 

ま、それはそれでお館様辺りが柱に納得してもらうように動いてくれていたのならな安心だがな

 

「ま、この話はこれでおしまいだ。さて、とりあえずは……善逸!」

 

「は、はい!!」

 

「さっきからずっと叫んでいて喉いたくならないか?薬を飲んでさっさと寝ろ!そんで、さらに薬飲んでしばらく寝とけ!!」

 

「優しさの欠片もない人が目の前にいた!!二回も同じことをいうなんて悪意しかないよ!」

 

「それだけ叫ぶ元気あれば大丈夫だな」

 

俺は善逸の叫びを聞いて笑っていたがまぁ、この後善逸はあまりのうるささにアオイに怒られていたのはここだけの話だ

 

「煩いです!」

 

「ぎゃぁぁ!怒りに来た!?」

 

「そりゃあ、ずっと叫んでいたら怒られるだろ。……カナエさんも怒ったら怖いけど」

 

「……空さん、貴方はあとでカナエ様に伝えときましょうか?カナエ様は怒ったら怖いということに……ね?」

 

「それは堪忍してくれ……」

 

昨日あれだけ怒られて、また怒られたら俺の精神的に保つのきつい!そして、善逸も大人しくなって、暫くゆっくりとしていると隠の後藤がやって来た

 

「ごっさんか?」

 

「よっ!元気そうで何よりだな」

 

「まぁな。まさか、ごっさんが隠をやっているとは思わなかったがな」

 

「色々とあったんだよ。で、お前こそなんで四年前失踪したんだよ」

 

「俺も色々とあったんっすよ。ごっさんは…俺の四年前の噂も聞いていたの?」

 

俺は四年前のあの噂を後藤に聞くと後藤は手を叩いて「あぁ、あれか…」と遠い目でいっていた

 

「四年前って何があったのですか?」

 

俺とごっさんの会話に炭治郎は気になったのか後藤は俺にいっていいのか?と目配せしていたが、俺はもう過去のことなんで話すことにした

 

「まぁ、細かいことは省くが……噂で色々とひどい目に遭ってな。そんで、失踪したんだよ」

 

「細かく省きすぎだよ!?あんた細かく省くなよ!!」

 

「うるさいぞ、善逸!」

 

「あぁそうかい!ごめんなさいねぇぇ!!」

 

「善逸……あまり煩かったらお尻に注射されるぞ」

 

「なにそれ!?色々な意味で怖いんだけど!?」

 

俺の言葉に善逸は震えていたが、そこは気にしない。ちなみに俺は昔一度だけやられて色々と失ったような気がしたのは忘れられない……

 

「ま、それはそうとそういうことがあり俺は鬼殺隊を一時的に抜けたが………まぁ、色々な事情で戻ってきたんだよ」

 

「あの……質問していいですか?」

 

「ごっさんに質問だよ」

 

「お前だろ!どう考えてもこの流れはお前だろ!?」

 

後っさんが俺の頭を思いきり叩きながら、突っ込んでくれていた。後っさん、相変わらずそういうところの切れはあるねぇー

 

「まぁいいか、なんだ?」

 

「は、はい。空さんは刀を使わないで拳で戦うのですね」

 

「ん?まぁな。だが、あまりおすすめしないぞ」

 

「なんでですか?」

 

「生半可な気持ちでそれを注文したら刀鍛冶の怒りを触れることになるから……な」

 

「(めちゃくちゃ恐怖の匂いしてる!?)あ、はい。俺は絶対に拳の呼吸を使いたいと言いません!!」

 

「けれど、それ良く刀鍛冶が良いとしてくれましたね?」

 

俺の言葉に炭治郎はなにか察していて善逸は刀鍛冶が良く分かったとしてくれたというが、あれは本当に刀鍛冶の熱意は恐ろしかった

 

「日輪刀が作られるには太陽に一番近く、一年中陽の射すという陽光山で採れる猩々緋砂鉄と猩々緋鉱石から打たれた日本刀であり、日光を浴びる事以外は基本的に不死身である鬼に対して、その頚を斬る事で“殺す”事ができる唯一の武器。これは育手に教えてもらったな?」

 

「は、はい!」

 

「俺もじいちゃんに教わったよ」

 

伊之助はまだ元気がないのかボーとしていたが、あれでも話は聞いてるだろうと信じて俺は続きを話した

 

「昔は刀を持っても咎められないが、現代では刀を持つだけで咎められる。なら、手袋とか靴で代わりに作れないかと聞いた」

 

「それものすごくなんか言われない?」

 

「実際言われたぞ~。な、ごっさん」

 

「だから、なんで俺に話を振る!?俺もお前が手袋とかの出来た時を知らねぇよ!」

 

「まぁ、いいでしょ?いきなり話を振って…ね?」

 

「いやいや、良くねぇよ!?俺にいきなり話を振ってなんとも言えない雰囲気になっただろ!?」

 

「あー、すいません」

 

「絶対に心に思ってないことだろ!畜生!!」

 

俺とごっさんとのやりとりを終えて俺はとりあえず日輪刀の話をしていた

 

「ま、刀は鍔や鞘は個々人の裁量で自由な形状、色合いの物が用いられており、中には極めて雅な鍔が嵌められている刀もある。それに更に最上位剣士である柱は、奇異とさえ言えるほどに日本刀の範疇から完全に逸脱した専用刀を用いる者も、幾人か在席しているぞ」

 

「そうなの!?え、でも空さんは柱じゃ……」

 

「俺は柱と言う立ち位置ではないし、柱になる前から注文したよ。刀鍛冶の人は色々と世話になっていたがまぁ……風の噂で其を作っていた人は亡くなったがな………」

 

俺はそれをいいながら空を見ていた。本当に俺の無理難題をこたえてくれた人はすごくいい人だった

 

「さて、折角だからごっさんも交えて勉強するか?隠のことをよ」

 

「なんでだよ!?俺忙しいのに」

 

「忙しいならごっさんはさっさと帰ってるだろ?」

 

「ぐ、仕方ねぇ!せっかくだ!話をしたるよ!」

 

俺の言葉にごっさんも手を上げて炭治郎や善逸伊之助に隠という存在をはなした

 

「ごっさんからありがたい話だから良く聞けよ」

 

「お前が話さないのかよ!?まぁいいけどよ……」

 

ごっさんはため息をつきながら炭治郎達に説明してくれた。こういうときは本職の方が説得力あるからなー

 

「隠ってのはな早い話。古来より鬼殺隊の事後処理部隊なんだよ。で、隠部隊自体が、剣術の才に恵まれなかった者たちによって編成されていることから、鬼殺の剣士という“戦力”としては活躍の場がほぼ無い……言わば処理をする組織だな」

 

「え!?そうなのですか?」

 

「あぁ。お前らも始まりの………あの最終選考経験しただろ?そのなかで鬼殺隊員としてやるのを諦めて隠になるやつもいるんだよ」

 

「知らなかった………」

 

「まぁお前らの世代は誰一人も隠になっていないからな。あと隠には色々な奴もあるからな」

 

それを話すと炭治郎はなにか考えていたが、頭がまとまったのか顔上げてキリッとした表情で俺たちを見ていた

 

「俺!!隠の人達も同じ鬼殺隊と思っていますのでこれからもよろしくお願いします!」

 

笑顔でお願いします!とごっさんに向かって言っていた。それを聞いたごっさんは少しだけ涙目になり「久しぶりにまともに労ってくれる奴が出てきた……」となんか苦労してるんだな

 

まぁその後ごっさんは仕事で帰ったが炭治郎達にはこの隠という人がいるからこそ鬼殺隊員は戦えるってのを知ってほしいがこいつらなら問題ないな

 

「空さん!」

 

「もう少しでご飯なので!!」

 

「絶対に脱走しないでください!」

 

なほ達がご飯の時間になったのか病室いる俺にそれをわざわざ言いに来た……つまり、俺が脱走する恐れがあるから言いに来たの?

 

「俺……そんなに信頼ないの?」

 

「「「はい!無茶してこっそり脱走しそうですから!」」」

 

「がふ!?」

 

なほ達の笑顔で吐いた言葉は俺の精神的な攻撃になり、ダメージをおった……

 

「空さんがダウンした!?」

 

「医者をよばないと!?」

 

「違うでしょ!?しのぶ様を呼ぶのよ?!」

 

なほ達が慌てているけど、血を吐いてないから呼ばなくっていいよ……後、俺もう少し信頼されるように頑張るよ………




ここまで読んでいただきありがとうございます!
そして暖かいコメント評価ありがとうございます!
これからもよろしくお願いします!!


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22話

ごっさんによる隠の授業を聞いた炭治郎達はいかに隠に支えられているのか分かっていてくれた。俺はこの三人にこういう話をできてよかったのと同時に伊之助の落ち込みをどうしたら良くなるのだろうと思いで夜中にベットから起き上がり、歩いてると……

 

「空?」

 

俺に声かけてきたのはこの蝶屋敷の宿主の一人胡蝶しのぶだった。いつもの隊服はなく何て言うかそう……寝る格好になっていた

 

「しのぶか……カナエさんは?」

 

「姉さんはカナヲと寝ているわ。私はさっきまで仕事よ、仕事よ」

 

「敬語崩れてるぞ」

 

「貴方相手に敬語使うの疲れるし……今くらいはかつての幼馴染みの胡蝶しのぶでいさせてよ」

 

「ま、俺もお前に敬語で話されると……なんかこう寒気する」

 

「それ喧嘩売ってる?」

 

しのぶが笑顔になりながらも拳はシュッ!シュッ!と振っていた。昔よりも拳の突きが早く見えるのは気のせいだな………

 

「ま、いい。それよりも……久々に幼馴染み同士の話をしないか?」

 

「別に良いわよ……。私もあなたがこの四年間は何していたのか聞きたいし、姉さんにもあとでそれを話してよ?けれど、その前にあなた怪我人だから私の肩を借りて歩きなさい………どうせ、動けないのに無茶するのわかっていたから」

 

「分かったよ」

 

俺はしのぶに肩を借りながら、夜の月が見える所へと歩いていた。こう、俺もしのぶも身長変わらないからあれだがな……

 

「さてと……話そうか。この四年間のことを」

 

俺は座り込みしのぶと向き合いながら、この四年間のことをはなした

 

「四年前に俺は鬼殺隊員として抜けたというよりもお館様の配慮もあり半分休業していたな」

 

「お館様が?」

 

「あぁ。で、俺は関西……主にこの東京より南下にある大阪とかそこら辺を中心にある調べごとをしていた」

 

「調べごとを?」

 

「まぁ、しのぶたちのあの発言の前にいつかは目の前から消えようと決めていたが、悩んでもいた。しかし、あのカナエさんの時にきめた」

 

そう……その調べごとをするなら鬼殺隊員としての活動に大きく影響すると考えていたが、悩んでいたときにしのぶのあの怒りで俺はそばにいる資格がない…蝶屋敷を跨ぐ資格はないと決めていた

 

「俺はあのしのぶの発言で改めて俺はお前たちのそばにいる資格も守る資格もそして……会う資格もないときめた」

 

「じゃあ、私のせいで……!?」

 

「そうはいってない。カナエさんのあれは俺の責任でもあり今でも戒めとしてずっと戦っていた。しのぶのせいでそういう判断をしたのではないのだからそこは勘違いするな……」

 

「……」

 

「そして、俺のその調べごとは鬼殺隊員のすべての始まりの根元悪……鬼辻無無惨の始まりを探していた」

 

「え!?」

 

俺の言葉にしのぶは驚き大きな声をあげていたがすぐに自分の声が大きいと気付き、落ち着かせて聞いてきた

 

「鬼辻無無惨……その始まりの情報を求めていたってどういうこと?」

 

「お館様に聞けば早い場合もあるが俺はどうしても無惨はなぜ、出来上がったのかと気になった。そして、無惨は完全に自身の出生を消し去ることができていなかったみたいだ」

 

「その情報や紙はあるの………!?」

 

「………おれがその情報を見つけたときには既にボロボロだった。だが、奴や鬼に見つからないように俺は調べていて分かったのが、無惨は平安から生きている鬼で奴は生まれつき……つまり、先天的に虚弱な体質だったらしい」

 

「それをお館様は知ってるの?」

 

俺はしのぶの問いに頷いていた。その情報は貴重なのだから保持していては俺が死んだときにその無惨という生き物の手がかりもなくなる

 

「それと、俺なりにもうひとつ調べていたのはお館様の呪いをなんとかできないかと探していた」

 

「それの手がかりはあったの?」

 

「いや……残念ながら、お館様の呪いを解くのは厳しい。代々お館様は短命で代わっているのが多いからきっと歴代にお館様の治療を考えた人もいるが……いずれもダメだった」

 

俺がそういうとしのぶは肩透かしくらったかのようにがっかりしていた。俺ももちろんお館様の治療するの見つけれず悔しかった

 

「そして、四年間……カナエさんから聞いてるのだろ?」

 

「なにを?」

 

「カナエさんが生きてるから、奴の……上弦弐の情報だよ」

 

「………えぇ、そうよ。私は姉さんをあそこまでやった鬼を許さない………!」

 

「(こりゃ、俺が上弦弐と戦った話したら暴走しかねないな……)そうか……俺は四年間奴を探し続けていた。それはすべてお前やカナエさん……そしてこの蝶屋敷のためでもある」

 

「どういうこと?」

 

「奴はな……他の上弦はわからないが人の肉食べるとき異常に女性を執拗としてる」

 

「……!?」

 

「なんでわかるのかって………。ま、色々な鬼に問い詰めたりしていたが、聞けたのは其れだけだった」

 

俺の言葉にしのぶはなにか気づいたのか顔を下向かせて震えていた。おれはそんなしのぶに気づかずに奴の探していた時の情報を話していたら……

 

「つまり、あの凍傷は鬼と言いましたが上弦弐とやったということで良いですか?」

 

「は?なにを根拠に……(あれ、敬語になっている?)」

 

「私これでも医者なのですよ?あの凍傷見たときに姉さんの時と似ていたので……つまり今の話から聞くと私たちが再会するまで上弦弐と会っているということですよね?」

 

「…………」

 

「沈黙は背定と見なします。………そう……このバカたれ!!!」

 

「ぐぼぉ!?」

 

俺はしのぶから見事に顎に拳が直撃して脳がくらくらしていた。まさに突きの攻撃が速すぎて見切れなかったことにショックだった

 

「なんで……なんで私にすぐに飛ばさなかったの!」

 

「いや、お前達に会う資格がないと思い、連絡してなかったしそれ以前に俺はお前達に上弦弐にやられるのみたくなかったんだよ」

 

「鬼殺隊に入ったときからそれは覚悟してる!!けれど、あなた一人でなんで上弦と戦うの!?私もあんなことをいったとはいえ、貴方は今でも私の大切な幼馴染みなのよ!助けを求めてくれたら……!!」

 

「幼馴染みだからこそだ!!」

 

「!?」

 

俺の大きな声にしのぶは驚いていたが、俺は構わずに続きを話した

 

「幼馴染みのお前やカナエさんを失うのが怖いんだよ!!鬼殺隊で覚悟して入ってきてる?そんなのは、長い付き合いだからそれは知ってるんだよ!!だがな……俺はお前たちが死ぬ未来を見たくないからこそ、俺はどんなに自分が手負いでもどんなに死にかけてでも会う資格がないと己に言い聞かせてけじめをつけようと、ずっと旅をしていた!!」

 

「空………」

 

「上弦弐と再び対峙して!俺は己の無力を感じたよ!!何が甲だ!大切な幼馴染みを奪いかけて多くの人を殺した奴を討ち取れなかった俺は………なんで………なんでこんなに無力なんだよ………っ!!」

 

俺はためていた気持ちや苦しみが溢れて止まらずに俺はずっと止まらずに話していた

 

「あのときもそうだ!己の命を引き換えになんとしても討ち取ろうとしたが……それすらもできずに悔しかった………!」

 

俺がそういうと後ろから二つの温もりが感じて俺は顔をあげるとしのぶといつの間にかカナエさんが俺の背中に抱き締めていた

 

「カナエさん、しのぶ……?」

 

「ごめんね、ずっと影で聞いていたの。しのぶが空君と話すと決めていたからわざと隠れていたの」

 

「もしかしてはじめから?」

 

「うん………。ごめんね、そんなに追い詰めていたなんて知らなかったの」

 

「私もごめん……。私はまだ姉さんや蝶屋敷のみんながいたから良いけど空だけ苦しい思いを四年も………ごめん」

 

しのぶやカナエさんの言葉に俺は徐々に声ならずに泣きそうになっていた。我慢していたらカナエさんが俺に優しくいっていた

 

「今だけ泣いて良いわよ……。私もしのぶもなにも見てないから……ね」

 

「そうです…………か………っ」

 

俺はその日これまで我慢していたのが一気に溢れて涙が止まらなかった。何度も何度も嗚咽を漏らしながらも二人は優しく俺の背中を叩いていた………

 

 




ここまで読んでいただきありがとうございます!次回もよろしくお願いします!


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23話

久々にたくさん泣いた俺はあの後、カナエさんとしのぶに入院してる部屋の方まで肩を借りてつれてもらいそこで寝た。翌朝になると俺はいつもより体が軽く感じた

 

「(鬼の死ぬ呪いはなんとか解けたな。ってかこれは末代までの恥というか……油断して呪われるのは鍛練足らないよな)ふぁぁ……」

 

あくびしながら上半身を軽く屈伸していると、ちょうど炭治郎も目を覚ましたのか元気よく挨拶してくれた

 

「お早うございます、空さん!」

 

「お、炭治郎は朝早いな?もう少し寝といてもバチ当たらないのに」

 

「いえ、長男ですからはやく起きないと!」

 

「長男か……いや今関係あるか!?」

 

俺は炭治郎の言葉に思わずツッコミをいれると炭治郎はまだ体が痛むのか歩けないので、俺は苦笑いで話しかけた

 

「ま、今は無理に動くな。まだ、体は万全な状態ではないのだからな」

 

「は、はい!そう言えば、今さらですけど空さんはその……」

 

「うん、なんだ?」

 

「なんで、空さんは柱にならなかったのですか?」

 

「なんで……か。ま、守るべき力には俺は足りなさすぎたということで断ったんだ。それよりも炭治郎達には今度時間あれば鬼殺隊の事やまた色々話そうな」

 

「は、はい!」

 

俺がそういうと炭治郎は笑顔で返事していておれもにこやかな気分になった。そして、善逸も伊之助も起き上がったが、今日も伊之助は落ち込んでいた

 

「ゴメンネヨワクッテ……」

 

「お前はすごい奴だよ!頑張れ、伊之助、頑張れ!」

 

「そうだよ!!お前は頑張ったって!すげぇよ!」

 

「朝からのこのやりとりを自然に慣れてきたが……まぁ、あれだな。面白いし、俺が入院する前までこんなだったらしいからな」

 

ゆっくりとその光景を見ながら己の体を神経はりつめていると体の状態が良くなっているのが自分でもわかるし、これまで四年間一人で治療もしていたから今どういう状態かなんとなくわかる

 

「さて……」

 

「え?!あんたどこにいくの!?ってか手負いなのになんで歩くの!?」

 

「はは、怪我には慣れてるんだよ」

 

「怪我で慣れてるってなに!?」

 

「ま、とりあえずは……俺は診察だから失礼する」

 

診察室に向かおうと、部屋出ると丁度カナエさんが来ていて俺は歩いて動こうとしていた状態なので、少し固まった。なんでこんなタイミング良く登場するのですか?

 

「あら、良く寝れたの?」

 

「カナエさん……えぇ。昨日はありがとうございましたおかげでスッキリしました」

 

「うふふ、いいのよ。それよりも、どこに行こうとしていたの?」

 

「(こんなタイミングぴったりは明らかに狙ってるよね?)怪我の状態も良くなっているから診察室にいって治療してもらってから、修行を………」

 

「はい、だめよー。まだ安静しないとダメなのだから修行は禁止ねー」

 

「即答!?そして、力強い!?」

 

「うふふ、私はこれでも元柱よ~」

 

診察室に一人でいこうとするとカナエさんが、俺を背負っておんぶする体制になった。この一連の流れに戸惑いながらも、カナエさんはご機嫌だった

 

「ふふ、懐かしいな~。昔、しのぶと三人で良く遊んでいたよね」

 

「そうですね………あと、下ろしてくれませんか?」

 

「ダメよ。昔よりも治りも早いのは呼吸がいいのか知らないけど、まだ足も思っているよりも悪いと思うから足の負荷トレーニングも禁止ね」

 

「俺にどう移動しろと!?」

 

カナエさんのにこやかな言葉に俺は思わず指摘していたがカナエさんはどことなく吹いていた。そして、診察室に着くとしのぶがいたが、俺とカナエさんのを見て少し怒っていた

 

「姉さん、空をつれてきたのはありがたいけどなんでおんぶしてるの?あと、空降りなさい何を羨ましーー何を姉さんに負担かけてるの!」

 

「抵抗した。無駄になり捕まり、今に至る。つまりーー」

 

「分かったわ、大体分かったわよ………」

 

しのぶは疲れたようにため息をつき俺の体を細かく見ていた。あの野郎の凍傷もましになり、ほぼ回復してると思うのだけどな………

 

「うん。これならもう少しで復帰ね」

 

「よし!」

 

「ただし!」

 

「ん?」

 

「もう少しで機能訓練を受けてもらいますからね」

 

「…………まじで?」

 

「はい。ただし、受けてもらう前に空にはある条件をつき出します」

 

条件を…………?

 

「…その……この蝶屋敷で私達と昔のようにもう一度住まない……?」

 

「……は?!」

 

「と、突然じゃないからね!先に言っておくけど別に私は貴方をほっておいて勝手に死んでしまうのは困るからです!第一、昔から無茶をするから身長も低いのです!」

 

「いや、お前の場合は俺よりも身長は低い……ごぶっ!?」

 

「な・に・か・言いました?いえ、私の聞き間違いじゃないのなら………明らかに私の喧嘩うったよね?ね?」

 

「いえ,なんでもないです………ごめんなさい」

 

「あらあら、姉さんはしのぶの笑った顔が好きだな~」

 

「カナエさんこの流れで言いますかね?!」

 

しのぶがにこやかに怒っているとカナエさんはのほほんと宥めていて、俺はこの一連の流れでそれを言うことに驚き突っ込みいれてるとカナエさんが手を叩いてなにか思い付いた

 

「そうだわ、今すぐに空君の入院してる部屋から空いてる部屋に引っ越しすれば速いわ!」

 

「いや、話の流れはやくないですか!?」

 

「というわけで……カナヲ、アオイ、なほ、すみ、きよ」

 

「「「はい!」」」

 

「お呼びでしょうか?カナエ樣」

 

「………」

 

カナエさんが手拍子すると、カナヲも含めて蝶屋敷全員が勢揃いしてドアから入ってきた。まさか、これも全部カナエさん達の計画通りなのか……!?

 

「蝶屋敷全員集合!?しかも手を叩いたら出てきた!?」

 

「因みに私も姉さんに呼ばれたら、すぐに駆けつけれる自信あるわ」

 

「あるんかい!?そして、できそうで怖い!!」

 

「じゃあ、皆でこの空君の部屋の用意をお願いね」

 

「「「はい!!」」」

 

「まかせてください!」

 

そういうや否、蝶屋敷の人達はさっと動いていた。俺はあまりの行動の早さに唖然してるとしのぶが肩を叩いていた

 

「姉さんの頼みだから皆張り切ってるのよ」

 

「そうか……」

 

俺は考えるのをやめて、しのぶの方に向き合いあることを聞きたかった

 

「そう言えば突然だが、カナエさんやしのぶは好きな人できた?」

 

「ほえ!?」

 

「はぁ!?いきなり何を!?」

 

俺の言葉に二人は動揺していたが、俺はこれは弄られてきたのをやり返すチャンスだと思い聞いた

 

「しのぶは例えば無口で言葉足らずの奴とか好きとか?」

 

「私は別に冨岡さんのことが………あ……」

 

「俺は一言も義勇とはいってないぞ」

 

「は、はめたわね!!もう許さない!」

 

俺の言葉にしのぶは顔真っ赤にしてなにかを取り出していた。俺は何をするんだろと思うとしのぶは注射を構えていた

 

「一応聞くがそれはなんだ………?あと、なんでそれをとり出す!」

 

「ふふ、安心してください。毒はないですよ、毒は」

 

「それって他にはあるということだよな!?」

 

俺は身の危険を感じて逃げようとしているとカナエさんが俺の動きを止めた

 

「カナエさん!?後生だから逃がしてくれ!」

 

「だーめ♪しのぶ、今よ」

 

「姉さんナイス!さぁ、観念しなさい!」

 

「いや、いやだぁぁぁぁぁぁ!?!!」

 

俺は抵抗するも胡蝶姉妹に勝てずに、注射刺された

 

 

俺は注射大嫌いなの…………




ここまで読んでいただきありがとうございます!
またいつも感想くれる方ありがとうございます!
これからもよろしくお願いします!!


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24話

しのぶに注射されて俺は部屋も移動されて新しい……つまり、蝶屋敷の空いてる部屋に移動されて俺は現在そこで安静してる

 

「………注射イヤダ………クスリマダイイヨネ………」

 

しのぶに注射されて俺は燃え尽きていた。ちなみにあの注射は薬も入れていて、俺のかかっていた呪いを再発しないように念のために注射したのだと………それにしても大人げなく楽しそうに注射をして……あぁ注射ダイキライ………

 

「あらあら、拗ねているの?」

 

俺の横にはカナエさんが微笑ましそうに笑っていたが、俺は拗ねているというよりも魂抜かれてしまった気分で疲労が漂っていた

 

「拗ねてはいないですけど、俺は昔から注射は本当に嫌いなのですよ……」

 

「うふふ、まぁ注射されて嬉しい子はいないからね。頑張ったご褒美に頭を撫でるね」

 

「ふへぇぇ………これが長女の力………」

 

「ふふふ、甘えていいのよ~?昔みたいにカナエお姉ちゃん何て言ってもいいのよ~?」

 

「いえ……そ、それは……は、恥ずかしいので………」

 

「およよよ……反抗期に迎えたのね」

 

「貴方は俺のお母さんですか!?」

 

「あら失礼ね。お姉ちゃんよ?」

 

「そこはなんか違う!」

 

俺はカナエさんの天然なキャラにツッコミを入れながら怒濤の指摘すると疲れて呼吸整えていた

 

「あらあら、そんなに怒鳴ったら体に痛みが来るわよ。姉さんは空の笑った顔みたいな~」

 

「理屈になってない!?今の流れでなんでそうなるのさ!?」

 

「ほらほら、子守唄を歌ってあげるから寝てね」

 

俺はそういいながらカナエさんの手により横にさせられて子守唄を歌っていた

 

「こんこん小山の子ウサギは~」

 

「(あ、やべ眠たくなって………き……た)」

 

カナエさんが歌い始めるのと同時に俺は何やら安堵感がきて眠気が誘われて意識を手放した。カナエさんの手の温もりを感じながらゆっくりと寝ていた

 

「……お休み……まだ寝ていいからね?」

 

カナエさんの優しい言葉が聞こえて俺は意識を完全に手放した

 

 

 

カナエside

 

空君が寝息をたてて眠るのを確認した私は空君の怪我した場所を見ていた

 

「……この傷は間違いなく上弦弐との戦いで………この子はずっと一人で上弦弐の情報を集めてお館樣の治療の手がかりも探して………」

 

私は優しく頭を撫でながら空君がこの四年間ずっと一人で頑張ってきたことに私は感心していたのと同時に後悔もあった

 

「姉さん、空は寝た?」

 

「えぇ、寝たわよ。………蝶屋敷で入院させて正解ね。なにせ、再会して改めて目元を見ていたら明らかに寝不足状態だったよね」

 

「うん。明らかに体に無理しすぎてるのが良くわかるくらいよ………。本当に我慢すると言うか頑固と言うか………ちなみにあれは睡眠薬だからね」

 

「え?そうなの!?」

 

「嫌、なんで姉さんが驚いてるの!?もちろん薬もやったけど、こいつは休ませないとまた体を壊しかねないから仕方なくよ!仕方なく!」

 

うーん、しのぶったらツンツンしながらもデレるから可愛いのよねー!妹は本当に世界一可愛いわ!

 

「それよりも、姉さんはしのぶに3つ確認したい事あるのだけどな~」

 

「3つ?別に良いけど………」

 

「うん、まずは空君のことはまだ嫌い?」

 

「……正直言えばあのときに一度嫌いになったけど姉さんが怒ってくれて今は落ち着くようになって空と話して……うん、嫌いじゃないね」

 

「そっかー。じゃあ、二つ目は……冨岡君の事が好きなのね?」

 

「…………ちょっと用事が!!」

 

しのぶは私から背を向けて出ようとしていたけど私はそんなしのぶを逃がさないように手首をつかんで言った

 

「ふふ、姉さんに教えてほしいな~?」

 

「いくら姉さんでもこれは話せないわよ!?」

 

「えー、じゃあ、どうしたら話してくれるの?」

 

「うーん………じゃあ姉さんこそ好きな人いるの!?」

 

「いないわね~」

 

「即答!?」

 

私の返答にしのぶは大きな声あげていたけどあまり大きな声あげすぎたら空君が目を覚ますでしょ?

 

「冨岡君のはおいおいとまた聞くとして……それとしのぶ」

 

「うん?」

 

「しのぶ今体重どれくらい?」

 

「!?!!(ま、まずい!姉さんに体重の事をばれたら……)」

 

しのぶは慌ててなにか立ち上がり去るようにしていたので私は手首をつかみしのぶに優しく問いかけた

 

「待ちなさい、しのぶ?どこにいくのかしら?」

 

「か、患者のよ、様子を見ないと!」

 

「まだ質問に答えてないよね……?待ちなさい」

 

「し、質問に答えたらいいのね?」

 

「えぇ………ただ、もしも」

 

「もしも………」

 

「体重が平均以下なら……怒るわよ」

 

「脱走!!って力強い!?」

 

「逃がさないわよ~!」

 

ふふ、どうやらしのぶは私達に大きな事を隠していたのは私が思っていたよりもずっとずっと大きな事を隠してた………

 

当然、妹の隠していたことを私は思いきり折檻したわ。かわいい妹にそんな事させるわけないじゃない?でも………

 

「私がもっとはやくしのぶにそういう世界を遠ざけたらよかったのかしら………それに空君も私にとっては弟みたいなもの……もっと早く見つけてあげたらこんな無茶しなかったのかしら……」

 

しのぶがいなくなり部屋で寝ている空君を頭で撫でながら私は何をどうしたら正解だったのか考えていた……




ここまで読んでいただきありがとうございます!次回もよろしくお願いします!


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25話

俺が安静して大分体の方も問題なくなってきたある日にしのぶが「今日から機能回復訓練をするからね」と言ってきたので俺はついに来たかと観念していた

 

「なぁ、今から脱走していいか?」

 

俺は歩きながらこの後に起こる未来が何となく察してるからアオイにきくと、アオイはキリッ!としながらも苦笑いしていた

 

「諦めてください。カナエ様としのぶ様はヤル気満々になっていますし、諦めるのが賢明かと思われます」

 

「……俺だけ?訓練受けるのは………」

 

「はい。実は先ほど時間外に私とカナヲで竈門さんと猪頭の人とやりました」

 

「結果は?」

 

「私達の圧倒勝利です!」

 

俺の問いかけにアオイは自信満々に嬉しそうに答えていた。それにしても……、まぁ、恐らくあいつらのは基本的なの力あるが、今の呼吸の程度を見ていたら、はまだまだ足りないよな……。下手したら、努力しないとこの機能回復の合格は厳しいぞ

 

「因みになぜ、俺の訓練にはカナヲやアオイがやらないのだ?」

 

「ご冗談を……。貴方を対抗するには私達では実力不足ですから……」

 

「俺柱じゃないのに……」

 

「かって、柱候補であった空さん相手にはこれくらいの方がいいと思いました!」

 

「いや、そんなに笑顔でいうな………。ってか、なんでそんなにご機嫌なんだ?」

 

俺の記憶であれば、アオイはかなりの厳格のはずだったがなぜにこんなに笑顔なのか俺はわからなかった 

 

「それは、蝶屋敷に空さんがいることが私もカナヲも他の皆さんも嬉しいのですよ」

 

「嬉しい?」

 

「はい!それに久しぶりにしのぶ様やカナエ様の心から笑う姿を見て私達は嬉しいのです。それに私達も空さんがここにいることに嬉しく思いますから!」

 

「そうか………」

 

俺はそれを聞いて俺がいてもいなくっても変わらない気がするがしのぶやカナエさんが笑ったりここの子が元気になるならそれでいい

 

「しのぶ様、カナエ様つれてきました!」

 

「ありがとうございます、アオイ。では、今から姉さんと私との訓練をするけど覚悟はいいかしら?」

 

「お手やらかに頼む」

 

「では、空さんは久しぶりということもあるので改めて説明します!まずは訓練至るまで3つの傾向があります!」

 

①柔軟

 

②お茶かけ

 

③全身訓練

 

まぁ、①はどんな感じかと言うと……

 

「いだだだ!?なほ、すみ、きよ!?もう少し手加減を!?」

 

「ダメです!」

 

「訓練ですから!」

 

「しっかりとさせてもらいます!」

 

「いだだだ!?はっきりと言えるようになってよかったよ!」

 

「なほ、すみ、きよ………もっとやりなさい」

 

「「「はい、しのぶ様!!」」」

 

「あ、ちょっー………あぁぁ!!!!」

 

俺の至るところの体の関節はほぐれた気がしたが代わりになにか失った気がした……。そして次に②お茶かけで相手はカナエさん

 

「ふふ、腕がなるわー」

 

「お手やらかに………」

 

と言い合いながらもお互いに本気でやり合い結果的に言えばギリギリ俺がカナエさんの頭に薬湯をのせて俺が勝ったが…………

 

「ふふふ、姉さんの顔に薬湯かけなかったのは評価しますけど…………姉さんの手を握るのはゆるさない!」

 

「あ、いやこれはその……」

 

「空君の腕逞しいわねー」

 

「カナエさん空気を読んでぇぇ!?!!」

 

カナエさんの言葉に俺はそういうとしのぶからどんどん怒りのオーラが出ていて俺は本気で身の危険が感じてきた。これは昔俺が小さい頃にカナエさんの裸を見てしまったときにボコボコされたあの怒りだ!?

 

「アオイ、カナヲ、なほ、すみ、きよ」

 

「「「は、はい!」」」

 

「な、なんでしょうか………?」

 

「………(アセアセ)」

 

「少しこのバカを懲らしめますので私の代わりに患者を見ておいてくださいね?姉さんもお願い」

 

「はーい、じゃあ皆いこっか」

 

「あ、ちょ!?カナエさんーー?!俺の命の危険が感じますけどぉぉ!?」

 

しのぶの指示で俺としのぶ以外は皆でていき俺はしのぶの方を見ると木刀を持っていた

 

「し、しのぶ?その木刀はなんですか?」

 

「ふふふ、全身訓練をあなた相手にそれだけではつまらないので木刀で回避してもらいます」

 

「俺が死ぬ!?」

 

「大丈夫ですよ。昔の貴方は裸で川を泳いでいて家に帰ってきたのですから……ね?」

 

「それ黒歴史!!触れるなぁぁぁ!!そして俺の精神的に死ぬ話をするなぁ!?」

 

「では、いきますね?」

 

「言いわけあるかぁぁぁ!!!畜生ぉぉ!!」

 

結論から言えば俺はしのぶにボコボコにされた。毒はないとはいえ、蟲の呼吸を使うのは反則だろぉ…………




ここまで読んでいただきありがとうございます!
次回もよろしくお願いします!


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26話

しのぶ達の機能回復訓練のお陰で、何とか入院前の状態に戻りつつあり、これなら、そう遠くない内に復帰できると思うと、鴉が俺の部屋に来た

 

「さーて!そろそろ、トレーニングを兼ねて鬼退治に出撃したいな」

 

「通達!通達!オ館様カラノ通達!」

 

「お館様から……?」

 

屈伸運動をしていた俺は鴉からお館様通達というのは気になるな?それって俺限定ということなのか?

 

「階級甲ノ夛田空!炭治郎達ノ指導ヲ!繰リ返ス、炭治郎達ノ指導ヲ要請スル!」

 

「ふぁ!?!いきなりの伝言がそれ?!」

 

「サラニ追加!出撃禁止!出撃禁止!」

 

「なんだ……と………!?」

 

お館様はいったいどこまで俺の行動を把握してる!?しかもまさかの抜けるタイミングも読まれていたのか!?

 

「お、恐るべきお館様………すべて先手打たれてしまった………」

 

「あらあら、なんで落ち込んでいるの?」

 

落ち込んでいると、カナエさんが部屋に入ってきた。俺は、カナエさんに、お館様から出撃禁止命令下された事と指導をするようにと言われた事を話した

 

「なるほどね……。やっぱり、空君の事を気にかけていてたのね」

 

「だからと言うて、禁止って……」

 

「まぁまぁ……」

 

カナエさんが俺の頭を優しく撫でていて俺は大人しく身を委ねていたが、カナエさんは好きな人いないのかな?

 

「カナエさんは、好きな人いないの?」

 

「私?うーん………好きな人はいないかな」

 

「……俺個人としては、あなたもしのぶも、はやく幸せに生きてほしい。しのぶは、好きな人がいるなら尚更な……」

 

「そうよね~。しのぶが、好きな人いるならそう思うけど、私は空君も幸せに生きてほしいかな?」

 

「はい?俺ですか?」

 

「だって、君もまだまだ人生長いのに幸せに生きないとダメじゃない?姉心としては、空君も早く良い人を見つけてほしいのよ」

 

「俺はまだ……」

 

俺がそういうとカナエさんは俺の顔を見て、ジーっと見ていてなにか思い付いたのか、手をあわせて俺に提案した

 

「じゃあ、私が誰かのお嫁さんになるといったらどうする?」

 

全力で.カナエさんに相応しいか、しのぶと手を組んで相手を潰すつもりで戦います

 

「そうよ!姉さんに、相応しい人じゃないと私も認めないよ!」

 

「あらあら、しのぶはいつの間に来たの?」

 

「初めからよ。でも、姉さんが付き合う男は本当にふさわしい人物じゃないと私も認めないから!!」

 

「あらあら、しのぶは冨岡君と結婚するのなら、姉さんは認めるのに?」

 

「だからなんで冨岡さん!?」

 

「嫌いなのか?」

 

「あの人は、言葉が足りないから周りに嫌われています!」

 

「「(それって、裏を返せばしのぶは嫌いじゃないということだよな(ね)?)」」

 

しのぶの言葉に俺達はなにも言わずに笑顔で見ているとしのぶに「なんでそんなにニコニコしてるのですか!?」と怒られた

 

「で、用件は?」

 

「指導するのでしたら、今日の機能回復訓練を見てあげてください」

 

「あらあら、私は?」

 

「姉さんは、いつも通り私と患者を見て治療考えよう?」

 

そういう話が、つい先刻で現在は、アオイ達と共に炭治郎達を待ち構えていた。なんでも、今日から善逸も参加らしい

 

「空さんは、全身訓練のあとにできた人もできなかった人も関係なく指導をお願いします!」

 

「まぁ、いいけど…うむー…」

 

俺がなにか考え込むと、カナヲやアオイ、なほ達が気になるのか聞いてきた

 

「……?」

 

「あの、なにか考え事でしょうか?」

 

「空さん、どうしました?」

 

「なにか、気になることでも?」

 

「あるのですか?」

 

「いや………なんでもない(善逸が参加するのはいいとして、あいつ声でかいから、この子ら嫌がらないか心配だな)」

 

これから起きることが、杞憂であってほしいと思いながらも、まだ、カナヲとゆっくりと話していないことを思い出して横目で見ていたが……

 

「来ましたね」

 

アオイの言葉で俺たちは気を取り直して、善逸と炭治郎、伊之助が、この訓練室にやって来た

 

「あれ!?空さんがなんでそこに!?」

 

「よう、炭治郎。俺は色々な事情でいまここにいるんだよ」

 

「色々な事情で……ですか?」

 

「まぁな。とりあえず、善逸はアオイから説明聞け」

 

そういうと、アオイが俺と入れ替わり、この機能回復訓練の説明聞いていていた。最初は、震えていたが、だんだん表情なくなってきた

 

「ーーで、最後には全身訓練です。端的に言えば鬼ごっこですね。私アオイとあちらのカナヲが相手です」

 

「因みに、俺は今日から全身訓練のあとに、お前ら三人を指導したり授業したりするから覚悟しとけ。まぁ、やる元気があれば別だが」

 

俺がそう話すと善逸は手を挙げて何か分からないことがあったのか下を向いていた

 

「すいません……ちょっといいですか?」

 

「何かわからないことがあるですか?」

 

「いえ、二人ともちょっとこい」

 

「は?なんでだよ」

 

「こい……」

 

「善逸、今から訓練なんだぞ?」

 

「良いからこいって……いってるだろうがぁぁぁ!!

 

「「「「!?」」」」

 

突然の善逸の叫びに俺たちは驚き、炭治郎と伊之助は外につれていかれた。俺達は突然の善逸の行動や叫びに驚き固まっていると……

 

ーーお前が謝れぇ!お前らが詫びれ!!!天国にいたのに地獄にいたような顔してんじゃねぇぇで!!

 

あぁ、なるほど。つまり訓練までに炭治郎達の顔を見て不安だったということか?

 

ーーはぁ!?なにいってるんだ!

 

ーー黙れ!!この猪頭!

 

ーー伊之助!?善逸!何てことをしてるんだ!

 

ーー黙れ!!この堅物デコ真面目!!いいか良く聞け!!

 

………あれ?これ大丈夫なの?ねぇ大丈夫なの?

 

善逸が予想外の怒りに俺の心配が残念ながら当たったのと………

 

ー女の子一人につきおっぱい二つお尻二つ!太もも二つついてるんだよ!すれ違えば良い匂いするし見てるだけでも楽しいじゃろがい!!

 

「ほう………?」

 

俺は、善逸の言葉を聞き微笑ましい気持ちや心配の気持ちが一気に失せて、不思議と気持ちが穏やかに不気味みにおちついてた。俺にとってはかわいい妹分達にそういう目を見ていたとは……なぁ……

 

「ふふふ、そうかそうか…………。皆……思い切りやって良いからね?で、最後の俺の特訓は………ふふ」

 

「そ、空さん?」

 

「アオイ」

 

「は、はい!?」

 

「もし……この道場が血まみれになったらごめんね」

 

「あ、はい……(これは心配ですね……主に空さんがしのぶ様やカナエ様に、怒られないかが……)」

 

アオイの心配をよそに俺はどうやってあの善逸をお仕置きするか悩んでいた……

 

ふふふ………、腕がなるなぁ………!!




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27話

善逸の叫びから数分後……俺は腕を組ながら待っていると善逸と伊之助の気合いがすざましかったが………炭治郎だけは勢い乗りきれてなかった

 

「炭治郎」

 

「あ、はい!すいません待たせ……て(あれ?空さんから凄い怒りの匂いが……?!)」

 

「いや、別にそこは気にしない。……別にこの後きつめの特訓しても構わないだろ?」

 

「あ、はい!」

 

俺は炭治郎の言葉を聞いてこれで善逸のお仕置きはどういう風にするか決めた。そして、善逸は機能回復訓練で最初の柔軟で普通に耐えていた

 

「あ、あいつでれでれして耐えてやがる……!?」

 

「ある意味、鬼よりもそういう系の耐性あるのか………?!」

 

俺と伊之助はあれの苦しみをわかるからあれのデレデレは正直引いている………。柔軟の訓練を終えるとその次はアオイと薬湯かけ対決では……

 

「俺は女の子にかける真似しないぜ……」

 

「(あいつ、さっきの発言聞かれてないと思ってるのか!?みろ、アオイの虫を見るような目……)カナヲ、手加減しなくって良いからな」

 

「……(コクッ)」

 

俺はカナヲに善逸のあの行動をされるのはなんかみたくないし、とりあえず手加減しなくていいと伝えた。そして、最後の鬼ごっこでは俺は目を見張っていた

 

「む……(速い!?あの速さはまるで……雷か?雷の呼吸の使い手か?あいつは)」

 

「勝負で勝ち戦いに負けた!」

 

善逸がどさくさ紛れにアオイに思いきり抱きついていたのを見て怒りがわいたのはここだけの話。そして、伊之助もなんとかアオイに勝ったが二人ともその後が残念だった

 

「うわぷ!?」

 

「ぐばぁ!?」

 

「………」

 

カナヲ相手には炭治郎、伊之助、善逸は掠りすらできずに敗北した。まぁ、昔のカナヲを知ってるし……そもそもカナヲはしのぶの継子であり二人の妹だからそれなりに実力あるからな

 

「つえぇぇ………」

 

「歯が立たない………」

 

「………」

 

「さぁて……落ち込んでるところ悪いが俺の特訓があるからな?」

 

俺は落ち込んでる三人のところに歩き、三人は俺のほうを見ていた。心身ボロボロという顔……ではなく、何をされるのか警戒してる目だった

 

「俺がやる訓練は今回は初回ということもあるから……組手だな」

 

「「「組手?」」」

 

「そうだ。本当なら1対1で良いが……今のおまえ達の一通りを見ていたら1対3で十分だ」

 

「「は?」」

 

俺の言葉に善逸と伊之助はさっきまでの落ち込み具合がなくなり俺のほうに睨んでいたが俺は気にすることなく話続けた

 

「組手っていうと……?」

 

「ま、俺の初回の組手は単純だ。呼吸や武器は無しで攻撃しかけてこい。で、俺を地面に背中をつけさせたりダウンさせたりしたら、おまえ達の勝ちだ」

 

「あの……さすがに俺達三人相手にきつくないですか?」

 

「安心しろ。俺はそれなりに修羅場潜り抜けているからな……カナヲに一対一で勝てないのに俺に一対一で勝てると思うか?」

 

「「むきー!!絶対に倒す!!」」

 

俺の言葉に伊之助と善逸はやる気をなくすどころが俺に挑む気力わいてきたので俺はアオイのほうに見た

 

「アオイ、勝敗はわかった?」

 

「は、はい!でも空さんは……」

 

「大丈夫。それに、さき言うが、お前らの敗北条件は三人全員が倒れたらおしまいだが……まぁ、今のおまえらはカナヲに勝てないなら俺に勝つのはまだまだ無理かもな」

 

「上等だぁ!やってやら!!ここまで言われて下がれるか!!」

 

「おう、いい面構えしてるな。アオイ合図を頼む」

 

「はい!では……開始!!」

 

アオイが手を下ろすと同時に伊之助が走り出してきた

 

「うぉぁぉおぉ!!猪突猛進!!猪突猛進」

 

「なにも考え無しで突っ込んできたか。迷いなく何も考えないのも悪くないが……」

 

「おらあ!」

 

伊之助は全速力で俺の顔を思い切り殴ろうとしていたが俺は拳を受け止めていた。拳を受け止められた伊之助は驚いていた

 

「何!?」

 

「受け止められたときに次の行動を起こせないのは戦場で死を招くぞ!そりゃあー!」

 

「ぐごぇ!?」

 

俺は伊之助の拳を左手でつかむと、空いてる右手は伊之助の肩を握り、俺は背負い投げをしたので声にならない叫びを聞こえた

 

「っしぁ!つぎいくぞ!」

 

俺は善逸のほうに走っていくと善逸は完全に気を失っていた

 

「なんだ……?……!?」

 

「雷の呼吸……」

 

「おい、呼吸はなしだと……」

 

「壱の型……霹靂一閃」

 

「!?」

 

俺は完全に善逸の迫ってくるのが見えずに気づいたのは善逸の拳が直前で迫っていたときだ

 

「おぁ!?」

 

「……」

 

俺は慌てて回避すると善逸は佇んでいた。俺はさっきまでの善逸の行動の違いに戸惑いを隠せなかったがやることは変わらない

 

「呼吸はなしと言ったのに失神して攻撃とはな……二重人格?」

 

「……」

 

「(幼い頃にしのぶの突きの攻撃とか色々な経験で身の危険感じれるようになった……)。俺を回避行動とらせたのはいいぞ。だがな……」

 

「!?」

 

「おまえも伊之助同様攻撃した後の次の構えや行動が遅い!」

 

「ぐ!?」

 

俺は鍛え上げていた瞬発力で善逸ほどではないが、それなりに速い自信はある。俺は接近して肘打ちで鳩尾を叩き込むと苦痛の声が漏れていた

 

「まだおれの攻撃終わらないぞ!」

 

「え?!」

 

「ふん!」

 

「ぶべ!!」

 

俺は善逸の顎に攻撃すると、脳震盪を起こしたのか見事に後ろによろけてダウンした。まぁ、ルールは破ったというかそこは怒らないでおこうか

 

「残りは炭治郎だ!こい!」

 

「はい!」

 

「(いい返事だ。さて、どうくる?)」

 

「(空さんは善逸の足をとらえきっていた。伊之助は勢い良く攻撃したもののあっさりやられた。ならば……)うぉぉぉ!」

 

馬鹿正直にこっちのほうに突撃してきたか!?やけになったのかと思い俺は腰をおとして右拳をつき出すようにやると……

 

「何!?」

 

炭治郎は加減してるとはいえ、おれの拳を交わして両手で叩き落とした。恐らくこいつなりに二人の戦いを見て観察したのだろうが……

 

「この程度でおれの攻撃は終わらない!」

 

「え?!」

 

「ッシ!」

 

「(回避間に合わない!それなら頭で!!)おぉぉ!」

 

おれの左拳と炭治郎の頭が激突して道場に凄い音が響いていた。普通なら攻撃はすぐにうつれないが、俺は炭治郎が足元は不注意なの気づいたので一瞬のコンマで足払いをすると炭治郎は後ろに倒れて後頭部を強打した

 

「アオイ、判定は?」

 

「……は、はい!そこまでです!」

 

アオイの判定を聞き、俺は炭治郎達に改めて判定を下した

 

「本日のおれの訓練はここまで!」

 

「「「……」」」

 

「自分達が以下に武器に頼りすぎてるのか良くわかっただろ?それと善逸はルールを破ったので「え?俺破っていたの!?」……やっぱりか」

 

やはり善逸は二重人格の可能性があるし、記憶がないのか?まぁそんなことはいまはどうでもいいし俺が判定を下すわけではないからな

 

「善逸はとりあえずは今日復帰したばかりだから多めに見るが、おまえ文字はかけるか?」

 

「それなりにかけるけど……?」

 

「よし、それで反省文を書け」

 

「なんで!?」

 

「自分の胸に聞いてみろ」

 

俺は善逸のあの罵倒はまだしも女性がいるのにあの発言はさすがにこの蝶屋敷の女性には失礼だからな……

 

「ま、今回はなんで俺に勝てなかったのか三人とも考えろ。紙は用意するからそれで何が反省か考えておけ」

 

「はい!」

 

「「……」」

 

「じゃあ、それぞれ部屋にもどれ。なほ、すみ、きよはすまないがこの三人を連れていきな。アオイはしのぶ達に終わったことを告げてくれ」

 

「「「はい!」」」

 

「分かりました!では三人とも部屋に戻ってください!」

 

俺の指示に四人てきぱきと動いて、この道場に残っているのはカナヲと俺だけだった。カナヲはコインを取り出して上に弾いて表か裏かが出て俺のほうに話しかけた

 

「………空さん…….」

 

「……なんだ?」

 

「手大丈夫ですか?」

 

「全然大丈夫じゃねぇよ………」

 

俺はしゃがみこみ左拳が腫れているので、地味に痛み苦しんでいた……

 

炭治郎の頭固すぎだろぉぉ…………!!




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28話

炭治郎の頭突きにより、左拳を痛めていたのを押さえながら、カナヲにあることを話しかけた。それは、鬼殺隊に復帰して日にカナヲを見たときから……どうしても気になったことがあった

 

「カナヲ……怒らないから聞くがなんで鬼殺隊に入った?それ以前に良くカナエさんやしのぶが了承してくれたな」

 

「……」

 

カナヲは、コインを取り出してまたどちらかが出たら話すと思い待っていた。そして、そのコインがどちらか出てきてカナヲは改めて話した

 

「……私は皆みたいに治療とかできないから……アオイみたいに料理できないから……」

 

「だから、鬼殺隊に入ったのか?しのぶ達にどうやって説得したんだ?」

 

「………師範達になにも話さないで最終選別行った」

 

「はい!?」

 

「無傷で乗り越えました」

 

いや、無傷で乗り越えましたってのは当然だろ!?なにせ、カナヲはここに来たときからしのぶ達に指導されているのだから……

 

「黙っていって……帰ったときにしのぶ達に怒られなかったか?」

 

「泣かれました」

 

「だろうな……。もう二度としのぶ達に黙ってそういうのするなよ?蝶屋敷にとってはおまえは大切な家族だからな」

 

「……はい」

 

カナヲの頭を撫でると、カナヲは表情こそは変わらないものの嬉しそうなのはわかる。それ以前にカナヲは、昔よりも言葉は少しずつしゃべるようになったな

 

「さ、カナヲはしのぶやカナエさんのほうにいきな。俺は少しここでやりたいことがあるから後でいくよ」

 

「………はい」

 

そう促すとカナヲは道場を出て残ってるのは俺一人だ。幸い道場にはこんなに広いから瞑想するか

 

「ここにいたか、空!!」

 

「!?……この声は」

 

「うむ、久しぶりだな!」

 

「いきなりの叫びにビックリした!?ってか、俺がいることに驚かないんだ………」

 

「いや何、空がいると聞いて胡蝶に頼んでこちらに来たのだ!」

 

「胡蝶………しのぶが喋ったのかよ」

 

「うむ!しかし、こうして話すのは四年ぶりか!!」

 

「聞けよ!?」

 

声かけてきたのは誰よりも熱く、誇り高き精神を持つ者炎のように逆立った髪を持つ男剣士……

 

「こんなところでなんのようですか?炎柱煉獄杏寿郎さん?」

 

「やや!?何か冷たくないか!?」

 

「いや、突然会いにきたことに怒ってないしそれはいいのだがよ……俺が怒ってるのはな……なに美味しそうにそのさつまいもでたべやがる!?それは俺も食べたいのに!!俺のはないの!?」

 

「むむ、残念ながらこれは貰い物でな!あげることはできない!わっしょい、わっしょい!

 

「畜生ぉぉ!!久々に食べたいと思ったのによぉぉ!!」

 

相変わらずの元気さで安心したが,一体どういう用件でこちらに来たのだ?この人は俺より年上で、誰よりも熱い男だ

 

「うむ!危うく目的忘れるところだった!復帰していたと聞いてな!柱にならないのか!?」

 

「ならねえよ!?」

 

「うむ、残念!!」

 

「で………本当の話はなんですか?杏寿郎さんがそんな話のためだけに俺に聞きに来ると思えないのですが……?」

 

「うむ、久々の顔を見たくなってな!早く復帰してともに任務したいとおもってな!誘いに来た!!」

 

「まぁ、復帰はいつでもいいが……今は指導をしてますね」

 

「よもや!?」

 

俺の言葉に現炎柱煉獄杏寿郎さんは驚いていた。俺は現炎柱煉獄杏寿郎さん……あぁ昔の呼び方で言おうか

 

「そんなに驚くことですか?杏寿郎さん」

 

「うむ!かっての君は尖っていたから指導をするのは驚きだな!!それと君に敬語使われると寒気がしてしかたがない!!」

 

「泣くぞ?!名前の呼び方は昔からだろ!?」

 

「うむ、それでもだ!名前の呼び方は仕方がないにしても敬語は使うのやめてくれ!気持ち悪い!」

 

「気持ち悪い……!?」

 

俺は杏寿郎さんの悪意ない言い方に何かやられた気分になった。この人はなんでもはっきり言う代わりに相手の心をおるからな~……分かりやすく言うと言葉が足らないのが義勇として杏寿郎さんは言葉は足りるがストレートすぎるのよなー

 

「ま、まぁいい……。ってか、杏寿郎さんは柱なら他の人もいないし聞くが、竈門炭治郎の事を思う?」

 

「む?」

 

「俺は柱ではないがそっちは柱だ。だから知ってるんだろ?鬼をかくまっていると言われてる炭治郎の事を」

 

「うむむ、おお、ひよっとしたらあの少年か?鬼を匿うのは許せることではないし、鬼を匿うのは斬首してもいい!しかし、お館様の意向も沿えて手を出すことはしない!」

 

「そうか。ま、話したら炭治郎の事をきっと気に入ると思うぞ?それにあいつは向上心が強い上に、この俺の拳を頭突きで耐えていたからな」

 

「よもや!?頭突きで返り討ちとはまるで不死川と同じことだな!」

 

「は?不死川の名前を出すってどういうことだ?」

 

俺はなぜ風柱である不死川の名前がここで名前だすのかわからずに戸惑うと訳を説明してくれた。

 

「………まじか?」

 

「うむ!!マジだ!!」

 

「まさか、あいつが炭治郎の頭突きでやられたというのか?」

 

「うむ、冨岡が途中で叫んだとはいえ不死川に一撃与えたのは大したものだ!中々先が楽しみな少年だ!!」

 

「そうだな……」

 

確かにあいつはなにか秘めている可能性があるし、先が楽しみだな。勿論、精神的にまだまだな二人もいるがあの三人はカナヲも含めて鬼殺隊の歴史を終わらせてくれるかもしれない

 

「では、そろそろ任務なので失礼する。またな!」

 

炎柱杏寿郎さんは刀を持ち、道場に出ようとするが俺は杏寿郎さんを呼び止める

 

「杏寿郎さん」

 

「む?」

 

「必ず俺達はこの世代で……鬼との戦を終わらせよう。それまでは……また会いましょう」

 

「うむ!ではまたな!」

 

杏寿郎さんは手を振ってこの蝶屋敷を後にしていた。俺も杏寿郎さんもいつ死ぬかわからない今を生きているが……

 

必ず今代ですべてを終わらせることが俺達の念願でもあり、俺は必ずあの上弦弐を……カナエさんを苦しめたあいつを殺す

 

「あ!!次にここに来たときはさつまいもを多く持ってこよう!!」

 

独り言なのか外で大きな声を出しているのを聞こえて、何で最後の最後であの人はああいうのかなぁ……




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29話

あの機能訓練回復後の後の俺の訓練も実施していたが、カナヲには勝てなかったのが悔しいのか炭治郎以外のあの二人は訓練をサボった

 

「全く!あの二人は最初は勢いだけでカナヲに勝てなくなったら来なくなりました!」

 

俺は用意されていた部屋に池の様子をみながら座っているとアオイは怒りながら俺に愚痴っていた。対する俺は苦笑いしながらアオイを宥めていた

 

「まぁまぁ……あの二人はまだしも炭治郎は訓練続けてるのだろ?」

 

「はい、まだ彼だけは挫けずにやっていますが」

 

「なら、大丈夫だ」

 

「どこがですか!?それに空さんもお説教してくださいよ!」

 

「むだだ。アオイもわかってるのだろ?やる気がないやつを呼び掛けても無理だって……ま、おまえは真面目だから何だかんだで許せないのもあるのだろ」

 

俺はアオイの頭を撫でるとアオイは不貞腐れていた

 

「もう、空さん!私はそんなに子供じゃありません!」

 

「はは!わるいな、おまえやカナヲもこの蝶屋敷も俺にとっては守るべき未来の子だからいつまでたっても年下はかわいいものだ」

 

「空さんもまだ大人じゃないですよね……もう…」

 

そこは触れるな~といいながら頭を撫でていたら……。アオイは頭を撫でられてふて腐れながらも嬉しそうに笑っていた

 

「ふふ、相変わらず女の子の頭を撫でるのも上手ね?本当に空君も下の子を良く可愛がるわねー」

 

「か、カナエ様!?」

 

「カナエさん?」

 

俺の背後にはカナエさんがいて、俺はいつものことなので慣れているが、アオイはビックリしていた

 

「アオイ、しのぶが呼んでいたわ」

 

「わ、分かりました!」

 

「あ、あとはもう少し肩の力抜いてみたら?ずっと気を張っていたらしんどいよ?」

 

「……はい、善処します!」

 

アオイは頭を下げて部屋に出ると俺はカナエさんに向き合って話しかけた

 

「カナエさんはどういう用件で?」

 

「あらあら、なにか用ないと来てはいてないのかしら?」

 

「そういうわけではないですが、カナエさん体の具合はどうなのですか?」

 

「ふふ、問題ないわよ。…………空くんのあの傷はどうなの?」

 

「問題ないですよ。しのぶやカナエさんの迅速な治療のお陰で以前より動きもいい感じ」

 

「そっか。昔私がしのぶに鬼殺隊を辞めなさいと言ったの知ってる?」

 

「………あの上弦との戦いの後に言ったのですか?」

 

「えぇ。結局しのぶは辞めることなく今も戦ってるけどね……」

 

カナエさんは悲しげに今も患者を診ているであろうしのぶの場所を見つめていた。俺はカナエさんの気持ちもしのぶの気持ちも知ってるからこそ

 

「……本当に二人は幸せになってほしいなー……」

 

「あら、空君も幸せにならないと意味ないじゃない?」

 

「はは、俺はカナエさんやしのぶが幸せに生きてくれたら嬉しいのですよ。勿論、カナヲもアオイもなほ、みず、きよも……ね」

 

「私としては空君も幸せになってほしいかな~って思うのよね。姉心にね」

 

「まぁそこは……ね?うん?」

 

俺はカナエさんの返事に濁しているとなにか叫んでいるの聞こえたので俺は動こうとするとカナエさんもついてきていた

 

「どうしたの?」

 

「いや、庭でなにか聞こえたのでな……炭治郎?」

 

俺は庭でなにか倒れていると思うと炭治郎が何やら汗かいていたので俺達は何してるのだと思い見ていた

 

「はぁはぁ……ゴホッゴホッ!!」

 

「(あいつ何してるんだ?)」

 

「(うーん、あの子はもしかって……全集中の呼吸をしょうとしてるのではないかな?)」

 

「(全集中の呼吸を……?しかし、それは鬼殺隊では基本……まさかあいつがやろうとしてるのはあの常中の呼吸のを?)」

 

「(そうみたいねー。お姉さんそういう頑張る子は応援したくなる)」

 

全集中の常中は地道かつ過酷な鍛練の積み重ねにより、睡眠中を含む二十四時間つねに全集中の呼吸を維持し続ける身体活性化の高等技術の一つである。だが、炭治郎は今の苦しんでることからそれはやったことないと言うことか?

 

「うむー………手助けしてもいいけど……それは炭治郎が求めてきたときに応えるとするか」

 

「ふふ、空君はなんだかあの子を気に入ってるのね?」

 

「まぁね。カナエさんもしのぶも絶対に話したら気に入りますよ。っていうか、現にゆっくり話せている時間はないけど、いつかは話しかけてあげてくださいよ?」

 

「ふふふ。なら、どこかで話してみるわ」

 

カナエさんは炭治郎をみて嬉しそうに笑っていた。きっと、炭治郎とカナエさんは意見が合いそうな気がするなー

 

「まぁ、気長にやれよ……炭治郎」

 

「そういえば、空君はこれからどうするの?」

 

「アオイが当分俺個人の特訓するのは無しにして自由にしていいってさ」

 

「あら、じゃあ久しぶりにしのぶと私と三人で出掛ける?それともカナヲも連れていく?」

 

カナエさんの提案に俺は少しだけ神妙な口調でカナエさんに話した

 

「あー、カナエさんや……」

 

「うん?なにかしら」

 

「しのぶがほら今日から遠い所で任務だといっていただろ?だから、診察終えたらすぐにいかないとダメだから……三人で出掛けるのは、今回厳しいのでは…」

 

「あ!忘れていた」

 

「やっぱり……。だから、カナエさんはここにいないとダメだと思う。しのぶが戻るまでの引き継ぎのために」

 

俺がそう話すとカナエさんは忘れていたと可愛く笑っていた。この人もしのぶも美人姉妹だから悪い男に引っ掛からないか心配だ………あ、義勇がしのぶを嫁として出迎えるからそこは問題ないか

 

「ま、そろそろカナヲもいい人見つけてほしいけど……俺が認める条件はしのぶとカナエさん、そして俺の三人を倒さないと認めない。それ以前にアオイが認めないと次の段階行けないな」

 

「ふふ、なんか子煩悩みたいな考え方ね」

 

「当然だ。カナヲはカナエさんやしのぶが、大切なように俺にとっても大切な義妹だ。どこぞの馬の骨に大切な義妹渡せない!!」

 

俺が熱弁振るっているとカナエさんは手をパチパチと叩いて言っていた

 

「あ、じゃあその時が来たときは蝶屋敷全員で面談するから空君も手伝ってね?」

 

「了解」

 

カナエさんの提案に俺は即答した。それと、まだまだ全集中に関しては先は長いが、ゆっくりと成長しろよ……炭治郎




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30話

炭治郎が全集中呼吸の訓練を初めて14日経過した。14日目の夜に俺は炭治郎を話しかけようとするとある部屋にゆっくりとそこにいたのは俺より明らかな年下だが………俺はその子を知っている

 

「こうして対面するのは初めてだよね?」

 

「むーん?」

 

「竈門炭治郎の妹で鬼にされた子……竈門禰豆子だね?はじめまして、俺の名前は夛田空で今は鬼殺隊で休暇命令出されてここにいる」

 

「むん」

 

俺が竈門禰豆子の頭を撫でながらしのぶが以前教えてくれたとお館様が教えてくれたことを思い出していた。本当に人を食わない鬼がいると俺は思わなかったな……

 

「お館様が認めて義勇達が、命を懸けて認めたのだから周りに認められるように頑張れよ?」

 

「むん!」

 

「くく、ませたお嬢さんってところかな?……君が人を食わないのなら俺も信じるからな……」

 

竈門禰豆子の頭を撫でた俺はいまも外で訓練してる炭治郎を見ていた。あいつが頑張る原動力はきっと妹のためか……

 

「いいお兄ちゃんを持ったな。いつか人間に戻れる日が来たときは……そうだな、何がいいかまた決めとけよ?」

 

「むーん?」

 

「ははは……まだそれはわからないのかな?じゃあ、俺もそろそろ動くからまたゆっくり話そうね?」

 

「むん」

 

俺は竈門炭治郎の妹で禰豆子の部屋を出ると、そこにはしのぶが腕を組んで壁に持たれていた。心なしか、少し安心した顔で俺を見ていたのは気になるな

 

「お、しのぶ。帰ってきたのか?」

 

「えぇ、いま戻ったのよ」

 

「そうか……なら、久しぶりに俺と話さないか?しんどいならまた別の日でもいいが?」

 

「あら、別に話すくらいは全然いいわよ。空の部屋に話すのはどう?」

 

しのぶは俺の部屋に話すと言う提案に俺は断ることなく、しのぶとともに部屋に向かった

 

「ふぅ………疲れた」

 

「そうか……。何やら今回の任務も大変だったみたいだな?」

 

「今回は遠い場所だったからね」

 

「義勇とふたりで任務か?」

 

「はうぁ!?!な、なんで冨岡さんの名前が出てくるのですか!?」

 

俺の言葉にしのぶは普段の隠す表情は見られずに動揺していた。俺はそれをみて普段は他の隊員とかには上手い事隠せていた癖に最近は義勇との絡みの話を俺が聞く時だけ動揺するようになったな

 

「まぁ、任務の話で義勇の名前だしたのはカナエさんが女の勘で「今回は冨岡くんと任務いってる筈よ!」と言っていた。それと、カナエさんが、早くお前らが付き合うまたは結婚するの見たいそうだ」

 

「ね、姉さん……」

 

俺の言葉にしのぶは頭を抱え込んでいた。俺はしのぶが昔から恋愛絡みは少し弱いと言うか疎いところがあるが、最近は義勇に対する恋心が自覚出てきたのか?

 

「ま、それはそうと……しのぶ後ろ見てみろ」

 

「え?ね、姉さん?!いつの間に!?」

 

「しのぶ、お帰りなさい~……」

 

目を擦りながら俺の部屋にやって来たのはカナエさんだった。カナエさんは以前しのぶ関連は何でこんなに行動が早いのか聞くと妹センサーとか言うのがあるらしいが……どういうことだ??

 

「まぁ、カナエさんの行動は昔から読めないだろ?しのぶも時々なにも考えないと言うか……寝不足で頭回ってない時あるのだけど……ぐぼぁ?!な、中々良い攻撃だ………」

 

「ふん!一言余計です!!姉さん、寝なくっていいの?」

 

「あらあら、久しぶりに賑やかなやり取りを見たわ。ふふ、かわいい妹が任務帰ってきたのためなら会わないとダメでしょ?」

 

俺が痛み苦しんでると、カナエさんは嬉しそうに笑っていてしのぶは不機嫌に俺に対して怒っていた。しばらく談笑してると、しのぶからある少年の話題になった

 

「竈門君はどう?」

 

「炭治郎のやつはここ最近は全集中の常中を心がけているみたいだ」

 

「常中を……?空が教えたのですか?」

 

「いや、カナエさんも俺もなにもしてないが……恐らくこの蝶屋敷でなほ、みず、きよ辺りがアドバイスしたのか?それともアオイか?どちらにしても頑張ってるよ」

 

「そうですか……明日話しかけてみます。姉さんも?」

 

「えぇ、もちろん!前は挨拶だけだったからね!」

 

「あいつを話してみたらきっと気に入ると思うよ。俺はあぁ言うまっすぐな人間は先期待できるからな」

 

俺は窓から炭治郎が頑張っている姿に俺達は感心していた。しのぶもカナエさんも炭治郎の頑張る姿勢に評価していた

 

「それと、しのぶ。今少し良いか?」

 

「何?」

 

「うーんと、言おうか言わないか悩んでいたが聞く……お前俺たちになにか隠してないか?」

 

「!?」

 

俺の言葉にしのぶは少し動揺していてカナエさんも目を光らせてなにか隠してるのわかったみたいで……

 

「しーのーぶ……まさかと思うけど……最近体重平均以下の理由が……何か隠してるのに関係してるのなら………怒るわよ?」

 

「な、な、な……なにかしら、姉さん?私なにも隠してないよ?」

 

「しのぶ、カナエさんの目を見ろ……。隠してるのなら早目に話した方が楽やぞ……」

 

「そ、空まで!?私なにも隠してないわよ?」

 

「そう………?ならなんで逃げる体制をとってるのかしら?まさか本当に隠してるのが言えない理由なのかしら」

 

「…………ごめんなさい、逃げます!」

 

「逃がさないわ!」

 

しのぶは疲れてる筈なのにカナエさんの質問から逃げたいのか全力で走って逃げていた。その数分後しのぶはカナエさんに捕まって俺の部屋でしのぶは隠していたことをすべてを白状した

 

 

 

当然、俺もだがカナエさんもぶちきれてお説教したのはここだけのはなしだ…………

 

 




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31話

炭治郎が呼吸の訓練を開始してから15日目の朝……俺はいつもなら訓練とかしていたが、今日は珍しく外出の用意をしていた。それを見かけたカナエさんが俺に声かけてきた

 

「あら、どこか出掛けるの?」

 

「はい。知り合いに呼ばれたので、出掛けます。カナエさんは?」

 

「私も知り合いに呼ばれたので出掛けるの」

 

「そうですか。そして、いつの間にか俺の背後にいるしのぶは……?」

 

「あらあら、残念。空がびっくりする顔見たかった……」

 

「絶対に嘘だろ!そして、その指をつかむ意図は何?」

 

俺はしのぶに指差しながらいうとしのぶは俺の指をつかみ力を入れていた

 

「人に指差してはダメ~って言われませんでしたか?このバカ空」

 

「どこがバカだ!?本当に敬語使わないお前の方が違和感ないからいいけど、敬語使って俺に話すときなんか寒気する!」

 

「あぁ、すいません。空はバカと言う自覚がなかったからバカだったわね」

 

「辛辣!?(あまり力入れても痛くないから怖くないのだけど……)」

 

「む?今、力入れてもそんなにないと思ったわね?なら、本当に折っていいかしら?」

 

「見事に医者ではない台詞を言うよ。しのぶ……お前ひょっとして………昨日ばれたことに根を持ってるな?」

 

「姉さん、この一言余計なこのバカに注射を打つので手伝ってください」

 

「やめろ!?注射は嫌いなんだよ!!」

 

懐から注射を取り出したしのぶが生き生きとしていたのを見た俺は震えていた。注射だけは本当に痛いから嫌なんだよ!

 

「空君は鬼殺隊いるのに注射苦手なのね」

 

「カナエさんや。そこのしのぶが犬や猫が苦手なレベルだからな」

 

「それは言わないでください!……というか、注射で怯えるとか空は子供?」

 

「うるせぇよ!?」

 

「あらあら喧嘩してはいけないわよ。ふふ、そういえば冨岡君も苦手なものあるらしいのよ」

 

「「え?!冨岡さん(義勇)が苦手なものある!?」」

 

俺はあの無表情で一言足りない戦友の義勇が苦手なものあるのは初耳だ。そういえば、真菰達もそれは知ってるのかな?

 

「ふふふ、それはいいこと聞きましたね~。姉さん、私は薬湯を買いに出掛けますので失礼します。空は……覚悟しときなさい」

 

「何の!?!」

 

そんなやり取りをしながら俺達はそれぞれ出掛けていた。カナヲが屋敷にいるから安心してそれぞれ外出できるのといざとなったら炭治郎達がいるし、俺の鴉が見張ってるから問題ないか

 

「もう来ていたか、真菰と錆兎」

 

「うん。誘ったのはこちらだからね」

 

「突然の呼び出しですまなかったな」

 

俺が今日会う予定だったのは錆兎と真菰が何やら大事な話があると言うので俺は出掛けていた

 

「で、大事な話ってなんだ?」

 

「えー?久々に会ったのだからそれはあとでいいじゃない?」

 

「いや、真菰。こういうときは早い話大事な方から話そう」

 

俺は錆兎が真剣に俺の方を見ていたので俺は本当に大事な話があると言うことがわかった

 

「実はな……俺と真菰は結婚することになった」

 

「ふふ、私と錆兎は結婚することになったのだよ」

 

錆兎のことばに真菰も続けて言ったので俺は一回固まりそして………

 

「はぁぁぁぁぁ!?結婚!?」

 

「うん」

 

「お前と真菰が!?」

 

「そうだ。男としてけじめをつけないとと思ってな」

 

「まてまてまてまて!?何があった!?この会わない期間に!?あまりの突然すぎて、怖いのだけど!?」

 

俺は予想外の出来事を話されて思わずでかい声で話してしまった。そして回りが驚いていたので俺は一回落ち着かせて話した

 

「どうして、結婚する流れになったのかを教えろ」

 

「実はこの間真菰ととある鬼の任務でな、不覚にも血鬼術くらい、俺は真菰の……その……」

 

「錆兎が私の初めてを奪ったの」

 

「真菰!?!その発言はぁぁぁ!?!!」

 

「……ほう…錆兎、今すぐ拳骨がいいか?」

 

「断る!すでに食らっている!」

 

「まさかの既に食らったのかい!?いや、あり得るな!」

 

恐らく既に食らっているということはあの人が……元水柱が制裁したと言うことか

 

「というか、よく聞け!俺は決して真菰を襲ったのではなく……」

 

「錆兎のあれ激しかったな………」

 

「真菰ぉぉぉ!?!」

 

「錆兎……お前……!?!」

 

「ち、ちがう!真菰、わざとだな!?」

 

俺の怒りに真菰はにこにこしていて、錆兎は必死に否定していた。何かしら理由があるのならまだしもまさか一夜の過ちをしたと言うなら友人として殴るべきか祝福するべきか悩む!

 

「(ただ、錆兎が真菰にアプローチしても気づかれなかったと言うのは昔からだ。だが……だが!!)貴様は何してるんだぁぁ!?!」

 

「誤解だぁぁ!頼むからはなし聞いてくぇ!!真菰も反応を楽しむな!!」

 

「ふふ、錆兎がかかった血鬼術は実はね、私の唇にキスをしたの」

 

「…………何?」

 

「錆兎はキスしたくってたまらない血鬼術かかったの。効果は鬼を倒してから出てきたの」

 

真菰がスヤスヤな顔で嬉しそうに話すのをみて俺は茫然としてる錆兎に肩を叩いた

 

「………錆兎」

 

「…………なんだ?」

 

「………真菰に既に尻敷かれてないか?」

 

「……それはいうな………!」

 

真菰が美味しそうに団子を食べる横目では俺は顔真っ赤にして落ち込んでいる錆兎を慰めていた

 

「ふふ、錆兎ったら顔真っ赤にしてかわいい~」

 

「……もう俺は真菰に勝てる気がしない」

 

「(まぁ、恥ずかしいよな……)あ…あははは……」

 

俺は苦笑しながら慰めている横目にカナエさんやしのぶはいま何してるのか気になったがとりあえず落ち着かそう

 

「あ、空は好きな人いないの知ってるけど……」

 

「けど、なんだ?」

 

「義勇としのぶの結婚成功大作戦は強制に参加させてね」

 

「いや、何!?その作戦!?」

 

俺は真菰のたまにそういう考え出てくるのは俺には良くわからない。それと、真菰の奴……すげぇ生き生きと考えてる……

 

俺も真菰に弱味を握られないように気を付けよう……

 

 




ここまで読んでいただきありがとうございます!
真菰と錆兎はカップル成立&夫婦となるということなので、ご了承ください!
これからもよろしくお願いします!!


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32話

しのぶside

 

私はいつもの店で薬を作るための素材を買い終えて、蝶屋敷に戻ろうとすると見覚えのある羽織を着ている人が川の方で座っていたので、私は微笑みながら声をかけた

 

「もしもし、そこに寂しそうな顔で座っているのは冨岡さんじゃないですか?」

 

「………胡蝶か……俺は寂しくない」

 

「またまた~………え?」

 

「寂しく………な……い……」

 

「ちょ……冨岡さん!?」

 

私はいつもの感じで絡むと冨岡さんはまさかの泣いていた。冨岡さんは普段の無表情ではなく、本当に号泣していました。泣き顔ではないけど涙は出ていますし……まさか……新手の血鬼術ですか!?

 

「冨岡さん…何があったか知りませんが、新手の血鬼術でもやられたのですか?」

 

「お前には(心配させたくないから)関係ない」

 

「…関係な…っ!?……ふふふ、冨岡さん。人がせっかく心配してるのに関係ないですか?ふふ、冨岡さんは新しい薬の実験台になってもらいましょうか……」

 

「断る」

 

「話聞かないですぐに断るなんて………だから嫌われるのですよ、冨岡さん」

 

「………そうかもな、俺は嫌われてるのかもな」

 

「え……?!」

 

いつもなら冨岡さんは俺は嫌われてないというのに、今回は嫌われているという言葉を聞いて私は驚きを隠せませんでした

 

「(本当に目の前にいるのは冨岡さんですか?流石におかしいです……)冨岡さん、流石に話してください。これは関係ないという感じではすまされません」

 

「………結婚することになったんだ」

 

「え_…冨岡さんがですか?」

 

「違う、真菰と錆兎が結婚することになったんだ」

 

「お二人がですか?」

 

真菰さんと錆兎さんは私も会ったことがあり、冨岡さんが柱になる前から結構三人で歩くの見られてました。私も何度かお会いしてその度に真菰さんと姉さんと甘露寺さんとで女子会をしていた事もある

 

「それと何の関係があるのですか?おめでたいではないですか?」

 

「(二人が結婚するのは)めでたいが、寂しいのと怖いのが同時に気持ちある」

 

「怖いですか?」

 

「……つまらないことを言った。忘れてくれ」

 

「待ってください。折角ですから、お話ししませんか?」

 

「……」

 

「鮭大根を今度作りますから」

 

「話そう」

 

時々冨岡さんは鮭大根でこんな反応を示されますから悪い女に引っ掛からないか心配になりますねぇ……

 

『俺は一言も義勇と言ってないぞ』

 

「(っ!?なんでこのタイミングであのバカ空の言葉を思い出すのよ!冨岡さんとは別に………)」

 

「胡蝶、顔が赤いぞ?」

 

「な、なんでもありません!それよりも話しましょう!」

 

別に私は空が言う通りに冨岡さんのことが気になるわけではありませんからね!えぇ、他意はありません!!

 

「何を話すんだ」

 

「冨岡さんは話下手ですから長く話す癖もありますので簡単に話してくださいね?そうですね……私が鬼殺隊に入ったきっかけは知ってますか?」

 

「知らんな」

 

「私は……いえ、私達は昔はどこにでもいる少女でした。幼馴染みの空もいて、姉さんもいて両親もいて……とても幸せな日々でした」

 

そう、あの頃は本当に幸せだった。大好きな家族にいつも幼馴染みの空もいて楽しかった………けれど

 

「ある日が私たちの家族の崩壊の始まりが近づいていたのでした。私の家族も面識あった空の家族が……いま生きてる空以外は殺されました。当時の私達は空の家族は快楽犯に殺されたと思い、私達はショックでした。勿論、いまならわかりますが空の家族は鬼に食われたのでしょうが空は鬼殺隊の誰かに助けてもらったのでしょう」

 

「そうなのか……?空からそんな話は聞いてないぞ?」

 

「空も話したくないでしょう……なにせ、幼い時に親を殺されたとなれば………。これが胡蝶姉妹が鬼殺隊にはいるまでのひとつの引っかけにすぎませんでした」

 

いまでも覚えてるのは空の家族といる時のあの楽しそうな顔は忘れられないし、私達家族とも仲が良かったからこそ……あの日は本当にショックだった……姉さんも弟のように可愛がっていた空も殺されたのではと二、三日は立ち直れてませんでしたからね……

 

「そこから少し時が流れて……ある日の夜に私達の家族は姉と私を除く両親は殺されました」

 

「………」

 

「理不尽ですよね……幸せだった家族の時間を奪ったのは他でもない……鬼です」

 

「そうか……」

 

「そして、私達は姉妹で必ず助け合って行こうと約束して鬼殺隊に入りましたが、鬼殺隊に入って少ししてから空と再会しました」

 

「俺が聞いてるのは真菰と一緒に最終選別でいたことくらいだ。あの手形の鬼は聞いたことがあるか?」

 

手形の鬼……?私も姉さんも最終選別でそんな鬼は遭遇してないがどう言うことだろ?

 

「真菰は空と最終選別の時に遭遇していたらしく、7日目を迎える前の時に戦っていたらしい。真菰はなんとか討とうとしたが空がとめたことで討ち取ることは出来なかった。しかし、その手形の鬼は炭治郎が倒してくれた」

 

「いつになくハキハキとしゃべりますね……」

 

「お前達が遭遇していたのか知りたくってな。俺は錆兎と受けていて事前に真菰に無理だと思ったら引くようにと話していた」

 

「当時の錆兎さんはかなりの腕前だったはずですが、倒せなかったのですか?」

 

「倒せなかったのではない……刀が折れて倒せなかった」

 

「!?」

 

「錆兎は折れても戦おうとしていたが、俺は失いたくないからこそ止めて撤退した」

 

「そんなことが………」

 

そんな竈門君が冨岡さん、錆兎さん、そして真菰さんが倒せなかった敵を倒したと言うのは本当に空が言うように先が楽しみですね………

 

「話の腰が折れましたが話しますね?鬼殺隊に入って空と再会したときは彼は大層に驚いてました……なぜかわかります?」

 

「自分の大好物の食べ物を食べてるの見られて驚いたからか?」

 

「なぜそうなるのですか……。彼は私達が鬼殺隊に入らないようにずっと頑張っていたのです。しかし、私達が鬼殺隊入ったことを知り怒ってました」

 

「………」

 

「『二人にはこの命を失う恐れのある世界に来てほしくなかった!』とか『今からでも遅くないからこの世界から抜けとけ!』と怒ってましたが、私達も逆に怒りましたよ」

 

そう、彼と再会したときに私が頭来たのはまず彼が寝不足で戦い続けていたことと再会したときの一言目がそれとはどう言うことだと怒りましたよ……。彼の気持ちも正直言えば、嬉しい気持ちもありました

 

「彼は私達が家族のように失うのが怖いからこそこの世界に入ってほしくなかったみたいですが、私達の覚悟を聞いて彼もまた腹をくくりました」

 

そこからは私達三人で任務を挑んだり、食べたりしててカナヲを助けて……アオイ、なほ、みず、きよという家族が増えて空もいつも任務が終わったら蝶屋敷で美味しいものを持って帰ってきてくれた

 

「ですが、鬼はまた幸せを奪いに来ました。四年前のあの出来事……そして、私の発言で空は失踪しました」

 

「……」

 

「ですが、いまは彼とも話したりまた昔のように戻ったのは嬉しいですね」

 

「胡蝶……それがお前の鬼殺隊入ったきっかけと……これまでの事か」

 

「そうですねぇ、軽く話すつもりが多く話してしまいましたね………。冨岡さんは?」

 

私の質問に冨岡さんは少しだけ言うのが悩んでいたのか自分なりに言葉を選ぼうとしていた

 

「……鬼殺隊を入るきっかけと言うよりも……俺は昔姉がいた」

 

「姉が……いた?」

 

「……あの日の夜は姉の結婚式前だったが……鬼によって死んだ。婚約者もな」

 

「!?」

 

「だから、俺は怖い。姉のようにまた錆兎や真菰が鬼によって殺されないのか……」

 

どんどく暗くなる冨岡さんをみて、私は冨岡さんの背中を撫でていた

 

「胡蝶?」

 

「気持ちわかりますよ。ですが、冨岡さんは二人のことをよく知ってるのでしたら信じたらどうですか?あの二人も鬼殺隊で階級は甲ですから、そこら辺の鬼よりも強いですよ?」

 

「………そうだな、すまない胡蝶」

 

「いえいえ。あ、今度はきちんと蝶屋敷で治療受けに来てくださいね?もしサボったら注射しますので」

 

「……………考えとく」

 

冨岡さんは立ち上がりどこかに行こうとしていたので私もそろそろ蝶屋敷に戻ろうとしていた

 

「胡蝶」

 

「?」

 

私は蝶屋敷の方向に向かおうとすると冨岡さんが私を呼び止めた

 

「相談乗ってくれてありがとう」

 

「!………はい、ではまたですね。冨岡さん」

 

冨岡さんは満面の微笑みで私にお礼を言うことに驚きましたが、私は表情を崩さずに笑顔で別れの挨拶して去りました

 

 

冨岡さんの笑顔………鮭大根の時の笑顔よりも良かった……ってしのぶ、平常心平常心!!べ、べつに冨岡さんのことが好きではないですからね!…………気にはなりますけど………

 

あぁもう!こうなったのも空のせいだから、いつか空に薬の実験台になってもらうのだから!!!

 

 




本日は2本立てでいれる予定ですが……駄目です?
次回もお楽しみに!これからもよろしくお願いします!!


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33話

カナエside

 

私は今、お店のものを食べながらある人を待っていました。私はそのある人を待ちながら私は過去のことを思い出していた

 

「(あの鬼殺隊で空君が失踪したのはもう四年も経つんだな~……。再会したときはギクシャクしていたけど、今はしのぶも空君の時だけは昔のように話してるし、家族といるときでも時々敬語忘れるからなんか可愛いわ~)」

 

『俺にはもう……守る資格がない』

 

「………四年前……私がもっと力があれば空君は失踪しなかったのかな?それ以前にもっとしのぶも私も彼の焦りを気づいてあげれたのかだろうか?」

 

私は四年前のあの日のことを思い出していた。私は上弦弐により手負いになっていたがそれを助けてくれたのは空君だった

 

『カナエさん……!』

 

倒れてる私を助けてくれた空君は包帯を取り出してできる限りの手当てを必死にしてくれていた

 

『大丈夫よ……呼吸が少ししにくいだけ……』

 

『っ!すいません、俺のせいで…俺がもっとはやく助けに来たら……!!』

 

私は傷よりも呼吸がしにくかったのもあり、既に戦える力はなかった。あのときに空君が止血をしてくれたから助かった……けれど、彼はすごく落ち込んでいたのは忘れられない

 

『あらあら、邪魔が入ったか。せっかく救おうとしていたのに……』

 

『殺すことが救いになるのか……!?てめぇはここで殺す!』

 

『だめよ、空君……!相手は上弦の弐!私を見捨てて逃げて!』

 

『できません!俺が調子のっていたせいでカナエさんが……柱の命令でも断ります!』

 

『うーん、麗しい仲だね!なら、まとめて救ってあげよう!名前をいってよ、救ってあげるから!』

 

『ふざけるなぁぁ!!』

 

空君は私を上弦弐から少し離して戦った。数分だけとはいえ、空君の攻撃は当たらずに余裕で回避されていた。絶対絶命の時に日が上って上弦弐は撤退した

 

『姉さん!!』

 

そして、しのぶに助けられて私は意識を失ってる間に空君はしのぶに謝っていてしのぶは今でこそ丸くなっているけど当時は本当に空君に責めていたの

 

『………ここは?』

 

『姉さん!!』

 

『『『カナエ様!』』』

 

『………(ギュッ)』

 

私が目を覚めたのは一週間後でなんとか命をとりとめた代わりに、花柱胡蝶カナエはあの戦いで完全に終わってしまったが蝶屋敷の子達とまた暮らせたのは嬉しかった。空君のことを気になったけどまたそこは聞けばいいと思った

 

けれど………

 

空君は鬼殺隊から失踪知ったのは後日だった

 

『………』

 

『……』

 

『……しのぶ、空君がなぜ失踪したか知らない?』

 

『………わからない。本当になんで……』

 

あのときのしのぶは私以上に疲弊していた。空君の失踪と私の怪我……それ以前に空君がやはり鬼と繋がっていたのではないか?という噂ですら流れていた

 

『私のせいなのかな……空がいなくなったのは』

 

『しのぶ、それはどういうとこ?』

 

『……私はあいつが鬼と繋がっていたのではないか?という噂を信じてなかった……けれど

 

姉さんがボロボロな姿とは反対にあいつはそこまでではなかった』

 

『まさか、しのぶ……そんな噂を信じていたの……?』

 

『うん……あの瞬間を見たときに……』

 

『なんで、空君を信じてあげなかったの?あの子はそんなことできる子ではないでしょ……?それ以前に鬼殺隊入る前からの幼馴染みの私達があの子の人柄を知ってるのになんで信じてあげれなかったの?』

 

『ごめんなさい……ごめんなさい………!』

 

私の言葉に本当にしのぶは後悔していて落ち込んでいた。あの子があそこまで泣いてるのみたのは両親が亡くなった時以来だ……

 

その後はしのぶは何人かの他の柱と共に調査をしていた結果、空君の噂はデマというのが確実だとわかってお館様に報告した。そして、お館様から衝撃の事実を元柱の私にも教えてくださった

 

『粛清……!?』

 

『えぇ、空は私達の知らない裏で鬼殺隊の情報を鬼に売ろうとしていた隊員がいたの気づいて始末していたのだけど、それを見た隊員が鬼と結託してると勘違いしたの』

 

『その裏切った隊員は……?』

 

『空の手で粛清したみたいで……ただ、一人だけ遺体がなかったから鬼に食われたと思われるの』

 

それが噂の本当の話だったが、空君は運悪く他の隊員が見てしまったためそのような噂を流していたらしい。その後はお館様や他のみんなが噂を無くしてくれて空君が帰りやすいようにしていたが四年もたってようやく再会できた

 

「(本当に色々あって焦ったわ……)あら?」

 

「わりィ、遅くなったァ……」

 

「ふふ、大丈夫よ。私も今来たところよ……不死川君」

 

「おう」

 

私が待っていたのは風柱不死川君で、しのぶや他の子には内緒だけど、実は私がよく会うのは彼なの。私にとっては空君は弟のような感覚だけど……不死川君は何て言えば良いのかな……この気持ちは今わからないわ

 

「体の具合はどうだァ?」

 

「問題ないわ。不死川君は相変わらず傷が……」

 

「問題ねェ……それよりも、なんでこの店に?」

 

「美味しいおはぎがあるから食べてもらおうと思ったの。嫌だった?」

 

「いや、嫌じゃねぇよ……カナエさん」

 

「良かった!」

 

ねえ、お父さん、お母さん。あの世で元気にしてますか?私としのぶは今も鬼殺隊で頑張っています。私は戦うことはできなくなりましたが、この生かされた命を大切にします

 

そして……

 

いつか、幸せな家庭を築ける日まで私達は頑張ります

 

「(とはいったものの、その日が来たらしのぶか認めてくれるかしら?あの子は姉離れできないから……早く冨岡君のお嫁さんになってもらわないとね!)頑張らないと!」

 

「え、何か言ったかァ?」

 

「あ、気にしないで!」

 

そのためにも私達は今日も必死にいきる………




ここまで読んでいただきありがとうございます!次回もよろしくお願いします!!


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34話

炭治郎side

 

俺はなほちゃん、すみちゃん、きよちゃん達の協力のもと初期にやった時よりも、全集中の呼吸の常中を持続できるようになっていたし、肺も強くなっているが分かる

 

「(空さんに善逸と伊之助が機能回復訓練来ないことを謝った時は空さんは怒ってはなく、むしろ嘆いていたというか……あれは予想通りという匂いだったな)」

 

俺は空さんに謝りにいったときに空さんは隊服ではなく、着物の格好で庭の池を眺めていたな。あの人はこうなることを予想していたかのように普通に対応していた事を思い出した

 

『空さん、いま大丈夫ですか?』

 

『ん?炭治郎、どうしたんだ?』

 

『あの、伊之助達がすいません!』

 

『伊之助達が……?あぁ、あれは別にお前が謝ることじゃないだろ?それ以前に寧ろあぁ言うのは過去で何度か見たことあるからなー』

 

『そうなのですか?』

 

俺は空さんの言葉に疑問を覚えて聞くと空さんも苦笑いしてその訳を教えてくれた

 

『女と嘗めていて返り討ちされていたやつが多くいたからな。ま、今はあれはほっとくのと炭治郎……』

 

『はい!』

 

『当分は俺個人の訓練は中止だ』

 

『え?!』

 

空さんの突然の訓練中止宣言に俺はなにか怒らす事をしてしまったのか戸惑うと空さんは苦笑していた

 

『お前の訓練も見てあげたいが、今のお前は目の前の事で背一杯だろ?なら、まずはカナヲ達に何で勝てないのか考えときな』

 

『はい』

 

『そう落ち込むな。必ずまた訓練再開するからな』

 

『本当ですか!?』

 

『おう。だから、今できることを目の前で必死にやってみろよ?』

 

『はい!!』

 

俺が元気よく返事すると空さんは嬉しそうに俺の頭を撫でていた。俺は長男だから上の人に頭を撫でられるのはなれてないけど、なんか嬉しいな

 

「(はやく、空さんや錆兎、真菰の階級までいって柱になって、多くの人に禰豆子の存在を認めてもらうんだ!そして………)」

 

ーーもしーー

 

「(そして、必ず人間に戻す方法を見つけないと……)」

 

「もしもし」

 

「はい……!?」

 

俺は振り向くとこの蝶屋敷の主でもあるしのぶさんとその姉のカナエさんがそこにいたのだ。俺は何時の間に近くしていたのかわからず驚いていたら、カナエさんが苦笑しながら謝ってきた

 

「あらあら、夢中になっていたのね?ごめんなさい」

 

「いえ、大丈夫です!(この嗅いだことのない優しそうな匂いはこの人からだ!しのぶさんも今は機嫌が良い匂いしてる)」

 

「竈門君、お友達は何処かにいったのに辛くないのですか?」

 

「いえ、出来るようになったらやり方を教えてあげれば思いますので辛くないです!」

 

「ふふ、君の心は綺麗のなのね。あ、こうして話すのは初めてね?改めて元花柱胡蝶カナエよ」

 

「私は柱会合やそれ以前にご存じかもしれませんが、蟲柱で妹の胡蝶しのぶです」

 

カナエさんとしのぶさんはとてもとても綺麗な顔で美しく笑っていた。俺は思わず見惚れていたけどすぐにそんな邪念な気持ちでもっては二人に失礼と思っていた

 

「……あの、しのぶさんどうして俺達をここに連れてきてくれたのですか?」

 

「禰豆子さんの存在は公認になりましたし、君たちの怪我もひどかったからですね。……それから君には私達の夢を託そうと思いまして」

 

「……」

 

「え?夢をですか?」

 

「そう、鬼と仲良くする夢です。きっと君なら出来ますから」

 

「……怒ってますか?なんか、いつも怒っている匂いがしてますけど……ずっと笑顔だけど」

 

俺がその言葉をいった瞬間にしのぶさんは目を見開きカナエさんは寂しそうにしのぶさんを見ていた

 

「怒っている……そうですね………私はいつも怒っているかもしれません。鬼に最愛の姉を失いかけたときから……鬼に大切な人を奪われた人の涙を見るたびに私の心の中の怒りは増えていくばかりです」

 

「……しのぶ」

 

「体の深い奥のところにはどうしょうもない嫌悪感が纏わりついてる……他の柱達もにたようなものです。まぁ今回は柱達も禰豆子さんたちのみたのとお館様の意向もあり誰も手を出すことはないでしょう」

 

しのぶさんは話ながらも悲しみと苦しみの匂いが感じ取れてカナエさんは心配する匂いが来た

 

「今私の隣にいる姉さんは君のように優しかった。鬼に同情するくらいにやさしかった。ですが、私はそんな風に思えずにそんな馬鹿な話はないです」

 

「そうよね……」

 

「ですが、私は哀れな鬼を切る方法を考えないと、姉が好きな笑顔を絶やすことなくやってました」

 

「……」

 

「ある日、私は少し疲れました……。鬼は嘘ばかりをいう……自分の保身だけを走るので……」

 

「けれど、私が見かねてしのぶと話し合って……いつか私達の夢を託せる人がいたら託そうと話したの」

 

しのぶさんの匂いと共にカナエさんの匂いは悲しげに後悔してる匂いだった

 

「そうですか……」

 

「炭治郎君、頑張ってくださいね。君が頑張ってくれると私も楽になります……」

 

「あの!ひとつだけ聞いて良いですか?」

 

「………」

 

しのぶさんが立ち上がり何処かにいこうとする前に俺はどうしても聞きたいことがあった

 

「空さんのことでききたいですが」

 

「空君の事を?」

 

「はい……あの人は時々何かに憎んでいる匂いがするのですが……俺達とかではなく何かに……」

 

俺の質問に答えてくれたのはしのぶさんではなく、カナエさんだった。その横ではしのぶさんが今度は悲しそうに目を伏せていた

 

「それはある意味私のせいね」

 

「カナエさんの?」

 

「空君は……正直しのぶの怒りよりも……他の隊士もきっと……とある鬼には憎んでいるの」

 

「鬼を??(あんな優しそうな人が……?)」

 

「昔……私が柱だったときにある鬼に私はやられたの。しのぶのお陰で助かったのだけど、空君は責任を感じていた。その結果私達の関係はバラバラになって空君はその鬼だけ探していた」

 

そういえば、空さんは鬼殺隊抜けていたとかそんなことをいっていたようないっていなかったような……

 

「彼がこの蝶屋敷に来たのは四年ぶりにここに来たときカナヲがつれてきて……私たちは驚きました。何せ、ずっと追い求めていたその鬼によって彼は負傷して負けましたから」

 

「え?!空さんが鬼に勝てなかった!?」

 

「その鬼に対する憎悪は私たちよりもきっと強いでしょう。ですが、生きて帰ってきたときは嬉しさもあったのと話し合えた喜びもありました」

 

「お館様の意向もあり彼は今この蝶屋敷で君たちを指導してます。炭治郎君……君がこの蝶屋敷でいることで空も楽しそうに君を指導してます。炭治郎君……君は絶対に死なないでくださいね?空は君の事をすごく気に入ってますから」

 

「ふふ、炭治郎君全集中の呼吸・常中が止まっているわよ」

 

「は、はい!」

 

カナエさんの指摘に俺は慌てて全集中の呼吸・常中を続けた

 

「「頑張ってね、炭治郎君」」

 

カナエさん達はそれを言い残してこの場を去っていった。俺は必ず全集中の呼吸・常中を出来るようになったら一日でも早く妹を人間に戻せるように頑張ろう

 




ここまで読んでいただきありがとうございます!この間嬉しいメッセージもあり頑張ります!
ちなみに昨日録画したと思った鬼滅は……録画できてなく落ち込みました


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35話

俺は道場で木刀をもってしのぶと対峙して構えていた。俺は木刀を構えながら、しのぶと対峙していた

 

「………さて……手加減なしで頼む」

 

「勿論怪我しない範囲でやるわ。姉さん、合図を ……カナヲはしっかり見てくださいね」

 

「はい、始め~!」

 

カナエさんの合図と共に俺としのぶは全速力で駆け抜けた。俺は木刀でしのぶに対して突き攻撃をするとしのぶはなんなく防いでいた

 

「っち!」

 

「相変わらず瞬発力だけは大したものですねぇ」

 

「相変わらず攻撃を読むのうまいな!ならば………」

 

「させませんよ、蟲の呼吸……」

 

「!」

 

「蝶ノ舞 ”戯れ”」

 

蝶ノ舞 ”戯れ”は複数回相手を攻撃する突き技だ。いまは木刀だからいいが、真剣なら俺は死ぬよ!?と思いながら俺は必死に木刀で弾いて回避していた

 

「さすが蟲柱っ!容赦ない突きの攻撃!」

 

「そういう空は相変わらず目が良いわね!」

 

「あらあら、凄いわね」

 

「……」

 

しのぶの攻撃を誉めるとしのぶは俺が攻撃をあっさりと回避できたとか弾いたことに少し刺があった。そんな戦いにカナエさんは嬉しそうに見ていてカナヲはじっと見ていた

 

「拳の呼吸……」

 

「えっ?」

 

「参の型、獅子落とし!」

 

いつまでも木刀の打ち合いでは俺は殺られると思って攻撃の手段を変えた。俺はしのぶの方に高くとんで、右の踵を振り下ろすとしのぶは回避して後ろに飛んでいた

 

「くそ!」

 

「日輪がないとはいえ、その呼吸を使うのですね」

 

「たまに使わないと忘れるから……な!」

 

俺は顔をあげて木刀を水平にしのぶを見据えて構えていた。しのぶと俺が決着つけるにはつぎの一撃がいちばんだ!

 

「では、今度は私が仕掛けさせてもらいましょう……蟲の呼吸蜂牙の舞い ”真靡き”」

 

「(やべ!俺も最速ので迎え撃つしかない!)居合い切りで迎え撃つ!」

 

俺としのぶの木刀が道場に音が響き俺達はお互いの木刀を持っていたが………

 

「私の勝ちね。空」

 

「さすが蟲柱………強い」

 

俺の持っていた木刀は折れていて、しのぶが笑顔で勝利宣言していた。そんな俺たちの勝敗をカナエさんがあらためて宣言してくれた

 

「そこまで!!しのぶの勝利~。カナヲは見ていてどうだった?」

 

「……」

 

カナエさんの質問にカナヲはコインを取り出して表がでたのかどう思ったのか、カナヲは表情変えることなく話していた

 

「空さんが師範の突きに対応できたのは恐らく経験からということと師範が空さんに勝てたのは武器の使い方の差と思います」

 

「そっか……確かに経験とかでカバーしていたがやはりしのぶの方が強く見えたんだな?」

 

「……はい」

 

「そうか、なら今度は拳を使ってやるか?しのぶ」

 

「それは空だけができるから私は無理よ?それに、わざわざ拳とかではなく木刀を使った理由はなに?」

 

「なに……たまには木刀を使っての戦い方をしたくってな。俺は拳や蹴りも鬼を殺せるのは日輪のお陰だ。しかし、もしも、刀を使う事になったときのためだ」

 

刀が落ちていたときに鬼を刈り取るためには剣術も流石にないとダメだからな。拳が使えない場合のことも考えてすべて鍛えていくに越したことない

 

「さて、そろそろカナヲはアオイのお手伝いか?」

 

「……(コクッ)」

 

俺の質問にカナヲは頷いて頭を下げてから道場に出ていった。残ったのは俺としのぶとカナエさんだけだった

 

「しのぶ、カナエさん。昨日炭治郎と話したのでしょ?………どうだった?」

 

「話聞いてた通りの良い子ね!私と本当に気が合いそうだわ~」

 

「私もあの子は信用できるわ。それに、まさか私の隠していた気持ちがばれるなんて」

 

「匂いでばれたって何て言うか凄いな」

 

「えぇ、そうね!でも、しのぶ本当にあれはしてないのね?」

 

「してないわよ!………流石に姉さんを泣かせてまでそれをするのは間違えていたと言うのはわかったし空に怒られてからあらためてもっと他の方法を考えるわ」

 

しのぶは己の拳を見つめながらそして、笑顔で俺やカナエさんに決心していた 

 

「そうか…」

 

「あ、そういえば空君はまだ好きな人見つからないの?」

 

「あ、それは私も聞きたい!」

 

「いない。あとそれを毎回聞くのは勘弁してくれ……」

 

俺は即答をするとしのぶと、カナエさんからブーブーとされた。何で否定しただけでここまでブーブーとされるんだよ……

 

「さて、炭治郎の方にいきますか」

 

「あら私もいくわ」

 

「私も」

 

俺がいくとどうやらカナエさんらも気に入ったみたいで炭治郎の方にいくとなほ、すみ、きよに布団叩きをお願いしていた

 

「どうやら、炭治郎君はなほ達に布団叩きで寝ていたら起こしてほしいということですね」

 

「考えは面白いが……まぁ、いいか。炭治郎!」

 

「あ、空さんにしのぶさんにカナエさんも!おはようございます」

 

「おう」

 

炭治郎の元気がある挨拶に俺達は微笑んでいたら、しのぶが炭治郎に提案していた

 

「竈門君……なほ、すみ、きよ達が患者で忙しいときに空に全集中の呼吸止まっていたら叩いてもらうのどうですか?」

 

「え!?でも空さんの方も忙しいのでは?」

 

「気にするな。成長したい後輩を手助けするだけだからこれくらい大したことない」

 

「ありがとうございます!」

 

「ふふ、礼儀正しいね。じゃあ、瓢箪は私が用意するから基礎体力とかは空君に任せてもらう?」

 

「そうね。基本はなほ達がよる叩いてくれますが、時々空がやってくれますのでいいですか?」

 

「はい!!」

 

炭治郎の返事を聞いた俺は早速炭治郎に訓練を見ることにした。なら、今の炭治郎なら俺の軽い特訓も耐える根性はあるだろう

 

「さて、炭治郎。今から俺がしてもらうのは全集中の呼吸を止めないでひたすらあそこに走れ。一応確認するが、それはすでにしてるのか?」

 

「はい!」

 

「よし、なら五往復だがいけるか?」

 

「もちろんです!」

 

俺の確認に炭治郎が元気よく返事したので俺は笑顔で開始というとあいつは走った。炭治郎は俺よりも強くなっていつかこの腐った世界を終わらせてくれると俺は信じてる……

 

 




ここまで読んでいただきありがとうございます!次回もよろしくお願いします!


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36話

俺はしのぶやカナエさんの頼みで炭治郎と一対一で全集中の呼吸・常中を見ていた。確かに意識するようになってからは基礎体力も上がってるな

 

「しんどくっても、走りを止めるな!俺の走りについてこい!」

 

「はい!!」

 

「良い返事だ!」

 

俺は炭治郎の返事に嬉しくなり、俺はさらに走る速度をあげたら炭治郎が驚く声を俺は聞こえた

 

「はや!?(空さんが楽しそうな匂いする!俺も負けないで頑張ろう!)」

 

「(これでも手加減して走ってるが炭治郎は、よく食らいついてるな)……本当に先が楽しみなやつだよ」

 

「なにか言いました?」

 

「何も!あともう少しで終わるからから踏ん張れよ!」

 

「はい!!」

 

こうしておれと炭治郎は走る訓練を終えて今度は木刀による素振りを見ていた。個人特訓は暫くやらないと言っていたが今の炭治郎なら次の段階を進めても問題ないと判断した上での特訓だ

 

「炭治郎、木刀を素振りをするのはいいがイメージしろ」

 

「イメージですか?」

 

「そう。俺は拳や蹴りを使うから鬼をまっすぐに殴るとか蹴りを素早くするとかイメージして、やる。だが、木刀の場合は何もふれば良いというわけではない」

 

勿論、素振りをするのは悪いことではないが俺達鬼殺隊は鬼を相手してるのだからイメージして戦うのが大事だ

 

「たとえば、素振り以外で良いのは木刀を構えて目の前にいるのが過去に対峙した手強い鬼で復習するようにやったらいい」

 

「というと?」

 

「俺の場合はまぁ仇敵とかは置いといて……俺の対峙しためんどくさい鬼がいてな」

 

「どんな鬼なのですか?」

 

「兎に角めんどくさい鬼なんだよ」

 

「め、めんどくさい……ですか?」

 

「そ、真似をする鬼がいたんだよ。血鬼術で真似が大好き鬼がいて……俺の拳の呼吸壱から参まで真似されてな」

 

「え?!どうやって倒したのですか!?」

 

炭治郎が呼吸の真似をする鬼がいたことに驚いて俺に聞いてきたので、俺はその鬼に対峙した時の対処を行った

 

「同じ技を何度も何度も繰り返してやる」

 

「同じ技を……ですか?」

 

「確かに真似するのは大したものだが、所詮は真似であって俺がこれまで鍛え上げていた力までは真似できない。だからこそ、繰り返してやって勝った」

 

「なるほど、確かに真似はできてもその過程は至れてないから限界がある!」

 

「そういうことだ。ちなみに倒したのはよかったものの二日間はうごけなかったな」

 

俺は苦笑してその事を話すと炭治郎は全集中の呼吸・常中が持続できているのに気づいた。まだまだ意識している癖があるが、以前よりはましだな

 

「さ、俺の話は終わりだ。とにかく続きをしろ」

 

「はい!!」

 

俺の基礎的な訓練を炭治郎は弱音を吐くことなくそれを十日間続けていた。頑張る姿勢や諦めない姿勢に俺は評価しながら全集中・呼吸も始めてやったときよりはできていて少しずつ報われていた

 

「さて、俺の訓練から十日経過したが……なほ、すみ、きよ!カナエさん!」

 

「「「はい!」」」

 

「うふふ、用意バッチリよ」

 

「ありがとうございます。炭治郎、この瓢箪を頑張ってやってみろ」

 

カナエさんがいるのは特訓の成果が見たいと言っていたのでここにいる。そして、なほ達より少しでかい瓢箪を炭治郎の前に置くと炭治郎が大きく鼻息吸っていて瓢箪に吹いていた

 

「「「頑張れ、頑張れ、頑張れ!!!」」」

 

「「…………」」

 

炭治郎が瓢箪を吹いてるのになほ、すみ、きよは必死に応援していて俺とカナエさんは炭治郎が瓢箪を割れるのか真剣に見てた

 

すると……

 

「む?」

 

「あら?」

 

炭治郎が吹いてる瓢箪が亀裂走り、やがてその瓢箪は破裂した

 

「「「「やったーーー!」」」」

 

「ようやく第一段階ですね」

 

「えぇ!これでスタートラインとはいえ、凄いわ!」

 

俺もカナエさんも炭治郎が瓢箪を破裂させたことに嬉しく思い、俺は窓の方をちらっと見るとしのぶが俺に気づいて笑い、そして優しい目で炭治郎の方をみていた

 

「さ、炭治郎。次は……カナヲとの訓練があるが頑張れるか?」

 

「はい!!」

 

「………」

 

俺は炭治郎に、この後休まずに行けるかと聞くと炭治郎は笑顔で返事していた。そんな炭治郎を見て、俺は本当ならしのぶもカナエさんもこいつも家族が殺されていなかったら……この鬼殺隊にならないですんでいたのにな……と思っていた

 

「空君?」

 

「あ、嫌なんでもないです!それよりも、炭治郎は大したものですね」

 

「?えぇ、あんな真っ直ぐな子はきっと、他の柱……特に炎柱の煉獄君が気に入りそうね!」

 

「あー、確かにあの人なら気に入りそうだな。他の柱……まぁ、風柱の実弥はなかなか難しいだろうな。あいつは鬼が嫌いと言うか……あいつもあいつで色々背一杯だからいつか炭治郎と和解してくれたら良いんだがな」

 

そう、実弥が昔珍しく俺に食事を誘ってきたので俺は参加するとあいつの話を聞いて驚いた。なにせ、鬼になったとはいえ母親を殺してしまったことがあると聞いたのだから。だからこそあいつの奥底には残された家族のため、もうひとつは母親を鬼にした……と思われる可能性がある原初の鬼……鬼舞辻無惨を殺すために生きてるようなものだ

 

「口悪いけど、不死川君は本当は優しい人だと炭治郎君は知ってほしいな~」

 

「……もしもそれを知ったとしてもそれは良いけどなんか、その後の行動が義勇と同じ感じ怒らせないか……」

 

「冨岡君と?」

 

「そう。まぁ、そうならないこと祈りたいと言うか……あぁ、なんか考えすぎたら胃が痛くなってきたぞ………」

 

「ふふ、何だかんだでそういうときが来たときまた止めるのでしょ?」

 

そう、昔義勇と実弥がなんかで遭遇して義勇が言葉足らずで実弥がキレて俺が二人の間に入って落ちつかせていたが……あの後心底本当に雑魚鬼が後の柱二人の一斉攻撃で死んだのは同情した

 

「さて、炭治郎がそろそろや鬼ごっこや反射訓練始まるから行きますか」

 

「えぇ、カナヲも頑張ってほしいな~」

 

俺とカナエさんは鬼ごっこや反射訓練する場所へと向かうと丁度炭治郎がカナヲを追いかけていた

 

「あ、カナエ様、空さん!お疲れ様です!」

 

「ふふ、ありがとうね!」

 

「ありがとうアオイ。だが、そう固くならないで良いと言うか……俺相手にそんな真面目にしなくって良いぞ?」

 

「いえ、これが私ですので!」

 

「だよねー……」

 

俺はアオイの真面目さにひょっとしたら炭治郎とある意味似ているかもなー……。そう思いながらカナヲ達の方を見てると炭治郎がカナヲをもう少しで捕まえれそうになっていたが、カナヲはそれを回避できた

 

「カナヲが捕まえられそうになるの初めてみました……」

 

「そうねぇ。大抵の人はカナヲに勝てずに終わるのだけど」

 

「(呼吸も足を止めるな、思考を止めるな。俺が教えた通りに足を止めずにやっているな)む?!」

 

俺が炭治郎の足を止めないことに感心してると、炭治郎がカナヲの手首を掴んでいた

 

「「!」」

 

「あらあら、カナヲが捕まるなんて……」

 

俺とアオイは炭治郎がまさかの短時間でカナヲに捕まえれるようになるとは思わずビックリしてカナエさんは言葉とは裏腹に嬉しそうに見ていた

 

「では、次は反射訓練です。……はじめ!!」

 

カナヲと炭治郎が今度は反射訓練を開始していたがこれもまた最初の頃よりも上達していて俺は炭治郎の成長速度が異常なのかと戦慄していた

 

「………!!」

 

「おぉぉぁ!!!」

 

「……あ……!」

 

炭治郎がカナヲよりも早く薬湯の入ったのをとり、カナヲにかけようとするが……

 

「(苦い薬湯を女の子にかけるのかわいそうだ……)よっ……と!」

 

「……?」

 

炭治郎が何を思ったのかカナヲの頭に薬湯入ったのをのせていた。そんな様子になほ達は喜んでいて俺はカナヲの頭に乗っている薬湯をとり、声かけた

 

「……この気持ちはなんだろ……?」

 

「ん?」

 

「………いえ、失礼します」

 

カナヲがぼそって言ったのをおれははっきりと聞こえていたが、カナヲは表情は変えないものの口調は悔しそうだった。カナヲが出ていくのを見届けた俺をみていたカナエさんは声かけてきた

 

「どうしたの?」

 

「…………カナエさん、炭治郎ならひょっとしたらカナヲの今を変えてくれるかもしれない」

 

「え?」

 

カナヲはまだ自分の気持ちも感情もきっとまだ自覚してないが、それは悔しいと言う確かな気持ちがあるのならカナヲはまた成長する

 

しかし、なんか悔しいな………アオイやカナヲのことは本当の妹のような気持ちで見てるし、昔は何とかしてあげたいとおもっが……こう、俺ではきっと二人の悩んでることも救えないのだな…

 

…とりあえずは俺の背後に隠れているサボりどもをお仕置きするか

 

 

 




ここまで読んでいただきありがとうございます!次回もよろしくお願いします!


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37話

俺は現在、正座してる二人を見据えながら後ろでおろおろしてる炭治郎を置いて、正座してる二人の名前を呼んだ

 

「おい、善逸と伊之助は何で正座させられてるか分かってるか?」

 

「あ、わかるかよ」

 

「何で正座させられてるの!?俺何で正座させられてるの!悪いことしてないのに!?」

 

「……ふぅ…拳の呼吸壱の型波動」

 

「「え?」」

 

俺はノーモションで後ろにある俺はこっそり砂を埋めた重りのある瓢箪を狙って振るとそれは割れた

 

「「…………」」

 

「騒ぐな……まずは俺の質問に答えろ」

 

「「………はい」」

 

「(空さんがマジでキレてる!?!怒ってる匂いがしている!?)あの……空さん「炭治郎はすまんが、少しだけ黙ってくれ。いいな?」あ、はい」

 

「「(炭治郎(モン八朗!?)」」

 

俺は炭治郎が今口挟むのは話がややこしくなるから停止させて、俺は伊之助と善逸に改めて質問した

 

「まず、俺の質問に答えてくれ。正座させられてる理由はわかる?」

 

「訓練をサボっていたから……」

 

「そうだよな、機能回復訓練はなんのためだと思う?」

 

「強くなるため!」

 

「伊之助、少し違うぞ。機能回復訓練はな、以前の生活とかに戻れるようにするための訓練だ。だが、この鬼殺隊では再び前線に出れるようにするためでもある………のにな………」

 

「「!?!」」

 

「何をサボってるんだぁ…………!!」

 

俺は笑顔でも顔の血管が動いているのがわかるくらい怒っていた。まったく、せっかくかわいい妹分のカナヲやアオイが相手してくれてるのに……

 

「それ以前に、伊之助は山の方で駆け回っていたのしのぶから聞いてるぞ」

 

「っ!?」

 

「善逸はうちの蝶屋敷の材料をつまみ食いしていた。お前達の事でアオイから嘆きの言葉も聞いていたし……流石に少し怒りたくなってきたぞ?」

 

「!?」

 

「ふふふ、今なら選択肢をあげるから決めろよ」

 

「「はい!」」

 

「1つは俺のげんこつを食らってアオイに謝る。もう1つは俺の平手打ちを受けてアオイに謝るか……選べぇぇぇ……!!」

 

俺は笑顔でも心は怒り心頭に二人に問い詰めていた。これでも慈悲を出しているんだし、俺が怒ってるのは訓練で負けるのは良いが、諦めるのは俺にとってはこの時間を用意してくれた蝶屋敷の家族には失礼だからな

 

「後、善逸は許さん!」

 

「なんで!?」

 

「お前は………お前は昨日俺の大好物を食べただろ!」

 

「大好物って……あの高いバナナを?!あ……」

 

「やっぱりお前かぁぁ!!!俺が以前助けた人からの貰ったバナナを食べたのは!!あの残り一つのを昨日訓練を終えたら食べようと置いていたのに……それをお前はぁ!!!」

 

あれは本当に滅多に手に入らないから昨日の炭治郎の訓練を終えた後に食べようとしていたら無くって、カナエさん達に慰められたのだよ!

 

「とにかくげんこつをする!炭治郎が固いのならお前たちも固いはず!聖なる食べ物を奪った怒りの拳!聖拳だぁぁぁ!」

 

「えちょ!?いだぁぁぁ!!」

 

「ナンデオレマデェェ!?!」

 

俺は善逸と伊之助にげんこつして二度と俺の大好物をこっそりと食べないと約束させた。これでもう二度と俺の大好物を奪われることない!!

 

「って怒るところはそこですか!?」

 

炭治郎が一連の流れを終えると思わず俺に怒るところを指摘していたが、俺は炭治郎に食べ物を食われる悔しさを説いていた

 

「俺にとっては食べ物をとられるのは悔しいんだよ!!それで、昔はとある柱と大喧嘩したくらいだ!!」

 

「子供ですか!?」

 

「昔は子供だったんだよ!年齢も!!」

 

「なんか正論に聞こえるけど、やりすぎですよ!!」

 

「そうですね、流石にやりすぎですよ。空」

 

「あらあら、大丈夫?伊之助君に善逸君」

 

炭治郎と俺のやり取りにしのぶとカナエさんがやって来て、カナエさんが伊之助の背中を撫でていてしのぶは呆れた表情で俺に話していた

 

「大体、空は拳などを使う上に柱候補の実力ですから、また善逸君達が入院延びますよ?」

 

「それもそうだったな……入院患者であること忘れていた」

 

「忘れるなよ!?めちゃくちゃ痛いのだけど?!」

 

「こら、善逸!?元と言えば、つまみ食いしていたお前が悪いのだから、仕方がないだろ!?」

 

「何で俺まで殴られないといけないのだよ!!」

 

「そんなもの連帯責任だ!因みに炭治郎は以前、俺の訓練で俺の左手を思い切り頭突きしたことでお合いこだ!」

 

「はぁ!……あれ?なんだその白い布は?」

 

「包帯だ。昨日の訓練で俺が攻撃したときに炭治郎が頭突きで攻撃してきた。俺が思うよりも炭治郎の頭突きが強くってな、俺の左手は軽くヒビ入った………あいつの頭突きは俺より強い」

 

「「恐るべき炭治郎(もん八郎)の頭突き……」」

 

俺がそういうと善逸と伊之助は炭治郎の方をみて震えていた。俺は炭治郎の頭突きで手を痛めたのはこれで二回目だが……正直今回の方が痛い………

 

「まぁ、今日からお前らも訓練参加するなら話はこれで終わりだ。……お前達には一日でも早く強くなってほしいからな……」

 

「え?」

 

「なんでもない。さて、炭治郎がこの二人に説明してみろ。自分が収穫した力を人に説明するのも修行のひとつだからな」

 

「はい!!」

 

俺の指示に炭治郎は嬉しそうに善逸達に説明をしていたが…………

 

「「………」」

 

「(ありゃ、どうやら炭治郎はカナエさんと同じタイプか)しかたねぇ、しのぶ頼む」

 

「ふふ、任せてください。炭治郎君が会得したのは全集中・常中の呼吸です。全集中の呼吸を四六時中やり続けることにより 基礎体力が飛躍的に上がります」

 

そう、しのぶが言うように全集中の呼吸はあくまでも著しく増強させた心肺により、一度に大量の酸素を血中に取り込むことで、瞬間的に身体能力を大幅に上昇させる特殊な呼吸法。つまり、鬼殺の剣士の基本且つ奥義でもあるのが全集中の呼吸だ

 

「(だがこれをさらに上の段階でもある全集中・常中ができるようになるとまた大きく違うがそこは俺が言うことではない)…因みに俺やしのぶ、カナエさんやそしてカナヲもできるぞ~」

 

「え?カナヲって、あの女の子?」

 

「そうだぞー」

 

「またまたー冗談を……」

 

「うぅん、本当だよ。善逸君」

 

「………はぁぁぁぁ!?!嘘でしょ!?嘘でしょ!?嘘でしょ!?」

 

「うるさいぞ、善逸!」

 

「畜生!!本当にそんなのできるのかよ!?」

 

俺の言葉に善逸は騒ぎ、否定するもカナエさんが本当だと言うとさらに善逸は騒いでいた。そんな騒ぐ善逸に炭治郎が注意して、伊之助は疑問を言っていた

 

「出来る出来ないじゃない………やらないと始まらないが、そうか……そんなに出来ないなら仕方がない」

 

「空はきついですねぇ。ですが、空の言う通りできて当然ですけども仕方がないです。出来ないならしょうがない、しょうがない」

 

「はぁーーーん!?できてやるっうの!!当然に!!嘗めんじゃねぇよ!乳もぎとるぞ!」

 

「伊之助君やる気でるのは嬉しいけど最後の言葉は気を付けようね?」

 

「……はい」

 

伊之助は大奮起する気持ちになり、興奮していたがカナエさんが最後の言葉は流石に嗜めていたな。そして、しのぶが善逸の手に握り

 

「頑張ってください、善逸君。一番応援してます」

 

「はい!!」

 

善逸はしのぶの言葉にやる気が出て伊之助と善逸は炭治郎をつれて外へと走っていた。本当にあの三人は退屈しないなー




ここまで読んでいただきありがとうございます!次回もよろしくお願いします!


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38話

伊之助、善逸がカナエさんやしのぶに励まされてやる気が以前よりも強くなり全集中の呼吸・常中が少しずつだが持続できるようになっていた

 

「さ、今日は俺の勉強をするから常中は途切れさすなよ」

 

「はい!」

 

「「……!」」

 

俺の呼び掛けに炭治郎が返事して、伊之助と

 

善逸が呼吸を途切れさせないように見ていた。やはりやる気出てきたらこいつらはきちんとするのよね~

 

「さて、鬼殺隊の組織の階級はどういう風になっているか知ってるか?伊之助」

 

「お、伊之助指名だぞ」

 

「…ふっ、そんなの…知るかぁぁ!!」

 

「そうだよねぇ!?お前がそんなの知ってたら怖いよ!?」

 

「……いや、わかっていたけど……一つくらい答えてほしかったなぁ……」

 

俺は伊之助の答えにどことなく覚悟していたけどそんな堂々と知らないと答えられたら、困るよなぁ……

 

「伊之助の答えは仕方がないとして……まぁ、答えるか。まずはお館様が鬼殺隊のトップな」

 

「えーと、産屋敷耀哉様ですよね?たしか、97代目」

 

「そうだ、以前教えたのきちんと覚えてるな。なんでそんな歴史があると言うと、お館様は代々短命なんだ。まぁ、そこはいつか教えるが………お館様が鬼殺隊の頭だと覚えてくれ」

 

「97代……」

 

「しのぶ達とかで治せねぇのかよ?」

 

「無理だ。お館様の治療は現代では治せない……」

 

「そんな……じゃあ、なにか方法はないのですか?」

 

「一番手っ取り早いのは鬼の頭……鬼無辻無惨の首を撃ち取ることだ」

 

俺が伝えると伊之助や善逸、炭治郎が真剣に聞いていた。そして、俺は次の話を切り替えた

 

「そんで次に俺達鬼殺隊の階級で特別なのが柱だ。柱は9人いる」

 

「9人!?いや、そういえばじっちゃんが柱9人いるって教えて貰ったような気がする」

 

「そいつらつえぇのか!?」

 

「強いもなにもおそらく伊之助が今挑んでも勝てないぞー」

 

「はぁ!?やってみないとわからねぇっうの!!」

 

伊之助がどんな強い相手でもその強気は良いが、俺は柱の名前を言った

 

「まぁ、まずは柱の名前を言うから覚えとけ。今の柱はな岩柱、風柱、蛇柱、恋柱、音柱、霞柱、炎柱、水柱、蟲柱だな。因みにしのぶは蟲柱でカナエさんは元花柱だ。そして、炭治郎の兄弟子義勇が水柱だ」

 

「まって!?恋柱ってなに?!」

 

「恋柱は恋柱としかいいようがない……。ま、そこは気にするな」

 

「なんで、カナエは元花柱なんだよ?強いのによ」

 

「あー、そこはな………色々とあったんだ」

 

「(あれ?!空さんの音がなにか悲しみの音が!?)」

 

「(しのぶさんが言っていた憎しみと悲しみの匂いが……)」

 

「ふーん、まぁ良いけどよ」

 

伊之助はその話の興味がなくなったのかそれとも触れてはいけないと感じたのかこの件には触れてこなかった。炭治郎と善逸はなんで、顔色変えてるんだ?

 

「ま、柱はこれで終わり。次に階級だな」

 

「あ、それくらいは俺も答えれます!階級は

 

1番が甲でそこからは,乙,丙,丁,戊,己,庚,辛,壬,癸ですね?」

 

「そうだ、善逸。で、お前らの階級は恐らくまだ癸かな。俺は甲だが、柱になれる条件は一応整っている」

 

「え?そうなの?」

 

「階級が甲(きのえ)であること十二鬼月を倒すのと鬼を50体以上倒す……これが柱になるための条件だが俺は断った」

 

「なんで断るんだよ?」

 

「守るべきものを守りきれないやつが柱になる資格はないと思ってな……お館様と対面して甲で甘じてるな」

 

「ふーん……まてよ?俺様がお前を倒せたらかなり強いということか!?」

 

「はは、伊之助のそのやる気は買うがまだ俺を倒せると思うなよ?」

 

俺は伊之助のその考え方は嫌いではないし、むしろまっすぐで俺は反論しない。その後炭治郎達に鬼殺隊の歴史を話して俺の今日の個人特訓は終えた。まぁ、たまにはこういうのも良いだろうな

 

「はぁ……お茶うまい……ん?」

 

昼になり、俺は現在庭の方で一人で佇んで飲み物を飲んでいると後ろから気配感じたので振り向くとカナヲがそこにいた

 

「……カナヲ……隣に座るか?」

 

「………(コクッ)」

 

俺の呼び掛けにカナヲは表情かえること無く、一緒に必死に訓練してる炭治郎達の声を聞きながら見ていた

 

「四年間もこの蝶屋敷に離れていて、カナヲが鬼殺隊に入ると思わなかった……。俺が言うのもあれなんだが……後悔してないのか?」

 

「……(コクッ)」

 

「はは、そうか。カナヲが俺達に会う前の昔の話なんだが、俺はしのぶとカナエさんと大喧嘩したことあるんだ」

 

「……師範達とですか………?」

 

「そう」

 

俺は懐かしく思いながら昔の事を思い出していた。あの頃は……しのぶ達が入る前の俺は鬼殺隊で毎日鬼を殺しまくっていた。……当時の原動力はカナエさんやしのぶ達にはこの世界に入ってほしくなかったし、守るために戦っていた

 

「だがな、俺の思いと裏腹にカナエさんやしのぶが鬼殺隊に入っていたのだよ。俺はしのぶ達にあったときに何て言ったと思う?」

 

「……?」

 

「この鬼殺隊からやめろってな……。なんていうか、こんないつ死ぬかわからない世界に離れてほしいから言ったのだが………思い切りしのぶやカナエさんに怒られたな」

 

俺はカナヲの頭を撫でながら、俺はカナヲに約束をした

 

「カナヲもしのぶもカナエさんも……この蝶屋敷の子達も必ず俺が悪鬼どもに奪われないように頑張るよ」

 

「……(ピッ)」

 

「お、コイン?」

 

取り出したコインを弾いて出てきたのは表でカナヲは俺に聞いてきた

 

「…空さんは…」

 

「うん?」

 

「空さんは遠いところにもう行かないですよね?」

 

「さぁな……遠いところに行かないとか死なないというのは約束しかねるが、せめてもの君達が幸せな未来を繋ぐように約束するよ」

 

「……はい」

 

俺の答えにカナヲは表情は変えることはなかったが、頭を撫でられて口調は嬉しそうに感じた

 

「……では失礼します」

 

「おう」

 

カナヲが去り俺はカナヲと初めて出会った時の事を思い出した。あの頃は空は青かったし、俺はカナヲがいるの知らずに屋敷に行くとしのぶがカナエさんになにか叫んでいた

 

『姉さん,この子全然駄目よ!!』

 

『うん?』

 

『言われないとこの子はなにもしない!ずっと、お腹を鳴らしてるの。ずっとよ!!』

 

この子?と思いながら俺は庭の方に行くと、当時の小さなカナヲがじっと俺を見ていた

 

『……誘拐?』

 

『違うわ!?ってか来たのなら挨拶しろ!』

 

『いや、挨拶する以前に怒りまくりのしのぶに声かけたら殺されそうと思ってな』

 

『しないわよ!?私をなんだと思ってるの!?』

 

『………おこりんぼうのチビ美女』

 

『よし、その喧嘩買うわ』

 

俺の言葉にしのぶは拳をシュッ!シュッ!としていた。相変わらずの短気で俺はしのぶに窘めていた

 

『短気は損だぞ~。また身長伸び悩むぞ』

 

『まぁまぁ、姉さんはしのぶが笑った顔が好きだな~』

 

『っ!空は私と身長変わらないでしょ!?』

 

『で、この子は?』

 

俺はカナエさんとしのぶに事情をきいて最初は黙って聞いていたがだんだん怒りがわいていて俺は立ち上がった

 

『どこに行くの?』

 

立ち上がった俺にしのぶは怪訝に聞いていたが俺は怒気を含んだ口調で話した

 

『その子を……そんな目を合わした野郎を殴りに行く!そんで親とやらを殴る!』

 

『馬鹿!そんな事したら空が捕まるでしょ!?』

 

『跡形もなく殺したら問題ない!』

 

『問題ある!!』

 

『だが、こんな小さな子をひどい目を合わした奴を許せるか!?』

 

『許せるわけないでしょ?!』

 

『まぁまぁ、二人とも落ち着いてね?』

 

俺としのぶはだんだんヒートアップしてきたらカナエさんが手を叩いて窘めていた。俺としのぶはそれをきいて落ち着いた

 

『その子はどうするのだ?』

 

『私達が引き取るわ』

 

『そうねー。あ、空君はなにしに来たの?』

 

『あ、忘れていた。えーと、その子も良かったらだけど、食べるか?これは知り合いに貰ってな……』

 

俺がそういうと当時のカナヲはそれを興味もって見ていたのでカナエさんからもらったコインを不器用に高くあげると出てきたのは表

 

『食べるか?』

 

『……(コクッ)』

 

『ふふ、カナヲここに座ってね』

 

カナエさんの言葉にカナヲは横に座りおはぎを恐る恐る食べると

 

『………美味しい』

 

『『『!?!』』』

 

カナヲが初めて口出した言葉は美味しいだった。それを聞いたカナエさんは嬉しそうに抱き締めていて俺としのぶはカナヲの頭を撫でていた

 

『?』

 

当の撫でられた本人は戸惑っていたが俺達はゆっくりでいいからカナヲがいつか自分でコインを頼らずに話せる日が来ることを楽しみにしていた

 

「ふふ、本当に時の流れは早いな」

 

「一人で何を笑ってるの?空君」

 

その声を聞いた俺は苦笑してその人の顔をみて返事した。いつの間にか炭治郎達は別の方にいってるがまぁほっといても問題ないな

 

「カナエさん……いえ、カナヲの成長というか、初めてあった時の事を思い出して」

 

「そうねぇ、あの頃からカナヲも成長して鬼殺隊に入るとおもわなかったわ」

 

「いつか、鬼がいなくなった世界で皆で何処か行きたいですね」

 

「そうね~。しのぶも鬼殺隊はやめないけど、あの危ない事は辞めてくれたのはよかったわ。けど……空君はしのぶみたいに危ないことはしないでね?」

 

「…あはは、…少なくとも上弦弐のあの野郎を討ち取るまでは……約束できないですね。まぁ、そいつを倒して俺が生きていたらカナエさんやしのぶにカナヲの晴れ姿や蝶屋敷の皆の成長みたいかなー」

 

「またそういうことを言う……あんまり自分の命を軽く見ないでね?貴方の代わりは誰もいないのだから」

 

「姉さんの言う通りよ。それに、空は昔から無茶だけは得意なのだから」

 

「イヤーそれほどでも」

 

「誉めてない!!」

 

いつのまにか来たしのぶと軽く言い合いながら、カナエさんは笑っていてしのぶは呆れていて俺は微笑んでいた 

 

「(この未来は悪鬼どもに奪われないように俺はいきる!)それよりもなんでカナヲのズボンはスカート?」

 

「あのゲスメガネです」

 

俺の疑問にしのぶは即答したので大体の事情がわかった俺はあきれた顔しながら決めた

 

「わかった。今度あいつ見たらお説教する」

 

「私も手伝うわ~」

 

「決まりね。今度来たら三人であのゲスメガネに話しましょう」

 

俺達はカナヲのスカートの件を何としてでも問い詰めておこうと結束した。まだ俺達の可愛い妹分にあげるほどの良い男はいない!!




ここまで読んでいただきありがとうございます!
これからもよろしくお願いします!!


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39話

俺は現在、お館様の屋敷で過去四年間の動きや情報を報告をしていた。あまねさまもお館様の手助けとしておられていた

 

「ーー以上となります。また。過去の調べで確証はありませんが、鬼舞辻無惨は長年生きていられるが、奴がなにかを探し求めてる可能性があると思います。医者の日記らしきものがあり、そこから書かれてることから分かるのは無惨と思われる男ははるか昔は病弱だったと思われます。しかし、何かしらの要因で鬼となり現在になったらしいです」

 

「……代々言い聞かされていたのと同じ話だ……つまり、無惨は病弱だったなにかを克服をしようと考えてると思われると言うことかい?」

 

「申し訳ありませんが、其処までは私もわかりません。しかし、何しても無惨はお館様の代でなんとしても決着をつけさせねばと思ってます……。それと、あまね様申し訳ございません」

 

「何がですか?」

 

「あまね様が依頼されていたお館様の治療の繋がる方法は見つかりませんでした……」

 

「……そうですか。四年間、探していただきありがとうございます」

 

「はっ!」

 

あまね様の言葉に俺は頭を下げるとお館様は俺にある話題を振ってきた

 

「上弦弐の情報はカナエが無事に帰ってきた時、そして今回の空が戦ったときと全く同じ特徴だったのだね」

 

「はい。鬼殺隊の特有の呼吸が封じられるのは厄介ですが、俺自身拳の呼吸を……最悪は痣を使います」

 

「空……君はそれをどこで……?」

 

「伊達に四年間もお館様の治療を探したり、上弦弐を探していただけではありません。しかし、出現する条件は未だにわかりませんが……恐らくこれは何かしらの重要な手がかりと考えられます」

 

俺がお館様に見つけた話をするとお館様はいつもの優しい雰囲気は変えないもののなにか悲しそうな雰囲気を感じ取れた

 

「赫刀はどうなのかわかりませんが、痣に関しては産屋敷の歴代の記録にかかれていました」

 

「え?!」

 

「条件は詳しくはかかれてませんでしたが、戦国の時代に途切れているようですが痣を発生した場合は………長くは生きられないそうです」

 

「!」

 

あまね様のお言葉に俺は驚いていた。まさか、痣の事に関してはなぜ途切れていたのかは気になるが、これはやはり鬼殺隊に関係していたのか

 

「空、君はそれをどうやって見つけたのだい?」

 

「ある日の夜に俺は鬼を狩るところ、何者かに見られてしまいました。しかし、その者は鬼殺隊の事を知っていました」

 

「……」

 

「俺も信じがたいことですが……はるか昔に亡くなった鬼殺隊の柱と名乗ってました」

 

「「!?」」

 

そう、これは俺が昔鬼殺隊の有益な情報を探していたときに誠に信じがたいがそれははるか昔の鬼殺隊の一員で柱と名乗っていた

 

「その者は………今俺が使っている拳の呼吸の初代であり前任でもある方でした」

 

「拳の呼吸の柱……」

 

「はい。俺が使っている今の日輪拳は初代が始まりだったそうです。だから刀鍛冶も俺の無茶ぶりを答えてくれたと思いますが……拳の呼吸を使っていた初代に様々なことを教えてくれましたが、技に関しては何も教えてくれませんでした」

 

「なるほど……では、君の呼吸ははるか昔の者がいたということだね」

 

「はい。しかし、その者は短命で終えたみたいであまね様の恐らく痣とやらで亡くなったと思われます……」

 

あの初代拳の呼吸を使っていたものはあくまでも拳の荒さを直してくれたり、今足りない面を指摘をしてくれた。新たな呼吸を教えてくれない辺りは自分で考えろと言うことなのか、それとも……

 

「いずれにしても過去は過去のものです。拳の呼吸を使っているのは俺ですし、俺が自分なりに改良したら良いと判断しました。そのときに痣という存在をききました」

 

「わかった。しかし、この件は内密にして良いかね?」

 

「勿論です。お館様にあまね様だからこそ話しました」

 

「うん、またここに来てね……空」

 

「は!」

 

お館様との話を終えて俺は産屋敷の屋敷を抜けて蝶屋敷の方に帰ると炭治郎達が何やら興奮していた

 

「炭治郎と伊之助?」

 

「あ、空さん!お疲れ様です!」

 

「あぁ。少し用があってしのぶ達にもいって離れていたが何かあったのか?」

 

「あ、はい!実は俺達の日輪刀が届いたのです!」

 

日輪刀が?と思いながらも炭治郎と伊之助は何やら興奮していて俺は向こうの方をみるとどうやら炭治郎の知り合いらしく名前を呼んでいたが……

 

「え……?」

 

炭治郎が慌てて避けるとその刀鍛冶……鋼鐵塚さんとやらは怒りのオーラが溜まっていて炭治郎に問い詰めていた

 

「鋼鐵塚さん……?」

 

「貴様ぁぁ………よくも、よくもよくも折ったなぁ!!!俺の刀を!!!」

 

「す、すいません!!でも、相手が強くって!」

 

炭治郎が必死に言うもその人は聞く耳を持たずに必死に包丁を振り回していた。炭治郎が必死に逃げていたがその人も中々速かった

 

「いやはや、あの人ひょっとしたら俺より普通に強くね?」

 

「あいつやべぇぞ……強い……!!」

 

かなり癇癪をおこしていて炭治郎を必死に問い詰めていたのをみて俺と伊之助は震えていた。なんか、あの人は気が難しいのだな……

 




ここまで読んでいただきありがとうございます!次回もよろしくお願いします!


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40話

蝶屋敷のある場所で俺は二人の刀鍛冶と今回刀をもらい受ける炭治郎と伊之助とともに移動してその部屋で対峙していた

 

「蝶屋敷に空殿がいると聞いたのですが貴方ですか?」

 

「ん、貴方が俺の日輪拳等を担当してくれたのですか?」

 

「いえいえ、里の長が担当してくれました。前任の方が亡くなっていて困っていたところ長がやってくれましたので……この後お渡しますね」

 

「ありがとうございます。それと……伊之助の件ですが……」

 

俺は小さい声で伊之助の刀を聞いてみると、その穏やかな口調でから少し荒い口調に変わっていた

 

「はい、貴方が事前に刀の事を鴉で教えてくれたお陰でなんとかできましたよ……担当は私でしたが……正直ぶっ殺してやろうかと思いましたがね……!!」

 

「(よかった!!本当によかった!!事前に伊之助に刀の刃こぼれ酷いからきいてよかった!)あ、ありがとうございます……!」

 

「(空さんが本当に焦っている匂いがするぞ?それに凄く冷や汗をかいてる)あの鋼鐵塚さん聞いても……」

 

「……コロシテヤル……コロシテヤル」

 

「こわ!?すいません、何でもないです……」

 

「……」

 

炭治郎が鋼鐵塚さんと面識あるらしいが、もはや、かなり炭治郎に対して殺意わいてるし恐ろしいよな……あれならば鬼を倒せそうで怖いな

 

「伊之助、今回お前の刀を担当してくれた人がいる」

 

「おぉ!!本当か!?」

 

「はい。あ、私は伊之助殿の刀を打たせてもらった鉄穴森と申します」

 

鉄穴森さんが、二本の刀を伊之助に渡すと伊之助はそれを持つと刀の色が出てきた。そして、伊之助は満足そうに刀をみて嬉しそうに言った

 

「おぉ、まさに俺好みの刀じゃねぇか!?やるじゃねぇか、おっさん!」

 

「はは、伊之助殿が気に入ってよかったですが……私はまだおっさんと言われる年じゃないですよ……!」

 

「お、おう……」

 

お、おう……あそこの鋼鐵塚さんもそうだけど、鉄穴森さんも刀への愛が深いな……!すると、鉄穴森さんが思い出したように俺に手袋を渡してきた

 

「そういえば、後で渡すといってましたね。長が作ってくれた日輪拳です。靴も作り手と協力して以前より頑丈に出来てますので、以前よりも更に戦えるでしょう」

 

「いや本当にありがとうございます……おや、なぜ俺の手袋に柱だけの書かれるのがあるのですか?」

 

悪鬼滅殺……それは柱のみ刻まれていて、鬼殺隊の信念とも言える意匠だ

 

「はい、実はお館様からの頼みで書きました。因みにこれもよければ」

 

「これは刀ですか………?」

 

「正確には小刀ですが、これは我々の失敗したのをまとめて作りました。使い捨てにするにしても……くれぐれも大事にしてくださいね?」

 

「分かってます」

 

俺は手袋をつけると手袋の色が鮮やかな赤黒になっていた。ちなみに小刀は納刀して右手前の方においていた

 

「おや、その色は………?」

 

「俺の色と似ている?」

 

「いや、炭治郎のとは少し違うな。どちらかというと……赤の方が強いな」

 

「しかし、二色に混ざる色は初めて見ましたよ」

 

「赤!赤は縁起いいというが、なんで黒もあるんだ!?」

 

改めて俺の拳の呼吸は……

壱ノ型 波動 

弐ノ型 裂散 

参ノ型 獅子落とし 

肆ノ型 炎天

伍ノ型 迅速撃

 

「肆の型が関係するかもなー……昔、とある人とこんな技で来たら良いと開発したせいか?」

 

俺がそういうと炭治郎達はその肆の型を見せろとせがんできたので俺は少しだけだぞと話して庭にたった。因みに蝶屋敷の全員がその肆の型が何なのか気になり見ると勢揃いだった

 

「なんで、肆の型を見せるだけで??」

 

「良いじゃないですか?可愛い後輩のためと思って見せてあげるのも教えのひとつですよ」

 

「そうそう」

 

「……まぁいいや。アオイ、この岩を砕いても文句ないか?」

 

「え?!わ、私に聞かれても……「良いわよー」カナエ様!?」

 

カナエさんの許可をもらい俺は久々の武器を手にして、感触を確かめて靴の重みも感じて問題ないと感じた俺は目を閉じた

 

「目を閉じた?」

 

「(肆の型は構えないの??)」

 

「全集中拳の呼吸……肆の型」

 

「!?」

 

「ぎゃぁぁ!?あの人の手足燃えてない!?ねぇ、燃えてない!?」

 

俺は全身に意識を張り積めると手足が熱くなるのを感じて、肆の型ができると感じた

 

「炎天!!!」

 

俺は岩に右左と連続で拳を振るい、ある程度脆くなってきたので、最後は飛んで回しけりをすると岩が見事に砕けた

 

「……ふぅ……」

 

俺は呼吸を落ち着かせると肆の型で出ていた俺の手足の火が収まった

 

「え?!どういう原理でできてるのそれ?」

 

「善逸、それを言うたらなんで水の呼吸とか水が発生するとか説明できるか?」

 

「た、確かに……」

 

「伊之助は納得するなよ!?」

 

善逸は騒いでいて、伊之助は俺の話しに納得していた。そんな中、鉄穴森さんが手をあげて聞いていた

 

「つまるところ、今の見る限り炎の呼吸と似ていますが……」

 

「まぁ、そうかもしれませんね。だが、花の呼吸は元は水から派生させているようにこれも何かに派生させた拳の呼吸だと思えば良いです」

 

「むむ、なんか納得いきませんが良いでしょう。では、私たちは帰りますので」

 

鉄穴森さん達が帰るとなると炭治郎と伊之助と見送るために一緒に出ていった。善逸は病室に戻り安静していて、アオイ達はそれぞれの仕事へと戻った

 

「あらためてみると空君の呼吸は不思議よね~」

 

「そうね。どうして刀を使わないのよ?私たちがあったときには既に拳の呼吸でしたからね」

 

「………」

 

「言わないとダメ?」

 

「「勿論」」

 

カナエさんとしのぶは即答でカナヲは興味津々にそれを見ていた。俺はため息をつきながら誤魔化せばしのぶに注射されるので白状した

 

「…できれば言いたくなかったな。自分の黒歴史だから隠したいのだがな…………カナエさん達が鬼殺隊入る前の事でな、俺は鬼によって腕をやられたんだよ」

 

「え?初耳だよ!?」

 

「言ってないからな。で、鬼は討ち取るとも剣が握れずになったが俺は鬼殺隊としてやめるつもりはなく、刀鍛冶たちに拳とかを使える日輪拳をつくってほしいというのが始まりだ」

 

「刀は握れないが、拳とか足で戦うことで今の空君があるということなのね……正座しなさい」

 

カナエさんがにこやかに畳の場所をさして正座しなさいと要求していて俺は怯えていた。この口調はまさか………!?

 

「カナヲ、少し出ましょう」

 

しのぶはカナヲとともにこの部屋に出ていき残っていたのは俺とカナエさんだがしのぶは止めるどころが出ていきやがった!?

 

「あの……もしかってカナエさん、怒ってないですか」

 

「当たり前です!!なんでそうまでして鬼殺隊をやめなかったのですか?」

 

「それは………」

 

「嘘偽りな答えなさい……鬼殺隊甲の夛田空」

 

「………辞めるわけにはいかなかった。隠になってもしのぶやカナエさんが……まだ見ない鬼によって奪われる人たちのためにも俺は諦めれなかった……」

 

「………」

 

「それ以前に俺は……いや、……俺が鬼殺隊を辞めればカナエさん達の幸せを脅かされると考えたから鬼殺隊を辞めなかった」

 

そう、あの頃の俺は刀を握れなくっても鬼を殺すためならどんな無茶でもできるようになると決めていたから拳の呼吸を生み出した

 

「たとえ、どんなに痛い目を合おうがどんなに苦しい思いをするとしても……その気持ちは偽りなく鍛えてきた」

 

「そう……でも今は私もしのぶもここにいる。その今の思いは?」

 

「今の思いは少しだけ変わったな…………。それは……カナヲや蝶屋敷の子達…カナエさんやしのぶ……下の者が幸せに暮らせるように俺は戦うことだ」

 

俺はカナエさんの威圧感や言葉に冷や汗をかくも俺は自分が思うことをはっきりと言うとカナエさんはじっと見据えていたが

 

「うん、合格~」

 

突然カナエさんが笑顔で拍手するように手を叩いて俺は戸惑っていた。すると、カナエさんが怒る雰囲気もなく普段の雰囲気で話してきた

 

「カナエさん?」

 

「ごめんね、少しだけ空君の覚悟を確かめたかったの。空君はしのぶ以上に無茶をするからね」

 

「いやいや、カナエさんや。しのぶは俺よりも無茶をするから?この間の件もだけど、昔なんて力がないのにーー「その話をするなぁぁぁ!」ぐぼぉぉーん!?」

 

俺はカナエさんに昔、しのぶが力ないのに俺の重いやつを運ぼうとすると全然持ち上げれなく悔しがっていた話をしょうとしたらいつの間にかしのぶが飛んできて飛びけりをしてきた

 

「姉さんに何を話そうとしたのですか!?この馬鹿!」

 

「昔のことをーー「…空……注射されたいのですか?」ーー……すいませんでした」

 

俺はきれいにしのぶに土下座をするとしのぶは注射をなおしていた。そして、カナヲと俺としのぶとカナエさんは穏やかにお互いを見つめあって笑っていた。ただし、カナヲは表情は微笑みながらであったがな……

 




ここまで読んでいただきありがとうございます!
次回もよろしくお願いします!!


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41話

現在、しのぶに受診をしてもらっている炭治郎を俺とカナエさんと共に見ていた。元々は俺はそこにいかない予定だったが、しのぶが炭治郎の受診前に傷を見せろと言われたので見せたら怒られました……

 

「ぐ、密かに修行していたのをばれるとは」

 

「バレバレです。次隠したら問答無用に注射よ」

 

「少しした怪我でも隠さずに私達に見せなさい」

 

しのぶとカナエさんにこういう怪我したらキチンと受診をすることを約束した。そして、健在は炭治郎が患者としてしのぶに診断されていた

 

「はい、あーん」

 

「あーん」

 

「はい、大丈夫ですね。顎も治っているようですし任務に参加して良いですよ」

 

「本当ですか!」

 

しのぶの言葉に炭治郎が嬉しそうに笑っていた。後ろではカナエさんが炭治郎の状態を書いていて退院許可っと紙に書いていた

 

「カナエさん、その退院許可は?」

 

「ふふ、勝手に蝶屋敷に抜ける子がいたら困るからこうして書いてるの。空君はいつでも任務でて良いけどお館様の頼みもあったから退院許可は言わなかったのよ」

 

「……お館様……」

 

俺はお館様に行動を見透かされていて頭を抱えていた。まさか、先の先まで読まれていたら行動は起こせない……

 

「あ、そうだ。皆さんに聞きたいですけどいいですか?」

 

「「「?」」」

 

「ヒノミカ神楽って言うのは聞いたことありますか?」

 

「ありません。姉さんは?」

 

「ないわねー」

 

「俺もないな」

 

俺たちの回答に炭治郎は「え?!」と叫んでいたが俺たちは本当にその呼吸は聞いたことがないな

 

「え!?じゃあ……日の呼吸は」

 

「ありません」

 

「ないな」

 

「ごめんなさいね、ないわ」

 

「えぇ?!?あの実は俺の子供の頃の話なんでけど………」

 

「「「ふむふむふむ………」」」

 

炭治郎の話によると以前の戦いで日の呼吸とやらを使っていた事となぜか 炭治郎のお父さんは日の呼吸を使っていたという話だ

 

「なるほどな、炭治郎のお父さんが日の呼吸を使っていたと言う話しか……」

 

「日の呼吸を使っている人を聞けば良いと思ったが、各地旅に出ていた空ですら知らないとなると……ここは炎柱の煉獄さんなら何か知ってるかもしれませんね」

 

「彼は物知りだからもしかったら竈門君の答えも見つかるかもね。よし、お姉さん達が鴉を通じて伝えとくわ」

 

「あ、ありがとうございます!」

 

炭治郎のお礼に俺達はにこやかに見ていた。俺は炭治郎に思い出したようにあることを話した

 

「あの人は今は無限列車というところに乗っているから会えるかもな」

 

「え?!なんで知ってるのですか!?」

 

「鴉を通じてやり取りをしててな。炭治郎、先に言うがあの人は本当に声でかいのが特徴だからすぐにわかる」

 

「は、はい………」

 

「まぁ、柱会合で色々と言われたみたいだが、根気よく話してみろ。話してみるとしのぶみたいにいい人かもしれないからな」

 

俺は炭治郎の肩叩き笑顔で話していた。炭治郎は柱会合でのことを思い出してなんとも言えない感じが出ていたがそれは仕方がない

 

「では失礼します!」

 

炭治郎が医務室に出ていき俺は炭治郎が出ていくときに俺も出る用意していた

 

「炭治郎君三人は明日が退院みたいだけど空君はどうするの?」

 

「あいつらの指導も一時的に終わったことだし、俺は少しだけお館様に気になる情報があったので今から出ていかないとダメだな」

 

「どういうこと?なにか問題が?」

 

俺はお館様から聞いたある情報を話すか悩むべきで、俺は隠しては怒られると思い話していた

 

「少し前に何人かが何者かと戦いで殺られて死亡しているらしい。甲や下の階級は柱に近い位置であるがそれらがやられていることから恐らくは……」

 

「上弦か十二血鬼の可能性が……?」

 

俺の言葉にカナエさんは震えるように聞いてきて俺は頷いていた。しのぶはいつになく真面目な顔で聞いてきた

 

「私も手伝うわ」

 

「ダメだ。今回の甲が何人もやられてる事から少なくとも俺が動いた方がいいと思う。柱がおいそれと動いてはいけないな」

 

「でも!それでもしもあいつなら……今度こそ空は死ぬかもしれないのよ!?」

 

「大丈夫だ。そう簡単に死ぬわけないだろ?それ以前に今回場所が場所だ」

 

俺は地図を取り出して見せるとしのぶたちも微妙な顔になっていた

 

「これだけの広範囲に鬼殺隊の被害を出ていたら、流石に気にかけないとダメだからな。上弦にしては足がつくのもまた気になるがな」

 

「…うーん…今回ばかりは嫌な予感がしますよ?流石にあなただけでそこにいくのは……」

 

「下弦ならまだしも上弦はこの百年誰一人も討ち取れてない……その中の一人があの野郎だ。だが、今もこうしてる間に仲間が殺されてるとなると相当な手練れだな」

 

俺はあのムカつく人の神経を逆撫でする男を思い出して怒りがわき仕方がない。いずれにしても上弦となれば、炭治郎達に害が及ぶ可能性ある

 

「なにしても、こればかりは俺がいくよ。ま、案外雑魚な鬼ならすぐに終わるかもしれんからな」

 

俺はしのぶ達にそう話すとカナエさんが医務室の奥から俺の黒の羽織を俺に渡してきた

 

「!カナエさん、しのぶ……」

 

「これはこの蝶屋敷の入院に来たときにしのぶと私とで縫い直したの。……行くのでしょ?」

 

「えぇ」

 

「……わかったわ。けれど、空!勝手に死ぬのは承知しないわよ!」

 

しのぶとカナエさんの心配そうな顔に俺は苦笑いしながら返事して俺はもうひとつ気になることがあった

 

「炭治郎達はいつ?」

 

「明日に改めて任務出るそうよ……。三人がいなくなるのは寂しいけど」

 

「……まぁ、鬼殺隊をやっている以上は仕方がないだろ?ま、俺はとにかくはこの辺りを調べる事が第一優先で動くよ」

 

俺はこの辺り地帯でいったい何が起きているのか少し調べないといけないと思い、覚悟していた

 

さて、鬼殺隊をやったのはただの鬼か?下弦か?それとも………上弦たちなのか?いずれにしても久々の実践だ




ここまで読んでいただきありがとうございます!
Lisaの新曲「炎」いいですね!そして、映画館も満席……すごいなぁ……
これからもよろしくお願いします!!


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42話

俺は蝶屋敷を出るときに伊之助や善逸に励ましの言葉を言ってアオイやカナヲは表情こそ変えないものの何やら言いたそうに心配そうな顔をしていたが、俺は安心させるように頭を撫でてから動いた

 

「空さん!」

 

俺は蝶屋敷の前でいつでも全速力て飛ばして、走れるように体を伸ばしてると炭治郎が慌てて俺を呼び掛けてきた

 

「ん、炭治郎か」

 

「もう……任務いかれるのですか?」

 

「あぁ、お前達より早く動くことになったが、場所が場所でな………。炭治郎達は明日出発か?」

 

「いえ、今日にも出ろと言われてもいけます!!」

 

「そうか。まぁ、また今度会うときは任務になるのかだな」

 

俺は炭治郎の肩をポンとして、炭治郎にこれからのことを話していた

 

「いいか、炭治郎が思っている以上に鬼殺隊は鬼を憎んでいる。そんな中、お前は妹と共に行動するにしても必ず守れ」

 

「え?」

 

「柱やお館様、蝶屋敷の子達はその存在を知ってるが、なにも知らない隊員は問答無用で攻撃してくる。だからこそ、俺は心配だ」

 

なにも知らない隊員が炭治郎の妹の存在を知って攻撃しないかそれとも殺されないか俺は心配だ

 

「大丈夫です!!必ず守って見せます!」

 

「……炭治郎」

 

「はい?」

 

「とりあえずは少しの間だけ俺を守っといてくれ。じゃあ!」

 

「え?!」

 

俺は炭治郎にそれを言うと俺は全速力で駆け抜けていった。その数分後、炭治郎はしのぶ達がにこやかに怒っているのに巻き込まれたとかなかったとか

 

「(黒の和服はありがたく着ているし、忘れ物があるわけではないが実は俺…)…蝶屋敷の汚い方の包帯をこっそり持っていたのをばれたからな~。しのぶたち絶対に持ち出したことに怒ってそう」

 

衛生面とかすごく怒るから、怖いのだよな~。昔しのぶは手を生えた生き物はダメだと言うと俺は本当か少しやったらボコボコにされた

 

「しかしまぁ……謎の隊員達の連続死……まるであるく災害にであったかのように次々と荒れた場所か……」

 

俺はあの人が今いる場所とは少し別の場所にそういう問題があるのは気がかりだった。走りながらそんなことを考えてると鴉が俺に話してきた

 

「久々ノ任務!!鈍ッテナイカ!」

 

「当たり前だ。鴉、今回の任務で鬼の特徴は何か掴んでるのか?」

 

「何モツカンデナイ!掴ンデイルノ山ノ中デノ被害!!」

 

「何も掴んでないって……本当にこれ上弦なら勘弁してくれ。しかし……上弦にしては簡単に足がついてるのは気になる……。挑発か或いは……それに上弦にしてはこんなに頻繁に動くものか?」

 

俺は全速力でその荒れていた場所の方に駆け抜けていた。この四年間でかなり足腰鍛えたから、それなりに他の柱とも変わらないくらい足が速いと思う

 

「だが、上弦となれば……まさかと思うが炭治郎の命を狙う可能性があるな」

 

「例ノ件?」

 

「あぁ、俺もしのぶから聞いてカナエさんと共に驚いた」

 

そう、しのぶから聞いたのは炭治郎は無惨と遭遇していたこと。そして、長年足を見せなかった無惨が見つかったことで炭治郎の命を狙う可能性は高まったが、あいつは大丈夫!

 

「問題は炭治郎の妹だ。何やら無惨の呪いが外れているらしいからな」

 

「カァカァ!目的地マデアト少シ!」

 

「ま、それはいま考えてる場合じゃないな……。とりあえずは日が出ているうちに調査をするか」

 

俺は鍛えられていた足でかなり遠いところまで走っていたが、同時になぜ鬼殺隊の隊員がこれだけやれてるのか気がかりなのか気になることだ

 

「まさか、本当に隊員の質が落ちて大したことない鬼にやられいたら……それこそ笑えねぇな」

 

俺はそんな気持ちを抱え込みながら現場へと急行していた。何かに恐怖を感じとりながら……俺は走っていた

 

 

 

炭治郎side

俺は空さんが蝶屋敷を後にして少ししてからカナエさん達が出てきた

 

「竈門君、空は知りませんか?」

 

「空さんですか?もう任務にいきましたけど……」

 

「そうですか……全く、あの空は……!」

 

しのぶさんが笑顔でシュ、シュ!シュ!!としていた。なにやら呆れたり心配したりの匂いだ

 

「空君は包帯を持っていったの」

 

「え?それが何か問題があるのですか?」

 

「空はあまり衛生面が悪い包帯を持っていったのです。私がこっそり処分しょうとしていたのに持っていきましたね。万が一怪我した場合どんな菌が入るのわからないのに……」

 

「それ以前に空君はこれから挑む任務が柱でも行かないといけないかもしれない任務なのに私たちに黙っていくなんて……お仕置きね。フフフ……」

 

しのぶさんやカナエさんの言葉に俺は空さんが帰ってきたときに果たして大丈夫なのか心配になってきた

 

「まぁ。それよりも竈門君は準備しなくっていいの?なほ達が瓢箪を用意してくれてるわよ」

 

「は、はい!!」

 

俺はカナエさんの言葉を聞いてなほちゃん達が瓢箪準備してくれてるのなら急がないと!

 

「「竈門君」」

 

「はい」

 

「「私達は期待してますからね」」

 

「………はい!」

 

俺はカナエさんやしのぶさんの言葉の意味を知ってるからこそ、俺は必ずこのお二人の気持ちを約束を守る!




ここまで読んでいただきありがとうございます!次回もよろしくお願いします!!


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43話

俺は昨日蝶屋敷を出ていったその日は休むことなく、走り抜けていったが、調査の成果はなかった。そして、翌日も同様に少し離れた場所で朝から調査すると日は暗くなっていた。そして俺は鴉に案内された現場に駆け込むと、案内された場所は森のなかだが、唖然としていた……

 

「至るところに血まみれ……鴉、ここであってるのか?」

 

「マチガイナイ!マチガイナイ!」

 

「………」

 

俺は地面にしゃがむと、戦闘の後があり、ここではつい最近戦闘があったみたいだ。それ以前にここら辺だけではなく、ずいぶん先にも死体があるか……

 

「隠も殺されてるとなると……ただの人間がやるにしては酷いな」

 

「隠モヤラレテイタ?」

 

「あぁ、少し先に隠のマスクらしきの落ちていることから何かしらに巻き込まれたのか………処理してるときに殺されたのかだな」

 

隠がそんなに何もできないで死ぬとはあり得ないし、何者かが手引きしたのかあるいは……運悪く手に終えない鬼が出て鬼殺隊隊員も隠もやられたのか……

 

「いずれにしても、殺されたと言う事実はあるわけだな。鴉は、上から見て鬼らしきのは見当たらないか?」

 

「……ナイ!」

 

「…むぅ…ひとまず今日も長い夜になりそうだな」

 

これではどんな鬼にやられたのかも分からないが確実に言えるのは並みの鬼でない可能性が高いな

 

「鴉、しばらく先を歩くからお前はばれないように迂回しろ。あるいは、何か異常を感じたらすぐに俺に言ってそこからお館様に今回の真相の連絡を」

 

「承知!!」

 

俺は鴉に指示出すと鴉は空高く飛んでいた。俺は己の日輪拳を着けて足の動きを確かめて速足で走り抜けていた

 

「上弦は弐だけしか俺は知らない。しかし、これだけ最近の隊員の返り討ちらしき話を聞くとまず弐の可能性は低いのだが……」

 

女性が関わっていたり失踪してるなら、あの上弦弐だと考えられるが、その可能性は低いし、下弦かもしれない。しかし、お館様ですらわからないのなら調べるしかない

 

「………」

 

俺はしばらく駆け抜けていくとさっきよりもどんどん大きい後が出ていた

 

「酷いなこれは……む?」

 

俺は奥から何が出てくるか構えていると出てきたのは動物だった

 

「なんだどうぶつか……動物!?」

 

俺は二度見してみるとその動物は人間より遥かにでかく、その動物は……

 

「熊だと……!?まさか隠や鬼殺隊がやられたのは熊だというのか!?」

 

「ごぁぁぁぁ!!」

 

「っと!!」

 

俺は熊の爪の攻撃に直撃しないように後ろに下がると熊の爪は地面に食い込んでいた。だが、熊の様子が明らかにおかしい

 

「(理性が元々無いのか……それとも)まずは確かめないとな……拳の呼吸壱ノ型!!」

 

「ごぁぁぁぁ!!」

 

熊が俺に向かって突撃してきたが俺は慌てることなく落ち着いていた

 

「(悪いな……俺はその程度の突撃で当たってやれるほど……)」

 

「ごぁぁぁ!」

 

「(ねえんだよ!)波動!!」

 

熊のお腹に俺は右手で思い切り波動を放すと熊はまともに直撃してダウンをしていた

 

「……この程度の技で倒れた……?ん?」

 

俺は倒れた熊の口を見ると人間の血ではなく、何て言うか禍々しい感じと言うか……

 

「………まさかと思うが………鬼を食べた?」

 

だとしたらどうやって鬼を食べた?あるいは鬼の血を舐めてしまって最悪な獣になった?いずれにしても分からなさすぎる

 

「…!…おいおい……冗談じゃねえよ……」

 

俺は冷や汗をかきながら枝かなにかが割れる音に振り向くと3頭の巨体な動物が集まっていた

 

「「「…グガゴォォ……」」」

 

「動物どもが理性なくしてもここに集まるなんて最悪の夜の始まりかよ……しかも、普通の動物でも餌がないと凶暴化するし……はぁ……仕方ない」

 

俺は首をこき下ろして目の前の倒した熊も立ち上がりどうやら止めるのは不可能だと判断した俺は構えた

 

どうやらこりゃあ……復帰には良い肩慣らしだな!

 

 

炭治郎side

俺は現在、善逸と伊之助とで無限列車とか言う電車に乗るとそこには

 

「うまい、うまい!!!」

 

大きな声で弁当を食べている声を聞こえたのでそこにいくと柱会合の時にいた人だった。って言うか、空さんがいっていた声がでかい人が炎柱煉獄杏寿郎さん

 

「あの、あなたが炎柱煉獄杏寿郎さんですよね?」

 

「む、君は確か柱会合の時にいた……」

 

「は、はじめまして!竈門炭治郎です!あの、少しお聞きしたいことが……」

 

俺は炎柱煉獄杏寿郎さんにヒノミカ神楽の話をしてしのぶさんや空さんが煉獄さんなら知ってるのではないかと言われたので聞いてみた

 

「うむ……うむ!なるほど!だが知らん!!ヒノミカ神楽というのは初耳だ!君の父がやっていた神楽を戦いに応用できたのは実にめでたいがこの話は此で終いだ!」

 

「え!?あの……」

 

「そもそも炎と水はどの時代にも必ず柱になっていた!!炎、水、風、岩、雷が基本の呼吸だ!他の呼吸はそれから枝分かれしたもの!」

 

「(空さんが教えてくれたことと全く同じだ!)」

 

煉獄さんが呼吸の事を教えてくれたが、空さんと同じことを教えてくれてた。すると、煉獄さんかなにかに気づいて教えてくれたが

 

「む?君達は全集中・常中をしているのか?」

 

「は、はい!空さん達に教えてもらいました!」

 

「おぉ、空か!彼は元気か?!」

 

煉獄さんが空さんの名前出すと嬉しそうに声を弾ましていた。煉獄さんからの匂いはものすごく嬉しそうな匂いがする

 

「煉獄さんは空さんを知ってるのですか?」

 

「うむ!むしろ、空の事を柱で知ってるのは胡蝶達を除くと水柱、風柱、岩柱、蛇柱、そして音柱と恋柱だ!」

 

「え?!それ、ほぼ知ってると言うことですよね!?」

 

「うむ!しかし、空が柱を断ったのは驚いた!!」

 

そういえば、空さんは守る資格がないから柱になるのを辞めたと言っていたな。すると、煉獄さんは驚くことをいっていた

 

「一時的裏切りの扱いをされていたからな!」

 

「え!?それどういうこと!?」

 

「当時空はある隊員を裏切りの行為として粛清していたのだが、それを知らなかった他の隊員が空は鬼を手引きしていたと噂が流されていた!」

 

「知らなかった……」

 

「あまり彼もそういうのは良い思いではないからな!その件もあり彼は柱を断ったのが真実だ!!しかし、当時の柱も含めてそれはないと否定して何とか疑心暗鬼も終えたかと思った矢先に彼はいなくなった!!」

 

それもなんか聞いたことがあるけど本当は失踪した理由はなんなのだろう?でもそれは本人に聞いて良いからさ

 

「この話はおしまいだ!俺のところで鍛えてあげよう!もう安心だ!」

 

面倒見の良い人だ……!ても無事にこの任務を終えたら空さんに本当の話を聞かないと……でも会えるかな………?

 

 

 

 

 

空side

皆さん今晩は、今夜も美味しいご飯を食べて美味しいお酒を飲んで、きっと楽しい夜でしょうね。え、そういうお前はどうなんだって……それはな?

 

「うぉあらぁあ!!!」

 

「ぐびやぁ!?」

 

俺は現在鬼の血でなめてしまったから暴れていると思われる動物達を倒していた

 

「あぁ、もう!伊之助のせいで動物が人に見えてしまったじゃねぇか!!なんか、殺しにくい!」

 

「ゴガァァ!!」

 

「喧しいわ!!うぉらぁ!!!」

 

「グボァ!!?」

 

俺は両手で熊の頭を押さえながら後ろから襲いかかってきた熊に回し蹴りで蹴っ飛ばした

 

「あぁ、くそ!無駄に多すぎる!」

 

「「「グギュルルル……」」」

 

「殺せば良いのか悩み処だし、まるで動物が伊之助がいるようで殺しにくい!くそ、殺したらかわいそうに感じる!あんまり使いたくないけど仕方ねぇ!拳の呼吸……」

 

「「「グギュァァァ!!!!」」」

 

「参の型獅子落とし!!!」

 

俺は地面に思い切り踵でふるい落としたら亀裂が走り動物どもの足が止まり俺は目の前の一体にすぐに駆け寄った

 

「拳の呼吸……壱の型改!」

 

壱の型は基本片手だが壱の型改は両手でやる攻撃であり、これは蝶屋敷でもう一度改良した技だ

 

「両波動!!」

 

「グギャァァ!?!」

 

見事に熊が俺の拳の呼吸壱の型改が熊の体に通じて後ろによろけていた

 

「!!!」

 

「っと!!」

 

他の動物達が襲いかかってきたので俺は全速力で逃げてたいた。あんな動物がなぜ興奮状態になっているのかはわからねぇが……

 

「倒しても倒しても立ち上がるとか……動物こわっ!?」

 

「「「「ゥッゥゥ」」」」

 

「しのぶをここに連れてこなくってよかった……」

 

思い出すのは幼馴染みのしのぶが本当に毛がついていた動物がダメで特に猫は本当に過剰な反応をしていたのを俺は覚えている。猫を見て慌てると俺の右腕を思い切りつかんで突きだして俺の腕を痛めたの覚えてる

 

「いまこれを見たら………」

 

「「「……」」」

 

「問答無用に刀を突き出しそう。このままではじり貧だし……な。ん?」

 

俺はなにか音が聞こえると思い耳を済ませると遠くに離れた所で音が聞こえた。うまいことをいけば逃げ道はあるけどそれは最後の手段だな

 

「まぁ、やるしかねぇか」

 

俺はその音を聴き、半分はあれをやる根性と半分はあれを成功するか心配する精神的な気持ちだ

 

「さぁ……夜はまだ長いんだから遊ぼうぜ……!」

 

俺はこんな恐ろしい状況でも何でか無性に楽しくなってきた。さぁ、少しだけ苦しいかもしれないが楽しもう……人間と動物のじゃれこみの時間だ!




ここまで読んでいただきありがとうございます!次回もよろしくお願いします!!


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44話

鬼殺隊の隊員や隠が鬼によってやられるのならまだしもこんな動物達にやられたとあっては死んでも死にきれないよな……

 

「だからな……」

 

「「「?」」」

 

「お前ら3頭は本音を言えば殺したくないが、鬼殺隊として鬼の血をなめているとなれば最悪人を食い殺して世の中を混乱させかねない。だから少し本気で潰す…」

 

俺は全集中の呼吸をしてこれから起こす行動はどこまでこいつらに通用するかが気になる。こいつらは鬼よりも首が切りにくい……ならば、自然と言うのをうまいこと利用する手が一番だ

 

「だから、まずは拳の呼吸……」

 

「「「ガァァォ!!」」」

 

「弐の型の改!裂散切りィィ!!」

 

「「「?」」」

 

俺は勢いよく手刀で木の方に勢いよく振るうと斬擊のように木の方に飛んでいくと動物は戸惑っていた。だが、すぐに気にすることなくこちらに走ってきたがそれは計算通りだ

 

「伊達にこの一月は蝶屋敷であいつらを指導してるだけじゃねぇのでね…」

 

「「「「!?」」」」

 

「落ちろ………」

 

俺の言葉と共に木が落ちて、動物達に直撃した。可愛そうなことをしたが、少なくも狂暴になった獣を止めるのにはこれしかないからな………

 

「鬼なら耐えていると思ったが…普通の動物だったか……。すまないが、安らかに眠ってくれよ……さて、もう少し奥に歩くか」

 

「ーーー!」

 

「!?」

 

俺はなにかさっきを感じて慌てて回避をすると俺は目を見開いた。さっきまでの動物達がどういう原理か、血が溢れていた動物達が溶けていき、やがてまとまり出てきたのは……

 

「なんだと……?!」

 

「ーーー」

 

「おいおい、何なんだ……そんな生物は見たことがないぞ……」

 

「ふふ、君相手ならこいつも本気で楽しめるだろうさ。僕の作り上げた生物を……ね」

 

「!誰だ!!」

 

俺は声した方向に見るとその木の上には筆やらを持っていて立っていたがこいつはただの鬼ではない!!!

 

「何者だ……!」

 

「僕の名前は君に語ってあげる価値はない。でも何者と言うならそうだね………いまで言う元十二血鬼の伍だよ」

 

「元だと……!?」

 

「ふふ、遥か昔に僕は入れ替わりの血戦で負けたものさ」

 

入れ替わりの血戦?どう言うことだ?そんなのが鬼であるものなのか?

  

「(たしか、上弦は百年あまり討伐されていないときく。遥か昔なら下弦扱いになってないことからつまり、当時は下弦はなかった……ということは上弦の力がある事を考えるのが妥当か?)」

 

「ふふ、まぁそんな昔のことは終わりだ。僕はこうして鬼殺隊を殺して殺しまくって!再びあのお方の力になるのだから!」

 

「……不味いな……どうやら飛んでもない頭おかしい鬼に遭遇したな」

 

軽い任務のはずがもし本当にこいつが元十二鬼月と言うことなら油断できないな。しかも元とはいえ……油断すればやられるな……

 

「君の拳の呼吸とやらは面白そうだ!そういえば、昔とても芸術的な面白い呼吸の見つけたな」

 

「ん?」

 

「花の呼吸って珍しい蝶の髪飾りをつけていた女の子三人いたな~。いずれも僕に負けて食べたけど」

 

「……………は……………?」

 

俺はその言葉を聞いて何をいってるのかわからないがいま俺の聞き間違えではなかったらこいつは………

 

「今なんていった?」

 

「だから、花の呼吸って使う珍しい女の子三人を殺したんだよ。ほらここに蝶の飾りがあるから持ってるのさ!」

 

「そうか……お前が……あの子達の殺した鬼か」

 

「うん?」

 

「どうやら俺は殺さないといけない鬼はもう一人……目の前にいたみたいだな……」

 

俺は拳を強く握って目の前の悪鬼を見据えていた。こいつが……こういう奴等がいるから……アイツらが……あの子たちが悲しい思いをするのだから……

 

「俺がこの手でお前を殺してやるよ………!!!悪鬼!!!」

 

「ふふ、僕を殺せると思わないことだね……僕のかわいい動物達と共に君を殺すよ!」

 

「ーーー」

 

あいつの筆はおそらく血鬼術で書くことでなにか出てくるのかもしれないが……相手に不足はねぇ!

 

「あの子達の悔しさを俺が果たしてやる……こい!」

 

俺の言葉を皮切りにそいつらは攻撃しかけてきた……

 

夜はまだ……始まったばかり……

 




ここまで読んでいただきありがとうございます!次回もよろしくお願いします!


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45話

しのぶside

私はある仏壇で手を合わせていた。そこに眠るのは姉さんや私の継子……カナヲやアオイの姉弟子達が眠る墓だ

 

「しのぶ、まだ起きていたの?」

 

「姉さん。カナヲは任務?」

 

「えぇ」

 

そういいながら姉さんも私の隣に座って仏壇で手を合わせていた。姉さんも私も継子を亡くして辛かった。私は日に日に鬼に対する嫌悪感と怒りが強くなっていて辛い……

 

「……うーん…竈門君達は今頃煉獄さんと合流できてるできてるかな………」

 

「しのぶ、あの子達の事気に入ったのね」

 

「えぇ。特に竈門君は良い子ですから気に入りましたね」

 

「?!」

 

え、なんで姉さんの質問に即答したのにこんなに驚かれないとダメなの?

 

「しのぶ、大人になったわねー……えい!」

 

「ね、姉さん!?」

 

「昔のしのぶったら、そんな質問してもすぐに否定するのに、今はきちんと聞いてくれるなんて姉さん、しのぶの成長が嬉しいわ~!」

 

姉さんは嬉しそうに私を抱き締めて昔の私なら照れて怒っていたが、今はこの温もりも愛おしい……それもあの頃を思うと余計にこの温もりは大切にしたい

 

「もう……」

 

私は呆れながらも姉さんの温もりに嬉しさは隠せなかった。そして、姉さんは仏壇の方を見ながら私に聞いてきた

 

「しのぶ、どうして仏壇の方に?」

 

「カナヲ以外の継子を……最近は任務でなかなかやっていなかったからどうしてもしたくなったの」

 

「………不安?空君や竈門君達の事が」

 

「うぅん。空はあぁ見えても四年間一人で戦っていたから大丈夫だと思うけど……竈門君達はまだまだ実践が足りないから心配ね」

 

「大丈夫だと思うわ。竈門君は妹の禰豆子ちゃんを人に戻すまではあの子は生きることを諦めることはないわ」

 

「その根拠は?」

 

「女の勘ならず長女の勘よ。竈門君は家の長男だからなにか通じるのありそうね」

 

確かに姉さんと竈門君はきっとなにか通じるのありそうだから話が弾むかもしれないわね……そういえば、冨岡さんはこの間の話を聞いていたら末っ子……何でこのタイミングで冨岡さんの事を考えるのよ!!

 

「しのぶ?」

 

「にゃ、にゃんでない!(舌噛んでしまったー!うぅ、私の未熟者)」

 

「しのぶ!?どうして地面に頭突きしてるの!?」

 

うぅ、べ、べつに冨岡さんの事を思い浮かんだのは他意ではないですからね!?うぅ……ここ最近はなぜか冨岡さんの事を思うのは全部空のせいなのだから!!

 

 

 

 

 

 

空side

暗い夜になり、普通の人間なら夜の目は見えにくいだろうが、鬼殺隊は夜に鬼を狩るため、真っ暗の中でも戦えるのだ。そんな暗い中、俺は木の方に飛んでからそこから飛び降りでその生物に対して思い切り踵落としをしていた

 

「くらえ……獅子落とし!」

 

「ーーー!」

 

俺はその生物の頭に思い切り踵落としをするが固すぎてこっちが足痛める!あまり効かないと分かり、後ろの方に飛んで着地して構え直した

 

「ぐっ、こいつの頭思っている以上に硬いっ……!?」

 

「ふふ、僕がいるの忘れないでよ!!!」

 

「相手に隙がある思って調子に乗るな、悪鬼が!拳の呼吸……壱の型、波動!!」

 

「おっ!?(力強い攻撃……やるねコイツ)」

 

俺はそいつを弾き飛ばしてその最初の攻撃をした生物から距離をとって構えていた。この生体はいつかの文献かなんかで見たがまさか……!?

 

「頭が三つの生物は………まさか、外の国の文化の生物か?!」

 

「ご名答。正確には外の国の神話と言うものの存在らしい」

 

「神話……?」

 

「そう、こいつの名前は冥府の番犬……ケルベロスって言うのさ。あまりの美しさに僕は目を奪われてしまった。だからあの生物に血を与えて僕の理想の獣……ケルベロスを作り出したのさ!」

 

「……そうかい……(継子の三人がこういう悪鬼にやられたとなると腹立つな…報われねぇな!!)」

 

「さぁ、ケルベロス!目の前の人間を食い殺しな!」

 

「ーーーー」

 

3つ頭を合体した動物………ケルベロスが俺をめがけて飛び込んできたので俺は横へと転びすぐにケルベロスをめがけてねらった

 

「硬いのなら飛ばせば良い!拳の呼吸……」

 

「おっと、させないよ!」

 

「ッチ!」

 

俺はもう一人の鬼が飛び込んできたので、すぐに後ろに飛んだ。そのお陰でケルベロスを攻撃する機会が失った

 

「このやろう……陰湿に邪魔をしてくれるな?そんなに邪魔するのなら……先に殺そうか?」

 

「ふふ、そう焦らない焦らない。夜は長いのだから」

 

「ーー」

 

俺は攻撃を邪魔された怒りとしのぶ達の継子を殺された怒りが溢れていて止まらなかった。こいつだけは……こいつだけは上弦弐と同じくらい殺したい!

 

「ケルベロスはまだしもお前は確実に殺す!そのうす汚い手にある蝶の飾りすべてを返してもらうぞ……悪鬼が!」

 

「酷いなぁ。鬼と人間はどう違うのさ?人間だって生きるために動物を食べるだろ?それと同じなのに僕らは生きるために食べるのさ」

 

「それと一緒にするな!その腹立つ顔を殴らせてもらう……拳の呼吸壱の型……!」

 

俺は全速力で鬼どもに接近してちょうど良い間合いで腰から前へと思い切り腕を突き出した

 

「波動!」

 

「ーー」

 

「おっと!!そんな見え見えの攻撃では当たらないよ」

 

「回避しやがったか……なんてな……」

 

「え?」

 

俺の笑う顔に鬼は怪訝な顔をしてたが後ろの木がケルベロスや元十二血鬼の方に倒れてきた

 

「むやみに攻撃したのではなく、木を当てた!?」

 

「波動は二つの攻撃パターンがある。一つは直接当てての攻撃。もう一つは空気を使って振動させた攻撃だ」

 

「くそ……なんてね」

 

奴はいきなり腕から血を出して最初はぐにゃぐにゃと出ていたがやがて何かの形をとそれは鎌になって木を切った

 

「なんだと!?」

 

「僕はね、血であらゆる創造ができるのさ!その気になれば……ケルベロスを量産できるのさ!」

 

「ッチ……!」

 

俺は地面に到着すると、ケルベロスが攻撃してきたので、俺はヤバイと思い構えた

 

「っち、本当に番犬ではなく地獄の番犬ってわけか!しつこいな!」

 

俺は拳の呼吸で対応するにもケルベロスの走る速度が早い!こうなったら連続攻撃で殴り飛ばすしか……!

 

「邪魔をするならぶっ飛ばす………拳の呼吸ーー「任せろ、空」……!?」

 

「「水の呼吸弐の型………水車!!」」

 

「ーー?!!!」

 

「何!?!」

 

水の呼吸弐型水車は垂直方向に身体ごと一回転しながら斬りつけることで、広範囲の敵を攻撃する技。これを使えるのは俺が知る限り、義勇、錆兎、真菰、そして炭治郎だが今の声は……

 

「悪い、遅くなった!」

 

「ふふ、悪い犬さんがいるね。手伝うよ、空」

 

「錆兎……真菰!?」

 

俺の前にたっていたのは俺と共に最終選別潜り抜けた真菰とその真菰の同門で弟弟子にあたる錆兎がたっていた




ここまで読んでいただきありがとうございます!
これからもよろしくお願いします!


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46話

俺が現在元十二血鬼の悪鬼とケルベロスを対峙していて中々あの悪鬼の首を殺せずにイライラしてると二人の救援があり状況が変わった

 

「錆兎、真菰……!?」

 

俺は同じ階級の二人がこの場にいることに驚き、名前を呟いた。この二人は先日に結婚式をすると聞いていたからもう鬼殺隊を辞めたと思ったが、なぜ……!?

 

「お前らお祝いのために鬼殺隊をやめるのでは……!?」

 

「それはもう少し先でな……それ以前に鬼殺隊はまだやめないぞ?」

 

「うん。炭治郎や義勇も頑張ってるし、別に今はやめる理由はないかな~って思ってね」

 

「いや、あのな……まぁいいや。助けてくれてありがとう」

 

「うん!で、大まかなことは鴉から聞いていたけどあれは元十二血鬼なんだって?」

 

「本人の話によればな?だが……」

 

俺はケルベロスや元十二血鬼の鬼を見つめていると錆兎が俺に話しかけた

 

「あの犬ころは俺達に任せろ。どうせ、おまえはあの鬼に何やら因縁あるみたいだからな?」

 

「……しのぶ達の……継子の仇をとらないといけない野郎だ」

 

「………そっか……しのぶちゃん達の」

 

俺の言葉に真菰はなにか察した見たいで、俺の脳裏にはカナヲやアオイを可愛がっていた継子達の姿を思い浮かんでいた。わるいな、炭治郎にカナエさん……しのぶやカナエさん達の継子が目の前のこいつが殺したとなると……二人みたいに鬼をあわれむことができるほど俺は聖人ではない

 

「まぁそういうことなのだから悪いけど、錆兎と真菰はそのケルベロス……まぁ、犬を頼む……」

 

「うん、任せて」

 

「ありがとう……」

 

俺はさっきまでの怒りも沈めて呼吸を落ち着かせて俺の役目は鬼を殺すことではない……鬼を倒して生きて帰ることが俺の役目だ

 

「悪鬼……お前の相手は俺だ」

 

「いいよ。ケルベロスはあそこの人間を遊んであげて?」

 

「ーー!!」

 

「ふん、俺達も嘗められたものだな……いくぞ、真菰!」

 

「うん、錆兎!」

 

俺たちはそれぞれの敵へと対峙して走り込んだ。真菰と錆兎はケルベロスを俺はしのぶ達の継子の仇をとることを………

 

 

 

 

真菰side

私は日輪刀を構えながらケルベロスとかいう生き物の動きを警戒しながら錆兎に声をかけた

 

「ねぇ、錆兎。あのお犬さん買えないかな?」

 

「買えるわけないだろ!?というか、犬を買う気満々だったのか!?」

 

「うん!でも、あのお犬さんは……ダメみたいだね」

 

「…まぁ…当たり前だ。あの鬼と空が戦っている奴とでここの隠や隊員がやられていたみたいだからな。それ以前に理性が伴っていない以上もう無理だから、せめて俺達で首を切るぞ」

 

錆兎の言う通りもはや理性がない以上人を襲って多くの人たちを不幸にする可能性があるよね

 

「じゃあ……そこのケルベロスちゃん」

 

「ケルベロスちゃん!?真菰……」

 

「ふふ、良いじゃない?名前ぐらい呼ぶのはね?ケルベロスちゃん……」

 

私は日輪刀を構えながら吠えているケルベロスちゃんを見据えてこれから切ってくれる人の名前を私は名乗った

 

「貴方を切るのはこの私達だよ。私はもっとも憧れで大好きな人がくれた名前……鱗滝真菰。階級は甲」

 

「俺は水の呼吸の使い手で尊敬してる先生の元で学んだ男だ。階級は甲で名を鱗滝錆兎だ」

 

「「さぁ、戦いましょう(戦おう)」」

 

「ーーーー!!!」

 

ケルベロスが私たちの言葉を聞き終えて突撃して爪を振り下ろしていたが、私達は冷静に対応していた

 

「「水の呼吸漆ノ型 雫波紋突き・曲」」

 

「!?!」

 

ケルベロスの爪に対抗したのは水の呼吸漆ノ型 雫波紋突き・曲でこれは水の呼吸のなかでももっとも最速の技だけど、これは鬼の頸を斬り落とすには向かないため、牽制または迎撃用

 

「ふふ、私達の同じ呼吸で同じ技で使ったら後ろによろけたね」

 

「真菰、油断するな。すぐに次の技をいくぞ!」

 

「うん!」

 

私と錆兎はすぐにケルベロスを間にして左右に別れて全集中・常中を継続して水の呼吸をした

 

「「水の呼吸参ノ型……流流舞い」」

 

「ー?!!」

 

参ノ型流流舞いは水流のごとく流れるような足運びによる、回避と攻撃を合わせた技

 

「ーー!!」

 

「わぁ!?火をはいたよ!?」

 

私はケルベロスが怒りながら火を吹き、大慌てで下がると錆兎と合流して刀を構えた

 

「動物にも血鬼術が使えるのか!?真菰さっさと決着つけるぞ!」

 

「うん!」

 

「ーー………!!」

 

「ケルベロスちゃん、ごめんね?もうおしまいしょうね!」

 

私達はこれ以上長引かせるのは不味いと思い、早急に決着をつけることにした

 

「錆兎」

 

「うん?」

 

「私のあとを任せるよ!」

 

「おう!」

 

私がやろうとしてることが分かったのか錆兎は笑顔で送り出してくれた。私は走りながらケルベロスの名前を読んだ

 

「ケルベロスちゃん、いくよ~!」

 

「ー?!」

 

「水の呼吸……水流飛沫・乱」

 

私はケルベロスの足踏みを回避しながら不安定な山道を駆け抜けていき、ケルベロスの頭一頭分をまず切りつけた

 

「ーーー!」

 

「ごめんね?しのぶみたいに優しく斬れないの……だからね……錆兎」

 

「おう!せめてものの情けだ……受けとれ……水の呼吸……捌ノ型 滝壺」

 

水の呼吸捌ノ型 滝壺は怒涛の勢いと共に上段から打ち下ろす。威力、攻撃範囲ともトップクラス。それを錆兎は勢いよくケルベロスの残りの首を切り落とした

 

「ーーー……」

 

「ごめんね?あの世で安らかに寝てね」

 

「……」

 

ケルベロスが首を切られたことで消滅しはじめて私達はケルベロスが消滅するのを見届けた

 

さて、次は空の方を一応見に行かないと……ね




ここまで読んでいただきありがとうございます!
そしてお気に入りもいつのまにか増えていることに感激しています!さらに評価もしていただいてることも嬉しく思いますが、厳しい評価もあり少し落ち込みました(苦笑)
これからもよろしくお願いします!


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47話

俺は現在、元十二鬼月の鬼と対峙していてここまでの戦いでわかったのは奴は血で創造することと動物をまとめて血をやるとケルベロスが完成すると言うことがわかった

 

「おぉぉ!!」

 

「おっと、危ない危ない!」

 

俺の攻撃を回避した奴は鎌を真上から振り下ろしてきたので、横にずれて叩き込むも奴はそれすら読んでいて回避していた

 

「く、余裕ぶりやがって……」

 

「あはは、最初の勢いはどこに言ったの?」

 

「っち、うるさいな(あの鎌が鬱陶しすぎて回避が精一杯だな)」

 

俺は拳を構えながら、奴の手元にある鎌を見てどうしたものかと考えていた。このまま走って蹴り飛ばして首を切り落とすのが一番だが、あの鎌をどうにかしないといけないのがひとつと俺は手刀でなんとか切り落としていたが……

 

「そらそら、相手は僕一人だよ?さっきの女の子の事を考えていたのなら、可愛い僕を見てよ?」

 

「うざ!?そして、お前男なのに……いや、違った!鬼なのにそんな言葉言うと物凄い気持ち悪いわ!」

 

「酷い!?」

 

「酷くない!(俺の体は以前は休まずに無茶していたから日に日に筋が痛めてるのだよな。でも暫くは蝶屋敷で休んでいたから以前よりは状態は良いと思う。それに、いまの俺は呼吸を5つしか使ってない……だからこそ、6つ目の新たな技を試す意味ではちょうど良いな)」

 

「ふふ、じゃあ、僕からいくね?血鬼術…」

 

「奴の体内から血が出て原型を作り上げている……?」

 

「兵隊」

 

「はっ!?」

 

俺の目の前には血で人が作られていた。どういうことだ?奴の血鬼術は血を使って動物をまとめてケルベロスを作り上げたり、武器を作るだけではないのか!?

 

「僕は一言も人を作り上げれないと言った覚えはないよ?」

 

「鬼は本当に人外だな……!(数は三体か、手元にあるのは弓か。接近簡単にさせないように飛び道具を扱う奴を作ったか!)」

 

「ふふ、じゃあ……弓矢構え!」

 

「「「……!」」」

 

鬼の兵隊は弓を構え指すの指示すると、その兵隊は弓を構えて俺をめがけて号砲叫んでいた

 

「撃てぇ!」

 

「「「……!!」」」

 

「拳の呼吸……弐の型・改……飛裂散!」

 

俺は拳を手刀に変えて右を勢いよく振るうと、弓矢の方に斬りおとしていた。それを見た奴は不思議そうに見ていた

 

「刀でもないのに、鬼の首を刈り取れるのも驚くけど……もっと驚いてるのは君のその細身からの筋肉だな」

 

「あ?」

 

「いったい君は刀を持たないのになぜここまで鬼を殺せたのか不思議だよ」

 

「そんなの決まってるだろうが……刀を持てなくなったのなら拳や足でやれば良い。知ってるか?人間はな、鍛えれば拳ひとつで殴って打ち所悪かったら死ぬんだよ。それと同じように俺は鍛えて鍛えて、俺だけの力を手に入れた」

 

「原理も芸術もないね」

 

「安心しろ、お前はそれを理解する前に死ぬのだからな」

 

俺は改めてこいつの戦いかたを分析していた。いまみたいに兵隊を出せるのは限られているみたいだし、ケルベロスを産み出すのは動物達をまとめないとできないというところで武器は鎌

 

「まぁ、曲がりなりにも元十二鬼月ってところか。一般の隊員……まぁ主に下の階級には確かにきつい相手だけど、俺は下の階級みたいにあっさりやられたりしない。……そして、お前を倒してまた強くなってやるだけの話だ」

 

「ふふ、僕の首をとる前にその兵隊が君を殺してくれるよ」

 

「ぬかせ。俺はもうお前を倒す算段もお前が死ぬ未来も見えた」

 

俺は奴の作り上げた兵隊の方に走り、呼吸をしていた。弓矢は確かに中遠距離で攻撃できると言う強みはあるが……

 

「…うわぁ、ムカつくな…撃て」

 

「「「………!」」」

 

「ふん、………ん?!」

 

奴は俺に直撃したと思って少し自信満々だったが俺が無事だと見ると驚いていた。対する俺は小刀を右で抜いていて奴を見ていた

 

「……この程度か?」

 

俺の地面には刺さるはずだった弓矢が落ちていた。ここにきて、奴ははじめて動揺する感情を見せた

 

「な、お前は拳や足しか使えないはず!?何で刀を持っているんだ!?」

 

「護身用だ。それ以前にお前の兵隊が仕掛けたさっきの弓矢の攻撃は分かりやすい軌道だから安心したわ」

 

「安心?」

 

「今は亡き師匠の弓矢を避けまくる特訓していたお陰で自然にこの護身用の刀で弾けたわ」

 

俺は駆け抜けながら兵隊らの方に接近して、小刀を持ちながら呼吸を呟いた。これは俺が唯一の刀を使っての得意な型だ

 

「拳の呼吸…刀の壱の型 居合い切り」

 

「「「ーー!!」」」

 

俺は血の兵隊の首をはねると、兵隊達は溶けて消えた。それを見た奴は驚いていたが俺は足を止めなかった

 

「次はお前だ!」

 

「く!?貴様、なぜ刀を使える!?」

 

「簡単な話だ。鬼殺隊になるときに刀の使っているからだよ!っらぁ!」

 

「く!(軽いから攻撃は重くない!だが、切りかかる速度が速すぎる!?)」

 

「小刀を防ぐの背一杯になり、接近を許したな?拳の呼吸……弐の型」

 

「しまった!?」

 

「裂散!」

 

空いてる左手を手刀にして、思い切り奴の手首を切り落としたのと同時に鎌が地面に落ちた

 

「ぬぅ!」

 

「お前の敗けだ。お前は…いや、お前の名前を覚える必要はないな。そしてこいつらを返してもらう」

 

「なぁ!ぼ、ぼくの蝶の髪飾りコレクションが!!」

 

俺は小刀をすぐに鞘に納めて奴の懐にある蝶の髪飾りを奪い、手元にあるのを確認して着地した。奴は切られた腕を再生させながら最初の余裕も失っていた

 

「お前達は……いや、お前は特に楽に死ねると思うなよ?それとお前はやはり、上弦っていう力ではなかったな」

 

「なんだと!?」

 

「普通上弦なら目に書かれていて壱とか弐とかがある筈なのだが、お前は書かれていない。ってことは、お前は上弦の力がない良くって下弦の力というところかな?まぁ、そんなのはどうでも良い」

 

「くぐ……!!」

 

「戦ってみてよくわかった。お前は上弦ではない嘘のつくただの鬼だったということだ!」

 

俺はそいつを指差すとそいつは怒りがたまったのか震えていた。対する俺はもはやこいつは誇りもないのがわかったので止めを指すことを決めた

 

「うるさい!僕はあのお方に認められて!!」

 

「それはお前だけだ。無惨は鬼の事をなんとも思ってないだろ」

 

「きさまぁあ!!」

 

そいつは怒りながら俺に飛び込んできたので俺は呼吸を整えて拳を構えた

 

「戦いに冷静さをなくしては勝利はあり得ない。…地獄に抱かれて死ね。拳の呼吸………」

 

「おおおおお!!」

 

「肆の型!!!」

 

「燃えていーー!?」

 

俺は向かってくる奴に手加減もなく今までよりも重く鋭く速くで奴の体に蹴ったり、殴ったりしていた

 

「(な、なんだ!?この焼けるような熱すぎる攻撃は!?奴は炎を使うのか!?しかし、拳に炎を使うなんて……!)がぁぁ?!き、鬼殺隊は頭がおかしい集まりのか……!?鬼を殺すためならそんなに命かけをするのか!?」

 

「お前ごときが鬼殺隊を………人を語るな!ある奴は家族のために!ある奴は鬼を奪われた苦しみをほかに味わせたくない奴もいる!」

 

「ひぃ!?(まだ攻撃が………!?それ以前に奴の拳は日輪刀ではないのになぜ、こんなに効く!?)」

 

「誰よりも優しい奴もいる!そんなやつらのために俺は守るために戦う!お前ごときが人を食べて強くなった悪鬼が人を語るな!終わりだ!!」

 

俺は語りながら一撃一撃を思い込めて殴り、そして奴の顔面に思い切り殴ると奴は地面の方に転がっていた

 

「っがぁ……」

 

「苦しいだろ?痛いだろ……だがな、あの子達が受けた苦しみはこんなものじゃねぇ!!燃えてくるしめ」

 

「やめーー」

 

「炎天!!!」

 

俺は奴の体内に自身の拳の炎を打ち込むように抉ると、その一部は焼けていた。奴は必死にその熱い炎をどうにかしょうとしていたが俺はそれを許さずに小刀を構えた

 

「ぁぁぁあ!!!やめろ、やめろ!!」

 

「……おしまいだ。拳の呼吸刀の壱の型……居合い切り!!」

 

俺は奴の泣き言を聞くことなく護身用の刀で勢いよく奴の首をはねた。本音を言えば、弐型で首を跳ねてもよかったが……

 

「ま…け……?!」

 

「お前ごときにはこの殺された人たちの恨みを込めたこの刀ではねるのが十分だ……あの子達の方がどんなに死ぬときは苦しかったか俺には図りきれないが……アイツらの大切な家族を奪った貴様は許さない」

 

「いやだ……死にたくな………」

 

俺は護身用の刀を鞘に納めながら消滅する奴を背に向けて歩いた……

 

ーーありがとう……

 

「(…あぁ…仇はとったぞ。お前達も一緒に蝶屋敷に帰るぞ……)」

 

俺はその声が何なのかわかって小さく微笑みながら俺は真菰達の方の決着をついたと思い歩いていった




ここまで読んでいただきありがとうございます!
これからもよろしくお願いします!!!


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48話

俺は錆兎達と合流してお互いに無傷なのを確認して笑い合っていた。お互いに敵は倒せたものの今回の事で改めて鬼殺隊の今後が心配になってきた

 

「どうやら今回の任務は確かに下の階級ではあれは厳しいな。俺が戦った奴は血を使ってさまざまな創造することができるのが特徴だが、今回勝てたのは奴が俺を嘗めていたのが敗因だな」

 

「確かに今の鬼殺隊の下の階級では厳しいし、ケルベロスもその例だな。不死川が言っていたが、隊の質が低くなっているのは本当だな」

 

「うん、それに一人でやればこの相手は大変かもしれないけど落ち着いたらできるはずよ」

 

二人の意見を聞き俺は本当に鬼殺隊がこれでは本当に不味いと思うし、俺たちや柱がそう何度も駆けつけれる場所は限られてくる

 

「やはり、質が低下してるのか……。育手のやり方が悪いのかあるいは隊員の本当に鬼を殺したいのであればもっと努力していたら良いはずだ。まぁ、柱ではない俺がいっても説得力ないな」

 

「それは?」

 

「しのぶ達が継子達にプレゼントしていた蝶の髪飾りだ…あいつに殺されていたみたいでな」

 

「そうか……お疲れさん」

 

「あぁ。後の事は俺に任せて、錆兎達はもう帰っときな」

 

俺は錆兎達にこの後の現場の対応は俺がするからもう帰っときというと錆兎が不思議そうな顔をしていた

 

「なんでだ?」

 

「いや、お前ら夫婦になるのならこれからやるのだろ?」

 

「まて!?貴様いま何を言おうとしていた!?」

 

「何って、おいおい、錆兎よ……言わせるなよ?」

 

「お前が何か言おうとしていたのだろ!?えぇい、義勇は言葉が足りないがお前は時々めんどくさいなぁ!?」

 

「人聞きの悪いことをいうな。俺はお前たち夫婦の時間を邪魔したくないから早く帰れっていってるのに」

 

「ふふ、なんかこういうの久しぶりだなぁ」

 

真菰の言葉通り昔は義勇も含めて同じ任務を挑んだこともあり、時々しのぶやカナエさんも含めて休暇が全員重なったときは蝶屋敷で集まって食べたりしていたな

 

「昔はしのぶもツンツンしていて義勇が言葉足らずに怒らせて真菰とカナエさんがなだめていたな」

 

「まて!お前もしのぶさんを怒らしていただろ!」

 

「そうだって?」

 

「そうだよ。で、錆兎が胃を痛めて倒れそうになっていたのも懐かしいなぁ」

 

「本当に倒れたろうかと思ったぞ……!お前よりも義勇の方が言葉足りないから余計に!」

 

「じゃあ、私たちは一生義勇の保護者宣言だね!!!」

 

真菰は笑っていて錆兎はあの頃を思い出してお腹を押さえていた。まぁ、任務を終えて暗い話よりはましだよな

 

「ほぅ……ここに強き者がいるな」

 

「「「!!」」」

 

俺達は声した方向に振り向くと服装は軽装で、素肌に袖なし羽織のくるぶしまでズボンを素足の格好をし、細身だが筋肉質……だが、俺達はさっきまでの穏やかな雰囲気を変えて構えていた

 

「女もいるのか。戦いの邪魔になる」

 

「女の子だから戦ってはいけないのかな?」

 

「よせ、挑発に乗るな」

 

「貴様こそなぜここにいるのか問い詰めたいな……上弦参!」

 

俺達は目の前の悪鬼が何者なのかは奴の顔を見てわかる。ここ数百年で本当の意味で鬼殺隊が……柱が対峙して勝てていないのは上弦達だ

 

「答える必要はあるとでも?」

 

「それもそうだな。お前達は多くの鬼殺隊を殺した悪鬼どもだ……!期待した答えは帰ってこないもんな!」

 

「錆兎、空。集中よ」

 

「あぁ……」

 

俺達は目の前にいる上弦参もかなりの強者とわかるし、一瞬でも油断したらこちらが殺される

 

 

「ふむ……。女だと嘗めていたが、強者の感じがするし……なるほど……いずれも強いな。どうだ、鬼にならないか?」

 

「「「ならない(ねぇ)よ」」」

 

「ならば死ね。術式展開 破壊殺・羅針」

 

奴の血鬼術なのか地面に壱から拾弐までの数字が刻まれた雪の結晶の形を模した陣を展開していた。俺達も直ぐに攻撃体勢に移り、それぞれの攻撃を繰り出した

 

「拳の呼吸壱の型……波動!!」

 

「「水の呼吸壱の型……水面切り!」」

 

水の呼吸壱の型は交差させた両腕から、勢い良く水平に刀を振るう技。跳躍状態でも高い威力を持つ基本技で俺の拳の呼吸壱の型は正拳の突きで接近にも遠距離に攻撃を与えることができる

 

「……ほう、水の使い手に拳を主に使う鬼殺隊か。水の使い手といえば、50年前の水柱は手強かったな。そして、拳を使う呼吸のものとは初めて戦うな」

 

「全く効いてない……!?」

 

「なるほど……確かに上弦は化け物と言うのは合っているな」

 

「……」

 

上弦参は無傷でたっていることに真菰は驚いていて錆兎も冷や汗をかいていた。俺は上弦と対峙するのは三度目で上弦参は今回初めてだ

 

「……貴様ら面白いな。名前を言え」

 

「名乗るなら自分から名乗れって教わらなかったか?上弦参」 

 

「俺は上弦参……猗窩座だ。もう一度聞く!その強さを失いたくないのなら鬼ならないか?」

 

「断る!俺は錆兎」

 

「真菰!」

 

「俺は鬼殺隊甲の夛田空だ!お前が何度も勧誘しょうが……俺達は人を喰らいつづける悪鬼どもを狩り続ける!」

 

「そうか……ならば、俺の誘いを乗らなかった事を後悔して死ね!破壊殺・空式」

 

奴がだした破壊殺・空式は空中で拳打を放ち、それによって発生した衝撃波で攻撃する技

 

「回避しろ!」

 

俺の呼び掛けと共に真菰、錆兎は回避して俺は回避してすぐに攻撃体制に走った

 

「ほう、回避したか」

 

「(拳の呼吸…参の型改獅子の回し蹴り落とし)っはぁぁ!」

 

俺は奴の顔に思い切り蹴ろうとすると、奴も足で対抗してきた。威力を倍にしての攻撃だが、こいつの筋肉固すぎる!?

 

「貴様、人でありながらかなり鍛えてるな?鬼狩りで刀ではないのに拳とかで狩りつづけれたのも納得だ」

 

「っく!」

 

「だが、その人以上に鍛えられた筋肉やつよさはいずれ失う!おぁぁあ!」

 

「どうぁぁ!?」

 

俺は蹴りあげる力の対抗に負けて俺は木の方に直撃した。それを見た奴は破壊式とやらを俺に攻撃をしょうとするが、それよりも早く止めた奴がいた

 

「水の呼吸…!」

 

「む!なにかをするつもりだがそんなのは許すほど優しくないぞ!破壊殺・乱式!」

 

「邪魔はさせない!水の呼吸漆ノ型 雫波紋突き・曲」

 

「(速い!?)なに?」

 

錆兎が攻撃する前にやつは破壊殺・乱式……前方に衝撃波を伴う無数の拳打を乱れ打つ技を繰り出していたが、真菰が水の呼吸漆ノ型 雫波紋突き・曲で全ての水の呼吸の技の中で最速の突きで対抗していた

 

「錆兎!」

 

「真菰助かった!水の呼吸捌ノ型 滝壺」

 

錆兎の出した水の呼吸捌ノ型 滝壺は上段から打ち下ろす。威力、攻撃範囲ともトップクラスで辺りが響いていた

 

「やったか……?!」

 

錆兎は確かな感触と共に後ろに下がり真菰と共に刀を構えていた。俺は普通の鬼なら終わるだろうが、あれは上弦……ただではしなないはず!

 

だが、このいいようない不安はなんだ?!




ここまで読んでいただきありがとうございます!
一応本日二つ目を投稿する予定ですが、あくまで予定ですのでご了承をお願いします!
またいつも感想くれる皆様ありがとうございます!
これからもよろしくお願いします!


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49話

アンケートの結果、本日二つ目の投稿します!!


俺達は目の前の上弦参……があの程度で死ぬとはと思っていないし、かなり手強い敵だと言うのは認識してる

 

「上弦があの程度で死ぬと思うか?」

 

「思わないね。それなら特の昔に空は上弦弐を倒してるもんね」

 

「真菰……それいま言わないでくれよ」

 

錆兎の質問に真菰は俺を名指しでそういうので俺が落ち込みながらそれをいうと、奴の声が聞こえた

 

「ほう………?空とやらは上弦弐でもある童魔の事を知ってるのか」

 

「(やはり無傷か……)あのくそ野郎とは二回戦って二回なんとか俺は生き延びてるがな」

 

「くく、よく生き延びたな?だが……今回は俺がお前を殺してやるよ」

 

「おあいにく様、俺はどうやら死神に嫌われてるのでそう簡単に死ぬ予定はない!」

 

奴の言葉を聞き、俺は殺されるつもりも死ぬつもりもないのを伝えて構えると奴はまた最初の問いかけに戻った

 

「なら、なぜ鬼にならない?鬼になれば奴を討つチャンスなどあるのに…理解しかねるな」

 

「鬼になる理由はないし、それ以前に鬼になりたくない理由はある」

 

「ほう?」

 

「まぁ、鬼に言ってもわからないだろうがな!!」

 

俺はそれを伝えると走り込み真菰、錆兎も刀を構えながら走った。こういう相手は一人で倒すより、いまいる人数で叩き込むのがいちばんいい!

 

「ほう?上から高く飛んでどうすると言うのだ?」

 

「安心しろ、お前の頭にいい蹴り込みで落としてやるよ!拳の呼吸…参ノ型獅子の落とし!」

 

「面白い!破壊殺・脚式 流閃群光!」

 

俺は空高くとび、足を燃やすように落下すると奴は迎え撃つように連続蹴りで対抗していた

 

「ぐぅ!」

 

「ふはは!!なかなかいい攻撃だが、お前の攻撃は重みがない!はぁぁ!」

 

「どぅぁぁ!?!」

 

「空!?」

 

俺は奴の連続蹴りに負けて近くの木に直撃して少し動けなかった。あの野郎の連続蹴りは素人ではなく、ほんとうにやっていた蹴りだ……!

 

「く、真菰!躊躇なく、油断せずにいくぞ!」

 

「うん!」

 

「ほう?今度は二人がかりか……おもしろい!何を見せてくれる!」

 

「嘗めやがって……!」

 

「冷静にいくよ!水の呼吸……!」

 

避ける構えもしない上弦参の様子に錆兎達は怒りながら、水の呼吸をしていた。対する上弦参は余裕そうに立ち振る舞っていたのを見て俺は少しだけの痛みを感じながら立ち上がった

 

「まさかやつのはカウンター式でもあるのか……!?気を付けろ、二人とも!!」

 

「「拾ノ型 生生流転!!!」」

 

「これは……おもしろい!破壊殺 鬼芯八重芯!」

 

その呼吸はうねる龍の如く刃を回転させながらの連撃。一撃目より二撃目の、二撃目より三撃目の威力が上がっていくため、事実上水の型で最強の技だ。それに対抗するように奴は連撃していた

 

「っ!?」

 

辺りに爆風が飛び散り、視界は遮られていた。そんな俺はしゃがみこみ、やがて爆風の中からなにかが飛んできていたのを見えた俺はすぐにその人影を助けた

 

「真菰!!」

 

「っあ……う……」

 

「っ!?(真菰のこの怪我では……もう戦えないぞ!?)」

 

爆風の中飛んでいたのは真菰で刀は折れていて腕もひどい状態だった。真菰を抱えながら爆風の中心を見ると奴は……全身ボロボロの錆兎を掴みながら立っていた

 

「なかなかいい攻撃だったが…俺の首をとるには弱すぎるな…」

 

「がっ……」

 

「錆兎!!!」

 

錆兎は上弦参に首を掴まれながら刀はおれていて、ぐったりしていた。上弦参は息苦しい錆兎を興味なくしたのか近くの木に思い切り投げた

 

「がはっ!」

 

「どれもなかなかいい攻撃だったが……俺を殺すのは無理だな」

 

「く……体がうごけん……!!」

 

「もう貴様はここで終わりだ…錆兎!」

 

「くそ!俺の不甲斐なし……(すまない、真菰、義勇……俺はここでおしまいかもしれない)」

 

錆兎に止めを刺そうとしていた奴を見て俺は真菰を抱えながら呼吸を止めずに左足を大きく踏み込んだ

 

「うぉぉぉぁぁぁぁぁ!!」

 

「ぬ!」

 

俺は上弦参に思い切り右足で押し込むように蹴ると上弦は後ろによろけて俺は真菰を抱えながら錆兎のほうに寄り添った

 

「錆兎、動けるか?」

 

「……すまない、刀が持てそうにない……!さっきの奴との戦いで……感覚がっ……!」

 

「錆兎……真菰はいけるか??」

 

「ごめん……私も刀をおれていて体も……」

 

二人がここでもう動けないとなれば自然に奴に殺されるのを待ちかねない!まだ、日が出るまで時間がありすぎる!

 

「(……とるべき選択は一つ。こいつらをーー)錆兎、真菰。二人は走れるか?ここから二人の足なら少し離れたところにいけば出れるはずだ」

 

「空?」

 

「お前達はこれから結婚する仲だ。ここで死んでは意味がない」

 

「空も逃げないの……?」

 

「そうしたいのは山々だが、手負いを負っているお前達を守りながら、奴と対峙するのは難しい」

 

事実奴はあの上弦弐とは違い、戦っていて武人と感じる珍しい鬼だ。普通は鬼に勧誘しないが、あいつはそれ以前に別格を感じる

 

「俺が奴をできるだけ遠ざけて戦うからお前達はにげろ。……頼む、俺の前ではお前達が死ぬのを見たくないんだ」

 

「…むぅ…わかったよ。皆で無事に帰れたら、錆兎と私の奢りで鰻でも食べに行こうよ」

 

「真菰!?」

 

錆兎は真菰が止めずにそれをいうと錆兎は驚いて真菰を見ていたが真菰はいつもの優しいかおで俺を見ていた

 

「はは、期待しないで待っとくよ」

 

「…くっ…空!!」

 

「ん?」

 

「…奢る代わりに俺達を祝いに来なかったら許さないからな?」

 

「おう!真菰……錆兎。鴉に居場所を教えたから……後は任せろ」

 

俺はそれをいうと共に上弦参のほうにゆっくり歩きながら指をならしていた。もはやこいつ相手には上弦弐と同様に生きて帰ることはできないみたいだな

 

「全力で後を考えずに場所を変えさせてもらう……」

 

「ほう?まるでさっきのは全力ではないと言うのではないか?」

 

「いや、俺も本気でやったさ。だが、このまま考えながら戦っても死ぬのは避けられない。だからな……いま状態が温もった今なら行ける」

 

俺は目をつぶりながら長年拳の呼吸を改良したり増やしたりしていたがいずれも実践で使えなかった……いや、使うほどの敵が少なすぎた

 

「拳の呼吸……」

 

「む、奴の筋肉が膨れ上がっている?」

 

「零の型 解除」

 

「解除?」

 

俺がそういうと奴は怪訝に見ていたが、俺は気にすることなくさっきよりも体の動きや視界がゆっくりと感じながら……

 

「拳の呼吸……壱の型改」

 

「っ!?」

 

「両波動」

 

「(いつの間に……!?)がっはっ……!?」

 

俺は上弦参に接近して、両手で鳩尾に思い切り叩き込み、奴は後ろのほうへと遠く飛ばされた。俺は気を休めることなく、奴が飛ばされた方向に走り込み、奴のほうに踵落としを仕掛けるがーー

 

「嘗めるな!」

 

「っち」

 

奴は踵落としを仕掛ける前にバック転で起き上がり、蹴りこみの技してきて相殺になった

 

「…(俺の顔に殴られて血が出てるとはいつぶりだ……)……面白い……面白い!!貴様はまだまだ強くなれるのか!?面白い!!」

 

「ごちゃごちゃうるせぇな。解除した今…さっきよりもそう簡単にまけなねぇぞ……上弦参!!!」

 

「くくく、これだから戦いは止められない!喜べ、空!!俺が貴様を悔い残さずに殺してやる!」

 

俺は首をならしながら目の前の強敵を見据えてこの解除がどこまで持つか冷や汗をかきながら構えていた。いきるも死ぬも……死神にしか結末は知らねぇからこそ思い切りやる!!




ここまで読んでいただきありがとうございます!
次回もよろしくお願いします!


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50話

どうにか真菰や錆兎達のいる位置から遠ざけれたからまず第1段階は問題ない。第2段階は上弦参を相手にどこまで通用するかと……

 

「俺の肉体がどこまで持って奴に通用するかだな……」

 

「考え事か?ならばこっちからいくぞ!!」

 

「(くるか!)拳の呼吸……!」

 

「破壊殺・空式!」

 

「壱の型 波動!!」

 

俺と奴の衝撃波が相殺になり、奴は嬉しそうに俺は苦虫を噛み潰したように奴を見ていた。俺の波動は接近して攻撃と衝撃波のように攻撃する二つがあるが、キツイ!

 

「ほう!?どうやら、その零の型とやらで力をあげれるようだな!?」

 

「っち、この戦闘バカが……!!拳の呼吸弐の型 裂散!」

 

「手刀か!ならば、対抗するまでよ!」

 

俺の手刀は奴の手刀とまた相殺になり、俺は鬼と手をつかみ合いながら力を入れていた

 

「ふははは、楽しい、楽しいぞ!まさか拳の呼吸がここまで楽しませてくれるとはな!」

 

「ふざけやがって……!俺がここまでどれだけ強くなっても差があるとは……これが上弦ってわけか!」

 

「鬼になればもっと楽しめるぞ!久しぶりだ、ここまで心が踊ったのは!!!」

 

「ぐっ!?」

 

奴は手をつかみながら膝で俺の顎に攻撃すると俺は脳震盪を軽く起こしながらも意識を保っていた 。正直今のは焦ったし、まさかそこから攻撃来ると思っていなかったから反応が遅れた

 

「ほう?」

 

「今のは……効いたぜ……!だがな……」

 

「ぬ?」

 

「頭突きならどうよ!?」

 

「ぐ!!」

 

俺は炭治郎ほどの頭の固さではないが、それなりに固い自信はある。だからこそ、奴に頭突きをすると、奴は驚いたように食らいよろめいていた

 

「貴様ぁ……」

 

「俺の攻撃はまだ終わってないぜ………ふっ!」

 

「!(速い?!人がそこまで走れるわけではないから、雷かなにかか!?)」

 

「どこを見てやがる…?」

 

「な!?」

 

俺は上弦参の後ろに走り込み奴に注意を呼び掛けると奴は驚いたように振り向き俺は攻撃へと移った

 

「参の型、獅子の落とし!!」

 

「小癪な、破壊殺・脚式 冠先割」

 

「後ろ向きからの体制に攻撃しやがった!?」

 

後ろにいる相手に対して後ろ足で蹴り上げる技なのか威力は奴の方が上で俺は弾き飛ばされた。そのまま地面に受け身を取りながら、舌打ちした

 

「ぐぅ!?」

 

「まさか、貴様にここまでされると思わなかったな……貴様がなにも言わなければまともに食らっていたぞ」

 

「くそったれが、お前は今までやって来た相手の鬼で一番きつい格闘使いだな……!」

 

俺は近くの葉っぱをのけながら首を鳴らしていた。奴の攻撃は一撃一撃が重く鋭すぎるし、回避すればやられる!

 

「しかし、貴様はなぜ……いや、なるほど……そういうことか?」

 

「はぁはぁ……なにがだよ?」

 

「貴様の零の型は始まりの意味……いわば力を最大限出すために人の筋肉では限界である制限していた全身の筋肉を解除したというとだな?」

 

「だとしたらどうしたと言う?俺はまだまだ戦えるし終わってねぇよ!」

 

「その通りだ!どちらかが死ぬまでは終わりはない!だからこそ、心行くまま楽しもうではないか!!」

 

「………この戦闘馬鹿め………!」

 

俺はそう評価しながらも奴の戦いに油断も隙もない以前に真菰達が勝てなかった相手が俺一人で勝てると思っていない

 

「出し惜しみなく、今の持つ最大の技で……!」

 

「させるとおもうか?」

 

上弦参は俺の顔を思い切りつかみながら近くの木に激突させられて脳に来る痛みが激しかった。俺は余りの痛さに呻き声をあげていた

 

「ぐぅ!?」

 

「こうすれば、次は仕留めるだけだな?どうする?これでおわりか?」

 

「な……めるなぁ!!」

 

俺は両手で上弦参の腕を押し出すよう力いれていたが奴の握力は尋常じゃない!だが、このままやられてあげるほど俺は優しくない!!

 

「ぬぅぅぉぁぁぁ!」

 

「(俺の力を押し出したか?)ほう?」

 

俺はなんとかその捕まれた腕を引き離すように力を入れると向こうから感心する声が聞こえたがそんなのは関係ない…

 

「はぁはぁ……おまえわざと力緩めたな……!?」

 

「このまま決着つけるのはもったいないからな。もっと俺を楽しませてくれ、空!」

 

こいつの余裕そうな顔を見て事実俺はもてあそばれてるのがよくわかるし、命はこいつに握られてるの当然と言うわけか……!だが戦いのなかで鬼に情けをかけられるのは屈辱だ!

 

「それをとった行動を必ず後悔させてやる……」

 

「ほう……ならば、もっと心ゆくまで殺し合おうではないか……む?」

 

「あ、どこをみてる……?」

 

突然奴はなにかを見るように別の方を見ていて俺は構えを解かずにやつがいったい何を見てるのか気になった

 

「向こうの方角から貴様と同様に……いや、それ以上に強い力を感じるな……!そちらをいかせてもらおうか」

 

「(他の鬼殺隊が!?そんな遠くまでわかるのか!?)おまえの相手は俺だ!!拳の呼吸……」

 

「拳や足に……?」

 

「肆の呼吸炎天!!」

 

俺は上弦参の体を思い切り殴ると奴は驚きよろめていたが、足を止めるな!呼吸をやめるな!

 

「ぉぉぉ!!」

 

「(一撃一撃が重く人のみでありながらここまでいい拳を与えるのか!)この連撃、重さ……認めよう!!この俺を楽しませてくれるお前はやはり面白い、空!破壊殺・乱式」

 

「猗窩座ぁぁぁぁ!!!」

 

「空ぁぁぁ!!!」

 

俺は防御なしで奴に対抗するとと共にやつもまた防御なしで対抗していたそして、俺達の戦いは爆風が飛び散り俺は上のほうへと弾き飛ばされた

 

 




ここまで読んでいただきありがとうございます!
実は今日の投稿で50話目でお気に入りも200件越えました!!皆さん本当にありがとうございます!
さて、50話もいって、お気に入りも200行ったからリクエスト箱作った方がいいのか悩んでいますが、これからもよろしくお願いします!そして次回もよろしくお願いします!


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51話

炭治郎side

俺は蝶屋敷で無事に退院してから伊之助、善逸と共に無限列車で炎柱煉獄さんと会いヒノミカのことを聞いたが、結局わからずじまいだった。そしてその後下弦の鬼と戦いなんとか勝利して列車と止まったが体が痛い……!

 

「集中」

 

俺のおでこに煉獄さんの指があり、止血の呼吸を教えてくれた

 

「呼吸を極めればさまざまな事ができるようになる。何でもというわけではないが、昨日の自分よりも確実に強い自分になれる」

 

「はい……」

 

「うむ、みんな無事だ!!怪我人は大勢だが、命に別状はない!君はもう無理せず……」

 

俺達はこのまま任務が終わりだと思い気を緩んでいたのだが、突如雷が落ちたのような激しい音が聞こえて振り向くと……

 

「(上弦……参!?)」

 

「む!?」

 

「っそんな………!?」

 

俺達はその上弦参の右腕を掲げるように持ち上げているのみると、血まみれの空さんがいたのを見て、驚いていた。そんな空さんは反応を示すことがなく、意識を失っているようで上弦参はまるでゴミを捨てるかのように俺達のほうに思い切り投げた

 

「ゴフッ……」

 

「空さん……!」

 

血を吹き出しながらも空さんは呼吸を止めていないのが俺の耳でもわかるが、あの空さんは柱に近い人だ!上弦参との戦いにボロボロになっているのがわかるが、あの空さんが負けた……!?

 

「……!」

 

「……え?」

 

「炎の呼吸弐ノ型“昇り炎天」

 

上弦参が空さんと俺のほうにいる方に走りながら攻撃をしょうとすると煉獄さんは炎の呼吸弐ノ型“昇り炎天で対抗した

 

「……すまない、助かりました……」

 

ボロボロに倒れていた空さんがゆっくりと起き上がりながらお礼を言うのに聞こえた俺は空さんに声かけた

 

「空さん!意識が戻ったのですね!?」

 

「あぁ、すまんな。少しだけ意識を失っていた……」

 

「意識を失っていたことに気にするな。君があそこまでやられたのは初めて見たが……それほどまでか?」

 

「……はい……奴は……格闘……つまり俺と同じ使い手であり……上弦はやはり……化け物です」

 

「……君はしばらく休みながら止血の呼吸をしとくんだ」

 

煉獄さんは空さんに止血の呼吸をして上弦参の方に向かっていった

 

「ぐ……炭治郎……」

 

「空さん!大丈夫ですか!?」

 

「あまり大丈夫ではない……真菰も錆兎も手負ってな」

 

真菰と錆兎も上弦参と戦って手負い!?それ以前に二人もかなり強いのに空さんもやられたなんて……

 

「炭治郎……今のおまえでは上弦戦っても殺される……俺があの人の手助けにいく……!」

 

「でも、空さんも今の体じゃ……!」

 

「大丈夫だ……あんのくそ野郎を殺すまでは……絶対に死なねぇよ……!!」

 

空さんはゆっくりと起き上がりながらも俺から見ても分かるくらいボロボロだ。左腕が恐らく折れているし、足のほうもやられてる……さらに言えば、顔は血だらけで出血が止まってない!

 

「空さん、今無茶をしても……!」

 

「俺の心配はしなくって良いし…炭治郎…お前は無理するな!俺はあの人の手助けをしないとな……柱でもある人がやられるなんてそんな事態はさせないと……!」

 

「空、あんまり無理はするな……できればここは俺に任せてほしいと言いたいが、君は言ってもおとなしくしないのだったな。……そして、なぜこの少年を狙った?」

 

「話の邪魔になると思った。俺とおまえの」

 

「君と俺がなんの話をする?初対面だが俺はすでに君のことが嫌いだ」

 

「そうか、俺も弱い人間は嫌いだ。弱者をみると虫酸が走る。お前も鬼にならないか?見れば、わかる……貴様は空よりも強い柱だな?」

 

「ならない」

 

煉獄さんは上弦参の問いかけに即答していた。いつだったか俺も鱗滝さんに妹の事で問いかけられたとき判断が遅いと怒られていたけど、柱は判断も早くしないとダメなんだ……

 

「なぜ人は至高の領域に踏み入る事ができないと思う?人間だからだ」

 

「……」

 

「老いるからだ、死ぬからだ。だから、鬼になろう否寿郎……。鬼になれば、百年でも二百年でも鍛練し続けて強くなれる」

 

「ふざけるな……」

 

空さんが煉獄さんが答える前に怒気のある発言をしながら、上弦参を見ていた。上弦参は興味深く空さんが起き上がるのを見ていた

 

「まだ、立てたのか……空、もう一度だけ聞いてやる。鬼にならないか?そんな、軟弱も切り捨てて……」

 

「…はっ…俺達は鬼殺隊だ……!俺達は鬼が人々の生活を脅かす限り、人の未来、子供の未来を繋げるためにも鬼と戦う理由がある!老いてもまた次の時代が繋げてくれる!また次の子孫が未来を繋げる!そんな明るい未来を奪う貴様らの誘いを乗る理由はない!」

 

「……老いることも死ぬことも人間という儚い生き物の美しさだ。老いるからこそ死ぬからこそ、堪らなく愛おしく尊いのだ。強さというのは体の強さを表すのではない」

 

「「だから、この少年(炭治郎)は弱くない。侮辱するな。何度でも言おう、俺達と(お前)との価値観は違う。俺たちはいかなる理由であろうと鬼にならない」」

 

煉獄さんは刀を構えながら、空さんはいつの間にか包帯で腕をきつく巻いて構えていた。止血があそこまでできるものなのか……?

 

「術式展開 破壊殺・羅針……ならば鬼にならないなら殺すまで!」

 

「殺されるのはお前だ。上弦参よ、お前達がいる限り俺は死ぬまで戦うのみよ!まだ俺と貴様との戦いは終わってない!!」

 

「うむ!いざ参る!!」

 

煉獄さんと空さんが構えて、対する上弦参は嬉々とした表情で構えていた。俺も早く回復してなんとか、お二人に援護を!!

 




ここまで読んでいただきありがとございます!
次回もよろしくお願いします!


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52話

止血の呼吸のお陰で少しはましになったし、こっそり持ってきた包帯を使って腕を巻きながら気休め程度とまでは行かないが、ないよりはましだ!と思い巻いた

 

「空、基本は俺が攻める!異論はないな!?」

 

「異論はないです!あれは恐らく身体強化の類いなので、気を付けてください」

 

「(空の予想だとあれは身体強化ということか!ならば、こちらが速く近づくまで!)なるほど、それはならば…炎の呼吸……壱の型不知火」

 

杏寿郎さんは上弦参に接近して炎の呼吸壱の型不知火は炎の型の居合技、斬る際に炎が出る斬撃でやつはそれを交わしていた

 

「それを交わすのは予想済みだ!拳の呼吸壱ノ型波動!」

 

「おっと!いい連帯感だが、甘い!」

 

上弦参は俺の追撃攻撃を回避した。そして、嬉々としながら奴は接近して左拳を杏寿郎さんに攻撃するが、そこはさすが柱で次の呼吸を切り替えた。もちろん俺もこれまでの戦いの経験をもとに早い切り替えをした

 

「弐ノ型 昇り炎天」

 

「甘いのはどっちだ!拳の呼吸…参ノ型 獅子の落とし!」

 

「ぬぅ……!素晴らしい……その連帯や攻撃!だが、それはいずれ失われるのだぞ!空、杏寿郎!!」

 

俺達の連帯攻撃も弾きながら奴はいまだに尚問いかけるように話しかけてきたが俺達はすぐに下がりながら構えていた

 

「(上弦参の回復力はやはり異常だ!)だが、そんなのは関係ない!相手が強かろうが、負けるか!!」

 

「うむ、我らは鬼殺隊!!上弦であろうが、怯えることはない!!」

 

「(俺もなんとか二人を助けたい!!刀を……)」

 

「動くな、炭治郎!!」

 

俺は動こうとしていた炭治郎が見えたので俺は制止を呼び掛けながら上弦参と対抗していた

 

「今の君は傷が開いたら致命傷になるぞ!!待機命令!」

 

「っ!」

 

「大丈夫だ、俺達は死なんからそこで良い子で待ってろ……。拳の呼吸…弐ノ型裂散!!」

 

「あまい!破壊殺・空式」

 

「これは俺に任せろ!炎の呼吸……肆ノ型 盛炎のうねり」

 

俺の弐ノ型裂散を奴は上に回避しながら、空中の体制で破壊殺・空式……空中で拳打を放ち、それによって発生した衝撃波で攻撃すると、杏寿郎さんは炎の呼吸の肆ノ型盛炎のうねりを出して、前方に螺旋状に広範囲の炎の渦を出す斬撃で空気上に存在する砲弾、斬撃などさえ打ち落とす技を出していた

 

「ほう、防いだか……む!?」

 

「(零の型がまだ効いてるみたいだな……!むん!)ふっとべぇ!!拳の呼吸……壱ノ型波動!!」

 

俺は油断してる奴に向かって思いきり顔面を殴り込むと奴は地面の方に直撃……するかに思えて体を捻って着地した

 

「ぐぬぅ……ふは……ふはは、楽しませてくれる!やはり、貴様はまだ零の型を続けていたのだな!?」

 

「零の型……?空、それはどういうことだ?」

 

「零の型は奥義ではないですよ。……しかし、それを説明しても今はあいつ相手では時間が足りませんよ……(もっとも今のこの解除はあとどれくらい体が持つかわからないが、やるしかない!)」

 

「それもそうだな!!」

 

俺の体は今は我慢して動いてるが、恐らくはこの戦いが終えて生きてても、当分は前線でるのは厳しいかもしれないが……

 

「ひとつ聞こう……貴様らは人の身でありながらなぜそこまで歯向かえる?」

 

「良いこと教えてやるよ……例えどんなに相手が強かろうが……怖い思いをだこうが……そんなの関係ない!戦いはな、心が折れたら敗けなんだよ!!!さぁ、杏寿郎さん!!俺達の心を燃やしましょう!!」

 

「うむ!!」

 

「拳の呼吸肆ノ型 炎天!!」

 

「また打ち合いか、対抗するまでよ!!」

 

俺と奴との殴り合いで俺は頬が切れたり左肩がやられたりしていたが、何度も何度も諦めずに殴っていた

 

「空、準備できたぞ!」

 

「わかりました!っおらぁぁ!」

 

「!」

 

俺は地面に思いきり叩き込み、奴は顔を守るように防御していたが、その時間がほしかったのさ!

 

「炎の呼吸……伍ノ型炎虎!!」

 

「(地面を叩き込んでまでするのは自らは囮であることを意味して時間を作ったのか!)破壊殺・乱式!!」

 

前方に虎の形をした炎を出す斬撃で広範囲の攻撃のため味方も巻き込む恐れがあるので1対1の時のみ有利な技だが、俺は時間を作ったことで炎の呼吸の威力が鋭い攻撃を出していた

 

「「うわっ!!」」

 

「……!!」

 

炭治郎と誰かがいる声が聞こえたが俺は気にせずに、立ちながら両腕で耐えていてぶつかり合った場所がはっきり見えると俺は目を見開いた

 

「杏寿郎さん……!」

 

「はぁはぁ……」

 

「杏寿郎、死ぬな」

 

「上弦参の回復……いや、上弦は化け物かよ……!」

 

上弦参は傷を手負っていたものの鬼の特徴の回復力で無傷になっていて対して左目は潰れ、肋骨は砕け、内臓を傷め、満身創痍の杏寿郎さん

 

「杏寿郎さん!」

 

俺は杏寿郎さんの方にかけより、俺は杏寿郎さんの状態はこれ以上不味いと思い、俺は上弦参の方に対峙した

 

「すぐに止血を……!その間に俺が時間を稼ぎます!」

 

「止すんだ……君の体もボロボロではないか」

 

「俺がなぜ拳の呼吸を使いながらもこうして生きてるか知ってますか?」

 

「む……」

 

「守りたい人達がいるからだ……弱き者を守るのが俺たち鬼殺隊は強くあらねばならない!!」

 

俺の言葉に杏寿郎さんは目を見開きなにかを思い出していた。

 

『弱き者を助けることは強き者の責務です。責任をもって果たさなければならない使命があるのです。決して忘れることなきように』

 

「(そうだった……。いや、俺は……)俺は俺の責務を全うする!ここにいるものは誰も死なせない!」

 

杏寿郎さんは刀を持ち構えて俺に耳打ちをしてきた。その内容は俺にとってもその技を使って良いと許可をもらったのだ

 

「空、君も陸ノ型をつかうんだ。俺が止めておけといっていた技を!今の君ならその体は耐えれるはず!いや、耐えるんだ!!」

 

「はい!」

 

これは昔杏寿郎さんと考えて生み出した技で当時の体では俺は体の悲鳴を上げて鬼殺隊としてはまだできないと判断した技だ

 

「まだ、技があるのか!こい、杏寿郎、空!!破壊殺……」

 

「互いの力を高めて倒すぞ!!炎の呼吸……!」

 

「ぬぅ…!!拳の呼吸………!!」

 

俺達はもう残りの力は出し惜しみなく、あの男を仕留める事にした。今ここで俺が死ねば間違いなく、しのぶは鬼をさらに憎む!カナエさん達もまた誰かが失う悲しむ!

 

「(だから、死ぬのは今じゃねぇ!あのくそ野郎を殺すときが俺の死ぬ時だ!!)陸ノ型……流星!!」

 

「玖ノ型 煉獄!」

 

「破壊式・滅式」

 

肩に刀を担いだ状態で炎を纏い螺旋状の突進する。敵に接触した時に周りを巻き込む程の大炎上が玖ノ型 煉獄。そして、俺の技はただ一直線に走り抜けて貫くのだが、一撃必中で当たらなければ意味がないのと体が動けなくなるという最悪な欠点があるが、今は体が出来上がっている事と二人で挑んでるからこそ使える技だ!

 

 

とどけ、俺達の技を!!

 




ここまで読んでいただきありがとうございます!
鬼滅の映画見に行きたいけど、予定が合わない……orz
これからもよろしくお願いします!


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53話

炭治郎side

空さんが拳の呼吸陸ノ型流星と、煉獄さんが炎の呼吸玖ノ型 煉獄で上弦参の技に対抗した瞬間に辺りが爆風により、視界は遮られた。そして、俺や伊之助はあまりの激しい戦いに息を飲んでいた

 

「どうなった……!?」

 

「っあぁ!?」

 

「「「…………!!」」」

 

煉獄さんと空さんの攻撃と上弦参の攻撃は爆風が収まり俺達が見た光景は……

 

「ぬぅ……」

 

「がは……」

 

「……!!」

 

空さんは上弦参の後ろで血まみれに倒れてて、腕が完全に折れているのが見てわかるし、煉獄さんは左肩を貫かれていた。対する上弦参は傷は深いものも徐々に回復していて問いかけるように話した

 

「お前達の連帯の技は見事だったが、これが鬼と人間との差。お前達人間が傷をその身を削ってまで、俺に食らわした斬撃や傷ももうすでに治っている…どう足掻いても人間では鬼に勝てない!」

 

「く……!」

 

「空、貴様は何度も俺に立ち向かっていったが、素晴らしい攻撃、素晴らしい戦いは結局は鬼の力で傷は回復してしまう。最後に死ぬ前にもう一度聞こう……鬼になれ!」

 

「……なんども……いわ……せるな……!」

 

上弦参が煉獄さんの左肩を貫きながら倒れている空さんに問いかけると、空さんは血を吐きながらも立ち上がっていた。だが、残酷なことに空さんの腕はもうこの戦いで続けるには厳しすぎる状態だ……

 

「空さん、もう無理に動いては!」

 

「大丈夫だ、炭治郎……!いいこと教えてやるよ、何度も何度も人の身でありながら死の淵に立たされても……諦めないのはな……俺の心がおれてないからだよ!」

 

「精神論をいうとは……」

 

「精神論も鬼殺隊では立派な一つなんだよ。……それと、俺ばかりを気にしていいのか……?」

 

「な!?(日が近づいてる!?まずい、奴等との戦いに夢中になりすぎて気づかなかった!まさか……!?)」

 

「鬼を殺すには二つ……!ひとつは日輪刀や俺の使う日輪拳で鬼を殺す……そしてもうひとつは……日を浴びれない鬼に日焼けさせることだ!

 

「おぉぉぉぉ!!」

 

空さんが、そういうと共に煉獄さんが上弦参の腕をつかんで上弦参の首を斬ろうとしていたが、向こうも斬られまいと腕をつかんで耐えていた。空さんはもう両腕も上がらないでたつのもやっとという感じなのはわかる

 

「(夜明けが近いからこの柱を殺さないといけないのに……!)腕が抜けない……!?」

 

「言ったはずだ……!俺は俺の責務を全うすると!!絶対に逃がさない!!」

 

「ぐ、伊之助!!」

 

俺は刀を持ち伊之助と共に何としてでも煉獄さんと共に上弦参の首を切ろうとすると……!

 

オオオオオオ!!!!

 

今までの声とは違い焦っていて本当に余裕のない声の叫びが俺の耳に聞こえて耳がいたかった

 

オオオオオオ!!退けぇぇぇ!!」

 

「(絶対に逃がさん!!)絶対に放さん……お前の頚を斬り落とすまでは!!

 

「伊之助、行くぞ!」

 

「おう!」

 

「(このままでは……ぐ、屈辱だ!柱を殺すどころが空も殺せなかったのは!しかし、ここで殺されるわけにはいかない!!)うぉぁあ!」

 

上弦参が叫びながら地面を強く踏み付け跳躍し、その際に両腕をちぎってはいた。そして、上弦参は森の方に逃げようとしたが俺は日輪刀を上弦参に投げた

 

「!」

 

「(にがさない!せめて、一報いを……!)」

 

首は飛ばなかったけど、煉獄さんや空さん……そして真菰達が命かけて戦っていたのにあいつは逃げた。その逃げる姿勢に俺は怒りを感じて心のまま叫んだ

 

逃げるな、卑怯者!いつだって鬼殺隊は、お前らに有利な夜の闇の中で戦ってるんだ!生身の人間がだ!傷だって簡単には塞がらない!失った手足が戻ることもない!逃げるな馬鹿野郎、馬鹿野郎!卑怯者!お前なんかより、空さんや真菰、錆兎、煉獄さんの方がずっと凄いんだ!強いんだ!

 

「炭治郎……」

 

煉獄さんは負けてない!誰も死なせなかった!空さんも真菰も錆兎も戦い抜いた!皆を守り抜いた!!お前の負けだ!煉獄さん達の勝ちだ!っっ…うあああああああああ!!!あああああ!!わあああ!ああああ、うっ、ううっ

 

俺は悔しくなりただ泣き叫んでいると、煉獄さんが優しく俺を呼び掛けてくれた

 

「もうそんなに叫ぶんじゃない。腹の傷が拓くし、君もそんなに軽傷ではないのだからな」

 

「……でも……」

 

俺がなにか言おうとすると伊之助が空さんをおんぶしてこちらに連れてきていた。空さんも腕や足がボロボロで伊之助におんぶされながら優しく話しかけてくれた

 

「ハァハァ……大体……炭治郎。お前もボロボロなのだから今は叫ぶな。お前が死んでしまえば俺達が負けてしまうからな……後、伊之助……運んでくれてありがとう」

 

「キニシナイデ……」

 

「はは……。真菰も錆兎も隠達が保護して、今頃蝶屋敷につれてもらってる……はずだ……が……おれたちもぼろぼろですね……」

 

「うむ……。だが、大丈夫だ……内蔵さえ貫かれてないのなら、あとは胡蝶達が何とかしてくれるはずだ……だが、万が一の事もあるから聞いてほしい……」

 

「そんな……止血で今なんとかできないのですか……?後から聞くこともできるのに……」

 

「いや、今じゃないといけない……。助かる可能性はあっても万が一の事もある……おいで……少し話をしょうではないか……」

 

俺は煉獄さんの言葉に泣きそうになりながらも涙をこらえて座っていた

 

 

空side

俺は伊之助に地面を下ろしてくれて炭治郎と杏寿郎さんの会話を黙って聞きながら呼吸で止血をしていたが俺も杏寿郎さんも無茶をしすぎて、こればかりは、しのぶ達の治療までに意識を保つ自信はねぇな……

 

「思い出したことがあるんだ。昔の夢を見たときに」

 

「………」

 

「俺が万が一のためにも頼みたい……。君が言っていたヒノミカ神楽は俺の生前の家にそれに関する事があるかもしれない……」

 

「え……」

 

「弟の千寿郎に聞けば恐らく見つかるはずだ……」

 

ヒノミカ神楽……炭治郎がずっと気にしていて探していた話だ……。やはり、杏寿郎さんの家にそれに関する事が……いや、歴代炎柱はそれに関することを書いていたのかもしれない……

 

「言伝頼みたい……」

 

「そんな!煉獄さんがいえば……」

 

「炭治郎!……杏寿郎さんの言葉をしっかり聞いとけ……」

 

「っ」

 

俺も杏寿郎さんもボロボロな上に本当に万が一の場合の事もあるから炭治郎には聞いてもらわないと……

 

「…弟の千寿郎には…自分の心のまま正しいと思う道を進むよう伝えて欲しい。父には体を大切にして欲しい」

 

「……はい……必ず伝えますっ……!でも、死なないでください!俺はまだ……!!」

 

「勿論……まだ生きることを諦めてない…。だが、その前に……柱会合の時は覚えてるか?俺は君に鬼をかくまっていたからこそ処罰するべきだと」

 

「はい……」

 

「だが、竈門少年、俺は君の妹を信じる。鬼殺隊の一員として認める。命をかけて鬼と戦い人を守る者は、誰が何と言おうと鬼殺隊の一員だ」

 

「っっ!!」

 

炭治郎は杏寿郎さんの言葉を聞き、認めてくれた嬉しさに涙が溢れていた。俺はまだ意識を保っていても、速く隠達がしてくれないと……

 

胸を張って生きろ……己の弱さや不甲斐なさにどれだけ打ちのめされようと心を燃やせ 歯を食いしばって前を向け,君が足を止めて蹲っても時間の流れは止まってくれない。共に寄り添って悲しんではくれない…

 

確かに時間は止まってくれないし、待ってはくれない。お前達に会うまでに俺の同期はもう真菰だけだ……あの頃の生き残った同期はもういない……下の者は錆兎、義勇、村田……上の者は天元さん、不死川や行冥さん、伊黒……

 

まぁ、不死川や、伊黒が呼び捨てなのはお前に敬語使われると気持ち悪いと言われたからな……あ、泣きたくなってきた。まぁ、でも……後輩を守るのは確かに先輩の役目だな

 

「俺が、もし戦えなくなっても死んでも気にするな。柱ならば、後輩の盾となるのは当然だ柱ならば誰であっても同じことをする、若い芽は摘ませない。そして今度は君たちが鬼殺隊を支える柱となるのだ。俺は信じる、君たちを信じる」

 

「杏寿郎さんだけじゃねぇ……俺も信じてるし、お前達はこれから先も生きていく若き隊員だ……守ることも戦ったことも後悔はしてねぇ」

 

あぁ、やべぇ……どんどん意識が保てなくなってきたな……

 

「見つけたぞ!!炎柱様や空もいる!」

 

「(あぁ……ごっさんの声が聞こえるなぁ。俺は死ぬのか……?それとも生きて帰れるのか……)伊之助……炭治郎……お前達はまだまだ強くなれる……そして、ここに……は……いない………善逸も……だから……俺は……少し……だ……け……寝……る……」

 

「おい!?黒チビ野郎!?」

 

「空さん……!?」

 

炭治郎達の慌てる声が聞こえたが俺はもう意識を保つのが困難で完全に意識を手放した

 

 

しのぶ達にまた泣かせてしまうことになってしまうな………

 




ここまで読んでいただきありがとうございます!
これで一応無限列車編はおしまいですが、いかがでしたでしょうか?なかなか表現するのが難しい編ですが、原作でのこの無限列車編は間違いなく原作主人公のターニングポイントですのでなんとか書きました!
これからもよろしくお願いします!


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54話

暗い……ただ暗い道に俺は歩いていた。その暗い道に俺は休むことなく歩いてると、やがて光が見えてきた。恐らくあそこが出口なのではないかと思い、歩くとそこの光景に俺は目を見開いた

 

「街……?しかし、ここの街は見覚えが……」

 

俺は不思議に回りを見てると辺りから刀となにかがぶつかり合っている音が聞こえた。こんな街にぶつかり合う音が聞こえるのは穏やかではないなと思いそこに向かって走っていくと、さらに驚く光景を見た

 

「カ………カナエさん……!?」

 

柱を引退してるはずのカナエさんが刀を持ちながら戦っていた。俺はその相手を見てるとさらに目を見開いた

 

『はぁ!』

 

『うわー、すごいすごい!君の名前を知りたくなったよ!俺は童魔、君の名前は!?』

 

『ごめんなさい、私はあなたみたいな人には名乗りたくないし、仲良くなりたくないわ』

 

『うわー、きつい言葉はくね!』

 

上弦弐童魔!?なぜ、ここにいるのかわからないし、なぜ、カナエさんが戦ってるのかわからないけど動かないと!

 

「!?……足が動かない?!」

 

『どう?俺が君を救ってあげるよ?』

 

『遠慮するわ』

 

「かーー(声がでない!?足が動かないし、声もでない!?)」

 

『行くわよ……!』

 

『俺が君を救ってあげるよ』

 

やめてくれ……!カナエさん、逃げてくれ!!頼む、貴方がここでやられたら鬼殺隊は……!しのぶがまた深い闇を抱える事になる!

 

「(やめてくれ………!)」

 

『花の呼吸……』

 

『血鬼術……』

 

俺は二人が……いや、カナエさんが童魔に挑むのを見て俺は必死に聞こえるように叫んだ

 

「やめろーーー!!!!!」

 

「きやっ!?」

 

「……っ……ここは………?」

 

俺は目を覚まし、周りをみるとここは俺の部屋で……あれ?手に何か掴んでるような感触が……

 

「あ、あの……空君?」

 

「え……カナエさん……「あんっ!」……?!」

 

「お姉さんの胸に思いきりさわるなんて空君もしかって……」

 

「ちが、ちが………!?」

 

俺はカナエさんに言われて初めてカナエさんの胸を触っているのに気づいて動揺していて自分でも何をいってるのかわからない!!

 

「姉さん、さっきの声は………は………?」

 

しのぶが部屋に入ってくると同時に俺はこの後に起こることがもう避けられないと理解して、心のなかで俺は死んだと思った

 

「あ………(死んだ)」

 

「ふふふ……」

 

「し、しのぶ落ち着け!」

 

「ふふふ、おかしいことを言いますねぇ……私はこの通り落ち着いてますよ?そう、空が血まみれになっていても落ち着いてますよ」

 

「まて!?しのぶ、はやまるな!?その拳をひっこめろ!?」

 

「この馬鹿ぁ!」

 

「ぐぶっ!?!」

 

しのぶは俺のお腹に見事拳に直撃して俺は一瞬呼吸が止まりかけた。あれ、しのぶは力がないはずなのに、あの攻撃はなに!?速すぎて見えなかったのだけど!?

 

「この馬鹿!何で姉さんの胸をさわってるのよ!!」

 

「事故なんだ!本当にすまん!!」

 

「すまんで済むなら、私達は鬼を殺していないわよ!!とりあえずもう一発いく!あと許さない!!」

 

「どわぁぁぁ!?」

 

俺はヤバイと思い目をつぶると二つの温もりが俺の肌に感じ取れた

 

「本当に……この馬鹿っ……!」

 

「………しのぶ……?」

 

「空君、1週間も目を覚まさなかったのよ…。さすがに……私達も蝶屋敷の皆も不安だったわ」

 

「1週間…!?!」

 

「えぇ、空が運び込まれたとき炭治郎君達も運び込まれていたわ。……事情は鴉から全部聞いてる」

 

鴉……そうだ、俺以外に炭治郎は無事なのか!?伊之助は、善逸は!?俺は色々なことを聞こうとするとしのぶが優しくそして悲しそうに微笑んでくれた

 

「空が気にかけているあの子達は……三人とも大丈夫です。………炎柱煉獄さんはその……亡くなってはいませんが……本日付で柱をやめることが正式に決まりました」

 

「そう……か………」

 

「煉獄君の怪我ははっきりいって酷いの。内蔵損傷で片目もやられているし、現場では出血が酷く生きてるのが奇跡なの。少し前まで意識不明だったけど峠も越えたわ……」

 

「……真菰も錆兎は?」

 

「お二人は……その……鬼殺隊に戦うことができません」

 

俺はその言葉に目を見開き、驚き起き上がろうとしていたが、しのぶが起き上がるのを制止かけたな

 

「空、動いてはいけないわ」

 

「ぐっぅ……」

 

「空君、あなたは肩もやられていて、全身の筋もやられている。それ以前に骨折もしてるのよ」

 

「そ……そうか……道理で腕にも力が入らないのか……!」

 

「真菰さんは肋骨が骨折していますが、それはすぐに回復するでしょう。しかし、膝の靭帯の方がやられていては以前のように早くは無理と話すと、真菰さんもこの状態では鬼殺隊の戦いは厳しいと思い、本人は鬼殺隊の隊員としては戦うの辞めるそうです」

 

「なら錆兎は!?」

 

「色々な怪我をしてるけど刀が刺さっていたのかかすり傷でできたのか手首の損傷もあり刀を持つことが困難だと」

 

「……鬼殺隊の強い戦力が三人も戦えなくなるとますます鬼が……!しのぶ、俺はいつ復帰できそうだ?」

 

「………」

 

「しのぶ?」

 

「空君は当分前線を離れてもらうわ。これはお館様の命令でもあるの」

 

「は!?」

 

俺はまさかのお館様の命令でもあるということに驚いた。俺は速く怪我を直して鬼殺隊に復帰して上弦どもを殺すための力を身に付けないとダメなのに!!

 

「空の体は……その……」

 

「しのぶ、何を話したいのかいってみろ」

 

「……空はほぼ骨折してる上に頭部損傷、さらに擦り傷とか……早くても4ヶ月~5ヶ月はかかります」

 

「……は?!よ、4ヶ月以上!?」

 

予想外に時間かかることに驚き、全身骨折していたことに驚いていた。予想外だが、全身骨折ですんで御の字かもしれないと思った

 

「空なにか隠してない?貴方がここまでそんな重症になるのは上弦と戦ったからではないでしょ?」

 

「そうね、こんな怪我の仕方は初めてよ」

 

「もし話さないと言ったら?」

 

「しのぶ、注射をーー「ごめんなさい、話します」宜しいです」

 

俺は恐らくこの全身骨折のきっかけが零ノ呼吸が原因だと話すと二人は目をキョトンとしていた

 

「零?終ではなく?」

 

「初めて聞くわね」

 

「零は俺がこの四年間努力して編み出した拳の呼吸の本当の最初の型だ」

 

「最初の型?」

 

「あぁ、壱から伍はあくまでも鬼殺隊で努力したらできる技だが「「嫌々、できないからね?」」……そこまで否定しなくっても…」

 

二人口揃えて否定するなんて……まぁ、女の子にこれを進めるのは悪い気がするからというか、誰にも教えないしデメリットしかない

 

「まぁ、零は解除だ。つまり、人間の力を最大限に引き出すための呼吸で、これを解除すると……」

 

「威力が倍増になる……ですが、筋肉がついていけずに断絶してるのもあったわ」

 

「だろうな……やはり体がついて行けてなかったのか……今回はこの程度ですんだのかよくわからんがな。なにせ、この零ノ型を使ったのはアイツが初めてだしな」

 

「空、その零はできれば極力使わないでほしいの……」

 

「しのぶ?」

 

「私も同じ意見かな。それは多用するのはあまり薦めない……」

 

二人の心配そうな顔を見て俺は気まずげに顔をした向けていた。二人が心のそこから心配してるのはわかってるけど……

 

「……ごめん、それは無理だ……。正直上弦相手にそれを使わないで勝つのは厳しい。……いや、寧ろそうしないと……それに俺は奴等を殺すためなら使わないという選択は無理…」

 

「でも!!それはあまり多用しすぎると……空……」

 

「…うん…わかったわ」

 

「姉さん!?」

 

カナエさんがさっきまでは止める側だったが、俺の言葉を聞いてなにか考えてから俺の方に見据えて話したい。反対していたしのぶがまさかカナエさんが止めないことに驚き問い詰めているとカナエさんはいつもの優しい顔ではなく柱をしていたときやなにかを大事なこと決めたときの顔だった

 

「貴方がそう決めたのなら勝手にしなさい。行きましょ、しのぶ」

 

「姉さん!?」

 

「今は何を話しても鬼殺隊甲の夛田空は聞かないわ。これ以上は話しても無理よ……ほっておきましょう」

 

「……わかったわ」

 

カナエさんの言葉を聞くとしのぶはなにか言いたげだったがカナエさんは部屋の出口の方に向かって歩いていき、しのぶはそれに着いていった

 

「……馬鹿」

 

それをいってからカナエさんは部屋を出ていき、しのぶもなにか察したのかなにも言わずに部屋を出ていった

 

残されたのはボロボロの体と静かな部屋だった

 

 

馬鹿か……

 

あぁ、随分心がいたいなぁ……




ここまで読んでいただきありがとうございます!
改めてここで整理しますが、煉獄さんや真菰、錆兎は生存しましたが、いずれも前線に戦うのは困難になり戦場で戦うのは不可能となりました。
空は上弦参との戦いと零ノ型のダブルダメージがあるため、重傷となっています。
さらに、三人が鬼殺隊抜ける事と上弦参に負けたこと、そして夢での悪夢を見たことで肉体的にも精神的に今はボロボロです
あとがきでここまで長くかいたのははじめてですが、これからもよろしくお願いします!


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55話

夜になり部屋は俺一人で鴉が俺の部屋に来る気配もなく、しのぶ達も俺が起きた時以来は会っていない……俺は一人で起き上がりながら満月を見上げていた

 

「………」

 

カナヲやしのぶは恐らく任務かな……。カナエさんはきっと俺の態度に呆れていく気にもなれないだろうし、アオイ達も来ていないからうごくなら今だな

 

「あ…ぐっ……!」

 

体が痛むの感じるが関係ない……そう感じながら俺は這いずるように動いて服に着替えていた

 

「あぐっ……!痛くない……痛くない………!」

 

俺は自分に言い聞かせながら着替えて蝶屋敷の離れた山へとゆっくりと足音をたてないように歩いていき、手袋をつけて……

 

「っっ!」

 

拳の呼吸で殴ろうとしても腕が痛み木を殴れず、地面に膝ついていた。俺は痛みのせいによる汗が止まらず、苦しかったが無理やり顔をあげて……

 

「拳の呼吸……壱ノ型……!」

 

波動を打とうとするがそれもまた腕に痛みが走り俺は肩を押さえようにも押さえれず地面に思いきり倒れた

 

「あぐぅ……こんな怪我痛くない……痛くない……!立つんだ……!!」

 

俺は痛みながら脳裏にはカナエさんが上弦弐と戦っていたときや上弦參との戦いを思い出して歯を食い縛りながら立ち上がった

 

「俺は……俺はまた……また守れなかった!!!」

 

こんな夜に一人で手負いながらも出ていたのはあの日の悔しさや…今回の戦いの敗北で俺はベットで安静したくないし、していたら悔しさしかない……痛めてる腕を軽く木に当てていた

 

「っそ……が……」

 

『どう?俺が君を救ってあげるよ?』

 

『……面白い……面白い!!貴様はまだまだ強くなれるのか!?面白い!!』

 

『お前達の連帯の技は見事だったが、これが鬼と人間との差。人間は傷を受けたら治らないとその身を削ってまで食らわした斬撃した傷ももうすでに治っている…どう足掻いても人間では鬼に勝てない!』

 

「くそが…!」

 

『三人とも大丈夫です。………炎柱煉獄さんはその……亡くなってはいませんが……本日付で柱をやめることが正式に決まりました』

 

『お二人は……鬼殺隊を辞めることになりました』

 

「くそが……!!」

 

俺は気がつくと痛む体を無視しながら、ただひたすら木の方にまだ動く右腕で殴っていた。そう、何度も、何度も、何度も!!

 

「くそがぁぁぁぁぁ!!!」

 

俺は叫びながら木の方に思いきり殴るとその木は揺れていて俺は痛む体と汗が止まらないが関係ない

 

「くそが、くそが、くそがぁぁぁぁぁ!!!なんで……なんで!!!なんであの三人が鬼殺隊をやめないといけないほどの状態なんだよ!!」

 

『初めまして、私は真菰ー!』

 

『うむ、君が拳を使う異質な隊士だな!俺は煉獄杏寿郎だ!よろしく!!』

 

『よ、お前が真菰から聞いていた空だな?』

 

なんで……なんで神様とやらはいつも俺の大切な仲間を……残酷な運命に!!しのぶもカナエさんも鬼に襲われてなかったらきっと幸せな家庭を築き上げていたか、楽しく、親と過ごしていたのに!炭治郎達もそうだし、アオイ達も……!

 

「俺はいつもそうだ……!気づくのが遅すぎて、仲間に苦しい思いをさせていて!!何が柱候補だ!何が……何が拳の使い手だ!!」

 

俺は叫びまくり悔しくなり、地面に座り込み悔しくなり地面を何度も叩いた

 

「守れず……勝てず!!挙げ句の果てには…柱としても鬼殺隊としても絶対に欠かせない杏寿郎さんが……仲間を守れない上弦も討ち取れず……俺は……これ以上ない不甲斐なしの隊員じゃねぇか!!」

 

カナエさんの時から俺はなにも成長してない!ただ自分が強くなっていたと勘違いしていた大ばか野郎じゃねぇかよ!

 

「(仲間も守りきれなかった俺は……!)仲間一人も守りきれず…挙げ句の果てに鬼逃げられた……こんなにも俺の腕は情けなく弱すぎるのかよ…こんなにも、あいつらを討ち取れな俺の拳は……くそがぁぁぁぁぁ!!!」

 

俺は地面を思いきり殴ろうとするとその腕は掴まれて俺はつかんだ方向に振り向くと……

 

「何をしてるの……」

 

「………」

 

「何をしてるのって聞いてるの、空君」

 

俺の腕をつかんでいたのは元花柱で、今の蟲柱の姉でもあり俺の幼馴染みでもある胡蝶カナエさんが立っていたが……

 

「何してるの?」

 

いつもの優しい雰囲気はなく怒りの雰囲気で俺の手首を掴んで問い詰めていた。俺はなぜここにいるのがわかったのか内心冷や汗をかいていた

 

「(なんでここに!?ばれないように歩いていたのに…)」

 

「……私の問いに答えなさい。甲、夛田空」

 

「………」

 

「……私達には関係ない、話す必要はない…だから答える必要性もない…というところかしら?」

 

「!?」

 

「さっきまでも乱れていたけどさっきの私の言葉にさらに脈が乱れているってことは動揺してるわね?」

 

まさか、手首を掴まれて俺が動揺するのわかったってカナエさんは一体そう言うのどこで身に付けたのだ!?

 

「全く………こっちに向きなさい」

 

「……」

 

俺は逆らうというか逃げるという選択は諦めて、カナエさんの方に振り向くと……

 

「…体がボロボロなのによくここまで動いたのね」

 

怒りながらも呆れた表情で俺の方を見ていた。俺はなにも言えずに黙りながら下を向いていた。俺は今日の事もありすごく気まずいのと、今の情けない自分を誰にも見せたくなかった

 

「……」

 

「…もう…今は誰もみていないから……泣いていいわよ……空君」

 

「っ!?」

 

「本当は辛いよね……泣きたいよね……。でも鬼殺隊で上の近くに勤めている以上泣くのは許されない……私達には弱さを見せないで耐えてきたのよね」

 

なんで………なんで俺の隠している俺の本当の気持ちがばれているんだ……!?俺が話してない本当の気持ちが……!?

 

「俺は………」

 

「本当は黙って見守るつもりだったけど……自分の体をこれ以上責めるのはさすがに止めるわ。昼間のあれも自分の時間がいると思いあえて突き放したけど…それは間違いだったみたいね」

 

カナエさんは俺の痛めてた腕を優しく撫でるようにしてくれていて、俺はなにも言えなかった。だが、今の俺はもう気持ちを隠すのもしんどいと思うと不思議次の言葉を漏らした

 

「俺は……俺は……悔しいです」

 

「空君……?」

 

「俺は……昔かは何一つ守れてない……守るどころが失う数が多すぎて……カナエさん、貴方のあのときも……」

 

「空君、それは前もいったけどあの時のことはあれは私が弱かったから…あなたが責める要素はないのよ?」

 

「そんなわけない!!」

 

「っ!?」

 

「貴方が……胡蝶しのぶの姉のカナエさんが弱いはずがありません!誰よりもつよく、誰よりも優しい貴方が……弱いはずありません……」

 

「空君……」

 

あんなきれいな花の呼吸を……あんな綺麗な戦い方をするカナエさんという鬼殺隊を失わせてしまい……しのぶに心の闇を背負わせてしまったのは間違いなく俺の責任だ……!

 

「もう!そんなに自分を責めないの」

 

「あっ……」

 

「空君はずっと頑張ってるよ。頑張りすぎているときもあるけど……ね。でも今くらいは気を休めないとダメよ」

 

「でも……でも……!」

 

「空君はそういう泣き虫な所は変わってないわね……もうそんなに責めなくっていいの……」

 

カナエさんの優しい温もりが俺を包み込んでくれて俺はポロポロと涙が止まらなくなってきた

 

「よく頑張ってる、頑張ってる。目一杯落ち込んだら顔あげましょ?大丈夫、大丈夫!あなたはとても頑張ってるよ!」

 

「うぁぁぁ……!!」

 

「今だけは……泣きなさい……お姉ちゃんが胸を貸してあげるからね」

 

カナエさんの言葉を皮切りに俺はもう嗚咽を漏らしながら小さな子供のように泣いていた。カナエさんは優しく背中を叩いていた

 

 

 

カナエside

しばらくして空君は泣きつかれたのか寝てしまっていた。私は空君が寝ているのを確認しておんぶして運んだが……

 

「しのぶよりは重いけど…そんなに重くないかな?」

 

「zZzzz」

 

「ふふ、こうしておんぶするのは懐かしいなぁ。しのぶもおんぶしたことあるけど空君もよく寝ていておんぶしたことあるし……あの頃はカナエお姉ちゃんって甘えていたのに~」

 

そう!空君ったら、小さい頃はカナエお姉ちゃんって甘えていたのにいつのまにかカナエさんって言うようになって落ち込んだわ~

 

「しのぶ……小さい~……」

 

「うふふ、なんか楽しい夢でも見てるのかな?」

 

「俺が……僕が……お父さん……お母さんの分まで……絶対二人の結婚する……その時まで守……る………」

 

「ッ………そうだったわね…ごめんね、空君…」

 

そう、少しだけ忘れていたけど空君はもう肉親がこの世にいないのだった。私は……いえ、私たちはまだ姉妹でもあるから今もこうして楽しくとまではいかないけど穏やかな日々を送っていた。それに忘れていたけど、空君はもう帰りを待ってくれる肉親がいないのだった……

 

「……私達がいるからね……」

 

どうか……どうか、せめて夢の中の時くらい空君は穏やかな夢を見れますように……それがお姉ちゃんの願いよ




ここまで読んでいただきありがとうございます!また新たに評価していただいた方ありがとうございます!
これからもよろしくお願いします!


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56話

朝目を覚ますとぼやけている頭で回りを見ると俺は自分の部屋に、いつの間にか寝ていたことが理解できた

 

「俺は……寝ていたのか……ん?」

 

俺は自分の体を動かそうとすると縄が食い込み俺はやがて頭をあげてみると俺の全身が布団ごと縛られていた

 

「なぜに!?」

 

「昨日の抜け出した罰よ」

 

声した方向に振り向くとしのぶが正座して俺の寝顔を見ていたのかニヤニヤしていた

 

「しのぶ!?お前の仕業か!?」

 

「まさか………蝶屋敷みんなでしたのよ」

 

「まさかの全員!?!」

 

俺はしのぶの予想以上の答えに驚きの声あげるとしのぶは腕を軽く殴る動作をしながら俺に怒っていた

 

「全く……そもそも空は鬼殺隊で次期柱候補なのに自分の体を無茶して、さらに安静しないといけないのに……ん」

 

「っっっ!!?」

 

「痛いですよねぇ?ねぇ、痛いですよねぇ?」

 

「し……し……しのぶ……」

 

「そもそも安静してという話したのにまさか夜中に抜け出した更には姉さんに負担をかけた……ふふ、空。今すぐ、私に注射されるか、アオイ達に注射されるかカナヲに注射されるか選びなさい」

 

「まてまてまてまて!?いだだだだだだだた……」

 

俺はなにか言おうと起き上がろうとしていたが、布団縛られてるせいで起き上がれないのと体が元々怪我がひどいため激痛が走っていた

 

「なんですか?みんなに殺られる選択にするのですか?」

 

「何で敬語!?あと、なんかやられるという言葉がおかしい!!」

 

「大体空は姉さんにお姫様だっこされてここに戻ってきたのよ、覚えてない?」

 

「な……ん……だと!?」

 

「ふふ、冗談よ。……本当はおんぶよ、おんぶ」

 

「……」

 

「おや、固まったわね……」

 

まさか、俺はこの年になってもおんぶされる日が来るとは……しかもしのぶの姉のカナエさんにそれをされていたとは……

 

「切腹しょう。刀をくれ、そして海に流してくれ」

 

「なんでそうなるのよ!?あと刀貸さない!」

 

「だってカナエさんにそれをされたのだぞ!?」

 

「姉さんにそれされて嬉しくないっての!?」

 

「嬉しいよ!?めちゃくちゃそれは嬉しいけど俺も男の子って言うか……色々あるの!」

 

「ワケわからないことを言わないでよ……」

 

しのぶは俺の発言に呆れながら姉にそれされて嬉しくないのかというときは怒っていたのに…よくコロコロと表情変わるのはおれ相手だからなのか?

 

「それより、俺を起こしに来たのか?」

 

「起こしに来たというより……まぁ、脱走してないか見に来たという事よ。それより、空」

 

「ん?」

 

「……スッキリした?」

 

「…………おう、色々とすまなかったな」

 

しのぶが優しい顔で俺を覗き込んできたので俺は苦笑いしながら心配かけたことを謝った

 

「それと本当に俺相手だからなのか敬語は使わないというか素になってるな」

 

「だって、空相手には敬語使いたくないからね。というか、幼馴染みに敬語を使うなんて変でしよ?」

 

「それもそうか。ところで……」

 

「あぁ、もうお二人は目を覚ましていてご飯も食べてるわ」

 

それを聞いた俺は安心してでも動こうにもやはり体が昨日よりも痛いのでいくのを諦めていた

 

「杏寿郎さんは帰ったのか?」

 

「あ、その件ですが……今、こちらの部屋に……」

 

「呼んだか、空!」

 

「杏寿郎さん!?」

 

「この通り、安静していても動きたくって仕方がないのか空の方に向かわせました」

 

「それは押し付けたというのでは?」

 

「……では失礼しますね」

 

俺がそれを言うとしのぶは目をそらしていた。しのぶも杏寿郎さんのことは嫌いではないが、恐らく鬼殺隊をやっていくには厳しい状態と言ってたのかそれで会うのが気まずいのだろ

 

「あらあら、杏寿郎君落ち着きなさい」

 

「うむ、すまん!しかし、空の方の顔を見たくってな!生きているか!?」

 

「気持ちはわかるわー。あ、空君おはよう」

 

「カナエさん、おはようございます……それと生きてますよ、杏寿郎さん」

 

騒がしい先輩の来訪と共に俺はカナエさんと杏寿郎さんと3人で庭の方を眺めて外は日が差し込んでいた

 

「……よもや、まさか上弦相手に生きて帰れると思わなかったぞ」

 

「それは俺もですよ。今回ばかりは上弦弐の時も含めてそうですけど、ここまで死にかけたのははじめてかも知れません」

 

「でも、そもそもそんなに頻繁に上弦に会うこともないし、それ相手に死にかけてでも生存してるのはなかなか無いわ」

 

「…まぁそうですね。……鬼殺隊を……辞めるのですか?」

 

「うむ!正確には辞めるというより前線で戦うのはもう無理だとわかっているからな!」

 

「私は上弦弐の時に呼吸がダメだったから鬼殺隊を辞めて、しのぶと共に蝶屋敷で働いてるけど、煉獄君はどうするの?」

 

「うむ!暫くは父上の家に戻って、安静しておこうと思う!それと、時々時間があればあの少年達を育てたい!」

 

杏寿郎さんの状態は片目に眼帯していて、体も包帯を巻かれているが五体満足なのはある意味奇跡かもしれないな。それよりも随分炭治郎達を気に入ってるな

 

「それよりも、空!」

 

「は、はい!」

 

「柱になってくれんか!?」

 

「は!?」

 

俺は杏寿郎さんの言葉に驚き目を見開いてると杏寿郎さんは堂々と腕を組ながら訳を話してくれた

 

「君も知っての通り柱は9人!しかし、俺が抜けたことで柱は8人になるが一枠空くのは好ましくない!なので、俺は君を柱に推薦する!」

 

「まてまてまて!?杏寿郎さんや、俺はーー」

 

「君は自分が柱の実力ではないと言いたいのか?」

 

「空君を柱に私達姉妹も煉獄君、不死川君も賛成してるのよ。因みに岩柱、音柱、恋柱、蛇柱も面識あるわよね?賛成していたわよ」

 

「ほぼ全員!?霞柱は!?」

 

「とりあえず賛成と言っていた!」

 

ほぼ全員賛成されてしかも退路を失われてしまい、俺はこれ実質柱になれということだよね?

 

「そ、そうだ!天元さんは賛成していたが義勇は!?あいつなら否定……」

 

「してなかったぞ!!!」

 

「畜生ぉぉ!?!退路を絶たれた!?!」

 

「あらあら、落ち込まないの」

 

「まぁゆっくりと考えたらいい!おれももう少しはここで入院だからな!」

 

「お館様はなんと……?」

 

「待っている……っとおしゃっていたぞ!」

 

とりあえずは考える時間は与えられたということか……なんだか、色々と進みすぎて怖いな

 

「それはそうと!!」

 

「なんだ?」

 

「いつまで君は布団ごと縛られているのだ!!」

 

「………できればそれも触れないでほしかった!」

 

俺は空にあおぎながら心の叫びを思い切り叫んだ。畜生、俺はもう二度ととまではいかないが布団縛られないようにどうにかしとこう!




11月に入りましたが、皆さん体調大丈夫ですか?これからも、気をつけていきましょう
これからもよろしくお願いします!
リクエストはこちら~です!
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57話

俺は布団ごとしばられるのをなんとかといてもらって、自分の部屋で安静しながら庭で空を眺めていた。すると蝶屋敷が何やら騒いでる声が聞こえていたが俺は全身の怪我が酷いのと胡蝶姉妹に怒られたくないので安静していたが……

 

「あ、あの空さん……」

 

「アオイ?」

 

俺の部屋に入ってきたのはこの蝶屋敷で4番目に仕切っているアオイだった。何やらいつものキリッとしていた雰囲気ではなく、何や、周りを見て確認していた

 

「あの……空さんは今時間大丈夫ですか?」

 

「ん、まぁいいけどどうした?」

 

「空さん!」

 

「お、おう!?」

 

「あの、錆兎さんや真菰さんから聞いたのですが上弦の前にもう一体鬼がいて戦っていたと聞いてますけど……」

 

上弦の前に戦っていた鬼か……これを話していいのかどうかはわからないが隠すよりは話さないとな

 

「…アオイ…今日患者は?」

 

「入院してる四人以外は今いませんけど?」

 

「あと俺の服は?」

 

「ありますが、どうしました?」

 

「俺の服の中は見てないか?」

 

「まだ中は見てませんが…」

 

「蝶屋敷全員に大事な話があるから全員をこの部屋に呼んでくれ。あと、脱走はしないから俺の服をもってきてくれ」

 

それを言うとアオイは疑問に思いながらも俺の服を取りに行き、なほ、すみ、きよと胡蝶3姉妹を呼びに行ってくれた。え、カナヲはなんで胡蝶3姉妹に扱うのかだって?別にいいだろ!

 

「空さん、全員来ました。あと服を持ってきました」

 

「ありがとう、アオイもそこら辺で座ってくれ」

 

「は、はい」

 

「空、話ってのはなんですか?」

 

しのぶはいかにも今はやることがあるのだから早く言ってほしいと言う雰囲気だったが、俺はしのぶ達にこの事実を知ってほしいと思い深呼吸してあるものを話した

 

「…これを…」

 

「それは!?」

 

「「「「!?」」」」

 

俺が服の中から出したのはあの蝶の髪飾りでしのぶはそれが何なのかわかって目を見開き他の皆も今から話すのが何なのかわかったみたいだ

 

「しのぶ達の……カナヲ達の先輩たちでもある継子の形見だ……」

 

「どこでそれを……」

 

「上弦の前に他の鬼と対峙していたのは聞いてるか?その時に奴はその蝶の髪飾りをコレクションとして扱っていた。……奴は、3人の継子を殺したやつだった……」

 

「…っっ!!」

 

「結果的に真菰、錆兎の協力でその鬼を殺せて仇は討ち取れたが……その直後に上弦参と対峙して報告が遅れた……」

 

俺はそれを説明し終えるとしのぶとアオイとカナエさんにそしてカナヲもそれを目そらすことなくその髪飾りを抱き締めていた

 

「……空、ありがとうございます。この子達もここに戻れて嬉しいはずです……」

 

「きっと、姉弟子達もここに戻ってきて安心したはずです」

 

「………」

 

「「「「ありがとうございます」」」」

 

「………この蝶屋敷の皆にお願いがある」

 

「空さんから私たちに」

 

「お願い」

 

「ですか?」

 

俺はみんなの言葉を聞いてから改めて俺が今思っていることも考えてることもあったので、7人の顔をきっちり見て俺は……

 

「っちょ、空さん!?」 

 

アオイが慌てる声がしていたが俺は気にしてなかった。俺は皆に向かって土下座しながらそのおねがいをした

 

「頼む……皆は必ず殺されることなく最後まで生きてくれ!」

 

「空君……」

 

「俺はあのときも……今回も……誰かを失う恐怖を味わっている…。鬼殺隊で戦っている以上命の保証はないのはしってる!だが、俺は……この蝶屋敷の皆が幸せになってほしい……だから、俺よりも長く生きる事を約束してほしい!」

 

「空、何を言って……」

 

「死にかけているとき……俺はいつも夢を見るんだ………あの初めて上弦弐のときの事を」

 

俺がそれを言うと皆が重い雰囲気になっていてカナヲも震えていた。カナヲにとっては命の恩人の一人が失いかけたと言う恐怖がある

 

「俺はあの頃から何一つ守りきれてねぇ……だが!!俺は皆にそれを頼む代わりに俺も約束をする……必ず……蝶屋敷に迫る悪鬼どもを俺がこの手で守り抜いて見せると!!」

 

「空君、それは約束できないわ」

 

「えぇ、私達もよ」

 

「!……なんで……?」

 

「私達だけが長生きするのではなく、空君も必ずここに帰ってくることを約束して。あなたの帰る場所はこの蝶屋敷で皆があなたの帰りを待ってあげるから」

 

「んな!?」

 

「はい!私達も空さんの帰りをここで待ちますから必ず最後まで必死に生きてください!」

 

「「「はい!」」」

 

「……」

 

「いやあのね……俺は別にそんな気休めな……!?」

 

俺の頭にはしのぶが俺の頭を撫でていた。俺はまさかの蝶屋敷の約束に動揺してるとしのぶが優しく話しかけていた

 

「空、私達はなにも気休めに言っていません。ですが、私達みんな本心です。それ以前に私達は家族です。だから、この蝶屋敷という家族のもとに帰ってきてください」

 

「…はぁぁ、そこまで言われたらな…わかったよ。なら、俺もここに帰るという約束をするからしのぶやカナヲは絶対に鬼に殺されるなという約束してくれるか?」

 

「勿論」

 

「……はい」

 

俺はみんなの言葉を聞いて改めて約束を守ると言うとみんなも嬉しそうに笑っていた。すると、カナエさんが手を叩いて俺に話しかけた

 

「それなら、みんなが結婚式するときに空君はお父さんとして出てもらおうかしら?空君がこうして生きて帰るという約束するのだから、それをお願いしときましょ?」

 

「姉さん、それならお父さんというよりお兄さん側じゃない?」

 

「待て待て!?飛躍しすぎてる!!なんで、結婚の話が出る!?」

 

「蝶屋敷の誰かが結婚するときに父親として兄として出てください!よろしくお願いします!」

 

「「「お願いします!」」」

 

「…お、お願いします………」

 

「だからなんでそうなるの!?!」

 

まてまて!?なにかおかしくなっているが、それ以前に俺は気になる反応があったぞ!だが、確証はないのでいまはたえとこう

 

「(ク、これ以上突っ込みきれないのだから諦めておこうか!)まぁ、とりあえずは結婚の話はおいといて……家族なら最初にいっとかんと駄目なことあるな?」

 

「「「「「「?」」」」」」

 

「これからもよろしく、皆」

 

「「「「「「「はい!」」」」」」」

 

俺の言葉にみんなも笑顔で返事してくれいた。俺はまだ体も完治してないし鬼殺隊の戦場復帰するまでは時間がかかるな。因みにしのぶに義勇との進展はあったのかこっそり聞くと問答無用に痺れの入った注射打たれて暫くは動けなかった………




ここまで読んでいただきありがとうございます!次回もよろしくお願いします!


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58話

あの上弦参との激闘も3週間過ぎて、俺は大分体の痛みが引いてきて、今ではゆっくりだが蝶屋敷の庭周辺を歩行している。この三週間で大きな出来事と言えば、炭治郎が一時蝶屋敷にいなくなったのは大騒ぎだったが、なんとか落ち着いた

 

「で……なんで俺の方にわざわざ来ているのだ?炭治郎、伊之助、善逸……お前達三人の体の具合はあまり良くないんだぞ?じっと安静しないと駄目だろ」

 

「大丈夫です!」

 

「大丈夫です……じゃねぇよ!?お前は特に反省しろよ!?しのぶやカナエさんに蝶屋敷の皆を心配させたのだからな!」

 

「それに関しては申し訳ございません!」

 

「潔きだな!」

 

そう、炭治郎は体の具合があまりよくないのに、元炎柱さんの住んでいる家に訪問していたらしい。俺と杏寿郎さんは事の詳細を聞いて驚いたのとしのぶの怒りが凄まじかったとだけ伝えよう。そして、その怒りをまた俺が愚痴るの聞いて八つ当たりされないか不安だった

 

「まぁ、もう終わったことだからいいけど……どうした?」

 

「「「俺達を修行させてください!(させてくれ)!」」」

 

「………は?」

 

俺はキョトンとしながら三人の顔を見ると至って真剣な顔で俺に頼み込んできていた。それに対して俺は驚きとりあえずは、話を聞くことにした

 

「俺達はあの上弦の戦いでなにもできませんでした!煉獄さんや空さんが戦っているのに……」

 

「それ以前に俺様も何も出来なかったのは腹立つんだよ!だから強くしてくれ!」

 

「お前柱候補になに命令してるの!?!バカなの!?」

 

「はぁん!?お前こそ、なにもしてなかったじゃねぇか!?」

 

「…あー、とりあえずは事情は分かったが……うん、炭治郎達もそうだがよかったらそこで後ろ気配隠してるカナヲもどうだ?」

 

俺がそういうとカナヲも出てきて善逸達は騒いでいて炭治郎はカナヲに手を握っていた

 

「カナヲ、久しぶり!」

 

「う、うん……」

 

「ん?!(カナヲの反応がいつもと違う…?)」

 

俺は炭治郎とカナヲのやり取りに少し驚き固まっていたが、すぐに気を取り直してカナヲが俺に話しかけていた

 

「暫くは任務なので挨拶を……」

 

「そ、そうか。気を付けていてよ……」

 

「はい。では……」

 

カナヲは頭を下げて遠方の方の任務へと出掛けていったが俺はさっきの光景に少し驚いていた。何故ならあのカナヲが……な

 

「(炭治郎と会ってからカナヲは少し変わったか?)まぁいい。それよりも炭治郎達は俺に鍛えてほしいといっていたな?」

 

「「「はい!」」」

 

「そうか……よし、杏寿郎さんと話して特訓できるように考えるよ!」

 

「本当か!?ギョロ目にも教えてもらえるのか!?」

 

俺がそういうと伊之助は嬉しそうに俺の方に迫っていた。俺は伊之助がまさかここまで嬉しそうに反応するのは予想してなかった

 

「あれ、そういえば空さんはこれからお出掛けですか?」

 

「あぁ、実弥と杏寿郎さんとこれから少し話があってな……」

 

「実弥さん?」

 

「風柱不死川実弥だ。炭治郎は会ったことあるのだろ?」

 

「俺はあの人を柱と認めない!!」

 

「お前なにいってるの!?柱は偉いのだよ!?」

 

こりゃ、炭治郎の反応見る限り何かあったのは事実だな。それ以前にこいつと実弥があったら大喧嘩は確実になりそう……

 

「まぁ、お前とあいつに何があったのかは触れないでおくが……あいつも色々とあるのだよ。他の柱は遠方で居ないから俺と三人で話すことになったのだけどな」

 

「話すってなんだ?」

 

「……俺達が対峙した上弦の話だよ。それと……いや、これは正式にどうするか決めてからだな」

 

「(悩んでいる匂いがする??)何かあるのですか?」

 

「まぁ、炎柱の杏寿郎さんが柱辞めるのは知ってるな?」

 

「え?!そうなの!?あれ、本当なの!?」

 

「おう。で、その件に関して話し合いをな」

 

俺がそういうと三人は複雑そうな顔をしていた。まぁ、なにもできなかったという悔しい気持ちはあるのかも知れないな

 

「とりあえず、お前達はまだ怪我治してないのだからそれからだな」

 

「え、じゃあ特訓の話は……」

 

「きちんと治ってからな。話はそれからだな」

 

「っ、ありがとうございます!」

 

「おしゃ!!」

 

「おしゃ!!じゃないよ!きちんと礼を言いなさい!!」

 

俺は三人の反応を見て俺は頬が緩み優しい目で見ていた。俺達が命かけて守る価値が……いや、意味があったということに俺は嬉しくなった

 

「じゃあ、お前達は安静しろよ」

 

「おう!」

 

「「はい!」」

 

俺は着物を来て、ゆっくりと歩いてだが待ち合わせの場所に暫くは歩くと風柱の家につきその場所へと歩くと既に杏寿朗さんと実弥がいた

 

「すいません、遅くなりました」

 

「空遅いぞォ……どこに道草くっていた」

 

「うむ、俺は今来たところだぞ!」

 

「はは、実弥は相変わらずだな」

 

俺は二人の間に入り席に座りながら、今回の話の事もわかってるので世間話もなしで三人で話していた

 

「で……上弦はどうなんだ?実際に対峙したてめぇらがわかるはずだァ」

 

「まず単刀直入に言えば……化け物だ。あの回復力もこれまでの鬼とは比べ物にならないな」

 

「うむ!それに空は弐とも2回対峙してるし後の一回は俺とももに上弦參と対峙したな!」

 

「よくよく考えたら上弦と対峙してボロボロになって帰ってくる空……お前は呪われてるのかァ?」

 

「それは言うな。まじめに、俺もよく生きてると思う」

 

本当によくよく考えたら上弦と対峙していて生き延びれてるよは悪運強すぎるよな……あれ?よく考えたら、俺は神様も死神様も嫌われてるのか?

 

「で、他には?」

 

「まず俺がわかってるのは上弦参は格闘の使い手で正面でぶつかってくるな!」

 

「上弦弐は………昔の情報と変わらずの呼吸を使えなくするあれが厄介だな。今の俺が使っている拳の呼吸で能力引き上げても正直勝てるかわからん」

 

「そうか……で、煉獄」

 

俺の発言を聞いた実弥は納得して今度は杏寿郎さんに話しかけていた。杏寿郎さんは実弥の呼び掛けに反応示して返事した

 

「む?なんだ!」

 

「気のせいかと思ったがぁ、痩せたな…?」

 

「……うむ。情けない話だが生き延びれた代償なのか以前みたいに食欲が起こらないのだ」

 

「…そうかァ…。まぁ、安心しろ……醜い鬼どもは必ず俺が殺してやる……だから、てめぇは今ゆっくりと休めェ」

 

「うむ、ではゆっくりと休ませていただこう!ところで、空は柱の件はどうするのだ!?」

 

「それに関してはまだ決めかねてますね……」

 

「はぁ?なんでだァ?」

 

実弥が怪訝そうに俺の方を見ていたので俺はどうはなそうか悩んでいたがこの際の事も話さないとな

 

「まず結論から言えば俺は三回も上弦の鬼に負けた。その上、生かされたというべきか……うむむ、柱になるなら敗けは許されないのに俺は負けた」

 

「それを言うなら俺もだぞ!」

 

「下らねぇ……」

 

「は?」

 

「下らねぇっていうんだよ!なんだァ、その悩みはよォ!!」

 

「はぁ!?いやあのな!鬼殺隊の柱になるということはお前が一番良くわかってるだろ…!?」

 

「そんなことはどうでもいいんだよ!てめぇは拒否することなく、さっさと柱になればいいんだォ!大体、柱になるための条件も満たしてる上に上弦に負けたとは言え生き延びてる!それだけで十分柱になるため資格はあるだろがァ!!」

 

「むちゃくちゃな……」

 

俺は実弥の意見に驚き戸惑うと杏寿郎さんも同意と言わんばかりにうなずいていた

 

「うむ!確かに空は柱になるための条件は出来ている!にもかかわらず拒否するのはどうなんだ!?昔の事は昔だが大切なのは今ではないか!?」

 

「それによォ、煉獄が抜ける今……てめぇの力が必要だぁ……柱になれ。負けたからなんだ?上弦相手に生きてたら勝ちだろうがァ」

 

「…わかった。お館様に柱の件は喜んで受け入れることを話すが……実弥に一つだけ……頼みたい」

 

「なんだァ?」

 

「竈門炭治郎とその妹の件だ」

 

俺がそれを話すと実弥は明らかに機嫌が悪くなっていて普通の隊員なら怯えるがあいにくく俺はそんなので怯えてるつもりもない

 

「あのガキどもがなんだァ?いっとくが、俺は認めねぇからなァ」

 

「俺はあいつらを信じる」

 

「はぁ!?!」

 

「お前の過去も俺はわかってるし、鬼を憎む事も分かってるつもりだ。だがな、あの二人を鬼殺隊として認めてほしい」

 

「てめぇは何を言ってる?!」

 

「俺も信じる!あの時の妹は人を襲うどころが人を守る姿勢を貫いてたからな!」

 

「煉獄てめぇも!?」

 

「実弥、俺はお館様に既に頼み事をしてる。もしも竈門炭治郎の妹が人を食べたときは……俺は切腹するとな」

 

「!……冨岡やあの元水柱達もそうだが、そんなに信じる価値はあるのかよォ……」

 

「まぁ、そこはいつか分かる日が来る。で、それを俺は認めるという話だが、本題は別だ。一つだけお前に頼みたいことがあるといったな?認めるという話ではなくって……」

 

「あ?」

 

「お前は絶対に鬼に殺されるな。これがお前に頼みたいことだよ」

 

「はっ………死ぬかよォ。てめぇこそ雑魚の鬼に殺されるなよ」

 

「わかってるよ。あ、杏寿郎さんはとりあえずは引退したのだったら早く夫婦作ってくださいよ」

 

「うむ、空に言われたくない!」

 

俺達はさっきまでの重い雰囲気はなくなり楽しい雰囲気になりわきあいとしていた。後日俺は改めてお館様に柱の件を了承して俺は新たに九人目の柱となった……… 

 




ここまで読んでいただきありがとうございます!次回もよろしくお願いします!!


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59話

リクエスト等ある方はこちらでお願いします
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=249239&uid=213728


あの上弦參との戦闘と柱正式に就任してから、時の流れは速く4ヶ月経過して俺は炭治郎達の特訓も見ながら任務に励んでいた

 

「血をよこせぇぇ」

 

「拳の呼吸…弐ノ型…」

 

「おぁぁぁぁぁぁ」

 

「裂散!!」

 

「がっ!?!」

 

俺は手刀で鬼の首を跳ねると鬼は首を切られたことで消滅していた。辺りを見渡してもう敵がいないことを確認してから改めて話しかけた

 

「これが俺の拳の呼吸弐ノ型裂散だ。こいつは片手に手刀で首を跳ねる技だな」

 

「すげぇぇ!!お前刀使わなくっても鬼を殺せるんだな!!」

 

「凄い……!」

 

「柱規格外だよ!?」

 

「はは、これは俺だけの呼吸だからな。しのぶのもあれはあいつが独自で産み出した呼吸だから真似はなかなかできないがな。それと善逸も良いものを持ってるのだからあまり規格外というなよ」

 

俺は若手の炭治郎、伊之助、善逸の三人をつれて平和な暮らしを脅かす鬼どもを倒していた。今回は俺の希望で三人が実際に俺が戦うのみてもらうためについてきてくれた

 

「なぁなぁ!拳の呼吸は鍛えれば誰でもできるのか!?」

 

伊之助の興奮した質問に俺は出来る出来ないは言えないので元柱の杏寿郎さんに質問した

 

「んー、どうだろうな?なぁ、杏寿朗さん」

 

「うむ!以前もいったように呼吸は様々に派生させているが、空のは前例がないから中々わからない!しかし、拳の呼吸はある書記にかかれていたぞ!」

 

「え?そうなのですか?」

 

俺はそれ事態は初耳で確かにお館様に初代拳の呼吸を使っていたことがわかったが杏寿朗さんはまさか時間あるときに調べてくれたのか

 

「うむ、だが拳の呼吸が後の使い手がいなかったのは鍛えられた肉体と精神……いわば心技体の3拍心が求められるらしいぞ!」

 

「そうなのですか!?」

 

「よもや!?師範がいたわけではなかったのか!?」

 

「あれ、努力して産み出したと言わなかった……?」

 

「そうなのか!まぁいい!拳の呼吸は先代が何百年以上前だからあまり細かくは書かれてない!!しかし、拳の呼吸が言い伝わらなかったのは……壮絶な死があったからだ!」

 

「「「「壮絶な死?」」」」

 

俺もそういえばあの幽霊の人に拳の呼吸は教えてもらったが……死因は聞いてなかったなな

 

「そう!今で言う上弦との死闘で相討ちになったからだ!」

 

「なんだと?杏寿朗さん、この拳の呼吸の型とかは何もかかれていなかったですか?」

 

「其処までは書かれてなかった!だが、収穫あるのはその呼吸は必ず上弦を倒せる力はあるに違いない!」

 

「まぁそうかもしれないが……そういえば、炭治郎」

 

「は、はい!」

 

「何かは手がかりあったのか?」

 

俺の言葉に炭治郎は何か言いにくそうな雰囲気になっていて杏寿朗さんは腕を組ながらどう話したものかと考えていた

 

「「始まりの呼吸?」」

 

「なんじゃ、そりゃ?」

 

「うむ、簡単にいうとーー」

 

「なるほど、だから、始まりの呼吸なのか……」

 

「うむ!」

 

杏寿郎さんと炭治郎の話によると始まりの呼吸・・・・・・一番初めに生まれた呼吸 最強の御技そして全ての呼吸は“日の呼吸”の派生。全ての呼吸が“日の呼吸”の後追いに過ぎないというわけか

 

「むむ………炭治郎はそれをどこまで出来たんだ?」

 

「あんまり……」

 

「そうか……まぁ過去の担い手は相当すごかったかもしれないがあまり気にするな、それよりも……」

 

俺は炭治郎の頭を撫でながら杏寿郎さんの方に見ると本人はキョトンとしていたが、俺は呆れながらその件を触れた

 

「ま、日の呼吸の収穫だけではなく元柱でもあり荒れてしまった杏寿郎さんのお父さんに頭突きするとはお前の精神すごいよな……」

 

「うむ!父上があんな頭突きを食らうのはじめてみたが、不死川の時にもしていたのを思い出したぞ!」

 

「え!?それどう言うことですか!?炭治郎、お前柱になにしたのよ!?」

 

「俺はあの人を柱としては認めない!!」

 

「だぁかぁらぁ!!!上の人にそんな口の言い方したら駄目でしょ!?なんなの、その長男精神論は!?」

 

「俺難しいことわからないがとりあえずはこいつの頭突きは固いことだけは確かだぜ!」

 

「それは言える。少し前に俺の拳を痛めさせたくらい固いのだよ」

 

「よもや!?空の拳を痛めるほどか!?」

 

「はい」

 

俺の言葉に杏寿郎さんが少しだけ真っ青して小さい声で「父上の骨砕けていないか今更ながら心配だ……!」と小さい声でいっていたのを俺は聞き逃さなかった

 

「さて、お前らはこれから別々で任務なのだろ?」

 

「「はい」」

 

「おう!」

 

俺はそれを聞いて今のこいつらはこの四ヶ月間俺の特訓や杏寿朗さんの稽古も耐えていたし、今なら並みの鬼には負けることはないだろう

 

「俺と杏寿朗さんはこれからお館様に妹の件の報告……といいたいところだが、杏寿朗さんはこれから自分の家に帰らないとダメなんだよな?」

 

「うむ!!今回は無理に頼んでこの場に来たからな!」

 

「あはは……。お前達は任務も終えたら蝶屋敷の方に帰ってこいよ。しのぶやカナエさん達が待ってくれてるからな」

 

「よしー!!!俺頑張って鬼を倒してくるぅぅ!」

 

「あ!弱味噌まちやがれぇぇ!!」

 

そういいながら善逸と伊之助はそれぞれの現地へと駆け抜けていき、俺と杏寿郎さんと炭治郎の三人で話し合っていた

 

「炭治郎、負けるなよ」

 

「己の心を燃やせるのは己のみだからな!!」

 

「はい、頑張ります!」

 

炭治郎は頭を下げて彼もまた別の任務へと励んでいた。残った俺と杏寿朗さんは三人が走った方向をみながら微笑んでいた

 

「いきましたね」

 

「うむ!これからの鬼殺隊を守り抜くのは間違いなく若い彼らだ!そうだろ、拳柱!」

 

「その呼び方やめてくださいよ……まだなれねぇ……」

 

「わはは!!しかし、空!君は正気か!」

 

「何がですか?」

 

「拳の呼吸は炎の派生といってもいい!しかし、なぜ炎柱に継がない!?」

 

「そこですか!?炎柱は杏寿朗さん達の代々受け継がれたものですから、おいそれと名乗れませんよ。まぁ、今代で柱も鬼殺隊も因縁の敵を倒して終わらせますけどね」

 

「それは無惨を倒すと言うことか!」

 

「……無論、これ以上カナヲ達が悲しむ世界を作らせないためにもなんとしても今代で終わらせる必要がある。だから、俺はあいつらに未来を賭けているのです」

 

「だな!では帰ろう!!」

 

白い羽織に炎がかかれてる杏寿朗さんと黒い羽織で炎をかかれている俺はそれぞれの帰路へと歩いていった

 

 

これは鬼という人々を脅かす敵を守るために戦うのが俺ら鬼殺隊だ

 

 

必ずこの世代で始まりの鬼でもある無惨を殺して………すべてを終結させる!

 




ここまで読んでいただきありがとうございます!
これからもよろしくお願いします!


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60話

炭治郎達と別れた俺はお館様に今回の件を報告をしながら、ここ最近気になる話があったので、それも兼ねてお館様に報告をしていた

 

「炭治郎達のここ数ヵ月成長速度が異常に速いです。俺や元炎柱……そして、元花柱やしのぶ達とも見てるとはいえ、大したものです。恐らく、実力は今やそこらへんの葵の階級よりは強いと思います」

 

「そうなんだ…。では、炭治郎達はやはり、杏寿朗が鬼殺隊として大切なことを三人に教えてくれていたのだね」

 

「はい。恐らく今も必死に任務を励みながら日々努力していると思います。俺から見てもかなり成長してると思います」

 

「ふふ、本当にいつか炭治郎が何かしてくれそうだね。ゴホッゴホッ!」

 

「っ、お館様!?」

 

「大丈夫だよ……話を続けてくれ」

 

「……はっ、今回のもうひとつは気になる話がありまして…それは下弦が解体したという噂がありました」

 

「……それは本当かい?」

 

「わかりません。それを問い詰めた鬼が本当にそれなのか……しかし、そうなるとやはり以前柱会合で私が提言していた鬼殺隊で個人で鬼を挑むのではなく集団でいくのは厳しいですか?」

 

俺がそれを改めて聞くとその提案を却下する厳しい声が聞こえた

 

「それは厳しいと思います、拳柱夛田空」

 

「しのぶ!?なんでここに……」

 

「急に呼び出してすまないね、しのぶ」

 

「いえ、頼まれていた薬を用意しましたので」

 

薬を……ということはお館様の体はやはり進行がかなり進んでいるということか……!

 

「それよりも先ほどの集団でするにしてもやはり鬼殺隊は人手不足です。提案は良いとしてもやはり……それ以前に質が低くなっているのが事実です」

 

「そうか……」

 

「ですが、上弦となると個人で挑むのは厳しいです。もしも上弦が潜んでいるかあるいは出ていた場合は近くにいる柱または甲などの隊員を増援として呼ぶのが一番いいかと思われます」

 

「そうだね。二人とも貴重な意見をありがとうね」

 

「「はっ!!」」

 

こうしてお館様との話し合いが終わり俺としのぶは蝶屋敷にへと歩いて帰ろうとしていたがカナエさんが町で歩いてるの見かけたが何やら男に言い寄られていた

 

「あらあら、ごめんなさい。今は忙しいの」

 

「いやいや、それはあとでして今から楽しいことを……」

 

なるほど、つまりあいつはカナエさんに言い寄っているということか。まぁ、カナエさんは美人だし優しい人だが……

 

「空」

 

「分かってる。作戦1だな?」

 

「ふふ、姉さんに言い寄るなんて百年早いわ……」

 

俺としのぶは相手に気づかれないようにカナエさんに言い寄ってる男の後ろに近づき、まずは俺が声かけた

 

「カナエさん、遅くなりました」

 

「あ、空くん!」

 

「あ?なに彼氏ですか?」

 

「ふふ、彼氏だって?幼馴染みよ」

 

「確かに俺はカナエさんと幼馴染みなんだけど……それよりも、カナエさんに何のようですか?」

 

「よ、用ってべつにお茶でも誘っていただけ「へぇ……貴方が姉さんにたぶらかそうとしていたのですか?」うぉ!?」

 

俺がカナエさんに声かけると男は少しだけ気遅れしながらもすぐに気を取り直して俺に強気に言おうとしたらしのぶが後ろから声かけた

 

「しのぶ?」

 

「はい、姉さん。少し用事が終えて何やらもめてるので来ました」

 

「(めちゃくちゃかわいい!?美女姉妹!?)おぉ!?そこのお姉さんも良かったら今目の前にいる男を無視して3人でお茶でも「お断りします」ガーン!?」

 

「それよりも何やらすごい汗が出てますが大丈夫ですか?」

 

「え?あぐぅぅう!?!」

 

「あらあら、すごい汗ですがどうされました?」

 

「あ、いやなんでも……す、少し用事思い出しましたので失礼します!!」

 

男は冷や汗をかきながら急いでで何かに耐えようとしながら走っていきやがて見えなくなったのをみた俺としのぶは

 

「「いえーい」」

 

男がいなくなるのを確認してから俺たちはお互いに手を合わせていた。その手を合わせていたのをみたカナエさんが呆れながら俺たちにいった

 

「もう、また何かしたでしょ?」

 

「ふふ、姉さん大丈夫でしたか?」

 

「大丈夫よ、で何をしたの?」

 

「勿論下痢の注射よ」

 

しのぶが悪い顔しながら注射をさしたのは下痢であり即効性がある。ちなみに俺のは昔調子に乗りすぎて、しのぶの手によって飲み物に強力な下痢入れられて苦しんでいたこともある

 

「あらあら、それだとあの人大丈夫かしら?」

 

「いや、カナエさんが困っていたしあれはあぁいう撃退が一番いいのですよ。それ以前にカナエさんにあれをさせるのは許さない!」

 

「空のいう通りよ!私の姉さんに汚い手で触らないでほしい!」

 

「うふふ、まぁまぁ二人とも笑って笑って。姉さんは二人の笑った顔が大好きだなぁ」

 

「はいはい。蝶屋敷に帰りましょ」

 

「あ、荷物持ちますよ」

 

「あら、それはさすがに悪いわ」

 

「いいの、いいの。空に甘えよう、姉さん」

 

「じゃあ、言葉にあまえてお願いしょうかしら」

 

俺はカナエさんの荷物を持ちながら二人に男に言い寄られないようにひそかに回りを警戒していたのはここだけの話だが、まさか帰ったらあんなことになるとは………




ここまで読んでいただきありがとうございます!次回もよろしくお願いします!!


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61話

俺としのぶと、カナエさんが蝶屋敷に帰るといつもなら、みんなの声が聞こえるが今日はなんだか静かな感じがするな

 

「おーい、帰ったぞ~」

 

「いつもなら帰ったら、いの一番にアオイが反応するのにどうしたのかしら?」

 

「アオイに限って昼寝しているということはないのだけど……」

 

「あ……」

 

俺たちがそう話してると玄関に歩いてきたのは、アオイとカナヲよりも年下でよく見た目だけ間違えられるなほ達がこちらにきていた

 

「なほ?アオイ達は……は?」

 

「カナエ様、しのぶ様、空さん~!おかえりなさい~!!!」

 

「「うぇぇん!!」」

 

「おいおい、なほ達どうしたんだ?」

 

「あらあら怖い夢でもみたの?泣かないで?」

 

「どうしたのですか?」

 

アオイが出迎えないのも珍しいがこの子達が泣いてるのも珍しいな。いったい俺たちが帰ってこない間に何があった?

 

「あ、しのぶ様、カナエ様、空さんおかえりなさい……その出迎えないでごめんなさい」

 

「………」

 

アオイやカナヲも遅れて出迎えてきたがいったい何があったんだ?さすがにこれはおかしいと思い俺は五人に落ち着いて訳を聞くと……

 

「なるほど……宇随さんが原因ですか……!」

 

「あらあら………さすがにこれはお姉さんも怒りたいわぁ……」

 

「お、落ち着いて……それよりもアオイもなほも大丈夫か?」

 

「怖かったですぅぅ!!」

 

「あーよしよし……アオイも大丈夫か?」

 

「あ、いえ私は大丈夫ですので……その」

 

「そーれ!」

 

アオイは遠慮しょうとしていたらカナエさんに思いきり抱き締められていた。その流れで、すみ、きよはしのぶに抱きついてきてカナヲはカナエさんに抱き締められた

 

「よしよし、あの人にはあとで必ずお仕置きしますからね」

 

「「しのぶ様ぁぁ!!」」

 

「あ、あの……カナエ様?」

 

「ふふ、カナヲもしばらく抱き締めてなかったけど大きくなったわねー」

 

しのぶはすみときよを抱き締めながら天元さんをなにかお仕置きするの考えてるだろうが俺は止めませんよー。それとなんだか、カナエさんはカナヲを抱き締めることができて嬉しいのか物凄いほわほわだった

 

「さて、とりあえずは天元さんと一緒にいった炭治郎達が心配だな……」

 

俺はなほ達が泣きつかれたのか今は部屋で横になって寝ていた。いつもなら仕事も見ないといけないが

 

「患者は全員退院しましたから問題ないです!」

 

とアオイの言葉としのぶ達も賛成といっていた。さて、あの人がこの蝶屋敷の重要さがわかってないと思えないし、なによりなぜアオイ達を連れていこうとした??

 

「あ、あの……」

 

「カナヲ……?」

 

「その……遊郭ってなんですか?」

 

「ごぶっ!?!!」

 

「空さん!?なんか病気で……!?」

 

「いや、大丈夫だ……むせただけだ」

 

俺はまさかの言葉に動揺してむせるとカナヲが少し慌てて聞いてきたので俺は感情をここまでだしてることに驚きながらも問題ないというと落ち着いた

 

「で遊郭ってなになのか……だな……」

 

「はい」

 

「(カナエさんは顔真っ赤にするししのぶも同じだ。となると、俺が答えるしかないよな!?)遊郭ってのはな………うむぅ……簡単に言うと……大人の世界といわれてるがカナヲ達にはまだまだ早い」

 

「そ、そうなのですか?」

 

「あぁ。だからこの疑問の答えはもう少し先になるな……まぁ、あんまり知らなくっていいからな」

 

「はい。ありがとうございます」

 

「あぁ、それとーー」

 

「?」

 

俺はカナヲに呼び止めるとカナヲはなんだろうと思い待っていてくれた。俺はカナヲに寄り添いながら頭を撫でた

 

「え、空さん……?」

 

「コインを使わないで自分の意思で止めたときいてる。成長したな………カナヲ」

 

「あ、いえ……」

 

「とりあえずは久しぶりに……俺と散歩でもいくか?」

 

「は、はい」

 

俺の言葉にカナヲは嬉しそうに笑っていて俺はカナヲの笑顔を見てこの子を笑顔にさせてくれたのはきっと胡蝶姉妹とおそらく炭治郎あたりがカナヲの成長をさせてくれたのだな

 

「よし、今日はおごる!折角だしアオイをさそってみたらどうだ?」

 

「アオイを?」

 

「どうせ、責任感じてるのは丸分かりだから気分転換に外で落ち着かせるのが一番いいんだよ」

 

「わかりました。師範にも話を通してから行きます」

 

そういいながらカナヲはアオイの方へと歩いていき俺は一人で空を眺めながら天気は快晴だがこの嫌な予感はできれば当たらないでほしいなと思う……

 

なにかが動き始めてるのは確かだな……




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62話

俺はアオイとカナヲを外につれて三人で散歩しながら楽しんでいたというよりもアオイが何やら不安そうな顔をしていたので俺は気になり声かけた

 

「アオイ、体調悪いのか?」

 

「あ、いえ!だ、大丈夫です!」

 

「そうか。まぁ、あまり自分を責めるな」

 

「え?」

 

「何をいってるのかだって?アオイは恐らく自分達の代わりにいった三人のことが心配なのだろ?安心しろ、あいつらは弱くはない」

 

俺はそういいながらアオイの頭を優しく撫でていてアオイは驚きながら俺の方を見上げていた

 

「あいつらは元炎柱や俺、しのぶやカナエさんが認めた隊員達だ。そう簡単に死なないだろ」

 

「そう……ですね」

 

「それによ、カナヲもアオイもあいつらが無事に帰ってきたら、お帰りくらい言ってあげろよ。あぁ、それと…伊之助は天ぷらがはまってるみたいだから、無事に帰ったらそれをしてあげるのどうだ?善逸はお帰りとか言ってくれたら元気出るタイプだし、炭治郎はなんでも受け入れそうだが……どうだ?」

 

「そうですね!そうと決まれば私は落ちんでいてはダメですね!」

 

「その調子だ。それより、そこの団子でも食べるか」

 

「はい!」

 

「……はい」

 

俺は近くの団子でも食べるためにそこを向かって三人で座りながら茶をのみ話をした

 

「空さんはそういえば遠方で長いことこちらに帰ってきてませんでしたよね」

 

「ん、あぁ……離れていた頃の話だな」

 

「誰にも連絡とってなかったのですか……その、師範とか……」

 

「あんな喧嘩別れてして連絡とれると思うか?」

 

「「無理です(ね)」」

 

そういうことだ。あんな喧嘩別れした上に蝶屋敷に二度と跨げないと思っていたがな……それ以前にしのぶやカナエさんに二度と会わずに死ぬつもりもあったがそれはそれ

 

「俺としては、この長年離れていた時にまさかカナヲが鬼殺隊に入隊していた事には驚いた。しかも、あの頃を知ってるカナヲに助けられる日が来るとはなあのときは夢にも思わなかったな」

 

「私は……アオイみたいに料理できないし、なほ達見たいにはできないからその道を選んだの」

 

「カナヲ……」

 

「でも、師範やカナエ様に怒られたときは怖かった」

 

「それはわかる。普段怒らない人が怒ると怖いもんね」

 

「あー、しのぶよりもカナエさんが怒られるのは怖いな」

 

俺はカナヲとアオイが密かに震えてるのを見て俺も心当たりがあるというかカナエさんが本気で怒った時はそれはもう怖かったよ……

 

「そういえば空さんはお二人と幼馴染みですから何か思い出ありますか?」

 

「思い出なぁ……色々あるが、カナエさんが泣いていたときだなぁ」

 

「え!?カナエさんが泣くことあったのですか?」

 

そりゃあ、カナエさんも人の子だから泣くことはあるけど確かに今のカナエさんからして泣くイメージはないよなー

 

「ずっと昔の話だがな、しのぶが迷子になっていたんだよ。で、そんとき俺は家で寝ていたのだけど……カナエさんが泣きながら、寝ている俺の鳩尾に飛び込んで起こして無理やり町中探すのつきあっていた。で長く探してから……」

 

「しのぶ様を見つけたのですね!」

 

「そう。しのぶはそんときに薬草を探していて気がついたら迷子になったわけだ。カナエさんはしのぶが家出したと思っていたらしい」

 

「あー、確かにカナエ様ならあり得そうですね」

 

「師範も……」

 

「まぁ、あれはほんとうに焦ったなぁ。しのぶが家出したぁあ!なんて泣きながら言うから何事!?と思いながら焦ったしな」

 

俺は当時を思い出しながら笑っているとカナヲがコインを……取り出さずに質問してきた

 

「あの……」

 

「ん?」

 

「空さん時間があったら指導を……」

 

「カナヲ?」

 

「わ、私もっと師範やみんなを守れるように強くなりたいです」

 

「……わかった、だがカナヲ。指導する代わりに約束をしろ」

 

「?」

 

「絶対にお前は死ぬな。アオイも蝶屋敷のみんなも俺よりは長く生きろよ」

 

俺はカナヲとアオイの頭を撫でながら約束をしてほしいと言った。この馬鹿げた鬼の世界をこの子達やまだ見ぬこの子達の子孫のためにも俺は守らないとな

 

「あの、それ空さんは入ってるのですか?そのながく生きるのに」

 

「もちろんだよ。……だが、上弦相手……特にカナエさんを苦しめたやつを対峙したときは命の保証はねぇな」

 

「わ、私達が必ず空さん達が何があっても助けますので!だから……」

 

「わかってるよ。そう簡単には死なねぇし、死んでたまるか」

 

俺はゆっくりとたちながら空をみて、そろそろ時間だと思い二人に呼び掛けた

 

「さぁて、帰るか。いつでも炭治郎、伊之助、善逸や禰豆子が帰って美味しいの食べれるようにしたらねぇとな」

 

「はい!」

 

「……はい」

 

願わくばこの子達をお嫁として連れ添ってくれるやつが出てくることを願うが、二人をお嫁だす前に俺たち蝶屋敷全員を相手にして勝ってもらわないとな………




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63話

炭治郎達がアオイ達の代わりに遊郭に潜入して何日か経過すると早朝珍しく音柱宇随天元さんの連絡が俺の部屋へと届き、手紙を開いた。最初は黙ってみてたが、途中で聞き捨て…いや見落とせないのが書かれていた

 

「はぁぁ!?」

 

「あらあら、そんなに声をあげてどうしたの?」

 

「煩いわよ……こちらは何徹したと思ってるの……」

 

「しのぶ~、寝ていないのは聞いていないわよ~。後でお話ね、それで空君はどうしたの?」

 

しのぶが寝ぼけながら徹夜していたのを話すとカナエさんは、にこやかに怒りの雰囲気が出ていてしのぶは、「しまった」という顔をしていたがいまはそれどころではない

 

「……しのぶ、カナエさん。悪いけど増援行かないとダメになった」

 

「なにかあったの?」

 

しのぶは俺の雰囲気が変わったことに気づいてすぐに仕事の方へと切り替えてカナエさんもまたピリッとしていた

 

「天元さんと共に任務の方へむかった炭治郎と伊之助と善逸は現在遊郭の方に潜入していたが……善逸が消息不明になった」

 

「「!」」

 

「天元さんは恐らくこれは上弦の可能性があり増援を俺に求めた」

 

「なぜ空君に?」

 

「実弥は現在、遠方だし他の柱も同じだ。それ以前にいま動けるのは俺しかいない」

 

「私も柱なのだけど!?」

 

「柱を三人も向かうのは不味いと判断したのと上弦を何度か対峙した俺ならいいだろと言うのがあの人の判断だ。それに俺も借りを返さないとな」

 

「借り?」

 

「数年前の鬼殺隊で流れていたあの噂だよ。俺が人を殺したという噂を天元さんがいろいろ情報操作や調べてくれたから今があるし……あの人を死なせるわけにはいかねぇな」

 

俺は黒い羽織を背中に乗せて己の武器としっかりと手袋を嵌めて出る用意をし始めた。遊郭で潜入していた炭治郎達はどうやってと思ったがそれは置いとこう

 

「本来は手を出さないで黙るのが筋だが仲間に助けを求められたら助けにいくのもまた筋だ。しのぶ、カナエさん、悪いけど天元さんの増援にいく」

 

「……はぁ、宇随さんに関しましては生きて帰っていたらたっぷりとお説教をしましょう」

 

「遊郭で上弦となると例の彼の可能性は?」

 

「それはない。奴はそんなに頻繁にみられるものではないし、参に関しては戦ったからわかるが、根っからの武道家の精神に近いしその可能性はないと思うことから残りのまだみていな上弦だな……。それと……しのぶ、藤の花をもう食べたりしてないよな?」

 

「姉さんにさんざん怒られて空にまで怒られたらもう二度としてないわよ。でもあいつの殺す役目は捨てたわけではないからね!」

 

しのぶか腕を組ながら強気に言うが要するに俺にもカナエさんにも2度と悲しませるようなことはしないということか

 

「それならいい。……俺がこの世で嫌いなのは蝶屋敷の子供達やお前達を苦しめる鬼…それとあのくそ野郎だけは死んでも仲良くなりたくない。カナエさんには悪いけど、やはり皆を苦しめる鬼は憎い」

 

「空君」

 

「だけど俺もすべての鬼とまではいかないが炭治郎の妹……あの子を人間に戻すことに関しては俺も協力する。しのぶはここでなんとか炭治郎の妹が人間に戻る方法の手がかりをつかんでくれ」

 

「もちろん、そのつもりよ。鬼は憎い……姉さんを苦しめ、親を奪った鬼は憎いけど炭治郎君の妹とはいつかきちんとお話ししてみたいですしね」

 

「私も協力するよ!だから、空君は任務を励んでね!」

 

カナエさんとしのぶの顔を見て俺も改めて潜入していたあの3人を……いや、5人だな。なんとしてでも助けないとな

 

「おう、そこに隠れているアオイ達も出てきていいぞ」

 

「「「「!?」」」」

 

「……き、気づいていたのですか?」

 

「一応、鬼殺隊の柱だからな。それより、アオイ、なほ、すみ、きよ」

 

「「「「はい!」」」」

 

「ちゃんと連れて帰ってくるからいつでも医療の受け入れをしっかりしてくれよ」

 

「「「「はい!」」」」

 

「カナヲはこれからまた任務とかあるだろうがヤバイとなれば俺にかならず連絡しろ。助けにいくからな」

 

「…はい」

 

俺は一人ずつ安心させるように頭を撫でて俺は改めて蝶屋敷の外へと歩き、皆が見送る体勢になっていた

 

「あー、あと……」

 

「「「「「?」」」」」

 

「善逸、伊之助や炭治郎が無事にこの蝶屋敷に帰ってきたら、美味しいご飯を用意してやってくれ」

 

「「「「はい!」」」」

 

俺がそういうと皆は笑顔に返事してくれていた。そして、俺はまだ見ない遊郭で潜入してる後輩と柱の先輩が大丈夫か心配になりながらも蝶屋敷を出ていこうとすると

 

「「いってしゃい」」

 

「い、行ってらしゃい」

 

「!……おう、行ってきます」

 

三人の声を聞いて俺は懐かしく感じながらも俺は元気よく返事した

 

 

 

待っていろ……皆!!




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64話

俺は天元さんがいると思われる遊郭の方へと走りながら手紙の内容を思い出した。今回の偵察いっている遊郭でお嫁さん達が失踪していることと今回の善逸が失踪していること。これは明らかに鬼殺隊の案件であり、柱が動かないといけない本題だ

 

「だが、善逸のやつがあっさりとやられるのか?」

 

この数ヵ月は俺はひたすらあの三人を必ず生きて帰るために引き際も教えたし、鬼と戦うときに常に観察をしろと教えた……善逸は結構叫んでいて何いってるかわからずで伊之助は理解してなかったし、炭治郎は引くことを拒否していたし……きちんと教えてるはずだが……なぁ……

 

「だめだ、思い出したら胃が痛くなってきた……とりあえずは鴉」

 

「久々ノ出番!久々ノ出番!」

 

「出番とか言うな!消されるぞ!?」

 

「オ前コソメタ発言!!」

 

「あぁもう話が進まん!!わかってる範囲でまとめてくれ!」

 

「善逸消息不明、宇随天元三人嫁消息不明!遊郭上弦ノ可能性アリ!!現在ハ増援ハ拳柱夛田空!」

 

消息不明ということは、まだ遺体は見つかってないあるいは遺体がないほど食われたのか……それとも……どこかに監禁していて動けないということか?

 

「カァカァ!!」

 

「!……はぁ、前方に邪魔ものがいるかよ。本当に遊郭までもう少しというのに……」

 

俺はため息をつきながら拳を……日輪拳を構えて目の前のそれらを睨んでいた

 

「目の前に立ちふさがるのは雑魚の鬼とはな」

 

「ひひひ、鬼殺隊か!!」

 

「………狂ってるな。その倒れている人達はお前がやったのか?」

 

俺の下には殺されたと思われる人たちが倒れていた。俺はそれを見てにらみながら聞くとそいつはあっけらかんに答えた

 

「あ、あー、俺だよ。旨かったぜぇ、こいつらの悲鳴もよぉ。助けてといっても誰も助けに来ないのに必死に叫んでいたのは傑作だった!」

 

「……」

 

「それと見たところ刀がないてめぇにおびえるほどおれさまは弱くは…「もういい黙れ」……!?」

 

俺はもう聞いていてこいつは優しい鬼ではないと言うことと生かす価値がないと決めた俺は手間をかけるのも時間の無駄なので

 

「準備体操にもならないが……」

 

「は!丸腰のお前になんていつでも食える!!」

 

「拳の呼吸……弐ノ型」

 

「え……!?何で俺の体が目の前に……それに見えなかった……!?」

 

「裂散」

 

俺は鬼の首が飛んだのを確認しながらゆっくりと歩くとその鬼は何が起きたのか戸惑っていたが俺は答える必要はない

 

「……お前は俺に首を跳ねられたのさ。そして、これからお前は地獄にいくのだよ」

 

「首が……!?いやだ……いやだ!死にたくない!」

 

「そういいながら、お前はそんな人を見逃したか……?お前の手元にいた死体の人たちも……見逃したか!?」

 

「俺はまだ!!死にたくねぇのに!!畜生、許さねぇ!!許さねぇ!!」

 

「許さなくって結構だ……!それ以前に俺もお前を許さねぇよ。……人の命を軽く見るやつには特にな!!」

 

俺の脳裏にはあの上弦の弐の嘗めている顔と苦しんでるカナエさんにしのぶの脳裏が過りあいつも上弦のどいつもこいつも人の命を軽く見てるやつが多い!だからこそ、こういう奴は……情けなく消すのがいい

 

「来世にはいい人生を歩めることを祈る……だが、その前に地獄で悔いを改めろ」

 

俺はそれだけ言うと遊郭にいる炭治郎達の方へと急いで走ろうとするが、まずは鴉にここで殺された人たちがいる事を近くにいる隠達に通達してもらった。やがて、急がないといけないが万が一のこともあるので隠を待つと暫くしてから見覚えのある人がきた

 

「お仕事お疲れさまです。ごっさん」

 

俺が待機していると隠の後藤さんで俺よりも年上で仲良い先輩でよく話す仲だ

 

「どうも、ごっさんです……というか、お前さん拳柱になったのだから、呼び捨てしないのかよ?」

 

「それは無理。ごっさんはごつさんだから」

 

「そりゃあどういう理屈だぁ……それ以前に俺は柱になったお前を敬語使わないといけないのにお前と来たら『柱命令。ごっさんは俺と長い付き合いなんだから敬語禁止』っいったときは驚いたぞ……」

 

確かに俺は柱になりごっさんに柱命令で俺相手に敬語は禁止といった。だって考えてみてよ、俺相手に敬語を使ってくる、ごっさんは恐ろしく感じるよ

 

「ごっさん、いまから俺が向かうところは荒れる所……すべてが終えたら出来るだけ多くの隠を動けるように待機させといて」

 

「ほう……どこなんだ?」

 

「遊郭に……上弦が潜んでるらしい」

 

「おいおい、それ大丈夫なんか?」

 

「さぁ……?ただ、まだ死ぬつもりはないからとりあえずは行ってくるよ」

 

「おう!いつも通り帰ってこいよ!」

 

俺はごっさんに見送られながら炭治郎達のいる遊郭にへと急いだ。本当にあの鬼が邪魔したお陰で救援するための貴重な時間が削られた

 

「勝手に俺より先に死んでいたら許さねぇからな!」

 

いまも戦っている後輩たちと柱の先輩でもある天元さんが死んでいないことを祈りながら俺は急いでいた

 




ここまで読んでいただきありがとうございます!次回もよろしくお願いします!


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65話

俺が遊郭に駆けつけると、目を疑うような光景が広がっていた。恐らくここは少し前まではきれいな遊郭だったのだろうが……

 

「想像以上に荒れてやがる………。はっ、天元さん!!」

 

俺は回りを見ると目の前に天元さんが倒れていた。俺はすぐにそばに寄り状態を見ると天元さんは意識なく片腕がなく、すぐに隠していた包帯で止血をした

 

「くそ……片腕でこれだけの出血はあまりよくねぇ……!それに、音柱がここでやられてるということは……!」

 

俺はすぐに天元さんを中心に回りを見て、行方不明だった善逸がいるのがわかり一安心するも瓦礫の山に埋まっていた。さらに別のほうでは屋根のほうに伊之助が倒れていた

 

「っ!!」

 

さらに俺が見た方向では炭治郎が鬼に絡まれていた。あいつのいまの状態は動けそうにないし、髪の毛を引っ張られていてなにかを言われていた

 

「(このままでは、炭治郎が殺されかねない!!伊之助……後で止血をする。だから少しだけ待ってくれ……)拳の呼吸……」

 

「虫けらボンクラのろまの腑抜け、役立たず。何で生まれてきたんだお前?そうだお前も鬼になったらどうだ!!妹のためにも」

 

「……」

 

「そうすれば妹も喜ぶじゃねぇか!」

 

炭治郎の頭をつかみながら炭治郎の妹と同じように鬼を勧誘していたが、俺はすぐに炭治郎ほうに走り

 

「壱ノ型」

 

「?がっー?!」

 

「波動」

 

俺は接近しながらやつの顔面に思いきり波動を離すと奴は後ろのほうに吹っ飛び俺は炭治郎の前に立ちふさがった

 

「俺の大切な愛弟子達や仲間をよくも傷つけてくれたな?挙げ句の果てには、炭治郎を罵倒するとは……鬼がこいつの努力や価値を語るな!……まだ、生きてるな?」

 

「そ、空さん!!」

 

「助けるの遅くなったすまんかったな。そして、よく耐えた……それ借りるぞ!」

 

俺は炭治郎の手元にあるのを慎重にさわりながら鬼の足元を刺した。炭治郎はゆっくりと立ち上がり俺の方になにか言いたそうだったが……

 

「ぶちのめせ」

 

俺の言葉にうなずいて炭治郎は駆け抜けていた。そして、上弦と思われる鬼はクナイで攻撃されたのに驚いた

 

「なっ!?(クナイ!?奴はそんな手元がなかったはずだ!一人きりだったのになぜ心折れない!?なぜ、いつの間に増援が!?)」

 

「おおぉー!!」

 

「お兄ちゃん!」

 

「っ、もう一人の鬼がいたか……あいつの邪魔をさせないぞ!鬼になってしまった女であろうが、炭治郎の邪魔はさせない……!拳の呼吸……」

 

何処かから女の鬼が出てきて俺はその鬼が炭治郎のほうに向かって鬼の救援をしょうとしてるのがわかり一撃で叩き込もうとすると

 

「雷の呼吸壱ノ型」

 

「この声は……。どうやら、俺の出番はないみたいだな。いけ……善逸」

 

「霹靂の神速」

 

善逸が誰よりも速く女の鬼に対抗していた。俺が動くよりも速くだが、いまのあいつはなんとか女の首を切ろうとしていたが切るの時間かかる

 

「ッチ!一撃で仕留めきれないということは、首が異常に柔軟性あるのかよ」

 

「おおおお!」

 

「なっ!?あの鬼もう動けるのかよ!?あのクナイには毒が塗っていたはずだ!?」

 

俺は善逸の手助けに行こうと思うと、炭治郎のに首を切られるはずだった鬼が立ち上がっていた。奴は解毒が解けたのかさっきよりも攻撃が必死になり、炭治郎の首を狙っていた

 

「炭治郎!……!?」

 

「貰った……何?!」

 

今のあいつは回避するの厳しいと思うと、天元さんが攻撃止めた。そんな天元さんはいつもの皮肉な顔で立ち上がり鬼に言い返してた

 

「はっ……勝つのは俺達鬼殺達だ!そしてこいつらは俺の優秀な継子だ!!」

 

「宇随さん!?」

 

「天元さん!」

 

「派手に遅いぞ、拳柱!!だが、柱が二人きたことで派手に勝率が上がったのと譜面が完成したぜ!!」

 

「バカな!心臓は止まっていたはず!」

 

「筋肉で無理矢理心臓を停止したんだよ!」

 

心臓を停止させたと言うのはまた無茶なことを!いや、音柱宇随天元さんは鬼殺隊入る前は忍だからそういう常識はずれなのできるものだろうな……俺は天元さんの隣に立ち話した。善逸の方は時間の問題だが、ここはあいつに任せる!!

 

「天元さんは何とかあいつの譜面を完成させたのですね」

 

「おう!止めは……てめぇに託す。竈門炭治郎よ」

 

「そういうことなら俺は天元さんや他のやつらをサポートするよ!」

 

「え、空さんが止めをささないのですか!?」

 

「俺は途中で合流したばかりだし、手柄を横取りするつもりはないよ。それに……今の俺がサポート回ることで何があっても援護いけるし住民をすぐに守ることもできるからな…」

 

俺はここに来るまで見せられた光景に怒りを吹き出しそうになりなきがらも冷静に目の前の鬼を見据えて構えると炭治郎も構えて天元さんが嬉々と叫んでいた

 

「さぁ!!派手に鬼退治といこうじゃねぇか!」

 

「はい!」

 

「周りの民間人は任せろ」

 

鬼の鎌が飛んできたのを天元さんが片腕と口で加えた刀で勢いを止めると炭治郎は前線に接近していた

 

「天元さん刀借りる!!」

 

「おう!」

 

俺は天元さんが口で加えている刀をかりて思い切り鬼の男のほうに向かって狙いを定めて呼吸を使うときめた

 

「炭治郎しゃがめ!」

 

「はい!」

 

「拳の呼吸壱ノ型波動!!」

 

俺は刀を空中に投げて、呼吸を整えていた。そして、刀の柄が俺の真っ正面になる瞬間に拳の呼吸壱ノ型波動を放った。その連携攻撃で刀の勢いをつけてやつの体の方に狙いを定めて攻撃した

 

「速い!?がっ!?!」

 

「狙い通りに腹部に刺さったが、あまり効果はないか!だが、時間と道は作った……いけぇ、炭治郎!」

 

「おおおおお!!!!」

 

「(殺されてたまるかよ!!)おお!!」

 

炭治郎は勢いよく走ってると奴はもうひとついつの間にか鎌が手元にあって俺は不味いと思いながら走ろうとしていたが、それよりも速く炭治郎の顎に刺さった

 

「炭治郎!?」

 

「(どんだけお膳立てされてもトロいんだよ!)っなぁ!?」

 

「(切る切る!諦めない、絶対に切る!)かぁあぁぁぁあ!!!」

 

炭治郎は顎に刺されながらも攻撃をやめなかったが俺はその時見てしまった……

 

「あれは……痣!?」

 

炭治郎の発生したそれは痣らしきので俺は目を見開いた

 

 

 

まちがいなくあれは痣だ………!!




ここまで読んでいただきありがとうございます!次回もよろしくお願いします!


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66話

痣……それは遥か昔の鬼殺隊のものが書き残されたひとつの言葉であり、痣とは戦国時代に鬼舞辻無惨を後一歩のところまで追い詰めた始まりの呼吸の剣士達に出現していたそうだ

 

『出現条件はありますのですか?』

 

俺はある日にお館様とあまね様に、その出現条件さえわかればあの鬼を殺すことができると考えたが……

 

『残念ながら今はわかりません』

 

『そう……ですか』

 

『ただひとつだけ記載されていたのは痣の者が出てきたときに共鳴するように周りのものも現れると』

 

『!』

 

俺はその言葉に驚くと共に誰かが痣を出現したときにそれは伝染するようになっていくと大いに驚いていた

 

そして……

 

「がぁぁぁぁああ!!」

 

俺の今目の前にあいつは…炭治郎…は痣を出現させていた。明らかにあいつの額が痣のように延びていて俺は見間違えるはずがない

 

「お前がそうだというのか……!?」

 

「あんたが私の首を切るよりも速くあたしがあんたを細切れにするわ!」

 

「ッチ、善逸は満身創痍だ!今の状態で回避は厳しいなら手助けを……拳の呼吸!!」

 

「いや……手助けしなくって良いみたいだぜ」

 

「え……」

 

俺は拳の呼吸を繰り出そうとすると天元さんが制止をかけていて何故という前に女の鬼の後ろに伊之助が飛んでいた

 

「伊之助ぇ!?お前いつの間に……倒れてたのじゃあ……」

 

「ガハハハ!!俺様は山の神!!これしきの事でへこたれるかぁ!!それによ身体が柔らかかったから大丈夫だった」

 

「ばかな!?お前はお兄ちゃんに確かに心臓を刺されたはず!」

 

な!?心臓を刺されてただと!?あいつ普通は心臓が刺されたら死ぬのに何で動けるんだ!?

 

「ふはは!!俺のからだの柔らかさを見くびるなぉぉ!!内蔵の位置をずらすなんてお茶の子ざいざいだぜぇ!!!」

 

「いや、そんなの普通はできない……」

 

「派手に同感だ……」

 

「だから、険しい山に育った俺には毒になんて効かねぇんだよぉぉお!!」

 

毒を食らっていただと!?だが、普通はそれを倉ったら動けないはずだが……まさかあいつは根性で動いてると言うことか!?

 

「いけ……派手にぶった切ってやれ……」

 

「(不味い!不味い!!私達は上弦よ!こんなやつらに!!)殺られたくない!!」

 

「「「がぁぁぁぁぁぁああ!!!!」」」

 

「……いけ………行け!!若き鬼殺隊の剣士たちよ!お前達の刃で……長き上弦を討ち取れなかった歴史を断ち切れ!」

 

俺達の言葉と共に炭治郎達の刀は願いが届いたのかそれとも既に首が跳ねられる寸前だったか見事に上弦の二体の首を跳ねた

 

「やりやがった……」

 

「いや、まだだ!!」

 

おれは驚くも天元さんが何か焦った声をあげていたその方角を見ると黒い渦が出ていた。これは不味いと判断した俺たちは動こうと思ったが、炭治郎たちももう動ける状態ではなかった

 

「逃げろぉぉ!!」

 

「(く!逃げるまで時間がかかるなら迷ってる時間はない…!!)陸ノ型流星!」

 

俺は天元さんの肩を持ちながら少しでも離れるように努力した。天元さんが何かいってるがこれ以上は柱を失うわけには!!そう思った瞬間、爆発みたいなのが起こり俺たちの意識は消えた……

 

 

何分……何秒意識失っていただろうか……俺は目を覚まして俺は辺りを見渡すと天元さんと共に離れていて俺は近くの瓦礫に埋まっていた

 

「あー…重いなぁ……おらぉあ!!」

 

上に乗り込んでいたものを気合い入れながら退かして起き上がり回りを見ると最悪な被害になっていた

 

「……ッチ、鴉。しのぶに7人の鬼殺隊の負傷の手当てを頼むと伝言を。それとすぐ近くにいるはずのごっさんには隠達を早急に遊郭の方へと迎えと連絡してくれ」

 

「カアカア!了解」

 

鴉は俺の伝言を聞いて空高く飛んで隠やしのぶの方へと急いでいってくれたので俺はすぐに切り替えてここら辺の被害と怪我人を確認しないと思い回りを見ると

 

「!君は炭治郎の妹の禰豆子ちゃん……」

 

「むーむー!」

 

こっちに来いといわんばかりに引っ張ってきたので俺は禰豆子ちゃんに案内されると、そこには炭治郎が倒れていた

 

「吐血が止まらないのか……?」

 

「むーむー!」

 

「そういえば…伊之助はあの男に刺されて毒がとか……まずい!?」

 

俺はすぐに炭治郎の脈を図ると危険まではいかないも乱れている

 

「脈が乱れていることから毒の影響か……!禰豆子ちゃんは血鬼術は確か火だったよね」

 

「む!」

 

禰豆子ちゃんは何か思い付いたのか炭治郎の体に手をおいて

 

「むー」

 

「おー火が吹いた……じゃない!?炭治郎はまだ死んでいないよ!?……なっ!?」

 

俺は目を疑うことに禰豆子ちゃんの火が炭治郎の体を包み込み驚くも、炭治郎の毒が食らったと思われる皮膚が徐々に収まっていた

 

「うっ……」

 

「炭治郎!」

 

「空さん……禰豆子?っ!?」

 

炭治郎は起き上がり辺りの現状や今の自分のからだに違和感を感じていた。どうやら炭治郎自身はなぜ助かったのかわかっていないみたいだ

 

「炭治郎、とりあえず今は動くことを優先だ」

 

「は、はい」

 

炭治郎の体も心配だがとりあえずここにとどまっていては危ないから動いてると遠いところから声が聞こえたので近づくと

 

「起きたら身体中がいたいよ!!俺の両足これ折れてるのぉぉぉ!?なんなの!?痛いよぉおお!怖くって見れないよ!」

 

「善逸!無事だったか!!」

 

「無事だったか!!じゃねぇよ!?痛いのだけど!?」

 

「あぁ、騒ぐ元気があるなら生きてるな。とりあえず、善逸の治療するから炭治郎のは辺りに鬼がいないか見といてくれ」

 

「は、はい!」

 

俺は瓦礫を退かして直ぐに包帯を取り出して泣きわめいてる善逸を見ながら回りを見ていた。鬼の気配は感じないが、今度こそ落ち着いたのか?

 

「善逸、両足を包帯巻くからじっとしろ」

 

「いやぁぁ死ぬの!?俺死ぬの!?」

 

「死なない、死なない。叫ぶ元気あるならまだ死ぬことはないな!」

 

「というか、空さんはいつきたの!?」

 

「は?いや、戦ってるときにいたぞ?」

 

善逸の言葉に疑問に思いながらも足をしっかりと包帯巻いていた。両足のははっきりいって無茶しすぎだ

 

「嘘!?」

 

「いや嘘つくメリットないだろ!?やれやれ、お前は本当に元気なやつだな……善逸」

 

「なに!?」

 

「……お前達はたいしたやつだ………良くやった」

 

俺はわめいてる善逸の頭を撫でると善逸は叫ぶのをやめていた。今の話でこいつは二重人格あるのかもしれないが、自信を持って戦うときが来たら俺はこいつに勝てるのかな……

 

「よしっと!俺はこの後天元さんに向かうがお前は隠がくるまで待機だ……いいな?」

 

「待機っていっても動けないのですけどねぇ!!」

 

「ははっ。……善逸、生き残った自分に誇りを持って自信を持ってこれからも頑張れ」

 

俺は善逸の治療を終えて天元さんがいるところに向かうと天元のそばに蛇柱の伊黒がたっていたので、近づくと奥様方はお怒りモードか

 

「また、ねちねちと嫌み言い過ぎた?蛇柱の伊黒」

 

「……拳柱の夛田空か。なぜお前は大ケガおっていない?それとも今来たのか?」

 

「俺が合流したのは大分後だったからな。それよりも天元さんはもう鬼殺隊として戦うには無理みたいだが……」

 

「あぁ、さすがに無理だ。引退することはお館様も許していただけれるだろう」

 

「ふざけるなよ、俺は許さない。只でさぇ若手が育たず死にすぎるから人手不足だ。それに柱は夛田が埋めたとはいえ、貴様が抜けると今度こそ、ひとつの空席ができる事になる。おまえ程度でもいないよりましだ。戦え」

 

「いいや、若手は育ってるぜ確実にな」

 

天元さんの言葉に伊黒は怪訝な顔をしていたが俺はその言葉の意味がわかった

 

「なるほどな。確かにこの戦いで生き延びた若手はいるな」

 

「そう。お前の嫌いな若手だよ」

 

「おい……まさか生き延びたというのか?あの小僧が?」

 

伊黒は信じられないような目で見ていて天元さんは頷いていた。そして、俺はその二人を見ながら天を見上げた

 

「……長らく倒せたかった上弦を撃ち取ったと言うことはこれから恐らくあの悪鬼どもが活発になるだろう……」

 

「ふん、何を当たり前なことを」

 

「めでたいことだが、俺は他の鬼よりは誰かに討ち取られるのはいいが上弦弐だけは俺の手で殺す。だからその鬼が出たときは言ってくれ……あいつだけは……例えしのぶであろうと実弥であろうと……あいつを殺すのは譲らない……」

 

「「「っ!?」」」

 

「……あー、空。殺気出すな、出すな。お前は本当に上弦弐の時だけは異常な殺気出すのだからお陰で俺の嫁達も引いているぞ」

 

「……すいません。ま、とりあえずは……こちらの後始末はしますので天元さんは蝶屋敷にいってください」

 

「おう」

 

天元さんは3人の奥さんと共に遊郭を後にしていた。俺はその光景を見ながらどうしても許せないことがあった

 

「奥さんがいるとか幸せ者……しかも三人」

 

「見苦しい嫉妬だな」

 

「嫉妬と言えば伊黒は相変わらず告白を踏み出さないのか。何年たつのさ……さっさと告白したらいいのに相変わらず言わないのか?」

 

「きさまぁ!それを今言うか!?」

 

俺と伊黒が少ししたぶつかり合いがあったのはここだけの話だ………




ここまで読んでいただきありがとうございます!
遊郭編はこれでおしまいです!
次回もよろしくお願いします!


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67話

俺は蝶屋敷に戻ってから怒濤の忙しさの日々だった。炭治郎達の手当てにも参加していた中でも驚いたのが、カナヲだ

 

『カナエ様、師範……私も手伝います』

 

『っ、ありがとう!カナヲは姉さんと共に炭治郎君の傷を防いで!空は包帯と後、伊之助君達の様子をお願いします!』

 

『了解!!』

 

カナヲが炭治郎達の治療の時に手伝いたいといっていた事があのときは衝撃だった。そして、暫くは炭治郎達の治療期間が長引くのと夜には鬼も活発になるので俺が、しのぶの分と炭治郎やカナヲと伊之助と善逸が本来やる筈だった任務にも励んでいた

 

「拳の呼吸弐ノ型…」

 

そして今回で一週間経過して俺は現在他の人間がやるはずだった任務で鬼どもを壊滅させていた

 

「キシャぁぁぁぁ!!」

 

「裂散」

 

「ガッ……」

 

「これで6人目……」

 

「ひぃぃ!化け物が……!!」

 

「逃がすかよ……」

 

俺は襲いかかる鬼を冷静に対応して手刀で首をはねた。そして、まだ鬼の生き残りがいたので俺はすぐに逃げる体制になっていた鬼に接近した

 

「よぉ、逃げるなよ?これはお前達が吹っ掛けてきた殺しあいだろ?こちらを殺しにくるということは殺される覚悟できてるんだろうな?」

 

「ひぃぃ!?死にたくねぇ!?」

 

「そういいながら何人もお前は殺しただろうが…殺される覚悟ものねぇのに、俺相手に殺しにくるとはな…。まぁ、どのみち慈悲はねぇ。拳の呼吸刀ノ壱ノ型……」

 

「死、死神……!?」

 

「居合い切り……」

 

俺はその鬼にも慈悲なく首をはねて俺は一息つきながら手を合わせてその鬼にいった

 

「悔い改めて来世は良い人生をすごせ。てめぇらは全員反省も込めて地獄にいきやがれ」

 

「あっ……」

 

「……」

 

鬼が消滅して俺は天を見上げた。今日の天気は満月だが…こんなに鬼が活発なのも気になるな……

 

「そろそろ、小刀も手入れしないとな……っ!?」

 

俺は気配を感じて振り向き小刀を構えると、そこにいたのは……

 

「……私だ……」

 

「岩柱の行冥さん……」

 

「……今帰りでな。あぁ、相変わらずだな」

 

「それはこちらの台詞ですよ。あいからわず良く泣かれますね。まぁ俺も今任務終わりましたけど」

 

小刀を懐に納めて俺は行冥さんの方に向き合っていた。行冥さんはあいかわず涙出ていて数珠をもっているが、この人は恐らく柱のなかでも最強の隊員でありしのぶやカナエさんの恩人でもある

 

「……しのぶやカナエは元気か?」

 

「えぇ。下の子も元気ですし、蝶屋敷全員が元気ですね」

 

「それはいいことだ……」

 

「あと、しのぶの春が近いかもしれません」

 

「ほう……相手は誰だ?」

 

俺の言葉に行冥さんが少し怒りのオーラが強かったのだが、並みの隊員なら確かに震えるがあいにくく怯える要素はない

 

「あくまでも予想ですが義勇です」

 

「何?」

 

「おぉう……あくまでも予想ですよ。しのぶ自身は気づいていないですがこの間診察室でしのぶが寝ていたとき俺はしのぶに布団をかけようとしたのですよ。そしたら……『義勇さん』……何て言うから俺思わず動けませんでしたよ」

 

「南無………冨岡か……」

 

「ま、しのぶがお慕いしているのが義勇ならまぁ、そこら辺の知らない馬よりはましですね」

 

「……違いない」

 

俺達はそれぞれ動こうとすると、行冥さんが思い出したように聞いてきた

 

「あれから異変は?」

 

「ない」

 

「そうか………」

 

それだけ話すと俺も行冥さんもそれぞれの場所へ帰ろうとすると行冥さんがある質問をして来た

 

「まだ目を覚ましていないのか?自慢の弟分達は」

 

「えぇ……ですが、良くあの身で上弦を撃ち取ったと思いますよ」

 

「……私はお館様やお前の言葉しのぶの言葉がいくら信じても私はまだ信じることはない」

 

「いつか分かりますよ。行冥さんが見たらきっとあいつのまっすぐな姿勢に惹かれますよ」

 

俺が言い終えると行冥さんが数珠をならしながら暗闇のほうに歩いていったが俺としてはあれ夜に歩かれてたら本当に怖い……

 

「さぁて帰るか」

 

「カァカァ!指令指令!しのぶカラ薬草ヲ!」

 

「…あのな…俺一週間も蝶屋敷に帰れてないのだけど!?しかも薬草!?いつもの薬草を取りに帰れってここから遠いのだけど!?」

 

「ガンバ!」

 

「なんか腹立つ!!あぁもう仕方ねぇ。鴉はそのまま蝶屋敷に戻って了解と伝えてくれ。あと、胡蝶三姉妹も含む全員はきちんと休めるときやすんでと伝えてくれ」

 

俺は薬草を取りにいくのとそれを今要請すると言うとは本当にまだ危機が抜けていないと言うことだよな……

 

「解毒に繋がる薬草も取って……はぁ……やっぱり鬼は最後の最後まで人に迷惑かけるの得意だな……。俺より勝手に先に死ぬなよ……若き隊員達」

 

そう思いを込めた俺はしのぶに頼まれた薬草を取りに行った……




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68話

あの上弦陸との戦いから二ヶ月経過して、善逸があの三人の中で最初に目を覚ましていて最初はわめいていたが、カナエさんやしのぶが落ち着かせて善逸を誉めるとあいつは嬉し泣きしていた

 

「うぉら!!」

 

蝶屋敷の敷地内にある道場で、俺は突き攻撃を繰り出すとそいつは慌てて回避していた

 

「うっひゃあ!?危ないよ!?」

 

「ほう、あれを交わすか?良く回避したな」

 

「今あなた殺すつもりで俺を攻撃したでしょ!?」

 

「ん、当たり前だろ。お前は上弦を打ち破った一人だから手加減しては修行にならんだろ?」

 

「いや、目隠しされて耳だけで反応して回避なんて無理だよぉぉおぉぉ!」

 

そう、俺は蝶屋敷の道場を借りながら善逸に耳だけを便りにした特訓をしていた。善逸は耳が良いというのは炭治郎からきいたことがあるが……

 

「(目隠しされてしまえば普通は感覚が鈍くなるし、反応もしにくい。だが、こいつは泣きわめきながらも回避していた)大したものだが、泣きわめく精神を少しでも直したら立派なのになぁ」

 

「殺意強くなっていない!?」

 

「そんなことないぞ。今のより二倍早いスピードで切り込むからな」

 

「それ死ぬよ!?」

 

「鈴がなる音で攻撃してるのだから、耳の神経をしっかり研ぎ澄ませろ。さぁ構えろ!!」

 

「鬼だ!?人の皮を被った鬼がいたぁぁぁ!」

 

善逸がでかく叫ぶも俺は特訓をするのをやめずに続けた。結局数分後に俺はカナエさんに怒られて特訓は終了で善逸はそのあと任務なのでいくことになった

 

「全く、特訓するのは構わないけどまだまだ柱の力までいけてないのだからダメよ」

 

「すいません……」

 

「でもどうだった?あの子は」

 

「そうですね………少なくともそこら辺の隊士よりは強いと思います。あとは耳も戦場でさらに、研ぎ澄まされたら問題ないかな」

 

「そう……。それと伊之助君は起きているけど、炭治郎君だけはまだ目を覚ましてないのよね?」

 

「はい。……少し悔しいかなぁ……炭治郎に」

 

「え?」

 

カナエさんが何でという顔でこちらに見てきたので俺は少し苦笑いしながらそのわけを話した

 

「俺は長年旅していて強くなった筈なのに上弦弐を討ち取れず上弦参にも負けていたのに炭治郎は上弦陸を倒している」

 

「………」

 

「それに………戦いもだけど、もうひとつ悔しいのは変えたことだ」

 

「変えた?」

 

「カナヲやアオイを変えたことだよ。少しずつ自分の意思を言えるようになったのは間違いなく炭治郎がからんでるそのお陰だろう」

 

「あー確かにお姉さんもそれは嫉妬するわ。私もしのぶもみんな頑張って時間かけてたのにカナヲったらすっかり恋する乙女みたいになってるのだから」

 

何だって………カナヲが……好きな人できただと………!?いや確かにここ最近のカナヲはものすげぇかわいくなっているし……

 

「空君、空君………こりゃあ見事に固まってるわ」

 

「起きろ!!バカ空!」

 

「ぐぼえ!?……はっ、カナヲがって本当ですか!?」

 

「その前に殴られたことになにも言わないって本当に固まっていたのね」

 

しのぶにでこぴんされて地味にいたがりながらも今の言葉になんとか思考が纏まり改めて聞くとカナエさんはにこにこっと笑いながら頷いていた

 

「うん。ね、しのぶ」

 

「何の話……いや、姉さんの問いかけと空の反応で納得したわ。そうよ、姉さんの言う通りカナヲは恋してるわ」

 

「………義勇に恋してるしのぶに続いて今度はカナヲまで……!!」

 

「ちょっと待ちなさい、何でそこで冨岡さんの名前が出るの!?」

 

「あら、しのぶは寝言でいつも義勇さん義勇さんっていってるのよ」

 

「いにゃぁぁぁあ/////!?な、なにいっねるの!?」

 

「舌噛みまくってるし呂律しっかりと言えてないぞ~」

 

「しーのーぶ……お姉ちゃんに教えて~?どこに惚れたのか」

 

「知らない、知らない!それを言うなら姉さんも寝言でいつも、不ーー「しのぶ、それ以上言うならワンちゃんをしのぶの前でおくわよ」……ごめんなさい」

 

何やらカナエさんは夜寝ているときになにかいってるみたいだが俺は恐ろしく聞けない。だって、女性の秘密を調べたら下痢とか飲まされるのが落ちとか………嫌だろ?

 

「にしても……カナヲが好きな人できたのか……本人は気づいてないと思ってるのか確かに言われてみたら最近は積極的。……うん、カナヲがお嫁さんいくっていったら俺は本気で泣くわ」

 

「同じく~」

 

「でも嬉しいわね。あの頃のカナヲを知っている身からしたらね」

 

「えぇ」

 

「なら、さっさとこんな気張っていかないといけない時代を終わらせてあの子達の幸せな時間を作らないとな」

 

「もちろん!」

 

「そうね」

 

俺達は改めてこの時代の終わらせることとカナヲの恋人は誰かわからないが、カナヲにお嫁さんあげるには俺達全員勝ってからだ!!

 

「あ、しのぶは後で冨岡くんとどこまでいったのか聞くわね」

 

「嫌よ!?こうなったのはこれも空のせいぃぃ!」

 

しのぶが俺に対してなにか怒りだいてたが見なかったことにしとこう………




ここまで読んでいただきありがとうございます!!次回もよろしくお願いします!!


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69話

善逸との特訓をして数日経過した。あいつは俺の特訓後に任務に向かっていった。まだまだ精神的なのは未熟だが、少し雰囲気変わったなと成長してるなと感心していた矢先ーー

 

ーー竈門炭治郎が目を覚ました

 

蝶屋敷に後っさんの声が大きく響き、蝶屋敷の子供たちやアオイは大慌てで炭治郎がいる病室に走っていた。そして、俺やしのぶ、カナエさんもずっと目を覚まさない炭治郎の事を心配していたがここは年上としての威厳もあるので冷静に病室に向かっていった

 

「ったく、一応炭治郎は患者なんだから目を覚ましたのを大きい声出さない方がいいだろ」

 

「フフ、それだけ目を覚まして嬉しいのとあの子の存在がここにそれだけ明るくもたらしてくれたのね」

 

「そうね。炭治郎君は不思議な子で、太陽のような子ね。彼が目を覚ましたと言うことで他の子も急いで駆けつけるもの」

 

「確かにあいつは不思議な子だな。いつのまにかみんなとの距離も近くなるし自然と許してしまうのよなぁ……にしても……」

 

俺達は黙って病室の外からカナヲ達の様子を見ていたが、本当にあいつは愛されてるなぁ……。特にカナヲの反応は炭治郎が寝ているときとは大違いだな

 

「そうか……カナヲはあいつに恋してるのだな……」

 

「今ごろ気づいたの?この鈍感」

 

「空君は乙女心まだまだねー」

 

「ぐっ、言い返したいがそれもまた事実だ!」

 

そういえば、善逸は目を覚ましていて、伊之助も炭治郎よりも早く目を覚ましていたが今は安静してるはずだ……なのに……伊之助が騒いでないのは気になるな

 

「善逸は二日前に任務出たし、伊之助も炭治郎よりも早く目を覚ましたがあいつおとなしいな」

 

「ふふ、少しお姉さんたちが伊之助君とお話ししたらおとなしくしてくれるようになったの」

 

「そうね」

 

いったいどんなお話ししたのかあえて聞かないし聞くの怖いし俺も怒られたくないから黙っておこう……

 

「がはは!ビックリしただろ!?」

 

「「(ピクッ)」」

 

「あ、伊之助天井に張り付いていてそこから炭治郎のベッド付近に落ちた」

 

「「(ピクッピクッ)」」

 

伊之助のやつはたしか毒がかなり強力すぎて、本当に一時的に命もやばかったのによく持ちこたえたよな

 

「(だけどそれも今日までかも……)」

 

今にも後ろで笑顔だがものすごい怒りの雰囲気が俺は感じ取れる。というか、振り向いたら俺にもとばっちりは必ず来るから振り向けないよ!!

 

「伊之助さん、胡蝶様達に安静してと言われてるのにあなたはまた!!」

 

「ガハハハ!!俺様にはそんなのは関係ねぇぇぇぇぇ!」

 

「あります!!そもそも、あなたはこの間まで本当に意識不明で命の危険もあったのですから!」

 

そう、本当に伊之助はあの四人の中で命の危険があったというか……毒が回ったせいで呼吸による止血が遅れていたなのに……

 

「あなたは毒も効きづらいが薬も効きづらいから気を付けなさいってしのぶ様やカナエ様に言われたでしょ!すぐに忘れるのだから!!」

 

「うるせぇチビ!」

 

「なんですって!?たいして変わらないでしょ!!」

 

なんか喧嘩はしているが、あの二人が付き合えればなかなか面白い家庭になるかもなぁ。あ、でも万が一アオイと付き合うのなら元柱も含めて三人を乗り越えないと許さないからな!

 

「炭治郎が寝たから静かにして!!」

 

「「「!?」」」

 

カナヲが大きな声だして注意したのを聞いた俺達は驚き、固まっているとしのぶとカナエさんがにこやかに病室に入っていったので俺も流れで入っていった

 

「あらあら…寝てしまいましたか…」

 

「目を覚ましたから来たのに残念」

 

「ま、色々と安心したのだろ」

 

「カナエ様にしのぶ様に空さん!」

 

「………あ………」

 

カナヲは自分が大きな声だしたのを聞かれたと思い恥ずかしがっていたが俺達は気にしてない

 

「とりあえずは……伊之助はしのぶとカナエさんに見てもらえ。ついでにお説教されるだろうが、そこは諦めな」

 

「え………ぁ……!」

 

伊之助はカナエさん達を見て真っ青になっていた。どうやらこの後自分がなにされるのかわかったのか震えていたが、すまんが助けれない

 

「じゃあ行きましょうね~」

 

「アオイ達も作業戻ってねー」

 

「ダレカタスケェー!!」

 

伊之助は抵抗する間もなく、しのぶとカナエさんによってつれていかれて、みんながポカーンとしていたがすぐに気を取り直して各々動いていた

 

「………あの…… 」

 

「カナヲは炭治郎の具合を見てあげなよ。この状態だといつ目を覚ますかわからないからね」

 

「は、はい」

 

「じゃあ、またなんかあったら連絡をしてくれ」

 

俺は病室を出ていき少し離れてから歩いて…………

 

「カナヲ……本当に大きくなって………!」

 

「嫌、なんで廊下で落ち込みながら泣いてるんだよ…………」

 

「後っさん……俺はぁ……俺はぁ…あかん、妹の成長に涙が止まらねぇ…」

 

「あー、はいはい。とりあえずは、どこかに食べに行くか。ただの柱でもなく一人の人間として食べに行きましょう」

 

後っさんの言葉に俺はうなずきながら外出することにした。出るときに伊之助がボロボロになっているのを見たが俺は声かけないよ……




ここまで読んでいただきありがとうございます!!次回もよろしくお願いします!


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70話

俺と後っさんは鬼殺隊の隠れ店とでも言うところでお客さんもおらず、ゆっくりとお茶をのみながら会話していた

 

「もうカナヲの成長嬉しすぎて……」

 

「あーわかるわかる。俺も知ってるからあの子は最近よく感情出すようになったな」

 

「ですよねー。もう、炭治郎の方にカナヲがお嫁さん行くときは本当に……。よし、炭治郎が俺相手に一本とれたら考えよう」

 

「それはどこぞの頑固親父のような発想だよな……で、拳柱様はなにか新しい情報をつかめたのか?」

 

「……いや、見つからない。なんとしてでもあの男に関する手がかりを見つけたいが……それすら手がかりない忌々しい連中だよ」

 

「そうか。まぁ、それを抜きにしてもあの数ヵ月前に数百年間倒せなかった上弦を撃破のはすげぇよな」

 

「まぁ、そうですね。しかも、若手の三人が実質倒してくれたから……俺はなにもしてないな」

 

お茶を一服のみながらあいつらのことを思いながら話した。この数ヵ月もそうだが炭治郎は本当に悪運がすごいというか……

 

「あいつの悪運はすごいというか……それと、恐らくだが……」

 

「ん?」

 

「そう遠くないうちにとんでもないことが起こりそう」

 

「いやお前が言うとそれ洒落にならないよ……」

 

「それと……お館様の件はいまだに手がかりなし。もうひとつの件もだ」

 

俺が今何を探してるのかは後っさんとしのぶカナエさんしか知らない話だが、お館様のお体を治す方法を時間が許す限り、日本各地で動ける範囲で探していたがいずれも手がかりなし

 

「そうか……もうひとつの件はあれか?」

 

「えぇ。例の子です」

 

「そうか……手がかりなしか」

 

「例の子はいまだにかわりなく状態もよくならずというところですかね」

 

「しかし、前例がないだけにあの子はすげぇよな。普通はみんなあれになったら耐えきれないのに何であの子は耐えきれたんだ?」

 

「たしかにそれはなんでなのか分からないな……」

 

あの子とはもちろん炭治郎の妹竈門禰豆子ちゃんだ。炭治郎がずっと寝ている間、俺やしのぶカナエさんや蝶屋敷の子供達が面倒見ていた。たまに、錆兎や真菰に天元さん一家や杏寿郎さんもお見舞い来るついでに相手なってくれていた

 

「そういえば、この間のは驚いたな」

 

「ん?」

 

「お前、ぶちギレた事件あっただろ?」

 

「あー」

 

俺はそれを思いだし苦虫を潰し顔になった。俺がこの苦虫潰した訳は以前とある任務で一人の隊員が、身勝手な行動と誤った自己判断をして危うく他の隊員の命をさらされる事があった

 

『なぜ、俺が来るまで我慢できなかった?』

 

『………』

 

『鬼に復讐するのもよし、己のミスで己が死ぬのもよし。だが、己の身勝手な判断と力を見極めれないで仲間の命をさらすのは鬼殺隊としても失態だ』

 

『ぐっ……!』

 

『頭を冷やすことを勧める。今のままではいずれお前は早死するだけだ』

 

俺はそれだけを言うと危険をさらされた怪我人の手当てや住民の手当てをしていた。その若者の名前は知らないが、あれではいつか死ぬのが早まるだけだ

 

「まぁ、それはそうと……」

 

俺はため息をはきながら、後ろを振り向いた。後っさんもなんだろうと思い振り向くと

 

「はへ?何でいるの?」

 

「さっき送ったのにいくら来るの早すぎない?真菰、錆兎」

 

俺は炭治郎が目を覚ましたというのを連絡したら、鬼殺隊を抜けて今は恩師のもとで平穏な日々を過ごしていた二人が隠れ名店の方に来たのだ

 

「たまたま今日蝶屋敷にお見舞いいく予定だったの」

 

「義勇は任務で無理だったがな………それよりも!」

 

「ん?」

 

「報告することがあって、私たちようやく正式な夫婦として認められるようになったの」

 

あれ?俺たちは今この二人からすごいことを聞かなかったか?たしか前……告白したとかどうとか聞いていたのに………あるぇ?

 

「へ?すでに認められていたのではないのか?」

 

「そういえば、結婚してるって噂流れていたけど違うのですか?」

 

俺と後っさんは整理しながらそう発言すると錆兎がげっそりしながら説明してくれた。なんでも、結婚は認めてくれたものの師範の課す課題を乗り越えれたら許すという条件だったらしい

 

「現水柱義勇と元水柱の師匠との1vs2で勝つことが条件ということと……一ヶ月間真菰と寝ていて襲わないことを条件とするだ……死ぬかと思ったよ」

 

「お前よく生きていたな……」

 

「……二度とあんな経験したくない」

 

「そういえば、空はなんでここに?」

 

真菰がキョトンとしながら俺に話聞いてきたので俺はすこしあれを思い出して悲しくなり、訳を話すと真菰が目をキラキラさせていた

 

「カナヲちゃんが……!?ふ、ふふふ……ねぇねぇ、そんな話は義勇のも炭治郎のもどっちも保護者としては見過ごせない!!」

 

「こら、真菰!?」

 

「あ、お支払俺がしときますから、後っさんはこの二人を……というか真菰が暴走しないように錆兎と追いかけてください。柱命令」

 

「畜生、こういうときだけ命令するとかふざけるなぁぁ!年上の面子というのもあるから払いたかったのに……あぁもう、来月までに返金するよ!!」

 

真菰が嬉々として出ていきそれに慌てて追いかける錆兎。そんな様子を見かねて俺は後っさんに錆兎一人だと負担になるから手伝ってほしいと思い権力を使わせてもらった

 

「さて………っと……」

 

俺はゆっくりと支払いを終えて店を出てからさっきから怒りのオーラを出してるやつが感じ取れたのでため息つきながら振り向いた

 

「さっきから俺に殺気をやたらと飛ばすのは誰だ?ん、お前はあのときの………」

 

「………」

 

俺の言葉にゆっくりと出てきたのは数ヵ月前に俺が注意した隊員だった

 

「……ふむ……どうやら数ヵ月前からなにも成長してないと感じるな。いやはや、今のままでは柱になるのは厳しいな」

 

「なんだと……?」

 

「言葉の理解できないのか…なら、場所を別のところに変えて稽古つけてやる。ついてこい、今のお前ではまだまだ未熟すぎることを教えてやる」

 

俺はここでは人通りが多いし危ないから俺がいくつか鍛練してる場所のひとつに案内していた。その間にも殺気はずっと俺に飛ばしていた

 




ここまで読んでいただきありがとうございます!次回もよろしくお願いします!


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71話

山の奥につき、そこは俺がよく鍛練してる場所でもある。俺は近くに刺さってるのを抜いた

 

「ここなら、思いきり暴れることできる。ほら、よっと」

 

「木刀…?何でこんなところにあるんだよ?」

 

「修行するときに使っていてな。そいつは朝の修行するときに使っていた。まぁ、俺以外でこんな山奥にこれを抜きに来るバカはいないがな。ほらよ」

 

俺はその不満そうな隊員に木刀を投げてそいつは俺の方にじっとみながら木刀を構えた。そして、さっきから無言だったそいつは口開いた

 

「…っと俺には木刀があって、あんたは刀を抜かねぇのかよ?それ不公平じゃねぇか?」

 

「俺にはそれは必要ないしこれで十分だ。……まぁ、柱サービスとして俺は一切呼吸を使わないから本気でこい」

 

「嘗めやがって……!」

 

俺の言葉にそいつは目を見開いてみていたが俺は気にすることなく、構えるとそいつも構えた

 

「後悔させてやる……うぉぉぉぉ!!」

 

そいつは初速は速く俺に踏み込むよいに切りかかるが俺は冷静に交わしていた

 

「なるほど、初速は十分だな」

 

「余裕そうにしゃべりやがって……なめるな!」

 

「太刀筋も悪くはないが……」

 

「がっ!」

 

「まだまだムラがあるな」

 

俺は顎に思いきり殴り込むとそいつは脳震盪を起こされたかのように後ろによろけていたが俺は攻撃の手を休めずに左足を大きく踏み込み右手を振るった

 

「っらら!」

 

「がっは!」

 

「戦いの最中に相手は攻撃の手を休まないぞ!」

 

二発お腹に思いきり殴るとそいつは後ろの方に思いきり転んだ。俺はそれをみて戦いの最中に相手が休まずに攻撃することを指摘した

 

「くそが……調子に乗るなぁぁ!!!」

 

「む?」

 

「俺は呼吸を使わないとあんたはあったな!?なら、俺は呼吸はつかっていいって言う意味だよな!?その発言を後悔しろ……雷の呼吸……」

 

雷の呼吸といったか……確か善逸以外でその使い手はみたことないな……

 

「弐ノ型 稲魂」

 

「ほう?」

 

俺は雷の呼吸弐ノ型 稲魂とやらの瞬きの間に行われる高速五連撃を回避していた。それをみたやつは先程のあせる顔はなく俺に勝機が出たといわんばかりにこちらに攻撃してきた

 

「(なんで回避できる!?だが………)もらった!」

 

「………はぁ、そうか……」

 

「!?」

 

「…お前はいけると思ったら油断する癖があるな?」

 

俺は左足を軸にして右足で蹴りこむとそいつは木刀を使って防御していたが……

 

「(な!?お、おもい!?)」

 

「吹っ飛べや………」

 

俺の蹴りに耐えきれずに後ろに思いきり吹っ飛ばされてそいつは木刀を捨ててしまった。俺はその隙を逃さずにそいつに接近した

 

「がっは……っ!?」

 

「………お前の敗けだな」

 

俺は倒れてるそいつに拳を目の前につき出すとそいつは悔しそうに地面をみていたが俺は気にすることなくこの手合わせで感じたことを話した

 

「お前は油断する癖を直すことだな。そんなのではいつか鬼とかに殺されるな」

 

「なんだと……!?」

 

「今お前は手元に武器がない。そうなるとお前は抗う手段がない……油断してなかったらそういうのはなかったはずだ」

 

「ぐっ……だが、何で俺の弐ノ型をかわせた!?」

 

「おいおい、柱をなめるな。あんな技は確かに初見は厳しいが俺も柱としてそれなりに戦い抜いてきたから経験だな。それとお前のその攻撃はよかったが、今のままでは上弦どころが下弦壱にすら勝てないな」

 

「どう言うことだよ」

 

「お前技を磨くための鍛練サボってるな?技は良いが、その技をより深く鋭く鍛え上げていないぞ」

 

俺が指摘するとそいつは苦虫を潰した顔になり俺をみていた。俺は気にすることなく続きを話した

 

「まだまだ出来上がっていない部分が多すぎるのと今のお前では上に立つ力もない」

 

「……」

 

「まずは冷静さを欠くことなく己を見つめろ。今のままでは仲間に危機に陥れるだけだ」

 

「わかり……ました……」

 

そいつは悔しそうに歯軋りをならしていたが俺は注意するだけではなく誉める所は誉める

 

「太刀筋も悪くないし、今後は感情のコントロールと周りをみる力をつけていき、己の弱さを受け入れたらお前はまた強くなれる」

 

「……」

 

「それと、お前の攻撃が読めた理由は自分より速い敵との戦いの経験もあるからだ。まぁそこは視力も関係するが、とにかくお前がまた強くなり、いつか俺と手合わせするときがまた来たら相手をしょう。……俺の名は夛田空だ。若き鬼殺隊……名前を改めて名乗れ」

 

「………俺の名前は……獪岳!いずれあんたを越えてやる!!」

 

俺はそれを聞いてまた会おうと伝えてそいつとそこで別れた。敗者にこれ以上の慰めの言葉は不要であり、俺は背を向けて蝶屋敷に帰ったら真菰達が女子会とかのため立ち入り禁止とかかれていたので俺は一人でおとなしく抹茶をのんで空をあおいでいた……

 

「平和だなぁ………」

 

俺はこの幸せな時間を噛み締めていた………




ここまで読んでいただきありがとうございます!
次回は先に伝えときます……。本当に許してくださいです
これからもよろしくお願いします


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72話

批判があるかと思いますが暖かい目で見てください。よろしくお願いします(土下座)


あの炭治郎が目を覚ましてから一週間が経過して、あいつは順丈に回復していっていた。俺は任務でしばらく帰れなかったが、カナエさんやしのぶと真菰をはじめとして蝶屋敷皆で炭治郎の機能回復訓練を励んでいた

 

「ただいま……」

 

久々の帰省に普通は喜んで帰るが今の俺は気持ちがかなり落ち込んでいる。なぜそんなに落ち込んでいるのか?という問いかけだが……

 

「あらお帰り…………え……」

 

「どうしたのですか姉さん……え?」

 

「師範?カナエ様………え?」

 

俺は蝶屋敷に帰ると、カナエさんしのぶ、カナヲが出迎えていたが三人とも俺の姿をみて固まっていた………

 

何故なら………

 

「そ、空さん……」

 

「…………そうだよ………畜生……」

 

「「「そ、空(さん)(君)が小さくなっているーー!!!」」」

 

三人の声が蝶屋敷に大きく響いていた………カナヲに至ってはあの頃を思うと大きな声で驚くこともできるようになったんだね………お兄ちゃん嬉しいよ……

 

「にわかに信じがたいですが、これは空ですね…。間違いなく私たちが知ってる幼い頃の空よ」

 

診察室でしのぶがいつもの冷静な顔ではなく本当に素になって俺の状態をみて驚いていたというかカナエさんは目をキラキラしながら子供の服を持たないでくれ……

 

「服は後で着させるわ。でもずいぶん懐かしい姿よねぇ」

 

「そうね……おそらくその年齢って私たちの記憶が間違いなかったら六歳より下よね?」

 

「おう……間違いなく今の蝶屋敷の子供より低いぞ……。おそらく体の年齢は五歳辺りだな……それと……」

 

「空さん……可愛い」

 

「カナヲ……頼むから俺も男としての誇りと言うか……うん……」

 

俺はカナヲに抱き締められながら今の現状に嘆いていた。何が悲しくって妹分のカナヲにだっこされるんだよ……

 

「しかし珍しいですね。空がそんな血鬼術を食らうなんて」

 

「倒したと思ったらそいつの最後の悪あがきでガスを噴出して俺は吸わないようにとっさに後ろに下がったが浴びてな……。で、今に至るわけだ」

 

「そのガスが体に直撃したから子供になったと……しのぶ、なんとかできない?」

 

「無理」

 

「即答!?」

 

俺はしのぶならなんとかできると思ったが笑顔でできないと言われてさすがにショックなんだけど!?

 

「色々な症例を見るけどこれはなかなかいないわね。でも、これじゃあ、しばらく任務は無理そうね」

 

「そうね。お館様に鴉で伝えたもらいましょう」

 

「いや、小さくなっても呼吸は使えるはずだから任務もいけるから」

 

「「「ダメです。子供はおとなしくしてください」」」

 

「………」

 

俺が三人にそうダメだと言われてるとアオイが部屋にノックしてきた

 

「しのぶ様、カナエ様。風柱様が来ます」

 

「な!?」

 

不味い、不味い!今この状態がカナエさん達にみられて精神的にきついのに実弥までみられたら……!

 

「邪魔するぜぇ……ん?」

 

「………はい?」

 

「…………」

 

実弥とアオイが俺を見つけて固まっていた。対する俺は振り向いてどう説明するか悩んでると……

 

「「誰?」」

 

「ふふ、アオイ、実弥君。この子は幼い頃の空君よ」

 

「………え……ええ!?!」

 

「ま、まじか……ぶぶっ……ち、小さいのにさらに……ぶぶっ…!!」

 

「畜生!!実弥に笑われるのは屈辱だ!さらに、アオイまでその姿見せてしまったぁぁ!」

 

くそ!だから実弥にみられたくないと思い我慢していたのにカナエさんがあっさり暴露したせいで俺がダメージ負ったよ!!

 

「ふぅはぁ……胡蝶……カナエさん……こいつは本当に空なのかぁ?」

 

「はい。間違いなくです」

 

「治せるのかぁ?」

 

「無理ですね。ですが、目的の鬼が消滅したのでそう遠くないうちに戻ると思います」

 

「そうかぁ……無様だなぁ……拳柱」

 

「ぐっ…こいつにそんな台詞を言われる日が来るなんて…!」

 

実弥が勝ち誇った顔で俺を見ていたので俺はこいつのどや顔がめちゃくちゃ腹立ってきて悔しかった

 

「で、お前はなんでここにいるんだ?からかいに来たのなら喧嘩かうが?」

 

「てめぇの喧嘩はまたいつかだなァ……、それよりも胡蝶ォ」

 

「はい?」

 

実弥は刀を置いて何やら決心したように頭を下げに来ていた

 

「本当は鬼がいなくなってから改めて言おうとしていたがこれは早く言わないと駄目だと思ってなぁ……。……お前の姉カナエさんと……結婚することになった」

 

「「「「「……………はぁあぁぁぁあぁあ!?」」」」」

 

「あら、夜に言う約束だったのに~」

 

一体なぜそうなったのか考えてると、たしかに前からその前触れみたいなのはあったがまさかこういう展開は予想してない!?後カナエさんのほほんとしないでぇぇ!!

 

「つい先日一夜の過ちを起こして男として責任をとりてぇ……!」

 

「まてまてまて!?……あー……アオイとカナヲは外に出といてな?またわけを話すなら」

 

「「一夜の過ちをってなんですか?」」

 

「……まぁそこはいつか教えるから……… アオイもカナヲもここからで仕事を頼むね」

 

俺はとりあえずはここら辺の話は二人には聞かせれないと思い退出を頼んでいなくなった気配を感じ取ってからあらためて向き合うとしのぶは黒いオーラ出ていた

 

「それで……一夜の過ちをというと?どういうことですか?」

 

「……実はよぉ……」

 

「酔っぱらっちゃった私が実弥君を襲っちゃったの」

 

「「何してるの!?!!」」

 

「正確には酔っぱらいながら唇にキスされたんだよぉ……。だが、いくら酔っぱらっていたからとはいえ男として責任を取るからよぉ……許してくれ」

 

実弥が頭を下げていてだいたいわけがわかったし、俺も実弥ならカナエさんを大切にするからとくになにも言わないが……

 

「姉さんを幸せにすると約束できますか?」

 

「勿論だぁ……例えこの命に代えてでも!」

 

「減点です。今の発言では姉さんをお嫁にいかすことはできません」

 

「しのぶ!?なんで!?」

 

「鬼殺隊なら姉さんがおばあさんになってもきちんとみてあげてください。それを約束できるのなら私は許します」

 

「あっ……」

 

断る言葉に驚いていたカナエさんだったがしのぶの表情をみて、なにかを納得して口を挟まなかった

 

「………っ、訂正させてもらうぜぇ……俺が必ず責任をもってカナエさんを……守る!そして、俺がジジイになっても生きてカナエさんを守って見せるぜぇ」

 

「宜しい……!姉さん」

 

「うん?」

 

「幸せにね」

 

「……うん!ありがとう、しのぶ!」

 

俺はなんとかうまくいったことに安堵しながらも実弥に気になる話を話すべきか悩んだ

 

「実弥……隠し事なしで聞きたいことがある」

 

「あぁ?」

 

「………お前は……本当は生涯孤独ではないだろ?」

 

「…………なんのことだぁ?」

 

「…(恐らく知り合いが……それも家族がいるな?)失ってから後悔してからでは遅いとだけつたえておこう……」

 

「は?」

 

「「??」」

 

「まぁ今の細かいことは気にするな!とりあえずはさっさとお館様にもその件を報告しとけよー」

 

俺はそれだけを言うと診察室に出ていき、誰もいないことを確認できるまで歩いてやがて人がいないことを確認すると

 

「…………………(ブワッ!!!)」

 

溢れる涙が止まらなくなった。この涙は悲しい涙ではなく嬉しい涙でカナエさんがようやく幸せになってくれることに嬉しく仕方がなかった。でも、子供の時の姿で聞きたくなかったなぁ……

 

 




ここまで読んでいただきありがとうございます!
今回はお許しください!これからもよろしくお願いいたします


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73話

俺は一人で廊下を歩きながら、カナエさんが結婚すると言うことに改めて嬉しさと遠くに行きそうで寂しく感じていた

 

「………はぁ…体は小さくなるわ…カナエさんは結婚するわ……ダメだァァ…カナエさんが結婚するのは嬉しいが、結婚する過程が凄いよ…。後体が小さくなって移動が遠く感じて不便だァァァ…」

 

自分の部屋の庭に座りながら、嬉しさと自分の体が小さく色々と精神的なの来ているから気持ちが曖昧でなんとも言えない。すると俺の後ろからかわいい妹分……の声が聞こえた

 

「……あの、空さん……」

 

「おぉ……この声はカナヲか?どうした?」

 

「はい。あの……カナエ様と風柱様がその……」

 

「あぁ、結婚することか?事実だ」

 

俺がそういいながら隣に座るか?と聞くとカナヲはうなずいてゆっくりと隣に座った。俺ら二人はしばらく沈黙していていたが、カナヲの方からゆっくりと口開いた

 

「空さん小さく可愛い……」

 

「っとと、そっち!?真面目な話を開くと思ったらそっち!?」

 

「ふふ……本当に小さく可愛いですよ」

 

「………カナヲ……笑えるようになって俺は嬉しいぞ。だが、男としてはその小さく可愛いというのは素直になんか喜べないな……」

 

俺はカナヲが上品に笑う姿をみて俺は本当にあの頃を思うと笑うこともできるようになって俺は嬉しい……

 

「カナヲ……」

 

「はい」

 

「俺はな、嬉しいんだよ」

 

「嬉しい……ですか?」

 

「そうだ。カナエさんが幸せになることができるとわかると俺は嬉しく仕方がないんだ。でもな……」

 

「でも?」

 

「やっぱり寂しいよなぁ……カナエさんが結婚するのは…幼馴染みだからこそ余計に遠くいってしまった感覚になり辛いんだがな………」

 

俺はそういいながら空を眺めてた。幼い頃の本当の姉のような人が結婚するのは嬉しいし、喜ばしいのだが……

 

「あの!」

 

「おお?!」

 

カナヲの大きな声にビックリした俺は思わず振り向くとカナヲは緊張した顔で俺を見ていた

 

「空さんに聞きたいのですけど、空さんの呼吸の型はいくつあるのですか?」

 

「(カナヲなりの話題を変えた話か?まぁ、その話もしてないし丁度いいな)陸はあるな。陸は最近使っていないが……壱の型 波動 弐の型 裂散 参の型 獅子落とし 肆の型 炎天 伍の型 迅速撃だな」

 

「陸も……」

 

「まぁ、零ノ型とまだまだ考えている段階の型もあるが……それはおいといてありがとうな」

 

「え?」

 

「わざわざ俺の気持ちを心配して話を変えて型を聞いてきたのだろ?」

 

「はぅ……」

 

俺は笑顔で聞くとカナヲは真っ赤にしてもじもじさせながら口を開いた

 

「あの……その…」

 

「うん?」

 

「私は……空さんともっと話したい……」

 

「ほう、そうかそうか………。うん、確かにここ最近任務で会えなかったし、久しぶりに色々と話そうか!折角だから、俺が昔いった場所の面白い出来事を話そう」

 

「は、はい!聞きたいです!」

 

俺の言葉にカナヲは嬉しそうに笑って俺とずっと話していた。後からしのぶも合流して三人で話し合いながらカナエさんは実弥とデートのため出ていったらしい

 

「しかし、空……その子供姿ではしばらく任務に出れないのは痛いですね。あら、小さいとやはり肌も可愛いものですね」

 

後から合流したしのぶがお茶を飲みながら任務に影響出ているということを指摘すると同時に俺の頬をくりくりとしていた

 

「ぐ……ここぞとばかりに頬にクリクリするな……あと反応楽しがってるよな……」

 

「羨ましい……師範……治す方法ないのですか?」

 

「うーん……さっきも彼にいったけど治す方法がないからしばらくは経過観察ですね。それに、空は陸まで型があるとき聞きしたが、最近陸ノ型はあんまり使っていないのですね」

 

「(カナヲ、羨ましいと言うの口出てるよ!)あー、最近手応えのある鬼がいないからな……まぁ使わないに越したことがないなー。で、そんな話だけきたのではないだろ?」

 

「…はぁ、相変わらずそういう勘のよさは流石ですね。ずっと前から空に聞きたい事でしたけど、裏切りの隊員を粛清していたとお館様から聞きました。それはつまり……」

 

「……あぁ、人を殺したと言う事実はあるぞ」

 

俺は隠すことなくもうこれは今はしていないもののいずれは話すことだと決めていた。案の定カナヲは驚きしのぶは厳しい目で見ていた

 

「改めて聞きますが、その隊員達と話し合う余地はなかったのですか?」

 

「…うーん…そうだな、真面目に話すと……俺が殺したのは二人で、そいつらは粛清の対象としてまず俺は話し合って今なら寛大な処置ですむだろうといった」

 

「……ですが反抗されて罪も認めるどころが逆上して殺し合いとして発展したと言うわけですね」

 

「まぁな。やつらは守るべきもの達を鬼に売りさらに鬼殺隊の情報を鬼に売ろうとしていた。この時点で俺はもはや仲間や守るべき人々を売る時点で寛容さは無くなったな」

 

目をそらすことなく答えるとしのぶは急に真剣な顔からにこやかや顔になり笑い始めた

 

「ふふ、相変わらずですね」

 

「へ、師範?」

 

「は?怒らないのか?」

 

「怒ってほしかったですか?見くびらないでください。空の幼馴染みである私が空がなにも理由もなくそんなことをすると思っていません……ですが、できればそんな仕事を……」

 

「あの頃はそれが正しいと思っていたからそうしたんだ。まぁ今はそんなことしてないが、どんな隊員であれ鬼殺隊を裏切ったときは俺が自ら殺すよ。仲間を裏切るなんて言う行為は……俺はきっと許すことができないからな……」

 

空を見ながら俺の心の奥にある怒りと思いをぶちあげながらカナヲの方にも見つめていた

 

「カナヲは軽蔑したか?こんな人殺しをしていることに関しては特にお前が嫌いだもんな……」

 

「いえ!……空さんは……優しい人だから…嫌いになれませんよ…」

 

「そうか……そうか!俺はカナヲの事を本当の妹のように大事に思っているが、カナヲにまで嫌われたら俺はさすがに旅出るよ」

 

「あら、空が旅出るのでしたら、空だけはこれまでの医療費も請求しましょうかね?ふふ、かなり多いはずよ!」

 

「おい、それは勘弁しろ!?恐らくオレがそれをかなり支払わないといけないようになるのでは……」

 

「空さん、師範のためにお支払お願いします」

 

「カナヲまでー?!!」

 

俺たち三人は和やかに会話しながらも俺は長年に隠していた後ろめたいことを話して少しスッキリした。因みにカナエさんにも同じ話をするとげんこつで思いきり吹っ飛ばされたのはここだけの話だ……




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74話

鬼との戦いで小さくなって二日目……俺はため息をつきながら子供サイズの服を着ていて庭を眺めていた

 

「はぁ……小さくなって二日経過しても体が戻らないとは……全く鬼殺隊の柱ともあろうものが情けない姿だ…はぁぁああ……不便だァァ……」

 

俺は自分の姿を嘆きながら、なんでこういうことになってしまったのだろうかと反省しながら紙を書いていた

 

「空さん、おはようございます!……何しているのですか?」

 

「おう、アオイおはよう。これはな、紙で改めて俺の拳柱の呼吸を書きとどめているのだよ。改めて整理してるとここ数年で技が増えたからな」

 

「なんでまた?」

 

「それはまぁ置いといて……アオイ、俺の拳の呼吸はどれくらいあるか知ってるか?」

 

「えっと5……ですか?」

 

「不正解。俺の拳の呼吸は壱ノ型 波動 弐ノ型 裂散 参ノ型 獅子落とし 肆ノ型 炎天 伍ノ型 迅速撃 陸ノ型 流星と零ノ型がある」

 

俺がいきなりの問いかけを言うとアオイは真面目に考えた末の答えを出してくれた。しかし、アオイの答えは間違いで正解は今は7つだ。そんな答えにアオイはなにかを思い出すように俺にある質問をしてきた

 

「そういえば空さん……今、その零ノ型と答えてくれたではないですか?それは……本当は危険なのではないですか?」

 

「ん、なぜそう思ったのか聞いていいか?」

 

「はい。色々な推測がありますが、一番は怪我の具合です」

 

「怪我だと?」

 

「はい、運び込まれたときの状態です。上弦を二回戦っている空さんですが、一回目は凍傷等が目立っていました。しかし、二回目は筋肉が明らかな負担が出ていたと思われる状態……これらのことから零とは筋肉に大きく負担が関わる……違いますか?」

 

運び込まれたときの状態をそこまで細かく覚えてるのか……。まぁ、たしかに零ノ型は最近こそ使っていないものの肉体的な負担は確実であり、人間の限界を越えるようなものだ

 

「うむむ、この短時間で見抜かれるとは……たいした推察力だな。アオイの考察に関しての返事だが、正解だ……」

 

「空さんはその技を使わない選択は………ないのですよね」

 

「あぁ……。それと、アオイ」

 

「はい」

 

「きっとこれからまた戦いが激しくなるから…万が一俺が何かあっても幸せに生きろよ」

 

俺がそれをいうとアオイはキョトンとしていた。そして言葉の意味を理解したアオイはそこから怒り爆発で怒涛にこれまでの俺に対する苦言を呈していた

 

「ーーわかりましたか!」

 

「あぁ、わかったよ。アオイ」

 

「はぁ……お願いですから空さん……しのぶ様やカナエ様に私達に寂しい思いをさせないでください。もう二度と……誰もがすれ違う時間は嫌なのですから」

 

アオイは本当にそんなことが起きてほしくないという顔をしてるのはわかる……カナヲもアオイも俺にとっては本当にかわいい妹分だからな

 

「その頼みは善処するが、アオイはこれだけのために俺を呼んだのではないだろ?本件はなんだ?」

 

「あ、はい。実は炭治郎さんが空さんのことを探していましたので、お呼びした方がよろしいですか?」

 

「炭治郎が俺を探していた………?わかった、部屋に呼んできてくれ」

 

アオイの問いかけに俺は特に気にすることなく部屋に呼んでいいと伝えるとアオイは頭を下げて部屋を出ていった

 

「(しかしアオイに怒られたから少しは善処するが、冗談抜きで俺は上弦弐と対峙したら………零ノ型解除を最初から飛ばさないときついな……肉体改造もそれなりに進んでるが間に合うか?)」

 

「空さん、連れてきました!」

 

「ん、入れ」

 

「はい失礼しま……空さんがさらに小さくなっている!?」

 

「おいこら、何気にすげぇ失礼なことを言うてるの自覚があるか!?」

 

「あ、すいません!」

 

「すぐに潔く謝るなよ!?……んで……何のようなんだ?」

 

「はい!実は刀鍛冶の里にいきたいのですが……場所を知ってますか?」

 

「あ…俺もきちんとした場所は知らねぇな。刀か?」

 

「はい」

 

まぁたしかに数ヵ月前の死闘で刀がやれていたから刀鍛冶を頼んだが……あの手紙を見たから直接いくのか?

 

「まぁ、刀が折れていたのは知ってたし、いつお前が目を覚めても、刀を取りに行けるようにお館様にすでに鴉で送っているから安心しろ。お館様の許可得たらすぐに行けるだろう」

 

「空さんありがとうございます!」

 

「あぁ、それと……これを」

 

俺は懐に隠している小刀を炭治郎に渡すと炭治郎は驚きながら俺の方を見ていたが、俺は炭治郎の顔を見て苦笑いしながら話した

 

「その刀は何かしらお前に役立つだろうから使え。道中になにもないとは限らんし、武器がないのも困るだろ?何ならコイツはお守りとして使ってくれてもいいぞ」

 

「何から何までありがとうございます!」

 

炭治郎は勢いよく頭を下げて出ていこうとすると俺は炭治郎を呼び止めた

 

「あぁそうだ…炭治郎」

 

「はい?」

 

「早くお前の妹が人間に戻れるように俺たちも協力するから……お前も諦めるなよ」

 

「……はい!!」

 

炭治郎は俺の言葉を聞いて出ていくと俺は屋根の上にいるであろう人物の名前を呼び掛けた

 

「しのぶ、いつまで上にいる」

 

「あら、バレていましたか」

 

「何年の付き合いと思っている……。しのぶ、少しだけ真面目な話だ」

 

「はい」

 

「……お前カナエさんの子供が生まれたら、おばーー」

 

「空、それ以上言うと永遠に眠らせますよ?」

 

「すまん」

 

そんな会話をしながらも俺は改めて本題を切り込んだ

 

「とりあえず本題だが、しのぶ………お前の見立てで炭治郎の妹竈門禰豆子ちゃんは人間に戻れそうか?」

 

「……正直前例がないから厳しいかと思う。そもそも鬼から人間に戻す薬……そんなのは元々無いに等しいものだから今は無理ね」

 

「そうか……」

 

「炭治郎君の妹禰豆子さんが人間に戻った日には色々と話してみたいわね。あんな良い子兄妹には報われてほしいから」

 

「だな」

 

俺達は何としてでも炭治郎とその妹が幸せになれるように密かに動いているが、いまだに手がかりはないわけか……

 

早くあいつらが幸せになってほしいよなぁ……

 

「あ、空の身長が大きくなる薬もありませんので」

 

「一言余計だ!!」

 

えぇい!早く子供の姿からもとの姿に戻りたいーー!!




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75話

炭治郎が蝶屋敷から刀鍛冶がいる旅立つて、一日経過していた。炭治郎が出ていってから少し日にち立ってからやっと俺の体は元通りなっていた。体が元に戻ったとき腰がかなりやばかったことだけは伝えておこう

 

「うらあぁぁあぁぁあ!!!」

 

元通りになった俺は蝶屋敷から少し離れた場所で鍛練していた。少しの期間だけ子供に戻っていただけとはいえ動かさなかった戦闘勘を取り戻さないといけないからな

 

「む!」

 

俺は正面の木を殴り終えると上に仕掛けていた尖っている竹の槍を回避していた。殴り終えた後のいきなりの上からの奇襲に対する反応の練習でもあり、走りながら上に置いていた的に向かって構えた

 

「拳の呼吸壱ノ型波動!」

 

このまま的に直撃できると思い、下半身を下げて右を突き放すように攻撃に切り替えると何とか直撃した

 

「はぁはぁ………」

 

「さすが現柱ね、お疲れさま」

 

「カナエさん……この訓練……スパルタ過ぎません………?俺が普段行っている自主練習してるのをさらに倍にしたようなキツさですけど…」

 

「ふふ、でも良い訓練になったでしょ?」

 

「まぁそうだけど……」

 

俺はカナエさんから渡された水分が入ってる物を飲みながら、空を眺めていた。ここ最近はなぜか鬼が活動するのが異常に減ってきているが何かの前触れもしれない

 

「訓練を行えるのは嬉しいにしても鬼……それも上弦を一人倒してから活発になると思いきや大人しいというのが気になる」

 

「まるで一人失っても大したことがないという意味合いかな?」

 

「……可能性はあると思います。補充できるから上弦が一人失っても大した事がないと考えていてもおかしくありません」

 

「どちらにしても嫌な話ね……よし、私も復帰目指そう!」

 

「いやダメですからね!?!」

 

たしかに復帰したらすごいけどこの人はあの数年前の上弦弐との戦いで肺が負担かかり命が瀕死まで追い込まれていたのだから!?

 

「上弦は化け物だらけで特に上弦弐ははっきり言うと鬼殺隊には相性が悪い奴だ……。呼吸が使えないとなるとさすがに不味いからな」

 

「そうね。空君の見立てではどう感じる?」

 

「正直言えば柱が四人………で行けるかどうかだな」

 

「そう……でも、空君……あなたは遭遇したら一人で戦うつもりでしょ?」

 

「んな!?」

 

「あんまりお姉さんをなめないでね?あなたとの長い付き合いだからね」

 

参ったなぁ……カナエさんに俺の考えも読まれていたとは……だが、たしかにあの化け物はしのぶやカナヲにも害が及ぶ可能性があるから俺がこの手で仕留めておきたい……

 

「うん、そんなことを考えているのなら…………空君には拳の呼吸を炎の呼吸と混ぜ合わせた訓練をするのどうかな?」

 

「炎?いやいや、俺は今までの技炎を……」

 

「ふふ、そういうことではなくって拳の呼吸をさらに進化させる意味でよ?」

 

「拳の呼吸を進化させる……なるほど……氷が相性悪いのは炎ならそれに対抗する力をつけるということ?」

 

「正解!偉い偉い!だから呼んだの」

 

呼んだと言うとカナエさんの後ろから懐かしい声が聞こえた

 

「うむ、氷に対抗するなら炎!ならば炎の使い手である我らが教えるのが一番だ!!!」

 

「なっ!?」

 

「久しぶりだな!!我が親友よ!」

 

「杏寿郎さん……!?それに……」

 

「こうして会うのは久方ぶりじゃないか?空よ」

 

「槇寿郎さん!」

 

槇寿郎さんは一度だけお会いしたことがあり、たしかあのときは炎柱として戦っていたときの時代だ。俺はすぐにかけより握手を求めると向こうも答えてくれた

 

「お元気そうでなによりです」

 

「うむ……元花柱や杏寿郎から今の空がどういう状態かも聞いてる。……最後にあった頃よりも大きくなったな」

 

「いえ……その……何故お二人が?それに槇寿郎さんは鬼殺隊をやめてから関わらないと思っていましたが……」

 

「うむ!色々あったが、竈門少年のお陰で父上と仲直りしたぞ!あと、弟も今蝶屋敷でお手伝いしてる」

 

「仲直りしたのですね」

 

俺はその言葉を聞いて安心した。何年か前にあったときは本当に親子の関係がすれ違っているのが俺は知っていたし……そこは気にかけていたが話せなかった

 

「さて、空よ………積もる話はあるだろうが久方ぶりに手合わせするぞ」

 

「っ……えぇ!手加減は不要でお願いします(この鳥肌がたつような殺気と貫禄さ……失われていた闘志も取り戻したのですね…槇寿郎さん)」

 

「答申だ。とはいえ、久方の実践だ……手加減できるわけなかろう……杏寿郎達は審判をたのむ」

 

「はい!」

 

「うふふ、空君頑張ってね。しのぶもあとから来るはずだから」

 

「あいつも来るのかよ……さぁて………全力で行かせていただきます……!」

 

「あぁ、手加減なく思いきり来い!!現拳柱!!」

 

俺は目の前に木刀を構えながら殺気を出す元炎柱の槇寿郎さんとぶつかり合うことになった……




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76話

しのぶside

姉さんと空が山奥に特訓いってから少しして煉獄さんの弟さんがアオイ達に案内されて医務室にやってきました。その手もとには差し入れと言わんばかりのものを持ってきていました

 

「この度は兄をお助けいただきありがとうございました。お礼を言うの遅れて申し訳ございません」

 

「いえ。医者として当たり前の事をしたまでです。おやそれは?」

 

「あ、はい!兄がお世話になっていたということでお礼にカステラを買いました!」

 

「あらあら、ありがとうございます」

 

私がお礼を言うと共に山の奥で激しいおとが聞こえた。そう言えば、姉さんが空の稽古のために煉獄さんたちを呼んで来てるといっていたわね

 

「よし、患者もいませんし、折角ですからみなさん山の奥に行きませんか?あ、勿論そこに隠れているお二人は強制的ですよ」

 

「「ギクッ!?」」

 

「では行きましょう。今から行くところはなかなか見れる光景ではないですからね」

 

恐らくですけど空は興奮して暴れまくりそうな気がしますし、大ケガ寸前までになったら大変ですから包帯も持っていきますか

 

「あ、カナヲもですよ」

 

「!?」

 

私に気づかれてないと思っていたのか知りませんが、恥ずかしそうな気配を出してるの感じ取れました。カナヲもまだまだ気配を隠すのは上手ではないのでそこは課題ですね

 

 

 

空side

蝶屋敷より少し離れた場所に俺と槇寿郎さんはにらみ合いながら互いに構えていた

 

「勝負の判定は双方のどちらかが倒れたとき!または、審判の判断で止めるまでは稽古は続行とする!」

 

「準備は良いですね?では……始め!!」

 

「「おおおおおお!!!!」」

 

カナエさんの合図と共に俺達は全速力ではしり、俺は日輪拳の練習用で突き出すと、槇寿郎さんは木刀で振り下ろしていた

 

「「!」」

 

お互いに驚愕しながらも、攻撃の手を緩めることなく何度も何度も交えていた。俺が顔を狙おうとすると槇寿郎さんは冷静に後ろに距離を取って直ぐに構えて隙を与えなかった

 

「お互いに構え直したね……」

 

「うむ、激しい攻防だ!」

 

「(ッチ!槇寿郎さんは鬼殺隊を離れているのにこの攻撃や回避の仕方も経験があるからこそ出来るのだろう……。だがそれを越えないと)」

 

「(ふむ。突きだす速度も蹴り出す速度もそこら辺の隊員よりは強いだろう。まぁ今の隊員がどれだけ実力があるのか知らないが………俺を越えないと……)」

 

「「上弦を撃ち取れるなんて夢のまたの夢だ!」」

 

俺達は再度武器のぶつかり合いをはじめて、上弦の実力を考えたら生半可なことはできない!

 

「拳の呼吸壱ノ型波動!」

 

「む、ぬぅん!」

 

「弾くのは予想済みだから叩き込む!拳の呼吸伍ノ型……」

 

「(一つの型から次の型の移りが早い!)だが、それはこちらの台詞だ!炎の呼吸…肆ノ型…」

 

「「迅速撃!/盛炎のうねり)」」

 

迅速撃は一番早い速度で両手で相手の首を跳ねる技であったが、この技は両手で突きだすように改良した。それにたいして肆ノ型 盛炎のうねりは前方に螺旋状に広範囲の炎の渦を出す斬撃で空気上に存在する砲弾、斬撃などさえ打ち落とす

 

「ぐぅ!?」

 

「気を休めるな!壱ノ型不知火!」

 

「(壱ノ型不知火は居合技、斬る際に炎が出る斬撃だ!)拳の呼吸……弐ノ型裂散!」

 

「む!」

 

俺は木刀を切り裂くつもりで叩き込むも槇寿郎さんは直ぐに後ろに回避していた

 

「無傷………今すぐに鬼殺隊復帰したらいいのでは?」

 

「はは、悪いが断る。何せ……今は隠居した人間だからね!」

 

「ぅ!!」

 

頬に傷が走り俺はさすがに今は不利なのですぐに下がり構え直した

 

「さすが現柱だな。危機管理能力も攻めかたも心得てる」

 

「どうも……」

 

俺は呼吸を整えながら頬の傷を腕で無理矢理拭いして、構えると槇寿郎さんは名残惜しそうに構えていた

 

「楽しい稽古時間だが、そろそろ終わらせないとな。お互いに持つ最大の一撃で終わらせようではないか」

 

「確かに……。でしたら、お互いに今の最高の技をだそうではないですか」

 

「空君、わかっていると思うけど零ノ型は禁止よ!」

 

「大丈夫です。それは使いません……別に今は其をつかわなくっても出せる力は最大ですから」

 

「面白い!!」

 

お互いに笑いながら最大の一撃で叩き込めるように構えていた。狙いは一撃で相手を思いきり叩き込む!

 

「フゥゥゥゥゥ!!」

 

「…………」

 

「拳の呼吸……肆ノ型……炎天!!」

 

「炎の呼吸……伍ノ型 炎虎!」

 

俺達はお互いの威力を誇るのを出してぶつかり合っていくと辺りに爆風が飛び散っていた。しばらくして爆風が収まり、カナエさん達が見た光景はと……

 

「っ………!」

 

「………よもや……」

 

「そこまで!!!勝負は……現拳柱の勝ち!!」

 

カナエさんの言葉と共に俺たちの緊張は解けていた。俺の攻撃は木刀を打ち砕き、向こうの攻撃は俺の至るところに傷だらけにしていた

 

「全く……お前はどこまで強くなれば気が済む……。今でこそ隠居してるがこれでも元柱としての誇りをもって挑んだがな……」

 

「隠居してても強いじゃないですか……」

 

「うむ!父上も空もなかなか面白い戦いでした!!ボロボロですし、二人とも治療を受けましょう!」

 

「確かに……空も受けないとな」

 

「俺はまだ大丈夫……「「どの口が大丈夫ですか?」」……あ」

 

俺は今の発言に失言してしまったのを感じて振り向くと、そこには笑顔だが怒っているしのぶと先までそこにいたはずのカナエさんが歩み寄っていた。後ろには震えている伊之助と善逸がみえてさらに後ろにはアオイ達がいたが俺の本能的な危険を感じていた

 

「空、気のせいですかね?今大丈夫と聞こえましたが……」

 

「(今の台詞絶対に聞かれたよな?それを素直に言えばお説教となる。かくなるうえは)……脱走!!!!!!」

 

「全く……。逃げると言うことはその発言を認めると言うことよ?アオイ縄を頂戴」

 

「はい、どうぞ。カナエ様」

 

「手慣れて用意してる!?」

 

俺は後ろで善逸とかがなにか叫んでいるの聞こえたがそんなの関係なしに全速力で走っていた。最悪、零ノ型を解放してーー

 

「そーれっと」

 

「げっ、縄!?」

 

「縄が黒チビに巻き付いた!?すげぇ!!?」

 

「(まずい!こうなったら、零ノ型でーー)」

 

「「いっせーので!」」

 

カナエさんとしのぶの言葉に縄に捕まった俺はなすすべなく勢い良くそちらの方に飛ばされてしまった

 

「ぶべ!?」

 

「うわ、地面に思いきり直撃した……」

 

「お、恐ろしい連携だぜ……!あの黒チビがあっさりと捕まるなんて……!」

 

「さぁ、怪我人はおとなしく蝶屋敷にいきましょうねー」

 

「ほら空、いくわよ」

 

俺はそのまま引きずられていくように蝶屋敷に連れていかれると他のみんなも流れるように着いていっていた

 

「……………え!?なんか矛盾してない!?」

 

善逸……そう思うなら止めてくれよ……。あと、他のみんなも普通にしないでくれ……あぁ、体が痛い……




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77話

俺は元炎柱達と鍛練した早朝に俺の相棒でもある鴉が鳴いていたので何かあったと思い内容を聞いてるとー

 

「ふぁぁああ!?!」

 

「空うるさい!」

 

俺は大きな声を思わずあげてしまい、カナエさんや任務帰りのしのぶとカナヲもどうしたのかと聞いてきた

 

「…あー…しのぶ、近々お館様の元へいかないと行けないかもしれない。というか、絶対にいかないとダメだ」

 

「何かあったのですか……?」

 

「いい報告と悪い報告どっちが知りたい……」

 

「悪い報告を先に」

 

カナヲは俺のよう菅おかしいと思い聞いてきたので二択の選択を与えるとカナエさんは悪い報告を先にといっていたので先に言うことにした

 

「刀鍛冶の里が上弦に襲撃された」

 

「「「!?」」」

 

刀鍛冶の里が襲撃されたということは鬼殺隊の刀を作るのに大きなダメージを追うことになり鬼狩りにも影響が出るのは確実だ。それが悪い報告だと伝えると三人とも冷や汗かいていた

 

「まって…刀鍛冶の里が襲撃された……でもいい報告があるということは……?」

 

「…あぁ…襲撃した上弦の死亡が確認された。上弦を討ち取ったのは炭治郎と柱の二人……時透と甘露寺……そして、柱ではないが不死川玄弥だそうだ」

 

「また炭治郎君が上弦を倒したの!?」

 

「今回も柱帯同していたとはいえ…上弦を倒すなんて凄い子ね」

 

「あの……空さん炭治郎は大丈夫なのですか??」

 

「その炭治郎は現在、刀鍛冶の里で安静しているがすぐに動けるではないみたいだ。だが、もうひとつの報告を聞いたらたぶんみんな驚くと思う」

 

「「「?」」」

 

「………竈門禰豆子が太陽を克服した」

 

「「「……………えぇぇぇえぇぇえぇ!!!」」」

 

「よもやぁぁあぁぁぁぁあ!?!」

 

「うぉ!?」

 

俺の言葉に胡蝶三姉妹といつの間にか俺たちの後ろにいた杏寿郎さんがいたことに俺は驚いていた。杏寿郎さんは昨日の特訓の後に経過観察のため泊まっていたのだ。

 

「杏寿郎さん!?」

 

「騒がしいと思い起きて近くに歩み寄ったらそうか!遂に妹は太陽を克服したのか!」

 

「えぇ、嬉しいことが起きてよかったと思います。……ですが……」

 

俺の次の言葉を言わんというばかりに杏寿郎さんも頷いて他の面子も真面目な顔になってうなずいていた

 

「うむ!間違いなく、奴等が動く可能性がある!」

 

「鬼が太陽を克服するなんて前代未聞だからこそ、やつらは……いや、あの鬼殺隊の長年求めている敵が知らない可能性はないと思う」

 

「……確かにこれは早急に柱会合ね」

 

「……あの、炭治郎はいつこちらに戻れそうですか?」

 

「うーん、分からないがカナヲ……お前には俺たち全員でこれから鍛えないと行けないかもしれないから心しておけ」

 

「え?」

 

「……まさかと思うが……杏寿郎さん、しのぶ、カナエさんカナヲには話しておくことがある」

 

俺は恐らくこれからの事を考えたら嫌な予感があって仕方がないので改めて確認の意味を込めて話した

 

「杏寿郎さんはこれから竈門禰豆子の護衛を頼むかもしれません。それに杏寿郎さんのお父上にも」

 

「うむ承知した!!」

 

「カナエさんは杏寿郎さんと協力しながら護衛を頼むと共にこの蝶屋敷を頼みます。しのぶはカナヲときちんと話す事。俺はこれから早急に柱会合までに確認したいことがある」

 

「確認したいことがあるですか?」

 

「そう、何日か前から奇妙な動きがあったからそれに関して少し調査をしないといけない」

 

「奇妙な……?」

 

「現場であちらこちら血まみれになっているのが確認されてるらしいからな。普通の鬼ではやられない筈の隊員が多く死亡確認されていたし、民間人も見境いなく殺られていた」

 

「なんと!?上弦か?」

 

「さぁ…しかし、この件には他の隊員も動くみたいだが念のために俺も動くことにした。万が一上弦となれば下には重すぎるしな」

 

俺の言葉にここ最近上弦が動いてるとなればあり得ない話ではない。それ以前に血まみれに悲惨なことになっているという事が俺は気になるな

 

「ん?」

 

ヨロヨロとなっているのがこちらに飛んできているの見えたので、俺の相棒鴉がそのヨロヨロとなっている鴉をつれてきた

 

「カァカァ!裏切り者ノ報告!」

 

「裏切り者だと?」

 

おれはその言葉になぜか嫌な予感を感じていた。しのぶにはカナヲとボロボロの鴉の治療をするために席をはずしてくれたがカナエさんと杏寿郎さんが俺の後ろにいた

 

「本日ノ調査タノマレテイタ場所二裏切り発生!鬼殺隊隊員ガ鬼二ナルコトヲ自ラ望ンダ!」

 

「「!?」」

 

「鬼殺隊でありながら自ら鬼になるバカがまだいたのか…。その裏切りの名前は……?」

 

「獪岳!!裏切り者は獪岳!」

 

……獪岳だと……!?

 

「………分かった。お館様には俺が早急に知らせると同時にその師範にも俺が話にいく。それと他の隊員や柱たちには知られないようにしろ。カナエさんたちも内緒にしのぶやカナヲがこれを知ってしまった以上内緒にするようにな」

 

「空?」

 

「……悪い、少しだけ一人にしてくれ。色々な情報を整理してどうお館様とその師範に説明するかだな」

 

「………うむ!なら、少しだけだぞ!」

 

「そうね、少しだけはずすね」

 

二人がいなくかり鴉には早急にお館様に知らせるように動きおれは一人になり……

 

「獪岳……お前の本当の師匠もいるのに……このバカたれが……!」

 

やるせない気持ちになり空を眺めていた。この件を善逸にもどう報告するか悩んでいるところだ




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78話

柱会合……それは柱たちの会議でもありお館様の屋敷で集まり会合をする。現在の柱は拳柱と蟲柱と風柱と水柱、恋柱と蛇柱と岩柱……そして、この中でもっとも最年少の霞柱だ

 

「……上弦を3人も倒したのは大きいな。それに柱が欠けることはあれど命落とすことなく上弦を倒せるのは大きいことだ」

 

「あぁ……だが、正直上弦に遭遇できるのは羨ましいぜぇ。なんで俺に上弦遭遇しねぇのかね」

 

「こればかりは遭わないものはとんとない。甘露寺と時透その後はどうだ?」

 

「あ、うん!ありがとうずいぶん良くなったよ!(キャッ!心配してくれた!)」

 

「僕も……まだ本調子ではないけど」

 

霞柱の時透があんなにはっきりとしゃべることに俺は少し驚いていたがそれはそれで話は進みやすいだろう

 

「皆さん勢揃いですね」

 

「「「「!」」」」

 

俺たちはその声を聞きすぐにひれ伏していた。そのお声はお館様の奥さまである産屋敷あまね様であった

 

「本日の柱合会議は産屋敷輝哉の代理を産屋敷あまねが勤めさせていただきます。そして、当主の輝哉が病状悪化により今後皆様の前へ出ることが不可能になった旨心よりお詫びを申し上げます」

 

「承知……お館様が一日でも長くその命の灯火燃やしてくださることを祈り申し上げる………あまね様もお心強く持たれますように……」

 

「柱の皆様には心より感謝申し上げます。さて、先日……遂に竈門禰豆子さんが鬼の弱点である太陽の陽が克服したこと事を報告します」

 

「「「!」」」

 

「恐らくこれから鬼は何かしら起こす可能性があります」

 

あまね様の言葉に皆は緊張走り、俺も冷や汗をかいていた。恐らく今後の戦いでは上弦弍…あの野郎も出てくる可能性がある だろうな

 

「発言よろしいでしょうか?」

 

「どうぞ、空様」

 

「竈門禰豆子が太陽を克服したとなると今後は……間違いなくやつらの頭が何かしら動いて禰豆子を狙う可能性があります。ここ数日は鬼が出てないこともその可能性が考えられます」

 

「ふむ……となったら空様は今後はどのように対策考えてるのですか?」

 

「元柱達を護衛としておこうと考えてます。元炎柱、元水柱。それに私と同じく柱の手前であった錆兎達を護衛におこうと思っています」

 

「まて、それだと護衛に元音柱は使わないのか?」

 

「その件に関しては後でお話しさせていただきたいと思います。お発言を許していただきありがとうございます」

 

俺は頭を下げてあまね様も問題ないと申し上げていたが、竈門禰豆子の件はあくまで今回の本題の前提で今回はより大事な話があるみたいだ

 

「今回はもうひとつ大事なお話があります。上弦肆.伍との戦いで甘露寺様と時透様のお二人に独特な痣が発見したという報告があります」

 

「!?」

 

「「痣……?」」

 

痣に関しては以前あまね様にも報告をしていたがその痣はあの痣ということで間違いないはずだ

 

「あまね様痣とは?」

 

「あまね様、その質問に関しては俺が答えてもよろしいですか?」

 

「……はい」

 

「戦国の時代に鬼舞辻無惨をあと一歩という所まで追い詰めた始まりの呼吸の剣士たち……。彼らは全員に鬼の紋様と似た痣が発現していたそうだ」

 

「始まりの呼吸の剣士達が痣を?」

 

「………空、なんでこんな情報をお前は知ってる?」

 

義勇が珍しく口を開きそして、なんでこんなことを知ってるのかという問いかけに俺は隠すことなく話した

 

「ついこの間まで鬼殺隊を離れていて、お館様の治療をなんとかできないかと探していたときにそれに関係することが見つかってな…あまね様やお館様にも確認すると痣の事だったわけだ。こんな伝承を伏せられていたのかは分からないが……」

 

「空様の説明の通りで痣に関してはっ切りかかれていたことはひとつ……“痣のものが一人現れると共鳴するように周りのものも現れる”……そして、最初に痣を見つけた竈門炭治郎様にもお聞きしましたがはっきりとした出現はわかりませんでしたので柱のお二人にご教お願いします」

 

「あ、はい!」

 

あまね様の言葉に甘露寺は大きな声で返事して緊張しながらも話し始めたが……

 

「ぐぁぁぁぁぁ~と来ました!グッてしてぐぁ~って来ました!心臓とかばくばくして耳もキーンとしてメキメキて!!」

 

「「「「……………」」」」

 

「…………あ、申し訳ありません。穴があったら入りたいです」

 

「……えーとつまり、甘露寺が言いたいのは体に熱が籠り、心臓とか動悸が速く、耳が研ぎすまれも神経もはりつめれたと?」

 

「そ、そう!それ!」

 

「「「「なんでわかるの!?」」」」

 

「……にたような説明が……過去にあって頑張って解読したんだよ……ハハッ…」

 

「そ、そうか……(く!俺が頑張って甘露寺の前で解読すればよかったのか!しかし、あの説明では……くそ!恨むぞ、空!)」

 

「痣というのに自覚はなかったのですがあの戦いで思い当たる節がたくさんあります。その条件を恐らく満たせばみんな痣が浮き出す。今からその方法を皆さんに教えます」

 

それはなにをもたらすのか……今は誰も判らない……




ここまで読んでいただきありがとうございます!
これからもよろしくお願いします


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79話

お館様との代理で今回参加していただいたあまね様との柱会合を交えて今回の本題でもある痣の話をしていた

 

「前回の戦いで僕は毒をくらい動けなくなりました。呼吸を使って血の巡りを抑えてなんとか毒の動きを送らせようとしてましたが、僕を助けようとした少年が殺されそうなときに以前の記憶が戻り強すぎる怒りで感情の収拾がつかなくなりました」

 

「(そういえば彼は記憶がないと以前聞いたことがあるな。全く…どうしてお前はこうつぎつぎと大切なことを教えてくれるんだ…炭治郎)強すぎる怒りか……そこになにか関係してるのか?」

 

「はい。その時の心拍数は二百を越えていて、更に体熱く燃えるように体温は……39度以上になっていた筈です」

 

「あり得ません……本来はそんな熱出ていたら動けない筈です」

 

「しのぶがいうなら間違いないだろう……」

 

「そこで死ぬか死なないか……恐らく痣が出るものとでないものの差です」

 

恐らく長年の伝承がそこまで伝わらないのは何かしらデメリット的なのがあるはずだ。なにせ、痣が出るということは……なにか問題があるはずだ

 

「ッチ、そんな簡単な出現でいいのかよぉ」

 

「それを簡単といってしまえるのは羨ましいな」

 

「なんだとぉ?」

 

「こんなときに喧嘩するな。それと義勇、もう少し言葉考えてしっかりと伝えてくれ……」

 

「……痣に関して空様も調べていただき私たちも調べてあることがわかりました。痣が発現した方はどなたも例外なく……」

 

俺たちはあまね様の続けられた言葉になにも言えなくなり沈黙が走った。そして、あまね様を交えての柱会合は終わり残っていたのは柱達のみだ

 

「……失礼する」

 

「おいコラ待てぇ。失礼するんじゃねぇ」

 

「俺には関係ない」

 

「関係ないとはどういうことだ?貴様には柱としての自覚が足りぬ。それともなにか自分だけ鍛練をするつもりなのか?会議をせずに」

 

「富岡さん言葉が足りませんよ。関係ないとはどういうことですか?」

 

「俺はお前たちとは違う」

 

「なんだとぉ!?」

 

実弥が今の言葉にきれてつかみかかっていたが、俺はさすがにこの言葉にというよりこれまで言わんと思って我慢していたがもう限界だ。こんのばかは……

 

「いい加減に……しろ!!」

 

「ガッ!?」

 

「「「「「「!?」」」」」

 

俺は義勇の頭に思いきりげんこつを下して義勇は地面にひれ伏していた。俺の突然のげんこつに皆は驚いてたが俺は義勇に怒鳴った

 

「いい加減に自分の言葉足りないの自覚しろ!毎回毎回俺は理解しているからいいが、他の人は理解してないから余計に怒り買うだろうが!!」

 

「?」

 

「そうなのか?という顔するな!!本当に自覚なかったのか!?大体!お前はあれを生き延びたのだから関係ないし立派な隊員だろうが!」

 

「!」

 

俺の言葉に義勇はなにか目を見開いていたが、俺は怒りながら義勇に問い詰めていた。錆兎や真菰から聞いていたしこいつは自信というのが無さすぎる!

 

「それとも!!お前は……もう一発強いげんこつ殴ろうか!!!」

 

「おいこらァ!さすがにやめろォ!お前の拳は食らうとこいつ出血するからさすがにやめろォ!」

 

「空!これ以上冨岡さんがげんこつ食らうとしゃべらなくなるかもしれませんので止めなさい!」

 

「(俺は)お前(よりも)バカかもしれないな」

 

「誰がバカだぁぁぁ!!」

 

すると、室内にパァァァァン!と大きな音が響いてビリビリと伝わっていた

 

「喧嘩はよせ……ここはどこと心得てる」

 

「……すいません。義勇、さすがにこればかりはお前の思っていることをすべて話せ。お前が何を思ってそういう風に…考えてるのかをな」

 

「………わかった」

 

義勇はそこで全部話していた。自分は最終選考は運良く生き延びていたこととそして、本来は柱になるのは真菰や錆兎だったというが……

 

「冨岡さんは自分が柱にふさわしくないなんて言わないでよぉぉ!」

 

「そんなの関係ない関係ない、今の水柱はお前だ。それともなにか?お館様の目が節穴とでも言いたいのか?」

 

「そうですね。お館様は冨岡さんが水柱なるのふさわしいと思ったから選んだのですよ」

 

「南無……悩むのはいいがお館様はお前を信じて選んだのだ……」

 

「……」

 

他のみんながそういう言葉をかけていくと実弥と俺はため息をつきながら義勇にいった

 

「俺はてめぇの言葉が足りねぇそういうところが嫌いだがお館様はお前を信じて柱にしたということは変わらねぇ。だから、てめぇの職務をほりだすなぁ!」

 

「まぁそういうことだ。……まぁ、今は色々考えろ」

 

「……」

 

「さて……それよりもひとつ私から提案があるから全員座れ……」

 

岩柱悲鳴嶼さんの言葉に全員座り、義勇もおとなしく悲鳴嶼さんの言葉を黙って聞く体制になった

 

「……柱稽古を提案する」

 

岩柱悲鳴嶼さんの言葉にみんなは驚いていたが俺は別の意味で驚いていた

 

「柱稽古をですか……奇しくも同じ意見がありましたね」

 

「……空も考えていたのか?」

 

「えぇ、目的も同じだと思いますすが隊員の生存率を高めるためと上弦を撃ち取れる又は無惨を始末するためには一人でも力が必要です。そのために柱稽古を考えたのではないのですか?」

 

岩柱悲鳴嶼さんの質問に俺は意見に岩柱悲鳴嶼さんをはじめとしてみんなも聞いていた。そんな中、実弥が質問した

 

「悲鳴嶼さん、この柱稽古にすることは構わないが鬼が出たときどうするんだぁ?」

 

「その意見だが、俺が他の柱分の仕事をする。柱稽古を参加しない代わりにそれくらいはできる。しのぶは、お館様の命令で今回参加できないのだよな?」

 

「はい。今回は私も鬼を倒すためにもお館様のご意向もあり今回は参加できません」

 

「そうか。……だが、空。それはお前の負担にならないか?」

 

「まがりなりにも数年は一人で旅してたのだからこの程度問題ない」

 

「では空にそれを任せるとして…柱稽古の意見で…反対は?」

 

岩柱悲鳴嶼さんが柱稽古の件で異論はないかと確認すると他のみんなも賛成していた

 

「……決まりだな。早急に鴉に各自の隊員に伝言を伝えてもらおう」

 

岩柱悲鳴嶼さんの一言で正式に柱稽古をすることが決まった……さて……他の方にもすぐに連絡しないとな……




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80話

柱稽古が始まり各々の柱の訓練を耐えてから、次の訓練にいくのが本題であり、それを次にいくのを認めるのは実際の柱たちである。そんな柱稽古に俺としのぶは柱稽古は参加しないことにした

 

「……ふぅ……アオイの入れた抹茶はうまいな」

 

「そうですね。………ところで、空はよかったのですか?あなたが柱稽古の指導せずにそういう役目に……」

 

「俺のは特殊な訓練ゆえにそう簡単に教えれるものではないし……まぁ、あとは他の柱の代わりに警戒区域を監視しとくのが俺の役目だ。何かあっても今動きやすいのは一人でもいた方がいいだろう?」

 

「それはそうですが……」

 

「あの……師範、空さん今お時間いいですか?」

 

「うん?まぁ入ってきていいよ?」

 

俺たちが向かい合って話し合っているとカナエさんとカナヲが俺たちの部屋に入ってきたのだ。そういえば、柱稽古は全隊員参加となっていたと思うけどカナヲはこちらに戻ったばかりだったな

 

「失礼するねぇ。私も近くに来たから…それに何やら大事な話みたいだからね」

 

「まぁ、大事な話しますけど……それよりも、カナエさん、体調は大丈夫なのですか?」

 

「ふふ、今日は問題ないわ。それよりも空君も交えて四人で話さないといけないことあるでしょ?ほら、カナヲ」

 

「あの……あの……その空さんと師範にもっと稽古をしてほしい……です…」

 

「「!」」

 

カナヲがもじもじもしながらも俺達に素直な感情でお願いをしてきたのに少し驚きやがて優しい目で見ていた

 

「カナヲ……お前そんなに素直な感情も出すようになっていて俺たちは嬉しいよ……」

 

「そうね。でもカナヲ…今回私は柱稽古に参加できません」

 

「え?!ど、どうして……?」

 

「…………カナヲ、此方に来なさい」

 

しのぶの言葉にカナヲはキョトンとしながらも俺たちのそばに行き対面で向かい合うように座り込んでいた。そして、カナエさんも向き合うように座り込んでいた

 

「カナヲ……あなたも鬼殺隊として勤めているからこそ今話します」

 

「?」

 

「私達の……姉でもあるカナエ姉さんが起きた悲劇と空と私達の絆を切り裂いた出来事を……そして、その鬼を殺す方法を考えていたことを……話します」

 

しのぶがそれを話すときは俺たちとしての鬼殺隊として始まりのきっかけを話すことになるのだから

 

 

 

 

……遡るのは数十年前……

今はもう遠い昔で懐かしく思う故郷………それは穏やかに暮らしていた二人の姉妹とその幼馴染みの話だ

 

「ねぇねぇ、いつもあなた一人でいるけどお父さん達はどうしたの?」

 

「僕?お父さんとお母さんが仕事で帰ってくるのが遅いからいつも一人で待っているの」

 

「寂しくないの?」

 

「うぅん、夜遅くっても必ず帰ってきてくれるから寂しくないよ」

 

「そう。ねぇ私たちと遊ばない?」

 

「え?でも知らない人と遊ぶのは……」

 

「なら、私は胡蝶しのぶ!隣にいるのは私の姉のカナエ姉さん!これで知り合いになるのだから、あなたのお名前を教えて?」

 

「……僕の名前は夛田空」

 

「空……うん、あなたの名前は空君というのね!宜しくね!」

 

「じゃあいきましょ!空!」

 

その眩しい笑顔と共に手を差し出す姉妹を少年は戸惑いながらも手を握って歩いた……




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81話

あの頃の地元の景色としのぶ達の出会いは今でも覚えている。当時の俺はお友だちとかおらず、一人で散歩していたときにしのぶとカナエさんと出会いその流れで俺は仲良くなって二人の両親や俺の両親とも仲良くなった

 

『今日は山の方で競争よ!』

 

『うー、しのぶは俺よりも足が速いしなかなか勝てないないのよねー』

 

『あらあら、私も参加していいかしら?』

 

『カナエさんも!?絶対俺は最下位になるやつだ!』

 

『あら、勝負やる前から諦めるなんて空はお子ちゃまねぇー。あ、そうか、空は私に負けるのをも認めてるのねー』

 

『………は?』

 

しのぶの言葉に当時の俺は地面に向いていた視線がしのぶの方に向き直すとしのぶは勝ち気な顔でふふん!としていった

 

『そんな空が諦めるの速いのなら身長も将来的に私が勝つのね。あぁ、勝負逃げるなんて空はそんな弱い子だったのね』

 

『上等……!そこまでチビしのぶに言われて逃げる俺ではない!!勝負してやる!』

 

『やっと勝負する気になったのね!あと!私より空の方が小さいの!』

 

『しのぶが小さい!』

 

『あらあら……二人ともよーいドン!』

 

『『あっ!!』』

 

カナエさんがのほほんとしながらもすぐに合図を出してはしるので俺たちも喧嘩をやめて追いかけていた。え、勝負の結果はカナエさんが一番で俺がビリだよ……しのぶにさんざんいじられてへこんだのは今でも覚えてる。だが、そんな幸せを潰すやつはいつの世もいるのだからな

 

 

あの日は夜遅くだったかな……。俺の家はしのぶの家よりも少し離れていてな……そんな夜遅くに俺は珍しく家族と寝ていたが夜遅くにドアを叩く音がしたので不審に思った父親が出ていくと……

 

『はいはい……え……』

 

『!?』

 

『あなた!?』

 

父親は前触れもなく鬼に襲われ首ごと食べられた。俺は驚き動けず母親は俺を守るように庇うが鬼によって殺された……

 

『っぁ……っあ…』

 

『飯……人の肉だぁぁぁ!!』

 

『っ!』

 

俺はもうダメだと思って目を瞑っていると、いつでたっても痛みがこないので目を開けると鬼は首を跳ねられてそこには俺を守るように立っていた鬼殺の服を着ていた人がいてその人が後の俺を鬼殺隊を導き今は亡きの師匠だった

 

『坊主……すまなかったな俺が早く来ていれば……』

 

師匠の申し訳ない顔は何年たっても忘れられない。そして、師匠から鬼を知っても尚一般人の世界に生きるか鬼を殺す世界に来るかの二つでおれは後者を選びしのぶやカナエさん達を鬼から守るために強くなることを決意した。そこからはある程度は知っているだろうが……上弦との話だな

 

「この話を入る前に…カナヲにもうひとつ話さないといけないな」

 

おれは上弦の事を話す前に一旦区切りながら、カナヲは俺の方をキョトンとしてみていた

 

「カナヲ……お前にももうひとつ長年謝らないといけないことがある」

 

「?」

 

「……実を言うとお前を売ったと思われる屑野郎と数年前あった」

 

「「「は!?」」」

 

俺の突然の言葉にカナエさん達は驚いていた。それ以前にカナヲは驚くよりも過去の事を思い出して、震えていた

 

「会ったってどこで……?」

 

「夜のとある場所で会ってな……ただし鬼になっていた」

 

「鬼に……」

 

「蝶屋敷でカナヲが家族になってから隠と共に捜査していたんだよ。ようやく見つけたと思うと、そいつは鬼になって死んでいる子供達を食べていた……俺が引導を渡してやった」

 

「……つまりカナヲを売った人たちは居なくなったということですか……」

 

「うん、そういうことね。……人でなしで最低だったから因果応報…とはいえね」

 

カナエさんの言葉に他のみんなもなんとも言えなくなっていた。カナエさんはしんみりとしていてしのぶはカナヲの頭を撫でていた

 

「まぁ、カナヲを脅かすそいつはもういないから安心しろ」

 

「……はい」

 

「さて、上弦を話す前にお茶を飲むか?」

 

「頂きます」

 

「いや、いつの間に用意していたのよ!?」

 

「そこはご都合だな」

 

「ふふ、面白いね」

 

先までの重苦しい雰囲気は落ち着いて俺たちは和やかな雰囲気になっていた。カナヲの震えも収まりおれは一呼吸をおいて話し始めた

 

「……話して大丈夫か」

 

「はい」

 

「……さて、あの日は覚えている……あんな出来事は昨日のように憎しみが強くなり……自分が許せない。あの日まで俺は自分の力を過信していた」

 

俺は目をつぶりあの日の事は今でも最低な日であり、俺たちの幸せな時間を潰された日だ

 

『今回の任務は………謎の失踪?』

 

俺はカナエさんと同じ任務で謎の失踪を調査しろと言われていた。当時の俺は甲でカナエさんは花柱……

 

『うん、今回は私が同行をすることになったのよ』

 

『わかりました。でも、カナエさん、あんまり俺と同行するのは……』

 

『あの噂でしょ?所詮噂は噂よ~。それよりも、最近その噂を気にしていてカナヲとかしのぶに会いに来ないから私も含めて寂しいわね』

 

『うっ……まぁ、その……ね』

 

そう、あの頃の俺は噂を気にしてしのぶ達に被害いかないように極力避けていたし、それにあの頃は鬼に傷つけられるほど負けていなかった

 

『鬼に傷つけられるほど弱くないから蝶屋敷に行かなくっても大丈夫だし、今回も大丈夫!』

 

『そういう過信がとんでもないことを引き起こすのよ?』

 

『大丈夫、大丈夫!それにカナエさんもいるから絶対に死ぬことない』

 

『もう!』

 

俺とカナエさんがそんな話していると夜が明けるのも近くなってきていた。結局鬼が出てくるのはデマというわけか?

 

『おや、鬼殺隊かい?それに一人きれいな子がいるなぁ』

 

『『!』』

 

俺たちは穏やかだが底冷えた声に本能的にヤバイと思い俺は拳をカナエさんは刀を構えてすぐに構えた

 

『てめぇは何者だ?』

 

『やぁ今晩は。僕は上弦弐で名は童磨だよ』

 

『上弦弐だと……!?拳の呼吸……壱ノ型波動!』

 

『花の呼吸……肆ノ型 紅花衣』

 

花の呼吸肆ノ型 紅花衣は目にも止まらぬ速さで切るつける斬撃で俺達は様子見はせずにすぐに技を仕掛けると、童魔はあっさりと回避した

 

『おやおやいきなり攻撃なんてつれないなぁ。俺と少し話したらこの世の救いが見つかるよ?』

 

『悪いが、上弦となれば話し合う余地はない。それに救いとなるならお前達悪鬼がいなくなればみんなが救われるから消滅しろ』

 

『いや、君酷いねー。よくそんなに悪口思い付くね』

 

『空君、闇雲に攻めないで警戒をしながら下がりなさい!』

 

カナエさんが警戒呼び掛けると上弦弐童磨は扇でなにかをしかける仕草を見られたがひとまず距離を置いて構えた

 

『つれないなぁ』

 

『あなたは私から見ても危険よ……だからここで倒すわ。仲良くなるのは無理みたいだしね』

 

『(カナエさんが鬼と仲良くするという夢があるがそれをするということは仲良くなれないうことか!)多くの命を奪っている上弦となればここでいかす理由はない……!』

 

俺もカナエさんが今回は本気でこいつは仲良くなれない鬼とわかり殺すことを決意して構えていたのに対して上弦弐は飄々としていた

 

『うわー凄い健気だねぇ……』

 

『あなたは私たちがここで倒すわ。花の呼吸…………ガフッ…!?』

 

『なっ、カナエさん!!』

 

当時の俺はカナエさんが切り込もうとするとなぜかいきなり、咳き込み俺は驚いてると童磨はカナエさんを攻撃しょうとしていたので急いでカナエさんの前まで走り抱き締めた

 

『おや、攻撃をする直前にこっちまで走るなんて君足が速いねぇ』

 

『カナエさん!(呼吸もだがいつの間にカナエさんの体を切られていた!?)』

 

『ゴフッ……なんで……呼吸をするときに……』

 

カナエさんも何が起きたのかわからずに戸惑っていて俺はカナエさんを抱き締めながら、童磨を睨んで警戒した

 

『てめぇ……!』

 

『苦しいかい?安心しなよ、今すぐ俺が救ってあげるから』

 

『空君……私を置いて撤退を……柱命令よ』

 

『………その命令は聞けません』

 

カナエさんを抱き締めながら俺は童磨を睨んで全身の体を集中しながら夜明けまでもう少しだがどのくらい持つ?

 

『君一人で俺を相手するなんて……無謀だぜ?』

 

『空君……!』

 

『俺は鬼殺隊である前にカナエさん達とは幼馴染み……だからこそ、あなたをおいていくと言う選択はない!例えこの命を代えてもあいつを討つ!』

 

『空君…ゴフッ……』

 

『(止血の呼吸をしてるのかもしれないが、収まる気配がないと言うとは何かしらの妨害されてるの……)お前はなにした?』

 

『ふふ、これから救われるのだし、教えてあげるよ。粉凍り…吸い込むと肺胞が壊死するのだよ』

 

吸い込むと肺胞が壊死する……それはつまり呼吸をする鬼殺隊ではきつすぎる………!

 

『じゃあ……蓮葉氷』

 

童磨の回りに蓮の花のような氷を発生させ俺達に攻撃しかけてきた。カナエさんは動けないし、奴に接近すれば呼吸をすれば……ならば!

 

『(お前には誰もやらせない!拳の呼吸……炎天!)全部弾き守って見せる!』

 

『空君……』

 

『おおおおおお!!』

 

その後の戦いは結果から言うと生き延びたが、当時の俺はボロボロのカナエさんを蝶屋敷につれていき、あとは知ってるようにしのぶが荒れていて俺たちは喧嘩別れみたいになってしまったわけだ

 

『二度と蝶屋敷に跨がないで!』

 

あの一言は本当に効いたし、俺はどことなくカナエさんの警告をはじめから聞いていたらもっと違う結末もあったのではないかと考えていた。そして、俺はお館様に鬼殺隊を離れる趣旨を伝えて、しのぶ達の前から姿を消して……あの日の再開に至るまで童磨を殺すために自分を追い込んで追い込んで、新たな型を作り上げながら旅を出ていた

 

「……これがカナヲの知らない本当の話で俺が今でも自分を憎む時でもある日だ…」

 

「「「……」」」

 

「奴とは二回対峙して、俺は決意した。お前達蝶屋敷やしのぶ、カナエさん達を守るためなら必ずこの手で奴を殺すと……」

 

俺は冷たくなったお茶を飲みながら話を終えた。そして、しのぶもカナヲに隠していた事を話した

 

「しのぶ……」

 

「……師範……」

 

しのぶもカナヲに隠していたことを話終えると頭を下げていた。しのぶ自身の体で鬼にも効く毒を食べて童磨に食べられて弱らせて撃ち取らせる算段だったが俺たちの説得で今はそんなの考えなくなった

 

「カナヲ……きっと今回の……いや、今後激戦予想される中俺達も死ぬ可能性は正直ある……だが、俺は必ずお前達を殺させないし生きてもらうように守る」

 

「……」

 

「まぁ暗い話はお仕舞い!カナヲはこれからの柱稽古をしっかりと励みなよ」

 

俺はそういいながら立ち上がろうとするとカナヲが意決したように大きな声を張り上げた

 

「あの!それでも……師範や空さん達に稽古をつけてほしいです」

 

「!」

 

「………大きくなったな……カナヲ」

 

「へ?」

 

「昔のカナヲはそんな自己出張できないのがいまはそんなはっきり言えて……よし!カナヲ、しのぶ、カナエさんと俺と4人で特訓するか!」

 

「へっ!?」

 

「あらいいわねー。カナヲ折角だし、私たちと色々しましょう。しのぶもいいでしょ?」

 

「はぁ……カナヲ。皆と稽古しましょう」

 

俺たちの提案にカナヲは戸惑ってると師範であるしのぶも仕方がないといいながらも嬉しそうにいうと……

 

「……はい!!」

 

カナヲは花が咲いたように笑っていた……




投稿おそくなりすいません!
これからもよろしくお願いします!


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82話

あの稽古から少し日にちが経過してからカナヲも色々な柱達の稽古に向かって行って、しのぶはお館様の意向である任務へ向かっていき実質今蝶屋敷で守れるのは俺と蝶屋敷に住んでいるのはカナエさん達だ

 

「ぷはー……柱稽古も始まって少したつが未だにこの状況は慣れないな………」

 

「そうね………私もこんな状況はなれていないのか戸惑っているわ……」

 

「「鬼が出てこないという事実に……」」

 

そう、柱稽古も始まってからそれなりに経過しているが鬼達が一向に動きがないということに戸惑い隠せなかった……

 

「こりゃあ本当にそう遠くないうちになにか起こるのか……?」

 

「恐らくね……それよりも、柱稽古はどう言う感じになっているの?」

 

「えーと……第一関門に元音柱の基礎体力で第二は霞柱・時透無一郎の高速移動の稽古。第三は恋柱・甘露寺蜜璃さんによる地獄の柔軟ですね」

 

「これだけでも聞いていたらきつそうね」

 

「第四は蛇柱・伊黒による太刀筋矯正訓練で第五は不死川の無限打ち込み稽古だな」

 

「あらあら、その二つはさっきの三人が優しく見えるほどきついと思うわ~。不死川君に至ってはアイデアあってそれなのかしら?」

 

「さぁ……」

 

あいつは自分での行動はきっちりできるがなんで柱稽古で無限打ち込み?あいつを相手になるとしたら相当死ぬ覚悟しないときついぞ……

 

「で、第六に元炎柱の呼吸の訓練だな。止血とか全集中の呼吸を叩き込む。第七には義勇と真菰と錆兎の三人で罠を仕掛けたのを回避する訓練だな」

 

「彼は教え上手だからねー。冨岡君は喋るの下手だから二人がサポートするのねー」

 

「で最後に岩柱の訓練だがまぁ…あれは耐えれるかどうかだな。俺は今回参加しないのは……」

 

俺は一息呼吸をつきながら今回起こらないと思うけど俺が出る幕になったら喧嘩待ったなしだなぁ

 

「以前もいったように柱稽古で大きなことが起きた場合のためだよ」

 

「まぁ、相当そういうのはないと思うけどね……本当のところ空君はなんで柱稽古参加しないの?」

 

「……最後までたどり着けた奴だけ…俺の武器なしでの稽古をつけるのを考えたが恐らく……それをたどり着くまでは本当にごくわずかだし……「嘘禁止。隠したらしのぶ特性の……」……わかったよ……自分の最後の求めている型を完成させるためだ」

 

カナエさんに隠し事をしたら自分の命もとい、下痢とか様々な事苦しめられるのは勘弁してほしいので白状した

 

「型を?」

 

「そう。俺の型を完成させたいのなら今しかないんだ。だが、勿論岩柱の訓練を耐えてまだ強くなる向上心があるなら鍛えると伝えてる」

 

「その終の型は……本当は危険なものではないのかしら?」

 

「……まぁカナエさんに話しますよ。ただし、それは……誰にも話さないこと……止めないことそして……」

 

「そして?」

 

「……7人の幸せは俺の幸せだから絶対に幸せにいきる事を約束してくれ。じゃないと泣くから」

 

俺がそういうとカナエさんはキョトンとしていたがすぐにこやかに笑ってた。そして、俺はその完成させようとしてる型を話すとカナエさんは……

 

「それは使わないで」

 

と厳しい顔で指摘していたが俺はその意見に曲げることなく、首を縦に振らないで話していた

 

「これはあくまで使わないに越したことがないけど相手が相手だしなぁ……。あ、そういえばカナエさん……」

 

「うん?」

 

「妹って……いいですよねぇー」

 

「あら、わかる!?カナヲは本当にかわいいものー!」

 

「うんうん、わかるー!あ、そういえばこの間しのぶがカナヲのお願いに顔真っ赤にして、照れていたんだ!」

 

「え、なにそんな面白い話はなに!?聞かせて!!」

 

俺とカナエさんはカナヲやしのぶがいかにかわいいのか雑談していた。その流れで蝶屋敷の子達もかわいいと言う会話をしてこのときは気づかなかったがアオイ達が顔真っ赤にして隠れていたことに……

 

「そういえば、善逸君の事で大事な話があるの」

 

「ん?」

 

「……あの子に何かあったの?」

 

「あぁ……あいつの兄弟子が裏切り鬼になった。それを責任感じた師範桑島さんが……」

 

「そう……」

 

俺がそこまで言うと向こうも察したのか難しい顔をしてた。俺はその件で本当に何度も説得を試みが、あの人はけじめをつけると曲げることなくそうしたのだから……

 

「本当に……一日でも早く鬼がいなくなって誰もが幸せな日が来ることを俺たちが作り上げないと……」

 

「そうね」

 

俺たちは必ずそういう日が来るのは遠くないと思っていると鴉が飛んできて……

 

「問題ーー!」

 

「は?」

 

「あら?」

 

鴉のいきなりのわけわからないことに戸惑いそして内容を聞くとカナエさんと俺は急いで蝶屋敷でていった……




ここまで読んでいただきありがとうございます!これからもよろしくお願いします!!


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83話

俺とカナエさんは鴉から聞いた情報に呆れながら目的地につくと丁度喧嘩してる最中だった。どんな理由であれ柱稽古で揉め事は起こしてほしくないのよなぁ

 

「あらあら……もう仕方ないのだから……」

 

「本当に何をしてるんだか……な!」

 

俺は爪先を思いきり地面に蹴り、目的地へと迫りその腕をつかんだ

 

「!?」

 

「全く……なんでこんな状況になってるのか答えろ……風柱……」

 

「そ、空さん!?」

 

「空ぁ……その手を退けろォ……!」

 

「(何があったか知らないが相当ぶちギレてるな……)風柱とあろうものが隊員にそういう行為をするのはどうなんだ……?」

 

普通の隊員なら確かにびびるが生憎、俺も柱としてそして、鬼殺隊として長くやっているのでこの程度の殺気はどうしたことがない。俺も実弥を睨みながら、話しかけた

 

「どういう理由でそういうことになったのか知らねぇが……落ち着け」

 

「なんだとォ……!」

 

「さっき弟なんていないっていただろ!玄弥がどんな選択しようが口を出すな!才があろうななかろうが命を懸けて鬼を戦うと決めたんだ!」

 

「炭治郎も落ち着け。それと君は蝶屋敷で何度か見たことがあるね……名前は玄弥だったかな?」

 

「あ、はい……」

 

「少し悪いけど二人とも下がってね……この猛犬を一回落ち着かせるから」

 

「誰が猛犬だぁ!?」

 

実弥が俺の言葉に切れてたが、俺は近くに柱稽古としてしている隊員にも聞こえるように大きな声をあげた

 

「全員怪我ないように見える距離で離れろ!あと、風柱に木刀を渡しな!」

 

「は、はい!」

 

風柱に木刀を渡そうとするが怖いのかすぐ近くの土とかでさしておいて隊員は全速力で逃げた

 

「どういうつもりだぁ……?」

 

「このままだとお前達がお館様にお怒り食らうしそういうのは避けたい。かといって怒りが収まらないのなら鬼を討伐するにも…いない。ならば……その怒りを俺にぶつけてみろ……負けるのが怖くって辞めるというのはないだろ?」

 

「っ、上等だぁ!!」

 

「ふん!」

 

実弥が木刀を振るうと同時に俺も拳を思いきり殴るモーションに入り、木刀と拳が直撃して回りが荒れていた

 

「ひぃぃ!?」

 

「空さん!?」

 

「兄貴……!」

 

三人の声が聞こえるが今はそんなの関係なく、目の前の怒り狂っている猛犬を納めないとな

 

「相変わらずのいい攻撃だな……!だが、俺も成長してるんだよ!!」

 

「(こいつ、こんなに力強かったかァ!?)ッチ確かにテメェも成長してるんだなぁ……!風の呼吸壱ノ型ァ……!」

 

「よく見とけ……風柱の呼吸と俺の呼吸……そして今訓練を受けているおまえ達の立ち位置をな……拳の呼吸……壱ノ型!」

 

「「鹿旋・削ぎ!/波動!」」

 

風柱実弥の最初に出した壱ノ型鹿旋・削ぎは

その通り、風を纏い、風を巻き起こしながら突進していく技だ。対する俺の壱ノ型の波動は正拳の突きであり、接近にもそれに遠距離の攻撃も出せる技だ

 

「「「うわぁ!!」」」

 

「弐ノ型……爪々・科戸風」

 

「次に攻撃の手を休めずに次の呼吸を繰り出す!弐ノ型……裂散!」

 

俺の弐ノ型は手刀で片手で首を跳ねる力があり、実弥の弐ノ型は4本の牙が一振りで相手に襲い掛かるが横一振りで対抗していた

 

「………ッチ……やめだぁ……これ以上やっても互いに切りがねぇ」

 

「まぁな……なら、最後の一撃としてそれで終わるか?立ってた方が勝ちとしてな!拳の呼吸……肆ノ型」

 

「上等だァ……伍ノ型……!」

 

「よく見とけ………今この場にいる隊員…………仮に鬼だとして自分より強い敵だとしても……絶望するな!諦めるな!己の誇りのために……挫けるな!」

 

俺はそれをいうと手足に炎を纏い、構えると実弥は高く飛んでいた。そして、俺も対抗するように飛んで攻撃をしかけた

 

「炎天!!」

 

「!!」

 

俺たちの互いにぶつかり合うのが爆風となり少し経過してから煙が収まり周りが見たのは……

 

「ッケ……引き分けかァ………」

 

「……だな……」

 

実弥の木刀が折れるのと俺の体に傷が走るのとで引き分けになった。お互いに最後の技は全力出しながらもあくまでも稽古のレベルでやりあったからな

 

「……スッキリしたか?」

 

「……ッチ……きょうの柱稽古は一休みだァ……ただし、千回素振りしてからだァ」

 

実弥が各隊員に聞こえるように話してから自分の屋敷の方に歩くと俺が追いかけてもいいがここはあいつの奥さまに任せるとして………

 

「さて、風柱の話聞こえたな?それと全員最低でもあれくらいのレベルの闘いを目指せ」

 

「「「「いや無理!!」」」」

 

「まぁいいや。とりあえず……折角だ。素振りは連帯責任な?そこに倒れてる炭治郎達も含めてな?」

 

「「「「え?」」」」

 

「全く………本来は介入する予定はなかったのに……喧嘩して……脱走も考えて……精神的に叩き込むには連帯責任な?さ……素振り千回しなさい。ついでに呼吸を休ませずに常に続けろ」

 

「「「「(鬼だァァ!?!目の前に人の皮を被った鬼がいたァァ!?)」」」」

 

まぁあいつが持ち場を離れたのは頭を冷やすのと俺にこの場を少し任せるという意味だよな。それに、俺がここで変えるのもあれだし折角だから……追い込ますのが一番いいよね!

 

「さぁ!!水分をとったらすぐにやるぞ!ズルしてサボったら拳骨な!」

 

「いやぁあァァ!!空さん、悪魔だぁよぉ!」

 

善逸の叫びも聞こえるが残念だが俺には聞こえないし、そんなのは関係なくやらせる。少しでもこいつらが生きる確率を増やすためなら……な

 

 

 

 

カナエside

空君に現場を少し任せて私は実弥君の方に近づいて声かけると実弥君は気まずそうな顔をして私の顔を見ないで今ある思いを話していた

 

「なぁ……どうしたら良かったんだろうなァ………俺はあいつに……玄弥にこんな世界してほしくなかったから突き放してるのによォ……」

 

「(全く本当に不器用なのだから………大方言葉で示すより暴力に頼ってやったりしたのね………)実弥君……風柱不死川実弥!しっかりしなさい!」

 

「うぉ?!」

 

「下の子がこの鬼殺隊に入ってほしくない……そんなの私も同じ気持ちよ」

 

実弥君の肩をたたきながら私も実弥君の気持ちはすごくわかるし、やはり姉としても下の子がこんな世界に入ってきて喜ぶ人はいない

 

「今なら空君の気持ちもわかるかも……実弥君とそういうところ似ているわ」

 

「空?」

 

「空君は私達よりも鬼殺隊に入っていたのは知ってるのね?」

 

「まぁなァ」

 

「私達も後から鬼殺隊に入ってその時に空君と再会していたのだけど空君は喜ぶどころが物凄く怒っていたのよ。で、その時に私達も怒ってぶつかり合って……空君は何があっても私たちを死なせないとだから、絶対に生きてほしいとあの頃から約束しているの………」

 

私が何を伝えたいのか感じ取ったのか実弥君は思案していた。そして、私は何を伝えたいのか感じ取ってくれると思い見ていると実弥君は私に向き合って告げた

 

「……」

 

「一度腹を割って話し合ってみたら?きちんと話すだけでも違うわよ。それに……きちんと話せずに死んでしまったら後悔しか残らないわよ?……死にかけたからわかるの」

 

「……時間あればきちんと話すかァ……」

 

私の言葉を聞いた実弥君はなにか決めた顔つきになりゆっくりと先ほどの場所へと戻ろうとしていた。本当に実弥君はそういうところが素直ではないのだから……

 

「……でも、この先の最終決戦になるであろう戦いに誰も失うことがなかったら良いのに……」

 

そう、恐らく今度の戦いはきっと上弦弐もうごく可能性はある。恐らく空君もそれは気づいてるから一人での誰も知らない修行をしているのは知ってる。零の型と陸の型は話は聞いていてみもみたことがないし、空君はまだ型を隠してる可能性はある……けれど私は空君のそれを止める権利がない

 

「でもその前に空君が今の稽古受けている子に、やり過ぎていたら……問答無用の注射ね!」

 

空君はたまにやりすぎるときがあるからお仕置きも考えないとね




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84話

さて、柱稽古で起きた実弥の問題も終えたというべきなのか……あいつがこっちに戻った時に俺はアイツからなにか覚悟を決めた顔をして戻ってきた

 

「途中で抜け出してそこを任せて悪かったなァ……」

 

「気にするな。俺と何度も喧嘩した仲だろ……。覚悟を決めたんだな?」

 

「まあなァ……さて、てめぇら全員千回やった所!俺の稽古だァ!!!」

 

「「「「えぇ!?!休憩じゃないの!?」」」」

 

俺の見張りもやって稽古していたからから大分きつくなっているが、そんなのを関係ない不死川実弥は道場へと連れていった。炭治郎とそして弟の玄弥はいくべきか迷っていたが……

 

「さっさとてめぇも来い……玄弥ァ……」

 

「……っ……はい!」

 

玄弥は実弥に名前を呼ばれて嬉しそうにそして泣きそうな顔で返事していた。俺はとりあえずこの場はもう問題ないな

 

「炭治郎……」

 

「は、はい」

 

「あんまりよ…その家庭に口出さない方がいいぞ?その優しさと口に出すのはまた違うからな」

 

「はい!」

 

「……稽古頑張れよ」

 

俺はそれを言うとカナエさんと共に風柱の屋敷を出ていき、蝶屋敷に戻ることにした。カナエさんの話ではしのぶの事もあるから気持ちもわかるし、誰もが喜ぶわけではないと言うのも理解してる

 

「空君、今から帰って何をするの?」

 

「鬼が出ないかの見回りまでの時間がまだまだあるから……最後の型を完成させたい。だから、それの訓練ですね」

 

「最後の型……零ノ型解除を越えた終ノ型よね……」

 

「はい。しのぶは恐らく今もお館様の意向を沿って別行動していますし、カナエさんは無理してほしくないから今から俺一人で自主稽古するつもりです」

 

「ふふ、そういうと思って私がすでに手を打ちました」

 

カナエさんの言葉にどういう意味かと話そうとしてると俺たちの前に見覚えがある二人がやって来た。俺はその人を見て目を見開くとその人とも笑っていた

 

「一人で稽古するにしては、相手がいないと無理でしょ?」

 

「な……何でここにいるんだ!?確かに相手がいないとダメだが……」

 

「鬼殺隊をやめても同期なのだからこういうときは私を頼ってよ……空」

 

「真菰……」

 

真菰は隊員服ではなく、普通の町であるく着物を着て俺たちを待っていた。俺が固まっている間に真菰はカナエさんとハイタッチしていた

 

「真菰ちゃん久しぶり~!」

 

「カナエちゃん、久しぶり~!」

 

そんな二人を横目に俺はいつ真菰を読んだのかわからないが、真菰は錆兎と義勇の補助として柱稽古に参戦してるのでは?

 

「義勇のはまだまだ隊員来ていないし、義勇自身が今は錆兎と稽古する方がいいかもしれないからね。それより、空」

 

「な、なんだ?」

 

「……どうしても、上弦弐を倒すためにその終ノ型が必要なの?」

 

「……あぁ。以前、零ノ型で上弦参と戦った時は確かに身体能力が向上したが、それだけの話だ終ノ型は……すべてを終わらせるために必要なんだ」

 

「零ノ型は身体能力向上というけど筋肉に負担をかける。つまり、終ノ型は本来の力……いえ、なにかに負担をかけるくらいの技ということよね……?」

 

真菰の言葉にカナエさんもいつもの優しい雰囲気はなく、俺を厳しい目で見ていた。嘘も隠し事も許さないという二人の雰囲気に俺は素直に手をあげていった

 

「まぁ、それに近いかもな……。だが、これはあいつらを倒すために必要な力として俺は割りきっている。……だから、俺は強くなるためにも真菰、カナエさん……頼む」

 

「………ひとつだけ条件があるよ」

 

「……なんだ?」

 

「しのぶやカナエちゃん……うぅん、蝶屋敷の子達に誓って負けないと約束できる?」

 

真菰の条件に俺はそれはどういう意味で聞いてるのかわかってるので俺はカナエさんの方も見ると真剣な顔で見ていた

 

「…これを約束できるか…空、どうなの?」

 

「約束する。二度と……あいつらに負けないと言うことを約束する」

 

俺が思い浮かんだのはムカつく笑顔で今も女性を食べている奴と強さをも止めて道をはずしてる男………そして、同じ鬼殺隊でありながら師匠を裏切ったあの大馬鹿者も……いずれぶつかり合っても負けるわけにはいかない……

 

「じゃあ、時間を許す限り私達が鍛えるね!」

 

「じゃあ、そうと決まれば、やりましょう!」

 

カナエさんや真菰のその笑顔は人によっては惚れる笑顔だが俺には死の宣告にしか感じ取れない……

 

それから何日か経過して竈門炭治郎も最後の難問岩柱の稽古を終えたみたいだな。そして、その日に元音柱宇随天元がお館様のお言葉で無惨の決戦も近いというので士気をあげるためにも宴をすると言う連絡があった……

 




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85話

天元さんの宴をすると言う連絡を受けて俺は宴会場行く事になったので蝶屋敷の玄関でしのぶと話をしていた

 

「本当にしのぶは行かなくっていいのか?」

 

俺はしのぶに確認の意味も込めて聞くと、しのぶは苦笑していた

 

「いきたいのは山々だけど、どのみちお酒は飲めないし、間違えて飲んで何か起こったら嫌だから遠慮するわ」

 

「そうか。ってことは、今日はカナエさんとアオイ達とで蝶屋敷の方で過ごすのだな」

 

「えぇ。でも、空が宴の方に行くのは少し予想外だったわ」

 

「そうか?」

 

「そうよ」

 

俺の疑問にしのぶは自信満々に答えていたが、俺はそんなに宴いかないと思っていたのか?まぁ、理由を聞けば何となくわかるがな

 

「まぁ、宴といえどこういう機会に会いに行っとかないと………後悔しそうな気がしてな」

 

「………それは決戦が近いからってこと?」

 

「あぁ。一応お館様に内緒で鴉を徘徊させているが……たぶん俺がそういう事してるの気づかれてるな……」

 

「そうね。それと、空はカナヲをお願いね?なにやら、炭治郎君達が参加するときいて行きたがっていたから」

 

「空さん、お待たせしました」

 

しのぶと丁度カナヲに関する会話してるタイミングで準備できたのかやって来た。あまり遅くならないようにするからと約束して俺達は宴の会場へと歩いていた

 

「………空がきれいだな、カナヲ」

 

「はい」

 

俺達は宴の会場へと歩きながら今夜の星空は綺麗で星も流れていたのでカナヲに話すとカナヲもコインを使うことなく流暢に話せるようになっていた

 

「空さん」

 

「ん?」

 

「………普段は照れ臭く言えなかったと言うかその………私は空さんの事を……お兄ちゃんと思っています」

「!!!」

 

カナヲの言葉を聞いた俺は頭に雷が打たれたかのように固まった。いま、カナヲが自分の意思で自分の気持ちを話してくれた……しかも、カナヲが俺の事をお兄ちゃん……だと!?

 

「空さん?」

 

「……カナヲ……本当に良い子に育ってくれてよかった……!!!」

 

「空さん!?な、なにか気に触ることが……!?」

 

「違う違う!これは……そう!砂に目が入った!!」

 

「えぇ!?大丈夫ですか?!」

 

「だ、大丈夫!」

 

俺の言葉にカナヲがおろおろしているのを見てお兄ちゃんは本当にカナヲが悪い男に黙れないか心配だよ……。そういう会話してる合いだに宴の会場について天元さんやその奥さん達とも挨拶してカナヲは炭治郎の方に歩き、俺は……

 

「よ、杏寿郎さんに天元さん」

 

「よう、食べてるか!?俺の嫁の手料理は上手いだろ!」

 

「久しぶりだな!空!!」

 

この二人は元柱であり、俺よりも年上で敬意を示したい先輩方だ。二人とも上弦の戦いで引退しざる終えない程の大ケガをしていたし、杏寿郎さんは俺と共に上弦の参との戦いで俺よりも大ケガをおっていた

 

「ここに来た現役の柱はお前だけか」

 

「まぁな。実弥が、柱稽古の間は俺が見回りしていたの知ってるから休めェ…その代わり他の柱が警戒しとくって言っていた」

 

「なるほど!しかし、空!!どうしても聞きたいことがある!零ノ型と陸ノ型はどうなった!」

 

「あー、確か零ノ型は確か解除だったよな?人間の肉体的な限界を解除させると言う。陸ノ型は俺は見たことがないが……」

 

「あぁ、零ノ型も陸ノ型も完成させましたよ。もう、肉体的な強化もできたし……俺が求めていたある型も完成しましたよ。これで……上弦を……あいつを殺せるはずだ」

 

俺はこの柱稽古期間の間に自分の力をより高めるために精神統一や肉体的な強化を仕上げていた。陸ノ型は流星……一直線に仕留める技だが、それに変化を起こせるかどうかも色々と思案して強化していた

 

「は!相変わらず派手に鍛練はしてるみてぇだな!……俺達も現役ならてめぇの復讐相手である上弦弐討ち取るの協力したかったが……この体では派手に無理だな」

 

「うむ!今ほど悔しいものはない!」

 

「はは、二人の分も含めてこの鬼の醜い争いは終わらせますよ。あ、お酒どうぞ。さすがに俺は飲めないですが」

 

「おう……ぶはぁ!!うめぇ!!」

 

お酒をのみ嬉しそうな声をあげる天元さんにおれも水を飲みながらゆっくりと今回お二人にどうしても話さないといけないことがあった

 

「……二人にどうしても頼みたいことがあります。俺がもしも……の事があったときのためにです」

 

「む!いけないぞ!戦う前から弱気になるのはいけないぞ!」

 

「あー、そういうことではないのですが……もし鬼がいなくなった後の事ですよ」

 

「鬼がいなくなるだぁ?そんなときが来る……いや、すまん。確かにもう派手に迫ってきてるな」

 

「えぇ。鬼がいなくなる……その時に頼みたいのは……蝶屋敷の子達が働けるように病院とかの設置を手伝ってあげてくれ」

 

「「病院?」」

 

俺の言葉に不思議そうに見ていた二人だが、その意図が何でなのか?と聞いてきた。まぁこれは柱稽古の最中に思ったことであり、あくまでも個人の考え方だ

 

「鬼がいなくなり鬼殺隊として終えたとき、中々一般人の生活に戻るのは大変だと思う。そこで、治療する知識があるものや薬の知識あるものなどそういう人物を働ける場所をつくってあげるのはどうだろうか?とおもってな」

 

「なるほど!たしかにそれはいいな!」

 

「たとえば、隠で服を作ってくれてる連中に一般人の世界に溶け込めるように服の会社を作るとか、料理できるものはそれを作る店を考えるとか……そういうのも有りじゃないか?」

 

「なるほど、派手におもしれぇ!だが、それをするためには鬼を殺さないと厳しいな」

 

「あぁ……鬼を……上弦達を殺して無惨も消えてようやくはじめて鬼殺隊は新たな人生に歩める。中にはこれまでの復讐しか生きてない奴もいるが、それはそれで考えたらいいと思う」

 

喋りながら飲み物を一気のみにして俺はこれから先の事も考えてこの二人の協力もほしいと思っていた

 

「………お前……死ぬつもりか?」

 

「……死ぬつもりはない」

 

「では、なぜそれを俺たちに話す!」

 

「万が一だよ……今回の相手……いや、今回はさすがに今まで通りに終われると思ってないからな。あのときああ伝えておけばよかったと言う後悔はしたくないからな」

 

俺の言葉に二人ともまだ疑いの目があったがこれ以上は聞いて無理だとわかってくれたのか、お酒を飲んでいた

 

「さて、炭治郎達にも話しかけとくか」

 

「空……これを渡すから、派手に使え」

 

それを渡されたの見た俺は目を見開き、何度も確認の意味も込めて聞くと杏寿郎さんも俺にあるものを渡してきた

 

「空、俺からはこれだ!」

 

「……さつまいも?」

 

「これを今から焼いて食べるぞ!そしてこれで願かけだ!!」

 

「はは!そいつは派手に良いなぁ!時透もいたらよかったが、あいつはあいつで今はこれないな!」

 

「うむ!だが、あの頃と同じように3人で食べるのが良いと思う!」

 

あの頃……まだ甲よりも下の階級の時だな、今はもう遠い昔のように感じるなぁ。あの頃は三人でさつまいもを焼いて美味しく食べていたな

そんなこんなで食べ終えて、三人との会話を終えて、俺は炭治郎の方へと歩いた

 

「よう、楽しんでるか?」

 

俺は黄昏てる炭治郎を呼び掛けるとカナヲと炭治郎は驚いていた。善逸は伊之助になにやら、技をかけられていた

 

「ん、玄弥は来ていないのか?」

 

「あ、玄弥は少し顔だして……あれです」

 

「寝ている……?」

 

あいつも来てるなら少しゆっくりと話したかったが、寝ているのなら仕方がないよな………

 

「さて、急に割り込んでわるいな。カナヲもいるならついでに話すか」

 

俺はゆっくりと腰を下ろして、二人も姿勢をただそうとしていたが、楽にしろと伝えた

 

「まず、炭治郎……改めて礼を言わせてくれ」

 

「え?」

 

「お前が色々な奴の考え方や見方を変えさせてくれたのは紛れもなくお前のお陰だ……。俺もカナヲもしのぶ達もお前のお陰で変わることができたし、またともに道を歩むことができた……ありがとう」

 

「え、いや!?おれはなにも……」

 

「それと、カナヲも……よく頑張ってるな。もう少し踏ん張ったら……ゆっくりと色々なことしょうな?」

 

「は、はい。空さん酔っぱらってます?」

 

カナヲが普段俺が言わないことをいってるからなのか心配そうに聞いてきた

 

「問題ないよ。そうだな……俺がお前達を呼び掛けたのはある頼みだ」

 

「「頼み?」」

 

「まぁ、そこは他の奴も言えるが……お前達は絶対に死ぬなよ」

 

「勿論です!無惨を倒すまでは死にません!」

 

「違うだろ。それを言うなら無惨を倒しても生きると言え」

 

俺は苦笑いしながら炭治郎とカナヲの頭を撫でていた。二人とも驚いていたが、ゆっくりと撫でられるの受け入れていた。そして、炭治郎は俺にゆっくりと頭を下げていた

 

「空さん、その……禰豆子を信じてくれてありがとうございます!」

 

「あぁ、人の身になるのは、もう一踏ん張りだが絶対にそのつかんだ希望を……守れよ?」

 

「はい!」

 

炭治郎の返事に俺はよりいっそう嬉しくなり頭を強く撫でていた。きっとこの後に待ち受ける戦いは俺たち柱も今まで以上に死ぬ可能性が高いだろう……。だが、今回の戦いは………俺達や先代達がずっと願っていた念願の首をとれるのが近づいてるみたいだな……

 

勝とうぜ……この馬鹿げた時代の結末と鬼に怯えなくすむ時代を……そしてその終わりが新たな希望を繋げるのが役目だ

 

 

 



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86話

宴を終えた二日後……その日の朝はいつもより早く目が覚めてある日課をしていた。ここ数日もまだ鬼は大人しくしていたがいつ爆発が起きてもおかしくないなと思い警戒していた

 

「………99……100!」

 

「空さん、お疲れ様です!これで朝の日課も終わりです!」

 

「水も用意しました!」

 

「どうぞ使ってください!」

 

俺は体を鍛えるトレーニングをしていて、ちょうど最後の部分を鍛え終えると、なほ達がタオルと水が入った物を用意してくれていた

 

「空さん、お疲れ様です!」

 

「空さん、アオイとおにぎり作りましたので……その……」

 

「おう、わざわざありがとうな。アオイやカナヲもお疲れ様」

 

俺は隣でアオイとカナヲがおにぎりを作ったのを乗せた皿を持ってきたので俺は庭を眺める場所に置いてくれと言った

 

「あらあら、朝早いのに皆こんなところにいたのね」

 

「皆さんおはようございます」

 

「「「「「おはようございます!」」」」」

 

「おはよう、カナエさんとしのぶ」

 

上着を脱いでいてトレーニングしていた俺は全身に思いきり水を被せてタオルをきっちり拭いてから、上着を着た

 

「ふぅ……しかしカナヲが手作りするのは驚いたな。どんな味にしたのか楽しみにしてるぞ」

 

「そうですね」

 

「ふふ、じゃあ皆で食べましょう?」

 

カナエさんの言葉を皮切りに俺達は手を合わせて頂きます!と合唱した

 

「上手い!カナヲはじめて作ったにしては上手だぞ!」

 

「本当ね。中に入れてるのは……魚の焼いた身?」

 

「は、はい……その、アオイに教えてもらいながら食べて元気出してもらおうと思って……」

 

「ふふ、謙虚しなくってもいいわよ。普通に美味しいわよ」

 

「「「はい!美味しいです!」」」

 

俺たちの言葉にカナヲはアオイの方を見るとアオイは優しい顔でカナヲに…

 

「やって良かったわね。カナヲ」

 

「……うん!」

 

「しかし、なんでまたカナヲが手作りを?」

 

「その……空さんも蝶屋敷の皆もお世話になっていたから……食べてほしくって」

 

「カナヲが夜な夜な一人で必死にやっていたので見かねて協力しました!」

 

「そうか……二人ともありがとうな!」

 

俺は妹当然の二人の頭を撫でると二人とも照れていた。本当に一日でも早くこの血生臭い世界をカナヲ達はおさらばできるように頑張らないとな!食べ終えて俺達はそれぞれの業務へと戻り俺は自身の部屋で少しやることあったので書いていた

 

「失礼します、空さん」

 

カナヲが俺の部屋に入ってきたので俺は書くのをやめてカナヲの方に向き合っていた

 

「お、どうした?誰からからの呼び出しか?」

 

「いえ……お願いがあります」

 

「お願い……?」

 

「はい………。それは……」

 

カナヲはそこまで言うと緊張した顔つきになり俺はどうしたのか気になり心配して見つめるとカナヲは決心したように顔あげた

 

「そ、その…改めてこれから空兄さん……って呼んでも……良いですか……?」

 

「!?!!!!」

 

カナヲが俺の事を空兄さんと呼ぶだと……!?そんなの……そんなの……!俺はカナヲに思いきり抱きつきながら言った

 

「そんなのいいに決まってるぞ!!」

 

「っ///!?本当に……いいの?」

 

「あぁ!俺はカナヲもそこに気配駄々漏れの隠れているアオイも妹のように思っているからな!」

 

「気づいていたのですか!?」

 

俺の言葉にアオイは顔真っ赤にしながら出てきた。どうやら、ばれてると思わず恥ずかしかったのだろうが、蝶の髪飾りが見えたから恐らくアオイかな?と鎌をかけたのさ

 

「アオイも俺の事を兄さんと呼んでいいよう?」

 

「あ、いやその……それは……」

 

「「………」」

 

「うっ………に………兄さん……」

 

「良くできました!!」

 

俺は顔真っ赤にして頑張っていったアオイに思いきり頭を撫でた。撫でられたアオイは最初は驚いたものすぐに受け入れていた

 

「今なら、鬼を百人は討ち取れる気がする!」

 

「いや、さすがにそれは……出来るのですか?」

 

アオイは否定しょうとしていたが、よく考えたら本当にできそうだと考えたみたいだ

 

「さて、アオイは俺になにか用があったのだろ?」

 

俺がそういうとアオイも本来の目的を思い出して話を切り出した

 

「あ、はい!その……兄さん……に、この新たな羽織を着て貰おうと思って持ってきました!」

 

「黒の羽織……?いや、ところどころ白のラインもあるな?よくそんなの見つけたな?」

 

「あ、それは……皆で作ったやつだ」

 

「何!?」

 

俺はその言葉に驚き、アオイの方に見るとアオイは自信満々に俺の方をみると、アオイが答える前に蝶屋敷全員がこちらきた

 

「ふふ、サプライズ成功ね」

 

「まさか皆で作ると思っていなかったでしょ?」

 

「空お兄ちゃんの驚きの顔見れたねー!」

 

「空お兄ちゃんのその顔見ただけで、大成功よ!」

 

「うん、うん!空お兄ちゃん早く着て見て!」

 

「カナエさん、しのぶ!?それになほ、すみ、きよ!?後然り気無くお兄ちゃん呼び!?」

 

ビックリさせて成功したと言わんばかりに嬉しそうに俺の顔を見ながらここにやって来たのだ。どうやら俺の知らない裏でこれを作ってくれていたらしいが、俺の誕生日はまだまだのはずだが………?

 

「もうすぐ最終決戦が近いと思うとね……。私はもう戦えないし、この子達も戦場にはいけない。なにより、しのぶやカナヲは髪飾りや羽織があるからいいけど、空君はほら昔私たちが買ったのを大事にしてくれてるでしょ?」

 

「まぁ……大切な羽織ですから」

 

「でも、痛んできたから新しく手を加えたの。これは、そばにいない私たちの分も込めて、空君が……負けないように作ったの」

 

「「「頑張りました!」」」

 

「っ……ありがとうございます……」

 

俺はその言葉を聞いて感無量とこれを作ってくれた皆に感謝して照れ臭かった。そして、この白ラインはあの二人の…いや、蝶屋敷の思いを込めていたラインだと思うと嬉しいな

 

「そういえば、しのぶ」

 

蝶屋敷の子達はそれぞれの現場に向かうと部屋に残っていたのはしのぶと俺とカナエさんだけだった

 

「?」

 

「俺はあの人とはあの時に一度会ったきりだが……どうだった?」

 

「あの人……珠世さんですね?」

 

そう、しのぶは実は極秘にお館様の命令で珠世さんとあることをしていたのだ。因みに念のためということで、俺としのぶだけで向かった。カナエさんも行きたがっていたが、カナエさんは戦える状態ではないためその時は連れていかなかった

 

「そうね……彼女は本当に鬼になったことを後悔していたこと……それに」

 

「それに?」

 

「彼女は本当に色々な話していて……出会えて良かった方……。鬼ではなく……そして、時代が違えば、良き友逹になっていたわね……」

 

「あ、私も二回密かにあったわよ~。本当に優しい方だったわ」

 

「は!?」

 

俺はしのぶの方を見るとしのぶは気まずげに目をそらしていた。そして、訳を聞くとカナエさんに後をつけられていてその時にばれたということだ

 

「いやいや、カナエさん、自分の体を大事にしてくださいよ。……ってか、あの男の子……ほら、えーと……愈史郎は何かいってませんでした?」

 

「あー、彼ね。私も何度か喧嘩売っているのかと思いましたが……まぁ、彼は珠世さん大好きっ子だったという事実は面白かったですが………」

 

「ふふ、あの子はあの子で面白いね。ところで例の研究は?」

 

カナエさんが話を切り替えてしのぶに例の代物はどうなったのか?も聞くと……

 

「完成させたわ……2つは其々の人に託して後1つは……」

 

「そうか……」

 

「……こんな悲しい出来事をなんとか終わればいいのにね……」

 

俺達はその言葉を聞いて本当に何てしてでも無惨やその上弦達を殺してこの悲しき歴史を終わらせたいと決意新たにしていた

 




ここまで読んでいただきありがとうございます!これからもよろしくお願いします!


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87話

朝のお話も終わり其々の時間を過ごしてると昼になり、昼食も和気あいあいと食べていた。カナヲは昼食は皆と食べてその後またお出掛けしていた

 

「………」

 

俺は一人で紙に筆を走らせながら静かな場所で書いていた。ここ最近は来客が入ったりしのぶ達に呼び出されてかけていなかったからゆっくりとした時間は久しぶりだな

 

「……」

 

俺は筆を走らせながら外の光をみて、過去を思い馳せていた。俺にとって始まりは……今はもう遠い昔のあの静かな街からだった

 

『ほら、空!早く来なさい!』

 

『一緒に遊びましょ?』

 

あの静かな街で俺を明るい場所へと引きずり出してくれたのはあの二人だった……。俺は子供の頃…しのぶ達と会う前は親と過ごせればそれでいいという子供だったがしのぶ達と出会ったことで友逹の繋がりが大切になった。まぁ後は親同士が仲良かったこともあり毎日遊んでいたな……

 

「………ん?」

 

筆を走らせていると鴉が俺のそばに止まり、俺は鴉の足下を見ると紙がくくりつけられていたのでそれをとって見ると……

 

「杏寿郎さんからの手紙?何々……?拝啓 空様?」

 

ーー拝啓 空様

現在は事情もあり、居場所を捕まれないために君に手紙を送った。単刀直入に書くと、君はきっと死ぬ覚悟をもって戦うだろう。しかし、お守りもないのはあれなので竈門少年にはおれの柄をたくし、君には……言葉を送ろう

 

「言葉ってまた……っ……!……本当にあの人らしいなぁ……」

 

その言葉をみて俺は口角つり上げて嬉しくなった。本当におれの考えていることもお見通しで苦笑いしかない

 

「……さて、筆もある程度終えたしそろそろ……って……?」

 

「だれ~だ」

 

俺の視界は誰かの手によって遮られていた。声はテンションが高いカナエさんの様だが、このテンションは……

 

「しのぶか?」

 

「なーんだ……空にバレバレなのね」

 

しのぶが悪びれもせずに笑っているのを見て、確信犯かよと思っていた。しかし、しのぶと二人きりで話す時間は久しぶりな気がするが……?

 

「こうして二人で話すのは久しぶりね……。そういえば写真は?」

 

「あぁ、今写真はあの写真家が後日持ってくるといっていたから明後日にでも届くのじゃないのかな?」

 

遡るのは数日前……

 

写真とは実は柱稽古も終わった翌日に、しのぶも何日ぶりに蝶屋敷に帰ってきた時の事だ。戻ってきたその日は蝶屋敷皆も嬉しそうであったが、しのぶはさすがに疲れたのかその日は戻ってすぐに爆睡していた

 

『ふぁぁ……おはよう……空』

 

いつも通り朝の一人稽古を終えると、食卓にしのぶがいた。しのぶはいつもと比べると遅くに起きて蝶屋敷の子達と一緒にご飯を食べていた。カナエさんとカナヲとかはもうものすごく嬉しそうにしのぶとご飯を食べていたのを俺は見ていたがあえて口に出さなかった

 

『改めてどうだった?……無惨とかっては共にいた鬼と言われていたその人は……一緒に研究してみて?』

 

『……そうね、色々なことを話すのはまた今度として、結論から一言で言えば今までの鬼とは違い本当に友好的で後悔してるのが良く分かったわ。私はその人は信頼できるわ』

 

『珠世さんってゆっくりとお話していたら、波長は合いそうというかなんか気が合うのよね~』

 

『確かに姉さんも向こうも仲良くしゃべっていたわね』

 

カナエさんの言葉に他の皆もにこやかに笑っていた。そんな穏やかな朝は久しぶりだか俺はなぜかここ最近嫌な胸騒ぎが止まらない……だから俺は前から決めていたことがある

 

『……アオイ』

 

『は、はい!なんでしょうか!?』

 

『今日はこの蝶屋敷で全員時間とれそうか?』

 

最近は鬼もででいないし、皆も落ち着いてきたしちょうどこの機会にあれをやっておきたいと思い時間を確認した

 

『大丈夫ですが……?」

 

『そうか……なら、庭に全員集合な。おめかししてな』

 

俺がそれを言うと皆は?と思っていたが、そこは蝶屋敷の人たちはさすがにすぐに動いていた。そして、俺は庭で待機してるとしっかりとした着物を来たカナエさんがゆっくりとやって来た

 

『ふふ、空君。もしかってあれをするの?」

 

『そう、あれですよ。まぁ、カナエさんが結婚するというのにこういう機会じゃないとできないと思って』

 

『相変わらずそういうところの行動は早いね……。なほ達は気付いていないみたいだけど、しのぶは気づいたみたいね』

 

『長い付き合いだから気づいたのかも知れませんね』

 

そう話してるとしのぶ達もやって来てアオイがいまだに理解できてないのか俺に質問をしてきた

 

『空さん、何で庭に?』

 

『これからわかるさ。お、ちょうど来たみたいだし、皆来てくれ』

 

俺がそういうと皆も庭の方にゆっくりと歩くとそこには年配の写真家がいた。それを見てカナヲは、目を見開いてなにかを思い出していた

 

『ご無沙汰しています。今回は急に頼んですいませんね』

 

『いやいや、まさか昔一度依頼していただいた方がもう一度こちらに依頼してくれると思いませんでしたよ』

 

『今回の報酬もきちんと払うので……』

 

『いやいや、昔私達の店を助けてくれた鬼狩り様達から金をとるのは………』

 

『俺達はお客様だから払うのが当たり前ですよ』

 

俺がそういうと、しのぶもカナエさんも頷いていた。今回来ていただいた方は昔しのぶ達と共に助けたことがある人でカナヲが小さいときに一度写真をとってもらった。その人に今回も皆との写真もとりたいと思い俺がお願いしたのだ

 

『そこまで言われてはこちらも断れないではないですか……わかりました。では、はい皆さん笑顔で!』

 

『よし!全員とるぞ~!』

 

『『『はーい!』』』

 

『わかりました!』

 

『ふふ、カナヲは真ん中ね』

 

『え……いいのですか?』

 

『いいのよ。カナヲは真ん中!』

 

そうしてる間に席が決まりそして撮影する方が俺たちに聞こえるように大きな声で……

 

『では、とりまーす』

 

合図を出して撮影してくれた。これが少し前の話だ………

 

 

そして今……

 

「まぁ、うまいこと写真もとれたと思うし、良い思い出できたんじゃないか?」

 

「そうね。ところで、空は………」

 

しのぶはお茶を一口のみこんでから、俺にまるで確認するように聞いてきた

 

「それは遺書ですか?」

 

「………」

 

「鬼殺隊である以上……いえ、特に柱である以上そういうのは余計に隣り合わせですが……何故、書いてるのですか?」

 

「そうだな………今回の戦いは間違いなく五体満足で生きて帰還できる戦いにはならないというのと……心置きなくの意味もかねてだ」

 

「……勝手に死ぬなんてそんなの許さないわよ。私に怒って自分を犠牲にするのは許さないっていっていたのに自分はそうするのは……」

 

「俺がそうさせないためにもお前や蝶屋敷の仲間がいるのだろ?……初めから死ぬことを考えてるつもりはないぞ」

 

「………分かったわ。もし、ヤバイ状態になっても助けてみせるわ!」

 

しのぶの言葉に俺も微笑み、外も暗くなってきたのを誰から見ても分かる。すると、俺の部屋にカナエさん達が入ってきた

 

「しのぶ、空君ここにいたのね」

 

「お二人とも、夜は冷えますよ」

 

「「「空さんは今日もですか?」」」

 

「えぇ。カナヲは?」

 

そう、カナヲはいつもならいるはずなのに何でいないのだと思ってると、アオイが教えてくれた

 

「カナヲは少し出掛けていますがもう少しで戻ると思います」

 

「そうか」

 

俺はその言葉を聞いてとりあえずは自分の部屋から出ようかと思っているとーー

 

「襲撃ィ!!襲撃ィ!!産屋敷襲撃サレルゥ!!」

 

「「「「「「!?!」」」」」」

 

俺達の幸せは、いつも鬼が壊していく………

 

 

 

 




ここまで読んでいただきありがとうございます!
そしてついにあの決戦が来ました!
皆様に楽しませれるように頑張ります!


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88話

鴉からの報告を聞いてそこから俺としのぶの行動は早かった。しのぶは自身の部屋に刀を取りに行き、俺はカナエさんやアオイ達が作ってくれた黒の羽織を着て武器もすぐに用意して外に向かった

 

「「「「空さん、しのぶ様!!」」」」

 

しのぶもそろそろ来るとわかり、俺は全速力出せるように力を入れていくと蝶屋敷の子供たちがでてきた

 

「空さん、しのぶ様……」

 

アオイも不安そうな顔をしていたので俺は一人ずつ頭を撫でていた。カナエさんは心配そうに俺たちを見ていたが、俺は安心させるように言った

 

「アオイ……皆、行ってくるな。カナエさんはこの子達をお願いします」

 

「うん。……二人とも気をつけてね」

 

「はい」

 

「皆、いい子で待っていてくださいね。空!!」

 

「分かってる!…皆…後は頼んだぞ」

 

俺はそれだけを言うとしのぶと共に、お館様の屋敷の方まで全速力で走り抜けていた。お館様は俺にとってもしのぶにとっても……いや、鬼殺隊にとっても大切なお方だ!!

 

「くそ!!無惨たちが攻めてきたのか!?」

 

「ずっと危惧していたことが……!空、全速力で駆け抜けるわよ!!!」

 

「当然!しのぶは例のものも持ってきているな!?」

 

「えぇ!!」

 

しのぶが持ってきている例のものとは、鬼との共同作業……つまり、珠世さんと共に作り上げたあれを持ってきているということだ

 

「しのぶ、覚えているか!お館様の件のことを」

 

「えぇ、あの柱会合の時ね!まさか、お館様は……」

 

「産屋敷家の歴代当主は護衛を一人もつけることがなかった……そして、このタイミングでの襲撃……まさか、お館様ははじめから覚悟を……!」

 

「そんなことは絶対にさせない!!お館様が殺されることだけは……っ!空!!」

 

「分かってる!!」

 

俺もしのぶも……きっと他の柱達も全速力で駆けつけているに違いない。俺は脳裏にお館様との話である事をおもいだした

 

『お館様、この度は長年避けいてた柱の件は改めて返事させていただきます。…まだ許されるのでしたら…柱にならせてください』

 

『うん、やっと君が柱になってくれる日がきたのだね。ずっと待っていた甲斐があったよ……改めて君を柱にそして、拳柱として鬼殺隊を支えてほしい』

 

『はっ!私、夛田空はお館様のためにも、鬼殺隊やこれから生きるもの達のためにも必ずやこの拳で鬼を倒していきます!俺の拳は鬼殺隊の未来を繋げる拳として戦い抜きます!』

 

『うん。私は君を信頼してるよ……空』

 

俺はそれを思い出して、悔しい気持ちになるとともにお館様までのこのペースでは間に合わない!!

 

「しのぶ」

 

「分かってるわ。あなたのその鍛えられた足腰で全力を出して!私もすぐに追いかけるから」

 

「あぁ」

 

それを聞くや否俺は爪先を強く地面に蹴りこみ、しのぶから一気に距離を取りお館様を追いかけた

 

「(俺が先に先行するというわけは万が一の鬼の妨害があった場合に一撃で殺せる俺が先に行くと判断したからだ。それに、だてに旅していた訳じゃねぇ……)絶対に……絶対にお館様を殺させない!!」

 

俺は全速力で駆けつけながらさまざまなことを思い出していた。お館様と初めて出会ったときから俺はあの人に色々な心を見透かされていた。柱の件も断るとき……

 

『俺は柱にならない代わりに粛清役……鬼殺隊の裏切り者の粛清をする役目にさせてください』

 

『道のりは険しくなるよ?…それに君にはそんな役目をさせたくはない』

 

『ありがたきお言葉です。しかし、鬼殺隊を……未来にいきる者達に危険を仇なす裏切り者の粛清の汚れ役目は私がするのがいいかと思います』

 

『……空……』

 

と案じられていたことも覚えているか!俺は何一つあのお方に恩返し出来ないまま終わらせたくない!!

 

「よし!」

 

お館様の屋敷付近につき、俺はいそいで侵入しょうとすると……

 

ドン

 

「!?!!」

 

俺がお館様の屋敷に侵入する直前に爆発が起きた。そして俺はその爆発で悟ったのだ……お館様は身を呈して自爆されたのだと……焦りながら空高くとび屋敷に入ると、そこには一人の男が再生していたがその中に一人の女性が飛び込んでなにかを刺していた

 

「(珠世さん!?)」

 

「お前も大概しつこい女だな珠世、逆恨みも甚だしい」

 

俺は珠世さんと面識があるからこそ、この場にいる事に驚いていた。恐らく珠世さんがお館様を殺したという可能性は低いからあいつが犯人か!!それに今あいつからの発言はどういう事だ!?

 

「そんなことがわかっていたら、私は鬼にならなかった!!病で死にたくないと言ったのは!!子供が大人になる姿を見たかったからだ!!」

 

「っ!?」

 

「たくさんの人の命を奪った罪を償う為にも。私はお前とここで死ぬ!!」

 

なっ!?あの人はここで死ぬつもりか!?

 

「悲鳴嶼さん、お願いします!」

 

「(ならばおれは……拳の呼吸!!)あの人を助ける!!」

 

悲鳴嶼さんが武器を振るうタイミングで俺はあの人を助けることを決めた。あの人はまだまだ生きてもらわないと困るのは俺のわがままかもしれないが……

 

「南無阿弥陀仏っ!!」

 

あの人の攻撃は無惨と思われる男に首を攻撃すると見事に直撃した。俺は首を跳ねて終わりかと思いきや……

 

「「っ!再生が早い!!」」

 

やつの再生が今までの鬼とは比にならないくらい早かったので俺は最大速度でやつの腕を攻撃しかけた

 

「その人から手を離してもらおう!弐ノ型、烈散!」

 

「まだ他のがいたのか!?ぐぅ!」

 

俺は飛び込みやつの腕の方を狙い定めて、攻撃すると奴は驚いていたがそんなの無視して俺は珠世さんを救出した

 

「空さん!?なぜ助けたのですか!」

 

「死ぬことが償いと言わない!!あんたはきちんとこれまでを償っている!俺達とも共に戦ってる!だから、仲間を助けるのは当たり前だ!!」

 

俺はそういいながら無惨と思われる男から距離を取った。お館様は助けられなかったがこの人だけでも助けると決めたのだから!!

 

「空!!」

 

「だてに四年間旅出ていただけではないので……それにこの人は死なせてはいけないからな。ところであのいかにも………心が無さすぎる奴は無惨ですか?」

 

「貴様っ……」

 

「えぇ、あの男があなた達鬼殺隊の宿敵よ」

 

その言葉を聞いてやはりこいつが無惨だったということ同時にお館様を殺したという事実に怒りをだいていた

 

「貴様が無惨か…お前のこれまでのこそこそもおしまいだ。今宵…俺たちがお前を殺して全ての負の歴史を終わらせる……」

 

「貴様は……確か童魔に生かされてる男だったな。そんなやつに生かされてるやつが私を殺せるとでも」

 

「偉そうなその口黙ってくれ……えーと……臆病者さんだったってな?」

 

俺の言葉に奴は表情を変えていたが俺は気にすることなく、珠世さんを守りながら構えていた。この人はもう十分すぎるほど償いをしたし、しのぶやカナエさんも信頼できるといっていた方だ

 

「だれが臆病者だ……?」

 

「あぁ、わかっていないみたいだな?目の前にいる貴様が臆病者だっていってるんだよ。貴様は何百年も生きてるわりには……こそこそと逃げているじゃないか?それに鬼も量産してるだけして使い捨て……臆病者といって何が悪い?それとも………遥か昔に死を怯えて鬼になった病人さん?」

 

「…貴様っ…どうやら死にたいようだな」

 

「安心しろ……死ぬのはお前だ。…俺たちの大切な場所を…大切な人達を奪ったお前を…俺がこんな事されて……怒らないわけがはいだろうが!!」

 

「てめぇぇ!!!お館様に何しやがったァァァあぁ!!」

 

俺が叫ぶのと同時に実弥の叫ぶ声が聞こえた。どうやら他の柱達も近くに来ているな!

 

「全員よく聞け!!奴が無惨だ!!鬼舞辻無惨は頚を斬っても死なない!!」

 

「「「「「!!」」」」」

 

それを聞くや否それぞれの呼吸を繰り出していた。勿論俺も得意の拳の呼吸を繰り出していた

 

拳の呼吸 壱ノ型 波動

 

霞の呼吸 肆ノ型 移流斬り

 

蟲の呼吸 蝶ノ舞 戯れ

 

蛇の呼吸 壱ノ型 委蛇斬り

 

恋の呼吸 伍ノ型 揺らめく恋情

 

水の呼吸 参ノ型 流流舞い

 

風の呼吸 漆ノ型 蛇紋岩・双極

 

ヒノカミ神楽 陽華突

 

それぞれの得意の技をあるいは最速の技を出そうとするとーー

 

「これで私を追い詰めたつもりか!!貴様達がいくのは地獄だ!!!」

 

「(落とし穴!?)くっ、珠世さん、手を掴め!!」

 

「え!?」

 

俺はそういいながら手を伸ばして………炭治郎が無惨に対して何かいってるのが聞こえた。この落とし穴の先には……あの野郎がいる……!




ここまで読んでいただきありがとうございます!
これからもよろしくお願いします!


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89話

無限に続いてるかのような長い長い道に続いてるの感じながらも俺は空中で回転して地面に着地した。そして上を見上げながら忌々しく呟いた

 

「ッチ、あの野郎逃げたな……!」

 

舌打ちしながら無惨の奴が罠をはめたのはわかるし、あいつが逃げたと言うことも分かっている。一番の収穫は……

 

「さて、怪我は大丈夫ですか?」

 

今回の無惨を殺すために協力してくれた珠世さんを助けることができたことだ。本人に怪我の具合とかないのか確かめると本人は戸惑いながらも答えてくれた

 

「……えぇ。ですが、なぜ助けたのですか?」

 

「先程も言ったように仲間が目の前で死ぬのは目覚めが悪いので……それに……」

 

「それに?」

 

「もう、償いは何百年もしてるのだろ?だったら、無惨を死んだ後に大切な弟子と共に余生を過ごすことを考えたらどうだ?」

 

「そんな理由で……」

 

「それに、あんた達の医療技術はきっとこの鬼殺隊解散後にしのぶ達の力になるからな。今助けて先の事を考えれば損はない」

 

そう、この人はきっと何百年も生きていて償ってきているのと無惨を倒すと言う共通の目的はある。だからこそ、俺自身は仲間と思っているししのぶ達も信頼してるから……この人を死なせるわけにはいかんしな

 

「それはそうと珠世さん、少し下がってください。少し喧しい連中がこちらに向かってるので」

 

「はい」

 

俺はため息つきながら、ドアが空いた瞬間に鬼が出てきたので俺は呆れて構えた

 

「ぁぁぁぁああ!」

 

「はぁぁ、数だけ押し寄せてきやがって。お前らさ…少し虫の居所が悪いから……」

 

「っえ……?」

 

拳の呼吸 壱ノ型 波動

 

「無慈悲に死ね。今の俺は機嫌が悪いのでな」

 

俺の呼吸の壱ノ型波動で大半の鬼が炎の竜が吹き荒れて目の前に迫っていた鬼たちを飲み込んでいた。そして、その攻撃は首をめがけて攻撃したので鬼どもは燃えて死んでいった

 

「恨むなら無惨にうらむんだな。お前らごときが柱を殺せると思うなよ。そして……鬼殺隊の仲間達をなめるなよ……?あいつらも強いからな」

 

それだけを伝えると珠世さんと共にこの屋敷を歩いていった。おそらくこの場所なら鬼……あのくそ野郎がいるはずだ

 

「空さん、貴方にお聞きしたいことがあります」

 

「ん?なんですか?」

 

「……しのぶさんやカナエさんからあなたのことをお聞きしました。そして、貴方は誰よりも上弦弍に憎しみを持っていることにも」

 

「あー………あの二人しゃべったのかよ……いや、聞かれたら答えていいといったが…うむむ…」

 

まさかこんな質問をされると思わなかった俺は少しだけ戸惑いながらもその質問に向き合っていた

 

「まぁ、憎しみは誰もがありますけど俺のは人よりも……いや、下手したら……自分の憎しみは人以上に強く、そいつに対しては憎悪しかないのかもしれない」

 

「……」

 

「大切な幼馴染みが……あんなやつらに幸せを潰されるのはもうごめんだ。俺にとっては蝶屋敷は家族だ。家族に手を出されないようにあいつは殺す」

 

俺は目を閉じて深呼吸して落ち着いた気持ちを前に向けてその先へと歩いていった。珠世さんはなにか思うことがあったのか心痛な顔で話していた

 

「あの、俺からも聞いて良いですか?」

 

「なんでしょう」

 

「……しのぶから聞いていたあれを確実に打ち込むことできましたか?」

 

「ご存じでしたか。はい……あれを打ち込むのであとは時間の問題だと思います。それまでになんとしても……」

 

「だとしたら急がないといけませんね」

 

俺たち早足で歩くと、細長い廊下に辿っていったら血の臭いがした。この血の臭いは鬼ではなく人の血の臭い

 

「民間人がいたのかっ……。今から乗り込みますが大丈夫ですか?」

 

「ご心配なく。自分の身は自分で守らせていただきます」

 

「そうですか…では遠慮なく……おらぁ!!」

 

ドアを思いきり足で蹴り開けていき、そのドアは鬼の方に向かっていき……

 

「おっと……危ないことしてくれるねぇ」

 

飛んでいったドアを二つの扇で見事に切り刻んでいた。俺は舌打ちしながら、そいつをにらんでいた

 

「相変わらずくそな奴だな。その死体の山積みもてめぇの趣味か?」

 

「黒い羽織にその声は………。やれやれ、また君か。相変わらず口が悪いねぇお……や後ろにいる美しい女性は?」

 

「相変わらずよくしゃべる口だな?その問いかけに別に答える必要はないだろ?それとも……冥土の土産となるから聞きたいのか?」

 

「あはは、相変わらずムカつくな。血鬼術……蓮葉氷」

 

「壱ノ型波動」

 

扇を振って前方に蓮の花と葉っぱを模した氷を作り出すが、俺も炎の龍を吹き出して対抗していた

 

「へぇ、あの頃よりも少し楽しめそうだね……無傷かい」

 

「お前とは何度と戦い続けていたから今さら様子見もない。危ないので下がっといてください」

 

俺は珠世さんに、安全なところに下がっといてほしいというと向こうも頷いて下がった。そして、奴は今は目の前の俺に集中していた

 

「あの頃と比べると少し雰囲気が変わった?以前対戦したときは死に急ぐ眼だったのにね」

 

「それはお前も妄想だろ?それに今日こそ貴様に殺された女性の恨みや仲間の恨みそして……あの人を殺しかけた貴様の命を終わらせてやる……上弦弐!」

 

「やってみなよ、鬼殺隊……」

 

互いにぶつかり合いながら俺たちは再び激突した……。そして、この戦場に仲間が近づいてる事を誰も知らない……

 

 

 

 

 

 

 

 




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90話

しのぶside

私は迫ってくる鬼を毒で倒しながら、その果てしない道を走っていた。お館様はいつも私達を案じてくれていた。空の時も行方不明で私のせいだと話したときもお館様は真剣に答えてくれていた……お館様だけではなく、おそらくあまねさまも…

 

「本当に鬼はいつも幸せを奪う……っ!」

 

激しい内側に溢れる憎悪を私は必死に押さえながらもこの怒りはどうしたら良いのだろと思っていた

 

「師範!!」

 

「……カナヲ……!?」

 

任務で遠方にいっていたカナヲがそこにいることに私は驚いていたが、同時にまさか、カナヲがここにいるのは蝶屋敷のみんなにも危険が!?

 

「カナヲはなぜここに」

 

「私は蝶屋敷に戻ろうと歩いてると突然下に……」

 

「そうですか……」

 

この発言を聞いてどうやら蝶屋敷のみんなは巻き込まれていないと言う安堵とカナヲがこの戦い巻き込まれていると言う少なからずの複雑さが渦巻いていた

 

「師範……これは」

 

「恐らくですが、無惨 ……上弦達がいる出所でしょう」

 

「……空兄さんは?」

 

「はぐれました。しかし、ここが上弦達がいるとなると……っ!!」

 

私はそこまで発言して気づいた。さっきからこの嫌な予感はなんだろうと思うとあの日の事を思い出した

 

『どうした?しのぶ』

 

あの日の事は覚えている。いつも通りに空が一人で修行をしてるときにその時の私は空に不満とあの噂が出ていた頃だった

 

『いえ……空は今回姉さんと同じ任務なのでしょ?良いな~、私もいきたい』

 

『いや、ダメだろ。今回の任務は甲と花柱で調査だからな』

 

『だからといって何で空なのよ。ここは姉妹の私がいくべきなのに!』

 

『まだあれの開発しきれてないのだろ?あせるな、必ずあれが完成したらカナエさんのたすけになれるからさ』

 

『もうまたそういう!もうほぼ完成してるわよ!鬼に対して毒が効くと言うのは空も聞いてるでしょ!というか、見たでしょ!』

 

『はいはい。さぁて、いきますか』

 

そういってあいつは姉さんと共に任務に出掛けて行った。きっとまた帰ってきて私たちはいつも通り喧嘩して姉さんが苦笑いしてカナヲが無表情ながらも少しおろおろする日々が遅れると思っていた。

 

そして……

 

『カアカア!胡蝶カナエ重症!!上弦弐トノ戦いデ負傷!』

 

姉さんが負傷して帰ってきて空もボロボロだったのを覚えている。そして、私は気の動転していたあまり心にもないことをいった……

 

『すまない……しのぶ……すまない……』

 

あの日の空は本当に精神的にも肉体的にもボロボロだったが私は姉がやられていたショックもありそこまで気が回らなかった

 

『すまない……』

 

『何が………何がすまないよ!!二度と私たちの前から現れないで!貴方が助けるの遅かったから……!!』

 

『すまない……カナエさんの事も……しのぶ………』

 

『気安く姉さんの名前を出すな!!私の名前も出すな!!貴方が……貴方があの時に自分の力を過信なんてしてなかったら姉さんはこんな事にならなかったのに!』

 

『………』

 

『金輪際、私達の蝶屋敷に跨ぐな!2度と!!』

 

『……』

 

そう、あのときは今考えても理不尽なことを私はいってしまっていたのかもしれない。姉を失いかけたという恐怖と共に任務にいたはずの空が本当は辛いのにそれすら気にかけないで私は彼を罵倒した

 

そして………あの日以降空は消息不明になってしまった。烏を頼んで徘徊してもらったが空の手がかりはなく、空がいそうな場所にもいなかった……

 

そこで私は初めて気づいてしまった……

空は本当に辛かったのに、私の言葉で傷ついてしまったのだと……そして二度と私たちの前に現れることないのでは……と

 

「(この嫌な予感は早く助けないと空が死ぬかもしれないという感じなのね……)もう二度と間違えない……今度は……」

 

今度はあいつを一人で戦わせない!もう……

あいつが寂しい思いをしないように必ずたすけにいくのだから!

 

「師範」

 

「えぇ、ここで立ち止まるのはいけませんね。急ぎましょう」

 

必ず助けに行くから待ってて、空!!

 

 

空side

俺は目の前にいるあいつを睨みながら、全集中をしていた。あいつに勝つためにもこの一年近くはかなり努力をした。あの敗北から何度も夢に見るくらい悔しい思いをしてきた

 

「お前は多くの女性を食い殺してきた。だが、そんな時間は終わりだ……俺達が今日ここでお前の命を奪い取る!」

 

「ふふ、知ってる?何回も君は俺に負けているのだよ?そういうのを……」

 

「くるか?」

 

血鬼術 蔓蓮華

 

やつは笑いながら氷の蔓を伸ばして攻撃する。広い範囲で攻撃を仕掛けてきた。こういうことを仕掛けて来るのは予想済みなので俺は冷静に構えていた

 

「負け犬の遠吠えというのだよ?」

 

「この程度の技を出しやがって………あまり鬼殺隊嘗めるな……」

 

拳の呼吸 参ノ型ノ改 獅子回し蹴り

 

俺は奴とは何度もぶつかり合っていたからあの程度の技は初見殺しと変わらない。やつの攻撃を対抗していてそれを消すと向こうは少し驚いたそぶりを見せていた

 

「へぇ?あの頃よりも強くなっているんだね。そんな事もできるんだ」

 

「黙れ」

 

弐ノ型改 裂散切り

 

「!……いつのまに君の攻撃で俺の腕を切り落とした?」

 

「その下らないおしゃべりも……ふざけた口調もいい加減にしろ。油断してると次はその首を必ず跳ねるぞ」

 

「ふむふむ…なるほど、少しはやるようになっているみたいだね?でも……あの女の子を殺しかけたという事実は変わらないのじゃない?」

 

「は?」

 

俺は奴がいきなり何を言ってるのか分からずに睨んでると奴はあきれた口調で話していた

 

「だって、君はあのときはあの可愛らしい羽織の女の子を守りきれなかったじゃない?殺しかけたという事実は変わらないでしょ?」

 

「…まぁ…確かにその通りだな。あの頃の俺はあの人を助ける事はできたが、俺がもっとしっかりしていたらあんなことにはならなかったというその事実は変わらないかもな……」

 

「(おや、挑発を乗らずに攻撃しなかった?それに彼の雰囲気が変わった?)へぇ、認めるんだ」

 

「だが、今はそれではない。今は……お前を殺すことだけが全てだ。お互いに遊びは終わりにしょうじゃねぇか?体も温もってきたなしな」

 

「とことん君はムカつくやつだな……。こう嫌がらせされると嫌いになりそうだよ」

 

「はっ……それはお互い様だろうが!!!」

 

俺はその言葉を皮切りに全速力で走りぶつかっていった。珠世さんの力も必要だが、それはまだまだ俺が戦う必要がある!

 




ここまで読んでいただきありがとうございます!
これからもよろしくお願いします!


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91話

あの日から俺は敗北を何度も学んで仲間にどういうところが問題なのかどういうところが改善したら良いのか色々な人に聞いた。時には蝶屋敷の子供たちに純粋な意見を聞いたり、真菰たちにも聞いたりしていた

 

「おらぁあ!!」

 

みんなに鍛えられたから強くなれた。だからこそ、この戦いはやつを必ず殺して勝ちをとるのが俺の使命であり恩返しだ

 

「おっとと、ずいぶん速い攻撃だね!!」

 

「っち、直前で回避したか……」

 

「危ない危ない……君本当にあのときの男?明らかにあの頃よりも速い攻撃が増えてるよね?」

 

「そういいながら回避しているから嫌みしか聞こえないね」

 

俺は構えながら飄々としてる上弦弐の動きを警戒していた。あの対二扇状は鋭い切れ味だし血鬼術はいくつもあるから厄介だよな……

 

「けどまぁ…よっと…!」

 

「上にとんだ?何をしてくれるのかな?」

 

「そんなのお前の頭をぶちのめすに決まっているためだろが……参ノ型 獅子落とし!」

 

「切り落としてあげるよ……え?」

 

俺は上の方に飛びやつの頭をめがけて攻撃をすると奴は扇で対抗してきた。普通なら切れ味で痛い思いをするが会いにくくそれを越しての対策もしていた

 

「足の方に防具を!?」

 

「これはお前相手用の防具だよ。その扇は嫌に鋭いからな。この日のために特訓して鍛え上げてきたんだよ」

 

「前の戦いではそんなのなかったのに、どこで仕入れたのかな……」

 

「強いていうなら仲間に忍がいたから取り寄せれたというべきだな…その腹立つ顔面は地面とでもキスしてろ…おおおお!!」

 

「ぐっ!」

 

俺は力をさらに込めるとやつの地面に亀裂が走っていた。そしてその地面は割れるが、奴はすぐに後ろに下がって飄々として笑っていた

 

「イヤー、重たい攻撃だったよ。本当に見違えるように強くなったね」

 

「お前に誉められても嬉しくない」

 

「照れない照れない。素直に評価されたら受け止めるのがいいのだぜ?」

 

「…っっ……本当に……ムカつくな」

 

俺はいつのまにか切られていた頬を軽く手の甲で拭きながら睨んでいた。こいつは本当にムカつくし、身体能力も無駄に高い

 

「そもそも……」

 

「うん?なんだい?」

 

「そもそもお前は鬼になってまで長生きしてそんなの楽しいか?俺はごめんだね。鬼は人を食って生きてるだろ?だが、日の光に浴びることできずに哀れな生き物だろ?少なくとも俺が知る鬼は二人は友好を持てるがてめぇらはそんなの感じないな」

 

「……」

 

俺の言葉に奴は飄々としてる雰囲気が消えていたが俺は構わずに言葉を続けた

 

「それと鬼と人の違いは命の大切さを知ってるか知らないかだ。俺達は生きている重みや今日をいきれなかった人たちの命の重みを知ってる。だが、お前達はそんなのないだろ?それは無惨をはじめとする連中がそうだろ?」

 

「あのお方を悪く言われるのは気分悪いな」

 

血鬼術 

 

奴は冷たい目で俺を見て攻撃してきたが俺は冷静にやつの言葉を反論して回避した

 

「はっ、図星か!?それともお前に怒りとかそんな感情はないと思ってるが、それは本当に怒りなのかな!?」

 

「あれを回避するとかうざいね」

 

「わるいな、俺はさんざんお前に苦虫を噛み潰したような気持ちをあじわされてきたからな。そんなのを次に味わうのはお前の番だぜ?それと……お前が死ぬ瞬間は生まれて初めて屈辱を感じれるのじゃないか?」

 

「……本当にムカつくなぁ。どうしてそんなひどいことを次々いうのさ?」

 

「だって、俺お前の事ものすげぇ嫌いだから。っていうか、鬼としてもっとも嫌いなやつ一、二を争うな」

 

因みに一位は無惨ね?というか無惨は本当に諸悪根元で俺たちの家族を苦しめた鬼の頭だし、しのぶたちの人生を大きく左右させた鬼の頭だから責任とって命を捧げろ

 

「よし、きめた」

 

「あ?」

 

「君は必ず俺が殺そう」

 

「違うな。お前が俺を殺すのではない……俺がお前を殺すのだ」

 

俺はやつの言葉を訂正するようにいうとやつは不愉快そうに見ていた。

 

「それとひどいことをいうなと言ったな?だが、俺からしてみたらお前達の方が遥かに酷いことしてるがな……拳の呼吸刀ノ型……」

 

「これは……!?」

 

「居合い切り」

 

俺は密かに隠していた小刀を取り出してすぐに振るうと、そこ攻撃直撃したかに思えたが……

 

「イヤー、今のは焦ったぜ」

 

「っち、完全な不意打ち攻撃できたと思ったが余裕かよ」

 

「嫌々余裕ではなかったよ。君があんな鋭い攻撃ができるなんておもわなかったよ。どれ、折角の不意打ちのお礼に俺も……」

 

「!?」

 

「蹴っ飛ばしてあげるよ」

 

俺はいつの間にか童魔に接近されていて、やつの右足のけりが俺のお腹に直撃して俺は壁の方まで吹っ飛ばされた

 

「ガハッ……」

 

「あれ?強く蹴りすぎた?ごめんね、痛かったでしょ?」

 

「(鬼だからというのもあるが力はそれなりにあるな。だが、やつはひとつ思い違いしてる)痛かったといえばまぁ痛かったな」

 

「へぇ、立てるんだ。頑丈だね」

 

「鬼と比べたら脆いと言われるかもしれないが、それはお前たちが自分達で鍛えてないから楽にしてるだけ。人間はな、鍛えれば鍛えるほど強くなるんだよ」

 

軽く体を伸ばして俺は体に付いていた埃を払いおとして目の前の上弦弐を見ていた。やつもまた無表情にみていた

 

「人間は不便だよね?」

 

「は?いきなりなんだ?」

 

「腕を失えば再生するわけではないし、長生きできる訳じゃないし、なにより……醜い生き物じゃない?」

 

「まぁ……否定はしないな。確かに腕を失えば再生できる訳じゃないし、内蔵を焼かれたら再生できる訳じゃない」

 

俺が激怒して切れるとおもっていたのか奴は面を食らったかおをしていた。俺はそんなことを気にせずに話を続けた

 

「けれどさ……鬼とは違って陽の光を浴びることも出来る。人と人とで笑いあうこともできる。喜怒哀楽がある……なにより……人は長生きは確かに出来ないが……一日一日全力で生きようとするのはそれはどんな宝石よりもどんな高い金を払っても手に入れることは出来ない今をいきる命の重みだ」

 

俺は全身に集中して神経を研ぎ澄ませてこれからが本番の戦いだ。しのぶたちが来るまでに決着をつけれるか……命を削ることが出来るか……

 

「空さん」

 

珠世さんが俺の方に声かけてきて、その目には手を出した方がいいかという意味での問いかけだった

 

「これは俺達の戦いです。今は手は出さないでください」

 

「……(今はですね)分かりました」

 

珠世さんは俺の言葉の意味を理解して待機してもらった。今回のこいつに勝つための戦いとしてまだあれを移すことはできない

 

「あの女どこかで見たことがあるけど今は君を殺すことを優先だね」

 

「ほさげ。やっと軽い準備体操が終わったな。これで思いきり暴れれるぜ……」

 

俺は目を閉じて改めてこいつを解放することを決意した。全てはやつを殺すために……

 

全集中 拳の呼吸 零ノ型 解除  




ここまで読んでいただきありがとうございます!次回もよろしくお願いします!


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92話

全集中 拳の呼吸 零ノ型 解除

 

俺の呟いた言葉はこの部屋に響き奴は怪訝そうに見てあきれた口調で指摘していた

 

「ってそれさ、確かその技は確か猗窩座殿に使っていた技だよね?それをしてまでも彼に勝てなかったのに、俺に勝てるとでも?」

 

「……そういえば、さっきの言葉にひとつ訂正あったな。俺は鬼は嫌いだ。人の命を奪う鬼は特にな……だが、俺は戦ったなかでもまともにやりあっても面白かった敵はアイツだ」

 

俺が思い浮かぶのは上弦参の男だ。確かにあいつは鬼で俺は人で相容れない存在だが、やつの拳は重みがあり強くなるという意思があった。意気投合することはなかったが、鬼ではなく人で時代も違えばきっとよきライバルときて鍛えていただろな

 

「アイツ?あぁ……彼のことだよね」

 

「猗窩座を知ってるのは当然か。仲間だからか?」

 

「俺はそう思ってるのだけど向こうにはうざいと思ってるのか攻撃的なのだよねー。ひどいと思わない?」

 

「思わないし、あいつの選択は正しい。ってか、やはりお前関係ならあいつとは仲良くなれるかもな。まぁ最も……あいつが鬼なのは残念だがな」

 

そういいながらも内心猗窩座が同じ人の身であればどれだけ楽しく修行できたのかと今ならそう思えるがな

 

「というか、猗窩座殿の戦いが君じゃなくってよかったの?何回も対峙してるなら増援した方がいいのでは?」

 

「まぁ、その心配はしてない。なぜなら、俺よりも最もふさわしい隊員が倒してくれると信じてるからな」

 

「ふーん」

 

きっと今ごろ猗窩座とぶつかり合ってるのはあいつらなら俺は安心して戦える。さて、そろそろこいつを本気でここで殺さないと

 

「さて、つまらない話は終わりだ。殺される覚悟はできたか?」

 

「あははは、それは君が俺に殺される覚悟できてるの間違いじゃないかな?」

 

お互いに毒を吐きながら俺達は沈黙を貫いていた。そして再びぶつかり合っては部屋に音が響いた

 

炭治郎side

俺は義勇さんと共に鬼を倒して走り抜けながらあることを思い出していた。それは俺が柱特訓をすべて終わらしたあと少し経過した辺りに空さんとの一対一での本気の戦いをしたことだ

 

『早朝に呼び出してすまないな、炭治郎。どうしてもこの時間をとってほしかったから呼び出したが覚悟はいいか?』

 

『はい!』

 

『本来は鬼殺隊同士の争いはご法度だ。だが、今からするのは鬼殺隊としての対決ではない。俺との個人訓練だ。因みに善逸も少しの間だけ特訓したし伊之助もしてる。そして最後にお前の特訓というわけだ』

 

『……!』

 

空さんは話からもだんだん重い雰囲気になってきて俺はその雰囲気に緊張していた

 

『お前が今必要なのは自分より上の人を多く戦うことだ。だが、柱はそんなに時間はとれないがそれを協力できるのは俺だ…本気で俺を殺すつもりで来い』

 

『殺すつもりて……』

 

『いいか、お前はすごいと思う。上弦相手によく生き残ってるし戦いに勝っている事も純粋にすごいと思う。だが、俺はお前に託しておきたいことがある』

 

俺はその言葉の意味をよくわからなかったが空さんはなにか覚悟を決めた顔で俺を語りかけていた。空さんはきっとその覚悟をなんの覚悟かは聞いても教えてくれないだろうけど……

 

『こい!そして、手加減はするな!』

 

空さんはそれを言うや否、構えていた。俺はその言葉に戸惑いを隠せないが空さんは俺になにか伝えたいと思って呼び出したに違いない!

 

『行きます!日の呼吸…壱ノ型…』

 

『拳の呼吸……壱ノ型』

 

『『波動/円舞!!』』

 

俺達はそこからどれくらい経過していたのかよくわからない。だけどあのとき本当に空さんも俺も楽しい時間だったのは覚えてる

 

『ふぅふぅ……まさかあのときの隊員がここまで強くなっているとはな……水の呼吸も日の呼吸も使ってくるとは……』

 

『空さんとはこうして手合わせするのははじめてだったのでどうしても水の呼吸も見せたかったのです』

 

『そうか……。炭治郎、恐らくこれからの戦いで最も過酷なときが来るだろう。だが、お前はお前を信じてくれる人がいる限り負けることはないだろう。お前はすごい子だからな!』

 

あの人の明るい笑顔を見て俺は必ず負けないと約束して修正点も教えたくれた。だから……

 

「カァカァ!!上弦弐と拳柱激突!また、拳柱増援二鬼殺隊協力者生存!!」

 

「「!!」」

 

烏からもたらされた情報に俺は気にしていたことが聞こえてしまった。生存者の方は珠世さんのことだから、空さんが助けてくれたのだろうけどぶつかった相手に俺は息を飲んだ。空さんは上弦弐は誰よりも憎しみを持っているのはカナエさん達から聞いていたし俺も知ってるけど、その空さんが……

 

「炭治郎」

 

「は、はい!」

 

「あいつは強い。(あいつを信じて俺達は)目の前に集中しろ」

 

「はい!!!」

 

そうだ!きっと空さんは必ず活きて帰るはずだ!だから俺も必ず無惨を殺すことがおれのやくめだ!

 

 

 

空side

俺は最大の速度で蹴りを放すと奴は顔すれすれで回避して扇を振り下ろそうとしていたが、そこは予想済で小刀を取り出して体を捻りながら振り下ろした

 

「へぇ、あの体制から刀を取り出して弾くの!!」

 

「ふぅぅ……拳の呼吸刀ノ型居合い切り!」

 

「こちらにもうひとつ扇あるのを忘れてるね?それ!」

 

「く!!」

 

俺の小刀と奴の扇がぶつかり、俺の体に幾つか傷が刻まれた。今の攻撃は血鬼術ではなく、純粋な攻撃だが、傷を刻まれるとは……!!

 

「本当にこの化け物め」

 

「それを君が言うかな?普通の隊員では刀を使うのが基本なのに君は拳で鬼を殺すなんて俺が鬼なら悪魔だね」

 

「ほう?なぜそう思う?」

 

「だって君は人を殺してるでしょ?それも仲間を二人も殺してる。弁明の余地もなく、無慈悲に残酷に殺してるじゃないか?」

 

「あぁ、裏切った隊員達の事をいってるのか?あの選択は後悔してないし、裏切るなんて言うのはもっての他だ……ルールを破って情報を漏らすなんていうの……最悪だろ?」

 

「ふふ、狂ってるね。男を救う趣味はないけど、救ってあげようか?」

 

拳の呼吸壱ノ型 波動

 

俺は動作を見せないで一瞬で攻撃を放すと奴は少しだけ慌てていた

 

「うわっ!?(これが零ノ型ノ効果かな?最初よりも異常に速い攻撃だった)」

 

「まったく……すこし黙れ。それと俺はお前に救われる必要はない。特の昔に俺は大切な人達に救われているからな」

 

俺に優しい世界をそして幸せなことを教えてくれたしのぶたちには手を出させない。こいつだけはしのぶたちから手を守らないとな……

 

 

 

 

そう、たとえ……俺が死ぬことになってでもだ………




ここまで読んでいただきありがとうございます!次回もよろしくお願いします!


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93話

最近フッと思ったこと…
今年の夏の思い出余りないような気がする……
そして、☆0の評価されてるのは、やはり嫌われてるのかぁ……
では、本日の投稿もよろしくお願いします!


お互いににらみ合いながらどちらが先に仕掛けるかタイミングを見計らっているとやつが対の扇を開きながら笑いかけてきた。その行動に俺は構えながら今知っている情報を照らし合わせながら試行錯誤してた

 

 

「距離はそれなりにあるがいったい何をするつもりだ……?」

 

「早速仕掛けさせてもらうぜ」

 

血鬼術 粉凍り

 

「あの技は接近しての攻撃は不味いな。ならば……」

 

拳の呼吸弐ノ型改 裂散切り

 

水面にきりかけるように俺は腕を思いきり振るうが、奴はあっさりと扇で弾いた

 

「へぇ……さすが何回も挑んでることはあって、危機感はあるね。うっかりと接近は仕掛けずに後ろに下がりながら攻撃するのか……やるねぇ」 

 

「(動きをとめるな!今なら走り込んで切り込める!)拳の呼吸 伍ノ型 迅速撃」

 

「うわ、速いね!けど回避できない動きではないよ!」

 

「回避するのは予想すみだ!ふん!」

 

俺は両腕を使っての奴の首を跳ねるために攻撃仕掛けるが、扇で受け流していた。そして、その隙に俺の首を跳ねようとしていたが片腕の肘でやつの攻撃を当てると軌道外れて軽い擦り傷ですんだ

 

「今の攻撃は余りむやみに仕掛けてはいけないな。あの扇もめんどくさいが余り時間かけてはダメだしな……さてさて……どうしたものか……?」

 

「おや、考え事かい?それはそれは……いけないね!」

 

「このうざい口調と扇をどうにかしないといけないな!!おらぁぁ!」

 

奴は喋りながら接近しかけてきたので、俺はすぐに奴の扇を左の小刀で防ぎながら右拳で奴の顔面を思いきり殴る動作をした。すると奴も空いていた扇で受け止めていた

 

「あれ?(いつの間に小刀を仕込んでいたのだろう?)」

 

「っち!」

 

俺はこの接近での呼吸を使っての攻撃は不味いと判断して後ろに下がって呼吸を整えていた。何度も何度もぶつかり合っていたが、奴の素早い攻撃で回避が精一杯すぎて決定的なの見つけれない

 

「……ふぅぅ…かすり傷を負わされたか…」

 

「いや~……驚いたな。あんなに速く人の身で動けるのは君がはじめてだよ。さすがの俺も焦ってしまったよ」

 

「は……皮肉ありがとう。そう思うならさっさと死んでくれや」

 

笑いかけながらも内心俺は信じられない気持ちだった。俺は持ちうる最大の速度で奴の首を跳ねるつもりでしかけたがあっさりと回避していやがった

 

「うん……でもすこし本気だそうか」

 

「あ?……っがふっ ……」

 

俺は奴の言葉に違和感をもち、なにか仕掛けていると思い警戒するといつの間にか俺は斬られていた

 

「確かに君のその零ノ型とやら最大の力を引き出す力あるみたいだけど……相手の動きを完全に読みきれる視力はないみたいだね」

 

「(速すぎて見えなかった……!止血の呼吸!)ゲホゲホ…化け物め…」

 

「えー?一瞬で止血するなんて君本当に人間?」

 

「人間だよ……ただし、貴様を殺すときだけは只の人間としてではなく、鬼を殺すための人間だがな」

 

俺は口元のついてる血を拭いながら口の中の血を吐き出して睨んだ。痛いと思ってる傷はいくらでもうけてきた。苦しいと思う傷はいくらも味わってきた

 

「全速力でぶっ飛ばす!」

 

「俺を全力でぶっとばすんだね?じゃあ……これはどうするのかな??」

 

血鬼術 冬ざれ氷柱

 

「………言ったよな?体が温もってきたと言うことに?」

 

「うん?」

 

「この程度の技はもう回避する必要はない!」

 

拳の呼吸 肆ノ型 炎天

 

俺は手足に炎が吹き荒れたのを感じとりその降りてくる攻撃を炎で対抗して打ち砕いていた。それを見たそいつは驚いていたがおどろくのはまだはやい!

 

「あの野郎の技を派遣させてもらうぞ」

 

「え?」

 

「拳の呼吸……漆ノ型!!!」

 

「なっ、その技は……!ぐうっ!」

 

拳の呼吸 漆ノ型 空撃破動

 

俺が出したその技に奴は初めて動揺を見せてその技をくらっていた。その攻撃は奴の至るところに打ち当たりイラついたように見ていた。

 

「っち、傷の再生は相変わらず速いなぁ………」

 

「驚いたなぁ。何で君がそんな技を使えるのかなぁ?」

 

「ふん、この技を完成させるのは本当に苦労した。あいつの技を完成させるのにかなり時間かかったからな」

 

「ふふ、それは間違いなく猗窩座殿の技じゃないか」

 

そう俺がこの技を放ったのは猗窩座の技を真似して完成させた技だ。あの武道野郎が出来て俺が出来ない筈がないと思い試行錯誤で作った技だ

 

「(腕がすこし痛むな…だがこの程度はまだやられる…!)ふぅぅ……お前たちは情報共有するだろうからこの日のために密かに作り上げた技だ」

 

「健気な努力をするの好きだねぇ?死に急ぎすぎじゃない?」

 

「逆にお前は長生きしすぎじゃないか?そういえば、お前たち鬼は金の概念も美味しいものを食べる概念もないからもう長生きしすぎてそれすら欠落してるんじゃないか?」

 

「本当に売り言葉に買い言葉。君はよく悪口をそんなに思い付くなぁ」

 

「俺は何べんも言うようにお前の事は特に嫌いだからな。もう一度言うめちゃくちゃ嫌い」

 

「なんで、そんなに嫌うのさ?君はいつも俺に会うたびに悪口言うなんて酷いよ」

 

「そんなの俺の大切な幼馴染みを苦しめたというだけで俺は怒り沸騰してるからな。それに……」

 

それに俺はこいつを今日こそここで殺さないとあの子達の未来が本当に危険な未来になる。そんなふざけた末路は……

 

「お前の存在そのものを俺は絶対に許すわけにはいかない」

 

「さっきは見たことがない攻撃だったし驚いただけど次はどうするの?」

 

「次?そんなの……」

 

全身に神経を張り巡らせて俺が今あいつを撃ち取るためにはかなりの速さと力が必要だ。それを失敗するとあとがキツいが……

 

「こちらが悪い賭けはあまりしない方がいいのかもしれないが……」

 

「(止血も速いし、呼吸は破壊されていないからまだ戦えるみたいだね。でも…)君がいくら足掻こうが俺には勝てないぜ?」

 

「出来る出来ないじゃない……やるかやらないかだ!ふぅぅぅぅ……!!」

 

俺は全身に神経を張り巡らせるのができたのを感じて、後はやつを殺すだけだ!!

 

「何を見せてくれるのかな?」

 

「……拳の呼吸……」

 

「!消え……!?」

 

奴の言葉を返事することなく最大の速度で奴の方に全速力で走り抜けていった。奴は扇を振りかざそうとするがもう遅い!

 

「がっ!!!」

 

俺は奴の首を貫いた感触があり、奴は苦痛の声を漏らしていた

 

陸ノ型 流星

 

俺の技は奴の首に直撃して、俺は力をいれるように叫びながら怒鳴った

 

「(よし、首を貫いた感触はある!)このまま黙って消滅しろ!!上弦弍ィィィィ!」

 

たのむ!俺の攻撃が通用してくれ!!奴の首を跳ねろ!!もう少しなのだから!!

 

 

そして…………

 

 

辺りに貫いた音が響いた……

 

 

 

 

 




ここまで読んでいただきありがとうございます!
これからもよろしくお願いします!


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94話

鬼殺隊に入った俺の始まりは間違いなくあの日の夜に鬼が俺の大切な両親を殺したことだ。そして、俺はその鬼は殺せなかったが、助けてくれた人が鬼殺隊という存在を教えてくれた。その組織に入り俺は今日まで多くのものを助けてきたし、なかには助けれなかった命もあった

 

『空兄さん』

 

『兄さん』

 

『空』

 

『『『空さん!』』』

 

『空君』

 

そんな俺をいつも暖かく見守ってくれていた大切な家族とも言える存在に支えられながら俺は生きてきた。そして、その幸せを奪いかねない奴を殺すために強くなってきたのに……

 

「ガフッ……」

 

俺の攻撃は確かに奴を貫いたはずなのに……なぜ俺が切られてるのだ……?俺は奴に貫くときに上の方まで持ち上げて攻撃したのに……

 

「ふふ、残念だね……。さすがの俺もとっさにあれを出さなかったらヤバかったよ」

 

貫いたと思った奴は俺の背後に立ち、俺のお腹を思いきり貫いていた。俺は苦痛のあまり血を吐きながら奴を思いきり睨んだ

 

「ガブッ……て……め……ぇ……」

 

「血鬼術 結晶ノ御子。こいつでとっさに身代わりをしたのさ。いや本当に君はよく頑張ったよ!勝てもしない努力をしてよく足掻いたね!俺は感動したよ!」

 

「…くそが…」

 

「あぁ、痛いよね!今抜いてあげるよ!」

 

奴はそういうや否貫いていた俺の体を抜くと俺は抵抗する力を失うように地面の方に倒れそうになった

 

「………」

 

地面に倒れそうになりながら俺は走馬灯のようにゆっくりと昔を思い馳せていた。楽しかったことや辛かったことを……そして、蝶屋敷の子供達を思い馳せながら地面に落ちていった

 

「空さん!!(まずい!彼には手を出さないでと言われていましたが、あの貫かれ方は不味い!私が駆け出しても上弦弐相手ではそのままたべられてしまう!間に合わない)」

 

俺は珠世さんの声が聞こえたが、体が今思うように動けない。あぁ、くそ……あのムカつく顔をやっと殺せると思ったのに……

 

「このまま地面に倒れそうだね!どうなるのか楽しみだよ!まだあがけるのかな!?止めをさしてあげるよ!」

 

「……」

 

奴のムカつく声が聞こえるが、今の俺は反論する気力もない……。奴が血鬼術を出すのを見てももうこのまま反論は出来ない。ゆっくりと地面の方に倒れていく俺が思い出すのは蝶屋敷の皆の笑顔だった……それを思い出した俺は小さな声で懺悔を呟いた

 

「皆……すまない……結局俺は弱い男だ……ごめんな……」

 

「いいえ、空は弱い男ではありません」

 

「(攻撃)おっと、新手かな?!!」

 

意識がもうろうとしてゆっくりと意識が遠くなりかけていた俺の耳には突如聞きなれた声が聞こえた。そんな聞きなれた声を聞いた俺は驚くと共に誰かが俺を抱き抱えてその場所を去った

 

「遅くなってごめんなさい……本当に……間に合って良かった……」

 

「間に合って……良かった……空兄さん……」

 

「しのぶ……カナヲ……ガフッ……」

 

倒れそうになっていた俺を助けたのは幼馴染みと妹だった。そんな俺は助けてくれたお礼を言おうとすると切られた痛みがまだあり、咳き込んでた。その状態をみたカナヲは悲痛にしのぶは悔しそうな顔をしていた

 

「(もっと早く着けば空はこんなことにならなかったのに……遅くなって本当にごめん……)…カナヲ、空をゆっくり地面に下ろしなさい。そして珠世さんはいますよね?」

 

「はい。しのぶさん」

 

地面に着地するなり、しのぶは珠世さんの名前をよぶと珠世さんはこちらに走りしのぶの意図がわかったのかすぐに医者のような顔つきになっていた

 

「治療道具はありますし、空の懐に包帯もあるのでそれを利用してください。私も手伝いたいところですが、カナヲ一人では負担がかかりますので……」

 

「わかってます。命の恩人をこのまま死なせるわけにはいきませんので私が助けます。だから貴方は思う存分にあのムカつく男を……やって来てください」

 

「お願いします……」

 

しのぶは珠世さんにお礼を言うと共にカナヲと共にそいつを睨んでいた。俺は二人を引き留めた

 

「ダメだ……二人とも……。二人も戦うなら俺も……カナエさんの時みたいな事は……」

 

「ふふ、心配してくれてありがとう。でも、私たちは大丈夫よ。カナヲと共に倒すから空は安静してそこで待ってて」

 

「はい。空兄さんを……私たちの大切な家族を傷つけたあいつを……許さない!!」

 

長い付き合いの俺だからわかるがあの二人はかなり切れている。俺がもっとしっかりとあいつを殺せば……しのぶ達は大丈夫だったのに……

 

「あれー?なんかすごく可愛い子が来たね?そんな弱い奴を助けなくっても良かったのに」

 

「黙れ」

 

「うわ、可愛い顔して一言目が黙れってひどいなぁ」

 

「黙れと聞こえなかったの?貴方は私の大切な兄さんを傷つけた。姉さんを苦しめていた奴がヘラヘラしても嘘の笑顔しか見えないわ」

 

「んん、兄さん?そんな男が君のお兄さんって似ていなーー」

 

奴の言葉は否定をしょうとするとしのぶが怒りながら牽制するように刀を振るっていた。その攻撃は奴は冷静に回避していたが、興味深そうに見ていた

 

「いきなり攻撃ってひどいなぁ」

 

「鬼があの子の言葉を否定するのは許さない。そして、あの子は空の妹でもあり私達の妹でもあるの。誰にも否定はさせないわ……」

 

「妹?ますます君たちの関係はわからないなぁ。でも君さっきから俺を怒って見ているけどなにか辛いことでもあったのかい?」

 

「辛いもなにもあるか……この羽織を覚えてないか!」

 

しのぶが自身の着てる羽織をつかみながら今にも怒り狂いそうに低い声で言うと奴は逆撫でするようにいった

 

「あぁ!花の呼吸を使っていた女の子かな?優しくて可愛い子だったよ。朝日が昇って食べ損ねていたの覚えてるよ。もっとも、そこの倒れてる男が邪魔してくれたせいでダメだったな……ちゃんと食べたかっ……」

 

蟲の呼吸 蜂牙の舞・真靡き

 

「……た!おっと、凄い突きだね!手で止めれなかったよ!」

 

「後ろががら空き」

 

花の呼吸 肆ノ型 紅花衣

 

「おっと!!いつのまにうしろに近づいたのかな!」

 

カナヲの攻撃を扇で弾きながら後ろに回避した。カナヲとしのぶは並び立ち上弦弍は後ろに下がりながら構えていた

 

「いやはや、いい連携だね」

 

「(なるほど、空がかなり毛嫌いするのがよくわかりますね。人を逆撫でしていくそのしゃべり方は本当に嫌いね)……カナヲ、今の動きは良かったわ。この調子でいきましょ」

 

「はい、師範」

 

俺の目の移る光景にはいつの日かの小さなカナヲが逞しく見えていつのまにか大きくなった背中に頼もしく感じた

 

「……しのぶ……カナヲ……ぐっぅ……」

 

「空さん動かないでください。止血の呼吸を続けながら傷口を塞ぎますので耐えてください」

 

珠世さんが急いで助けようとする俺をたしなめながら治療していた

 

俺はなんて……無力なんだ………

 

 




ここまで読んでいただきありがとうございます!やっと、今日鬼殺の刃の映画見れました……。やはり、日本のアニメや映画の技術はすごい!と思いました!
次回もよろしくお願いします!


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95話

しのぶside

私は今にも内心溢れんばかりの怒りが渦巻きながらも隣にいるカナヲの存在こお陰で落ち着いていた。目の前にいるのはあいつは、私の家族を傷つけさらに大切な幼馴染みを傷つけた……

 

「姉を苦しめたあげくに、今度は私の大切な幼馴染みの空を傷つけて……絶対に許さない……!」

 

「師範……」

 

「うーん、さっきの君の攻撃速いねぇ。確かに速いけれどそこは残念、突き技はじゃ鬼を殺せないよ?」

 

「突きでは殺せませんが毒はどうです?」

 

「ぐっ!?」

 

私が刀を鞘に閉めて音をたてると上弦弍は苦しそうに呻いていた。上弦に……上弦弍にこの毒が通用するか今わかる。姉さんおねがい……姉さん

私に力を貸して

 

「ガハッ!これは……累君の山で使った毒よりも強力だね」

 

「(やはり情報は共有されていた……毒は諸刃の剣)……」

 

「調合を鬼ごと変えてるってあの方も仰ってたなぁ……ゲホゲホ!!グッ」

 

私の毒に苦しんでいたそいつは急に止まったと思うと笑い声をあげながらいってきた

 

「あれぇ?毒分解できちゃったみたいだなぁ。ごんね!せっかく使ってくれたのに」

 

「そんな……」

 

カナヲが悲痛な声をあげながら私の攻撃が鬼に聞かなかったことに驚いてたが私はたいして動揺してない。何度も対峙してる空から聞いてるからこの事も想定内だけど少し腹立つね……

 

「その刀鞘にしまうときの音が特殊だね。そこで毒の調合を変えてるのかな?うわーったのしい!!」

 

「楽しい……?毒を喰らって楽しいという感覚は狂ってる……」

 

「カナヲその意見は同意します。やはり、あなたは頭がおかしいですね。貴方が私たちに殺されたら治るのかもしれませんね」

 

「次の調合なら効くと思う?やってみょうよ毒を喰らうのっておもしろいね!癖になりそう!」

 

「(さらと聞き流しましたか)そうですね、いいですよ…まぁこの辺りまで想定内ですから。カナヲ、行きますよ」

 

「はい!」

 

なんとかこの男の首を刈り取るのを手段を判明しないときついわね。毒でどこまで対抗できるかと……カナヲと協力してどこまで行けるか……

 

「師範、空さんからあいつ相手に不用意に接近はダメだといってました。恐らく、向こうはいつどのタイミングで肺を潰しに来るかわかりませんが……」

 

「えぇ。普通は厳しい話でしょう。ですが、今はカナヲがいる……それに」

 

私は今も珠世さんが必死に空の出血を止血してくれていた。それをみて私は今まだ動けないだろうと判断してカナヲに話した

 

「カナヲ、以前の私ならあいつごとをと考えてました。しかし、今の私は違う…_生きてあいつを倒す……だから協力して!」

 

「はい!」

 

私の言葉にカナヲもしっかりとした返事してくれた。さて、私は目の前のあいつをどう切り込むか……あの扇はきっと肺を殺すの仕込んでるに違いない

 

「だったら速い速度で切り込む!」

 

「お、君から来るのかな?!」

 

蟲の呼吸・蝶の舞・戯れ

 

この技は普通鬼の目にも止まらぬ速さで、すれ違いざま剣に仕込んでいた毒を何度も打ち込んでいく技でそれをあいつの全身に打ち込んだ

 

「うわー、本当に速いね!だけど、後ろががら空き」

 

「あら、私一人で攻めるといった覚えはないですよ」

 

「え?」

 

花の呼吸 肆ノ型 紅花衣

 

「おっと、なかなか良い連帯感だけど俺の首には届かないよ!それにさっきも見せてくれた連帯をそう簡単にやられないよ!」

 

「く!(不意打ちの攻撃を扇であっさり止めるなんて身体能力高い!それを二回も防いでる…!空さんはこんな相手を3回も対峙していたなんて…!)」

 

「グッ、また毒か……まぁでも……ほいっと!」

 

カナヲの攻撃はあっさりと防ぎ、そして私達の方から距離を避けて毒を分解していた

 

「ぶはー……イヤー、君の毒は本当に凄いよ!本当に癖になりそうだよ!」

 

「(今の攻撃も毒を分解した……本当に上弦は厄介ね)空に聞いておいて本当によかったわ。じゃないと、少しイライラしますからね」

 

「じゃあ今度は俺がお礼に……」

 

血鬼術 蓮葉氷

 

「君達を救ってあげよう」

 

「(いつの間に…!)」

 

上弦弍がいつの間にか接近して扇を振って前方に蓮の花と葉っぱを模した氷を作り出していた。私とカナヲは不味いと思い下がったが……

 

「腕が凍った……?!」

 

「っこれは不味い……」

 

「へえ、回避能力は高いんだね!」

 

私達はあの攻撃で一部凍っていたことに驚いていた。今のは完全に回避できた筈なのに何故私達が今凍らされた……?

 

「ほらほら、次行くよ?」

 

血鬼術 蔓蓮華 

 

花の呼吸 弐ノ型 御影梅

 

「調子に乗るな……!」

 

「へぇ、あれを相殺するのか………。すごいなぁ」

 

あの男は驚いたように言うけど、あれは明らかに嘗めている……!でも怒ってはダメ……

 

「助かりました、カナヲ。あれを弾くのは一苦労ですね」

 

「大丈夫ですか師範」

 

「ふふ、中々やるみたいだね……あとどれくらい足掻いてくれるかな?」

 

小馬鹿にしたように話すがあれは明らかな挑発だ。空が教えてくれた情報では異常な身体能力とあの扇は私達の肺を破壊する力があるということ……

 

「もっと楽しませてよね」

 

「カナヲ、慣れてきましたか?」

 

「はい」

 

私の問いかけにカナヲはどうやら慣れてきたみたいなので私も気持ちを落ち着かせてあの敵を見据えていた

 

「確かに上弦という実力はあるみたいだけど……確かなことは一つだけ言えることがあるわ」

 

「ん?なんだい?」

 

私は感じたことをその敵に見据えてはっきりといった

 

「今宵ここで私達に殺されるのよ」

 

「俺が?君達に殺される?」

 

「師範の言う通り、私の大切な兄を苦しめた貴方は今夜ここで死ぬ……いえ、私達が殺してみせる」

 

「あははは、面白いことをいってくれるよね!その通りになるのかやってみなよ」

 

彼は狂喜の顔で扇を振るうの同時に私たちも再び刀を構えた。もう空に負担をかけたくないのと私達を苦しめるあいつとの因縁をここで必ず終止符つける!

 




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96話

善逸side

俺は変な屋敷にたどり着いて最初は戸惑ったが、鬼を倒していくと共に俺はあの男がいると理解できた

 

「確実にあいつがいる……絶対に許さない……!」

 

あいつがいると思われる場所に俺は走りながら、あの日の事を思い出した。あの日は柱稽古の最中だった俺は空さんに呼ばれて蝶屋敷に向かっていた

 

『空さんからの呼び出しってなんだろ……まさか、俺がこっそりと空さんの食べ物をまた食べてしまったことをばれてしまったのか!?ヤバイ、ヤバイ!絶対に今度こそあの拳骨食らったら俺死ぬよ!?』

 

そう、昔俺は空さんの隠していた食べ物をこっそり食べてしまったのだ。ちなみに伊之助も共犯で拳骨を食らって頭がものすごい痛かったのは覚えてる

 

『アオイちゃん、空さんの部屋案内してくれない?』

 

『は、はい!すぐに案内します』

 

『?』

 

俺は蝶屋敷に着くとアオイちゃんを見かけたので空さんの部屋の案内を頼んだのだけど、アオイちゃんは少し反応が遅かったた。今思えば、アオイちゃんもあの事情をたまたま聞いてしまったのかもしれない

 

『空さん、連れてきました』

 

アオイちゃんの言葉に空さんは重苦しい声で返事していた。部屋に入ると、空さんがものすごく疲れていた顔をしていたのと、側にはカナエさんがいた

 

『来たか……』

 

『しのぶさんは?』

 

『しのぶは少し柱事情で抜けていてな……カナエさんは少し話付き合ってくれたのでここにいる。急に呼び出してすまんな……』

 

『あ、いえ……』

 

いつもなら空さんは明るい雰囲気とか少し呆れた顔をしたりするが、今の空さんは本当に精神的にまいていた顔だった。俺は気になりながらも空さんに向かい合わすように座った

 

『あの……どんな用件なのですか?』

 

『善逸……すまなかった!!!』

 

突如空さんが俺に土下座していた。そんな俺は何故空さんが土下座したのか本当にわからず叫んでいた

 

『え!!?空さん何で頭下げてるの!?え?!』

 

『すまない……本当にすまない!!』

 

『ちょ…状況が追い付かないのですけど!?頭あげてください!』

 

『……空君、善逸君に話をしないとわからないと思うわ』

 

カナエさんに言われた空さんは頭をあげて姿勢をただして改めて俺に謝ってきたわけを教えてくれた

 

『お前…桑島さんの弟子なんだろ……』

 

『え!?じいちゃんの事を知ってるの!?』

 

『少しな……そしてお前の兄弟子がいるよな?』

 

『は、はい。獪岳のことですよね?』

 

俺は空さんが獪岳と接見あったことに驚きながらも何故こんな話をしてるのかわからなかったが、空さんが決心したように話を切り出してくれた

 

『………お前の師匠桑島さんは亡くなった……』

 

『…………え……』

 

『死因は切腹による出血死……そして、その切腹の時に俺が立ち会って桑島さんの最後を見届けた』

 

俺はそれを聞いて真っ白になり一瞬何をいってるのかわからなかった。じいちゃんが死んだと言うことと空さんがその切腹に立ち会っていたと言うことを聞いて気がつけば俺は空さんの胸ぐらを掴んでいた

 

『どういう……どういうことだよ!?何でじいちゃんが切腹しないといけないんだよ!?空さん!!』

 

『……』

 

『善逸君、空君もこんなことはしたくなかったのよ。最後まで説得をしたのだけど……』

 

カナエさんの言葉に俺はますますわからなくなっていた。空さんは立ち会っていてたけど最後まで説得していたということに疑問を感じていた

 

『……善逸君、空君の胸ぐらつかむのやめてあげて』

 

『は、はい……空さんもごめんなさい』

 

『いや、気にするな……。お前にとって桑島さんがどういう存在なのかも聞いていたし、桑島さんからもお前達の事を聞いていたから』

 

『……』

 

『桑島さんは責任をとって切腹したのだ。……お前の兄弟子獪岳の裏切りでな……』

 

『……え……』

 

俺はその日2度目の深いショックを受けた。空さんはゆっくりと事の状況を話してくれてそして、お館様や師匠であるじいちゃんに報告と相談をした結果、じいちゃんが責任をとって切腹したのだと……

 

『止めれずすまなかった……』

 

空さんはそんなじいちゃんを説得できなかったことと兄弟子の裏切りを止めれず申し訳ないといってきた。空さんはそこで少しだけ教えてくれたのだが、昔は鬼殺隊に裏切り者出た場合は空さんが後始末する役目だったと教えてくれた。獪岳が裏切ったと聞いたとき空さんは、すぐに獪岳の調査を訪れたりしていたみたいだが手がかりはつかめなかったと……

 

『善逸君、空君は本当に最後までなんとしてくれていたのよ……』

 

カナエさんの言葉に俺は本当に空さんは色々動いてくれていたのがわかっていた。聞けば、裏切り者の弟弟子とはならないように情報を防いでくれていたみたいだ

 

『空さん胸ぐらとかつかんでごめんなさい』

 

『いや、良いんだ……』

 

俺はよくよく空さんの顔を見れば疲労感が本当に出ていて大変だったのが伺える。そして、空さんは懐から手紙を取り出して俺に渡してくれた

 

『桑島さんからの頼みで最後の遺言と手紙を頼まれた……』

 

『……』

 

『手紙にはお前に対する事をたくさん書いてると言うことと……遺言はお前をおいていくことになってすまない……と』

 

『っっ~!!』

 

俺はその言葉を聞いてもう涙が止まらなかった。じいちゃんは本当にもういないと言うこととあいつが裏切ったということが俺の心に重くのし掛かっていた。その日は空さんの計らいで柱稽古を一日休ませてくれるよう働きかけてくれた。結局俺はその日色々なことを考えていて朝を迎えた

 

『……善逸君』

 

カナエさんが気を使うような声をしていたので、俺は振り向くと本当に心配ですと言わんばかりの顔だった

 

『少しは……落ち着いた?』

 

『まぁ、少しは……』

 

『善逸君はこれからどうするの?』

 

『……俺はじいちゃんを死に追いやったあいつを許せない。でも、あいつを殺してもじいちゃんは帰ってこない……』

 

そう、あいつを殺してもじいちゃんは生き返るわけではない。死んだ人間がこの世に帰ってくるというのは現実上あり得ないのだから……

 

『だけど、あいつはきっと多くの人を殺すことになる。だから俺が……弟弟子の俺があいつを止める』

 

『……』

 

『復讐とかではなく、桑島師匠の弟子としてけじめをつけるから』

 

俺がそこまでいうと頭を撫でられる感触がしたので振り向くと、空さんが安心した顔で俺を見ていた

 

『それならもう安心だな……善逸、柱稽古は今日から再開してもらうが、お前には新しい型があるのだろ?それを頑張って開発して……あのバカを止めろ』

 

『……はい!』

 

俺はその日からがむしゃらにあいつを止めるためにそして、じいちゃんの無念をはらすために努力を重ねてきた。時にはカナエさんや空さんに指導もしてもらいながら、しのぶさんもたまに俺の戦いにおいて足りない面と指摘してもらってくれた

 

「いるんだろ…出てこい。そこにいるのはわかってる」

 

 

「口の聞き方がなってねぇぞ、兄弟子に向かって。少しはましになったようだが、相変わらず貧相な風体してやがる。久しぶりだなァ、善逸」

 

どの口で兄弟子という……お前のせいでじいちゃんは死んでしまった……そんなお前が俺の兄弟子?笑わせるな……

 

「獪岳。鬼になったお前を俺はもう…_兄弟子と思わない」

 

俺はこの日のために……あいつを撃ち取るために強くなったのだから……




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97話

しのぶside

私とカナヲはあれから何度もあいつの攻撃を回避しながら切り込んでいたがなかなか決定的な仕留めるタイミングがとれない

 

「はぁはぁ…手強い…これが上弦弐……カナエ姉さんを傷つけた敵」

 

「わかってはいたですが……本当に上弦は化物ですね」

 

お互いにボロボロになりながらも致命傷は負っていないし、呼吸も破壊されてないし、まだ大丈夫。対するあいつはヘラヘラしながら笑っていた

 

「イヤー、なかなか楽しませてくれるね!えーと、そう。しのぶちゃんの毒もなかなか面白かったよ」

 

「気安く私の名前を呼ぶな」

 

「えーつれないな~。そんなつれない君に……」

 

「(早い!下手に呼吸をするより防ぐことをーー)」

 

「こういうのをあげるよ」

 

血鬼術 粉凍り

 

上弦弐は凍てつく血を扇子で操り、強烈な冷気を散布していた。私達はこれを吸っては不味いと思い全速で下がった

 

「へぇ、よく下がったね!でもーー隙だらけだね!」

 

「師範!」

 

「(攻撃が速すぎて見えなかった……!)肩を軽く切り裂かれた……っ!?」

 

私は上弦弐にいつの間にか接近を許して切り裂かれていた。思わず切られた私は地面に座り込み、刀を地面に刺しながら吹き上がる汗がとまらなかった

 

「ちぇ、少し切るの甘かったかな?まぁ、次は肺胞を壊滅させて殺せばいいや」

 

「っっ……」

 

「でも、そのままさせていても苦しいだけだからとどめを今差してあげるね」

 

「させない!」

 

花の呼吸 肆ノ型 紅花衣

 

「おっと、あぶないあぶない!」

 

カナヲが上弦弐に攻撃を仕掛けると、向こうは私たちと距離をとっていた。私はカナヲが稼いでくれた時間で止血をしながらも呼吸は肺胞こそはやられていないが、あまり長く持たないかもしれない

 

「(あれを肺凍らされていたら本当にヤバかった……)カナヲ、助けてくれてありがとう」

 

「いえ」

 

「いやー、すごいね!しのぶちゃんもよく吸わなかったね!」

 

「(空が色々教えてくれたからこれですんでいるけど、もし聞いてなかったら今ごろ……くっ、ここまでの力の差があるなんて)」

 

どうすればこいつを殺せるのか必死に考えていた。空も今は全身ボロボロでまだ治療が終えてないし、私も呼吸こそは無事だがあいつを切るための力はない……

 

「カナヲ、まだ続けますから、頼みますよ」

 

「……はい!」

 

私の言葉の意図を察したカナヲは、覚悟を決めた顔をしていた。私も最悪はあれをする覚悟で刀を差し込み、呼吸を整えた

 

「次はどんな毒を見せてくれるのかな?」

 

「(力を貸して……皆!)柱を嘗めないでくださいね!」

 

蜻蛉の舞・複眼六角天

 

「(突きの攻撃がやはり速い)」

 

私は連続の突きの攻撃であいつを毒で盛り込もうと攻撃すると向こうは対応できず、まともに食らっていた

 

「イヤー、速いね!今まであった柱で速いかもしれないよ。でも……」

 

「(毒の耐性がついてしまっている)っっ!?」

 

「攻撃は速いけど、毒じゃなく頸で切れたらよかったのにね」

 

「(そんな……毒で今まで鬼を倒してきたのにここまで通用しないものなの!?)嘘でしょ……」

 

「でも、よく考えたら君が俺の首をとるのは無理だね!だって、君は小さいから俺の首をとるなんて不可能だものね!」

 

私はその言葉を聞いた瞬間、今まで閉じ込めていた思いがあった。私はなんで手が小さいのだろうか?なんで身長小さいのだろうか……ほんの少し体が大きかったら鬼の首を切っていたのだろうか……

 

「君の力では俺を殺せないよ。君は無力だよ」

 

「私は……無力……?」

 

「ちがう!」

 

上弦弐の言葉に私の心は絶望しかけていると、カナヲが大きな声で否定してくれていた。私は顔をあげるとカナヲは上弦弐を睨みながら言い返していた

 

「なにも知らない癖に師範を……しのぶ姉さんを馬鹿にするな!」

 

「カナヲ……」

 

私はその言葉を聞いて己が勝手に絶望していたことに恥を感じていた。あの子はあの子なりに頑張っているのに姉である私が諦めるなんて…そんなの違うよね……姉さん

 

『諦めるな……!お前の突きの攻撃は誰よりも強いのだから諦めるな』

 

私はその声が聞こえた方向に振り向くと、今も必死に治療されてる空の声が私を励ましてくれたような気がした

 

「……ほん……とうに……こういうときも励ましてくれるなんて……最高の幼馴染みね……」

 

空……私はあなたの努力や前向きにすごく感心していたのですよ?そして、蝶屋敷は血は繋がっていないこそ、私達姉妹にとっては貴方も大切な家族の一員なのは変わらない……

 

「えー、まだ戦う気でいるの?さっきまで俺の言葉に絶望していたのに……優しく殺してあげるよ?」

 

うるさい……こいつは私を嘲笑っているがその嘲笑えるのは自分が優位に立っているからだ。そして、こんな奴に心を折らされていたなんて屈辱よ……

 

「あの男もそうだけど、何で心が折れないのかな?完全に心をへし折れてるはずなのに」

 

うるさい……お前が空の事何一つわかっていないからそんなの分からないのよ。空は誰よりもお前を殺すために努力をして来た……誰よりも私達を守ろうと必死に強くなっていた。そんな、空をわかった風に喋るな

 

こいつの言葉はあきらかに挑発してるのが明確。大方こいつは私を怒らせて自滅でも追い込ませようとしていたのかもしれないけど……

 

「大切な幼馴染みを馬鹿にされて戦うのを諦めるほど私は優しくはないわよ……。カナヲ、カバーお願いね」

 

「ん?何をするつもりだい?」

 

「あなたは私に言いましたね?小さいから無理だと……では、小さいなりに……」

 

小さいなりにあなたの首を取りに行かせていきますよ……その言葉を必ず後悔させて見せる。姉さん、アオイ、すみ、なほ、きよ……そして、かっての私達の継子……力を貸して!

 

「小さいなりに抗っていきましょう……」

 

蟲の呼吸 蜈蚣の舞・百足蛇腹

 

すべての思いをぶちこんであの上弦弐に向かって走り込んでいった。向こうは私の速さに驚いて、扇を振るってるけど…そんな攻撃が来るのは予想済みだから慌てることはなかった。冷静に回避もしながらあいつの首を刺してを天井の方まで飛んでいった………その刃があいつに通じると信じて………

 




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98話

しのぶside

私は蟲の呼吸蜈蚣の舞・百足蛇腹であいつの首を貫き天井まで飛んで刺すと私はこれまでの事を思い出した

 

『ほら、空遅いわよ!』

 

『いや、お前が歩くの速すぎるんだよ!?』

 

『あらあら、しのぶそんなに急いだら怪我するわよ』

 

あの頃は空も姉さんも勿論私も幸せに生きていた。鬼という存在知らずに皆で笑いあって楽しくお父さんもお母さんもいて、毎日楽しかった

 

『空……?』

 

けれど、そんな幸せな時間を破壊されて初めて薄い硝子の上に乗っていたものだと気づいた。空の家族も失い、空も行方不明になっていた。そして、立てつづくように私達の両親は鬼に殺された。そして、私達はあの日から約束した……

 

 

『鬼を倒そう。一体でも多く……二人で私達と同じ思いを他の人にさせない』

 

その約束を胸に私も姉さんも強くなってた。そして、そんな強くなって鬼殺隊に入ってあいつと再会して……再会した時は愕然とした

 

『しのぶ……カナエさん……?』

 

あの頃のあいつは目が死んでいた……というよりも、鬼を相手に無表情で……正直、あの頃のあいつは私達が見ていられないくらい荒れくれいた。無慈悲に鬼を殺して……殺しまくっていた……そんな、あいつを見ていられなかった私達は何度も何度も話し合いぶつかり合い、そしたあいつはあの頃のあいつに戻った……。そして、カナヲや今いる蝶屋敷の子達も出会って楽しい日々を送っていたが、鬼は二回目の幸せを私達から奪った

 

空の消息不明と姉さんが死にかけたという事が今でも私にとっては苦い思い出だ。空は責任を感じて私達の前に姿を表さなくなり、やがて鬼殺隊でも空の悪い噂も消えたが……それでも空が帰ってくることはなかった……

 

空が消息不明になって数年経過して、私達はいつもと変わらない日常だったが……思わぬことで日常が変わり果てた

 

『しのぶ様!空さんが……空さんが!!』

 

『え……空が……?』

 

あの日の夜にアオイから報告を聞いて私は驚きと共に数年も姿を見せなかった空がなぜ蝶屋敷に?と思っていた。そして、私はその時改めて自分の罪深い事を思い知った

『なんです?そのゲッという顔は……?黙りですか……まぁいいです。そこに座ってください』

 

空と再会したとき最後に見たときよりも全身の状態がひどすぎていたし、今でもよく生きていたなと思う状態だった

 

空の状態を見て軽口を叩きましたが、空は本当に申し訳ないという顔とまだ自分を責めていたのが丸分かりでした……

 

ねぇ、空?あのときは私は貴方に色々なことを言っていましたが、私はあなたが生きていて嬉しかったのと同時に私のせいで空が辛い思いしたのは本当に許せなかった。そして、貴方を苦しめた上弦弐を許せなかった

 

『怒っていますか?』

 

不意に炭治郎君のあの日の夜の言葉を思い出した。そう、私は怒っているんですよ、炭治郎君ずっと、ずーっと怒っていますよ。あぁ、勘違いしないでほしいのよ…親に殺されたとき、姉が死にかけて空もボロボロになっているのもカナヲ以外の継子も殺されたとき時も……あの子達だって本当なら鬼も殺されてなかったら今も家族と幸せに暮らしていた

 

「本当に頭にくる……ふざけるな馬鹿……」

 

落ちながら私は目の前にいる上弦弐の顔を見て毒づいた。何で毒効かないのよ、馬鹿野郎!

 

あいつが迫ってきてカナヲが助けようとしていたけどそれよりもあいつが早く私を抱き締めていた

 

「(あぁ汚らわしい……!)」

 

抵抗したいのに思うようにからだが動けない。そして、あいつは私を逃がさないように抱き締めてーー

「偉い!!よく頑張ったね!俺は感動したよ!」

 

「(ふざけるな…貴方に誉められても嬉しくない…)」

 

「全部、全部無駄だというのにやり抜く愚かさ!これが人間の儚さ人間の素晴らしさなんだよ!君は俺が食うにはふさわしい人だ!永遠と共に生きよう!言い残すことがあるかい!?聞いてあげるよ!」

 

ふざけるな…ふざけるな!そうもおっていた矢先に私の耳には頼もしい声が聞こえた

 

「そうだな、しのぶは優しいから汚い言葉をはいてほしくないので、俺が代わりに言おう。ぶっ飛ばされて地獄に落ちろ……糞野郎」

 

拳の呼吸 陸ノ型 流星

 

「え……がは?!」

 

突然横から速い速度で上弦弐の顔を思いきり殴り飛ばした。そして、その攻撃したそいつは私を抱き締めながら上弦弐に向かって毒づいた

 

「しのぶはな……お前が……鬼達が触れていいほど気安い女ではないんだよ……そして、こいつを馬鹿にするな!!」

 

「……遅いわよ……馬鹿……」

 

本当にいつもいつも助けるのは遅いのだから……だから空は彼女もできないのよ

 

「遅くなって悪い、しのぶ」

 

空は私に安心させるように笑いかけてくれていた。そして、側に珠世さんとカナヲが急いで駆けつけてくれた

 

「しのぶさん大丈夫ですか?」

 

「しのぶ姉さん!」

 

「珠世さん、しのぶの傷をお願いします。しのぶは少し休憩しとくように……カナヲは行けるな?」

 

「はい、空兄さん」

 

カナヲが今まで見たことがない表情で上弦弐をにらんでいた。あぁ、こんな事を言うのはあれだけど……この子も本当に大きくなってくれて感情も出すようになって……

 

「しのぶさん、すぐに治療します。………大丈夫です、私も必ずあの上弦弐を倒すの協力します」

 

珠世さんは安心させるように笑いかけてくれた。そして、空の方をみると……

 

「本当に…俺が動けない間好き勝手に大切な幼馴染みを悪口いってくれたな」

 

「いたた……君がまだ戦えることに驚きだよ」

 

「無惨も嫌いだが、俺の大切な幼馴染みを手を出したお前はもっと嫌いだ。俺達でお前を殺してやる……」

 

空の全身には噴き上げる闘争心が出ているのを私は見えていた

 

必ず復活して助けるから…今度は空がお願い……




ここまで読んでいただきありがとうございます!次回も宜しくお願いします!


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99話

本当に……本当に今の自分はふがいないと思うぜ。大切な妹のカナヲや大切な幼馴染みがあんなやつに苦しめられて……さらに、俺が倒れていたせいでしのぶが痛い思いをしてる……これがふがいなくないとは言えないだろが……!

 

「本当に遅いわよ……」

 

「いな、本当にすまねぇ……もう、倒れないように頑張るよ」

 

「そう……。少しだけ休んだら助けにいくから……そしたら今度は3人であいつを…」

 

「だな。珠世さん、お願いします」

 

「えぇ…頼まれたこともしっかりとしますので気を付けてください」

 

しのぶを珠世さんに託して俺は凝り固まった体をほぐしてムカつくあの男が起き上がって俺を見ていた

 

「イヤー……まさか、今の不意打ちは本当に焦ったよ。さすがの俺も今の攻撃は首が飛ぶかと思ったよ?」

 

「嘘つけ」

 

「空兄さん!」

 

「カナヲもすまねぇな。辛い思いをさせたな……」

 

頭を撫でてゆっくりと歩くとカナヲも共に刀を構えて歩いていた。止血の呼吸をしながら零ノ型も継続させていたが今ほど最高の状態は中々ないな

 

「さぁて、早速……」

 

「ん?」

 

「ぶっ飛べ」

 

拳の呼吸 壱ノ型 波動

 

「がっ!?」

 

「(空さんがそういう攻撃しかけたということは!!)花の呼吸……」

 

花の呼吸 肆ノ型 紅花衣

 

「おっと!」

 

血鬼術 枯園垂り

 

上弦弐は起き上がってすぐにカナヲの花の呼吸を血鬼術で対抗をしていた。カナヲは悔しそうに下がりながら刀を構えるのに対して、奴はニヤニヤしながら笑っていた

 

「イヤー、今の連帯面白いね!ところで俺を攻撃した君は何者だい?男の名前は興味ないけど君は興味あるね」

 

「…カナヲ…胡蝶しのぶ、胡蝶カナエ、夛田空の妹だ」

 

「えー?さっきから君達を観察したときどうも血の繋がりがないし、兄妹っていっても似ていないのに…!ね」

 

「ふん!人の妹をとぼしめるな、語るな(っち、踵落としで頭ぶちのめそうとしたが、扇で弾きやがったか!)」

 

俺は回転して地面に着いて、カナヲの前に立ちふさがっていた。奴は興味深そうに見ていたが、おれはそんなのどうでもいい

 

「拳の呼吸、花の呼吸、蟲の呼吸……本当に鬼殺隊は面白いものを産み出すね!」

 

「空兄さんそんなに激しく動くとまた血が……」

 

「今は大丈夫だ。優秀な医者が二人もいる上に優秀な妹がいるから俺は思いきり暴れることができるから、心配するな」

 

俺が安心させるように笑いかけると、カナヲもホッとしていた。そして、俺は奴の次の動きを警戒すると奴は変な声をあげていた

 

「いや本当にさっきから無視するなんて酷いなぁ……ってあれ……?猗窩座殿……もしかって負けたの?」

 

「「?!」」

 

猗窩座が負けたということは亡くなった?ということは炭治郎がやったのか?それとも誰か倒したのか?いずれにしても上弦参を倒したのは大きな成果だ

 

「猗窩座殿は一瞬、変な気配になったけど気のせいだよね?何か変な生き物になるというか……死んじゃったからもうわからないや」

 

「(猗窩座は死んだのか……俺はあいつとの決着もつけたかったが……そこは仕方がない)俺達も全力であいつを殺すぞ」

 

「はい」

 

猗窩座が一瞬変な気配というのは気になるがそこは気にしてはいけない。ならば俺がとるべき相手は今こいつをどう殺すかだ

 

「にしても、その女の子も柱の子もなかなか可愛いよね。そういえば、猗窩座殿は女の子を絶対に食わなかったなぁ」

 

「ほう?(鬼になっても女は食わない……それはあいつの何かの過去に関係するのか?)」

 

「俺は言ったんだよ?女は腹の中で赤ん坊を育てられるくらい栄養分を持っているんだから女をたくさん食べた方が強くなれるって…だけど、猗窩座殿は女を殺さないし食わないんだよ!」

 

「やっぱり俺はゲスなお前より猗窩座の方がまだ好印象持てるな」

 

「酷いなぁ。でも、猗窩座殿は死んでしまうなんて…悲しい。一番の友人だったのに」

 

上弦弐は泣いているが、俺はあいつが泣いてるのは嘘の感情にしか見えない。それにあいつの言葉はさっきから気分悪くしか聞こえないな……

 

「もういいから。もう嘘ばかりつかなくって良いから」

 

「何?」

 

「カナヲ?」

 

カナヲがゆっくりと前に歩きながら上弦弐に対して次々と厳しい言葉をいっていた。俺の知るカナヲはこんな事を言わないはずだが……?

 

「空兄さん、少し下がっていてね?今度は私が前に出るから」

 

「カナヲ、いやそれは俺が役目……」

 

「下がっていてね?」

 

「はい……」

 

カナヲにいった言葉は俺が前線で切り込んでカナヲが隙を見て刺すという作戦だったのだが、何やらカナヲはどうしてもいいたいことがあるみたいだ……

 

「嘘つきってどういう意味かな?」

 

「あなたの口から出る言葉は全部出任せだってわかる。悲しくなんてないんでしょ?すこしもあなたの顔色は全然変わってない。貴方はさっき、一番の友人が死んだのに顔から血の気が引いてないし、逆に怒りで頬が紅潮するわけでもない」

 

「それは鬼だからだよ」

 

カナヲの言葉に奴は否定してるがカナヲはなおその言葉に否定しながら話を続けていた。俺もこんなカナヲは初めてみたので少し離れてるが驚いてた

 

「貴方……本当はなにも感じないんでしょ?」

 

「……」

 

「この世に生まれてきた人達が当たり前に感じてる喜び悲しみや怒りからだが震えるような感動を貴方は理解できないでしょ?でも、貴方は頭が良かったから嘘をついて取り繕った。自分の心に感覚がないってばれないように……」

 

「カナヲ……?」

 

俺は本当に今いる目の前のカナヲがあんなにたくさん言うのは見たことがないし、この少しの時間にカナヲはいったい何を感じ取ったのだ?

 

「貴方には嬉しいことも悲しいことも苦しいことも辛いことも本当は空っぽで何もないのに滑稽だね馬鹿みたい……ふふっ……貴方何のために生まれてきたの?」

 

「(カナヲの言葉はまるで自分に対する言い分にも似ているが少し違う。カナヲは心底あいつを嫌ってるのがよくわかる)」

 

「……今までずいぶんな女の子とお喋りしたけど……君みたいな意地の悪い子は初めてだよ?なんでそんなにひどいことを言うのかな?」

 

やつが扇を閉じた瞬間に、重苦しい雰囲気が出てきた。俺は内心冷や汗をかいていたのとここから本気の勝負になるのではと警戒した

 

「分からないの?貴方の事嫌いだから。私の大切な人たちを傷つけた貴方を一刻も早く首を切り落として地獄に送りたいから。先刻の言葉ひとつだけ訂正しょうか?」

 

「……」

 

「みっともないから早く死んだ方がいいよ?貴方が生きてることになにも意味がないから」

 

次の瞬間、奴はカナヲの横に立ち扇を振り下ろそうとしていたがカナヲはすぐに頭を下げて回避した。そして、その流れを利用して腸を軽く切ると奴は扇を開こうとしてたので俺はすぐに攻撃した

 

「俺の妹を殺そうとするな。そして、傷つけようとするな、ぶっ飛べ!」

 

「!」

 

拳の呼吸 壱ノ型 波動

 

炎の龍が吹き荒れるようにやつに狙い定めて攻撃すると奴は扇で受け流していた。その間にカナヲは俺の隣へと飛び移った

 

「全く……カナヲにしては無茶なことをする……」

 

「空兄さんが助けてくれると信じていたから」

 

「そうか……だが、あんまりさっきみたいな無茶をするのはやめてくれ。妹がやつに殺されるのは避けたいからな」

 

「ごめんなさい……でも、あいつはカナエ姉さんやしのぶ姉さんを傷つけて空さんを苦しめたという事実があるから……許せないの」

 

俺はその言葉を聞いて軽く微笑みながらカナヲの頭を撫でて確認した

 

「そうか……。慣れてきたか?」

 

「はい。空兄さんはいつでも大丈夫ですか?」

 

「任せろ」

 

俺達はそれぞれの武器を構えながら脳裏にはしのぶがどこまで回復できるか心配だが、きっと三人でならあの野郎の首をとれるはずだ!

 

このとき俺達は気づかなかったが、なにかがこちらに全速力で走ってきてくるのを俺達はまだ気づかなかった

 

 




ここまで読んでいただきありがとうございます!
次回も宜しくお願いします


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100話

俺達はそれぞれの武器を構えながら、上弦弐を睨んでいた。さっきのとこれまでの戦いを総合的に考えて奴は接近も強いみたいな……。正直に言えば一番厄介な奴はどの鬼?と聞かれたら間違いなくこいつだ

 

「うーん、二人を相手にしていいのだけど…俺は女の子と遊びたいから、こいつでいこうか?」

 

血鬼術 結晶ノ御子

 

「分身……!?」

 

「じゃあ、頼むねー」

 

カナヲが驚いていたが、俺はやはりこいつを出してきたのかと警戒していたことが起きた。そして、分身のそいつはーー

 

「「なっ!?」」

 

俺たちをスルーして治療を受けているしのぶと治療をしている珠世さんの方に向かっていった。俺は不味いと思い、急いで走った

 

「ふざけた真似をしやがって……!」

 

拳の呼吸 陸ノ型 流星

 

このままでは間に合わないと判断して、俺は背後から一直線で相手を貫く技を出すと向こうも気づいたのか振り向いて扇を振りかぶってきた

 

「……!」

 

「っち、相変わらず分身でこの強さかよ!」

 

「空兄さん!」

 

カナヲの声が聞こえたので俺は、分身の上弦弐を対抗しながらカナヲに指示だした

 

「しのぶ達の方は任せてくれ!すぐにこいつを破壊してカナヲを助けにいくからそれまで耐えてくれ!」

 

俺は分身の攻撃を弾きながらカナヲに指示だした。たしかこの分身は上弦弐と変わらない強さだと奴は言っていたが……

 

「あの頃とは違い、一対一だかな砕けば文句ないだろうが!!(問題は貫かれた腹部がどこまで耐えきれるかだな……)」

 

拳の呼吸 肆ノ型 炎天

 

俺は拳や足に炎をまとい奴の分身とぶつかり合っていた。必ずカナヲを助けにいくからそれまでに少しだけ待ってくれ!!

 

 

カナヲside

空兄さんがしのぶ姉さん達を守るためにあの分身を戦ってくれるのなら私は目の前のこいつを倒すだけだ

 

「へぇ、彼がいくのか?昔、可愛い女の子を守りきれなかったのに懲りずにまた守りにいくなんて愚の骨頂かな?」

 

「……」

 

目の前の男の話に私ははなにも反応を示さない。正直に話を聞いても、挑発することしかしないから下手に攻撃しかけにいくのはやめておこう

 

『いいか、上弦弐と対抗するとなったら接近仕掛けての呼吸は気を付けろ。奴の扇から放たれる物は鬼殺隊にとっては有害としか言いようがない』

 

『ではそんな敵に空兄さんはどうやって対抗をしていたのですか?』

 

『俺は元々拳を使うから接近で呼吸をしないで殴ることを意識してる。もちろんそれ以外の方法があるが、俺はこれがやり易い』

 

空兄さんが柱稽古の合間に上弦弐と戦うとなった場合にどうしたらいいのかを説明してくれた。上弦弐は間違いなく女性隊員を狙う可能性が高いから教えてくれたのと私は柱ではないからこそ、教えれる時間はたくさん取ってくれた

 

『後、何があっても冷静にな?冷静に攻めないと一瞬で死ぬからな』

 

空兄さんが教えてくれたことを思い出しながら私は内心、空兄さんやカナエ姉さん、しのぶ姉さんを傷つけた上弦弐を許すことはできない

 

「おや、無反応?」

 

目の前のこいつは空兄さんとしのぶ姉さんの仇敵であると同時にカナエ姉さんを苦しめて、私達の幸せを奪った諸悪の根源……

 

花の呼吸 徒の芍薬

 

「六……七……九連擊か!いいね、綺麗だね!じゃあ俺も!」

 

血鬼術 枯園垂り

 

私の攻撃を受け流しながら血鬼術を出していた。なにも知らない場合なら少し動き止めてしまう可能性があるが、空兄さんから教えてもらった情報で対抗する!

 

花の呼吸 弐ノ型 御影梅

 

私は内心、空兄さん達が教えてくれた情報や私の目が慣れてきたからさっきよりも対抗できてるのに安心した。すると、上弦弐は私の目を狙ってきたが、すぐに後ろの方へと退いてその反動を利用するように私は花の呼吸を繰り出した

 

花の呼吸 陸ノ型 渦桃

 

「(これなら首をとれるか?)」

 

「すごい体幹だね!まるでバネみたい」

 

血鬼術 凍て曇

 

放たれた冷気に私はすぐに攻撃を押さえて口を押さえて距離を取った。今のは眼球を閉じてなければ凍っていた……!

 

「逃がさないよ!」

 

血鬼術 蔓蓮華

 

伸びてくる氷に私は速く鋭く切り刻み、地面に着地すると上弦弐は小馬鹿にしたように話しかけてきた

 

「次いくよー」

 

血鬼術 寒裂の白姫

 

上弦弐が召喚した2体の像が周りを凍らせるように息を吐き、私はこの広範囲の技のせいで上弦弐の首に近づくことが厳しいと判断した

 

「カナヲ、回避行動をとれ!」

 

拳の呼吸 壱ノ型 波動

 

空兄さんの声が聞こえて、私はどういう事だろうと思うと私の頭上に迫っていた氷の柱を空さんの壱ノ型波動で燃やして私はなんとか無事にすんだ

 

「空兄さん?!」

 

私は空兄さんの方向を見ると、上弦弐の人形はなく空兄さんが波動を放ったと思われる場所には氷が砕かれていた

 

「えー?一応俺の分身はそれなりに強いはずなのにどうやって…あら?」

 

「少し遅くなりましたが、私も前線復帰ですよ?」

 

「しのぶ姉さん…(そうか、しのぶ姉さんが助けたから二人で倒したのだね!)」

 

空兄さんのそばにはしのぶ姉さんが疲労感ありながらも刀を添えて立っていた。兄さん達が復活してくれて安心感があり、喜んでると………

 

「うーん。向こうも驚いたけど、こう君に近くに見るとますます可愛いね」

 

「「「!?」」」

 

私はその声を聞き振り向くと、いつの間にか上弦弐が別の場所に立って悪い顔しながら刀を持っていた。私はその瞬間自分の手元を見るといつの間にか刀を奪われていた

 

「ほらぁ、俺相手に目を離して油断したから……刀をとられたよねぇ?ここにさしておくよ」

 

「しまっ……」

 

「ここに刺しておくから速く取りにおいでよ」

 

血鬼術 散り蓮華

 

迫ってくる氷に私は大量の刃か凍る方なのかよく見て判断して見極めて正確に最小限の所を探していくと… すると私の目の前に白い羽織と黒い羽織が飛んで来た。

 

「私達の可愛い妹に手を出させないわよ」

 

「カナオの顔やしのぶに絶対に傷つけてたまるか!」

 

空兄さんとしのぶ姉さんが私を覆い被せるように守ろうとしていた。兄さん達は呼吸を出しても間に合わないと判断したのか私を守ろうとしていた……

 

すると……

 

獣の呼吸 伍ノ牙 狂い裂き

 

「うひょ!!ドンピシャじゃねぇか!?烏の案内はよ!勝負ぅ、勝負ぅぅ!!」

 

私達の前にすべての攻撃を切り裂いたのは私や炭治郎の同期の伊之助だった……




ここまで読んでいただきありがとうございます!
実を言うと今日の投稿で100話目です!まさか、この作品がここまで続くと思いませんでした……
これからも宜しくお願いします!!


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101話

俺らはカナヲを守りながらどう防ごうか考えてると伊之助が天井を突き破って、俺たちの前に立ちふさがった

 

「ん、んん?!」

 

俺達は声かけるよりも伊之助がなぜか人差し指と親指を丸めて上弦弐の方を覗くように見ていた。対する流石のあいつも突然の乱入というよりも、伊之助の服装とかに驚いてるのかもしれないな……

 

「お前上弦弐だなぁ!?はは、バレてるぜぇ!てめぇは上から二番目だということを俺は知ってる!!ハハハーア!!テメェを倒せばおれは柱だ!!」

 

「いや、隠すもなにも…これはまたすごい子が来たねぇ…」

 

「流石のあいつも伊之助の登場やあのテンションには戸惑ってるぁ…ごほっごほっ…(上弦弐に貫かれたところが今ごろになってまた痛みやがる…止血の呼吸でまた張りつめないとな…)」

 

「(空が咳き込んだときに口から血が出ている…あの私たちが来る前の時に貫かれていたから止血をしても気休め…仮にこの戦いに勝てても空は無惨の方までいくのは……っ)」

 

俺が咳き込んだときにしのぶは心配そうに俺を見ていた。これくらいは大丈夫と誤魔化したいが、恐らく無理だろ……なにせ、しのぶは医者だ。珠世さんもしのぶも俺の状態を把握してるから今の状態は余りよろしくないと理解してるのだろう…すると、伊之助は俺らの方を振り向き驚いた

 

「って、うぉ!?皆ボロボロじゃねぇか!?ってか、しのぶ!?俺にあんだけボロボロになったら怒るくせに自分がそうなってるじゃねぇか!?」

 

「あらあらそうでしたね……。確かに私は伊之助君にそういっていたのに私がそうなってるのは駄目でしたね」

 

「!……なぁ、その血はどうしたんだ?チビ黒柱が何でこんなに血を吐いた後があるんだ?」

 

伊之助は俺が血を吐いてるのをみて少し戸惑ったように聞いてきた。俺は後輩にそんなの心配させたくないから安心させるように言った

 

「これくらい…大丈夫だ。少し休めば治るから気にするな」

 

「空兄さんは私たちが来るまで一人で戦っていたの。あいつは私達の姉も殺しかけて、私の兄さんを………」

 

「私達の姉……ひょっとして……カナエの事か?」

 

「えぇ、あいつは私達の姉を傷つけて…今も空を苦しめる最悪な存在よ…」

 

「イヤー、酷い言いようだね?そこの男が弱かっただけだし、君たち女性を救ってあげようとしてるのに……あと一息でしのぶちゃんも俺と永遠に生きれたのにね」

 

「……噛み殺しやる屑が……!」

 

伊之助はそれを言った瞬間に上弦弐の方へと飛び込んだ。それをみてカナヲは伊之助に叫ぶように注意した

 

「そいつが撒き散らす冷気を吸わないで!」

 

「伊之助っ…」

 

俺は目の前に向かっていった伊之助が心配で動きたいが、止血の呼吸を使って回復するにはまだ時間がかかる。それに、伊之助が心配なのは調子に乗りすぎて攻撃の判断を見謝ることだ

 

「(許せねぇ、なんか許せねぇ!!心底初めて殺意が溢れて止まらねぇ!!カナエは俺の知らないことをたくさん教えてくれた!しのぶは俺が怪我して帰ってくる度におっかないお説教してくるけどそのあとがいつもホワホワさせてくれる優しさがある!チビ黒は俺がやらかすといつも拳骨してきてくるが、なんか安心感がある!なのに、こいつが……)ぶっ殺してやる!!」

 

「一人で突撃するなんて愚かだね!」

 

獣の呼吸 肆ノ牙 切細裂き

 

伊之助が仕掛けた技に奴は冷静にさばきながら笑っていた。伊之助もこの短時間でかなりの成長してるからそう簡単にやられないが……

 

「あははは!!目茶苦茶な技だね!!刃こぼれした刀に変な太刀筋それで成立してるんだから……本当に面白い!!」

 

「(奴は俺の首を狙ってくる!なら、後ろに回避して……蹴りこむ!!)ふん!」

 

伊之助が扇を回避しながらその低い姿勢からの空中で回転して冷気に当たらないように思いきり弾いた。そして、伊之助が下がると奴は目を見開いた

 

「おや…?いつの間に取ったのかな?」

 

奴が言うのはカナヲの刀を奪って刺していたはずの地面が伊之助にいつの間にか奪われていたことに驚いていた。伊之助が刀を持ちながらカナヲに聞いた

 

「この刀……お前のか?」

 

「う、うん」

 

「もう取られるなよ」

 

「おいおい、速すぎて気づかなかったよ」

 

やつの両方ある扇が伊之助に攻撃おそいかかるが、伊之助は冷静に両方ある刀で対抗していた。そして、伊之助が蹴りこもうとすると奴の扇が切り落とそうとするの見えたので……

 

拳の呼吸 弐ノ型改 裂散切り

 

「うわ!?」

 

俺は切り落とそうとした扇をめがけて攻撃すると奴の扇がその攻撃の反動で思いきり弾かれていた。そして、伊之助が奴の腹をおもいきり蹴りこんだ

 

「いたた、いい連帯攻撃だね!男同士の連帯でここまでできるのも珍しいよ!」

 

「っち、倒れないか!」

 

「チビ黒さっきのナイスだぜ!俺様の攻撃はまだまだいくぜぇ!!」

 

伊之助が俺に誉めてからまた上弦弐の方へと走り込んだ。今は伊之助が攻めるのなら俺達は伊之助の援護に回る方が効率いい。だが、あいつ上弦弐との居合いの距離があるがなぜ刀を振るうモーションに?すると、上弦弐の目が切れるように血が走っていて俺たち全員が驚いていた

 

「は?!」

 

「え!?」

 

「へ……」

 

「(あの距離からなぜ俺の目が?どうやって斬擊を届いた?)えー……むちゃくちゃだなぁ」

 

獣の呼吸 玖ノ牙 伸・うねり裂き

 

俺達三人とも驚いていたのは伊之助の振るった右腕がグネグネとしていて、腕の関節を全部はずしてることに驚いていた。上弦弐も流石にそんな攻撃を仕掛けてくると思わなかったのか戸惑っていた

 

「チィ!!新技はまだまだ精度がいまいちだぜ!!首狙ったのに外してしまったぜ!」

 

「しのぶ……」

 

「しのぶ姉さん……」

 

「二人とも言わんとしてることはわかります……えぇ、本当にわかります。伊之助君の体は本当に不思議な構成ですし、本当に彼は規格外ですね……普通はあんなことできません……というかできないのが普通」

 

しのぶも頭を抱えながら伊之助の規格外な攻撃に頭を悩まされていた。俺も口許をひきつりながら、伊之助は薬も効きにくいし、心臓の位置もずらしたり……もう、こいつは本当に人間やめてると言われても俺は否定できない……

 

「いや、あははは!俺も長いこと生きてるけど、君みたいな子は初めてだよ!」

 

「ふん!そりゃそうだろ!この伊之助様はそこらの有象無象とは訳が違うからな」

 

伊之助がそういいきった瞬間、その素顔がさらけ出された。俺達はその瞬間全員構えながら、カナヲは伊之助を呼び掛けた

 

「伊之助!」

 

「っ!?(今俺様の大事なものを奪いやがった!?)」

 

「あぁ、これやっぱり被り物か。ん~、かなりの年季が入っているね、この猪の皮。目の加工はいったいどうなってるのかな?」

 

「……テメェ、返しやがれ」

 

「あれぇ?なんか見覚えあるぞ?君のその顔」

 

「「!」」

 

上弦弐の言葉におれとしのぶは伊之助と奴との接見があったのか驚いていた。しかし、奴は本当にそうなのか、わからないから構えて聞いていた

 

「(空さん、あと少しで準備完了です)」

 

「(了解です)」

 

俺の後ろにいる珠世さんの言葉を聞いて構えながら伊之助とあいつの繋がりは何なのか聞くことにした……

 

そして、俺は後に知る……伊之助とあいつと何かの接見があることに…そして、奴がどれ程のくずかを再確認できた……

 




ここまで読んでいただきありがとうございます!
次回も宜しくお願いします


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102話

上弦弐の言葉に俺たち三人は困惑し伊之助は怒鳴りながら否定していた。珠世さんは俺たちの背後に立っていてあることをしてもらっていた

 

「俺はてめぇの事なんぞ知らねえ!!」

 

「伊之助、そう簡単に興奮するな。奴のお得意の逆撫でだから無視するのが得策だ」

 

「うん、あいつの言うことはでまかせだから、聞かない方がいいよ」

 

「でまかせとか酷いなぁ!俺は常に真面目な言葉にしか言わないのに」

 

「「「嘘つけ」」」

 

俺たち三人は嫌悪感を出しながら奴の言葉を否定した。そもそも俺たち三人の共通点はカナエさんを傷つけた最大の犯人だからこそ許せないのだが、伊之助は……恐らく何かに感じて許せないのだろう

 

「にしても酷いなぁ。俺は本当に君と会ったことがあるよね?」

 

「テメェみたいな蛆虫なんか知るか!!汚い手で俺の毛皮を触るんじゃねぇ!」

 

「いや、あるよ。俺は君を知ってるから」

 

「知るか!!俺が何処かであったことがあるのはしのぶだよ!」

 

「え!?」

 

伊之助の言葉にしのぶは驚いていたが、これはどういうことかあとで聞いておきたいと思いながらも奴の言葉を聞きながら警戒した

 

「それと、酷いなぁ。真面目な言葉を全部否定するなんて……俺は悲しく泣きたいなぁ。でも、俺記憶力いいんだよ?人間のときの記憶もあるしね」

 

それを言うや否奴は自分の人差し指を側頭骨を貫いていた。その場にいた俺を含む全員が引いていた

 

「側頭骨に指をグリグリとするなんて頭がいかれてますねぇ…気持ち悪いですね…」

 

「私も引きましたよ……あんなことをするなんての正気の沙汰じゃない」

 

「うぇ!?!何してんだキショォオ!!!?」

 

「(気持ち悪い……)」

 

「カナヲはあんな汚いの見てはいけません」

 

俺はカナヲにあんなのを見せては教育に悪いと思いすぐに下がらせた。子供扱いして悪いと思うけど、可愛い妹のカナヲにあんな汚いの見せれないよ!

 

「んー、あったあった!十五年前は割りと最近だね」

 

「側頭骨でいじって探るとか……普通におかしいだろ……」

 

「17、18歳の女の子が赤ん坊を抱いてやってきたなぁ、たしか旦那が毎日殴るんだってね。自分には親も兄弟もいないから頼れる処行くところもないから俺のところに来たんだよ?俺が作った極楽教はそういうかわいそうな人を保護してあげていたからね」

 

奴の言葉に偽りはないが、なにも響かないし己の自己満足のためにしか感じない。そして、やつは保護して治療をしたという

 

「うん、間違いなく君と同じ顔だよ。もっと、華奢だし柔らかな表情だけど間違いなく君のお母さんだね」

 

「俺に母親はいねぇ!!俺を育ててくれたのは猪だ!!関係ねぇ!!」

 

「君は猪から生まれたの?人間なんだから人間から生まれているでしょ?」

 

「うるせぇ、ぼけがぁぁ!それを返せ!」

 

伊之助は怒り狂いながら奴の方に飛びかかった。カナヲが助けにいこうとしていたが、それよりも早く俺が助けた

 

「まぁ、人の話は最後まで聞きなよ。こんな巡り合わせ奇跡でしょ」

 

伊之助の体を思いきり皮膚に切り刻んでいてさらに首を跳ねようとしていたので俺は伊之助ごと横の方へ吹っ飛んだ

 

「げほけぼ……戦いに冷静を余りなくすな!落ち着け!」

 

「空兄さん、伊之助!大丈夫!?」

 

「問題ない!それと上弦弐……お前は人ではないから俺にとっては別に最後まで話をきく必要はない!」

 

拳の呼吸 弐ノ型改 烈散切り

 

奴の方に遠距離で仕掛けるとやつは扇で弾いていた。だが、それは俺の狙いで俺は伊之助を抱えながらしのぶ達の方へと下がった

 

「酷いなぁ。あ、話を続けるね!正直君のお母さんを食べるつもりはなく、心の綺麗な人がそばいにると心地いいだろ?あ、彼女は……そう琴葉は頭が悪い代わりに歌声がよかったなぁ。君を抱いてよく歌っていたよ。でもどうしてだが、子守唄よりも指切り歌の方が多かったなぁ」

 

「伊之助君……?」

 

しのぶが心配そうに伊之助を呼び掛けるが、伊之助は反応を示さずになにかを思い出すように黙っていた。そして、俺達は奴の話を黙っていきいていた

 

「でもある日俺が人を食べているのを見られてしまったのさ。彼女に色々説得したけど、人殺しっていわれて逃げられてしまったのさ」

 

「……説得も聞いてくれずにそして、伊之助の母親を殺したということか……っ」

 

「うん、骨まで残さずに食べてあげたよ。家に戻っても旦那に殴られるし、一人じゃなにもできないから母子で野垂れ死にだし不幸だねぇ、琴葉。幸せな時って会ったのかな?なんの意味もない人生だった」

 

もう我慢の限界だ……このむかつく存在はどこまでも人をバカにしてどこまでも死んだ人間を……

 

拳の呼吸 陸ノ型 流星

 

俺は奴の顔を思いきり殴った。殴られた上弦弐は俺がいきなり攻撃すると思わなかったのだろうか油断していて壁の方に直撃した

 

「いたた…酷いなぁ。いきなり殴って」

 

「黙れ……あぁ、本当に黙れ。俺が……ここまで心底むかつくのはお前がカナエさんを傷つけられて以来だな」

 

血まみれで体いたい?そんなの関係ないし、そんなの今はどうでも良い……

 

「てめぇが、伊之助の母親の事を分かった風にしゃべるな。幸せな時?そんなの俺はあいつのお母さんじゃないから分からねぇがな…子が親よりも長く生きてくれることが、伊之助のお母さんは幸せだろうな」

 

「へぇ、君こそ分かった風にしゃべるね?」

 

「少なくとも人の感情を理解してないお前や無惨よりは理解できるな。そして、お前がどういう理由であれ思いきり言わせてもらおう……この下衆が……っ!」

 

「……空兄さんがなにも攻撃しなかったら私が言っていた。伊之助のお母さんは確かに私達はしらない……けれど、伊之助のお母さんは本当に伊之助の事を大切に思っているのがわかる。それをお前が壊した……」

 

「全く二人とも少しは落ち着きなさい…。その上弦弍に対する気持ちは同じですが、そんな奴のためにイライラしすぎるのは良くありません」

 

しのぶが伊之助の背中を優しく撫でながら上弦弍にきつい目で見て怒鳴ることなくそれも低く心底嫌悪感をあることを隠さずに……

 

「愛情も知らない鬼がこの子やこの子の母親を語るな……下衆が……」

 

「そうですね……空さんや皆さんの言う通り……親にとっては子は長く生きて欲しい。親よりも長く……幸せに生きて欲しい。それは親になったものだから分かること……貴方が何をいっても説得力は感じません……上弦弍」

 

しのぶと珠世さんの言葉に伊之助はゆっくりと顔をあげてさっきまでの怒り狂いながらとかはなく、眠れる獣を起こしたかのように睨んでいた

 

「…本当に…奇跡だぜ……この巡り合わせは……。俺の母親を殺して仲間を傷つけた奴が目の前にいるなんてなァァ!!謝意を述べるぜ……思い出させてくれたことをよ!首を跳ねるだけじゃ足りねぇ!テメェには地獄を見せてやる!」

 

さて……そろそろ俺も本当に覚悟を決めてあいつを……殺すための技を仕掛けるとするか……




ここまで読んでいただきありがとうございます
次回も宜しくお願いします!


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103話

伊之助が気合い入ったのを確認すると、カナヲも刀を構えて俺やしのぶ、珠世さんも戦闘体勢を取った。俺は腹を貫かれたが、珠世さんのお陰で今は戦える…しのぶも同様だ

 

「これ以上は余り時間をかけていられないな……さっさとあいつを倒しにいくぞ!!」

 

「はい!」

 

「さて……行きましょう」

 

「あいつに地獄を見せてやる!!」

 

俺の言葉に全員が目的をひとつにして、あいつを殺しにいくことを決意した

 

「ふふ、伊之助だったかな?伊之助は猪に育てられた割には難しい言葉をよく知ってるね。だけど間違えたことも覚えてるね」

 

「あ?」

 

「この世界には天国も地獄も存在しないよ。人間による空想話……なぜかわかる?」

 

「知るか!!」

 

「おいおい、即答かよ。まぁ、俺は優しいから教えてあげるよ。現実では真っ当に生きてる人間でも理不尽な目をあうし、悪人が遡って面白おかしく生きて甘い汁を啜っているからだよ」

 

奴の言葉に確かに一理はある……真っ当な人間が理不尽を味わうと言うのは事実ある訳だし、そこは否定しないが……

 

「理不尽に人の命を奪っている鬼がそれを語るな。そんなの説得力がないし、お前はこいつの家族を殺してる以上、人を語っても意味がない」

 

「えー、そうかな?でも天罰が下らないだからせめて悪人は死後地獄にいくってそうでも思ってられないと精神的に弱い人はやってられないでしょ?つくづく人間は気の毒な存在だと俺は思うなぁ」

 

「地獄がねぇなら俺が作ってやる!ごちゃごちゃうるせぇんだよてめぇは!俺の母親を不幸みたいに言うんじゃねぇよ!!」

 

伊之助はその言葉を聞いて怒りながら突撃仕掛けていた。俺達も伊之助に追いかけるように走り込んだ

 

血鬼術 凍て曇り

 

「あれを吸うなよ」

 

「そんなのはわかってらぁ!!」

 

獣の呼吸 拾ノ牙 円転旋牙

 

俺の言葉に伊之助は自信満々に遠距離で獣の呼吸を使って二刀を高速で回転させて相手の攻撃を防ぐ。そして、俺とカナヲが接近仕掛けた

 

花の呼吸ーー

 

「そう簡単に君たちの攻撃はさせないよ!」

 

「っ!」

 

上弦弍は後ろから近づいたカナヲを攻撃するとカナヲはその攻撃を刀で防ぐも反動がすごかったのか飛ばされた。カナヲの事は心配だが刀で攻撃を防いでるからこちらの攻撃を続けないと!

 

「良いね、良いね!こんな時間は本当に楽しいけど……よっと!」

 

上弦弍が上の方に飛び、俺たちは上の方に振り向き伊之助はその逃げる姿勢に怒鳴っていた

 

「てめぇ!!逃げるのかよ!?」

 

「ごめんねぇ、少し用事ができたので俺との遊びはおしまい」

 

「そう簡単にいかせると思いましたか?」

 

「そういや、君がいたね!いきなり刀をつき出されたのは驚いたよ!」

 

「しのぶばかりみてるなよ!」

 

俺はあるものを思いきり投げると奴の腹部に刺さったが……

 

「ん~?なにか飛び道具かな?」

 

「っち、やはり貫かれてもそのまま再生かよ…。というか体内に取り込みやがった………」

 

そう簡単に腹部で貫かれても行動は止まらないと言うことがわかっていた。おれとしのぶは地面に着地して奴を見上げた

 

「ふふ、このまま遊んでいきたいけど…殿が殺られてしまったから時間がないや。だから……」

 

血鬼術 結晶ノ御子

 

「この子達と遊んでね」

 

「ハハハッ、なんだそのショボいチビ」

 

「っっ、全員構えろ!!こいつは見た目小さいが本体と変わらない強さがある!!油断をすればこちらがやられるぞ!!」

 

「「「!」」」

 

血鬼術 散り蓮華

 

こいつとは何度も戦ったことがある俺の言葉に全員気を締めていてた。すると、それぞれが同じ血鬼術を解き放って全員が防ぐ体勢をすると奴が解き放った五体のうち三体が俺の方に向かってきた

 

「なっ!?」

 

「手負いから先に追い込むのが基本だろ?のこりの2体はその3人お願いね」

 

そういうや否俺の方に奴の人形の三体がこちらに走ってきた。そんな、俺を見たカナヲが叫ぶように俺の方に声かけてきた

 

「(まずい、空兄さんは治療を受けていても全身の状態が万全ではない!!)空兄さん、今助けにいきます!!」

 

「っっ!駄目だ!!」

 

「っ何で!」

 

「ただでさえ、1体手強いのにこいつらが纏めてしまえばより危険だ!しのぶとカナヲと伊之助でその2体をたのむ!!」

 

拳の呼吸 零ノ型 解除

 

じつをいうと拳の呼吸零ノ型解除は長い時間を保つのは本来は厳しい。だが、休憩した時間でまた気持ちを新たに攻撃しかけやすくなった

 

「本体であろうがなかろうが邪魔するのならここでぶちのめす!」

 

血鬼術 蔓蓮華

 

拳の呼吸 肆ノ型 炎天

 

人形2体が仕掛けてきた蔓蓮華に俺は拳の呼吸肆ノ型炎天で手足で攻撃を防ぎながら、残り一体の方を警戒していた。すると、そののこりの一体が後ろから血鬼術粉凍りを仕掛けてきたので、俺は呼吸を押さえて上の方に思いきり飛ぶと3体とも俺を狙いに定めて散り蓮華を仕掛けてきた

 

「っ!」

 

拳の呼吸をすぐにしようにも下のほうで粉凍りを放たれたせいで下手に今呼吸をすれば肺がやれると思い全身に防ぐ体勢で取ったが、奴の散り蓮華の攻撃にまともに喰らい思わず苦痛漏らした

 

「ぐぁぁぁあっ……!?!」

 

「空!!」

 

「チビ黒!!今助けにーー「来るな!!」っ!?」

 

俺は地面に着地し、直ぐに血で見えにくくなった視界を拭いて直ぐに伊之助達に声かけた。助けに来るのはいいが、三体相手している今の方が効率良いと俺は考えてるから助けは今はない方がいい!

 

「この程度の敵で……本体じゃないこいつらに下手に増援はいらねぇ……俺は……俺は……!」

 

拳の呼吸 漆ノ型 空撃破動

 

「俺は鬼殺隊、拳柱夛田空だ!!この程度の敵にお前達に負担かけてられるか!!!」

 

俺が一体の方に狙いを定めてより早くより鋭く攻撃を仕掛けると、その一体はヒビが入っていた

 

「思った通りだ!全員、こいつは本体と比べて再生する力はない!!っらぁ!!」

 

「なるほどな!といいたいが、本体と変わらない強さで凍る攻撃とかありかよ!」

 

「それがこの上弦弐という鬼と言うことだよ!まずは一体、拳の呼吸 参ノ型 獅子落とし!」

 

俺が一体倒すと直ぐに顔をあげて上弦弐がゆっくりと出口の方に向かうのが確認できたので、こいつらを相手するには時間がかかる!

 

「上弦弐ぃぃ!!」

 

拳の呼吸 陸ノ型 流星

 

「え?一体倒して此方に向かってきたなんてむちゃくちゃだなぁ。でも……」

 

「「空/空兄さん!」」

 

カナヲ達の声が聞こえると共に奴の人形が俺の体を思いきり扇で刺した

 

「っぅ……」

 

「残念だったね。速い攻撃で接近仕掛けたのはいいけど、人形もまた速いのだよ?」

 

普通なら俺は動けないという刺されて死ぬだろう……だが、それは現実ならではの話だ

 

「「「「え?」」」」

 

その場にいる全員が驚いていた。なぜなら刺されてしまったと思われた俺が溶けてしまったのだから

 

「がっ……俺の腹部に……腕が……!?」

 

血鬼術 視覚夢幻の香

 

「空さんが稼いでくれた時間が助かりました」

 

珠世さんが上弦弐の腹部を思いきり貫いてなにかを仕掛けていた。そして、珠世さんは上弦弐から距離をとると共に本当の俺は珠世さんのそばに立っていて……

 

「お前達が攻撃したのは珠世さんの仕掛けてくれた幻覚だ。お前が俺にしたことの仕返しだ……ぶっとべ!」

 

「(だから今の今まで……!?)がはっ!?」

 

俺は上弦弐を思いきり出口を遠ざけるために壁の方へと飛ばした。すると、しのぶがずっと出していた刀を閉めた

 

「いたた……え………?」

 

上弦弐が殴られた顔を思いきりふこうとすると己の異変に気づいた。それは自分の体が溶け始めていることに……そして、これこそが俺達が狙っていた作戦だった……




ここまで読んでいただきありがとうございます!次回も宜しくお願いします!


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104話

この作戦を考えたのは本当につい最近の事だ。それはカナヲが俺達にもっと稽古をして欲しいのお願いしてきたときの事で、あのときの夜に4人で真剣な話し合いをしていた

 

『まず、改めてカナヲに隠していた私の考えを今一度話します』

 

しのぶはカナヲになんで、そんなことを考えていたのかをゆっくりと話した

 

『この作戦は空がいなくなり姉が苦しんでいたときから考えていました。もし、上弦弐と巡り合い、私とカナヲの二人で戦うことができたなら……まず第一の条件として鬼に食われて死ななければなりません』

 

『え……ど、どうしてですか?一緒に戦えばきっと…か……勝て』

 

『……そのような甘い考えは今すぐにこの場で捨てなさい。上弦の強さは少なくとと柱三人分の力に匹敵します。しかし、上弦弐は女を喰うことに異様な執着があり意地汚ならしい。そこで、私が目をつけたのが身体能力高く優秀な肉体を持つ柱で加えて女であれば間違いなく死ぬでしょうと私は考えました……』

 

『っだ……嫌だ!!』

 

しのぶが説明してるとカナヲは失うのが怖いの言わんばかりに叫んでいた。それを聞いたしのぶ達も俺も驚いたが、しのぶが優しくカナヲの頭を撫でていた

 

『カナヲ落ち着きなさい。これはあくまでもその時に考えていたことです。今はもうそんなことしませんよ』

 

『……え?』

 

『カナヲ、この作戦はもうなくなったのです。空と姉さんのお怒りのお説教で無くなりました』

 

そう、しのぶが隠していた考えに俺達は以前喧嘩しながらも話し合って何とかその作戦を防ぐことができた。本当にカナエさんが気づいてなかったらどうなっていたやら……

 

『ご、ごめんなさい』

 

カナヲは怒鳴ったことにたいして謝っていたが俺達は気にしない。むしろカナヲは本当に感情を取り戻していてあんな声も聞いて俺達は不謹慎ながらも笑顔になっていた

 

『だが、やはり上弦弐と対峙した時に何も策がないとなるのは不便。お館様はそれを見越して鬼との共同研究で倒す方法を見つけた』

 

『まず、しのぶの体内に潜んでいる毒を排出するために注射で吸い取ったの。その体内に含まれていた毒を注射ですいとってそこから新たな毒を産み出すの』

 

『カナヲは私の蟲の呼吸の特徴は以前教えていたから覚えていますよね?』

 

しのぶは優しい顔でカナヲに問いかけるとカナヲは一句一句思い出してゆっくりとしゃべっていた

 

『はい。師範の刀は、鞘に収める事で仕込む毒を変えたり調節できるからくり仕掛けにもなっているのですよね?』

 

『えぇ。ですが、恐らく上弦相手となると中々毒は効きにくいでしょう。そこで、私と共同研究者は考えました……私の潜んでいた体内の毒を注射で吸いとって終わるのではなく、それを利用してかなりの毒を作ることに……』

 

『そして、その鬼を殺すための研究は出来たがひとつ問題が起きた。どこまで効き目があるのかわからないというのがな……理論では行けるだろうが相手は上弦だし、あの敵がまともに毒を食らうのは考えにくい』

 

『今回は空もいるので作戦は実行しやすいですが……そのためには空もふたんがかるかもしれません』

 

『どういう事ですか?』

 

『毒を効くまでの時間稼ぐということだよ。そのためには共同研究者と共にいた場合のプランもある。1つは奴はきっと油断するから俺はあるものを投げる。まぁ、それでスルーはされるだろうが…もうひとつは誰かが奴の懐に飛び込みその毒を体内にぶちこむ…。そして〆はそれの奴の変動がみられたタイミングにしのぶが刀を納めると……』

 

俺がそこまで話すとカナヲも理解した。この作戦は言わば、賭けだ。ひとつでも失敗すればこの後の戦いは厳しいと俺は考える…

 

『だが、必ず俺達が道を開けるからお前が討ち取ってくれ……俺たちの妹ならできると信じてるよ』

 

カナヲの頭を撫でて俺達は確かな決意を誓った。そして、その誓いは今……

 

 

「がっ……毒……?!」

 

上弦弐が苦しむ声聞こえたのと同時に、しのぶ達を苦しめていた奴の人形が崩壊した。それを見た俺達はさけんだ

 

「今がチャンスだ!!全員、いくぞ!」

 

「今なら首を討ち取れます!」

 

「っ、はい!!」

 

「よくわからねぇが、行くぜ!!!往生しやがれ、ど腐れや野郎!」

 

俺も含む伊之助達が飛び込んでくるのを見た奴は扇でなにかを開いた

 

血鬼術 霧氷・睡蓮菩薩

 

奴が仕掛けてきた血鬼術は俺も見たことがなく恐らくあれが最終手段だろうが……この期に及んでまだそんな力が奴に残っていたのか!?奴の召喚した血鬼術の拳が振り下ろしてるのを見て俺達は飛び引いた

 

「畜生!!ここまできて……!」

 

伊之助が苦虫を潰した顔をしていた。奴がしかけた攻撃には広範囲に冷気を散布する。また、そのまま打撃攻撃を繰り出したり、口から冷気を吐きつけることもできていた

 

「……カナヲはあれを使うな。ここは俺が使うからお前のそれは今は使うな」

 

「え?」

 

俺達は武器を構えながら、奴の方に走り込もうとしていたが、俺はあれを使う決意した

 

「鬼殺隊 拳柱 夛田空の最後の技を奴に……見せしめる。あとは頼んだぞ……」

 

「空、まさか!?」

 

俺はそれだけを言うと走り込んだ。奴の冷気が漂うがそんなの関係ない!血がはこうが心が砕けようが関係ない!俺は体内に炎を全身に巻き込むように渦巻き、そして力を最大限まで高めた

 

「(これはまずい!毒が分解してないからあれを喰らえば!!)」

 

奴の霧氷・睡蓮菩薩の拳が俺に迫ってきたが俺はそれに対抗するように拳をぶつけようとしていた

 

「人の怒りを触れたお前は俺達に勝つことはない。これでおしまいだ!!」

 

拳の呼吸 終ノ型 鳳凰

 

俺は、全身の炎を高めていき奴の霧氷・睡蓮菩薩と思いきりぶつかりそれを燃やすように仕掛けると奴の苦痛の声が聞こえた

 

「(再生が間に合わない!?嘘でしょ!?こんなことがある!?)つっっー?!!」

 

「熱いよなぁ!?苦しいよなぁ!!だが、俺たちの怒りの炎はこんなものではないんだよ!!これは俺達の誇りでもあり、勝利の道筋だ!人の心を燃やした力を味わえ!!」

 

奴の霧氷・睡蓮菩薩が崩壊し始めるのを見えた俺は伊之助達にさけんだ

 

「今だぁあぁぁあ!!!」

 

俺の言葉にしのぶ達は上弦の首の方に思いきり三人で飛びかかっていった。そして、しのぶはカナヲの刀と共に握りあいながら首を切りかけていた

 

「(俺が負ける!?そんなの認めない……っ!)」

 

「これで……」

 

「おしまいだぁぁ!!」

 

「(最後の悪あがきに崩壊しかけても凍り付けを……!?だめだ、炎のせいで直ぐに溶ける!!)」

 

「あなたの敗因は私達を……人の思いを侮ったことよ。死に腐れ…そして、二度と私達の前に現れずに消えろ……外道が…」

 

しのぶの言葉と共に上弦弐の首は思いきり跳ねられた…………

 

そして、俺の体も…………限界が来た………

 

 

 

 




ここまで読んでいただきありがとうございます!次回も宜しくお願いします


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105話

俺の拳の呼吸終ノ型鳳凰は本当の最終手段でもあり、命がけの手段となる技だ……。俺は上弦弐の首が跳ねられたのを見て、だんだん自身の限界も近いので片膝ついて呼吸も荒くなってたが奴の状態をみて困惑した

 

「うそだろ……首切られても尚まだ動く気か……?!」

 

首を跳ねられていても奴の体はまだ消滅していなかった。そんな状態を見てここで何もないと判断するのは違う……

 

「鳳凰は全身に負荷をかけすぎてきついが……やつを殺すためなら……もう一度…っ!?…ごほっごほっ!!!」

 

「空!(まずい、止血の呼吸ももう追い付かないほど傷が深い!!それ以前に腹を貫かれてもあんなに動けたのは奇跡……!)」

 

「まだだ……完全にやつを殺すまで……俺は戦う!!!」

 

「空兄さん、もう動かないでください!!これ以上動いたら兄さんが……っ!」

 

カナヲも奴が少しずつ再生しかねているのをみて全員がまだ終わってないのが理解してる。だが、奴の体は崩壊し始めてるからもう少しで終わるはず

 

「…たたか……いに…まけて……も……せめて……」

 

奴の体はもう本来は動けないはずなのに扇を閉じて思いきり俺達の方向に向けていた。その速度は速く全員が動けない中、奴が向けていたのは俺の大切な幼馴染みだった

 

「……え……」

 

しのぶも動くのがもう限界だったのか奴の攻撃の反応に間に合いそうにない。このままでは、俺はまた誰かを失うことになる……

 

「(ふざけるな……そんなふざけた結末……許さない!!絶対にしのぶもカナヲも失わせるかよ!)あいつらを失う未来なんて考えられない……動け……動けぇぇ!!おぉぉぉぉぉ!」

 

俺は全速力で走りしのぶから俺の距離まではそんなに離れていない。だから、俺は最大限まで呼吸が崩壊してもいいと思う気持ちてしのぶの方に走り…………

 

そして…………

 

この上弦弐の部屋に刺さる音が響いた………

 

「(な、せめて俺が死ぬなら女の子をつれて死にたかったのに………!何度も何度も邪魔を……!!意地でも彼みたいになりかけていたのを狙ったけど……もう無理だ……雑魚の俺は負けたというのか………あぁ何も感じないや………)」

 

上弦弐が消滅する時に俺の方を向けて憎悪の顔をしていた。対する俺は奴の目線をはずすことなく、口元から流れる血が感じながらも目をそらすことなく笑って……

 

「はっ……ざまぁみろ………糞野郎……お前の………望みは最後まで邪魔をできた俺の勝ち……だ……ゴフッ……」

 

「空さん!!!」

 

「空兄さん!」

 

「…………そ……ら…………?」

 

俺は奴がゆっくりと消滅するのを見届けて俺はしのぶの前でゆっくりと地面の方にへと倒れていった………

 

「空ぁぁぁぁー!!!!」

 

地面に思いきり倒れた俺を見た俺の幼馴染みのしのぶが今まで聞いたことがない声で叫び俺を抱き締めていた

 

「空、空!!駄目です、勝手に死んではいけません!!珠世さん、治療道具を!」

 

「はい!!」

 

「空兄さん!」

 

「おい、チビ黒勝手に死ぬな!?おい!!」

 

仲間の声が聞こえるが、俺は自分の状態がどういう状態なのか自分が一番わかっている。しのぶも珠世さんも俺を助けようとしているが、それは時間の無駄だ

 

「空の血が止まらない!伊之助君、カナヲ!そこに止血するための破れた服を使って空の体に出ている血を押さえて」

 

「はい!」

 

「任せろ!!」

 

どうあがいてもあんな傷を負えば、俺の体はもう助からない。それにこの後の戦いをしのぶ達はまだまだ残っているのだから…俺は心を鬼にして…止めた

 

「し……しのぶ……もういい。珠世さんも……」

 

「いいわけないでしょ!?助かるかもしれないのに何を諦めてるの!?」

 

「…しのぶ………お前ならわかっているはずだ……俺の状態がもうどうなのかを…俺はどうあがいても助からないということを……多くの患者を診てきたお前なら…珠世さんも……気づいてるはずだ」

 

「っっ……(空さんの言う通りこの戦いで無茶を重ねて重ねての限界と刺さり具合と出血……これではもう厳しい……っ!悔しい……恩人を目の前に死なせてしまうなんて……!)」

 

「空兄さん、いやだ…いやだ!死なないで!!」

 

「何勝手に諦めてるんだよ!!てめぇの帰る場所にはカナエやアオイとかのいる場所だろ!」

 

カナヲも泣きくじゃりながら、伊之助は俺が生きるのを諦めてるのを感じて怒っていた。本当にこの二人は俺のいつも想像を遥かに越えて成長してくれていたな……

 

「……全員……俺の……最後の……言葉を……聞いてくれ」

 

「ふざけるな!!まだ生きれるだろ!諦めるんじゃーー「……伊之助君……!空の最後の……言葉を聞きましょう」……しのぶ……?」

 

「カナヲも……珠世さんも……空の最後を……っっ」

 

「っ……」

 

しのぶの悲しそうな声に二人とも察したのか静かになり、俺は仰向けになりながらもしのぶが膝枕してくれた

 

「はは……まさか……お前が膝枕してくれるなんてな……。本当に俺は……贅沢だなぁ……」

 

「そうね……」

 

「伊之助……」

 

俺は右の方にいる素顔の伊之助を見ていると伊之助は小さく涙を流していた。俺は伊之助に優しく語りかけた

 

「お前は強く優しい子だ……自己中に見えて回りをよく見えて周りを引っ張る素質がある……さすがはあいつらの親分伊之助様……だな」

 

「は……当たり前だろ……親分だからな……」

 

「そうだな……親分なら……子分の頼みを聞くものだろ……お前が……今この場にいるお前がしのぶや珠世さん、カナヲを守ってやれ…。お前の母親によって生かされたその命は守り抜け…」

 

「おう…おう…」

 

「強く……優しくまっすぐ最後まで生きろよ…約束しろよ…」

 

「おう……だから、だから死ぬなよ!子分なら親分をおいていくなよ!」

 

「はは………そうだよなぁ…でも、さすがの俺も…限界みたいだから……あとは頼んだぞ……。次は……珠世さん」

 

「はい」

 

俺は伊之助に伝えたいことを伝え終えると今度は鬼でありながら同じ共通の目的があり短い期間だったが俺は少なくとも仲間として認めている珠世さんを呼び掛けると珠世さんは正座しながら俺を見つめていた

 

「貴方とは短い期間でしたが……俺は貴方を鬼殺隊の仲間として認めてます……そして、貴方は誰よりも強い女性だ」

 

「……いいえ、そんなことありません……貴方を助けれない……それがどれ程悔しいと思いますか……貴方は本当に自分勝手ですよね……私には死ぬなといいながら貴方は死ぬのですから」

 

「はは……俺はバカな生き物ですからね……何も考えないで……動くときもあるのですよ……無惨決戦後……生きていたら……しのぶ達のことをお願いします……」

 

「……はい……」

 

珠世さんの返事に俺はひと安心した。これで。俺がいなくなってあの子達のケアはしてくれるだろう。まぁ、他の仲間がしてくれるかもしれないがなぁ……

 

「カナヲ……」

 

今度は俺のこの世で大切な家族でもあり幼馴染みの妹でもあり俺の妹であるカナヲの名前を呼ぶとカナヲは小さく涙を流していた

 

「こら……泣くな、泣くな、……せっかくの美人顔なのに泣いてダメだろ…戦いにも勝利したのにな…」

 

「空兄さん……いかないで……お願い!」

 

「そうだな……可愛い妹の頼み聞きたいところだが……そのお願いは……聞けそうにないな……」

 

「そんな……嫌だよ……空兄さんがいなくなるなんて……」

 

「カナヲ……俺がお前の目の前からいなくなるのは申し訳ない……だが、お前にはお前を支えてくれる大切な人が……家族がいるだろ……お前が心のそこから大切に思える人は………きっと………お前を幸せにしてくれる………」

 

カナヲにそれを伝えるとカナヲはさらに嗚咽を漏らしながら泣いていた。そして、俺は最後に本当に長い………長い付き合いの幼馴染みに話しかけた

 

「本当に空はいつもいつも勝手に消えるのだから……私のせいで消息不明になったときも………手紙を寄越さないのだから」

 

「その手紙を出したらお前は俺を探すだろ……」

 

「そうね。今度もそっちにいって出さないつもり?」

 

「さぁな……なぁ……しのぶ。おぼえてるか……俺が初めてお前達とあった日の事を」

 

「……勿論よ…気がつけば長い付き合いになったわね…」

 

「あぁ……本当に今更だが……広い世界をつれていってくれてありがとう……」

 

「本当に今さらね……えぇ、どういたしまして……」

 

「そういや……実弥とカナエさんがこの戦い終えたら結婚するのかな……。しのぶ……は姉の結婚式に泣くなよ………」

 

「うるさい……」

 

「はは……義勇……と仲良くしろよ……」

 

「えぇ……仲良くするわよ……」

 

「そうか……蝶屋敷の子供達は今まで通り頼むな……」

 

「任せなさい……あの子達にはどこぞの馬の骨の男に簡単に花嫁させないから任せて」

 

「安心した……真菰と錆兎はどんな子供を……育てる……のだろうな………今この場にいない元柱達も………ゴホゴホッ……」

 

俺は走馬灯のように次々とこの戦いに参加できてない面子がどんな未来になるのか俺は楽しみでしかだない……

 

「……俺の部屋の大切な場所に俺は色々なものをいれてる……そこを蝶屋敷全員で頼む」

 

「はい……」

 

「……はぁ……しのぶ……少し耳を貸せ……」

 

俺はだんだん大きな声を言いにくくなってきたのでしのぶに耳を貸してもらうことにした

 

「ーーー」

 

「!……空、だから貴方は……」

 

「頼んだぞ……しのぶ……はぁ……今まではあの鬼を殺すために頑張ってきたが……もう…いいよな………ごほごほっ……」

 

「…空………空………っ」

 

俺はだんだん視界がボヤけてきて、目の方に写ってきたのは幼いときに初めてあったときのしのぶやカナエさんが俺を呼び掛けていたときだった。そして、その先には…… その先には……

 

あぁ………………ただ…い……ま…」

 

俺はそれを言うと共に俺の瞼は重く閉じた……。もうなにもかも感じれずに……深い眠りへと……




ここまで読んでいただきありがとうございます!
少し今週は忙しくなりそうなので投稿できるかわかりませんが、これからも宜しくお願いします!


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106話

炭治郎side

俺と義勇さんは上弦参との戦いは過酷だったが、空さんがいつも対上弦参をイメージして戦いの相手になってくれたお陰で俺達はなんとか倒せた

 

「焦げ臭い…もう少し寝かせて……それにしても焦げ臭い……焦げ臭い?…って、それは火事だ!!」

 

俺は目を覚まして焦げ臭い臭いが火事だと思い起き上がると義勇さんが火を燃やしていていた。俺は一体なんでこんなことをしてるのかわからずに聞いた

 

「どうしたんですか!?刃こぼれですか?」

 

「あぁ…止血しても血が止まらないので傷を焼く…」

 

「え…傷を…!?」

 

「お前の左上腕の傷も止血しているがまだ出血が止まらなければ焼くから脱いでこっちにこい」

 

「は、はい……」

 

たぶんその方法をしのぶさん達が見たらかなり怒りそうな気がするけど……とりあえず今は遠慮しとこう!

 

「骨に異常ないか?」

 

「えーと……はい!打撲だけです!」

 

「敵襲に備えて警戒を怠るなよ」

 

「はい!」

 

「わかっていると思うがこの戦いはまだ序盤だ。最終目標は無惨だが、次また上弦弐や壱と戦うことになるかもしれない」

 

「はい!気を締めていきます!」

 

鴉が俺達のそばに飛んで走っていた。俺達は誰かがまたなにかを倒したのかと思い聞く耳を持っていると思いもよらぬ情報が入った

 

「カァカァ!!上弦弐!拳柱夛田空、蟲柱胡蝶しのぶ!!カナヲ、伊之助、協力者珠世!!五名により上弦弐を撃破!撃破!」

 

「上弦弐を撃破!?それに伊之助、カナヲは無事なのか!?」

 

「ナントカァ!!」

 

俺の相方鴉からもたらされた情報は空さん達が長年殺すために目標となっていた上弦弐を倒したことに俺はすごいと思った!

 

「鴉……他の三人は?」

 

「っ!?」

 

義勇さんがなにか引っ掛かるのがあったのか鴉に聞くと鴉からもたらされた情報は上弦弐を倒したよりもさらに驚く事をもたらされた

 

「拳柱夛田空上弦弐トノ格闘ノ末死亡ガ確認!!確認!」

 

「………え………」

 

空さんが………死んだ…………?あの、俺たちを厳しく接して強くさせてくれた空さんが亡くなった?

 

『お前なら俺たちの長年の望んでいた事を終わらせてくれそうだな』

 

俺は空さんの言葉を思いだし、その優しい笑顔と安心させるような言葉を思い出して俺は気がつけば涙がこぼれていた

 

「空さん……っっ」

 

蝶屋敷の皆といるときの空さんは本当に優しい眼差しで皆を見つめていた。妹の禰豆子の事もすごく可愛がってくれていたしそんな空さんが……

 

「ぅうっ………」

 

「そうか……空は最期までやり遂げたのだな……」

 

義勇さんは悲しそうに今は空が見えない方に見上げながら呟いていた。義勇さんは俺よりも長い付き合いだから今の気持ちがわからないけど……真菰や錆兎がこんなことを聞けば…いや、アオイさん達はもっと苦しむ……

 

「無惨……俺はお前だけを許さない……っ!」

 

必ず無惨を殺しますから空さん……!

 

 

 

真菰side

私達は今禰豆子の護衛をしながら無惨を倒すであろう夜明けを待っていた。禰豆子の護衛としては私と錆兎と鱗滝さんの三人、外には元炎柱の煉獄さん親子と元音柱が待機していた

 

「はぁはぁ……」

 

「禰豆子……」

 

「真菰、大丈夫だ。禰豆子は俺達の弟弟子の妹だ…きっとこの苦しみも乗り越えて人間に戻るさ…」

 

「……うん、そうだね!私達の妹でもあるから大丈夫だね!」

 

私達は様々な情報を聞きながら辛抱強く待っていた。大丈夫、きっと無惨を倒してまた明るい夜明けが来る……!そう思っていると、元炎柱の煉獄杏寿郎さんが入ってきた。但し、その表情は本当に疲れてるのが丸分かりだが何かあったのは明確だろう

 

「竈門禰豆子の状態はどうだ?」

 

「今のところは大丈夫」

 

「うむ、そうか……先程鴉からいくつかの情報がもたらされた……聞く覚悟あるか?」

 

覚悟……そんなの何が起きても私達は受け入れている。鬼殺隊に所属したときから昨日の友が失うこともあったのだから……

 

「まず、上弦参は竈門少年と富岡が倒した。二人とも生きてる」

 

「本当か!!」

 

「うむ!あの二人が我らの仇をうってくれたぞ!」

 

「そっか……二人ともすごいね!」

 

「うむ、次に上弦陸も倒されたようだ。どうやら、補充されていたらしいがそれも倒された」

 

スゴい、スゴい!あの上弦を次々と倒してるのはスゴい!本当に無惨を倒すのが近づいてる!だが、上弦弐……空の仇敵はどうなったのだろう?

 

「上弦弐も今撃破されたのを確認した。倒したのは胡蝶妹とさらにその妹のカナヲと猪頭の少年と協力者と空が倒したぞ!」

 

「本当!!よかった!!」

 

やっと空の因縁も決着がついてその苦しみを知ってる私達は喜んでいた。

 

「……なぁ、炎柱さん、何を隠してる?さっきからなにか言いたいことを悩んでるように見えるが……」

 

「む?顔に出ていたか」

 

「まぁな。義勇の言う通り分かりやすい顔だったぞ」

 

それをいうと煉獄杏寿郎さんは目を伏せながらやがて意を決して顔をあげてそれを話してくれ

だが、次にもたらされた言葉に私達は絶望に落とされた

 

「…上弦は多く撃破したのだが………夛田空は………死亡したと訃報が入った……」

 

「………は?空が………?」

 

「……………空が………………死んだ?ねぇ、なんの悪い冗談なの……?」

 

「俺も悪い冗談であればどれだけよかったか………っ!鴉からもたらされた訃報は偽りはない………」

 

「そんな………」

 

その情報に嘘はなく鴉は正確に情報を伝える役目がある……だから本当に空は死んだということは…嘘ではないということだ…

 

「っ………。勝手に死にやがって……馬鹿野郎が……」

 

「……しのぶ……カナヲ………」

 

今も無惨の方で戦っている二人の心情は私達にはわからないほど辛いだろう……特にしのぶは幼馴染みを目の前で失うなんて………

 

「戦いはまだ続くだろうが……今ほど仲間を……空のそばに助けにいけなかったと思うと悔しくたまらぬ……!」

 

「……大丈夫……だよね…?炭治郎も義勇も……」

 

神様……お願い……もうこれ以上二人の大切なひとを失うのは止めて………そう思いながら私達は禰豆子の様子を見ていた……

 

「本当に空はいつも勝手にいなくなるのだから……謝っても許さないのだから……!」

 

「そうだな……こればかりは庇えないぞ……空の馬鹿野郎が……」

 

「頼む……竈門少年……君がきっとすべてを終わらせてくれると俺は信じてる……空のためにも……死んでいった仲間のためにも……頼むぞ……っ!」

 

その言葉はすべての願いも込めて今も戦ってる炭治郎達に向けての言葉に私達も同じ気持ちだった……




ここまで読んでいただきありがとうございます!
これからも宜しくお願いします!
次回はどういう話を書こうかまだ明確に決めてませんが宜しくお願いします


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107話

しのぶside

上弦弐を倒す……これは私達の念願でもあり目標でもあった。確かに上弦弐を倒すことができたが……その勝利の代償はあまりにも……あまりにも酷すぎる結末だった……私は呆然としながら立ち尽くすカナヲをゆっくりと私の肩に寄せて泣き顔を隠してあげた

 

「空兄さん……空兄さん……っ」

 

「カナヲ……」

 

「しのぶ姉さん……っっ……空兄さんが…空兄さんが………居なくなったなんて……嫌だよぉ……!!」

 

この子は本当に空の事を兄のように募っていた……ここにいないアオイも他の子達も……きっとこの事を聞いてしまえばショックを受けてしまうだろう……

 

「……」

 

私達の少し離れたところで、伊之助君は仇敵を討ち取ってもずっと落ち込んでいた。母親を思い出してるのかそれとも空を思い出してるのかわからないけど今はそっとしてあげるのが良い……

 

「……しのぶさん」

 

「…はい、なんでしょう…」

 

「……本当に申し訳ございません……私がもっと治す技術があれば彼は……」

 

「いえ……珠世さんのせいではないです。空も私も鬼殺隊を所属していたときからいつかこうなることも覚悟をしてました……」

 

そう、鬼殺隊はいつ誰か死ぬかわからない日々を送っていた。柱だから生きて帰れるなんて誰もそんな保証はない……だからこそ、あの日から覚悟を決めて生きてきた……

 

「カナヲ、伊之助君……二人とも……立ちましょう」

 

「「!」」

 

「今は泣いてる暇はありません……空が身を呈して守ってくれたこの時間を……この世界を私達が代わりに守りましょう。そして……無惨を必ず殺しましょう」

 

それが、今の私達が空の代わりにできることだ……。いつか空が言っていたけど、残された側は何かを託されて生きている……だったら、私は空の分までこの戦いを生き抜いて生き抜いて……無惨を必ず殺しましょう……

 

「…なぁ…しのぶ……これを持っていって良いか?」

 

「私は……これを……」

 

「それは空の刀と手袋を……そうね……私もこれを持っていきますか……少しお守り代わりとして……ね」

 

空の亡骸を見つめて私は空の心臓や脈を図ってももう息はしてなく、あの笑い顔もあのみんなを安心させる声ももう聞くことができないと思うとそれはものすごく悲しく虚しい……

 

「しのぶさん」

 

「はい」

 

「貴方も重傷です。私は貴方も空さんのように失ってほしくない……だから、きちんと治療をしてから行きませんか?」

 

「……」

 

珠世さんの言葉に私は少し考えました。確かに治療をしてもらったお陰で上弦弐を討ち取ることが出来ましたが、傷は完全になおったわけはない。本来なら私は直ぐ行きたいので治療を断りたい所が、空は私に託してくれた……

 

「……分かりました。カナヲ、伊之助君は先に向かってください……私も少し治療をしてもらってから必ず向かいますので……」

 

「……はい!伊之助、行きましょ」

 

「おう!しのぶが駆けつける間もなく首とってきてやるからな!!」

 

二人はそれぞれの愛刀を納めてこの部屋から出ていった。私は珠世さんに治療されるためにこの部屋で亡骸の空を見ていた

 

「珠世さん……私はあの時、上弦弐の首がはねられてこれでもう終わりだと私は柱であろう者が気を抜いてしまった」

 

「いえ、仕方がありません……しのぶさんも本来あそこまで戦えたのは奇跡です。あの子達の前に弱音をはかなかったのは呼吸がもうキツかったのでしょう…」

 

「あらら……見抜かれてましたか……。えぇ、少なくとも、あの戦いで私もとっくに限界を迎えてました。しかし、諦めたくはないと思い最後までこの刀で振るいましたが…最後の最後で…大切な幼馴染みを失ってしまいました……」

 

「……彼をここでおいとくのは衛生上悪いですよね……」

 

私達がそんななしをしているとドアが空く音とがしたので振り向くと……

 

「はぁはぁはぁ……うそ……ですよね……」

 

「マジかよ……」

 

そこにやって来たのはポニテールしている女性の方で以前私達蝶屋敷に治療を受けていた方と生前彼と親しい友人が駆けつけていた

 

「尾崎さんと……後藤さん……」

 

「っ!蟲柱様!お怪我を……」

 

「私は大丈夫です。そして、この方は珠世さんでお館様のご協力者です」

 

「そうですか……その……」

 

「……えぇ……空の心臓も脈も動いてませんでした……必死に手を尽くしてももう……助かりませんでした」

 

私は目を伏せながらそう答えると後藤さんは少し落ち込んだ声で私に聞いてきた

 

「………差し支えなければ私が無惨の決戦終えるまで遺体を隠しましょうか…」

 

「……そうですね。空の亡骸を必ずあの場所へと……後藤さんお願いしますね。尾崎さんは後藤さんの護衛をお願いします」

 

「はい。私ができることがあるのなら……この人に助けてもらった命で必ずこの人の亡骸を鬼に食われないように……闘います」

 

私は万が一鬼によって空が喰われる可能性がないわけではないので、念のためにこのお二人にお願いをする。そして、私は立ち上がり珠世さんに呼び掛けた

 

「珠世さん……いきましょう。ここにお二人をお願いをするので」

 

「えぇ。恐らくそろそろ効き目の問題も……」

 

「急ぎましょう。託された未来のために私は……戦います」

 

空、本当にごめんなさい。今は泣くことも悲しくことも捨てて……無惨を殺しにいきます。だから私の羽織は上弦弐に破れてしまったけど貴方の羽織を背負って走るわ……共に戦いましょう

 




ここまで読んでいただきありがとうございます。
次回の話は一応予告しますと、細かい部分をかなり飛ばす予定です。
これからも宜しくお願いします!


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108話

俺と炭治郎は上弦参を撃破して止血を終えてから、無惨を倒すために探してた。その最中に様々な情報が入ってきながらも俺達は走り抜けていくと無惨と対峙していた

 

「しつこい。お前たちは本当にしつこい 飽き飽きする。私に殺されることは大災に遭ったのとの同じだと思え」

 

やつが最初に聞いた言葉に俺達は呆然としていた。こいつは一体何を……

 

「死んだ人間が生き返ることはないのだ。いつまでもそんなことに拘っていないで日銭を稼いで静かに暮らせば良いだろう。異常者の相手は疲れたいい加減に終わりにしたいのは私の方だ」

 

この言葉を聞いたとき俺は生まれてはじめてと言っていいほどこの男に憎悪を抱いた。こいつが存在してるせいで…姉さんは鬼に殺された……こいつが存在してるせいで、胡蝶達はまた大切な人を失った……

 

「無惨……お前は存在していけない生き物だ」

 

炭治郎がそれをいうと共に俺達はぶつかり合った。そして、戦いの最中に伊黒と甘露寺と合流して俺達は無惨をなんとか決定打を見つけるために時間を稼ぎながら戦っていた。すると、何者かの手によって無惨を外に連れていくことができたが、俺と伊黒と甘露寺で対抗していた

 

「私は攻撃に私自身の血を混ぜている。鬼にしない大量の血だが、猛毒と同じ細胞を破壊して死を至らしめる……竈門炭治郎は死んだ」

 

戦いの最中に、炭治郎の様子がおかしいと思いながら戦ってると無惨は、弟弟子でもある炭治郎が死んだという発言していた。その言葉に心が折れそうになるも俺は必死に戦っていた。奴と戦っている中、折れている刀では厳しいと考えていると……

 

「一旦皆さん下がった方がよろしいですよ。なに、無惨をここから逃げれないようにしますから」

 

「「「!」」」

 

血鬼術 視覚夢幻の香

 

「幻覚だと……?いや、これは…」

 

すると、無惨の回りに肉の種子が溢れていたのが分解して無惨の体に突き刺さっていた。これは俺達がお館様の屋敷に駆けつけたときにもあった血鬼術か!?

 

「ぐ!また私の動きを止めただと……どこまで私の邪魔をする、珠世!!」

 

突如聞こえてきた声に俺達はすぐに後ろを下がると、俺のそばには……

 

「助けにいくのが遅くなりました。伊黒さんに甘露寺さん、冨岡さん……大丈夫ですか?」

 

俺達は声をした方向に振り向くと、いつもの白い羽織ではなく黒い羽織を着ていて小柄ながら素早い動きをする俺と同じ柱の……

 

「胡蝶……」

 

「しのぶちゃん!それにえーと……?」

 

「珠世さんは私達の協力者もといお館様公認の協力者です」

 

「今はそれはどうでもいい。この際やつを殺せるなら何でもいい」

 

伊黒のいう通り今はあの男を殺すことが優先だ。一人でも多く撃ち取れる可能性を高めるためなら……

 

「珠世さんは炭治郎君の手当てをお願いします。すぐに駆けつけますので」

 

「分かりました」

 

「胡蝶、その羽織は……それに炭治郎は……」

 

俺はその羽織は見覚えがあった。いや、ありすぎて驚いてる……それは間違いなくあいつらが空のために作っていた羽織だ……

 

「無惨が言っていた言葉は聞いてました。猛毒ですか……では、それは私と珠世さんが治療してみます。無惨の情報はどれだけありますか?」

 

「…あの攻撃には毒があることそして、やつを仕留めるため(日が出るまで)には一時間半粘らないと厳しい…」

 

「なるほど。では……」

 

俺はしのぶが何かいうと無惨の方を見てみると、いつのまにか無惨のからだに鎖が巻き付いていた

 

「あれは……!」

 

「最強の助っ人三人を連れてきましたよ……」

 

しのぶの言葉と共に無惨の巻き付いた鎖をしっかりと握っていたのは岩柱だった。そして、無惨が岩柱を見ていると、一つの刀が奴の体を切り裂いた

 

「(黒死牟を倒した敵か)ハエが……鬱陶しい」

 

「不死川……」

 

無惨の攻撃が振るおうとしていると、不死川が何かを投げつけていた。そして、それは奴の体につくと…

 

「動けぬ…これは半天狗の…」

 

「あれは血鬼術か?」

 

俺は一体どんなやつがやっていたのか周りを探すと不死川が以前弟ときちんと話し合って和解したと言っていた子だった

 

「今だ兄貴!」

 

「燃えろ……」

 

不死川の離れたところでその子は銃を持って叫ぶと不死川は懐からマッチを取り出して火を放った

 

「きさまぁ……小賢しい真似を……!!」

 

「玄弥!ここからは俺の仕事だ!!てめぇはそのあとの動きわかってるな!!」

 

「うん!」

 

玄弥と呼ばれた少年は炭治郎の方に向かってきた。そして、不死川は無惨と対峙しながら今までで見たことがないくらい冷たい目で見ていた……

 

「てめぇにはこれくらいがお似合いだぜ…この塵屑野郎が!」

 

不死川達だけでは戦わせないと俺達はすぐに刀を持って行こうとすると、胡蝶が俺を引き留めた

 

「冨岡さん……大変すいませんが、私はもう戦えません」

 

「!……まさか、上弦弐の……」

 

「はい……今共に戦っても私は足手まといです。だから……」

 

胡蝶は泣きそうな顔で俺の方を見ていた。俺はこの胡蝶の表情ははじめてみた。だが同時に納得した。今の胡蝶は空が失ってしまってまだ心の傷が癒えてない状態だ

 

「任せろ。その代わり、お前は炭治郎をたのむ……俺は奴の言葉は信じない」

 

「分かりました。お気を付けて」

 

「あぁ……村田!!」

 

俺はさっきから目に移っていた村田が見えたので聞こえるように叫んだ

 

「村田!炭治郎が動けない!!安全な場所で手当て頼む!そこに玄弥がいるから四人で頼む!」

 

「では、私も向かいます……護衛に玄弥君がいますからこちらの事など気にせずに言ってください」

 

「あぁ……」

 

俺達はそれをいうと共にその場を全力で散り、俺は無惨の方へと走った。胡蝶のあんな顔をさせたのは誰だ?空のせいか?いや、違う……あいつは最期まで生き抜いた……

 

ならば……

 

「俺はお前を心の底から許せない……無惨」

 

すべての始まりの諸悪の根元とも言える男に俺は心底憎しみを込めて奴の方へと走った。奴は……俺達から多くのものを奪いすぎた……

 

今日……必ず殺す……

 




ここまで読んでいただきありがとうございます!
なんとか本日も投稿できました……これからも宜しくお願いします!また感想もありがとうございます!


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109話

私は冨岡さんたちと別れてすぐに炭治郎君の治療を珠世さんと協力してやっていました。この状態ははじめてみますが、絶対に炭治郎君を死なせません

 

「無惨の毒は私が一番長く見てました。あの男の攻撃は自身の血を混ぜて猛毒となると昔も言ってました。まぁとうの本人は、それすらどうでもいいから忘れてるでしょうが……」

 

「では、対策はいくらでもありますね」

 

「珠世様!……と、女狐か」

 

「あら、ずいぶんなご挨拶ですね。珠世さん、一回この子を本当にお仕置きしていいでしょうか?女性に対する口の聞き方がなっていませんので」

 

「なんだと?珠世様の美しさにひれ伏せない女狐がーーっとそんなことは今はおいとこう。この男の治療をするのだろ?俺も協力する」

 

あら、意外と今の状況を冷静に見極めてるというのは関心、関心。ですが、この戦い終えたら必ずお話ししましょう……

 

「では、すぐに珠世さん達は炭治郎君の治療をお願いします。玄弥君は……今すぐにその人間に戻る薬を刺します」

 

「え?いや、俺はまだ……」

 

「無惨の動きを止めるためには必要。たしかにそうですが、今の君の体はこれ以上負荷すれば危険です。あとは、お兄さん達に任せてあげてください」

 

「……分かりました。確かに今の俺が何しても足手まといです。けれど、戦いは止めませんよ」

 

「えぇ。……どうやって生き延びたのですか?」

 

「霞柱様が戦いの最中に攻撃したあと可能な限り下がるようにしろと言ってました。そして、兄貴達と連携して……ただ、霞柱様はもう出血が酷すぎて…助かりませんでした」

 

「そうですか……空に続いてあの子も……」

 

「あ、すいません……空さんは……」

 

玄弥君は空とも面識があったのか気まずげに顔を背けていたが、私は気にしてない

 

「空は生前貴方の事もすごく気にしていたのよ。何度か話してもらっていたのですよね?」

 

「はい。呼吸を使えない場合の戦いや生き方も……戦略も教えてくれました」

 

「空らしいですね。柱稽古の間に空は隠にも生きる術を教えていたみたいです。本人は万が一の最悪なケースのためにも理解してほしいと言ってました」

 

そう、空は柱稽古期間中に隠達に最悪の事もあるから生きる術を教えていたみたいだ。そして、これは私たちが知らない何かを空は教えていたみたいだ

 

「これで大丈夫です。玄弥君は戦いたいでしょうが、今は炭治郎君が目を覚ますまで護衛を……私は今から炭治郎君の治療を協力しつつ、皆さんの薬を作り上げます」

 

「分かりました!」

 

「今の私は戦うのは厳しい状態です…。仮に私が戦えても呼吸を使えるのは一回だけでしょう」

 

「……」

 

私の言葉に彼はなんとも言えなさそうな顔になっていた。空を失った上に呼吸もままにならないで戦えないというのはどういう気持ちかは私自身にしか分からないですが、彼は何かを感じ取ったでしょう

 

本当に今すぐにでも、空の力が必要ですよ……

 

 

 

 

炭治郎side

俺は先祖の過去を見てそこら急激に真っ暗になり歩いていると、後ろから懐かしく優しい言葉が聞こえた

 

「いやいや、何でお前がここに来ている?周りを把握するためにのんびりと歩いてると、予想外の人物がいて動揺してるんだが…来るにはまだまだ早いだろ…」

 

「この声は……空さん!」

 

振り向くと鴉から空さんの訃報を聞いていたのだが、今いる目の前の空さんは……?

 

「あぁ、死んでるぞ?というか、ここに俺がいる理由はお前をこの世界から引き返させるためだ」

 

「俺のため?」

 

「そうだ。ここは生と死の狭間だ。現実では恐らく、伊之助やカナヲも善逸も戦っているだろう。だが、お前はこんな暗闇にいる場合ではない。さっさと戦場に戻ってしのぶ達を助けて無惨を殺せ」

 

空さんは生前と変わらずに優しそうな顔で俺にこの状況を教えてくれた。どうやら俺が空さんと話せるのは生と死の狭間だからかもしれない

 

「でも、どうやって……」

 

「強く目を覚ますことを念じたらいいだろ?……炭治郎、お前なら無惨を殺してくれると俺は信じてるよ」

 

「それで戻れるなら、空さんも俺と共に現実の方に…」

 

「無理だ。俺はすでに死んでる身だからな…しのぶ達には申し訳がないがな…」

 

「そんな……俺はまだ何も貴方に恩を返せないのに……」

 

空さんは悲しそうに目を伏せていた。俺はこの人に何も助けることができなくって悔しく涙が流しそうになっていたら、空さんが否定していた

 

「いいや、それは違う。俺はお前に多くの事を感謝してる……」

 

「感謝?」

 

「ふふ、それを今言ってもきりがないからこの話は置いとこう。炭治郎」

 

「はい」

 

「あの人を不幸をさせる奴に教えてあげろ。今を生きる人達の強さと誇りを……そして、無惨に殺された人々達の無念をお前が晴らせ!」

 

その言葉と共に俺は暗い世界から明るい世界へと変わってきた。そして、空さんの方を見るともう見えなくなっていたが声だけは聞こえた

 

「無惨を殺せずに、こっちに来たら拳骨な。ついでに、カナヲやしのぶ達を泣かしたら十倍強く殴るから覚えとけ。……いや、生と死の狭間だから今の言葉を覚えてくれてないかもな……実際はどうなのかは知らんけど…」

 

「空さん……ありがとうございます!」

 

俺は空さんのアドバイスを胸に俺は眩しい光へと走っていった………必ず無惨を俺達で殺してみます!

 




ここまで読んでいただきありがとうございます!
これからも宜しくお願いします!


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110話

カナヲside

私はしのぶ姉さん達と別れたあとに、伊之助と共に他の仲間を合流するのを探していたら善逸ともう一人見知らぬ隊員がいた

 

「そんな……空さんが……」

 

「嘘でしょ?あの空さんが死ぬなんて……」

 

善逸ともう一人の隊員村田さんに空兄さんの死を教えると二人とも驚きと共にショックを受けていた。私も気を緩めたらまた泣きそうになっていたが、しのぶ姉さんの言葉を思いだし気を取り直した

 

「あ、そうだ。この紙をお前達に渡すよ」

 

村田さんが渡してきたのは何かの書かれていた封みたいなものだった。私達はそれが何なのか知らないので、訳を聞くとこの紙を張ることで相手がその場から消えたように見えると言っていた

 

「俺が持っていても、無惨を殺すために戦力は役立ちそうにない。むしろ、炭治郎の同世代でもあるお前達に託した方がいいと思う」

 

「分かりました」

 

「……なぁ、伊之助。空さんは………あの人はどんな最期だった……」

 

「俺様から見ても立派で強い男だった。だからこそ許せねぇよ……!しのぶ達の大切な奴だったのを奪った敵の親玉になぁ!」

 

「そうだよな……俺達も急ごう。恐らくどこかで炭治郎が戦っている筈だから」

 

私達は善逸の言葉にうなずいて、続いてる通路に歩こうとすると突如建物が崩れて、吐き出されるように出ていくと私達が次に移ったのは……

 

「外……?」

 

いつのまにか外にいるこの状況に困惑していた。すると、私の回りにいたのは善逸と伊之助が起き上がった

 

「いた~ー!死ぬかと思ったよ!?何!?いきなり!?」

 

「うるせぇ!!というか、ここどこだ!?血鬼術か!?」

 

「二人とも落ち着いて。恐らくここは……血鬼術ではなく、本当の外に出てこれたみたい」

 

なぜ、私たちが外にいるのか解らないけれど、恐らく誰かが無惨を確実に殺すための方法をとるためにそのように動いたのだろう

 

「むむ!あっちに戦闘してる音が聞こえる!!」

 

「急ごう。気づかれないようにこれを張っていこう」

 

「ひゃあ!二人とも待って~!!!」

 

私たちが戦闘してる方に走っていくと善逸も急いで追いかけてきた。昔の私がこの光景を見たら驚くだろう……空兄さんやカナエ姉さん、しのぶ姉さん達にずっとベッタリだったあの頃の私が見たら何て言うだろう……

 

「あれが……」

 

私の視界に移ったのは白髪の男で背から何かを出して攻撃していた。私達はそれをみて、気づかれないように攻撃しかけた

 

「(あれが無惨……)」

 

私はその男を見て渦巻いた感情は上弦能登きよりも激しい憎悪だった。こいつのせいで空兄さんが失うことになったのだから……でもひとつだけ皮肉にも鬼と言う存在がいたから姉さん達に会えた……だけど……

 

「伊之助、善逸……いくよ」

 

「ひぃぃ!やるしかないか!」

 

「よし……ぶち殺してやるぜっ!」

 

私の言葉に二人とも走り込んでいた。私が今ある感情は二つ……こいつはこの世に存在してはいけない本当の敵であること…もう一つは……私達に力を貸して兄さん!私達はばれないように危なくなっていた蛇柱を助けながら攻撃を切り裂いていた。正直今気づかれては危険はかなりある。すると、棘みたいなのが見えないはずの私たちに攻撃してきた

 

「いだぁああ!やだぁぁあもう!」

 

「くっ!(こんなに早く気づかれるなんて……)」

 

「いっ……でぇぇぇぇ!この糞虫が!!」

 

私たちは無惨の攻撃をうけると、姿が見えてしまうようになっていた。このままでは不味いと思い後ろに下がった

 

「お前達生きていたのか!」

 

「死んでたまるか!!あんのチビ和服黒に託されたのだからな!」

 

「善逸、いくよ」

 

「あぁもう!!やるしかない!」

 

伊之助は善逸達がもらっていた紙をばらまき私と善逸はその紙を額にはり、再び透明になった。蛇柱様が攻撃したのを皮切りに私たちも攻撃した

 

花の呼吸 肆ノ型 紅花衣

 

雷の呼吸 壱ノ型 霹靂一閃

 

「小賢しい真似をするな!蝿どもが!!」

 

無惨が何かを攻撃をしょうとすると蛇柱様が、蛇の呼吸で攻撃しかけていた。そして、伊之助が走りながら二つの刀を鞘に納めるような構えにしていた

 

「てめぇのあれを借りるぜ…!」

 

獣の呼吸 居合い切り

 

「その技は兄さんの……!?」

 

「あいつに居合い切りを教えてもらったからな!今まで成功したことがなかったが、なんとかやってみるもんだぜ!!!」

 

伊之助の出した技は生前空兄さんが小刀で鬼を切り裂いた技の一つだ!それを教えた空兄さんも驚きだけど真似をできる伊之助も凄い……

 

「俺様があいつに代わって、討ち取るんだ!!行けるな、カナヲ!!」

 

「…うん!」

 

きっと、私たちが見えないところで兄さんは見守ってくれている。今この場に炭治郎もいないのは気になるけど、大丈夫!炭治郎がなにかあっても姉さん達が助けてくれるはず

 

私に力を貸して!空兄さん!!




ここまで読んでいただきありがとうございます!
次回もよろしくお願い致します


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111話

カナヲside

岩柱様が自身の武器をぶつけ合っていると、岩柱様の武器が赤く焼けている状態になっていた。私達は、それをみてそれでどうするのだろうかと思っているとーー

 

「えぇ、どういうこと!?」

 

「すげぇ!?岩柱のおっさんがやった攻撃のあとの再生が遅い!」

 

「あれは……どうやって……」

 

私たちが疑問に思っていると、水柱様と風柱様の刀を思いきりぶつけていた。すると、お二人の刀が岩柱様のと同じように赤くなっていた

 

「すげぇ!?刀をぶつけ合ったらできるのか!?よし、カナヲ!善逸!」

 

「何?!こっちは余裕じゃないのにいきなり何なの!?」

 

「俺達もあれをやらねぇか!?刀を赤くするやつ!!」

 

伊之助の言い出した提案は刀を思いきりぶつけ合って赤くさせないかという提案だが、そんな簡単にできないよ!?

 

「伊之助!簡単にやってるように見えてるけど、あれはまず、同じ腕力じゃなきゃそれをするには厳しいよ!」

 

「そうなのか!っとうぉ!?」

 

「とにかく!!私達ができることを今しないといけないよ!」

 

花の呼吸 弐ノ型 御影梅

 

私は迫ってきた攻撃を自身の中心に周囲を切り裂くと、伊之助が自身の刀を思いきりぶつけていた。すると、刀が赤くなっていた

 

「よしゃ!!やってみるもんだなぁ!」

 

「何でできるの!?」

 

「伊之助はやっぱり無茶苦茶だよ……」

 

伊之助が刀を赤くさせることを成功してるのを見て驚くが、生前空兄さんも伊之助が関節を外しての攻撃を見て遠い目していたのを思い出した

 

「いくぜ、いくぜ!!」

 

獣の呼吸  弐ノ牙 切り裂き

 

「……」

 

「ッチ、再生が早すぎる!!」

 

「猪頭よくやったぁ!次はこっちの攻撃だぁ!続けよ、冨岡ァ!」

 

「あぁ」

 

風の呼吸 漆ノ型 勁風・天狗風

 

水の呼吸  陸ノ型 ねじれ渦

 

風柱様と水柱様の攻撃が無惨に直撃した。無惨にとってはあまり意味がないかもしれないが、私たちにとってはこうして時間を稼ぐ意味でも大事

 

「行ける、行ける!」

 

「く!でも、あの攻撃が邪魔してるせいで中々決定的なのいけないよ!」

 

「大丈夫……!きっとなにか方法があるはず」

 

「伊黒ーーっ、体を注視しろ!!体が透けて見えないか他の者でもいい!体が透けて見えないか!!!」

 

岩柱様の言葉に私たちも見てみるがなにもわからない。恐らく、岩柱様しか見えないなにかが……

 

「このやベー感じは……カナヲ、善逸!今すぐに下がれ!」

 

「え?」

 

「早くしろ!!俺様ですら嫌な予感がーー」

 

伊之助の言葉を聞いた私は上弦の時でも伊之助は肌でヤバイと感じたら下がっていた。そこから考えることをほんの一瞬頭を回転させて私は後ろに下がった

 

すると……

 

「ガフッ……」

 

気がつけば、私を含めて皆がいつのまにか無惨の攻撃を直撃していた……。速すぎて、今の攻撃はなにも……見えなかった

 

「貴様は……なるほど。上弦弐からの情報で生き残ったものか……」

 

「(動け、動け!)」

 

「やつを殺した面子はあそこに倒れてる奇妙な生き物と貴様、そして……この場にいない女狐の二人か」

 

「(情報はやはり共有されてる!!兄さんはこれを見越して私にあの型を使うなといったの?!早く動かないと!!)」

 

「あの男の名前は誰だったかな……貴様らを庇い犬死した男は……」

 

今こいつは何て言った?空兄さんのことを犬死だといった?憎い……憎い!!全ての諸悪の男が兄さんを語るな!!

 

「まぁ、光栄に思え……私がこの手で殺すのだから……恨むならあの世であの男を恨むのだな」

 

「(早く立って……足動け!空兄さんが私達に未来を託してくれたのだから……私が兄さんに代わってこいつを…皆が安全に生きられるようにまた悲しい思いをしなくていいように…こいつのせいぇみんなの家族も殺された!)」

 

「去らばだ……小娘」

 

「(死んでも倒す!私だって空兄さんの妹!最期までちゃんとやる)」

 

無惨が左腕を高くあげるのが見えると同時に隠の後藤さんが叫ぶ声が聞こえた。あぁ、走馬灯のように空兄さんや皆のことを思い出す…_

 

「兄さん……ごめんなさい……しのぶ姉さんも……」

 

私はこれから迫る死に抗うことを諦めていると……

 

ヒノミカ神楽 輝輝穏光

 

私の体を抱き締めながら無惨を攻撃した。抱き締められた私はその抱き締めた人の顔を見ると、私を変えてくれた人が……

 

「炭治郎……炭治郎……」

 

「うん……遅くなってごめん。後藤さん頼みます」

 

「あ……あぁ……」

 

私を優しく頭撫でて炭治郎は無惨の方へと振り向いた

 

「終わりにしょう。無惨」

 

今までで聞いたことなく冷たい声で炭治郎は無惨の方に歩いていった。すると、炭治郎の歩く背中には一瞬……

 

「空……兄さん……?」

 

死んだはずの兄の歩く姿と重なっていた。そして、私は炭治郎を助けようとしても今の状態は動けない……

 

「カナヲ!!」

 

「胡蝶様!カナヲ様の治療を……」

 

「後藤さん、ありがとうございます。他の負傷者達にすぐにこれを止血させてください!」

「分かりました」

 

後藤さんは動けない私をしのぶ姉さんの方につれていってくれた。しのぶ姉さんはものすごく焦った顔でこちらの方に駆けつけた

 

「私がすぐに止血と無惨の毒をどうにかするから………!大丈夫です、姉さんに任せてカナヲは少し休みなさい…!」

 

「うん……」

 

空兄さん……どうか炭治郎を守って……!

 




ここまで読んでいただきありがとうございます!
自分なりに色々な側面でかいてますのでご容赦をお願いします。
これからも宜しくお願いします!


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112話

時は少し遡って……

 

しのぶside

 

私は炭治郎君の治療しながらも無惨の戦いにも気にかけていました。風柱、水柱、岩柱、蛇柱の柱四人が総掛かりしても無惨は強い。それに、恋柱の甘露寺さんは別の方に治療をしてもらいながら安静してる

 

「ぐぅ……!」

 

「玄弥君、どうしたのですか?」

 

「いえ、治療の邪魔になると思って俺達で掴んでる手を離させようとしたのですが…固くって…」

 

私はその報告を聞きながら、治療を続けていた。炭治郎君の体が固縮してるのかとおもったが、恐らくそれはまだない。脈も徐々に動いてはいる……

 

「恐らく、炭治郎さんも足掻いてるのだと思います。愈史郎、注射を」

 

「はい、珠世様」

 

珠世さんは愈史郎君に指示を出すと、彼は注射を渡していた。そして、私もまた珠世さんから渡された解毒で彼の体を注射した

 

「炭治郎君……!」

 

私は未だに深い眠りで起きない炭治郎君に対して内心色々な思いが渦巻いていた。覚えていますか?君と初めて会ったときはあの暗い暗い鬼達がいる山でしたね……

 

『坊やが匿っているのは鬼ですよ?危ないですから離れてください』

 

『違います!いや、違わないけど妹なんです!』

 

『まぁ、そうなんですか。かわいそうに……では、苦しまないように優しい毒で殺してあげましょう』

 

そう、失礼ながら初めてあったとき鬼をかくまう君を見て、怒りが渦巻いていたのも密かにあったのですよ?だって、鬼は私達の家族を食べて……大切な幼馴染みとも関係をバラバラにさせた最悪な存在だったのですから……けれど君は多くのことを覆してきた

 

『あの、しのぶさんどうして俺達をここに連れてきてくれたのですか?』

 

『禰豆子さんの存在は公認になりましたし、君たちの怪我もひどかったからですね。……それから君には私達の夢を託そうと思いまして。そう、鬼と仲良くする夢です。きっと君なら出来ますから』

 

あの日に私は君を夢を託してから私の心は少し軽くなりました。そして、君はたくさんの人の心を変えた

 

『しのぶ姉さん』

 

『しのぶ様、ご飯できました!』

 

君と出会ってからカナヲがしっかりと自分の意思で意見を言えたり、アオイが以前よりも明るくなっていた。それに蝶屋敷の皆も…あの、空でさえ変えれなかったカナヲを変えた君を私たち全員が信じてるから……

 

「炭治郎君、君は私達の光を取り戻してくれたのです。だから、空みたいに勝手に死ぬのは許しませんよ」

 

「いまの炭治郎の脈は弱々しいが…珠世様、このままでは……」

 

「いいえ、もう助けるのを諦めるのはあのときだけで十分です。絶対に助けることを諦めてはいけません。しのぶさん、注射を続けますよ」

 

「はい!」

 

私達が注射を続けようとすると、辺りになにか音が響き、村田さん達は周りを見てどこからの音なのかさがしていた

 

「これは……刀の音です」

 

「まさか……!」

 

私達はその音の方を見てみると、目を思いきり開いた炭治郎君がそこにいました

 

「珠世さん、愈史郎さん、しのぶさんありがとうございます」

 

「……動けるのか?」

 

「えぇ、珠世さん達は他の人たちの治療をお願いします」

 

炭治郎君は起き上がり、すぐに刀を一振りしてそして無惨の方を見ていた。私も何故か、つられて見るとカナヲが倒れていた

 

「っ!?」

 

「俺が助けます」

 

炭治郎君はそれだけを言うと駆け足で無惨の方に向かいヒノミカの呼吸をして無惨の腕を切り裂いた

 

「っは、カナヲ!!」

 

私は一瞬炭治郎君の技に気をとられていましたが、私にとって大切な妹のカナヲの状態が心配になり向かっていった

 

「カナヲ!!」

 

「胡蝶様!カナヲ様の治療を……」

 

「後藤さん、ありがとうございます。他の負傷者達にすぐにこれを止血させてください!」

 

「分かりました」

 

私は、後藤さんに次の指示を出すと共にものすごく焦りながらも心を落ち着かせてカナヲの状態を見ながら安心させるようによびかけた

 

「すぐに、止血と無惨の毒を私がどうにかするから…!大丈夫です、姉さんに任せてカナヲは少し休みなさい…!」

 

「うん……」

 

カナヲは私の言葉に安心してるのと同時に無惨に対して激しい憎悪が吹き荒れていた。カナヲは私にとっても空にとっても姉さんにとっても大切な妹だ……

 

「絶対に許さない……無惨……!」

 

恐らく私は人生で二回目の憎悪をだいたと思う。一つは上弦弐……そして、今回は無惨……こんなときに呼吸がまともに使えずに苦しいと思ったのは初めてだ……!

 

「姉さん……ごめんなさい……」

 

「カナヲ、何がごめんなさいなの?」

 

「空兄さんのために…無惨をこの手で殺したかったのに……また、姉さんを悲しませるところだった……ごめんなさい……」

 

「……っ!」

 

カナヲの言葉に私は思わず抱き締めた。この子もまた空を失ってまだ心の傷は残っているのに、私はそのケアをしきれてなかった

 

「カナヲは悪くない……全部無惨が悪いから…でも、もうそれももう少しのはずよ…」

 

「うん……うん。炭治郎に無惨を倒してくることを私は信じてる……」

 

「そうね……」

 

ねぇ空、貴方はいまどこで見守っているのか分からないけど…みんなを見守ってほしいの。そして、炭治郎君が死ぬことがないように見守ってあげて…!

 

 

 

 




ここまで読んでいただきありがとうございます!
次回もよろしくお願いします!


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113話

炭治郎side

俺は生と死の狭間で空さんに託された未来を守らないといけないと思い、目を覚ますとカナヲが無惨に殺されそうになっていた

 

『無惨を殺せずに、こっちに来たら拳骨な。ついでに、カナヲやしのぶ達を泣かしたら十倍強く殴るから覚えとけ。……いや、生と死の狭間だから今の言葉を覚えてくれてないかもな……実際はどうなのかは知らんけど』

 

俺は空さんの言葉を思い出しながら絶対に空さんの代わりに俺がカナヲを守ると決めたのだから……だから、カナヲが無惨の手で死ぬなんてなるのは俺が許さない

 

ヒノカミ神楽 輝輝穏光

 

地面から炎が立ち上がる広範囲に広がる斬撃で、鬼の体を焼き斬る技。これは、先祖の夢で見たお陰で知った技だ……

 

「炭治郎……炭治郎」

 

「うん、ごめん……遅くなって……」

 

カナヲの泣いてる顔を見て俺はものすごく申し訳ない気持ちになった。空さんに託された大切な存在でもあるカナヲを見て必ず俺がこの戦いを終わらせよう……

 

「無惨……終わりにしょう」

 

「……ずいぶん醜い顔になった、竈門炭治郎。これではどちらが鬼か分からない物だ」

 

無惨の言葉を聞きながらも、俺は心の中で縁壱さんに感謝していた。あの人が信じて逃がした珠世さんが、今俺たちの助けにもなっているし、無惨の体を造り見て確信したことがある

 

「死に損ない亡霊が……」

 

無惨の鞭のような攻撃を振るってきたが、俺は焦ることなく落ち着いて対応していた。迫って回避厳しいものにはヒノカミ神楽で応戦してそれ以外は極力振るわず回避していた

 

『いいか、炭治郎。長期決戦になったときは無闇に刀を振るうな』

 

俺は回避しながらかって、空さんが俺に個人稽古をつけてもらったときのことを思い出した。あのときはまだ全集中ができてない時に空さんが教えてくれたことだ

 

『何でですか?迫ってきた攻撃にできるだけ刀で削ったりする方がいいのでは?』

 

『まぁな。だが、例えば異常に頑丈な相手や、異常に体力ある敵だとそうもいかないだろ?体力がかなり消耗するだけだからな』

 

『確かに……』

 

『そういう相手の時は、冷静に回避をとりつつ厳しいものには切り落として接近していけ。そして、意表を突くように相手を攻撃しろ』

 

そして、俺はそれを脳裏によぎりながら無惨の懐に潜り込み……

 

日の呼吸 円武 裂日紅鏡

 

無惨の攻撃を回避しながら、無惨の所まで近づき攻撃の手を休めないように……

 

火車

 

無惨の体を切り裂くように攻撃しかけるが、それよりもはやく無惨が鞭で防いでいた。だけどこれで確信した

 

「(全ての十二ノ型を繋げることで無惨を倒せる手段に繋がる……!)」

 

「しつこい……!」

 

緑壱さんが教えてくれたその方法で無惨を倒せるのが近づくなら俺は続けていく!!俺は長男だ!無惨を倒すことに諦めてはいけない!!

 

「おおおお!!」

 

日暈の龍・頭舞い 火車

 

六つ!ヒノカミ神楽で日の呼吸は十二の型がある!今でやっと半分だ!!

 

『俺は君の妹を信じる。鬼殺隊の一員として認める。命をかけて鬼と戦い人を守る者は、誰が何と言おうと鬼殺隊の一員だ」』

 

俺はあの日、無限列車の下弦壱の鬼を倒したあとに上弦参が襲撃来たときあのときの俺はなにもできずに空さんもボロボロになっていた

 

『胸を張って生きろ己の弱さや不甲斐なさにどれだけ打ちのめされようと心を燃やせ。歯を食いしばって前を向け,君が足を止めて蹲っても時間の流れは止まってくれない。共に寄り添って悲しんではくれない』

 

『俺が、もし戦えなくなっても死んでも気にするな。柱ならば、後輩の盾となるのは当然だ柱ならば誰であっても同じことをする、若い芽は摘ませない。そして今度は君たちが鬼殺隊を支える柱となるのだ。俺は信じる、君たちを信じる』

 

そうだ、俺はあの人に託されたのだから……!戦えなくなった煉獄さんやここにいない時透君や宇随さん達にも……!

 

『こいつら三人とも俺の優秀な継子だ!!』

 

『うん、炭治郎!いい筋だよ!』

 

二人も上弦相手に命を懸けて戦ってきたのだから!あの二人はどんだけ辛くっても立ち上がっていたのだから!!

 

『お館様の意向もあり彼は今この蝶屋敷で君たちを指導してます。炭治郎君……君がこの蝶屋敷でいることで空も楽しそうに君を指導してます。炭治郎君……君は絶対に死なないでくださいね?空は君の事をすごく気に入ってますから』

 

『いつか私達の夢を託せる人がいたら託そうと話したの』

 

灼骨炎陽 

 

しのぶさんのあの日の夜に約束した絶対に死なないこと!そして、カナエさんの夢を俺は託された!なほちゃん達やアオイさんの思いもカナヲの思いも俺は背負っている!

 

陽華突  

 

『判断が遅い!鬼はそう簡単に待ってくれないぞ!』

 

『炭治郎、俺はお前を一人の男として信じるぞ』

 

『ふふ、早く人間に戻った禰豆子と炭治郎と皆とで鬼がいなくなった世界でどこか行きたいね』

 

『炭治郎、稽古するぞ』

 

鱗滝さんはいつも修行をしてくれていたときに俺が判断遅かったら厳しい叱責が飛んでいた。そのお陰で今がある!それに俺は錆兎や真菰、義勇さんにもたくさん支えられてきたのだから!!

 

日暈の龍 頭舞い

 

なんとか十二の型を繋ぐことができたがもっと早く!もっと切り込まないと!!

 

『あの人を不幸をさせる奴に教えてあげろ。今を生きる人達の強さと誇りを……そして、無惨に殺された人々達の無念をお前が晴らせ!』

 

『ありがとう』

 

生死の狭間での空さんの激励の言葉と緑壱さんのあの優しい笑顔……俺は無惨を倒すためにもあの人たちのためにも……

 

「おおお!!」

 

繰り返せ!この十二の巡りを夜明けまでに続けるんだ!!

 

『心を燃やせ!』

 

煉獄さん、おれは必ず無惨を殺すまでは心の炎を燃やし続けます!!

 




ここまで読んでいただきありがとうございます!次回もよろしくお願いします


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114話

炭治郎side

無惨との戦いも終盤に向かっていた。鴉の報告では大分夜明けが近くなり、一人でなんとか戦っていると一瞬俺は酸欠になり無惨の攻撃がまともにダメージ負いそうになると伊黒さんに助けられた。そして、伊黒さんは目がやれていても自分の相方の蛇でなんとか対応していた

 

「(無惨の動きが止まった!!)行ける!」

 

俺は動きが止まった無惨を叩き込もうとすると、突如無惨の周辺に衝撃みたいなのが響きうごけなくなった

 

「(このままでは無惨が……!!)」

 

俺たちが動けない隙に無惨が逃げてしまうと思っていると、二つの切り裂く攻撃が無惨に直撃した

 

「はぁはぁ……よくもやってくれたなぁ…………」

 

無惨の動きを止めたのは2刀を赤く纏い、ボロボロで息切れを起こしながらもたっていたのは伊之助だった

 

「てめぇ……俺様は聞こえたぜ……チビ黒が犬死だぁ……。ふざけるじゃねぇ……はぁはぁ……」

 

「(伊之助、ダメだ!一人で戦っては!!)」

 

「俺達を庇って……数珠のおっさんの足と半々織りの腕が千切れた……あっちこっちに転がってる死体は一緒に飯を食った仲間だ……」

 

伊之助は泣きながら震えるように無惨の方を見据えていた。伊之助の言葉に俺は一緒に修行した仲間達を思い出しながら泣きそうになっていた

 

「返せよ……手も足も……返せよ……奪われた命をよ………それでも返せないのなら………」

 

獣の呼吸 居合い切り

 

「百万回死んで償え!!!」

 

「虫けらが……」

 

無惨は地面に潜り込ませて伊之助を食い潰すように攻撃をしてきた

 

「(伊之助、下だ!!下に攻撃が……!)」

 

「おぉおお!」

 

「(地面にしたを潜り込ましての攻撃を回避しただと?)」

 

「狡いてめぇがやりそうなことだ!!調子に乗るな!」

 

すると、無惨の腕の一部が弾き飛ばされるように飛んでいた。そして、その攻撃のもとを見ると……

 

「伊之助!俺達が炭治郎の代わりに戦うぞ!!炭治郎、聞こえるか!?こっちの事は気にせずに生きることだけを考えろ」

 

「そうだ!てめぇは妹と生きて帰るんだろ!!こんなところでくたばるんじゃねぇ!!あのチビ和服野郎も同じことを言うだろうがな!!」

 

「(二人とも……!なら、俺がすることは……!)」

 

痙攣で動かないからだを無理矢理体を動かして血鬼術で神経系を狂わされてるのなら日輪刀が有効なはずだと思い、隙間に刺すように刺激させた。痙攣が止まることを祈りながら俺は急いでいた

 

「ぁっ……(痙攣しているせいで、筋がうまい事動かない!痛みを我慢しろ!!)」

 

自身に活を入れながら、早くこの状況を打開したい思いで動いていた。そして、感覚が戻り刀を地面に刺してゆっくりと起き上がり無惨の方を見ると伊之助に止めを刺そうとしていた

 

「やらせない!!」

 

日の呼吸 灼骨炎陽

 

灼熱の炎の如き強大な力を持つ高速回転斬り。

斬った相手に灼きつけるような痛みを与える技だ

 

「ぐっ!」

 

「(攻撃の手を休めるな!!)」

 

日の呼吸 烈日紅鏡 火車

 

無惨の無数の攻撃に俺は∞無限を描くように左右対称の鋭い斬撃を放つと無数の攻撃が切れた。そして、その攻撃から次の型へと攻撃移した

 

日の呼吸 輝輝恩光

 

「(型を続けながら攻撃をし続けているけど、無惨はどうやら衝撃波をするには時間がかかるみたいだ!)」

 

「ガハッ……(不味い、血を吐いてしまって攻撃する速度を緩めてしまった!)」

 

無惨の攻撃がこちらに向かってくるのが見えて回避するには間に合うのか考えていると伊之助が割り込んで攻撃を切り裂いた

 

「おおお!!」

 

獣の呼吸 陸ノ牙 乱杭咬み

 

雷の呼吸 霹靂一閃

 

「しつこい!!貴様達は!!」

 

「がっ!?」

 

「ぐぅ!!」

 

伊之助と善逸が壁の方に飛ばされたり地面に倒れたりしていたが攻撃の手を緩めるな!!諦めるな!!日の呼吸を続けながら、俺は無惨を壁の方まで追い込んだ

 

陽華突!!

 

「(もうこれ以上の技を出すことは俺にはできない!一秒でもこの場所で長く食い止める!)おぉぉぉ!」

 

「(小癪な!!)」

 

無惨が空いてる左腕で俺の方に攻撃を振るおうとすると……

 

「もういい加減にしてよぉぉぉ!!馬鹿ァ!」

 

すると、無惨は背中から甘露寺さんに攻撃しかけようとするが何発かの銃が無惨の攻撃に貫通して甘露寺さんに直撃しなかった……

 

「これ以上てめぇの好き勝手な事させるかよ!!この塵屑野郎!」

 

「玄弥!」

 

「よくやった、玄弥!!オラアァァ!!」

 

左腕の方には不死川さんが切り込んで押さえた。すると、無惨は自身の顔を思いきり切り裂くように分かれて俺を食べようとしていたが……

 

「ぐうっ!」

 

「伊っ……」

 

伊黒さんが身を呈して俺が食われそうになるのを防いでいた

 

「おらァァァ!もうすぐ夜明けだ、踏ん張りやがれ!!!」

 

不死川さんの言葉とともにもうすぐ夜が明けようとしていた……




ここまで読んでいただきありがとうございます!次回もよろしくお願いします!


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115話

たまには速い時間の投稿させていただきました。
それではよろしくお願いします!


しのぶside

他の柱が動けない……更に言うと今怪我してる人達を救うためにも私がするべき事は目の前の倒れてる人達を助けることだ

 

「っ、日が出てきた……!珠世さん達は日陰に入ってください!!」

 

「しのぶさんは?」

 

「私は人間です。鬼とは違い日に当たっても問題ないので、助けます。しかし、私一人では救うのは難しいので何人か珠世さん達の方に搬送させます」

 

「わかりました。ご武運を」

 

「珠世様、早くこちらに!……お前もあの男のように勝手に死ぬなよ、胡蝶しのぶ」

 

「はい。貴方にはあとでたっぷり口のききかたをお話ししますのでそう簡単には死にませんよ」

 

珠世さんと分かれて私は刀を持ち運びながら戦場へと駆け抜けた。恐らく、今は無惨を倒すための柱が足りない……!カナヲも動ける状態ではない……!

 

「俺も向かいます!」

 

急いでる私の側に玄弥君が側に走ってきて、銃を持っていた。そして走りながらすでに何発か無惨を撃ち込み、今は四人で押さえつけていると

 

「冨岡さん!?」

 

「な!?兄貴!!」

 

辺りの方で何かが衝撃が起きたみたいに荒れていて、冨岡さんと不死川さんが倒れていた。私は冨岡さんに駆け寄りその先を見ると……

 

「な……なんですか……あれは……」

 

人間の体の何倍もある大きな赤ん坊の姿が歩いていた。私は今まで多くの鬼を倒してきたが、あんなの大きいのは見たことがない

 

「あれは……無惨だ……」

 

「なっ!?陽が出ているから大きくして身を纏うようにしてると言うことですか!?」

 

「…恐らく。そして……あの中に…炭治郎が…」

 

私はすぐに状況を把握しました。そして、あれを止めるために、他の柱は動けないとなると私が止めないと……

 

「まずはあれを私が…………!」

 

刀を持ち構えようとすると建物の空洞から大きなものが落ちてきた

 

「ァァァァアア!?」

 

「本棚で落としてきた……足止めですか!」

 

そして、車で何台か無惨に直撃させると無惨は暴れる子供みたいに右手で車を潰してった。そして、日陰の方にいこうとすると電車で無惨の動きを止めていた

 

「無惨の足止めを……私も最後の呼吸を覚悟してやらないと……」

 

「しのぶちゃん、あれを止めるよ!!」

 

「甘露寺さん……はい!」

 

私は無惨の至る体に毒を張り巡らせて動きを遅らせようと決めると、甘露寺さんもこちらに走ってきた

 

「これが私の生涯最後の戦いになる ……!(出血もしすぎてもう動くのもやっと!だけど、そんなの関係ない……私も恋柱としての意地があるのだからァ!!)」

 

「無惨……貴方には激しい毒で苦痛に悶え苦しんでもらう!!」

 

甘露寺さんと私はもう呼吸を使うには本来厳しい状態かもしれないけどそんなのは関係ない!私に全ての力を貸して!姉さん、アオイ、カナヲ、なほ、きよ、すみ、そして……空!

 

蟲の呼吸 蝶ノ舞 戯れ

 

恋の呼吸 伍ノ型 揺らめく恋情・乱れ爪

 

「!?!!!」

 

「…毒をそう簡単に分解できると思うな…ゴホッ……コボッ…(やはり、もう上弦弐で体が限界だったみたいだけど………無惨を倒すためなら最後くらい……)」

 

「畳み掛けるぞォ!いい加減にくたばれ死に損ない野郎が!!」

 

風の呼吸 玖ノ型 韋駄天台風

 

蛇の呼吸 肆ノ型 頸蛇双生

 

水の呼吸 拾ノ型 生生流転

 

三柱からの攻撃に無惨は苦しみ、そしてどこかに逃げようとすると鎖が無惨の体に巻き付いていた

 

「絶対に逃がさん!!」

 

「おぉ!!」

 

「っ、甘露寺さんと手を空いてる隠はすぐに玄弥君達ともに引っ張ってください!それ以外は全力で尽くして無惨を地面に潜り込ませるのを防ぎましょう!」 

 

それを言うや否、私達は全員散らばって私は刀を構えた。呼吸ももう厳しい……さっきので一回が限界……でも柱として最後までやらないと……!

 

『ったく……しのぶ達にもあんまり無茶はしてほしくないけど、無惨を殺すためだ。死んでる俺が役立つなら協力するよ』

 

「…この声は…!」

 

『刀の柄を強く握れ。痣の心配はないから、握力を意識しておけ。そして、俺の握力も分けてやるから……一発毒を盛ってこい』

 

「……握力ないなんて言うな…馬鹿っ……」

 

私はその声は幻聴かと思っていたが、そんなわけはない。現にはっきりと私の耳にあいつの声が聞こえた

 

「でも、それはいいわね……。貴方が私に力を貸してくれるなら心強いわ…」

 

私は刀の柄を強く握ると、刀が他の柱と同じように赤くなってきた。そして、私の側にはカナヲがゆっくりと歩いてきた

 

「しのぶ姉さん……ここが正面場なら私も……!」

 

「カナヲ、刀の柄を強く握ってみて」

 

「強く……」

 

カナヲもそれを意識すると私と同じように刀が赤くなっていた。どうやら、空は私だけではなく、カナヲにも力を与えてるのかしら……

 

「あいつが力を貸してくれてるみたいね」

 

「ふふ、死んでも私達の心配をしてくれてるのだね………行きましょう、しのぶ姉さん。花の呼吸」

 

「えぇ…蟲の呼吸…」

 

花の呼吸 伍ノ型 徒の芍薬

 

蟲の呼吸 蜂牙ノ舞 真靡き

 

「「『おおおおお!!!』」」

 

私達の攻撃が無惨に直撃すると、無惨の動きは更に鈍り、太陽は徐々に登り始めてきた。だが、無惨は最後まであがく動きをしていた

 

「ゴホヅコボッ…もうあれ以上の呼吸は……」

 

「しのぶ姉さん……!こうなったら、私が……!」

 

私達はこれ以上戦いに限界を迎えていると、無惨が急に血を吹き出すように足掻いていた。これは恐らく……

 

「炭治郎君……君が……?!」

 

「ぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

私が推測してると無惨は悶え苦しみそして、陽が無惨の体に直撃すると徐々に消滅し始めていた

 

そして………

 

そして………

 

私達はついに長年の目標が達成出来そうだと希望が見えた………長きわたる因縁の終止符が……

 




ここまで読んでいただきありがとうございます!
もう今年も今日をいれてあと二日……いやだぁぁ!速すぎるよーと悶え苦しんでます。
これからもよろしくお願いします


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116話

さっきまでそこにいた無惨が消滅した……これは、血鬼術とかではなく、鬼舞辻無惨は事実上太陽の光に浴びて跡形もなく消滅した……

 

「やった……無惨が消滅した……といういうことは…」

 

長きにわたる夜の決戦……もとい、鬼殺隊と無惨が率いる鬼達との戦争は……

 

「やったぞーーーーー!!無惨が……鬼達が消滅したぞおぉぉぉ!!」

 

「「「「おォォォォォォォ!!!!」」」」

 

一人の隠が声あげるとともにその場に戦っていた声が辺りに響いていた。そして、無惨を倒したと言うことで嬉しく泣き崩れるものもいれば感無量で空を見上げるものもいた

 

「皆さん、喜び合いたいのも分かりますが、すぐに負傷者の手当てを!カナヲは……」

 

「しのぶ姉さん、私は伊之助の治療をしてきます!そのあとには動けない人たち何人かを……」

 

「お願いします。他に動けるものは、薬を使ってください!日陰に私達の協力者もいますので、そこに何人か回してください!大丈夫ですあの人達は私たちの味方です!」

 

私がそう指示すると、隠の一人が大慌てで私の方に駆け寄ってきた。そして、その呼び出しに私は血相変えて急いで走ると……もう、満身創痍で動けない状態になっていた岩柱悲鳴嶼行冥さんがいた

 

「悲鳴嶼さん……」

 

「胡蝶か……」

 

悲鳴嶼行冥さんはかって私と姉を助けてくれた命の恩人で私達を鬼殺隊へと導いた恩人でもある。出血の具合を見てもこれは……

 

「胡蝶……いや、しのぶ……お前はわかってる筈だ……私の今の状態がどうなのかも……それに……痣を発現させた私はもう助からないだろう……」

 

「……っ……」

 

「しのぶ……少しこちらによりなさい……」

 

「はい……」

 

悲鳴嶼さんのお言葉に私は聞こえるように近くへいくと、私の頭には大きな掌が乗っている感触がしたので顔をあげると、悲鳴嶼さんは今までにない穏やかな顔でした

 

「しのぶ……これからは鬼がいない時代だ……私や……今日生きれなかった者……そして、おまえの大切な幼馴染みの空の分まで……生きなさい」

 

「悲鳴嶼さん……」

 

「カナエにも……伝えておいてくれ……」

 

「はい……はい!私はしっかり生きます……!でも、悲鳴嶼さんにはまだ私は何も恩を返せていませんのに……っ!」

 

「お前達が生きてくれてることが……すでに私の恩返ししてくれてる……」

 

悲鳴嶼さんの言葉に私は溢れる涙が止まらずに、空に続いて悲鳴嶼さんも失うことになるなんて……

 

「あぁ………では………行こう……」

 

「悲鳴嶼さん……?悲鳴嶼さん!胡蝶様……」

 

「…………」

 

「そ、そんな……うっ……うっ……」

 

私は隠の問いに静かに首を降ると隠もその意味がわかり泣いていた。私も静かに嗚咽を漏らしながら地面の方に向いていた。悲鳴嶼行冥さん……私達姉妹はあなたに助けられたその命を必ず次の世代に繋げます……本当に今までありがとうございました……

 

 

 

不死川side

目を覚ますと暗い空間に俺は歩いていた。そして、俺が目に写る光景は弟達が楽しそうに遊んでいるのが見えていた。そして、お袋と一緒に天国に行こうとするが……

 

「我が子を手にかけてしまえば私は天国にいく資格がないのよ……」

 

「お袋を背負って地獄に歩くよ」

 

俺はそういってお袋をさわろうとすると生前からムカつく糞親父が邪魔して俺は押されて地面に落ちていった。そして、地面に何か思いきり直撃したように上を見上げていくと、呆れた声が聞こえた

 

「おい、こら。何でお前がここにいるんだよ………」

 

俺は落ちた方向から声が聞こえた方向に振り向くと、そこには生前から知り合いだった空の野郎がいた

 

「空、てめぇ!?というか、ここは……」

 

「あのな……お前が今ここにいる空間は生と死の狭間だ。俺がここにいるのは、間違えて天国にいかないようにここで追い返すためにここにいるんだよ」

 

「はぁ!?てめぇがここにいるならテメェも生き返れるだろ」

 

「無理」

 

「即答する!ゴラァ!!」

 

「大体、生と死の狭間で知り合いに頻繁に会う方が本当はおかしいのたが……お前がこの世界に来るにはまだまだ早いだろ。本当にどいつもこいつも、何で死んでから俺はこう友人を追い返すことが増えてるんだよ……せめて、おじいさんになって孫に囲まれてから此方に来い」

 

「…テメェが死んだとなれば間違いなくカナエさんが悲しむだろうがァ…この馬鹿が…」

 

おれがそういうと、空は本当に申し訳ない顔で辛そうに俺の方を見ていた。俺はその表情で奴はもう本当に助からずに死んだのだと悟った

 

「……なぁ、実弥……」

 

「ぁ?」

 

「俺の代わりに多くの世界を見てきてくれ。そして、しのぶ達に託したが、あいつ無理に我慢することがあるからカナエさんとともに見てあげてくれ。それとカナエさん達を頼むな。……お前にしか頼めないこともあるんだよ」

 

「……任せろォ……」

 

俺がそう答えると空は安心した顔になっていた。そして、俺の辺りが明るくなっていくと空は何か分かったのか教えてくれた

 

「さて、どうやらお前はまだまだ生きれそうだな。いいか、痣になっても死ぬことを考えるな。きっとしのぶやカナエさん、そして多くの人たちが助けてくれる筈だ……」

 

「テメェは天国にいくのか?」

 

「まさか、まだまだいけないだろ。俺はとりあえず…無惨に殴ってからどっちになるかだな。今この空間いることが本当は問題なのかもしれんがな……」

 

「無惨を殴るって………まぁ、俺はそれしても構わないから頼むけどよォ……」

 

無惨を殴る……まぁ、こいつならやりかねないな。なにせ、一人で旅に出ていって鬼を殺しまくってきた男だからな

 

「まぁ、そういうわけでお前はここに来るにはまだまだ早いのと俺はこれから無惨をぶん殴ってくる。お前と会うのは又いつかあの世でかもな……責務お疲れさま、風柱不死川実弥」

 

「……」

 

俺はそれを答える前に光に包まれた。その最後の移った空の顔は本当に安心した顔で俺を見届けていた

 

てめぇもすごかったぜ……あばよ、拳柱夛田空。そして、俺の友よ……




ここまで読んでいただきありがとうございます!
これで今年最後の投稿はおしまいです!なんだなんだで長いこと毎日投稿できたのが驚きました
来年は作者もですが皆さんが笑顔な一年になりますように……
では良い年こしをです


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117話

明けましておめでとうございます!今年もよろしくお願いいたします!


空side

俺は死んでからどのくらいの時間がたったのか知らないが、現在は現世が見える光景に意識向けてみていた

 

「やっと、無惨を倒したみたいだな……」

 

仲間が喜びあっている光景に俺は安堵しながらも、その喜びあっている場所に混ざれない虚しさがあった

 

「しかし、無惨め…まさか、あそこまであがくとは思わなかった……」

 

何度か生死の狭間でさ迷ってくる仲間を追い返しながらも、無惨のしぶとさに驚いていた。いやはや、伊達に何千年も生きてるだけのことはあるよな……

 

「さてこれで俺もしばらくはカナヲ達の様子を……見る前に散歩でもするか」

 

とりあえずは、ゆっくりとこの空間を歩こうと決めたが、その時の俺は知らなかった。現世が騒がしいことに……

 

 

 

 

しのぶside

無惨との戦いを終えた私達は、すぐに治療をしていた。中には状態があまりにもひどいので、優先的に治療をしていた

 

「騒がしいですね……まだこちらは治療も終えていないのに……!」

 

「た、大変です!胡蝶様!」

 

隠の一人が、私の方に大急ぎで駆けつけてきた。私はここの患者の治療も終えたので、ここに駆けつけたと言うのは誰かがまだ状態よろしくないということなのかもしれない

 

「急患でしたらすぐに……」

 

「違います!炭治郎が…炭治郎が鬼にされてしまったのです!!」

 

「…………え………」

 

私の脳裏には、明るく笑う炭治郎君が鬼になったと言う報告を聞き、驚き目を見開いた。無惨は死んだはずなのに……何故!?

 

「っ!とにかく、私が向かいます!貴方はこの人達を安全なところへと連れていって!」

 

「はい!」

私の指示に隠達は大急ぎで動いていた。私はその場を任せて急いで駆けつけていくと……

 

「何してるんだ……てめぇ!!」

 

伊之助君が、冨岡さんを守って刀を構えていた。そして、炭治郎君の状態を見て私は愕然としていた

 

「喪失したはずの腕が再生してる……そして、あの顔は……!」

 

「ァアァァァ!!」

 

「くそが!!」

 

私は炭治郎君の状態が鬼にされていると分かると同時に伊之助君が炭治郎君と対峙していた。私はまずこの炭治郎くんの状態を人間に戻す薬は今手元にはない……!

 

「無惨……!」

 

死んでもなお、人の心を踏みにじるあの黒幕に憎悪を抱きながら、伊之助君の首が切られそうにっていた

 

「まずい…!伊之助君!」

 

私は動けない伊之助君に声をかけて走ろうとしていたが、この距離ではとても間に合う可能性は低い……!

 

「!?」

 

伊之助君と炭治郎君との間に血が吹き飛び、伊之助君が切られ……てはいないでその間に止めに入ったものがいた

 

「ね、禰豆子さん……!?なんでここに……!」

 

私はこの場にいないはずの禰豆子さんがここにいることに驚き、彼女は炭治郎君を抱きつきながら謝っていた

 

「お兄ちゃんごめんね。ずっとなにもわからなくなってごめんなさい。お兄ちゃん独りに全部背負わせたね」

 

「(炭治郎君の動きが……?)」

 

「どうしていつもお兄ちゃんばかり苦しいめにあうのかなぁ…。どうして一生懸命生きてる優しい人達がいつもいつも踏みつけにされるのかなぁ。悔しいよお兄ちゃん負けないで。あともう少しだよ……鬼になんてなっちゃだめ」

 

禰豆子さんは泣きながら、炭治郎君に優しく語りかけていた。たしかに、禰豆子さんに人間を戻る薬を注入したのは覚えてるが……ここまで明確に覚えてるものなの?

 

「家に帰ろう」

 

禰豆子さんが優しく語りかけると、鬼になっていた炭治郎君は叫びながら禰豆子さんを投げようとしていた

 

「流石にそういう行為は見過ごさないわよ……!」

 

「炭治郎、禰豆子ちゃんだよ!!人間に戻ってる!こんなことしたら、禰豆子ちゃんが危ないだろ!」

 

「ァァァア!」

 

「やめろぉ!!」

 

「っ!」

 

炭治郎君の頭に思い切り、殴る伊之助君が怒鳴りながら炭治郎君を呼び掛けてい

 

「ガァガァいうな!禰豆子に怪我させるな!お前はそんなやつじゃねぇだろうが!!さっさと元の炭治郎にもどれ!」

 

「てめぇ!自分の妹に何してるんだ!!」

 

「玄弥君!」

 

「あれだけ大切にしていた妹が人間に戻ったんだ!!炭治郎、てめぇが鬼になってどうする!?正気に戻れ!!」

 

「つ、炭治郎君!私は空に託された意思があります!貴方はここで人を殺してはいけない!!多くの人を変えた貴方は無惨の細胞も打ち勝ちなさい!」

 

すると、炭治郎君は周辺に衝撃波らしきのを出して私達は吹き飛ばされていた。そして、禰豆子さんは必死に呼び掛けていくも炭治郎君はどんどん鬼化にすすんでいた。そして、今度は無惨が使ったこともないような攻撃をしょうとすると……

 

「ダメ!!」

 

禰豆子さんは身を呈して、片腕で止めると禰豆子さんの腕は血まみれに……

 

「このままでは本当に取り返しのつかないことになる……」

 

「しのぶ姉さん……ひとつだけ方法があります……」

 

「カナヲ……?」

 

よろよろと歩きながらカナヲはこちらやって来た。そして、その手元には私が万が一何かあったときのために託していた物品だ

 

「私が炭治郎に人間を戻す薬を打ちます…」

 

「…危険よ…」

 

「…大丈夫です。今の炭治郎は鬼になって間もないので終ノ型を使い潜り抜けます…」

 

「……止めても無理なのね……。そういうところは私達三人にそっくりね……いいわ、許可しますがチャンスは一回。何かあっても私が必ずカナヲを助けます……」

 

ふふ、こういう頑固なところは私達に似てしまったみたいね……カナヲを守ってあげて

 

 

 

カナヲside

しのぶ姉さんの許可を貰い、私はゆっくりと炭治郎の方に歩いた。炭治郎は、私の心を変えてくれた大切な人だ

 

『頑張れ、カナヲ!心は原動力だ!』

 

あの日、炭治郎が私の手を握り語りかけてくれた言葉は私の心を変えてくれたきっかけだった。そこからは、私なりにカナエ姉さんに話しかけたりしのぶ姉さんに色々と教えてもらったり、空兄さんと出掛けたりしていた

 

『最近、カナヲは色々と喋るようになったなぁ。俺は嬉しくって、カナヲが望むならいい温泉場所も連れていくぞ』

 

『え?そ、空兄さんいきなりどうしたのですか?』

 

『あぁ、いやすまんすまん。それより、カナヲはカナエさんの呼吸をすべて会得してるとはさすがだな』

 

兄さんは私の頭を優しく撫でてくれた。昔は頭を撫でられるのが怖かったその手はもう怖くはない……でも、もう兄さんはその優しく私の頭を撫でてくれることはないだろう

 

『カナヲ、覚えとけよ?自分の大切な人を守りたい、助けたいと思ったときが、人は強く戦える』

 

『大切な人を………守りたい、助けたい………』

 

『そうだ。だから、その終ノ型はできるなら一生使うことがない事を祈りたい。だが、もしも本当にそれを使うときは覚悟を決めて使えよ』

 

空兄さんは心配そうに私にそんなことをいっていた。なんで、そんな優しい言葉を言うの?私はしのぶ姉さんも空兄さんも死んでほしくないのに、なんで空兄さんはいつも自分の心配しなかったの?

 

『カナヲ……俺がお前の目の前からいなくなるのは申し訳ない……だが、お前にはお前を支えてくれる大切な人が……家族がいるだろ……お前が心のそこから大切に思える人は………きっと………お前を幸せにしてくれる……』

 

空兄さん……私を心配してくれてありがとう。そして、最後にもう少しだけ力を貸して

 

「炭治郎、苦しいよね……今助けるから……」

 

花の呼吸 終ノ型 彼岸朱眼

 

勝負は一瞬……!私は炭治郎の背中から吹き荒れていた棘みたいなのがこちらに向かってきたが、それを空中に飛び炭治郎の体に人間を戻す薬をうった

 

「炭治郎……妹を……禰豆子ちゃんを泣かしてはダメだよ……」

 

私がそういうとともに炭治郎の刺が私に刺さった。しのぶ姉さんが叫ぶ声が聞こえたのと同時に炭治郎の様子が変わってきた……おねがい、速く優しい炭治郎に戻ってきて……




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118話

空side

俺は真っ暗な空間を歩きながら自身の状態を把握して歩いていた。俺が最後に覚えてるのは、しのぶを庇って、カナヲ達に最後の伝言を伝えた後に瞼が重くなって……まぁ、そのあと色々あったけれどもね

 

「しかしまぁ、貫かれたはずの体も戻ってるから恐らく死んだのだろうな。まぁ……先の者を託したから俺には後悔はないが……」

 

「いやー、本当に君は酷いよ。せっかく女の子を殺してつれていこうと思ったのに邪魔をするなんてさ。俺が後悔してるのは先に君を確実に殺せば女の子をゆっくりと楽しめたのになぁ……」

 

「…ッチ…」

 

俺はその言葉を聞いて折角人が感慨深く気持ち味わっているのに、それを台無しにするやつが話しかけてきた。そんな言葉を無視して歩こうとするとそいつは馴れ馴れしく肩を叩いてきた

 

「おいおい、もう死んだもの同士仲良くしょうぜ?舌打ちなんて俺は悲しいよ」

 

「黙れ。死んだもの同士としてもお前の顔はみたくないし、語りたくない。というか、さっさと地獄にいけ」

 

「えー、そんなつれないことを言わないでよ!俺達殺し合った仲でしょ?」

 

「寒気する言葉を吐きやがって……殴り燃やそうか……!」

 

俺はだんだん苛々してきたので、拳の呼吸で殴ろうかと思い始めた。すると、拳に炎が宿ってたので、俺は笑顔でそいつに語りかけた……

 

「もう二度と俺の前に現れるな、地獄はあちらにあるから…殴られる覚悟しろ」

 

「え?きょ、君…死んでるのにそれは優しくない……」

 

「お前に優しくする必要はない!!吹っ飛べ、波動!」

 

「酷いよー!」

 

俺が生前得意としていた技のひとつ波動を出すとそいつは先の方まで飛ばされていった。俺はそれを見つめながら……

 

「殺された相手と喋りたくないわ…地獄でせいぜい悔いを改めろよ…上弦弐」

 

俺は飛ばされた方向から背を向けてゆっくりとその先へと歩いていくと、何か気になる光が見えた

 

「はぁぁ……さっきから俺は、生死の狭間でさ迷う人間が多すぎて追い返すの大変だったからゆっくりとしたいのに……次から次へと何だ?」

 

俺は死んでるはずなのに、あいつのせいでなんだかものすごく疲れたよ……それはそうとあの光は何て言うか禍々しいなぁ

 

「とりあえずは行ってみるか。もう死んでるし失うものは何もないか」

 

俺は頭をかきながらゆっくりと歩き最初はあの禍々しいのはなんだと思っていたがやがて近づいて歩くとそれが何なのかわかった

 

「炭治郎……!?」

 

俺は何かに飲み込まれてるであろう炭治郎を見て驚いた。あいつはひどい状態になってあれを飲み込まれそうになっているのを見て危機感を抱いた

 

「っおいおい……なんだよ……。炭治郎の周りに囲んでるのは恐らくあれは人ではないなにかの異形だ。ということは……」

 

「うん、恐らくあれは無惨の細胞だよ」

 

「うぉ!?霞柱!?」

 

霞柱の時が何でここにいるのかはあえて問わないが、恐らくこいつも上弦の戦いで死亡したのかもしれないな……

 

「色々問いたいが、なぜあれは無惨の細胞となるのだ?それは一体どういうことだ?」

 

「あれを見て」

 

俺は指を指された方向を見るとそこには無惨が炭治郎に何かを言っていた。恐らくだが、現世の方で無惨が最後の足掻きみたいな何かをしたみたいだな

 

「はぁ……世話が焼けるなぁ……。ったく、折角、炭治郎を追い返したと思えばしばらくゆっくりしたら今度は無惨に………まぁ、とりあえずは無惨が生き返るのだけは見過ごせないな」

 

「南無……。だが、それも我らの使命だ。無惨を倒してもまだあがくのはさすがに見過ごせない」

 

「岩柱!?貴方も……」

 

「あ、そうだ。先にいっとくね?玄弥は生きてるから……君が教えてくれた戦い方で彼の戦いの幅は広がったみたいだからね」

 

玄弥が生きている……それを聞いた俺は安心した。炭治郎の世代で唯一の気がかりの子だったからな……それにしても俺が教えた知識というと…

 

「呼吸の適応はないと聞いていたが代わりに俺の知る限りの知識を伝授したのが役立ったか……」

 

「うむ、不死川との和解と空の知識があやつを強くさせてくれた」

 

「そうか……んじゃ、まぁ……助けにいきますか。この時代の希望を守るためにも」

 

俺が歩くと岩柱も霞柱も共に歩いていた。できれば柱で死ぬのは俺だけがよかったのだけどこの戦いは誰が死んでもおかしくない戦いだから仕方がないよなぁ……

 

「おい、こらお前はまだここに来るには、はやいだろうが……さっさと戻れ……」

 

俺は炭治郎の落ちていく背中を支えながらあいつの耳には聴こえないかもしれないが、俺ははっきりといった。すると、次々と恐らくこいつの縁のある人達が支えはじめた

 

「こんなに多くの人達がお前を支えてるんだなぁ……なぁ、お前は凄いよ。かって、お前が、鬼を匿っていた時に反対していた柱がお前を支えてるんだぜ?」

 

「炭治郎、君は僕に大切なことを思い出させてくれた。僕たちが生きれなかった今日を君に託すよ」

 

「南無……私はお前を信じるといった……最後まで足掻いて足掻いて生きなさい……」

 

「炭治郎君、まだこっちに来てはダメだよ!妹の禰豆子ちゃんが待っているから……ね?伊黒さん」

 

「全くだ……邪魔だから早く帰れ」

 

俺達の言葉を皮切りに次々とあいつが聞こえてないのが分かってるが皆思い思いをあいつに伝えながら背中を支えていた。そして、俺達の尊敬する方も背中を支えながら励ましてた

 

「炭治郎……君はここに来ていい子ではないよ。君にはまだ大切な約束があるのだから戻りなさい」

 

大切な約束がというのはここにいる柱も知っての通り、妹のことだろ……。すると炭治郎の上に伸ばした手を見るとカナヲやしのぶ、義勇達が必死に引き上げるのを見ていた

 

「あれは恐らく今生きてる者達のだな」

 

「そうか……お前達もあいつを連れ戻ってきたのだな。カナヲ、しのぶ……世話の焼けるこいつを頼むぞ」

 

徐々にひきあげられる炭治郎の姿を見て無惨が叫ぶ声が聞こえた。とりあえずあいつが色々と何かいってるが……

 

「死んでもなお、あいつの邪魔をするのは感心しないな……。死んでるから拳ひとつで黙らせようかなぁ……」

 

「空……安心しなさい」

 

「お館様」

 

「もう、無惨が生き返る事はない。そして、炭治郎の方は光へと昇っていったよ」

 

お館様の言葉に俺はそれを見ると、炭治郎の体はもう完全に上の方へと上っていった。それを見て俺達はもう安心した

 

「私達の最後の仕事も終わりだよ……あとは生きてる者に託そう」

 

「「「「はっ!」」」」

 

お館様の言葉に俺達も返事して、そして次々と皆は帰っていった。俺はそれを見送るとゆっくりとまた後で追いかけると伝えて暗い方へと歩いた

 

「何故だ……何故だ!」

 

「簡単な話だ……お前は人の光を嘗めていたからだ。無惨」

 

「貴様は……!」

 

無惨は苦々しそうに俺を見ていたがお互いにもう死んでるからここで殺しあっても無意味だし、せめてこいつにどうしても言いたいことがあった

 

「恐らくお前はこれから裁かれるだろうが、俺はどうしてもお前に言いたいことがあった。……お前ほど最悪な考え方をしてる悪魔はいねぇよ」

 

「私が悪魔だと……!」

 

「それともうひとつ……お前が負けた敗因は人との絆と……炭治郎と禰豆子という二人の兄妹にお前は負けた」

 

「絆だと……!?」

 

「まぁ、それすら理解できないのならお前はあいつらに一生勝てないな。それと、炭治郎の……あいつらのこれからの人生を邪魔するな」

 

俺がそう伝えると無惨は意味が分からないという顔になっていたが俺はそんなの知ったことではない

 

「そうそう……ふん!」

 

俺は無惨の顔を思いきり殴ると無惨は此方を睨んできた。残念だが、もう死んでる身なのでそんなの怖くはない

 

「何で殴ったかわかるか?これは、お前に殺された人達の恨みの思いを込めた殴りだ。そして、もうひとつは俺の大切な家族を苦しめた怒りだ」

 

「貴様ぁ……!?なんだ、私の周りに炎が……!?」

 

「じゃあな……地獄の炎に焼かれて自分の罪を苦しめ……。お前は命の重みを地獄という名の炎で苦しみながら学ぶんだな……」

 

「やめろ……ヤメロォォォォ!!」

 

俺はゆっくりと背を向けて歩いていった……。死んだ人間が生き返ることがないように奴もまた例外ではない……

 

やつは一体どこでああいう存在になってしまったのか分からないが、あいつは人の優しさ……強さを知らなさすぎだ……

 

さて……後は生きてる者に未来を託そう。俺はゆっくりと旅に出ようか……

 




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119話

しのぶside

さっきまで興奮状態だった炭治郎君は隠を含む多くの人達に押さえながら動きは止まっていた。そして、しばらくすると炭治郎君は目を覚まし……

 

「お兄ちゃん!」

 

「……ごめん……怪我…大丈夫か……」

 

禰豆子さんと炭治郎君のやり取りを聞き、炭治郎君の言葉を聞いたみんなは大喜びしていた。そして、私は炭治郎君が目を覚ましたのをカナヲに告げた

 

「カナヲ、炭治郎君が目を覚ましましたよ。あなたの頑張りが、炭治郎をもとに戻したのですよ」

 

「良かった……」

 

そこからは私たちの行動は早かった。炭治郎君以外の治療を終えていたので、隠達は次々負傷者を搬送させて中には亡くなった方をそのままにするわけなはいかないから隠達にその処理も任せた

 

「しのぶさん」

 

大半の搬送を終えた直後に珠世さんが後ろから声かけてきた。その後ろには珠世さんが大好きっ子の彼もいた

 

「珠世さん、蝶屋敷に来てくれますか?」

 

「……私の力で役立つのでしたら協力します。それにこれは……彼のためでもあるのです」

 

彼のためでもある……その言葉は間違いなくあいつの事を指してるのだろう。私はその答えに小さく頷いて珠世さん達と共に蝶屋敷へ戻ろうと歩いていった

 

「……いえ、私達はあとで追いかけますからまた夜にです」

 

「……あぁ、なるほど。確かに今は太陽が出てきて歩くのは厳しいのですよね。わかりました、夜に治療のをお手伝いをお願いします。主に、炭治郎君の事を……」

 

「はい。行きますよ、」

 

「はい、珠世様!」

 

珠世さん達はそういいながら暗闇の方へと歩いていった。彼女を人間に戻す薬をしても寿命はとっくに越えてるはずです……彼女達はこれからどうするのでしょうか?

 

「しのぶ姉さん…」

 

「カナヲ、歩くのはまだ……」

 

「いえ……せっかくの戦いを終えたのですから三人で戻りましょう……」

 

三人……その言葉にどういう思いを込めてるのか私は知ってるから私も頷いてカナヲとゆっくりと蝶屋敷に歩いていった……

 

「蝶屋敷に戻るの……こんなに遠く感じる事もあるのですのね……」

 

「はい……」

 

「カナヲ、しのぶ!!」

 

しんどい足取りをお互いに支え合いながら蝶屋敷付近までになると、姉さんとアオイが門の前で待っていた。二人は私達の姿を見ると、泣きながら抱きついてきた

 

「良かった……良かった……二人とも戻ってきたのね!」

 

「しのぶ様……カナヲ……本当に良かった……」

 

二人の言葉を聞いて私達はだんだん涙が溢れてきて私は懺悔するように二人に謝った

 

「ごめんなさい……ごめんなさい……」

 

「しのぶ……?」

 

「姉さん、アオイ……ごめんなさい。空が……空が……私のせいで……」

 

「っ……私も失ってから……初めて気づいた……大切な人が居なくなると……こんなにもなにもできないものだなんて……」

 

「っっ……しのぶ様、カナヲ……まずは中に戻りましょう……二人ともお疲れ様です……」

 

アオイの言葉と共に私達は蝶屋敷に入ろうすると、丁度後藤さんがおんぶしてきているのが見えた

 

「……アオイ、今治療を急ぐものはいますか?」

 

「(今はしのぶ様達を休ませることを優先なのに何でそんな問いかけを……)いえ、もういませんが……」

 

「……では、蝶屋敷全員……集めてください。場所は……もう一人の家族の部屋です」

 

私がそういうとアオイは大急ぎで、なほ達を呼びに行ってきた。私はカナヲと共にその後藤さんを背負ってきているのが誰なのか知っている。なぜなら、となりに護衛を任せた尾崎さんがいるからだ

 

「姉さんも……」

 

私は姉にそういうが、姉さんは動かなかった。いや、動けなかったのだろう……姉さんも見てしまったのだから

 

「先に部屋にいってください。カナヲと共に……」

 

「え、そ、そうね……」

 

姉さんもなにか気づいたのだろうが、その運ばれてる人物が誰なのかも……姉さん達が入っていくと、後藤さんもこちらに申し訳なさそうにやって来た

 

「すいません……遅くなりました……」

 

「いえ、ありがとうございます。尾崎さんも護衛……ありがとうございます」

 

「……蟲柱様、拳柱様は五体満足で……連れて帰りました」

 

「ありがとうございます……私が案内しますのでこちらを」

 

私がそれを言うなり二人とも空の部屋まで搬送してくれていた。尾崎さんも、後藤さんも俯いて歩き、そして空の部屋に運んで横にさせてくれた後、二人とも一礼してから去った

 

「……空……」

 

仰向けで死んだように眠ってる空は恐らく隠達が綺麗にしてくれたのか、あの血まみれな姿はなかった

 

「しのぶ様、入っても………」

 

「……えぇ……」

 

私が許可するとアオイは恐る恐る部屋に入ってきてそして、小さく呆然としていた

 

「そ……そんな……兄さん……」

 

アオイは空の寝ている状態を見てなにか悟ったのかよろよろとこちらの方に歩いてきた。そして、空の方を見て脈もはかりもう死んでるとわかると畳の上で顔を覆い被せて泣いてた

 

「兄さん……兄さん……っ!」

 

「アオイ……っ」

 

そんなアオイにカナヲはそばで優しく撫でると共にカナヲも涙を流していた。なほ達も空が無くなったと分かると大号泣していた……

 

「しのぶ……空君の最期を教えて」

 

その中でも姉さんは毅然としていて涙を流さずに、空の最後がどんなだったのかを教えてほしいと言っていたので、私は目をそらさずに一つ一つ教えた……最期に私が受ける傷だったのを空が身を呈して守ってくれたことも……

 

「そう……皆、少しだけ悪いのだけど席をはずしてくれない?」

 

姉さんはアオイ達にそれを伝えると、アオイ達は涙を流しながらもゆっくりと部屋を出ていった。姉さんは空の方を見てから再び私の方に見てゆっくりと抱き締めた

 

「ね、姉さん……?」

 

「しのぶ……もう私達三人だけだから……泣いていいのよ?」

 

私はその言葉を聞いて、少しずつ涙が溢れてきた。戦いの最中で泣いていたらやられる可能性があったからずっと我慢をしてきたが……

 

「ごめん、ごめん……姉さんごめんなさい………3人で生きて帰ると約束していたのに……ごめんなさい……」

 

「うぅん……3人とも精一杯戦っていたのは私は理解してるから……本当に私こそ謝らなければいけないわ……。3人とも戦ってるのに私は戦えず……ごめんなさい…」

 

その日、私達は両親を失った時や継子が亡くなった時以来……もうその涙は流すことはもうないと思っていた涙が溢れて止まらなかった……

 

空のバカっ………

 




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120話

あの無惨との最終戦から数週間経過した。蝶屋敷は、あの日以降涙を流すことがなく皆それぞれの仕事をかかりつけていた

 

「アオイ、本日の仕事はここまでです。もう、しのぶ達は鬼を倒しに行かないで良いので、晩御飯の用意をしましょう」

 

「は、はい」

 

「わ、私も手伝います!」

 

「カナヲは、まだ怪我人なのだから安静!なほ、きよ、すみ。カナヲを安静するように見張っといて!」

 

「「「はい!」」」

 

私はその様子を見て密かに部屋へ出ていこうとすると姉さんが私の肩を掴んできた。そして、ものすごい笑顔だがこれは……

 

「しのぶ……まさかと思うけど、安静しないで自分の部屋から仕事を持ち出して抜け出してはいないでしょうね?」

 

「ま、まさか~……」

 

「そう……。じゃあ、部屋行って良いかしら?」

 

「姉さんごめんなさい。それだけは勘弁してください」

 

このように無惨の決戦後、皆は前を向いて毎日頑張ってる。でも時々、私もだけど蝶屋敷の皆は空の部屋にあの日以降は入らないようになった

 

「……」

 

私は部屋に戻り、死んだ人間に手を合わせていた。あの戦いで亡くなった柱も隊員も多すぎた……

 

「そっちにもう逝って数週間ですか………いまだに私達はあなたがこの帰る場所にいないことに違和感を感じます……向こうでもう私たちの弟子も会いましたか?」

 

その問いかけに誰も帰ってこないのはわかっているけど、どうしてもその答えを聞きたい。あいつの声を聞きたいと思う

 

「しのぶ様、冨岡様がこちらに来てます。こちらに招いてよろしいでしょうか?」

 

「冨岡さんが……どうぞはいってください」

 

私は許可をすると、義勇さんはゆっくりと歩きながらこちらへ入ってきた。あの戦いで片腕は無くなって大変な状態だったが、その山場も越えた

 

「夜分遅くすまないな」

 

「いえ……時にどういうご用件でしょうか?」

 

「お前は……死んだ人間と会ったことはあるか?」

 

「はっ?」

 

冨岡さんはいきなり話し始めた内容はあまりにも要領なく私は変な声を出した

 

「死んだ人間を会ったことはあるか……ですか。まぁ、無いですね」

 

「だろうな。……昔、炭治郎が会ったらしい」

 

「………え?」

 

「死んだ人間と会ったことがあると炭治郎が教えてくれた」

 

「いやいや……鬼が実在していたからとはいえ……さすがに死んだ人間と会えるというのは……普通はないですよ?頭打ったのですか?」

 

私はため息つきながら、冨岡さんの夢みたいな話についていけなかった。だけど、この人は言葉足らずだが嘘はつかないことを私は知ってる

 

「胡蝶……実は……俺は死んだ姉に会ったのだ。この間……」

 

「え!?」

 

冨岡さんのお姉さんがなくなったという話しは私は知っている。だが、その冨岡さんのお姉さんと会ったということに驚いた

 

「……最初は痣が出ているから俺はもう死ぬのか……そう思っていたが、実際は違った。血鬼術ではなく、正真正銘の姉だった」

 

「痣に関してはまだ研究していますので、勝手に死ぬのは辞めてください。しかし、お姉さんが出てきたというのに驚きました……」

 

「俺も驚いた……だが、姉は死んでからもずっと俺を見守ってくれていたそうで……お説教も受けて最期には抱き締めてくれた……」

 

「幽霊なのにさわれたのですか……?!」

 

「それは姉も俺も驚いていたが…だが、胡蝶…俺はお前に大事な話をしにきた」

 

あれ?今の今までがその話ではないということは、一体なんの話でしょうか?

 

「胡蝶しのぶ……返事はすぐではなくっていいから……俺の人生を君に預けさせてくれ」

 

「え……?」

 

「返事はすぐではなくっていいから……な」

 

冨岡さんはそれだけを言うと、部屋から出ていき残っていたのは私一人だけだが……

 

「え………?!え……?!」

 

「しのぶ姉さん、ご飯ができました………って、しのぶ姉さん!?」

 

「か、カナヲ……ど、どうしましょ……!?!」

 

「しのぶ姉さん気を確かにしてくださ!アオイ、カナエ姉さん!しのぶ姉さんが顔真っ赤にしてるから熱があるかもしれない!!」

 

そんなわけではないとカナヲにそういいたかったが、カナヲは大慌てで私を連れていった。そして、私の耳には……

 

『全く……心配して降りてみれば……』

 

私の耳には懐かしい声が聞こえてきた。一体それがなんなのか分からないがどこから懐かしい声が聞こえた……




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121話

夜ご飯を食べ終えた私は、カナヲに連れていかれるときに聞こえたあの声はどこかで聞いたことがあるような気がしていた

 

「………よし」

 

私はこのままモヤモヤしていては仕方がないと思い、その声の主が聞こえた場所の付近まで歩いていた

 

「あの声が聞こえた場所は……それにこの部屋は……」

 

その声の主が聞こえたと思われる場所は私達がずっと避けていた空の部屋だった。私は恐る恐る部屋には入ると……

 

「え………」

 

そこには、和服を着ていて庭の方を懐かしそうに眺めていた男がいた。その男は生前と変わらずに、堂々と佇んでいた

 

「空………?」

 

「………よう、しのぶ」

 

「…………………えぇぇぇー?!!」

 

私は恐らく人生最大の叫び声だったと後に思う。鬼が入るから幽霊もいるなんて言うのはさすがに受け入れにくい………

 

 

 

空side

しのぶの大きな声に俺は耳を塞ぎながら、ため息ついていた。そもそも、俺も本来ならあの世で眺めているはずだったのだが……

 

「しのぶ姉さん、何かありましたか!?」

 

「「「しのぶ様!!」」」

 

「しのぶ!?……え……?」

 

「よう、カナエさん。それにアオイ、なほ、すみ、きよ、カナヲ……」

 

「「「「「で、出たあぁぁぁ!?!」」」」」

 

「あらあらあら?」

 

カナエさんは驚くどころがのほほんと笑っていて、カナエさんを除く皆は驚いていてた。特になほ達がお経を唱えていたがやめなさい

 

「カナエさんはあんまり驚かないみたいですね」

 

「ふふ、昔そういうのよく遭遇していたから今さら怖くはないわ。でも、幼馴染みの空君がそうなるのは予想外だわ」

 

「いやいやいや!姉さんは何でそんなに冷静なの!?ってか、なんで空がここにいるの!?」

 

「それはな……生死の狭間で無惨や上弦弐をぶん殴ってから少し旅出ていたんだよ。まぁ、色々と訳あってこの世に少しとどまったわけだよ」

 

俺がそう伝えると、カナヲは上弦弐というキーワードに鋭い目付きで小さな声で「……死んでも惨めな鬼」と言っていたが俺はそんなの聞こえていない

 

「まぁ、二人とも本当に無惨との戦いお疲れ様」

 

「空兄さん……」

 

「……アオイ、約束守れずすまなかったな。皆で生きて帰ると約束したのに」

 

「……本当ですよ……」

 

「なほ、すみ、きよ……お前達はもう鬼に脅かされる夜は来ないからこれからたくさん学んで生きてくれよ」

 

「「「はい!」」」

 

俺は一人一人頭を撫でてあげたいが、幽霊なので触れないと思い手を触れなかった

 

「あの戦いの死んだ人間とも少し話をしていてな…炭治郎の状態はどうだ?禰頭子や伊之助、善逸も……そして、不死川の弟も」

 

「皆さんはあの戦い以降は後遺症は大丈夫です。カナヲも軽く視力が落ちたくらいで……炭治郎君は痣も発してるので、心配ですが……」

 

「その痣の事で俺はひとつ話したいことがあった。確かに痣は例外なく早く死ぬが唯一痣の死ぬ年齢を越えた鬼殺隊がいた」

 

「!?」

 

俺が話した情報にカナエさん達全員が驚いていた。当然だ……痣が発したら例外なく25歳で死ぬというのは言い伝えられていたからな

 

「だが、どうやって克服したかは分からないが……少なくともそこは珠世さんやお前の力が問われるな。いけるか?」

 

「ほん……とうに、死んでも私を振り回すのは得意ね」

 

「いや、俺はお前に振り回される側だからたまにはいいだろ」

 

しのぶは怒り顔で、俺は笑顔でそう話すると、カナエさんが俺が生前の時に悲しそうな顔で俺の方に見ていたのは二回目だ

 

「空君、もしかしてあなたは心配でこちらに来たということ?」

 

「……まぁ、そういうことです。死んであの世でうろうろしていたらいつまでたっても元気出さない家族を見ていたら激を入れたくってね」

 

俺がそう話すと皆が申し訳なさそうな顔で俺の方を見ていたが、俺は気にすることなく話しを続けた

 

「まず、なほ、すみ、きよ!」

 

「「「は、はい!!」」」

 

「いいか、これから夜はもう鬼に脅かされることはもうない!お前達は俺の代わりにこの蝶屋敷を支えくれ!」

 

「はい!」

 

「任せてください!」

 

「絶対に守り抜きます!」

 

俺の言葉に三人は目をそらすことなく気合いれるように返事してくれた。俺はそれを見て、安心して頷き……

 

「次、アオイ!」

 

「はい!!」

 

「お前は今も昔もしっかり者だ。これからも、皆をよろしくな」

 

「はい!」

 

「それと、恋も確りしろよ。お兄ちゃんはアオイの付き合う人が、性格悪いやつだったらすぐにそいつは地獄につれていくからね!」

 

「大丈夫です。兄さんにもう手を煩わせませんので」

 

「そうか。なら、あの世でゆっくりと見張っとく」

 

「はい!」

 

俺の言葉にアオイはさっきまでの辛そうな顔はなくはっきりといい笑顔で返事してくれた。そして、カナヲの方に向き

 

「カナヲ、生前の遺言は覚えてるな?」

 

「はい」

 

「そうか。なら、その心配はもうないな。あとは、俺よりも長く生きて生きて……己の大切な人と最後までいきろ」

 

「はい。空兄さん……あの世でゆっくり待っていてください。あと、体壊さず…っていえばいいのですか?」

 

「うーん、あの世で体壊すことはないと思うが……気を付けるよ。カナヲは……そうだな……自分の好きな人を絶対に支えろよ。カナヲのその心は間違いなく偽りなく恋だからな……」

 

「っっ……はい」

 

カナヲの言葉に返事して、俺はカナヲに小さくそのあとアドバイスをすると、カナヲは少しだけ真っ赤にしながら頷いていた

 

「さて……」

 

俺は大切な幼馴染みのしのぶとカナエさんの方に向き合うと二人も生前みた優しい笑顔を出して向き合ってくれていた

 

「もうあのときみたいに泣き別れはしないぞ。俺はあのときにすべて言い切ったからな」

 

「そうね。それに関してはもう心配ないわ」

 

「だろうな。今のお前は誰よりもまっすぐに胡蝶しのぶらしくなってきたぞ」

 

「空、ひとつだけ言わせて」

 

「うん?」

 

「私はあなたにとって最高の友達であり、最高の幼馴染みだったかしら?」

 

「当たり前だ。俺の事をよく知ってるカナエさんやしのぶは俺にとって最高の幼馴染みだ」

 

俺はしのぶのといにそう答えると、しのぶは満足していた。そして、カナエさんは優しい顔で俺の方を見ていた

 

「全く、お姉さんより先にいくのは感心しないわよ……空君はこれで二回約束破ったことになるね」

 

「いや、それに関しては本当にすいません……」

 

「ふふふ、大丈夫よ、怒っていないわ。えぇ、死ぬまで空君の恥ずかしい出来事を常に言い伝えるから怒っていないわ」

 

「それ明らかに怒ってますよね!?いや、本当にごめんなさい!」

 

「…ねぇ、空君…」

 

俺は正座しながらカナエさんをみると、カナエさんは泣きそうな顔になりながらもしっかりと見ていた

 

「私達……絶対に幸せにいきるからね。空君が、心配するような事はもうないように……」

 

「……」

 

「私は実弥君と、しのぶは冨岡君、そして、カナヲはカナヲで大切な人と必ず幸せに生きるからね?アオイ達もそれぞれ大切な人と確りと生きるからね」

 

「……それを聞けて安心しましたよ」

 

その言葉を聞いてやがて、俺の体が消滅し始めていた。どうやら、俺が心配することはもう無いみたいだし皆の顔を見れたというのは俺にとって心残りはなくなった……

 

「さて……そろそろ俺も逝かないとな……」

 

「空君……体があの頃の……」

 

カナエさんに言われて俺の体をみると俺の体はあの頃のカナエさん達に出会ったときの姿に戻っていた

 

「あぁ、もっと話してみたいけど残念だ……どうやら、俺はいかないといないみたいだ」

 

「兄さん……」

 

「空兄さん」

 

「空さん、いかないでくださいー!」

 

「もっと話したいー!」

 

「いかないで~!」

 

「未練がましくここに来て良かった……お前達と話せて良かった。あぁ、色々と本当に懐かしい!!」

 

俺はあの頃の楽しかった記憶や皆と過ごした大切な楽しい記憶が溢れていた。そして、自分の体が出会った頃の体になっているから自然と皆を見上げる形になった

 

「あの頃の本当の人としての大切な気持ちのまま逝くことができる」

 

「……それで、私たちを置き去りね」

 

「あぁ。せっかくの幸せな人生を歩めるんだから、皆はすぐに来てはダメだぞ」

 

「本当に勝手ね」

 

「それは今更だろ?」

 

「それもそうね。空、あなたの遺言はこれから確りと守るわ。……私も覚悟を決めたから」

 

「頼むな。じゃあ……元気でな」

 

「「「「「空兄さん、さようなら!!」」」」」

 

「またね、空君」

 

「空……あなたにあえて良かったわ」

 

俺もしのぶ達ももうあの頃のように泣くことはなく、お互いに笑顔でそして、俺もゆっくりと消え始める前に……

 

「「「「「「「いつかまたどこかで……」」」」」」」

 

確かな約束を告げて俺はこの世を去った………

 




ここまでで読んでいただきありがとうございます!
これで、夛田空は明確に亡くなったと言うことがこれではっきりしたと思います。(とっくに気づいてるわ!と思われる方もいるかと思いますが……)


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122話

しのぶside

拝啓、空……あなたが私達と幽霊になりながらも再会してくれてありがとう。あれから、3ヶ月経過して、カナヲ達もすっかり精神状態がよくなりました

 

「しのぶ姉さん、カナエ姉さんおはようございます」

 

「「おはよう、カナヲ」」

 

「アオイが朝御飯できたのでお呼びしました」

 

カナヲはあの日以降は吹っ切れたように前を向いて明るく歩いているわ。そして、空が気にかけているあの件もまだまだ前進していないけど……そこは時間の問題だと思うわ

 

「カナヲ、炭治郎君は今後どうするかわかる?」

 

「あっ、えっえっと……」

 

このように炭治郎君の話しになるとカナヲは少し顔真っ赤にして照れています。炭治郎君も、あの人の弟弟子なら……あぁ、失礼。彼に恋心を気付けというのは無理でしたね……

 

「では、ご飯を食べに行きましょうか」

 

なににせよカナヲはこれから少しずつ炭治郎君にアプローチはするでしょう。朝御飯を食べ終えて私はあの日の蝶屋敷の忙しさは無くなり、ゆっくりと過ごしてます

 

「そういえば、姉さんはこれからどうするの?」

 

「うーん……実はね実弥君と話し合ったのだけど、まだまだ確定はしてないわ。長らく弟とゆっくりと過ごしていなかったのだから」

 

「それもそうね」

 

そう、不死川さんは弟さんと今は仲良く温泉とか旅に出ています。不死川さんは姉さんも誘ったのだけど、家族との長い時間過ごせていなかったのだから遠慮しないでほしいと言っていた

 

「そうそう、しのぶ!実弥君の鴉から手紙が届いてね」

 

「鴉はもう自由になっていたのですが、不死川さんや冨岡さんの鴉はご主人様にベッタリみたいね」

 

「えぇ。でね、不死川君は蝶屋敷の近くに住むか蝶屋敷に住むかどちらかにしてくれるみたい!本人としては負担をかけないように動いてくれてるみたい」

 

「あら、そうなの?」

 

私は不死川さんがそういう選択したことにも驚いた。それはそうと……

 

「姉さん、あの遺書覚えてる?」

 

私は姉さんにあの遺書という言葉に姉さんも目を細めて答えてくれた

 

「えぇ。空君ったら、こうなる未来でも見えていたのか……色々と動いていたみたいね」

 

「そうね。空は生前お館様達に協力してくれてこの蝶屋敷を望むなら病院としてやっていけるようにしてくれるみたい」

 

「さらに、カナヲやわたしたちに生活が困らないようにお金も沢山残してくれていたみたいね。本当に……未来が見えていたのかと思うくらい用意がいいわ」

 

「一応、私は……この蝶屋敷を空がせっかく残してくれるのなら病院にするのもありかしら」

 

私はそう思いながら、大切な妹の事を思い出した

 

「カナヲは、恐らくそう遠くないうちに出ていくのかしら……姉としては寂しいけどね」

 

「炭治郎君の事が大好きだと少しずつ自覚しながら将来どうするのかも考えているみたいね。でも、しのぶ」

 

「うん?」

 

「いざとなれば、蝶屋敷は炭治郎君の故郷に移したらいいのじゃないかな?」

 

「それだと、冨岡さんの大切な師匠達とかなり離れてしまいますよ」

 

わたしがそういうと、姉さんは悪い顔して……いえ、とてもいい笑顔で私の方に向きながら……

 

「し、の、ぶ……ようやく冨岡君のこと好きだと自覚したのね~!!」

 

「はぁ!?まぁ………好きよ……」

 

「え……!?」

 

「私は冨岡義勇の事が大好きなの。返事はずっと待っててくれているけど……」

 

「えぇぇぇーー?!」

 

私の言葉に蝶屋敷の皆はすぐに駆けつけて、姉さんから私が大声出した訳を聞いた瞬間……

 

「しのぶ様、今日はもう休んでください!」

 

「私達が整理しますから!!」

 

「確りと休憩を!!」

 

「カナヲ、すぐにしのぶ様を休ませるように手配するわよ!」

 

「勿論!」

 

「ちょっ……ちょっと待った!!何で皆さんはそんなわけで慌てるのですか!?」

 

皆の行動にさすがに私は、大声を出して止めると皆がキョトンとしていた。とくに、カナヲの首に巻き付いてる蛇は鏑丸だったかしら?もキョトンとしていた

 

「だって、しのぶ様。これまで冨岡様の事を友人と言ってましたが、私達は完全にしのぶ様が冨岡様の事を恋してるのみんな気づいてましたよ」

 

「えぇ!?」

 

「さらに、しのぶは昔寝言で冨岡君の事を大好きといつもいっていたわよ」

 

「んな!?」

 

「私も聞いてましたし、空兄さんからーー『たぶんそう遠くないうちに恋心自覚するの違うかなぁ』と言ってましたよ」

 

「な……彼女いない空にすらそんなことを言われていたなんて………!」

 

まさか私以外全員にそんなことを気づかれていたなんて……!まさか、炭治郎君達にも?!

 

「いえ、炭治郎さんはまず己の恋心も気づいてないのでないです。善逸さんはいまだに禰頭子さんに夢中ですからないです。……伊之助さんはまぁ……気づいてないでしょうね」

 

「よ、良かったわ……ってよくない!?禰頭子さんは気づいてるの!?」

 

「はい。それはもう…というか、女性全員が気づいてますよ…」

 

私はその言葉を聞いて崩れ落ちてしまいました。まさか、隠していたこの気持ちが寝言によってばれるなんてどんな恥ずかしい気持ちでしょう……!

 

「と、とにかく!私、胡蝶しのぶは……」

 

「しのぶ~遊びに来たよぉー」

 

「こんにちは、しのぶさん、カナエさん」

 

「なんてタイミング!?」

 

まるで狙ったかのようなタイミング……しかも、真菰さんは結婚している上に珠世さんは、母親の経験もあるからこの話を聞かれると……!?

 

「ふふ、しのぶ……観念しなさい……アオイ、今日は女子会よ!」

 

「わかりました。すぐにおいしい紅茶も用意します」

 

追伸…空、今ほどあなたにこの状況を身代わりにしたいと思ったことはないわ……。誰でもいいからこの状況を変えて……!!?




ここまで読んでいただきありがとうございます!次回もよろしくお願いします!


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123話

私は今、姉さんやカナヲ、アオイを初めとして、珠世さんや真菰さんに見つめられながら正座している。内心はどうしてこうなった!と叫びたいが、感情をコントロールできないのは未熟者、未熟者……

 

「(ふぅぅ……)こんにちは、珠世さんに真菰さん」

 

「ふふ、こんにちはー」

 

「えぇ、こんにちはです。それに私はこうして皆様と会うのはお久しぶりです。最後にあったのはあの日の最終決戦の夜以来ですね」

 

「えぇ、あのときは本当に助かりました。もしあのまま人手が足りなかったら……何人か本当に助かっていませんでした」

 

「いえ。私は私のこの命を助けてくれた三人のために私は助けると決めたのですから……」

 

三人という言葉に恐らく一人は空なのだが、あとの二人はいったい何者だろうか?そう気にしてると、真菰さんが話を切り込んだ

 

「ねぇ、その三人のうちの一人は空?」

 

「えぇ、あの方は私を鬼なのに助けたとに何て言ったかご存知ですか?」

 

「うーん、生きろとか?」

 

「えぇまさしくそうです。あの人はーー『もう、償いは何百年もしてるのだろ?だったら、無惨を死んだ後に大切な弟子と共に余生を過ごすことを考えたらどうだ?』といったのですよ?まだ、戦いも始まったばかりなのに……」

 

「あぁ、いかにも兄さんが言いそうな台詞ですね。あの人はそういうところはきっちり見ますから」

 

「うん。空兄さんは炭治郎の妹、禰頭子ちゃんもしっかりと人として見ていたね」

 

「さらに『あんた達の医療技術はきっとこの鬼殺隊解散後にしのぶ達の力になるからな。今助けて先の事を考えれば損はない』って……もうあの人の中では、先を見据えて考えていたみたいですね」

 

空は損得で動く人ではないから、恐らくそれは照れ隠しでいってるのはわかる。姉さんもその言葉を聞いてクスクスと笑っていた

 

「ふふ、そういうところは空君らしいわ」

 

「全くよ。全く……何でそういうことも考えてる時間あるのよ」

 

「あとの二人はだれなんですか?」

 

カナヲがあとの二人が誰なのか気になり質問すると、珠世さんは優しい顔になっていた

 

「あとの二人は……一人は炭治郎さんですね」

 

「炭治郎さんですか……なんとなく理由わかります。私も炭治郎さんに苦しんでいた心を助けられた一人ですから」

 

「わ、私もです……」 

 

「貴方達もですか。炭治郎さんは、私達を普通なら人間の敵…鬼としてみるのが普通です。ですが、彼は私達を一人の人間として接していただきました。時間こそは短かったですが、彼は信用していいと私は判断しました」

 

「炭治郎君は不思議な子なのよねぇ。なんか話していると自然と気を許すというか……純粋な子だよね」

 

「確かに炭治郎君は純粋な方ですねぇ。空も生前、『炭治郎の純粋な天然さはどうも、気を許してしまうというか……あれは計算してできるものではない』とぼやいてましたよ」

 

「あー、それを言うと義勇もそうだし……あの二人はそういうところは似ているよね」

 

冨岡さんと炭治郎君がにている部分と言えば……確かに純粋なところかしら?いや、実際冨岡さんは純粋なのだろうか?

 

「あとの一人は……少しだけ遠い昔の話しますね。鬼になって寿命も長いですから……」

 

珠世さんはなほ達が用意してくれた紅茶を一口のみながら目を細めていた

 

「この数百年で日本は本当に色々と変わりましたね……。昔の日本人がこの光景やこの飲み物を見たら奇妙な飲み物と間違いなく言うでしょうね」

 

「珠世さんは長生きしてると……やはり色々と戸惑うのですか?」

 

「えぇ、それはもう……。ところで、話の続きでしたね……あとの一人は私にとって生きる道筋を作ってくれたかたといっても過言ではないかもしれませんね」

 

「その方の名は……?」

 

「その方は貴方達の鬼殺隊で言うなら始まり呼吸の一人で炭治郎さんが使う日の呼吸…恐らく私が知る限りの後にも先にもでない最強の鬼殺隊ですね。名を継国縁壱」

 

「継国縁壱……日の呼吸……」

 

かって、炭治郎君が日の呼吸を聞いてきた事があったがその方の名前を聞いて私は反響するように答えると珠世さんはその人の事を話してくれた

 

「珠世さん、なぜその方が最強と?」

 

「かれは……たった一人で鬼辻舞無惨を追い詰めましたのです。しかも、無傷で……あの男を追い詰めていました」

 

「「?!」」

 

最終決戦で無惨の強さを知ってる私とカナヲは目を見開き驚いていた。あの無惨をたった一人で追い詰めることができるのはかなりの強者……いえ、確かに強すぎます

 

「あの方は無惨をあと一歩と追い詰めてましたが、あの男は惨めにも分裂して逃げてしまいました……」

 

「なるほど……これで今までの疑問が納得したかもしれません」

 

「何がですか?」

 

「アオイ、以前炭治郎君は私たち三人にヒノカミ神楽の事を話したりしてきたのです。そして、日の呼吸を聞いてきました」

 

「そうね。炭治郎君の話を聞いて、火と読んではいけないという話もして……なるほど。そういうことね」

 

「姉さんも気づいたのですね。理解してない人もいるので、私なりの予想ですが、恐らく無惨は……その継国縁壱さんの再来を恐れていたのでしょう。そして、その呼吸を使うものを根絶やししたいがために活発になっていた」

 

「そして、継国縁壱さんの使う呼吸を気づかれないようにその時代の柱が伏せていたのでしょうね」

 

「えぇ……だから驚きました。炭治郎さんは何処と無く雰囲気が縁壱さんに似ていましたから……きっと、貴方達が無惨を倒してくれた今……彼も安らかに寝ているでしょう」

 

珠世さんの話を聞いて、無惨をたった一人で追い詰めるほどの男がいたことにも驚いたが、その呼吸が炭治郎君に繋がるとは……

 

「さて、本日の女子会の本題ね!私の妹、胡蝶しのぶはじつは先程漸く、冨岡君の恋心を自覚したの」

 

「ね、姉さん!?」

 

「あ、やっと自覚したの?義勇たらね、ずっと、しのぶの返事待ちでそわそわしてるのよ。『自分から会いに行ったら?』と勧めると、『また今度時間あるとき』と断りながらも、ずっと気にしてるみたいなの」

 

「あらあら、若いわねぇ」

 

うぅ、姉さんのせいで色々と恥ずかしさが込み上げてくるのだけど……!というか、冨岡さんもそんなに気になるなら何でこちらに来てくれないのですか!?

 

「で、今すぐ告白しにいくよね?」

 

「え?」

 

「自覚したというのなら善は急げと言いますものね」

 

「あの、真菰も珠世さんも何でノリノリなのですか……?」

 

私は少しだけ後ずさりすると二人とも微笑ましそうにこちらを見ていた。姉さんもカナヲ達も笑顔でこちらを見ていた

 

「そうと決まれば、義勇をここに呼ぼう!!」

 

「え!?ちょっ!?」

 

「いけいけ、真菰ちゃんー」

 

「姉さん!?アオイ達も頷かないで!?」

 

真菰さんはそういうなり、鴉を使って冨岡さんをよんでもらった。え……私まだ今日告白すると答えていないのに…いつのまにか確定に?え、これはもう言わないとダメな流れ…?




ここまでで読んでいただきありがとうございます!
次回もよろしくお願いします!


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124話

俺は現在、元炎柱の煉獄と共に生前友人であった男の墓の方に来ていた

 

「うむ!これで、空の墓はきれいになったぞ!」

 

「こまめに、胡蝶達がやっているからきれいなのかもしれないがやるに越したことがない」

 

「うむ!冨岡、今日は手伝ってくれてありがとう!」

 

煉獄は空のお墓の前で手を合わせながら俺にお礼をいっていた。実は前の日に煉獄から空のお墓のお参りにいかないか?と誘われたので今日は一緒に来ていた

 

「最終決戦、本当にお疲れ様だ!よもや、よもや……あの竈門少年が上弦參……そして、無惨を倒すとはあの頃を思うと驚くな!」

 

「確かに……」

 

「それに、口こそは出さなかったがあの時の柱会合の時は驚いたぞ!冨岡が、命を懸けてまでもあの少年を信じたことに……もし食べれば切腹を申し出ると聞いたときはな」

 

「炭治郎は覚悟をして戦ってるのなら俺も……いや、俺たちも信じて戦うと決めたからな……」

 

「そうか!」

 

煉獄は嬉しそうにうなずきながら俺の方を見ていた。そして、安心したような顔で俺を見ていた

 

「しかし、良い顔をするようになったな。すべて吹っ切れた顔になったな」

 

「?」

 

「空とは長い付き合いでな……生前、冨岡の説明口が足りないに空は毎回胃を痛めていたぞ!空も本当にもう少し言葉をしっかりと伝えたら助かると嘆いていたぞ!」

 

「そうなのか?」

 

「うむ!それと、今日はお墓参りを誘ったのに訳がある!」

 

煉獄が俺を誘うとは確かに訳はあるのだろうが、何か悩みどころだろうか?

 

「実は、3ヶ月もの前の話だが、夜にさつまいもを食べていたときに、何か歩く音がしていたのだ。そして、気になり振り向くと……『さつまいもを美味しそうに食べるなぁ!!』……と、空らしき男が叫んでいた。さすがの俺も驚き「よもや!?」と叫びながら喉をつまらせたぞ!」

 

「三ヶ月も前とは……なぜその直後にいかなかったのだ?」

 

「色々とやることが立て込んでいたのでな!そして、今日行くと決めたのだが……また空らしき幽霊が出ると喉つめるので何かあったときに冨岡に手伝ってもらおうと思った!」

 

「そうか……」

 

俺は心のなかで空は以前、怪我してお見舞い来てもらったときにさつまいもを美味しそうに食べているのが悔しかったのかもしれないな……

 

「そういえば痣を出したそうだな!」

 

「……あぁ」

 

「だが、心を強く持て!冨岡、お前も水柱なのだったら痣のせいで寿命が短いと考えるな!きっと、胡蝶達が助けてくれる!」

 

「あぁ、もちろんだ」

 

「うむ。それくらいはっきりと言えたのだったら空が生前胃を痛めることもなかったのだがな!む、鴉?」

 

煉獄に言われて、空を見上げると鴉がこちらの方に飛んできた。あれは……真菰の鴉?

 

「義勇、サッサト蝶屋敷来イ、来イ!」

 

「蝶屋敷に……なにかあったのか?」

 

「うむ、考えても仕方がない!!ここのお墓参りも終えた事だから、蝶屋敷に向かうとするか!竈門少年達のお見舞いも行くつもりだからな」

 

それを聞いて俺達は蝶屋敷に向かうことを伝えると真菰の鴉は素早く帰還していった

 

「しかし、なぜ??」

 

「考えてもわからん!行こう!」

 

煉獄に促されるまま俺も疑問を思いながらもとりあえずは、蝶屋敷に向かおう。そして、蝶屋敷向かうと炭治郎と遭遇した

 

「うむ!竈門少年に、竈門少女ではないか!」

 

「あ、煉獄さんに義勇さん!お久しぶりです!」

 

「安静しなくっていいのか?」

 

「はい、私がお兄ちゃんずっとベッドの上でいては体が鈍ると思うので少し歩こうと許可をもらったのでこうして外に歩いてます」

 

「そうか、そうか!」

 

隣で煉獄が嬉しそうに笑っているが、俺はあの時に初めてあった事を思い出した。あのときに初めて会った時は雪がすごく山奥だった

 

『俺の仕事は鬼を切ることだ。もちろんお前の妹の首も跳ねる』

 

『待ってくれ!禰頭子は誰も殺してない!!』

 

あの日、お前は土下座しながら殺さないでほしいと嘆願していた。そのときの俺は感情を露にしてお前にたくさん言った。そして、お前はその後多くの人を変えて最後には無惨を倒したのだから……

 

「本当に……お前達はたいしたやつだ」

 

「「?」」

 

「うむ、そうだ!竈門兄妹!」

 

俺の言葉に二人ともどうしたのだろうと首を傾けていた。すると、煉獄が思い付いたように手を叩いていた

 

「折角リハビリしてるのなら俺も付き合おう!こうしてなかなか会うことはないのだからな」

 

「いいのですか!」

 

「うむ!冨岡は、先にいってくれ!お前が呼び出されてるのだからな」

 

「承知。では、またな」

 

俺は炭治郎達に言葉を残してから、蝶屋敷に向かった。そういえば、昔空と二人で食べに行っていたときに炭治郎の話しなっていたな

 

『義勇、あの兄妹は何者だ?』

 

『何者とは?』

 

『俺が知る限り、日本中で人を食わない鬼なんて見たことがない。ましてや、俺たちが殺してきた鬼はあんなのいない……いったいどうやったら耐えれるのだ?』

 

『……分からない。だが、言えることは確かなのは……あの二人が何かを大きく変えてくれるのかもしれない』

 

俺は一口飲むと、空を見上げていた。そして、

空も夜の星空を眺めながら笑っていた

 

『鬼と人との戦争時代のけじめ……か』

 

『ん?』

 

『恐らく、そう遠くないうちにあの二人は鬼殺隊でも長い歴史の終止符をうってくれるかもな。なにせ、人を食わない妹の行動を見て、お前や天元さん、杏寿郎さん……そして、しのぶ達も認めているのだからな』

 

『………そうなのか?宇随も認めていたのか?』

 

『気づいてなかったのか!?いや、まぁいい。いずれにしても……俺は上弦弍を殺す事、お前達は無惨を倒すこと……そして、炭治郎は妹を人間に戻して無惨を倒す。いずれも目的は同じだ……あぁいう真っ直ぐすぎる奴はお前達が支えろ』

 

あのときの空は、悲しそうに自分の手を見ていた。俺達は刀で鬼を殺すが、空は己の手で殺していた

 

『俺はこの拳で……鬼だけではなく裏切り者を殺してる……もう、俺は人として外道なのかもしれないな。鬼ではないとはいえ、裏切り者を殺してるから』

 

『だが、お前は仲間を守るためにそうしたのだろ?』

 

『あぁ。だがな……たまに思うんだ。裏切り者を殺すとはいえ…俺があの場所……あの暖かい空間にいていいのか……無意識に甘えてるのではないかってな』

 

俺は初めて空の葛藤を聞いて驚いた。この男は誰にも弱さを見せないところや、無慈悲になれるところなれると思っていた

 

『義勇、お前はあの兄妹を絶対に手放すな。俺はもう人の血も浴びて染まりすぎたこの心では……支えきれないからな』

 

『承知』

 

『よし!あとは、お前がさっさと、夫婦になる未来を作れ!』

 

『……言葉が足りないぞ』

 

『何でお前にそれを言われないとダメなんだよ!?』

 

空……俺はお前のお墓の前でも言ったと思うがお前の人生に悔いはなかったのか?お前は……いや、お前も誰かを守り抜くために戦い抜いたのだったな……

 

「さて、蝶屋敷に着いた……できるなら胡蝶……お前の返事も聞きたい……」

 

蝶屋敷によばれた訳はわからないが、今は俺はお前の返事を聞きたい。そして、できるなら俺はお前と………生きたい………

 

 




ここまで読んでいただきありがとうございます!次回もよろしくお願いします!


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125話

冨岡さんが蝶屋敷に来たという知らせをなほ達から受けて、私は庭で一人佇みながら待っていた

 

『じゃあ、しのぶ!冨岡君と外で告白しあいなさい!』

 

『しのぶ姉さん健闘祈ります』

 

『私達は席をはずしますので!!』

 

そういうなり、珠世さんも真菰さんも早々とこの部屋へ出ていった。私は一人で庭を眺めながら頭を痛めていた

 

「本当に……どうしてこうなったのかしら?」

 

私は自分の今の状況に戸惑いながらも、ゆっくりと外を眺めていた。この蝶屋敷ができたとき……空と姉さんと三人で話したことがあった

 

『姉さん、なんでここを蝶屋敷という名前にしたの?』

 

『うん?』

 

『だって、姉さんは花柱でしょ?だったら、花屋敷でもいいはずじゃあ……』

 

『それはね、この館の庭には常に沢山の蝶が舞っているのはしってる?』

 

『はい。知ってますが…まさか…?』

 

『ふふ、そう。そこから名前を思い付いたの!』

 

姉さんの言葉がどこまで本当かわからない。だけど、不思議と花屋敷というより、蝶屋敷という言葉の方がここに合うと思った

 

『なんかいい響きね。それより、空はなんでこちらにきてるの?カナヲと出掛けていたのでは……』

 

『一緒に出掛けていたカナヲが寝てしまったので、おんぶして今帰ってきたんだよ』

 

『それをはやくいいなさい!?』

 

『あらあら、今日はどこまでお出掛けしていたの?』

 

『静かな山でカナヲと歩いていました。カナヲの回りに不思議と蝶々が来ていたぞ~』

 

そんな昔も少し前のはずなのに今は懐かしく遠い昔と感じるわね……。あれから色々とあったけどこの蝶屋敷は大きくなった

 

『しのぶはもうそろそろ自分の気持ちに向き合っていたら答えは出るのじゃないかしら?』

 

『逃げてはダメだよ。こういうとには女の子が強気でいないとダメだよ』

 

皆さんに言われて、私の覚悟は決まりました。私はいつまでたってもその気持ちを逃げては相手にも失礼だ……

 

「ここにいたのか、胡蝶」

 

「こんにちは、冨岡さん」

 

私は今から……この人に長い長い告白の返事を答えなければいけないのだから……

 

「怪我はどうだ?」

 

「どの時の話してるのですか。もう大丈夫ですよ」

 

「そうか」

 

「冨岡さんこそ、片腕なくしてから大変だったのではないですか?主にご飯とか」

 

「……鮭大根食べるのが大変だ」

 

「なぜそれを限定に答えるのですか……。全く……それよりもどこにいっていたのですか?もう少し遠いところいってると思ったのですが……」

 

本当にこの人はたまにとんでもないことを言うから目を離せないというか、……まぁ、冨岡さんですからね

 

「空のお墓参りしてきた。他の連中は少し前に済ませていたが……空のだけはまだだったからな」

 

「………そう。ありがとうございます」

 

「胡蝶……ひとつ聞きたい」

 

「はい、なんでしょうか?」

 

「お前にとって空は恋心はあったのか?」

 

私はその問いかけにたぶん人生でなかなかない顔をしていたかもしれない。どうしてそんな質問してきたのかわからないが……

 

「ないです。100%ない」

 

「そうなのか?」

 

「えぇ、確かに空とは幼馴染みですが……幼馴染みですから恋人になるというのはないです。というか、空に恋心なんてありませんし、空も同じでしょうね」

 

「真菰が以前気になっていたから聞いた。なら、お前にとっての空とは?」

 

私にとっての空とはどういう事か……ですか。確かなのは私は空に恋はしてないということ。そして……

 

「私にとっての空は仲間でもあり友達でもあり……そして、蝶屋敷の家族ですね。冨岡さんもご存じのようにここの子たちは……鬼によって家族を失った者……家族に見捨てられた者……そういう子達がここにすんでいるのです」

 

「……」

 

「知っていますか?空はいつも鬼を倒したあとに蝶屋敷に帰ったら必ずカナヲやアオイ、なほ達に安心させるように笑いかけて頭を撫でていたのですよ?ある意味、ここは女の子が多いので空も大変な部分会ったかもしれませんが」

 

「そうか」

 

「そう。いわば、空はこの蝶屋敷の太陽として守ってくれている上に家族として接していました。……だからこそ、空があの戦いで命を落としたときこの蝶屋敷は………光を失ったかのように暗かったですよ」

 

そう、あの空が幽霊になって出てくるまではこの蝶屋敷の明るさは失ってしまった……。だから、空はそれも気にかけて出てきたのだろう 

 

「この答えで満足ですか?空に関すること」

 

「あぁ、お前達にとってあいつが大切な存在だと確認できたのは良かった……。さて、胡蝶……本題に入ろう」

 

来た、恐らく冨岡さんはここによばれた理由は何なのか気づいてるかもしれない

 

「えぇ、本題ですね。……冨岡さん……」

 

私はゆっくりと冨岡さんの方に歩きながら内心は緊張していた。たぶん鬼を倒すことよりも、姉さん達に怒られることよりも……なん百倍も緊張している

 

「冨岡さん……知っていますか?初めてあったとき私は冨岡さんの事が大嫌いだったのですよ」

 

「!?!」

 

「だって、言葉足りないし答えてほしいときに答えないし……それで、どれだけの人が怒っていたと思います?空ですら冨岡さんと会った時や会う前に胃薬をくれという始末ですよ?どれだけこちらに負担かかってきたと思いますか?」

 

「そ、そうなのか……すまない」

 

「えぇ……でも、それは言葉が足りないあなたが嫌いなのですよ」

 

「え?」

 

冨岡さんはまさかそんなに言われると思わなかったのか少し落ち込んでいた。だけど、そのあとの私の言葉に冨岡さんは驚いてこちらを見ていた。私はそんな冨岡さんに笑顔で話しかけた

 

「冨岡さん……私胡蝶しのぶは貴方に私の人生を捧げます」

 

「!?」

 

「これはいつもの冗談ではなく、私がこの期間ずっと考えた答えです。私胡蝶しのぶは冨岡さん……いえ、義勇さんの事が大好きです。私ともに生きましょう」

 

私の答えに冨岡さんは私をおもいきりだきしめていた。冨岡さんは涙声になりながら私に聞いてきた

 

「いいのか……痣になったもの結末は聞いてるはずだ」

 

「そんなの問題ありません。私達はそれを治すために日々研究してるのですよ。知っていますか?医学は日々進歩してるのですよ?」

 

「もしかったら、明日死ぬかもしれないんだぞ」

 

「そんなことはありえません。私がそう簡単に義勇さんを死なせませんので」

 

「……俺にお前の人生を受け止めていいのか?」

 

「えぇ。もう、私の答えに迷いはありませんよ。私はあなたの事をたくさん知っています……だから私はあなたを嫌うことはないですよ」

 

冨岡さんの問いかけに私は一句一句しっかりと答えると冨岡さんはやがて私の顔を見て私も彼の顔に近づき……

 

私達はひとつになった………

 

 

 

 

 




ここまで読んでいただきありがとうございます。
これで鬼滅の拳は本日をもって完結です!投稿した日が昨年の9月9日でした。一回も投稿は途切れることなく、本日をもって無事に完結です。
長い間愛読していただきありがとうございます!
又、続編というよりもリクエストする場合は下記からお願いします。
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=249239&uid=213728

本当に長い間ありがとうございました!


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リクエスト編
もしも炭治郎の最初の出会い義勇ではなく空なら……?


ご無沙汰しています!
リクエストされたの一つ完成したのでのせました!!
尚、これは本編とは違うIFの話です!
それではどうぞ!


これはもしもの世界で、妹が鬼にされて人間を戻すために鬼滅隊に入る少年が会う男が水柱ではなかった世界……

 

俺はあの日……上弦弐を殺すために幼馴染みとは決別とともに蝶屋敷旅を出てからどれくらいたっただろうか?俺はある山奥へと歩いていた

 

「(ったく……お館様はなぜ今回俺にこういう任務を?今までは旅出ていても関与されなかったのに……)」

 

事を上るのは数週間前、俺はいつも通り上弦弐の情報を得るために旅を出ていたのだが……

 

『夛田空、伝令!伝令!』

 

『ん?』

 

『鬼辻舞無惨ラシキ男が歩イテル可能性アリ!歩イテル可能性アリ!現在、チカイ空二調査ヲ要請!要請!』

 

この世界の根元の悪でもある無惨が歩いてる可能性ありだと!?だが、今の俺は上弦弐殺すために……いや、もしも無惨なら撃ち取ることを優先しないと!

 

『鴉、その場所は?もうここに探してもやつの手がかりは得れそうにない』

 

『場所ハーー!』

 

俺はそれを聞いて万が一無惨だとしたら周りの人の違いも尋常ではないはずだ……!

 

『了解!』

 

俺はそれを聞いて急いでその場所へと向かっていった。道中に、色々な人に情報を集めながら俺はその場所へと走り抜けていた

 

「しかしここはどこだ?山の奥なのはわかるが雪のせいで場所が分かりにくいなぁ……腹が減ったなぁ………」

 

その場所付近に向かったのは良いが、無残による多くの人の被害を避けるために急いで向かったため空腹が激しい

 

「今のところは向かったところ全部は被害がないが……」

 

「あの………」

 

「ん?」

 

俺は声をかけてきた方向に振り向くと、その少年はまだ幼さが残っていた子供がいた。俺はその少年のほうにむきあっていた

 

「どうした?迷子か?」

 

「あの、お兄さんお腹減っていますか?」

 

「!?」

 

驚いた……初対面の子供に俺が今空腹で困っているということ気づかれて何故分かったと聞いた

 

「俺鼻が良いので、それにここは俺の実家があるところなので迷子ではないです!」

 

「そ、そうか……」

 

「あ、俺は竈門炭治郎です!あの、よかったら俺の家で食べに来ませんか?」

 

「は?いや、知らん人を招くのはあまり宜しくないだろ」

 

俺はさすがになにもしてないのに、招かれるのは……と思っていると、その少年の後ろに野生の動物がこちらに向かってきた

 

「熊!?」

 

「炭治郎、少し危ないから下がれ」

 

「え、でも熊ですよ!?」

 

「まぁ、熊が出るのは怖いよなぁ。でも……」

 

俺は向かってくる熊に対して構えながらゆっくりと呼吸を整えた。そして、熊がまっすぐにこちらに飛び込んでくるタイミングで懐に飛び込み……

 

「ぶっ飛べ……よ!」

 

しっかりと不安定な地面を耐えながら強い勢いで腰を振り、腕を思いきり熊のお腹に殴ると、熊は少しよろけていた

 

「まだた!おら!」

 

熊の顎のほうに思いきり殴ると、熊は後ろにゆっくりと倒れていった。これでしばらくは襲いかかることはないだろう……

 

「す、凄い!!え、今のどうやったのですか!?」

 

「普通に殴っただけさ。まぁ俺は普通の人より体を鍛えているからこういうの離れているのさ」

 

「あの、俺を助けてくれたお礼として俺の家に来てください!きっと、みんな歓迎しますから!」

 

そういうや否、炭治郎の家に勢いよく招かれてしまい俺は苦笑しざる終えなかった

 

「炭治郎を助けていただきありがとうございます。私は竈門葵枝と申します」

 

「いえ、突然お尋ねてして申し訳ございません。俺は夛田空と申します」

 

「では、夛田さんとお呼びしてもよろしいでしょか?」

 

「はい」

 

俺は炭治郎のお母様に挨拶をして、炭治郎のお母様と少し聞きたい情報もあったので聞いてみようと思っていた

 

「お母さん、お兄ちゃんこれから炭を売りにいくみたい!」

 

「売りにいくみたい!」

 

「こら、茂、六太!お母さんは今お客さんと話してるでしょ!?」

 

「お客さんに失礼だろ」

 

俺が話を聞こうとすると、炭治郎の下の弟や妹達がこちらにやって来た。俺は突然の子供達に驚いてると、炭治郎ともう一人の妹らしい子が来た

 

「こら、皆お客さんが驚いてるから落ち着こう」

 

「そうだよ。えーと、初めまして私は竈門禰豆子で長女です」

 

「俺は竈門竹雄」

 

「私は竈門花子です」

 

「僕は茂!」

 

「六太です!」

 

俺が戸惑うなか子供達は律儀に自己紹介してくれたので俺も自分の名前を教えた。そして、炭治郎は炭を売りにいくというので手伝おうか?というと大丈夫です!と断られた

 

「大したおもてなしできませんが、一晩休まれてはいかがですか?」

 

と葵枝さんのご厚意で俺はこの家の子供達と遊んで、遊び終えると小さな子供達はゆっくりと寝ていた。俺もその日は早く寝ていていたが、鬼に対する警戒はしていた

 

「んーっと、寝すぎたなぁ」

 

外はまだまだ暗い中、俺は起き上がりそして、炭治郎のお母様が起きていたので挨拶した

 

「おはようございます。昨日は寝させていただきありがとうございます」

 

「いいえ、こちらこそ昨日は夜遅くまで子供達と遊んでいただきありがとうございます」

 

「いえ、これくらいお安いご用です。さて、実は昨日聞こうと思ったのですが……最近変わったことは聞いてませんか?」

 

「変わったことというと……?あまりないですね」

 

変わったことはあまりないか……となると、無惨はこんな山奥に歩くことはないのか……?

 

「……?」

 

俺は突然嫌な予感を感じたので神経張り巡らせると、なにかヤバイのが近づいてきてるのが感じる……そして、ノックされる音がしたので寝ていた子供達は、起き上がった

 

「んー、こんな朝早くにだれだろ?お母さん開けるね?」

 

炭治郎の妹、禰豆子がドアを開けようとするのを止めようとした

 

「まて…」

 

俺は低く、止めると禰豆子達は俺のほうに振り向いていた。これは本当に俺のこれまでの経験でヤバイのがわかる

 

「全員すぐに下がれ……」

 

「え?」

 

すると向こうはしびれを切らしたのか、ドアを思いきり開けてなにかを振るうと禰豆子に刺さった

 

「がっ!?」

 

何かに禰豆子にしているのがわかった俺は咄嗟にそいつに攻撃した

 

拳の呼吸 壱ノ型 波動

 

俺は右腕を思いきり襲撃したやつに炎の龍の攻撃がそいつに向かっていった

 

「……!」

 

「(弾いた?!)おらぁ!」

 

禰豆子と黒い男の間に割り込んで俺は拳を振るうとやつは後ろにさがった

 

「ッチ、鬼狩りか……」

 

「何者だ……!」

 

拳の呼吸 弐ノ型 裂散切り

 

俺はそいつに飛び込んで手刀のように振り下ろすとそいつは後ろへと下がった。そして、禰豆子の様子を見ると苦しんでいた

 

「ァァァァ!!」

 

「禰豆子?!お前なにした!!」

 

俺はそいつをにらみ、この家に止まらせていただいた恩人の妹に何かしたと思われるそいつをにらむ

 

「アァ……」

 

やがて禰豆子は苦しむように倒れこみ、俺は禰豆子に何かしたと思われるそいつをにらんだ

 

「この程度の血の注入で死ぬとは……太陽を克服する鬼など相当作れたものではないな」

 

「お前ぇ…人の命をなんだと思ってる!!」

 

「興が冷めた。朝日も近い……」

 

俺は激怒しながらそいつに問い詰めるが、そいつは興が冷めたというと暗闇の方へと歩いていった

 

「く!(追いかけたいが、禰豆子の様子が心配だ)」

 

俺はすぐに禰豆子のほうに駆け寄り炭治郎の家族は戸惑ってた

 

「姉ちゃん!」

 

「ダメだ、すぐによるな!!」

 

下の弟が禰豆子の様子に駆け寄ろうとしてると俺はすぐに止めた。恐らくあれが無惨の可能性がある……となると……

 

「ガァァァアア!!!」

 

「やはり鬼にされていたか!?」

 

禰豆子は興奮するようにたっていて、その目付きには鬼特有の顔と歯が出ていた

 

「ぐ!!」

 

炭治郎の妹禰豆子が人を襲う前に俺は外へと思いきり連れていった。炭治郎の家族は禰豆子の突然の豹変に驚いていた

 

「姉ちゃん!」

 

「ダメだ、お前達はここから出るな!!」

 

「なんで!?」

 

「鬼にされてしまったんだ……お前達の姉は!」

 

「鬼ってそんな……」

 

俺の言葉に子供達はショック受けていたが、俺はなやんでいた。今までの俺は普通に鬼を殺していたが今のこの子も……!

 

「禰豆子……?」

 

炭治郎の声がした俺は振り向くと愕然とした表情で禰豆子を見ていた。そして、よろよろと歩いていたので俺はすぐに炭治郎に怒鳴った

 

「炭治郎、今の禰豆子によるな!!今のお前の妹はお前を兄とも認識してない!!」

 

「でも、まだ人は殺してないのです!禰豆子は俺が誰も傷つけさせない!だから……」

 

「今の禰豆子は人を食らう危険がある。俺は鬼を殺すための仕事をしてる」

 

俺がそう伝えると炭治郎は必死に俺になにか言おうとしていたが、禰豆子は俺のほうに飛び込んできた

 

「っち!」

 

「ァァァァ!」

 

「やめろ、禰豆子!俺の命の恩人だから!!」

 

俺は禰豆子の攻撃を回避しながら禰豆子を押さえつけると炭治郎に対して怒鳴った

 

「ァァァ!!」

 

「これが現実だ……炭治郎!このままでは妹は本当に人を食らう可能性がある……だから、俺はお前の妹をこのてで殺す」

 

「っ……俺が必ず妹を治して見せます!だから………だから……妹を殺さないでください」

 

炭治郎は俺の言葉に泣きそうになりながら土下座していた。こいつは本当は辛いだろう……妹がいきなり人に襲いかかってることに……だが、それは関係ない!

 

「相手に主導権を握らせるな!!」

 

「っ!」

 

「確かに鬼にされた者を人に戻す方法は鬼が知ってるかもしれん!!だが、鬼がそんなので何でも聞いてくれると思うな!!当然、俺も仕事としてお前の意見を尊重しない!!」

 

俺の言葉に炭治郎が愕然としていたが、俺は気にせずに言葉を続けた

 

「俺の仕事は鬼を殺すことだ!」

 

「やめろぉ!!」

 

俺は禰豆子を攻撃するような動作をすると炭治郎は叫んで石を投げた

 

「ふん!」

 

俺は手の甲で弾くと炭治郎はまっすぐに突っ込んできた。そして、斧を俺に振りかざそうとしていたが……

 

「攻撃動作が甘い」

 

俺は手刀で炭治郎を気絶させると、炭治郎は地面にたおれこんだ。向かう勇気は評価するが基礎も戦いも知らないやつが俺に勝つには厳しいだろ……

 

「ァァァ!!」

 

「ぐっ!?」

 

禰豆子は体を捻りながら俺に思いきり足を振るってきたので俺は一歩下がった。だがこの判断がよろしくなかった

 

「しまった!!」

 

俺はすぐに構えてむかおうとすると、禰豆子は炭治郎を守るように構えていた。俺はそれを見て驚いた

 

「人を食らうどころが守る動作……今までの鬼とは違う……」

 

俺は驚いていたが、禰豆子は俺に襲いかかってきたので、俺は殺す選択をやめて禰豆子を気絶させた

 

そして、俺は二人を竈門家につれていき俺が所属している組織そして、禰豆子の状態を分かりやすく説明した

 

「というわけです」

 

「じゃあ、姉ちゃんは治らないのかよ!」

 

「俺が知る限りは……無理だ」

 

俺はそれを伝えると皆は絶望していた。そして、炭治郎が目を覚まし禰豆子を守る動作していたので俺は手をあげていった

 

「今はお前の妹を殺さないよ。それと、炭治郎。お前に選択を与える」

 

「選択を……?」

 

「そうだ。俺の仕事は鬼を殺す仕事……つまり、鬼滅隊に所属して鬼を倒しながら妹を人間に戻す手がかりを探すかあるいは……「鬼滅隊に入らせてください」……いいのか?」

 

俺の言葉に炭治郎は目をそらすことなくまっすぐな目を見ていた。俺はこれいっても意味がないとおもい軽くため息ついた

 

「わかった。では、俺が責任をもってお前をしごく。それでいいな?」

 

「はい!」

 

「それと……皆さんも申し訳ないですがここを離れた方がよろしいかと…またあの男が出たときには不味いので俺が責任をもって皆さんを安全な場所へと連れていきます」

 

俺がそう話すと皆は難しい顔をしていた。当然だが、自分の大切な家を離れると言うのは相当酷な話なのは理解してる

 

「私たちも覚悟してついていきます。娘を治すためなら……!」

 

「分かりました」

 

母親の目を見ておれも腹を決めた。そして、炭治郎に伝えた

 

「これで話は決まりだな。炭治郎、お前を含めてこの家は一時的に離れるぞ。そして、俺が責任もってお前を誰よりも優しく強い男に育てる」

 

「っはい!お願いします!」

 

さて、おれの旅は一時的に終わりだからお館様に報告と……こいつらを育てる時にもしも人を食べたら俺は責任をとって死刑されるのも受け入れいよう……幼馴染みにはばれないようにしとかないとな……

 

そして、これが後に鬼滅隊で誰よりも諦めずにまっすぐな男になるとはこのとき俺は知らなかった………




いかがでしたか?
もしもクエストがある場合は下記からお願いします!
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これからもリクエストどんどんしてください!以前みたいに毎日投稿はできませんが、かならず乗せます!


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IFの世界 前編

これはもしもの世界だ……あのときの上弦弍との戦いで空が死ぬことがなく助かった場合の世界だ……あの時にしのぶ達が必死に空の耳を傾けることがなく必死に治療をしていて、助かった世界


無惨との決戦を終えて、人と鬼との戦争は人の勝利で無惨も消滅した。だが、その勝利の代償は大きく、多くの隊員や恩人を失ってしまった

 

「おはようございます。怪我の具合はどうですか?……空」

 

しのぶに俺の名前を呼ばれたので、ゆっくりと目を開けてしのぶの方に顔を向けていた。俺は寝ながら話すのもあれなので、ゆっくりと起き上がろうとするとしのぶが制止かけた

 

「こら、状態はまだまだ酷いのに起き上がろうとしないの」

 

「いやなに……こうして少しでも起き上がらないと体に悪いからな」

 

「まだ自力で起き上がろうとするのは無茶よ。……それにしてもあの時は本当に諦めなくって良かったわ……」

 

「まさか、諦めずに俺の治療をすると思わなかった。昔のお前ならあの出血量は助からないと判断していただろ?」

 

そう、あのとき俺はしのぶを庇って瀕死の状態になったのだがどういうわけか今こうして助かっている

 

「カナヲが泣きながら諦めてはいけないと言われたら姉として責務果たさないダメでしょ?」

 

「それもそうだが……」

 

「それにあなたは二ヶ月半も意識不明だったのよ。我ながら本当に人生最大の命懸けの治療をしたとおもうわ」

 

しのぶの言葉に俺は苦笑して、頷いた。確かに俺も人生で初めて臨死というか……死にかけていた訳だしな……

 

「あ、しのぶ姉さんに空兄さんおはようございます!」

 

「しのぶ様、兄さんおはようございます!」

 

「おう、おはよう」

 

「おはようございます、カナヲ」

 

俺達はその事を話してるとカナヲがいそいそとこちらの方に走ってきた。俺が目を覚ましたときに一番号泣していたのはカナヲとアオイだった

 

『勝手に……私たちをおいていかないでください!勝手に死ぬなんてそういうのは大嫌いですよ!』

 

『私達を置いて逝こうとする空兄さんなんて大嫌い!』

 

『『『私達もです!反省するまで口聞きません!』』』

 

『がぶっ!?』

 

いや、本当に妹達に嫌いとはっきり言われて三日間寝込んだよ……いや、俺が悪いのだけどもあぁも、はっきり言われたら……ねぇ……

 

「しのぶ様、こちらも大丈夫です」

 

「じゃあ、空起こしますね?いっせーので!」

 

「空兄さん、松葉杖を」

 

「おう」

 

アオイとしのぶに起こされた俺はカナヲに松葉杖渡された俺は受け取り、俺はゆっくりと歩いていくとなほ達が椅子に座ってくださいと急かされた

 

「やれやれ、俺はまだまだ若いんだがな……」

 

「ダメです!空さんはどんなときも安静しないという前提がありますので!」

 

「こうして置かないと危ないです!」

 

「移動くらい頼ってください!」

 

俺は苦笑しているとなほ達に前歴があるから、きちんと安静してほしいと言われた。まぁ、確かに過去に無茶したからなぁ……

 

「やはりあの戦いの代償は多き過ぎたな……」

 

俺は誰にも聞こえないように独り言を言うとカナエさんがこちらをじっと見ていた。実を言うと、カナエさんとはあの日……意識を取り戻して以来きちんと話し合いできてないのだ_

 

「では、いただきます!」

 

「「「「「いただきますー!」」」」」

 

今日のご飯の挨拶の言葉は、すみで皆は口揃えてしっかりといただきますと言った。色々な話を聞きながら俺達は楽しく会話していた

 

「あ、そういえ兄さん知ってますか?」

 

「ん?何がだ?」

 

「炭治郎さん、妹さんにお説教されたみたいです」

 

「は、なんで?」

 

食べ終えた俺はアオイの話に気になり聞き返すと、アオイはゆっくりと訳を話してくれた。炭治郎は痣を発現してるから寿命がそんなに長くはないと言っていた。それを聞いていた妹の禰頭子に『弱気にならないで!』と怒られたらしい

 

「なるほどなぁ……痣か……」

 

『痣を発現した方は例外なく25歳で亡くなる』

 

かって、お館様の奧さまが教えてくれたあの言葉にそれぞれが覚悟を決めていたのだろう。幸か不幸か俺やしのぶは痣を発現することはなかったし発現することもないだろう

 

「まぁ、なんとかなるだろう。なにせ、蝶屋敷には優秀な人が多くいるから必ず助けてくれるだろ。アオイ、ごちそうさん」

 

「あ、はい!」

 

「カナヲ達もたまには自分の事を優先してくれ。俺は大丈夫だからね」

 

俺はお礼を言うと席をはずして松葉杖で支えながら自室に戻って庭の景色を眺めれる場所へと座り込みながら苦笑して声かけた

 

「さっきからこそこそと何で隠れて追跡してるのですか?カナエさん」

 

「うっ、気づかれていたのね……元花柱として自信もって隠れていたのに……」

 

「わざと気づいてほしい雰囲気だしていたらわかりますよ……。今は誰もいませんのでお話ししませんか?」

 

「……そうね、元々そのために追跡していたのよ。隣座らせてもらうわね」

 

カナエさんは俺の隣にゆっくりと座っていた。俺達は着物を着ていて、鬼殺隊の服はもう着ることはないので、俺達は押し入れに閉じ込めている

 

「単刀直入に言います。……ごめんなさい、約束を破って……」

 

俺はカナエさんの顔をはっきり見て自分の罪悪感……それは、カナエさん達と約束していた無茶をしすぎないことと生きて帰ることだ……結果論だが、助かったのは奇跡だ……

 

「そうね……確かに私はそれも怒っているわ。けれどもう一つ怒っているのは妹達を泣かせたことよ…」

 

「っ……」

 

「それに……貴方にとっては仕方がなかったとはいえ、あの禁止していた型を使うなんて……どうなるのかわかっていたはずよ」

 

俺はその言葉に物凄くきつく感じて俺は下を向いていた。確かにカナエさんからあの終ノ型は使わないでほしいと言われていた……

 

「……ごめんなさい、きつく言い過ぎたかもしれないわ。でも……もう二度と自分から犠牲になるなんて言うのはこれで最後にして」

 

「……はい」

 

「うん。それともう一つ……私が怒っている理由はわかる?」

 

俺はその言葉に軽く首を横振るとカナエさんはゆっくりとため息をはいて答えてくれた

 

「空君……まさかと思うけど……生涯孤独で過ごすつもり?」

 

カナエさんの言葉に俺は軽く目をそらしていた。その俺が顔背けた時点で再びカナエさんのお説教が入った

 

「正座」

 

「え?あの俺は怪我人では……」

 

「正座よ。空君には、これまで言いたいことが山のように合ったのでこの際、たくさん言います。あ、もちろん逃げたら……」

 

「はい」

 

俺はカナエさんに言われた通りに正座すると、カナエさんは目を据わりながら俺の方に冷たい目でみていた

 

「空君、なんで君は恋人作らないの?というか、それ以前に昔から恋人以前に君はきちんと休んでいた?子供の頃は別として………」

 

「きちんと休んでいます」

 

「………旅でていたとき、睡眠時間は?」

 

「………7…(本当はもっと少なく、三時間睡眠……)」

 

「………ふふふふ、いいわ。そこまで誤魔化そうとするのなら……とことん怒るわ。どうせ、沈黙していたと言うことは数字もごまかしてるのよね」

 

「え……ちょ………!?!」

 

そこから俺はカナエさんのお怒りに触れてしまい長いお説教を受けていた……。そして、隠し事をした場合はしのぶ特製の薬が入った注射をするという泣く泣く受け入れました……

 

あぁでも………あの時に死にかけていた俺にとっては今ではこんな時間でも愛おしく嬉しいと思えるとはなぁ……




ここまで読んでいただきありがとうございます!
今回はリクエストもらったのを前編と後編を分けてかいてます!
それもかねて今回限定でタイトルをつけました
次回もよろしくお願いします!


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iFの世界 後編

アンケートの結果、圧倒的にタイトルいるとなってましたので書きました!
ご協力ありがとうございます!


カナエさんのお説教も終えて俺はゆっくりと松葉杖をつかって庭の方に歩くと、きよが一人でなにか悩んでいるのを見かけたので声をかけた

 

「きよ、何してる?」

 

「あ、空さん!安静しないとダメですよ!それに出歩くなら誰かと側にいないと危ないですよ」

 

「いや、一応少しでも自力で歩かないと身体の筋肉が落ちそうで心配でな…ってか、こんなところでどうした?」

 

「あ、はい!空さんに聞きたいのですけど、いいですか?」

 

俺はきよから聞きたいことがあるというのは何だろ?と思いながらもしゃがんで聞く体制にすると、きよは純粋な笑顔で聞いてきた

 

「赤ちゃんってどうやって出来るのですか?」

 

「んぐっ!」

 

きよのとんでもない純粋な質問に俺は固まり、脳内ではどう答えようか駆け巡らせていた。まさか、実際にこんなことを聞かれる日が来るとは……!?

 

「なぜそんな質問を?」

 

「はい!元音柱さんが以前入院していたときに、子供もそろそろほしいと3人の奥さんと話してるの聞いていたので」

 

「(天元さんーー!!あんだが原因か!!!)そ、そうか。しのぶやカナエさんには聞かなかったのか?」

 

「あの時は二人とも忙しそうで聞けませんでした!それに、カナヲさんやアオイさんも忙しいので……」

 

あー、あのときというと……上弦との戦いで炭治郎達が重体で蝶屋敷が総動員で助けていたときということか。そして、みんなが大変だったのもあり聞くタイミングも失ったということか

 

「なるほどね」

 

「それに今頃、なほとすみがしのぶ様とカナエ様に質問している頃です!で、私は空さんにどうやって聞こうか考えていたのです!」

 

「(二人とも御愁傷様……いや、俺もか!!)うーん……そうだなぁ。話すと長いから庭の見える彼処で座って話そうか」

 

俺ときよはそこの方に向かって歩くと、後ろから気配感じていたので振り向くと……

 

「私達も教えてー」

 

と笑顔のカナエさんと疲れた顔のしのぶがいた。さらにその後ろにはなほ達がワクワクとした顔でこちらに来ていた。そして、俺はしのぶに耳打ちした

 

「おい、なんで教えれるはずの二人が……」

 

「どう答えようか悩んでいたら、姉さんが空君なら知ってるんじゃないって」

 

「んな!?………まて、お前は……?」

 

「…………」

 

「しのぶ、お前もか!?」

 

「仕方がないでしょ!?本当の事を教えるのには精神的にも早いのよ!!私もものすごい恥ずかしいのだから……」

 

尤もなことをいっているが俺を売ったということにはかわりないぞ……!?えぇい!こうなったら元柱の威厳として答えてやる!!

 

「よし!赤ちゃんがどうやって出来るのかの質問だけど……それには話すと長いので簡単な答えを言います」

 

「「「なんですか?」」」

 

「赤ちゃんがどうやって出来るか……それは夫婦になったときに出来ると言われてる!」

 

「「「夫婦になったときに!?」」」

 

俺の言葉にアオイもカナヲも驚いていたが、今はあの子達もそれは置いとこう。というか。これはこれで嘘ではないよ……うん

 

「夫婦にならないと赤ちゃんができないのですか……」

 

「あれ?ってことは、しのぶ様やカナエ様はそう遠くないうちに赤ちゃんが出来るのを見れるということ?」

 

「どうなんですか!?カナエ様、しのぶ様!」

 

二人とも顔を真っ赤にさせていて俺の方をみていたが俺は助けれない。というか、俺を売ったのはそっちが先でしょ?

 

「そ、そうなのかもしれないですね……」

 

「え、えぇ。でも、夫婦になったからすぐに出来る訳じゃないからね?まずは夫婦になって生活も落ち着いてから神様にお願いしたら出来るわよ~?」

 

「なるほどです!ありがとうございました!」

 

「「ありがとうございました!」」

 

なほ達は疑問が解消されると自分達の仕事へと走っていった。アオイはカナヲと共にお風呂の用意やご飯の用意をするために動き、残った俺たち三人はほっとしてた

 

「二人とも……」

 

「ごめん、私も姉さんもこの手の質問は苦手でね……空ならと思って……」

 

「いや、いいよ……」

 

「本当にありがとう……」

 

俺が疲れたように聞くとしのぶもげっそりしていた。そして、俺はちらっとカナエさんを見ると顔真っ赤にしていた

 

「ま、まさかあの子達からそんなことを聞かれる日が来るなんて思わなかったわー……」

 

「あー、まぁもう聞かれたことは仕方がないですが……実際のところ本当にそういう日が今度は自分の子供に聞かれたらどうするのですか?」

 

「そこはまた空君にお願いするかも~」

 

「断固否定します!!」

 

「それをいうなら拒否だと思うけど……でも、あれね」

 

「ん、なんだ?」

 

「カナヲとアオイにどう正しい教えをするか悩みどころね……」

 

「「………………………本当だ」」

 

なほ達はまだまだ幼いが、カナヲ達は考えてみたら年頃の娘だ……

 

「「「はぁ…………っぷ………あははははははは!!」」」

 

俺たちは顔を見合わせて、ため息をつきそして、次第に何だかそんなので悩めるこの時間が贅沢と感じた俺達は可笑しくなり次第に笑っていた

 

「あー、笑った、笑った!ってか、しのぶとカナエさんはそろそろ彼氏のほうに……いや、婚約者のほうにいかないでいいのか?約束の時間が近いのだろ?」

 

「こ、……えぇい!空かえったら覚えておきなさい!」

 

「フフ、しのぶ笑顔笑顔!じゃあ、空君少しの間蝶屋敷をお願いね」

 

二人はいそいそと部屋を出ていきそして、部屋に一人になった俺は、今日も良い天気の大空を眺めて……

 

「本当にこんな笑い会える日が来るなんてな……俺は本当に幸せだ……」

 

あの日々はきっと俺にとっては忘れることがない殺し合う日々だったし、確かに失ったものは大きい

 

「だけど、この幸せはもう崩されないように……そして、あの子達が幸せな世界でありますように」

 

さて、俺もそろそろ歩く訓練をするか……こうじっとしていても仕方がないしアオイ達がまた悲しまないようにしないとな!

 

「しかし…これ義勇がこの場に居ないで本当によかったかも……あいつこういう手の質問されるとどう答えるかわかったもんじゃねぇしなあ……」

 

ここにいない親友達を思い浮かびながら俺はゆっくりとこの歩ける事への幸せを感じて地面を踏んでいた。もう二度とこの幸せを誰にも壊されないと心のなかで決意して俺は今日もいきる……

 

 

 

 

 

 

 




ここまで読んでいただきありがとうございます!
リクエストある場合はこちらでお願いします。
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では、次のリクエストもしてくれてるのでまた書きます!


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もしも空の恋人が○○○なら……

お久しぶりです。
大きな事も終わり時間もとれたのでリクエストされていたのを投稿します!



これはもしも妹分のアオイが空の事が好きだったらの話だ……

 

あの無惨決戦後、鬼殺隊は解散して、それぞれの新たな第2人生を歩んでいった。怪我も完治した炭治郎達は蝶屋敷を後にすることなると決めて数ヶ月

 

「カァカァ……炭治郎カラノ手紙ィ!」

 

「おう、ありがとうな」

 

「カァカァ、帰ルゾ!」

 

俺はお礼を言うと炭治郎の鴉は炭治郎のいる方向へと帰っていった。俺は鴉から受け取った手紙を読もうと思うとノックするおとが聞こえたので振り向くと……

 

「空さん、しのぶ様とカナエ様が患者の怪我の具合を見て来てほしいと伝言を預かっています。今はお時間大丈夫でしょうか?」

 

「ん、了解。あと、昨日から入院してる患者さんの怪我の具合と今後の方針を記載してるからそれをなほ達と共通してくれ」

 

「はい、わかりました!」

 

俺の指示に彼女も慌ただしく、この部屋をあとにした。そして、俺はその患者の部屋を歩きながら少し前のことを思い出した

 

『空、貴方はこれからどうするのですか?』

 

俺もあの戦いでかなり負傷していて蝶屋敷で入院していた時、しのぶが俺の怪我の手当てしながら聞いてきた。俺はしのぶのその問いに疑問を感じて聞き返した

 

『これからってどう言うことだ?』

 

『言葉通りです。鬼滅隊は事実上解散ですから、この蝶屋敷も恐らく手離すことになると思います。それを考えると……』

 

『しのぶ、お前がそう考えるのを見越して、既に俺は動いていた。この蝶屋敷は無くならないから安心しろ』

 

『え……!?』

 

俺の言葉にしのぶは驚いていた。そして、しのぶの後ろに隠れていたカナエさん達も驚いて出てきた

 

『それどういうこと!?蝶屋敷を閉めなくって良いって……』

 

『姉さん、落ち着いて。私も今動揺してるのだから』

 

『結論から話すと、柱稽古の段階から俺はこの蝶屋敷が鬼を倒した後も残るようにお館様やまぁ……少しした繋がりもあってこの蝶屋敷を存続させる……つまり、病院として残すことが決まっていたのさ。まぁ、あとはしのぶ達が良いと言ったら、病院として扱われるようになるぞ』

 

『それって……つまりここにいても良い言うこと………?』

 

俺がうなずくと皆は大喜びしていた。俺もこの蝶屋敷は大切な場所だし家としても病院としても使えるからな……

 

『あ、因みに病院はここでも良いかどうかどう思う?』

 

『其でしたら……空、隣の家の方は誰もすんでいないのですよね?』

 

『あぁ』

 

俺が否定せずに答えるとしのぶとカナエさんは目を輝いていた

 

『でしたら、その空いてる家達を活用して病院に作り替えましょう。因みにここも家&診療所として残しましょう』

 

『そうね、増築検討しましょう。それは可能?』

 

『うん』

 

そうして、俺達は蝶屋敷を住みながら今日も困っている患者さん達を見ていた。そして、当然病院になるということは人手がいるから看護師もいるので、俺達は鬼滅隊で縁があった女性達に働く場所として提供していた。更に、男性何人かも力仕事がいるときのために雇っていた

 

「空、こちらは見ておいてほしいと言われていた患者さん達の経過も見といたわ。全員良好だけど、空の方は?」

 

そんな考え事をしながらしのぶは俺の方に声かけてきた。ちょうどお互いに患者の見回りも終えたので報告しあっていた

 

「俺の見ていた方の一人は、扁桃腺が少し腫れていたから注意深く見ないとな。しのぶには負担かけるが薬を頼む。あと、何人か薬任せれるようになっているなら、しのぶの監視のもと経験させてあげて」

 

「了解」

 

「カナエさんには三日前に入院した人の経過観察をお願いします。さすがに女性の体を見るのは失礼なので……」

 

「わかったわー」

 

「あと……」

 

俺が指示を出そうとするとしのぶが手をあげてきたので俺はしのぶの方を向いた

 

「どうした?」

 

「どうしたではなく、時間を見なさい。午前中の診療は終わったし後の事は私達に任せてアオイと出掛けてきなさい」

 

「あぁ、もうそんな時間か……。わかった、何か異変あれば鴉で伝えてくれ」

 

「ふふ、心配ないわよ。アオイとの時間を優先してあげて」

 

カナエさんとしのぶがそういうと俺はお礼をいって急いで私服の和服を着替えた。この時代の私服は西洋を意識してが多いが、俺はそういう堅苦しいの嫌いだし和服の方が落ち着く

 

「空さん準備できました!」

 

アオイが嬉しそうに俺の部屋にはいってきたので俺も笑顔になり、頭を撫でながら服装を誉めていた

 

「おお、アオイ似合っているぞ!」

 

「ありがとうございます!では、予定していた空さんの故郷に行きましょう。たしか、空さんの故郷はしのぶ様達の故郷でもあると……」

 

「あぁ。そこに着くですこし時間は掛かるからそこは仕方がないな。はぐれると危険だから……手を繋がないか」

 

俺の差しのべた手にアオイは一瞬驚くも嬉しそうに俺の手を握っていた。そして、俺達はしばらく移動の時間かけていくと、目的地へと着いた……

 

「ここに来るのも……何年ぶりだろうな……」

 

俺は目の前にある故郷をみて懐かしむようにそして悲しい気持ちになりながら俺はアオイとともに手を握りながら歩いた

 

「空さんは確か、ご両親を亡くしてすぐに鬼滅隊に入ったのですよね」

 

「あぁ。あの頃の俺はしのぶ達を守るためにも所属したのだが……結局二人とも入ってしまったからな…。…ついた、ここが俺の両親の墓だ…」

 

俺は美しい森に囲まれた場所に俺の両親が眠るお墓に着くとゆっくりとその墓を撫でるように懐かしむように……

 

「ただいま……お父さん、お母さん……」

 

「空さん……」

 

俺の言葉にアオイは悲しそうにみていたが、俺はこの墓に眠る両親のことを話した

 

「俺のお父さんとお母さんはな……もう、それはもうものすごい熱い夫婦だったよ」

 

「熱い……ですか?」

 

「そう。子供の前でも堂々とイチャイチャするんだよ。まぁ当時の俺はそれが当たり前だと思っていたが今思えば……イチャイチャしすぎなくらいみていたら疲れるな。あれは……」

 

「それをきいてると本当に仲が良かったのですね」

 

「あぁ……幼い頃の俺にとっては本当に尊敬する両親だ……」

 

俺はその言葉に嬉しく思い返事するとアオイが気になっていたのか聞きたそうな雰囲気だったので俺は聞いた

 

「どうした?」

 

「あのその……空さんは私と付き合って少し経ちますよね……?」

 

「ん、まぁな。それがどうした?」

 

「…その…私達も目指してみませんか?空さんのご両親みたいに……///」

 

アオイの言葉の意味に俺は一瞬わからなかったが、その意味を理解すると顔が真っ赤になった。アオイも真っ赤にしてるが俺も男だ……

 

「そ、そうだな。俺でよかったら俺の一生を君とともに過ごしていきたいよ……」

 

「勿論です!私はあなたを信じてますから!!」

 

「ありがとう……さぁて、さっさと帰ってしのぶ達に報告しないとな!」

 

俺は凝り固まった筋肉をほぐしながら背伸びをするとアオイもキョトンとしていた

 

「報告……ですか?」

 

俺の言葉にアオイは不思議そうな顔をしていたので俺は悪戯っ子のかおで……

 

「君とともに未来を生きるならいの一番にみんなに伝えるのが良いだろ?」

 

「…っはい!」

 

俺の言葉にアオイも嬉しそうに笑っていた。必ずアオイのこの笑顔を守り抜くと決意しながら俺たちは歩いて帰った。当然かえってその報告するとみんなは驚きながらも祝福してくれた……

 

お父さん、お母さん。俺は今は幸せだからしばらくは向こうで待っていてくれ……




ここまで読んでいただきありがとうございます!!
またリクエストしていただいてる方も近々のせますのと、次のリクエストお待ちしてます!
リクエストはこちらです!

https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=249239&uid=213728


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もしも空の恋人が○○○なら……part2

先に伝えておきます。
前回の続きではないので、ぜひ優しく見守ってください!
それではどうぞ!


最終決戦からどのくらいたったのだろうか?あのときに死にかけた俺は現在蝶屋敷で安静しながら今後のことを考えていた

 

「お、入って良いよ」

 

考え事をしてると俺の部屋からノックしてきた音に反応して俺は許可をすると入ってきたのは俺のかわいい妹でもあるアオイだった

 

「おはようございます。空兄さん体の具合はどうですか?」

 

「うん、問題ない。朝御飯もしっかり食べれたからね」

 

「そうですか。あ、兄さんお手紙が届いてますよ」

 

アオイに渡された手紙を読むと俺は軽く苦笑いしていた。アオイもその手紙が何なのかは分からないが、気になったのか聞いてきた

 

「どなたからの手紙ですか?」

 

「そうだなぁ……実は昔、鬼殺隊所属していた時に助けた方からの手紙だ」

 

「そうなのですか?」

 

「あぁ。だが、そこの助けた方は夫婦になる予定の女性だったのだが……」

 

「夫婦になる予定だった方が鬼に殺されたのですか?」

 

アオイは心配そうに聞いてきたが俺は軽く首を横に振ってその意見を否定した

 

「違うよ。その旦那は鬼と手を組んでいたのさ」

 

「え?ど、どう言うことですか?」

 

「簡単に言うと、その旦那になる予定だった男は、女を差し出せば命を助けると言ってたそうだ。そして、そいつが目をつけたのはその、女性に告白して結婚する風に頼んだが……それはあくまでも建前で本題はその女を差し出して生き延びようとしてた訳だ。俺が助けたときはその女性は震えてた」

 

「なっ……つまりその女性は旦那になる予定だった男から売られたと……」

 

俺の言葉に察したアオイは怒っていた。当然だが、この話は聞かれたから答えているが……この件は昔のカナヲの事もあるから俺は当時かなりぶちきれていたな

 

「その旦那は鬼と手を組んでいたが、鬼ははなから売った男を助けるつもりは無く、旦那を殺した。まぁ、因果応報だな」

 

「そして、空さんが助けたときに知り合ったと」

 

「そう。暫くは精神的なこともあり、何回か会いに行っていたよ。ただ、向こうはどういうわけか鬼殺隊を知っていたみたいでな」

 

俺はその時の助けたときのやり取りを思い出していた

 

『鬼狩り様こうして助けていただきありがとうございます』

 

『鬼狩り……鬼殺隊の事を知っているのですか?』

 

『はい。以前私を助けていただいた子がいたのです。そういえば、鬼狩り様……命の恩人として名前を教えてくれませんか?』

 

『夛田空です。その……旦那様に関しては申し訳ございません。我々がもう少し捜査していれば、未然に防げたかもしれませんが……』

 

『気にしないでください。その、空さんと呼ばせていただいてもよろしいですか?』

 

『…構いませんが…』

 

『あの……こう急に申されても困るかもしれませんが私と良かったら手紙やり取りしてくれませんか?』

 

『なぜ?』

 

『その…恥ずかしながら男のみる目がなかったので、男目線のお友達がほしかったのです。もう、そういう人に騙されたくないので』

 

とまぁ、こんなやり取りをしながら俺は手紙をやり取りしていた。向こうの生活は今どうなっているか分からないが、鬼に再び襲われないように安全な場所を紹介したな

 

「なるほど、その方からの手紙なのですね。しかし、空兄さん……」

 

「うん?」

 

「何回も会っているのですよね?その女性と?」

 

「ん、まぁ向こうからの誘いで何回かは会っているが……」

 

「兄さんそれ完全に……好意を持たれてるのでは?」

 

アオイの言葉に俺は一瞬固まり、ゆっくりとアオイの方に振り向いた。アオイは笑いながら俺のほうに聞いてきた

 

「たぶん、その人は私の予想ですが、最初は純粋に兄さんに男目線でどういうところを気を付けてほしいのか鬼がどういうところが出やすいのか聞きたかったのではないですか?」

 

「確かにそういう質問はあったよ。鬼が夜に来ないようにするにはどうしたらいいのか聞かれたからな」

 

「その後のお誘いは向こうからですよね?」

 

「ん、そうだな。何回か向こうから誘われてお茶とかしたな」

 

「兄さん、やはりそれは向こうから好意を持たれてるのです!!」

 

アオイの言葉に俺は少し悩んでいた。たしかにこの手紙は好意があるのは確かだが……うむー、どこまで話せばいいのやらと思ってるとこちらに慌てて走ってきているおとが聞こえた

 

「兄さん、兄さんの恋人が来ていますよ!?」

 

「……え!?」

 

「ごぶっ?!」

 

カナヲの言葉にアオイは驚き、俺は驚きのあまり蒸せた。そして、なほ達がこちらにお客さんを案内して来る音が聞こえたので俺はさすがにも隠すのは無理だと思い観念した

 

「俺の部屋に招いていいぞ。あ、アオイ達はカナエさん達も呼んでくれ。訳をきちんと話すから」

 

「「は、はい!」」

 

俺の言葉に二人は急いでカナエさんたちを呼びに行くと共に入れ違いで入ってきたのは……

 

「いやはや、いきなり来ると思いませんでしたよ……鯉夏さん」

 

「ふふ、元気かどうか顔見たかったのですよ。空さん」

 

優しそうに俺に笑いかけてくれたのはお客さんは鯉夏さんだった。この人はさっきアオイたちに説明したように籍を置く筈だった旦那に売られて鬼に殺されそうになっていた人だ

 

「もう少し先にその返事する約束ではなかったのですか……」

 

「ふふ、空さんは私の好意を気づいていてたのにあえてあのときに言わなかったのは空さんの所属している組織の事もあったのですよね?」

 

「まぁ、そうですが……それに、本当にいいのですか?」

 

あのときに俺と付き合うと言うことは、俺がいつ死ぬかわからないと言うことで断っていた。鬼殺隊に所属すると言うことはそういうことであり彼女がいくら俺の好意を持っていてもいつ死ぬかわからないから断っていた

 

「初めまして、私は胡蝶しのぶです。で、こちらが私の姉胡蝶カナエです。私達の後ろにいる子が神崎アオイと栗花落カナヲと寺内きよ、高田なほ、中原すみです。」

 

「さ、空君。訳を話してもらうわよ」

 

俺の部屋に入ってきたのは、カナエさん達がこちらの部屋に入ってきた。そして、鯉夏さんは俺の隣に座り蝶屋敷の皆は対面するように見ていた

 

「訳とは……?」

 

「いつから恋人になっていたの?私も姉さんも全く気づかなかったわよ」

 

「んー、まだ恋人ではないのだが……」

 

「皆様、初めまして。私は空さんに救われた者で名前は鯉夏と申します」

 

鯉夏という言葉にカナヲが何か思い出したように聞いてきた

 

「鯉夏さんって……あの、炭治郎の事を知っていますか?」

 

「炭治郎……炭ちゃんの事ですか?やはり、あの子もこの鬼殺隊関連でしたのね。はい、私はあの子に助けられています」

 

「カナヲはなぜ知っていたんだ?」

 

俺は気になり、聞くと炭治郎から話を聞いていたみたいでその時に知ったそうだ。なるほど、意外な繋がりがあったものだ

 

「さて、本題を話すか。まず一つ訂正なのは俺と鯉夏さんはまだ恋人ではないのだが……」

 

「え、でも恋人って……」

 

「私が空さんに告白したのです。精神的に落ち込んでいた私を励ましてくれてその優しさに惹かれた私は告白したのですが……返事は保留されていました」

 

その言葉に全員が俺の方にじっと眺めており、俺はさすがにそれに関しては問い詰められるだろうと少し内心真っ青だ

 

「空、女性が勇気だして告白したのになぜ即答しなかったのですか?告白された貴方がそういうのはまっすぐ受け止めないといけないのに……」

 

「そうね、お姉さんはそういう子育てた覚えはないわ」

 

「兄さん……見損ないましたよ」

 

「空兄さん……」

 

「「「むぅ……」」」

 

「ちょっ、ちょっと待て!きちんと俺の言い分も聞いてくれ!?あとカナエさんに子育てされた覚えは…ない!」

 

俺は皆を落ち着かせて、そして俺はゆっくりと訳を話した。勿論、これは包み隠さずに話すつもりであった

 

「まず、保留していたのは……あの時の俺がいつ死ぬかわからなかったからだ。鬼を殺しにいくということは同時に自分の死と隣り合わせになるからな。あれでもし、保留せずに良いと答えてしまえば、俺が万が一死ぬ可能性も考えていた」

 

「つまり、万が一空が死んでしまった場合、告白してくれた鯉夏さんに寂しい思いをさせてしまうから保留したということですか?」

 

「その理由には沈黙させてもらおう」

 

「ふふ、でも空さんは優しい方だと改めて思いました。普通は告白してもしも死ぬ可能性があるなら普通は断るじゃないですか」

 

「「「「あ、たしかに……」」」」

 

鯉夏さんの言葉に俺以外の皆は納得していたが、当の俺は見透かされていて恥ずかしい気持ちになっていた

 

「本日はその返事を改めて聞こうと思いお伺いさせていただきました。そして、この場所を教えてくれたのは空さんの鴉さんです」

 

鴉てめぇ!?!何あっさりと場所を教えてるの!?確かに何回かは鴉を頼って文通していたけども!?

 

「空、もう言い逃れはできないのですから改めて告白の返事をしてくださいよ」

 

「そうね、私達は証言者として立ち会いましょう。こうしないと、空君は逃げるかもしれないからね」

 

「空兄さん、私は空兄さんがきちんと向き合って答えだしてくれると信じてます」

 

「私もです」

 

ぐ、妹もなほたちも目をキラキラとして俺を見ないでくれ!……だが、もう鬼に脅かされることもないし確かに向き合わないといけないよな……

 

「鯉夏さん、俺は……過去に裏切り者を殺したりしてますのですよ?人であった者を俺はこの手で多く殺してます。そんな俺を鯉夏さんはまだ好意を持ってくれますか?」

 

「えぇ、大丈夫です。それに、私は空さんが優しいということはあなたのそのまっすぐな目とこの子達を見ていたらわかります。どんな理由であれ私はあなたの事が大好きですよ」

 

「っ……俺はあの男と同じことをするかもしれない可能性もあるかもしれませんよ」

 

「あり得ません。私はこれでも男のみる目は無かったですが、人を見る目があります……私は貴方がそんなことをする人とは思えませんし、そうすることはないと信じてます。それに人を殺したというのが罪だというのなら私はあなたを支えましょう」

 

俺の問いかけに鯉夏さんは真摯に答えてくれて俺はもうこれ以上彼女のためだと思って逃げていくのはやめておこう……

 

「鯉夏さん、俺はきっとこれからも迷ったりしてしまいます。それでもいいのですか?」

 

「ふふ、初めから迷わない人はいないですよ。迷ったら私が導いて見せます」

 

「……鯉夏さん、今の問いかけで俺の覚悟は決まりました。……告白の返事ですが……俺でよろしければ……」

 

「……はい、こちらこそよろしくお願い致します」

 

俺は照れながらもまっすぐと彼女に向き合って答えを出すと鯉夏さんは目をそらさずに優しい笑顔で俺に頭下げてきた。そして、立ち会いとなっていた蝶屋敷の皆が騒いでいた

 

「「「空さん、鯉夏さん!おめでとうございます!」」」

 

「良かった……やっと兄さんにも自分の幸せを考えてくれるようになるね」

 

「うん」

 

「姉さん、私嬉しすぎて涙でそう~。これまでの空の人生を思うと泣ける!」

 

「うんうん!空君にもようやく幸せが来てくれたのね……!!」

 

他の子も多く泣いていたが、カナエさんとしのぶは特に大号泣だった。二人とも俺とは長い付き合いだからだろう……俺はきっとこの幸せを蝶屋敷にいる子達と鯉夏さんを守り抜くと改めて決心した……




ここまで読んでいただきありがとうございませ!またリクエストお待ちしております!


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ありふれた日常……

あの無惨との最終決戦を終えて時は何年か経過した。鬼滅隊も解散してそれぞれの道へとみんなは歩き始めて、当然柱だった俺達もそれぞれの道を歩いていた

 

「良い天気だなぁ………こういう天気こそ、運動したいな」

 

俺は汗をぬぐいながら今も快適な青空を見上げていた。そんな俺を見て苦笑いするように後ろから声かけてきた

 

「昔みたいな無茶はできないのに、心は相変わらず少年ね」

 

「そうね。でもそういうところが空君らしくっていいじゃない?」

 

「別に良いだろ……そんなことよりも、しのぶもカナエさんも俺についてくると思わなかったよ」

 

俺を声かけてきたのはかって鬼殺隊で柱だった胡蝶姉妹だった。俺が二人がついてくると思わなかったという理由は……

 

「だって、かわいい妹の顔を見に行きたいもの!」

 

「アオイ達ももうそれなりに医療はできるようになってますし、炭治郎君の状態も気になりますからね」

 

「まぁ気持ちはわかるな…。だが、もうあの心配する必要はなくなったな」

 

俺はそういいながら前を向くと、カナエさん達もその方向を見てそこにいる人物が見えると二人とも笑顔になっていた

 

「「カナヲ!」」

 

「カナエ姉さん、しのぶ姉さん!久しぶりです!」

 

カナヲの姿をみると二人とも嬉しそうに走りカナヲも嬉しそうに姉たちの方へと走っていき、三人は嬉しそうに抱き締めていた。え、お前はいかないのかと聞かれたら……男があそこに不用意に抱きついたらダメだろ……

 

「空兄さんもお久しぶりです。体の具合はどうですか?」

 

「相変わらず、俺の体を心配してくれるなんて本当にカナヲは良い子だな。安心しろ、あの戦いからそれなりき経過してるのだから大丈夫さ」

 

「姉さん達本当ですか?」

 

「えぇ。それに、体が良くなってきているから心配はないのだけど……鬼はもうでないというのに空ったら未だに体を鍛えているのよ。全集中も未だにやってるわね」

 

「もう鬼は消えたといってもなかなか身に付いた習慣は消えないのだよなぁ……ってか、俺はそんなに無茶しないだろ?」

 

カナエさんの言葉に俺は苦笑いしながら答えると、皆が何か言いたそうに目を見ていたが俺は目をそらした。俺は少し後ろめたいとかそういうので目をそらしたわけではないのだが……

 

「とりあえず、案内頼んで良いか?」

 

「はい。あ、あの……案内する代わりに姉さんたちにお願いがあるのですが……」

 

「「「??」」」

 

カナヲが案内してくれると言うと同時に少し気恥ずかしそうにこちらを見てきた。俺たちはなんだろうと思いカナヲの次の言葉を待っていた

 

「その……手を繋いでくれませんか?あの頃のように」

 

あの頃のように……その言葉の意味を知ってる俺たちは三人目を見合わせながら、カナヲの方に歩いた。カナヲの右手にはカナエさん、左にはしのぶが手を握っていた。俺はほら……カナヲを直接助けていってないときだったからね?カナヲも嬉しそうに手を握り離さないと言わんばかりに握っていた

 

「(本当にあの頃を思うと……カナヲも変わったな……)」

 

一人感慨深くなり、目を細めてあるいていた。あの頃は感情もなく、自分の意思が言ってそう良いのかわからない状態のカナヲは本当に心配だったが……今は大切な人とともに、歩いている……

 

「もう少しで私たちの家です……って、空さんどうしました?」

 

「いや、何でもないよ」

 

俺はカナヲが気になると言わんばかりにこちらを見ていたので俺は優しく笑いかけた。そう話してる間にカナヲたちの家につくとそこには……

 

「禰豆子ちゃんをどうか、僕のお嫁さんにさせてください!お義兄さん!」

 

「絶対に認めない!!認めてほしかったらまず最初に俺の頭突きを耐えるんだ!」

 

「とんでもねぇ炭治郎だ!!でも、その試練を乗り越えてやる!!」

 

「ちょ、お兄ちゃん、善逸さん!!もう少しで、空さん達もくるから止めて!」

 

「なぁ、腹へったから食べていいか?」

 

「親分、つまみ食いはダメ!」

 

「「「……」」」

 

「………」

俺たちはあまりの怒濤のやり取りに少しだけ固まり、やがて禰頭子が俺たちがいることに気づいて嬉しそうに声かけてきた

 

「お久しぶりです!空さん、しのぶさん、カナエさん!!」

 

「お久しぶりですね、禰頭子さん、伊之助くん善逸君、炭治郎君」

 

「ふふ、みんな体調は大丈夫?」

 

「はい!」

 

「俺様はいつでも元気だぜ!!」

 

相変わらずの元気さに俺たちは皆目を細めて優しく見つめていた。本当にあの戦いのなかこの子達はよく生き延びてくれた

 

「炭治郎、感覚はどうだ?」

 

「相変わらずです……」

 

「そっか……。あ、そうだ。今日ここに来たのは訳があってな。炭治郎、この件はお前のためでもあるんだ」

 

「え??」

 

俺の言葉に炭治郎は何で?という顔になっていた。しのぶとカナエさん以外の他のみんなも驚いていた

 

「どういう事ですか?」

 

「痣を治す方法が見つかったと言うことだよ」

 

「「「「「え!?!」」」」」

 

俺の言葉に炭治郎たちは驚いた。当然痣を発現した者は25歳で死ぬという言い伝えがあり、先代のお館様からも聞いてる

 

 

「お前達はもっと長く生きてほしい。そういう願いのもと珠世さん達やアオイ達が治す方法を必死に探してくれた」

 

「珠世さん達が!?」

 

「あぁ。勿論カナエさん達もね……」

 

「じゃあ……お兄ちゃんは……」

 

「えぇ、大丈夫よ!お爺さんになっても生きれる方法が見つかったのよ!」

 

「必ず治せると判明したから、すぐにでも治療を受けれるわ」

 

俺たちの言葉にみんなは喜んでいていたが、肝心の炭治郎は少し気になるような顔になっていたので俺は聞いた

 

「どうした、炭治郎?」

 

「あ、いえ……義勇さん達は?」

 

「あいつらはきちんと治療を受けるように説得したから心配するな」

 

「本当ですか!良かった…」

 

「けどまぁ……あいつら関係なくお前も問答無用で治療を受けてもらうからな」

 

俺が炭治郎にそう話してるとカナヲと禰頭子がカナエさんとしのぶにこっそりと聞いていた

 

「本当のところはどうなのですか……?」

 

「私も水柱様達がきちんと聞いてくれると思えません……」

 

「殴りあいよ。空ったら二人相手に殴りあいで説得していたのよ」

 

「まぁ、結果的にオーライとはいえ、あとで三人まとめてお説教はしたわよ。空君は特にやり過ぎたから二人よりもきつく怒ったわ」

 

「空兄さん、やりすぎですよ……」

 

「あはは……なんだか、空さんらしいですね……」

 

女性陣の会話が聞こえるが俺は会えて聞かない振りで無になっていた。むしろ、恥ずかしくって聞かないようにしてるからだ

 

「なぁ、チビ野郎。アオイは元気か?」

 

「ん、あぁ。元気だし、お前もたまには顔出しにこいよ。もし、なんなら今度来たら俺と対戦してやるぞ」

 

「本当か!!」

 

「男に二言はないぞ。それと、善逸は……相変わらずなのはわかる。主に精神的なのが」

 

「それどういう意味ですか!?」

 

俺の言葉に善逸はギャーギャーわめいていたがそういうところだぞ。俺からしてみればそういうところを直せよ…じゃないと禰頭子に飽きられるぞ

 

「お前もそのギャーギャー治したら禰頭子も惚れなおすといったらどうだ……?」

 

「誠心誠意努力します」

 

清清しいくらい綺麗な土下座してきたのを見て、俺は少し引いた。こいつはこういうところあるから、なんか嫌いになれないのよね ……

 

「しのぶさん達も遠いところ来ていただきありがとうございます!積もる話は一杯あると思うのでどうぞ入ってください!」

 

炭治郎の言葉と共に俺達も炭治郎達の家へと歩いてその日はたくさん笑って泣いて……そして、未来へと大切な話もした……この平和が今どれだけ幸せなのか……俺たちにしかわからないからこそ……今日もいきる

 

 




ここまで読んでいただきありがとうございます!
リクエストある方も楽しみに待っています!
これからもよろしくお願いします!


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喪失 1

無惨の決戦から何百年も経過し、無惨と鬼殺隊の死闘を知るものは、もう当の昔に亡くなっていた。あの戦いで大きな犠牲もありながらも、生き残った彼らは次の世代へと繋げることができた……

 

「「行ってきます!!」」

 

そんな平和な時代に、あるお家から笑顔で外出したのは無惨を倒した一人の竈門炭治郎と竈門禰頭子の兄妹だ

 

「お兄ちゃん、嬉しそうだね」

 

「そりゃあ、そうさ。だって、キメツ学園ってパンフレット見たときに……お館様の写真を見て思い出した時を覚えてるか?あの鬼殺隊の時に俺達を公認として助けてくれたお館様がパンフレットに乗っていた時は驚いたよ」

 

「そうだね。お父さん達はあのときお兄ちゃんが何で驚いてるのかわからないから心配していたよ。でも、受験は大変だったね……」

 

「いや本当に……うん勉強は頑張ったよ……」

 

炭治郎は遠い目をしながら受験勉強の時代を思い出していた。元々炭治郎は中高一貫のキメツ学園ではなく、普通の公立だったがパンフレット見たときに前世の記憶を思い出した

 

「でも、禰頭子も中学受験すると思わなかったよ」

 

「うん、お兄ちゃんが高校受験するって聞いたとき私もそこの学園いきたいと思っていたからね」

 

「もしかったら、あの学園に……あのときの人たちが会えるかもしれないから受験したもんな」

 

「うん!」

 

「おーい、ふたりともー」

 

そんな二人と会話していると、後ろから声をかけて来た人物がいた。炭治郎達も声をかけてきた人物を見ると嬉しそうに笑いかけた

 

「「善逸(さん)!」」

 

「俺様もいるぜー!」

 

「伊之助!」

 

我妻善逸と嘴平伊之助は前世、炭治郎と共に無惨の決戦で生き延びた仲間であった。伊之助は神崎アオイと善逸は、竈門禰頭子と結婚して幸せな人生を歩んでいた

 

「禰頭子ちゃん今日も可愛いねぇー!」

 

「禰頭子をお嫁にさせないぞ!」

 

「前世は許してくれたのに!?」

 

「前世は前世!今世は今世!」

 

入学式のあとに、炭治郎は当時の仲間に挨拶するとみんな覚えていた。善逸と伊之助は前世の記憶を思い出したのはこの学園に入学して少し経過してからだった

 

「じゃあ、私はあっちにいくね。善逸さん、今日も頑張ったら……」

 

「俺頑張るよー!」

 

禰頭子は中高一貫の中学の方へと歩いていった。そして、炭治郎達は自分達の教室へと歩いた

 

「そういや、俺達の前世の知り合いって全員あったよな?」

 

「うーん、そうだよな……?玄弥もカナヲもいるし、カナエさん達も会えたし……」

 

「なほたちも中学生に通ってるんだろ?じゃあ、全員いるんじゃねぇか?」

 

炭治郎達は授業を終えた休み時間にさいしょはきょうの授業の話していたが、やがて話は変わってある人物の話へとなった。そんなやり取りを聞いていた一人の男がこちらに歩いてきた

 

「あ、いたいた。炭治郎、お前今時間大丈夫か?」

 

「うん?どうした、玄弥」

 

「胡蝶さん達がお前を探していたから少し呼びに来たんだ。もしみつけたら屋上にって」

 

「え?わかった」

 

玄弥に言われた炭治郎は教室に出ていき、炭治郎は屋上にへと歩いていった。そして、屋上につくとそこには……

 

「来ましたね、竈門君」

 

「お久しぶりです、しのぶさん!カナヲも久しぶり!」

 

「うん、学年が違うから中々会わないものね」

 

そこには学園三大美女の一人胡蝶しのぶが屋上で黄昏れていた。そばには栗花落カナヲもそこにいた

 

「ところで屋上で呼び出してどうしたのですか?カナヲも……」

 

「炭治郎、この学園のいる人の前世で繋がりあった鬼殺隊では教師なら悲鳴嶼さん、煉獄さん、伊黒さん、不死川さん、冨岡さん、私達の姉、生徒なら炭治郎達もいる……だけど、炭治郎は何かに気づかない?」

 

「なにか……?」

 

炭治郎は必死に頭を回していた前世ですべてを思い出したといっても、引っ掛かる要素がないのだから

 

「じつは私達三姉妹は前世を思い出したのは良かったものの……足りない事に気づいたの」

 

「足りない……?」

 

「その何が足りないのか私達は思い出せない…。だから、明日はカナヲと私と姉さんとそのなにかを思い出すためにかっての場所を巡って行くのですが……炭治郎君も来ますか?」

 

「明日ですか……えーと、パン屋さんさ定休日なので予定空いてます!」

 

「では、明日は私達と炭治郎君とで行きましょう。もし気になるのでしたら、禰頭子も呼んで良いですよ」

 

「はい!あ、そろそろ戻ります!」

 

炭治郎はしのぶとカナヲに挨拶すると共に教室に戻り、カナヲとしのぶだけが屋上に残っていた

 

「しのぶ姉さん……。私達はいったい誰を忘れてるのでしょう?」

 

「わかりません……ですが、絶対に忘れてはいけない人がいるような気がして……なにか大切なことを忘れてる……」

 

しのぶとカナヲはいったい何を忘れてるのそれを思い出すために明日を思い馳せた

 

 

 

 

 

別の場所では……

 

「…………退屈だ………本当に退屈だ………」

 

一人の男がボーと空をあおぎながら本当に暇そうに声あげていた。そして、その男は暇そうに空を見ていた

 

「あ……いだだだっ……」

 

「本当につまらないことで子供に手を出すな。大の大人がアイスクリームで服について怒鳴るなんて大人げない。ほれ、少年、百円あげるから泣き止め」

 

「う、うん。ありがとう、おにいちゃん!」

 

「おう。さてっと次は寝転んでるおっちゃんを相手しないとなぁ……」

 

少年を見送り、男は倒れてる男にあきれながら声かけた

 

「相当お酒を飲んでいたのから、物凄い酒臭いし、昼間から暴れるなよ。たく、お巡りさん呼ぶからそこで横になりな」

 

「俺は悪くない…俺は悪くない…」

 

「まだ開けていないペットボトルの水を飲んで少し落ち着いてください。警察ももう少しで来るから」

 

男はそれだけを言うと、空を見て再びため息ついた

 

「本当に退屈だ……明日はなにかスリルな出会いないかなぁ……」

 

その男が目を細目ながらなにかを待っていた……まるでなにかを思い出そうというのに……

 

 




ここまで読んでいただきありがとうございます!
今回リクエストいただいた件で少し弄って書きました!
次回もよろしくお願いします


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忘却 2

前回の喪失のつづきです!


のどかな山に静かな環境で俺は一人のんびりと歩いていた。おっと、俺の名は夛田空といって、ただの高校生だ。さて、自己紹介もしたところで早速だけど……

 

「…おーい……おーい、大丈夫ですか?」

 

「だ、大丈夫です……」

 

「つ、疲れた……」

 

ぐったりとしてる三人の女性と膝を押さえながらゆっくりと呼吸を整えている額のあとがある少年とそして、目を回してる少女がいた

 

「ったく、まさかこんな山奥に人が歩いてるとは思わなかったですよ。しかも猪に追いかけられるとは……」

 

「い、猪追っ払ってくれてありがとうございます……」

 

「いいえ、まぁ、ここら辺は熊も出るところですから気を付けてくださいね。ところで何でこんな山奥に皆さんは?」

 

「あっ、その実は人を探してるのです……」

 

「人を?」

 

「はい。実は遠い昔に遊んでいた場所を思いだして、そしてこの山奥にその時に遊んでいた場所で何か手がかりあるんじゃないかと思い歩いてました」

 

「よかったら探すの手伝いましょう。その人の名前はわかりますか?」

 

俺の質問に長い髪の毛の人が両手を叩きながら謝罪してきた

 

「ごめんなさい、ずいぶん昔だから思い出せないの。あ、私の名前は胡蝶カナエで後ろにいる女の子達が……」

 

「胡蝶しのぶ。胡蝶カナエの妹です」

 

「私は栗花落カナヲといいます。胡蝶カナエ姉さんと胡蝶しのぶ姉さんとは従姉妹関係です」

 

「私は竈門禰頭子です!で、唯一男の人が私の兄で……」

 

「竈門炭治郎です!宜しくお願いします!えーと…」

 

「俺は夛田空、宜しくお願いします」

 

俺達はお互いに挨拶し、この山奥ではなにもないと思うがどうしても気になると言うので俺も同行することになった

 

「どうしてこの山奥に?」

 

「何か……呼ばれてるような気がして……」

 

「呼ばれてるような……ね……その方向はまっすぐ進めばいいのか?」

 

「はい。(前世は鼻が良かったし、今世も鼻が良いけど……何でこの人から懐かしい感じが??)」

 

少年が何やらこっちにじっと見ているがどうしたのだろうか??しかし、この山奥は……こんな道だったか??

 

「あの……夛田さん」

 

「えーと…君はしのぶさんかな。どうしたのですか?」

 

「夛田さんはなんでこんなところに?」

 

「うーん……あとだしじゃんけんみたいな言い分かもしれないけど、何かに呼ばれたような気がしてね……で、暇だし散歩するついででいいかと。猪出ても鼻で攻撃すればなんとかなると思いますし」

 

「暇だから山に散歩するってさらに猪に攻撃もするって……夛田君って意外とわんぱく?」

 

「どうなんでしょうね?」

 

俺達はそう話ながら、山奥へと歩いていた。所々人が昔通っていたのか通り道があった

 

「俺もこんな山奥を歩いたのは初めてだな……。っていうか、こんな道は知らないぞ?」

 

「そうなのですか?」

 

「……もう少し奥に行ってみましょう。いま引き返すには危ないですし」

 

俺の言葉にカナヲさんは驚き、カナエさんは警戒しながらその奥に歩くと……

 

「こんなところに屋敷?」

 

そこには人が住まなくなって長い年月なのか、家が崩壊していた。俺も長いこと住んでいたがこんなところに家あるのは知らなかったぞ…

 

「いくつかの本が置かれていますね……。私たちは少しここを調べますが、夛田さんはどうされますか?」

 

「…うーん…俺は少し奥を見てくる。俺はこんなところに家あるの知らなかったからね。っていうか、不法侵入にならないのか心配だなぁ」

 

俺はそういいながら奥へと歩いていき、しのぶさん達とはそこで別れた。奥へと進む度にこの家は俺は知らないはずなのになぜかすいすいと歩いていた……知らないはずなのに……

 

「知らないはずなのに、何でこんなに懐かしいんだ……?」

 

「知りたいかい?」

 

そこには聞きなれない声がしたので俺は警戒しながら回りを見た

 

「そう警戒しなくって良いよ……そのまま奥へと歩いてきてくれないか?」

 

「奥へと……?」

 

「君はここを懐かしいといっていたね?だから、その懐かしい理由を私が教えてあげるよ」

 

俺はその声に疑問を持ちながらもその言葉に嘘はないと思い歩いた。奥へと奥へと歩くと、そこは人が座っていたが、服装はかなり古い感じだ…

 

「こうして君と会えると思わなかったよ。夛田空…」

 

「!、何で俺の名前を……?」

 

「どうやら君は前世を思い出せないみたいだね……では、今から君の……忘れていた記憶を思い出させるよ」

 

「まっ……」

 

俺が言う前にその人は手を叩き俺は辺りに光が包まれやがて、俺の目の前には……

 

『君は鬼殺隊が居たときに柱を蹴る代わりに裏切り者の粛清として裏方の仕事をしていたのを私は覚えてるよ。すまなかったね、君にそんな事を起こったとはいえ、そんな役目を押し付けて……』

 

『いえ、柱にならない代わりにそれをすると言い出したのは俺です。事実私が鬼殺隊でいたときは表には出さないものの二人の人間を殺してます。あの者達は守るべき者たちを守らずに鬼に売り、自らの地位だけしか考えなかった愚か者です。これを鬼殺隊が知れば亀裂は避けられないためそうするしかありませんでした』

 

『うん。でも、その結果君に辛い思いをさせたね』

 

『いえ、鬼を倒すのも仲間の不始末をするのも俺の役目です。それとお館様にお聞きしたいことがあるのですが……』

 

あれは……俺なの……か??それに鬼とは……?俺はこれから流れてくる映像は溢れるように流れていた。ある映像では蝶屋敷というところで、俺は先程あった炭治郎に似た人と楽しく会話してた

 

『お!なぁなぁ俺様は暇だから勝負しょうぜぇ!!』

 

『まぁやることも終わったしいいが、ついでに善逸もどうだ?たまには俺と勝負するか?炭治郎も』

 

『いやいやむりむり!死ぬよ!』

 

『喜んで俺はやります!善逸、伊之助!今日こそ空さんに勝つぞ!』

 

『巻き添え確定!?アぁもうやれば良いでしょ!?』

 

炭治郎に似た子供が伊之助と善逸と呼ばれた少年共に俺に対戦挑んできてた。この二人も俺は知っている……いや、知っていたというべきなのか…!?

 

『全く、やりすぎよ。炭治郎君達はまだまだ治っていないのに』

 

『空、言い訳はある?』

 

『ない!』

 

『全く反省してない……カナヲ、アオイ。この馬鹿空にきついのをお見舞いしてあげなさい』

 

カナヲと呼ばれた少女は全く先の会った子とそっくりだし、カナエさん達もそうだ…っていうか、この俺に似た奴…さっきの少年三人に楽しくぼこぼこしていたが、何でだろ……俺自身も見ていておもろかったような気がする……

 

『きついのをって注射は勘弁してくれ!』

 

『ふふ、ある意味注射よりきついかもね』

 

『は?』

 

『『反省しないお兄ちゃんは大嫌いです』』

 

『「がぶっ!?!」』

 

カナヲとアオイと呼ばれていた少女は俺に似た奴に嫌いと言う言葉を言うと関係ないはずの俺と俺に似た奴は共にダメージを負った……

 

おかしいなぁ……なんでか涙が出てくるじゃないですか………

 

 




ここまで読んでいただきありがとうございます!次回もよろしくお願いします!
また、リクエストもお待ちしております!


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想い出 3

しのぶside

私達は夛田さんと少しだけ別れて、目の前におかれている日記が気になっていた

 

「しのぶ、どうしてこの本をよみたいと思ったの?」

 

「確かにしのぶ姉さんはそういうのを無断で読まないと思うのですが……」

 

姉さんが目の前にある日記の事を聞いてきて、カナヲは普段の私ではそういうのを無断で読まないと言ってきた

 

「気になるからですよ。……なぜかこの日記を読まないといけないような気がして……それと、炭治郎君はどうしたのですか?」

 

「あ、その……先程の夛田さんなんですが……俺会ったことがない筈なのになぜか懐かしく感じまして……」

 

「あ、それ私もです。会ったこともないはずなのですが……」

 

「奇遇ですね。私も、彼とは会ったことはない筈なのですが……なぜかこう……話せば話すほど懐かしい気持ちと彼を思いきり殴りたい気持ちが出てきました」

 

炭治郎君の言葉を聞いて、どうやら彼らも做にか引っ掛かるような感じだったらしく、姉達も同様だった

 

「しかし…前世に彼に会ったことがありましたかね……?」

 

「もしかったら、私達の何かを探してるのと同じ感じがあるのかもしれないわね」

 

「よし、とりあえずは読んでみます」

 

私はその日記を開くともに辺りの景色が変わって行き、目の前の光景に驚いた

 

「これは……蝶屋敷??」

 

目の前にある建物は生前……といっても前世ですが、その景色に懐かしく感じた。何せ、この場所は私達の思い出の場所だから

 

「私達の入った所は蝶屋敷と言うことですか?」

 

「あり得ません。この場所に蝶屋敷はあり得ません」

 

「そうね、私達のあの蝶屋敷はもうないとはいえ、こんな山奥には……あれは……夛田君?」

 

姉さんの言葉に私達はその方向に見ると夛田さんが、蝶屋敷に歩いていた。しかも、私たちなら知っている鬼殺隊の服装をしながら歩いていた

 

「え、じゃあ前世は仲間だったと言う事ですか?」

 

「うーん、なんだろう……做にか根本的な……」

 

「あれ、なほ達が出てきて……空さんに抱きついてる!?」

 

「まさか、あの子達の恋人……?だとしたら、御話ししないとね……!!」

 

「しのぶ、落ち着きなさい!?って、今度はアオイ?」

 

アオイも出てきて嬉しそうにその夛田くんらしい人物に嬉しそうに話しかけて夛田君も頭を撫でていた

 

「ど、どういうこと??」

 

私達はその光景にますます混乱してると夛田さんらしい人物は中に入り、私たちも続くように中に入っていた。向こうは私たちを認知してないみたいなのでなんだか変な気分だが……

『おかえり、空』

 

『お疲れ様、空君。今回の任務は遠かったのね?』

 

『空兄さんお疲れ様です!』

 

『ただいま。今回の鬼はさすがに疲れたから…向こうで一日休んでからこっちに帰ってきたのさ。あ、妹分であるカナヲ達のお土産あるからあとで食べてくれ』

 

あれは……私達?それに、何か仲良く会話してるけどなんでだろう??

 

『相変わらず下の子に甘いね』

 

『別にいいだろ。それより、しのぶも早く義勇と付き合えばいいのに』

 

『空、今すぐ薬の実験になる?』

 

『ごめんなさい、許してください』

 

私達はその光景を見て次々と大切なことを思い出してきた。夛田空と言う存在を私達は少しずつ思い出してきた…_

 

 

 

 

空side

俺は今目の前にいる男に見せられている光景を眺めながら懐かしく、そして悲しい気持ちで色々と見ていた

 

『空君、あなたはまた無茶をして……』

 

『ほんとうに無茶しすぎよ。カナヲ達を泣かせるつもりなの?』

 

『いやほんとうにすまん』

 

「そうか……この光景は俺の……前世だった夛田空の光景か……そういえばこんなこともあったなぁ」

 

「思い出してきたのかな?」

 

「そりゃあ…あの頃を思い出しますよ……」

 

俺はその光景を見ながら目を細めていた。少しずつかって失っていた幸せな日常を思い出すと共に次の映像は激しい戦いのシーンへと移り変わっていた

 

『相変わらずくそな奴だな。その死体の山積みもてめぇの趣味か?』

 

山積みになっている死体を見て前世の俺はそいつを思いきりにらみながら呟くとそいつはヘラヘラと答えていた

 

『黒い羽織にその声は………。やれやれ、また君か。相変わらず口が悪いねぇお……や後ろにいる美しい女性は?』

 

『相変わらずよくしゃべる口だな?その問いかけに別に答える必要はないだろ?それとも……冥土の土産となるから聞きたいのか?』

 

前世の俺の言葉にそいつは怒っていたが、前世の俺は気にすることなく構えていた。そして、俺はそいつとぶつかり合った………

 

「このシーンは……俺達鬼の頭でもある無惨を殺すための最終決戦だったな。とちゅうでしのぶ達がたすけてくれたけど………」

 

「そう、君はしのぶ達を庇って亡くなった……」

 

俺はその言葉を聞いてほんとうに、最期を思い出して目を伏せていた。そして、俺に語りかけてくれた人の名前を呟いた

 

「おれを思い出させるためにわざわざ待ってくださっていたのですか…お館様…」

 

俺はひれ伏しながら幽霊姿のお館様が嬉しそうにこちらをみていた

 

「うん、それと……」

 

お館様が手を叩くとしのぶ達が導かれるようにこちらに歩いてきた

 

「胡蝶さん達……」

 

「探し物は私達は見つかりました……あなたはどうでした?」

 

「……その様子だと思い出したのだな……俺も今思い出しましたよ…それにこれはあなたが導いてくれたのですか?お館様…いえ、産屋敷様…」

 

「…懐かしいね、私は年を取ったけど、君達はあのときのままだ…」

 

「ここは、歴代の産屋敷様が……お館様達が住んでいた家なのですね」

 

その言葉を聞いてこの光景をずっと見せてくれたのはお館様の一族がすんでいた家でもあったということだ

 

「君達が私たち一族の念願を達成してくれたお陰で私たちの子孫も幸せに暮らせている。そして、空……私は君をずっと待っていた」

 

「俺をですか……?」

 

「うん。君は本当にあの戦いで死ぬつもりだったのは当時の産屋敷の当主は気づいていたのさ。だから、もしも生まれ変わって君が思い出せないのなら君に思い出すきっかけを作ったのさ」

 

「そして、俺を思い出さすきっかけとしてしのぶ達を呼び掛けて……ですか」

 

「ふふ、これでやっと私も……あの世へと行けるよ」

 

産屋敷様の体が消滅するのを見て、俺はもう時間なのかと思い目を伏せていた。そして、産屋敷様が俺達の名前を呼び掛けた

 

「竈門炭治郎、竈門禰頭子」

 

「「はい!」」

 

「前世は本当に君たちのお陰で私達の念願でもあった無惨を倒してくれてありがとう……。今世は君達に幸あれ」

 

「「ありがとうございます!」」

 

「胡蝶カナエ、胡蝶しのぶ、カナヲ……幸せに生きなさい」

 

「「「はっ!」」」

 

「そして……夛田空……君ももう過去に縛られることなく……」

 

「勿論です……もう、二度と……あいつらを悲しませないように生きて見せます」

 

「……ありがとう……そして、さようなら」

 

その言葉と共に産屋敷様はゆっくりと消滅してその消滅すると共に俺達はたくさんの記憶を取り戻していた

 

「………絶対に忘れませんよ……」

 

俺は別れた産屋敷様に小さく呟きそして、後ろにいる……生前俺が死んでからこうして普通に話すのもいつぶりだろうか……

 

「……こうして会うのも何年ぶりだろうか……」

 

「「「「「……」」」」」

 

「久しぶり……カナエさん、カナヲ、炭治郎、禰頭子……そして、しのぶ」

 

「「っ!!空さん!!」」

 

「空兄さん!!」

 

「「空!!」」

 

何百年ぶりの大切な人の温もりを俺は触れながら気にかけていた後輩も触れて俺は涙が溢れながら抱き締めてた……

 

俺は皆を抱き締めながら目の前の方を見ると何百年前の俺が移り安心したように笑いかけてそして消滅した……

 

 

 

 

 

 




ここまで読んでいただきありがとうございます!
これで空の記憶の話はおしまいです!
また現在リクエストしていただいてるのを書いてますのでお待ちください!
これからとよろしくお願いしますとリクエストはお待ちしてます!


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IF 対決

時は原作入る前で朝が開ける前の静かな山に響き渡る轟音が鳴り響いていた

 

「おらぁぁ!!」

 

「ぬぅぅ!!」

 

拳と拳のぶつかり合いで辺りに亀裂が入ったり地面が割れていたりしていた。そんなぶつかりあいしてるのは……

 

「上弦弐の場所を教えろ、上弦参……!」

 

「ふん。奴とは仲間意識はないが、貴様に教える義理もない。はぁ!」

 

「は、あいつはどうやらお前にも嫌われてるのか!それはそれで好都合!(鋭い蹴りで回避するのがやっとだ!くそが!!)」

 

俺はカナエさんを傷つけたあいつを許すわけにはいかない。いまの俺にはもう帰る場所はないにしても奴だけは……必ず殺す!

 

「貴様には、あのお方の命令により捕獲指令が出ている。だからいま聞こう」

 

「何?」

 

「あのお方は貴様の憎悪さが気に入り、仲間に迎え入れようとしてる。どうだ、鬼にならないか?」

 

「なにかと思えば……そんな要求は断る。例え、大切な人たちに嫌われていても……な!」

 

拳の呼吸 壱ノ型 波動

 

俺は拳の呼吸でやつに直撃するように攻撃しかけるとやつは回避していた。次の攻撃に仕掛けようとすると……

 

「……がっ……?」

 

後ろから何かに貫かれる感覚がしたので、振り向くと……

 

「時間稼ぎご苦労……さて、貴様が今代の拳の呼吸の使い手か」

 

「まさかてめぇは……無惨……!?がふっ!」

 

「いま私が貴様の体に鬼の血を注いでる……私の左腕となれ。貴様に拒否権はなく、私がなれといったらなるのだ」

 

やつの言葉とともに俺の全身に毒らしきのが回り始めていた。そして、俺は全身に集中するも血が駆け巡り絶叫した

 

「がぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

俺はあまりの苦しさに悲鳴をあげていた。体が耐えきれないように毒が駆け巡り、俺の大切な記憶が次々と喪失し始めていた

 

「(あぁ……カナエさん、しのぶ、カナヲ…蝶屋敷の子供達…ごめんなさい……どうやらおれは……もう……人としての尊厳が失われる……せめて……最期くらい……会いたかった……な……)」

 

それが俺の人としての最後の記憶だ……。覚えてるのカナエさん、しのぶ、カナヲ…そして、蝶屋敷の子供達が大切だったということだけだ。そしてこの日から俺は鬼として……上弦零として生きることになった

 

 

しのぶside

私は数年前からある大切な友人を探していた。名前は夛田空といい、私の幼馴染み立った友人だ。そんな彼はいまだに見つからず、最後に聞いた情報は彼の烏が上弦とのぶつかり合いで行方不明という情報だった。隠にも現場で確認してもらい、辺りは血まみれだったと……

 

そして、時はさらに経過して私達は現在、無惨の最終決戦はともつれ込みなんとか上弦弐を倒せてひと安心していた

 

「師範、大丈夫ですか?!」

 

「えぇ……カナヲ、伊之助君もありがとうございます」

 

「強いやつがいると感じたから来たまでよ!」

 

ふふ、彼の前向きには見習いたいですね。私は起き上がって無惨を倒しにいこうとすると途方もない寒気がきた

 

「伊之助君、カナヲ警戒を!」

 

「「!」」

 

私達は警戒体制に入ると、その寒気の根元がと扉を破壊してゆっくりと入って歩いてきた

 

「相変わらずやつの趣味は悪いな。……ほう……どうやら、お前達が上弦弐を殺したか……」

 

「……え………」

 

「ふふ、因果応報だな。女に殺されるとは……さて、俺は何やら面白い気配を感じたのでこちらに歩いてきたが、なるほど…弱いものいじめは好きではないし、女と戦うのは好きではないが……俺と戦ってもらおう…」

 

私はこっちに歩いてきた鬼をみて、愕然としてしまった……カナヲもなにか気づいたのか刀を持ちながら震えていた

 

「嘘……です……よね?」

 

「なんで……あなたが……鬼に……?」

 

「我が名は上弦零……生前の名は忘れてしまったな」

 

「何で鬼になっているのよ……どういうことか説明しなさい!空!!!!」

 

私はあらんかぎりの絶叫をしながら、刀をもって彼に攻撃しかけようとしたいた

 

「負傷した体でこの俺に、挑むとはその意気込みよし…だが…」

 

「速い……っぁ!」

 

私は彼に刀を弾かれて腕を後ろに回されて、地面に伏せられていた。いまの彼の目を見ると上弦零として名前が刻まれていた

 

「毒を使う鬼殺隊がいると聞いていたが、……なるほど貴様か」

 

「空……私がわからないのですか!」

 

「知らんな」

 

「しのぶから手を離せ!!このやろう!」

 

「伊之助、だめ!」

 

伊之助君が刀を持ちながらこちらに走ってきた。彼も強くなりましたが、いまの空に勝つには厳しい!!

 

「…ふん!」

 

「え…きやっ!」

 

「おわっ!?」

 

空はねじ伏せていた私を無理矢理起こして、伊之助君のほうに投げられました。突然のことで伊之助君が受け止めていた

 

「ふっとべ……」

 

「まさか……!?」

 

拳の呼吸 壱ノ型 波動

 

彼がつきだした拳には黒い炎の龍が私たちに迫ってきました。私達はいま動けない体制だからまずいと思ってると……

 

花の呼吸 

 

「カナヲ!」

 

「大丈夫です!…ねぇ、私たちのことを覚えてないの?空さん」

 

「知り合いなのか!?しのぶ、さっきの反応と言いあいつのことをなんか知ってるのか!?」

 

カナヲは悲しそうに空に話しかけていた。カナヲに話しかけられた空は怪訝に見ていて、伊之助君はカナヲの言葉に驚き騒いでいたのですが、無理ありません……。なにせ、彼を知るものは、もう減ってきたのですから……

 

「彼は夛田空……私たちの大切な家族……そして、鬼滅隊で次期柱候補の男で……姉が戦えなくなったのを機に彼は失踪しました。私の言葉も間違いなく原因ですが……」

 

「どうやら、俺は鬼になる前にお前たちとかかわり合ったのか……ならば、お前たちを殺さずに俺の仲間にしてやる」

 

「(相変わらずそういうところが甘いわよ…鬼になってもね)遠慮します。私達は人としていきたいので……」

 

「そうか……ならば、戦いで戦意喪失させて俺の仲間に何がなんでもしてやる!安心しろ…お前の姉もいるのならお前たちを仲間にしたあとに捕らえさせよう。なに、あのお方には俺が手を出さないように頼むから安心しろ」

 

いまの彼にはもう……あの頃の優しい彼はもういないのですね……炭治郎君は妹さんを治すためにあんなに頑張ってますが……私は私の意思で彼をここで……

 

「あなたはきっと苦しいでしょう。だから……私が貴方を倒します……!」

 

それが私ができる幼馴染みの最後の助けになると信じて……

 




ここまで読んでいただきありがとうございます!
リクエストしていただきありがとうございます!
まだまだ現実では大変な世の中ですがこれからもよろしくお願いします!


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IF対決 中

俺の目の前にいる蝶の髪飾りの女はどうやら俺の事を知ってるみたいだし、そのそばの女もそうみたいだな……

 

「俺を殺すと決意したみたいだが、お前達に俺を殺せるのか?上弦弐をやっとの思いで倒せたお前達が……」

 

「そうですね。確かに今の状態は厳しいでしょう……ですが、あなたを止めるためなら戦います」

 

「……ふん、止めるときたか……」

 

俺は拳を構えながら目の前の人数と特徴を構えていた。一人は二刀流使いで、もう一人は蝶の髪飾りよりも身長はでかいし、冷静に構えてるな

 

「そこまで言うならこの俺を楽しませろよ……!!拳の呼吸 ……」

 

俺は走りながら、これから起こる戦いに武者震いしながら攻撃をしかけた。対する二刀流の猪頭が走りながら攻撃しかけてきた

 

拳の呼吸 弐ノ型 裂散

 

獣の呼吸 弐ノ牙 切り裂き

 

猪頭が二刀で十文字に斬り下ろすが、俺は両手で対抗した。なるほど、この呼吸は知らないな!

 

「ほう?最初はお前がおれを挑んでくるか!猪頭!!」

 

「こいつ……強ぇぇ!!なら、こいつはどうだぁ!」

 

獣の呼吸 肆ノ牙 切細裂き

 

二刀で六連撃を繰り出すが、俺は回避しながらその攻撃をしたそいつの評価をした

 

「裂散を防いだあとに攻撃の切り替えもいいし、攻撃の荒々しさとまっすぐさはいいが……」

 

「がっ!?」

 

「足元がお留守だぞ?吹っ飛ばしてあげようか……拳の呼吸ーー「させない!」……なに?」

 

俺が技を出そうとすると、横から走ってこちらに迫ってくる声をしたので振り向くと、その女は先程の花の呼吸とやらの技を出してきた

 

花の呼吸  弐ノ型 御影梅

 

「伊之助、今のうちに下がって!!」

 

「ほう、今のはいい判断だな。無理に追撃せずに下がるとはな!」

 

「悪い、助かったが……お前戦えるのか?あいつお前の知り合いなんだろ?」

 

「…今の空さんは私たちの敵…だから……!」

 

猪頭の質問に、その女は俺を見て泣きそうな顔で構えていた。その泣きそうな顔を見て、俺の心のなかでは何やら罪悪感らしきのがわくのはなぜだ?

 

「ひとつ鬼のお節介かもしれんが、お前達は俺の敵だ。それに、お前達は俺を知ってるみたいだが、俺はお前達の事を知らない…つまり、感情で戦いたくないとなると…死ぬぞ」

 

俺は走りながら、その女に接近し峰打ちするように攻撃しようとしたが……

 

「させませんよ」

 

まっすぐな声でその刀は俺の方へと突き刺さった

 

「し、師範!」

 

「しのぶ!?」

 

「二人ともしっかりしてください。カナヲ……気持ちはわかりますが、今の空は敵…割りきれと言うのが難しいですけどね…」

 

しのぶと呼ばれた小柄の女は刀を器用に振り回して俺の方を睨んだ

 

「本当にあなたは私たちのことがわからなくなったのですね…。空、貴方は無惨なんかに操られてはいけませんよ」

 

「わるいな、今の俺はあのお方の駒だから…殺し合うしかもう道がないのさ…」

 

「……ふふ、空は私を甘く見すぎです。そんなことをいって…はい諦めますと言うと思いましたか?」

 

「何?」

 

しのぶは優雅にお人やかに俺に笑いかけながら刀を振り回していた。対する俺は今の言葉の意味がわからずに疑問を持っていた

 

「蟲柱胡蝶しのぶ…私は柱のなかで唯一首を切れませんが少しすごい人なんですよ?」

 

「鬼の首は切れないのに柱になれるのか……相当努力したのだろうな。あぁ、先に言うが別にバカにしてるわけではないからな」

 

「えぇ、知ってますよ。だから、貴方を私の持つ一撃で……倒します」

 

「師範、私も……」

 

「だめよ、カナヲが今戦ってもこの後の戦いに影響あるわ。それに今のあなたでは空を止めれないわ」

 

「師範……!」

 

しのぶがカナヲという少女になにか言っていたが、俺には関係ない 。俺を倒すというのなら俺も遠慮はしないでおくのがいいだろう

 

「俺に勝てるとでも?今のお前は上弦弐との戦いで疲労もあるだろ?」

 

「あら、貴方をさっさと倒せばいいだけの話だから問題ないわ」

 

「ほう……そこまで俺を倒せる自信があるのか?面白い!!」

 

俺は全身に黒い炎を纏いながら、しのぶの方を見ていた。しのぶは笑顔ながらも緊張した顔で俺の方を見ていた

 

「ならばその姿勢を受け止めて俺も全力でだそう……」

 

「蟲の呼吸……(姉さん、このバカを目覚ますために力を貸してほしいの)」

 

「(……何で俺はこいつやカナヲと呼ばれる少女に殺すことに抵抗を持っているんだ?なぜ…戦いに優しさを持ち込むな……!!)拳の呼吸……!!」

 

一瞬の静寂が漂いながら、俺としのぶは沈黙していた。俺はしのぶに殺すことを迷ってるなら鬼にさせればその気の迷いも消えるはずだ…_

 

拳の呼吸 肆ノ型 炎天

 

狙いはしのぶと呼ばれる少女を倒すつもりで、は手足に炎が吹き荒れたのを感じとり走っていった

 

「おぉぉぉ!」

 

「しのぶー!」

 

「師範!」

 

俺は拳をしのぶのほうに向けようとしていたが、脳裏に俺はなにかを走っていた

 

『空くん、みんなとご飯を食べましょう!』

 

『姉さん、落ち着いて!あ、カナヲ!しっかりと服整えなさい!』

 

『…いただきます…』

 

「っ……これはっ………!?」

 

俺はその脳裏に懐かしい声が響き、俺は攻撃するのに戸惑いを覚えてしまい殴る速度が緩くなってきた

 

「空さん……!?」

 

蟲の呼吸 蜈蚣の舞・百足蛇腹

 

俺の敵でもあるカナヲから戸惑いの声と共にしのぶの蟲の呼吸の技が聞こえた。しのぶは俺の視界から消えて、今までにない速い速度で俺の体を刺していた

 

「……がっは……」

 

「これが私の全力よ……空」

 

しのぶは刀を鞘に納めると、俺は地面に思いきり倒れて仰向けになった。普通ならとどめをさそうとするのだが、倒れながら俺が見た光景は……しのぶは…………泣いていた




ここまで読んでいただきありがとうございます!
リクエストの後編を必ず次回のせますのでよろしくお願い致します


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IF 対決後編

俺は地面に倒れながら俺の体を刺したしのぶは泣いていた。そして、俺は本当の大切なことを思い出した

 

「…はは…相変わらず突く攻撃は誰よりもすごいな……俺が鬼にされてる間にしのぶはこんなに強くなったんだな…」

 

俺は倒れながらしのぶにそう語りかけるとしのぶは泣きながら俺の方を見ていた。俺はしのぶのその顔を見て苦笑していた

 

「何で泣いてるんだよ……鬼を殺す…それがお前たち鬼滅隊の信念だろ……お前は俺を殺すその選択は間違えてないよ……」

 

「空……あなた最後の攻撃のとき………緩めていなかった……?」

 

「……情は……やはりそう簡単に捨てれないものなんだなぁ……鬼にされてもお前達を殺したくないと本気で思っていた……しのぶ、とどめをさせ」

 

俺は鬼にされてる以上、人の体に戻ることは難しい……。例え、これでしのぶ達に殺されても俺はもう文句はない

 

「俺は鬼だ……例えどんな事情であろうと鬼を殺さないとダメだろ……?」

 

「いいえ、そんな心配はしなくっていいわよ。……あなたの体に人間の体に戻れるように薬を打ったから」

 

「なんだと……?」

 

「言ったでしょ……?」

 

あぁ、確かにいっていたな……俺は本当にしのぶやカナヲ達の事を何も知らなかったみたいだな……

 

「…はは…本当に変わらねえわな……カナヲはいるか……」

 

「空さん……」

 

「すまないな…行方をくらませた上にお前たちを苦しい思いをさせてしまって……手もあの頃より大きくなって…本当最後見たときよりも立派になったな……」

 

「……うん、アオイもなほ達もカナエ姉さん達も皆……空さんの帰りを待っているのだから一緒に帰ろう」

 

そうか……きっとあの子達も最後見たときよりしっかりしてるしアオイも元々はしっかりしていたからなぁ……

 

「そうだな……カナヲも……立派に成長したなぁ。あの頃は本当に自分の意思でなかなか喋れなかったのに……俺はなにもしてあげれてないな」

 

「…うぅん…空さんは昔から、私達下の子を気にかけてくれていたのは知っていた。空さんが心配そうに私達を見守っていたのも知っていた」

 

「そうだな……あぁ、お前たちの成長機会を見逃したのは辛いな。本当に辛いよ」

 

「大丈夫……この戦いを終わったら空さんも……」

 

カナヲがなにか言いたいのはわかっている。しのぶも、言葉では出さないもののそういいたいのもわかっている

 

「みつげだぁぁあ!!」

 

「鬼!?それもかなりの数……!」

 

カナヲが続きを言おうとすると、目障りな鬼達の声が聞こえた。しのぶは、鬼の数の分析をしてかなりの数がいることわかった

 

「くそが、数多すぎじゃねぇか!」

 

「こうなったら……」

 

「……はっ、最初から俺を殺すつもりだったのだろうな…ぐぐっ…」

 

「空……?」

 

俺はゆっくりと立ち上がりながら、目の前の鬼達の大群を数えていた。あの男はどうやら、俺をずっと見張っていてはじめから殺すつもりだったのだろう

 

「……しのぶ、カナヲと猪頭の少年を連れてここからにげろ」

 

「空さん!?」

 

「お前たちはまだ若い……。それに、お前たちはこんな鬼達を相手にしては本来の目的が困るだろ?」

 

「はぁ?!俺様一人でもあんな鬼どもは倒せるっぅの!」

 

「意気込みは買うが…敵はかなりの数だ。仮にお前が挑んでも、最終決戦まで体が持たない恐れがあるだろ。カナヲも同様だ……しのぶ、おまえは自分が体の状態を把握してるだろ」

 

「っ……でも、それを言うならあなたも!!」

 

俺はゆっくりと鬼達がこちらに来るのをわかっていたのでおれはしのぶ達を守るように前へと立ちふさがっていた

 

「空!!」

 

「俺は……俺のやりたいようにやって来た。好きにやって生きたけじめは最後までつけないと先に死んでいった鬼滅隊の仲間に申し訳ないからな。カナエさん達にすまないと言っといてくれ……そして、しのぶとカナヲ…猪頭の少年…俺の代わりに明日を必ず迎えてくれ」

 

「空さん!駄目です!!」

 

カナヲが俺の方へと走ろうとすると、猪頭の少年が天井で刀を切り裂き俺の退路通路を消してくれた

 

「伊之助!?」

 

「これでいいのかよ、……おっさん」

 

「俺はまだおっさんではない……伊之助、俺は夛田空だ……俺の最期の場所を作ってくれてありがとうよ」

 

俺は礼だけを言い向こうにいるカナヲ達に聞こえるように話した

 

「しのぶ、カナヲ……最期にあえてよかった。お前たちに話せてよかった」

 

「ふざけるな!勝手に消えて、勝手に戦って…勝手に私達の前からまた消えるなんて……許さないわよ!!」

 

「空さん、皆と一緒に帰る約束をしたのに!!」

 

「悪いな、俺はカナエさんもお前たちにも傷つけた最低な男だ。けじめはきちんとしないと先にいった奴らに怒られるからな……お前たちはこいつらと戦うことが最終目的ではないだろ?お前たちの本来の責務を果たしな」

 

「っ……伊之助!?下ろして!」

 

「ごちゃごちゃうるせぇ!!あいつが男として覚悟決めて戦うのだから俺たちはここから離れるのがあいつのためだろ!いくぞ!」

 

「空、空ぁぁぁぁ!!」

 

二人の声が遠退くのが俺にはわかっていた。どうやら、伊之助はうまいこと二人を逃してくれたか

 

「ありがとうよ…伊之助…」

 

「逃がすなぁぁ!!」

 

しのぶ達を追いかけようとした一人の鬼が走っていくのが見えた俺はゆっくりと接近しながら……

 

「あがっ!?!なんで俺の首が……!?」

 

「はは……鬼になっててもこの手袋と羽織だけは、肌見放さず正解だな。あの野郎に1杯食わせるチャンスは失ったが大切な人を守るチャンスはできたな」

 

手袋をしっかりとはめながらおれは目の前の鬼どもを睨んだ

 

「お前たちは、この俺とここで殺しあいだ。拳の呼吸、壱ノ型……波動!!!!」

 

「「「「「!?!!!」」」」」

 

俺は黒い炎を吹き荒れながら目の前の鬼達を燃やし尽くしていた。しのぶ、カナヲ……お前たちなら俺はきっとここでこいつらを相手に命の保証はできないが…あいつらが無惨を倒して生きてくれると信じて……俺は俺の責務を全うするか……

 

「さぁて、死にたいやつからかかってこい。俺はてめぇら鬼を狩る鬼滅隊だった男だ……奴が死ぬのが先か俺たちが滅ぶのが先か……それまで俺と殺し合い付き合ってもらおう!」

 

「ぐ、怯むなぁあ!!!敵は一人だ……いけぇぇぇ!!」

 

「「「「「おぉぉぉ!!!」」」」」

 

「しのぶ達はあの男を殺すことで、俺の役目はこいつらを足止めかつ、倒して倒しまくることだ………。俺は殺される覚悟はできてる……だが、お前たちも殺される覚悟で挑んでこい……いくぞぉぁぉぉ!」

 

俺はどれだけ鬼を倒して、どれだけ殺したのかわからない……けれど、俺が最後に覚えてるのは、あの美しい朝日昇る瞬間を見たことだけは俺は覚えてる……

 

 

 

 




ここまで読んでいただきありがとうございます!
リクエストをお待ちしてるのと、実は鬼滅の新作書くのもありだなぁと考えてる自分もいます。
これからもよろしくお願いいたします!


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IF 対決 終幕

俺は暗い暗い細道を歩きながら、自分の体を確かめていた。たしか俺の最後の記憶では、しのぶ達を逃がすために鬼どもと戦って……

 

「俺は死んだのか………?」

 

そんな疑問を持ちながら俺ははっきりとしない意識しながら歩くと、誰かがたっているのが見えた

 

「!……まさか、あなたがここにいると思いませんでしたよ……杏寿郎さん」

 

「うむ!久しぶりだな、空!!」

 

目の前にたっていたのは元鬼滅隊炎柱の煉獄杏寿郎さんだ。この人は上弦の参によって死闘の末死んだのを俺は聞いていた

 

「よもやよもや!まさかあの世で現世を見てると空が鬼になっていたとは!道理であの世で探しても見つからなかったわけだ!」

 

「世話をかけますね……。杏寿郎さん、貴方は最後まで鬼滅隊員として責務を果たしたのですね……」

 

「うむ。俺は俺の責務を全うできた……それに、竈門少年はあの戦い以降に立派に成長できた……彼はあの無惨を倒したぞ」

 

「無惨を!?……そうか……ようやく、因縁を終わらせれたのか……」

 

俺はその言葉を聞いて安堵すると同時に俺は気になることを思い出して聞いた。現世を見ていたというのならしのぶたちはどうなった!?

 

「無惨を倒したというのならしのぶたちは生きてるのか!?」

 

「うむ!君が心配してるものたちはみんな無事…とまではいかないも生きてるぞ!」

 

「よかった。これであいつらも平穏な日々に帰れるのだな……あぁ、あとはあいつらがいい旦那様を巡りあって天寿全うするまでどうしたものかな」

 

「………空、君は未練がないのか?」

 

杏寿郎さんがさっきまでの明るい雰囲気から真面目な雰囲気に代わりまっすぐな瞳で俺を見ていた

 

「未練ですか……まぁ、ないと言えば嘘ですね。何せ俺はいつも気づくのが遅いのですよ……」

 

「……」

 

「杏寿郎さんも知ってる通り、俺は花柱胡蝶カナエを守りきれなかった。生きてはいるのは聞いてるが、鬼滅隊として戦う場所を俺は奪ってしまった上に、しのぶに苦しい思いをさせてしまった上にあの蝶屋敷にすむ子供たちも悲しい思いをさせた……それに戦場を遠ざけたかったカナヲまでも……」

 

「空それ以上の発言は胡蝶姉妹や蝶屋敷に失礼だぞ。それに君の言うカナヲは自らの意思で戦いに出たのだ。それ以上はあの子達の侮辱になるぞ」

 

「…わかってます…。それでもそう思ってしまう上に……あのときにもっと違う選択があったのでは?もっと、カナエさんやしのぶがこの戦場に離れさせるきっかけを作れたのでは?と……一人で旅していたときずっと後悔していた」

 

俺は杏寿郎さんにこれまで思っていたことを止めどなく話していた。此は鬼になってしまう前に思っていた思いだ……

 

「だが、それは君の理論だ。彼女たちは覚悟を決めて戦場立っているのだぞ」

 

「わかってます。「いえ、貴方はわかっていません」……え?」

 

俺は声した方向に見ると見たことがない女性がこちらに歩いてきた。俺の記憶が正しければ会ったことはないはすだが……?

 

「母上!?」

 

「え、杏寿郎さんのお母様!?!」

 

「えぇ、杏寿郎の母……留火と申します。杏寿郎があなたと話しているのを黙って見守ってましたが、貴方は何一つわかっていませんね」

 

「えぇ!?!」

 

留火さんにいきなりきつい言葉を言われて俺は驚くと杏寿郎さんはすこし下がっていた。そして、無表情に淡々と話し始めた

 

「良いですか?貴方はまだまだ若いです。故に、貴方は本来鬼滅隊に入らなかったらどこにでもいる子供でしたでしょう」

 

「それはまぁ……」

 

「ですが、貴方は鬼滅隊として戦う道を選びました。それはなぜ?復讐のために鬼滅隊に入ったのですか?」

 

「それは違います。俺は俺の意思でそして、復讐ではなく、しのぶやカナエさん達を守るために鬼滅隊として戦うことを決めたのです」

 

そうこの答えはあの日から何一つ変わっちゃいない。俺はあのときから守ることをきめていたのだから

 

「では何故……彼女達を説得して戦場を遠ざけませんでした?」

 

「それは……」

 

「それは彼女たちの覚悟を認めたからではありませんか?貴方は大きな勘違いをしてます。彼女たちは覚悟を決めてあの戦場で戦っています。それ故に貴方の過去の後悔はそれをするのは構いませんが、彼女達のやっている覚悟を否定してはなりません。それに、彼女達は貴方を本当に嫌っていましたか?」

 

「それは……」

 

「今ならまだ引き返せますよ。……貴方はまだやり直せますのだから」

 

留火さんが優しい口調で俺の方に向いて話しかけてくれた俺はその言葉を聞いて顔をあげていた

 

「一つだけ……貴方に教えれることがあります。それはどの親でも子供は長く生きてほしいものです。そして、幸せに生きてほしいのです」

 

「留火さん……」

 

「杏寿郎、時間をとらせてくれてありがとう。空さん…覚えておいてください。あなたもまた弱き人を守るために生まれてきたことを……そして、幸せにいきることを」

 

留火さんは優しく笑ってくれていた。俺はその言葉に頷き、そして、自分の体が消滅し始めるのがわかっていた

 

「どうやら本当に迎えが来たみたいだ。……杏寿郎さん、留火さんありがとうございます」

 

「うむ!来世はともにお酒を飲もうではないか!」

 

「貴方の未来に幸がありますように」

 

二人の笑顔を俺は見届けるとももに、俺は光へと包まれた。どうやら俺の償いは地獄ではまださせてもらえないような気がするな……

 

 

「…………こ……こ……は…………」

 

俺は目を覚ますと見慣れない景色で俺は瓦礫を背もたれに寝ていた。俺が先まで見ていた景色は紛れもなく、あの人たちと喋っていた……

 

「………普通に殿して死んでもおかしくない位の負傷をしていたのだが……生きてるとは頑丈だな……いや、これも鬼にされた恩恵ってやつか……」

 

見上げると日が上っていた。普通は鬼になったら太陽によって死ぬはずなのだが……生き延びてるということは……

 

「……ひとまず……人間に戻ったというわけか……」

 

「えぇ、そうよ」

 

「………無事に生きていたのだな。しのぶ」

 

「貴方もね……空」

 

俺は今全身が痛く動けないので、首だけを動かすとそこにはあの頃よりも凛々しくまっすぐな目のしのぶがいた

 

「……しのぶ、どうせほっといても俺はたぶん死ぬだろう。このまま安らかに寝させてくれないのか?」

 

「だめよ。それに、私や隠が必死に貴方を治療したのだから」

 

「俺は鬼にされていたのになぜ生かす……?」

 

「空……あなたは人間を食べていなかったでしょ?」

 

「…………」

 

俺はしのぶの言葉に黙るとしのぶはあきれた口調で俺に問い詰めていた

 

「おかしいと思っていたの。鬼は人を食べれば食べるほど強くなるやつがいる。なのに、貴方は強かったけどあの頃の空よりも強くなかったわ」

 

「……あぁ ……俺はやつに血を大量に俺の方へと全身に注いでいた。建前は俺を鬼にして補充するためだが、鬼滅隊の場所を探るためだったのだろうな。だが、俺の残っていた良心がひとをたべることだけは拒否していた」

 

「無惨によく殺されなかったわね」

 

「……上弦零というのは監視名目上であり、無惨は血を俺に注いだのは恐らく柱の心を折るために生かしていたのだろう。まぁ、裏切る可能性も考えていたのだろうがな」

 

今となってはなんでやつらは俺を生かしていたのか分からないが考えられることはもうひとつある

 

「後は実験だろうな。太陽を克服する鬼を作るために俺を実験するつもりだったのだろう。……しのぶ、もうお前は本来の場所へ帰れ。お前の帰りを待っている人がいるのだから…っておい…なんのつもりだ?」

 

しのぶは何を思ったのか、俺を背負って歩こうとしていたので、俺はしのぶにとめた

 

「しのぶ、なにをしてる?」

 

「なに……って帰るのですよ?貴方と共に」

 

「いやいや、あのな!?俺はカナエさんを守りきれてなかってお前を苦しめた悪人だぞ!?そんなやつが蝶屋敷に……ぐぼぉ!?」

 

しのぶが問答無用と言わんばかりに俺のみぞおちを思いきりついてきた。こいつの昔突く攻撃だけは昔から威力がありいたい……

 

「うるさい。私がそうしたいからそうしてるの。それに……もう私のせいで苦しい思いをしてほしくないから……」

 

「ゴホゴホッ……お前なぁ……」

 

「それに……本当に悪人ならあの戦いで完全に私たちを殺せたはずよ。不意打ちでもできたはずなのに……空はそれをしなかったのは自分の良心があったからでしょ」

 

俺は下を向きながらしのぶと一緒に歩いていた。しのぶは俺の方に気づきながらもこちらの顔を見ずにまっすぐあるいていた

 

「…本当に私のせいで苦しい思いもしていたと思うし…ごめんなさい。それに………もう…いい加減に自分自身を許してあげたら……?」

 

「…………っぐ……ぅぅ……」

 

「あなたが誰よりも優しいのは私が……私達姉妹が一番よく知ってるから……だから……私達の家族のもとに帰ろう?」

 

「……おう……」

 

「ほらほら泣かない……さぁ、帰りましょう。一緒に」

 

俺はしのぶと共にあの懐かしき蝶屋敷に帰り……カナエさんを始めみんなに大泣きされた……。俺はもう二度と会えないと思っていただけに俺もまた泣いた……

 

もう二度とこんな幸せを離さない……絶対に……!

 




ここまで読んでいただきありがとうございます!
さて実は活動欄に新たなことを書いてますが、もし、暇潰しに見ていただければと思っています。

今回も読んでいただきありがとうございます!


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