夢の大学生活を送りたい!! (つりーはうす)
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1話 大学生活、はっじまるよー

やあみんな。俺の名前は北原伊織18歳。

実は俺には前世の記憶があるんだ。

ちょっとまって。そんなイタイ目で見ないで。逃げずに話を聞いて!

 

 

 

まさか友達にしぶしぶ連れられて見に行った映画の帰りに事故で亡くなって、映画の世界に生まれ変わって主人公になってるて言われたら君は信じる?

信じないよな。俺もそうだ。

でもなっちゃったんだよ。

 

 

 

最初は今話題の異世界転生かと思って興奮したよ。

とうとう俺の時代がキターと思って赤ちゃんながら舞い上がっちゃったよ。

 

 

 

でもさ、だんだん成長するうちに俺の名前が北原伊織だと知った。

そこで異世界じゃないって知ってショックを受けたけど、

なんか嫌な予感もしたんだ。

北原伊織てぐらんぶるの主人公の名前だよなって。

 

 

 

ある時、従妹と会った。

ここがぐらんぶるの世界じゃないことを一縷の望みにかけて会いにいったけど、その気持ちは裏切られた。

だってさ、従妹の名前が古手川奈々華、千紗て紹介されて、現実から逃げることは出来ないじゃん。

まさか生まれ変わった世界がぐらんぶるで主人公の北原伊織に俺がなっているって。

 

 

 

そこからは本当に努力した。

なんでだって? 君は大学生からアルコール中毒者になりたいかい?

原作ルートから逃れるために猛勉強して伊豆大にいかなくて済む学力までついた。

自分の貞操と命を守るために人生で一番というくらい頑張ったよ。

 

 

 

よしこれで原作のフラグは折れたと思ったよ。

大学試験で熱が出るまでは。

志望校は全て落ち、滑り止めのFラン大学まで落ちた。

なのになんでたまたま受けてしまった伊豆大には合格してるんだ!

 

 

 

俺は辞退しようと考えたよ。

だってそうだろ。

まだ若いのに死にたくないからな。

親には悪いけど入学を辞退し、もう1年頑張ろうと決意した。

でも神様は許してくれなかったよ。

親にはバレてまあ怒られた。

1年浪人させる金はないってさ。

そしてちょうど伊豆大の近くには親戚が住んでいるからそこから通いなさいて言われちまったよ。

これ絶対ダイビングショップ「グランブルー」のことだよな

 

 

 

そして現在、叔父さんの車に乗って下宿先である「グランブルー」に向かっているところだ。

 

 

 

10年ぶりにやって来た海沿いの町。

聞こえてくる潮騒と照り付ける太陽。

今までとは違う環境でどんな出会いをするのだろうか。

希望に満ちた新たな出会いと新たな生活を前に本来なら心が躍るはずだが、そんなことより着いた瞬間意識がなくなり裸で大学にいるという映画のシーンから逃れるというわずかな望みにかけて俺は下宿先に向かった




始めまして。ぐらんぶるの沼にハマったつりーはうすです。小説を書くことは今回が初めてなので、文章がおかしいところが度々出てくると思いますが、温かく見守ってください。
投稿は不定期になると思いますが週に1回はできるよう頑張ります!



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2話 ドアを開けるとそこは...

投稿者あるある
最初はモチベーションが高いので、不定期投稿が毎日投稿になる


車が下宿先であるダイビングショップ「グランブルー」に到着した。

さて、ここからが本番だ。

一つのミスが命取りとなる。

頭の片隅にわずかしか残っていない約20年前の映画のシーンを引き出し、これから起こりうるであろうことに備え始めた。

 

 

 

映画のシーンは確かこうだったはずだ。

主人公である伊織が「グランブルー」の前に立ち、後ろを振り返ると美人がいた。

彼女に見惚れていると後ろから襲われて気を失い、目覚めると大学の広場で裸になっていた。

 

 

 

よし、ちゃんと思い出せた。

タネさえわかれば十分に対処できるはずだ。

 

 

 

そう頭の中で考えていた俺はいつのまにか最初で最後の関門である「グランブルー」の入口に着いていた。

本来であれば、ここで後ろを振り返ると美人がおり、見惚れている間に後ろから襲われ気を失われるが、後ろにいるのは千紗だ。

見惚れるはずがない。

そう思い、慎重に後ろを振り返ると、

 

 

そこには誰もいなかった。

 

 

 

おかしい。

映画では後ろには千紗がいたはずだ。

内心不思議に思っていた俺はふとある仮説を思いついた。

この世界はぐらんぶるに似た世界だが必ずしもすべて同じではないことに。

もしこの仮説通りだとすると、この世界は原作通りのイベントは起きないのでは? 

今までぐらんぶるの世界におびえていた俺の心は奮い立った。

 

 

 

勝った!

そう内心でガッツポーズを掲げた俺は意気揚々と入口のドアの取っ手をつかみ、店内へと俺は入っていった。

 

 

 

10年ぶりにやって来た海沿いの町。

聞こえてくる潮騒と照り付ける太陽。

今までとは違う環境で俺はどんな出会いをするのだろうか。

希望に満ちた新たな出会いと新たな生活を...

 

 

 

VAMOS!!

 

 

 

ああ、いつの間に寝ていたのだろう。

今までとは違う環境だからか、すっかり疲れてしまったようだ。

鳥の囀りが聞こえ、瞼を閉じていても日差しが暖かいことがわかる。

ああ、今日はいい天気になりそうだ。

そう思って2度寝しようとしたとき、ふと気づいた。

 

 

 

家で寝ているはずなのになぜまるで外にいるような気がするのだろう?

100歩譲って鳥の囀りや暖かな日差しについては何も言わない。

自然が豊かなこの場所では何の不釣り合いもないからだ。

だがなぜ家で寝ているはずなのに床がこんなに硬いのか? 

マットを敷いていないからだと俺は自分に言い聞かせたがそろそろ現実を見つめなければならない時がきた。

なぜなら恐る恐る目を開けるとそこには大勢の学生が裸になった俺を囲み、スマホで写真を撮っている様子が見えたから。

 

 

 

覚醒した俺の行動は素早かった。

その場からすぐ立ち去り、警備員から逃れるために草むらへ隠れ、ひと時の安寧を得た。

俺は考えた。

おかしい、映画のフラグは回収されなかったはずだと。

そもそも重要人物であるはずの千紗と会っていないのに、なぜ俺は映画のフラグを回収したのか。

 

 

 

謎は解けず、心は穏やかではないがすぐに行動に移さないといけない。

なぜなら俺は裸のままであり、危険な状況は何も変わっていないからだ。

 

 

 

俺の唯一の救いは映画を見ていたことだろう。

苦労して足の爪に書かれている暗号のような文字を必死に読むことなく、無事にパンツを回収して「グランブルー」へと急いだ。

 

 

 

さて、「グランブルー」についた俺は、いまや魔王がいる部屋のドアを開けるかのごとく、気を引き締めていた。

なぜ千沙と会っていないのに、気を失って裸で大学にいたのかは気になるが、わからないことは仕方がない。

そう気持ちを落ち着かせ、俺はもう一度グランブルーのドアの取っ手に手をかけた...

 

 

 

VAMOS!!




伊織の中身の人はぐらんぶるについて映画しか見ていないので原作の知識はまったくありません。
あと映画を見たのは前世であり約20年ほど前となっているので全て内容を覚えているわけではありません。


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3話 エンド・レス・スプリング

モチベーションが高い状態は終わり。
今度こそ不定期投稿になります。



鳥の囀りが聞こえ、瞼を閉じていても日差しが暖かいことがわかる。

ああ、今日もいい天気になりそうだ。

そう思って2度寝しようとしたとき、ふと気づいた。

 

 

 

なんか騒がしくない?

すぐに目覚め周りを見ると、そこには大勢の学生が裸になった俺を囲み、スマホで写真を撮っている様子が見えた。

 

 

 

その後については詳細を省くとしよう。 

この前と同じように警備員から逃れ、パンツを回収し、一路「グランブルー」へと向かった。

 

 

 

「グランブルー」に着いた俺は、一度息を落ち着かせた。

なぜ裸で大学にいたのか。

おそらく、いや、十中八九例の先輩(仮)のせいだろう。

しかし肝心のシーンが思い出せない。

原因はわかっている。

酒を飲まされたからだ。

分からないのは飲まされる過程だ。

どうやって飲まされたのかがまるで覚えていない。

映画のシーンを思い出そうにもそこだけがまるで切り取られたかのように思い出せない。

 

 

 

原因が分からないのに対策のしようがないという状況に陥った俺が出来ることはただ一つ。

強靭な理性をもって「グランブルー」に入り、原因を突き止めることだ。

一通り落ち着いた俺はもう一度「グランブルー」へ入るために足を踏み込んだ...

 

 

 

VAMOS!!

 

 

 

今日は鳥の囀りが聞こえない。

聞こえてくるのはざわざわといった人の話し声だ。

寝起きの半覚醒状態に聞く音としてはあまり心地よい音ではなく、俺も一瞬不快な気持ちとなったがすぐにその気持ちは霧散した。

 

 

 

なんでだって? 

だってさ、大勢の学生が裸になった俺を囲み、スマホで写真を撮っているという前回と同じ状況に陥っているからだよ!

 

 

 

気がついた俺は、急いでその場から離れ、警備員に見つからないように草むらへと隠れた。

俺の心中はお察しするほど混乱していた。

なぜなら「グランブルー」についた瞬間気を失い、気が付くと裸で大学にいるのだから。

誰だって混乱するさ。

いくら前世があり、現世と合わせると約40年ほどの人生を経験している俺だからといっても、気が付くと裸になっている状況に陥るという経験なんかしたことがない。

経験したことがあるだって? 

そんな君には警察に相談してみることをオススメするよ。

警察官も君の趣味に共感して手錠を手に持って握手してくれるさ。

 

 

 

混乱している俺は、真剣に今の状況がループ世界に陥っているのではないかと考えたさ。

本来の力を発揮すると難関国公立大学に余裕で受かるほどの実力がある俺がこんな馬鹿げた説を唱えるなんて、高校時代の同級生が見たら目が点になるほど驚くだろうな。

それほどその時の俺は追い込まれていて、なおかつ転生という現在の学問では解き明かすことができない超常現象を経験しているんだからこの説に拘るのはおかしな話ではないぞ。

頭のおかしい奴がいるて言った君、じゃあ一緒に「グランブルー」に行こうか。

君のバカな考えもすぐに変わるよ。

もし映画を覚えていたらループしていないことなどすぐに分かるのだが、残念なことにその時の俺にはそこまでの余裕がなかった。

 

 

 

心配してくれる君、ありがとう。

大丈夫だよ。なんせ俺は優秀だ。

このままループから抜け出せず俺の第2の人生が終わると項垂れていた俺だったけど、こんな優秀な俺を神様は見捨てるはずがないんだよ。

どうやって抜け出したのか気になるかもしれないけど、長いからまたの機会に話すよ。




3回程度のループはループとは言わん!異論は認める!(エンド・レス・サマー参照)


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4話 君の名は

投稿者あるある2
今度こそ不定期になりますといったとたんに投稿する


草むらで一通り悩み終えた俺はもう一度「グランブルー」へ行くために草むらから出ようとした。

その時だ。

たまたまある男性と目が合った。

高身長の金髪のイケメンだったが、キャラクターが描かれたTシャツを着ていた変な奴だった。

俺は「コイツとだけは関わるまい」と思ったよ。

けどさ何かが引っ掛かるんだよな。

そう思っていると向こうもそう思ったのか、彼(イケメンオタク野郎)が俺に話しかけてきた。

 

 

 

「お前何やってんだ?」

 

 

 

おおっと。

まるで人を変質者のような目で見て話しかけて来やがった。

てめぇも変わらないもんだろ。

いや、俺は不幸な出来事によってこんな状態(パンイチ)になっているだけで、自分からキャラTを着ているイケメンオタク野郎に比べたら断然俺の方がマシだ。

けどこの状況から抜けられるかもしれないなら、どんな手でも使ってやる。

俺は屈辱に耐え、彼(イケメンオタク野郎)の質問に答えた。

 

 

 

「いろいろ事情があるんだよ」

「今村耕平だ。ことと次第によっては助けてやらんこともないが」

 

 

 

その名前を聞いて俺の脳に衝撃が走った。

今村耕平。

俺と一緒に映画の主役の1人として出ていた奴じゃないか。

そしてコイツの名前を聞いた瞬間、あの映画のシーンが段々と蘇ってきて、どのようにすべきか思い出したんだ。

そうだ、コイツを生贄にするんだったと

 

 

 

「おい、お前。今何か変なことを考えていないか?」

「気のせいだよ~ 今~村ク~ン。ちょうどよかった。今イケニ・・・じゃなかった。親友である君が来てくれたからほっとしたんだ。あと俺の名前は北原伊織。伊織って呼んでいいぞ~」

「(なんか変な奴に声をかけてしまった。)で、何があったんだ?」

「ああ、そうだな。まあ説明をすると長くなるから簡潔に言うぞ。とりあえず”今着ているものを脱いで”俺と一緒に来てくれ」

 

 

 

ピーポーピーポー

スイマセン コノヘンデ ゼンラノ ダンセイヲ ミマセンデシタカ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの野郎、俺を殴って警備員を呼びやがった。

まあいい。

アイツのおかげで映画の内容を思い出すことが出来た。

生贄がいないことは不安材料だが大丈夫だろう。

それよりも「グランブルー」で起きることについて思い出せたことは大きな収穫だ。

これで対策が出来る。

 

 

 

あとは・・・そうだな。

どうやってこの警備員の包囲網から抜け出して「グランブルー」に辿り着く手段を考えなければいけないな。

 

 

 

警備員の厳重な包囲網から抜け出せた俺はようやく「グランブルー」にたどり着いた。

振り返ると長かった。

ここまでたどり着いてもすぐに気を失い、裸の状態で大学で目を覚ます。

そんな生活が3日も続いた。

最悪の3日間だったけどもう来ないとわかると少し寂しく感じる。

今日でこの生活ともおさらばだ。

そう意気込んで俺は「グランブルー」のドアを開けた。

 

 

 

VAMOS!!




そろそろ原作の内容になってきます
なるといいな...


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5話 VAMOS!! か・ら・の〜

やっとヒロイン(仮)が出てきた...


VAMOS!!

 

 

 

「ん?なんだ?乗ってこないぞこいつ?」

 

 

 

よし・・・耐えた。耐えれたぞ。

映画で使われた対VAMOS戦法。耳栓。

こいつのおかげで俺は正常のまま「グランブルー」に初めて入ることが出来た・・・じゃない!!

 

 

 

「あんたら何をしてるんですかー!!」

耳栓を取った俺は全裸でジャンケンをしている男性たちに向かって怒鳴った

 

 

 

「なにって・・・ジャンケンだろ?」

「なんで裸でジャンケンしてるんだー!!」

「なんでって・・・野球拳をしたら全裸になるのは常識だろ」

「あなた方は野球拳以外のジャンケンを知らないんですか!!」

「まあまあ伊織。お前はこの3日間一緒に過ごしたんだから慣れてるだろ」

「慣れてねーよ!!つかこの3日間の記憶がねーよ。てかあんたたち誰だよ!!」

 

 

 

一応知っているがここでは初めて会うので俺は変態たちに名前を聞いた。

「俺は時田伸治。伊豆大経済学科の3年だ。ダイビングサークルPaBの会長をしている」

「俺は寿竜次郎。伊豆大機械工学科の3年だ。同じくPaBのメンバーだ」

 

 

 

そう変態たちが自己紹介をしたので、模範的な学生である俺も自己紹介をする。

「俺の名前は・・・」

「「北原伊織だろ」」

「なんで知ってるんですか!!」

「なんでってこの3日間一緒に飲んだじゃないか」

「甥っ子がこの春伊豆大に入学してここで下宿するって店長言ってたぞ」

 

 

 

叔父さん・・・

こんな変態たちに俺の個人情報を教えないでくれ・・・

 

 

 

「まあ期待の新人だからな。サークルへようこそ。歓迎するぞ」

「ちょっと待ってください。俺はまだ1度も・・・」

「「VAMOS!!」」

 

 

 

しまった!!今の俺は耳栓をしていない。

これじゃあ・・・

そう危惧した俺は次第にどこからか流れてきた音楽のリズムに乗って踊り始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「伊織と会うのは10年ぶりか・・・」

そう呟いた少女の名は古手川千紗。

伊織と同じく今年の春、伊豆大に入学した伊織の従妹だ。

本来であれば3日前にはあっていたはずだが、なぜか都合が合わずまだ会えていない。

 

 

 

「またやっている・・・」

実家であり店でもある「グランブルー」には、ダイビングサークルPaBのメンバーがよく集まっている。

仕事を手伝ってくれるのは助かるが、あのTHE体育会系の飲み会にはついていけず、店で飲み会をしているときはすぐに自室へと戻るのだが・・・

 

 

 

「あれ?」

懐かしいような声が聞こえたのか、珍しく店の中に入ろうとすると・・・

 

 

 

伊織がパンイチで踊っていた

 

 

 

「・・・」

千紗が固まるのも無理はない。

従弟がたったの10年でこんなに変わっているのだから。

しかも噂では難関国公立大学も余裕で受かる実力があり、伊豆大に入学したのも試験日に熱が出るという不幸によって決まったと聞いた。

そのため伊織がどれほどになっているのか、顔には出さないが興味を持っていたのだが・・・

 

 

 

BabeBabe!BabeBabe!BabeBabe!(飲め!飲め!飲め!)

 

 

 

「・・・」

音楽に乗りながらパンイチで踊る伊織を見て一気に興味が無くなった。




VAMOSの音源出てこないかな〜


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6話 伊織VS千紗

これにて映画のネタはおしまい
'(たぶん)


千紗が氷点下に至るであろう目線で伊織を見ていた時、伊織はというと・・・

 

 

 

BabeBabe!BabeBabe!BabeBabe(飲め!飲め!飲め!)

店の中心でパンイチになって踊っていた

 

 

 

いやはやVAMOSモードの恐ろしさ。

この作品の伊織は体育会系ではなく文化系の大人しい性格であった。

しかし、その伊織がVAMOSと唱えられただけで体育会系のPaBメンバーに引けをとらないほど性格が変わってしまった。

このVAMOSをうまく使いこなせたらAVなどで出てくる催眠系や洗脳系が使えるのではないかと考えてしまう。

もし可能になったらこのあと出てくるかもしれない童貞クソ野郎は泣いて喜ぶだろう(絶対にさせないが)

 

 

 

さて小説に戻ると、店内の雰囲気はさらにヒートアップ。

周りの様子を見るとこれは1対1の野球拳が始まる予感である。

もちろん伊織が主役だ。

 

 

 

Are You Ready?

Piedra,papel,tijera!!!(ジャンケンポン)

 

 

 

「よっしゃぁぁー!!なんぼのもんじゃー!!」

伊織が勝った。これで3人抜きである。

 

 

 

「やるじゃねーか伊織」

「3人抜きとは恐れ入ったぜ」

「早く負けて俺のご立派様をお披露目したいです!!」

「よく言うぜー!!」

「どうせ爪楊枝だろ!!」

 

 

 

勝って気分がよくなっている伊織はさらに場を盛り上げる

「次はお前じゃー!!」    ブー

「次はお前じゃー!!」    ブー

「次はお前じゃー!!あっ」  シーン

 

 

 

おっと伊織、この場に千紗がいることを把握してVAMOSモードから賢者モードへと移行したが時すでに遅し。

千紗の目線は氷点下から絶対零度にまで落ちていた。

 

 

 

「「・・・」」

 

 

 

さて伊織選手ここからどう立て直す?

持ち前の賢さでどう挽回するか見ものです。

 

 

 

「よう千紗。久し振り。俺のこと覚えているか?」

おおっと伊織選手まるで今までのことがなかったかのように話しかけてます。

スマイルもばっちし。違和感なく肩に手をかける。

これで服を着ていたら世の女性すべてを落とせるレベルだ!

 

 

 

 

さて千紗選手はどう対応する?

「・・・」 ベシ

なんと千紗選手これは強烈。無言の圧力。

肩にかけられた伊織の手をまるでゴミかのように払った!

 

 

 

「あの・・・千紗さん?」

「お姉ちゃん。この服もう捨てないとダメみたい」

「俺の手はそんなに汚くないぞ!!」

「伊織がこんな頭の悪い人間になっているとは思わなかった」

 

 

 

これはマズイ!!

棘が刺さった言葉とゴミを見るような目のダブルパンチが伊織選手を襲う!

これには伊織選手たまらずダウン。ノックアウト。

試合終了です。

 

 

 

以上「グランブルー」からお送りしました




学園祭まではなんとか投稿を続けたい所存


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7話 Re:大学生活、はっじまるよー

アニメネタ中心に戻ってきました


千紗に打ちのめされた俺を不憫に思ったのか、時田先輩が話しかけてきた。

「まあ伊織。ドンマイだ。美人の従妹と暮らせる代償と思え」

 

 

 

そうだよな。

美人の従妹と暮らせるのならそれも悪くない。

でも知ってしまっているんだよ。

千紗のお姉さんである奈々華さんが映画通りなら・・・

だが俺は諦めない。

そう俺はわずかな希望に望みを欠けていたのだが・・

「あと伊織。奈々華さん本人は隠してるつもりだろうし、実際当事者である千紗ちゃんにだけはバレちゃいないんだが、あの人重度のシスコンなんだ」

 

 

 

千紗の脱いだ服を嗅いでいる奈々華さんを指で指した時田先輩の報告により俺のわずかな希望も容赦無く絶たれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて二次会するか」

「俺は帰るわ。終電だし」

「俺も、俺も」

 

 

 

いつの間にか飲み会がお開きになる流れとなっていた。

俺もこの流れに乗って飲み会から脱出しようとしたが・・・

「じゃあ俺も・・・」

「お前は関係ないだろ」

「家はここだしな」

 

 

 

そう時田先輩と寿先輩に俺は捕まったが僅かな抵抗を試みる。

「いやいやいや!本当に明日こそは大学にいかないと」

「なあに大丈夫だ」

「俺たちに任せとけ!」

 

 

 

そう言われ、俺は逃れることの出来ない飲み会から脱出する機会を失った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

チュンチュンチュン

鳥の囀りが聞こえる。俺はその音で目覚めると・・・

 

 

 

大学の前でパンイチになっていた

 

 

 

「な?これなら遅刻しないだろ」

「わかっていたことだけど、あんたら馬鹿かー!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

4日目で初めての大学生活

希望に満ちた新たな出会いと新たな生活は・・・

 

 

 

アノヒト キノウノ ヘンシツシャ ジャナイ?

ウワ! パンイチトカ ヤバッ

 

 

 

大学生活が始まると同時に灰色に染め上げられていた。

 

 

 

もう4日もたっており普通の学生であれば授業についていけないだろう。

だが伊織は後ろの学生からプリントを分けてもらい(その時の変質者を見る目は無視して)持ち前の脳みそをフル回転させて授業内容についていった。

そしてなんとか授業を乗り切った。

 

 

 

ふう、なんとか乗り切ったぜ。

さすが俺。やればできる!

でもパンイチの状況は慣れてきたといえさすがにマズイ!

何とかしなければ・・・

そう考えた矢先、俺の目線の先には千紗がいた。

 

 

 

「千紗!ちょっおい!無視するなよ~」

「話しかけないで!!」

「なんでだよ!!」

もうすでに羞恥心を失いかけPaBに染まりつつある伊織にとってなぜ千紗が拒絶するのか理由はすぐにはわからないようだ。

こうなってはしょうがない。

伊織も今回は大人しく引き下がるしかないだろう・・・

 

 

 

「はあわかった。じゃあこうしよう。このまま無視するのなら俺とおまえが一緒に暮らしていることを言いふらす」

「!!」

なんという外道、鬼畜、人でなし。

伊織は自分自身を人質にし、千紗へと迫った。

これでは千紗も無視できない。どうする千紗・・・

 

 

 

「くっ・・・。わかったから・・・。お願いします・・・。家のことだけは言いふらさないでください・・・」

「ちょっと待った、千紗。そのセリフだとまるで俺がお前を脅しているようじゃ・・・」

ポンポン

 

 

 

パンツシカ ハイテイナイ アヤシイヒト ミマセンデシタカ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

間一髪警備員から逃れた伊織はこの3日間お世話になっている草むらに隠れていた。

 

 

 

ちくしょう俺が何をしたっていうんだ。

このままじゃまたパンイチで過ごさなきゃならない。

・・・そうだ、確か今日はサークルの勧誘会があったはず。

そこに行けばPaBの先輩(仮)から服を借りれるかもしれない。

そう思いついた伊織は急いで勧誘会が行われているブースへと向かった。



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8話 あなたの願い叶えます

「ダイビングサークルPaBで~す」

ブースに行くと奈々華さんがチラシを持って勧誘していた。

なんだろう。

当たり前の光景がとても大切なことなんだと実感するな~

 

 

 

「おお、伊織。サークルに入る気になったのか」

寿先輩が俺に話しかけたが、サークルには入らない。

じゃなんで俺がわざわざこのブースを訪れたって?

そんなの理由はただ1つ。

 

 

 

「すいません。服を貸してくれませんか?」

服を借りるためだ

 

 

 

寿先輩は呆れてこう言った。

「おかしなことを言う奴だな。これから飲みに行くのに服を着るなんて二度手間だろ」

 

 

 

なんで俺が酒を飲んで服を脱ぐ前提で話しが進んでいるんだよ!!

おかしいだろ!!

寿先輩は俺からなにかを感じ取ったのかこう提案した。

 

 

 

「じゃあこうしよう。この後新歓コンパがあるから、誰か新入生を一人うちに引っ張ってこれたら服を貸してやろう」

「その話乗った!!」

さて、イケニ・・・げふんげふん新入生を探しますか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「クソ!どうしてだよ!!どうして俺が中心の女子高生美少女ハーレムサークルがないんだよ!!」

俺、今村耕平は嘆いている。

せっかくサークルブースに寄ったのに俺が望んでいるサークルが一つもないことに。

ああ、この世はなんて残酷なんだ。

くそ!せっかく大学に来たら新しい世界が広がって夢のような生活が待ってると思ったのに・・・

すると項垂れていた俺に誰かが声をかけてきた

 

 

 

「諦めるなよ耕平」

「お前は・・・あの時の変質者!!」

「ぶっとばすぞ、おい!!」

 

 

 

項垂れていた俺に声をかけてきたのは昨日出会った変質者だった。

捕まっていなかったのか。

くそ!せめて美少女が項垂れている俺を心配して声をかけてくれたと思ってたのに。

なんでこんな変質者に慰められなければならないんだ。

俺のトキメキを返せ!!

 

 

 

「まあいい、なあ耕平。諦めなければ夢は叶う。世の中ってのはそういうもんだろ?」

変質者が俺にこう言った。

はあ?こいつ何を言っているんだ?

現実は冷たいんだよ!!

夢は叶わないし、新しい世界なんてなかったんだ!

 

 

 

「あるさ。新しい世界も夢の生活もただお前はその入り口に気付いてないだけなんだ。どうだ?一緒に夢の入り口に踏み込んでみないか?」

この変質者は俺にこう問いかけ手を指し伸ばしてきた。

こいつ、どうしてここまで俺に寄り添ってくれるんだ?

俺はコイツのことを変質者扱いしていたが、もしかしたら同じ夢を抱いている同士なのかもしれない。

そう思い俺は同士の手を取り共に夢の入口へと踏み込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「ウェルカ~ム」」

「謀ったなキサマ~!!」

「服は人類の英知の一つだな~」

 

 

 

ミッションコンプリート。

伊織は服を手に入れた!!




ストックがあと一つしかない・・・


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9話 宴

やっとアニメ1話分が終わった


こうして生贄(耕平)を捧げた俺はやっと服を着れたのだが・・・

 

 

 

「しゃぁいくぞ。杯を乾すと書いて乾杯と読む!乾杯!!」

「「「乾杯!!!」」」

俺はどうやってここから抜け出すか考えていた。

そう考えていると・・・

 

 

 

「おい、酒が飲めないのなら水を飲んだらどうだ?」

助かった。

このサークルにも良心的な人がいたようだ。

よし、この水を飲んでやり過ごそう。

ん、水だと?

 

 

 

水という何の変な飲み物ではないのになぜ頭の中ではこんなに警鐘が鳴りやまないのだろう?

念のため、俺は飲もうとした水に・・・

 

 

 

カチ  ボッ

 

 

 

ライターの火を近づけたら水が燃えた

 

 

 

「これはいったいどういうことかな?耕平君?」

「引っかからなかったか!!」

「俺を欺くなど100年早いわ!!」

あぶねー思い出せてよかったー

 

 

 

「くそ!一人くらい潰して入会させて俺は抜けようと思ってたのに」

まるで人でなしのようなことを呟いている耕平を見て俺は思った。

確かに耕平をだますことで俺は服を手に入れたんだ。

次は俺が耕平に報いる番じゃないかって・・・

 

 

 

「そうだな。俺にはお前を連れてきた責任がある。俺が酒を飲むからお前は烏龍茶でも飲んで、隙を見つけたら逃げてくれ」

「おお!!なんて美しい自己犠牲の精神なんだ・・・」

 

 

 

ゴクゴク  ン?   

カチ    ボッ

 

 

 

「キサマ―!!」

思うわけないだろう。

耕平には悪いがチートを使ってオマエを潰し、俺は抜けさせてもらう。

 

 

 

「おいおい喧嘩はよせ。どうしても揉めるなら我がサークルに代々伝わるPaB式にらめっこで勝負しろ。ルールは簡単、口に含んだ酒を吐いた奴が負けだ」

キタ!PaB式にらめっこ。

俺は耕平がどうやって笑わしてくるか映画を見て知っている。

何も変わっていないのならアイツがしてくることはただ一つ。

 

 

 

「じゃ耕平ハンデをやる。お前がずっと笑わす側でいいぞ。そのかわり俺が笑わなかった時はお前はそのつどウォッカを飲め」

「いいだろう。その選択後悔させてやる」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ふ。馬鹿な奴だ。

自ら不利な立場に赴くとは。

まあ北原のその蛮勇に敬意を示し、さっさと終わらせるか。

 

 

 

ニラメッコ シマショ ピーカーブー     シーン

ニラメッコ シマショ ピーカーブー     シーン

 

 

 

どうしてだ!どうして俺の渾身の変顔でアイツは笑わない。

アイツの頭はどうかしてるんじゃないか。

 

 

 

「おい耕平、こういう時は真面目な話をするのも一つの手だぞ」

なるほど。ではやってみるか。

渾身の真面目な話を。

 

 

 

「実は俺・・・こう見えて昔オタクだったんだ・・・」       シーン

 

 

 

なぜだ!なぜ効かない。

やはり真面目な話じゃ笑わすことが出来ないじゃないか。

やはり変顔だ、変顔を・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ふう危なかった。

映画のシーンを見ていなかったら笑うとこだった。

そして何よりあれ以降、先輩のアドバイスを無視して変顔しかしてくれないおかげで俺は笑わずにすんだ。

一方その耕平はというと・・・

 

 

 

チーン

まるで屍のようだ

 

 

 

そりゃそうだ。

あれだけにらめっこで俺を笑わすことが出来ず、そのつどウォッカを呑んだんだからそりゃこうなるさ。

じゃあな耕平。

お前の犠牲は無駄にしないよ。

 

 

 

この場から立ち去ろうとすると千紗がいた。

「千紗来てたのか。千紗は入るのかこのサークルに」

「お父さんに行けって言われたから。まあ不本意ながら入る。伊織は?」

「俺は御免被る」

 

 

 

なんせサークルに入らないために一人の貴重な命を犠牲にしたんだ。

アイツの思いは無下には出来ないさ。

 

 

 

「そういうわけさ。じゃあな千紗」

「ふーん。逃げ切れるの?」

一瞬千紗の言っていることがわからなかったが・・・

 

 

 

「「伊織~どこに行こうとしてるんだ?キチンと乾杯しないとダメだろ」

そう言われ、俺は先輩たちに捕まり地獄の宴へと連行された。

 

 

 

「ばーか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「伊織君お友達と一緒にサークルに参加するんだって」

「ほお。そりゃよかった」

「でも5日連続で外泊なんてちゃんと注意しなくっちゃ」

 

 

 

チュンチュン

鳥の囀りで目を覚めるとパンイチになっていた。

でも昨日と違うところがある。

耕平も一緒にパンイチになっていたからだ。

ああ仲間てなんて素晴らしいんだ。

一人だと心細かったけど、仲間がいると周りからの痛い目線なんて気にならないよ。

 

 

 

「はあ。本当にあのばかは」

 




これから更新速度が遅くなります。
目指せ1日1本!


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10話 合コンへ行こう

「さて飲み会まで空いてしまったな?」

「伊織~夜までどうする?」

「なぜそこで俺に振るんですか!」

時田先輩と寿先輩がダイビングの手伝いに来たが、客が急用のため中止となった。

ついでに俺たちと一緒に昼飯を食っていたんだが、全くこの人たちは潜るか飲むかのどっちかしかできないのか。

 

 

 

「嫌ですよ飲み会なんて。参加しません」

「「お前は何のサークルに入ったつもりだ!」」

「ダイビングじゃないんですか。このサークルは」

「伊織君」

奈々華さんだ。

どうしたんだろう?

俺と先輩たちの必死の攻防(飲み会への参加)に割って入ってくるなんて。

 

 

 

「伊織君は知ってる?自分の部屋がどこにあるのかを?」

その時衝撃が走った。

そうだ、俺は大学でここに来てから一度も自分の部屋に入ったことがない。

というよりずっと外にいた。

 

 

 

「そう言われれば・・・」

「でしょ。だから今日はダメ。」

確かにショッキングな内容だったが、今この場においては最高の援護射撃だ。

 

 

 

「すいません先輩方。奈々華さんもこう言っていることだしやっぱり今回は参加しません」

「そうか・・・それはしょうがないな」

 

 

 

イヤー ノミカイニ サンカデキナイナンテ ザンネンダナー

「今日の飲み会は女子大との交流会だったんだがどうせ人は集まるだろ」

 

 

 

・・・エ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

女子大との合コン。

そんなイベント映画であったか。

俺は先輩方からの衝撃的な発言を聞き、脳内の記憶を引っ張り出してきたが・・・

 

 

 

やっぱり思い出せない。

いやこんなイベントがあったら覚えているはず・・・

もしかしたら映画ではなく原作漫画のイベントだとしたらマズイ!

原作漫画なんて一度も読んだことがないぞ。

どうすればいいんだ。

 

 

 

いや・・これからもこの世界で生きていくんだ。

この程度のイベントなんてこれから頻繁に起こるはず。

考えろ、考えるんだ俺。

このような時に備えて今まで勉強してきたんだろ(違います)

よし、そうと決まればあとは行動あるのみ。

 

 

 

Part1

「あの・・・奈々華さん。やっぱり今日の飲み会に参加し・・・」

「ダメです!」

やっぱり正攻法ではダメか。なら次だ

 

 

 

Part2

「お願いします、奈々華さん。今日この機会を逃してしまうと二度とチャンスが来ないんです。お願いします。俺の一生のお願いです。今日だけは、今日だけは許してください。」

人間は交渉ごとにおいてロジックで訴えるより感情で訴えた方が成功すると誰の理論かは知らないが言っていた。

これでどうだ。頼む・・・

 

 

 

「ダメです!!」

クソ!何が感情で訴えたら成功するだ。

全く成功しなかったじゃないか。

やはり下心があるとダメなのか。

しかたがない・・・こうなったらやりたくなかったがアレをやるしかない。

 

 

 

「奈々華さん!・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

伊織は不参加か。まあ今回は人が足りているからいいのだが・・・

「なあ夜までどうする?」

「そうだな・・・」

飲み会までの時間つぶしに付き合ってもらいたかったが、奈々華さんがあの状態じゃあ飲むのも許してもらえなさそうだな。

そう思いながら、「グランブルー」に戻ると

 

 

 

Part3

「奈々華さん!・・・お願いします!ここまでしても許してもらえないでしょうか?」

 

 

 

服を脱いで土下座している伊織がいた

 

 

 

「おい伊織。いったい何があった」

「俺が今できる一番の誠意を示しているところです。お願いします。奈々華さん!」

「遊びたいのはわかるけど・・・ダメなものはダメ!」

「そこをなんとか!」

「ダメです!!」

 

 

 

「はぁ。ばーか」




中身が変わっても結局伊織は伊織でした


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11話 伊織の部屋をプロデュース

「どうしたら許可が下りると思いますか?」

このままだと奈々華さんの許可は得られないと思い、俺は先輩たちに相談していた。

 

 

 

「それより一体何がお前をそこまで突き動かしているんだ?」

時田先輩が俺に問いかけてきた。

確かに今回を逃しても次があるかもしれないし、なにも固執する理由なんてないのかもしれない。

でも俺の本能が強く働きかけているんだ。

そう・・・

 

 

 

「恥ずかしながら性欲です」

「本当に恥ずかしいな」

 

 

 

性欲という名の本能が

 

 

 

「そんなことより、奈々華さんを説得できる方法はありますか?」

「そうだな・・・まずは荷解きをして自分で部屋作りをし、自立できるというアピールをするのはどうだ?」

なるほど・・・でもできるのか俺に。

そう不安がっていると。

 

 

 

「仕方がない。かわいい後輩のために一肌脱ぐとしよう」

「伊織が立派な大人な男になっていると一目で分かる部屋を作ってやるよ」

先輩方・・・なんて頼もしいんだ。

俺はこの人たちについていけば間違いない。

 

 

 

「じゃ伊織。荷解きと部屋作りは俺たちがやっておくから、奈々華さんを呼んできてくれ」

「分かりました。」

よし、これで大丈夫だ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「もう部屋の荷解きが終わったの?」

「はい。俺はもう自立した大人ですから」

俺は奈々華さんを部屋に連れてきた。

よしこれで合コンにいけるぞ。

俺は意気揚々と部屋の扉を開けた。

 

 

 

「どうですか。俺の部屋は」

部屋は(グラビア、AV、エロ本)大人色に染められていた

 

 

 

 

「どうだった伊織」

「ばっちし大人の部屋になっていただろう?」

「このド畜生がー!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「もういいです。あとは俺がやるので帰ってください」

「まて伊織」

「このままでは俺たちの沽券が関わる」

「いやもういいから・・・」

「俺が選んだ至極のAV,これでどうだ?」  

「よろしくお願いします」

 

 

 

先輩たちに任せた後、俺は奈々華さんにさっきのことについて弁明した。

「奈々華さん、説明させてください」

「大丈夫。気にしていないから」

「さっきのは先輩たちのジョークなんです。今はもう普通の部屋に・・・」

 

 

 

テンチョウ セロテープ アリガトウゴザイマシタ

「!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おうどうだ。俺プロデュースの自慢の部屋は」

「なぜキサマがここにいる。耕平!!」

 

 

 

部屋は二次元に染められていた

 

 

 

 

「俺の部屋を何勝手に自分色に染めていやがるんだ!!早く片付け・・・」

「伊織くん、大きな声を出してどうした・・・」

 

 

 

「「・・・」」

 

 

 

「大丈夫。気にしてないから。キニシテナイカラ」

「奈々華さんー!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうだ今回は完璧だろ」

「新入生らしい部屋を作るには新入生が作るのが一番だと思ってな」

「全然話になりません!!」

クソ、もう合コンまで時間がないっていうのにコイツらは・・・

どうする・・・どうすれば奈々華さんに認めてもらえる?

そうだ!アレをすれば・・・

 

 

 

「奈々華さんに認められるために奈々華さんが気に入る部屋を作るぞ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんで私が・・・」

お父さんに部屋作りをしている伊織君やその先輩、友達にお茶を持っていってて言われて、伊織の部屋に来た。

 

 

 

「伊織。入るよ。お茶・・・」

「なあ伊織。やっぱり違う気がすると思うんだが」

「まるでストーカーの部屋だな。」

「本当にこれでいいのか?」

「無駄口叩く暇があるのなら手を動かしてください」

 

 

 

部屋は千紗の写真で染められていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よかったじゃないか伊織。念願の自立した部屋が手に入って」

「こんな結末望んでねー」

 

 

 

伊織は一人部屋(取り壊し予定の離れ)を手に入れた




違う世界線でも合コンには行けなかった伊織君でした


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12話 サークル活動、始めました

「新入生諸君!ようこそ我がサークルへ。よく集まってくれた」

時田先輩が集まった新入生3人に向かって言った。

 

 

 

まあ新入生3人といっても俺、耕平、千紗のいつもの3人なのだが・・・

というか千紗はともかく騙されてやって来た耕平(声優が来るとおびき出された)と、入るとは一言も言っていない俺もサークルの頭数に入れているのかよ。

まあ耕平の奴はなんかやる気を出しているからいいとして・・・

 

 

 

「あの、先輩方。俺一言もサークルに入るなんて言ってませんけど」

「ん?なんだと。もうお前の名前は新規加入者名の欄に書いて提出してしまったぞ」

こいつ等、なに人の名前を勝手に使ってるんだ。

クソ!もうここまで来たら俺も腹を括るしかないか・・・

 

 

 

「はあ。分かりました。入ります。入りますよ」

「おお伊織。やっと決めたか」

「で。何をするんですか」

「ああ。今日は軽く潜るぞ」

「いきなりですか!!」

まあ映画でも最初から海で潜っていたな。

漫画じゃどうなっていたんだろう。

映画と変わらないのかな(プールで裸になって泳いでます)

 

 

 

「ああその前に。お前たち水は大丈夫か」

「俺は大丈夫です」

「俺もです」

まあ前世は特に水に対して苦手意識がなかったことが原因なのか、この世界の俺は水が苦手ではない。

もし映画のように水が苦手だったらどうなっていたんだろう(プールで以下省略)

 

 

 

「よし。じゃ二人とも行くぞ」

「あれ?千紗は行かなくていいんですか」

「まあ今日は初心者のお前たちのために初歩的なことしかやらないからな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そういえば伊織。大学生活が始まる時、わくわくした?」

俺が出ようとする時、千紗が俺にこう言った。

うん?このセリフどこかで聞いたことが・・・

まあいいか、そんなことよりわくわくした、か。

 

 

 

「そうだな・・・わくわく・・・してたな」

俺は大学に入ってからの悲惨な出来事を振り返りながら言った。

 

 

 

「それならきっと楽しめると思うよ」

「・・・?そうかわかった。それじゃあ行ってきます」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は寿先輩と、耕平は時田先輩とペアを組んで海に出た。

「よし伊織。ダイビングの基本はさっき話した通りだ。楽しんで潜ってこい!」

「はい!行ってきます!」

 

 

 

前世を通じても初めてのダイビングで不安だけど、今回は浅瀬で潜るし、安全確認も何回もした。

あとなんていったって普段は頼りにならないがダイビングだととても頼りになる先輩もいる。

もし何かあっても先輩が助けてくれる、そう信じて俺は海に潜った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そろそろダイビングが終わる時間かな?」

私は時計を見てそう呟くと・・・

 

 

 

「千紗!わかったよ。お前が言っていたことは」

伊織がダイビングスーツのまま、興奮しながら入ってきた。

 

 

 

「海の中てすごいんだな。まるで無重力みたいだ。宇宙にいったらこんなもんなのか。これが新しい世界ってやつか」

 

 

 

まるで子供のようなキラキラした目で私に話しかけてくる。

よかった。

伊織、サークルに入りたくなさそうだったけど、ダイビングの魅力が上手く伝わったみたい。




ダイビングシーンをお待ちしていた方ごめんなさい。
真面目なシーンを書くの難しい。


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13話 Project : Get Activity Costs

「伊織、耕平少し話がある」

ダイビングが終わって酒を飲んでいる途中に、先輩たちは話し始めた。

 

 

 

「お前たちダイビングはどうだった?」

「「すげー楽しかったです!!」」

「それはよかった。だがお前たちに言わなければならないことがある」

いったい何だろう。

先輩方には珍しくとても神妙な顔をしている。

もしかして俺たちのサークル加入を認めてないのか。

 

 

 

「分かりました、先輩方。短い間でしたがお世話になりました」

「なぜそうなる」

あれ違うのか

 

 

 

「ダイビングというのは金がかかる。機材の費用もそうだが、潜るためにそこまで行く交通費などといった活動費が必要だ」

「ここまで言えばわかるだろ」

そう言われ俺と耕平は・・・

シンジンノ イオリチャンデス ゴシメイ アリガトウゴザイマス

オレノ ビセイニ ヨイナ!  キャー イマムラクン ステキ―

 

 

 

「あいつらはいったい何を想像してるんだ?」

「どうせしょうもないことだろ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おい聞け。お前たちが想像しているようなことではない。うちの大学の学園祭、伊豆春祭ではサークル対抗ミスターコンテスト、通称男コンが行われる」

「そして優勝したサークルには賞金が出る。あとはわかるだろ」

「「まさか俺たちに出ろと?」」

「正解」

「「嫌だ―!!」」

嘘だろ、もう来たのかよあのイベントが。

俺は映画を思い出しながら震えてた。

その結末に訪れる悲劇を。

何としてでも回避しなければ、そう思い俺は先に手を打った。

 

 

 

「先輩。優勝するにはネタ枠とか無しで本気でいかなければいけないと思います。なので俺は耕平を推薦します。」

「伊織!キサマー」

悪いな耕平、俺はこんなところで死ぬわけにはいかないんだ。

お前の尊い犠牲、俺は忘れないぜ。

 

 

 

俺の意見に賛同したのか時田先輩が耕平の肩に手をかけこう言った。

「なあ耕平。お前は美形だ。お前が出ればきっと勝てる。サークルのためにお前の力を貸してくれないか?」

「そう言われても・・・任せてください!」

馬鹿な奴だ、上手く先輩の手のひらに踊らされるとは。

まあ俺にとっては好都合だが。

うまく事が運び、無事回避できたかと思っていると・・・

 

 

 

「じゃあ伊織。お前は千紗ちゃんの説得を頼むぞ」

・・・エ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どういうことですか先輩!うちの学園祭は男コンしかないんじゃ」

「そんなわけあるか。ミスコンもちゃんとあるし優勝したら賞金も出る。出さない理由がないじゃないか」

「そんな!千紗が出るわけないじゃないですか。説得なんて無理ですよ」

「ちなみに千紗ちゃんが出なかったら伊織、お前が出てもらうぞ」

「なぜですか先輩!うちからは本命の耕平が出るからいいじゃないですか」

 

 

 

俺がこのように抗議すると、時田先輩が俺の肩に手をかけこう言った。

「なお伊織。お前はネタ枠だ」

「ぶちのめしますよ」

「1位だけが賞金が出るわけじゃない。2位でもわずかだが賞金が出る。千紗ちゃんが出ない場合、お前がネタ枠として出て、1位2位を耕平とともに独占してこい」

 

 

 

クソ!行くも地獄、戻るも地獄。

ならば・・・

「任せてください先輩。絶対千紗の奴に出てもらいますから」

俺は自分の保身を優先した

 

 

クソどうすれば良い。

運命の歯車が回ってしまったぞ。

今俺が出来ること、それはこのツライ現実から目を逸らすために酒を飲むペースを上げることだった。




英語のタイトルてなんか憧れるよね
(ちなみに日本語タイトルは「活動費を手に入れろ!」です。冒頭に付けているProjectには何の意味もありません。しいてあげるなら某ロクでなしな講師が大活躍する小説からとりました。何も付けないより付けた方がカッコよくないですか?)


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14話 14話だよ!!全員集合

「うう・・・またしても飲みすぎた・・・水・・・」

忌まわしき記憶(学園祭イベント)を消すために酒を飲みすぎた俺は、二日酔いになっていた。

水を求めて起きようとすると・・・

 

 

 

隣に下着で寝ている女性がいた

 

 

 

「んん。もうちょっと寝ようよー」

起きようとした俺に気づいたのか、その女性は俺にもう一度寝るよう促した。

確かにまだ早いし・・・もうちょっと寝るか・・・

 

 

 

「いやこの人は一体誰ですか!!」

「うるさいぞ~耕平」

 

 

耕平の怒鳴り声のせいで二度寝しようとした俺は目が覚めてしまった。

あのヤロウ、大きな声を出すな。

二日酔いの頭に響くだろう・・・

まったくこんなことで動揺するなんて耕平の奴もまだまだだな。

起きたら隣で全裸の人が寝ているなんていつものことだろ。

俺は周りで全裸になって寝ている先輩を見てそう思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おお、お前らは初対面だったな」

あ、耕平の奇声で時田先輩が起きた。

 

 

 

「この女は浜岡梓。青梅女子大の学生だ。確か俺たちと同じ3年生だったか?うちはインカレだからコイツのように他所の大学からくる奴もけっこういるぞ」

お、寿先輩も起きた。

まったく耕平の奴、寝ている先輩を起こしてしまうなんてマナーがなってないぞ。

もう大学生になったんだから人様の迷惑くらい考えて行動しろよな。

 

 

 

「というか耕平はともかく伊織、お前が驚かないなんて意外だな」

「お前の布団で寝ていたんだぞ。何も知らないお前が一番驚くんだと思っていたが」

「まあ、そうですけど。いつも隣で誰かが全裸になって寝ているので、今更驚くことじゃないですか」

先輩たちに尋ねられた俺は、映画のシーンを思い出しながらそう呟いた。

だって起きたら横に下着の女性がいるシーンなんてそうそう忘れることができないだろ。

まあイベントも始まることだし、そろそろ来るかなと思って心づもりはしていたんだが本当にするとは・・・

内心ではかなり驚いていたが、表情には出さなかった俺を見て耕平は・・・

 

 

 

「まさかお前、もうそっちの経験があるのか?」

「ふっ。ご想像にお任せするよ。耕平君」

「裏切者ー!!」

(ちなみに伊織は前世と現世合わせても女性経験はありません)

 

 

 

そう俺と耕平が言い争っていると・・・

「伊織はともかく、耕平。コイツを女として見るのならやめといた方がいいぞ」

「なんたって布団があるだけで、全裸の男がいる所で寝ようが気にしない奴だしな」

 

 

 

先輩たちが服を着ていた

 

 

 

「あれ?先輩たちが服を着るなんて珍しいですね。なにかするんですか?」

「まあ今日は外でやることがあるしな」

「そのために梓を呼んだんだ」

先輩たちが服を着ていて、梓さんを呼んだ理由?

ああそうかアレをするのか。

 

 

 

「だからお前たちもさっさと服に着替えて外にこい」

そう先輩たちは全裸の俺たちに向かって言った。

ふう、環境に慣れるって怖いな~




梓さん登場!!
これで主要メンバー全員が出てきました。
全員集合するまで長かったような短かったような。
(あれ?まだ誰か足りないような・・・まあいっか)


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15話 ミスコン大作戦(伊織編)

「ほい完成」

「「お~」」

その後外では梓さんが俺たちの目の前でお好み焼きを焼いていた。

 

 

 

「普通に美味い」

「でもなんでお好み焼きを作るんですか?」

梓さんが作ったお好み焼きを食べながら、耕平が時田先輩に尋ねた。

 

 

 

「伊豆春祭では俺たちのサークルはお好み焼きを売る」

「その売り上げをサークル予算の足しにするからな。美味くなきゃ困る」

なるほど・・・

今日は伊豆春祭で俺たちのサークルが出すお好み焼きを美味く作るための練習か。

売るものは映画と変わらないんだな。

 

 

 

「というわけで。今日やることは1年生にこのお好み焼きを作れるようになってもらうことだ」

「俺たちはその間、機材の準備に行ってくる。準備が終わったらみんなで食いに行くからたくさん焼いといてくれ。じゃ、梓。あとは頼んだぞ」

「りょ~か~い」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「じゃ始めようか。えっと北原伊織君と今村耕平君だっけ?」

「はい」

「そうです」

「ん、よろしくね~。じゃとりあえず私と今村君、北原君とちーちゃんでペアを組んでやってみようか」

よし!!まさかこんな早くに説得できるチャンスが来るとは!!

こんなこと滅多にないぞ!!

千紗からミスコンに参加するという口約束を引き出せるチャンスだ。

お好み焼きを作りながら、俺は作戦を開始した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なあ千紗。俺このサークルに入れてよかったよ」

「何急に。どうしたの?」

「今までダイビングとか興味がなかったけど、まさか水の中がこんなに素晴らしい世界だなんて気づけて良かったよ」

「そう・・・」

「それもこれも千紗のおかげだ。ありがとうな」

「お礼を言われることじゃないよ・・・」

 

 

 

おっ、千紗の奴。一気に機嫌がよくなっていったぞ。

よし、もう一押し

 

 

 

「それでさ、俺。気になったことがあるんだ。ダイビングってとても素晴らしい活動だと思うけど、みんなあまりその魅力を知らないんじゃないかって」

「まあそうだね。ダイビングは手軽にやれる活動じゃないから。ダイビングの魅力が知らない人も多いかも」

「そうそこなんだよ。俺はみんなにもダイビングの魅力を知ってもらいたい。だからさ、千紗」

「な、なに?」

 

 

 

俺は千紗の手を握り目を見つめて言った。

「ミスコン、出てみないか」

「嫌」

「そうかそうかありがとう、ミスコンに出て・・・え?」

千紗はそう言うと俺の手を振りほどき、お好み焼きの練習に戻った。

 

 

 

「どうしてだ、千紗。ダイビングの魅力を伝えたくないのか!」

「それがどうしてミスコンに出ることに繋がるのよ」

「ほら、あれだよ。ミスコンでのアピールタイムで言えるからだよ」

「嫌だったら嫌。絶対に出ないから」

 

 

 

「二人とも終わった~?じゃあ次は私とちーちゃん、北原君と今村君のペアでやろうか」

「分かりました」

「千紗!ちょっとまって・・・話を・・・」

 

 

 

千紗の奴、足早に梓さんのところに行きやがった。

クソ、どこで俺は間違えたんだ。

もう俺の残っているカードはジョーカーしかない。

これはあまり使いたくなかったが俺の保身のためだ。

やむを得ん・・・




長くなったので分割します


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16話 ミスコン大作戦(千紗編)

「そういえばちーちゃん、伊織とあの時何話してたの?」

お好み焼きを作る練習も終わったその夜、私はお姉ちゃんと店の端で話していたら梓さんがやってきた。

 

 

 

「ええと。ミスコンに出てくれって」

「へえ~。で、返事は?」

「断りました」

そんなの当たり前だ。

ミスコンになんて出たくないし、何より恥ずかしい。

そう思っていると・・・

 

 

 

「千紗!これで頼む。ミスコンに・・・ガハッ」

何をとち狂ったのか、あのバカは裸で土下座して頼んできた。

土下座をしたらミスコンに出てくれるなんて思ってるの?

それともそんなに地面と口づけするのが好きなの?

それなら足で頭を踏んであげるから好きなだけ地面と口づけしてたらいい。

この状態(伊織が千紗の足で頭を踏まれている)が続いていると、梓さんが・・・

 

 

 

「伊織~ダメだよそれじゃあ。頼みごとをする時はちゃんと理由を言わないと。ほらほら、ちーちゃんも足を退けて」

そう言われ私は伊織の頭から足を退け、顔を上げた伊織はこう言った。

 

 

 

「いや~千紗がミスコンに出れば優勝して賞金ももらえるし、俺は男コンに出なくてすむかな~と」

「このクズ。絶対出ない!」

「千紗~頼む話を・・・」           VAMOS!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの後伊織は先輩たちに連れていかれた。

あのバカ、やっぱり自分のことしか考えてない。

絶対にミスコンなんかに出ないという意思を固めてると・・・

 

 

 

「ちーちゃん、ミスコンぐらい出てみたら?」

梓さんが私にこう言った。

なんで?疑問が顔に出ていたのかさらに梓さんが話しかけてくる

 

 

 

「伊織ミスコンにちーちゃんが出たら優勝するって思っているでしょ?それってさ、ちーちゃんが一番可愛いと思っているからじゃない?私は女冥利に尽きると思うな~。ねえどうかな、出てみたら?」

私は梓さんが言ったことを考えてみた。

梓さんは私の返事を待っているのかそれ以降何もいわず、ただ黙って私を見ていた。

私は手に持っている飲み物を一気に飲み干し、梓さんに答えた。

 

 

 

「別に何が何でも反対じゃないです。でも・・・」

「でも?」

続きを待っている梓さんにこう言った

 

 

 

「ただ私だけに恥ずかしい思いをさせようっていう考えが気に入らないんです!!」

「なるほど~。そりゃそうだね、男の子らしくないもんね」

そういうと梓さんが私に意味ありげな目で見てきた。

 

 

 

「何ですか!!」

「いや何も~。じゃあさ、こうしよっか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

酒を大量に飲まされて頭が痛い・・・

クソ、久しぶりのVAMOS!!のせいで千紗を説得するチャンスがなくなった。

やっぱり運命は変えることができないのか。

そう一人で嘆いていると時田先輩が近づいてきた

 

 

 

「伊織、お前のおかげで千紗ちゃんがミスコンに出るというと連絡があった」

なんだと・・・やはり神は存在したのか。、

俺は一人で喜んでいるとさらに時田先輩が・・・

 

 

 

「そして伊織、お前に渡すものがある」

まったく時田先輩ったら、俺がサークルのために動いたことがそんなに嬉しかったのか、俺にお礼を渡してきた。

苦労して千紗を説得したかいがあったものだ。

いったい何だろう?軽いからもしかしてお金とか!!

俺は心が躍りながら、時田先輩から渡されたお礼を見ると・・・

 

 

 

女子高の制服だった

 

 

 

「いったいこれは何ですか!!」

「千紗ちゃんからミスコンに参加する条件として伊織も男コンに出ることだそうだ。まあネタ枠として頑張ってくれ」

「畜生ー!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これでいいでしょ?」

「まあちょっとすっとしました」

梓さんのたくらみが成功したようで、伊織の絶叫が店に響いた。




就活、授業、卒論のトリプルコンボが迫ってくるのでこれから不定期投稿になります。(何回目の不定期投稿宣言だよ!!)
1日1本23時に投稿できたらいいな〜(不定期投稿とはなんぞや)


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17話 伊豆春祭、開幕

「伊豆春祭、開幕で~す」

「「「いえ~い」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

伊豆春祭、この日がとうとう来てしまった。

祭り独特の雰囲気に充てられてか、先輩たちや耕平もいつもとは違い、どことなく浮かれている。

しかし俺はそんな気にはいっさいなれない。

なぜならここが重要な分岐点(俺の生死の分かれ目)となることを知っているからだ。

特に千紗には十分目を光らして見張っていかないと・・・

俺は気を引き締めて祭りに臨んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「千紗ちゃん、梓。お疲れ~。どう?売り上げは?」

最初に店番を任されてた私と梓さんの元にお姉ちゃんが店を見にやって来た。

 

 

 

「ん~そうだね、まあぼちぼちは売れているんだけど・・・向こうに商売敵がいてね。思ったより売り上げは伸びていないかな~」

梓さんが言ったとおり、私たちが出しているブースの近くの店にお客が流れているからか、売り上げがあまり伸びていない。

確か・・・なんていう名前のサークルだったっけ?

 

 

 

「あ~。ティンカーベルが近くにいるのか~。それじゃ伸びなくてもしょうがないね。だってあそこのサークルすごくイケメンの子が多いから女の子がいっぱい寄っているから。女の子のお客さんはみんなあっちに行ってるんじゃない?」

お姉ちゃんがそう言っているのを聞いて思い出した。

ああそうだ、ティンカーベルだ。

確かテニサーだったっけ?まああまりいい噂は聞かないけど。

私がそう思っていると向こうからティンカーベルの服を着た男性がやってきた。

 

 

 

「やあ、ゴメンね。君たちの店の近くにうちの店があるせいでお客さんを取っちゃって」

なにコイツ。

一気に不機嫌になった私の気も知れずコイツは梓さんに話しかけた。

 

 

 

「この様子じゃもうお客さんもこないと思うしさ、どう?うちのテントに来ない?そっちの娘もどう?絶対楽しいからさ」

「あ~そういうのはちょっとね~」

「いいじゃん、こんな店なんてほったらかしてさ。こんなカワイイ娘たちをほったらかして遊びに行ってる奴らのことなんて気にせず俺たちと遊ばない?」

「あの、買わないんならどいてくれませんか?」

「わかった、わかった。じゃあ買うからさ、ライン教えてくれない?」

 

 

 

はあ、うっとおしいな。

そう思っていると、

「どいたどいたー!!」

「天下のPaB様だぞ~、道を開けろ~」

あのバカたち(伊織、耕平)が下着で肩車をしながらこっちに向かってきた

 

 

 

「・・・あれ知り合い?」

ティンカーベルの人があのバカを見て私に尋ねてきた。

本当は知り合いだと思われたくないけど、しょうがない。

コイツにここから立ち去ってもらうためだ。

 

 

 

「はい、サークルの友達です」

「ふーん、そう。まあいいや。じゃ、また後で誘いに来るね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「とっとと失せろ、このリア充が」

「塩まけ、塩。二度とうちの敷居をまたぐんじゃねえぞ!!」

はあ~このバカたちのせいで一気に周りから(悪い意味で)注目されたじゃない・・・

まあアイツも帰っていったし助かったのは事実だけど、こいつらにお礼をいうのも癪だから何も言わないでおこう。

 

 

 

「はあ・・・ばーか」




小説を書いている時って辛い現実(就活、卒論)を忘れられるからいいよね・・・


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18話 The Point of No Return

The Point of No Returnー回帰不能点(この先進めば、もう二度と後戻りできない分岐点のこと)
             


全くリア充の奴らめ、女性がいるとわかると見境なく襲ってきやがる。

俺たちが帰ってこなかったらいったいどうなっていたことやら・・・

そう思い、俺は一通り塩をまき終えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で、伊織どうしたの?まだ交代の時間じゃなかったと思うけど?」

「ああそうだった。大事なことを言い忘れかけてた」

なんだろう。大事なことって?

 

 

 

「今から千紗がミスコンで着る衣装を選びに行くぞ」

忘れてた、私ミスコンに出るんだった。

 

 

 

「店番はその間は時田先輩と寿先輩が変わってくれるそうだ。じゃ行くぞ。あ、梓さんも休憩に行っていいそうですよ」

「いや~私はちーちゃんの晴れ着姿を見たいからついて行こうかな〜」

「私も~」

「え!!お姉ちゃんや梓さんも来るの!!」

恥ずかしい。絶対嫌だ。そう思いわずかだが抵抗すると・・・

 

 

 

「ほらちーちゃん行くよ」

「千紗ちゃんを可愛くしてあげるからね」

まったくこの二人は気にしていなかった

 

 

 

嫌だ、この二人に任せると何か嫌な気がする。

そう思っていると・・・

「あ~千紗を着せ替え人形にしようとしているところすみません。実は千紗の衣装はすでに耕平があらかた先に決めて、もう準備しているんですよ。だから今からするのは千紗がそこから選んでもらうだけの作業になるのでお二人が楽しみにしているようなことはしないんですよ」

 

 

 

私の衣装を準備していたなんて初めて聞いた。

それより()()今村君が決めたの・・・

ん〜。まあこの二人に比べたらマシかな。

 

 

 

「え~そんな~。千紗ちゃんに絶対に似合う可愛い服を持ってきたのに~」

そう言いながらお姉ちゃんが普段私が絶対に着ないであろうオフショルのワンピースを出して見せてきた。

あれを着るなら今村君が選んだ服を着よう。

そう心に決め、衣装がある体育館へと行くと・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「絶対嫌!!」

「なぜだ古手川、この衣装の何がいけないんだ!!」

スクール水着を手に持っていた今村君を断った

 

 

 

「おい耕平。確かに千紗には合うかもしれないが、これはミスコン的にはアウトだろ」

珍しく伊織が私の意見を代弁してくれた。

でもその前に、この衣装(スクール水着)が私に合うってどういうこと?

あとで問い詰めよう、そう心に刻んだ。

 

 

 

「わかった・・・ならこれを・・・」

「それも嫌!!」

今度は子供向けアニメで登場する変身ヒロインの衣装を手に持っていた。

この人、普通の服は持っていないの?

 

 

 

「おい耕平、普通の服はないのかよ」

「そのようなムダな物、俺が持っているわけないだろ」

はあ、こいつらに任せていた私がバカだった。

衣装がないんじゃミスコンには出られない。

先輩たちには悪いけどミスコンは辞退しよう。

そう思っていると私の肩を誰かが叩いた。

いったい誰だろう?振り返ると・・・

 

 

 

「ちーさーちゃん」

満面の笑みで(オフショルワンピ)を持っているお姉ちゃんがいた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おい千紗、緊張しているのか?」

「・・・」

 

 

 

伊豆春祭は二日目となり、この日最大の見どころとなるミスコン・男コンが近づいてくると千紗の口数も少なくなった。

まったく、緊張しいな所は昔から変わらないな。

 

 

 

そう思っていると・・・

「はあ・・・ちょっと水飲も」

「!!!」

 

 

 

緊張をほぐすためか千紗はそこに置いてあったペットボトルの水を飲もうとした。

キタ!!俺は千紗が飲もうとしたペットボトルを奪い取った。

 

 

 

「ちょっと!!何するの!!」

「いや~緊張している千紗様のために俺が水を注ごうかな~と」

そう言い、俺は奪ったペットボトルの水をコップに注ぎ・・・

 

 

 

カチッ  ボッ!

「「・・・」」

 

 

 

ライターで火をつけるとコップの水が燃えた

 

 

 

「ふう、全くいったい誰がペットボトルの水を酒に入れ替えたんだか。千紗、お前もウチのサークルに入っているんだから気をつけろよ」

「いやなんでペットボトルの水がお酒に変わっているのよ」

「まあ気にするな。それよりこっちは本当の水だ。ちゃんと店で買ってきたし、開けていないから安心して飲んで大丈夫だぞ。まあ気になるならコップに注いでさっきみたいに確認するのも手だが」

「いやいい。ありがと」

 

 

 

「ミスコンに参加する方は集合してくださいー」

「お、千紗行ってこい」

「うん、行ってきます」

そう言い、千紗はミスコンへと向かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アブねー助かった。

やっぱり映画と同じで千紗が飲みかけた水は酒だった。

これでアイツは酔ってミスコンに出るようなことはないから、映画のようなことは起きないはずだ。

いやーよかったよかった。

 

 

 

そう安心して俺はミスコン会場へと向かった。

だか俺はその時まだ気づいていなかった。

この世界がそんな甘いわけがないことを。

 




映画の惨劇を防ぐことに成功しましたが、原作の惨劇が近づいていることには気づかない伊織君でした(原作を知らないから知る由もないんですけどね・・・)
いや〜授業がzoomなので執筆が捗る、捗る(真面目に授業を受けろよ!!)
あと18話にしてようやくルビ、傍点の機能の使い方が分かりました(遅い!!)


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19話 誰が死地へと赴くのか?

「おい、伊織。こっちだ」

俺がミスコン会場に着くと、先輩たちがすでに席を取っていた。

 

 

 

「お疲れ様です。あれ、奈々華さんはどこですか?」

奈々華さんがいない?おかしいな。

千紗のことを可愛がっている奈々華さん(シスコン)がいないなんてどうしたんだろう?

そう思っていると、

「ああ、奈々華さんならあそこだ」

 

 

 

時田先輩が指さした先を見ると、会場の一番前でカメラ(プロ仕様一眼レフ)を構えている奈々華さんがいた

 

 

 

「奈々華さんがこんなチャンスにいないわけがないだろ」

時田先輩がそう言った。

確かに千紗がミスコンに出るのに、()()奈々華さんが出てこないわけがないな。

 

 

 

「そういえば千紗ちゃんの様子はどうだった」

「まあ緊張していましたけど・・・」

寿先輩と俺が千紗の様子について話しているとミスコンが始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はい、ティンカーベル~」

「「ケバイ・・・」」

ミスコンの一番手がネタ枠とか、あの子のハートはダイヤモンドなのか・・・

あの子が所属しているティンカーベルからは笑い声が上がっている。

なんだろ・・・嫌な奴らだ。

 

 

 

 

「もういいよ。十分笑ったから、帰っていいよ」

ティンカーベルの奴らからヤジがとんだ。

「・・・ひどいな」

時田先輩がそう呟き、険しい顔でステージを見ていた。

 

 

 

「そういうことですのでお疲れさまでしたー。以上、ティンカーベルの吉原さんでしたー」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はい、続いてはダイビングサークルPaBから、古手川千紗さんの登場です」

お、千紗の出番だ。

 

 

 

千紗の登場により、会場が一気に湧いた。

まあさっきがネタ枠だったから、その逆で攻めてきた千紗をみると分からないこともない。

そう思えるほど今の千紗は可愛かった。

 

 

 

けど、

「では古手川さん、普段は何をされているんですか?」

読書です

 

 

 

千紗の奴、緊張しているからか表情も固く、受け答えも淡々としている。

こんなんじゃミスコンを優勝できないぞ。

先輩たちも同じようなことを思ったのか、

「まずいな。このままじゃ負けてしまうぞ」

「おい耕平。何か手はないのか?耕平はその手のゲーム(ギャルゲー)に詳しいんだろ?」

先輩たちはこの状況を打破するため、耕平にアドバイスを求めた。

 

 

 

「まぁ確かにその手のゲーム(ギャルゲー)には詳しいですかね。ああいう無口なクールキャラを輝かせるとなると・・・。そうですね、滅多に見せない笑顔を見せるとかはどうですか?」

耕平が案をだしたが、俺はいい案ではないと思った。

 

 

 

「いや耕平。千紗の奴、普段から笑わないから無理じゃないか?」

「なるほど・・・。では俺たちが恥ずかしい格好をして笑わせるとか?」

「やめておけ。ゴミを見る目で見られて終わるだけだと思うぞ?」

まったく耕平の奴、建設的な案はないのか

 

 

 

「じゃあこれならどうだ?おい伊織、今日の古手川の服を見てみろ」

今日の?耕平に言われ千紗を見ると、

「スカートだが?」

「そうだ、()()()()()。あとは言わなくてもわかるだろ?」

耕平は伊豆春祭で手に入れたスーパーボールを手に持ち、俺にこう言った。

 

 

 

「おいまさか、お前・・・」

「そうだ、スカートめくりをして古手川に恥じらいさを出させ、観客に受けさせるぞ」

「却下だ、却下!お前千紗に殺されたいのか!」

それを実行すると死人が必ず出る。

 

 

 

俺は反対していると先輩方が、

「だがそれしか案はないのだろ?」

「優勝するためだ。やるしかない」

先輩はやる気だ。だが俺は火を見るよりも明らかな結末()に懸念を抱いていると、

「ならこれでどうだ?全員で一斉に投げて実行犯を特定させないというのはどうだろうか?」

耕平がこのように提案した。

確かに・・・これなら誰が投げたかわからない。

この状況を打破するには大きな賭け(チップは自分の命)だがやってみる価値はある。

 

 

 

「よしやるぞ。いっせーのーせ」

耕平が掛け声をあげると、俺たちは千紗の足元にボールを投げた。

俺が投げたボールはたまたま一直線に千紗のスカートの下へと届き、スカートをめくることに成功した。

これを見て会場は一気に盛り上がりを見せた。

 

 

 

「よし一気に畳みかけろ!伊織!!」

「ナイスコントロールだ!いいぞ伊織!!」

「さすが伊織!!俺たちに出来ないことを平然とやってのけるっ。そこに痺れる!あこがれるぅ~」

・・・エ?

 

 

 

俺は振り返ると、先輩と耕平はボールを投げていなかった

 

 

 

「コレ、マズインジャネ」

俺はそっと会場を見ると千紗の奴が

 

 

 

涙目で睨んでいた

 

 

 

あ、コレオワタ。




結局同じような結末になる伊織君でした


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20話 伊織、起つ!!

連休前なので今日は2本投稿!
さて、今から午後受けるテストの勉強やるか・・・


「い~お~り~?どこにいるの~?」

千紗は金属バットを引きずりながら俺を探していた

 

 

 

「おい、とっとと処刑されたらどうだ?」

「耕平・・・。てめー他人事だと思いやがって!お前のせいだぞ!!」

耕平の作戦(スカートめくり)の全責任を負わされた俺は、殺しにかかってくる千紗から隠れていた。

クソ!映画のフラグは完璧に断ち切ったのにどうしてこうなったんだよ!!

 

 

「おい、どうしてくれるんだ耕平!!」

「はあ、仕方がないな。とりあえず、男コンに出る出場者用の控室に行くぞ。ミスコンが終わった古手川はもうそこには入れないだろ」

しょうがない・・・。

結果は変わらないが、時間延ばしには有効だろう。

そう思い二人で控室に向かうその途中で、

 

 

 

ミスコンでネタ枠となっていた女性(ケバコ)が酒を飲んで黄昏れていた

 

 

 

「おい・・・耕平」

「ああ。触れないでおこう」

俺たちはその人(ケバコ)に気づかれないようにその場をそっと通り過ぎようとしたその時、

 

 

 

「ちょいあんたら~!!」

げっ。気づかれた。

どうやってやり過ごそうか。

そうだ耕平に押し付けよう。

 

 

「ウチ頑張っとるやろ~」

「お、おう。頑張っているぞ」

耕平、さっさと切り上げろ。

 

 

 

「化粧も研究して、服も慣れないのを着てみて、しゃべり方とかいろいろ変えてノリにも合わせたんよ~。楽しい大学生活を送れるために頑張ったんよ。でもその結果があんなふうに言われるなんて・・・」

 

 

 

「もういいよ、十分笑ったから。帰っていいよ」

 

 

 

俺はあの時ティンカーベルの奴らが言ったことを思い出した。

「やっぱり無理に変わることがダメやったんかな・・・。変わっても私は笑われる側なんかな・・・」

ケバコが話し終えると俺は耕平を見た。

おっ、あいつも同じことを考えているのか頷いていた。

 

 

 

「おい、お前この後暇か?」

「この後って・・・。そりゃもうあのサークルになんか戻りとうないし・・・」

「ならよかった。男コンを見にこい。面白いもんを見せてやるよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「梓さん。ちょっといいですか?」

「お、伊織~。生きてたんだ。さっきちーちゃんが人を殺せそうな目つきで伊織を探してたからさ、安心したよ~」

「・・・」

梓さんから聞きたくない報告があったが無視しておこう。

このまま聞いていると、精神衛生上よろしくないからな。

 

 

 

「ま、まあそれは置いといて・・・。梓さんに協力してもらいたいことがあるんですよ」

「協力?なになに、言ってみな~」

「ええと・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「皆さんありがとう」

「以上テニスサークルティンカーベル会長工藤君でしたー」

 

 

 

 

「そろそろ耕平の出番じゃないか?」

トッキ―がそう呟いた。

じゃあそろそろかな。

 

 

 

「そういえば梓さん、さっきどこに行ってたんですか?」

「ん~伊織に呼ばれてね~」

「どこにいるんですか?あのバカは」

おおっと、ちーちゃん落ち着いて。この場で金属バットなんて出すと周りから注目されるよ?

 

 

 

 

「まあまあ落ち着いて。今から面白いことが起きるからさ、ゆっくり見ようよ」

「ほう、あの二人、何かやらかすのか」

「まあまあそれは見てからのお楽しみってとこかな」

私はブッキーの追求を躱すと、

「では次はダイビングサークルPaBから今村君の登場です」

アナウンスと同時に耕平が登場した。

 

 

 

「おお、似合っているじゃないか。馬子にも衣裳ってやつか」

トッキーがそう言うのも無理はない。

ホスト風の衣装を完璧に着こなした今の耕平は、この場にいるイケメン達にも引けを取らない男になっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて今村君、何か言うことはありますか?」

司会がそう言うと、今村君は黙ったまま会場に向けて頭を下げ、手を伸ばした。

アイツ何するつもり?

 

 

「浜岡梓さん。初めて会った時から俺はあなたに惚れていました。ティンカーベルの工藤会長じゃなく俺を選んでくれませんか?」

えっ今村君、梓さんのこと好きだったの!

私は横に座っている梓さんを見ると、いなかった。

どこに行ったんだろう?探していると梓さんは今村君の目の前にいた。

一体いつの間に移動していたの!梓さん!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ったく。あのヤロウ・・・何勝手なことをしやがってるんだ」

PaBのバカは俺が前から狙っていた女に告白した。

はあ、格の違いを見せてやるか。

 

 

 

「梓さん俺の方にお願いします」

「おおっとこれは。ティンカーベルの工藤会長も参戦、これはどうなるのか!!」

 

 

 

この状況に合わせてか、会場の照明が暗くなりステージ上の二人にライトが浴びている。

梓さん、どうするの?

私は緊張して梓さんがどちらの手を取るのか見つめていた。




伊織君はこの辺でケバコの存在を思い出しました(まあそれまで自分の保身しか考えていなかったので・・・)


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21話 伊豆春祭、閉幕

本日2本目!
皆さんテスト勉強は余裕を持ってやりましょう


間を置いて、梓さんは今村君じゃなくティンカーベルの会長の手を取った。

「おおー工藤会長を選びましたー」

 

 

 

その結果を受けて会場が湧き上がっている。

そんな・・・梓さん。

今村君の中身(オタク)を知っているからって何もあんな奴の手を取らなくても。

私は梓さんの選択に戸惑った。

 

 

 

「そういうことだよ、君。人にはそれぞれ釣り合いがあるんだ。まあ君に似合うふさわしい女性が見つかるさ」

やっぱりアイツ、嫌な奴。

今村君もなんで言い返さないの!

 

 

 

「お似合いの人、ね」

「ふふふ・・・」

今村君と梓さん、なんで笑っているの?

私が不思議がっていると、

「「あはははは」」

梓さんだと思ってたら伊織だった

 

 

 

「残念でしたーあなたの手を取った人は男でーす!」

ティンカーベルの会長が固まっている。

無理もない、わたしだって驚いている。

少し会長に同情していると、

「どう、面白いことが起きたでしょ」

梓さんが戻ってきた。

 

 

 

「梓さん、これはどういうことですか!」

「ほらちーちゃん、さっき伊織に呼び出されたって言ったでしょ。実はね・・・」

梓さんが話し始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「協力?なになに、言ってみな〜」

「ええと・・・。簡潔にいうと男コンでティンカーベルの会長を嵌めたいので協力してくれませんか?」

「どうして?確かにアイツにはあまりよい印象を持ってないけどそこまでする必要ある?」

私は昨日アイツにナンパされてたことを思い出しながら言った。

 

 

 

「すみません。詳しいことは話せないんです。でも協力してくれたら・・・」

「協力したら?」

「面白い光景を見せることをお約束します」

「しょうがないね~。わかった、協力するよ」

「ありがとうございます!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「というわけで照明が暗くなっている間に私と伊織が入れ替わって今の状況になったっていうわけ。それよりあの二人すごいよね~。工藤を嵌めるためとはいえ、会場の照明係まで抱き込むなんてさ。一体どうやって買収したんだろ?」

私が唖然としているとステージ上では、

「お、おい。待てよ。俺は・・・」

「いや~どうしよ耕平君。私会長さんに告白されちゃった」

「悔しいけど俺は身を引くさ。なんたって俺は君とは釣り合えていないって会長に言われたからね」

 

 

 

チョット クドウサン ドウイウコト!

アノヒト オトコガ スキダッタノカヨ

 

 

 

「みんな違うんだ・・・これは・・・」

「あ~そうそう、会長。もう十分笑ったんで」

「「()()()()()()()()」」

 

 

 

「おー伊織、耕平いいぞ」

「よくやった、お前ら」

ステージ上で起きているのを見て、時田先輩や寿先輩がステージ上の伊織と耕平に声をかけてた。

会場はこの結末を受けてどんちゃん騒ぎが続いている。

 

 

 

・・・あれ。ステージの端にいるのはミスコンで出ていたティンカーベルの人だ。

伊織はその人に向かって何か声をかけていた。

「ちーちゃん、何を見て・・・あー伊織の奴。あの子のためにやったっていうわけだ」

なんだろこの気持ち、とてもムカムカする。

私は気分がすぐれないまま男コンは閉幕した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

伊豆春祭最終日である次の日。

最後のイベントとしてミスコン、男コンの表彰式が始まった。

「ミスコン優勝は古手川千紗さん、男コン優勝は・・・北川伊織さんです」

なんとPaBの二人が優勝を独占した。

 

 

 

「しかし酔いつぶれて死んでいる伊織はともかく、千紗ちゃんはどうにも不機嫌そうだな」

「まあそりゃそうよね」

「どういうことだ、梓」

ブッキーが尋ねてきたからこう答えた。

「だってちーちゃん、伊織のお願いで仕方がなくミスコンに出たのにさ、その肝心の伊織はあのティンカーベルの子のために男コンを頑張っていたじゃない。そりゃ腹立つよね」

「確かに・・・」

「そりゃ怒るよな」

 

 

 

そう言っていると

「では最後に古手川千紗さん、今の気持ちをどなたに伝えたいですか?」

「そうですね。横で酔いつぶれている彼氏に伝えたいと思います」

「「「!!!」」」

 

 

 

ちーちゃんがそう言うと一気に会場が荒れ始めた

コロセ! コロセ! コロセ!

 

 

 

「なるほど・・・伊織を男除けに使ったか」

トッキーがしみじみと呟いた。

まったくあの子らはどうするつもりなんだろね・・・それより。

私は横を見ると、ちーちゃんを撮っていた奈々華がその手に持っていた高そうなカメラを握りつぶしていた。

 

 

 

伊織・・・今日死ぬんじゃない?




解説という名の何か
「伊織君がbad endから逃れるには千紗ちゃんをミスコンに出場させないことが条件でした。
(この結末から振り返ると、回帰不能点は16話だったのかもしれません。さすがに18話の時点で千紗ちゃんを出場させない手段はないでしょうから・・・)
伊織君の受難はさらに続きます。頑張れ!伊織君」


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22話 鬼ごっこ

後書きを絶対に読むこと


「おい、伊織。どうしたんだ?そんな死んだ目をして」

耕平がいつも通り(パンイチ)の姿で話しかけてきた

 

 

 

伊豆春祭が終わったあの後、さらに飲み会が続き、その翌日。

俺たちはいつものように大学前でパンイチになって起き、二人で教室に座っていた。

 

 

 

「それになんだか周りの視線がいつもと違うんだが。伊織、なにか知っているのか?」

ああ、知ってる。知っているよ。

俺はこれから起こるであろうことを思い、耕平の質問を答える気にはならなかった。

 

 

 

「俺は知らん。他の人に聞いたらどうだ」

「嫌だ!知らん奴に声をかけて拒絶されたら怖いだろ!」

あ・・・こいつ人見知りだっけ?

まあいいや、もうどうでもいい。

そう思っていると、

 

 

 

「北原、ちょっといいか?俺はお前と同じ学部の野島と・・・」

「山本だ」

あ、映画に少しだけ出ていた奴だ。

でもこいつ等が出てくるということは、

「お前に聞きたいことがあるんだ」

「ちょっとさ、教えてほしいんだよ。お前如きブスで変態で頭のイカれた奴でも古手川千紗さんっていうあんな可愛い彼女ができる催眠術を」

ほら来やがった。このバカコンビ。

俺はどうやって逃げようかと考えていると、

 

 

 

「おいおい。いくらなんでもそれは嘘だろ。古手川に確認してきたらどうだ、伊織?」

どうしてこういう時にかぎって助け舟を出すんだ、耕平!!

俺はしぶしぶ千紗を見ると、

 

 

 

満面の笑みで俺に手を振っていた

 

 

 

「・・・おい伊織、お前いったい何をしたんだ?」

「・・・何もしてねえよ」

「イヤあれは絶対何かあるだろ。お前と付き合っているという噂について、本人に聞いてみたらどうだ?」

絶対嫌だ、そう思っていると、

 

 

 

「き~た~は~ら~君?付き合っていないんだよね?じゃあ古手川さんに聞きに行っても問題はないんじゃないかな?」

野島と山本が殺気だって近づいてきた。

とりあえずまずはコイツらから対処しよう。

 

 

 

「なあ千紗」

「なあに伊織、話なら後で二人きりになってすればいいじゃない」

ドス ドス ドス

シャーペンで机を指す音が聞こえた

 

 

 

「なあ、お前ら一体いつから付き合っていたんだ?」

「あ、今村君。そうね、学園祭の前からね~」

ブスッ

千紗がこのように言うと、俺の顔を横切って脅迫状が壁に刺さった。

ワカレナイト キサマヲ コロス

 

 

 

「別れないと殺すって書いてあるが伊織どうするんだ?」

「ありがと~伊織。私のために命を賭けてくれるなんて。伊織ダイスキ」

部屋中に殺気だった空気が満ち始めた

すると、

 

 

 

ポンポン

「もういいよ北原君、お前のことはよ~くわかった」

肩を叩かれ後ろを振り向くと、野島と山本を筆頭に軍手とスコップを持った男たちが俺を取り囲んでいた

 

 

 

「北原君、君に選択肢を与えよう。自ら穴を掘って埋められるか、殴られて気絶している間に俺たちが掘った穴に埋められるか、どっちがいい?」

野島が言い終える前に俺は窓から逃げた。

 

 

 

「おい、お前ら!アイツを絶対に生きて帰すな!うちの学部の高嶺の花だった古手川さんと付き合いやがったアイツに地獄を見せてやれ!!」

サー、イエッサー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ミツケタカ?  

イヤ、コッチニハイナイゾ!

 

 

 

クソ!アイツら、俺を完全に殺しにかかっていやがる。

俺はいつもの草むらに隠れていた。

なんでただの学生が警備員よりも厳重な包囲網をこんな短時間に敷くことができるんだ。

頭のリソースの分配の仕方がおかしいんじゃないか。

 

 

 

俺はひとり愚痴ったが今はそんなことじゃない。

時間が経って不利になるのは俺の方だ。

段々と包囲網が狭まっているのがわかる。

 

 

 

すると、

「こんなところにいたのか伊織」

「!・・・なんだ耕平か。驚かせるなよ」

背後にいたのは耕平だった。

 

 

 

「で、どうしたんだ。今はお前にかまってやるほど余裕が・・・」

「お前を逃すのを手伝ってやろうとな」

なんだと・・・助かった。

 

 

 

そう思っていると、

「もちろんタダで手伝ってもらえるとは思っていないよな?」

そうゲスな目で俺を見てきた

クソ!人の弱みに付け込む卑怯者め!!

だがこの状況から逃れるためだ、俺は藁にも縋る思いで頼んだ

 

 

 

「なら耕平。お前が欲しがっていた今度販売予定のゲームを朝一で店に並んで買ってきてやる」

「・・・そうか、わかった。ついてこい、伊織」

助かった。やはり持つべきものは友だな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は耕平について行った。

しかし、

「おい耕平。俺の気のせいかもしれないが、どうして大学の裏山に向かっているんだ?」

「・・・」

耕平は何も言わなかった

 

 

「耕平!お前まさか!!!」

「お前は俺の条件を飲んだ。だがな、伊織。お前より良い条件を飲んでくれる方に味方するのは当然だろ?」

そう言うと周りに隠れていたアイツらが出てきた。

 

 

「よくやってくれた、今村。まずは前払いだ。北原との遊び(処刑)が終わったら、さらに褒美をやる」

そう言い、野島は耕平に俺を連れてきた褒美(リンゴのカード)を渡した

 

 

 

「キサマ・・・よくも!!」

「悪く思うな伊織」

「「「さあキタハラクン、遊ぼうか」」」

「イヤー!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オイ ナンダアレ・・・   

イヤ カカワルナ・・・

 

 

 

 

翌日、大学の入り口前に、首から下は地面に埋められ、顔の穴という穴に雑草を詰め込まれた伊織がいた




今回出てきた人(特に伊織)は全員特殊な訓練を受けています。
絶対にマネをしないでください(何かあった際の責任はとりません)


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23話 23話だよ!!全員集合

「うう・・・酷い目にあった・・・」

俺は気がつくと、大学の前に顔中の穴という穴に雑草を詰め込まれ、首から下は地面に埋められていた。

全く、アイツらには人の心がないのか・・・。

なんとか脱出した俺は、このまま大学に行けるわけなく「グランブル」に戻ってきた

 

 

 

「ただいま戻りました」

「伊織君!いったいどうしたの、その恰好。昨日も帰ってこなかったし、心配したのよ」

奈々華さんが俺の格好をみて駆けつけてきた。

シスコンだけどやっぱり奈々華さんは優しいな・・・

 

 

 

「そういえば伊織君・・・」

「なんですか奈々華さん」

俺は奈々華さんに手当をしてもらっていると、

 

 

 

「千紗ちゃんとお付き合いしてるってどういうことかな?」

抑揚のない声で奈々華さんが聞いてきた。

俺は奈々華さんのシスコン度を甘く見ていたようだ。

軽く後悔していると段々と意識が薄れていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「伊織ーそろそろ起きろー」

いったいどれほどの時間が経ったのか、俺は梓さんに起こされた。

「まったく二日酔い・・・ではなさそうだね。さては奈々華かな?」

梓さん正解

「まあいいや。今日は新入部員が入ってくるから伊織も早く来て」

「新入部員?こんなサークルに入ってくるなんてどんな酔狂な奴ですか?」

「いや普通の子だから」

 

 

 

俺は広間にいくと、

「やあ耕平くん。よくのこのこと俺の前に出てこれたね」

「なんだ伊織。お前生きていたのか」

「ははは。親友をおいて逝けるわけないじゃないか」

「いやいや。おいて逝ってくれてよかったのに」

俺はコイツの不細工な顔面に殴り掛かった

 

 

「おいお前らそろそろ落ち着け」

「新入部員が入ってこれないだろ」

ッチ、先輩たちに注意させたらしょうがない。

ここは矛を収め、いつか思い知らしてやる

 

 

 

「ほら入って入って」

「ど、どうも」

おおー、まさかの女子。

 

 

 

「はい、自己紹介お願い」

「はい、青梅女子大1年吉原愛奈です。ティンカーベルを抜けて今日からPaBに入ります」

「「・・・」」

「「ケッ、ケバコー」」

「その呼び方やめてよー」

まさかコイツがケバコとは・・・。

映画だとロングヘアーのスタイルが良い女性だったのに、なんでこんな小さくてツルペタな女なんだ。

・・・まさか、こいつが原作のケバコなのか。

俺は想像していた人とは違っていたことに内心すごくショックを受けていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一通り落ち着いたころ、俺たちはケバコと話していた。

「おいところでケバコ。なぜこんなサークルに入ろうとしたんだ?」

耕平が、いや俺たちが今一番思っていたことを聞いた

 

 

 

「なんでって、このサークル、ダイビングサークルでしょ。憧れてたんだよね~」

なるほど至って普通な動機だな。

ダイビングサークルに入るなら。

 

 

 

「「ならこのサークルはやめておけ」」

「ここダイビングサークルじゃないの?」

ダイビングサークルか、懐かしい響きだな。

この前ダイビングしたのって何時だっけ?(12話です)

 

 

 

「おーい新入り、歓迎会をするぞ。こっちに来いー」

「あ、はーい」

 

 

 

「なあ耕平。どれくらいで染まると思う?俺は3日だ」

「ふ、甘いな伊織。俺は”この歓迎会中に染まる”、だ」

 

 

 

「じゃあ新入り、もう一度自己紹介を頼む」

「あ、はい青梅女子大1年の吉原愛奈です」

ポン

「ダイビングには前から興味はあったんですけど今までやったことはありません」

ポン

「なのでこれから頑張っていきたいと思います」

ポーン

 

 

 

「なんでみんな脱いでいるの!!」

「「それはこれがうちのサークルだからだ」」

まったくこんなことで驚いていたら身が持たないぞ

 

 

 

「さてお前ら・・・久し振りにやるぞ!”VAMOS!!”」

「「「VAMOS!!」」

 

 

 

「いい加減にしてー!!」

全裸で踊る俺たちを見て、ケバコの絶叫が店中に響き渡った




23話でようやく全員集合しました。
ここまで来るのに長かった・・・


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24話 Project : Get Activity CostsⅡ

今回は短いです(いつも短いぞという声は聞き入れません)
本日3本投稿するのでそれで許してください


「ねえねえ,ここ潜ってみたい」

ケバコがPaBに入ってからしばらく経ったある日。

アイツもすっかり水の中の魅力っていうやつにハマったのか、まるでダイビングサークルの一員かのように、毎日ダイビングについて語っている。

・・・あれ?うちってダイビングサークルだったっけ?(そうです)

 

 

 

「宮古島か・・・。でも金が必要だぞ」

「もう、なんでそんな現実をみせるのよ」

「でも奇麗だね。私もこんなところで潜ってみたいかも」

「俺はこっちの世界(二次元)に潜ってみたい」

「あ、耕平は勝手に潜っとけ」

 

 

 

「「・・・」」

 

 

 

俺たちはすっかり話に夢中になっていたのか、背後からの視線に気づけなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから一週間後、先輩方に俺たち1年は呼ばれた。

「先輩方、動ける服を持ってきましたけど何をするんですか?」

「酒でも飲むんですか?それならどうせ脱ぐんだし服なんていらないんじゃ」

「今日はテニスをする」

「「ちょい待てや」」

先輩達は急にテニスをすると言い出した。

 

 

 

「なんで急にテニスなんかするんですか?俺たちはダイビングサークル、ダイビングをすることが活動のサークルですよ」

(さっきまでPaBがダイビングサークルだと信じていなかった男の言葉です)

「そのとおりだ伊織。ではなぜテニスをするのか言うぞ」

時田先輩が真剣な声で話し始めたので、俺も真面目に聞こう。

 

 

 

「賞金目当てだ」

俺の真面目さを返してほしい

 

 

 

「先日ティンカーベルの会長から打診があってな。両サークルの親交を深めるため、テニスでのサークル対抗戦をしようとのことだ。まあテニサー相手にテニスなんてとは思ったが、向こうは自分たちが負けたらミスコン2位・男コン2位で獲得した賞金を渡すと言ってきてな。そこまで言われたら受けない手はないだろ」

 

 

 

寿先輩が対戦を受けた詳しい理由を述べたが、

「いやいやテニサー相手にテニスなんて無謀にもほどがありますよ」

「勝てるわけないじゃないですか」

俺と耕平は気が乗らない。

そりゃさすがに無理だ。

相手は本職、こっちは素人だぞ。

 

 

 

そう思っていると、

「さすがに戦力差があることは向こうもわかっているらしい。だから伊織と耕平を出すのなら、ティンカーベルからは会長以外全員1年生を出すと言っている」

寿先輩がそう続けた。

 

 

 

でもそれって、

「それって絶対俺たちに仕返しをするためじゃないですか」

「俺たちに恥をかかせようという魂胆が丸見えですよ」

 

 

 

俺たちがそう抗議すると、

「ああそれはわかる」

「でも俺たちはこう思うんだ」

「「お前たちの恥で賞金が手に入るのなら安いものだと」」

 

 

 

この先輩ら、俺たちを売りやがった

 

 

 

「まあそういうわけだ。大人しく恥をさらされてこい」

「骨は拾ってやるからな」

そう言って俺たちはティンカーベルが待つテニスコートへと向かった。

 



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25話 PaB VS ティンカーベル

「対抗戦は3試合、試合は男女混合ダブルスで行う。先に2勝したチームが勝ちだ」

俺たちはテニスコートに着き、この試合についての説明を受けた

 

 

 

「じゃあお前ら、このペアでやるぞ」

時田伸治/浜岡梓ペア

今村耕平/吉原愛奈ペア

北原伊織/古手川千紗ペア

 

 

 

なるほど・・・このペアで試合をするのか。

それより俺は気になったことがあった。

「寿先輩は試合に出ないんですか?」

「ああ、俺はさっきバイト先のマスターから急な用事をお願いされてな。この後行かなければいけないから、試合には出れないんだよ」

寿先輩大変だな。

バイト先のマスターということは、バーでアルバイトでもしているのかな?

 

 

 

そう俺が思っていると、

「よし、じゃ最初は俺たちだな」

「行ってくるね~」 

おっ最初は時田先輩、梓先輩ペアだ。

でも相手は1年生とはいえテニサーだ。

俺たち初心者がどれだけついて行けるかがこの勝負の鍵だ。

 

 

 

サービス PaB

「さてやるか・・・んじゃ、せぇの!!」

ドゴン

 

 

 

PaB 15-0 ティンカーベル

 

 

 

「「「・・・エ」」」

 

 

 

ナニアレ!時田先輩、テニス初心者だよな!

なんでどこかの王子様で出てくるようなあんな強烈なサーブ打ってるの!!

俺たちは時田先輩の予想外のサービスに驚いていると、

 

 

 

PaB 1-0 ティンカーベル

時田先輩が早くもサービスゲームを先取した

 

 

 

「なによあのサーブ、本当に初心者?」

「気にするな、どうせサーブだけだ。アイツらにリターンなんて出来ないさ」

相手の1年ペアは時田先輩のサーブに驚いていたが、すぐ落ち着きを取り戻した。

俺としてはもうちょっとパニクっている間に、ポイントをもらいたかったんだが。

 

 

 

「じゃ梓、リターンエース。頼むぞ」

「りょーかい」

 

 

 

サービス ティンカーベル

「よし、一本取ったれ」

「わかっ・・・た!」

バン

 

 

 

さすがテニサー。

1年とはいえ、俺たち初心者からしたら強烈なサービスだ。

これは梓さんには厳しいんじゃ・・・

 

 

 

「よいしょ」

パーン

 

 

 

PaB 15-0 ティンカーベル

 

 

 

「「「・・・エ」」」

 

 

 

「なんで梓さんそんな簡単にサービスを返せるんですか!!」

「なんでってボールを打ち返すだけなんだからそんなに難しいことじゃないよ」

「・・・」

俺は梓さんに質問したが、帰ってきた答えはまるで天才選手が答えるかのような回答だった

 

 

 

その後の試合は一方的だった。

こちらのサービスゲームはすべてキープ。

相手のサービスゲームはすべてリターンに成功。

その結果が・・・

 

 

 

第一試合 

Pab 6-0 ティンカーベル

 

 

 

時田先輩、梓先輩ペアの圧勝だった。

あれ?あの人たちテニサーに所属していたっけ?

ウチってもしかしたらテニサーだったのか(ダイビングサークルです)

 

 

 

「ナイスゲームです、時田先輩、梓さん」

俺たちは試合に勝利した時田先輩、梓さんを出迎えた

「ありがとね~」

「次は耕平、愛奈ペアだな。行ってこい」

「よし、耕平、ケバコ。このままの勢いで終わらせちまえ」

「ふ、任せろ!」

「う~緊張する」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第二試合は耕平、ケバコペアだ。

けどあいつらテニスをしたことはあるのか?

ケバコはわからないが、耕平は明らかにしたことがないに決まっている。

まず耕平のやつ動けるのか?

そう思っていると、

 

 

 

「ふっ」

パーン

 

 

 

PaB 15-0 ティンカーベル

 

 

 

ティンカーベルとの強烈なラリーに耕平が打ち勝ち、ポイントを先取した

 

 

 

「おい、耕平。おまえはスポーツが出来ないキャラのはずだろ!なんでそんなに動けるんだ」

「おい、伊織。アイツは味方だからいいだろ」

いや良くない

 

 

 

「なぜ俺が動けるかって?愚問だな伊織。今のオタクは動けるオタク、動けないオタクは過去のものだ」

なんだよその理論!

 

 

 

「まさか耕平の奴、こんな隠し玉をもっていたとはな」

時田先輩も思わぬ結果に驚いていた。

もしかするとケバコも・・・

 

 

 

パーン

「あっ」

 

 

 

PaB 15-15 ティンカーベル

 

 

 

「ケバコ―!!」

ティンカーベルの奴ら、耕平からケバコに狙いを変えやがった

 

 

 

「ゴメン、耕平」

「気にするなケバコ、お前が取れないボールはすべて俺がカバーしてやる。だからお前は思い切ってプレーしろ」

アノヒト誰?

ウチにあんな人いたっけ?

とりあえずアイツを潰すか・・・

 

 

 

そう思い俺は、耕平の水筒に(スピリタス)を入れようとすると、

「伊織?なにやってるのよ・・・。今村君を潰そうとしたらダメじゃない」

クソ!千紗にバレちまった。

そうこうしていると、

 

 

 

第二試合

PaB 7-5 ティンカーベル

 

 

 

なんと耕平、ケバコペアが勝った

 

 

 

「よくやったぞ耕平、ケバコ。お前らのおかげでウチの勝ちだ。帰って祝勝会をするぞ!」

俺はあいつらを称えた。

いやーよかった、よかった

 

 

 

ところが、

「ちょっと待てお前ら、試合は最後までしてもらうぞ!!」

工藤会長か、あのヤロウ俺たちの祝勝会モードに水を差しやがって。

 

 

 

「いやいや会長、もう俺たちが2勝しているんですよ。2勝!どうあがいても結果は変わらないんですよ。わかったら大人しく金を渡して尻尾を巻いて帰ってくれませんか?」

「クソ・・・」

まったく自分たちが負けたからって見苦しい奴らだ。

敗者は大人しく地面に這っていればいいのに。

 

 

 

「伊織君、試合をしてもいいんじゃないかな?」

一体誰だ、こんな奴らの味方をするバカは・・・

俺はそう言った奴を見た。




一体誰なんでしょうか(ヒント シスコン)


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26話 PaB VS ティンカーベルⅡ

「伊織君、試合をしてもいいんじゃないかな?」

「!!」

どうして奈々華さん、なんでこんな奴らの味方をするんだ。

 

 

 

「だって今日の対抗戦の本来の目的は、両サークルの親交を深めるための交流会でしょ。」

いいえ、賞金目的です

「だから結果は出ていても最後まで試合をした方がいいと思うの」

何が奈々華さんをここまで試合に拘らせるのか不思議に思っていると、

 

 

 

奈々華さんはカメラを手に持っていた

 

 

 

なるほど・・・千紗狙いか。

だが悪いが俺もここは引けない。

「残念ですが奈々華さん・・・」

「伊織君?」

「試合をさせていただきます」

俺は奈々華さんの笑顔を見て試合をしにコートへと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おいお前ら。奈々華さんの恩情で試合をやってあげるんだ。涙を流して感謝しろ!」

「伊織、いちいち煽らないの」

「くそ・・・あのヤロウ。目に物見せてやる」

「会長、頑張りましょう」

 

 

 

第三試合が始まった

 

 

サービス PaB

「やっちまえ千紗!お前のサーブでアイツらを終わらしてやれ!」

「私のサーブがまるで人を殺すような言い方を・・・しないの!」

 

 

 

パン

PaB 15-0 ティンカーベル

 

 

 

「ナイサー千紗。次もこのままやっちまえ」

「伊織、うるさい」

「切り替えるぞ、集中だ」

「はい」

よしこのまま試合を終わらせちまえ、千紗!

 

 

 

「いけ、千紗。もう一本」

「わかっ・・・た!」

 

 

 

パン

パン

 

 

クソ!千紗のサーブがもう返された。

その後、千紗とティンカーベルの奴らとの一進一退のラリーが続く。

頑張れ、千紗。奴らに負けるな。

そう思っていると俺のところにもボールが来た。

 

 

 

「伊織頼んだ」

「任せろ千紗」

アイツばっかりいい目を見させるわけにはいかない。

よし・・・ボールは見える。ここだ!

俺はボール目掛けてラケットを振ると・・・

 

 

 

スカッ     ポン、ポン、ポン・・・

ボールはラケットを通り過ぎた

 

 

 

「「「・・・」」」

 

 

 

 

「千紗!アイツら中々やるぞ、気をつけろ!」

「いや・・・伊織が出来なさすぎなだけだから」

なんだと・・・。俺は反論しようとすると、

 

 

 

「何やってるんだ伊織、このヘタクソが!!」

「うっせーぞ耕平、外野は黙ってろ!!」

クソ!自分は少し出来るからって調子に乗りやがって。

 

 

 

「おい、今からあのヘタクソを狙うぞ」

「分かりました」

「おい、てめーら聞こえているぞ。誰がヘタクソだ」

「いや、さっきの様子をみるとそう思われても仕方がないと思うけど」

千紗まで!

クソ!俺に味方をしてくれる奴はいないのか。

 

 

 

「それより伊織・・・。もしかして運動音痴?」

「違うぞ千紗。俺は球技一般のスポーツが出来ないだけだ」

そう何を隠そう俺は前世から球技が苦手なのだ。

だってあんな小さなボールを打つなんて無理だろ。

 

 

 

「はあわかった。なんとかカバーするからできることをやって」

「千紗・・・」

よし、俺は千紗の期待に応えるためにできることをやろう。

そう意気込んでいたのだが・・・

 

 

 

PaB 0-5 ティンカーベル

 

 

 

その後ティンカーベルのペアは卑怯にも俺ばっかり狙いやがった。

いくら俺でも2対1は厳しいぞ。

「いや伊織、お前思いっきり古手川の足を引っ張っていたぞ」

少し黙ろうか耕平。

クソ!いったいどうすれば良いんだ。

 

 

 

「伊織、大丈夫?気にしなくていいよ。人にはそれぞれ出来ることと出来ないことがあるから。ウチのサークルの勝ちは決まっているんだから、この試合は楽しもう」

千紗・・・まったく俺はいつからこんなに弱くなっていたんだろう。

そうだまだゲームは終わっていない。

俺の出来ることをやるか。

 

 

 

ん?俺の出来ること?

あの時千紗が言ったことを俺は思い出した。

『はあわかった。なんとかカバーするからできることをやって』

『なんとかカバーするからできることをやって』

()()()()()()()()()」』

 

 

 

俺が今できること。

そうだ俺にはまだできることがある。

 

 

 

「いやこの交流戦の負けは決まったけど、最後にあいつの無様な姿をみれてよかったな」

「そうですね会長」

負けは悔しい、いや最初の2ペアがおかしかっただけだ。

だがあのバカには一矢報いた。

俺はあのバカの無様な姿を思い、水を飲んだ。

 

 

 

ガ八ッ!

カッ、カイチョウー!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「え~。急遽会長が倒れたことにより北原・古手川ベアの勝利です」

「よしやったな、千紗!」

「・・・」

俺の最後まで諦めない姿勢が神様に認められたのか、幸運にも会長が倒れたことにより不戦勝で勝てた。

 

 

 

「あいつクズだな」

「クズですね」

「ありえない」

 

 

 

なんだろ周りからの目線が痛い。

まるで俺が会長に何かしたと思われているようだ。

全く心外だな、俺みたいなスポーツマンシップ溢れる紳士がそんな卑怯な手を使うわけないだろ。

 

 

 

会長が飲んだ水の近くには空っぽの瓶が転がっていた




後に会長が飲んだ水にライターで火をつけたら燃えたそうです。
最近の水は可燃性なんですね。


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27話 Project : Get Activity CostsⅢ

4話連続で先頭の文字がPという奇跡


「お前たち聞いたぞ。ティンカーベル相手に3戦全勝するなんて、よくやった」

「ありがとうございます!」

「「「・・・」」」

寿先輩が用事から戻ってきて、俺たちを労ってくれた。

いや~こんなに喜んでもらえると頑張ったかいがあったな。

でもなんで千紗、耕平、ケバコはそんな目で俺を見ているんだろ?

まるで俺が何もしていないかのようじゃないか。

まったく失礼な奴らだ。

 

 

 

「だがこれである程度の目途がたったな」

「何のですか?」

「よし、お前ら。賞金も手に入れられたことだし合宿に行くぞ。沖縄へ」

「「「「沖縄ですか」」」

 

 

 

時田先輩がガイドブックを掲げ、俺たちに言った。

あれ、あの本は・・・

『ねえねえ、ここ潜りたい』

『宮古島か・・・。でも金が必要だぞ』

『もう、なんでそんな現実をみせるのよ』

『でも奇麗だね。私もこんなところで潜ってみたいかも」

『俺はこっちの世界(二次元)潜ってみたい』

『あ、耕平は勝手に潜っとけ』

 

 

 

俺たちがこの前話していたのを聞いていたのか・・・。

先輩方、俺たちのために・・・。

 

 

 

沖縄に行くというサプライズに俺たちは騒いでいた。

だからだろう、気づくことが出来なかったんだ。

あの本に新たに付箋がついていたことに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「だがお前ら、金は貯めとけよ」

「なんでですか?ティンカーベルに勝った賞金があるじゃないですか」

「ああ旅費はな。向こうで遊びたいんだったら遊ぶ金は貯めとけよ」

そう言い、時田先輩は立ち去った

 

 

 

金を稼ぐ方法か・・・

そうだ。

「なあ耕平、ちょっと協力してほしいことがあるんだが?」

「なぜ俺がキサマに協力を・・・」

「協力してくれたらこの前のことは不問にしてやる」

「よろこんで協力しよう!」

さて、金を稼ぎに行くか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なあお前ら。どうして俺がモテないと思う?」

「顔が悪い」

「性格が悪い」

「生き様が悪い」

「もう諦めろ」

「驚くほど辛辣だな、お前ら」

俺、山本が飲み会で真剣に悩んでいることを打ち明けたのに、上から御手洗、今村、野島、藤原がこんなにひどいことを言いやがった。

俺たち、友達だよな?

 

 

 

「まあ、彼女がいなくても気にするな山本。俺たちの学部の男女比を知ってるだろ?この状態で彼女がいる奴なんて・・・いたな、彼女がいる奴」

藤原が俺を慰めようとしたのか、現実を教えようとしたときに、(北原)のことを思い出したようで、手に持っていたビール缶を握り潰した。

 

 

 

なんで俺に彼女が出来ないのにあんなクズでバカでイカれた男にあんな可愛い彼女がいるんだ。

思い出しただけでムカついた、もう一度シメよう。

みんなもそう思ったのか、

「なあ、もう一度奴をシメたくなったのだが」

「奇遇だな、俺もだ」

「よしやるか」

お、同じことを考えていたのか。

よしやるか、アイツの家はどこだっけ?

 

 

 

俺たちが奴の家に討ち入りに行こうとしたとき

「ちょっと待て。お前たちに伝えることがある」

普段はあまり話さない今村が話しかけてきた。

 

 

 

「なんだ今村。今俺たちは奴の家へ遊びに行く(討ち入りする)準備で忙しい・・・」

「伊織がお前らと仲を取り戻したいらしいのだが」

「「「断る」」」

あのヤロウ。裏切った分際で俺たちに許してもらえると思っているのか。

 

 

 

「まあ俺も断られるといったんだが、アイツがしつこくてな。俺のためとおもって1度話を聞いてみてくれないか」

「だがな・・・」

「あの件の最大の功労者である俺の頼みでもか」

「そこまで言われたらしょうがない、お前のためだ。だが奴の安全は保証せんぞ」

「ああ、そこまでは何も言われてないからな」

「よし、御手洗、野島、藤原。奴の話を聞きに行こうじゃないか」

「スコップは持って行っていいのか?山本」

「いいぞ、御手洗。あと軍手も持ってこい。土で手が汚れるからな」

さて北原、明日がお前の命日だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お前ら、合コンに行きたくないか?」

「「「俺たち一生友達だー」」」

 

 

 

「まあ待てお前ら。俺はお前たちにやられたことは忘れてないぞ」

「イヤだなー北原君。俺たちがそんなひどいことするわけないじゃないか」

「じゃこの話はなかったことで」

「「「すいませんでしたー」」」

俺たちは土下座して謝った

 

 

 

「まあ人は間違いだってする。俺もそれは否定しないさ」

北原君、君はなんていい人なんだ。

「だがそれはそれ、これはこれだ」

前言撤回、さっさと許せ。

 

 

 

「何を求めているんだ北原」

「ああ、そうだな。簡潔にいうぞ。合コンをセッティングしてやるから金をよこせ。一人3万だ」

「「「3万だと」」」

 

 

 

いくらなんでもぼったくりすぎだ

そう言うと、

「残念だ、()()()()()()()()()()が来るのだが」

「「「払います」」」

「交渉成立だな」

俺と北原は熱い握手を交わした

 

 

 

合コン当日

「おい、北原が来ないぞ」

「まさか俺たちをだましたのか」

北原が来ないことで、俺たちの間にただならぬ雰囲気が流れ始めたその時、野島の元に北原から電話がかかってきた。

 

 

 

「アイツ、なんて言ってたんだ?」

「北原の奴、風邪を引いて来れないそうだ。相手は店に着いているらしいからお前らだけで楽しんで来いだとよ」

それはしょうがないが、奴がいないことでライバルは一人減ったな。

 

 

 

「よし、お前ら。行くぞ!!」

「「「お~!!!」」」

 

 

 

俺たちは希望を胸に店へ入ると、

「お~お前たちが梓から紹介された友達か。早くこっちに来い。ともに杯を干そうではないか」

裸の筋肉隆々の男たちに囲まれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で、何をすればいいんだ?」

「俺がアイツらと話をする場を設けてほしい」」

「そんなことでいいのか?だが、その後の安全は保証せんぞ」

「ああ、かまわない」

 

 

 

「すいません梓さん。ちょっと頼みたいことがあるんですけど」

「なに伊織?」

()()()()()()()()でお酒に強い男性を紹介してくれませんか?俺の友達が酒の強い人と勝負したいらしいので」

「りょ~かい。とりあえずトッキーとブッキーに声をかけるね」

「ありがとうございます」

 

 

 

金を稼ぎ、復讐も達成した伊織であった

 




合コンといったけど、何も女性と飲むことだけが合コンではないよ。
あと実際にこれをしたら訴えられる可能性がある(お金が関わってるから)ので絶対にやらないでください(ふりじゃないからね?)


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28話 お前はいったい誰なんだ?

「「「沖縄だー」」」

とうとう沖縄に着いた

 

 

 

「で、どこに泊まるんですか。先輩?」

「ああ。ペンションを借りているからそこに行くぞ」

俺たちは先輩に連れられ、今日から泊まる宿に着いた。

 

 

 

「広いですね」

「今日から3日泊まるからな」

「あ!外にすぐビーチがある。私ちょっと見に行ってきます」

「じゃあ私も行く」

まったくケバコ・千紗の奴、はしゃぎすぎだ。

 

 

 

女性陣がビーチに行っている間、俺たちはペンションの中を見回ったのだが・・・

「この部屋で男性4人が寝るんですか」

「俺たちのどちらかは床ですね・・・」

俺たちは男性陣が寝る部屋を見てこう言った。

 

 

「すまんなお前ら」

「けどどうやって床で寝るのを決めるんだ?」

先輩が聞いてきた。

 

 

 

「そりゃもちろんあれですよ、なあ耕平」

「そうだな伊織」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ~ビーチ奇麗だった」

「愛奈、はしゃぎすぎ」

千紗にこう言われたけどしょうがないじゃない。

まるで青春、こう思いながらペンションに戻ると、

 

 

 

Are You Ready?

Piedra,papel,tijera!!!(ジャンケンポン)

 

 

 

裸で伊織と耕平がジャンケンをしていた

 

 

 

 

「よっしゃー俺の勝ちだ!床で這いつくばって寝てろ、耕平」

「イカサマだ、審議を要請する!」

「敗者は大人しく勝者の言うことを聞かないといけないんだよ、コ・ウ・ヘ・イ・クン」

「この短時間でなにがあったのよー」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そういえば3人ともちゃんと教習本読んできた?」

「明日はライセンス講習だからね」

その晩、千紗と奈々華さんがいった

 

 

 

「・・・読んできました」

「ちょっと自信がありません〜」

「もう覚えました」

「そうだな明日の講習に備えて復習でもするか。まずはハンドシグナルからだ」

 

 

 

時田先輩がハンドシグナルを出した

「止まってください・こちらを見てください・潜航します」

 

 

 

「さて、このハンドシグナルはなんだ?」

「ええと・・・」

「潜ります、かな?」

「止まって、見て、潜ります」

「おっ伊織、正解。愛奈はちょっと惜しいな」

「「!!」」

 

 

 

「じゃ次は用語問題だ。保温しないと手が動かなくなる水温は?」

「ええと・・・」

「わかりません・・・」

「18℃です」

「伊織正解だ」

「!!」

簡単だな

 

 

 

「伊織はよく勉強してきたな。愛奈はともかく耕平。お前ヤバいぞ。今晩は一夜漬けだな」

「いやなんで伊織のやつが答えられてるんですか!絶対カンニングしてますよ」

「どうして伊織わかるの!」

「なんでって一度本を読んでいるんだから覚えて当然だろ」

「「・・・」」

 

 

 

「おい、古手川。アイツはいったい誰だ?伊織の中身、変わっているんじゃないか」

「今までの行動で忘れていたけど、伊織、本当はすごく頭がいいから。たぶんこの中で一番」

「うそでしょ?」

「イヤ本当、愛奈」

全くアイツら、俺が答えれただけで変な目で見るんじゃねえよ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日

「はい、全員合格です」

俺は満点で合格、ケバコはなんとか合格、耕平はデッドラインぎりぎりで筆記試験を合格した

 

 




伊織君の初期設定(頭がいいこと)をやっと使えることができました


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29話 夢の大学生活を送りたい!!

最終話です


「ここが宮古島か」

「結構遠かったな」

沖縄本島での3日間に渡るライセンス講習が無事終わり、俺たちは目的地である宮古島へやって来た。

筆記試験は紆余曲折あったが、実技試験は全員無事に通過し、俺たちはダイビングライセンスを取得した。

 

 

 

「おーい、時田。こっちだ」

先に宮古島へついていたPaBの先輩方が迎えに来てくれたようだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「でも先輩は、なんでこんなに早く宮古島へ着いたんですか?」

「早いっていっても、俺たちも昨日についたばっかりだぞ」

「まあ宮古島名物、”おとーり”が楽しみすぎて早く来てしまったというわけでもないがな」

車の中で先に宮古島入りしていた先輩と話していた。

ん?おとーり?

 

 

 

「すいません、”おとーり”って何ですか?」

「おい、伊織。そんなことも知らずに宮古島に来たのか?」

「いったいなにしに来たんだ!」

ダイビングだよ!

なんだろこの流れ、どこかでやったな

 

 

 

「”おとーり”とはな宮古島伝統の飲み方のそうだ」

「噂では宮古人お断りの看板が店に出ているそうだが、まあそれはあくまで都市伝説だろうな」

そう先輩方が話している最中に、車が店の前を通る際、何か見えた

 

 

 

PaB関係者お断り

 

 

 

「先輩方、さっき"PaB関係者お断り"ていう看板が見えたんですけど」

「ん?そんな看板見えなかったぞ」

「伊織。さすがの俺たちでも1晩で出禁になるようなそんなひどい飲み方はしないぞ」

いや絶対この人ら昨晩飲んだぞ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ではみんな。ミーティング始めるよ」

俺たちは船で海に出、潜る前のミーティングを始めた。

 

 

 

「・・・という予定でダイビングをします。じゃみんな準備してね」

「「「はい」」」

「更衣室で着替えてくださいよ」

船上で着替えようとする俺たちにケバコが文句を言った。

まったくケバコの奴、まだ慣れないのか。

もうPaBに入ってかなり経つのにいい加減慣れてほしいものだ。

 

 

 

「おい、伊織。どちらが酸素が多く残るか勝負だ」

「望むところだ。負けたらウォッカ一気飲みな」

「いいだろう。キサマが負けるのにそんな罰ゲームに決めていいのか」

「ふ。その余裕な顔が崩れるさまを楽しみにしてるよ」

「なんでダイビングなのにそんな勝負してるのよー」

悪いなケバコ。コイツを潰す機会がせっかくあるのに何もしないわけないだろ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ウミガメが近くまで来てくれた!」

「とても綺麗だったね」

「すごいな、さすが沖縄の海だ。まるで二次元よりもきれいだったぞ」

 

 

 

俺たちはダイビングを終え船に戻ってきた。

あれ?ダイビングの描写がない?

悪いな、あんなに美しい光景を言葉で表すことはできないよ(作者の文章力がないだけです)

まあ気になるなら、今の時代ネットていう便利なものがあるから検索してくれ。

 

 

 

俺たちはダイビングを満喫し、港へと戻った。

(勝負は耕平が負けました)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ダイビングを終えたその夜、俺たちは宿の大広間に集められた。

時田先輩と寿先輩が俺たちの前で神妙な顔をして立っている。

いったいどうしたんだろう?

 

 

 

「お前たちに残念な報告がある」

「この合宿の8割を占めるといっても過言でもない”おとーり”についてなのだが・・・」

「「予約を入れていた店が急遽休業をしたため出来なくなってしまった」」

 

 

 

この報告はPaBメンバーにショッキングな内容だった

まあ俺たちにとっては福音であったが。

”おとーり”について調べれば調べるほど危険な香りがしたからだ。

””おとーり”という名のエンドレス飲み会などやりたくないに決まっている。

 

 

 

ほっと一息をついていると・・・

「だがせっかく宮古島まできたんだ。俺たちは俺たちなりの”おとーり”をしてみようと思うのだが皆の意見を聞かせてくれ」

なんでやる前提で意見を聞いているんだよ!

 

 

 

もちろん俺たち以外は全員賛成。

「よし、みんな賛成ということで”おとーり”をするぞ」

こいつ等、少数意見(俺、耕平)を無視して数の暴力で押し通しやがった。

 

 

 

「みんな、杯は回ったか?では、杯を干すと書いて!」

「乾杯と読む、乾杯!」

「「「乾杯!!!」」」

そうこうしているうちに”おとーり”が始まりつつある。

こうなったらPaBで鍛えられた精神力で乗り越えるしか・・・

 

 

 

「いいぞ伊織、耕平」

「さすが俺たちの後輩だ」

乗り越えられませんでした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「ああ、酷い目にあった・・・」」

俺と耕平はなんとかあの場から逃れた。

 

 

 

「しかし、まさか俺がこんなサークルに入っているとは、入学当時の俺が知ったら驚いているだろうな」

「なんで入ったんだ?」

「キサマに騙されたからだ。俺は忘れていないからな」

耕平があの時のことを思い出したのか俺に殴りかかってきた

 

 

 

「おいおい人聞きが悪いな。ちゃんとお前の希望は叶えたじゃないか」

「これのどこがだ!!」

まったく耕平の奴、気づいていないのか?

 

 

 

「お前言っていたじゃないか。”大学に入ったら夢のような生活が待っていると思っていた”って。これも夢みたいなものだろ?」

「!!!」

やっと気づいたのか、この鈍感め。

まあ俺も最近気づいたからコイツのことはあまり強く言えないのだが、そこは黙っておこう

 

 

 

俺も入学当時は不安だったけど今なら自信を持って言える。

入学当時の俺、俺は夢のある大学生活を送れているよ。

 

 

 

二人で夜空を見ながら鑑賞に耽っていると・・・

「おい、伊織、耕平。手が空いているじゃないか」

後ろから悪魔が近づいてきた。

 

 

 

前言撤回。

入学当時の俺、ちゃんと人との付き合い方は真剣に考えろよ。

そう思いながら俺たちは地獄の宴へと連れられた。



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あとがきという名の何か

「夢の大学生活を送りたい!!」無事に?完結しました。

いや~まさか今まで読み専だった作者が書き手側になるとは、世の中何が起きるかわかりませんね。

 

 

 

この小説を書くきっかけは、本作の伊織君の中身の人と同じく、映画を見たからでした。

Youtubeの告知を見て気になって見に行ったんですが、まあ面白い、面白い。

服を着ているより裸の方が多い映画とは、いったいどういうことですか(ちょっと誇張しすぎた)

そこから「ぐらんぶる」にハマり、アニメを完走して、今に至るというわけです。

まあ今の状況(就活・卒論)から漫画を揃えて全巻読破するまでは出来なかったんですけどね。

じゃあ"なんで小説なんか書いてるんだよ”という声は聴きません。

だって書きたかったんだもん。

 

 

 

さて、小説を書こうと思ったんですが、「ぐらんぶる」はすでに放送から2年も経っていたんですよね。

時の流れは早いな~。

放送当時、作者は大学2年ですよ、2年。

まあ作者の都合はほっといて、ブームもおそらく2年前よりは下火になっていると思うんですよね。

なので、初めて書くのなら鬼◯とかのような今流行りの物を書く方がいいのかなと思ったんですけど、やっぱり自分が書くんだから書きたいものを書く、そう思い書き始めました。

こんなもの読む人はいるのかな~と思っていたんですが、UAも1時間で100件を超えている日もあり、こんなに読んでいる人がいるんだと知ったときは嬉しかったな~(まあ後から知ったんですが100件てとても少ないんですよね・・・)

 

 

 

 

あと、キ〇ト君がいる世界線の「ぐらんぶる」や、伊織君が真面目になっている世界線の「ぐらんぶる」といった他のぐらんぶる二次作品と比べても評価が少ない、少ない。

まあしょうがないですよね。

だって「ほぼ原作マルパクリ」なんだから・・・。

いや~伊豆春祭が終わってから振り返って読むと、ほとんど原作と内容が一緒で、この作品のオリジナリティが全然出ていないことに気づいちゃったんですよ。

伊織君の初期設定(頭がいいこと)も全然活かすことが出来ず、話もほとんど原作に近い物となってしまいました(著作権侵害で訴えられるレベルじゃね?)

やっぱりオリ主を出すとか、他の原作キャラをクロスオーバーさせるとかの方がよかったんですかね?

それ以降はなんとかオリジナリティを出そうと頑張ったんですけど、あまり変わっていない気がします(変わってるよーと思っているそこの君、高評価ヨロシク!)

沖縄編なんてアニメで一番大切な所なのに、作者のモチベ不足という理由で駆け足気味になってしまいました。

そこを期待していた君、一応謝ります。ごめんなさい!

 

 

 

原作漫画は沖縄編以降も続いています。

なのでこの作品の続きもアニメ2期が決まるか、作者が漫画を読破したら書くかもしれません。

まあ当分先でしょう。

”誰がお前みたいなクソな作品を読みか”という人も多いと思いますが、完全に自己満で書いているので、そこは許してください。

短編や幕門みたいなものも時間があれば書きたいですね(書けるのかな?)

 

 

 

長くなってしまったのでこの辺で終わろうと思います。

「夢の大学生活を送りたい!!」これにて完結です。

最初から読んでくださった方、途中から読んでくださった方、ここまでお付き合いくださりありがとうございました。

ご縁があれば、また次の作品でお会いしましょう(次書くとしたらロクアカかな・・・)



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