ドラえもん のび太の新魔界大冒険~七人の魔法使いと剣戟の英雄 (幻想英雄)
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プロローグ 

プロローグ

 

 

???

 

「ドラえもぉぉぉぉぉぉぉぉん!!!!!!!!!」

 

 

 

 

ここ東京都練馬区すすきヶ原町ではいつものように大声大会に出場すれば上位に食い込むのではないかと思うような超近所迷惑なシャウトが響き渡っていた。

 

 

この町では、世界一運の悪い少年であり、しかし同時に誰よりも優しい心を持ち他者や生き物を思いやる優しさと仲間の為なら危険を顧みない勇気を持った少年、野比のび太と、子孫に莫大な借金を残したのび太を助け歴史を変えるため現代にやってきた22世紀の子守り用猫型ロボットお腹についている白いポケットから未来のひみつ道具がいろいろ入った四次元ポケットを持ち、やたら余計な一言が多かったりネズミに対して絶対的な恐怖や憎悪をもっており容姿も少々猫とは形容し難いがのび太にとって‘過去‘現在‘未来を含めて最高の大親友であるドラえもんの二人が中心となって、普段は意地悪だが何だかんだで本当にピンチの時は力を貸してくれる、ガキ大将である剛田武ことジャイアンと骨川財閥の御曹司である骨川スネ夫、そしてそんな彼らのマドンナ的存在で真面目でやさしく落ち込むのび太に発破をかけたり、粗暴なジャイアンや意地悪なスネ夫を叱るなど気の強い面もある少女、源静香。

 

 

 

彼等は非常に下らない子供のいたずらレベルの騒ぎから時には世界中を巻き込むほど大スケールのドタバタに巻き込まれたりそれを解決したりしていた。

 

 

そんな彼らの次の大冒険の舞台は・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

野比家2階のび太の自室。

 

 

 

 

「うぅ・・・ぐすっぐすっ・・・・・」

 

 

 

脱ぎっぱなしの服や空のペットボトル中身のこぼれたお菓子の袋、あっちこちに散らばったマンガにオモチャそんなこれ以上どうやったら散らかるのだろうかという

‘汚部屋‘の真ん中でこの世のすべてが憎いとでもいうようなそんな表情をした少年が四つん這いになって目や鼻から滂沱の涙やちょっと引くくらいの鼻水を垂れ流して泣き崩れていた。

 

 

 

・・・何を隠そうコレがこの小説の主人公(笑)・・ゲフン・・失礼

・・主人公である野比のび太である。

 

 

 

 

なぜこんな今にも闇堕ちしそうな状態になっているかと言うとその内容は実にくだらなくいつも通りのことであった。

 

 

 

まず最初に赤点のテストについて先生からのありがたいお話(説教という名の拷問)

(一度だけ赤点を取っただけならまだしも、何回も連続で赤点を取り続けていれば

怒られて当然である。)

 

 

その次に空き地で何時も通りにジャイアンやクラスメートたちと野球をしていたのだが、飛んできたボールは取れずに頭に当たりにアウトとなり、打席ではかすりもせず三振、塁に出ても次のベースに届かず見事にアウトになる。その事に対しブチキレたチームメイト(ジャイアンを筆頭)に怒鳴られバットやこぶしでどつかれそうになり全速力で命がけの逃走を図る。

(練習不足&トレーニング不足)

 

 

 

そして、とどめの家に着いてドアを開けた瞬間に散らかり放題の部屋を片付けろという、野比家の魔王(母)玉子からのどぎつい説教。

 

 

 

帰ってきた瞬間に鬼の形相で襟首をつかまれて二階の自室に連れて行かれ

ドアを半ば破壊しそうな勢いで開け放った。

 

 

 

 

 

「昨日あれほど言ったのにちっとも片付いてないじゃない!今日と言う今日は全部片付け終わるまで夕御飯は無しです!!」

 

 

そう吐き捨てるように言い放ち勢いよくドアを閉めてドスドスと階段を下りていく

 

 

少しの間部屋の中が静寂に包まれていると突然ムクリとのび太が泣きながらかたずけを開始した、しかしそのやり方は、よく言っても大雑把、悪く言えば杜撰そのもので

やっぱりというかのび太は床に転がっていたゴムボールを踏みそれによって本棚の本(漫画)が全て落ちてきてかたずける前よりも散らかることとなった。

 

 

 

本の山から顔を出すとそこで限界だったのか自分の親友の名前を叫んだ

 

 

 

 

 

「ドラえもぉぉぉぉぉぉぉぉん!!!!!!!!!」

 

 

 

 

 

・・・そして冒頭に戻る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・運命の瞬間まで残り8時間・・・・・・・

 

 

 

 

 

 




いかがだったでしょうか、

映画の雰囲気を出せていれば幸いです、

それでは、次話でもよろしくお願いします。




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夏の日、奇妙な夕刻

難産でした、気軽にご覧下さい。


[ すみません少し、編集しました。]


 

「あぁ~ん、ん~」

 

 

 

居間のテレビの前に寝そべったままどら焼を食べる、お昼すぎの主婦のような青い子守ロボットがそこにはいた。

 

 

口に挟んだどら焼を上に飛ばして上手く口でキャッチし一口で食べきる、そんな無駄に神がかった技術?を使って。

 

 

 

その時、居間の襖が静かに開きのび太が入ってきた。

 

 

 

 

「んぁー?のび太くーん?あぁむ、片付け終わったの~?」

 

 

「・・・・・・っグスッ!!・・・・・・・」

 

 

ドラえもんはテレビから一切目を離さなかったので号泣しこっちに飛び付かかってきているのび太に気ずかず顔や体中をあっちこっちめちゃくちゃに引っ張られていた。

 

 

 

「うわあああああん!!あああああ!!」

 

 

 

「え!?ちょちょちょ!?な、なに!なに!何がどうしたの!?や、やめてよ!!もぅ!!!」

 

 

 

のび太がドラえもんに襲い掛かかって取っ組み合いになっている最中に、のび太の足がテーブルの脚の一つにに当たり、テーブルの端に置いてあったテレビのリモコンが床に落ちた。

 

 

 

それによってリモコンのチャンネルが変更されて、ニュース番組から「魔法少女マミ」と言う子供向けのアニメに変わった。

 

 

 

 

「うおっ!!あー、マミちゃんだぁー❤️ ははっ❤️ 」

 

 

 

ドラえもんはそれを見ると動きを止めて、テレビの世界に入ってしまっていた。

 

 

 

 

「ヒック・・・グスッ・・・・・?」

 

 

 

それによってテレビを見るのび太。

 

 

 

テレビの中の魔法少女が魔法を使って部屋のかたずけ、宿題、野球の試合など今のび太が困っていたことが挙げられていくかのように簡単に片付いていく様をのび太は静かにみていた、やがて魔法少女が箒に乗って空に飛んでいくところで番組が終わるとのび太がポツリとつぶやくようにドラえもんにささやいた。

 

 

 

「・・・・・・・ドラえもん。」

 

 

 

「ん?」

 

 

 

「・・・これだよ・・これぇ。」

 

 

 

ドラえもんの頭を軽く二回ほどポンポンと叩きがばっと起き上がると輝きに満ちた声で今回の物語のカギとなる単語を言った。

 

 

 

 

「魔法だよ!!魔法があれば良いんだ!!」

 

 

 

「・・?????・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

野比家2階のび太の部屋の中。

 

 

 

「魔法なんて無いの!!」

 

 

 

そう言いながらドラえもんは、雪崩によって小さな山となった漫画山脈や、脱ぎ散らかされている服や、出しっぱなしになっているおもちゃなどで散らかった室内の中で、手に持った瓶の中に入っている豆のような何かを部屋に撒きながら、ドラえもんは紙屑を拾っているのび太に対してそう言った。

 

 

 

「どうしてさぁ?」

 

 

 

のび太は不満そうな、納得いかないといった表情で、床に落ちていた紙屑を屑籠に投げ入れようとしたが失敗したのでもう一度拾い入れながらドラえもんに尋ねた。

 

 

 

「昔は魔法と言われていた不思議な出来事も、全て現代の科学で解き明かされているんだよ。魔法はね、迷信なの!」

 

 

 

 

ドラえもんはそう答ると瓶の中の豆を部屋に撒き終えた。

 

 

 

「元の場所に~戻れっ!」

 

 

 

ドラえもんの号令を合図に、pipipiと音がすると先ほどドラえもんが蒔いた豆のようなもの、‘ロボッター‘がついた事により、ロボットとなった部屋の物は、その指示に従いそれぞれが元々仕舞われていた場所に自動で戻っていき、まるでテレビ朝日系列に不定期に放送されるドキュメンタリー番組の匠の手にかかったかのように見違えるほどきれいになった、今にもあの独特なテーマ曲が聞こえそうなほどである。

 

 

 

「迷信は息の根を止められて、こういう科学の世の中になったのさ!。」

 

 

 

そう告げるドラえもんに対しのび太はつまらなそうに口を3にしてこう言った。

 

 

 

「ちぇ、科学じゃなくて魔法が発達すれば良かったのに。魔法が使えたらきっともっと便利だったと思うよ。呪文ひとつでなんだってさ。ホイ・ホイ・ホイってね。」

 

 

 

のび太はそう言いながら、ロボッターがつかないで床に落ちたままになっていた、オシシ仮面のボトルフィギュアを棚に戻す。

 

 

 

すると突然部屋全体が小刻みにガタガタと揺れだした、不思議なことにこの揺れは下からではなく上から強く感じられてくるものだった。

 

 

 

「ん?・・・何?・・・」

 

 

 

「地震?・・・・じゃ、ないみたい。だ・・けど・・・・・。」

 

 

 

二人はそう言うとゆっくりと同時に天井を見上げる。

 

 

 

すると次の瞬間、部屋の天井を突き破って何かが部屋の中央に落ちてきた。

 

 

 

 

「「うわあぁぁぁあああああああああああああ!?」」

 

 

 

 

落下の衝撃によって粉塵に包まれながら二人は吹っ飛んだ。

 

 

そして、天井を突き破ったさいに舞い上がった粉塵が少しずつ晴れていくと・・・

 

 

 

 

「えーっ!!えぇっ!?」

 

 

 

「わああ!!わぁっ!?」

 

 

 

 

「「えぇ?・・・・・・ええぇぇええええ!?」

 

 

 

 

そして落下物の正体を知った二人は驚きの声を挙げる。

 

 

何故ならばその落下物の正体が・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

「な、なにこれ・・・・?」

 

 

 

「ぼ、僕だ・・・・!」

 

 

それはドラえもんと瓜二つの姿をした石像だったからである。

 

 

 

 

「そ、空から・・・・?」

 

 

 

 

 

「「えぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夕方・野比家・庭

 

 

 

 

あの後に、なんとか部屋の修繕とかたずけをドラえもんのひみつ道具‘タイム風呂敷‘と、もう一度‘ロボッター‘を使用して終わらせ、不審に気付いて部屋にやって来た魔神(母)を誤魔化し。しずかちゃんから空き地でジャイアンとスネ夫がのび太そっくりの石像に野球の件を八つ当たりしているのを聞いたのび太とドラえもんはのび太の石像をジャイアン達から回収し、家まで運んで、取り敢えずドラえもんの石像と一緒に庭に並べていた。

 

 

 

 

「ホント、よくできてる・・・」

 

 

 

「まるで生きてるみたいだ・・・!」

 

 

 

ドラえもんは改めて石像の精巧さに驚き、のび太はまるでついさっきまで生きていた様にさえ見えると、感想を述べた。

 

 

 

「何か怖い者でも見て、そのまま凍り付いたような・・・・・・」

 

 

 

「本当に、僕たちにそっくりだ・・・・・・」

 

 

 

「あれ?・・・でも、僕こんな服持ってないよ・・・・・・?」

 

 

 

そう、のび太の石像は普段ののび太とは大分異なる装いをしていた。

 

 

全体的に黒く、ズボンにセーターそして漆黒のレザーコートをまとっており、

唯一首には深紅のマフラーがまかれていた。

 

 

 

「・・・・・ひょっとしてこれ、魔法で石にされた僕たちなんじゃ・・・?」

 

 

 

「そんな馬鹿な。だったらここに居る僕たちは何なのさ?・・・」

 

 

 

そういいながらドラえもんは、のび太と自分を指さす。

 

 

 

 

「それは・・・そうだけど・・・」

 

 

 

「魔法なんて無いって言ったろ、でも空から落ちてくるなんて変・・・・・・・・」

 

 

 

ドラえもんは、そう言いながら家の中に戻っていった。

のび太は未だに納得いかない様な様子で石像を見つめていると信じられない物を目にした。

 

 

 

のび太の石像の頬を、一滴の汗が滑り落ちていったのだ。

 

 

 

 

「うわーっ!?ド、ドラえもおぉぉぉぉぉん!!」

 

 

 

のび太は慌ててドラえもんを連れ戻しに向かった。

 

 

 

「えぇ!?石像が汗を流したああぁぁぁ!?」

 

 

 

驚愕するドラえもんを引っ張って、玄関から飛び出した所で、のび太の鼻に水滴が落ちた、何事かと二人揃って空を見上げると、空は灰色の雲に覆われ雨がポツリポツリと降り始めていた。

 

 

 

「そういえば、台風が近づいてるって、さっきテレビで・・・」

 

 

ドラえもんが思い出したようにそうつぶやいた。

 

 

 

「汗じゃないよ。雨だったんだよ。」

 

 

「えぇ?」

 

 

 

のび太は納得できないような様子だったが、雨が本降りになり始めたので仕方なく。二人は慌てて家の中に戻っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・運命の瞬間まで残り5時間・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回は、ここまでです。

セリフを映画を見ながら一回一回止めて書いたので大変でした(笑)

それでは次回もよろしくお願い致します。


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開幕の刻

連日投稿となりました。



夜・野比家・階段

 

 

 

 

 

「絶対聞こえたって!変な声みたいなのがさ!」

 

 

 

「パパの寝言じゃないのぉ~」

 

 

 

「違うってばぁ!!」

 

 

 

寝間着ののび太がドラえもんと共に一階へと降りてきた。のび太は必死に説明し半ば後ろから押すように連れてきているが眠くて仕方なさそうなドラえもんは目が33の状態だった。

 

 

 

二人は小声で話ながら一階まで降りると、台所の方から‘キー‘とか‘ガタン‘などと怪しい物音が聞こえてきた。

のび太は勿論、目が33だったドラえもんも、ビクリと体を震わせ、物音を立てないように静かに台所の方へと向かう。

 

 

 

結果から言うと、どうやら、ただ勝手口が開きっぱなしで風に揺らされ音が出ていただけのようだ。

 

 

 

「んー、なんだ、勝手口のドアが開いてたんだよー。」

 

「なんだ、そうか、そうか・・・」

 

 

 

ドラえもんはそう言うとドアを閉め、のび太は胸をなでおろし安堵した。

 

 

「・・・ん!?」

 

 

玄関の方から何かの気配を感じたのかのび太は、ギクリと体を震わせ、ゆっくりと後ろを振り返える、するとおかしなことに薄暗い廊下のドラえもんとのび太が見つめる先に人のようなシルエットが2つ、いるように見えたのだ。

 

 

 

「だ、だれ?だれか居る!?」

 

 

 

すると次の瞬間、雷が落ちて一瞬だけ廊下が明るくなり、2つのシルエットの姿がはっきりと写し出された。

 

 

 

「「うわぁぁぁあああああああ!?」」

 

 

 

 

「わあああああああ!!!?何!?何!?」

 

 

 

 

二人が思わず悲鳴を挙げると、それを聞いて居間で寝ていた、玉子とのび太の父であるのび助が転がり出てきた。

泥棒か何かかと思ったらしき玉子が箒を振り回す傍らで、のび助は廊下の電気を付ける。

 

 

明かりが着くと、謎のシルエットの正体が解った。

それは庭に置いてあった筈の、のび太とドラえもんの石像であった。

 

 

 

「んー?まぁ、のびちゃん!何やってるの、こんな夜中に!」

 

 

 

眼鏡をかけていなかったため、石像をのび太本人と勘違いし、石像に向かって怒鳴り出す。

 

 

 

「ママ、ママ、こっち。」

 

 

 

そんな玉子にのび助は、恐る恐るといった様子で階段のそばから石像を見ていたのび太とドラえもんの方を指差す。

 

 

 

「なぁーに!?このガラクタ!」

 

 

 

「勝手に入ってきたんだ!」

 

 

 

「庭に置いてあったのに!」

 

 

 

「そんなバカな。石が勝手に動くわけが無いだろ。」

 

 

 

二人は反論するも、のび助はあきれた様子でそれを一蹴した。

 

 

 

「夜中にこんな悪ふざけしてー!早く片付けなさい!」

 

 

 

「早く寝なさーい」

 

 

 

玉子とのび助がそう言って居間に戻ると、残ったのび太とドラえもんは困った表情を浮かべながら、玄関の方へと視線を向けた。

 

 

 

「・・・片付けろったってー・・・」

 

 

 

「外は凄い雨だし・・・」

 

 

 

「仕方ない、取り敢えずこの中に入れとこう。」

 

 

 

そう言いながら、四次元ポケットの入り口を広げる。

 

 

 

 

「ねぇ・・・これ、さっきと形が違うんじゃ・・・・?」

 

 

 

「・・・え゛ぇ?」

 

 

 

「早く寝なさい・・・!!」

 

 

 

 

「「はーい!!」」

 

 

 

二人は大急ぎでポケットに石像を詰め込むと、電気を消してどたどたと二階にかけ上がっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

部屋に戻った二人だったがのび太は布団の中でさっきの石像のことが頭から離れず珍しく寝付けないでいた。

 

 

 

「ねぇ、ドラえもん。」

 

 

 

「んー?」

 

 

 

「可笑しいよね、あの石像」

 

 

 

「可笑しいけど明日調べよう。もう眠いよ・・・・・。」

 

 

 

「気になって眠れないんだよぉ。」

 

 

 

「何か楽しい事でも考えてりゃ、寝れる・・・」

 

 

 

押し入れの襖を開けてそういいきるとピシャリ襖を閉めた。

 

 

 

「楽しい事・・・・もしも、魔法が使えたら・・・」

 

 

 

ドラえもんの言う通りに楽しい事を思い浮かべようとしたのび太は、やはり今日何度も考えた事が真っ先に頭に浮かびあがった。

 

 

 

 

「・・・・・ねぇ、ドラえもん・・・?」

 

 

 

 

「んー?(#^ω^)」

 

 

 

 

「ちょっとした工夫で、本当に魔法が使える様な気がするんだ。」

 

 

 

「諦めの悪いやつだな!魔法なんか無いんだよ!」

 

 

 

そう軽く切れながらドラえもんは言うと力尽きたのかグデーッと開いた押し入れから干された状態になっていた。

 

 

 

「ホントなんだよ!今凄いアイディアが閃きそうになったんだけど・・引っ込んじゃったなぁ・・・・・あぁ!、なんだろう。もう、じれったいなぁ・・・」

 

 

 

「そうか分かった。二度と起こすな。」

 

 

 

ムクリと起き上がるとドラえもんはそう言い残しふすまの奥に戻っていった。

・・・おそらく次起こしたらいつぞやの宿題の時のように狂戦士化(バーサーカードラモード)となったドラえもんが襲い掛かってくるのも時間の問題となるだろうと思い、触らぬ神に祟りなしと流石にヤバイと感じたのび太は目を閉じようとした、その時だった。

 

 

 

「痛゛だだだだだぁ!?」

 

 

 

突然、ドラえもん自らが引き戸を開け、腹を抱えながら押し入れからドラえもんが転げ落ちてきた。

 

 

 

「何!?どうしたの!?」

 

 

 

素人目にもわかるヤバそうな反応に、のび太は慌てて起き上がって、ドラえもんに心配そうに声をかける。

 

 

 

「お、お腹が急にぃ・・・!うおおおおおおぉぉぉぉぉぉ・・・!!!!!!!」

 

 

 

「き、緊急事態発生!!ちょ、ちょっと、22世紀に帰ってくる!!」

 

 

 

今まで見たことないようなすさまじい表情をしながらのび太の机の引き出しのタイムマシンへと向かう。

 

 

 

「大丈夫・・・?」

 

 

 

「だい・・・じょうぶ・・・うぅっ!?直ぐ戻る・・・!!」

 

 

 

そう言うとドラえもんは、やっとの思いで机の引き出しによじ登り、タイムマシーンで22世紀へと向かって行った。

 

 

 

「さっきの石像?・・・・何ともない・・・。」

 

 

 

ポケットの中を覗いてみると石像に異常は見られず。それ以外の腹痛の原因をおもいうかべると・・・・・・・・

 

 

 

「まさか!?・・・・昼間のどら焼30個が・・・・・!!!!。」

 

 

 

 

・・・理由分かり切ってるだろう、糖尿病になるぞ、ロボットだけど・・・・・

 

 

 

 

 

と、そんな馬鹿なことを言っている間に22世紀に到着したドラえもんはタイムマシーンの出入り口から頭から飛び出した。

 

 

 

 

ドスーーーーーーーーーーーーーン

 

 

 

 

「お兄ちゃん!?」

 

 

 

「ドラえもん!?」

 

 

 

ドラえもんのド派手な登場に、妹のドラミとのび太の孫のセワシは飛び上がって驚いた。

 

 

 

「お腹が、お腹がぁ・・・・・・・・・!!!!!」

 

 

 

二人にプルプルと震えた手で手を伸ばすが

 

 

 

「・・・・ん?・・・痛くない?・・・・・」

 

 

 

その言葉に盛大にズッコけるドラミとセワシであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方現在野比家のび太の部屋では。

 

 

 

 

 

「・・・枕よ、浮かべっ!」

 

 

のび太がドラえもんと共に落ちてきた枕に向かって魔法のまねごとをしていたが、当然のことながら枕には全く変化はおきなかった。

 

 

 

 

「はあ・・・もしも魔法が使えたら・・・・。」

 

 

 

ため息を着きながら、仰向けになる。

 

 

 

「・・もしも?・・ん?・・・・もしも・・・・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

「ああああぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 

 

 

 

 

 

・・・ついにのび太は‘すごいアイデア‘を思いついてしまったのだった。・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

22世紀では、歯医者を嫌がる小学生並みに抵抗するドラえもんをドラミとセワシが検査用のカプセルに押しこもうとしていた。

 

 

 

「離せぇ!!・・・離せってぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!」

 

 

 

「ちゃんと、定期検診受けないからこう言うことになるのよー!!」

 

 

 

「大人しく入れってー!!!」

 

 

 

「病院は嫌ぁぁぁぁぁぁぁぁl!!!!!!!」

 

 

 

22世紀に到着した時にはにもう腹痛が治まっていたドラえもんだったが、そのままでは問屋が卸さないと、セワシとドラミが念のために検査をさせようとしたのだが、極度の病院嫌いのドラえもんはそれを振り切って、逃走しようとし、それに対して二人も実力行使に出たという訳である。

 

 

 

「病院は・・・・嫌だぁぁぁ!!!」

 

 

 

「「うわぁ!?」」

 

 

 

あと少しの所で脱出に成功したドラえもんは、そのままタイムマシンの出入り口に向かって飛び上がり、慌ただしくタイムマシンに乗り込んだ。

 

 

 

「ドラえもん!!」

 

 

 

「お兄ちゃん!!」

 

 

 

二人はタイムマシンの出入り口があった空間を呆れた様子で見続けていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして現在、のび太がなにやら興奮した様子で部屋の灯りを着けていると、ドラえもんが机の引き出しから飛び出してきた・・・因みに着地はいまいちだった。

 

 

 

 

 

 

「んあーっ、あっ、でっ!!」

 

 

 

「ドラえもん!お腹は!大丈夫?」

 

 

 

「!?あ、い、いやぁ、へへへへへ・・・・あーなんでも無かった!ただの食べ過ぎだよ!、あはははは・・もー・・・」

 

 

 

と、何かごまかすように頭をかきながら言った。

 

 

 

 

「なんだ、そっかぁ・・・・・そうだ!今ね、思い付いたんだよ!!さっき言ってたアイデア!!」

 

 

 

「えっ?何ぃ?」

 

 

 

安心したと思ったらドラえもんの両ほほを挟み込みながらハイテンションで先ほどの

‘すごいアイデア‘をドラえもんに報告した。

 

 

 

「もしもボックスだよ!!電話をかければ空想の世界が、本物になるってやつ!!」

 

 

 

「・・・ああ!!その手があったか!!」

 

 

 

もしもボックスとは公衆電話ボックス型の秘密道具で、「もしもこんなことがあったら、どんな世界になるか」を体験するためのもので、これを使用すれば確かにそれは可能だった。

 

 

 

「ねぇねぇ、ちょっとだけさ!魔法の世界へ行ってみようよ!!」

 

 

「んー、面白そうだなぁ」

 

 

 

楽しみと好奇心が混ざった様な表情から少なからず魔法に憧れがあることがうかがえるドラえもんは、そのアイディアにのる事にした。

 

 

 

「こう言うときだけ、頭働くんだよなー!、のび太くんは!」

 

 

 

そういうとドラえもんはポケットに手を突っ込むと程なくしてもしもボックスを取り出した。

 

 

 

「もしもボックス~!!」

 

 

 

「ちょっとだけだよ?魔法を楽しんだらすぐに戻るからね」

 

 

 

「わかってるって」

 

 

 

のび太はドラえもんからの念押しを軽く流しながら、もしもボックスの中に入り、受話器を手に取りその言葉を口にした・・・してしまったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「もしも・・・・魔法の世界に・・・・なったら・・・・・!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・チリリリリリリリン・・・・・・チリリリリリリリン・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

深夜の街にもしもボックスのベルの音がやけに大きく鳴り響いていた。・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・運命の瞬間まで残り0秒・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




いかがだったでしょうか、


今回のお話は現在と未来が交差していたので書くのが大変でしたが何とか書ききれました。


では、次回もよろしくお願いします。


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剣の墓場

これまでのサブタイトルなのですがFate/stay night [Unlimited Blade Works]

のサブタイトルを参考にしていたのですが今回は流石に思いつきませんでした、

すみませんでした。


「さあ、これで魔法が使えるぞー!」

 

 

 

「うんうん!!」

 

 

 

「空飛ぶ座布団飛び上がれ!!マミマミ、ルルンパ、クルリンパ!!」

 

 

 

「どら焼きよ出でよ!!クルリンパ!!」

 

 

 

二人は早速魔法を試してみようと昼間に見ていた魔法少女アニメの主人公が使っていた呪文を唱えてみた。

 

 

・・・・しかし、いつまで待っていても座布団が飛び上がる様子も無ければ、煙のようにどら焼きが目の前に現れる様子も無い。

 

 

 

「「あれぇ?」」

 

 

 

二人は共に首を傾げる。

 

 

 

「呪文が違うのかな?」

 

 

 

「のびのび ルルンパ クルリンパ」

 

 

 

「アブラカタブラ 、出でよどら焼ぃ!!」

 

 

 

・・・何ひとつ起こらない。

 

 

 

「座布団飛べ!!座布団行けぇ!!」

 

 

 

「神よ!!我にどら焼を!!どら焼、カムヒアー!!カムヒアーーーー!!!」

 

 

 

二人とも思い付く限りの呪文を唱えるが、一向に変化が訪れることがない。

 

 

 

「はぁ、はぁ、はぁ、・・・・・・」

 

 

 

「・・はぁ、はぁ、びくともしない・・・・・」

 

 

 

「・・はぁ、はぁ、可笑しいなぁ・・・・・」

 

 

 

叫びまくったせいで荒くなった呼吸を整えながら、二人は何も起こらないことに疑問を抱く。

 

 

 

「君の道具は、いっつも役立たずだ!」

 

 

 

「もともと魔法なんか無いっていったろ!!」

 

 

 

ついに現状に苛立った二人がけんかを始めてしまった。

 

 

 

 

「狸になれ!」

 

 

 

「ミミズになれ!」

 

 

 

「アメンボになれ!」

 

 

 

「オケラになれ!」

 

 

 

「トンボになれ!」

 

 

 

「カエルになれ!」

 

 

 

 

「「石になれぇぇぇぇぇ!!!」」

 

 

 

・・・途中、日本を代表する童謡の歌詞みたいになっていたがやはり何も起こる様子はない。

 

 

 

その様子に段々と馬鹿馬鹿しくなってきた二人は、脱力した様子でドラえもんはもしもボックスをはポケットにしまい、のび太は布団を敷きなおし各々それぞれの寝床に着いたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

気付くとのび太は、まったく見覚えのない場所に立っていた。

 

 

 

 

「・・・あれ?・・・どこ?、ここ?・・・」

 

 

 

その場所は、どこまでも広がる分厚い雲に覆われた夕焼けのようにも見える空が一面に広がっており、その中でも一際空に映える巨大な歯車や、見渡す限りの荒野に墓標のように突き刺さる古今東西のあらゆる剣、その一本一本からとてつもない威圧感がのび太の体中を駆け抜ける。夢と言うには嫌にリアルな夢だった。

 

 

 

普段ののび太であればすぐにドラえもんの名前を叫ぶか、不安に駆られ泣き出すかするだろうがここでは違ったようでのび太はまるで何かに引っ張られるかのようにふらふらと剣の墓場の中を進んでいった。

 

 

 

暫く進んでふと気づくとのび太は、丘の上に二振りの白と黒の鉈の様な形状をしている短剣が交差して地面に突き刺さってにいることに気が付いた。

 

 

 

さらにそれに近づいてあらためて近くから見てみると、とてもきれいな剣だとのび太は子供心ながらに思った。

 

 

ふと持ってみたいと出来心が生まれその剣の柄を二本とも掴んでしまった。

 

 

すると次の瞬間柄を握っていた両の手の甲から腕に向けて薄緑の光の複雑な模様の線が走ってきた。

 

 

 

 

「なんだこれ!?」

 

 

 

思わず短剣から手を放すと目の前が急に暗くなったと思い見上げると白い髪と浅黒い肌の纏っている赤い外套が特徴的な20代半ばほどの男性が目の前に静かに立っていた。

 

 

 

「あ、あなたはいったい誰ですか!?」

 

 

 

男は静かにこちらを見据えるように見るだけで何も答えないが、何故だろうか不思議なことに恐怖感はなく逆に安心感が胸を包むそんな瞳をした人だった。

 

 

そう考えていると突然男性がフッと笑ったかと思うと、男性は光に包まれその体が弓を構えた兵士のタロットカードのようなものに変化した。するとそのカードが粒子となって崩壊を始め、そしてのび太の体の中に吸い込まれるように入っていき、体内に暖かい炎のようなものを感じその感覚が鮮明になっていく。しかし、それと比例するようにのび太の意識は闇の中へと薄れていった。・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・くん・・の・・び・・・ん・・・のび太くん!!起きて!起きて!早く!!」

 

 

「ん、んー・・・・?」

 

 

翌朝、ドラえもんはありえないものでも見たような様子でのび太を叩き起こすと、部屋の窓の側まで引っ張って行き、眼鏡を掛けさせて外の様子を見させた。

 

 

 

「・・・・・・・・え!?あ、あああああああああ!?」

 

 

 

暫くは眠気眼で状況を理解できなかったのび太だったが、次第に目に理性の光がともっていき驚愕と共に意識が覚醒した。

 

 

 

それも当然だろう二人の視線の先にはいつもの街並みではなく箒や絨毯で空を飛ぶ人々が、空を埋め尽くさんばかりに存在してるのだから。

 

 

 

 

その様子に暫く二人は惚けながら見つめていたが、徐々に互いの顔を見合わせると、興奮しきった輝く瞳で二人同時に叫んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「魔法の世界だ!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




いかがだったでしょうか?


自分的には無限の剣製を文章にするのが難しく何度もエミヤのイラストとにらめっこしながら書きました。


それでは次回もよろしくお願いします。


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