アサルトビルド HAZARD (naogran)
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プロローグ「ベストマッチな出逢い」

人類は、謎の生命体ヒュージの脅威に侵されていた。
叡智を結集した人類は、決戦兵器CHARMを開発し、そのCHARMを扱える少女『リリィ』を編成した。

そしてこの世界に、新たな戦士が現れた。


4年前。人気のない街中。

 

???「ハァハァ・・・!」

 

1人の男が謎の影に追われていた。男の名は『仁科龍馬』。

 

龍馬「クッ・・・!」

 

彼は謎の影から必死に逃げている。

 

 

 

 

廃墟の倉庫。

 

龍馬「・・・」

 

彼を追っているのは、金色の虫の形をした謎の生命体。

 

龍馬(このままじゃ殺される・・・!)

 

だが、1匹の生命体が龍馬を発見した。

 

龍馬「何!?」

 

生命体が襲って来るが、間一髪で避けた。

 

龍馬「ッ!!」

 

近くに残されてる1台のバイクを発見し、そのバイクに向かって走る。

 

龍馬「これで逃げるしか・・・あっ!鍵があった!」

 

幸いにも鍵があり、車体を起こして鍵を挿してエンジンを噴かした。その間にも生命体達が迫って来る。

 

龍馬「逃げろ!!」

 

アクセルグリップを全開まで捻って逃げ出した。

 

 

 

 

 

 

人気のない街中を爆走する。だが、別の生命体が龍馬を発見して追跡する。

 

龍馬「別の奴か!?」

 

生命体が速度を上げて龍馬に迫る。

 

龍馬「クソッ!!」

 

だがその時。

 

”ドガーン!!”

 

龍馬「ッ!?」

 

突然、謎の生命体が爆発した。

 

龍馬「何だ!?」

 

後ろを見ると、変わったバイクに乗った男が、変わった銃を持っていたのだ。

 

龍馬「誰だ!?」

 

その男は、変わった銃を生命体に向けて連射した。生命体は銃撃を受けて爆発した。

 

男「・・・」

 

2台のバイクが停まった。

 

龍馬「お前、誰だ?」

 

男「アンタ、随分変わった化け物に追われていたな。」

 

龍馬「お前、ヒュージを知らないのか?」

 

男「ヒュージ?あぁ、あれがヒュージか。成る程ねぇ、他の種類があるって訳か。」

 

龍馬「おい、お前誰なんだよ?」

 

男「俺か?俺は稲葉京輔。ただの物理学者さ。」

 

龍馬「物理学者・・・?あっ!!」

 

金色の虫の形をしたヒュージがやって来た。

 

龍馬「おい逃げろ!奴等に殺されるぞ!」

 

京輔「随分面白い姿のヒュージだな。けど。」

 

彼は、赤色の小さいボトルを持って数回振った。

 

京輔「ここからの俺はちょっと違うぞ?」

 

すると京輔が高速移動して、ヒュージの後ろを取った。

 

京輔「じゃあね!」

 

変わった銃を連射して、ヒュージを爆発させた。

 

京輔「よっと。」

 

爆発の中から現れたヒュージの死骸にボトルを翳すと、ヒュージが粒子となってボトルに吸い込まれた。

 

京輔「こんなもんかな?」

 

龍馬「・・・何だそれは・・・?」

 

京輔「これか?フルボトルで、ヒュージの成分を抜き出したのさ。」

 

龍馬「ヒュージの成分・・・?」

 

京輔「アンタ、名前は?」

 

龍馬「あ・・・仁科龍馬だ。」

 

京輔「龍馬か。アンタ、ヒュージに追われてた理由は何だ?」

 

龍馬「・・・この廃墟の街に屯ってるヒュージを発見したんだ。百合ヶ丘女学院に連絡しようとした所を発見されたんだ。」

 

京輔「百合ヶ丘女学院?もしかして、リリィへの駆除依頼?」

 

龍馬「そうだ・・・俺は仇を討ちたいんだ・・・」

 

京輔「仇?」

 

しかしそこに、等身大のヒュージが現れた。

 

龍馬「まだ居たのかよ!?」

 

京輔「・・・龍馬、お前は下がってろ。」

 

龍馬「何言ってんだよ!?お前も殺されるぞ!!」

 

京輔「逃げても捕まって殺されるだけだ。良いから下がれ。」

 

龍馬「・・・!」

 

言われるがままに京輔の指示に従った。

 

京輔「ここは俺に任せろ。」

 

彼は、ビルドドライバーを取り出して腰に装着した。

 

京輔「さぁ、実験を始めようか。」

 

両手に赤と青のフルボトルを取り出して、それを振った。すると周囲に無数の文字式が出現した。振ったフルボトルのキャップを捻って、ビルドドライバーに装填する。

 

『ラビット!』

『タンク!』

『ベストマッチ!』

 

そのまま右側のボルテックレバーを回す。すると京輔の周囲にスナップライドビルダーが形成され、赤と青の2つのハーフボディが生成された。

 

『Are You Ready?』

 

京輔「変身!!」

 

スナップライドビルダーが作動して、京輔に2つのハーフボディを纏わせた。

 

『鋼ムーンサルト!』

『ラビット!タンク!』

『イエーイ!』

 

仮面ライダービルド・ラビットタンクフォームに変身した。

 

 

 

 

龍馬「何だあの姿・・・?」

 

 

 

 

京輔「勝利の法則は決まった!」

 

左足のバネが光ってジャンプすると、ヒュージに高速で接近した。

 

京輔「ハァッ!!」

 

飛び殴りで怯ませ、そのままヒュージにラッシュを打ち込む。

 

ヒュージ「ーーーーー!!」

 

京輔「よっ!」

 

激怒したヒュージをビルドを攻撃しようとしたが、ビルドが大ジャンプして、ヒュージの後ろに着地した。ビルドドライバーからドリルクラッシャーが生成された。

 

京輔「フッ!ハァッ!」

 

ドリルクラッシャーでヒュージに何度も斬り裂き、遠くへ突き飛ばした。

 

京輔「よっと。」

 

ラビットフルボトルを外して、ハリネズミフルボトルを振って装填した。

 

『ハリネズミ!』

 

ボルテックレバーを回した。

 

『Are You Ready?』

 

京輔「ビルドアップ!」

 

ラビットのボディがハリネズミのボディに変わり、トライアルフォームのハリネズミタンクへビルドアップした。

 

ヒュージ『ーーーーーー!!!』

 

再びヒュージが迫って来るが。

 

京輔「ほいっと。」

 

右手の棘状の握り拳から鋭い棘を伸ばして防いだ。

 

京輔「ほいっ!ほいっと!」

 

そのままヒュージの後ろに何度も突き刺した。

 

京輔「あらよっと!!」

 

強いパンチが、ヒュージに炸裂した。

 

京輔「これでフィニッシュだ!」

 

ハリネズミフルボトルを外して、ラビットフルボトルを装填した。

 

『ラビット!タンク!』

『イエーイ!』

 

ラビットタンクフォームに戻り、そのまま再度ボルテックレバーを回した。

 

京輔「ちょいと待ってろ?」

 

そう言ったビルドが、後ろに向かって走った。数歩走ったと同時に地面に穴を開けて沈んだ。それと同時にグラフ型の標的固定装置が出現してヒュージを拘束した。すると地面に沈んだビルドが地面に乗って迫り上がった。

 

『Ready Go!!』

 

ジャンプして、グラフに沿ってヒュージに向かって飛び蹴りする。

 

『ボルテック・フィニッシュ!』

『イエーイ!』

 

京輔「ハァッ!!」

 

右足の無限軌道装置が作動して、ヒュージの表皮を抉った。

 

ヒュージ『ーーーーーーーーー!!!!』

 

ボルテックフィニッシュがヒュージを貫き、ヒュージが大爆発を起こした。

 

 

 

 

龍馬「凄え・・・!」

 

 

 

 

京輔「ほっと。」

 

フルボトルを翳すと、ヒュージが粒子となって消滅し、フルボトルへ吸収された。

 

京輔「収集完了。」

 

フルボトルを抜いて変身解除した。

 

 

 

 

 

 

戦いの後。

 

龍馬「なぁ、あの姿は何だったんだ?」

 

京輔「あぁ、仮面ライダービルド。創る、形成すると言う意味のビルドだ。以後、お見知り置きを。」

 

龍馬「ビルド・・・」

 

京輔「俺はこの力を使って、日々ヒュージと戦っている。」

 

龍馬「じゃあ、リリィと一緒に戦っているのか?」

 

京輔「リリィはまだ会った事が無い。ここ8年間世界各地を回って奴等と戦って来たからな。日本に帰国したのは凡そ半年振りだ。さてと、そろそろ帰るか。」

 

龍馬「待ってくれ!」

 

京輔「んあ?」

 

龍馬「俺も、その力を使えるのか?」

 

京輔「無理だな。俺にはハザードレベルと言う耐久力があってな、それが無いと俺と同じ仮面ライダーになれない。」

 

龍馬「・・・頼む!俺にその力を使えるまで鍛えてくれ!」

 

京輔「理由があるのか?」

 

龍馬「仇を討ちたいんだ!家族の!」

 

京輔「家族?」

 

龍馬「俺は1年前に、家族をヒュージに殺されたんだ・・・だから、俺にも戦える力をくれないか!?」

 

京輔(この男、本気だ。けど、熱血漢を秘めている。この男なら任せられそうだ。)

 

龍馬「・・・」

 

京輔「・・・付いて来い。」

 

龍馬「え・・・?」

 

『ビルドチェンジ!』

 

ビルドフォンにライオンフルボトルを挿して投げると、専用バイク・マシンビルダーに変形した。

 

京輔「乗れ。」

 

龍馬「・・・・」

 

 

 

 

廃墟の街から出た後。

 

龍馬「本当に良いのか?」

 

京輔「俺は専用の研究所を持ってるんだ。そこでお前を鍛えてやるよ。」

 

龍馬「ありがとう・・・」

 

京輔「けど、ここからの道のりは厳しいぞ。ビシバシ行くからな。」

 

龍馬「構わない。家族の仇を討てるならそれで良い。」

 

それから龍馬は、京輔からハザードレベルを上げる修行を叩き込まれた。

 

 

 

 

そして4年後、2人の新たな戦いが幕を開けた。

 

『To Be Continued・・・』




         キャスト

      稲葉京輔:千葉翔也

      仁科龍馬:畠中祐




アサルトビルド HAZARD!

京輔「次回はいよいよ彼女達の戦いが始まる!」

龍馬「新たな物語が始まるな!」

第1話「新米なるリリィ」

京輔「邂逅の法則は決まった!」


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第1話「新米なるリリィ」

あの日から2年後。夜の山奥の石橋に、突如爆発が起こった。それは、1人のリリィの少女と触手を飛ばすヒュージとの戦いに起こった爆発だった。少女は、ヒュージが飛ばす触手をCHARMで弾きながら接近して攻撃を仕掛けるが、ヒュージの触手が攻撃を何度もガードする。




その戦いを、2人の少女が見守っていた。

少女「・・・!」

桃色の髪の少女がその戦いに衝撃を受けた。






一方、遠く離れた誰も居ない草原では。

???「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・!!」

2人の女性が、ヒュージから必死に逃げていた。

女性B「あぁ!!」

女性A「大丈夫!?」

1人の女性が躓いて転んでしまった。一緒に逃げてた女性が転んだ女性に駆け寄った。ヒュージが2人に迫り来る。2人は恐怖で動けなくなってしまった。

女性A「た・・・助けて・・・!」

女性B「い・・・嫌・・・!」

だがその時。

???「よっと!」

何者かがヒュージに飛び蹴りした。

???「オラァ!!」

更にもう1人の何者かがヒュージにパンチした。

女性2人「っ・・・!?」

その正体は・・・






仮面ライダービルドと仮面ライダークローズだった。






女性2人「・・・?」

ビルドは、ドリルの武器・ドリルクラッシャーにラビットタンクフルボトルを挿し込んだ。

『Ready Go!!』

英語音声が流れたと同時に、ドリルを高速回転させた。

『ボルテック・ブレイク!』

クローズは、握ってるビートクローザーのグリップ部分を引っ張った。

『ヒッパレー!』

刀身に蒼炎が纏った。

『スマッシュヒット!』

ヒュージは立ち直り、ビルドとクローズに向かって突進する。

ビルド・クローズ「ダアアァァァ!!!!」

Xの字の斬撃がヒュージを斬り裂き、斬り裂かれたヒュージが後ろで大爆発した。

ビルド「よっと。」

フルボトルでヒュージの細胞を抜き取ると、ヒュージが消滅した。

クローズ「今日も現れたな。」

ビルド「まだまだ油断は出来ねえな。さて、此奴を研究機関に送らねえとな。」

女性2人「・・・・・」

戦士の戦いに、2人の女性は呆然としていた。2人の戦士はそのまま何処かへ去って行った。




世界は謎の生命体『ヒュージ』の出現で
人類は破滅の危機に瀕していた

決戦兵器『CHARM』を駆使し
ヒュージと戦うリリィ達の
儚く美しい戦いが幕を開けた



あれから2年が経った。とある駅で、ある少女がメモ帳を読んでいた。

 

梨璃「ん〜・・・」

 

彼女の名は、一柳梨璃。百合ヶ丘女学院の新入生。今日は彼女の通う事になる私立百合ヶ丘女学院の入学式。言わずと知れたリリィ養成機関の名門。そう。彼女は、リリィになるのである。

 

彼女の名前の梨璃はリリィと良く似ており、昔はよくからかわれていたが、それは昔の話。

 

リリィとは、50年前に突如として出現した謎の生命体・ヒュージに対抗する為に残された最後の希望。彼女達は生徒でありながら、ヒュージと戦う使命がある。

 

梨璃「っ!」

 

電車の窓から外を見ると、海に巨大な竜巻が発生していた。

 

梨璃(あれはヒュージネスト・・・!ん?)

 

横の車道に1台の車が高速で電車を追い越していた。電車は湖を抜け、百合ヶ丘女学院へ向かう。

 

 

 

 

 

 

百合ヶ丘女学院付近にある研究所。1つの装置に玉が転がり、白いスイッチを押した。するとコーヒーメーカーにコーヒーが入った。そのコーヒーメーカーの横で、1人の男がパソコンで研究をしている。

 

京輔「・・・」

 

物理学者・稲葉京輔。またの名を、仮面ライダービルド。

 

龍馬「ふぁ〜・・・」

 

仁科龍馬。またの名を、仮面ライダークローズ。

 

京輔「起きたか。朝飯出来てるぞ。」

 

龍馬「あぁ、悪いな・・・何か進展あったか?」

 

京輔「何時も通りのヒュージネストの発生だ。何か予感を感じる。」

 

龍馬「そんな簡単に休息させてくれないか・・・ん?」

 

テーブルの上に1枚の封筒があった。

 

龍馬「手紙か?」

 

京輔「あぁ。政府からの速達でな。」

 

龍馬「ん?今日の夕方までに開けないで下さい?何だこれ?」

 

京輔「さあな。重要事項が書かれてるんじゃねえの?」

 

この2人は、リリィ達に隠れながら仮面ライダーとしてヒュージと戦い続けている。

 

 

 

 

 

 

一方梨璃は駅の改札口を出て、敬礼する軍の方に一礼して百合ヶ丘女学院へ向かう。他の新入生は寮に向かっているが、梨璃は走って向かう。実は彼女は百合ヶ丘女学院で補欠合格したのだ。彼女はリリィになってヒュージと戦う決意を固めている。

 

 

 

 

遂に、百合ヶ丘女学院前に到着した。梨璃が横断歩道を渡ろうとしたその時。1台の車が梨璃の前に停車した。

 

梨璃「うわあ!!」

 

その車のドアが開き。

 

???「ドア位自分で開けます。」

 

1人の少女が降りた。

 

???「今日からは自分の面倒は自分で見なくてはならないんですから。」

 

新入生の楓・J・ヌーベル。大富豪のご令嬢。

 

楓「あら?」

 

バッタリと梨璃と目が合った。

 

楓「ごきげんよう。」

 

梨璃「へ?」

 

楓「あなたもう帰って宜しくてよ。」

 

梨璃「へ・・・?で、でも私!今着いたばかりで!!」

 

楓「でも私、付き人は必要無いと申し上げたんですのよ?」

 

梨璃「つ、付き人!?違います!!私はれっきとした百合ヶ丘女学院の新入生です!!!」

 

 

 

 

事情を聞いた楓は梨璃と一緒に学院へ。

 

楓「まぁ、袖振り合うも多少の縁と申し上げますし。私、楓・J・ヌーベルです。」

 

梨璃「私、一柳梨璃です!」

 

楓「ん?そう主張なさらなくても、リリィなのは分かっていますわ。」

 

梨璃「だ、だから名前が梨璃なんです!!」

 

楓「あ〜!リリィの梨璃さんですか!生まれながらのリリィって事ですわね?」

 

梨璃「いえ、あの・・・思い立ったのは去年なんですけど・・・」

 

 

 

 

 

 

研究所。2人が朝食を食べながらニュース番組を観ている。

 

京輔「ヒュージも全世界で絶えないもんだな。相変わらず。」

 

龍馬「俺達もリリィ達と一緒に戦えば良いのにな。」

 

京輔「出来れば避けたいじゃん?何かこう・・・プライバシーの侵害になるって言うか。」

 

龍馬「まぁ一理あるが・・・」

 

京輔「けど、いざと言う時に正体を明かすのは仕方無い事だしな。」

 

 

 

 

 

 

百合ヶ丘女学院で何かが起こっていた。2人の生徒の周りに他の生徒達が集まっていた。

 

???「中等部以来お久し振りです夢結様。」

 

夢結「何かご用ですか?遠藤さん。」

 

白井夢結。百合ヶ丘女学院2年生。

 

亜羅椰「亜羅椰と読んで頂けませんか?」

 

遠藤亜羅椰。百合ヶ丘女学院1年生。アールヴヘイム所属。

 

亜羅椰「そして入学のお祝いに、CHARMを交えて頂きたいんです。」

 

 

 

 

梨璃「やっと着いた・・・と思ったら、何ですか?あれ。」

 

楓「大方、血の気の多いリリィが上級生に絡んでいるんですわ。」

 

梨璃「そんな!!リリィ同士CHARMを向け合うなんて!!」

 

楓「リリィと言ったって、所詮は16〜7の小娘ですから。」

 

梨璃「ん?」

 

彼女は夢結を見た。

 

楓「あら!?あれは!」

 

梨璃「ん?・・・あっ!」

 

彼女は夢結を見て何かを感じた。そう、夢結は以前、梨璃とその友達を助けた百合ヶ丘女学院のリリィだった。

 

楓「白井夢結様ですわ!!ごきげんよう梨璃様!!」

 

目を輝かせて夢結に向かって走った。

 

梨璃「え・・・え!?」

 

 

 

 

壱「亜羅椰の奴、夢結様に何やってるのよ!」

 

百合ヶ丘女学院1年生の田中壱。アールヴヘイム所属。

 

樟美「喧嘩やってるんだよね?いっちゃん。」

 

百合ヶ丘女学院1年生の江川樟美。同じくアールヴヘイム所属。

 

壱「止めます?天葉様。」

 

天葉「私は興味あるかなぁ〜?」

 

百合ヶ丘女学院1年生の天野天葉。同じくアールヴヘイム所属。

 

壱「じゃあ見てますか。」

 

3人は見物する事にした。

 

 

 

 

一方梨璃は。

 

???「あ、あの!!」

 

梨璃「え?」

 

1人の女生徒に話し掛けられていた。

 

???「今のは、楓・J・ヌーベルさんでは?」

 

梨璃「う、うん。」

 

???「あの方は、有名なCHARMメーカー・グランギョニルの総帥を父に持つご自身も有能なリリィなんですよ!」

 

梨璃「へ、へぇ〜・・・」

 

???「あっちの方は遠藤亜羅椰さん!中等部時代からその名を馳せる実力派!もう一方の方は、どのレギオンに属さない孤高のリリィ、白井夢結様!」

 

梨璃「リリィに詳しいんだ。」

 

???「防衛省発行の官報をチェックしていればこの位。あ!私、二川二水って言います!!」

 

新入生の二川二水。

 

二水「さっきの様子だとヌーベルさん、夢結様とシュッツエンゲルの契りでも結ぶつもりかもですね。」

 

梨璃「シュッツエンゲルか・・・二川さんにも、そう言う憧れのお方は居るの?」

 

二水「ふ、二水で良いよ!私みたいに補欠合格のヘッポコがシュッツエンゲルなんて・・・」

 

梨璃「あはは。気にする事ないよ。補欠なら私だって。」

 

二水「知ってます。一柳梨璃さん。」

 

梨璃「うっ!梨璃で良いよ・・・」

 

 

 

 

一方楓は野次馬を掻い潜って夢結と亜羅椰の近くまで来た。

 

楓「夢結様!!」

 

 

 

 

夢結「お退きなさい。時間の無駄よ。」

 

亜羅椰「なら、その気になって貰います。」

 

右手のリングにキスをし、CHARMに触れるとリングが発動した。するとCHARMの宝玉が輝き、CHARMがアックス状に変形した。

 

 

 

 

壱「抜きやがった!!」

 

 

 

 

夢結「手加減はしないわよ。」

 

亜羅椰「あら怖〜い。ゾクゾクしちゃ〜う。」

 

楓「は〜いそこ!お待ちになって。」

 

だが楓が仲裁に入った。

 

楓「私を差し置いて勝手な事をなさらないで下さいます?」

 

亜羅椰「何?あなた。」

 

彼女の言葉を無視した楓が夢結に自己紹介する。

 

楓「お目に掛かり光栄です。私、楓・J・ヌーベルと申します。夢結様には、何れ私のシュッツエンゲルになって頂きたいと存じております。」

 

亜羅椰「しゃしゃり出て来て何のつもり!?」

 

夢結「はぁ・・・」

 

亜羅椰「それとも、夢結様の前座と言う訳?」

 

楓「上等。」

 

CHARMケースのファスナーを開けた。

 

楓「ですわ!!」

 

自身のCHARMを掴もうとした瞬間。

 

楓「っ!?」

 

そこにやって来た梨璃に手を掴まれた。

 

梨璃「だ、ダメだよ楓様!!」

 

亜羅椰「?」

 

夢結「?」

 

 

 

 

周囲の生徒達もその光景に目を向けた。

 

二水「あ、あれ!?梨璃さん何時の間に!?うっ!」

 

頭に何かが乗っかった。

 

???「中々すばしっこい奴じゃな!」

 

二水「じゃな?」

 

デカいツインテールの少女の髪が頭に乗っかってた。

 

???「じゃが、一歩間違えれば切られ兼ねんぞ。」

 

二水(ミリアム・ヒルデガルド・v・グロピウス!?)

 

百合ヶ丘女学院1年生のミリアム・ヒルデガルド・v・グロピウス。

 

 

 

 

楓(私の間合いに入って来るなんて・・・!?)

 

梨璃「リリィ同士でいけませんよ!!」

 

楓「私の格好良い所を邪魔なさらないで下さる!?」

 

梨璃「ダメです!!」

 

亜羅椰「邪魔なのはあなた達でしょ!!」

 

夢結「良いわ。面倒だから、3人纏めていらっしゃい。」

 

梨璃「私まで!?」

 

楓「い、いえ!私は夢結様の味方なんですの!!」

 

亜羅椰「もう!!私だけ見ていて下さい!!夢結様!!」

 

 

 

 

”ゴーン!”

 

 

 

 

全員「!?」

 

百合ヶ丘女学院の鐘が鳴り響いた。

 

 

 

 

 

 

研究所。

 

龍馬「学院の鐘が!」

 

京輔「何処から来る?調べるぞ!」

 

龍馬「ああ!」

 

 

 

 

 

 

百合ヶ丘女学院。

 

???「何をなさっているんですか!?あなた達!!」

 

百合ヶ丘女学院3年生の出江史房。

 

史房「遊んでいる場合ではありません。先程、校内の研究施設から2体の生体標本のヒュージが逃走したとの報告がありました。出動可能な皆さんには、捕獲に協力して頂きます。」

 

夢結「分かりました。」

 

捕獲に向かおうとした夢結だが。

 

史房「待ちなさい。夢結さん。単独行動は禁じます。」

 

夢結「何故です?」

 

史房「このヒュージには、周囲の環境に擬態するちの情報があります。必ずペアで行動して下さい。そうね・・・あなた、夢結さんと一緒に行きなさい。」

 

彼女は楓を指名した。

 

楓「あ、はい!!」

 

夢結「必要ありません。足手纏いです。」

 

史房「あなたには、足手纏いが必要でしょ?」

 

亜羅椰「私のしょーぶー!!!」

 

壱「行くよ。亜羅椰。」

 

一方亜羅椰は壱に引っ張られていた。

 

史房「実戦経験の無い方は体育館へ。」

 

梨璃「わ、私もお伴します!!」

 

楓「何ですって!?」

 

梨璃「お役に立ちたいんです!!!」

 

夢結「・・・・」

 

彼女は先程の梨璃の行動を脳裏に浮かべた。

 

夢結「いらっしゃい。」

 

梨璃「っ!!」

 

楓「あ!お待ちになって下さーい!!」

 

梨璃「あ、あの!私、一柳梨璃って言います!!(でも・・・あのお方は、もっと優しい感じだった・・・)あ!ま、待って下さーーい!!」

 

 

 

 

 

 

研究所。京輔がビルドフォンで研究所の屋上からヒュージを捜索中。

 

京輔「・・・居ない。龍馬!そっちは?」

 

同じく龍馬も屋上からヒュージを捜索。彼が握っているのは、京輔が開発したクローズフォン。ビルドフォンと同じ機能を持つ端末アイテム。

 

龍馬「こっちも居ない。どうやら、何処かに擬態してるかもな。」

 

京輔「確かに。動けば反応するんだがな・・・」

 

”ピコーン”ピコーン!”

 

京輔「お!反応あった!」

 

龍馬「何処に居るんだ!?」

 

京輔「場所は・・・え?」

 

龍馬「どうした?」

 

京輔「ここって・・・」

 

ヒュージの居場所は・・・この研究所内部だった。

 

京輔・龍馬「はっ!!」

 

 

 

 

 

 

百合ヶ丘女学院・体育館。

 

二水「梨璃さん、何処へ行ったのかな・・・?まさか・・・ヒュージを捕まえに行ったりしてないよね・・・?」

 

”ドゴーーン!!!!”

 

生徒達「きゃあああっ!!」

 

振動で体育館が揺れた。

 

二水「何、今の・・・?まさか・・・」

 

 

 

 

 

 

研究所が、擬態能力を持つヒュージに破壊されてしまった。

 

京輔「俺の研究所が・・・!!」

 

龍馬「何時の間に内部に潜入したんだ・・・!?まさか、俺達が戦ってる合間に・・・?っ!!」

 

そこに擬態したヒュージが姿を現した。

 

龍馬「彼奴が!!」

 

京輔「・・・おい龍馬。」

 

龍馬「ん?」

 

京輔「あの馬鹿野郎をぶっ潰すぞ!!!俺の大事な研究所を滅茶苦茶にしやがって!!!俺の苦労を徒労にしやがって!!!」

 

龍馬「お、落ち着け!」

 

京輔「だが報酬の大金とヒュージ細胞回収フルボトルが無事なのはまあ良しとする!!龍馬、あの野郎をぶっ潰すぞ!!」

 

龍馬「ああ!!!」

 

2人はドリルクラッシャーとクローズマグマナックルを握った。

 

 

 

 

 

 

一方同じ頃梨璃達3人は。

 

楓「梨璃さんさえ居なければ夢結様と2人きりなのに・・・梨璃さんさえ居なければ・・・」

 

ブツブツ文句言いながらヒュージを捜索している。

 

 

 

 

やがて、苔が生い茂った廃墟に着いた。

 

梨璃「凄い・・・これ、ヒュージと戦った後ですか?」

 

楓「学院自体が海から襲来するヒュージを積極的に誘引し、地形を利用した天然な要塞になるので、周囲の市街地に被害が及ぶ事を防いでいるのですわ。」

 

 

 

 

切通し地帯。

 

楓「はぁ・・・何なんですの?この道は。」

 

夢結「切通しと言って、1000年程昔に作られた通路よ。」

 

楓「はぁ・・・歴史の勉強になりますわね。」

 

この近くに謎の影が忍び寄っている。

 

 

 

 

草原地帯。楓がベンチで休憩している。

 

楓「はぁ・・・入学式の前から草臥れ果てましたわ・・・」

 

梨璃「何も出ませんね。もうちょっと奥まで行きますか?」

 

だがそこに異形の姿が迫って来る。

 

楓「この辺りには居ないのではありませんか?」

 

夢結「っ!!一柳さん!!」

 

梨璃「ん?」

 

後ろを見ると、ヒュージが姿を現した。

 

梨璃「うわああっ!!で、出た!!!」

 

すぐ様楓が使用CHARMのジョワユーズを構える。

 

楓「お退きなさい梨璃さん!!」

 

ヒュージが梨璃の前に着地した。梨璃がCHARMに触れたが。

 

梨璃「動かない!?」

 

何故かCHARMが反応しない。ヒュージが斧状の腕を振り上げた。

 

梨璃「あ・・・」

 

恐怖で動かない梨璃を夢結が抱え、制服のボタンを地面に投げると眩しく光った。その隙に逃げる。

 

 

 

 

 

 

その頃京輔と龍馬は、ビルドとクローズに変身してヒュージと戦っていた。

 

京輔「デカくて頑丈だな!」

 

龍馬「大打撃を与えるしか無いな!」

 

するとヒュージがその場から逃走した。

 

京輔「あ!あの野郎!」

 

ビルドフォンにライオンフルボトルを挿し込んだ。

 

龍馬「逃がすか!!」

 

クローズフォンにチーターフルボトルを挿し込んだ。

 

『ビルドチェンジ!』

 

マシンビルダーへ変形した。

 

『クローズチェンジ!』

 

カウルに龍の紋章を象ったマシンクローザーへ変形した。

 

京輔「行くぞ!」

 

マシンに乗った2人がヒュージを追う。

 

 

 

 

 

 

その頃梨璃達は別の切通しに避難したが。

 

楓「あなた、CHARMも使えないで一体何をなさるおつもりでしたの!?」

 

梨璃が楓に壁ドンされて説教を受けていた。

 

楓「・・・」

 

梨璃「ごめんなさい・・・私・・・」

 

夢結「いいえ。一柳さんがそこまで初心者だと見抜けなかった私の責任です。」

 

楓「それは・・・だからって、自重すべきでしょ!あなたは!」

 

梨璃「・・・」

 

携帯を見る夢結だが、ここは圏外だった。

 

夢結「少しの間、周りの警戒をお願いします。」

 

楓「へ!?あ、はい。」

 

夢結「まだCHARMとの契約を済ませていないのでしょう。略式だけど、今してしまいましょう。」

 

梨璃「・・・はい。」

 

すぐにCHARMと契約を始めた。梨璃がCHARMのグングニルを握り、夢結が梨璃の手に自分の右手を添える。すると梨璃の右手に血が流れ始めた。

 

夢結「痛むでしょ?」

 

梨璃「いえ、大丈夫です・・・夢結様、私の血が・・・」

 

夢結「それで良いの。」

 

血が梨璃のリングに流れると、リングが発動して光った。

 

梨璃「っ!!」

 

夢結「略式と言う事になっているけど、これが本来の形なの。指輪を通じて、あなたの魔法(マギ)がCHARMに流れ込んでいるわ。」

 

梨璃「魔法(マギ)が・・・」 

 

2人を見ている楓。すると。

 

楓「っ!!来ましたわ!!」

 

空から先程のヒュージが襲って来た。楓がジョワユーズで攻撃を防いだ。だがヒュージが変形して武器を増やした。楓がジャンプで避け、ジョワユーズをライフルモードへ変形させて弾丸を連射する。ヒュージが飛翔しながらガスを撒き散らした。

 

楓「ガス!?」

 

夢結「大丈夫!ただの目眩ましよ!」

 

楓「これじゃあ私の格好良い所を、夢結様にお見せ出来ないですってば!!」

 

そう言いながらヒュージの攻撃を防ぎながらヒュージを探す。

 

夢結「CHARMが起動するまで、手を離さないで。」

 

梨璃「はい。夢結様、何時まで・・・?」

 

夢結「その時になれば分かるわ。」

 

だが彼女の後ろにヒュージが急接近した。

 

夢結「っ!!!」

 

CHARMを使おうとしたが。

 

梨璃「待って下さい!!」

 

夢結「っ!?」

 

何故か梨璃が夢結の右手を掴んで止めた。

 

楓「夢結様!!」

 

ヒュージの後ろからジョワユーズを握った楓が飛んで来たが、2人は間一髪避けた。

 

夢結「っ!」

 

上空からヒュージが落下し始めた。すると夢結が、梨璃の蝶ネクタイを外した。

 

梨璃「え!?」

 

蝶ネクタイがブレード状に変形した。夢結が上へ投げるとヒュージの目に突き刺さり、ヒュージが眩しく光った。

 

 

 

 

 

 

その頃ビルドとクローズは。

 

龍馬「見失ったか・・・」

 

京輔「あの野郎・・・!!賠償金をすっぽかしやがって・・・!!」

 

龍馬「いやヒュージは金持ってねえぞ。」

 

 

 

 

 

 

その頃梨璃達は。

 

楓「申し訳ありません、夢結様。」

 

夢結「あのヒュージ、私達の相打ちを狙ったわ。」

 

楓「まさか!ヒュージがそんな知恵を!?」

 

夢結「一柳さんにお礼を言うべきね。」

 

楓「え?」

 

梨璃「へ?」

 

夢結「一柳さんが私を止めなかったら、あなた今頃真っ二つになっていた所よ。」

 

楓「ううぅ・・・あなた目が良いのね?」

 

梨璃「あはは。田舎者のもんで、視力には自信あります。」

 

だがその時、彼女達の周囲に煙幕が。

 

梨璃「な、何!?」

 

先程のヒュージが出現した。夢結がCHARMを握ってヒュージを叩き付けた。だがヒュージが攻撃を止めずに夢結に集中攻撃する。夢結がヒュージの攻撃を避け続ける。だがヒュージが触手を増やし、夢結を束縛した。

 

梨璃「夢結様!!」

 

その時、梨璃のグングニルに変化が起こった。グングニルがブレードモードへ変形した。

 

楓「・・・フッ。一撃でしてよ?その位出来まして?」

 

梨璃「うん!」

 

2人が同時に走り出し。

 

梨璃・楓「やあああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

 

大ジャンプして、ヒュージの触手を破壊した。解放された夢結が着地し、触手を更に増やしたヒュージを一刀両断した。ヒュージが青い液体を流しながら倒れると崖が崩れた。

 

梨璃「楓さん!!」

 

彼女は楓を前に押した。すると楓が洞窟へ落ちて行って、出口が岩で塞がれた。

 

夢結「梨璃!!」

 

彼女は梨璃を庇った。ヒュージの液体が彼女に被った。

 

 

 

 

 

 

同じ頃ビルドとクローズは、ようやくヒュージを倒して細胞を回収した。

 

龍馬「これで回収完了したな。」

 

京輔「けど、俺の研究所がもう戻らねえよ・・・」

 

龍馬「京輔・・・」

 

 

 

 

その日の夕方。京輔と龍馬は、破壊された研究所を見ていた。

 

京輔「この研究所で、色々あったよなぁ。はしゃいだり、喧嘩したり、笑い合ったり。」

 

龍馬「俺をクローズへ変身させる為に鍛えさせてくれたりしたもんな。」

 

京輔「しばらくは野宿生活だな。それとも、大金を持って何処か新居を探すかだな。」

 

龍馬「そうするしか無いか。」

 

京輔「ん?そう言えば。」

 

ジャケットの内ポケットから、政府からの封筒を出した。

 

龍馬「ん?今朝の封筒か?」

 

京輔「夕方までに開けるなって書いてあったからな。開けてみるぞ。」

 

龍馬「何が書いてるんだ?」

 

封筒を開けて、中の手紙を読む。

 

龍馬「っ!!」

 

京輔「これは・・・!!」

 

その手紙に書かれた内容とは・・・

 

 

 

 

 

 

 

一方、梨璃と夢結が百合ヶ丘女学院の検疫室で2人きり。

 

夢結「その傷、跡が残るわね。」

 

梨璃「これで今日の事、忘れずに済みそうです。夢結様、CHARMを変えたんですね?」

 

夢結「・・・」

 

梨璃「私、2年前に甲州撤退戦の時に夢結様に助けて貰ったんです。」

 

 

 

 

 

 

今から2年前の甲州撤退戦。

 

友達「怖いよ!梨璃ちゃん!」

 

梨璃「止まっちゃダメだよ!!走って!!」

 

逃げ遅れた梨璃とその友達が走っていると、光る石が梨璃達に迫った。

 

梨璃「あっ!!」

 

しかし、そこに現れたリリィが攻撃を弾いた。

 

リリィ「この子達をお願い!!」

 

梨璃「あれがリリィ・・・何だろう?この光。」

 

光る石の破片が足元に落ちていた。

 

???「あなた、まだ走れるでしょ?」

 

梨璃「え?」

 

???「援軍がそこまで来ているから、お友達を連れて真っ直ぐお行きなさい。」

 

その時助けてくれたのが、夢結だった。当時彼女はまだ表情が豊かだった。

 

梨璃「は、はい!さぁ!走ろう!リリィが守ってくれるから大丈夫だよ!!」

 

友達「う、うん!」

 

梨璃「あの!」

 

夢結「ん?」

 

梨璃「お、お気を付けて!!」

 

夢結「・・・ありがとう。」

 

 

 

 

 

 

現在。

 

梨璃「百合ヶ丘のリリィだって事は分かっても、それ以上の事は分からなくて。」

 

夢結「まさか、それだけでここへ?」

 

梨璃「はい!補欠ですけど。」

 

梨璃「筋金入りの無鉄砲ね。」

 

梨璃「こうしてすぐに夢結様に会えて、夢叶っちゃいました。けど夢結様、2年前にお会いした時よりも、何処か・・・いえ、何でもありません。もう1人のリリィにもお礼を言わなくちゃ。」

 

検疫室の照明が点き、扉が会いた。

 

???「やあやあやあ!2人共ごめんね〜!」

 

百合ヶ丘女学院2年生の真島百由。工廠科。

 

百由「初めまして!私は真島百由。標本にするはずだったヒュージをうっかり逃がしちゃって。まさか厚さ50センチのコンクリートを破るとは思わなかったわぁ〜。」

 

夢結「迂闊な事ね。」

 

百由「予測は常に裏切られるものよ。私達は楽な相手と戦ってる訳じゃない。その為のリリィでしょ?勿論!夢結とこの子には感謝しているのよ!」

 

夢結「この子ではないわ。梨璃よ。」

 

梨璃「夢結様・・・」

 

百由「分かっているいるわ。だからこうして来たんでしょ?あー!この言い方がいけないのね?反省しています。ごめんなさい!フフッ。」

 

 

 

 

 

 

検疫室前。楓が座り込んでいた。扉が開き、梨璃と夢結が出て来た。

 

楓「・・・!」

 

梨璃「楓さん!さっきは突き飛ばしちゃって・・・」

 

すると楓が梨璃に抱き付いた。

 

梨璃「あ、あの・・・私梨璃だけど・・・」

 

楓「自分でも驚きですわ。信じて頂きたいのですけれど、私そんなに軽い女じゃありませんのよ。すみません夢結様・・・私、運命のお相手を見付けてしまいました!」

 

夢結「いえ。お構いなく。」

 

そう言いながら講堂へ行ってしまった。

 

梨璃「そんな・・・えぇ!?」

 

 

 

 

 

 

百合ヶ丘女学院・講堂前。

 

梨璃「入学式、もう終わっちゃいましたね・・・」

 

講堂のドアを開ける。

 

梨璃「誰も居ませ・・・あっ!!」

 

 

 

 

 

 

しかし生徒全員が梨璃達を待っていてくれてた。

 

 

 

 

 

 

二水「居たーーーーーー!!!入学式はこれからですよ!!!」

 

梨璃「二水ちゃん!!!」

 

二水「今日1番の功労者の為にって、理事長代行が時間をずらしてくれたんです!!」

 

ミリアム「おう有名人!初陣でCHARMと契約してヒュージを倒すとは、やらかしおる!」

 

梨璃「私は足を引っ張っただけですよ!」

 

楓「そんな事ありません!梨璃さんはご立派でしたわ!」

 

ミリアム「う〜ん・・・これにはそう書いてあるがの。」

 

1枚の書類を出した。

 

梨璃「何ですの?それ。」

 

二水「私が刷りました!週刊リリィ新聞号外です!でも、何でヌーベルさんと腕組んでるんですか?」

 

楓「これには、深ーい訳がありますの!スリスリ〜。」

 

梨璃(あれ?夢結様?)

 

講堂に夢結の姿が何処にもない。

 

???「君が噂の新米リリィか。」

 

梨璃「え?」

 

そこに現れたのは、稲葉京輔と仁科龍馬だった。

 

梨璃「あ、あなたは?」

 

二水「あ!こちらの方達は、今日から百合ヶ丘女学院に赴任した稲葉京輔先生と仁科龍馬先生です!」

 

京輔「稲葉京輔だ。こう見えて物理学者だ。宜しく。」

 

龍馬「仁科龍馬。宜しく頼む。」

 

実はあの封筒に入っていた手紙は、京輔と龍馬を百合ヶ丘女学院へ赴任の推薦状だった。

 

 

 

 

 

学院の掲示板には、もう1冊の週刊リリィ新聞の号外があった。そこには、仮面ライダービルドと仮面ライダークローズの記事が掲載されていた。記事には、謎の戦士・仮面ライダー現ると書かれていた。

 

 

 

 

その日の夜。夢結の部屋。先輩の川添美鈴が夢結を心配していた。

 

美鈴「見届けなくて良かったのかい?入学式。」

 

夢結「私には、関係ありませんから。」

 

美鈴「関係あるさ。夢結も慕う側から、慕われる側になった訳だ。月日の流れを実感するね。」

 

夢結「からかうのは止めて下さい。」

 

美鈴「フフッ。夢結もまだ可愛い所が残っていると分かって、僕も嬉しいよ。」

 

夢結「・・・・」

 

彼女の過去に何があったのか・・・

 

『To Be Continued・・・』




キャスト

稲葉京輔:千葉翔也

仁科龍馬:畠中祐

一柳梨璃:赤尾ひかる
白井夢結:夏吉ゆうこ
楓・J・ヌーベル:井澤美香子
二川二水:西本りみ
ミリアム・ヒルデガルド・v・グロピウス:高橋花林
真島百由:水瀬いのり
遠藤亜羅椰:関根明良
田中壱:洲崎綾
天野天葉:津田美波
江川樟美:原田彩楓
出江史房:長妻樹里
友達:伊藤美来

川添美鈴:川澄綾子




アサルトビルド HAZARD!

二水「次回は梨璃さんが夢結様とシュッツエンゲルの契りを結ぶお話です!」

楓「何ですって!?」

第2話・運命のシュッツエンゲル

京輔「契約の法則は、決まった!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
オリ主紹介

稲葉京輔(いなばきょうすけ)

声-千葉翔也



年齢・28歳

モデル・佐伯亮

ハザードレベル・6

髪型・赤と青のメッシュ

服・灰色のシャツ、赤いジャケット、青いジーンズ、白いスニーカー

性格・陽気

仮面ライダービルドに変身する青年。
別世界で事故死してしまい、葛城巧と出会い、ビルドドライバーとフルボトルを受け取り、別の世界で生き返らせて貰った。
4年前に仁科龍馬と出逢った。

龍馬と出逢うまでの8年間世界各地を回りながら仮面ライダービルドに変身して、密かにヒュージと戦い続けた。

自前の研究施設があるが、ヒュージによって破壊された。

しかしヒュージにより研究所を破壊されたが、政府から百合ヶ丘女学院への赴任を命じられ、フルボトルで摂取したヒュージの細胞を研究機関に提供しながら、リリィの育成を援助しながら仮面ライダービルドとしてヒュージと戦う日々を送ってる。

実は百合マニアであり、百合場面を見ると興奮する事も。
部屋には百合漫画を隠している。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
仁科龍馬(にしなりょうま)

声-畠中祐



年齢・28歳

モデル・木原瑠生

ハザードレベル・6

髪型・金髪

服・黒いシャツ、青いジャケット、黒いジーンズ、黒いブーツ

性格・熱血

仮面ライダークローズに変身する青年。
家族はヒュージに殺されてしまっている。
4年前にヒュージに殺されそうになった所、京輔が変身した仮面ライダービルドに助けられ、家族の仇を討つ為に彼と行動を共にする。
その翌年に仮面ライダークローズに変身する特訓を達成した。

その4年後の現在は京輔と共に百合ヶ丘女学院へ赴任され、彼と同居しながら、仮面ライダークローズとして密かにヒュージと戦う日々を送っていた。


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第2話「運命のシュッツエンゲル」

ある日の朝。

梨璃「・・・・あっ!!」

1年生の一柳梨璃がベッドから起きて、カーテンを開けた。学院で初めての朝。

ルームメイト「ごきげんよう・・・」

そこにルームメイトの少女が起きた。

梨璃「あわわわ!!起こしちゃいましたか!?すみません!!すみません!!」

彼女は、ルームメイトの『伊東閑』。シュバルツグレイルの隊長を務めているリリィの1人。

閑「・・・ん?」

ベッドにある梨璃のCHARMを見た。

閑「あなた、一晩中CHARMを抱いて寝てたの?」

梨璃「ん?うん。支給された時に、何時でも傍に置いておくようにって言われたから。CHARMってほんのりあったかいから、甲州の夜にはありがたくて。」

閑「変な子。」






別の部屋では。

龍馬「・・・・ん?」

京輔「・・・・」

起きた龍馬が、朝からタブレットをしている京輔を見た。

龍馬「・・・朝から研究か?」

京輔「いや、昨日理事長代行から生徒名簿を貰ってな。」

龍馬「生徒名簿?」

京輔「赴任された時に生徒を覚えておくようにって。」

龍馬「ふぅ〜ん。」




世界は謎の生命体『ヒュージ』の出現で
人類は破滅の危機に瀕していた

決戦兵器『CHARM』を駆使し
ヒュージと戦うリリィ達の
儚く美しい戦いが幕を開けた



場所が戻って梨璃の部屋。

 

閑「じゃあ、私はお先に。」

 

制服に着替えた閑が出ようとした。

 

梨璃「え!?は、はい!えっと、えっと・・・」

 

制服の着方が分からない梨璃に、閑が。

 

閑「手伝うわ。向こう向いて?」

 

梨璃「あ、ありがと・・・」

 

彼女に制服を着させた。

 

閑「昨日の怪我、痛むの?」

 

右腕に包帯が巻かれてあった。

 

梨璃「うん、大丈夫・・・」

 

閑「そう。運が良かったのね。」

 

梨璃「っ!・・・・・」

 

 

 

 

 

 

食堂。生徒達が朝食を食べている。梨璃は周りを見て誰かを探している。

 

 

 

 

その後女子トイレで手を洗い終えた直後。

 

???「あら?おはよう梨璃さん。」

 

アールヴヘイム所属の1年生・遠藤亜羅椰に絡まれた。

 

梨璃「あ、どうも・・・じゃなくて!ごきげんよう?」

 

亜羅椰「そんな在り来たりじゃなくて、もっと本質的な挨拶をしない?」

 

梨璃「本質的?」

 

そう言うと亜羅椰が梨璃に迫り、彼女に顎クイした。

 

亜羅椰「ウフフフ。」

 

するとその時。

 

”ガコン!!”

 

梨璃・亜羅椰「っ!?」

 

楓「ちょっとそこ!!私の梨璃さんから離れなさい!!」

 

1年生の楓・J・ヌーベルが割り込んだ。

 

亜羅椰「またあなた?ターゲットは夢結様かと思ったら、とんだ尻軽さんね。」

 

楓「運命の出会いがありましたの。この私が抗えない程に劇的な。」

 

亜羅椰「ほほう?その運命のお相手とやらは、それ程でもないみたいだけど?」

 

楓「梨璃さんも少しは抵抗しなさい!!」

 

梨璃(リリィって、皆こうなのかな?)

 

亜羅椰「もし梨璃さんが本当のお相手と言うなら、きちんと縛り付けておかないと、食っちまいますわよ;ぉ?」

 

楓「ご心配なく。梨璃さんと私はそんなヤワな関係では・・・あら?梨璃さん?」

 

何時の間にか梨璃の姿が忽然と消えていた。

 

楓「梨璃さん!?」

 

そんな梨璃は気配を感じさせずに女子トイレから逃げ出したのだった。

 

 

 

 

一方その頃京輔と龍馬は、学院の敷地内を歩き回っている。

 

京輔「これだけ生徒が多いと、名簿無しでは覚えられないな。」

 

龍馬「まぁここはガーデンの中で一番の人気を誇るリリィ養成学院だからな。」

 

京輔「さて、そろそろ校舎へ行かなくちゃな。」

 

 

 

 

山梔館。

 

梨璃(昨日のお礼を言わなくちゃ。夢結様に。・・・あっ!!)

 

そこに夢結を発見した。

 

梨璃「おはようございます!!夢結様!!」

 

2年生の白井夢結。梨璃の挨拶で足を止めた。だが夢結からの返事は無い。

 

梨璃「あれ?あの、夢結様・・・?あの、夢結様!!私、梨璃です!!昨日の事、お礼が言いたくて・・・」

 

だが彼女は、梨璃のお礼を聞かないまま去ってしまった。

 

梨璃「ご、ごきげんよう!!」

 

 

 

 

 

 

百合ヶ丘女学院・本校舎。梨璃が落ち込んで校舎へ行くと。

 

二水「あ!梨璃さーーん!!」

 

1年生の二川二水が梨璃に手を振った。

 

梨璃「あ!二水ちゃん!!」

 

2人は顔を合わせて。

 

梨璃・二水「ご、ご・・・ごきげんよう!わぁ〜!」

 

意気投合した2人が手を握った。

 

二水「私今、百合ヶ丘に来たーって実感してます!」

 

梨璃「私もだよ!」

 

二水「それに、梨璃さんと私、同じクラスになったんですよ!」

 

梨璃「本当!?良かったぁ〜!嬉しい!」

 

楓「そんなに喜んで頂けると、私も嬉しいですわ!」

 

梨璃「わぁ!?楓さん!」

 

クラス表に3人の名前があった。

 

梨璃「本当だ。」

 

楓「私と梨璃さんが隣り合って、これも魔法(マギ)が私達を導いたんですわ。」

 

二水「あいうえお順じゃないかな?」

 

京輔「龍馬、お前教師に務まるのか?」

 

龍馬「心配すんな。俺の親父は元高校教師だったからな。親父から色々聞かされたよ。」

 

京輔「ほほう。」

 

後ろから京輔と龍馬が出て来た。

 

梨璃「あ!先生!」

 

京輔「ん?おぉ君達。クラス表は見たのか?」

 

二水「はい!私と梨璃さんと楓さんが同じクラスになったんです!」

 

楓「これも魔法(マギ)の導きですわ!」

 

京輔「そ、そうか。」

 

 

 

 

 

 

足湯。

 

二水「はぁ〜、良い景色〜。」

 

梨璃「足湯なんてあるんだぁ。」

 

龍馬「足湯サイコーだなぁ〜。ってか、何で俺達までここに居るんだ?」

 

京輔「良いじゃねえか。生徒達とコミュニケーションを取るのも教師の仕事だからな。」

 

梨璃「良いのかな?朝からこんな。」

 

京輔「それは心配ない。明日から講義が始まるからな。」

 

梨璃「そうなんですか?」

 

楓「理事長の方針だそうですわ。学院はヒュージ迎撃の最前線であるのと引き換えに、リリィにとってのアジールでもあるべきだって。」

 

梨璃「アジール?」

 

龍馬「簡単に言えば戦役の事だ。」

 

楓「そう。何人にも支配される事もなく、脅かされる事のない常世。」

 

梨璃「常世?」

 

楓「まぁ、良い大人が私達のような小娘に頼っている事への贖罪と言う所でしょう。」

 

京輔「女の子に買収して頼るとか、とんだクズ共だな。」

 

二水「でも不思議ですね。同じクラスでも、私と梨璃さんみたいなド新人から、ヌーベルのように実績のあるリリィまで経歴も技量バラバラです。」

 

京輔「その方が連携だけじゃなく、ベテランと新人を平等に育成出来そうで良いじゃないのか?」

 

二水「そうなのでしょうか?」

 

楓「オホホホ!よく調べてるわね。私の事、楓って呼んで下さって宜しくてよ?」

 

二水「わぁ!本当ですか!?凄いです!グランギニョルの総帥のご令嬢とお近付きになれるなんて!」

 

楓「なんて事ございませんわぁ〜!」

 

梨璃「ギ・・・ギニョギニョって何ですか?」

 

楓「まさかご存じないとか!?」

 

二水「一度説明したじゃないですか!」

 

京輔「グランギニョル。フランスに本拠を置くCHARM開発の最強トップメーカーの1つ。そのメーカーを束ねる総帥のご令嬢が彼女、楓・J・ヌーベルだ。」

 

楓「そう!トップでしてよ!お父様の作るCHARMは世界一ですわ!」

 

龍馬「そんなに凄いのか?」

 

楓「勿論でしてよ!」

 

二水「稲葉先生も、グランギニョルをご存知なのですね?」

 

京輔「その知識、この天っ才物理学者にとっては朝飯前だからな!」

 

龍馬「出た自意識過剰のテンション。」

 

二水「先生の物理学って、どんな事をしているんですか?」

 

京輔「ん〜・・・今度教えてやろう。なぁ、君達の事、名前で呼んで構わないか?」

 

二水「勿論です!」

 

京輔「じゃあ俺を京輔と呼んでくれ。」

 

龍馬「龍馬で良いぞ。」

 

二水「はい!京輔先生、龍馬先生!」

 

楓「梨璃さん、仰って下されば何時でも梨璃さんにはキレッキレにチューニングしたカスタムメイドの最高級CHARMをご用意して差し上げますから、お楽しみに!」

 

梨璃「はぁ・・・」

 

 

 

 

 

 

カフェ。

 

二水「梨璃さん、朝食の後は何処に行ってたんですか?」

 

梨璃「あ、うん。ちょっと旧館に。」

 

二水「そっか。夢結様にご挨拶に行ったんですね?」

 

梨璃「私、夢結様にシュッツエンゲルになって欲しくて。」

 

楓「あら。ですがそれは普通上級生からお声が掛かるものですわ。」

 

二水「楓さんだって昨日は・・・」

 

楓「過去には囚われませんの。」

 

龍馬「シュッツエンゲル?」

 

京輔「この百合ヶ丘女学院に伝わる上級生と下級生が結ぶ契り。上級生が守護天使・シュッツエンゲルとなって下級生のシルトを導く。まぁ所謂姉妹みたいな事だ。まぁ俺達は相棒って言うし。」

 

梨璃「それが夢結様目も合わせてくれなくて・・・」

 

二水「えっ?昨日は良い雰囲気だったって・・・」

 

梨璃「私、嫌われちゃったのかな・・・」

 

楓「まぁ、元々気難しい事で有名なお方ですから。」

 

二水「今の夢結様はシュッツエンゲルの契り所か、どのレギオンにも属さず常にたったお1人でヒュージと戦っているそうです。」

 

京輔「なぁ、その子に何があったのか分からないか?」

 

梨璃「それは分からなくて・・・楓さん!私にチャームの使い方を教えてくれませんか?」

 

楓「それは喜んで!」

 

二水「でも明日から実習が始まり・・・」

 

楓「お黙りちびっこ!」

 

二水「ちびっこ!?」

 

龍馬「おいおい喧嘩は止せ。」

 

梨璃「私・・・早く一人前のリリィになりたいんです。そうすれば・・・」

 

龍馬「要するに、彼女に認めて貰いたいと言う事か。」

 

楓「お気持ちはお察ししますが、焦りは禁物・・・と普通なら申し上げる所ですが。」

 

楓「ここはヒュージ迎撃の最前線ですわ。初心者と経験者をまぜこぜにしているのは、リリィ同士が技を鍛え合う自主性もまた期待されての事。」

 

梨璃「それじゃあ・・・」

 

楓「喜んで協力して差し上げますって事ですわ。」

 

二水「その心は?」

 

楓「手取り足取り合法的に。うへへ・・・って何を言わせますの!」

 

京輔・龍馬「女好きか。」

 

楓「ちょっ!先生まで!?」

 

 

 

 

 

 

闘技場。

 

天葉「行くよ樟美!」

 

樟美「はい!天葉姉様!」

 

天野天葉と江川樟美が向かい合う。樟美が走りながらCHARMの魔法を連射した。天葉がその魔法に包み込まれた瞬間。

 

天葉「ハァッ!!」

 

その魔法を纏って飛翔し、天井にぶら下がっているボールをCHARMで斬り裂いた。天葉はゆっくりと地上へ着地した。

 

 

 

 

その模擬戦を見物していた5人は。

 

梨璃「わぁ・・・」

 

京輔「2年生の天野天葉と、1年生の江川樟美。あの2人もシュッツエンゲルを結んでいるんだ。」

 

梨璃「え!?もう!?」

 

二水「お2人共、中等部時代からのお付き合いなんですよ。」

 

龍馬「成る程。」

 

京輔「あぁ〜、尊いねぇ〜。」

 

龍馬「何興奮してんだお前?」

 

楓「ささっ。梨璃さんもご自分のCHARMをお抜きになって。」

 

梨璃「あ・・・うん。えっとえっと・・・」

 

楓「こうですわ。」

 

CHARMに触れると、大剣モードに変形した。

 

京輔「おぉ!」

 

龍馬「変形を生で見るの初めてだ。」

 

楓「ユグドラシル製のグングニル。初心者向けですわね。」

 

そんな楓のCHARMは、剣モードやボウガンモードへの変形が可能。

 

楓「鳥の羽よりも軽く蜂の針よりも鋭く時に鋼よりも重く硬く。これがCHARMですわ。」

 

ミリアム「ふむ。グランギニョルらしいケレン味じゃな。」

 

梨璃・二水「じゃな?・・・うわぁっ!!」

 

真後ろのミリアムが立っている。

 

京輔「ミリアム・ヒルデガルト・v・グロピウス。」

 

龍馬「名前長いな・・・」

 

楓「ミリアムさん。何をしに?」

 

ミリアム「CHARMの調整じゃ。寮に入ってから毎日来ておるぞ。」

 

梨璃「チャームを弄れるんですか?」

 

ミリアム「勿論じゃ。わしは工廠科じゃからな。」

 

二水「工廠科に属しながらリリィでもあるミリアム・ヒルデガルド・v・グロピウスさんですよ梨璃さん!」

 

梨璃「うわっ!二水ちゃん鼻血が!」

 

興奮して鼻血が出た。

 

ミリアム「お主、大丈夫か?」

 

二水「はい!ご心配なく!昨日から出っぱなしですから!」

 

龍馬「二水、ティッシュ使え。」

 

二水「あ、すみません。ありがとうございます。」

 

グングニルに触れるミリアム。

 

ミリアム『ほう。魔法(マギ)もまあまあ溜まっておる。中々素直なようじゃな』

 

梨璃「分かるんですか?」

 

ミリアム「普段から傍に置く事で、CHARMは持ち主の魔法(マギ)を覚えるのじゃ。そうやってチャームはリリィにとって体の一部となる。」

 

京輔「つまり、一心同体って事か。」

 

ミリアム「その通りじゃ。」

 

梨璃「へぇ〜。」

 

二水「私達にもそんな日が来るんでしょうか?」

 

ミリアム「う~ん・・・とは言え百合ヶ丘に入れたと言う事は、お主やお主にだってきっと何かあるはずじゃ。」

 

梨璃「だと良いんですが・・・」

 

ミリアム「楓だってそう思っておるはずじゃがな。お主等に言っていないと言う事は・・・うん。自信のない者の方が操りやすいからの。」

 

楓「!」

 

二水「楓さん意外とあくどい・・・と。」

 

メモに記入。

 

楓「ちょっと!人聞きが悪過ぎますわ!」

 

ミリアム「チャームの事をもっと知りたければ、工廠科に行ってみてはどうじゃ?百由様なら色々教えてくれるじゃろ。」

 

京輔・龍馬「真島百由か?」

 

 

 

 

 

 

工廠科。百由が夢結のCHARMの修理を終えていた。

 

百由「どう?」

 

夢結「ええ。良いわ。」

 

百由「少しガタ付いてたから、幾つか部品を交換しといたわ。銃身は後2回出動したら交換よ。覚えといてね~。私忘れっぽいから。どういたしまして!」

 

夢結「ええ。ありがとう。」

 

そうお礼を言って工廠科から出た。

 

百結「全く、可愛気が無いんだから。」

 

 

 

 

廊下では。

 

ミリアム「ここが工廠科じゃ。」

 

梨璃「地下にこんな施設があるんですね。」

 

龍馬「ここって本当に学校か・・・?」

 

京輔「養成機関だから、このような施設があっても良くね?」

 

ミリアム「おい百由様おるかー?」

 

工廠科のドアを開けた。

 

梨璃「わっ!眩しい!」

 

百結「ごきげんよう。ちょっと待って。これからCHARMの刃を硬化処理する所なの。」

 

今彼女はCHARMの刃の鍛冶をしている真っ最中。刃を冷却する。

 

百由「いらっしゃい。梨璃さんと楓さんね。えーとあなたは・・・」

 

二水「二水です!二川二水!」

 

百由「宜しく二水さん。そして、稲葉京輔先生と仁科龍馬先生。」

 

京輔「お?俺達を知ってるのか?」

 

百由「勿論。昨日から赴任した新しい先生だもの。今良い所なの。さあ上手く行ってよ~。」

 

冷却した刃を出した。

 

”キンッ!”

 

龍馬「何だ?」

 

百由「あ~!この一月の努力の結晶が~・・・」

 

 

 

 

失敗した刃を顕微鏡で見る。刃に術式が細かく刻まれている。

 

梨璃「何ですか?これ。」

 

百由「CHARMの刃には魔法(マギ)を制御する術式が刻み込まれているの。」

 

龍馬「亀裂が生じてるな。」

 

京輔「まさに亀裂の刃だな。」

 

ミリアム「リリィの体から流れ込む魔法(マギ)がこの術式によって活性化し、ヒュージを支える魔法(マギ)をまた断ち切るのじゃ。」

 

梨璃「ヒュージの魔法(マギ)・・・」

 

ミリアム「リリィに力を与えるのも魔法(マギ)なら、ヒュージに力を与えるのもまた魔法(マギ)じゃ。まあ道理じゃのう。お主も知っておろう?」

 

梨璃「はい。習いました。」

 

ミリアム「こんなのもあるぞ?ほい。」

 

梨璃「はい?」

 

細長いパイプを渡され、パイプの中を覗く。中にライフリングが刻まれている。

 

ミリアム「CHARMの銃身じゃ。よく見い。」

 

よく見ると、ライフリングにも術式が細かく刻まれている。

 

ミリアム「ライフリングにも術式が刻まれておる。弾がここを通る時に魔法(マギ)と共に術式が刻まれると言う訳じゃ。」

 

龍馬「うわぁ〜、細かいなぁ・・・」

 

京輔「ここまで刻み込むとは、流石CHARM・・・」

 

百由「ヒュージと違ってリリィはCHARMを依代とする事で魔法(マギ)を制御するんだけど・・・はあ・・・やっちまった~。」

 

 

 

 

 

 

食堂で昼食。

 

百由「しっかし、よりによって夢結とシュッツエンゲルだなんてねー。」

 

梨璃「はい。でも全然相手にして貰えなくて・・・あの、夢結様が今使っているチャームは・・・」

 

楓「ブリューナクですわ。」

 

梨璃「2年前に使っていたのは・・・」

 

百由「ダインスレイフね。」

 

梨璃「何故夢結様はチャームを持ち替えたんですか?」

 

百由「成る程ね。それは本人に聞くしかないでしょうね。」

 

梨璃「百由様は何かご存じなんですか?」

 

百由「知ってるわ。けど教えない。」

 

梨璃「何故ですか?」

 

百由「本人が望まない事を私がペラペラ喋る訳には行かないでしょ?」

 

梨璃「?」

 

百由「リリィは税金も投入される公の存在であるけど、その個人情報は本人がそれを望まなければ一定期間非公開にされるの。個人の心理状態が戦力と直結する上に、感じやすい10代の女子ともなればまあ仕方ないかもね。」

 

京輔「幼い女の子達に税金を払うとか・・・」

 

龍馬「世界って難しいなぁ・・・」

 

楓「あのお方、感度高そうには見えませんけど。」

 

百由「感じ過ぎるのよ。感じ過ぎて振り切れてしまった。おっと言い過ぎた。後は本人に聞いて話してくれるならね。」

 

楓「梨璃さん、どうしてそこまで夢結様に拘りますの?」

 

梨璃「初めて出会った時の夢結様と、今の夢結様はまるで別人みたいで・・・私・・・それが不思議で。知りたいんです。」

 

楓「夢結様がそれを望んでいなくてもですか?それとも、ご自分なら夢結様を変えられる?そんなのは梨璃さんのエゴではなくて?」

 

梨璃「それは・・・そうかもしれないけど・・・」

 

 

 

 

 

 

その頃夢結は、射撃場で射撃の訓練をしている。弾丸は全て的のど真ん中に命中。そんな彼女を、同じ2年生の吉村・Thi・梅が見ている。

 

 

 

 

 

 

梨璃「何が夢結様を変えてしまったのか。夢結様が胸の内に何をしまっているのか。私それを知りたいんです。」

 

楓「はあ・・・これはもう当たって砕けるより他になさそうですわね。夢結様にケチョンケチョンにされて、ボロ雑巾のようになった梨璃さんに私が手を差し伸べれば!一丁上がり!と言う寸法ですわ!」

 

二水「楓さん、妄想がダダ漏れです。」

 

京輔「楓、結構ポジティブだな。」

 

龍馬「どんだけ梨璃を好んでいるんだ?」

 

 

 

 

 

 

夕方。廊下を歩いていると。

 

梨璃「あ!」

 

途中で夢結と擦れ違った。

 

京輔(あの子が白井夢結?)

 

梨璃「あ・・・」

 

何かを言おうとしたが、夢結が去って行く。だが。

 

梨璃「ま・・・待って下さい!夢結様!私とシュッツエンゲルの契りを結んで下さい!」

 

梨璃「私夢結様に助けて貰って、夢結様に憧れてリリィになったんです!」

 

夢結「誰に憧れるのもあなたの自由だけれど、それとあなたが私のシルトになる事とは何の関係もないわ。」

 

梨璃「それは・・・」

 

夢結「あなたとシュッツエンゲルの契りを結んでも、私の作戦遂行能力が低下するだけよ。それがあなたの望み?」

 

痺れを切らせた楓が夢結を平手打ちしようとした。

 

京輔・龍馬「っ!!」

 

しかし、梨璃が楓の腕を掴んで止めた。

 

梨璃「止めて下さい楓さん!」

 

楓(またこの私が・・・)

 

だが、夢結が楓の頬に平手打ちした。

 

京輔「っ・・・!?」

 

楓「・・・くっ!!」

 

平手打ちされた楓が、夢結に平手打ちで返した。

 

龍馬「お、おいお前等止めろ!!」

 

京輔「待て。」

 

2人を止めようとする龍馬を京輔が抑えた。

 

楓「シュッツエンゲルとはそう言うものではないはずですわ!互いを愛し慈しむ心を世代を超え伝えるもの!単純な目先の利益を求めるものではないと聞いていましたが違いますか!?あなたのようなすっとこどっこいには寧ろ梨璃さんのような純粋なお方が必要ですわ!」

 

夢結「・・・そうね。分かったわ。」

 

楓「分かったとは?」

 

夢結「申し出を受け入れます。」

 

梨璃「え?」

 

夢結「私が梨璃さんの守護天使シュッツエンゲルになる事を受け入れましょう。」

 

梨璃「夢結様・・・?」

 

夢結「少しスッキリしたわ。ありがとう。」

 

二水「楓さんって案外良い人だったんですね!私見直しました!」

 

楓(あ~!私ってば何て事を~!)

 

自分の計画が台無しになってしまった。

 

夢結「梨璃さん。」

 

梨璃「は、はい!」

 

夢結「後悔のないようにね。」

 

梨璃「は・・・はい!絶対しません!」

 

 

 

 

 

 

天上ノ庭の大浴場。梨璃と楓と二水が体と頭を洗っている。

 

楓「何処か気になる所はありませんか?何処であろうとお流しいたしますよ。うふふ・・・」

 

二水「ずっと気になってましたけど、楓さんが梨璃さんを見る目何か邪です。」

 

楓「まさか!こんな純粋な眼差しの私が!?」

 

二水「手が滑りましたわ~なんて言って、変な所触ろうとしてませんか?」

 

楓「くっ・・・余計な事を。梨璃さんには変な所などございません!何処でもオッケーです!」

 

梨璃「そうだよ二水ちゃん。女の子同士だし。」

 

楓「えっ!宜しいんですの!?」

 

二水「やっぱり心配です。」

 

楓「梨璃さんのお役に立った当然のご褒美ですわ。おほほ。」

 

ミリアム「犬かお主は。」

 

楓「何ですって!?」

 

ミリアム「よいか梨璃。世の中には色んな奴がおる。どんな性癖も認められて然るべきなのは言うまでもないが、己が欲望をダダ漏れにするのは戒むべき事じゃ。そこのちびっこが宣ったのはそう言う事じゃな。」

 

二水「ええっ!ちびっこにちびっこって言われた~!」

 

楓「おのれですわこのドチビ共!」

 

浴槽では、1年生の安藤鶴紗、郭神琳、王雨嘉が浸かっている。

 

鶴紗「喧しい・・・」

 

 

 

 

 

 

一方男子湯では。

 

龍馬「ふぅ〜・・・今日も良い湯だぜ〜・・・」

 

京輔「なぁ龍馬、夢結から何か感じなかったか?」

 

龍馬「あの子?いや、シュッツエンゲルを結んでくれた良い子だと思うんだけどな。」

 

京輔「・・・・」

 

龍馬「何か気になるのか?」

 

京輔「気になるって言うか・・・やっぱり梨璃の言う通り、何か隠していると思う。」

 

龍馬「ん〜・・・それはあの子から直接訊くしかないな。けど、心を開くのに時間が掛かるかもだぞ?」

 

京輔「梨璃が彼女の支えになって、心を開いてくれる事を祈るしかないな。」

 

 

 

 

 

 

その後。梨璃と閑の部屋は。

 

閑「おかえりなさい。」

 

梨璃「え?あ・・・た・・・ただいま。」

 

閑「何か良い事あったの?」

 

梨璃「あ、うん。リリィになれて百合ヶ丘に入れて何だかんだ皆良い人達で。夢みたいだなって。」

 

閑「何それ?ふふ。まだ入学2日目でしょ。」

 

梨璃「うん!本当に良かったなって・・・」

 

 

 

 

 

 

その夜。夢結の部屋では。

 

美鈴「それは自分への罰?あ〜、でも先に手を出したのは夢結だから差し引きゼロか。まあそれは兎も角、おめでとう夢結。あの夢結が下級生とシュッツエンゲルの契りを結ぶなんて感慨深いな。」

 

夢結「私が望んだ事ではありません。」

 

美鈴「ふうん。でも夢結だって懐は開いたんだろ?」

 

夢結「それは・・・思い知らないと分からないようですから。」

 

美鈴「おお怖い。非道い人だな君も。」

 

夢結「そう・・・非道い女。私とシュッツエンゲルだなんて、後悔すると良いわ。」

 

『To Be Continued・・・』




キャスト

稲葉京輔:千葉翔也

仁科龍馬:畠中祐

一柳梨璃:赤尾ひかる
白井夢結:夏吉ゆうこ
楓・J・ヌーベル:井澤美香子
二川二水:西本りみ
安藤鶴紗:紡木吏佐
ミリアム・ヒルデガルド・v・グロピウス:高橋花林
真島百由:水瀬いのり
遠藤亜羅椰:関根明良
天野天葉:津田美波
江川樟美:原田彩楓
伊東閑:七瀬彩夏

川添美鈴:川澄綾子





アサルトビルド HAZARD!

二水「次回は夢結様がルナティックトランサーを!?」

梨璃「いけません夢結様!」

第3話・ルナティックトランサーの悲劇

京輔「抑止の法則は、決まった!」


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第3話「ルナティックトランサーの悲劇」

あれから数日後。

梨璃「わぁ〜!」

ようやく、梨璃と夢結がシュッツエンゲルとなったのだ。梨璃はシュッツエンゲルの契約書を見て喜んでいる。

梨璃「これで私、夢結様とシュッツエンゲルになれたんですね!夢みたい・・・!嘘みたい・・・!」

夢結は何も言わず、ただ紅茶を啜った。




一方屋上では。京輔がタブレットを操作している。

京輔「レアスキルはこんなにあるのか・・・皆それぞれ個性あるレアスキルを持ってるんだな。」

龍馬「レアスキル?」

京輔「魔法(マギ)を使う事で、更に能力の発現が著しいものをレアスキルと言うんだ。例えば縮地。消えるようなハイスピードで移動出来るスキル。鷹の目は空から上空を見下ろすように俯瞰視点で索敵出来るスキル。」

龍馬「へぇ〜。リリィにもそう言う能力があるもんだな。」

京輔「・・・っ!」

龍馬「どうした?」

京輔「・・・ルナティックトランサー。」




世界は謎の生命体『ヒュージ』の出現で
人類は破滅の危機に瀕していた

決戦兵器『CHARM』を駆使し
ヒュージと戦うリリィ達の
儚く美しい戦いが幕を開けた



食堂。早く夢結と一緒に戦えるようになりたい梨璃は。

 

梨璃「あ、でも私初心者過ぎて、何のレアスキル持ちか分からないんですよ。あははは・・・あ!二水ちゃんは鷹の目のスキルなんだそうです!高〜い所から物を見渡せるって!そうだ!夢結様は何のレアスキルを・・・」

 

夢結「ルナティックトランサー。」

 

梨璃「・・・へ?」

 

夢結「それが私のスキル。いえ、レアスキルなんてとても呼べない代物よ。」

 

 

 

 

2人の光景を監視してる人物が居た。

 

楓「朝っぱらからお2人で、何をイチャついていらっしゃいますの!?」

 

梨璃に恋してる楓だった。隣に二水が座っている。

 

二水「私には、何処かぎこちなく見えますけど。」

 

楓「・・・所で、そのメモは?」

 

二水「お2人の事を、週刊リリィ新聞の明細記事するんです。」

 

週刊リリィ新聞とは、百合ヶ丘女学院で発刊している週刊新聞。二水は特ダネを集め、その新聞に記事を載せている。

 

楓「あなたも中々容赦ないですわね・・・」

 

京輔「その台詞、自分で言うか?」

 

二水「あ!先生!」

 

そこに京輔と龍馬が来た。

 

龍馬「リリィ新聞って言うのは色々と興味深いんだな。」

 

二水「そうだ先生!この前の記事見ました?」

 

京輔「この前の記事?」

 

二水「はい!密かにヒュージと戦い、人々を守る為に戦っている2人の戦士の記事を!」

 

京輔「それって、世間で噂されている仮面ライダーの事か?」

 

二水「そうです!謎の戦士・仮面ライダー!1人は2色で、もう1人は龍を象った戦士なんです!先生は仮面ライダーを見た事は?」

 

京輔「う〜ん・・・」

 

龍馬「俺も見た事ないなぁ・・・噂しか聞いてないが。」

 

二水「そうですか。」

 

梅「さっきの話、私も興味あるな!」

 

二水「っ!?」

 

京輔「うおっ!びっくりしたぁ!」

 

ぽつんと現れた梅にびっくりした。

 

梅「あの夢結をたった2日で堕とすなんてびっくりだ。」

 

楓「そりゃあ梨璃さんですもの。当然ですわ。っで、あなたは?」

 

梅「私は吉村・Thi・梅。2年生だぞ。」

 

楓「それは失礼しましたわ。梅様。」

 

梅「本当、あの夢結がな・・・」

 

龍馬「?」

 

 

 

 

 

 

数時間後。二水がレアスキルの鷹の目を発動すると、海底から何者かが這い上がっていくのが見えた。

 

二水「ヒュージです!!」

 

梨璃「あれが・・・」

 

楓「噂の鷹の目ですわね。」

 

夢結「よく見ておきなさい。」

 

”ゴゴゴゴゴゴゴゴ!!”

 

地震が起き始めた。後ろを見ると、無数のミサイルが発射されていた。ミサイルが海底に潜むヒュージに向かっていく。

 

梨璃「な、何!?」

 

二水「防衛軍の全弾攻撃です!」

 

 

 

 

だが、ヒュージが魔法陣を展開させてミサイルを全て防いだ。

 

 

 

 

二水「だけど、防衛軍の装備ではヒュージに友好的な打撃を与える事が出来ないんです!」

 

梨璃「気のせいか、こっちに向かってませんか!?」

 

夢結「百合ヶ丘女学院は、リリィの養成機関であると同時に、ヒュージ迎撃の最前線よ。」

 

梨璃「そ、そうか!ヒュージの襲来をここに集中させて、周りの被害を抑えるんですね!」

 

夢結「そして、多くのリリィが集まるここは、ヒュージにとっても見逃せない場所に移るでしょうね。」

 

 

 

 

 

 

廃墟では。

 

龍馬「軍のミサイルが当たったのか?」

 

京輔「あんなんでくたばる奴等じゃない。倒せるのは俺達とリリィしか居ない。」

 

 

 

 

 

 

百合ヶ丘女学院では。

 

天葉「遅れないでよ!皆ー!」

 

壱「新人相手にスパルタじゃありません?天葉様。」

 

亜羅椰「そんなに意地悪されたら惚れちゃいます!」

 

樟美「天葉様は私のだから!」

 

依奈「無駄口叩くな!ほら行くよ!」

 

 

 

 

 

 

屋上。

 

二水「アールヴヘイムが、ヒュージにノインヴェルト戦術を仕掛けます!」

 

 

 

 

 

 

アールヴヘイムが魔法球(マギスフィア)を打ち返し合い、最後は天葉がヒュージに向けて魔法球(マギスフィア)を叩き込んだ。

 

 

 

 

 

 

屋上。

 

梨璃「わあっ!な、何!?」

 

楓「レギオン9人で繋いだ魔法球(マギスフィア)をヒュージに叩き込んだんですわ。それがノインヴェルト戦術です。」

 

 

 

 

 

 

その後の訓練場。梨璃と夢結がCHARMを握った。

 

夢結「構えなさい。梨璃さん。」

 

梨璃「は、はい!こうですか?」

 

グングニルを構えた瞬間、夢結が走り出し、ブリューナクでグングニルを突き飛ばした。

 

梨璃「うわっ!!」

 

 

 

 

楓・二水「あっ!!」

 

京輔・龍馬「なっ!!」

 

 

 

 

梨璃「くっ・・・!!」

 

突き飛ばされた衝撃で、両手に痺れが走った。

 

夢結「ヒュージとは、通常の生物が魔法(マギ)によって怪物化したものよ。魔法(マギ)と言う超常な力に操られているヒュージは、同じ魔法(マギ)を使うリリィだけが対抗出来る。魔法(マギ)を宿さないCHARMなど、それはただの刃物よ。」

 

梨璃「は、はい!!」

 

夢結「もっと集中なさい。そうすればCHARMは重く、強靭になる。」

 

梨璃「・・・!!」

 

集中して魔法(マギ)を流し込んだ。グングニルの宝玉が光った。刃が光った瞬間、夢結が再びグングニルを突き飛ばした。

 

梨璃「ああっ・・・!!!」

 

 

 

 

二水「ああ・・・!」

 

楓「素人相手に何て事を!!」

 

京輔「夢結・・・」

 

龍馬「お前・・・」

 

 

 

 

夢結「もう少し粘って見せなさい。梨璃さん。」

 

梨璃「は、はい!!」

 

再び夢結が走り出し、グングニルを突き飛ばした。

 

梨璃「ああ・・・!!」

 

夢結「・・・軽いわね。」

 

楓「随分と手荒いんです事。私にマゾっ気があれば堪らないんでしょうね。夢結様のお噂は存じておりますわ。レアスキル・ルナティックトランサーを武器に、数々のヒュージを屠って来た百合ヶ丘屈指の使い手。トランス状態ではリリィ相手では容赦しないとか?」

 

二水「楓さんそれは・・・」

 

京輔「止せ楓。」

 

梨璃「・・・良いんです!私、私・・・皆より遅れてるから・・・!!やらなくちゃいけないんです・・・!!だから・・・続けさせて下さい!!」

 

 

 

 

 

 

その夜の大浴場。

 

梨璃「痛たたたた・・・」

 

楓「お痛わしですわ梨璃さん!全身痣だらけですわ〜!ほらここも〜。ここも〜。」

 

やっと梨璃の背中を流せる楓が興奮した。

 

楓「あ!ここも〜!」

 

梨璃「そこは違いますーーー!!」

 

 

 

 

大浴槽。

 

楓「私にはやっぱり解せませんわ。そこまでして夢結様に拘る事ないんじゃありません?」

 

二水「楓さんだって最初は・・・」

 

梨璃「こんな所で挫けて居られないよ!!だって私、夢結様の事まだ全然知らないから。」

 

楓「・・・ん?」

 

アールヴヘイムが来た。

 

壱「あなたが夢結様のシルトね?」

 

亜羅椰「まさか本当に物にしちゃうとはね。」

 

樟美「おめでとう。梨璃さん。」

 

二水「アールヴヘイムの皆さん!?」

 

アールヴヘイムを見て二水が鼻を抑えている。

 

楓「丁度良いですわ。教えて頂けません?夢結様の事。」

 

壱「そう言っても、中等部は校舎違うしね。」

 

亜羅椰「でも、夢結様と言ったら・・・」

 

樟美「甲州撤退戦。」

 

梨璃「甲州・・・?」

 

二水「2年前、ヒュージの大交戦に遭って、甲州の大部分が陥落した戦いの事ですね?百合ヶ丘からも、幾つかのレギオンが参加したものの、大きな損害を出して、威勢を誇った先代のアールヴヘイムが分裂する切っ掛けにもなったんです。先輩方に伺っても、この件には口が重くて・・・」

 

壱「度胸あるわね。あなたも。」

 

二水「中等部の3年生だった夢結様も、特別に参加していたと。」

 

亜羅椰「なら知ってるでしょ?夢結様はそこで、ご自分のシュッツエンゲルを亡くしてるって。」

 

梨璃「・・・!!」

 

そう、夢結は大切なシュッツエンゲルを亡くしている。彼女がシュッツエンゲルの契りを交わさない理由の1つ。

 

 

 

 

 

 

夢結の部屋。

 

美鈴「新入生相手に手荒いな。夢結は。」

 

夢結「これが私です。仕方ありません。」

 

美鈴「嫌われるのが、怖くない?」

 

夢結「別に。構いません。」

 

美鈴「本当はあの新入生が怖いんじゃないか?怖いから遠ざけたい。受け入れる勇気が無い。」

 

夢結「そんな・・・私は・・・」

 

美鈴「ごめん。見てご覧よ。彼処。」

 

夢結「?」

 

山の天辺に光る物が。

 

美鈴「今年もソメイヨシノが咲いたようだ。」

 

 

 

 

 

 

あれから1週間が経った。梨璃は夢結の訓練を屈する事なく受けている。

 

二水「訓練が始まってもう1週間です。」

 

楓「こんなの訓練じゃありませんわ。」

 

京輔「まるで一種のスパルタだな。」

 

龍馬「しかし、それに何度も立ち向かう梨璃が勇ましいな。」

 

 

 

 

夢結(私が梨璃を恐れている?まさか。)

 

強い一振りでグングニルを突き飛ばした。

 

梨璃「ああ!!」

 

突き飛ばされた梨璃だが、受け身で立ち上がった。すると変化が。

 

梨璃「あ!」

 

グングニルを軽く持てるようになった。

 

梨璃「やった!!やりました!!夢結様!!」

 

しかし夢結は容赦なく襲う。

 

梨璃「あっ!!魔法(マギ)を集中!!」

 

足元に光が出現した。

 

 

 

 

梅「お!!」

 

 

 

 

そしてグングニルで、夢結のブリューナクを弾き返した。

 

夢結「あっ!!」

 

 

 

 

ミリアム「夢結様がステップを崩しておったな!」

 

楓「ようやく魔法(マギ)が入りましたわね!」

 

京輔「やったぜ梨璃!」

 

龍馬「お見事!」

 

 

 

 

夢結「・・・」

 

梨璃「・・・?」

 

夢結「今日はこの位に・・・」

 

 

 

 

”ゴーン!”

 

 

 

 

全員「っ!!」

 

鐘が鳴り響いた。

 

夢結「行くわよ。」

 

梨璃「はい!・・・え?何処へ?」

 

夢結「今日の当番には、私達も入っているでしょ?」

 

梨璃「あ!はい!!」

 

夢結「その前に。」

 

 

 

 

別室で夢結が梨璃に身嗜みを整えている。

 

梨璃「・・・・あの、こんな事をしている場合では?」

 

夢結「百合ヶ丘女学院のリリィたる者、戦いの場にこんな乱れた格好で立っては示しが付かないわ。」

 

ネクタイを結ぶ。

 

梨璃「く、苦しいです夢結様・・・」

 

夢結「わ、私も慣れなくて・・・」

 

 

 

 

 

 

廃墟。

 

龍馬「あれが今日のヒュージか。かなりデカそうだ。」

 

京輔「敵さんも徐々に本気出してるみたいだな。」

 

そこに、クローズドラゴンが戻って来た。

 

龍馬「ドラゴン。数は?」

 

クローズドラゴン「ーーーーーーー!」

 

京輔「何!?2匹だと!?何処に居る?」

 

クローズドラゴン「ーーーーーーー!」

 

京輔「成る程。気配を消す力を持って既に潜伏してるのか。」

 

龍馬「どうする?」

 

京輔「1匹を俺達が。もう1匹は彼女達に任せよう。行くぞ。」

 

龍馬「おう。」

 

『ビルドチェンジ!』

 

『クローズチェンジ!』

 

マシンビルダーとマシンクローザーに乗って、もう1匹のヒュージの迎撃に向かった。

 

 

 

 

 

 

一方別のヒュージは。

 

楓「上陸までは、まだ少し余裕がありそうですわね。」

 

梨璃「あれ?楓さんも出動なの?」

 

楓「今回は、まだレギオンに所属していないフリーランスのリリィが集められていますわね。この時期は良くある光景ですわ。」

 

梨璃「じゃあ二水ちゃんも?」

 

楓「あの方は広報で見学ですわ。実戦経験がありませんもの。」

 

 

 

 

見学の二水は。

 

二水「皆さーん!頑張って下さーい!」

 

応援するしか無かった。

 

 

 

 

楓「初陣は梨璃さんだけですわね。」

 

梨璃「は、はい!頑張ります!」

 

夢結「あなたはここまでよ。」

 

梨璃・楓「え?」

 

夢結「足手纏いよ。ここで見てなさい。」

 

梨璃「夢結様・・・」

 

楓「来いと言ったり。待てと言ったり。」

 

 

 

 

 

 

一方2人は、森林に居た。

 

京輔「この辺りのはずなんだが・・・」

 

龍馬「何処に潜んでいるんだ?」

 

京輔「ん?」

 

龍馬「どうした?」

 

京輔「しっ。彼処だ。」

 

 

 

 

茂みから覗くと、もう1匹の巨大ヒュージが蠢いていた。

 

京輔「見付けたぜ。彼奴か。」

 

龍馬「かなりデケェな・・・」

 

京輔「なに。俺達の力なら。」

 

龍馬「それフラグ立ってるようにしか聞こえないんだが・・・」

 

京輔「兎も角。行くぞ。」

 

 

 

 

茂みから飛び出して、巨大ヒュージの前に立った。

 

京輔「行くぜ!」

 

龍馬「ああ!」

 

ビルドドライバーを取り出した瞬間、巨大ヒュージが2人から逃げ出した。

 

京輔「え?」

 

龍馬「逃げた?」

 

京輔「あの野郎逃がすか!!」

 

 

 

 

 

 

海岸沿いの廃墟では、巨大ヒュージが姿を現していた。

 

楓「何時にも増して歪な形なヒュージです事。」

 

夢結「っ!」

 

すると巨大ヒュージが魔法(マギ)を使って飛翔した。

 

楓「飛んだ!?」

 

飛翔する巨大ヒュージの真下に入った夢結が。

 

夢結「ハァッ!!」

 

ブリューナクで魔法(マギ)を斬り裂いた。魔法(マギ)を斬り裂かれた巨大ヒュージがバランスを崩して落下した。

 

夢結(このヒュージ、レストアだわ。)

 

 

 

 

 

 

百由「ふぅーん。レストアね。」

 

ミリアム「最近は出現率が上がっていると聞くのう。」

 

梨璃「わあっ!百由様!とミリアムさん!どうしてここに?・・・レストアって何ですか?」

 

百由「工廠科とは言え、私達もこう見えてリリィなの。結構戦えるのよ?」

 

ミリアム「今日は当番とは違うがのう。」

 

百由「っで、損傷を受けながらも生き残ったヒュージがネストに戻って修復された個体。それを私達はレストアード。レストアと呼んでるの。何度かの戦闘を生き延びた手合いだから、手強いわよ。」

 

梨璃「・・・凄い。夢結様。」

 

ミリアム「じゃが、ちょっと危なっかしいのう。」

 

百由「憖テクニックが抜群だから、突っ込み過ぎるのよねぇ。」

 

 

 

 

 

 

レストアヒュージと戦っている夢結は、ブリューナクでヒュージの殻を斬ろうとしたが、硬かった。

 

夢結「っ!?」

 

罅が入った箇所から謎の光が。

 

夢結「あれは・・・?っ!!」

 

しかし正面にヒュージの小個体が迫って来たが、ブリューナクで防いだ。防いだ衝撃で小個体が爆発を起こした。夢結は地面に転がり落ちた。

 

梅「そろそろ退け!夢結!」

 

しかし夢結は忠告を聞かずにまたヒュージに立ち向かう。

 

梅「なっ!?」

 

夢結「ハアアアァァァァァ!!!!!」

 

ブリューナクがヒュージの殻に打撃を与えるも、全く効果が無い。小個体が夢結のブリューナクに付着した。

 

夢結「ハアアアァァァァァ!!!!!」

 

付着した小個体を殻に叩き付けて爆発させた。殻から現れたのは、無数のCHARMだった。

 

 

 

 

 

 

神琳「CHARMが・・・!」

 

雨嘉「え・・・!?」

 

楓「あれって・・・」

 

梅「此奴、どれだけのリリィを・・・!?」

 

 

 

 

 

 

あのCHARMは、ヒュージとの戦いで戦死したリリィ達のCHARMだった。レストアヒュージはそのCHARMを殻として利用したのだ。

 

夢結「・・・・くっ!!」

 

 

 

 

 

 

百由「あ・・・」

 

ミリアム「マジか・・・」

 

梨璃「どう言う事ですか?」

 

百由「CHARMはリリィにとって身体の一部。それを手放すとしたら・・・」

 

 

 

 

 

 

夢由「がはっ・・・!!」

 

無数のCHARMの残骸を見て過呼吸を起こし、更にあのトラウマが頭に蘇ってしまった。

 

梅「もう良い!下がれ夢由!!」

 

だが、夢結の目が赤く光っていた。

 

梅「あっ!!」

 

それと同時に夢結の髪が白に変色し始めた。

 

夢結「・・・・・・・」

 

美鈴『ぐああああああああああ!!!!!』

 

夢結「ウワアアアアアアアアアア!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

雨嘉「夢結様!!」

 

神琳「待って雨嘉さん!」

 

雨嘉「え?」

 

神琳「あれは・・・」

 

楓「ルナティックトランサー・・・!?」

 

夢結がルナティックトランサーを起こし、暴走し始めた。

 

 

 

 

 

 

森林から出た京輔と龍馬が巨大ヒュージを追っていると。

 

京輔「ん?」

 

龍馬「どうした?」

 

京輔「龍馬、あれを見ろ。」

 

龍馬「ん?」

 

海岸沿いを見ると、赤い光が。

 

龍馬「何だあれ?」

 

京輔「あれってまさか・・・ルナティックトランサー・・・!?」

 

龍馬「え!?」

 

京輔「夢結が発動したのか?それにあのヒュージ、海岸沿いへ向かってる。急ぐぞ!」

 

 

 

 

 

 

百由「一度トランス状態に陥ったリリィは、理性を失い、敵味方の見境無く、魔法(マギ)が枯れ果てるまで破壊の限りを尽くす。夢結自身が封印したスキルよ。」

 

ミリアム「それが何でまた?」

 

百由「主を失ったCHARMの群れが、夢結に思い起こさせたのね。」

 

梨璃「それって・・・」

 

百由「夢結は中等部時代に、自分のシュッツエンゲルを亡くしているの。」

 

梨璃「っ!?」

 

そう。夢結はシュッツエンゲルを亡くしてしまっているのだ。

 

百由「その時に夢結がルナティックトランサーを発動していた事から、夢結に疑いが掛けられたわ。」

 

梨璃「そんな!」

 

百由「実際、遺体には夢結のCHARMが突いた刀傷もあったと言われているわ。結局、証拠不十分で疑いは晴れたけど、夢結自身、記憶が曖昧な状態で、それからずっと、自分を苛み続けているの。」

 

梨璃「・・・・」

 

彼女の気持ちを理解した梨璃が。

 

梨璃「私、行って来ます!!」

 

百由「ダメ!!今の夢結は危険よ!!」

 

梨璃「私、夢結様の事、少しだけ分かった気がします。」

 

百由「それ答えになってないわよ!!」

 

飛翔した梨璃が夢結の元へ向かう。

 

 

 

 

梨璃「おっとっと!」

 

廃ビルの屋上に着地した。

 

 

 

 

夢結「ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・」

 

 

 

 

 

 

2年前。

 

美鈴『夢結!!』

 

ヒュージの触手が、夢結を庇った美鈴を串刺しにした。

 

夢結『っ!お姉様・・・?お姉・・・様・・・?』

 

串刺しにされた美鈴が、CHARMを手放した。

 

夢結『ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・ヨ・・・ヨクモ・・・オネエサマヲ!!!!』

 

美鈴を亡くしてしまった夢結がルナティックトランサーを発動してしまった。

 

 

 

 

 

 

現在。

 

梨璃「夢結様ーーーーーーー!!!!!」

 

夢結「っ!!」

 

駆け付けた梨璃に夢結は。

 

夢結「ウワアアアアアアアアアア!!!!!」

 

ブリューナクを振った。梨璃はグングニルでブリューナクと鍔迫り合う。

 

梨璃「す、すみません!」

 

夢結「見ないで・・・」

 

梨璃「え!?」

 

グングニルがブリューナクの力で吹き飛ばされた。

 

 

 

 

吹き飛ばされた梨璃は、楓の胸に飛び込んだ。

 

楓「梨璃様!何をなさいますの!?」

 

梅「バカかお前は!!」

 

梨璃「・・・私、今、夢結様を感じました。」

 

楓「何を仰いますの!?」

 

百由「魔法(マギ)だわ。CHARMを通じて、梨璃さんの魔法(マギ)と夢結の魔法(マギ)が触れ合って・・・」

 

楓「そんなCHARMの使い方、聞いた事ありませんわ。」

 

ミリアム「じゃがありえるのう!」

 

梨璃「私、前に夢結様に助けて貰った事があるんです!今度は、私が夢結様を助けなくちゃ!」

 

決心した梨璃が再び夢結の元へ飛翔した。

 

ミリアム「正気かお主!!」

 

楓「後でお背中流させて頂きますわよ!!」

 

梅「しょうがないな!」

 

神琳「参りますか?雨嘉さん。」

 

雨嘉「うん!」

 

百由「私もCHARM持って来れば良かったかな?」

 

ミリアム「ううぅぅ・・・・わしも行けば良いんじゃろうが!!!」

 

他のリリィ達も加勢へ向かった。

 

 

 

 

楓が小個体を斬り裂き、梅がライフルで小個体を撃ち落とす。

 

 

 

 

梨璃「夢結様ーーーーー!!!!私に、身嗜みは何時もきちんとしなさいって言ってたじゃないですかー!!!!!夢結様!!!私を見て下さーーーーい!!!!」

 

夢結「ウワアアアアアアアアアア!!!!」

 

梨璃「あっ!!!」

 

すかさずグングニルでブリューナクに接触した。眩い光が起こった。

 

夢結「っ!!」

 

梨璃「あ!!」

 

2つのCHARMから魔法球(マギスフィア)が生成された。

 

 

 

 

ミリアム「あれは!」

 

楓「魔法球(マギスフィア)ですわね!」

 

 

 

 

夢結「がっかりしたでしょ・・・梨璃・・・これが私よ・・・憎しみに飲まれた・・・醜く浅ましい・・・ただの化け物!!」

 

梨璃「それでも!!夢結様は私のお姉様です!!!」

 

夢結「っ!!!」

 

梨璃「夢結様ーーーー!!!」

 

彼女は夢結を抱き締めた。すると、夢結のルナティックトランサーが一瞬で沈静化した。

 

夢結「梨璃!!」

 

レストアヒュージの腕が2人に迫る。夢結がブリューナクで腕を弾き返した。

 

夢結「飛ぶわよ。梨璃。」

 

梨璃「・・・はい!お姉様!!」

 

グングニルとブリューナクが触れ合い、巨大な魔法球(マギスフィア)が生成された。2人は魔法(マギ)の力で天高く飛翔した。

 

梨璃「私達・・・魔法(マギ)に乗ってる?」

 

夢結「梨璃。行くわよ。一緒に!」

 

梨璃「はい!!」

 

レストアヒュージに向かって急降下。

 

梨璃・夢結「ハアアアアァァァァァァ!!!!!!」

 

魔法球(マギスフィア)を振り下ろし、レストアヒュージを討伐した。

 

 

 

 

梅「やったな。夢結。」

 

 

 

 

討伐されたレストアヒュージから、CHARMの残骸が溢れ出た。

 

夢結「梨璃・・・」

 

梨璃「お姉様・・・」

 

2人にリリィ達が駆け寄った。

 

梅「っ!!」

 

だがもう1匹のヒュージが現れた。

 

楓「まだ居たんですの!?」

 

だが巨大ヒュージに無数の弾丸が命中した。

 

全員「っ!?」

 

そこに、2台のバイクが出現した。

 

京輔「野郎、とことん逃げやがって!」

 

龍馬「皆、大丈夫か?」

 

梨璃「先生?どうしてここに?」

 

京輔「話は後だ。お前達は休んでろ。」

 

 

 

 

2人はバイクから降りて、京輔がマシンビルダーをビルドフォンに戻して巨大ヒュージの前まで歩む。巨大ヒュージが2人を睨む。

 

京輔「龍馬、久々にブチかますぞ。」

 

龍馬「よっしゃ!」

 

2人はビルドドライバーを腰に装着し、京輔がドリルクラッシャーを巨大ヒュージに投げて突き刺して怯ませた。

 

京輔「さあ、実験を始めようか!」

 

2つのフルボトルを振った。

 

クローズドラゴン「ーーーーーー!!」

 

駆け寄ったクローズドラゴンをキャッチした龍馬が、ドラゴンフルボトルを振った。

 

 

 

 

周囲に文字式が出現した。

 

ミリアム「何じゃこれ?」

 

楓「文字式?」

 

 

 

 

京輔は2つのフルボトルのキャップを捻って、ビルドドライバーに挿し込んだ。

 

『ラビット!』

『タンク!』

『ベストマッチ!』

 

龍馬はドラゴンフルボトルのキャップを捻って、クローズドラゴンに装填した。

 

『ウェイクアップ!』

 

そのままビルドドライバーに挿し込んだ。

 

『クローズドラゴン!』

 

2人はボルテックレバーを回した。すると2人の周囲にスナップライドビルダーが形成された。

 

『Are You Ready?』

 

京輔・龍馬「変身!!!」

 

スナップライドビルダーが作動して、京輔と龍馬に2つのハーフボディを纏わせた。

 

『鋼ムーンサルト!』

『ラビット!タンク!』

『イエーイ!』

 

『Wake up burning!』

『Get CROSS-Z DRAGON!』

『Yeah!』

 

仮面ライダービルド・ラビットタンクフォームと、仮面ライダークローズに変身した。

 

『ビートクローザー!』

 

クローズがビートクローザーを握り、巨大ヒュージが投げたドリルクラッシャーをビルドがキャッチした。

 

京輔「勝利の法則は決まった!」

 

龍馬「今の俺は、負ける気がしねえ!!」

 

同時にヒュージに向かって走り出す。

 

 

 

 

梨璃「先生・・・あの姿は・・・」

 

二水「あわわわわ!まさか先生方が仮面ライダーだったとは!!」

 

梨璃「わっ!二水ちゃん!」

 

楓「私も初めて見ましたが、その正体が先生だったとは・・・」

 

 

 

 

京輔「行くぜ!」

 

ドリルクラッシャーのドリルを抜いて、ガンモードに変形した。ハリネズミフルボトルを装填した。

 

『Ready Go!!』

『ボルテック・ブレイク!』

 

銃口からハリネズミの針を連射した。

 

『ヒッパレー!ヒッパレー!』

 

クローズがビートクローザーのグリップエンドを2回引くと、刀身に波形状のエネルギー刃が伸びた。

 

『ミリオンヒット!』

 

龍馬「ウオオオオオオ!!!!」

 

強く振り下ろして衝撃波を飛ばし、巨大ヒュージの触手を破壊した。

 

京輔「お次ぎは!!」

 

ライオンフルボトルと掃除機フルボトルを振った。

 

『ライオン!』

『掃除機!』

『ベストマッチ!』

 

ボルテックレバーを回す。

 

『Are You Ready?』

 

京輔「ビルドアップ!!」

 

2つのハーフボディを纏った。

 

『たてがみサイクロン!』

『ライオンクリーナー!』

『イェーイ!』

 

ライオンクリーナーフォームをフォームにベストマッチし、ヒュージが小個体を無数に射出した。

 

京輔「お掃除開始!」

 

『Ready Go!!』

 

ボルテックレバーを回し、掃除機の強い吸引力で小個体を捕縛した。

 

『ボルテック・フィニッシュ!』

『イエーイ!』

 

捕縛した小個体をライオン型のエネルギー波で狩った。

 

京輔「更にっと!」

 

そう言って2つのフルボトルを振って、ビルドドライバーに装填した。

 

『ゴリラ!』

『ダイヤモンド!』

『ベストマッチ!』

 

ボルテックレバーを回す。

 

『Are You Ready?』

 

京輔「ビルドアップ!!」

 

ビルドがゴリラモンドフォームを纏った。

 

『輝きデストロイヤー!』

『ゴリラモンド!』

『イェイ!』

 

京輔「行くぜーーーー!!!」

 

巨大ヒュージの触手をパンチで砕いた。

 

『ヒッパレー!ヒッパレー!ヒッパレー!』

 

クローズがビートクローザーのグリップエンドを3回引くと、刀身に蒼炎が纏った。

 

『メガヒット!』

 

龍馬「喰らえ!!!!」

 

鍵型のエネルギーで斬撃を繰り出すメガヒットで巨大ヒュージの触手を全て砕いた。

 

京輔「まだまだ行くぜ!」

 

別の2つのフルボトルを振って、ビルドドライバーに装填した。

 

『タカ!』

『ガトリング!』

『ベストマッチ!』

 

ボルテックレバーを回す。

 

『Are You Ready?』

 

京輔「ビルドアップ!」

 

今度はホークガトリングフォームを纏った。

 

『天空の暴れん坊!』

『ホークガトリング!』

『イエーイ!』

 

『ホークガトリンガー!』

 

ホークガトリンガーを握って飛翔しながら、ホークガトリンガーのリボルマガジンを高速で回す。

 

『100!』

『フルバレット!』

 

京輔「オリャリャリャリャ!!!!」

 

100発の弾丸を全弾発射するフルバレットで、巨大ヒュージの胴体に無数の風穴を開けた。

 

『ラビットタンク!』

『イエーイ!』

 

着地と同時にラビットタンクフォームへ戻った。

 

京輔「龍馬、フィニッシュだ!」

 

龍馬「あぁ!」

 

ボルテックレバーを勢い良く回す。

 

『Ready Go!!』

 

同時に大ジャンプし、ビルドが出現したグラフに乗り、クローズが背後に出現したクローズドラゴン・ブレイズの吐く火炎に乗って、巨大ヒュージに向かって急降下する。

 

『ボルテック・フィニッシュ!』

『イエーイ!』

 

京輔・龍馬「ダアアアァァァァ!!!!」

 

ボルテックフィニッシュとドラゴニックフィニッシュが巨大ヒュージを貫いた。貫かれた巨大ヒュージが大爆発を起こした。

 

 

 

 

梨璃達「っ!!」

 

爆風が此方まで行った。

 

 

 

 

京輔「よっと。」

 

フルボトルを取り出し、巨大ヒュージの細胞を全て抜き取った。

 

京輔「収穫完了!」

 

龍馬「ふぅー。」

 

2人が変身を解除して、梨璃達に向かってサムズアップした。

 

 

 

 

梨璃達「・・・・」

 

ビルドとクローズの戦いを一部始終目撃した梨璃達は、ただ茫然するばかり。

 

 

 

 

 

 

戦いの後。丘の上の墓地。梨璃と夢結がある人物の墓の前に立った。

 

夢結「ソメイヨシノの花を咲かせるには、冬の寒さが必要なの。昔は春の訪れと共に咲いて、季節の変わり目を告げたと言うけれど、冬と春の境目が曖昧になった今、何時咲いたら良いか、戸惑っているようね。」

 

梨璃「・・・?」

 

夢結「ん?・・・」

 

彼女の持ってるペンダントを見た梨璃に、夢結が見せる。ペンダントには、美鈴の写真が入っていた。

 

梨璃「この方が、夢結様のシュッツエンゲル・・・?」

 

夢結「そう。私のお姉様・・・」

 

梨璃「川添・・・美鈴様・・・」

 

 

 

 

 

 

その夜。夢結は2年前を思い出していた。

 

夢結「・・・・」

 

 

 

 

2年前の甲州撤退戦。

 

美鈴『夢結!!』

 

夢結『っ!!』

 

美鈴『全く・・・危なっかしいな・・・夢結は・・・』

 

夢結『お姉・・・様・・・?』

 

美鈴『やり過ぎないで・・・夢結のその力は・・・夢結自身も壊してしまうから・・・』

 

あの時ルナティックトランサーを発動してしまった夢結だが、美鈴の声に気付いた時は、彼女の身体をダインスレイフで貫いてしまっていた。

 

夢結『あ・・・ああ・・・』

 

美鈴『気にしないで・・・夢結・・・これが・・・僕と君の・・・運命だから・・・』

 

しかし、ヒュージはまだ健在だった。美鈴は夢結を押した。

 

夢結『お姉・・・様・・・!!』

 

美鈴『このCHARM・・・僕が預かるよ・・・』

 

ダインスレイフを持って、力を振り絞ってヒュージへ向かう。

 

夢結『あ・・・ああ・・・ああ・・・!!』

 

自分のシュッツエンゲルを殺してしまった夢結は、あれ以来他人と距離を置くようになってしまった。

 

 

 

 

現在。

 

夢結「・・・・・」

 

あの時を思い出して涙を流していると、誰かが部屋の電気を点けた。

 

夢結「っ。」

 

???「ただいま〜。」

 

入って来たのは、夢結のルームメイトで生徒会の秦祀だ。

 

祀「また明かりを付けないで。目悪くなっちゃうわよ?」

 

夢結は密かに涙をハンカチで拭いた。

 

祀「今日は出動だったんですってね?お疲れ様。」

 

夢結「・・・ありがとう祀さん。えぇ、上手くやれたと思うわ。」

 

祀「今、ありがとうって言った?っ!もう1度言って?」

 

夢結「何で?」

 

祀「だってぇ〜!こんなに素直な夢結さんなんて何時以来?」

 

夢結「そんな・・・何時も通りでしょ。」

 

少しだけ素直になれた夢結であった。

 

 

 

 

 

 

一方京輔と龍馬は、二水から色々取材を受けて今部屋に帰って来た。

 

京輔「はぁ・・・はぁ・・・」

 

龍馬「つ・・・疲れた・・・二水から長時間取材を受けるなんて初めてだ・・・明日の記事はドドンとでかくなるだろうな・・・」

 

京輔「でもまあ、これで彼女達と更なるコミュニケーションが取れたんじゃないのか?」

 

龍馬「だな・・・」

 

京輔「さて、これから忙しくなりそうだ。」

 

『To Be Continued・・・』




キャスト

稲葉京輔:千葉翔也

仁科龍馬:畠中祐

一柳梨璃:赤尾ひかる
白井夢結:夏吉ゆうこ
楓・J・ヌーベル:井澤美香子
二川二水:西本りみ
吉村・Thi・梅:岩田陽葵
郭神琳:星守紗凪
王雨嘉:遠野ひかる
ミリアム・ヒルデガルド・v・グロピウス:高橋花林
真島百由:水瀬いのり
遠藤亜羅椰:関根明良
田中壱:洲崎綾
天野天葉:津田美波
江川樟美:原田彩楓
番匠谷依奈:立花理香
秦祀:田中那実

川添美鈴:川澄綾子





アサルトビルド HAZARD!

二水「次回は梨璃さんがレギオンを作ります!」

梨璃「お姉様の為、頑張ります!」

第4話・落ちこぼれシスター

京輔「克服の法則は、決まった!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「仮面ライダービルド」

稲葉京輔が変身する仮面ライダー。
ビルドドライバーに異なる組み合わせの『フルボトル』2本を装填して変身する。
かつて登場した2本のメモリを組み合わせるライダーとは異なり、2つの成分が混ざったような形態をとる。
左頭部・右上半身・左下半身は動物や職業、右頭部・左上半身・右下半身は器物の能力をもつ。

『フォーム一覧』

ベストマッチフォーム

トライアルフォーム

ラビットタンクスパークリングフォーム

ハザードフォーム

ラビットラビットフォーム

タンクタンクフォーム

ジーニアスフォーム

ジーニアスハザードフォーム
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『仮面ライダークローズ』

仁科龍馬がドラゴンフルボトルをセットしたクローズドラゴンをビルドドライバーに装填する事で変身する仮面ライダー。
接近戦を得意とする。身体能力は高く、走力以外はビルドの全フォームを上回る。
更に、スクラッシュドライバーとクローズマグマナックルで強化が可能。

『強化一覧』

仮面ライダークローズチャージ

仮面ライダークローズマグマ


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第4話「落ちこぼれシスター」

3月。雨の降る日。

雨嘉「あ・・・」

新入生の王雨嘉が寮に到着した。表札に郭神琳の名前があった。




ドアを開けて入室。郭神琳が椅子に座って読書をしていた。

雨嘉「あ・・・!」

神琳「王雨嘉さん?郭神琳と申します。名高い王家の方と同室だなんて、光栄だわ。」

雨嘉「う、ううん!!そんな!私なんて、全然ヘボリリィだから・・・」




謎の生命体「ヒュージ」に対抗する為
リリィの少女達は
CHARMを用いて戦い続けている

更に繁殖し続ける謎の生命体
ヒュージの前に
仮面ライダーが立ち開かる



現在。梨璃と夢結は今。

 

梨璃「えへへぇ〜。」

 

今日の梨璃はうっとりしている。

 

夢結「梨璃。あなたそろそろ講義でしょ?予習は?」

 

梨璃「分かってはいるんですけどぉ〜、今こうしてお姉様のお顔を見ていられるのが幸せですよぉ〜。」

 

夢結(ダメだわこの子。完全に弛みきってる・・・まさか、シュッツエンゲルになった途端にここまでなるとは・・・迂闊だったわ・・・)

 

京輔「おい梨璃。」

 

梨璃「はいぃ〜?」

 

そこに京輔が来た。

 

京輔「この後俺の講義だろ?早く行くぞ。」

 

梨璃「分かってますよぉ〜。」

 

京輔「どうしたお前?顔が蕩けてるぞ?」

 

そこに2人の生徒が。

 

那岐「あら!ごきげんよう。」

 

ロザリンデ「ごきげんよう。ユリさん。」

 

3年生の田村那岐とロザリンデ・フリーデグンデ・v・オットーが挨拶した。しかも何故か2人を夢梨と呼んでる。

 

梨璃「え?あ、あははは。ごきげんよう。」

 

夢結「はて?ユリさん?」

 

京輔「ユリ?誰かと間違えたんじゃねえの?」

 

梨璃「あ!それ、カップルネームです。」

 

夢結「カップルネーム?」

 

京輔「どうしてそれが?」

 

 

 

 

理由は、週刊リリィ新聞のデカい号外が掲示板に貼られたからだった。その横に仮面ライダービルドと仮面ライダークローズの正体を掲載した号外が貼られてる。

 

梨璃「これです!!週刊リリィ新聞の号外です!ほら!横に並べるとユリって読めるんですよぉ!あははやだなぁ〜。」

 

紗癒「あ!噂のお2人よ!」

 

雪陽「まぁ!このお2人が?」

 

広夢「ユリ様ですわね!」

 

京輔「二水め・・・ここまでやるか・・・?」

 

これには夢結の怒りが爆発した。

 

京輔「ぐあああああ!?」

 

梨璃「お、お姉様ーーーー!?」

 

 

 

 

 

 

翌日。雨嘉は自室で誰かと電話していた。

 

雨嘉「・・・うん。・・・うん。大丈夫。それじゃあ。」

 

電話を切った。

 

神琳「お母様ですか?」

 

雨嘉「うん。」

 

神琳「ご実家のアイスランドは、今は夜の11時と言った所かしら?」

 

雨嘉「うん。心配して毎日電話をくれるんだけど・・・」

 

神琳「大切に思われているのね。」

 

雨嘉「ううん。私は姉や妹に比べて、出来が悪いから・・・だから、心配・・・なんだと思う。」

 

神琳「・・・・」

 

 

 

 

 

 

その頃梨璃と夢結は。

 

夢結「梨璃。あなたにお願いがあります。」

 

梨璃「はーい!何なりと!」

 

夢結「レギオンを作りなさい。」

 

梨璃「分かりました!・・・え?レギオンって何でしたっけ?」

 

京輔・二水「ズコー!!」

 

そこに京輔と二水がズッコケた。

 

梨璃「わあ!?二水ちゃん!京輔先生!」

 

二水「あ、ご、ごきげんよう・・・」

 

京輔「お前講義で習っただろ・・・」

 

夢結「二水さん。お願いします。」

 

二水「は、はい!レギオンとは、基本的に9人1組で構成されるリリィの戦闘隊員の事です!」

 

夢結「所で二水さん。」

 

二水「は、はい!」

 

夢結「お祝い、ありがとうございます。」

 

二水「ど、ど・・・どういたしまして・・・」

 

京輔「言い逃れ出来ねえなぁ、あれ作っちまったら・・・」

 

梨璃「けど、どうして私がレギオンを?」

 

夢結「あなたは最近弛んでるから。」

 

京輔「そうだな。先日だって夢結を見て顔が蕩けてたからな。」

 

夢結「少しはリリィらしい事をしてみると良いでしょう。」

 

梨璃「リリィらしい?分かりましたお姉様!私、精一杯頑張ります!!」

 

夢結(正直。梨璃にメンバーを集められるとは思わないけど、時には失敗も良い経験になるでしょう。)

 

京輔(なんて事考えてそうだな。)

 

梨璃「何たってお姉様のレギオンを作るんですから!!」

 

夢結「ブッ!?」

 

紅茶を吹いてしまった。

 

二水「私もお手伝いしますね!!」

 

梨璃「ありがとう!頑張るよ!」

 

二水「では早速勧誘です!!」

 

梨璃「あ!待って二水ちゃーん!!」

 

2人はレギオン結成の為奔走を始めた。

 

夢結「いえ、そう言う訳では・・・」

 

京輔「あの子大丈夫かなぁ?夢結、騒がしてすまないな。じゃあまた。」

 

夢結「え、えぇ。先生、あの子を頼むわね。」

 

京輔「おう。」

 

 

 

 

 

 

その後の射撃訓練場。

 

梅「夢結は何を気にしてるんだ?」

 

夢結「え?」

 

梅「梅が6発撃つ間に夢結が10発も撃った。気が焦ってる証拠だ。」

 

夢結「相変わらず、人の事をよく見てるのね。」

 

梅「おう!梅は誰の事も大好きだからな!」

 

 

 

 

休憩中。

 

梅「へぇ〜。自分のシルトにレギオンを作らせるなんて、やるなぁ。」

 

夢結「私は・・・梨璃に自分のレギオンを作るよう言ったつもりだったのに・・・」

 

梅「夢結らしいな。なぁそれ、私も入っても良いか?」

 

夢結「あなたまでそんな・・・」

 

梅「あはは〜!」

 

 

 

 

 

 

その頃3人はと言うと。

 

二水「では、まずは同じクラスの人から当たってみましょう!」

 

梨璃「うんうん!」

 

京輔「まずは1年椿組から探すか。えっと・・・あ!あの子だ!」

 

偶然にも安藤鶴紗を見付けた。

 

二水「安藤鶴紗さんですね!」

 

鶴紗「あぁ!?」

 

梨璃・二水「ひぃ!?」

 

京輔「に、睨まれた・・・!?俺等何をしたんだ・・・!?」

 

二水「わ、分かりません・・・」

 

 

 

 

 

 

その頃龍馬はと言うと。

 

龍馬「フッ!ハァッ!!デアッ!!!」

 

闘技場で仮面ライダークローズへ変身してリリィ達と模擬戦をしていた。

 

龍馬「リリィでもかなりの戦闘力があるな。これは良い訓練になるな!さぁ、全力で来やがれ!!!」

 

 

 

 

 

 

その頃3人は、1人の生徒に勧誘を申し出た。

 

汐里「私が梨璃さんのレギオンに?それは光栄だわ。」

 

同じ1年生の六角汐里。

 

二水「六角汐里さん。」

 

京輔「不動剣の姫の異名を持つ使い手だな。」

 

梨璃「良いんですか!?わ、私じゃなくてお姉様のレギオンのレギオンなんですけど・・・」

 

京輔「あれ?でも君、水夕会・レギンレイヴの副隊長だったんじゃ?」

 

二水「あ、そうでした・・・」

 

梨璃「え!?そうなの!?」

 

汐里「そうなんですよ。素敵なレギオンが出来るよう、願ってますね。」

 

 

 

 

 

 

同じ頃、雨嘉と神琳は。

 

雨嘉「神琳はレギオンに入るの?」

 

神琳「えぇ。あなたも折角留学して来たのだから、交流すると良いわ。」

 

雨嘉「うん・・・」

 

神琳「所でこれ、読みました?」

 

例の週刊リリィ新聞の号外2冊を見せた。

 

雨嘉「週刊リリィ新聞?こんなの読むんだ。・・・夢梨さん?こっちは・・・仮面ライダー?」

 

神琳「雨嘉さんも見たでしょ?この前の戦い。」

 

雨嘉「うん。」

 

神琳「技量もバラバラで、息も合っていない。なのに、不思議な迫力があって・・・」

 

雨嘉「うん。」

 

神琳「そして、稲葉先生と仁科先生が謎の戦士・仮面ライダーに変身してヒュージを圧倒した。」

 

雨嘉「うん。」

 

神琳「私の話、退屈?」

 

雨嘉「うん。あ!そ、そんな事ないよ!?」

 

神琳「・・・」

 

 

 

 

 

 

その頃鶴紗は。

 

鶴紗「っ!?」

 

茂みの中から出て来た黒猫を発見した。

 

黒猫「ニャ〜。」

 

鶴紗「はぁ・・・何だ猫か。」

 

その直後。

 

鶴紗「ニャニャ〜!こんな所で何してるニャ〜?」

 

寡黙とは真逆のテンションになって黒猫に近付いた。

 

鶴紗「迷子になったかニャ?お腹空いてないかニャ?猫缶あるから一緒にどうかニャ〜?」

 

京輔「あのぉ〜?」

 

鶴紗「っ!」

 

このテンションを京輔と二水に見られてしまった。

 

梨璃「どうしたの二水ちゃん?京輔先生?あ!鶴紗さん!また会った・・・」

 

二水「どうぞごゆっくりーーーー!!!」

 

京輔「殺さないでくれーーーーー!!!」

 

梨璃「何ーーーーー!?」

 

一目散に梨璃を引っ張って逃げ出した。

 

 

 

 

逃げた3人は。

 

京輔・二水「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」

 

梨璃「どうしたの・・・?」

 

京輔「察してくれ・・・」

 

梨璃「え・・・?」

 

壱「あなた達、レギオンのメンバーを集めてるんですってね?」

 

そこにアールヴヘイムの壱と樟美が現れた。

 

梨璃「え?あ、はい!あ、壱さん樟美さん!ごきげんよう。」

 

樟美「ごきげんよう。」

 

亜羅椰「ごきげんよう梨璃!」

 

後ろから亜羅椰が現れた。

 

梨璃「あ!亜羅椰さん!?」

 

京輔「アールヴヘイムの3人か。」

 

亜羅椰「私の樟美に手を出す気?良い度胸だわね。」

 

京輔「別に梨璃はあの子を取るつもりじゃ・・・」

 

天葉「樟美をあなたに差し上げた覚えはありませんけど?」

 

そこに天葉が仲裁に入った。

 

樟美「天葉お姉様!」

 

楓「梨璃さんからその嫌らしい手をお離しになって!」

 

更に楓も加わった。

 

梨璃「楓さん!」

 

壱「楓?」

 

亜羅椰「天葉様は兎も角、楓こそ梨璃に馴れ馴れしくない?」

 

楓「何故?私と梨璃さんは同じレギオンなのですから。」

 

亜羅椰に捕まってしまった梨璃を引っ張って助けた。

 

楓「貞操の危機からお守りするのは当然ですわ!」

 

二水「っ!!」

 

梨璃「楓さん!」

 

楓「ささ、参りましょう!」

 

梨璃「み、皆さん!ごきげんよう!」

 

3人が去って行った。

 

壱「何で楓・ヌーベルみたいな凄腕が、あんなド素人と?」

 

亜羅椰「所詮下心だけの繋がりでしょ?」

 

樟美「亜羅椰ちゃんがそれを言う?」

 

亜羅椰「喰うぞ樟美!!」

 

天葉「喰わないで!」

 

京輔「何か、アールヴヘイムって賑やかなんだな。」

 

壱「そうかしら?」

 

京輔「じゃあアールヴヘイムの諸君、ごきげんよう。」

 

彼は3人を追う。

 

 

 

 

 

 

足湯。

 

二水「さっきの皆さんは、中等部時代からアールヴヘイムの引き合いがあったそうですよ?」

 

梨璃「へぇ〜。凄いんだね。」

 

京輔「中等部時代からあんな感じなのか。」

 

二水「はい!取り敢えず、楓さんゲットっと。」

 

楓「ちょっとそれ!リアクション薄過ぎじゃありません!?」

 

梨璃「そんな事ないよ?これで4人だね!」

 

二水「え?3人じゃありませんか?」

 

京輔「まさか、俺もその内の1人?」

 

梨璃「違いますよ。」

 

二水「夢結様と、梨璃さんと、楓さんと・・・」

 

梨璃「二水ちゃんは?」

 

二水「え!?わ、私が!?」

 

楓「あなただって卑しくも、百合ヶ丘のリリィでしょうに。」

 

二水「わぁ〜!光栄です!幸せです!私が綺羅星の如きリリィの皆さんと友達とレギオンに入れるなんて!!」

 

梨璃「後5人だよ!頑張ろうね!」

 

楓「ちびっこゲットっと。」

 

京輔「レギオンかぁ。俺も何か作ってみるかな?」

 

 

 

 

 

 

部屋に戻った梨璃は、ベッドの上に倒れ込んだ。

 

梨璃「とは言え、レギオンの人集めなんて私にはやっぱり難し過ぎるよ・・・閑さん、入ってみません?」

 

閑「それは無理ね。私も高等部に入ったら、自分のレギオンを持つって決めてたから。」

 

梨璃「志が違い過ぎる・・・」

 

閑「あなたのレギオンには、楓さんだって居るんでしょ?」

 

梨璃「うん。知ってるんだ。」

 

閑「噂でね。楓さんは、8つのレギオンから誘いを受けてたようだけど。」

 

梨璃「え!?そんな事、楓さんには何も・・・」

 

閑「それと二川二水さん。あの方は鷹の目と呼ばれるレアスキルを持っているそうね。欲しがるレギオンは多いわ。」

 

梨璃「え!?そ、そうなんですか!?」

 

閑「情報収集と分析は得意なの。」

 

梨璃(皆凄いんだ・・・何でも無いのは、私だけか・・・)

 

 

 

 

 

 

同じ頃、京輔と龍馬は。

 

龍馬「いやぁ〜、今日の訓練は捗ったなぁ〜。それで、レギオンだっけ?」

 

京輔「あぁ。梨璃が夢結からレギオンを結成するよう命じられてな。後5人必要なんだ。」

 

龍馬「勧誘って言っても、そう簡単に構成出来る訳じゃないのか。」

 

京輔「龍馬、俺達もレギオン結成しないか?」

 

龍馬「え?教師と生徒のレギオン!?幾ら何でもそれは・・・」

 

京輔「そうじゃなくて。俺とお前2人だけのレギオンをだ。」

 

龍馬「そっちか。良いんじゃないのか?名前は決まったのか?」

 

京輔「もう決まってる。名前は・・・」

 

 

 

 

 

 

翌日。石階段の前。

 

梨璃「二水ちゃんも楓さんも、ありがとう。」

 

二水「梨璃さん?」

 

楓「藪から棒に何ですの?」

 

梨璃「私、2人の事を勝手に当てにしちゃって・・・」

 

楓「梨璃さんだって頑張っているのは、ご自身の為ばかりではないんでしょ?」

 

梨璃「わ、私はお姉様の為に・・・」

 

楓「ならそれと一緒です。」

 

ミリアム「何じゃ何じゃ何じゃ?辛気臭い顔が3つも並んどるのう。」

 

何時の間にかミリアムがそこに座っていた。

 

楓「何ですのちびっこ2号?」

 

ミリアム「2号?」

 

二水「私1号!?」

 

ミリアム「百由様から聞いたぞ?梨璃のレギオンを作るとか。」

 

梨璃「いえ!あの、お姉様のレギオンで・・・」

 

ミリアム「ワシで良ければ入っても良いんじゃがな。」

 

二水「え!?」

 

梨璃「え!?良いんですか!?」

 

ミリアム「ワシは元々、夢結様の戦い方に興味があるのじゃ。確か、レギオンには属さないと聞いとったが・・・」

 

楓「ではここに捺印を!」

 

持っていたレギオン契約書を渡し、ミリアムが受け取って契約書に捺印した。

 

ミリアム「これで良いか?」

 

梨璃「ありがとうございます!」

 

二水「この勢いで次行きましょう!」

 

ミリアム「苦労しておるんじゃのう・・・お主等・・・」

 

 

 

 

一方その頃京輔と龍馬は。

 

京輔「捺印完了。」

 

龍馬「これで改めてコンビ結成だな。」

 

京輔「あぁ。これでリリィ達と共に戦えるな。」

 

 

 

 

同じ頃。神琳と雨嘉の部屋では。

 

神琳「私を一柳さんのレギオンに?」

 

二水「クラスメートの郭神琳さん。百合ヶ丘女学院では中等部時代から活躍されている台北市からの留学生です。1年生ながらリリィとしての実力は高く評価されています。」

 

梨璃「えへへ、お姉様のレギオンなんですけど・・・」

 

神琳「そう。とても光栄だわ。」

 

梨璃「えっと、それは・・・」

 

神琳「謹んで申し出を受け入れます。」

 

梨璃「わぁ!本当ですか!?ありがとうございます!!梨璃って呼んで下さい!!」

 

神琳「はい。梨璃さん。」

 

即勧誘成功。雨嘉が此方を見ている。

 

梨璃「で。」

 

雨嘉「っ!!」

 

すぐに顔を背けた。

 

梨璃「あなたは?」

 

雨嘉「私・・・?」

 

二水「クラスは違いますが、同じ1年生の王雨嘉さん。ご実家はアイスランドのレイキャビクで、お姉様と妹さんも優秀なリリィです。」

 

雨嘉「姉と妹は優秀だけど、私は別に・・・」

 

梨璃「どうですか?折角だから神琳さんと一緒に・・・あ。」

 

雨嘉「私が、レギオンに?」

 

彼女の持ってるスマホの黒猫のキーホルダーを梨璃が見た。すると神琳が口を開いた。

 

神琳「自身が無いならお止めになっては?」

 

梨璃「え!?」

 

雨嘉「うん・・・止めとく。」

 

梨璃「え!?」

 

楓「素直です事。」

 

梨璃「な、何でですか!?」

 

雨嘉「神琳がそう言うなら、きっとそうだから・・・」

 

梨璃「あの、お2人は知り合って長いんですか?」

 

神琳「いえ。この春に初めて。」

 

梨璃「だったらどうして?」

 

神琳「私は、リリィになる為、そしてリリィである為、血の滲む努力をして来たつもりです。だから・・・と言うのが理由になりませんか?」

 

梨璃「っ・・・!私は才能も経験も・・・神琳さんみたいな自身も持ち合わせてないけど・・・ううん!!だから!そんなの確かめてみないと分かりません!!」

 

楓「また分からんちんな事を。まぁそこが魅力なんですが。」

 

神琳「・・・プッ!あはははははは!」

 

突然神琳が笑った。

 

神琳「失礼・・・梨璃さんは、雨嘉さんの実力の程を知りたいと言うのですね?」

 

梨璃「え!?私そんな偉そうな事は!」

 

雨嘉「ありがとう一柳さん。私・・・やってみる!!」

 

梨璃「え?」

 

雨嘉「これで良い?神琳。」

 

神琳「でしたら、方法は私にお任せ頂けますか?」

 

 

 

 

 

 

廃墟。雨嘉と梨璃と龍馬が立っている。

 

雨嘉「私の姉も妹も、今もアイスランドに残ってヒュージと戦っているの。1人だけ故郷を離れるよう言い渡されて。私は必要とされてないんだって思った・・・ごめんなさい。百合ヶ丘は世界的にもトップクラスのガーデンよ。ただ、今日を守りたいと思っている気持ちは特別って言うか・・・」

 

梨璃「うん。それ、分かるよ。」

 

”ピリリリリリ”

 

携帯の着信音が鳴り、電話に出た。

 

 

 

 

 

 

神琳「雨嘉さん。此方が分かる?」

 

 

 

 

 

 

遠くに青い光が見えた。

 

雨嘉「うん。」

 

神琳『そこから、私をお撃ちなさい。』

 

雨嘉「え!?」

 

彼女の提案とは、雨嘉に自分を撃つと言う事だった。

 

神琳『訓練弾なら大丈夫よ。』

 

雨嘉「そんな訳・・・」

 

神琳『装填数10発。きちんと狙えたら、私からはもう何も申しません。』

 

電話が切られた。

 

 

 

 

 

 

遠くに居る神琳。

 

神琳「大丈夫よ。あなたなら出来るわ。」

 

夢結「直に言ってあげたら如何?」

 

京輔「わざわざ電話越しで言うなんて。」

 

神琳「お立ち会いご苦労様です。夢結様。稲葉先生。」

 

夢結「お構いなく。」

 

京輔「お安い御用だ。」

 

夢結「梨璃に頼まれましたから。」

 

 

 

 

 

 

遠くに立ってる雨嘉は。

 

雨嘉「どうして・・・?」

 

梨璃「雨嘉さん、猫好きなの?」

 

雨嘉「え!?」

 

龍馬「突然何だ?」

 

雨嘉「う、うん。」

 

梨璃「可愛いね〜。この子。」

 

龍馬「あぁ、そのキーホルダーの事か。可愛いな。」

 

雨嘉「・・・うん。これ、持っててくれる?」

 

梨璃「え?うん。」

 

大切な携帯を梨璃に預けた。

 

龍馬「雨嘉。頑張れよ。」

 

雨嘉「はい。」

 

自身のCHARM・アステリオンをライフルモードに変形させて構える。そしてレアスキル・天の秤目を発動した。

 

龍馬「天の秤目。遠く離れた標的を寸分の誤差無く狙いを定める。それがお前のレアスキルか。」

 

梨璃「遠距離射撃?目標は何なの?」

 

天の秤目で神琳の顔に狙いを定めた。

 

雨嘉「神琳。」

 

梨璃「え!?」

 

 

 

 

 

 

神琳(撃ちなさい。雨嘉さん。撃って、あなたが一人前のリリィである事を証明なさい!)

 

 

 

 

 

 

梨璃「あぶあぶあぶ危ないよ雨嘉さん!!」

 

龍馬「梨璃落ち着け。彼女は集中している。」

 

梨璃「は、はい。」

 

雨嘉「一柳さんと神琳さんは、私にチャンスをくれたの。だから私もあなた達を信じてみる!」

 

梨璃「え!?チャンス・・・?」

 

そして雨嘉がアステリオンのトリガーを引いて訓練弾を発射。

 

 

 

 

 

 

訓練弾が神琳に迫り、神琳が訓練用のアステリオンで訓練弾を破壊した。周囲に雷が走った。

 

神琳「フフッ。」

 

京輔「神琳と雨嘉との距離は約1km。アステリオンの弾丸の初速は毎秒1800m。瞬きのする時間がある。これの狙いが正確なら躱せる。」

 

夢結「成る程。正確ね。何時ものCHARMは使わないのね。」

 

神琳「対等の条件にしておきたいので。」

 

 

 

 

雨嘉は訓練弾を1発1発発射し、神琳が訓練弾を1発1発弾いた。

 

 

 

 

夢結「ん?風が。」

 

風が吹いた。

 

 

 

 

雨嘉(弾が・・・逸れる。)

 

銃口の角度を変えて発射。神琳が弾いた。

 

雨嘉(また風が・・・やり過ごす。ううん、いける!)

 

風を読んで銃口の角度を変えて最後の1発を発射。

 

 

 

 

すると神琳が自身のCHARM・マソレリックに持ち替えて訓練弾を雨嘉に向けて跳ね返した。

 

 

 

 

雨嘉「あっ!!」

 

訓練弾が接近して来る。雨嘉がアステリオンをブレードモードに変形させて訓練弾を防いだ。

 

雨嘉「はぁ・・・はぁ・・・」

 

梨璃「10発・・・」

 

龍馬「最後の1発を防いだ・・・」

 

”ピリリリリリ!”

 

龍馬「ん?」

 

神琳からの着信が来た。

 

龍馬「神琳からだ。」

 

急いで電話に出た。

 

神琳『お見事でした。雨嘉さん。』

 

雨嘉「神琳・・・」

 

神琳『あなたが優秀なリリィである事は、誰の目にも明らかだわ。』

 

梨璃「う〜〜〜〜・・・やったー!!」

 

龍馬「凄えぞ雨嘉!!」

 

雨嘉「ありがとう先生!梨璃!」

 

梨璃「へ?」

 

雨嘉「梨璃と先生がこの子を褒めてくれて、私、梨璃のレギオンに入りたいと思ってたから。」

 

梨璃「それが、ありがとう?」

 

雨嘉「うん!ありがとう!」

 

 

 

 

 

 

神琳「ありがとうございました。夢結様。先生。」

 

夢結「いえ。あなたも見事だったわ。」

 

京輔「弾丸を全て弾くなんて。」

 

神琳「私、雨嘉さんが妬ましかったんです。エリートの家に生まれ、才能にも恵まれて、なのに本人は自身を持てなくて悩んでいるなんて、何なのよこの子はって。腹も立ちませんか?」

 

夢結「え?ずっと、腹を立ててたの・・・?」

 

京輔「もしかしてこの訓練、君の鬱憤晴らし?」

 

神琳「はい。でも、これでスッキリしました。」

 

夢結「私が言うのもなんだけど、あなたも中々面倒な人ね。」

 

京輔「色々世話の焼けそうだリリィだな。」

 

神琳「よく言われます。」

 

 

 

 

 

 

大浴場。雨嘉と神琳が背中合わせで座っている。

 

雨嘉「神琳、今日は・・・ありがとう。」

 

神琳「どう致しまして。」

 

雨嘉「で、ごめん・・・」

 

神琳「ん?」

 

雨嘉「聞いたんだ。神琳の故郷は、ヒュージに呑み込まれたって・・・」

 

神琳「えぇ。私は故郷を知りません。」

 

雨嘉「無神経だった・・・私・・・」

 

すると神琳が雨嘉に寄り添った。

 

神琳「そんな事気にしてたの?」

 

雨嘉「・・・」

 

神琳「折角背中を預けられる仲間に出会えたんです。あなたに喜んで貰えたのなら、私も嬉しいのよ。」

 

雨嘉「うん。ここに来られて、良かった・・・」

 

こうして雨嘉は自身を持てるようになった。

 

 

 

 

二水「これで7人。レギオン結成まで後2人ですね。」

 

楓「ミリアムさん位ちゃっちゃと決められないものかしら?」

 

ミリアム「お主!ワシに喧嘩売っとるんじゃあるまいな!?」

 

梨璃「でも、何だか良いレギオンが出来そうな気がして来たよ!」

 

 

 

 

 

 

その夜。理事長代行室に百由と史房が呼び出された。

 

理事長代行「こんな時間に呼び立ててすまなかったのう。」

 

百由「滅相も無い!どうせ四六時中起きてますから!」

 

高松「無理はせんように。」

 

理事長代行の高松咬月。

 

高松「っで、報告とは?」

 

百由「工廠科に面白い1年が入ってるんですが、お主は何とかじゃ〜って喋り方が理事長代行とクリソツで〜!あ!血縁とか?」

 

高松「いや、ワシに心当たりは・・・」

 

史房「百由さん?」

 

百由「あ〜これ話の枕なんで。コホン。ご存知のように、ヒュージが人類の前に現れて既に半世紀が経過しました。ですが私達はヒュージの主としての行動、目的も解明出来ず、場当たり的な対処が精一杯。と言うのが実情です。」

 

史房「ヒュージを単一の生物史と括るには、その形態はあまりにも雑多過ぎないかしら?」

 

百由「そうなんですよ!彼等が何処から来た何者なのか、諸説紛々ではありますが、私はちょっとばかし視野を広げて、相関関係を調べてみました!」

 

タブレットを操作すると、理事長代行の机に何かが映し出された。

 

高松「ん?」

 

百由「すると。ね?ね?ホラここ!」

 

高松「ほう・・・これは!」

 

 

 

 

 

 

一方夢結と祀の部屋。夢結はベッドで寝込んでいる。

 

祀「あなたのシルト、頑張っているようね。」

 

夢結「正直誤算だわ・・・」

 

祀「上手く行っている事が?」

 

夢結「まさか。あんなに順調に人が集まるなんて・・・」

 

祀「人間よりヒュージを相手にする方が気が楽なのよね。流石百合ヶ丘のエース様。」

 

夢結「・・・意地が悪いのね。」

 

祀「フフッ。はい♪」

 

果たして梨璃は、無事レギオンを結成出来るのか?

 

『To Be Continued・・・』




キャスト

稲葉京輔:千葉翔也

仁科龍馬:畠中祐

一柳梨璃:赤尾ひかる
白井夢結:夏吉ゆうこ
楓・J・ヌーベル:井澤美香子
二川二水:西本りみ
安藤鶴紗:紡木吏佐
吉村・Thi・梅:岩田陽葵
郭神琳:星守紗凪
王雨嘉:遠野ひかる
ミリアム・ヒルデガルド・v・グロピウス:高橋花林
真島百由:水瀬いのり
遠藤亜羅椰:関根明良
田中壱:洲崎綾
天野天葉:津田美波
江川樟美:原田彩楓
出江史房:長妻樹里
秦祀:田中那実
六角汐里:高橋李依
伊東閑:七瀬彩夏
田村那岐:三浦千幸
ロザリンテ・フリーデグンデ・v・オットー:綾瀬有
立原紗癒:根元京里
倉又雪陽:M・A・O
妹島広夢:佐伯伊織

高松咬月:中田譲治





アサルトビルド HAZARD!

二水「次回は梨璃さんの誕生日です!」

夢結「私は何をすれば・・・?」

第5話・愛しのバースデー計画

京輔「恵投の法則は、決まった!」


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第5話「愛しのバースデー計画」

ある日の百合ヶ丘女学院の庭の木陰に気持ち良さそうに寝ている人物が居た。吉村・Thi・梅だ。

梅「zzzz・・・・・」

寝ている梅に、1匹の三毛猫がやって来た。三毛猫は、梅のお腹の上に乗った。

梅「・・・ん?」

目を覚ました梅がお腹を見ると、三毛猫が気持ち良さそうに寝ていた。

梅「フッ。」

三毛猫と一緒に寝ようとした時、鶴紗が顔を出した。

梅「おぉ!?」

鶴紗「この子、餌は食べるのに中々触らせてくれない。」

梅「だったら今がチャンスじゃないか?」

鶴紗「しかし、寝込みを狙うのは卑怯・・・」

梅「お前何する気だ?食うのか?」

鶴紗「食うか。」

梅「だったら、最初は低いハードルから挑戦するのは卑怯とは違うんじゃないんか?」

鶴紗「・・・あぁ・・・それなら・・・」

真剣な顔をして三毛猫に触れようとする。

梅「その殺気仕舞え。動物はそう言うの敏感だからな。」

鶴紗「安藤鶴紗、何時もこうだから仕方無い・・・」

梅「ふぅ〜ん。私は吉村・Thi・梅。2年生だぞ。」

三毛猫「シャー!」

猫パンチ!!

鶴紗「いて・・・」




謎の生命体「ヒュージ」に対抗する為
リリィの少女達は
CHARMを用いて戦い続けている

更に繁殖し続ける謎の生命体
ヒュージの前に
仮面ライダーが立ち開かる



同じ頃、夢結は部屋で何かを考えていた。

 

夢結「一方的に人から何かを貰ってばかりと言うのは、落ち着かないものね。」

 

祀「はい?」

 

夢結「誰かに気持ちを伝えると言うのは、どのようにすれば良いのかしら?」

 

祀「あー。梨璃さんに何かしてあげたいのね。」

 

夢結「何故今ので解るの!?」

 

祀「驚くなら少しは伝える努力をしなさいよ?久し振りだから忘れていたけど、あなた困ってる時程人の目を見ないのね。」

 

夢結「自分がまた、シュッツエンゲルの契りを交わすなんて、思ってもみなかったから・・・」

 

祀「あなただって、美鈴様のシルトだったから。その時の事を思い出せば、して欲しい事位思い付くでしょ?」

 

夢結「・・・・・」

 

 

 

 

 

 

百合ヶ丘女学院・中庭。

 

梨璃「個別に当たっても迷惑がられるから机を用意したけど・・・後2人、中々集まらないね・・・」

 

未だにレギオンを結成出来ていない梨璃は、二水と楓と共に中庭に机を用意したが、誰も来てくれていない。

 

楓「そらまあ6月ともなれば、大抵のリリィは大抵のレギオンに所属済みですわ。」

 

二水「してないとしたら、1匹狼系の個性派リリィしか・・・ん?」

 

そこに梅と鶴紗が通り掛かった。

 

二水「居ました個性派!!」

 

楓「この際贅沢言ってられませんわ!!」

 

梨璃「し、失礼だよ!!」

 

走って2人に駆け寄る。

 

 

 

 

鶴紗「ん?」

 

梅「ん?何だ?お前等まだメンバー探してるのか?」

 

梨璃「は、はい・・・梅様どうですか?そろそろ・・・」

 

梅「私はな・・・今はまだ1人で好きにして居たいかな?」

 

二水「そこを何とか・・・」

 

鶴紗「しつこい!!」

 

梨璃・二水「きゃああ!ごめんなさーい!」

 

鶴紗に一蹴された。梅と鶴紗は去って行った。

 

楓「もうこの際、7人で良くありません?」

 

梨璃「もうちょっと頑張ろうよ・・・」

 

二水「定員まで後2人。先は険しいです・・・」

 

 

 

 

京輔「なぁ、この後またリリィ達と模擬戦やるか?」

 

 

 

 

梨璃・楓・二水「ん?」

 

奥から京輔と龍馬が出て来た。

 

龍馬「構わんぞ。アールヴヘイムは少々厄介だがな。」

 

京輔「特に亜羅椰はある意味苦手なタイプだけどな。」

 

梨璃「京輔先生!龍馬先生!」

 

京輔「ん?ようお3方!どうだ?レギオンは結成出来たか?」

 

二水「後2人なんですが・・・」

 

龍馬「そう簡単に集まる訳ないか・・・」

 

京輔「そうだ二水、ちょっと話がある。」

 

二水「はい?」

 

 

 

 

 

 

工廠科のラボ。百由がミリアムのツインテールを枕にして寝転んでいた。

 

百由「ふぁ〜〜・・・」

 

ミリアム「お疲れ様じゃのう。百由様。」

 

百由「ここん所毎晩理事長代行とね・・・あぁ変な意味じゃないから、報告を色々とね・・・」

 

ミリアム「っで、その足でラボに出勤か?百由様守備範囲が広いからのう。CHARMから魔法(マギ)から、果てはヒュージまで何でも御座れじゃ。ワシには真似出来ん。」

 

百由「まぁ全ては繋がっているからね・・・どうやらその繋がりってのが、思ってたより縦にも横にも斜めにも広いみたい。フフフフ♪」

 

ミリアム「何じゃ?まだ睡眠が足りとらんようじゃな。」

 

百由「だって、グロッピのその喋り方、理事長代行みたいでさ〜。」

 

ミリアム「グロッピ?」

 

百由「グロピウスさん。」

 

ミリアム「ワシかよ!!」

 

 

 

 

 

 

その頃梨璃は、カフェで落ち込んでいた。

 

梨璃「ん〜・・・」

 

夢結「お疲れの様ね。梨璃。」

 

梨璃「そ、そんな事ないです!!全然!!」

 

龍馬「空回りしてるな。」

 

夢結「何か、私に出来る事があれば・・・」

 

 

 

 

二水「梨璃さーん!楓さーん!」

 

 

 

 

そこに二水が京輔と一緒に戻って来た。

 

二水「あ!夢結様!ごきげんよう!」

 

夢結「ごきげんよう。」

 

龍馬「遅かったじゃないか。」

 

楓「何処に行ってらしたの?」

 

二水「どうです?これ!」

 

彼女が持っているのは、タブレットだった。

 

梨璃「何それ?まな板?」

 

楓「タブレット型端末ですわ。」

 

京輔「最新型が再支給されたんだ。二水に渡そうと思って取っておいたんだ。」

 

梨璃「へぇ〜。初めて見ました。」

 

楓「この程度のもの、昔は誰でも持っていたと言いますわ。」

 

二水「見て下さい!それー!」

 

タブレットの画面に百合ヶ丘の校章が写ると、梨璃の立体映像が出現した。更に梨璃の極秘情報が表示された。同じく梨璃自身にも極秘情報が表示された。

 

梨璃「えええ!?な、何コレーー!?」

 

楓「梨璃さんの極秘情報が!」

 

京輔「よっと!」

 

彼が持ってるタブレットから龍馬の立体映像が出現し、極秘情報が表示された。

 

龍馬「な!?京輔お前!!」

 

楓「仁科先生の極秘情報も!!」

 

二水「人類の叡智です!!」

 

梨璃「み、見ないで下さい!!」

 

龍馬「おい京輔!!今すぐ消せ!!」

 

京輔「良いじゃん!もちっと見せてよ〜!」

 

夢結「?」

 

梨璃の極秘情報に誕生日が表示されてる。誕生日は6月19日。

 

夢結(6月19日?)

 

今日は6月18日。

 

夢結(はっ!明日は、梨璃の誕生日・・・)

 

 

 

 

 

 

2年前。

 

美鈴『誕生日おめでとう。夢結。これを。』

 

誕生日の日に、美鈴から小箱を渡された。

 

夢結『ペンダント?』

 

誕生日プレゼントは、ペンダント。

 

美鈴『ジッとして?』

 

ペンダントを夢結の首に掛けた。

 

 

 

 

 

 

梨璃の誕生日に何かを送る事を考えた夢結は、百由に訊いてみる事に。

 

夢結「シュッツエンゲルとして、シルトに何かプレゼントを贈りたいのだけれど、どんな物が良いのかしら・・・?」

 

百由「へぇ〜。明日梨璃の誕生日なんだ。」

 

夢結「梨璃は何が好きで、何が喜ぶのか、何も知らなくて・・・」

 

百由「ふぅ〜ん。これなんてどう?獲れたてだよ?」

 

ヒュージの目玉。勿論却下。

 

 

 

 

次はミリアムに訊いてみる。ミリアムはCHARMを修理しながら聞いている。

 

夢結「あなたは何か知らないかしら?梨璃の趣味とか、好きな物とか。」

 

ミリアム「あ〜!そう言や梨璃はラムネが好きとか言っとったな!」

 

夢結「ラムネ?」

 

ミリアム「ワシは飲んだ事ないがの。」

 

夢結「ガラスの瓶にビー玉で蓋をした炭酸入り清涼飲料水の事かしら?」

 

ミリアム「ラムネをそこまで堅苦しく言い表す御仁は初めて見たの。」

 

夢結「私も、よく知らなくて。」

 

ミリアム「じゃが、夢結様の用意した物なら梨璃は何だって喜ぶと思うぞい?あ?」

 

既に夢結の姿が無かった。

 

 

 

 

夢結が歩いていると。

 

京輔「夢結。」

 

夢結「京輔先生。」

 

途中で京輔に出会った。

 

夢結「今日は1人かしら?龍馬先生は?」

 

京輔「リリィとの模擬戦をやってる。どうしたんだ?考え事か?」

 

夢結「まぁ、そんな所ね。」

 

事情を京輔に話した。

 

京輔「梨璃の誕生日プレゼントにラムネかぁ。確かにあの子、ラムネを美味しそうに飲んでる所を見た事がある。前に俺と龍馬にもラムネを渡した事があるんだ。」

 

夢結「そうなのね。」

 

 

 

 

2人は神琳と雨嘉に尋ねてみる。

 

京輔「梨璃はラムネが好物なのか?」

 

雨嘉「はい。梨璃はラムネ好きです。」

 

神琳「たまに分けてくれますよ?お口の中でホロホロと溶けていくのが面白いですね。」

 

だが夢結は外方向いてる。

 

夢結(ラムネとは、飲み物の事ではなかったの!?)

 

雨嘉「でも梨璃なら、夢結様からのプレゼントなら。」

 

神琳「何だって大喜びするのは間違いありません。」

 

京輔「まぁそうだろうな。何せ夢結のシルトだし。」

 

 

 

 

次は鶴紗に尋ねてみる。鶴紗は猫に魚の缶詰を与えている。

 

鶴紗「ラムネ?あー、駄菓子のラムネをよく購買部で買ってますね。何で私に訊くんですか?」

 

京輔「夢結に聞いてくれ。」

 

夢結「私の記憶だと、鶴紗さんは梨璃と仲が良いと思ったんだけど。」

 

鶴紗「ただのクラスメートです。猫のご飯を買いに行くと出会す位で。」

 

夢結「梨璃は、購買部で手に入るお菓子のラムネを貰って喜ぶのかしら?」

 

鶴紗「白井様が一柳の為に選んだ物なら、何であれ喜ぶと思いますよ?」

 

 

 

 

購買部。ラムネの粉を見付けた。

 

京輔「あった。」

 

夢結「えぇ。」

 

梅「へぇ〜。夢結も購買部でお菓子なんか買うんだ。」

 

夢結「っ!」

 

京輔「梅か。」

 

後ろから梅に声を掛けられた夢結が驚き、バックして梅に尋ねる。

 

夢結「誕生日に梨璃が好きだと言うラムネを贈ろうと思うのだけど、買った物をそのまま渡すのも粗雑ではないかと思うのだけど・・・」

 

京輔(夢結、考え過ぎてる・・・)

 

梅「よく分かんないけど、プレゼントならラッピングしてみたら良いんじゃないか?」

 

夢結「ん?」

 

 

 

 

 

 

ラッピング用の紙も買った。

 

夢結「こんな物で良いのかしら?」

 

京輔「良いんじゃないのか?」

 

汐里「梨璃さんへのプレゼントですか?」

 

そこに六角汐里とたまたま会った。

 

夢結「あなたは?」

 

京輔「夢結。彼女は梨璃のクラスメートの六角汐里だ。」

 

汐里「初めまして。六角汐里と申します。明日はお誕生日ですものね。」

 

夢結「よくご存知ね。」

 

汐里「クラスメートの事は大体知っているつもりです。ラッピングならお手伝いしましょうか?私こう見えて器用な方なんですよ?」

 

夢結「いえ、こう言う物は自分でやる物だと。」

 

汐里「勿論です。私は口を添えるだけ。」

 

夢結「そ、そう。それなら・・・」

 

教えられながらラッピングしてみる。

 

夢結「っ!」

 

綺麗にラッピング出来た。

 

京輔「き、綺麗だ・・・完璧だ・・・」

 

汐里「如何でしょう?」

 

夢結「良いと思うわ。あなたのアドバイスのお陰ね。」

 

汐里「私はほんの少し口添えをしただけですよ?夢結様の真心が形になるように。」

 

夢結「出来れば本物のラムネをプレゼントしたかったのだけれど・・・何処で手に入るのか、調べても分からなくて・・・」

 

京輔「そうだろうな。今じゃ瓶のラムネは殆ど製造されていないしな。」

 

汐里「でも、梨璃さんの好物と言う事でしたら、梨璃さんの故郷なら手に入っていた事ではないでしょうか?」

 

夢結「梨璃の故郷!?」

 

京輔「確か梨璃の故郷は、甲州だったな。山梨の北東部。」

 

 

 

 

 

 

その夜。京輔と龍馬の部屋。

 

龍馬「外出?」

 

京輔「あぁ。明日夢結と一緒にちょっと甲州へ行って来る。」

 

龍馬「彼処って梨璃の故郷だったな。彼処で何の用だ?」

 

京輔「ちょっとした私事だ。」

 

 

 

 

 

 

翌朝。夢結は目覚ましのアラームが鳴る直前に起きて、アラームが鳴ったと同時に切った。制服に着替えて部屋を出た。勿論外出届は提出済み。

 

 

 

 

学院を出ると。

 

京輔「おう。おはよう。」

 

既に京輔がマシンビルダーの準備をしていた。

 

夢結「待ったかしら?」

 

京輔「いや、今さっき起きたばかりだ。」

 

フロント部分のスイッチを押してジェットタイプヘルメットを出した。

 

京輔「ホレ。」

 

それを夢結に被せて、後ろに乗せた。

 

夢結「私、バイク初めて乗るわ。」

 

京輔「おぉそうか!じゃあ初めてのドライブだな。よし、行くか。」

 

夢結「えぇ。」

 

マシンビルダーのエンジンを噴かし、2人は甲州へ向かった。

 

 

 

 

 

 

数時間後。甲州に着いた。

 

京輔「うわぁ〜、暑いな〜ここ・・・」

 

夢結「・・・」

 

2人はブドウ畑の道の真ん中に止まった。

 

京輔「おぉ〜。ブドウが実ってるな。」

 

夢結「そうね。」

 

しばらく進むと。

 

京輔「ん?」

 

危険区域の看板が立てられていた。

 

京輔「この先にヒュージが居るのか。回り道するか。」

 

夢結「この辺りが梨璃の故郷の人達が避難した地域のはずだけど・・・」

 

 

 

 

 

 

町に到着し、駄菓子屋を発見した。

 

夢結「ごめんください。この辺りでラムネを扱っているお店を探しているのですが。」

 

店主「ラムネけえ。お嬢さんと兄ちゃんの隣にあるのがそうじゃんけ。」

 

夢結「ん?」

 

隣を見ると、ラムネが入ったボックスがあった。

 

京輔「見付けたぜラムネ。おっちゃん、ラムネ2つ頂戴。」

 

店主「毎度。」

 

ラムネ2本買った。夢結がラムネの蓋を押し込んだ。ビー玉が落ち、炭酸の音が響いた。

 

夢結「・・・」

 

ラムネを飲んだ。

 

夢結「っ!」

 

口の中に広がるしゅわしゅわに感動した。

 

京輔「ーーーぷはぁ〜。暑い日はラムネに限るね〜。」

 

店主「お嬢さんリリィけえ?ここらじゃ見ん制服だけんどまたえらい暑そうじゃん。」

 

夢結「見た目程ではないのですが。」

 

店主「兄ちゃん、あんたはお嬢ちゃんのご兄弟けえ?」

 

京輔「いや、俺は彼女の先生だ。物理学を教えてる。」

 

店主「おまんとうのお陰でウチも何とか続けているけんど、この道の向こうんしはもう皆避難していんようになっちゃったじゃんねえ。昔はそのラムネが好きで何時も買いに来てた子供も居たもんだけんど。」

 

京輔「やっぱりヒュージの影響力があるんだな。」

 

店主「そうじゃけえ。」

 

夢結「ごちそうさま。美味しかったです。持って帰りたいのでもう1本頂きます。」

 

店主「リリィんじゃあ何ぼでも持ってけし。」

 

夢結「お気持ちはありがたく頂きますが、お代は納めさせて下さいませ。」

 

すると夢結の頭の中に、梨璃と一緒にラムネを飲むイメージが浮かんだ。

 

夢結「もう1本!頂けますか?」

 

 

 

 

 

 

その頃梅と鶴紗は中庭で仰向けになっていた。

 

鶴紗「梅先輩、何でレギオンに入らないんですか?」

 

梅「え?何でお前までそんな事聞くんだ?」

 

鶴紗「本当は興味あるから、さっきは一柳の所に様子を見に行ったんじゃないですか?」

 

梅「う~ん・・・お前鋭いな。」

 

鶴紗「普通です。」

 

梅『梅には心配な奴が居たんだけど、もう大丈夫そうだから梅が見てなくても良いかなって。」

 

鶴紗「はあ。意外ですね。」

 

梅「そうなんだよ。こう見えて結構繊細なんだぞ。」

 

鶴紗「そうっすね。」

 

 

 

 

 

 

同じ頃京輔と夢結は、マシンビルダーに乗って百合ヶ丘へ戻って行く最中。夢結の背中に、小さなクーラーボックスを背負っている。

 

 

 

 

あの時駄菓子屋で。

 

夢結『これは?』

 

京輔『クーラーボックスか。』

 

店主『そう。こうしとけば帰ってすぐ冷たいのが飲めるじゃんねえ。』

 

夢結『ありがとうございます。』

 

 

 

 

時間が過ぎ、夕方になった。

 

京輔「おっちゃん、優しかったな。」

 

夢結「えぇ。これで梨璃のプレゼントが買えたわ。」

 

京輔「早く帰って梨璃に贈らねえとな。」

 

夢結「ん?先生、止まって。」

 

京輔「ん?」

 

マシンビルダーを止めた。

 

京輔「どうした?」

 

夢結「あれ・・・」

 

 

 

 

男の子「喉渇いた~。何か飲みたい。」

 

母親「電車降りたら何か飲もうね?」

 

男の子「今飲むの~!今~!」

 

 

 

 

駅の改札口で駄々を捏ねてる男の子とその母親が居た。

 

京輔「・・・どうする?」

 

夢結「・・・」

 

 

 

 

ラムネを男の子に差し上げた。

 

夢結「どうぞ。」

 

母親「そんな・・・申し訳ないです・・・」

 

夢結「いえ。良いんです。」

 

京輔「遠慮せず受け取って下さい。」

 

女の子「良いな~!私も飲みたい飲みたい!」

 

今度は後ろの女の子が父親に駄々を捏ねてしまった。

 

京輔「はい。どうぞ。」

 

結局ラムネを渡してしまった。

 

 

 

 

夜の帰り道。

 

京輔「ごめんな夢結。折角ラムネを買ったのに全部渡す事になってしまって。」

 

夢結「ううん。あの子達が喜んでくれたから良いのよ。購買部で買ったラムネを梨璃に贈りましょ。」

 

京輔「そうだな。」

 

すると前に何かが茂みから飛び出した。

 

京輔「っ!」

 

すぐにブレーキを握った。

 

京輔・夢結「ん?」

 

飛び出したのは、黒い子猫だった。

 

京輔「子猫?」

 

すると今度は茂みから梅と鶴紗が出て来た。

 

京輔「お前等?」

 

梅「あ、夢結・・・先生・・・」

 

鶴紗「どうも。」

 

夢結「ここは学院の敷地ではないでしょ?」

 

京輔「こんな夜に何してるんだ?」

 

梅「この先に猫の集会所があるから、後輩に案内してたんだよ〜。」

 

鶴紗「お陰で仲間に入れて貰えたかも知れない。」

 

夢結「仲が宜しい事で。結構ね。」

 

京輔「良かったな。」

 

梅「あれ?校則違反とか言わないのか?」

 

夢結「私達の役割ではないでしょ?」

 

京輔「それは生徒会の役目だろ?」

 

梅「寂しがってたぞ?梨璃。」

 

夢結「え?」

 

梅「誕生日なのに夢結が朝からずっと居ないんだもんな。お陰で今日もレギオンの欠員が埋まらなかったみたいだし。あ、でもあれだろ?夢結は先生と一緒にラムネ探しに行ってたんだろ?」

 

夢結「何故それを・・・!?」

 

京輔「誰から聞いた?」

 

梅「だってよりによって誕生日にシルトを放ったらかしてまで、他にする事あんのか?」

 

夢結「ええ・・・ないでしょうね。」

 

梅「だろだろ?早くプレゼントしに行ってやれよな?」

 

京輔「いやぁ、その事なんだが・・・」

 

梅「ん?」

 

 

 

 

4人は歩きながら今日の事を話す。京輔はマシンビルダーを押してる。

 

梅「そっか・・・そりゃご苦労だったな。けど良い事したじゃないか。」

 

夢結「別に後悔はしていないわ。」

 

京輔「寧ろ誰かに良い事をした達成感を抱いてる。」

 

梅「まあ間の悪い事はあるもんだよな。」

 

鶴紗「ん?」

 

道路脇に光る何かを発見した鶴紗が立ち止まった。

 

京輔「ん?鶴紗?」

 

鶴紗「これ・・・」

 

梅「どうした?」

 

蔦に巻かれたゴミ箱を覗くと、3本の空のラムネ瓶が捨てられてあった。

 

夢結「これは・・・?」

 

京輔「ラムネ瓶?」

 

梅「ん?」

 

ゴミ箱の隣の蔦に巻かれた自販機に100円玉を入れると、自販機が稼働した。

 

梅「節電モードか!」

 

京輔「ん?何かあるぞ?」

 

扉を開けて、中から何かを出した。それは・・・

 

 

 

 

 

 

ラムネだった。

 

 

 

 

 

 

梅「ラムネ・・・」

 

夢結「うっ・・・」

 

京輔「何・・・だと・・・」

 

百合ヶ丘の近くにラムネがあった事にショックを受けた京輔と夢結が崩れてしまった。

 

梅「夢結!」

 

鶴紗「先生!」

 

 

 

 

 

 

誕生日プレゼントのラムネを梨璃に贈った。

 

梨璃「わぁ!」

 

ミリアム「ほほう。これが噂のラムネか!」

 

梨璃「お姉様と先生が私の為に・・・」

 

京輔「いや・・・俺は飽く迄夢結の付き添いしただけだけど・・・」

 

梅「どうだ!梨璃!」

 

梨璃「嬉しいです!これ正門の傍にある自動販売機のラムネですよね!」

 

鶴紗「やはり知っていた・・・」

 

夢結「ええ・・・そうね・・・」

 

京輔「今までの苦労が徒労に・・・」

 

梨璃「お休みの日にはよく買いに行っていたんですけど、やっぱりお姉様も知ってたんですね!」

 

楓「そうは見えませんが・・・」

 

龍馬「見事に抉るなぁ・・・」

 

夢結「所詮、私は梨璃が思うほど大した人間ではないと言う事よ・・・」

 

梨璃「え!?そんな!!夢結様は私にとっては大したお姉様です!!」

 

夢結「断じてノーだわ。あなたがそこまで喜ぶような事を、私が出来ているとは思えないもの・・・」

 

梨璃「そんなの出来ます!出来てますよ!じ、じゃあ・・・もう1個良いですか?」

 

夢結「ええ・・・」

 

梨璃「お・・・」

 

両手を大きく広げて大きく言った。

 

梨璃「お姉様を私に下さい!」

 

楓「はあ!?」

 

京輔「っ!!」

 

二水「梨璃さん過激です!」

 

夢結「・・・どうぞ。」

 

梨璃「はい!」

 

そして、夢結をギュッと抱き締めた。楓は悔しがり、二水とミリアムは眺め、神琳は口を塞ぎ、雨嘉は指の隙間から見ている。

 

龍馬「いやぁ、見てるこっちも恥ずかしいって言うか・・・なぁ京輔?」

 

京輔「はぁ・・・はぁ・・・この光景・・・良いもんですなぁ〜〜!!」

 

当の京輔はスマホで録画している。

 

龍馬「おい?」

 

夢結「私・・・汗掻いてるわよ・・・」

 

梨璃「・・・ブドウ畑の匂いがします。」

 

夢結「やっぱり・・・私の方が貰ってばかりね。」

 

そう言うと、夢結が梨璃を両手で抱き締めた。

 

梨璃「お・・・お姉様・・・!?」

 

夢結「梨璃。お誕生日おめでとう。」

 

梨璃「うわっ!?」

 

楓「ハレンチですわお2人共!」

 

二水「号外です!」

 

タブレットで連写した。

 

京輔「良いね良いね!この光景を後世に残したい!!」

 

龍馬「また始まったよ。お前の百合エンジン。」

 

梨璃「・・・っ?お姉様・・・嬉しいんですけど・・・あの・・・く・・・苦しいです・・・!」

 

無意識に夢結が梨璃を締め付けている。

 

二水「何て熱い抱擁です!!」

 

梨璃「お姉さま・・・私どうすれば・・・」

 

ミリアム「わしが聞きたいのじゃ。」

 

楓「夢結様がハグ一つするのも不慣れなのは分かりましたから!梨璃さんも少しは抵抗なさーい!」

 

”ボフン!”

 

夢結「梨璃!?」

 

龍馬「パンクした!?」

 

梨璃がパンクした。

 

梅「あははははは!」

 

夢結「楽しそうね。梅。」

 

梅「は~・・・こんな楽しいもの見せられたら楽しいに決まってるだろ!」

 

京輔「梅!その気持ち分かるぞ!」

 

梅「あはははは!」

 

京輔「なははははは!」

 

夢結「私に出来るのはこの位だから・・・」

 

梅「そんなことないぞ夢結。」

 

すると梅と鶴紗の口から。

 

梅「さっき鶴紗と決めた。今更だけど梅と鶴紗も梨璃のレギオンに入れてくれ!」

 

鶴紗「生憎個性派だが。」

 

梨璃「あの~・・・だから私じゃなくてお姉様のレギオンで・・・えっ!?」

 

二水「そ!それじゃあこれで9人揃っちゃいますよ!レギオン完成です!」

 

神琳「あらあら~。これは嬉しいですね。」

 

雨嘉「おめでとう梨璃。」

 

ミリアム「何じゃ騒々しい日じゃのう。」

 

梅「梅は誰の事も大好きだけど、梨璃の為に一生懸命な夢結の事はもっと大好きになったぞ!梨璃!」

 

梨璃「は・・・はい!」

 

梅「ま、今日の私らは夢結から梨璃へのプレゼントみたいなもんだ。」

 

鶴紗「遠慮すんな。受け取れ。」

 

梨璃「梅様・・・鶴紗様・・・此方こそ、よろしくお願いします!!」

 

夢結「これは、汗を掻いた甲斐もあると言うものね。」

 

楓「それはそうと!お2人何時までくっ付いてますの!」

 

京輔「さてと。良い物が収めれた所で、実は俺達もレギオンを結成したんだ。」

 

二水「先生方が!?」

 

龍馬「まぁレギオンと言うよりコンビだな。俺と京輔で結成したんだ。」

 

梨璃「どんな名前なんですか?」

 

京輔「俺の創造と、龍馬の龍の炎で、創炎組だ!」

 

稲葉京輔と仁科龍馬のコンビ名は『創炎組』。

 

 

 

 

 

 

女湯・大浴槽。

 

神琳「これからどうぞ宜しくお願いしますね鶴紗さん。可愛い〜。」

 

そう言いながら鶴紗の顔を頬ずる。

 

雨嘉(神琳でもそんな顔をするんだ。)

 

”ドム!!”

 

頬ずる神琳に頭突きをし、雨嘉に寄り添って猫みたいに威嚇する。

 

雨嘉(実家の猫に似てる。可愛い。)

 

 

 

 

 

 

夜・夢結と祀の部屋。

 

祀「今日の梨璃さん、とても喜んでいたんじゃない?」

 

夢結「ええ。まあ。・・・まさか見ていたの?」

 

祀「まさか。でも自分の身に置き換えれば分かるもの。憧れのお姉様がお祝いに下さったものなら、それが自分の欲しかったものかどうかなんて関係あるかしら?』

 

夢結「・・・」

 

祀「そうそう。梨璃さんのレギオンに9人揃ったって事なら知ってるわよ。」

 

夢結「流石耳が早いわね。」

 

祀「どう致しまして。」

 

夢結「認めたくはないけど、奇跡だわ。」

 

祀「そろそろ梨璃さんの事、認めてあげる気になった?」

 

夢結「それは・・・どうかしら。危なっかしくて次に何をするかも分からなくて・・・」

 

祀「ドキドキする?」

 

夢結「何を言うのよ・・・」

 

祀「「あの夢結さんをこんなに可愛くしちゃうなんて凄い事よ。レアスキル・カリスマ。類稀なる統率力を発揮する支援と支配のスキル。」

 

夢結「梨璃のレアスキル?まさか・・・」

 

祀「まだ審査中だけど、孤高の一匹狼と呼ばれた夢結さんとシュッツエンゲルの契りを結び、レギオンに引き入れる。それだけでも奇跡だわ。」

 

夢結「私が梨璃の手の内にあると?」

 

祀「さあ?そこまでは分からないわ。」

 

夢結「そんな風に考えるの・・・嬉しくないわね。」

 

こうして梨璃は、無事レギオンを結成出来た。

 

 

 

 

 

 

大海原に巨大な光が照らされていた。光の中に、正体不明のCHARMがあった。

 

『To Be Continued・・・』




キャスト

稲葉京輔:千葉翔也

仁科龍馬:畠中祐

一柳梨璃:赤尾ひかる
白井夢結:夏吉ゆうこ
楓・J・ヌーベル:井澤美香子
二川二水:西本りみ
安藤鶴紗:紡木吏佐
吉村・Thi・梅:岩田陽葵
郭神琳:星守紗凪
王雨嘉:遠野ひかる
ミリアム・ヒルデガルド・v・グロピウス:高橋花林
真島百由:水瀬いのり
秦祀:田中那実
六角汐里:高橋李依
店主:若林佑

川添美鈴:川澄綾子





アサルトビルド HAZARD!

二水「次回は最強のヒュージが百合ヶ丘を襲います!」

梨璃「一柳隊出動です!」

第6話・レギオン!一柳隊!

京輔「戦術の法則は、決まった!」


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第6話「レギオン!一柳隊!」

夜。百合ヶ丘女学院・1年生宿舎。

閑「おめでとう。梨璃さん。」

梨璃「ありがとう閑さん!・・・で、何が?」

閑「あなたのレギオンが正式に発足したんでしょ?」

梨璃「あ、うん!お姉様のレギオンだけど。さっき申請が正式に受理されたって。」

閑「それと、稲葉先生と仁科先生の特別なレギオンも正式に発足したって聞いてるよ。」

梨璃「相変わらずよく知ってるね。」

閑「えぇ。っで、部隊名は?」

梨璃「え?あー、まだちゃんと決めてないから・・・お姉様と皆と相談しなきゃ。」

部隊名は決まるのか。




謎の生命体「ヒュージ」に対抗する為
リリィの少女達は
CHARMを用いて戦い続けている

更に繁殖し続ける謎の生命体
ヒュージの前に
仮面ライダーが立ち開かる



後日。百合ヶ丘女学院にあるレギオンの施設に新たな部屋が設けられた。

 

梨璃「ん?」

 

その名は・・・

 

 

 

 

 

 

一柳隊。

 

 

 

 

 

 

梨璃「一柳・・・隊!?」

 

楓「一柳隊がどうかしまして?」

 

二水「えぇ。一柳隊ですよね?」

 

ミリアム「うむ。一柳隊じゃな。」

 

神琳「確か一柳隊だったかと。」

 

雨嘉「私も一柳隊だと思っていました。」

 

梨璃「私達、白井隊では?」

 

鶴紗「どっちでも良い。だから一柳隊で良い。」

 

梅「もう一柳隊で覚えちゃったよ。」

 

夢結「じゃあ、一柳隊で問題無いわね。」

 

梨璃「え・・・ええ!?」

 

こうして、レギオン一柳隊が発足された。

 

 

 

 

 

 

一柳隊・控室。

 

梨璃「で、でも!これじゃあ私がリーダーみたいじゃないですか!」

 

楓「私はちーっとも構いませんが?」

 

ミリアム「梨璃の働きで出来たもんじゃからな。」

 

梨璃「ええ・・・?」

 

梅「ま、梨璃はリリィとしてもまだちょっと頼りないけどな。」

 

夢結「まだまだよ。勿論、梨璃の足りない所は私が補います。責任を持って。」

 

梨璃「良かったぁ・・・ですよね・・・うわっ!?」

 

急にブリューナクを向けられた。

 

夢結「つまり何時でも私が見張ってるって事よ!!弛んでたら、私が責任を持って突っ突くから覚悟なさい!!」

 

梨璃「は、はい!!」

 

”コンコン”

 

京輔『一柳隊、居るか?』

 

梨璃「は、はい!!」

 

控室に創炎組の京輔と龍馬が入った。

 

京輔「外から聞こえたが、随分と賑やかだな。」

 

龍馬「夢結、何でブリューナクを梨璃に向けてるんだ?」

 

夢結「私が責任を持って、梨璃の足りない所を補う宣言よ。」

 

龍馬「そ、そうか。」

 

梨璃「先生・・・私がリーダーになってしまったんですが・・・」

 

京輔「そう弱気になるな。自分の部隊は自分で指揮する事だ。自信を持て。」

 

夢結「そうよ。良いわね?」

 

梨璃「は、はい・・・」

 

梅「あはは!これなら大丈夫そうだな。」

 

楓「クッ・・・!なんて羨ましい・・・!!」

 

鶴紗「リーダーを突っ突きたいのか?」

 

雨嘉「百合ヶ丘のレギオンって、何処もこんななの・・・?」

 

神琳「そうでもないと言いたい所だけど・・・結構自由よね。」

 

京輔「まぁ俺はこんな感じが好きだけどな。賑やかで楽しそうだし。」

 

二水「と、兎も角こうして!9人揃った今ならノインヴェルト戦術だって可能なんですよ!」

 

ミリアム「理屈の上ではそうじゃな。」

 

梨璃「それって・・・これだよね?」

 

ポケットから1発の弾丸を出した。

 

二水「ん?何ですか?」

 

京輔「そいつはノインヴェルト戦術に使う特殊弾だ。」

 

二水「わぁ!実物は初めて見ました!」

 

梅「それな、無茶苦茶高いらしいぞ?」

 

梨璃「そ、そうなんですか!?」

 

龍馬「値段はかなり高価だが、発足されたばかりのレギオンのリーダーに1発だけ支給されるんだ。」

 

夢結「ノインヴェルトとは、9つの世界と言う意味よ。魔法球(マギスフィア)を9つの世界に模した9本のCHARMを通し、成長させ、ヒュージに向け放つの。それはどんなヒュージにも一撃で倒すわ。」

 

京輔「だが1度でも失敗したらダメになるリスクの高い代物だ。」

 

雨嘉「出来るかな・・・?私達に・・・」

 

神琳「今はまだ難しいかと。何よりもチームワークが必要な技ですから。」

 

楓「ま、目標は高くと申しますわ。」

 

梨璃「・・・そうですよね。」

 

夢結「・・・」

 

落ち込む梨璃に、夢結は未だに疑問を抱いている。

 

 

 

 

 

 

廃墟の屋上。

 

梨璃「ここで見学ですか?」

 

天葉「私達の戦闘を見学するなら、特等席でしょ?」

 

ここでアールヴヘイムの戦闘を見学する事に。

 

依奈「あの夢結がシルトの為に骨折りするなら、協力したくもなるでしょ?」

 

天葉「あはは。夢結をこんなに可愛くしちゃうなんて、あなた一体何者なの?」

 

梨璃「え?私はただの新米リリィで・・・」

 

夢結「ありがとう天葉。」

 

天葉「気にしないで?貸しだから。」

 

依奈「ノインヴェルト戦術が見たいんでしょ?お見せする間もなく倒しちゃったらごめんなさいね?」

 

 

 

 

アールヴヘイムが待機に行った後。

 

京輔「アールヴヘイムの戦術、前に模擬で見た事あるけど。」

 

龍馬「本気の戦術が見れるのは光栄だな。」

 

夢結「時に梨璃。あなたのレアスキルは何か分かったの?」

 

梨璃「え?あれから何も・・・私にレアスキルなんてないんじゃないですか?」

 

彼女はレアスキルのカリスマを持ってる事を知らない。

 

 

 

 

 

 

祀『レアスキル・カリスマ。類稀なる統率力を発揮する支援と支配のスキル。』

 

夢結『梨璃のレアスキル?まさか・・・』

 

祀『まだ審査中だけど、孤高の一匹狼と呼ばれた夢結さんとシュッツエンゲルの契りを結び、レギオンに引き入れる。それだけでも奇跡だわ。』

 

夢結『私が梨璃の手の内にあると?』

 

 

 

 

 

 

夢結「・・・そう。気にするこ事ないわ。何であれ、私のルナティックトランサーに比べれば・・・」

 

梨璃「いけません!そう言うの!そんな風に自分に言うの!お姉様は・・・何をしたって素敵です!!」

 

夢結「・・・そうね。そうありたいと思うわ。」

 

梨璃「・・・」

 

クローズドラゴン「ーーーーーー!!」

 

そこにクローズドラゴンが戻って来た。

 

龍馬「ヒュージが来るぞ。」

 

 

 

 

 

 

海底からヒュージの触手が出現し、アールヴヘイムに向けて触手を振り回した。アールヴヘイムは避けた。

 

依奈「私達に陽動を仕掛けた!?」

 

亜羅椰「ヒュージの癖に小賢しいじゃない!!」

 

天葉「あっ!!」

 

 

 

 

 

 

海底から、巨大ヒュージが現れた。

 

 

 

 

 

 

梅「押されてるな。アールヴヘイム。」

 

京輔「躊躇なく攻撃するあのヒュージ、一体何なんだ?」

 

夢結「えぇ。あのヒュージ、リリィを丸で恐れていない。」

 

 

 

 

 

 

ヒュージが触手を振り回し、亜羅椰がCHARMで防いだ。

 

亜羅椰「此奴!戦いを慣れてる!?」

 

天葉「アールヴヘイムはこれより!上陸中のヒュージにノインヴェルト戦術を仕掛ける!!」

 

ノインヴェルト戦術用の特殊弾を装填し、魔法球(マギスフィア)を発射。

 

依奈「ハァッ!!」

 

魔法球(マギスフィア)を依奈が受け止めた。

 

 

 

 

 

 

夢結「よく見ておきなさい。」

 

梨璃「はい!」

 

二水「ノインヴェルト戦術はその威力と引き換えにリリィの魔法(マギ)とCHARMを激しく消耗させる、文字通り諸刃の剣です!!」

 

 

 

 

 

 

亜羅椰「不肖、遠藤亜羅椰!フィニッシュショット、決めさせて貰います!!」

 

フィニッシュショットを巨大ヒュージに向けて発射した。

 

 

 

 

 

 

龍馬「行けるか!?」

 

京輔「いや。」

 

 

 

 

 

 

 

だが、巨大ヒュージがバリアを展開してフィニッシュショットを受け止めた。

 

天葉「何!?」

 

壱「フィニッシュショットを止めた!?」

 

亜羅椰「嘘!?」

 

 

 

 

 

 

ミリアム「何じゃーーーー!?」

 

龍馬「バリア!?何であのヒュージが!?」

 

夢結「!?」

 

そんな中夢結は、バリアに浮かんだ魔法(マギ)の文字に見覚えを感じていた。

 

 

 

 

 

 

天葉「こんにゃろーーーーーー!!!!!!」

 

大ジャンプした天葉がフィニッシュショットにグングニルを振り下ろして威力を上げようとした。だが・・・グングニルが破壊されたと同時にフィニッシュショットがバリアを貫いて巨大ヒュージに直撃して大爆発を起こした。

 

 

 

 

 

 

樟美「もぉ・・・天葉お姉様危ないです。」

 

爆発に巻き込まれた天葉だが、樟美に助けられた。

 

天葉「不本意ですが、アールヴヘイムは撤退します。・・・クッ!」

 

 

 

 

 

 

見学していた一柳隊と創炎組は。

 

楓「アールヴヘイムが、ノインヴェルトを使って仕損じるなんて・・・」

 

すると梨璃が飛び出した。

 

二水「梨璃さん!?」

 

梨璃「あのヒュージ、まだ動いています!!」

 

 

 

 

巨大ヒュージはまだ健在だった。

 

 

 

 

梨璃「黙って見てたら、お姉様に突っ突かれちゃいます!!」

 

楓「どさくさに紛れて、一柳隊の初陣ですわね!!」

 

すると周囲に文字式が出現した。

 

雨嘉「これは・・・」

 

横を見ると、京輔と龍馬がフルボトルを振っていた。

 

『忍者!』

『コミック!』

『ベストマッチ!』

 

『ウェイクアップ!』

『クローズドラゴン!』

 

2人はボルテックレバーを回した。スナップライドビルダーが形成させた。

 

『Are You Ready?』

 

京輔・龍馬「変身!!!」

 

スナップライドビルダーが作動して、京輔と龍馬に2つのハーフボディを纏わせた。

 

『忍びエンターテイナー!』

『ニンニンコミック!』

『イエーイ!』

 

『Wake up burning!』

『Get CROSS-Z DRAGON!』

『Yeah!』

 

仮面ライダービルド・ニンニンコミックフォームと、仮面ライダークローズに変身した。

 

『四コマ忍法刀』

 

『ビートクローザー!』

 

2人は4コマ忍法刀とビートクローザーを握った。

 

京輔「俺達も戦うぞ!」

 

龍馬「おう!」

 

夢結「お姉様・・・私達を守って・・・!」

 

 

 

 

 

 

理事長室。

 

高松「ヒュージがノインヴェルトを無効化するとはな・・・損害は?」

 

史房「人的な損失はありません。ただCHARMが半壊6に全損1。これだけでも甚大な損害です。アールヴヘイムは当面戦力外になるでしょう。」

 

高松「リリィが無事なら何より。バックアップは?」

 

史房「非公式に戦闘に居合わせていた一柳隊と創炎組が一時的に引き継いでいます。」

 

高松「一柳隊?結成されたばかりじゃないか。創炎組・・・我が学院に赴任された仮面ライダーか。」

 

史房「はい。一柳隊は実力者が多いものの、何せ個性派揃いなので、レギオンとして機能するのはまだ先かと。今は時間稼ぎで精一杯でしょう。」

 

 

 

 

 

 

戦場。

 

夢結「練習通りにタイミングを合わせて!」

 

梨璃「は、はい!!」

 

夢結(っ!古い傷のあるヒュージ・・・これもレストアなの?)

 

あのヒュージに古傷が残っている。

 

梨璃・夢結「ハアァァァァ!!!!」

 

グングニルとブリューナクを同時に振り下ろす。すると巨大ヒュージの体内にある謎の光が発動した。グングニルとブリューナクが巨大ヒュージに大ダメージを与えた。

 

京輔「こっちも行くぜ!!」

 

『分身の術!』

 

4コマ忍法刀のトリガーを押すと、ビルドが分身して6人となった。巨大ヒュージが触手を振り回すが、ビルド達が忍者のように華麗に避けながら打撃を与える。そして6人同時にヒュージの周りを走り続ける。

 

『火遁の術!』

 

ビルド達が全身に炎を纏った。

 

『火炎斬り!』

 

『ヒッパレー!』

『スマッシュヒット!』

 

京輔・龍馬「ウオオオォォォォ!!!!」

 

本物のビルドとクローズが大ジャンプし、火炎斬りとスマッシュヒットで巨大ヒュージを斬り裂いた。すると巨大ヒュージの胴体が割れた。

 

京輔「割れた!?」

 

楓「何ですの!?」

 

神琳「あの光は!?」

 

梨璃「・・・!?あれは・・・」

 

ヒュージの胴体から輝く光の正体。それは・・・

 

 

 

 

 

 

梨璃「CHARM!?」

 

 

 

 

 

 

胴体から現れたのは、CHARMだった。

 

夢結「・・・!!あれ・・・私のダインフレイフ・・・!!」

 

あのCHARMの正体は、嘗て夢結が使用していたCHARM・ダインフレイフだった。

 

 

 

 

 

 

龍馬「ヒュージにCHARM・・・!?」

 

京輔「あれは・・・ダインフレイフ・・・!?」

 

龍馬「ダインフレイフ・・・まさか!夢結が嘗て使用していた・・・!?」

 

夢結「・・・ダインフレイフ・・・!?」

 

 

 

 

二水「夢結様の動きが・・・止まっちゃいました・・・」

 

レアスキル・鷹の目を使っている二水が戦況を確認していた。

 

 

 

 

夢結「・・・・・」

 

嘗て自分が使ったダインフレイフに、夢結が戦意を失っていた。そこに巨大ヒュージの触手が迫り来た。

 

梨璃「お姉様!!」

 

前に出た梨璃が触手を弾き返す。

 

京輔「梨璃!無茶をするな!!」

 

別のフルボトルを振った。

 

『ローズ!』

『ヘリコプター!』

『ベストマッチ!』

『Are You Ready?』

 

京輔「ビルドアップ!!」

 

『情熱扇風機!』

『ローズコプター!』

『イェーイ!』

 

仮面ライダービルド・ローズコプターにビルドアップした。

 

京輔「ウオオオォォォォ!!!」

 

大ジャンプして、右手から黒い茨を出して鞭のように縦横無尽に振り回してヒュージの触手を弾く。

 

京輔「梨璃!夢結を連れて撤退しろ!」

 

梨璃「はい!!はっ!!」

 

だが、触手が梨璃を包み込んだ。

 

夢結「梨璃!!!」

 

京輔「あの野郎!!」

 

ボルテックレバーを回した。

 

『Ready Go!!』

『ボルテック・フィニッシュ!』

『イエーイ!』

 

背中のプロペラを回転させて飛翔し、プロペラでヒュージの触手を斬り刻み続ける。

 

京輔「梨璃を離しやがれ!!」

 

斬り刻まれたヒュージの触手が大爆発を起こした。

 

 

 

 

爆煙が晴れ、夢結が目を覚ました。

 

夢結「梨・・・梨璃・・・皆・・・何処・・・?」

 

ヒュージの触手は無傷だった。

 

夢結「・・・!!」

 

触手が退いたが、梨璃の姿がなかった。

 

夢結「・・・・!!!!!!」

 

再びあの時のトラウマが目覚めてしまった。

 

夢結「梨璃・・・!美鈴・・・様・・・!」

 

抑え切れなかった夢結が再びルナティックトランサーを覚醒させてしまった。

 

夢結「ウアアアアアアアアアア!!!!!!!」

 

ルナティックトランサーを覚醒させ、ブリューナクを握って巨大ヒュージの光弾を躱しながら急接近する。

 

 

 

 

 

 

梨璃「お姉様!!」

 

しかし梨璃はビルドに助けられて無事だった。

 

二水「夢結様・・・なんて戦い方・・・!」

 

龍馬「ルナティックトランサーか・・・!」

 

ミリアム「あれじゃ近寄れんぞ!」

 

梅「可愛いシルトを放っておいて何やってんだ!」

 

神琳「夢結様、ルナティックトランサーを・・・」

 

梨璃「・・・私・・・行かなくちゃ!」

 

楓「梨璃さん!今の夢結様は!」

 

京輔「梨璃!俺も行く。」

 

梨璃「先生・・・!」

 

京輔「彼奴を説得するぞ!」

 

梨璃「・・・はい!!」

 

京輔が懐からハザードトリガーを出した。

 

『ハザードオン!』

 

ハザードトリガーをビルドドライバーに挿して、フルボトルを振る。

 

『ラビット!』

『タンク!』

『スーパーベストマッチ!』

 

『ドンテンカン!ドーンテンカン!』

『ドンテンカン!ドーンテンカン!』

 

ボルテックレバーを回すと、ハザードライドビルダーが形成された。

 

『ガタガタゴットン!ズッタンズタン!』

『ガタガタゴットン!ズッタンズタン!』

 

『Are You Ready?』

 

京輔「変身!!」

 

『アンコントロールスイッチ!』

『ブラックハザード!』

『ヤベーイ!』

 

仮面ライダービルド・ラビットタンクハザードフォームに変身した。

 

 

 

 

 

 

夢結「ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・」

 

『マックスハザードオン!』

『オーバーフロー!』

『ヤベーイ!』

 

夢結「ハァッ!!!!」

 

京輔「ダァッ!!!!」

 

オーバーフローモードになったビルドが、ハザードフィニッシュで夢結が振るうブリューナクを受け止めた。

 

梨璃「お姉様ーーーー!!!!」

 

そこに梨璃も駆け付けた。しかし夢結は暴走を制御出来ず、ビルドに何度もブリューナクを振るう。ビルドも負けじとハザードフィニッシュで何度もブリューナクをパンチとキックで受け止める。

 

梨璃「お姉様!!引いて下さい!!傷だらけじゃないですか!!」

 

 

 

 

 

 

楓「梨璃さん!先生!普通だったら今ので2、3回切られていますわ!!」

 

ミリアム「敵に集中せんか!!」

 

『ヒッパレー!ヒッパレー!ヒッパレー!』

『メガヒット!』

 

龍馬「喰らいやがれ!!!!」

 

 

 

 

 

 

京輔「冷静になれ!!夢結!!」

 

夢結「ウアアアァァ!!!」

 

ビルドが地面にパンチし、衝撃波で夢結を吹き飛ばして転倒させた。転倒した夢結を梨璃が抱き締める。

 

梨璃「私なら大丈夫です!京輔先生や梅様や皆が助けてくれたんです!」

 

夢結「ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・!」

 

しかし夢結がブリューナクを持ち上げて梨璃を自分ごと突き刺そうとしたが。

 

京輔「ハァッ!!」

 

ビルドがブリューナクを蹴り上げた。

 

梨璃「ここを離れましょう!!」

 

夢結「・・・ダメ・・・あのダインフレイフは私とお姉様の!!!だから!!!」

 

梨璃「・・・お姉様!!!」

 

夢結「っ!!!」

 

梨璃が夢結を抱えてここを離れた。

 

京輔「よし!」

 

続いてビルドもここを離れた。

 

 

 

 

雨嘉「行って!梨璃!先生!」

 

 

 

 

梨璃「すみません!すぐ戻りますから、ちょっと待ってて貰いま・・・あ痛!!」

 

途中で転んでしまった。

 

京輔「梨璃!?」

 

 

 

 

梅「大丈夫か!?梨璃!!」

 

梨璃『大丈夫ですーーーー!!』

 

鶴紗「本当に大丈夫か?」

 

京輔『龍馬!!残りのメンバーと共に牽制してくれ!!』

 

龍馬「任せろ!!!」

 

雨嘉「待ってろって?」

 

神琳「持ち堪えろって意味ですわね。」

 

梅「人遣いが荒いぞ。ウチのリーダーは。」

 

ミリアム「どうする?ワシ等も他のレギオンと交代するか?」

 

楓「ご冗談でしょ?リーダーの死守命令は絶対ですわ!」

 

二水「そこまでは言ってないと思いますけど!楓さんに賛成です!」

 

神琳「あのヒュージはCHARMを扱い切れず、魔法(マギ)の炎で自ら焼いているわ。夢結様が復帰するなら、勝機はあります!」

 

クローズが変身を解いた。

 

二水「龍馬先生?何故変身を?」

 

龍馬「解除じゃない。強化だ。」

 

スクラッシュドライバーを装着した。

 

『スクラッシュドライバー!』

 

楓「新しいベルト?」

 

龍馬「お前達を、俺が守る!」

 

ドラゴンスクラッシュゼリーのキャップを捻って、スクラッシュドライバーに装填した。

 

『ドラゴンゼリー!』

 

龍馬「変身!!」

 

レンチ型のレバーのアクティベイトレンチを押してドラゴンスクラッシュゼリーを潰した。すると龍馬に巨大なビーカーとケミカルライドビルダーが形成され、龍馬が青い液体を纏い、頭部から青い液体を放出した。

 

『潰れる!流れる!溢れ出る!』

『ドラゴンインクローズチャージ!!』

『ブラァ!!』

 

仮面ライダークローズチャージへ変身した。

 

二水「龍馬先生の新しいクローズ!?」

 

龍馬「仮面ライダークローズチャージ!」

 

ツインブレイカーを握って、ヒュージに立ち向かう。

 

 

 

 

 

 

白い空間。夢結が亡くなった美鈴に抱擁されている。

 

美鈴『ヒュージの力によって齎された魔法(マギ)の知識。それが、ヒュージに対抗する力を人に与えた。リリィも、人がヒュージ化した姿だと言われている。リリィだけが魔法(マギ)に操られる事なく、自分の心を保つと言う。その一点を除いて。それだけがリリィとヒュージと決定的に分け隔てる。夢結、自分を思い出して。』

 

 

 

 

 

 

廃工場。

 

梨璃「お姉様・・・」

 

京輔「夢結、しっかりしろ。」

 

夢結「見ないで・・・私を見ないで・・・ルナティックトランサーは、とてもレアスキルなんて呼べるものじゃない・・・こんな物・・・ただの呪いよ・・・憎い・・・何もかも憎くなる!憎しみに呑み込まれて・・・周りにある物を傷付けずに居られなくなる・・・呪われてるのよ・・・私は・・・!美鈴様を殺したのは私だわ!私が・・・この手で・・・あのダインフレイフで・・・!」

 

梨璃「・・・!!」

 

京輔「・・・・夢結!!しっかりしろ!!冷静になれ!!」

 

夢結「嫌よ!!私はヒュージと何も変わらない!!」

 

梨璃「お姉様!!」

 

夢結「嫌!!見ないで!!」

 

梨璃「こっち向いて下さい!!美鈴様はヒュージと戦ったんです!!!・・・お姉様のせいじゃありません!!!」

 

夢結「そんなの梨璃に解る訳がない!!!」

 

梨璃「解ります!!!お姉様がこんなに思ってる人を手に掛けるはず無いじゃないですか!!!」

 

夢結「・・・・・」

 

彼女は涙を流した。

 

夢結「私は・・・あなたを守れない!!!シュッツエンゲルになる資格も無い!!!」

 

梨璃「・・・・!」

 

夢結「独りで居たかった訳じゃない・・・独りでしか居られなかっただけよ・・・私には・・・何の価値も無い・・・」

 

梨璃「お姉様とシュッツエンゲルになれて、私、凄く嬉しかったんですよ!」

 

夢結「解らない・・・私には解らないわ・・・あなたの気持ちなんて・・・私に愛されるのが・・・嬉しいなんて・・・」

 

梨璃「美鈴様だってきっと私と同じです!!!」

 

夢結「あなたに何が解るのよ!!!!」

 

京輔「いい加減にしろ!!!!!」

 

梨璃・夢結「!?」

 

痺れを切らせた京輔が激怒した。

 

京輔「黙って聞いていたら、自分の事ばかり責めやがって。何故そうやって自分自身を責める!?美鈴を殺したからか?それとも自分が醜いからか?独りでしか居られない選択を選んだ?そんな事をしても、美鈴が喜ぶと思ってるのか!?」

 

夢結「・・・!!」

 

京輔「俺もお前の気持ちは解らない。けど、理解している。」

 

梨璃「そうですよ。お姉様。・・・お姉様がルナティックトランサーを発動したら、また私が止めます。何度でも止めます!何をしても止めます!例え、刺してでも・・・だから・・・」

 

夢結「・・・・」

 

京輔「夢結。お前には頼もしいシルトが居る。シルトを信じるのが姉の役目じゃないのか?」

 

夢結「・・・・ありがとう、梨璃。ありがとう、先生。」

 

彼女は笑顔お取り戻し、2人にお礼を言った。

 

梨璃「・・・はい!お姉様!」

 

京輔「フッ。」

 

 

 

 

 

 

戦場では。

 

『Ready Go!!』

 

クローズチャージがツインブレイカーにクローズドラゴンを装填し、スクラッシュドライバーのアクティベイトレンチを押した。

 

『レッツブレイク!』

 

龍馬「ドルアアアアア!!!!」

 

クローズドラゴン・ブレイズ型のエネルギーを発射し、巨大ヒュージの触手を破壊した。

 

 

 

 

二水「ヒュージの腕は残り2本です!先端部は大町3丁目と6丁目交差点に展開中!」

 

 

 

 

梅「あのダインフレイフ!絶対取り戻す!」

 

楓「無論です!ヒュージがCHARMを使うなんてありえませんわ!!」

 

すると梅がレアスキル・縮地を発動させ、超高速で急接近し、ダインフレイフを掴んだ。

 

梅「あ!くそっ!」

 

だがダインフレイフが抜けない。そこに楓と鶴紗が駆け付けてくれた。

 

梅「お前等・・・!」

 

楓「急ぎましてよ!」

 

だがそこにヒュージの触手が現れた。

 

神琳・雨嘉「ハァッ!!」

 

そこに神琳と雨嘉が駆け付け、触手を弾いた。

 

ミリアム「ワシも目立ちたい!!」

 

更にミリアムも駆け付け、触手を弾いた。

 

神琳「仁科先生!!」

 

雨嘉「今です!!」

 

クローズチャージが、ビートクローザーにロックフルボトルを装填した。

 

『スペシャルチューン!』

『ヒッパレー!ヒッパレー!ヒッパレー』

『メガスラッシュ!』

『レッツブレイク!』

 

龍馬「オリャアアアア!!!!」

 

メガスラッシュとレッツブレイクの合体攻撃で触手を破壊した。

 

 

 

 

二水「わ、私も行かなくちゃ!!」

 

梨璃「待って!!」

夢結「待ちなさい!!」

京輔「待ちやがれ!!」

 

二水「あっ!!」

 

そこに梨璃と夢結が飛翔して駆け付け、京輔がマシンビルダーに乗って駆け付けた。

 

二水「梨璃さん!夢結様!京輔先生!」

 

梨璃「二水ちゃんはそこに居て!!」

 

京輔「一気に行くぜ!!」

 

グングニルとブリューナクとドリルクラッシャーの同時連射が巨大ヒュージに命中した。その衝撃でダインフレイフが抜けた。

 

楓・梅・鶴紗「抜けた!!」

 

ダインフレイフを持って巨大ヒュージの胴体から引いた。巨大ヒュージの断面から光の棘が射出されたが、棘がヒュージ自信の断面に直撃して大爆発を起こした。

 

 

 

 

 

 

廃墟の屋上。

 

梅「ふぇ・・・取り返したぞ・・・」

 

楓「死守命令・・・果たしましたわ!」

 

龍馬「遅かったな。」

 

京輔「説得に時間が掛かってな。」

 

梨璃「大丈夫ですか!?皆さん!これが・・・あのヒュージに?」

 

梅「これ、やっぱり夢結が使ってたダインフレイフだな。傷に見覚えがある。」

 

夢結「えぇ。」

 

だが、巨大ヒュージはまだ健在だった。

 

雨嘉「彼奴・・・まだ動いてる!」

 

京輔「しつこい奴だ。さぁ、実験を始めようか!」

 

ラビットタンクスパークリングを出して振って、シールディングタブを引き起こして起動させた。

 

ラビットタンクスパークリング!

 

ボルテックレバーを回し、スナップライドビルダーを形成させる。

 

『Are You Ready?』

 

京輔「変身!!!」

 

『シュワッと弾ける!』

ラビットタンクスパークリング!

『イエイ!イエーイ!』

 

仮面ライダービルド・ラビットタンクスパークリングフォームへ変身した。

 

京輔「っしゃ!」

 

梨璃「あの!私達でやってみませんか?」

 

楓「何をです?」

 

彼女は、ノインヴェルト戦術の特殊弾を見せた。

 

梨璃「ノインヴェルト戦術です!梅様!最初、お願い出来ませんか?私だといきなり失敗しちゃいそうで。」

 

特殊弾を梅に渡した。

 

梅「あはは。人遣いが荒いぞ。ウチのリーダーは。じゃあ梅の相手は・・・」

 

目線を二水に向けた。

 

二水「ええ!?わ、私ですか!?」

 

梅「ほんじゃあ、ふーみんが撃って?」

 

特殊弾を投げて、グングニルの装填口にスッポリ入った。

 

二水「ギャアアーーー!?何するんですかーーーー!!!何を撃つんですか!?まさかヒュージですか!?」

 

梅「梅をだよ!ほら撃て!」

 

二水「えええ!?気は確かですか梅様!?私は人を撃つなんて出来ま・・・」

 

梅「早くーーー!!」

 

二水「ハイイィィィィ!!!・・・えーーい!!」

 

特殊弾を発射。梅がCHARMのタンキエムで魔法球(マギスフィア)を受け止めた。

 

二水「魔法球(マギスフィア)が!」

 

梅「感じるぞ!これが二水の魔法(マギ)か!」

 

魔法球(マギスフィア)が青から黄色に変色した。

 

梅「じゃあ次は!」

 

雨嘉「ええ!?わ、私!?」

 

梅「わんわん!CHARM出せ!」

 

走って雨嘉のアステリオンに魔法球(マギスフィア)を渡した。

 

雨嘉「梅様!近くありません!?」

 

梅「前に夢結と梨璃がやってたんだ!こうすればパスは外れないだろ!」

 

今度は黄色から緑色に変色した。

 

雨嘉「こんなの教本にない!」

 

ミリアム「よし!今度はワシに寄越すのじゃ!」

 

次はミリアムのミョルニールに渡した。

 

雨嘉「そんなにがっつかないで!!」

 

緑色から紫色に変色した。

 

ミリアム「ちゃんと狙うんじゃぞ!鶴紗!」

 

次は鶴紗のティルフィングに渡した。

 

鶴紗「切っちゃったらごめん!」

 

紫色から赤色に変色した。

 

鶴紗「ほらよ!神琳!」

 

今度は神琳のマソレリックに渡した。

 

神琳「もっと優しく扱えません!?」

 

赤色からオレンジ色に変色した。すぐに楓のジョワユーズに渡した。

 

神琳「気を付けて!思った以上に刺激的ですよ!」

 

楓「望む所ですわ!」

 

オレンジ色から白色に変色した。

 

 

 

 

京輔「オリャリャリャリャ!!」

 

龍馬「ダリャリャリャリャ!!」

 

ノインヴェルト戦術の間に、ビルドとクローズチャージがドリルクラッシャーとビートクローザーとツインブレイカーで巨大ヒュージを牽制している。

 

 

 

 

楓「私の気持ち、受け止めて下さい梨璃さん!!」

 

梨璃「み、皆のだよね!?」

 

グングニルに渡したが、魔法球(マギスフィア)が弾かれてしまった。

 

楓「私の愛が強過ぎました!?」

 

弾かれた魔法球(マギスフィア)を夢結がブリューナクでキャッチした。

 

夢結「いえ!限界よ!無理も無いわ!」

 

迫り来る触手を華麗に避ける。

 

夢結「梨璃!いらっしゃい!」

 

梨璃「お姉様!!」

 

魔法(マギ)を使って飛翔し、夢結の手を掴んだ。

 

 

 

 

京輔「勝利の法則は決まった!」

 

ビルドがボルテックレバーを回し、クローズチャージはアクティベイトレンチを押した。

 

『Ready Go!!』

 

京輔・龍馬「ハァッ!!」

 

 

 

 

夢結「行くわよ!このまま!」

 

梨璃「はい!」

 

2人の左右にビルドとクローズチャージが並んだ。

 

京輔「梨璃!夢結!一緒に!」

 

龍馬「今の俺達は、負ける気がしねえ!」

 

夢結「えぇ!」

 

梨璃「はい!」

 

グングニルとブリューナクを重ねて、魔法球(マギスフィア)を巨大化させた。

 

夢結「大丈夫!出来るわ!」

 

梨璃「はい!」

 

『スパークリングフィニッシュ!』

 

『スクラップブレイク!』

 

京輔・龍馬「ダアアアァァァァァァァ!!!!!」

 

梨璃・夢結「ハアアアアァァァァァァ!!!!!」

 

ダブルライダーキックとノインヴェルト戦術が巨大ヒュージに直撃した。

 

夢結「梨璃。私は、あなたを信じるわ。」

 

梨璃「お姉様?」

 

そこに一柳隊のメンバーが。

 

楓「何をしておりますの!?」

 

ミリアム「さっさと離れるのじゃ!」

 

一柳隊が撤退した。

 

京輔「このまま貫けえええええ!!!」

 

龍馬「ウオオオオオオオオオオ!!!」

 

ビルドとクローズチャージが巨大ヒュージを貫いた。貫いたと同時に魔法球(マギスフィア)が大爆発を起こした。

 

 

 

 

 

 

空は夕方になった。

 

京輔「よっと!」

 

ビルドがヒュージの細胞をフルボトルに吸収させた。

 

京輔「ふぅ・・・」

 

龍馬「今回のヒュージ、手強かったな。」

 

京輔「あぁ。」

 

変身を解除した。

 

 

 

 

2人は一柳隊を探しに歩く。

 

龍馬「しかし、何故彼奴が夢結のダインフレイフを持ってたんだ?」

 

京輔「そこも詳しく調べねえとな。ヒュージは興味深い上に厄介な存在だ。今後、どんな手を使って来るか分からない。そこも用心しないとな。」

 

龍馬「お。居たぞ。」

 

京輔「ん?」

 

目の前に草原の上で仰向けになってる一柳隊を発見した。

 

鶴紗・ミリアム「・・・」

 

楓・二水・梅「・・・」

 

神琳・雨嘉「・・・」

 

梨璃・夢結「・・・」

 

そんな中、梨璃と夢結は互いを見て微笑んだ。こうして、一柳隊の初陣は成功を収めた。

 

 

 

 

 

 

巨大ヒュージ討伐後。

 

依奈「ごめんね百由!色々忙しい時にCHARM壊しちゃって・・・あーん。」

 

ショートケーキを食べさせた。

 

百由「CHARMを操ってノインヴェルトを無効化するなんて、とんだヒュージも居たもんだわ!」

 

壱「本当すみません!これもどうぞ!」

 

チョコケーキを食べさせる。そこに京輔が入って来た。

 

京輔「百由。今日の収穫だ。」

 

ヒュージの細胞を採取したフルボトルを渡した。

 

百由「お!ありがとう!」

 

京輔「結構溜まったなぁ。ヒュージの細胞。」

 

百由(だけど、ヒュージの能力が拡大したのは本当にCHARMのせいだけなのかな?そもそも、契約がなければ使えないCHARMを何故ヒュージが操ったのか?)

 

京輔「なぁ百由。」

 

百由「何?」

 

京輔「そのヒュージの細胞、何か活用出来ないかな?」

 

百由「何それ?もしかして京輔先生、ヒュージの細胞で世界をメチャクチャにする気なの?」

 

京輔「そうじゃない。実はだな。ごにょごにょ・・・」

 

百由「え?それって出来るの?」

 

京輔「物理学者の俺を信じろ。」

 

果たして、彼が思い付いたヒュージ細胞を活用出来る方法とは・・・

 

『To Be Continued・・・』




キャスト

稲葉京輔:千葉翔也

仁科龍馬:畠中祐

一柳梨璃:赤尾ひかる
白井夢結:夏吉ゆうこ
楓・J・ヌーベル:井澤美香子
二川二水:西本りみ
安藤鶴紗:紡木吏佐
吉村・Thi・梅:岩田陽葵
郭神琳:星守紗凪
王雨嘉:遠野ひかる
ミリアム・ヒルデガルド・v・グロピウス:高橋花林

真島百由:水瀬いのり
遠藤亜羅椰:関根明良
田中壱:洲崎綾
天野天葉:津田美波
江川樟美:原田彩楓
番匠谷依奈:立花理香
出江史房:長妻樹里
秦祀:田中那実
伊東閑:七瀬彩夏

川添美鈴:川澄綾子
高松咬月:中田譲治





アサルトビルド HAZARD!

二水「次回は一柳隊に新しいメンバーが加わります!!」

楓「またお邪魔虫ですって!?」

第7話・失われたメモリー

京輔「命名の法則は、決まった!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
創炎組(そうえんぐみ)

別名・クローズビルド

稲葉京輔と仁科龍馬の2人で結成した特殊レギオン。
独自行動の免許があり、一柳隊と共に行動する事が多い。


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番外編「誕生!アルマジロノベルVSアールヴヘイム」

百合ヶ丘女学院・闘技場。

龍馬「ダァッ!!」

壱「ハァッ!!」

この日も龍馬がクローズチャージに変身してアールヴヘイムと模擬戦をしていた。

樟美「ヤァッ!!」

龍馬「フッ!!」

天葉「ハァッ!!」

龍馬「クッ!!」

次々と連携を仕掛けるアールヴヘイムにクローズチャージが押されていく。

亜羅椰「隙ありーーーー!!」

龍馬「ぐあああっ!!」

後ろから亜羅椰の不意打ちを受けて飛ばされてしまった。

亜羅椰「どうしたの?もっと私を満たしなさいよ!」

龍馬「調子に乗ってんじゃねえ!!」

ツインブレイカーを強く握ってアールヴヘイムに立ち向かう。




百由「中々だね〜。」




天葉「皆!行くよ!」

アールヴヘイムが大ジャンプした。

龍馬「っ!!」

クローズチャージが、クローズドラゴンをツインブレイカーに装填した。

『Ready Go!!』
『レッツブレイク!』

クローズドラゴン・ブレイズ型のエネルギーを発射し、アールヴヘイムと激突した。


一柳隊控室。龍馬が2つのフルボトルを持って来た。

 

梨璃「フルボトル?」

 

京輔「何だよこれ?」

 

龍馬「アールヴヘイムが何故か持ってたんだよ。CHARMの部品か何かでずっと取っていたらしい。」

 

夢結「フルボトルが先生達の物だと分かったなら、何故渡されなかったの?」

 

龍馬「天葉が言ってた。亜羅椰が何かに使えそうだからこっそり盗んでたって。あの子に気付かれないように取り返してあげたって。」

 

京輔「彼奴、梨璃達だけじゃなく俺達のフルボトルまで。」

 

フルボトルをじっくり見る。

 

京輔(この模様、1個がアルマジロで、もう1個が・・・何だこれ?小説か?)

 

 

 

 

工廠科・研究所。京輔がアルマジロフルボトルと小説フルボトルを詳しく調べてる。

 

百由「アールヴヘイムが持ってたフルボトル?」

 

京輔「あぁ。しかも珍しい奴だ。アルマジロと小説。調べてみる価値がありそうだからってここに来たんだ。」

 

百由「何でそのフルボトルがアールヴヘイムが持ってたの?」

 

京輔「そこは本人達に聞いてみるしかなさそうだ。これは、新しいベストマッチが生まれそうな感じだ。」

 

 

 

 

一柳隊控室。

 

亜羅椰「梨璃さん、今度私達と模擬戦をしないかしら?」

 

梨璃「い、いやそれはちょっと・・・」

 

楓「その不埒な手で梨璃さんに近付かないで下さい!」

 

何故か亜羅椰が強引に押し寄せて来ていた。

 

鶴紗「喧しい。」

 

梅「あはは。」

 

そこに京輔が戻って来た。

 

京輔「おいおい。さっきから何騒いでんだよ。」

 

フルボトルをテーブルの上に置いた。

 

亜羅椰「ん?・・・ん!?」

 

京輔「あれ?龍馬は?」

 

二水「お手洗いへ行きました。京輔先生、亜羅椰さんが・・・」

 

亜羅椰「あーーーーー!!!」

 

アルマジロフルボトルと小説フルボトルを見て亜羅椰が大声を上げた。

 

亜羅椰「これだわ!!やっと見付けたわーーーー!!」

 

フルボトルを取って喜びを上げた。

 

雨嘉「何であのフルボトルを?」

 

神琳「何かありそうね。」

 

京輔「お嬢さん、返しなさい。」

 

亜羅椰「はぁ?気安く命令するんじゃないわよ!にしてもあなた、よくもこれを盗んでくれたわね!幾らこれがあなたの持ち物だとしても、見付けたのは私なのよ!?だからこれは私が持つ権利があるのよ!!」

 

京輔「フッ。」

 

鼻で笑われた。

 

亜羅椰「笑ってくれたわね・・・容赦しないわよ!!ハアアァァァァ!!!!」

 

怒って京輔を襲おうとしたが。

 

亜羅椰「きゃああああ!!!」

 

避けられてバランス崩して転倒。

 

亜羅椰「いたたた・・・!」

 

楓「流石京輔先生ですわ!」

 

京輔「いきなり殴り掛かったりしたら危ないだろ?」

 

亜羅椰「よくもやってくれたわね・・・!!っ!!」

 

テーブルに置いてあるスプーンを持って、梨璃を人質にした。

 

梨璃「キャアッ!?」

 

亜羅椰「動かないでよ!動いたら、あなた達の可愛いメンバーの顔に傷を付けるわよ!」

 

楓・二水「梨璃さん!!」

 

梨璃「か、可愛い・・・!?そ、そんなぁ〜・・・」

 

可愛いと言われた梨璃が赤面した。

 

夢結「・・・・」

 

京輔「・・・それスプーンだし。人質のリアクション間違ってるし。ホラ、返しなさい。」

 

亜羅椰「あれには、CHARMを強化出来るアイテムかも知れない・・・だから渡さない!!」

 

そのまま梨璃を連れて屋上へ逃げた。

 

全員「っ!?」

 

京輔「おい!!」

 

 

 

 

屋上。

 

梨璃「離して下さい!」

 

亜羅椰「お黙りなさい!これを持ち帰るまで人質になって貰うわ!」

 

京輔「ハァッ!!」

 

亜羅椰「っ!?・・・あ!!」

 

京輔「ウオオオオオ!!!」

 

現れたビルドが飛び蹴りし、梨璃と亜羅椰を引き離した。亜羅椰が2つのフルボトルを落とした。

 

梨璃「先生!」

 

京輔「心配するな!亜羅椰は模擬戦で何度も戦ってる!」

 

夢結「梨璃!」

 

梨璃「お姉様!」

 

駆け付けた夢結達の所へ避難した。

 

『忍者!』

『コミック!』

『ベストマッチ!』

 

ボルテックレバーを回した。スナップライドビルダーが形成させた。

 

『Are You Ready?』

 

京輔「ビルドアップ!!!」

 

スナップライドビルダーが作動して、ニンニンコミックフォームを纏った。

 

『忍びエンターテイナー!』

『ニンニンコミック!』

『イエーイ!』

 

亜羅椰「なら、全力で行かせて貰うわ!!」

 

自身のCHARM・アステリオンを変形させた。

 

京輔「お仕置きが必要みたいだな!!」

 

四コマ忍法刀で亜羅椰と戦う。

 

亜羅椰「ハァッ!!」

 

京輔「よっと!!」

 

『分身の術!』

 

ビルドが2人に増えた。

 

『火遁の術!』

『火炎斬り!』

 

亜羅椰「ハァッ!!」

 

アステリオンで火炎斬りを粉砕した。

 

京輔「何!?」

 

油断してる隙にアステリオンをガンモードへ変形させて連射した。

 

京輔「ぐああああああ!!」

 

撃ち飛ばされたビルドの変身が強制解除された。

 

京輔「何だよ彼奴!前の模擬戦より強くなってやがる!」

 

亜羅椰「さぁ先生。さっきまでの恨みを晴らさせて頂くわ。」

 

ミリアム「・・・っ!!」

 

傍に落ちてる2つのフルボトルをミリアムが拾った。

 

ミリアム「先生!!これを使うのじゃ!!」

 

フルボトルを投げ、京輔がキャッチした。

 

京輔「・・・これで実験してみるか!」

 

フルボトルを振って、ビルドドライバーに装填した。

 

『アルマジロ!』

『小説!』

『ベストマッチ!』

 

『Are You Ready?』

 

京輔「変身!!」

 

2つのハーフボディを纏った。

 

『鎧ストーリーテラー!』

『アルマジロノベル!』

『イェーイ!』

 

その姿は、複眼に灰色のアルマジロの爪と金色の万年筆。右手にはアルマジロの爪が装着されている。左肩には万年筆が立っている。

 

亜羅椰「私の物を・・・許さないわ!!」

 

京輔「アルマジロと・・・小説!?」

 

亜羅椰「ハァッ!!」

 

京輔「おわっと!?」

 

何度も襲って来る亜羅椰の攻撃を避け続けるが。

 

亜羅椰「ハァッ!!」

 

京輔「おわっ!?」

 

隙を突かれて攻撃を受けてしまった。

 

 

 

 

梨璃・二水「先生!!」

 

 

 

 

京輔「勝利の法則が全然見えないんですけど・・・」

 

亜羅椰「これでトドメよ!!」

 

アステリオンを振り下ろしたが、ビルドが左手でアステリオンを受け止めた。すると、万年筆が何かを書いた。

 

京輔「ん?え?」

 

 

 

 

台詞『お困りのようだな。』

 

 

 

 

京輔「だ、誰?」

 

亜羅椰「誰よあんた!?」

 

台詞『私は小説の精霊。稲葉京輔よ。お前は遠藤亜羅椰に苦戦しているようだな。』

 

京輔「見りゃ分かるだろ!?」

 

小説の精霊『遠藤亜羅椰。アールヴヘイム所属のリリィ。しかし素行が良くなく、問題視されている厄介リリィ。困るよな。』

 

京輔「え?・・・あ、はい。」

 

亜羅椰「黙りなさい!!」

 

アステリオンのガンモードでビルドに連射した。

 

京輔「痛てててて!!おい!!戦いに集中出来ねえだろうが!!」

 

小説の精霊『ならば勝利の法則を教えてやろう。CHARMの強度はかなりの頑丈。だが、お前の纏っているアルマジロは鱗甲板に覆われている。厄介な相手に使うなら・・・分かるよな?』

 

京輔「え?・・・あ、そうか!!さぁ、実験を始めようか!!」

 

ボルテックレバーを回した。

 

『Ready Go!!』

 

右手のアルマジロの爪が硬くなり、亜羅椰に向かってジャンプした。

 

『ボルテック・フィニッシュ!』

『イエーイ!』

 

亜羅椰「無駄よ!!」

 

アステリオンでガードする。

 

京輔「耐えるもんなら耐えてみやがれーーーー!!!」

 

硬くなったアルマジロの爪でアステリオンに大打撃を与えた。

 

亜羅椰「・・・!!て・・・手が痺れた・・・!!」

 

京輔「勝利の法則は決まった!」

 

ジャンプして身体を弾丸上に丸めて、亜羅椰に向かって突進した。

 

亜羅椰「きゃああああああ!!!」

 

突進された亜羅椰が突き飛ばされた。

 

京輔「ふぅ・・・」

 

依奈「亜羅椰!!」

 

そこにアールヴヘイムが現れた。

 

天葉「あなた、また変な騒動起こしたの?」

 

亜羅椰「・・・」

 

ビルドがフルボトルを抜いて変身解除した。

 

京輔「亜羅椰。」

 

アルマジロフルボトルと小説フルボトルを亜羅椰に返した。

 

亜羅椰「・・・何で?」

 

京輔「元々はお前が拾ったもんだろ?俺はそのフルボトルの力を今まで知らなかったんだし。だからそいつをよく知ってるお前が持ってるに相応しいと思うんだ。」

 

亜羅椰「先生・・・」

 

京輔「でも、さっき梨璃を人質にした件は放っておけない事案だ。」

 

亜羅椰「・・・」

 

京輔「と言いたい所だが、今回は見逃してやる。帰るぞお前等。」

 

梨璃「は、はい!」

 

彼等は屋上から去って行った。

 

亜羅椰「・・・・」

 

壱「亜羅椰。」

 

亜羅椰「?」

 

壱「帰るよ。」

 

依奈「もう、心配させちゃって。」

 

樟美「今日は先生に感謝しなきゃ。」

 

亜羅椰「・・・っ!」

 

彼女はアールヴヘイムと一緒に帰って行った。

 

 

 

 

 

 

一方その頃龍馬は。

 

龍馬「いやぁ〜、デケェ排便だったぜ〜・・・やっとスッキリした〜・・・お前等〜。ん?」

 

一柳隊控室に戻って来たが、誰も居なかった。

 

龍馬「あれ?何だ?誰も居ねえ?」

 

京輔「おい龍馬。」

 

龍馬「あ、お前等。何処行ってたんだ?」

 

夢結「ちょっとね。」

 

楓「さぁ梨璃さん、さっきのスキンシップの続きを始めましょ?」

 

梨璃「い、いやぁ・・・やった覚えないんだけど・・・」

 

龍馬「お前達、今まで何処行ってたんだ?」

 

京輔「・・・察してくれ。」

 

龍馬「?」

 

 

 

 

小説の精霊『この世界を頼んだぞ。皆。』

 

『To Be Continued・・・』




キャスト

稲葉京輔:千葉翔也

仁科龍馬:畠中祐

一柳梨璃:赤尾ひかる
白井夢結:夏吉ゆうこ
楓・J・ヌーベル:井澤美香子
二川二水:西本りみ
安藤鶴紗:紡木吏佐
吉村・Thi・梅:岩田陽葵
郭神琳:星守紗凪
王雨嘉:遠野ひかる
ミリアム・ヒルデガルド・v・グロピウス:高橋花林

真島百由:水瀬いのり
遠藤亜羅椰:関根明良
田中壱:洲崎綾
天野天葉:津田美波
江川樟美:原田彩楓
番匠谷依奈:立花理香

小説の精霊:naogran


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第7話「失われたメモリー」

その日。大海原は嵐に見舞われてしまった。嵐の中を進む1隻の船の中に、謎の無数の繭が保管されてあった。するとモニターに無数の警告音が鳴り響き、船は巨大な爆発に呑み込まれてしまった。




謎の生命体「ヒュージ」に対抗する為
リリィの少女達は
CHARMを用いて戦い続けている

更に繁殖し続ける謎の生命体
ヒュージの前に
仮面ライダーが立ち開かる



翌朝。海岸に謎の物体が漂着していた。

 

楓「全く、派手にやらかしてくれたものねぇ・・・」

 

一柳隊と創炎組が調査に来ていた。京輔と龍馬はビルドフォンとクローズフォンで調査している。

 

梨璃「昨日って、戦闘ありましたっけ?」

 

二水「いえ、昨日は何も無かったはずです・・・」

 

京輔「このヒュージ、何処から来て漂着したんだ?」

 

龍馬「そもそも此奴、ヒュージなのか?原型がとどめてないように見えるが・・・」

 

ミリアム「共食いでもしたんじゃろうか?」

 

二水「ヒュージを形作るのは全てマギの力だから、ヒュージは物を食べたりしないはずです。」

 

梨璃「ん?」

 

神琳「マギを失えば、ヒュージは巨体を維持出来ず、その場で崩壊するはずよ?軟組織は一晩もあれば無機質まで分解され、骨格も数日で。」

 

鶴紗「それがまさに今。」

 

雨嘉「この臭い・・・まだマシな方・・・」

 

 

 

 

そんな中梨璃は、綺麗に残されていた1つの繭を発見した。

 

京輔「梨璃、どうした?」

 

梨璃「京輔先生。これ見て下さい。」

 

京輔「ん?繭か?」

 

周囲を見ると、液状化された繭が無数にあった。ビルドフォンで液状化された繭を調べる。

 

京輔「あの繭だけ綺麗に残ってるのは不自然だな。」

 

梨璃「・・・うわあ!!」

 

京輔「どうした梨璃?」

 

梨璃「・・・・」

 

グングニルを恐る恐る繭に近付ける。するとグングニルのマギが反応し始めた。

 

梨璃「ん?」

 

京輔「反応した?」

 

するとグングニルの剣先から電気が走り、繭に直撃した。

 

梨璃「うわあっ!な、何?今の?」

 

二水「梨璃さん、どうしたんですか?」

 

龍馬「おい京輔、何かあったか?」

 

京輔「龍馬!」

 

梨璃「あ!二水ちゃん!今CHARMが・・・」

 

二水「え?梨、梨璃さん!?京輔先生!?」

 

梨璃「え?どうしたの?二水ちゃん?」

 

京輔「そんなに驚いてどうした?」

 

その2人の背後に謎の手が迫って来てる。

 

梅「どうした?」

 

楓「何か見付かりまして?」

 

梨璃「いえ、何でも。CHARMがちょっと・・・」

 

龍馬「お前等!!後ろ後ろ!!」

 

京輔「後ろ?」

 

梨璃「え?」

 

後ろを振り向くと。

 

京輔「おわっ!?」

 

梨璃「きゃああ!!」

 

 

 

 

 

 

ピンクの髪の少女が梨璃に抱き付いて来た。

 

 

 

 

 

 

京輔「お・・・女の子・・・!?」

 

夢結「梨璃、何をしているの?っ!?」

 

梨璃「お、お姉様・・・!」

 

梅「何でこんな所に人が居るんだ?」

 

京輔「この子、あの繭から出て来たのか?」

 

少女「は・・・」

 

梨璃「ん?」

 

少女「ハックション!!」

 

梨璃「きゃああ!!」

 

 

 

 

 

 

少女を百合ヶ丘女学院へ連れて行き、治療室で安静にさせる。

 

京輔「あの繭、一体何だったんだ?」

 

龍馬「繭から突然現れたあの子、何処から来たんだ?」

 

楓「ふぁ〜・・・こんな所に居ても、私達に出来る事などありませんわ。」

 

夢結「出来る事はしたわ。梨璃、行きましょ?」

 

梨璃「・・・あの、私もう少し、ここに居ても良いですか?」

 

全員「え?」

 

少し戸惑ったが、夢結が笑顔で応えた。

 

夢結「・・・分かったわ。」

 

梨璃「はい。」

 

京輔「龍馬、俺もここに残る。」

 

龍馬「おう。何かあったら連絡しろよな?」

 

 

 

 

2人を除いた全員がここを後にした。

 

祀「こんな所で何をしているの?」

 

梨璃「え?」

 

京輔「ん?」

 

祀「ごきげんよう。梨璃さん。稲葉先生。」

 

秦祀と会った。

 

梨璃「あ!ごきげんよう!えっと・・・」

 

京輔「これはこれは。2年生の秦祀さんか。」

 

祀「えぇ。初めまして。ね?」

 

梨璃「し、失礼しました!祀様!確か、お姉様と同じお部屋の方ですよね?」

 

祀「夢結から何も聞いてない?」

 

梨璃「はい。何も・・・」

 

京輔「俺はタブレットで生徒達を熟知してるけど。」

 

祀「はぁ・・・まぁ、予想通りだわ。」

 

彼女にあの少女の事を話した。

 

祀「ふ〜ん。この子ね。とは言え、そうでなくてもあなた達、結構な有名人なのよ?専ら、ゴシップ的な意味だけど。」

 

梨璃「はぁ・・・」

 

京輔「そりゃどうも。」

 

祀「あ!こんな所に居ないで、あなた達も入って?」

 

 

 

 

治療室に入った。

 

京輔「まだ目覚める気配は無しか。」

 

梨璃「あの、祀様はどうして?」

 

京輔「確か君、生徒会役員だったよな?」

 

祀「そうよ。と言っても、代理なんだけど。」

 

 

 

 

 

 

一方一柳隊のメンバー達と龍馬は。

 

楓「帰って来ませんわね。梨璃さん。」

 

龍馬「京輔も戻って来ねえなぁ。」

 

夢結「自分が助けたから、世話を焼きたいのでしょう。あの子、責任感の強い子だから。」

 

龍馬「楓、気になるなら行けばどうだ?」

 

楓「治療室はお喋り禁止なのですよ?折角梨璃さんと居た所で、黙ったままどうすると?」

 

鶴紗「見舞えよ。」

 

龍馬「それな。」

 

梅「以外だなぁ。黙って居ても出来る事はありますわぁ〜!っとか何とか言うと思ってたのに。」

 

楓「成る程!その手がありましたわ!!」

 

龍馬・ミリアム「あるかーーーーー!!」

 

しばらくして、京輔と梨璃が戻って来た。

 

梨璃「あ!お姉様!」

 

夢結「梨璃。どうしたの?そんなに慌てて。あの子が目を覚ましたの?」

 

梨璃「いえ。まだ寝てます。ぐっすり。私、お姉様の戦術理論の講義で教えて欲しい事があったんですけど・・・」

 

”カーン!カーン!”

 

梨璃「あ!あああーー!!間に合わなかった!!これから講義なんです!!ごきげんよう!!お姉様!!」

 

急いで講義へ向かった。

 

龍馬「京輔、あの子に何か変化とかあったか?」

 

京輔「今の所は無いな。俺ちょっと工廠科へ行って来る。研究途中の奴が残っててな。じゃあな。」

 

工廠科へ向かった。

 

梅「あ!夢結は授業無いんだっけ?」

 

夢結「取れる単位は、1年生の時に全部取ってしまったから。」

 

龍馬「スゲッ。」

 

梅「あっそう。じゃあな〜。」

 

夢結「ごきげんよう。」

 

不機嫌になりながら梅が講義へ向かった。

 

夢結「・・・ん?」

 

テーブルに梨璃が忘れた近接戦闘応用の教本があった。

 

夢結「フフ。全く、そそっかしいんだから。」

 

優しい笑みを浮かべ、教本を手に取った。

 

 

 

 

 

 

夕方。夢結はカフェでただ1人梨璃が忘れて行った教本を読んでいた。

 

梨璃「お姉様〜!」

 

そこに梨璃が走って来た。

 

梨璃「すみません!また後で!ごきげんよう!」

 

挨拶してすぐ何処かへ走って行った。

 

 

 

 

 

 

治療室。

 

梨璃「あれ・・・?えっと・・・あの教本、何処やったっけ・・・?」

 

京輔「梨璃。どうした?」

 

梨璃「先生、実は教本を無くしてしまって・・・」

 

京輔「教本を?」

 

梨璃「えっと・・・」

 

???「ヘップシ!!」

 

京輔・梨璃「え?」

 

誰かがくしゃみをした。あの少女がくしゃみで目を覚ました。

 

京輔「お、起きたか!」

 

目を覚ました少女に梨璃が寄った。

 

梨璃「具合はどう?気分は?何処から来たの?名前は?歳は幾つ?」

 

少女「・・・?」

 

京輔「おい梨璃。いきなり質問攻めするなよ。」

 

梨璃「あ!急に色々言われても困るよね。ごめんね。私、一柳梨璃。」

 

京輔「俺は稲葉京輔。この子の担任の先生だ。」

 

少女「・・・梨・・・璃・・・?プッ、あはははは!」

 

突然笑って顔を背けた。

 

京輔「え?笑った?」

 

梨璃「何でそっち向いちゃうの?いいでしょ?笑ってる顔、見せてよ。」

 

少女が此方を見て、梨璃が少女に微笑んだ。すると梨璃のリングにマギの反応が。

 

梨璃「え?指輪が?先生!」

 

京輔「・・・これ、梨璃のマギじゃないな。何だこれ?もしかしてこの子・・・」

 

祀「そう。その子はリリィよ。」

 

梨璃「祀様!」

 

京輔「と、百由!」

 

百由「ごきげんよう梨璃!京輔先生!丁度さっき結果が出た所でね。保有のマギの示すスキラー数値は50。ちょっと心許ないけど、リリィはリリィね。」

 

梨璃「スキラー数値50って・・・私がリリィに受かった時の数値と一緒です!」

 

百由「あら奇遇ね!」

 

梨璃「この子が、リリィ・・・?」

 

京輔「この子、何者なんだ・・・?」

 

 

 

 

 

 

理事長室。代行の高松咬月が安全保障審査委員会の長官と副長官と通話していた。生徒会の出江史房も理事長室に居る。

 

副長官『時に高松君。先日そちらに保護された民間人の事だが・・・』

 

高松「該当する者は居りますが、それが何か?」

 

副長官『民間人がヒュージとの戦闘に巻き込まれたと言うのなら、対外的な問題になる前に我々には身柄を引き受ける用意がある。』

 

高松「折角ですが、お気遣いはご無用です。彼女はリリィであると判明しました。」

 

長官『ほぉ〜!リリィとは!君達の手を煩わせるには及ばん。提案を受け入れてはどうだ?』

 

高松「ご存知の通り、当学院には対ヒュージ防衛戦以外にもリリィの保護と言う役割があります。その為学院には独自の自治権が認められております。」

 

長官『リリィ1人がどれだけの戦力になるか、そのリリィを1箇所に集中させ、且つシビリアンコントロールを受ける事もなく自治などと・・・』

 

史房「はぁ・・・」

 

長官『それがどれだけ危険視されているかは、勿論君も史っているだろう?』

 

高松「勿論です。関係各所にそれを認めさせる為の苦労は筆舌に尽くし難い物がありました。この学院が預かるのは年端も行かない子供ばかり。その彼女達をヒュージ殲滅の矢面に立たせる我々もまた、危険なのではありますまいか?」

 

副長官『今のは、問題発言として記録されるぞ?』

 

高松「少なくともリリィが人間の敵になるなど、ありえない事です。」

 

長官『リリィ第1世代としての君の見解は承知している。だが、過度な思い入れは判断を誤る事になる。』

 

高松「1つお聞かせ願いたいのだが、彼女に興味を示しているのは何処の誰ですかな?」

 

長官『質問の意味が解り兼ねるな。』

 

副長官『それは君とは関係の無い事だ。』

 

高松「関係無いとは?」

 

長官『待て。』

 

何かに気付いた長官達が何かを感付いた。

 

長官『また改める。』

 

何かから逃げるように通信を切った。

 

高松「すまなかったのう。付き合わせてしまって。」

 

史房「いえ。生徒会長としての権利ですから。それよりお聞かせ願いますか?理事長代行が彼女をどのようにお考えなのかを。」

 

 

 

 

 

 

治療室。

 

梨璃「あー!!」

 

京輔「どうした?」

 

梨璃「いけない!!明日の実技の練習忘れてた!!」

 

京輔「早く行けよ?代わりに俺が見舞ってやるから。」

 

梨璃「ありがとうございます!では私はこれで!」

 

実技の練習に行こうとした時、少女が梨璃のスカートの裾を引っ張った。

 

梨璃「え?」

 

京輔「ん?」

 

少女「・・・梨璃?ない!ない!」

 

京輔「ない?行って欲しくないのか?」

 

少女「うん!」

 

梨璃「大丈夫だよ。また来るから。」

 

少女「梨璃・・・行かない!」

 

祀「梨璃さんはもう行かなくちゃいけないの。代わりに私と先生で我慢して?」

 

少女「ない!!い〜〜〜〜〜!!!」

 

祀「あぁ!ハートブレイク・・・」

 

京輔(ご主人に懐かれた猫みたいな威嚇だ・・・)

 

梨璃「私、居た方が良いんでしょうか・・・?」

 

京輔「でも講義とか実技とかあるんだろ?」

 

梨璃「分かってますけど・・・この子が・・・」

 

祀「じゃあこうしましょう。梨璃さんは当面この子のお世話係になって。あなたの学業やレギオンの事は学院側からフォローして貰うわ。」

 

梨璃「そんな!そこまでして貰わなくても・・・」

 

祀「この子の事は、理事長代行直々に任されているのよ。」

 

京輔「高松理事長代行が?」

 

祀「うん。梨璃さんが居てくれれば、私も安心だし。レギオンの人達には私から伝えておくから。」

 

梨璃「あ、いえ。それは私から言わせて下さい。」

 

 

 

 

 

 

翌日。一柳隊控室。

 

雨嘉「あの子、リリィだったの?」

 

京輔「最近結果が出たばかりなんだ。」

 

梅「何処の誰かは判ったのか?」

 

梨璃「それは、何も思い出せないみたいで・・・」

 

京輔「未だに記憶喪失なんだ。記憶が戻れば良いんだが・・・」

 

神琳「差し出がましいんですが梨璃さん、少々入れ込み過ぎではありませんか?」

 

龍馬「幾らあの子の事が心配だからって、過保護過ぎじゃないのか?」

 

梨璃「あの子にだって、家族や大切な友達が何処かに居るんです。それを思い出せないって、自分の全部が無くなっちゃったのと同じだと思うんです!だから、せめて一緒に居てあげたくて・・・」

 

楓「だとしても、それが梨璃さんの役割である必然性のない事は分かってらっしゃいます?」

 

梨璃「それは・・・そうなのかも知れないけど・・・」

 

夢結「あなたは一柳隊のリーダーよ?その穴は、誰にも埋め合わせる事は出来ません。」

 

梨璃「・・・・」

 

夢結「埋められない物は埋まりません。・・・が、それでも何とかするしかないでしょ?心配しないで?梨璃。」

 

梨璃「は、はい!!ありがとうございます。私の我儘で・・・」

 

夢結「我儘ではないわ。それは思いやりよ。堂々となさい。」

 

神琳「こんな時代だもの。誰だって、身近な誰かが傷付いてるわ。」

 

雨嘉「手の届く所に居るなら、手を伸ばしたいよね。」

 

梅「そうだ!梅は羨ましいぞ!」

 

鶴紗「気持ちは分かる。」

 

楓「私だって、異存ございませんわ。」

 

ミリアム「何でも申してみ!」

 

二水「私もお手伝いします!」

 

龍馬「俺はお前達の先生だ。生徒を守るのが先生の役割だ。」

 

京輔「俺も手伝うぜ。梨璃。」

 

梨璃「皆・・・ありがとうございます!!じゃあ、行って来ます!」

 

彼女は少女の元へ向かった。

 

夢結「1度言い出したら聞かなくて、それでいて1度に幾つもの事をこなせる程器用ではないのだから。」

 

楓「本当に。退屈しないお方ですわ。」

 

京輔「全くだな。」

 

”カタカタカタ”

 

楓「ん?」

 

テーブルの上のティーカップが震えている。

 

京輔「何だ?揺れてる?」

 

龍馬「ん?」

 

揺れてる理由は、夢結が足を揺すっているからだった。

 

龍馬「貧乏揺すり・・・か?」

 

楓「どうかなさいまして?夢結様。」

 

夢結「何か?」

 

京輔「何かじゃなくて、何で足揺すってんだ?」

 

夢結「そう?気のせいじゃないかしら?」

 

楓「夢結様、そうは言ったものの、何処か落ち着かないのではありません?」

 

夢結「多少・・・」

 

楓「胸の内がざわざわと?」

 

夢結「かも・・・知れないわね。」

 

楓「ささくれがチクチクと痛むような?」

 

夢結「何故それを・・・?」

 

楓「夢結様、それは焼き餅です!」

 

夢結「焼き餅?私が・・・誰に?」

 

京輔・龍馬「自覚無し?」

 

楓「勿論。梨璃さんの大事なあの娘にですわ。」

 

夢結「・・・楽しそうね?楓さん。」

 

楓「えぇそれも!1匹狼として仲間から恐れられていた夢結様が、梨璃ロスで禁断症状とは!ププーですわ!」

 

夢結「梨璃ロ!?」

 

京輔・龍馬「梨璃ロス?」

 

楓「事この事にかけては、私に一途な蝶がございましてよ〜!」

 

鶴紗「威張る事か?」

 

 

 

 

 

 

工廠科。

 

ミリアム「百由様〜!おるか〜?」

 

百由「おぉ〜!グロッピ!」

 

ミリアム「その呼び方、何とかならんのか?」

 

百由「可愛いでしょ?」

 

ミリアム「キモいわ!」

 

 

 

 

その後。百由はアイマスクを着けて休憩。ミリアムは危険な機械が入ってる箱の中を漁る

 

ミリアム「百由様は何時も引っ張り凧じゃな。憖芸が居ると苦労するのう。」

 

百由「腕が10本になる精神感応型CHARMでも開発したい気分だわ〜・・・あれ?タコの腕って8本だっけ?それとも6本?」

 

ミリアム「働き過ぎじゃな・・・」

 

百由「CHARMとリリィはマギで繋がって、リリィとヒュージはマギで戦って、ちょっと面白過ぎじゃない?とは言え人の心は完全に専門外だから、今回は梨璃さんと京輔先生に手伝って貰えて助かったわ〜。」

 

ミリアム「何でまた梨璃と先生なんじゃ?」

 

百由「第1発見者、と言うか・・・第1接触者だからかな?」

 

ミリアム「確かに。梨璃は人との距離が近い事が多いわな。物理的に。」

 

百由「実の所、梨璃さんの事も今回の研究対象に含まれてるのよ。」

 

ミリアム「何か関係があるのか?」

 

百由「それをハッキリさせたいのよ。データに響くから本人には伝えてないけど。」

 

ミリアム「百由様まで駆り出されたとなると、大事じゃな。じゃがそれ、ワシに話して良い事か?」

 

百由「はっ!やっば!これ機密じゃん!!」

 

ミリアム「安心せい。ワシは誰にも話したりせんから。」

 

百由「うん!話したらあるだけの手段とルートを使って嫌がらせするから!」

 

ミリアム「居直り程が!」

 

 

 

 

 

 

一柳隊控室。龍馬と楓と二水と梅と神琳と雨嘉が残ってる。

 

二水「ただ、不思議なんですよね。」

 

雨嘉「ん?」

 

二水「あの子がリリィなら、何処かに行方不明のリリィが居るはずなんですけど・・・」

 

龍馬「確かに。でも現時点でのデータの詳細は不明のままだな。」

 

二水「はい。あ!厳密には行方不明になったリリィは過去に何人も居ますけど、あの子の特徴に一致する事は何処にも・・・」

 

神琳「最近リリィに覚醒したとか?」

 

二水「あ!それなら。でも・・・」

 

楓「それなら、私のお父様に聞いてみますわ。」

 

龍馬「親父さんにか?」

 

楓「えぇ!超一流CHARMメーカー・グランギニョルの情報収集能力は、この学院以上ですもの〜!」

 

龍馬「自慢屋か。」

 

梅「うへ〜、いけ好かねぇ〜。」

 

楓「事実ですわ〜!」

 

 

 

 

 

 

治療室。

 

少女「梨璃!あ〜ん!」

 

梨璃「もお!自分で食べられるでしょ?」

 

少女「梨璃が良いんだもん!あ〜ん!」

 

梨璃「自分で食べるの!」

 

京輔「あ〜らら、仲が宜しい事。」

 

祀「そうね。梨璃さん、お母さんみたいね。」

 

少女「お母さん?」

 

梨璃「せ、せめてお姉さんって言って下さい!」

 

少女「お姉さん?」

 

祀「ねぇ。そろそろ名前を付けてあげたら?」

 

梨璃「たら?」

 

祀「名前がないと、何かと不便でしょ?」

 

梨璃「わ、私がですか?」

 

 

 

 

その後も少女のリハビリは続く。少しずつ歩けるようになった。

 

梨璃は少女の名前を色々と考えてる。苦悩する梨璃を閑が見守っている。

 

夢結と楓は梨璃ロスになってる。その証拠に足を揺すってる。

 

京輔は工廠科でヒュージ細胞の入ったフルボトルを浄化させていた。実験は成功した。

 

数日が経ち、少女はランニングマシンで走れるようになる程足の機能が回復した。

 

 

 

 

その翌日。夢結がカフェで本を読んでいると。

 

梨璃「ごきげんよう。お姉様。」

 

夢結「っ!」

 

そこに梨璃が立っていた。

 

梨璃「お隣、良いですか?」

 

夢結「えぇ。どうぞ。梨璃。」

 

梨璃「・・・ご無沙汰してました!お姉様ー!」

 

急に泣き出して、夢結に抱き付いた。夢結は泣いてる梨璃に微笑んでる。

 

夢結「どうしたの?しゃんとしなさい?」

 

梨璃「・・・あ!あー!それ、私の教本!!」

 

前に無くした近接戦闘応用編の教本がテーブルの上にあった。

 

梨璃「お姉様が持っててくれたんですか?」

 

夢結「そう。たまたまよ。」

 

梨璃「ありがとうございます!」

 

楓「全く・・・聞いてられませんわ!!」

 

未だに焼き餅が抜け切れてない楓が不満気になってる。神琳がハンカチを差し出してあげた。

 

神琳「さあ。これで涙を。」

 

楓「泣いてませんわ!!」

 

夢結「ん?」

 

右を見ると、あの少女が何時の間にか座っていた。

 

夢結「あなた、この間の?」

 

ミリアム「おぉ〜。元気になったか〜。」

 

二水「って、その制服!」

 

梨璃「うん!正式に百合ヶ丘の生徒にして貰えたって!」

 

雨嘉「編入されたって事?」

 

神琳「まぁ!可愛い〜!」

 

京輔「やっと一柳隊が揃ったな。」

 

そこに京輔と龍馬が来た。

 

二水「京輔先生!龍馬先生!」

 

京輔「やっぱりこの面子がしっくり来るなぁ。」

 

龍馬「お?その子、無事生徒になったのか。」

 

京輔「最近なったばかりだ。」

 

梨璃「ホラ。ご挨拶して?此方は夢結様だよ。」

 

少女「夢結?」

 

梨璃「もう!ちゃんと練習したでしょ?自己紹介しょうよ!」

 

少女「何で?」

 

ミリアム「何じゃ?梨璃とこの娘。」

 

二水「姉と妹って感じです。」

 

楓「ちょっとあなた達狭いわよ!」

 

鶴紗「もっと詰めろ。」

 

梅「梅も見たいぞ!」

 

少女「これ何?」

 

テーブルに置いてあるスコーンに目を付けた。

 

夢結「スコーンよ。食べたいの?食いしん坊さんね。誰かさんのようだわ。」

 

梨璃「私ですか!?」

 

梅「夢結にもう1人シルトが出来たみたいだ!」

 

少女「食べて良い?」

 

夢結「ちゃんと手を拭くのよ。」

 

雨嘉「妹と言うか・・・」

 

ミリアム「母と娘じゃな。」

 

少女「夢結。お母さん?」

 

夢結「産んでないわよ。」

 

少女「じゃあお父さん?」

 

夢結「違いますから。」

 

龍馬「夢結がお父さんって・・・お父さんなら俺等の方なんじゃ?」

 

京輔「じゃあどっちが叔父だ?」

 

楓「っで、この子の名前は判ったんですの?」

 

梨璃「あ。それが、まだ記憶が戻ってなくて・・・」

 

梅「それじゃあ、今まで何て呼んでたんだ?」

 

梨璃「え!?」

 

二水「1週間近くありましたよね?」

 

梨璃「それは・・・」

 

夢結「言ってご覧なさい?梨璃。」

 

京輔「・・・・」

 

龍馬「京輔どうした?」

 

京輔「それ教えちまったら・・・」

 

 

 

 

 

 

少女「結梨。」

 

 

 

 

 

 

夢結「っ!?」

 

楓「はぁ!?」

 

龍馬「結梨!?」

 

梨璃「ああ!それは!!」

 

結梨「私結梨!梨璃が言ってた!」

 

梨璃「そ、それは!本名を思い出すまで世を忍ぶ仮の名で!」

 

 

 

 

ご飯持って来た時。

 

梨璃『結梨ちゃーん!ご飯ですよー!』

 

本を持って来た時。

 

梨璃『結梨ちゃん。ご本読もうか。』

 

一緒に風呂へ行く時。

 

梨璃『結梨ちゃ〜ん!一緒にお風呂行こー!』

 

 

 

 

龍馬「完全に母と娘だな・・・」

 

二水「それ!私が付けた夢結様と梨璃さんのカップルネームじゃないですか〜!」

 

梨璃「いえ!あ、あの・・・それは・・・!!」

 

神琳「あら〜。良いんじゃないでしょうか?」

 

雨嘉「似合ってる・・・と思う。」

 

梅「何か愛の結晶って感じだな!」

 

鶴紗「一緒にネコ缶食うか?」

 

結梨「ん〜。」

 

楓「何時の間にやら・・・既成事実が積み重なられてますわ・・・」

 

龍馬「落ち着け楓。受け入れるしかないぞ。」

 

ミリアム「じゃあ決まりじゃな!」

 

二水「その名前でレギオンにも登録しちゃいますね!」

 

梨璃「二水ちゃん!?」

 

二水「苗字は取り敢えず、一柳さんにしておきますね!」

 

梨璃「ええ!?」

 

二水「あ!京輔先生のタブレットにも送信しておきますね!」

 

データを京輔のタブレットに送信した。

 

京輔「サンキュー二水!」

 

梨璃「ええ!?」

 

夢結「まぁ、良いんじゃないかしら?梨璃。」

 

結梨「美味しい〜♪」

 

こうして少女の名前は、一柳結梨に決定した。

 

 

 

 

 

 

その夜。理事長室にて。

 

史房「彼女を生徒にするとは、思い切りましたね。」

 

高松「身元がどうあろうが、リリィであればリリィとして正当に扱われるべきじゃからな。」

 

史房「陰で探ってる人達も、これで表舞台に立たざるを得なくなるでしょうね。」

 

『To Be Continued・・・』




キャスト

稲葉京輔:千葉翔也

仁科龍馬:畠中祐

一柳梨璃:赤尾ひかる
白井夢結:夏吉ゆうこ
楓・J・ヌーベル:井澤美香子
二川二水:西本りみ
安藤鶴紗:紡木吏佐
吉村・Thi・梅:岩田陽葵
郭神琳:星守紗凪
王雨嘉:遠野ひかる
ミリアム・ヒルデガルド・v・グロピウス:高橋花林
一柳結梨:伊藤美来

真島百由:水瀬いのり
出江史房:長妻樹里
秦祀:田中那実
長官:利根健太朗
副長官:若林佑

高松咬月:中田譲治





アサルトビルド HAZARD!

二水「次回はビルドのベストマッチな姿を見せます!!」

ミリアム「どんなのか楽しみじゃ!!」

第8話・7つのベストマッチ

京輔「紹介の法則は、決まった!」


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第8話「7つのベストマッチ」

世界は、謎の生命体ヒュージの出現により人類は破滅の危機に瀕した。人類は叡智を結集し、CHARMを開発。CHARMを操れる少女・リリィが編成され、ヒュージとの戦いを繰り広げた。

リリィを育成するガーデンの百合ヶ丘女学院に新たな戦士・仮面ライダービルドと仮面ライダークローズが加わった。その正体は、百合ヶ丘女学院に赴任された稲葉京輔と仁科龍馬だった。

そして、記憶を失った少女・結梨を百合ヶ丘女学院の生徒でリリィとして迎えられた。


工廠科。京輔が沢山のフルボトルを並べていた。

 

京輔「スパイダー。冷蔵庫。」

 

スパイダーフルボトルと冷蔵庫フルボトルを、京輔が開発したベストマッチスロットに挿した。ベストマッチ成立。

 

京輔「ベストマッチ!」

 

次はタートルフルボトルとウォッチフルボトルを出した。

 

京輔「タートル。ウォッチ。」

 

これもベストマッチ成立。

 

京輔「ベストマッチ!!」

 

次はカブトムシフルボトルとカメラフルボトル。

 

京輔「カブトムシ。カメラ。」

 

これもベストマッチ成立。

 

京輔「ベストマッチ!!!」

 

ミリアム「五月蝿いのう。」

 

京輔「いやいやいや。こんなに沢山のボトルを前にしたらテンションあがるのが俺の性格なんだよ。」

 

癖毛が跳ねた。

 

京輔「サイ!ドライヤー!ベストマッチ!!!!」

 

これもベストマッチ成立。

 

京輔「ペンギン。スケボー。おう・・・あっ・・・あぁ〜・・・ベストマッチ〜♡」

 

喘ぎながらベストマッチ成立。

 

ミリアム「何かお主、色々ヤバそうじゃな・・・」

 

京輔「マグネット。お化け。ベストマッチが・・・キターーー!!!」

 

織田◯二風にベストマッチ成立。

 

京輔「あれ?お化けの成分ってどうやって採ったんだっけ?」

 

癖毛が引っ込んだ。

 

ミリアム「それにしても、こんなにボトルがあるとはな。一体どんな力があるのか興味あるのう。」

 

京輔「何だ?ミリアムも興味が湧いたのか?」

 

ミリアム「興味があるかどうかは分からんが・・・何となく見てみたいんじゃがな。」

 

京輔「まぁヒュージとの戦闘の時にまだまだ色々見れるかもだぞ?じゃあ俺ちょっと中庭で昼寝して来る。じゃあな〜。」

 

中庭へ向かった。

 

ミリアム「色々見たいんじゃが、先生じゃないと変身不可能じゃし。ん〜・・・お!そうじゃ!」

 

 

 

 

 

 

中庭で京輔が昼寝をしている。

 

京輔「あ〜・・・こんな気持ちの良い日に昼寝は最高だなぁ〜。何か、今までの戦いの疲れで眠気がzzz・・・」

 

そのまま中庭で眠り込んでしまった。

 

京輔「ムニャムニャ〜・・・・」

 

眠り込んでる京輔に謎の影が迫って来た。

 

 

 

 

 

 

京輔「・・・ん・・・ん?」

 

目を開けた京輔が見たのは・・・

 

京輔「な、何だここ?闘技場?」

 

何故か闘技場に居た。

 

京輔「さっきまで中庭で気持ち良〜く寝ていたんだが・・・一体これは何じゃらほい?」

 

百由「目が覚めたようね。先生。」

 

京輔「ん?」

 

そこに現れたのは、百由と龍馬と一柳隊だった。

 

龍馬「よう京輔。」

 

京輔「お前等?これは一体何だ?」

 

百由「さっきグロッピから話があってね。先生の持つフルボトルの能力とか見てみたいから連れて来て欲しいって。」

 

京輔「ミリアムが?」

 

ミリアム「そうじゃ!先生のビルドの姿とやらを色々見てみたいのう!」

 

京輔「他の皆も同じか?」

 

二水「はい!リリィを調べるのは好きですけど、仮面ライダービルドの色々な姿や力にも興味があるんですよ!」

 

梅「梅もちょっと興味があってな。」

 

梨璃「私は、二水ちゃんに付き合わされちゃって・・・」

 

夢結「これも何か学べそうだから。」

 

結梨「ビルド。」

 

京輔「成る程な。」

 

百由「それじゃあ、実験を始めましょうか!」

 

京輔「それ俺の台詞!ってか、実験を始めるって相手は誰なんだよ!」

 

百由「大丈夫よ。こんな時の為にこれを用意したから!」

 

タブレットを操作すると、京輔の前にヒューマン型のヒュージが現れた。

 

京輔「成る程。ヒュージのホログラムか。」

 

百由「それは本来のホログラムとは違うよ?触れた人間がホログラムが発するプラズマの衝撃波を感知して、そこに実態があるかのような感覚を得られるように用意した。」

 

鶴紗「それならリアルなシミュレーションが出来そうだな。」

 

京輔「サイコーだな!!」

 

ビルドドライバーを装着して、フルボトルを取り出した。

 

京輔「さあ、実験を始めようか!」

 

フルボトルを振って、ビルドドライバーに装填した。

 

『フェニックス!』

『ロボット!』

『ベストマッチ!』

 

ボルテックレバーを回した。

 

『Are You Ready?』

 

京輔「変身!!」

 

『不死身の兵器!』

『フェニックスロボ!』

『イェーイ!』

 

仮面ライダービルド・フェニックスロボフォームに変身した。

 

京輔「行くぜ!!」

 

ロボットアームのデモリションワンでヒュージに何度も叩き込む。

 

 

 

 

百由「仮面ライダービルド・フェニックスロボ。不死鳥とロボットの力を併せ持ったベストマッチな姿ね。」

 

 

 

 

京輔「ハァッ!!」

 

右手から炎を放射してヒュージを燃やす。

 

京輔「5連発!!」

 

炎を5連発放射した。

 

 

 

 

百由「更に右腕の燃焼攻撃ユニットのフレイムリヴァイバーによって、特殊な炎を放つ事が出来る。」

 

 

 

 

京輔「立ちなさいっと。」

 

デモリションワンでヒュージを持ち上げて、放り投げた。

 

 

 

 

百由「左腕のロボットアームのデモリションワンは、凡ゆる物を破壊する他、重い物を持ち上げる怪力まで施されているのね。」

 

 

 

 

ビルドがボルテックレバーを回した。

 

『Ready Go!!』

『ボルテック・フィニッシュ!』

『イエーイ!』

 

炎を纏って不死鳥の如く飛翔し、ヒュージに何度も体当たりした。ヒュージが爆発した。

 

京輔「ふぅ。」

 

楓「成る程。不死鳥の炎で相手を無力化しながら、ロボットの性格無比な攻撃を叩き込む戦法ですね。」

 

京輔「百由。次だ。」

 

百由「オッケー♪」

 

タブレットを操作する。ビルドの後ろに巨大な爪を持ったヒュージが出現した。

 

京輔「後ろか。」

 

別のフルボトルを出して振って装填した。

 

『ローズ!』

『ヘリコプター!』

『ベストマッチ!』

『Are You Ready?』

 

京輔「ビルドアップ!!」

 

『情熱扇風機!』

『ローズコプター!』

『イェーイ!』

 

仮面ライダービルド・ローズコプターにビルドアップした。

 

 

 

 

梨璃「あの姿、この前見た事あります!」

 

夢結「私もあるわ。」

 

 

 

 

京輔「フッ!!」

 

ヒュージに張り手で押した。周囲にバラの花びらが舞った。

 

京輔「よっと!!」

 

右手から黒い茨を出して鞭のように縦横無尽に振り回してヒュージに叩き込む。

 

 

 

 

百由「右腕イバラッシュアームに巻き付いた伸縮自在の黒いムチは、相手を捕縛や攻撃を叩き込める。」

 

 

 

 

ビルドは黒い茨で何度もヒュージに叩き込む。

 

京輔「ハァッ!!」

 

背中のパトローターブレードが高速回転し、ビルドがヘリコプターのように飛びながら黒い茨でヒュージに叩き込む。

 

 

 

 

百由「背面の高強度ブレード・バトローターブレードによるホバリング能力で敵の頭上に回り、薔薇の鳥による攻撃ね。」

 

 

 

 

京輔「ハァッ!!」

 

最後の体当たりでヒュージを突き飛ばした。

 

京輔「よっと!」

 

背中のパトローターブレードを外して、ヒュージに何度も叩き込む。

 

京輔「取り外し可能!!ハァッ!!デヤッ!!」

 

黒いムチとパトローターブレードの連続コンボ。ヒュージが逃げ出す。

 

京輔「逃がすか!!」

 

ボルテックレバーを回した。

 

『Ready Go!!』

『ボルテック・フィニッシュ!』

『イエーイ!』

 

パトローターブレードを回転させて飛翔し、黒いムチでヒュージを捕縛してパトローターブレードでヒュージを斬り刻む。ヒュージが爆発した。

 

京輔「ふぅ・・・まぁこんなもんかな?」

 

神琳「色々な姿があるのですね。」

 

雨嘉「どれも個性的で好き。」

 

百由「そう言えばさ、皆から聞いたんだけど。何か黒い姿あるって。」

 

京輔「ハザードフォームか。」

 

百由「ハザードフォーム?」

 

彼はハザードトリガーを出して皆に見せた。

 

京輔「このハザードトリガーを使えば、ビルドがハザードフォームに強化出来るアイテムだ。だが此奴を使うと暴走する恐れがあり、敵味方関係なく破壊を止めない危険なアイテムだ。」

 

夢結「暴走・・・」

 

以前に覚醒してしまったルナティックトランサーを思い出した。

 

京輔「だが俺は此奴を完璧に制御済みだ。暴走する心配は無い。」

 

夢結「そう。良かったわ。」

 

京輔「百由。次のホログラムを頼む。」

 

百由「次はちょっと強力かもよ?」

 

タブレットを操作し、ギガント級のヒュージを出した。

 

京輔「ギガント級のヒュージか。丁度良い。」

 

ハザードトリガーの蓋を開けて、トリガーを押した。

 

『ハザードオン!』

 

ハザードトリガーをビルドドライバーに挿して、フルボトルを振る。

 

『ウルフ!』

『スマホ!』

『スーパーベストマッチ!』

 

『ドンテンカン!ドーンテンカン!』

『ドンテンカン!ドーンテンカン!』

 

『ガタガタゴットン!ズッタンズタン!』

『ガタガタゴットン!ズッタンズタン!』

 

『Are You Ready?』

 

京輔「ビルドアップ!!」

 

『アンコントロールスイッチ!』

『ブラックハザード!』

『ヤベーイ!』

 

仮面ライダービルド・ウルフスマホハザードフォームに変身した。

 

 

 

 

二水「あれがハザードフォーム・・・」

 

雨嘉「見てるだけで不気味を感じる・・・」

 

 

 

 

京輔「ハァッ!!」

 

ギガントヒュージにパンチやキックなどの打撃を叩き込む。

 

京輔「此奴はどうだ!」

 

スマホの複眼から無数のアプリアイコンを射出し、ギガントヒュージを囲んだ。

 

 

 

 

百由「あのアプリアイコンで敵を囲む戦法ね。」

 

 

 

 

アプリアイコンがギガントヒュージに連続攻撃した。

 

京輔「ハァッ!!」

 

大ジャンプして飛び蹴りでギガントヒュージを転倒させた。

 

『ユニコーン!』

 

ユニコーンフルボトルをドリルクラッシャーに装填した。

 

『Ready Go!!』

『ボルテック・ブレイク!』

 

高速回転するドリルクラッシャーでギガントヒュージの両足を切断した。

 

『マックスハザードオン!』

 

『ガタガタゴットン!ズッタンズタン!』

『ガタガタゴットン!ズッタンズタン!』

 

『Ready Go!!』

 

『オーバーフロー!』

『ヤベーイ!』

 

京輔「ハァッ!!」

 

大ジャンプし、黒い狼のオーラを纏った右手でギガントヒュージの胴体を叩き貫いた。ギガントヒュージが大爆発した。

 

京輔「はぁ・・・」

 

ハザードトリガーとフルボトルを抜いて変身を解いた。

 

百由「結構エグい攻撃だったね。」

 

京輔「ハザードは危険を及ぼす禁断のアイテムだからな。頭の中で戦い方が浮かんで来るんだ。」

 

龍馬「此奴は京輔だけが使える。俺は使えないんだ。」

 

百由「じゃあまだまだ行くよ!」

 

今度はラージ級のヒュージを無数に出現させた。

 

京輔「実験の疲れが抜けてないんですけど。」

 

百由「ごめんね?もうちょっと付き合ってくれる?」

 

京輔「まぁ良いだろう。実験の相手をしてやる。」

 

『トラ!』

『ユーフォー!』

『ベストマッチ!』

 

『Are You Ready?』

 

京輔「変身!!」

 

『未確認ジャングルハンター!』

『トラユーフォー!』

『イエーイ!』

 

仮面ライダービルド・トラユーフォーに変身した。

 

京輔「行くぜ!」

 

トラの複眼が光り、無数に襲って来るラージヒュージの大群にBLDトラファイトグローブの鋭利の爪の光の爪刃で大半のラージヒュージ達を爆破させた。

 

『Ready Go!!』

『ボルテック・フィニッシュ!』

『イエーイ!』

 

未知のピンク色のUFOに乗り、ラージヒュージ達をキャトルミューティレーションみたいに吸い込んでバラバラに分解させて爆発させ、残りのラージヒュージ達は突進で爆発させた。しかしラージヒュージは増え続けてる。

 

京輔「まだまだ居んのかよ。まぁ良いや。」

 

『キリン!』

『扇風機!』

『ベスト!マッチ!』

 

『Are You Ready?』

 

京輔「ビルドアップ!」

 

『嵐を呼ぶ巨塔!』

『キリン!サイクロン!』

『イエーイ!』

 

キリンサイクロンフォームへビルドアップし、左腕のサイクストーマーの強風でラージヒュージ達を奥へ飛ばす。更に扇風機の複眼が光り、強風レベルを3にしてラージヒュージ達を壁へ飛ばした。

 

京輔「ハァッ!!」

 

飛んで来るラージヒュージ達を右腕のキリネックブリーカーで叩き込んだ。

 

京輔「よし!次はこれだ!」

 

『クジラ!』

『ジェット!』

『ベストマッチ!』

 

『Are You Ready?』

 

京輔「ビルドアップ!」

 

『天駆けるビッグウェーブ!』

『クジラジェット!』

『イエーイ!』

 

クジラジェットフォームへビルドアップし、右腕のBLDスパウトグローブから攻撃水流ビッグウェイブを噴射してラージヒュージ達を爆発させた。更にジェットの複眼が光り、左胸部のスクランブルチェストアーマーから無数の戦闘機型ドローンを飛ばし、ラージヒュージ達を一網打尽にした。

 

京輔「今だ!」

 

その隙にドリルクラッシャーをガンモードへ変形した。

 

『潜水艦!』

 

潜水艦フルボトルを装填した。

 

『Ready Go!!』

『ボルテック・ブレイク!』

 

銃口から魚雷型の弾丸を連射してラージヒュージ達を爆発させた。ラージヒュージは残り僅か。

 

京輔「これで!」

 

ボルテックレバーを回した。

 

『Ready Go!!』

 

大波を発生させてラージヒュージ達の呑み込んだ。

 

 

 

 

梨璃「う、海!?」

 

ミリアム「おぉ〜!泳ぎたい気分じゃ!」

 

 

 

 

大波に魚雷を連射して自身も飛び込んだ。

 

京輔「すい〜。」

 

真下にクジラが現れ、潮吹きに乗って大ジャンプした。

 

『ボルテック・フィニッシュ!』

『イエーイ!』

 

ラージヒュージ達が魚雷に直撃されて高く打ち上げられた。

 

京輔「ドリャアアアア!!!」

 

最後はラージヒュージ達をライダーキックで粉砕した。

 

梅「いやぁ〜、中々見応えあった戦いじゃったぞ?」

 

京輔「そう簡単に終わらせてくれるとは思わないぞ?」

 

鶴紗「どう言う事だ?」

 

京輔「さてと、実験を始めようか。」

 

フルボトルを振って、ビルドドライバーに装填した。

 

『サメ!』

『バイク!』

『ベストマッチ!』

 

『Are You Ready?』

 

京輔「ビルドアップ!!」

 

『独走ハンター!』

『サメバイク!』

『イエーイ!』

 

サメバイクフォームへビルドアップした。

 

京輔「っ!」

 

頭部の索敵装置ロレンチーニフェイスモジュールで、微細な電位の変化を感知して隠れた敵を捕捉した。

 

京輔「そこだ!」

 

ドリルクラッシャーの弾丸で天井に向けて連射した。すると天井から残り1体のラージヒュージが落下した。

 

梨璃「まだ居た!」

 

楓「サメの能力で隠れてるヒュージを見付けたのですね。」

 

京輔「喰らえーーー!!」

 

右腕のヒレ状の刃メガロフィンレイザーをカッターのようにして攻撃するが、ラージヒュージが避けた。ラージヒュージがビルドに向かって突進する。

 

京輔「させるか!」

 

左腕のホイールデストロスピナーを盾にしてラージヒュージの突進を防いだ。

 

京輔「勝利の法則は決まった!!」

 

ボルテックレバーを回す。

 

『Ready Go!!』

『ボルテック・フィニッシュ!』

『イエーイ!』

 

マシンビルダーと巨大なサメのエネルギー体を召喚し、ビルドがマシンビルダーに乗り、巨大なサメの順に強力な体当たりでラージヒュージを爆発させて殲滅した。

 

京輔「終わったか・・・」

 

フルボトルを抜いて変身解除した。

 

京輔「キッツ・・・」

 

その場で膝を突いた。

 

梨璃「先生、お疲れ様でした。」

 

京輔「おう・・・」

 

百由「いやぁ〜、良い収穫が出来た〜!」

 

二水「はい!色々な姿が見れて感服です!」

 

京輔「鼻血出てんぞ二水・・・」

 

夢結「結構戦ったんじゃないかしら?」

 

京輔「あぁ・・・こりゃあ夜大変そうだ・・・」

 

 

 

 

 

 

その夜。

 

京輔「いでででで!!」

 

ベッドの上で龍馬に湿布貼って貰ってる。

 

龍馬「戦い過ぎて筋肉痛にでもなったか。」

 

京輔「ここ最近戦いが無かったから鈍っちまったようだ・・・」

 

龍馬「なら今後、リリィとの模擬戦を増やすか?」

 

京輔「そうした方が良いかもな・・・」

 

『To Be Continued・・・』




キャスト

稲葉京輔:千葉翔也

仁科龍馬:畠中祐

一柳梨璃:赤尾ひかる
白井夢結:夏吉ゆうこ
楓・J・ヌーベル:井澤美香子
二川二水:西本りみ
安藤鶴紗:紡木吏佐
吉村・Thi・梅:岩田陽葵
郭神琳:星守紗凪
王雨嘉:遠野ひかる
ミリアム・ヒルデガルド・v・グロピウス:高橋花林
一柳結梨:伊藤美来

真島百由:水瀬いのり





アサルトビルド HAZARD!

二水「次回は結梨ちゃんに試練が襲います!!」

梨璃「頑張って結梨ちゃん!!」

第9話・百合ヶ丘トーナメント

京輔「優勝の法則は、決まった!」


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第9話「百合ヶ丘トーナメント」

百合ヶ丘女学院・女湯。

神琳「いよいよ明日は、戦技競技会ですね。」

雨嘉「百合ヶ丘の競技会って、何をするの?」

神琳「高等部のは私も初めてね。だけど、きっと楽しめると思うわ。」

梨璃「へぇ〜。運動会みたいなものかな?」

神琳「表向きは、日頃の切磋琢磨の成果を披露する場。と言う事ですけどね。」

二水「クラス部門、レギオン部門、個人部門等の成績を競い合って、最後に選ばれる最優秀リリィには、素敵なご褒美があるそうですよ?」

梨璃「ご褒美!?」

二水「今年は、工廠科全面協力の元、CHARMに高級オプション付け放題だそうです!」

楓「それは残念。私のジョワユーズに足せる物などございませんわ〜。」

ミリアム「ワシ等工廠科を甘く見るでないぞ!どんな魔改造もお手の物じゃ!」

壱「へぇ〜。いい事聞いちゃった。電磁式シンクロナイザーとかヘンダットサイトとか予約しとこ〜っと。」

亜羅椰「ん?壱も狙ってるの?奇遇だわね。」

樟美「ダメだよ。最優秀リリィは天葉様の物だよ。」

鶴紗「出たなアールヴヘイム。」

ミリアム「もう勝ったつもりか?前にお主等のやり損なったヒュージをワシ等と京輔先生等が仕留めた事があったがの。」

壱「それはそれ。実戦の借りは実戦で返すわよ。」

亜羅椰「まぁ、そこ等辺のちんちくりんには負けるつもりはないけど?」

ミリアム「何じゃと!?」

壱「まぁ、精々頑張って〜。」

ミリアム「ぐぬぬぬぬぬ・・・!!」

挑発を喰らったミリアムに怒りが増した。






男湯。

龍馬「百合ヶ丘競技会かぁ。」

京輔「工廠科の全面協力があって、CHARMに色々カスタムし放題だそうだ。」

龍馬「レギオン部門があるから、俺達も出るのか?」

京輔「んな訳ないだろ?俺達は彼女達の先生だぞ?」

龍馬「そう言えば例の実験は成功したのか?」

京輔「あぁ。後は彼女達のCHARMを少し改造すれば完了だ。」




謎の生命体「ヒュージ」に対抗する為
リリィの少女達は
CHARMを用いて戦い続けている

更に繁殖し続ける謎の生命体
ヒュージの前に
仮面ライダーが立ち開かる



一柳隊・控室。

 

結梨「ほぉ〜。これが指輪?」

 

マギを起こす指輪が結梨に支給された。

 

京輔「CHARMと契約する指輪だ。」

 

梨璃「嵌めてみて?」

 

結梨「うん!」

 

指輪を右手の中指に嵌める。指輪がマギに反応して光った。

 

龍馬「光ったぞ。」

 

神琳「これであなたも正式に百合ヶ丘のリリィの一員ね。」

 

梨璃「・・・」

 

夢結「?・・・指輪にあなたのマギが馴染むまで、しばらくそのままにして?」

 

結梨「どん位?」

 

夢結「2〜3日位ね。そうすれば、CHARMとの契約が出来るようになるわ。」

 

 

 

 

 

 

理事長室。

 

史房「宜しいのですか?彼女にCHARMを与えて。」

 

眞悠理「記憶も無く、身元も定かではないリリィ。」

 

高松「リリィには、自らを守る権利が認められておる。ならば彼女がCHARMを持つのは道理じゃ。」

 

祀「学院の周辺でも、所属不明の組織が活動を活発化させております。分析待ちですが、ゲヘナも混じっているかと。」

 

高松「・・・ゲヘナかぁ。」

 

眞悠理「表向きは研究機関だけど、目的の為には人体実験も辞さない。悪名高い組織ですね。」

 

史房「えぇ。この学院にもゲヘナから匿ってるリリィは何人も居るから。快くは思われていないでしょうね。」

 

高松「どうあろうと、学院は彼女を全力で保護する。彼女がリリィである限りはな。」

 

結梨の正体は何か。そして彼女を狙う組織達の目的は一体・・・

 

 

 

 

 

 

その夜。梨璃と閑の部屋。

 

梨璃「今日。結梨ちゃんが初めてリリィの指輪を付けたんだよ。」

 

閑「そう。」

 

梨璃「マギもちゃんと流れて・・・あ!でも記憶喪失なだけで、初めてじゃないのかな?」

 

閑「・・・そう言えば梨璃さん。学院のセキュリティーが過去最高度まで引き上げられている事はご存知?」

 

梨璃「え!?」

 

閑「学院の外の野次馬さん達が、結梨さんに興味津々だから警戒してるんでしょう。」

 

梨璃「・・・結梨ちゃんは普通の女の子ですよ?何処かの戦いで傷付いて、ここまで流されて来ただけで、全然普通の・・・っ!」

 

閑「普通かぁ・・・そう。普通よね。ここに居るのは誰だって、本来なら普通の女の子よ。でも、そう思わない人も居る事よ。」

 

梨璃「どう言う事ですか?私達、皆でヒュージと戦っているんじゃ・・・」

 

閑「皆って?」

 

梨璃「それは・・・学院以外の防衛軍の人達とか・・・」

 

閑「だけど実際に、ヒュージと戦う力を持つのは稲葉先生と仁科先生の変身する仮面ライダーと、リリィだけよ。そしてそのリリィの戦力を脅威に感じる人達も居る事よ。」

 

梨璃「リリィの戦力・・・」

 

閑「ヒュージが出現してから半世紀。世界中から戦争が無くなったと言われているわ。人同士で戦ってる場合じゃないのよね。私、時々思うのよ。もし私達が、ヒュージを全て倒してしまったら、再び人間同士が争う世の中になるんじゃないかって。そして、その時に戦うのは誰なのかって。」

 

梨璃「え?・・・ええ!?リリィの戦力ってそう言う事ですか!?」

 

閑「試されているのかもね。人類はマギと言う力を見付けてしまった。その力をこの先どう使うのか。」

 

梨璃「そんな事私嫌です!!命令されたって絶対!!」

 

閑「心配させちゃったわね・・・ごめんなさい。ヒュージを倒した後の話なんて、してる場合じゃなかったわね。大丈夫。最前線で戦っているリリィと先生達なら、誰だってあなたと同じ思いよ。」

 

梨璃「・・・・」

 

 

 

 

 

 

翌日。一柳隊・控室で。結梨がCHARMに触れると指輪が光り、CHARMとの契約が完了した。

 

梅「ほぉ〜!」

 

京輔「契約完了だな。」

 

楓「ふんっ!北欧の田舎メーカーじゃなくグランギニョルでしたら、紗張りでワンランク上のが手に入りますのに。」

 

龍馬「コネで買おうとしたのかお前?」

 

ミリアム「このグングニルは中古じゃが、ワシ等工廠科が丹精込めて全ての部品を1から組み直しておる。新品よく扱え易いぞい。」

 

楓「あらそう。」

 

結梨「ねぇ梨璃。リリィって何で戦うの?」

 

梨璃「え?えっと・・・それは・・・ヒュージから皆を守る為・・・?」

 

夢結「誰だって、怯えながら暮らしたくない・・・それだけよ。」

 

京輔「リリィって色々難しい責務を背負ってるんだなぁ。」

 

結梨「くんくん。」

 

夢結「ん?」

 

結梨「夢結。悲しそう。」

 

夢結「そう?表情が読めないとかよく言われるけど。」

 

京輔「ちょっとさっきの撮り逃した・・・」

 

龍馬「撮らんでええ。」

 

梅「何だ?匂いで分かるのか?」

 

結梨「くんくんくん。」

 

雨嘉「ん?」

 

結梨「くんくんくん。」

 

梅「ん?」

 

結梨「くんくんくんくん。」

 

楓を嗅いだ。

 

結梨「くんくんくん。」

 

ミリアムを嗅いだ。

 

結梨「くんくん。」

 

雨嘉を嗅いで、ソファーに座った。

 

京輔「何だ?どうしたんだ?」

 

結梨「皆も、悲しい匂いがする。」

 

神琳「誰だって何かを背負って戦っているわ。そう言うものかもね。」

 

結梨「くんくんくん。」

 

梨璃「ん?」

 

結梨「梨璃はあまり匂わないのに。」

 

梨璃「お気楽なのかな?私。あはは・・・」

 

楓「いいんですのよ!!梨璃さんは何時までもそのままで!!純粋無垢な梨璃さんの取り柄ですもの!!」

 

鶴紗「無いもの強請り。」

 

龍馬「過保護の母親か。」

 

ミリアム「じゃなじゃな!」

 

結梨「くんくんくん。あ!でも今の夢結は梨璃が居るから喜んでる。梨璃がいないと何時も寂しがってるのに。」

 

夢結「そ、そうかしら?」

 

二水「夢結様が動揺してます!」

 

ミリアム「匂いは誤魔化せんようじゃな。」

 

京輔「流石結梨。夢結の全てを知ろうとしてる。」

 

結梨「・・・分かった!!結梨もヒュージと戦うよ!!」

 

梨璃「無理しなくてもいいんだよ?まだ記憶も戻ってないんだし。」

 

京輔「いきなりそう言っても、戦ってる時に死んだら元も子もないぞ?」

 

結梨「うん!ちっとも分かんない。だから沢山知りたいんだ!」

 

梨璃「結梨ちゃん・・・」

 

梅「あはは!そんな事言われたら断れないな。」

 

神琳「さて。結梨さんの事も一段落した所で、次は雨嘉さんね。」

 

雨嘉「え?」

 

神琳「これとこれ。」

 

何処からか巫女服とメイド服を出した。

 

雨嘉「え!?」

 

龍馬「神琳、それどうした?」

 

神琳「この日の為に用意したんです。」

 

ミリアム「こんなのもあるぞい?」

 

鶴紗「ひゃ〜ん!猫耳は外せない!」

 

ゴスロリファッションと猫耳カチューシャ。

 

雨嘉「ああ・・・嫌・・・止めて・・・」

 

追い詰められた雨嘉は3人から着せ替え人形にされてしまった。

 

梨璃「神琳さん達、何してるのかな?」

 

結梨「ん?」

 

二水「雨嘉さんをコスプレ部門に出場させるって。」

 

楓「雨嘉さんを?」

 

京輔「まさかコスプレ部門まであるとは。」

 

龍馬「百合ヶ丘は色々あるもんだな。」

 

外を見ながら会話してるこの2人。

 

楓「ちょっと地味じゃありません?」

 

二水「まだ何にも染まってない方がいいそうです。」

 

楓「そう言うものですか。」

 

梅「お前本当梨璃にしか興味ないんだな。」

 

楓「それはそうですわぁ〜!・・・はっ!!!」

 

 

 

 

 

 

猫耳巫女の雨嘉が現れた。

 

 

 

 

 

 

神琳「やりましたわぁ〜!」

 

ミリアム「やりきったのう!」

 

鶴紗「やったぁ・・・!」

 

雨嘉「えっとぉ・・・」

 

梅「おぉ!わんわん可愛いなぁ!!」

 

雨嘉「え・・・?」

 

龍馬「な、何だこのギャップ萌えは・・・」

 

京輔「なぁなぁ雨嘉!その姿チェキさせて!」

 

雨嘉「せ、先生!?」

 

スマホで猫耳巫女の雨嘉との2ショット写真を連写で撮った。

 

 

 

 

 

 

グラウンド。百合ヶ丘の生徒達が集まっている。

 

京輔「さて、いよいよ始まるな。競技会。」

 

龍馬「優勝者は誰の手にするのか楽しみだ。」

 

京輔「ん?理事長代行様だ。」

 

龍馬「本当だ。」

 

 

 

 

高松「さてと、本日の客人は?」

 

祀「15人が敷地に侵入しています。また、ドローンが3機程。」

 

高松「素性は?」

 

史房「偽装していますが、大半は国内外の政府系組織です。中にはCHARMメーカー、反政府組織や、自然保護団体と思われる者も。まだ分析中ですが、興味の対象は一柳結梨で間違いないようです。」

 

眞悠理「此方は何を探ります?」

 

高松「情報のルートを徹底的に。通信の量とその行き先じゃ。」

 

眞悠理「挑発行為があった場合は?」

 

高松「デバガメが分を超えた場合の対処は諸君らに頼もう。」

 

史房「はい。結梨さんには指一本触れさせません。・・・デバガメって何?」

 

 

 

 

その会話を聞いていた京輔と龍馬は。

 

京輔「バカな組織共が彼女を狙っているとはな。」

 

龍馬「結梨をどうするつもりなんだろうな。」

 

京輔「大半は人体実験か解剖。まぁ噂だがな。」

 

龍馬「ヒュージよりも彼女を優先するのか。ドラゴン!」

 

そこにクローズドラゴンがやって来た。

 

龍馬「結梨を狙う奴を発見したら撃退してくれ。速やかに。」

 

クローズドラゴンは頷き、結梨を狙う輩共を撃退しに向かった。

 

京輔「一応こっちも俺が開発したドローンビルダーで索敵中だ。」

 

ビルドフォンでドローンビルダーが映し出してる映像を確認してる。

 

京輔「お〜お〜。不審者共がうようよ居やがるぜ。」

 

 

 

 

高松「だがこの学院には、彼等も居る。」

 

史房「稲葉先生と仁科先生。」

 

眞悠理「確かに。」

 

祀「お2人を信じましょう。」

 

 

 

 

二水「まずはクラス対抗戦ですね!私達1年椿組は、2人1組で技を競い合います!」

 

楓「ウフフ♪お邪魔虫が入らないここならば、無防備な梨璃さんは私の思うがままにですわ〜!」

 

だが彼女が掴んだ手は、結梨の手だった。

 

結梨「ん?」

 

楓「え?何故結梨さんがここに?」

 

結梨「私も椿組だから。」

 

楓「何ですって!?」

 

梨璃「編入されてもう1週間は経ってるよ?」

 

楓「お邪魔虫2号・・・」

 

神琳「先生の話を聞いてないんですか?」

 

楓「生憎都合の悪い事は記憶に残さないタチなので〜。」

 

鶴紗「ポンコツか。」

 

 

 

 

京輔「それぞれペアは揃ったようだな。」

 

龍馬「さて、どんなものか見ものだな。」

 

 

 

 

クラス対抗戦が始まった。

 

梨璃「昨日練習した通り!いい?」

 

結梨「うん!」

 

グングニルで地面に丸を描き、結梨が乗るとマギに乗って飛翔した。手を伸ばして旗を取ろうとしたが、妹島広夢に取られてしまった。

 

結梨「ああ!」

 

広夢「頂き!!」

 

 

 

 

龍馬「おぉ〜!広夢が結梨よりも先に取ったな。結梨、ちょっと惜しかったなぁ〜。」

 

京輔「電波塔に監視野郎が2人かぁ。」

 

ビルドフォンで電波塔に映ってる監視2人を発見した。

 

 

 

 

広夢「初めまして。初心者にしてはセンス良いのね。」

 

結梨「むぅーーー!!」

 

梨璃「やったね結梨ちゃん!!」

 

結梨「出来なかったーー!!」

 

梨璃「そんな事ないよ!凄い凄い!」

 

負けた結梨を梨璃が励ます。

 

楓「ムキーーーですわ!!」

 

 

 

 

梅「あはは!何だかあの2人、シュッツエンゲルみたいだ!」

 

2人の仲睦まじい光景を夢結は笑顔で見守っている。

 

 

 

 

 

 

京輔「次はエキシビジョンか。」

 

龍馬「最初は六角汐里からだな。」

 

 

 

 

汐里「六角汐里!行きます!」

 

2つのCHARMを持ってマギに乗って大ジャンプした。

 

 

 

 

京輔「汐里はCHARMを2つ同時に操れるレアスキル・円環の御手の持ち主。」

 

 

 

 

汐里「やああああーーーーー!!」

 

ティルフィング・ガンモードを連射して、周囲の的を正確に打ち抜いた。

 

汐里「やりました!」

 

 

 

 

龍馬「おぉ!全て命中!」

 

京輔「やるなぁ!ホークガトリングで模擬戦した時より上達してるな!」

 

龍馬「お!次は工廠科が開発した新世代CHARMのデモンストレーションだ!使用者は2年生の長谷部冬佳か。」

 

京輔「精神連結式起動実証機のヴァンピール。」

 

 

 

 

冬佳がヴァンビールを射出し、ブレード部分でヴァンビールを操作して電撃を放射し、的を全て直撃させた。

 

 

 

 

京輔「次は1年生のルイセ・インゲルスが使うのは、格闘戦闘特化に開発されたヤールングレイプルの試作機。」

 

 

 

 

ヤールングレイプルをガンモードに変形させ、ガトリングのように高速連射で的を全て破壊した。大爆発が起こった。

 

 

 

 

龍馬「うおおお!?」

 

京輔「爆風凄え〜。」

 

 

 

 

プログラムが進み、あっと言う間に午後に移った。

 

京輔「午後1番目の競技は、混成レギオンによる的場倒し。的を落とすか、棒を倒せば勝利。」

 

 

 

 

結梨「よし!頑張るぞ!」

 

梨璃「あ。私達は見学ね。」

 

結梨「何で?」

 

そこに京輔と龍馬が来た。

 

京輔「この競技は選抜されたリリィだけが出場するルールなんだ。」

 

梅「結梨。梅と代わるか?」

 

結梨「え?」

 

梅「習うより慣れろって言うだろ?」

 

龍馬「本気か?」

 

梨璃「そんなのダメですよ!!結梨ちゃんはまだCHARMに慣れてないですし!怪我したらどうするんですか!!」

 

梅「へいへい。」

 

京輔「過保護だなぁ君。」

 

結梨「むぅ・・・!」

 

 

 

 

1組目・吉村・Thi・梅、谷口聖、森辰姫、倉又雪陽、黒川・ナディ・絆奈。

 

2組目・白井夢結、田中壱、清家知世、北河原伊紀、今川誉。

 

3組目・楓・J・ヌーベル・金箱弥宙、竹腰千華、高須賀月詩、石上碧乙。

 

4組目・遠藤亜羅椰、伊東閑、郭神琳、村上常磐、山梨日羽梨。

 

5組目・ミリアム・ヒルデガルド・v・グロピウス、遠野㮈輝、木古都々里、ロザリンデ・フリーデグンデ・v・オットー、田村那岐。

 

 

 

 

壱「ん?ウフフ。」

 

ミリアム「ん?壱も出るのか。」

 

壱はジェスチャーした。

 

ミリアム「なっ!?ちびっ子には負けんじゃと!?んにゃろめ!!」

 

 

 

 

二水「競技開始です!!!」

 

 

 

 

”ゴーン!ゴーン!”

 

夢結「っ!!」

 

弥宙「私とお手合わせお願いします!夢結様!!」

 

月詩「こんな時でもないと構って貰えませんから!!」

 

辰姫「倒しちゃったらごめんなさいです!!」

 

亜羅椰「ちょっと!!抜け駆けしないでよ!!」

 

夢結はブリューナクを構えた。

 

 

 

 

依奈「コラ!!夢結は敬遠しなさいって言ったでしょ!!」

 

天葉「しょうのない子達ねぇ。」

 

樟美「いいなぁ〜。」

 

 

 

 

梨璃「お姉様!!」

 

結梨「あ〜。」

 

 

 

 

龍馬「夢結人気だな。」

 

京輔「・・・」

 

 

 

 

弥宙・月詩・辰姫「いざ!!」

 

夢結「ハァッ!!」

 

だが瞬殺された。

 

弥宙・月詩・辰姫「いやああああーーーーー!!」

 

夢結「もっと本気でいらっしゃい。」

 

 

 

 

ミリアム「ヘヘッ!迂闊じゃのう!!」

 

壱「隙だらけよグロピウスさん!!」

 

ミリアム「黙らっしゃい!!」

 

ミョルニールを壱のCHARMに強く叩き込んだ。

 

壱「私は本当は夢結様とお相手して欲しかったけど、今日はアンタで我慢してあげるわ!!」

 

ミリアム「なんの!!必殺!!フェイズトランセンデンス!!」

 

ミョルニールからビームを発射。だが壱が避けた。

 

壱「避けてしまえば皆同じよ!!」

 

ミリアム「ヘヘッ!避けてくれてありがとうなのじゃ!」

 

壱「え!?」

 

ビームが壱の後ろの的に直撃したのだ。

 

 

 

 

二水「ミリアムさんのフェイズトランセンデンスで勝ちです!!」

 

結梨「ん?フェイズ?」

 

 

 

 

ミリアム「まぁ!ワシがちょいと本気を出せばこの位・・・」

 

だが彼女はフラフラしてぶっ倒れて気絶してしまった。

 

アナウンス「救護班!!急げ!!」

 

 

 

 

京輔「ミリアム。やり過ぎたようだな。」

 

龍馬「レアスキルのフェイズトランセンデンス。流石に強烈過ぎたな。」

 

 

 

 

 

 

一柳隊・控室。

 

ミリアム「あぁ・・・・・」

 

百由「中々派手に決まったじゃない!さぁ!お次はグロッピのエキシビジョンの為に私手作りの仕掛けを用意しといたから!存分に踊って頂戴ね!」

 

ミリアム「百由様は、ワシのフェイズトランセンデンスを何と思っとるんじゃ・・・?」

 

百由「ほえ!?そりゃあもう、リリィを保有するマギを一瞬で放出するちょっとヤバげなレアスキルでしょ?」

 

ミリアム「ちゅー事で見ての通り、ワシのマギはスッカラカンなので今日は店仕舞いじゃ。」

 

百由「・・・あれ?どーーすんのよ!!!今日の為に私がどんだけ準備したと思ってんの!!!」

 

ミリアム「悪かったのう!!ちょっと調子に乗ってしまったのじゃ!!」

 

喧嘩勃発。だがすぐ鎮まった。

 

ミリアム「じゃがどうせ、他に適当な奴が居るじゃろう。」

 

 

 

 

 

 

グラウンドでは、ヒュージが出現していた。

 

結梨「・・・・」

 

 

 

 

梨璃「ちょっ!!ちょっとこれどう言う事ですか!?」

 

鶴紗「見ての通り。午後のエキシビジョンマッチ。」

 

龍馬「まさかヒュージが。」

 

二水「百由様が研究の一環で作成したヒュージロイドと、ミリアムさんの特別対戦のはずですが・・・」

 

梅「あぁ。梅がミリリンの代わりに登録し直したぞ。」

 

梨璃「そんな!?」

 

京輔「何故そんな事したんだ?」

 

梅「相手は百由の作った何かだろ?大丈夫じゃないか?」

 

楓「百由様だから心配なのでは・・・?」

 

京輔「それな。」

 

すると結梨とヒュージロイドの周りに檻が展開した。

 

梨璃「あわわわわわ!!!」

 

百由「あららー、間に合わなかったか。」

 

龍馬「張本人来た。」

 

梨璃「百由様!どうにかして下さい!!」

 

百由「いやぁ〜、この檻、勝負が付くまで開かないのよぉ。」

 

梨璃「ええええ!?」

 

梅「要は結梨が勝てば良いんだろ?」

 

雨嘉「エキシビジョンだから、当然リリィが勝つように設定して・・・ありますよね!?」

 

百由「いいえ!その逆よ!ゴリゴリにチューニングして、グロッピもイチコロのはずだったのに・・・結梨ちゃんが危ないわ!!」

 

ミリアム「百由様!ワシをどうする気だったんじゃ!?って慌てるの遅いわ!!」

 

百由「名付けて!メカルンペルシュツルツヒュンペル君よ!!」

 

ミリアム「名前まであんのかい!!余程お気に入りじゃの!!」

 

梨璃「初心者が無茶するのは私の役目じゃなかったんですかーーーー!?」

 

神琳「時代が変わったんでしょう。」

 

二水「はい!百合ヶ丘のゴシップは今はすっかり謎の美少女・結梨ちゃんに通って変わられましたから!!」

 

梨璃「二水ちゃんまで!?」

 

 

 

 

結梨「梨璃ーーー!!私やるよ!!」

 

 

 

 

梨璃「結梨ちゃん・・・」

 

 

 

 

結梨「私もリリィになりたいの!リリィになって、皆の事をよく知りたいの!だから見てて!!」

 

 

 

 

梨璃「・・・」

 

夢結「信じなさい。梨璃。あの子はちゃんと見ているわ。あなたもちゃんとご覧なさい。」

 

 

 

 

檻の中で、結梨がグングニルを構えた。

 

 

 

 

雨嘉「あれは!」

 

鶴紗「夢結様の型!」

 

京輔「頑張れよ結梨。」

 

 

 

 

檻の中。ヒュージロイドが高速回転した。

 

結梨「あっ!!」

 

グングニルで防いだが、ヒュージロイドが何度も攻撃し続ける。

 

 

 

 

那岐「押された時は前に出なさい!!」

 

ロザリンデ「そう!相手のペースは崩す為にあるのよ!」

 

眞悠里「止まらず動いて!!相手に隙を作らせれば勝機がある!!」

 

 

 

 

その言葉を耳にした結梨がヒュージロイドの攻撃を防いだと同時に走り出し、ヒュージロイドの胴体に乗ってグングニルを叩き込んだ。だがヒュージロイドが結梨を振り払った。振り払われた結梨が地面に落ちたが、すぐに体勢を立て直して走り出し、ヒュージロイドの攻撃をアクロバティックで避けた。

 

 

 

リリィ達「おおおーーー!!」

 

梨璃「皆・・・!」

 

他のリリィ達が結梨の戦いを応援している。

 

京輔「いいぞ結梨ーーー!!」

 

龍馬「そのまま押し切れーーー!!」

 

夢結「梨璃。私が最初に手解きした時の事、覚えてるでしょ?最初に教えたのは?」

 

梨璃「はい!敢えて受けて、流して斬る。」

 

夢結「そう。ホラ。」

 

 

 

 

檻の中でヒュージロイドと戦う結梨の姿を見る。

 

 

 

 

梨璃・夢結「敢えて受けて、流して・・・斬る!!」

 

 

 

 

結梨はその戦い方でヒュージロイドを十字型に斬り裂いた。

 

 

 

 

史房「やったーーーー!!!っと、失礼。」

 

高松「・・・・」

 

 

 

 

京輔「凄えぞ!!最高だ!!天才だ!!」

 

龍馬「凄えぞ結梨!!!」

 

 

 

 

結梨「梨璃!!皆!!見てたー!?私出来たよーーー!!」

 

梨璃「うわああーーーん!結梨ちゃん偉いよーーーー!!」

 

結梨「うんうん。泣くな梨璃。」

 

 

 

 

百由「あああ・・・メカルンペルシュツルツヒュンペル君がぁ・・・」

 

ミリアム「もうええじゃろう。」

 

”ピロリロリロリン”

 

百由「ん?」

 

携帯を出した。解析科からの着信が来た。

 

 

 

 

 

 

閉会式。

 

雨嘉「あわわわわわわ・・・・・」

 

競技会は、雨嘉がコスプレ部門で最優秀リリィに選ばれた。

 

鶴紗「雑なオチだな。」

 

雨嘉「ニャーーーー・・・」

 

鶴紗「ニャーーー!!」

 

リリィ新聞に雨嘉の記事がドドンと載った。

 

 

 

 

 

 

その夜。理事長室。

 

百由「解析科から、結梨ちゃんのDNAの解析結果が届きました。」

 

高松「うむ。」

 

百由「彼女のDNAは・・・平均的な女性である事は確かです。が、何処か不自然で・・・何と言うか・・・平均的過ぎるんです。普通の人間は何処かしら偏っているのが当たり前なのに・・・」

 

高松「要点を頼む。」

 

百由「・・・彼女はヒュージに由来する個体。と言うのが私の結論です。」

 

高松「人化したヒュージと言う訳か・・・」

 

百由「驚かれません?」

 

高松「残念だが、先手を打たれた・・・研究機関ゲヘナと、CHARMメーカー・グランギニョルが共同研究していた実験体の紛失を、国連に届け出た。連中・・・彼等が言うには、彼女はヒュージから作り出した幹細胞を元に生み出された・・・人造リリィだそうだ。」

 

結梨の正体は、ヒュージの幹細胞を元に造り出された人造リリィだった。

 

百由「その表現、胸糞悪いです・・・」

 

高松「可能なのか?」

 

百由「ヒュージのDNAは、多層源の無聴力を起こしていて、これまで地球上に現れた全てのDNA情報を備えていると言われています。その中には勿論、人の物もあって、箱舟に例える学者も居る程です。あぁまぁ、どうやったかは知りませんけど・・・行為としては可能です・・・」

 

高松「倫理を無視した完全な違法行為だ。しかも連中は、己共の不始末を晒してまで彼女の変換を我々に要求して来よった。」

 

史房「どうします?」

 

高松「彼女が人でないとなると・・・学院は彼女を守る根拠を失う事になる。」

 

百由「・・・」

 

史房「っ!CHARMメーカー・グランギニョルの総帥は、楓・J・ヌーベルの父親です。」

 

 

 

 

 

 

外では、楓が何処かへ電話していた。

 

楓「もしもし?お父様?」

 

 

 

 

彼女が父親に電話してる光景を、京輔が覗いていた。

 

京輔「・・・・」

 

『To Be Continued・・・』




キャスト

稲葉京輔:千葉翔也

仁科龍馬:畠中祐

一柳梨璃:赤尾ひかる
白井夢結:夏吉ゆうこ
楓・J・ヌーベル:井澤美香子
二川二水:西本りみ
安藤鶴紗:紡木吏佐
吉村・Thi・梅:岩田陽葵
郭神琳:星守紗凪
王雨嘉:遠野ひかる
ミリアム・ヒルデガルド・v・グロピウス:高橋花林
一柳結梨:伊藤美来

真島百由:水瀬いのり

田中壱:洲崎綾
天野天葉:津田美波
江川樟美:原田彩楓
遠藤亜羅椰:関根明良
番匠谷依奈:立花理香
森辰姫:三川華月
金箱弥宙:広瀬ゆうき
高須賀月詩:前島亜美
出江史房:長妻樹里
秦祀:田中那実
内田眞悠里:櫻川めぐ
六角汐里:高橋李依
伊東閑:七瀬彩夏
田村那岐:三浦千幸
ロザリンテ・フリーデグンデ・v・オットー:綾瀬有
立原紗癒:根元京里
倉又雪陽:M・A・O
妹島広夢:佐伯伊織

高松咬月:中田譲治





アサルトビルド HAZARD!

梨璃「大丈夫だよ結梨ちゃん。帰る場所はきっとあるから!」

第10話・狙われたリリィ

京輔「逃亡の法則は、決まった。」


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第10話「狙われたリリィ」

百合ヶ丘女学院・屋上。

梨璃「・・・!」

髪切りハサミを持った梨璃が震えている。

梨璃「う、動かないでね?結梨ちゃん!動いちゃダメだからね・・・!」

彼女は結梨の散髪に挑戦していた。

結梨「梨璃。落ち着け。」

梨璃「だって前髪だよ?」

結梨「ちゃちゃっと済ませて朝練するんでしょ?ウフフ。くすぐったい。」






その頃京輔と龍馬は食堂で朝食を食べていた。

龍馬「成功したんだな。CHARMの改造。」

京輔「あぁ。それに伴い、ヒュージ細胞を浄化して新しいフルボトルを開発。そいつをCHARMで強化出来るアイテムとして役立つだろう。」

龍馬「どんなフルボトルなんだ?」

京輔「ユリフルボトル。百合ヶ丘のシンボルを模したんだ。」

テーブルの上に白いフルボトルを置いた。

龍馬「これがユリボトル?」




謎の生命体「ヒュージ」に対抗する為
リリィの少女達は
CHARMを用いて戦い続けている

更に繁殖し続ける謎の生命体
ヒュージの前に
仮面ライダーが立ち開かる



百合ヶ丘女学院・理事長室。

 

高松「ヒュージ研究の国際機関ゲヘナと、フランスに拠点を置くCHARMメーカー・グランギニョルは、捕獲したヒュージの体組織から幹細胞を作り出した。ヒュージのDNAには、過去この地球上に発生した凡ゆる生物のDNAが増幅して保存されていると言われている。彼等は人造リリィを作る為、その中から人の遺伝子を発現させようと試みた。今我々が保護しているのが、連中の言う実験体と言う訳だ。彼女はリリィでないとなれば、学院は彼女を匿う根拠を失うと言う事になる。」

 

史房「我々に選択肢はないと言う訳ですね?」

 

 

 

 

廊下では、夢結が1人で歩いている。

 

夢結「ん?」

 

目の前に生徒会の3人が歩いて来た。

 

夢結「ごきげんよう。」

 

史房「ごきげんよう。」

 

祀「ごきげんよう。」

 

3人は挨拶して何処かへ向かった。

 

 

 

 

 

 

3人は梨璃と結梨に、結梨を政府に引き渡すよう要望した。

 

梨璃「そんな・・・嘘です!間違いです!そんな訳・・・あるはずないじゃないですか!!」

 

史房「そこをお退きなさい。梨璃さん。」

 

梨璃「結梨ちゃんをどうするんですか!?」

 

史房「答える必要はありません。」

 

梨璃「・・・・」

 

夢結「私もお聞かせ願いたいです。」

 

そこに夢結が現れた。

 

夢結「結梨は、私達レギオンの一員です。訳を知る権利はあるかと。」

 

???「俺達にも聞かせてくれ。」

 

そこに京輔と龍馬も来た。

 

龍馬「結梨を要求する理由を、教師である俺達にも聞かせてくれ。」

 

史房「・・・残念だけど、ゲヘナとグランギニョルが開示した資料で、結梨さん。いえ、その個体はヒュージだと確認されたわ。」

 

夢結「ヒュージ・・・!?」

 

眞悠里「彼女が見付かる直前、ゲヘナの実験船がヒュージネストに異常接近していた事が確認されたわ。ネストから発せられるマギを利用しようとしたのでしょう。船はヒュージの襲撃で沈み、殆どの実験体は発現する事なく失われたけど、1つだけ残ったのも。」

 

京輔「・・・・・」

 

梨璃「だ、だけど・・・皆さんだって知っているはずです!!結梨ちゃんは私達と何も・・・何も変わらないって!!」

 

結梨「梨璃、怒ってる?」

 

史房「お退きなさい。梨璃さん。」

 

梨璃「結梨ちゃんをどうするんですか!?」

 

祀「ゲヘナとグランギニョルが、引き渡しを求めています。」

 

梨璃「引き渡したら、結梨ちゃんはどうなるんです!?」

 

夢結「人間としては、扱われないでしょうね。」

 

梨璃「何で・・・何でそんな事を・・・!!」

 

彼女は激怒し、涙を流した。

 

結梨「梨璃・・・」

 

梨璃「結梨ちゃん・・・結梨ちゃんは・・・どうしたい・・・?」

 

結梨「・・・昨日は、梨璃や夢結や皆と競技会やって凄く楽しかった・・・私・・・ずっと皆と一緒に居たい!!」

 

梨璃「・・・!!」

 

一緒に居たい結梨に、梨璃は嬉し泣きを浮かべた。夢結は梨璃を優しく抱き締めた。しばらく抱いた後、ゆっくりと離した。夢結は下がる時に京輔と龍馬に目を向けた。2人はそれを理解して頷いた。

 

結梨「梨璃・・・悲しい匂いがする・・・」

 

梨璃「ごめんね?私、もう泣かないから!」

 

制服のボタンを外し、下に投げて閃光弾を発した。

 

『ビルドチェンジ!』

 

『クローズチェンジ!』

 

その隙に京輔と龍馬が専用マシンに乗り、梨璃と結梨を乗せて逃げた。

 

祀「梨璃さん!!逃げた!?」

 

史房「何て事を・・・!!」

 

 

 

 

マシンビルダーとマシンクローザーが森の中を駆けてる。京輔の後ろに梨璃が乗り、龍馬の後ろに結梨が乗ってる。

 

 

 

 

理事長室。

 

夢結「結梨を学院で保護すべきです。結梨が危険な存在とは、私には思えません。」

 

高松「ヒュージと心通わす相手と見なす事は、人類にとっての禁忌だ。ヒュージと同じマギを操るリリィもまた、1つ間違えば脅威と捉え兼ねない。それだけは絶対に避けねばならん。現在、防衛軍の部隊がこの学院に迫っている。人とリリィが争う事態は絶対に避けねばならん。」

 

 

 

 

結梨『私・・・皆とずっと居たい!!』

 

 

 

 

夢結「リリィを恐れる人達は、皆怯えているのでしょう。私達が自由に生きる事を願うのは、そんな事でしょうか?」

 

 

 

 

 

 

森の中を駆ける4人は。

 

クローズドラゴン『ーーーーーー!!』

 

龍馬「防衛軍の連中が学院に迫っているだと?」

 

京輔「人気のない場所へ行くぞ。」

 

進路を変えて、人気のない場所へ向かった。

 

梨璃「・・・・」

 

結梨「・・・・」

 

 

 

 

 

 

一柳隊控室。

 

二水「どうするんですか!?どうするんですか!?結梨ちゃんがヒュージで、梨璃さんと京輔先生と龍馬先生が一緒に逃げて逮捕命令だなんて!!」

 

雨嘉「どうする?」

 

二水「そんなの決まってますよ!!だって結梨ちゃんがヒュージなはずないじゃないですか!!梨璃さんは間違ってないですよ!!」

 

神琳「だけど、学院から逃げたと言う事は、ここも安全ではないと判断した事よ。」

 

二水「・・・・・」

 

鶴紗「私はブーステットリリィだ・・・昔、ゲヘナに身体中をいじくり回された・・・」

 

雨嘉「ブーステットリリィ・・・?」

 

二水「リリィの能力を人工的に強化しようと言う試みです。」

 

鶴紗「百合ヶ丘に保護されて、やっと抜け出せた・・・ゲヘナは嫌いだ・・・信用出来ない・・・」

 

するとそこに夢結がドアを開けて戻って来た。

 

夢結「出動命令よ。梨璃と先生の逮捕命令。結梨には捕獲命令が出たわ。4人を追います。」

 

神琳「それは・・・何の為です?」

 

夢結「一柳隊は、どの追っ手よりも4人を早く捜し出し、保護します。これは副隊長としての私の判断です。異議のある者は従わなくて構いません。」

 

梅「それって学院からの指示とは違うよな?」

 

夢結「指示は学院ではなく、政府から出たものです。だけど、私達はリリィよ。リリィがリリィを守るのは、当たり前の事でしょ?」

 

二水「夢結様ならそう言ってくれると信じていました!!」

 

梅「ん?そう言えば楓は?」

 

ミリアム「彼奴ん家も今回の件で関わっているようじゃからな。罰もあるかろう。」

 

 

 

 

 

 

一方楓は、父親に電話していた。

 

総帥『楓か?』

 

楓「ようやく出て下さいましたわね。お父様。」

 

総帥『元気か?』

 

楓「えぇ。ピンピンしていますわ。」

 

総帥『すまないが、今は都合が悪い。後で此方から・・・』

 

楓「でしょうね。随分とやらかしてくれましたわ。」

 

総帥『すまない・・・この件でさぞ苦労を掛けたと思う・・・だが会社の事を口に出すのは、例えお前でも・・・』

 

楓「お父様が許すか許さないかは関係ありません。このままでは私がお父様を一生許せなくなります。」

 

総帥『・・・ゲヘナからの提案は、愚劣極まりないものだった・・・心から軽蔑するべきものだ・・・ヒュージからリリィを造るなど・・・』

 

楓「ヒュージから造ったリリィならどうなろうと構わないと言う事ですか?吐気がしますわ。」

 

総帥『私はお前のような娘達が、戦わなくて済むようになるなと、それを受け入れた。』

 

楓「CHARMメーカーの総帥とは思えないお言葉ですね。そのお志には感銘を禁じ得ませんが・・・お父様は間違っています。実験は失敗ですわ。だってあの子、私達とは何も変わりませんもの。結局、何処かに傷付くリリィが居る事に変わりはありません。お願いですお父様。私に自分の運命を恨むような惨めな思いをさせないで下さい。マギを持ち、リリィになった事も。お父様の娘に生まれた事も。」

 

総帥『・・・・』

 

通話を切った楓は表情を曇らせた。

 

 

 

 

 

 

一柳隊控室。

 

楓「皆さんお揃いですのね。」

 

梅・ミリアム「あ!」

 

鶴紗「何処へ行ってた?」

 

楓「ほんの野暮用ですわ。」

 

梅「梅達は梨璃と結梨と先生達に付く。楓は?」

 

楓「あぁ〜!残念ですわぁ〜。梨璃さんをお助けする栄光を私の独り占めに出来ないなんてぇ〜!」

 

神琳「今回の件、楓さんは何かご存知ないのですか?」

 

楓「例え知っていたとしても、私には関係のない事ですわ。」

 

夢結「・・・」

 

ミリアム「そっかぁ。んじゃ、決まりじゃな!」

 

 

 

 

 

 

その夜、京輔達は人気の無い危険区域前に居た。

 

結梨「ここ、何処?」

 

京輔「ヒュージに襲撃されて放棄された危険区域だ。」

 

結梨「ここの人達は何処へ行ったの?」

 

龍馬「分からない。けど、避難しているのは確かだ。」

 

結梨「皆、ヒュージを憎んでいるよね?私の事も憎むのかな?」

 

梨璃「そんな事言っちゃダメ!!ダメだよ・・・!そんな事言っちゃ・・・!」

 

結梨「ごめん。梨璃、泣かないで・・・私も、また皆に会いたい。」

 

京輔・龍馬「・・・・」

 

 

 

 

 

 

翌日。高松は、安全保障審査委員会に尋問を受けていた。

 

長官「本日早朝に捕獲命令に出したヒュージを、百合ヶ丘のリリィと仮面ライダーの2人が連れ出し、逃亡したと言う報告が複数寄せられている。」

 

高松「事実です。今は彼女達の身を保護すべく、学院を上げて対応中です。」

 

副長官「彼女達?逃亡したリリィ1名と仮面ライダー2名とヒュージ1体だ。気を付けたまえ。」

 

委員「マギと言う得体の知れない力に操られるヒュージ。それに対抗するリリィもマギを操ると言う点で潜在的な脅威になりうると危険視されている。」

 

副長官「今更リリィ脅威論を押し返されたくはないだろう。」

 

長官「何か言い分は?」

 

高松「・・・はぁ。彼女達の願いは、ただ自由に生きたい。それだけです。」

 

副長官「フッ、フハハハ。いや失礼。そりゃあ誰だってそうでしょう。そうは言ってもですよ?マギを扱えるのが人類にとってリリィだけなら、彼女達に掛かる負担と言うのも、そう言うものだと納得出来ませんか?それに、あの仮面ライダーと言う存在。あれはマギすら使わずにヒュージを討伐している。我々でも解析は不可能だが、そちらは何か知っているのですか?」

 

高松「・・・・・」

 

 

 

 

 

 

一方ローエングリンのメンバー達は。

 

紗癒「わぁ〜!コンビニなんて久し振りだわぁ〜!」

 

広夢「浮かれないでよ。私達追跡任務中なんだよ?」

 

雪陽「そう言う広夢さんだって、デザート2つも買ってるよ?」

 

広夢「エ、エネルギー補給だから!」

 

紗癒「他のガーデンのリリィにも、出動要請が出たそうですね。」

 

雪陽「え?防衛軍だけじゃなく、他所のガーデンまで?」

 

 

 

 

エレンスゲ女学園のヘルヴォルや、神庭女子藝術高校のグラン・エプレも出動要請が出ていた。

 

 

 

 

広夢「ねぇ、ハッキリしておきたいんだけど。私達はどっちに付く?」

 

紗癒「どっち?それって、命令に従わない事もあるって言う事?」

 

雪陽「百合ヶ丘じゃなくて、政府から出ている命令でしょ?怒られません?」

 

広夢「私は、自分で見て感じたものを信じたい。可笑しいかな・・・?」

 

紗癒「1つ間違えば、人とリリィ、リリィとリリィ同士の戦いになり兼ねませんよ。」

 

広夢「ならないよ。私達はリリィでしょ?敵はヒュージだけ。」

 

紗癒「まぁリリィには、状況に応じた判断を下す権限は与えられてはいるんだけど・・・その為の訓練だって受けてるものね。」

 

広夢「じゃあ、私達にとって今大事なのって、結梨は人かヒュージかって事よね?」

 

雪陽「うん。じゃあ意見を纏めよう。結梨さんは人かヒュージか。」

 

3人「せーの・・・人!!」

 

満場一致で人と言った。

 

 

 

 

 

 

安全保障審査委員会。

 

委員「失礼だが、理事長代行は話を逸らしているようだ。」

 

高松「年端も行かぬ娘達を、戦いの矢面に差し出すのです。我々が何の為に戦っているのかは、常に問い続けるべきかと。」

 

副長官「リリィを要するガーデンには、この時世にも関わらず破格の待遇を有している。何の為か?明白だ。ましてはヒュージを庇うリリィなどあってはならん存在だ!」

 

長官「怪物と対峙する者は、気を付けねばならない。自らもまた怪物になってしまわぬように。」

 

高松「左様。我々も肝を命じるべきでしょうな。」

 

”ガチャ”

 

ドアを開けた人物は、百由だ。

 

高松「失礼。新しい報告が入ったようだ。」

 

百由「初めまして〜。百合ヶ丘女学院の工廠科2年の真島百由です。マギに関する論文は昨年だけで51。その界隈では週刊百由って呼ばれてますね。」

 

高松「百由君。」

 

百由「おっと失礼しました。いきなり結論ですが、結梨ちゃんは人です。ヒュージじゃありません!」

 

委員達が怪訝な表情を浮かべた。

 

百由「はい論拠ですね?」

 

タブレットを操作し、画面を映し出した。

 

百由「結梨ちゃんのゲノムを解析した結果、99.9%の制度で人と一致しました!」

 

委員「100%ではないのだな?」

 

百由「はい勿論です!100%の人と言うのは存在しません。だって私とあなたは同じですか?違いますよね?皆違うんです。多様性の獲得こそが、生命の生存戦略の根幹だから、ゲノムは日々更新されています。だから違って当たり前。私もあなたも99.9%の人なんですよ。」

 

副長官「だがヒュージだ!!!!」

 

百由「それなんですが、遺伝子的に人であると認められた者は由来の遺憾を問わず人とみなす。と言う国際条約が20年も前に発行されているんです。倫理的に不適当な研究が横行した時期ですね。勿論我が国にも批准しています。去年ですけど。」

 

長官「だがヒュージはヒュージだ!!!!例外などない!!!!」

 

百由「因みにヒュージ由来の遺伝子は、結梨ちゃんが人化した時点で機能も喪失している事が確認されました。何とこれが今回の当事者でもあるグランギニョル側から提供された資料からの裏付けです。いやぁ〜、これがなかったら後1日は掛かっていたでしょうねぇ〜。」

 

委員達は反論出来ず苛立っていた。

 

百由「もう1度申し上げます!!結梨ちゃんは人です!!」

 

高松「ならば彼女は、リリィと言う事でもありますなぁ。」

 

長官「命令違反は!!!」

 

高松「捕獲命令自体に根拠がなかったと言う事です。撤回しても宜しいですかね?」

 

長官「我々の処置は適切だった・・・!!!」

 

高松「事実が明らかではなかったのですから、致し方ないでしょう。リリィ2人と仮面ライダー2人の処分は学院が後日責任を持って下します。言うまでもないが、結梨君がリリィと分かった以上、前例に則り彼女の身は当学院で保護するものとします。」

 

委員達「・・・・」

 

高松「前例万歳だな。」

 

 

 

 

 

 

一方京輔達は、廃校に身を潜めていた。

 

結梨「何時までここに居る?梨璃。」

 

梨璃「分かんない・・・」

 

京輔「まぁ、俺達が勢いで出て来ちゃったけど。」

 

梨璃「だけど・・・」

 

 

 

 

 

 

あの時夢結にハグされた時。

 

夢結『逃げなさい梨璃。西に無人になった街があるわ。今は時間を稼いで。私が必ず迎えに行くから。』

 

そして2人を見た時。

 

夢結(梨璃と結梨と一緒に逃げなさい。私達も後で追うわ。)

 

京輔(分かった。)

 

龍馬(あぁ。)

 

 

 

 

 

 

梨璃「大丈夫。ここに居ればお姉様や皆がきっと来てくれるから。」

 

龍馬「それまでもう少しの辛抱だ。」

 

結梨「ヒュージって、私に似てるのかな?」

 

梨璃「え!?そんな、全然違うよ!」

 

結梨「でも私ヒュージなんでしょ?」

 

京輔「違うぞ?結梨は結梨。梨璃達と同じ普通の女の子だ。」

 

結梨「じゃあ私がヒュージの所へ行っても、そこにも居場所は無いんだね。」

 

梨璃「・・・・・」

 

結梨「私、なりたくてこんな風に生まれた訳じゃないんだけどなぁ・・・梨璃もそんな風に思う事ある?」

 

梨璃「そんなの何時もだよ・・・お姉様みたいなサラサラな綺麗な黒髪だったらなぁとか・・・何時も優しくて、格好良くなれたらいいなぁ・・・とか。」

 

結梨「ふぅ〜ん。じゃあきっと夢結は、夢結に生まれて幸せだね。」

 

梨璃「っ!?」

 

今まで夢結が覚醒したルナティックトランサーや、彼女が心を閉ざしていた事を思い出した。

 

梨璃「・・・・・」

 

彼女は、結梨を抱き締めた。

 

梨璃「ごめん・・・何にもならなくていいよ・・・結梨ちゃんは、結梨ちゃんのままでいい・・・」

 

結梨「でもね、梨璃が結梨って名付けてくれたから、私は結梨になったんだよ?それは、私とっても嬉しい。」

 

梨璃「大丈夫・・・帰る場所はきっとあるよ・・・皆が作ってくれるから・・・」

 

 

 

 

???「えぇ。一緒に帰りましょう!」

 

 

 

 

梨璃「っ!!」

 

聞き覚えのある声が聞こえた。それは、夢結の声だった。一柳隊の皆が来てくれたのだ。

 

梨璃「お姉様!皆!」

 

京輔「遅かったなお前達。」

 

龍馬「待ち草臥れたぜ。」

 

夢結「理事長代行と百由が、政府を説得してくれたわ。結梨は人間で、リリィと認められた。もう大丈夫よ。」

 

京輔「そうか。流石百由だぜ。」

 

楓「梨璃さんとの逃亡劇を少しは期待していたのに、もうお終いですの?」

 

梅「梨璃と先生の逮捕命令も撤回されたぞ!良かったな!」

 

梨璃「た、逮捕!?そんな事になってたんですか!?」

 

龍馬「そりゃあ、彼女と一緒に無断で逃げ出したからなぁ・・・」

 

京輔「そうだ。皆にこれを渡さなきゃな。」

 

10本のユリフルボトルを皆に分け与えた。

 

夢結「これは?」

 

京輔「ユリフルボトル。お前達の持つCHARMの力を強化出来るフルボトル。」

 

ミリアム「おぉ〜!これが噂の新しいフルボトルかぁ〜!」

 

京輔「因みにそれ、ヒュージ細胞から作り出したんだ。」

 

雨嘉「ヒュージの細胞から!?それって危険なんじゃ・・・」

 

京輔「大丈夫だ。完全に浄化されているから、使っても影響は出ない。」

 

雨嘉「そうなんですか・・・」

 

梨璃「あれ?でもどうしてここが?」

 

二水「あ、凄く分かり易かったです・・・」

 

廃校の外では他のレギオンと防衛軍が待機していた。

 

京輔「おまけにドラゴンが防衛軍のドローンを真っ向に壊し続けたからバレるのは当たり前だ・・・」

 

クローズドラゴンは、防衛軍が使う偵察ドローンを破壊し続けたのだ。

 

 

 

 

 

 

外では、史房が高松に電話していた。

 

史房「えぇ。交戦は行われる事もなく・・・え!?」

 

上空を見ると、防衛軍の戦闘ヘリが何処かへ向かって行く様子が見えた。更に戦車や装甲車も何処かへ向かって行った。その理由は・・・

 

 

 

 

 

 

大海原にヒュージネストが発生していたからだった。

 

 

 

 

 

 

巨大ヒュージが現れ、個体を射出した。個体は光を吸収し、その光を重ね合わせてビームを放った。ビームは海から海岸へ沿って行った。

 

汐里「退避!!!」

 

その場に居たリリィ達が即座に退避した。

 

汐里「あっ!大気が引き裂かれている・・・!?」

 

さっきのビームが大気を焼き尽くしたのだ。

 

 

 

 

梅「何だあのヒュージ・・・!?」

 

神琳「マギを直接攻撃に使っている・・・」

 

雨嘉「そんな事したら、あっと言う間にマギが無くなっちゃうのに・・・」

 

結梨「あれがヒュージ?」

 

梨璃「うん。だと思うんだけど・・・何か・・・」

 

夢結「ヒュージは、マギに操られる事があっても、自らマギを操る事はないはずよ?どうして・・・」

 

京輔「厄介が増してやがるな・・・」

 

龍馬「一刻も早く奴を駆逐しなきゃ。」

 

京輔「だな。行くぞ。」

 

龍馬「おう!」

 

2人はビルドドライバーを装着した。京輔はハザードトリガーを出し、龍馬はクローズマグマナックルを出した。

 

京輔「さあ、実験を始めようか!」

 

『マックスハザードオン!』

 

ハザードトリガーをビルドドライバーに挿し、フルフルラビットタンクフルボトルを5回振った。

 

『ラビット!』

 

フルフルラビットタンクフルボトルを折り畳んで、ビルドドライバーに装填。

 

『ラビット&ラビット!』

 

龍馬はクローズマグマナックルにドラゴンマグマフルボトルを挿した。

 

『ボトルバーン!』

 

ビルドドライバーに装填。

 

『クローズマグマ!』

 

2人がボルテックレバーを回した。

 

『ガタガタゴットン!ズッタンズタン!』

 

『Are you ready?』

 

京輔・龍馬「変身!!」

 

『オーバーフロー!』

 

仮面ライダービルド・ラビットタンクハザードフォームに変身した直後、現れたウサギ型の赤い強化アーマー・ラビットラビットアーマーを装着した。

 

『紅のスピーディージャンパー!』

『ラビットラビット!』

『ヤベーイ!ハエーイ!』

 

龍馬の背後にマグマライドビルダーが出現し、中で煮え滾る大量のヴァリアブルマグマを龍馬に頭上から流し込んだ。そして足元からヤマタノオロチのように八頭の龍が伸び上がり、冷めて全身に固着したマグマを後ろから押し割った。

 

『極熱筋肉!』

『クローズマグマ!』

『アーチャチャチャチャチャチャチャチャチャアチャー!』

 

2人が仮面ライダービルド・ラビットラビットフォーム、仮面ライダークローズマグマに変身した。

 

京輔「フルボトルバスター!!」

 

ビルドドライバーからフルボトルバスターが生成された。

 

結梨「あのヒュージやっつける?」

 

梨璃「うん。私達も早く百合ヶ丘へ・・・」

 

だが結梨が真っ先に巨大ヒュージに向かって走り出した。

 

梨璃「あ!!」

 

彼女は縮地を使って海面を走り抜ける。

 

梅「あれ縮地だ!梅のレアスキル!」

 

 

 

 

京輔「結梨!!」

 

フルボトルバスターをバスターキャノンモードへ変形させ、冷蔵庫フルボトルを装填した。

 

『冷蔵庫!』

 

『フルボトルブレイク!』

 

京輔「ハァッ!!」

 

高いジャンプ力を駆使しながら、海に向かって氷のエネルギー弾を連射した。凍った海の上に飛び移りながら結梨を追う。

 

龍馬「彼奴!!」

 

背部の「ソレスタルパイロウィング」で飛翔し、結梨とビルドを追う。

 

 

 

 

二水「結梨ちゃん、海の上を走っています!」

 

梅「見りゃ分かるけど、梅だってそんな事した事ないぞ!」

 

ミリアム「フェイストランセンデンス・・・ワシの技を組み合わせたのじゃ!」

 

神琳「それってデュアルスキラー?それともエンハンスメント?」

 

ミリアム「じゃが、すぐにマギを使い果たして終わりじゃが・・・」

 

 

 

 

海面。

 

京輔「結梨!」

 

結梨「先生!」

 

龍馬「1人で行くな!俺達も手伝う!」

 

結梨「うん!」

 

彼女はヒュージネストと巨大ヒュージを交互に見る。

 

結梨「彼処、繋がっている!」

 

京輔「何?」

 

 

 

 

海岸では、梨璃が海に向かって走り出した。

 

梨璃「っ!!」

 

夢結「梨璃!!」

 

楓「走ったって追い付けませんわ!!」

 

 

 

 

マギを使って、海の上をジャンプしながら進む。

 

梨璃「まだ無理だよ!!本当の戦いなんて!!」

 

 

 

 

巨大ヒュージが再びマギを集め始めた。

 

 

 

 

汐里(あんなの何度もやられたら・・・百合ヶ丘が壊滅しちゃう・・・!)

 

 

 

 

二水「何か変です!ヒュージのマギとネストのマギが呼び合って・・・まるでネストのマギを吸い取っているみたいな・・・!!」

 

神琳「ネストからマギを供給されているのだとしたら、無尽蔵にマギを使えると言う事だけど・・・まさか・・・!!」

 

 

 

 

巨大ヒュージがマギの光弾を連射した。3人はジグザグに避けながら巨大ヒュージへ迫る。

 

結梨「ハァッ!!」

 

京輔「ダァッ!!」

 

龍馬「フッ!!」

 

3人は高く飛翔した。

 

 

 

 

後ろでは梨璃が必死に結梨を追っている。しかし、マギの光弾が梨璃に直撃した。

 

梨璃「あぁっ!!」

 

髪飾りが外れ、彼女は海へ沈んでしまった。

 

 

 

 

結梨「ハァッ!!」

 

巨大ヒュージに向かう。

 

京輔「結梨!無茶をするな!ん?」

 

巨大ヒュージの個体がビルドの前に出現した。

 

京輔「丁度良い。お前達から片付ける!」

 

フルフルラビットタンクフルボトルを抜いて元に戻し、再度5回振った。

 

『タンク!』

 

再び折り畳んで、ビルドドライバーに装填した。

 

『タンク&タンク!』

『ガタガタゴットン!ズッタンズタン!』

『Are you ready?』

 

京輔「ビルドアップ!」

 

『オーバーフロー!』

 

ラビットラビットフォームをパージし、出現した戦車のアーマーを纏った。

 

『鋼鉄のブルーウォーリア!』

『タンクタンク!』

『ヤベーイ!ツエーイ!』

 

仮面ライダービルド・タンクタンクフォームへビルドアップし、フルボトルバスターにラビットフルボトルrとマグネットフルボトルを装填した。

 

『ラビット!』

『マグネット!』

 

『ジャストマッチデース!』

『ジャストマッチブレイク!』

 

赤青のエネルギー弾を放つジャストマッチブレイクで1つの個体を直撃させ、そこから磁場を発生させて他の個体を引き寄せた。

 

結梨「ヤアアァァァァ!!!」

 

大ジャンプした結梨が、引き寄せられた巨大ヒュージの個体をグングニルで斬り裂いた。

 

龍馬「ウオオオォォォォ!!!」

 

クローズマグマナックルで、結梨と一緒に個体達を粉砕した。

 

京輔「行くぜ!」

 

フルフルラビットタンクフルボトルをフルボトルバスターに装填した。

 

『フルフルマッチデース!』

『フルフルマッチブレイク!』

 

自身を戦車形態になり、周りを旋回しながら個体を砲撃で粉砕した。

 

結梨「私だって戦える!!だって百合ヶ丘のリリィだもん!!」

 

ユリフルボトルを、グングニルの柄頭に装填した。

 

『Ready Go!!』

『アサルトブレイク!』

 

大ジャンプし、グングニルから巨大な刃を発生させた。

 

『紅のスピーディージャンパー!』

『ラビットラビット!』

『ヤベーイ!ハエーイ!』

 

ビルドが再度ラビットラビットフォームに戻った。

 

京輔「勝利の法則は決まった!!」

 

フルボトルバスターにフルフルラビットタンクフルボトルを装填した。

 

『フルフルマッチデース!』

 

龍馬「力が漲る!魂が燃える!俺のマグマが迸る!!もう誰にも止められねぇぇぇぇ!!」

 

ボルテックレバーを回した。

 

『Ready Go!!』

 

8体のマグマライズドラゴンを足に収束させた。

 

『ボルケニックアタック!』

『アチャー!』

 

ボルケニックアタックで巨大ヒュージを貫いた。

 

龍馬「今だ!!!」

 

京輔「ダアアアァァァァ!!!」

 

結梨「ヤアアァァァァァ!!!」

 

『フルフルマッチブレイク!』

 

フルフルマッチブレイクとグングニルが巨大ヒュージを斬り裂いた。斬り裂かれた巨大ヒュージが光りに呑み込まれた。

 

 

 

 

光の中。

 

京輔「結梨。一緒に帰ろう。」

 

結梨「・・・」

 

京輔「結梨?」

 

持っているグングニルとユリフルボトルを京輔に渡した。

 

京輔「え?」

 

結梨「行って。」

 

すると彼女は、ビルドを押した。

 

京輔「なっ!?結梨!!」

 

押されたビルドが光から抜け出した。

 

結梨「梨璃・・・私・・・出来たよ!」

 

彼女は光に包まれた。

 

 

 

 

巨大ヒュージが大爆発を起こした。

 

 

 

 

 

 

戦いが終わったその夕方。

 

京輔「すまない梨璃・・・結梨が俺を・・・」

 

彼が持っているのは、結梨が遺したグングニル。梨璃はグングニルを見て崩れて顔を俯いた。ユリフルボトルは光となって消滅した。

 

梨璃「・・・先生・・・」

 

京輔「・・・あぁ・・・」

 

グングニルを梨璃に渡し、梨璃がグングニルを握った。

 

梨璃「朝は・・・結梨ちゃんの髪を切っていたんですよ・・・少し、伸び過ぎてたから・・・結梨ちゃん・・・笑ってて・・・私も・・・なのに・・・何で・・・」

 

龍馬「結梨・・・」

 

 

 

 

 

 

そして工廠科の研究所では、新たなフルボトルが完成していた。

 

『To Be Continued・・・』




キャスト

稲葉京輔:千葉翔也

仁科龍馬:畠中祐

一柳梨璃:赤尾ひかる
白井夢結:夏吉ゆうこ
楓・J・ヌーベル:井澤美香子
二川二水:西本りみ
安藤鶴紗:紡木吏佐
吉村・Thi・梅:岩田陽葵
郭神琳:星守紗凪
王雨嘉:遠野ひかる
ミリアム・ヒルデガルド・v・グロピウス:高橋花林
一柳結梨:伊藤美来

真島百由:水瀬いのり

出江史房:長妻樹里
秦祀:田中那実
内田眞悠里:櫻川めぐ
六角汐里:高橋李依
立原紗癒:根元京里
倉又雪陽:M・A・O
妹島広夢:佐伯伊織

総帥:桐本琢也
長官:利根健太朗
副長官:若林佑
委員:加藤渉

高松咬月:中田譲治





アサルトビルド HAZARD!

龍馬「梨璃・・・お前はこれからどうしたんだ?」

第11話・シルトの落し物

京輔「激励の法則は、決まった。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『ユリフルボトル』

絵・百合の花

色・白

京輔がヒュージ細胞を浄化させて開発したフルボトル。
改造したCHARMに装填する事で、CHARMの強化が可能。

音声は『アサルトブレイク!』


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第11話「シルトの落し物」

あの戦いの後日。百合ヶ丘の生徒達が結梨の墓の前で葬儀を始めた。その中に龍馬の姿も。

龍馬「結梨・・・」




理事長室では。

京輔「理事長代行。話がある。」

高松「話?」

京輔「俺を、龍馬の分と共に謹慎を与えてくれないか?」

高松「何故だね?」

京輔「俺も龍馬も梨璃と同じく結梨を連れて逃亡したのは事実。だから、龍馬の分の謹慎も俺に与えてくれ。」

高松「・・・分かった。だが君は一柳君と同じく1人分の謹慎を下す事になる。それで良いな?」

京輔「あぁ。」




謎の生命体「ヒュージ」に対抗する為
リリィの少女達は
CHARMを用いて戦い続けている

更に繁殖し続ける謎の生命体
ヒュージの前に
仮面ライダーが立ち開かる



食堂にアールヴヘイムが話し合っていた。

 

壱「どうして梨璃と先生が罰を受けないといけないんですか!?」

 

亜羅椰「結梨が人だって認められたなら、梨璃や先生のした事だってお咎めなしって事じゃありません?」

 

天葉「命令は命令。例えそれが間違いから出たとしても、撤回されるまでは有効よ。」

 

依奈「命令を守ったり守らなかったりでは、仲間を危険に晒す事もなるでしょう。」

 

壱「そんなの分かってます!けど、リリィには臨機応変な状況判断も認められているはずです!」

 

天葉「そうね。でもそれは百合ヶ丘での話。外にはそれを快く思わない人達も居るのよ。」

 

依奈「百合ヶ丘には、例え形式上でも梨璃さんを罰する必要があるの。」

 

亜羅椰「バッカバカしい。」

 

樟美「梨璃さん可哀想・・・」

 

壱「それじゃ丸で、見せしめですよ・・・」

 

 

 

 

 

 

地下では、1室に京輔と梨璃が謹慎処分を受けて待機している。

 

京輔「梨璃・・・」

 

梨璃「・・・」

 

すると部屋のドアが開いた。

 

夢結「梨璃。」

 

龍馬「京輔。」

 

京輔「夢結。龍馬。」

 

龍馬「気分はどうだ?」

 

梨璃「夢結様、龍馬先生、どうして・・・誰とも会えないって・・・」

 

夢結「シュッツエンゲルの特権ね。と言っても、ほんの10分程度だけど。」

 

龍馬「俺は特別に対面許可を貰ってる。」

 

夢結「どうかしら?具合は。」

 

京輔「ボチボチかな?」

 

梨璃「分からないです・・・」

 

夢結「そうね。バカな質問だったわ。」

 

梨璃「いえ・・・」

 

蹲る梨璃の隣に夢結が座った。

 

夢結「髪がボサボサね。こんな時でも、身嗜みは大切よ。」

 

京輔「って言っても、この状況じゃ身嗜みは出来ないんじゃ?」

 

夢結「それもそうね。」

 

龍馬「ん?梨璃、お前髪飾りはどうした?」

 

梨璃「え?ああ、そうですね・・・」

 

あの時結梨を追っていた最中に巨大ヒュージのマギの光弾に直撃してしまった時に髪飾りを落とした。

 

梨璃「無くなっちゃったんですね・・・」

 

龍馬「そうか・・・あ、そうだ京輔。これ、百由から預かったんだ。」

 

1つのフルボトルを京輔に渡した。

 

京輔「おぉ。遂に完成したんだな。」

 

夢結「新しいフルボトル?」

 

京輔「ジーニアスコアフルボトル。俺が密かに開発していたフルボトル。此奴を使うのは先になるな。」

 

 

 

 

部屋から出ると。

 

楓「私の部屋にも、こんな自動ドアが欲しいですわ。」

 

龍馬「楓。居たのか。」

 

夢結「施設課に上申なさい。」

 

楓「いちいち国しなくたってリリィなどしていれば、誰だって何かしら抱えているものですわ!」

 

夢結「ん?」

 

楓「お独り様など気取ってないで、少しは周りを頼ってみては如何と申し上げているんです。」

 

夢結「ああ。」

 

楓「本当、面倒臭いお方ですわ!」

 

龍馬「今日は何時にも増してご機嫌斜めだな。」

 

 

 

 

 

 

一柳隊控室。

 

楓「髪飾り?あの四つ葉のクローバーのですか?」

 

二水「そう言えばなくなってたかも。」

 

鶴紗「夢結様、それを探すつもりか?」

 

夢結「えぇ。」

 

龍馬「俺も一緒に探す予定だ。」

 

ミリアム「そうじゃな。1人じゃ無理じゃろうな。」

 

楓「まさか浜辺で無くした髪飾りを探す話とは、思いもよりませんでしたわ。」

 

龍馬「いや、頼れって言ったのお前だったろ?」

 

夢結「そうよ。今の梨璃は、心に固い殻を作ってしまっているわ。後悔や悲しみをその内側に押し込め続ければ、何時かは自分で自分を呪うようになるでしょう・・・」

 

龍馬「でも今の梨璃には京輔が付いてる。」

 

夢結「それはそうだけど・・・」

 

楓「丸で、誰かさんのようですわね。」

 

龍馬「あ〜・・・」

 

夢結「梨璃には、そんな風になって貰いたくないの。」

 

神琳「髪飾りを見付ければ、梨璃さんが立ち直ると?」

 

夢結「・・・・・」

 

楓「ああもう!分かりましたわ!やりゃあ良いんでしょう!」

 

神琳「奇跡は自らの手で起こすものです。普通の人なら無理だとしても、私達にはレアスキルがあります。」

 

鶴紗「探し物に便利なレアスキルなんてあったか?」

 

神琳「レアスキルは、組み合わせる事で無限の可能性を引き出せます。特に私のテスタメントは、増幅系のレアスキルですから、それで知覚系のレアスキルを強化して。」

 

二水「そっか!私の鷹の目を強化して貰えば良いんですね!」

 

楓「あら。私のレジスタだって知覚系ですわよ。」

 

ミリアム「ならば、ワシのフェイズトランセンデンスでマギの供給か。雨嘉と鶴紗は何じゃったっけ?」

 

雨嘉「私のは天の秤目。」

 

龍馬「確かナノレベルで対象の位置を把握出来るレアスキルだったよな?」

 

雨嘉「はい。そうです。」

 

鶴紗「ファンタズム。」

 

龍馬「未来予知系か。」

 

鶴紗「そうだ。」

 

神琳「知覚系が多いのは幸いね。ええと、夢結様は・・・あ!」

 

当の夢結はガッカリしていた。

 

夢結「私のルナティックトランサーなんて、どうせバカみたいに暴れるだけで・・・」

 

龍馬「あはは。前途多難だな・・・」

 

梅「気にすんな!私の縮地だって、ここじゃ役に立たないから。」

 

龍馬「テスタメント、レジスタ、ファンタズム、鷹の目、天の秤目、フェイズトランセンデンス。OK。このレアスキルで探そう。」

 

 

 

 

海岸で1日目。

 

龍馬「目標は梨璃の髪飾り。ミッションスタート!」

 

神琳「テスタメント、参ります!」

 

テスタメントを発動。二水の周りに青い波動が展開された。

 

二水「た、鷹の目!」

 

鷹の目を発動。二水の両目が赤く光った。

 

ミリアム「フェイズトランセンデンス!受け取れ!ワシのマギ!」

 

テスタメントとフェイズトランセンデンスが二水の鷹の目を強化させた。

 

二水「んぎゃっ!!し・・・視界が広がって・・・色々見えます!見え過ぎます〜〜〜〜!!!」

 

視界が広がり過ぎて、遂に地球全体が見える視界まで広がった。

 

二水「はわわわわわわ・・・・」

 

目が回ってぶっ倒れ、ミリアムもぶっ倒れた。

 

龍馬「二水に負担が掛かり過ぎたな・・・失敗したが、良いデータが取れたな。」

 

神琳「では、今日の所はよしとしましょう。」

 

ミリアム「よ・・・よかないわ・・・」

 

楓「前途多難ですわ・・・」

 

夢結「・・・」

 

一方夢結は海を見ていた。

 

 

 

 

海岸で2日目。

 

龍馬「昨日の失敗を踏まえて、神琳と話し合って、今日は新しい組み合わせで行く事になった。まずは二水。」

 

二水「また私!?」

 

神琳「安心して。今度は二水さんの鷹の目のスキルを皆さんに分担して貰います。さぁ!行きますよ!」

 

ミリアム「ファイト1発!おりゃあ!!」

 

テスタメントとフェイズトランセンデンスで他の皆に鷹の目を分担した。

 

ミリアム「くはっ!」

 

またしてもミリアムがぶっ倒れた。

 

梅「おお!何か鳥になったみたいだ!」

 

龍馬「おぉ!?見える!遠くの島が見える!」

 

鶴紗「これが鷹の目か!」

 

楓「とは言え、まだまだ焼け石に水ではなくて?これなら私のスキルの方が・・・ん?」

 

足元を見ると、何かが砂に埋もれていた。

 

楓「これは・・・」

 

 

 

 

 

 

その夜。大浴場。

 

ミリアム「あ〜〜・・・」

 

二水「お疲れ様ですミリアムさん・・・」

 

ミリアム「これ・・・何時まで続くんかのう・・・」

 

鶴紗「見付かるか諦めるまで・・・」

 

雨嘉「楓じゃないけど、こんな事で本当に見付かるのかな?」

 

神琳「努力は続けるべきだわ。」

 

二水「あれ?そう言えば楓さんは・・・?」

 

鶴紗「さっき出てった。」

 

二水「珍しいですね・・・何時も1番長湯する人なのに・・・」

 

 

 

 

そんな楓は今。

 

楓「ゔぇっくし!!」

 

汐里「ヒィッ!?」

 

更衣室に居た。

 

汐里「楓さん・・・どうしました・・・?」

 

楓「あの・・・ちょっと宜しくて?」

 

 

 

 

同じ頃龍馬は、男子湯に居た。

 

龍馬「梨璃、元気になれば良いんだが・・・」

 

 

 

 

工廠科の研究室。百由が梨璃のグングニルを分解していた。

 

百由「レアスキルの多重合成かぁ。面白そうな事してるわね!」

 

ミリアム「フェイズトランセンデンスを毎日使っとったら身体が保たん・・・梨璃の為でなかったら絶対にやらんぞ・・・」

 

百由「ならこんな所来てないで早く寝なさいよ?」

 

ミリアム「・・・まぁ、梨璃の様子を訊いたり、夢結様の様子を見とるとその・・・何じゃ・・・色々思う所あってな・・・」

 

百由「こっちおいで。」

 

ミリアム「・・・うむ。」

 

彼女は百由に寄り添った。

 

百由「もしかしてグロッピ、私の事心配してる?」

 

ミリアム「百由様は、結梨の事では随分と羽折しておったし、ワシらは命のやり取りをしていると言うの、久し振りに実感して・・・少々歯痒いのじゃ・・・」

 

 

 

 

 

 

理事長室。生徒会の3人が1つのCHARMを持参した。

 

高松「これが?」

 

史房「5ヶ月前、ヒュージの体内から回収されたCHARMです。」

 

それは、嘗て夢結が使用していたダインスレイフだった。

 

高松「これが2年間、ヒュージと共にあったと言うのか?2年前・・・甲州撤退戦か・・・」

 

 

 

 

 

 

地下。

 

京輔「・・・」

 

完成したジーニアスコアフルボトルを眺めている。

 

京輔「我ながら良い出来だな。」

 

梨璃「・・・」

 

 

 

 

まだ結梨が保護されたばかりの時期。

 

結梨『ジーッ・・・』

 

梨璃『ん?』

 

結梨『梨璃のそれ、綺麗!』

 

彼女は、梨璃の髪飾りを見て綺麗と言った。

 

梨璃『これ?四つ葉のクローバー。よくあるアクセサリーだよ。』

 

結梨『いいなぁ〜!』

 

梨璃『ここに来る時、お父さんに買って貰った物だから。じゃあ今度、私が非番の日にお買い物に行こうよ!何かプレゼントしてあげる!』

 

結梨『本当!?じゃあこれから行く!?』

 

梨璃『あはは。すぐには無理だよ。』

 

 

 

 

だが、その約束は果たせなかった。

 

梨璃「何も・・・してあげられなかった・・・」

 

京輔「梨璃・・・」

 

 

 

 

 

 

3日目。

 

楓「さ〜!今日も張り切って参りましょ〜!」

 

鶴紗「急にどうした?」

 

龍馬「やけにテンション高いな。」

 

ミリアム「腹でも壊したか?」

 

楓「千里の道から1歩ですわ!」

 

夢結「さっさと始めましょう。」

 

髪飾りの捜索を開始。

 

 

 

 

4日目。

 

 

 

 

5日目

 

 

 

 

6日目になっても、梨璃の髪飾りは見付からない。

 

龍馬「一体、何処で落としたんだ・・・?」

 

 

 

 

 

 

大浴場。

 

ミリアム「あぁ〜・・・お湯が骨身に染みるぞい〜・・・」

 

神琳「ここの所、冷えますものね。」

 

二水「あぁ・・・どうしよう・・・明日には梨璃さんと京輔先生の謹慎が解けちゃいます〜・・・」

 

雨嘉「結局見付からないのかな・・・?」

 

鶴紗「四つ葉のクローバーだけに。」

 

壱「梨璃と先生が戻って来るのに何が困るの?」

 

亜羅椰「ねぇあなた達、最近浜辺で何してるのよ?」

 

二水「え?それは・・・」

 

雨嘉「探し物をしてるんだけど・・・」

 

樟美「探し物?」

 

 

 

 

汐里「楓さん、今夜もですか?」

 

楓「えぇ。是非お願いしますわ。」

 

この2人はコソコソと何かを話していた。

 

 

 

 

壱「そっか。梨璃の髪飾りをね。」

 

樟美「私も手伝いたい。」

 

二水「え?いいの?」

 

亜羅椰「早く見付けないと、何時次のヒュージが現れるか分からないでしょ?」

 

壱「また戦闘があったら見付からないかも。」

 

 

 

 

 

 

その夜。工作倶楽部の部室では、楓が何かを作っていた。

 

 

 

 

 

 

7日目。今日が京輔と梨璃の謹慎が解除される日。

 

夢結「・・・!」

 

龍馬「これは・・・!」

 

海岸に何と、百合ヶ丘の全生徒が梨璃の髪飾りを探すのを手伝いに来てくれたのだ。

 

龍馬「お前達・・・」

 

夢結「ありがとう・・・恩に着るわ・・・」

 

壱「ブッ!」

 

天葉「恩に着るって、何時の人よ?」

 

夢結「ごめんなさい・・・こんな時、どう言えばいいか分からなくて・・・」

 

天葉「仲間を失ったのは、私達も一緒よ。だったらせめて、落ち込んでいる梨璃の為にも何とかしたいと思うのは自然な事でしょ?」

 

楓「ゔぇっくし!!」

 

雨嘉「うわっ!!」

 

龍馬「楓!ビックリさせんなよ!」

 

雨嘉「居ないと思ったら先に来てたんだ・・・」

 

神琳「大丈夫です?」

 

龍馬「お前ちょっと顔赤くね?」

 

楓「いえ・・・お構いなく・・・」

 

龍馬「鼻声?」

 

 

 

 

百合ヶ丘の生徒達がマギを発動した。

 

天葉「レアスキルを合成させるなら、接触式の方が非接触式よりも効率が良いわ。とは言え、こんなに大勢でやった事はないけど・・・」

 

マギをしばらく発動させ。

 

天葉「今よ!!」

 

ミリアム・亜羅椰「必殺!!フェイズトランセンデンス!!」

 

ダブルフェイズトランセンデンスで供給させた。すると海に光る物があった。

 

夢結「っ!!」

 

全生徒「あったーーー!!!」

 

すると楓が梅に乗った。

 

楓「彼処です梅様!!」

 

梅「何だ!?」

 

楓「レアスキル縮地ですわ!!ハイヨーー!!」

 

梅「お、おう!!」

 

縮地を発動させて、光ってる方へ向かった。

 

鶴紗「何だ・・・?」

 

龍馬「楓・・・?」

 

 

 

 

梅「うおおおおおーーーーーーーー!!!!!」

 

楓「もう少しですわーーーーーーー!!!!!」

 

梅「行っけーーーーーー!!楓ーーーー!!!」

 

力を振り絞って楓を投げた。

 

楓「やあああぁぁぁぁぁぁーーーーーー!!!」

 

海の中へ飛び込んだ。そして遂に、梨璃の髪飾りを手に入れた。

 

楓「ありましたわぁぁぁぁぁーーーーーー!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

海岸。

 

楓・梅「ゔぇっくし!!!」

 

龍馬「よくやったなお前達。」

 

 

 

 

 

 

謹慎が解けた京輔と梨璃が部屋から出た。

 

京輔「あぁ〜、やっと出られ・・・た?」

 

梨璃「?」

 

部屋を出ると、生徒達が出迎えてくれていた。

 

夢結「ごきげんよう。梨璃。」

 

龍馬「京輔、久し振りだな。」

 

梨璃「夢結様?皆さん?」

 

京輔「えっと・・・これは一体?」

 

楓「梨璃さん。さぁ、これを。」

 

無くした髪飾りを受け取った。

 

梨璃「これ・・・」

 

楓「さぁさぁ。何時までもご覧になってないで、さっさとお付けになって。」

 

梨璃「・・・これ、何処に売ってたんですか?」

 

楓「え!?」

 

龍馬「売ってた?」

 

梨璃「私の無くしてたのとそっくり・・・」

 

二水「そっくり!?」

 

雨嘉「同じ物じゃ・・・!?」

 

京輔「ん?・・・あれ?罅が無い。」

 

龍馬「罅?」

 

梨璃「私のは四つ葉の1枚に罅が入ってたの。でもこれには無いし・・・」

 

楓「オホ、オホホホ・・・それはリサーチ不足・・・」

 

夢結「どう言う事かしら?楓さん。」

 

龍馬「お前、何か隠してるな?」

 

楓「え!?いいいいやですわ夢結様、龍馬先生。そんな怖い顔して・・・オホホホ・・・」

 

龍馬「素直に白状しろ。何か隠してるな?」

 

楓「オホホホ・・・・」

 

白状した楓が、黒焦げになった四つ葉のクローバーの髪飾りを出した。

 

夢結「これは・・・?」

 

梨璃「これ・・・これ、私のです!」

 

二水「梨璃さんの髪飾りが2つ!?」

 

汐里「新しいのは、楓がご自分で作ったんです。」

 

二水「汐里さん!?」

 

梅「どう言う事だ?」

 

龍馬「説明して貰おうか?」

 

楓「・・・本物は2日目だか3日目だかに、浜辺に見付けていましたの。だけど、例え見付かっても、これだと余計梨璃さんを悲しませるだけかと・・・」

 

神琳「では、今日の昼間見付けたのは・・・」

 

楓「あんな大掛かりに探されては、流石に本物の在り処がバレてしまいますわ。」

 

龍馬「もしやお前、早起きして彼処に本物を仕込んだと言うのか?」

 

楓「ご名答ですわ。」

 

ミリアム「ワシらまで謀ったとは・・・!」

 

楓「っで、私が最初にそれを手にして、昨夜出来たばかりの偽物と摩り替えたと言う寸法ですわ。」

 

雨嘉「楓が、そんな手の込んだ事を・・・!」

 

龍馬「呆れた・・・」

 

白状した楓がその場に座り込んだ。

 

楓「えぇえぇえぇ!!梨璃さんや皆さんを欺いたのは紛れもない事実ですわ!!煮るなり焼くなり好きになさって下さいまし!!バレたらバレたで、私1人が全ての攻めを追えば済む事ですもの!!」

 

龍馬「玉砕する気だこの子。」

 

壱「思いっきり汐里を巻き込んでるし!」

 

汐里「いえ。私は工作室をお貸ししただけで、何をなさっていたかは、ここで知りました。」

 

梨璃「・・・」

 

梅「楓・・・」

 

楓「な、何ですの・・・?」

 

 

 

 

 

 

梅「お前、良い奴だな!!」

 

 

 

 

 

 

汐里「うんうん!」

 

楓「え!?」

 

褒められた事に驚愕した。梨璃が楓を優しく抱いた。

 

梨璃「ありがとう。楓さん。」

 

楓「ど、どう致しまして・・・」

 

梨璃「それに、皆さんも。楓さんの言う通りかも・・・この髪飾りだけだったら、私、辛い事しか思い出せないかも知れない・・・だけど、こっちのもあれば、皆の気持ちを感じて嬉しい気持ちになれるから。私には、どっちも本物です。」

 

楓「は、はぁ・・・それはあれですわね!狙い通りって奴ですわね・・・!あはははは・・・」

 

夢結「お立ちなさい。私からもお礼を言うわ。ありがとう。楓さん。」

 

楓「そんな!私は梨璃さんの為にしたんです。夢結様にまでお礼を言われる筋合いはございませんわ。」

 

夢結「シュッツエンゲルとして、姉として言っている。」

 

楓「あ〜。それはあれですわね。梨璃さんは私のものよ。渡さないわっと言う私への牽制ですわね?」

 

夢結「えぇ。その通りね。」

 

楓「あー!認めましたわね!?」

 

鶴紗「もう止めとけ。お前はよく戦った。」

 

生徒達は笑った。

 

龍馬「これで一件落着かな?」

 

京輔「色々苦労したんだな。お前達。」

 

梨璃「あはは・・・あ、あれ?」

 

突然梨璃の涙が流れた。

 

夢結「ん?」

 

京輔「梨璃?泣いてるのか?」

 

梨璃「どうしたんだろう・・・嬉しいのに・・・何で・・・?う、うぅぅ・・・うああああああ!!」

 

夢結「お泣きなさい。梨璃。今のあなたに必要なのは、何でもいい。自分の気持ちを表に現す事よ。」

 

梨璃「私・・・!守れなかったんです・・・!結梨ちゃんを・・・!私が・・・!ちゃんとしなくちゃいけなかったのに・・・!」

 

京輔「梨璃。俺もお前と同じ気持ちだ。」

 

梨璃「先生・・・」

 

京輔「俺があの時強引にも結梨を連れて行けば、こんな事にはならなかったはずなのに・・・すまなかった・・・」

 

梨璃「・・・うわああああああああ!」

 

泣きじゃくる梨璃を、京輔が抱擁した。

 

京輔「梨璃。泣いていいんだ。涙の数だけお前は強くなれる。」

 

夢結「梨璃。あなたは出来るだけの事をしたわ。あれは、誰にも防げなかった・・・」

 

龍馬「・・・・・」

 

中には涙を流す生徒も居た。

 

京輔「龍馬。明日、結梨の墓参りに行こう。」

 

龍馬「あぁ。」

 

 

 

 

 

 

その夜。理事長室。

 

百由「さぁ〜て、どっから話したもんですかねぇ〜。」

 

史房・祀・眞悠里「要点を。」

 

百由「じゃあ出来るだけサラッと言いますが、このダインスレイフの術式は、何者かによって書き換えられています。」

 

高松「・・・」

 

百由「書き換えられた術式は、ヒュージに何らかの影響を与えたと考えられます。」

 

高松「CHARMを介してヒュージを?そんな事が可能なのか?」

 

百由「詳しい事は何とも。ただ、リリィもヒュージもマギを共有している以上、根は同じ。元々親和性は高いと言えます。」

 

高松「確かこのダインスレイフは、白井君の物だったな?」

 

百由「・・・えぇ。ですが、最後の契約者は・・・」

 

史房・祀・眞悠里「っ!」

 

高松「・・・川添君か。」

 

百由「はい。回収される前、このCHARMを最後の手にしたのは・・・当時の夢結のシュッツエンゲル・・・川添美鈴様です。」

 

このダインスレイフの最後の契約者は、戦死した夢結の元シュッツエンゲルの川添美鈴だった。

 

 

 

 

 

 

翌日。リリィの墓地で、京輔と龍馬と梨璃と夢結が結梨の墓に黙祷を捧げていた。

 

梨璃「ふぅ・・・やっと来る事が出来ました。」

 

京輔「結梨、久し振りだな。」

 

龍馬「天国で幸せになってると嬉しいぜ。」

 

梨璃「・・・あの。」

 

夢結「?」

 

梨璃「美鈴様にも、ご挨拶しませんか?」

 

夢結「・・・そうね。」

 

 

 

 

美鈴の墓。

 

梨璃「お姉様は、美鈴様の事をどうやって乗り越えたんですか?」

 

夢結「さぁ・・・でも、起きてしまった事は時間を掛けて受け入れるしかないわ。もう起きてしまって、どうしようもない事は・・・」

 

梨璃「私はまだまだ掛かりそうです。」

 

夢結「それで良いのよ。人の死の最も残酷な事は、その人に纏わる一切の物が断ち切られてしまう事よ。その思いも、願いも、凡ゆる感情も、永遠に宙に浮いたまま時を止めてしまう。残された者は、その事にただ、戸惑う事しか出来ない・・・」

 

???「上出来だ。」

 

夢結「!?」

 

そこに現れたのは・・・

 

 

 

 

 

 

美鈴の幻影だった。

 

 

 

 

 

 

美鈴「大切なシルトを不安にさせちゃいけない。」

 

夢結「例え幽霊であっても、本人とまた気持ちを交わす事が出来るなら、それは救いと言えるかも知れないわね。」

 

梨璃「?」

 

京輔「夢結?」

 

龍馬「どうした?」

 

夢結「だけど・・・あなたは・・・?」

 

『To Be Continued・・・』




キャスト

稲葉京輔:千葉翔也

仁科龍馬:畠中祐

一柳梨璃:赤尾ひかる
白井夢結:夏吉ゆうこ
楓・J・ヌーベル:井澤美香子
二川二水:西本りみ
安藤鶴紗:紡木吏佐
吉村・Thi・梅:岩田陽葵
郭神琳:星守紗凪
王雨嘉:遠野ひかる
ミリアム・ヒルデガルド・v・グロピウス:高橋花林
一柳結梨:伊藤美来

真島百由:水瀬いのり

田中壱:洲崎綾
天野天葉:津田美波
江川樟美:原田彩楓
遠藤亜羅椰:関根明良
番匠谷依奈:立花理香
出江史房:長妻樹里
秦祀:田中那実
内田眞悠里:櫻川めぐ
六角汐里:高橋李依

川添美鈴:川澄綾子

高松咬月:中田譲治





アサルトビルド HAZARD!

美鈴「ふぅ〜ん、君が梨璃かぁ。初めまして。」

第12話・消滅のコントラクト

京輔「撤退の法則は、決まった。」


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第12話「消滅のコントラクト」

ある日の早朝。

美鈴「ルームメイトは早朝から仕事のようだ。生徒会も忙しいね。」

夢結は幻影の美鈴の声で目が覚めた。

美鈴「思うにこの僕は、夢結の罪悪感の現れなんじゃないかな?仲間を守り切れず、大切なシルトの心にも傷を負わせてしまった。誰のせいでもないと言いながら、君は自分を責めている。夢結が思う以上に、夢結自身の心も深手を負ったんだ。」

夢結「あなたはただの幻・・・本当のお姉様じゃない・・・」

美鈴「そうだね。だけど気を付けて。見ると言う事は、影響を受ける事でもある。」

そう言われた夢結は目を閉じた。




謎の生命体「ヒュージ」に対抗する為
リリィの少女達は
CHARMを用いて戦い続けている

更に繁殖し続ける謎の生命体
ヒュージの前に
仮面ライダーが立ち開かる



同時刻。梨璃が制服に着替えて準備をしていた。

 

閑「ごきげんよう・・・早いのね・・・」

 

梨璃「ごきげんよう閑さん。ちょっと朝練に。」

 

閑「朝に弱い梨璃さんにしては、随分続くのね。」

 

梨璃「私、皆を守れるように、もっと強いリリィになりたいから!何だか、夢から覚めたみたい。私、お姉様に憧れてここまで来ちゃったけど、リリィって人を守るものなんだよね。分かってたつもりだったけど、私、自分の事ばっかりで・・・」

 

閑「そう自分を追い込まない方が良いわ。責任感と罪悪感はきちんと分けないと、身を滅ぼすわよ。」

 

梨璃「アハハ。ありがとう。ハッキリ言ってくれて。じゃ、行って来ます!」

 

閑「いってらっしゃい。」

 

 

 

 

 

 

墓地では、二水が結梨の墓参りに来ていた。結梨の墓には花やお菓子や手紙が添えられている。

 

梨璃「二水ちゃん?」

 

二水「はうっ!」

 

梨璃「あ、ごめん。」

 

二水「り・・・梨璃さん。ごきげんよう。」

 

京輔「あらら?もう先客が来たのか。」

 

龍馬「おはようさん。」

 

梨璃「京輔先生。龍馬先生。」

 

2人も結梨の墓参りに来たのだ。

 

京輔「結梨。また来てやったぜ。」

 

龍馬「元気してるか?」

 

2人はカーネーションと水仙の花を添えた。

 

京輔「今日はカーネーションと水仙だ。綺麗だろ?」

 

 

 

 

ベンチに座って話した。

 

二水「リリィになれば、何時かはこんな事もあるって、覚悟はしてたつもりだったけど・・・」

 

梨璃「私もだよ。すぐにはどうにもならないって、お姉様も言ってた。」

 

龍馬「梨璃?お前随分変わったな。」

 

梨璃「え?そうですか?」

 

龍馬「あぁ。前より強くなったみたいな。」

 

梨璃「そうかなぁ・・・だったらそれ、お姉様のお陰です。」

 

二水「羨ましいです・・・」

 

梅「大丈夫。ふーみんならきっと。」

 

二水「うわあ!?」

 

後ろから梅が出て来た。

 

京輔「梅。」

 

梅「本当に誰も居なかったら、私がシュッツエンゲルになってやろうか?」

 

二水「本当ですか〜!?」

 

鶴紗「当分シルトは取らないんじゃなかったのか?先輩。」

 

猫を被った鶴紗が出て来た。

 

梅「そうだっけ?」

 

龍馬「鶴紗。頭に猫被ってるな。」

 

神琳「あら。先を越されましたね。」

 

梨璃「神琳さん。雨嘉さん。」

 

2人も来ていた。

 

龍馬「お前達も来たのか?」

 

雨嘉「あれ?さっき楓も見掛けたけど・・・」

 

神琳「出ていらしたら?」

 

 

 

 

楓「あら、どうなさったんです皆さん?がん首お揃いで。」

 

 

 

 

かくれんぼ禁止の茂みから楓が出て来た。

 

梅「お前照れてるのか?」

 

京輔「何故茂みから?」

 

楓「こう言うウェットなシチュエーションは、私の柄にそぐいませんから。」

 

梅「柄って柄か?」

 

二水「皆集まっちゃいましたね。」

 

京輔「まだ居ないのはミリアムと夢結だけか。」

 

神琳「ミーさんは昨夜、百由様の研究を手伝うのじゃ〜!とか何とか仰っていたから、夜なべでもしたのでしょう。」

 

梅「ミーさん?」

 

神琳「長いので。」

 

京輔「略されたな。」

 

梨璃「・・・」

 

楓「どうか致しまして?」

 

梨璃「私、この頃お姉様と会えてなくて・・・」

 

雨嘉「確かにこの何日か、ミーティングルームでもお見掛けしない。」

 

梅「あれ?講義や演習にはちゃんと出てるぞ?」

 

梨璃「最後にお会いしたのは、ここで一緒に結梨ちゃんのお墓参りに来た時で・・・」

 

龍馬「俺もたまにしか会わないな。」

 

京輔「最近の彼奴、ちょっと様子が可笑しい。」

 

 

 

 

 

 

理事長室。

 

百由「こう言うのは本来、私の役目じゃないんですが・・・情報分析の一環として、美鈴様について調べてみました。」

 

ここに百由が来た理由は、美鈴の素性調査の結果を伝えに来たとの事。

 

百由「皆の記憶にある美鈴様は品行方正で、その立ち居振る舞いには一点の曇りもない優秀なリリィだった。」

 

史房「えぇ。そうね。」

 

百由「では、美鈴様がカリスマ持ちだった事は?」

 

祀・眞悠里「え!?」

 

何と美鈴のレアスキルはカリスマだった。

 

史房「カリスマ?違うわ。美鈴様のレアスキルは・・・」

 

百由「そう。公式の記録にも、美鈴様のレアスキルがカリスマだったと言う記録はありません。でも、そうでないとちょっと辻褄が合わなくて・・・」

 

高松「辻褄とは?」

 

百由「CHARMの契約を書き換えるには、相応の手続くが必要です。」

 

史房「えぇ。」

 

百由「美鈴様は戦闘の最中に、契約と術式を瞬時に書き換え、マギを通じてヒュージに影響を与えたと言う事になります。」

 

高松「そして手負いのヒュージがネストに戻り、影響を広めたと?」

 

眞悠里「確か上位スキルの存在が予言されていたはず・・・」

 

史房「レアスキル・ラプラス。」

 

祀「人の記憶を操作する事すら可能と言われていますが、実例の報告はまだ・・・」

 

眞悠里「当事者にも話を聞くべきです。」

 

祀「では私が。夢結とはルームメイトですから。」

 

百由「あ〜いえ。それは私から。久し振りにちゃんと話してみたいんです。これでも中等部時代は仲良かったんですよ?主観ですけど。」

 

 

 

 

外に居る夢結の携帯に百由からのメールが受信された。

 

夢結「・・・」

 

 

 

 

 

別の場所では。

 

梅「なあ梨璃。今度パーティーをやろうよ。勿論夢結も呼んで皆で!」

 

梨璃「でも今はもっと訓練して・・・」

 

雨嘉「根を詰めるのも良いけど、息抜きは必要だよ。」

 

神琳「生活にはメリハリがありませんと。」

 

京輔「そうだな。」

 

二水「そうだ!ラムネパーティーなんてどうです?」

 

梨璃「え?ラムネ!?」

 

龍馬「良いなそれ!パーっと盛り上がろうぜ!」

 

梨璃「ラムネかぁ・・・」

 

 

 

 

 

 

工廠科・研究所に夢結が入って来た。

 

百由「あ!いらっしゃい!」

 

ミリアム「おう!夢結様!」

 

夢結「ごきげんよう。」

 

ミリアム「じゃ、ワシは一休みじゃ。」

 

百由「うん。」

 

ミリアム「ふぁ〜・・・ごゆっくり。」

 

彼女は別室で休む。

 

夢結「また徹夜?」

 

百由「えぇまあ。気にしないで。好きでやってるから。」

 

夢結「毎日ご苦労様ね。」

 

百由「え?アンタ今、私に気遣った?」

 

夢結「え?い、いえ別に・・・」

 

百由「ウソウソウソ!孤高の一匹狼としてリリィからも一歩引かれたあの白井夢結がよ!」

 

完全に煽ってる。

 

夢結「あの・・・っ!」

 

隣の部屋にダインスレイフが保管されていた。

 

夢結「って・・・世間話をする為に呼んだ訳ではないのね?」

 

百由「回りくどい前置きは後回しにして、後回しにしたら、後ろ置き?違うか・・・ごめんね。私もちょっと覚悟がいるのよ。聞きたいのは、美鈴様の事。」

 

夢結「っ!?・・・CHARMの事ではないの?」

 

百由「これは元々、夢結が契約していたダインスレイフだけど、2年前の甲州撤退戦の時、最後に使ったのは誰?美鈴様よね。このCHARMね、術式が書き換えられているの。」

 

夢結「え?」

 

百由「知らないか。じゃあ、カリスマの事は?」

 

夢結「カリスマ?お姉様が?」

 

百由「カリスマは本来、リリィ同士で使うレアスキルよ。仲間の士気を高め、結果としてレギオン全体の能力を向上させる。その性質から、支配のスキルとも言われているわ。ただ美鈴様は、リリィではなく、ヒュージに対してそれを使った形跡があるの。」

 

夢結「・・・・」

 

百由「マギとは、ヒュージを使って古い秩序を破壊し、新しい世界を生み出す意志だとする説もあるわ。だけど、今私達の管轄するヒュージの行動には、これまでになかったパターンが現れるようになったの。何かがヒュージを狂わせ、闇雲な凶暴性が増しているような。」

 

ダインスレイフを保有していた巨大ヒュージを思い出した。

 

百由「変化の現れた時期は、これを回収した戦いの前後と一致するわ。2年前に仕込まれていた何かに、そこでスイッチが入ったとしか。心当たりある?」

 

夢結「分からない・・・お姉様は強くて、優しくて、立派なリリィだった・・・分からないわ・・・それしか・・・」

 

百由「そう・・・」

 

夢結「ごめんなさい・・・」

 

百由「いいから。気にしないで。」

 

夢結「・・・」

 

百由の背後に美鈴の幻影が立っていた。

 

夢結「百由・・・」

 

百由「ん?」

 

夢結「私・・・いえ、何でもないわ。」

 

彼女は研究所から出た。

 

百由「はぁ・・・まあ、そんな簡単に昔に戻れる訳ないわよね。」

 

 

 

 

 

 

まだ美鈴が存命していた頃。桜の木の下で夢結が美鈴に膝枕してあげていた。

 

美鈴『不思議だと思わないか?こんなに咲き誇っていても、ソメイヨシノが身を付ける事はない。人の手を借りなければ増える事のないこの桜も、この辺りにはもうこれだけだ。僕は、ヒュージはこの桜の木ににていると思うんだ。マギによって作られ、生まれた瞬間から、何も食べず、何も生まず、ただ戦って死ぬ為だけにある。』

 

落ちた桜の花弁を手に乗せた。

 

夢結『美しいものをヒュージと例えるのは・・・』

 

美鈴『だったら、リリィはどうかな?リリィもまた、マギによってヒュージ化した人の姿だ。ただ、リリィは迷いや弱さを抱えたまま戦う。人を超える力を持つ事への恐れや、それが命を懸けて守る価値のあるものだろうか。と言う問いを抱えたまま、この違いは何だろう・・・』

 

夢結『分かりません。守るものに価値を問うのは、私達の分を超えています。』

 

美鈴『正しい答えだ。こんな事、他の誰にも言わないのにな。夢結のそんな顔が見たかったかも知れない。』

 

 

 

 

 

 

そして現在。夢結は廊下を歩いていた。すると。

 

梨璃「お姉様!」

 

ようやく梨璃が夢結を発見した。

 

梨璃「捕まえました!お姉様!」

 

美鈴『梨璃。墓参り以来だね。』

 

夢結「・・・」

 

梨璃「あの、皆が私の為にラムネパーティーを開いてくれるって。お姉様も来て下さいますよね?」

 

夢結「・・・ごめんなさい。今は・・・」

 

その場を去ろうとしたが、梨璃が夢結の腕を掴んだ。

 

梨璃「待って下さい!」

 

美鈴『懐に入るのが上手いね。相手の隙を見逃さないのか、隙を作らせるのか、この子もカリスマ持ちなら後者かな?』

 

夢結「止めて・・・」

 

梨璃「!?」

 

頭の中がパニックになった夢結が、その場を静かに去って行った。

 

梨璃「お姉様・・・どうして・・・?」

 

 

 

 

 

 

自分の部屋に閉じ籠ってしまった。

 

夢結「・・・・・」

 

美鈴『夢結はカリスマ持ちに好かれるのかな?これは偶然だと思うかい?夢結は彼女を自分から受け入れたと思っているようだけど、それは本当に君の心にあったものなのかな?』

 

すると地震が発生した。そして外では、ヒュージネストから3つの光が空へ放たれた。

 

 

 

 

 

 

屋上。

 

京輔「何だあのヒュージネスト!?」

 

龍馬「今までより巨大だぞ!?」

 

 

 

 

 

 

理事長室。

 

史房「ヒュージネストから射出された物体は3つ。弾道軌道の最高到達点は3800キロで・・・」

 

眞悠里「目的地は?」

 

史房「それが・・・予想される放物線は、地球を1回りしてここへ・・・」

 

眞悠里「戻って来る!?3つともか!?」

 

射出された物体の標的は百合ヶ丘女学院。

 

祀「ネストにだって、相当な負担が掛かるでしょうに・・・」

 

高松「百合ヶ丘の全生徒に退避命令を発令する。各自持ち場を離れて、避難区域まで後退するように。」

 

史房「それで済むでしょうか?」

 

高松「分からん・・・じゃから、早急にな。」

 

 

 

 

彼がまだ若かった頃、南極戦役で同じような出来事が起こった。

 

 

 

 

百合ヶ丘の全生徒が避難を開始した。だが梨璃は夢結の事が心配だった。

 

 

 

 

宇宙に3体の戦艦型のヒュージが出現し、そのまま地上へ落下して大爆発を起こした。

 

 

 

 

避難した生徒達は。

 

京輔「殆ど避難したな。」

 

龍馬「全員避難までもう少しか。」

 

京輔「っ!梨璃!」

 

梨璃「先生!」

 

楓「梨璃さん!よかった。探しましたのよ。」

 

龍馬「楓。」

 

梨璃「楓さん。先生。お姉様は何処か知りませんか?」

 

楓「夢結様ですか?」

 

京輔「いや、見てないが・・・」

 

楓「さぁ?私達より先に避難・・・なさる方でもありませんね。あの夢結様が可愛いシルトを置いて先に避難するような・・・聞き分けの良いシュッツエンゲルな訳ありませんもの。」

 

京輔「そうか・・・」

 

 

 

 

 

 

『止めて・・・お姉様・・・』

 

 

 

 

 

 

梨璃「っ!?美鈴様?」

 

あの時夢結は、美鈴の名前を密かに言っていた。

 

梨璃(やっぱり、お姉様はまだ美鈴様の事を・・・)

 

すると再び大爆発が発生した。

 

京輔「今度は何だ!?」

 

 

 

 

 

 

落下した3体の戦艦型のヒュージがクレーターを作り、黒い球体を射出した。3つの黒い球体が接続され、巨大な黒い結界が広範囲に展開された。

 

 

 

 

 

 

龍馬「何だ!?空が!?」

 

京輔「黒くなった!?」

 

梨璃「私、戻って見て来ます!」

 

京輔「待て!俺も行く!」

 

龍馬「俺も!」

 

梨璃「はい!」

 

グングニルを起動させた。

 

楓「なら私もお供しますわ!」

 

マギを発動しようとしたが、マギが発動しない。

 

楓「っ!?」

 

龍馬「楓!」

 

バランスを崩した楓を受け止めた。

 

楓「マギが入らない・・・!?」

 

龍馬「楓、大丈夫か?」

 

楓を「え・・・えぇ。どうして・・・」

 

龍馬「ジョワユーズが動かないのか?」

 

楓「はい・・・」

 

梨璃「先行ってますね!」

 

京輔「行こう!」

 

『ビルドチェンジ!』

 

『クローズチェンジ!』

 

梨璃はマギに乗って飛翔し、京輔と龍馬は専用マシンで百合ヶ丘女学院へ向かった。

 

 

 

 

 

 

戦艦型のヒュージの黒い球体が接続されて、上空に巨大な黒い球体が生成された。そこから新型の巨大ヒュージが具現化された。

 

 

 

 

 

 

まだ美鈴が存命していた頃。美鈴が夢結の髪を整えてあげている。

 

美鈴『今朝、眠れなくて。窓から朝露のしずくを眺めていたんだ。それが、朝日を浴びると夢みたいに輝いて、あんまり綺麗だったから、僕はそれに触れようとして、壊してしまった。触れなければ、もっと見ていられたはずなのに・・・』

 

彼女は夢結の首を優しく触れた。

 

美鈴『夢結は僕にとって特別な存在だ。夢結だけが、僕の居るこの世界に彩りを与えてくれる。あの朝露のように。僕が夢結に抱く邪な感情を、どれだけ必死に抑えているか分かるかい?僕は、夢結を傷付ける事だけは絶対にしたくない。だけど、もし僕が僕を抑えきれなくなった時は、夢結は僕を殺してくれないか?』

 

夢結『そんな・・・お姉様だったら私は構わないのに。』

 

その言葉を聞いた美鈴が静かに激怒した。

 

美鈴『忘れてくれ・・・夢結・・・』

 

夢結「お姉様?私は・・・」

 

美鈴『忘れろったら!』

 

右手を突き出してマギを発動した。

 

 

 

 

 

 

そして夢結の部屋では、夢結がルナティックトランサーを発動してしまっていた。これが美鈴のレアスキルのラプラスの力。

 

美鈴『自分自身を認められない人間は、どうなると思う?憎むんだ。』

 

夢結「自分と自分以外のもの、全てを!」

美鈴「自分と自分以外のもの、全てを!」

 

夢結「そう・・・お姉様は自分自身を呪っていた・・・」

 

梨璃「お姉様!!」

 

窓から梨璃が入って来た。

 

京輔「夢結!!」

 

龍馬「何してるんだ!!」

 

そこに京輔と龍馬がドアを開けて入って来た。

 

夢結「梨璃・・・先生・・・」

 

梨璃「お姉様!お迎えに参りましたよ!行きましょう!」

 

京輔「早く避難しろ!」

 

夢結「無理よ・・・私は何処にも行けない・・・ここで戦う事しか・・・」

 

梨璃「何言ってるんですお姉様!!一緒に逃げましょう!!」

 

夢結「私に指図しないで!!梨璃・・・あなたもレアスキルで私を操るの!?」

 

梨璃「え?」

 

京輔「カリスマ?」

 

夢結「美鈴様の幻覚を見ているの・・・壊れているのよ・・・私・・・」

 

梨璃「お姉様・・・何を・・・?」

 

龍馬「おい何を訳の分からん事言ってんだ!」

 

夢結「美鈴様は・・・全てを呪っていた・・・これは罠だわ・・・あのヒュージは・・・私が倒さなくちゃ・・・!」

 

ブリューナクを構えた。

 

夢結「あなた達で逃げなさい!」

 

梨璃「お姉様・・・それ、マギが入っていませんよ。」

 

夢結「!!」

 

ブリューナクにマギが入っていない事に気付いた瞬間、梨璃がグングニルでブリューナクを破壊した。

 

梨璃「お姉様は行っちゃダメです!!レアスキルとか罠とか、そんなのどうでもいいです!私は・・・いいえ!私がお姉様をお守りします!あのヒュージは私達が倒します!!」

 

夢結「無理よ・・・あなた達にお姉様を倒せるはず・・・」

 

梨璃「美鈴様じゃありません!あれはヒュージです!」

 

龍馬「お前が何と言おうと、俺達は彼奴を倒す!!」

 

京輔「お前のその呪縛、俺達が解いてやる!!」

 

龍馬「行くぞ!」

 

夢結「待ちなさい!!待って・・・」

 

梨璃「行って来ます。お姉様。」

 

京輔「後は俺達に任せろ。」

 

3人が巨大ヒュージに向かって行った。

 

夢結「・・・・・」

 

 

 

 

巨大ヒュージに向かう3人。すると。

 

京輔「?」

 

何かの気配を感じた京輔が止まった。

 

梨璃「京輔先生?」

 

龍馬「どうした?」

 

京輔「何か居る。お前達は先に行け。後で合流する。」

 

龍馬「あ、あぁ。」

 

梨璃「はい。」

 

彼は海岸の方へ向かった。

 

龍馬「梨璃。俺も避難場所へ寄って来る。先に行ってくれ。」

 

梨璃「分かりました。」

 

 

 

 

 

 

避難場所では。

 

眞悠里「何でCHARMが動かない!?」

 

史房「他のリリィのCHARMも使用不能だそうです。こんな事って・・・」

 

百由「先の3体のヒュージは、墜落時の運動エネルギーを利用して、地中深くに潜り込み、マギの結界を展開しているようだけど、あの規模の躯体を構築しながら、リリィのマギにまで干渉するなんて・・・」

 

高松「マギをこうも湯水のように使うとは・・・」

 

祀「先に降りた3体のマギ反応はほぼ消失。新たに出現したヒュージに吸い尽くされたと思われます。」

 

眞悠里「あのヒュージ・・・ここからでも、殺気を感じる・・・」

 

空中に浮かぶ黒い球体が結界を展開していた。

 

 

 

 

一柳隊の元に龍馬が戻って来た。

 

龍馬「皆!」

 

二水「龍馬先生!」

 

龍馬「お前達のその様子、CHARMが発動されないようだな。」

 

二水「はい・・・」

 

楓「ああもう!こんな時にCHARMが使えないなんて!」

 

神琳「今は誰のCHARMも起動していないわ。悔しいのは皆同じです。」

 

雨嘉「先生の方はどうなんですか?仮面ライダーへの変身は?」

 

龍馬「あぁ。俺達は使える。マギを使用していないからな。」

 

楓「ならどうして梨璃さんだけがCHARMを使えたんです?」

 

ミリアム「梨璃のレアスキルと関係あるやも知れんな。」

 

そこにミリアムが合流した。

 

龍馬「ミリアム。」

 

楓「レアスキル?」

 

神琳「カリスマ・・・支援と支配のスキル。」

 

ミリアム「知っとったか。」

 

神琳「薄々見当は。」

 

雨嘉「カリスマ使いは他にも居るのに、どうして梨璃だけ?」

 

ミリアム「そこは謎じゃな。」

 

二水「梨璃さんと夢結様、大丈夫でしょうか・・・?」

 

楓「もし、今は自分しかCHARMを扱えないと知ろう者、梨璃さんの事ですから、たった1人であのヒュージに立ち向かい兼ねませんわ。」

 

ミリアム「そこまでおバカと思いたくはないが、梨璃ならありうるのう。」

 

二水「でも戦えるのは、梨璃さん以外にも京輔先生や龍馬先生だけですし・・・」

 

梅「梨璃は筋金入りの無鉄砲だからな。」

 

鶴紗「私も、無鉄砲したい!」

 

雨嘉「うん!こんな所で何も出来ないなんて嫌だ!」

 

神琳「勿論、諦めるには早過ぎます!」

 

雨嘉「うん!」

 

ミリアム「そらそうじゃ!ワシらが張り子の虎で終わるなでありえん事じゃ!」

 

楓「当たり前ですわ!」

 

二水「そうですね・・・そうですよね!・・・そう言えば、京輔先生は?」

 

龍馬「彼奴は今別行動中だ。何かあったようだ。俺は先に行く。」

 

ビルドドライバーを装着して、クローズマグマナックルにドラゴンマグマフルボトルを挿した。

 

『ボトルバーン!』

『クローズマグマ!』

 

ボルテックレバーを回し、背後にマグマライドビルダーが出現させた。

 

『Are you ready?』

 

龍馬「変身!!」

 

ヴァリアブルマグマを浴び、冷めて全身に固着したマグマを後ろから押し割った。

 

『極熱筋肉!』

『クローズマグマ!』

『アーチャチャチャチャチャチャチャチャチャアチャー!』

 

仮面ライダークローズマグマに変身した。

 

龍馬「力が漲る!魂が燃える!俺のマグマが迸る!!」

 

背部のソレスタルパイロウィングで飛翔し、梨璃の元へ向かう。

 

 

 

 

 

 

海岸に美鈴が海を眺めていた。そこにマシンビルダーが停車した。

 

京輔「アンタが川添美鈴か。」

 

美鈴「・・・僕が見えるのかい?稲葉京輔先生。」

 

京輔「アンタは幻なのか?それとも生きてるのか?」

 

美鈴「それはどっちだろうね?」

 

京輔「随分と生意気な事をしてくれたようだな。夢結に何を漬け込んだ?」

 

美鈴「答える必要はないよ。」

 

右手にダインスレイフが具現化した。

 

美鈴「話し合うのは退屈だし、僕の相手をしないかい?」

 

京輔「巫山戯やがって。夢結を呪縛から解放する!」

 

ビルドドライバーを装着して、フルボトルを振った。

 

『ラビット!』

『タンク!』

『ベストマッチ!』

 

ボルテックレバーを回し、スナップライドビルダーを形成させた。

 

『Are You Ready?』

 

京輔「変身!!!」

 

スナップライドビルダーが作動して、京輔に2つのハーフボディを纏わせた。

 

『鋼ムーンサルト!』

『ラビット!タンク!』

『イエーイ!』

 

仮面ライダービルド・ラビットタンクフォームに変身して、ドリルクラッシャーを握った。

 

京輔「行くぞ!」

 

 

 

 

 

 

その頃梨璃は、巨大ヒュージの前に立ってグングニルを構えていた。そこに。

 

龍馬「梨璃!」

 

クローズマグマが合流した。

 

梨璃「龍馬先生!」

 

龍馬「今ここに居るのは俺とお前だけだ。行けるか?」

 

梨璃「はい!例え命に代えても、私達が倒します!」

 

龍馬「上出来だ。行くぞ!」

 

 

 

 

 

 

京輔「ぐあっ!!」

 

ダインスレイフをドリルクラッシャーで防いだが、威力が強過ぎて後退りした。

 

美鈴「結構面白いんだね。」

 

京輔「近接なら、こっちは遠距離だ!」

 

2つのフルボトルを振った。

 

『海賊!』

『電車!』

『ベストマッチ!』

 

『Are you ready?』

 

京輔「ビルドアップ!」

 

海賊レッシャーフォームにビルドアップした。

 

『定刻反逆者!』

『海賊レッシャー!』

『イェーイ!』

 

『カイゾクハッシャー!』

 

ビルドドライバーが生成したカイゾクハッシャーを握り、ビルドオーシャン号からビルドアロー号を引っ張る。

 

『各駅電車!』

『急行電車!』

『快速電車!』

『海賊電車!』

 

京輔「喰らえ!!」

 

『発車!』

 

青と緑の2色の光線が発車され、それが1つの光線となって美鈴に迫る。

 

美鈴「ふぅ〜ん。」

 

だがダインスレイフで両断した。

 

 

 

 

 

部屋に1人佇む夢結は、破壊されてしまったブリューナクを茫然と見ていた。戦いに行こうとしても、CHARMは無い。

 

夢結「はっ!」

 

しかし、1つだけあった。

 

 

 

 

それは、研究所に保管されていた嘗て夢結が使用していたダインスレイフだった。

 

『To Be Continued・・・』




キャスト

稲葉京輔:千葉翔也

仁科龍馬:畠中祐

一柳梨璃:赤尾ひかる
白井夢結:夏吉ゆうこ
楓・J・ヌーベル:井澤美香子
二川二水:西本りみ
安藤鶴紗:紡木吏佐
吉村・Thi・梅:岩田陽葵
郭神琳:星守紗凪
王雨嘉:遠野ひかる
ミリアム・ヒルデガルド・v・グロピウス:高橋花林

真島百由:水瀬いのり

出江史房:長妻樹里
秦祀:田中那実
内田眞悠里:櫻川めぐ

川添美鈴:川澄綾子
高松咬月:中田譲治





アサルトビルド HAZARD!

京輔「遂に俺達の最終決戦が始まる!」

龍馬「今の俺達は負ける気がしねぇ!」

第13話・ビルドとリリィの創る明日

京輔「勝利の法則は、決まった!」


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第13話「ビルドとリリィの創る明日」

海岸で、ビルドと美鈴が激闘を繰り広げていた。

京輔「ビルドアップ!!」

『アンコントロールスイッチ!』
『ブラックハザード!』
『ヤベーイ!』

ビルドがホークガトリングハザードフォームへビルドアップし、ハザードトリガーを押した。

『マックスハザードオン!』

『ガタガタゴットン!ズッタンズタン!』
『ガタガタゴットン!ズッタンズタン!』

『Ready Go!!』

『オーバーフロー!』
『ヤベーイ!』

美鈴「ハァッ!!」

京輔「フンッ!!」

美鈴「があっ!!」

迫り来た美鈴を真上に打ち上げて紫色のエネルギーで閉じ込めた。

京輔「喰らいやがれ!!!」

真下からホークガトリンガーを連射した。

美鈴「ぐああっ!!」

ハザードフィニッシュを受けた美鈴が海に落ちた。

京輔「まだやるか?」

美鈴「・・・いや、もう充分満足したよ。君は強いんだね。」

京輔「川添美鈴。お前は死んだのか?それとも生きてるのか?」

美鈴「いや、僕はもうこの世に居ないよ。君達なら、この世界を任せられそうだよ。」

徐々に彼女の体が透けていく。

美鈴「夢結を宜しくね。」

そう言い残し、笑顔になって消滅した。

京輔「・・・」






落下した戦艦型のヒュージのマギによって現れた新型巨大ヒュージの前にクローズマグマと梨璃が立つ。

梨璃「凄い敵意と憎しみを感じる・・・!」

龍馬「此奴は丸で・・・!」




避難場所では、百由がヒュージが張った結界の解析をしていた。

百由「ルナティックトランサー・・・」

祀「え?百由、今何て?」

百由「結界の中心部にあるこの波形。ルナティックトランサーのとよく似ている。避難が遅れていたら、私達も影響を受けていたでしょうね・・・」






まだ百合ヶ丘に残っている夢結は、工廠科の研究所へ向かっていた。しかし彼女は苦しんでいた。

夢結「っ・・・!!」

髪の毛が少しずつ白く染まっていく。ルナティックトランサーが発動する前兆が起こっている。




謎の生命体「ヒュージ」に対抗する為
リリィの少女達は
CHARMを用いて戦い続けている

更に繁殖し続ける謎の生命体
ヒュージの前に
仮面ライダーが立ち開かる



避難場所。

 

眞悠里「結界!?」

 

百由「先に落ちた3体のヒュージは、地下で繋がっているらしくて、そこから強力な力場・・・結界が展開されているの。兎に角マギの供給量が尋常じゃなくて・・・CHARMが起動しなくなったのも、その影響でしょうね・・・」

 

 

 

 

戦場では、梨璃がグングニルの弾丸を連射したが、巨大ヒュージの結界によって防がれた。

 

龍馬「効かない・・・」

 

結界が晴れ、巨大ヒュージが覚醒した。

 

梨璃「ちょっと!・・・じゃなくて、コラ!そこのヒュージ!あなたの相手は私達よ!!他の誰にも、手出しはさせないんだから!!」

 

龍馬「そんなに人間を殺したいなら、まず俺達に勝ってからにしろ!!」

 

梨璃(今は、少しでも時間を稼がなくちゃ・・・!)

 

龍馬(京輔が来るまでの辛抱だ・・・!)

 

 

 

 

 

 

工廠科の百由の部屋。

 

夢結「ハァ・・・ハァ・・・」

 

部屋に入った夢結は苦しみながら、ダインスレイフの前に立った。しかしそれは、美鈴を殺した殺人兵器でもある。夢結の髪の毛が徐々に白くなっていく。彼女は意を決して、ダインスレイフを握った。するとダインスレイフが起動し始めた。

 

夢結「あなた・・・まだ私を覚えていてくれいたのね・・・」

 

ダインスレイフを握った夢結が、ルナティックトランサーを発動してしまった。

 

 

 

 

 

 

戦場では、巨大ヒュージがマギの弾丸を連射した。

 

龍馬「何!?」

 

梨璃「うわあっ!!」

 

弾丸を避け続ける。すると巨大ヒュージの腕が2人に高速接近した。

 

龍馬「梨璃!!」

 

前に出たクローズマグマがクローズマグマナックルで防いだ。

 

龍馬「こんの野郎!!!」

 

力を振り絞って前に押したが、巨大ヒュージの腕が百合ヶ丘女学院に直撃した。するとマギが発動され、百合ヶ丘女学院の窓が破壊された。

 

梨璃「校舎が!!」

 

龍馬「あの野郎!!俺の力を利用しやがった!!」

 

巨大ヒュージの2つ目の腕が2人に迫った。

 

梨璃「はっ!!」

 

龍馬「しまった!!」

 

 

 

 

 

 

夢結「ハァッ!!!」

 

 

 

 

 

 

だがルナティックトランサーを発動した夢結が、ダインスレイフで巨大ヒュージの腕を防いで2人を守った。

 

梨璃「お姉様!?」

 

龍馬「夢結!?お前!?」

 

梨璃「ルナティックトランサーを!?それに・・・CHARMが使えないはずじゃ!?」

 

龍馬「っ!?ダインスレイフ!?それを使ってるのか!?」

 

夢結「ヤァッ!!」

 

力を振り絞って巨大ヒュージの腕を払った。

 

梨璃「お姉様が、私を守ってくれた・・・?はっ!待って下さい!!」

 

夢結はそのまま巨大ヒュージに猛ダッシュした。すると百合ヶ丘女学院に直撃した腕が夢結に迫り来たが、ダインスレイフで防いだ。3つ目の腕が夢結に迫り来た。夢結がダインスレイフで防いだ。

 

夢結「アアッ!!」

 

防いだ反動で宙を舞った。すると巨大ヒュージの照準が夢結に定まった。

 

梨璃「離れて下さい!!」

 

駆け付けた梨璃が、ダインスレイフにグングニルをぶつけた。するとヒュージが展開した結界が一瞬で消滅した。

 

 

 

 

 

 

避難場所。

 

ミリアム「何なんじゃ!ありゃ!」

 

鶴紗「誰が戦っている?」

 

二水「梨璃さんと夢結様と龍馬先生です!」

 

梅「夢結もか!」

 

神琳「ふーみんさん。レアスキル使ってらっしゃる?」

 

二水「あれ?そう言えば使っています!」

 

レアスキルの鷹の目が使えている。

 

雨嘉「マギは使えないんじゃ!?」

 

鶴紗「っ!動いた?」

 

ティルフィングが起動し、ライフルモードに変形した。

 

 

 

 

百由「結界が中和されてる?さっきの光と何か関係が?」

 

眞悠里「兎に角、CHARMさえ動けば!」

 

百由「結界が縮小しても、依然健在。近寄らないのは変わりないわ。」

 

眞悠里「クッ!何か出来る事はないのか!?」

 

 

 

 

神琳「ノインヴェルト戦術してみませんか?」

 

ミリアム「夢結様と梨璃の分はどうする?」

 

二水「いえ!お2人なら戦っています!」

 

雨嘉「なら、私達がそこへマギスフィアを届ければ!」

 

楓「んな事仰られても、肝心なノインヴェルト用のバレットは何処にありますの?・・・あら?」

 

ポケットから出たのは、ノインヴェルト用のバレットだった。

 

雨嘉「これ!」

 

二水「バレットです!」

 

梅「何で楓が持ってるんだ?」

 

楓「あの時!?」

 

それは、マギが発動出来ないままジャンプした楓を支えた梨璃が密かに渡したのだ。

 

 

 

 

 

 

戦場。

 

梨璃「・・・・・」

 

夢結「梨璃。」

 

梨璃「・・・ん?」

 

気絶していた梨璃が目覚めると、夢結が目に映った。彼女は優しい笑顔を梨璃に見せていた。

 

夢結「梨璃、まだ戦える?」

 

梨璃「はい。お姉様。」

 

龍馬「2人共、大丈夫か?」

 

梨璃「はい。お姉様が守ってくれました。」

 

夢結「っと言っても、私達だけでは勝負にならないわね。」

 

梨璃「はい。でも、時間を稼げば、きっと皆がやっつけてくれる方法を見付けてくれるはずです。」

 

夢結「そうね。」

 

龍馬「とは言っても、見付かるかどうかが問題だ。」

 

するとそこに、1台のバイクが到着した。

 

龍馬「?」

 

梨璃・夢結「!」

 

 

 

 

 

 

京輔「苦戦しているようだな。」

 

 

 

 

 

 

龍馬「京輔!」

 

京輔「少々お前達に任せちまったな。」

 

梨璃「先生!」

 

京輔「自意識過剰な正義のヒーローの見参だ!」

 

夢結「遅いわよ。先生。」

 

京輔「悪いな。あのヒュージが個体を密かに出しやがってな。倒すのに苦労したぜ。」

 

龍馬「兎に角、お前が来たのは幸いだ。」

 

京輔「無論だ。さあ、実験を始めようか!」

 

ジーニアスフルボトルのキャップを捻って、スイッチを押して起動した。

 

「グレート!」

『オールイエイ!』

 

ビルドドライバーに装填した。

 

『ジーニアス!』

 

ボルテックレバーを回した。すると特殊加工設備プラントライドビルダーGNが形成され、60本のエンプティボトルが展開された。

 

『イエイ!』

「イエイ!」

『イエイ!』

「イエイ!」

 

『Are you ready?』

 

京輔「変身!」

 

白いボディを形成すると同時にエンプティボトルに成分が注入され、プラントライドビルダーGNから射出された60本のフルボトルが全身に装着された。

 

『完全無欠のボトルヤロー!』

『ビルドジーニアス!』

『スゲーイ!』

『モノスゲーイ!』

 

仮面ライダービルド・ジーニアスフォームに変身した。

 

京輔「お前ら、行くぞ。」

 

龍馬「勿論だ!」

 

夢結「えぇ!」

 

梨璃「はい!」

 

 

 

 

”バァン!!!”

 

 

 

 

梨璃・夢結「!?」

 

京輔・龍馬「!?」

 

銃声が遠くから響いた。上空にマギスフィアが舞っていた。

 

京輔・龍馬・梨璃・夢結「マギスフィア!!」

 

 

 

 

 

 

最初にバレットを発射したのは、雨嘉のアステリオン。

 

 

 

 

梨璃(皆・・・気付いてくれたんだ・・・!)

 

 

 

 

二水「やらなくちゃ!やらなくちゃ!やらなくちゃ!」

 

緊張してる間にマギスフィアが迫り来る。

 

二水「うううぅぅぅ・・・えい!!」

 

グングニルを振るとマギスフィアが直撃し、そのままマギスフィアを飛ばした。

 

二水「はわわわわ!すみませーーーん!!お願いしますーーー!!」

 

 

 

 

楓「いいえ!良いパスですわよ!!」

 

マギスフィアが楓のジョワユーズに渡った。楓がマギスフィアにキックした。

 

 

 

 

 

 

閑「ノインヴェルト戦術!?」

 

汐里「あんな距離で!?面白い事しますね。一柳隊。」

 

百由「結界の外からって訳ね。ってかその前に夢結と梨璃ちゃんは何で戦えるのよ!?」

 

祀「カリスマ?」

 

百由「はぁ!?」

 

祀「梨璃さんは前にも、夢結さんのルナティックトランサーを鎮めているわ。同じように。彼女のレアスキルのカリスマがヒュージの結界に干渉しているんじゃ?」

 

百由「成る程。カリスマね。って!いえいえだからってそこまで!?」

 

 

 

 

 

 

梅「何か何時もより調子良いな〜!」

 

マギスフィアが梅のタンキエムに渡り、ミリアムにパスした。

 

ミリアム「ワシは絶好調じゃ!」

 

ミョルニールで受け止め、鶴紗にパスした。

 

鶴紗「何時もより体が軽い!!」

 

ティルフィングで受け止め、神琳にパスした。

 

神琳「夢結様!梨璃さん!」

 

マソレリックで受け止め、梨璃と夢結にパスした。

 

 

 

 

梨璃「あ!」

 

夢結「マギスフィアが来るわ!私が受けるから、フィニッシュはあなたが!」

 

すると巨大ヒュージの腕が分裂した。

 

夢結「え!?」

 

マギスフィアを分裂した腕で横取りしてしまった。

 

 

 

 

神琳「何ですって!?」

 

 

 

 

腕が円状になり、マギスフィアを転がした。

 

 

 

 

楓「マギスフィアが横取りされた!?」

 

 

 

 

京輔「彼奴、学習してやがる!」

 

龍馬「厄介だぞこりゃ!」

 

夢結「失敗だわ。逃げなさい!梨璃!」

 

梨璃「お姉様が逃げて下さい!!」

 

巨大ヒュージに立ち向かった。

 

夢結「っ!?」

 

立ち向かう梨璃を追う。

 

『フルボトルバスター!』

 

京輔「行くぞ!」

 

フルボトルバスターを握って構えた。

 

龍馬「ハァッ!!」

 

ソレスタルパイロウィングで飛翔した。

 

 

 

 

夢結「たまには私の言う事を聞いたらどうなの!?あなたは!」

 

梨璃「た、たまには!?」

 

夢結「シュッツエンゲルなのよ!私は!なのに、梨璃は私の言う事を何時も聞かなくて!」

 

梨璃「ええ!?お姉様は私の事をそんな風に思ってたんですか!?」

 

夢結「そうでしょ!?あなたは何時も気が付けば置いてけ堀にして!自分より、他人の事に一生懸命で。」

 

痴話喧嘩しながら連携が取れている。

 

 

 

 

龍馬「喰らえ!!」

 

クローズマグマナックルで腕の一部を破壊した。

 

龍馬「腕が多過ぎて厄介だな!」

 

すると巨大ヒュージが個体を無数に射出した。

 

龍馬「何!?」

 

 

 

 

地上では、ビルドがフルボトルバスターにフルボトルを装填していた。

 

『サメ!』

『クジラ!』

 

『ジャストマッチデース!』

『ジャストマッチブレイク!』

 

クジラ級のサメのエネルギー体が発射され、サメのエネルギー体が個体を喰い荒らした。

 

京輔「どんどん行くぜ!!」

 

『タンク!』

『ジェット!』

『ロケット!』

『ガトリング!』

 

『アルティメットマッチデース!』

『アルティメットマッチブレイク!』

 

巨大な青いエネルギー弾をガトリングのように高速連射して、巨大ヒュージに全弾命中した。

 

 

 

 

そして梨璃がヒュージが横取りしたマギスフィアをグングニルでキャッチした。

 

梨璃「やった!!」

 

だがマギスフィアが黒くなっており、グングニルの刃が黒く染め上げられた。

 

夢結「マギを吸い過ぎている!!」

 

すぐにダインスレイフでマギスフィアを弾いた。

 

 

 

 

 

 

天葉「行くよ!樟美!」

 

樟美「はい!天葉お姉様!」

 

マギスフィアを同時にキャッチした。

 

天葉・樟美「ハアアアアァァァ!!!!」

 

息を合わせてパスした。

 

 

 

 

梨璃「マギスフィアが!!」

 

 

 

 

マギスフィアを依奈が受け止めた。

 

依奈「壱!亜羅椰!」

 

パスした直後、依奈のアステリオンが粉々になってしまった。

 

依奈「え!?これだけでCHARMが限界だなんて!どんだけのマギスフィアなのよ!!かなりヤバい奴よ!気を付けて!!」

 

 

 

 

壱「望む所!!」

 

亜羅椰「後は頼むわよ!!」

 

壱・亜羅椰「皆!!」

 

マギスフィアが、他のリリィ達によってどんどんパスされて行く。

 

 

 

 

巨大ヒュージが腕を飛ばした。

 

龍馬「そうはさせるか!!!」

 

『Ready Go!!』

 

『ボルケニック・フィニッシュ!』

『アーチャチャチャチャチャチャー!』

 

全身に紅炎を纏い、マギスフィアに迫る巨大ヒュージの腕を高速ラッシュで弾き返した。

 

 

 

 

梨璃「マギスフィアがまだ!」

 

夢結「皆が繋いでくれているんだわ!」

 

 

 

 

閑「行っけーーーーー!!!」

 

汐里「ヤァッ!!」

 

史房「仕方無いわね!!」

 

百由「あははははは!!」

 

他のリリィ達も、マギスフィアを繋いでくれた。

 

 

 

 

梅・鶴紗「私達ももう1度!」

 

神琳・雨嘉「CHARMを限界まで!」

 

楓・二水「夢結様と梨璃さんに!」

 

ミリアム「頼むぞ!ワシの!!」

 

7人がCHARMにユリフルボトルを装填した。

 

『Ready Go!!』

『アサルトブレイク!』

 

マギスフィアが7人のCHARMに乗った。

 

7人「ハアアアアァァァ!!!!」

 

力を合わせて上空へ飛ばした。それと同時に7人のCHARMが限界に達して破損してしまった。

 

 

 

 

巨大ヒュージの腕がマギスフィアを受け止めようとしたが、マギスフィアが巨大ヒュージの腕を貫いた。

 

 

 

 

楓「ノインヴェルトは、CHARMを著しく消耗させるんですのよ!覚えておきなさい!」

 

 

 

 

梨璃「すみませんお姉様・・・私が無茶させたから・・・」

 

腕を痛めた夢結だが、梨璃に顔を向けて覚悟を決めた。

 

梨璃「・・・っ!」

 

理解した梨璃が頷いた。

 

京輔「梨璃!夢結!」

 

龍馬「俺達も一緒に!」

 

夢結「えぇ!」

 

梨璃「はい!」

 

すると梨璃と夢結の持ってるユリフルボトルが光り、ダインスレイフも光った。

 

梨璃「これは・・・!」

 

2つのユリフルボトルがダインスレイフの宝玉に吸い込まれた。

 

『Ready Go!!』

『アサルトブレイク!』

 

夢結「フルボトルがダインスレイフに吸い込まれた?」

 

龍馬「ダインスレイフがフルボトルに共鳴したんだ。」

 

ビルドがフルボトルバスターにジーニアスコアフルボトルを装填した。

 

『ファイナルマッチデース!』

 

そのままフルフルラビットタンクフルボトルを装填した。

 

『ラストマッチデース!』

『ラストマッチブレイク!』

 

京輔「ドリャアアアアア!!!」

 

浮遊能力で飛翔して、虹色に輝く巨大な砲撃で、巨大ヒュージの腕を全て破壊した。マギスフィアが迫って来る。梨璃と夢結がマギに乗って飛翔した。

 

京輔「勝利の法則は決まった!!」

 

龍馬「今の俺達は、負ける気がしねえ!!」

 

ボルテックレバーを回した。

 

『ワンサイド!』

『逆サイド!』

『オールサイド!』

 

『Ready Go!!』

 

ビルドとクローズマグマが飛翔し、梨璃と夢結の左右に並んだ。

 

梨璃・夢結「ヤアアアアアアア!!!」

 

マギスフィアをダインスレイフでキャッチした。するとダインスレイフの刃にマギスフィアが流れた。

 

『ジーニアスフィニッシュ!』

 

『ボルケニックアタック!』

『アチャー!』

 

京輔・龍馬「ダアアアァァァァ!!!」

 

梨璃・夢結「ヤアアアアアアア!!!」

 

ダブルライダーキックとノインヴェルト戦術の斬撃が巨大ヒュージを貫いた。貫かれた巨大ヒュージが大規模の大爆発を起こした。

 

 

 

 

空が晴れ、梨璃と夢結が海から顔を出した。

 

龍馬「凄え・・・」

 

京輔「終わった・・・か・・・」

 

ビルドとクローズマグマは浮遊している。

 

 

 

 

 

 

戦いが終わった後。

 

壱「はぁ〜〜〜〜〜!戦闘の後に入るお風呂は格別だわぁ〜!」

 

二水「確かに格別だけど・・・格別過ぎませんかーーー!?」

 

露天風呂で百合ヶ丘のリリィ達が浸かっている。

 

依奈「まさか温泉まで沸くとはねぇ〜。」

 

百由「大丈夫〜。今はどの監視も麻痺してるから、誰も見てないよ。」

 

二水「そう言う問題でしょうか・・・?」

 

亜羅椰「私は見られたって平気だけどねぇ〜。」

 

壱「亜羅椰は少しは恥を知れ!」

 

樟美「亜羅椰ちゃんエロい。」

 

亜羅椰「樟美から食ってやろうか!?」

 

天葉「下品なのはいけません!」

 

ミリアム「上級生とお風呂に入ると言うのは新鮮な気分じゃのう。」

 

梅「こうなったら学年なんか関係ないだろ〜。」

 

本日の露天風呂は混浴。勿論京輔と龍馬も居る。

 

京輔「ん〜〜〜・・・あぁ〜!いやぁ〜、露天風呂なんて久し振りだぁ〜!」

 

龍馬「入るのは何年振りだろうなぁ〜。」

 

京輔「ん?」

 

梨璃「うっ!」

 

湯に浸からず立っている梨璃は痛がっていた。

 

梨璃「彼方此方ヒリヒリします・・・お姉様・・・」

 

夢結「傷よりもお湯に集中なさい。風邪を引くわ。早くいらっしゃい。」

 

梨璃「は、はい!お姉様はどんな事態でも想定済みなんですね?」

 

夢結「リリィの嗜みよ。」

 

梨璃「うっ!!」

 

傷の痛みを我慢して湯に浸かり、夢結の横に座った。

 

梨璃「でも、こう言うの初めてですね。」

 

夢結「そ、そうね。」

 

楓「ううぅぅ・・・!ここだけは・・・!私と梨璃さんだけの聖域でしたのに・・・!!」

 

鶴紗「何と言う極楽〜♪」

 

神琳「冷たい風が心地良いですね〜。」

 

雨嘉「うん。故郷を思い出す。」

 

 

 

 

 

 

その夜。百合ヶ丘女学院・理事長室に京輔、龍馬、梨璃、夢結が呼ばれた。

 

百由「これが、私達百合ヶ丘女学院の管轄する7号由比ヶ浜ネストの現在の様子よ。」

 

モニターにヒュージネストを表示した。

 

梨璃「はぁ。」

 

百由「ここに映ってるのが、ネストの主と目されてるアルトラ級ヒュージね。」

 

梨璃「アルトラ級?えっと、もしかしてこれ・・・海の底ですか!?」

 

百由「そうそうそうそう!」

 

京輔「確かアルトラ級ヒュージの全長は400メートルだったり1キロだったりしたよな?」

 

百由「そうそう!」

 

梨璃「よく分からないけど・・・凄いですね・・・」

 

百由「ここ最近のヒュージは、このアルトラ級から大量のマギを半ば奪う形で供給されていたわ。」

 

史房「過剰な負荷を掛けられたせいで、今はネスト全体がその機能を事実上停止していると思われます。殲滅するにはまたと無い機会よ。」

 

梨璃「せ、殲滅?」

 

龍馬「そいつを倒せば殲滅するって事か。」

 

高松「そこで、一柳君と稲葉君と仁科君にその任務を頼みたいのだ。」

 

梨璃「はい。え?私!?」

 

京輔「俺達が?」

 

龍馬「任務を?」

 

 

 

 

 

 

翌朝。京輔がハザードトリガーとジーニアスフルボトルを出し、龍馬がクローズマグマナックルを出した。

 

「マックスハザードオン!」

 

「グレート!」

『オールイエイ!』

 

『ジーニアス!」

 

『ボトルバーン!』

『クローズマグマ!』

 

『イエイ!』

「イエイ!」

『イエイ!』

「イエイ!」

 

『Are you ready?』

 

京輔・龍馬「変身!」

 

『完全無欠のボトルヤロー!』

『ビルドジーニアス!』

『スゲーイ!』

『モノスゲーイ!』

 

仮面ライダービルド・ジーニアスハザードフォームに変身した。

 

『極熱筋肉!』

『クローズマグマ!』

『アーチャチャチャチャチャチャチャチャチャアチャー!』

 

仮面ライダークローズマグマに変身した。

 

京輔「よし!」

 

龍馬「っしゃ!」

 

ビルドが浮遊能力で飛翔し、クローズマグマがソレスタルパイロウィングで飛翔した。そして梨璃と夢結を乗せたオスプレイが離陸した。

 

 

 

 

ビルドとクローズマグマとオスプレイが、ヒュージネストの真上に着いた。

 

京輔「あれがヒュージネスト。」

 

龍馬「いよいよかぁ。」

 

梨璃と夢結がオスプレイから飛び、夢結が傘を開いてゆっくりと降りる。ビルドとクローズマグマもゆっくりと降りる。

 

 

 

 

 

 

昨夜。

 

梨璃「だけど、どうやって?」

 

眞悠里「これだ。」

 

そこにはダインスレイフがあった。

 

夢結「これは!?」

 

京輔「ダインスレイフ!」

 

眞悠里「お前達の方が馴染み深いだろうな。ダインスレイフ。謂わば、この事態の元凶となったCHARMだ。美鈴様が書き換えた術式が、巡り巡って由比ヶ浜のヒュージを狂わせた。」

 

百由「それをヒントに、アルトラ級を倒す為の、謂わばバグとしての術式を仕込んだの。まさかこんなすぐに使う事になるとは思わなかったから、間に合わせの急拵えだけど。」

 

夢結「急ぐ必要があると言う事ね。」

 

史房「昼間の戦いを経て、私達はもうこの1振りのCHARMしか残されていないの。」

 

京輔「そうか。他のCHARMはマギスフィアの影響で破損しちまったもんな。」

 

眞悠里「もし今ヒュージが現れても、なす術がない。例え先生が戦っても、また別のヒュージが現れるかも知れない。」

 

祀「これを扱う事が出来るのは、カリスマ以上のレアスキルを持つリリィだけ。そうでなければ、バグを送り込む所か、自身が汚染される恐れがあるわ。」

 

梨璃「えっと、あの・・・カリスマって結局何なんでしょう?」

 

百由「今日の梨璃さんの戦い方は、通常のカリスマの域を超えているわ。全リリィのパフォーマンスが著しい向上を示したの。私達もつい参加しといて何だけど、全校生徒でマギスフィアを繋ぐノインヴェルト戦術なんて、常識じゃありえないもの。」

 

京輔「けど俺達にとって良い光景を目に出来たけどな。」

 

龍馬「今まで以上の良い連携だったぞ?」

 

百由「褒めてくれてありがとう。仮説だけど、より上位のスキルを発現した可能性すら。」

 

夢結「それでも、危険な任務に変わりないわ。」

 

史房「えぇ。」

 

京輔「その為に、俺達を梨璃の同行役になってくれと?」

 

百由「まぁそんな所ね。」

 

龍馬「単純な命令だな。」

 

梨璃「あの。理事長代行・・・先生。」

 

高松「ん?」

 

梨璃「ありがとうございました。」

 

高松「はて?ワシが?」

 

梨璃「結梨ちゃんの事。結梨ちゃんを最後まで庇ってくれたって、百由様から聞きました。」

 

高松「じゃが、救う事は叶わなかった・・・」

 

京輔「梨璃。あの時は本当に後悔してる。結梨を助けられなかった・・・すまない・・・」

 

梨璃「それでも、結梨ちゃんの為にありがとうございます。」

 

京輔「梨璃・・・」

 

梨璃「やります!私、もう誰にも結梨ちゃんみたいな事になって欲しくないんです。仲間が居なくなって、悲しい思いをするリリィも居て欲しくないから・・・」

 

 

 

 

 

 

現在。4人がヒュージネストの真ん中まで来た。

 

梨璃「静かです・・・」

 

夢結「ここはもう、海の中のはずよ。」

 

京輔「海を分断して潜んでいるのか。」

 

龍馬「ん?おい、見えたぞ。」

 

ヒュージネストの底に光る何かを発見した。

 

梨璃「あれが・・・アルトラ級ヒュージ・・・」

 

京輔「想像以上にデケェなぁ・・・」

 

 

 

 

 

 

昨夜。

 

夢結「その作戦には、私も同行します。」

 

梨璃「お姉様?」

 

夢結「今の梨璃の言葉は、私の願いでもあります。私が梨璃を思い、梨璃が私を思う限り。私達は必ず戻ります。梨璃は、私も守ります!」

 

梨璃「じゃあ、お姉様は私が守りますね!」

 

京輔「それじゃあ、俺達がお前達を守る役目な!」

 

龍馬「夢結、しっかり梨璃を守れよな。」

 

夢結「勿論よ。」

 

祀「夢結・・・梨璃さん・・・先生・・・」

 

史房「ごめんなさい。あなた達には大変な思いばかりさせて・・・」

 

夢結「いえ。皆自分のすべき事をしたのよ。」

 

龍馬「お前達が今まで担った事、全て誤りじゃない。」

 

京輔「そして、俺達と皆でこの世界にラブ&ピースを齎す。それが今の最大の任務だ。」

 

高松「・・・どうか、頼む。」

 

頭を深く下げた。

 

 

 

 

 

 

現在。梨璃と夢結が傘を手放した。ビルドがフルボトルバスターにジーニアスコアフルボトルとフルフルラビットタンクフルボトルを装填した。

 

『ファイナルマッチデース!』

『ラストマッチデース!』

 

クローズマグマがビートクローザーのグリップエンドを3回引いた。

 

『ヒッパレー!ヒッパレー!ヒッパレー!』

 

ダインスレイフを梨璃と夢結が握った。

 

梨璃「CHARMから、美鈴様を感じます。」

 

夢結「そう。」

 

龍馬「もう少しでアルトラ級に着くぞ。」

 

ゆっくりと降下し、そして。

 

京輔「今だ!!」

 

龍馬「ダァッ!!」

 

梨璃・夢結「ハァッ!!」

 

『ラストマッチブレイク!』

 

『メガヒット!』

 

虹色の斬撃のラストマッチブレイクとメガヒットとダインスレイフがアルトラ級ヒュージを突き刺した。ダインスレイフの術式をアルトラ級ヒュージに流し込んだ。

 

梨璃「あ!」

 

アルトラ級ヒュージが2つの光線が上空へ放たれた。

 

京輔「怯むな!このまま押し込め!!」

 

龍馬「負けるかああああああああ!!」

 

4人が力を振り絞って3つの武器をアルトラ級ヒュージに押し込んだ。ダインスレイフがアルトラ級ヒュージに飲み込まれた。アルトラ級ヒュージが苦しみ始め、ヒュージネストが崩壊し始めた。

 

京輔「海が流れ込んでいく!」

 

龍馬「ヒュージネストが崩壊していく!」

 

夢結「梨璃!!」

 

梨璃「お姉様!!」

 

ヒュージネストが消滅し、海が流れ込んだ。梨璃と夢結が手を繋ぎ、お互いのリボンを外して黒い球体を張った。

 

京輔「っ!」

 

ビルドが右手に光を集めて球体を作り、自身とクローズマグマを包み込んだ。アルトラ級ヒュージが大爆発した。爆風が結界と泡を吹き飛ばした。

 

 

 

 

 

 

目を覚ました梨璃。目覚めた場所は、部屋のベッドの上。

 

梨璃「・・・?」

 

結梨「梨璃?起きちゃった?」

 

そこには、戦死したはずの結梨が居た。

 

梨璃「結梨ちゃん・・・?」

 

結梨「眠れないの?」

 

梨璃「分からない・・・何か、悲しい夢を見ていたみたい・・・でも、思い出せなくて・・・」

 

結梨「大丈夫だよ。梨璃と夢結は、私がきっと皆の所に返してあげる。」

 

梨璃「え?」

 

結梨「ありがとう。梨璃・・・」

 

梨璃「結梨ちゃん・・・」

 

涙を流しながら目を瞑った。

 

 

 

 

 

 

夢結「梨璃。・・・梨璃。」

 

目を覚ました梨璃が夢結の声を聞いた。

 

梨璃「・・・?お姉様?ここは?」

 

夢結「私達は、アルトラ級ヒュージを倒したわ。そして、皆の所へ帰る所よ。」

 

梨璃「何だか、お姉様に包まれてるみたいです。」

 

夢結「何を言うのよ?」

 

2人が右手を合わせると、リングが光った。お互い下着姿になっていた。

 

梨璃「結梨ちゃんが来てくれたんです・・・」

 

夢結「そう・・・美鈴様は、私の所へは来てくれなかった・・・」

 

梨璃「美鈴様は、お姉様の事が本当に大好きだったんですね。美鈴様はあの時、何が何でもお姉様を守ろうとしたんです。その思いが、あのダインスレイフに強く、強く刻まれていて・・・私にも伝わって来ました!」

 

夢結「ヒュージを狂わせたのは、美鈴様の意図した事ではないと言うの?」

 

梨璃「はい。でも、私どうしても分からないんです。」

 

夢結「え?」

 

梨璃「だって、お姉様の事、好きなら好きでそれで良いと思うんですよね。でも、美鈴様はそう言う自分を受け入れられなくて・・・だからって、自分を呪ったりする事はないと思うんです。」

 

夢結「・・・そんな事で?」

 

梨璃「大事な事ですよ。だから、私はそう思うんです。」

 

 

 

 

 

 

黒い球体を引き揚げられた。楓がジョワユーズを突き刺すと、球体が割れ、梨璃と夢結が出て来た。

 

梨璃・夢結「あ。」

 

下着姿の2人に、周りは驚いた。

 

二水「皆でずっと探してたんですよ〜!お2人共、無事で良かったです〜!」

 

神琳「これは、良い記事になりそうですね。」

 

ミリアム「しっかしこの格好じゃ、新聞には載せられんのう!」

 

楓「ようやく見付けたと思ったら!真昼間から何してらっしゃいますの!!」

 

怒ってタオルを投げた。

 

梨璃「あ、ありがとう。皆さん。」

 

梅「おかえり!2人共。」

 

雨嘉「おかえりなさい。」

 

鶴紗「おかえりだ。」

 

リリィ達「おかえりなさい!」

 

他のリリィ達も迎えに来てくれた。

 

梨璃・夢結「・・・ただいま!」

 

夢結「あら?先生は?」

 

神琳「先生なら彼処に。」

 

2人の後ろを指差した。そこに京輔と龍馬が歩いて来た。

 

京輔「何だ?2人揃ってイチャイチャですかな?」

 

龍馬「無事で良かったな。2人共。」

 

梨璃「先生もご無事で。」

 

京輔「最っ高だな!」

 

海岸に巨大な化石が打ち揚げられていた。

 

 

 

 

 

 

あの戦いの後、週刊リリィ新聞に梨璃と夢結、京輔と龍馬の帰還記事が掲載されていた。そして、ミリアムと百由のシュッツエンゲルの電撃契約の記事も掲載されていた。

 

百由とミリアムは花冠を被り、2人でブーケを持った。京輔は2人のツーショット写真をスマホに残した。

 

 

 

 

中庭の草原では、梅と鶴紗と雨嘉が眠っている。神琳が雨嘉に膝枕してあげてる。茂みから二水がこっそり出て来て撮ろうとした時、眠っている梅に引っ張られた。

 

 

 

 

中庭に梨璃と夢結と楓とミリアムが来て、皆と一緒に眠った。

 

 

 

 

深海には、ダインスレイフが遺されていた。

 

 

 

 

 

 

百合ヶ丘女学院・屋上。

 

龍馬「ふぅ〜。ようやく、この戦いに終止符が打たれたみたいだな。」

 

京輔「けど、また新しいヒュージが現れるかも知れないな。」

 

龍馬「それもそうだな。」

 

京輔「そう言えば、言い忘れた事がある。」

 

龍馬「何だ?」

 

京輔「お前、チャック閉め忘れてるぞ?」

 

龍馬「え?・・・マジか!!」

 

ズボンのチャックが開いていた。すぐにチャックを閉めた。

 

龍馬「何時から!?」

 

京輔「アルトラ級ヒュージにトドメを刺す前から。」

 

龍馬「そんな前から!?何で言ってくれねえんだよ!?」

 

京輔「人に頼らずに自分で気付けバカ。」

 

龍馬「バカって何だよ・・・せめて先生って付けろよ!!」

 

京輔「イヤッホー!」

 

怒った龍馬が逃げる京輔を追い掛け回す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夜の上空。1機の輸送機が謎の積荷を乗せて何処かへ向かっていた。その積荷から火花が飛び散り、輸送機が大爆発した。積荷は落下し、百合ヶ丘女学院のグラウンドに落ちた。その積荷の正体は、CHARMだった。

 

『THE END』




キャスト

稲葉京輔:千葉翔也

仁科龍馬:畠中祐

一柳梨璃:赤尾ひかる
白井夢結:夏吉ゆうこ
楓・J・ヌーベル:井澤美香子
二川二水:西本りみ
安藤鶴紗:紡木吏佐
吉村・Thi・梅:岩田陽葵
郭神琳:星守紗凪
王雨嘉:遠野ひかる
ミリアム・ヒルデガルド・v・グロピウス:高橋花林
一柳結梨:伊藤美来

真島百由:水瀬いのり

田中壱:洲崎綾
天野天葉:津田美波
江川樟美:原田彩楓
遠藤亜羅椰:関根明良
番匠谷依奈:立花理香
出江史房:長妻樹里
秦祀:田中那実
内田眞悠里:櫻川めぐ
六角汐里:高橋李依
伊東閑:七瀬彩夏

川添美鈴:川澄綾子
高松咬月:中田譲治





アサルトビルド HAZARD!

京輔「次回は特別編がスタート!」

龍馬「一体何が起こっているんだ?」

特別編シリーズ・EVIL THE CASTLE


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##EVIL THE CASTLE##
特別編1「謎のCHARM」


アルトラ級ヒュージを殲滅してから数日後。新たな事件が百合ヶ丘に舞い降りた。


夜の上空。

 

隊長「かなり雨が降ってるな。」

 

隊員A「えぇ。このまま何事もなければ良いんですがね。」

 

1機の輸送機が謎の積荷を乗せて何処かへ向かっていた。

 

隊員A「次の目的地は、アメリカですよね?」

 

隊長「そうだ。彼処にクライアントが居る。」

 

隊員B「ん?」

 

その積荷から火花が飛び散った。

 

隊員B「隊長!積荷から火花が!」

 

隊長「何!?」

 

そして火花が機材に飛び散った。

 

隊長「っ!?」

 

ショートした機材が炎上し、輸送機が大爆発した。

 

 

 

 

積荷は落下し、百合ヶ丘女学院のグラウンドに落ちた。その積荷の正体は、CHARMだった。

 

 

 

 

 

 

翌朝。百合ヶ丘女学院・理事長室。

 

百由「これが、今朝回収されたCHARMです。」

 

工廠科2年生・真島百由。

 

百由「グングニルと同じね。」

 

祀「グランギニョルが開発したのかしら?」

 

3年生・秦祀。

 

百由「いえ。グランギニョルに問い合わせてみましたが、存知ないと言ってました。」

 

高松「と言う事は、グランギニョル以外のCHARMメーカーが存在していると?」

 

理事長代行・高松咬月。

 

百由「可能性がありますね。」

 

”コンコン”

 

高松「ん?入りたまえ。」

 

龍馬「理事長代行。」

 

入って来たのは、稲葉京輔と仁科龍馬。

 

龍馬「百由から話は聞いている。これが、回収されたCHARMか。」

 

高松「うむ。」

 

龍馬「種類はグングニルと同じか。」

 

京輔「・・・・理事長代行。」

 

高松「ん?」

 

京輔「これ、処分しよう。」

 

高松「処分?」

 

史房「どう言う事ですか?」

 

3年生・出江史房。

 

京輔「此奴は丸っきり偽物だ。本物そっくりによく出来てやがる。」

 

龍馬「これが?」

 

眞悠里「けど、見た目からしてグングニルと同じ種類としか見えないわ。」

 

3年生・内田眞悠里。

 

京輔「EVIL CHARMだ。」

 

龍馬「EVIL CHARM!?」

 

高松「幻のCHARMと言われている代物か。」

 

京輔「まさか現在でも開発されていたとはなぁ。」

 

百由「それで、このCHARMはどんな機能があるの?」

 

京輔「此奴はな、本物のCHARMとは違い、契約したリリィの身体能力や攻撃力、防御力を最大限まで自動で高めてくれる奴だ。勿論、レアスキルも。ただし、その力は強烈でな。此奴を酷使続けると、身を滅ぼす危険なCHARMだ。そして此奴には弱点がある。」

 

龍馬「弱点?」

 

京輔「ここでやるのは危険だ。海岸で試そう。」

 

 

 

 

 

 

海岸へ移動した。

 

史房「ここで何を試すんですか?」

 

京輔「このEVIL CHARMを、こうする!!」

 

そう言ってEVIL CHARMを海に向かって投げた。すると。

 

 

 

 

 

 

海に落ちたと同時に大爆発が起こった。

 

 

 

 

 

 

祀「これって・・・!」

 

京輔「EVIL CHARMの弱点は水。水に触れると街1つを吹き飛ばす程の大爆発が起こるんだ。もっと恐ろしいのが、契約中のリリィも、EVIL CHARMが爆発と同時に死亡してしまうんだ。」

 

龍馬「契約したリリィも・・・」

 

百由「一体、何処で開発されているの?」

 

京輔「当てはある。ファヴラス公国だ。」

 

高松「ファヴラス公国。」

 

 

 

 

 

 

翌日。創炎組と一柳隊がオスプレイに乗ってファヴラス公国へ向かった。

 

 

 

 

数日間後。ファヴラス公国の隣の国に到着し、オスプレイが降ろした11人乗りのバンに乗って出発した。運転手は京輔。

 

二水「何で目的地まで行かないんですか?」

 

一柳隊・二川二水。

 

京輔「彼処は国境警備が厳しくてな。正門から入国しないと、迷彩ドローンが追撃して来るからな。」

 

雨嘉「かなり科学が発達しているんですね。」

 

一柳隊・王雨嘉。

 

鶴紗「それで、ファヴラス公国ってどんな国なんだ?」

 

一柳隊・安藤鶴紗。

 

京輔「行ってみれば分かる。」

 

バンはファヴラス公国へ向かった。

 

 

 

 

夜。雨が降る道をバンが走る。

 

 

 

 

翌朝。雨が止んだ。

 

 

 

 

午後。線路を走る貨物列車を見た。

 

 

 

 

夜。神琳と雨嘉が夕飯を作る。

 

 

 

 

深夜。一柳隊が眠っている。京輔と龍馬が星空を眺めている。

 

数分後。京輔と龍馬がバンに乗り、ファヴラス公国へ向かった。

 

『To Be Continued・・・』




次回・公国のチェイサー


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特別編2「公国のチェイサー」

ファヴラス公国・国境正門。多くの車が行き来している。そこに1台のバンが来た。バンに乗っているサングラスの若者と金髪の若者がパスポートを出した。国境警備員が2つのパスポートを拝見する。警備員がパスポートを返し、ゲートを開けた。バンがファヴラス公国に入国した。

 

 

 

 

ファヴラス公国。バンの布から一柳隊が顔を出した。京輔と龍馬がサングラスとカツラを脱いだ。

 

梨璃「どうでしたか?」

 

一柳隊隊長・一柳梨璃。

 

夢結「通過出来たみたいね。」

 

一柳隊・白井夢結。

 

梅「まさか京輔先生がここで色々やらかしてたとはな〜。」

 

一柳隊・吉村・Thi・梅。

 

龍馬「聞かない名だな。ファヴラス公国とは。」

 

京輔「人口は凡そ3500。世界で1番小さな国連加盟国だ。」

 

楓「それがEVIL CHARMの震源地と言う訳ですのね?」

 

一柳隊・楓・J・ヌーベル。

 

京輔「その筋じゃ有名な伝説になってんのさ。偽CHARM界のブラックホールってな。」

 

ミリアム「ブラックホールじゃと?」

 

一柳隊・ミリアム・ヒルデガルド・v・グロピウス。

 

京輔「ちょっかい出して帰って来た奴は居ねえってな。」

 

龍馬「へぇ〜。怖いなぁ〜。怖いから、俺寝る。」

 

 

 

 

しばらく走っていると、バンのタイヤの左後がパンクしてしまった。バンを路肩に停めた。

 

梨璃「どうしたんですか?」

 

京輔「あらら、パンクしてしまった。ちょっと待ってろ。」

 

バンを降りて、トランクからスペアタイヤと工具を出した。

 

京輔「1分で終わらせてやる。」

 

早速器用にタイヤを外して、スペアタイヤを取り付けた。

 

京輔「よし、交換完了。」

 

龍馬「どうする?このまま進むか?」

 

京輔「いや、一旦休憩しよう。流石にバンの中で過ごすのは気が滅入るだろう。」

 

二水「そうですね。」

 

停めた場所は、花が沢山咲く草原があった。

 

雨嘉「綺麗・・・」

 

梨璃「お姉様!可愛い花がいっぱい咲いていますよ!」

 

夢結「本当ね。」

 

京輔「平和だねぇ〜。」

 

 

 

 

しかし。

 

 

 

 

京輔「ん?」

 

遠くから1台の赤い車が現れた。

 

京輔「何だ?」

 

赤い車を運転していたのはウェディングドレスの少女だった。少女はそのままバンを通り過ぎて行った。

 

龍馬「ん!?」

 

その後ろからヒュージが現れた。

 

梨璃「ヒュージ!?」

 

だがそのヒュージは、京輔達を無視して、赤い車に乗った少女を追跡する。

 

龍馬「何だあのヒュージ!?」

 

『ビルドチェンジ!』

 

京輔「逃がすか!!」

 

マシンビルダーに乗った京輔が、少女を追うヒュージを追跡し始めた。

 

龍馬「おい京輔!皆乗れ!!」

 

一柳隊がバンに乗り、龍馬がバンを運転する。

 

龍馬「しっかり掴まれ!」

 

バンのアクセルを全開にした。

 

 

 

 

一方京輔は、少女を追跡するヒュージの後ろを取った。そこに龍馬が運転するバンと合流した。

 

龍馬「どっちに付く?」

 

京輔「少女!」

 

龍馬「だよな!」

 

ヒュージは赤い車の横に並び、そのまま赤い車を横に押した。少女を乗せた赤い車が押され、ガードレールに押し込まれていく。

 

京輔「雨嘉!やれるか?」

 

雨嘉「は、はい!」

 

バンの上に雨嘉が立ち、アステリオンを構える。すると赤い車の左のドアが外れた。

 

京輔「うお!?」

 

ドリルクラッシャーでドアを弾いた。更に今度は崖の上から落石が降って来た。

 

龍馬「落石!?」

 

雨嘉「っ!!」

 

アステリオンを真上に向け、弾丸を発射。落石が粉々になった。

 

神琳「雨嘉さん、流石ですね!」

 

雨嘉「ありがとう。神琳。」

 

追跡は続く。雨嘉がアステリオンの照準をヒュージの体に向けた。

 

雨嘉「っ!!」

 

トリガーを弾いて弾丸を連射。しかし、ヒュージがシールドを張った。

 

雨嘉「あのヒュージ、シールドを張ってる!?」

 

京輔「雨嘉!後ろに乗れ!」

 

雨嘉「え?後ろに?」

 

言われるがままに、京輔の後ろに乗った。

 

京輔「回り込むぞ!掴まれよ!」

 

雨嘉「え!?」

 

マシンビルダーが崖を突っ走った。

 

雨嘉「ええええーーー!?」

 

 

 

 

崖の上に登ったマシンビルダーが、今度は森林の中を走る。

 

 

 

 

森林から出て下を見ると、前に回り込めた。

 

京輔「取ったぜーーー!!」

 

マシンビルダーが崖を降りる。

 

雨嘉「私の本気、見せてあげる!」

 

ヒュージの前に降り、雨嘉がアステリオンを構える。

 

雨嘉「当たって!!」

 

京輔「喰らえ!!」

 

ドリルクラッシャーとアステリオンの弾丸がヒュージの体を貫いた。貫かれたヒュージがガードレールを越え、そのまま海へと落下して爆発した。

 

雨嘉「やった!!」

 

京輔「流石だ雨嘉。」

 

マシンビルダーをバンの横まで減速し、雨嘉がバンに飛び移った。

 

龍馬「雨嘉。よくやった。」

 

雨嘉「えへへ。ありがとうございます。」

 

”ピー!ピー!”

 

マシンビルダーの警告音で少女を気付かせようとしたが、少女が反応しない。その理由は・・・

 

京輔「あらら?気絶してるぞ・・・」

 

少女が気絶してしまったのだ。車のスピードが徐々に高くなり、ガードレールにぶつかった時にバックミラーが飛んだ。

 

二水「このままだとバラバラになってしまいます!!」

 

京輔「俺が行く!」

 

楓「先生!?」

 

マシンビルダーを赤い車の横に近付いた。

 

京輔「よっと!」

 

マシンビルダーをビルドフォンに戻すと同時にジャンプして、赤い車に飛び移った。

 

京輔「よし。」

 

少女を救出しようとしたその時。目の前に落石が起きていた。

 

梨璃「落石!?」

 

夢結「先生!危ない!」

 

京輔「クッ!!」

 

すかさずアクセルを踏んで落石を通り過ぎた。バンはブレーキを踏んで、落石に巻き込まれずに済んだ。

 

龍馬「京輔!!」

 

 

 

 

落石を通り過ぎた車は。

 

京輔「クソッ!助かったのはいいが、車体がボロボロになってる・・・!このままじゃ・・・!」

 

ヒュージに押された事で車体がボロボロになってしまったのだ。

 

京輔「うおっ!?」

 

タイヤが破裂し、ボンネットが外れてしまった。

 

京輔「え!?」

 

そして最悪な事に、赤い車はそのまま崖へ進んでしまって落ちてしまった。

 

京輔「マ、マ、マジかよーーーー!?」

 

『スパイダー!』

 

右腕に装着しているウォッチビルダーにスパイダーフルボトルを装填し、ワイヤーを射出。ワイヤーのフックが崖から生えてる木に引っ掛けた。

 

 

 

 

赤い車がそのまま湖に落下して水没してしまった。

 

 

 

 

崖の真ん中では、京輔が少女を抱えてワイヤーにぶら下がっている。

 

京輔「ふぅ〜・・・」

 

安堵の表情を浮かべ、少女の顔を見る。

 

京輔「ん?」

 

その少女は赤い髪の可憐な美少女だった。

 

少女「・・・?」

 

気が付いた少女が京輔を見る。

 

京輔「大丈夫か?」

 

少女「嫌!離して!」

 

京輔「うわっ!ダメダメダメ!!下下下見ろ!下見ろってんだ下を!!」

 

暴れる少女に下を見せた。今2人は崖にぶら下がっている状態。

 

少女「あっ!」

 

京輔「ふぅ・・・」

 

少女は暴れるのを止めたが、顔を背けた。

 

京輔「そうそうそれで良い。そのまんま。」

 

右手で内ポケットからビルドフォンを出して、ウォッチビルダーのワイヤーをゆっくりと下げる。

 

 

 

 

だが木が重みに耐え切れず折れてしまった。

 

 

 

 

京輔「ギョエエエエーーーー!?」

 

少女「きゃあああああ!!!」

 

下の浜辺に着地した京輔が少女をキャッチしてゆっくりと降ろした。

 

京輔「ふぅ。危機一・・・ぱつ!?」

 

だが落下した木が脳天に直撃してしまった。京輔はそのままバタリと倒れてしまった。

 

少女「あ!あ、あの・・・大丈夫ですか?」

 

倒れてる京輔に困惑しながらも、湖の水に手を濡らした。そして左のウェディンググローブを外して水に濡らし、京輔の顔を拭いてあげた。

 

京輔「うっ・・・」

 

少女「大丈夫ですか?しっかり。・・・あ!」

 

湖の向こうから白い蒸気船が迫って来た。

 

少女「・・・ごめんなさい。」

 

ウェディンググローブを京輔の顔に乗せ、少女はすぐにその場から走り去った。

 

 

 

 

白い蒸気船に乗ってる男達が少女を追う。少女は近くの森の中へ逃げ込んだ。

 

 

 

 

龍馬「おい!京輔!」

 

気が付いた京輔の元に、龍馬が梨璃と夢結に連れられてやって来た。

 

夢結「大丈夫?怪我は?」

 

京輔「おう、お前等。」

 

梨璃「良かった。無事で。」

 

龍馬「お前何つーザマだ。」

 

京輔「あ、あの子は何処だ?」

 

龍馬が森の方に指を差した。少女は蒸気船に乗った男達に捕らわれてしまっていた。

 

京輔「何だと・・・!?」

 

白い蒸気船は逃げるようにその場から去って行った。

 

京輔「ちくしょう・・・!!」

 

 

 

 

マギの力で飛翔し、崖の上に着いた。

 

二水「京輔先生!無事だったんですね!」

 

楓「本当。心配しましたのよ?」

 

京輔「悪いな。心配させて。」

 

龍馬「たかが娘っ子1人に彼奴等一体何者なんだ?」

 

梨璃「あのヒュージと関係があるかも知れませんね。」

 

夢結「そうね。調べてみる必要がありそうだわ。」

 

京輔「・・・ん?」

 

あの少女が残してウェディンググローブに何か入っている事に気付いた。

 

鶴紗「先生、どうしたんだ?」

 

京輔「何か入ってる。」

 

ウェディンググローブから出て来たのは、ユニコーンの紋章が刻まれた銀色の指輪だった。

 

龍馬「ん?指輪じゃねえか。」

 

京輔「あれ?この指輪何処かで・・・ハッ!」

 

指輪に見覚えがある京輔の表情が変わった。

 

『To Be Continued・・・』




次回・リングの思い出


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特別編3「リングの思い出」

少女が残したリングに心当たりがある京輔がマシンビルダーに乗って先へ向かった。龍馬達はバンに乗って京輔を追う。

 

龍馬「どうしたんだ!指輪見て急に目の色変えやがって!京輔!」

 

だが京輔は返事しないまま先へ進んだ。

 

 

 

 

着いた場所は、荒れ果てた廃墟の城。

 

楓「お城ですの?」

 

二水「廃墟みたいですね。」

 

京輔「・・・」

 

マシンビルダーから降り、スタンドを立てて廃城を眺める。

 

龍馬「おい京輔。この廃城に何かあるのか?」

 

神琳「ん?皆さん、あれを。」

 

梅「何だ?」

 

廃城にユニコーンの紋章があった。

 

鶴紗「あの指輪と同じ紋章だな。ん?先生?」

 

当の京輔は廃城の奥へ進んでいた。

 

 

 

 

廃城の奥。

 

ミリアム「無人になってからそう古くはなさそうじゃな。ん?」

 

足元にある黒い炭を踏んだ。

 

ミリアム「火事じゃな。」

 

 

 

 

???「誰だ!」

 

京輔「ただの通りすがりさ。」

 

 

 

 

ミリアム「何じゃ?」

 

遠くから京輔が誰かと会話している声が聞こえた。

 

 

 

 

???「観光か?」

 

京輔「まぁな。ここは確か、大公殿下の館だと聞いたんだけど。」

 

話している相手は、1人の老人だった。

 

老人「今でもそうじゃ。余所者がウロチョロしても良い所じゃないんだぞ。」

 

雨嘉「これが大公様の館ですか?でも廃墟になっていますけど。」

 

老人「・・・8年前の大火事でな。大公ご夫妻がお亡くなりになって以来、この通り荒れ放題になってしまっておる。」

 

楓「妙ですわね。大公様は王様の事でしょ?今は王様なしって事ですの?」

 

老人「摂政が居るからな。困りはしないそうじゃ。早く帰れよ。」

 

そう言って老人が去って行った。

 

夢結「そろそろ戻りましょう。」

 

梨璃「はい。」

 

だが京輔は忠告を聞かずに先へ進んで行った。

 

梨璃「あ、あの!先生?」

 

梅「怪しいなぁ。」

 

 

 

 

廃城の奥へ進む京輔。その奥は木々に囲まれた石道。その石道を進んで行くと、目の前に小さな湖に囲まれた公園があった。その公園へ行く石橋を歩いて行く。

 

京輔「・・・」

 

公園に着いた京輔が公園を眺める。そこは、木の葉に覆われたベンチやブランコがあった。京輔は石橋の手すりに腰掛けて、腕と足を組んで公園を眺める。

 

 

 

 

”ゴーーーーン!”

 

 

 

 

時計塔の鐘が周囲に響き渡った。京輔は少女が残した指輪を微笑みながら見ている。

 

京輔「・・・大きくなりやがって。」

 

指輪を握り締めた。

 

 

 

 

そこに龍馬達が来た。

 

二水「わぁ〜!綺麗な所です〜!」

 

神琳「ピクニックでもしたい気分ですね〜。」

 

 

 

 

京輔「・・・」

 

指輪をジャケットの内ポケットに収めて、ビルドフォンでファヴラス公国の情報を調べると。

 

京輔「?」

 

皆が京輔をジッと見ている。

 

京輔「・・・・?」

 

明らかに怪しいと感じた京輔が尋ねてみる。

 

京輔「どったの?」

 

龍馬「惚けるんじゃねえの。」

 

京輔「え?何の事?」

 

龍馬「鶴紗。」

 

鶴紗「ハァッ!」

 

京輔「ぐえっ!?」

 

突然鶴紗に間接攻撃を喰らってしまった。

 

鶴紗「1人で格好付けて悩むな!言え!」

 

京輔「ぐ・・・苦じい・・・!!」

 

ミリアム「とりゃああーーー!!」

 

京輔「グエエェェーーー・・・!!」

 

今度はミリアムに腹を絞められた。

 

ミリアム「どうじゃ!言うか?」

 

京輔「分かった分かった!言うから言うから!許してーーーー!!」

 

 

 

 

解放されて、公園の皿に奥へ案内する。

 

京輔「いててて・・・」

 

龍馬「お前はさっきから何を考えてるんだ?」

 

京輔「ちょっとした思い出さ。」

 

梨璃「思い出ですか?」

 

京輔「そう。その思い出が、あれさ。」

 

時計塔の後ろの展望台からある物が見えた。

 

二水「わぁ〜!」

 

雨嘉「綺麗〜!」

 

 

 

 

 

 

それは、湖に囲まれた巨大なお城だった。

 

 

 

 

 

 

夢結「あのお城が先生の言う思い出かしら?」

 

京輔「ファヴラス公爵の城だ。彼処を見ろ。」

 

梨璃「お城ですか?」

 

京輔「いやもっと下だ。」

 

梨璃「下?」

 

城の下の水道橋を見る。

 

京輔「水道橋の向こうだ。」

 

夢結「ん?さっきの船だわ。」

 

少女を攫った1隻の蒸気船が停泊しているのが見えた。

 

梨璃「花嫁さんはあのお城の中に?」

 

京輔「彼処に水門があるんだ。本当昔のまんまだぜ。」

 

龍馬「お前、あの城へ潜った事があるのか?」

 

京輔「あぁ。10年前の話さ。EVIL CHARMの謎を暴こうってな。まだ駆け出しの物理学者だった。」

 

ミリアム「それで、どうじゃった?」

 

京輔「それがコテンコテン!尻尾巻いてよ、逃げちゃった。」

 

ミリアム「何じゃ・・・」

 

鶴紗「ん?あれを見ろ。」

 

全員「?」

 

 

 

 

上空にオートジャイロが飛んでいた。オートジャイロはそのまま城の方へ向かった。

 

 

 

 

龍馬「オートジャイロとは古風だなぁ。」

 

京輔「あれ公爵。」

 

龍馬「あ!?」

 

京輔「さ〜て寝床でも探そうぜ〜。」

 

龍馬「おい!?おい!?」

 

二水「龍馬先生。行きましょう。」

 

龍馬「あ、あぁ・・・」

 

 

 

 

 

 

オートジャイロに乗ってるファヴラス公爵が城のヘリポートに着陸して、オートジャイロから降りて歩く。

 

ファヴラス公爵「ロベルト。不始末のようだな。」

 

ロベルト「申し訳ありません。ご婚礼衣装の仮縫いでございましたもので、男共と女共が席を外していたのでございます。」

 

ファヴラス公爵「今は北の塔か?」

 

ロベルト「はい。お薬でよくお眠りになっていらっしゃいます。」

 

 

 

 

エレベーター内で、執事のロベルトがファヴラス公爵に服を着させた。

 

ファヴラス公爵「外国人?」

 

ロベルト「はい。女連れの2人の男が逃亡を手助けしたとの事でございます。」

 

エレベーターが最上階に着いた。

 

ファヴラス公爵「見付け出せ。後始末は任せる。」

 

エレベーターから降り、ロベルトがファヴラス公爵に深く一礼した。

 

 

 

 

北の塔。

 

メイド「ん?」

 

刺繍をしていた1人のメイドがファヴラス公爵を立って出迎えた。

 

メイド「お帰りなさいませ。公爵様。」

 

ファヴラス公爵「ご苦労だったセレス。休憩してくれ。」

 

セレス「はい。」

 

彼女は下がった。

 

 

 

 

北の塔の壁のユニコーンの剥製に鍵を挿して回した。すると壁が開いた。ファヴラス公爵が入って壁が閉じた。

 

 

 

 

部屋の中は夜を模した天井、窓、そして真ん中にベッドがあった。

 

ファヴラス公爵「フッ。」

 

そのベッドに眠っている人物の元へファヴラス公爵が歩み寄る。

 

 

 

 

ベッドの眠っている人物の正体は、蒸気船の男達に攫われた少女だった。ファヴラス公爵が眠っている少女の左手をゆっくりと持ち上げて、自分の左手と重ねた。

 

ファヴラス公爵「ん?」

 

だが少女の左手に違和感を感じた。

 

ファヴラス公爵「指輪がない!?」

 

それは、少女が嵌めていた指輪だった。

 

ファヴラス公爵「・・・・・」

 

指輪が盗まれた事に気付いたファヴラス公爵が、部屋から出た。

 

ファヴラス公爵「ロベルトを呼べ!」

 

『To Be Continued・・・』




次回・アサシンの襲撃


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特別編4「アサシンの襲撃」

その夜。ファヴラス城の城下町は、国民達と訪れた観光客で賑わっている。

 

 

 

 

一方で城下町から少し離れた丘の上の誰も居ないキャンプ場。二水を除いた一柳隊が夕飯を作っている最中に、京輔が指輪に掘られている小さな文字をマイクロスコープで調べている。

 

京輔「・・・この指輪、ルーン文字が彫られているな。」

 

龍馬「ルーン文字だと?何て彫られてる?」

 

京輔「光と闇、再び1つとなりて蘇らん。今から50年前に彫られてる。それに年号はギリシャ文字だ。」

 

龍馬「ヒュージ出現に作られた代物か。」

 

神琳「お待たせしました。」

 

京輔「おぉ〜!美味そう!」

 

豪華なキャンプ料理が完成した。

 

夢結「先生、指輪について何か分かったのかしら?」

 

京輔「具体的な事はまだ分からない。ただ、この指輪にルーン文字が彫られているって事は確かだ。」

 

二水「京輔先生。持ち主が判明しました。クローディア様っと言うお方です。」

 

京輔「クローディア?」

 

二水「はい。このお方がクローディア様です。」

 

タブレットに表示されてるクローディアの写真を見せる。

 

京輔「この子が?」

 

二水「はい。昨日修道院から戻って来られたようです。きっと素敵におなりでしょうねぇ〜。」

 

京輔「修道院?」

 

二水「そうなんです。公国の国民の皆さんはクローディア様と公爵様の結婚式を見に来ているらしいですよ。」

 

京輔「成る程そっかぁ。道理で観光客が多いと思った訳だよ。」

 

二水「でもクローディア様可哀想みたいです。公爵様は噂によると、有名な女誑しみたいですよ?」

 

京輔「おやま!俺みたい!今晩どう?」

 

梨璃「先生ってそんな趣味なんですか?」

 

京輔「いや大嘘。」

 

 

 

 

近くの茂みから人影が去って行った。

 

 

 

 

京輔(やはり公爵の犬が潜んでたか。)

 

龍馬「指輪を見て、目の色変えやがった。」

 

パスタを全部取ろうとしたが、京輔が抑え込んだ。

 

京輔「花嫁だけじゃダメか?」

 

龍馬「指輪も貰いたい!」

 

パスタをグルグル巻きにして全部奪おうとする。

 

京輔「そうはいく・・・か!!」

 

しかし呆気なく全部龍馬に取られた。

 

鶴紗「もしや先生、昼間のあの子が大公の姫だって事を知ってたのか?」

 

京輔「ん?あれま言わなかったけか?」

 

肉団子を食べる。

 

 

 

 

 

 

深夜。誰も居ない城下町に無数の影が現れ、丘の上を目指す。

 

 

 

 

丘の上のキャンプ場では、京輔がテントの外でジュースを飲んでる。

 

龍馬「光と闇、再び1つとなりて蘇らんかぁ・・・お宝でも蘇るのかな?ん?」

 

京輔「ん?龍馬。来るぞ。」

 

龍馬「おう。」

 

2人はドリルクラッシャーとビートクローザーを握って、周囲を警戒する。すると茂みが動き始め、京輔がドリルクラッシャーを振り上げたその瞬間。

 

京輔「なっ!?」

 

木の上から1つの影が落ちて来た。

 

京輔「おあ!?おっと!」

 

影の両手の突き刺しを避け、ドリルクラッシャーを振り下ろした。だが影が右手で防御した。左腕から刃が出現して京輔に振った。

 

京輔「クッ!」

 

だが京輔が間一髪避けた。

 

龍馬「この野郎!!」

 

後ろから龍馬がビートクローザーを振り下ろしたが、影が右手で受け止めた。

 

京輔「喰らえ!!!」

 

隙を見た京輔がドリルクラッシャーを振り下ろしたが、影が大ジャンプして退散した。それと同時に茂みの中から無数の影が現れた。京輔と龍馬がビルドドライバーを装着した。

 

『オクトパス!』

『ライト!』

『ベストマッチ!』

 

『ウェイクアップ!』

『クローズドラゴン!』

 

2人はボルテックレバーを回し、スナップライドビルダーが形成させた。

 

京輔「ワオワオワオ!団体様のご案内だぜ!」

 

『Are You Ready?』

 

京輔・龍馬「変身!!!」

 

『稲妻テクニシャン!』

『オクトパスライト!』

『イエーイ!』

 

『Wake up burning!』

『Get CROSS-Z DRAGON!』

『Yeah!』

 

仮面ライダービルド・オクトパスライトフォームと、仮面ライダークローズに変身した。すると影がテントを燃やし始めた。

 

龍馬「この野郎!!」

 

ビートクローザーを受け止めた影がクローズを左手の爪で突き刺そうとしたが。

 

龍馬「危ねえ!!」

 

クローズが間一髪で影の左手を殴り上げた。

 

京輔「さぁ来やがれ!!」

 

右肩アーマーのフューリーオクトパスで影達と戦う。

 

『ヒッパレー!』

『スマッシュヒット!』

 

龍馬「ダァッ!!」

 

スマッシュヒットを叩き込んだが、影は無傷だった。

 

龍馬「ビートクローザーが効かねえぞ!!」

 

京輔「此奴等の鎧、マギを使ってる!!」

 

龍馬「マギだと!?どんだけ化け物なんだ!?」

 

京輔「仕方ねぇ!逃げるぞ!」

 

右肩のBLDライトバルブショルダーを帯電させる。

 

京輔「手土産だ!!持って行け!!」

 

帯電したBLDライトバルブショルダーから眩い閃光弾を発光させた。影達が目眩ましを喰らった。

 

 

 

 

その隙にビルドとクローズが変身を解いてキャンプ場から逃げ出した。

 

 

 

 

丘の下の駐車場にバンが駐車している。

 

梨璃「先生!!」

 

バンに一柳隊が待機していた。

 

楓「こっちですわ!」

 

バンの運転席に京輔が、助手席に龍馬が乗り込んだ。

 

龍馬「急げ!!」

 

4つの影が迫り来る。

 

京輔「行くぞ!!」

 

アクセルを踏んで急速発車した。2つの影がバンにしがみ付いた。

 

二水「はわわわ!何かくっ付いてます!」

 

ミリアム「ワシに任せるのじゃ!!」

 

飛び出したミリアムが、左右の建物に壁キックしながら移動し。

 

ミリアム「トリャアアーーー!!!」

 

自身のCHARM・ミョルニールで2つの影を叩き落とした。ミリアムがバンに戻って来た。

 

ミリアム「ふぅ〜。何とかなったのう。」

 

龍馬「ヒェ〜!流石だぜミリアム!」

 

神琳「流石ですね。ミーさん。」

 

ミリアム「何じゃその呼び方?」

 

京輔「本格的に攻めて来やがった。この事件、裏が深いぞ!」

 

梅「だな!面白くなったみたいだな!」

 

バンはそのままある場所へ戻って行った。

 

 

 

 

 

 

ファヴラス城では、メイドのセレスが廊下を歩いている。

 

 

 

 

セレス「ここね。」

 

誰も居ない書斎に入り、周りを警戒しながら本棚の本を押した。すると本棚がドアとなって開き、そこに入って行った。

 

 

 

 

出て来た場所は、大広間にある暖炉。大広間を走って通り過ぎ、近くの部屋に入ってカーテンの裏に隠れる。そのカーテンの裏の壁を開けて覗いた。

 

 

 

 

覗いた先にあったのは、ファヴラス公爵が設計図を確認している光景だった。

 

ファヴラス公爵「良い出来ではないな。この所、質が落ちていくばかりではないか。」

 

開発主任「申し訳ありません。しかし、今のような大量生産を続けては・・・」

 

ファヴラス公爵「やり直せ。納期も遅らせてはならん。」

 

開発主任「はい・・・」

 

ファヴラス公爵「ん?誰だ!」

 

 

 

 

セレス「!?」

 

気付かれたとセレスが顔を引っ込めた。

 

 

 

 

しかし大丈夫だった。部屋に入って来たのはロベルトだった。

 

ロベルト「このロベルト、一生の不覚です。ネズミ共を取り逃がしました・・・」

 

深く頭を下げて詫びた。

 

ファヴラス公爵「ん?ロベルト、その背中の紙は何だ?」

 

ロベルト「は?」

 

背中に付いてる紙を剥がした。

 

ロベルト「こ、これは!何時の間に!?」

 

それは、Mr.ジーニアスが書いた予告状だった。

 

 

 

 

セレス「え?Mr.ジーニアス・・・京輔?」

 

 

 

 

ロベルト「Mr.ジーニアスと言う者の予告状です!」

 

ファヴラス公爵「読め。」

 

ロベルト「あ、はい!しかし殿下・・・」

 

ファヴラス公爵「構わん。」

 

ロベルト「・・・えー、色と欲の公爵殿。花嫁は頂きます。近日参上・Mr.ジーニアス。」

 

ファヴラス公爵「フフフ。良かったなロベルト。」

 

ロベルト「は?」

 

ファヴラス公爵「待とうではないか。あの男が来るのを。」

 

左手の中指に嵌めている金色の指輪を見詰める。

 

『To Be Continued・・・』




次回・城内スニーキング


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特別編5「城内スニーキング」

翌朝。雨が降っている。ファヴラス公国に3台のシボレーが走っている。

 

 

 

 

廃城。一柳隊が起床した。龍馬が朝食を作っている。

 

龍馬「よう。おはよう皆。」

 

梨璃「おはようございます。」

 

 

 

 

廃城の2階から城を双眼鏡で覗く京輔に龍馬が朝食を持って来た。

 

龍馬「皆起きたぞ。」

 

京輔「こっちも来たぞ。」

 

龍馬「え?」

 

京輔「覗いてみな。」

 

龍馬「おう。」

 

受け取った朝食を食べる京輔と、双眼鏡を覗く龍馬。

 

 

 

 

城へ通ずる橋を3台のシボレーが走っている。

 

 

 

 

龍馬「え?シボレー?何だアレ?」

 

京輔「FBIさ。」

 

龍馬「何!?」

 

 

 

 

ファヴラス城に到着したシボレーから24人のFBI捜査官が降りた。その中の1人の捜査官が城を睨んでいる。

 

 

 

 

京輔「これで役者が揃ったって訳だ。」

 

 

 

 

 

 

ファヴラス城・食堂で、公爵が朝食を食べていると。

 

捜査官「お食事中に失礼します!」

 

1人の捜査官が入って来た。

 

クラトス「連邦捜査官のクラトス・ティプシーです。Mr.ジーニアスと名乗る男の予告状が届けられたとの連絡が入って参りました。」

 

ファヴラス公爵「ああ。自称・天才と名乗る若き物理学者の事か。FBIはそんな事で、人の朝食を騒がすのかね?」

 

クラトス「閣下!彼を侮ってはなりません!来ると言えば奴は必ず来ます!御婚礼まで後5日。是非、私共に城内を警備させて下さい!」

 

紅茶を飲んだファヴラス公爵がベルを鳴らした。

 

ファヴラス公爵「この国にも警察があってね。最もより優雅に、衛士隊と呼んでいるがね。」

 

そこに1人の衛士が参った。

 

衛士「お呼びですか?」

 

ファヴラス公爵「ラングストン。そのアメリカ人に協力してあげなさい。下がってよし。」

 

ラングストン「はい!」

 

クラトス「閣下!今1つ!Mr.ジーニアスが花嫁を狙う理由を教え下さい!」

 

ファヴラス公爵「さあ?それを調べるのも君の仕事じゃないのかね?」

 

クラトス「・・・失礼しました!」

 

彼は食堂を後にした。

 

ロベルト「宜しいのでしょうか?あのような者を城内に入れましては・・・」

 

ファヴラス公爵「構わん。FBIにも友人は沢山いる。すぐ引き揚げる事になるだろう。」

 

 

 

 

城の中庭に出たクラトス達を双眼鏡で覗く京輔が居た。

 

京輔「クラトスだ。流石FBIエリート捜査官。仕事熱心だ事。」

 

 

 

 

中庭では、クラトスとラングストンとFBI捜査官が出て来た。クラトスが周囲を見ると、遠くに廃城が見えた。

 

クラトス「ん?何だあれは!」

 

廃城の方へ歩いた瞬間、ラングストンに肩を掴まれた。

 

ラングストン「それ以上進むな。」

 

クラトス「何だと?」

 

ラングストン「見ろ。」

 

タバコを前に出すと、茂みに仕掛けられたレーザーが反応してタバコを爆発させた。

 

クラトス「レーザーか・・・」

 

爆発したタバコをクラトスに咥えさせた。

 

ラングストン「死にたくなければウロチョロせん事だ。部下にもそう伝えろ。」

 

そう言い残して中庭を後にした、クラトスはラングストンを密かに睨み、FBI捜査官がクラトスに寄った。

 

FBI捜査官「クラトス班長。対人レーダーの反応もあります。」

 

クラトス「いけ好かない城だ。素人にしちゃ阻止装置が大袈裟過ぎる。プッ。」

 

咥えてるタバコを捨てた。タバコがレーザーに消し炭にされた。

 

クラトス(京輔の野郎、何を考えてるんだ?)

 

 

 

 

 

 

廃城。

 

楓「首尾はどうでしたの?」

 

龍馬「未だに城の反応はなしだ。それに今回は女絡みだが、それだけじゃないって事は確かだ。」

 

夢結「その指輪に何か秘密があるのかしら?」

 

龍馬「まぁそれも、娘をヒゲジジイの公爵から取り戻せば分かるかもだ。何しろな、ビートクローザーが効かね輩共がわんさかだ。お前達のCHARMと、このクローズマグマナックルで。」

 

すると2階から京輔が降りて来た。

 

二水「京輔先生!」

 

龍馬「よう京輔!進入路は見付けたか?」

 

京輔「いや、凄いもんだ。レーザーとレーダーの巣窟だ。」

 

龍馬「そうか・・・戦車が必要か。」

 

神琳「成る程〜。」

 

外を見ている神琳が察した。

 

神琳「それでFBIを呼んだんですね?」

 

雨嘉「え?本当ですか?先生。」

 

京輔「神琳ビンゴ〜!良い勘してるなぁ〜!」

 

楓「毒を以て毒を制するとはこの事ですのね?」

 

 

 

 

 

 

その夜。作戦準備に入った。京輔がタブレットで城の衛星写真を見せた。京輔と龍馬はダイビングウェットスーツを着ている。

 

京輔「ここがファヴラス公爵の城。そして俺達はここだ。ここの水道橋は今も生きている。つまり進入路はここしかない。この水道橋のお陰で、こっちの湖から城内まで水を引いているんだ。」

 

龍馬「成る程〜。水の中ならレーザーもないって訳か。」

 

京輔「けどあの城の中にはヒュージが潜んでいる可能性がある。以前にクローディアを追跡したヒュージを倒しただろ?彼奴と同種の奴が居るかも知れない。そこで、梨璃。お前も同行を願いたい。」

 

梨璃「私達ですか?」

 

京輔「カリスマには邪悪なマギを浄化出来るレアスキル。相手が弱った瞬間に俺達が叩き込む。危険な任務だが、頼めるか?」

 

梨璃「・・・お役に立てるなら頑張ります。」

 

夢結「なら、私も行くわ。」

 

梨璃「お姉様?」

 

夢結「梨璃の危機に立ち向かわないのは我慢ならないから。」

 

京輔「流石梨璃のお姉様だな。頼めるか?」

 

夢結「えぇ。梨璃。」

 

梨璃「はい。」

 

ネクタイを外して球体を作り、その中に閉じ籠った。

 

龍馬「お前達、見張り頼むぜ。」

 

二水「お気を付けて!」

 

楓「生きて帰って来て下さいよ!」

 

 

 

 

潜入開始。龍馬が2人が入ってる球体を引っ張る。公園の下の水路を塞ぐ鉄格子を外した。

 

京輔「気を付けろ。穴があるぞ。あ、遅いか。」

 

龍馬「ぐはっ!!」

 

穴に落ちたが、すぐに出た。4人は水路の奥へ進んで行く。

 

 

 

 

 

 

水路の先には、水道橋の水道の前の時計塔の水道の入り口があった。

 

龍馬「第1関門か。」

 

京輔「龍馬、2人を手放すなよ?」

 

龍馬「分かってる。」

 

京輔「行くぞ。」

 

酸素マスクを咥えて、水道へ突入した。

 

 

 

 

水道では、流れのスピードが速い。4人はその流れに乗って懸命に進んで行く。

 

 

 

 

しばらく進むと、時計塔の機関部に入って行った。しかしその先は水が落ちていた。京輔と龍馬が壁にしがみ付いたが、2人が入ってる球体が流される。京輔と龍馬が壁にしがみ付きながら球体を引っ張る。だが球体が破裂し、梨璃と夢結が流されてしまった。京輔が咄嗟の判断で2人を助けに行った。

 

 

 

 

機関部の歯車に弄ばれながらも、辛うじて夢結の手を握った。

 

夢結「!!」

 

京輔「!!」

 

2人は流されて行く梨璃を追って、水道橋の水道へ突入した。

 

 

 

 

龍馬「京輔!梨璃!夢結!」

 

川から顔を出した龍馬が3人の名前を叫んだ。するとレーザーが龍馬を捉えて、レーザーを発射。

 

龍馬「おわっ!!」

 

すぐに川に引っ込めて回避した。危険と判断した龍馬が時計塔の機関部から脱出した。

 

 

 

 

機関部から脱出した。

 

龍馬「ヒェー!ありゃ時計塔の機関部だぞ。」

 

 

 

 

公園に戻った龍馬が皆に報告した。

 

二水「え!?3人が流された!?」

 

梅「梨璃と夢結まで流されるなんて・・・」

 

龍馬「今は3人の無事を祈るしかない。彼奴ら、上手くやったかなぁ?」

 

 

 

 

 

 

ファヴラス城のパーティー会場では、大富豪達がパーティーを開いていた。

 

 

 

 

一方城外では、クラトス達FBIがホットドッグを食べて休憩していた。するとクラトスが、回転が悪い風車に目を付けた。

 

クラトス「ん?あの風車は何だ?」

 

FBI捜査官「ラングストン殿の話では、城内へ水を揚げているとの事です。」

 

 

 

 

風車の中では、京輔と夢結と気を失った梨璃がバケツに乗って揚がって行ってる。

 

 

 

 

クラトス「・・・その水の出口は何処だ!」

 

FBI捜査官「上の砲台の泉水です!」

 

クラトス「何かあるかも知れない。付いて来い!」

 

FBI捜査官「ラジャー!」

 

 

 

 

 

 

砲台の部屋では、3人が泉水から抜け出した。

 

京輔「何とか着いたみたいだ。夢結、梨璃の容体は?」

 

夢結「気を失っている以外別状はないわ。」

 

京輔「悪いな。危険な事に巻き込ませて。」

 

夢結「気にしないで。」

 

京輔「ん?」

 

砲台の部屋にクラトス達が入って来た。

 

京輔(ゲッ!夢結!隠れろ!)

 

夢結(え?)

 

すぐに近くの木箱の裏に身を潜めた。

 

 

 

 

砲台の部屋に入ったクラトスが周囲を見渡す。

 

クラトス「?」

 

足跡が目に止まり、その足跡を辿って行く。見付かりそうになったと同時に1人の捜査官が駆け付けた。

 

FBI捜査官「クラトスさん!本部より引き揚げ命令です!直ちに帰還せよと!」

 

クラトス「何だと!?そんな馬鹿な話があるか!!俺が確かめる!!」

 

すぐに砲台の部屋から出た。

 

 

 

 

京輔「ふぅ〜。何とか凌いだな。」

 

夢結「それで、これからどうするの?」

 

京輔「こんな時の為に、予め用意したんだよ。」

 

ビルドフォンを操作して、スーツケースを出した。そのスーツケースを開けると、クラトスと同じスーツが入っていた。

 

京輔「夢結、手筈を依頼したい。」

 

夢結「何?」

 

 

 

 

 

 

小さな部屋で、クラトスが本部と電話している。

 

クラトス「何ですと!?奴の予告が・・・だから理由は!!え?公爵が?・・・警官は太鼓持ちじゃありません!!気に入られようが気に入るまいが・・・」

 

しかし本部の方から電話が切られた。

 

クラトス「ッ!?もしもし!もしもーし!!ちくしょう・・・!!公爵に話を付けてやる!!」

 

部屋を出て階段を上る。部屋をクラトスが出たと同時に京輔達が入って来た。

 

京輔「公爵様へご案内〜。」

 

 

 

 

公爵部屋へ通ずる扉の前に2人の衛士隊が待機しており、クラトス達が通ろうとすると、持っている槍で道を塞いだ。

 

クラトス「大至急公爵に会いたい!聞こえんのか!通せ!」

 

ラングストン「止めろ。」

 

そこにラングストンが現れた。

 

ラングストン「ここから先へは信用ある者しか入れんのだ。」

 

クラトス「何だと!?FBIが信用出来んとでも言うのか!!」

 

ラングストン「貴殿には引き揚げ命令が出ているはずだ。お引き取り願おう。」

 

クラトス「・・・な、何故それを知っているんだ!」

 

ラングストン「あの男如きにアメリカ人の力は借りぬ。さぁ帰れ。」

 

クラトス「クソッ・・・!!そうか分かった!一先ず引き揚げだ!」

 

FBI捜査官「ラジャー!」

 

怒りを我慢して、命令通り引き揚げた。

 

 

 

 

門番の衛士隊が道を開けた。

 

ラングストン「フッ。」

 

だがそこに、再びクラトスが戻って来た。しかし彼は。

 

クラトス「今ここに俺が来なかったのか!?」

 

ラングストン「何だと!?」

 

クラトス「馬鹿野郎!!彼奴がジーニアスだ!!俺に化けて潜り込んだんだ!!デカイ図体して変装を見破れんのか!!穀潰しめが!!」

 

ラングストン「クソッ・・・!!続けーーー!!」

 

クラトス「ジーニアスを逃すなーーー!!」

 

だがこのクラトスが京輔の変装である。そうとも知らずに衛士隊が本物のクラトスを追う。

 

 

 

 

ラングストン「待てーーー!!」

 

クラトス「ん!?」

 

衛士隊に紛れ込んでるクラトスに変装した京輔を発見した。

 

クラトス「彼奴!?」

 

2人の捜査官が迫り来る衛士隊を防御した。

 

クラトス「止めろ!!奴がそこに居る!!」

 

 

 

 

階段の下では。

 

FBI捜査官「クラトス捜査官を助けろ!!アタック!!」

 

他の捜査官達が応戦した。

 

 

 

 

京輔「ヒョー!凄え凄え!」

 

見物した京輔が階段を駆け上がった。

 

 

 

 

クラトス「止めろ!!彼奴がそこに居る!!」

 

乱戦中にクラトスが抜け出して、京輔を追う。

 

 

 

 

階段を駆け上がった京輔が扉の前まで着いた。

 

京輔「夢結!出て来い!」

 

階段の端から、マギに乗った夢結が梨璃を抱えて出て来た。

 

夢結「上手く行ったみたいね。」

 

京輔「ちょっとラグがあったけどな。」

 

梨璃「・・・ん・・・?」

 

気を失っていた梨璃が目を覚ました。

 

夢結「梨璃。」

 

梨璃「お姉様・・・?ここは・・・?」

 

夢結「ファヴラスの城よ。怪我はない?」

 

梨璃「はい、はい・・・」

 

京輔「2人共、感動の再会は後回しだ。入るぞ。」

 

 

 

 

ドアを開けるとそこには、1つの銅像があった。

 

梨璃「銅像・・・ですか?」

 

部屋に入った京輔が、床に違和感を感じた。

 

 

 

 

クラトス「まてゴルァーーーーー!!」

 

そこにクラトスが追って来た。

 

 

 

 

京輔「ゲッ!!」

 

すぐにドアを閉めて梨璃と夢結と一緒にジャンプした。

 

クラトス「この野郎!!」

 

ドアを開けて入ったクラトスに悲劇が。

 

クラトス「おわわわわわわ!?ギャアアーーーーー!!!」

 

突然床が開き、落とし穴に落ちてしまった。床が閉じ、京輔と梨璃と夢結が天井に掴まりながら見ていた。

 

 

 

 

ロベルトと執事が入って来た。

 

執事「何か掛かった様です。」

 

銅像の口から写真が出て来た。それは、クラトスが落とし穴に落ちる直前に撮られた写真だった。

 

ロベルト「バカめ。さっさと帰れば良いもの。」

 

銅像の顔を横に向けた。

 

執事「衛士隊が居ませんな。」

 

ロベルト「ラングストンめ。持ち場を離れて何をしておる!お前はここに居ろ。」

 

執事「ハッ。」

 

部屋から出てドアを閉めた。

 

 

 

 

誰も居ない事を確認した3人が着地した。

 

京輔「クラトス。済まねぇ。」

 

銅像の顔を正面に向けた。

 

京輔「よぉし。」

 

スーツを脱いで普段着に戻って、脱いだスーツを銅像に着せた。

 

京輔「行くぞ。」

 

 

 

 

階段で乱闘している衛士隊にロベルトが止めた。

 

ロベルト「愚か者め!馬鹿騒ぎもすぐ止めろ!!分からんのか!!まんまと奴に乗せられおって!!」

 

ラングストン「クソォー!!」

 

 

 

 

元の場所に戻ると。

 

ロベルト「ああ!!」

 

正面を向いている銅像の目が開いた。それと同時にロベルトとラングストンの足元の床が開いた。

 

ロベルト「うわあーーー!!」

 

落ちそうになったが、ロベルトが天井にしがみ付き、ラングストンがロベルトの足に掴まった。

 

ロベルト「コラ!!放せ!!放せ!!うわー!!」

 

辛うじて落ちずに済んだ。銅像の口から、落ちそうになったロベルトとラングストンの写真が出て来た。

 

 

 

 

ファヴラス公爵「ハハハハハ。あの男めとうとう入り込んだか。」

 

ロベルト「面目次第もございません・・・」

 

ファヴラス公爵「捜査官達にはクラトス捜査官は先に帰ったと伝えておけ。途中で蒸発する事はよくある事だ。気にするな。」

 

ロベルト「はい・・・」

 

『To Be Continued・・・』




次回・再会のプリズン


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特別編6「再会のプリズン」

京輔達3人が潜入を成功した同じ頃。城の甲冑部屋にセレスが物色していた。それは、壁の金庫に保管されてある機密書類の物色だった。その機密書類を小型カメラで撮影していると。

 

???「動くな!」

 

セレス「!?」

 

後ろから甲冑の手がセレスの肩を掴んだ。セレスは抵抗せず止まった。

 

京輔「こんばんは。セレスちゃん。」

 

セレス「え?京輔!」

 

甲冑の正体は京輔で、左腕に甲冑の腕を着けてるだけだった。

 

京輔「仕事に熱中しているお姉さんってのは美しいねぇ〜。」

 

セレス「もうこんな所まで来ちゃったの?」

 

京輔「1年振りだってのに、つれねぇなぁ〜。少しは喜んだらどうなんだぁ〜?」

 

左腕の甲冑を外して元に戻した。

 

セレス「あら?そちらのお嬢さん方は誰かしらね?」

 

京輔「あぁ。百合ヶ丘のリリィで、俺の教え子だ。梨璃、夢結。この人はセレス・フィッツランド。CIAに所属してる国際スパイだ。」

 

梨璃「ひ、一柳梨璃です。」

 

夢結「白井夢結よ。」

 

セレス「京輔、探しているのは花嫁さんの居所でしょ?」

 

京輔「何だよ!知ってたのかよ?」

 

セレス「教えてあげても良いけど、私の仕事の邪魔しない?」

 

京輔「する訳ないじゃん。俺達手を組んでた仲じゃん?」

 

セレス「どうだか・・・北側の塔の天辺よ。最もとても入り込めないでしょうけどね。・・・え!?」

 

既に京輔達3人の姿が何処にもなかった。

 

セレス「京輔・・・!?」

 

 

 

 

 

 

城壁を登る3つの影があった。マシンビルダーに乗ってる京輔と、マギで飛翔している梨璃と夢結だった。

 

夢結「さっきの女の人、先生のお仲間かしら?」

 

京輔「仲間って言うか、顔馴染みだな。彼女世界中の情報とか色々入手しているからな。」

 

梨璃「スパイってさっき言ってましたものね。」

 

 

 

 

屋根に辿り着いて、北の塔を見る。

 

梨璃「あれが北の塔・・・」

 

夢結「・・・完全に孤立されているわね。」

 

京輔「クソォー。酷え所に閉じ込めやがって・・・」

 

髪の毛1本抜いて風向きを確認する。その後は、屋根の天辺を見る。

 

京輔「彼処からなら行けそうだ。行くぞ。」

 

梨璃・夢結「?」

 

3人は屋根の天辺を目指す。

 

 

 

 

屋根の天辺。

 

京輔「よし。ここだな。」

 

マシンビルダーを畳んで、ビルドフォンを操作する。

 

梨璃「どうするんですか?」

 

ビルドフォンから、ロケットワイヤーが出て来た。ロケットを北の塔に狙いを定めて、ロケットフルボトルを装填する。

 

『ロケット!』

 

ロケットワイヤーのエンジン部分から火が噴射したが、すぐに切れた。

 

京輔「あ、ありゃ?」

 

梨璃「切れちゃいました?」

 

京輔「ん〜、試作品だからなぁ〜・・・えっと?他に何が・・・」

 

服やズボンを手探りしている最中に、京輔がバランスを崩した。

 

京輔「ギョエエエエーーー!!!」

 

屋根の天辺から落ちたが、屋根のレンガに掴まった。

 

梨璃「先生!大丈夫ですかー!?」

 

京輔「心配すんなー!」

 

しかし、掴まっているレンガが外れてしまった。

 

京輔「え?」

 

梨璃・夢結「あ。」

 

 

 

 

京輔「あららららららら!?」

 

屋根を全速力で急降下する結果となってしまった。

 

 

 

 

梨璃「先生!!」

 

夢結「梨璃!追うわよ!」

 

梨璃「は、はい!!」

 

2人は急降下する京輔を追う。

 

 

 

 

京輔「ギィイヤアアアアアアーーーーーーー!!!!」

 

どんどん加速が増していく。そして。

 

京輔「ヒエッ!!」

 

落ちる寸前で大ジャンプした。小さな塔の屋根に乗ってから大ジャンプした。

 

 

 

 

北の塔の壁にしがみ付いた。

 

京輔「クッ!!」

 

しがみ付いたが、手が滑ってしまって落ちて行く。だが、間一髪でマギに乗った梨璃と夢結が京輔の両腕を掴んで助けた。

 

夢結「先生。」

 

梨璃「大丈夫ですか?」

 

京輔「わ、悪いな・・・梨璃。俺の右腕のウォッチビルダーにスパイダーフルボトルを入れてくれ。スパイダーフルボトルはジャケットの内ポケットにある。」

 

梨璃「えっと・・・これですか?」

 

ジャケットの内ポケットからスパイダーフルボトルを取り出し、それをウォッチビルダーに装填した。

 

『スパイダー!』

 

ウォッチビルダーからワイヤーが射出され、塔の屋根に引っ掛けた。

 

京輔「よし。乗り込むぞ。」

 

3人はいよいよ、北の塔に乗り込んだ。

 

 

 

 

 

 

北の塔にクローディアが幽閉されている。彼女は悲しげな顔で夜空を眺めたが、雲が夜空を覆った。すると部屋に風が入り込んだ。天井を見ると、天窓が空いていた。その天窓の真下に3人の影があった。

 

クローディア「どなた?」

 

???「物理学者です。」

 

クローディア「学者さん?」

 

雲が晴れると、3人の影が姿を現した。

 

京輔「こんばんは。花嫁さん。」

 

クローディア「あなたはあの時のお方ですね?」

 

京輔「覚えててくれて光栄です。此方の2人は、私の教え子のリリィです。」

 

梨璃と夢結は一礼した。

 

クローディア「リリィ・・・」

 

京輔「クローディア様、お忘れ物ですよ。」

 

銀の指輪をクローディアの左手の薬指に嵌めた。

 

クローディア「っ!この為にわざわざ?公爵に見付かったら殺されると言うのに!」

 

京輔「なぁに。その危機を覆すのが学者の本性です。仕事が終われば帰ります。」

 

クローディア「お仕事?・・・私に何か差し上げられる物があれば良いのですが・・・今は虜の身・・・これを・・・」

 

銀の指輪を返そうとしたが、京輔が止めた。

 

京輔「私が欲しいのは、悪い魔法使いが高い塔の天辺に仕舞い込んだ宝物。」

 

クローディア「?」

 

京輔「今回だけはどうかこの学者とリリィに、盗まれてやって下さい。」

 

クローディア「私を?」

 

京輔「不可能に陥られた者達に可能性を導き出し、無理矢理花嫁にされようとしているか弱き少女には、緑色の草原に解放する。これは皆、物理学者の仕事なんです。うーん。」

 

クローディア「私を自由にして下さるの?」

 

京輔「勿論。」

 

だがクローディアは、椅子に座って俯いた。

 

梨璃「クローディア様・・・?」

 

クローディア「ありがとう。とても嬉しい・・・」

 

梨璃「では何故?」

 

クローディア「でもあなた達は、ファヴラス家の恐ろしさをご存知ないのです!」

 

夢結「それが理由ですか?」

 

クローディア「・・・どうかこのまま帰って・・・」

 

京輔「・・・あーあ、何と言う事だ!その女の子は、悪い魔法使いの力を信じるのに、物理学者の力を信じようとはしなかった。その子が信じてくれるのなら・・・物理学者は空を飛ぶ事だって、湖の水を飲み干す事だって出来るのに!・・・」

 

彼も俯いてしまった。しかし。

 

京輔「ウッ・・・!ウウッ・・・!!ウウッ!!!」

 

突然右腕を握り始めた。

 

クローディア「!?」

 

梨璃・夢結「!?」

 

京輔「ウウウッ・・・!!」

 

震える右腕をクローディアにゆっくりと近付け、そこから小さな花を出した。

 

クローディア「まあ!」

 

京輔「今はこれが精一杯。」

 

花をクローディアに渡すと、京輔の右手から色々な国旗が出て来た。クローディアは笑顔になって京輔を見た。

 

京輔「フフフフ!」

 

クローディア「アハハハ!」

 

 

 

 

 

 

すると部屋が突然明るくなった。

 

 

 

 

 

 

クローディア「!?」

 

京輔「!!」

 

梨璃「部屋が!」

 

夢結「梨璃、来るわよ。」

 

部屋の柱から無数の影が現れた。するとクローディアの後ろから影の腕が出現し、クローディアを京輔達から隔離した。

 

クローディア「キャー!!学者さん!!リリィさん!!」

 

 

 

 

京輔「おいコラ貴様等!!ご婦人はもっと丁寧に扱え!!ったく!ん?フッ。」

 

そこに、ファヴラス公爵とロベルトが現れた。

 

ファヴラス公爵「わざわざ指輪を届けてくれてありがとう。稲葉京輔君。」

 

京輔「盛大なお出迎えに痛み入るぜ。公爵。」

 

ファヴラス公爵「早速だが君達には消えて貰おう。」

 

京輔「さあてそう簡単に消せるのかなぁ〜?」

 

 

 

 

クローディア「や、止めて!!その人達を傷付けてはいけません!!」

 

 

 

 

京輔「大丈夫だってお嬢さん!物理学者の力を信じなきゃ!」

 

3人は影達のど真ん中に移動させられた。

 

 

 

 

クローディア「先生!!」

 

 

 

 

京輔「はーい!先生はここですよー!すーぐ戻って来ますからねー!」

 

影達が3人を取り囲んだ。

 

梨璃「・・・」

 

夢結「抵抗は止しなさい。」

 

梨璃「はい・・・」

 

京輔「さぁて何を遊ぶんだい?」

 

ファヴラス公爵「君達を引き裂くのは簡単だが、コソ泥の血で花嫁の部屋を穢す事はあるまいと思ってね。」

 

京輔「そんな事言っちゃって。後で後悔しても知らねえぞ?」

 

ファヴラス公爵「減らず口はそれまでだ。」

 

目が見開いた瞬間。3人の足元の床が抜け、3人が穴に落ちてしまった。

 

 

 

 

クローディア「ああ・・・」

 

ファヴラス公爵「フフフ。1人として這い出た者の居ない地獄へ通ずる穴だ。」

 

影達が退き、クローディアが穴に向かって走ったが、穴は塞がれてしまった。

 

クローディア「・・・!」

 

両手で顔を覆い隠して泣いてしまった。ファヴラス公爵は、泣いているクローディアの顔を掴んだ。

 

ファヴラス公爵「可愛い顔してもう男を引き込んだか?ファヴラスの血は争えんな。フフフ。我が妻に相応しい。」

 

クローディア「人殺し!あなたは人間じゃないわ!」

 

ファヴラス公爵「そうとも。俺の手は血まみれだ。だが、お前も同類だ。我が公爵家は、代々お前達大公家の影として、謀略と暗殺と殺戮を司り、国を支えて来たのだ。」

 

クローディア「離して!!穢らわしい!!」

 

無理矢理ファヴラス公爵の手を離し、椅子の後ろに立ってファヴラス公爵を睨む。

 

ファヴラス公爵「それを知らんとは言わさんぞ。お前もファヴラスの人間だ。その身体には俺と同じ古いイーヴィルの血が流れている。」

 

彼女は両耳を塞いだ。

 

ファヴラス公爵「クローディア。50年の年月。光と闇に分かれていた2つのファヴラス家が、今1つになろうとしているんだよ。ご覧。」

 

金色のユニコーンの指輪を見せる。

 

ファヴラス公爵「我が家に伝わる金のユニコーンと、君の!」

 

クローディア「!?」

 

無理矢理クローディアの左手を掴んだ。

 

ファヴラス公爵「銀のユニコーンの指輪が1つに重なる時こそ、秘められた先祖の財宝が蘇るのだ!!」

 

 

 

 

京輔『あ!聞いちゃった聞いちゃった!お宝目当ての結婚式!』

 

 

 

 

突然京輔の声が部屋中に響いた。

 

ファヴラス公爵「何!?奴だと!?」

 

京輔『EVIL CHARM作りの公爵の、言う事やる事全て嘘!』

 

クローディア「!!」

 

彼女は声が何処から響いているかに気付いた。

 

京輔『女の子はとっても優しい素敵で純粋な子。』

 

それは、自分の指に嵌めてある銀の指輪からだって事を。すぐに自分の手を掴んでるファヴラス公爵の手を離して、後ろ向きに京輔を呼ぶ。

 

クローディア「先生!先生!」

 

京輔『ハイハーイ!元気ですよー!』

 

 

 

 

 

 

そんな京輔は今、落とし穴の途中でぶら下がっている。梨璃と夢結はマギに乗って浮遊している。

 

京輔「女の子が信じてくれたから、俺達空だって何処へだって飛べるさ!物理学者さんがきっと助け出してあげるから待ってるんだよ!」

 

クローディア『はい!』

 

ファヴラス公爵『くそっ!その指輪か!』

 

クローディア『あ!』

 

京輔「ん!?」

 

 

 

 

 

 

北の塔の部屋。

 

ファヴラス公爵「寄越せ!!」

 

強引にクローディアから指輪を抜いて、クローディアを押し飛ばした。押し飛ばされたクローディアは柱に背中をぶつけてしまった。

 

京輔『やい公爵!よく聞きやがれ!!』

 

指輪から京輔のホログラムが出て来た。

 

ファヴラス公爵「ヌッ!?」

 

京輔『本物の指輪は俺が預かっている!!その子に指1本触れてみろ!大事な指輪は・・・こうだ!!』

 

”パァン!!”

 

指輪が爆発し、花吹雪が舞った。

 

ファヴラス公爵「グヌヌ・・・!!偽物だ!!」

 

偽物の指輪を投げ捨てた。その後ろでクローディアが安堵の表情を浮かべた。

 

 

 

 

 

 

落とし穴の中。

 

京輔「ヌフフフフ。」

 

梨璃「先生!上!」

 

京輔「上?」

 

上を見ると、水が流れて来た。

 

夢結「梨璃!」

 

梨璃「あ!」

 

京輔「ウェ!?」

 

梨璃と夢結は急降下して避けたが、京輔は直撃された。

 

 

 

 

水で下まで落ちた。

 

梨璃「大丈夫ですか!?先生!」

 

京輔「ちくしょう!!人を排泄物扱いしやがって!フーンだ!」

 

夢結「そ、それは言い過ぎじゃないかしら・・・?」

 

 

 

 

 

 

北の塔の部屋。

 

ファヴラス公爵「落ちたか?」

 

ロベルト「多分。」

 

ファヴラス公爵「調べろ。」

 

ロベルト「彼処は生ける者の赴く所ではありません。放って置けば必ず死にます。」

 

ファヴラス公爵「指輪を奴が握っているんだぞ。」

 

ロベルト「なっ!畏まりました。すぐに向かわせます。」

 

ファヴラス公爵「よし。待っていろ!お前のコソ泥共をズタズタに引き裂いてやる!!」

 

そう言って部屋から出て、照明が消えた。再び幽閉されたクローディアは、落ちている花を見付けて拾った。その花を両手で優しく包んだ。

 

『To Be Continued・・・』




次回・暴かれるシークレット


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特別編7「暴かれるシークレット」

地下に落とされた京輔と梨璃と夢結は、ゆっくりと降下する。

 

梨璃「これは一体・・・」

 

夢結「酷いわね・・・」

 

京輔「・・・」

 

地下の天井にぶら下がっていたのは、首吊りにされただろう無数の死体だった。

 

 

 

 

地面に着地した3人は周囲を見渡す。そこには、数百を超える屍が転がっていた。

 

梨璃「お姉様・・・」

 

夢結「私が付いてるわ。」

 

梨璃「はい・・・」

 

怯える梨璃に、夢結が自分に寄せた。

 

京輔「・・・」

 

地下を歩くと、壁に磔にされた屍が落ちた。

 

京輔「?」

 

その屍は、王族の女性らしき屍だった。

 

京輔「・・・殺しも殺したり、50年分って事か。」

 

夢結「これも公爵の仕業なのかしら・・・?」

 

京輔「多分殆どが餓死だろうな。それに、一部の屍には歯型が付いてる。」

 

梨璃「え・・・?」

 

京輔「どうやら殺した相手を食べる。人肉を喰い合ったんだろう。ん?」

 

壁に彫られてる文字を発見した。そこには、I'll hit you with a grudgeの英文が彫られていた。

 

京輔「I'll hit you with a grudge・・・恨みをぶつけてやる。アメリカ人か。」

 

夢結「先生、誰か来るわ。」

 

京輔「ん?」

 

奥のトンネルから灯りが出て来た。その灯りを持っている謎の影が現れた。

 

 

 

 

 

 

クラトス「クッ・・・!」

 

その正体はクラトスだった。ペンライトを持って彷徨っているらしい。

 

クラトス「ん?誰だ?」

 

ペンライトを前に向けると、そこに京輔達3人の姿があった。

 

クラトス「なっ!!京輔!!」

 

京輔を見付けたクラトスが走り出した。

 

 

 

 

 

 

クラトス「この野郎!!俺をハメやがって!!」

 

怒ったクラトスが京輔の胸倉を掴んだ。

 

京輔「クラトス、よく無事で生きてたなぁ。」

 

クラトス「喧しい!!・・・ん?お前女連れしてるのか?」

 

梨璃「え、えっと・・・私達!百合ヶ丘女学院のリリィの一柳梨璃です!」

 

クラトス「百合ヶ丘?ガーデンの名門校か。もしかして彼女もか?」

 

夢結「そうよ。白井夢結。梨璃とシュッツエンゲルを結んでいるわ。」

 

クラトス「姉妹かぁ。お前、百合ヶ丘の教員になったのか?」

 

京輔「まぁな。スカウトされたって訳だ。」

 

クラトス「申し遅れた。俺はクラトス・ティプシー。FBIの捜査官だ。京輔が世話になってる。」

 

FBI手帳を見せる。

 

梨璃「あの、京輔先生とお知り合いなんですか?」

 

クラトス「過去にアメリカに潜伏している犯罪組織の撲滅に協力してくれたんだ。京輔、あの予告状、俺達FBIがここに来るよう仕向けたのか?」

 

京輔「よく気付いたな。全くもってその通りだ。そうすればまたお前の力を借りれると思ってな。」

 

クラトス「はぁ・・・俺もその事に気付いてたけどな。って!そんな事より教えろ!出口は何処だ!何処から入って来たんだ!!」

 

京輔「俺達も落っことされちゃったんだよ。」

 

クラトス「な・・・そうか・・・」

 

京輔「その様子じゃ、大分歩き回ったみたいだな。」

 

クラトス「あぁ。地下は罠だらけだったしな。」

 

京輔「まあゆっくりしようぜ?出口はその内見付かるかもだぞ?」

 

クラトス「京輔。この仏の大群は一体何なんだ?墓場とは言い難いが・・・」

 

京輔「彼処の壁を見てみな。」

 

クラトス「壁?」

 

あの英文が彫られた壁を見せた。

 

クラトス「こ、これは・・・!Pray for the souls・・・」

 

 

 

 

その後梨璃と夢結は眠り、京輔とクラトスは城について会話している。

 

クラトス「ただの城じゃないと思っていたが、これ程までに守る秘密とは・・・京輔、お前の狙いはそれなのか?」

 

京輔「いや、それをやってんのはセレスの方。」

 

クラトス「セレスか。」

 

京輔「あの子も仏様にならなきゃいいんだけどなぁ〜。」

 

クラトス「・・・・」

 

京輔「兎に角ジタバタしても始まらねえから、おやすみクラトス〜・・・zzz」

 

クラトス「・・・」

 

 

 

 

 

 

翌朝。廃城では、鶴紗がファヴラス城を監視している。

 

龍馬「うぅ、うぅぅ・・・フイー寒!あ、もうこんな時間か。鶴紗、どうだ?様子は。」

 

鶴紗「いや、まだ動かない。」

 

龍馬「・・・はぁ、待つしかねぇか・・・」

 

 

 

 

 

 

ファヴラス城・地下。京輔とクラトス、梨璃と夢結はまだ寝ている。すると水の中から3体のヒュージが迫って来た。3体のヒュージは、まだ寝ている4人に近寄り、触手を突き刺した。しかし。

 

”パァン!!”

 

突き刺された4人が破裂した。ヒュージが戸惑っていると。

 

京輔・クラトス「おりゃあああああ!!!!」

 

屍の山から現れた京輔とクラトスが出現し、クラトスが2体のヒュージに飛び蹴りし、飛び蹴りで飛ばされた2体のヒュージを、京輔がドリルクラッシャーで斬り裂いた。2体のヒュージは爆発した。

 

京輔「お2人さん!出て来い!」

 

遠くのトンネルから梨璃と夢結が出て来た。

 

梨璃「上手くいきましたね!」

 

夢結「あのヒュージ、どうやら指輪を狙って。」

 

京輔「さぁて、残るはお前だけだ!出口を教えて貰おうか!」

 

クラトス「喰らいやがれ!!」

 

カカト落とししたが、ヒュージが避けて水に飛び込んだ。

 

クラトス「行ったぞ!!」

 

京輔「逃がすか!!」

 

サメフルボトルを振って水に飛び込み、全速力で逃げるヒュージをサメと同じ速さで泳いで追跡する。

 

 

 

 

水中。ヒュージが穴に入って行き、京輔も穴に入って行く。

 

 

 

 

穴から出たヒュージの触手を掴んで引き摺り込んだ。

 

 

 

 

出口では、ロベルトと執事が待っていた。

 

ロベルト「遅い!」

 

執事「ロ、ロベルト様!」

 

水面にヒュージの頭が出現し、触手に指輪があった。

 

ロベルト「おぉ!出来した!」

 

指輪を取ろうとした瞬間、人の手が出て来てロベルトを引き摺り込んだ。

 

ロベルト「うわああっ!!」

 

同じく執事も引き摺り込んだ。

 

執事「うわあー!!」

 

2人が引き摺り込まれたと同時に京輔とクラトス、梨璃と夢結が這い上がった。ヒュージの頭は京輔が地下にある物を集めて似せて作った物だった。

 

京輔・クラトス「そらよっと!!」

 

檻を下ろして2人を閉じ込めた。

 

京輔「行くぞ!」

 

4人はここから逃げ出した。

 

ロベルト「おのれ!!京輔!!」

 

3人が出た後、クラトスが扉を閉めた。

 

 

 

 

階段を駆け上がる最中。

 

梨璃「クラトスさん、ヒュージと戦えるんですか?」

 

クラトス「牽制ならだけどな。昔から色々鍛錬とか反射神経とか鍛え上げて来たんだ。」

 

夢結「人間じゃまず無理でしょうね・・・それ。」

 

 

 

 

階段を駆け上がると出口に出た。

 

夢結「あら?棺桶が入り口みたいね。」

 

梨璃「あ!皆さん!あれ!」

 

京輔「お!」

 

クラトス「なっ!」

 

そこにあったのは・・・

 

 

 

 

 

 

無数のCHARMが並べられている謎の工房だった。

 

 

 

 

 

 

クラトス「な、何だこれは!?」

 

その工房には、CHARMとその設計図や溶鉱炉まであった。

 

 

 

 

梯子を下りて工房に侵入した。

 

梨璃「あ!これ、私と二水ちゃんのグングニルと同じです!」

 

夢結「ブリューナクまであるわ!」

 

クラトス「何とこれが全部そうなのか?」

 

更に近くにあるコンテナを開けると、CHARMが保管されてあった。

 

京輔「此奴ら良く出来てんなぁ〜。おい皆!これ見ろよ!」

 

1本のCHARMを外に出した。

 

クラトス「ダインスレイフもあるだと!?」

 

更に他にも。

 

京輔「アステリオン。ミョルニール。ジョワユーズ。マソレリック。ティルフィング。タンキエム。」

 

夢結「一柳隊の使っているCHARMも?」

 

京輔「デュランダル。グラム。ネイリング。グラシーザ。フェイルノート。ギャラルホルン。フラガラッハ。パルムンク。」

 

様々なCHARMが出て来た。そして。

 

京輔「おぉ!零式御蓋まであるぜ!全世代勢揃い!」

 

クラトス「EVIL CHARMがこんなにあるだと・・・!?京輔!これがこの城の秘密か!」

 

京輔「そうだ。嘗て世界の紛い物と呼ばれたEVIL CHARMの心臓部がズバリここだ。」

 

彼はその歴史を語った。

 

 

 

 

京輔「今から凡そ50年前。突如世界中に出現した謎の生命体・ヒュージ。そのヒュージに対抗する為に人類は叡智を結集し、CHARMを開発した。嘗てファヴラス公国は世界の中でヒュージの被害を多く受けてしまった。大公家に仕える貴族・ファヴラス家が独自に本物そっくりのCHARMを開発し、マギの力を持つリリィの少女に握らせて戦わせた。戦いは勝利を収めた。だがその直後、CHARMの力を引き出し過ぎたリリィは身体中を崩され死亡してしまった。その事を看過出来なかった大公家はファヴラス家と絶縁した。だがファヴラス家は絶縁されたにも関わらず、CHARMを開発し続け、世界中に転売した。そのCHARMを購入した国は、リリィ達にそれを装備させたが、結果は同じだった。力を使い過ぎたリリィが死亡。更に水に触れるとCHARMが爆発し、契約していたリリィが死亡。こうしてそのCHARMは世界中からEVIL CHARMと呼ばれ、世界の紛い物となってしまった。歴史の裏舞台。ブラックホールの主役・EVIL CHARM。その震源地を覗こうとした者は、1人として帰って来なかった。」

 

 

 

 

クラトス「噂には聞いていたが、まさか独立国家が営んでいたとはな・・・」

 

梨璃「そんな歴史があったなんて・・・」

 

京輔「そしてあの地下に転がっていた屍の中に、大昔に亡くなった者の遺骨が転がっていたんだ。」

 

夢結「どう言う事なの?普通なら埋葬すべきじゃ・・・」

 

京輔「50年前。当時EVIL CHARMを開発していたファヴラス家の地下工房。実は彼処、元々墓地だったんだ。」

 

梨璃「え?」

 

京輔「当時の公爵は、その遺骨を密かに城の地下に放り込んだんだ。」

 

梨璃「亡くなった人達を軽視するなんて・・・酷過ぎます・・・」

 

クラトス「・・・ん?」

 

工房の横にドアがあった。

 

クラトス「何だここは?」

 

ドアを開けると、そこには・・・

 

クラトス「なっ!?」

 

 

 

 

 

 

液体に漬け込まれた大量のヒュージがあった。

 

 

 

 

 

 

クラトス「何だこれは・・・!?」

 

梨璃「ヒュージ!?」

 

夢結「このヒュージ、あの時の!?」

 

以前クローディアを追跡したヒュージと酷似している。

 

京輔「人工ヒュージ。これもファヴラス家が開発したヒュージだ。辛うじて採取したヒュージ細胞を使って人工的に作った奴等だ。」

 

クラトス「EVIL CHARMに人工ヒュージ・・・ファヴラス公国はとんでもない事をやらかしやがってる・・・!」

 

京輔「クラトスどうする?見ちゃった以上後戻りは出来ねえぞ?」

 

クラトス「分かってる!この事態を看過する事は出来ない!」

 

京輔「ここから逃げ出す為、俺達と協力してくれるか?」

 

クラトス「無論だ。だが奴らは何を仕出かすか分からない。油断は禁物だぞ。」

 

京輔「決まりだな。それじゃあ、久々の握手と。」

 

2人は握手を交わした。

 

クラトス「それとお前。」

 

京輔「何だ?」

 

クラトス「予告状、聞かせて貰うからな?」

 

京輔「あれま。」

 

『To Be Continued・・・』




次回・エスケープ大作戦


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特別編8「エスケープ大作戦」

明け方。北の塔の部屋で幽閉されているクローディアが目を覚ました。そこに1人のメイドが。

 

クローディア「セレスさん?」

 

セレス「潮時が来たからお別れを言いに来たのよ。」

 

髪留めを外してロングヘアーに戻した。持って来たトランクを開けた。

 

クローディア「あなたは一体?」

 

セレス「クローディア様召使いとして雇われた、側仕えのメイド。でも本当は、この城の秘密を探る国際スパイなのよ。」

 

拳銃をホルダーに収め、何かの骨組みをしている。

 

セレス「もうちょっと探るつもりだったけど、京輔達が来たでしょ?滅茶苦茶になりそうだからもう帰るの。」

 

クローディア「あの方達をご存知なの?」

 

セレス「ちょっとした知り合いだけどね。過去に起こった事件の秘密。それを探る為に協力してくれた男よ。それに彼はヒュージと戦う存在よ。」

 

クローディア「リリィと同じ?」

 

セレス「それとは違うね。・・・あ!」

 

床の隙間から煙が出て来た。

 

セレス「落とし穴から煙が!?」

 

クローディア「火事!?」

 

窓の外の下を見ると、無数の煙が舞い上がっていた。

 

クローディア「地下からだわ!」

 

 

 

 

 

 

廃城でも、その異変をキャッチした。

 

鶴紗「ん?皆、動いたぞ!」

 

二水「火事みたいです!」

 

龍馬「始めやがったか!」

 

 

 

 

 

 

ファヴラス城にサイレンが鳴り響いた。衛士隊は慌てて着替え、使用人達がパニックになってる。

 

 

 

 

公爵の寝室。

 

執事「大変です!!火元は地下工房と思われます!!」

 

ファヴラス公爵「何だと!?すぐに消すんだ!」

 

執事「はい!」

 

ファヴラス公爵「ええいそこを閉めろ!お前達も行け!」

 

他の執事達も地下工房へ向かわせた。

 

ファヴラス公爵「ロベルトめ、まさかしくじったのか?」

 

 

 

 

 

 

地下工房では、梨璃と夢結がグングニルとブリューナクでEVIL CHARMを弾き飛ばし、その弾き飛ばしたEVIL CHARMを京輔がフルボトルバスターで打ち返した。打ち返されたEVIL CHARMは京輔が点けた炎に飲み込まれて燃やされた。煙の正体はこれだった。

 

京輔「クラトスー!早くしろー!そろそろお客が来るぜー!」

 

クラトス「おう!今行く!証拠は、これだけあれば十分か。」

 

ある程度証拠を集めて合流した。

 

 

 

 

地下牢へ通ずる水の檻に閉じ込められたロベルト達がようやく抜け出した。

 

 

 

 

地下工房。

 

ロベルト「なっ!?おのれ京輔め・・・!!探せ!!まだこの中に居るはずだ!!」

 

 

 

 

京輔「来やがったか。」

 

クラトス「本命が来るぞ。」

 

 

 

 

入り口の扉が開き、衛士隊と召使い達が入って来た。

 

ラングストン「うお!?怯むな!!消火開始だ!!」

 

召使い達と衛士隊達が消火器を持って火を消そうとした時、炎の中から京輔達4人が飛び出した。

 

ラングストン「うおおお!?」

 

立ちはだかるラングストンを押し退けて階段を駆け上がる。

 

ラングストン「稲葉京輔だ!!追え!!」

 

ロベルト「お前は火を消せ!!」

 

 

 

 

階段を駆け上がる4人。京輔とクラトスが先導して衛士隊達を払い退ける。

 

 

 

 

出て来た場所は。

 

京輔「礼拝堂だ!」

 

クラトス「こっちだ!」

 

急いで外に出た。

 

 

 

 

 

 

北の塔。

 

クローディア「あ!」

 

中庭を見ると、京輔達が衛士隊と召使い達を押し退けながら逃げてる光景があった。

 

クローディア「先生!」

 

セレス「京輔?クラトスまで?」

 

 

 

 

梨璃「はぁ・・・はぁ・・・」

 

階段の真ん中で梨璃がバテてしまった。

 

クラトス「大丈夫か!?」

 

夢結「梨璃、私に任せなさい。」

 

梨璃「え?ヒャアッ!?」

 

突然夢結にお姫様抱っこされた。

 

京輔「クソッ!邪魔だ!」

 

襲い来る衛士隊を京輔とクラトスが蹴散らした。

 

 

 

 

セレス「オートジャイロを奪う気だわ!」

 

 

 

 

 

 

階段を駆け上がる4人を、エレベーターに乗って見てるロベルトがファヴラス公爵に電話した。

 

ファヴラス公爵『愚か者!』

 

ロベルト「お叱りは後で!奴等はクローディア様を狙っています!お早く!」

 

 

 

 

エアポートに到着し、オートジャイロに京輔が乗り、右翼に梨璃と夢結が乗った。

 

クラトス「まだ来るぞ!」

 

京輔がオートジャイロのエンジンを噴かした。衛士隊と召使いが襲って来た。

 

クラトス「ちくしょう!!FBIを舐めるな!!」

 

衛士隊と召使いを蹴散らした。

 

京輔「クラトス乗れ!!」

 

走り出したオートジャイロに気付き、全速力で走ってジャンプした。夢結がクラトスの腕を掴まえて引き揚げた。

 

 

 

 

夢結「大丈夫?」

 

クラトス「すまない。ありがとう。」

 

京輔「クラトス、ちょっと寄り道するぜ。」

 

クラトス「ヘマして墜落したら、容赦しねえぞ。」

 

京輔「おキツイお言葉だ。」

 

オートジャイロはこのまま北の塔へ向かった。

 

 

 

 

北の塔。

 

クローディア「こっちへ来る!」

 

窓ガラスを叩き割ろうとしたが、割れない。そこで椅子を持ち上げた。

 

クローディア「えい!!」

 

そのまま椅子を窓ガラスに投げたが、逆に椅子が壊れてしまった。そこにセレスが前に出て、手榴弾のピンを抜いて、手榴弾を窓ガラスの淵に置いて隠れた。

 

”ドカーーーン!!”

 

だが、窓ガラスは割れなかった。その理由は。

 

セレス「あ!防弾ガラス!?」

 

窓ガラスは特製の防弾ガラスだった。窓の外にオートジャイロが止まった。

 

クローディア「ここは開かないの!!構わず行って下さい!」

 

京輔は上へ行くジェスチャーを送って、オートジャイロを上昇させた。下の方では、ファヴラス公爵を乗せたカプセルが北の塔へ移動していた。

 

 

 

 

北の塔・屋根の上に梨璃と夢結が下りた。

 

京輔「クラトス!操縦頼むわ!」

 

クラトス「な!?お、おい待てよ京輔!!オートジャイロなんて超久々なんだぞ!!」

 

最後に京輔が下りて、天窓へ向かう。

 

 

 

 

天窓前。

 

京輔「よーし!着いた!」

 

 

 

 

天窓を開けた。

 

京輔「クローディア!!」

 

クローディア「先生!!」

 

京輔「お迎えに来ましたぜ!セレス!ロープくれ!」

 

セレス「偉そうに言わないでよね!」

 

 

 

 

北の塔にファヴラス公爵が到着し、3手に別れた。

 

 

 

 

部屋では、セレスがロープを投げ、京輔がロープをキャッチした。

 

クローディア「セレスさん!!」

 

侵入した召使い達にP90を連写した。

 

セレス「さぁ!早く!」

 

ロープに掴まった。京輔と梨璃と夢結がロープを引っ張ってクローディアを引き揚げる。セレスが手榴弾のピンを抜いて部屋の入り口に投げた。

 

召使い「うわあああ!!」

 

すぐに召使いが逃げたと同時に手榴弾が爆発した。

 

 

 

 

天窓。ようやくクローディアを引き揚げた。

 

クローディア「先生!」

 

京輔「ふぅ。もう大丈夫だ。」

 

梨璃「セレスさん!!」

 

セレス「今行くわ!」

 

手榴弾を投げてロープを登る。

 

 

 

 

屋根。

 

京輔「クラトス!こっちだこっちだ!!」

 

クラトス「クソッ!旧式なんて初めてだぞこの野郎!!」

 

文句を言いながらオートジャイロを近付ける。

 

京輔「よぉし良いぞ!!」

 

しかしオートジャイロがずれて行ってしまった。

 

京輔「おいおいおい!!待て待て待て!!」

 

行ってしまったオートジャイロを追い掛ける。と、その時。

 

 

 

 

”バァン!!”

 

 

 

 

京輔「ぐあっ!!」

 

何処からか撃たれた銃弾が、京輔の右肩を貫き、オートジャイロのエンジン部分を爆破させた。オートジャイロが炎の包まれてしまった。

 

梨璃「先生!!」

 

夢結「・・・!!」

 

右肩を撃たれた京輔が落ちて行くが、夢結が受け止めた。

 

夢結「先生!」

 

京輔「ちょっと・・・しくじった・・・!!」

 

右肩から流血した。

 

クローディア「っ!!」

 

セレス「京輔!!」

 

天窓から出た瞬間にマシンガンがセレスの行く手を塞いだ。

 

ロベルト「動くな!女ネズミ!」

 

マシンガンを置いているバルコニーにロベルトとファヴラス公爵が立っている。

 

セレス(銃座のバルコニー?)

 

反対側のバルコニーに2人の召使いが待機した。

 

ファヴラス公爵「セレス。お前には後でたっぷり訊く事がある。ロベルト、京輔のトドメを刺せ。」

 

ロベルト「ハッ!」

 

クローディア「止めて!!撃ってはダメ!!この人達を殺すなら私も死にます!!」

 

ファヴラス公爵「撃て。」

 

マシンガンを連射した。銃弾はわざと外れた。

 

夢結(わざと・・・!?)

 

梨璃「・・・」

 

京輔「・・・・!」

 

ファヴラス公爵「見上げた心掛けだ。クローディア。」

 

クローディア「・・・・」

 

ファヴラス公爵「指輪を取り戻してここへ来い。我が妻になるなら京輔達の命は助けよう。今お前達で死ぬのもよし。好きなようにしてやる。」

 

京輔「っ・・・!!」

 

右肩を抑えて苦しむ京輔を見て、クローディアが決心した。

 

クローディア「先生。指輪を。」

 

京輔「ダ・・・ダメだ・・・!クローディア・・・!いけねぇ・・・!」

 

セレス「内ポケットよ。京輔は何時もそこに隠すわ。」

 

京輔「っ!?クソッ・・・!セレスの奴・・・!」

 

梨璃「先生・・・このままだと・・・」

 

京輔「・・・梨璃・・・俺のジャケットの内ポケットから指輪を出せ・・・それをクローディアに・・・」

 

梨璃「・・・はい。」

 

ジャケットの内ポケットから指輪を出した。

 

梨璃「クローディアさん。」

 

クローディア「ありがとう・・・梨璃さん・・・」

 

指輪をクローディアに渡した。

 

クローディア「・・・指輪です。この方達とセレスを助けなければ、このまま湖に投げ捨てます!」

 

ファヴラス公爵「私を信じろ。指に嵌めてこっちへ来るんだ。」

 

ロベルト「撃ちます。」

 

ファヴラス公爵「指輪が来るまで待て。」

 

クローディアは指輪を嵌めて、ゆっくりとファヴラス公爵へ歩む。

 

梨璃「先生、これで私達は・・・」

 

夢結「まだだわ。何れ殺される運命よ。私達は。」

 

梨璃「そんな・・・」

 

 

 

 

だがその時、炎に包まれたオートジャイロが迫って来た。

 

 

 

 

ファヴラス公爵「何!?」

 

クラトス「京輔ーーーーーー!!!!」

 

セレス「ッ!!」

 

夢結「梨璃!!」

 

梨璃「お姉様!!」

 

セレスが京輔を掴まえてオートジャイロの右翼にジャンプした。梨璃はマギに乗って夢結を追ってオートジャイロの左翼に着地した。

 

ファヴラス公爵「撃て!!逃がすな!!」

 

ロベルトがマシンガンをオートジャイロに向けて連射した。

 

クローディア「!!」

 

マシンガンの銃身に乗っかって妨害した。ファヴラス公爵がクローディアを捕まえた。

 

クローディア「卑怯者!!助けると言って!!」

 

ファヴラス公爵「地下工房を見た者を生かして帰すと思ったら大間違いだ!!」

 

クローディア「ああ!!」

 

指輪を無理矢理取られてしまった。

 

ファヴラス公爵「ハハハハ!遂に我が手に来たか!」

 

オートジャイロはどんどん遠退いて行く。クローディアは涙を流した。

 

 

 

 

 

 

炎上してるオートジャイロでは、京輔の血が機体に付着している。

 

京輔「・・・・!!」

 

夢結「このままじゃ失血するわ。」

 

梨璃「先生、もう少しの辛抱です・・・」

 

クラトス「セレス、お前はどうするんだ?」

 

セレス「クラトス。私にはやる事があるから、ここでお別れね。」

 

クラトス「分かった。」

 

セレス「京輔。無事である事を祈るわ。あなた達、彼を頼むわ。じゃあね。」

 

背中に背負ってるトランクから羽を広げてジャンプして、森の中へ飛んで行った。

 

 

 

 

 

 

廃城では。

 

龍馬「出番のないまま退却かよ!!」

 

すぐにバンに乗って、龍馬が運転する。

 

 

 

 

上空では、オートジャイロが大爆発寸前まで追い込まれていた。

 

クラトス「クソッ!このままじゃ爆発するぞ!」

 

夢結「梨璃!先生を!」

 

梨璃「は、はい!先生。しっかり掴まって下さい。」

 

京輔「梨璃・・・!」

 

夢結「クラトスさん!私に掴まって!」

 

クラトス「分かった!」

 

夢結「行くわよ!」

 

4人がマギに乗って飛び降りた。オートジャイロは木に激突して爆発した。

 

 

 

 

夢結「危機一髪だったわね。」

 

梨璃「はい。」

 

楓「梨璃さーーん!!」

 

バンが止まり、楓が降りて梨璃に飛び込んだ。

 

楓「会いたかったですわーーーー!!」

 

梨璃「か、楓さん!苦しいです!」

 

二水「梨璃さん!夢結様!ご無事で何よりです!」

 

梅「心配したんだぞ。」

 

夢結「ありがとう。それより・・・」

 

龍馬「京輔!」

 

京輔が倒れてしまった。

 

クラトス「お前!京輔の仲間か!」

 

龍馬「ア、アンタは?」

 

クラトス「話は後だ!早く手当てしないと!」

 

龍馬「ん?」

 

そこに現れたのは、以前廃城で会った老人だった。

 

『To Be Continued・・・』




次回・真実のパスト


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特別編9「真実のパスト」

右肩を撃ち抜かれた京輔が倒れたが、以前に廃城で出会った老人に出会った。

 

 

 

 

夜。丘の上の家。

 

二水「じゃあクラトスさんは、京輔先生とお知り合いなんですね?」

 

クラトス「そうだ。京輔が世話になってる。」

 

楓「それで、FBIのクラトスさんが何故ここへ?」

 

クラトス「これが城に送られてな。」

 

京輔が書いた予告状を見せた。

 

神琳「Mr.ジーニアス?」

 

龍馬「何処まで自意識過剰なんだよ。彼奴。」

 

クラトス「俺達FBIがここへ来るよう仕向ける為に予告状を出しやがってな。その結果、無茶して倒れるなんてな。」

 

鶴紗「今は安静にしているから、その内回復するだろうな。」

 

雨嘉「それで、城の中に何かあったのですか?」

 

クラトス「これだ。」

 

例の設計図を見せた。

 

ミリアム「EVIL CHARMの設計図じゃと・・・!?」

 

梅「こんなに・・・」

 

クラトス「あの独立国家がここ50年も開発しやがってな・・・それを世界中に転売して儲けてるって話だ。」

 

二水「横流し・・・」

 

夢結「それと、もう1つの謎が解明されたわ。」

 

楓「何ですの?」

 

梨璃「前にクローディアさんを追ったヒュージ。あれは人工ヒュージで、城の工房で作られたんだよ。」

 

龍馬「人工ヒュージ・・・だと・・・!?」

 

クラトス「証拠品は写真に写してFBI本部に送信してる。」

 

二水「え?犯罪なのに待つんですか?」

 

クラトス「相手は国連加盟の独立国だからな。上層部の承認がないと強制逮捕が出来ないんだ。」

 

"コンコン"

 

ドアのノックが聞こえた。

 

龍馬「誰だ?」

 

???『ワシじゃ。』

 

ドアを開けた。老人が帰って来た。

 

老人「食い物だ。」

 

龍馬「すまねぇな。」

 

パン、チーズ、肉等が入ったバケットを受け取った。

 

老人「どうだ?具合は。」

 

龍馬「熱は下がったみたいだ。」

 

ベッドの上に右肩を包帯に巻かれた京輔が眠っている。

 

龍馬「アンタの治療のお陰だよ。」

 

老人「礼ならあの犬に言ってくれ。」

 

雨嘉「あの子?」

 

ベッドの傍に寝ている黒い犬。

 

老人「誰にも懐かない老犬が、あの男からは離れようとしないんだ。そうでなければお前さん達を匿ったりはしなかったろう・・・」

 

寝ていた老犬が起き上がって、眠っている京輔を見た。すると京輔が小さく目を開けて、こっちを見てる老犬に目を向けた。

 

京輔「よお。ロッキー。」

 

老人「!?」

 

龍馬「気が付きやがった!」

 

二水「良かった!」

 

目が覚めた京輔に皆が寄って来た。

 

龍馬「京輔。傷はどうだ?」

 

京輔「・・・龍馬、それに皆も、久し振りだなぁ。」

 

龍馬「久し振り!?何言ってんだよお前。」

 

鶴紗「傷による一時的な記憶の混乱のようだ。」

 

京輔「ロッキー。今日はご主人様と一緒じゃないのか?」

 

頭を撫でられてるロッキーが満足そうな顔をした。

 

老人「お前さんどうしてその犬の名前を知っているんじゃ?」

 

楓「え?」

 

老人「ロッキーと言う名前は、ワシの他はもうクローディア様しか知らないはずだ。」

 

京輔「クローディア?そうか、お前のご主人様はクローディアって言うのか・・・クローディア・・・?」

 

突然京輔がゆっくりと目を見開いた。

 

クラトス「京輔?」

 

龍馬「どうした?」

 

そしてバッと体を起こした。

 

京輔「おい龍馬!!今日は何日だ!!あれから何日経った!!」

 

龍馬「えっと・・・ふ、2日だ!」

 

京輔「何だと!?じゃあ結婚式は明日じゃねぇか!こうしちゃ・・・!!」

 

起き上がろうとしたが、身体中に激痛が走った。

 

京輔「イテテテ・・・!!」

 

激痛に苦しみ始めた。

 

クラトス「お前無理すんじゃねえよ!傷口が開いてしまうぞ!」

 

京輔「食いもんだ!食いもん持って来い!」

 

二水「食い物って・・・お粥ですか?」

 

京輔「血が足りねぇ・・・!何でもいい!お粥でも何でも俺に食わせてくれ・・・!」

 

ミリアム「そんな事言っても、お主まだ病み上がりじゃろ?」

 

老人「ワシが何とかしよう。」

 

 

 

 

許可を貰って食い物を頂く。

 

京輔「そうか。証拠の設計図をFBI本部に送ったのか。」

 

クラトス「上層部がそれを承認すれば俺達は再び城へ突入出来る。」

 

京輔「セレスは?」

 

クラトス「彼奴は別行動しに行った。」

 

二水「誰なんですか?」

 

京輔「嘗て俺と手を組んだ国際スパイ。要はCIA諜報員だ。彼奴も城の極秘情報を収集していてな。」

 

楓「FBIと国際スパイとお知り合いとか、先生は何者なんです?」

 

京輔「俺か?ただの天才物理学者さ。」

 

龍馬「自意識過剰もいい加減と言いたいな。」

 

 

 

 

食事終了。

 

京輔「ふぃ〜、食った食ったぁ〜。zzzz・・・」

 

そのまま寝転んだ。

 

龍馬「満足して寝たみたいだ。」

 

 

 

 

その後、今まで城で起こった事を老人に話した。

 

老人「そうでしたか・・・クローディア様の為に。」

 

龍馬「しかし京輔がこの状態じゃなぁ・・・」

 

二水「お爺さんはクローディア様と深い関わりがあるんですか?」

 

老人「ワシは元々お屋敷の庭師じゃった。クローディア様は草木や花が好きなお子でな・・・大公ご夫妻が亡くなられ、修道院にお入りになる時に、この犬をワシに託されたのじゃ。」

 

神琳「先生の体に、お姫様の匂いを嗅ぎ付けたって訳ですね。」

 

老人「この若者は何故犬の名前を知っていたのじゃろう?」

 

龍馬「さぁな。何か直感でも働いたんじゃねぇのか?」

 

京輔「そんなんじゃねぇよ。」

 

龍馬「お前!起きてたのかよ!」

 

雨嘉「先生、何か知っているんですか?」

 

京輔「あれは丁度10年前の話だ。俺は自ら仮面ライダーを開発して、1人でヒュージと戦い続けている物理学者だった。」

 

 

 

 

 

 

今から10年前。

 

『鋼ムーンサルト!』

『ラビット!タンク!』

『イエーイ!』

 

アメリカ・カリフォルニア州でヒュージの大群を蹴散らした。

 

 

 

 

『輝きデストロイヤー!』

『ゴリラモンド!』

『イェイ!』

 

イギリス・ロンドンでギガント級ヒュージと戦う。

 

 

 

 

京輔「戦い続け、興味本位の挙げ句の果てに、俺はEVIL CHARMに手を出した。」

 

 

 

 

ファヴラス城に侵入したが、衛士隊に発見されてしまった。京輔が全速力で逃げ出したが、背中に針が突き刺さってしまい、城から落ちて水に浸水してしまった。

 

 

 

 

京輔「何とか岸まで這い上がったけど、もう身動き取れなかった。」

 

 

 

 

岸から這い上がって意識を失って翌朝。

 

ロッキー『ワンワン!!』

 

吠え声で目が覚めた京輔が目を開いた。そこは、見知らぬ庭だった。

 

???『ロッキー?どうしたのロッキー?』

 

そこにやって来たのが、子供の頃のクローディアだった。京輔はクローディアを見て微笑んだ。クローディアは目を覚ました京輔を見て、その場を後にした。

 

京輔(どうやら年貢の納め時が来やがったか・・・)

 

ここで死を覚悟して眠ろうとした時、クローディアが戻って来た。彼女の手には、水が入ったグラスがあった。

 

京輔『え・・・?』

 

クローディア『お水・・・』

 

差し出してくれた水を一気に飲んだ。

 

 

 

 

 

 

そして今。

 

京輔「震える手で、水を飲ましてくれたその子の指に、あの指輪が光ってたんだ・・・恥かしい話だ。指輪を見るまですっかり忘れちまうなんてな。」

 

二水「ううぅぅ・・・何て素敵なお話なんでしょう・・・!」

 

京輔「おいおい二水、そんな泣く事ないだろ?」

 

二水「だって!クローディア様が京輔先生を助けていなかったら、先生はもうこの世に居ませんでしたよ!そして10年の時を経て奇跡の再会・・・感動ですぅ〜!!」

 

クラトス「・・・ん?」

 

窓の隙間から、1枚の紙切れが入って来た。それと同時にバイクのエンジン音が聞こえた。

 

クラトス「セレスの単車だ。」

 

入って来た紙切れを読む。

 

京輔「ん?今日の新聞の切り抜きだ。”明朝結婚式の為バチカンから大司教が訪れる”と掲載されている。」

 

”コンコン”

 

FBI捜査官『クラトス班長。居ますか?』

 

クラトス「入れ。」

 

ドアが開き、部下のFBI捜査官が顔を出した。

 

FBI捜査官「たった今本部から連絡が入りました。」

 

クラトス「どうだった?」

 

FBI捜査官「本日より、ファヴラス公国を犯罪国と見なし、全力で逮捕しろと。抵抗した場合は射殺も許可すると。」

 

クラトス「そうか。分かった。じゃあ皆、俺はこれで。」

 

部屋からクラトスが出た。

 

二水「上層部の方々が承認して下さったんですね。」

 

雨嘉「これで安心・・・かな?」

 

京輔「・・・」

 

夢結「先生、何か考え事かしら?」

 

京輔「明朝の結婚式・・・バチカンから大司教が訪れる・・・ん?ニヤリ。」

 

顔がニヤっとなった。

 

梨璃「どうしたんですか?先生。顔がニヤニヤしてますよ?」

 

京輔「俺に良い考えがある。」

 

 

 

 

 

 

シボレーに乗ったクラトスと捜査官が他の捜査官達と合流に向かっている途中。

 

FBI捜査官「ん?」

 

目の前にセレスが立っていた。シボレーを止めた。

 

クラトス「セレスか。」

 

セレス「クラトス。あなた達に朗報よ。」

 

1枚の地図を渡した。

 

クラトス「地図?」

 

セレス「その赤いルートを辿れば、城まで気付かれずに侵入出来るわ。」

 

クラトス「そうか。結婚式は警備が厳重になるからな。サンキューセレス。」

 

FBI捜査官「セレスさん。ご協力感謝します。」

 

再びシボレーを走らせた。

 

セレス「さて、私も準備しなきゃ。」

 

単車のドゥカティ・パニガーレに乗って、何処かへ向かった。

 

『To Be Continued・・・』




次回・悪魔のウェディング
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
オリキャラ紹介

『クラトス・ティプシー』

声-佐藤拓也



年齢・31歳

モデル・瀬戸康史

髪型・青髪ウルフカット

服・スーツ

性格・冷静

連邦捜査局FBI捜査官。ティプシー班の班長。
嘗て京輔とCIAの国際スパイのセレスと共に戦った事があり、それ以来京輔の仲間となる。
多くの武術や鍛錬や反射神経を鍛えており、ヒュージを牽制出来る強さを有している。

アルトラトス公国で京輔と再会した。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『セレス・フィッツランド』

声-高野麻理佳



年齢・不明

モデル・逢沢りな

髪型・茶髪ロングヘアー

服・黒いリクルートスーツ

性格・単純

CIAに所属してる国際スパイ。
世界中の凡ゆる事件の秘密や陰謀を公表してる。

嘗ては京輔とクラトスと共に戦っていたが、アルトラトス公国で再会を果たす。


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特別編10「悪魔のウェディング」

翌朝。ファヴラス城へ通ずる道が車の大渋滞で埋め尽くされていた。そこに大司教を乗せた車が車道の路肩を進んでいた。だが2人の男女が路肩に座って日向ぼっこしていた。

 

運転手「急いでいるんだ!退いてくれ!」

 

男「無駄だよ。この先ギッシリ詰まってるんだ。」

 

女「7キロ先で崖崩れだってよ!」

 

大渋滞の理由は、7キロ先で崖崩れが起きてしまったからだった。

 

大司教「他の道はないのかね?遅れてしまうぞ・・・」

 

運転手「はぁ・・・」

 

???「おや、アンタまさかバチカンの大司教様か?」

 

そこに1人の老人が尋ねた。正体は龍馬。

 

龍馬「ああ。やっぱりそうだ。1つこの小ヤギに祝福を下されねえか?」

 

1匹の小ヤギを抱いている。

 

大司教「ん。」

 

右手で十字架をなぞる。

 

運転手「あ。土地のもんだね?ファヴラスへ行く他の道はないかね?」

 

龍馬「田舎道でいいなら良い道があるんだがね。」

 

運転手「助かった!案内してくれるか!さぁ、乗って乗って!」

 

龍馬「はいはい。大司教様の為ならば。はい。」

 

 

 

 

 

 

別の場所では、FBIがセレスに渡された地図に記されてる潜入ルートの前に着いた。

 

FBI捜査官「ここからが潜入ルートです。」

 

クラトス「よし。皆!この山を越せば国境だ!夕方までに着くぞ!行くぞ!」

 

FBI捜査官達「ラジャー!!」

 

数台のシボレーが潜入ルートを突き進んで行く。

 

 

 

 

 

 

ファヴラス城では、1台のテレビ局のワゴン車が到着した。助手席にセレスが乗っている。

 

ラングストン「宜しいのですか?テレビなどに公開して。」

 

ロベルト「正当な御婚儀である事を世界に示さんと言う殿下のお心だ。おお!大司教様がお着きになった。」

 

大司教を乗せた車が到着。召使いがドアを開け、大司教が降りた。

 

ラングストン「京輔め、来るのでしょうか?」

 

ロベルト「花嫁は私の影共がお守りする。お前達は門を守っておればよい。」

 

ラングストン「ハッ!」

 

 

 

 

 

 

そして、夜12時。その刻が訪れた。ファヴラス城の礼拝堂の地下の花嫁の部屋。ウェディングドレス姿のクローディアが立っていた。だが彼女の目は瞳が消えている。そこにマントを纏ったファヴラス公爵が入って来た。

 

ファヴラス公爵「光と闇が1つとなる時が来た。来い。クローディア。」

 

2人は影の兵士達に囲まれながら礼拝堂へ進んで行く。

 

 

 

 

礼拝堂では、世界中の大富豪や貴族達が立っている。そこにクローディアとファヴラス公爵が入場した。クローディアとファヴラス公爵は大司教の前に立ち、影の兵士達は剣の刃を持ち、柄を十字架に見立てた。

 

大司教「由緒ある古き血の一族、ファヴラスの正当な後継者である証をここへ。」

 

2つの指輪を乗せた布を影の兵士が持って来た。

 

大司教「古の慣わしに従い、指輪を交わして婚姻の誓いとなす。ファヴラス公国大公息女、クローディア・フォン・ファヴラスよ。この婚姻に同意するか。異議なき時は沈黙をもって答えよ。」

 

彼女は沈黙している。ファヴラス公爵は密かに笑みを浮かべた。

 

大司教「神の祝福があらん事を・・・」

 

 

 

 

 

 

京輔『異議あり!!』

 

 

 

 

 

 

ファヴラス公爵「!?」

 

突然京輔の声が礼拝堂に響いた。

 

京輔『この婚礼は欲望の穢れに満ちているぞ。』

 

すると十字架の台座が何者かに斬り裂かれた。

 

大司教「オオッ!?」

 

台座が滑り、十字架が前に倒れ始めた。大司教達はパニックになりながらクローディアを連れて十字架を避けた。

 

大司教「呪いじゃ・・・!」

 

ファヴラス公爵「騒ぐな!ネズミめ現れおったな!」

 

影の兵士達が剣を十字架の台座に向けた。すると台座から1人の男が浮かび上がった。おばけスマホハザードフォームのビルドだった。

 

京輔『地下牢の亡者を代表して参上した。花嫁を頂きたい。』

 

大司教「ああ・・・これでは式は無理じゃ・・・」

 

ファヴラス公爵「下がっておれ。良い余興だ。」

 

京輔『クローディア。迎えに来たよ。』

 

浮遊しているビルドがゆっくりと近付く。その姿に多くの人達がパニックになった。

 

 

 

 

セレス「大変な事になりました!ビルドです!ビルドが出ました!」

 

影の兵士「放送を中止しろ!」

 

カメラマンを人質にした。

 

セレス「何するのよ!」

 

 

 

 

FBIがその放送を観ていた。

 

クラトス「よし!ゴー!!」

 

シボレーが一気に城へ猛進する。

 

 

 

 

礼拝堂。

 

京輔『クローディア!クローディア!可哀想に。薬を飲まされたね?公爵め、口を聞けないようにしたな?』

 

ファヴラス公爵が左腕を掲げた。影の兵士達が一斉にビルドを襲い、ビルドが串刺しにされ掲げられてしまった。それを見たクローディアが我に返った。

 

クローディア「キャアーーーー!!先生ーーー!!」

 

大司教「いけません!近付いてはなりませんぞ!」

 

ファヴラス公爵「ハハハハ!愚かなり京輔!仲間が居ないか捜せ!」

 

京輔(クローディア。泣くんじゃない。クローディア。)

 

クローディア「・・・?」

 

京輔『今そこへ行ってあげるよ。』

 

するとビルドの身体中にノイズが走った。

 

ファヴラス公爵「何だ!?」

 

そして、ビルドが天高く飛び、信号弾となって爆発した。

 

 

 

 

龍馬「ドルアアアアア!!!!」

 

梨璃・夢結「ヤアアァァァァァ!!!!」

 

そこに龍馬と一柳隊が現れた。龍馬がクローズマグマナックルで、一柳隊がCHARMで天井に数ヶ所攻撃した。すると天井に張り付いている人工ヒュージが破壊され、地面に落下した。

 

京輔『フハハハハハハ!ヒヒヒヒヒ!』

 

人工ヒュージを見た人達が驚愕した。

 

京輔『気に入ってくれるかな?公爵!このプレゼント!アンタの作った人工ヒュージだ!指輪と交換しようじゃねえか!』

 

ファヴラス公爵「クソッ!奴を捜せ!この中に居るはずだ!」

 

するとある手が2つの指輪を奪った。

 

影の兵士「あ!」

 

大司教「へへッ!確かに貰ったぜ!」

 

奪ったのは大司教だった。

 

ファヴラス公爵「き、貴様は!?」

 

大司教が顔を外した。

 

ファヴラス公爵「京輔!!」

 

その正体は京輔だった。

 

クローディア「先生!」

 

京輔「クローディア、大丈夫か?」

 

先程のビルドは京輔が大司教の服の袖の中で遠隔操作した物で、音声は予め録音した物だった。

 

ファヴラス公爵「おのれ!巫山戯た真似をしおって!」

 

京輔「妬むな妬むな。ロリコン公爵め、火傷しても知らねえぞ!」

 

大司教の服を広げた。中には100発もあるロケット花火が仕込まれていた。導火線に点火され、ロケット花火が礼拝堂の中を飛び回って花火を咲かせた。

 

 

 

 

 

龍馬「喰らいやがれ!!」

 

クローズマグマナックルで影の兵士を蹴散らす。

 

楓「私達を止めてごらんあそばせ!」

 

人工ヒュージ達を蹴散らす。

 

 

 

 

城の外では、FBIのシボレーが突入した。

 

クラトス「ゴーゴーゴー!!」

 

 

 

 

セレス「皆さん、お待たせしました!放送を再開します!今や式場は大混乱です!」

 

 

 

 

京輔「ほんじゃ公爵、ごきげんよう!」

 

ファヴラス公爵「死ねえ!!」

 

京輔「変身!!」

 

『天空の暴れん坊!』

『ホークガトリング!』

『イエーイ!』

 

仮面ライダービルド・ホークガトリングに瞬時に変身してクローディアを抱えて飛翔した。そのまま破壊された窓から外へ出た。

 

ファヴラス公爵「追え!!逃がすな!!」

 

 

 

 

セレス「ビルド逃げました!公爵激怒して追って行きます!あ!FBIの突入です!」

 

 

 

 

礼拝堂にFBIが突入した。

 

クラトス「奴等を残さず逮捕しろ!犠牲を出すな!アタック!」

 

FBI捜査官達「ラジャー!!」

 

影の兵士達を肉弾戦で次々と戦闘不能にさせていく。

 

 

 

 

セレス「ティプシー部隊!祭壇に向かって猛進して行きます!あ!衛士隊です!先頭は・・・ラングストン衛士長!」

 

 

 

 

クラトス「ガード展開!!」

 

半数のFBI捜査官が衛士隊と戦う。

 

ラングストン「うおー!!この!!」

 

クラトス「退くな!!正義は我にあり!!」

 

 

 

 

セレス「実に激しい戦いです!祭壇の下に一体何があるのでしょう?」

 

 

 

 

地下への階段をクラトスが発見した。

 

 

 

 

セレス「あ!階段です!地下へ通ずる穴があります!あの穴に何があるのでしょうか?カメラもそこへ行ってみましょう!」

 

 

 

 

クラトス「遂に来たか!」

 

カメラを持ってクラトスの後へ付いて行く。

 

クラトス「待ってろよ!!」

 

 

 

 

 

 

このテレビ放送は百合ヶ丘女学院でも。

 

祀「あの婚礼がこんな事になるなんて。それにあの子達・・・」

 

史房「理事長代行。如何なさいます?」

 

高松「これはあの子達の任務だ。我々が手を加えるつもりはない。」

 

 

 

 

 

 

ファヴラス城・地下工房。

 

クラトス「皆さん、見えますか?これが礼拝堂の地下工房です。その証拠に・・・」

 

EVIL CHARMの設計図を見せた。

 

クラトス「これがEVIL CHARMの設計図です。そして・・・」

 

人工ヒュージが作られてる工房を見せた。

 

クラトス「人工ヒュージの工房!これが奴等の本性です!」

 

 

 

 

 

 

眞悠里「ヒュージを人工的に作ったのか・・・!?」

 

高松「ファヴラス公国・・・」

 

 

 

 

 

 

セレス「大変な発見です!」

 

クラトス「お分かりですか!奴等は裏で世界の紛い物を開発し続けていました!これは全世界の由々しき大事件と呼ぶに相応しいでしょう!」

 

 

 

 

 

 

その頃ビルドは、一柳隊と共に風車へ逃げていた。

 

京輔「一先ず、城外へ脱出だ。」

 

梨璃「皆さん、ここをお願いします。」

 

二水「梨璃さんと夢結様もご武運を。」

 

京輔「頼むぜ龍馬。絶対に通すなよ。」

 

龍馬「任せとけ!ここで食い止めてやるぜ!」

 

京輔「さっ!」

 

3人はクローディアを連れて行こうとしたが、クローディアが龍馬達の所に戻り。

 

クローディア「皆さん、どうかお気を付けて。龍馬様も・・・」

 

龍馬「え・・・!?」

 

クローディア「必ず無事に戻って下さいね。ご恩は一生忘れません。」

 

楓「さ、行って下さい。」

 

神琳「クローディア様も、ご無事で。」

 

クローディア「はい。」

 

梨璃「クローディア様!お早く!」

 

クローディア「はい!」

 

ティアラを外して3人の元へ駆ける。4人はマギに乗って風車を降りた。

 

龍馬「龍馬様だと。」

 

鶴紗「可憐だ。」

 

龍馬「え?」

 

鶴紗「な、何でもない・・・」

 

雨嘉「まだ来るよ!」

 

 

 

 

無数の影が攻めて来た。

 

 

 

 

楓「ああもう!しつこいですわね!!」

 

ミリアム「彼奴等やけくそじゃな!!」

 

すると龍馬が風車の縁に立った。

 

『ボトルバーン!』

『クローズマグマ!』

 

『Are you ready?』

 

龍馬「変身!」

 

『極熱筋肉!』

『クローズマグマ!』

『アーチャチャチャチャチャチャチャチャチャアチャー!』

 

仮面ライダークローズマグマに変身した。

 

龍馬「ミリアム!梅!神琳!行くぞ!」

 

梅「おう!」

 

神琳「はい!」

 

ミリアム「よっしゃ!」

 

4人が風車から降りた。

 

 

 

 

中庭。

 

龍馬「ドルアアアアア!!!」

 

強烈のパンチで地面を殴り、影達を怯ませた。

 

龍馬「今の俺達は、負ける気がしねえ!」

 

 

 

 

 

 

城では。

 

ファヴラス公爵「京輔め!まだ勝負は付いていないぞ!」

 

以前にクローディアを攫った蒸気船に乗り込んだ。

 

ロベルト「城内はお任せ下さい。」

 

ファヴラス公爵「うむ。」

 

蒸気船が出航した。

 

『To Be Continued・・・』




次回・解明のキーワード


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特別編11「解明のキーワード」

水道橋を走る京輔達4人は、時計塔の真下まで着いた。

 

京輔「ふぅ・・・ここまで来れば何とかなるな。」

 

クローディア「傷は痛むの?」

 

京輔「いや軽いもんだ。さて、この時計塔を越えれば脱出だ!ん?」

 

時計塔に向かい合った2頭のユニコーンの紋章があった。

 

京輔「向かい合った2匹のユニコーン?」

 

2つの指輪を向かい合わせにして、繋ぎ合わせた。

 

京輔「繋ぎ目にルーン文字が彫ってある。”光と闇を・・・”ダメだ。磨り減っててよく読めねえ・・・」

 

クローディア「光と影を結び時告ぐる・・・高き一角獣の陽に向かいし眼に我を納めよ。」

 

梨璃「クローディア様、その言葉は?」

 

クローディア「はい。昔から大公家に伝わっている言葉です。お役に立ちますか?」

 

京輔「立ちます立ちます!謎解けましたぜ!」

 

夢結「来るわ!」

 

京輔「ムッ!」

 

 

 

 

蒸気船のサーチライトが照らされた。

 

 

 

 

京輔「公爵だ!早くこっち!」

 

水兵がマシンガンを連射する。1発も当たらずに、4人は時計塔に潜り込んだ。

 

 

 

 

ファヴラス公爵「時計塔の機関部に潜り込むぞ!船を着けろ!」

 

 

 

 

時計塔・機関部。

 

京輔「執念深い野郎だなぁ・・・」

 

ある程度高い所まで登り、下を見ると。

 

 

 

 

ファヴラス公爵「彼処だ!」

 

 

 

 

京輔「お!来たか!」

 

ドリルクラッシャーを取り出して銃口を向ける。しかしそこにレーザーが接近した。

 

京輔「っ!!」

 

ドリルクラッシャーでレーザーを撃ち落とした。だがレーザーが次々と現れた。

 

京輔「ここは危ないな!逃げるぞ!」

 

急いでその場から逃げた。

 

 

 

 

ファヴラス公爵「レーザーを切れ!バカめ!ここから出られると思うのか!」

 

水兵達が歯車に乗って京輔達を追う。遠くに京輔達の姿が見えた。

 

 

 

 

階段を上がり、京輔がドアを開けようとしたが開かない。

 

梨璃「危ない!」

 

気付いた梨璃が3人を押してマシンガンを避けた。

 

京輔「クソッ!ん?」

 

目の前にある歯車に目が入った。

 

京輔「クローディア。怖いか?」

 

クローディア「いいえ。」

 

京輔「上等!行くぞ!」

 

4人が一気に走り出し、歯車に乗った。

 

水兵隊長「逃がすな!!」

 

 

 

 

京輔「あっ!!」

 

だが目の前にもう1つの歯車と重なっていた。

 

梨璃「潰されます!」

 

京輔「横に飛べ!」

 

夢結「ハッ!」

 

4人が横の歯車に飛び移った。その歯車からジャンプし、停止しているリフトの上に着地した。

 

 

 

 

水兵隊長「ああーー!!」

 

 

 

 

京輔「っ!」

 

下を見ると、水兵隊長が歯車と歯車に押し潰される寸前まで追い込まれていた。

 

京輔「見るな!」

 

夢結「見ちゃダメよ!」

 

梨璃とクローディアを後ろに隠した。

 

 

 

 

水兵隊長「ギャアアーーーー!!!」

 

歯車と歯車に押し潰されてしまった。

 

 

 

 

水兵「うわああーーー!!」

 

押し潰された水兵隊長が落としたマシンガンが顔に当たって落ちてしまった。

 

水兵「ここはダメです!」

 

ファヴラス公爵「お前達は階段を使え!」

 

水兵「ハッ!」

 

 

 

 

 

 

機関部の最上部。

 

京輔「さあ、実験を始めようか!」

 

『ラビット!』

『タンク!』

『ベストマッチ!』

 

『Are You Ready?』

 

京輔「変身!!!」

 

『鋼ムーンサルト!』

『ラビット!タンク!』

『イエーイ!』

 

仮面ライダービルド・ラビットタンクフォームに変身した。

 

京輔「皆はここで待ってろ。入り口を塞いで来る。」

 

クローディア「気を付けて!」

 

京輔「すぐ戻るぜ!」

 

うさぎの脚力でジャンプした。

 

 

 

 

1つの歯車を支える棒の上に立ち、周囲の歯車を見る。

 

京輔「・・・・・」

 

頭の中でイメージトレーニング。

 

 

 

 

階段を使った水兵が現れた。

 

水兵「彼処だ!!」

 

ビルドを発見し、下からマシンガンを一斉連射。

 

 

 

 

京輔「・・・・っ!通塞の法則は決まった!」

 

ドリルクラッシャーを真上の歯車を支える棒を破壊した。ビルドが後ろにジャンプして棒に掴まり、棒が破壊された歯車が落下した。歯車が他の歯車に直撃して落とし、逃げる水兵達を追って入り口を塞いだ。

 

京輔「ふぅ・・・」

 

クローディア「先生!後ろ!」

 

だがファヴラス公爵が後ろの歯車に乗って現れ、ビルドに向かって飛び襲った。

 

京輔「おっと!」

 

ビルドが避け、歯車の上を歩く。

 

京輔「よう公爵!」

 

ファヴラス公爵「ネズミめ!串刺しにしてやる!」

 

マントを脱ぎ捨てた。

 

京輔「いよいよ大詰めだなぁ!公爵!」

 

ファヴラス公爵「ヤアァーッ!!」

 

京輔「クッ!!」

 

ドリルクラッシャーでファヴラス公爵と戦う。戦っている間にも2人は歯車の動きに流されて落ちてしまった。

 

 

 

 

落ちた先には横倒れで動く大きな歯車と小さな歯車があった。大きな歯車にビルドが乗り、小さな歯車にファヴラス公爵が乗った。

 

京輔「ヒューーーーン。ドリャア!!」

 

ファヴラス公爵「ダァッ!!」

 

また1周するビルドと、歯車を走るファヴラス公爵。

 

京輔「ヒューーーーン!」

 

ビルドが近付いたタイミングを見て剣を振ったが避けられてしまい、ドリルクラッシャーがファヴラス公爵の仮面を剥がした。

 

ファヴラス公爵「ああ!!」

 

京輔「よーし!じゃあもう一丁!喰らえーーー!!」

 

ファヴラス公爵「させるか!!」

 

ドリルクラッシャーを避けられた。

 

京輔「ちょちょちょちょ!?」

 

バランスを崩して落ちそうになった。隙を見たファヴラス公爵が大きな歯車に乗ってビルドを襲うが避けられた。

 

 

 

 

ビルドは細い棒に掴んだ。

 

京輔「やーい!ファヴ公!ここまでおいで!」

 

だが細い棒が重みに耐え切れず折れてしまった。

 

京輔「ほえ?ギャアアーーーーー!!!」

 

落ちたビルドは小さな歯車に遊ばれ中。

 

京輔「わわわわわわわ!は、吐きそう・・・」

 

 

 

 

ファヴラス公爵「ハハハハハ!」

 

 

 

 

クローディア「先生ーーーーー!!!」

 

 

 

 

ファヴラス公爵「ヒヒヒヒヒ!」

 

 

 

 

クローディア「はっ!」

 

夢結「こっちへ来るわ!」

 

標的をクローディアに変えた。

 

 

 

 

ファヴラス公爵「貴様達から先に片付けてやる!」

 

 

 

 

京輔「クローディア!梨璃!夢結!逃げろ!今行く!」

 

 

 

 

夢結「こっちよ!」

 

梨璃「はい!クローディア様!」

 

2人はクローディアを連れて階段を駆け上がる。

 

ファヴラス公爵「ハハハハハハハハハ!」

 

階段の向こうにドアがあり、そこを開けると・・・

 

 

 

 

 

 

時計塔の外だった。現在時刻は深夜2時45分。そして周辺に人工ヒュージが待ち伏せていた。

 

梨璃「待ち伏せていたなんて・・・」

 

夢結「ここまで計算済みだって言うの・・・」

 

ファヴラス公爵「ハハハハハ!」

 

逃げ道のない3人は、時計の短針に乗って奥へ逃げる。

 

ファヴラス公爵「ハハハハ。何処まで行くのかな?クローディア。」

 

短針の端まで追い込まれてしまった。

 

ファヴラス公爵「さぁさぁどうした?もう逃げないのか?ファヴラスの血もこれで終わりだ。そのリリィの小娘共と共に死ねクローディア!」

 

 

 

 

京輔「待て公爵!取引だ!」

 

 

 

 

そこにビルドが止めに入った。

 

梨璃「先生!」

 

ファヴラス公爵「もう遅い!この女とお前の仲間が死ぬ所を見ておれ!」

 

京輔「話を聞け!」

 

2つの指輪を見せた。

 

京輔「この指輪の謎を教えてやる。お宝はどうしようとお前の勝手にするが良い。しかしその子達は諦めろ!自由にしてやれ!」

 

ファヴラス公爵「・・・」

 

京輔「見ろ!あの文字盤の一角獣を。」

 

文字盤の12と1の間に彫られてある一角獣を見せた。

 

京輔「あれが”陽に向かいし時告ぐる一角獣”だ。両目に2つの指輪を嵌める穴がある。この指輪はくれてやる。しかしその子達を殺せば、湖に捨ててお前を殺す!」

 

長針の出っ張り部分に指輪を置き、長針の端に立つ。ファヴラス公爵はクローディアを引っ張って指輪を取りに行くが。

 

京輔「おっと!そこまでだ。クローディアを中に入れろ。」

 

ファヴラス公爵「よぉし。分かった。」

 

”パチン!”

 

指を鳴らした瞬間、人工ヒュージが触手を伸ばし、ビルドの両手を絡ませた。

 

京輔「何!?クソッ!公爵テメェ!!」

 

梨璃「先生!キャア!!」

 

夢結「梨璃!!あっ!!」

 

梨璃と夢結も人工ヒュージの触手に縛られてしまった。

 

ファヴラス公爵「フハハハハハハ!京輔!切り札は最後まで取って置くものだ!」

 

京輔「クソッ・・・!!」

 

ファヴラス公爵「来い!」

 

指輪を取り返した。

 

ファヴラス公爵「確かに本物だ。指輪は受け取ったぞ。謎解きの代金を受け取ってくれ。」

 

もう1度指を鳴らそうとしたその時。

 

クローディア「エイッ!!」

 

ファヴラス公爵「ウワアーーー!!!」

 

クローディアがファヴラス公爵を引っ張って飛び降りようとしたが、ファヴラス公爵が剣で長針の上の壁に突き刺してぶら下がった。

 

ファヴラス公爵「は・・・放せ!!」

 

京輔「クローディア!!」

 

ファヴラス公爵「放せ!!」

 

意地でも放さないクローディアの頭を力強く蹴った。クローディアは気絶して落ちてしまった。

 

京輔「野郎!!」

 

人工ヒュージの触手を引き千切ってクローディアに向かって大ジャンプした。

 

 

 

 

落下するクローディアを掴み、水道橋の上に着地した。

 

京輔「梨璃!夢結!」

 

ドリルクラッシャーを連射した。

 

 

 

 

人工ヒュージが破壊され、梨璃と夢結が解放された。

 

夢結「梨璃!下りるわよ!」

 

梨璃「でも!」

 

夢結「早く!」

 

梨璃「は、はい!」

 

マギに乗って水道橋へ下りる。

 

 

 

 

ファヴラス公爵「っ・・・!クッ!」

 

何とか落ちずに済んだファヴラス公爵が、時告ぐる一角獣に向かって登る。

 

 

 

 

水道橋。

 

梨璃「クローディア様は?」

 

京輔「大丈夫。気絶しているだけだ。」

 

梨璃「先生、ファヴラス公爵が。」

 

京輔「無闇に動こうとするな。様子見が先だ。」

 

 

 

 

時告ぐる一角獣の前に上り詰めたファヴラス公爵は、口に入れていた指輪を取り出して、穴に指輪を入れた。

 

ファヴラス公爵「ヒヒヒヒヒヒ。これで財宝は私の物だ。」

 

指輪を入れると、謎の音が聞こえた。

 

ファヴラス公爵「ん?」

 

一角獣の顔が引っ込めた。

 

 

 

 

機関部では、歯車の動きが速くなっていった。

 

 

 

 

ファヴラス公爵「な、何だこの地震は!?」

 

すると時計塔の屋根の上から、謎の触手が出現した。

 

ファヴラス公爵「な、何だこれは!?」

 

謎の触手は、ファヴラス公爵に向けて振り下ろした。

 

ファヴラス公爵「グアアアアアアア!!!!」

 

振り下ろされた触手がファヴラス公爵を時計塔ごと破壊した。

 

 

 

 

龍馬「何だ!」

 

鶴紗「?」

 

楓「地震ですか?」

 

二水「時計塔からです!」

 

 

 

 

召使い「ああ!時計塔が!」

 

 

 

 

時計塔から、ギガント級ヒュージが現れたのだ。

 

 

 

 

雨嘉「ヒュージ!?」

 

梅「ギガント級か!」

 

二水「あれも人工ヒュージでしょうか!?」

 

龍馬「分からない!」

 

 

 

 

水道橋。

 

梨璃「ヒュージが!」

 

夢結「時計塔に封印されてたって言うの!?」

 

京輔「マズイ!一気に片付ける!!」

 

一旦変身を解除し、ジーニアスフルボトルを取り出した。

 

「グレート!」

『オールイエイ!』

 

『ジーニアス!」

 

『イエイ!』

「イエイ!」

『イエイ!』

「イエイ!」

 

『Are you ready?』

 

京輔「変身!」

 

『完全無欠のボトルヤロー!』

『ビルドジーニアス!』

『スゲーイ!』

『モノスゲーイ!』

 

仮面ライダービルド・ジーニアスハザードフォームに変身した。

 

京輔「勝利の法則は決まった!」

 

『ファイナルマッチデース!』

『ファイナルマッチブレイク!』

 

銀色の砲台を発射し、ギガント級ヒュージを貫いた。

 

京輔「逃げるぞ!」

 

梨璃「はい!」

 

夢結「えぇ!」

 

クローディアを抱えて水道橋から離脱した。

 

 

 

 

ロベルト「ああ・・・殿下・・・」

 

 

 

 

破壊された時計塔から湖の水が流し込まれた。

 

 

 

 

龍馬「何だこりゃ!?」

 

 

 

 

流し込まれた湖の水は城の地下を侵食して行った。

 

 

 

 

ロベルト「これでファヴラスも終わりだ・・・斬れ。」

 

鶴紗「無駄な自決を出すな。」

 

地下工房では水によってEVIL CHARMが全て爆破されてしまった。

 

『To Be Continued・・・』




次回・秘められたトレジャー


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特別編12「秘められたトレジャー」

翌朝。クローディアを抱えた京輔と、梨璃と夢結が公園へ向かっていた。

 

京輔「お・・・!?」

 

梨璃「これって・・・」

 

クローディア「・・・先生?」

 

京輔「よう。立てるか?見てみな。」

 

そこに目にしたものは・・・

 

 

 

 

 

 

ギリシャの古代遺跡が湖に眠っていたのだ。

 

 

 

 

 

 

京輔「隠された財宝のお目覚めか。」

 

クローディア「湖の底にギリシャの古代遺跡が眠っていたなんて・・・」

 

京輔「ギリシャ人がこの地を追われる時、水門を築いて沈めたのを、君のご先祖様が密かに受け継いだんだ。まさに人類の宝って奴さ。こりゃあ世界遺産に登録させたいねぇ〜。」

 

 

 

 

丘の上まで行くと、FBIのジェット機が飛行していた。

 

京輔「クラトスが増援要請を出したみたいだな。」

 

クローディア「・・・行ってしまうの?」

 

京輔「まぁな。俺達にも色々やらなきゃならねえ事がいっぱいあるしな。」

 

クローディア「・・・私も連れてって!戦いはまだ出来ないけどきっと覚えます!私・・・私・・・お願い!一緒に行きたい!」

 

彼女は京輔に抱き付いた。

 

梨璃「クローディア様・・・!?」

 

京輔「クローディア・・・バカな事言うんじゃねえよ。また鳥籠に入りたいのか?やっとお陽様の下に出られたんじゃないか。な?君の人生はこれから始まるんだぜ?俺達のように、戦う道を歩んじゃいけないんだ。あ、そうだ!困った事があったらな!何時でも言いな!先生が地球の裏側からだってすぐ飛んで来てやるからな!」

 

クローディア「先生・・・ありがとう・・・」

 

 

 

 

ロッキー「ワンワンワン!」

 

 

 

 

そこにロッキーと老人が駆け付けた。

 

クローディア「ロッキー!ああロッキー!ロッキー!」

 

ロッキーを優しく抱き締めた。

 

老人「クローディア様!」

 

クローディア「お爺さん!アハハハ!」

 

ロッキーがクローディアの顔を舐めた。

 

 

 

 

3人は無言のまま後ろへ下がって行く。

 

 

 

 

クローディア「っ!先生!」

 

京輔「またなーーー!!」

 

梨璃「クローディア様!ごきげんよう!」

 

夢結「また会いましょう!」

 

そこにバンが到着した。

 

龍馬「お姫さーーん!」

 

3人を乗せたバンが走り出した。

 

クローディア「先生!!」

 

 

 

 

京輔「クローディア!元気でなー!さよならーー!!」

 

 

 

 

クローディア「ありがとう!皆さん!さようならー!」

 

 

 

 

京輔「さよならーー!さよならーー!」

 

バンは地平線の彼方へ消えて行った。

 

 

 

 

クローディア「・・・・」

 

別れを惜しんでいると、顔に傷だらけのクラトスが走って来た。

 

クラトス「ちくしょう!一足遅かったか!京輔めまた盗みやがって!」

 

クローディア「いいえ。あの方は何も盗らなかったわ。私の為に戦って下さったんです。」

 

クラトス「いえ。奴はとんでもない物を盗んで行きました。」

 

クローディア「?」

 

クラトス「あなたの心です。」

 

クローディア「・・・はい!」

 

クラトス「では、失礼します!」

 

 

 

 

シボレーが到着し、乗り込んだ。

 

クラトス「全捜査官に告ぐ!これより本部へ帰還する!」

 

FBI捜査官達がクローディアに手を振ってお別れした。シボレーが地平線の彼方へ消えて行った。

 

 

 

 

老人「何と気持ちの良い連中だろう。」

 

クローディア「私、ずっと昔からあの方を知っていたような気がするの。京輔・・・きっと、きっとまた会えるわ!」

 

 

 

 

 

 

一方バンは。

 

龍馬「良い子だったなぁ〜。お前、残っててもいいんだぜ?」

 

楓「あら?京輔先生が今度はお城へ赴任ですか?」

 

京輔「冗談止めろ。ん?」

 

横にセレスが乗ってるパニガーレが。

 

京輔「あれ?セレスどうした?」

 

セレス「京輔見て!私の後ろ!」

 

京輔「獲物?ん?」

 

セレスの後ろのトランクケース。そこに書かれてあったのは。

 

京輔「なっ!人工ヒュージの人工細胞じゃねぇか!おいお前!それをどうするつもりだ!」

 

セレス「本国に持ち帰るだけよ。じゃあね。」

 

アクセル全開にして別れた。

 

京輔「おーい!うっかりして落とすんじゃねーぞー!」

 

???「京輔ーーーーー!!」

 

京輔「ん?」

 

後ろを見ると、FBIのシボレーが見えた。

 

京輔「またクラトスかよ。」

 

クラトス「京輔!予告状について聞かせて貰うぞ!」

 

ファヴラス公爵の野望が食い止められ、公国に平穏が訪れた。

 

『THE END』




キャスト

稲葉京輔:千葉翔也

仁科龍馬:畠中祐

一柳梨璃:赤尾ひかる
白井夢結:夏吉ゆうこ
楓・J・ヌーベル:井澤美香子
二川二水:西本りみ
安藤鶴紗:紡木吏佐
吉村・Thi・梅:岩田陽葵
郭神琳:星守紗凪
王雨嘉:遠野ひかる
ミリアム・ヒルデガルド・v・グロピウス:高橋花林

クローディア:佐倉綾音

クラトス・ティプシー:佐藤拓也
セレス・フィッツランド:高野麻里佳

真島百由:水瀬いのり
出江史房:長妻樹里
秦祀:田中那実
内田眞悠里:櫻川めぐ

高松咬月:中田譲治

老人:島田敏

ラングストン:竹内良太

ロベルト:若林佑

ファヴラス公爵:大川透


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##CAMPBELL`S INVESTIGATION##
DIARY1「キャンベルの日記」


数十年前・アメリカ。




アラバマ州郊外にあるキャンベル邸。ここに住む考古学者のキャンベル教授は、1冊のある日記を金色の鍵付きの厳重なケースに保管した。




外では、1台の車と2台のトラックがキャンベル邸へ向かっている。




再びキャンベル邸。

キャンベル教授「頼むぞ。」

男性「はい。」

キャンベル教授「やぁ〜。ほら。」

彼はケースに保管した日記を娘夫婦に託し、更に懐から取り出した円形のペンダントをまだ生まれたばかりの孫娘に託した。

娘「お父さん・・・」

キャンベル教授「心配するな。すぐに追い付くさ。娘と孫も頼むぞ。」

夫「分かっています。さぁ行こう。」

キャンベル教授は屋敷を出る夫婦を見送った。




屋敷を出た夫婦は車に乗って裏口を出た。それと同時に1台の車が到着したが、裏口を発見してそこへ入って行く。2台のトラックは屋敷に到着し、数人の兵士が降りて屋敷へ突入した。




書斎に、キャンベル教授がテーブルに座っていた。

兵士「例の物出して貰いましょうか。キャンベル教授。」

キャンベル教授「・・・お前等に渡す物など何もないわ。ゲヘナの犬め!」

”バァン!!”

彼は兵士によって銃殺されてしまった。






一方裏口から逃げる夫婦の車は、1台の車に追われていた。

夫「追って来たか・・・!」

その車を追う謎の車が、夫婦の乗る車の横に並んで体当たりした。

夫「ああっ!くそっ!」

体当たりで反撃した。

妻「あなた・・・」

夫「大丈夫。しっかり掴まってろ!」

妻「えぇ!」

アクセルを全力で踏み、速度を上げた。




だが・・・

夫婦「うわああ!!」

道に出た瞬間にトレーラーにぶつかってしまい、車体がボロボロになった。夫婦の車を追っていた車もトレーラーにぶつかってしまった。

男「ああ・・・」

夫婦の車を追った車から1人の男が出て来て、夫婦の車に近付く。男はトレーラーにぶつかった衝撃で足の骨を折ってしまっている。




夫婦の車から赤ん坊の泣き声が聞こえた。夫婦は意識不明の状態になっているが、赤ん坊は奇跡的に無傷。

男「・・・ん?」

夫婦の車のドアを開けた男が、赤ん坊の持ってるペンダントを奪い取った。

男「・・・?」

車内を見渡すが、他には何も無かった。

男「ハッ!」

別の車が停車し、男が足を引き摺ってその場から退散する。

運転手「大変だ!おい!大丈夫か!?」

降りた運転手が夫婦に声を掛けるが、返事が無い。運転手はすぐに救急車を呼び出した。





森の中では、キャンベル教授が夫婦に託したケースが捨てられてあった。このケースに入れられた日記に書かれた秘密とは・・・


数十年後・百合ヶ丘女学院。理事長室。

 

史房「これが、キャンベル・ダイアリーですか?」

 

高松「ウム。2ヶ月前にグランギニョルの総帥から送られた物だ。」

 

祀「このケースは何なんでしょうか?」

 

高松「キャンベル・ダイアリーは、謎解きの鍵付の厳重なケースで守られている。グランギニョルでも解析してみたが、解読は不可能だった。」

 

眞悠里「では、何故我が校に送られたのですか?」

 

高松「総帥から、稲葉君に解析して欲しいと依頼が来たのだ。」

 

祀「稲葉先生を?」

 

高松「ウム。この日記を読んだ者だけが手にすると言われる莫大な財宝。それもゲヘナも追っていたと言う噂もある。だから、物理学者で仮面ライダーの稲葉君に解析をお願いされたのだ。」

 

眞悠里「稲葉先生でしたら、今は外出しておりますが・・・」

 

高松「そうか。帰って来たら呼んでくれ。」

 

眞悠里「分かりました。」

 

するとそこに、1人の生徒が駆け込んで来た。

 

生徒「失礼します!」

 

祀「どうかしたの?」

 

生徒「先程ゲヘナからの脅迫状が!」

 

高松「何だと?」

 

その脅迫状の内容とは・・・

 

 

 

 

『キャンベルダイアリーの提供を願う。さもなくば・・・分かっているな?』

 

 

 

 

史房「理事長代行。」

 

高松「・・・出江君。保管を頼む。」

 

史房「分かりました。」

 

キャンベル・ダイアリーを持った史房が理事長室から出て、生徒も出た。

 

祀「ゲヘナが狙うのに理由はあるのでしょうか?」

 

高松「・・・」

 

 

 

 

廊下。

 

生徒「・・・あ、あの・・・」

 

史房「ん?何かしら?」

 

生徒「・・・ごめんなさい!!」

 

史房「っ!?」

 

突然生徒から催眠スプレーを吹き付けられ、史房が眠ってしまった。

 

生徒「本当にごめんなさい!」

 

彼女はキャンベル・ダイアリーを奪って一目散に逃げ出した。

 

 

 

 

逃げた先は屋上。

 

生徒「・・・」

 

屋上から見える海の景色に見惚れていると、上から釣り糸が下りて来た。

 

生徒「え?」

 

その釣り糸がキャンベル・ダイアリーを奪った。

 

生徒「ああっ!!」

 

キャンベル・ダイアリーを奪ったのは、天才物理学者で仮面ライダービルドに変身する青年・稲葉京輔だった。

 

京輔「釣れたー!悪いけど此奴は返して貰うぜ!しかし生徒の中に怪盗が潜伏していたとはなぁ〜。」

 

すると少女が京輔の前に現れてキャンベル・ダイアリーを奪おうとしたが、京輔が避けた。

 

京輔「ちょっ!止めろってお前!!落ち着けって!!」

 

必死に奪おうとする少女を軽々と避ける。

 

京輔「お前、これがどれだけ大事な物か知らないんだろう?」

 

少女「・・・あなた達より、私の方が大事なはずよ!」

 

京輔「何?」

 

懲りずに京輔からキャンベル・ダイアリーを奪おうとしても、京輔は避けるばかり。すると。

 

少女「え!?うわああああ!!」

 

京輔「っ!!」

 

足を滑らせた少女が屋上から落下するが、間一髪で京輔が少女の腕を掴んで落下を免れた。京輔が少女を引き上げた。

 

京輔「泥棒は軽々しくやるもんじゃないぞ。じゃあな。」

 

少女「え!?」

 

京輔「たたたたたた!どりゃああーーー!!」

 

屋上から大ジャンプし、回転してグラウンドに着地した。

 

京輔「100点。」

 

少女「お願い!!返して!!」

 

京輔「すまないなお嬢ちゃん!これはグランギニョルから送られた大事な物なんだ!」

 

少女「・・・!」

 

京輔「ってな訳で此奴は、大事に保管しておくから安心しな。」

 

しかしそのキャンベル・ダイアリーが上の誰かに奪われた。

 

京輔「ありゃ!?」

 

奪った人物は・・・

 

 

 

 

セレス「ありがとう京輔!手間が省けちゃった!」

 

 

 

 

謎のヘリの梯子に掴まってる国際スパイのセレス・フィッツランドだった。

 

京輔「セレス!?あの野郎何の真似だゴルァ!!」

 

眞悠里「先生!」

 

京輔「お前達!」

 

祀「キャンベル・ダイアリーは?」

 

京輔「すまない。奪われちゃった・・・」

 

祀「そんな・・・」

 

京輔「あれ?あの子は?」

 

屋上を見ると、先程の少女の姿が何処にも無かった。

 

京輔「・・・」

 

 

 

 

 

 

逃げ出した少女は、森の中を走りながらスマホで誰かと通話している。

 

少女「ごめんなさいお祖父様!失敗です!やっぱり私には・・・こんな仕事無理だったんです!」

 

男『この役立たずめ!まぁ良い。バックアップが上手くやってくれたわ。例の約束は無かった物と思うんだな。』

 

少女「そんな・・・!」

 

例の約束が水の泡となり、少女は落胆してしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とある場所にある書斎。そこに数人の兵士と数人の学者が立っていた。2階のドアが開き、1人の男がゆっくりと階段を下りる。男の名は、ギルバート。

 

ギルバート「アイザック教授。」

 

アイザック「あぁ。」

 

杖を持った中年の男・アイザックがギルバートの横に立つ。

 

アイザック「皆喜んでくれ。我々の悲願キャンベル・ダイアリーが手に入ったとの報せがあった。」

 

全員「おぉー!」

 

アイザック「だが!君達も知っての通り、キャンベル・ダイアリーは難攻不落の仕掛けによって守られている。どんな手を使ってでも、我々はそれを突破せなばならない!」

 

すると1人の兵士がギルバートの耳元で。

 

兵士「到着しました。」

 

ギルバート「そうか。」

 

今度はアイザックの耳元に告げた。

 

兵士「例の女が着きました。」

 

アイザック「おぉ!ギルバート!」

 

ギルバート「ん。行くぞ。」

 

アイザック「あぁ!」

 

 

 

 

 

 

別室。

 

セレス「はい。お約束の品よ。」

 

アタッシュケースを開け、キャンベル・ダイアリーを出した。

 

アイザック「おぉー!遂にこれが!」

 

ギルバート「ようやくか。随分時間が掛かったものだ。」

 

アイザック「す、すまない・・・」

 

セレス「それで、約束の物は?」

 

アイザック「あぁ、持って行け。」

 

大量の札束が入ったアタッシュケースを受け取った。

 

アイザック「ここが鍵穴になっていて・・・こことここが連動している訳だな。ギルバート。やはり私の研究の通りだ。」

 

ギルバート「そのようだな。・・・ん?待て!」

 

部屋から出ようとするセレスを呼び止めた。

 

ギルバート「何のつもりだ?」

 

アタッシュケースに仕込まれた発信機を見付けた。

 

ギルバート「キャンベル・ダイアリーの財宝に先回りするつもりだったか!国際スパイが!」

 

セレス「あら?バレちゃったわね・・・」

 

 

 

 

 

 

その夕方。百合ヶ丘女学院・一柳隊の部屋。

 

龍馬「キャンベル・ダイアリーが奪われた!?」

 

京輔「セレスの野郎がな。」

 

梨璃「まさかセレスさんに盗られちゃったなんて・・・」

 

二水「一大事です!早く取り返さないと・・・」

 

夢結「でも彼女は国際スパイなんでしょ?彼女なりのやり方があるんじゃないかしら?」

 

楓「それはそうかも知れませんが・・・」

 

神琳「京輔先生。そのキャンベル・ダイアリーの中身は何が書かれているんですか?」

 

京輔「それはまだ不明のままだ。だが、ある伝説があると聞いた事があってな。」

 

雨嘉「伝説?」

 

京輔「何でも、あの伝説のリリィ。溝呂木慧音が挑んだって言う伝説だ。」

 

二水「溝呂木慧音!?理事長の戦友で、今はもう亡くなられている伝説のリリィ・・・」

 

京輔「彼女は亡くなる前に、そのキャンベル・ダイアリーに挑んだって言ってたなぁ。」

 

ミリアム「何じゃ?先生もその方に会ったのか?」

 

京輔「いや、彼女の孫がそう言ってた。」

 

鶴紗「その日記には、あるのかないのかはっきりしない宝の在り処が書いてあるだけなんだろう?」

 

梅「一理ある言葉だな。それ。」

 

龍馬「その宝がとんでもない奴だったら・・・」

 

京輔「フム。考えるのはまた明日だな。さーて、ちょっと散歩行っとこー。」

 

部屋から出て行った。

 

龍馬「皆、呼び出して悪かったな。早く寮に戻れよ。」

 

梨璃「はい。」

 

 

 

 

 

 

謎の場所。

 

アイザック「ん〜・・・」

 

円形のペンダントを捻ると、1つの鍵が出て来た。その鍵を、キャンベル・ダイアリーを保管してるケースの鍵穴に挿して捻ろうとしたが、鍵が回らない。

 

アイザック「何だと!?」

 

ギルバート「どうしたと言うのだ?」

 

アイザック「い、いや!こんな事はありえない・・・これは確かにキャンベル・ダイアリーの鍵のはず・・・」

 

ギルバート「どうしたのかと聞いているのだ。」

 

アイザック「いや・・・その・・・間も無くだ!ギルバート!・・・」

 

ギルバート「その言葉には反吐が出る。2度と使うな。この能無しが。」

 

アイザック「・・・」

 

『To Be Continued・・・』




次回・ダイアリーの解明


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DIARY2「ダイアリーの解明」

その夜。鎌倉にある小さな町の家に少女が帰って来た。

 

 

 

 

帰宅した少女は、部屋のベッドに倒れ込んだ。

 

少女「・・・」

 

???「だから言っただろ?向いてねーんだよ。」

 

少女「え?・・・え!?」

 

京輔「ほ〜。」

 

部屋に何時の間にか京輔が入って来た。

 

少女「なっ・・・!」

 

窓が開いてる。そこから京輔が入ったのだ。

 

京輔「君も・・・がっ!!」

 

突然顔にローファーを投げられた。

 

少女「どうしてここが!?」

 

京輔「痛ててて・・・さぁて、これは一体何でしょうかっと。」

 

投げ付けられたローファーを返した。

 

少女「ん?」

 

部屋の電気を京輔が点けた。

 

京輔「へぇ〜。凄え資料の数々。」

 

さっきのローファーの裏に発信機が取り付けられていた。

 

少女「あっ!発信機・・・何しに来たのよ!!」

 

京輔「君は財宝を狙ってそうだな。」

 

少女「財宝?何の事?」

 

彼はテーブルの上に素早くトランプタワーを建てた。

 

京輔「クリエイト。創造って意味の言葉だ。」

 

少女「え・・・」

 

京輔「ほぉら目の色変えた。」

 

そのままトランプタワーを崩した。

 

少女「・・・」

 

コップに水道の水を入れて飲む。

 

京輔「ん?」

 

テーブルにある資料を手に取る。

 

京輔「この論文君が書いたの?」

 

少女「あ!ちょっと!」

 

すぐに論文を取り返した。

 

京輔「考古学かぁ。成る程。本業はこっちって訳か。」

 

少女「そうよ。あなたの物理学と一緒にしないで。考古学って言うのは、過去の真実を知る唯一の方法なのよ。」

 

京輔「ん?」

 

小さな欠片を京輔に見せ、自分の耳に近付ける。

 

少女「ほら。こうやって昔の人と話をするの。」

 

京輔「ほう?」

 

その欠片を借りて、耳に近付ける。

 

京輔「成る程〜。・・・しかしよくまあこんなに調べたもんだな。ん?」

 

壁にある円形のペンダントを見た京輔が、それと同じペンダントを持って見比べる。

 

京輔「これは・・・此奴の片割れの方だな。」

 

少女「え・・・?どうしてあなたがそれを?」

 

京輔「ある人物の孫に渡されたんだ。」

 

少女「盗品って事?」

 

京輔「勝手に決め付けんなよ!んで、教えて貰おうか?こっちの鍵を何処で見たんだ?」

 

少女「ちょっと落ち着いて。えっと・・・取り敢えず着替えさせて。ね?見ないでよ!」

 

 

 

 

着替えに行った少女は、クローゼットに隠れてある人物と通話する。

 

少女「あの・・・お祖父様。稲葉京輔がここに現れました。私達の鍵と同じ物を持っています。鍵は・・・2つあるようです。」

 

男『そう言う事か。良いか?最後のチャンスだ。もう1つの鍵と共に稲葉京輔をここへ連れて来い。』

 

少女「そんな!彼と一緒に行動するなんて無理です!何時何処でバレるか・・・」

 

男『そうか?もし成功すれば、例の約束・・・もう1度考えてやっても良いんだがな。』

 

少女「・・・」

 

その言葉に奮起した少女が着替え始めた。

 

 

 

 

一方京輔は。

 

京輔「ん〜・・・」

 

少女「取引しない?」

 

着替え終えた少女がやって来た。

 

京輔「取引?」

 

少女「私の持ってる情報を教えてあげる。その代わりあなたは私と組んで、キャンベル・ダイアリーの謎を解きに行く。」

 

京輔「何で俺が君みたいなヒヨッコと組まなきゃならねーんだ?ダメダメェ〜。」

 

少女「もう1個の情報。ここにあるんだけどなぁ〜。」

 

京輔「聞き出す方法なんざ幾らでもあるんだぜぇ〜?グヌヌヌヌヌ・・・」

 

念力を出してるように両手を翳す。

 

少女「いや、そんな人じゃないよね?天才物理学者さん。」

 

京輔「ん?はぁ〜・・・」

 

彼が出て行こうとした。

 

少女「ね?手を組みましょ!キャンベルみたいに!」

 

京輔「え?キャンベルが何だって?」

 

少女「彼には発掘資金を援助してくれるパートナーが居たらしいの。」

 

京輔「それってゲヘナの事か?」

 

少女「バカな事言わないで!キャンベルはクリエイトをゲヘナから守る為に命を落としたと言われているのよ!!」

 

京輔「そ、そうなんだな?分かった分かった。」

 

少女「でもね、その一方詳細な手掛かりも残した。キャンベル・ダイアリーって形でね。それって何で?って思わない?私は知りたい。そして、クリエイトの謎を解きたい!」

 

京輔「そこまで言うならしゃーない。しばらく君と手を組んでやるとするか。」

 

少女「本当!?」

 

京輔「俺もクリエイトの謎を暴きたいしさ。それに元々グランギニョルからキャンベル・ダイアリーの解明を依頼されてる身だし。それでは早速案内して貰おうか。お嬢さん。」

 

少女「任せて!・・・あ、そうだ。名前言ってなかったね。私の名前は・・・ソフィア。」

 

京輔「ソフィア?・・・」

 

彼女の名前に聞き覚えがある様子。

 

 

 

 

 

 

深夜。日本海を航行する1隻の補給線。物資が入った2つの木箱に隠れてる京輔とソフィアの姿が。

 

京輔「本当にこれ・・・鍵の在り処に向かってるんだろうな?」

 

ソフィア「住所不定なんだけどね。週に1度必ずこの補給線が接触する事は分かってるの。」

 

京輔「どうも信用出来ねえーなぁ・・・なぁ、ソフィアってのは偽名なんだろ?」

 

ソフィア「偽名?何の事?」

 

京輔「これなーんだ?」

 

1枚の紙を見せた。結婚記念日ソフィアの文字と、その裏に女性の写真が。

 

ソフィア「あっ!」

 

その写真を取り返した。

 

京輔「その人は君のお袋さんだろ?ソフィアってのはお袋さんの名前なんだろ?」

 

ソフィア「お母さんはソフィア。私もソフィア。うちの家系は女の子にソフィアって名前を付けるのが仕来りなの。」

 

京輔「随分と手を抜いた家系だなぁ。」

 

ソフィア「まあ、お父さんもお母さんも。私が子供の頃に事故で死んじゃったから。写真から推理しただけだけど。」

 

京輔「・・・ん?」

 

補給線が突然停泊した。停泊した場所は、日本海のど真ん中。

 

京輔「こんなど真ん中に何があるってんだ?ん?」

 

1人の船員が上に向けて信号弾を発砲した。

 

京輔「信号弾?ん?」

 

それと同時に謎の飛行音が聞こえた。後ろを見ると・・・

 

 

 

 

 

 

巨大な飛行艇が現れた。

 

 

 

 

 

 

京輔「ほえ〜・・・」

 

飛行艇が着水し、補給線が接触する。

 

ソフィア「言ったでしょ?住所不定だって。」

 

京輔「そう言う事ね。」

 

 

 

 

 

 

飛行艇に潜入し、書斎の屋根裏に忍び込んだ。

 

 

 

 

アイザック「キャンベル・ダイアリーは、間も無く開かれようとしている。」

 

キャンベル・ダイアリーが、書斎の本棚に隠された金庫に保管された。

 

アイザック「残るは、もう1つの鍵。」

 

 

 

 

京輔「こんな所にあったのか。」

 

 

 

 

誰も居なくなった書斎に降りた。

 

ソフィア「ありがとう。」

 

京輔「どう致しまして。」

 

隠された金庫を出した。

 

ソフィア「こんなのは簡単だよね〜。かの有名な天才物理学者・稲葉京輔だもんね〜。」

 

京輔「任せとけって〜。・・・うげっ!うわぁ・・・」

 

金庫のダイヤルは数十個ある。京輔がウォッチビルダーのワイヤーを伸ばして金庫に接続して、ダイヤルを解析してダイヤルを回す。

 

京輔「解錠の法則は決まりましたっとほいしょっと♪」

 

金庫が開いた。

 

ソフィア「ええ!?」

 

京輔「大成功♪」

 

ソフィア「流石・・・」

 

 

 

 

金庫からキャンベル・ダイアリーと片割れの鍵を出した。

 

京輔「ようやくだ。これでクリエイトの正体を暴けるぜ。ん?」

 

ソフィア「どうしたの?」

 

京輔「いや、何か懐かしい感じがするんだ。昔見た事があるような・・・」

 

ソフィア「あ!京輔急ごう。」

 

京輔「ん?」

 

すぐに屋根裏へ逃げる。

 

 

 

 

逃げたと同時に見張りが書斎に入って徘徊する。

 

京輔「この警戒態勢じゃ脱出は不可能だな。」

 

 

 

 

辿り着いた場所は、誰も居ない部屋。

 

京輔「しょうがねぇ。ここでご開帳と行きますか。」

 

ソフィア「うん。」

 

机の電気スタンドを点けて開帳を始める。まずは京輔が2つのペンダントを捻って鍵を出した。

 

京輔「この2つを組み合わせて、鍵を作るって事は予想していたんだけどなぁ。」

 

2つの鍵を組み合わせて十字の鍵を作った。

 

ソフィア「そう言う風に使うんだ。」

 

京輔「だがなぁ・・・此奴はこれだけじゃ開かない。実はキーワードがいるんだ。」

 

ソフィア「キーワード?」

 

京輔「あぁ。この鍵穴の周りにアルファベットが刻まれてるだろ?この鍵を使う時はキーワードの順に回さないと・・・ほら、ここを見てみろ。ここの撃鉄が作動して此奴が爆発すると。中身も鍵を開けようとしてる人間も綺麗サッパリ消し飛ぶって訳。」

 

ソフィア「・・・」

 

京輔「キャンベルはよっぽど此奴を秘密のままにして欲しかったんだろうな。だが内心では誰かに開けて欲しかった。例えば、天才的な金庫破り。暗号解析の名手。そして、凡ゆる常識を覆す天才物理学者。」

 

ソフィア「それって自分の事?」

 

京輔「フフッ。自画自賛乙。でだ。一体このアルファベットをどう繋げたら意味のある言葉になるかってのが課題だ。アルファベットは全部で6つ。だが、キーワードは9つって意味なんだなこれが。」

 

ソフィア「成る程ね。」

 

京輔「それが何かって事なんだけどなぁ・・・」

 

鍵を持ったソフィアがケースの鍵穴に挿すと、ケースの仕掛けが動いた。

 

ソフィア「あっ!」

 

京輔「っておい!!」

 

ソフィア「え!?」

 

仕掛けが作動したケースに、60秒のカウントダウンが起動した。

 

ソフィア「どうしたの!?何が起きたの!?」

 

京輔「時限装置が作動した!此奴を見る限り・・・後1分で此奴が爆発する!」

 

ソフィア「ど、どうしよう!私が余計な事をしちゃったせいで!」

 

京輔「落ち着けソフィア!」

 

そうこうしてる間にも、カウントダウンが迫る。残り50秒。

 

京輔「ん〜・・・I・C・N・E・L・Tを使う9文字の言葉!何かないか!」

 

ソフィア「何だろう!ダメだ思い付かない!」

 

京輔「キャンベル所縁の言葉で!考えろ考えろ考えろ・・・え!?いやあ・・・まさかなぁ。」

 

ソフィア「え?」

 

京輔「いや、待てよ待てよ・・・そんな事って・・・」

 

ソフィア「答えが分かったの!?」

 

京輔「分かったって言うか・・・ああもうしゃーねえ!賭けに出るぞ!」

 

ソフィア「賭け!?嘘でしょ!?失敗したら爆発するんだよ!?」

 

京輔「指咥えて見てても爆発するんだ。1つ賭けてみようぜ!」

 

深呼吸して鍵を掴み、鍵を回してキーワードを並べる。

 

京輔「これで最後だ!」

 

最後のキーワードを並べると、カウントダウンが停止した。

 

京輔「っ!」

 

仕掛けが停止し、4つのフックが開いてケースが開いた。

 

ソフィア「・・・!」

 

ケースを開けた京輔が安堵の表情を浮かべた。

 

京輔「ふぃ〜・・・」

 

ソフィア「凄い・・・」

 

京輔「クフフ・・・合ってたわ。」

 

ソフィア「凄い!本当に凄い!え!?キーワードは何だったの!?」

 

京輔「長い話になる。まずは此奴の中身を拝ませて貰おうぜ。」

 

 

 

 

早速キャンベル・ダイアリーの中身を見る。

 

ソフィア「クリエイトは、古代文明からの贈り物である。」

 

京輔「流石!古代ヘブライ語も読めるんだな!」

 

ソフィア「フフフ。こんな文字を使うって事は、キャンベルは考古学者にこれを開いて欲しかったのね!今度はスキタイ語!」

 

京輔「スキタイ語。紀元前8世紀から紀元前1世紀頃、現代のウクライナで用いられた言語だな。」

 

ソフィア「お前達にこの贈り物を受け取る資格がなければ・・・再び封印しなさい。贈り物・・・」

 

次のページを捲る。

 

ソフィア「クリエイトはやっぱり無限のエネルギー発生装置だったんだ!フランス語でクデ!つまりキュビットの事ね!」

 

京輔「古代メソポタミアとエジプトの長さの単位か。」

 

ソフィア「1キュビットは0.444メートルかけて・・・んーと・・・3万9960。まあ約40キロメートル!」

 

京輔「神々の都市って言うのは?」

 

ソフィア「この図を見れば分かるでしょ?メキシコのティオティワカンよ!」

 

京輔「凄いな君!」

 

ソフィア「だからぁ。こう言うのは専門なんだってば。」

 

次のページを捲る。

 

ソフィア「成る程〜!今度はアッカド語ですかぁ。」

 

京輔「古代メソポタミアで話されていたセム語派の言語か。別名アッシリア・バビロニア語だな。」

 

ソフィア「クリエイトに辿り着くには・・・3つの試練があるみたい!これはその攻略方法を教えてくれているみたいだけど・・・」

 

京輔「ほほう!そう来ましたか。」

 

すると突然ソフィアが京輔の後ろに立ち、銃を向けた。

 

京輔「あれぇ?どうしたってんだいソフィア?」

 

ソフィア「ごめんなさい京輔・・・私・・・」

 

京輔「謝るのは早いんじゃないの?お嬢さん。」

 

彼の手には、ソフィアの銃のマガジンが握られていた。

 

ソフィア「え!?」

 

京輔「だから言っただろ?泥棒は軽々しくやるもんじゃないって。お前等もコソコソしてんじゃねえよ!こっちから出るか?」

 

彼は既に外に居る集団に気付いていた。

 

 

 

 

部屋を出ると、ギルバート達が待っていた。

 

ギルバート「気付いていたか。稲葉京輔。」

 

京輔「この部屋に来るにはここしかルートがないもんでな。」

 

アイザック「だが、ここから君はどうするんだ?この状況では、君はかなり不利だな。」

 

京輔「面倒事は嫌だし。大人しく降伏しますか。」

 

アイザック「ディラン!」

 

ディラン「イエッサー!」

 

兵士のディランが京輔を拘束する。

 

ソフィア「これで良いんですよね?アイザックお祖父様。」

 

キャンベル・ダイアリーをアイザックに渡した。彼女が言うお祖父様はアイザックだった。

 

京輔「へぇ〜。お祖父様ねぇ〜。」

 

アイザック「良くやった。ソフィア。」

 

京輔「ここから先はお前等だけでどうにかなるのか?随分長い間入り口でもたついていたんだろ?」

 

アイザック「たかがパズル遊びが得意な程度で、でかい口を利くのは止めて貰いたいものだな。」

 

京輔「人に鍵開けて貰っといてよく言うな。お前達は鍵を開ける事すら出来ないミジンコか?」

 

アイザック「侮辱するな!!私はかの有名な組織のメンバーにスカウトされた事のある男だぞ!!」

 

京輔「へぇ〜。今度は過去の栄光自慢って奴か?んで?何だって?何の組織だって?ゲヘナか?反政府組織か?自然保護団体か?」

 

彼はアイザックの手首にある刺青を見て閃いた。

 

京輔「ほぉ!クメール・ルージュと来たかぁ!」

 

ソフィア「クメール・ルージュ・・・?」

 

京輔「それで?クリエイトを手にしてどうするんだ?また新たな理想の世界でも創ろうってのか?」

 

アイザック「黙れ黙れ黙れ!!お前の役目は終わったのだ!!ディラン!!この若造を連れて行け!!」

 

ディラン「イエッサー!」

 

こうして京輔は連れて行かれてしまった。

 

 

 

 

その後の書斎。

 

ソフィア「京輔をどうするんですか?」

 

アイザック「・・・情が移ったんではあるまいな?」

 

ソフィア「まさか。だって・・・ただの物理学者ですよ?あの人。それより・・・お話があるんです。」

 

アイザック「話とは?」

 

ソフィア「お祖父様の言い付け通りにしました。もうこう言うの・・・最初で最後で良いんですよね?例の約束本当に聞いて貰えるんですよね?」

 

アイザック「あぁ。ボストン大学の話だな。彼処は考古学の最高学府として有名な考古大学だ。お前程度が・・・」

 

ソフィア「どうしても挑戦してみたいんです!どんなに感謝しても足りないとおもっています!でも・・・もう泥棒したり、人を騙したりしたくないんです!本格的に考古学を勉強したいの!キャンベルのような考古学者になりたいんです!」

 

アイザック「・・・成長したな。ソフィア。これが終わったら、ボストン大学でも何処でも挑戦すると良い。」

 

内ポケットから、ボストン大学からのエアメールを出してソフィアに渡した。

 

ソフィア「え・・・本当に本当ですか!?」

 

アイザック「あぁ。」

 

ソフィア「ありがとう!お祖父様!」

 

彼女は喜んで書斎を出た。その入れ違いでギルバートが入った。

 

ギルバート「恐れているな?あの子の才能を。」

 

アイザック「何の事だ?」

 

ギルバート「彼女はお前より考古学を勉強している。その内彼女の力に及ばなくなるぞ。」

 

アイザック「それは・・・」

 

ギルバート「ならばあの子の才能を超えれば良い。そうすればお前は、彼女より最も才能がある学者として君臨出来る。」

 

アイザック「才能を超える・・・」

 

『To Be Continued・・・』




次回・アッセンブルと出発


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DIARY3「アッセンブルと出発」

夜明けの日本海。飛行艇が出発した。

 

 

 

 

飛行艇のソードフィッシュが格納されてるデッキに、セレスが拘束されていた。

 

京輔「あれまセレスちゃん。こんな所で会えるなんて珍しいなぁ。」

 

セレス「京輔!」

 

京輔「自分の仕掛けた罠に嵌って策士策に溺れちゃったか?」

 

セレス「五月蝿いわね。たまたまよ。」

 

兵士A「おい。余計な口を利くな。黙ってろ。」

 

そこでセレスが色気を使った。

 

セレス「今日はハンサムな見張りさんね。もっと近くにいらっしゃって〜。」

 

兵士A「お!?」

 

色気に溺れた兵士がセレスに近付く。

 

兵士A「お、おいおい・・・可愛い事言うじゃないか。」

 

だがセレスの手錠が切れた。

 

セレス「ハァッ!!」

 

両足で兵士を掴み、そのまま捻って倒す。

 

セレス「ヤァッ!!」

 

そのままもう1人の兵士にハイキックして倒した。倒した兵士から手錠の鍵を奪い、京輔を解放した。

 

京輔「やるなぁ!」

 

セレス「そろそろここも滅茶苦茶になっちゃうから逃げたかったのよ。」

 

京輔「んで、これからどうするんだ?」

 

セレス「決まってるでしょ?」

 

飛行艇のデッキを開け、ソードフィッシュに乗る。

 

京輔「成る程ねぇ。一足先に逃げるってか。」

 

セレス「京輔は乗らないの?」

 

京輔「まだやる事があるしな。」

 

兵士C「彼処だ!!」

 

別の兵士2人が現れた。セレスがソードフィッシュの機関銃で兵士2人に連射して離れさせた。

 

セレス「これ頂いて行くわねー!」

 

ソードフィッシュがセレスを乗せて飛行した。

 

兵士C「・・・ギルバート様に何て報告するんだ・・・」

 

後ろから京輔の手刀で気絶された。

 

京輔「昼寝してたとでも言っときな。」

 

 

 

 

 

 

一方、京輔がキャンベル・ダイアリーを開けた部屋では。京輔が潜伏している。

 

アイザック「これを見てくれ。私の予測通りだ。クリエイトは強大な力を持った兵器。しかもその操作方法まで記してある。」

 

ギルバート「悪くない仕事だアイザック。あの方がクリエイトを手にしたら、どれ程喜ばれる事か。」

 

アイザック「あの方?・・・まさか!議長がご存命なのか!?」

 

ギルバート「そうだ。その昔、カンボジア政府のソン・セン一家を殺害後に終身刑を宣告された直後。議長投獄された直後に意識を失い、組織の残党が回収して人体冷凍保存されたって伝説は聞いた事があるだろ?あの方は必ず生きて帰って来る。これが何よりの証拠だ。」

 

その証拠の写真をアイザックに見せた。そこには、冷凍保存されてるクメール・ルージュの指導者ポル・ポトの姿があった。

 

アイザック「何と言う・・・!」

 

ギルバート「数年前にカンボジアで撮られた写真だ。」

 

アイザック「議長とクリエイト・・・この2つが揃えば・・・我が理想の世界の復活も夢ではないのでは・・・」

 

ギルバート「愚か者。復活は確実だ!」

 

”ガシャン!”

 

部屋の外で物音が聞こえた。

 

ギルバート「ん?」

 

ドアを開けると、ソフィアが立っていた。

 

アイザック「ソフィア!」

 

ギルバート「何処から聞いていた?」

 

ソフィア「・・・」

 

ギルバート「何処から聞いていたのだ!!」

 

ソフィア「どう言う事ですか?クリエイトが兵器でもあるって事・・・最初から知っていたんですか!?お前達にこの贈り物を受け取る資格がなければ・・・再び封印しなさい。封印の方法は以下に記す。クメール・ルージュ・・・調べたら・・・嘗て存在したカンボジアの政治勢力として創設された武装組織の名前でした。お祖父様達は何をするつもりなんですか!?」

 

だが後ろからギルバートに睡眠薬を投与された。

 

ソフィア「あっ!」

 

睡眠薬を投与されたソフィアが眠ってしまった。そしてギルバートが外への扉を開けた。

 

アイザック「な、何をするんだ!」

 

ギルバート「お前が自分の手を汚せ!青臭い正義感・・・お前は育て方を間違ってしまったのだ!このまま生かしておいては計画の障害になるだけだ!分かるな?」

 

アイザック「・・・」

 

ギルバート「議長への忠誠が本物なら出来るはずだアイザック!」

 

アイザック「・・・」

 

ギルバート「出来ないのかアイザック!!」

 

アイザック「まだこの娘には近い道があるはずだ!」

 

ギルバート「何処までも使えない男だ!!」

 

強引にソフィアを奪い取った。

 

アイザック「ま・・・待て!!」

 

 

 

 

京輔「ん!?」

 

 

 

 

ギルバートがソフィアを外へ放り投げた。

 

アイザック「うわあ!!」

 

京輔「馬鹿野郎!!!」

 

咄嗟の判断で京輔が飛び出し、落ちるソフィアを追う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ソフィアの夢。

 

老人『こうやって、昔の人と話をするんだよ。』

 

ソフィアの老人は、ある物を少女に渡していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして今。

 

ソフィア『落ちてる・・・?』

 

睡眠から目覚めたソフィアが今の状況を見る。

 

ソフィア「え!?いやあああああ!!私落ちてるの!?パラシュート!パラシュートパラシュートパラシュートパラシュート!!」

 

京輔「あらーお嬢さん!珍しい所で会いますなー!」

 

クルクル回って落下する京輔がソフィアの横に並んだ。

 

ソフィア「京輔!?」

 

京輔「助けてあげたいんだけどさぁ〜。後先考えずに飛び出しちまってなぁ!それに俺ビルドドライバーを持って来るの忘れちまったしなぁ〜!」

 

ソフィア「何なのそれーーー!!ちょっと京輔助けてーーー!!」

 

 

 

 

セレス「京輔ーーーーー!!」

 

 

 

 

ソードフィッシュが駆け付けてくれた。

 

京輔「セレス!!」

 

ソードフィッシュの翼にしがみ付いた。

 

京輔「流石頼りになるぜセレス!」

 

セレス「お礼はたっぷり弾んで貰うわよ?」

 

京輔「理事長代行に交渉したらどうだぁ?」

 

セレス「ん?逃げるわよ!」

 

京輔・ソフィア「うわああーーー!!」

 

飛行艇の襲撃を避けた。

 

セレス「しつこい連中ね!」

 

ソードフィッシュを華麗なテクニックで機関銃を避けまくる。

 

セレス「しっかり掴まって!まくわよ!」

 

京輔「お手柔らかに頼むぜ!」

 

ソードフィッシュが宙返りし、飛行艇の後ろへ逃げる。

 

京輔「やるなぁー!」

 

だが機関銃がソードフィッシュの尾翼に直撃した。

 

京輔「ありゃ!?」

 

尾翼がやられたソードフィッシュが地面ギリギリを飛行していると、ある集団が現れた。

 

龍馬「お嬢ちゃん!飛び降りろ!!」

 

それは、仮面ライダークローズと一柳隊だった。

 

梨璃「早く!」

 

まずはソフィアが飛び、梨璃に掴まった。

 

ソフィア「ありがとう・・・」

 

梨璃「どう致しまして。」

 

夢結「セレスさん!」

 

セレス「ヤァッ!」

 

次はセレスが飛び、夢結に掴まった。

 

夢結「大丈夫?」

 

セレス「えぇ。」

 

龍馬「京輔!」

 

京輔「すまねぇ!」

 

上を飛行するクローズの両手を掴み、そのまま地面に着地した。

 

龍馬「ギリギリだったな。」

 

京輔「そうじゃないみたいだなぁ。」

 

飛行艇が迫る。

 

ソフィア「戻って来た!」

 

二水「何ですかあれ!?」

 

楓「逃げますわよ!!」

 

物陰に隠れた。飛行艇が飛び去った。クローズが変身を解除した。

 

龍馬「行っちまったなぁ。」

 

京輔「あぁ。ってかお前等何でここが分かったんだ?」

 

龍馬「お前のジャケットの襟見てみろ。」

 

京輔「ん?」

 

ジャケットの襟を見ると、発信機がくっ付いてた。

 

京輔「発信機!?何時の間に・・・」

 

龍馬「お前があの時部屋を出ただろ?トイレから出た後こっそり付けたんだよ。」

 

京輔「全く・・・用意周到だなぁおい。」

 

ソフィア「どうしよう!クリエイトが放たれてしまう!京輔!」

 

京輔「今考えてる。えっとここは・・・」

 

横の看板を見る。

 

京輔「鳥取砂丘か。なら百合ヶ丘へ飛んで戻るぞ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

百合ヶ丘女学院・一柳隊の部屋。

 

京輔「う〜ん・・・ん〜・・・はぁ・・・やっぱり彼奴に頼むしかねぇか。」

 

鶴紗「どうするんだ?先生。」

 

京輔「世界中何処にでも駆け付けてくれる組織に所属してる奴が居るだろ?」

 

ビルドフォンを取り出して操作する。

 

楓「その方はもしかして。」

 

京輔「そのまさかだ。」

 

そして、ある人物に電話する。

 

京輔「もしもーし。」

 

 

 

 

 

 

数時間後。1台のヘリコプターが百合ヶ丘女学院のグラウンドに着陸した。そこから降りたのは・・・

 

クラトス「百合ヶ丘女学院。初めて来るな。」

 

FBI捜査官のクラトス・ティプシーと、部下2人。

 

クラトス「ん?」

 

彼を高松と生徒会の3人が出迎えてくれた。

 

高松「ようこそ百合ヶ丘女学院へ。理事長代行の高松咬月です。」

 

挨拶した高松に、クラトスが4人にFBI手帳のIDカードを見せた。

 

クラトス「FBI捜査官のクラトス・ティプシーです。歓迎を感謝致します。それで、彼は?」

 

高松「稲葉君。」

 

そこに京輔が姿を現した。

 

京輔「クラトス。急に呼び出してすまないな。」

 

クラトス「お前の事だから、何か巨大な陰謀でも掴んだのか?」

 

京輔「一柳隊の部屋に来てくれ。話はそれからだ。」

 

 

 

 

 

 

一柳隊の部屋で、京輔がクラトスに今までの事を話した。

 

クラトス「成る程・・・」

 

京輔「俄かに信じられねえ話だろ?」

 

クラトス「いや。確かにFBIでもクメール・ルージュの動向を警戒している。あの忌まわしきカンボジア大虐殺事件の再来の可能性については、特別対策部隊も組織されている。その中にレンジャー部隊とSWAT部隊、そしてデルタフォースが協力している。」

 

梨璃「デルタフォース?」

 

楓「アメリカの対テロ特殊部隊ですわ。」

 

クラトス「お前達の話が、まるっきりの絵空事とは言い難い。」

 

京輔「そいつ等が今やとんでもない兵器を手に入れようとしているんだ。だから俺達に協力してくれるか?」

 

クラトス「当てはあるのか?」

 

京輔「この子だ。」

 

クラトス「彼女は?」

 

京輔「ソフィアだ。クメール・ルージュに騙された子だ。」

 

クラトス「成る程。」

 

ソフィア「・・・あの、お願い出来ますでしょうか?」

 

クラトス「勿論。全力で協力しましょう。」

 

ソフィア「ありがとうございます!」

 

 

 

 

 

 

翌朝。出発準備が始まった。

 

クラトス「お前達は学院で待機してくれ。不審者や犯罪者が現れたらすぐに捕まえるんだ。」

 

FBI捜査官2人「ラジャー!」

 

 

 

 

そんな中、ソフィアは項垂れていた。そこに一柳隊が寄って来た。

 

梨璃「ん?ソフィアさん、どうかしたんですか?」

 

ソフィア「・・・」

 

京輔「なーに項垂れてるんだ?」

 

ソフィア「・・・私はクメール・ルージュに力を貸していたんだなって・・・泥棒までして。お祖父様は何であんな事を・・・」

 

京輔「彼奴は、君の本当の祖父さんじゃないんだ。」

 

夢結「?」

 

ソフィア「フフフッ。またまたぁ。何言い出すんだか。」

 

京輔「君は幼い頃、アイザックに引き取られた。何でだと思う?」

 

ソフィア「だって、唯一の肉親だし・・・」

 

京輔「君は鍵の正統な継承者だった。そしてキーワードを知ってる可能性があった。アイザックは君を養護院から引き取り、命令次第じゃヤバい盗みまでやる便利な助手に育て上げた。」

 

ソフィア「・・・ちょっと何それ?どうかしちゃったんじゃないの?」

 

ここまで言っても信じないソフィアに、京輔が真実を言った。

 

京輔「君の名前だったんだよ!」

 

ソフィア「え?」

 

京輔「I・N・T・E・L・L・E・C・T。6種の文字で9文字の言葉。インテレクト。その意味が分かるか?」

 

ソフィア「INTELLECT・・・知恵・知性・理知。」

 

京輔「知恵を古代ギリシャ語で何と言うんだ?」

 

ソフィア「知恵を古代ギリシャ語で・・・まさか!」

 

京輔「そう。ソフィアだ。古代ギリシャ語で知恵、もしくは叡智を意味する。キーワードは君の名前だったんだよ。つまり君の本当の祖父さんはキャンベル教授だ。」

 

ソフィア「え・・・!?」

 

そう。彼女の本当の祖父はキャンベル教授だった。

 

京輔「信じらんないか?だがな、だったら何故君に受け継がれた名前がキーワードになってると思う?現実に君の名前でキャンベル・ダイアリーは開いたんだ。」

 

ソフィア「で、でも・・・」

 

京輔「何より君のその考古学への情熱が証拠だ。抑えようにも抑えられないんだろ?湧き上がって来るんだろ?血は嘘を吐かない。」

 

彼女はあの夢を思い出した。

 

 

 

 

 

 

キャンベル『こうやって、昔の人と話をするんだよ。』

 

あの時自分の目に映った老人が、キャンベルだって事を。

 

 

 

 

 

 

ソフィア「本当なの?本当に・・・本当にそれを信じて良いの?」

 

京輔「ああ。賭けても良い。逃げ出す時に頂いて来た。」

 

鍵が収められてるペンダントを出した。

 

京輔「そもそもこれは君の物だ。返すぜ。」

 

ペンダントをソフィアに返した。

 

ソフィア「ああ・・・」

 

真実を知った彼女が涙を流した。

 

ソフィア「こんな事が・・・こんな事があるなんて・・・」

 

 

 

 

遠くでは皆が静かに聞いている。梨璃と二水と雨嘉が涙を流している。

 

 

 

 

ソフィア「・・・だ、だとしたら私、とんでもない事をしてしまった!私のせいでキャンベル・ダイアリーがあの人達の手に渡ってしまった!」

 

京輔「フフ、フフフフフ・・・あれれぇ〜?何時の間になぁんて物が!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

飛行艇では、キャンベル・ダイアリーの全ページが仮面ライダービルドのマークになっていた。

 

ギルバート「彼奴め!!」

 

アイザック「いや・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

京輔「まだ勝負はついちゃいないさ。」

 

内ポケットから本物のキャンベル・ダイアリーを出した。

 

ソフィア「京輔!」

 

京輔「ヘヘヘ。」

 

ソフィア「でも、どうしてキャンベル教授・・・本当のお祖父様はクリエイトを自分の手で壊さなかったんだろう。」

 

京輔「人類は何時か、これを手にする資格を持つってどっかで信じたかったんだろうなぁ。ロマンチストだなぁ。」

 

ソフィア「京輔。ロマンチストじゃなきゃ考古学なんて出来ないのよ?」

 

京輔「物理学者もな。」

 

京輔・ソフィア「フフフフフ。」

 

京輔「え!?ええ?」

 

キャンベル・ダイアリーの裏の皮表紙を見る。

 

 

 

 

 

 

京輔『何だか懐かしい感じがするんだ。昔何処かで見た事あるような・・・』

 

 

 

 

 

 

京輔「そうか・・・そう言う意味だったんだなぁ。」

 

ソフィア「何の事?」

 

京輔「フッ。攻略に失敗したなんてとんでもねえガセネタだ!この仕掛け。そのものを作ったのがあの伝説のリリィ・溝呂木慧音だったんだ!」

 

ソフィア「ん?」

 

京輔「この百合の花はな、ここ百合ヶ丘女学院の校章なんだ。」

 

ソフィア「じゃあ、キャンベル教授のパートナーって・・・」

 

京輔「そうだ。」

 

ソフィア「凄い・・・!」

 

セレス「京輔ー!ソフィアー!行くわよー!」

 

京輔「おう!今行くぜー!・・・俺達2人が出会ったのも、2人の計画通りなのかも知れねえ。」

 

ソフィア「だったら期待に応えなきゃね!」

 

2人もヘリに乗ってティオティワカンへ出発した。

 

『To Be Continued・・・』




次回・遺跡のトライアル


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DIARY4「遺跡のトライアル」

メキシコ・ティオティワカン。北40Km地点に飛行艇が着陸しており、クメール・ルージュが崖にある洞窟へ入って行くのが見える。

 

アイザック「この文様・・・間違い無い・・・ここがクリエイト遺跡だ!」

 

クリエイト遺跡の文様を発見し、ギルバートがトカレフTT-33を発砲して洞窟を強引に開けた。

 

 

 

 

洞窟の奥へ進むと。

 

アイザック「おおおお〜!」

 

天井から壁にギッシリと光の球が埋め込まれていた。そして目の前に口を開けた顔のような壁があった。

 

アイザック「ん〜・・・」

 

洞窟の奥を懐中電灯で隈なく調べると。

 

アイザック「ん?ディラン。お前先に行け。」

 

ディラン「ここまで来て臆病風ですかい?」

 

笑いながら奥へ進むと、突然ディランが動かなくなった。

 

ギルバート「ん!?」

 

謎の電信音が鳴り、懐中電灯のレンズが破裂し、そして・・・

 

ディラン「ぐおっ!助けてく・・・!!ぐあああ!!」

 

青い光を浴びるとディランが圧縮され消滅した。アサルトライフルのストック部分だけが残った。

 

ギルバート「フフフフ。ここの攻略はやはりキャンベル・ダイアリーなしでは無理だな。どうするつもりだ?アイザック。」

 

アイザック「そ、それは・・・」

 

ギルバート「ようやく開けたキャンベル・ダイアリーを摩り替えられるとは・・・とんだ失態だな。この遺跡をキャンベル・ダイアリーなしで制覇出来るのは不可能だ。」

 

アイザック「ならどうすればいいのだ?」

 

 

 

 

 

 

遺跡の外では。

 

京輔「首尾はどうだ?」

 

龍馬「奴さん達仲間割れ寸前だ。キャンベル・ダイアリーを取り戻しにソードフィッシュの墜落現場へ戻る気だそうだ。当分帰って来ねえぞ。」

 

双眼鏡で飛行艇が飛んで行く光景を見る。

 

京輔「待ち兼ねたぜ。」

 

 

 

 

 

 

早速クリエイト遺跡へ入った。

 

ソフィア「わあ〜!これが・・・クリエイト遺跡。」

 

梅「周りは光ばかりだな。」

 

二水「球体が埋め込まれてるみたいですね。」

 

京輔「成る程。無理に進むとこうなっちまうって訳か。」

 

圧縮されたディランが持ってたアサルトライフルのストックを投げると、圧縮して消えた。

 

ソフィア「第1の試練。この文章の言語がこの攻略法と密接に関わる。」

 

京輔「この文字、アッカド語か?」

 

ソフィア「そう。アッカド語って言えば有名なのはハムラビ法典だけど・・・」

 

セレス「目には目をって言う・・・あの?」

 

ソフィア「はい。」

 

鶴紗「ん?」

 

何かに気付いた鶴紗が壁の顔を見る。

 

梨璃「鶴紗さん、どうしたんですか?」

 

鶴紗「あの目を見ろ。」

 

梨璃「目?」

 

クラトス「・・・あ!片方だけ凹みになってるぞ。」

 

左目だけが凹みになっていた。

 

京輔「成る程なぁ。って事はだぜ?ここにある目玉の内のどれかがあの凹みに当て嵌る鍵って訳か。」

 

龍馬「おいおい冗談じゃねーぞ。攻略出来たら呼んでくれ。」

 

壁に座って寝ようとした瞬間。

 

龍馬「な!?おいおい!おいおいおいおい!」

 

突然龍馬が浮遊し始めた。

 

雨嘉「龍馬先生!?」

 

神琳「これは一体!」

 

龍馬「痛てててて・・・」

 

今の龍馬は壁に立ってる。

 

クラトス「おぉ!クリエイトを作った科学者達は重力をも開発したのか。まさにマギの原点だ。」

 

龍馬「・・・」

 

 

 

 

その後皆で鍵となる球体を探し当てる。

 

ソフィア「これも違う・・・」

 

セレス「ミリアム、そっちはどう?」

 

ミリアム「いや、どれもハズレじゃ。」

 

セレス「気の遠くなる作業ね。」

 

夢結「梨璃、そっちは?」

 

梨璃「ダメですお姉様。」

 

龍馬「・・・ん?」

 

寝ていた龍馬が何かに気付いた。

 

龍馬(ん?何か別の方向を向いてる目ん玉があるな・・・)

 

その球体達は、左の壁の真ん中にある球体を向いていた。

 

龍馬「おい京輔!」

 

 

 

 

早速その球体を外してみる事に。

 

京輔「これだな?ンギギギギギ・・・!よっと!」

 

右に捻ると、球体が取れて京輔が浮遊した。

 

京輔「うお!?おおぉ〜!」

 

ソフィア「凄い・・・!」

 

京輔「こうか?」

 

右側を捻ると。

 

京輔「ギャアアーーー!?」

 

急上昇して天井に激突。

 

梨璃「京輔先生!?」

 

楓「大丈夫ですか!?」

 

京輔「痛てててて・・・」

 

今度は左側を捻ると。

 

京輔「ギョエエーーー!!」

 

落下して地面に激突。

 

ミリアム「大丈夫か?」

 

京輔「ちょっと微調整・・・」

 

右側を少し捻ると、ゆっくりと浮遊した。

 

京輔「お!おぉ〜!此奴は良いやぁ〜!」

 

ゆっくりと壁に近付き、顔の凹みに球体を嵌めた。

 

京輔「どうだ?」

 

ソフィア「・・・」

 

石ころを投げた。圧縮されなかった。

 

鶴紗「収まったようだ。」

 

京輔「第1関門クリアだな。」

 

楓「さぁ、早く行きましょ。」

 

一行は次の試練へ向かう。

 

京輔「此奴は役に立ちそうだ。」

 

球体を内ポケットに仕舞って次の試練へ。

 

 

 

 

 

 

奥へ進んで行くと、巨大な穴の上に無数の光が光っていた。

 

二水「わぁ〜!とっても綺麗です〜!」

 

梨璃「星空みたい〜!」

 

京輔「ここの攻略は?」

 

ソフィア「ウルク第一王朝・第5代の王が友の来る前に見た夢だって。」

 

クラトス「ウルク第一王朝。あのギルガメシュ王か?」

 

ソフィア「そうです。その友の夢と言えば・・・星が自分に降って来た夢。」

 

龍馬「星?自分に降って来た星・・・何の事だか。」

 

そう言いながら光に近付く龍馬と、攻略方法を探すソフィア。

 

ソフィア「ええ!?あっ!!」

 

すると光が変形した。

 

ソフィア「龍馬さん!!」

 

龍馬「何だ?」

 

変形した光が龍馬を襲う。

 

龍馬「どわあ!?」

 

間一髪後ろに避けた。

 

楓「何ですのこれは・・・!?」

 

雨嘉「自分に降って来た・・・星って事・・・?」

 

セレス「隕石・・・隕石の事じゃない?京輔、隕石出して?」

 

京輔「OK!隕石だな?っておい!んなもん持ってる訳ねえだろ!」

 

セレス「ノリツッコミがお上手ね。」

 

龍馬「万事休すって訳か・・・何だ?鶴紗お前、何か怪しいな。」

 

ただ1人不審な動きをしてる鶴紗に気付いた。

 

鶴紗「うっ!捨て置いてくれないか・・・」

 

クラトス「成る程。読めたぞ!鶴紗。お前のCHARMのティルフィング。そいつはMETEO CHARMの一種だな?」

 

京輔「METEO CHARMだと?」

 

梅「METEO CHARM?」

 

梨璃「クラトスさん。それは何なんですか?」

 

クラトス「あぁ。METEO CHARMって言うのはな、隕石から採れた隕鉄を材料に開発されたCHARMの事だ。しかもそいつを開発しているのはゲヘナ。扱えるのはここに居るブーステッドリリィである鶴紗だけだ。」

 

梨璃「そうなんですか鶴紗さん?」

 

鶴紗「知らん!例えそうでも渡さない!」

 

ソフィア「お願い!鶴紗さん!」

 

鶴紗「・・・ううぅ!ええい!貸さんと言ったら貸さん!ティルフィングが傷付いたらどうするんだ!」

 

京輔「見ろよ鶴紗!ダダ捏ねてる場合じゃねえぞ?」

 

鶴紗「ん?・・・なっ!?」

 

光がティルフィングに反応して道を作っていた。

 

龍馬「な?」

 

 

 

 

光の橋を渡ったが、鶴紗だけ渡ってない。

 

京輔「ん?おい鶴紗!行くぞー!」

 

鶴紗「私はここに残る。」

 

京輔「何言ってんだよ!早く来いよ!」

 

鶴紗「・・・こんな事でティルフィングを使う事になるとは・・・しばらくの別れだ。必ず迎えに来るからな。」

 

覚悟を決めてティルフィングを手放し、光の橋を渡る。

 

 

 

 

 

 

そして遂に最後の第3の試練。

 

ソフィア「こんなのって・・・」

 

京輔「何て書いてあるんだ?」

 

ソフィア「最終試練・・・死の回廊。」

 

目の前には、無数の青色の穴が回廊の周りを回っている。

 

ソフィア「その身体能力を使って駆け抜けよ。」

 

セレス「京輔なら出来そうね!」

 

ソフィア「ここを突破して大聖堂に辿り着けば・・・全ての試練は停止するって書いてある。」

 

京輔「しゃーねえなぁ。やってみるか。」

 

腕を回して死の回廊の前に立つ。

 

龍馬「行って来い!」

 

京輔「うわー!?」

 

後ろから龍馬に押されて死の回廊に入った。すると上の青い穴から槍のような光線が放たれた。

 

京輔「ウェ!?ちょちょちょマジマジマジ!?たっ!とっ!たっ!はっ!とっ!やっ!たっ!」

 

無数の穴から槍の光線が連射され、京輔が避けまくり、入り口に戻った。

 

京輔「あ・・・危ねえ・・・」

 

皆を見るが、おねだりされた。

 

京輔「ハァ・・・分かったよ!やりゃーいいんだろやりゃー!ったくもう・・・」

 

ソフィア「ん?京輔、あれって・・・」

 

死の回廊の出口を見た。そこには・・・

 

 

 

 

 

 

1つのCHARMが地面に刺さっていた。

 

 

 

 

 

 

二水「CHARMです!」

 

京輔「零式御蓋?まさか・・・溝呂木慧音のか?」

 

閃いた京輔が、龍馬からビートクローザーを借りた。

 

龍馬「おい!お前!」

 

ビートクローザーを投げると、槍の光線に掠った衝撃でビートクローザーが奥へ飛んだ。

 

龍馬「うおっ!?」

 

そして両目を瞑った京輔が・・・開眼した。

 

京輔「行けるかもな!」

 

『スパイダー!』

 

ウォッチビルダーのワイヤーを射出し、大聖堂への扉に突き刺した。

 

京輔「行くぜ!!」

 

 

 

 

ジャンプして死の回廊に入った。槍の光線を縦横無尽に避けながら進む。

 

 

 

 

ソフィア「凄い・・・!」

 

 

 

 

縦横無尽に避けながら進む京輔だが、1つの光線がワイヤーを千切った。

 

京輔「何!?」

 

四方八方から槍の光線が迫る。

 

 

 

 

ソフィア「ああ!」

 

楓「先生!」

 

夢結「危ない!!」

 

 

 

 

だが京輔がラビットフルボトルを出して高速で振り、ウサギの能力を引き出して天井に着地からのジャンプで死の回廊を抜けた。

 

京輔「ふぅ・・・」

 

 

 

 

皆が安堵の表情を浮かべた。

 

 

 

 

死の回廊をクリアした京輔が、地面に突き刺さってる零式御蓋を持って担いだ。そして、大聖堂への扉が開いた。

 

京輔「慧音。」

 

零式御蓋を再び地面に突き刺し、大聖堂へ歩く。

 

 

 

 

大聖堂。

 

京輔「慧音!辿り着いたぜ!」

 

遠くに巨大な装置があった。

 

???「流石だ。」

 

京輔「ふにゃ?」

 

そこにクメール・ルージュの連中が、龍馬達を人質に取って現れた。

 

アイザック「君はこう言うパズルを解くのが本当に上手い。」

 

京輔「随分と予定より早いご帰還じゃねぇか。トイレはもう済んだのか?」

 

アイザック「飛行艇で飛んで行ったのは手下の一部だ。どうやら君達は、我々の猿芝居を信じてくれたようだな。」

 

龍馬「すまない京輔!油断しちまった!」

 

京輔「あ〜ららら・・・」

 

 

 

 

その後ソフィアがギルバートとアイザックに連れて行かれ、京輔達は縄で縛られた。

 

クラトス「FBIの俺を縛るとは良い度胸だな!後で逮捕して尋問してやるからな!」

 

セレス「ねぇ、クリエイトってあの機械の事?」

 

京輔「そうかも知れねえな。」

 

梨璃「財宝じゃなかったんですね。」

 

梅「何か特別な装置なんじゃないのか?」

 

 

 

 

大聖堂にあるクリエイトの前に止まった。その姿はサメの様な姿をしていた。すると口部分が開き、パネルが出て来た。

 

アイザック「おお!」

 

ギルバート「これが・・・古代文明から議長への贈り物か!」

 

するとクリエイトが起動し、尾鰭部分にある黒い球体に小さな球体が飛び回る。

 

アイザック「遂にやったぞ!遂にクリエイトをこの手にしたのだ!さあソフィア・キャンベル・ダイアリーを渡せ。」

 

ソフィア「・・・・」

 

アイザック「何をしておる?」

 

ソフィア「私はもう・・・あなたの為には働かない。キャンベル教授の・・・本当のお祖父様の為にだけ働くと決めたの!」

 

アイザック「どうやら全てを知ってしまったようだな・・・だがな、もう手遅れだ。」

 

ソフィア「え・・・?」

 

アイザック「お前がキャンベル・ダイアリーを盗み出した事を・・・明るみに出たらどうなるか分かっているよな?」

 

ソフィア「あなたがやらせた事でしょ!!」

 

アイザック「だが手を汚したのはお前だ!証拠も全て保存してある!新聞もラジオもテレビもネットニュースも飛び付くだろうな!キャンベル教授の孫がキャンベル・ダイアリー窃盗の罪で逮捕!とな!」

 

そして、彼女に渡したエアメールをソフィアの前で無惨に破いた。

 

ソフィア「止めて!!」

 

アイザック「諦めろ!!お前はキャンベルのような考古学者になどなれん!!一生死ぬまで私の僕として働くしか道はないのだ!!脚光を浴びるのはお前ではない!!この私だ!!アハハハハハハ!!」

 

高笑いし、ソフィアからキャンベル・ダイアリーを奪った。そしてキャンベル・ダイアリーでクリエイトの操作方法を開き、クリエイトを再び起動した。するとクリエイトの胴体から青い光が生え、翼の形になった。

 

 

 

 

龍馬(ドラゴン!)

 

クローズドラゴンが密かに龍馬の縄を解く。

 

 

 

 

アイザック「クリエイトは蘇った!!ハハハハハハハ!!」

 

するとクリエイトが3人を透明の足場に乗せて飛び、天井を突き破って地上へ。

 

 

 

 

兵士A「おい!!何のつもりだ!!」

 

兵士B「待ってくれ!!」

 

天井が破られた衝撃で崩れが発生した。

 

神琳「これは!?」

 

京輔「マズい!崩れるぞ!!」

 

すぐに全員のロープを解いた。

 

京輔「早く逃げるぞ!!」

 

梨璃「はい!!」

 

兵士達「うわああーーー!!」

 

落石が兵士達を押し潰した。

 

 

 

 

京輔「チクショーー!!タダじゃおかねーぞ!!」

 

鶴紗「ティルフィングティルフィングティルフィングティルフィングティルフィング!!」

 

 

 

 

 

 

地上へ出たクリエイトが、飛行艇へ向かい格納された。

 

アイザック「座るんだ!」

 

コックピットにソフィアを座らせ、アイザックが操縦して離陸した。

 

アイザック「ん?クソッ!!」

 

 

 

 

そこにFBIのヘリが現れ、ハッチが開いた。

 

京輔「今助けてやるからな!!」

 

 

 

 

ソフィア「京輔!!それに皆さん!!」

 

 

 

 

京輔「雨嘉。」

 

雨嘉「はい。」

 

アステリオンを構えた雨嘉が、飛行艇の左翼に照準を合わせて連射した。

 

 

 

 

アステリオンの弾丸が飛行艇の左翼を破壊した。

 

ギルバート「うわあ!!」

 

アイザック「くぅっ!!」

 

 

 

 

鶴紗「ハァッ!!」

 

ジャンプした鶴紗が、飛行艇の右翼に着地した。

 

鶴紗「タァッ!!」

 

ティルフィングを素早く振った。

 

鶴紗「これがティルフィングの正式な使い方だ!」

 

ジャンプしてヘリに戻ると、飛行艇の右翼が切断された。

 

 

 

 

両翼を失った飛行艇が胴体着陸した。

 

アイザック「うわあああ!!クソッ!!」

 

 

 

 

格納庫にあるクリエイトを起動した。青い光が機体に侵食し、破壊された両翼から翼のように形作った。

 

 

 

 

京輔「何だ?」

 

龍馬「あの光が。」

 

 

 

 

青い光で飛行艇が真上へ浮遊した。窓からソフィアが顔を出した。

 

 

 

 

京輔「ん!?」

 

 

 

 

ソフィアは何かを叫んでるようだ。

 

 

 

 

理解した京輔がセレスに告げた。

 

京輔「セレス逃げろ!!奴等やる気だ!!」

 

セレス「分かった!!」

 

すぐにその場から退散する。

 

 

 

 

高く上昇した飛行艇。

 

アイザック「っ!!」

 

クリエイトから尻尾が生え、飛行艇の尾翼から出た。

 

アイザック「見せて貰おうか!クリエイトの力を!ソフィア!よく見ておけ!京輔達がこの世から消え去る瞬間を!!」

 

ソフィア「止めて!!お願い止めて!!」

 

だがアイザックがクリエイトのスイッチを入れた。

 

ソフィア「止めて!!」

 

クリエイトの胴体から青い光が尻尾を伝って、尻尾の先端に行った。尻尾から光が落ちた。地上へ落ちた光が・・・

 

 

 

 

 

 

ブラックホールを発生し、荒野を飲み込んだ。そして消滅し、竜巻を巻き起こした。

 

 

 

 

 

 

ソフィア「いやあああーーーーーー!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

FBIのヘリが竜巻に飲み込まれそうになる。

 

セレス「くっ!」

 

龍馬「ぐあっ!ちくしょうめ!」

 

何とかバランスを保ち、事なきを得た。

 

ミリアム「皆!大丈夫か!?」

 

二水「な、何とか大丈夫です・・・」

 

クラトス「これは何だ京輔・・・!?」

 

京輔「確実に世界を変えちまう何かだよ・・・!」

 

荒野に巨大な穴が出現した。

 

夢結「荒野に穴が・・・!」

 

梨璃「酷い・・・!」

 

クラトス「これは緊急事態だ!FBIに連絡する!」

 

京輔「分かった!・・・アイザック・・・ギルバートめ・・・」

 

 

 

 

 

 

飛行艇。

 

ソフィア「京輔・・・皆さん・・・」

 

ギルバート「これは・・・マイクロブラックホールの類か・・・!」

 

アイザック「ハハハハハハハ!」

 

ギルバート「よくやった!アイザック教授!学者として再び栄光の座を手に入れたな!」

 

アイザック「学者としての栄光?」

 

突然アイザックが豹変した。

 

アイザック「つまらん。これだけの力を手にして・・・まだ私がそんなものに拘っていると思っているのか?」

 

ギルバート「何だと・・・!?」

 

アイザック「何とちっぽけな物に囚われていた事か・・・」

 

彼はキャンベル・ダイアリーとライターを取り出し、キャンベル・ダイアリーを燃やした。

 

ギルバート「ああっ!!」

 

キャンベル・ダイアリーは灰になってしまった。

 

ギルバート「何をしたか分かっているのか!!」

 

アイザック「クリエイトを我が手中に収めた今!クメール・ルージュに忠誠を誓う理由は何もない!」

 

ギルバート「血迷ったか!!!」

 

アイザック「・・・ん?」

 

ソフィアがアイザックを睨んでる。

 

アイザック「何だその目は?それが大恩ある者に対する目か!?」

 

激怒してソフィアの顔を掴む。

 

アイザック「この恩知らずめが!!」

 

ソフィア「違う!あなたは私を利用する為に育てた!そしてようやく今の場所を手に入れた!でもそんなハリボテの場所は瞬く間に崩れ去る!歴史を学ぶ者が・・・何故そんな事も分からないの!?」

 

アイザック「・・・!!」

 

ソフィア「少なくとも昔の・・・私を養護院から救い出してくれた頃のあなたは・・・考古学にきちんと向き合っていた!でもあなたは変わってしまった!!」

 

アイザック「黙れ!!黙れ!!!」

 

逆上してソフィアを投げ倒した。

 

アイザック「私が今この手で掴んだ力を目の当たりにして・・・それでも尚!私をハリボテと言うのか!!お前は・・・!!お前は何故私を認めようとしない!!ハァ・・・ハァ・・・ソフィア・・・お前の言葉が私を本気にさせた!!無数の悲鳴を夜毎に思い出し!一生それに苦しめられるがよい!!」

 

クリエイトのパネルを操作する。

 

ギルバート「何をする気だ!!」

 

アイザック「クメール・ルージュの本部!プノンペンをカンボジアごと葬り去ってやる!!世界はヒュージの恐怖と共に震え上がり・・・我が軍門に下るだろうよ!!」

 

ギルバート「貴様気でも狂ったか!!!」

 

アイザック「誰に物を言っている!!私は・・・世界の王になる男だぞ!!!そして王となり・・・全てのヒュージを支配し、全てのリリィ達を消し去ってくれる!!!」

 

ギルバート「貴様!!!」

 

激怒したギルバートがアイザックの顔を鷲掴みにした。

 

ギルバート「ああっ!!」

 

アイザック「うわああああ!!!」

 

怪力でアイザックを投げた。倒れたアイザックの胸倉を掴み上げる。

 

ギルバート「何血迷っている!!世界の王を名乗れるのは・・・ポル・ポト議長ただ1人だ!!!」

 

そのままアイザックを投げた。

 

ギルバート「ん!?」

 

その間にソフィアがクリエイトを操作している。

 

ギルバート「何をしている!!止めろ!!」

 

トカレフTT-33の銃口をソフィアに向ける。だがソフィアは銃口を向けられてもパネルを操作し続ける。

 

”バァン!!!”

 

ソフィア「っ!・・・え!?」

 

銃弾はソフィアに当たらなかった。その理由は・・・

 

 

 

 

 

 

アイザックが庇ったからだった。

 

 

 

 

 

 

ソフィア「ええ!?」

 

銃弾がアイザックの左胸に直撃していた。

 

アイザック「ああ・・・」

 

銃弾を受けたアイザックが倒れた。

 

ソフィア「お祖父様!!どうして!?」

 

アイザック「・・・お前など・・・ただの道具だと思っていた・・・だが・・・お前を拾ったのは私だ・・・お前への愛情が・・・残っていたのかも知れん・・・」

 

彼にあの頃の記憶がフラッシュバックした。

 

 

 

 

 

 

それはあの頃の雨の日に、アイザックがまだ幼かったソフィアに会いに養護院へ行った。シスターの後ろに隠れて恥ずかしがるソフィアに、優しい笑顔で傘を差し出してあげた。

 

 

 

 

 

 

アイザック「ソフィア・・・強く・・・生き・・・ろ・・・」

 

そう言い残し、アイザックが息を引き取った。

 

ソフィア「お祖父様!!!」

 

ギルバート「フフフ。最後まで愚かな男だったな。」

 

”ゴゴゴゴゴ”

 

ギルバート「ん?」

 

”ドゴン!!”

 

ギルバート「うおっ!!」

 

下からクリエイトの尻尾が突き破った。

 

ソフィア「もう終わりよ・・・マイクロブラックホールをここに発生させる!!あなたの野望は終わりよ!!」

 

ギルバート「何て事を!!」

 

だが、マイクロブラックホールが発生しない。それ所か、クリエイトの動力が弱まり始めた。

 

ソフィア「嘘・・・!?」

 

尻尾が下がった。

 

ソフィア「そんな・・・!!」

 

ギルバート「フッ!フハハハハ!そう短時間に何度も使う訳にはいかないようだな!!」

 

ソフィア「ああ・・・・」

 

銃口をソフィアに向けたその時。

 

無線『クメール・ルージュ本部よりギルバート様へ!!』

 

ギルバート「?」

 

1本の無線が入った。

 

無線『接収したクリエイトと共にプノンペンへ向かって下さい!議長の存在が確認されました!!』

 

ギルバート「ああ!議長・・・ポル・ポト議長はやはりご存命だったのか!!」

 

無線『早くクリエイトを見たいと仰っています!』

 

ギルバート「信じていました・・・!!信じていましたとも!!アハッ!アハハハハハハ!!アーハハハハハ!!」

 

飛行艇がプノンペンへ向かった。

 

『To Be Continued・・・』




次回・悪魔のクリエイト


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DIARY5「悪魔のクリエイト」

プノンペン郊外・クメール・ルージュ本部に飛行艇が着陸し、ギルバートがソフィアを連れて降りる。そしてそこに、5人の部下と車椅子に乗った人物がやって来た。

 

ギルバート「議長・・・!議長であらせられますか?」

 

この車椅子に乗ってる人物こそ、嘗てのクメール・ルージュの指導者でカンボジアを地獄へ陥れた独裁者ポル・ポトである。

 

ポル・ポト「君がギルバート君か?君のお陰で再び日の当たる場所に舞い戻る事が出来そうだ。本当に感謝する。」

 

ギルバート「勿体無いお言葉・・・恐悦至極にございます!」

 

ポル・ポト「これがクリエイトか?」

 

ギルバート「はい。これがあれば我が理想の世界は・・・確実に御座います!」

 

ポル・ポト「素晴らしい!素晴らしいぞギルバート君!」

 

ギルバート「恐れ多いです・・・」

 

ポル・ポト「おや?その銃は・・・」

 

ギルバート「御目に留まりましたか?我が故郷カンボジアの名銃・トカレフTT-33で御座います!」

 

トカレフTT-33をポル・ポトに見せた。

 

ポル・ポト「懐かしい・・・実に良い銃だ。」

 

ソフィア「っ!!」

 

するとソフィアがポル・ポトからトカレフを奪い取り、銃口を向ける。

 

ソフィア「ハァ・・・ハァ・・・」

 

ギルバート「き・・・貴様!!」

 

ポル・ポト「待て。」

 

ソフィア「あ・・・」

 

するとポル・ポトがソフィアに笑顔を見せた。

 

ソフィア「え・・・?」

 

ポル・ポト「この娘は?」

 

ギルバート「キャンベル教授の孫で御座います!」

 

ソフィア「あなたはこの世界をどうするつもりなの!?」

 

ポル・ポト「お嬢さん。私は、選ばれた人間による美しい理想の世界を作ろうとしてるだけだよ。」

 

ソフィア「・・・!」

 

ギルバート「っ!!」

 

隙を見たギルバートがソフィアからトカレフを奪い取り拘束した。

 

ギルバート「ふ、不敬の極み!大変申し訳御座いませんでした!」

 

ポル・ポト「連れて行って処分しなさい!」

 

ギルバート「ハッ!おい連れて行け!!」

 

部下にソフィアを連れて行かせた。

 

ソフィア「クリエイトは・・・悪魔の手に渡ってしまった・・・」

 

彼女は絶望しながら部下達に連れて行かれてしまった。

 

ポル・ポト「では早速、詳しく見せて貰おうではないか。」

 

 

 

 

 

 

飛行艇に乗って上昇し、ギルバートがクリエイトの操作方法を教えた。

 

ギルバート「このパネルで操作します。これが出力。これが距離。」

 

ポル・ポト「ほおお〜!」

 

車椅子を動かしてパネルに手を触れる。

 

ギルバート「こ・・・ここで使うと・・・」

 

ポル・ポト「今使う訳なかろう。危ないだろう。これをこうして・・・こうすると良い訳だな?」

 

パネルを操作して行く内に、ポル・ポトが車椅子から立ち上がった。

 

ポル・ポト「成る程そっかぁ〜!」

 

ギルバート「ん!?ぎ、議長・・・足は・・・?」

 

ポル・ポト「足?ほ?あれぇ〜?おお〜!奇跡が起こった・・・」

 

???「のかぁ〜?」

 

突然ポル・ポトの声が変わった。

 

ギルバート「・・・なっ!?」

 

 

 

 

 

 

数分前。施設へ連行されたソフィアだが、彼女を連行してる部下が銃を仕舞った。

 

???「何て顔してんだよソフィア。」

 

ソフィア「え?」

 

聞き覚えのある声がし、後ろに振り向く。

 

ソフィア「あ!龍馬さん!!」

 

龍馬「よう。」

 

”バァン!!”

 

そしてすぐ横のドアが勢い良く開いた。そこには一柳隊とクラトスとセレス、そして数人のFBI捜査官と拘束されたクメール・ルージュのメンバー達が。

 

ソフィア「皆さん!無事だったんですね!!」

 

二水「ソフィアさん!ご無事で何よりです!」

 

楓「お怪我はありませんか?」

 

クラトス「クリエイト発動の報を受け、FBIが動きました。すぐにここを制圧し、ギルバートにフェイクの無線通信を流し、我々は先回りしたと言う訳です。ご協力感謝しますソフィアさん・・・いえ!ミス・キャンベル。」

 

ソフィア「はい!」

 

セレス「ジェット機からパラシュート降下よ。」

 

龍馬「まさかまたFBIと共に戦う日が来るとはな。」

 

鶴紗「これも世の習いだな。」

 

梨璃「ですね。」

 

 

 

 

 

 

その1時間前。ジェット機に乗った京輔、龍馬、セレス、クラトス、一柳隊がジャンプして降下した。京輔と龍馬とセレスとクラトスがパラシュート降下でクメール・ルージュ本部に着地した。

 

クラトス「いいか?奴等は人工ヒュージを所有している。油断するなよ?」

 

京輔「OK。さぁ、実験を始めようか!」

 

2つのフルボトルのキャップを捻って、ビルドドライバーに挿し込んだ。

 

『ラビット!』

『タンク!』

『ベストマッチ!』

 

龍馬はドラゴンフルボトルのキャップを捻って、クローズドラゴンに装填した。

 

『ウェイクアップ!』

 

そのままビルドドライバーに挿し込んだ。

 

『クローズドラゴン!』

 

2人はボルテックレバーを回した。すると2人の周囲にスナップライドビルダーが形成された。

 

『Are You Ready?』

 

京輔・龍馬「変身!!!」

 

スナップライドビルダーが作動して、京輔と龍馬に2つのハーフボディを纏わせた。

 

『鋼ムーンサルト!』

『ラビット!タンク!』

『イエーイ!』

 

『Wake up burning!』

『Get CROSS-Z DRAGON!』

『Yeah!』

 

仮面ライダービルド・ラビットタンクフォームと、仮面ライダークローズに変身した。

 

京輔「勝利の法則は決まった!」

 

龍馬「今の俺達は、負ける気がしねえ!」

 

 

 

 

本部に侵入したクラトスとセレスがクメール・ルージュと戦う。クラトスが自慢の身体能力で次々と戦闘不能にし、セレスがアサルトライフルでクメール・ルージュを牽制する。

 

 

 

 

外では、ビルドとクローズと一柳隊がクメールルージュの所有する人工ヒュージと戦っている。

 

『Ready Go!!』

 

『ボルテック・フィニッシュ!』

『イエーイ!』

 

京輔・龍馬「ダアアァァァァ!!!」

 

一柳隊「ハアアァァァァ!!!」

 

 

 

 

 

 

そして今に至る。

 

クラトス「フフッ。」

 

ソフィア「・・・あ、あれ?京輔は?」

 

この中に京輔の姿がなかった。龍馬が顔を上に向けた。

 

ソフィア「っ!!」

 

それを理解して施設から出た。

 

 

 

 

 

 

同じ頃飛行艇では。

 

ギルバート「まさか・・・お前・・・!」

 

ポル・ポト「バレちまっっちゃー仕方ねぇーな。」

 

彼は自分自身を回転した。

 

 

 

 

 

 

京輔「んしょっと!残念でしたー!」

 

 

 

 

 

 

ポル・ポトに変装した京輔が種明かしした。

 

ギルバート「い・・・稲葉京輔!!議長は・・・議長はどうした!!」

 

京輔「ポル・ポトが冷凍保存されてる訳ねぇだろ?お前学校で習わなかったのか?1998年。心臓発作で死んでまーす。」

 

ギルバート「何だと・・・!?ならばこの写真は何だ!!」

 

京輔「あ、ごめんね〜。カンボジア政府がお前等の反応を見る為にそう言った偽造写真をワザと世界中に流出したらしんだわ〜。本当キッタネー事するよねぇ。」

 

ギルバート「信じられる訳なかろうが・・・!!」

 

内ポケットからトカレフTT-33を出した。

 

ギルバート「議長を愚弄するなーーーーー!!!!!!」

 

京輔の眉間に銃口を向けて引き金を引いたが、弾丸が出ない。

 

ギルバート「な!?弾切れだと!?何故だ!?」

 

京輔「あごめんね!さっきトカレフちゃんの弾全部抜いておいたわ。」

 

ポケットからトカレフの薬莢を出した。

 

ギルバート「クッ・・・クソッ!!」

 

怒りが爆発し、トカレフを地面に叩き付けた。

 

ギルバート「目的は何だ!!!」

 

京輔「そりゃあ此奴をぶっ壊しに来たに決まってんだろ?御丁寧に使い方を教えてくれて、どうもありがとさんよ。」

 

クリエイトのパネルを操作していると。

 

ギルバート「させるか!!」

 

京輔「おわっと!!」

 

後ろからギルバートの拳を避けた。

 

ギルバート「待て!!」

 

京輔「よっ!ほっ!うげっ!」

 

ギルバート「フフッ!!」

 

避けまくる京輔の顔面を掴み、膝蹴りしようとしたが、京輔が膝を両手で受け止めた。

 

京輔「よっと!」

 

馬跳びしてギルバートの後ろを取った。

 

ギルバート「殺す!!」

 

京輔「穏やかじゃねぇなぁ。冷静に行こうぜ?」

 

だがギルバートの怒りは収まらず、京輔に何度も襲い掛かるが、空回りばかり。

 

京輔「あらら?熱入り過ぎちゃった?」

 

ギルバート「物理学者の分際で・・・!!何故こうまでして我々の邪魔をするのだ!!」

 

京輔「そりゃあ決まってんだろ?俺達はリリィ達と共に、世界中に蔓延るヒュージを倒してラブ&ピースの為に戦い続けてるんだよ。」

 

ギルバート「我々は人類の理想の世界を創ろうとしているだけだ!!何故それが分からない!!」

 

京輔「その理想の世界ってのは、強者を虐殺し、弱者だけの世界って言う意味なんだろ?知ってんだぞ?1975年から1979年にかけて150万人から200万人。カンボジアの人口のほぼ4分の1がクメール・ルージュの手で大虐殺されてんだぞ?そんなおっかない坊ちゃん達を誰が信じると思うんだ?」

 

ギルバート「クッ・・・!必ず殺す!!」

 

逆上したギルバートが京輔の首を掴んで持ち上げた。

 

京輔「クッ・・・!!」

 

ギルバート「梃子摺らせおって!死ね!!」

 

だが・・・

 

 

 

 

”ドゴォン!!”

 

 

 

 

クリエイトの尻尾が機内に入った。

 

ギルバート「な!?」

 

京輔「ヘヘッ・・・」

 

右手でクリエイトのスイッチを起動した。

 

京輔「封印の法則は決まったなぁ。」

 

ギルバート「貴様!!」

 

京輔「おわああ!!」

 

放り投げられた。

 

ギルバート「クッ!!」

 

すぐにパネルを操作するが、起動は止まらない。

 

ギルバート「止まらん!?馬鹿め!!貴様も死ぬ気か!!」

 

だが京輔の背中にパラシュートが背負ってる。

 

ギルバート「パラシュート!?逃がさんぞ!!」

 

京輔「アバヨー!ギルバート!」

 

 

 

 

急いで甲板に出たが、ギルバートに引っ張られた。

 

京輔「なっ!」

 

クリエイトがマイクロブラックホールを発生した。

 

京輔「クソッ!!俺を放り込む気か!!」

 

ギルバート「そのまさかだ!!」

 

ヒモを引っ張ってパラシュートを開いた。

 

京輔「おわっ!!」

 

パラシュートに引っ張られたが、手摺に掴まってパラシュートを外した。彼が掴んでる手摺が剥がれる。

 

京輔「ヤバイヤバイヤバイ!おわあーーー!!」

 

吸い込まれそうになったが、甲板の鉄骨にしがみ付いた。

 

京輔「っ!!」

 

ギルバート「うおおおお!!」

 

真正面からギルバートが迫るが、ジャンプして右後ろの鉄骨に移った。

 

京輔「お前も死ぬぞ!!」

 

甲板の上へ登る。

 

ギルバート「貴様を殺してから考えるさ!!」

 

同じく甲板の上へ登った。

 

 

 

 

甲板の上に登った2人。だがマイクロブラックホールの力で少し下に下がった。

 

京輔「ん?・・・あ。」

 

甲板が少し下がった衝撃で、ギルバートからポル・ポトの偽造写真が飛んだ。

 

ギルバート「議長!!貴様!!」

 

偽造写真を取り戻しに京輔に飛び込んで転がり、偽造写真を取り返そうとする。

 

ギルバート「ハッハッハッ!」

 

京輔「クッ!!」

 

偽造写真を取り返そうとするギルバートを巴投げでマイクロブラックホールへ放り込もうとしたが、ギルバートが京輔の右腕にしがみ付く。

 

ギルバート「クッ・・・!!」

 

京輔「クソッ・・・!!」

 

マイクロブラックホールの勢いが徐々に強まって行く。そして・・・

 

”ガゴン!!”

 

甲板が下に下がった。

 

ギルバート(議長・・・!!)

 

その衝撃で手が滑ってしまったギルバートがマイクロブラックホールへ吸い込まれた。

 

京輔「なっ・・・!!」

 

ギルバート「うわあああああああ!!!!」

 

マイクロブラックホールへギルバートが飲み込まれた。

 

京輔「ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・」

 

右手に持ってるポル・ポトの偽造写真を手放した。

 

京輔「冥土の土産だ・・・持って行け・・・ヘヘッ・・・ケジメは付けたぜ・・・慧音・・・」

 

このまま力尽きて吸い込まれそうになった京輔に救いの女神が。

 

”フォンフォンフォン”

 

京輔「ん?」

 

ジャケットの内ポケットが青く光っている。

 

京輔「・・・あ!」

 

 

 

 

 

 

地上では、ソフィアが外に出てマイクロブラックホールに吸い込まれる飛行艇を見上げてる。

 

ソフィア「京輔!京輔ーーーー!!」

 

 

 

 

飛行艇はクリエイトと共に、マイクロブラックホールへ飲み込まれて消滅した。

 

 

 

 

ソフィア「京輔!・・・そんな・・・ハッ!!」

 

 

 

 

雲の中から小さな青い光が降って来た。

 

 

 

 

ソフィア「京輔・・・!!」

 

 

 

 

その光景を見た龍馬達も安堵の表情を浮かべた。

 

龍馬「京輔がやってくれたみたいだな。」

 

梨璃「生きてるんですね!良かったぁ!」

 

夢結「さ、行きましょ。」

 

クラトス「お前達は奴等をカンボジア政府に送り込め。」

 

FBI捜査官「ラジャー!」

 

 

 

 

空から球体を持った京輔がゆっくりと地上へ降りた。

 

ソフィア「京輔!!」

 

京輔「よう。心配させたな。」

 

梨璃「京輔先生!」

 

京輔「おわっ!ちょっと梨璃!?」

 

抱き付かれた京輔がクルクル回る。

 

梨璃「無事で良かったです・・・」

 

京輔「心配させたな。」

 

龍馬「全く。無茶だけは一丁前だな、お前は。」

 

梅「でも無事で良かったじゃないか。」

 

ミリアム「そうじゃな。」

 

京輔「ヘヘッ。ソフィア。」

 

持ってる球体をソフィアに渡した。

 

ソフィア「やったんだね!京輔。」

 

京輔「あぁ。クリエイトはブラックホールに飲み込まれた。もう案ずる事はない。」

 

ソフィア「これで良かったんだよね?」

 

京輔「あれをどうこうするには人類はまだまだヒヨッコだ。やはり、ヒュージは俺達の手で倒すのが先決だ。」

 

セレス「京輔ーーー!」

 

そこにスポーツカーに乗ったセレスがやって来た。

 

京輔「相変わらずだなぁセレスちゃん。」

 

後部座席には、クメール・ルージュの証拠書類や、クメール・ルージュの財宝がある。

 

セレス「ここの倉庫から失敬して来たのよ。あれだけ頑張って報酬がないんじゃ、国際スパイの恥だからね。」

 

神琳「ですね。」

 

セレス「じゃあ皆、またね。」

 

スポーツカーを走らせ、去って行った。

 

京輔「ソフィア、君はここまでだ。」

 

ソフィア「え?連れて行ってくれないの?」

 

京輔「君はもうカゴの中の鳥じゃない。何処にでも行ける自由を手に入れたんだ。俺達みたいに、必死にヒュージと戦う道を選んじゃいけない。」

 

ソフィア「京輔・・・」

 

京輔「なーんてな。本音を言うとな、君みたいなヒヨッコの相手をするのに疲れちゃっただけだ。」

 

ソフィア「何それ?酷ーい!」

 

京輔「また何時か会おうぜ。その時は立派な女になれよ。」

 

ソフィア「うん。」

 

京輔「お、そうだ!これを渡さねえとな。」

 

ジャケットの内ポケットから1枚の封筒を出し、ソフィアに渡した。

 

ソフィア「え?」

 

その封筒に入っていたのは・・・

 

ソフィア「え!?ボストン大学の招待状・・・?」

 

それは、ボストン大学からの招待状だった。

 

ソフィア「何で京輔がこれを?・・・まさか・・・あの論文を送ってくれたの!?」

 

京輔「ちょいと君の部屋から失敬してな。それと、校長からの推薦状もあるぞ。」

 

推薦状には、『有能な人材は何時でも大歓迎。』

 

ソフィア「本当・・・異常な物理学者ね・・・あなた・・・」

 

京輔「ヘヘッ。さて皆、そろそろ帰るか!」

 

梨璃「はい!」

 

クラトス「ソフィアさん。家まで送りましょう。ご実家は?」

 

ソフィア「シエムリアップです。」

 

クラトス「分かりました。すぐに車を手配します。」

 

 

 

 

 

あれから1週間後。百合ヶ丘女学院に新聞が来た。

 

 

 

 

百合ヶ丘女学院・工廠科。

 

京輔「偉大なキャンベル教授の孫、ボストン大学に入学。彼女の知識は大学中を驚かせ、将来有望の考古学者になれる事間違い無し。かぁ・・・」

 

百由「驚いたわぁ。まさか大昔からブラックホールを起こす兵器がメキシコに眠っていたなんて。」

 

京輔「キャンベル教授と溝呂木慧音が長年封印していてな。クメール・ルージュの手に渡ったが、俺が再び封印したからもう悪用されずに済む。」

 

百由「私も見てみたかったなぁ〜。もしかしたら、新しいCHARMが出来そうな感じだったかも。」

 

京輔「おっと?ここにクリエイトを悪用せざるを得ない人物が居るなぁ。」

 

百由「冗談よ冗談。」

 

京輔「冗談には聞こえねえけどな。・・・(ソフィア、立派な考古学者になれよ。)」

 

クメール・ルージュは本当の没落を遂げ、ソフィアはボストン大学で多くの研究成果を繰り出して行った。

 

『THE END』




キャスト

稲葉京輔:千葉翔也

仁科龍馬:畠中祐

一柳梨璃:赤尾ひかる
白井夢結:夏吉ゆうこ
楓・J・ヌーベル:井澤美香子
二川二水:西本りみ
安藤鶴紗:紡木吏佐
吉村・Thi・梅:岩田陽葵
郭神琳:星守紗凪
王雨嘉:遠野ひかる
ミリアム・ヒルデガルド・v・グロピウス:高橋花林

ソフィア・キャンベル:若松来海

クラトス・ティプシー:佐藤拓也
セレス・フィッツランド:高野麻里佳

真島百由:水瀬いのり
出江史房:長妻樹里
秦祀:田中那実
内田眞悠里:櫻川めぐ

高松咬月:中田譲治

キャンベル教授:石井康嗣

ソフィアの父:加藤渉
ソフィアの母:川澄綾子

アイザック:小西克幸
ポル・ポト:小形満

ギルバート:佐々木望


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##アサルトビルド おーぷすと##
果実1「いちご」


京輔「よう皆!元気してるか?俺は稲葉京輔!誰もが知る天才物理学者で、謎の生命体ヒュージと戦う仮面ライダービルドたる男だ。今は百合ヶ丘女学院にスカウトされ、リリィ達を育成する講師もやっているんだ。それから・・・」

龍馬「おいおい待て待て!お前だけ盛り込むなよ!俺にも紹介させろ!」

京輔「おっとすまねぇ。」

龍馬「俺は仁科龍馬。嘗て家族をヒュージを殺された後に京輔と出会い、仮面ライダークローズとしてヒュージと戦っているんだ。」

京輔「そこで俺達がお送りするのは、俺達の教え子・一柳隊とその仲間達が繰り広げるフルフルユワユワなストーリーだ。」

龍馬「何だよそのフルフルユワユワって。ユルユルフワフワだろ。」

京輔「まぁまぁ。俺達と一緒に彼女達の物語を見て行こう!今日のキーワードは『いちご』だ!それでは!アサルトビルド おーぷすと!Are You Ready?」

龍馬「Go!」


物語早々、梨璃にピンチが。

 

梨璃「・・・・・・」

 

全員「ええーーー!?指輪を無くしたー!?」

 

梨璃「はいぃ・・・」

 

それは、CHARMとの契約に必須な指輪を無くしてしまったのだった。

 

二水「昨日は着けてましたよね?CHARMは使いましたし・・・」

 

梅「風呂場に外したとか?」

 

楓「いいえ。1度も外していませんでしたわよ?フフフフ☆」

 

鶴紗「よく見てるな・・・」

 

雨嘉「探そう・・・!見付かるといいな・・・!」

 

泣きながら探す雨嘉。

 

ミリアム「泣くでない雨嘉。お主感情移入し過ぎじゃぞ。」

 

梅「よーしよしよし!雨嘉は優しい奴だなぁ〜!」

 

神琳「素敵です!」

 

2人が雨嘉を慰めてあげた。

 

楓「梨璃さん。ちょっとちょっと。」

 

梨璃「楓さん?」

 

二水「ありました!?」

 

楓「ほらー!」

 

七色に輝くダイヤモンドの指輪を出した。

 

楓「空いているお手てに如何ですか?勿論左手薬指に!勿論本物のダイヤモンドでしてよ?」

 

梨璃「うわぁー!眩しいよー!」

 

鶴紗「そんなもの嵌めたって仕方無いだろ。」

 

梅「なぁそれって呪われる奴?」

 

楓「キーー!何ですって!?仕方無くもないし所有で不幸になりませんわ!!」

 

梨璃「ごめんね楓さん。この指輪じゃダメだよ。凄く綺麗だけど・・・」

 

ミリアム「これこれ・・・真っ当な追い討ちをするでない・・・そこはボケてやらんと・・・」

 

夢結「梨璃の指輪?私が預かっているわ。」

 

彼女の指輪は夢結が預かっていた。

 

梨璃「えーーーー!?」

 

夢結「何を驚くの?あなた昨夜私の部屋に置き忘れてたでしょ?」

 

楓「どんなシチュエーションで指輪を外しますの・・・?」

 

楓「確かにじゃな・・・」

 

夢結「本当にそそっかしいんだから。着けてあげましょう・・・」

 

梨璃「流石お姉様!さすおねです!」

 

神琳「何だか結婚式のようですね。」

 

雨嘉「良かった!ハッピーエンドだね!良かったー!」

 

二水「素敵ですー!」

 

梅「こう言う時近いのキスするんだぞ〜!」

 

鶴紗「嘘吐くな先輩・・・」

 

 

 

 

その後。バルコニーにて。

 

梨璃「お姉様。今朝はありがとうございました。」

 

夢結「梨璃。右の手を貸してちょうだい。」

 

梨璃「はい?」

 

右手を差し伸べた梨璃。すると夢結が梨璃の右手にキスをした。

 

梨璃「お!?お!おおおおお姉様!?」

 

夢結「無くさないおまじないよ。」

 

梨璃「ままままままままま!?」

 

夢結「しっかりなさい!」

 

梨璃「はい!!2度と無くしません!この手も洗いません!!」

 

夢結「手は洗いなさい!」

 

キスされた梨璃の興奮は続いたのだった。

 

 

 

 

 

 

一方その頃。

 

梅「指輪外してする事と言ったらさ〜、コネコネだよなぁー。アレ、楽しーからナ〜。」

 

楓「ええ!?何ですのコネコネって!?」

 

梅「何だー?楓もキョーミあんのか?一緒にコネコネすっか〜〜〜?」

 

楓(こ、この表情にこの手付き・・・ただ事ではございませんわ!!)

 

身の危険を感じた楓は。

 

楓「い、いけませんは梅様!!そんな真っ昼間から白昼堂々!!あああああああ!!」

 

梅「そっか。んじゃ、鶴紗とやろっと。」

 

 

 

 

別室にて。

 

梅「お粘土めっっちゃ楽しーゾ!な、鶴紗♡」

 

鶴紗「あんまり楽しくない。」

 

コネコネとは、粘土の事であった。

 

『To Be Continued・・・』




龍馬「初っ端から波乱万丈な展開だったなぁ。なぁ京・・・輔?」

京輔「ああもう!梨璃と夢結は本当尊いなぁおい!さっきのキスシーンとか二水に送りたいぜ!」

龍馬「ここでも波乱万丈が起きちまったな・・・」




キャスト

稲葉京輔:千葉翔也

仁科龍馬:畠中祐

一柳梨璃:赤尾ひかる
白井夢結:夏吉ゆうこ
楓・J・ヌーベル:井澤美香子
二川二水:西本りみ
安藤鶴紗:紡木吏佐
吉村・Thi・梅:岩田陽葵
郭神琳:星守紗凪
王雨嘉:遠野ひかる
ミリアム・ヒルデガルド・v・グロピウス:高橋花林


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果実2「おれんじ」

京輔「よう皆!元気してるか?俺は稲葉京輔!誰もが知る天才物理学者で、謎の生命体ヒュージと戦う仮面ライダービルドたる男だ。今は百合ヶ丘女学院にスカウトされ、リリィ達を育成する講師もやっているんだ。それから・・・」

龍馬「おいおい待て待て!お前だけ盛り込むなよ!俺にも紹介させろ!」

京輔「おっとすまねぇ。」

龍馬「俺は仁科龍馬。嘗て家族をヒュージを殺された後に京輔と出会い、仮面ライダークローズとしてヒュージと戦っているんだ。」

京輔「そこで俺達がお送りするのは、俺達の教え子・一柳隊とその仲間達が繰り広げるヘルヘルヴォルヴォルなストーリーだ。」

龍馬「ヘルヘルヴォルヴォル!?あぁ、ヘルヴォルの彼奴等か。」

京輔「そうそう。俺達と一緒にヘルヴォルの彼女達の物語を見て行こう!今日のキーワードは『おれんじ』だ!それでは!アサルトビルド おーぷすと!Are You Ready?」

龍馬「Go!」


ある日の事。

 

藍「瑶〜。抱っこ〜。おんぶ〜。ねぇ〜。」

 

ヘルヴォルの佐々木藍。

 

瑶「はいはい。」

 

同じくヘルヴォルの初鹿野瑶。

 

恋花「またやってる。瑶ったら本当面倒見が良いんだから。」

 

同じくヘルヴォルの飯島恋花。

 

恋花「ああ言う妖怪居たよね。子泣き爺だっけ?」

 

藍「!?」

 

その言葉に藍がブチ切れ・・・

 

 

 

 

 

 

部屋に引き篭もってしまった。

 

瑶「へそ曲げて閉じ込もっちゃった・・・」

 

恋花「おーい藍ー!出ておいでー!」

 

一葉「大丈夫です!お任せ下さい!」

 

ヘルヴォルのリーダー・相澤一葉。

 

 

 

 

彼女が女の子の育て方の本を取り出した。

 

一葉「こんな時の為にマニュアルを用意しておきました!」

 

恋花「それ違くな〜い?」

 

瑶「・・・」

 

千香瑠「藍ちゃ〜ん!クッキー焼きましたよ〜!」

 

ヘルヴォルの芹沢千香瑠。

 

一葉「はっ!物で釣る作戦・・・!流石千香瑠様!」

 

すると部屋のドアがゆっくりと開いた。そこから藍の手が出てクッキーを受け取って、ドアを閉めた。

 

一葉「・・・」

 

千香瑠「美味しいー?」

 

藍「ムシャムシャムシャ・・・うん。」

 

千香瑠「そう!良かった〜!」

 

恋花「アンタ、甘やかすの大概にしなさいよ。」

 

一葉「ん〜・・・えっと・・・こう言う時の対処法は・・・えっと・・・」

 

思春期の女子のトリセツの本を読みながら悩む。

 

瑶「あ!私、似たようなお話知ってる!天照大御神の神話だっけ?」

 

一葉「瑶様!その物語聞かせて下さい!」

 

瑶「良いよ!参考になると良いけど・・・」

 

かくかくしかじかと語った。

 

一葉「えええ!?戸の前で舞を!?し・・・承知しました!相澤一葉・・・踊ります!!」

 

 

 

 

創作ダンススタート。

 

一葉「藍〜!出ておいで〜!楽しいよ〜!」

 

瑶「素直な所、本当可愛い〜♡」

 

恋花「この子真面目だから・・・」

 

 

 

 

創作ダンスが功を奏したのか、藍が渋々出て来た。

 

一葉「藍。急に閉じ篭ったりしたら皆心配するんだよ?」

 

藍「・・・ごめん・・・」

 

一葉「気になる事があったら、言葉で気持ちを伝えようね?」

 

藍「うん・・・」

 

一葉「恋花様も、程々にお願いしますね?」

 

恋花「はぁ〜い!」

 

髪を揺らして承諾。藍がまたブチ切れ。

 

藍「恋花ー!心が籠ってなーい!!」

 

恋花「何よー!やるかー?」

 

藍「やり直しー!」

 

恋花は楽しそうに藍をからかう。

 

千香瑠「フフ。まるで姉妹みたい。本当に仲良しなんだから。」

 

瑶「さっきの一葉ダンス、一生懸命で可愛かったなぁ〜♡」

 

一葉「あ・・・あれは忘れて下さいーーー!!」

 

瑶「忘れない♡」

 

一葉「瑶様ーーー!!」

 

 

 

 

 

 

その後。

 

藍「一葉、変なダンスさせちゃってごめんね。これ・・・」

 

お詫びのコーヒーを差し出した。

 

一葉「あっ・・・ううん気にしないで、私も忘れたいし・・・」

 

コーヒーを受け取った。

 

一葉「あれ・・・もしかしてこのコーヒー、藍が淹れてくれたとか?」

 

藍「うん、千香瑠におそわって作ったんだー。えっへん!!」

 

一葉「すごいね、ありがとう!いただきまーす。」

 

コーヒーを飲んだが、激甘だった。

 

一葉「!!」

 

藍「お砂糖どっさりたーっぷりのらんスペシャルだよ!一葉に喜んでほしいから、トクベツに倍盛りにしたよ!!ねーおいしー?ホメてホメてー。」

 

千香瑠「藍ちゃーん。甘くするのは自分のぶんだけでいいのよ〜〜。気をつけてね〜〜。」

 

恋花「アンタ・・・どー見ても間に合ってナイっしょ。」

 

『To Be Continued・・・』




龍馬「彼奴等、藍のお世話やってご苦労様だな。」

京輔「さっきのコーヒーの作り方は・・・こうして・・・ああして・・・そしてこうか。それで後は・・・」

龍馬「何か・・・俺の横でマッドコーヒーが作られそうな予感がする・・・」




キャスト

稲葉京輔:千葉翔也

仁科龍馬:畠中祐

相澤一葉:藤井彩加
佐々木藍:夏目愛海
飯島恋花:石飛恵里花
初鹿野瑶:三村遙佳
芹沢千香瑠:野中深愛


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果実3「さくらんぼ」

京輔「よう皆!元気してるか?俺は稲葉京輔!誰もが知る天才物理学者で、謎の生命体ヒュージと戦う仮面ライダービルドたる男だ。今は百合ヶ丘女学院にスカウトされ、リリィ達を育成する講師もやっているんだ。それから・・・」

龍馬「おいおい待て待て!お前だけ盛り込むなよ!俺にも紹介させろ!」

京輔「おっとすまねぇ。」

龍馬「俺は仁科龍馬。嘗て家族をヒュージを殺された後に京輔と出会い、仮面ライダークローズとしてヒュージと戦っているんだ。」

京輔「そこで俺達がお送りするのは、俺達の教え子・一柳隊とその仲間達が繰り広げるプレプレグラグラなストーリーだ。」

龍馬「グラン・エプレの事か。ってかゆるふわな感じが皆無な擬音だな。」

京輔「フムフム。俺達と一緒にヘルヴォルの彼女達の物語を見て行こう!今日のキーワードは『さくらんぼ』だ!それでは!アサルトビルド おーぷすと!Are You Ready?」

龍馬「Go!」


ここは、神庭女子藝術高校。

 

叶星「痛っ!」

 

レギオン・グラン・エプレのリーダーの今叶星。

 

叶星「棘が刺さってしまったわ・・・」

 

指に棘が刺さってしまい、指から血が出てしまった。

 

高嶺「まぁ。貸してごらんなさい。」

 

グラン・エプレのメンバー・宮川高嶺。彼女は叶星の血が出てる指を咥えた。

 

叶星「っ!やだ!くすぐったいよ!高嶺ちゃん!」

 

高嶺「フフッ♪痛みが忘れたようね。」

 

叶星「離して!!」

 

 

 

 

その光景を、土岐紅巴が鼻血を出しながら見てしまった。

 

紅巴「何でしょうあのシチュエーション・・・!朝からこんな刺激的な光景摂取して大丈夫でしょうか・・・!?」

 

灯莉「あ、土岐がまたブツブツ言ってる。」

 

グラン・エプレのメンバー・丹羽灯莉。

 

姫歌「何時もの覗き?全く。」

 

グラン・エプレのメンバー・定盛姫歌。

 

姫歌「同じレギオンのメンバーなんだから、堂々と話し掛けなさいよね?」

 

そう言いながら紅巴の鼻血を拭いてあげる。

 

紅巴「そ、そんな大それた事・・・土岐には早過ぎます!」

 

 

 

 

灯莉「ねぇねぇ、何してるの?」

 

高嶺「あら、灯莉さん。」

 

灯莉「たかにゃん先輩、どうして叶星先輩の指食べてるの?」

 

 

 

 

紅巴「あ、灯莉さん!?」

 

姫歌「あの子何時の間に・・・?」

 

 

 

 

灯莉「美味しいから食べてるの!?」

 

高嶺「フフッ♪そうね、とっても美味しいわ。ペロン♪」

 

叶星「もう高嶺ちゃんったらぁ・・・」

 

灯莉「いいなー!僕も食べてみたーい!」

 

高嶺「ダーメ♪私専用なの。ごめんなさいね♪」

 

 

 

 

そんなやり取りを、紅巴と姫歌が顔を赤くしながら見てる。

 

紅巴「鼻血が止まりません!!」

 

姫歌「た、確かに堂々とは行き辛いかも・・・ってかあの子よく2人の世界に入って行けるわね・・・」

 

 

 

 

高嶺「その代わりキャンディーをあげましょう。」

 

髪の毛から何故かキャンディーを出した。

 

灯莉「わー!ありがとう先輩ー!」

 

高嶺「そこのお2人さんもお1つ如何?」

 

 

 

 

紅巴・姫歌「ヒィッ!?」

 

 

 

 

灯莉「おーい!土岐ー!定盛ー!美味しいよー!」

 

 

 

 

2人も高嶺からキャンディーを貰った。

 

紅巴「あの・・・こそこそと覗いたりしてごめんなさい・・・!」

 

姫歌「お邪魔したら失礼かなーって思っちゃってつい・・・」

 

叶星「ううん。私こそ気付かないでごめんなさいね・・・皆が近くに居たのに・・・」

 

高嶺「あら?全く気付かなかったの?知ってて見せ付けてるのかと思ったわ。」

 

紅巴「プハッ!!」

 

鼻血が噴射して倒れた。

 

姫歌「・・・」

 

灯莉「ん?あーーーーん!」

 

姫歌が持ってるキャンディーを断り無く噛み付いた。

 

姫歌「ギィッ!?何するのよ!!!」

 

叶星「賑やかで楽しいわねぇ〜。」

 

高嶺「えぇ。本当に。」

 

 

 

 

 

 

その後。

 

灯莉「あーあ、叶星センパイのおてて、おいしそーだったなぁ・・・いーもんいーもん、自分の食べるから〜〜。」

 

渋々自分の指を食べてみる。するとこれがうっとりしたのか、”ちゃくちゃく”と咀嚼音を立てながら食べる。

 

高嶺「まあ。あんな所に赤ちゃんがいるわ。」

 

叶星「ホントだー。可愛いわね。」

 

高嶺「ねぇ、あの子私たちの子どもにしない?ふたりで育てましょう。」

 

叶星「ふふっ。小さい頃のおままごとを思い出すわね。」

 

紅巴「ブバ〜〜〜〜!!!」

 

盛大な鼻血が大噴射し、紅巴が倒れた。

 

姫歌「あの〜〜、するならお医者さんごっこでお願いします。ここに重症患者が・・・」

 

叶星「きゃー大変!!」

 

高嶺「あらあら。久々にしてみようかしらね。クスッ。」

 

『To Be Continued・・・』




龍馬「叶星と高嶺。幼馴染みコンビは尊いな。それに紅巴失血するか位心配だなぁ・・・」

京輔「ア、アカン・・・今まで以上の百合波動が俺にクリティカル・・・ヒット・・・」

龍馬「ここにも失血しそうな患者が居るな。」




キャスト

稲葉京輔:千葉翔也

仁科龍馬:畠中祐

今叶星:前田佳織里
宮川高嶺:磯辺花凜
土岐紅巴:東城咲耶子
丹羽灯莉:進藤あまね
定盛姫歌:富田美憂


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果実4「めろん」

作者「やぁ皆。元気にしているか?私はこのアサルトビルド HAZARDの作者だ。今日ここに来た理由は他でもない。それは・・・」

京輔「おいおいおいおい!何で作者がここに居るんだ!?」

龍馬「何しに来たんだよおい!」

作者「そう慌てなさんな。今日ここに来た理由は、あるドールシリーズをこのお話でお送りする事だ。」

京輔・龍馬「あるドールシリーズ?」

作者「それは、カスタムリリィだ。今回はそのカスタムリリィを紹介する回だ。余談だが、これは専門家の指導の元、撮影しているから心配はご無用だ。」

京輔「明らかにメタだなぁ・・・」

作者「今回のキーワードは「めろん」だ!それでは、アサルトビルド おーぷすと!Are You Ready?」

京輔・龍馬「ゴ、Go!」


皆は、カスタムリリィと言うドールをご存知だろうか?彼女達リリィにとって自分達のドールは分身のような我が子のような大切な存在と言っても過言ではない。

 

 

 

 

ミリアム「ミリアムキーック!!サマーソルトプレサンダー!!」

 

自分のドールを持ち上げて、机に叩き付けた。

 

梅「あはは!見ろ鶴紗!亀にぴったりのサイズ感だぞ!」

 

亀に自分のドールを寝かせてる。

 

鶴紗「猫にも・・・!」

 

猫の背中に自分のドールを乗せてる。

 

ミリアム「うぅ・・・また手足が取れたのじゃ・・・」

 

乱暴に扱ったせいで、ミリアムのドールの手足が破損してしまった。

 

鶴紗「乱暴に扱うから、関節が甘くなるんだろ。」

 

梅「おい鶴紗!猫はあのまま行っちゃったぞ!!」

 

鶴紗のドールは猫に乗ったまま行ってしまった。

 

 

 

 

一方楓のドールは、無数の梨璃のドールに囲まれて幸せ絶頂中。

 

二水「楓さん!これ全部梨璃さんドールですか!?」

 

楓「えぇ!コレクションのほんの一部です!」

 

雨嘉「私、アレを思い出した・・・中国の兵馬俑・・・」

 

神琳「確かに・・・」

 

楓「地球・・・いや銀河イチ!私の最愛の推しですもの!まだまだまだまだまだまだ買い足りませんわ!ですがアゾンさんったら・・・私が買うとすぐに在庫ゼロ!呆れて物が言えませんわ!もしもしアゾンさん?お金なら幾らでもありますのよ!じゃんじゃん生産あそばせ!!」

 

鶴紗「買占め・・・迷惑な奴。」

 

二水「愛はありますけどね・・・」

 

それで転売ヤーになってしまうのか心配。

 

 

 

 

二水「おや?夢結様と梨璃さん、お2人が手にしたドールは・・・」

 

夢結「あぁこれ?私達は互いのドールを託し合っているのよ。」

 

梨璃「ですです!」

 

夢結「ドールとは・・・そうね。御守りのような存在かしら?」

 

梨璃「私、実は机に座らせて話し掛けたり、夜一緒に眠ったりしています!」

 

夢結「あら。私も枕元に置こうかしら?夢の中でも、あなたは私のシルトで居てくれるのかしら?」

 

二水「うーん!尊い!あまりにも堂々過ぎます!!」

 

雨嘉「互いに思いやる心・・・素敵!」

 

神琳「私達も、真似してみます?」

 

楓「尊い?ですわね!ですけれど!愛情表現は人それぞれ!私は数で勝負致します!工場に鬼電して稼働させますわぁ〜!」

 

ミリアム「止めんか!脅迫じゃぞ!」

 

楓「まぁ人聞きの悪い!これ位お得意様のよくあるご意見ご要望に過ぎませんわぁ〜!」

 

 

 

 

”バゴーーーーン!!!”

 

 

 

 

アゾンが爆発してしまった。

 

 

 

 

 

 

その後。

 

ミリアム「のう百由様、わしらも互いに交換してみてはどうかの。」

 

百由「イイネ!丁度欲しいと思ってたのよー!」

 

互いのドールを交換した。

 

百由「かわいいかわいい私のシルトドールちゃ〜ん♡うーんと可愛がってあげまちゅからね〜〜♡ホホホ。」

 

ミリアム(百由様・・・)

 

だがミリアムのドールにプロペラが取り付けられ、飛んだ。

 

百由「はい高い高ーい!!」

 

ミリアム「マジか・・・百由様コレは・・・」

 

百由「愛よ!!!!!」

 

ミリアムへの愛は人一倍高かった百由であった。

 

『To Be Continued・・・』




作者「皆大切にしているみたいだな。良かった良かった。」

京輔「良かったのか・・・?」

龍馬「でもドールで遊ぶの楽しそうだなぁ。」

作者「そんな2人にはS.H.Figuarts仮面ライダービルドと仮面ライダークローズだ!!これで思う存分楽しむが良い!」

京輔「おぉ!リアルだなぁ!」

龍馬「そう言えば作者、カスタムリリィの関係者の1人か?」

作者「全然無関係だ。」




キャスト

作者:naogran

稲葉京輔:千葉翔也

仁科龍馬:畠中祐

一柳梨璃:赤尾ひかる
白井夢結:夏吉ゆうこ
楓・J・ヌーベル:井澤美香子
二川二水:西本りみ
安藤鶴紗:紡木吏佐
吉村・Thi・梅:岩田陽葵
郭神琳:星守紗凪
王雨嘉:遠野ひかる
ミリアム・ヒルデガルド・v・グロピウス:高橋花林


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果実5「まんごー」

作者「やぁ皆。また会ったね。私はアサルトビルド HAZARDの作者だ。今日ここに居るのは・・・私1人だ。京輔と龍馬は珍しく一柳隊の様子を見に行ったらしいんだ。と言う訳で、私はここから彼女達を見守るとしよう。今回のテーマは『まんごー』だ。それでは、アサルトビルド おーぷすと!Are You Ready・・・Go!」


ある日の百合ヶ丘女学院。

 

二水「皆さーん!実家から母のクッキーが届いたんです!召し上がって下さい!」

 

二川家からクッキーが届いた。

 

梨璃「ありがとう二水ちゃん!凄ーい!手作りだー!」

 

京輔「お!クッキーか!」

 

二水「はい!先生も如何ですか?」

 

龍馬「美味そうだな。貰おうか。」

 

ミリアム「おぉ!こんなに沢山!甘味の宝石箱じゃな!」

 

京輔「おぉ!甘い!」

 

龍馬「甘い!お袋さん凄いな!」

 

二水「えへへ。楓さんもどうぞ。」

 

楓「折角ですけど、私は遠慮致しますわ。500グラム程体重が増えてしまって減量中ですので・・・」

 

京輔「あらら、それはそれは。」

 

ミリアム「500グラムゥ〜?んなもんちーとした誤差じゃろ?ホレホレ!楓も食わんか?美味じゃぞ〜?」

 

楓「ですから!はぁ・・・じゃあ1つだけ頂きますわ。」

 

ミリアム「あそだ!たっぷりイチゴジャムを乗せて食すと、更にうま美味じゃぞ〜!」

 

たっぷりとイチゴジャムをブチまけた。

 

龍馬「何しとんねんお前!!」

 

楓「そんなもの減量中じゃなくても頂けませんわ!!!」

 

京輔「モグモグ・・・うん。相性バッチリだな。」

 

龍馬「胸焼けしそうな程の量だな・・・」

 

楓「お子ちゃまは美容やスタイルを気にする必要がございませんのよねぇ〜。お気楽で羨ましいですわぁ〜!」

 

身体を振って自身のスタイルを見せびらかす。

 

ミリアム「えぇ〜?ワシは成長期じゃからな〜。どんだけ食ってもモグモグ。」

 

楓「うっ・・・」

 

二水「お2人共同い年ですよ?」

 

龍馬「そう言う二水も同い年だろ?2人と。」

 

梨璃「ねぇお姉様。」

 

夢結「何かしら?」

 

梨璃「体重って、そんなに気にするものなのでしょうか?」

 

二水「ええ!?ミリアムさんその上に練乳も掛けるんですか!?」

 

夢結「練乳って・・・」

 

京輔「カロリー倍増待ったなしだなおい!?」

 

ミリアム「当然イチゴと言えば練乳じゃろ!」

 

楓「イチゴはイチゴでもジャムですのよ!!」

 

龍馬「練乳で食べたいなら穫れたてのイチゴで食べろよ!!」

 

夢結「そうね。健康管理は大切な事だと思うわ。」

 

梨璃「そう言えばお姉様は近頃お菓子を召し上がらないような・・・もしかしてダイエットですか?」

 

夢結「ウッ!?・・・梨璃に嘘は吐けないわね・・・実は最近気にしてるの・・・」

 

京輔「ほほう。夢結でも体重を気にする方か。」

 

夢結「で、でも・・・す、少しよ?ほんの少しだけ増えて・・・」

 

梨璃「はいお姉様!あーん!」

 

クッキーを割って、片方を夢結にあげる。

 

夢結「ちょっと梨璃!私の話聞いていたでしょ!?」

 

梨璃「大丈夫です!こうして分けっこしたらカロリーは半分こで、美味しそう倍増なんですよ!凄い裏技でしょ?」

 

京輔「何だその理論?」

 

夢結「・・・よく分からないけど・・・妙な説得力ね。頂くわ。」

 

梨璃「わーい!私も頂きまーす!」

 

夢結「本当、とっても美味しいわ。」

 

梨璃「ですよね〜。」

 

二水「いやぁ〜。美しい姉妹愛ですね〜。」

 

何故か牛丼を持ってる。

 

楓「二水さんそれは・・・」

 

龍馬「それ牛丼だろ?」

 

二水「そうですよ?牛丼ですよ?甘い物食べたら塩分が欲しくなっちゃって!ん〜〜〜!美味しいです〜〜〜!」

 

バクバクバクバクと牛丼を食べまくる。

 

楓「クッ!お子ちゃま2号!」

 

龍馬「ちびっ子以外の2号が誕生したな。」

 

二水「これは最高〜!」

 

 

 

 

 

 

その後。

 

梨璃「ふぅ〜〜。きもち〜〜です〜〜」

 

夢結(・・・梨璃はダイエットしたことがあるのかしら・・・そもそも太ったことなさそうね。)

 

浴室で梨璃の身体をジッと見てる。

 

夢結(太った梨璃・・・)

 

 

 

 

太った梨璃を想像。

 

梨璃『お姉さま〜♡』

 

夢結(・・・・)

 

梨璃『え〜〜!一緒におフロですかぁ?はずかしーです〜〜〜お腹出るんだもん!!』

 

 

 

 

夢結(それはそれで可愛いじゃないの・・・なんなのかしらもう・・・くっ・・・)

 

梨璃「お姉様?大丈夫ですか?」

 

どう転んでも梨璃がかわいい夢結なのであった。

 

『To Be Continued・・・』




作者「二水のお袋さんが作ったクッキー美味しそうだな。それにしてもあの2人羨ましいぞ。私もクッキー食べたかったぞ。」




キャスト

作者:naogran

稲葉京輔:千葉翔也

仁科龍馬:畠中祐

一柳梨璃:赤尾ひかる
白井夢結:夏吉ゆうこ
楓・J・ヌーベル:井澤美香子
二川二水:西本りみ
ミリアム・ヒルデガルド・v・グロピウス:高橋花林


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果実6「ぶどう」

作者「やぁ皆。私はアサルトビルド HAZARDの作者だ。今回から私は本格的にこのプロローグ解説を執り行う事となった。京輔と龍馬も本編に参戦する。私とて本編に参加したい所存だが、作者である為、本編への参加は不可能に等しい。いや確実と言って良いだろう。さて、今回のストーリーはユルユルモフモフなストーリーをお送りする。それでは!今回のテーマは『ぶどう』!アサルトビルド おーぷすと!レディー・・・ゴー!」


猫の集会所。鶴沙と梅と京輔と龍馬が猫と戯れてる。

 

鶴沙「ニャニャニャニャニャーーー!可愛い〜〜〜!ニャワイイ〜〜〜〜!!」

 

今日の鶴沙のテンションはフルバースト。猫への愛情は人一倍。

 

梅「あはははは!鶴沙は本当に猫好きだなぁ〜!」

 

鶴沙「仕方無いだろ!可愛いんだから。」

 

梅「ま、それもそうだな。」

 

京輔「猫は可愛いなぁ〜。」

 

龍馬「本当だな。見てるだけで癒されるし。何よりモフモフしてる〜。」

 

すると近くの茂みからと梨璃が出て来た。

 

梨璃「あの!ここって猫の集会所ですか?」

 

梅「おう梨璃!おうそうだぞ!」

 

梨璃「良かったぁ〜!この子迷子みたいなんです!」

 

連れて来たのは、巨大なライオン。

 

梨璃「裏庭でウロウロしてて。なので!連れて来ました!」

 

鶴沙・梅「!!!」

 

京輔・龍馬「ライオン!?」

 

鶴沙「な、何だこの巨大モフモフ・・・!!」

 

梅「なぁ。これってライオンじゃないのか?」

 

京輔「正真正銘のライオンだな。」

 

梨璃「そう言えば!随分と大きめです!」

 

龍馬「気付いてなかったんかい!!」

 

鶴沙「細かい事は気にするな。猫もライオンもネコ科。つまり!此奴は猫!」

 

だがライオンが鶴沙の右腕をガブっと噛んだ。

 

鶴沙「いたたたた!!今の!!猫の方から寄って来た!!!」

 

京輔「いや思いっ切り噛み付いたけど!?」

 

梨璃「大丈夫ですか!?鶴沙さん!!」

 

梅「あははは!いっつも逃げられてるもんなぁ〜!」

 

龍馬「心配する所そこ!?」

 

すると茂みから夢結が。

 

夢結「梨璃!こんな所に居たのね!捜したわ!」

 

梨璃「あ!お姉様!」

 

龍馬「夢結?どうしたんだ?」

 

夢結「大変よ!さっきニュースで・・・うわああああああ!?」

 

巨大ライオンを見て絶叫した。

 

梨璃「鶴沙さんに迷い猫の事を相談してたんです。心配掛けてごめんなさい。」

 

龍馬「今そんな事言ってる場合か!?何で猫じゃらし持ってんだ!?」

 

夢結「梨璃!皆!離れなさい!!その猫は動物園から逃げたライオンよ!!」

 

龍馬「動物園から!?」

 

京輔「離れろ皆!!ここは俺達が対処する!!」

 

鶴沙「夢結様!先生!大丈夫!危なくなんかない!!此奴はとっても良い子なんだ!!ライオンだけど猫なんだ!!!」

 

”ガプ!”

 

頭をガプっと噛まれた。

 

梨璃・夢結「・・・!!」

 

京輔・龍馬「鶴沙ーーー!!!」

 

 

 

 

 

 

それから。

 

梨璃「ライオンさん。無事動物園へ運ばれたそうです。速報も出ました!」

 

夢結「良かったわ。事故にならずに済んで。」

 

京輔「これで一件落着だな。」

 

龍馬「にしても、あのライオンを連れて来た梨璃の強心臓に頭が下がるわ・・・」

 

そして鶴沙は、噛まれ過ぎて治療中。

 

鶴沙「猫・・・達者でな・・・可愛い奴だったな・・・」

 

梅「中々面白かったよな!」

 

京輔「いやネコ科だけど・・・」

 

鶴沙(さようなら・・・)

 

涙を流してライオンに別れを告げた。

 

梨璃「鶴沙さん!!大変です!!」

 

またしても事件が。

 

梅「あははははははは!!」

 

大蛇が梅を巻き付けてブンブン振り回している。

 

梨璃「今度は巨大な蛇が!!!」

 

鶴沙「・・・猫しか興味ない。」

 

龍馬「梅ぃぃーーーー!!!」

 

京輔「おので大蛇め!!カバンにしてやるぞ!!」

 

鶴沙「たーのしーーーー!!!」

 

その後梅は救われ、大蛇は森へ帰って行った。

 

 

 

 

 

 

その後。

 

雨嘉「・・・ライオンさん居なくなってさみしいんだね・・・」

 

鶴沙「うう・・・も一度アイツをモフりてえ・・・モフモフ・・・」

 

雨嘉「・・・私の猫耳、貸してあげる。これで心のスキマ、埋まるといいね。」

 

猫耳を鶴沙に被せた。鶴沙がその状態で鏡を見る。

 

鶴沙「ニャンだーーー。がおーー。・・・・・・・(埋まんねーよ!)」

 

心のスキマは埋まらなかった。

 

鶴沙「つか似合わねー・・・逆にモヤるわ・・・」

 

『To Be Continued・・・』




作者「いやぁ〜。猫は良いですねぇ〜。毎日モフモフして癒されたいですねぇ〜。あ、ライオンは危険なので気を付けよう。」




キャスト

稲葉京輔:千葉翔也

仁科龍馬:畠中祐

一柳梨璃:赤尾ひかる
白井夢結:夏吉ゆうこ
安藤鶴紗:紡木吏佐
吉村・Thi・梅:岩田陽葵
王雨嘉:遠野ひかる
ライオン:高橋花林

作者:naogran


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果実7「もも」

作者「やぁ皆。アサルトビルド HAZARDの作者だ。2週間振りだな。さて、皆は閃いた作戦が成功した事はあるかな?皆と意見を出し合って、相手を欺く作戦や相手を攻略する作戦など。今回はその作戦を思い付いた彼女達の物語を見て行こう。それでは、アサルトビルド おーぷすと!今回のテーマは『もも』だ!レディー・・・ゴー!」


ある日の百合ヶ丘女学院。

 

梨璃「お姉様!良い事思い付きました!」

 

夢結「着ぐるみになりすましてヒュージに接近・・・!?相手の気が緩んだタイミングで一瞬に奇襲攻撃・・・ですって!?本気なのかしら!?」

 

梨璃「はい!本気です!!」

 

そう断言する梨璃はヒュージの着ぐるみを身に纏ってる。

 

京輔「何だそれ!」

 

梨璃「二水ちゃんと一生懸命考えました!その名も、私ヒュージだよぉ〜囮作戦〜!」

 

梅「よく思い付いたなぁ。」

 

梨璃「えへへ〜。」

 

楓「梨璃さぁ〜ん!神妙ですけど愛らしいですわぁ〜!」

 

龍馬「これが神妙で愛らしいか・・・?」

 

神琳「写真撮りません?」

 

雨嘉「ゆ、ゆるキャラ・・・?」

 

鶴紗「良いのか・・・?夢結様・・・」

 

京輔「梨璃完全にやる気だぞ・・・」

 

夢結「私は別に・・・リーダーが決めた事ですもの。」

 

梨璃「二水ちゃん力作!皆褒めてくれるし!お姉様も太鼓判です!」

 

二水「はい!ですよね!」

 

夢結「私は認めてないけど・・・」

 

京輔・龍馬「俺も認めてねぇよ。」

 

 

 

 

その後。

 

二水「梨璃さん!遂にヒュージ襲来です!作戦開始です!」

 

梨璃「ラジャー!」

 

作戦開始!梨璃が”てちてちてち”とヒュージに向かう。しかし、”テトチトテトチト”と歩く速度が遅くなってしまってる。

 

京輔「遅くなってる・・・」

 

梨璃「あのさ二水ちゃん・・・私・・・本当に大丈夫なのかな・・・?」

 

二水「はい!とっても可愛いと思います!」

 

龍馬「主旨そこ!?」

 

梨璃「えと・・・そうじゃなくて・・・」

 

本物のヒュージが目の前に出現した。しかしヒュージがヒュージ着ぐるみを纏った梨璃を凝視してる。

 

梨璃「はっ!止まってる!皆さん!今です!」

 

だがヒュージが両腕を伸ばして梨璃を捕まえた。

 

梨璃「あ〜〜〜〜〜〜!!」

 

そのまま子供だと勘違いされて連れ攫われる。

 

二水「あわわわわ!連れ攫われちゃいます〜〜〜〜〜!!」

 

ミリアム「止めろーーー!!そいつはお主の子じゃないぞーーーー!!」

 

 

 

 

 

 

しかしビルドとクローズと夢結が駆け付け。

 

夢結「ルナティックトランサー!!!」

 

『Ready Go!!』

 

『ボルテック・フィニッシュ!』

『イエーイ!』

 

京輔・龍馬「ダアアアァァァァァ!!!」

 

 

 

 

 

 

ヒュージを倒し、必死で梨璃を取り戻した。

 

夢結「ゼー・・・ゼー・・・」

 

京輔「夢結、大丈夫か?」

 

夢結「だ・・・大丈夫よ・・・」

 

龍馬「梨璃も無事だし良かった。」

 

夢結「全く!あなたって子は・・・!!」

 

梨璃「ごめんなさーい!でも失敗は成功のもとと言いますし次こそ必ず!!」

 

夢結「そんな忌まわしい物を、一刻も早くお脱ぎなさい!また誘拐でもされたらたまったものではないわ!!」

 

京輔「そうだぞ梨璃!ヒュージに世話される羽目になるぞ!」

 

龍馬「こんな着ぐるみ外してやる!!」

 

無理矢理ヒュージの着ぐるみを脱がそうとする。

 

梨璃「ダメです!!!」

 

夢結「あなた!!二水さんとの作戦を何故そこまで拘るの!?私には言えない秘密!?」

 

梨璃「ふええぇぇ・・・だってだって!!この下・・・何も着てないので・・・」

 

夢結「え・・・?」

 

京輔・龍馬「は・・・?」

 

夢結「か・・・かぁぁ・・・」

 

京輔「や・・・止めてくれ・・・」

 

龍馬「もう嫌だこんなの・・・・」

 

 

 

 

 

 

その後。

 

夢結『ヒュージの着ぐるみは危険よ!早急に処分なさい!』

 

京輔『また誘拐されたいなら構わねえぞ!』

 

龍馬『早くするんだな!』

 

 

 

 

そう3人にガミガミ叱られた梨璃は。

 

梨璃「はぅ〜〜〜・・・棄てなさいって叱られました〜〜〜!」

 

二水「仕方ありませんね〜〜〜。」

 

梨璃「せっかく作ってくれたのにごめんね・・・私が失敗したから・・・」

 

二水「そんな、気にしないでください!実は、作戦成功確実と思って、2号機も作ってあったんですよ〜〜!」

 

着ぐるみヒュージ2号。

 

二水「いや〜〜、先走りすぎましたね。」

 

梨璃「そうだったんだ・・・すごい力作だね。」

 

二水「ってことは、プロトタイプ3号4号もお蔵入りですね。は〜、残念です〜。」

 

3号機も4号機も製作済みだった。

 

梨璃「う、うん。そだね・・・」

 

『To Be Continued・・・』




作者「二水は何号機を作れば気が済むのか分からないなぁ。けど、果敢に二水の作戦を決行する梨璃の根性は立派だ。流石一柳隊のリーダーだ。今後の成長に期待しよう。」




キャスト

稲葉京輔:千葉翔也

仁科龍馬:畠中祐

一柳梨璃:赤尾ひかる
白井夢結:夏吉ゆうこ
楓・J・ヌーベル:井澤美香子
二川二水:西本りみ
安藤鶴紗:紡木吏佐
吉村・Thi・梅:岩田陽葵
郭神琳:星守紗凪
王雨嘉:遠野ひかる
ミリアム・ヒルデガルド・v・グロピウス:高橋花林

作者:naogran


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果実8「ぱいなっぷる」

作者「やぁ皆。アサルトビルド HAZARDの作者だ。2週間振りだな。皆は仕事ややりたい事のやり過ぎで徹夜明けや熱を出してしまった事はあるかな?今回は、大忙しで壊れてしまったミリアムの様子を見てみよう。今回それでは、アサルトビルド おーぷすと!今回のテーマは『ぱいなっぷる』だ!レディー・・・ゴー!」


ミリアム「あぁ〜〜〜〜・・・・」

 

ある日。ミリアムの目の下にクマが出来てた。

 

ミリアム「あぁ〜〜〜眠いのじゃ・・・怠いのじゃ・・・」

 

彼女は多忙を極めるあまり、徹夜明けして寝不足状態になってしまっていた。

 

 

 

 

そんな彼女に切り札があった。

 

ミリアム「こんな時の為に替え玉ドールを造っておいたのじゃ!」

 

自分そっくりに開発した替え玉ドール。

 

ミリアム「今日の出席は任せたぞドール!行ってらっしゃ〜い!」

 

 

 

 

替え玉ドールが百合ヶ丘女学院へ登校。

 

二水「あ!ミリアムさん!おはようございます!・・・ん?」

 

しかしドールである為挨拶はしない。

 

二水「ミリアムさん?ってああああ!!」

 

ドールの項からバネがはみ出ていた。

 

 

 

 

昼ご飯。

 

神琳「はい。あ〜ん。」

 

雨嘉「し、神琳・・・恥かしいよ・・・」

 

神琳「ホラ手を退けて?雨嘉さん。それでは入りませんよ?」

 

相変わらず百合百合全開の2人の元に。

 

雨嘉「うわあ!?」

 

替え玉ドールが飛び出した。

 

神琳「あらミィさん。ランチご一緒しません?」

 

雨嘉「みみみみ見てたのミリアム!?」

 

神琳「はい。ミィさんにも。あ〜ん。」

 

ドール「アーン。」

 

口を開けたドールに弁当の唐揚げを食べさせた。

 

”ブーブーブー”

 

唐揚げを食べた瞬間、替え玉ドールがパンクを起こした。

 

雨嘉「わぁ!?」

 

神琳「ん?」

 

 

 

 

 

 

一柳隊の部屋。

 

楓「え?ちびっ子2号に異常事態?」

 

京輔「詳しく教えてくれるか?」

 

二水「様子が可笑しいんです!!首の後ろ!バネみたいな物が飛び出していますし!通った後に歯車やナットが落ちていました!!」

 

楓「はぁ・・・あの方のクレイジーさは今に始まった事ではございませんわ。私達ティータイム中ですのよ?」

 

龍馬「心底興味ない人だなぁ。お前。」

 

だがそこに雨嘉がドアを突き破って入って来た。

 

雨嘉「た、大変だよーーーーー!!!」

 

京輔「どうした雨嘉!?」

 

替え玉ドールが火炎放射中。

 

雨嘉「唐揚げを食べたミリアムが口から火を吹いて暴れて暴れてよーーーー!!」

 

龍馬「何じゃありゃああ!?」

 

楓「まぁ。古典的な表現ですこと。」

 

二水「そ、そそそのミリアムさんは偽物です!!皆でやっつけましょう!!」

 

楓「本物だったらどうしますの?」

 

神琳「幾らミィさんでも口から火は出ませんよ。」

 

龍馬「出るとしたら激辛カレーを食った時だけだな。」

 

雨嘉「あ・・・部屋が燃えちゃう・・・」

 

京輔「いや、あれは替え玉ドールだ。」

 

二水「替え玉ドール!?」

 

京輔「密かにミリアムが開発した模造品だ。」

 

 

 

 

 

 

ミリアム「うぅぅぅ・・・」

 

叩き起こされたミリアムがバケツを持って反省中。

 

京輔「しばらく反省しろ。」

 

ミリアム「怒られたのじゃ・・・眠いのじゃ・・・ドールが壊されたのじゃ・・・何と言う屈辱・・・」

 

神琳「ミィさん。自業自得ですよ。」

 

雨嘉「ボヤを起こして学校中大騒ぎだったよ。」

 

楓「本当に機械人形でしたのね。ポンコツですけれど・・・ひっ!!閃きましたわ!!」

 

龍馬「どうした?」

 

楓「あのぉ・・・私の秘蔵ドールを改造して頂けません?プニ素材の等身大で・・・」

 

ミリアム「もう懲り懲りなのじゃ!!って言うか何に使うのじゃ!!!」

 

京輔「あはは。ミリアム、前途多難だなぁ・・・」

 

 

 

 

 

 

その後。

 

神琳「ふぅ・・・今日は散々な一日でしたねぇ・・・邪魔が入ってしまって残念でした。」

 

雨嘉「あのさ神琳・・・こ、ここでならいいよ・・・二人きりだし、誰も見てないし・・・」

 

あーんの口で神琳に迫る。

 

神琳「・・・・ぷっ・・・くく・・・雨嘉さんったら♡」

 

雨嘉「えっ?」

 

神琳「くくく♡残念なのは、ランチを食べそこねてしまったことです。」

 

雨嘉「え・・・ええ〜〜〜〜〜???」

 

神琳「お望みの『あーん』は明日、してあげますね♡♡」

 

雨嘉「うう〜〜〜恥かしいよ〜〜〜〜!」

 

京輔「・・・・・・・!!!」

 

2人のイチャイチャをこっそり覗き見してた京輔であった。

 

『To Be Continued・・・』




作者「替え玉は欠点だらけだなぁ。やっぱり仕事や学校は自分自身でやらなきゃダメだな。」



キャスト

稲葉京輔:千葉翔也

仁科龍馬:畠中祐

楓・J・ヌーベル:井澤美香子
二川二水:西本りみ
郭神琳:星守紗凪
王雨嘉:遠野ひかる
ミリアム・ヒルデガルド・v・グロピウス:高橋花林

作者:naogran


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果実9「あんず」

作者「やぁ皆。アサルトビルド HAZARDの作者だ。2週間振りだな。実は今日、特別なゲストをご招待している。そのゲストとは、この2人だ。」

京輔「特別なゲストって俺等かよ・・・」

龍馬「別に特別って枠じゃねえよ。」

作者「まぁまぁ。今回は百合ヶ丘の皆は登場しないから、私が君達を呼んでグラン・エプレの皆を一緒に見ようと思ってな。」

京輔「梨璃達は出ないんだな。」

龍馬「まぁそれはありがたいんだが・・・」

作者「今回のグラン・エプレはどんな展開を見せてくれるのか。それでは!アサルトビルド おーぷすと!今回のテーマは『あんず』だ!レディー・・・ゴー!」


高嶺「叶星。素直じゃないわね。私に任せてくれたら良かったのに。」

 

叶星「高嶺ちゃんこそ!私の気持ち全然分かってくれない!!」

 

何時も仲良しの幼馴染み2人が喧嘩を勃発した。

 

 

 

 

姫歌「な、何かヤバくない!?あの空気・・・」

 

紅巴「あああああああ!どうしたのでしょう!!あの2人が言い争うだなんてーーーー!!!」

 

灯莉「もう落ち着いて土岐。地震かと思ったじゃん。」

 

紅巴「あの2人はラブラブでなければいけないのです!!このままではいけません!私達が・・・」

 

姫歌「アンタいちいち大袈裟ね・・・」

 

灯莉「だよねぇ〜。僕もそう思う。」

 

3人で会議を始めた。

 

灯莉「だってさ、高嶺先輩や叶星先輩は仲良くなくっちゃ。」

 

紅巴「その通りです!早速ですが作戦会議をしましょう!!では、まずサブリーダーさん!どうぞ!」

 

姫歌「そうねぇ・・・二手に分かれて、お2人それぞれから然り気無〜く・・・」

 

 

 

 

灯莉「ってな訳でぇ〜。ねぇ、喧嘩止めよ〜?仲良く〜〜〜!」

 

無理矢理叶星と高嶺を握手させようとする。

 

姫歌「灯莉ーーーーー!!!」

 

灯莉「え〜?だってだってまどろっこしいんだもん!ってかもう仲良しだよ?」

 

叶星と高嶺が手でハートマークを作った。

 

灯莉「ハート作ってるし。」

 

高嶺「昨日、叶星と2人で街を歩いている時に、イチゴのジェラートを食べようと2人で思い付いたのよね。」

 

叶星「うぅぅ!想像だけでも萌えるシチュ!!そしたら高嶺ちゃんが・・・『私がご馳走するわ』って言うから私、『ううん、今回私が!』って言ったの・・・」

 

姫歌「大人がよくやる奴ですね。」

 

叶星「それで結局何も買わずに・・・」

 

高嶺「互いに意地を張らなければ良かったわ・・・食べたかったわね・・・あのジェラート。」

 

喧嘩の理由は、どっちが奢るかと言う理由から始まったのだった。

 

灯莉「はーい!もっと良いアイディアがありまーす!タッタラー!」

 

ユニコーン顔の共同サイフを出した。

 

紅巴「成る程!同額ずつお金を入れて、1つのサイフでお会計すれば揉め事になりませんね!」

 

叶星「素敵なアイディアどうもありがとう!灯莉ちゃん!」

 

灯莉「へへ〜ん!」

 

叶星「そうだわ!これから皆でジェラート食べに行きましょう!このお財布早速使ってみたいし。」

 

灯莉「わーい!賛成賛成ー!」

 

高嶺「仲直りした後って、萌えるのよね?」

 

姫歌「え!?た、高嶺様!?」

 

紅巴「ぶっはあああーーーー!!!!」

 

鼻血が大噴射してぶっ倒れた。

 

高嶺「嘸かし美味しいでしょうね。ジェラート。」

 

 

 

 

 

 

その後。

 

灯莉「ねーねーえ!かなほセンパイとたかにゃんセンパイ、デートのときは手をつなぐのー?」

 

叶星「デート?」

 

高嶺「あら・・・想像にお任せするわ。」

 

姫歌「高嶺さま、そのお答えはマズイです!!今すぐ訂正なさったほうが・・・」

 

高嶺「訂正?なぜ?」

 

紅巴「そ・・・そんなことまでしてらっしゃるのですか・・・」

 

叶星「え・・・え〜っと。」

 

紅巴「あの、大まかでよろしいので、詳しくお聞かせいただけませんか・・・?」

 

叶星「紅巴ちゃん、言ってることめちゃくちゃだよ?」

 

高嶺「・・・攻められる叶星も、たまにはオツなものね。」

 

姫歌「いやいや、早く止めましょうよ・・・」

 

高嶺「まだダメ♡」

 

叶星「あーんたかねちゃーん!助けて〜〜〜!!」

 

『To Be Continued・・・』




作者「うんうん。叶星と高嶺が仲直り出来て良かったな。」

龍馬「それはそうと作者。あのお坊ちゃんはどうすんだ?」

京輔「あぁ〜〜〜・・・やっぱり百合は良いな!百合最高!!」

作者「しばらく自分の世界で満喫させてやろうか。俺も百合好みだし。」




キャスト

稲葉京輔:千葉翔也

仁科龍馬:畠中祐

今叶星:前田佳織里
宮川高嶺:磯辺花凜
土岐紅巴:東城咲耶子
丹羽灯莉:進藤あまね
定盛姫歌:富田美憂

作者:naogran


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果実10「ゆず」

作者「やぁ皆。アサルトビルド HAZARDの作者だ。2週間振りだな。皆は甘い物は好きか?スイーツ、和菓子、フルーツ、綿菓子。などなどいっぱい甘い物がある。今回は、そんなある甘い物がエレンスゲ女学園に深く関わる事になる。」

京輔「エレンスゲ女学園。ヘルヴォルが主役か。」

龍馬「何か超久し振りだな。」

作者「今回のヘルヴォルはどんな展開を見せてくれるのか。それでは!アサルトビルド おーぷすと!今回のテーマは『ゆず』だ!レディー・・・ゴー!」


藍「まだかなまだかなぁ〜?」

 

ある日のヘルヴォル。藍は何かにワクワクして待っている。

 

藍「たい焼きまだかなぁ〜?千香瑠〜早く〜!」

 

皆大好きたい焼きを待っている様子。そこに恋花が変な話を出した。

 

恋花「ん?ねぇねぇ知ってた?たい焼きってね、鯛を釣って口の中にあんこをこれでもかこれでもか!って、ギュウギュウ詰め込んで作るのよ?」

 

藍「えええ!?」

 

一葉「ちょ!恋花さん!」

 

藍「嘘だーーー!!嘘だもん!!!あーーー瑶ーーーー!!」

 

怯えて瑶に飛び込んだ。

 

瑶「よしよし。」

 

恋花「さぁ〜てどうだかねぇ〜?」

 

藍「恋花の嘘吐き!いじめっ子!!いいもん!ピーマン!貝割れ大根!!」

 

変な言葉を連呼した。

 

千香瑠「お待たせ〜!」

 

そこに千香瑠が来たが、たい焼きの数が半端なく多く、タワー状態になってる。

 

千香瑠「たい焼き出来ましたよ〜!」

 

恋花「ううぅぅ・・・苦しい・・・苦しい・・・!あんこはもう嫌だ・・・!海に帰りてえぇ〜・・・!!」

 

たい焼きの気持ちを代弁。藍がまた怯えた。

 

藍「うわああああん!!」

 

瑶「もう!恋花ったらいい加減にしなよ!」

 

千香瑠「え?何?どうかしたの?」

 

一葉「お!おぉ!凄いですね!千香瑠様の手作りなんですか!?」

 

千香瑠「勿論!お腹にたっぷりあんこ入れました!入れ過ぎてちょっとはみ出しちゃった!」

 

あんこの入れ過ぎでたい焼きが満腹状態。今にも破裂しそう。

 

藍「あああああああ〜〜〜〜〜〜〜!!!」

 

あんこ詰め詰め、あんこ詰め詰め、美味しくな〜れ。吐いたらダメよ〜♡。そう言いながらたい焼きの口にたっぷりあんこを打ち込む千香瑠を想像した。

 

藍「千香瑠!!鯛にあんこ詰めまくったの!?藍にもあんこ詰める!?藍!嫌だよーーーー!!!」

 

一葉「お、落ち着いて!!」

 

藍「うわああああああああ!!!!」

 

パニックになって走り去ってしまった。

 

一葉「あ・・・走って行っちゃった・・・恋花様ぁ・・・」

 

瑶「恋花!!」

 

恋花「だってさ、からかうと可愛いからつい・・・」

 

ただ藍をからかって愛でたいだけの冗談。

 

千香瑠「えっと・・・さっぱり分からないのだけど・・・」

 

瑶「恋花が悪い!」

 

一葉「恋花様の失態です!」

 

恋花「ちょっ!!」

 

千香瑠「恋花さん?責任取って全部食べて下さいね?」

 

にっこり笑顔でたい焼きを恋花に詰め寄せる。

 

恋花「は、はい・・・・」

 

 

 

 

 

 

10分後。

 

藍「ただいま・・・お腹空いた・・・」

 

パニックが治った藍が戻って来た。

 

瑶「藍!おかえり!」

 

一葉「藍!心配したよ!」

 

千香瑠「藍ちゃんおかえりなさい。可哀想に・・・恋花さんにメッ!しておきましたからね。よしよし。」

 

その恋花は今。

 

恋花「う・・・うぅ・・・も、もう無理・・・口からあんこ出そう・・・」

 

全部のたい焼きの食い過ぎで苦しみ悶えてる。

 

藍「・・・・・!!」

 

恋花「あんこはもう嫌だ・・・あ・・・さっきはごめんね藍・・・」

 

藍「うわあああああ!!本当だったんだああああああ!!!!恋花があんこたっぷりにされちゃったあああああ!!!」

 

千香瑠「あらあら。おかわり作ろうかしら?」

 

一葉「それだけは止めて下さい!!!」

 

それからしばらく藍はあんこにトラウマを抱いてしまった。

 

 

 

 

 

 

その後。

 

千香瑠「甘いもの食べると、しょっぱいもの食べたくならない?」

 

恋花「・・・今、そんな状況に見える?」

 

千香瑠「そうよね、そう言うと思って・・・はい、恋花さんの大好きなラーメン♡」

 

チャーシュー、背脂、煮卵マシマシ+ベーコン丸ごとの超二郎系ラーメン。

 

恋花「アンタ人の話聞きなさいよ・・・・」

 

これ以上食べられない恋花が逃げ出した。

 

千香瑠「あら・・・逃げられちゃった・・・好きな味じゃなかったのかも・・・」

 

藍「ちかるはわかってナイ!!!あまいモノはむげんループかのう!!ちかるはいまスグたいやきをたくさんつくりなさいっ!!!」

 

一葉「絶対ヤメて!!」

 

『To Be Continued・・・』




京輔「甘い物を食べ過ぎると胸焼けは当たり前だな。」

龍馬「恋花、ご愁傷様だ事。ん?作者は?」

京輔「そこでラーメン食ってる。」

作者「ん〜!ラーメン見たら食いたくなっちゃった!二郎系美味え!」

龍馬「見てるこっちが苦しくなりそう・・・」




キャスト

稲葉京輔:千葉翔也

仁科龍馬:畠中祐

相澤一葉:藤井彩加
佐々木藍:夏目愛海
飯島恋花:石飛恵里花
初鹿野瑶:三村遙佳
芹沢千香瑠:野中深愛

作者:naogran


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果実11「きうい」

作者「やぁ皆。アサルトビルド HAZARDの作者だ。2週間振りだな。突然だが、皆はあの伝説の番組を知っているか?そう。よゐこの無人島生活。私も大好きな番組だ。まぁそれはさておき、今回は、そんな無人島に流されてしまった彼女達の様子を見てみよう。それでは、アサルトビルド おーぷすと!今回のテーマは『きうい』だ!レディー・・・ゴー!」


大海原にある無人島。

 

鶴紗「来ないな・・・救助・・・」

 

夢結「そうね、大分時間が経ったわ・・・気付いて貰う為に狼煙を上げ続けましょう。」

 

何故かこの無人島に漂着してしまった夢結と鶴紗が居た。救助が来るのを祈る為に焚き火をしていると。

 

梅「おぉ!焚き火か?丁度魚を獲って来た所だぞ!バーベキューしよう!」

 

海で魚を獲って来た梅が現れた。

 

鶴紗「梅様の明るさは何か腹立つんだよな・・・何がバーベキューだよ!」

 

夢結「同感よ・・・頭ではね。」

 

”ぐるるるる・・・”

 

しかし2人の腹が鳴ってしまった。

 

夢結「身体は正直だわ・・・私達・・・」

 

 

 

 

獲った魚介を焼く。

 

夢結「梨璃遅いわね。何処まで探検に行ったのかしら?」

 

梅「おぉ!梨璃ならさっきまで一緒だったぞ!」

 

夢結「一緒?」

 

梨璃「お姉様〜!見て下さい!こーんなに沢山フルーツが採れました!!」

 

戻って来た梨璃の両手には、大量のフルーツが。

 

梨璃「梅様にレクチャーして頂いたんです!梅様に!」

 

夢結「ムッ!梨璃〜?私のシルトと言う自覚を持ちなさい!その服装も・・・素晴らしいとは思えないわ!」

 

梅「夢結。何イライラしているんだ?」

 

鶴紗「梅様、梨璃まで巻き込むなよ・・・」

 

 

 

 

 

 

それから数日が経過。

 

梨璃「お姉様、私達ずっとこのままなのでしょうか?」

 

夢結「梨璃、希望を捨ててはいけないわ。と言いたい所だけど、その通りかも知れないわね。いっその事、ここであなたと人生を終えるのも悪くないかも知れないわ。なんてね・・・」

 

梨璃「お姉様!私良い事思い付きました!協力し合って家族を作りましょう!この島を子孫いっぱいにするんです!!絶対に楽しい未来です!!」

 

夢結「ええええーーーーーー・・・・・・!?ファミリー・・・?」

 

そんな梨璃は何も考えずに言い出しただけ。

 

 

 

 

その後。何故か夢結が学校で愛用しているティーセットが出て来た。

 

夢結「これは・・・何故こんな所に?幻覚かしら・・・?」

 

梨璃「ラムネもあります!」

 

鶴紗「猫!!」

 

梅「あははは!全部本物だぞ!」

 

手に持ってるレインボーラムネの蓋を開けた。

 

夢結「梅あなた・・・」

 

梅「いやぁ〜キャンプもちょっと飽きたし、皆に元気出して貰おうかと思って。」

 

梨璃「で、でもどうやって・・・?」

 

梅「ん?し、縮地使えば行けるぞ?」

 

梨璃「ま、梅様あああーーーーー!!」

 

そう。梅には縮地スキルを持っている為、無人島を軽々脱出出来る。

 

 

 

 

 

 

一方百合ヶ丘女学院では。

 

京輔「ん?」

 

龍馬「どうした?」

 

京輔「何か通ったような・・・」

 

龍馬「気のせいじゃね?」

 

それは、縮地スキルを使った梅によるものだった。

 

 

 

 

 

 

その後。梨璃達は無事無人島から脱出して百合ヶ丘に帰還。

 

神琳「わあ〜!キレイな小麦色のお肌♡」

 

梨璃「エヘヘ・・・焼けちゃいました〜。」

 

二水「2Pカラー梨璃さんです!!」

 

京輔「ゲームかよ。」

 

雨嘉「こんがりしておいしそう・・・」

 

龍馬「食おうとするな。」

 

二水「もっと見たいです〜!」

 

神琳「めくってしまいましょう♡」

 

雨嘉「見せて見せて!」

 

夢結「!?ちょっとあなた達!!・・・」

 

梨璃・神琳・雨嘉「?」

 

夢結「あ・・・腕・・・?」

 

捲ったのは服ではなく腕の袖だった。

 

梨璃「お姉様もそう思いますよね!腕よりお腹が見ものです〜〜〜!」

 

夢結「お、おやめなさいっ!!!」

 

京輔・龍馬「梨璃止めろ!!!」

 

『To Be Continued・・・』




作者「いやぁ〜、梅の縮地スキルは便利そうだな。これなら単独で世界一周出来そうだな。」




キャスト

稲葉京輔:千葉翔也

仁科龍馬:畠中祐

一柳梨璃:赤尾ひかる
白井夢結:夏吉ゆうこ
安藤鶴紗:紡木吏佐
吉村・Thi・梅:岩田陽葵

作者:naogran


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果実12「すいか」

作者「やぁ皆。アサルトビルド HAZARDの作者だ。2週間振りだな。さて、今日の物語はカオス中のカオス。そしてあのお方がゲストとして出演している。そのゲストとは誰なのか、彼女達のカオスを見てみよう。それでは、アサルトビルド おーぷすと!今回のテーマは『すいか』だ!レディー・・・ゴー!」


梨璃「わぁ〜い!四葉のクローバー見付かった〜!今日は何だか良い事ありそう!」

 

ある日。梨璃が草原で四葉のクローバーを発見した。

 

梅「お〜い梨璃〜!」

 

梨璃「ん?梅様!御機嫌よう!」

 

木の上でポテチを食べてる梅が居た。

 

梅「丁度良かった!ここで偶然会った記念にサプライズのプレゼントするぞ!」

 

梨璃「わぁ〜!何ですか!?」

 

そのプレゼントとは。

 

梅「ジャーーン!!」

 

プロレスラー・棚橋弘至の等身大フィギュアだった。

 

梅「さっき売店で当たったプロレスラー・棚橋弘至の超リアル等身大フィギュアだぞ!これ梨璃にやるよ!」

 

梨璃「えーー!?」

 

梅「因みに、結構近付くとセンサーで喋るぞ?なっ!」

 

棚橋弘至「愛してまーす!」

 

梅「うんと可愛がってくれよな!」

 

梨璃「あ、ありがとうございます・・・」

 

四葉のクローバーが”しな〜”と萎れた。

 

 

 

 

結局部屋に持って帰った。

 

梨璃「う〜ん・・・運ぶのに一苦労だよ・・・梅様の気持ちはとっても嬉しいけど、ちょっと困っちゃうなぁ〜。お部屋も狭くなるし、棚の中に仕舞っておこっと。」

 

早速フィギュアを仕舞おうとしたけど、重過ぎて運べない。

 

梨璃「よいしょ・・・っと・・・!!」

 

”グラッ”

 

梨璃「え!?」

 

”ガシャーン!”

 

梨璃「うわああああ!!」

 

バランスが崩れて梨璃に倒れた。梨璃がフィギュアに押し潰されてる。

 

梨璃「重いよー!誰か助けてー!」

 

棚橋弘至「愛してまーす!愛してまーす!愛してまーす!棚橋弘至です!」

 

梨璃「あ。違う台詞言った。」

 

 

 

 

 

 

突然のヒュージ襲来。

 

ヒュージ「ーーーーー!!」

 

そこにビルドとクローズと梅と鶴紗が迎え撃つ。

 

京輔「あのヒュージ、何処から湧いたんだ?」

 

梅「もぉ、梨璃は何処で何をしてるんだ?」

 

鶴紗「夢結様が探しに行ったから大丈夫。ってか、このヒュージ喋ってないか?」

 

龍馬「喋ってる?」

 

鶴紗「気のせいか殺気も感じない。」

 

 

 

 

 

 

一方梨璃を探しに行った夢結は。

 

夢結「梨璃!早く出ていらっしゃい!!さっきから呼んでいるでしょ!!開けるわよ!!」

 

開かないドアを強引に開けた。

 

梨璃「うわああああん!お姉様ーーーー!!動けなくなってごめんなさあーーーい!!!」

 

夢結「きゃああああああ!!」

 

棚橋弘至フィギュアに押し潰されてる梨璃に夢結が絶叫した。

 

 

 

 

 

 

夢結「梅梅梅梅梅梅梅梅!!ちょっとあなた!!」

 

梅「お〜夢結!やっと来たか!」

 

龍馬「お前何怒ってんだ?」

 

夢結「私に断りなく梨璃に物を与えないで頂戴!!」

 

梅「え?何かあげたっけ?」

 

夢結「お返しするわ!!」

 

棚橋弘至フィギュアを返却。

 

京輔「た、棚橋弘至フィギュア!?」

 

鶴紗「何だこれ?デッケェ〜。」

 

梅「あぁ〜。そう言えばあったなこれ。」

 

京輔「忘れてたんかい。」

 

梅「勝手してごめんな。夢結。」

 

龍馬「ん?おい見ろ!ヒュージが!」

 

ヒュージ「・・・・・」

 

棚橋弘至「愛してまーす!」

 

ヒュージが棚橋弘至フィギュアに一目惚れして持った。

 

龍馬「彼奴、棚橋選手のフィギュアを!」

 

鶴紗「夢中で話し掛けているな。」

 

梅「お〜い!知った仲なのか?それあげても良いぞ〜!」

 

こうして棚橋弘至フィギュアがヒュージの手元に渡った。

 

 

 

 

 

 

戦いの後。

 

鶴紗「そんな訳でフィギュア連れて帰って行ったけど、何だったんだ彼奴?」

 

龍馬「さぁ?」

 

梅「梨璃ごめんな!お詫びに受け取れ!」

 

コンパクトサイズの棚橋弘至フィギュア。

 

夢結「渡さないの!!」

 

梨璃「あはは・・・」

 

 

 

 

 

 

その後。

 

梨璃「みなさ〜ん、ふるーつバスケットはっじまるよ!」

 

一柳隊ふるーつバスケットとは。くじ引きでペアを組み換え、1日を過ごすと言う交流レクリエーションなのです〜。

 

楓「う・・・や、やった!やたたたたた!きましたわ〜〜〜〜〜♡♡ついに!!ついに私が報われる展開がきましてよ〜〜〜〜♡♡♡」

 

くじ引きで楓が梨璃を当てた。

 

梅「よかったナ、楓!!」

 

龍馬「楓に運が向いたな。」

 

鶴紗「あと2コマだけどな。」

 

神琳「あれ?でも、一人余っちゃいません?」

 

雨嘉「一柳隊は9人・・・だね。」

 

この2人はちびっこペアを当てた。神琳が二水。雨嘉がミリアム。

 

龍馬「おい二水。鼻血出てるぞ。」

 

夢結「・・・どうやら私が余りのようね。」

 

梨璃「そう思って、人数あわせにあのお人形お借りしてきました!!」

 

棚橋弘至フィギュアをお借りした。

 

ヒュージ「タナタナ♡」

 

夢結「・・・還してらっしゃい。」

 

京輔「よく許可してくれたな。彼奴。」

 

『To Be Continued・・・』




作者「まさかまさかの棚橋選手と本間選手が出演とはな。ライダー・プロレスラー・ベストマッチ!」




キャスト

稲葉京輔:千葉翔也

仁科龍馬:畠中祐

一柳梨璃:赤尾ひかる
白井夢結:夏吉ゆうこ
安藤鶴紗:紡木吏佐
吉村・Thi・梅:岩田陽葵

棚橋弘至フィギュア:棚橋弘至
ヒュージ:本間朋晃

作者:naogran


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果実13「みかん」

作者「やぁ皆。アサルトビルド HAZARDの作者だ。2週間振りだな。遂に今日が最終回。ここまで来るなんて早いものだな。今回も最後まで彼女達の活躍を見ていこう!それでは、アサルトビルド おーぷすと!最後のテーマは『みかん』だ!レディー・・・ゴー!」


二水「夢結さーん!梨璃さーん!おめでとうございまーす!」

 

ウェディング梨璃とウェディング夢結がブーケを持ってる。

 

梨璃「ケーキ入刀!」

 

二水「シュッツエンゲルの披露宴パーティーだなんて斬新ですねー!」

 

京輔「はいはいお2人さーん!こっち向いてー!笑顔下さーい!」

 

カメラマンの京輔と二水が撮りまくる。

 

京輔「花嫁同士の披露宴だなんて俺の天国だー!」

 

龍馬「過去最高の暴走。」

 

楓「嫁ではありませんわ・・・」

 

雨嘉「女の子の憧れだよね!皆に祝福される花嫁!素敵!」

 

楓「ですから嫁ではありませんのよ!」

 

鶴紗「五月蝿いなぁ・・・新しい門出に水を差すな。」

 

楓「キィー!!私は正論を言ったまでですわ!!」

 

梅「なぁなぁ!楓もウェディングケーキ食えよ!美味いぞ〜!」

 

楓「はぁ!?どのツラ下げて戴けば宜しいのよ!!」

 

ミリアム「夢結様。よく認めて下さったのう。派手な事は苦手かと思ったが。」

 

龍馬「お前にしては珍しいな。」

 

夢結「大切なシルトが望む事ですもの。叶えてあげたいと思ったのよ。」

 

二水「フムフム!成る程!」

 

京輔「良いインタビューだぜこりゃあ!」

 

夢結「梨璃。幸せ?」

 

梨璃「はい!私、とっても幸せです!」

 

ミリアム「お〜お〜。イチャイチャしおって。」

 

二水「シャッターチャンスです!」

 

京輔「この光景を見逃す訳にはいかない!」

 

夢結「私もあなたと同じ気持ちよ。」

 

梨璃「お姉様・・・いえ夢結様!大好きです!」

 

イチャイチャが熱くなった。

 

龍馬「めっちゃ熱くなってる・・・!」

 

京輔「流石に度を超してるぞ・・・!」

 

梅「コラコラ。続きは2人っきりの時にな。」

 

鶴紗「これだから新婚さんは。楓!ケーキおかわり!」

 

楓「聞こえない・・・私には何も聞こえませんわ・・・」

 

梨璃「そろそろブーケトス!行っくよー!」

 

楓「き、来ましたわ!!」

 

ミリアム「宴もたけなわじゃのう。」

 

楓「私必ず勝ち取ってみせます!!そしてー!ブーケと共に梨璃さんを奪って逃げます!!」

 

ミリアム「何じゃそのルールは!?」

 

京輔・龍馬「駆け落ちか!!」

 

神琳「私も負けませんよ!勝負には勝たねばなりません!」

 

雨嘉「私も取ってみたい・・・花嫁のブーケは女の子の憧れ・・・」

 

楓「あー!皆さん私の敵でしたの!?」

 

京輔「では梨璃さん。お願いします!」

 

梨璃「はい先生!それー!」

 

ブーケを後ろ向きに投げた。

 

楓「私が!」

 

ミリアム「ワシが!」

 

神琳「私が!」

 

雨嘉「私が!」

 

二水「誰が!」

 

梅「おっしゃー!鶴紗!繋げ!」

 

鶴紗「はいよ!」

 

ブーケをスパイクして、鶴紗がトスした。

 

夢結「あら?戻って来てしまったわ。」

 

ブーケが夢結の手元に戻って来た。

 

雨嘉「女の子の夢が・・・」

 

神琳「梅様・・・ブーケトスご存知です?」

 

梅「おう!地面に落とさなかったから大成功だぞ!な?鶴紗。」

 

鶴紗「知らない。」

 

龍馬「それバレーだろ!!いいか?ブーケトスって言うのはな。」

 

梅「おうおう。」

 

夢結「ふふ。2回目の式をなさいって意味なのかしら?」

 

梨璃「はい!何度でもしますよ!」

 

京輔「いやぁ〜感服感服〜!」

 

楓「ああもうやってられませんわーーーー!!」

 

京輔「それじゃあ集合写真を撮ろう!はいチーズ!」

 

集合写真を撮った。

 

一柳隊「お幸せに!」

 

 

 

 

その後。

 

二水「皆さん、お風呂上りの一杯、いかがですか?ふるーつにラムネを注いだふるーつカクテルです〜〜!!」

 

ミリアム「わは〜〜!締めの乾杯じゃな〜〜!」

 

雨嘉「ふるーつがキラキラしてきれい・・・」

 

神琳「これ飲んだら幸せのお裾分けいただけそうです♡ね、雨嘉さん。」

 

一緒にふるーつカクテルを飲んでる神琳と雨嘉。

 

鶴紗「はやく飲みたい・・・」

 

梅「鶴紗!耐えろ!!こらえるんだ!!主役の二人が戻るまでガマンガマンの子だゾ!!!!」

 

ジョッキ大の梅と鶴紗。

 

楓「いい度胸ですわね、お二人でどこぞへけし込むなんて・・・自棄ラムネ、呑んで呑んで呑みまくってやりますわ。」

 

やさぐれ楓が呑みまくる。

 

梨璃「す〜〜〜・・・」

 

夢結「・・・片付けの途中で眠ってしまうなんて・・・よっぽど疲れたのね。これからも宜しくね。私のシルトさん。」

 

京輔「いやぁ〜俺のコレクションがガッポリ増えたぜオイ!」

 

龍馬「あ〜・・・俺達の家が百合で埋め尽くされていく〜・・・」

 

『See you!』




作者「最後は梨璃と夢結の披露宴で締めたかぁ。いやぁ〜百合は尊いなぁ〜。それでは皆!また何処かで会おう!サラバだ!」




キャスト

稲葉京輔:千葉翔也

仁科龍馬:畠中祐

一柳梨璃:赤尾ひかる
白井夢結:夏吉ゆうこ
楓・J・ヌーベル:井澤美香子
二川二水:西本りみ
安藤鶴紗:紡木吏佐
吉村・Thi・梅:岩田陽葵
郭神琳:星守紗凪
王雨嘉:遠野ひかる
ミリアム・ヒルデガルド・v・グロピウス:高橋花林

作者:naogran


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##アサルトビルド COUNT/DOWN##
COUNT5・楽園ユートピア


真っ黒の空間。1時間の謎のカウントダウンが進んでいる。

 

京輔「ウオオオオオ!!」

 

???「ハアアァァァァ!!」

 

この空間で火花を散らしながら戦う仮面ライダービルドと謎のリリィ。カウントダウンが刻一刻と刻まれていく。

 

 

 

 

 

 

東京都内。一柳隊が飛翔している。

 

梨璃「・・・・」

 

二水「梨璃さん、どうかしました?」

 

梨璃「何か胸騒ぎがするの。」

 

 

 

 

 

 

黒い空間。

 

京輔「ハァ・・・ハァ・・・」

 

謎のリリィ「・・・・」

 

そのリリィの手には、ダインスレイフと酷似したCHARMを握っている。

 

謎のリリィ「ハアアァァァ!!!」

 

京輔「ウオオオオオ!!!」

 

ビルドと謎のリリィが激闘を繰り広げる。

 

 

 

 

 

 

午前11時59分。東京都某所。黒い装束を身に纏った大衆が巨大なビルに祈りを捧げている。

 

謎のリリィ「神が6日で世界を創造したのなら、私はそれを60分でそれを破壊し、楽園を創造する。神が創りし空も大地も海も星も、そして・・・命ある全ての者は、この世界と共に消える。」

 

午前12時。巨大なビルの最上階にある儀式の間で謎のリリィがグングニルを台に突き刺すと60分のカウントダウンが始まった。

 

謎のリリィ「さぁ、世界を賭けた戦いを始めよう!」

 

そこに現れたのは、ラビットタンクフォームの仮面ライダービルドだった。

 

京輔「お前の思い通りにはさせない!!」

 

謎のリリィ「ハアアァァァァ!!!」

 

京輔「ダアアァァァァ!!!」

 

ビルドのパンチと謎のリリィのCHARMが激突し、周囲に火花が舞い上がった。

 

 

 

 

『この世界は、苦しみに満ちている。我々は、生まれながらにして神から生きる試練を与えられた。しかし、もう悲しむ必要はない。苦しむ必要はない。もう理不尽な運命に耐える必要はないのだ!私が、全てを解放するのだから!』

 

 

 

 

ビルドと謎のリリィの激闘の最中、空間の天井が開いて太陽が照らした。

 

 

 

 

『私はアルテミス。楽園ユートピアの創造主にして、人類を導く存在。』

 

 

 

 

『ジェット!』

『ロケット!』

 

『ジャストマッチデース!』

『ジャストマッチブレイク!』

 

超高速のロケット砲がアルテミスの右腕を爆破させたが、アルテミスの右腕が一瞬で再生した。

 

京輔「何!?」

 

 

 

 

『さぁ、私に選ばれた信者達よ。変身せよ!!立ち上がるのよ!!私に選ばれたあなた達は、この戦いの後、楽園ユートピアに導かれる!!私に選ばれなかった愚かな人間達の魂を、この世界と共に滅ぼすのよ。』

 

 

 

 

 

 

12時01分。西港エリア。謎の集団が現れた。

 

カルミア「さぁ、この世界を終わらせよう。楽園ユートピア創造の為に。」

 

ホウセンカ「オーケー。アルテミス様のたーめーに。」

 

その集団は、右手に赤色のグングニルを握った。

 

 

 

 

北新宿エリア。

 

シクラメン「世界最後の60分を、満喫しようね。」

 

アジサイ「楽園ユートピア創造の為に。」

 

ここでも赤色のグングニルを握った。

 

 

 

 

『人間達よ。逃げる場所はこの世界の何処にもない。一切存在しない。助かる術は、ただ1つ。ヘブンに救済を求め、この私に選ばれる事だけ。』

 

 

 

 

西港エリアで、カルミアが逃げ惑う人々に手榴弾を投げた。その手榴弾から赤い煙が噴出し、逃げ惑う人々を苦しませた。

 

 

 

 

『お前達が導かれるのは、楽園か、それとも・・・地獄か。』

 

 

 

 

午前3時。イギリスロンドンでは、3機のハリアーが地上に爆弾型のカプセルを投下して赤い煙を噴出させた。

 

 

 

 

午後2時。オーストラリアシドニーでも同じ事件が発生していた。

 

 

 

 

同時刻。北新宿エリア。

 

『ただ祈るが良い。楽園ユートピアへ導かれる事を。』

 

一葉「・・・・・」

 

アルテミスの演説を観てるヘルヴォルがそこに居た。

 

千香瑠「楽園ユートピア・・・」

 

藍「美味しい物いっぱいあるのかな〜?」

 

恋花「んな呑気な事言ってる場合か?」

 

瑤「兎に角行くわよ。」

 

 

 

 

同時刻。千代田区。

 

『あなた達の人生は終わる。』

 

叶星「大変な事になったね。」

 

高嶺「ええ。」

 

灯莉「僕達はもしかして、選ばれなかった人間達?」

 

紅巴「楽園ってどんな所なのかな?」

 

姫歌「良い所だったら良いけど。」

 

 

 

 

同時刻。百合ヶ丘女学院。

 

『カウントダウンが0になったその時に。』

 

高松「・・・・」

 

 

 

 

 

 

残り時間57分29秒。

 

京輔「ッ!!」

 

タンクタンクフォームのビルドがアルテミスと激闘を繰り広げてる。

 

アルテミス「ハァッ!!!」

 

京輔「ぐああああああ!!!」

 

アルテミス「フフッ。」

 

京輔「だったら、これで!!」

 

『Ready Go!!』

 

『ボルテック・フィニッシュ!』

『イエーイ!』

 

全身にキャタピラを装着して超高速でアルテミスに迫る。

 

アルテミス「させない!!」

 

京輔「ウオオオオオオオ!!!」

 

ダインスレイフでビルドの攻撃を防ぐ。ビルドは威力を上げるが。

 

アルテミス「フンッ!!」

 

京輔「ぐあっ!!!」

 

ダインスレイフを振ってビルドを押し飛ばした。

 

アルテミス「死になさい。」

 

ダインスレイフから血液が流れ、刀身を纏わせた。

 

京輔「ビルドアップ!!」

 

『紅のスピーディージャンパー!』

『ラビットラビット!』

『ヤベーイ!ハエーイ!』

 

ラビットラビットフォームに戻し、超高速で縦横無尽に逃げ回る。

 

アルテミス「無駄よ。」

 

左手を突き出すと、ビルドが見えない力で束縛された。

 

京輔「ッ!?」

 

アルテミス「ハァッ!!!」

 

超高速でビルドに迫り、血液を纏ったダインスレイフでビルドを切り裂いた。

 

京輔「ぐああああああああ!!!」

 

ダインスレイフを喰らったビルドが倒れ、変身解除された。

 

京輔「ハァ・・・ハァ・・・!」

 

アルテミス「これで良い。」

 

彼女の左手に、ハザードトリガーが。

 

京輔「返せ・・・!!」

 

アルテミス「失せろ。」

 

巨大なマギスフィアを生成し、京輔に向けて飛ばした。

 

京輔「マズい!!」

 

『ラビット!』

『タンク!』

『ベストマッチ!』

 

スナップライドビルダーが形成され、赤と青の2つのハーフボディが生成された。

 

『Are You Ready?』

 

京輔「ぐああああああああ!!!」

 

変身中にマギスフィアを受けて飛ばされた。

 

 

 

 

マギスフィアを受けた京輔は、ビル群を貫いて飛ばされて落下した。ビルドフォンが遠くへ飛ばされた。

 

 

 

 

聖域。

 

アルテミス「さぁ、始めましょう。楽園ユートピア創造の儀式を。」

 

グングニルに、ハザードトリガーを装填した。

 

 

 

 

 

 

そして京輔は、車の上に落下し、そのまま気絶した。

 

『To Be Continued・・・』



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COUNT4・創造主のメッセージ

無人電車に乗ってる京輔が目を覚ました。

 

京輔「・・・何だここ?電車?・・・誰もいない。貸し切りか?」

 

 

 

 

電車が東京駅に到着した。

 

京輔「着いたか。・・・っ!?」

 

電車を降りると、地面に人々が横たわっていた。

 

京輔「何だコレ・・・?どうなってんだ・・・?ん?」

 

電車から降りる2人組の男女を発見した。

 

京輔「アレは?」

 

駅に降りた2人組を追う。

 

京輔「待ってくれ!!」

 

女性「この世界で意識を保てるなんて・・・珍しい人。」

 

男性「あなたは特殊な人なんだね。」

 

京輔「・・・どう言う意味だ?」

 

 

 

 

 

 

残り時間54分50秒。西港エリア。人々が信者達から逃げ惑う。

 

カルミア「ハッハッハッハッハ!!」

 

???「待ちなさい!!」

 

カルミア「ん?」

 

そこに、一柳隊が現れた。

 

梨璃「あなた達は何者ですか!?」

 

ホウセンカ「選ばれた者だよ?」

 

夢結「さっきの女の信者ね?」

 

楓「これ以上の野暮はお止めなさい!!」

 

一柳隊が信者達と戦う。

 

鶴紗「ハッ!!」

 

ティルフィングから弾丸を連射した。

 

ホウセンカ「クッ!寄越せ!!」

 

隣に居た信者からグングニルを奪い、ライフルモードで連射する。

 

鶴紗「クッ!!」

 

グングニルの弾丸を避ける。

 

ホウセンカ「フフッ。」

 

手榴弾を投げようとしたが。

 

ホウセンカ「がはっ!!」

 

雨嘉「させないよ!」

 

上から雨嘉がアステリオンで狙撃して阻止した。

 

ミリアム「そこじゃああああ!!」

 

信者達「うわああああああああ!!!」

 

大ジャンプしミョルニールを地面に叩き付けて、周囲の信者達を舞い上がらせた。

 

神琳「ハァッ!!」

 

舞い上がった信者達をマソレリックで切り裂いた。

 

梅「ふーみん!行くぞ!」

 

二水「は、はい!!」

 

タンキエムとグングニルの連射で信者達を倒した。

 

カルミア「情けないわね。」

 

高みの見物をしていたカルミアが手榴弾を投げ、逃げ遅れた老夫婦を苦しませた。

 

ミリアム「しまった!!」

 

老夫婦は苦しみ、倒れた。

 

カルミア「フッ。」

 

その場を去って行った。

 

夢結「あ!待ちなさい!!」

 

 

 

 

 

 

東京駅。老夫婦が倒れたまま出現した。

 

京輔「・・・・・!?」

 

男性「また・・・」

 

京輔「なぁ!ここは何なんだ?」

 

女性「ここは地獄。滅んだ人間が葬られる場所。」

 

京輔「地獄・・・!?」

 

女性「私達はこの地獄を終わらせたい。」

 

 

 

 

 

 

残り時間53分14秒。百合ヶ丘女学院駐車場では、ガスマスクを着けた1人の女性がキャリーケースを持って車に乗り込もうと急いでいた。

 

高松「坂崎真純君。こんな非常事態に何処へ?」

 

坂崎「り、理事長代行には関係のない事です!」

 

史房「いえ坂崎教官。関係のない事はありません。」

 

そこに百由と生徒会の3人が現れた。

 

祀「工廠科の技術を外部へ横流しした疑いがあなたに掛かっています。」

 

眞悠里「詳しく聞かせて貰いましょうか?」

 

坂崎「私は選ばれたのよ!楽園へ行くのよ!!」

 

百由「させない!!」

 

逃げようとする坂崎を百由が止めた。

 

坂崎「退きなさい!!」

 

百由「フッ!!」

 

坂崎「うああああああ!!」

 

腕を掴まれて身動きを封じられた。

 

百由「さぁ、詳しく聞かせて貰いますよ。」

 

 

 

 

 

 

残り時間52分42秒。北新宿エリア。

 

叶星・高嶺「ハアアァァァァ!!!」

 

グランエプレが信者達と戦っている。

 

信者「こんの!!」

 

姫歌「ハァッ!!」

 

灯莉「ヤァッ!!」

 

紅巴「フッ!!」

 

信者達「うわあああああ!!」

 

シクラメン「クッ!囲め!!」

 

周りの信者達がグランエプレを取り囲んだ。

 

叶星「っ!!」

 

 

 

 

クローズドラゴン「ーーーーーーー!!」

 

 

 

 

そこにクローズドラゴンが現れ、グランエプレを取り囲む信者達を蹴散らした。

 

叶星「あ、あれは!!」

 

階段を降りる龍馬の姿を見た。彼もガスマスクを着けている。

 

姫歌「龍馬さん!!」

 

シクラメン「ん?」

 

龍馬「誰の許可で妙なもんをばら撒いてるんだ!!」

 

クローズドラゴンにドラゴンフルボトルを装填した。

 

『ウェイクアップ!』

 

そのままビルドドライバーに挿し込んだ。

 

『クローズドラゴン!』

 

ボルテックレバーを回した。すると2人の周囲にスナップライドビルダーが形成された。

 

『Are You Ready?』

 

龍馬「変身!!!」

 

スナップライドビルダーが作動して、龍馬に2つのハーフボディを纏わせた。

 

『Wake up burning!』

『Get CROSS-Z DRAGON!』

『Yeah!』

 

仮面ライダークローズに変身した。

 

龍馬「ハァッ!ダァッ!!ドルアッ!!」

 

遅い来る信者達を肉弾戦で蹴散らした。

 

龍馬「お前達、大丈夫か?」

 

叶星「助かりました!」

 

高嶺「そうでもないわ。」

 

信者達が次々と襲い掛かって来る。

 

龍馬「ウジャウジャ湧きやがって!!」

 

信者達を次々と倒しまくる。

 

 

 

 

上空から5つの影が現れた。

 

 

 

 

5つの影が、クローズの前に着地した。ヘルヴォルの5人だった。

 

一葉「龍馬様、お怪我は?」

 

龍馬「一葉!お前達も!」

 

藍「こいつらの好きにさせない〜!」

 

信者「そこ!!」

 

グングニルの弾丸を、恋花のブルンツヴィークが切り裂いた。

 

恋花「邪魔しないでよね!!」

 

千香瑠「ヤァッ!!タァッ!!」

 

龍馬「オラァ!!デアッ!!」

 

クローズとヘルヴォルが周囲の信者達と激闘を繰り広げる。

 

『ヒッパレー!ヒッパレー!ヒッパレー!』

 

『メガヒット!』

 

龍馬「ダアアアアアア!!!」

 

ヘルヴォル「ヤアアアアア!!!」

 

周囲の信者達をクローズとヘルヴォルが倒した。ただし、シクラメンとアジサイは間一髪避けて無傷。

 

シクラメン「退却よ。」

 

アジサイ「ええ。」

 

2人がグングニルの弾丸を放った。

 

龍馬・一葉「ハァッ!!」

 

ビートクローザーとブルトガングで弾丸を切り裂いた。だが、シクラメンとアジサイは姿を消した。

 

龍馬「何なんだアイツら?」

 

梨璃「龍馬先生ーーーー!!」

 

龍馬「ん?」

 

そこに、梨璃と夢由と楓と神琳と雨嘉が駆け付けた。

 

龍馬「お前ら。」

 

一葉「梨璃様!皆様も!」

 

夢結「久し振りね。」

 

神琳「龍馬先生。京輔先生からの伝言があります。」

 

龍馬「京輔から?」

 

梨璃「これです。」

 

アタッシュケースを見せた。

 

 

 

 

 

 

残り時間50分33秒。北新宿エリア。

 

叶星「ハァッ!!」

 

高嶺「数が多いわね!!」

 

姫歌「キリがない!!」

 

ホウセンカ「ハアアァァァァァ!!」

 

叶星「ッ!!」

 

カルミアとホウセンカが現れた。

 

紅巴「新手!?」

 

ホウセンカ「オラオラオラオラァ!!」

 

グングニルを乱射する。

 

梅「よっと!!」

 

鶴紗「ハァッ!!」

 

そこに梅と鶴紗が現れ、弾丸を粉砕した。

 

叶星「皆さん!!」

 

梅「おう!元気してたか?」

 

ミリアム「どりゃあああああああ!!!」

 

そこにミリアムが大ジャンプで現れ、カルミア達にミョルニールを叩き付ける。

 

カルミア・ホウセンカ「うわあああああああ!!!」

 

ミリアム「どうじゃ!!」

 

しかし、カルミアとホウセンカが別の信者2人を盾にして無傷で済んだのだ。

 

ミリアム「仲間を盾にするとは、下衆な奴じゃのう。」

 

カルミア「潮時ね。」

 

ホウセンカ「もうここは用無しね。」

 

すると2人が、お互いを切り裂いて自決した。

 

全員「ッ!?」

 

???「あなた達!」

 

二水「あ!セレスさん!!」

 

CIA所属の国際スパイのセレスフィッツランド現れた。

 

叶星「どうしてここに?」

 

セレス「京輔から、あなた達にこれを渡すよう頼まれてね。」

 

彼女は持ってるアタッシュケースを開けた。中にはバイザーとフルボトルが入ってる。

 

高嶺「バイザーと、フルボトル?」

 

 

 

 

 

 

西新宿エリア。

 

龍馬「・・・・」

 

バイザーにフルボトルを装填し、右目に装着した。

 

梨璃「ガスマスクと同じ効果があります。」

 

龍馬「そうか。」

 

ガスマスクを外した。

 

龍馬「それで、京輔がどうしたんだ?」

 

夢結「これを見て。」

 

小型モニターを操作し、京輔のビデオレターを映す。

 

 

 

 

京輔『梨璃。夢結。そして皆。今朝俺の元にこれが届けられた。』

 

1枚のディスクをパソコンに入れて映像を映す。

 

アルテミス『私は楽園ユートピアの創造主アルテミス。本日正午、世界滅亡の儀を始める。私を止められるかしら?稲葉京輔。』

 

彼女の持ってるダインスレイフと酷似したCHARMの画面を拡大する。

 

京輔『あのダインスレイフ。何か秘密があるらしい。俺はアルテミスを止める。』

 

ビデオレターが終わった。

 

 

 

 

龍馬「ダインスレイフ・・・ゲヘナじゃない別の組織が関与してるみたいだ。」

 

 

 

 

叶星「何としても止めないと・・・」

 

そこに梨璃からの通信が入った。

 

梨璃『そちらも繋がったみたいですね。』

 

高嶺「梨璃さん!」

 

叶星「それで、京輔さんは?」

 

 

 

 

梨璃「実は、通信が途絶えてしまって・・・」

 

夢結「・・・・」

 

 

 

 

 

 

東京駅。

 

京輔「なぁ、アンタ達はアルテミスについて何か知ってるんじゃないのか?」

 

女性「話した所で、あなたに何が出来ると言うの?」

 

男性「誰も、彼女を止める事は出来ない。」

 

京輔「俺は天才物理学者。不可能を可能にする力を持ってる。教えてくれ。アルテミスの事を。」

 

 

 

 

 

 

残り時間47分43秒。西港エリア。

 

ミリアム「どう言う事じゃ?まだ脈が動いてるぞ?」

 

被害者の脈がまだ正常に動いている。

 

二水「どうやら、各地の被害者もまだ生命反応があるみたいです。」

 

タブレットとバイザーで被害者の容体を調べた。

 

鶴紗「どう言う事だ・・・?」

 

 

 

 

 

 

北新宿エリア。

 

龍馬「一般市民の避難は?」

 

千香瑠「大丈夫。既に完了しているわ。」

 

龍馬「梨璃。夢結。京輔は1人でアルテミスを止めに行ったのか?」

 

梨璃「・・・はい。」

 

 

 

 

 

 

京輔『アルテミスは俺に挑戦状を持ち掛けた。これは俺と彼奴の戦い。だから俺1人で行く。』

 

 

 

 

 

 

夢結「私達は信じてるわ。先生が負ける訳ないと。」

 

龍馬「そうか。」

 

藍「ん〜・・・」

 

一葉「ん?藍様?」

 

藍「ねぇ〜、全然起きないよ〜?」

 

龍馬「何?おい起きろ!お前ら何者だ!」

 

グングニルを取り上げた瞬間、信者が赤い煙と化して霧散した。

 

藍「えっ!?」

 

残ったのは、信者の衣服だけ。

 

龍馬「何・・・!?」

 

楓「バイザーで調べましたが、この信者達は人間でもヒュージでもありません。未確認物体の類です。」

 

龍馬「未確認物体?」

 

恋花「どれってどう言う事?」

 

梅『その答えは、彼奴らの兵器にありそうだぞ。』

 

龍馬「梅か。」

 

梅『今こっちでセレスが調べ始めてる所だぞ。』

 

神琳「分かりました。そちらに兵器のデータをバイザーで転送します。」

 

梅『オーケー。』

 

 

 

 

 

 

西港エリア。

 

梅「お!転送されたぞ!」

 

セレス「梅。データをこっちに。」

 

梅「ほいほーい。」

 

兵器のデータをセレスに転送。

 

セレス「これね。」

 

転送された兵器のデータをノートパソコンで解析する。

 

二水「私はこのグングニルを調べてみます。」

 

タブレットで信者達が使用したグングニルを解析する。

 

 

 

 

 

 

残り時間44分48秒。儀式の間。

 

アルテミス「我が信者達よ!!祈りを捧げよ!!世界を滅ぼす力を生み出すのは、他でもない!!!あなた達よ!!!!!」

 

信者達「ウオオオオオオオオオオオ!!!!」

 

 

 

 

 

 

西港エリア。

 

”ブーブー”

 

セレス「ゲッ!」

 

鶴紗「どうした?」

 

セレス「奴らのデータに、侵入しちゃマズかったみたい・・・」

 

紅巴「どう言う事ですか?」

 

二水「ん?」

 

何かを感じた二水が、レアスキル鷹の目を発動した。

 

二水「北新宿に何かが接近中です!!」

 

梅「っ!!」

 

レアスキル縮地で北新宿へ向かった。

 

 

 

 

 

 

北新宿エリア。

 

瑤「何あれ?」

 

空から接近する物体を発見。

 

梨璃「戦闘機!?」

 

戦闘機が機関砲を連射した。

 

夢結「皆避けて!!」

 

全員が左右に避けた。

 

夢結「梨璃大丈夫!?」

 

梨璃「はい!」

 

龍馬「野郎!」

 

スクラッシュドライバーを装着した。

 

『スクラッシュドライバー!』

 

龍馬「ナメた真似しやがって!!」

 

ドラゴンスクラッシュゼリーのキャップを捻って、スクラッシュドライバーに装填した。

 

『ドラゴンゼリー!』

 

龍馬「変身!!」

 

『潰れる!流れる!溢れ出る!』

『ドラゴンインクローズチャージ!!』

『ブラァ!!』

 

仮面ライダークローズチャージへ変身した。

 

龍馬「ッ!!」

 

戦闘機がクローズチャージに突進して飛び去った。

 

梨璃「龍馬先生!!」

 

一葉「龍馬様!!」

 

 

 

 

 

 

戦闘機に突進されたクローズチャージは。

 

龍馬「グッ・・・!!」

 

戦闘機にしがみ付いていた。

 

龍馬「この野郎・・・!!おいパイロット!!顔を見せやがれ!!」

 

コックピットのハッチをこじ開けた。赤い煙が晴れると、そこには。

 

龍馬「なっ!?誰も居ねえ!?」

 

戦闘機は無人だった。

 

龍馬「どうなってるんだ!?」

 

梅「分かったぞ!!」

 

龍馬「梅!!」

 

縮地で高層ビルをジャンプしながらクローズチャージと合流した。

 

梅「その赤い煙の正体は、AI搭載型のナノマシンだ!!」

 

龍馬「ナノマシン!?さっきの煙もそうか!」

 

 

 

 

 

 

西港エリア。

 

姫歌「ナノマシン・・・」

 

灯莉「さっきのガスは、そのナノマシンの集合体だったのかも。」

 

叶星「CHARMのデータは解析出来そうですか?」

 

二水「破損したデータは復旧しましたが、パスワードが・・・」

 

 

 

 

 

 

上空。

 

龍馬「クッ・・・!ダメだ・・・!もう保たねえ・・・!!」

 

”バキッ!”

 

龍馬「あ・・・」

 

掴んでる取手が折れてしまった。

 

龍馬「うぎゃああああああーーーーーーー!!!」

 

梅「先生ぇーーーーーーーー!!!!」

 

クローズチャージはそのまま後ろへ飛ばされてしまった。

 

梅「仕方ないか。」

 

 

 

 

縮地で戦闘機から逃げ回る。

 

梅「ホラホラこっちだぞ!!」

 

戦闘機は梅を縦横無尽に追いながら、機関砲とレーザーを連射。

 

 

 

 

梅「へっへっへ!先生!!」

 

『Ready Go!!』

 

ビルの上に待機していたクローズチャージがツインブレイカーにクローズドラゴンを装填し、スクラッシュドライバーのアクティベイトレンチを押した。

 

『レッツブレイク!』

 

龍馬「ドルアアアアア!!!!」

 

クローズドラゴン・ブレイズ型のエネルギーを発射し、戦闘機を破壊した。

 

龍馬「どうだ!!」

 

だが、破壊された戦闘機の破片がクローズチャージに落ちて来る。

 

梅「ハッ!!」

 

クローズチャージを掴み、高層ビルの屋上へ走り出した。

 

 

 

 

 

 

高層ビルの屋上。

 

龍馬「梅、助かった。」

 

梅「と言いたいけど・・・」

 

周囲に無数の戦闘機が現れた。

 

龍馬「マジかよ・・・」

 

 

 

 

 

 

西港エリア。

 

龍馬・梅『ウワアアアアアアアーーーーーー!!!!』

 

断末魔と共に、2人の通信が途絶えた。

 

鶴紗「梅様!?先生!?大丈夫か!?」

 

ミリアム「梅様!!龍馬先生!!」

 

セレス「・・・・」

 

そこに、ある人物から通信が入った。

 

クラトス『無事を祈るしかなさそうだ。』

 

二水「クラトスさん!」

 

FBI捜査官のクラトス・ティプシー。

 

叶星「クラトス捜査官も居たんですね。」

 

 

 

 

 

 

残り時間41分20秒。百合ヶ丘女学院・理事長室。

 

クラトス「ああ。理事長代行からの依頼で急遽来日したんだ。」

 

理事長室には、縛られた坂崎。そしてアールヴヘイム、生徒会、高松も居る。

 

クラトス「それよりも、ナノマシンについて手掛かりがあるんだ。これを見てくれ。」

 

バイザーからある資料を出した。

 

クラトス「嘗てのCHARM開発計画に、ナノマシンの開発企業が参加していた。リリィの医療に役立てる為の。」

 

叶星『医療?』

 

クラトス「そうだ。CHARMと契約したリリィの体内を巡回し、身体全体に薬を運んで、マギスフィアによる悪影響箇所を治療する、人工知能搭載型ナノマシン。その開発チームのリーダーが、假屋崎麗奈。アルテミスの正体だ。」

 

『To Be Continued・・・』



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COUNT3・ナノマシンと滅びの力

森林。

 

京輔「ナノマシンの開発?」

 

男性「そう。アルテミスと一緒にね。」

 

女性「けど、ある日を境に彼女は変わった。彼女は・・・人間である事を捨てたのよ。」

 

京輔「人間を捨てた?」

 

 

 

 

しばらく進むと、1つの教会が見えた。

 

京輔「あの教会は?」

 

 

 

 

 

 

残り時間40分37秒。百合ヶ丘女学院・理事長室。

 

クラトス「假屋崎麗奈は12年前に突如行方不明となった。だが彼女は、1年前に遺体で発見された。」

 

鶴紗『死んだはずの人間が、何故今も生きているんだ・・・?』

 

梨璃『何か秘密があるかも知れません。』

 

クラトス「皆。」

 

梨璃達が西港エリアで合流した。

 

 

 

 

 

 

儀式の間。

 

アルテミス「・・・・・・」

 

 

 

 

12年前。假屋崎麗奈は、開発チームと共にナノマシンの開発に勤しんでいたが。

 

麗奈『ナノマシンが暴走してる!?』

 

ある出来事を切っ掛けに、麗奈はナノマシンで自分の身体をデータ化し、楽園ユートピアの創造主アルテミスとして君臨した。

 

 

 

 

 

 

教会。

 

女性「アルテミスは世界を滅ぼそうとしている。」

 

京輔「・・・・」

 

蝋燭に触れようとしたが、蝋燭はデータ化したもの。京輔は触れられない。

 

京輔「どうやって止めるんだ?」

 

男性「これだ。」

 

京輔「ッ!?」

 

教会にある土台。その土台に突き刺さってるグングニルを見た。

 

女性「世界崩壊と言う扉を、開ける為の鍵を使って。」

 

京輔「あれは・・・・」

 

グングニルに装填されてる、赤いハザードトリガーを見た。

 

京輔「アルテミスは最初から、俺を誘き出してハザードトリガーを奪おうと画策していたのか。」

 

男性「僕達がアルテミスを止める。止めなきゃいけないんだ。」

 

2人は、グングニルに装填されてるハザードトリガーを抜こうとする。しかし、ハザードトリガーはビクともしない。

 

男性・女性「・・・・・!!!!」

 

京輔「・・・・ん?」

 

そんな時京輔は、2人の手を見た。

 

女性「・・・ゴメン・・・やっぱり止められない・・・」

 

男性「もう・・・ダメなのか・・・」

 

絶望する2人に対し、京輔は。

 

京輔「・・・俺が、アルテミスは止めてみせる。」

 

女性「不可能よ!あなたはここから出られない!」

 

彼女が京輔に触れようとしたが、京輔の身体はデータ化されていた。

 

女性「え・・・!?」

 

京輔「出られる。どうやら、俺が本当に居るのはこの世界じゃないみたいだな。」

 

男性「・・・・」

 

京輔「アルテミスにぶっ飛ばされた後、ドライバーとフルボトルが俺を守ってくれた。未知の物理学が、俺をこの世界へ送り込んだみたいだ。アルテミスは、俺が止める。」

 

そう2人に告げて、教会を後にしようとした。

 

女性「アルテミスに伝えて!!ーーーーーーー!」

 

京輔「え・・・!?」

 

彼女が言った言葉に、京輔は驚いた。そして、この世界から京輔が消えた。

 

 

 

 

 

 

残り時間38分59秒。儀式の間付近。

 

京輔「あ・・・痛てて・・・」

 

意識を失っていた京輔が目を覚ました。車の上から降りた。

 

京輔「アルテミスを止めに行かなきゃ・・・」

 

???「大丈夫ですか?先生。」

 

京輔「え?」

 

そこに現れたのは、六角汐里と伊藤閑だった。

 

閑「怪我はない?」

 

京輔「汐里・・・閑・・・何でここだって分かったんだ?」

 

閑「水夕会とシュバルツグレイルが信者達と戦っていた時に、これが落ちて来たの。」

 

懐からビルドフォンを出した。

 

汐里「現地では他のリリィ達が巡回しています。」

 

京輔「そうか。ありがとよ。」

 

ビルドフォンを閑から受け取った。

 

『ビルドチェンジ!』

 

マシンビルダーへ変形させ、搭乗して儀式の間へフルアクセルで向かった。

 

 

 

 

 

 

残り時間37分44秒。儀式の間。

 

アルテミス「祈り続けろ!!世界の滅亡を!!」

 

すると、グングニルに装填されたハザードトリガーが真っ赤に染められた。

 

『ブラッドオン!』

 

ブラッドトリガーをアルテミスが抜き、儀式の間の中心に立つ。

 

アルテミス「あなた達の祈りが、世界を滅ぼす力となった!!!!」

 

”ブオオオォォォォン!!!!”

 

儀式の間に、マシンビルダーに乗った京輔が再び現れた。

 

京輔「・・・・」

 

ヘルメットを脱ぎ、マシンビルダーから降りた。

 

京輔「アルテミス。お前が創ろうとしてる、楽園ってのは何なんだ!」

 

アルテミス「良いわ。今見せてあげる。」

 

右手を突き出すと、血が集まり、ダインスレイフが具現化された。

 

アルテミス「私のCHARM、このユグドラシルがあなたを地獄へ突き落とす。」

 

京輔「ッ!!」

 

左手にラビットタンクスパークリングを持って振って、左人差し指でシールディングタブを引き起こして起動させた。

 

ラビットタンクスパークリング!

 

ボルテックレバーを回し、スナップライドビルダーを形成させる。

 

『Are You Ready?』

 

京輔「変身!!!」

 

『シュワッと弾ける!』

ラビットタンクスパークリング!

『イエイ!イエーイ!』

 

仮面ライダービルド・ラビットタンクスパークリングフォームへ変身した。

 

アルテミス「・・・ハァッ!!」

 

京輔「ダァッ!!」

 

ドリスクラッシャーとユグドラシルが激突する。

 

京輔「ハァッ!!」

 

フルボトルバスターを握り、ユグドラシルの攻撃を防ぐ。

 

アルテミス「ハァッ!!」

 

京輔「フッ!!」

 

ユグドラシルの攻撃をジャンプで避け。

 

京輔「ダァッ!!」

 

アルテミス「アアアアア!!!」

 

ドリルクラッシャーがアルテミスの右腕を粉砕した。

 

アルテミス「フフッ。」

 

だが、アルテミスの右腕がナノマシンの力で一瞬で再生した。

 

アルテミス「無駄よ。私に死と言う概念は存在しない。」

 

京輔「ナノマシンは、リリィの悪影響を無くす医学だろ!!それを自分の為だけに使うのかよ!!」

 

アルテミス「・・・・・」

 

京輔「クッ!!」

 

ドリルクラッシャーをガンモードにし、サメフルボトルを装填した。

 

『Ready Go!!』

『ボルテック・ブレイク!』

 

銃口からサメ型の弾丸を連射した。

 

アルテミス「グッ!!」

 

サメ型の弾丸がアルテミスを貫いたが、アルテミスの身体は再生するばかり。

 

京輔「はぁ・・・はぁ・・・」

 

アルテミス「その程度かしら?」

 

”ギイィィン!!”

 

アルテミス「ッ!?な、何!?」

 

体内でサメ型の弾丸がアルテミスの胴体を喰い荒らしている。

 

アルテミス「貴様・・・!!」

 

京輔「ッ!!」

 

ボルテックレバーを回す。

 

『Ready Go!!』

『スパークリングフィニッシュ!』

 

アルテミス「がはっ!!」

 

打撃で無数の泡を撒き散らしながらアルテミスを攻撃した。

 

京輔「ダアァァァァ!!!」

 

アルテミス「ぐああああああああ!!!!」

 

大ジャンプからのスパークリングフィニッシュが、アルテミスを直撃した。

 

アルテミス「がはっ・・・!」

 

京輔「世界を滅ぼすハザードトリガーを渡せ!!」

 

アルテミス「・・・違う!!」

 

台に刺さってるグングニルを引き抜いた。

 

アルテミス「楽園を創造するトリガーよ!!!!」

 

『ブラッドオン!』

 

ブラッドトリガーをグングニルに装填した。

 

京輔「何!?」

 

赤色の刃が空に伸びた。

 

京輔「クッ!!止めろおおォォォォーーーーーーー!!!!!!」

 

アルテミス「ハアアァァァァァァ!!!!!!」

 

グングニルを下に突き刺した。巨大な光が降り注いだ。

 

『消しゴム!』

『タートル!』

『クジラ!』

『ダイヤモンド!』

 

『アルティメットマッチデース!』

『アルティメットマッチブレイク!』

 

京輔「ハァッ!!!!」

 

クジラ級の巨大バリアを展開し、巨大な光を防御する。

 

京輔「グッ・・・!!!」

 

 

 

 

祈りを捧げてる信者達が一目散に逃げ出す。

 

 

 

 

京輔「クッ・・・!うおおおおおおおおおお!!!!!!」

 

巨大な光が、儀式の間を直撃し大爆発を起こした。

 

 

 

 

 

 

梨璃「あ・・・!!」

 

叶星「あれは・・・!!」

 

 

 

 

 

 

破壊された儀式の間。

 

京輔「くそッ・・・!!」

 

満身創痍の京輔が、力を振り絞って立ち上がる。

 

京輔「何で・・・こんな事をするんだ・・・!」

 

アルテミス「・・・・」

 

地面に突き刺さってるグングニルを引き抜いた。

 

アルテミス「・・・・・」

 

グングニルを持って、何処かへ去って行った。

 

京輔「待ちやがれ・・・!!」

 

アルテミスを追う。

 

 

 

 

 

 

百合ヶ丘女学院・理事長室。

 

天葉「さっきの爆発は・・・」

 

壱「先生・・・」

 

坂崎「信者が全滅・・・!?」

 

亜羅椰「信者?」

 

クラトス「お前達の正体を言え。アルテミスの仲間じゃないのか?」

 

坂崎「フンッ。私は何も喋らないわ。」

 

クラトス「・・・理事長代行。」

 

高松「よかろう。」

 

クラトス「許可が降りた。アールヴヘイム。ボディチェックだ。」

 

坂崎「・・・・!!」

 

アールヴヘイムが坂崎のボディチェックを開始した。

 

 

 

 

ボディチェックの結果、日用品や非常食等の物が出て来た。

 

坂崎「私は何も持ってない!」

 

クラトス「このアタッシュケースには何が入ってるんだ?」

 

パスワード付きの黒いアタッシュケース。

 

坂崎「私は絶対に喋らない!!」

 

高松「ならばこっちに考えがある。アールヴヘイム。」

 

壱「はい。」

 

アールヴヘイムがそれぞれのCHARMを握った。

 

クラトス「よっ。」

 

縛られてる坂崎を窓側へ配置した。

 

坂崎「え・・・嘘でしょ・・・?」

 

依奈「嘘じゃありませんよ?至って本気です。」

 

アールヴヘイムが坂崎に銃口を向けた。

 

坂崎「え・・・ちょっと・・・」

 

壱「打て!!」

 

アールヴヘイムが弾丸を発射。坂崎に当たらないようわざと外して。

 

坂崎「い・・・嫌・・・!」

 

眞悠里「坂崎教官。このままだとどうなるか。」

 

祀「もうお分かりですよね?」

 

史房「素直に白杖して下さい。」

 

クラトス「最後の通告だ。どうする?このまま尋問を超えた拷問を受けるか?」

 

拳銃を坂崎に向けた。

 

坂崎「分かった!!言う!!言います!!8739よ!!」

 

樟美「あ、落ちた。」

 

百由「オッケー♪」

 

アタッシュケースのパスワードを入力した。

 

樟美「開いた。」

 

アタッシュケースの中に入っていたのは、USBメモリだった。

 

百由「このメモリ、工廠科に存在してませんよ?」

 

坂崎「アルテミスから送られたUSBメモリよ。ラフレシアの為の。」

 

クラトス「ラフレシア?」

 

 

 

 

 

 

西港エリア。二水がパスワードにrafflesiaを入力した。

 

二水「ヒットしました!」

 

ラフレシアのサイトが開いた。

 

楓「あのグングニルの使用者の位置情報ですわね。」

 

雨嘉「場所は・・・都内のネットカフェ?」

 

一葉「皆さん、行きましょう!」

 

セレス「ええ。」

 

梨璃「・・・」

 

夢結「梨璃?」

 

梨璃「私、先生が心配で・・・」

 

夢結「・・・分かった。皆は先に行ってて。」

 

千香瑠「ええ。」

 

梨璃と夢結は京輔の元へ向かう。

 

セレス「乗って!」

 

近くに停めてるワゴン車に乗り、特定のネットカフェへ向かう。

 

 

 

 

 

 

百合ヶ丘女学院・理事長室。

 

坂崎「ラフレシアは、破滅願望の人間が集まる闇サイト。」

 

依奈「破滅願望!?」

 

坂崎「サイトの接続者は、世界中で1億人は存在している。」

 

亜羅椰「どう言う事?1億人の接続者って?」

 

坂崎「管理人のアルテミスは、私達にとって教祖なの!!」

 

するとクラトスに通信が入った。

 

クラトス「楓、どうした?」

 

楓『クラトスさん、信者の実態が分かりましたわ。セレスさんの解析結果によると、アルテミスと信者達もナノマシンの集合体だったんです。』

 

クラトス「成る程。つまり、AIナノマシンを制御してアバターを作り出していた。と言う訳か。」

 

坂崎「ええ、そうよ。」

 

高松「アバターか・・・世界中で1億人の信者が存在するのも合点が行く。」

 

 

 

 

 

 

都内のメンタルクリニック。

 

看護師「アルテミスを見失った・・・」

 

デスクの引き出しからUSBメモリを出し、パソコンに接続した。

 

 

 

 

アバターの中には、専業主婦やプロゲーマー。更にOLも存在していた。

 

 

 

 

坂崎「私達は、そのメモリを使ってアバターを操作して・・・人々を襲い、世界を破壊しようとした。アルテミスの言う通りにすれば、楽園へ行けると思って。」

 

 

 

 

 

 

ログインしたアバター達が、破壊された儀式の間を目の当たりにした。

 

カルミア「何が起きているの?」

 

 

 

 

 

 

都内のネットカフェ。

 

ユーザー「楽園ユートピア創造の為に。うわっ!?」

 

個室のドアが開き、セレスがユーザーを引っ張った。

 

セレス「逃がさないわ。」

 

叶星「・・・ネットカフェの難民ですね。」

 

千香瑠「藍ちゃん。」

 

藍「任せて〜。」

 

ユーザー「キャアアアーーーーー!!!!!」

 

藍の関節攻撃で、ユーザーがノックアウトした。楓がUSBメモリをパソコンから抜いて回収した。

 

楓「アバターを操っていた本体を突き止めましたわ。」

 

 

 

 

 

 

儀式の間付近。セレス達の妨害でネットカフェ難民がログアウトし、アバターが消滅、ログアウトした。

 

 

 

 

 

 

楓「彼女達のUSBメモリを分析すれば、ラフレシアのサーバーの場所が分かるはずですわ。」

 

セレス「特定したわ。」

 

サーバーの場所は、台東区にあるビル。

 

神琳「クラトスさん、今データを送ります。」

 

サーバーの位置情報のデータをクラトスに転送した。

 

 

 

 

 

 

百合ヶ丘女学院・理事長室。

 

クラトス「サーバーを破壊すれば、世界中のナノマシンが完全に消滅する。」

 

坂崎「無駄よ!!あなた達じゃ、アルテミスは止められない!!!」

 

百由「はいはい。警察が来るまで大人しくFBIに監視されなさい。」

 

坂崎「・・・あなた達は怖くないの?もうすぐ世界が終わるのよ!?ヒュージによる人類滅亡よりも先に!!」

 

天葉「確かに私達は怖いですよ。けど、私達には希望があるんですよ。」

 

樟美「一柳隊。稲葉京輔先生、仮面ライダービルドと仁科龍馬先生、仮面ライダークローズです。」

 

 

 

 

 

 

その頃京輔は、アルテミスを追っていた。

 

 

 

 

 

 

壱「先生や、一柳隊や先生達を信じてここに居る。」

 

高松「彼女達と彼等。あの子達を信じようじゃないか。」

 

坂崎「・・・・・・・」

 

『To Be Continued・・・』



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COUNT2・血塗られたトリガー

残り時間24分50秒。儀式の間・跡地。

 

梨璃「・・・・」

 

夢結「酷い有様ね・・・」

 

梨璃「先生は何処に・・・?」

 

夢結「・・・ここには居ない。居る気配はないわ。」

 

梨璃「・・・・・」

 

夢結「梨璃?」

 

梨璃「お姉様・・・何だか、胸騒ぎがします・・・先生が居なくなっちゃうような・・・」

 

不安になる梨璃を、夢結が優しく抱いて落ち着かせる。

 

夢結「大丈夫よ。先生はそう簡単に倒れはしないわ。あなたも知ってるでしょ?」

 

梨璃「お姉様・・・」

 

夢結「さ、早く探しに行きましょ?」

 

梨璃「・・・はい!」

 

 

 

 

 

 

京輔「はぁ・・・はぁ・・・」

 

満身創痍の京輔が、アルテミスを追う。

 

京輔「っ・・・!」

 

ウォッチビルダーを見る。時刻は12時36分。

 

京輔「後24分・・・時間がない・・・アルテミス・・・お前を止める・・・!」

 

 

 

 

 

 

残り時間24分21秒。セレス達は、ラフレシアのアジトに居た。

 

二水「あれです。彼処にラフレシアのサーバーが。」

 

一葉「あれを破壊すれば、ナノマシンが止まるんですね。」

 

神琳「行きましょう。」

 

シクラメン「それ以上の侵入は許可出来ないよ。」

 

アジサイ「ここは私達の、楽園。」

 

背後にシクラメンとアジサイ、そして信者達が立っていた。彼女達はグングニルを握った。

 

楓「しつこいですわね。」

 

叶星「セレスさんは先に行って下さい。ここは私達が。」

 

セレス「頼むわ。」

 

先にセレスがアジトへ走って行った。

 

信者達「ハアアァァァァ!!!」

 

迫り来る信者達を、二水達が戦う。

 

雨嘉「そこ!」

 

アステリオンの弾丸が、3人の信者達に命中した。

 

藍「そ〜れっ!」

 

モンドラゴンが1人の信者を突き飛ばした。

 

灯莉「えいっ!!」

 

マルテが信者2人を両断した。

 

アジサイ「行くぞ!!」

 

シクラメン「フッ!」

 

ミリアム「おっと!」

 

グングニルの弾丸をミョルニールで叩き壊した。

 

ミリアム「よっと!そりゃああ!!」

 

アジサイ「クッ!チィッ!!」

 

ミリアムがアジサイを押している。

 

シクラメン「クッ!」

 

雨嘉「させない!!」

 

アステリオンの弾丸が、シクラメンの足元に着弾した。

 

シクラメン「もう!!当たれ!当たれ!!」

 

グングニルの弾丸を乱射する。

 

ミリアム「クッ!!」

 

弾丸をミョルニールで防ぐ。

 

ミリアム「彼奴、乱心しておるな!」

 

アジサイ「終わりだ!!!」

 

ノインヴェルト戦術の弾丸を装填し、シクラメンとアジサイのグングニルが重なってマギスフィアが巨大化し、放たれた。

 

藍「ッ!!」

 

ルナティックトランサーを発動した藍が、マギスフィアを破壊した。

 

一葉「藍様!」

 

藍「皆を死なせない!」

 

シクラメン・アジサイ「うわああああああ!!!」

 

ルナティックトランサーの高速技で、シクラメンとアジサイを両断した。

 

藍「・・・・・」

 

 

 

 

 

 

残り時間22分45秒。儀式の間・跡地にカルミアと信者達が訪れた。

 

カルミア「可笑しい・・・まさか・・・!」

 

 

 

 

 

 

残り時間22分32秒。廃教会。

 

アルテミス「楽園の完成まで、もうすぐよ。麻依。」

 

彼女の右手には、ラピスラズリのブレスレットがあった。

 

”バアァァン!!”

 

教会のドアを開けた京輔が現れた。

 

京輔「アルテミス!」

 

アルテミス「来たわね。」

 

京輔「・・・っ!?」

 

教会を見渡すと、データ化された教会と同じだと言う事に気付いた。

 

アルテミス「これで儀式は完了したわ。世界を滅ぼす。」

 

台にグングニルを突き刺す。カウントダウンが動いた。

 

京輔「まだ時間じゃないハズだ!!」

 

アルテミス「それは、どうかしら?」

 

懐から、ブラッドトリガーを取り出した。

 

『マックスブラッドオン!』

 

京輔「止めろ!!!」

 

走り出して、ブラッドトリガーを奪おうとする。

 

アルテミス「クッ!離せ!!」

 

京輔「うおおおおおおお!!!!」

 

アルテミス「こんの!!!」

 

京輔「ガハッ!!」

 

ブラッドトリガーを手放さない京輔を投げ倒した。だが、ブラッドトリガーは京輔に奪われてしまった。

 

京輔「ッ!!ッ!!」

 

ブラッドトリガーを地面に叩き付けるが、壊れない。

 

京輔「止まれェ!!!!」

 

上へ投げて、ドリルクラッシャーで叩き付ける。しかし、ブラッドトリガーは止まらない。

 

京輔「・・・そう簡単に壊れないか・・・・・・・・・皆・・・・・」

 

 

 

 

出会った仲間達の思い出がフラッシュバックした。

 

 

 

 

京輔「すまない・・・・もうこの手しかない!!!!!」

 

ブラッドトリガーのトリガーを再度押した。

 

『マックスブラッドオン!』

 

ビルドドライバーにブラッドトリガーを挿入した。

 

京輔「グッ・・・!!!グオオオアアアアアア!!!!!!」

 

全身に電撃が走る。

 

アルテミス「それは、人間の体で使うのは不可能。あなたが仮面ライダーであっても。死ぬつもり?」

 

それでも京輔は、ラビットフルボトルとタンクフルボトルを振る。

 

京輔「世界中と・・・ラブアンドピースの為になら・・・死んでも構わねえ!!!」

 

『ラビット!』

『タンク!』

『ハイパーベストマッチ!』

 

『ドンテンカン!ドーンテンカン!』

『ドンテンカン!ドーンテンカン!』

 

ボルテックレバーを回すと、流血するハザードライドビルダーが形成された。

 

『ガタガタゴットン!ズッタンズタン!』

『ガタガタゴットン!ズッタンズタン!』

 

『Are You Ready?』

 

京輔「変身!!!!!!!」

 

彼の周囲に赤色の衝撃波が放たれた。

 

アルテミス「ッ!!」

 

そして、京輔の全身に血液が巡回した。

 

『アウトコントロールスイッチ!』

『ブラッドハザード!』

『シネーイ!』

 

仮面ライダービルド・ラビットタンクブラッドフォームに変身した。

 

京輔「あ・・・アアアアアアアアア!!!!!!」

 

しかし、ブラッドトリガーの力でビルドが暴走を始めた。

 

京輔「アアアアアアアア!!!!」

 

教会に血が巡り、真っ赤な空間へと変貌した。

 

 

 

 

真っ赤な空間。

 

京輔「ッ!!ッ!!!コワス!!!!!」

 

ブラッドトリガーを何度も殴り壊そうとする。

 

アルテミス「止めろ!!!!!」

 

ビルドを押し倒した。

 

アルテミス「それは楽園の為のトリガーよ!!!!!」

 

京輔「ジャマダアアアア!!!!!」

 

アルテミス「グッ・・・!!!」

 

暴走するビルドが、アルテミスの首を絞める。

 

京輔「コワス!!!コワシテヤル!!!!」

 

打撃でアルテミスに何度も殴り続ける。

 

京輔「ジャマヲスルナアアア!!!!!」

 

アルテミス「ぐあああああ!!!」

 

ストレートパンチがアルテミスを殴り飛ばした。

 

京輔「ウオオオオオオオ!!!!!」

 

倒れてるアルテミスにマウントポジションで乗り、何度も殴り続ける。

 

アルテミス「グッ・・・!!!アァッ・・・!!!」

 

京輔「ウゥゥ・・・ウオオオオオアアアアアア!!!!」

 

全身が赤く光り、ビルドが爆発した。

 

アルテミス「アアアアアアア!!!!!」

 

爆発に巻き込まれたアルテミスが吹き飛ばされた。ビルドはまだ暴走している。ブラッドトリガーのスイッチを押して、ボルテックレバーを回す。

 

『マックスブラッドオン!』

 

『Ready Go!!』

 

『オーバーフロー!』

『シネーイ!』

 

京輔「コワレロオオオオオオ!!!!!」

 

大ジャンプからのハザードフィニッシュがアルテミスに迫る。

 

アルテミス「・・・・!!」

 

京輔「ウオオオオオオオオ!!!!!!!」

 

しかし、暴走するビルドを何者かが受け止めた。

 

アルテミス「・・・・!?」

 

ビルドを受け止めたのは・・・

 

 

 

 

 

 

ルナティックトランサーを発動した夢結だった。

 

 

 

 

 

 

夢結「先生・・・!」

 

京輔「ユ・・・ユ・・・」

 

梨璃「先生!!」

 

後ろから梨璃がビルドを抱き締め、レアスキルカリスマの力が暴走するビルドを鎮めた。

 

京輔「リ・・・リ・・・!」

 

夢結「ッ!!」

 

その隙に夢結が、ブラッドトリガーを引き抜いた。

 

 

 

 

データ化された真っ赤な空間が消滅し、元の教会に戻った。

 

京輔「はぁ・・・はぁ・・・」

 

ラビットタンクフォームに戻ったビルドが、2つのフルボトルを抜いて変身解除した。

 

京輔「梨璃・・・夢結・・・どうしてここに・・・?」

 

梨璃「私は・・・いえ、私達は先生を失いたくないんです。」

 

夢結「あなたが死んだら、結梨と同じ末路を辿るかも知れない。だから・・・」

 

京輔「・・・・・そうだな・・・・俺が死んだら・・・・結梨に顔向け出来ないもんな・・・・すまなかった・・・・」

 

アルテミス「・・・・」

 

落ちてるブラッドトリガーを拾った。

 

京輔「アンタのやろうとしてる事は、本当に大切な人を笑顔にする事なのか!!」

 

アルテミス「・・・・」

 

 

 

 

 

 

残り時間17分30秒。ラフレシア・サーバールームにセレスが侵入した。

 

セレス「これは・・・」

 

モニターにナノマシンによって倒れた市民達のデータが表示された。

 

セレス「被害者達のデータ・・・あのナノマシン、被害者達の生体データだけを抜き取ったのね。どうして?」

 

サーバールームの奥に、2つの磔状態の人骨があった。

 

セレス「人骨・・・あ!」

 

その2つの人骨には、人間の脳みそが入っていた。

 

セレス「あの脳みそは・・・」

 

 

 

 

 

 

廃教会。

 

夢結「ん?先生、セレスさんから通信が入ったわ。」

 

京輔「何?セレス。」

 

サーバールームの人骨が表示された。

 

セレス『奴等のサーバーに2つの脳みそが繋がれているわ。』

 

京輔「脳みそ・・・」

 

梨璃「これは一体?」

 

京輔「アルテミスの・・・妹とその婚約者だ。」

 

アルテミス「どうしてそれを?」

 

京輔「アンタが持ってたこのラピスラズリのブレスレット。2人も同じ物を着けてた。」

 

 

 

 

 

 

あの時、グングニルを引き抜こうとする2人の手を見た。ラピスラズリのブレスレットを着けていたのだ。

 

 

 

 

 

 

ラフレシア・サーバールーム。セレスがハッキングして記録を抜き出した。

 

セレス「ナノマシンに関する記録を発見。」

 

 

 

 

 

 

廃教会。

 

セレス『リリィの医療用ナノマシンの被験者第1号が、アルテミスの妹の假屋崎麻依ね。』

 

梨璃「え・・・?」

 

セレス『13年前、ヒュージに対抗する為、リリィの適合者となった假屋崎麻依は、CHARMを駆使して戦った。戦いが終えた彼女はマギスフィアの悪影響を無くす為ナノマシンを投与された。しかし、ヒュージの超音波が彼女の体内を巡回するナノマシンを暴走させ、彼女を殺した。』

 

アルテミス「・・・・・・」

 

梨璃「婚約者の方は?」

 

セレス『婚約者の名は、霧島一彦。彼女の主治医だった男。13年前、假屋崎麻依とヒュージの戦いに巻き込まれて死亡。彼の脳はアルテミスによって保管された。』

 

京輔「アンタは、亡くなった2人の脳をデータ化した。ナノマシンをばら撒いて人間を襲ったように見えたのは、被害者達の脳をデータ化して、2人の世界の住人を増やす為。アンタが創る楽園は、假屋崎麻依と霧島一彦の為の楽園だった。つまり、襲われたのは選ばれた人間で・・・」

 

 

 

 

 

 

一方カルミアは、信者達を率いて廃教会へ向かっている。

 

カルミア「最初から我々を滅ぼす気でいたのか!アルテミス!」

 

 

 

 

 

 

廃教会。

 

アルテミス「私は・・・2人を救えなかった・・・妹と一彦君の人生が・・・私の世界が終わった・・・だからせめて、2人をデータ化して生かした。そして私も人工知能となって、データの世界を創った。」

 

京輔「アンタのやり方は間違っている。何故だ?何故彼女の思いを分かってあげようとしなかったんだ!」

 

アルテミス「麻依は・・・私のせいで死んだのよ・・・あの子をリリィにさせたのは私だった・・・恨んでるに決まってる・・・」

 

京輔「そんな事決まった訳じゃない。」

 

アルテミス「あなたに・・・あなたに何が分かる!!!!」

 

京輔「分かってなかったら、ここまで言う訳ないだろ。俺達も、アンタと同じく大切な人を失ったんだ・・・」

 

梨璃・夢結「・・・・・」

 

京輔「でもその人は、俺達を恨む事なく信じ続けたんだ。信じたが、彼女は自らの意思でこの世を去ってしまった・・・でもアンタは違う!アンタは自分の妹を殺したかも知れない・・・だがアンタは!!自分の妹とその婚約者の心を救ったんだ!!2人の心は今でも生きているんだ!!ずっと・・・アンタを待ってるんだ・・・アンタの大切な妹と彼女の婚約者を。」

 

アルテミス「・・・麻依・・・一彦君・・・」

 

意を決したアルテミスがグングニルのカウントダウンを止めに走った。

 

 

 

 

 

 

”バァンッ!!!”

 

 

 

 

 

 

アルテミス「グッ!?」

 

しかし、グングニルの弾丸がアルテミスの体を貫いた。

 

カルミア「・・・・・」

 

アルテミス「アンタ・・・!!」

 

貫かれた体は、ナノマシンですぐに再生した。

 

カルミア「約束の時間より早くトリガーを使って信者を滅ぼした理由が、まさか妹とその婚約者の為だったとは。」

 

アルテミス「理由が分かった所で、アンタ達の思い通りにはさせない・・・アンタ達を、麻依と一彦君の所へは行かせない!!」

 

カルミア「いえ。この世界を滅ぼして、私達の楽園を変えるのよ!ここからが、私が楽園の創造主となる。」

 

アルテミスが羽織っていたローブを羽織り、右手にユグドラシルを生成した。

 

京輔「・・・・!!」

 

カルミアがグングニルを引き抜いた。

 

アルテミス「ッ!!」

 

カルミア「後10分でこの世界は滅びる。」

 

ブラッドトリガーをグングニルに装填した。

 

京輔「アルテミス。」

 

ラピスラズリのブレスレットをアルテミスに渡した。

 

京輔「俺達も手伝う。アンタは2人の元へ行くんだ。」

 

アルテミス「・・・ええ。」

 

京輔「行くぞ!!」

 

梨璃・夢結「はい!」

 

4人がラフレシアのアジトへ走る。

 

カルミア「逃すな!!追え!!」

 

信者達が4人を追う。

 

『To Be Continued・・・』



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COUNT1・ユートピアの世界

残り時間8分11秒。ラフレシアのアジト。

 

楓「はぁ・・・はぁ・・・」

 

恋花「しつこいわね本当・・・」

 

信者達の戦いで体力が消耗している。

 

アジサイ「私達を騙すなんて!!」

 

ホウセンカ「じゃ〜さ。アルテミスの妹とその婚約者をぶっ殺しちゃおうよ〜。」

 

叶星「え・・・!?」

 

高嶺「簡単に言うとは、良い度胸ね・・・」

 

シクラメン「もうあなた達に用はないわ。」

 

 

 

 

アジトからセレスが出て来た。

 

 

 

 

セレス「あなた達は本当、心底愚かね。」

 

シクラメン「ただの人間1人で何が出来るの?」

 

これだけの無数の信者達に、真っ当に戦えるのはセレスただ1人。

 

セレス「それが、1人じゃないんだよね〜♪」

 

そこに、クラトスが合流した。

 

クラトス「所詮はアバターでしか活きれない烏合の衆か。」

 

ホウセンカ・シクラメン・アジサイ「・・・!!」

 

更に、百由も合流した。

 

百由「アルテミスの思いに比べたら、あなた達に同情の余地なんて1ミリもありませ〜ん。」

 

ホウセンカ・シクラメン・アジサイ「黙れ!!!!」

 

自暴自棄になった3人が弾丸を連射する。

 

百由「よっと!そーれっと!」

 

アステリオンで弾丸を弾く。

 

 

 

 

クラトス「ハァッ!!ダァッ!!フッ!!!」

 

信者達を肉弾戦と拳銃で戦う。

 

 

 

 

百由「よっと!よいしょー!」

 

華麗に踊りながら信者達と戦う。

 

 

 

 

セレス「フッ!ハッ!」

 

信者達をアクロバティックに戦う。

 

 

 

 

クラトス「セレス。百由。流石に3人じゃ無理があるな。」

 

百由「だねぇ。キリがないよ。」

 

すると何処からか弾丸が飛び、4人の信者を倒した。

 

クラトス・セレス・百由「ッ!?」

 

 

 

 

 

 

梅「悪い!遅くなったぞ!」

 

龍馬「皆揃ったみたいだな!」

 

 

 

 

 

 

通信が途絶えた龍馬と梅が合流した。

 

二水「龍馬先生!」

 

鶴紗「梅様!」

 

???「私達も居ますよ!!」

 

 

 

 

 

 

京輔、梨璃、夢結、アルテミスも合流した。

 

 

 

 

 

 

二水「梨璃さん!夢結様!京輔先生!」

 

楓「梨璃さーーん!」

 

アルテミス「・・・・・」

 

セレス「あなたがアルテミスね。」

 

アルテミス「ええ・・・」

 

セレス「彼処で2人が待ってるわ。行きましょ?」

 

アルテミス「・・・勿論よ!」

 

クラトス「皆、頼むぞ。」

 

百由「頑張ってね。」

 

4人はアジトへ走り出す。

 

京輔「皆、大丈夫か?」

 

バイザーにスマホフルボトルを装填。表示された液晶から回復アプリをタップ。すると、体力が消耗したリリィ達が一瞬で回復した。

 

一葉「京輔様、ありがとうございます。」

 

瑤「助かったわ。」

 

シクラメン「あなた達に楽園への切符はない!!!」

 

千香瑠「楽園・・・知らないのかしら?この世界も楽園そのものよ。」

 

リリィ達の前に、京輔と龍馬が立つ。

 

京輔「さぁ、実験を始めようか!」

 

「グレート!」

『オールイエイ!』

 

『ジーニアス!」

 

『ボトルバーン!』

『クローズマグマ!』

 

『イエイ!』

「イエイ!」

『イエイ!』

「イエイ!」

 

『Are you ready?』

 

京輔・龍馬「変身!」

 

『完全無欠のボトルヤロー!』

『ビルドジーニアス!』

『スゲーイ!』

『モノスゲーイ!』

 

『極熱筋肉!』

『クローズマグマ!』

『アーチャチャチャチャチャチャチャチャチャアチャー!』

 

仮面ライダービルド・ジーニアスフォームと仮面ライダークローズマグマに変身した。

 

京輔「一柳隊、ヘルヴォル、グラン・エプレ・・・出撃!!!」

 

全員が一斉に走り出す。

 

カルミア「無駄な足掻きを。」

 

 

 

 

一柳隊がホウセンカ、ヘルヴォルがシクラメン、グラン・エプレがアジサイと戦う。

 

 

 

 

京輔「ダァッ!!ドリャアア!!」

 

龍馬「ハァッ!ドルァ!!」

 

カルミア「フッ!ハァッ!!」

 

ビルドとクローズマグマはカルミアと戦う。

 

 

 

 

 

 

鶴紗「ハァッ!!」

 

梅「フッ!!」

 

二水「えいっ!!」

 

走り出した3人が、ティルフィングとタンキエムとグングニルで信者達を切り裂く。

 

雨嘉「そこっ!!」

 

神琳「ハァッ!!」

 

アステリオンの弾丸と投げたマソレリックが信者達を撃破した。

 

ミリアム「そりゃああああ!!!」

 

楓「私達の力、思い知りなさい!!!」

 

ミョルニールで地面を叩いて信者達を宙に舞い上がらせ、ジョワユーズで宙に舞った信者達を切り裂いた。

 

梨璃・夢結「ヤアアァァァァァ!!!」

 

ホウセンカ「ぐあああああああ!!!」

 

グングニルとブリューナクがホウセンカを切り裂いた。

 

 

 

 

一葉「皆さん!行きましょう!」

 

藍・恋花・瑤・千香瑠「ハアアアァァァァ!!!」

 

シクラメン「アアアアアアアア!!」

 

 

 

 

グラン・エプレ「ヤアアァァァァ!!!!」

 

アジサイ「うわああああああああ!!!!」

 

 

 

 

信者達を倒したが。

 

ホウセンカ「無駄・・・無駄・・・無駄ああああああああ!!!!!」

 

幾ら倒しても、信者達は何度もログインするばかり。

 

叶星「キリがない・・・!」

 

梨璃「このままじゃ・・・!」

 

 

 

 

 

 

残り時間4分26秒。ラフレシアのアジト通用口。

 

アルテミス「麻依・・・一彦君・・・」

 

信者「待て!ここから先へは行かせない。」

 

20人の信者達が4人の行手を塞いだ。

 

信者「この裏切り者が!!!」

 

百由「おっと!!」

 

アステリオンで信者のグングニルを防いだ。

 

百由「もう!少しは頭を冷やしなさいよ!」

 

信者「邪魔よ!!やりなさい!!」

 

他の信者達が3人を襲うが。

 

 

 

 

汐里・閑「ハァッ!!」

 

 

 

 

駆け付けた水夕会とシュバルツグレイルが信者達と戦う。

 

汐里「ここは任せて下さい!」

 

閑「早く行って!」

 

百由「早く!」

 

アルテミス「・・・ありがとう!」

 

クラトス「行こう!」

 

 

 

 

 

 

サーバールーム。

 

アルテミス「麻依・・・一彦君・・・あなた達、あの子達に伝えてくれる?世界を滅ぼそうとして、ごめんなさいって。」

 

クラトス「ああ、ちゃんと伝えとく。」

 

セレス「だから、向こうの世界で幸せにね。」

 

アルテミス「・・・ええ。」

 

人骨の前にある赤いスイッチを押すと、アルテミスがナノマシンと化して2つの人骨へ入って行った。

 

 

 

 

 

 

残り時間3分37秒。

 

『Ready Go!!』

 

『ボルケニック・フィニッシュ!』

『アーチャチャチャチャチャチャー!』

 

龍馬「ドラララララララララ!!!!!」

 

ボルケニック・フィニッシュのラッシュで信者達を倒した。

 

『ワンサイド!』

 

京輔「ハァッ!!」

 

カルミア「ぐっ!!」

 

ライダーパンチがカルミアに直撃した。

 

カルミア「ハッハッハッ!!!」

 

ユグドラシルをビルドに振り下ろそうとしたが。

 

龍馬「ドルァ!!」

 

ビートクローザーでユグドラシルを弾いた。

 

カルミア「チッ!邪魔するな!!」

 

京輔「龍馬。行くぞ!!」

 

龍馬「あぁ!!」

 

カルミア「ウオオオオ!!!」

 

『ボルケニックナックル!』

『アチャー!』

 

『逆サイド!』

 

京輔・龍馬「ダリャリャリャリャ!!!」

 

カルミア「ぐっ!!」

 

キックとマグマナックルでカルミアを押す。

 

 

 

 

 

 

梅「行くぞ!!」

 

レアスキル縮地を発動。超高速で砂埃を巻き起こして信者達を1箇所に集めた。

 

一柳隊「ヤアアアァァァァ!!!」

 

ヘルヴォル「タアアァァァァ!!!」

 

グラン・エプレ「ハアアアァァァ!!!」

 

一柳隊、ヘルヴォル、グラン・エプレの順に信者達を切り裂いた。信者達は完全にログアウトした。

 

 

 

 

 

 

楽園・教会。

 

アルテミス「・・・・!」

 

教会に入ったアルテミスだが、麻依と一彦の姿が何処にも無かった。

 

アルテミス「・・・・・」

 

台の上に、ラピスラズリのブレスレットがあった。

 

アルテミス「麻依・・・・」

 

ラピスラズリのブレスレットを握り締め、その場で泣き崩れた。

 

麻依「お姉ちゃん。」

 

ウエディングドレスを纏った麻依が、アルテミスを後ろから抱擁した。

 

麻依「お姉ちゃん・・・」

 

アルテミス「・・・・・」

 

一彦「お義姉さん。」

 

そこに、白いタキシードを纏った一彦も来た。

 

アルテミス「一彦君・・・・ごめんなさい・・・・2人を救えなかった・・・・」

 

麻依「ううん・・・お姉ちゃんのせいじゃない・・・」

 

 

 

 

楽園で、麻依と一彦の結婚式が執り行われた。

 

アルテミス「綺麗よ・・・2人共・・・」

 

3人はこの楽園で、新しい人生を歩み始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

残り時間1分30秒。

 

カルミア「こんな世界・・・滅ぼしてやる!!!」

 

『マックスブラッドオン!』

 

ブラッドトリガーのスイッチを押して、ユグドラシルに装填した。

 

カルミア「ハアアァァァァァァァ!!!!!」

 

ユグドラシルから赤い光が発した。

 

 

 

 

3人の戦いに、リリィ達が来た。

 

梨璃「あ!」

 

一葉「カウントダウンが!」

 

叶星「京輔さん!龍馬さん!」

 

 

 

 

京輔「勝利の法則は、決まった!!」

 

龍馬「力が漲る!魂が燃える!俺達のマグマが迸る!!」

 

『ワンサイド!』

『逆サイド!』

『オールサイド!』

 

『Ready Go!!』

 

ビルドとクローズマグマが飛翔し、カルミアの周囲を縦横無尽に飛び回る。

 

龍馬「ハァッ!!」

 

クローズナックルでカルミアを上へ殴り飛ばす。

 

京輔「ダァッ!!」

 

カルミア「ぐああああああああ!!!」

 

上空からビルドが落下し、カルミアにダブルキックして落とした。

 

カルミア「ガハッ!!・・・楽園の創造主は・・・私だああァァァァァ!!!!」

 

ユグドラシルから巨大な刃が発生した。

 

『ジーニアスフィニッシュ!』

 

『ボルケニックアタック!』

『アチャー!』

 

京輔・龍馬「ダアアアァァァァァァ!!!!!!」

 

カルミア「ハアアァァァァァ!!!!!」

 

ダブルライダーキックをユグドラシルが受け止める。カウントダウンが10秒を切った。

 

カルミア「楽園は誰にも渡さない!!!!!!」

 

京輔・龍馬「ダアアアァァァァァァ!!!!!!」

 

カルミア「グアアアアアアアアアア!!!!!!」

 

ダブルライダーキックがカルミアとユグドラシルを貫いた。カルミアとユグドラシルが爆発し、カウントダウンが0.16を残し停止した。

 

 

 

 

ラフレシアのアジトは跡形もなく爆破された。

 

 

 

 

世界各地の信者達が強制ログアウトされ、ナノマシンを搭載した全戦闘機の機能が停止し墜落。それと同時に、被害者達の意識が戻って来た。

 

 

 

 

 

 

その後、世界中の警察、FBIが関与した幹部の身柄を拘束逮捕した。

 

 

 

 

 

 

百合ヶ丘女学院・理事長室。

 

壱「たった60分の出来事だったなんて、今でも信じられないわね。」

 

史房「稲葉先生から連絡が入りました。今から現場から帰還するすると。」

 

高松「そうか。創炎組と一柳隊、ご苦労だったな。」

 

 

 

 

 

 

廃教会。

 

一葉「これで、事件は終息しましたね。」

 

二水「皆さん、協力してくれてありがとうございました。」

 

鶴紗「所で、こうやって集まったのは偶然か?」

 

叶星「いいえ。京輔さんがこうなる事を予想して、ヘルヴォルとグラン・エプレを呼ぶよう召集アプリで呼んだのよ。」

 

高嶺「用意周到よね。」

 

龍馬「未来予知でも目覚めたのかって位だ。」

 

 

 

 

京輔「ありがとう梨璃、夢結。2人のお陰で救われた。」

 

梨璃「いえ、止めたのは京輔先生の思いです。」

 

夢結「あなたの心の中に、まだ生きたいと言う思いが残ってたのよ。」

 

京輔「そうか。ラブアンドピースの為に死ぬってのは俺の口先だけだったみたいだな。」

 

梨璃「アルテミスさん、楽園で幸せに暮らしているんでしょうか?」

 

京輔「彼奴は、麻依さんと一彦さんと再会したんだ。幸せに暮らしているさ。それに、麻依さんと別れる時に、こう言われたんだ。」

 

 

 

 

 

 

楽園から消えようとした時。

 

麻依『アルテミスに伝えて!・・・私達は、元気だよって!』

 

 

 

 

 

 

京輔「アルテミスが彼女にナノマシンを使ったのは、マギスフィアの悪影響の為だけじゃない。彼女の病気を治す為だったんだ。」

 

夢結「つまり、2人は分かり合えたと言う事かしら?」

 

京輔「ああ。心の底からな。」

 

夢結「そうね。」

 

京輔「それに、今の俺達にはまだやるべき事があるしな。」

 

こちらを見ている仲間達を見る。

 

京輔「世界中のヒュージを倒し、本当の楽園を創らなきゃな。」

 

梨璃「はい。その時の創造主は私達リリィでしょうか?」

 

京輔「いやぁ?もしかしたら、この天っ才物理学者の俺かもだぞ?」

 

夢結「その天才が天災にならなきゃ良いけど。」

 

京輔「何おう!?」

 

世界の滅亡は免れ、平和を取り戻した。

 

『THE END』




キャスト

稲葉京輔:千葉翔也

仁科龍馬:畠中祐

一柳梨璃:赤尾ひかる
白井夢結:夏吉ゆうこ
楓・J・ヌーベル:井澤美香子
二川二水:西本りみ
安藤鶴紗:紡木吏佐
吉村・Thi・梅:岩田陽葵
郭神琳:星守紗凪
王雨嘉:遠野ひかる
ミリアム・ヒルデガルド・v・グロピウス:高橋花林

相澤一葉:藤井彩加
佐々木藍:夏目愛海
飯島恋花:石飛恵里花
初鹿野瑶:三村遙佳
芹沢千香瑠:野中深愛

今叶星:前田佳織里
宮川高嶺:磯辺花凜
土岐紅巴:東城咲耶子
丹羽灯莉:進藤あまね
定盛姫歌:富田美憂

クラトス・ティプシー:佐藤拓也
セレス・フィッツランド:高野麻里佳

真島百由:水瀬いのり

田中壱:洲崎綾
天野天葉:津田美波
江川樟美:原田彩楓
遠藤亜羅椰:関根明良
番匠谷依奈:立花理香
出江史房:長妻樹里
秦祀:田中那実
内田眞悠里:櫻川めぐ
六角汐里:高橋李依
伊東閑:七瀬彩夏

高松咬月:中田譲治

假屋崎麻依:伊達さゆり
霧島一彦:梅原裕一郎

坂崎真純:上坂すみれ

カルミア:瀬戸亜沙美
ホウセンカ:早見沙織
シクラメン:佐藤利奈
アジサイ:鎌倉有那

ネットカフェ難民:八木侑紀

信者:衣川里佳
   難波佑香
   長野佑紀
   真野あゆみ

アルテミス:林原めぐみ


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